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HTML化した人:Kastanie
「吉良吉影は静かに暮らせない」
1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/09(日) 06:48:26.40 ID:fi1rLtdT0
仗助「キラークイーンの『スイッチ』を押させるなァーッ!!」

吉良「いいや、限界だ!『押す』ねッ!今だッ!!」

カチッ

ボォォォォォォォン!!!

――――――――
――――――

吉良「や、やったぞ!発動したぞ!!」

吉良「ふ、ふふ……ふふ!!」

吉良「ははははははは!!戻れたぞ!!作動できたんだ!!」

吉良「バイツァダストを再び作動できたんだ!!」

吉良「奴らに勝ったぞ!!これでわたしは自由になれる!!」

吉良「が、しかし――――ここは一体、『何処』だ?」

吉良「バイツァダストで時が一時間ほど戻ったのなら、わたしは今通勤途中のはずだが」

吉良「いくらなんでも、周囲の景観が杜王町と全く違いすぎる」

吉良「ここは明らかに杜王町じゃあない……別の『場所』だ!!」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1491688105
2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage saga]:2017/04/09(日) 06:50:19.06 ID:fi1rLtdT0
吉良「どうして知らない街に来てしまったのか謎が深まるばかりだが」

吉良「一先ず『情報収集』が先だろう……」

――――――――
――――――

吉良「なるほど『個性』か……世界の総人口の約8割が超常能力……」

吉良「個性を持つ超人社会――――まるで漫画か何かの設定に思えてしまう」

吉良「何より、この個性持ちがスタンド使いかもしれないと考えたら末恐ろしい」

吉良「わたしの願っている平穏な日常と全く相反するものじゃあないか」

吉良「しかし、これでわたしの置かれている状況もそれとなく掴めたぞ」

吉良「信じ難いが、わたしはバイツァダストによって『別世界』へやってきたという事だ」

吉良「馬鹿みたいな世界に来やしたが、これでクソッタレ仗助たちは追ってこれない」

吉良「川尻浩作が『吉良吉影』と知る者はこのわたし以外に存在しないのだッ!!」

吉良「実に清々しい気分だ――――『彼女』も欲しくなってきたなァ」
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage saga]:2017/04/09(日) 06:52:13.44 ID:fi1rLtdT0
一般人「ヴィランが出たぞ〜ッ!!」

吉良「そう言えば、この世界で個性を悪用する者達のことを『ヴィラン』と呼んでいるんだったか……」

吉良「個性の強さを測るためにも、見物に行こうじゃあないか」

――――――――

ヴィラン「大丈夫、街を少し壊すだけだぜ」

ヴィラン「落ち着いて……約45秒でここ一帯はめちゃくちゃになる」

吉良「(あいつは一体なんだ?まるで化物見たいな姿じゃあないか)」

吉良「(あれがスタンドか?いいや、あそこまでの図体なら自律行動は到底不可能)」

吉良「(つまりアレが『本体』!!)」

吉良「(本体に憑依するスタンドはあっても、本体その物を変えてしまうスタンドは聞いたことが無い)」

吉良「(スタンドと個性は全くの『別物』で間違いなさそうだ)」

ヴィラン「ねぇ、そこのスーツのおじさん?大丈夫?俺にビビってない?」

吉良「(くっ……ひょっとして私に話し掛けているのか?)」

吉良「(絡まれては面倒……人前で『目立つ』行動は何より避けなければならない)」

吉良「(野次馬に紛れて逃げるのがベストだ)」
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage saga]:2017/04/09(日) 06:54:11.53 ID:fi1rLtdT0
ヴィラン「おいおいおい?おじさん尻尾巻いて逃げちゃうの〜?」

ヴィラン「俺の前に来なかったら、人質殺しちゃうからねぇ〜」

吉良「(まずい……今逃げてしまえば、間接的に『人殺し』となってしまう!!)」

吉良「(それは何より目立ち、目撃者に悪い『印象』を与えかねない)」

吉良「(どうするか?事を穏便に済ませるしかないな)」

吉良「(もっとも、話し合いが通じる相手とは思えないが……)」

吉良「待ってくれ、話し合いで解決しようじゃあないか」

ヴィラン「話し合いだ〜?馬鹿な事言ってんじゃねえッ!!」

ヴィラン「俺はテメーみたいに偉そうにしてる奴が大嫌いなんだよッ!」

吉良「わたしはあまりトラブルに巻き込まれたくないんだ」

吉良「見逃して貰えないかね?」

ヴィラン「見逃すと思ってんのかよッ!粉々にしてやるぜーッ!!」
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage saga]:2017/04/09(日) 06:55:45.75 ID:fi1rLtdT0
吉良「――――何故、私が粉々にされなければならないのかね?」

ヴィラン「聞いてなかったのかよ?偉そうにしてる奴が大嫌いだからに決まってんだろ!」

ヴィラン「個性使ってかかってきてもいいんだぜ?」

ヴィラン「捻り潰して、二度と個性が使えない体にしてやるからよ!!」

吉良「――――――『やめ』だ」

吉良「殺すのはまずいから……大事を取って、『再起不能』にする」

ヴィラン「うひょー!カッコいい〜!惚れちゃいそうだぜ!」

吉良「これから一発君に食らわせる前に、ちょっと確認することを思い出したよ」

吉良「君は、私の傍らに立つ『彼女』が見えているかね?」

ヴィラン「彼女ーッ!?寝言は寝て言えッ!!死にさらせこのビチグソがァーッ!!」
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage saga]:2017/04/09(日) 06:57:13.39 ID:fi1rLtdT0
ボンッ!!


ヴィラン「がぁっ……!?」

ヴィラン「な、なんだ!?いてぇ〜ッ!!俺の手がいてぇよ〜ッ!!」

ヴィラン「お、お前ェ!!もしかして念動力の個性を持っているのかァ!?」

吉良「(まさかとは思ったが、奴はわたしの『キラークイーン』が見えていない!!)」

吉良「(これは大きなアドバンテージ!!)

吉良「(しかも念動力なんて個性もあると言う良い情報も得られた)」

吉良「(今後、わたしが攻撃を加えたとしても怪しまれることはないだろう)」

吉良「どうしたのかね?動きが鈍いぞ?」

吉良「構わず全力でかかってきたまえ……」

吉良「もっとも、君が全力で挑んで来ても、わたしは負けんがね」


┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage saga]:2017/04/09(日) 06:58:48.83 ID:fi1rLtdT0
ヴィラン「質問に質問で返すなァーッ!!」

ヴィラン「舐め腐りやがってェーッ!!ドタマかち割ってミンチの刑にしてやるーッ!!」

吉良「――――君のようなタイプは脳まで筋肉の事が多い」

吉良「策を弄さず、馬鹿みたいに一直線に突っ込んでくる」

ヴィラン「わけの分からないことを言ってんじゃねェーッ!!」ダッ

吉良「そういう奴らの『対処』なんて簡単ということだよ」

ドゴンッ

ヴィラン「ぐぅっ……!俺の足がァ〜〜〜ッ!!」ゴロゴロ

吉良「合気道の要領だ、突っ込んで来た所で足に打撃を加え、君の力を利用し『横転』させる」

吉良「相手が無防備になったところで」

吉良「――――すかさずトドメの一撃というわけさ」


ドォォォォォン!!

8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage saga]:2017/04/09(日) 07:01:15.13 ID:fi1rLtdT0
ヴィラン「」

吉良「『命拾い』したな……本当なら『殺して』やりたい所だったよ」

オールマイト「ヴィランが暴れていると聞いて助けに駆けつけたが……」

オールマイト「一体何だこれは……」

吉良「(さて、ヒーローも通報を受けて続々と駆けつけてくる頃合い……)」

吉良「(色々詮索されても厄介だ、ここは後にした方がいいな)」

オールマイト「き、君ッ!!」

吉良「……なんでしょう?」

オールマイト「君があのヴィランを倒したのか……?」

吉良「えぇ、そうです……襲われそうになって、命の危機を感じたものでね」

オールマイト「なるほど、私が遅れたばかりに申し訳ない」

吉良「ヒーローもお忙しいでしょうし、仕方がありませんよ」

吉良「それじゃあ、私はこれで」トコトコ

吉良「(なんということだ……あいつは『オールマイト』じゃあないか……)」

吉良「(どうしてこんな所にナンバーワンのヒーローがいるんだ!!)」

吉良「(ツイてない、この吉良吉影とことん不運……)」

吉良「(運命の愚かさとやらにイライラしてくるよ……)」

吉良「(精神衛生上、苛つきを抑えるために、やはり『彼女』が必要だな)」

吉良「(生活費も少しばかり必要だし、どこかで旅行かなんかしてる新しい女の子を見つけてくるか)」
9 : ◆Pvg.exp/d62017/04/09(日) 07:02:40.69 ID:fi1rLtdT0
To Be Continued
次書き溜めたらまた投下
一旦終了
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2017/04/09(日) 07:40:43.59 ID:DkloMSvJ0
別のスレで主人公がスタンド使いの奴があったな
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage]:2017/04/09(日) 09:00:17.71 ID:obxzcx3n0
個人的には本編よりヴィジランテの方で見て見たいな。ポップ☆ステップの手を狙う吉良とか
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage]:2017/04/09(日) 09:01:23.99 ID:fcwYS3dho
ヒーローでも無いのに個性使ってヴィラン倒したら法律違反なんだよなぁ
13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage]:2017/04/09(日) 09:03:11.24 ID:Mvg+weEhO
メールアドレス欄にsagaって入れといたほうがいいですよ
14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage]:2017/04/09(日) 09:52:54.92 ID:Je3XoPE40
いつでも吉良吉影はかっこいいなぁ
15 : ◆Pvg.exp/d62017/04/12(水) 02:40:25.77 ID:StHz0RTq0
――――――
―――― 一週間後 17:00 学校

相澤「解散する前に一つ、注意喚起情報がある」

相澤「最近、雄英高校の近隣で行方不明者が続出しているそうだ」

相澤「ヴィランの存在を警戒し、警察や講師が付近の警備にあたっているが」

相澤「当然、危険な状況にあることは変わりない」

相澤「生徒はなるべく複数で、集団下校するように」

相澤「以上だ、解散」

爆豪「集団下校だァ?そんなガキみたいな真似できるわけがねェ」

爆豪「俺は一人で家に帰らせてもらう」

相澤「一人で帰ったら爆豪、お前の内申点を下げるからな」

爆豪「チッ……」

出久「行方不明者……」ゴクリ

麗日「確か8人も行方不明になってるってニュースで言ってたよね!」

麗日「中には強い個性を持ってる人もいたらしいよ」

出久「そうなんだ……なのに行方不明者は続出」

出久「証拠の一つも残ってないんだから、犯人は桁外れの個性を持っているに違いないよ……」
16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage saga]:2017/04/12(水) 02:45:34.93 ID:StHz0RTq0
爆豪「おいデクッ!テメェ、俺と家近いだろうがッ!一緒に帰るぞッ!」

出久「か、かっちゃん!?」

麗日「私も爆豪君やデク君と家近いし、一緒に帰ろうかな」

出久「う、うん……」

――――――
―――― 17:20 校長室

オールマイト「行方不明者ですか……」

根津「どうしたら、ただのヴィランにこんな事ができる?」

根津「強力な個性を持った者がいるね」

根津「さて、快楽犯か…もしくは宣戦布告の腹積もりか……」

根津「何か、警察からの開示情報は?」

相澤「行方不明者は現在、合計で8名にのぼるそうです」

相澤「被害者は全員女性で、うち1人は雄英高校ヒーロー科のOGです」

オールマイト「OGと言えど、元ヒーロー科の人間ならば相当強いはず、なのに……」

根津「対策を講じるべきだね……と、言っても警備を固めるくらいしか打つ手がない」

根津「我が校の生徒が被害に合わぬよう、祈るばかりだよ」

根津「オールマイト、君の周りで変わった事とか無かったのかい?」

根津「ちょっとした事でもいいんだ、気になることがあったら教えてほしい」

オールマイト「そう言えば……先日、一般人が強力なヴィランを倒していました」

相澤「おいおい初耳だぞ?なぜ黙っていた?」

オールマイト「特段気にする理由もないと……」

根津「ふむ……少しでも手掛かりになる可能性があるなら」

根津「調査することに越したことはないよ、詳しく話してくれ」

オールマイト「では――――」
17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage saga]:2017/04/12(水) 02:48:25.40 ID:StHz0RTq0
――――――
―――― 17:30 駅前

吉良「(クソッ……この女もちょっと臭ってきたか)」クンクン

吉良「(この女ともそろそろ別れどきかな、手を切る時期か……手を切る……ふふっ……)」

八百万「それでは、また明日ですわ」

吉良「(あの少女、美しい手と顔をした女だ……新しい『彼女』はあいつにしよう)」

吉良「(ふふふ……このわたしのところに来れば、清い心で付き合えるよ……)」

吉良「(君とはここまでだ、きれいにお別れしようね)」ボワッ

――――数分後

八百万「…………」カツカツ

吉良「(好都合だ……あの少女、路地裏に入っていくぞ)」

吉良「(行方不明者が多発しているのに、警戒もせず一人で暗がりに入るとは……)」

吉良「(いけない子だなァ……わたしが、しっかり守ってあげないと)」コツコツ

八百万「まったく、貴方はどうして先程から私の後をつけてくるのですか?」

吉良「な、なにっ!?」

バァァァッ!!

吉良「あ、危なかった……間一髪ってところだったよ」

吉良「しかし、後をつけていたのがバレていたとはね」

吉良「私はまんまと、君に誘導されていたってわけか」
18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage saga]:2017/04/12(水) 02:51:59.07 ID:StHz0RTq0
八百万「そうですわ」

吉良「それと君――――面白い個性を持っているね?」

吉良「見たところ、肉体からネットを射出したように見えたが?」

八百万「それが何か関係ありまして?」

八百万「貴方は一体なんなんですの?もしかしてストーカー?」

吉良「おいおい、わたしはストーカーじゃあないよ……わたしの名は吉良吉影」

吉良「年齢33歳、自宅は杜王町北東部の別荘地帯にあり、結婚はしていない」

吉良「とはいっても杜王町自体、この世界にはないのだけどね」コツコツ

八百万「どうして、唐突に自己紹介を……?」

八百万「後々、自分の首を締める事にしかならないというのに」

吉良「誰ひとりとしてこの『吉良吉影』の正体を知る者はいてはいけないんだよ」

吉良「つまり……わたしが自己紹介をした意味、わかるだろう?」

八百万「なるほど……もしかして最近行方不明者が多いのも貴方の仕業……?」

吉良「ご名答、大した推理力だ」

吉良「しかし、それがわかったからどうだというのだ」

吉良「君はこれから消されるのだ、わたしのキラークイーンによってね
19 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage saga]:2017/04/12(水) 02:54:18.27 ID:StHz0RTq0
八百万「キラークイーン……?」

吉良「自慢ではないが、わたしもちょっとした特殊な能力を持っているんだ」

吉良「キラークイーン!第一の爆弾ッ!!」

八百万「爆弾ッ!?な、何か嫌な予感がしますわっ!一旦距離を取らないとーッ!!」

吉良「遅いッ!!」

ヒュンッ!!

八百万「――――100円硬貨を飛ばしてきた?」

八百万「なぜ……ま、まさか……!!!」

カチッ

ボォォォォォォォン!!!!
20 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage saga]:2017/04/12(水) 02:59:44.81 ID:StHz0RTq0
――――――
―――― 同時刻

出久「い、今向こうの方から大きな音が聞こえなかった!?」

麗日「確かに聞こえたよ!」

爆豪「どうせヴィランの仕業だろ?」

出久「そ、そんな!誰かが襲われてるかもしれない!!助けに行かなきゃッ!」ダッ

麗日「あっ!デク君待ってよ〜!!」

爆豪「あのクソナードッ……!一人で突っ走りやがってッ!!」ダッ

――――――
――――

八百万「ぐぅ……かはっ……ぁ……」ビチャァ

吉良「ふむ、一発では死ななかったか」

吉良「爆発する瞬間に、とっさにカバンで硬貨を弾いて、衝撃を緩和したようだ」

吉良「もっとも、全ての衝撃を防げなく、体にダメージを負ったみたいだがね」

八百万「ど、どうして……硬貨が爆発して……」

吉良「言ったろ、第一の爆弾って」

吉良「キラークイーンの特殊能力、それは触れたものはどんなものでも爆弾に変えることができる」

吉良「なんであろうと、たとえ100円玉だろうと」

吉良「そして、好きなときにわたしがスイッチを入れれば」

吉良「爆弾が点火して、粉々に爆破されるというわけさ」
21 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage]:2017/04/14(金) 17:28:18.86 ID:s2Lm9nNDO
気になるんで続きはよ
22 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage saga]:2017/05/06(土) 12:56:56.72 ID:5nNzcmAv0
申し訳ありませんが、構想が練れないので更新停止します
ありがとうございました



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