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HTML化した人:Kastanie
勇者「仮面の獣人?」
1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga]:2015/04/12(日) 13:47:59.01 ID:AlwSY4gc0
王「勇者よ、近頃は魔物の活動が例年に比べ倍以上に活発になっておる」

勇者「はい、存じております」

王「そこで、そなたにはその原因の究明のため、少々の旅をして欲しいのだ」

勇者「旅、でございますか?」

王「尽くせる限りの支援はしよう。ここに金貨300枚と我が王家に伝わる伝説の剣がある」

勇者「さ、300枚!?」

王「しかし、一度にこれ全てを渡すと非常に危険で、そなたが盗賊に狙われやすくなってしまう。少しずつ旅先のそなたにおくることとしよう。まぁ、旅の予算とでも考えてくれ」

勇者「は、はい。それで、剣の方は?」

王「うむ、こちらは我が国が建国された時、太祖が用いたとされるあの太陽の剣だ」

勇者「そ、それがあの太陽の剣なのですね……」

王「とはいえ、少々刃こぼれなどしておる。まずは優れた刀鍛冶がおるという南の村に向かってはどうかな?」

勇者「わかりました。他には?」

王「太陽の剣が使えぬ間は、この剣を使うが良い」

勇者「こちらは?」

王「先ほど言った、2代前の南の刀鍛冶に作らせたという名剣だ」

勇者「何から何まで……ありがたき幸せ」

王「うむ。健闘を祈る」


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2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga]:2015/04/12(日) 13:48:46.47 ID:AlwSY4gc0
〜中央都市〜


勇者「何から何まで至れり尽くせりだったなぁ」

勇者「金貨なんて1枚で半年は遊んで暮らせるよ」

勇者「とりあえず5枚もらったが……これだけでも心臓が爆発しそうだ」

勇者(治安のいい中央ならともかく……地方に行ったら気を付けないとな)

勇者「さて、出発だ!」

3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga]:2015/04/12(日) 13:51:32.14 ID:AlwSY4gc0
〜道中〜


勇者「なんか忘れてるなと思ったらパーティー作るのを忘れてたよ」

勇者「まぁ南の村まではそう遠く無いから良いか」



勇者「! あれは」

ウサギ「ギャーギャー!」ピョンピョン

勇者「早速この剣の切れ味を試してみるか」

勇者「うおおお!」ズバッ

勇者(なに!?)

ウサギ「」

勇者「水でも切るみたいに切れた……もしこれが太陽の剣だったら一体どうなるんだ」
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga]:2015/04/12(日) 13:53:56.29 ID:AlwSY4gc0
〜南の村〜

勇者(あの後かなりの回数襲撃されたけど、この剣のおかげでめちゃくちゃ楽だったな)

勇者「それにしてもすごい賑わいだな」

勇者(中央で有名な鍛冶屋がいるんだもんな)

勇者「あの、鍛冶屋はどちらに?」

村人「おん? あんたも旅のもんかい?」

勇者「ええ、ここには鍛冶屋に用があって」

村人「鍛冶屋はそこの通りの左にドデカいのがあるから、すぐにわかると思うぜ」

勇者「ありがとうございます」

村人「気を付けてな」

勇者「? ありがとうございます」

5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga]:2015/04/12(日) 13:55:11.57 ID:AlwSY4gc0
〜鍛冶屋〜


勇者「ここか……確かにデカイな」

勇者(鍛冶屋がこんなにデカイ必要は有るのか?)

勇者「すいませーん」

職人「……」

勇者「あの」

職人「……その口調。中央のもんだな。どんな御用かな」

勇者「この剣を鍛えて頂きたくて」

職人「……! ……どこでこれを」

勇者「俺は勇者です。王の任務で旅をすることになりまして、その時にそれを賜りました」

職人「……なるほど。良いだろう。だが1つ条件がある」

勇者「条件?」

職人「この村の外れに森がある。そこで獣人を退治して欲しい」

勇者「獣人? 人から変身するあの?」

職人「そうだ。それで無くとも、これほどの剣だ。おそらく国じゅうで鍛えられるのは俺だけだろう。つまりは報酬だ。それ位はして欲しいね」

勇者「わかりました。その条件を受けましょう」

職人「よろしく頼む」

6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga]:2015/04/12(日) 13:56:30.22 ID:AlwSY4gc0
勇者(とにかく、まずは情報を集めないとな)

村人「あれ、あんた。鍛冶屋は見つけられたかい?」

勇者「あっ、先ほどはどうも」

村人「いやいや。じゃあな」

勇者「あ、ちょっといいですか?」

村人「ん?」

勇者「獣人について何か知ってることは無いですか?」

村人「……ついて来な」
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga]:2015/04/12(日) 13:58:41.90 ID:AlwSY4gc0
〜慰霊碑〜


勇者「……これは?」

村人「“黒仮面事件”で犠牲になった奴らさ」

勇者「“黒仮面事件”というのは?」

村人「……今から大体200年前、森から現れた凶悪な獣人が一匹、村の人々を虐殺した。昔から鍛冶で有名だったうちの村は人口も多くて、町と読んでもおかしくは無いレベルだった。その人口の、約3割。つまり1万5000人が死んだ。その多くが、鍛治職人だったらしい」

勇者「…………それにしては、慰霊碑に有る数は少ない気が」

村人「死んだやつの多くは爆発による焼死、あるいは爆死だった。死体は殆ど見つからなかった。要するに、正確に死んだとわかる奴しか載せてないのさ」

勇者「……」

村人「その獣人の顔が、まさに黒い仮面だったことから、黒仮面事件と名付けられた。以来うちの村では、あの森に近づく奴は死にたがりか気が触れた奴が大半だ」



村人「あんた、その胸の勲章、勇者証だろう」

勇者「……ええ」

村人「やめとけ。悪いことは言わない。大人しく帰ることをオススメするよ」

勇者「それは……」

村人「まぁいい。俺の名は情報屋。困ったことがあればいつでも来な」

勇者「……」



勇者(とんでもないことを引き受けてしまった)



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