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HTML化した人:
伊吹
★
勇者「救いたければ手を汚せ」
1 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
2016/05/14(土) 23:32:30.58 ID:VN+k5bMwO
精霊「まだ見つからないの?」
勇者「ちょっと待って、もう少し時間が掛かりそう」
精霊「ちんたらしてないで早くしなさいよ」
勇者「……僕の言葉聞いてた?それとも年取り過ぎて耳が遠くなった?」
精霊「口を動かさないで手を動かして、今はお喋りしてる時間なんてないのよ?」
勇者「乱雑に置かれてるから見付けるのが大変なんだ。さぼってないで君も手伝ってくれ」
精霊「やってるわよ」ガサゴソ
勇者「あれ、悪口はしっかり聞こえるんだ」
勇者「小さい頃、近所に住んでたお婆さんを思い出すなぁ」ガサゴソ
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1463236350
2 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
2016/05/14(土) 23:35:12.76 ID:VN+k5bMwO
精霊「……昔はもう少し可愛げがあったのに」
勇者「君が説教ばかりするから捻くれたんだ。君に責任がある」
精霊「はいはい、そうね」
精霊「あなたが捻くれたのは私の責任、ごめんなさい悪かったわ反省してる許してちょうだい本当に申し訳ないと思ってる」
勇者「分かったから!もうやめてくれ!! 冗談だよ」
精霊「あら、冗談だったの?私としては謝り足りないくらいよ」
勇者「謝ることなんてないさ、君がいたから今の僕がいる。感謝してるよ」
精霊「(全く、ふざけてると思ったら急に真面目な顔するんだから……)」
3 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
2016/05/14(土) 23:36:19.58 ID:VN+k5bMwO
勇者「顔がにやけてるけど、どうかした?」
精霊「いえ、別に何でもないわ。それより目的の物は?」
勇者「これだろ? ほら、ちゃんと二本ある」スッ
精霊「どう?それを手にした感想は?」
勇者「細くて頼りなく見えるし実用的とは思えない、戦えばすぐに折れそうだ」
勇者「けど、この剣は僕が知っている誰よりも強い人が手にしていたもの」
勇者「これ以上心強いものはない、力が湧き上がってくる。それに……」
精霊「それに?」
勇者「とても懐かしいんだ。これを見てると色々なことを思い出す」
4 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
2016/05/14(土) 23:37:06.28 ID:VN+k5bMwO
ガチャッ!
王宮騎士「勇者様、まだですか!!もう我々だけでは保ちません!!限界です!!」
精霊「時間がないって言ったのに、あなたがちんたらしてるせいで怒られちゃったじゃない」
勇者「君が感想なんて聞くからだろ!!」
王宮騎士「喧嘩は後でいいですから!!勇者様、早くして下さい!!」
精霊「……とにかく、思い出に浸るのは後にしましょう」
勇者「分かった。でも悪いのは僕じゃない、君が感想なんて聞くからだ」
精霊「はいはい」
王宮騎士「勇者様!!」
勇者「分かった! 分かったよ!!」
5 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
2016/05/14(土) 23:38:37.89 ID:VN+k5bMwO
勇者「あんまり大声出さないでくれない?」
勇者「それ以上怒鳴られると確実に頭が痛くなるから……」
精霊「頭が痛いのはこっちよ。ねえ?」
王宮騎士「ええ、同感です」
勇者「……二人して酷い言い草だな。とにかく、走りながら話そう」ダッ
王宮騎士「そうしましょう」ダッ
勇者「住人の避難はどう?」
王宮騎士「避難は無事終了しました。奴の移動速度が遅いのが唯一の救いです」
勇者「現場の騎士達は?」
王宮騎士「今のところは何とか……」
王宮騎士「しかし大型な個体なので攻撃範囲は非常に広く、未だ攻め倦ねています」
6 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
2016/05/14(土) 23:40:17.08 ID:VN+k5bMwO
勇者「術士による解析はまだ終わらないの?」
精霊「それは私が行けば済む話しでしょ」
勇者「えっ? あぁ、まだ居たのか、あまり喋らないから忘れてた」
精霊「ハァ…」
王宮騎士「拗ねてますね。こういうあたり、彼もまだ子供ですね」ボソッ
精霊「ええ、まだまだ子供よ。この通り、お守りが付いてるんだから」ボソッ
王宮騎士「あれから四年ほど経ちますか、早いものです」
精霊「……私達にとってはね。けれど、あの子にはとても長かったはずよ」
7 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
2016/05/14(土) 23:42:08.89 ID:VN+k5bMwO
勇者「ほら、お喋りはお終いだ。敵はどこにいる」
王宮騎士「旧・噴水広場……あの場所です」
勇者「……僕等は先に行く」
王宮騎士「はい、お気を付けて」
勇者「腕から血が出てる。早く止血して貰った方がいいよ?」
王宮騎士「ええ、そうします」
勇者「じゃあ、また後で」
ダッ…
王宮騎士「おお、もうあんなに遠く……」
王宮騎士「やはり変わられた。いや、成長したと言うべきか」
王宮騎士「今やあの頃の、私の知っている彼ではないのですね……」
8 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
2016/05/14(土) 23:44:13.28 ID:VN+k5bMwO
>>>>
ゴーレム「いい加減鬱陶しいぞ、虫けら共」グオッ
ーー来るぞ!!散開しろ!!
ーー揺れるぞ!!踏ん張れ!!
ーーまずい、足がっ…
ーー早く掴まれ!行くぞ!!
ーーおいっ、二人共早くしろ!
ーー畜生め、何とかして奴を止めろ!!
ーーもうやってます!攻撃が弾かれるんです!!
ーー駄目だ。間に合わない、お前だけでも
ーーふざけるな、お前も一緒に行くんだ。いいな
ーー済まない……
ゴーレム「敵に背中を向けて死ぬ。騎士とは、人間とはそんなものか」ズズンッ
勇者「その人間に背中を見せるなんて、間抜けな奴もいたもんだ」
9 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
2016/05/14(土) 23:50:10.89 ID:VN+k5bMwO
ゴーレム「……ようやく来たか」クルッ
勇者「遅れてごめん。二人共、今の内に」
ーーこの声は勇者か?助かった……
ーーったく、時間は稼いだんだ。後は頼むぜ?
勇者「分かってるさ。ほら、早く行け」
ゴーレム「ふむ。聞いていた通り、まだ幼いな。これが脅威になるとは思えん」
勇者「見かけで判断すると痛い目を見るって言葉を知らないのか?」
勇者「体が大きくて粗暴。頭悪いだろって言われない?」
ゴーレム「小僧、口は災いの元という言葉を知っているか?」ググッ
勇者「えっ、ちょっと待っ
ゴンッ!
10 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
2016/05/14(土) 23:51:29.56 ID:VN+k5bMwO
ーーおいおい、思いっ切り吹っ飛ばされたぞ……
ーーあいつに任せて本当に大丈夫なのか?
ーーま、まさか死んじまったんじゃ?
ーー馬鹿なこと言うな!
精霊「大丈夫?」
勇者「僕なら平気だ。それより二人は?」
精霊「攻撃圏内から出たわ。二人共無事よ」
勇者「……そっか、なら良かった。解析は済んだ?」
精霊「ええ、核は胸部中心、背面にある僅かな隙間を通せば破壊出来る」
勇者「よし、さっさと済ませよう。これ以上この場所を荒らされるわけにはいかない」
11 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
2016/05/14(土) 23:53:38.69 ID:VN+k5bMwO
ズズンッ…
勇者「もう来たのか……」
ゴーレム「いつまで寝ているつもりだ?」
勇者「寝てたんじゃない、作戦を練ってたんだ」ムクッ
ゴーレム「もう立てるのか、見かけによらず頑丈だな」
勇者「あんたは見かけ通り頑丈そうだ。動きは遅いけど!!」バッ
ゴーレム「むっ!?」
勇者「背中を取った。名残惜しいけど、これでお別れだ」
ズンッ…
ゴーレム「……お前の言う通り、少々見くびっていたようだ」ミシッ
勇者「次から気を付ければいいさ。まあ、次はないだろうけど」
12 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
2016/05/14(土) 23:55:25.99 ID:VN+k5bMwO
ゴーレム「いいや、まだ終わりじゃあない」
ガシィッ!
勇者「痛っ、何だこれ!まだ動いてるぞ!?どうなってる!?」
精霊「……あっ、ごめんなさい」
勇者「何で謝る!! あっ、って何だ!!? 何で止まらない!?」
精霊「剣に宿る術法をあなた用に書き替えるのを忘れてたわ」
勇者「それはどういう意味だ!! もっと分かり易く言ってくれ!!」
精霊「今のままではその剣は機能しないし核を破壊出来ないってことよ!!」
勇者「なっ、君がミスするなんてらしくないな!! 剣は預ける! 早くしてくれよ!?」ブンッ
13 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
2016/05/14(土) 23:56:45.29 ID:VN+k5bMwO
精霊「分かってる!!」ガシッ
ゴーレム「そんな時間を与えると思うか?」
勇者「いや、僕が君なら与えないかなぁ……」
ゴーレム「お前とは気が合いそうだ」
勇者「なら優しく…よせっ、早まるなあッ!?」
ビタンッ!
精霊「何するのよ! 危ないわね!!」
勇者「今のは僕の所為じゃないだろ!! あのさ、人をハエ叩きみたいに使わないでくれる?」
精霊「(誰がハエよ、全く……とにかく早くしないと)」ヒュン
14 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
2016/05/15(日) 00:00:49.56 ID:GAIT647tO
ミスった、冒頭抜けてる。建て直します。
15 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/05/15(日) 01:36:10.08 ID:bs0KxRpLO
依頼出しました。間違えて申し訳ないです。
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