以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2014/12/24(水) 20:49:53.26 ID:EqDghYIoO<>浩子「どしたん?」

泉「どうしたもこうしたもないですよ船久保先輩!」

浩子「なんやせわしないな。年の瀬だからか?」

泉「近からずとも当たらずです」

浩子「なんやそれ。わけわからんな」

泉「えーと、時期のせい、というところは当たりです」

泉「船久保先輩。気付きませんか?この妙な雰囲気」

浩子「……いや?別にいつも通りやん」

泉「船久保先輩ともあろうお方がそんなことでどうするんです!」

浩子「いやーそんなこと言われてもなあ……」

泉「ただの冬の寒さというだけでは片付けられない……むず痒さがそれこそ街中に充満しているこの感じ……」

浩子「ふんふむ……」

浩子「……!」

浩子「ま、まさか……!」

泉「そうです」キリッ



泉「今日はクリスマスっちゅうことです!!!」

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<>二条泉「やべーす!」 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2014/12/24(水) 20:51:09.08 ID:EqDghYIoO<> 浩子「な……!」

泉「そういうことですよ船久保先輩!」

浩子「いや……まさか泉に先に気付かれるような事柄が世にあったなんてな。私もまだまだやな」

泉「先輩……そこは後輩を立ててもいいですやん……」

浩子「それで泉」

泉「はい?」

浩子「率直に言うわ。だからなんや?あと正確には今日はクリスマスイブな」

泉「だ……だからなんやって、どういうことですか!?」

浩子「いや、言葉通りやけど」

泉「そんな……船久保先輩、うら若き乙女とちゃうんですか!?」

浩子「えっ、そやったっけ」

泉「……いや、なんかちゃう気がしてきました」

泉「と、とにかくっ!船久保先輩もこの雰囲気を直に感じたら私の言いたいことが分かるはずです!」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2014/12/24(水) 20:53:40.91 ID:EqDghYIoO<> 浩子「ほう。それで、部室で喋ってたのがいつの間にか街に出てきているわけか」

泉「そういうことです」

泉「見てください船久保先輩。街を行き交うカップルの姿を!」

浩子「ん……」

泉「皆イチャコラこいてますね!ハートマークが身体中から噴出してるように見えませんか!?」

浩子「あ、ああ……確かに」

泉「悔しくありませんか!?」

浩子「ほ?なにが」

泉「だって世間はこんなにもラブラブムードなのに!私にはその、か……」


泉「か、かか、かれ、し……」カァァァァァ


泉「の一人もいないんですよ!?」

浩子「おいなんでそこ照れた」

泉「いいですやん……!私こそうら若き乙女ですから……」

浩子「ったく……」

浩子「つまりあれか。泉もあんな風にいちゃつきたいんやな?」

泉「そ……そりゃもう!」

泉「むしろ船久保先輩がなんでそんな無関心なのか私には理解できません」

浩子「私はもううら若くないからな」

泉「そうですか……」
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2014/12/24(水) 20:56:44.14 ID:EqDghYIoO<> 浩子「でもそしたらアレや」

泉「?」

浩子「この状況を打破したいんやったら、もうナンパに乗っかるしかないんやないか」

泉「な、ななナンパ!?」

浩子「ああ。そこに立っとれば似た境遇の男子がきっと声かけてくれるで」

泉「そそそんな、純情の化身たる私がななナンパだなんてそんな……」イソイソ

浩子「なにが純情の化身やねん」ビシッ

浩子「それに、体は正直のようやね。しっかり位置についてもうたやん」

浩子「ほな私は遠くから見守っとくわ。達者でなー」スタコラ

泉「あっ、ちょっと……!」

泉「もう、めちゃくちゃやん……」


泉(でも、ナンパか……)

泉(怖い兄ちゃんたちやったらどないしよ……)

泉(でも、かっこいいお兄さんが声かけてくれたり……!?)キャー


……

…… <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2014/12/24(水) 20:58:45.73 ID:EqDghYIoO<> 泉「ぜんぜん声かけられんですやん!!」

浩子「これはもうしゃーないな。どうしようもなく素質の問題や。泣く泣く諦めてもらって」

泉「そんなあ……」

浩子「まあ怖いこと起きんで良かったやん」

泉「そりゃまあそうですけど……なんか寂しいです」

浩子「ほ?」

浩子「……」ニヤッ

浩子「見てみ泉。ナンパされる女性というのは、あのようなオーラを持っとるもんや」

泉「……?」



竜華「……」



泉「あれは清水谷先輩……!」

浩子「そうや。偶然そこで待ち合わせをしている清水谷部長……いや、元・部長か」

泉「細かいことはいいです!しかし、ほんとに都合よくいますね……」

浩子「いいか。よく見とき」



竜華「……」



泉「すれ違うたくさんの男達が清水谷先輩を見ていきますね」



竜華「……」



泉「そして二度見してます!むしろ三度見してます!みんな目がハートになってます!!」

浩子「そういうもんや。オーラのある人は異性を惹き付けるんや」

泉「それ私にオーラがない言うてるようなもんですやん……」

浩子「まあまあ」

泉「しかし清水谷先輩、声もたくさん掛けられてるのに、ことごとくシャットアウトしてますね」

浩子「そやな」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2014/12/24(水) 21:01:01.60 ID:EqDghYIoO<> 泉「そうこう言ってるうちにまた命知らずの輩が清水谷先輩にアタックしに行きますよ……」

浩子「……」






竜華「♪」ダキッ




泉「えっ!?清水谷先輩から抱きついた……!?」

浩子「いや、あれは……!」






怜「♪」



泉「園城寺先輩!」

浩子「なるほどな……」

浩子「泉、そういうことや。世の中にはいろんな愛の形がある」

泉「ふたりとも目がハートマークや……めちゃめちゃ幸せそうですやん……」

浩子「泉はまだ一年や。これから先どんな出会いがあるか分からん。あんまり焦って怪我することはないと思うで」

泉「船久保先輩……」

泉「……」

泉「部室、帰りましょか……」

浩子「そやな」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2014/12/24(水) 21:05:28.56 ID:EqDghYIoO<> 泉「やっぱここは落ち着きますね」

浩子「そやね」

泉「今年は諦めますが……来年は、きっとええ男を掴まえてみせますよ!」

浩子「威勢がええな。その意気で麻雀も頑張って貰いたいな」

泉「そ、それはもちろん……!」アセアセ

浩子「あっ、そうだ」ゴソゴソ

泉「……?」







浩子「メリークリスマスや、泉」サッ




泉「えっ……」

泉「ちょ、これ……クリスマスケーキですやん!」

浩子「そや」

泉「いや、おかしいですやん!「あっ、そうだ」ってアクションおかしいですやん!さっきまで一緒にいてはったのに……!」

浩子「まあ細かいことは気にせんの」

泉「もう……船久保先輩は油断出来ませんね……」

浩子「なんや、いらんのなら私ひとりで食べるで?」

泉「もちろんいるに決まってますやん!」

泉「……ありがとうございます」

浩子「おっ、ホレたか?」

泉「まさか!私はそういう趣味ないんで!」




泉「……でも、危なかったですわ」ボソッ

浩子「んー?」ニヤニヤ

泉「な、なんでもないですって!じょうだんですじょうだん!」






セーラ「おーっす」ガラッ




泉「♪」ワイワイ

浩子「♪」キャッキャッ





セーラ「……なんやこの雰囲気」


カンッ! <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2014/12/24(水) 21:06:36.47 ID:EqDghYIoO<> 終わりです
ありがとうございました <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2014/12/24(水) 21:34:28.68 ID:4nQ1PH5DO<> 乙です <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2014/12/24(水) 22:00:52.20 ID:XqEHHfL4o<> 乙
こういうの好き <>