以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage saga<>2015/10/04(日) 15:53:53.49 ID:AoBON6I80<>勇者「読みたいの?」
商人「売りたいの」
勇者「え?」
商人「あなたが冒険に出てからずっと書き続けた日記。みんな読みたがると思うの」
商人「私が考え出した活版印刷でたくさん刷って、全国の本屋で販売するのよ」
勇者「はあ」
商人「利益は折半でいいわ。どう?」
勇者「どうと言われても」
王「ええんちゃう?」
勇者「え、なんで王様がここに!?」
王「どこにおっても儂の自由やろ」
商人「王様もこう言ってるんだし、日記を寄越しなさいよ」
勇者「・・・はあ、仕方ない」
商人「(ふふふ、上手く行った!!)」
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<>勇者「僕の日記?」商人「うん、早く出して」
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage saga<>2015/10/04(日) 16:01:17.66 ID:AoBON6I80<> 勇者「はい、どうぞ。汚さないでくれよ」
商人「もちろん丁重に扱うわよ」
王「儂は帰るか」
勇者「本当に、どうして王様がこんなところにいるんですか」
商人「これが勇者様の日記よ」
弟子「さ、さすがです姉さん!まさか交渉成立するなんて・・・」
商人「何?私が失敗すると思ってたの?」
弟子「そ、そんなことは!」
商人「ほら、早速作業に取り掛かるわよ」
商人「さっさと版を作っちゃわなきゃ。1週間後には印刷し始めるわよ」
弟子「はい!」 <>
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2015/10/04(日) 16:05:24.38 ID:iZxmHWVLo<> 期待 <>
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage saga<>2015/10/04(日) 16:34:58.42 ID:AoBON6I80<> お隣さん「しょ、商人ちゃん!商人ちゃんは居るかい!!」
商人「どうしたの」
お隣さん「う、うちの女房が『生まれる!』って叫びだして・・・俺、どうしたら・・・」
商人「!!」
商人「弟子、悪いけど私が戻ってくるまで可能な限り作業を進めておいて」
弟子「え・・・」
商人「お隣さん、あなたは医者を呼んできて」
商人「私は奥さんの面倒見とくから」
お隣さん「ああ!」
弟子「進めると言われても・・・」
奥さん「うううううっ!!」
奥さん「うう、うううイタイイタイイタイ・・・」
商人「甘えたこと言うなよ奥さん。腹の中の赤ん坊は今、奥さんより辛い思いをしてるんだ」
商人「医者が来るまで辛抱して」
奥さん「辛抱・・・辛抱・・・っ!」
商人「(お医者さん、早く・・・)」
お隣さん「商人ちゃん!連れてきた!!」
商人「!」
医者「おお、よう耐えたねえ奥さん」
医者「こりゃ『逆子』だね」
お隣さん「そ、そんな」
医者「難産になるよ」
商人「・・・」
医者「力んで!」
奥さん「ふう、ふう・・・んっ・・・・!!」
お隣さん「やった!!生まれた!!!」
奥さん「よかった・・・無事に生まれてきて、くれた・・・」
奥さん「商人さん、お願いがあります」
商人「なんだい?」
奥さん「商人さんにこの子の名前を付けていただきたいんです」
商人「え!?わ、私が名づけるの!?」
お隣さん「夫婦で話し合って決めたんです。名づけは商人さんにしてもらおうって」
奥さん「商人さんのおかげでこの子が生まれてくることができたんです。どうか・・・」
商人「・・・分かった」 <>
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage saga<>2015/10/04(日) 16:54:30.03 ID:AoBON6I80<> 弟子「出産に2日かかり、名前を決めるのに1日かかり、出産パーティーに4日かかり」
商人「・・・」
弟子「それで今日ようやくご帰宅ですか」
弟子「出産パーティーってなんですか?」
商人「え、えっと。すごく難産だったの」
弟子「はい」
商人「でも奇跡的に奥さんも夜露死苦ちゃんも健康でね」
商人「よほど嬉しかったのか、お隣さんが『近所の人を呼んでパーティーしよう!』って」
弟子「そういえばどんちゃん騒ぎが聞こえてました。僕が一人黙々と仕事をしているときも」
商人「弟子も参加すればよかったのに」
弟子「1週間で印刷し始めるって言ったのは姉さんでしょ。姉さんと違って僕は『忙しかった』んです」
商人「・・・ごめんなさい」
弟子「・・・はあ、仕方ないですね」
商人「え?」
弟子「許します。もういいです」
商人「ありがとう!じゃあ早速印刷しちゃおう!」
弟子「変わり身速いな」
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