◆DKcRHlNYY2<><>2016/11/19(土) 17:02:28.20 ID:eH+888dD0<>地下牢
捕虜「…………」
女戦士「よう」
捕虜「………」
女戦士「フン……しけた面しやがって」
捕虜「……食事か? それとも俺をブチ殺しにきたのか?」
女戦士「どちらでもねぇな」カチャカチャ
捕虜「…………」
女戦士「貴方をここから出してやるよ」ガチャン
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1479542547
<>女戦士「私の最期を貴方へ…」
◆DKcRHlNYY2<><>2016/11/19(土) 17:21:31.42 ID:eH+888dD0<> 脱獄後…
捕虜「まさか本当に脱走できるとはな…」
女戦士「言ったろ、任せろって」
捕虜「……で?」
女戦士「…は?」
捕虜「いつ俺を引き渡すんだ?」
女戦士「はぁ……まぁ、疑われても仕方ないよな」
女戦士「当分、貴方の信用を得るのは大変そうだ…」
捕虜「……おい」
女戦士「あ? 何だ…?」
捕虜「追手が来てるぞ」
女戦士「!? 走るぞっ!」 <>
◆DKcRHlNYY2<><>2016/11/19(土) 17:53:45.94 ID:eH+888dD0<> 捕虜「ふぅ……撒いたか」
女戦士「はぁ、はぁ…ふぅ…んっ」ゼエゼエ
女戦士「ケホッ、ゴホッ…ふぅ」ゼエゼエ
捕虜「ほらよ、飲めや」つ水ポイッ
女戦士「ん、サンキュ…」パシッ
女戦士「んっ…んぐっ…んぐっ」ゴクゴク
女戦士「んっ…ぷはっ…ふぅ」
女戦士「ま、まさか貴方が催眠弾を隠し持っていたとは、な…」
捕虜「あぁ、Cバレットの事か…アレがなけりゃ危なかったなぁ…」
女戦士「カメレオンバレット?」
捕虜「おう」
女戦士「捕虜の癖に便利な物持ってんだな」
捕虜「まぁな」 <>
◆DKcRHlNYY2<><>2016/11/19(土) 19:05:07.58 ID:eH+888dD0<> 女戦士「取り敢えず今日の内にこの街を出るぞ」
捕虜「あぁ」
女戦士「追手からどうやって身を隠すかはその後考えよう」
捕虜「あぁ」
女戦士「じゃあ、早速出発しよう…追手が来る前に」 <>
◆DKcRHlNYY2<><>2016/11/19(土) 21:09:27.81 ID:eH+888dD0<> 女戦士「ん…? あれは」
捕虜「軍の連中だな」
女戦士「何があったんだろ…?」
捕虜「…さぁな、ともかくこれで街の警備が手薄になった」
女戦士「あぁ、街を脱出するなら今の内だな」 <>
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2016/11/19(土) 22:05:36.04 ID:c6ejnP2BO<> はよ <>
◆DKcRHlNYY2<><>2016/11/20(日) 00:12:56.63 ID:eH+vt9up0<> ゴオオオオオ……パチパチ
ワーワーワー…ナンダナンダカヤクコガモエテル! バクハサレタンダ! グンノレンチュウガキタゾ!
軍団長「放火魔を探せー!!」
ワーワーワー
???「よし、陽動に成功したわね!」
???「んじゃ、皆! 引き上げるわよ!」
オオオー!! ヒメサマニツヅケー!
ワーワーワー <>
◆DKcRHlNYY2<><>2016/11/20(日) 00:20:06.69 ID:eH+vt9up0<> 捕虜「随分走ったな」
女戦士「あぁ…もうそろそろ街の外に出られるな!」
捕虜「おう、一気に突っ走ろうぜ!」ダッシュ!
女戦士「あとで水をくれよ!」ダッシュ! <>
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2016/11/20(日) 00:22:45.39 ID:1Fjg9Onso<> メル欄にsaga入れとけ
sageじゃなくてsagaだぞ <>
◆DKcRHlNYY2<><>2016/11/20(日) 00:35:37.16 ID:eH+vt9up0<> ???「ふぅ…軍の連中、今頃ハリボテに矢でも射てるんだろね」
???団員「そっすねぇ、それにいい感じに野次馬共が集まってくれやしたし、身動き取れねぇ筈っす」
???「連中が足止め食ってる内に追い付くわよ」
???「兄さん達にね」 <>
◆DKcRHlNYY2<>saga<>2016/11/20(日) 00:37:18.25 ID:eH+vt9up0<> >>9
おk、サンキュ <>
◆DKcRHlNYY2<>saga<>2016/11/20(日) 00:44:06.83 ID:eH+vt9up0<> 湖の村
捕虜「湖が見えて来たな」
女戦士「あぁ」
捕虜「夜の湖ってのも風情があっていいもんだ」
女戦士「私を口説くつもりか?」
捕虜「おう」
女戦士「!?」
捕虜「冗談だよ」
女戦士「っ! その内本当に口説きたくなっても知らねえからな!」
捕虜「その時はその時だ」 <>
◆DKcRHlNYY2<>saga<>2016/11/20(日) 01:01:43.03 ID:eH+vt9up0<> 看板『レイク村 村長宅』
捕虜「さて、宿を借りに村長と交渉するか」
女戦士「私が行こう」
捕虜「ん、別にどちらが行ってもいいんだが」
捕虜「その前に一応変装しておかないか?」
女戦士「変装…」
女戦士「と言っても、変装できる服の持ち合わせなんてないぞ?」
捕虜「なら、あの家に入ろうか」
女戦士「…は?」
捕虜「空き巣さ…今後変装服は必需品だ」
捕虜「背に腹は変えられんだろ」
女戦士「服を盗むの…?」
捕虜「やむを得ん、行くぞ」 <>
◆DKcRHlNYY2<>saga<>2016/11/20(日) 01:09:47.81 ID:eH+vt9up0<> 空き家
女戦士「こ、こっち見るなよ? 絶対見るなよ!?」キガエチュウ…
捕虜「そう言われると見たくなってしまうなぁ…」キガエチュウ…
女戦士「じゃあ、見ろ!」キガエry
捕虜「心得た」キガエry クルッ
女戦士「この変態が!!」バキッ
捕虜「ぐはあっ!」 <>
◆DKcRHlNYY2<>saga<>2016/11/20(日) 01:20:43.22 ID:eH+vt9up0<> 村長宅
村長「おやおや、神父殿にシスター殿…こんな夜更けに何用かな?」
神父(捕虜)「夜分遅くにすみませんが、村長殿に折入って頼みがありまして…」
村長「ほう、頼み事…」
シスター(女戦士)「えぇ、そうなんですの…」
村長「ふむ…ま、ここで話すのも何だから中へ入りなさい」
神父・シスター「失礼します」 <>
◆DKcRHlNYY2<>saga<>2016/11/20(日) 01:53:18.65 ID:eH+vt9up0<> すまない、眠くなってきた……
中途半端なところで悪いが寝ます
お休み… <>
◆DKcRHlNYY2<>saga<>2016/11/20(日) 16:37:00.20 ID:eH+vt9up0<> 村長「ふむ……宿を貸してほしい、と」
神父「えぇ」
シスター「村長さん…その、実は…あの…」ウルウル
村長「……構わん、言いなさい」
シスター「は、はい…実は私達」チラッ
神父「……」チラッ
シスター「布教中に…その…“賊”に襲われて…他の仲間達とはぐれてしまったんです…」ウルウル
村長「おぉ…それは災難じゃったな…」
シスター「幾人かの仲間は…うぅっ…こ、殺され…グスッ…」シクシク
シスター「私達はただ、皆が幸せになれるように…主の教えを広めたいだけなのに…ひっく…」シクシク
村長「ぬぅ…許せんの」
シスター「だから……うぅ、せめて、死んだ仲間達の為にも、グスッ…私達は生きて布教を続けたい…」シクシク
シスター「その為にも…宿を用意してほしいんです…お願いします!」シクシク <>
◆DKcRHlNYY2<>saga<>2016/11/20(日) 17:54:39.30 ID:eH+vt9up0<> レイク村 宿屋 空き部屋
捕虜「女の涙って凄えな」
女戦士「全くだ」
捕虜「まぁ、ひとまず今晩の寝床は確保できた訳だが…」
女戦士「あぁ、解ってるよ…」
女戦士「まずはこれからの逃亡生活について考えよう」
捕虜「おう」 <>
◆DKcRHlNYY2<>saga<>2016/11/24(木) 02:48:57.28 ID:qGaNatqf0<> 団員達「ふ、二人一組?」
???「えぇ、そうよ」
???「皆には二人一組になって街の東西南北それぞれの村へ散って貰うわ」
団員「なるほど…手分けして兄君を探せ、という事っすね?」
???「そういう事」
???「皆、兄さんの顔は解るよね?」
団員達「オッス!!」
???「合言葉は?」
団員達「姫の悲鳴!!」
???「集合場所は?」
団員達「聞いてないです!!」
???「西の村ーーーーー私達のアジトに決まってるでしょーが!!」 <>
◆DKcRHlNYY2<><>2016/11/24(木) 23:58:25.44 ID:qGaNatqf0<> チュンチュン
女戦士「ふわあぁ…」
女戦士「んんーっ」ノビー
女戦士「んっ?」チラッ
捕虜「Zzz…」
女戦士「」 <>
◆DKcRHlNYY2<><>2016/11/26(土) 22:56:32.25 ID:Rc2NBVR/0<> 女戦士「ごめんなさい!」
捕虜「おはようの昇龍拳は……いらねぇよ…」ヨロッ
女戦士「本当にすまん!」
女戦士「刺客か変態かと間違えて殴り飛ばしてしまった! すまん、この通りだ!」ペコリ
捕虜「…ま、戦士としては上出来だが」
捕虜「朝っぱらから殴られるのは御免だな…」イテテ
女戦士「すまん…」 <>
◆DKcRHlNYY2<><>2016/11/27(日) 15:56:08.09 ID:7TCDHwWI0<> 村長宅
村長「ゆうべはおたのしみでしたね。」
神父(捕虜)「はは……お戯れを」
村長妻「すまないねぇ……ウチの人ったら全く」
村長妻「聖職者の方に失礼な冗談を口走っちゃって…」
シスター(女戦士)「ふふ、面白い方ですわね」クスクス
村長妻「だってよ、お前さん」
村長「当然じゃな」フフン
シスター「あはは………」
神父「あ、そうだ…」
神父「これを……」つ紋章入りの腕輪
村長「ほえ? これの名は。」
神父「白龍の腕輪…宿を貸して頂いたお礼です」
村長妻「あらあら、綺麗な腕輪だねぇ…本当にいいのかい?」
神父「えぇ、その代わりまた泊まりにくるかもしれませんがwwwww」
村長妻「あっはっは、いいよぉ、いつでもおいで」
村長「ぐへへ…またお宝を持っておいでなぁ」
村長妻「こら!」
神父「あはは…」
シスター「うふふ…本当、面白い方」 <>
◆DKcRHlNYY2<><>2016/11/30(水) 17:30:35.50 ID:ncgL08AY0<> 湖の村
団員A「あぁ、疲れた…休みてぇ…」
団員B「弱音は酔って言え」
団員A「酔わねぇってか? 寒いギャグなんて聞きたくねぇよ…」
村長「いやいや、良いセンスじゃないか」
団員B「だよな」
団員A「ってか、誰だよ」 <>
◆DKcRHlNYY2<><>2016/12/04(日) 23:20:07.32 ID:zjhCXdqm0<> 団員A「美味い!!」ガツガツ
団員B「うむ……苦しゅうない」ガツガツ
村長妻「近頃は来客が多くて賑やかだねぇ」
村長「そうじゃのう、この若者らもお宝を……ぐへへへ」
白龍の腕輪「」
村長妻「またそんn」
団員ら「そ、その腕輪は!!」
村長「あぁ、コレか? 昨日一晩だけ宿を貸した客から貰ったものじゃが?」
団員A「それは姫様n」
団員B「村長、その客は何処に?」ズイッ
村長「え、えぇと…確か…」
村長妻「村の東…港街の方へ行ったよ」
団員B「港街…東の半島へ亡命するつもりか」モグモグ、カチャン
団員A「お、おい…早く姫様に知らせねぇと」モグモグ、カチャン
村長妻「あ、ちょっと…」
団員ら「ごちそうさまでした!」ダッ <>
◆DKcRHlNYY2<><>2016/12/06(火) 01:52:20.40 ID:+Xi/aZOD0<> 女戦士「んん? あれは…」
捕虜「ん?」チラッ
商人「」ペラペラ
半裸の少女「」ビクビク
捕虜「奴隷商と…奴隷?」
女戦士「らしいな…」
女戦士「どうする?」
捕虜「いや、どうするって言われても…」
女戦士「………」ジトッ
捕虜「黙って睨みつけないでくれ」
女戦士「あの子…これから奴隷市場に連れてかれるんだろうな」ウルウル
捕虜「……」
女戦士「欲望に飢えた男共はあの子を幾らで買うんだろうな…」ウルウル
捕虜「お…おい……」
女戦士「見たところまだ12、3歳の少女……多分、親に捨てられたのかな」ウルウル
奴隷商「」つ鞭ピシィッ
奴隷少女「」ビクッ
捕虜「……」
女戦士「なぁ…」肩ポンッ
女戦士「仮にも私達は聖職者に変装していたが…」
女戦士「今こそ隣人への愛を示してあの憐れな子羊を保護するか」
捕虜「いや、聖職者は仮のすがt」
奴隷商「」ゲシッ
奴隷少女「」ヨロッ
女戦士「それとも、あんないたいけな少女を見殺しにして神に懺悔するか」
女戦士「どうするべきだろうな?」ズイッ
捕虜「ああああああ!!! もうどうにでもなれ!!!」ダッ <>
◆DKcRHlNYY2<><>2016/12/07(水) 00:01:02.66 ID:EKsCbnW00<> 奴隷商「」ピクピク
女戦士「貧弱すぎる…」パキポキ
捕虜「いや、やったのお前じゃないだろ」
女戦士「……」ギロッ
捕虜「お前の手柄にしておいてやる」
女戦士「解ってるじゃないか」
捕虜「はぁ……」
捕虜「…で、この子どうすんだ?」
奴隷少女「あ…あぁ……」アタフタ
女戦士「そうだな…私達で引き取ろうか?」
捕虜「うーん…確かに身寄りもなさそうだが…」
奴隷少女「あ…あの、わ、私…その」アタフタ
女戦士「ん、どうした?」
奴隷少女「わ、私は…その…」 <>
◆DKcRHlNYY2<><>2016/12/07(水) 08:03:54.69 ID:EKsCbnW00<> 女戦士「なん……だと……」
捕虜「亡国の姫様……」
奴隷少女「あの…すいません、助けて頂いて…」
捕虜「いや…いいけどよ」
捕虜「だが……アンタこれからどうすんだ?」
奴隷少女「…国を再興したいです」
女戦士「……ふむ」
奴隷少女「祖国は滅びたとはいえ…縁戚関係のある周辺国にツテがあります」
奴隷少女「まずは東の半島を治める従兄を頼って…」
捕虜「そうかい、じゃあ頑張れよ…俺達はもう行くから」つ女戦士
女戦士「あっ、ちょ、離s」
奴隷少女「あっ! ちょ、ちょっと!」
捕虜「バーイ」スタスタ
女戦士「こ、こら! 引っ張r」
奴隷少女「ま、待って下さい!!」ダッ
捕虜「何だ?」スタスタ
奴隷少女「こんな格好の少女をおいてけぼりにする気ですか!?」ガシッ
捕虜「うーん…どうしようかねぇ?」
女戦士「そ、そうだぞ!!」
女戦士「貴方は半裸の少女を一人で彷徨かせるつもりか!!」
奴隷少女「お、お礼は幾らでもします…従兄に優遇するようにも伝えます!」
奴隷少女「だから、道中私の護衛をお願い出来ませんか?」
捕虜「承った」キリッ <>
◆DKcRHlNYY2<><>2016/12/07(水) 22:27:07.89 ID:EKsCbnW00<> ???「兄さんが見つかったぁ!?」ガタッ、ズイッ
団員A「は、はい…てか近いっす」
???「何 処 に い る っ て ?」ズズイッ
団員A「ちょ、ひ、姫様」
団員B「兄君は港街へ向かっているそうですよ?」
???「何ですって!?」ゲシッ
団員A「あべし!!」
団員B「…姫様、団員Aに罪はありませんぞ」
団員A「」ピクピク
???「またつまらぬ者を蹴ってしまったわ…」
団員A「」 <>
◆DKcRHlNYY2<><>2017/01/01(日) 23:19:29.82 ID:n4wMb6bs0<> 港街 スラム街
隻眼の女「なるほど…解った、ありがとう」
派手な服装の親父「あ、あぁ…しかし」
派手な親父「何だって紛争地帯なんかに女一人で…」
隻眼の女「………兄上の目を覚ます為だ」
派手な親父「えっ?」
隻眼の女「兄の悪政が半島を乱れさせてる…」
派手な親父「まさか嬢ちゃん…」
隻眼の女「あぁ、察しの通り…私はエルーニャを治めるエルザベス家の姫だよ」
派手な親父「あっさり喋るのな…」
派手な親父「だが、いいのか…?」
派手な親父「俺がエルザベスを恨んでるとは思わねぇのか?」
隻眼の女「……そうね」
隻眼の女「もし恨んでるのなら、私に着いてきなさい」
隻眼の女「これでも私はエルーニャの姫…軍勢もそれなりに集められる」
隻眼の女「貴方が本気で現君主の我が兄を引き摺り下ろしたいのなら…居場所は用意しよう」
派手な親父「嬢ちゃん…俺はなぁ、お前の兄貴をブチ殺しちまうかもしれねぇぞ?」
隻眼の女「そのくらいの意気があれば合格よ」
派手な親父「じゃ、契約成立を祝って乾杯」つ盃
隻眼の女「…! あぁ、乾杯!」つ盃 <>
◆DKcRHlNYY2<><>2017/01/02(月) 13:06:07.81 ID:QOwO4e800<> 半島 エルーニャ城
王「ふはははは! さぁ、飲め! 踊れい! ははははは!」
イエスマン一同「ははーっ!」
遊女「そういう若様も盃が空になっておりますわね」トクトク
王「おぉ、かたじけない…」
遊女「ふふ、若様…今夜、お待ちしております」
王「うむ…楽しみにしておるぞ」サワサワ
遊女「もう…若様ったら」
ガチャ
将軍「…若様!」
王「あぁ? 何だ、将軍か」
将軍「何だ、ではございませぬ」
将軍「妹君より手紙を預かっております」
王「何…? あぁ、そういえば余には母上から他家に出された妹がおったな」
王「口煩い女だが、見目麗しい美女に育っておる…そろそろ手籠めにするによい頃だ」
将軍「…! 血を分けた妹君にまで手を出すおつもりですか」
王「ふん、妹だろうと何だろうと美女は美女だ」
王「それにあの女は図々しくも毎度毎度、こんな手紙を送りつけて余に説教をしたつもりにでもなっておる」
王「そろそろ奴を力付くで余に跪かせてもよい頃合いよ」
将軍「………御免」 <>
◆DKcRHlNYY2<><>2017/01/02(月) 16:50:02.09 ID:QOwO4e800<> エルーニャ城 テラス
王「そうか、叔父上も……」
伝令兵「はい…」
王「余は…如何にすれば良い?」
伝令兵「私の如き下賎の者が若様に意見など…」
王「……」
王「…余は信じていた盟友や配下、挙げ句は身内にも叛かれた」
王「余も解ってはおるのだ…母上のようにはなれないと」
王「余は…母上の築いたこのエルーニャを治められる器ではないと」
伝令兵「……」
王「教えてくれ、余の取るべき道を…頼む」ペコリ
伝令兵「……今の若様の態度でございます」
王「態度…?」
伝令兵「私如きにも頭を下げ、意見を求めるその姿勢を……忘れてはなりません」
王「……ありがとう」
伝令兵「それと…御体が冷えますので早めに中にお入り下さいませ」
王「あぁ…」 <>
◆DKcRHlNYY2<><>2017/01/03(火) 13:34:59.87 ID:3djbjbMP0<> ワーワーワー、カチャカチャ
隻眼の女「よし…軍勢は集まったな」
派手な親父「兵3万に水軍5000…どうやって調達したんだ?」
隻眼の女「ソルフェア家……私が養女に入り、乗っとった家の軍勢よ」
派手な親父「水軍を率いる乗っとり養女……三本矢のおとぎ話に出てくる三兄弟みたいだな」
隻眼の女「川は一本、矢は二本しかないけどね」
派手な親父「…しかも兄を支えるどころか殺しに行くんだもんなぁ」
隻眼の女「多分…私は命までは取れない、と思う」
派手な親父「おいおい、今更情が湧いてんのか?」
隻眼の女「あぁ……あんな馬鹿兄貴だが、私のたった一人の兄弟なんだ」
派手な親父「…嬢ちゃんはお袋さんに似て優しいんだな」
隻眼の女「優しい…というより、非情になれないだけさ」
派手な親父「それでいいんだぜ、嬢ちゃん」ポン
派手な親父「さぁ、これから半島は荒れる…上手く治めてみせろ、次期女王陛下!」
隻眼の女「あぁ!」 <>
◆DKcRHlNYY2<><>2017/01/04(水) 15:08:53.76 ID:rr7gDRq40<> 港街
捕虜「何だかなぁ…殺伐としてるよな、この街…」
女戦士「んー、何か知ってる事はない?」
奴隷少女「えぇー…私に聞かれても…」
捕虜「いや、お前半島の王の従妹なんだろ?」
女戦士(それ関係ある…のか?)
奴隷少女「それはそうですが…私、所謂温室育ちのお嬢様ってやつですから」
捕虜「役立たずめ…」チッ
奴隷少女「あっ、そんな事言ってていいんですか? これでも私、一勢力の姫なんですよ?」
捕虜「だからどうしたってんだよ」
女戦士「おい馬鹿止めとけって」
捕虜「俺はこういう嫌らしい奴は気に食わねぇんだよ」
奴隷少女「…っ///」サッ
女戦士「」クスクス
捕虜「そういう意味じゃねぇよ!?」
奴隷少女「私をそんな嫌らしい目で舐め回すように見てたんですか…」
捕虜「だから違」
奴隷少女「そんなに見られると濡れてきちゃいます…/// もっと見て///」
捕虜「うわぁ……」
女戦士(もしや服を無理矢理剥がれたというより、最初から着てなかったんじゃないだろうな…)
捕虜「てか、いい加減半裸なのもマズいからこれ着ろ!」つロングコート
奴隷少女「嫌です!! そんなの着たら見て貰えないじゃないですか!!」
女戦士「」
捕虜「」 <>
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<><>2017/01/04(水) 18:08:18.29 ID:Epiixajg0<> oh…… <>
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2017/01/04(水) 18:14:09.82 ID:Epiixajg0<> スマヌ <>