以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2015/02/19(木) 15:10:56.72 ID:Mk/oZRJAO<>

登場人物

ソウラ
ウェディ、男、戦士
ドラゴンに憧れを抱く、冒険者の少年


謎の戦士
人間、男、戦士

冥竜王の使い
魔族?、男、???




SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1424326256
<>ソウラ「勇者の家庭教師」(ドラゴンクエスト、ダイの大冒険&蒼天のソウラ) 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2015/02/19(木) 15:16:01.08 ID:Mk/oZRJAO<>
蒼天のソウラ・前回までのあらすじ
魔公子イシュマリクを追い詰めたかに見えたソウラ達だったが、黒い龍脈(ライン)の力により形勢は逆転。
イシュマリクが放った一撃により、パーティーは壊滅状態となってしまう。


イシュマリク「…そして今はもうただの敵だ。ここで死ね、鬼面の戦士」

アレック「何してるソウラ!かわさんか!!」

マリク「拡大轟風呪文(エクス・バグ)」ギュワッ…コォオォオオ

ソウラ「えっ…」

マリク「フォースギガブレイク《風(ビエンド)》!!」

シュゥッガァアアアアァアアッ!!


ソウラ「うっ…ぅ、あ…あぁああああっ!?」

キュゴォオッ


ズドォオオオ……ン…



……


ソウラ「…………ぅ」


ソウラ「……っ、…なにが…どうなったんだ……」ムクリ

ソウラ(…広がる海……白い砂浜…………そして、澄んだ青空……けど、ウェナの空とは違う…)

ソウラ「どこだ…ここ…!?」キョロキョロ

ソウラ(だいたい俺、カルサドラ火山にいたハズだよな!?…それで、操られた勇者ユルールが襲ってきて……その洗脳を解いたと思ったら…魔族の親玉が…っ)

ソウラ「……そうだ、俺…龍脈(ライン)で拡大された一撃を受けて……」


ソウラ(俺……死んだのか…?…ならここがあの世ってやつ…)

ソウラ「いやっ違う」ブンブン

ソウラ「こんなとこでっ…みんなを残して死ねるわけねぇ!そうだ…身体の痛みもある……俺は死んでない!早く戻らなけりゃ…アズがっ」

ソウラ(けど…どうやって!?だいたいここはどこなんだよ!)

ザザーン…ザブザザー…ン…

ソウラ「くっそぉおお!」


???「…フ、あれだけ叫ぶ元気があるなら、すぐに始めても良さそうだな」

ザブザザー…キィーコ…キィーコ…ギギィ
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2015/02/19(木) 15:16:56.26 ID:Mk/oZRJAO<>
ザブザザー…キィーコ…キィーコ…ギギィ

ソウラ「……なんだ?…小舟…に人?」

ソウラ(あの出で立ち…腰の剣……冒険者…いやっ、どっかの国の戦士か!?)



スタッ

戦士「……ふぅ、さて…と」

ソウラ「なぁ!アンタ!ここはどこなんだ!教えてくれ頼む!俺は今すぐカルサドラ火山に戻らなくちゃっアズが…仲間達が!」

戦士「…気持ちは分かるが、少し落ち着け」

ソウラ「悠長なこと言ってる暇はねぇんだ!今にもあいつが…魔族がアズを」

戦士「……魔族。やはりそうか」

ソウラ「!…アンタ、何か知ってるのか…?」

戦士「いや、何も」

ソウラ「なっ」

戦士「だがお前の、仲間を思う気持ちは…よく分かる。早く……みんなの所へ戻りたいという気持ちも」

ソウラ「だったらっ」

戦士「今戻って、何ができる?」

ソウラ「!」

戦士「お前は…負けたんだろう」

ソウラ「それは…」

戦士「そのズタボロの格好と…顔を見れば分かる……」

ソウラ「いや……」

戦士「……」

ソウラ「まだだ…まだ負けてねぇ」

戦士「ほぅ…」

ソウラ「諦めてたまるか…俺は絶対にっ…!」

戦士「その意気や良し。…ならこうしよう」

ソウラ「…?」

戦士「…オレに勝てたら、お前をもといた場所に返してやる」

ソウラ「あ、アンタに勝てたら…」

戦士「ただし負ければ」

ソウラ「…」ゴク…


<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2015/02/19(木) 15:18:24.22 ID:Mk/oZRJAO<>
戦士「……オレの生徒になってもらう」



ソウラ「……は?」

戦士「さぁ…来い!!」

ソウラ「なっ…なんだかよく分かんねぇけど……俺は戻らなくちゃいけないんだ…!」チャキ…


ソウラ「本気でいくぜ!ぅおりゃああああ!」ビュンッ

ガキィイン…!

ソウラ「っ!」

戦士「…いい踏み込みだ。折れた剣で向かってくる度胸も褒めてやる。…だが」

ドガッ!

ソウラ「うぐっ!」

戦士「はぁっ…!」

ソウラ「っ…でりゃああ」

シュンッ

ソウラ「!?…速っ」

ピタッ…

ソウラ(こ、こんな一瞬で、背後をとった上…首筋に剣を…!)

戦士「……フッ、オレの勝ち…だな」

ソウラ「ぅ……く、そぉ…!」

戦士「約束通り、お前にはオレの生徒になってもらう。そして……強くなってもらう。今よりも…………オレよりも…!」

ソウラ「!……あ、アンタ、いったい」


戦士「オレは……勇者の家庭教師。…とでも言っておこうか」

ソウラ「勇者の……家庭教師…?」


<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2015/02/19(木) 15:23:11.55 ID:Mk/oZRJAO<>
ソウラ「な、なんだそりゃあ」

戦士「えーあー」

ソウラ「?」

戦士「…んん、『正義を守り悪を砕く平和の使徒。勇者、賢者、魔法使い。彼らを育てあげ超一流の戦士へと導くのが、私の仕事です』…というわけだ」

ソウラ(棒読みじゃん…)

戦士「さて、早速…特訓を始める」

ソウラ「……」

戦士「…オレの特訓を受ければ、必ず勝てる。……だから今は堪えろ」

ソウラ「…あぁ、分かった。けど特訓を終えたら絶対に」

戦士「もちろん、お前を返してやる」

ソウラ「…よし!…」スゥ

戦士「…?」

ソウラ「ヴェリナード出身!ソウラ!!よろしくお願いします!!」

戦士「…フ、いい気合いだ。まずは…」ググッ…

ドシィィ…ン

戦士「これを斬れ」

ソウラ「こっ…この巨岩を!?」

戦士「今すぐクリアしろ。これは初歩中の初歩だ」

ソウラ「なっ…」


ソウラ(折れた剣で…こんなデカい岩を……しかも、連戦のダメージで身体はもうヘトヘトなのにっ)

戦士「…どうした?できんのか。できなければ返してやれんぞ」

ソウラ「……」チャキ…

ソウラ(やるしかねぇ…こうなったら、正しく……当たって砕けろだ!!)


<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2015/02/19(木) 15:23:59.95 ID:Mk/oZRJAO<>
ソウラ「でりゃあああっ!!」ヒュオッ


ズバァッ!!


ミシ……

ドゴォォオオ…ン…!


ソウラ「ぁ……き、斬れ…た?」

戦士「上出来だ。次は」

ソウラ「な、なんで…」

戦士「……お前の実力だ。できないと感じていたなら……お前自身も知らぬ間に、レベルアップしていたということだろう」

ソウラ「俺自身の…レベルが…」

ソウラ(確かに…ここんところ必死で戦ってきたけど……でもそれは、龍脈の力や、みんなの…仲間のサポートがあったからで……俺、は…)



ドサァッ

戦士「!…その場に倒れ込んで寝てしまうとは。……さすがに体力の限界だったか」ガシッ…ヒョイッ

戦士(充分に休ませんとな…こいつに……自分の身体を痛めつけるような、無茶な戦い方を覚えて欲しくはない…)

スタスタスタ……


……

<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2015/02/19(木) 15:25:05.23 ID:Mk/oZRJAO<>
……

ホー…ホー…


ソウラ「ぐ、ぅ……夢…?」

ソウラ(……じゃないよな。ここはやっぱり、知らない浜辺だ。いつの間にか、夜になってるし、洞穴にいるけど…)

ソウラ「って!俺、寝ちまったのか!?」

ダッ

ソウラ(急いで戻らなきゃいけないってのに…!……あの人はどこだ?)

タッタッタッ…

ソウラ「!…いたっ」


戦士「……起きたか」

ソウラ「わ、悪ぃ、俺寝ちまったみたいで。今すぐ特訓を」

戦士「ダメだ」

ソウラ「なっなんで!」

戦士「日が昇るまで待て。どのみちその状態では…最後までやりきるのは無理だ。せめて少しだけでも、体力を回復させろ」

ソウラ「……くっ」

戦士「…仲間が、心配か」

ソウラ「……」

戦士「……信じてやれ」

ソウラ「…!」

戦士「お前は間に合う。…そのぐらいの時間、仲間達がどうにかしてくれる。きっと……お前が来ることを信じて…!」

ソウラ「……ありがとう、先生。…そうだよな。みんながいるんだ…あんなに、頼りになる仲間達が」

戦士「…先生か。……なんともこそばゆいものだ」


<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2015/02/19(木) 15:26:15.84 ID:Mk/oZRJAO<>
ソウラ「けど……それでも不安になるのは…あの敵」

戦士「魔族だと言ったか。…強いのか?」

ソウラ「あぁ…そりゃ、強いのは、とんでもなく強ぇ……けど、そうじゃないんだ」

戦士「なら、」

ソウラ「あいつ……人を、肉親の死を利用して操ったりしたんだ。平然と…」

ソウラ「あんな……真っ直ぐな目で」

戦士「……」

ソウラ「言ったんだ。魔族には、親兄弟をなくす悲しみも分かんないのか…って」

ソウラ「そしたらあいつ……知ってる…だから利用した……なんて言いやがったんだ……」

戦士「……そうか」

ソウラ「俺には…分かんねぇんだ。あいつが、魔族の復興とか、世界征服とか……そんなんのために戦ってるとは思えない。どうしてあんなに真っ直ぐなくせに…あんな酷いことをっ」

戦士「……肉親の死か。…あの痛みには、誰も耐えられない」

ソウラ「!!」

戦士「例え……暗黒に生きる魔族でも」

ソウラ「あ、アンタ…」

戦士「その魔族も…本当は何か……もっと個人的な感情で動いているのかもしれん」

ソウラ「それって…」

戦士「復讐…」

ソウラ「…!」

戦士「とか、な。……今のはあくまで例えだ。そいつが真に何を望むのか。直接相対していないオレには、何とも言えん」

ソウラ「…先生、俺は」

戦士「分からないものは、誰でも恐ろしい。敵の目的が見えないということは……何をしてくるか予想できない、ということだからな」

ソウラ「……もしかして、先生も家族を…?」

戦士「…………あぁ。オレの父は……武人の鑑だった」


<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2015/02/19(木) 15:28:35.05 ID:Mk/oZRJAO<>
ソウラ「親父さんを…」

戦士「父を想うあまり……オレも昔は、個人的な情念に従い、ひたすら戦っていた……だが」

ソウラ「今は乗り越えて、家庭教師なんてやってるわけか。なんか、少しホッとした」

戦士「?…なぜだ」

ソウラ「いや……悲しみを乗り越えて、憎しみを飲み下して、こうやって先生やってる人もいるんだって思うと、さ」

戦士「……お前も、肉親を亡くしているのか」

ソウラ「俺の父ちゃんと母ちゃんは…すげぇ立派な人だった。ずっと、俺の誇りだ」

戦士「フ……お前を見ていれば分かる」

ソウラ「え?」

戦士「充分に、受け継がれているようだな。両親の心が。…お前のような、勇者に相応しい男には、久々に会った」

ソウラ「ぃ、いや俺なんて勇者じゃないって!ただがむしゃらにやってるだけで……それに勇者って呼ばれてるやつなら、一緒に戦って……そうだよ。俺より、ユルールにこそ」

戦士「かつて…世界を救った勇者は言った」

ソウラ「!」

戦士「自分と共に戦った者、その全てが勇者だと」

ソウラ「……へへっ、じゃあ、先生も勇者なんだな」

戦士「…どうしてそう思う」

ソウラ「だって……今先生、すげぇ幸せそうな顔してたぜ?」

戦士「……フ、そうか…」

ソウラ「…ありがと。ちょっと、楽になったよ」

戦士「…………日が昇り始めたな。さぁ、朝食後、早速特訓再開だ」

ソウラ「おぅ!頼むぜ!先生!!」


……

<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2015/02/19(木) 15:33:49.71 ID:Mk/oZRJAO<>
……

ソウラ「はぁ…は、ぁ……い、いくらなんでも…ハードすぎないか…?」

戦士「そんなことはない。現にお前はこの特訓についてきている」

ソウラ「そうだけど……基礎訓練から、剣術、格闘技を、全部実戦形式で先生と戦わされて…体力もだけど、気力が保たないって…」

戦士「……身体で覚えるのが一番早い」

ソウラ「先生、ほんとは教えるの苦手だろ」

戦士「そんなことはない…。それに安心しろ。次の特訓は、オレ相手ではない。また、1つ斬ってもらう」

ソウラ「よっし!なんでもこい!」

戦士「…斬ってもらうものは、これだ」

ソウラ「これ……って」


ザザーン…ザブザザーン…

ソウラ「海が広がってるだけで、何もないんだけど……まさか」

戦士「そのまさかだ。海を斬れ」

ソウラ「お、おいおい無茶言わないでくれよ先生。岩みたいに形があればともかく…海なんて斬れっこないだろ」

戦士「…諦めるのか?」

ソウラ「……やるよ。やればいいんだろちきしょうめ!」ザザッ

ゾザザザ……

ソウラ「うおりゃあ!!」ビュッ


ザッパーン!

ソウラ「わっぷ!ぺっぺっ」

戦士「…重要なのは速さ、そしてタイミングだ」

ソウラ「タイミング…?」

戦士「もっと引きつけてから斬るんだ。そうだな……大波に対して、すんでにカウンターを入れる感覚だ」

ソウラ「カウンターか……よし…」

ゾザザザザザ……ザッパァ

ソウラ(今だっ…!)

ソウラ「でぃやぁああ!」シュバァッ


ザバァーン!

ソウラ「……」ビシャビシャ

戦士「……」

ソウラ(…かしぃな…波の呼吸に合わせて……タイミングは完璧だと思ったのに…)



……ドゴオォォオオン…!

戦士「!」

ソウラ「なっ、なんだぁ!?」

戦士「っ…」ダッ

ソウラ「お、おい待ってくれよ!先生ぇ!」

タッタッタッタッ……

<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2015/02/19(木) 15:36:21.95 ID:Mk/oZRJAO<>
戦士「これはっ…」

ソウラ「岩場が、滅茶苦茶に…」


魔族「ククッ……ようやく来ましたね」

戦士「貴様はっ」

魔族「私は、冥竜王の使い…」

ソウラ「め、冥竜王…!?」

魔族「そう……今はまだ動けぬ冥竜王様の手足となり動く者…それが私」

戦士「…その冥竜王の使いとやらが、何の用だ」

魔族「ククク……決まっているでしょう」

魔族「貴方達を、殺すんですよ」ボボゥッ
ソウラ「っ!」

戦士「どいていろ!」ドカッ

魔族「ベ・ギ・ラ・マーッ!!」

ドゴオォオオオオ!!

戦士「はぁあっ…海波斬ッ!」ズバァッ!!

ドォオオン!…ボァアッ…!


ソウラ「ほ、炎を…斬っちまった…!」


魔族「やるな…だがこれならどうだっ!」

魔族「極大火炎呪文(メラゾーマ)!!」


ボボォオオオオオゥ!!

戦士「無駄だ!海波斬!!」ズバァッ…ガキィイン!

戦士「なにっ」

ソウラ「ぁあっ剣に鎖が巻きついてっ!」

戦士「ぐっ…メラゾーマはこのための囮か!」

魔族「その通りです…そしてこの鎖を通してならばっ」ジャラッ

戦士「!」

魔族「閃熱呪文(ベギラマ)ァ!!」ボボォッ

ボボボボボォウッ!

ソウラ「く、鎖を炎が伝っていく…!」

戦士「ちっ!」パッ

ドゴオォオオ!

魔族「クク……剣を離して難を逃れましたか。けれど、武器をなくし、呪文も使えぬ戦士である貴方が、どう戦うつもりですか…?」

戦士「…貴様には、この両の手で充分!」

魔族「ほざけっ……鎖殺法!双竜縛!!」

シュンッシュバァアア!!

戦士「ぬぉおっ!」

ズガァアアン!!

ソウラ「先生ぇーっ!!」

<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2015/02/19(木) 15:40:55.22 ID:Mk/oZRJAO<>
戦士「はっ…はぁ…」

魔族「ククク……どうしました?やはり逃げ回るだけで精一杯ですか…?」

戦士「…まだだ」


ソウラ(つ、強い…!あの魔族っ何本もの鎖をまるで手足のみたいにっ!)

魔族「ここまでです……鎖殺法っ…奥義!閃熱極竜乱打!!」

ビュオンッヒュガァアアアア!!

ソウラ「危ない!!」

戦士「今だっ!」ヒュッ

魔族「なにっ!?」

戦士「うおぉおお!」ダダッ

ビシュッズバァッ!

魔族「ば、バカな!この燃え盛る鎖がのた打つ中を…向かってくるだと!?」

戦士「鎖全てを伸ばし放った今!貴様の懐はガラ空きだ!」ガシィッ


ソウラ「は、羽交い絞めにっ…けど、いったい何を…」

魔族「ま、まさかっ…まさか貴様ぁああ!」

戦士「武器がなくとも……呪文が使えなくとも!できることはある!!」グォアァ…

ソウラ「!!」

戦士「グランドクルス!!」カッ…

魔族「やめろぉおおお!!」



ドゥッ!ズドガァアアアアアアッ!!

ソウラ「ぅ、うぁあああああ!」


ズズゥウ…ウ…ン……



<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2015/02/19(木) 15:41:48.19 ID:Mk/oZRJAO<>
ソウラ「ど、どうなったんだ……2人はっ」


ドガッガラガラッ

ソウラ「せ、先生!?」


魔族「……残念でしたね。先生は、もういませんよ」

ソウラ「っ……そん、な」

魔族「グランドクルスは、ただでさえ扱いが困難な自爆技…それを内側に向けて放つなど……」

ソウラ「う、ウソだ…」

魔族「さ、次は…貴方ですよ」

ソウラ「く、ぅ……のやろぉ」ググッ

魔族「へぇ…やる気ですか……しかし、私も今の一撃から逃れるために、鎖が全て焼き切れてしまいましたし……仕方ありませんね」


魔族「とっておきを…お見せしますよ」

ソウラ「なにっ…」

魔族「ぐぉおお…」グググゥッギリィッ



魔族「火竜変化呪文(ドラゴラム)!」

ゴァアアアアアアアアッ!!


ドラゴン「グォオオオオン!」


ソウラ「な、なんだよ…それ」

ソウラ(ドラゴンに変身するだなんて…!まるで……おとぎ話の中の魔王じゃないか!!)

ドラゴン「グワァアア!」ギュンッ

ズガァアッ!

ソウラ「うぁあああ!」


ソウラ(くそっ…くそ!こんなところでっ…)

ソウラ「負けてたまるかぁああ!!」ヒュッカキィイイン


<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2015/02/19(木) 15:43:02.82 ID:Mk/oZRJAO<>
ドラゴン「グクククク…」

ソウラ「っ…つぅ……なんて硬い鱗だよ…!」

ドラゴン「スゥウウ…」

ソウラ「!まずいっ」

ドラゴン「ガァアアアア!」ボボォオオオオゥ!!

ソウラ「うぁああああっ」ゴロゴロゴロッボチャアアアン!


ドラゴン「グォオ…」

ソウラ(あ、あっぶねぇえ…とっさに海に転がり込んだけど、あんなブレス食らったら一溜まりもねぇぞ!?)ゴボゴボ…

ソウラ(それに、あの鋼鉄みたいに硬い鱗…あれじゃ刃が立たねぇ)ゴボ…

ソウラ(どうするっ……どうすりゃいいっ)


ドラゴン「グクク…波間に身を隠したか……異界の戦士よ。しかし、無駄です」

ドシィン…ドシィン…

ソウラ(向かってくる…!?潜ってる位置がバレたのか!?)ゴボボッ…

ドシィン…バシャア…

ソウラ(くそっ……くそぉ!ここまでなのかよ…!龍脈の力がなけりゃ、こんなもんなのかよ!俺は!!)



((…お前の実力だ。……お前自身も知らぬ間に、レベルアップしていたということだろう…))

ソウラ(…!)

((……お前のような、勇者に相応しい男には、久々に会った…))



ソウラ(いや……信じるんだ。先生の言葉を…!)


<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2015/02/19(木) 15:43:52.85 ID:Mk/oZRJAO<>
ソウラ「俺自身をっ!」ザバァッ

ドラゴン「!…諦めてその身を晒しましたか。ならば望み通りっ」スゥウウ…

ソウラ「俺はっ…諦めたりなんかしねぇええ!」ダッ

ドラゴン「グォオオオッ!」ボボォオオオオオゥ!!


ソウラ(波を……引きつけるようにっ)

ソウラ「今だっ!!」



ソウラ「ぅおりゃああああ!!」ズバァアッ!!

ボガァアアアン!!


ドラゴン「!?私のブレスをっ…斬った…!?」

ソウラ「まだだ!食らいやがれっ……竜破斬(ドラゴンスラッシュ)!!」ギュオォッ

ザシュウゥウウ!!

ドラゴン「ギァアアアアッ!ば、バカなぁあああ!」

ソウラ「へ、へへ…先生、特訓の…成果が」ヨロッ

ドラゴン「貴様ぁあっ」バシィッ!

ソウラ「ぐあっ!」ドザッ…

カラン…カランカラン…

ソウラ「け、剣がっ…!」

ドラゴン「…よく足掻いたと思いますが……これで終わりです」グォオ…

ソウラ「っ…!」


<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2015/02/19(木) 15:46:11.54 ID:Mk/oZRJAO<>
ドラゴン「死ねぇえええ!」ブォオオン!

ソウラ(!…俺の足下にある……これはっ)

((…もっと引きつけてから斬るんだ……すんでにカウンターを入れる感覚だな…))

グォオオオオッ

ソウラ(まだっ……)

ドラゴン(こ、こいつっ何故私の爪をかわそうとしないっ!)ギュオオッ!


ソウラ「そこだぁあ!」パシッ

ドラゴン「や、ヤツの剣をっ逆手に!?」



ソウラ「ぅうああああああっギガッスラァァアッシュ!!」

ギュオオォオオオオオン!!

ドラゴン「ぐぎゃあああぁああっ!」ドザァアア…ン…


ソウラ「……ゃ…やった……今度こそ。……へへ…勝った……俺、ドラゴンに……かっ」

ズサァアッ…


……

<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2015/02/19(木) 15:47:05.56 ID:Mk/oZRJAO<>
……


アズ「…ソウラ!!ソウラ!どこ!?どこに行っちゃったの!?返事をしてよっ!!」

アズ「ねぇっ!お願い…!返事を…!!」

イシュマリク「…奴は直撃だ」

マリク「バラバラに引き裂かれて骨も残るまい…」

アズ「えっ…ぇえっ…!?……ぇ…?」



ソウラ(ここは……どこだ…………俺は)


(ソウラっ……ソウラぁっ)

ソウラ(……呼んでる……そうだっ…アズ!…行かなくちゃ……俺がっ…!)


ガコッ…

ソウラ「ダメだっ!!」

ガラ…ガララッ……

ソウラ「アズは…そんな奴の所に行っちゃダメだ…!」


アズ「そ…ソウラ!!」


マリク「…存外貴様が、一番厄介な敵になるのかもしれないな……拡大業火呪文(エクス・メガ)」

マリク「フォースギガブレイク《炎(ジャーマ)》!!」ギュオォオオッ


ソウラ(…さぁどーする!?どーする!…今は丸腰で体はボロボロ…!…何がある!?まだ俺に……俺にぶつけられるもの…!!)


グォオオオオ……

ソウラ「ぉおおぉおおオオォオ!!」ギュアッ



ズガァアアアァアアアアアアッ…!!


……


<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2015/02/19(木) 15:48:47.43 ID:Mk/oZRJAO<>
……


戦士「…これで良かったのだろうか」

魔族?「えぇ、彼ならきっと…やってくれますよ」

ボワンッ…


アバン「きっと、多元世界に渡り存在する邪悪な竜に……打ち勝ってくれます」

戦士「しかし、相変わらず無茶なやり方を」

アバン「それはこちらの台詞ですよ。組み付かれてグランドクルスを放たれたときは本当に驚きました」

戦士「ちゃんと外側に向けて放ちましたよ」

アバン「その衝撃で岩を崩して隠れる…まぁ、彼に戦わせるには良い方法かもしれませんが……彼、貴方が死んだと思ったままじゃありません?」

戦士「…それを言うか。……どのみち、こちらでのことを、彼は覚えていない。…その身に染み付いた…技を除いては…!」

アバン「…ですね」

戦士「天界から我々に届いたメッセージ…その使命の1つは果たした」

アバン「次は…」

戦士「あぁ……迎えに行かなくては!」


アバン「魔界の果てで戦う……私達の仲間を…」

戦士「この世界の……勇者を!!」




END

<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2015/02/19(木) 16:09:13.43 ID:NgPKC9hT0<> 乙です。面白かった! <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2015/02/19(木) 19:32:34.62 ID:5Sn14w6TO<> ヒュンケルだったか <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2015/02/19(木) 20:47:35.81 ID:XCDxTSyb0<> イシュマリクに龍脈を授けたドラゴンは、冥竜王ヴェルザーの可能性が微レ存……? <>