以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします<>saga<>2016/01/18(月) 19:21:43.31 ID:jONLGR3T0<>ガラスの花と壊す世界のSSです

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<>ドロシー「デュアルの作ったポタージュ」 以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします<>saga<>2016/01/18(月) 19:22:19.60 ID:jONLGR3T0<> 「ドロシー」

ママ……

「ドロシー」

パパ……

「ドロシー」
「ドロシー」

お姉ちゃん……


ドロシー「…… 夢か」 <> 以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします<>saga<>2016/01/18(月) 19:23:51.50 ID:jONLGR3T0<> そりゃそうだ、だってあの世界はもう消しちゃったし、まずあの人たちはほんとの家族でも無いんだし

最近よく夢を見るようになった パパが居て、ママが居て、お姉ちゃんも居て……

ドロシー「こんなこと前は無かったんだけどな……」

『夢を見る』なんて可笑しいね、あたしはプログラムなのに

こうやって考えたりするのもヒューリスティック・エンジンが組み込まれてるからなのにな

ドロシー「んー……」

ベッドから起き上がって伸びをする、夢のことなんて忘れて今日も一日頑張ろう! <> 以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします<>saga<>2016/01/18(月) 19:24:50.13 ID:jONLGR3T0<> ドロシー「デュアル〜 朝ごはん出来てる〜?」

デュアル「うん、もうすぐ出来るから座ってて」

あれからあたし達は『人間らしい生活』をすると決めている

三食しっかり食べるし、夜は眠る、朝ごはんは交代制でどっちかが早起きして作る

ごはん作るなんてやったこと無かったし最初は失敗してばっかりだったけど、最近ではまぁそこそこ良いものが作れてるんじゃないかって思う

まぁプログラムに食事なんて必要無いし、味だってわかんないから失敗したって関係無いんだけどね

デュアル「はい、完成」

ドロシー「ありがとー」

デュアル、ドロシー「いただきます」 <> 以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします<>saga sage<>2016/01/18(月) 19:26:27.86 ID:jONLGR3T0<> 今日の朝ごはんはパンとサラダとポタージュ

取り敢えずポタージュから口にしてみる、一番デュアルの手が入ってるメニューだろうし

デュアル「どう? 美味しい?」

ドロシー「うん…… 多分……」

味とか、温度とか、成分とかそういうのはわかる、だけど『美味しい』かどうかはわからない

でも多分美味しいんだと思う、だって一生懸命デュアルが作ってくれたんだから

デュアル「ねぇ、何かあった?」

ドロシー「えっ?」

何でわかったの? ……って愚問か <> 以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします<>saga sage<>2016/01/18(月) 19:28:15.73 ID:jONLGR3T0<> ドロシー「何でわかったの?」

一応聞いてみるけど

デュアル「ずっとあなたと一緒に居るんだからあなたの考えてることくらいわかるわ」

ドロシー「はいはい、あたし達同じプログラムだし同じ思考してるからね」

デュアル「一緒に居るからよ」

ドロシー「……」

じゃああたしが今何考えてるかだってわかるんでしょ……

デュアル「ドロシーの口から聞きたいのよ」

ドロシー「心読むのやめてもらえる……?」

デュアル「ふふっ」

デュアル…… いつの間にこんな自然に笑えるようになったんだか…… <> 以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします<>saga sage<>2016/01/18(月) 19:29:48.11 ID:jONLGR3T0<> ドロシー「最近、夢を見るの」

デュアル「夢?」

ドロシー「うん…… 前にあたしが削除した世界の」

デュアル「そう……」

ドロシー「いや、別に寂しいとか後悔してるとかそんなんじゃないんだけど、ていうかあたしはプログラムだしそんな人間っぽいことなんて考えたりしないんだけどさ…… 何か……」

デュアル「……」

ドロシー「きっと、あの世界のあたしは愛されてたんだよね、お姉ちゃんから、ママから、パパから……」 <> 以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします<>saga sage<>2016/01/18(月) 19:31:06.39 ID:jONLGR3T0<> ドロシー「……」

ドロシー「愛って何かな……」

ドロシー「こういうのって人間だったら簡単にわかるのかな? 家族に、友達に、恋人に愛されて……」

ドロシー「はー、こんなこと考えるなんてほんっと変わっちゃったなーあたし」

デュアル「…… ドロシーは誰かに愛されたいの?」

ドロシー「別にそういう訳じゃ……」

デュアル「私は…… ドロシーのこと愛してるわ」

は? <> 以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします<>saga sage<>2016/01/18(月) 19:32:27.47 ID:jONLGR3T0<> ドロシー「な、何言ってんのあんた……?」

デュアル「前にドロシーがアンチウィルスプログラムは一人でいい、って言ってたでしょ? 私はそうは思わないわ」

デュアル「誰かと、ううんドロシーと一緒じゃなかったらこの知識の箱で生活するなんてきっと無理だった」

デュアル「だからドロシーに感謝してるし、ドロシーが愛を求めてるなら私の愛情でそれに答えてあげたい」

ドロシー「……」

デュアル「どうしたの、ドロシー?」

ドロシー「どうしたの じゃなーい! あんたよく涼しい顔してそんな歯の浮くような事言えるね」

デュアル「思ったことを素直に言っただけよ?」 <> 以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします<>saga sage<>2016/01/18(月) 19:33:38.44 ID:jONLGR3T0<> ドロシー「人間はフツーそういうことを口に出さず隠すもんなの! て言うか女同士で恋愛っておかしいでしょ気持ち悪い……」

デュアル「別に恋愛だなんて一言も言ってないけど? 私があなたに感じてるのはあくまでも友愛の情だし」

ドロシー「んっ……」

よくそんなこと言えるよねぇ……

デュアル「お喋りはここまでにして早く食べましょう? 冷めちゃうわ」

ドロシー「…… はいはい」 <> 以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします<>saga sage<>2016/01/18(月) 19:34:28.05 ID:jONLGR3T0<> デュアル「私の愛情込めたポタージュだからきっと美味しいわ」

ドロシー「もお! からかうのやめて!」

デュアル「あははっ!」

ドロシー「あー、もう……」

あたしもちょっと変わったけどデュアルはほんとおかしくなったんじゃないかな……

そんなデュアルの作ったポタージュ、美味しいかどうかはあたしにはわからない

だけどなんだかとっても暖かいポタージュだって、あたしにはそう思えた


おわり <> 以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします<>sage<>2016/01/18(月) 20:39:16.51 ID:ZIzmm1pQ0<> 乙 ガラ壊のSSが見れるとは、もっと増えろ! <> 以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします<>sage<>2016/01/18(月) 21:14:30.13 ID:7i+r0N0uo<> 映画見てから読むわ <>