◆s2tmI36vx6<>sage saga<>2016/09/18(日) 19:59:42.17 ID:ScCgDHu4o<>
<アリガトウゴザイマシター

みほ「この学園艦にファミリーストアができるなんて思わなかったなあ。…あっ、沙織さん。おはよう」

沙織「おっはよーみぽりん!…なぁに、またコンビニでお昼買ったの?」

みほ「うん、これまでとは違った品物がたくさんあって面白いの」

沙織「あのね?前から思ってたけど、育ち盛りの高校生が出来合いものばっかりってのは感心しないよ?ちゃんと手作りのもので、栄養のバランス考えて食べなきゃ」

みほ「あ、うん…そうだとは思うんだけど、沙織さんみたいに料理上手じゃないから…」

沙織「もー、女の子がそんなんじゃダメだよ!…でもみぽりんは別に出来なくってもいいかな?はい、これ!」

みほ「…お弁当?もらっちゃっていいの?」

沙織「うん!お昼に一緒に食べようね!それから夕ごはんも、明日の朝ごはんも私が作ってあげるから!」

みほ「ありが…ええっ!?そんな、悪いよ…」

沙織「いいの、いいの!今から一緒のもの食べてれば、味の好みも一緒になるでしょ?結構結婚してからそれでモメる夫婦って多いんだってー」

みほ「…はぇ?」


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<>みほ「ハーレム・ウォー!」
◆s2tmI36vx6<>sage saga<>2016/09/18(日) 20:02:20.78 ID:ScCgDHu4o<>
優花里「西住殿!武部殿!おはようございます!」

みほ「あ、おはよう…あ、えーと…」

優花里「おやおや、そのお弁当は…何を恥ずかしがってらっしゃるんです?よっ、ニクいですねえ」

沙織「おはよ!えへへー、5時に起きて頑張っちゃったもんね!」

みほ「えっ」

優花里「ああ、心配しないでください、私は母が持たせてくれましたし…明日は私が西住殿の分も昼食をご用意させていただきますから!」

みほ「…えぇ?」

沙織「あー、その手があったかぁ!お弁当もいいけど作りたてには敵わないよねぇ」

優花里「もちろん、お部屋にお邪魔するときはちゃんと普通に調理したものをお出ししますから、ご安心くださいね?」

みほ「優花里さん野営食以外も作れるんだ…ってそうじゃなくて、二人とも何を言ってるの?」
<>
◆s2tmI36vx6<>sage saga<>2016/09/18(日) 20:03:04.74 ID:ScCgDHu4o<> 華「みなさん、おはようございます」


みほ「ああ、華さん…おはよう、ちょっと…」

華「はい?」

みほ「なんだか二人の様子がおかしいんだけど…華さん何か知らない?」

華「ああ、今日からでしたね。優花里さんの次はわたくしですから、楽しみにしていてくださいね?」

みほ「へっ!?」

華「以前から思っていましたが、みほさんは少々痩せすぎです!それでは一家の柱を支える、立派なお母さんになれませんよ?」

みほ「お母さん!?あの、ちょっと気が早すぎるんじゃ…」

沙織「ちょっとぉ、二人でなにコソコソ話してるの?ほら、遅刻しちゃうよ?」ガシッ

優花里「まだ大丈夫ですよ!朝の登校も大切な交流の時間ですしね?」ガシッ

みほ「え、ちょ、ちょっと…」ズルズル

華「……」スッ

みほ(3歩下がって着いて来てる…いったいなんなのこれ…)
<>
◆s2tmI36vx6<>sage saga<>2016/09/18(日) 20:03:46.40 ID:ScCgDHu4o<>
みどり子「なにやってるのあなたたち!あまり朝から風紀を乱すような真似をしてもらうと困るんだけど、しかも時期生徒会役員と戦車道の隊長が揃いも揃って…」

みほ「え、えーと…あ、麻子さん」

麻子「…おはよう…西住さん…」

沙織「おはよ麻子、今日はちゃんと起きられたんだね?」

麻子「ああ…西住さんより先に寝てもいけないし、後に起きてもいけないからな…結局ずっと起きていた…」

みほ「ええっ!?大丈夫なの?っていうかそれどういうことなの…?」

麻子「西住さんが応援してくれれば頑張れる…それと、おばぁにはいつ会ってくれるんだ?」

みほ「ふぇっ!?」

麻子「料理はまだあまりできないが…これからおばぁに習うつもりだ。賑やかで暖かい家庭にしよう」

みどり「ちょっと冷泉さん!そ、それを言うなら私だって…きっと西住さんの子供なら賢い子に育つでしょうね…///」

モヨ子「きっとかわいい子よね…男の子でも、女の子でも…」

希美「でも、ひょっとしたらお姉さんみたいに凛々しいかも…それはそれで素敵」

みほ(あんこうチームのみんなも、カモさんチームまでこんな調子じゃ…相談できそうなのは…)ダッ

優花里「あ、西住殿!?どこへ?」

みほ「今日日直だったの忘れてたの!みんなは気にしないでゆっくり来て!」

華「同じクラスですのに…嘘の付けない方ですね?うふふ…」
<>
◆s2tmI36vx6<>sage saga<>2016/09/18(日) 20:04:27.91 ID:ScCgDHu4o<>
杏「おはよー、どしたの血相変えて」

みほ「おはようございます…よかった、会長はいつも通りですね。なんだかみんなの様子がおかしくて…夫婦とか、家庭とか、こ、子供とか…」

杏「あはは!モテる女はつらいねぇ〜」

みほ「いや、モテるって…女の子同士じゃないですか」

杏「あれ?西住ちゃんそういうのダメな人?…残念だな…」

みほ「はっ?」

杏「ほら、こっちおいで?怖くないよ、ほぉら、いい子いい子…私がぜーんぶ教えてあげるからね…」ナデナデ

みほ「っ…失礼しましたっ!!」バタン!

桃「おい!待て西住」

みほ「河嶋さん!あの、みんなが、会長が…!」

桃「分かっている。会長の誘いを断るとは…見上げた根性だな西住」

みほ「いや、あの…」

桃「つまり…私のほうがいいってことなんだよな…?///」

みほ「ああ、河嶋さんまで…」

柚子「もう、桃ちゃんたら強引だよ!西住さん困ってるじゃない」

みほ「小山さん!あの」

柚子「怖かったね?もう大丈夫よ、一人で頑張ったね…えらかったね…」ギュゥゥ

みほ「」
<>
◆s2tmI36vx6<>sage saga<>2016/09/18(日) 20:05:01.63 ID:ScCgDHu4o<>
梓「隊長、ずっと前から好きでした!結婚してください!」

あや「あっ、私もー」

あゆみ「私も!」

佳利奈「私だって!」

優季「あ、じゃあ〜、一日ずつ結婚してぇ、一日はお休みってことにしませんかぁ?」

紗希「……」ギュッ


典子「行くぞ!隊長にアタックだ!」

忍「ブロックは任せてください!」

あけび「隊長!私の気持ち、受け取ってください!そーれっ!」

妙子「あっ、アウトになった…さぁ隊長、次はそちらのサーブからですよ!受け止めてみせます!」


<>
◆s2tmI36vx6<>sage saga<>2016/09/18(日) 20:05:37.76 ID:ScCgDHu4o<>
カエサル「隊長、私たちと新しい歴史のページを綴ろう」

左衛門佐「子供の名前は何にする?幸村なんてどうだ?」

おりょう「いや、やはり私たちの出会った学園艦にちなんで竜馬と名付けるぜよ」

エルヴィン「小次郎だな。隊長に似て勇ましい子に育つだろう」

「「「それだ!!!」」」


ねこにゃー「あっ、西住さん…あのね、前からボクね…あの…」

ぴよたん「ああもうじれったいっちゃ!好きだって、お前が欲しいって言ってやるっちゃ!」

ももがー「どうせ聞こえるなら聞かせてやるナリ!小さな鏡を一つ買って、ほほ笑む練習はしてきたナリよ!」


ナカジマ「あ、隊長ー、隣空いてますよ?」

ホシノ「いや、ここはキューポラを開けておくべきなんじゃないの?ちょうどウチ一人足りないし」

スズキ「熊本までドライブしようか?休憩は途中でさ…」

ツチヤ「そんな遠くにいかなくてもさ、大洗にオヤジさんがいるから会いに行こうよ!」

<>
◆s2tmI36vx6<>sage saga<>2016/09/18(日) 20:06:36.64 ID:ScCgDHu4o<>
<タイチョウー

<ニシズミサーン

<ドコー?


みほ「もう何も聞きたくない…あれ、携帯にメッセージが…ああ、これどうやって見るんだっけ…沙織さん、には聞けないし…あっ電話…エリカさん?」

エリカ『もうっ!早く返信しなさいよ!』

みほ「ご、ごめん…携帯変えたばっかりで…友達が生徒会役員になったから連絡しやすいようにスマホにしたの」

エリカ『とにかく、すぐに会えない?うちの学校、みんな様子がおかしいの!』

みほ「黒森峰も!?うちのみんなも様子がおかしくって…」

エリカ『大洗も…?はぁっ、ならちょっと荒っぽい手を使うから、待ってなさい!』


バラバラバラバラバラ…


みほ「ドラッヘ!行かなきゃ…っ!」

エリカ「早く乗って!」

沙織「あーっ!みぽりんがさらわれちゃった…略奪愛!?やだぁ、燃えてきちゃう〜!」



<>
◆s2tmI36vx6<>sage saga<>2016/09/18(日) 20:07:11.58 ID:ScCgDHu4o<>
みほ「ありがとう逸、エリカさん…」

エリカ「…しまった!あなた、私を見て何か思うことはない?」

みほ「え?…すごい格好だなあとは」

エリカ「なっ!///しょうがないでしょ!切羽詰まってどうにか飛び出してきたんだから!じゃなくて…それだけ?」

みほ「ええと、ごめんなさい。…何て言えば正解なのかな?」

エリカ「もういいわ、あなたが正常かどうか知りたかっただけだから」

みほ「その…正常じゃなかったらどうなるの?黒森峰のみんなはどんな様子?」

エリカ「あまり言いたくないんだけれど…その……ナッタノヨ」

みほ「え?ちょっとよく聞こえないんだけど」

エリカ「…襲われそうになったの!!///」

みほ「はぇ!?…それ、お姉ちゃんも…?」

エリカ「…そうよ」
<>
◆s2tmI36vx6<>sage saga<>2016/09/18(日) 20:07:52.57 ID:ScCgDHu4o<>
〜早朝

〜黒森峰女学園

シュンシュンシュン…カチッ コポポポ…

エリカ「…うん…はっ!?えっ、外が明る…寝過ごした!?ああもう、なんで目覚まし鳴らなか…何よこの格好!?」

まほ「おはよう、エリカ。少し待て、コーヒーを淹れてる」

エリカ「お、おはようございます!?すみません、すぐ支度します!」

まほ「いいさ、今日ぐらいのんびりしよう」

エリカ「は、はぁ…あの、それよりなぜ私の部屋に居るんですか?」

まほ「なぜって…なんだ、忘れてしまうくらい夢中だったのか?」ズイ

エリカ「えっ、えっ!?」

まほ「しょうがないやつだな…思い出させてやろう」

エリカ「失礼します!!」バッ、ガチャン!


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◆s2tmI36vx6<>sage saga<>2016/09/18(日) 20:08:37.12 ID:ScCgDHu4o<>
エリカ(どういうことなのよ!?とっさにジャージの上だけ取ってきちゃったけど…)

小梅「あ、副隊長。今日はゆっくりでしたね?」

エリカ「ご、ごめん。それより!隊長の様子がおか」ドン!

小梅「隊長…?ふふ、エリカさん。私の前で他の女の人の話なんてしちゃダメでしょ?」

エリカ「…は?ちょっ、顔近っ!」

小梅「だいたいなんなのその格好は、…誘ってるんですか?」ジィィィィ

エリカ「なわけないでしょ!?ちょっ、開けないでよ!ああもうっ!」


黒森峰生「お、逸見ー。朝からいいもん見せてくれるねえ。あとでウチの部屋来いよー?」

黒森峰生2「セ、センパイ///そんな大胆な///」

黒森峰生3「ふ、副隊長!もう辛抱たまりません!」


エリカ(どいつもこいつも話にならないじゃない!ええと、悪戯にしては手が込んでるし…学外の誰か…元ふ、みほならなにか知ってるかしら…?)
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◆s2tmI36vx6<>sage saga<>2016/09/18(日) 20:09:11.98 ID:ScCgDHu4o<>
エリカ「…と言うわけ」

みほ「うわぁ…ええと、お姉ちゃんが迷惑をかけちゃって…」

エリカ「あなたに謝られてもね…とりあえず、他の学校がどうなってるかも知りたいところだけど、まともそうな人に心当たりある?」

みほ「うーん…ケイさんやダージリンさんはどうかな?」

エリカ「聖グロはもとからして怪しいし…サンダースにしましょう」

みほ「あ、うん。えっと…ケイさんの番号は…」

エリカ「…ちなみに、あなたはどんな目に遭ってたの?」

みほ「え、みんな結婚してって…ごはん作ってくれるとか、子供の名前は何にするかとか…あったあった、電話するね?」

エリカ「平和ね…いや、それはそれで重いか…」

みほ「あ、もしもしケイさんですか?すみません急に、今大丈夫ですか?」
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◆s2tmI36vx6<>sage saga<>2016/09/18(日) 20:09:47.50 ID:ScCgDHu4o<>
ケイ『ハーイ、ミホ?大丈夫よ、どうしたの?』

みほ「よかった…実は、大洗の生徒の様子がおかしくなってしまって、今黒森峰の逸見さんも一緒なんですけどそちらも同じようで…サンダースは大丈夫かなと」

ケイ『ウーン…ケイには難しくてなんだかよくわからないわ、お姉ちゃんに代わるわね?』

みほ「…はい?お姉さん居たんですか?」

アリサ『もしもし…電話かけてくるくらいだから話が通じると思って話すけど、あなたのところも変なの?』

みほ「すみません、どちら様でしょう…?」

アリサ『アリサよ!!黒森峰の副隊長も一緒なんだって?どこかで落ち合えないかしら?』

みほ「そうですね、私たちも仲間を探しているところだったんです。エリカさんもいいですか?」

エリカ「わかったわ。…その前にこの格好をどうにかしないとね…クシュン!」

アリサ『えっと、隊長じゃなかった、ケイ、お姉ちゃんはちょっと用事があって人と会わなきゃいけないの。いい子でお留守番できるわよね?』

ケイ『えっ…やぁだー!!』

みほ「なんだか凄いことになってるみたい…」

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◆s2tmI36vx6<>sage saga<>2016/09/18(日) 20:10:23.86 ID:ScCgDHu4o<>
アリサ「あぁ、こっちよ!一体どうなってるのかしらねこれ」

みほ「わぁ、これってオスプレイですか?」

アリサ「ええ、普通そう簡単に貸してくれるものじゃないのに、ほとんど顔パスだったわ。悪い気分じゃないけど、気味が悪くもあるわね…」

エリカ「それで、アリサお姉ちゃんとしてはこの状況をどう考えているの?」

アリサ「やめてよ、そりゃ私だって最初何かのサプライズかと思って面白がってたけど…ナオミに言われて一気に目が醒めたわ」

みほ「ナオミさんまで一緒になって悪ふざけするとも思えないですし、ああ、ほんとどうなってるんでしょうか…」

アリサ「とりあえず、こんな異常なケースが三つも起きているんだし、少しは分析ができるはずよ。そっちの学校の様子は?」

みほ「みんなが私と結婚しようとしてきます」

エリカ「…みんな私を襲おうとしてくるわ」

アリサ「極端ね…ふーむ、それじゃあまり共通する点があるようには思えないけど、とにかく学校の中で一人だけに周囲の好意が集中していると言うのは確かね」

エリカ「それで、その対象になっている私たちの共通点は…高校2年生以外にあるかしら
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◆s2tmI36vx6<>sage saga<>2016/09/18(日) 20:11:07.01 ID:ScCgDHu4o<>
みほ「えーと、九州生まれ…とか?」

アリサ「そう言われればそうだけど、範囲が広すぎない?それに、私たちと黒森峰だけならともかく、大洗の生徒も無関係じゃないし…やっぱりもう少し情報が欲しいわね」

エリカ「副隊長と言うのもみほが外れるし…こうなってくるともう少しサンプルが欲しいところね。…知波単の隊長に連絡が取れる?」

みほ「ええと、西さん携帯持ってないって言ってたから…学校に電話して取り次いでもらうしかないかな…ええと…ち、ち…」

アリサ「そっか、あそこの隊長も2年生だから、これであの子がまともなら西住さんとの共通点ができるってわけね?」

エリカ「ええ、まぁ、普段からあまりまともだとは思えないけれど…」

みほ「失礼いたします、わたくし大洗女子学園の西住みほと申します。至急の要件で、貴校の西絹代さんにお取次ぎいただきたいのですが…はい、そうです。戦車道の」

アリサ「…こんなにはきはきしゃべれたのねこの子」

エリカ「やっぱり育ちがいいのよね。確かに結婚相手に重要なことを備えているかもしれないわ」

アリサ「うぇ、あんたもやっぱそっちの人?」

エリカ「違うわよ!」
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◆s2tmI36vx6<>sage saga<>2016/09/18(日) 20:11:43.22 ID:ScCgDHu4o<>
絹代『お待たせして申し訳ありません、西住さんですか?よかった、こちらもどなたかに連絡を取りたかったのですが、携帯電話の番号を手帳に書いておくのを忘れまして…』

みほ「ご無事そうですね…そちらはどんな様子ですか?」

絹代『どういうわけだか、みんなが私を甘やかそうとしてくるのです!朝起きようとすれば止められ、朝食は異様に豪華な洋食で…卵の料理や砂糖とミルクの入った珈琲は出てくるし、このままでは堕落してしまいます!』

アリサ「普段どんな生活送ってるのあの人たち…」

みほ「わかりました、アリサさん、西さんとも合流したいのですがよろしいですか?」

アリサ「情報だけ聞いてサヨナラってのもかわいそうだしね、いいわ!二人とも乗って!」

エリカ「情報と言えば…二人とも今後はこれ以外の連絡には応じないようにして。他に仲間にできそうな人が居たら加入させていくわ」

アリサ「え、ああ。承認っと…そうね、下手にこちらの動きを知らせるようなことは避けるべきね」

みほ「うわ、メールや着信がいっぱい来てる…ええと、エリカさん、これってどうすればいいの…?」

エリカ「はいはい、貸しなさい。これ以外に返事したらダメだからね」

みほ「うん」ピコン ピコン

エリカ「…なんでスタンプだけは充実してるのよ」
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◆s2tmI36vx6<>sage saga<>2016/09/18(日) 20:12:22.97 ID:ScCgDHu4o<>
絹代「ああ、西住さん!おや、逸見さんにアリサさんも…そちらでも何かが起こっているのですか?」

アリサ「まぁね、って言うか何よその格好は?」

絹代「外出すると言ったら隊員たちにいろいろ持たされまして…なんでも、彼女らにとっては私は可愛い妹なんだそうで。福田と言う下級生が居るのですが…彼女にそう言われたときは戦慄を覚えました。ああ、よかったらいかがですか?」

エリカ「あぁ、ありがと…考えてみれば朝から何も食べてなかったわ」

アリサ「…次はグロリアーナに行ってみない?チャーチルに乗ってるあの子…ええと、何て言ったかしら」

みほ「オレンジペコさんですか?ええと…」

エリカ「あの子一年生じゃなかった?」

アリサ「ええ、けどこの辺で条件を絞り込む新しいファクターが欲しいと思ってね。今のところ2年生ってことしか確定要素がないでしょ?」

絹代「なるほど!しかし、それが成ってしまうとその2年生という条件も取り消さねばなりませんね」

アリサ「ええ、でも…彼女には私たちと共通点があるわ。聖グロという特殊な学校だけにあるしきたりのせいでね」

エリカ「…それって!」
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◆s2tmI36vx6<>sage saga<>2016/09/18(日) 20:13:02.40 ID:ScCgDHu4o<>
みほ「あ、もしもし西住です。ペコさん、今ちょっといいですか?」

ダージリン『あらみほさん、ペコは今お茶の時間なの。また後でかけ直してくださる?』

みほ「えっ、切られた…?今の声、ダージリンさんだと思うけど…」

アリサ「やっぱり彼女の周りでも妙なことが起こってる…これで決まりね。私たちの共通点とは、次期隊長ってことよ」

エリカ「それって、私たちを狙った悪戯ってこと?でも…それにしたって隊長があんなことまでするかしら?」

絹代「詳しくはお聞きしませんが、悪戯にしては手が込みすぎています。学校の枠を超えてこれほど足並みを揃えてくるとは…大学選抜戦以上ですよ。いったいどこのどなたがそこまですると言うんです?」

みほ「あっ…うちの学校にやりそうな人が居る…」

3人「「「ああ…」」」

エリカ「とりあえず、そのオレンジペコって子を保護しに行きましょう。さっきの感じだと軟禁と言ってもいいくらいの扱いを受けていそうよ」

アリサ「ああ、あそこの隊長ならやりかねないわね…急ぎましょう!」
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◆s2tmI36vx6<>sage saga<>2016/09/18(日) 20:13:43.71 ID:ScCgDHu4o<>
ローズヒップ「あら、大洗に黒森峰にサンダースに知波単の…なんの御用でして?我が聖グロに土足で踏み込むとはいい度胸でございますわね?」

ルクリリ「土足どころかこれでは強行着陸ではないか…何の用だ」

みほ「オレンジペコさんに急ぎの用事があるんです」

ルクリリ「駄目だ、今はお茶を楽しんでらっしゃる。どうしてもと言うなら待ってもらおう」

アリサ「さっきもお茶してたじゃない!?」

ローズヒップ「食後のお茶ですわ!さぁさぁ、お客様がたもお茶にいたしましょう?」

ルクリリ「それには及ばない、廃油でも出しておけ」

エリカ「ずいぶんご挨拶ねえ、いいの?こっちには秘密兵器が居るんだから」

絹代「あまり手荒なことはしたくなかったのですが…仕方ありませんね。失礼します」

ローズヒップ「へ、へ?あいたたたた!ギブ!ギブですわ!」

ルクリリ「なっ、お前たち!何を…!あうっ!」

絹代「えっ、ほとんど力は…。やはり茶番なのではないでしょうか?」

<>
◆s2tmI36vx6<>sage saga<>2016/09/18(日) 20:14:31.34 ID:ScCgDHu4o<>
エリカ「とりあえずこの二人に話を聞いてみましょうか。ほら、寝たふりしてないで起きなさいよ」ペシペシ

アリサ「いいわね。まぁ、私としてはあなたたちがしゃべらないことに期待してるんだけどね…」ニッコリ

ローズヒップ ルクリリ「「……」」ダラダラ

みほ「あの、こうも簡単に引き下がると言うことはこの先に行けということなんじゃ…?」

絹代「オレンジペコさんの事も気がかりです。今はそのことに時間を割いている場合ではないかと」

エリカ「チッ、そうね。…また後でね?」ボソッ

アリサ「…いつでもあなたの事を見てるわよ?」ボソッ

みほ「なんだか二人とも威圧感が出てきたみたい…」

絹代「いやぁ、次期隊長の集いなんてものに加えていただけるとは光栄ですなあ」

エリカ「あなたたちは暢気すぎるでしょ…」

アリサ「現職の余裕ってやつなの?ねえ!」

みほ「え、えーと…と、とにかくオレンジペコさんのところへ急ぎましょう!」

絹代「会議室…ここでしょうか?失礼します!」バンッ!
<>
◆s2tmI36vx6<>sage saga<>2016/09/18(日) 20:15:10.62 ID:ScCgDHu4o<>
ダージリン「まぁ、騒がしいと思ったら…来てしまったのね」

アッサム「あの二人を退けるなんて…なかなか手ごわそうね」

アリサ「いや、簡単に通してくれましたけど…」

絹代「ただならぬ気配です!これは手加減できる相手ではありませんね…!」

エリカ「いや、そんな本気にならなくてもいいから…けしかけといてなんだけど暴力沙汰は勘弁して」

みほ「えーと…あ、ペコさん。私たちと一緒に来てもらえませんか?」

ペコ「西住さん!よかったぁ…着替えてきますから、少し待ってもらえますか?」

ダージリン「ペコ!?ああ、そんな…嘘よ…」ガクリ

アッサム「あ、ちょっと…それ一人で着替えるの無理でしょ。手伝うわ」

アリサ「あの、茶番なら茶番でせめて最後までやり切ってもらえません?」

絹代「おや、着替えてしまうのですか?せっかくお似合いですのに…まるで本物のお姫様のようですよ!」

ペコ「そうでしょうか?」ムスー

エリカ「お姫様扱いはご不満のようね。ああ、もう…頭が痛くなってきたわ」

ダージリン「あら、偏頭痛にはカフェインが効くのよ。待っている間お茶でもいかが?」

アリサ「今度は胃にきそう…ミルク入れてもいいですか?」

ダージリン「ええ、となると茶葉は…ああ、みなさんどうぞおかけになって?もうすぐスコーンが焼きあがるわ」

絹代「わぁ!これが本物の紅茶ですか…!お点前頂戴いたします!」

みほ「なんだかんだでここは平常運航みたい…」
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◆s2tmI36vx6<>sage saga<>2016/09/18(日) 20:15:46.86 ID:ScCgDHu4o<>
ペコ「お待たせしました。みなさんはどういった経緯でここへいらしたのでしょう?」

エリカ「事情は様々だけど…あなたとだいたい同じよ。急に周囲の様子がおかしくなって、話の通じる人を探して合流してきたの」

アリサ「ペコちゃんが入ったことで、次に迎えに行けばいい人は絞り込めたわね。と言っても個人にまで特定できるわけじゃないけど…」

ペコ「あの、そのペコちゃんと言うのは…普通に呼んでいただければ結構ですので」

アリサ「じゃあペコ、残るはアンツィオの二人、プラウダの三人、それから継続は…恐らく二人だけど、それぞれ誰がターゲットになっていると思う?」

ペコ「うーん…そこはそれぞれの学校の事情があるでしょうから…でも、アンツィオはどちらかと言うとペパロニさんではないでしょうか。公私ともに生徒たちを盛り上げて、戦術面ではカルパッチョさんサポートすると言うのがあの校風には合っていると思います」

絹代「なるほど!しかし、前線での指揮を腕自慢の先任将校に任せ、司令官はどっしり構えている、と言うのもあのお二人には合っているのではないでしょうか」

エリカ「どちらの言い分にも理があるわね…P40と言う切り札を惜しみなく使っていくなら後者かもしれないけれど…みほはどう思う?」

みほ「うーん、あれ、メッセージが入ってる…カルパッチョさんから!?すぐに会いたいので連絡してくださいって…どうしよう?」
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◆s2tmI36vx6<>sage saga<>2016/09/18(日) 20:16:21.69 ID:ScCgDHu4o<>
アリサ「待って、罠かもしれないわ。あまりにもタイミングが良すぎるもの…どちらにしても行くしかないけど、返事はせずにいましょう」

絹代「そうですね…大変美味しゅうございました!」

ダージリン「ふふ、恐れ入ります。もう一杯いかが?」

エリカ「いえ、お気持ちだけで…」

ペコ「そうと決まれば長居は無用です。さっ、行きましょう」

みほ「あ、はい。ではダージリンさん、ご馳走さまでした」

ダージリン「ええ…名残惜しいわ。いつかまたいらして頂戴」

アッサム「ああ、お発ちになるの?間に合ってよかったわ。はい、みんなで召し上がってね。お連れの方もお腹いっぱいにしておいたわ、うちは魚料理には明るくないから、普通の航空燃料だけれど」

アリサ「ああ、どうも…では、失礼します」

ダージリン「ああ、そうそう、こんな言葉を…」

ペコ「……」ジロ

ダージリン「…お気をつけて」
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◆s2tmI36vx6<>sage saga<>2016/09/18(日) 20:16:53.94 ID:ScCgDHu4o<>
ペコ「ところで、みなさんの学校はどんな様子だったんですか?」

みほ「ええと…」

エリカ「少なくとも、あなたの様にいい扱いではなかったわよお姫様?」

ペコ「やめてください。私はお姫様のように守られるのでなく、大事な方をお守りするナイトでありたいんです」

4人「……」ナデナデ

ペコ「ちょっと!子ども扱いしないでください!」

アリサ「でも、あの待遇の良さ…聖グロはチェックポイントのようなものだったのかしらね。今のところ私たちの行動は間違ってないってことだわ」

エリカ「ペコを仲間に入れたことで、新しいイベントのフラグが立ったとでも?じゃあ全員揃えないとこのゲームは終わらないと言うことね…この調子じゃ学校にも帰れないだろうし」

絹代「その先に何が待っているのでしょうか?」

みほ「分かりません…けど、こうなったら前進あるのみです」

ペコ「なんだかすごい連帯感を感じますね…」

アリサ「とにかく今はカルパッチョと接触する以外に選択肢は無いわ。…見たところいつも通りのアンツィオのようだけど」

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◆s2tmI36vx6<>sage saga<>2016/09/18(日) 20:17:39.35 ID:ScCgDHu4o<>
カルパッチョ「西住さん!よかった…返信がないから心配していたんです!」

みほ「ごめんなさい、それも作戦のうちで…みんな同じような目に遭っている仲間です。さぁ行きま」ガシッ

カルパッチョ「…この泥棒猫」

みほ「はい!?」

カルパッチョ「知らないとでも思っているんですか?たかちゃんにプロポーズされたんですよね?いつの間にたかちゃんを誑し込んだんですか!!」

エリカ「演技なのよね?これ…」

アリサ「半分くらい私情が入ってそうな気がするけどね」

絹代「ええと、とりあえず…御免!」トンッ

カルパッチョ「ああっ…」パタリ

ペコ「びっくりしました…みなさんずっとこんな目に遭ってたんですか?」

みほ「これはちょっと特別ですかね…結構痛かった…」
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◆s2tmI36vx6<>sage saga<>2016/09/18(日) 20:18:18.11 ID:ScCgDHu4o<>
アリサ「とりあえずもう一人の…ペパロニって子を連れてくればいいのね?」

エリカ「と言ってもどこに居るのか…ねえ、あなたは教えてくれないの?」

カルパッチョ「……」プイッ

絹代「駄目なようですね…どなたかこちらの学校に詳しい方は?」

ペコ「あの、カルパッチョさんのジャケットのポケットから何かはみ出していますよ?」

アリサ「どれどれ…ペパロニ再教育作戦?」

エリカ「次期隊長としてふさわしい素養を身に着けるための教育を施すものである?スケジュールまで載っているわね」

みほ「今の時間は…隊長室で座学を受けているんですね。ここへ向かえばいいんですか?」

カルパッチョ「……」コクコク

絹代「ええと、ではそうしましょうか…なんだか疲れてきました…」
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◆s2tmI36vx6<>sage saga<>2016/09/18(日) 20:18:51.75 ID:ScCgDHu4o<>
アンチョビ「ああっ、だから何度言ったらわかるんだ!お前ほんっとうにアホだな!?」ピシャッ!

ペパロニ「痛っ!…くはないっすけど、その音びっくりするからやめて欲しいっすよ姐さ〜ん!!」

アンツィオ生「ペパロニ姐さんマジパネェっすわ…ぶっちゃけ引くっす」

アンツィオ生2「マジ来年大丈夫っすか?…こりゃ一回戦負けかな」

ペパロニ「おっ、お前ら…!見てろよ、これくらい本気でやりゃあ…どうっすか!カンペキでしょ!?」

アンツィオ「全・然!ダメじゃないかぁ!!これはちょっと厳しいお仕置きが必要だなぁ?」

ペパロニ「ええっ、またおやつ抜きっすか!?カンベンしてくださいよぉ、朝からクロワッサンとピッツァとパスタしか食べてないんすよ!?」

アリサ「いや、それだけ食べてれば十分じゃない…」

エリカ「ここも平和ね…ああ、昨日までの日常が懐かしいわ」

アンチョビ「おっ、なんだお前ら!今こっちは大事な話をしてるんだ!部外者は出てってもらおうか!!」

みほ「あの、アンチョビさん涙目なんですけど…」

ペコ「お芝居と言えかわいい後輩に厳しくあたるのは辛いんですね…西さん、楽にしてあげてください」
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◆s2tmI36vx6<>sage saga<>2016/09/18(日) 20:19:31.58 ID:ScCgDHu4o<>
絹代「結局私はそういう役割なんですね…では失礼して」

アンチョビ「ぐへっ…」ドサッ

ペパロニ「姐さんっ!?お、お前ら!姐さんに手を上げるなんざ、タダじゃあおかねえぞ!!」

アリサ「はいはい、いいから一緒に来てもらうわよ」

エリカ「あっ、こら!大人しくしなさい!」

みほ「……」チラッ

アンチョビ「……ペパロニ、お前にはがっかりだよ。どこへなりとも行ってしまえ」グスッ

みほ「えっ」

ペパロニ「…えっ…ね、姐さん?冗談っすよね?姐さん!?」

アンチョビ「う”る”さ”い”!!お前なんか、お前なんか…た”い”っき”ら”い”た”!!」ポロポロ

ペコ「ああもう…これ誰が得するんですか…」

ペパロニ「……姐さぁん……グスッ…うわぁああああああ!!」

カルパッチョ「西住さん、これ、ペパロニさんに」コソッ

みほ「…わかりました!」
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◆s2tmI36vx6<>sage saga<>2016/09/18(日) 20:20:16.61 ID:ScCgDHu4o<>
ペパロニ「姐さん…どうしよう、私があんまりにもバカだから、姐さんにまで愛想つかされちゃって…」グスグス

アリサ「あの、あんまり真に受けないでいいから…アンチョビさんだって本気で言ったわけじゃないわよ」

エリカ「しゃんとしなさい、それじゃ本当に見放されちゃうわよ?」

みほ「まぁまぁ…ペパロニさん、カルパッチョさんがこれを」

ペパロニ「グスッ…カルツォーネ?これ…姐さんのだ!!…うまいっす、姐さん…」

ペコ「匂いだけでわかるんですか…本当に絆が強いんですね」

絹代「元気を出してください!この試練を終えればいつもの安斎さんが出迎えてくれるはずです!!」

ペパロニ「本当っすか!?あ、たくさんあるからみなさんもどうぞっす!姐さんの作るものはなんでも最高においしいっすよ!!」

アリサ「あら、ほんと…イタリアのピザって食べた気がしないと思ってたけど…今の私たちにはこれくらい優しい味のほうがいいわね…」

ペコ「コーヒーはありませんけど、お茶を淹れましたからどうぞ。アッサムさまが持たせてくれたお菓子もありますから」

絹代「こちらもお茶請けならたくさんありますよ!」

エリカ「ありがとう。今はとにかく甘いものが恋しいところだわ…」

みほ「あ、そういえば沙織さんがお弁当くれたんだった…わぁ、気合入ってるなあ」

ペパロニ「沙織姐さんの?おお、そっちもさすがっすね!」

アリサ「悪ノリとは言え、あなたを大事に想う気持ちは本物ってことね。…じゃあ、隊長たちは私に頼れる隊長になって欲しいって思っていたのかしら…」
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◆s2tmI36vx6<>sage saga<>2016/09/18(日) 20:20:54.02 ID:ScCgDHu4o<>
絹代「そうなると、うちの隊員たちはもっと自分たちを頼りにしてほしいと…?」

ペパロニ「じゃ、あれは姐さんの愛のムチだったってわけっすね!」

エリカ「あの、その線で行くと私はどう受け止めていいかわからないんだけど」

ペコ「うちの場合、ダージリンさまの趣味以外の何物でもない気がするんですけど…」

絹代「ふむ、求婚に情欲、姉に妹にお姫様扱い、折檻ですか…バラエティに富んでいますね」

エリカ「じょうっ…!あなたって本当にデリカシーがないわね!?」

絹代「ああ、これは失礼を…しかし、残るは二つです。どちらから参りましょうか?」

みほ「…一つ試してみたい手があります。ノンナさんに連絡を取ってみましょう」

アリサ「あの人3年でしょ?次期隊長でも何でもないじゃない」

みほ「はい、でも…全校を巻き込んだ催しとは言え、ノンナさんならメリットがないことには加担しないと思うんです」

ペコ「ああ…少なくともカチューシャさん以外のどなたかをみんなで囲むことには参加していないかもしれないと」

エリカ「それで納得してしまえるのが凄いわね…で、誰か彼女に連絡が取れる?」

一同「……」

みほ「謎の多い人ですからね…」
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◆s2tmI36vx6<>sage saga<>2016/09/18(日) 20:21:31.52 ID:ScCgDHu4o<>
エリカ「ズルしないで正面から行けってことかしら…あそこの次の隊長って誰になるの?あのロシア人?」

アリサ「あの子留学生だし、来年度も居るかどうかわからないわね。KVの二人のどっちかじゃない?」

ペパロニ「どっちかってーと、あの帽子被ってるほうじゃないっすか?」

絹代「そうなのですか?なぜでしょう?」

ペパロニ「ちっちゃいからっす!」

エリカ「…あり得ないとも言えないのが凄いところよね」

ペコ「あら?アッサムさまから…ノンナさんの携帯の番号?…これ、かけていいと思います?」

アリサ「…アッサムさんなら大丈夫じゃない?ダージリンさんなら絶対自分にかけるように仕向けると思うけど」

エリカ「と言うか、もう動向を知られるとか、そういうの気にしなくてもいいような気がしない?」

みほ「うん、本人だけ呼び出したりするようなことももうできないわけだし…」

ペコ「確かに。じゃあかけてみますね…」

絹代「ううむ…学校の事が気になってきました…こんなことなら携帯電話を買っておけばよかったですね」

ペパロニ「あっ!私も学校に忘れてきちゃったっす…どうしよ、姐さんが連絡してたら怒って無視してると思っちゃうかも…」

みほ「あ、じゃあ私が連絡して…あれ、あんこうチームのグループにいっぱいメッセージがある…見てもいいかな?」
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◆s2tmI36vx6<>sage saga<>2016/09/18(日) 20:22:07.29 ID:ScCgDHu4o<>
エリカ「この際だからいいでしょもう。あら、うちのチームにも通知が…はっ?ちょっと、何やってるのよあいつら…!」

アリサ「どしたの?」

エリカ「ご、ごめん。ちょっと見せらんない…」

アリサ「え、ああ…わかった。気にしないで」

みほ「あれ、これ私の部屋…?どうやって入ったんだろ…あっ、あっ!そんなぁ!!」

エリカ「あなたも!?ちょっと、大丈夫…?なにこれ」

みほ「うちのボコたちがもっとボコボコになってる!凄い!…あっ、これ着ぐるみになってるんだ!わぁ、早く大洗に帰らなきゃ!!」

エリカ「…よかったわね。私はますます帰れなくなったわ」

ペコ「ちょっと皆さんお静かに!ノンナさん、もう一度お願いします。プラウダで何が起こっているんです?」

ノンナ『…来てはいけません…!ああ、カチューシャ…あなたと二人、プラウダに来て…私は…幸せでした…』

ペコ「ノンナさん!ノンナさん!?…ええと、なんだか予想外の事態になってしまいましたが…」

アリサ「結局行かないとダメなのね…急ぎましょう、暗くなってからの移動は避けたいわ」
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◆s2tmI36vx6<>sage saga<>2016/09/18(日) 20:22:45.46 ID:ScCgDHu4o<>
エリカ「大丈夫?操縦し通しだけど」

アリサ「きついけど、まぁなんとかするわ。来年は泣き言なんて言ってられないもの。絹代、そこに座ってなんでもいいから話し続けて」

絹代「はぁ、では我が校の誇るチハ車こと97式中戦車の生まれた経緯とその活躍についてご紹介しましょう!」

エリカ「ちょっと、耳元で大声出さないでよ!…アリサ、あなた…」

アリサ「うふふ、あんたも道連れよ?」

エリカ「…心配して損した」

絹代「西暦1937年に制式採用されたチハ車は、皇紀2597年の末尾を取って97式中戦車と名付けられ、日本初の国産戦車である89式中戦車の後継車両として誕生しました!当時としては世界的にも十分な性能を持って生まれたチハは鉄道や船舶での輸送に適した15トンと言う軽量な車重に収まっており……」

アリサ「ごめん、やっぱもうちょっと軽い話題で」

絹代「そうですか?では傑作軽戦車と名高い95式…」

エリカ「いや、そうじゃなくて」

ペパロニ「エスプレッソここ置いとくっすよー」
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◆s2tmI36vx6<>sage saga<>2016/09/18(日) 20:23:28.75 ID:ScCgDHu4o<>
アリサ「来たはいいけど、今度はどうすればいいのかしら…」

ペコ「とりあえず、もう一度連絡してみましょう…出ませんね」

<テーテテーテテテテテーレー♪

ペパロニ「これって着信音じゃないっすか?あっちっす!」

みほ「あっ、あそこの木陰に…ノンナさん!大丈夫ですか!?」

ノンナ「……」

絹代「真っ白に燃え尽きた…と言う雰囲気ですね。これでは雪化粧のノンナさんです」

エリカ「ンフッ、真面目な顔して妙な事言わないでよ!ふふっ、ゲホッゲホッ!」

アリサ「フフッ、笑いすぎでしょっ!あはっ、あははははッ!」

ノンナ「……」

ペコ「ああ、怒ってらっしゃるのが気配でわかります…」

みほ「二人とも緊張続きでテンションがおかしい…あれ、ニーナさん?」

ニーナ「はれ?みなさんなしてさプラウダに?あんれま、ノンナ副隊長こったらとこおったべさ。ああ、みなさんもおんでになって下さい」

アリサ「あの体格差で軽々と…ああ、ちょっと。ニーナって言うんだっけ?私たちと一緒に来てくれない?」

ニーナ「はぁ、そら構わんども…わらさどさ寝かしつけねば」
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◆s2tmI36vx6<>sage saga<>2016/09/18(日) 20:24:03.59 ID:ScCgDHu4o<>
エリカ「寝かしつけるって子供を?預かってるの?」

ニーナ「いんや、プラウダのみんなだべ。なーんか知んねぇけどみんな私に甘えてくるのさ…カチューシャ様までだべ?なーんだかおっかぁになったみてぇで楽しいべさ」

ペコ「…ありましたね。メリット」

ペパロニ「満足したから連れてっていいってことっすか…」

カチューシャ「……」zzz

絹代「おやおや、これは愛らしい寝顔ですね…」

クラーラ「мама、みんなよい子で眠っていますよ」

ニーナ「そうだべか、手伝ってくれてありがとだべクラーラさん」

クラーラ「Нет、クラーラとお呼びくださいмама」

ニーナ「そ、そうだったべな。へばなクラーラ、私はみなさんとご一緒するべ、みんなのことよろしく」

クラーラ「はい、мама」

みほ「クラーラさんだけはほとんどいつも通りなんですね…」
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◆s2tmI36vx6<>sage saga<>2016/09/18(日) 20:24:42.94 ID:ScCgDHu4o<>
ニーナ「わいはー、わやな飛行機だべ」

エリカ「…さて、ここまできたら最後まで行くしかないわね」

アリサ「ええ、継続…降りるとこあるのかしら。あまり手間取るようならそこで身動き取れなくなるわよ」

ペコ「もう行くしかありませんもの。速攻でいきましょう」

ペパロニ「ノリと勢いっすね!任せるっすよ!」

絹代「突撃ですか!お任せください!」

ニーナ「み、みなさん元気だべな…」

みほ「…たぶん空元気です。でも、もう迷うことはありません。行きましょう」
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◆s2tmI36vx6<>sage saga<>2016/09/18(日) 20:25:22.50 ID:ScCgDHu4o<>
アリサ「陣地の死守は『ダァン!』の役割よ、我々は進撃に次ぐ進撃あるのみ!『ズダダッ!』を蹴飛ばしてやるわ!ゴーアヘッド!」

ペパロニ「こうなりゃ"特攻"っきゃないっす!行くぞおめーらぁ!」

絹代「粉骨砕身の覚悟で臨みます!ここは突撃して潔く散りましょう!戦車前進!」

エリカ「電撃戦ね!よし、絹代を先頭にパンツァーカイルを形成!パンツァーマールシュ!」

みほ「ああ、みんな投げやりになってる…でも、戦車に通れない道はありません!」

ニーナ「あのぅ…なんだかみなさんテンションがおがしくってぇ…わだすどうすればいいべか…」

ペコ「特に気にしなくてもよろしいかと。ああ、西住さんはこちら側に居てもらわないと困ります」

みほ「あっ、はい…話し声?…あ、ミカさん?アキさん、ミッコさんも!」

ミカ「二疋の蟹の子供らが、青じろい水の底で話していました。『クラムボンはわらったよ。』『クラムボンはかぷかぷわらったよ。』『クラムボンは跳ねてわらったよ。』『クラムボンはかぷかぷわらったよ。』上の方や横の方は…なんだい君たちは、静かにしてもらえるかな?」ポロン

アリサ「なに、この声…ああ、このまま倒れ込んで眠ってしまいたい…」

ミカ「青くくらく鋼のように見えます。そのなめらかな天井を、つぶつぶ暗い泡が流れて行きます」ポロロン

エリカ「隊長…私もう疲れました…」

ミカ「『クラムボンはわらっていたよ。』『クラムボンはかぷかぷわらったよ。』『それならなぜクラムボンはわらったの。』『知らない。』つぶつぶ泡が流れて行きます。蟹の子供らもぽっぽっぽっとつづけて五六粒泡を吐きました。それはゆれながら水銀のように光って斜めに上の方へのぼって行きました。」ポロロ ポロン

絹代「……亡くなったひいおばあさまが見え……」zzz

ペパロニ「……姐さん…もう食えないっすよ……」zzz

ニーナ「あったけぇ暖炉や、ご馳走が見えるような気がしてきたべ…あっ、ばぁちゃん…生きてんのに……」zzz
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◆s2tmI36vx6<>sage saga<>2016/09/18(日) 20:26:00.68 ID:ScCgDHu4o<>
ミカ「そう、よい子はもう寝る時間だよ?疲れたろう、君たちも安心してお休み」ポロロン

ペコ「いえ、私には帰るところが別にありますので」

みほ「あの、アキさんかミッコさんに一緒に来てもらいたいんですが…」

ミカ「おや、私から愛しい子を奪おうと言うのかい?この子たちは私がずぅっと面倒を見るのさ。ほら、見てごらん?この愛らしい寝顔を」

アキ ミッコ「「……」」チラッ チラッ

みほ「ええと…そういう設定なんですね」

ペコ「子供たちは早く離れたがっているように見えますけど…」

アキ「ミカ!ミカってば!みんな見てるじゃない!恥ずかしいよ!」コソッ

ミカ「恐れることはないさ。アキ、あれはただの霧だよ」

エリカ「…これ、どっちが正解なの?」

アリサ「もうこの際二人とも連れてっちゃえばいいんじゃない?」

ミッコ「ほら!私たち行くからね!…あっ、こら、離せってばぁ!」バタバタ

ミカ「落ち着くんだミッコ。枯れ葉が風で揺れているだけだよ」

ペコ「…?ああ、素敵なアキさん、ミッコさん。私たちと一緒においでなさい?私たちみんなで歓迎しますよ、ふふ、歌や踊りも披露しましょうか?」

みほ「…はい?ああ、この曲って」

アキ ミッコ「「ミカ!!」」

ミカ「ああ、確かに見えるよ?あれは灰色の古い柳さ」

エリカ「はぁ?…ああ、嫌がるのなら、力ずくで連れていくぞ、だっけ?」

絹代「力ずくと聞いて戦線に復帰しました!」

アリサ「いや、誰が魔王よ」

ミカ「二人は、冷たく…」ジャッ ジャンッ!!
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◆s2tmI36vx6<>sage saga<>2016/09/18(日) 20:26:39.95 ID:ScCgDHu4o<>
アキ「わぁ、大きな飛行機!…飛行機?」

ミッコ「ヘリコプターじゃないの?中も広いね!うちの戦車くらいならぶら下げて飛べるんじゃない?」

アリサ「いや、無理だから。あっ、こら!勝手にあれこれいじらないで!」

エリカ「とりあえずこれで全員拾えたわけだけど…これからどうすればいいのかしら?」

みほ「もう暗くなっちゃったし…これ以上の移動は避けるべきだと思う。アリサさん、どうですか?」

アリサ「そうね、離陸や航行はやってやれないこともないけど…これまでみたいに何もないところに降りろってのは無理よ。ちゃんと受け入れ態勢が整ってるところじゃないと」

ペパロニ「野宿…じゃないだけいいっすけど、腹へったっすね…ああ、こんなことならいろいろ持ってくりゃよかった!」

ニーナ「懐かしいなぁ。プラウダに入ったばっかのころは、よぐこうして同級生たちと寒くてひもじい思いをしたもんだべ…」

絹代「私などもよく真夜中になるまで正座をさせられていたものです。そんなとき、優しい先輩がこっそりおにぎりを差し入れてくれて…いやあ、あれはうまかった…」

ペコ「なんだかますますお腹がすくお話ですね…あら、あそこでたき火をしている人が…ミカさん?」

ミッコ「何やってんだろ…ああっ!?なんかおいしそうなものいっぱい食べてるよ!!」

アキ「ミカってばどこに隠し持ってたのよ!?ああ、鮭の燻製にカレリアパイ!コケモモジュースまで!!もう知らないっ!アリサさん、もうどこでもいいから行っちゃいましょうよ!!」

アリサ「そう言われてもね…西住さん、どこか私たちを受け入れてくれそうなアテはないかしら?」

みほ「ええと、あるにはあるんですが…熊本で…」

エリカ「えっ、そりゃあなたの実家ならヘリくらい降りれるでしょうけど、いいの?それに…私も気が進まないわ」

アリサ「どちらにしてもそこまではとても燃料が持たないわよ。他には?」
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◆s2tmI36vx6<>sage saga<>2016/09/18(日) 20:28:10.32 ID:ScCgDHu4o<>
みほ「ええと…では、愛里寿ちゃんに連絡してみます」

ペコ「大学選抜の!?…大丈夫でしょうか?」

ペパロニ「気まずいってレベルじゃないっすね…でも、学校には戻れないし…」

エリカ「…たぶんそれで正解なんだと思うわ。これまで以上に気が重いけれど…」

アリサ「ほんとよくできた嫌がらせね…しょうがない、腹を括るわ」

みほ「もしもし、愛里寿ちゃん?急にゴメンね、今大丈夫かな?」

愛里寿『みほさん?うん、大丈夫。どうしたの?』

みほ「えっとね、今から25mクラスのティルトローター機が降りられるところってないかなと思って…乗員乗客合わせて9名が泊まれて、できれば燃料も…ああ、ゴメンね?急に何を言ってるのかと思うだろうけど、ちょっと困ったことになっていて…」

愛里寿『ううん、みほさんの言うことだもの。それほど困ってるんだよね?ちょうどよかった。明日から連休だから、大学選抜の遠征に参加してるの。今どこに居るの?…うん、それなら私たちの居るホテルに近いから、そこで待ってる』

みほ「本当!?…ええと、アリサさん、ここならどうですか?」

アリサ「んーと…これならなんとかなりそうね。けど、本当にこんなところに降りていいの?」

愛里寿『お母さまが経営しているところで、今日は他のお客さんは泊まっていないから大丈夫』
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◆s2tmI36vx6<>sage saga<>2016/09/18(日) 20:28:45.85 ID:ScCgDHu4o<>
エリカ「…私そんなところに行って大丈夫かしら」

ペコ「大学選抜の中には黒森峰のOGもいらっしゃるでしょうし、大丈夫じゃないですか?」

エリカ「それ、もっと大丈夫じゃない気がするんだけど…」

絹代「逸見さん、こうなっては仕方がありません!骨は拾います!」

エリカ「ちょっと!なんで急に他人事なのよ!?」

絹代「私にだって怖いものはあります。その、先輩とか…」

ニーナ「せ、先輩…プラウダの人も居るんだべか…おっかねぇじゃぁ〜!!」

ペパロニ「ウチって姐さんが戦車道復活させたから、その心配はないっすね!ラッキー!!」

アリサ「うちは…中隊長の一人がOGなのよね…何を言われるやら」

アキ「大丈夫ですよ!大学生だもん!きっと広い心で迎えてくれますよ!」

ミッコ「今度こそ大学チームのレーションが食べられるかも!へへっ、ミカには分けてあげないもんね!早く行こうよ!!」

みほ「みなさん、不安な気持ちは私も同じです。けれど、もう後には引けません…退いたら、道はなくなります」

一同「……」

エリカ「いや、重いから…もっといつもみたいに緩い感じでお願い」

みほ「えぇ?そんなつもりないんだけど…では、パンツァー・フォー!」
<>
◆s2tmI36vx6<>sage saga<>2016/09/18(日) 20:29:34.96 ID:ScCgDHu4o<>
エリカ「あの辺り、異様に明るいわね…あれがそのホテルで間違いなさそうね。すごい敷地だわ」

みほ「…あれ、ちょっと貸して?わぁっ!ボコのホテルだ!お城みたいでかわいい!!」

アリサ「…あのさ」

エリカ「うん、わかるけど言わないで」

ペコ「あれで経営は大丈夫なんでしょうか…」

???『USALD-V-22,runway 2 cleared to land wind 280 at 1.』

アリサ「降りていいらしいわ。さて、鬼が出るか蛇がでるか…」

みほ「あっ、愛里寿ちゃん!…あ、後ろにいる三人って…」

アリサ「うげっ…早速ご対面なの…」

メグミ『On course,on glide path,heading is good. Rate of descent is too high!』

アリサ「っとと…後が怖いわね…」

ニーナ「後のこどより今のこの時のほうがおっがねえべよ!」

ペパロニ「そっすか?このぐわんぐわんする感じ楽しいっすよ!」

絹代「ううむ、しかし我々は戦車乗りです、空で死にたくはありません」

アリサ「うるさいわよあんたたち!…ふうっ、これでひとまず今日のところ安心ね」

メグミ『なんとか及第点と言ったところね。さっさと降りて来たらどうなの?』コンコン

アリサ「…でもなかった。しょうがない、みんな降りるわよ!」
<>
◆s2tmI36vx6<>sage saga<>2016/09/18(日) 20:30:18.32 ID:ScCgDHu4o<>
みほ「愛里寿さん、大学チームのみなさん…急な申し出にも関わらずご了承いただきありがとうございます。お世話になります」

一同「「「お邪魔します!!!」」」

愛里寿「いいの、どうせみんなまだまだ夜更かしするつもりだろうから」

アズミ「あら、意外といい子ね?けどぉ、それくらいじゃ隊長にふさわしいとは言えないわよ?」

ルミ「がるる…」

メグミ「Hey,lady!ちょっとコース取りが甘いんじゃない?ティルト角の変更もスマートとは言えないわ。全員生きて地面を踏めたのは幸運ね」

アリサ「さっきは及第点って…」

メグミ「Attention!!」

アリサ「!?」

メグミ「誰が口を開いていいと言ったの?あなたみたいなのが次の隊長?ちゃんと戦車に乗れるの?」

アリサ「イエス、マム!」

エリカ「サンダースってもっと緩いところかと思ってたけど…結構上下関係厳しいのね」

メグミ「こんなのは新兵訓練だけよ。それ以降にこんな扱いしたら問題だし、教官を務めた者の仕事を否定することになるでしょう?ふふ、もういいわよ」

アリサ「ありがとうございます!マム!」

メグミ「だからもういいのに…ほら、みんな後輩が来るのを楽しみにしてたんだから、着いて来なさい。…それと、あなたは人の事を心配している場合じゃないんじゃない?三度目の正直ってことでみんな期待しているのよ」

エリカ「…はい?」
<>
◆s2tmI36vx6<>sage saga<>2016/09/18(日) 20:31:14.72 ID:ScCgDHu4o<>
アズミ「黒森峰出身って結構いるものねぇ。出迎えるって聞かなかったんだけど、ああいう堅苦しいのをここでやられるのもねえ?レストランで待ってるだろうから早く行った方がいいかもしれないわよ?」

エリカ「ああ…はい、では失礼します!」

みほ「あ、エリカさん…私も行くよ」

エリカ「気持ちは嬉しいけど、これは私が立ち向かわなくちゃいけないことだから。大丈夫よ、取って食われるわけじゃないわ」

みほ「…うん」

愛里寿「特に心配することはないと思う。みんなそれぞれの母校が大好きだから」

ルミ「そうですよ!こらぁっ!ちび共!よくもやってくれたなっ!!待てーっ!」

ミッコ「うわっ、何す…あはははっ!やめてーっ!!」

アキ「…大学生って思ったより子供っぽい?」

ルミ「そりゃそうだ、青春時代の延長戦だからな!どうせ普段ロクなもの食べてないんだろー?今日はアタシのオゴリだ!」

アキ「本当ですか!?ありがとうございますセンパイ!」
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◆s2tmI36vx6<>sage saga<>2016/09/18(日) 20:31:57.99 ID:ScCgDHu4o<>
アズミ「あら〜、ちびっ子どうし微笑ましいわねぇ。私の後輩は居ないし…誰かかわいがらせてくれる子はいないかしらねぇ?」

ペパロニ「あ、じゃああたしもセンパイいないんで、付き合うっすよ!なんなら作るっす!」

アズミ「アンツィオかぁ、いいわね!とっておき開けちゃおうかな?」

愛里寿「ほどほどにね」

アズミ「はぁい♪」

絹代「先輩殿!お久しぶりであります!大学生活はどうですか?…お守り?くださるんですか?…これは…縁起のいい名前ですね!大事にします!」

ニーナ「えっど…初めましてぇ…ニーナです。めんこい?いやぁ、そんなぁ…えへへ」

ペコ「初めまして。…あの、私の名前が何か?はぁ、…あの、あまり子ども扱いはしていただきたくないのですが…子供らしく振舞うのも子供の特権、ですか…そうですね。ではお言葉に甘えさせていただきます、お姉さま方」

みほ「あっと言う間にみんな連れて行かれちゃった…先輩かあ」

愛里寿「私でいいならいるよ。休学してるけど大学生だから」

みほ「えへへ、そうだね。ありがとう愛里寿ちゃん」
<>
◆s2tmI36vx6<>sage saga<>2016/09/18(日) 20:32:48.66 ID:ScCgDHu4o<>
黒森峰OG「うぇやぁっ!!西住ィ!いっとこけけぇ!!」

黒森峰OG2「地が出ちょう、地が!みほ、みんな待っとぅよ?来んね!」

エリカ「せ、先輩、西住はちょっと、あの…勘弁しちゃって下さい!」

黒森峰OG「ぎを言うな、ぎを!いっど語ってみっごじゃったと!け!」

黒森峰OG3「こんしは酒ばはいると聞かんけんが…怒っとるわけじゃなかとよ?あ、隊長、ちゃんとあたいが見てますから…」

みほ「あ、はい…」

黒森峰OG「西住ィ…ぐらしごじゃったっどん…あっこはあっこできばっちょいなぁ…いっだまが入ったが」(西住。かわいそうでしたが、あなたはあなたで頑張っていますね。立派になりましたね)

愛里寿「???」

みほ「???」

エリカ「あの、先輩…通じてません」

黒森峰OG「…だって、標準語で言うの恥ずかしいもん///」

黒森峰OG2「いや、そいの方が恥ずかしいったい…」

黒森峰OG3「あたいらでもわからんときあるもん…そもそも熊本弁ですらなかけん」

愛里寿「…暗号かなにか?」
<>
◆s2tmI36vx6<>sage saga<>2016/09/18(日) 20:33:23.86 ID:ScCgDHu4o<>
〜翌朝


みほ「うん…ふぁ…、…あれ、私昨夜どこで寝たんだっけ…」フニッ

愛里寿「…ん、……すぅ…」

みほ「あ、愛里寿ちゃん…あれ?あ、このパジャマ使ってくれてるんだ…ふふ、やっぱり似合うなあ。そうじゃなくて、なんで?あれ、私、服…」

愛里寿「…あ、みほさん…おはよう…ねぇ、お母さまにはいつ会ってくれる?」

みほ「」

ミミミ「「「に〜し〜ず〜み〜???」」」ギィィィ

みほ「あの、私身に覚えが…これも冗談ですよね?」

ルミ「身に覚えがないだとぅ?シラを切るつもりか!」

アズミ「そこまでの関係だったとは知らなかったわ、これは責任を取るしかないわよねぇ?」

メグミ「あの隊長が冗談でこんなことするはずないでしょ!観念しなさい!」

みほ「えぇ〜っ!?」
<>
◆s2tmI36vx6<>sage saga<>2016/09/18(日) 20:34:02.51 ID:ScCgDHu4o<>
メグミ『ただいまより、島田家、西住家ご両家の結婚披露宴を始めさせて頂きます。本日はご多忙の中、ご参会くださいまして誠にありがとうございます』

エリカ「なにこれ、いや、ほんとなにこれ」

アリサ「まだこの設定続いてたの…大学生の悪ノリって加減を知らないわね…」

ペコ「なんだかこの後の展開が目に見えるようです…」

メグミ『たいへん長らくお待たせ致しました。ただいまより、ご新婦様ご両名のご入場です』

みほ「」

愛里寿「……」ニコニコ

絹代「お二人とも綺麗ですよ!」

ペパロニ「いやーめでたいっすねぇ〜!」

ニーナ「ええなぁ、あんな格好してみてぇなあ」

メグミ『それでは、新婦両名のご紹介をさせていただきたいと存じます。新婦の愛里寿さんは戦車道の名門、島田流の家に生まれました。お母様の愛情を一身に受けてすくすくと成長、その才覚を存分に発揮させ中学、高校を飛び級しました。そして戦車道の大学選抜チームの隊長をお務めになった後、現在は大学を休学し、新たに高校へ通うための準備を進めていらっしゃいます』

ミッコ「話が長い…乾杯まだ?」

アキ「我慢だよミッコ、おめでたい席なんだからちゃんとお祝いしてからだよ!」

メグミ『続いて新婦のみほさんは、こちらも名門西住流の娘として生まれました。一度は黒森峰女学園の副隊長を務めるものの、その後大洗女子学園での戦車道チーム立ち上げに参加、並みいる強豪を押さえ全国優勝へと導きました。また、新婦、愛里寿さんとの出会いでもあった試合では、仲間たちの助けもあり辛くも勝ちを拾いました』

アリサ「地味に辛辣ね…」
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◆s2tmI36vx6<>sage saga<>2016/09/18(日) 20:34:44.01 ID:ScCgDHu4o<>
メグミ『それでは、みほさんのご友人代表である逸見エリカ様より、乾杯のご挨拶を頂きたいと存じます。みなさま、お手元のグラスをお持ちになりまして、ご起立をお願いいたします。それでは、逸見様お願いいたします』

エリカ『はぁっ!?ちょっ、聞いてな…え、ええと…ただいまご紹介に預かりました逸見です。みほさん、愛里寿さん、本日はおめでとうございます?思えば二人の出会いは突然で、つい昨日のことのように感じられます』

ペパロニ「おー、さすが黒森峰の人はしっかりしてるっすね」

エリカ『しかし、幼い頃より同じような境遇であった二人が、惹かれ合うのに長い時間は必要のないものであったことでしょう。西住流と島田流と言う二つの名門の未来を担うお二人がその縁を結ぶと言う誠に喜ばしい…って、なんでよっ!?私があなたに言いたいことはこんなことじゃないのよっ!!』

みほ「…はっ!」

エリカ『西住みほ!私はあなたの全部を認めたわけじゃ、許したわけじゃない!けど、あなたの戦車道は…強い!そんなあなたに、私は勝ちたい!来年の全国大会、その先もずっと…私はあなたと戦い続ける!私の西住流で、私の戦車道で!!』

ペコ「…なんですかこれ、プロポーズですか?」

メグミ『……』スッ

みほ『…受けて立ちます』

黒森峰OG「ヒューッ!」「いいぞ逸見ー」「よく言ったァ!!」

エリカ「はぁっ!…はぁっ…!」スッ

アリサ「ええっ!?その流れでこっちに振らないでよ!?えっと…えぇ…」
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◆s2tmI36vx6<>sage saga<>2016/09/18(日) 20:35:18.95 ID:ScCgDHu4o<>
アリサ『Currahee!!』

サンダースOG「「「カラヒー!!!」」」

絹代『意志表明ですか!では、吶喊!!』

知波単OG「「「知波単魂ー!!!」」」

ペコ『…勇気を持ち得なければ、他の全ての資質は意味を成さない』

聖グロOG「「「……」」」ウンウン

ペパロニ『ノリと勢いで、目指すは悲願のベスト4!じゃなかった優勝だー!!』

アズミ「キャーッ!ペパちゃんカッコイー!!」

ニーナ『え、えぇと…Ураааааааа!!!! 』

プラウダOG「「「Ураааааааа!!!! 」」」

アキ ミッコ『『ミカのアホーッ!!』』

アキ『私たちでちゃんとやっとくから、さっさと卒業しちゃえー!!』

ルミ「あっははははは!!いいぞちび共、あのバカにもっと言っとけ!!」
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◆s2tmI36vx6<>sage saga<>2016/09/18(日) 20:35:59.58 ID:ScCgDHu4o<>
メグミ『…はい、ご友人の皆様からの熱のこもったご挨拶、ありがとうございました。では、乾杯!』

一同「「「「「かんぱーい!!!!!」」」」」

メグミ『では続きまして、新婦ご両人のお手により、ウェディングケーキにナイフを入れていただきます。カメラをお持ちの方はご用意ください、ではケーキと素敵なゲストのご入場です。みなさま盛大な拍手でお迎えください』

デーデデデッデデデデデー♪

みほ 愛里寿「「!!」」

メグミ『娶ってやーる娶ってやーる娶ぉってやーるぜ! ニークいあーいつをわーがもーのにー 求婚するときゃ堂々とー 愛情こーめて末永くー じーんせいまーだまだこーれかーらさー あいーするこーころ失くすなよー』

メグミ『よぉっ!オマエらめでてぇな!オレ様が祝ってやるんだ!ずーっと仲良くしろよ!!』

アリサ「…忙しいわね」

みほ 愛里寿「「わぁ〜っ!!」」

みほ「愛里寿ちゃん、このまま結婚しちゃおうか!」

愛里寿「うん!!」

エリカ「えぇ…」

メグミ『えぇ…そこまで?えー、では皆様お待ちかねのウェディングケーキ入刀でございます。そして、長い夫婦生活の最初の一口、ファーストバイトを新婦から新婦へ…』
<>
◆s2tmI36vx6<>sage saga<>2016/09/18(日) 20:36:42.92 ID:ScCgDHu4o<>
???『まったー!!』

ペコ「ああ、やっぱり…」

まほ『黒森峰女学園、西住まほ。以下19名、その結婚に意義を申し立てる。だろう?エリカ』

小梅『エリカさぁん…私から逃げられると思っていたんですかぁ〜?』

エリカ「助かったんだか助かってないんだか…」


ケイ『ハーイ!お姉ちゃん!迎えに来たわよ?』

ナオミ『…お姉ちゃん、帰ってきて』

アリサ「うげっ、絶対聞かれてたわねさっきの…」


カチューシャ『ニーナ、じゃないマーマ!なによこいつら、また蹴散らしてやるわ!』

アリーナ『おっかぁ、一人で装填なんててムリだべ!帰ってきてけろ〜!!』

クラーラ『мама, Клара одинока』

ノンナ『ニーナ、もうしばらく帰って来なくて大丈夫ですよ。もっとゆっくりしてきなさい』

ニーナ「カチューシャ様!みんな!…ノンナ副隊長はひどいべさ…」
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◆s2tmI36vx6<>sage saga<>2016/09/18(日) 20:37:24.63 ID:ScCgDHu4o<>
ダージリン『ペコ、怖かったでしょう?さぁ私の胸にとびこんできなさい』

アッサム『そうでもなさそうだけど…あら、お姉さま方お久しぶりです』

ルクリリ『もう早く終わりにしましょうよこれ…』

ローズヒップ『チャーフィーのお姉さま方!今度も私たちが勝ちましてよ!』

ペコ「あ、どうも。ではお姉さま方…はい?まだなにかあるんですか…?」


アンチョビ『へ”は”ろ”に”ぃいいい〜私が悪かったぁ!帰ってき”て”く”れ”〜!!』

カルパッチョ『ドゥーチェ落ち着いて!落っこちちゃいますよ!』

ペパロニ「姐さん!!あ、やべ、連絡してもらうの忘れてた」


ミカ『してあげられることもうなにもないのかしら いつかあなたが旅立つときは きっと笑って見送ってあげる』ポロロン

ミッコ「帰れ!」

アキ「うわっ、あのニヤけ顔…腹立つ…」

ミカ『ううう ううう でもちょっと さみしいかな?』ポロン…
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◆s2tmI36vx6<>sage saga<>2016/09/18(日) 20:38:02.28 ID:ScCgDHu4o<>
玉田『西隊長ー!じゃなかった、絹代ーっ!!姉さんだぞーっ!!一緒に知波単に帰ろう!」

細見『絹代、晩御飯は何がいい?御夢来巣にZ旗を立てようか!?』

福田『お姉ちゃんが迎えに来たでありますよ!』

絹代「まったく…かわいい奴らだ!今行くぞ!!えっ、まだでありますか?」


沙織『みぽりん…へぇ、愛里寿ちゃんと?あ、ほら、みぽりんの好きなものいっぱい作ってきたよ?』カラカラ

杏『西住ちゃぁん…ほぉら、うさぎさんだよ〜?こういうの好きだよねえ?』

梓『隊長、ほら、私たちもボコになりましたよ?ねっ、ほら、頑張れって言ってくれますよね?』

典子『隊長…その着ぐるみ、中に誰も居ませんよ?』

カエサル『隊長、いいえ、イアソン…邪魔な人はみぃんな片づけてあげるよ…』

みどり子『うふふ、無断早退に無断欠席…いけない子ね、私がちゃんと躾けてあげるわ…』

ねこにゃー『フヒヒ、リ、リア充乙…ずっと見てるよ、西住さんのこと…』

ナカジマ『戦車に通れない道はないって言うけど、クルマなら先回りできるよ?ねぇ、どこ行くの?』

みほ「なんでうちだけ怖いことになってるの!?」
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◆s2tmI36vx6<>sage saga<>2016/09/18(日) 20:38:50.69 ID:ScCgDHu4o<>
愛里寿「みんな…こうなっては仕方がない。総員乗車!」

メグミ『中隊横陣、隊長たちに近寄らすな』

アズミ『敵の右翼が薄いわ、突破して本隊をかき回すわよ!』

ルミ『まわせーっ!!斜行陣で右翼へ展開!けん制して釘付けにしろ!』


まほ『赤星、カチューシャ、ヴィンデを援護する。頭を押さえてこちらへ意識を向けさせろ。ケイ、聞いているな?そちらも合わせてくれ』

カチューシャ『今度は上から邪魔なんかさせないんだから!M26なんか正面からブッ叩いてやるわ!』

小梅『はい!パンターの底力を見せてやります!』

ケイ『オフコース!行くわよチハタンズ!』

玉田『かしこまりであります!』

ダージリン『あら、遅滞戦術なら得意でしてよ?ダンデライオン各車、チャーチルとポルシェティーガーを軸に応戦。フォーメーションV』

ナカジマ『了解しましたー。わぁ、来た来た…』
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◆s2tmI36vx6<>sage saga<>2016/09/18(日) 20:39:35.78 ID:ScCgDHu4o<>
みほ「ええと、どうしよう…なんとか止めないと、このままじゃ会場がボコボコになっちゃう…」

エリカ「なんとかやってみるしかないわね。この状態でみんなに届くかわからないけど…行くわよ」

みほ エリカ『『Hult!Panzer Hult!』』

アリサ ペコ『『Stop! Cease fire!』』

絹代『戦車停止、撃ち方やめ!!』

ニーナ『えっと、みんなやめでけれ!!』

ペパロニ『姐さーん、もういいんすよ!あたしもアンツィオのみんなが大好きっすよー!!』

アキ『…ミカ、恥ずかしいからやめて』

ミッコ「ていうかあいつ、どうやって一人で演奏しながら動かしてんの?」

アリサ「駄目ね、みんな熱中しちゃってる…」

エリカ「他に何か手はないの!?」

みほ「……」





ヒュォォッ…

<…ドウシテ、ハイコウニナッテシマウノデショウ…

<モットシキヲタカメナイト…タイチョウダロ!

<コノガッコウガ…ミンナノコトガダイスキダカラ

<ウチカタヨーイ!

ダァンッ!!




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◆s2tmI36vx6<>sage saga<>2016/09/18(日) 20:40:19.98 ID:ScCgDHu4o<>
みほ「…はぁっ、あの!!」

一同「!?」ギョッ

みほ「あ、えっと…あるにはあります。少し、いえ、かなりの負担を掛けてしまいますが…」

ペコ「あるんですか!?」

絹代「いまさらなんです!なんでも言ってください!!」

ペパロニ「ここまできたら一蓮托生っすよ!」

ニーナ「なんだか嫌な予感がするべ…」

アキ「なに、なに?なんだか楽しそうだね!」

ミッコ「なんでも言ってよ!いちんち同じもん食べて寝ればトモダチさ!」


メグミ(何かするつもりみたいだけど…そろそろ頃合いかしら?)

ルミ(ボコ)『よし、そろそろ特製のクラッカー弾をお見舞いしてやれ!』ボソボソ

アズミ(ネズミ)『全車発砲用意、…撃』コソコソ


みほ『あ、ああん、あん、あ、ああん、あん、あ、ああん、あ、ああん、あんあんあん!』

ミミミ「「「はぁ???」」」
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◆s2tmI36vx6<>sage saga<>2016/09/18(日) 20:40:56.50 ID:ScCgDHu4o<>
みほ『あーのっこあいたやあのうーみこーえてー あたまのあっかりはあーいのひっかりー もっやしって こっがして ゆ〜らゆら〜 もっやしって こっがしって ゆ〜らゆら〜 みんなも歌ってください!私が踊ります!!』

アリサ「えっ」

ペコ「…はぁぃぃ?」

エリカ「…こっちきって あんあん? にげないで あんあん? えっと、こう?」

みほ「はい!次2番行きます!」

絹代「あーしった 会いましょ あの浜近く!あっなたのあっかりは、あーいの光!あヨイショ!」

ペパロニ「さそって じーらしって ぴーっかぴかー! さそって じーらしって ぴーっかぴかー!」

ニーナ「あぁ、やっぱりぃ!!しかたねぇべ、愛しって あんあん なかさないで あんあん!」

アキ「えぇ…いやよいいわよあんあんあん?」

ミッコ「あーついあったかあなたのからだー♪」

一同『『『いっためって にっこんで ほっかほかー いっためって にっこんで ほっかほかー おっなべはアツアツ おいしくってアツアツ みそで しょうゆで あっつあつ〜』』』

愛里寿「…?」

メグミ「た、隊長!見ちゃダメです!!…西住、恐ろしい子…!」

ルミ(ボコ)『…どうすんのこれ』

アズミ(ネズミ)『えっと…とりあえず発砲中止、全軍その場で待機しなさい』
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◆s2tmI36vx6<>sage saga<>2016/09/18(日) 20:41:33.99 ID:ScCgDHu4o<>
まほ『Hult!…この歌、みほか』

杏『あっはっはっはっは!!さっすが西住ちゃん、やっるぅ〜!!』

沙織『あっ、あっ…トラウマが伝染してる…』

華『み、みほさん…それほどまでに私たちの事を…』

優花里『に、西住殿…!一生着いて参ります!!』

麻子『…これむしろ私たちが責任取るべきなんじゃないのか。あとやっぱり微妙に間違ってる』

ケイ『あ、あのアリサが…ワオ!アメージング!』

カチューシャ『むしろこっちがトラウマになるわよ!?』

ダージリン『ぺ、ペコ…』クラリ

アンチョビ『ペパロニ!わかった、わかったからもうやめてくれー!!』

ミカ『今、ここでその踊りをすることに意味があるのかな?』ポロロロン

玉田『みんな見るな!武士の情けだ…!』
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◆s2tmI36vx6<>sage saga<>2016/09/18(日) 20:42:19.11 ID:ScCgDHu4o<>
???『『双方陣を解け!』』

しほ『日本戦車道西住流家元、西住しほ!』

千代『同じく島田流家元、島田千代!』

しほ 千代『『その結婚に異議を申し立てる!!』』

みほ「」

愛里寿「」

しほ『これに従わない者は』

千代『私たちがお相手するわよ?…できるものならね?』

メグミ『ええっ!段取りと違うんですけど!?て言うかなんで西住流家元までいらっしゃるんですか!』

千代「ふふ、だってこっちのほうが楽しそうじゃない?ねえ?」

しほ「……」

ルミ(ボコ)「楽しいのは家元たちだけじゃ…ひぃっ!」

アズミ(ネズミ)「ルミ、じゃなかったボコ!えっと…あの、すみませ…!」

愛里寿「ボ、ボコが…視線だけで…立ち上がれなく…」

みほ「ご、ごめんね、お母さんそういうのわからない人だから…昔から」
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◆s2tmI36vx6<>sage saga<>2016/09/18(日) 20:43:01.74 ID:ScCgDHu4o<>
しほ「みほ」

みほ「は、はい…」

しほ「久しぶりね。ちゃんと話をするのがこんな場所になってしまって残念だけれど…こんなにたくさんの仲間に囲まれて、明るい顔をしているあなたを見ることができたのだから、あなたの戦車道も捨てたものではないのかもしれないわ」

みほ「お母さん…」

しほ「たまには連絡くらいしなさい。この放蕩娘」ズイッ

みほ「お母さん…ちょっと、一口が大きい…」

しほ「食べるの、食べないの?」

みほ「…いただきます」

しほ「クリームだらけよ、みっともない」フキフキ

みほ「もう、お母さんが付けたんじゃない…」


千代「愛ー里寿っ♪これが最後なんかじゃないわよね?これからもずっと食べさせてあげるからね〜」

愛里寿「お母さま、恥ずかしい…自分で食べられる…」

千代「いいえ、あなたはまだまだ子供でいいの。ゆっくり大人になっていけば…ああでも、ああいう大人にはならないでね?」チラ

ミミミ「「「ひぃっ!!!」」」

メグミ『え、えーと…新婦ご両名のお母様方による、心温まるラストバイトでした!皆さま盛大な拍手を!そして、総員撤収!!』

しほ 千代「「…はぁっ」」
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◆s2tmI36vx6<>sage saga<>2016/09/18(日) 20:43:55.51 ID:ScCgDHu4o<>
まほ『コホン、続いて、各校共同での隊長就任式を執り行う。各校の現隊長と次期隊長は高砂へ集合せよ』

エリカ「この空気でやるんですか…ええと、あの…」

まほ「ずいぶん寒そうな格好をしているな、ほら」

エリカ「た、隊長、こんな大事なものを!」

まほ「いいんだ、もう私がこれに袖を通すことはない。お前が持っていてくれ…頼んだぞ」

エリカ「グスッ…はい!!」



ケイ「カモン、アリサ!」

アリサ「…隊長」

ケイ「そんな顔しないの。"Currahee"の意味は?」

アリサ「…独り立つ、です。マム」

ケイ「そうね。けれど、これも覚えておいて。私たちはみんな、特別な絆で結ばれている姉妹よ。共に戦い、支え合ってきた。その絆は学校を去っても、いつか戦車を降りる日が来ても…ずっと、変わることはない」

アリサ「グスッ、隊長ぉ〜!!」

ナオミ「……スン」
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◆s2tmI36vx6<>sage saga<>2016/09/18(日) 20:44:32.15 ID:ScCgDHu4o<>
カチューシャ「ニーナ、アリーナも来なさい」

ニーナ「は、はい!」

アリーナ「はい!」

カチューシャ「私は、あなたたちに何を残していくことができたかしら?」

ニーナ「シベリア平原の様に広い心と!」

アリーナ「バイカル湖より深い思慮と!」

クラーラ「ウラル山脈より高い理想ですわ、カチューシャ様」

カチューシャ「よし!…ちょっとニーナ、なんて顔してるのよ。二代続けて泣き虫隊長なんて言われたら嫌よ?ほら、これでも被ってなさい」

ニーナ「カチューシャさまぁ〜!!」

ノンナ「アリーナ、今から私が卒業するまで副隊長としての心構えを教え込みます。来なさい」

アリーナ「へ?今からですか?」

ノンナ「今からです」

アリーナ「ちょ、まっ、ひええええぇっ〜!!」
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◆s2tmI36vx6<>sage saga<>2016/09/18(日) 20:45:16.59 ID:ScCgDHu4o<>
ダージリン「はぁ、とうとうこの時が来てしまったのね…」

ペコ「ダージリンさま、後がつかえてるんですから早くしてください」

ダージリン「と言っても別段言うことがあるわけでもないし…頑張ってちょうだい」

ペコ「…それだけですか?」

ダージリン「他に何か言う必要があるの?」

ペコ「……」ポロ

ダージリン「…ペコっ!?」

ペコ「なんでもいいから、それらしいことを言ってくださいよ。…最後くらい、ちゃんとしてください!」

ダージリン「えっと、えぇと…こんな言葉を…駄目ね、何も思い浮かばないわ、こんなときに限って…あのね、本当に大事なことは言葉では伝えることはできないの。だから、あなたと過ごしたこの一年にも満たない時間の中に、私なりにたくさんの大切なことを詰め込んできたつもりよ」

ペコ「わかってます、それはわかってますけど!」ポロポロ

ダージリン「そう、なら…なにも心配することはないわね。あら、ペコ…ずいぶん髪が伸びたわね」

ペコ「…そのうち背もダージリンさまくらい伸びますよ」グス

ダージリン「ふふ、楽しみにしているわ」

ローズヒップ「アッサムさま…わたくしと一緒に卒業しませんこと?」

アッサム「私を何回留年させるつもりなの…大丈夫よ、寂しくなったらいつでも会いにいらっしゃい。もうすこし淑女らしくなってからね?」

ローズヒップ「アッサムさまぁ…はいですわ!!」

ルクリリ「……グス」ウンウン
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◆s2tmI36vx6<>sage saga<>2016/09/18(日) 20:46:00.56 ID:ScCgDHu4o<>
アンチョビ「ペパロニ…きっとお前はこう言うだろう。自分に隊長など務まらないと、行かないでくれと!」

ペパロニ「あ、バレました?へへっ、けど、それじゃあ姐さんを困らせることになるっす!だから、言いません!」

アンチョビ「…よし!じゃあ、これはお前のものだ。向こうを向け!…おめでとう、ドゥーチェ!」

ペパロニ「はい!…あっ、やっぱダメっす…姐さぁん!!卒業なんかしないでくださいよぉ!!」

アンチョビ「あっ、こら!バカっ!お前、お前な…そんなこと言ったらな…私だって…グスッ、したいわけな”い”た”ろ”ぉ〜!!」

アンチョビ ペパロニ「「うわぁあああああ〜!!」」

カルパッチョ「ふ、ふたりとも…泣かないでください…これじゃ私だって…ドゥーチェぇ!!今までありがとうございましたぁ!」

アンチョビ「あーもう!こうなったら、とことん泣け!!泣いて、涙が枯れるくらい泣いて!腹が減ったらうまいものたくさん食べて!ぐっすり寝ろ!それがアンツィオ流だっ!!」

ペパロニ カルパッチョ「「はいっ!!…うわぁああああっ!!」」
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◆s2tmI36vx6<>sage saga<>2016/09/18(日) 20:46:49.20 ID:ScCgDHu4o<>
ミカ「感動的な別れの儀式、私たちにとって、そんなものに意味があるとは思えないね」ポロロン

ミッコ「だろうね」

アキ「何しに来たの?」

ミカ「…涙と一緒に流れてきたのさ」ポロ

アキ「わーっ、嘘、嘘!なんだかんだ言って、楽しかったよミカ」

ミッコ「まーね、最高のトリオだよね!私たち」

ミカ「そうかい?しょうがないなぁ、もう少しこの場の雰囲気に付き合うとしよう。これもまた、人生にとって必要なことなんだからね」ケロッ

ミッコ「こ、こいつは…」

アキ「…はぁ、せっかくだからお料理食べてこうか!」



絹代「うん、うん…よし福田!後は任せるぞ!」

福田「はっ?西隊長、来年も隊長をお務めになるのでは?」

絹代「そのつもりだったんだが…実は婚約者の仕事の都合で外国へ着いていかなければならないんだ。だから、みんなとはこれでお別れだ!」

玉田「なんですと!?ほ、本当でありますか!?ああ、そんな…」

細見「どこの馬の骨でありますか、その男は!…夜道に気を付けるよう伝えていただけますか」

絹代「なんてな!冗談だ!!私がお前たちを置いて勝手にどこかへ行くはずがないだろう?お返しだ!」

福田「西隊長ぉ〜!!行かないでください!!うわぁあああん!!」

玉田「よせ、福田!隊長の幸せを願うならば我々が出る幕じゃあない!!」グス

細見「…まずはお祝いを装ってご実家へ連絡を差し上げて…」ブツブツ

絹代「お、おーい、聞いてるか?私は居なくなったりしないぞ!?」
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◆s2tmI36vx6<>sage saga<>2016/09/18(日) 20:47:49.60 ID:ScCgDHu4o<>
みほ「えっと…みんな、ただいま」

沙織「お、おかえり…えっと、二人ともスッゴく綺麗だよ!」

優花里「お二人とも、せっかくですし写真撮りましょうよ!ほら、みなさん入って入って!」

華「はい、それからこれを投げましょうね」

麻子「いや、もう結婚式はいいだろう…島田さんのお母さんが泣きそうになってるぞ」

愛里寿「お母さま…いい加減離して…」

千代「いーえっ!あなたはまだ誰にも渡しませんっ!…あ、ちょっと、西ず、しほさんっ!?」

しほ「……」コク

杏「意外とノリいーねあの人たち。やっほー、お疲れ西住ちゃーん」

みほ「本当ですよ…」

桃「まぁそう言うな、こういうのもこれで最後だからな」

柚子「みんな、今まで本当にありがとう。後のことは…お願いね」

華「はい!角谷先輩、あなたのような立派な会長になれるかわかりませんが…一意専心で励む所存です」

杏「まー気楽にやってよ、五十鈴ちゃんなら大丈夫だからさ」

優花里「小山先輩…私なんかに、こんな大役が務まるでしょうか」

柚子「生徒会のお仕事ってね、みんなのために何ができるかな、ってことなの。秋山さんはずっとそうやって頑張ってきたじゃない。きっと…ううん、ぜったい、大丈夫だよ!」

沙織「河嶋先輩、正直先輩ほど大変ではないとは思うんで、任せてくださいね!お疲れ様でした!」

桃「そう自信たっぷりに言い切られるのもなんだか癪ではあるが…た、頼んだぞ…グスッ」
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◆s2tmI36vx6<>sage saga<>2016/09/18(日) 20:48:34.64 ID:ScCgDHu4o<>
みどり子「冷泉さん、分かってるわね?」

麻子「大洗女子学園は風紀においても全国一位でなくちゃならない、だろ。…分かってる」

モヨ子「冷泉さん、一緒に頑張ろうね!」

希美「…成績の方は任せる」

ぴよたん「さよならは言ったはずっちゃ…」

ねこにゃー「ネットの戦いは飽きる気がしないけどね。…またいつでも会えるよ」

ももがー「うん、私たちはそっとなんてしておかないナリよ!」

ナカジマ「いやー、こう盛大にやられちゃうとくるものがあるよねえ」

ホシノ「だよなあ、私たちはファミレスくらいでよかったんだけどなあ」

スズキ「ほら、なんだよその顔は…お前まだまだ面倒見ないといけない子がいっぱい居るんだからさ、頼むよ」

ツチヤ「あ、あったり前じゃん!まずはレオポンからかな!今よりもっと速くしてやるもんね!」

杏「よーしじゃあ、隊長からもなんか言えー!」

みほ「え、えぇ…で、では、三年生のみなさん、本当にお疲れ様でした!みなさんのご活躍と、大洗女子学園の未来を祈って…パンツァー!」

一同「「「「「フォーッ!!!!!」」」」」

杏「もいっちょ!パンツァー!」

一同「「「「「フォーッ!!!!!」」」」」

華「それでは最後にもう一度!パンツァー!」

一同「「「「「フォーッ!!!!!」」」」」

愛里寿「高校生活には、人生にとって大切なことがいっぱい詰まっているんだね…」

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◆s2tmI36vx6<>sage saga<>2016/09/18(日) 20:49:21.41 ID:ScCgDHu4o<>
アンチョビ『よーし、みんな聞いてくれ!お待ちかねのあれをやるぞ!!』

ペパロニ『湯を沸かせ!窯を炊けーっ!!』

カルパッチョ『って私たち三人しか…えっ?』

アンチョビ「ふふん、言ったろ?我々アンツィオは、食事には労を惜しまない!めでたい席だ!いつも以上にパーッっとやるぞ!!」

アンツィオ生「「「「「エイヤ!エイヤ!エイヤ!アララ!!」」」


まほ「…エリカ、そういえばお前の部屋だが、いつの間にあんなことになっていたんだ?」

エリカ「ゲヘッゴホッ!あれは誰かの悪戯で!私あんなの知りません!!」

まほ「…本当に?」

エリカ「…スミマセン、張り出されていた写真は私が集めていたものです…あとは知りません、本当です」

まほ「そ、そうか…みほ!こっちへ来い」

みほ「ええと、…お邪魔しちゃっていいのかな?」

まほ「ああ、二人でそこに並んで。エリカ、携帯を貸してくれ」

エリカ「…はい?」
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◆s2tmI36vx6<>sage saga<>2016/09/18(日) 20:50:06.30 ID:ScCgDHu4o<>
まほ「撮るぞ。うん、戦車道ではライバルでも、仲がいいのは決して悪いことではない。これからも妹をよろしく頼む…友人としてな。少なくとも、高校生の間は」

みほ「エリカさん、その写真後で送ってね?」

まほ「そうだな、私のにも頼む」

エリカ「は?…小梅、あんた、まさか…」

小梅「あっ、はい。エリカさんに送った写真は昨日の朝のもので、現在はこちらの姿になってまーす」

エリカ「な、な…なんてことしてくれてるのよあんたらぁっ!!」

まほ「いや、そのなんだ、妹が増えたみたいで嬉しいな」

しほ「…まぁ」

エリカ「お義母…じゃなくて、家元!これは誤解です!同級生の悪戯なんです!!」

しほ「そういうことは本人の自主性を重んじたいところだけど…未成年のうちは自粛してもらえるかしら…」

エリカ「」

みほ「?」

小梅「す、すごい!家元のお許しが出ましたよ!」

エリカ「もう、もう…私もどこかに転校するぅう〜っ!!」

みほ「えぇ〜っ!?」



―終―
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◆s2tmI36vx6<>sage saga<>2016/09/18(日) 20:50:58.35 ID:ScCgDHu4o<>
※本作に登場する各校、キャラクターの設定及び展開には二次創作やパロディが多分に含まれます。最後までご覧いただきありがとうございました。 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2016/09/18(日) 21:10:14.23 ID:4H37JOb4O<> 乙
おもしろくて読むのを止められんかった <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2016/09/18(日) 21:35:34.96 ID:tMIp7kXhO<> 乙でした! <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2016/09/18(日) 23:10:09.91 ID:+4WARy5Zo<> 乙でした!
小ネタが細かくて良い出来だった <> 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2016/09/21(水) 12:04:10.64 ID:C5RNz7lfo<> おつおつ
面白かった <>