以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/07/20(木) 02:54:37.82 ID:DLJ5iN0io<> <br> どうしても突破できない難所を、攻略本を読んで突破する。 <br>  <br> 何度挑んでも倒せない強敵を、攻略サイトを参考にして打倒する。 <br>  <br>  <br>  <br> ゲームをやったことがある人間なら、おそらく誰もが経験したことがあるだろう。 <br>  <br>  <br>  <br> そして、中にはこう思ったことがある人もいるはずだ。 <br>  <br> もしも、人生にも攻略本があったなら―― <br> <br><br>SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1500486877<br><>商人「人生の攻略本……欲しくありませんか？」
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/07/20(木) 02:56:57.33 ID:DLJ5iN0io<>  <br> 俺は人気のない路地裏を歩いていた。 <br>  <br> なぜそんなところを歩いていたかというと、仕事で大きなミスをしてしまい、 <br> 傷心で帰宅している最中だったからだ。 <br> なるべく人のいない場所を歩きたかった。 <br>  <br>  <br> 俺はなぜあんなミスを……。 <br>  <br> おかげで職場での信用をすっかり失ってしまった。 <br> これを取り返すのは、並大抵の努力では不可能だろう。 <br>  <br> ああ、仕事にも、いや人生にも攻略法があればな、とかそんなことを考えていたかもしれない。 <br>  <br>  <br> すると、突如声をかけられた。 <br>  <br>  <br>  <br> 「人生の攻略本……欲しくありませんか？」 <br>  <>
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/07/20(木) 02:59:20.72 ID:DLJ5iN0io<>  <br> 声がした方向に振り返ると、そこには全身に布をかぶった怪しい男がいた。 <br>  <br> 間違いなく男だとは思うが、どことなく女っぽい雰囲気もある。 <br> 若そうでもあり、年寄りそうでもある。 <br> 不気味だが、どこか神秘的でもある。 <br>  <br> 不思議な気配をまとった男であった。 <br>  <br>  <br> 「今、なんていったんだ？」 <br>  <br> 「人生の攻略本、欲しくはありませんか？」 <br>  <br>  <br> 男は微笑みを浮かべた。 <br>  <>
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/07/20(木) 03:00:44.94 ID:DLJ5iN0io<>  <br> 俺は興味を持ちつつも、男のいうことを一笑に付すことに決めた。 <br>  <br>  <br> 「バカバカしい。人生はゲームじゃないんだぞ」 <br>  <br> 「いいえ、人生はゲームですよ」 <br>  <br> 「え」 <br>  <br> 「正確にいえば、ゲームのようなものです」 <br>  <>
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/07/20(木) 03:02:54.40 ID:DLJ5iN0io<>  <br> 「生まれ持った能力、手札、環境を武器に、経験値を集め、無数のイベントに挑んでいく。 <br> 　山あり谷あり、時には喜び、時には泣き、運が悪ければ死亡という名のゲームオーバー。 <br> 　その結果、ある者は大成功を収め、ある者は落ちぶれていく。 <br> 　まるでゲームのようではありませんか」 <br>  <br> 「まあ、たしかに……」 <br>  <br>  <br> 仕事の失敗で心が弱っていたこともあり、男の言葉には妙な説得力を感じられた。 <br> 俺はだんだんと男に飲まれつつあった。 <br>  <br>  <br> 「ゲームである以上、攻略本があるのは当然だと思いませんか」 <br>  <br> 「うん……そうかもしれない」 <br>  <br> 「そして、その攻略本が……これなのです」 <br>  <br>  <br> 男は古びた書物を取り出した。 <br>  <>
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/07/20(木) 03:04:46.70 ID:DLJ5iN0io<>  <br> もし、この状況がゲームならば「買う」「買わない」の選択肢が出ただろう。 <br> しかし、俺の中では選択肢はすでに一択になっていた。 <br>  <br> もちろん、「買う」だ。 <br>  <br>  <br> 「いくらだ」 <br>  <br>  <br> 男が口にした金額は決して安いものではなかったが、無理をすれば出せない額でもなかった。 <br>  <br>  <br> 「いいだろう、買おう」 <br>  <>
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/07/20(木) 03:06:46.51 ID:DLJ5iN0io<>  <br> 自宅に戻った俺はさっそく本を開く。 <br>  <br>  <br>  <br> すると、 <br> 早寝早起きを心がけよう、とか。 <br> ストレスは万病のもとになるから発散しよう、とか。 <br> 野菜はしっかり食べよう、とか。 <br> 食べすぎ飲みすぎに注意、とか。 <br> ヘルシーな料理の作り方、とか。 <br>  <br> こんなことばかり書いてある。具体的な方策まで記してあった。 <br>  <br>  <br>  <br> 為になるといえばなるのだが、思ってたのと違う……そう思わずにはいられなかった。 <br>  <>
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/07/20(木) 03:10:07.96 ID:DLJ5iN0io<>  <br> 真ん中らへんまで読み進めていくと、俺はようやくお目当てといえるページにたどり着いた。 <br>  <br>  <br>  <br> ≪あなたの人生の攻略法≫ <br>  <br>  <br>  <br> 今までのページとは明らかにオーラが違う。 <br>  <br> ここから先のページには、きっと「俺の人生」の攻略法が書かれているに違いない。 <br> これこれ、こういうのを求めてたんだよ。 <br>  <br>  <br> 俺は期待に胸をふくらませて、ページを開いた。 <br>  <>
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/07/20(木) 03:12:46.77 ID:DLJ5iN0io<>  <br>  <br>  <br>  <br>  <br>  <br>  <br> ≪ここから先は君の目で確かめてくれ！≫ <br>  <br>  <br>  <br>  <br>  <br>  <br>  <>
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>saga<>2017/07/20(木) 03:13:30.29 ID:DLJ5iN0io<>  <br> やられた、と思った。 <br>  <br> 笑いが止まらなかった。 <br>  <br> そういや昔の攻略本ってこういうの多かったよな、なんて思った。 <br>  <br>  <br>  <br> ちなみにこの攻略本、前半部分はわりと本当に為になるので、 <br> 俺は今でも愛読していて、そこそこ豊かな人生を歩めてます。 <br>  <br>  <br>  <br>  <br>  <br>  <br>  <br>  <br> ― 終 ― <br>  <>
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2017/07/20(木) 06:56:03.42 ID:LFpc7VbXo<> 実に攻略本らしいｗｗ <br> 乙 <>
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2017/07/20(木) 07:49:06.84 ID:M7YTIYCJO<> 攻略本じゃだめだな <br> 改造ツールじゃなきゃ <>
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2017/07/20(木) 07:57:26.34 ID:JkfvaUFGO<> 攻略本読むの楽しいよね <br> 俺も欲しい <>
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<> saga sage<>2017/07/20(木) 09:58:37.34 ID:RZuSccJCO<> 昔の攻略本、特に漫画やアニメを題材にしたゲームのものはオマケみたいなページが楽しかったけど今はどうなんだろ <br> ちょっと前のはデータばっかりでつまらなくなった印象があったけど <br>  <br> しかしこれから先は〜〜のタイミング、早すぎないか？ <>
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2017/07/20(木) 10:48:03.48 ID:ucCLXVUlO<> 真ん中でそれだと以降のページは何か書かれてるんだ <>
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<>sage<>2017/07/22(土) 15:06:18.93 ID:xB6gnUEeo<> ファミ通の攻略本だったのかな？ <br> おつおつ <>