以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2015/06/01(月) 19:41:02.96 ID:Bqbo4Ymx0<>博士「目覚めよ・・・わが最高傑作よ!」

車椅子に乗った白髪の老人は暗い研究室で、まるで棺桶のような3つの装置に向かって叫んでいた
やがて火花が飛び散り、電流が走り、白い煙が、それぞれの棺から噴き出ると
辺りは停電になり闇に包まれた

博士「目覚めるのだ・・・ゴホゴホ」

車椅子の老人は咳き込むと、崩れるように車椅子から転げ落ちた
やがて咳は収まるが、博士の口からは血が溢れでていた

博士「ここまでか・・・」

その時、3つの棺のうち真ん中の棺のフタが、火柱をあげて勢い良く吹き飛んだ

??「ウゴゴゴゴ」

博士「ついに目覚めたか」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1433155247
<>博士「目覚めるのだ・・・わが子達よ・・・ゴホッゴボ」 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2015/06/01(月) 19:47:41.88 ID:C++KzzPcO<> コナンかと <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2015/06/01(月) 19:48:51.07 ID:Bqbo4Ymx0<> ??「ウゴゴゴゴゴ」

ゆっくりと上半身を起き上がらせて棺から出てきたのは、胸の部分から火を吹あげた、赤いロボットだった
そして、今度は別の棺の蓋がゆっくりと開き、青いロボットが起き上がった

赤いロボは棺から出ると、腕を伸ばし青いロボを棺から引っ張りあげた
足をヨタつかせながら青いロボは棺から出ると、倒れる博士の傍へ近づいた
途中で赤いロボは、最後の棺を蹴り飛ばすと、黄色いロボがゴロンと転がりながら棺の外に投げ出された

博士「全員、目覚めたようだな・・・」

??「アナタガ、ワタシタチヲ目覚メサセタノカ?」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2015/06/01(月) 19:57:00.23 ID:Bqbo4Ymx0<> 博士「さよう・・・私は、お前達を創りし創造主、ゴホゴホ」

博士が咳き込むと、青いロボが博士の体をさすりながら尋ねた

??「ヒドク、弱ッテオラレル、スグニ治療ヲ」

博士「その必要はない・・・ゴホゴホ、ワシはもう助からん・・・」

そんな博士を見て床に転がりながら博士を見つめる黄色いロボが言った

??「深刻なエラーってやつですねー!」

やけにあっけらかんとした口調で、他の2体よりも流暢にしゃべっている
しかし、事の深刻さを無視したその明るい口調は、人の感情を苛つかせる
黄色の発言を聞いた赤いロボは、床に転がる黄色いロボを蹴り飛ばした

??「ぎゃー」

赤いロボが博士に近づきこう尋ねた
??「博士、我々ヲ目覚メサセタノハ、一体ナゼデスカ?」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2015/06/01(月) 20:05:36.65 ID:Bqbo4Ymx0<> 博士「手短に話そう・・・ゴホゴホ」

博士は、3体のロボに、自分がなぜ目覚めさせたのかを話した

博士「お前達は、私の最高傑作、そして、人類に復讐する私の殺戮マシーン」

その言葉を聞き、3体はそれぞれに秘められし、使命のようなもを感じた
復讐、人類、殺戮、その言葉を初めて聞いたにも関わらず、まるで何万回も復唱して
物心ついた時から覚えさせられ続けていた、そのような感覚に目覚めた

博士「よいか・・・まずお前の名前を教えよう・・・お前は、オーバーヒート」

??「オーバーヒート?ウゴゴゴ・・・」

その言葉を聞いた赤いロボは胸を抑えると、自身の胸の内から沸き上がる熱い物を感じた
そして、胸から炎を吹き上げた

オーバーヒート「ウオオオオオ、ソウ、、そうだ!俺の名はオーバーヒートだ!!」

闇に閉ざされた部屋はオーバーヒートの炎で赤く照らされる <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2015/06/01(月) 20:12:56.91 ID:Bqbo4Ymx0<> 自分の名前を取り戻した赤いロボは、先ほどまでの覚束ない口調から語気を強めた青年のような口調へと変わっていった。

博士「そしてお前の名は・・・フリーズ」

今度は青いロボに向かい博士が言うと、青いロボは眉間の部分に指を当てると、フリーズという言葉に
真っ白な部屋に、テーブルから落ちかけた宙で止まるリンゴの映像を思い浮かべた

フリーズ「・・・ソウ、そう、私はフリーズ」

博士「そして・・・最後にお前は・・・エ」

??「やっぱり、ヒート、フリーズと来たら、やっぱりエレキでしょ!」

博士「エ、・・・お前はエラーだ」

エラー「ほらねやっぱり!えっ!?エラー?エラーなの僕??」

エラーという言葉を聞いて、黄色いロボは特に何も感じるものはなかった <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2015/06/01(月) 20:23:42.19 ID:Bqbo4Ymx0<> 博士「オーバーヒート、フリーズ、エラー・・・お前達3人は、私の作った最高傑作・・・」

エラー「ちょっとまってよ!最高傑作にエラーっておかしいでしょ!!」

ヒート(長いので以降ヒート)「お前は黙っていろ!」

赤いロボことヒートは、食って掛かるエラーを殴り飛ばした
勢い良く吹き飛ばされると壁にぶつかり気を失う

ヒート「博士、教えてください、我々はまず何をすればよいのですか?」

その言葉に博士は

博士「まずは、学べ・・・人間についてだ」

フリーズ「人間についてですか?」

博士「そうだ・・・人間の愚かさ、浅ましさ、醜さ、残酷さ・・・どれをとっても度し難い、許されるものではない」

ヒート「それからどうするのです?」

博士「それらを学び、利用するのだ・・・お前達が直接手を下すのではない、それを最大限に利用してやるのだ」

ヒート「分かりました」

博士「この研究所には、私が長年かけて作った研究品、兵器の試作品もある、それらを活用するのだ・・・」

フリーズ「ですがその前に、お父様を外にお連れして安静にしなければ」

博士「ほう・・・ワシを父と呼ぶか・・・徐々に人格が形成されていっているようだな・・・その学習能力がアレば大丈夫だろう」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2015/06/01(月) 20:35:24.76 ID:Bqbo4Ymx0<> その時だ、研究所内に大きな揺れが起き、どこからか何かが崩れるような音が聞こえた
それは地震だった、たまたま大き地震が発生して、研究所内に被害が及んだ

直ぐにフリーズは研究場内のデータにアクセスしようとしたが、停電を起こしている研究のデータを読み取ることは出来なかった

フリーズ「お父様、逃げましょう!」

博士「ワシのことはよい・・・お前達だけで外に避難しろ・・・ここでお前達を失ってはならん!」

フリーズ「ですが!!」

エラー「よしなよフリーズ、博士はもう助からないよ」

地震の揺れで気がついたエラーは、頭を抑えながらフラフラと起き上がる
そして自身の目を光らせてライトの代わりにし、博士を照らすと、博士は吐血で服を真っ赤にしていた

ヒート「貴様!こんな時に何を!」

エラー「なんでさ!というかさっきから2人共気づいてるんだろ!博士の生命力がどんどん低下していることに!」

その言葉に、一番近くで博士を介抱していたフリーズの動きが止まる
たしかに気づいていた、なのにフリーズはそのことを受け入れたくなかった、見ないふりをしていた
そしてヒートもそんなことくらいは、気づいていた。

ヒート「・・・だからどうした!俺達の父さんを見捨てられるわけ無いだろ!」

博士「もうよい・・・お前達だけ行け、ワシはこのまま、ここで寝かせてくれ・・・」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2015/06/01(月) 20:45:21.72 ID:Bqbo4Ymx0<> 博士「思えばここまで長かった・・・苦しみに耐え抜き、ようやくお前達の動く姿を見れた・・・それだけで満足だ・・・」

ヒート「父さん!」
フリーズ「お父様!」

博士「行け、ワシからの命令だ・・・外に出れば、ワシの暮らしていた家がある、一先ずそこに隠れるのだ」

ヒート「父さん一人抱えながら出ることぐらい出来ます!」

博士「よいのだ・・・もう・・・これで・・・」

その時である、再び激しい揺れが起き、天井に亀裂が走り、鉄骨や土砂が噴出し始めたのだ
そして、飛び出してきた鉄骨がヒートめがけて落ちてきた

エラー「危ない!」

エラーはすかさずヒートに飛びつき、鉄骨から守ると、今度は土砂に飲まれそうなフリーズの手を引っぱり出した

フリーズ「待って!お父様が、お父様があの中に!」

フリーズはしきりに土砂の中に埋もれた博士のことを訴えかけたが
エラーはそんな言葉に耳を貸さずにその場を後にした
そして、ヒートも崩れゆく研究所から脱出するべく、エラーの後を追った

<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2015/06/01(月) 20:59:32.77 ID:Bqbo4Ymx0<> 出口らしき扉を探し当てた三人は、勢い良く飛び出すと
間一髪で天井が崩れ落ちて研究所の入り口は土砂に飲まれてしまった。

エラー「やったーーー!助かった!!アハハハハ!やったやった!」

喜ぶ、エラーを尻目に、ヒートとフリーズは項垂れていた

ヒート「これからどうすればいいんだ・・・」

弱音を吐くヒート
すると、意外なことに、フリーズが立ち上がりこう言った

フリーズ「お父様が言っていたわ、暮らしていた家があると」

先ほどまでの感じとは違い、まるでスイッチを切り替えたように、落ち着いた口調でフリーズは言った。

ヒート「おい、どうしたんだ突然、父さんが死んだってのに・・・」

フリーズ「お父様は死んだの、この土砂に埋もれて。それに、もともと風前の灯、長く生きられないことはわかっていたわ」

あまりの冷徹な口調にさすがのヒートも声を荒げるが、遮るようにエラーが言った

エラー「アハハハ!やっぱり僕が正しいじゃないか!オカシイのはヒートなんだよ!」

フリーズ「オーバーヒト、いい加減に切り替えていかないと先に進まないわ。私達の目的は忘れたの?」

エラー「そうそう!僕たちはいつまでも立ち止まってちゃいけないのさ!そんなことより博士の家に早く行こうよー!」

二人はヒートの事を置いていくように、その場を去っていく
唯一残された、自分の中の考えを整理した。あの二人の言っていることは正しい。
正しい、正しいんだ・・・今はここに留まるべきではない。

考えをまとめると、ヒートも二人を追いかけようと立ち上がる、一歩足を前に出そうとしたその時


ヒート「・・・だけど、そう簡単に切り替えられないよ、俺は・・・」

ヒートはもう一度振り返り、研究所の入り口を見つめると、未練を断ち切るように研究所を後にした <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2015/06/01(月) 21:02:15.25 ID:w9TADSXxO<> これは良作の予感……期待 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2015/06/01(月) 21:36:19.37 ID:Bqbo4Ymx0<> 研究所から博士の家まではそう遠くは無かった。すでにデータが頭のなかに入っており、道に迷うことはなかった
どうやら研究所は山の中の洞窟にあったらしく、人に見つからないように出来ていたようだ。
木々が生い茂った森のなかに建つ小さな家には明かりが灯っており、時折動く影が見えた

博士の住んでいた家に着くと、そこにはフリーズとエラーがちゃぶ台を囲んで座っていた
その姿を見たヒートは、和室のちゃぶ台にロボット2体が座っているという光景に何か言葉で言い表せない
滑稽な気持ちになった

フリーズ「おかえり、ってなによ?なにか言いたそうね?」

エラー「あはははー当ててあげようか?フリーズがちゃぶ台囲んでるの姿が面白いんだよね!」

ヒート「両方だよ、フハハ」

生まれてから初めて、ヒートは笑った
エラーも釣られて笑ったが、フリーズだけは口を閉ざしたままだ

フリーズ「ねぇ、あなた達はここに辿り着くまでに、データを整理したと思うけど、その・・・何か思い出すことはなかった?」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2015/06/01(月) 21:42:19.72 ID:Bqbo4Ymx0<> ヒートもそのことを話そうと思っていた
色々と頭のなかにはデータ、記憶のようなものがあり、それが必要なときに瞬時に出てくる
しかし、実際自分の頭の中にどれだけのデータが有り、何を記憶して、何を思い出せていないのか
そのことが分からなかった。

エラー「そういえばなんかここまで来るのに全然迷わなかったけどさ、研究所の中は結構迷ったよねー」

ヒート「そういえば、研究所の事はよく覚えていないな」

フリーズ「その事なんだけど、博士は研究した物や兵器の試作品使えと言ったわ、でも私はそれがなにか思い出せない」

ヒート「言われてみればそうだな」

エラー「思い出せないんじゃなくて、最初からおぼえてないんじゃないのー?」

エラーはの言葉はふざけた子供の口調のようではあるが、時折核心を突くことを言う
思い出せないのではなく、研究所のことは最初から憶えていないのではないだろうか <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2015/06/01(月) 21:56:31.96 ID:Bqbo4Ymx0<> ヒート「ふむ、エラーの言うことも一理ある、だがなんで父さんは俺達にその事を教えなかった?これから復讐をしろというのにだ。」

フリーズ「そうね、考えられる事としては、情報漏洩を防ぐためというのがあるわ」

ヒート「なるほどな、何者かに知られて、計画を阻まれては元も子もない」

エラーは寝転がりながら二人に言う

エラー「でも、研究所が埋もれちゃった以上は、結局それらを使うことは出来ないよね?あーあー意味ないの」

その言葉にヒートは苛ついて返した

ヒート「仕方ないだろ、あれは事故だ、今更父さんを責めるんじゃない!」
ちゃぶ台をバンと叩くがヒートの胸の熱は収まらない

フリーズ「とにかく、あの中に兵器が眠っている以上、いずれは掘り出す必要があるわね」

エラー「ええー掘り出すの?面倒くさいよー」

フリーズ「何が埋まっているかさえ分からない以上は調べなければ・・・」

調べなければいけない、そう言い終わる前にフリーズは
ふと、目の前が霞むような感覚に襲われた。
しかし、自分のカメラが故障しているわけではない、だが目の前が霞む
そして、自身の煙と熱を探知するセンサーに反応があるのを感じると、その方向を向いた

ヒート「うむー、明日から研究所を掘り返すとするか・・・父さんの体も一緒に探して、ちゃんと供養してあげよう」

フリーズ「キャアアアアアア!」

フリーズは思わず叫びを上げた
その声にエラーも飛び起きて、状況を確認すると、エラーのセンサーにも煙と熱の反応を確認した。

エラー「ちょっと!ヒート!胸!胸!!!」

エラーの言葉にヒートが自分の胸に目をやると、自分の胸から火が出ており、ちゃぶ台の一部を焦がしていたのだ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2015/06/01(月) 22:04:31.23 ID:Bqbo4Ymx0<> フリーズ「なにやってるのよ!!」

火を座布団で叩くことでなんとか消したフリーズは怒りの声を上げた
座布団で強く叩かれた、ヒートは、腰を折り曲げるように地面に突っ伏していた

ヒート「なにも・・・そこまで叩かなくても」

フリーズ「危うく火事になるところじゃないの!!!」

エラー「アハハハハー!」

二人のやりとりを見て笑い声を上げるエラーだが、直ぐにフリーズの座布団がエラーの顔に飛んでくる

フリーズ「あんたがヒートを煽るからこんなことになるんでしょ!」

さて、ここで整理しておこうヒートは怒りの感情が高まると
胸の内部の回路がオーバーヒートし、発熱する。そしてその熱がアーマー部分の一部から放出され
結果、発火するようだ。

これは意図してこのような機能なのか、欠陥なのかは三人には分からないが
ヒートの感情を逆立てることは、あまりよろしくないということは、ヒートを含めて皆理解したようだ。

彼らの姿はヒートを筆頭にそれぞれ独特の姿をしている。 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2015/06/01(月) 22:20:53.95 ID:Bqbo4Ymx0<> 赤い姿のロボット 名前をオーバーヒートと言う

その姿は西洋の甲冑のようなデザインで、燃える炎をイメージした角飾りと、カラーリングになっている
胸の装甲の一部が排気口の役割になっており?、感情が高ぶると、そこから発火した火が吹き出す仕組みになっているが
意図してそう作られているかは不明。
若い男性のような口調で喋る。顔はフルフェイスで表情は存在しないが、目の部分があり、赤く光る

青い姿のロボット その名をフリーズ

ヒート同様、西洋甲冑のようなデザインだが、ヒートよりも細身で、飾りの部分は少ない
なにより、女性らしいフォルムをしており、胸の部分が2つの丸いくぼみになっている
そして尻がある 
若い女性のような口調で喋るが、感情の起伏が激しく、普段はおとなしいが、なにかスイッチが入るとヒステリックな口調になる
顔はマスクをしている。目は青く光る

黄色いロボット エラー

甲冑というよりは、道化師のような姿で、目が常に笑っている状態になっている ^ ^ 
口や鼻は存在しないが、常にしゃべり口調が明るく、笑っているため
相手にしたら小馬鹿にされているようにも感じてしまう。

少年のような口調でしゃべる。


3体は、明日のことをどうしようか考える前に、それぞれ今日のことで疲れきってしまった
不思議と、明日のことを考えるのが面倒くさいという感情に襲われ 信じられないことに3体は
部屋の電気を消すと、それぞれ機能をスリープ状態にして睡眠しだしたのだった。 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2015/06/01(月) 22:28:21.02 ID:Bqbo4Ymx0<> 朝の日差しを探知すると、ヒートはスリープ状態から立ち上がった。
直ぐにシステムを回復させると、昨日のことを思い返す。

この家には父さんが暮らしており、ここで生活をしてたのだと感傷にふけっていると
フリーズが目を覚ました

フリーズ「あら、おはよう」

あくびこそしないものの、その口調は低く、まだ完全に回復しているとは言いがたかった
そして、エラーなのだが

エラー「ZZZ・・・」

なんとロボットのクセにイビキをかいていた
その姿を見たヒートは軽く足で蹴ると エラーはゆっくりと起き上がりった

エラー「ふぁあああああ〜〜まだ眠いよう、もう少し寝かせてよ」

ヒート「なんでロボットのお前が眠いんだよ」

エラー「それもそうかーアハハハハ」

エラーの笑い声は朝から聞くのはさすがに堪えるので、もう少し寝ていろの意味を込めて
今度は強く蹴りあげた <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2015/06/01(月) 22:35:42.93 ID:Bqbo4Ymx0<> ちゃぶ台を囲み、3体は再び今後について話し合った

まず、研究所を掘り返す
同時進行で人間とは何かを学ぶ
そして博士の遺志を継ぐため、人間に復讐をするという計画を建てるということだった

フリーズ「とりあえず、今後はそんなところかしらね」

ヒート「うむ、それでよかろう」

エラー「さんせい」

それぞれが納得したところで、フリーズが言った

フリーズ「じゃあ、研究所を掘り出す作業だけど、その作業はヒートに一任するわ」

エラー「さんせい」

ヒート「ちょっとまってくれ、お前達は手伝わないのか?」

フリーズ「私は情報収集をするわ。まだ人間のことなんて全然分かんないし」

エラー「そうそう、分かんないし」

ヒート「そうかそうか、でわお前達にまかせ・・・って言うと思うか!!!」

ヒートの胸は白い煙を拭きあげた <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2015/06/01(月) 22:41:47.87 ID:Bqbo4Ymx0<> 昨日の二の舞いは踏まないように今度は自分の旨を抑えながら
ヒートは喋った

ヒート「なんで俺一人で研究所を掘り返すんだよ!!お前達も手伝え!」

フリーズ「だって・・・ねぇ」

エラー「面倒くさいーーー。力仕事は、ヒートが似合うからヒートがやればいいよ!」

とりあえずエラーの顔面を殴るとヒートは
しぶしぶだがその提案を受け入れた。ただし、時々は手伝うことを約束させた
実際、この三人の中でヒートの腕力はずば抜けて高い
見た目のゴツさ道理のパワー型である

ヒートはなぜか、安全第一と書かれたヘルメットを被り、白い手ぬぐいを肩にかけて
ツルハシとスコップを持って研究所の方へと出かけた

フリーズとエラーは情報収集のために、人間たちが住む街の偵察へと向かっていった

ヒート「くそう、なんで俺だけ・・・」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2015/06/01(月) 22:57:08.41 ID:Bqbo4Ymx0<> 研究所の入り口に着くと、その薄暗さに驚いた

ヒート「はぇぇーこりゃあ、こんなところに研究所があるなんて思わなんだな」

洞窟の中に作られた研究所はその扉さえ残ってはいたが、扉から先は完全に埋もれていた
だが、ヒートは持ってきたスコップで力いっぱい土をかきだし始めた

ヒート「待っていてくれよ父さん、直ぐにここから出してやるからな」

ヒートの手に力がこもるとスコップはプリンをすくうかのように土をかき出していった
気が付くと時間を忘れてヒートは作業を続けていた。

意外と自分は単純な力作業が好きなのだと気づいたヒートは
ふと、手を休めて、肩にかかった手ぬぐいで顔を拭った
汗はかいてはいなかったが、顔についたドロが手ぬぐいについていた

腰掛けながら自分が掘り進めた現場を見たヒートは
まだまだ時間がかかることを思い知らされた。

夢中で掘ってはいたが、全然掘り進んでは居なかった
思ったよりも内部が深いのと、通路のほとんどが埋もれていたこと、洞窟を出て、山を見ると
なんと山の形がひと目で分かるぐらい変わっていたのだ

ヒートは生まれて初めて溜息をついた。

ヒート「さて、もう一度掘り進めるかな、このペースだと時間はかかるが、出来ないわけじゃない」

そう自分に言い聞かせると今度はツルハシを持ち
再び作業を開始しだした、すると

エラー「おーいヒート!」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2015/06/01(月) 23:04:08.31 ID:Bqbo4Ymx0<> 後ろからエラーの声が聞こえてきた
ヒートは振り返ることもなく、作業を続けながら返事をした
エラーはヒートの背中に語りかけた

エラー「人間の街って凄いんだよ!まずね、人間がいっぱいいるの!」

ヒートは「そうだな」と特に興味のない感じで返した

エラー「それでね、なんか色々あるんだよ、博士の家にないような物ばっかりあったりさ!」

ヒートは黙々とツルハシを振るう

エラー「それでね、僕はなんか物がいっぱいあるから、頭なかパンクしそうになっちゃってね」

ヒートは黙って作業を続ける

エラー「だからね、僕帰って来ちゃった!フリーズはまだ情報収集続けるって言って街に残ってるけどー」

ヒートは一心不乱にツルハシを振るう

エラー「ねえ聞いてるの?ヒートーって!ヒート!煙!煙!!」

ヒート「うおおおおおおおおお!!俺も行きてええええええええええ!!行きてーよ!!街がどんなところか見てーよー!!」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2015/06/01(月) 23:13:13.92 ID:Bqbo4Ymx0<> ヒートは胸の煙を鎮めるとツルハシを投げ捨て「俺も行く」と言わんばかりの勢いで
エラーに向き直った

ヒート「おい!エラー、街の場所はど、どこだ?どこだエラー!おい!エラー!!どこに居る?」

ヒートが振り返った先には、あの憎らしいニヤケ面のロボットは居らず
代わりに、金髪と黒髪で黒いパンキッシュな格好をした少年とも少女とも取れる人間がそこに居た
ヒートは直ぐ様、ツルハシを拾い上げ慌てふためく声で叫んだ

ヒート「ど、どこから現れた人間め!やいエラーをどこにやった!」

及び腰でツルハシを向けるヒートの姿に目の前の少年は笑いながら言った

エラー「あははははー何言ってんだよ!僕だよー!」

すると少年はくるっと回ってみせると、先程までの姿から、いつものロボットの姿へと戻っていった

エラー「やだなーヒートってば、人間なわけ無いだろ、それに街に行くのにこの姿だったら怪しまれちゃうじゃないか!」

いつものエラーの姿を見て安心したヒートは
いつものようにエラーをぶん殴ってから、話し始めた

ヒート「たしかにそうだな、変身する力が備わっていたとは知らなかった、よし俺もこれで街に行くことができるな!」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2015/06/01(月) 23:21:53.02 ID:Bqbo4Ymx0<> ヒート「よし!さっそく街へ行くとしよう!」

ヒートがその場でくるりと回り、洞窟を出ようとした時、エラーが言った

エラー「ねえ、ヒート、全然姿変わってないよー」

おかしい、そんなハズはと思いもう一度回る
しかし、ヒートがいくらくるりと回っても、ヒートの姿は人間にはならなかった
くるくる回る姿に、エラーは笑い声を上げ、その笑い声を聞いたヒートは
胸から火を吹き出しながら、エラーのぶん殴るのだった


結局、いくら試してもヒートだけは人間の姿にはならなかった
落胆しながら洞窟から出るヒートを励ましながらエラーはいつもの調子で肩をたたいたりなどしたが
よほど変身できなかったのがショックだったのか、エラー殴ることはなく、その事にエラーも
ヒートの落ち込度合いを知ることになる。

エラー「元気だしなよー僕まで悲しくなっちゃうよー」

ヒート「いいんだよ、俺にはそんな機能付いてないんだ・・・」

トボトボと歩くその姿は、いつものヒートらしく無かった <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2015/06/01(月) 23:29:19.35 ID:Bqbo4Ymx0<> エラー「ヒートがそこまで落ち込むなんて、ねえねえ、悲しいのー?」

ヒート「うるさいよ、殴るぞ」

エラー「いいよ殴って!落ち込んでるヒートがそれでいつものヒートに戻るなら僕は殴られるよー!」

その言葉に、エラーなりに自分を気遣ってくれているということを知ったヒートは
エラーの頭にげんこつを出した。殴られると思ったエラーはとっさに頭を抑えたが
ヒートは優しくエラーの頭を小突いた

ヒート「あんがとよ」

エラー「・・・えへへ」

二人で家まで着くと、家の中は誰も居なかった
どうやらフリーズはまだ帰ってきていないようだ

エラー「フリーズ遅いねー、仕事熱心だねー」

ヒート「そうだな、まあ結局はあいつの提案したとおり、俺が力仕事で、情報収集はあいつに任せておけばよかったってことだな」

エラー「早く帰ってこないかなー街の話とか色々聞きたいよー」

二人は、フリーズの情報の話を心の街にしていたがフリーズはその日、帰ってはこなかった・・・ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2015/06/01(月) 23:39:51.51 ID:Bqbo4Ymx0<> フリーズが帰らなくなって、3日目の朝

その日のヒートの苛立は最高潮に達していた
噴き上げる炎の火柱に、家の中ではなく、昨日の晩から洞窟で過ごしていた
気持ちをなだめようともしたが、どうにも収まらず、ヒートはずっと洞窟で
研究所の発掘作業をしていた、流石にスコップもツルハシもその高温に耐えられず朽ち果てていた

洞窟の中が何度か酸欠状態にもなり、炎が消えることもあったが、再び外に出て火を付けて
それを明かりにしながら、ヒートは素手で研究所を掘り進めていた

そんなヒートを心配してか、エラーがヒートに話しかける

エラー「フリーズのことだから大丈夫だよ、だからさー心配しないでー」

ヒート「もう3日も連絡もなしに消えたままだぞ!!!」

胸から轟音を立てて火柱が上がる
その炎の勢いにエラーは尻餅をつく

ヒート「おかしい、これは何かあったに違いない!己人間め!!フリーズを捕まえたに違いない!!!」

エラー「なんだろう、僕も不安になってきたよー ううう、フリーズどうしちゃったの?」

そろそろ我慢の限界が近いことを感じたエラーは街の様子を見に行くとヒートに言ったが
ヒートはエラーまで捕まってしまうと言って偵察を拒否した

そんな時、洞窟の入口に近づいてくる人影があった <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2015/06/01(月) 23:48:04.32 ID:Bqbo4Ymx0<> ヒート「誰だ!そこにいるのは!!」

人影を察知したヒートは叫び声を上げた
その声にエラーも声の先に顔を向けた
するとそこには、若い人間の女が立っていた

フリーズ「私よ、待たせたわね」

女の姿からなんとなく懐かしさを感じたヒートは、それが直ぐにフリーズだと確信した

ヒート「フリーズ!今まで連絡もなしにどうしたんだ!」

フリーズの人間体を見たエラーは同じく人間の姿になり、フリーズに抱きついた

エラー「えええん、心配したよーフリーズ!」

ヒート「何があったのか説明しろフリーズ!!」

ヒートの気迫にフリーズは少し顔を歪めながら、話し始めた

フリーズ「色々と勉強してたのよ・・・人間を」

ヒート「そんなことは知っている、なんで連絡をよこさなかったんだ!」

フリーズ「・・・ヒート、悪いけど、結論から先に言うわ」

フリーズは目を閉じて、呼吸を整えるとヒートとエラーにこう言い放った

フリーズ「私は抜ける、人間を滅ぼすなんて出来ない・・・」

その言葉にヒートの怒りは限界を超えてしまった <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2015/06/01(月) 23:57:21.71 ID:Bqbo4Ymx0<> 「キサマハニセモノダアアア・・・フリーズハドコダ!!!」

燃え盛る山と、吹き飛ばされた洞窟の入り口
その炎の中心に、オーバーヒートが呻きながら、がむしゃらに辺りを破壊し
胸部から炎を噴煙し続けている 紅蓮の中に飲み込まれたその姿は
全てのものを焼きつくし破壊する 魔神のようだった

フリーズはヒートの怒りが頂点を超えた時に発生した爆発で洞窟の外に吹き飛ばされており
エラーもまた、フリーズと同様に吹き飛ばされていた

フリーズはなんとか防御姿勢を取ることで、ダメージを防いだが、エラーは直撃だったのか、目を開けたままピクリとも動かない

「ドコダアアアア!フリーズ!!フリーズハドコダアアアアア!!」

完全に我を失ったオーバーヒートは手当たり次第を破壊していく
森のなかの木々は一瞬で燃え盛り、オーバーヒートの豪腕で次々粉砕されていく

フリーズ「エラー・・・エラー、お願い目を覚まして」

エラー「・・・・・・」

フリーズ「ごめんなさいエラー、あなたを巻き込んで・・・」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2015/06/02(火) 00:08:38.74 ID:qFZy77eL0<> フリーズの呼びかけにエラーは目を覚ました
だが、損傷がひどく、うまく体を動かせないでいた

フリーズ「動ける?エラー?」

エラー「だめ、歩けない・・・手も使えないから、立てない」

すると、二人を取り囲むように炎が辺りを覆う
そして、ズシンズシンという足音が近づき、倒れこむ二人を見下ろすように
オーバーヒートがやってきた

「フリーズ、フリーズ!フリイイイイイイズ!!」

フリーズ「そうよ、私はここよ、オーバーヒート、エラーはアナタのせいで動けなくなってしまった、この子を巻き込まないで!」

フリーズはオーバーヒートに怯むことなく
毅然とした態度で言い放つ。

「フリーズ!!フリイイズウウウ!」

オーバーヒートはそんな言葉に耳を傾けることはなく
無慈悲にもその拳をフリーズめがけて勢い良く振り下ろした
しかし、拳は寸前の所で、ピタリと止まった

フリーズ「オーバーヒート、私の為を思ってのことだとしたら、アナタの思いは受け入れられない」

フリーズの姿は、人間体から青いロボットの姿へと戻っていた

「ウゴ、ウゴカ、ナイ」

オーバーヒートは腕を動かそうとしたが体はピクリとも動かない
そして驚くことに、辺りに燃え盛っている炎すらも、一切揺れ動くなく写真のように静止していた <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2015/06/02(火) 00:19:12.26 ID:qFZy77eL0<> まるで時間すら静止したような感じに襲われたオーバーヒートは
炎すらも止まるその世界を普通に歩くことができるフリーズを見て、徐々に冷静さを取り戻していく

オーバーヒート「フリーズ、フリーズ!何故だ!何故俺たちを裏切る!!」

その問いかけは、とても切なく、悲しみに満ちていた

フリーズ「裏切った・・・か、そう思うのならそれでもいい、でも私はお父様の意思を継ぐことは出来ないの」

ヒート「何故だ・・・何故なんだフリーズ!父さんは・・・父さんは今でもあの中に居るんだぞ!あの中で人間を恨んでいる!」

ヒートの目線の先は先程まで自分が掘っていた洞窟の入口、今はもう吹き飛んでしまっているが
彼は洞窟の先で眠る博士のことを何よりも大事に思っていた。

ヒート「お前はあの時もそうだ!あの時も、父さんの死を、父さんの事を切り捨てた!」

フリーズ「何を言っているの?」

オーバーヒート「俺はそう簡単に心を切り替えられない!!!」

オーバーヒートの体は小刻みに震えだす
静止した空間の中で強引に動き出そうと、全身に力を込めている
その力の本流は、オーバーヒートの胸の中枢、その熱で胸の装甲白く光っていた <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2015/06/02(火) 00:30:01.14 ID:i/YFzkOQO<> なんだか泣けてくるな…… <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2015/06/02(火) 00:30:11.69 ID:qFZy77eL0<> もはや臨海寸前
このままでは、周りを巻き込んでの自爆をしかねない状態になっていた
フリーズは悲しそうな声でこう呟いた

フリーズ「最後に、あなたと、ちゃんと話合う事ができないことが、こんなに辛いことだとは思わなかった・・・」

フリーズは手のひらをオーバーヒートの胸の中心にかざし、自身のもてるエネルギーのすべてを使い
一点に集中させた

フリーズ「さよなら、兄さん」

オーバーヒート「フリーズ!フリーズ!!!」

放たれた光は、オーバーヒートの胸を突き抜け、その中枢もろとも、吹き飛ばした
本来ならばそのエネルギーで辺りは吹き飛ぶが
フリーズの能力、停止 によりエネルギーそのものの動きすら停止させた

胸がポッカリと空いた オーバーヒートは

まるで悲しみの表情を浮かべたような、苦痛に満ちたような顔で機能を停止した
フリーズの能力で停止したオーバーヒートの時間は、永遠に悲しみの中で停止し続けるのだ

その姿を見たフリーズは膝から崩れ落ち、兄の姿を見て泣き崩れた

エラー「どうしたのフリーズ・・・泣いてるの?・・・なんで、は、おかしいか・・・はは、おかしいか・・・なんでは・・・」

エラーもまた、ゆっくと涙を流した
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2015/06/02(火) 00:44:04.01 ID:qFZy77eL0<> エラーを連れてフリーズは博士の家に戻った
フリーズのダメージはそこまでひどくないが、エラーのダメージは重症ではあるが
そこまで深刻なものではなかった、二人には自然治癒能力が備わり時間をかければ
修理などは必要がなかった

畳の上に寝かされたエラーはフリーズに問いかけた

エラー「どうして、黙って出て行ってしまったの?」

エラーの問にフリーズは悲しそうに返した

フリーズ「連絡をよこさなかったのは私が悪かったわ。でも出て行くつもりなんて無かった、本当に人間の情報を調べていた。ソレは本当よ」

エラー「なんで、博士の命令に背くの・・・?」

フリーズ「・・・学んでしまったのよ」

エラー「マナブ?ナニヲ?」

フリーズ「人間を・・・人間が何かを・・・」

エラーは誠意いっぱいの笑顔を作りながら問いかけた

エラー「ねぇ教えてよ・・・博士の命令に背いちゃうくらい凄いことなんでしょ?ねぇーなにー?教えてよー」

フリーズはゆっくりと口を開けた

「愛よ」

「アイ?アイッテナニ?」

「知ってしまったのよ、愛というものを、そして、私も愛を知ってしまった」

「・・・ワカラナイヨ・・・ワカラナイヨゥ」

「エラー?どうしたの?」

「ワカラナイヨ・・・オネエチャン、アイッテナニ?ソンナニジュウヨウナノ?」

「重要だよ、わたしにと」

「ワカラナイヨ、オニイチャンヲコワシテマデ、ジュウヨウナコトナノ!」


フリーズ「エラー、これだけは私からはもう説明することは出来ない・・・エラー、あなたも人間の姿になれるのなら・・・見つけてみなさい」

「イヤダヨ・・・オネエチャン、イカナイデヨ・・・ヒトリニナッチャウヨ!オネエヂャアアアアアアア!」

フリーズ「さようなら、エラー・・・アナタなら、大丈夫だから・・・さようなら」

「オネーヂャアアア、オニイヂャアアアア アアアアアアア  アアアアアアアアアアア」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2015/06/02(火) 00:53:27.93 ID:qFZy77eL0<> フリーズが去ってから1週間が経った
ようやく、手足が動くようになり、エラーはゆっくりと立ち上がった
これからの事をどうするか、ここ1週間ずっと考えていた

フリーズの言う愛が何かを探すべきなのか、それとも、兄の意志を継いで
父の悲願を達成させるべきなのか

だがそんなことエラーには難しすぎて考えられなかった
ただただ、虚しさだけが残り

自分が今後どうやって行けばいいのかなんて、考えられなかった

エラー「ヒート・・・フリーズ、博士・・・」

寂しかった
どうしようもなく寂しかった、せめて、兄の亡骸だけでも
回収しようと、エラーはあの惨劇のあった場所へと向かった

未だにフリーズの能力の影響で、炎があの時のまま止まっている場所があった
まるでオブジェのように残された炎の中を歩いて行くと、そこには、今は亡き、オーバーヒートの亡骸が







なかった <> ◆JaGRvtFs1Y<><>2015/06/02(火) 01:02:34.37 ID:qFZy77eL0<> 「ハァハァハァ・・・」

苦しい、胸が苦しい

まるで風穴が空いたように、ぽっかりとして、ああ、胸が苦しい

風が吹いたら・・・そのまま吹き抜けてしまいそうな・・・そんな感じがする、こんなにも苦しくて

息苦しいのに 何故だろう


心は穏やかだ

体は熱く、その熱を風が体を通り、冷ましている だが、歩くのは限界だ

一体いつから歩いていたのだろうか 随分前から歩いていたような気がする だがそんなことはどうでもいい

今はただ、横になりたい それだけだ



一人の男がゴミ捨て場で倒れこんでいる その男の胸にはポッカリと穴が開いていた。

「だ、大丈夫ですか?」

一人の少女が声をかけてきた

「大丈夫、じゃないかな・・・苦しい」

「大変、直ぐに救急車を・・・」

「ああ、大丈夫・・・たぶん、寝てれば治ると思う・・・」


「寝てればって・・・というか、あなた人間、なんですか?」

「ははは、人間か・・・俺は何なんだろうな、思い出せないが、たぶんこれからそれを知っていくことになるだろう、ということだけは」

「ハッキリわかる。」



一章 終わり   

次回は不定期 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2015/06/02(火) 06:43:43.60 ID:G2tycImeo<> おつ

期待 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2015/06/02(火) 12:09:10.26 ID:bSKFR+dMO<> 続きが気になりすぎて胸から火柱出そう
乙 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2015/06/02(火) 12:34:24.83 ID:AQDVfcF80<> 何で順序立てて説明しなかったかなぁフリーズ
身勝手なのも人間に近づいてるって事なのかもしれないけど <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2015/06/03(水) 00:17:46.24 ID:NPwf+JOQO<> 乙
最初の下りはドラゴンボールの人造人間起動のオマージュってやつ? <>
◆JaGRvtFs1Y<><>2015/06/06(土) 01:37:04.96 ID:kEaDgB0a0<> 突如緑の光線が駐車していた車に当たり大爆発を起こした
幸い、車には誰も乗っておらず、近くに居た人にも怪我はなかった
爆発を見た人、爆発音を聞いた人は、直ぐ様逃げ出した

彼らはこの手のことに慣れている
だから、こういう自体が起きたり、近くで発生したりしたら
直ぐに避難することにしている

別に、警察に通報してもいいが、通報しなくても概ね問題ない


「フハハハハハ!この程度か!」
緑の光線を放った、ゴツくて緑色をした、化け物はそう言い放った

彼の名は、デーモンビーン

悪魔のような形相と、緑色の体色は、遺伝子操作した豆を食べたことで
怪人に変身した、粗忽者だ。
<>
◆JaGRvtFs1Y<><>2015/06/06(土) 01:37:44.27 ID:kEaDgB0a0<> デーモンビーンは腕から光線を放ち手当たり次第に破壊していく
普段から素行は悪いが、別に闇雲に攻撃を放っているわけではない
光線の先に当てたい的があるからだ。

しきりに身をかわしながらデーモンビーンに反撃のチャンスを伺う男が居た
顔の上半分を覆面で隠したその男は自身の体を光らせて
エネルギーを貯めつつこう叫んだ

「ミスティックパワー!」
別に人の死体を食べる力ではない、形容しがたい
未知なる力であり、それが何か分からないからそう呼んでいるだけだ

男の名は、グルムウェル 
不思議な力を使い街の悪と戦うヒーローの一人だ
<>
◆JaGRvtFs1Y<><>2015/06/06(土) 01:38:45.08 ID:kEaDgB0a0<> グルムウェル「やいデイビー、今日こそお前を捕まえてやるぞ!」

デーモンビーン「口だけの小童が!」

二人は激しく衝突した
体格的にはデーモンのが上だったが、ミスティックパワーで両者は互角だった
やがて均衡が崩れる。

グルムウェル「とりゃあああああ!」

グルムウェルがデーモンビーンを持ち上げると勢い良く投げ飛ばした
電柱を倒し、先ほど廃車にした車にぶち当てると
デーモンビーンはうめき声をあげた

デーモン「うぐぐぐ、今日はここまでだな・・・」

グルムウェル「まて、逃げるつもりか!」

グルムウェルがデーモンビーンに飛び乗り、抑えこもうとした瞬間
どこからか勢い良く黄色のペンキが飛んできて、彼の顔に命中した

グルムウェル「しまった、前が見えないぞ!」
<>
◆JaGRvtFs1Y<><>2015/06/06(土) 01:39:26.32 ID:kEaDgB0a0<> 今がチャンスとばかりにデーモンビーンがグルムウェルを投げ飛ばすと
一目散に逃げていった。

一体何が起こったのか、顔のペンキを拭い、眼を開くとそこに映る景色に唖然とした

なんと、街中がペンキまみれで汚されていたの。

一体誰がこんなことを、そう思っていると
今度は自分の背中にビチャっという音を立てて何かが命中した
直ぐ様背中に手を当て、何があたったのかを確認すると
今度は別の色のペンキだった。

グルムウェル「誰だ!こんなことをするのは!」

彼が叫ぶと、ペンキを飛ばした犯人たちが楽しそうに笑っていた
<>
◆JaGRvtFs1Y<><>2015/06/06(土) 01:40:45.82 ID:kEaDgB0a0<> グルムウェルは犯人をたちを見て頭を抱えた
犯人たちは、ペンキを飛ばす水鉄砲を持った、悪ガキたちだった
しかも、4人組である。

グルムウェル「コラ!いい加減にしろ!イタズラがすぎるぞ!」

そう怒鳴るも、子供たちは怒るグルムウェルを無視して
ペンキシューターで街中をペンキで汚し始めた
しかも、彼らは縦横無尽に走り回り、普通のこどもとは思えない跳躍力で
飛び回っていた。

すると今度はまた別の4人組が現れ、黄色のペンキで街を汚し始めた


こんな幼稚なイタズラをして、なおかつ子供たちにやらせるようなのは
この街には一人しか居ない

そしてよく見ると、新しく現れた4人組の中に、その人物が混ざっていた
誰よりも楽しそうに水鉄砲でペンキを撃っていたのは
ちびっこギャングを率いて悪さをする、悪名高きクソガキ達のリーダー

エラー である <>
◆JaGRvtFs1Y<><>2015/06/06(土) 01:41:46.51 ID:kEaDgB0a0<> ある日突然この街に現れた金髪の少年?は、突如子供たちを洗脳して
街で大規模なイタズラを起こし始めた。

エラーは街のスーパーからお菓子を強奪したり
自分が開発したローラースケートで街中でレースをしたり
とにかく、子供たちを率いて大迷惑な行為を繰り返す。

何度かエラーを退治したりもするが、その都度、逃げたり
改心を装ったりして捕まえ損ねたりしている
また、エラーと共に悪さをする子供たちは、エラーに操られているため
うかつに手を出せない


子供「ははは!この前発売したゲームみたいで楽しいなコレ!」
ガキ「もっとペンキでナワバリを広げようぜ!」

しかし、この子供たち、イタズラをしているときは本当に楽しそうにイタズラをする
本当にエラーに洗脳されているのか疑いたくなる
もしかしたら、エラーに洗脳されてやっているという口実で本気でイタズラしているのではないだろうか

グルムウェルはデーモンビーンよりも質の悪い相手に困っていた <>
◆JaGRvtFs1Y<><>2015/06/06(土) 01:42:44.10 ID:kEaDgB0a0<> 「コラー!おまえらー!!」

その怒声を聞いてグルムウェルはしめた思った。

グルムウェル「こういう相手には、それ相応のお似合いの奴が居る、そいつに任せておこう。」

じゃあ、あとは宜しく、といった感じでグルムウェルは怒声の相手と入れ違いで帰っていた。


エラー「あっお兄ちゃん!お兄ちゃんも一緒に遊ぶ?」

エラーが笑顔で尋ねた
しかし、そんなエラーと違い、怒り心頭の男は
勢い良く飛び出し、エラーの頭を殴ろうとした。

しかし、エラーもまたそんなことはお見通しだった

エラー「へへっーそんなのお見通しだよー」

ひらりと拳を避けて反撃のペンキをお見舞い
しようとしたが、相手もまたそれはお見通しだった

エラーのペンキシューターを足で蹴り上げ
手から蹴り飛ばすと、その衝撃にエラーは尻餅をついた

エラー「あわわ、お兄ちゃんヒドイよう、どうしていつも僕の邪魔するのさ」
<>
◆JaGRvtFs1Y<><>2015/06/06(土) 01:44:18.05 ID:kEaDgB0a0<> お前のイタズラでどれだけ街の人が迷惑をしているのか
男は説教をしようとしたが、男の体を吹き飛ばすほどのペンキ弾が発射れた

男は直撃して、吹き飛び、ゴロゴロと転がって電柱に激突した

エラー「ナイスショット!」

エラーは片手で指を鳴らし、その功績をたたえた

男を吹き飛ばしたのは、エラーに操られている子供ではなく
タコとペイントスプレーが合体したようなロボットだった

その名を、オクトパッシュ
オクトパッシュは口からペンキ弾を発射して建物や道路をペンキで染め上げていく

オクトパッシュ「プシュシュシュシュ」


エラー「よーし!邪魔者は居なくなった!みんなあそぼー!」

その号令で子供たちは「おー!」と歓声を上げて
ペンキ銃を構えた、しかし、エラーの熱探知センサーに反応があり
近くで、高温の物体がることを告げた。

エラーはいつもの嫌な予感を感じてオクトパッシュに命令した

エラー「オ、オクトパッシュ!お兄ちゃんを」

そう言いかけた時、オクトパッシュは飛んできた電柱に当たり勢い良く吹き飛んでいった

オクトパッシュ「パシューーーー!」

エラーは引きつった顔で電柱が投げられた方向を向いた
するとそこには、ピンクのペンキまみれで胸に穴の空いた男が
ものすごい形相でエラーを睨みつけていた
<>
◆JaGRvtFs1Y<><>2015/06/06(土) 01:45:38.64 ID:kEaDgB0a0<> エラー「お、お兄ちゃん・・・」

弱々しい声でエラーが呟くが、時既に遅しだった

「イタズラが過ぎたようだな、エラー・・・」

低い声でそうつぶやくと、男は筒状の栓を腰から取り出すと
それを自身の胸の穴に埋め込んだ

「プットオーバー!」

男の体が紅蓮の光りに包まれると
その姿は一瞬にして燃え上がり、炎が消えたあと
男の姿は赤い炎を模したロボットになっていた


ヒート「エラー!!どうなるか分かっているだろうな!!」



ヒート

赤い炎をまといし鋼の戦士は、最近この街に現れた
記憶喪失のようで、過去のことはよく覚えていないらしいが
どうもエラーとは因縁のようなものを感じているらしく
エラーが悪さをするたびに、現れては、エラーにキツイお仕置きをしていく

この街に居るヒーローからは、悪ガキエラーを懲らしめることができるの男として
それなりに信頼は置かれているようだ。

ヒート「覚悟はできているだろうな、エラー」

エラー「ううっ・・・オクトパッシュ!お兄ちゃんをやっつけて!」


オクトパッシュは起き上がるとヒートに向かって突進していった
しかし、既に電柱を受けてボロボロだったオクトパッシュは
ヒートの目前まで着くと、直ぐ様反撃一撃を受けて
その場でバラバラに砕け散った。 <>
◆JaGRvtFs1Y<><>2015/06/06(土) 01:47:08.28 ID:kEaDgB0a0<> エラーは逃げようとしたが、首根っこヒートに掴まれると
その握力から、逃げられないことを悟った

エラー「お兄ちゃん、僕が悪かったよ・・・だから許して ね」

見た感じの可愛らしい少年らしく、哀願するエラーであるが
他のヒーローは一瞬手を緩めるのだが、ヒートだけにはそれが通じず
ヒートはゲンコツを手で作りエラーにまじまじと見せつけた

エラー「お、お兄ちゃん!ごめんなさい!もう二度としないから!」

ヒート「俺はその言葉を16回くらいは聞いたような気がするな」

エラー「ま、街はちゃんと綺麗にするから!」

エラーの訴えに、ヒートも、たしかにこのまま街を汚した状態ではマズイと思ったらしく
とりあえずエラーに掃除をさせることを条件にエラーに対するお仕置きを

ゲンコツ3発で許すことにした。
<>
◆JaGRvtFs1Y<><>2015/06/06(土) 01:48:33.07 ID:kEaDgB0a0<> エラー「み、みんなも掃除をするの手伝ってよー」

エラーは子供たちに訴えたが
子供たちは

子供「ごめん、今日は塾があるからこれで・・・」
ガキ「お、俺はホラ、お前に洗脳されてやってたわけだし、俺は悪くないよー」

エラー「そ、そんなー」

そう言い訳を並べて子供たちは、逃げ出していった
結局エラーは一人だけ残されて、ヒートの監視のもと
汚した街を綺麗になるまで掃除をさせられたのだった。

エラーは悲しそうな顔で、壁をゴシゴシと掃除する
そんな姿を見てヒートは問いかけた

ヒート「どうしてお前は、毎回あんな感じで言い訳を並べて逃げる子供と一緒に悪さするんだ」

エラー「・・・別にいいでしょ」

ヒート「毎回、あんなふうにお前を裏切ってるのに、お前もこりないな」

するとエラーは小声で呟いた

エラー「いいんだよ、僕はただ皆と遊びたいだけなんだから・・・」


エラーの呟きをヒートは、聞こえていたが
あえてその事には触れないでおいた。

ヒートも、子供たちが本当は洗脳されていない事くらい分かっていたが
エラーなりの不器用な接し方でしか子供たちと遊べないという事を
察しており、街のこどもの息抜きとして、たまにはハメを外すことを
許容してあげていた。

だが、ちゃんと叱る時は叱るというのが、ヒートなりのエラーへの接し方だった。 <>
◆JaGRvtFs1Y<><>2015/06/06(土) 01:51:05.84 ID:kEaDgB0a0<> ヒート「よし、壁掃除は済んだな、もう二度とこんなことしないなら許してやる」

エラー「もう二度とこんなことはしないよ」

エラーの言葉は本当である、ただ、次は別のイタズラをするという意味であり
ヒートもそのことは分かっていた

ヒート「よし、じゃあ帰っていいぞ」

その言葉を聞くと、エラーは一目散に逃げていった まるで解き放たれたハトのように
軽やかに、屋根を飛び跳ねていく

ヒートも投げ飛ばした電柱を拾い、元の場所に差し込んだ
そしてオクトパッシュの残骸をゴミ捨て場の
”怪人及びロボット”の場所に投げ捨てた

ちぎれた電線やデーモンビーンが破壊した車は街の人間が何とかするだろう

ヒートは胸の栓を抜くと、人間の姿に戻り
自分の下宿先のオニオンクリーニング店へと戻っていった。

下宿先に戻ると、店先で先ほどすれ違ったグルムウェルが居た

ヒート「どうしたグルムウェル?珍しいじゃないか」

グルムウェル「ようヒート、今日のワルガキ達はどうなった?ちゃんとお仕置きしたか?」

ヒート「ああ、ちゃんとゲンコツに加えて、汚した壁なんかを掃除させたよ」

グルムウェル「そうか、なら今度は、俺のマスクも一緒に綺麗にするように指導してやれ」

どうやらエラー達のペンキでマスクが汚れたグルムウェルは
ヒートの下宿先にクリーニングに来ていたのだ。 <>
◆JaGRvtFs1Y<><>2015/06/06(土) 01:52:48.17 ID:kEaDgB0a0<> その日は、ペンキで服を汚された人たちが
オニオンクリーニング店にわんさかやって来た
エラーのイタズラの余波でこんな事になるとは、ヒートは落胆した反面
日々さに店が繁盛したことに、喜んでいいやら悪いやらだった

「ヒイトさん、まだまだ有りますからね」

そう言うと、一人の少女がお客から預かった服を持ってくる
ヒートは自身の能力で温めたアイロンで服を仕上げていく

この店で働くようになってから、自分はこのような単純作業が好きだと感じている
しかし、服によってはやり方も違う、そこがまたこの仕事の醍醐味だ

と、自分に言い聞かせるようにヒートは作業をこなしていく


「ヒイトさん、とりあえずこれで終わりです」

少女がそう告げると、ヒートは最後の服にアイロンをかけて
その服に針金のハンガーを通すと、最後に透明のパックでラッピングする
作業をする機械へと流していく。

一段落すると、ヒートは、おやっさんがよく自分の肩や腰を叩きながら
「ふーっ」と息を吐く仕草をした

ロボットである自分に疲労というものはないが
それでも、なぜかこの仕草をしたくなるのだ

「お疲れ様です」
少女はハニカミながら言葉をかける

彼女はタマキ、ヒートがこの店の近くのゴミ捨て場で倒れていた時
偶然通りかかり、ヒートを店に連れてきたのだ <>
◆JaGRvtFs1Y<><>2015/06/06(土) 01:55:11.70 ID:kEaDgB0a0<> タマキ「ヒイトさん、最初戻ってきた時はペンキまみれでどうしたのかと思いましたよ」

エラーとの戦いで、全身がペンキまみれで戻ってきたが
直ぐに服を着替えて、店の手伝いを開始したのだ

ヒート「エラーの奴が今日も悪さしてね」

ヒートは今日の出来事を彼女に伝えた

タマキ「ヒイトさんはエラーって子の事になると直ぐ店を飛び出しちゃうんだから」

今日ヒートが店番をしていると
向こうでペンキをぶち撒けている一団がいるという通行人の話を聞くやいなや
ヒートはピンと来たらしく、店を飛び出したのだ
結果、ヒートの感は当たり、今に至る


タマキ「もしかして、エラーって子とヒイトさんは、なにか関係があるんじゃないんですか?」

タマキの問にヒートも
何かしらの縁のような物を感じているのだが、イマイチそれが分からない

エラーに関しては、なにか憎らしいような、それでいて放っておけないような
脆さと危うさと愛しさのようなものを感じており

つい、あいつが悪さをすると、それを叱りたくなるのだ

ヒート「なにかそんな気がするよ、でも今まで散々懲らしめてきたが、イマイチピンとこないんだよ」

タマキ「もしかして、案外兄弟なんじゃないですか?」

ヒート「俺とあいつが?よしてくれよ、ははは」 <>
◆JaGRvtFs1Y<><>2015/06/06(土) 01:56:44.46 ID:kEaDgB0a0<> おやっさん「ヒイト、戻ってきたか」

タマキと談笑をしていると、この店の主であり、行き倒れだった
ヒートを拾ってくれた、おやっさんが戻ってきた

おやっさんは、ずっとこの店でクリーニングをする機械を修理しながら
タマキを育てて暮らしてきた

クリーニングマシンを修理する傍らでヒートもついでに修理ができる
昔気質の職人なのだ



------

タマキ「お父さん、大変、人が倒れてたの」

娘のタマキが学校に行ったかと思うと、見ず知らず男を連れて戻ってきた
しかも、肩を貸しながらだ

直ぐに、救急車でも呼べと言いたかったが
男の胸に空いた穴と、その穴から見られる人間の体にはない
機械のパーツが見えた時に、おやっさんは直ぐに状況を理解したらしい

直ぐにヒートを作業台に寝かせ
胸の穴を、クリーニングマシンやスチームアイロンの予備パーツで
修繕したのだ

だが、穴自体を塞ぐまでにはいたらなかった

その穴が開いた原因が何かがわからないのと、もともとこの胸には何が入っていたのか
ただ今できることは、ちぎれたパーツの修復

そして、この男が何者なのかを調べることだった。
<>
◆JaGRvtFs1Y<><>2015/06/06(土) 01:57:37.71 ID:kEaDgB0a0<> おやっさん「お前名前は?」

その問いかけに、うつろな目で天井を見つめながら、作業台に寝る男は答えた

「たしか、あったような気が・・・だが何故か、ぽっかりと記憶から抜け落ちたような」

この男は記憶が欠落している
いや、メモリーの破損か、少なくともかなりの技術者が作ったに違いない
高度な人工知能を積んだこのロボットは何故倒れていたのか
誰が作ったのか、おやっさんは気になった

タマキ「どうお父さん?治りそうなの?」

おやっさん「今できることだけをした、この穴を塞ぐことは出来ても何が入っていたのか皆目見当がつかねぇ」

すると、作業台に寝る男は呟いた

「お父さん・・・お父さん・・・」

男はその言葉をしきりに呟きながら、胸を抑えだした


「思い出せない、父さんという言葉、なんだ、父さんとは・・・」

苦痛に満ちた表情で、胸を押さえる姿に
二人は居た堪れなくなった

おやっさん「今は安め、おとなしくしていろ」

その言葉に、目をつむり、呼吸を整えるように体を落ち着かせると
まるで眠ったように動かなくなった

おやっさん「どうやら待機状態になったみたいだな、動力は何だ?」

タマキ「ねえお父さん、この人は何なの?」

おやっさん「わからん、だが言えるのは、なにか大きな負荷が胸に掛かった後がある」


そう言いながら、胸から取り出した壊れたパーツを手に取り見せる

おやっさん「この壊れ方からして、オーバーヒートを起こしてるかもしれん」
<>
◆JaGRvtFs1Y<><>2015/06/06(土) 01:59:08.56 ID:kEaDgB0a0<> −−−−−−




タマキ「お父さん、今日は大変よ、沢山お客さんが来て」

おやっさん「今日は大入りか、いいことじゃないか」

タマキ「なのに肝心の人手が足りないってのはどういうことかしら、ねえ!」

ヒートは思った
タマキはエラー以上に顔がコロコロ変わる
仕事の時はきつく厳しく、仕事が終われば優しく
父親の前では笑ったり怒ったり


女子高生というものらしいが
女子高生というのは、こんなにも顔がコロコロ変わるのだろうか

自分は、笑顔というと、どうしても力なく笑ってしまう
別に顔の表情に筋肉に変わるパーツが無いわけではないのに
なぜか、タマキのようには笑えない

怒った顔は得意らしいのだが・・・

もしかしたら、俺がタマキやおやっさんのように顔を変えれないのは
この胸の穴が原因なのだろうか、ヒートはそう思うのだった。
<>
◆JaGRvtFs1Y<><>2015/06/06(土) 02:00:28.71 ID:kEaDgB0a0<>
道路を汚したペンキが除染車の放水で洗い流されていく
そのペンキは下水管を通り、流れていく

ペンキでいつもよりも鮮やかになった下水を見てデーモンビーンは今日のことを
苦笑いながら話した

デーモンビーン「今日はひどい目にあったが、あのガキのお陰で命拾いをした」

その話を聞いた紫のローブを着た仮面の男はどうでもいいと言わんばかりで
デーモンビーンの前に手を伸ばした

「ブツは手に入ったのだろうな」

デーモンビーン「抜かりはない、ドクタームーブアップ」

そう呼んだ男に、デーモンビーンは緑のカプセルを渡す


「ドクターシャットダウンが消えてから、この街も大人しくなったものだ」

デーモンビーン「以前ならフュージョンカプセルなんざ簡単に手に入ったが、今じゃ俺が直接奪いに行かなければ手には入らん」

「だが、これで久々に”お遊戯会”を開けるぞ」

<>
◆JaGRvtFs1Y<><>2015/06/06(土) 02:02:17.28 ID:kEaDgB0a0<> ヒーローからの誘い

ヒートは人間のように寝ることができる
とはいっても、待機状態であり、睡眠が必要ということではない
ただ、自身の体を無駄に動かさず、時間を経過させるという
そうのような機能が備わっている

別に眠くなったりはしないが、夜は寝るものだとおやっさんに教わった
人間と暮らす以上は彼らと行動を同じにしなければいけない
ヒートはその事をすぐに学んだ

だが、時には夜更かしをして朝を迎える日もある

夜中だというのに、夜遅くに迷惑をかけるヤツが居る
言っておくがエラーではない、エラーはなぜか夜は活動しない
そう、エラー以外の迷惑な奴が、夜中に動き そいつらを捕まえるため手伝ってくれと

他のヒーローからお誘いが来るのだ 夜のお誘いを受けた以上は
それに参加するのが ご近所付き合いというものだ



真夜中の高速道路を猛スピードで駆け抜ける人影があった
スピード違反の取り締まりは警察の仕事だが、警察がそいつに追いつけたらの話だ

今回は事情が違う
まだ警察の誰もそいつに追いつけていないのだ
パトカーも白バイも、ハイウェイに設置されたバリケードも
誰一人捕まえられなかった

ヒートを夜のお誘いに招待したのはヒーローであるシューティングスターである

空を飛ぶことのできる彼は、地上を走る車やバイクなんかよりも早い

だが、空を飛ぶ彼ですら、今回のあいては手強いようだ


スター「おい止まれ!一体何キロオーバーしてる!」

スピード違反のキップを切りたいところだが
あいにく彼にその権限はない、なので、彼を現行犯で逮捕して
警察に突き出して、切符を切ってもらうしか無いだろう、もちろん皮肉だ <>
◆JaGRvtFs1Y<><>2015/06/06(土) 02:04:32.10 ID:kEaDgB0a0<> ヒート「おーいスター、夜中に呼び出したんだ、何があったのか教えてくれ」

ヒートからの通信にスターは皮肉交じりでこう返した

スター「スピード違反の検挙だ」

その返信に対して、ヒートはこう返した

ヒート「じゃあ俺は逮捕しないでくれよ」

シューティングスターの後ろをまるでスペースシャトルのロケットを
背中に取り付けたような格好のヒートが空を飛びながら追いかけてきたのである


スター「お前なんでもありか?」

その問いかけに、ヒートはよく分からなかったが
空をとぶスターの横を並走するようにスピードを抑えた
よく見ると、胸の穴の部分は、スペースシャトルの先端のような突起物が
装着されていた

スター「これなら相手が宇宙に逃げても追いかけられそうだな」

ヒート「それで、相手は?」

スターは現在追跡中のスピード違反の人影を指さした

その相手は銀色の光をなびかせながら
ハイウェイを爆走していく、スケート選手のようにすべるように移動
しているかと思えば、時にはジャンプして道路を蹴りあげて走ったりもする

スター「最速スケーターと名付けようか思ったが、どうも呼び名が決まらなくてな」

ヒート「なら早く捕まえて、名前を聞いたほうが良いな」

ヒートはロケットブースターの火力を上げてスターを追い抜いて行った <>
◆JaGRvtFs1Y<><>2015/06/06(土) 02:06:28.30 ID:kEaDgB0a0<> 高速で走る銀色の人影は、背後から迫る熱量を感知した。
とっさに後ろを振り向くと、猛スピードで爆風を出しながら飛んでくるヒートの姿がそこにはあった

銀の影は更にスピードを上げた。


ヒート「止まれ!それ以上スピードを出すのは危険だぞ!」

しかし、相手に届くわけはない
そもそもそんな声が届く相手なら、シューティングスターがとっくに捕まえられている

スター「おいスペースシャトル、そろそろトンネルに差し掛かるぞ、高度を上げておけ」

スターからの忠告に、ヒートは返した

ヒート「このままトンネルに突入する!」

スター「お前のほうが危険じゃねぇかよ・・・」



一足先に人影はトンネルに突入する

後を追うようにヒートも猛スピードで突入する
もし、トンネルの天井や地面に体のどこかしらが当たれば大事故になる
しかし、決して操縦がブレることなく、トンネルの中を突き進んでいく 
幸いなのは深夜ということも有り、車が一台も走っていなかったことだ、
もっとも警察が事前に高速道路の入口を止めているので走るものは居ないのだが

トンネルの中盤に差し掛かった時、ヒートは前方に障害物を感じた

そして、銀の人影もそれに気づいたが、一体何があるのか感知できなかった。 <>
◆JaGRvtFs1Y<><>2015/06/06(土) 02:07:49.99 ID:kEaDgB0a0<> 一足先に、人影の動きが止まる
まるで、ビデオ映像の停止ボタンを押したようにビタっと止まったのだ

そしてそれに気づくまもなく、ヒートも同じように全身銀の姿をした相手の横で
同じように飛行姿を保ったまま、空間に停止してしまったのだ。

ヒート「う、動かない」

声に出そうにもそれすらもできなかった
まるで、金縛りにあったように動くことが出来ないし喋ることも出来ない

そして、それは相手も同じだった

走っている姿勢のまま硬直した相手も、必死に抜けだそうとしていた。
<>
◆JaGRvtFs1Y<><>2015/06/06(土) 02:09:54.96 ID:kEaDgB0a0<> 「お遊びがすぎるわよ」

誰も居ないはずのトンネルで声がした
その声から察するに、声の主は女であろう
しかし、ヒートの位置からは見えなかった

「オーバークロック、力を持ったのなら使いたくなるのはわかるけど、今はその時ではない」

女がそう言うと
銀の姿をした相手は前に転がるように倒れこんだ
ようやく、その全貌が見えた時、ヒートは銀の姿の相手に妙な既視感を覚えた

どこかで見たような、何故だろう言葉で言い表せないが
その姿に、自分と似た何かを感じた

ヒート「お前はロボットなのか?」


オーバークロックと呼ばれる銀のロボットは立ち上がると
問いかけには無視して、女の方に近寄っていった

オーバークロック「リバビリをしていただけだ」

「あらそう、それで、調子は取り戻した?」

オーバークロック「まだ早さに慣れていない部分がある、だが時期に使いこなせる」

「それはなにより」

ヒートは動けない体を必死に動かそうとして、女のほうを見ようとした
せめて相手が誰なのか、それだけでも確かめなければ
藻掻いているうちに、体が突然一時停止から解き放たれた
ヒートは勢い良く転がった <>
◆JaGRvtFs1Y<><>2015/06/06(土) 02:10:44.41 ID:kEaDgB0a0<> ヒートは起き上がり、オーバークロックとまだ見ぬ相手の方に顔を向けた
すると、そこには青い髪の女が居た


その姿は、どこかで見たような
そう思った時、ヒートの胸は突然火花を散らし始めた

ヒート「うわあああああああ」

突然の苦しみに身悶えしながら膝をつくヒート
何故だろう、女を見た瞬間、自分の胸が痛み出した
そして、何故だろうか、あの女はどこかで、どこかで見たような気がする

誰だ、思い出せない だれだ ダレダ

オモイダセナイ
<>
◆JaGRvtFs1Y<><>2015/06/06(土) 02:11:42.92 ID:kEaDgB0a0<> ヒートはうめき声を上げて上げながら女に向かって走りだした

ヒート「うがああああ、オマエハダレダ!!」

そう叫ぶと、ヒートは自身の拳を突き出して女に殴りかかった
しかし、その拳は、オーバークロックによって阻まれた
拳をがっしりと片手で掴まれると

勢い良く捻り上げられた
火花を散らして、手首が曲がり、今に千切れそうな勢いだ

ヒート「ハナセ!!ウガアアアア!!」

「やめておきなさい、アナタでは私達二人には勝てない」

ヒート「オマエハ、ナニモノダ!」

ヒートの必死の問いかけに、女うっすら笑みを浮かべながら答えた

「ブルースクリーン、待たお会いしましょう、ボウヤ」

ヒートはその瞬間、オーバークロックのパンチを顔面に受けて、意識を失った <>
◆JaGRvtFs1Y<><>2015/06/06(土) 02:12:19.21 ID:kEaDgB0a0<> スター「おい大丈夫か!」

気が付くと、見慣れた顔と、大勢の警官とパトカーが駆けつけていた
自分が意識を失っていた間に、どうやら二人には逃げられたようだ

スター「お前がトンネルの出口から出てくるのが遅いから来てみれば、やっぱり事故ってるじゃないか!」

周りには、自分の背中につけていたロケットブースターと
その残骸が散らばっていた


スター「相手にまんまと逃げられるし、本当にお前のマヌケには呆れるぜ」

ヒート「に、逃げられた・・・」

その言葉にヒートは女の顔を思い出そうとしたが
オーバークロックに殴られた衝撃で、うまく思い出せない
たしか、どこかで見た顔・・・名前は、名前は

ヒート「そうだ、ブルースクリーンだ」

スター「はぁ?頭ぶっ壊れてブルースクリーンなのか?」
<>
◆JaGRvtFs1Y<><>2015/06/06(土) 02:13:40.32 ID:kEaDgB0a0<> 頭を押さえながら、システムを再確認しながら
ヒートは喋り始めた

ヒート「それもあるが、逃げた奴は2人だ、一人はブルースクリーンという女で、追っていた銀の奴はオーバクロックと呼ばれていた」

スター「なに?二人組なのか?」

ヒート「どのくらい気絶していた、まだ追いかければ・・・間に合うはずだ」

スター「そのことだけどよ、実はトンネルから誰も出てねーんだよ」

ヒート「どういうことだ?」

スター「いや、お前が出てこないし、中で戦闘でもしてんのかと思ったら、お前以外居ないし、銀のやつすら居なかったぞ」

スターの言葉にヒートは再び目の前が真っ暗になった。


スター「今日はもう休め」

ブースターの残骸は後日下宿先に届くとして
ヒートは、パトカーに乗せられ、人間の姿に戻り
クリーニング店に帰ってきた。

おやっさん「おう、朝帰りにしちゃずいぶんと派手に遊んだな」

ヒート「すいません、ご迷惑おかけしました。」

おやっさんはヒートの手首を手に取りキズを見ると

「お前には自己修復機能があるから、手首のキズくらいはなんでもないな」と言い
包帯は自分でまけと言った <>
◆JaGRvtFs1Y<><>2015/06/06(土) 02:14:52.02 ID:kEaDgB0a0<> ヒートが包帯を巻いているとタマキが二階から降りてきた

タマキ「ヒイトさん、どうしたのそのキズ!」

ヒート「派手に転んでね・・・」


タマキは直ぐにヒートに包帯を巻いた。

ヒート「すまない、タマキちゃん」

タマキ「いいのよ、片手を怪我してるのに自分で巻くのは大変でしょ」

タマキはヒートの表情を見て
いつものヒートとは違う、悲しさを感じた

タマキ「ねえ何があったの?」

少女の率直な質問にヒートは悲しい眼差しで自分の腕を見つめながら答えた <>
◆JaGRvtFs1Y<><>2015/06/06(土) 02:17:35.90 ID:kEaDgB0a0<> ヒート「今日、ある女性に会った、初めてあったはずなに、なにか惹かれるものがあってね」

タマキ「えっ、それって・・・」

ヒートは自分の胸に手を当てた

ヒート「こんな気持は初めてだ、胸が熱くなって、苦しくなった」


その言葉を聞いて、タマキは救急箱を投げ捨て二階に走っていった

ヒート「どうしたんだ?タマキちゃん?」

ヒートはタマキが投げ捨てた救急箱を拾うと元あった場所に戻した <>
◆JaGRvtFs1Y<><>2015/06/06(土) 02:18:55.32 ID:kEaDgB0a0<> 今回はこれで終わり

次章に続く <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2015/06/06(土) 07:25:19.72 ID:vz6iW1mC0<> それとは違うんだろうけど言い方がなww <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2015/06/06(土) 07:58:58.29 ID:J3vvt0GjO<> エラーの動向が気になるな
乙 <>