VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2014/07/27(日) 02:56:06.78 ID:1A7fjqn3o<>
 久々に家に仕事を持ち帰ってきたが、さっぱり終わりそうにない。
 時間を見ると日付はとっくに変わっていて、もうすぐ1時になるというような所だった。

「腹減ったな」

 小腹が減ったから何かを買ってこようとも思ったが、外に行く気分でもない。
 仕方ない、こういう時は気分転換に夜食でも作ろう。


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<>P「深夜1時のグルメ」 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2014/07/27(日) 02:56:38.15 ID:1A7fjqn3o<>
「おお、なかなかだな」

 冷蔵庫の中にはあまり使えそうな食材が残っていなかった。
 今日の晩飯で冷蔵庫の中身整理のチャーハンをやったところだ、当たり前なのか。

「……って、ほうれん草があるじゃないか」

 野菜室を開けてほうれん草を見つけたのを皮切りに、エリンギ、魚肉ソーセージを発見する。
 これでメシを作ろう。
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2014/07/27(日) 02:58:06.50 ID:1A7fjqn3o<>
 トントン、と軽快な音を立てて、魚肉ソーセージを一口サイズに切り分けて。
 ほうれん草はあらかじめ水洗いをしておく。

「よっ、と」ジャー

 バターの香りが心地良い。フライパンに馴染ませたら、早速水洗いしたほうれん草、魚肉ソーセージを投入。
 軽く炒める。
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2014/07/27(日) 02:58:37.61 ID:1A7fjqn3o<>
 冷凍してあった白米をレンジで解凍して、茶碗に装う。
 そこにバター炒めを乗っけただけの、シンプルメシだった。

 だが、これがまたうまい。

「……うん」

 シャキシャキしたほうれん草の食感、これがクセになりそうだ。
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2014/07/27(日) 02:59:11.81 ID:1A7fjqn3o<>
 バターの風味を楽しんだところで、例のアイツを持ってくる。
 少し邪道かも知れないが、ご飯の真ん中に穴を開けて。

「……生卵の登場だ」コンコン パカッ

 夏は飲食店で食えないからこそ、こうやって食いたくなるもんだ。
 真夜中にひとりだけ起きていると、どうも独り言が増えるな。ま、気にしない。

<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2014/07/27(日) 02:59:39.28 ID:1A7fjqn3o<>
「よくかき混ぜて、と」

 ……うん、バターの味が殺されることなく、卵かけご飯と共存している。
 エリンギも全体をぴっちりと締めていて、なんとも絶妙だ。

 箸を動かす手がどんどん進む。
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2014/07/27(日) 03:00:11.31 ID:1A7fjqn3o<>
「うっし、ごちそうさん」

 さあ、片付けよう……と器を持ってシンクに向かうと、キッチンとダイニングの境、
 カウンターに塩むすびが3つ並んでいるのが目についた。

「これ……常温だし、明日の朝には悪くなってそうだな。また握ればいいか」
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2014/07/27(日) 03:01:00.29 ID:1A7fjqn3o<>
 まだ少し口が寂しいので、嫁に無断ながら3つのおにぎりを食べることにした。
 塩むすび、海苔も巻いていないシンプルなモノがたまらなくうまいのだが、

「俺はこれにプラスアルファで……」

 さっきの料理に使えなかった少量の明太子と、おつまみ用のチーズ鱈を冷蔵庫から取り出す。
 痛風が怖いが、とりあえず作りはじめよう。
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2014/07/27(日) 03:01:31.75 ID:1A7fjqn3o<>
 本当はビールも飲みたいのだが、仮にも仕事をしている。そこは我慢だ。

「ん、うまそうだな」

 明太子を、これまた一口サイズに切る。ちょうど平べったくしやすくなった。
 それをすべて合わせてひとつの円盤のようにして、

「酒飲みてぇ……」
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2014/07/27(日) 03:02:01.87 ID:1A7fjqn3o<>
 チーズ鱈の封を開け、まず鱈をすべて剥がす。
 鱈が剥がされたただのチーズを、手で適当に揉んでくしゃくしゃにした。
 細かく砕かれたチーズを明太子の上に乗せて、最後に鱈をトッピング。

「絶対うまいぞ、これ」

 これをつまみながら食う塩むすび。絶品に違いない。
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2014/07/27(日) 03:02:33.26 ID:1A7fjqn3o<>
「いただきます」

 ……我ながら、塩の量も適量だ。濃過ぎず薄過ぎずでうまい。
 そしてそこに、さっき作ったチー鱈明太子。箸をのばす。

「んめー……っ」

 ああ、俺は今世界で一番幸せな男かもしれない。
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2014/07/27(日) 03:03:04.00 ID:1A7fjqn3o<>
 この組み合わせはやっぱりうまい。ずっと食べていられる気がする。
 具が入っているおにぎりではもちろん、その味を尊重しているが……。

「塩だけかかってても満足出来ねぇよな」

 明太子の上にパラパラと乗ったチーズが、また濃厚に口の中でとろける。
 とどめに鱈が最高にマッチする。元々チーズ鱈なんだから、チーズとの相性は抜群。
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2014/07/27(日) 03:03:46.18 ID:1A7fjqn3o<>
 明太子のうまみがたまらない一品だ。

「ビール、一缶だけなら飲んでも良いかな」

 適度に塩味の効いたおにぎりがチー鱈明太子を引き立てている。
 やっぱりビールを飲みたい!
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2014/07/27(日) 03:04:14.86 ID:1A7fjqn3o<>
 ……と、思ったのだが。

「そういやビール、先週飲み切っちゃってから買ってないな」

 残念だ、この料理で酒を楽しめないとは……。
 次に作るときはビールを用意しようと決意し、俺は再びノートパソコンを見つめた。
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2014/07/27(日) 03:04:47.78 ID:1A7fjqn3o<>
 翌朝、トーストを食べながら朝刊を広げていると、嫁におにぎりが無いことをツッコまれた。

「そういえば、おにぎりとか冷蔵庫の中の明太子とか無くなってたけど、食べちゃった?」

「ああ、悪い。昨日仕事してて夜食代わりに」

「分かったの。お仕事大変だね……」
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2014/07/27(日) 03:05:20.54 ID:1A7fjqn3o<>
「今が売り出し時だからな。美希がアイドルだった時よりも凄いぞ」

「へぇー、すっごく興味あるの! CD買ってみようかなぁ」

 そういえば、昨日作った夜食はかなりカロリーが高い。
 そんなもんを食ってることが嫁に知られたら、こっぴどく叱られそうだ。

 あの夜食は自分だけの秘密にしておこう……。
<> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>saga<>2014/07/27(日) 03:06:05.47 ID:1A7fjqn3o<> ありがとうございました。
ああ、腹が減った。 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2014/07/27(日) 03:09:29.20 ID:V9ItDuBgO<> 何か作るかな… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2014/07/27(日) 03:16:33.39 ID:7EjEqZvMo<> 深夜の一人グルメに見えた 乙 <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2014/07/27(日) 04:03:21.49 ID:Nqm4zgs1o<> 孤独のグルメパロかと思ったら普通に料理だったかおっつおっつ
嫁美希とかなんだ俺得か <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)<>sage<>2014/07/27(日) 08:27:59.27 ID:rqWpJ01o0<> おつおつ!

夜食ってなんであんなにうまいんんだろうね… <> VIPにかわりましてNIPPERがお送りします<>sage<>2014/07/27(日) 21:41:10.73 ID:GGZ2rhRko<> いつだったか伊織とプロデューサーの夜食SSが好きで読んでたな <>