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HTML化した人:
dos
★
【総合タワーリシチ】 君が朝に弱いのは
1 :
◆/BueNLs5lw
[saga]:2015/12/18(金) 22:49:47.64 ID:zuscwPdJ0
前回 悠と神奈
【総合タワーリシチ】キス、とかそれ以上がしたい?
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1450270411/
今回 都とちはや
「ちーちゃん、寝ないの?」
「先、寝ていいよ」
「明日、休みだからって夜更かしはよくないよー?」
わかってるちゅーに。心配性だな、みゃあは。
ほとんど閉じられた瞼で、みゃあは布団の中であたしを手招きする。
「このボス、この時間帯しか出てこねえんですの。今、村人達がボスのせいで働き口が無くなって、ボスの配下の高利貸しに追いかけまわされて、困ってるの。ここで行かなきゃ女じゃないっしょ」
「そっかあ、人助けのためかー……じゃあ、しょうがないねえ」
でしょでしょ。
あ、なんか遠くの方で神奈様の怒声が聞こえたような気がするけど、気のせいかな。
「都さん」
「んー……」
なかなか、このボス手ごわいなあ。
回復薬足りるかな。
「あたしが困ったら、場所とか時間とか関係なく助けにきてくれるかい?」
自分の行為を正当化するために、
純粋培養のみゃあにそう問いかけた。
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1450446587
2 :
◆/BueNLs5lw
[saga]:2015/12/18(金) 23:03:53.51 ID:zuscwPdJ0
「ちーちゃん〜……」
「うん……ッ!?」
あ、相棒がやられた!
やべえ!
どうする? どうすんの、これ?!
スイッチ切っちゃう?!
でも、セーブポイントから離れ過ぎてるしッ!!
でも死んじゃったら、相棒に経験値はいんないしッ!
「私、ちーちゃんがいる所になら、どこにだって飛んで行くよ……」
「そっか、ありがと」
「ふふ……呼ばれなくても、走っていくから」
「宇宙とかどうすんのそれ」
あ、黄泉返り薬あったわ。
「行くよ」
「うっそでー……ん?」
おおおお!
イベント始まった!
胸熱じゃん。今まで助けてやった村人たちからのメッセージが届いてる!
――サンキュー、ちっは!
――がんばれ、ちっは!
――見守ってるぜ、ちっは!
適当だなおうおう。
他人事かよ。
「……ちーちゃんは、来てくれる? 私に何かあったら」
目を擦りながら、みゃあが言った。
「何かって、例えばどんなことー?」
3 :
◆/BueNLs5lw
[saga]:2015/12/18(金) 23:08:51.33 ID:zuscwPdJ0
眠いのでここまで
続きは明後日になりそうです
4 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/12/18(金) 23:12:03.57 ID:MlJzVJlk0
なん…だと…!
5 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/12/19(土) 07:43:36.17 ID:VvFq3IToo
今回も楽しみにしてます
6 :
◆/BueNLs5lw
[saga]:2015/12/19(土) 23:04:48.30 ID:bWcGzYIp0
「それはねー」
みゃあは布団に顔を半分入れながら、
「……あ、私が結婚するってなった時とか」
あまりの衝撃に、ゲーム機を取り落としてしまった。
そして、それが足の小指に当たった。
「あいた!? いた! めっちゃ痛い!」
「だ、大丈夫!?」
「都さん、あなた! 結婚すんの!?」
「ぶっ……驚き過ぎだよっ……ぷくく……もお、例えばだって。それより、足、大丈夫?」
都はベッドから出て、しゃがみ込んで私の足をなでる。
「わ、赤くなってる。冷やしたほうが……」
「そっか、例えばか……」
「ちーちゃ……」
ひどい冗談だ。まったくもーだよ。まったくもー。
「良かった……」
そりゃ、相手がいるのは、いいことだし、祝福しなくちゃいけないんだろうけど。
今じゃなくてもええやんけ。
いやあ、なんだこの気持ちは。
ほっとしちゃったわ。
7 :
◆/BueNLs5lw
[saga]:2015/12/19(土) 23:08:36.42 ID:bWcGzYIp0
「ちーちゃんはさ、私が誰かと結婚したらいや?」
「え、人類の平和と繁栄のために、おおいに奨励するけど」
「それどこのゲームの台詞なの
8 :
◆/BueNLs5lw
[saga]:2015/12/19(土) 23:09:08.36 ID:bWcGzYIp0
↑間違えた
9 :
◆/BueNLs5lw
[saga]:2015/12/19(土) 23:14:12.64 ID:bWcGzYIp0
「ちーちゃんはさ、私が誰かと結婚したらいや?」
「え、人類の平和と繁栄のために、おおいに奨励するけど」
「それどこのゲームの台詞なの?」
「今、やってる奴」
みゃあの肩がずっこける。
「みやこ君は、もしかして私に餅を焼かせるつもりなのかね?」
「?」
「だから、私に嫉妬して欲しいのかってこと」
「え え え!?」
なんじゃその驚き方は。
「違うの?」
「……そんな風に思ってたわけじゃ。でも」
「でも?」
「そうなのかな……そうなのかも」
真っ赤になって、私を見上げて、
みゃあは照れくさそうに笑った。
10 :
◆/BueNLs5lw
[saga]:2015/12/19(土) 23:33:34.37 ID:bWcGzYIp0
「ほお、お主誘っておるのかな。可愛い顔をしておるじゃないか」
いつも青臭いことを言って、
私を辱しめるから良い機会ですな。
ここいらで、こらしめてやるわい。
なあ、介さん、角さんや。
「もおやだなあ。可愛いのは私じゃなくて、ちーちゃんだよ」
「ぐっはあ!?」
寝る寸前で朦朧としているのにも関わらず、
この破壊力。
心に入ってくる。
ぴょんぴょんして持っていかれるううう。
「う……」
私は頭を垂れた。
「おじょうさん、どうしたん?」
「精神攻撃を受けた」
「おおげさだなあ」
仕返ししてやるわい。
「みやこって、誰にでも可愛いって言ってるの?」
「え」
「まさか、天然タラシ系暁君と同じ属性?」
「ち、違う! 私、ちーちゃん以外にそんな風に思ったことない!」
「へ、へえそうなんすか」
「そうっす!」
「じゃあ、私が一番可愛いってこと?」
「そう!」
自爆した。
11 :
◆/BueNLs5lw
[saga]:2015/12/19(土) 23:49:59.62 ID:bWcGzYIp0
「だって、私小さい頃は、ちーちゃんの子ども産みたいって思ってたもん」
「うっひょおお?! それ、なに、プロポーズ!? すげえ!!」
「む、昔のことだからね!」
みゃあってば大胆なんだから。
おかんに聞かれてたらどうすんの。
卒倒しちゃうよ。
私も、今、倒れそうになったけどね!
でも、スルーするからね!
「僕のために、毎日お味噌汁を作ってくれ! あさりの赤だしの味噌汁を!」
私は小声で言った。
「喜んで」
みゃあは頷く。
いや、待てよ。
台所に立たせるのはまずい。
「ごめん、やっぱり今のナシ」
「しょんなー」
「そんなしょぼんせんでもええんやで。私が変わりに作るから。海よりも濃く深みのある味噌汁を作ったる」
「血圧上がりそうだねー」
「たしかにねー」
12 :
◆/BueNLs5lw
[saga]:2015/12/19(土) 23:54:26.06 ID:bWcGzYIp0
あー、朝の弱いみやこをこんなに遅くまで引っ張っていいのかな。
ちょっと心配になってきた。
てか、私なんで起きてたんだっけ。
と、視界の隅に全滅した仲間達が映った。
「ああ!?」
「ど、どうしたの!?」
「希望の光が……失われた……」
「わ、私のせいだ
13 :
◆/BueNLs5lw
[saga]:2015/12/20(日) 00:00:20.05 ID:TtakAw770
「みゃあのせいじゃないよ……」
ぐすん。
もう、明日再挑戦しよ。
「もう寝よっか、みゃあ」
「い、いいの?」
「いいの。私がいる限り、希望は生まれ続けるから」
「くすくす……ゲームし過ぎだよっ」
「えーから、布団入るぜー」
みゃあを蹴り入れながら、
私もごろんと隣に並んだ。
いつからだったかな。
こうやって寝るようになったの。
昔は、みゃあが私よりも泣き虫で、
そばにいて欲しいって泣きついてたのにな。
14 :
◆/BueNLs5lw
[saga]:2015/12/20(日) 00:26:00.62 ID:TtakAw770
なのに、今はウサギと亀みたい。
みゃあの気持ち、知ってるのにさ。
知らないフリして、いつまでも甘えてるの。
ひっでえ話だ。
可愛そうな亀を待っていたら、
いつの間にか追い越されてるのな。
こっちは何にも成長してないのに。
可愛そうなのはウサギだったって話。
「ちーちゃん、電気消してー」
「ほいほい」
部屋は一瞬で真っ暗になった。
みやこの穏やかな息遣いに、
耳を傾ける。
いつもなら、瞬寝するのに。
「ちーちゃん、私ね」
背中を向けて、そう言ってきて、
「子どもが無理なのは分かってるからね。さっきのは冗談。ちーちゃんみたいな可愛い子が産みたいなって話」
笑って、こちらを振り向いた。
あたぼーよ。
どっかの国ではそういうのも可能になってるみたいだけどさ。
「本気ならびっくりです」
私も笑いながら答えた。
みやこの腕が、すっと私の体を抱きしめた。
「でも、私の気持ち……気づいてるよね?」
耳元で言われて、
太ももの近くがひゅんとなった。
15 :
◆/BueNLs5lw
[saga]:2015/12/20(日) 00:44:35.99 ID:TtakAw770
「みゃあって、ほんとに私のこと好きな」
「うん、大好きだよー。ちーちゃんといると、お日様みたいにぽかぽかする」
「ありがと」
まーた、性懲りもなく言っちゃうのねこの子は。
ありがと。
いつも一生懸命で、
触れたものはなんでも破壊しちゃうくらい、
遠慮なくぶつかっていくくせに、
人の気持ちは繊細に扱ってくれちゃうんだから。
冗談で済まなくなっちゃうんだよ?
みやこの手が、私の頬に触れた。
熱いって?
知ってるよ。
「おやすみ」
私は言った。
「おやすみー」
みゃあの手のひらの温もりが離れていく。
こりゃ、明日の朝は知らんで。
私はやれやれと瞼を閉じた。
おわり
16 :
◆/BueNLs5lw
[saga]:2015/12/20(日) 00:45:44.60 ID:TtakAw770
この二人も暁とりかちゃんも好きだけど書くとなると難しい
お粗末さまでした
17 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/12/20(日) 14:31:18.70 ID:xEJlqaIRo
おつ
18 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/12/20(日) 15:20:36.80 ID:kBlOPcoDO
乙!
好きだわー、このカップル
19 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/12/20(日) 18:17:10.27 ID:ESD6bIjP0
おもしろかった!
ぜひ暁リカもお願いします…
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