◆b0M46H9tf98h<>saga<>2016/12/28(水) 00:00:20.91 ID:5P2roQ+o0<>初SSです、女提督×イタリア艦で甘々していきます

史実はともかく艦これはSSで見た程度の知識しかないので、そのへん色々間違っていたら教えてください

更新は遅いですが楽しんでもらえればと思います<>イタリア百合提督「着任しました」
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2016/12/28(水) 00:14:28.14 ID:5P2roQ+o0<> 女提督(以下提督)「はぁぁ…」

イタリア海軍最大の拠点タラントに向かう高速道路、運転手つきランチアの後部座席に座った提督はほほに手を当ててため息をついていた

提督「まあ、そうなるわよね…」

提督は新しい配属先に向かっていた。突然現れた謎の「深海棲艦」に対抗するべく、「艦娘」を指揮する「提督」
その中でも彼女は二十代後半でありながらすでに少将、将来はローマの海軍司令部で総司令官を務めてもおかしくはない。

が、今度の配属先は聞いたこともない鎮守府である

もっともその理由は提督自身のせいでもあったのだが… <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2016/12/28(水) 00:25:14.99 ID:dbHDwg/RO<> ふむ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2016/12/28(水) 00:31:38.77 ID:ejMpqKI0o<> うむ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2016/12/28(水) 00:32:04.65 ID:NsbjrpFMO<> ほむほむ <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2016/12/28(水) 00:39:20.54 ID:5P2roQ+o0<> 数週間前、ローマ…

初老の提督「わかっているとは思うが、私もこうしたくはないのだよ」

提督「わかっています」

腕を組んでいる大将は提督の上官で、優しくしてくれるお爺ちゃん提督である

老提督「私は君が女性どうしで仲良くしてもいっこうにかまわん。しかし…」

提督「イタリアはカトリックの国です、ゆるくなってきたとはいえ問題になるのですね」

老提督「うむ…きみの交友関係はちと…なんというか、華やかだったからな。海軍憲兵隊から束になって書類が届いているぞ。えーと、‘風紀びん乱、国家に対する不穏な言動、わいせつで破廉恥な…」

提督「それではどこかの飛行艇乗りの映画ですよ」

老提督「あー、とにかくだ。公式に罰することはしない。そのかわり、昇進してここに行ってもらいたい。ローマにいてはきみ自身が辛いだろう」

一枚の立派な賞状のような紙に書かれているのは、「配属先として、タラント第六鎮守府を任せるものとする」

提督「タラント第六鎮守府?どこでしょうか」

老提督「タラントの衛星基地だよ。すまんな、できるだけがんばってみたのだが、ここしか選べなかった」

提督「いえ、お気遣いありがとうございます。スイス大使館付海軍武官とかでなくて」

老提督「そう言ってくれて助かるよ。まあ、なぐさめになるかはわからんが、例の‘艦娘’たちは、とてもかわいらしい女の子だそうだよ。仲良くしてやってくれたまえ」

提督「(可愛らしい女の子…)はい!」

<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2016/12/28(水) 01:06:08.28 ID:5P2roQ+o0<> 運転手「ここです、少将閣下」ブロロ…キィ

提督「結構かかったわね…って、ここ?」

提督はローマから国営鉄道でも使おうかと思っていたが、近くには駅もないという。海軍の護衛兼運転手が走らせてくれたランチアを降りると、提督は軽く伸びをして、長いまつげをぱちぱちさせた

提督「ほんとにここなのね…」

周囲は白い砂浜、寄せては返す青い波。松林の生えた緩やかな山並みは観光か保養地としてならすばらしい。

そのなかにぽつんとあるのが、大戦中の建物らしいレンガ造りの小ぶりな軍港。きっと戦前は小型艦艇のいこいの場所だったのだろう。一応新設されたらしいレーダーサイトが見えるが、それをのぞけばローマ帝国時代の別荘といわれても信じそうだ。

提督「とりあえず、正門はあっちね。でも、私はいいけどあなたはどうやって帰るの?」

どう見ても「電車はねェ!バスもねェ!」である

運転手「は、海軍の補給トラックが来ますので、それで戻るようにと」

提督「そう、ありがとう」ギュッ

運転手「あ//…いえ、志願者が多くて大変だったほどですから、ごほうびみたいなものです。それと…」

提督「なぁに?」

彼女の手には小さな包みが握られている

運転手「ローマのみんなから渡すように頼まれました、ぜひ、身に付けて下さい」

提督「ありがとう、開けるわね」

そっと包み紙をめくって、ケースを開けた。入っていたのはきれいなエメラルドの首飾り。シンプルだが、どんな装いにも合いそうなものである

提督「わぁ…綺麗ね!こんなに素敵な首飾り、高かったでしょうに」

運転手「みんなで出し合いました。私たちのこと、これを見て思い出してくれれば嬉しいです」

提督「ありがとう。みんなにもよろしくね」

運転手「はい!少将閣下…いえ、お姉さま//」

提督「ふふ、ありがとう。可愛い妹」
<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2016/12/28(水) 01:37:41.19 ID:5P2roQ+o0<> 提督「さて…」

運転手に軽くお別れのキスをし、正門にランチアを乗り入れると、正面の車止めにぴたりと停めた。

提督「第一印象は大事よね」

制服のしわを伸ばし、長い栗色の髪を整える。軽く香水を吹いて、戦闘準備は整った。
車を降りると、正面玄関で待っている一人の女の子がいる。少し大人びた感じの高校生くらいで、高めに結いあげたポニーテールが、華奢な感じに明るさを与えている。

すらりとした少女「着任された提督さんですか?」

提督「ええ、そうです。あなたは?」ニコッ

少女「はい、わたしは軽巡洋艦、モンテクッコリ級一番艦、ライモンド・モンテクッコリです。わたしがあなたの秘書を務めることになっております。よろしくお願いします」

提督「R・モンテクッコリ級…円筒型艦橋が特徴の軽巡、戦後も長くイタリア海軍を支えてくれた功績艦よね。貴女が秘書役だなんて、私にはもったいないくらいね」

モンテクッコリ(以下ライモン)「そんなにお褒めいただいて、わたし嬉しいです//」

提督「ふふ、事実を言っただけよ?さぁ、施設を案内してもらえる?」

ライモン「はい、私についてきて下さい」

ライモン「ここが建造ドックです。いわゆる‘妖精さん’が建造や改修を行ってくれます」

レンガ造りのドックが二隻分。戦中の軍艦ならやはり駆逐艦サイズだ。艦娘とそれまでの軍艦は違うけれど、しばらくは同時に二隻建造する程度にしておこう。

提督「人類をはるかに超越した技術力…甘いもので働いているのかしら…?」

ライモン「…?」






<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2016/12/28(水) 02:01:43.22 ID:5P2roQ+o0<> ライモン「ここが提督ご自身の執務室兼居室になっています」

提督「まぁ…」案内された執務室は古めかしいが大変立派で、いわくつきの少将ふぜいには不釣り合いなほどである

提督「ずいぶん立派な執務室ね…」

ライモン「戦前の王国海軍時代のものですからね。それと隣は浴室と化粧室です。反対側が寝室ですよ」

浴室と寝室も開けてのぞいてみる。浴室には四つ足のバスタブに真鍮のシャワーヘッドが取り付けられている。寝室はダブルサイズの屋根付きベッド、いわゆる「お姫様の寝室」にありそうなベッドで、淡い桃色と水色で統一されたメルヘンな寝室である。

ライモン「寝室の家具は何もなかったので、とりあえず経費から用意できるだけ用意しました。足りないものがあれば改めて申請できますよ」

提督「…このままでもローマの海軍司令部より立派に見えるわ。今は提督が多すぎるから、少将ふぜいでは小部屋一つなんてざらにあったし」

ライモン「そうらしいですね。わたしは秘書艦として今の世情についてひととおり教育を受けましたので、そう聞いています」

提督「やっぱり時代の差は感じた?」

ライモン「ええ、電子機器の発達や文化の変わりかたには驚きました。わたしは大丈夫ですが、いきなり数十年分の知識を浴びせられては艦娘たちも混乱します。ですからこの鎮守府ではあえて古いまま残してある施設も多いんです」

提督「そうね。今どきあんな壁掛け式の電話とか初めて見たわ。でも、便利なものや素敵なものもあるし、みんなにもそのうち慣れてもらえるといいわね」

ライモン「そうですね。では、次は食堂に行きましょう。その‘みんな’が待っていますから」
<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2016/12/28(水) 02:41:06.19 ID:5P2roQ+o0<> ライモン「ここが食堂ですよ」

ホテルの大食堂にありそうな大きなドアを彼女が開けた

「「着任おめでとうございます!!」」

とたんに数十人分のあいさつで迎えられ、さっそく演説台に引っぱられる。見渡すと提督より年上に見える‘大人の女性’から、小学生くらいの女の子までが四列ほどの長い机に沿って並び、ぴしっと敬礼を決めている。

提督「休め。それと、そんなに堅苦しくしなくていいわ。きょうからここに配属されました提督です。務めはあるとはいえ、ここでは家族です。仲よくしましょうね」パチッ(←ウィンク)

提督「海軍司令部によると、当分はイオニア海(ギリシャ沖)での哨戒が主任務です。焦らずに練度を高めていきましょう」(かわいい!どの娘もかわいい//)

提督「急な配属だったもので、まだ誰がいるかも知りません。自己紹介もかねて、順番にみなさんのお部屋にお邪魔したいと思います」(なに、あの大人なお姉さんは//スタイルも抜群だし、甘えさせてくれそうな優しい顔//)

提督「とりあえず秘書艦はモンテクッコリにお任せしていますが、慣れてきたら交代制にしていきたいと思っています。早くみんなの性格も知りたいですしね」(あの軽巡?しなやかできりっとしてて、すっごく凛々しい//あんな娘と添い寝したり、甘いこと言われたりしたいなぁ…//)

提督「とりあえず、座って昼食にしましょう?ローマから来たから空腹なの。ふふっ」

ライモン「提督、どうぞこちらへ」

提督「ありがとう。まずはここでいいけど、みんな今日から自由に座っていいわ。お互い頼りあう仲間同士、親交を深めるようにしましょう」(あの娘たちは駆逐艦ね。無邪気で可愛い。そのうちにお姉さんが色々教えてあげるわね//)

提督「では、いただきましょう」
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2016/12/28(水) 12:33:16.50 ID:yHky3ILpo<> 心の声自重www <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2016/12/28(水) 14:37:32.93 ID:5P2roQ+o0<> しばらくはなごやかな(?)食事風景です。食卓のマナーとか間違っているかもしれませんが気にしないで下さい(なかなか百合にたどり着けない…期待している方はゴメンなさい!)

もうちょっと細かく描写したいのですがなかなか難しいですね…温かく見守ってくれればうれしいです


提督「食前酒は…リモンチェーロ?」細いグラスに黄色いリキュールが入っている。食堂の担当はおしゃれな人なのだろう、ふちにレモンが一切れ差してある

ライモン「ええ、シチリアから届いたので、「せっかくなら提督との最初の昼食時に開けよう」とみんなで決めました」

提督「えーと、飲酒の規則とかはどうなっているのかしら。今の海軍はなにかとうるさいけど…見た所けっこう小さい娘もいるようだし」

ライモン「そこは規則があいまいでして、一般家庭でいう世帯主、つまり司令官裁量に任されています。戦前の娘たちはこうしたぜいたくもなかなか出来なかったですし…まぁ、あまり飲み過ぎなければいいのではないでしょうか。ちなみに駆逐艦の子たちは強くなり過ぎないようソーダ水で割ってあります」

提督「そう、そうよね。私もそんなことまでしばるような事はしたくないわ…ん、おいしい」

シチリア特産のレモンリキュール「リモンチェーロ」は少し甘苦い。氷で冷たく冷やされていて、味も爽やかでべたべたと甘すぎず、ローマで飲めるものより断然おいしい。一杯飲むと食欲が刺激される。食卓はタラントやナポリのようなえらそうな鎮守府ではないので給仕係りなどいない。大皿から取り分ける和気あいあいとしたものだ

ライモン「サラダをどうぞ、提督」朝露がまだのこっているような新鮮なレタスのサラダは、農業の盛んな南部ならではで、ほのかに甘く歯切れもいい。
ガラスの器に銀のスプーンと置かれているドレッシングはアンチョビやオリーブを混ぜたピリッと辛みの効いたもので、レモンピールのおかげで後味も油っこくない

提督「おいしい…野菜が新鮮でしゃきしゃきしてる」

ライモン「気に入ってくれましたか?契約農家から送って来るものなんですよ。そろそろ主菜にしましょうか?」

提督「そうね。いい匂いがするけどなにかしら?」

ライモン「いきなり野菜づくしの南部料理ばかりでは落ち着かないでしょうから、北部風のドリアにしてみましたよ」

提督「ドリアね。私ドリアは好きよ」

?「ドリアがお好き…?提督が、ドリア…」ガタッ

提督「?…あの娘、どうしたの?急に身悶えてるけど…」

視線の先には長い茶色の髪をセミロングに伸ばした大人のお姉さんが座っている。大柄な姿はおそらく戦艦…少なくとも重巡だろう。頭には帽子のような重厚な司令塔が載っていて、バランスよく、それでいて豊満な体つきは、ミラノやローマの洒落たお姉さんたちとのお付き合いがあった提督が見てもぼーっとなるような美人である…が、彼女は淡い灰色のタートルネック姿を妙にくねくねさせて頬を赤らめている

ライモン「あぁ…彼女、アンドレア・ドリアです。提督が‘ドリア’がお好きとおっしゃったから…」ヒソヒソ

提督「なるほど。案外初々しいのね、なんだかこっちまで照れるわ…//でも、いきなり戦艦がいるなんてスゴイわね。普通は駆逐艦数隻に軽巡一隻とかだって聞いていたから…ここ、明らかに二、三十人はいるわよね」

ライモン「それは提督の戦績が素晴らしいからですよ。いくら何でも新米の少佐や中佐に大艦隊は任せられませんから」

提督「それだけ期待されているのね…頑張らなきゃ。ふー、ふーっ…熱っ。でもおいしい」
ドリアはしっかり味が付いているのに濃すぎないし、うまくソースが重ねてある

提督「ホワイトソースねぇ…昔はうまく作れなくてよくダマにしちゃってたっけ…」

ライモン「提督もお料理をされるのですか?」

提督「するわよ。やっぱり美味しいものは食べたいじゃない?似合わないって笑うかもしれないけど、家ではよくフリルのついた白いエプロンで料理したものよ。お家にお友達を呼ぶことだってあったし、おいしいものは人を仲良くさせるものよ?」

ライモン「そうですね、おいしいものはわたしも好きです。今はいい時代ですよね、物価統制とかそんなのもないですし…?」

?「フリルのついたエプロン…可愛いじゃない//」?「まぁまぁまぁ…提督さんってば//」ザワザワ

提督「モンテクッコリ?もうちょっとドリアを取ってもらえる?」

ライモン「はい、このくらいでいいですか?」

提督「ありがとう。うーん、この濃密なソースがうまく合わさって…舌に絡みついてくるのがとってもいいわね…//」ニヤァ

ドリア「ああ…まぁ、提督ったら//提督と…はぁぁ//」

<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2016/12/28(水) 15:14:32.31 ID:5P2roQ+o0<> ライモン「ワインはどれにしましょうか?」

提督「本当にぜいたくね…昼からワインを頂けるなんてローマじゃありえなかったわ」

ライモン「何しろわたしたち艦娘の経費と言っても、住居はありますし、出かけることはあまりないので衣服はそこまで買いませんし、物を買うにしても近くにお店がないもので…結局食事が一番わかりやすいぜいたくになるんですよ」

提督「なるほど…、それにしてもコクのあるいい赤ね、どこの銘柄なのかしら…っ!?」

ライモン「どうかしましたか?」

提督「いえ、あのね…瓶に、‘バローロ’って書いてあるような気がするのは気のせい…?」

ライモン「ええ、書いてありますが。お気に召しませんでしたか?」

提督「いや、とっても美味しいわよ…でも、お昼にテーブルワイン扱いで出すワインじゃないでしょう…!?「ワインの王様」よ!?」

ライモン「いえ、ご心配には及びません、これには‘裏’がありまして…」

提督「何?…お願いだからこれ以上心臓に悪いことは言わないでね」

ライモン「重巡のところにいるふわふわした彼女。ザラ級重巡のポーラですが。彼女が先頃、深海側の攻撃を受けた客船を救ったことに船会社が大変感謝して、お礼にとワインセラー一杯のワインを提供してくれたんです…なんでも偉い人が乗船していたとかで」

(艦これはよくわかっていないので、ポーラはワイン好きのほんわかしたキャラで書きます。他にも登場している艦娘たちの違和感はオリジナルということでお許しいただければ…)

提督「それにしても、こんなにいるんだし飲んでいけばすぐなくなっちゃうでしょうに…」

ライモン「いえ、定期的に補充が来ますからご心配なく」

提督「こんな高級ワインが?海軍大将でもそうできないぜいたくよ?」

ライモン「それがさっき言おうとした‘裏事情’でして。こちらに回ってくる資材やぜいたく品は、たいてい脱税や横領で捕まった実業家やお金持ちの押収品なんです。鎮守府への引き渡しはバザーみたいになっているのですが、うちのポーラが目利きのおかげでハズレをつかんだことはありませんよ。もちろん車やお屋敷みたいなものは使えませんから、これは競売にかけられるそうですが」

提督「なるほどね…。財務警察が最近仕事熱心なのはそのせいだったのね。でもおかげで美味しいワインが飲めたわ。あとでポーラにはお礼をしないと」(ベッドの上でね…なんて//) <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2016/12/28(水) 15:54:42.19 ID:5P2roQ+o0<> 提督「ふー、おいしかったわ。最後にでたチョコレートも、こう、甘すぎるくらいかと思ったらワインに合わせてみるとちょうどいい甘さで、バローロの深みのある木の実や樫の木の香りをうまく引き立ててくれて…最後に出してくれたコーヒーのいい苦味が口の中をさっぱりさせてくれたわ。…アメリカ海軍ではブラックコーヒーに塩を入れるっていうけど、えぐみは消えるけど味覚がおかしくなりそうだったのよ…」

ライモン「提督はアメリカ海軍に派遣されたことがおありなのですか?」

提督「海外派遣はないわ。昔ナポリで知り合ったアメリカ海軍の女性士官が淹れてくれたの」(あの時は名前を間違えて気まずかったっけ…その後のコーヒーに死ぬほど塩入れられてたのよね…)

ライモン「誰とでも仲良く出来るなんて素敵ですね。わたしたちは戦中の印象が強いので、どうしても連合国側と仲良くしているのが腑に落ちないというか…フランスやイギリスが味方になったのも驚きですし、そもそもわたしたちが再び太陽の下で海を見られたのが一番の驚きです」

提督「そうよね。まぁ、フランスとはまだギクシャクしているけれどね…」(あのお嬢様みたいな少佐…「おいしいのよ」とかいってエスカルゴとか食べさせてきたし…なんで十六世紀までフォークもなかったような野蛮な国に食文化を教えてもらう必要があるのよ…だいたいしとやかなふりして口移しだけで食べさせるとか露骨すぎてあぜんとしたわ…)

提督「それに…新しい敵が生まれたとはいえ、前よりは全然いい条件で戦えるんだもの。私、みんなと一緒に頑張るわ!それで、楽しいこととか、素敵な経験とか、たくさんさせて可愛がってあげるから…!」ギュッ

ライモン「あっ///…提督…暖かくて、柔らかいです…///こんなこと、「艦娘」にならないとできませんでしたから…うれしいし、不思議な気持ちです」

提督「いいのよ、いつでも甘えてくれて。私でよければ全部受け止めてあげるから、ね…?」

ライモン「はい!そう言ってもらえて、わたし、本当にうれしいです!」キラキラ

提督(あぁ…可愛いわ///私を見上げる瞳がきらきらしてて、もうこんなに信頼してくれている///)チュッ

<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2016/12/28(水) 16:57:12.90 ID:5P2roQ+o0<> はぁぁ…これだけ書くのにもずいぶんかかっていますが、気長に待っていてくれればうれしいです

とりあえず人物紹介や補足の説明です

提督…二十代から三十代に手が届くくらい。すでに少将だが、その「華麗な百合遍歴」がカトリックのイタリアでは問題視されてタラント第六鎮守府に「栄転」させられた。(単に「モテない野郎たちのひがみ」とも)長い栗色の髪と金色の瞳、つやつやの唇がチャームポイント。
高身長で豊満な体つきは超ド級戦艦並み。士官学校時代から「来るもの拒まず、去るものは出さない」を貫き、同期、先輩、後輩、教官まで構わずとりこにしてまわった。
いわく「愛情に階級も人種もない」ため、艦娘でも求められれば愛し合いたいと思っているし、積極的に愛していきたいとも思っている

老提督…提督の上官。温厚なお爺ちゃんで、提督の「百合遍歴」を問題視する海軍憲兵隊から提督の事をかばってくれた。駐ネパール海軍武官や、「この世の果て基地」の司令にならずにすんだのはこの人のおかげ。「艦娘」の以前の姿を知っていて、「艦娘」を孫のように思っている

タラント…イタリア半島で「長靴」の土踏まずの位置にある。海軍の重要拠点。数も少なく頼りにならないギリシャ海軍をカバーするため拡大され続けている。地中海中央、いわゆるイオニア海の要

R・モンテクッコリ…モンテクッコリ級軽巡のネームシップ。瀟洒(しょうしゃ)なデザインがイタリアらしい1930年計画の軽巡。
約7400トン、152ミリ連装砲四基、533ミリ連装魚雷二基、100ミリ連装高角砲三基などをもつ(長くなるので細かいスペックは飛ばします)
そこそこの軽防御にバランスよく兵装を積んだスマートな軽巡で以後のイタリア軽巡の基準になった。1964年まで練習艦になったりと長命だった。
妹のムツィオ・アッテンドーロがいるが43年のナポリ空襲で失われた。
艦娘としては高校生くらいの細身の女の子。明るい金髪を高めのポニーテールにしている。 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2016/12/28(水) 18:00:16.88 ID:38+FOJ2uO<> 読んでますよ。乙 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2016/12/28(水) 18:02:21.18 ID:8uM++kTSo<> おつ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2016/12/28(水) 20:25:47.93 ID:tAcb8Idk0<> なかなか凝ってるな
良いぞ <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2016/12/29(木) 01:17:57.61 ID:gL06fQW50<> 更新遅くてごめんなさい…その分言葉を選んで書いているつもりです。これで百合成分を補給してもらえればと…百合成分多めにしたいのですがどうも真面目になりすぎているような…もうちょっと待っていてください、すぐ甘さ倍増になる(予定)ので

艦娘の略称は基本このSSのオリジナルです、史実でも略称があった場合は「人物紹介」にそう書き加えておきます(ごっちゃにしては混乱するでしょうし、何隻か実際に長い名前の艦がいますので…)
では続けます

ライモン「午後はどうなさいます?」

提督「そうね、なら執務…するほど書類は来てないし、出撃…しようにも艦隊の把握はまだしてないし…、お昼寝…は気持ちいいでしょうけど食べたばかりに寝るのはよくないし…。そうね、とにかく艦隊の把握に努めたいわ。ライモン、お願いね」

ライモン「ライモン…ですか」

提督「ごめんなさい!嫌だったかしら…?もし嫌ならちゃんと名前で呼ぶわよ?」

ライモン「いえ、あだ名とか、なんだかちゃんと「艦娘」として認めてもらえているというか、ただの「兵器」や「駒」として見られていないと思ったら…」(うるっ)

提督「あぁ、ライモン!泣かないで?私はあなたの事「兵器」だとか「替えがきく」なんて思っていないのよ?ね、ほら、抱きしめてあげるからおいでなさい?」

ライモン「すみません…ぐすっ…。わたし…この鎮守府で一番の古参だったから、相談相手も…頼れる人もいなくて…海軍の担当官には冷たい人も何人かいて…わたしたちの存在って何なんだろう、なんて考えると不安で…」

提督「そう、よくがんばったわね。でもこれからは私があなたたちの提督で、母親で、お姉さんになってあげるわ。ね、ライモン?」

ライモン「はい…なんだか、提督の前ではわたし、ずいぶん泣いたり笑ったりしています…きっと、提督のおかげです。それに、感情って、こんなに激しいものなんですね…この姿になって、やっとわかった気がします…」

提督「そうね、数十年ぶりに空を見て、身体も、時代も、こんなに変わったんだもの。ちょっと起伏が激しくなることもあるはずよ。ゆっくり、馴染んでいきましょう?」

ライモン「はい。でも、凛々しいわたしを見せたかったのに、ずいぶん情けないところを見せてしまいましたね。ちょっとくやしいです。これからはうんと活躍して驚かせてみせますね!」ちゅっ

提督「ふふ、ライモンのキス、ちょっと塩の味がしたわ」

ライモン「海軍ですからね///…では、作戦室にご案内します、ついてきてください」(なんだか勢いでしちゃったけど恥ずかしい///…でも、提督の唇、柔らかくて甘かったな…さっき抱きしめてもらった時も、胸、すごく大きくて柔らかかったし…けど、提督も女どうしだからこんなことを許してくれているのかな…それとも、わたしのこんな考え、認めてくれる人なのかな…もしそうなら…///)

提督「そうね、案内をおねがいするわ」(ライモン、大変だったのね。邪険に扱った担当官とかいうの…調べてローマにそれとなく伝えておこう…海軍長官の秘書さん、電話番号は登録してあるし…ああ、でもライモンのキス!初々しいのに結構熱いキス…とっても良かった///…まだ百合とか許されない時代に生まれた娘たちだし、抵抗はあるはずなのにこれなら…将来が期待できるわね///)


カツッ、カツッ、カツッ…木張りの床に足音が響く。あたりは大戦中の施設というだけあって古めかしいが、改修は済ませてあるらしく、ほこりっぽかったり、壁紙が剥がれていることもない。南向きの鎮守府は日当たりもよく、廊下の開け放たれた窓からさわやかな地中海の海風が入ってくる。眺めも抜群で、小さな岬に挟まれた、くぼんだ湾は波も穏やかで、施設の左右にはなだらかな砂浜が弧を描いている。前庭には、はたはたと風になびくイタリア国旗が掲揚され、周囲には花や灌木が植えられている。

提督「いい眺めねー。それにこんな気持ちのいい風は久しぶり。なんだか別荘にでもきたみたい」

ライモン「さすが提督ですね。ここ、昔は本当に別荘だったらしいですよ。大戦中に海軍が整備しかけたところで敗戦になって、結局倉庫にしていた時に「艦娘」と「深海棲艦」のことがあって、急遽整備したんだそうです」

提督「そうなの。でもこの大きさの別荘なら、きっと政治家とかのものだったのでしょうね」

ライモン「さあ、そこまでは…なにしろローマ帝国時代の別荘ですからね。でも、もしかしたらカトー(ローマの政治家で文章家「大カトー」とも。ポエニ戦争でハンニバルを下した。ひ孫に「小カトー」がいる)がここを散策したりしたかもと思うと、なんだか歴史を感じますよね」

提督「え、ここってローマの遺跡なの…鎮守府なんかにしていいのかしら…」

ライモン「いえ、遺跡はもっと裏山の方です。でも温泉施設なんかは再生してここまで引いてあるんですよ。薬効もあって、なんでも、「艦娘の修復効果」とかなんとか、とにかくわたしたちの傷が治るようになるんです。それに提督、ローマ時代の遺跡に遠慮していたら、わたしたちどこにも住めなくなっちゃいますよ?」

提督「確かに…実家にもあったもの、ローマ時代のアンフォラ(壺)とか…でもねぇ…」

ライモン「まあまあ。ちゃんと遺跡はよけてありますし、心配しなくて大丈夫ですよ。…ここです」 <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2016/12/29(木) 02:06:15.21 ID:gL06fQW50<> ガチャ…ライモンがドアを開けてくれる。

提督「へえぇ…」

作戦室は他の部屋よりずっと近代的で、電子機器に悪い影響がないように冷房がきいている。周囲には鎮守府のフェーズド・アレイ・レーダーのディスプレイ、最高司令部や各地に向けた軍用通信機器、民間船舶向けの一般通信機器、中央には古めかしい大きな机をいっぱいに占領している地中海の地図。壁には「艦娘」たちの一覧が並んでいる。

ライモン「どうですか?一通りの機器はそろっているかと思いますが」

提督「十分すぎるくらいよ。こんなに立派な設備、自由に使わせてもらったことなんてないもの。それにほとんど自動化されているのね…すごいわ」

ライモン「ええ、わたしたちは自分のことで精一杯ですし、「妖精さん」はどうもこういった電子機器は不得手のようで…」

提督「それに少しでも指揮能力がある士官は、軒並み鎮守府に派遣されているものね…深海側の数の多さにはあきれるしかないわ」

ライモン「まあ、ここはタラント基地のおかげで制海権を取っていますから、たいていは静かなものですが」

提督「そうらしいわね。タラントにいる同期が言ってたわ…それで、と」

ライモン「あ、はい。艦娘のリストでしたね。こちらです」

提督「どれどれ…空母は…なし、と。まあ大戦中には一隻も完成しなかったし、太平洋みたいな空母決戦はあまりなかったものね」

ライモン「ですが、建造すれ正規空母アクィラと補助空母スパルヴィエロが仲間に加わりますよ」

提督「二隻とも元は客船なのよね。そうね…艦娘としていろいろさせてあげたいし、資源が溜まり次第建造しましょう」

提督「では戦艦は…コンテ・ディ・カブール級の二隻にアンドレア・ドリア級の二隻、と。新戦艦のリットリオ級はいないけど、まぁ、しばらくはこれで充分ね」

ライモン「クスッ…きっとドリアさんはもう見分けられますね」

提督「ふふふ、そうね。それと、彼女の隣にいたのは妹のカイオ・デュイリオね。なんだか優しそうな顔の娘だったわね」

ライモン「大戦中は大して損害も受けなかったですし、A・ドリア級は戦後もイタリア海軍を支えてくれましたからね。落ち着いた方ですよ。わたしとも仲良くしてくれます」

提督「でもあの若々しさ…第一次大戦型の戦艦には見えなかったわ…」(すごい「わがままボディ」っていう感じだったもの)

ライモン「何しろ1916年生まれですもんね…同年代でいうと日本の金剛型くらいですか?彼女も日本の「艦娘」として生まれ変わったそうですが、いったいどんな感じの人なんでしょうね?…それにしても、1930年代に大改装したとはいえうらやましいです…脚も長いし、女優さんみたいですよね。ソフィア・ローレンみたいな色っぽさです」

提督「ソフィア・ローレン…なかなか古いわね…じゃあ、ジーナ・ロロブリジーダとか知っているのかしら」

ライモン「もちろんです。彼女、とっても色っぽくて、当時の水兵さんたちはみんなブロマイドとかもっていたんですよ」

提督「私のお父さんの世代だわ…さ、続けましょう」

ライモン「次は巡洋艦ですね。対フランス戦を意識して、巡洋艦は優勢を維持していたんですよ」

提督「士官学校時代の教科書に書いてあったわ。圧倒的なイギリス地中海艦隊相手によく戦ったものよね」

ライモン「全くです…でもなんか変なかんじですね。自分たちの過去を振り返れるなんて」
<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2016/12/29(木) 02:42:09.07 ID:gL06fQW50<> 提督「そうね。今度は失敗しないようにしないと…力を貸してね、ライモン?」

ライモン「はい、提督///」

提督「では重巡洋艦からいきましょうか…まずトレント級の二隻、と…戦中はどちらも戦没しているのよね。軽防御がたたったのと、当時の戦況が厳しすぎたせいね」

ライモン「本人たちは気にしていないようですが…もしかしたら心では悩んでいるかもしれません、あと、「軽巡、重巡どっちなのか」とよく冗談をいっていますよ」

提督「最初は軽巡扱いだったものね…そのうち話を聞いてあげることにするわ。それから…ザラ級の四隻、と…ポーラの鑑定眼が確かなのはわかったけど、やっぱりマタパン岬沖のことはつらかったでしょうね」

ライモン「三隻同時に撃沈ですから…のこされたゴリツィアさんもかわいそうでした。最後も悲しいものでしたし…」

提督「ラ・スペチア軍港でわが軍の潜水工作員に沈められたのよね…当時のドイツ海軍に渡さないために。でも、今度は絶対に沈ませはしないから」

ライモン「提督ならできると思います。あと、彼女たちは四隻ごとに微妙に艤装が違うんです」

提督「建造中に改良点を加えていったのよね。よく違いを理解してあげないと。…あら、ボルツァーノはいないのね」

ライモン「ええ、彼女は単艦なので艦隊編成しづらいだろうと建造されていないようなんです」

提督「まあ…そんなのはかわいそうよね…ザラ級の改型なんだし、ザラたちも受け入れてくれるはずよね」

ライモン「そうですね。姉妹を失う悲しさはザラたちが一番よくわかっていますし…その反動かここではお互い甘やかしがすごいですが…」

提督「そうなの?まあ、可愛いものじゃない。仲良く出来て私はうれしいわ」(甘やかし…こう、姉妹で「あーん」して食べさせあったり、一緒に添い寝したりとか?…いや、もっと甘々な姉妹愛で…一隻になったゴリツィアと再会できた姉妹が、こう…「さみしかったでしょう?姉さま…?」とか言って、うるんだ瞳が見つめあって…あ、でもゴリツィアは次女なわけだし、お姉ちゃんと妹二人に挟まれて、白い肌を撫で上げる姉妹の指がそのうちに…///)

ライモン「提督?」

提督「あ、ああ!いいの、気にしないで?続けましょう」

提督「次は軽巡、と。ふふ、あなたがいれば私はもう充分うれしいけど、そういうこと言ってはほかの娘がかわいそうよね?ちゃんと見てあげないと、ね?」

ライモン「そうですね///…これが軽巡のリストです」

<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2016/12/29(木) 11:21:45.14 ID:gL06fQW50<> しばらくは二人が解説を加えながらの艦娘紹介が続きます…詳しくはおいおい追加していきますので…

提督「ええと…軽巡は、まずジュッサーノ級軽巡四隻…知っている限りでは軽巡というか大型駆逐艦って感じがするわね。大柄だけど装甲はほぼないし…それに重さの割には兵装過大なのよね」

ライモン「そうですね、序盤に相次いで戦没したのもそのせいでしょう。無理している艦というのが妥当な評価みたいですし…もっとも艦娘としては問題ありません。スマートでモデルさんみたいな先輩方です」

提督「撃ちあいには向かないわね…それから、カドルナ級の二隻。まあ、ジュッサーノ級の改型よね。カドルナの方は無事に大戦を生き抜いているし、改修は妥当だったのね」

ライモン「何しろジュッサーノ級は艦橋が大きすぎましたからね…やっぱり防御は期待できませんが、速度はありますし兵装もバランスがとれていますよ」

提督「そうね。でもみんなきゃしゃな身体でよく頑張ったものね…次は、ライモン、あなたのクラスね」

ライモン「はい、モンテクッコリ級ですね。妹のアッテンドーロもいます。やっぱり沈んだ時の気持ちは不安で辛かったと聞きました。でも「ナポリでよかった。ベネチアならもっと良かったけど、海の片隅じゃなかっただけまだ幸運だったわ」と…提督?」

提督「いえ、…さっきから聞いているとみんなけなげで…なんだか泣けてきたわ…無策だった私たちに恨み言の一つもあるかとおもったのに…」(ぐすん…)

ライモン「そんな、泣かないで下さい!当時の敗戦は別に提督のせいじゃないですし、私たち、こうやってまたお日様を見られて、あの時できなかったこととか、上手く出来なくてやり直してみたかったこととか…、とにかくやりたいことがいっぱいあって、それができるこの姿に満足しているんですよ」

提督「…ありがとう、ライモン。お互いに、泣き顔をみちゃったわね」提督はハンカチを出して涙を拭いた

ライモン「ええ、でも優しい顔の提督も好きですけど、泣いているお顔も純粋で綺麗だとおもいます///」

提督「っ///…ありがとう、ライモン。今のはすごい口説き文句だったわ」キュン

ライモン「くどっ…!?いえ!わたし、そんなつもりではなくて…いえ、まあ、提督さん綺麗だとは思いますが、わたし…それに神様も見ていらっしゃいます…そんなのいけません…」

提督「今の法王猊下(げいか)は同性愛にも理解を示してくれているわよ?私も女の子どうし、全然かまわないと思っているわ」

ライモン「え!?…時代が変わったとは思っていましたけど…それに、提督さんも構わない…って」ブツブツ

提督(やっぱり脈あり…ね)「ライモン、続きは?」

ライモン「ああ!はい、次がデュカ・ダオスタ級です。わたし、R・モンテクッコリ級をベースに改良を加えた艦です。艦形が一回り大きくなって装甲が増加し、雷装も533ミリ連装魚雷から三連装魚雷になっています」

提督「二隻とも無事に大戦を終えて、戦後は姉がソ連、妹がギリシャへ引き渡されているのね。当時から艦名が長いって言われて、姉が「アオスタ」で妹が「エウジェニオ」って略されていたのは知っているわ…今でもそう呼んでいいのかしら?」

ライモン「はい、みんなそう呼んでいますよ。あと、戦後の影響か、アオスタはロシアっぽいところがありますし、エウジェニオはギリシャ人にあてられたのか、かなり激しい同性愛にめざめているようですね」

提督「ふふ、ライモン?女の子どうしの恋はね、百合っていえばいいのよ?日本ではそう言うって、向こうの提督がそう教えてくれたわ」(あの人もいまでははるかかなたの横須賀に帰ってしまったけど…海はつながっているもの、きっとまた会えるわ。それに、年上なのになんだかあどけなくて可愛かった///)

ライモン「百合…花言葉は「神秘的な美」に「純粋」ですか。何だか、ちょっと大人っぽい秘め事を想像してしまいますね///」

提督「かもしれないわね?で、次は…アブルッツィ級二隻ね。あなたたちを基本にしたとはいえ、ずいぶん成長したものよね…」

ライモン「全くです、姉と言うか先輩というか…とにかく尊敬されるんですが、むしろこっちが妹みたいな気分にさせられます…あと、妹の方はすごく立派な方で、戦艦たちもなんだか一目おいているというか…」

提督「ああ…「ジュセッペ・ガリバルディ」だものね。もしかして、食堂の真ん中あたりにいた、きりっとした感じの娘がそう?」

ライモン「そうです、彼女です。まぁとにかくイタリアを代表する偉人ですし、彼女自身も1972年まで長く就役していましたからね。私たち巡洋艦の司令塔みたいな感じです。それでも偉そうにしたりしないし、気さくな方ですよ。だからなおのこと人気があるんですが」

提督「なるほどね…ところで、カピターニ・ロマーニ級はいないの?」

ライモン「計画途中で敗戦、完成しなかった娘が多いですから…四隻完成したとはいえ、三隻は戦局に影響を与えられず、「ジュリオ・ジェルマニコ」は戦後もだいぶ経ってからの完成ですし…それに「装甲なしの大型駆逐艦みたいな軽巡では使いどころに困るだろう」というのもあるみたいです」

提督「そんなの運用の下手な提督たちの言い訳にすぎないわ。日本のことわざにも「古井戸はハシゴの入れ物、ネズミの尻尾は錐の鞘」って言って、どんなものにも使いどころがあるものよ。まあいいわ…建造のやり方を覚えたら、早めに呼んであげましょう」

ライモン「そうですね、ではいったん休憩にしましょうか。このあと、まだ駆逐艦、潜水艦に補助艦艇が待っていますから」
<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2016/12/29(木) 11:56:35.97 ID:gL06fQW50<> はあー…連合艦隊ほどではないですが書いていくとすごく多いですね…しばし解説です



戦艦…コンテ・ディ・カブール級。1914〜15年生まれのド級戦艦。
金剛型より年上だが、33年から艦の七割を大改装、大戦に突入。プリエーゼ防御構造や主砲の削りなおしで320ミリ主砲に改正するなど、努力とアイデア満載の戦艦。
コンテ・ディ・カブールは45年ドイツ艦として失われ、妹のジュリオ・チェザーレ(ユリウス・カエサル)は「ノヴォロシースク」となりソ連に引き渡されたが、55年ごろ戦中の遺物である機雷に触れ失われた。三番艦レオナルド・ダ・ビンチは1916年改装前に爆発事故で沈没した。

艦娘としては色っぽい美魔女、緩く内側にカールさせた髪はよく似あっている。姉は政治家の名だけありいいまとめ役、妹は天才政治家で軍人の「チェザーレ」だけあってカリスマ性がすごいが、皇帝になれなかったことをまだ悔やんでいるらしく、艦隊の皇帝になろうと奮闘中。彼女がきみにため口をきいても決して怒ってはいけない

アンドレア・ドリア級。カブール級とほぼ同型の二隻、やはり大改装で大戦を迎えたご長寿艦。空母のアウトレンジ戦法が無効になる地中海で、戦艦として活躍できるはずだったが、資源不足のイタリアでは燃料が続かず、途中からはほぼ隠居状態。90ミリ高角砲がすごくおしゃれなデザイン賞級の戦艦。戦後の56年までイタリア海軍を支えた。
艦娘としてはむっちりド級戦艦ボディのみずみずしい体に、隠居生活が響いたのか妙に枯れたところもある艦。戦後も長かったためまとめ役的なところもある

戦中に燃料をもらえなかった反動か、それとも美食家ドリア公の影響か食通。ただ燃料搭載の少ないイタリア艦の常で胃が小さいらしく、思っているほど大食漢ではない。近距離では燃費のいいバランス型



<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2016/12/29(木) 23:16:12.51 ID:gL06fQW50<> 空母…アクィラ(鷲)。
1941年改装開始。単艦。2万トンクラスの豪華客船「ローマ」(戦艦「ローマ」とは関係ない)を改造、正規空母並みにする予定だったが、改造箇所の多さと資材不足で進まず、43年敗戦時には七割程度しか完成していなかった。ドイツに利用されることを防ぐため主要部は破壊され、ドイツ海軍も入手、完成させようとしたが間に合わなかった。敗戦時に解体されてしまった。完成しても空軍・海軍の仲たがいで艦載機型のレジアーネRe2001戦闘機が出来ていなかったので戦力になりえたかは微妙…後ろに傾斜させたマストがおしゃれなイタリアらしい艦

艦娘としてはえんじ色の服に明るい茶色の髪を結い上げているらしい…

スパルヴィエロ(ハイタカ)…単艦。1941年改装開始。時間のかかりそうな「アクィラ」の完成を待つより、改造を最小限にして早く戦力にしようという補助空母のアイデアで生まれた軽空母。客船「アウグストゥス」をもとに改造を始めたが、あれもこれもと追加要素が増やされ、資源不足もたたってこちらも完成しなかった。44年にドイツ側に渡るも、結局完成せず失われた。客船時代の機関をそのまま受け継いだので速度は遅くなったと思われる。

艦娘としては黒地に白ふちがついたシックな衣装に片側に横ロールの金髪を垂らしているらしい…

(アクィラが「艦これ」に実装されているそうなので、キャラはそれを活かすことにしました。アクィラが空母の名前として通じるなんていい時代ですね…一応オリジナル設定ですが、なにか気になるところがあれば教えてくださいね) <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2016/12/30(金) 00:13:16.87 ID:eAA4juSn0<> 重巡…トレント級。1928〜29年生まれの重巡。二隻
兵装は203ミリ連装砲四基を前後に二基づつ備え、533ミリ連装魚雷発射管(横向き固定)四基や100ミリ連装高角砲、メリジオナリRo43水偵(最初はマッキM41やカント25戦闘飛行艇を搭載していた)三機などをバランスよく積んだが、最初36ノットを目指した軽巡としていたため大きさの割に装甲が薄く、潜水艦や空襲によって二隻とも失われた。艦首に航空兵装があるが、イタリアでは当時普通だった。(某「飛行艇乗りの豚」が出てくる映画で客船が繰り出していた、あれを想像してもらえれば…)

艦娘のトレント、トリエステは背が高いがきゃしゃで、表情もどこかあどけなく、重巡と軽巡の間くらいに見える。頭の測距儀、マストはかなり高く安定が悪そう。

ザラ級。1931〜32年生まれ。四隻。艦名は「仇敵」オーストリア・ハンガリー帝国から取り返した南チロルの地名

軽巡思想のトレント級では戦艦不在の海戦で撃ちあえないと、高速好きのイタリア海軍が泣く泣く低速を我慢した本格派重巡。一万トンオーバーの重量は日本の「最上型」に近く、本当は海軍軍縮条約違反だったが、多少のオーバーはごまかした。
203ミリ連装砲四基、100ミリ高角砲六基に対空機銃、水偵二基と兵装はトレント級とあまり変化がない。その分を150ミリの装甲に振り向け、一隻ごとに取り入れられる新技術を次々取り入れていった。そのせいか一隻ごとに姿が違う。
損傷した「ポーラ」を救助しに戻った「ザラ」「フィウメ」が深夜イギリス海軍のレーダー射撃を受け、駆逐艦二隻とともに戦没した「マタパン岬沖海戦」の悲劇は有名。

鎮守府にいる彼女たちはいずれも高校生〜大学生くらいで意外と胸が大きい。ポーラはワイン好きで鑑定眼も確か。史実で一人残された次女「ゴリツィア」のこともあって、再会できた喜びはひとしお。悲劇的な最期だった分の反動からか、四人ともかなりのシスコンを患っている。

ボルツァーノ。単艦。1933年生まれ。

ザラ級の次女「ゴリツィア」と同じ29年計画の重巡。やっぱり遅いのは耐えられなかったのか、速度重視で軽装甲にもどったが、ザラ級のいいところは取り入れた従姉妹(いとこ)と言ってもいい艦。兵装はトレント級とそっくりで、一番煙突と艦橋構造がつながっているのは「ポーラ」と同じ。
砲戦時に発艦できない艦首のカタパルトは中央部配置になった。42年に損傷し、空母にする案もあったが、巡洋艦不足と「アクィラ」「スパルヴィエロ」の建造が進んでいたため改装はされなかった。
数回損傷し、最後は1944年ラ・スペチアでドイツ軍の手に渡ったが、イタリア・イギリス連合の人間魚雷(水中スクーターのようなもの。時限式の機雷を船底にくっつけて爆破する。「回天」などと違ってクルーは脱出できる)チームによって破壊された

鎮守府には「単艦で編成に困るから」との判断で来ていないが、提督は「艦娘として楽しめること、やれなかったことをやらせてあげたい」と、ぜひよんであげようと考えている。トレント級のように細身だが、顔立ちはポーラに似ているらしい… <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2016/12/30(金) 02:43:35.35 ID:eAA4juSn0<> 説明が続いてなかなか進みませんが、これがおわれば百合百合したいとおもっています…気長にお待ちください


軽巡…ジュッサーノ級。1931〜32年生まれ。四隻

30年代に建造されたフランス駆逐艦に対抗するため生まれた軽巡。
5100トンの排水量は日本の「球磨型」とほぼ同じだが、そこに152ミリ連装砲四基(背負い式に前後二基づつ)、100ミリ連装高角砲三基、37ミリ連装機銃四基、533ミリ連装魚雷二基、艦橋下の格納庫に水偵二機と盛りだくさんに兵装を積んだ軽巡。大きさも球磨型より一回り大きく、その分防御は薄く、バランスが悪かった。オーストラリア軽巡「シドニー」と交戦した三番艦「バルトロメオ・コレオーニ」を始め、四隻とも交戦して失われている。

艦娘としてのジュッサーノたちは、背の高さにくらべて細身のきゃしゃな身体に、多すぎる艤装をつけているため振り回され気味で、頭の艦橋構造が重いせいで肩がこるらしい


カドルナ級。1933年生まれ。二隻

ジュッサーノ級のバランスが悪かったことを反省し、上部構造を減らしてバランスを取った軽巡。砲戦が始まると発進できない艦首カタパルトは中央部に移動したが、サイズが小さいため右斜めに固定されていて旋回しない。「ルイジ・カドルナ」「アルマンド・ディアス」のうち、カドルナは無事に大戦を生き残り51年に除籍された。

ジュッサーノの改良型らしく、ジュッサーノたちに良く似ている。艤装のバランスがとれたおかげで動きやすくなったとか。背が高くきゃしゃな身体は相変わらず。他の軽巡に心配され、かばわれることもしばしば


モンテクッコリ級。1935年生まれ。二隻

詰め込みすぎでバランスの悪かったジュッサーノ級、その改良でとどまっていたカドルナ級の問題点を克服した新型軽巡。
兵装はそのままで、7400トンに拡大した船体は防御の強化にあて、大型化したことでカタパルトが左右に旋回できるようになった。出力も増したため速度低下もなかった。
特徴は灯台みたいな円錐型艦橋。シンプルかつスマートでイタリア海軍も気に入り、以後の艦はたいていこの形を受け継いでいる。
ナポリ空襲で失われた二番艦「ムツィオ・アッテンドーロ」の分も「ライモンド・モンテクッコリ」が活躍し、改装を重ねて64年まで練習艦として在籍していた。

鎮守府では戦後も長かったため、文化や知識のギャップを埋めるために初期から在籍、戸惑うことも多い艦娘たちのフォローと海軍の担当官からの連絡役に当たっていた。提督に不安を打ち明け、優しく抱きしめてもらったことで、「頼られる側」から「頼る側」になれたことを実感し、ほっとした。
優しいキスを交わし、姉のようであり母のようでもある提督に恋心を抱いているが、まだ古い考えが残っていて、百合に対して少し奥手になっている。


いったんここまでで…軽巡の紹介はもう一レスぶんくらい続きます

<> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2016/12/30(金) 02:53:14.73 ID:CtegfODno<> おつ <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2016/12/31(土) 00:12:52.27 ID:yvqRXTxP0<> あー…戦艦リットリオ級を書き入れていませんでした…。
この鎮守府にはまだ来ていない設定ではあるのですが、紹介に書き込んだ気になって忘れていました。彼女たちが好きだという方はごめんなさい

リットリオ級。1940〜42年生まれ。計画四隻、完成三隻。

フランスの新戦艦「ダンケルク級」に遅れまいと建造した新戦艦。資源の少ないイタリアが威信をかけたためか、艦名は戦勝地「ヴィットリオ・ヴェネト」など国威発揚も意識している。主砲は381ミリ三連装を前部二基、後部一基に搭載。副砲は152ミリ三連装四基を前後の主砲脇に二基づつ配置、中央部には流麗なデザインの90ミリ対空砲を左右六基づつ備え、対空機銃も37ミリ20基に20ミリ32基と航空攻撃を強く意識している。水偵は三機。
三番艦「ローマ」と未完成に終わった四番艦「インペロ」は改修を加え、第二グループを形成する予定だった。

主砲381ミリは削る機械と鉄資源の都合で406ミリ砲が作れず泣く泣く我慢したためだが、その分口径を50口径と高初速の砲撃を撃ちこめるようになった。(単純に「砲弾の大きさ×速度=威力」で計算すると400ミリ並みの威力ということになる)

連合軍に降伏するため艦隊旗艦として航行中にドイツ空軍機の誘導爆弾「フリッツX」二発を浴び、轟沈した「ローマ」は「初めてミサイル攻撃で失われた艦船」ともいわれる。残る二隻の「イタリア」(当初はファシスタ党とベニート・ムッソリーニの気に入るように「リットリオ」とつけられていたが降伏とムッソリーニの失脚に伴い改名された)と「ヴィットリオ・ヴェネト」は無事で、戦後の1948年まで就役していた。


艦娘としての彼女たちは明るい栗色の髪を結い上げ、白地のブラウスに赤のスカートと上着姿。高速戦艦らしく脚が速いが、軍縮条約をかいくぐった史実通りに体重をごまかしているらしいとか…?
<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2016/12/31(土) 01:53:35.61 ID:yvqRXTxP0<> やっとモンテクッコリ級以降の新型軽巡の紹介です、これが済んだらいったん本編に戻ってまったりします…。

軽巡…デュカ・ダオスタ級。1935〜36年生まれ。二隻

モンテクッコリ級のバランスの良さをさらに極めようと、1000トン分の重量で装甲強化と連装魚雷二基を三連装二基に改修した軽巡。
大きさも一回り大きくなって全体的に余裕ができた。モンテクッコリ級と違い艦橋の円錐上に展望台のような上部艦橋がついた。

大戦中は北アフリカへの物資補給に駆け回り、その速度を発揮した。姉妹ともに大戦を生き抜き、戦後姉はソ連、妹はギリシャに賠償として引き渡された。
偉人の名前を敬称こみで付けたので、一番艦「エマニュエレ・フィリベルト・デュカ・ダオスタ」二番艦「エウジェニオ・ディ・サヴォイア」と長く、当時から「アオスタ」「エウジェニオ」と略されていた。


艦娘としての彼女たちは、顔立ちはライモンたちに似ていて、雰囲気は大人っぽい高校生くらいに見えるが、ライモンたちより背が高い。
衣装はライモンたちと同じくライトグレーのワンピーススタイルで、黒いニーソックスは喫水線下をイメージしたものらしい。胸元のデコルテには艦首波をイメージした白いフリルがあしらわれている。
姉のアオスタはソ連暮らしが影響したのか理詰めで赤い星のペンダントをしている。妹のエウジェニオは「レズの聖地」レスボス島があるギリシャですっかり百合に目覚め、「離れ離れだったさみしさを埋める」ためといって姉のアオスタやライモンたちを誘惑したり迫ったりしている。


アブルッツィ級。1937年生まれ。二隻。

モンテクッコリ級に始まった新型軽巡の集大成にあたる艦。デュカ・ダオスタ級をさらに1000トン拡大し、「最上型」に匹敵する一万トン級になった。

兵装はモンテクッコリ級以来変わらない152ミリ連装砲四基を前後に二基づつ背負い式で装備。
100ミリ連装高角砲はアオスタたちと同じく四基(モンテクッコリ級は三基)、37ミリ連装機銃四基に533ミリ三連装魚雷二基(モンテクッコリ級は連装二基)、水偵二機とほぼ同じだが、装甲は空間を挟んで100ミリと30ミリを装備し、艦橋構造を大きくしたことで重心バランスが崩れないよう船体も大型化した。
第二次大戦中のイタリア軽巡で最良と言われる、攻・防・走のバランスがとれた優秀艦。姉妹ともに大戦から無事生還し、姉は61年、妹は72年まで活躍して除籍された。
一番艦はやはり人名で艦名が長く「ルイジ・ディ・サヴォイア・デュカ・デリ・アブルッツィ」という。
二番艦はイタリア統一の英雄で海軍伝統の名前「ジュセッペ・ガリバルディ」と名付けられた。

艦娘のアブルッツィたちはライモンたちの後輩、あるいは年下の従姉妹(いとこ)にあたるが、その大人びた姿と能力の高さから、軽巡たちからはむしろ先輩のように扱われ、尊敬されたりすると気恥ずかしいとか。
妹のガリバルディは偉大な人物と伝統ある艦名に負けない勇敢さと機敏さで艦隊のエース。
パールグレイの髪をセミロングに伸ばしていて、しっかりした性格は軽巡たちの良き相談相手でまとめ役。
ワンピース型の服は濃淡二色のグレーで、姉のアブルッツィは折れ線模様、妹は幾何学模様の柄だが、これは戦中に施された迷彩を意識したものらしい。


カピターニ・ロマーニ級。1942〜43年(一隻は戦後の56年)。計画十二隻、うち完成四隻(一隻は戦後)

大型駆逐艦「ル・ファンタスク級」の建造を続けるフランスに対抗して、駆逐艦隊を率いる軽巡として建造された艦。
やりたいことは日本の5500トン型の軽巡に似ているが兵装はより強力である。しかし、「天龍型」程度の3600トン程度に抑えて隻数を増やそうとしたため、防御は40ノットの高速を活かすことにし、弾片防御以上の防御を持たない。守りは捨てた大型駆逐艦と考えていい。

主砲は専用の135ミリ連装砲四基を前後に二基づつ。533ミリ四連装魚雷二基の強雷装をほどこした。が、開戦後は資源不足と既存艦の修理で作業が進まず、結局一番艦「アッティリオ・レゴロ」九番艦「ポンペオ・マーノ」十番艦「スキピオーネ・アフリカーノ」の三隻しか完成しなかった。
「カピターニ・ロマーニ」とは「ローマの指揮官」くらいの意味で、古代ローマ帝国の名将や指揮官の名前がついている。
ポエニ戦争でハンニバルと戦ったスキピオが歴史上一番有名なため「スキピオーネ・アフリカーノ級」とも呼ばれる

戦後はレゴロ、スキピオーネの二隻がライバルだったフランスに賠償として渡され「シャトールノー」「ギシャン」と改名された。
また「ポンペオ・マーノ」は戦後に完成、その際に大改造のうえ嚮導駆逐艦(同型の駆逐艦より少し大型で指揮能力や通信能力が高いもの)「サン・ジョルジョ」になった。

艦娘としてはまだ未配属であるが、古代ローマをほうふつとさせるファッショ(束稈。棒と斧を束ねたもので団結を意味し、ローマ元老院や皇帝の象徴。「ファシスタ」の語源でもある)などを持っている。小柄な割に性格は古風で威風堂々としているが、レゴロ、スキピオーネは仇敵フランスに渡されたためか金髪縦ロールに青い目と古代ローマ帝国らしくないことに悩んでいるとか…?


装甲巡洋艦…サン・ジョルジョ。1910年生まれ。一隻。

日露戦争の時活躍した「日進」「春日」のもとである装甲巡洋艦「ジュセッペ・ガリバルディ級」の後継。大戦時は浮き砲台として北アフリカにいた。最後はトブルク港でイギリスの手に渡すまいと自沈。

戦前イタリア国民に人気があり、空軍に理解のあった政治家・探検家のイタロ・バルボが乗った飛行機を撃墜したことがあり、ムッソリーニによる暗殺ではないかと疑われた。

鎮守府にはいないが艦娘としては丸っこいお母さん。
装甲が厚く旧式のため脚が遅いが、「あらあらうふふ」と言われながら後ろに立たれると言いようのない恐ろしさを感じるらしい。噂では暗殺者ではないかとも言われている。北アフリカ暮らしが長かったためか褐色で頭にはヴェールをかぶっている。


はぁ…とりあえず巡洋艦までの紹介は以上で…第一次大戦で得た賠償艦もいますが、そこまで書くと収拾がつかないとおもうのでやめておきます…。
しばらくは本編を進めます…駆逐艦と潜水艦はもっと多いのでそのうち… <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2016/12/31(土) 02:45:38.38 ID:yvqRXTxP0<> 提督「はあ、結構読み込んでいると時間がかかるわね…」

ライモン「確かに、もう1500時(午後三時)をまわっていますね…いったん休憩にしませんか?お茶でも飲みましょう」

提督「いいわね。部屋にもティーセットとコーヒーのサイフォンはあったけど、みんなのことも知りたいし、お茶は食堂で飲みましょうか」

ライモン「それがいいと思います。じゃあ、艦名簿はしまっておきます」ライモンは黒地に金文字で書かれた立派な名簿を棚に戻した。

提督「じゃあ、いきましょうか?ライモン」(スッ)

ライモン(わ、提督が手をつないで…しかも指を絡めてきた///ほっそりしていてきれいな指だなぁ…///)

提督「あら、顔が赤いわよ?疲れちゃった?」(まあまあ…うぶで可愛いこと///)

ライモン「いえ、平気です。少し暑いのかもしれません」

提督「そうね、ぽかぽかと暖かいものね。特に今日はとってもいい天気だもの」

ライモン「ええ、そのせいですよ。さあ、つきました」(スルッ)

提督(私と「恋人つなぎ」で入るのは恥ずかしいようね…むしろ見せつければいろいろ変わるでしょうに。まぁ、それはこれからこれから)


昼下がりの大食堂はお茶やおしゃべりに集まっている艦娘たちで意外に盛況で、カウンター奥の厨房からお菓子やお茶が運ばれてくる。

提督「うーん…やっぱりローマより待遇がいい気がする…。三食にお茶の時間つき、秘書艦に豪華な執務室と寝室。温泉付き。やっぱり保養地で執務しているような感じがするわ…」

ライモン「提督みたいな優しい方が、そんな待遇を受けられないほうがおかしいと思いますが。それだけの責任を負っておられるのですし…」

提督「ありがとう、ライモン…っ!」(むにゅっ)

話し込んでいた提督は右舷側のライモンに顔を向けていたせいで、左舷側の見張りがおろそかになり、コーヒーカップを受け取って席に歩いていた戦艦と見事に衝突した。大柄な戦艦は決して小柄ではない提督と衝突しても、ちょうど胸が提督の顔に衝角攻撃を加える位置で、ライトグレーのタートルネックセーターの大きなふくらみで提督の顔を挟み込む体勢になった。

ライモン「提督!?」

戦艦「きゃっ!って、提督!大丈夫ですか?おけがは?」

提督「大丈夫大丈夫、こちらこそぶつかってごめんなさい。あなたは大丈夫だった?」(ぐにゅっ…むにゅっ)←深い谷間に挟まれている

戦艦「ええ、コーヒーを少しこぼしたくらいで…提督におけががなくて幸いでした」

提督「ありがとう。えーと、あなたは…」

デュイリオ「A・ドリア級戦艦二番艦、カイオ・デュイリオです。以後お見知りおきを」

提督「こちらこそ、デュイリオ。大人っぽくて素敵ね、わたしみたいな小娘だけど、頼ってくれればうれしいわ」(急にぶつかって驚いてたけど、私この戦艦のお姉さんに挟まれてる…すごい大きい///もちもちで柔らかいし、着ててこれって…脱いだらきっと///)

デュイリオ「お褒めにあずかり恐縮です。それはそうと、あの…胸に提督の吐息が当たっていて…くすぐったいです///」

提督「ああ、ごめんなさい。今どくわね」(ふーっ)

デュイリオ「まあまあ提督ったら。息を吹きかけるなんて。そういうイタズラをなさると、こうですよ?」(むぎゅうう)

提督「きゃっ…っん///」 <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2016/12/31(土) 17:17:26.18 ID:yvqRXTxP0<> ライモン「あわわ…///」(すごい、デュイリオさんってば積極的…やっぱりド級戦艦はすごいなぁ…)

提督「んむむ…む、むーっ///」(すっごい抱きしめられてる///…窒息しそうだけど暖かくて柔らかい…左手は頭にまわされてるし、右手は腰を支えて…って、ちょっと…どこ撫でてるのよ///)

デュイリオ「うふふ///私にイタズラしたいならもっと大胆でないとだめですよ?」ヒソヒソ

デュイリオ「さ、おしおきはここまでにしておきましょうか。提督もお茶しに来たのでしょう?一緒にどうですか?ライモンド、あなたもどう?」

ライモン「え?あ、はい…。ご一緒させていただきます」

デュイリオ「よかった。…って、あら。こぼしたコーヒーでストッキングが濡れちゃったわ。仕方ないわよ…ね?」(スルッ…ぬぎっ)

提督「ちょ…ちょっと///」(なにこれ…///…片脚ずつ持ち上げて腰をくねらせながら脱ぐなんて…見えちゃいそうで見えない///すっごくみだらな感じ…///…さっきのイタズラくらいでは驚きもしないわけね…)

ライモン「うわわ…」(やっぱりデュイリオさんって大人なんだ…色っぽいなぁ///わたしまで変な気分になってきちゃう…///)

デュイリオ「さあ、お茶にしましょう?私はストッキングを洗濯場にもっていくから、ライモンド、提督をドリア姉さまのところに案内してあげて?提督は厨房の具合もわからないでしょうし、お世話もお願いね?」(パチッ…パチパチッ、パチッ)
(ふふ、偶然とはいえしばらく提督と二人になれるわよ、ドリア姉さま?機会を逃さないようにね?)

ライモン「はい、もちろんです。提督はコーヒーと紅茶、どちらにしましょうか?」
(デュイリオさんがまばたきでモールス信号を送ってきた…「提督ヲ‘ドリア’ト接触サセルベク、尽力サレタシ」ですか。まあ、さっきはわたしがいい目を見ましたから、今度はドリアさんに譲るべきですね…。わたしが準備に時間をかければいいですね?「了解」、っと)パチパチ

提督「お菓子によりけりね。それにコーヒーメーカーがあるならそっちの方が楽でしょう?コーヒーでいいわよ?」

ライモン「そうですか…?お菓子はクッキーですし、せっかくなので紅茶を淹れようかと思ったのですが…」しょんぼり

提督「あら、そう?なら紅茶にしましょう?おいしい紅茶に期待しているわ」

ライモン「はい!」(接敵して主力の到着まで時間をかせぐのは軽巡の十八番です。任せて下さい、デュイリオさん)

よく見ると食堂は昔の別荘だったころのままで、濃いえんじ色とクリーム色の床には丁寧なモザイク画(細かく割ったタイルを並べる絵。古代ローマや地中海のミケーネ文明が有名)が施されている。長テーブルには裾の長い白いテーブルクロスがかけられていて、端の方でアンドレア・ドリアがお菓子を前にコーヒーを待っている。
午後の陽ざしがしなやかな金茶色の髪に照り映えていて、タートルネックの首には対空識別帯を模した紅白の斜線がワンポイントで入っている

提督「お向い、いいかしら?」

ドリア「あら、提督♪向かいですか?もちろんいいですよ。鎮守府めぐりは済みまして?」

提督「まだ半分くらいね、時間ばかりかかっているわ」

ドリア「まあまあ、時間はたくさんありますもの。この辺りは制海権を取っておりますし、急な出撃もまずありませんし」

提督「そういってもらえると何だか安心するわね。ところで、昼のドリアはおいしかったわね?」いたずらっぽい微笑を浮かべてドリアをからかう提督

ドリア「…///おいしかったですか、よかったです///…でも、昼のドリアもおいしいですが、「ドリア」は夜もおいしいですよ///」頬を赤らめて髪をいじりながら、誘うような様子 <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2016/12/31(土) 17:20:29.04 ID:yvqRXTxP0<> 今日の更新はここまでかもしれません、良いお年を

このあとは食卓でドリアといちゃいちゃしますから、お年玉ということで楽しみにしておいてください… <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2016/12/31(土) 17:22:15.63 ID:2wkllItdo<> おつおつ
よいお年を <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2016/12/31(土) 17:58:06.83 ID:OSIFukvfO<> 乙 <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2016/12/31(土) 21:25:24.57 ID:yvqRXTxP0<> 前言撤回…時間ができましたのでちょっとだけ早めに投下します、見たいテレビ番組とかないなぁ、という方はお付き合いください


提督「そうね、今度は夜に「ドリア」を頂きたいわねぇ」

ドリア「ええ、そうしましょう。私、がんばりますね///」

提督「楽しみにしているわ」にこぉ

提督「それはそうと、紅茶がくるまでお菓子でもつまんでいましょうか…ライモンのはこの小皿にとっておいて…って、またなのね…」

ドリア「どうしたのです?焼き菓子はお嫌いですか?」

提督「いえ、お昼のワインもそうだったけれどね、この鎮守府ぜいたくすぎじゃないかしら」提督が指差したのはお菓子を取り分けようと取り上げた小皿で、黄色いふちに果物の柄が入ったしゃれた陶器のものである

ドリア「リチャード・ジノリのお皿ですね、華やかな色と可愛い柄で、私は好きですよ」

提督「かわいいのは分かっているわよ、イタリアを代表するブランドよね。でも普段使いにするお皿ではないでしょうが…」

ドリア「まあまあ。普段からいいものを使っている方が嫌いな食器を無理して使っているよりいいですよ」

提督「もう気にしないことにするわ、無理だろうけど…そこのパイを取ってくれる?」

ドリア「はいどうぞ。まだ温かくておいしいですよ♪」

編んだカゴに入れてある手のひらくらいの小さな丸いパイを一つ二つと、市松模様のクッキーを取ってもらう。

提督「ありがとう、いただくわ…ん、おいしい」表面にツヤのあるさくさくした皮にくるまれていたのは、ひと粒の栗の甘煮とアーモンドのきいたスポンジで、ほのかに温かく、甘い味の中身と皮目のバターの塩味とがまじりあってとてもおいしい。

提督「とてもおいしいわね。どこのお菓子屋さんのかしら?」

ドリア「地元のケーキ屋のおじ様が作っているんですよ。私たちの経費といっても使い余すことの方が多いので、時々買いに行くんです」

提督「ローマやミラノだったらきっと有名になっていたわね、地味な見かけなのに手が込んでいて、とっても丁寧でおいしい。…ではクッキーも」

さくっ…チョコレートの生地とプレーンの生地を市松模様に合わせて作るクッキーは、甘めのマロンパイと違ってほのかな塩味とビターなチョコレートが抑えめなココナッツチップを引き立て、地味ながら何かひきつける後味を残す。

提督「あら、こっちもおいしい。いい職人さんなのね、基本に忠実で律儀な仕事ぶりだわ」

ドリア「そうですね、飾りさえ載せればそこそこおいしく見えてしまうものですから、最近は派手好みな菓子舗が多いのですが、ここは本当に地道で、私のお気に入りです」

提督「そうね。あら、なくなってしまったわ…」

ドリア「まあ、本当ですね。…私ったら、おいしくて三つも食べてしまったのね」

提督「ふふ、食べ過ぎて超ド級戦艦にならないようにね…っ///」

ドリア「あら、どうしました?わたしの身体がどうかしましたか?」ニコニコ

提督「ドリア、あなたってば…///ちょっとからかっただけじゃないの…」(ドリアの脚が…っ、私の脚の間にっ///ちょ…ちょっと、なぞったりしないで///)

ドリア「女性に体重と年齢のことを聞いてはだめですよ?提督?からかうならそれ相応に覚悟してくださらないと、ね?」(あら、顔を赤くして横をむいちゃって♪可愛い、可愛い、かわいいっ///…あぁ、もうこのまま脱がして今すぐいただきたいわ///)

提督「ん…くぅ///…あんっ///」

ドリア「どうなさいました?具合でもわるいのですか?」ニヤニヤ

提督「平気よ、お気遣いありがと…う…っん///」(くっ、でもねドリア、私もやられっぱなしじゃないのよ?やり返してあげるわ…)

ドリア「ふふふ?お行儀の悪いおみ足ですこと、テーブルマナーを教えて差し上げましょう♪」ぐりぐり…

提督「んぁあ…はぁん!ひぅん!…わかった、わかったわ!もう言わないから、ね?」(ドリアが大きいから脚が届かないっ…!私の脚先がドリアの太腿までしか行かないのに、ドリアのつま先はぐりぐりえぐりこんでくる…///)

ドリア「でしたらおわび次第で許してあげます、提督のお返事を聞かせてもらえますか?」ぐりっ…くちゅっ

提督「ご、ごめんなさい…ドリア、私にできることなら何でもしてあげるから、ね?…ん///…ひぁん!」(あっ…ちょっと濡れて…///何人も食堂にいるのに…いけないのに、気持ちいいっ…///)

ドリア「そうですか、「何でも」ですね?それなら充分です。私、今度までその権利はとっておきますから、忘れないで下さいね、提督?」くちゅ…すっ

提督「ええ、忘れないわ///」(つい「何でも」って言っちゃったわ…なにされるのかしら…でも気持ちよかった…///) <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/01/01(日) 20:16:20.14 ID:7kOHsN9Y0<> 明けましておめでとうございます、よかったらおせちと一緒にお付き合いください

※一つ訂正です…A・ドリア級戦艦としてきましたが、資料によってばらつきがあって、進水は後なのですがどうやらデュイリオ級とする方が正しいみたいですね…鎮守府ではデュイリオがドリアを姉扱いしていることにしてあげてください(しかも時々間違えるかもしれません)…

では投下します


……数分後……

ライモン「‘紅茶のシャンパン’というだけあって、ダージリンはいい香りですね…四分たったし、そろそろいい頃合いでしょう」

ライモン「よいしょ。ポットにミルク入れに砂糖つぼ…揃えるとなかなか重いですね、転ばないようにしないと。よかった…提督、仲よさそうにドリアさんとお話しているようですが…何を話しているんでしょう?」

ライモン「あれ…?提督もドリアさんも顔が赤いような…日なただからでしょうか?いや、何だか妙な雰囲気ですね…」

ドリア「あら、ライモンド、持ってきてくれたの?ありがとう」

ライモン「いえいえ、お二人のためになれて嬉しいです。さぁ、どうぞ?」

ドリア「いい香り。ダージリンね?ほら、せっかく淹れてもらったのだし、提督もお飲みになったら?」

提督「はー…はーっ…ふぅ///…そ、そうね。いただくわ///」

ライモン(何…わたしが紅茶を淹れている間に、なんだか危ない雰囲気に…提督ってば顔を火照らせて、色っぽい顔///)

提督(…おいしいけど、味が全然入ってこない…ああ、もう、ライモンが隣にいるのに、いきかけたせいで身体が熱い…)

ドリア「ライモンド。もう一杯注いでもらえる?」(ふふ、提督かわいい…今度はベッドの上で愉しませてもらいましょう♪)

三人はとりとめのない話をしながら紅茶を飲み終え、ライモンがティーセットを厨房に片づけに行った。
戻ってくるとドリアが微笑して言った。

ドリア「ごちそう様。おいしかったわ、ライモンド、提督♪私も堪能したから失礼するわね」

提督「そう、またね///」

ライモン「?…はい、ではまた後で」

上機嫌のドリアが立ち去ると、ライモンは腑に落ちない様子で彼女を見送った。(うーん、やっぱり何かあったような…ただ上機嫌って言うのとも違うし…提督と何かしたのかな…キスとか…)

提督「…ライモン?聞いてるかしら?」

ライモン「あぁ!はい、何でしょうか?」

提督「いえ、施設の案内ついでに少しシャワーでも浴びたいのだけど…この時期に冬服は暖か過ぎるわ」(濡れた下着も替えたいし、汗もかいたから…///)

ライモン「でしたらついでに大浴場へ案内しますよ。さっきも言ったように立派な古代ローマ風の浴場なんですよ」

提督「そう、それはいいわね…ならいったん部屋に戻って着替えを取ってきましょう」

ライモン(提督、身体の前で手を組んで、しとやかな貴婦人みたいで素敵です…唇も艶っぽくて…///)

提督(染みちゃったの隠すにはこうするしかないわよね…ライモンに「手をつないで下さい」とか言われたらどうしよう…お願いだから言わないで…)

ライモン「着きました。わたしはここでお待ちしていますね?」

提督「ええ、着替えてくるから少しまっていて?」…バタン


<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/01/01(日) 20:45:29.83 ID:7kOHsN9Y0<> …ALIQVANTO POST…
   (しばらくして)


途中にある洗濯場の洗濯機に、ドリアのおしおきで「濡れた」服を入れ、二人は「大浴場」と書かれた入口をくぐった。中の脱衣所にはカゴやロッカーが並び、天井には木製の扇風機がゆっくり回っている。

提督「本当に水着とかいらないのね…?」

ライモン「はい、わたしたちが「損傷」した身体をいやす目的もあるので、裸で入るんですよ」

提督「日本ではお風呂は裸だって聞いたけど…実際にやるとなると結構恥ずかしいわね…」

ライモン「かもしれませんね、でもローマ帝国では裸で入ったんですよ?」

提督「ローマ時代のことを言われてもね…」しゅるっ…ぱさっ。ゆるい普段着を脱いでたたみ、黒い下着を重ねる。

ライモン「…///」(制服の時も思ったけど、すごく大きい…黒いレースの下着も似合ってて良いなぁ…わたしがつけると背伸びしすぎにみえるし…って、てっぺんは桃色なんだ…とってもおいしそう///…いけないいけない!あぁ…でもきれいな肌…白くて陶器みたいだけど、日焼けなのかな…少し金色がかってる…)

提督「着替えないの?見られるの恥ずかしいなら先に入っているわよ?」

ライモン「いえ!そういうわけでは…別にみられて恥ずかしいほどの身体ではありませんし…」

提督「そう言うこと言わないの、せっかく自由にできる自分の身体じゃない」

ライモン「そ、そうですね…///」(提督…上半身傾けて叱らないで下さい…!ち、近いですから///…胸が誘ってるみたいで、理性飛びそう…///)

提督「わかったならいいわ。さ、着替えて入りましょう?」

ライモン「は、はい…」



<> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/01/01(日) 21:36:01.22 ID:aj+d6QCQo<> 乙
レズ提督が艦娘を食べる話かと思ったらしょっぱなから食べられてるな <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/01/02(月) 01:23:55.68 ID:NfBUmc+/0<> 確かになんか食べられてばかりですが…やるときはやるので安心してください。
食べられるのが見たい方も食べ散らかすのが見たい方も安心の提督クオリティですので(たぶん…)

まずは提督がお風呂で少しいちゃついて、寝て…それからやる予定のネタをとりあえず(お題だけでも)投下しておきます

………

ライモン「それにしても、工兵の方がこの温泉を見つけてくれたのは良かったです。なんでも測量中に発見したんだとか…」するっ…しゅるっ

提督「そうね、回復効果があるというのはありがたいわね。もっとも、大破してまで戦わせるなんて、そんな無理はさせないつもりよ?被害を受けたら戻すようにするわ」

ライモン「優しいんですね。でも、先の大戦でイタリアが負けてしまったのは、肝心なところで戦艦の損失を恐れたためだと聞きました…大事にしてくれるのは嬉しいですが、負けてしまってはそれも意味がありません…ドリアさんたちやカブールさんたちも「もっと戦えていればイギリスにも負けなかったろう」と悔やんでいるようでした」

提督「うーん…そうねぇ…確かに当時のイタリア艦隊が「好天艦隊」とイギリスに皮肉られたのも事実よ。…ただ、ライモンも知っているでしょうが、イタリアには国力がなかったの。同盟国だった日本と同等くらいね。
日本はその中でもアメリカを敵として見ていたから、無理なほど兵力拡張をしたけど、私たちイタリア海軍の仮想敵はフランスだったから、イギリス地中海艦隊を相手にするなんて考えてもいなかったのよ」

ライモン「それはわかります。でもどうして当時の提督たちはあんなに及び腰の戦闘をしていたんでしょう…わたしたちや駆逐艦の娘たち、MAS(マス。「モトスカーフィ・アンティ・ソマージビリ」‘機動駆潜艇’の略。戦中に大活躍したイタリア魚雷艇のこと)の娘たちだってもっと援護があれば…」


提督「それはね…イタリアは貧乏で、第一次大戦型の改装戦艦四隻に新戦艦四隻を計画するのでやっとだったから、戦艦を大事に残しておいて、「いつでも出撃して戦えるぞ」って、アピールできなければならなかったの。
実際、ドイツの「ティルピッツ」がノルウェーのフィヨルドで居座っていただけで、イギリスはあんなに大騒ぎしていたでしょう?
それが、生きている戦艦にはそれだけで抑止力がある「フリート・イン・ビーイング」の考えかたで、その考えに取りつかれると、必要な時さえ戦艦の出し惜しみをするようになるわ…。あとは、ドゥーチェ(ムッソリーニ)が海軍に無理解だったせいと…もちろん当時の提督たちが無能だったこともあるでしょう」

ライモン「なるほど…改めて考えてみると、わたしたちはずいぶん無理な戦いを挑んだんですね…」

提督「そうね…まぁ、こんな真面目な話、裸で話すものじゃないわね。さっきからそのかわいらしい胸が揺れていて、話に集中できないわ」(きれいなピンクね…///)

ライモン「…///そういうことは早く言ってください!」

提督「ごめんなさい。真面目に聞かれるとつい真剣に答えてしまいたくなるの。さ、お風呂に行きましょう?タオルは持って入ってもいいのよね?」

ライモン「はい、身体を洗うタオルを。さあ、どうぞ満喫してくださいね」…がらがらっ


かぽーん……

提督「わぁぁ…大きい…やっぱりぜいたく施設だけ充実しすぎているような…査察とか来たら返事に困るわ…」

浴場はローマの公衆浴場のようでもあり、皇帝の浴場のようでもある。周囲には湯気に煙るヤシの木が数本生えていて、北アフリカのようなエキゾチックさをかもしだしている。滝を模した岩に彫られた樋から緑色がかったお湯が湯気をたてて、円形のプールのような大きな浴槽に流れ込んでいる。
分岐したお湯の注ぎ口は分岐していて、大浴場の他にもあずまや風の小部屋や数個の小さい浴槽にお湯が流れている。
奥の壁面には青空と松の木、ヴェスヴィアス(ベスビオ火山)が描かれている。


ライモン「ええ、わたしもびっくりしたんですよ。工兵隊の方と打ち合わせたときは普通の四角い湯船一つの予定だったんですから…ところが変なローマ人みたいな技師だか、建築家だかわからない人が工兵隊の測量中に源泉から飛び出してきて、掘削道具とか測量道具に異様な関心を示したかと思うとデザインを書き残して行って、そのままお湯に浸かったかと思うとどこかに消えてしまったんだとか…でもアイデア自体は良かったので、気に入った指揮官の大尉さんがやってくれたんです」


提督「ふーん。そうなの?でも、その人って地元の変わった人とかじゃないのかしら?時々いるでしょう?」

ライモン「さあ、何でも、「ルシウス」って名前だけは聞き取れたそうですが、あまりに変な状況で、誰もまともに質問しようとさえ思わなかったみたいですね…浴場自体は素晴らしいので文句はありませんが」

提督「そうねぇ…変な話ね…まあ入るとしましょうか。先に軽く流した方がいいわよね…」…ざ、ざあっ…ちゃぷっ…

提督「あぁー、身体に心地よく染みるわねぇ…歩き回ったからなおさら」

ライモン「普通の沸かしたお湯と違って肌に当たる感じが柔らかで気持ちいいですよね…ふぅ」




<> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/01/02(月) 01:29:04.05 ID:6Y/kKntto<> 可愛いこ揃いで、いいですね
期待です
地中海の深海棲艦も可愛いのかな…… <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/01/02(月) 01:33:16.30 ID:klQ6SbFyo<> 阿○寛さんなにやってんすかw <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/01/02(月) 02:31:56.83 ID:NfBUmc+/0<> 書き間違えました「お湯の注ぎ口は分岐していて…」ですね。訂正します…


提督「洗い場のカランもすごい数があるわね…」

ライモン「髪の長い方も多いですし、多めになっているんです」…しゃーっ

提督「シャンプーは…やっぱり高級品ね…見なかったことにするわ…」わしゃわしゃ…

ざぁーっ…

提督「ふう…頭がさっぱりしたわ、オートストラダ(高速道路)の排気ガスとか髪に付いていたんじゃないかしら…ライモン、洗ってあげましょうか?」頭にくるりとタオルを巻く

ライモン「そんな、提督にですか…?わたしのような軽巡にはもったいないですよ」

提督「いろいろ教えてくれたお礼よ?あなたの準備がよかった分、私は楽できそうだもの。遠慮なんてしないでほしいわ?」

ライモン「…そう言ってくださるのなら、お願いします」

提督「はいはい♪じゃあ石けん泡立てるわ…百合とバニラのいい香り…」もこもこ…さわっ♪

ライモン「ひゃあっ!?提督、なんで身体を洗うのに手なんですか!?」

提督「いえ、タオル頭に巻いちゃったもの。あなたのも巻いてあるでしょう?だから手で洗うしかないわけ」(ライモン、肩からすべすべ…もっと柔らかいところだったら…うふふ///)

ライモン「なら、わたし外しますから!恥ずかしいじゃありませんか…こんないきなり///」(提督の指、細くてしなやか…たまっていた疲れがほぐされていくみたい…こんなの、抵抗できなくなっちゃう…)

提督「まあまあ。本当に嫌なら止めるけど…でもせっかくの機会よ?きっと頑張っていたあなたへの、神様からのごほうびじゃないかしら?」

ライモン「提督…///」キュン

提督「じゃあ続けるわね?腕を伸ばして?」すっ、すっ…もにゅ

ライモン(背中に…背中に提督の胸が///先端の感触が背中に当たって…///)

提督(真っ赤になってる、では、お待ちかねの…♪)

提督「汗がたまるし、ここもしっかり洗いましょうね♪」…むにゅ、もみっ

ライモン「え…?ちょ、ひゃあぁぁ!」…するっ、どしーん!

ライモン「いったぁ…提督ってば、それじゃ悪ふざけです…よ?」むにっ、ぐにゅっ…

提督「まぁまぁまぁ…♪積極攻撃にでるのはイタリア軽巡の美点よねぇ♪…いいのよ?ほぉら、もっと揉んでみる?」ぐいっ!

ライモン「いや、あのっ!そういうつもりでは…決して!きゃあっ!」

提督「…ライモン、そんな悲しいこと言わないで?私だって、提督以前に一人の女性よ?水も滴るような美少女に求められればうれしいのよ?」
(いいわね、こういうの!押し倒してきたライモンのうるんだ瞳が、しっとり艶めいた唇が、形のいい乳房が零距離にあって♪長い脚も絡めてくれてるし…このまま交戦、なんて♪)

ライモン「あっ…いえ…その、提督は…そういうの、平気なんですか…?女性どうし、とか…」

提督「もちろん♪…だって女の子っていいじゃない?髪はさらさらで、唇はぷるぷるでみずみずしいし、胸はもっちり柔らかくて指が吸い込まれるし、ふとももとかすべすべで、ヒップラインも丸くって、撫でると吸いつくようだし、喘ぎ声もかわいいし…♪」

ライモン「な、なるほど…でも…おかげで安心しました。わたしが変なのかなって、思っていましたから…他の娘たちにさわられたり、ふざけ合っている時に、変な気分になっているのはわたしだけなのかな…って。そうじゃないんですね」

提督「もちろん、ちっとも変じゃないわ。むしろ女の子として当たり前のことよ?…ライモン、あなた、さっきはドリアと二人きりにしてくれたでしょう?熱っぽい視線でこっちを見てるのに、機会をゆずってあげるなんて奥ゆかしい娘だと思ったわ。でも、たまには積極的になっていいのよ?さぁ、来て?」

ライモン「提督…提督っ!」ちゅっ…んちゅ…っ…ちゅるっ…

提督「ライモン…私の可愛い妹…」ちゅるぅぅ…くちゅうっ…じゅるっ…

………

提督「とってもよかったわ♪…しなやかで、なんだか「軽巡らしさ」って感じがしたもの♪それにずいぶん積極的だったわね?どこかおずおずしてたのが嘘みたい…またしましょうね?」ちゅっ

ライモン「ええ、また…したいです///…なんだか提督に抱きしめられたら、理性の糸がぷっつりと切れた感じがして…柔らかくて熱くって、とっても素敵でした///」

提督「ふふ、うれしい感想ね。じゃあ、着替えたらいきましょう?そろそろ夕食の時間よ?運動のおかげでおなかが空いたわ♪」

ライモン「はい、提督♪」 <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/01/02(月) 02:35:03.06 ID:NfBUmc+/0<> はぁぁ…文字通り濡れ場でしたね…たぶん深海側でも可愛ければ食べに行く提督です、えり好みなんてしません

では今日はこの辺で…また明日にでも書きます <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/01/02(月) 09:42:51.49 ID:rOpXeWTYO<> 良いぞ <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/01/03(火) 00:28:21.22 ID:orFWxoQz0<> 映画は見てないので原作のイメージでした…他にも思いついたらちょくちょく小ネタは入れていきます。それと、ほめて下さる皆様、グラーチェ!ありがとうございます。こちらもほめてもらえるとやる気がでます

資料や史実の方は長くなりがちで読むのがおっくうかもしれませんが、興味を持てるようちゃんと艦娘の方にも小ネタを反映させるようにしてます…もちろん面倒だったら読み飛ばしてくれてもかまいませんよ?


では参りましょう


…食堂…

日も傾いてきたころで、食堂の灯りはともり、多くの艦娘が席についている。まだ湯のぬくもりを残している提督とライモンは、お互いに甘い時間を過ごした者どうし、はにかんだような笑みを浮かべて手をつなぎ、食堂の入り口をくぐった。
入り口ではドリアがにこやかに笑みを浮かべ提督を待っていた。

ドリア「お待ちしていましたよ、提督?さっそくですが夕食は提督のおっしゃるとおり、席次を決めず、自由に座ることにしました。よかったらご一緒にいかがですか?」

提督「そう言ってもらえてうれしい。ありがとう、ドリア。もうイタズラはしないからお手柔らかにね?」

ドリア「うふふっ♪…ではどうぞ私たちの席へ。ライモンド、戦艦ばかりで構わなければ、あなたもご一緒する?」

ライモン「ありがとうございます。では提督の右舷側にいいですか?」(ドリアさん、お茶の時にやっぱりなにか仕掛けたのね…でも、わたしが鎮守府で一番最初ですよ?提督にすっかりやられちゃいました…♪)

ドリア「いいわよ?なんだか雰囲気が変わったわね?」(しどけない顔というか…とろけたような甘い表情が出てるわね……数日以内にうまく口説いて一戦交えるつもりでいたのに、少し出遅れたかしら…?…まぁ、軽巡だけあって脚は早いということね。でも、破壊力はこちらが上よ?…すぐ提督のこと、めちゃくちゃにして燃え上がらせてあげるから♪)

提督「さぁ、二人とも立ってないで座りましょう?」(ドリア、ほんの少し香水の香りがする…下品にならない程度に首筋につけて、ほのかに香らせるなんて…なかなか上手ね…初々しいライモンとはまた違う、すべてをゆだねられる良さがあるわ///)


提督が席に座ると、戦艦の中から一人が立ち上がった。そのまま部屋の片側にある演説台に向かうと、マイクを取り上げた。

戦艦「えー、コホン…食事の前に、まずは本日着任された提督に改めて歓迎の意を表したいと思う」

演説台に立つ戦艦はきりりとした武人のような表情で、リボンで一本にまとめた長い赤茶色の髪は艶やかだが、ローマの街の屋根の色に似ている。その髪型は機能性重視で、帆船時代の海軍軍人に見えなくもない。
格好は白いブラウスに、当時の軍艦をほうふつとさせる淡い灰色のシックな上着、膝丈で淡い灰色のプリーツスカート。
肩には金のエポレット(肩章)がきらめいている。
足元の黒いストッキングに軍人風の革のハイブーツはミラノあたりのおしゃれなレディたちのようで大人っぽい。
しめている青いネクタイに小さい金の星が斜めに三つ入っているのは、戦前の「艦隊司令長官旗」を意味し、鎮守府での旗艦の意味があるのは提督も知っている。

そこまでは戦艦としてわかるが、彼女が妙なのは紅いマントを羽織っていることで、話し方もずいぶんと古風で朗々とした演説調である。

提督「ドリア、彼女は?」ヒソヒソ

ドリア「カブール級二番艦、ジュリオ・チェザーレですよ。艦隊で一、二を争う実力者です」ヒソヒソ

提督「あぁ…道理で」

チェザーレ「改めて、チェザーレを始めこの鎮守府の諸君、提督に歓迎の意を表しようではないか」提督に対し、身体の前で手のひらを向けるローマ風敬礼

わぁー!ぱちぱちぱち!(大きな歓声と拍手)

提督「ありがとう、チェザーレ、それと、艦隊のみんな。昼もいったけれど、私はここに着任することができて、本当にうれしく思っています。改めて、よろしくお願いしますね」

わぁぁー!!(大歓声)

チェザーレ「提督、どうぞおかけになってくれ。そして、諸君。もう一つ大事な話がある」ザワザワ…

チェザーレ「提督をお迎えした最初の夕食に、我々としても歓迎に値するものをお出しするべきと諸君も考えたはずだ。…そして嬉しいことに、今日の夕食には初物のアスパラガスを提供することができる!」

わぁぁぁ!!!!(割れんばかりの大歓声)
※イタリアの一部では初鰹のように初物のアスパラガスを珍重し、お祭りまで開く風習があるそうなので、小ネタとして採用しました。

チェザーレ「提督もぜひ、チェザーレ以下艦娘たちからの歓迎を受けてほしい、以上である!」

脚付きのガラスの器に盛った新鮮なアスパラガスが運ばれてくる。ほどよく冷やしてあるのか器には露がおりている
銀のドレッシンングいれにはシーザードレッシングらしい白いソースが入っていて、横に置かれた。

<> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/01/03(火) 00:48:50.24 ID:LprcYjTFo<> 飯の描写が旨そうで腹が減る <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/01/03(火) 01:43:20.11 ID:orFWxoQz0<> 食事前にちょっと解説を…

解説

チェザーレの話し方…鎮守府のチェザーレが自分のことをいちいち「チェザーレは〜」と話すのは、ユリウス・カエサル(ジュリオ・チェザーレ)の書いた遠征報告「ガリア戦記」で彼が自分のことを第三者視点で「カエサルは〜」と書いていたことによるもの。
教養がある分、時おりラテン語で話しそうになり、いちいち気を付けなければいけないのでイタリア語のもとを作った「ダンテ・アリギエーリ」をうらめしく思っている。


ド級戦艦…イタリア海軍の造船大佐クニベルティが発表した「主砲を一種類の大口径砲でまとめた戦艦」についての論文と、日露戦争で中・小口径の砲が戦艦の装甲を貫通できなかったことから、イギリスがクニベルティの論文に目をつけて建造した新戦艦。
この「ドレッドノート級」が世界最初であることからド級(弩級)と言われる。
日露戦争後(1905年)から第一次大戦前後(1914〜18年)まで流行し、一気に旧型の戦艦が時代遅れになった。超ド級というのは「すごいド級」のことではなく「ドレッドノートの時代のド級を超えるド級戦艦」(より強力なド級戦艦)の意味。その後対空戦や、やはり速射できる副砲も必要であることから徐々にすたれていった。


では、本編を

………

ドリア「あら、アスパラガスはお嫌いですか?」

提督「いえ、嫌いというほど嫌いではないけれど…どうも青い味が好きになれないというか…実家では「なら他の野菜を食べればいいわ」って言われてきたから…」

デュイリオ「ならドレッシングを付けて召し上がったら?どうぞ?」

提督「ありがとう、デュイリオ」しゃくしゃく…

デュイリオ「で、どうですか?」

提督「新鮮でおいしいわよ…おいしいけど、やっぱり苦手というか…」

チェザーレ「ふうむ。それは済まないことをしたな…チェザーレは喜ぶかと思って用意したのだが…実際、物欲しそうにしている者たちもいるぞ?」

提督「ごめんなさい…せっかく用意してくれたのに」

チェザーレ「チェザーレは構わんよ、提督。しかし、苦手があると困ることもあろう。チェザーレは髪用のオイルでドレッシングを出されても文句は言わんし、どうしても文句があるなら食べないが」
(カエサルはうっかりな料理人が間違えて髪用オリーブ油で作ったドレッシング(当時はどっちも天然なので、香料など以外は同じようなものだったらしい)にも文句を言わなかったという。部下が食べながら文句をいうと「食べるなら文句はいうな。文句をいうなら食べるな」と言ったとか)

提督「そうね…せっかくだものね」もそもそ…

チェザーレ「なら好きなものを考えてみたらどうだろうか?アスパラガスではなくブロッコリーのつもりで食べるとかな」

提督「なるほどね…ドレッシングを付けて…うん、おいしいわ///」

チェザーレ「ふむ…。チェザーレが言ったのだが、そんな子供だましのようなやり方で平気だったか…?」

提督「ええ、シーザードレッシングの白いのを、可愛い女の子の母乳だと思ってかけたらおいしくいただけたわ///」

デュイリオ「げほっ!ごほっ!」ワインにむせる

ドリア「まぁ///…私は出ませんよ?」

ライモン「て、提督…///」

カブール「そう、よかったですね」(なるほど…ドリア姉さんの見立ては正しいですね。これは興味深い♪)

チェザーレ「ふぅむ。チェザーレも女性は嫌いではないから、それはわからんでもないぞ。極東のことわざにも「英雄、色を好む」というそうだからな」

提督「なら私はどうかしら?あなたは抱きたいと思う?」首をかしげてチェザーレにささやく提督

チェザーレ「ふむ…悪くないと思うぞ?スタイルもいいし、顔立ちも優しげで実にいい。匂い立つような色気は女どうしとはいえそそるものがあるぞ…提督が望むならまぐわってもいいと思うほどだ…」あごに指をあてて、そっと頬まで撫で上げる。

提督「うれしいわ、かのチェザーレのおめがねにかなうなんて///」頬を赤らめる

ライモン「提督?」じとーっ…

提督「ああ、いえ。ちょっとした言葉のあやよ?ライモン?」

ライモン「そうですか。まあ、気持ちはわかりますが、いきなりされるとそういう方なのかと思ってしまいますよ?」

チェザーレ「と、新妻がそう言っているぞ。チェザーレとの交戦はまた今度にしようではないか。…ライモンド、提督はどうやら色を好まれる方のようだが、貴様をないがしろにしているつもりはないはずだ。安心するといい。少しばかり「恋多き女」というだけであろう」

ライモン「はぁ、誘惑は多そうですね…ひとりじめさせろとは言いませんが…」

提督「ごめんなさい、ライモン。私、甘えるのも甘えられるのも好きなの。でも鎮守府のみんなに理解があるようでうれしいわ」

ライモン「色恋沙汰のタネが増えそうです…」

チェザーレ「ふふふっ。なかなか楽しみな提督だ。このチェザーレを、公私ともに役立ててもらいたい」

提督「ええ、よろしくね♪」
<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/01/03(火) 02:00:48.74 ID:orFWxoQz0<> 食事風景をしっかり書くつもりもあるので、飯テロ(提督や艦娘を考えるとむしろ飯エロ?)はあるかと…

とりあえずある程度話が出来ているものから、ぼんやりと書きたいと思っているものまでネタを上げておきます、期待してもらえれば嬉しいです。

書けるかはともかく希望もあれば聞きますから、よかったら書き込んでください。
ただ残虐なのとかシリアス過ぎるのは検閲にかけられて削除されます。深夜にカラビニエーリが玄関をノックするかもしれませんよ…


とりあえず

ポーラのおねだり(強)
ドリアのごちそう(夜のドリア)(中)
普段の食事風景(弱)
提督の百合遍歴(過去編というか各国提督との小ネタを…中)
フランス提督の来訪(強)
甘えるエウジェニオ(強〜中)
ライモンとおでかけ(中)
駆逐艦・潜水艦・補助艦艇紹介(弱)←これは駆逐艦などを出す都合上避けては通れないので早めにやる予定です
浴場の個室にて…(強)
寝る時は…?(中〜弱)
ごほうびいろいろ(強〜弱)

とタイトルだけは期待できるはず…ちなみに(強)とか(弱)は百合度です。(強)はかなりやってくれます(※個人の感想です)
<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/01/03(火) 02:15:33.75 ID:orFWxoQz0<> 追加の解説をしばし…

大浴場…遺跡に残っていた源泉を引き、工兵隊が普通に作る予定だった浴場。正体不明のローマ人「ルシウス」なるものによってぜいたくなローマ風の設計がされた。世界一と言われるイタリア軍工兵隊も触発されて建築魂に火がついたのか、これを見事に作り上げた。
艦娘の回復、修理効果のあるお湯らしい


提督…早くもライモンと一戦交え、百合属性を隠す気がさらさらない「恋多き」提督。
長い髪に優しげな顔は一見しとやかそうだが、かなりの色好み。据え膳はもちろんいただくが、据えてない膳は持ってきて据えるタイプ。
甘えるのも甘えられるのも好き。艦隊指揮、海軍史、料理、「イタリア人の色男でも言えないような」甘い口説き文句、となんでもこなせる万能人だが、運動は多少苦手らしい。
むっちりした戦艦体型が好みだが、求められれば駆逐艦から潜水艦まで選り好みしない
<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/01/03(火) 02:36:37.48 ID:orFWxoQz0<> これから提督が就寝します(やっと…)、まだ艦娘たちの夜襲はないので普通に過ごします

………

ライモン「今日は着任したばかりでお疲れかと思います、お邪魔はしませんのでごゆっくりお休みください」

提督「あら、お邪魔してくれてもいいのよ?寝起きのコーヒーを一緒に頂くとか…」

ライモン「いえ、それはっ///…そういうのは準備がありますから、まだ待ってください」

提督「わかったわ。ではお休み」

ライモン「おやすみなさい」

……………

提督「初日からいろいろあったわね…少なくとも、たいていの娘は抵抗がない、と…楽しみね♪…歯もみがいたし、着替えて寝ましょうか」しゅるっ…

提督「えーと、寝間着の衣装箱は…」がさごそ…

提督「あぁ、あった。そういえば、気に入ってるとはいえ、結構こればっかり着ているわね。そのうち新しいの買いに行こうかしら」

提督は制服を寝室のクローゼットにかけると、ふかふかのベッドの上で着替えた。薄い桃色のネグリジェはほとんど透けていて、前のひもをとめると肝心な所だけレースの花柄が重なって、かろうじて見えないようにしてある。

提督「ふわぁぁ…。寝る前にもう少し整理しておくつもりだったけど、もう眠いし、明日にしましょう」ぽふっ…

卓上スタンドを消して、天蓋付きのダブルベッドにもぐり込む。そんなつもりはなかったが、意外に疲れていたのか、提督はあっという間に眠りにひきずりこまれていった…



…今日は以上で、次回からさっきのネタを消化していきます…

<> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/01/03(火) 03:15:57.39 ID:FdZ+mfISo<> 期待なのだわ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/01/03(火) 07:14:16.94 ID:t52KnvSD0<> 期待かしら〜 <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/01/04(水) 00:38:23.45 ID:UI6kRSm70<> 期待してくださってグラーチェ(ありがとう)です。よかったら付き合って下さい…


とりあえずポーラのおねだり編から投下します…オリジナル設定なので「ポーラはこんな娘じゃない!」という方がいたらゴメンなさい…艦これ未プレイなもので…


着任数日後…朝の執務室

提督「…雑務にかまけて駆逐艦や潜水艦の娘たちのリストまだ見てなかったけれど、そろそろ覚え始めてあげないと…ね、ライモン?」

ライモン「そうですね…しかし何しろ大所帯ですから…おいおい覚えていきましょう」

提督「そうねぇ…なにしろ開戦前は世界一の潜水艦大国だったものね」

ライモン「確か百隻以上ですか?当初のドイツUボートが57隻だったことを考えるとすごいですね」
(Uボート。ウンター・ゼー(水面下)・ボートの略。通商破壊に猛威を振るった)

提督「戦艦を出し惜しみする分、大物殺しが出来る小型艦艇の整備には熱心だったものね…」


ジリリンッ…ジリリリンッ!なごやかな会話を邪魔するように、古めかしい内線電話が鳴り出し、提督は受話器を取り上げた。

提督「はい、司令室」

カブール「こちら作戦室。イオニア海管区司令部より入電あり。出撃要請です」

提督「了解。詳しくはそっちで聞くわ、すぐ行く。カブール、艦隊を警戒態勢に移行。…ライモン、行きましょう」

ライモン「はい!」

………

作戦室…

提督「なるほど…」

カブール「内容は何でした?敵艦隊とか…?」

提督「いいえ、「ギリシャ沖にて航行中の漁船より通報。船員が深海棲艦らしき姿を視認したとのこと。詳細は不明ながら軽巡C級一、駆逐ハント級三隻程度で構成された水雷戦隊と推測される。タラント第六鎮守府は適切な艦隊をもって出撃し、これを捜索、迎撃せよ」だそうよ」

カブール「偵察艦隊程度ですね…こちらも水雷戦隊一隊で充分でしょう」

提督「本来ならそうね…でも、民間船の通報だから見間違えもあるでしょうし、第二隊が控えている可能性もあるわ…。ギリシャ海軍のレーダーと艦娘たちがあてにならないのは分かっているから、多少大き目の戦力を出撃させましょう」

ライモン「戦艦の皆さんにお願いしますか?」

提督「戦艦…は言い過ぎでしょうから、重巡二隻に軽巡四隻の編成で行くわ。…ある程度水雷戦も意識しているから、軽巡は外せないわね」

カブール「了解。でしたら編成をお願いします」

提督「ええ。…ここで出す初めての出撃命令ね、少し緊張しているわ」

カブール「それではいけませんね。では、私から緊張をほぐすおまじないです♪」ちゅぅぅ…っ、んちゅっ♪

提督「んっ…ぷはぁ///…舌、舌が…っ。…緊張はなくなったけど、かわりに胸がドキドキしてるわ…でも、ありがとう///」

ライモン「…提督、編成してください」じとーっ…


出撃は六隻までの戦隊を最大四つ(24隻)まで出撃できることにしています。それだとバランスよく豪華な艦隊が編成できますので…
今回は哨戒と小艦隊との交戦ですので一個戦隊のみ出撃ですが…


ライモン「では、提督。誰を編成に加えますか?」

提督「そうね、重巡は…ポーラ、フィウメ。旗艦はポーラ。軽巡は、ジュッサーノ級の四隻で揃えるわ」

カブール「了解。では、行きましょう」

食堂…

提督「第一戦隊、編成は重巡ポーラ。フィウメ。軽巡、アルベリコ・ダ・バルビアーノ。アルベルト・ディ・ジュッサーノ。バルトロメオ・コレオーニ。ジョバンニ・デッレ・バンデ・ネーレ。以上。旗艦ポーラ。敵は小艦隊という情報ですが、第二艦隊の出撃、情報の間違いもあり得ます、よく注意すること!」

第一戦隊「了解!」

提督「では、出撃準備にかかれ」


<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/01/04(水) 01:18:59.64 ID:UI6kRSm70<> ポーラの口調って、「こ〜んな感じでぇ〜、伸ばせばいいんですよねぇ〜?間違ってたらぁ〜、ごめんなさぁい、えへへぇ〜♪」

※深海側の艦は戦中に敵だったイギリス艦に似ているという設定で、級名もそれに近いものをつけているということで…つまりその国の艦娘にとっての敵艦に似るらしいということにしておきます…


…鎮守府、埠頭…

提督「今回の出撃は、ここにおける私の最初の出撃です。戦果も重要だけど、全員必ず戻ってくるように!…待っているから」

ポーラ「はぁーい、ポーラに任せてくださいねぇ」

提督(おっとりした雰囲気だけど…実力は相当だってライモンたちからも聞いているし、期待できそうね)

提督「それと、一番頑張った娘には、何でも好きなごほうびをあげるわ♪…もちろん撃沈も大事だけど、仲間を助けたり、上手な回避だって対象になるから、決して火力だけでは決まらないわよ?」ウィンク

ざわっ…!ざわざわ…ひそひそ…


提督「では、出撃、お願いね!」

ポーラ「りょ〜うか〜い、第一巡洋艦戦隊、抜錨ぉ〜」

………

…海上…

ポーラ「Ro43水偵、お願いねぇ〜」グォォォン…

フィウメ「さっきから水偵を飛ばしているけど、まるで見当たらないわね…本当にいるのかしら?」

トトン・ツー・トトト・ツー・ツー…

コレオーニ「…!ポーラ、当たりだ!ボクの水偵が捉えたよ!入電中!「敵艦視認!軽巡一、駆逐四!」位置は…ここから近い!」

ポーラ「了解ぁ〜い。では、回頭ぉ〜、最大戦速ぅ〜!」


……鎮守府、作戦室……

カブール「第一戦隊、接敵、交戦中とのこと!敵、軽巡一、駆逐四!」

提督「一隻の違い程度で済んでよかったわ。ただ、まだ安心はできないけれど…どう?」

カブール「現在ポーラより入電中…ポーラ、砲撃により軽巡一、撃沈!ジュッサーノ、雷撃により駆逐艦一を大破、敵航行不能!」

ライモン「わぁ、すごいですね」

提督「いい調子だけど……お願い、油断しちゃだめよ…」…小声で祈る

カブール「さらに入電、ポーラ、駆逐艦一、撃沈!バルビアーノ、砲撃を受けるも被害軽微、反撃により敵駆逐艦、中破」

ライモン「…提督、大丈夫ですよ」ぎゅっ…(後ろから抱きしめる)

提督「ありがとう、確かにね。私が一番信頼してあげなくてはいけないもの…」

カブール「バンデ・ネーレの砲撃により中破の敵駆逐艦、撃沈!…フィウメ、コレオーニ、共同にて敵駆逐艦、撃沈!バルビアーノ、大破の敵艦、撃沈!…やりましたね、敵全滅です!我が方、バルビアーノに微弱な損害、後は無傷です。……提督、良かったですね」

提督「ええ、本当に。さぁ、後は無事に帰って来るだけね」

ライモン「ここまで帰還するのに一時間はかかります、到着は午後になってからですね」

提督「そうね、気をつけて帰ってきて…ね」

………
<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/01/04(水) 02:12:47.44 ID:UI6kRSm70<> ジュッサーノ級は中性的な顔立ちで、髪は肩くらいで軽いボブヘアーみたいな感じの艦娘ということで想像してもらえれば…


……鎮守府、埠頭……

ポーラ「第一巡洋艦戦隊、無事帰還しましたぁ〜」

提督「ご苦労様、よくやってくれたわ。バルビアーノ、損傷は大丈夫?」

バルビアーノ「平気です。ちょっと駆逐艦の砲撃がかすめただけなので、心配かけてごめんなさい」

提督「そんなのはいいの、あなたが無事でよかったわ…!」ぎゅっ…

バルビアーノ「うわわっ…そんな大げさです」

提督「いいえ、わたしのバルビアーノはあなたしかいないのよ?替えがきくものじゃないの」

バルビアーノ「///…そういってもらえると何だかうれしいです。あの時は敵艦から逃げ切れなくて、なすすべもなく沈んでしまったから…」

提督「つらかったわね…でも、今は違うわ。私がそんな無謀なことには使わせないから。さぁ、大浴場で損傷をいやしてきて?」

バルビアーノ「うん。…ありがとう…私の提督///」


…しばらくして、執務室…

提督「報告は以上ね。さっき言ったけど、やっぱり今日の一番はポーラね。さ、何でも欲しいものを言って?…あ、宝石とかあんまり高いものは買えないからダメよ?」

ポーラ「そうですねぇ〜、それならぁ〜、ポーラ、ワインが欲しい!」

提督「いいわね、ワインならあるし、あなたの目利きのおかげでいいのがいっぱいあるものね。好きなの飲んでいいわよ?」

ポーラ「うれしいっ♪…でもぉ、一人で飲むのは面白くないからぁ〜、提督も付き合ってぇ?」

提督「そうね、出撃も無事こなしたし、バルビアーノの損傷ももう治ったから、祝杯をかねていただきましょうか♪」

ポーラ「はぁ〜い♪では〜、ポーラぁ、準備しますねぇ〜」


……夕食後、寝室の丸テーブル……

ポーラ「じゃ〜ん♪バルバレスコのぉ〜、一番おいしいの!えへへぇ♪さぁ〜、提督もぉ〜、お付き合いして下さいねぇ〜」きゅぽっ!…とくとくとくっ…

数本置かれたワインからまずポーラが開けたのは北部の有名ワイン「バルバレスコ」。年号も豊作のもので、提督といえどもちょくちょく飲むというわけにはいかないぜいたくな一本。
上手に栓を抜くと、丸みを帯びた口の広いワイングラスに、少しづつ常温に近い赤ワインがそそがれる。お供に並ぶのは楕円の皿に乗った濃い味のチーズいくらかと、多少甘味の強いチョコレート。

提督「あら、確かにいい香り。濃密で芳醇な香りはさすが「バローロ」の対になるだけのことがあるわね…。じゃあ、「カサブランカ」じゃないけど、「君の瞳に乾杯」なんて♪」
(※「カサブランカ」有名な恋愛映画。粋な名台詞と戦中のフランス領カサブランカでの人間模様を描いた傑作)

ポーラ「提督ったら〜、お上手ぅ〜。かんぱぁ〜い」…コンッ♪…くうーっ

ポーラ「う〜ん、おいし〜いっ♪濃くってぇ〜、持ってきたチョコレートにもぉ、ぴったりぃ〜♪もう一杯いただきまぁ〜す」

提督「ふふっ、確かによく合うわね。樫やクルミの香ばしい風味がチョコレートを引き立てるわ」

ポーラ「さすが提督ぅ〜♪よくわかっててぇ、ポーラ、うれしいっ!」

提督「ポーラ、もう酔ってるの?」

ポーラ「ぜ〜んぜん?ポーラはぁ、いつもこんななのぉ〜」

提督「そう、ならいいわ。酔って流し込むだけなんて、ワインに失礼だものね?」

ポーラ「そうですねぇ〜。せっかく〜ぅ、楽しめるようになったんだものぉ〜、おいしく飲まなきゃ〜、いけないですよねぇ〜?」
<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/01/04(水) 02:42:44.62 ID:UI6kRSm70<> ポーラ「えへへぇ♪三本目ぇ〜、いきまぁ〜す♪」ぽんっ♪

提督「ポーラ、強いのね…もうその位にしておきましょう?あんまりいっぺんに飲んだらもったいないわ」(ローマの高級レストランなら数千ユーロ分くらいがいっぺんにふっとんだもの…)

ポーラ「じゃあ〜、これで最後にするからぁ〜、別なごほぉ〜びぃ、ポーラにちょうだいっ?」

提督「いいわよ…でも高級ワイン三本って、これだけで結構なごほうびなのよ?」

ポーラ「えへへぇ♪でもぉ〜、ポーラぁ、わがままだからぁ、もっと提督のごほうびがほしいっ♪」とくとくとくっ…

提督「え?…って、ちょっとポーラ、こぼしてるわよ!」

ポーラ「ちがうのぉ、提督ぅ、よく見てぇ〜」

提督「違う…?って、ポーラっ…まさか///」

ポーラ「えへへぇ♪めしあがれぇ〜」ポーラはハイヒールを脱ぎ捨てると伸ばした脚にどぼどぼとワインを注ぎ、たっぷりとワインが染みて濡れたストッキングを提督につき出した。普段のあどけなく可愛い顔はそのままだが、どこかサディスティックな愉悦を感じているような表情が混じっている

提督「え、ええ///いただくわ…///」ぺろっ…ぴちゃっ…れろっ…。提督は床にひざまづいて両手でポーラのすんなりした足を包み込み、くるぶしから舌をはわせた。

ポーラ「えへへぇ♪おいしいでしょ〜?」

提督「れろっ…じゅるっ…ええ、おいしいわよ///ポーラって甘いのね…んちゅっ…ちゅるっ、ちゅぷっ…///」

ポーラ「ポーラ、うれしいっ!もっとめしあがれぇ〜♪」片手を頬にあてて、軽く首をかしげて提督を見下ろしているポーラは、徐々にワインをふとももの方まで注ぎはじめた。
<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/01/04(水) 11:29:37.99 ID:UI6kRSm70<> 提督「はぁっ…っん///んちゅ…ぴちゃ…れろっ…///」片手をふとももにずらし、提督は脚を舐めあげていく。すっかり火照ったその表情はしどけなく、瞳だけが熱っぽく、電光を発しそうなほどらんらんときらめいている。

ポーラ「んんっ…ふぅん…///提督ぅ〜、いい調子ですよぉ〜。ポーラ、ごほうびあげちゃいます♪」そういうとワインの染みこんだ白いストッキングを提督の口元に近づけた。

ポーラ「提督ぅ、脱がせてぇ?ただしぃ〜、手は使っちゃだめっ♪えへへぇ♪」

提督「ん…///」提督はいったん脚から手を離すと片手を床について、もう片方の手で髪をかきあげると、ストッキングのつま先をくわえて、ゆっくり引きおろしはじめた。

ポーラ「ベーネ、よくできましたぁ〜♪」脱がされたストッキングをみて「えへへぇ」と笑うポーラ。

ポーラ「提督ぅ、目をつぶってぇ〜?ポーラ、気分いいからぁ〜、もっとごほうびあげちゃう♪」提督は素直に目をつぶる。すると彼女はイスに腰掛けたままひざ上丈のプリーツスカートをたくし上げ、サイドにリボンのついた白い下着をするりと脱ぎ、手でくるくるっと丸めた。

ポーラ「提督ぅ〜、あ〜ん♪」

提督「ん…ん、ぐっ?!…ん、んーっ///」口にポーラの下着を詰め込まれ、ポーラがそこにワインを注ぎこむ。

ポーラ「どうぞぉ〜?めしあがれぇ〜♪」にこにこしながら提督のあごに足をあて、くいっと顔をもちあげる。

提督「んっ…///じゅぅ、ちゅう…じゅうっっ…///」絞り出すように下着を吸う提督に、ポーラはけらけらと楽しそうな笑い声をあげる。

ポーラ「はぁい、ごちそうさまぁ〜♪よくできましたぁ♪」しばらくワインを染ませた下着をしゃぶらせてから、ポーラは下着を口から取り出した。

提督「けほっ…こほっ、ポーラ、ポーラぁ///」少しむせたのかうるんだ瞳と、口のはたからしたたる銀色の唾液が誘うような色気をかもしだす。

ポーラ「なぁに?提督ぅ〜?ポーラはここですよぉ〜?」ポーラは言いながら提督の肩に足を当て、起こすように押し当てた。

提督「んっ…」尻もちをついたような姿勢の提督は、はだけ気味のシルクのバスローブから胸元がのぞき、内またにした脚は投げ出され、抑えたライトスタンドのほの暗い灯りで影になっているが、もう少しで大事なところが見えそうになっている <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/01/04(水) 16:52:05.04 ID:UI6kRSm70<> ポーラ「えへへぇ!提督、かわい〜ぃ♪」そう言ってポーラはすんなりと長い脚を伸ばして、提督の脚を広げさせた。

提督「ポーラ…?え、ちょっと…ん、あぁっ!あっ、くぅぅ…ひぃ、ん!」優しく、しかし抵抗を許さないように押し広げられた脚の間に、ポーラのつま先がねじ込まれる。提督が驚いて反応できないでいた一瞬の間に、提督の濡れた花芯をポーラの柔らかい足先がなぞり、ぐりぐりとえぐりはじめた。

ポーラ「えへぇ♪気持ちいいでしょ〜?そーれぇ、ぐ〜りぐりぃ♪」ポーラは片手にワイングラスを持ったまま、にこにこと笑みを浮かべ、容赦なく提督を蹂躙していく

提督「んっ…///んはぁ…ひぃん♪…あっ、あっ、あ…ん♪」ぐちゅり、じゅぶっ…んちゅ…。水音が次第に激しさを増していき、提督の肌に赤みが増していく。ポーラに責めたてられ、提督は汗をしたたらせ、呼吸もかすれたように浅く、時折ねだるような吐息が混じる。

提督「ポーラ…したいなら…私のこと…めちゃくちゃにして…いいのよ?」誰かに甘えたくて、また、「艦娘」として手に入れた身体で覚え、これまで許されなかった甘い欲望をぶつけたくて仕方なかったポーラの気持ちを汲んで、提督は秘所を責めたてられつつも優しく言った。 <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/01/04(水) 17:33:17.58 ID:UI6kRSm70<> ポーラ「えへへぇ〜、提督ぅ、優しい〜っ♪ポーラぁ、うれしくなっちゃう!」提督の誘いの言葉に、ポーラの理性の糸の最後の一本がぶつんと切れた。

ぐちゅっ、ぐじゅっ…!吸いつくようなみだらな音をたてて、ポーラの足先が強く提督の花芯をえぐる。

提督「んあぁぁ!ひぐっ、ポーラぁ!私、いくっ、いくからぁぁ!」ポーラの責めに提督の身体がビクンと跳ねると、優しい声で甘く喘いだ。乱れた髪を床に広げ瞳をうるませ、涎をたらしながら仰向けになった身体をひくひくと震わせているさまは、普段大人の余裕を見せる提督とはかけ離れた乱れ方で、ポーラの欲望を刺激した。

ポーラ「わぁ、提督ぅ、いやらしくてかわいいっ♪ではぁ〜今度はぁ〜、こっち!」ポーラはイスを降りると、ひざをついた姿勢であおむけになって床に転がっている提督の顔にまたがった。

提督「ええ…もっと気持ちよくしてあげるわね…ポーラ///」顔をあげて、提督はしっとりと濡れたポーラのふとももに吸いつき、跡が残るような強いキスを浴びせると、こんどはそのままポーラの秘部まで舐めあげていった。

ポーラ「うぅん、はぁぁ♪いいのぉ〜、ポーラぁ、とっても気持ちいいっ!」ポーラはたくし上げて誘っていたスカートの両手を離すと、提督の後頭部に優しく手を回し、そのまま押さえつけ、さらにもっちりしたふとももで挟み込んだ。提督の上手な舌がポーラの花芯を奥まで差しこまれると、赤ワインと蜜の混じりあった甘露が、提督の顔にしたたった。 <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/01/05(木) 01:28:07.54 ID:PCK1m3os0<> 提督「じゅるっ…じゅぅぅっ♪…ぬちゅっ…れろっ…んんっ、ぷはぁ♪」提督はポーラのふとももに挟まれ、押さえつけられて、それでも嬉しそうにポーラの花芯を舌でなぞりつづけ、その初々しい奥を探った。提督が舌先で探り当て、ポーラの鋭敏な場所をかき回すと、ポーラの身体がびくっとけいれんし、ひときわ高い嬌声と一緒に、粘っこい蜜が提督にとろとろと垂れてきた。
ぬるりと舌を抜くと、提督はポーラの花開いたみずみずしい花芯を優しく舐め、自分の顔に垂れた蜜も嬉しそうに指で拭い、見せつけるようにきれいに舐めとった。

ポーラ「ん、んぁぁあっ!はぁ、はぁ…熱い…のぉ〜♪…提督ぅ…ポーラもぉ、いっちゃったみたい…♪」白いブラウスをはだけさせ、その白いふくよかな胸をあらわにしたポーラは半開きの口で息を荒げ、髪の毛を振り乱して、切ない声をあげた。

提督「ええ、私も…まだうずいてるわ♪…もう気持ち良すぎて、おかしくなりそうだったもの…ポーラ///…ね、もう一戦いきましょうか♪」経験豊富な提督はいたずらっぽい笑みを浮かべ、肩で息をしているポーラの背中に手を回すと、そのまま引き倒した。

ポーラ「気持ちはうれしいけどぉ、ポーラはぁ〜、もう息切れしてるのぉ〜…あっ、ひぃっん!」ぐちゅっ、ぬちゅっ、ぢゅぷっ!…ポーラの下敷きになった形の提督は、そのままポーラと脚を絡め、互いの秘部を重ね合わせた。とろけたような笑みを浮かべる提督は、ポーラの滑らかなヒップラインをそっと撫で、自分から激しく責めたてていった。

提督「ほぉら、ポーラぁ♪ああ、かわいいっ♪…私にもっと、よがっている顔を見せて?」ぐちゅっ、ぴちゃっ!提督の上に乗せられて、気持ちよくて喘ぎ声の止まらないポーラを、大きな胸にうずめさせて抱きしめ、髪にキスをし耳たぶに甘噛みをし、耳の中まで舐めまわした。
最後は谷間に顔を埋めたまま、こもった甘ったるい叫び声をあげたポーラと一緒に果てた。

提督「はぁぁっ…もう、身体がまだがくがくしてるわ♪ポーラってば、どこでこんなこと覚えたの?ふふ、お姉ちゃんたちといろいろ試したりしたのかしら…///」疲れ果てて提督にのしかかったまま寝息を立てているポーラを、提督は優しく撫でながら、そうは見えない穏やかな微笑をうかべながら妄想にふけった。

提督「さて、と…お姫様をベッドにお連れしないといけないわね…風邪を引いてはいけないもの」提督は半分ほど服の脱げたポーラをお姫様抱っこで持ち上げ、豪華なダブルベッドに寝かせた。それから散らばった下着やら、二人分の蜜でべたべたの身体をどうにかしようと思ったが、ベッドの上に座り込むと、どっと倦怠感が押し寄せてきて、結局ポーラの隣に寝そべった。

ポーラ「えへへぇ…もう飲めませんよぉ、提督ぅ…提督のおっぱいはもういいですからぁ〜…」いやらしい夢を楽しんでいるらしいポーラを見ながら、提督はナイトテーブルのスタンドを切り、ポーラの安心しきった寝顔に笑みを浮かべ、ふわふわの布団をかけた。

提督「おやすみ、ポーラ。またしましょうね…♪」さわっ…ポーラの柔らかい身体を抱き枕にして、提督は眠りに落ちた
<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/01/05(木) 01:32:52.62 ID:PCK1m3os0<>
………

…翌朝…

ライモン「おはようございます、提督。0700時です。そろそろ起床の時間です…よ?」

軽いノックのあと、寝室に入ったライモンは眉をひそめた。普段物を散らかしたままにしたことなどない提督にしては、ずいぶんと物が散乱していた。ワインの空き瓶に転がっているグラス、食べかけたままのチーズとチョコレート。他にもくしゃくしゃになったまま放り出されたブラウスやらストッキングやら…


ライモン「まぁ、昨日は初出撃も成功しましたし、祝杯を兼ねて飲み過ぎた、といったところですか…」散らかったものを片づけようとして、ライモンは黒いレースのと、白に赤いサイドリボンつきの下着があることに気が付いた。

ライモン「提督の下着だけではないような…」予感がしたライモンはベッドのカーテンを開けた。

ライモン「…そういうことですか。はぁ…全く…」あきれたように両手を上に向け、ため息をついた。


こんなことだろうとは思っていたが、普段から機会さえあれば甘い言葉を優しくささやき、しぐさの端々に誘うような態度が表れる提督ゆえに、その気がある艦娘たちはうずうずし、そこまで大胆に振る舞えない娘たちさえ、寝台の中でいけない妄想にふけっては悶々としていることは知っていた。むしろ提督、艦娘ともによく我慢していたものだと、ライモンは妙に感心した。


ライモン「提督、おはようございます」服を乱れさせたまま、隣ですやすやと寝息をたてているポーラは見ないことにする。

提督「うーん…おはよう、ライモン…っ」しっかり目がさめたのか、微妙にこわばった微笑で答える提督

ライモン「おはようございます、0700時です。お目覚めのためにコーヒーでもお持ちしましょうか?ポーラさんの分も淹れてきますよ?」

提督「あ、えーと…その、ライモン、あのね…」(あー…これ、ベネチアの時もこんなことあったような…あの時は平謝りして許してもらったのよね…)

ライモン「ええ、わかっています。わたしも提督と楽しませていただいたことがありますから…ですがこれは、少し…きゃあ!?」

ポーラ「おはよ〜ぅ。提督ぅ、それにライモンド♪ポーラはぁ、まだ足りないのぉ〜。ライモンドも味見しちゃお〜ぅ♪」いたずらっぽく笑いながらライモンをベッドに引きずりこもうとする

ライモン「ポーラさんっ、わたしはそんなつもりありませんし、そもそも朝からなんて…っ?」

提督「ふふふっ、そうね♪どうせなら、朝からもう一戦いってみましょうか♪」ニヤリ

ポーラ「決まりぃ〜♪さぁ〜、ライモンドぉ〜、おいでぇ〜?」ぐいぐぃっ

ライモン「しません…ってば!もう、提督も早く着替えてくださいね」

ポーラ「あらぁ〜、きらわれちゃったぁ〜」

ライモン「別にポーラさんのことは嫌いではありませんよ。ただ、わたしはわがままなので…提督と目の前でいちゃいちゃされるのが少し妬けてきちゃうだけです」

ポーラ「…ライモンドぉ〜、ごめんねぇ〜。ポーラはぁ、新しいこの身体でぇ、提督に甘えてみたかったのぉ〜」

提督「…ごめんなさい、ライモン。不愉快な気分よね。私に平手打ちしてくれて構わないわ。でもポーラは本当に甘えてみたかっただけなの、私から言うのもおこがましいけれど、できれば許してあげてほしいわ」

ライモン「はぁ…わかっています。そのうちこうなるだろうなとは思っていましたから。…でも、今度ポーラさんとするときはわたしも呼んで下さいね。ポーラさんの味見、私もしてみますから///」

ポーラ「えへへぇ♪ポーラ、頑張ってぇライモンドにぃ〜、いっぱいしてあげるっ♪」

提督「ありがとう、ライモン。…今度は二人きりで、好きなだけさせてあげるからね///」ぼそっ

ライモン「約束ですからね?では、食堂で待っています」パタン…

ポーラ「提督ぅ〜、ライモンドってぇ〜、本当にいい娘ねぇ〜?」

提督「そうね。みんないい娘で、私にはもったいないくらい。…目移りしそうだけど」くすっ

ポーラ「もうしてるわよぉ〜、でもぉ、提督はぁ、優しいからぁ〜、ポーラ大好きっ!」

提督「ありがとう、ポーラ。今後ともよろしくね♪」 <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/01/05(木) 01:45:58.23 ID:PCK1m3os0<> はぁぁ…ちょっと気合いいれて書いてみましたが、どうだったでしょうか。イメージでは出来上がっていても書いてみるとありふれた表現だったり、描写が丁寧じゃないなー…と思ったりしてます

おっとりな感じのS気質キャラはなかなか面白かったです、そのうちまたポーラを活かす機会を作りたいですね

ライモンはもっと何でもそつなくこなすタイプのつもりでいたのが、いつの間にか良くできた苦労人気質に…報われる機会も設けてあげる予定です


甘い糖衣の後は苦い薬という訳で、そろそろ苦行の駆逐艦、潜水艦紹介に入ろうかなと思ってます。級がおおいので書くのが…でもアメリカじゃなくてよかったです…フレッチャー級駆逐艦だけで(たしか)175隻ですからね…

<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/01/05(木) 02:36:44.70 ID:PCK1m3os0<> では、いよいよ駆逐艦紹介を…二、三回に分けてちょっとづつ投下していきます。あと、補助艦艇は何隻かだけピックアップしてそのうち…たいてい厨房の担当をしてくれていると思って下さい


……鎮守府、作戦室……

ライモン「提督、駆逐艦のリストです」

提督「ありがとう、ライモン。多いけど、それぞれに人格があって、戦中の歴史があるんだもの。おろそかにはできないわね」

ライモン「はい。提督のその気持ち、言葉にしなくてもきっとみんなに伝わっています」

提督「そう思うけど、でも、できるだけ言葉にしていくわ…さて、と」



駆逐艦リスト…(未配属艦は特に書き込んでおきます)


ミラベロ級。1916〜17年生まれ。二隻
第一次大戦時の最新鋭であった嚮導駆逐艦で、元は三隻いたが1920年に一隻が触雷、沈没。
当時としては破格の大きさだった1300トン級で、兵装も102ミリ単装砲八門、舷側配置の450ミリ連装魚雷発射管二基、40ミリ機銃二基と強力だった。第二次大戦にも駆逐艦不足から投入され、徐々に対空機銃を増やした船団護衛用の兵装に換装されながら戦った。
ネームシップの「カルロ・ミラベロ」は戦没しているが、「アウグスト・リボティ」は戦中を生き抜き、賠償でソ連に引き渡される予定だったが旧式だったので廃棄された。


鎮守府では旧式で二隻のみと艦隊行動には向かないので、近海の哨戒、鎮守府の護衛を行っている。二人とも中学生くらいに見える白に三色旗の細い縁取りが施されたセーラー服スタイルだが、艦齢が高いせいか妙に耳年増で、提督の言葉やしぐさに悶々としている。



レオーネ級。1924年生まれ。三隻
ミラベロ級と同時期に生産する予定が資源不足で起工できず、戦後改めて生産した駆逐艦。
兵装の改良と船型の拡大で余裕ができ、120ミリ連装砲四基、40ミリ機銃二基、13ミリ機銃四基と増強。特に中心線上に配置できた533ミリ連装魚雷発射管二基は左右両方に向けられる分戦闘力が増した。
戦中はアビシニア(今のエチオピア)のイタリア植民地で孤立。最後は港を出て英艦隊相手に突撃を試みるも、レオーネは座礁、残る「パンテーラ」「ティグレ」は航空攻撃で大破、自沈した。それぞれ艦名は「ライオン」「豹」「虎」と肉食獣の名前がついている


鎮守府では金色のたてがみのような髪のレオーネ、忍びあしと木登りが得意で身軽、ヒョウ柄のストッキングを良く身に付けているパンテーラ、大きさの割に堂々としたティグレと、艦名が性格に反映されている。いずれも遠く離れたアビシニアにいたせいか褐色で、どんな敵にも向かっていく勇敢さは頼もしいがハラハラするほど。提督の思わせぶりな言動のせいで発情期だとか…



セラ級。1926〜27年生まれ。二隻(未配属)
第一次大戦型駆逐艦の改良型。本来四隻いたが二隻はスウェーデンに売却された。
120ミリ連装砲二基、533ミリ連装魚雷発射管二基、40ミリ機銃、13ミリ機銃それぞれ二基とかなりの兵装を、955トンの小さい船体に搭載した。
二隻とも戦没しているが、「フランチェスコ・クリスピ」はドイツに接収され、TA15として戦没した。


二隻で艦隊編成が難しいうえ、小柄で戦闘には向かないとの司令部判断で鎮守府には配属されていない。が、提督は建造して活躍の場を見つけてあげるべきと考えている。小学生と言われてもおかしくない小柄な娘だが、艦齢の高い分意外とに物知りで知り合いも多い。



…つかれたので今日はここまで…またお会いしましょう

<> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/01/05(木) 12:57:50.24 ID:l9B0naP7O<> 良いぞ
続きを楽しみにしている <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/01/05(木) 19:33:48.41 ID:PCK1m3os0<> 期待してくれる皆さまありがとうございます、やっぱり感想があるとうれしいです…遅くてごめんなさいね

…投下します


提督「次は…」提督は艦艇簿をめくった


サウロ級。1926〜27年生まれ。四隻
セラ級の拡大型。重量が1000トンまで増え、533ミリ魚雷発射管が三連装二基になっている。
120ミリ連装砲二基、533ミリ三連装魚雷二基、40ミリ機銃二基、13ミリ機銃二基の兵装はしばらく駆逐艦の標準装備として定着していた。

四隻とも紅海アビシニアに配属されていたが、それ以前に交戦し失われた三番艦「フランチェスコ・ヌロ」以外はレオーネ級と同じくイギリス軍の攻撃を受け、軍港から強行突撃をかけ戦没・自沈した。


小柄な身体に強力な兵装、額でぱっつんにしたおかっぱ風の髪型にカチューシャやリボンでアクセントをつけている。
「死なばもろとも」と負けそうになると目のハイライトが消えて熱くなることが多いが、提督の教育のおかげで、刺し違え以外の方法も模索中。
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/01/05(木) 19:38:46.42 ID:Con77LEOo<> 駆逐艦と交流()する提督…胸が熱くなるな <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/01/05(木) 20:19:48.61 ID:PCK1m3os0<> 戦闘ばかりで酷使されてきた戦中の駆逐艦にいろいろ教えて堕落させることもきっとあるはずなのでご期待下さい…

タイトルはきっと
Torpedo Slinger Girl「…少女たちに与えらえたのは、大きな魚雷と、小さな幸せ」(ゴメンなさい)


投下します


トゥルビーネ級。1927〜28年生まれ。八隻。
サウロ級の速度向上型。セラ級からレイアウトも性能も少しづつ向上しているが、そこまで変わらない。
いずれも風に関係のある艦名で、「ネンボ」(雨雲。英語でいうニンバス)などもある。兵装はサウロ級と変わらず。
戦中はリビア向け船団の護衛や輸送任務に明け暮れ、いずれも撃沈された。

ネームシップ「トゥルビーネ」(タービン。むしろ旋風の意味?)はイタリア休戦時にドイツに接収、最後ドイツ駆逐艦TA14として戦没した。


鎮守府ではまた会えた喜びから八隻で楽しくわいわいやっている。
折れ線迷彩風の服と、風に関係ある装身具を持っている。よく走り回り手伝ってくれるいい子たち。噂では風を呼ぶことがあるとも…



ナヴィガトリ(航海者)級。1929〜31年生まれ。十二隻
第一次大戦後、フランス海軍の大型駆逐艦「シャカル(ジャッカル)級」に対抗するため、レイアウトを変更して建造された駆逐艦。
兵装はサウロ級とほぼ同じだが、120ミリ連装砲が前後の二基から、艦首、中央部プラットホーム上、艦尾の三基に増えた。
イタリアの航海者の名を取っていることから「ナヴィガトリ」級と言われる。

「アントニオ・ピガフェッタ」は43年休戦時ドイツに渡すまいと自沈したものの、ドイツ海軍に浮揚されTA44となりドイツ艦として、また「アントニオット・ウソディマーレ」は友軍潜水艦に誤射されいずれも撃沈された。無事だったのは三番艦「ニコロソ・ダ・レッコ」だけと、厳しい戦闘に投入されたイタリア駆逐艦をよく表している。


鎮守府では当時の航海者風で裾の長い上着にハイブーツ。マスト、測距装置をよけて斜めにかぶった三角帽子に、小脇に挟んだ望遠鏡がトレードマーク。
そんなことはもうないとわかっているが、ウソディマーレは潜水艦が苦手で避け気味。
あちこち航海して回っただけあり海に詳しく、知らないことにも興味深々。「百合」なるものも気になるお年頃か
<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/01/05(木) 20:53:03.28 ID:PCK1m3os0<> 駆逐艦紹介はまだ続きます…似たような性格の艦を数隻づつ作っていたのがイタリア艦の特徴で、兵装が強力な割に大きさが小さいので、長距離の航海には向かない感じです。やっぱり地中海だったので…



フレッチア(電光)級。1931〜32年生まれ。四隻
当時の新型軽巡(ジュッサーノ級)についていけるよう設計された艦隊駆逐艦。兵装はサウロ級以来大して変化がない分、1200トンで高速が出せるようレイアウトを改めた。しかし設計に無理がありバラストを積んだせいで、結局想定していた速度は出せなくなった。
いずれも雷や電光といった艦名がついている。
四隻とも戦没しているが、「ダルド」(矢・稲妻)はドイツ海軍駆逐艦TA31として敗戦時自沈、「ストラーレ」は42年座礁沈没と異色。


鎮守府にいる四隻は電光と言うだけあって、雨雲をイメージした黒と灰色の制服によく映える雷の形をしたピアスや飾り物をしている。黄色っぽい金髪もはねていてどこか稲妻に見える(種デスティニーの「タリア艦長」みたいな髪型だったり妙な稲妻みたいなアホ毛)。どうやってセットするのかは謎。



フォルゴーレ(稲妻)級。1932年生まれ。四隻
フレッチア級が言うほど速度を出せなかったので、幅を細めて速度を高めようとした。ほとんど同じなのでフレッチア第二グループとして扱われることも。
結局フレッチア級のトップヘビーを改善しなかったので結果は変わらず、やっぱりバラストを積んだりして速度の低下をおこした。41年に戦没した「バレーノ」「フルミーネ」の二隻をのぞいて対空兵装強化を行い、輸送船団の護衛に従事していずれも戦没した。


フォルゴーレは稲妻というだけあって、金髪が日に当たるときらりと光って見える。普段は出来のいい姉をやっているが、フレッチア第二グループとされるとお姉ちゃんに甘えられるかわりネームシップでなくなってしまうので複雑。
みんな怒ると大きさに似合わず怖いが、すぐ収まってしまうのは稲妻だからか。
末妹「ランポ」は一度浮揚され、今度は航空攻撃で撃沈されたためか、「二度あることは三度ある」を恐れている。かなりの怖がり
<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/01/05(木) 21:18:56.53 ID:PCK1m3os0<> マエストラーレ級。1934年生まれ。四隻
フレッチア・フォルゴーレ級で失敗した分、慎重にバランスをとって設計した駆逐艦。
無理に小型にしようとせず、排水量が1600トンまで増えたが、その分余裕ができたことで改造の余地が生まれ、速度低下の原因になる安定性低下やバラスト搭載もせずに済んだため高速を出すことができた。120ミリ連装砲二基、533ミリ三連装魚雷二基とごく標準の兵装だった。

以後の駆逐艦はこの級をベースにしたくらいの安定感で、戦中は機会の少なかった雷装や砲を対空機銃に変えて護衛任務や戦闘に駆け回った。
64年除籍の「グレカーレ」を除いていずれも戦没。


鎮守府では明るい灰色のセーラーに三色旗の縁取りと、中学生くらいに見える駆逐艦らしい格好をしている。北アフリカ船団援護が多かったせいかリベッチオをはじめ褐色だが、他の級も北アフリカ援護をこなしていたのになぜマエストラーレたちだけ褐色なのかは不明。
グレカーレは除籍が同年という関係からライモンと付き合いがある。



オリアーニ級。1937年生まれ。四隻。
マエストラーレ級のバランスの良さを引き継ぎ、ほぼ変化なしで建造された駆逐艦。公称39ノットだが、実際は(イタリア艦のだいたいは)造船所のごまかしで33ノットがせいぜい。艦の割に艦橋構造や探照灯の台が大きい。
戦中にドイツのレーダーを搭載したというが詳しくは不明。

三隻は戦没したが、ネームシップ「アルフレド・オリアーニ」は戦後賠償でフランスにわたっている。


マエストラーレの四人にそっくりだが褐色ではないので見分けは付く。オリアーニは金髪にフランス海軍の赤・白・青の三色リボンをつけていて、気に入らないから外したいが、姉妹と見分けがつかないのも困るだろうと我慢してつけている。そのうちに提督がリボンを外せるアイデアを出す予定。

<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/01/05(木) 21:39:54.41 ID:PCK1m3os0<> ソルダティ(兵士・兵種)級。1938〜42年生まれ。第一グループ十二隻・第二グループ七隻(うち完成五隻)
第二次大戦前に建造した最後の駆逐艦。兵種を艦名にとったことから「ソルダティ」級と言われる。

機関換装でマエストラーレ・オリアーニ級より高速を目指しただけでそこまで大きく変化はない。戦中生まれの第二グループは対空機銃を増備し兵装が違うが、結局第一グループも対空機銃の増備をしたので変わらなくなった。第一グループの「カミチア・ネラ」は救助にあたった「アルティリエーレ」の名を受け継ぎ「アルティリエーレ」(U)となり、「フチリエーレ」と共に戦後ソ連に渡された。
戦中開発していたEC3レーダー「グフォ」を搭載する予定だったが結局ほとんど搭載されなかった模様。

第一グループでは軍警察を意味する「カラビニエーレ」と擲弾兵「グラナティエーレ」の二隻が無事戦中を生きのび65年、58年にそれぞれ除籍された。
第二グループでは「レジオナリオ」「ミリタリエーレ」「ヴェリーテ」が戦後フランスに渡された。


一番大きな駆逐艦グループを形成するだけあり、個々の来歴や戦後の落ち着き先の影響から格好が様々。1600〜1900トン級と大きさもバラバラだったため、身長が近い割に豊満体型だったりスマートだったりする。複雑な折れ線迷彩も多く、艦隊駆逐艦のお洒落担当。兵装バランスもよく、巡洋艦との組み合わせは良好 <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/01/06(金) 01:34:14.81 ID:e13gs4uU0<> やっと駆逐艦が終わりました…第二次大戦当初に負けたフランスから鹵獲した駆逐艦や第一次大戦の賠償でオーストリアから得た駆逐艦も数隻ありますが、その辺は止めておきます…

駆逐艦とおねロリしてほしいという声が聞こえてきたような気がしたので、次は提督と駆逐艦で一つ…


………

また数日たったある日…鎮守府・食堂…


ライモン「提督、出来ましたよ?そうまずくはないはずです」

提督の前に出されているのは遅い昼食。1400時にもなって昼食というのはいくら何でも遅すぎるが、この日は朝からどっと送られてきた着任関係の書類整理に追われていたので、まともに時計を見ている暇もなかった。

提督は「行ってきていいわ」と言ったのだが、まるで当然のことのようにライモンは付き合ってくれ、書類の山をさばくのを手伝ってくれた。
もちろん厨房の艦娘たちは作りおいてくれようとしたが、後からあとからわいてくる皿を片づける、その面倒さをわかっている提督は片づけていいと先に言っておいたので、数人がお茶を楽しむだけの閑散とした食堂で、二人きりの昼食を迎えていた。



提督「さすがにお腹がすいたわ…」そのメリハリの効いた体型のため意外とわからないが、提督の食道楽はかなりのもので、栄養が胸と頭脳と百合的欲求に行かなくなったら、あっという間にサラダだけの食生活を送るハメになるのは間違いないほど、おいしいものを頂くことに関してはうるさかった。

ライモン「全くです…一気に送ってこないでくれれば助かるのですが…」一方のライモンもこの姿になってから様々な味を楽しむことができるようになり、なんでもそつなくこなせることもあって、料理が得意といえるほどになっていた。

提督「まぁ、九月の新年度を待たないで(欧米は新年度が九月から)中途半端な時期に来たから…まぁ、そんなことはいいわ。おいしそうよ、ライモン」


提督の前に置かれているのは若草色の縁取りも鮮やかなパスタ皿で、きれいにひねって盛り付けたパスタが湯気をたてて鎮座している。
淡い緑のものは春キャベツで、輪切りのトウガラシがあちこちに散らばって、春の地面に咲いた早咲きの花のように見える。

ライモン「冷めないうちにどうぞ」

提督「そうね。ん…」するっ…。くるくるとフォークでパスタを巻き取り、口に運び入れた。


濃いソースのかかっていないパスタは南部のパスタ、アーリオ・オーリオ・イ・ペペロンチーニ(いわゆるペペロンチーノ)のアレンジ版で、ニンニクと唐辛子をオリーブオイルの中でゆっくり温め、風味が染みだしたところでアンチョビをくわえてほぐし、そこにパスタと、途中でパスタ鍋に入れて一緒に茹でた若いキャベツを湯切りして入れ、軽く火をかけながら和えたもので、ふんわり柔らかく甘いキャベツと、ピリリと辛みの効いた唐辛子オイルの刺激、ニンニクの香ばしさがほどよく合わさり、シンプルで難しいのによくできていた。


提督「おいしい。パスタがフェデリーニ(細めのパスタ)だからうまく絡んで…いいわね」

ライモン「よかったです。ではわたしも…もくもく…む、ん…こくん…ああ、前回よりおいしくできました、前回は塩を遠慮しすぎて薄かったので…」

提督「そう?でも今回はちょうどよかったわ、満点ね♪それと、ライモン。味付けは薄いくらいでちょうどいいのよ?濃かったら手におえないし、薄かったらそれぞれで調整できるもの」

ライモン「確かにそうですね、これからは薄めに作るようにします」

提督「それがいいわ…どうしたの?」提督が視線を向けた先には、駆逐艦が二人座っていて、物欲しそうに提督を見ている。

提督「よかったらここに座る?」ポンポンと隣の椅子を軽く叩く

駆逐艦「いいの?ライモンドお姉ちゃんの邪魔にならない?」

提督「ライモン?いいかしら?」小首を傾げてライモンを見る

ライモン「いけないというのは酷でしょう…普段は二人きりでいさせてもらえるのですし…二人とも、ライモンドは構いませんよ?提督の横に座ったらどうですか?」

駆逐艦「ありがとう、お姉ちゃん。…よいしょ!」ふたりはぽふっと可愛らしい音を立てて提督の左右の席に飛び乗ると、それぞれ提督の方を向いた。

駆逐艦「提督、朝から晩まで大変ね。尊敬しちゃうなぁ…そういえば、私たちのこともう覚えてくれた?いっぱいいるからまだかな…」

提督「ふふ、ミラベロ級でしょう?二人でいるし、その迷彩に頭文字も入っているじゃない?」
(※戦中イタリア駆逐艦には艦首に頭文字のアルファベット二文字が入っていた。艦娘の駆逐艦も襟元や裾に刺繍がされている)


ミラベロ級「そうだったね。私はミラベロ級一番艦、カルロ・ミラベロ。小さいからあんまりお役には立てないけど、よろしくね、提督」

ミラベロ級「そして私が妹のアウグスト・リボティ。こちらもよろしくね」

提督「よろしくお願いするわね。なりこそ大きいけれど、経験は二人のほうがずっと上だもの。いろいろ教えてくれると嬉しいわ?」

ミラベロ「いろいろ…「いろいろ」って…しかも「経験豊富」…私たちが…///」かぁぁ…

リボティ「姉さんと…私で、提督に「いろいろ」…教える…///」ぽっ… <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/01/06(金) 02:23:10.99 ID:e13gs4uU0<> ライモン「あまりからかうものではありませんよ…提督。二人とも、提督の思わせぶりな台詞はいつものことですから、あまり真に受けちゃだめですよ」

ミラベロ「そう?でもライモンドお姉ちゃんがわざわざそういうってことは、嫉妬してるからじゃないの?」

ライモン「嫉妬、って…。あの、ミラベロ?私の方が確かに生まれは遅いですよ、でも年下相手だからってそういうからかい方はするものじゃないと思います」

提督「そういえばそうね…ライモンの方がミラベロ級より年下なのね…」ふたりを交互に見る

ライモン「ええ、そうです。ミラベロ級のお二人は生まれが古いので、むしろ年上を探すのが難しいくらいですよ」

リボティ「おばさん扱いはやめてほしいな、ライモンドお姉ちゃん。身体には張りがあるし、肌だってつやつやでしょ?」自分の頬を指でつつく

ライモン「お姉ちゃん…って、わたしの妹はアッテンドーロだけだし、大きく含めてもアオスタたちくらいなものです。あんまりからかわないでください」

リボティ「いいじゃない。結局大きさで行けばお姉ちゃんはライモンドだし?…って、二人ともおいしそうなもの食べてるねぇ!」きらきらした目で皿を見つめる

ミラベロ「本当だわ、おいしそう!いい匂いがしていると思ったらこれだったのね」身を乗り出してパスタを眺める

提督「味見する?ライモンのお手製で、とってもおいしいわ」二人の子供みたいな行動にふふっ、と微笑む

ミラベロ「うーん…いえ、遠慮しておくわ」あきらめたように肩をすくめた

提督「どうして?唐辛子が入ってるから?」

ミラベロ「ライモンドお姉ちゃんが提督だけに食べさせたかったんでしょ?私たちが食べたら横取りになっちゃうもの」わかり切っているという口調で言い切った

リボティ「それに提督と熱い午後を過ごしたいから、ライモンドお姉ちゃんが「特別なスパイス」でも入れてあるかもしれない。身体の奥がじんじんするような、ね?」ライモンをからかうようにつぶやく

ライモン「そんなことしませんよ、むしろ提督の色欲を減退させるような薬でも盛りたいくらいです」はぁ…

ミラベロ「あらまぁ。提督ったら、もうお嫁さんと倦怠期?」

リボティ「ちょっと早過ぎない?一週間たったか経たないかだよ?」

ライモン「お嫁さんではなく秘書艦ですし、倦怠期もまだです!」

提督「そうね、まだまだ熱いわ♪」パチッと一つウィンクを送る

ライモン「…///」顔を赤らめて少しうつむく

ミラベロ「みたいね…じゃあ、一口ちょうだい?」

リボティ「こんなに熱々なら一口くらい取ったって大丈夫だろうし…あーん」

提督「仕方ないわね。はい、あーん♪」交互に二人の口に入れてあげる

リボティ「うん、おいしいよ。ライモンドお姉ちゃんが愛をこめているんだもの。…一口分盗んじゃったけどね?」

ミラベロ「ニンニクの香りがよくきいていてよかったわ。もっとも甘すぎたけど…。ライモンドお姉ちゃんの愛がこもりすぎてて砂糖みたい」

ライモン「あぁ、もう…口が減らないのは相変わらずですか」

リボティ「その分お腹がへっているよ?だからもう一口、その愛を盗ませてくれない?」

提督「仕方ないわね…私の恋人の愛なんだから、よく味わって食べて?本当は全部独り占めしたいのだから、ね?」

ライモン「けほっ…!もう、提督まで…///」

ミラベロ「ふふ。…でもこれ以上お邪魔したら愛を育めなくなるわね。…提督、ライモンドお姉ちゃん、チャオ!」

リボティ「そうだね。ではごちそうさま。ついでにこちらもごちそうさま」そう言ってリボティは口元をナプキンで拭うと、提督の唇ぎりぎりのところにキスをした。それからふたりは椅子から跳ねるようにして降りると出口まで行き、ミラベロは投げキッスを、リボティは指をピストルの形にして「バーン」とジェスチャーをつけて出て行った。





<> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/01/06(金) 12:37:30.88 ID:eLsbuJn9o<> おませさん駆逐艦いいっすね〜 <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/01/06(金) 14:00:36.53 ID:e13gs4uU0<> 感想ありがとうございます、せっかくなのでそのコメントも使わせてもらいます…では、参ります

………


提督「おませさんな駆逐艦ね…♪かわいいこと」

ライモン「いつもああですから、時々持て余すんですが…年上だし、駆逐艦とはいえ子供扱いも失礼ですから何とも…」やれやれと言った具合に肩をすくめた

提督「ふぅん…?私のライモンを振り回すようなら、お茶目さんたちにも少し教育してあげないとね…♪」ボソッ


提督はなにやらつぶやいて、それから残っていたパスタを冷めないうちに頂いた。
最後は紅茶で口の中をさっぱりさせて、片づけもしようとするライモンを抑えてエプロンを借り、制服の上着を脱いだブラウス姿でお皿を洗った。それから首を回して伸びをすると、まだ少し残っている執務の続きに戻った。




……その日の夜。鎮守府・ミラベロ級の部屋……


コンコン…

ミラベロ「はぁい?どなた?」

提督「私だけど…お邪魔していいかしら?」

リボティ「あとは寝るだけだし、むしろうれしいよ、どうぞ?」


ガチャ…

二人の部屋に入ってきた提督は、貴婦人みたいな長い白のナイトガウンをきっちりと着込み、ふわふわのスリッパをはき、二人の可愛らしい部屋を微笑みながら見回すと、ドアを閉めて鍵をかけた。

ミラベロ「鍵はかけなくてもいいのに。物をとるような人はいないわよ?」

提督「そうかしら、私は取られたのだけど?」

リボティ「それは聞き捨てならないね?提督のためだし、よかったら犯人探しを手伝おうか?」

提督「ありがとう、リボティ。でもね、犯人も取られたものも、もうわかっているのよ…?」ぱさっ…

ミラベロ「そうなの…っ!?」

<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/01/07(土) 01:33:42.77 ID:5On0VMRp0<>
…ナイトガウンをするりと脱ぎ捨てた提督が下に着ていたのは妖しげな黒いベビードールにランジェリー、レースのストッキングとガーターベルトで、下が透けて見えるほど薄く、その艶のある白っぽい肌を生地の下からのぞかせていた。

ベビードールの胸元は細いリボンで寄せられていて、もとより大きい胸をさらに強調し、ふともものガーターからはみずみずしく滑らかな肌がはち切れそうになって見せつけられている。


リボティ「いったい…どういうつもりなのかな」リボティは顔を真っ赤にしてそっぽを向きつつも、そのもっちりした身体のラインに視線は釘付けのまま、絞り出すように言った。

提督「ふふ、お昼に取られたライモンの愛の一口、やっぱり惜しくなったから取り返しにきたわ♪」ベッドに腰掛けていたリボティににじり寄る。

ミラベロ「そんなこと言っても、もう私の一部になっちゃったもの、返してはあげられないわ」恥ずかしげに手で顔を覆いつつも、ミラベロは指の隙間から提督の魅惑的な身体を凝視した。


提督「大丈夫…♪アモーレ・ミオ(愛しい人)の愛のかけら、ちゃあんと…返してもらうわ♪」ぐいっ…どさっ!

ミラベロ「きゃっ!何をするのっ…!?ん…んーっ!」ちゅうぅぅ…


提督はリボティに向かうと見せかけてミラベロをベッドに押し倒し、あおむけになったミラベロの上で四つんばいになると、驚いて半開きになったミラベロの口に軽くキスをし、そのまま舌を滑り込ませた。


ミラベロ「ぅ…んんっ!はぁ…はぁ…はぁ、はひぃぃ…///」(あぁ、すごい、すごいっ!こんなの知らないっ!…大人のキスってこうなのね…!もう、身体がうずいて…いきそう…っ///)

提督は脚をバタバタさせるミラベロにのしかかり、両の頬を手でしっかり押さえ、数分はかかった長い熱いキスを終えると舌を抜き、どこか甘ったるいような笑みを浮かべながら、唾液の糸を引いた口元をじゅるりと舐めた。

一方のミラベロの両脚をだらんと投げ出したまま、身体をひくひくと引きつらせ、焦点の合わない瞳はぼーっと天井に向けられ、半開きの口からはだらしなく銀色のよだれを垂らし、その垂れた唾液が鎖骨にこぼれていた。


提督「んふふっ♪…ぺろっ…んちゅっ…れろっ…」無抵抗になったのをいいことに、提督はそのまま舌をはわせて鎖骨の唾液を舐め、さらに首筋まで舐めあげた。(可愛い反応♪…もっとお姉さんがいろいろ教えて、めくるめく「百合の花園」に連れて行ってあげるわね…♪)

ミラベロ「ひぅ…!あっ…あっ…あっ♪」かすれたような声で喘ぐミラベロは、寝間着のネグリジェから伸びるほっそりした脚をこすり合わせて、切ない声を上げた。最後に一つかん高い喘ぎ声をあげると、くたっとなってベッドに身体を投げ出した。


提督「♪…さあ、今度はリボティの番よ?私、昼に「バーン」ってされて、ハートを撃ち抜かれたもの♪我慢していた七時間分のキスをもらうわね?」


すっかりとろけきっているミラベロを離すと、提督はベッドから四つんばいになってリボティに近づいた。

一方、ミラベロがあっという間にとろけた様子で堕ちたのを見たリボティは、少しおびえたような顔をしているものの、見聞きしているだけで味わったことのない快感を体験できるとあって、恥ずかしげにしながらも瞳を輝かせていた。


提督「いけない怪盗さんね?人のハートを撃ちぬいておきながら、お礼もせずに去っていくなんて。そういういけない人には、ちゃんとお仕置きが必要よね?」

リボティ「仕方ないよ。何しろ恋は疾風のように吹き荒れ、蜃気楼のようにつかみどころがないんだから、ね…っ!?」んちゅぅぅ…くちゅっ♪


大人な口説き方はなかなかよくできるリボティだが、こちらも耳年増というだけで、実戦の経験はまるでない。
それが提督には子供の背伸びに見えて、母性愛的な愛情と、自分の娘に手をかけるような背徳感が混じりあった、理性を失わせるほどの欲望を感じさせた。

…結果、提督はベッドに腰掛けていたリボティを押し倒し、自分は床に膝立ちのまま、舌を絡める濃厚なキスを浴びせた。


リボティ「んぁ…んちゅぅ…くちゅ…ちゅるっ…///はぁぁ、すごいねぇ…下半身が…甘くしびれているよ…まるで、人魚姫だ…///」んちゅぅ…くちゅり…

提督「でも、人魚姫は痛みを覚えるのよ?それに声も出なくなるってお話にはあったわよ?」れろっ…じゅるっ、ぴちゃっ…

リボティ「そうだろうね…ああっ、ひぐっ!…こんなに気持ちいいことだったら、人魚姫も…っん、ひぁぁ!…すぐ…脚を生やしてもらっちゃうだろうし…こんなに責められたら…声も…でなくなるよ……っ、んぁぁっ!」くちゅっ…れろっ。年の差を考えないような熱っぽいキスを続けると、リボティもすっかりとろけたような表情でベッドに倒れ込んだ。


すると提督は普段の愛おしむような微笑ではなく、むしろいやらしい笑みを浮かべ、二人を引っ張って立たせると首筋にしがみつかせ、ベビードールの前を開くと、胸に吸いつかせた。


<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/01/07(土) 02:37:12.15 ID:5On0VMRp0<> 提督「ほぉら、吸ってみて♪…好きなだけ揉んでもいいし、甘噛みしてもいいわよ?」


ミラベロ「う…っん///ちゅぷっ…ちゅうっ…///」くにっ…もみっ…

リボティ「ん…ふ…ちゅうぅ…///」むにっ…むにゅっ…

提督「あらあら…可愛い娘が二人できたみたい…でもね…♪」


提督は小柄とはいえしがみつかせた二人をいっぺんに持ち上げようとして少しふらつき、それでも倒れることなく持ち上げると、そのまま腰に脚を絡めている二人の花芯を左右の人差し指で同時にまさぐり始めた。くちゅりと水音が響き、二人が次第にひくついてしっとりと汗を流し始めた。

…提督は時々二人の頭にキスしたり、頬を舐めたりしながら、次第に水音を増していく花芯を人差し指でかき回した。秘所を巧みに責められて二人は息が続かなくなり、提督の柔らかい胸から口を離し、はぁはぁと激しく息を継いだ。
その間も提督は花芯を撫でたり、指をえぐり込んだりしながら二人の柔い肌の感触を楽しみ、次第に大きくなっていく二人の水音に、純粋なものを汚すようないけない悦びを覚えていた。


ミラベロ「てい…とくっ…もう、無理っ…んぁぁっ♪」

リボティ「私もっ…そんなに…激しく…されたらっ…ふぁぁっ♪」


提督にすっかりいかされた二人は、呆けたようなとろけ顔で舌を出し、秘所からしたたるねっとりとした蜜はふとももまでとろりと垂れて、二人の脚と提督の手をべとべとにしていた。
二人が吸いついて舐めていた提督の胸はよだれでべちゃべちゃで、ストッキングは二人を支えていたせいで蜜が染み、冷たく肌に張り付いていた。

とろとろと蜜を垂らしながら床に倒れ込んだ二人を熱っぽく眺めていた提督だったが、すっと黒レースのランジェリーを脱ぎ捨て、ミラベロのふとももを広げると、自分のふとももに乗せて、それから濡れた秘所に自分の花芯をあてがった。


ミラベロ「はぁ…はぁ……提督、なに…して…ひぐぅぅ!」くちゅっ、ぐちゅっ!

提督「はぁぁ、可愛いわ♪でも、もっと可愛い顔できるでしょう?お姉さんに見せてみて?」



提督はミラベロと重ね合い、腰を滑らかに動かした。ミラベロは喘ぎながら徐々に甘い声を上げていく。


ミラベロ「もう…ひっ、ぐぅ!」硬直したように頭を天井に向け、かすれたような叫び声をあげながら、とろりとした蜜をまたたっぷりと流したミラベロを床に優しく寝かせると、提督はリボティを抱き寄せた。


提督「ほら、リボティも…ミラベロみたいに気持ちいいこと、教えてあげるから…♪」

リボティ「まだ…無理だ…よ…せめて…一息、つかせて…んぁぁっ!あっ、あぁんっ!」ぐちゅり、ぬちゅっ!


力のない「いやいや」を無視して、提督は濡れそぼった柔らかい花芯を擦り付けた。嫌がっているのは形だけで、ミラベロと一緒にすでに一回達しているリボティはすっかり提督の虜で、ねだるようにくたりともたれかかって、とろけた花芯をねだるように擦りつけて甘えてくる。

一方の提督も小さくて滑らかな身体を楽しみつつ、巡洋艦クラスでは味わえない優越感に浸りながら責めたてた。


しばらくして、二人がぐったりと床に倒れこんで、全身くまなくべたべたのどろどろになっているのを見ると、提督はいたずらっぽいチャーミングな笑みを浮かべた。
提督「はぁぁ、たまらないわね♪とろけた顔のふたり…♪…二人とも、これで分かったでしょう?大人のお姉さんをからかうと、こうなるのよ?これからはあんまりみんなをからかったりしないこと。いいわね?」
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/01/07(土) 07:15:15.73 ID:3ta71goz0<> おねロリはつよい <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/01/10(火) 01:00:40.57 ID:aCrppC0K0<> お待たせしました、これから不定期更新になるかとは思いますが、出来るだけ間を空けないようにしますので…

いつの間にかリボティがボクっ娘キャラみたいになってしまいました…予定では会話とかから妄想して真っ赤になるような娘をイメージしていたのですが…

では投下します



………

…少しあと・廊下…



すっかり腰の抜けた二人を支えるようにしながら、提督は大浴場に向かった。静かな廊下を歩くたびに「にちゃっ…ぬちゃっ…」とふとももが擦れて卑猥な水音を立て、二人が力ない様子で提督にもたれかかる。

ミラベロ「こんなところを誰かに見つかったら大変ね?」

リボティ「そうだね…提督に死ぬほどめちゃくちゃにされたって言おうか。本当のことだものね」…くすっ


提督「今度は廊下でお仕置きしましょうか?…私はいいのよ、見られたって。むしろごほうびですもの♪」
口だけは減らない二人に相づちを打ちながら引っ張り上げるように身体を支え、提督は大浴場にたどり着いた。

二人(と一部提督)の、ぐっちょりと濡れた洗濯物は隣の洗濯場に並ぶ、自動の洗濯乾燥機に放り込んでスイッチを入れた。


提督「お待たせ。さぁ、入りましょう」


…大浴場…


ざぁぁぁ…ざぁぁっ…

深夜とはいえ大浴場は開けられていて、帰投時刻がずれこんだり、執務や用事で早くに入れない艦娘や提督にも使えるようにしてあった。


提督「はぁい、目をつぶって。いくわよぉ?」しゃーっ…

身体中がべっとりと涎や蜜にまみれたミラベロとリボティを腰掛けに座らせると、提督はシャワーのお湯をかけ、シャンプーを泡立てて二人を頭からわしゃわしゃと洗った。


ミラベロ「あぁー、とっても気持ちいいわ」

リボティ「くたくただから洗ってもらって助かるよ…なにしろとっても激しかったからね…///」

提督「そう言うことは言わないって、さっき言ったばかりでしょう?」

リボティ「そんな昔のことは覚えちゃいないさ…」キリッ

提督「…カサブランカの台詞はかっこいい人が言うから似合うのよ?」

リボティ「私は格好よくないかな…?」しゅん…

提督「そうね…格好よくはないわね。…とっても可愛いけど♪」

リボティ「そうか…///ありがとう、提督」…ぱぁぁ♪

提督「私ももう一度身体を洗うわ…もう手とかふとももがべっとべと…うれしいけれどね♪」

ミラベロ「もう…///」

リボティ「そう、なら提督は流さなくてもいいかもね?」もにゅっ…♪

提督「もう♪まったくイタズラ好きなこと…♪」むにむに…
柔らかな双丘をリボティの小さな手の揉むに任せ、提督は身体を洗った。

リボティ「ふぅむ…反応がないとつまらないな…」

提督「今はもうおしまい。でないと一晩中終わらないでしょう?…また機会があったらお仕置きでなしに、たくさんしてあげるから♪」

ミラベロ「うれしい。…でも、さっきのってライモンドお姉ちゃんをからかった事のお仕置きだったのよね?…なのに、私すっかり提督の虜よ?イタズラして、「して」もらえるならごほうびになっちゃうわ…♪」さわっ…♪

提督「あら。それならそれで…「してあげない」っていうお仕置きにしましょう」

リボティ「それじゃ、提督もつらいんじゃないかな?一緒にいられないさみしさはロメオとジュリエッタ(ロミオとジュリエット。もとはイタリアの話)もかなわないよ?」

提督「ふふ?なら貴女が可愛いジュリエッタね?」

ミラベロ「なら私はどうなるの?」むすっ

提督「もちろん貴女もジュリエッタ♪…私ったらぜいたくね♪」 <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/01/10(火) 01:35:31.81 ID:aCrppC0K0<> ミラベロ「悲恋にならないように気をつけないとね?」

提督「そんな目には合わせないわ。そこは信用してくれていいわ」

リボティ「どうかな?嫉妬の炎で燃え上がるライモンドお姉ちゃんが見えるようだよ」

提督「大丈夫。ライモンは許してくれるわ。ただし、あんまりそのことでからかわないように。彼女のためにもね」

ミラベロ・リボティ「はぁーい」

提督「よろしい。なら、そろそろ出ましょうか」


ガラガラッ…

…湯上り…

提督「ふぅ…」バスタオルを巻いて籐の腰掛けに座り、妖精さんが補充してくれているガラスの水差しに入った冷たいレモン水を軽くあおった。…さりげなく置かれた水差しがボヘミアンガラスなのは見ないでおく。

ミラベロ「おいしいわ」

リボティ「まったく」

三人はしばらく扇風機の風で涼んで、提督は汚れていないナイトガウンだけを羽織った。

ふたりは大浴場に備え付けられているマリンブルーのバスローブを着て、あまり騒がないように部屋へ戻った。

提督「二人とも、お休みなさい。いい夢をね」

ミラベロ・リボティ「はい。おやすみなさい」ちゅっ…♪

部屋に入る瞬間に、二人は両方から頬にキスをし、軽く手を振って部屋のドアを閉めた。


提督「…うふふ♪」
頬を緩めきったまま、提督はそっと自室に戻った。
柔らかい布団にもぐりこむとあっという間に眠りに落ち、一晩中いい夢をみてぐっすりと寝た。



…翌朝・食堂…

提督「おはよう。みんな、気分はいかが?」

レオーネ「あぁ…大変にいいよ」…かぁぁ

フレッチア「げ…元気ですよ?」…ぽっ…

提督「あっ…あー…そう、よかったわね」

席に座り、熱っぽいものから、恥ずかしげに頬を赤らめているものまでさまざまな艦娘たちの視線を気にしないよう、無心に朝食のコンソメスープをすすっていると、となりのライモンが話しかけてきた。

ライモン「あの…提督…。その、別に構いませんが…あー…えーと…ほどほどにお願いします…」

提督「まぁ…そうね。…努力はしてみるわ……た、たぶん…」

ライモン「たぶん無理そうですね…はぁ」


………
<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/01/10(火) 01:40:02.43 ID:aCrppC0K0<> これでようやく、駆逐艦とおねロリが完了ですね、いかがだったでしょうか…?

今度はお菓子感覚でさくっと読める、ゆるい感じのでいきます <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/01/10(火) 02:17:11.25 ID:aCrppC0K0<> …ライモンはいい娘ですが、そろそろ変えてみてもいいかな…なんて思っています。今度は戦艦とか…

とりあえずゆるいの投下します。数日かけてのんびり付き合って下さい


………

…鎮守府・庭…

提督「うーん…いい天気」

着任してからというもの、大量に回ってきた着任関係の書類を片づけ、ようやく暇が出来た提督は、天気もいいので庭をじっくり見て回ることにした。
ライモンは珍しく他の用があるというので、お供するのは戦艦のカブール。大柄な身体を提督の歩く速度に合わせ、その丁寧な口調で詳しく説明してくれる。

カブール「ここが前庭ですね。海が見えて気持ちいいですから、用事がない時はここで休憩する方も多くいます」

提督「そうね。海風が爽やかで気持ちいい…」

正面玄関と堅苦しい施設はあくまでも入口に過ぎず、奥に伸びている道の先に本当の施設がある鎮守府は海に面し、正面の一階からそのまま出られる前庭は、いくつかの黄色っぽい岩の間に水仙と百合の花がうまく伸び、芝生や野の花が混じりあった平らな場所には、アマルフィ海岸にでもありそうなお洒落な白いデッキチェアと、日差しを遮るように白と青に色分けされたパラソルが立ててある。
周囲には小さな灌木もうまく散らばっていて、人工的な庭ではなく、本当に野山にいる気分にさせてくれる

景色もよく、海岸沿い、南向きのなだらかな斜面には心地よい海風とゆったり波打つ地中海の見事な眺めが広がり、今も数人が寝そべったり、座ったりして日光浴や昼寝を楽しんでいる。

提督「本当に保養地みたい…いいところねぇ」

カブール「全くです、こんなにいいところはなかなかないでしょうね…周囲は鎮守府の敷地、ということでうるさくなることもありませんし」

提督「素晴らしいわね。そのうちにみんなで海岸ピクニックでもしましょうか」

カブール「いいですね。何か機会があったら私から提案してみましょう」

提督「ええ、よろしくね」



………


<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/01/11(水) 01:29:42.38 ID:/f3jIPon0<> 提督「へぇ…」鎮守府の本棟を回り込むと、東側に面した横手にも緑が広がっている。前庭から曲がりくねった散歩道が伸びていて、「オズの魔法使い」のジュディ・ガーランドが歩いてきそうな明るい黄色の敷石が緑に映えて何とも美しい。

よく見ると、この辺りに生えているのはバジルやパセリのような香草が多く、茂みは小さい柵で囲まれ、それぞれに名前の書かれた小さいプレートが立てられている。
この姿になるまで陸上で過ごすことはなかった艦娘たちにとってこうした園芸作業は目新しく面白いもので、今も数人が柳のバスケットとハサミを持って、食事に必要な数種類のハーブを摘み取っている。

もちろんこうした香草や香辛料になる作物も農家から送られてくるもので充分まかなえるが、自分で摘み取った野菜を食べる醍醐味を楽しむ、ある種の娯楽として艦娘たちの間に定着していた。


提督「こんにちは、トレント。作業はどう?」提督は茂みの一つにかがみこんで、脇にバスケットを置いて作業をしている重巡トレントに声をかけた。

トレント「あっ、提督。ここに来るなんて珍しいですね」振り向いたきゃしゃな姿の彼女は、普段着の白いブラウスと薄緑のスカート姿で、アクセントにした薄桃色のリボンがウェーブの効いた長い黒髪をうまく引き立てている。

提督「そうねぇ、何しろ書類が山みたいに積もってたから…着任関連の書類をいっぺんに送ってくるなんて、海軍司令部に私のこと嫌いな誰かがいるんじゃないかと疑いたくなるわ。どうせ処理には数カ月かかるくせに…まぁそんなことはいいわ。せっかくいい天気なんだから、もっと楽しいお話でもしましょう?」

トレント「そうですね…。楽しいお話…と言っても、私たちはここの暮らしを十分楽しんでいますから、格別話の種になるようなものはありませんよ?…提督が来てからはますます面白いことがいっぱいで」

提督「///…そう?うれしいことを言ってくれるわ。じゃあ、お邪魔するのはやめておきましょうか。ところでお昼のためのハーブなのよね?献立はなぁに?」

トレント「えーと…今日は言えないことになっているので。ごめんなさい」

提督「そうなの…これでもだめ?」トレントに近づいてささやき、撫でるように頬に手を当てる

トレント「…だ、ダメです…私、そんなことには慣れていないんです…」貴婦人が身体をそらすような姿勢で距離を空ける

提督「そう、残念…。だんだん慣らしていきましょうね、チャオ♪」軽く手を振ってトレントの脇を通り抜ける


トレント「…甘くて、いい匂いです……私みたいな中途半端な重巡でも、いつか、月夜の海岸みたいにロマンチックなところで二人きりになれたら…」

………

…鎮守府・裏手…


カブールと連れだってやって来た鎮守府の裏手は、松の木の香りも爽やかな丘のふもとに続いていて、散歩道は夕涼みや思索にふさわしいあずまやに続いていた。丘を少し登ったところにあるあずまやの先には、崩れた古代ローマの別荘跡が、歴史を感じさせる形で静かにたたずんでいる。


提督「また違った空気…、涼しくて夏はよさそうね」円を描くような緩い階段を登りながら、提督は長い髪をさぁっ…と払った

カブール「そうですねぇ。昼もきれいな眺めですが、夕方は金色に輝く海が見えて、本当に素敵な場所ですよ」ふふ、と大人びた笑みを浮かべたカブールは提督の歩幅に合わせてゆっくりと歩く。

提督「そうね、今度は夕方に来てみましょう…」…ピタッ

カブール「あら、どうしました、提督?」数段先に登りかけたカブールが振りむいて尋ねた。

提督「しーっ…。こっちに来て…」小声でカブールを呼ぶと、階段を外れ、松林をそっと歩く提督。

カブール「?…どうしました?」何かいるのかと警戒するように小さく聞く

提督「いいから…。声は出さないで、静かに…」


提督が抜き足差し足でそっと松林を進むのに合わせ、カブールも大柄な身体で静かに歩いた。
あずまやがはっきり見えるところまで来ると、提督は脚を止めてそっと木の幹に手を当て、木陰から顔をのぞかせた。
いぶかしげなカブールも提督の頭越しに顔をのぞかせて、そっとあずまやの様子を見た。

提督「まぁぁ…やっぱり…♪」小声で歓喜の声を上げる提督

カブール「…えっ?…あっ。あぁ…///」恥ずかしげに顔を赤らめながらも、じっくりとあずまやをのぞくカブール

二人の視線の先には、丸屋根と石造りのしっかりした柱でできたあずまやが見える。
丸いあずまやには石のベンチが据えられているが、視線の先では今まさに濃厚なキスが交わされていた。

斜めに座って相手のふとももに手を置き、肩に手を回しているのは鎮守府でもレズっ気の強い軽巡エウジェニオ。
戦後ギリシャに渡った影響か、だれでもときめくようなギリシャ彫刻みたいな端正な顔にイタリア風の甘いささやきを使いこなし、いく人もの「愛人」を作っているとの噂が絶えないイケナイ艦娘である。

そのエウジェニオにそっと抱きしめられ、うるんだ瞳で崩れるようにもたれかかっているのは姉のアオスタ。
戦後はソ連にわたり、普段は理詰めで生真面目な所があるが、姉妹離ればなれだったせいか、「あの時のさみしさを埋めるため」の、妹の過剰な愛情表現の餌食になってもうれしく思っているネコ気質な所がある。


のぞいているところに声こそ届かないが、すっかり火照った様子のアオスタが、エウジェニオにじらされて愛撫をせがんでいる様子ははっきりと見える。
一方のエウジェニオはすっかり腰が砕けた様子の姉を見て、抱きしめたままでじらすようにキスの雨を降らせた。軽い触れるだけのキスから、見ている提督まできゅん、とうずいてきそうな熱いキスまで、巧みに姉を責めあげると、両手を流れるように滑らせ、そっとふとももを触り、デコルテの中に手を入れた…


提督「…カブール、行きましょう」

カブール「あっ…はい。のぞくのはいけませんものね」小声で返事をし、名残惜しそうに提督についてくる



<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/01/11(水) 02:16:33.21 ID:/f3jIPon0<> 提督「昼から…こう、静まり返った庭園の裏…あずまやの聖マリア像だけが見ている中、重なり合う姉妹の唇…禁断の愛って甘美でいいわね///」

カブール「えーと、まぁ…アオスタたちに限らず、一部の娘たちはあのあたりで逢引したり何かしたりしているようですから。ああいう場面もないわけではないでしょう」

提督「そう、ならこれからあのあたりに行くときはちょっと気をつけていかないと。邪魔してはいけないものね」

カブール「あら、意外ですね。てっきり参加でもするのかと」

提督「そんな無粋なことしないわ。してもいいって言ってくれるならぜひお邪魔したいけれどね♪」

カブール「でしょうね。ライモンドの苦労がわかります」首を振ってあきれたような口調のカブール

提督「仕方ないでしょう?恋の矢はいつでもいきなり胸を撃ちぬくのよ?…それに我慢や遠慮が出来るような恋なんて本当の恋じゃないわ。その人と過ごせるのなら、火傷しても構わないって思うものなのよ」きっぱりと言い切る提督

カブール「説得力はありますが…節操がないと言ってもいいでしょうね」

提督「仕方ないでしょう。十人いれば十人それぞれに可愛いところや愛おしいところがあるのよ…?そのうち私が好きなものを選んでも、十人のうち五人は残ってしまうの。でも私は選んだみんなを公平に愛するようにしているし、求められればたいていのことはしてあげるわ」(上級者向けのことでも…ね♪)

カブール「ある種すばらしい才能ですが、正直そう熱っぽく語られても…」

提督「そう…カブールは私のこと嫌い?」手を握って、じっとカブールを見る

カブール「いいえ、むしろ好きな方ですよ?関係を持ちたいかどうかはまだ決めかねる所ですが、そうした付き合いも決して嫌ではない、とだけ言っておきます」(まぁ…確かに可愛い娘よね。何だかんだで、チェザーレたちが狙うのもわからなくはないわ)

提督「まぁ、うれしい。なら頑張って「欲しい」って思われるようにするわね」

カブール「そうですね。私だけでなく、みんなに「欲しい」と思われるような提督は、きっとみんなのことを良くわかっている提督でしょうから、提督はぜひみんなから「欲しいと思われる提督」を目指してください」

提督「カブール…それでいいのかしら?」

カブール「別にいいのではないでしょうか?私はみんなが無事に帰ってきて、楽しい暮らしがここでできれば十分だと思いますよ?」

提督「そう…そうね♪なんだか暗闇に一筋の明かりが差したみたい。…ありがとう、カブール」ちゅっ…♪

カブール「はい。…さぁ、そろそろ一周しましたよ。時間もいいころですし、そろそろお昼です。私は他に用事があるので、提督は先に食堂に向かって下さい」

提督「あら、そう?なら先に行っているわ。貴女もあまり遅れないようにね、冷めちゃうもの」

カブール「はい。では、失礼します」

………


<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/01/13(金) 00:42:09.23 ID:FGERaCe+0<> お待たせしている方ごめんなさい…なにぶん遅いもので…あと、ザラ級の順番がたぶん違ってたので訂正を…「ザラ」「フィウメ」「ゴリツィア」「ポーラ」の順番が正しいと思います

では投下します


………

提督「こんな昼時に用事なんて大変ね…でもお願いごとや訓練はしてなかったはずだし…どっちにしろお昼の後にすればいいのに」

小声でつぶやきながら食堂のドアを開けると、食事は始まっておらず、数人が提督を待ち受けるように、意味深な笑みを浮かべて立っていた。

トレント「お待ちしていましたよ?提督」

ポーラ「そうですねぇ〜。ポーラ、ずいぶん待ちましたぁ」

フォルゴーレ「もう、ずいぶん待ちましたよ?」

提督「え、今日って何かあったかしら?」

ポーラ「どうでしょう〜?とにかくぅ〜、こっちに来てぇ」

手をひかれて連れてこられた席には普段のものよりさらに上等な皿が並べられている。他の艦娘たちとは明らかに違う献立のようで、そばには辛口な白ワイン「エスト!エスト!エスト!」が露を垂らすほどキリリと冷やして置かれている。

提督「えーと、どうしたのかしら?」いきなりのぜいたくに戸惑い、かたわらのポーラに聞く。

ポーラ「それはぁ〜、秘密♪」

提督「本当にどうしてかしら…」そう言って首をかしげていると、厨房からライモンが現れた。
普段のきりっとした雰囲気ではなく、どこかイタズラをたくらんでいるようなおどけた様子である。と、にっこりと笑ってライモンが言った。

ライモン「提督!初出撃成功、おめでとうございます!」彼女が拍手すると同時に、あちこちにいた艦娘たちが隠していたクラッカーを鳴らし、紙テープが辺りに舞った。

提督「え、えっ?…でも、かれこれ一週間くらい前のことよ?」

ライモン「ええ。そうなんですが、計画に時間がかかってしまったんです。それにどうせなら日曜日にやりたいな、と思いまして。皆さんの協力もあってきょう開催することになりました」

提督「そうだったの…それで「庭を見て来たらどうか」、なんて言って表に追い出したわけね?」くすくす

ライモン「はい。せっかくですからびっくりさせようと思いまして。では、お料理を持ってきますね」
そう言ってくるりと背を向け、厨房に戻ろうとするライモンを何人かが押さえつけた。

チェザーレ「まあ待てライモンド。提督のもとで一番かいがいしく執務をこなしているのは貴様ではないか。同席して一緒に楽しむがいい。チェザーレが料理を持ってきてやるから」

フィウメ「そうね。ポーラもそう思うでしょ。ねっ?」

ポーラ「ポーラはぁ、フィウメ姉の言うとおりだと思うのぉ〜♪」

ダルド「私もそう思います!フレッチア姉さんもそう思いますよねっ?」

フレッチア「そうね。いま私の心にも雷がピカッと来たもの。間違いないわ」

ライモン「そこまでみなさんがおっしゃるなら…では提督、隣、失礼します」すっ

隣の席にそっと腰を下ろし、いかにも遠慮がちに座ったライモンに、あたりの全員が歓声をあげた。提督もにっこりとほほ笑んで、軽く手を差し伸べ、指を絡めてぎゅっと握った。

「わーっ!」と歓声と拍手が上がり、ライモンが顔を赤らめてもじもじしている中、チェザーレが一品目を持ってきた。

チェザーレ「まずは鮪のカルパッチョである。ローマではなかなか賞味できない新鮮なマグロだ。今日マルタから送られてきた」

提督「まぁ…おいしそう。ライモンのお皿もお願い」

フレッチア「持ってきてますよ。フレッチアは地中海にひらめく電光ですから!」

提督「ふふ、ありがとう。フレッチア。さ、ライモンも付き合って?まずは乾杯ね?」ポーラが栓を開けてくれ、ほどよく冷えたワインを注いでくれる。

<> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/01/13(金) 00:48:56.71 ID:QWEJIDcjo<> きたか <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/01/13(金) 01:35:39.53 ID:FGERaCe+0<> 提督「乾杯♪」コンッ。軽くワイングラスを当て、香りを少し楽しんでから口に含む。


…辛口のきりっとしたワインは、確かに美酒のある店に「エスト!」(ここに!)と書くべきところを「エスト!エスト!エスト!」と三回も書いてしまうだけのことはある。少し若いが、その青っぽさもさっぱりした魚料理によく合う。

提督「では、ライモンの愛情たっぷりのカルパッチョを……おいしいわ♪」
新鮮で汁気たっぷりのマグロでしか味わえない赤味ならではのうまみと、搾り過ぎないで作ったオリーブオイルの組み合わせがさっぱりした味わいながら、頬の内側にくすぐったくなるようなおいしい後味を残す。


ライモン「ん…おいしいです。新鮮だったのでカルパッチョかな、って思ったのですが、正解でした♪」嬉しそうに微笑むライモンに、提督も笑い返す。

ザラ「お熱いこと。よかったわね、ライモンド?…さて、と。私たちはもう用がないし、一緒にお部屋に行きましょうか?ポーラ?」そばで見ていたザラは無邪気な妹、ポーラに向かって言った。

ポーラ「はぁ〜い。ザラ姉さま♪…ポーラ、ザラ姉さまたちと一緒に「お昼寝」でもしようかなぁ〜、なんて。えへへぇ♪」大人しい姉の何気ない言葉に妹は意味深な一言を返し、素直に赤くなる姉をからかった。

ザラ「///…いいわよ?フィウメ、ゴリツィア、あなたたちも来る?」ザラは四姉妹の他の二人も巻き込むと、恥ずかしげに食堂を出て行った。


提督「……次の料理は何かしら?」

ライモン「あー…もう来ますよ、もう一杯いかがですか?」ザラたちの甘すぎる時間の過ごし方を知っている艦娘たちは顔を赤らめたり、あるいは顔を赤らめつつもお互いに指を絡めてそっと出て行ったりした。
妙に期待するような甘い雰囲気が漂ってきた中、提督とライモンは気まずい会話を続けていた。


チェザーレ「お待たせしたな。おや、ザラたちはもう帰ってしまったのか。飽きっぽいことだ。それとも、二人の仲睦まじい様子にあてられたか?」

ライモン「いえ、そんな。チェザーレさんは冗談が厳しすぎます」

チェザーレ「そうか?チェザーレには二人の仲はそう浅くないようにみえるのでな。おっと、いけない。次の料理だ」


サラダの次はスープ扱いになるパスタ。落ち着いた緑色のソースが絡んでいるパスタの中央にはバジルの葉がきれいに乗せてある。


提督「ジェノベーゼ?」

チェザーレ「さよう。ライモンドがフレッシュバジルで一から作った手間のかかった一品だ」

提督「ジェノベーゼソースを一から作ったの?ライモン、大変だったでしょう?」

ライモン「いえ、提督においしいジェノベーゼを味わってほしかったので、ちっとも苦にはなりませんでした」

提督「///…ありがとう、私は幸せ者ね♪では、苦労した力作を…」くるくる…っ、んむ……


…ライモンが手作りしたジェノベーゼは「ジェノヴァ風の」という意味で、バジルと松の実、ニンニクをすりつぶして、そこにチーズを加えて作る、大変に手間のかかるパスタである。
今では市販品も多いが、本来は石のすり鉢で根気よく作る一品で、緑の色味とニンニクのいい香り、松の実とチーズのこっくりした濃厚な味わいと、それをうまく打ち消すバジルの風味が大変においしい。新鮮なバジルで作るジェノベーゼは季節のぜいたくで、素晴らしい味に提督の顔も思わずほころんだ。




…とりあえず今日はこの辺で…週末にかけて少しづつ投下していきますので、読んで下さっている方はもう少し待っていて下さい

<> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/01/13(金) 01:44:05.74 ID:uau7YvHto<> 乙です
日常描写豊富でうれしい <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/01/13(金) 09:49:39.01 ID:z4Zx68NTo<> おつ
毎回腹が減るぞこのスレ読んでると <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/01/13(金) 16:18:39.92 ID:sHSSXlRF0<> なぜこんなにイタリアに詳しいのか
疑問である <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/01/14(土) 00:09:44.07 ID:J/w7uYdw0<> お腹を減らして待ってくれている皆さま、遅筆でゴメンなさい…日常描写はとっつきやすいかなと思って多めに入れるようにしてます。


※まず訂正を入れます、ジェノベーゼを作るときはバジルやニンニクをすりつぶしながらオリーブオイルで伸ばしてください。そうでないとソースになりませんから…つい忘れてしまいました、日本ではバジルが育つ夏しか作れないもので…、ちなみに「青○洞窟」でも結構おいしいですから一度試してみると雰囲気が味わえるかと…


…ちなみに日常風景が多いのは設定的には、「‘一級百合フラグマスター’の提督がこれ以上目立つことがないよう、安定した海域の鎮守府で鳴かず飛ばずの状態にしよう」という上層部の考えがある、ということにしてます。


イタリアに詳しいほどではありませんが…イタリア海軍は前から好きでしたので…艦これ以前はイタリア艦(?)みたいな感じだったので、これで史実も調べてくれる方が広まれば嬉しい限りです。何しろ軍艦のデザイン的にも設計的にも優れたものが多いですし。

イタリア艦は狭い地中海だけに燃料搭載を減らして、その分のステータスを他に回しているというのも多いですが、日本と同じで後発列強だった分、一隻づつに新技術を盛り込んでイギリスやフランスに遅れを取らないよう一生懸命だったんです…

…戦争になってからは、燃料と資源はないし、スペイン内乱で資金を使い過ぎて兵器の更新は出来ないし、たいていの提督はやる気がなかったし、兵隊たちも「ムッソリーニのお遊びなんかにつき合ってられるかよ…けっ!」って感じだったのであっさり負けてしまいましたが、「おれの故郷はやらせねぇぜ!」とか、「おれがやらねえで誰がやるんだよ!」ってなるとものすごく強いんです…江戸っ子かたぎというか…何しろ「十二人以下のイタリア軍は最強」ですから…


これからも小ネタでイタリア感を出していくつもりです。「ガンスリ」的なおしゃれ感が出せればな、と思っています。

では食事の続きから… <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/01/14(土) 01:16:37.42 ID:J/w7uYdw0<> 提督「おいしいわよ、ライモン。ジェノバでもこんなにおいしいのはあんまり見かけなくなったもの」

ライモン「そうなんですか?」

提督「アメリカからの観光客が増えたからどうしようもないチェーンのピザ屋が増えてるの。べたべたと味付けの濃いあれを「ピッツァ」とは言いたくないわね…」

ライモン「…これだけ深海棲艦が増えて大変なのに、ですか」

提督「ほら、空路は別に何ともなってないし、ハワイやカリブ海のマリンレジャーやクルージングが低調になった分、どっとこっちに流れてきているのよ。まぁ、おみやげ物の店はもうかっているけどね」言いながらくるりとパスタを巻き取り、口に入れた。

ライモン「なるほど…」

チェザーレ「…そんな重い話をしながら食事をとると消化に悪いぞ?さぁ、メインディッシュ、鶏モモ肉のローストだ」


…二人の前に置かれたのは皮目が金色でパリパリとしたチキンのローストで、横にこんがりとしたポテトとローズマリーが乗せてある。

提督「まぁ、おいしそう」さっそく熱そうに湯気を立てている鶏肉にナイフを入れる。軽くふーっと冷まし、口に運んだ。塩、胡椒とニンニク、パセリを組み合わせた控えめな塩味が、いい鶏肉ならではの甘味のある肉汁にしみ込んで、じゅーっと口の中に広がった。

提督「おいしい…、幸せ…」提督は最低限の反応以外はしないでせっせと鶏肉を切り分け、それでも一切れ、二切れ目まではおしとやかにしようと、小さく切って口に運んでいたが、素晴らしい味付けと食欲のせいで我慢ができなくなり、三切れ目から大きく切り出してかぶりついた。


チェザーレ「ふふ。いいことだ…美味いものをうまそうに食べる。健康でなければ美食もうまくないし、健康でもまずい食事ではこうはいかない。よかったな、ライモンド」

ライモン「はい♪しっかり準備してよかったです」

提督「んむ……はぁぁ、おいしかったわよ♪ライモン。…とっても幸せ♪」

ライモン「早いですね…わたしはまだ半分くらい残っていますよ…」

提督「あら…いくらおいしいにしても早すぎるわ…体重計を考えるとよくないわね…」

チェザーレ「ふぅ…どうして戦時下でもなく、昔のように飢饉や不作もないこのご時世で好きなように食べられるというのに、最近の娘たちは多少の体重を気にするのだ?チェザーレは鶏ガラのようなやせこけた娘より、むっちりと肉付きのいい娘の方が健康的でいいと思うが?」

提督「いろいろあるのよ…それにここに来てから……キロも増えたわ…」

チェザーレ「そんな程度だろう?誤差みたいなものではないか。第一、提督の体重は全部胸やふとももに行っているようだぞ?触り心地がよさそうで、ますます魅力的ではないか」

ライモン「…確かに、提督、胸…大きくなりましたよね…」じーっ…

提督「いえ。まぁ…最近下着がきつい感じがするからきっとそうだと思うけど…乳房が垂れたら嫌だもの」

ライモン「いえ、提督の胸は柔らかいですが張りがありますから大丈夫ですよ」


ざわざわっ…!きゃー!(嬌声や歓声)


提督「うれしいけど…ここで言われると少し恥ずかしいわ///」

ライモン「あっ…!ご、ごめんなさい…恥ずかしくて死にそうです…」

チェザーレ「ははは。気にするな、ライモンド。貴様の夜這いなどザラたちの乱痴気騒ぎに比べればしとやかで可愛いものよ」

ライモン「それは比較対象が悪い…と言いますか…一緒にされても…」

提督「…そうね。ライモンのおねだりは可愛いわ。もっと積極的になってくれてもいいのに?」

ライモン「提督!わたしは秘書艦であって、提督の愛人になったつもりはありません!」

提督「もちろん愛人じゃないわ?私の愛しい恋人の一人♪」パチンッ♪(ウィンクを飛ばす)

ライモン「///…チェザーレさん、提督の口を黙らせるので次の料理をお願いします!」

チェザーレ「承知した。まったく、そんな一言で真っ赤になって可愛いことよ」

ライモン「はぁ…もう」ごくっとワインをあおり、首を振るライモン

チェザーレ「パンとチーズをお持ちした。そろそろお開きというわけだ」

提督「ありがとう。…わ、焼き立てなのね。香ばしい香りがする」


パンは小さな丸いパンにケシの実を散らした香ばしいものと、チーズを練り込んだ円盤状のもので、横には軽めのチーズが並べてある。
香ばしいパンを一つ二つ取り、黄色っぽいチーズとアンズジャムでいただき、手を軽くはたいた。







<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/01/14(土) 02:06:15.09 ID:J/w7uYdw0<> 提督「はぁぁ…おいしかった。でも甘いものがまだあるのよね?楽しみにしているわ」

ライモン「はい、期待していて下さい」


チェザーレ「お待たせした。…これは、シャーベットだな」ガラスの脚付きの皿に三角錐型に盛られて、シロップが入った銀の小さい水差しがついている。

ライモン「ただ昔風なだけのシャーベットではありませんよ?シチリアから来たレモンを絞ってシロップを作り、氷もスイス国境のアルプスから来た天然氷ですから」

提督「手間をかけているのね…爽やかでおいしそう」

チェザーレ「ほう?シャーベットか…」

提督「一口食べる?シャーベット、懐かしいんじゃないかしら?」(ユリウス・カエサルは最盛期のころアルプスから氷を取り寄せてかき氷を食べたとか)

チェザーレ「チェザーレは戦艦「ジュリオ・チェザーレ」だから直接懐かしく思う、ということはないな。しかし何となくルーツのようなものを感じるというか…一口だけ頂戴しよう。ライモンド、許せよ?」あーん…

ライモン「…一口くらいで怒りませんよ。わたし、そんなに嫉妬深く見えますか?」

チェザーレ「いや、だが以前ミラベロたちの身に起こったことを考えるとな……ふむ、美味いな。さっぱりしていて、強調しすぎないレモンの風味が豊かだ」

提督「どれどれ…本当ね。口の中がさっぱりしておいしい」しゃく…

チェザーレ「チェザーレの唇が触れたスプーンに提督の唇も触れる…これが「間接キス」というやつか。別段大騒ぎするほどのことではない気がするが」

提督「!…間接キス、しちゃったわね……ライモン、ごめんなさい」

ライモン「…別に構いませんよ。何度も言いますが、わたし、そんなに嫉妬深い性格じゃないです」

提督「でも悪かったわ…。お詫びするわね」ちゅっ…♪


わぁーっ!

鎮守府の艦娘十数人が見ているなかでの、唐突な唇へのキスに辺りは湧いた。チェザーレは「良かったな」、と言うようにライモンにウィンクを送り、食後のコーヒーを用意しに厨房へ戻って行った。ライモンは嬉しいが真っ赤になって、提督は可愛らしい反応にくすくす笑った。


ライモン「て、提督…!みんなの前ではしない、って決めたはずです…///」

提督「いきなりで驚いたわよね、ライモン。…でもね、もうそろそろいいんじゃないかしら。数日前から言おうかなとは思っていたのだけれど、艦娘たちにもある程度理解があるようだし、全然隠していない娘たちもいるから…ね♪」

ライモン「…それにしても事前に言ってほしかったです…心臓が飛び上がりそうでした」

提督「ごめんなさい。それに、そろそろ自制がきかなくなってきて…。でも、秘書艦交代に重ねる形になって悪かったわね。本当なら貴女と昼からいちゃいちゃする気だったのだけど…交代制にするって言ってしまった手前、ひるがえす訳にもいかなくて…」

ライモン「まぁ、提督もよく耐えたのではないでしょうか。…それに、わたしは大丈夫です。こうやって大っぴらにして下さったのですから、もう遠慮したり、気おくれしたりせずに迫ることができます…」ん、ちゅぅぅぅ…♪

提督「……んっ…ふぁぁっ……ぷはぁ♪…では、改めて仲良くしましょうね、ライモン。みんなも、ね♪」提督が辺りの艦娘たちにぱちりとウィンクを送ると、甘い歓声の嵐が沸き起こった。
<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/01/15(日) 01:18:57.49 ID:2On5iSeR0<> …しばらくして・食堂…

ライモンの心づくしの昼食と濃厚なキスをすっかり堪能した提督は、軽く昼寝を取り、きりりと引き締まった表情を浮かべて演台に立っていた。
食堂に集まった艦娘たちは提督の大胆な百合告白を噂し、なかなか静まらない。
とうとうチェザーレとガリバルディが周囲を叱りつけ、ようやく期待に満ちた静寂が訪れた。


提督「えー、前から言っていた通り、秘書艦の交代をしたいと思います。まずはライモン、着任以来ご苦労様。また秘書艦をお願いする機会もあると思うわ。その時はまた右腕としてよろしくね」

ライモン「は、ありがとうございます」あくまでも正式な行事としてふるまい、きっちりと敬礼を行うライモンに、提督も答礼を返した。


周囲から拍手が起こると一礼してライモンは段を下り、妹、ムツィオ・アッテンドーロの隣に戻った。


提督「それで、次の秘書艦を決めるに際して、私は出来るだけ公平にしようと、条件を決めて選びました。正直、最後まで悩まされたわ」
ちょっとはにかんだような笑顔を浮かべる提督。

提督「艦隊にある程度馴染んでいて、指揮能力にも不足なし。もちろん、艦の大小は関係なしで厳密に選ばせてもらいました」


ざわざわ……期待するようなひそひそ話で辺りがざわめく。あればドラムロールでも響きそうな間が生まれ、一瞬の間をおいて、提督の声が響いた。


提督「新しい秘書艦は…、戦艦、アンドレア・ドリア」


わぁーっ!歓声があがり、ドリアは驚いたように口を片手でおおった。


ドリア「え…え?私が?秘書艦ですか?」

チェザーレ「そうだと言っているぞ、早く行ってくるがいい」

デュイリオ「よかったわね。ドリア。さぁ、いってらっしゃい」


戦艦たちに押し出されるようにしてドリアが出てくる。左右の艦娘たちは道を空けてやり、拍手を送る。演台まで来たドリアは、嬉しそうに笑みを浮かべたが、すっと真面目な表情に戻り、壇上の提督を見た。

ドリア「戦艦、アンドレア・ドリア。秘書艦の役目、仰せつかりました!」かつっ!とかかとを鳴らし敬礼したドリアに、提督は敬礼を返し、それからうって変わったようににっこりした。

提督「これからよろしくお願いね。ドリア?」

ドリア「はい、お任せください」ドリアも柔らかな笑みを浮かべ、それから提督を引き寄せ、頬に軽くキスをした。


わぁーっ!歓声と拍手の嵐が巻き起こり、奥手気味なドリアを心配していたデュイリオはほっとして、隣のチェザーレにささやいた。


デュイリオ「よかったわ。これでドリアと提督の仲が少しでも進展してくれればいいのだけど…」

チェザーレ「心配はいるまい。提督はあれをかなり好いているようだ。むしろ、貴様はいいのか?」

デュイリオ「気にしないでいいわ。ドリアと私は一心同体。彼女の喜びは私の喜びですもの」

チェザーレ「ふむ…。貴様のその姉らしさ、ドリアもそうだが…。チェザーレは好ましく思っているぞ。しかし貴様はドリアではない、カイオ・デュイリオという一個の感情を持つ立派な艦娘だ。遠慮ばかりでなく、たまにはわがままを言っていいのだぞ?」

デュイリオ「ふふふ、ありがとう。チェザーレ。そうね、そのうちに私もわがままを言ってみるわ」

チェザーレ「そうとも。…お、あいさつが始まるぞ」











<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/01/15(日) 01:50:38.19 ID:2On5iSeR0<> ドリアは演台のマイクを借り、少し高さを調節した。


ドリア「こほん…。まずはライモンド、提督の支えとしてよく頑張ってくれました。私を始め艦隊のみんなが、あなたのおかげでいろいろ助けてもらいました…ありがとう」ライモンに頭を下げ、ライモンは「そんな」と言うように手を振る。あたりの艦娘もかいがいしく秘書艦を務めたライモンに再び惜しげない拍手を送った。


ドリア「次に、提督。私を選んでくれてありがとうございます。このドリア、貴女のために尽くし、秘書艦としての責務を果たし、期待に応えてみせます」

ドリア「最後になりましたが、艦隊のみなさん。私も力を尽くしますが、もし至らないところがあったら、どんなことでも教えて下されば助かります。私たちのためになることは、提督のためにもなります。助け合ってがんばりましょう」


わぁーっ!拍手と応援の声が上がり、ドリアは恥ずかしげに微笑んだ。


提督「みんな、暖かい拍手をありがとう。秘書艦交代の式はこれで終わります。……ところで」提督の意味深な口調に、周囲の和やかな雰囲気がまた静まり返った。

提督「えー…私の…その、あー…いわゆる、まぁ、その…いままで隠すような形になっていましたが、ここではっきり明言しておいた方がいいかと思い…この場を借りてみんなに言うことにします…」妙にもじもじした様子の提督に辺りがざわめく。察しのいい数人はわくわくしながら提督を見ている。

提督「要は、私の個人的嗜好の話ですが……その…私は百合…つまり、同性が大好きです…実はローマからここに転属になったのも、スキャンダルを警戒した海軍司令部の配慮によるものです。艦隊でもし「気持ち悪い」と思う方がいれば…それはしかたな……」


うわぁぁぁっ!(大歓声)


提督「…え?」

ライモン「いまさら何を、ですよ」はぁ…

ポーラ「すっかり〜、バレバレだったものねぇ〜」くすくす

チェザーレ「着任後数日で噂になっていたぞ」

エウジェニオ「素晴らしいわ!一緒に愛を育みましょうね♪」


提督「ばれてたの…そう」ある程度拒否反応もあるかと身構えていた分、あまりの抵抗のなさに拍子抜けした提督

ドリア「当たり前ではありませんか…初日のお茶の時間、忘れたとは言わせませんよ?」くすっ

提督「あー…私にできることなら「何でもしていい」って言ったものね…お手柔らかに…」

ドリア「はい♪」

提督「えー…と、まぁ、その。そういうことですので、任務に差支えが出るとか、度が過ぎていない限りは、私は歓迎しますから。お互い最低限のルールは守るようにしましょう…以上、解散!」


ざわざわ…がやがや…


提督の発表に刺激を受け、数人は明らかに今までと違った目で提督を見て出て行った。中には投げキッスやウィンクを送ったり、明らかに熱っぽい視線を送ってくる艦娘もいた。提督はふふっ、と微笑み、今までよりずっと気楽に構えて見送った。


ドリア「提督///やっと私も…待っていましたよ?」

提督「そうね。よろしく、ドリア。大人の女性の扱い方、私に教えてね?…ん、ちゅぅぅ…れろっ…ちゅるぅぅ…♪」大柄なドリアを見上げるようにしていた提督は急に腰に手を回し、食堂の真ん中で深いキスを交わした。

ドリア「…んん…ちゅぅ…ぷはぁ♪…急に積極的になりましたね?でも、まずは執務ですよ?お楽しみは夜までとっておきましょう?」ある程度キスに応えてから、つと唇を離し、ドリアは甘やかすような口調でいった。

提督「もっとしたいけれど、そうね…。では、改めてよろしくね、ドリア?」

ドリア「はい。こちらこそ♪」



…今日はここまでで。今度の投下ではドリアといちゃいちゃし始める予定です、お楽しみに…







<> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/01/15(日) 14:49:08.60 ID:lfBlUyL3o<> おつ
やっと熱々ドリアを頂けるんやなって思うとワクワクする <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/01/15(日) 16:57:44.21 ID:GU6l5o/L0<> ドリアは熱々に限るな <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/01/17(火) 00:01:43.23 ID:erd2MXj/0<> お待たせしました。投下しますがその前にまず訂正しなければなりません…


ホワイトソースを使い、ジェノバの提督ドリア公の名前を冠するあたりで、普通に北イタリアの料理だと思っていましたが、ピラフにペシャメルソースをかけて焼く「ドリア」は昭和初期に日本のホテルで外国人シェフが生み出したものなんだそうです…普通にイタリアで馴染んでる感じにしてしまいました、ゴメンなさい。…こういうことはよく調べないとだめですね


…他は今のところ「本当の」イタリア料理ですから大丈夫ですが、なんだか申し訳ありません。とりあえず「ドリア」と名のつく色んなものに挑戦した「アンドレア・ドリア」の得意料理で、提督は親交のある日本の百合提督さんにごちそうになったということにします… <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/01/17(火) 00:28:58.57 ID:baIRHmbto<> はえー目からウロコ <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/01/17(火) 00:48:39.51 ID:erd2MXj/0<> では、熱々ドリアをどうぞ

………

…翌日・昼間。執務室にて…

提督「ふわぁ……」暖かい午前の光を背中に受け、立派な椅子に腰かけたまま大きなあくびをかみ殺すと、うーんと伸びをする提督。

ドリア「あらあら、ずいぶんと眠そうで。昨日はあまりお休みになれませんでした?」くすっ、と微笑むドリア

提督「ええ…、昨日の私の宣言で艦娘のみんなもタガが外れたみたいで…。大浴場の個室でただ洗いっこしているにしては甘すぎる嬌声が聞こえるし、散歩に出てみると裏のあずまやで愛の告白の最中だし…私も昨日だけで花束、愛の手紙、熱い挨拶のキスを受けること十数回…。「夜をご一緒しましょう」って誘いの言葉も数回もらったわ。嬉しいけどいくら何でも急激すぎるでしょう…」


ドリア「まあまあ。結局、みんなお互いに様子見で秘めていたものがあふれたのです。エウジェニオやザラ級の姉妹あたりは別でしたが…きっとさらに激しくなりますよ?」

提督「可愛い女の子に告白されるのはうれしいわ…でも角を曲がるたびに告白やらキスしている現場に出くわすのは…」

ドリア「幸せでしょう?」

提督「…ええ♪でも邪魔してはいけないから気を使うのよ…廊下を歩くのにこんなに気を使っていたら身体が持たないわ…」

ドリア「では私からそれとなく言っておきます。…ふふっ、提督も大変ですね?」

提督「いいのよ、気にしないで?私がまいた種だもの。ちゃんと責任はとるわ」

ドリア「百合でしたら種ではなく球根ですけどね?」くすくすっ…

提督「茶化さないで。…そういえばドリア、初日にごちそうになったあれ。「ドリア」って言ってたけれど、あれイタリア料理じゃないわよね?」

ドリア「ええ。日本で生まれた洋食ですよ。なんでも横浜のホテルで、具合の悪い方に喉ごしよく食べてもらうためのアイデアだったとか」

提督「ホワイトソースとポモドーロ(ひき肉)の組み合わせっていかにも北イタリア風だし、一瞬だまされたわ。前に日本の提督にごちそうになっていなかったら知らないでそのままだったわ」


ドリア「くすっ。ちょっとした冗談のつもりだったんです。実際に「ドリア」と名のつく料理はフランス料理にあるそうですよ。ドリア公はジェノア(ジェノバ。生粋のジェノバ人は「ジェノア」と言うらしい)以外にフランスやスペインでも艦隊を指揮していますから…。それはともかく、日本生まれの「ドリア」はおいしいですし、せっかく「ドリア」の名がついているのならぜひ覚えてみようと思いまして」


提督「そうね、とってもおいしかったわ。また作ってくれる?」

ドリア「まあ、奇遇ですね?ちょうど材料もあるし、今夜にでも作ろうかと思っていたところなんです」

提督「そうなの?結構食べたかったし、楽しみにしているわ。…でも、もしよかったら一緒に作るの手伝っていいかしら?」

ドリア「もちろんいいですよ?でしたら午後から厨房に行きましょう」

提督「そうね、どうせ処理する必要のある書類はないし…料理もしないと腕が鈍るものね」

ドリア「では、決まりですね」

提督「ええ。おいしくできるといいわね」

ドリア「はい。お任せ下さい♪」

<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/01/17(火) 01:45:52.60 ID:erd2MXj/0<> …午後・厨房…


厨房は清潔感のあるステンレスと、ピッツァやパスタの生地用に石材でできた調理台が半分ずつ分かれていて、反対側、食堂が見える側のコンロも大火力のものから小型のものまで六つも五徳が並んでいる。天井からぶら下がっているのは大きさの違うレードル(おたま)や計量カップ、素材もさまざまなフライパンや鍋。
引き出しにしまってあるのは様々な包丁で、ドイツ・ゾーリンゲンの「切れすぎないよう」作ってある包丁に、日本刀で有名な関(せき)や新潟の燕・三条(つばめ・さんじょう)と、銀色に輝いてずらりと並び、深海側の駆逐艦くらいならバッサリと切り捨ててしまえそうなほどである。

小物や皿も目利きがそろえたようにいいものが並んでいて、多少のスレや傷が使い込まれたものであることをわずかにしめしているに過ぎない。
提督はしげしげと辺りを見渡して、感嘆のため息をついた。



ドリア「では、そろそろ始めましょうか…提督?」

提督「あぁ…ごめんなさい。立派な厨房で驚いたわ。…それはともかく、ドリアって若いわよね…艦娘も実年齢とまでは言わないけど「艦齢がある程度出る」って聞いていたから…本当に1916年生まれなの?」

ドリア「ええ、そうですよ?とはいえ、戦前に七割ほど大改装しましたから、すっかり若返りましたが。こうしていたらおばさんには見えませんよね?」白いエプロンをしたままくるりと回って見せるドリア

提督「私のお姉さんで通るわ…。お化粧しているとはい…え?」

ドリア「していませんよ?香水やおしろいの匂いが料理につきますから。指輪や腕時計も外すのは当たり前でしょう?」

提督「…してないの…?若々しすぎるでしょう…」

ドリア「まぁ、お上手。でも、若いのは顔だけではありませんよ?ふふっ…♪」

提督「………」ごくり…

ドリア「さぁ、お料理に取りかかりましょう?」

提督「ええ、そうね…ドリアもいろいろあるけど、どうするの?」

ドリア「シンプルにひき肉とホワイトソースのドリアにしましょう。タマネギのみじん切りをお願いします。お米はもうしかけてありますから、その間に、私はホワイトソースを作ります」

提督「はいはい。ええと、タマネギは…あら、出してある。…準備がいいわね。こういうのって、簡単なことだけど助かるのよね」

ドリア「厨房担当の娘がやっておいてくれました。そのうち直接お礼を言ってあげてくださいね」

提督「そうね。補助艦は地味でも大事だものね」シンプルなシャツの袖をまくり、手を洗い、エプロンを着ると細身の包丁を取り上げた。

トン、トン、トトトトッ…おいしい料理を振る舞っては、何人もの女性を虜にしてきた提督だけあって手際はよく、三個の玉葱はすぐみじん切りになった。

ドリア「まぁ、手早いですね」焦がさないよう慎重に木べらを動かしつつ、横目で見ながらほめるドリア。

提督「ありがとう。ドリアも、ホワイトソースなんて難しいのに上手ね」

ドリア「来たばかりのころはよく焦がしましたよ…身体を使うことに慣れていなかったので」

提督「やっぱりそういうものよね…どう、こういう経験は?」

ドリア「楽しいですよ?力だけではない生活を送れるというのは」

提督「よかった」言いながらもひき肉とタマネギを炒めはじめる。しばらくするとひき肉の油をほどよく吸いこんで、タマネギがいい具合に透明になってくる。

………

平鍋でほどよくしあがったピラフを、バターで撫でた大きな楕円の深皿に移し替え、出来上がった具材をむらなく重ねる。最後にチーズを表面に撒き、大きなオーブンに入れて蓋を閉めた。

ドリア「これであとは時間まで待つだけです。あとは補助艦の方々に任せますから、私たちは調理器具を洗って失礼しましょう」

提督「そうね」 <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/01/17(火) 12:16:39.93 ID:erd2MXj/0<>
…ざぁぁ…

提督「洗い物ってたまってるとげんなりするのよね」

ドリア「わかります。ですから調理したらできるだけ洗い物は残さないようにしているんですよ」

提督「そうね、厨房担当の娘も大変だもの…あっ!もう…どうしてスプーンの面で跳ねかかる水って、計ったようにこっちにくるのかしら…」びちゃ…

ドリア「あら、ずいぶん濡れちゃいましたね。後は片づけておきますから着替えてきていいですよ」

提督「いいわよ。残り少しだし片づけちゃいましょう?」

ドリア「そうですか?そうおっしゃるなら構いませんが…冷たくありません?」

提督「大丈夫、冬だったら嫌だけど。あぁ…でもシャツが張り付いてる…」(つけてなかったから擦れるし…早く片付けるに越したことはないわね)

ドリア「早く済ませて着替えましょう?」(桃色の先端が透けてる…♪)

提督「そうね。…はい、洗い物終わり」

ドリア「エプロンも洗濯機に入れてきましょう。私が持っていきますよ?」

提督「ありがとう。でもどうせだからシャワーも浴びるわ」

ドリア「そうですか。でしたら私も…♪」

提督「ふふっ…♪なら着替えを持っていきましょうか」

ドリア「はい♪」


…大浴場…

提督「本当に立派な浴場ね。いつ来ても感心するわ」ぷるん…っ

ドリア「そうですね。充実した施設でありがたいです」ゆさゆさ…たゆん

???「あら、二人ともこんなところで。昼間からお風呂なんて一戦交えた後かしら…?豪華な美女二人の絡みなんて…ちょっとうらやましいわね」湯気の向こうから誰かの声がする

提督「そんな訳ないでしょうに…厨房で洗い物していて濡れただけよ。エウジェニオ」

エウジェニオ「そうなの?でも、厨房なら後ろから抱き着いていろいろできたんじゃない?それとも提督がドリアにおねだりしたの?」からかいながら湯気の向こうから来たのは軽巡エウジェニオ。細身だが出る所はしっかり出ている端正な身体で、白い肌はほのかに赤味を帯びてみずみずしい。
頬は赤く火照っているが、ただ温まっただけでそこまで火照ったわけではないらしい。


ドリア「まあ…♪。提督はそこまでせっかちではありませんよ?それよりエウジェニオこそこんな時間にお風呂ですか?」

エウジェニオ「アオスタ姉さんと少し…ね♪火照った身体をさっぱりさせてきたところ」ウィンクを決めると、見せつけるように整った裸身をさらしてきた

エウジェニオ「…でも、もう一回くらい汗をかいてもいいわね。提督、ドリア…エウジェニオのこと、どうぞ、召し上がれ…?」自分のふとももを撫で上げ、ねだるような吐息を漏らす。

提督「あら、お誘いいただけるとは光栄ね…ふふ…とっても……おいしそうよ…?」じりっ…

ドリア「あらあら…うふふ♪私も…ごちそうは我慢しない性格ですので♪」じりっ…

エウジェニオ「いいわねぇ…。だれか来るかもしれない浴室でむっちりしたお姉さま二人から、なんて、たまらないわ…♪」

???「ちょっと…ぉ、エウジェニオ…置いて行かないでちょうだい……♪ふぅ…」

エウジェニオ「くすっ…。せっかくの機会だったのに、ね?…今度は三人で最後まで楽しみましょう?…姉さん、今いくわよ」

湯気の奥にエウジェニオが消え、戻ってきたときには、肩に姉のアオスタを抱いてきた。
アオスタはすっかり力が抜け、かすれたようななまめかしい息づかいをしながら、エウジェニオにくたりともたれかかっている。

エウジェニオ「二人とも、私はアオスタを連れて行かなければいけないから、今は失礼させてもらうわね」エウジェニオはいたずらっぽく投げキッスを飛ばし、とろけきっているアオスタを連れて出て行った。


提督「…冗談半分で言ったつもりだったのだけど」

ドリア「あら。てっきり本気なのかと」

提督「半分はそうよ。でも、一人じゃないみたいだったし…本当にアオスタの前でする気だったのかしら」

ドリア「さぁ、どうでしょう?でも、エウジェニオならあり得ますよ?…それはそれで、どきどきして楽しそうですが…♪」

提督「優しそうな顔して、ドリアも結構火遊びが好きなのね…。それはそうと、身体を洗いましょう」 <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/01/19(木) 01:08:01.18 ID:jVuXaIOB0<> …ざばぁぁ…

提督「しかし…ドリア、大きいわね…脚もすっごい長くて、グラマーな女優さんって感じね」

ドリア「まぁまぁ♪お褒めにあずかり恐縮ですが、提督も立派なものをお持ちですよ…♪」むにっ…♪

提督「あんっ♪…もうっ、ドリアったら♪」

ドリア「あら、ずいぶん可愛らしい声で鳴いてくれますね♪」

提督「いきなり揉まれたら変な声くらい出るでしょうよ。さ、おふざけは止めてご飯を食べに行きましょう?」

ドリア「そうですね。上がりましょうか」


上がって身体を拭くドリアは、八頭身はあろうかという脚の長い長身で、大きな双丘は垂れてはいないが柔らかそうで、腰の滑らかなラインはミロのヴィーナスもかなわない優美さを持っている。ただし、ヒップからふとももはむっちりと肉付きがよく、張りがあって艶を帯びている。


提督「…ごくり……」

ドリア「さ、提督も身体を拭かないと、湯冷めしますよ?…そうですね、私が拭いてあげます」


バスタオルを持ってドリアが近づき、すっと後ろに回り込んだ。


提督「…え、ちょっと待って」

ドリア「まあまあ。せっかくですから、私にやらせてくださいな」ふきふき…

提督「…ふぅ。優しい手つきね」

ドリア「いえいえ。どういたしまして」


丁寧に頭を拭いてもらい、身体の力を抜いていると、不意にドリアがくっ付いてきた。
そのままタオルを背中に当て、身体の方をこすりつけるようにしてくる。長い脚もきゅっと絡めてきて、首筋には息を吹きかけてくる。


提督「ちょっと…うぅん♪…拭き方が違うわよ?」胸を優しく揉みしだかれ、まんざらでもない提督

ドリア「あら、うれしくないですか?」くすっ…♪

提督「とってもうれしいけど…私が我慢できなくなったらせっかくの夕食がお預けになるわよ?」

ドリア「ふふ…それはいけませんね。では、止めておきましょう?」すっ…

提督「はぁ…胸がどきどきしてる…あんな風に抱きしめられて、もうちょっとで押し倒しに行くところだったわ」自分で拭きながらうれしそうに文句を言う提督

ドリア「それは無理ですね」

提督「…え、もしかして私のこと嫌い?…それともドリアから押し倒したいの?」

ドリア「うふふっ♪…私は上でも下でも歓迎ですが、私自身が押し倒される気になっていない時に、提督の力で押し倒すのは無理ですよ?」

提督「じゃあ、今のは冗談のつもりだったのかしら?」

ドリア「いえ、提督が襲ってくれたらそのまま立ってしようと思っていました♪…持ち上げて抱っこしたまま、思いっきり♪」

提督「……今度しましょうね…///さあ、着替えるわよ…!」顔を赤くしていそいそと着替え始めた提督

ドリア「はい♪夕食の時間もそろそろですものね」


<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/01/19(木) 02:35:14.93 ID:jVuXaIOB0<> …夜・食堂…

提督「それでは、頂くとしましょうか」こつん、と軽い音を立ててドリアとグラスを当てる。今日のリキュールは濃くて喉を暖めながら流れ落ちるアマレット。アーモンドのリキュールで度数もあるので、ブランデーグラスで香りを楽しみつつ、少しづつ舐めるように飲む。

提督「では、サラダから」

今日のサラダは豆のサラダ。大きなガラスボウルに彩りよく盛られている。
もそもそしたヒヨコマメは好き嫌いが結構分かれるが、ヒヨコマメ、レンズマメ、レタスや赤キャベツをドレッシングと和えたサラダは食べごたえもある。提督は味わいながらも手早く片付け、いよいよ本命に手を伸ばした。


提督「おいしそうね…♪熱々で、とろっととろけて…♪」銀色の四角いお盆に脚の付いたような保温容器はお湯が満たしてあり、湯せんの湯が冷めないよう、下に固体燃料が燃えている。中に鎮座している焼き皿に取り分け用の大きなスプーンを入れ、周囲の数人にも取り分ける。
まだ熱いドリアはこんがりと焼けて溶けだしたチーズと、とろりと垂れるホワイトソースがひき肉に重なり、下のぱらりとしあがっているピラフに絡みつく。


提督「では…。熱っ……はふっ…ふぅ…ふぅ……んーっ…♪」スプーンで大きくすくい取って口に入れ、熱さにはふはふ言いながらかみしめる。

提督「おいしいっ…。もうイタリア料理にしていいんじゃないかしら…。…はむっ…こっくりしたソースと火傷しそうな熱いチーズが…まとわりつくようで…濃厚…っ……んむ…ん…っ」
一口味わっては感想めいたひとり言のようなつぶやきをもらし、こぼれそうになったホワイトソースを器用にスプーンですくい上げる。…口のはたから垂れる白いとろりとしたもの…意味深に見える様子に周囲の艦娘はどきりとしながらも色々と想像し、熱っぽい目で提督を見た。

ザラ「…///」

ポーラ「あらぁ〜…///」

フィウメ「…っ///」

ゴリツィア「うわ…ぁ///」

カブール「まあ…♪」

チェザーレ「ほう…♪」


提督「…見ていると冷めるわよ?…もくっ……はむっ…こくっ…あふっ…ふぅ……♪」恍惚の表情で黙々と食べる提督。次第にその眼は狂ったようにらんらんと妖しげな光を帯び、冷めては美味しくないと、保温用の台に乗っているドリアを丁寧かつ次々に取り分けていく。額にはうっすらと汗が浮かび、しぐさも普段より思わせぶりな妖艶さを帯び、どこかみだらに見える。


ドリア「…予想以上の破壊力ですね…♪」美味しいものにこだわりのある提督とはいえ、ここまで熱っぽく食べてもらえると作ったかいがあると、ドリアはほっとした。同時に、このいやらしく妖しげな提督もなかなか捨てがたいと、様々な妄想にふけりながら楽しく食事を味わった。


ポーラ「はむっ…んぁぁ…っ♪」

ザラ「んぁぁ…ふぅ、ふぅ…んぅぅ…♪」

フィウメ「あふっ…あ…っ、はふっ……」

ゴリツィア「はぁ…ふぅ……んむ…っ」


一方、提督にあてられたザラ級の四姉妹も次第に妖しい喘ぎ声、のような吐息を上げながらドリアを食べ進め、結局どのテーブルよりも早く器を空にした。


提督「はぁぁ…。ドリアの「ドリア」、とっても美味しかった…♪」ため息のような満足げな吐息をもらし、冷たい水を軽くあおる。

ドリア「満足してもらえたようで何よりですが、まだほかにもあるんですよ?」

提督「ええ、おいしそうなパンとハムが見えるわね」


<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/01/19(木) 02:38:39.62 ID:jVuXaIOB0<> …今日はこの辺で…あー、食卓では平和に夕食を頂くつもりだったのですが…

…期待してくれているみなさま、とりあえずもうしばらくお待ちください…本当に遅くてゴメンなさい… <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<><>2017/01/19(木) 06:10:51.73 ID:YsG8AAc60<> このスレお腹空いてくるな <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/01/21(土) 00:44:18.59 ID:+1Lefsu70<> …お腹がすく、と言ってもらえると食事風景を頑張って書いているかいがあります。…それと、大変長らくお待たせしました。そろそろドリアと夜戦に入ります。ドリア詐欺にならないうちに…


では、いきます


…食堂…

提督「おいしかったわ…満足しすぎてもう何もしたくないわ…」

ドリア「最後、ティラミスも美味しかったです…」


二人して椅子に身体を預け、ナプキンで口の端をぬぐうと、ぼーっと卓上のテーブルクロスを眺めている。提督もドリアも数人がてきぱきと器を片づけてくれたのですることもなく、座り込んだまま食事を終えた艦娘たちを見送っていた。


提督「ドリアー…」

ドリア「はい、なんでしょう?」

提督「何でもないわー…」

ドリア「ふふっ…。可愛い提督」

提督「はぁぁ…完全に食べ過ぎたわ…。部屋まで帰るのもおっくう…」

ドリア「お姫様抱っこで連れていきましょうか?」

提督「気持ちは嬉しいけど、自分で動くわ…よいしょ…」


いっぱいになったお腹をさすりゆっくり立ち上がった提督は、酔っているというほどではないが、食後のブランデー入りコーヒーが効いたのか、動きが少しおぼつかない。それを見てドリアも立ち上がり、そっと脇に腕をさし入れる。


ドリア「さ、一緒に行きましょう?」

提督「ありがとう、ドリア…。ふわぁ…ぁ。食べたら今度は眠くなってきたわ…」片手で口元を押さえてあくびを見せないようにする提督

ドリア「まあまあ。でしたらなおのことお部屋に行きませんと」横からそっと支えつつ、歩調を合わせて歩くドリア




…執務室…

提督「あぁ…。ここまで来たら眠気が覚めてきたわ。でも、もう執務はしたくないし…いいわ。寝る支度だけ済ませることにするわ」

ドリア「そうですね。それがよろしいかと」にこにこと柔らかな笑みを浮かべて立っているドリア

提督「…ドリア、今日の秘書艦任務は済んだし、戻っていいのよ?」

ドリア「そうですか…?」にこにこしたまま帰ろうとはしないドリア

提督「…。着替えなんて見てもしょうがないでしょうに。いいわ、来て?」

ドリア「はい♪」


…寝室…

提督「じゃあ、着替えるわね」

ドリア「はい♪…お手伝いしましょうか?」

提督「ありがとう。じゃあ…」しゅるっ…さらさらっ…提督は背中を向けると夏季略装の白い上着を脱ぎ捨て、ドリアに渡す。今度はブラウスを脱ぐと制服を受け取り、クローゼットのハンガーにかけた。

後ろを向いているとはいえ、下にまとっている黒いレースのブラジャーと、白い玉のような肌のコントラストは美しい。先ほどから触りたくてうずうずしていたドリアはそっと近寄ると、背中にギュッとしがみついた。

ドリア「白くてきれいな背中ですね…ぺろっ♪」肩甲骨あたりに舌を這わせるドリア。

提督「あん…♪もう、着替える間くらい我慢できないの?」

ドリア「できません…初日からずっとですから」



<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/01/21(土) 01:44:51.63 ID:+1Lefsu70<> 提督「それもそうよ…ね♪」後ろ手にとん…っ、とドリアを突き放しくるりと反転した提督は、正対したドリアの前で、するりと制服のスラックスを脱ぎ捨てた。


黒い下着とローヒールだけで立っている提督を窓から入る月光が照らし、白い肌をほのかに青く光らせ、ほのかな夜風が長い髪をなびかせる。
ブラジャーからきつそうにはみ出している乳房、きゅっと引き締まったウエスト、反対にふくよかで肉付きがよく丸みを帯びたヒップとすべすべのふともも。ふくらはぎからはすんなりと細く、高身長で競泳選手のような見事な身体はグラマーなドリアと比較しても遜色のない身体つきで、わずかに身長が低い程度である。


ドリア「…ごくっ」美しく、なまめかしい姿に思わず息をのんだドリア。


それを見た提督は少し恥ずかしげに顔を少し傾け、しかし熱っぽく嬉しそうな瞳でドリアを見て、片手を自分の頬に添えた。そしてふっくらとして、半開きにした唇から、吐息を漏らすようなささやき声で言った。


提督「いいわよ…?」

ドリア「提督…♪ん、ちゅぅ…んっ、ふぅっ…♪」ドリアのたまっていた愛と情欲があふれた。立ったまま背中に手を回し、深いキスを何度も交わす。

提督「んっ……ふぅん♪……ちゅぷっ…ちゅっ……♪」口の端から唾液が垂れ、舌が絡む度に粘っこい水音が響く。割と大柄な提督もドリアに抱かれるとつま先立ちの形になり、とろけたような顔でドリアを見上げた。

提督「ドリア…すっご…い♪…でも、もっと愛して?」提督はトロ顔のままねだるように言うと、不意にドリアに脚をかけてベッドに押し倒させた。


ドリア「きゃん♪…ふふ…もう、手加減しませんよ?」ベッドに押し倒させて、「好きなようにして」と言いたげに身体を投げ出している提督を見て、ドリアはふわりとした薄手のタートルネックを脱ぎ捨て、花模様の入った高級そうなブラジャーをゆっくり見せつけるように外した。
まとっていた服を後ろに放り出すと提督のパンティにも手をかけ、するりと脱がせた。


提督「まったくもう♪」あっという間にストッキングだけにされてしまった提督は、くすくす笑いながらドリアを叱った。冗談半分に叱りつつも、その眼は期待できらきらしている。

提督「ほら、触ってみて?」いたずらっぽくささやく

ドリア「はい♪愛していますよ…私のお姫様♪」優しく両の乳房を揉みしだき、こね回した。提督のむっちりした脚の間に膝を押し込み、片脚立ちのような姿勢で見下ろす。

提督「ふわぁぁ…っ……いいわ…っ。もっと…♪」提督もドリアのレースのランジェリーをするりと下ろし、もっちりしたヒップに指をはしらせる。白桃のようなみずみずしい肌に提督のほっそりした指が吸いつく。

ドリア「まぁ、いたずらな手ですこと…お仕置きです♪」からかうように言うと乳を揉んでいた手を離し、顔を近づけて先端を軽く甘噛みした。

提督「はぁぁん♪…もう、お返し♪」甘い嬌声をあげつつドリアの頭を両手で優しく押さえて、そのまま谷間に押し付ける。

ドリア「きゃっ…。んふっ…れろっ…んちゅぅぅ♪」谷間に顔をうずめたドリアは、柔らかい胸の感触を楽しみながら舌を這わせ、れろれろと舐めまわした。

提督「ひゃん♪そこ、いいわぁ…だけど…もっとあちこち、舐めてみて…?」軽い嬌声をあげると、いつもの提督らしくない妖艶なハスキーボイスで誘った。
<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/01/21(土) 02:23:33.65 ID:+1Lefsu70<> ドリア「…もう、止まりませんから…♪」鎖骨から胸と舐めまわしながら、もどかしげに片脚づつハイヒールを蹴って脱ぎ捨てると、ベッドの上で馬乗りになった。ドリアを見上げながら、すっかり発情した雌の顔でみだらにねだる提督を見て、落ち着いた大人の女性であるはずのドリアの理性と遠慮さえも吹き飛んだ。

ドリア「う…んぅ…♪ちゅぷぅ……じゅるぅぅっ♪」胸の谷間を舐めまわし、しゃぶりつくすと、こんどは腕をねじ上げるようにして、柔らかな産毛が生えている脇をねっとりと舐めた。

提督「ふぁぁっ…いい、いいのっ…♪…もっと…もっとぉ♪」言いながら頭を上げてドリアの乳房にしゃぶりつく。

ドリア「んふふっ…♪あっ…気持ちい…っ……はぁ…ん♪」器用な舌先が的確に舐めまわす提督の舌さばきに、ドリアも甘い声を上げた。


そのうちにドリアは脇から脇腹へと舌を這わせ、しっとりと汗をかいた提督の肌を舐め、時々跡が残るような強いキスを浴びせた。提督も喘ぎながらドリアのヒップから手を撫で上げ、背中を優しく愛撫した。
そうこうしているうちに、ドリアの舌が脚の付け根まで下がってきた。ドリアはふとももから舌をうねらせるとうっすらと草原の生えた花芯にさしいれ、顔をうずめつつ、ねっとりと舌をくねらせた。提督はひくっと身体をけいれんさせ、甘い喘ぎ声を高めつつ、ふとももでドリアの頭を挟み込んだ。


提督「ひぁぁぁっ…いいの…もっと、探ってみて……あ…んっ…あふ…っ♪…ひぃん!」一撃が強烈で、しかもねっとりとしたドリアの責めに提督は歓喜し、久しぶりに好き放題される楽しみを味わっていた。とはいえ、経験豊富な提督はまだまだ楽しむつもりでいたので、秘所からとろりと蜜をしたたらせ、肩で息をしながらも微笑を浮かべた…


…今日はここまでで…お待たせしていた分まだ続けますので、お楽しみに…
<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/01/22(日) 02:10:00.17 ID:4ABCZmtB0<> ………

…数十分後…

提督「ほぉら、もっと気持ちよくなってくれていいのよ?…愛しているわ♪」じゅぶっ…ぐちゅ…っ


一度果てた提督は、ドリアにぎゅっと抱きつきベッドに座らせると、耳元で優しくささやきながら耳の穴やうなじを舐めまわし、後ろから抱えるようにしながら右手で胸を揉み、左手を割れ目にずぶりと差しこんだ。
提督の普段のもの柔らかな態度は甘ったるくみだらな性格にとって代わり、ドリアの内またになった脚を開かせ、肩ごしにねっとりと濡れたドリアの花芯を眺めつつ、熱い膣内に差しこんだ人差し指をくちゅりとかき回した。
一方のドリアも、提督に普段の大人しさをすっかり捨てられて、初めての快感に甘く叫びながら身体をひくつかせた。


ドリア「はぁぁ…っ!すごい…っ、すごいです…っ…んぁぁっ♪」とろっ…身体を好きなようにもてあそばれ、優しいささやき声で甘い言葉をかけられるたびに、どうしようもなく身体がうずき、秘部から自分でも恥ずかしいほど大量の蜜がしたたっているのが分かる。目の焦点は合わず、ベッドを囲むカーテンの模様さえぼやけているが、とろけるような快楽はさらに欲しくてたまらない。

提督「あぁ、可愛い♪もっと…してあげる…♪」提督は一度指を抜くとべっとりと粘つく人差し指を舐めあげ、「ふふっ」といたずらっぽく微笑し、それからドリアの中に中指も一緒に差しこんだ。…ずぶっ…ずちゅっ!…ひときわ大きな水音と一緒に、蜜がとろっと手首まで垂れてくる。


ドリア「え…あっ、あっ…あぁぁっ♪…はぁぁぁん!」ひときわ大きな声で絶叫し、のけぞるドリア。膣内を二本の指でかき回され、愛おしい提督のほっそりした指が奥までずぶりと入ってくる。

提督「くすっ…♪もっとしましょう…喘いでるドリア、とってもかわいいもの♪」優しく乳房をこねくりまわしながら、いやらしくささやく提督。指をドリアの敏感な所に這わせ、垂れている蜜を自分の秘所にもなすりつけた。
そしてドリアを後ろから抱きしめたまま引き倒すと、提督は彼女の下から抜け出して四つんばいになり、覆いかぶさるようにキスをした。


ドリア「ふわぁぁ…っ。とっれ…も…きもひいい…です」
ねっとりとした甘いキスを受け、もはやろれつも回らないドリアを見て、提督は年上の乱れる様子にぞくぞくした。

提督「あら…本当に気持ちいいのはこれからなのよ?」提督はドリアにまたがると濡れた秘部を重ね合わせ、ねっとりとした動きで腰を動かした。…くちゅっ、ぐちゅっ…湿っぽい音が月に照らされた寝室に響く。提督は時々ドリアの胸や首筋にキスをし、途切れ途切れに愛の言葉をささやいた。

提督「はぁ…ドリア、初めて…見た日から…んんっ♪…こうしたかったの…優しくて、大人な…私の…ドリア……んはぁぁっ♪」ぐちゅっ、じゅぶっ…

ドリア「あぁっ…はぁぁっ…あぁんっ!……提督っ…私も、っ…んっ♪…愛して…んぁぁぁっ!」ぐちゅり…とろっ……二人ともとろっとした蜜を垂らし、髪を乱れさせたまま息をついている。責めたてられたドリアはぴくぴくと打ち上げられた魚のように身体をひくつかせ、涎を垂らし、焦点の定まらない目で提督を見ている。一方、提督はしっとりと汗をかきながらドリアの秘所を責め続けている。

ドリア「あっ、あっ、あっ…♪また……いきます…っ……はぁぁ…ん!」ひときわ甘い嬌声を上げてドリアが跳ね、くたっと布団に崩れおちた。

提督「んっ…あっ…あっ♪…私も…いくっ♪」提督もねだるような甘い声で身体をひくつかせ、ドリアの下半身にとろとろっと流すように蜜を垂らした。

<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/01/23(月) 22:54:44.53 ID:X/WVVQBF0<> …数時間後…


提督「ふふっ…とってもよかったわ♪」ようやく長い交戦を終え、動かすたびにぐちゅっ…といやらしい音を立てて粘つく下半身の愛蜜を、心底嬉しそうに舐めながら、提督はいたずらっぽく微笑した。

ドリア「はぁ、はぁ…ふぅぅ……私も、とっても良かったです♪こんな悦びを覚えてしまったら、明日からベッドで寝る時がさみしくなってしまいます…♪」身体中ぐっしょりと濡らし、息を整えつつ横になっているドリアは、右腕を提督の腕枕にしてあてがってやり、左手を伸ばし、柔らかい提督の胸を揉みながら言った。

提督「あら、うれしい。なら毎日来てもいいのよ?歓迎するわ♪」

ドリア「気持ちはうれしいですが、他の娘にも譲ってあげませんと。…独り占めはいけませんもの」言いながらも踏ん切りがつかない様子のドリア

提督「そうねぇ…、なら二日に一回にする?」

ドリア「ふふ、でしたら朝・昼・晩と一日三回にしてもらって、一日一回はまぐわいたいですね♪」

提督「そうしたいけれど、身体が持たないわ。せめて一日二回までね」横で添い寝しているドリアにウィンクする提督

ドリア「まぁまぁ…♪とっても魅力的ですが、そうなったら執務が滞ってしまいます」

提督「その間はドリアがやっておいてくれるでしょう?」

ドリア「もちろんやってもいいですが…ごほうびをねだっちゃいますよ?」

提督「ふふっ…それじゃあ結局同じねぇ…♪さぁ、そろそろ寝ましょう?…せっかく一緒に寝るんだもの、明日の朝もしてあげるから♪」くすくす笑いながらドリアを抱き枕のように抱きしめ、優しく頬にキスをする提督。

ドリア「…///はい♪約束ですからね…っ♪」ちゅっ…


<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/01/23(月) 23:42:25.99 ID:X/WVVQBF0<> …翌朝…


カモメが鳴く声と爽やかな海風が開けっ放しだった窓から入り込んできて、提督はあくびをしながら伸びをした。昨日の夜戦のせいで身体中ねとねとしていて、乾いた愛蜜や唾液はかぴかぴのオブラートのようになって張り付いている。
ふんわりしたシーツは染みだらけで、口の中はかさかさに渇ききっている。
やっぱり愛液まみれで幸せそうに寝ているドリアを起こさないよう、そっとベッドから降りると、シルクのバスローブだけ羽織って窓から景色を眺めた。


…ほのかに明るい薄紫と淡いネズミ色の空が明るさを増し、太陽が出ると同時に、さっと黄色い暖かい光が天を射し貫いて辺りに充満する。提督は窓枠に手をついて身体を乗り出し、美しい朝焼けを食い入るように眺めた。日の出を眺めると、コーヒーメーカーの電源を入れてジノリのマグカップを二つ棚から取り出し、それから寝室を眺めた。


提督「…ふぅ」あちこちに脱ぎ捨てた二人のストッキングやスカート、ハイヒールやパンティが散らかり、枕も一個落ちている。提督はぐしゃぐしゃになった髪の毛をかきあげながら拾い集め、一脚の椅子の上にまとめて置いた。

そのうちにコトコトとコーヒーメーカーが騒ぎだし、香ばしい、いい薫りが漂う。提督はポーションクリームと砂糖つぼを出そうと棚に近寄った。


…そーっ

ドリア「提督っ♪」むぎゅっ!

提督「ひぅ!…もう、驚かせないで?砂糖つぼを落としそうになったわ…」慌てて机の上に砂糖つぼを置く

ドリア「まぁ、コーヒーを淹れてくれたのですね?」

提督「ええ、私も飲みたかったし。ドリアも飲むでしょう?」

ドリア「ありがとうございます。でも…♪」含み笑いをするドリア

提督「でも、何かしら?」きょとんとドリアを眺める

ドリア「提督は昨日言いましたものね…もう一戦しましょう…って♪」後ろから襲いかかる

提督「ちょっと…!?それは確かに言ったけど…もう、朝日が出てるから…っ…みんなも起きてくるだろうし……あん、あんっ♪」秘所に指を入れられ、くちゅくちゅとかき回される提督。口では嫌がっているものの、豊かなヒップをドリアに擦り付け、すっかりその気になっている

ドリア「もう…♪ちっとも嫌がっていないじゃありませんか♪」後ろから腰を抱きかかえ、棚のガラスに映る提督のトロ顔を眺めつつ責めたてるドリア

提督「あっ…あっ…あんっ…♪…だって…ぇ♪……ドリアぁぁ…もう……いくぅ…♪」内またになってひくひくと身体を震わせ、愛液をとろっと垂らす提督。棚のガラス戸に上半身を押し付けて、半開きの口から涎を垂らして悦びの声を上げた。

ドリア「ふふっ♪まだ終わりませんからね…♪」


…数十分後…


提督「もう…♪朝から何度イかせるつもり?」コーヒーをすすりつつドリアを叱る提督…と言ってもちっとも怒ってはいない。朝から美女に抱かれてイかされる…提督にとっては最高のごほうびである

ドリア「可愛かったですよ♪何度も「ドリア…もっとぉ…♪」って、おねだりする提督♪」ぺろっと舌を出してからかうドリア

提督「…///だって本当によかったんだもの…」コーヒーマグを両手で抱えて顔を伏せる提督

ドリア「あらまぁ♪でしたら、また…しましょうね♪」

提督「そうね…///また、しましょう…♪」


<> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/01/23(月) 23:43:19.42 ID:1HuUaOGHo<> 乙
エロいですなぁ…… <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/01/24(火) 00:43:59.14 ID:arZhhdY80<> …食堂・朝食時…


シャワーを浴びた後、提督とドリアは着替えて食堂で席に着いた。海軍、と言っても艦娘のありようは時間に追われ続ける既存の海軍とはかなり違う。
出来るだけ揃って食べる夕食と違い、朝は艦娘の自由で、ある程度時間を遅らせてもいい。今日の提督とドリアはかなり早い組で、席の空きも多い。


鎮守府の朝食は本来軽めだが、体力を使う任務であることと、日々の食事を楽しみにしている艦娘(と、提督)のためにかなりしっかりした献立が用意されている。
机の中央には焼き立てのパン。柳のカゴに布を敷き、まだ湯気を立てている。トースターもあるにはあるが焼き立ての食感はまるで違うので、早起き組のごほうびといっていい。そばにはバターの容器もあって、几帳面な数人はバターを正確に切るのを行事にしている。ジャムの瓶はいくつかあるが、今日はシチリアレモンのマーマレードとアンズジャムが置いてある。

片方に置かれた大きな鍋にはたっぷりと野菜のエキスが溶け出したスープ。トマトスープだったり、時にはリゾットだったりするが、今日はシンプルなコンソメスープ。シンプルながらスープの濁りを取るために卵白を泡立ててアクをとったりと手間がかかる。
横には氷の入った小さいバケットが置かれ、中に刻みパセリの入った陶器の器が入っている。

ふんわりとした半熟の炒り卵。バターの香りが効いていて、並みのホテルよりも数段は上の炒り卵である。ましてや映画でおなじみの、アメリカ海軍御用達の黄色い土砂みたいなものとは比較にならない。


提督もドリアもたっぷりとって席についた。牛乳はカルシウムのために並んでいるが、戦中は痛みやすく補給できなかった分、艦娘たちも好きなだけ飲めるようになったのが嬉しいらしい。かなりの艦娘たちがコーヒーと一緒に取っていく。取り終えて向い合せの席につき、軽く十字を切るとスプーンを取り上げる二人

提督「おいしい…。「食事のいい軍隊は弱い」って言うけれど、だったら弱くていいわ…幸せ…♪」

ドリア「本当…美味しいですね…♪」

…かちゃ…

カブール「お隣、失礼するわ」たっぷりとよそった皿を持って、カブールが座った。

提督「おはよう、カブール」

カブール「おはようございます。朝から楽しんだようで何よりですね♪」何気ない言い方でいきなり爆弾を落とすカブール

提督「けほっ…!」

ドリア「ええ、素敵でしたよ♪」

カブール「そうでしょうね。二人ともとっても幸せそうで、「二人きりの秘密」がありそうな顔をしています♪」

提督「鋭いわね、やっぱり戦艦のカンが働くの?」言いながらスープをすする提督

カブール「いいえ?ここだけの話、結構響いていましたよ…♪」

提督「けほっ、こほっ!…えーと、どのくらい?」

カブール「一部屋挟んでいる私たちの部屋まで。きっと下の階にも聞こえていましたよ?…くすくすっ♪」大人の余裕なのか、こともなげに言うカブール

提督「…気をつけます」

ドリア「ふふっ♪きっと今夜には忘れていますよ」

提督「否定できないわ…だってみんな可愛いんだもの…///」

カブール「ならいっそ思い切り見せつけるようにすればいかが?堂々としていれば恥ずかしくもなくなるでしょう」

提督「それも考えないでもないけれど…収拾がつかなくなりそう…」

ドリア「そうね♪…きっと朝から執務どころではなくなるわ♪」

提督「…ごくっ///」

カブール「あらまあ♪想像しちゃったかしら?…カブールの姿態、見てみたいですか…?」

提督「そ…そのうちに…///食べ終わったから、失礼するわね…///」


…かちゃかちゃっ…顔をほのかに赤くして食器を片づけに行く提督を見送って、ドリアとカブールは大人の微笑みを見せて見送った。


カブール「かわいいわね、もう…♪」

ドリア「ええ、本当に」

カブール「あら…♪…今度は私にも譲ってちょうだいね♪」

ドリア「ええ…ふふふっ♪」

カブール「うふふふっ…♪」


提督「くしゅん!…夜風が寒かったかしら?」 <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/01/24(火) 00:48:48.57 ID:arZhhdY80<> お待たせしていたドリア編、ようやく終わりました。しばらくは日常風景になるはずですが、流れで百合シーンに入るかもしれません。

とりあえず次は小ネタ「寝るときは」とか「ごほうび」を混ぜながらまったり進めます… <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/01/24(火) 01:42:53.37 ID:arZhhdY80<> …昼間・待機室…


鎮守府一階、ドックの隣にある「待機室」はソファーや新聞ラック、テレビや小説の棚があって、実質「談話室」になっている。提督も日常の細々した相談やおしゃべりにつきあってここに来ることも多い。


提督「さて…と。執務しようにもやることはないし…テレビでも見ようかしら…」

待機室のドアを開けると数人の艦娘がテレビを見ている。ソファーに座ってテレビを見ているのは女の子が好物のエウジェニオと駆逐艦数人で、エウジェニオはさりげなく片ひざの上に一人ずつ乗せ、右手を隣の駆逐艦のふとももに置いている。左手は別な駆逐艦の髪を優しく撫で、彼女たちも優しいお姉ちゃんになついている。


提督「エウジェニオったら…くすっ♪こんな昼間に何見ているのかしら…?」

提督「おはよう、エウジェニオ。それとフォルゴーレ、バレーノ、フルミーネ、ランポ。…面白い番組やってる?」

エウジェニオ「あら…♪また花園に可愛い蝶々がやって来たわね。…私の提督、ここにどうぞ」空いている隣のソファーを指し示す。

提督「ありがとう。エウジェニオは色も白いし、きっと甘い香りの白百合ね♪」ぽすっ…

フォルゴーレ級の四人「「おはようございます、提督」」

提督「おはようございます。かぶりつきで見ているなんて、そんなにおもしろいのね」

フォルゴーレ「とっても面白いわ…///」

バレーノ「ええ…あのね、外国のアニメ特集なの、エウジェニオが面白いからって…///」

フルミーネ「電撃が走ったわ…すっごぉ…い///」

ランポ「これは…雷が落ちるよ///」

提督「へぇぇ…どれどれ…?」


テレビ「エトワール様…」

テレビ「渚砂…」恋人つなぎで唇を寄せる二人…


提督「ちょ…っ、え?」慌てて新聞を取ってきて紙面をめくる提督

提督「テレビ欄……。0900時から…日本アニメ特集…名作から新作まで……」


提督「えー…と。…「百合球磨嵐」…人と艦娘、「断絶の壁」を越え、種を越えた愛を育もうとする二人の心の交流と葛藤を描く…「それがセクシー」…。「イチゴ・パニック」…三角形、イチゴの形の寄宿舎で、平凡な主人公に起きる「エトワール」制度とそれを取り巻く恋人たちの揺れる思い……「キマシタワー!」…。
「桜に錨Trick」…廃止されてしまう鎮守府で、最後に「特別なこと」をする主人公と幼なじみ…「しようじゃないか!キス!」「いいの!?」……」


提督「…エウジェニオ?」

エウジェニオ「なぁに?私のエトワールさま?」

提督「…駆逐艦にあんまり教え込んじゃだめよ」

エウジェニオ「ええ♪わかっているわ…よ♪」ふーっ…隣のソファーに座った提督に顔を近づけ、耳元に息を吹きかけるエウジェニオ

提督「…んっ///」ぞわぞわ…っ♪

フォルゴーレ「わわ…っ///」

フルミーネ「キマシタワー…」小声でつぶやく

バレーノ「わぁぁ…!」目をキラキラさせて二人を眺める

ランポ「ごくり…っ///」

提督「あぁ…その、まぁ。テレビの見過ぎは目に悪いからほどほどにね…」

フォルゴーレ級「「はぁーい」」

エウジェニオ「さ、続きを見ましょうか?」

………

提督「いくつか知ってるのあったけど…ああいうのが好きなら、そのうちに日本の提督に頼んでDVDでも送ってもらいましょう」 <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/01/24(火) 01:47:25.28 ID:arZhhdY80<> 遅い分濃厚と思っていただければ嬉しいです…アニメの小ネタは本当に思いつきです
「乙」や感想くれる皆さまありがとうございます、ゆっくりですが続けていきますので、温かく見守ってくれれば幸いです

それでは今日はこの辺で… <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/01/24(火) 06:53:30.90 ID:aV5vg0yl0<> 桜に錨のタイトルには感心した <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/01/24(火) 12:20:52.58 ID:cfeCo425o<> おつ
>>1料理うまそう <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/01/25(水) 00:25:25.28 ID:qgXZmx7S0<> 「桜に錨Trick」は本当に脳内でポンっと出てきてクスッと来たので…思いついたら他にも小ネタ入れますね

料理はご家庭レベルですが、やってみると楽しいですよ?…調理器具とか初期コストは結構かかりますが…
<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/01/25(水) 01:36:56.94 ID:qgXZmx7S0<> では続けますね


…工作室…

午前の柔らかい光がレンガ造りの工作室を照らしている。窓の向こうには戦中に作られた、よくて駆逐艦、どちらかと言えば水雷艇サイズのドックが二つ横に並んでいる。
ドックは一応重要施設と言うことになっているが、外から見ると蒸気機関車の車庫にしか見えないし、対爆掩蔽壕でもないので、おそらく37ミリ対空機銃の砲弾でも壊れてしまうだろう。


静まり返った工作室には古びた大型クレーンや工具が並んでいて、机の上には妙に場違いなタロットのようなカードと、分厚い辞書のようなセットが置いてある。


提督「これが…艦娘のカード…」机の上で青っぽく光るカードは月夜の海のようで、どこか精神的な落ち着きさえ感じる


提督「私が呼べるのはカードの絵柄だけ…あとは海軍司令部に許可をもらって、「妖精さん」が建造する…艦娘の実体や精神のこともさまざまに言われているけど…肉体的には人間と大差ないなんて…不思議ねぇ……」絵柄の出ていないカードを取り上げる…

提督「…っ!?」不意にカードから熱い波動を感じ、提督は意識せずにカードと辞書を取り上げた。辞書にはプラチナのようなきれいな細工物のしおりが挟まっている…

提督「カ・ン・ム・ス…!」なかば無意識に、しかし高らかに声を上げると、左手の辞書が風もないのに手の中でパラパラっとめくれ、一瞬空中に浮きあがった気がした。

提督「ドロー!」空中にカードを投げあげ、パシッとつかむ。途端にバーン、と銃声のような轟音が響き、まばゆい青い光が差しこんだような気がした。そしてどこからか老人と女性の声が響いた気がした。

???「おや…貴女のカンムスは…ほぅ、なるほど…興味深い…」

???「ふふ…お客様は既に「力」を得ているご様子…私、楽しみでございます…またどこかで、お会いしましょう……」


………

提督「…私、立って寝ていたのかしら?」ふと提督が気づくと、手に青い辞書とカードを持ってぼーっと立っていた。

提督「変な夢…ん?」ピンっ…とガラスのような繊細な音を立てて何かが落ち、提督は床からそれを拾い上げた。

提督「鍵?…淡く光ってきれいだけど…とりあえずしまっておきましょう。壊すといけないもの」青く光るカギをポケットに入れ、かすかに埃っぽい部屋をもう一度見回した

提督「やっぱり何もないわよね…って、あら?」右手に持っていた青い縁取りだけのカードに、何か柄が入っている

提督「え…戦艦…リットリオ……?」カードには「リットリオ」の流麗な文字と戦艦のシルエット、そして微笑む一人の艦娘の姿が入っていた。

提督「…夢じゃ…なかったのかも……とにかく、早いうちに建造の許可をもらう必要があるわね…」大事な「リットリオ」のカードを青い辞書に挟み込み、机の上に大事に置くと、そっとドアを閉めて出た…


<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/01/25(水) 01:46:05.39 ID:qgXZmx7S0<> 以前に思いついていたP3Pの小ネタで、いつかやろうと思っていました……「クイーン・エリザベス」はイギリス戦艦にあったと思うので、イギリス提督を出す機会があったら、「青い服のエレベーターガール」を出す機会があるかもしれませんね…

では今日はこの辺で… <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/01/25(水) 12:32:54.82 ID:LT5wAtASo<> おつー <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/01/25(水) 20:32:25.79 ID:qgXZmx7S0<> お待たせしました、今日はちょっと早い時間に投下します…

………


…図書室…

提督はあちこち見回りながら艦娘たちと話をしたり、ちょっとした悩み事を聞いてあげながら、途中で図書室に立ち寄った。


図書室は貴族の別荘だったころの立派なもので、本来壁や窪みを飾っていた贅沢な絵画や彫像は、戦中の接収や戦後のどさくさであらかたなくなってしまっていたが、部屋そのものは傷つけられることなく残されていて、レースのカーテンで遮られた日差しが柔らかく辺りを照らし、ふかふかして座り心地のいい椅子やしゃれたライトスタンドがあちこちに置かれている。

揃えられた本棚はあちこちの押収品や再利用で、深いあめ色で細かい彫刻が施された重厚なものから、繊細で明るい色のものまでさまざまだが、いずれもしっかりした木製で、うまく並べて調和がとれている。
肝心の蔵書は海軍の「イタリア海軍年鑑」から、現代知識にギャップがある艦娘のためのファッションや風習の本まで、ジャンルを問わず並んでいる。
しかし特に人気なのは小説や読み物、漫画といった娯楽もので、こればかりは冊数も多く問題にされやすいのでなかなか海軍予算が付かず、たいていは寄付を募ったり、理解ある人たちから無料で提供されたりしていた。

……

提督「やっぱり図書室は静かでいいわ…」足元には明るい色の絨毯が敷かれ、足音も立たない。あちこちで本をめくる紙の音と、ちょっとした談笑の声が聞こえる程度である。

提督「あら、ライモン…」視線の先には椅子に腰かけ、目を潤ませて何かの漫画を読みふけっているライモンがいた。

提督「邪魔してはいけないわよね…」そっと近くの椅子に座って手近な本をめくりつつ、話しかけてくれるのを待っていた。


<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/01/25(水) 23:59:42.40 ID:qgXZmx7S0<> ライモン「…ぐすっ…あ、提督」うるんだ眼をハンカチで拭い、棚に漫画を戻そうとして提督に気づいたライモン

提督「いいお話だったのね…。何を読んでいたの?よかったら教えて?」本をパタンと閉じ、にっこり微笑む提督

ライモン「これです…」漫画を差し出すライモン。表紙には可愛らしい桃色を基調にした衣装の女の子と、シックな黒と紫を基調にしたクールな女の子が描いてある

提督「…「魔法少女まみや・マギカ」…確か最近日本で流行った魔法少女もの、だったかしら…見た覚えがあるわ」

ライモン「はい、アニメ版は見たことがあったんですが、やっと漫画版が届いたので…」

提督「なるほど。確かに大人でもじーんとなる場面が多かったわよね…」

ライモン「…そうなんです。「一個だけ、取っておいたんだ」って言うシーンがかわいそうで…思わず泣けてきちゃいました」

<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/01/26(木) 00:36:29.04 ID:RhoMCtXZ0<> 提督「あぁ…あのシーンねぇ…確かにうるっときたわ」

ライモン「ですよね…あ、私は続きを読みますが、一緒に見ますか?」

提督「ふふ、となりあって一冊の本を見るなんて恋人らしいけど、せっかくなら集中したいでしょうし、新しく読むのなら余計なものはなしで、じっくり読んだ方がいいわ」

ライモン「そう…ですね」少しさみしそうなライモン

提督「今度はご一緒するわ。約束♪」身体を伸ばしてそっと頬に口づけする

ライモン「…はい///」

<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/01/26(木) 00:54:44.63 ID:RhoMCtXZ0<> …小ネタ…

「魔法少女まみや・マギカ」…願い事と引き換えに給糧艦になった「まみや」と仲間たちが、彼女たちの魂を宇宙のエネルギーとして補給しようとする「インキュベーター」の野望を打ち砕くべく奮闘し、同時に最強の魔女を倒すべく努力する物語(良く考えたらマミさんを間宮にすればよかった…反省)

「食うかい?」…「君の願いは補給量(エントロピー)を凌駕した!」…「彼女は逝ってしまったわ…軍艦の理に導かれて…」…「お前それでも軍艦(主力艦)か!?」「もちろん違うわ(補助艦的に)…あなたもね」…「もう(補給で)絶望する必要なんて、ない!」…など名台詞がたくさんある
(…ごめんなさい)



<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/01/26(木) 02:25:20.19 ID:RhoMCtXZ0<> ………

提督「へぇぇ…結構蔵書もあるのね。ちゃんと名作もそろってる…ん?」本棚の陰に隠れるようにして、誰かが本を読んでいる。

提督「誰かしら…」気づかれないよう二つ隣の本棚にそっと身をひそめた


のぞいた先にいたのは軽巡カドルナ。中性的な顔にさっぱりした性格。防御不足のきゃしゃな身体でよく頑張っているが、今は普段のはきはきした様子ではなく、ずいぶん後ろめたい様子で本棚の本を取り出しては、むさぼるように読んでいる。


提督「何を読んでいるのかしら…」のぞくなんて悪いと思いつつも好奇心を押さえられず、提督はそっとのぞいた…

カドルナ「…はぁ、はぁ、はぁぁ…すごいです……///…私もこんなこと、提督とできたら…ふわぁぁ…♪」カドルナは顔を赤くして片手で読んでいた本を読み終えると、あたりを軽く見渡して、それからそっと立ち去った。

提督「…何を読んでいたのかしら…まぁ、耐性のないカドルナだもの、きっと可愛らしいキスくらいで赤くなっていたのね。うぶで可愛いこと…」カドルナの読んでいたあたりの本を引っ張り出した

提督「おや…まぁ……♪」引っ張り出した本はほとんど裸の女性が熱っぽく見つめあい絡み合う表紙の本で、題も「伯爵夫人とメイドの秘められた夜」だとか「百合の園に乱れる令嬢」など、カドルナあたりには少し刺激的なものが並んでいる。

提督「あ…これ、実家にもあった本…」そばの椅子を引き寄せ、さっきのカドルナのように頬を赤らめて読んだ昔を懐かしく思いながら読み返した。


…ことっ…しばらく読んでいると物音がした

提督「誰…?」勘違いかもしれないので、小声で物陰に呼びかける

???「私、わたし。ニコだよ。提督」

提督「あぁ…ニコ。こんなところに何か用かしら?」


本棚の陰からひょいと顔を出したのはニコロソ・ダ・レッコ。提督はニコと呼んでいるナヴィガトリ(航海者)級駆逐艦の一人。昔の提督や海軍士官をイメージさせる三角帽子は邪魔らしく脱いでいるが、燕尾状のひらひらが付いた昔風の上着と膝丈の黒革ブーツはそのままで、私服らしい黒と銀のプリーツスカートをうまく合わせている。


ニコ「あぁ…いや、何でもないよ」明らかに動揺して、手を後ろ手に組んでいる

提督「別に怒らないから、ね?」微笑していたずらっぽくウィンクする。

ニコ「本当かい…?」

提督「ええ…私がそういう嘘をついたこと、あったかしら?」

ニコ「ない、よね…なら…見せるけど、本当に怒らないね?」

提督「もちろん♪」

ニコ「その…これなんだ。読み終えたから戻そうと思って…まだ私には早いって言うかもしれないけど……その…興味があって…」


申し訳なさそうに後ろに隠していた本をだしたニコ。

提督「図書室に置いてある本だもの。読んでも怒るわけないでしょうに……って…あー…これ?」

ニコ「あ…あぁ。そうなん…だ。…表紙が…すごく、刺激的だし……興味がわいて…ね///」ニコが見せた本はやっぱり女性が絡み合っている図柄だったが、「奥様のしつけの夜」などと言うタイトルで、うす暗い部屋を描いた表紙には、片方の裸の女性が紅いリボンで縛られ、猿ぐつわをかまされながら、嬉々として鞭うたれている絵が描いてある。

提督「やっぱりこういう中身だった?」真面目な顔で聞く提督

ニコ「あ、あぁ…。妹たちにも回して一通り読んだけど、すごかったよ…///」頬を赤らめてもじもじしているニコ

提督「でも…こういうのはまだ、ニコには……あー…でも、艦娘になる以前の年齢を考えたらみんな戦前生まれなわけだし…別に構わないのよね……。んー…そうねぇ……ニコ」

ニコ「何かな、提督…」怒られるかと直立不動の姿勢を取る

提督「…もし本当にこういうことをしたいときは、ちゃんと相手の許しを得てすること。それから、跡を残さないよう加減すること。…あと、図書室の本はまた貸し禁止だから、読みたい人はちゃんと自分で借りること…いいわね?」相好を少し崩して、微笑しながら言った

ニコ「ああ。了解だよ、提督。それと…提督と…こういうの……今度、やってみたいな……」小声でつぶやくように言うニコ

提督「ふふっ♪…私がしつけてあげる側?それともされる側?」

ニコ「その…どっちも……試してみたい…な……///。今度、提督の好きな時でいいから…では、また…っ」かぁっと真っ赤になって、そそくさと立ち去った

提督「まぁまぁ…♪そのうちに、してあげるわね…ニコ♪」


………

何故かニコがイケナイ方向に思い切り舵を切ってしまいました…流れでそうなったので、この性格を活かすようなネタをそのうち作ります

…とりあえず今日はこの辺で…よかったら感想とか思いついた小ネタとかも書いて下さいね。機会があれば出来るだけ採用します
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/01/26(木) 05:22:01.09 ID:SGp6+7BQo<> 乙です
そろそろ艦娘同士のエロもみたいかも <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/01/26(木) 22:44:56.52 ID:7nk2th+8o<> 乙です
良い実に良い <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/01/27(金) 00:01:20.30 ID:v7HqbK8J0<> …艦娘同士がお好き?結構、ではますます好きになりますよ

とりあえず鎮守府めぐりしてからということで、今日か明日(進行状況によりけり)にでも姉妹百合させましょう、お待ちください <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/01/27(金) 01:17:35.56 ID:v7HqbK8J0<> 褒めて下さってありがとうございます…では本編に戻ります


提督「うふふ…♪ニコが…そんなことに興味を持つなんて…ね♪」にやけた笑い顔のまま図書室を後にする提督。普段のしとやかな大人の微笑からするとかなり気持ち悪い顔をしている。…提督は廊下を歩きながらしばらくにやついていたが、徐々に普通の表情に戻り、建物の真ん中あたりまで来た。


建物の中央部は少し広がった廊下になっていて、イタリア海軍にまつわる写真や記念の楯が飾られ、観葉植物の植木鉢も置かれている。大きなガラス窓は扉にもなっていて、外のベランダにも出られる。…提督は廊下の大きなガラス戸を開けて、二階のベランダに出た。ベランダは前庭を見おろしていて、庭の中央の旗竿にはイタリア海軍旗がへんぽんと翻っている。

ベランダの手すりには展望台にありそうな大型双眼鏡と、防衛用にMG3軽機関銃が取り付けられるが、普段は銃架だけで、機銃本体は武器庫にしまってある。


提督「んーっ…。いい気持ち、暖かくて平和ねぇ…」ベランダの手すりから海を眺める。ゆったりした波のイオニア海は青く澄んでいて、打ち寄せる波音が心地よい。庭のデッキチェアでは何人かが寝ころび、暖かい陽光の下でひなたぼっこを満喫している。

提督「…いい眺め…彼女たちを幸せにしてあげるのも務めだもの…」ベランダの手すりに腕を乗せてあごを置き、のんきに艦娘たちのくつろぐ様子を優しく見守った…ちょうど下ではマエストラーレ級駆逐艦の数人が仲良くひなたぼっこの準備にいそしんでいる。

グレカーレ「そっち引っぱってぇー」

リベッチオ「引っぱってるよー?シロッコ、重しはまだぁ?」

シロッコ「置いたよ!リベッチオ、こっちはもう手を離していいよ」

マエストラーレ「こっちもいいから、グレカーレ、はなしていいよ?」


わいわい言いながら、どこから持ってきたのかビニールシートを広げるマエストラーレたち。
他にも北アフリカ船団護衛についた艦が多い中、どういう訳か彼女たちだけが目立つ褐色の肌で、その健康的で活発な姿に似合うシンプルな白やライトブルーのワンピースを着ていた。


提督「まぁまぁ…♪ああいうところは子供みたいね…」ほほえましい光景に表情も緩む…

マエストラーレ「よしっ、じゃあひなたぼっこしよっか!」そう言ったのが聞こえた瞬間、ワンピースの裾をつかんでめくり上げ、一気に脱ぎ捨てたマエストラーレ

提督「え…!?」驚いて息を飲んだが、すぐ下にフリルのついた水着を着ていることに気づく

提督「ふぅ…さすがに下着とか、そういうことはないわよね……」と、安心したのもつかの間だった

グレカーレ「えー、お姉ちゃん水着着てるのぉ?水着の跡、ついちゃうよ?」同じようにワンピースを脱ぎ捨てたグレカーレは、一糸もまとわぬ生まれたままの姿でシートに寝そべった。褐色のすんなりしたふともも、小ぶりながら玉のように張りがあって艶やかな褐色のヒップが見える

リベッチオ「オイル塗ってあげるね、お姉ちゃん!」リベッチオは申し訳程度の小さい水着を着ているが、ヒップの割れ目に水着が食い込み、ぴっちりとラインを強調している

シロッコ「姉さんは恥ずかしがりなんだよね?誰も見てないし、そんなの気にしないでいいのに。開放感があって気持ちいいよ?」やはり全裸で寝転がり、わざわざ持ってきたらしい枕に頭を乗せてうつぶせになるシロッコ。リベッチオにアロマオイルを塗ってもらい、心地よさそうに身体を投げ出している。


提督「…///」本人たちは意識もせずにシートでゴロゴロしているが、提督は小柄なマエストラーレたちの滑らかなカフェオレ色の肌を見て、想像力をかきたてられていた。
<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/01/27(金) 02:03:02.73 ID:v7HqbK8J0<> 提督「うふふ…♪」仲睦まじいマエストラーレたちの様子を見ながら笑顔が抑えきれない提督…そのうちにきゃあきゃあ言いながらマエストラーレたちがふざけはじめ、上になったり下になったりしながら絡みあいはじめた。

提督「あぁ、もう♪どうしようかしら…♪」マエストラーレたちがその小ぶりな乳房を触りっこしたり、ふざけて水着を脱がそうとしたりしている様子を見ながら、提督はまたにやにやし始めていた。…残念なことに海からの照り返しがきつく、提督は目を細めてたわむれる彼女たちの様子を眺めていた

提督「あ!そう言えば…」制服の内側に入れてあった眼鏡入れを取り出す提督。南イタリアの陽光はまぶしいので、サングラスを入れてあったことをすっかり忘れていた。

提督「これならまぶしくないわね。……よく見えるわ♪」サングラスをかけ、再びマエストラーレたちを眺める提督。
一見するとサングラスをかけ、きりっとした大人の女性が海風にあたってたそがれているように見えるが、実際はふざけているマエストラーレたちをのぞいているだけと、かなりの変態ぶりである


…一方、庭では…

デュイリオ「あら、提督」デッキチェアに白いパラソルを広げ、たっぷりとフリルのついたスカートに、ぴったりした袖なしタートルネックといった格好で寝ころんでいたデュイリオが、ベランダにいる提督を見つけた。提督は凛々しく見えるサングラスをかけ、心の優しさがのぞくような微笑みを浮かべ、はしゃぎまわっているマエストラーレたちを眺めている。

デュイリオ「まぁ…ふふ♪まさに大人の女性…といったところですね」デッキチェアに寝そべり、コロン…と音を立てる氷入りのレモン水を飲みながら、貴婦人のような様子で提督を眺めた。

デュイリオ「…それにしても…魅力的な身体をしているわ…///」提督は腕にあごを乗せ、下半身を後ろに伸ばしているせいで、大きな胸が制服をぴちっと引っぱり、乳房の形が分かるほどせり出している。
斜めの位置に寝ころんでいるデュイリオから見ると、腰の魅力的な曲線から制服のタイトスカート(今日の提督はスカートスタイルを選んでいる)、そこからのぞく黒ストッキングの脚がなんともなまめかしい。夢中になる艦娘がいるのもうなずける…

…機会さえあれば押し倒して喘がせて、思う存分むさぼりつくしたいと思い、デュイリオは軽く微笑してその場面を想像し始めた

……… <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/01/27(金) 02:21:54.76 ID:v7HqbK8J0<> とりあえず今日はこの辺で…

…次はどこか艦娘の部屋に寄って、何気ない日常会話をします。その後は夜で「寝るときに着るもの」の小ネタからリクエストの「艦娘同士の絡み」を書くことにします。…ちなみに戦艦どうしの大人百合から、駆逐艦どうしの百合まで幅はあるので、よかったらどっち寄りがいいか教えて下さい。

とりあえずザラ級四姉妹で…というのはある程度考えてありますが……ねっとりとした感じで書くつもりですが、地の文が多すぎたりしないか、その辺も感想もらえれば反映させるつもりです


…それでは次の投下までお待ちください…


<> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/01/27(金) 11:20:46.11 ID:ZR0Y3UBOo<> 乙
駆逐同士がいいと思います! <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/01/27(金) 14:09:41.67 ID:iazDOlgyo<> 乙です
マエストラーレ級姉妹が裸でキャッキャッウフフとか楽園か天国の類ですねわかります
艦これのZara&Pola大好きなんでZara級四姉妹期待して待ってます
<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/01/28(土) 00:11:36.61 ID:nF41Z9BK0<> むむむ…駆逐艦とザラ級…両方いっぺんは無理ですね…
それでは前にポーラ×提督やったので、ザラ級のを温めつつ駆逐艦で投下しましょう。せっかく紹介もこなしてあることですし…ちなみにやることにしたリクエストは遅くなっても書きますから気長にお待ちください…


では、本編参ります <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/01/28(土) 00:59:04.00 ID:nF41Z9BK0<> …何故か書き込むたびに付けたトリップやsagaがもとに戻る…どうしてでしょうね?

それはそうと、本編投下します


………

マエストラーレたちのふざけ合いを見て一通りにやにやした提督は満足して、前からちょっとずつ進めていた個別訪問をこなそうと巡洋艦の部屋に歩を向けた。


提督「…そう言えば、今日は誰だったかしら」提督は訪問の順番を書いた手帳を見ながらつぶやいた

提督「あら、今日はジュッサーノ級ね」提督として初めて出撃を命令し、軽微とはいえ損傷を負ってしまったジュッサーノ級、バルトロメオ・コレオーニの痛みを我慢している顔を思い出すとチクリと心が痛み、彼女に対し申し訳なく思ってしまう。


…むろん軍艦であれ戦車であれ、故障したり損傷すればそれなりに反省はするし、悪くすれば自分が負傷したりもするが、ただの機械ではなく、自分の指揮下に動く「艦娘」という顔の見える存在は、提督のなしたことを映しだす鏡でもある…多くの海軍士官が「提督」として「鎮守府」を預けられ、なおかつ入れ替わりが激しいのは大事にしてきた「艦娘」の喪失や怪我を見て、多少なりとも人間として意識している彼女たちをひどい目にあわせてしまったことで受ける、罪悪感や精神のダメージが大きいためである


…だからといって、艦娘の損害を何とも思わないような士官は「提督」として不適格と診断される。
「人格」のある「艦娘」にはきめ細やかな心くばりが大事であることもそうだが、人の姿をしている艦娘の無惨な姿はたびたび新聞や議会でも問題視されているからだ。特に深海棲艦の発生と艦娘の登場で話題と予算をさらわれている陸軍は面白くないらしく、何かと「海軍に戦わされている少女たち」の悲惨さを強調している…提督はローマの海軍司令部で聞いた男性士官たちの冗談を思い出した……


…「なにしろ陸軍は魅力がないからな…自分で歩かなくちゃいかんし、小銃を担いで朝からオイチニだ。飯だって泥だらけの地面に座って食い、寝るときも固い地面の上に寝袋だ。…海軍は自分で歩かなくていいし、食事も暖かいのを食えるし、ベッドもある。おまけに今度はかわいい女の子と来た。そりゃうらやましいだろうよ!」冗談めかした軽口とはいえ、これはあながち間違ってもいない。提督は着任以来の生活を思い出して納得した

<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/01/28(土) 02:26:01.37 ID:nF41Z9BK0<> …ひとしきり真面目な考えが頭を巡っているうちに、提督はジュッサーノ級の部屋の前にたどり着いた。


コン、コンッ…入り口のドアをノックする

ジュッサーノ「はーい。どちら様?」ドアの向こうからジュッサーノの声が聞こえる

提督「私だけれど、約束の訪問で来たわ。開けていいかしら?」返事があってもすぐに開けないのは、前にアオスタ級の部屋で姉妹の行為の真っ最中に入ってしまい気まずかったからで、それ以来、返事があっても少し待つようにしている。

ジュッサーノ「どうぞ?入って」

提督「失礼するわね」ガチャ…


…艦娘の部屋は一つの部屋を艦娘ごとに区切って個室にし、残りのスペースを談話室のようにしてあるスタイルがほとんどで、ジュッサーノ級の部屋もそうだった。
ジュッサーノ級の部屋は薄緑と桃色で植物柄が入った淡い色使いの壁紙で、中央には丸いテーブルと四人分の椅子、二人掛けくらいの小ぶりなソファーは隅のテレビが見えるように置いてある。
入り口からも見える壁かけカレンダーの今日のところには、「お昼前。提督が訪問」と書き込んであり、日付がハートマークで囲ってある。


…提督が入ると四人はテレビを見ていたり本を読んでいたりしたのを中断して、提督に来客用の椅子をすすめた。


提督「ありがとう。みんなも座って?」ジュッサーノたちは椅子に座ると、机の上の菓子をすすめた。

ジュッサーノ「提督のために手作りしたの。お店のほど美味しくはないでしょうけど」ショートカットの髪を内向きにくるんとカールさせたジュッサーノは首回りにひだのある水色のハイネックを着ていて、耳には大きな丸い輪っかの形をした金のイヤリングをすることで、どこかボーイッシュな顔立ちをきりっとした大人に見せている。

バルビアーノ「そ。だから食べてみてよ」バルビアーノはわしゃわしゃにしたような無造作ヘアに、首元に下げた青緑色のトルコ石のネックレスが中性的な中にも可愛い印象を与えている。

コレオーニ「うん…来てくれてうれしいよ///」少し顔を赤らめるコレオーニ。ちょっとの傷だったのに心から心配されたことを喜んでいるが、だからと言って浴場までついて来たり、抱え上げて運んだりと、子供扱いしないでくれたのが嬉しかった。
今日は黒白ツートンのプリントワンピースと、60年代の女性歌手のような恰好できめている。…ファッションセンスがいささか古いのは、知識を教えてきたのが軍艦として64年に退役したライモンのためで、流行遅れな感じはしない…むしろモダンな女性に見える

バンデ・ネーレ「ああ、みんな待ってたよ?それと、サングラスが格好いいね」黒いミニワンピースとかきあげた髪を留めた銀のカチューシャがファッショナブルなバンデ・ネーレ。黒をうまく着こなすのが上手で、今日は少し色気が多い組み合わせのようだ

提督「みんな着こなしが上手ね…サングラスは取るの忘れてただけ」サングラスを外しケースに戻すと、手作りの素朴なクッキーをもらい、それからそれぞれのファッションをほめた

ジュッサーノ級「「…///」」

提督「それで…と。今日はみんなのことを聞きに来たわ。個別の相談は別に機会があるから、今日はあなたたち四人がして欲しいこと、相談したいことを聞くわ」

ジュッサーノ「そう…ね。家具と服がもうちょっと欲しいの。なかなか買いに行けないし、姉妹でも趣味が違うから…」

提督「そうよね、女性だものね…。他の娘たちからもそういう要望があったし、そのうちに順番で買い物ツアーでもしましょう。車だってあるし」

ジュッサーノ「ありがとう、これで着回しに苦労しないで済みそう」

提督「いいのよ♪せっかくだもの、おめかしもしたいでしょう。他には?」


そういうと三人は笑みを浮かべコレオーニをつついた。するとコレオーニはもじもじしながら言った。


コレオーニ「その、よかったらボクと…デートしてくれないかな?」真っ赤になって顔を伏せる

提督「…いいわよ?そのうちに車に乗せてあげるから、ドライブデートでもしましょう?…みんなも優しいわね♪」

コレオーニ「うん。いいお姉ちゃんたちにいい妹だよ」

提督「みんな、他に欲しいものはないの?言うだけ言っていいのよ?」

ジュッサーノ「ありがとう、でも十分よ。…あ、よかったら一つだけ…ね?」妹たちを見回して意味深なウィンクをするジュッサーノ

提督「なぁに?」

ジュッサーノ「…キス、したいの。…私たちって背ばっかり高くてきゃしゃだから、駆逐艦みたいにあどけない感じでもないし、でも身体は成長してない感じで…同じ軽巡でもライモンドたちみたいに大人になれてない気がするの」

提督「それは…私はいいけど…。大事なキスよ?初めてなんでしょう?」

バルビアーノ「いや、ボクたち姉妹で試してみたんだけど…やっぱり姉妹じゃ挨拶みたいな感じで止まっちゃうから…」

提督「大人のキス?」軽く首をかしげて問いかける

コレオーニ「うん、提督に…してほしいな」

バンデ・ネーレ「別に他のみんながしているから…とか、そんな理由じゃないの。本気で提督がいいの」

提督「そう…そこまでしっかり思っているのね。わかったわ」提督は立ち上がって壁を背にした

<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/01/28(土) 03:22:30.19 ID:nF41Z9BK0<> 提督「見られるのは嫌でしょうし、順番に呼ぶから一人づつ来てくれる?」

ジュッサーノ「いえ、見られていいわ。この話をしたときに、「姉妹で隠すような事じゃない」って決めたの」

提督「そうなのね…なら…ここでしましょう?「順番で」なんて言うと雑な感じに聞こえるけど、決して私のキスは偽物の気持ちではないから、そこだけは忘れないでね?私はあなたたちのそれぞれに、それぞれの愛おしいところを見つけているのだから…ね♪」にっこり微笑して両腕を広げる提督

ジュッサーノ「そう言ってもらえてうれしいよ。…なら、いくよ?」ジュッサーノの細い腕が提督の背中に回り、すっと唇が近寄った…

提督「んっ…ちゅうぅ……くちゅぅ…にちゅっ、ちゅるっ♪」

ジュッサーノ「ふ…んっ♪…んんっ……れろっ…ちゅぽ…っ……♪」

ほっそりしたジュッサーノの身体を優しく抱きしめた提督。しばらくしてジュッサーノが「ありがとう」とつぶやき、二人は離れた。


バルビアーノ「じゃあ、お願いね」近寄ってきて、いたずらっぽく提督を見た

提督「ええ…。ちゅっ…むちゅ…ぅ……ねろ…っ♪…んちゅ……」

バルビアーノ「これが、キスか…ぁ、とろけそうだ…よぉ…///……くちゅぅ…ぴちゅ…っ……ちゅぷ…ぅ♪」

キスが終わり、すっかりとろけたようなバルビアーノ。提督は愛おしげに頭を撫でてあげた


バンデ・ネーレ「お姉ちゃん、先にしちゃっていいの?」

コレオーニ「いいよ。ボクは提督を独り占めしてデートさせてもらえるんだからね」

バンデ・ネーレ「そっか。ありがとう、お姉ちゃん…じゃあ、提督。するよ?」

バンデ・ネーレはカツ、カツとヒールの音を立てて歩み寄り、提督の頬に手を添えると唇を重ねた。

提督「…んんぅ……♪…じゅるぅ…ぴちゃっ……ちゅぅ…」

バンデ・ネーレ「んふふっ…これ、確かにすごい…わ。熱くて、ぬめっとしてて…気持ちいい…の♪……くちゅ…んちゅぅぅ…じゅるぅぅ…っ♪」

長いキスで舌を激しく絡ませ、思った以上に熱っぽい様子のバンデ・ネーレに提督の身体もうずいた。


コレオーニ「…じゃあ、最後はボクだね…。提督、いいかい?」

提督「いいわよ…♪」ジュッサーノたちの甘くて初々しい、しかし熱烈なキスで、提督はすっかりその気になっていた。
最初は母性愛のような気持ちで受けたキスのおねだりだったが、次第に花芯が濡れはじめ、頬を赤らめ恥ずかしげに立つコレオーニがもう愛おしくてたまらない。

提督「可愛い…コレオーニ……んちゅぅぅ…♪…れろっ…くちゅ……っ…ぴちゃ…っ…じゅるっ…ちゅ…るぅぅっ♪」コレオーニの脚の間にふとももを滑り込ませ、半ば持ち上げるようにしてえぐるようなキスを浴びせる提督

コレオーニ「んはぁぁ…すごいよぉ…提督ぅ……♪ボク…おかしくなりそ…ぉ…じゅぶぅぅ…れろっ…れろっ……むちゅぅぅ♪…じゅるぅぅ……んんっ…じゅぷっ…くちゅっ……」
粘っこい水音を立てながら舌を絡めるコレオーニ。夢中で提督の口中を舐めまわし、むさぼりつくす様子は、さっきまで恥ずかしがっていた彼女には見えない。提督のスカートにはコレオーニのねっとりした蜜が染みてきて、最後はコレオーニがイきながら崩れるように唇を離した。

コレオーニ「はぁ…はぁ…はぁぁ…♪すごかった…よ…ボク、提督と…キスだけで……イっちゃった…ぁ♪」

提督「私も…気持ち良かった///……すごかったわ…♪」にこやかに微笑みつつも、四人の乱れた様子に身体の疼きが止まらない提督。
今夜まで我慢できるか心配になりつつ、ジュッサーノたちに「またね」と言って部屋を出た。
…最後ドアを閉める前にちらっと見えたのは、四姉妹がお互いにたかぶった身体を抑えきれずにねっとりとキスを交わしている、みだらで美しい光景だった。


…では今日はこの辺で… <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/01/28(土) 05:45:04.37 ID:kOZ6YF+Xo<> 乙でしたー

何て地中海的な・・・(艦これLittorio(Italia)の台詞)
Meraviglioso!Grazie a Lei!Grazie a Lei!
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/01/28(土) 11:26:26.93 ID:2OvrvpQ3o<> おつー

姉妹じゃあない艦同士の絡みもいいと思うのだが
戦艦と駆逐艦とか駆逐艦と戦艦とか <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/01/28(土) 14:47:51.13 ID:kOZ6YF+Xo<> 駆逐艦に良い様に責められる戦艦良いですねー実にGrazieです
イタリア海軍は駆逐艦や魚雷艇の勇敢勇猛さ戦果が素晴らしかったとか
戦艦はカタログスペックは立派な置物とも言われてましたしねえ
(まあ日本の戦艦も大概アレですけども・・・Warspite他一部英国戦艦やBismarckあたりの奮闘はある意味例外なんでしょうね) <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/01/29(日) 01:03:43.05 ID:rvh4GSlo0<> たくさんのコメントにグラツィエ!…全くコメントに横文字の多いスレですね(笑)…


…地中海的に進めているので遅いこと遅いこと…イタリア艦の特徴、何でも高速重視はどこに行ったのやら……しかしイタリア戦艦を評して「巡洋艦の発想で戦艦を設計している」というのがあるらしいですが、言いえて妙ですね。

…姉妹以外、考えてはいます。…色っぽいデュイリオに発情する駆逐艦複数とか…軽巡の華ガリバルディを尊敬しているうちに感情が変化してくる駆逐艦なんかを……とりあえずおねロリは正義、ということで
…戦艦のイメージは「犬神さんと猫山さん」の牛若さん(アニメ版しか知らないですが…)をもっと大人びた感じにしたものと思ってもらえれば近いでしょうか……熟れたお姉さんオーラむんむんです…


…くだくだしく書きましたが、イタリア戦艦は存在していることに価値があったので…そして隻数を作れない分スペックでまかなおうとしたわけで…まぁ、地中海は直接交戦の機会が多くて、空母の有用性が火力で相殺されてしまうので、結構戦艦の働きどころがあった…と言えます(結局燃料がなかったので活躍できませんでしたが…)
駆逐艦、MASボート、潜水艦、特殊コマンドの活躍はそういう事情もあって、ジャイアントキリング推奨…というかイタリア王国海軍にとって唯一のやり方だったわけで、能力の高い兵や士官はみんなそうした部隊に回されたそうです
…それに42年には燃料不足で戦艦がほとんど行動不能だったので…大艦巨砲主義の終わりに巻き込まれた後発列強の悲しさですね……

…英地中海艦隊は(枢軸側からすれば)敵ながら本当にあっぱれで、ウォースパイト以下、巡洋艦から駆逐艦までよく戦っています。…本拠地ジブラルタルでデチマ・マス隊の破壊工作を受けて戦艦ヴァリアント、クイーン・エリザベスを大破させられてますが…


日本の戦艦は高速(当初は巡洋戦艦だったので)ながら旧式の金剛型、設計に難ありで建造も古い扶桑型、速度の出ない長門型、虎の子すぎて使いどころを決められなかったままぶらぶらさせていた大和型と決め手に欠け、結局無駄に使ってしまった、と考えるのが妥当かと…重巡はその分活躍してますが…



<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/01/29(日) 01:52:07.80 ID:rvh4GSlo0<> …あれ?>>142の方にコメントいただきましたが、駆逐艦×戦艦ってしましたっけ?

あと、忘れないうちにリクエストの順番を。姉妹艦でない駆逐艦同士、ザラ級の四姉妹乱交、戦艦×駆逐艦のおねロリの順で。そのあとライモンあたりとお出かけのつもりです…

…では、本編行きましょう…


…鎮守府・昼…

鎮守府の見回りも終え、部屋に戻ってきた提督。先ほどのジュッサーノ級とのいちゃつきで下着がにちゃ…と湿った音を立てる。

提督「はぁぁ…♪ジュッサーノたちは可愛かったけど…中途半端に終わったから身体が熱いわ……///」髪をふわっとかきあげ、クローゼットから着替えを出す提督。ティッシュで軽く秘所を拭うとてきぱきと着替え、食堂に向かうついでに服を洗濯場の全自動洗濯機に放り込んだ。


…鎮守府・食堂…

食堂の入り口で他の用事を済ませていたドリアが待っていた。


ドリア「さ、提督。ご一緒しましょう?」すっと腕を出すドリアに、提督はさらりと腕を絡めた

提督「待っていてくれたの?うれしいわ」にっこり微笑んでドリアを見つめる提督

ドリア「どういたしまして♪…それにしても、お昼からそんなとろけた顔で甘い雌の匂いをさせて……私のこと、誘惑しているんですか?」目を細め、絡みつくような甘い小声でささやく…

提督「め…雌って……そんなにトロけた顔してる?」ささやき返す提督

ドリア「ええ…周囲の娘たちがいやらしい目でみていますよ?」にっこりと微笑みつつ言うドリア

提督「本当…?」そっと視線をめぐらす提督…所々に座っている艦娘たちだが、察しのいい数人は提督が身体をうずかせていると見抜き、ねっとりとした目つきで舐めまわすように視線を這わせている。それからはっきりとさとっているわけではないが、今日の提督は妙に色っぽいと感じて悶々としている数人…

提督「…気にしないことにするわね……でも視線が熱い…///」むしろ火照りが増してきた提督はそそくさと席についた

ドリア「そういえばジュッサーノたちはどうしたんでしょう?いつも早い方なのですが」小首を傾げて言うドリア。意識してはいないが、髪のひと房が肩に垂れてなんとも色っぽい

提督「…今日は遅いんじゃないかしら」

ドリア「…あぁ。なるほど♪……でも意外ですね、彼女たちはそうしたことに気おくれしているようでしたから」

提督「その分スイッチが入ったら止まらなくなるかもしれないわね」喜ぶべきか心配するべきか、微妙な表情の提督

ドリア「ふふふっ…これだけみんなをたき付けていまさら心配ですか?」

提督「たき付けてはいないわ…私個人が好きってだけよ?」

ドリア「それがたき付けていなくてなんでしょうね?…さぁ、お料理を取りましょう?」



<> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/01/29(日) 04:31:30.66 ID:V5GqeD5fo<> >>144
>142です。
ちょっと言葉が足りなかった様ですね
駆逐艦に良い様に責められる戦艦とか良いですねーって当方の妄想で
>>141の方のコメに対しての反応です <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/01/30(月) 19:19:28.52 ID:J46fdwen0<> >>145(←これの青くなって表示されるのができないので字だけで…)

Si。だろうとは思ったのですが一応…わかりました、待っていてもらえれば妄想じゃなくなります(予定)
…更新遅いので時間がかかりますがしばしお待ちを…… <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/01/31(火) 00:23:09.98 ID:gIhrS7SC0<> 自動で変わってましたね…未熟をさらしましたがなにぶん初めてなもので…

気を取り直して本編投下します…お付き合い下さい <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/01/31(火) 01:39:52.43 ID:gIhrS7SC0<> …昼食…


食事を始めるまでは周囲の視線が気になった提督だったが、いったんフォークとナイフを取り上げてしまうとそれも気にならなくなっていた。

前菜はあっさりとしたサラダ。レタスの新鮮な若葉と、小さく裂いたレモンの果肉、それに少しぜいたくに、色鮮やかな茹でた小海老が混ぜてある。

提督「んふふっ…美味しい♪」白ワインを傾けつつ新鮮なマルタ産の小海老を賞味する提督

ドリア「しかし、もうマルタを取り合わなくてもいいなんて…なんだか複雑な気分ですね」…戦中はイギリス地中海艦隊と英空軍の一大拠点にして、数々のイタリア軍艦と補給船団を屠ってきた英軍の重要基地、マルタ島…イタリアの目と鼻の距離にありながらついに陥落しなかったせいで、北アフリカの戦争を敗北に追い込んだキーポイントである。今でも「マルタ」と聞くと苦い記憶を思い出す艦娘が多い……


提督「当時を考えればそうよね…。「気にするな」とは言わないから、少しづつ克服していければいいわね」

ドリア「ええ。まぁ…私たち本国の艦隊はまだ恵まれていましたから。東アフリカ(現エリトリアおよびエチオピア)の紅海警備艦隊は悲惨でした…」美味しいサラダを前にしながらも歴史を思い出し、少し悲しそうな顔のドリア

提督「…出来る限り、みんなの心の痛みを忘れさせるよう努力するわ…だから、そんな悲しそうな顔しないで?悲しい顔もきれいだけど、笑っている顔の方が好きよ…ね?」そっとドリアの手に自分の手をかさね、じっと瞳を見る提督…

ドリア「はい…貴女の優しいお顔は、あの時には見られなかった光景です。こんなに楽しいこともできませんでしたし、もう一回平和を味わえるとも思っていませんでした…だから、私…幸せですし、提督のこと…大好きですよ♪」ちゅっ…と頬にキスをするドリア


…ざわっ…ざわざわっ…!

前後の会話を聞き取れなかった他のテーブルの艦娘たちからすると、妙に火照った様子の提督がうるんだ目でドリアと手を重ね、ドリアがそれに応えてキスをしたように見える…


ライモン「…うらやましい。ですが、わたしはいくどもお呼ばれしていますし…今回は我慢です…ね」提督とたびたび寝床を共にしているライモンは、他の艦娘と提督のいちゃつきを許せる寛容さがあったが、それでも「甘い顔は自分にだけ見せてほしい」と思う乙女心もあって複雑な気分だった。「はぁ…」と軽くため息をついてワインを飲み干す

ムツィオ・アッテンドーロ(ライモンの妹)「姉さま、提督と最初にしたのは姉さまなんだもの、一番愛されているのは姉さまよ?」姉の性格をよくわかっている妹アッテンドーロは、戦後まで生き残り、その後も長かった姉を尊敬していて、いつも一歩引いてフォローしてくれる。

ライモン「…そうね。…鎮守府で提督の最初の相手になったのはわたし……。うん、そうね。…ムツィオ、ありがとう」そんな奥ゆかしい性格の妹を他の軽巡たち以上に可愛がっているライモン。自分のグラスに注いでくれたアッテンドーロのグラスにお礼を注いで、軽く乾杯した

アッテンドーロ「いいの。姉さまはいつでも私の自慢の姉さまなんだから」そういってにっこりする

アオスタ「そうね。ライモンドは出来た娘よね。私もかわいいと思うわよ?」軽巡アオスタがサラダのおかわりをガラス鉢から均等に取り分けながらうなずく。

エウジェニオ「…ほんと♪この前廊下で会った時のライモンドなんて…提督のお部屋でイった後だったのよね?…はぁはぁ息しながら、頬を桃色に染めていてなよなよと歩いているんですもの。とっても可愛くて、むらむらしちゃったわ♪」

ライモン「…っ///そんなこといって、ほとんどその場でしそうな勢いだったじゃありませんか…!…結局部屋に連れ込むし……」

エウジェニオ「だって可愛かったんですもの♪また私の部屋においでなさい?…い・い・こ・と、してあげるから♪」

アオスタ「はぁ…仕切りの隣であんあん喘がれる姉の気持ちにもなってちょうだい。あなたには節操ってものがないの?…年上から年下まで次から次に…場所もわきまえないで…」

エウジェニオ「うふふっ♪またソ連暮らしで石頭になった姉さんの変な道徳観がでてきたわね…あのね、姉さん。恋するっていうのは理屈とか、理論とか関係ないの。愛おしいと思った瞬間が始まりなのよ…だから私がいきなり「美しい百合のつぼみを花開かせたい、その甘い蜜を味わいたい」って思ったとしても、それは自然の摂理なの」

アオスタ「勝手なことを…ガリバルディ、貴女からどうにか言ってやってくれません?」

ガリバルディ「そう…ねぇ。エウジェニオの言うことも分からなくもないから…イタリア統一もアモーレ・ミーオ(愛しい人)とささやく瞬間も、待っていたら機を逃してしまうでしょう?だから…まぁ、いいんじゃない?実際エウジェニオの技巧ってすごいわよね…優しくエスコートしてくれてお姫様みたいに扱ってくれることもあれば、気分を察して恋人にも姉にもなってくれるし…」

エウジェニオ「あら…♪ガリバルディ様にこんなに褒めて頂けるなんて…今夜、一緒に星空でも見に行きません?」しなを作って、そこはかとなくみだらに言うエウジェニオに、慣れっこになっているはずの面々も生唾を飲んだ。

ガリバルディ「…恥ずかしいから人前で誘うのはやめてほしいね…ご一緒しましょう///」

アオスタ「もう…!誰もかれも骨抜きなわけ?」天を仰いで両手を上に向けるアオスタ…軽巡たちの軽い笑いがテーブルに響いた






<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/01/31(火) 02:12:51.78 ID:gIhrS7SC0<> …別のテーブル…

レオーネ「提督…ずいぶん色っぽいな…ぁ」褐色の身体をした駆逐艦レオーネ(ライオン)はカッペリーニ(極細パスタ)とトマトの冷製パスタを口に運びながら、熱を帯びた視線で提督を凝視している

パンテーラ「うん…なんだか…ムラッとするわぁ…♪」レオーネの妹パンテーラ(豹)は名の通りのヒョウ柄タイツに、黒いハイヒールと妙にセクシーな格好で長い脚を組み、やはり提督の方を見て舌なめずりをした

ティグレ「あぁ…のしかかって……めちゃくちゃにしたいねぇ…♪」ティグレ(虎)は小柄な割に大胆で、実際よりも大きく見える…が、大柄な提督にのしかかってめちゃくちゃに出来るほどではない…しかし、ティグレも提督の火照った表情を見てムラムラしていた。

オリアーニ「どうしたの三人とも?名前がライオンや虎だからって、発情期でも来てるの?」四隻のオリアーニ級駆逐艦を束ねる、ネームシップのアルフレド・オリアーニが冗談めかして聞いた。

レオーネ「だって…ねぇ。提督のあれはもう、「色っぽい」なんて生やさしい感じじゃない…よ?はぁ…はぁ…今すぐにでも犯したいよ…ぉ♪」普段はきりりとした目を欲情の輝きでらんらんとさせ、はぁはぁと息をしながら言った

ヴィットリオ・アルフィエリ(オリアーニ級)「え?…でも、分からなくはないかも。今日の提督、すっごく艶やかで…うん、色っぽいね」パスタの皿から視線を移し、納得したようにうなずくアルフィエリ

ヴィンチェンツォ・ジオベルティ(オリアーニ級)「あれはたしかに…「いい女」って感じだね」
<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/01/31(火) 17:52:15.88 ID:gIhrS7SC0<> ジョスエ・カルドゥッチ(オリアーニ級)「そうだねぇ。「匂い立つようないい女」っていうのはあれを言うんじゃないかな…おっとりしてるようで意外と積極的だし…一度くらい抱いてもらいたいねぇ♪」パスタをくるくるっと巻き取ると口に運び、飲みこんでから言った

レオーネ級「「はぁぁ…♪」」のぼせたような表情で提督を見つめるレオーネたち


ナザリオ・サウロ「もう、レオーネ。しっかりして?」戦中はレオーネ級や他の艦と一緒に紅海で運命を共にしたサウロ級のネームシップ、色白のナザリオ・サウロはため息をつきながらいった。
額をまっすぐ、後ろは長く伸ばした黒髪と、頭頂部にかけたカチューシャが大人しい印象の駆逐艦で、レオーネたちとは紅海で一緒だったためか姉妹同然の付き合いをしている。

レオーネ「だって…あんなに艶やかな提督…もう、たまらないよ…///」サウロにねだるように言った

サウロ「そんなこと私に言っても仕方ないじゃない…」パリパリに焼けたパンを取りながら肩をすくめた

チェザーレ・バティスティ(サウロ級)「お姉ちゃんのいうとおりね。今日の提督はいやらしいし、美味しそうだけど…♪」モッツァレラ・チーズとオリーブの塩漬けをつまみながら提督を斜めに見るバティスティ

ダニエレ・マニン(サウロ級)「あぁ、もう!そんなこそこそ言ってないでさ、いっそ突撃かけようよ。私たち駆逐艦は敵艦に斬りこんでこそ、でしょ!」数杯のワインで気が強くなったのか、それとも紅海警備艦隊の記憶か、突撃を敢行しようとするマニン。

オリアーニ「こら。提督にあれほど「死に急ぐな」って言われたでしょ?女性も同じよ?…まったくあなたたちは突撃ばっかりなんだから。盛りのついた猫じゃあるまいし」

フランチェスコ・ヌロ(サウロ級)「お姉ちゃんたちにそうきつく言わないであげて、オリアーニ?あの時は仕方なかっただけで、今はそんなことしないもの、ね」それ以前の交戦で撃沈されたため、サウロ級で唯一紅海艦隊の壊滅を見ていないヌロは他の姉妹たちよりも少し大人しく、なだめ役になっていた




<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/02/01(水) 00:43:15.19 ID:XDB9IgT30<> オリアーニ「あぁ…ごめんなさいね、ヌロ?どうしても言い方がきつくなってるわ…」イタリア駆逐艦の一つの完成形であるマエストラーレ級よりさらに高速を目指した分、オリアーニ級は期待もされ、艦隊型駆逐艦として多くの戦いにも身を投じてきた。
…三人の妹に、最大グループのソルダティ級駆逐艦という、高性能な年下の従姉妹たちにもしっかりしたところを見せなければと、オリアーニはつい一生懸命になってしまい、ちょっと悲しそうなヌロの顔を見て、慌ててなぐさめた

ヌロ「ありがとう…オリアーニは優しいの分かってるから」

オリアーニ「そう言ってくれて私も嬉しいわよ…でもそろそろ失礼するわ。ワインで失態をさらしたくないもの」
(欧米では人前で酔う人を自制がきかず、酒量も分からない不作法ものとし、大変な醜態と考えている)


オリアーニは食後のカプチーノを飲むと、周囲の駆逐艦たちに軽く会釈すると軽快な足取りで出て行った。残りの駆逐艦たちも次第に食事を終え、一人二人と席を立った。


…食後…

食事も済み、提督は甘えるようにドリアと腕を組み食堂を出て行き、次第に艦娘たちも出て行った。
閑散とした駆逐艦のテーブルにはレオーネ級の三人とサウロ級の四人が残っている。


サウロ「食べ終わった?」視線は提督にクギづけで、食事もおろそかにしていたレオーネ級を待っていたサウロたち。おしゃべりしながらワインをちびちび舐めつつ、レオーネたちが自分たちの皿を厨房に持っていくのを見とどけた。


レオーネ「ありがとう、サウロ。待っていて…くれたんだ」大仰な身振りでサウロに感謝するレオーネ

サウロ「いいのよ。ところで、午後はやることあるのかしら?…私たちは何にもなくてちょっと暇なのね、よかったら一緒におしゃべりでもしましょう?」無理な突撃をかけようとする戦闘時にくらべて、普段は大人しいサウロ級はレオーネ級と一緒にいることが多かった

レオーネ「あ…あぁ。いい…よ」妙にはぁはぁと荒い息づかいをしながら答えるレオーネ

ヌロ「レオーネ、大丈夫ですか?お熱でもあるのですか?」そっと顔を近づけて手を額に当てるヌロ。

レオーネ「…!だ…大丈夫だから。今日は…ほら、暑い…くらいだし」ヌロの白い手をどけて、軽く跳ねて活発さを見せるレオーネ

ヌロ「そう…ですか。お加減が悪かったらいつでもいってくださいね」少しほっとして微笑するヌロ

マニン「ま、そんなに元気なら平気でしょう。ね、パンテーラ?」隣でぼーっと頬に手を当てているパンテーラに声をかけた

パンテーラ「え?…ああ、そうね。私は元気よ?」すんなりと長い髪をいじりながら上の空で答える

マニン「もう、どうしたの?しっかりしなさいよ」地団駄を踏みそうな勢いで問いかける

バティスティ「まぁまぁ…レオーネたちにもそういう日はあるわよ。それよりこんなところでぶらぶらしてないで、部屋でお話しましょうよ」手際よく厨房からバスケットを借り、焼き菓子を入れてもらったバティスティ

サウロ「気が利くわね、バティスティ。…レオーネ、お邪魔して平気?」

レオーネ「あぁ…うん。いい…よ」妙にはっきりしない具合のレオーネ

サウロ「?…調子も今一つみたいだから、ちょっとお邪魔したら早めに帰るわね。さぁ、アヴァンティ(前進)!」



………

お待たせしました、次から駆逐×駆逐の百合です。褐色肉食獣のレオーネ級×色白で端正なサウロ級となります
<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/02/01(水) 02:32:19.59 ID:XDB9IgT30<>
…レオーネ級の部屋…

レオーネ級の部屋はエキゾチック趣味で、クリーム色と薄青の二色で上下に分かれた壁紙に、淡いセージグリーンで椰子の木や熱帯の鳥が描かれている。
部屋の半分は直に座れるようになっていて、敷かれた絨毯も赤茶と金のアラビア風なら、椅子とクッションも濃い色をうまく使ってアフリカらしくしてある。


レオーネ「はぁ…はぁ…」茶色の瞳を熱っぽく輝かせながら、レオーネは椅子に座る

パンテーラ「はぁ…ぁん///」しなやかに絨毯に座り込むパンテーラ。長い脚を組んで伸ばすと、スリットの入った黒いスカートから、ちらりと紫の下着がのぞいた…

ヌロ「…パンテーラ、その…見えてます」かあっ…と顔を赤らめておずおずと指摘するヌロ

パンテーラ「ヌロってば…もう、どこ見てるの…ぉ?」絨毯の上で寝転がり、片膝をたててしなをつくるパンテーラ。ずり上がったスカートから褐色のふとももが外気にさらされた…(あぁん…♪そんなあどけない顔して……襲ってください、って言っているみたいじゃない♪)

ヌロ「…///」真っ赤になって顔をそらすヌロ

サウロ「ヌロをからかわないで、パンテーラ」お菓子のバスケットをバティスティから受け取り、机の上に手際よく広げるサウロ

バティスティ「お菓子を用意しましたよ?レオーネさんたちも一緒に食べましょう?」レオーネの膝をとんとんと軽く叩くバティスティ

レオーネ「あ…うん。その…今行く…から」(はぁ…はぁ…サウロ級のみんな……可愛いな…ぁ)つっかえつっかえで言うレオーネ

マニン「ティグレ、貴女も一体どうしたのよ?息が荒いじゃない…本当に具合が悪いんじゃないでしょうね?」絨毯の上で寝転がるティグレを心配そうにのぞきこむマニン。当人は気づいていないがティグレからは白いレースの下着がのぞいている…

ティグレ「あ…あぁ。平気だ…何でもない」(マニンのが見えてる…白くて、滑らかなふともも……あとちょっと自制が効かなくなったら襲っちゃいそうだ…)

サウロ「レオーネ、お菓子の準備できたわよ。…レオーネってば。大丈夫?」椅子に座ったレオーネに顔を近づけるサウロ。すると少し開いた襟元から、胸元がちらりとのぞいた。…さっきから我慢して、もうちょっとで発情を抑え込めそうだったレオーネの目の前に白い谷間と甘い花の香りがふっと漂った。



レオーネ「はぁ…はぁ…ごめん、サウロ…もう、我慢…できないっ♪」甘い匂いにとうとう我慢しきれなくなったレオーネは、いきなりサウロに飛びついた

サウロ「ひゃあっ!レオーネ!?」いきなり床に押し倒され、胸元を広げられて胸に吸いつかれるサウロ

パンテーラ「はぁん♪もう…あなたたちがいけないのよ…?そんなにいやらしく「犯して下さい♪」って誘うんだもの…♪」パンテーラは突然の事態にぽかんとしているフランチェスコ・ヌロを軽やかに引きずり倒し、スカートをめくりあげると脚を絡め、揉むようにヒップを撫でまわした。
何か言いかけたヌロの口に舌をねじ込み、熱いキスに驚いて涙が出ているのを見て、パンテーラはさらに興奮した

ヌロ「んーっ!…んんっ!ふぅ…んっ!」どうにか振りほどこうとするヌロだが、しなやかなパンテーラの身体に絡みつかれ、口中を蹂躙されていく

ティグレ「我慢はしたんだ…もう…いいよ…なっ!」ヌロを助けようと近寄ったマニンにとびかかり、容赦なく服を脱がせるティグレ。金髪を振り乱し、吸いつくようなキスを首筋に加えながら押し倒した。

マニン「ちょっと!?本当に発情してるんじゃないわよ!…んんっ!」何か言いかけたところでティグレにのしかかられ、抗議の声はずっしりとしたティグレの乳房でふさがれた

バティスティ「うわ…わ!」一瞬どうしようかためらったバティスティはレオーネに引っぱられ、厚い絨毯の上に転がされた。たちまちレオーネの片手が胸元に押し入り、よく引き締まった乳房をこねくりまわした

サウロ「ちょっと…!レオーネ、お願いだからおちつ…んんっ!」どうにかなだめようとしたサウロの声を封じる形で、レオーネの舌が入ってきた。サウロは逃げ出そうともがくが、意外に力強いレオーネに押さえつけられ身動きも出来ない

レオーネ「んふっ…じゅぽっ……れろぉ…♪…あぁ、たまらないよ…サウロ。柔らかくて熱いんだもの…ね♪」押さえつけたまま、とろりと蜜を垂らした花芯をサウロの秘所にあてがう。そのまま激しく腰を動かし、ねちっこい水音を立てる

パンテーラ「あはぁ…ん♪ヌロってば…こんなに濡らしちゃって…ぇ。されたくて…たまらなかったんでしょう…?」くちゅっ♪…パンテーラは逃げ出そうともがくヌロに絡みつき、ねちっこいキスを浴びせながら柔らかい胸に左手の指を埋め、右手で器用に下着を下ろしつつ、あまり使われていないヌロの引き締まった秘所に指を差しいれてかき回した

ヌロ「んんっ…!ふぅん…!……ん…んぅぅ♪」うるんだ目で抗議の呻き声をあげていたヌロだが、しばらく責めたてられていると声のトーンが甘くなって、身体もパンテーラのなすがままになってきた。目はとろんとして、振りほどこうとした両腕も力なく投げ出されていた。しっとりしていただけの花芯はすっかり濡れ、パンテーラの指がうごめくたびに「…ぬちゅっ…にちゅっ」とみだらな水音を立てる

マニン「…ぷはぁ!…ふざけ…ないでよっ、離しなさいっ…あんっ♪」窒息しそうになってようやく息継ぎさせてもらえたマニンは怒ろうとしたが、それより先にティグレが乳房の先端を甘噛みした。たまらず甘い声を上げてしまうマニンに、ティグレは荒い息をしながらむしゃぶりついた。

バティスティ「んぁぁっ…♪はひっ…あふぅ…んっ♪」レオーネに感じやすい乳房を激しく揉まれ、脚をばたばたさせながら甘い喘ぎ声を上げるバティスティ。ひくつく秘部からは早くもとろりと甘い蜜が垂れて、可愛らしい桃色の下着を汚している



<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/02/02(木) 02:45:00.71 ID:a6Y3gHcq0<> レオーネ「んふっ…んんっ♪…じゅるっ…ちゅるぅぅ…ぴちゃ…っ♪」しばらく深いキスで舌を絡めたあと、銀色の糸を引くそれを抜き、右手でスカートをまくりあげた。そのまま下着をずり下ろすと後ろに這いずっていき、頭を下ろすと柔らかで朱鷺(とき)色をしたサウロの秘所に舌を這わし始めたレオーネ。
割れ目をなぞり押し広げると、サウロのふっくらした花芯からはとろりと粘っこい液体があふれてきた。

サウロ「ひぃ…ん♪あふっ…あっ、あっ、あっ…んぁぁっ!」頭を押さえてどうにか引き離そうとするが、下半身の甘い感覚が邪魔をして力が入らない。次第に喘ぎ声が大きくなっていき、身体をそらせてびくびくとけいれんさせ始めた。

レオーネ「んっ…。じゅるっ…じゅぼっ、ぬちゅっ…ぴちゃっ♪」情欲で濁った目をしたレオーネは、だらしなく開かれたサウロの脚の間に顔を突っこみ、とろりとした蜜をすすり、舌を突き入れる。

サウロ「あっ…もう、やめてっ……んぁぁっ!」最後に力の抜けたような声で叫ぶと、ひときわ激しく身体をひくつかせ、弓なりに反らせてから絨毯に崩れた。

サウロ「あへぇ…♪…もう…止めて…って……言ったのに…ぃ」端正な色白の顔は焦点の合わない目と半開きの口から垂れる唾液で乱れきった様子で、責めたてられた余韻でひくひくと身体をひくつかせている。


パンテーラ「ふふ…気持ちいいでしょう?もっと、しましょう…か♪んちゅっ…ぐちゅぐちゅっ…じゅぶっ!」一方、レオーネの隣でパンテーラはヌロにまたがり秘所を重ねて動かし、そのたびにヌロは喘ぎ声をあげた。花芯はぐっしょりと濡れ、すっかりパンテーラのなすがままになって喜悦の声をあげている。

ヌロ「はぁ…ぁん♪パンテーラ…ぁ…いいのぉ…もっと…もっとぉ♪…ぬちゅっ、ぐちゅっ、ぐちゅ…っ♪」すっかり快楽におぼれたヌロは甘ったるくねだり、パンテーラのきゅっと引き締まった胸に手を伸ばした。

パンテーラ「あらぁ、そんなにしたいの?いいわよ…っ♪」自分からねだるまでわざと手控えていたパンテーラ。普段は内気なヌロがいやらしくねだるさまを見て笑みを浮かべ、豹の名にふさわしい、しなるような動きで花芯をこすりつけ、淡い色の付いた胸の先端を舐めつつ、しなやかな指をくちゅりと膣内に差しこんだ。

ヌロ「あっ…♪そこっ…いいのっ!イくっ、イきますぅぅっ…♪」とろとろっ…ぶしゃぁぁ…♪甘い喘ぎ声と共に秘所から蜜をあふれさせたヌロ。「えへへぇ…♪」と脱力したような笑みを浮かべ、ねっとりとした秘部にみずからパンテーラの指を差しこませた

ヌロ「もっと…ぉ♪こんな…気持ちいい…こと、知らなかった…のぉ……ヌロのこと…もっと、めちゃくちゃに…してぇ♪」甘ったれたように誘うヌロ。身体を持ってから初めて味わう「女性」としての快楽に狂い、普段の純真な様子からは想像できないほどいやらしくねだった。

パンテーラ「んふふっ♪…じゃあ、いっぱい…してあげる…っ♪」指をねじ込み、ねちっこい責めでヌロを喘がせるパンテーラ。べとべとになった下半身にヌロを座らせ、他の姉妹にも見えるように大きく脚を開かせた。

パンテーラ「ほらぁ、どうなってるのか言ってみましょうよ、ね…♪」ちょっと意地悪く耳元でささやくパンテーラ

ヌロ「はぁい…♪お姉ちゃぁ…ん、私ね、パンテーラに…ぃ、じゅぶじゅぶっ…って、されて…ぇ…あひっ…あふっ…イっちゃうのぉぉ♪」姉妹の目の前でどろりと蜜を噴き出すヌロ。二人の重ねた人差し指は紫のランジェリーの隙間からパンテーラの秘部に差しいれられていて、激しくぐちゅぐちゅかき回しながら、パンテーラもねっとりと蜜をたらして果てた。


マニン「あぁ…ん!本当に…っ、やめなさい、ったらぁ…あんっ♪」獣そのものと言った様子で飛びかかってきたティグレを叱り飛ばすマニンだが、あくまでも形ばかりで、むっちりとしながらも力強く、堂々としたティグレを憎からず思っていた。むしろマニン自身も以前から「そういうこと」に興味はあったが、やり方が分かるわけでもなし、姉妹で仲睦まじく触りっこなどしてみても、どうも違うと思っていた。
その分ティグレの激しいが傷つけるほどではない責め立て方には期待が高まっていて、自分はどうなるのかとハラハラしながらもわくわくしていた。

ティグレ「あぁ…脱がせるのが…面倒だな…っ!ぺろっ…れろっ、ちゅぷ♪」早く味わいたくて仕方ない焦りで、服を脱がすのもまどろっこしいティグレは半脱げのままマニンの乳房に吸いついていた。しばらくして唇を離すと、薄桃色の先端が桜色に染まり、涎でてらてらしていた。

ティグレ「…もう、たまらない…な♪」そのまま押し倒し脚を押し広げると、上からのしかかるようにして秘所を重ねた。じゅぶじゅぶとみだらな水音が響くと、マニンは恥ずかしそうに顔を赤らめつつも、目を期待で輝かせていた。

マニン「ちょっと…ぉ、やめなさい…ってば…ぁ♪んっ…あんっ♪ちゅぅぅ…ちゅるぅ♪」口ではまだ恥ずかしそうに嫌がってみせるマニンだが、ティグレとねっとりしたキスを交わした。そのうちに部屋中で繰り広げられる姉妹の痴態に安心したのか、自分から攻勢に打って出た。

マニン「あふぅ…ちゅるぅ、れろぉ…じゅぶじゅぶっ…ぐちゅっ、ぬちゅぅっ♪」ティグレのオレンジ色のブラジャーを外し、ぷるんと揺れた胸にしゃぶりつき、ねっとりと濡れた白いレースの下着をもどかしそうに脱ぎ捨てた。

マニン「いいわっ♪もっと、もっとしていいから!ほら、私のなか…くちゅくちゅして…!」ティグレの濃い色の瞳に映った自分のあさましく乱れた表情とティグレのらんらんとした視線を見て、マニンはたまらなくなって下半身を擦り付けながら言った。

ティグレ「はぁ、はぁ…あぁ…いくよっ!ぐちゅぐちゅっ、じゅぶっ♪」片手でマニンの胸をこねくりまわし、もう片方の手を伸ばして花芯をえぐるティグレ。その激しい責め方はパンテーラの技巧に頼るようなねちっこいものではなく、純粋に「したくてたまらない」というまっすぐな愛欲にあふれていた。



<> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/02/02(木) 12:32:07.82 ID:0jRMZlYDo<> ここが天国か <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/02/03(金) 02:02:10.03 ID:dbhK/BD50<> マニン「あひぃっ…いいわっ!いくっ…いっくぅぅぅ♪」褐色のティグレと色白のマニンが重なり、名前を呼びあい、あちこち舌で舐めまわしながらきれぎれの激しい息づかいで絶頂した。褐色のティグレに半透明の粘っこい蜜がしたたり、ちょうどお菓子にかけたシロップのようにたらりと垂れた。

ティグレ「あぁ、とっても素敵だよ…♪」言いながらティグレはマニンの白くて柔らかそうな肩に甘噛みした。

マニン「あひっ…♪しょこ…ぉ、いいの…ぉ!もっとぉ…愛して…ぇ♪私のレオーネ(ライオン)…いっぱい、噛んで…!噛み痕…つけてぇ♪」肩、鎖骨、胸…軽く歯形が残るか残らないかくらいの甘噛みが続き、マニンはとろとろと愛蜜を溢れさせながらおねだりする。

ティグレ「いけないバンビーナ(小鹿ちゃん)だ…ね♪…かぷっ…ちゅぅ…れろっ♪」甘噛みしながら腰を動かし、ぐちゅりと響く水音を楽しむティグレ。少し気は強いがどちらかと言えばしとやかで、貴族のお嬢さんのようなマニンが、乱れてみだらにねだるさまを見ていると身体の疼きが止まらない。ふとももを押さえつけて激しくスパートをかけた。

マニン「ひぐっ、いぐっ♪ティグレ…私っ…いくぅぅ!……あなたに…ぃ、イかされてるの…ぉ♪」ぐちゅぐちゅっ!てろっ…とろとろっ…♪のしかかられて脚を開かされ、姉妹の目の前でイっている恥ずかしさと快感で、マニンは甘ったるく喘ぎながら蜜を噴き出し、身体をひくひくさせた。

ティグレ「はぁ…はぁ…ふぅ♪…最高に可愛かったよ…マニン…♪」発情がある程度収まって、ようやく人並みになったティグレは、反省を込めて愛おしげに優しいキスをした。

マニン「はぁ…はぁ…はひぃぃ…。そんなこと…言われたら…ぁ、濡れて…きちゃってぇ……もう、怒れ…ないじゃなぁ…い♪」どろどろっ…ぶしゃぁぁっ♪優しい一言でまたイってしまったマニン。そのまま脱力して緩んだ笑みを浮かべつつ絨毯に崩れ落ちた


…一方、レオーネはサウロをイかせると、四つんばいで動き始めた。秘所からとろっと蜜を垂れ流して床を汚し、らんらんとした獣の目ではぁはぁ言いながら、片手でいじられていただけで、すでにとろけた表情を浮かべているバティスティににじり寄った。

レオーネ「待たせたね…バティスティ?…していいよね?…どっちみち…我慢…できない…けど♪」肘を曲げ、両手を上げたような姿勢で床にあおむけになっているバティスティは、半開きの口から涎を垂らし、花芯をひくつかせてぐっしょりと下着を濡らしている。レオーネはいやらしい姿で寝転がっているバティスティをみてゾクゾクした。

じゅぶっ…じゅぶっ…ぐちゅっ♪愛蜜で冷たく張り付いているバティスティの桃色の下着を引きずりおろし、ふっくらして、てらてらと濡れている花芯に湿らせた指を押し込んだ

バティスティ「あふっ、あひぃ…ふわぁぁっ♪」バティスティは身体をがくがくさせると蜜を噴き出し、温かくてねっとりした液体がレオーネの顔から胸にかかった。

レオーネ「はぁはぁ…いいよぉ♪バティスティ…もっと…いっぱいかけてよ♪」顔にかかった粘っこい蜜を中指でしゃくい取り、嬉しそうに「ぢゅぼっ…じゅるぅ」と音をたてて舐めるレオーネ。そのまま人差し指と一緒に柔らかいバティスティの中にじゅぶっ…と差しいれた。

バティスティ「ひぁっ、んぁぁっ…!ひっ…あん、あんっ♪」教わったことのない感覚に耐え切れず、甘い喘ぎ声をあげるバティスティ。
その声を聞いて、数回イかせて、まだ余韻の蜜をほとばしらせているヌロをいじっていたパンテーラがむくりと起き上がった。

パンテーラ「まぁ…そんなに可愛い声をあげちゃって。私も混ぜてぇ?」豹柄のストッキングをはいた長い脚で腰をくねらすように歩いてくると、舌なめずりをしながらバティスティの秘所につま先をあてがった。ぐちゅぐちゅっ…ぐちゅっ!

バティスティ「あぁぁんっ♪そこっ…ひぁぁぁっ♪」ぶしゃぁぁっ…♪
レオーネの二本の指を奥まで押し込むようにパンテーラのつま先が力を込め、レオーネが思っていた以上に指がバティスティの奥まで突入する形になった。当然バティスティは耐え切れず、腰を浮かせて蜜を噴出させた。

パンテーラ「まぁまぁまぁ♪いいわぁ、すっごくいい♪」身体の大きさに似合わないほど妖艶なみだらな笑みをにたりと浮かべ、パンテーラは動こうとしていたレオーネの頭を足で踏みつけた。ちょうどレオーネの顔がバティスティの秘所にあたる辺りで、ぬちゅ…と湿った音が響いた

パンテーラ「ほらぁ、姉さん、ちゃんとなめなめしてあげないと♪…バティスティもレオーネにぐちゅぐちゅ舐めてほしいわよねぇ?」片足でレオーネの頭をぐいぐい押し付け、にたにたと笑みを浮かべるパンテーラ。姉の頭を踏みつけ、可憐なバティスティを汚させていると思うと、パンテーラの花芯もとろりと蜜を垂らした。

バティスティ「はい…あっ、あん♪レオーネ、舐めて…ください♪」焦点の合わない瞳をうるませ、甘美な疼きに身を任せたバティスティ。

パンテーラ「バティスティ?お口は何しているのかしら…舐めてくれるわよね?」パンテーラは椅子を近づけて座ると、もう一方の脚を伸ばしていった。

バティスティ「ふぁい♪…ぺろっ…じゅるっ…ちゅるっ♪」



<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/02/03(金) 02:32:29.34 ID:dbhK/BD50<> パンテーラ「はぁ…んんっ♪あ…ぅん♪」パンテーラは片脚を伸ばし、もう片脚でレオーネを踏みつけにし、両手で自分の秘所と乳房をこね回しながら喘いだ。

レオーネ「ん…じゅる、じゅぶっ…じゅぼっ、じゅるぅぅ♪」柔らかく頭に乗せられたパンテーラの足が時々うなじをくすぐり、笑いそうになりながらバティスティの花芯を舐めまわすレオーネ。ねっとりした甘い蜜があふれ、顔はべとべとで、自分の花芯も身動きするたびにぐちゅりと水音を立てる。

バティスティ「んふぅ…じゅるっ…んんっ!……じゅるじゅるっ…れろっ♪」何度もイきながら熱心にパンテーラの足を舐め、身体をひくひくさせるバティスティ。パンテーラの足を舐め、花芯を舐められる快感以外もう何も考えられない。

パンテーラ「んんっ…あはぁ…♪」とろっ…とろぉ…♪艶めかしい声でのけぞり、秘所から蜜を垂らしイったパンテーラ。レオーネに乗せていた脚をどけて、ふとももをこすりあわせた。

レオーネ「んん…ぷはぁ…はぁ、はぁ、はぁぁ…♪」顔じゅうべとべとにして、満足げな表情のレオーネ。とろとろの蜜は膝まで垂れ、絨毯にも水たまりになりそうな勢いでこぼれている。

バティスティ「んぁぁ…っ♪いくっ、いくぅぅ…♪」ぶしゃぁぁっ…♪最後にひときわ激しく身体をひきつらせると、呆けたような表情で蜜を噴き出して果てたバティスティ。しとやかさのかけらもない乱れきった表情だが、同時にとても幸せそうで、ひとしきり愛蜜を噴き出すと、そのままぐしゃぐしゃになった絨毯の上で寝息をたてはじめた。

パンテーラ「んふふっ…♪もう、部屋中ぐちょぐちょ…♪」すっかり脱力したパンテーラは満足げに部屋を見わたしつぶやいた

レオーネ「片づけは…後でしような」

サウロ「はぁぁ…もう二度とあなたたちのこと心配したりしないから…」ぐったりしてあきれたようにつぶやいた

パンテーラ「本当に?…私とはまだでしょう、サウロ?今度は私としましょう…ね♪」微笑んだパンテーラ
<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/02/03(金) 02:41:41.09 ID:dbhK/BD50<> …ようやくリクエストの駆逐×駆逐百合終わりました…書いていくにつれキャラのイメージがだんだん変わっていってしまって、もしかして読み返したらおかしいところがあるかもしれません…それに擬音語とかは単調になりがちでバランスをとるのが大変でした…あと、感情表現のハートマークはちょっと安直な感じがするのであえて音符にしてます。いずれにしても満足してもらえたら嬉しいです…

>>154
「ここは南イタリア…天国に一番近いところ」(BGM〜ゴッドファーザーの愛のテーマ〜)…ですので


…とりあえず今日はこの辺で…
<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/02/03(金) 11:47:29.06 ID:dbhK/BD50<> 今日は節分ですね、豆まきしないと…むしろ最近は恵方巻きですか…?


………

…しばらくして・レオーネ級の部屋…

レオーネ「いや、申し訳なかったよ。このレオーネがあんな痴態をさらしてしまうなんてね…よいしょ」ぐちゃぐちゃになった敷物やクッションカバーをひとまとめにしながらサウロに謝るレオーネ

サウロ「…まぁ、いいわよ。昔からの付き合いじゃない?」濡れタオルで全身ねとねとになった妹たちを問題ない程度に拭ってやりながら、肩をすくめた

レオーネ「せっかくここまでしてくれたというのにな…情欲に溺れた、だらしない我と妹たちを許してくれ」

サウロ「なに堅苦しいこと言ってるの。紅海であなたたちと肩を並べて出撃して、最後自沈したあの時以来、もう二度と会えないと思っていたのよ?こうして人の身体と感情を持って再び巡り合えるなんて、奇跡みたいじゃない…こんなにむちゃくちゃしないなら、また誘って?」

パンテーラ「ほんと、ごめんなさい…むらむらっときて、後はもう「イかせたい、めちゃくちゃにしたい♪」ってことしか考えられなかったわ…」

サウロ「全く…いくら「レオーネ」級だからって、発情期なんてね…そこまでネコ科動物にならなくてもいいでしょうに…身体は大丈夫?」あきれながらも調子を気遣うサウロ

パンテーラ「ありがとう…まだあそこがじんじんしているけどもう平気よ。あなたたちもこんな格好で帰るわけにはいかないでしょうし、シャワーでも浴びに行きましょう?」そういって力の抜けたヌロに肩を貸した。

ティグレ「ほら、着替え。貸しておくからさ」クローゼットからバスローブやワンピースを取り出して投げ渡すティグレ。サウロたちはぐしゃぐしゃになった衣類の代わりにそれを着た

レオーネ「みんな着替えたね…じゃあ、いこうか」洗濯物を持ったレオーネに、ヌロに肩を貸すパンテーラ。ティグレはへろへろになったバティスティを背負い、サウロはマニンをティグレと両側から支えた。


…浴場…


昼日中の大浴場は空いていてガラガラだったが、先客が二人いた。すっきりした表情の提督とドリアで、お互いを見る視線はとろけるような甘ったるさを帯びている。

提督「あら、サウロ級のみんな…レオーネ級も。遊んでて汚れちゃったのかしら?」何があったかわかっているらしく、からかうように言った。

レオーネ「…///」

サウロ「///」赤面するレオーネたち。

ドリア「まぁまぁ。提督、あんまりからかっちゃだめですよ?」

提督「そうね。ちゃんと洗うのよ?」ぱちりとウィンクを決め、ドリアといちゃつきながら洗いっこする提督

サウロ「提督…昼間からしてたのね」…そう思っただけで、きゅんっ…と秘所がうずき、指を這わせたくなってしまう…

提督「サウロ、レオーネ。…機会は作るから、今度私の部屋においで?…妹たちも連れて、ね♪」にっこり笑ってこともなげにいう提督

ドリア「全く…提督ったら♪」
<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/02/03(金) 12:07:27.11 ID:dbhK/BD50<> …七人もいると疲れますね…しばしまったりお出かけや買い物の風景にしようと思います…

………

…ある日の朝…

提督は執務室で空っぽの未決書類の箱を眺めていた。もちろん不備があれば送り返されてくる書類もあるだろうが、そうなるまでしばらくかかる。何をしようかと考えているうちに、ふと「買い物に出かけたい」という艦娘たちからの意見があったことを思い出した。

提督「そういえば私も出かけてなかったわね…えーと…メモは…」パラパラと小型ノートをめくると、買い物に行きたいという意見は結構あった。
おしゃれもしてみたい艦娘にとって、歩いていける距離に田舎町の服屋しかないのはかわいそうだ。公用車を使うのは軍紀違反だが、自分の車なら問題ない。提督は車のキーを取り出して、秘書艦のドリアを呼んだ。

提督「ドリア、今日はお出かけするわ」

ドリア「お出かけ、ですか?…公務で?」

提督「いいえ、買い物に行きたいの。みんなも買い物に行きたいって言うし、誰か連れて行くわ」にっこり微笑んで私服に着がえた提督。今日は黒い袖なしタートルネックにエメラルドの首飾りをして、クリーム色のスカートを選んだ。


<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/02/04(土) 00:59:45.81 ID:KW1rKzO20<> ドリア「それで、誰を連れて行きますか?」

提督「そうねぇ…四人乗りだから私をのぞいて三人…小柄な娘なら後ろに三人は乗れるだろうから、多くて四人ね。あ…でも、貴女を外す訳にはいかないわ。だから残りは二人ないし三人ね」

ドリア「まぁ…うれしいです♪…でも、残りの座席で激しい争奪戦になりそうな気がします。提督がお気に入りの娘をお選びになられたら?」くすくす笑うドリア

提督「そう言う訳にはいかないでしょう…なにか公平な方法はないかしらね」

ドリア「そうですね…とりあえず食堂に集まってもらって話し合いましょう」

提督「そうね…じゃあドリア、集合をかけてもらえる?」

ドリア「はい♪」お出かけ用の服に着替えるのと、放送をかけるためにドリアは速足で出て行った。


…しばらくして・食堂…


放送を聞いて食堂に詰めかけた艦娘たち。それぞれ買いたいもののメモや財布を準備しそわそわしている。

カッ、カッ、カツッ…黒いエナメルのハイヒールを履き、唇にルージュを差した私服姿の提督がやって来た。…提督は演台に立つと、ざわざわとざわめく艦娘たちに言った。

提督「みんな出かけたい気持ちは同じでしょうね。でも私の車は四人しか乗れないし、秘書艦を務めてくれているドリアは普段大変な上に、大柄な戦艦たちが着られる服はなかなか手に入りにくいから、ぜひ連れて行ってあげたいの。だから残り二つの席を決めることになるわ…小柄な娘なら三つだけれど」

ドリア「…そこで、食堂の入り口で引いてもらったくじで選ぶことにしました。くじをつくったのは私で、混ぜたのは提督ですから文句はないかと思います」
あちこちで賛同の声があがる

提督「では、読み上げるわ…」もしあるならドラムロールが鳴りそうな沈黙の後、提督が言った

提督「12番、それと25番」外れた艦娘たちの落胆の声に交じって、当たった艦娘の歓声が響いた。

トリエステ「やった、12番です!ダメかと思っていました…」一番目の当たりは長身できゃしゃなトレント級重巡のトリエステ。

トレント「よかったじゃない。…提督と楽しんでいらっしゃい」姉のトレントは優しく言った

ザラ「そうね。普段なかなか機会がないんだもの。思い切りわがまま言ってきなさい…ね?」きゃしゃな身体のせいで何かと不自由なトレント級をザラも心配していて、トリエステが出かけられると聞いて心から喜んであげた。

トリエステ「はい!」

カラビニエーレ「あっ!25番、私です!」もう一つの当たりはソルダティ級駆逐艦・第一グループのカラビニエーレ。
「憲兵」の艦名通り、普段は頭に灰色の三角帽(ナポレオンの帽子のような左右に伸びた帽子)をかぶり、少し堅苦しい話し方をする。真面目な性格なのでたまには羽を伸ばし、息抜きさせてあげたいと提督も思っていた。

アルピーノ「よかったわね。楽しんできてね?」同じソルダティ級のアルピーノ(山岳兵)が「アルピーノ」たちの目印、羽根つきのチロル風帽子を軽く持ち上げ会釈した。

カラビニエーレ「はっ!」カチッとかかとを鳴らす

リベッチオ(マエストラーレ級)「そういうのはいいんだってば!もう、お堅いんだからぁ」褐色の明るい娘、リベッチオがからかった

カラビニエーレ「///」

リボティ(ミラベロ級)「気をつけて行ってくるんだよ。きみのような可愛い花を狙う悪い蜜蜂がいるかもしれないからね…♪」いつものように言い回しは妙に大人びているが、「楽しんで行っておいで」とウィンクした。

提督「じゃあ、お出かけ組は入り口で待っててね?…今日外れたみんなにもちゃんと機会は設けるから、待っててちょうだいね?」

「「はい!」」部屋中の艦娘たちが唱和する

提督「結構。じゃあ、今日は自由に過ごしてていいわ。…ライモン。申し訳ないけど時々作戦室をのぞいてもらえる?携帯電話は持っていくから、なにかあったら遠慮抜きで電話をちょうだいね」

ライモン「はい。お任せ下さい」

提督「貴女がいると安心して出かけられるわ。お土産、期待していてね」

ライモン「はい!」ぱぁぁ…と表情を明るくするライモンに提督はにっこりした




<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/02/04(土) 01:42:53.65 ID:KW1rKzO20<> …鎮守府・本棟入口…


玄関口の段の前に、出かけることになったドリア、トリエステ、カラビニエーリが並んでいる。

ドリアは胸元を開いた白いサマードレスに、花飾りが付いたふちの広い帽子、ハイヒールで髪の片側をカールさせ垂らしているので、貴婦人のように見える。トリエステは長身に似合う水色のワンピース。髪を結い上げていると涼しげで清潔な美しさがある。カラビニエーリは堅苦しい格好で行こうとするのを姉妹にやいのやいの言われて、白いフリル付きブラウスに紅いフレアスカートで、少し恥ずかしそうにしている。


ドリア「あ、来ましたよ…ずいぶん高級そうな車ですね…」

ブロロ…キィ。三人の前で停まった車は大型の乗用車で、深い青色に塗られ、バンパーやエンジングリルの銀でアクセントが付いている。

提督「お待たせ。さ、乗って?」提督はサングラスをかけ、ウィンドーから顔を出していった。

ドリア「はい。さぁ、乗りましょう?」ドアを開けて三人は席に着いた。ドリアが助手席、後部座席にトリエステとカラビニエーレ。
二人は遠慮してドリアに後部をすすめたが、「私は大きいから前でいいのよ」とにっこり微笑され、二人は大人しく後部座席に座った。

提督「シートベルトはしめてね。最近は警察もうるさいから」運転しづらいハイヒールは助手席に置き、ぺたんこの靴でアクセルを踏む提督。踏み込みに応えて、大型乗用車は滑らかに加速した。鎮守府を出ると手を伸ばして門のスイッチを押し、いよいよ公道に出た。

ドリア「立派な車ですね、提督?まるで大統領の車みたいです」ドリアが言うと提督はくすくす笑った

提督「ふふっ、ドリアは鋭いわね♪この車はランチア・フラミニア。1957年から70年まで生産されて、リムジンタイプは大統領専用車だったこともあるのよ?この車は普通のベルリーナ仕様だけど、乗り心地がいいでしょう?」言いながらギアをトップにいれて海岸沿いの道路を走らせる提督。


カーブが続く眺めのいい海沿いの道路を、提督はランチアで飛ばしていた。大型乗用車ながらランチアの足回りは反応がよく、同時に安定感があって、速度を上げても不安にならず自然に速度が出る。艶のある深い青色がきらりと日光を反射し、三人は窓の景色を眺めていた…

<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/02/04(土) 01:51:10.14 ID:KW1rKzO20<> …最初から提督の車はランチア・フラミニアにしようとおもっていて、ようやく本文に出すことができました。恰好いいイタリア車ということで、アルファ・ロメオ1962や初代ジュリエッタとかも考えたのですが、二人乗りのクーペでは艦娘とのお出かけが二人きりになってしまうので…ちなみに最近の車でないのは提督の趣味ということで…イメージが分かると思いますので画像とかで探してみるといいかもしれませんね

…それでは今日はこのへんで… <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/02/04(土) 22:46:17.27 ID:sdhFe0UFo<> 乙〜
百合百合なレズ描写も大変良いですが
日常の描写も素敵です <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/02/07(火) 00:29:10.90 ID:MckA6Ii90<> >>163

どうもありがとうございます、なかなか進みませんが雰囲気だけでもそれらしくできたらな…と思っております <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/02/07(火) 01:44:51.55 ID:MckA6Ii90<> …四十分ほどして…

提督がランチアを走らせていると、カーブの向こうに街並みが見えた。海沿いのきらきら輝く海岸を望む、ゆるい斜面に広がっている町。教会の尖塔や建物の屋根が日光に照り映えている。

カラビニエーレ「わぁぁ…♪」

ドリア「きれいな街ですね…♪」

トリエステ「本当に…なんだか懐かしい感じです」

提督「ふふっ、時間はいっぱいあるから色々見て回りましょうね」ギアを落とすと市街の中央に車を乗り入れ、噴水のある広場の脇にランチアを停めた。

キィッ…バタン。ドアを開けると提督は軽く肩を回した。周囲にはカフェや野菜の露店、料理屋が並んでいて、昼前の仕込み中なのか、美味しそうな匂いが漂っている。

提督「さ、着いたわよ?降りて」三人を促す提督…と、後ろ手を組んだ制服姿の二人連れが近づいてきた。洒落た黒い制服に、腰に差したベレッタ・ピストルのホルスターと警棒は見間違えようもない。

やせたカラビニエーリ隊員「ちょっとちょっと、ここは駐車禁止だぞ。標識があるだろう?」

ヒゲのカラビニエーリ隊員「おれたちは交通警察じゃあないが、こいつはいけないね、お嬢さん。身分証を見せてくれるかい?」


…近づいてきたのは案の定カラビニエーリ(軍警察)の隊員で、地方では警察の支援に入ることもあるが、警察より強力な武装を持ち、陸・海・空軍とは別に独立している「第四の軍」でもある。提督は文句を言っても仕方ないと肩をすくめて、身分証を出そうとした。と、ドリアが提督を制して前に出た。


ドリア「失礼ですが、何か御用でしょうか?」ランチアから降りてきたドリアは上品な口調に大きな白い帽子、丁寧にセットされた髪と、立派などこかの奥様に見える。カラビニエーリ隊員は少し丁寧な物腰になって言った。

やせ「あぁ、申し訳ありませんが、見ての通りここは駐車禁止でして。いくら何でも目の前で停められては注意しないわけにはいかんのです」隊員は駐車禁止の標識を指差した。

ドリア「ああ、さようでしたか…。申し訳ありません。わたくし、久しぶりのお出かけでして、嬉しくてつい市街の中心で停めてほしいと頼んでしまったのです」気恥ずかしげに微笑んだドリア

ヒゲ「それはそれは…たまのお出かけで嬉しいのはわかります。しかし、規則は規則ですから。…自分もただ見逃すわけにはいかんので」

提督「いえ、申し訳なかったです。この娘たちのお出かけは本当に久しぶりで…少しでも長く楽しんでもらいたかったのです」身分証を出す提督

やせ「まぁ、気持ちはわかりますがね…えっ…」軍の身分証を見て絶句するカラビニエーリ隊員

ヒゲ「…どうした…って、おい…本当かよ」やせの肩ごしに覗き込んでやはり絶句するヒゲの隊員

提督「何か…?」

やせ「いえ。…中将…この若いのが…」

ヒゲ「まずいぜ…海軍ってことは一緒にいるのは例の「艦娘」とやらだろう…?どうする?」

やせ「やっちまったものはしかたない…あー、こほん」小声でなにやらひそひそ話をしてから咳払いをするカラビニエーリ隊員。

やせ「たしかにここは駐車禁止…ではあるんですがね。まぁ自分らは交通警察ではありませんし、どうやらお連れのご婦人たちは日頃大変な「艦娘」さんのようだ。…今回は見逃してあげますから、せめてあっちの物陰まで移してもらえませんか?」小声で脇道を指差した

ヒゲ「そうすればこちらも時間をかけずにすむので…どうでしょうか」

提督「わかりました。こちらこそお手数をおかけしました」軽く会釈するとランチアのエンジンをかけ、円形広場の片隅に停めなおす提督。カラビニエーリ隊員も面倒に巻き込まれずに済み、ほっとした様子でドリアたちに話しかけた。

やせ「いや、「艦娘」は初めて近くで見るけど、おどろいたな…普通の女の子にしか見えないね」三人を見て感心している

ヒゲ「お嬢ちゃんもそうなのかい?小さいのに大変だね」カラビニエーレに言った

カラビニエーレ「なりは小さいけれど、戦前生まれよ。戦時にくらべたら何ともないわ」きっぱりと言い切るカラビニエーレ

ヒゲ「戦前生まれには見えないね…名前は?」

カラビニエーレ「ソルダティ級駆逐艦、カラビニエーレ。あなたたちと同じね」

ヒゲ「カラビニエーレかい、そいつはいい。俺たちは海には出られんから、その分ぜひとも頑張ってくれ」おどけて敬礼する隊員

カラビニエーレ「その分陸上はお任せするわ。あと、これ以上提督に何か言わないで欲しいわ」

ドリア「カラビニエーレ、あまり困らせてはいけませんよ。彼らも任務なのですから」

やせ「大丈夫ですよ、ご婦人。お嬢さんも心配はいらないよ。地元警察の連中にも話しておくからさ。買い物、楽しんでな」

ドリア「どうも御親切に」

トリエステ「本当にありがとうございます」

カラビニエーレ「職務遂行、ご苦労様」






<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/02/07(火) 02:34:46.01 ID:MckA6Ii90<> 提督「どうも、お手数おかけしました」軽く会釈し、カラビニエーリ隊員と別れた提督たち


…市街・中心部…

ドリア「それにしても、提督の身分が分かった途端、ずいぶんな変わりかたでしたね」くすくす笑うドリア

提督「話の分かる人たちでよかったわ。交通警察をよばれてああだこうだと言われたら、あっという間にお昼になっちゃうもの」

トリエステ「しかし、あそこに駐車しておいて本当に大丈夫でしょうか」

提督「大丈夫。ちょっとずるいけど、フロントガラスから見えるようにプレートを置いておいたから」

トリエステ「プレート?」

提督「中将旗のプレート。本当は軍施設で使うものなんだけど…せっかくの時間を邪魔されたくないし。ま、いいわよね?」

カラビニエーレ「そう、ねぇ…まぁ、たまにならいいんじゃないかしら」律儀な性格のカラビニエーレは悩みつつ言った

提督「あなたたちと一緒だからよ♪さぁ、どこで何を買いましょうか」


…衣料品店…

石畳の道を歩いて数分、三叉路の角に一軒の衣料品店がやっていた。ガラスのショーウィンドウにはドレスやワンピースが並び、帽子掛けにはいくつも帽子がかけてある。入り口のドアには「営業中」のプレートがかかっていて、奥には店主らしい痩せたおじ様がいる。

ドリア「提督、よかったらここにしましょう」ドリアが控えめに提案する

提督「いいわよ。じゃあ、入りましょうか」…カラン、コロン。ドアを開けると控えめな鈴の音が響いて、ホコリと服地の独特な匂いがした。

店主「いらっしゃい。さ、どうぞ。お買いものなさるのはお嬢さん、あなたかな?それともそちらの三人?」しゃれた身なりで口ひげを整えている店主は、控えめに笑ってカウンターから出てきた。

提督「どうも。私ではなくて彼女たちの服なんですが、よかったら見せてもらえますか?」

店主「ああ、どうぞどうぞ。そちらのご婦人にお嬢さん二人だね?」にこやかに言う店主

ドリア「ご婦人だなんて、お恥ずかしい…」ふふっ、と笑うドリア

店主「いやいや。今どき珍しい立派なご婦人でいらっしゃる。なんだか戦前の貴婦人のようだね」

ドリア「まぁ…ある意味ではあたっています♪」少し驚いたように頬に手を当てる

店主「そうかね?ま、野暮な詮索はしないから、ゆっくり見ていきなさい」

カラビニエーレ「あの、あれが見てみたいのだけれど。よかったら出してもらえる?」

店主「ああ、あの濃紺のフリル付きドレス?お嬢さんもお目が高いね」ぱちりとウィンクをしてシンプルなカクテルドレスを引っ張り出した店主

店主「少し丈が長いかもしれないが、お嬢さんならうまく着こなせそうだ…ただ、黒や灰色ばかりではいけないね」ドレスをカウンターに置き、言いながら店の奥に入って紙箱をごそごそ動かす

カラビニエーレ「どうして私が黒や灰色が多いって分かったの?」

店主「お嬢さんはおしゃれな格好をしているけど、ちょっと恥ずかしそうにしているから、きっと普段は控えめな格好が好きなんだろう…とね」奥から取り出したのはワンピースだが、少し肩をふくらませたデザインに、胸のデコルテがドレス風で、白地に控えめな淡い桃色が明るい一着だった。

カラビニエーレ「可愛いわ…とっても可愛い、けど…似合うかしら」少し頬を赤らめて胸にあててみるカラビニエーレ

店主「試着室でお姉さんにあわせてもらうといいよ。試着は一声かけてくれればいいから、遠慮しないでね」
<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/02/09(木) 01:15:28.15 ID:84vmv0560<> お待たせしています、しばし平和な買い物にお付き合いを…この後ザラ級四姉妹がねっとりする予定なので… <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/02/09(木) 01:17:16.56 ID:Z0M6CwYfo<> 日常と濡れ場と両方あるとどちらも輝く
いつも楽しみにしてる <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/02/09(木) 01:57:22.49 ID:84vmv0560<> カラビニエーレ「提督、よかったら試着を手伝ってくれないかしら」可愛らしいワンピースを抱え、試着室に入りながら言った

提督「いいわよ、ドリアとトリエステも必要なら呼んでちょうだいね?」あちこち見て回っている二人に声をかけると、試着室の前でカラビニエーレの着替えを待った。

しゅる…ぱさっ…。衣擦れの音が試着室から聞こえる閉じられたカーテンの前で立っていると、「持ってて?」と言いながらブラウスとスカートを持ったカラビニエーレの腕がつき出された。ほのかにぬくもりのこもる服を受け取って、腕にかける提督

提督「着替え終わった?…開けるわよ?」

カラビニエーレ「え、ちょっと待っ…きゃあっ!」提督がカーテンを開けると、まだ着替え終わっていないカラビニエーレの陶器のような滑らかな肌と、淡い若草色の下着が目に入った。

提督「あっ…///」すんなりした体つきのカラビニエーレの滑らかな腰の曲線と意外に大きな胸のふくらみ、その邪気のない魅力から、提督は目が離せないでいた。

カラビニエーレ「ちょっと!恥ずかしいから早く閉めてっ!」真っ赤になって叱る

提督「ごめんなさい、いま閉めるから…///」カーテンを閉めた後も、服を腕にかけたまま脳内でカラビニエーレの姿態を再生し、だらしない笑みがこぼれている提督

ドリア「提督?こういうところでのおふざけはよろしくありませんね…♪」いつの間にか後ろに立ち、微笑を浮かべているドリア

提督「…わざとじゃないのよ?」

ドリア「わかっています。ですが閉めるまでずいぶんと観賞していましたよ…ね♪」

提督「カラビニエーレが出て来たら改めて謝るから…それでいいかしら?」

ドリア「はい、結構です♪でも…私なら、見ても…いいんですよ?」少し恥ずかしそうに言うドリア

提督「…お願いだから帰ってからにして?そんなこと言われたら我慢できなくなりそうだから…///」(じゅんっ…♪)

ドリア「///」


二人が甘ったるい沈黙のせいでもじもじしていると、カラビニエーレの声が聞こえた。

カラビニエーレ「いいわ。着替えたわよ」

提督「なら、開けるわね」しゃーっ…カーテンが開かれると、ふんわりした印象のワンピースに身を包んだカラビニエーレが立っていた。

カラビニエーレ「どうかしら?似合う?」裾を持ってみたり、鏡の前でくるりと回ってみたりしながら言った

提督「とっても似合ってるわ。いつものかっちりした服装もいいけれど、柔らかい印象のあなたも深窓の令嬢みたいで素敵よ♪」

カラビニエーレ「…ならこれも買うわ///」

提督「そうね、せっかくだものね♪」提督は服をカウンターに持っていくカラビニエーレの可愛らしい後ろ姿に、にっこりと微笑んだ。
<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/02/09(木) 02:54:00.53 ID:84vmv0560<> >>168

楽しみにしてくれてありがとうございます、なかなか進みませんが頑張ります


………

トリエステ「提督、次は私の方を…」控えめに声をかけるトリエステ

提督「ええ。何かしら?」じっと考え込んでいるトリエステに近寄った

トリエステ「はい、その…二着の服、どちらもいいなと思ってしまって選べないんです。どっちがいいと思いますか?」ちょっと高級な店や都会で着るような、洒落た服が着てみたいと言っていたトリエステは、ハンガーを左右の手に持って思案顔をしている…

提督「どれどれ…?」鏡の前で服をトリエステの身体にあて、しげしげと眺める提督…片方は淡いすみれ色で縁がライトシーグレイのカクテルドレス。裾には柔らかなクレープ状の折り目が入っていて、シックな色合いだが、長身のトリエステだと大人の女性らしさが出せる。

提督「なるほど。それで、もう片方は…と」今度は反対に明るいクリーム色に、淡い桃色やライトグリーンで花模様があしらってあるサマードレス。
長身できゃしゃなトリエステが一つ一つの柄が大きい服を選ぶと、必要以上に細っぽく見えてしまう。トリエステはそれが分かっているらしく、裾から斜めに腰のあたりまで繊細な花や蔦模様が広がり、腰から上は縁取りに白いレースが付いている物を選んでいた。


トリエステ「どうでしょうか?」提督の顔をのぞきこむ

提督「そうね…すみれ色のは大人の美しさが出ていていいわ。クリーム色のはあっさりしているけど、他のものと合わせれば着回しができそうね……両方は買えないのよね?」

トリエステ「他のものも買うとなると、たぶん…お財布が」

提督「値段は聞いた?」

トリエステ「いえ、決めてから聞こうと思っていましたから」

提督「ふふっ…♪なら一緒に来て?」服を受け取り、カウンターに向かう提督

提督「すみません、この二着はいくらでしょう?」店主に声をかけた

店主「あぁ…これかね。カクテルドレスが250、サマードレスが180だよ…お財布の中身と折り合わないかね?」

トリエステ「残念ですが…片方にします」

提督「せっかくなんだし、よかったら半分出すわよ?」

トリエステ「いえ、それでは留守のみんなに悪いです」

提督「そんな、今日くらい気にしなくていいのよ?せっかくなんだし」

トリエステ「ですが…」

店主「ちょっと待ちなさい、お嬢さん。いくらならお持ちなんだね?」

トリエステ「服にかけられるのは400ユーロくらいのつもりで…できればもう少し控えめに出来れば…と」

店主「そうだねぇ…うーん」

提督「…この娘たちはなかなかこうした機会が持てないので、もしよかったら少し負けてもらえませんか?」

店主「ふぅむ…、わかった。いいよ。お嬢さんみたいな方が着たらきっと似合うだろう。ドレスだってホコリをかぶっているよりも喜ぶはずさ。二着あわせて350でいいよ」

トリエステ「いいんですか?」

店主「いいとも。置いておいたって一文にもならないからね。それに他にもお友達がいるんだろう?ならサービスしていい評判をつくっておかないとね」そう言いつつも商売で値引きしたわけでないのは、トリエステの嬉しそうな顔をにこやかに見る様子からも分かる。

提督「ありがとうございます」

店主「いいんだよ、お嬢さん。ぜひ今後ともご贔屓にね」しゃれた店主は提督にいたずらっぽくウィンクした
<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/02/11(土) 01:16:00.87 ID:iqdDy6S30<> 提督「グラツィエ…よかったわね、トリエステ」そう言ってにっこりした

トリエステ「はい♪買いたいものは買えたので、後はお店の中を見てますね」

提督「ええ、それがいいわね」

トリエステが興味深げにあちこち見て回っている間に、提督はドリアの方に近づいた。大柄なドリアは普段は選べるものがなかなか少ないが、この店はある程度着られるものがあったらしく、数着を腕に抱えていた。

提督「どう?」後ろに手を回し、前かがみになるような形でのぞきこんだ。

ドリア「なかなかいいのがありました。普段貯めているのでお金の心配は不要ですよ?」

提督「せっかくだから一着づつくらい買ってあげようとおもってたのに、みんな律儀よねぇ…」

ドリア「一緒に出かけられるだけで十分ごほうびなんですから、そんなにされたら後でバチが当たります」

提督「そんな大仰な…普通に接しているつもりだけど上官と部下みたいな間柄じゃない。正直、気分転換にならないんじゃないかって心配だったのよ?」

ドリア「ふふっ…謙遜しすぎです。それに提督のいつもの言動からすれば、上官と部下と言うより愛人関係か、ハーレムじゃありませんか?」

提督「けほっ!言ってくれるじゃない…それで、どんなのを買ったのかしら?」

ドリア「見ます?」


ドリアが拡げて見せてくれたのは、何にでも合わせやすそうな青いロングのフレアスカートに、大きいひまわり柄が鮮やかな白いサマードレス。軽い生地のドレスはこれからの季節にぴったりで、落ち着いた色具合のおかげで変に子供っぽくならず、ドリアが着てもおかしくない。
それに三着目はたっぷりした裾の紅いドレス。肩が出ているカクテルドレスで、肩口と胸回りに黒い毛皮があしらわれていて、ふとももまで色っぽいスリットが入っている。ローマやミラノの豪華なパーティでも通じそうなしゃれたドレスである。


提督「本当に足りるの…?すごく高そうに見えるけど…」

ドリア「まぁ…心配性でいらっしゃいますね、大丈夫ですよ。お財布の中を見せるなんてちょっと俗っぽいですが…ほら」…ハンドバッグからドリアは黒革の財布を取り出し、開けて見せた。

提督「え…。私のより多いかもしれないわ…」分厚い財布を見て絶句する

ドリア「くすくす…せっかくのお出かけですもの。もしかしたら宝石や時計を買いたくなるかもしれないでしょう?」いたずらっぽく笑って言うドリア

提督「…とりあえず、大丈夫なのはわかったわ。そろそろいいみたいだし、ドリアもお会計しましょう?」

ドリア「はい♪」二人はトリエステとカラビニエーレを呼び、カウンターに向かった

ドリア「これのお会計をお願いします」

店主「ほぉ…このドレスはきっとご婦人に似合うよ、周囲のの視線を独り占めだとも♪」渋い店主はにっこり笑った

ドリア「まぁ、ふふっ♪でも、ありがとうございます」


ガシャガシャ…チーン♪古めかしいタイプライターのようなレジが鳴り、店主におまけしてもらった一行は店を出た。




<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/02/11(土) 02:30:14.17 ID:iqdDy6S30<> ドリア「いい買い物ができましたね」

カラビニエーレ「本当に。でも他のお店も見てみたいわ」

提督「いいわよ。トリエステ、貴女は何が見たい?」

トリエステ「え、私ですか?…そうですね、帽子…とかでしょうか」

提督「いいわね、私も欲しいし。じゃあ、帽子にしましょうか?」

ドリア「ええ、賛成です。…カラビニエーレ、あなたも行きたいお店があったら好きなように言っていいのよ?」

カラビニエーレ「そう、ね…。なら香水が欲しいの、いいかしら?」

提督「香水ね?いいわよ。香水なら小さいから帽子を買った後でも大丈夫だし、帽子を見てから行きましょうね」

カラビニエーレ「ええ、ありがとう」


それから一行は帽子を扱っている老夫婦の店に立ち寄った。職人肌で口数の少ない亭主と、反対によくしゃべり愛想のいいおばさんがやっている小さい店で、麦わら帽子からつばの広い飾り付きの帽子まで、様々な帽子が立体的に並んでいる。一時間ばかりかけて店内を歩き回り、あれこれ悩んで買うものを決めた。


提督「これがいいわね」青いリボンが付いている、白くてつばの柔らかなシンプルな帽子は今日の格好には似合わないが、何かと使い勝手がよさそうである

ドリア「では、私はこれを」クリーム色の地に、落ち着いたウグイス色の縁取りがされたつばが広い帽子で、片方に田園風景をイメージした長い鳥の尾羽と小さいリンゴのつくりもの、数種類のリボンを合わせた飾りが付いている

カラビニエーレ「これにするわ」カラビニエーレが選んだのは珍しく華やかな紅と白いレースの飾り付き帽子で、バラの飾りと細い黒のリボンが貴族のように見える。

トリエステ「そうですね…なら、これにします」トリエステが選んだのは鮮やかな青いターバン風の帽子で、木の葉型の縁飾りには小さい真珠をあしらってある

おばさん「はい、どうも。また来てちょうだいね!」


愛想のいいおばさんに見送られて店を出ると、ちょうど昼時の鐘が鳴った。


提督「香水は午後にして、お昼にしましょう」そう言って歩きながら店を探した。

小さい街だが料理屋は何軒かあったので、提督たちは小ぢんまりとした食堂を選んだ。表にいくつかの椅子とテーブルが出され、半分オープンカフェになっている。店主は汚れたエプロン姿をかけたおじさんで、奥さんらしい丸ぽちゃのおばさんと一緒に威勢よくしゃべりながら料理を出していく。


料理屋のおじさん「いらっしゃい、ご婦人方!汚い店で悪いねぇ!お召し物を汚さないように気をつけて!」

提督「どうも。とりあえず赤とグラスを三つ」

おじさん「はいよ!赤だね!」威勢よく言った

おばさん「はいはい!待っててね」ふくよかな身体で器用にテーブルの間を抜けてくると、栓を抜いて瓶を置いた

おばさん「グラスは三つでいいの?」

提督「ええ、車なので」水があまり良くないせいで、飲酒運転のまだまだ多いイタリアだが、提督は運転するときはあまり飲まないようにしていた。特に大事な艦娘たちを乗せることを考えて、飲み物はレモン水で済ますことにした。


…次回はお昼の食事と、午後の買い物、留守中の鎮守府風景を投下します…

<> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/02/11(土) 03:09:16.36 ID:i/yAGvAro<> Grazie per il vostro <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/02/11(土) 21:29:24.63 ID:ZVc+RyWAo<> おつー <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/02/13(月) 23:46:16.03 ID:WUquaQL10<> お待たせしました、ちょっぴり投下します… <> ◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/02/14(火) 00:03:12.63 ID:S4EKnNBf0<> おばさん「お嬢さんたちは何にする?ちなみに今日のおすすめはパスタ・ディ・ペスカトーレ(魚介のパスタ)だよ。活きのいい海鮮が入ったからね」おばさんは丸っこい身体で駆け回りながら愛想よく聞いた

提督「ならペスカトーレを。他もお任せします」いたずらっぽいウィンクを一つ。こういう店では店主のおすすめを食べるのが一番と、提督はおばさんに任せた

おばさん「はい、待っててちょうだい♪」おばさんはにっこり笑って厨房の主人に声をかけた。…数分すると、おばさんが両腕いっぱいに皿を重ね、器用に持ってきた。皿は古びていて下町の料理屋らしいが、そこには色鮮やかな料理がたっぷりと盛られている

トリエステ「わぁぁ…♪」

ドリア「おいしそうですね♪」

提督「本当にね、お任せしてよかったわ」

カラビニエーレ「早く食べましょうよ」祈りの十字を切り、早くもフォークを取り上げている

提督「はいはい♪」提督もフォークを手に取った

提督「では…んむっ…」

<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/02/14(火) 01:00:47.37 ID:S4EKnNBf0<> 提督「んっ…おいしい」おばさんが前菜に持ってきたのはフォカッチャにモッツァレラ・チーズ、オリーブオイル、バジリコの葉、黒胡椒をきかせたシンプルな前菜。水気の多いトマトや魚介は避け、フォカッチャが湿っぽくならないようにしてある。香ばしいフォカッチャとピリッとした胡椒のアクセントが食欲をそそる。


ドリア「こちらも美味しいですよ。さぁ、どうぞ」ドリアが取り分けてくれたのは皿に盛られていかにも涼しげなスズキの冷菜。
パプリカやトマト、レモンの赤や黄色が鮮やかで、初夏の爽やかさがいっぱいの一品。内陸部では絶対に食べられない新鮮なスズキは、透明で下のトマト・スライスが透けて見える。塩と胡椒、ワインビネガーのさっぱりした味付けのマリネ風で、ドリアたちも感心しながら食べ進めている。


提督「ん…本当♪奥さん、とっても美味しいです」奥にいるおばさんに声をかけた

おばさん「うちの亭主は目利きだからね!いっぱい食べなよ?」

提督「はい♪」


しばらくして前菜の皿があらかた片付くと、おばさんがたっぷりと盛られたパスタ皿を持ってやって来た。湯気をたて、ニンニクとトマトのいい香りが漂ってくると、カラビニエーレとドリアが思わず身を乗り出した。

おばさん「あせることはないよ、お嬢ちゃんたち!たっぷりあるんだからね」おばさんが言うように、それぞれの目の前にはちょっとした大皿くらいのパスタがドンと置かれ、提督はその香気を思い切り吸いこんだ。

提督「うーん…いい香り。美味しそう♪」もとは漁師たちが余った魚でつくったという「ペスカトーレ」には正式なレシピはなく、それだけに店ごとのこだわりが出る。この店のは、たっぷりの海老やイカがニンニクとワインを効かせたあっさり目のトマトソースにからまり、少し細めのフェデリーニと合わせてある。

提督「んむっ……ん、魚介も新鮮だし、味もちょうどいい♪」ゆっくりと噛みしめて、恍惚の表情にも見える顔で賞味する提督。ドリアはしとやかに、しかしかなりのハイペースで食べ進め、トリエステとカラビニエーレは一口ごとに幸せそうなため息を漏らしている。

ドリア「そういえば、提督?」くるくるっ、とパスタを巻いてからドリアが声をかけた

提督「なぁに?」フォークを置いて首をかしげる

ドリア「はい、どうぞ♪…あーん♪」フォークを差しだすドリア

提督「あーん♪……ドリアが「あーん」してくれたから、さらに美味しいわ」にっこりと微笑した

カラビニエーレ「…」ちらりと二人をみて、急に勢いよくパスタを巻きとりはじめた

トリエステ「…///」フォークを提督をかわりばんこに見て、顔を赤くしている…

提督「はい、ドリア。あーん♪」

ドリア「あーん♪…本当に、倍も美味しい気がしますね♪」

カラビニエーレ「ねえ、提督」

提督「何かしら?」

カラビニエーレ「そ、その…あーん」パスタを巻きつけたフォークを差し出した

提督「あら、ありがとう。あーん♪…おいしいわよ、カラビニエーレ♪」ついでにフォークを持つカラビニエーレの指をぺろりと舐めた

カラビニエーレ「ちょ、ちょっと…///」恥ずかしそうに顔をそむける

提督「カラビニエーレ、こっち向いて?」

カラビニエーレ「な、何かしら」

提督「はい、あーん♪」

カラビニエーレ「あーん…。もう…恥ずかしくて味なんて分からないわよ」

提督「きっと甘いんじゃないかしら?恋の赤色だもの、ね♪」

カラビニエーレ「///」



<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/02/14(火) 01:23:01.48 ID:S4EKnNBf0<> トリエステ「その…提督、よかったら…あーん」もじもじしながらフォークを差し出した

提督「あら、嬉しい。あーん…♪」

トリエステ「おいしいですか…?」

提督「もちろん♪可憐なトリエステに「あーん」してもらって美味しくないはずがないでしょう?」

トリエステ「///」

提督「はい、トリエステも。あーん♪」

トリエステ「あーん…」小さい口を可愛らしく開けて、パスタを食べるトリエステ

提督「うふふっ♪」フォークを持っている側の肘をテーブルにつけ、反対側の手を頬にあてている提督。可愛らしい無垢なトリエステの姿に笑みが止まらない。

おばさん「おやおや、ずいぶんお熱いねぇ」空いた皿を片づけに来たおばさんが悪気のない様子でからかった

トリエステ「ええ、わたしたちの…大事な方ですから」真剣な口調で言う

提督「///」

おばさん「そうかい!お嬢ちゃんもよかったね。…大事にしてやんなよ」

提督「はい、もちろん♪」


食事とコーヒーが済み、明るい黄色の壁に午後の陽ざしが照り返す。常連さんらしい老人たちも、一人二人と席を立っていく。


提督「そろそろ行きましょうか」ずいぶん食べたのに手ごろな値段だったことに満足しながら、提督は荷物を持った

ドリア「いろいろと美味しかったですね…提督?」小声でからかうようなドリア

提督「ええ、おいしい間接キスでした♪」

ドリア「ふふふっ♪」

提督「うふふふっ♪」


<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/02/14(火) 02:01:26.69 ID:S4EKnNBf0<> …その頃・鎮守府…

周辺の海域は安定していて、提督もお出かけ中ですることもない鎮守府の艦娘たちは、それぞれ好きなように時間を過ごしていた。


オリアーニ(オリアーニ級)「あら、リボティ。何してるの…ゲーム?」

リボティ(ミラベロ級)「ああ。面白いよ。難しいだけになおさらね」

ミラベロ(ミラベロ級)「迷宮に潜って悪の大魔導師を倒すゲームよ」

オリアーニ「へぇぇ…って、自分の姿がみえないのね」

リボティ「自分の姿が見えないのは主観視点のゲームだから。…えーと、ワープの座標は…」


岩の中だ!…(墓石)


リボティ「直前にセーブしておくのが大事さ」

………

ライモン「ふぅ…。通信に異常なし、レーダーも正常」

金髪の艦娘「ご苦労様、ライモンド。よかったらお茶でもいかが?」作戦室にお盆とティーセットを持ってやって来た艦娘はずっしりとボリュームのある金髪を後ろでまとめ、水色の瞳、水色の口紅と少し変わったメイクをしているが、しっかりした感じを与える。着ているのはグレイグリーンのスカートとパールグレイのブラウスで、その上からエプロンをしている。

ライモン「あっ、ディアナさん。わざわざありがとうございます」ティーセットを受け取ったライモン

ディアナ「いいのですよ、わたくしがしてあげたかったのですから」


…彼女、ディアナ(Diana)は、30年代に政府のクルーザー兼通報艦として計画され、戦中はそのスマートな1700トンの艦から生み出される32ノットという速度を活かした重要物資の輸送を行っていた「高速スループ」艦。42年惜しくも英潜水艦に撃沈されたが、今は「艦娘」として厨房に立って料理にいそしんでいる。
月の女神「ディアナ」の名を冠しただけあって気品があり、様付けでよばれることもしばしば。口癖は「よしなに」で、意外に茶目っ気もある…



…今日はここまで…「ディアナ」といえば「ディアナ様」なので、いくらか似ているポイントをつくりました。また明日にでも投下します… <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/02/14(火) 11:06:22.12 ID:S4EKnNBf0<> …いつも読んで下さってありがとうございます。>>1はイタリア語がほとんどできないので、間違っていたらご容赦くださいませ…投下します

………

ライモン「おいしそうですね」コンタクトのない退屈なレーダー・コンソールから離れ、脇のテーブルにティーセットを置いた。

ディアナ「ふふ、ありがとう。いま、紅茶を注いでさしあげます」香り高い紅茶が注がれ、ディアナもライモンの向かい側に座った。

ライモン「いい香り…」電子機器と地図ばかりの冷たい空間に、軽やかに湯気が立ち上る。

ディアナ「さ、召し上がれ」

ライモン「…おいしい」ダージリンと柔らかいビスコッティ・サヴォイアルディ(厚みのあるアイスの棒状をしたスポンジ菓子。「貴婦人の指」とも)でふっと一息ついた…と、誰かがまた入ってきた

アッテンドーロ「姉さん、交代に来ましたよ…って、ディアナ?」

ディアナ「ごきげんよう、アッテンドーロ。…姉思いでいらっしゃるのね」

アッテンドーロ「こんにちは、ディアナ。それはそうよ、だってわたしの姉さんだもの…わざわざお茶を用意してくれたんだ。ありがと」

ディアナ「いいのですよ。貴女もご一緒に」

アッテンドーロ「どうも。いただくわ」

紅茶の香りがひんやりした部屋に広がり、落ち着いた時間がゆっくりと過ぎていく


………

…鎮守府・図書室…

鎮守府の図書室は午後の陽ざしがレースのカーテンでほどよく遮られ、こもれびのような光が辺りを柔らかく照らしていた。その片隅、本棚の陰の薄暗い一角で、数人が小声でひそひそとしゃべっていた

ニコロソ・ダ・レッコ(ナヴィガトリ級)「ここだよ…」ニコが数人を案内したのは図書室の死角にある、大人向けの小説が並ぶ本棚で、この前提督と鉢合わせして気まずかった場所である。その時また貸しはよくないと諭されたので、今回はニコを先頭に借りたい何人かで駆逐隊を組んできていた。
この棚は相変わらず刺激的な本が並んでいて、何冊かはすでに借りられている。

ジョヴァンニ・ダ・ヴェラサーノ(ナヴィガトリ級)「おぉ…すごい…」

ルカ・タリゴ(ナヴィガトリ級)「ちょっと、恥ずかしいね…///」

アクィローネ(トゥルビーネ級)「お姉ちゃんたちも来ればよかったのに…これにしよう♪」

エウロ(トゥルビーネ級)「え…借りて読む気?」

アクィローネ「?…図書館なんだから借りて読むでしょう、いけない?」

エウロ「いけなくはないけど…私にはちょっと恥ずかしい…かな」

ニコ「まぁ、そこは人それぞれだからね。私も借りて、部屋でゆっくり読むよ」二、三冊を取り出して小脇に抱えた。と、そこに一人の声がした

ナザリオ・サウロ(サウロ級)「あら…こんなところで」ちょっとびっくりしたような、気まずそうな微笑を浮かべる

ニコ「サウロも読書しにきたの?」

サウロ「ええ…まぁ。この間からすっかりはまっているのよ」

タリゴ「大人ねぇ…」

アクィローネ「ふふ、どきどきするよね♪」

サウロ「そうね…いろんなシチュエーションがあって面白いわ」まさかレオーネたちとねっとりした時間を過ごしたことがあるとも言えず、適当に返す

ニコ「確かに面白いよね…でも、サウロはこんなの読まなくたって、レオーネたちがいるだろうに」何気ない調子で図星をついた

サウロ「!…どうしてそれを」

ニコ「たまたま洗濯場に行くときに、君たちが身体中ねとねとで、レオーネたちに肩を貸してもらっていたのを見たからね」

サウロ「えーと…その……まぁいいわ。事実よ」

ニコ「…言いふらしたりはしないよ。みんなも口は堅いから…もっとも、サウロのなんてザラ級やアオスタたちに比べたら可愛いものだよ?」

サウロ「見たことあるの?」

ニコ「ないけどね。時々お風呂に入って来るけど、あの疲れ方からしたらすごいんだろうね、きっと」それを聞いた他の艦娘たちは想像をふくらませた…


<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/02/16(木) 02:16:49.04 ID:M0J1hvG00<> 大変お待たせしました、ザラ級四姉妹の昼下がりの情事を投下していきます…


…ザラ級の部屋…

ザラ「くしゅん!」四姉妹でお茶をすすっていると、ザラが可愛らしいくしゃみをした

ポーラ「あらぁ〜?ザラ姉、風邪でも引いたのぉ〜?」

ザラ「いいえ、ポーラ。…ホコリでも入ったかしらね」窓辺に行って窓を閉めるザラ

フィウメ「誰かに噂でもされているんじゃないかしら?」

ポーラ「もしかしてぇ〜、提督かもねぇ〜?」

ゴリツィア「いい噂なら構いませんよね、ザラ姉さん?」

ザラ「そうね。提督は悪口なんていう人じゃないものね…でも、気遣ってくれて嬉しいわ。優しいポーラ♪」ちゅっ…と頬に親愛のキスを与えるザラ

ポーラ「えへへぇ♪ポーラもぉ〜、ザラ姉のことが、とってもぉ〜…大好きっ!」柔らかく笑って、ぎゅっとザラに抱き着くと頬ずりするポーラ

ザラ「あん♪もう、ポーラったら♪」

フィウメ「私も、ザラ姉さんたちが大好きですよ♪」左側から飛びつくように抱き着いたフィウメ

ゴリツィア「ええ、また一緒になれて本当に嬉しいっ♪」右側から抱き着くゴリツィア

ザラ「ちょっと、そんなに抱き着かれたら危ない…って、きゃっ!」案の定椅子ごとひっくり返ってしまったザラ…スカートがめくれあがり、白いむっちりしたふとももがさらされた…

ザラ「あいたた…全くもう、あなたたちは加減ってものを知らないんだから…」見上げるとポーラの可愛い茶色の瞳がザラをのぞきこんでいる…頬をほのかに桃色に染め、艶やかな桜色でふっくらとした唇が、物欲しげに半開きになっている…熱っぽくねだるような表情に、ザラは思わず息を呑んだ…

ポーラ「…えへへぇ♪ねぇ、ザラ姉ぇ…ポーラぁ、なんだかとってもぉ〜…したいのぉ♪」押し倒した形でザラを見おろすポーラが、吐息をつきながら甘えるように言う

ザラ「もう、まだ午後になったばかりなのよ?……でも…可愛いポーラなら…いいわ♪」ポーラの頬に両手を添え、唇を近づける…

フィウメ「もう…ポーラばっかりずるいです。ザラ姉さま、私にも…キス…してくださぁい♪」止めるように声をあげるフィウメ

ゴリツィア「そうですよ、私たちは四姉妹なんですから。ポーラ姉さんばっかり甘えて…私だってザラ姉さんと…したいです♪」ゴリツィアも右から迫る

ザラ「それもそうね…じゃあ、みんなで…しちゃいましょうか♪……ちゅっ…ちゅるっ…ちゅぽっ♪」両腕でフィウメとゴリツィアを抱き寄せると、唇をポーラと重ねる…

ポーラ「ん…ちゅ…ちゅぷっ…んちゅっ♪」ポーラは両手でザラの両腕を押さえるようにして身体を近寄せていき、ねっとりとしたキスを交わした

フィウメ「きゃん♪…もう、ザラ姉さんのこと…脱がしちゃうから♪」しゅるしゅるっ…ぱさっ…。急に抱き寄せられたフィウメは驚いたような嬌声をあげると、反撃とばかりザラの胸元のリボンをほどき、ブラウスをはだけさせた。
えんじ色のブラが見えると、器用に脇から手を回して留め金を外し、するりと外して後ろに放り出した。…ふっくらして陶器のように白い乳房がぷるんっ…と軽く揺れて現れた。

ゴリツィア「相変わらずきれいな胸…見てるだけでどきどきしちゃう…れろっ♪」白い桃のようにふっくらした乳房に舌を這わせるゴリツィア…片手を床について、もう片方の手はさわさわとふとももをなで回す

ザラ「ん…ぴちゃ…ちゅぷっ♪…ゴリツィアも、そんなに遠慮しないでいいのよ?……んちゅぅ…ちゅるぅぅ♪」ポーラと絡めあっていた舌を抜き、横を向くとゴリツィアの口に舌をねじ込み、右手でゴリツィアの手をつかむとスカートの中に入れさせた。

ゴリツィア「んふぅ…んんっ♪…ぷはぁ…♪…姉さん…とっても…気持ちいいです♪」舌先から銀色の糸を垂らしながら、ゴリツィアはとろけたように言った

ザラ「…ちゅぽっ…よかった♪…フィウメ、あなたもお姉ちゃんと…いっぱいいやらしいことしましょう、ねっ♪…れろっ…くちゅっ、ちゅるっ♪」フィウメの唇を舐めてからするりと口中に舌を入れ、ねっとりと絡めあった。


<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/02/16(木) 02:34:46.87 ID:M0J1hvG00<> …訂正
>>166辺りで提督が中将になってましたが正しくは二つ星(少将)です

ザラ級のいちゃいちゃはしばらく続く予定ですので、待っていてくださいね。では… <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/02/17(金) 00:59:46.02 ID:TgUg1GFa0<> フィウメ「…んんっ♪…んっ…ちゅるっ…れろっ、ぴちゃっ…♪…ザラ姉さまの舌…気持ちいい…っ♪」

ザラ「本当?…なら、もっと気持ちよくしてあげるわねっ♪」ザラはポーラの下から抜け出し、そのまま寝返りをうつようにしてフィウメの上にのしかかった。

フィウメ「そんな急にしちゃだめぇ…ん、あんっ♪」スカートの裾からザラの柔らかい白い手が入ってきて、ゆっくりとふとももを撫でる。フィウメは甘い声をあげて、くすぐったそうに身体をばたつかせる

ゴリツィア「あっ、姉さんったら…動いちゃダメです♪」一方、ザラのスカートの中をまさぐっていたゴリツィアは手がすっぽ抜けてしまい、頬を膨らませて怒ったふりをして見せた

ザラ「あら、ごめんなさい…なら特別にお姉ちゃんが案内してあげる…っ♪」フィウメの鎖骨から首筋を舐めあげながら、ザラは優しい笑みとみだらな笑みの混じった表情を浮かべ、空いている手でゴリツィアの温かい手をつかむと、しっとりとし始めている秘所に導いた…

ゴリツィア「姉さんのここ…温かくて…柔らかぁい♪」レースの下着越しに割れ目を優しく撫で上げられ、ザラはとろりと甘ったるい表情を浮かべた

ザラ「いい…いいわぁ♪ゴリツィア、上手よ♪」

ゴリツィア「練習したんです…だって姉さんといっぱい気持ちよくなりたいですから♪」

ザラ「まぁ、けなげな妹♪…じゃあ私も…ごほうびをあげる♪」ゴリツィアの袖口から手を入れて、ふっくらした丸っこい胸を揉みしだく。甘い声をあげて身体をくねらせるゴリツィアを追い回すように激しくこね回し、ぱちんとブラジャーの留め金を外した。

ザラ「やっぱり手触りがいいわぁ…直接だとなおのこと♪」片手でゴリツィアの胸、もう片方の手でフィウメの下着をずらして花芯をまさぐる…

ゴリツィア「はぁ…はぁ…あふぅ♪…姉さん…もっと、もっとぉ♪」

フィウメ「ザラ姉さぁ…ん♪もっと、してぇ…♪身体が、うずいて…姉さんの手でイきたいのぉ♪…あふっ、あひぃ!」急に一段階高い声で喘ぎ始めたフィウメ

ポーラ「もぉ〜、ポーラをおいてけぼりにしちゃ、だめですよぉ〜♪」ポーラが四つんばいになってフィウメの秘所に指を入れ、ねっとりとかき回す

フィウメ「ひぅ、あっ、あっ、あんっ…あひぃ…あぁん♪」くちゅ、くちゅくちゅっ…ぬちゅっ…。下着を膝までずりさげられて、ポーラの指に花芯をとろけさせている

ザラ「大丈夫、私たちはポーラのこと忘れたことなんてな…あっ、あん…んはぁぁっ♪」じゅぶっ、ぐちゅっ…ぶじゅっ♪
ポーラが同時にザラの秘部にも指を差しこみ、そのもちもちした手の中指がずぶりと奥まで突き入れられる。ポーラの的確な責め方に思わず歓声をあげるザラ

<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/02/18(土) 01:08:08.59 ID:9MXusNZO0<> ポーラ「どうですかぁ〜、ザラ姉、フィウメ姉?」ずぶぅぅ…ぐちゅぐちゅっ♪四つんばいから床に寝そべり、二人の花芯をまさぐる

ザラ「んぁぁ…はぁん…あんっ、あんっ♪…ポーラぁ…もっとぉ、お姉ちゃんをじゅぶじゅぶして…気持ちよくしてぇぇっ♪」

フィウメ「あひぃぃ♪んんっ…あぅ、いいですっ、イくぅ…イっちゃいますぅぅ♪」抱き合ったまま同時に責めたてられ、乳房を揺らし絶頂する二人。ポーラのおっとりした笑みにサディスティックな愉悦の色が混じる…と、ゴリツィアがむっくりと起き上がってポーラの後ろに回り込んだ

ゴリツィア「ポーラぁ?今度は私のこと忘れてるでしょう…お仕置きです♪」ずぶぅぅっ!…ぐちゅ、じゅぶっ♪膝立ちの姿勢でポーラの腰に片手を回し、もう片手でじゅぶじゅぶと秘所をかき回す

ポーラ「あんっ♪ポーラはぁ、ゴリツィア姉のこともぉ〜、忘れてなんかぁ…んぁぁっ、ひぅん♪」ぐちゅっ、ずちゅっ、ぶじゅっ♪白いレースのついた下着を下ろされ、早くもとろりと濡らし始めるポーラ。波打つ栗色の髪の毛を揺らしながら上を向いて、可愛らしい声で喘いだ

ゴリツィア「んふふっ…いっぱいよがってね、ポーラ♪」…ぐちゅぐちゅっ…ぐちゅっ…ずぶっ、ずぶぅぅ♪

ポーラ「はぁ〜い…あっ、あん、あんっ♪ポーラはぁ、んっ…♪ゴリツィア姉にぃ〜、ひぐぅ♪イかされてるのぉ…んぁぁ、あひぃぃん♪」…ぐちゅぐちゅっ、とろっ…どぷどぷっ♪…額から汗をしたたらせながら身体を引きつらせ、とろっと蜜を噴きだしてイったポーラ。それでも両手の指は吸いつくような姉たちの秘部をねっとりとえぐり、湿っぽい水音を立てさせている

ザラ「ひぐぅぅ♪ポーラぁ、もっとぉ…いやらしいお姉ちゃんの身体ぁ、もっと火照らせてぇ…♪」ぐちゅり…とろとろっ。ねっとりと蜜をしたたらせ、とろけた表情でみだらにねだるザラ。組み敷いているフィウメの開いた口に舌先から唾液を垂らし、それをすすらせながら身体をひくつかせた

フィウメ「んっ、ごくっ…私もぉ…イきまひゅぅぅ♪ポーラぁ…気持ひいぃれすぅぅ…♪ひぁぁっ♪あっ、あっ、あん…あひぃぃっ♪」ぬちゅっ…じゅぶ…じゅぶっ!…どぽどぽっ、ぶしゃぁぁ…♪舌先でザラの唾液を受け止めながらびくびくと身体をけいれんさせ、ふとももを開いて盛大にイきながら、呂律の回らない口で喘ぐフィウメ

ポーラ「えへへぇ♪ポーラもぉ、お姉ちゃんたちと一緒にぃ〜、イかされてま〜すっ…あひっ、んっ、あぁん♪」とろっ…ぶしゅっ…ぶしゃぁぁ♪めくり上げられたえんじ色のスカートから、膝まで引き下ろされた下着、白いレースの縁取りがされたニーソックスまでべとべとに汚し、嬉しそうなポーラ

ゴリツィア「もう、いけないポーラには…もっとお仕置きしてあげないとだめかしら?」普段のおっとりした表情からは想像もつかない艶やかな笑みを浮かべ、いやらしくささやいた

ポーラ「はぁ〜い♪いやらしいポーラはぁ、もっとお仕置きしてほしいのっ♪」力の抜けた笑みを浮かべておねだりするポーラ

ゴリツィア「では…いけないポーラにはお仕置きしちゃいます♪」そう言ってポーラを四つんばいにさせると片手で髪の房を優しくつかみ、痛くないよう、しかし容赦なく後ろに引っぱった。そしてもう片方の手を腰から離すと、ポーラのしっとりした丸っこいヒップに平手を見舞った。ぱちーんっ!とかん高い音が響く

ポーラ「はひぃぃっ♪ゴリツィア姉…いいのっ、いいのぉ…あひぃぃっ♪」ぱちんっ…ぱしーんっ!軽やかな手つきの平手打ちを浴び、よがり声をあげるポーラ。花芯からとろとろととめどなく蜜を垂らし、口を半開きにして悶える

ゴリツィア「ふふっ、いい声で鳴くわね♪…気持ちいいでしょ、ポーラ?」ぱぁーん!…すぱぁーん!ほんのりと赤味をましたヒップの揺れる様子をみてぞくぞくとした快感を覚えるゴリツィア…舌なめずりをしながら手首を利かせた平手打ちを浴びせた

ポーラ「えへへぇ…ゴリツィア姉ぇ…気持ちいいよぉ♪ポーラぁ…優しいお姉ちゃんにぃ〜、お仕置きされるのもぉ、好きなのぉ♪」ぱーんっ!かん高い音はしても痛すぎない、絶妙な加減の平手打ちにヒップがじんじんと熱を帯び、ポーラはとろけたような表情で喜悦の声をあげた


<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/02/18(土) 02:13:51.46 ID:9MXusNZO0<> ザラ「なぁに、ポーラってば…お仕置きしてほしかったの?」ぐっしょりと濡れた下着を脱ぎ捨てると、ポーラににじり寄ってきたザラ

ポーラ「えへへぇ♪そうなのぉ〜、ポーラはぁ…あひぃ♪…いけない妹だからぁ〜…ひぃん♪お姉ちゃんたちにぃ〜、お仕置きしてほしいっ♪…あひぃん♪」すべすべのヒップに平手打ちを浴びてよがりながら、さらにおねだりするポーラ

ザラ「ふふっ、そうなの…じゃあ、お姉ちゃんもお仕置きにくわわっちゃう♪」そう言いながら立ち上がると、上向きになっているポーラの顔に自分の秘所をあてがった

ザラ「ポーラ…舐めて?」

ポーラ「ふぅ…ぅん…れろっ…んんぅ…くちゅ…れろ…ちゅぽ…っ♪」吐息を漏らしながら舌で奥を探るポーラ。時々鋭敏な部分を舐められ、ザラは脚をがくがくさせながらポーラの顔面に蜜を浴びせた

フィウメ「ザラ姉さまぁ…私もぉ…♪」ぴちゃ…じゅるっ…れろっ♪…さっきまで余韻で身体をひくつかせていたフィウメが上半身を起こすとザラのふとももにしがみつき、身体を伸ばすとザラの秘所をむさぼっているポーラの横に割り込んだ。

ザラ「んんっ…あはぁ♪気持ちいぃ…もっと、奥までぇ…舌、入れてぇ…♪」とろっ…とろとろっ♪震える両脚にねっとりと蜜をこぼしながら、ザラは甘ったるくねだった

ポーラ「ん、んっ…んんっ!んぁぁ…あへぇぇ…ポーラはぁ…いっぱい、お仕置きされちゃったのぉ…♪」とろとろっ…ぶしゃぁぁっ♪ポーラは花芯からたっぷりと愛蜜を噴きだすと、とろけた表情を浮かべて床に崩れ落ちた。半分脱げたままのあられもない格好で、こぼれた蜜の水たまりにへたり込んでいる

ゴリツィア「ふふっ…可愛いポーラ♪…お仕置きはおしまい♪」ほんのり赤くなったポーラのみずみずしいヒップを優しく撫でるゴリツィア

ポーラ「えへへぇ…とってもぉ〜、よかったのぉ♪ゴリツィア姉ぇ、ポーラはぁ〜、いいこにしてるからぁ…また、お仕置きしてねぇ…♪」

ゴリツィア「うふふっ♪いい子にしててお仕置きするのも変な話だけど…いいわよ♪」

ザラ「ふふ…ポーラ、今度は私がお仕置きしてあげる♪…んはぁぁ♪」ぴちゃ…くちゅ♪フィウメにぐっしょりと濡れた秘部をねぶられ、ひくひくとイきながらポーラに言った

ポーラ「ザラ姉も優しいっ…♪ポーラぁ、嬉しくなっちゃう♪」とろんとした表情を浮かべ、力の抜けた声で喜ぶポーラ

ザラ「ポーラが喜んでくれて…あっ…ふぅ…私も嬉しいっ…んあぁぁっ♪」フィウメが秘所の核に軽く歯を立て、ザラは腰をがくがくさせながら蜜をほとばしらせた

フィウメ「あん…ザラ姉さまの愛蜜ぅ…れろっ♪じゅるっ…じゅるぅぅ♪」恍惚の表情を浮かべてとろとろとこぼれる蜜をすする

ザラ「あふぅ…はぁ…ふぅぅ…気持ち良かった…♪」とうとう床にへたり込んでしまったザラ。フィウメが垂れた蜜を舐めまわす様子を愛おしそうに眺め、時々身体をひくつかせた

ゴリツィア「私はまだしたいなぁ…ザラ姉さん、乱打戦は得意でしょう?私と、もう一戦しましょうよ♪」ゴリツィアが四つんばいになって、嬉しそうに近寄ってきた

ザラ「もう、わがままな妹ねっ…いいわよっ♪」後ろに手をついて脚を開くと、濡れて重くなったスカートをめくって裾を口にくわえた





<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/02/19(日) 01:24:09.03 ID:fzJ3bCmf0<> ゴリツィア「ザラ姉さんっ♪んんっ…れろっ…んちゅっ♪」ザラに飛びつき、ふとももの間に顔を埋め、とろとろに濡れそぼった秘所を舐めあげる

ザラ「んんっ…んぅ…んっ♪」ぴちゃ…ぴちゃっ…ちゅるっ♪スカートを咥えたままびくっと身体を震わせるザラ。とぷっ…とろっ…、と粘っこい蜜を垂れ流し、普段明るい色をたたえている瞳は快感で霞み、呆けたような虚ろな表情で涎を垂らしている

ゴリツィア「んふぅ…れろぉ…んちゅぅ…ちゅぱ…くちゅぅぅ♪」優しい姉のさらす痴態にゴリツィアはぞくぞくして、器用な舌でさらに激しく膣内をかき混ぜた

ザラ「んはぁ…はぁ…はぁぁ♪…ゴリツィア…とっても…いいわぁ…でも、お姉ちゃんと…一緒に…ね?」咥えていたスカートを離すと、お互いに花芯を重ねて、くちゅっ…くちゅり、と水音を立てながら腰を動かした

ゴリツィア「はぁ、あぁ、あぁっ♪ザラ姉さん…ザラ姉さぁぁんっ♪…はぁぁんっ!」くちゅっ…ぐちゅっ、じゅぶっ♪…とろとろっ…ぶしゃぁぁ♪

ザラ「ゴリツィア…私の…可愛い、妹ぉ…♪あんっ…はぁぁ…んっ、あぁぁっ♪」ぐちゅっ…じゅぶじゅぶっ…♪とろぉ…♪二人はのけぞるように天井を向いて、甘い声でお互いの愛を確かめ合い、激しく蜜をぶちまけながら果てた

ザラ「はぁぁ…ゴリツィアぁ…♪ちゅっ…ちゅぷっ♪」

ゴリツィア「ザラ姉さぁん…♪はむっ…んっ…ちゅぽっ…♪」身動きするたびにぐちゅっ…、といやらしい水音をたてつつ、二人は甘いキスを交わし続けた

<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/02/19(日) 01:45:24.10 ID:fzJ3bCmf0<> …同じころ・海沿いの道路…

ブロォォ…傾き始めた午後の陽ざしが明るく海を照らす。全開にしたウィンドウから爽やかな海風を吹き抜けさせ、提督のランチアが鎮守府への道を走り抜ける

提督「みんなへのお土産も買えたし、あなたたちも欲しいものが買えてよかったわね」

ドリア「ええ。提督とご一緒できてうれしかったです♪」提督の肩に頭をもたれさせ、少しめくれ上がったスカートから伸びるふとももを、そっと撫でるドリア

提督「まぁ、嬉しいことを言ってくれるわね。どんなごほうびが欲しいの?」

ドリア「それはもう、よくお分かりでしょう…?」指で提督のふとももに円を描きながら、意味深な微笑を浮かべるドリア

提督「ふふっ♪それもそうよね…二人は楽しかった?」

トリエステ「はい、とっても。それに今日はごちそうにまでなってしまって」

提督「気にしないで?お昼ご飯くらい何でもないわ」

カラビニエーレ「鎮守府のご飯ほど豪華ではなかったけれど、美味しかったわ。それに香水も買えたし…ありがとう、提督♪」

提督「うふふ、いいのよ♪手ごろなのが買えて良かったわね。それに私も香水が欲しかったところだったもの…そういえば電話はなかったけど、鎮守府のみんなはどうしてるかしらね…?」

………
<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/02/19(日) 02:15:37.68 ID:fzJ3bCmf0<> …ザラ級の部屋…

ザラ「はぁぁ…よいしょ…」ゴリツィアと激しく交わり、まだじんじんと疼く身体をそっと椅子に預けた

ポーラ「もぉ〜、ザラ姉ってばぁ、おばあちゃんみたいよぉ〜?」ころころと笑いながら椅子に座るポーラ。その手には部屋の小型ワインセラーから出してきたボトルが握られている

ザラ「今から飲むの?もう夕方だし、提督もお帰りになるころよ?」

ポーラ「いいのっ♪ポーラはぁ、飲むことにしたのぉ〜♪」手際よくコルク抜きでコルクを開け、四人分のグラスに注ぐポーラ

フィウメ「まぁ、ポーラが薦めるんだもの…美味しいワインに決まってるし、一杯だけもらうわ」

ゴリツィア「そうね。正直もう寝たいくらいだけど、せっかく抜いてくれたなら…」

ザラ「あれだけして、ポーラったら、まだワイン飲めるほど元気なのね…でも、美味しい」香りを楽しんでからグラスを傾ける。一応口はゆすいだものの、秘部をしゃぶったり、蜜をすすったりしたせいでにちゃにちゃした口内をワインがさっぱりさせてくれる

ポーラ「美味しいでしょ〜?でもぉ〜、ポーラはぁ〜…えへへぇ♪」グラスのワインをきゅーっと飲み干し、含み笑いを浮かべるポーラ。片手でさっき抜いたコルクをいじっている

ザラ「?」

ポーラ「ザラ姉ぇ、このコルクはぁ〜、天然コルクじゃないのぉ〜」

ザラ「そうなの?」

ポーラ「あのねぇ、天然みたいに見えるけどぉ、これはコルク樫のぉ、端材を固めて作ってあるのぉ〜…だからぁ、天然の一枚ものに比べてぇ〜、固いのぉ」

ザラ「物知りねぇ…でも、それが?」

ポーラ「えへへぇ…♪」

ザラ「もしかして…何か考えてる?」


<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/02/21(火) 01:34:54.81 ID:2TW8U6180<> …お待たせしました、続きを投下します…


ポーラ「さぁ〜、どうでしょ〜♪」つつーっ…椅子から立ち上がって近寄る

ザラ「…」さっ…妹の視線に何かを感じたザラ

ポーラ「♪」じりっ…

ザラ「…」

ポーラ「ザラ姉ぇ〜つーかまーえたぁ♪」抱きっ!

ザラ「ちょっと、何する気なの?」後ろから抱きすくめられる

ポーラ「えへへぇ♪例えばぁ〜…こんなことっ!」じゅぶっ…ぐりぐりっ…!ポーラは手に持っていたコルクをザラの濡れそぼった秘所に挿入した

ザラ「ちょ、ちょっと!…ん、んんっ…♪」花芯に栓をされたザラはそのままポーラに胸を揉みしだかれ、かすれたような吐息をつき始めた

ポーラ「えへへぇ♪ザラ姉ぇ〜…こっちでもぉ〜気持ち良くなってねぇ〜♪」いつの間にか貴婦人のような白い長手袋をはめた手で、ヒップを撫で回す…と、手袋をした指をしゃぶりだしたポーラ…

ザラ「え…ちょっと、やめ…あひっ、ひぐぅぅ!」…ずぶっ…ずぶずぶっ!しっとりと濡らした指をいきなり引き締まったアナルに挿入したポーラ。突然の衝撃にザラの身体が反り返り、声が上ずった

ポーラ「えへへぇ♪ザラ姉のここ…とっても温かくてやわらかぁい♪」ずぶっ、ずぶぅ…人差し指でお尻の穴をこねくり回しながら容赦なく乳房をいじるポーラ

ザラ「あひっ、ひぅぅん♪…ポーラっ、そっちは違うから…っ」引きつったような声を上げ、懇願するザラ…が、漏れる吐息は甘くかすれて、力づくで身体を引き離すでもない

ポーラ「そうねぇ〜…でもぉ、あらあらぁ〜?…ザラ姉のここはぁ〜、とってもぉ〜、悦んでるけどぉ〜?」ずぶずぶっ…ぬちゅっ♪腰が抜けて内股になり、かろうじて椅子の背につかまっているザラのきれいなアナルに指を突き入れ、ひくひくと跳ねるザラのトロ顔を見ながら言った

ザラ「だ、だめぇ…そこぉ…気持ひいいのぉ…♪ポーラの…指が、入って…あっ、あっ、あっ…ひぐぅぅ♪」

フィウメ「…ごくっ」…じゅんっ♪

ゴリツィア「…」じわぁ…♪

ポーラ「えへへぇ♪ポーラはぁ、続けたいけどぉ〜、ザラ姉が言うならぁ、止めようか〜?」

ザラ「いいの、気持ちいいからぁっ♪止めないでっ…あ”っ、あっ、ひぐぅぅ♪」焦点の定まらない瞳に、半開きの口から垂れる涎。身体をひくつかせ、腰を振ってポーラにねだるさまは普段のザラからは連想も出来ないほどみだらで卑猥な姿だった

ポーラ「はぁ〜い♪じゃあ、ポーラがぁ、もっとしてあげるっ!」

ザラ「はひっ、ひぐっ、んぁぁっ♪」びくびくっ…びくん!身体をひくつかせ、言葉さえでないザラ

ポーラ「えへへぇ♪…じゃぁ、そろそろぉ〜、栓を開けまぁ〜す♪二人ともぉ、ザラ姉の濃厚とろとろなデザートワイン、味見してみてぇ〜?」

フィウメ「はい…♪」

ゴリツィア「ザラ姉さんの…っ♪」近寄ってくる二人

ポーラ「じゃあ、かんぱ〜いっ♪」じゅぽ…んっ、ぶしゃぁぁっ♪ねっとりとした水音と一緒に愛蜜を噴きだすザラ。とろりとした液体をフィウメとゴリツィアは嬉々として顔面で受け止めて舌を這わせ、ポーラはにこやかに笑いながらグラスに受けた

ポーラ「ザラ姉の搾りたてっ♪…んくっ、こくっ…えへへぇ、おいしいっ!」机の上のワインを注ぎ、ザラの蜜と割って飲むポーラ。一方のザラはがくがくと脚を震わせ、蜜を間欠泉のように噴きながらイっている…

ザラ「あふっ、はひっ…あへぇぇ♪」

ポーラ「提督が帰ってきたみたいだけどぉ、まだ乾杯は終わってないよねっ…ザラ姉っ♪」えへへと笑って、じゅるりと舌なめずりをしたポーラ…

………
<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/02/21(火) 02:11:45.92 ID:2TW8U6180<>
…鎮守府・玄関…

提督「ただいまー」

ドリア「今帰りましたよ」

カラビニエーレ「お土産もあるわよ」


三人は帽子の入った円筒形の箱や服の四角い箱を目一杯抱え、さらに紙袋を両腕に提げている。玄関には出迎えに来た艦娘たちがいて、とりあえず箱を受け取った

ライモン「お帰りなさいっ、提督♪」

提督「あら、ライモン。みんなもお出迎えありがとう♪はい、お土産♪」小ぶりな紺色の紙箱を渡した

ライモン「ありがとうございます。開けていいですか?」

提督「もちろん♪」

ライモン「では、開けますよ」優しく包み紙を開けるライモン…

ライモン「わぁぁ…口紅ですね♪」中に入っていたのは高級な口紅とファンデーションのセットで、ナチュラルメイクよりは少し濃い目が好きなライモンに合わせた鮮やかな色を選んである

提督「ぜひ使って?私からの気持ちよ♪」

ライモン「ありがとうございます、提督♪」ちゅぅぅっ♪唇に熱いキスを浴びせた

提督「うふふ♪」にへら…と崩れたような笑みを浮かべる提督

ドリア「提督?」ドリアが小声でささやくと表情が戻った

提督「あら、いけない…みんなにも小さいけどお土産を買って来たわよ♪」わーっ


提督の声に反応して、歓声を上げる艦娘たち。それぞれに宛て名が付いていて、さっそく提督が配り始めた


提督「えーと…オリアーニ」

オリアーニ「ここよ、提督」

提督「あぁ、そこにいたのね。はい、これ」

オリアーニ「開けていいかしら?」

提督「ええ、どうぞ♪」

オリアーニ「あ、リボン」開けた箱に入っていたのはイタリア国旗、トリコローリ(三色旗)カラーのリボン

提督「フランスの三色旗は嫌だって言ってたでしょう?」

オリアーニ「嬉しいっ!さっそく変えるわ♪」しゅるっ…と髪をまとめていたリボンをほどき、滑らかな金髪にイタリア国旗のリボンを結び直した

オリアーニ「どうかしら」

提督「きれいよ♪金髪によく映えているわ」

オリアーニ「ありがとう、提督。大事に使うわね♪」ちゅっ♪…オリアーニのぷるっと瑞々しい唇が近づき、提督の頬、限りなく唇に近いところに親愛のキスをした

提督「まぁまぁ♪…そうそう、オリアーニ。妹たちにもお土産があるから伝えておいて?」

オリアーニ「わかったわ♪」



<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/02/21(火) 02:18:12.31 ID:2TW8U6180<> …ザラ級四姉妹のねっとりいちゃいちゃ編、ようやく完了しました。しばしまったりとしながら、提督と仏、日、米提督の話と、同時にリクエストの駆逐×戦艦をやろうと思います

感想やリクエストがあればどうぞ…今日はこのへんで… <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/02/22(水) 01:11:29.87 ID:R/e5nAOvo<> 乙でしたー
艦これやってるとPolaのZara姉様呼びに馴染みありすぎて違和感出ちゃうけど
実に良いモノが見れました感謝 <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/02/22(水) 15:10:01.50 ID:2gBhiLSB0<> >>192

やってないもので…ザラ姉様って呼んでるんですね。なら後付け設定で普段は「姉様」、いちゃつくときは「ザラ姉」呼びとかそんな感じで…

<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/02/22(水) 15:50:02.73 ID:2gBhiLSB0<>
提督「あ、アッテンドーロ。あなたにもおみやげよ」ほのかなジャスミンの香りがする香水は切子ガラスの瓶に入っていて、見た目からしゃれている

アッテンドーロ「ありがとう、提督♪お土産、姉さんも喜んでたわ」小さいが思いのこもった箱を胸に抱え、足取りも軽く部屋に駆け上がっていく

提督「はい、トレント。お留守番ありがとう♪」妹であるトリエステのアドバイスももらって提督が選んだのは、ペアの紅茶・コーヒー兼用カップ。田舎町にジノリの店はないので、地元のアンティークショップで目についた、ロココ風に金と桃色をあしらった可愛いカップを買っていた

トレント「そんな、わざわざありがとうございます。大事にしますね」愛おしげに箱を持って、トリエステと仲良く階段を上がっていく二人

提督「なんだか…新婚さんみたいね…♪」

ドリア「うふふっ♪姉妹艦とまた会えたのですもの、愛おしくもなります」

提督「…そうよね。あら、マエストラーレ。いいところにきたわ♪」褐色の肌をした快活な彼女を呼びとめる

マエストラーレ「あっ、提督!帰ってきてたんだ、お帰りっ♪」かがんだ提督の頬にちゅっ…♪とキスをするマエストラーレ

提督「ふふっ♪ただいま。はい、お土産♪」バラの香りがするオイルは、この前日光浴を楽しんでいたのを覚えていて選んだものだった

マエストラーレ「うわぁぁ♪これ高かったでしょ?大事に使うねっ!」

提督「いいのよ♪リベッチオたちにもそれぞれお土産があるからって伝えておいて?」

マエストラーレ「わかった!…そのうちに、オイルを塗ったマエストラーレたちの肌…堪能してねっ♪」たたたっ、と駆けていく前に耳打ちしていった

提督「まぁまぁ♪」片手を頬に当て微笑が止まらない提督

ドリア「…」きゅーっ…にこにこしながらふとももをつねる

提督「いたっ!……ごめんなさい」

ドリア「はい、よろしい♪」
<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/02/23(木) 01:56:26.48 ID:mJlqnMmG0<> チェザーレ「ははは、相変わらずよくモテることだな」

提督「あ、チェザーレ。ちょうどいいところに来たわ。お土産よ♪」普段から文句の少ないチェザーレはおしゃれする機会が少ないので、せめてくつろぐときにでも…と、豪華なナイトガウンを買ってきていた

チェザーレ「おや、チェザーレにまで買ってきてくれたのか…済まぬな」

提督「よかったら開けてみて?」

チェザーレ「どれ…ほう」服の上から袖を通してみるチェザーレ…紺地に金糸と銀糸で描かれた星空模様が身動きするたびにきらめく

提督「どうかしら…サイズとか分からないし大き目にしておいたけど」

チェザーレ「ふむ…誂えた(あつらえた)ようにぴったりだ。いいものをくれて感謝するぞ、提督。…礼は身体でいいか?」

提督「え、いや…そんな…♪」

チェザーレ「はははっ!この老体でもまだ提督をぐらつかせることができるか、安心したぞ」

提督「もう!…チェザーレは老体なんかじゃないわ。…愛おしい私だけのチェザーレよ…♪」

チェザーレ「…そうか、嬉しいことを言ってくれる。だがこれ以上あまり言わないでくれ…辛抱できなくなる…♪」

提督「///」

チェザーレ「ふっ。まぁその気になったらお邪魔させてもらうので、そのつもりでな。ガウンありがとう」そう言って肩のマントをひるがえすと、どこか軽やかに歩いていった

提督「チェザーレ…♪そういえば、ザラたちは?」ドリアは荷物を置いてくるために部屋に戻ったので、留守をしていたライモンに聞いた

ライモン「あー…そのぉ、多分姉妹でお部屋に入っていったので…お昼寝でもしているんじゃないでしょうか?」

提督「そう…それなら渡してくるわ♪」

ライモン「あぁ、あの…寝ているのに起こすのもなんですし、後でお渡しになればいかがでしょう?」

提督「くすくすっ…そうね♪」

ライモン「…わかって言ってたのですか?」

提督「ええ♪…ザラたちは仲いいものね♪」

ライモン「いいというか…その…」

提督「ふふふ…まぁいいわ♪残りは夕食の時間に渡すことにするわ。食堂に持っていきましょう」

ライモン「なら、わたしが運んでおきます。お疲れでしょうし、その間にお着替えなさったら?」

提督「んー…そうねぇ。ならそうさせてもらうわ、お気遣いありがとう…ライモン♪」ちゅっ…と優しくキスをして、ヒールの音も軽やかに部屋に戻っていった

ライモン「♪…相変わらず提督の唇は優しいですね…」残り少ない箱や袋をまとめて、ライモンは食堂に向かった

<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/02/23(木) 02:36:54.73 ID:mJlqnMmG0<> ………

…数日後・執務室…

ドリア「提督、公文書が届いております」朝の郵便を取ってきたドリアが差しだしたのは、楯に描かれた国旗と錨の模様もいかめしい海軍の公文書で、普段の連絡書類とは違う形式で送られてきていた

提督「あら…こんなローカルなところに、ずいぶんと仰々しい書類が来たわね…しかもタラントのイオニア軍管区司令部じゃなくてローマ発…?」今朝の「レプブリカ」紙を読みながらのんきにコーヒーを飲んでいた提督は新聞をたたみ、ペーパーナイフを取り出した

ドリア「いい知らせでしょうか?」

提督「どうかしら…?えーと…あら」

ドリア「どうしました?」

提督「しばらくしたらローマに行くことになるわ…読んでいいわよ」文書を差し出す提督

ドリア「失礼しますね…「発、イタリア海軍司令部。宛、イオニア海管区、タラント第六鎮守府」確かにローマ発ですね」

ドリア「前文はさておき…えー「昨今の‘深海棲艦’と称される生物的存在と、それによって惹起(じゃっき)される海上交通並びに水産業への影響は甚だ大きく、各国海軍はその対応を‘艦娘’と称される人間的存在に多くを依存せざるを得ないが…」」

提督「…私は人間そのものと思っているから安心して?」

ドリア「ええ、提督やたいていの人を見ている限り平気です「…かかる‘艦娘’の運用、生態、並びに発生については未だ知識が蓄積されていない部分も多く、ここに諸国海軍、並びに類似の組織との交流を図り、知識の共有を行う機会を設けるものとする。海軍からはティレニア、イオニア、アドリア、エーゲ海の各管区から数名づつが代表としてこれにあたる。貴官はイオニア軍管区代表の一人として…」…あとはお説教めいた言葉と、海軍基地に向かう日時が書いてありますね」

提督「つまり私がローマでだらだら続くセミナーとか研究会に参加して、各国の金モールべたべたの海軍士官と握手して回るわけ」苦笑いを浮かべながら肩をすくめ、コーヒーをすする提督

ドリア「でも、「…各鎮守府より一ないしは二名の‘艦娘’も同伴すること」とありますよ」

提督「そうねぇ…機会があるとは思えないけど、もしかしたらローマで気晴らしする機会がもてるかもしれないし。だれか連れて行くことにするわ」

ドリア「はい」
<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/02/24(金) 00:16:04.38 ID:PG9QUHOe0<> ドリア「で、連れて行くのは誰にします?」

提督「そうねぇ…貴女とライモンを連れて行きたいのはやまやまなんだけど、そうすると書類やら通信機器のことが分かる艦娘がいなくなっちゃうのよね…」

ドリア「各国代表との兼ね合いもありますし…ね?」

提督「えぇ…大型艦のオンパレードなのは間違いないわ。駆逐艦だっていいでしょうに、どうして軍人って言うのは見せびらかしたがるのかしらね…」

ドリア「ふふっ、昔からそうですものね。…しかし、それならいっそイタリアらしい娘をお連れになっては?」

提督「…つまり?」

ドリア「チェザーレやガリバルディのことですよ。イタリア史上もっとも偉大な英雄の名を冠しているのですから、会場でも十分存在感を発揮してくれますとも」

提督「なるほどね。確かにあの二人は頑張っているし、せっかくローマに行くなら連れて行ってあげようかしら」

ドリア「それがいいと思います…ただ、私が言ったことは内緒ですよ?」

提督「ええ♪」
<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/02/24(金) 00:26:44.17 ID:PG9QUHOe0<> ドリア「それにしても、他の国からも来るのでしょう?どんな方が見えるのでしょうね?」

提督「分からないわ。でも、たいていは真面目な海軍士官よ…私みたいなのは例外♪」空のコーヒーカップを置くと、ウィンクを決める提督

ドリア「///」きゅんっ…♪

ドリア「…提督。今日は出撃もありませんし、時間はたっぷりありますよ♪」…かちりと入り口の鍵をかけ、にっこりと笑った

提督「ふふふっ、そう?…なら、いっぱい愛してね…ドリア♪」

ドリア「はい♪提督はきっと立てなくなっちゃいます♪」

提督「そうなったら執務は任せるわ。私の天使さま♪」

………

<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/02/24(金) 01:16:58.25 ID:PG9QUHOe0<> …昼頃・食堂…

妙に火照った表情の提督とドリアが、食堂に艦娘たちを集め、ローマの交流会と人選の話をした。
もちろんローマに行きたいと思う艦娘は多いものの、それぞれ戦艦と軽巡の代表格と言えるチェザーレとガリバルディという人選には誰もが納得し、提督が拍子抜けするくらいあっさりと決まった。そこで提督は打ち合わせ半分に二人を呼び、一緒に食事をとることにした


提督「さぁ、どうぞ」とくとくとく…味わい深いトスカーナ地方の赤ワインはラベルなしのものだが、こくがあってとても美味しい。

チェザーレ「あぁ、うむ。済まぬな、注いでもらって」食卓でグラスを持っていてもチェザーレはさまになる。ガリバルディも軽巡ながら大柄で、凛とした美しさはイタリア海軍の精緻の極みだったアブルッツィ級の戦中の姿をほうふつとさせる

ガリバルディ「ありがとうございます、提督。さ、前菜の皿を貸してください、とってあげます」

提督「ありがとう、ガリバルディ。今日はサラダじゃないみたいね?」

ガリバルディ「そのようです。きっとカリフラワーのピクルスですね」皿に盛られたのは白いカリフラワーの酢漬け。黒胡椒と唐辛子のアクセントがきいていいるので、冷やされていても味がぼんやりしない。軽く茹でたカリフラワーのさくさくした歯ごたえと相まって爽やかな味がする。

提督「美味しいわね。酢を沸かして気を飛ばすのがコツね」

チェザーレ「なるほど。提督は料理も上手でたいしたものだな」

提督「うふふっ、ありがとう♪」

ガリバルディ「本当に、この前のパスタも美味しかったですよ」

提督「時間があればいつでも作ってあげるわ♪」

ガリバルディ「嬉しい…♪提督の手作りですからなおの事です」

提督「おおげさねぇ、でもそう言ってもらえると作り甲斐があるわ♪」言いながらフォークを動かし食べ進める…

チェザーレ「食べたかな?では次を取ろう」チェザーレがたっぷり取ってくれたのは、パスタ・アラビアータ。「アラビアータ」(怒り)と言う名前は唐辛子を利かせた赤いトマトソースが口をヒリヒリさせるからだと言う。黒オリーブのスライスを散らし、刻みパセリを散らしてあるところが「もうひと手間」を感じさせる。

提督「ふー…んむ……あ、ピリッとして美味しい…っ。ワインにも合うわ…」さっぱりとして、それでいながら癖になる辛さは絶妙で、顔を火照らせながらおかわりまでもらった。

チェザーレ「うむ、美味いな。これはいい」

ガリバルディ「本当に。…ところで提督、食事中になんですが」

提督「ん…こくん。…ふぅ、なぁに?」

ガリバルディ「各国って言う話でしたけど、具体的にどこの国がくるんです?」

提督「あぁ、そのこと?」

チェザーレ「確かに聞いておきたいな。相手によっては気まずいかもしれんのでな」

提督「えーと…まずはイギリス。まぁ「ロイヤル・ネイビー」は最強の海軍国だったわけだし当然ね」

チェザーレ「確かに妥当だな。「好きか」と聞かれればそうでもないが、実力はチェザーレたちよりも上だ」

提督「まぁ、艦娘になってもすごい勢力よね。…次がアメリカ。あの艦隊には文句のつけようがないわ」

ガリバルディ「…くやしいですがかないません。圧倒的な数と質です」

提督「作り過ぎるほど作って、なおかつ個々の性能も平均以上なんだもの…負けるわよね」

チェザーレ「誰か分からん名前を付けるセンスはさておき、だがな」ワインを傾けつつ冗談めかした

ガリバルディ「確か奮戦した海軍軍人の名前…でしたか」

提督「そうよ。でもまぁ、さすがに「サミュエル・B・ロバーツ」みたいなのはどうかと思うわ」

チェザーレ「まったくだ。そう考えるとチェザーレもガリバルディもいい名前をもらって感謝せねばな」

ガリバルディ「同感です」


<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/02/24(金) 01:46:41.56 ID:PG9QUHOe0<> 提督「偉人なら世界中のどこにも負けないほどいるものね」皿に残ったパスタの、最後の一口をくるりと巻きとって食べ終え、ワインをゆっくりと味わった

チェザーレ「全くだな。それで、英、米ときたからにはフランスも出て来るな?」

提督「ご名答。勢力なら私たちとほぼ拮抗している、って所かしら?」

チェザーレ「読み書きも出来なかったガリア人からずいぶんと進歩したものよ」

提督「気持ちはわかるけどフランス海軍の前では言わないでね?」

チェザーレ「そこまで子供ではないさ、安心するがいい」

提督「そうよね、チェザーレはそんなこと言わなくても風格が違うものね。…え−と、後は日本。平和国家だからあくまでも艦娘は「外来種の駆除目的」っていうことになっているらしわ。でも、「艦娘」の名付け親だし、なにかと研究も進んでいるみたいね。新説もいろいろ出ているけど、何だかんだまだ東南アジアは「深海棲艦」の巣みたいね」

ガリバルディ「幸い海から上がってくることはないから、人的被害は少ないけれどね」

提督「船乗りや漁師からしたら死活問題よね」

チェザーレ「まぁ、提督には大船に乗ったつもりでいてもらいたいな。今度こそ、この名に恥じぬよう活躍してみせるのでな」

ガリバルディ「それは私も。せっかくいただいた名前です、もう一度イタリア統一をするくらいの気持ちでいます」

提督「ふふっ、一人で「ローマ第十軍団」の栄光をまとうチェザーレに、一人で「千人隊」に匹敵するガリバルディ…私には身に余る光栄ね♪」

チェザーレ「ふふっ、くすぐったいことをいう。…勝利の栄光を提督に!」こんっ…軽く杯をあてて乾杯するチェザーレ

ガリバルディ「その期待に応えてみせます、提督」こつんっ…こちらもグラスを当てて乾杯した

提督「ふふふっ、そんなに気張らないで♪…でも、どんな提督たちが来るのかしらね…?」ワインを飲みつつひとり言のようにつぶやいた…

<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/02/24(金) 02:33:36.59 ID:PG9QUHOe0<> >>200
…誤字訂正「…「外来種の駆除目的」らしわ」となってますね…「らしいわ」です…ごめんなさい

続き投下します(遅ればせながら、このSSはフィクションであり、実在の人物や組織とは一切関係ありません。ご安心ください)


………

…日本・関東…

成田空港に向かう京成電鉄の特急。三人の女性が一つのボックスシートに座っていた。一人は白い制服に金モールも鮮やかな准将。黒髪をまとめ、涼やかな瞳はしっとりとした美しさで、制服より少しはだけた着物の方が似合いそうな典型的和風美人である。

准将「イタリアなんて久しぶり…またローマにいけるなんて嬉しい…」手を膝に置き、妙にしどけない姿勢で座っている

???「私も行った事あるわよ。あの時は観艦式でイギリスも見てきたし、マルセイユ、ローマと巡ったんだもの…イタリアが私を呼んでいるわ!」向かいあって座っているのは紫の服に白い長手袋、黒っぽい髪を伸ばした艦娘で、精悍な顔立ちは整っていて美しいが、かなり勢い込んでいる。

准将「そうね…久しぶりだから色々変わっていることもあるでしょうけど、あなたがいれば平気ね」

精悍な艦娘「///…あ、当たり前よ!私がいれば何でもこなせるわ!」

???「そうねぇ。うふふ」二人のやり取りをにこやかに見ているのは白いブラウスに、胸の部分を開いた胴衣のような黒の上着をまとった艦娘。肌は陶器のように白く、紫がかった髪を首筋まで伸ばしている。泣きぼくろやゆったりした口調はおっとりしているように聞こえるが、どこか異なる響きが混じっている…

准将「あなたも頼りにしているのよ。二人がいれば私は安心だもの」

色白の艦娘「あらぁ、優しいわねぇ…♪」もたれかかって頬をそっと撫で上げる…

准将「だめよ。電車の中なんだから」

色白の艦娘「そう…残念ねぇ」

准将「ほら、成田まではもうすぐだから。…あら、新製品が出たのね」

色白の艦娘「何のこと?」

准将「あの中吊り広告…ほら、「うま味紳士!」って書いてある…」

色白の艦娘「そうなのねぇ…って、あらあら…♪」

准将「どうかしたの?」

色白の艦娘「何でもないわぁ〜」(あの席の女子高生…まぁまぁ♪)

……… <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/02/24(金) 02:36:41.79 ID:PG9QUHOe0<> …いよいよ日本の艦娘が出てきましたが、口調とか間違っていたら教えてくださいね。では今日はこのへんで… <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/02/24(金) 08:05:32.21 ID:u5F0crJGo<> おつー <> ◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/02/25(土) 00:31:00.30 ID:uI6XvyCI0<> 准将「ほら、そろそろ津田沼よ」

精悍な艦娘「津田沼!?まだまだあるじゃないの」

准将「まぁまぁ…ほら、ここは「こんごうモザイク」の舞台よ、アニメの「聖地巡礼」って流行っているそうだし、よかったじゃない」

色白の艦娘「そういってもねぇ…」

准将「う…まぁほら、今まで海外と言えば休養で行った鬼怒川の「ワールドスクウェア」でしか見たことなかったでしょう?」

色白の艦娘「そうねぇ…うふふ、感謝してるわよぉ」

精悍な艦娘「ま、まぁ?私はイタリアくらい見たことあるけど?でも、私は「飢えた狼」なんだから、列強の甘っちょろい艦とは比べものにならないわよ」

准将「そうね。美人だし、取られないようにしないといけないわね…」

精悍な艦娘「///…わ、私はあなたについて行くって決めたのよ!そんな外国の娘なんかに浮気なんてしないわ!」

准将「そう…?ありがとう」

精悍な艦娘「お礼なんていらないわよ…あぁもう!恥ずかしいじゃない!」腹立ちまぎれに缶ビールを開け、ぐーっとあおる

准将「恥ずかしがらなくてもいいのに。……各国の海軍が来るって言うことだけど、他の国からはどんな人が来るのかしら?」


……… <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/02/25(土) 01:03:31.34 ID:uI6XvyCI0<> …イギリス海軍・ジブラルタル基地…


地中海の入り口、イギリスがスペイン領に飛び地として持っているジブラルタル。戦中は枢軸側の地中海への出入りを許さず、マルタ、アレクサンドリアと並び、地中海艦隊の最重要拠点だった海軍基地である。
戦後は低迷していた英海軍も近頃は「艦娘」のおかげで威信を取りもどし、各地で精力的に活動していた。


???「美味しいわ。トワイニングのダージリン、ファーストフラッシュね…もう一杯いただける?」司令部の一室、デスクにウェッジウッドのティーセットを置き、優雅に紅茶をすする少将。貴族的な雰囲気が示さなくともにじみ出ている…

???「では、お注ぎいたします」そばに立っているのは金髪に金色の瞳をした艦娘。青い袖なしの膝丈ワンピース姿で何気なく立っているが、圧倒的な威風と存在感は並みの将官では震えあがってしまうだろう…が、彼女は優雅な手つきで紅茶を注いだ

少将「貴女たちも召し上がれ?」柔らかな金色の髪をふわりとかきあげると、深い茶色の目から親愛の視線をかたわらの艦娘に注いだ

金髪の艦娘「失礼いたします」妙に語尾上がりのイントネーションでティーカップを取り出し、来客用の椅子に座ると紅茶を注いだ

???「頂きます。…なるほど、美味しいですね」もう一人の艦娘はほっそりとした身体に妖精のような長いきれいな銀髪。銀髪はグラデーションを帯びて、毛先の方はきれいな緑色をしている。瞳も深い緑色で、宝石のようにきらめいている…

少将「結構。それで、先ほど言った通り、私たちはローマでの交流会に派遣されることとなりました。英国海軍の威信を損なうことのないよう、注意してもらいたいわ」

緑の瞳の艦娘「ええ、もちろんです。女王陛下の軍艦として、優雅にふるまいます」

金髪の艦娘「このわたくし、女王として大変愛らしい性格をしておりますゆえ、ご心配には及ばないかと存じます♪」

少将「そうね。英国海軍の代表として、これほどふさわしい二人もいないでしょう。さ、もう一杯召し上がれ…?」

………



<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/02/25(土) 01:39:56.57 ID:uI6XvyCI0<> …フランス・トゥーロン…


陽光暖かな南フランス、マルセイユと並ぶフランス随一の歴史ある軍港にして、地中海艦隊の根拠地トゥーロン(ツーロン)。何かと隣国イタリアをライバル視し、イギリスやアメリカとも別路線を行くフランスは自国の艦娘の整備に熱心で、港内には多くの施設が林立していた…

???「全く、このわたくしがどうしてローマごときに出向かなければならないのでしょう!」司令部の一室で白い制服をしきりに直し、ぼやき続けているのは一人の大佐。流れるような金髪に水色の瞳、スレンダーな身体はモデルのようで、当人もそれを十分意識して、イヤミなほど上手にナチュラルメイクを決め、高い「ゲラン」の香水をかすかに匂う程度に吹きつけた

???「は、例え処刑台であろうとも、このわたくしが貴女の横におります!お任せください!」どこか熱を帯びた口調の艦娘は金髪に、フランス・ブルボン王家の金百合模様が入ったドレスに剣を吊るし、十字架を首から下げている。どこか聖女のような雰囲気のある艦娘である

大佐「ええ、でも気をつけなさい。イタリア女はすぐ口説きにかかるわ」

聖女の艦娘「全く、許しがたい限りです…わたくしの提督にそのようなことを。…神の力で成敗してくれます!」

???「なるほど…それで利益を得るのはだれか…よく考えねばなりますまい」理知的な表情で片眼鏡をかけている艦娘が言った。彼女は前が異様に飾られていて後ろが素っ気ない、エキセントリックな灰色のドレスを着ていた。

大佐「深く考えることはありませんわ。わたくしとあなた方なら、イタリア海軍ごとき震え上がらせることができますもの!」

片眼鏡の艦娘「なるほど…さすがに大佐は慧眼でいらっしゃいますな」

大佐「当然でしょう?さ、あなた方もおめかしをなさい。田舎者に本物の洗練を見せてあげなくてはなりませんわ!」

聖女の艦娘「…くっ、都会育ちではないので…こればかりは苦手です」

片眼鏡の艦娘「よければ、わたくしめがお手伝いいたしましょう」

聖女の艦娘「…感謝します、これもきっと神の啓示に違いありませんね!」

片眼鏡の艦娘「かもしれませんな」

………


<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/02/25(土) 10:35:24.49 ID:uI6XvyCI0<> …アメリカ東海岸・ノーフォーク…

米海軍最大の軍港、冷涼な海風が爽やかなノーフォーク。司令部施設で塩入りのブラックコーヒーをすすっているのは一人の准将と二人の艦娘。

准将「あー…美味しいわ。やっぱりこれじゃないと」艶のある黒い肌、制服がきつそうなむっちりとした身体にふっくらした唇。深い赤茶色の瞳はきらきらときらめいていて艶っぽい光を放っている

???「やっぱりアメリカでよかったわ。紅茶じゃピンとこないし」マグカップのコーヒーをすすっている艦娘は「巨大」といっていいほど大柄で、波打たせたブロンドの髪に、フリル付きブラウスとグレイのタイトスカート。いずれもはちきれそうで、特にふとももを組むとスカートがずり上がって下着が見えそうになっている…

准将「こら、下着が見えてる」

ブロンドの艦娘「なに、見たいの?もう、だったらそういえばいいじゃない…ねぇ?」

???「唐突にこっちにふらないでよ!まぁ…マームが見たいならいいんじゃない?」話しかけられた艦娘は小柄に見えるが、それも隣の艦娘が大きすぎるからの話で、背も高ければ胸もある。きゅっと引き締まった脚にハイヒールが似合っている… <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/02/25(土) 23:50:16.78 ID:uI6XvyCI0<> ???「それにマームだってあちこち見えそうじゃない、ひとの事なんて言えないって」彼女はグレイのミニワンピースに星条旗のスカーフを巻き、ポニーテールの金髪を揺すった。てきぱきした態度は戦中のデキるレディのように見える。

准将「あはは、言ってくれるね。ま、今度行くことになったイタリアにもコーヒーはあるし、本場のピザも美味しいよ。もっとも、いちいち名前が違うけど…なんにせよ、あっちは艦娘がやたら多いから平和なものよ」

ポニーテールの艦娘「ありがたいことよね、マーム?いっぱい観光して回りましょうよ!」

准将「オーケー。地中海のお偉方がうだうだ言わなかったらね」

ブロンドの艦娘「楽しみにしてるわよ」

准将「任せといて、アメックスのカードもあるし、ピース・オブ・ケーク(おちゃのこ)よ。ただし、ガールハントはほどほどにね♪」

ポニーテールの艦娘「その台詞はそっくりマームに返すわ」

准将「はははっ!やられたねぇ」

ブロンドの艦娘「出発は明後日だから、ちゃんと準備しておいてね?」

准将「任せといて。しかし民間機でよかったわ。MAC(米空軍空輸コマンド)の輸送機じゃサービスは期待できないもんねぇ」

ポニーテールの艦娘「…だからってキャビンアテンダントに手を出したりしないでよ?」

准将「ばれた…?」

ポニーテールの艦娘「全くもう!」

……… <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/02/26(日) 00:27:37.29 ID:Sl/hLUtP0<> …ドイツ連邦・ヴィルヘルムスハーフェン…

ドイツ連邦海軍最大の拠点であり、軍港つながりでアメリカ、ノーフォークとも姉妹都市のヴィルヘルムスハーフェン。きっちりした制服姿の士官たちが行きかい、旧ドイツ海軍の格好に見える艦娘たちもちらほら混じっている…


…司令部の廊下…

制服姿の中佐「彼女の準備はまだか?」廊下で立ち話をしている一人の中佐がいた。きっちりまとめた金髪に灰色の瞳。細くしなやかな身体つきは凛々しく、きりりとした顔立ちは少し険しいといってもいいほどである。

???「出たくないと駄々をこねていてな…鉄拳制裁で構わないか?」背の高い黒と赤の制服姿に身を包んだ、金髪の艦娘は腕を組んでため息をついた

中佐「それはダメだ。時代が違う」

金髪の艦娘「ふぅ…ならどうするか…ニンジンでも吊るすか?」

中佐「馬じゃあるまいし…とにかく、飛行機は午後には出る。何としても連れ出す」

金髪の艦娘「ヤヴォール!」…かちりとかかとを鳴らすと、一室のドアをがんがん叩く

金髪の艦娘「おいっ、時間がないんだ。出ろ!」

声「嫌だ!飛行機は絶対に嫌だ!」布団にくるまっているようなこもった声がする

金髪の艦娘「えぇい、シャイス!(くそっ!)…発砲許可を求める!」

中佐「却下する!…ほら、出てくるんだ。軍の輸送機は使わないから、な?」

声「本当に…?嘘じゃないのか?」

中佐「私が嘘ついたことがあるか?」

声「ない…なら、いい」かちゃり…と鍵が開けられ、中佐の横に立っている艦娘そっくりな艦娘が出てきた。髪は北海の海のような灰色で、肌は病弱なように青白い

中佐「よろしい。…拘束しろ!」

金髪の艦娘「ヤヴォール!さぁ、抵抗するな!」もっていた紐で後ろ手に縛りあげる

色白の艦娘「しまった、ペテンにかけたな!嘘つき!戦中のPK(宣伝班)だってそんな嘘はつかなかったぞ!」

中佐「失礼な、私は嘘などついていない。私は「軍の輸送機は使わない」と言ったはずだ」航空券をひらひらさせた

中佐「使うのはルフトハンザ航空だ「軍の輸送機」ではない…よし、車に乗せろっ!アウトバーン(高速道路)を飛ばしても二十分の余裕があるかないかだぞ!」

金髪の艦娘「任せておけ!運転は頼む!」

中佐「あぁ、BMWならたやすい」

色白の艦娘「嫌だぁ…飛行機は嫌だぁ!」

金髪の艦娘「やかましい、国民は血税をもって国家に奉仕しているのだ!貴様も腹をくくれ!」

色白の艦娘「嫌なものは嫌だぁぁ…!」紺色のBMW320の後部座席に放り込まれるように座らされると、中佐はあっという間に車を加速させた

………

<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/02/26(日) 01:04:32.63 ID:Sl/hLUtP0<> …イタリア・ローマ…

提督とチェザーレ、ガリバルディはランチアでタラントまで行き、そこからローマまで軍の輸送機に乗った。ローマの軍用飛行場からは運転手つきのフィアットに乗せられ、チェザーレ、ガリバルディは変わっていないようで変わっている古都ローマの風景を飽きることなく眺めていた…


提督「それにしても、あなたが運転してくれるなんて幸運ねぇ…」運転してくれているのは初日にランチアを運転してくれた女性士官で、少尉の階級章をつけた夏用制服に身を包んでいる

少尉「本当ですね、来た順番に乗せていくので偶然なんですよ。乗せるのがお姉さまでよかったです…♪」

提督「ふふっ、ありがとう♪…でもサービスはしないでいいわ。何かあって貴女が叱責されるのは嫌だもの」

少尉「そんなことありません、お姉さまがたのためなら全然かまいませんよ…それに、渋滞を回避するためなんですから」

提督「…そうよね、この辺りの道は混んでるものねぇ」

少尉「はい、ですからちょっとばかり…♪」ハンドルを切った彼女は軍の車を列に割り込ませた


…コロッセオ…

チェザーレ「おぉ…これがコロッセオか。チェザーレやマルクス・アウレリウスも見たのだろうか…」

ガリバルディ「ここを目指してガリバルディは進軍したのね…感慨深いわ」

提督「すごい建物よねぇ…今のイタリアなんて古代ローマの足元にも及ばないわ…」

チェザーレ「うむ…発達はしたが果たしてローマほどの栄光があるだろうか…」

ガリバルディ「きっと、ガリバルディはイタリアに統一することでもっと立派になると思ったのね」

提督「うーん…あのまま諸国が乱立していたらイタリアはきっと切り分けられて列強に取られてしまったでしょうし、ガリバルディのしたことはそう間違ってはいなかったんじゃないかしら?」

ガリバルディ「そうね、私の名前のもとになった人だもの。もっと尊敬しなきゃだめよね」

提督「そうそう、その意気よ♪」

チェザーレ「うむ…チェザーレ候、チェザーレは御身の名に恥じぬよう頑張っております」

提督「本当…チェザーレはよく頑張っているわ…さぁ、そろそろ時間よ」

チェザーレ「うむ…そうだ。提督、よかったら写真を撮ろうではないか」

提督「そうね、資料の撮影用にカメラも持ってきているし♪…誰かに撮ってもらいましょう」

ガリバルディ「提督、あそこの女の子連れの男性ならどうかしら」

提督「丁寧そうな人ね…すみません」

男性「はい、何か?」

提督「写真を撮ってほしいのですが…構いませんか?」

男性「あぁ、構いませんよ。…ヘンリエッタ、おいで」

ヴァイオリンケースを持った女の子「はいっ」

提督「どうもありがとうございます」

男性「いえいえ…撮りますよ、はい」カシャ

提督「どうもありがとうございました…優しいお兄さんね?」

ヘンリエッタと呼ばれた女の子「はい♪私の大事な人なんです」

ガリバルディ「ほら、行かないと遅れるわよ?」

提督「あら、呼ばれたわ…ふふっ、じゃあね♪」

ヘンリエッタ「はい」




<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/02/26(日) 01:35:21.10 ID:Sl/hLUtP0<> ガリバルディ「親切な人で良かったわね」

チェザーレ「うむ。丁寧な物腰だったし、女の子はヴァイオリンケースなど持っていたからきっと良家の旅行だったのだろう」

提督「そうね。ローマは見るべきものも多いし、一度は来るべき所よね」

チェザーレ「多少埃っぽいがな」

提督「都会だものね。…そろそろホテルに着くころ?」

少尉「ええ、なかなかのホテルですよ。各管区の提督たちもそろそろ着くころでしょう」

提督「そう、なら挨拶くらいしないとね」

少尉「そうですね…っと、つきましたよ。…少し残念ですが」

提督「そう言わないで?また会えるのが楽しみになるじゃない」

少尉「そうですね、また機会があればお会いしましょう」

提督「ええ、ありがとう♪」ちゅっ…と後ろから首筋にキスをした

少尉「…///」くすぐったいのと嬉しいのでぞわぞわっと身震いをして、それからドアを開けた

提督「さぁ、着いたわよ」車を見送ってから二人を連れ、提督はホテルに入った


…ホテル・受付…

ホテルマン「はい、うかがっております。鍵はこちらです。荷物はポーターの方にお任せを」

提督「ありがとう」鍵を受け取ると案内されてエレベーターに乗った


…ホテル・客室…

予約されていた部屋は「提督」が多い近頃ではまぁまぁの部屋で、本来なら予算をやりくりしてもらったことに感謝する必要があるのだろうが、鎮守府の豪華な部屋からすると大したことが無いように見える。

チェザーレ「ふむ…まぁ悪くない部屋ではないか」

ガリバルディ「でも、こう…もっとローマなんだから高級な部屋を想像してたわ」

提督「文句言わないで?イタリアだけでも十数人の提督が来るんだから」

ガリバルディ「分かってはいるわよ…?でも、うちの提督は最高の提督なんだもの…もっと立派な部屋を予約してくれてもいいじゃない」

提督「///」きゅん…っ♪思いがけないラブコールに胸が高鳴る提督

チェザーレ「提督、予定はいっぱいだろう?…後にした方がいいのではないか?」

提督「…わかる?」

チェザーレ「手つきが怪しかったのでな」

ガリバルディ「着いてすぐにしようなんて駄目よ…でも、夜なら///」

提督「うふふっ…そうね♪」

チェザーレ「さぁ、提督…まずは司令部に挨拶だろう?」

……… <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/02/26(日) 01:55:48.10 ID:Sl/hLUtP0<> …ようやく各国提督とイタリア提督が会えるはこびになってまいりました、遅筆でごめんなさい。今日はここまでです… <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/02/26(日) 17:39:11.76 ID:Z+ZqLjiyo<> ドイツの部屋にひきこもってるっぽいのはティルピッツやろか
色白だとシャルンホルストの可能性もあるけどてかドイツ艦ひきこもり多いんやな
まあいるだけで意味と価値があるってのは戦艦としては正解ではあるんだけども
てかヴァイオリンケースかかえたヘンリエッタってまさか・・・な <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/02/27(月) 00:31:04.13 ID:NV5C0UKL0<> >>213

「内務省にしては鋭いな…一課の連中か?」…安心してください、あくまでも「観光」で来ていた二人です

色白の艦娘の方もおいおい…では投下しますよ <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/02/27(月) 01:35:46.79 ID:NV5C0UKL0<> あと忘れないうちに>>141、>>142のリクエスト、駆逐艦×戦艦もやりますので待っていてください…


………

…海軍司令部(スーペルマリーナ)…


午後の陽気がまぶしいローマ市街、提督はホテルまで向かえにきた海軍のフィアットに乗って海軍司令部に到着した。残念なことに例の少尉とは別の男性士官だったので、提督は丁寧に礼を述べて玄関をくぐった。…周囲の将兵からはひそひそ話が漏れ聞こえ、一部の女性士官や下士官からは熱っぽい視線が向けられた。
提督は入り口でパスを受け取ると、一人の大尉に案内されてとある部屋に向かった。

大尉「タラント第六司令部より、司令官が到着いたしました」ノックして告げる

声「ああ、少将は入ってくれたまえ。大尉、ご苦労だった。下がってよろしい」

提督「失礼いたします」大尉がドアを閉めていき、二人きりになった部屋で敬礼を決める提督

老提督「おぉ、よく来たな」にこやかに笑って椅子をすすめた

提督「大将閣下!こほん…あの時はありがとうございました、閣下もお元気そうで何よりです」部屋の主はローマから飛ばされるときにタラント第六に潜りこませてくれた老大将で、すっかり白髪だがまったく年齢を感じさせない…

老提督「なに、気にするな。…ところで血色がよくなったな。タラントはいいところのようだ」

提督「はい、結構な所です」

老提督「そうか…それなら大丈夫だろう」デスクの引き出しから書類を引っ張り出した

提督「?」

老提督「そのうちに…あくまでも「そのうちに」だが、君の「鎮守府」に潜水艦を配属させたい。本当は別のところにいたんだが、そこの司令官がちと体調を…な。そういう訳で転属になる。君のところで引き取ってもらいたい」

提督「どこにいたのです?」

老提督「ベネチアだ。幸い数人だが、これを機に君の所にも潜水艦の配属、開発許可を出したい。…手は付けるなよ?」冗談めかして邪気のない笑みを向けた

提督「…努力します」

老提督「おいおい…頼むから「結婚する」だとかいってくれるな。まだ「艦娘」と人間で子供をつくったらどうなるか、とか、そもそも結婚が成り立つのか、とか、議論は終わっていないんだぞ?」

提督「分かっています、ですから結婚は(仮)なんですものね」

老提督「あぁ、そうだ。形の上でパートナーとして認めるというわけだ…なにしろ同性婚ですら反対の連中がいるんだ、その辺で抑えておかないとたちまちデモの嵐が吹き荒れて提督数十人がクビ、悪くすると政府までひっくり返ってしまう」

提督「分かっています」

老提督「なら結構…それと、セミナーのほうだが、有意義に過ごしてくれ。後でレポートにしてもらうのでな」

提督「了解」

老提督「うむ…そうだな…長話はやめておく。お気に入りの艦娘と久しぶりのローマを楽しみたまえ」

提督「はい♪」

老提督「楽しみ過ぎてセミナーに遅れるなよ」

………
<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/02/27(月) 02:51:31.41 ID:NV5C0UKL0<> …翌日・研究会の会場…


車で送ってもらった三人は大きなパーティ会場のようになっている迎賓館に来ていた。
提督は白い制服に身を包み、チェザーレ、ガリバルディはネックレスをして、ぴったりしたカクテルドレスをまとっている。入り口では来客を読み上げる下士官がいて、中は立食パーティの形になっている。
差別撤廃の一環で、「提督」は女性士官でも縁の丸い軍帽をかぶらなくてもいいことになったので、提督はつばのある軍帽をかぶり、長い髪を結い上げていた。

下士官「タラント第六鎮守府司令官!」ファンファーレや管弦楽の演奏こそないがパーティは豪華で、壁にはパネル展示が並び、小さい机にはパンフレットや軍需品メーカーの資料が置いてある。会場で話したり、料理をつまんでいるのは早めに到着していたらしい各国海軍の提督たちと、それぞれめかしこんだ艦娘たちで、それぞれ雰囲気が違っていて面白い

チェザーレ「おぉ、なかなか豪華ではないか」真紅のカクテルドレスに金のネックレスで大変立派な印象のチェザーレ

ガリバルディ「そうねぇ、提督もドレスでおめかしできればよかったのに」胸元にふわふわの羽飾りのついた淡い水色のドレスに真珠の飾りをつけ、パールグレイの髪と相まって涼しげなガリバルディ

提督「一応公務だもの、しかたないわ。その分、二人はとっても綺麗よ?」

チェザーレ「うむ、そう言ってもらえて光栄だ」

ガリバルディ「グラツィエ、提督」

提督「うふふ、いいのよ♪それより、二人は展示を見ても仕方ないし、お料理を食べていらっしゃい…汚さないようにね?」

チェザーレ「では交代交代で行こう。ガリバルディ、先に行くといい」

ガリバルディ「そうですか?…なら失礼して」ガリバルディが料理を取りに行った…と、提督に声をかけた士官がいた

???「あら、久しぶりね…覚えてる?」ほっそりとしてたおやかな姿はまさに白百合のよう、涼しげな風鈴のような声はおよそ提督らしくない穏やかさで、病弱に聞こえるほどである

提督「まぁ!…お久しぶり、もちろん覚えているわ♪まさか貴女が来ていたなんて♪」ちゅっ…♪あいさつに左右の頬にキスをした

チェザーレ「提督、こちらは?」

精悍な艦娘「ちょっと!人の提督に何してるの!?」

色白の艦娘「あらあらぁ〜?…お仕置きが必要かしらぁ?」三人の艦娘の声が交叉した

提督「あー…紹介するわ。チェザーレ、こちら日本の百合野(ゆりの)准将。私ができたてほやほやの少尉だったころ、海外派遣でローマに来ていた彼女と一緒に過ごしたことがあるの。姫様みたいにしとやかだから通称「百合姫」。百合野准将、こちらはうちの戦艦、ジュリオ・チェザーレ」

百合姫提督「そんな昔のあだ名まで覚えていてくれたの?嬉しいわ…。それとチェザーレさん、百合野です。お見知りおきを」

チェザーレ「こちらこそ、百合野准将閣下にお目にかかれて光栄である」

百合姫提督「ありがとう。それでこちらが私のところの艦娘。重巡足柄と軽巡龍田。足柄、龍田、こちらはイタリア派遣時に仲良くさせていただいた提督さん…また昇進したのね、私のことみたいに嬉しいわ」

足柄「妙高型重巡、足柄よ。戦前にロンドンの観艦式に参加してから、こちらにも来たことがあるわ!」

龍田「天龍型軽巡、龍田よ。よろしくねぇ」

提督「初めまして…ところで姫、日本の艦娘ってこんなに可愛いのねぇ♪」

足柄「ちょ…ええっ?」真っ赤になる足柄

龍田「あらあらぁ?…いきなり口説くなんて、どういうつもりかじっくりお話を聞かせてもらおうかしらぁ…♪」にこやかだが物騒な雰囲気の龍田

百合姫提督「龍田、だめよ?…ふふっ、あなたのチェザーレさんも大変きれいね」

足柄「ちょっと!私がいるじゃない、浮気なんて許さないわよ!」

百合姫提督「大丈夫よ、あなたと私の仲じゃない…?」

足柄「そ、そうよね!「飢えた狼」の姿に惚れこんでいるものね!」

<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/02/28(火) 01:08:45.82 ID:5AQoqsfy0<> 百合姫提督「ええ、そうね。すっかりあなたのとりこよ?」くすりとほほ笑むと足柄は真っ赤になって手で顔を扇いだ…

提督「ふふふ♪…ねぇ、姫?この娘を「飢えた狼」だなんて失礼よ、まるで浮世絵の美人画みたいじゃない♪」

???「お話に割り込んで失礼いたします…もしかしてそちらはイタリアと日本の提督さん、それにそちらの艦娘は妙高型の巡洋艦「足柄」でいらっしゃいますか?」鼻にかかったようなキングス・イングリッシュでたずねる貴族的な声がした

百合姫提督「はい、そうですよ?」

提督「えぇ、私はイタリアの提督ですが…どちらさま?」提督二人と艦娘たちが声のする方に振り返ってみると、細身で古風な美しさの提督が立っている。ふわりと肩にかかった金髪は流れるようで、二人の立派な艦娘を左右に連れて立っている

英提督「これは失礼…わたくし、英国海軍地中海艦隊・ジブラルタル第二基地の司令官を務めておりますメアリ・グレイと申します…いえ、幼いころからわたくしの祖父が、かつての観艦式で「日本のクルーザー・アシガラを見た」と、常々申しておりまして…つい懐かしくなったのです」丁寧な物腰ながら気取り過ぎない雰囲気は間違いなく「本物の」貴族である…それなのに「レディ」の敬称を付けないのは成り上がりの上官を気まずくさせないためなのだろう

百合姫提督「それはそれは…英国海軍の方にも記憶してもらっていたとは光栄です。私は横須賀鎮守府の百合野です…お見知りおきを」

足柄「私が重巡足柄よ。そんな風に覚えていてもらって嬉しいわ!」

龍田「軽巡龍田よぉ、よろしくねぇ」

提督「私はタラント第六鎮守府司令、フランチェスカ・カンピオーニ少将です。提督、艦娘ともに大変美しい方々でいらっしゃいますね♪」

チェザーレ「戦艦、ジュリオ・チェザーレである。そちらにも昔は「ジュリアス・シーザー」という戦艦がいたそうで、嬉しく思う」

グレイ提督「まぁ…ご紹介にあずかり恐縮です。ではこちらも…こちらは戦艦、クィーン・エリザベス」

クィーン・エリザベス「エリザベスで結構でございます、なにとぞお見知りおきを♪」青灰色のドレスをまとった彼女は金髪に金の瞳。その目は不思議な光をたたえていて、同時にかなりの威圧感を持っている

グレイ提督「そしてこちらが軽巡エメラルド。いわゆるE級軽巡です」

エメラルド「初めまして、軽巡エメラルドです。戦中は高速軽巡として幾多の海戦に加わったものです」エレガントな彼女は銀の髪が腰まで伸び、先の方が名前の通りエメラルド色をしている。カクテルドレスはピュアホワイトのシルクで、エジプトの王女のようなエメラルドの首飾りをしている…

提督「アドミラル・グラーフ・シュペー追撃戦でしたか…?駆逐艦の主機二つを積んで大変に高速だったと聞き及んでいます」清楚で美しいグレイ提督と二人の艦娘に見惚れそうになるのをこらえ、やっと思い出した

エメラルド「あぁ、よくご存じでいらっしゃるのですね。その通りです」

グレイ提督「エリザベスも戦中はよく戦ってくれた功労艦です」

エリザベス「いえいえ。わたくしは迷える戦艦でジブラルタルで着底していただけでございます」金色の瞳が提督を射抜いた

提督「あぁ…イタリアの「デチマ・マス」部隊が吸着機雷を仕掛けたのでしたね…申し訳なく思います、いくら当時は敵同士とはいえ」

グレイ提督「いえ…でしたらこちらはもっと謝らなくてはなりませんし、そのことは水に流してしまいましょう?」

提督「…そうですね」さりげない大人のイヤミを受け流した





<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/02/28(火) 01:51:17.13 ID:5AQoqsfy0<> …提督の名前を考えていなかったので、イタリア提督は戦中の提督カンピオーニからお借りしました。あとはまぁ、適当に…

では続きをどうぞ…


………

当たり障りのない会話が続く中、ガリバルディも戻ってきてまた自己紹介が繰り返された…イタリア統一の英雄ガリバルディとイギリス軽巡の宝石エメラルドがそれとなく相手をライバル視している中、また入り口の案内が声をあげた


下士官「ドイツ連邦海軍、ヴィルヘルムスハーフェン司令部!」

会場に入ってきたのは厳格そうな険しい顔立ちの提督。金色の髪は飾り気もなく後ろに伸ばし、灰色の目は鋭い。横についている艦娘もかっちりした態度で、黒地に赤線の入ったドレスと白い長手袋の、ヨーロッパではアレルギーを起こしかねない色の取り合わせをしている…

提督「言われなくてもドイツ海軍ねぇ…」

百合姫提督「そうね。つれているのはきっとビスマルクとティルピッツね」

グレイ提督「だとしたら日独伊が揃い踏みですね」そんなことを言いあっている間にもドイツの提督が近寄ってきた…

独提督「失礼。会話に入らせてもらって構いませんか」中佐の階級章をつけているが、堅苦しいほどの態度と凛とした身なりは一流の存在感がある

提督「どうぞ♪…イタリア、タラント第六のカンピオーニ少将です」

百合姫提督「横須賀の百合野です。准将をしております」

グレイ提督「ジブラルタルのグレイ少将です。お見知りおきを」

独提督「これはこれは上官にあたる方ばかりで、光栄です…ドイツ連邦海軍、フレガッテンカピテン(中佐)のヴァイスです」

提督「…気楽にしていいのよ?」

ヴァイス「は、ですが規律は大事にしませんと…こちらは我が方の艦娘です」差し示したのは金髪できりりとした艦娘と、金髪の艦娘に瓜二つながら、灰色の髪ですこし青白い顔の艦娘で、青白い方はなにやらふらついている

ビスマルク「戦艦、ビスマルクだ。各国の提督方、艦娘たちに出会えて光栄である」

ティルピッツ「同じく戦艦、ティルピッツ…申し訳ない、少々具合が…」言い終わらないうちに、ハイヒールのせいかよろめいた

提督「あら…大丈夫?」むにっ…提督が慌てて支えると、引き締まっていながらかなりずっしりとした乳房に手が触れた。

提督「乗り物酔い?それとも陸酔いかしら?…今お水をもらってあげるわね?」むにゅ…さわっ♪介抱のため抱きかかえるように支えつつ、さりげなく胸の下に手を回している…


<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/02/28(火) 10:34:52.18 ID:5AQoqsfy0<> ビスマルク「これは妹が失礼を……貴様も私の妹ならしゃきっとしろ、鉄拳制裁を食らいたいのか…?」ツカツカと近寄ってきて提督からティルピッツを受け取り、抱き起すと、小声で何か耳打ちした

ティルピッツ「……しかし、こればかりはどうにもならないだろ…だいたい騙して飛行機に乗せたのは姉さんと司令じゃないか…」こちらもなにやら小声で言っている…

ヴァイス提督「…しっかりしないか!…カンピオーニ少将、ご迷惑をおかけしました」ヴァイス提督も二人に何かささやくと、提督に頭を下げた

提督「迷惑だなんて…全然かまわないわ。それにしても結構大きいのね…♪」

ヴァイス提督「?…まぁ超ド級戦艦ですから。重くなかったですか?」

提督「いえ、ちょうどいいくらいで…♪」

チェザーレ「…」

ガリバルディ「…」

ヴァイス提督「?…ならよかった。ではこれ以上迷惑をかけぬよう、しばし失礼いたします…ビスマルク」

ビスマルク「ヤヴォール。…こっちにこい」ドイツの中佐とビスマルクはティルピッツを支えて離れていった…

龍田「…提督、見ていて思ったのだけど。カンピオーニ提督との「付き合い」ってどういう意味で言ったのかしらぁ?…場合によっては…うふふ♪」

百合姫提督「えっ!?いえ…その、お手柔らかに…」

龍田「できたらそうするわぁ♪」

グレイ提督「…それにしても豪華絢爛ですね…イタリアは歴史ある国ですから来るのが楽しみでした」

提督「これはありがとうございます」

チェザーレ「ふむ、ジュリオ・チェザーレ本人が聞いていたらさぞ喜んだことでしょう……未開の地ブリタニアがずいぶん偉くなったものだとな…」

グレイ提督「何かおっしゃいましたか?」

チェザーレ「いえ。世界に冠たる英国海軍に褒められるとは光栄の至りであると申したので」

エリザベス「…そちらのマカロニ艦隊もずいぶんと立派なことでございます…」クィーン・エリザベスがなにかつぶやいた

提督「何か?」

エリザベス「いえ、こちらのひとり言にございます」

提督「…聞こえていたわよ?エリザベス?」目を細めてにっこり微笑み、クィーン・エリザベスの耳元でささやいた

エリザベス「…失礼いたしました」

提督「いえいえ…チェザーレ、なにか食べてきたら?…ついでに私にもハムか何か取ってきてくれる?」

チェザーレ「そうか、なら取ってこよう。スプマンテ(イタリアの発泡ワイン。フランスの「シャンパン」と同じく名乗るには特定の地方でないといけない)もいるか?」

提督「そうね、せっかくなら一杯くらい」

チェザーレ「承知した。待っていてくれ」




<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/02/28(火) 11:36:20.38 ID:5AQoqsfy0<> 少したって、チェザーレがスプマンテの細いグラスと、皿ににぎやかに盛られたオードブルを持って戻ってきた。

チェザーレ「ほら、持ってきたぞ」

提督「ありがとう、チェザーレ」さっそくクリームチーズとオリーブのスライスが乗ったクラッカーをつまみ、スプマンテをすすった

百合姫提督「よかったらあなたたちも食べていらっしゃい、外国の料理なんてそんなに食べられないもの」

龍田「そうねぇ。…私がいないからっておいたをしたら後でお仕置きよぉ?」にっこり笑って料理の台に歩いて行った

足柄「そうね!……ま、まぁ?私なんか外国なんて飽きるほど行ったし?洋食なんて食べ飽きたほどだけど?…せっかく用意してくれたんだし、もったいないわよね!」なにやら言い訳めいたことを言いながら嬉々として料理を取りに行った


………

展示発表の時間まではまだ余裕があるので、提督は久しぶりに会った百合姫提督と、何のかのと言って親切なグレイ提督とおしゃべりをしていた。

受付「フランス共和国海軍!トゥーロン第七司令部!」

提督「この時間に?…かなり遅刻じゃないかしら?」

グレイ提督「ラテン民族の国はたいていそうでしょう?」

提督「…」

グレイ提督「これまた失言でした、嫌な思いをさせてしまいましたね」

提督「ま、まぁ…イタリアも時間に関しては人のことが言えないことくらいわかっていますから」と、人込みを抜けてトゥーロン第七の司令官が近寄ってきた

仏提督「まぁまぁ!お久しぶりですこと」わざとらしく驚いてみせたトゥーロンの提督はふんわり縦ロールの金髪に水色の目、高い香水の香りがふっと漂ってくる

グレイ提督「お知り合いでいらっしゃるの?」

提督「え、ええ…グレイ少将、こちらフランス海軍のエクレール中佐。エクレール中佐、こちらはジブラルタルのグレイ少将」

グレイ提督「初めまして、英海軍地中海艦隊のメアリ・グレイです」

エクレール提督「メルスィ。わたくしはフランス共和国海軍のマリー・エクレール中佐ですわ。アンシャンテ(はじめまして)」

グレイ提督「あの、申し訳ありません。わたくし、英語以外は得意ではなくて…なんと申されたのでしょう?」

エクレール提督「まぁ!フランス語は世界の公用語の一つですわ…「はじめまして」と言ったんですの」エクレール提督はほっそりしていてシャンゼリゼー通りが似合いそうで、絵に描いたようなイヤミなフランス人っぷりも全然変わっておらず、のっけからフランス語でグレイに話しかけた

グレイ提督「そうなのですか…方言はたいていそうですが、田舎の言葉は難しいですわね」

エクレール提督「田舎ですって?」

グレイ提督「あぁ、いけませんね…。わたくし、失言が多くて…謝ります」

提督「♪」

チェザーレ「…ふふっ」

ガリバルディ「くすっ…♪」

エクレール提督「…まぁ、謝ってもらったのですから構いませんわ。で、こちらの黒髪の提督はどちらの提督ですの?」

提督「紹介するわ。百合野准将、こちらはマリー・エクレール中佐。エクレール中佐、こちらは横須賀の百合野准将」

百合姫提督「初めまして、横須賀の百合野です」

エクレール提督「アンシャンテ。エクレール中佐ですわ…はるばる極東からご苦労ですこと」

百合姫提督「…そうですね。時間はかかりましたがイタリアはいいところですね」軽く提督に視線を向けたので、提督は皿をチェザーレに預けて百合姫提督にうなずいた

エクレール提督「こほん…失礼ながらフランスの方が断然素晴らしいですわ」

提督「そうかしら?」



<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/02/28(火) 12:32:48.18 ID:5AQoqsfy0<> エクレール提督「当たり前でしょう?フランスの文化は世界に冠たるものですわ」

提督「そうねぇ…マリー・アントワネットを嫁がせるときに女帝マリア・テレジアが「いくらオーストリア帝国のためとはいえ、あんな蛮族の国に…」と泣いたことから考えたら進歩したわね♪」

エクレール提督「ぐっ!…食文化だって四大料理の一つに数えられるほど素晴らしいですわ、マカロンやアイスクリームだってありますし!」

提督「十六世紀まで手づかみで食べて、骨は床に投げ捨てていたのよね?フォークはマリー・アントワネットの嫁入り道具から初めてフランスに広がったって聞いたわ。あと、マカロンは本来ビスコッティ・アマレッティ。アイスクリームと一緒にカトリーナ・ディ・メディチ(カトリーヌ・ド・メディシス)がフランスに嫁いだ時に持って行ったイタリアのお菓子よ」

エクレール提督「…パリは「花の都」ですわ!」

提督「ローマは「永遠の都」よ?花のように枯れはしないわね♪」

エクレール提督「香水だってシャネルやゲランがありますわ!」

提督「パリは排泄物のツボを道路に放り出していたんですもの、まぁ香水も必要になるわよね…ローマは紀元前から上下水道完備よ?「極東の」江戸だって世界一清潔な都市だったそうよ?」

百合姫提督「♪」

足柄「ふふん」

龍田「あらあら…♪」

エクレール提督「くっ…ルイ・ヴィトンやイヴ・サンローランだってありますわ!」

提督「ブルガリがあるからいらないわ」

エクレール提督「ルノーやプジョーは世界有数の車ですわ!」

提督「フィアットとランチアなら大衆車から大統領専用車まで揃えられるわ」

エクレール提督「カトリーヌ・ドヌーヴやブリジット・バルドーのような映画女優もおりますわ!」

提督「ソフィア・ローレンとジーナ・ロロブリジーダがいるからお腹いっぱい」

エクレール提督「オペラ座はフランスにしかありませんわ!」

提督「ミラノにスカラ座があるから平気よ」

エクレール提督「ルーヴル美術館は世界遺産ですわ!」

提督「ローマは街まるごと世界遺産だから♪」

エクレール提督「戦勝国ですわ!」

提督「なら一か月で負けて、「パリ解放」を喜んでいたのは誰なの?」

エクレール提督「……ところで、あなた少将になったんですの?」

提督「ええ、見ての通り」身体を軽くひねって階級章を見せる

エクレール提督「以前会ったときは大佐でしたわね、二階級特進だなんて殉職でもしないとできないと思っていましたわ」

提督「あなたはまだ中佐だけど…不祥事でも起こしたの?」

チェザーレ「何だかんだで仲が良いようだな」

エクレール提督「ありえませんわ!…あら、そういえばわたくしとしたことが、まだお名前をうかがっていませんでしたわ」
<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/03/01(水) 00:54:35.84 ID:DDr388/j0<> …訂正…>>206でフランス提督を大佐にしていますね。それまでの「中佐」としている部分は「大佐」に読み替えて下さいませ…


提督「…そうね。エクレール大佐、こちらは戦艦ジュリオ・チェザーレ。それでこちらは軽巡ジュセッペ・ガリバルディ。ふたりとも、こちらはフランスのエクレール大佐…同い年で、私が少佐だったころにやっぱり少佐で、連絡将校としてローマに来ていたの」

チェザーレ「なるほど…ご紹介にあずかったジュリオ・チェザーレである。以後お見知りおきを」

ガリバルディ「ジュセッペ・ガリバルディです。「永遠の都」ローマへようこそ」

エクレール提督「…よろしくお願いしますわね。では、わたくしの艦娘を紹介しましょう。こちらが智謀、火力ともに優れた戦艦リシュリュー。そしてこちらが言わずと知れた聖女にして、練習巡洋艦のジャンヌ・ダルクですわ♪」

リシュリュー「初めまして、リシュリューと申します。智謀に長けるなどと言われておりますが、単に少しばかり頭の回りが速いだけのこと。どうかよろしくお願いいたします」彼女は片眼鏡(モノクル)に白い髪は貴族風にロールでまとめてある。顔は悪くなく、頭もよさそうだが、センスはかなりエキセントリックで、灰色のドレスは斜めの裾は片方がくるぶしまでありながら、反対側はひざ上しかない。おまけに前には豪奢な飾りが施されているのに、後ろ側はやり残したように飾りも何もない

ジャンヌ・ダルク「わたくしはジャンヌ・ダルク…「艦娘」として、また聖女としてフランスのために戦っております。きっと神のご加護がありましょう!」髪は三つ編みを頭に巻きつけるスタイルで、高貴に見える。白い裾の広いドレスと、青地に金百合のブルボン王家の紋章を散らしたリボンを肩から掛けた姿は凛々しいが、熱っぽい口調で自己紹介をすると、天を仰いで手を組んだ。…かなり思い込みの激しい艦娘のようである

提督「あー…初めまして。しばらくこちらにいるのでしょうし、仲良くしましょうね」

リシュリュー「これはこれは。ぜひよろしくお願いいたしますぞ」

ジャンヌ「この「オルレアンの聖女」はわたくしの提督以外には決してなびきませんわ、そのことをお忘れなく」

提督「えぇ、忘れないわ」
<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/03/01(水) 02:10:22.92 ID:DDr388/j0<> しばらく話をしてから厄介なエクレールの相手をグレイ提督に任せると、提督と百合姫提督は中央の料理が並んでいる台にやって来た。

百合姫提督「まぁ、おいしい」熱いラザニアを小さい口で可愛らしく食べ、こぼれるような笑みを浮かべる百合姫提督

提督「よかった…でもうちの鎮守府の食事はもっといいわ。機会があればご馳走するのに」

百合姫提督「そうねぇ、以前あなたの手料理をごちそうになったときも大変美味しかったし、その貴女が言うのだから本当に素晴らしいのね…」

提督「私の手料理ではかなわないほどよ?」

百合姫提督「それは羨ましいわね…体重に気をつけなきゃだめよ?」

龍田「…あらぁ〜?手料理をご馳走になった仲なのぉ…?」百合姫提督を少し見おろすように首を傾けた龍田。ひくっ、とこめかみに青筋が立った気がした

百合姫提督「ほら、私ローマでご飯食べる所知らなくて…イタリア語はまだ未熟だったし、英語は通じないから…ね?…龍田…分かってくれるわよね?」

龍田「そうねぇ…後で私の部屋まで来てくれるなら考えるわぁ…」

百合姫提督「え、えぇ…わかりました」小声でひそひそと話している二人

提督「…あら。…彼女はもしかして?」二人の内緒話から目をそらした途端、少し離れた場所で別な士官と話している女性士官に気がついた。

提督「姫、ちょっと失礼するわね」

百合姫提督「ええ…どうしたの?」

提督「ちょっと知り合いらしい人がいるから…すぐ戻るわ」

チェザーレ「チェザーレも付き合おう」

ガリバルディ「私も行くわ」

提督「ありがとう♪じゃあ、行きましょう?」


…提督を先頭に三人は人の間を抜けていくと、話しこんでいる米海軍の准将に近寄った。准将は色黒で背が高く、ブロンドの髪はお団子にしてまとめてある。オイルを塗ったようなつやつやの肌にむっちりとした豊満な体型をしていて、時折周囲が元気になるような明るい笑みを浮かべた。横にいる艦娘も負けず劣らずゴージャスな体型で、ハリウッドのセクシー女優と言われても信じそうなほどである

提督「こほん…失礼、間違っていたらごめんなさい。…もしかしてジェーン?」声をかけた

准将「誰かな?…って、フランチェスカ!久しぶりじゃない!」振り向いた准将はパッと表情を明るくし、敬礼もそこそこに提督を抱きしめて、背中を軽く叩いた。

提督「うふふ…相変わらずスキンシップ過剰ねぇ♪」制服からはち切れそうな准将の身体にぎゅっと抱きしめられ、まんざらでもない提督

准将「キスが挨拶の国に言われたくないね♪…っと、小うるさい連中がガタガタ言わないうちにやめようか。…改めて久しぶり」

提督「お久しぶり、ジェーン。紹介するわ。うちの戦艦、ジュリオ・チェザーレと、軽巡のジュセッペ・ガリバルディ」

准将「よろしく、チェザーレってたしか「シーザー」だったね…大丈夫、無教養に見えるかもしれないけど、シーザーはドレッシングのことじゃないって知ってるから♪」冗談めかしてにこりと笑った

チェザーレ「知っていてもらえて光栄である…ジュリオ・チェザーレである。なにとぞよろしく」

ガリバルディ「ジュセッペ・ガリバルディよ。イタリア統一の英雄から名前をもらっているの」

准将「ノー・プロブレム。分かってるわ。何しろナポリにいたことがあるからね。…ベスビオ火山だっけ」

提督「そうよ。二人とも、こちらはアメリカ海軍のミッチャー准将」

ミッチャー提督「ジェーン・ミッチャー。よろしくね、ジェーンでいいよ。ちなみにあのマーク・ミッチャー(戦中に太平洋で空母機動部隊の指揮を執った名将)は親戚でもなんでもないの。今はノーフォークであの「深海お化け」を退治しているよ」

提督「なるほどね…。で、そちらの艦娘はどなた?」

ミッチャー提督「そうだった、まだ紹介してなかった…うちの秘書艦、空母エンタープライズ」

エンタープライズ「初めまして、イタリアン・レディ。「ビッグE」ことエンタープライズよ♪」ばるんっ、ゆさゆさっ…敬礼したエンタープライズの爆乳が大きく揺れた

提督「あの幸運艦の…確かに「ビッグE」ねぇ…」

ミッチャー提督「あははっ、どこ見て言ってるの?そっちの意味じゃないってば」

提督「分かってるけど、実際すごいじゃない…♪」

ミッチャー提督「まぁね。一緒に寝るとたまんないわよ?」いたずらっぽくウィンクした

エンタープライズ「ちょっと、マーム!」
<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/03/01(水) 02:22:00.04 ID:DDr388/j0<> >>213の方、大正解です。ドイツ艦のもう一隻はティルピッツでした…読まれてしまいましたねぇ…

…北欧ノルウェーのフィヨルドに閉じ込められたままランカスターの大型爆弾でとどめを刺されたので、色が白く飛行機嫌いということにしました…まぁ「命令とあれば大統領だってぶん殴ってみせらぁ…でも、飛行機だけは勘弁な!」ということですね


…とりあえず今日はこのへんで。感想やリクエストはいつでも受け付けてますのでお待ちしてます <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/03/01(水) 09:56:02.78 ID:+BbWDfkHo<> 乙です
登場人物が一気に増えてうれしい反面覚えるのがたいへーん
リシュリューと聞くとIowa級や大和型の砲撃撒布界の広さを笑うのが馬鹿馬鹿しくなるというね
アレ実戦で当たることあるんでしょうか
艦これのBismarckはクールビューティーから大きな暁までこなせる万能選手ですが
鉄血宰相風味は何気に新鮮です <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/03/02(木) 01:12:43.85 ID:bM1kBGyI0<> >>225

一応列強海軍は一隻づつでも出そうかなと…散布界の広さや口径もそうですが、最終的には統一のとれた砲術管制と指揮が大事だと歴史が証明してますね…仏、伊両国はそのどっちもなかったので…

…まぁ本当にフランスのキュイラッセ(戦艦)たちは理論振りかざしてぐだぐだ議論して、出来上がるものは考えオチみたいなのが多いですから…基本凝り過ぎでフランス人ならではのひねくれ方をしていると言うか…迷彩塗装にグラデーション施しちゃう国ですから…
…ちなみに「世界の○船」によれば、仏艦は長らく測距儀をあてにしていなかったので近距離での殴り合いを重視し、「最後まで生きていれば勝ち」と考え装甲を厚くし、同時に高速を活かして主力艦との交戦は避け通商破壊に特化する気でいたので、主力艦同士の艦隊決戦は長らく考えていなかったとか

リシュリュー級などは斬新な設計を取り入れていますが、あくまでもドイチュラント級やカヴール級とバランスをとるためと考えられます…この辺はおいおい本編でも提督たちが話す予定です…

ちなみにビスマルクは鉄血宰相の血を受け継ぎ、クールと熱血をあわせもつ艦になっています


…長くなりましたが少し本編を…


<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/03/02(木) 01:51:37.69 ID:bM1kBGyI0<> あと訂正を…
>>217の、クィーン・エリザベスがヴァリアントと一緒にイタリア軍の破壊工作で大破着底したのはジブラルタルではなくアレクサンドリアです。…当初英提督をアレックス(アレクサンドリア)配属の設定にしていたので、そこだけ残ってしまいました。ゴメンなさい…

………


提督「ところで連れてきたのはエンタープライズだけ?」

ミッチャー准将「いや、もう一人いるんだけど料理を取りに…あ、来た来た」

金髪ポニーテールの艦娘「マーム、なんか美味しそうな料理取って来たわよ…って、仲良く話してるみたいだけど誰かしら、紹介してくれる?」ピンクのドレスは吸いつくようにぴったりで、胸にコサージュ(胸飾り)をつけている。

ミッチャー提督「あぁ、彼女が前に話したカンピオーニ提督。フランチェスカ、こちらはうちの艦娘のフレッチャー」

フレッチャー「はぁい♪フレッチャー級駆逐艦、ネームシップのフレッチャーよ。対水上、対空どっちもイケるわ。ちなみに世界一妹が多い軍艦よ」

提督「初めまして、カンピオーニ少将よ。…ずいぶん大きいのね?」

フレッチャー「これだけ武装を積んでいるとそうなるの。設備も充実してるわ!」

提督「戦時なのにアイスクリーム製造器まで付いてたっていうものね…」

ミッチャー提督「戦時だからこそ、よ。乗員から最高のパフォーマンスを引き出すのにアイスくらいで済むなら安いもんでしょ?」

提督「イタリアにはそんな余裕がなかったから…すごいわねぇ」

ミッチャー提督「はははっ、おだてても何もでないよ?」

提督「…本当に出ないの?」いたずらっぽくウィンクをした

ミッチャー提督「んー…」

エンタープライズ「マーム」

ミッチャー提督「ダメだそうだ、うちのボスがそう言ってる♪」

提督「あら、残念ね♪」

エンタープライズ「ちょっと、マーム!」

フレッチャー「あははっ!まるでマームが二人いるみたいじゃない、笑えるわ♪」

エンタープライズ「笑えないわよ…一人でも大変なんだから」

提督「うふふっ♪」
<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/03/03(金) 00:43:34.10 ID:VIk+CZ2V0<> ミッチャー提督「あははっ。…ところで、講演とやらはもうそろそろじゃないの?何か演説台に人が集まってるわよ?」


提督「そうみたいね」…提督は百合姫提督を連れて戻ると、正面の近いところに場所を占めた。立っているとさりげなく左舷側の百合姫提督がしなだれかかって来て、艶やかな黒髪につけた椿油の甘い匂いがふっと香った…。提督の後ろではチェザーレが堂々たる姿で立っていて、ガリバルディは右舷側に寄り添うように立っている。一方ミッチャー提督はエンタープライズの腰に手を回し、反対側の腕でフレッチャーと腕を組んでいる。

司会「えー…では皆様、これより講演の方を行いたいと思います」


ざわざわとした会場が薄暗くなり、同時に静まり返る…マイクスタンドとスライドショーの準備ができた演説台に登っているのは、数名の科学者と海軍士官たちで、その後には軍需産業の役員も控えている。


ミッチャー提督「はぁ…長くなりそうだこと」

提督「まぁまぁ…報告書を書かなきゃいけないし、聞いておかないと苦労するわよ?」くすっと笑った

百合姫提督「そうですね…それに、私は講演が長い方がいいです」

ミッチャー提督「やっぱり日本人は真面目なのねぇ…」肩をすくめて驚いたように眉を上げた

百合姫提督「いえ、だってその方がフランチェスカと一緒にこうしていられますもの…♪」幸せそうにつぶやく百合姫提督

提督「///」

ミッチャー提督「…ねえ、せっかくだからあとでアメリカ軍のMRE(軍用携行糧食)をご馳走するわ♪…ベジタリアン・メニューとポークビーンズ、どっちがいい?」

提督「えぇぇ…」

龍田「カンピオーニ提督、せっかくだから私も戦時下の倹約献立をご馳走するわぁ♪…内臓を抜かないイワシの丸焼きと、野菜の皮を剥かないで作る栄養満点のけんちん汁でどうかしらぁ♪」

提督「…」

百合姫提督「龍田?フランチェスカは私の大事なお友達なの…ね?」

龍田「分かってるわよぉ?でも、ちょっとねぇ…♪」

エンタープライズ「マームには私がいるでしょ?」

ミッチャー提督「そりゃそうだけど…」

提督「ほら、講演の邪魔になるから静かにしていましょう?」

百合姫提督「そうですね…龍田、静かにしてね?」

龍田「分かったわぁ。…カンピオーニ提督、この後じっくりお話しましょうねぇ…♪」

ミッチャー提督「オーケー…このことは後でゆっくり聞くわ」

提督「…はい」
<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/03/03(金) 02:31:03.65 ID:VIk+CZ2V0<> …会場・講演中…

科学者「えー、という訳で、いわゆる「深海棲艦」は熱水チムニー(マグマで温められ深海から噴きだす熱水噴出口)のある場所、また、歴史上多くの海戦が行われた場所に集中して現れる傾向があります。このことから、深海棲艦は熱水チムニーの水に含まれる鉄分から鎧をつくる巻き貝「スケーリーフット」などとも関係があるのではないかとも言われています。…しかし、そのことを証明しようにも、深海棲艦の発生が多くみられる海域に調査船を送り込むことは危険であるため研究が進んでいないのも事実です…。今後、一か所でも発生地域の制海権がとれれば、調査船を派遣し、深海調査の潜水艇を投入する予定です…ご清聴ありがとうございました」…拍手を受けて最後の演説を行った海洋生物学者が段を降りた。


ミッチャー提督「んー…結構ためにはなったけど、結局「よく分かってない」って言うのが結論だもんねぇ」

提督「そうねぇ…って、あら?まだ講演があるのかしら…」視線の先にはイタリア海軍総司令官と在イタリア米海軍の司令官、それに他の国々の大使館付海軍武官が立っていた。

百合姫提督「それにしては偉い人が多くないかしら」…周囲の動揺したようなざわめきが収まって静かになると、イタリア海軍の総司令官がマイクの前に立った

総司令官「あー、諸君。静かにしてくれ、大事な発表がある。…まずは極めて有意義な研究発表をされた博士の皆様、大変ありがとう。ここにいる提督たちにとって大変参考になったことでしょう…ところで…」

総司令官「…各国の「艦娘」と出現する「深海棲艦」のタイプには様々なものがあることは承知のことかと思う。同時に、出現する「深海棲艦」はその国が第二次大戦中に戦った相手に似通った姿形、戦術をとるようにも思われる…そこで、今回派遣された各国海軍の提督数人ずつを、知識の交換を目的として、我がイタリア海軍の各鎮守府に来訪して頂くことにしていたのだが、ここに各国政府と話がまとまった事をお伝えする」


…ざわざわっ!会場のあちこちでざわめきが起こった


総司令官「…この機会に互いの戦術、運用を学び、大いに知識の交換を図っていただけるものと思う。ちなみに、各提督たちの派遣先は戦域の特徴と所属「艦娘」の編成から最適な場所を決めてあり、この後通知されるので、各自確認してもらいたい。…以上である」

ばしっ!…会場が敬礼し、海軍総司令官や各国のお偉方が退出すると、たちまち会場が騒がしくなった。


ミッチャー提督「何にも聞いてないわよ?サプライズにしても急すぎるわ!」

百合姫提督「…鎮守府は大淀が切り盛りしてくれるからどうにかなるでしょうけど…驚いたわ。…フランチェスカ、一緒になれればいいわね」

提督「そうね…うちの施設ならお客様が来ても平気でしょうけど…」

チェザーレ「まぁどうと言うこともないな」

エクレール提督「…どうやらイタリア海軍はよその戦術の見よう見まねで戦うおつもりのようですわね?」さっきまで離れていたエクレール提督が近づいてきて皮肉った

ガリバルディ「…出たわね、フランス狐」小声でぼそっとつぶやくガリバルディ

提督「ガリバルディ。…そうね、最初は誰でも模倣から始まるものよ?」

エクレール提督「フランスは自分で学びますわ。様々な理論を戦わせて…」

提督「エキセントリックな戦艦を作ってたわね」

エクレール提督「アヴァンギャルド(革新的)と言ってほしいですわね、理論上優れたものでしたわ」

提督「机上の空論でしょう?」

エクレール提督「数々の発明もありますわ!最初の甲鉄艦(戦艦の元祖)は「グロアール」ですし!」

提督「無電のマルコーニはイタリア人だけど?あと、ド級艦の論文を書いたのはクニベルティ大佐よ?」

グレイ提督「…その通りですわ。おかげで十数隻の戦艦が一気に旧式になってしまいましたもの」余裕の笑みで二人を眺めるグレイ提督。横に控えるクィーン・エリザベスとエメラルドも平然としている

エクレール提督「その割にイタリアはド級艦を作れず、大分遅れてからでしたわね?第一次大戦ではどんな艦を使っていたかしら?」

提督「…MAS艇でオーストリア・ハンガリー戦艦を撃沈してるわ。ところでフランス海軍は第一次大戦では何をしていたか教えてくれる?「三個師団を運んだだけ」って言われてなかったかしら?」

エクレール提督「くっ…あれは政府が植民地を維持していた海軍を正当に評価しなかったからですわ」

提督「イギリス海軍は植民地を維持しながらユトランド沖海戦(デンマーク・ユトランド沖で帝政ドイツ艦隊と百隻以上で交戦した「史上最大の海戦」。ジュットランド海戦とも)を戦ってたわよ?」

エクレール提督「イギリスはあの時戦艦を何隻も轟沈させられてますわ!」

グレイ提督「…。多くは巡洋戦艦(戦艦の火力と巡洋艦の高速をあわせ持つ艦種。多くは防御に難がある。金剛型も元は巡洋戦艦)ですわ。フィッシャー海軍卿の肝いりで作られ、多くの海軍軍人は支持していませんでした」

クィーン・エリザベス「…失礼ながら、このクィーン・エリザベス級もユトランド海戦には参加しております。その後第二次大戦でも妹のウォースパイトはノルウェイ・ナルヴィクでドイツ駆逐艦隊八隻を全滅させ、ここ地中海でも幾多の艦を屠っております…第一次大戦型のフランス戦艦はどのような活躍を?」

エクレール提督「…くっ」

グレイ提督「まぁまぁ、エリザベス。その位にしておきなさい、過去は変えられないのですから言っても仕方ありません。…わたくしたちがユトランド海戦で多くの艦を失ったことも、フランス海軍が戦果を挙げられなかったことも…ところで発表の紙が張りだされておりましたよ」

提督「本当ですか?グレイ提督が一緒なら嬉しいのですが」

グレイ提督「残念ながら、わたくしはタラント第一とありましたわ」

提督「あそこは最大級の鎮守府ですし妥当です…また機会があれば会いたいものですね」

グレイ提督「ええ、そうですわね♪」




<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/03/03(金) 02:38:55.06 ID:VIk+CZ2V0<> 今日の投下ははこのへんで止めておきますが…たびたびごめんなさい、訂正を一つ…「クィーン・エリザベス」が沈んだのはフロッグマンの攻撃ではなく豆潜水艦の攻撃ですね…全く間違いばかりで申し訳ないです…とにかくイタリアの破壊工作は世界一ということで…

また明日にでも投下する予定ですのでお待ちください…戦艦と駆逐艦が百合百合するのも、もうすぐなので期待してもらえればと思います… <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/03/04(土) 00:34:25.06 ID:qINkqfRD0<> …本編の前に今回の海外艦紹介です


日本

重巡…足柄(妙高型)。1928〜29年生まれ。四隻

ワシントン、およびロンドン海軍軍縮条約で列強の巡洋艦保有数に制限がかかったため、日本は個艦の能力を高めることにし、一万トンで8インチ砲十門搭載の重巡として設計。当初魚雷は搭載しない予定だったが、我の強い造船官だった平賀譲の渡欧中に温厚な藤本喜久雄造船官を説きふせて改設計させた。

開戦前後に改装され、武装は8インチ(20センチ)連装砲五基、12.7センチ連装砲四基、61センチ四連装魚雷発射管四基、水偵三機、25ミリ連装機銃四基と強兵装。数々の海戦で活躍したが、対空、対潜能力の不足で三隻が戦没。艦名は山の名


軽巡…龍田(天龍型)。1919年生まれ。二隻

それまでの「防護巡洋艦」とは全く異なるコンセプトだった「高速で敵艦隊を偵察、攻撃時には敵駆逐艦を排除し、味方駆逐艦隊の突撃を先導する」ため生み出された、イギリスのA級こと「アリシューザ級」からC級と言われる「カレドン級」までをモデルにした日本初の軽巡。当時の流行をいち早く取り入れ、3500トンの船体で33ノットと、当時では世界水準を超える高性能を出した。

大戦勃発時はもはや旧式で、イギリスC級のように防空巡洋艦にする案もあったが小型すぎて不可能で、ほぼ新造時のまま戦没している。
実際3500トンの艦に14センチ単装砲四基、53センチ三連装魚雷発射管二基は無理があり、生産は二隻で打ち切られ5500トン型軽巡に置き換わられた。艦名は川の名

………

<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/03/04(土) 01:18:51.27 ID:qINkqfRD0<> イギリス

戦艦…クィーン・エリザベス級。1915〜16年生まれ。五隻

ドレッドノート級を建造しド級艦時代を開いたイギリスだったが、当時のドイツ帝国が追いつこうと「マッケンゼン級」などのド級艦を建造していると報告を受け、当時の海軍大臣ウィンストン・チャーチルが32000トン、15インチ(38.1センチ)砲戦艦の建造を推し進めたもの。いわゆる「超ド級艦」のはしりであり、ユトランド沖海戦、ナルヴィク海戦、マタパン沖海戦など、第一次、第二次大戦の大海戦を戦い続けた名艦。特にノルウェイ、地中海で暴れたウォースパイトが有名

新造時、当時の戦艦としては破格の25ノットを出し、防御も76〜330ミリと厚い。水線下の防御に難があるのが第一次大戦型の戦艦らしく、クィーン・エリザベスはヴァリアントと共にアレクサンドリア港でイタリア豆潜水艦の奇襲を受け大破している。

武装は対空重視に改正されていて、第二次大戦時には15インチ連装主砲四基、4.5インチ(11.4センチ)連装高角砲十基、53.3センチ魚雷発射管(水中)四基、8連装2ポンド「ポンポン砲」四基、エリコン20ミリ連装機銃20基前後にウォーラス水偵二機となっている。


…艦娘としては王冠に王笏を持ち、折れ線迷彩のドレス姿に金髪、金色の瞳をしている。どこぞの「最凶エレベーターガール」を彷彿とさせ、圧倒的存在感と気迫の艦娘。…「主砲斉射でございます」



軽巡…エメラルド級。1919〜20年生まれ。二隻(計画三隻)

第一次大戦時、ドイツが高速敷設巡洋艦(機雷敷設用の巡洋艦)「ブルンマー級」を建造中との情報を受け、これに追いつく高速軽巡として設計された。細い船体に駆逐艦用の主機二基を搭載、33ノットの高速を出した。第一次大戦には間に合わず3番艦はキャンセル、「エメラルド」「エンタープライズ」の二隻が第二次大戦に投入され、高速で武装もバランスが良かったため各地を転戦、ポケット戦艦「アドミラル・グラーフ・シュペー」追跡部隊などに参加した。

武装は6インチ(15.2センチ)単装砲七基、10.2センチ高角砲三基、単装「ポンポン」砲二基、53.3センチ三連装魚雷発射管四基、水偵一機と手堅く豊富。二番艦「エンタープライズ」は主砲の一部を降ろし連装に変えている


…エメラルドの名にふさわしい緑の目、銀色で先端がエメラルド色のグラデーションになっている長い髪をしていて高身長。スカートとブレザー風の上着は淡い水色と白、淡灰色と大西洋迷彩を意識したカラーリングで大人っぽい



<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/03/04(土) 01:54:42.39 ID:qINkqfRD0<> ドイツ


戦艦…ビスマルク級。1940〜41年生まれ。二隻

ドイツの再軍備の伴って秘密裏に計画されていた超ド級戦艦。第一次大戦の後軍備を許されなかったなか、旧ドイツ帝国海軍の戦艦から研究し、比較的長い航続力とバランスのとれた性能を持つ戦艦。一番艦「ビスマルク」は「鉄血宰相」ビスマルク、二番艦「ティルピッツ」は提督の名から。

30ノットの高速と航続距離の長さから「通商破壊戦を意識した」とされるが、ドイツから出撃してフランス艦隊や英艦隊を攻撃するには長い航続距離は必要とも。武装も38センチ連装砲四基、15センチ連装砲六基、10.5センチ連装高角砲八基、3.7センチ連装対空機関砲八基、20ミリ四連装対空機銃二基、単装十二基とバランスよく構成されている。

一番艦「ビスマルク」は初出撃で巡洋戦艦「フッド」を轟沈、「プリンス・オブ・ウェールズ」を損傷させ大いに敢闘したが、その後英艦隊の追跡を受け、ソードフィッシュ複葉雷撃機の魚雷で舵機を損傷。回頭をし続ける間に追いつかれ、フランスまであと少しのところで撃沈された。「最後の一弾まで忠誠を失わず…」の電文は有名。
これでヒトラーが及び腰になったのか、「ティルピッツ」は出撃もないままノルウェーのフィヨルドに留め置かれ、脅威に感じていたイギリスから小型潜航艇、空襲とさまざまに攻撃され、最後はランカスター爆撃機の十トン爆弾によって撃沈された。


…艦娘のビスマルク級はそっくりな二人で、ビスマルクは金髪、妹思いではあるが厳格で、冷静な面と鉄血な面をあわせ持つ。妹ティルピッツは北欧暮らしのせいか銀髪で青白く、ランカスターにとどめを刺されたせいか飛行機が嫌い。二人ともドイツの海軍旗にそっくりな黒、赤、白の制服を着ている。
<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/03/04(土) 02:51:21.06 ID:qINkqfRD0<> フランス


戦艦…リシュリュー級。1940年生まれ。二隻

…フォッシュ元帥いわく「海軍は三個師団の兵を運んだに過ぎない」と散々な評価で、戦艦の建造も長らく中断していたフランスが、36〜38年に就役した「ダンケルク級」に続いて建造した新型戦艦。高速、強武装で通商破壊を意識したらしく、フランスらしいさまざまな特徴が盛り込まれている。

一番特徴的なのはイギリスの「ネルソン」級のように主砲塔を全て艦首に持ってきたことで、弾薬庫の防御が一か所で済む分重量軽減しやすいが、被弾し損傷すると火力を大幅に喪失するリスクがある。また、後部から攻撃を受けても副砲以外に反撃の手段がないので不利になる。
大戦中はドイツと戦争が始まったにも関わらずのんきに建造を進め、いざフランスが降伏しそうになるとあわてて植民地に向け脱出、「リシュリュー」はダカール、「ジャン・バール」はカサブランカに逃げ込んだ。

その後北アフリカに上陸した連合軍から降伏を要求されるも律儀に本国政府に従い徹底抗戦、ヴィシー・フランスの旗のもとで米英連合艦隊と交戦、多くは撃沈、大破し失われた。
さらにヴィシー・フランスの将官を取り込むイギリスの謀略で一部の提督、将軍が降伏するとヒトラーが激怒、ヴィシー・フランスの兵器を没収する「アントン計画」を発動した。これに怒ったフランス人は「ドイツには使わせない」と各地で一斉に艦艇を自沈させ、一部は「自由フランス軍」側に付いて連合軍の装備を搭載し戦った。
大破着底していた、「リシュシュー」「ジャン・バール」も改めて連合側に付き、修理の上で船団護衛などを行い、戦後もドゴール大統領による「フランスの威信を示す」政策のため、長く在籍していた。

武装は38センチ四連装砲二基、15.2センチ三連装砲三基、10センチ連装高角砲六基、37ミリ連装機銃二基と水偵三機。35000トンで速度は30ノット


…智謀に長けた宰相だった「リシュリュー」らしく片眼鏡(モノクル)姿で理知的な顔。金髪縦ロールの髪は貴族風。常に利害を考えていて、もってまわった言い回しをする。前部に武装が集中しているためか、グレイのグラデーションがきいたドレス風の服は前が飾り立てられていて、後ろが素っ気ない風変りなデザイン。



練習巡洋艦…ジャンヌ・ダルク。1931年生まれ。単艦。

旧型巡洋艦に替わって建造された練習巡洋艦。装甲はなく戦闘能力こそ劣るが居住性、航海能力は良く、優れた練習巡洋艦。名前は言わずと知れた「オルレアンの聖女」ジャンヌ・ダルクから。プロムナード・デッキを設けたデザインは客船風だが、軽巡「デュゲイ・トルーアン」級とほぼ同等の兵装をしている。戦後の66年まで就役していた。

6400トンで25ノット、15.5センチ連装砲四基、7.5センチ単装高角砲四基、37ミリ連装機銃二基、13ミリ機銃十二挺、55センチ単装魚雷発射管二基、水偵二機


…艦娘としての彼女は編んだ金髪を頭に巻きつけるスタイルで、目は青い。いつもフランスの栄光や神の導きを信じて天を仰いでいる熱っぽい性格。田舎出身だったジャンヌ・ダルクの影響か、ファッションやおしゃれは苦手らしいが、スタイルはよく、フランス・ブルボン王家の金百合が裾に入った白いスカートとブラウス、銀色の胸甲を身につけている。
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/03/04(土) 04:28:42.72 ID:duJ6V7ISo<> 乙
解説ありがたい
日本の艦これに出てくる奴しかほぼ分からないから <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/03/05(日) 04:56:45.46 ID:okuadXNCo<> >服は前が飾り立てられていて、後ろが素っ気ない風変りなデザイン。
びんぼっちゃまだこれー

日本の利根型重巡も後ろに砲を配置してない設計構造ですな

ティルピッツはビスマルクと同型艦であった為イギリス側が勝手にビスマルクと同等かそれ以上の脅威として
アタフタしてる様が何気に面白いです
実際はビスマルクには程遠い完成度とスペックしかなかったと言われてる <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/03/07(火) 00:53:52.07 ID:bgSIJyvu0<> >>235
解説は出来るだけ公平に分かりやすく書くようにしてます…普通に仏艦なんて解説しないと分からないですし…

>>236
ノン、ノン!…あくまでもエキセントリックなデザインなのです、貧乏なのではありませんよ

利根型も意外とあのレイアウトが使えたようで評価されていますね。ちなみに「ダンケルク級」や「リシュリュー級」は後甲板を副砲とモダンな水上機格納庫にしていました。…あと「ジャンヌ・ダルク」は戦中、西インド諸島(カリブ海)の植民地、マルティニーク島の配属で、いち早く自由フランス海軍に編入されています。


「ティルピッツ」はレオンス・ペイヤールやダドリー・ポープの戦史を読むと出てきますが、当時の軍令部(つまりヒトラー)から消極的な命令を受けていたことと、優秀な乗員が次々とUボートに転属させられていたせいで、すっかり士気が下がって「イギリス海軍にはかなわない」とおびえてしまっていたようです。

一方のイギリスもダドリー・パウンド第一海軍卿が老齢ですっかり及び腰(一部ボケていたという説も)だったため、結局どっちも手を着けかねていたというのが真相のようですね…

…解説ばかりで本編がはかどりませんが気長にお付き合い下さい。感想もありがたいですし、引き続きこまめに更新していきたいと思います…
<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/03/07(火) 02:11:58.22 ID:bgSIJyvu0<> 登場艦娘解説の続きです…


アメリカ


正規空母…エンタープライズ(CV−6。ヨークタウン級)。1938年生まれ。三隻

21000トン、33ノットの中型正規空母、ヨークタウン級。太平洋で当初は数も技量も勝っていた連合艦隊の機動部隊を相手に戦った。ネームシップ「ヨークタウン」、三番艦「ホーネット」を相次ぐ海戦で失い、ついに一隻だけとなってしまったが、米軍らしい優れたダメージ・コントロールと兵站システム、そして強運で生き残り、ミッドウェイ、ソロモン(二次、三次)、マリアナ、レイテと数々の海戦をくぐり抜けてきた名艦。その不死身ぶりに「ビッグE」とあだ名されたのは有名。
エセックス級正規空母や「ジープ空母」と言われた護衛空母の量産が軌道に乗るまで太平洋で戦い抜き、バトルスター(功労賞)20個受賞は米艦史上最多。
艦名は木造艦時代から受け継がれたもので当時七代目。

数度の対空兵装増強を図られているが、基本の5インチ(12.7センチ)単装砲八基は変わらず。43年10月の改装で40ミリ機銃(四連装と連装合わせて)40挺、20ミリ単装機銃50挺といかに対空防御を重視していたか分かる。搭載機は最大96機とされる。


…艦娘のエンタープライズは波打つブロンドの髪をなびかせ、むちむちのナイスバディで「巨大」と言ってもいいほどの身体をしている。爆乳で「胸もビッグE」とミッチャー提督にからかわれているが、実際のカップはもっと大きいらしい。恰好はミディアム・ブルーのタイトスカートと艦首波のようなフリルブラウス、略綬のつけられたグレイのブレザー姿で、二色の上下分割迷彩を意識している。
「今度改装したら宇宙船の「USSエンタープライズ」になるの?」とよくジョークを言われるらしい



駆逐艦…フレッチャー級(DD−445)。1942〜45年生まれ。175隻

それまでロンドン海軍軍縮条約の影響でトップヘビーな設計の駆逐艦ばかり建造されていたアメリカ駆逐艦だが、日、伊の脱退によりロンドン条約が無効になると一気に大型化し、2100トンという破格の駆逐艦の建造に舵を切った。
その「米駆逐艦史上最大の隻数」という面ばかりが強調されがちだが、同世代の駆逐艦(満月、清霜など特型駆逐艦の最終タイプ)の上を行く高性能を求めたためきわめて優秀。凌波性も充分あり、スペースの余裕もあったため乗員の疲労も少なく、対空兵装強化や改造も容易で、荒天下でも機動部隊と行動ができた「本物の」艦隊駆逐艦と言える。

特に主砲を対空兼用で継戦能力の高い半自動5インチ(12.7センチ)単装砲五基とし、多くの20ミリ機銃を搭載したこと、対潜用に爆雷投射機と投下軌条を備えたこと、実用に耐えるレーダーを装備したことが大きい。当初は53.3センチ5連装魚雷発射管も装備していたが、後に多くの艦が撤去し対空兵装にあてている。最高速度も37.8ノットと高速。実用的で艦隊護衛から雷撃までこなせる万能艦。
多くの艦名は真珠湾や過去の戦闘で戦死した水兵や兵士の名で、将軍や提督、偉人でない辺りが一兵卒まできちんと評価するアメリカらしい


…艦娘の「フレッチャー」は金髪ポニーテールの髪をした駆逐艦にしては発育のいいグラマラスな姿。顔立ちは高校生くらいのハイティーンに見える。丸襟付きサマードレス風の格好は戦前のお嬢さんにも見えるが、色は「メジャー12」迷彩を模したグレイとブルーの雲形模様。襟に「445」の白い刺繍がある。対空、対艦、対潜いずれも器用にこなし、何事にも物怖じしない性格は優秀だからこそ。提督の信頼も厚い。
姉妹艦のうちいくらかが戦後にイタリア、スペイン、西ドイツ、トルコ、ギリシャ、メキシコ、アルゼンチン、ペルー、ブラジル、台湾、韓国と供与されたため各国語が飛び交い、姉妹が揃うと誰が誰だか分からなくなるのが悩み。



…他国の艦娘紹介はこれで完了です。お待たせしました、次から本編に戻ります <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/03/07(火) 02:47:30.59 ID:bgSIJyvu0<> 提督「残念ね。…もっとも、一緒になっていたら複雑な気分だったかしら?」そっとチェザーレに言った

チェザーレ「まぁな。とはいえ、それは向こうも同じことだ…ところで、他の提督たちはどうなのだ?」

ガリバルディ「そうね、見に行きましょうよ」

提督「んー…。そろそろ掲示の前も空いてきたみたいだし…姫も一緒に行く?」

百合姫提督「そうですね…行きましょう」

エクレール提督「ならわたくしも行きますわ」

ミッチャー提督「それなら私も行くわ。エンタープライズ、フレッチャー。いい?」

エンタープライズ「私はオーケーよ、マーム」

フレッチャー「あたしも。とっとと行きましょうよ!」

ミッチャー提督「ファイン(よろしい)、なら行くわよ♪」


提督たちはそれぞれの艦娘と連れ立って、掲示されている貼り紙の前に来た。さっきまで中将、少将クラスで込み合っていたのもだいぶ収まり、新任らしい大佐や中佐たちは連れ立っている提督たちを見て場所を開けた…


提督「ありがとう。…えーと、タラント第六は……え」どいてくれた大佐に礼をいって掲示を探した…と、提督は自分の鎮守府の欄を見つけたまま固まった

エクレール提督「いったい何ですの?素っ頓狂な声をあげて…って、ありえませんわ!」

百合姫提督「どうしたのですか…まぁ、嬉しい♪」

ミッチャー提督「なに、三人ともどうしたのよ…って、本当なの?」


運命のイタズラか、はたまた何かの冗談か、「タラント第六」の欄には、「フランス、エクレール大佐。日本、百合野准将。アメリカ、ミッチャー准将」と、見事に三人の名前が並んでいた。


提督「えーと…とりあえず、改めてよろしくね」


<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/03/07(火) 11:48:19.78 ID:bgSIJyvu0<> …とんだ驚きが待っていたが講演会も無事に終わり、入り口には次々と送迎の車が来ていた。ミッチャー提督、エクレール大佐の車はもう来ていたので二人は先に乗って宿泊場所に戻って行ったが、百合野と提督はたわいない話をしながら時間をつぶしていた。


百合姫提督「あ…あの車ね。さ、行きましょう?」

足柄「ええ!少し肩が凝ったわよ」

龍田「早く帰って提督とカンピオーニ提督の関係をゆっくり聞かないといけないものねぇ」

提督「ふふっ…♪龍田、優しくしてあげてね」

龍田「分かってるわぁ、カンピオーニ提督。ちょーっと、「お話」するだけよぉ」

百合姫提督「…明日まで無傷でいられるかしら?」

足柄「自分でまいた種でしょうが…龍田、乗りなさいな」

龍田「そうするわぁ…きゃっ!」龍田は黒地に銀糸で流れる竜田川を描いた着物を着ていたが、足もとの石畳で下駄がすべった

足柄「ちょっと…!」慌ててつかもうとするがこちらも着物なので思うように身体を伸ばせない

百合姫提督「いけない…っ!」資料を放り出し駆けだしたが間に合いそうにない

提督「あっ!…ふぅ、よかったわ。けがはない?」…ぽすっ。とっさに飛び出し龍田を受け止める形になった提督。龍田が車止めに回ってきた車にはねられずに済んでにっこり微笑んだ

龍田「…大丈夫よぉ。ごめんなさいねぇ」提督の胸の谷間から見上げる龍田。着物が少しめくれて下の襦袢(じゅばん)と白いうなじがちらりと見える…

提督「よかった…可愛い龍田になにかあったら世界の美が一つ減ってしまうもの」

龍田「そんな、ほめ過ぎよぉ…///」

百合姫提督「よかったわ…けがはない?脚とかひねらなかった?」心配そうに聞く

龍田「平気よぉ…もう、提督は過保護にし過ぎよ」

提督「姫はそれだけあなたのこと大事に思っているのよ。無理もないわ、こんなに可愛い娘が慕ってくれるのですもの♪…さ、今は痛くなくてもひねったかもしれないわ。早く戻って足首を冷やさないと」つとあごに指を当てて顔を上げさせ、じっと見つめる提督。それから腰に手をあてて自分の乗る公用車にエスコートする…

足柄「ちょっと!いきなり口説くなんてイタリア人じゃないんだから!…イタリア人だったわ」

百合姫提督「…うふふふっ♪」

チェザーレ「…いくら提督とはいえローマでお遊びとは感心できんな。ドリアを泣かせたらローマの軍団(レギオン)が飾りでなかったことを教えることになるぞ?」

ガリバルディ「…ライモンドの悲しむ顔を見るくらいならガリバルディの名が伊達じゃないことをお見せするわよ?」

提督「…ごめんなさい。本当に心配だったからで悪気はないのよ」

龍田「…なら離してもらえるわよねぇ?」

提督「あら、ごめんなさい」手を離して軽く両手を上げた

百合姫提督「今度こそ行きましょう。…それじゃあ、またね」

提督「ええ♪…さぁ、私たちも行きましょう」


<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/03/08(水) 00:24:52.38 ID:u5PIFqGM0<> …数日後…


海軍所属の「ガルフストリーム」連絡・輸送機に同乗させてもらうことになった提督たち一行は、高級なビジネス・ジェット機であるガルフストリームのシートに座って、サービスのコーヒーをもらっていた。さっきまでは少しガタガタと揺れていたが、今は白い綿雲と紺碧の空、眼下できらめくサファイア色の海が目を楽しませ、リラックスさせてくれる。


提督「…ようやく安定したみたいね」

下士官「ええ、さっきはちょっと乱気流が…よかったらおかわりはいかがですか」

提督「ありがとう、もう結構よ…チェザーレ?ガリバルディ?」

チェザーレ「いやいや、もう充分堪能したぞ…二等軍曹、どうもありがとう」

ガリバルディ「ええ、ご馳走様」

下士官「…歴史でしか聞いたことのない方に礼を言われるっていうのは不思議な気分ですよ。欲しくなったらいつでも言って下さい」

提督「ええ、ごくろうさま」

提督「…ところで、みんなはうまくやっているかしら?」下士官が操縦室にコーヒーを持っていくのを見送りながら、提督はチェザーレに言った

チェザーレ「当然だろう?ドリアとライモンドがうまく仕切ってくれているさ。訓練メニューも組んでおいたではないか」

提督「そうよね…でも早く戻ってみんなに会いたいわ」

ガリバルディ「優しいわね、提督。…案外のんきにやっているかもよ?」

提督「それならそれでいいの。…過保護すぎるかしら?」

チェザーレ「いや、気にかけてもらえるのはいいものだ。…チェザーレはそんな優しい提督だからこそ恋をしているのだ」

提督「その、嬉しいわ…今度二人きりの時に耳元でささやいて欲しい///」

チェザーレ「あ、あぁ。そうだな…全く、ルビコン川を渡るのは勇気がいるな///」(ルビコン川…当時のチェザーレが元老院命令を破り、対立していたポンペイウスの領地に足を踏み入れた場所。その時に「賽は投げられた」と言ったとされる)

ガリバルディ「チェザーレ相手ではちょっと無理ね…。今は機会を待ちましょう…」

提督「ガリバルディ、どうかした?」

ガリバルディ「いいえ?…きれいな眺めねぇ」

提督「そうねぇ…」眼下の海を眺め、視線を遠くに向ける提督…


<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/03/08(水) 01:50:46.03 ID:u5PIFqGM0<> リクエストされた皆さま、長らくお待たせいたしました…これから駆逐艦×戦艦を投下します

………


…その頃・鎮守府沖…

「タラント第六鎮守府」では提督が「留守中にしておいて欲しいこと」のリストを作っておいたので、鎮守府の艦娘たちはそれに書かれている指示をこなしていた…とはいえ、日々の生活で必要なことは言われなくとも片付けられるし、訓練といっても軽く汗を流す程度だったので、留守の艦娘たちは和やかな生活を送り、別段苦労もしていなかった。
天気も良く、コンテ・ディ・カブールを旗艦とし、護衛のオリアーニ級駆逐艦四隻をつけた一個戦隊は真面目ながらも落ち着いた気分で、鎮守府沖数キロのところで砲撃訓練を行っていた…


カブール「主砲、斉射!」パウッ!…ドッ、ガーンッッ…!!周囲に余韻を残しつつ、前部三連装、連装砲塔の320ミリ砲が吼えた。訓練弾、しかも装薬は半分のはずなのに発砲のブラストで海面に波が巻き起こり、十数キロ先の的の周囲に大きく水柱が上がる。

カブール「次いで前部副砲、てっ!」連装120ミリ砲二基が火を噴く。回頭しつつ片舷三基、合わせて六門の副砲が次々と砲煙を噴き上げた。

ヴィットリオ・アルフィエリ「さすがだねぇ…私たちの主砲が副砲なんだものなぁ…」

アルフレド・オリアーニ「こらっ、ぼさっとしてないで左舷回頭二十っ!接近して雷撃用意!」提督からもらったイタリア国旗の三色リボンをなびかせ、滑らかにウェーキを描いて回頭を始める

ヴィンチェンツォ・ジオベルティ「まだだ、まだ…照準…入った!」533ミリ三連装魚雷発射管二基からするりと魚雷が射出され、白い雷跡を残して旗のついた的に向かった。

ジョスエ・カルドゥッチ「わたしも…行くよっ!撃て!」ジオベルティと入れ違うように射点に付き、魚雷を放った

アルフィエリ「照準よろし、てーっ!」

オリアーニ「目標…照準!発射っ!」ずーん…どっばーん!…と鈍い音が聞こえ、一瞬たってから水柱がそびえ立った。

オリアーニ「そのまま主砲、撃て!」単縦陣、右舷斉射の形で120ミリ連装砲二基を撃ちこむ

アルフィエリ「煙幕展張!離脱しよう!」

オリアーニ「よろしい!取り舵一杯!全速で離脱するわよ!」


近づいての雷撃、砲撃を終え、カブールを囲む形で帰途に着いた戦隊。硝煙の臭いと潮風が混じりあい、すっかり戦闘後のような緩んだ気分でいる。


アルフィエリ「それにしても、カブールお姉さんはすごいね…あんな大きい320ミリ砲を十門も備えているんだもの」

カブール「いえ、私は戦中タラント奇襲で大破着底。浮揚はしてもらえましたが、回航されたトリエステ(イタリア北部)で直らないまま敗戦を迎えて、ドイツ軍の手に落ちたあとは修理も進まず、最後は空襲で再度沈没…実質なにもしていないんですよ」

オリアーニ「でも、その分この姿で活躍してるし、私は十分すごいと思うわ」

カブール「ふふ…そうね。自由に動ける身体に豊かな感情、それに…こんなにも海って素晴らしいものなのね♪」

カルドゥッチ「うん、あたしもすごいと思うよ。…カブールお姉さん、1915年生まれには見えないものなぁ」

カブール「…年齢のことは言いっこなしよ。だいたい、この姿になったのはほぼ同じでしょう?」

カルドゥッチ「でもね…それでもだよね」

カブール「…むぅ、怒りますよ?」

ジオベルティ「いい加減止めなってば…どうなってもわたし知らないわよ?」

カルドゥッチ「そうだね、この辺にしとくよ」手をひらひらと振りながら冗談めかした

カブール「もう、身体は若いんですからお婆ちゃん扱いはやめてちょうだい」

オリアーニ「ほんと、妹たちが生意気いってごめんなさい…」

カブール「うふふ…いいのよ。こういうのも新鮮で面白いわ…そろそろ基地ね。お昼が楽しみだわ」

アルフィエリ「ほんと、お腹がすいたね」

………

<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/03/08(水) 01:54:57.23 ID:u5PIFqGM0<> …きりがいいので今日はこのへんで止めます。たぶん明日あたりから百合しますので… <> ◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/03/08(水) 16:39:35.57 ID:u5PIFqGM0<> …鎮守府・ドック…


無事に訓練を終えたカブールたちの戦隊は鎮守府のすぐ沖合で巨大な艤装を解き、鉄扉が開かれまぶしい光が射しこんでいるドックに、惰性でしずしずと入った。硝煙と汗で服がちくちくして、ここ最近の陽気と砲撃の熱気で身体が火照っている…。カブールたちはレンガ造りの船渠の端に付けられている階段で水から上がると、一息ついた。


カブール「ふぅ、いい運動になりました。…不謹慎かもしれませんが、戦中は全然戦闘できなかったので、こうして砲撃を行うと…なんというか、熱くなってしまいますね…///」普段はおっとりした容姿で奥ゆかしいカブールだが、今は頬を火照らせ、額にしっとりと汗をかいている…が、それだけではなく、瞳がとろんとしていて、妙に内股でもじもじしている

アルフィエリ「本当、いい運動だったよぉ。魚雷もきっちり当たったし、何ていうか…興奮しちゃった♪」熱っぽく言うアルフィエリは濡れて張りついた服を早く脱ぎたいので、浴場に向かおうとする。そのセーラー服風の上着が透けて、下の淡灰色のブラジャーが透けて見える…

カブール「そうね…お昼は何かしらね?」時々かすれたような息をつきながら、適当な相づちを打つカブール

オリアーニ「カブールさん、大丈夫?一緒に行きましょうか…?」オリアーニがしぶきで濡れた上着を脱ぎ、カブールの白くて柔らかい手を優しくつかんだ

カブール「え、ええ…///」オリアーニに返事をしているものの、その声は妙に艶っぽい

カルドゥッチ「どうしたの?久しぶりの運動でくたびれちゃった?」思いやりの気持ちはあるがいつも軽い態度をとってきた手前、冗談めかして聞くカルドゥッチ。濡れたスカートの裾を絞り、それから火照った顔を濡れた手で撫で回し、髪をかきあげた。

カブール「だから…お婆ちゃん扱いはやめてくださいな…」水気を絞るためにたくし上げたスカートからのぞいたカルドゥッチの白いふとももと、濡れてぴったりと張りついたハイソックスを凝視していたカブール

ジオベルティ「…カブールさん、具合が悪いなら医務室に行く?」カブールを下からのぞきこむように見上げたジオベルティ。その白に近い淡灰色のセーラーから赤みの差した白い肌が見え、汗の塩気と水っぽい匂いの混じった香りが立ち上ってきた…

カブール「いえ、「具合が悪い」とはちょっと違うのですが…」

オリアーニ「どうしたんですか、なにか心配なことでも?…私たちでよければ聞きますよ?」

カブール「ええ、その…少し恥ずかしいのですが」

カルドゥッチ「カブールお姉さん、もったいぶらないで早く言っちゃいなよ♪」

カブール「そう…ですね。そのぉ…」まるで内気な少女のようにもじもじして、なかなか言葉が出ない

アルフィエリ「…その?」

カブール「さっきから…身体が疼いて…正直、もう濡れてしまって…したくてたまらないの///」やっと言い切ったカブールは、両手で頬を押さえて少しうつむいた

オリアーニ「えっ…いや、まぁ…わかります。訓練や出撃って何だか興奮すると言うか、かーっとなりますもんね」

カブール「ええ…だからさっきから「浴場までは」と思って抑えていたのだけど…あなたたちの前でごめんなさい。でも…もう…我慢しきれそうにないわ///」そう言って力が抜けたように腰を落とし、壁に手をつくと、右手をするりとスカートの中に滑り込ませた

カブール「んっ…気持ちいいっ!…くぅ、んんっ♪…はぁぁ♪」くちゅ、くちゅっ…じゅぷっ♪大柄なカブールが壁に手を付き、オリアーニ級の四人の目の前で切ないような喘ぎ声と水音を立てて行為にふけり始めた

カルドゥッチ「おぉ…すっごいねぇ、ぞくぞくするよ♪」

オリアーニ「うわわっ///…カブールお姉さん…色っぽい///」




<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/03/10(金) 01:42:23.63 ID:w48wwf0N0<> カブール「んぁぁっ…♪くぅ…んっ…はぁぁ♪…見られながらするのも…っ、気持ちいい…の、ねっ…んぁぁっ!」オリアーニたちの好奇と気恥ずかしさが混じりあったような視線を感じながら頬を紅潮させて喘ぐ

オリアーニ「…ごくり」熟れた甘い匂いをさせながら腰をくねらせ、とろけた表情のカブールに息を呑んだ

アルフィエリ「はぁ…はぁ♪カブールお姉さん…っ、私も、混ぜて…?」カブールだけではなく、アルフィエリも訓練で身体がたぎり興奮しているところだった。カブールに近寄り、足もとにすがりついて形のいいふくらはぎを舐めあげた…白くてもちもちなふくらはぎを舐め、時折かぷり…と甘噛みする

カブール「はぁぁ…ん!アルフィエリ、それ…気持ひいぃ…ですっ♪もっと…舐めて…ぇ♪」くちゅ…くちゅっ…と濡れた秘部をかき回すみだらな響きに、アルフィエリが滑らかな脚に舌を這わせる音と、カブールのねだる声が混じる…

ジオベルティ「カブールさん…♪わたしにも…手伝わせて?」

カブール「はぁ…んんっ♪えぇ…私の、火照りを…鎮めて…ください…っ♪」少し視線をそらせて恥ずかしげにしつつも、唇を突きだして求めた

ジオベルティ「カブールさん…♪……ちゅっ、ちゅぷっ…れろっ、じゅるっ♪」腰を突きだし誘っているような体勢のカブール、その半開きのぷるっとした艶やかな唇に自分の唇をあてがった…最初こそ遠慮がちなキスだったが、カブールもジオベルティも次第に我を忘れ、舌を絡めてお互いにむさぼり始めた

カブール「んふっ…んんぅ…じゅるっ、じゅぶっ…んぁ♪…気持ち、いいです…じゅるっ、んちゅっ♪」

ジオベルティ「んっ…ちゅるっ、じゅぶ…ん、じゅるぅぅ♪……はぁ、はぁ。なら、もう一回…ちゅぷっ…じゅるっ♪」

カルドゥッチ「カブール…こっちも疼いてるでしょ、お手伝いするね…っ♪」脇から身体を寄せて、大きく柔らかな乳房の下から手を回すと、遠慮なく揉み、先端をつまんだ

カブール「んぁ…そこ、いいですっ…あんっ♪もっと、乱暴でいいですから…揉みしだいて、好きなようにして…ぇ♪」

オリアーニ「はぁ、はぁ、はぁ…♪カブールさん…こっちも…いいですか?」…ぐちゅ…ぐちゅっ、ぐちゅっ、ずりゅっ♪…妹たちに身体を好き放題されて悦んでいるカブールを見て、オリアーニも我慢できなくなった…器用に足下のアルフィエリをよけて立ち、むっちりした腰に手をかけると、そのまま腰を擦り付け、カブールの手に自分の手を重ね、指を秘部に突き入れた

カブール「はい…♪んあぁっ!…オリアーニの指っ、いいっ…いいですっ♪もっと、奥まで…して♪」ずぶずぶっ…じゅぶっ、ぐちゅっ♪二人の重なった手が膣内をかき回すと、カブールはとろっと蜜を垂らし、ずらした下着の隙間から入ってくるしなやかなオリアーニの指にしたたらせた…

ジオベルティ「んふふっ…もったいないよ♪…ん、れろっ…じゅる…くちゅ、じゅぼっ♪」さっきから脚を舐めまわしていたが、そのままふとももに手をかけて身体を引き上げると、濡れそぼっている花芯を舐めあげた

カブール「んっ♪…あふ、んぁっ…舐めまわされて、よがってしま…んあ゛ぁぁっ♪」ひときわ敏感な所に舌が入り込んできて、思わず激しい喘ぎ声を出した

ジオベルティ「ここが気持ちいいんだ…ねっ♪…ぐちゅっ、じゅぶじゅぶっ、じゅるぅぅっ!」

カブール「あ゛ぁぁっ♪そこっ…そこ気持ちいいです…っ♪もっと…して…っ!」

オリアーニ「はぁっ、はぁっ…♪なら…私も…気持ちよくしてあげますね…っ♪」じゅぶっ、ぐちゅぐちゅっ!

カブール「あ゛っ、あ゛っ…ん゛ぁぁっ♪いい…っ、いいの゛っ…イ゛きま゛すぅっ♪」どぷどぷっ、どろっ…ぶしゃぁぁ…っ♪かすれたような叫び声をあげ、貴婦人のような普段からは想像もつかないだらしない表情で絶頂した

カルドゥッチ「…まだ、だよね?…遠慮しないでいいよ…こんなに悦んでくれるなら、もっとしてあげるよ…?」ずっしりとした乳房をこねくりまわしながら、欲情した瞳で見つめるカルドゥッチ

カブール「はぁ、はぁ、はぁ。ええ…もっとしたいです…私の事…思う存分…喘がせて下さい♪」


<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/03/11(土) 00:16:48.29 ID:Rx2vcWcr0<> …同じころ・イタリア半島上空…

提督「みんなどうしているかしらね…チェザーレとガリバルディだけ連れてきてしまったから、カブールとアブルッツィはさみしがっているかもしれないわ」

チェザーレ「ふむ…しかしそれももう数時間のことであろう?…タラントまであとどのくらいであろうか?」

提督「えーと…タラントまでだいたい数十分、外国の提督が訪問するわけだからタラントの司令部で出迎えがあって…たぶん二時間はかからないはずよ?」

チェザーレ「ならば夕方ごろの到着か。まぁ、カブールには土産を渡して我慢してもらおうではないか」

提督「チェザーレも途中で買いこんでいたものね。…あらあら、ガリバルディはすっかりお休みね…可愛い♪」すぅ…すぅ…、と寝息を立てて眠っているガリバルディの穏やかな表情を見て微笑んだ。…後ろの席では百合姫提督が足柄の肩に頭を乗せて、小声で歌を口ずさんでいる

百合姫提督「♪〜ふ・あ・ん・なー気持ち残したままぁー…町はDing・Dong遠ざかってい・く・わぁ〜…」

提督「ふふふっ…姫も相変わらず可愛い♪…みんな、もうすぐだから寂しがらずに待っていてね♪」窓から南イタリアの空を眺めつつ、そっとつぶやいた
<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/03/11(土) 02:22:00.82 ID:Rx2vcWcr0<> …一方その時、鎮守府・ドック…

ジオベルティ「んっ、じゅる…れろっ♪いいっ…気持ちいいですっ♪」じゅぶっ、じゅぶじゅぶっ…ぐちゅっ♪唾液をすすり、顔を舐めまわし、むさぼるようなキスを続けている…快感にとろけて目がうつろになったカブールは中腰のままジオベルティと唇を交わし、犬の飼い主のように顔中を舐めまわされて、唾液でべとべとにしている…

オリアーニ「あっ、あっ、あぁぁっ♪いいですっ!カブールさんの膣内ぁ…熱くって、ねっとりしててぇ…最高です…っ♪」ぢゅくっ…ぐちゅっ♪腰に抱き着いたまま指を熱い秘所に出し入れし、自分も腰をがくがくさせながらカブールのむっちりしたヒップを蜜でどろどろに汚すオリアーニ

カブール「はぁぁんっ♪…もっと…あ、んぅっ♪…私のっ、こと…ぉ、めちゃくちゃにして下さい…っ♪」内股で壁に手を付き、中腰でがくがくと身体をひくつかせ、喘ぎながらとろとろと蜜を垂れ流す…

カルドゥッチ「ここが気持ちいいんだよね…っ?ほら、遠慮しないでイっちゃおう?」ちゅぅぅっ…こりっ♪淡灰色の薄手のセーターをめくりあげると、ゆさゆさと揺れる胸の先端に吸いつき、軽く甘噛みした

カブール「あんっ、あふっ♪…ちゅうちゅうされても…っ、んんっ♪母乳なんて…っ…出ませ…んあ゛ぁ゛っっ♪」

カルドゥッチ「本当にこの牝牛さんはお乳が出ないのかな…っ?んっ、ちゅぱっ、ちゅぅっ…んちゅぅぅっ♪」

カブール「あひぃぃっ、こりこりっ…されるの気持ひいぃっ♪…気持ちいいですけどぉ…出ませんってばぁ♪」ぐちゅっ、ねちょっ…ぶしゃぁぁっ♪

アルフィエリ「でも…こっちからは、あまぁいクリームがとろとろ垂れてますよぉ?」じゅる、じゅるっ…ぐちゅっ!

カブール「んはぁぁ、そこっ…そこはっ、じゅぶじゅぶされると…ぉ、いっぱい出ちゃいます…っ♪…あんっ、舌が…這入って…来てっ…私っ…もう、イきますぅ゛っっ♪」どぽっ…どぷっ…とろとろっ…♪水たまりができそうなほど大量に蜜をぶちまけた

アルフィエリ「えへへぇ…カブールさんのこってりとろとろのクリーム♪…いっぱいかけられちゃいました♪…じゅるっ、ちゅるっ…んふふっ、おいしいっ♪」顔面にかかった蜜をしゃくっては舐め、ぐっちょりと濡れたセーラーをカブールのふとももに擦り付け喜悦の声をあげる

オリアーニ「…はあっ、はぁ、はぁぁっ♪…カブールさんっ、私もっ…イくぅぅっ♪」がくがくっ…ぶしゃぁぁっ♪オリアーニが蜜を噴きだし、カブールのグレイグリーンのスカートと、黒いレースの下着をすっかりべとべとにした…下着がぴっちりと張りつき、滑らかでたわわなヒップがすっかり透けている…

カブール「あんっ…お尻にもぉ…とろとろのシロップをかけられちゃいました…ぁ♪…よかったら、そのまま召し上がれ?」服を半分脱がされたみだらな姿で甘えた声を上げ、そのまま姿勢を落とすと膝立ちになった

アルフィエリ「じゅる、じゅぼっ…カブールお姉さん…じゅるっ、じゅるぅぅ♪…んぁ…レンガだから固いでしょう?…じゅぶっ…そのまま…ぐちゅ…わたしのこと…ぐちゅっ♪…下敷きにしちゃって下さいっ♪」

カブール「あふぅぅっ♪…私…あん、あんっ♪…重いから…ひぐぅぅっ♪」

アルフィエリ「だから…してぇ♪カブールお姉さんっ…のしかかって…ぐちゅぐちゅしてぇ…っ♪」

カブール「そう…?なら…えいっ♪」ずりゅっ♪…カブールのむちむちの身体が愛蜜でぬめり、いやらしい音をたてた

アルフィエリ「んん…っ♪すごくいいっ…むっちりしてて、いい匂いで…温かい♪…おまけに…ねとねと…っ♪」乳房の谷間に顔を挟み込まれ、全身を押しつぶされたようになりながら歓喜の声をあげる

カブール「あふっ…んんっ♪アルフィエリも…ぬめぬめしてて気持ちいいわ…っ♪」ずりゅ…ずりゅっ、ぬちゅっ♪…そのまま太陽に温められたレンガの上で腰を動かすカブールとアルフィエリ

カルドゥッチ「あぁっ、ずるいっ…♪」上向いているカブールの顔に花芯を擦り付け、奉仕させるカルドゥッチ

カブール「あんっ、んふっ♪…ちゅぽっ…れろっ…じゅるっ♪」

ジオベルティ「私もぉ…っ♪」カルドゥッチと隣り合ってカブールの前に立ち、ぐっしょりと濡れた秘部を押し付ける

カブール「んふふっ♪…ぷはぁ…もう、ちゃんと…してあげますから…♪」カブールは小柄な駆逐艦に「ご奉仕」させられている背徳感でぞくぞくしながら、舌先だけでれろれろと舐めまわし、柔らかな割れ目に舌を差しこみ、熱い蜜を浴びた

オリアーニ「こっちも…いいわ…ぁ♪」とっぷりと蜜がしたたる肉付きのいいふとももにまたがり、ぐちゅぐちゅと動く。下ではアルフィエリが秘部を重ねあわせ、これもぐちゅりと水音をたてて動いている…

カルドゥッチ「んぁぁっ♪…もう、イくっ、イ゛ぐぅぅっ!カブールっ、全部っ…飲んでぇ…っ♪」ひざをがくがくさせながら、カブールの顔面にぶしゃぁぁ…っ♪と蜜をかけた

ジオベルティ「はぁ、はぁ、はぁぁっ♪もう…イきますぅっ♪」とろっ…ぶしゅぅっ♪トロ顔で舌を垂らして、カルドゥッチとほとんど一緒に果てた

アルフィエリ「んんっ…んぐぅ、んぅぅっ♪」ぐちゅっ…どぷどぷっ♪こもった声をあげながら、カブールの豊満な身体の下でイったアルフィエリ

オリアーニ「んぁぁっ、はぁぁっ♪…いくぅぅっ♪」ぶしゃぁぁ…♪天を仰いで腰をがくがくさせ、カブールの腰から背中に蜜をほとばしらせた

カブール「んっ♪…ごくっ、ごくん♪…んぁぁぁっ♪」カルドゥッチとジオベルティの蜜をしゃぶり、口で受け止めながら絶頂した




<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/03/12(日) 00:59:05.35 ID:EkIcZnL30<> カブール「あはぁ…♪んぐぅ…れろっ、ぢゅる…っ♪あん…っ、もっと…ぉ…いやらしい私に、ごほうび…くださぁい…っ♪」しばらく二人の花芯をしゃぶり、だらしないトロ顔にたっぷり蜜を浴びせられたカブール。それからしばらくオリアーニたちに良いようにもてあそばれ、脚を開かされたり、腰を突きだしておねだりさせられたりした…最後は床に寝転がって、服が半分脱げたままの状態で両手を上に投げ出した

オリアーニ「はっ、はっ…はぁぁ♪…またイくぅぅっ♪」欲望をかき立てられるみだらな姿のカブールに、たっぷりと愛蜜を浴びせかけた

アルフィエリ「いいっ…いいのぉ♪カブールお姉さんに…っ、お汁かけちゃうなんて…っ♪」ぶしゃぁっ…♪恥ずかしげに両手で頬を押さえながらも、タガが外れたようにカブールを汚すアルフィエリ…恥ずかしさと背徳感に目を輝かせ、思う存分べとべとにした

カルドゥッチ「カブールさんの身体は二人がぐちゃぐちゃにしちゃったね…でも、もっとかけちゃおう♪」ジオベルティのぐっしょりと濡れた秘部を責めたてた

ジオベルティ「うんっ♪…んぁぁっ!あひっ、しょこぉ…っ、いいよぉ…っ!」ぐちゅぐちゅっ…じょわぁぁ…♪ろれつの回らない舌で喜悦の声をあげ、カルドゥッチの責めでたっぷりと蜜を垂れ流した…どろどろになったカブールの身体からぽたぽたと汁がしたたる

カブール「あん…直接…かけちゃっていいですから…っ♪もっとぉ…んあ゛ぁぁっ♪」がくがくっ…びしゃぁぁっ♪カルドゥッチがいきなりぐちゅり…とつま先をねじ込み、背中を反らして絶頂したカブール。ねっとりした蜜が流れだすと、細い流れを作って船渠の海面にしたたり落ちた…


………

…数十分後・廊下…

カブール「うふふっ…本当に好き放題されてしまいました…でも、よかったですよ♪」…くちゅ、にちゅっ…ぴちゃっ♪歩くたびに床に蜜がしたたり、手すりに手をかけたカブールは腰が抜けて気だるい身体を引っ張るように歩く。やり過ぎて気恥ずかしげなオリアーニたちが反対側を支えてくれ、蜜や唾液でべとべとになった顔や手をできるだけ拭きつつ、浴場に向かっていた。

オリアーニ「本当にごめんなさい…そんなつもりじゃなかったのに、頭がぼーっとなったら、我慢できなくなってしまって…」

カブール「構いませんよ。最初に始めたのは私なんですから…んっ♪」愛液を注ぎ込まれていたエナメルのハイヒールが一歩ごとに、にちゅっ、ぬちゅっ…と音を立てる

カブール「…それにしても、とってもいやらしくて…気持ちよかったわ♪……機会があったら私のこと、また思う存分好きにしていいですよ♪」

カルドゥッチ「ふふふっ、嬉しいな♪カブールお姉さんってば、優しい顔してとんでもない変態なんだね♪」

カブール「まぁ、せっかくのハイヒールをこんなにしたカルドゥッチに言われるなんて…ふふ、でも…そうね。カブールは駆逐艦に好きにされて悦んでしまう、いやらしいお姉さんです♪」

ジオベルティ「あのぉ…よかったら、カブールさん」

カブール「なんでしょう?」

ジオベルティ「機会があったら…また上からのしかかってくれますか…身体がむっちりしてて、とっても良かったので///」

カブール「はい、いいですよ♪…あら、着きましたね。ここまで曳航ありがとう、オリアーニ、アルフィエリ、カルドゥッチ、ジオベルティ。…むらむらしたら、また誘って下さいね♪」困ったような、気恥ずかしい笑みを浮かべて、一人ひとりにキスをした…



<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/03/12(日) 01:21:17.81 ID:EkIcZnL30<> …夕方・鎮守府への道路…


午後の陽ざしも赤みを帯びて西日になり始めた頃、提督たちの車列が白バイ警官の先導付きで鎮守府に向かっていた。車列は提督のランチアを先頭に、タラント司令部が用立ててくれた中型バスに乗り込んだ各国の提督たち。…准将二人、大佐一人を一緒くたにするわけには行かないとタラントの担当士官は文句をつけたが、結局鎮守府の駐車スペースがないことにして乗り切った。


提督「ふぅ、予想より早く着きそうね…さっきタラントで電話はかけたし、みんなでお出迎えしてくれれば立派に見えるでしょうね」

チェザーレ「うむ。チェザーレもそう思うぞ」

ガリバルディ「それにしても、空き部屋が多くてよかったわね」

提督「ほんとね…エーゲ管区の司令官の中には、来賓を泊める部屋がないから自分は作戦室にマットを敷いて寝るなんてぼやいている人もいたもの…」

チェザーレ「提督、見えたぞ」指を差す先には、午後の陽ざしで金色に輝く海と、湾曲した海岸を望む鎮守府が見えた

提督「本当ね。…まだ数カ月なのに、すごく懐かしい気分」

ガリバルディ「提督が馴染んでいる証拠だわ。いいことよ」

提督「そうね、ありがとう…あなたたちのおかげよ♪」

ガリバルディ「///」

チェザーレ「うむ、そう言ってもらえて光栄であるな」


………




<> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<><>2017/03/12(日) 01:52:16.44 ID:EkIcZnL30<> …鎮守府・玄関…


車列が入り口近くの素っ気ない迎賓施設の前に停まり、提督とチェザーレ、ガリバルディは先に車から降りた。提督と鎮守府の艦娘たちが整列するなか、バスから降りた各国の提督たちが整列した。


提督「タラント第六鎮守府へのご来訪、心より歓迎いたします。敬礼っ」全体がばしっと敬礼を決めた。各国提督からの答礼を受け「休め」の体勢になった艦娘たち

提督「…以上、歓迎の式典を終わります。解散っ」いたずらっぽい笑みを浮かべ、ちろりと舌を出して見せた提督。…すると、ただいまを言う暇さえなくあっという間に艦娘たちに取り囲まれた

ライモン「お帰りなさいっ、提督っ♪」ん…ちゅぅぅっ♪

ドリア「帰って来てくれて嬉しいです♪提督がいなかった時間の分…キス、させて下さいね?」ちゅぷっ…れろっ…んちゅっ♪

エウジェニオ「ローマの可愛い娘にたくさん口づけされたことでしょうから…私から上書きさせてもらうわ♪」ちゅぅぅっ…くちゅぅぅ♪

提督「んっ…ぷは♪…もう、待って…そんなに…んんっ…キスされたら……我慢できなくなくなっちゃうから、ね?」

百合姫提督「まぁ…艦娘たちとずいぶん親密なのね…」

ミッチャー提督「…全く、笑えるわ」

エクレール提督「ま、まったく…あ、ありえませんわ!ふしだらなことこの上ないですわ!」

提督「…えーと、奥が本当の施設だからついてきてもらえる?」

ミッチャー提督「オーケー。行くわよ?」

エンタープライズ「アイアイ、マーム」

フレッチャー「アイアイ、マーム。…駆逐艦はずいぶん小さいみたいね」





<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/03/12(日) 01:54:48.36 ID:EkIcZnL30<> …申し訳ありません、きりが悪いですが今日はこのへんで。次回早めに投下しますので、お待ちいただければと思います… <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/03/12(日) 02:05:06.06 ID:XumFDJ6Fo<> おつ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/03/12(日) 14:59:38.57 ID:uybftyeSo<> 乙です
毎度すばらしい <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/03/13(月) 00:06:32.07 ID:TXUil3Os0<> グラツィエ!やっぱり感想いただけるとやる気がでますね、引き続きダレることのないよう投下していきます

ちなみに次の百合エロのシチュは多少考えてます…お待ちください <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/03/13(月) 01:09:06.33 ID:TXUil3Os0<> …ぞろぞろと連れだって歩きながら出た言葉は、大柄なフレッチャーからすると当然の感想だったが、その何気ない言い方に二人の駆逐艦がピクリと反応した


ミラベロ「小さいからって、必ずしも幼いわけじゃないのよ…?」

リボティ「そう、私たちだって…いろいろ経験してきているんだよ…?」

大柄なフレッチャーに比べずいぶん小さいがずっと年上のミラベロ級の二人は、子供扱いがしゃくにさわったのか、フレッチャーの左右に立っていやらしく身体を擦り付け、重さを計るように乳房の下に手を添えてささやいた

フレッチャー「ヘイ、ちょっと…そういうことするにはまだ早いんじゃない?それともイタリアでは当たり前なの?」フレッチャーの困惑した声を聞きつけ、前の方で艦娘に取り囲まれていた提督が振り返った

提督「…ミラベロ、リボティ?」…必要以上ににっこりしている提督

ミラベロ「…はぁーい」

リボティ「…でも子供扱いは嫌だな」

ミッチャー提督「あぁ、うちのフレッチャーがごめんなさい。でも、悪気はないのよ?…フレッチャー、彼女たちに謝りなさい」やはり事態に気づいて、フレッチャーに反省を促した

フレッチャー「アイアイ、マーム。…ソーリィ、悪かったわ…よかったら水に流して仲良くしてくれる?」片手を差し出す

提督「ですって、ミラベロ?リボティ?仲直りしてくれるわよね?」

ミラベロ「謝ってくれたし、いいわ。駆逐艦、ミラベロ級。カルロ・ミラベロよ」

リボティ「同じくミラベロ級、アウグスト・リボティだよ。よろしくね」それぞれ握手して、背伸びをすると左右の頬に挨拶のキスをした

フレッチャー「んっ…イタリアのあいさつはこうだったわね///…フレッチャー級駆逐艦、フレッチャー。対空、対艦、対潜、とりあえずなんでもできるわ。よろしく」

提督「よろしい♪」

ミッチャー提督「悪いわね、フランチェスカ。…まったく、口が軽いんだから。って……アォ、ジィース!とんでもなく大きい鎮守府じゃない…ノーフォークの私の所より立派よ。すごいじゃない!」入り口正面の建物だけかと思って道を進み、別荘じみた本棟を見てたまげる

エンタープライズ「全くすごいわね」

提督「環境はすごくいいわ。羽を休めてくれたら嬉しいわ…あんっ♪…もう、エウジェニオったら、どこ触ってるの♪」するりとヒップを撫でられ、甘い声で形ばかり叱った

百合姫提督「それにこんなにたくさんの艦娘たち…仲もよさそうね」…提督の回りにまとわりついて話しかけたり荷物を持とうとしたり、時々身体を触っている艦娘までいるのを、百合姫提督はほほえましく眺めた

龍田「…私の薙刀を貸しましょうかぁ?」

百合姫提督「…いいえ。私はフランチェスカのそういう型に押し込まれていないところが好きなの」

龍田「健気ねぇ…」

百合姫提督「…それに私は力がないから、本気だったらお薬で眠ってもらってからにするわ…♪」

足柄「……龍田もアレだけど、提督も結構似たものどうしなのよね…」

龍田「あらぁ…何か言ったかしらぁ?」

足柄「何も…ほらやっぱり」

百合姫提督「んー…?何か言った?」

足柄「何でもないわよっ!…それにしても美人が多いじゃない…泥棒猫に取られないようにしなきゃ…」

リシュリュー「しかし広いですな…提督がこのように大きな所と付き合いがあれば、トゥーロンに戻っても何かと影響力がありましょう」

エクレール提督「…信じられません…なにかコネでも使ったに違いありませんわ!」

提督「…そういうのはないから、きっと指揮能力で評価してもらっているんでしょうね。…そちらはどうなのかしら?」

エクレール提督「ぐっ…!」

ジャンヌ・ダルク「提督、連中は数ばかりいても烏合の衆です!きっと栄光あるフランス国旗にひざまずくことでしょう!」


<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/03/13(月) 01:55:53.88 ID:TXUil3Os0<> ピシッ…常にフランスの栄光をたたえ、神の加護を唱えるジャンヌ・ダルクだが、場所が悪かった。…その言葉が聞こえた瞬間、周囲の歓談がいきなり静まった。

提督「あー…やっちゃったわね」額に手を当てて首を振る提督…

ジャンヌ・ダルク「やはりフランスの栄光にはかなわないのでしょう!モン・コマンダン(私の司令)!ご安心なさいませ、この聖女ジャンヌがお側におります!」

エクレール提督「ジャンヌ…!駄目ですわ…っ!」小声でたしなめる

リシュリュー「…ふむぅ」策士らしく、そっとジャンヌ・ダルクから離れた

チェザーレ「…チェザーレの耳には小娘が何か言ったように聞こえたが」

ドリア「あら…可愛いお嬢さん、面白いことをいいますね…♪」

ガリバルディ「へぇぇ…ジャンヌ・ダルク、だったわよね?私はイタリア統一したけど、貴女はフランス統一できたの?」

レオーネ「このレオーネが駆逐艦だからって、獅子の尻尾を引っ張るとはね…「面白い奴だ…殺すのは最後にしてやる」かな」

ジャンヌ・ダルク「…ひっ!…このジャンヌ、決して屈したりは致しませんわ!」

エウジェニオ「あら、そう。…なら、力でねじ伏せるのも面白そうね♪泣いておねだりするまで…させちゃおうかしら♪」じゅるりと舌なめずりしそうな勢いでジャンヌ・ダルクに視線を這わす

ニコ(ニコロソ・ダ・レッコ)「…それ、面白そう♪…その時は混ぜてくれる?」

ジャンヌ・ダルク「…ひぃぃ!司令、そして神よ、わたくしをお救い下さいませ!」

提督「はぁ……みんな、いい加減になさい?…泣きそうじゃない」

チェザーレ「うむ…提督が言うなら致し方ないな…皆も止めておこうではないか」

ガリバルディ「そうですね。エウジェニオ、止めましょう」

エウジェニオ「残念ね♪泣いて懇願するフランス娘を滅茶苦茶にするって、なかなか刺激的だと思うのだけど…」

ガリバルディ「また今度にしなさい」

ジャンヌ・ダルク「このジャンヌ、泣いてなどおりません!」

エクレール提督「全くですわ…でもここはイタリアですから、少し気をつけなさいな…」

ジャンヌ・ダルク「…申し訳ありません、提督。このジャンヌがもっと立派なら…このような辱めを受けずに済んだものを」

提督「はぁ…全くもう」








<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/03/13(月) 02:24:37.62 ID:TXUil3Os0<> …鎮守府・食堂…


本棟の空き部屋にそれぞれの提督、艦娘を割り振り、全員堅苦しい正装を着替えてから改めて集まった。窓の外は暮れていく夕空と海の眺望。窓を開けると涼しい風が吹き、波の音が心地よく響く…


百合姫提督「わぁ…素敵ね」提督との甘い一時を想像して胸をきゅんきゅんさせ、海に見入った

ミッチャー提督「イタリア海軍って予算あるのね…こっちなんてソファーから絨毯から全部自費よ」艦娘にいい環境を与えてやりたいと思っているミッチャー提督は、贅沢な設備にため息をついた

エクレール提督「…なかなかですが、家具の趣味が今一つですわね」かなわないなりにどうにかやり込めようとした

提督「ふふっ、ここは「憩いの場所」ってところね。いつ居ても構わないし、自分でやるなら好きな時にお茶が飲めるわ。…夕食までまだ時間があるし、しばらくおしゃべりでもしましょうか…今お菓子を用意するわ」

百合姫提督「あ、フランチェスカ」

提督「なぁに、姫?」

百合姫提督「せっかくだから、持ってきたお土産を渡したいの…足柄、龍田」

足柄「はいはい、全く重かったこと…私に足柄山の金太郎ゆずりの力が無かったらへばってたわよ?」

龍田「そうねぇ…。こんなに用意して、事前に会えると分かっていたとしか思えないわぁ」


どさどさっ…持ってきたトランクの二つ分を開け並べると、長机の半分ほどに箱や袋が積み上がった。


提督「これ全部…?」

百合姫提督「ええ、せっかくだから各地の美味しいものを持ってこようと思って…艦娘の娘たちもたくさんいるけど、足りるかしら?」

提督「むしろ余るでしょう…ディアナ、冷蔵室の空きを確認しておいてもらえる?」

ディアナ「よしなに」相変わらず青いルージュをひいたディアナが厨房から出てきた

提督「どう?」

ディアナ「きっと入るでしょう、心配いりません」

提督「そう、ならよかったわ。ありがとう♪」ちゅっ…と白い頬に口づけをすると、ディアナは「まぁ…」と言って頬を赤らめ、ティーセットを取りに厨房に戻った

提督「…それで、と。どれも美味しそうだけど、何があるのか紹介してほしいわ♪」

百合姫提督「はい♪」



<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/03/13(月) 02:29:47.83 ID:TXUil3Os0<> …しばし百合姫提督のお土産紹介が続きます。各地の銘菓・名物を用意しましたが、なにか地元の名物があれば追加しますので遠慮せずにコメントしてくださいね…
<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/03/13(月) 02:50:04.98 ID:TXUil3Os0<> ミッチャー提督「ずいぶんあるわね、しまったわ…牛一頭くらい持って来ればよかったかしら?」

提督「うふふっ、そんなのどうするのよ♪」

ミッチャー提督「丸焼きとか…?まぁいいわ、日本のお菓子は繊細だし、早く見たいわ」

提督「そうね。姫、開けてみて?」

百合姫提督「なら北からにしましょう…まずはこれね」白い紙箱に水彩画のような花の絵が描きこんであり、箱を開けると個包装された洋菓子が並んでいる…

提督「これは?」

百合姫提督「北海道、「六花亭」のチョコマロンと百歳(ももとせ)ね。…チョコマロンはココア生地にマロンクリームを挟んで、チョコレートをかけた丸いお菓子で、百歳は船形のパイにジャムを入れたお菓子よ。ここのお菓子はバターサンドが有名だけど、こっちの方が好きだから、知り合いの提督に送ってもらったの…どれもとっても美味しいわ…」

提督「聞いているだけで美味しそうね♪…で、次が…ビスケット?逆さにしたお皿みたいな形だけど…」

百合姫提督「青森の南部せんべいね…素朴な塩気の硬いおせんべいで、地元では味噌汁に入れることもあるわ…。混ぜてあるのは黒胡麻と…ピーナツの二種類ね。私はこれの耳を食べるのが好きなの」

提督「おせんべいって、丸くて醤油味だから茶色をしていると思っていたわ…塩味って言うのは意外ね」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/03/14(火) 00:34:47.32 ID:eqC/CyrEo<> 秋月型あたりもほぼ夕張型サイズだけども
フレッチャー級ってレーダーピケットや対空メインでこなす為に大型化して大型軽巡並みのサイズなんよね
日米の駆逐艦は外洋を長距離走る前提の設計だから他国より大型化な傾向ではある <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/03/14(火) 12:04:31.65 ID:ons55iIA0<> >>260

だいたいその通りです。…むしろ「夕張」は平賀造船官によってカタログスペックのみを重視したので乗員の事を無視して建造され「寝るところもないし、実験艦なのか実戦に投入する軽巡なのか」と批判も多いところですから、むしろ秋月型が妥当な大きさと言うべきでしょうね

…フレッチャー級は前々級と前級のベンソン級、リヴァモア級が窮屈だったので、軍縮条約の失効もあって大型化しました。対空兵装とレーダーを乗せるとどうしてもこのくらいになってしまうのでしょう。たしかに太平洋戦域の艦は大きくなる傾向はあります


本編は今夜あたりにまた投下しますのでお待ちください… <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/03/14(火) 13:12:08.76 ID:ons55iIA0<> >>259

補足…「百歳」は六花亭が地元の市制百周年を記念して開発した菓子で、中に入っているジャムはブラックカラントです。…美味しいですよ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/03/14(火) 19:12:14.56 ID:C19ilUb2o<> 国際交流(意味深)はあるのですかっ!?(食い気味) <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/03/15(水) 00:18:04.94 ID:s3Hsr3sF0<> >>263

伊仏因縁の対決で、提督がいままでとは違う方向で夜戦する予定でいます…あとは日米どっちかでしょうか……要望があれば両方やりますがなかなか進んでいないので…とりあえずご期待下さい <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/03/15(水) 00:19:00.96 ID:NnzGMcjro<> やったぜ。
待機してます <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/03/15(水) 01:15:56.15 ID:s3Hsr3sF0<> ………

提督「で、次が…何かしら?」

百合姫提督「これは岩手のかもめの玉子よ。黄身あんを包んでホワイトチョコレートでコーティングしたもので…開けた方が早いわ…」箱を開けて紅白の和紙で包まれている個包装を一個づつ破る…中から卵型のイースターエッグのような菓子が出てきた

提督「あら、赤と白があるの?」

百合姫提督「縁起のいい「紅白かもめの玉子」よ。せっかくお茶を淹れてくれたのだし、よかったらどうぞ?」二箱あるかもめの玉子を次々に出して配る

ライモン「わ、ありがとうございます!…あんこって黒いものと思っていましたけど、クリーム色で可愛いです…あむっ……美味しい♪」

アッテンドーロ「姉さん、せっかくだから紅白半分こにしましょうよ!」

ライモン「え?わたし、もうかじってしまったわよ?」

アッテンドーロ「かじりかけでいいわよ…姉妹じゃない♪」

ライモン「そう…?なら、あーん」ライモンが半分食べたかもめの玉子を指でつかみ、唇を寄せたアッテンドーロが指ごとくわえた…

アッテンドーロ「んー…味は同じみたいね。はい、こっちの赤いのも…あーん」

ライモン「あーん…ふふっ、分け合うと美味しいわ♪」

百合姫提督「あぁ…こういうの、いいわね…ごちそうさま♪」頬に手を当て目を細め、優しく微笑んだ

提督「うふふ、そうねぇ♪」

足柄「…ちょっと、まだ岩手までしか進んでいないじゃないの!」

百合姫提督「あぁ、そうだったわ…えーと、次はどれだったかしら?」

龍田「秋田だから…これじゃない?」

百合姫提督「そうそう、これね♪…これも説明しにくいし開けちゃいましょうか?」

ミッチャー提督「ずいぶんあるのねぇ!…私もアップルパイくらい焼いて持って来ればよかったわ」

エンタープライズ「マーム、確かにマームのアップルパイは美味しいけど、張り合ってどうするのよ。だいたいいくら何でも日本の提督さんが持ってき過ぎなのは見れば分かるでしょう?」

足柄「しゃくにさわるけど…まぁ、普通そう言うわよね。…だって提督ってば「全国のお土産一個づつは持っていきましょう」とか言って、地方のアンテナショップだの知り合いの提督だのに電話かけまくってトランクいっぱいに詰め込んだのよ?」

龍田「子供みたいで可愛いわよねぇ♪」

提督「…確かに可愛いわね♪」

百合姫提督「だって…「フランチェスカに会えるかも」って思ったらいっぱい持っていきたくなったんですもの」

提督「///」…きゅんっ

足柄「…あぁ、あっつい!私にだってそんな顔したことないわよ!」

提督「…姫、自分の艦娘たちを泣かせちゃだめよ?」

足柄「慣れっこだから泣かないわよ!」

龍田「そのかわり噛みついているわよねぇ」

足柄「狼じゃないっての!」

提督「何だかんだで信頼しているのね…で、結局これは何?」袋から出てきたのは竹の皮が二枚…どうやら間に何か挟まっているらしい

百合姫提督「これは秋田の「さなづら」。似たようなものは各地にあるけど、ここのは珍しい山ぶどうの果汁を水飴を煮固めたものよ。固いゼリー…でいいのかしら?」竹の皮をパリッ…パリリ、と剥くと、透明な紫色で板状のゼリーが出てきた。表面は竹の繊維の形が写って、わずかにざらざらしている

提督「まぁ…綺麗な色ね。ステンドグラスみたい」

百合姫提督「さ、どうぞ?」テーブルにあった食卓ナイフで短く切り、つまんで差し出した

提督「いただきます。…んーっ!…甘酸っぱくて風味豊かね、美味しい♪」かじるとグミくらいの固さで、山ぶどうの風味が優しく広がる…複雑な味ではないが、それだけに材料でごまかしが出来ないのが分かる

百合姫提督「よかった♪…コーヒーにはあんまり合わないかも知れないけれど、みんなもどうぞ?」

フレッチア「!…美味しいっ!日本らしい自然なお菓子だねぇ」小さくかじり、それから稲妻が走ったような表情を浮かべて無心に食べる

フォルゴーレ「この夕暮れの空みたいな色も綺麗…美味しいわ」食べながらしきりに感心している

百合姫提督「よかったわ。日持ちもするし、ちょっとづつ食べられるわ♪」 <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/03/15(水) 01:19:44.68 ID:s3Hsr3sF0<> >>265

けっこうかかるかもですが、気長に待っていてもらえればちゃんとやります(いつになるやら…)。しばしまったりお茶の時間(という名のステマ)が続きますが我慢して下さい <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/03/15(水) 02:31:14.52 ID:s3Hsr3sF0<> 百合姫提督「次は…これかしら」細長い紙の箱を取り上げる

足柄「順当にいけばそうでしょうね」

百合姫提督「…ところで、さっきからいくつも開けているけどお夕飯に差し支えないかしら?」

提督「切り分けているから一口づつだもの、大丈夫よ。せっかくだから開けてみて?」

百合姫提督「そうね」

提督「…ディアナ、せっかくだから貴女も座って?」

ディアナ「よしなに…では失礼します」ライモンが空いている椅子を引き寄せてくれる。ディアナは折り目正しくライモンに一礼すると椅子に腰かけた

百合姫提督「…フランチェスカ、この娘は?」

提督「彼女は高速スループ艦、ディアナ。月と狩りの女神が名前の由来だから艤装には弓もあるけど、戦中と違って高速輸送任務はないから厨房をお願いしているの」

エクレール提督「…フランス語ならディアーヌですわ」

ミッチャー提督「英語ならダイアンね。いい名前じゃない」

ディアナ「お褒めにあずかり恐縮です」

百合姫提督「そうなの。……龍田」

龍田「ええ……ユニバース!…よねぇ」小声でぼそっとささやいた

ディアナ「なんでしょうか?」

百合姫提督「いえ、美味しい紅茶ね。ありがとう」

ディアナ「これはご親切に」

提督「?」

百合姫提督「えーと…それで、これは山形名物「古鏡」(こきょう)。「きんつば」っていう古い和菓子に似ているけど、見ての通り円形だから弥生時代の銅鏡に見立てて「古鏡」っていうの」いくつかに切り分けた

提督「外の白いのは砂糖衣ね?それで中のあんこが固めてあって…中に餅が入っているの?」

百合姫提督「似ているけど求肥(ぎゅうひ)ね。お餅より柔らかくて和菓子に使われるの…説明するより食べた方が分かるわ、はい♪」

提督「あーん。……表面は砂糖でじゃみじゃみしているけど、思っていたほどくどくないし…美味しい」

ドリア「んっ♪…この求肥…でしたか?柔らかさも甘さも提督のお乳みたいで美味しいです♪」

足柄「げほっ!ごほっ!」

百合姫提督「…あの、よかったらお名前を教えて頂けますか?」

ドリア「これは失礼しました。私、デュイリオ級戦艦二番艦、アンドレア・ドリアです。初めまして、日本の提督さん♪」

百合姫提督「初めまして、百合野です。…ドリアさん、フランチェスカのおっぱいはもっとむちむちしていて揉みごたえがありますよ♪」

ドリア「ふふ…そうですね、言いすぎました♪」

提督「///」

<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/03/16(木) 01:59:34.94 ID:21oa09NY0<> ミッチャー提督「うわ…甘ったるいオーラが目で見えるわ……」

フレッチャー「マーム…この空気ってば、ハワイ辺りのチョコレートくらい甘いんじゃない?…ブラックのコーヒーでよかったわ」

エクレール提督「あぁ、もう!爛れた生活を送っていたのは十分わかりましたわ!…黙ってお菓子を頬張っていて下さいな!」

百合姫提督「まあまあ、次のを開けますから怒らないで下さいね」

エクレール提督「糖分が足りていないわけではありませんわ!」

提督「姫、いつもだから気にしなくていいわよ?…これも美味しそうねぇ♪」

百合姫提督「宮城名物「萩の月」よ…カスタードをスポンジ生地で包んだ洋菓子だけど、ふわふわで美味しいの♪」

提督「あら、本当ね…とっても柔らかい♪…デュイリオ、貴女はいつもドリアにゆずってあげて優しいから、ごほうびをあげる♪…はい、あーん♪」

デュイリオ「あら、そんな♪お気遣い嬉しいわ。…ドリア、ちょっとだけわがまま言わせてね?」

ドリア「うふふふ…気にしないで?…姉さま♪」

提督「ドリアも譲ってくれてありがとう♪」

ドリア「ふふ、いいのよ♪…最近ずっとベッドが一緒だったもの、姉さまにも良いことがないと…ねっ♪」ウィンクを投げ、ティーカップの紅茶をすすった

デュイリオ「あむ…っ。…まぁ、美味しいこと♪昔はなかなかお菓子もいただけなかったから…いい時代ねぇ♪」ぺろりと提督のフォークを舐めて返す

提督「そうね。そのせいかしら、みんな甘いもの好きよね?」

百合姫提督「こっちもそうよ。羊羹やお饅頭を買ってくると大騒ぎになるの」

ミッチャー提督「ふぅん…こっちのレディたちも人並みには好きだけど、そこまでじゃないのは昔の影響なのかもね」

フレッチャー「そうよ、だってアイスクリームくらい作れるから!」

龍田「…羨ましいわぁ…こっちは水晶汁粉がせめてものぜいたくだったのに」(※水晶汁粉…大戦末期に小豆が不足し、単に砂糖を溶いたお湯に餅を浮かべた海軍のおしるこ。透明なので苦し紛れに水晶汁粉と呼んだ)

百合姫提督「もう…だから甘いものはしょっちゅう買ってきてあげているじゃない」

龍田「そうねぇ…いっぱい食べられて幸せよぉ」

提督「…けなげね。この後の夕食、いっぱい食べていいから遠慮しないでね?」

百合姫提督「ありがとう、フランチェスカ。…じゃあ、残りは夕食の後にしましょう?」

足柄「この調子でも数日どころか一週間以上はかかるわよ」

百合姫提督「そうね…交流期間が長くてよかったわ♪」

<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/03/16(木) 02:01:22.85 ID:21oa09NY0<> 短いですが今日はここまでで…期待して待っている皆さまごめんなさい、なるべく頻繁に投下するので… <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/03/16(木) 06:57:20.15 ID:V/QjTot+o<> Grazie per il vostro

無理せずご自分のペースでどうぞ
ブラックコーヒーが欲しくなりますな(そういえばコーヒーをわざわざブラックで飲むのは日本とドイツくらいだとか)
それはそれとして萩の月美味しいですよね <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/03/17(金) 00:33:23.46 ID:vF+WzFaY0<> >>271

感想はニホンゴで大丈夫ネ、ワタシイタリー語ハナセナイヨ…グラツィエとアモーレ、カンターレはワカルケドネ

…とりあえず東北はもうちょっとですね。萩の月も美味しいですがまだまだあります、ご期待下さい

<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/03/17(金) 01:25:21.42 ID:vF+WzFaY0<> ………

…夕食時…


提督と艦娘たちはお茶を飲みながらなし崩し的に集まっていたので、ティーセットを脇にどかすとそのまま夕食に入った。周囲は夜のとばりが下りて星がきらめき、いくつか開けてある食堂の大きい窓からしっとりした夜風が入ってくる。提督たちはひとかたまりに座り、左右にそれぞれの秘書艦、随伴艦が座った。
卓上には客人を迎えるためにろうそくが灯され、中央には豪奢な花が活けてある…


提督「それにしても、姫はあいかわらず綺麗ね…秘訣は何かしら?」

百合姫提督「なぁに、突然ね…?」淡い紫の地に鶴と白百合の入った着物を着て、少し色っぽく奥襟を後ろにピンと伸ばしている。髪はまとめて結ってあり、白いうなじがのぞく…

提督「いえ、最初に会った時から全然変わってないから」

百合姫提督「そうねぇ…食べ過ぎたり、飲みすぎたりしないこと…かしらね?」

提督「う…」

ドリア「あら、また増えたんですか?」くすっと笑った

提督「だって、美味しいのよ…それに我慢は毒だから」

ライモン「それに増えても全部胸とヒップに行くじゃありませんか…うらやましいです」

ミッチャー提督「確かにバストが大きくなったような気はしてたけどね、やっぱり?」

提督「結構苦労するのよ…?下着がきつくなったから買うはめになったし、肩こりがひどくて…」

百合姫提督「大きいと大変なのね…運動は?」

ドリア「それが提督は運動が嫌いで…よくやるのは水泳ぐらいなんです」

提督「だって身体が重いのよ。身体と胸が弾むタイミングに時間差があるから走りにくいし…一回くらい鹿みたいに軽やかに走ってみたいわ」

ミッチャー提督「それ、わかるわ。まぁ、ないものねだりなのよね…私だって小さいころは白雪姫やらの童話を読んで、「雪のように真っ白い肌」にあこがれたもんよ?」

提督「みんなあるのよね…さ、グラスもいきわたったし乾杯しましょうか」ディアナたち補助艦艇の面々を煩わせないように、ドリアとライモン、ガリバルディがシャンパンの瓶を持った

ミッチャー提督「ワーオ…シャンパンじゃない!…なにここ、高級ホテル?」

提督「エクレール提督の故郷フランスにも敬意を表して、スプマンテじゃなくてシャンパンにしてみたの」

エクレール提督「まぁ、ありがたい配慮ですわ。ですがわたくしの国のものですから少しうるさいですわよ……っ!?」ドリアたちがアイスバケットから取り出した瓶を見て唇をかんだ

ミッチャー提督「どうしたのよ?嫌いな銘柄だった?」ポンっ!…と軽やかな音を立てて栓が開き、グラスでしゅーっと心地よい音を立てる金色のシャンパンを眺めつつ聞いた

エクレール提督「い、いえ。好みの銘柄ですが…その、大丈夫ですの?」

提督「何が?」注いでもらいつつにっこりとほほ笑んだ

エクレール提督「いえ、だって…これ、モエ・エ・シャンドンに、こっちはドン・ペリニョン…ヴーヴ・クリコまでありますの!?」

提督「ええ、そうね。さぁ、乾杯しましょうよ♪」

ミッチャー提督「…フランチェスカが破産しませんように」

提督「うふふふっ…なにそれ。……世界の海が平和になりますように、でしょ?」

百合姫提督「そうですね。平和になりますように」

ミッチャー提督「いいわねそれ。七つの海が平和になりますように…ただし艦娘たちと一緒にいられますように、も追加ね」

エクレール提督「…世界の海が平和になりますように。コート・ダジュールの海岸でのんびりできないなんて嫌ですもの」


…提督たちはグラスを軽く持ち上げ、シャンパンをすすった <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/03/17(金) 02:14:48.60 ID:vF+WzFaY0<> 提督「今日はごちそう尽くしだから、頑張って食べてね♪」

百合姫提督「頑張ります…」

足柄「帯をゆるめにしておけばよかったわね…イタリアのごちそうなんて久しぶりだもの!」髪を結い上げ、浅葱(あさぎ)色に牡丹の花を染めた着物をまとい、少し袖をたくし上げた

龍田「私はイタリア料理なんて初めてよぉ」黒地に雷雲と二匹の龍が絡み合う任侠物めいた着物を着た龍田。よいしょ、と軽く座りなおした

提督「さぁ、開けましょう♪」蓋つきの皿や鉢を開ける提督とドリア。前菜から色とりどりで、鮮やかな赤や黄色がろうそくに照り映える

ミッチャー提督「うーん、すごい!」

ドリア「おとりしましょうか?」

ミッチャー提督「イェス。エンタープライズとフレッチャーにもお願い」

ドリア「はい」


前菜は無難にラディッシュやチコリを散らしたサラダと、サーモンのマリネ。それと日本の艦娘たちは生の魚貝類が好きだろうと生牡蠣にレモンを添えたもの。冷菜の皿には氷のはいったお盆が敷いてあり、露が降りている


足柄「生ガキじゃないの、もらうわよ!」

フレッチャー「オイスター!…今月は「R」が…付いてるし、あたしも食べるわ!」

ドリア「…「R」って何の事です?」

ミッチャー提督「ああ、それ?英語圏じゃよく言うのよ。六月とか七月みたいに、その月の名前に「R」の文字がない月は貝類は止めておけっていうの…フレッチャー、わざわざ用意してくれたんだから、そういうことも考えてくれているに決まっているでしょうが」

フレッチャー「ごめんなさい、マーム」

ミッチャー提督「私じゃなくてフランチェスカに」

提督「いいのいいの、気にしないで?多分夏場は生ものが痛みやすかったり貝毒や出るから言うのよね」

百合姫提督「そうね。日本でも夏は避けるわ」

足柄「まぁ、まだ夏じゃないし……って、美味しいわこの牡蠣!…冷酒できゅーっとやりたいわね」

百合姫提督「…ふふふ」

足柄「な…何よ?おかしい?」

百合姫提督「いいえ?…はい、これ」かたわらに置いてあった大きい巾着袋から日本酒の四合瓶を取り出した

足柄「さすが提督、分かってるわねぇ!」

百合姫提督「せっかくだからと思って…フランチェスカ、別に用意してくれたシャンパンが嫌いなわけじゃないのよ?」

提督「気にしてないわ♪…細いグラスでいいかしら?」

百合姫提督「そうね…シャンパングラスでいいわ」

ライモン「なら取ってきます」

提督「いいの、座ってて?…少し待っていてね、足柄?」

足柄「新しいのなんていいわ、これに注ぐから!提督を歩かせるなんていけないもの、私が自分で取って来るわ!」

提督「せっかくのお酒なんだから新しいのに入れないと♪…それに着物じゃ歩きにくいでしょうし、どこに何があるか分からないでしょう?」

足柄「それはそうね…でも何だか悪いわね……龍田も飲む?」

龍田「いいわねぇ、いただくわぁ♪」

提督「なら…姫も飲むわよね?」

百合姫提督「そうね、せっかくだから少し…」

提督「はいはい、なら待っていてね♪」 <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/03/18(土) 01:59:03.67 ID:oJViMHi+0<> ………

提督「お待たせしたわね。さぁ、どうぞ」

百合姫提督「ありがとう、じゃあ遠慮せずに頂きます…。足柄、龍田、注いであげるわ」

足柄「グラスはイタリアの提督さんに持ってきてもらうしうちの提督には注いでもらうしで、何だか悪いわ…って、八海山じゃない。いいわねぇ!」

百合姫提督「気に入ってくれた?…はい、龍田も」

龍田「あらあらあら、こんなにいっぱい…私を酔わせるつもりかしらぁ?」

百合姫提督「くすっ♪…龍田が酔っているところなんて見たことないわよ?」

龍田「そうだったかしらぁ?」

足柄「確かに見たことないわねぇ…まぁいいじゃない、いただくわよ?……あー、美味しいっ。最高ねぇ!」くーっと冷酒をあおり、生牡蠣をちゅるっ…とすすった

百合姫提督「そう?なら私も…ふふっ、本当ね。美味しい…♪」するりと小ぶりで上等な牡蠣をすすり、軽く日本酒を飲んだ

龍田「本当ねぇ、美味しいわぁ♪」

エクレール提督「ん…ちゅる……美味しいですわね、よく冷えたシャブリがあれば完璧ですわ…ジャンヌ、貴女は食べませんの?」

ジャンヌ・ダルク「生の貝をすするなど…とんでもありません!」

エクレール提督「そうですの…なら無理にとは言いませんわ」

リシュリュー「ふむ…余も止めておきますかな。それよりこちらのごちそうを頂くとしましょう」

提督「なら取ってあげるわ♪」

リシュリュー「これはこれは…メルスィ」

提督「いいのよ…私も取ろうと思っていたから……んー、美味しい♪」…皿に取ったのは四角い銀色の容器に列を作って並べてあるローストしたスペアリブで、ローズマリーや香辛料の効いたソースがかけてある。フォークとナイフでうまく骨から削ぎ、しっかりと噛みごたえのある肉質を楽しみつつ、ポーラが選んだ濃い赤ワインをすすった。

ライモン「本当に美味しいですね♪…よかったら何かお取りしましょうか?」

足柄「そうねぇ…じゃあその「フーカデンビーフ」がいいわ」

ライモン「フーカデン…ビーフ、ですか?」取り分け用の大きいフォークとスプーンをもってまごついた

百合姫提督「ミートローフよ、ライモンドさん。帝国海軍ではそう呼んでいたから」

足柄「あぁ、最近はミートローフって言うのだったわね」

ライモン「あぁ、ミートローフでしたか。どうぞ?」…厚切りのミートローフを二、三切れ取って足柄の皿に乗せた。ミートローフは人参やインゲンマメ、茹でたウズラ卵を焼く前に埋め込んであるので、断面がきれいな模様になっている。表面には肉汁を赤ワインやウスター・ソースで伸ばした「グレーヴィ・ソース」をたっぷりとかけてある

足柄「ん…んむ……美味しいわね、これ…ワインも合うわ」

龍田「スペアリブも美味しいわぁ…がっついちゃいそうねぇ♪」

百合姫提督「本当、とっても鎮守府とは思えないわ♪」

ミッチャー提督「本当よ、うちの娘たちをかわりばんこに連れてきて食べさせてやりたいわ」

提督「いいわよ?…そのかわりに、味見させてくれる?……このミートローフも美味しいし、もう一切れ…♪」

ミッチャー提督「却下よ却下!…相変わらず火遊びが好きなのねぇ」あきれて肩をすくめた

提督「んむ……ごくん。火遊び?それぞれちゃんと愛しているけれど?」

ミッチャー提督「そういうのを火遊びって言うの!」

エクレール提督「最低ですことね…イタリア人らしいですわ」

提督「ふーん……エクレール?」

エクレール提督「な、何ですの?いきなり呼び捨てとは」

提督「…誰だったか名前は忘れたけど、昔押しかけてきたフランス娘が口移しで私にエスカルゴのバター焼きを食べさせようとした話…ってしたかしら?」

エクレール提督「!…さぁ、聞いたことはあるような気がしますが、ごちそうを前にする話ではありませんわね」


<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/03/18(土) 02:56:28.16 ID:oJViMHi+0<> 提督「そう?あれって誰だったかしら…」

ミッチャー提督「へぇ…ふーん」

百合姫提督「まぁまぁ…♪」

エクレール提督「何ですの、その目は」

百合姫提督「いえ、何というか「ラブコメの波動を感じるわ!」というところです…♪」

ミッチャー提督「…別に?何でもないわよ♪」

リシュリュー「ふむ…利敵行為は許されんところですなぁ……」

ジャンヌ・ダルク「聖女であるわたくしを裏切っていたというのですかっ…!?」

提督「あぁ美味しい♪…ドリア、ワインをもう一杯もらえる?」

ドリア「はい♪」


…一時間後…


提督「んー…♪このサルシッチャ(イタリア風ソーセージ)も美味しい♪…姫、食べないの?」

百合姫提督「え、ええ…私、お腹いっぱいで…」

提督「可愛らしいお口だものねぇ♪…足柄はもう一杯いかが?まだ残っているわよ?」

足柄「あぁ、ならもらうわよぉ…おかしいわねぇ、そんなに飲んでないはずなのに……」鬢(びん)のところの髪が乱れ、頬も桜色でしどけない様子の足柄

龍田「くすくすっ♪…シャンパンは度数が高いのよねぇ」いいながら平然とグラスを傾けた

百合姫提督「足柄ってば、シャンパン数杯にワイン一本、日本酒一合は確実に飲んでたものね…私もちょっと量をすごしたかもしれないわ…」こちらも頬を染め、微妙にはだけた着物から火照った薄紅の肌がちらりとのぞく…

ミッチャー提督「ヒュー…色っぽい♪…私じゃ、ああはならないわ」軽く口笛を吹いて感心した様子

エンタープライズ「でも、マームだってセクシーで綺麗よ…みんなの前じゃなきゃとっくに頂いてるわ♪」

ミッチャー提督「ほんと?嬉しいこというじゃない…なら、あとで食後の運動っていうのはどう?」艶やかな身体をすり寄せ、小声でささやいた

エンタープライズ「…大賛成♪…でもまずはお皿の食べ物を平らげることにするわ」

ミッチャー提督「そうね、せっかくのごちそうなんだから残さない事♪」

エンタープライズ「アイアイ、マーム」

提督「もうそろそろおしまいかしらね?」

ドリア「でしょうね。駆逐艦の娘たちのなかには眠そうな娘たちもいますし…」

グラナティエーレ(ソルダティ級)「ふわぁ……ぁ」

カラビニエーレ「眠いならそろそろ撤退させてもらいましょう?」

グラナティエーレ「いや…せっかくだもの、最後まで楽しみたいか……ふわぁぁ」

提督「本当、もう半分夢心地ね……あっちはすっかり甘い雰囲気でいるし…」

ポーラ「えへへぇ…ザラ姉様のお乳にワインを注いだらぁ、甘ぁいお菓子になるかもぉ♪」

ザラ「もう…そのお菓子はベッドでしか食べちゃいけないのよ♪……ポーラ♪」

ポーラ「ザラ姉様ぁ…♪」

エウジェニオ「ふふふっ♪…姉さん、あの駆逐艦の可愛い娘たちを何人か連れ込んで、朝までしたいんでしょう…ね?」

アオスタ「だ、だめよ…そんなの……お客様も来ている時に…」

エウジェニオ「そんなこと言いながら目をうるませちゃって……すっかりその気なんでしょう?…いやらしい姉さん♪」

アオスタ「エウジェニオ…♪もう、そんなこと言われたら私…濡れちゃう…っ♪」


<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/03/19(日) 01:53:07.44 ID:FVtBi6IG0<> 提督「…えー、みんな。ちょっといいかしら?」立ち上がって少し大きい声を出した

…ざわざわ……談笑の声が小さくなった

提督「ありがとう…楽しい歓迎の夕食だったけれど、もう時間も遅いし、いったんここでおしまいにしましょう。最後にもう一度、歓迎の乾杯をするから、グラスを持ってもらえる?」…艦娘たちがグラスにワインやシャンパンを注ぎ直し、提督のグラスにはライモンが手際よくワインを注いだ

提督「そのくらいでいいわ、ライモン。…それでは、改めて。提督と随伴艦の方々、はるばる日本、フランス、アメリカから来訪いただき光栄です。…この交流が双方にとって良いものになりますよう、乾杯♪」

全員「「乾杯」」グラスを傾け空にすると、どこからともなく拍手が起こった

エクレール提督「こほん…!」

提督「なぁに?」

エクレール提督「いえ、こうした場で乾杯を受けたのですから、返杯するのが当然ですわ…ミッチャー提督、こういうのは階級が高い順ですわね?」

ミッチャー提督「ええ?…あー…そうね。よいしょ…」立ち上がってグラスを取り上げた

ミッチャー提督「…えーと、こういう時はうまい返事をするべきなんでしょうけど、ごちそうを消化するために胃に行ってるから血は巡ってないし、頭はシャンパンとワインでぐだぐだに溶け切ってるから何にも思いつかないの」…あたりから笑い声が漏れる

ミッチャー提督「…とりあえず、カンピオーニ提督、イタリア艦のみんな。最高の食事会だったわ。これからしばらくは滞在するから気軽に話しかけてね…おわり!…百合野准将、どうぞ?」拍手喝采を受け、陽気に親指を立てて見せてから座った

百合姫提督「はい。…えーと、その…まずは、素晴らしい歓迎の宴をありがとうございます。滞在期間中に、ここで色々と勉強させてもらえたらと思っています。どうかよろしくお願いいたします」拍手を受け、丁寧に一礼すると席に着いた

エクレール提督「…こほん。では最後はわたくしですわね。…准将お二人がだいたい言うべきことは言ってくださいましたので、簡単に述べさせていただきますわ。ナポレオン以降、フランス海軍は常に欧州の先端を行く存在でした…」

チェザーレ「…なに?」

エクレール提督「それは他国の猿真似をせず、自分たちで理論を形成していったことによるものですわ。…今回の訪問で、さらに見聞を広めることができるのは欣快に思うところですの。その機会を下さったカンピオーニ提督とイタリア海軍に感謝いたします。以上ですわ」…フランス海軍の存在を鼻にかけたようなあいさつではあったが、一応それなりの拍手を受けると優雅に座った

提督「…では、これで夕食会は終了します。明日の朝食はこのお肉で冷肉のサンドイッチにでもしましょうね♪」

ドリア「賛成です♪さ、提督。お風呂に入ってからお休みになりますか?」

提督「いえ、まずは少しレポートを進めない…と……ふわ…ぁ」思わずあくびをもらす

ドリア「だめです…今日はゆっくりお休みになって、明日の朝から進めましょう?」

提督「そうねぇ…そうするわ。…一緒に入る?」

ドリア「はい♪…では、お着替えをお持ちして先に更衣室で待っていますね」

提督「お願いね。……ジェーン、姫、それとエクレール。大浴場や図書室はいつ使ってもいいから、好きなように過ごして?場所が分からなくなってもみんな親切だから教えてくれるわ。もし廊下とかで誰もいなくてどうしようもなかったら、壁の電話で私の部屋を呼び出してね。内線の番号は必ず電話機のそばに貼ってあるから」

ミッチャー提督「オーケー、でも今日はもう寝るわ。ごちそう、美味しかったわよ♪」火照った身体を冷ますためか、カクテルドレスの胸元をあおぎ、そのたびに艶のある胸が弾む…

提督「…こちらこそ♪」

百合姫提督「大変豪華な夕食をごちそうさまでした。私もお風呂に入って寝ます…足柄、龍田。あなたたちはどうする?」

足柄「もちろん行くわよ、大浴場なんてこっちきてから始めてだもの」

龍田「そうねぇ、無制限でお風呂に入れるなんていいわねぇ」

エクレール提督「わたくしも今日はお休みさせていただきますわ…では、また明日♪」

提督「お休みなさい…さぁ、お風呂で汗を流して…と」

ライモン「わたしも行きます。そんなことないとは思いますが、結構ワインを召し上がっておりましたから…」

提督「ありがとう♪…じゃあお風呂に行きましょう」

ライモン「はい♪」

<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/03/19(日) 02:07:28.85 ID:FVtBi6IG0<> …しばらくして、提督の寝室…

提督「うーんっ…やっぱりこのベッドは気持ちいいわ♪」バスローブでベッドに寝転がり、伸びをする提督

ドリア「ローマのホテルはもっと良かったのでは?」

提督「いいえ、さすがに各地の司令官たちが集まるからそこそこのホテルだったの…こんな立派な寝室なんてめったにないわ」

ドリア「そうでしたか…では、旅の疲れもあるでしょうし、お休みになっては?」

提督「そうね…」そう言ってうなずくと、しゅるりとバスローブを脱いで裸になり、布団にくるまった

ドリア「では、お休みなさい…」寝室から出て行こうとする…

提督「待って、ドリア……一緒に寝ましょう?」布団の一方を持ちあげた

ドリア「あら、よろしいのですか?…では失礼して♪」椅子の上に服を脱いで畳むとベッドに入って、優しく提督を抱きしめた

提督「あぁ、柔らかいわ…それじゃあ、お休み♪」ちゅっ…とお休みのキスをした

ドリア「おやすみなさい…♪」 <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/03/19(日) 02:09:26.89 ID:FVtBi6IG0<> …なかなか進みませんが、もうちょっとで提督×仏提督の濡れ場になる予定ですので、今日はこのへんで… <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/03/19(日) 08:26:07.77 ID:+bYD1ALAo<> 文化交流(意味深)だな!
おつ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/03/20(月) 01:31:38.88 ID:xLbI4V7io<> 乙
文化交流楽しみです
艦これではCommandantTesteがカワイイけどWW2での仏海軍って何してたっけか・・・ <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/03/20(月) 01:40:46.60 ID:30NcBR0i0<> …翌朝…


ひと晩ぐっすり眠った提督は、海鳥の鳴き声と朝食の匂いで目がさめた…隣には白い柔肌を惜しげもなくさらし、提督の腕を抱くように谷間に挟み込んでいるドリアがすやすやと眠っている

提督「うーん、今日もいい天気ね…ドリア、起きて?ドリアの乳房で腕が挟まれて起きられないわ♪」そう言いながら空いている方の手で優しく胸をこね回す

ドリア「ん…んっ♪……あら、提督。おはようございます♪」

提督「おはよう。さぁ、私の腕を放してくれる?…このままじゃあ起きられないわ♪」そう言いつつも、まったく振りほどこうとはしない

ドリア「うふふ…いいじゃありませんか、この数日、提督がいなくて寂しかったんですから。その分抱きしめさせて下さいな♪」

提督「もう、そんなこと言われたらなんでも許しちゃうわ♪…朝食の時間までよ?」

ドリア「はい♪」


…コン、コンッ!…ドリアといちゃいちゃしながら過しているとノックの音が響いた


提督「どうぞ?」ベッドから声をかける

ライモン「おはようございます、提督。…ドリアさんもこちらでしたか」ドアを開けて入ってきたのはライモンで、朝から手間をかけて、髪をウェーブのかかったゆるい縦ロールにセットしている

提督「おはよう、ライモン。どうしたの?」

ライモン「いえ、昨日は忙しくしていらしたので提督とお話しも出来ませんでしたし、起こしにきたついでにちょっとご一緒できればと思ったのですが…どうやらお邪魔ですね」

ドリア「あら、ライモンド。邪魔だなんて…むしろちょうどいいわ?私はそろそろ着替えて朝食を食べに行こうと思っていたの…よかったら提督がお着替えをする間、一緒にいてあげて下さいな」

ライモン「ドリアさん…いいんですか?」

ドリア「はい♪…ですよね、提督?」

提督「そうね、よかったら手伝ってくれる?」

ライモン「はい!」

ドリア「では提督、ライモンド。また後で」

提督「ええ♪」

ライモン「ありがとうございます、ドリアさん」

ドリア「何のことかしら?…あんまり遅くならないようにね♪」手早く着替えるとライモンにウィンクをし、小さく手を振って部屋を出て行った

ライモン「優しいですね、ドリアさんは」

提督「ライモン、貴女も優しいわね…ごほうび♪……んちゅっ…ちゅっ♪」裸のままベッドから起き上がるとライモンの腰に手を回し、ついばむようなキスをした

ライモン「ふぁ…んっ♪…もう、提督がローマに行っている間…ずっとこうしたかったです♪」普段の爽やかな調子ではなく、とろけたような甘い声でささやきながら唇を合わせた…

提督「…うれしい♪こんな美少女に求められて…このままだと朝食抜きになりそう♪」ちゅっ…ちゅる、ちゅぷっ…♪

ライモン「はぁぁ…っ♪提督、素敵です……もっとしてください♪」

提督「ええ…来て?」

………




<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/03/20(月) 02:06:08.98 ID:30NcBR0i0<> >>280、281

文化交流はもうちょっとで入りますのでこらえて下さい…

…大戦中の仏海軍は>>234あたりでちらりと触れましたが、フランス降伏後ヴィシー・フランス側についた艦隊はドイツには信用されず、連合国には攻撃されるあやふやな枢軸側のと、インドシナ(ベトナム)や西インド諸島(カリブ海)の植民地警備中に開戦を迎え、仕方なくアメリカやイギリスに逃げ込んで自由フランス側の戦力になったのとに大きく二つに分かれています。

あとは北アフリカ、カサブランカ港の艦隊のように「徹底抗戦すべし」と米英艦隊と交戦するも、現地司令官が米英の謀略で取り込まれ、アメリカで大破したのを修理した上で、改めて連合国側に付いたものもいます…いずれにしても敵の少ない海域での船団護衛や訓練相手程度で、大したことはしていません(…イタリアからすれば)

…とにかく陸は「マジノ線で防御する」しか戦略がなく、海軍の使い道は(ドイツからは距離があるので交戦機会は少なく、イタリア艦とはほぼ同等の戦力があるから威嚇で充分と思っていたらしく)全く決まっていないというお粗末だったので… <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/03/20(月) 02:53:57.72 ID:30NcBR0i0<> …しばらくして・食堂…


提督とライモンが食堂にやって来ると、朝の遅いエクレール提督は案の定いなかったが、百合姫提督とミッチャー提督はもう朝食を食べ始めていた


提督「あら、二人とも早いわね?おはよう」

ミッチャー提督「むしろ遅いくらいよ、ここの食事は朝から最高ね♪」そう言いながら見たこともないサンドウィッチをぱくついている

提督「…ところでジェーン、貴女が食べてるサンドウィッチ…今まで見たこともないのだけど、ディアナの新作?」

ミッチャー提督「んぐ?……ごくん。ああ、これ?…いいえ、ダイアナの新作じゃないわ」

提督「?」

ミッチャー提督「私のところの人気メニューなのよ。通称「LGBT」サンドウィッチ♪」

提督「なにそれ…ふふっ♪」

ミッチャー提督「レタス、ガーリック、ベーコン、トマトのサンドウィッチだから。…差別丸出しの議員とかうるさい連中が来たときには必ずお見舞いしてやるの」いたずらっぽくウィンクをしてみせた

提督「おいしそうね♪…パンは胚芽パン?」

ミッチャー提督「そう。その方が普通の白パンよりしっかりしてて食べごたえがあるから…。作るときはガーリックをカリカリになるまで油でじっくり温めて、その油でベーコンを焼くの。マスタードも入れてあるからピリッとしていいわよ…食べかけだけど、食べる?」つかんだ大きいサンドウィッチを差し出した

提督「じゃあ、味見だけ……ん。あら、美味しい♪いい組み合わせね」

ミッチャー提督「でしょ?厨房のダイアナに頼んで道具を貸してもらってやってみたのよ」

提督「うん、いいわね♪……」何か視線を感じた

エウジェニオ「…食べさせあうなんて…うらやましいわ♪わたしも提督に…」

リボティ「…やっぱり提督も精神だけ大人っていうより、身体も「大人の女性」っていうのがいいんだろうなぁ…」

ミラベロ「…背伸びした子供みたいに見えているのかもしれないものね……」

アッテンドーロ「…ライモンド姉さんがいながら…全く提督ってば…」

ミッチャー提督「どうしたの、フランチェスカ?」

提督「ああ、いいの…これ以上やると精神に悪いから」

ミッチャー提督「…あぁ、なるほどね…刺されないようにね♪」冗談めかしてまたサンドウィッチをぱくつきだした

提督「みんないい娘たちだからそんなことしないわ。…ね?」

ライモン「ええ、「提督を傷つけるなんてとんでもない」みんなそう思っているはずですよ?…ベッドの上では別かもしれませんが」

提督「うふふ…ベッドの上でならいくらでも♪……おはよう、姫。パンばかりでお米がなくてごめんなさい、でも和食はディアナでもちょっと難しいの」

百合姫提督「大丈夫よ…?海軍の洋食は昔から大したものだったから、結構馴染んでいるわ」

提督「ならよかったわ。…それなぁに?」

百合姫提督「これ?ちょっと甘いものが欲しくなったから出してきたの。福島の銘菓「ままどおる」よ。ミルク餡のお饅頭で、ちょっと洋風なの。向こうに置いておいたからみんなで食べて?」

提督「あら、ありがとう♪後でいただくわ…その前に、私も朝食を頂くことにするわね」

……… <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/03/21(火) 02:08:16.15 ID:tzhNKj/W0<> 提督「さてと、どこに座ろうかし、ら…」料理を皿にたっぷり取って、周囲を見回した

エウジェニオ「…こっちは空いてるわ…よかったらデザートもあるのよ…♪」胸元を見せるようにしなをつくったエウジェニオ。一緒にいるアオスタやバルビアーノたちも熱心に手招きする

カヴール「こちらは眺めがいいですよ…?さぁ、どうぞ?」片手にコーヒーカップを持ち、もう片方の腕を胸の下に回すと、ずっしりした乳房を揺らしてみせるカヴール…チェザーレも微笑してとなりの椅子を引いた

フレッチア「…提督、私たちと一緒にご飯を食べてほしいわ♪」フレッチア、フォルゴーレ、オリアーニ、ソルダティ級の集まった大所帯がわいわいと呼びかけた。無邪気に身体をのりだしたり、手を振っているが、そのたびに胸元やふとももがチラつく…

提督「もう、どうしようかしら…///」戦艦、巡洋艦、駆逐艦たちのラブコールを受け、提督はだらしないにやにやが止まらない…

ライモン「私は提督のお側でしたらどこだってかまいませんよ…でもわたしは軽巡なので、どちらかといえば軽巡のみんなと座りたいですね」

提督「そう?…ならそうしようかしら」

エウジェニオ「さすがライモンド♪…さぁ、提督。かけてかけて♪」丁寧に椅子の座面をはたいて後ろに引き、あっという間にコーヒーマグやジャムの瓶を揃えた

チェザーレ「…今度は負けんさ」

カヴール「ええ、そうね」

フレッチア「もう!提督の浮気者っ、今夜部屋に来たって入れてあげないから!」雷にまつわる艦名のフレッチア、フォルゴーレ級らしく派手にカミナリを落とすフレッチア

フルミーネ「信じられないっ!提督のばかぁ!」髪が逆立ち、怒髪天をつくと言った様子のフルミーネ

提督「…ちょっとまっててね、エウジェニオ」立ち上がるとばちばちと帯電していそうな駆逐艦たちのテーブルに向かった

エウジェニオ「フレッチアたちがああなっている時は離れていた方がいいと思うけど?」

提督「お気遣いありがとう…でも大丈夫、避雷針は持っているから」

ライモン「…避雷針?」


提督は怒ってみせたりしょんぼりしている駆逐艦たちの間、空いている椅子に腰かけた


フルミーネ「もう遅いわ、今は口聞いてあげないから!」

提督「それは困るわ…まだおはようを言ってなかったもの」

ランポ「知りません!……お姉ちゃんたちもすぐ元に戻りますから、心配しないで下さい」小声で謝るランポ

グラナティエーレ(擲弾兵)「提督。ちょっと残念だったけど、そういうこともあるもの…私は我慢するから、ライモンドたちと朝ご飯を食べてきて?」

提督「そう?グラナティエーレは優しいのね…ん…ちゅぅぅっ♪…おはよう、グラナティエーレ」

グラナティエーレ「!…おはようございます、提督。…はぁぁ、擲弾が炸裂したみたい。くらくらした///」

フルミーネ「っ!」…がたっ!

ダルド「!」…がたん!

提督「ちゅっ♪…おはよう、カラビニエーレ。昨日はよく眠れた?」

カラビニエーレ「は、大変よく眠れました…///」

提督「よろしい♪…でもお返事のない娘にはあいさつのしがいがないわ……コーヒーが冷めないうちに戻るわね?」

フルミーネ「…別に怒ってはいないわ!…その、提督ってば大きなお姉さんたちとばっかり楽しくしているから、私たちはあんまり好きじゃないのかなって思って…そうしたら急にかぁっとなった…って言うか…。ごめんなさい、嫉妬しているだけね…」短気からカミナリを落としてしまい、後悔している様子で謝った

提督「私こそごめんなさい、気持ちを汲んであげられなかったわね……でもね、私は一人だからいつも全員と一緒にいるのは難しいの…分かってくれる?…それに怒っている顔も可愛いけど、嬉しそうなあなたの顔の方が好きよ……ちゅっ…れろっ…んちゅっ♪」順繰りにしょげた様子のフレッチア、フォルゴーレたちにキスをした

フルミーネ「ちゅ…んちゅぅ……ぷはぁ…♪その…諭してくれてありがとう、提督…みんなも同じだものね。できるだけ不平は言わないことにするわ」

提督「ええ、ありがとう♪…私だってできるならいつもみんなと一緒にすごしていたいもの。…夜も♪」

フレッチア「もう、提督ってば!」駆逐艦たちが笑い、提督もにっこりした


フレッチアたちを上手く収めて席に戻ろうとする提督…と、戦艦たちのテーブルに目が留まった


カヴール「…提督は小さい娘の事が好きなんですものね、私みたいなおばさんは嫌いですよね…」袖を目に当ててみせるカヴール

チェザーレ「チェザーレのような旧式は嫌いか…それも仕方ない」嘆息するチェザーレ

提督「…キスでいいの?」

カヴール「はい♪」

チェザーレ「うむ♪」

提督「…きっと朝食が冷めるわね……」 <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/03/21(火) 02:11:35.89 ID:tzhNKj/W0<> …短くてごめんなさい。今日はここまでで、次から提督×仏提督になります。もっと早く投下したいのはやまやまですが、なにぶん書くのが遅いので…気長に待っていてもらえればと思います… <> ◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/03/21(火) 10:39:33.31 ID:tzhNKj/W0<> ………

…昼ごろ・庭…


提督がローマに持って行った荷物が午前中に届いたので、トランクに詰めておいた着替えを洗濯機に放り込み、それも終えるとのんきな様子で庭のデッキチェアに寝そべった。風は爽やかで、波がきらりときらめく。遠方で雷鳴のように響くのは練習に余念のない戦艦チェザーレと軽巡ジュッサーノ、カドルナ、ガリバルディの砲撃で、時々花火のような硝煙の臭いが風に混じってきた…


百合姫提督「あ、こんなところに…」パラソルの差してあるデッキチェアをのぞきこんだ

提督「あぁ、姫。どうしたの、なにかご用?」肘をたてて身体を起こし、サングラスをずらすと百合姫提督を見た

百合姫提督「いいえ、でもせっかくだからお話したいな…って思って」

提督「あら、嬉しい。お隣にどうぞ?」

百合姫提督「では失礼します…まぁ、いい眺め」パラソルを広げて隣のデッキチェアに寝そべり、海を眺めた

提督「本当にね。素敵な眺めだから一日中こうしていたいわ…」

百合姫提督「あのシルエットは戦艦の娘?」まぶしい照り返しに目を細めながら指差した

提督「あれ?ええ、そうよ。カヴール級のカイオ・ジュリオ・チェザーレ。双眼鏡、貸しましょうか?」デッキチェアの脇に置いてある小机から双眼鏡を取り上げ、百合姫提督に差しだした

百合姫提督「そうね、せっかくなら…」深緑色の渋い着流し姿の百合姫提督はデッキチェアの上で双眼鏡のピントを合わせた

百合姫提督「あら、よく鍛えられているわ。…ところでイタリア巡洋艦は命中率が悪いって言うけど本当?ガリレオ社の測距儀とか優秀な光学機器があるのに、どうしてかしら」

提督「あぁ、そのこと?…こほん。まず軽巡の152ミリにしろ重巡の203ミリにしろ、威力の上昇を狙って長砲身にし過ぎたから、施条(ライフリング)の摩耗が激しかったの。それに戦時下のイタリアは火薬が悪くて着弾にムラがあったし、なにより砲身が別個に俯仰(ふぎょう)できなくて散布界が悪かったのね」

百合姫提督「え…あの主砲って二門が連動しているの?」

提督「ええ、一個の砲架に搭載されているの。だから二門二基の前部主砲を斉射しても、着弾するのは二か所にしかならないわ。命中率が下がるわけね」

百合姫提督「なるほど…それでなのね。失礼な話だけど、横須賀で戦時下のイタリア艦の命中率が悪かったのは「イタリア人がぺちゃくちゃお喋りしていたから」だってよくいわれていて…」

提督「…まぁ、そう言われるのも無理ないわ。それに比べて日本はものすごい命中率だったものね」

百合姫提督「ええ、とにかく艦隊決戦一辺倒だったから…マハンの艦隊決戦理論と日本海海戦の成功が染みついていたのね、他の要素を考えることすらしなかったわ」

提督「せっかくあれだけの空母を作ったのに、もったいない話ね」

百合姫提督「そうね。だから私は空母中心に機動部隊を作って、改松型の駆逐艦たちも重用しているわ。護衛駆逐艦としての能力は高いし、被弾にも強いし、なにより対潜能力が優秀なの」

提督「さすが姫ね」

………

<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/03/21(火) 11:53:23.94 ID:tzhNKj/W0<> …艦娘が戦闘中どうなっているのかはよく分かりませんが、大きさそのままでは艤装とつり合いがとれないでしょうし、ゼントラ化するのか、はたまたメンタルモデルと艦の姿で変化するのか…とりあえずそこはあいまいなままで…


…解説…


散布界(さんぷかい)

数万メートルから数千メートルでの砲撃戦、しかも陸上と違って目印もなく、お互いにどのくらいの速度でどの方向に向かっているか分かりにくい海の上では、ゼロ距離交戦を除き、相手を直接狙う「直接照準」ではなく、砲弾の降り注ぐエリアに敵を包み込むようにする砲撃が一般的で、そのときにその着弾エリア内に入る砲弾数やばらまき具合の良しあしを「散布界」で評価する。

この時、一門づつを別個に俯仰できれば一発は命中する確率が高くなるが、イタリア巡洋艦は重量削減のため砲塔をコンパクトにしたあまり、砲が二門同時に俯仰するようにしかできず、当たれば二発が直撃するが、それ以外は命中率が落ち、損害を与えにくい。
この問題はアブルッツィ級軽巡の主砲、152/55OTO1935(1935年式オットー社製、152ミリ55口径砲)で改良された



艦隊決戦理論

アメリカのアルフレッド・セイヤー・マハン提督によって提唱された理論。「戦争で相手に勝つには、陸軍国、海軍国を問わず、制海権をとる必要があり、そのためには必ず敵艦隊を撃破することが必要で、よって強力な艦隊を整備することが必要だ」というもの。ナポレオンの敗北や日露戦争の戦訓から導き出され、世界中で多くの支持を受けた。特に当時の主力艦であった戦艦の発展を裏付ける理論として貢献し、日本も艦隊決戦、大艦巨砲主義に走ることになった



松型・改松型(かいまつがた。丁型とも)。計画74隻。

太平洋戦争中盤、ソロモン以降に壊滅した駆逐艦勢力を取りもどそうと、帝国海軍がやっと「デザインの美」や「水雷戦」主義から脱却し、改㊄(かいご)計画で大量生産しようとした駆逐艦。松型と、さらに簡易化して「改松型」とも言われる後期の橘型(たちばながた)がある。
量産に適したデザインで最高速力は28ノット弱と平凡だが、主砲を限定的ながら対空能力のある12.7センチ連装高角砲、単装高角砲各一基(前が単装)にし、25ミリ三連装機銃を四基、単装八基(標準。戦局にともないさらに増備した)を装備、連続爆雷投射機や音響探知機などを備え、「魚雷がないのは駆逐艦じゃない」と文句を言う、うるさ型の提督たちのために魚雷発射管は61センチ四連装一基のみを取り付けた護衛駆逐艦。

カタログスペックはそこそこだが、特型と比べて凌波性がよく、機関室と缶室を分散配置するなど被弾に強く、大きさの割に頑丈で実用性の高い艦だった。遅ればせながら七十隻以上を計画したが、その頃には設備、資材ともに底を付きかなわず。「1943年に登場していたらもっと戦果を上げ、多くの輸送船団が助かったはず」と言われている。艦名は花や植物から。


………

<> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<><>2017/03/22(水) 01:44:47.96 ID:ppHbW90u0<> ガンスリといえば、相田先生こんなエロゲーの原画も描いてましたね・・・イタリアが舞台だし、この世界に居そう(小並感)
http://www.minori.ph/lineup/bsf/ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/03/22(水) 01:46:11.96 ID:ppHbW90u0<> sage忘れました・・・ごめんなさい <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/03/22(水) 09:40:47.72 ID:f6at28kEo<> 乙です。

スラバヤ沖海戦とか見ると艦船同士の砲撃ってホント当たらないもんですな
練度が鬼高いと言われた日本海軍でこれですからねえ
さらに魚雷の命中率なんか2%くらいとかなんでしたっけか(それでも脅威の命中率になるらしい)
そりゃ航空機に負けますわ・・・ <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/03/22(水) 16:59:25.25 ID:zZnN8f6z0<> >>289

わざわざありがとうございます、なんかおしゃれな雰囲気ですよね…ちょっと出しづらいかも知れませんが、他の小ネタは多少思いついていますので、ご期待ください…


>>291

レーザーや環境センサーもない時代で、火薬の燃焼ムラや砲身の摩耗、風なども修正できなかったわけですから…マレー沖海戦で艦攻、艦爆隊が90%近い命中率を叩きだしていますが、あれはイギリス側の空母がインドで損傷して修理中だったために援護機がイギリス側にいなかったから集中して訓練の成果を発揮できたわけで、フェアリー・フルマー艦上戦闘機みたいな微妙な機体でも、いたらひどいことにになっていたでしょう
…ミッドウェーでも水雷屋あがりだった南雲司令官が艦隊を十数キロの距離に集めて、「魚雷は数千メートルしか届かないし、これだけ間隔を開ければ十分だろう」と陣形を作り、一気に米軍に補足されてしまったのに対し、飛行機畑だった山口(多聞)中将は「五十キロ以上開けなければだめだ」と、わざわざ「飛龍」を遅らせて距離を開けたと言いますね。

…技術に対する無理解、先輩後輩の関係やしきたりを重んじ、悪い結果にはフタをしてなかったことにしてしまう、日本の特質が悪いほうに発揮されてしまったということでしょう



…補足…

>>231で「足柄の改設計が平賀譲造船官の留守中に、海軍から藤本喜久雄造船官に頼みこんで行われ、当初案では雷装がなかった」と書きましたが、どうも「平賀造船官が了承した大正十二年の当初案から雷装は計画されていた」という説の方が正しいようです…はっきりしませんが、そういう風説が流れるほどに、平賀造船官は自己中心的な人だったようですね…

<> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/03/23(木) 00:35:27.14 ID:uCel+JnFo<> >>292
少なくても珊瑚海海戦で続出した問題点をちょっとでも洗いなおしていれば・・・
勝っているんだからええじゃないかなんてやってるから
せっかく日本には勝って兜のなんとやらって諺があるのに・・・

平賀さんも藤本さんも色々と問題の多い方々ですし・・・どちらも非常に優れた方なのは確かです
特に平賀さんは欠点や問題点を中々認めないことが多く後々平賀設計の弊害で泣きを見る船がちらほら
逆に藤本さんは要望をほいほい安請け合いしてなんでもかんでも詰め込みすぎる欠点があったとかなかったとか・・・ <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/03/23(木) 00:50:59.33 ID:VrYYFRJt0<> >>293

そうですね、結局負ける国はそういう所も負けているのでしょう…

平賀造船官は自分の名前を書いた紙を、「提出する設計案に書かれた下位の設計者の名前の上に貼りつけた」とか、我の強さと実用性を度外視した設計で軍令部さえも辟易していたようですし、藤本造船官は温厚な性格と、当時では革新的な溶接の推進派だったことで第四艦隊事件や友鶴事件(どちらも条約の範囲内にトン数を抑え、無理に過大な兵装を積んだことで、艦が転覆したり荒天で損傷したりした)のいけにえにされ、詰め腹を切らされて引退していますし…


…そろそろ本編投下します… <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/03/23(木) 01:59:05.95 ID:VrYYFRJt0<> …鎮守府・庭…


百合姫提督「大抵の提督からは変人扱いだけれどね。…日本の偉い人によくある悪い癖なのよ、毛色が違うと変人扱いっていうのはね。戦前も「イタリア海軍などはなから相手にしていなかった」って当時の海相が言っていたくらいだもの、士官学校の論文で「イタリア海軍の研究レポート」なんて書いた私が横須賀にいられるのはよっぽど…あら、戻ってくるわ?」

提督「姫も大変ねぇ……え、戻ってきた?…あぁ、そうね。そろそろおしまいの時間だわ。…さて、ひなたぼっこもしたからお茶でも飲みに行こうかしら。姫はどう?」

百合姫提督「そうね…あ、そういえば、あなたにお土産があるの♪」

提督「あのお菓子の山以外にも?」

百合姫提督「あれは鎮守府のみんなに。これは私個人であなたに渡そうと思って持って来たの」

提督「だって会えるかどうかも分からなかったでしょうに」

百合姫提督「その時はイタリア海軍省に問い合わせて任地を聞き出すつもりだったわ」

提督「…妙な所で行動的なんだから。分かったわ、部屋に行きましょう?」

百合姫提督「そうね…そうしましょう♪」



…鎮守府・執務室…


開けた窓から庭ではしゃぐ駆逐艦の声や、巡洋艦たちの談笑が聞こえてくる。提督は座り心地がいいほうの椅子をすすめて、自分は執務机の椅子に腰かけた


提督「それで、その袋がお土産なのね?…結構重そうだけど」

百合姫提督「ええ、まぁ…いっぱい持ってこようと思って♪」くすくすっと可愛らしい笑みを浮かべ、軽く舌を出した

提督「意外にお茶目な所はあいかわらずね?…それで、その「お土産」とやらを見せてくれる?」

百合姫提督「…じゃーん」絵に描いた泥棒が頬かむりでしているような、緑地に白い蛸唐草(たこからくさ)の描かれた風呂敷を解いた…中にはプラスチックのケースや漫画本がきっちり揃えて入っている

提督「えーと…漫画とゲーム?」

百合姫提督「そうなの♪…こっちではなかなか手に入らないでしょうから、いっぱい持って来たわ」

提督「これ全部?…いいの?」

百合姫提督「ええ、もちろん」

提督「ありがとう♪確かにこっちではこういう可愛らしい日本の漫画やゲームは手に入りにくいわ…どれどれ?」ふわふわで甘々なイラストが描かれた漫画を次々に取り上げてみた

提督「へぇぇ…どれも可愛いこと。「あさがおと加賀さん」、「ヤマシロノススメ」、「安達としまかぜ」、「ご注文はうづきですか?」、「ちんじゅふぐらし!」に…「こんごうモザイク」はこっちの衛星放送で流れていたのを見たわ…あ、「咲-saki-阿賀野編」もあるじゃない♪…本編はここの図書室にもあるけど、こっちはまだ読んだことないの」

百合姫提督「気にいった?」

提督「ええ、さっそく今日から読み始めることにするわ♪…それでは、ゲームの方は…と」

百合姫提督「同人のゲームとか、幅広く面白そうなものを選んできたわ」

提督「気を使ってもらって嬉しいわ♪えーと…「BITTERSWEET SHIPS」?これは知らないわね」

百合姫提督「イタリアが舞台のゲームで雰囲気がお洒落だっていうから、買って持ってきたの」

提督「わざわざそこまで気を使ってくれて悪いわね…それに「その花」のセットに…と、まぁたくさん持ってきてもらっちゃって…お礼に困るわ♪」

百合姫提督「気にしないで、私とフランチェスカの仲だもの」

提督「うふふ、ありがとう♪…ゲームの下は…こっちも漫画とかみたいだけど」

提督「えーと、「妹はお姉ちゃんの服従メイド」…「生徒会長、百合奴隷調教記録」、「催眠でお隣のお姉さんを私のペットに」…面白そうねぇ♪」

百合姫提督「気に入ってもらえたかしら?」

提督「色々とね…参考にしてみようかしら♪」

百合姫提督「…ぜひお願い///」

提督「ええ、姫の頼みだもの♪」

………
<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/03/23(木) 02:25:32.36 ID:VrYYFRJt0<> >>289

せっかくなので小ネタに使わせてもらいました、これ以上はちょっと出し方を思いつかなかったので…ゴメンなさい


………

…鎮守府・夜…


せっかくなので昼下がりはもらった漫画を読み、それから午後は百合姫提督やミッチャー提督、エクレール提督と教室で艦隊運用の話で意見を交わした。ドリア、ライモン、足柄、龍田、エンタープライズ、フレッチャー、リシュリュー、ジャンヌ・ダルクと、それぞれの艦娘も熱を込めて意見を述べた…


提督「あぁ…疲れたわ」三時間近い議論の間、何かとイヤミを言ってくるエクレールを返り討ちにするのに忙しく、提督はカプチーノをすすりつつ、やる気もないままパソコンを叩いていた

ドリア「お疲れでしたね」

提督「ありがとう、優しいのね。…ドリア、今日はもういいわ。私はちょっと片づけしてから寝るわ」

ドリア「手伝いますよ?」

提督「あぁ、いいの。…ローマに行った疲れがどっと出た感じがするわ」

ドリア「忙しかったですものね。では、私は失礼これで。…みんなにも邪魔しないよう伝えておきます」

提督「助かるわ、今日はまともに相手ができそうにないから…お休みなさい」

ドリア「はい。お休みなさい、提督♪」…ちゅっ♪優しい甘いキスの香りが頬からふっと漂い、提督はふぅ…と深呼吸した

……… <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/03/23(木) 02:29:21.50 ID:VrYYFRJt0<> …区切りが悪くて申し訳ないです、せめて提督×仏提督の導入までは行きたかったのですが…明日以降に持ち越しになりますので待っていてください。良かったら感想やリクエストもどうぞ… <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/03/24(金) 14:13:42.95 ID:JZ32yyNuO<> 乙です
ヤマシロノススメぜひ見てみたい

>>294
>第四艦隊事件や友鶴事件
嫌な事件だったね・・・ <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/03/25(土) 00:47:14.65 ID:riXDkNt30<> >>298

気に入ってもらえて何よりです


日本に限らず条約型では、イタリア(スピカ級水雷艇がたった620トンそこそこの船体に102ミリ単装砲三基、450ミリ魚雷発射管四発分に対空機銃と機雷)が無理をし、アメリカはトップヘビーで不満足な駆逐艦に終始、イギリスは重巡「エクセター」で8インチ砲たった六門(連装三基)で防御ほぼなし、14ノットで八千海里しか行動できないハメになり、当時のブラックユーモアで「ドイツ海軍を喜ばせるために作ったのか」と言われていますから、軍縮や世界平和には役だったでしょうが、軍艦には無理な設計のものが多かったと言うべきでしょう


…ちなみに当時ドイツは第一次大戦の敗戦国で海軍兵力を(表向きは)まともに持っていませんので、軍縮条約にも加盟していませんし、その間にポケット戦艦三隻(アドミラル・グラーフ・シュペー、アドミラル・シェーア、ドイチュラント)を建造、「ビスマルク」級の設計にかかり、まんまと英国を出し抜いています。

その時は(パットン将軍の言う)「ちょびヒゲのへっぽこ絵描き」が政権をとったばかりだったのに、すでに海軍再軍備計画は出来ていたと言いますからやっぱり「ドイツは負けていなかったんだ」と思う軍人も多かったのでしょう…


…次から本編です… <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/03/25(土) 01:37:11.84 ID:riXDkNt30<> ………

提督「あぁ…そういえばまだ荷物の整理も終わってなかったわね…少しだけやろうかしら」過ごしやすい環境ではあるが設備の確認や書類の片づけ、艦娘たちとの交流とそこそこ忙しく、提督はまだ荷物を整理し終わっていなかった。

提督「はぁ…ダンボール箱が積み上がっているとやっぱり雑然として見えるし、片づければもっと広く使えるものね……」


…鎮守府・廊下…

エクレール提督「まったく、やり切れませんわ!」


カッ、カッ、カッ!…フランスのエクレール提督は顔を赤くして、一人で文句をつぶやきながら夜の廊下を提督の部屋に向かっていた。エクレール提督と艦娘たちは部屋に文句はなかった。提督に一部屋、リシュリューとジャンヌ・ダルクが相部屋とはいえ、そこそこ豪奢な来客用の部屋が用意されていて、むしろトゥーロンの司令部よりも立派でうらやましく思ったほどだった。


エクレール提督「本当に爛れきっていますわね!…少しきつく言わないといけませんわ」言いながらも頬を赤くしている…というのも、イタリア艦娘同士の甘い睦言や夜戦の喘ぎ声が漏れ聞こえてくるせいだった


…ギシッ…あんっ…あんっ♪……いいのぉ♪…んふふっ……あぁぁぁっ♪……


エクレール提督「///…全く、信じられないですわ!」階段の手前、廊下を曲がった…と、何か声が聞こえた

エクレール提督「こんな時間に廊下に誰かいるんですの…?」声のする方をのぞいてみた…

カルドゥッチ「あっ、あっ、あ゛ぁ゛ぁっ♪…いいっ…しゅごぃよぉぉ…っ♪」エクレール提督が声を聞いてのぞきこんだ先は廊下の窪みで、そこでは駆逐艦らしい艦娘が壁に背中を押し付けられて脚を開かされ、良いようにされて喘いでいる

ポーラ「えへへぇ…そんなに悦んでもらえてぇ〜、ポーラはぁ、嬉しいのっ!…じゅるっ、ちゅぷ♪…あらぁ?フランスの提督さん、こんばんはぁ。…こんな時間にぃ、どうしたんですかぁ〜?」重巡ポーラがナイトガウンをはだけさせ、吸いついていた駆逐艦の乳房から唇を離した…唾液がねっとりと糸を引き、階段の灯りに照らされて金色に光った…

エクレール提督「///…あ…あなたたちの提督に用があるんですの!見なかったことにいたしますわっ!」顔を真っ赤にして足早に階段を上った

ポーラ「あらぁ…フランスの提督さんったらぁ〜♪」

カルドゥッチ「ねぇ…ポーラぁ……もっとぉ♪」

ポーラ「はぁ〜い♪じゃあ、行きますよぉ……じゅぶ、じゅぶぅぅっ♪」

カルドゥッチ「んあぁぁっ!いいのぉ…そこっ、いいのぉ♪」

………

<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/03/25(土) 02:51:40.04 ID:riXDkNt30<> …提督寝室…

提督「えーと、これは…冬のコートね……これは虫干しもしなきゃいけないからこっち…あら」衣類ケースの一つに何が入っているか覚えていないものあった

提督「あー…「革製品」…?こんなにあったかしら…でも本革なら手入れしなきゃいけないし、革用の油もさっき見つけたから、ついでに出しておこうかしら…」疲れと眠さであくびをしながら、「革製品」と書かれた衣装ケースを引き開けた…

提督「えーと…革手袋にハイブーツ…ちゃんと冬に使えるようにしておかないと……って、え…これって、まさかアレの箱だったの?…すっかり忘れてた……」引き出したケースの手前側には冬用の革ブーツや黒革の手袋が入っていたが、奥の方にはいかにも怪しげな、コルセットとランジェリーが一体になった革のボディスーツや、長い一本の鞭が入っていた…提督は眠気も覚め、一人で肩をすくめた…

提督「あらまぁ……てっきり実家に置いてきたとばっかり思ってたのに…どうしようかしら」革紐で締める胸元に、股の部分はハイレグに切り上がっている…一緒に網タイツ、高いピンヒールのついた革のハイブーツも入っていた

提督「……そういえば最近食べ過ぎだけど、まだ着られるかしら」艶やかな本物の革で出来たコルセットを見てつぶやき、鏡の前に行くとコルセットを着始めた…もともと一人では着づらいコルセットだがやはり食べ過ぎているらしく、思っていたよりもきつく感じながら着て、胸の革紐をきゅっと閉めてみた

提督「うーん…やっぱり……少し運動しなきゃいけないかしら……」紐で締めつけているコルセットの胸元は乳房がこぼれそうで、ヒップはぴっちりしすぎて食いこんでいる。ついでに履いてみた網タイツからはむっちりしたふとももがはみだしている…ブーツも履いてみて、提督は鏡の前で後ろを向いたり前を向いたりしながらプロポーションを確認した

提督「…でも、お腹まわりやふくらはぎはきれいだし、まだ平気よね……」


…コンコンコンッ!提督が自分に言い訳をしている最中、せわしないノックの音がした


エクレール提督「わたくしです…エクレールですわ。…少し言いたいことがあるんですの、入っても構いませんこと?」

提督「え!?…こんな時間に?……ちょっと待って、今開けるわ」自分の格好を思い出し、慌てて裾の長い白のナイトガウンを羽織って帯を結んだ


…ガチャ…


提督「どうぞ?…ごめんんさいね、ちょっと執務室だとよそよそしいわ…」

エクレール提督「構いませんわ……寝室ではいけませんの?」

提督「今、ちょっと片づけをしていて散らかっているから…虫干しの準備で冬物を出しているの」

エクレール提督「なるほど…あら、でもそれは好都合ですわ。わたくしも貴女にお土産があるんですの」

提督「まぁ、嬉しいわ…ここじゃだめかしら?」

エクレール提督「よそよそしい執務室より、寝室にふさわしいものですわ」

提督「えーと…少し待っていてもらえる?」

エクレール提督「ええ、構いませんわ」


…提督は十数秒でコートやブーツをどかして、ベッドと二人分の椅子がある小さい丸テーブルを使えるようにした


提督「それで、と。そのお土産は何かしら?…それと「言いたいこと」って何かしら?」

エクレール提督「ええ、両方ともお話しますが、まずはお土産ですわ」取り出したのは金色の瓶に入った香水で、瓶はきれいな窓付きの紙箱に収まっている

提督「あら、香水?」

エクレール提督「ええ、ニナ・リッチの「レール・デュ・タン」(時の流れ)ですわ。第二次大戦の終結を記念して調合されて、「世界の香水十選」にも選ばれたものですの」

提督「ええ、使ったこともあるわ。それにしてもデザイン・ボトルのは高かったでしょうに…嬉しいわ♪」ベッド脇の化粧台に丁寧に置いた

エクレール提督「///…構いませんわ、フランス・ブランドの良さを伝えるものフランス人の務めというものですし」

提督「えーと…もらって言うのも何だけど、ニナ・リッチはイタリア人よ」

エクレール提督「…本店をパリに構えているのですからフランスですわ…そんなことより」

提督「言いたいこと…よね?何か部屋に不都合でもあったかしら?」

エクレール提督「部屋ではなく、貴女の艦娘たちの事ですわ!」

提督「お客様に失礼なことをするような娘たちではないと思うけれど…?」



<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/03/25(土) 03:24:51.89 ID:riXDkNt30<> エクレール提督「…わたくしたちの部屋に喘ぎ声やら水音が聞こえてくるのです、どういうつもりなんですの!?」

提督「あー…その、それは…」

エクレール提督「まったく、貴女の艦娘たちは爛れきっておりますのね?いったいここは海軍施設なんですの、それとも怪しい趣味のための別荘か何かですの?」


…疲れと眠さのせいで少し神経がささくれている時に、イヤミな言い方がしゃくにさわった


提督「…時間も時間なのよ?たいていの娘たちは寝ている時間だし、少し静かにしてもらえる?」

エクレール提督「あら、寝ている時間の割にはさっき重巡…ポーラでしたか?彼女ともう一人が廊下でお盛んでしたわよ?」

提督「それは個人の自由でしょう?一般論としてその声は辺りに響くわ」

エクレール提督「まぁ、わたくしがうるさいかのような言いぐさですわね?」

提督「あら、「言いぐさ」ではなく本当の事でしょう?……とりあえず香水はありがとう、艦娘のみんなには控えるように言っておくわ。…これでいいかしら?」

エクレール提督「まぁ…いいですわ。では安眠できるかはわかりませんが、失礼することにいたしますわ」

提督「ええ、お休みなさい…っ!」立ち上がって見送ろうとしたとたん、久しぶりのピンヒールでよろけ、床に倒れ込んだ

エクレール提督「フランチェスカ、ちょっと大丈夫ですの…っ!?」めくれ上がった清楚なナイトガウンの裾から、網タイツと白いふともも、てらてらした黒革ピンヒールのハイブーツがのぞいた…

エクレール提督「あ、貴女一体どういう格好をしておりますのっ!?やっぱり貴女がそうだから鎮守府全体がそうなるんですわ!」

提督「…そう言いながら、エクレール…ずいぶんと嬉しそうじゃない?」立ち上がるとじっと見つめた

エクレール提督「…貴女と一緒にしないで下さいな。わたくしにそんな趣味はありませんわ」

提督「そう?…裸エプロンでフランス料理を口移ししようとした貴女が?」

エクレール提督「い、いったいいつのことだと思っておりますの?あれは少しワインが入っていたせいですわ!」

提督「本当にそうかしら…ぜひお聞きしたいわね♪」ナイトガウンを脱ぎ捨てると、黒光りするコルセットと白い肌が惜しげもなくさらされた

エクレール提督「…///」



<> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/03/25(土) 09:06:07.02 ID:q1pBvNTVo<> あぁ^〜
フランス提督艦娘は皆ネコ(確信) <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/03/25(土) 09:43:19.81 ID:QbBpCpUBo<> ほうほう?これはこれは・・・ <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/03/25(土) 10:54:44.75 ID:riXDkNt30<> 提督「興味がないなんて聞いてあきれるわね♪…本当はどうなの?」ちょうどベッド脇に放り出してあった鞭を手に取ると、手首のひねりを利かせて振った…「ひゅんっ!」と空気を切る音がして、先端が床に当たると、「ぴしっ!」と大きくはないが痛そうな音を立てた

エクレール提督「だから興味などないと言っているではあり…ひぃん!」ぴしっ!長いシルクのナイトドレスのふとももあたりにムチが振るわれ、身体をのけぞらせた

提督「あら…嘘は良くないわね♪」ひゅんっ!

エクレール提督「ですから嘘ではな…ひぁん!」パシーン!腰が引けているエクレールにもう一回鞭が飛んだ

提督「…鞭の振りかたって、案外覚えているものね。…マリー、跡にならないような振りかただから安心していいわよ♪」

エクレール提督「そんなことで安心できるわけありませんわ!…どういうつもりですのっ!」腰が抜けたように床に手を付いてへたり込んでいるが、口調は威勢よく、キッと視線を向けてきた

提督「あら。マリーってば、口ごたえするの?……可愛いわ♪」ひゅん、ひゅんっ!…丁寧に編まれた革の鞭を、滑らかに左右から振り下ろした

エクレール提督「ひぃ…んんっ!…貴女、いい加減にしな……あひぃ!」

提督「んー?なぁに?」腰に手をあてて、にっこりとほほ笑んだ

エクレール提督「いい加減になさい…今ならわたくし、まだ貴女のこと許して差し上げ…あんっ!」パシィーン!薄いナイトドレス越しに滑らかで優雅な腰のラインが浮き出て、鞭がそこに振るわれた

提督「許すのは私♪…あなたじゃないでしょう、マリー?」ひゅん!

エクレール提督「ひぃん!…どうして貴女が許す側なんですのっ!…だいたいこんなことをしているから爛れていると…ひぁぁんっ!」パシィィ…ン!余韻を残すような響きと一緒に鞭が飛んだ

提督「私の可愛い艦娘たちについて何か言ったらお仕置きするわ♪」

エクレール提督「…そう言われてもそばの部屋から喘ぎ声が聞こえるんですのよ!ジャンヌにも悪影響があるでは…ひぐぅっ!」ぱぁん!

提督「そのことについては言い聞かせると約束したでしょう、いつまで蒸し返すつもり?…これだからフランスの田舎娘は困るわ♪」ひゅっ!

エクレール提督「わ、わたくしの出身は関係ないでは…あひぃっ///」すぱぁん!

提督「口ごたえは禁止♪」ひゅん!

エクレール提督「わ、分かりましたわ…ひぃぃん!…く、口ごたえしていないではありませんの!」

提督「あら、手が滑ったわ。ごめんなさい♪…でもその言い方は口ごたえよね♪」ひゅんっ、ひゅっ!

エクレール提督「ひぃぃ…あふぅぅ!…り、理不尽ですわ!」端正で優雅な顔を提督の方に向け、目をうるませている…

提督「…あら、可愛い♪」ひゅんっ!

エクレール提督「ひぃぃん!」

提督「ところで……正直に言って欲しいの。…もっとして欲しい?…もちろん嫌だったならすぐ止めるから、帰ってくれていいけれど…どう?」にっこり微笑んで鞭を撫でた

エクレール提督「あ、あの…その、わたくし…///」

提督「んー?聞こえないわ♪」

エクレール提督「その……もっとしてほしいですわ///」顔を赤らめて視線をそらす

提督「そう、気に入ってもらえてよかったわ♪…では遠慮なく」





<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/03/25(土) 11:51:31.90 ID:riXDkNt30<> …数十分後…


提督「うふふ…♪」ひゅんっ、ひゅん!

エクレール提督「ひぁぁんっ♪…その、もっとお願いしますわ///」

提督「ええ♪…服ごしだとやりづらいから、たくしあげてもらえる?」

エクレール提督「わ、分かりましたわ///」白いナイトドレスの裾をめくり上げ、ほっそりと優雅な身体をさらした

提督「きれいなヒップねぇ…でももうちょっと食べないとだめよ?」ひゅん!

エクレール提督「ひぃん♪…その、わたくしの健康のためですの…?」ぱぁん!

提督「いいえ…叩いた時にヒップがぷるんっ…ってならないと、やっていて気持ちよくないの♪…あと、貴女もヒップが薄いと後で痛いかもしれないから」

エクレール提督「そ、そんなに頻繁にこんなことしませんわ…」

提督「あら、そう?…お望みなら毎晩やってあげてもいいのよ?」ひゅんっ!

エクレール提督「間に合ってますわ…ひぃっ///」ぱしーん!

提督「その割には期待している顔だけれど?」ひゅっ、ひゅんっ!

エクレール提督「そ、そんなことありませ…ひぅぅんっ!」

提督「あらそう?…本当は好きでしょう♪」ひゅんっ!

エクレール提督「あひぃぃっ♪…え、ええ!…わたくし、貴女の叩き方が好きですのっ!…ひぁぁぁんっ♪」

提督「私の叩き方「が」ってことは…私自身は嫌いなの?」ひゅぅぅん!

エクレール提督「ひぐぅぅ♪…い、いえ、貴女も大好きですわ…あひっ、ひぐぅぅ♪」ばしーんっ!…優雅な顔に恍惚の表情を浮かべ、取り澄ましたような態度を捨てて悦んでいる

提督「あら、嬉しい♪…ごほうびをあげないといけないわね♪…四つんばいになって?」

エクレール提督「こ、こうですの?」床に手を付いて四つんばいの姿勢になった。めくりあげたナイトドレスから赤みを帯びたヒップがのぞく

提督「ええ♪…はい、ごほうび♪」ぐりぐりっ♪片足で立つと、ピンヒールのブーツでヒップを踏みつけた

エクレール提督「んぁぁぁっ♪…そ、それぇ…たまりませんのぉ♪」だらしなく喘ぎながらあさましくねだるさまは、普段の優雅で嫌味なエクレールからは想像もできないほどの乱れ方で、提督はぞくぞくしながら、かかとでさらに踏みつけた

提督「あらあら…そんなにいやらしい顔をして♪」ひゅん!

エクレール提督「はひぃぃっ♪…わ、わらくし…いやらしい雌なんれす…の…ぉ♪」

提督「みたいね…ふふ♪」ぐりぐりっ♪…ヒップの割れ目にヒールをあてがうと、ねじ込むようにひねりながら押し付けた

エクレール提督「んあ゛ぁぁっ♪それ…すごく、い゛い゛れすわ…ぁぁっ!」とろっ…ぴちゃっ♪…四つんばいのまま身体をひくつかせ、蜜を垂らした

提督「あらあら…床を汚しちゃって」

エクレール提督「わらくしが舐めてきれいにいたしますわ…ぁ」

提督「うふふ…それも魅力的だけど、せっかくだからこっちを舐めて?」そう言って脚を突きだした。むっちりとしたふとももが網タイツから伸びている…

エクレール提督「いいんですの?…では…むちゅ、れろっ…じゅる♪」

提督「あら、お上手…でも、おあずけ♪」手で肩を押し、床につき倒した

エクレール提督「そんな……フランチェスカのふともも…ぉ、もっと舐めさせて欲しいですわぁ…♪」姿勢を立て直すとブーツに頬ずりしてねだった

提督「ふふ…そうねぇ……♪」

<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/03/26(日) 00:38:33.30 ID:8w9vQhuW0<> 訂正

>>301 真ん中あたり「ごめんなさいね」とすべきところ「ん」が続いていました、訂正します

では本編続きます…


………

…同じころ、廊下…

ニコ「さて、と…お手洗いも行ったし、そろそろ寝ようかな?…でも、まだちょっと早いし……そうか、提督のお部屋にお邪魔させてもらおう♪」


ナヴィガトリ級駆逐艦、ニコロソ・ダ・レッコ。提督がニコと呼ぶ彼女は、淡いブルーのネグリジェにスリッパ姿で廊下を歩いていた。寝るにはまだ早く、少し暇だったので、せっかくだから提督の部屋で色んな話でも聞こうと行先を変えた…提督がもう休むつもりだからと、ドリアに頼んだ伝言はちゃんと各部屋に伝えられていたが、ちょうどニコは部屋を出ていて行き違いになったので知らなかった

…コン、コンッ!…執務室のドアをノックした


提督「ふふふっ♪…もっとあさましくねだっていいのよ?……また誰か来たの?」ぱしーんっ!鞭を振るう手を止めて、額の汗をぬぐった

エクレール提督「あひっ…はひっ♪…あっ、あぁ…お、お願いですわ、じらさないで下さいませ…ぇ♪」ぼたぼたと秘所から蜜を垂れ流し、四つんばいのまま腰を振ってねだる

提督「うふふっ…いやらしく濡らしちゃって…♪…誰なのか見て来るわ、待っていて?」

エクレール提督「分かりましたわ…ぁ♪」人差し指を口に含んで湿らせると、待っていられないかのように花芯に差しいれて、じゅぶじゅぶとかき回した

提督「あらあら、我慢できないのね♪…はぁい、どなた?」ナイトガウンを着直して、隣の執務室のドアに向かった

ニコ「私だよ、提督。ニコだよ」

提督「ニコ?…来てくれたのは嬉しいけど、ドリアから伝言を聞かなかった?」

ニコ「えぇ?…あ、もしかしてさっき化粧室にいたから、聞き逃したのかも知れない…ちょっと時間が空いちゃったからお話しに来ただけなんだけど、お邪魔だったかな…?」

提督「えーと…あ、でも…そうね♪……どうぞ、ニコ。入って♪」

ニコ「ありがとう、提督♪…何か私に頼みごと?」

提督「そうね…頼みごと…とはちょっと違うかしら♪」

ニコ「何かな…今の提督はちょっといけない感じがするね///」

提督「んふふ…分かる?ニコは鋭いわね♪」

ニコ「どういうこと?」

提督「まぁまぁ♪…こっちに来て?」

ニコ「?」

がちゃ…提督がドアを開けた

エクレール提督「…んふぅ…あふぅ…んぁぁ、いいですわっ♪……あぁ、やっと戻ってきて下さいましたの…?…早く…続けて下さいませ…っ!?」四つんばいのあられもない姿勢でだらしなくよがっているエクレール提督は、提督と一緒に入ってきたニコを見て絶句した

ニコ「わ…わっ///」

エクレール提督「あ、あ…フランチェスカ…ど、どういうつもりですの!?」

提督「ふふふっ、とってもいいわ♪…ニコ。この間、図書室でこういう小説読んでいたでしょう?あの時「機会があったらやってあげる」って約束したもの…ね♪」耳元でささやいた

ニコ「う、うん///…その、何ていうか…すごく、ぞくぞくしてきた…ぁ♪」

提督「じゃあ…やってみる?」

ニコ「うん、やってみたい…♪」

エクレール提督「み、見ないで下さいませ…っ!こんなこと、他人には知られたくありませんわっ!」

提督「そう言いつつも秘部を濡らして悦んでいるのよね♪…ほら、ニコ…うるさいエクレール提督は縛っちゃいましょう♪」しゅるりとナイトガウンを脱ぐと、腰の帯を抜き取った

ニコ「て、提督…その格好///」

提督「あぁ、これ?…似合わないかしら?」

ニコ「いいと思う…胸とかはみ出していて、とってもいやらしくて……いい♪」

提督「あら、ありがとう♪…ニコ、貴女の帯も…♪」

ニコ「うんっ♪」

<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/03/26(日) 00:58:43.60 ID:8w9vQhuW0<> 提督「ニコ、両手がいいと思うわ♪」

エクレール提督「ど、どういうつもりですのっ!…貴女だけならともかく、こんなイタリアの艦娘にまでもてあそばれるなんて嫌ですわ…っ!」

提督「ふふ…悦んで濡らしているのに、素直じゃないわね♪」しゅるっ…きゅっ!一度四つんばいから膝立ちにさせると、両手首を頭の上で縛った

ニコ「そうだね♪…うるさいお口も黙らせちゃおう♪」きゅっ!…もう一本の帯で猿ぐつわにした

エクレール提督「んーっ!…んんっ、んー…っ♪」何か叫んでいるが、ぺたりと座り込んで瞳を快感にとろけさせ、花芯をびしゃびしゃに濡らしている…

提督「ふふっ♪縛られてイっちゃうなんて…さすがね♪」

ニコ「いいねぇ…わたしもムラムラしてきちゃったよ♪」

提督「ニコの好きなようにしていいのよ♪…鞭もあるけど、使う?」

ニコ「いいの…?じゃあ、お言葉に甘えて♪」提督から長い革の鞭を受け取った

提督「背中かお尻がいいわ…跡を残さないようにね♪」

ニコ「うん♪…それっ!」ひゅんっ!

エクレール提督「んんっ…んふぅん♪」ばしーんっ!





<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/03/26(日) 02:06:37.01 ID:8w9vQhuW0<> 提督「あら…ニコ、上手よ♪」

ニコ「本当?嬉しいな♪」ひゅん!

エクレール提督「んーっ…んんっ♪」ぱしんっ!

提督「でも、ちょっと強すぎるわ…アザになっちゃう。…貸してもらえる?」

ニコ「はい、提督」

提督「こうやって…手首をひねるように…っ♪」ひゅん!

エクレール提督「んんっ、んふぅぅ…っ♪」とろとろと床に蜜をこぼし、ふとももをひくつかせながらこもった声で喘いだ

提督「はい、ニコ♪」

ニコ「ありがと…いくよっ♪」ひゅんっ!

エクレール提督「んっ、んっ!んー…っっ♪」…どぷどぷっ、ぶしゃぁぁっ♪粘っこい蜜を噴きだし、がくりとのけぞりながら絶頂した

提督「あら、ちょっと早すぎるわ……ニコ、せっかく好き放題できるのに私の使いかけでごめんなさいね?…これじゃあつまらないでしょうし、もうちょっと試していいわ♪」

ニコ「いいの?」

提督「もちろん♪…何か言わせてみても面白いと思うわ?」

ニコ「そうだねぇ…フランスの提督さんをめちゃめちゃに出来るなんて、そうないものね♪」猿ぐつわをはずした

エクレール提督「ひぃ♪…はぁぁ♪こんな…っ、イタリアの駆逐艦ごときに…っ……わたくしが…イかされるなん、て…♪」

ニコ「駆逐艦だからってあなどられては困るよね…っ!」ひゅんっ!

エクレール提督「ひぐぅぅっ♪」ばちーんっ!

ニコ「だいたいフランスは生意気だもの…お仕置きしないと、ねっ!」ひゅっ!

エクレール提督「あひぃぃっ♪」ぱーんっ!

ニコ「よかったなら喘いでばかりいないで…ちゃんとお返事しないと♪」ひゅんっ!

エクレール提督「ひぃぃん♪…はひぃっ♪…あんっ、あふっ……とっても…よかったですわ…ぁ♪…お願いですわ…もっと、もっとお仕置きしてくださいませ…ぇ♪」目をとろんとさせ、縛られたまま脚を広げ、床に水たまりを作っている

ニコ「そう♪…フランスの提督さんはうちの提督の雌奴隷なんだよね…っ♪」嬉々として目を輝かせ、鞭を振るった。その振るい方がぎこちない分あちこちにずれて、そのたびにエクレール提督は喘ぎ声をもらした

エクレール提督「はひぃぃぃっ♪いいですわ…っ♪」

ニコ「ほら、おねだりしてみて…いやらしい提督さん?」

エクレール提督「はひっ♪…わたくし…マリー・エクレール提督は…ぁ…あひぃん♪…イタリアごときに完敗して…あぁんっ♪…調教されて…っ、しまいました、のぉ…あひぃぃっ♪」

ニコ「はぁ、はぁ、はぁ♪…たまらないねぇ♪」

提督「ふふっ、ね♪…あれだけ優雅でお高くとまったエクレール提督が、駆逐艦の責めに屈してあられもない姿をさらしているなんて…ね♪」

ニコ「あぁ、もう我慢できないよ…♪」エクレール提督の顔にとろりと濡れた秘所をすり付け、両手で頭を押さえつけた

提督「マリー、ニコがいいって言うまで、ちゃんとしてあげるのよ?」ひゅん!…ニコから鞭を受け取ると、背中に回って滑らかな白い肌に鞭を打ち下ろした

エクレール提督「ふぐぅぅ…んふぅぅ♪…んぐぅ♪…はぁ、はぁ…」整った顔をぐしゃぐしゃにして、息を切らせながらニコの花芯から頭をあげた

提督「あらあら、もっとしっかり♪」脚を持ち上げ、ヒールで後頭部をぐいっと押した

エクレール提督「んぷ…っ♪…んぐっ…んんっ…んーっ♪」

ニコ「あぁ…いいよぉ♪そろそろイきそうだよ…ぉ♪」

提督「たっぷりかけてあげて?…いやらしいエクレール提督さんはきっと悦ぶわ♪」

ニコ「うんっ…ん、んぁぁっ♪…あ、あっ♪イくっ、イくよぉぉっ♪」どぽっ…ぶしゃぁぁ…っ♪エクレール提督の滑らかな金髪からぴったりしたナイトドレスまで蜜まみれにしながらニコは絶頂した

エクレール提督「はひぃぃっ…あへぇぇ…わたくしも…ぉ、もう、無理ですわぁ…♪」放心したように崩れ落ちた

提督「うふふ…でも私はまだイってないのよ…覚悟してね、エクレール提督♪」

……… <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/03/26(日) 02:20:19.47 ID:8w9vQhuW0<> …言い回しなど単調だったあたり反省ですが、どうにか提督×仏提督の国際交流(というより伊仏戦争?)は終わりました。以前にニコをイケナイ方向に目覚めさせていたので、それも使って進めてみました。
最初はエクレール提督とジャンヌ・ダルクが二人で苦情を言いに来てから、いっぺんにお仕置きレズえっちされて、「こんな、ジャンヌの見ている前で…あひぃぃっ♪」「この聖女ジャンヌ、決してイタリア娘ごときに屈しなどしませんわ!…あ゛ぁぁっっ♪」みたいにするつもりだったのですが、結局提督だけになってしまいました…

機会があったらやるかも知れませんが、とりあえずキリもいいのでこのへんで止めておきます… <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/03/26(日) 02:44:02.01 ID:6XyY1XJLo<> 乙でした
駆逐艦にいたぶられる仏提督とか予想の斜め上ですわ
良いぞもっとやれ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/03/26(日) 04:26:14.35 ID:j8LNmuzK0<> >>296
おお、ご丁寧にありがとうございます。
お察しの通り雰囲気が良い感じに漂っているゲームなので、機会があったら遊んでみてください(確かPS2とDCにも移植されてたっけ)。
「イタリアが舞台」「殺し屋が主人公」「ヒロインがだいたい少女」と、狙い澄ましたかの様な構成になってますが・・・w <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/03/26(日) 23:43:54.19 ID:8w9vQhuW0<> >>311

感想ありがとうございます、「もっとやれ」とおっしゃるのなら…諸君、イタリア海軍に万歳を叫ぶのだ!(ドゥーチェ風)

>>312

喜んでいただいて何よりです


…しばらくはゆるい日常が続きます、その間に考えておきますので…
<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/03/27(月) 00:25:58.19 ID:DAN5BrDb0<> …翌朝・食堂…

提督「おはよう、ドリア」

ドリア「おはようございます、カンピオーニ提督」いつもよりよそよそしいドリア

提督「どうしたの?…いつもみたいに笑ってくれないと、私さみしいわ」

ドリア「知りません…提督ご自身に聞いてみてはいかがでしょう?」

提督「…何もなかったような気がするけど」

ドリア「そうですね、おひとりでお休みになると言ってエクレール提督にニコを連れ込んで乱交…確かにいつも通りですね」

提督「えっ…いや、その…それはたまたま、状況が重なって……って情報早いわね…」

ドリア「ええそうでしょうとも…提督は私みたいなうば桜よりも小さい娘の方がお好みなんですものね…」

提督「そんなことないわ、だいたい私は大きいお姉さん好きだもの……あ」


…ぴた…しぃーん…食堂が沈黙した。一瞬の後、一斉に立ち上がった戦艦と重巡、それに身体に自信のある艦娘たち


チェザーレ「ほう、ならこのチェザーレも抱いてくれるか?」

デュイリオ「まぁまぁまぁ…♪そんなこと言われたら期待してしまうじゃありませんか♪」

ザラ「戦艦もいいけど、私たち重巡だって捨てたものじゃないわよ…♪」

エウジェニオ「ふふふっ…身体も大事だけど、技巧も必要よね♪」

マエストラーレ「…身体は小さくても、色々できるんだよ♪」

提督「嬉しいけど…身体が持たないから///」

ドリア「まぁ…では代表して私が今夜お邪魔させていただきます♪…さ、提督。おはようのキスを…♪」んちゅぅぅぅ…♪

提督「んっ…んふぅ…ぅ……ぷは…ぁ♪…ドリア、機嫌直してくれた?」

ドリア「あら、機嫌が悪かったなんて言いました?」

提督「…」


…窓際の席…

百合姫提督「あらまぁ…あんなことになっちゃって」提督が気楽な格好でいいと言うので、白地に藍染めの鯉が入った浴衣で朝食をとっていた百合姫提督。隣には朝から艶やかな龍田と、なかば呆れ顔の足柄が座っている…

足柄「朝いちから修羅場なんて見たくないわね…全く、辺りが一瞬凍りついたわよ?」パンにバターを塗りつつ、百合姫提督の皿にも取り分けた

龍田「…沈黙の食堂」

百合姫提督「くすくすっ…♪」

足柄「笑いごとじゃないわよ……ところで提督、あなたこそ身体は大丈夫なの?」

百合姫提督「え…ええ、まだ背中とお尻が痛いけど…大丈夫」

足柄「そう、ならいいわ…龍田、少しは加減しなさいっての」

龍田「したわよぉ…だから「少し」痛いだけなんじゃない♪」

足柄「はぁ…龍田も龍田なら、提督も提督で丈夫に出来てること…」パンに半熟の目玉焼きを載せ、かぶりついた…乱暴に見える食べ方だが、不思議とぞんざいな様子に見えない

百合姫提督「…あの平手はちょうどよかったから…♪」

足柄「ごほっ!…そういう生々しい話なんて聞きたくないわよっ」

龍田「まぁまぁ、そんなこと言われたらまたしたくなっちゃうわぁ…♪」

足柄「だからそういうことは夜に話しなさいっ!」



<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/03/27(月) 01:18:44.31 ID:DAN5BrDb0<> …食堂・厨房に近い席…


ミッチャー提督とエンタープライズ、フレッチャーは皿にたっぷりと朝食を盛り、感嘆の声をもらしつつ賞味していた…隣には相席になったジュッサーノとバンデ・ネーレがいて、時々会話に加わっていた


フレッチャー「これ美味しい!ねぇ、マーム…ノーフォークの朝食って何だったの?」

ミッチャー提督「むちゃ言わないでよ、正規空母数隻に軽空母、戦艦に巡洋艦、駆逐艦百隻近くも抱えてこんな贅沢できるわけないでしょうが…」

エンタープライズ「それでも、できるだけ良い暮らしさせてくれるものね。マームには感謝してるわよ♪」

ミッチャー提督「あの鎮守府でやったバーベキューは楽しかったでしょ…あのね、近くの卸売の店で数百キロ単位の牛肉買ってきて、みんなで串に刺して焼いたのよ」

ジュッサーノ「楽しそうですね…でも大変そう」

ミッチャー提督「まぁね♪…カードの明細を見て死ぬかと思ったわ。私はしばらくはMREだけで過ごすハメになったけど」

バンデ・ネーレ「あの、ミッチャー提督、「MRE」…って何ですか?おいしいものじゃないみたいだけど…」

フレッチャー「Cレーションに比べたらずいぶん進歩したって」

ミッチャー提督「比較するものじゃないでしょうが…MREって言うのは米軍の戦闘携行糧食のことよ。味は…まぁ、知らなくてよかったわね」

バンデ・ネーレ「そんなに不味いものなんですか」

ミッチャー提督「安くて保存がきいて、簡易加熱方式でムラなく温まるとか、そういう所が優先されているからねぇ…あと、昔から「美味しすぎると兵隊が勝手に食べるから」とかいうばかばかしい理由で不味いっていうわね…いずれにせよ、ここの食事でよかったわね」…白身はかりっと香ばしく、黄身がとろりとこぼれるような目玉焼きを頬張った

ジュッサーノ「提督のおかげですから、いつも感謝しているんです」

ミッチャー提督「それがいいわ。こんなに早く少将になったから、ゴマすりにでもなったのかと思ったら相変わらずで安心したわよ」

提督「ジェーン、聞こえてるわよー」

ミッチャー提督「あらま…とにかく、フランチェスカは最高に優しいわ。…プレイガールなのがたまに傷だけどね」

提督「わざと言ってるのー?」

ミッチャー提督「事実でしょうが…こんなに可愛い娘たちをはべらしちゃってさ」

ジュッサーノ「…あの、私たちも「可愛い娘」でしょうか?」

フレッチャー「あれ、もしかして自信喪失してる?」

ミッチャー提督「茶化さないの…まぁ、これだけ大小さまざまいて、しかもフランチェスカが豊満な身体の姉好きとくれば心配にもなるか…でも大丈夫、フランチェスカは可愛いところがあればこだわらないタイプだし、可愛いところを見つける名人でもあるから…きっとそういう奥ゆかしい性格も高得点になってるはずよ♪」

ジュッサーノ「あ、ありがとうございます…なんだかごめんなさい。スレンダーでもいつもなら結構自信があるんですけど、こうして並んでいるとやっぱり力不足に思えて…」横目でエンタープライズを見る

ミッチャー提督「まぁ、「ビッグE」は別格だから…実際私が見たってでかいわよ?」

エンタープライズ「ちょ、ちょっと…まじまじと見ないでよ」

フレッチャー「普段はマームに押し付けたりしてるのにね♪」ブラックのコーヒーをすすりながら軽く言った

エンタープライズ「ちょっと、それは言いっこなしでしょう」

ミッチャー提督「どっちもどっちよ、それにそういうことは朝食の席で言うことじゃないでしょう」

フレッチャー「アイアイ、マーム」

エンタープライズ「はい、マーム」
<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/03/27(月) 02:08:45.24 ID:DAN5BrDb0<> では紹介を少し…


百合姫提督…黒髪のほっそりした和風美人で「能登麻○子風」と称される声は穏やかでほとんど荒げたことがない。平均的な他の提督たちと違って大艦巨砲主義ではなく、機動部隊を重視し、補給にもこだわる。いいものは何でも取り入れる革新的な指揮のせいで浮いているが、名家の出なので周囲は何も言えず、当人も気にしていない。
実家にたびたび持ち込まれた縁談が嫌で、その反動から百合気質に。「娘には好きなようにしてほしい」と、気にしていた両親の勧めで士官学校へ。提督になってからは鎮守府で百合を推奨し、組み合わせができては喜んでいる。


龍田…大人しいようで性格はかなりのS気質。百合姫提督を鳴かせては悦んでいる。百合姫提督も喜んで調教され、お互いに良い仲に。黒い着物で流し目をくれる様子は極道の姐御にしか見えないが、優しいところもあってうまく使い分けているので人気者


足柄…戦中は数々の戦闘に参加し、その精悍なスタイルと相まって「飢えた狼」とばかり言われるが、艦娘の彼女は神戸生まれで西洋歴訪をこなしたことからかなりの才女でセンスもいい。百合姫提督とは大正ロマンで「エス」的な初々しい付き合いから徐々に毒されていき、近頃は布団の上でも狼に。



Cレーション…第二次大戦〜朝鮮戦争頃の米軍が採用した缶詰の携行糧食。
よく引用されている、パウル・カレルの「砂漠のキツネ」にある一文「ドイツの野戦食は実質的な下宿人料理であった…」の前に「米軍は戦時下でもGIたちに大したメニューを提供していた」と書かれるほど良くできていた…が、普段から恵まれていた米兵は毎食続くレーションに飽きてしまい散々な評価に…


MRE…ベトナム戦争〜現行の軍用携行糧食。
長く続いたCレーションに替わってレトルトパウチを採用。かさばらず軽いので携行に適したものになったが、同じようなメニューが多く、味の方はいまいちと言われる。特にベジタリアン用のメニューが不味いらしい。
…「MRE」とは「ミール・レディ・トゥ・イート」(Meal・Ready・to・Eat)の略だが、フォーサイスの小説では湾岸戦争時の米兵が「ミール・リジェクティッド・バイ・エチオピアンズ」(エチオピア人でも嫌がる食事)の間違いだろうとぼやいていたとのこと。…エチオピア人に対してものすごく失礼な話である


<> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/03/27(月) 09:22:26.44 ID:oBVF/25Ao<> molte grazie!piu intensamente
Supporto alla!

BIG・Eはホント色々別格過ぎますよね
対抗できそうなのは英国のWarspite様くらいでしょうか
日だと金剛型戦艦に駆逐艦ですが雪風磯風浜風の陽炎型三姉妹
ライバル設定の多い翔鶴型空母あたりですかね?
独だとBismarckあたり?

MREも大分進化してきてるから・・・
少し前に食べ比べする機会がありましたが日仏伊が美味しかった覚えがあります(評価には個人差があります)
ただ米国は前線後方にマクドナルドとか持ってこれるチート能力があるから・・・ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/03/27(月) 15:40:46.28 ID:31GgDwZl0<> >>316
MREは Meal Rejected by Everyone(みんなに拒絶された食事)ってあだ名もあるらしいよ
あとスペル忘れたが「食べ物に似た何か別の物体」っていう名前もあるとか <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/03/28(火) 01:11:19.28 ID:mH7JMzrS0<> >>317

感想は嬉しいですが、イタリア語はカンツォーネで覚えた単語しか知らないので日本語でお願いします…グラツィエは分かったのでまぁいいですけれど

…比較するにも目指す目的が異なるので一概には比較できないかと…とはいえエンタープライズは同時代の空母の中では運用機数も多く、速度もあり、ずば抜けて対空火器やレーダーが強いのが持ち味でしょうか。英空母はサイズが小さい分装甲甲板だったので防御に優れ、日本は…まぁ後発列強なのによく頑張ったということで…

駆逐艦は何にせよ量産性が大事なので、特型のS字カーブのきれいな船首はデザインとしては優れていても、特に凌波性に差はないので、生産上は余計に時間がかかり不要ともいえるでしょうね…特型の対抗馬になるとしたら米フレッチャー級、英トライバル(部族)級、ドイツはZ級のZ27あたりでしょうか…とはいえここまでの強雷装の駆逐艦は他国にないので比較のしようがないと言うべきでしょうね…


>>317 >>318

そこまでMREの話題で感想がくるとは思っていませんでした…でも米軍の場合レーションを食べるのは本当に前線の時だけですし…まぁ色々言われていますが… <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/03/28(火) 01:51:23.98 ID:mH7JMzrS0<> …鎮守府・庭…


…艦娘たちに一時間ばかり講義をし、大してない書類にサインを済ませると、もうやることはなくなった。いい天気なので提督は目についたドリアと百合姫提督、足柄を誘って庭に出た。
パラソルを広げてデッキチェアにあおむけに寝転がると、脇の小机に置いたアイスティーをドリアと二人で分け合い、一本のストローで間接キスをしながら味わった。百合姫提督と足柄も隣り合ったデッキチェアに寝そべり、百合姫提督は足柄の手を撫でながら微笑んでいた


百合姫提督「それにしてものどかでいいわ…」

足柄「本当ねぇ…うちの提督も大概だと思ってたけど、イタリア海軍ってこんなにのんきなのね…食堂の方が建造施設より立派な鎮守府なんて見たことないわ」

提督「えーと…ここがたまたまのんびりしているってだけで、タラント第一やナポリは大きい分細かいところまでうるさく言われるし、エーゲ海方面の各鎮守府は小さい割に接敵が多いから大変なのよ?」

百合姫提督「そうなの?フランチェスカったら、こんなに立派な施設にたくさんの艦娘がいて、しかも少将ですもの。きっと相当な功績をあげたのね?…そういえば、まだ昇進のお祝いを言っていなかったわ…おめでとう♪」

提督「えーと…その…」

足柄「なに、謙遜してるの?自分の功績なんだもの、誇ってもいいじゃない」

提督「いえ、実はその逆なのよ…」

百合姫提督「…逆?」

足柄「と言うと?」

提督「いえ、私がローマで「複数の女性士官とお付き合いしていたこと」が問題になって、それが公のスキャンダルになる前にここに転属になったわけ。…で、左遷だと勘繰られるから「栄転」ってことになって、それでつり合いをとって少将にしてもらったの」

百合姫提督「そうだったの……でも、くすくすっ♪…「複数の女の人と付き合ったから」なんて、貴女らしいわ♪」

提督「ふふっ…そうよね♪」

足柄「まぁ最初見たときから顔はいいし、お洒落も決まっていて、さすがイタリアの提督って感じがしたもの。なんていうか…絵に描いたような「モガ」よね」

提督「…「モガ」?」

百合姫提督「あぁ…「モダン・ガール」の略よ。大正年間に流行った言い方なの」

足柄「言い方が古かったかしら…」

百合姫提督「ちょっとね、でも私は分かるから大丈夫♪」

足柄「あら、ありがと♪」

<> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/03/28(火) 08:43:29.52 ID:+b8jSqpBo<> >>319
スイマセン自重します
<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/03/28(火) 10:06:13.09 ID:mH7JMzrS0<> >>321

反応ある方がやる気になるので自重しないでも大丈夫です…ただ、反応が良かったので米軍関係者でもいるのかと…(笑) <> >>318<>sage<>2017/03/28(火) 10:10:59.69 ID:RT7pNBy50<> ファンの陸軍オタがいるだけです
スゴクオモシロイヨー <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/03/28(火) 10:35:11.92 ID:mH7JMzrS0<> >>323

棒読みか!

ちなみに日本陸軍のおにぎりが丸で海軍は三角なのは、海軍は戦闘配置についた時の弁当箱に三角だとうまく納まるからといいますが…単に陸軍と同じにしたくなかっただけな気が…敵より先に身内でケンカする敗戦国の特徴を地で行っているあたり何とも……


…では、そろそろ本編行きます… <> >>318<>sage<>2017/03/28(火) 10:42:25.21 ID:RT7pNBy50<> とんでもねぇ、待ってたんだ(迫真) <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/03/28(火) 11:26:11.63 ID:mH7JMzrS0<> …しばらくして…


足柄「しかしこうも天気がいいと眠くなるわねぇ…」

百合姫提督「出撃するわけじゃないんだもの、寝ていていいですよ」

足柄「そう?…ならお言葉に甘えて……すぅ…すぅ」旅の疲れか、数分で寝息をたてはじめる

百合姫提督「お休み、足柄。……寝顔も可愛いわ…♪」

提督「可愛いって言うよりは綺麗って感じだけど……あと色っぽいわね…♪」足柄は白地に「破れ籠目に藤の花」を染めた浴衣姿で、裾がめくれてすらりと長い脚がのぞいている…

百合姫提督「あげないわよ?」

提督「そんなに心配しないでも大丈夫、人の物は取らないわ♪」

百合姫提督「…」

ドリア「ふふっ…信用できないことおびただしいですよね」くすくすと笑った

百合姫提督「えぇ…他の事はともかく、こと女の子に関してはまるであてにならないもの…」

提督「えー?」

百合姫提督「…胸に手をあててよーく考えれば分かるでしょう?」

提督「胸に手をあてて…ねぇ」…むにっ

百合姫提督「…わかった?」

提督「また大きくなったなぁ…ってことしか分からないわ」

百合姫提督「…急に大きくなったら着るものが大変でしょうね」

提督「えぇ。下着がきついこと…ローマに行ったとき買い足したわ」

百合姫提督「そんなに…?」ゆさゆさ…手を伸ばして提督の胸を下から支えるように持ち上げた

ドリア「…あらまぁ♪」揺れる乳房を見てにこにこしている

提督「…どう?」

百合姫提督「本当にまた大きくなったわね…お腹は大丈夫?」

提督「…運動するから大丈夫」

ドリア「そう言いつつ提督ったら何もしないんです♪」

百合姫提督「まぁ、全部胸とお尻に行っているようだから平気みたいだけど…」

提督「え、ええ」

百合姫提督「制服一式は高いわよ…?それにモテなくなっちゃうかも…」

提督「…」

ドリア「まぁ♪…でも私はむっちりした提督もいいと思います、こう…ヒップをわしづかみにできるような♪……それにモテなくなったらライモンドが安心するでしょうね」

提督「…ライモンの安心はともかく、少しは運動するわ」

ドリア「…では、今晩お邪魔します♪」

百合姫提督「…ベッドの上でするのは運動って言わないと思うのだけど」

提督「そうなの?てっきり姫がスレンダーなのはそのおかげかと思っていたわ♪」

百合姫提督「///」

提督「え…?…冗談のつもりだったのに…図星?」

百合姫提督「え、ええ。…その、昨夜も…///」

提督「昨夜も?」

百合姫提督「…龍田が、「イタリアの提督さんにだけあんなに可愛い顔を見せるなんて、ずるいわぁ」…って///」

提督「……だから昨日エクレールが声の事で来たわけね…あの辺の部屋は来客用だし、うちの艦娘たちの喘ぎ声が聞こえるはずがないと思ったわ…」

百合姫提督「何か言ったかしら?」

提督「あぁ、いいの。気にしないで?…龍田にはもう少し優しくしてもらうよう頼んでおいてね♪」

百合姫提督「はい…///」 <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/03/28(火) 11:28:04.63 ID:mH7JMzrS0<> >>325

面白い奴だな…リクエストに答えるのは最後にしてやる <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/03/28(火) 13:39:49.28 ID:mH7JMzrS0<> しばらくして、ドリアはデュイリオに誘われて映画を見に建物に戻った。百合姫提督もうつらうつらし始め、提督もドリアと交代するようにやって来たライモンを隣にして、眠い目をこすっていた…

提督「ふぁ…ぁ…」

ライモン「提督がそんな大きなあくびなんて珍しい…もしかして疲れてます?」

提督「久しぶりのローマで疲れたし…昨晩はまともに寝てなかったから…」

ライモン「あっ…そ、そうですか///」

提督「ええ…ちょっとしつけのなっていない雌猫をね……ふぁぁ…」

ライモン「あの…よかったらこっちで寝たらどうですか?デッキチェアだと固いでしょうし」ライモンは柔らかな草が生えた地面を指し示した

提督「なるほど、それもいいわね……よいしょ、っと…」暖かい太陽に爽やかな風。遠くからはしゃぐ艦娘たちの歓声が聞こえるが、それもうるさいほどではなく、気にならない。優しい風に揺れそよぐ緑色の草原に腰を下ろすと、さっそくあおむけになろうとした…

ライモン「ちょっと待ってください…はい、どうぞ///」提督を押しとどめてそばに座ると、自分のふとももをぽんぽんっと叩いた

提督「膝枕してくれるの?」

ライモン「え、ええ…だめでしたか?」

提督「嬉しいけど…頭を乗せたら重くないかしら?」

ライモン「平気ですよ。さ、どうぞ」

提督「ありがとう…ではお言葉に甘えて…♪」ぼんやりした声でつぶやくとそのままゆったりと頭を乗せ、すぐに穏やかな寝顔を見せる提督

提督「すぅ…すぅ…」

ライモン「…わぁぁ♪…提督の顔が近い…それに胸…柔らか…い///」…ちゅっ♪…柔和な提督の顔にそっと唇を近づけた……

<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/03/29(水) 00:22:52.52 ID:HB1Ccei40<> ………



提督「ふわぁ…ぁ…んー、すっきりした♪…あら」

ライモン「すー…すぅ…」

提督「…ライモンも留守中はお疲れだったのね、ドリア?」小声で戻って来ていたドリアにたずねた

ドリア「ええ、何しろ留守中も一生懸命でしたから。しばらく寝かせておいてあげて下さい…」

提督「…そうね」小声でつぶやきつつ静かに身体をどけると、後ろに回ってそっとライモンの身体を横たわらせた

ドリア「…きっと起きたら驚くでしょうね」

提督「驚くより喜んで欲しいけれどね♪」…しばらくして起きたライモンはいつの間にか提督の膝枕に寝かされ、頭を撫でられていることに気付くとびっくりし、あわてて頭をあげようとした

ライモン「そんな、提督にこんなことさせるなんておそれ多いです…!」

提督「私がしてあげたいの…ね、動かないで♪」櫛を取り出すと、艶のある明るい金髪をくしけずり始めた…

ライモン「あっ…気持ちいいです…」

提督「そう?よかった…女の子なんだから、可愛くしていなきゃ♪」櫛の歯を滑らして髪を梳いていき、最後に軽く頭を撫でた…

ライモン「ふぁぁ…あぁ…んっ♪気持ち良くて…身体がぞくぞくします…♪」

提督「そう?……ふーっ…♪」耳に息を吹きかけた

ライモン「あぁんっ…♪もう、いきなり息を吹きかけるなんてずるいです…♪」

提督「とっても可愛かったわ♪……きゃあっ♪」…むにっ♪…と後ろからドリアに揉まれ、驚いて声を上げた

ドリア「私から見たら二人とも可愛いですよ…そーれ、っ♪」…むにっ、もにゅ…っ♪

ライモン「あ、ドリアさんだけずるいです…私にも触らせて下さい♪」

提督「あんっ、もう…♪二人とも、庭でこんなことしちゃダメよ…♪」そう言いつつもドリアの手に自分の手を重ね、乳房に誘導する。ライモンも起き上がって前から提督の柔らかい丘に手を伸ばした…

………

…しばらくして…


提督「はぁ…んぅぅ♪…もう、ドリアってば…お返し♪」むにっ…ゆさゆさっ♪

ドリア「…はぁん♪……うふふっ、提督ってば…反撃しちゃいます♪」もみっ…ぐにゅっ♪

ライモン「はぁ…はぁ…二人とも、柔らかい♪…指が埋まるみたいですごいです…っ♪」さわっ…もみっ♪

提督「はぁ、はぁ、はぁ…ふふっ♪…もう…そろそろ、ふぅ…やめましょうか……ドリア、ライモン。二人とも上手ね、気持ち良かったわ♪」すっかり脱がされてしまった上着を羽織りなおすと、軽く埃をはたいた

ドリア「うふふっ…♪私も楽しかったですよ、提督♪」汗ばんだ額をハンカチで拭い、スカートの裾を直した

ライモン「はぁぁ…二人とも体力ありますね…わたしは疲れちゃいました」

提督「あらあら…じゃあお茶でも飲みに行きましょう♪」




<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/03/29(水) 01:22:42.69 ID:HB1Ccei40<> …食堂…

百合姫提督「見てたわよ、フランチェスカ♪」涼しげな笑みで微笑む百合姫提督は、ディアナたち数人と一緒にティーセットを並べていた

提督「あら、見られてたわ♪」いたずらっぽく、軽くウィンクした

足柄「あんなところでいちゃついていたら誰だって見えるでしょうが…ちなみにうちの提督は喜んでたわ」

提督「そう?それは良かったわ…ところでディアナ、お茶の準備をありがとう。一緒にどうかしら?」

ディアナ「よしなに。ではわたくしもいただくことと致しましょう」

リベッチオ「お姉ちゃんも一緒に食べよう?」

マエストラーレ「そうね、じゃあ隣同士で♪」

シロッコ「美味しそうな風が吹いてきたね!」(※シロッコ…西の季節風のこと)

グレカーレ「うんうんっ、日本のお菓子は自然の物みたいで面白いよね」


…褐色のマエストラーレ級姉妹が目を輝かせているなか、ジノリの菓子皿に盛られたのは百合姫提督の持って来た日本のお菓子で、色や形も様々なものがにぎにぎしく並んでいる…


百合姫提督「えーと、これが茨城名物「のし梅」。似たようなものは全国にあるけど、茨城は日本三大庭園の一つ、「偕楽園」っていう梅の名所があるから、梅のお菓子が多いの…梅の味がする固いゼリーだと思えばいいわ」

提督「やっぱり竹の皮で挟んであるのね。秋田の…「さなづら」だったかしら?それの色違いみたいね」透き通った山吹色をしたゼリーを指三本分ほどの幅に切り出してもらい、指でつまんで口に入れた…爽やかで甘酸っぱい梅の風味と、固すぎず、柔らかすぎないほどよい噛みごたえが舌をくすぐる…

提督「美味しい…ダージリンにも負けないくらいいい香りもするし」

リベッチオ「ほんとだ、これ美味しいっ……提督っ、あーん♪」

提督「はい、あーん♪…ちゅうっ♪」リベッチオが差し出した「のし梅」を指ごとくわえた

リベッチオ「わ…!指まで食べられちゃった…ちゅぽっ、ちゅるっ……提督の味がするね♪」濡れた指を舐めて無邪気な笑みを浮かべた

提督「そう、お味はいかが?」

リベッチオ「甘くて美味しい…この味大好きっ♪」

百合姫提督「まぁまぁ♪…いいものを見せて頂いてありがとうございます♪」

足柄「あぁ、甘い…砂糖いらないじゃない」

マエストラーレ「百合姫提督さん、これはなぁに?黒くて四角いけど、チョコレート…じゃないよね」

百合姫提督「あぁ、はいはい…これは栃木の名物「日光羊羹」よ。ようかんは小豆と寒天で作る日本の代表的お菓子で各地にあるけど、ここの羊羹が特に美味しいっていうから取り寄せたの」

足柄「一棹二千円…だったかしら?格が違うわよね」

百合姫提督「でも「とらや」の「夜の梅」よりは格安だから…間宮の羊羹もすごく美味しいけど、いっぺんにこの数は作れないものね」

足柄「そうね…では私も一つ。…んー、やっぱり美味しいわね!」

提督「そんなに美味しいのね……あら、本当。しつこくないし風味もいいわ」

百合姫提督「それでね、関東のは「練り羊羹」だから関西の羊羹より固めで、こうやって切ってみると角がぴしっとできるの…どっちも美味しいけど、見た目はこの方がきれいよね」

提督「へぇ…日本も地域によって違うのね」

ドリア「まぁ、うふふっ…美味しいです♪」

龍田「…あらぁ、あらあらぁ…?提督ったらぁ、いつの間にお茶なんて始めたのかしらぁ?」食堂に入ってきた龍田がひくっと唇の端を引きつらせた

百合姫提督「あ、龍田…ほら、あなたにも取ってあるのよ、一緒に食べましょう?…ようかん好きでしょう?」

龍田「そうねぇ、甘いものはたいてい好きよぉ?」

ライモン「よかったらお隣にどうぞ?」

龍田「あらぁ…ご親切にどうも♪」姿勢よく座ると取り皿を受け取り、ようかんとのし梅を載せた

足柄「ねぇ提督、他のも出しましょうよ」

百合姫提督「そうねぇ…せっかくだものね♪」





<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/03/29(水) 02:04:01.75 ID:HB1Ccei40<> 提督「あ、これは分かるわ。お饅頭でしょう?」茶色の丸いものは一度食べたことのある饅頭の類だろうと、提督は先回りして言った

百合姫提督「ええ、そうなの♪…群馬の「湯の花饅頭」って言ってね、ごくごく普通のお饅頭に見えるけど、群馬っていう所は草津温泉とか、源泉がたくさんあって、これがお土産として売られるようになった「温泉まんじゅう」の元祖なの」

提督「そうなの…ではお一つ。…んむ……」くどくない甘さの湯の花饅頭はしっとりとしていて舌触りがよく、中のあんと皮の割合がちょうどいい…

ディアナ「美味しゅうございますね…わたくし、このような甘味を食したのは初めてで…」

龍田「まぁ、素直に美味しいわねぇ…」

提督「…こくん。…美味しいお菓子ばかりね、そのうちにイタリアの銘菓でお礼をしないと♪」

百合姫提督「そんな、お気持ちだけで嬉しいわ…じゃあ、次を開けましょう♪」

足柄「いよいよ関東の南部に入って来たわね…港も多いし親しみ深いわ」

百合姫提督「そうね、ではまず…千葉県のぬれ煎餅。甘い物が続いたからちょっとしょっぱいもので雰囲気を変えましょうか」

龍田「ぬれ煎餅…お菓子ではないわよねぇ」

百合姫提督「でも…「ピーナッツ最中」って房総の人も食べたことないって言ってたし…館山基地の人に頼んで送ってもらったの」

提督「あの、姫」

百合姫提督「はい、何かしら?」

提督「…私の知識だと「お煎餅」っていうのは固くて乾いているもののはずなんだけど?「ぬれ」っておかしい気がするのは私だけ?」

百合姫提督「ふふふ…そうよね。まぁ、食べてみて?」

ライモン「…包装や箱は電車の柄ですが…どうしてお煎餅に電車なんでしょう?」

百合姫提督「それは、地元のローカル鉄道「銚子電鉄」(ちょうしでんてつ)が作っている「ぬれ煎餅」だからなの。千葉県の突端にある鉄道で需要が少ないから、醤油の醸造が盛んな地元の協力でお煎餅を焼いているの」

提督「鉄道会社がお煎餅…面白い広告ね」

百合姫提督「いいえ、本業より売り上げが多いのよ?」

提督「え…?」

百合姫提督「まぁ、とりあえず食べてみて?」

提督「ええ………うーん…これが醤油の味なのは分かるわ。…結構濃い味ね…でも…ビスケットみたいにぱりっとしているわけでもなく…湿っているようにしか思えないわ」

百合姫提督「うふふふ…♪そうよね、そういうものだもの…でもね」どういう訳か用意してあった急須と茶碗を置いた

百合姫提督「元はお煎餅が乾かないうちに漁に飛び出した漁師たちの携行食だから…こうして……」ちぎった「銚電のぬれ煎餅」を茶碗に入れ、緑茶を注いだ…

百合姫提督「さぁどうぞ?…地元ではこうして「簡易お茶漬け」にして食べていたそうなの」

提督「そうなのね……なるほど…」箸を受け取り、ぬれ煎餅のお茶漬けをそっとすすってみた…そのままでは少ししょっぱい「ぬれ煎餅」もこうするとちょうどいい具合になり、しけったように思える煎餅もお茶を含んでじゅっ…と水気を帯びた

提督「あら…なるほど。面白いわね♪」

百合姫提督「ね?…お茶はあるからみんなもどうぞ?」

ドリア「意外な食べ物ですね」

グレカーレ「スープのクルトンみたいなものだねぇ…日本の「お醤油」って、こういう味なんだ」


………




<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/03/29(水) 02:09:11.19 ID:HB1Ccei40<> …今日はこのへんで止めます。ぬれ煎餅の食べ方は知ってびっくりしたのでぜひ小ネタにしようと思っていました。「銚電のぬれ煎餅」でぜひ一度やってみてください(ステマ)…百合姫提督のお土産もやっと関東までやってまいりましたが…長い…… <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/03/30(木) 01:31:00.22 ID:+r2fV7aZo<> 乙です

イタリアも北と南で別の国なんじゃねーのってくらいアレですが
日本もホント東西南北でアレですよねえ
仕事柄地方出張が多いのですが知ってるお土産出てくるとニヤニヤしちゃいます <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/03/30(木) 02:01:24.63 ID:uDLWhK320<>
…各テーブルで数人ずつ、あるいは十数人の大きいグループを作ってティーセットを囲み、和気あいあいと時間が過ぎた。普段は嫌味の多いエクレール提督も、昨日のお仕置きが効いたのか優雅にお茶をすすっている…もっとも、時折頬を赤らめて提督の方を凝視していたので、そのたびに軽くウィンクを送ると、恥ずかしげにぷいと横を向いた…


ドリア「うふふっ…フランスの提督とは思えないほどうぶですねぇ…♪」

提督「ね、そそられるでしょ?」

ドリア「ええ♪」

ライモン「…確かにきれいな人ですよね。随伴艦の方も練習巡洋艦にしては端正で、まぁ綺麗ですよね」ジャンヌ・ダルクを横目で見て言った

提督「リシュリューだってなかなか…あの服のセンスはさておき」片方だけ肩を出した、傾いたようなデザインのパール・グレイのドレスはパリ・コレでも見ないような奇抜なデザインで、平然としているあたりそれで普通と思っているらしい…服はともかく、胸のドレス生地のひだがふっくらと盛り上がり、提督はその下を想像してわくわくしていた…

百合姫提督「相変わらずすぐ目移りしちゃうんだから……ねぇ、私じゃだめなの?」軽くしなをつくり、着物の胸元をちらりとのぞかせる

提督「あら、嫉妬?…大丈夫。貴女はとってもたおやかで綺麗よ、だから目移りしたって視線はいつも戻って来るわ、…私のお姫様♪」軽く首を傾け、指二本で投げキッスを送った

百合姫提督「もう…フランチェスカったら///」

足柄「ちょっとちょっと、いいようにあしらわれているじゃない!…うちの提督にあんまり色目を使わないでもらえる?」

提督「色目だなんて…綺麗な花はそれだけで観賞されるし、賞賛される価値があるものよ?」

百合姫提督「あぁ、もう…お上手なんだから///」頬に手を当てて身体をくねらせている

ドリア「提督ったら…他国の提督さんにまで手を出したら、今度の任地は南極になっちゃいますよ?」

提督「もし南極の配属になったら、恋の炎で南極の氷を溶かして見せるわ♪」

百合姫提督「だめよ、海面上昇が進んだら島国が水没しちゃうもの…///」

ライモン「確かに…ベネチアも心配になりますね」

足柄「そうよねぇ、環境保護は大事だものね…違うわよ!…うちの提督にそういう口説き文句を言わないでって言っているのっ」

提督「ごめんなさいね…でも、私の恋心は止められても抑えられないの♪」

足柄「イタリア人みたいなこと言わないでよ!」

提督「そうだけど?」

足柄「あぁ…もう!」

龍田「あらあらぁ…足柄が押されるなんて珍しいわねぇ」紅茶に角砂糖を入れてすすった

足柄「龍田、あなたからもどうにか言ってよ!」

龍田「はいはい…うちの提督に手を出したら、お触りできないようにおててをさよならさせちゃうわよぉ……♪」

提督「あら……提督以外はいいの?」

足柄「!?…ものすごく勇敢なのか、それとも底抜けの…」

龍田「…私ならいいわよぉ?…どのくらい耐えられるか楽しみねぇ♪」

足柄「…ちょっと、龍田!?」

龍田「だって、楽しめそうでしょう?…イタリアの提督さんって、どんなかしらぁ♪」

ドリア「あら…面白いことを言うお嬢さんね♪」

ライモン「…提督を傷つけるようなことをしたら、わたしも本気になりますよ」

龍田「あらぁ…私だって世界水準超えていたこともあるのよぉ?」

足柄「ちょっと提督、止めなさい…よ?」

提督「姫、その黒い真珠みたいな艶やかな髪…相変わらずきれいね♪」優しく髪を撫で、甘い椿油の匂いを嗅いだ

百合姫提督「嬉しい…そう言って欲しくて毎日手入れしていたの♪」

足柄「まるで聞いてないじゃない…」



<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/03/30(木) 02:08:41.60 ID:uDLWhK320<> >>333

…出来るだけ食べたことのあるものか、さもなければ昔からある有名なものを選んでいます。似たようなのがかぶらないようにするのが結構大変ですし、ここまでだと栃木が有名なのが無くて苦労しました(知らないだけかもしれませんが…)栃木の方ごめんなさい…

まぁ、日本も小さいようでヨーロッパから見ると結構な大きさですから…あと、イタリア並みに県民性はあると思います……ほとんど進んでいませんが、よかったら気長にお付き合い下さい <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/03/30(木) 02:27:28.07 ID:uDLWhK320<> 提督「あら、ちゃんと聞いているわよ?…ライモン、ドリア。お客様と喧嘩しないの。「ロベルト」の仲間でしょう?」

ドリア「そうでしたね。私ったら、年甲斐もなく…///」

ライモン「はい、提督がそうおっしゃるのなら」

提督「ありがとう、二人とも偉いわ♪」

百合姫提督「大丈夫よ、足柄。龍田はちゃんと加減してくれるから…///」

足柄「そこじゃないわよ、提督…って、「ロベルト」って何だったかしら?どこかで聞いたことがあったような…」

提督「…まぁ、イタリアで一部の人が言っていた程度だから覚えていても無理ないわ。ローマ、ベルリン、東京(Roma、Berlin、Tokyo)の頭文字を取って、枢軸国を「ロベルト」って称したことがあるの…あの時はそう仲良く出来なかったようだけど」

百合姫提督「そうね…海軍は明治のころはフランス、後にイギリスを模範にしていたから…イタリアは相手にしていなかったようね」

足柄「まぁ…そうね」

龍田「私だって船体はイギリス、主砲の「14サンチ砲」はフランスの物を参考にしたんですものねぇ…」

百合姫提督「そうね…そうそう、まだまだお菓子はあるのだから、もうちょっと開けちゃいましょう?」

龍田「提督、夕食に差し支えないようにねぇ♪」

百合姫提督「そうね♪」

足柄「はぁぁ、全く…」

……… <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/03/31(金) 01:04:24.71 ID:UPsAiVrZ0<> 百合姫提督「それでは…えーと、どこまで出したかしら?」

足柄「千葉よ」

百合姫提督「あぁ、そうだったわ…じゃあ次は埼玉の…」粉のまぶされた棒状のお菓子を差し出した

提督「円筒形の棒?…太さが四色のボールペンくらいあるけど…なぁに、これ?」

百合姫提督「五家棒(ごかぼう)って言って、埼玉の銘菓としては一番古いものじゃないかしら。おこしを水飴で固めてきな粉をまぶしたお菓子だから、きな粉にむせないようにね」

足柄「いいけど五家棒って変わった名前よね…」しげしげと5センチほどの長さをしたそれをつまんで眺めた

百合姫提督「諸説あるらしいけど、五軒の農家が作り始めたからだとか言われているわね」

足柄「へぇ、そうなの。……そういえば最近「諸説あり」ってやたら言うじゃない?あれって大阪あたりの人がよく言う、「ま、知らんけど」と大差ないんじゃないの?」

百合姫提督「そうねぇ…きっと文句を言われないように予防線を張っているのね。…ま、知らんけど♪」

足柄「可愛い感じで言うんじゃないわよ…一瞬きゅんと来たじゃないの///」

百合姫提督「ねえ龍田、足柄が「きゅんときた」…って♪」

龍田「それはよかったわねぇ…じゃあ五家棒いただくわよぉ」

提督「私も…ふむふむ……」ざくざくしたおこしに水飴がまとわりつき、ばらばらと崩れずに済む。きな粉がこぼれるのがいただけないが、手のひらで受け止めてうまく食べた…味は甘いが素朴で、いかにも古くからの菓子と言った感じがする

百合姫提督「…どう?」

提督「美味しいわ♪なんだか、こう…日本のわらぶき屋根の家で縁側に座って…お茶と一緒に頂くような、そんな味がしたわ」

足柄「あぁ…分かるけど、今はそういう風景もなかなか見られないわよ」

リベッチオ「えぇ!?日本ってお侍とかいるんじゃないの!?」

百合姫提督「残念ながら…明治、大正のころにはすっかりいなくなってしまったわ。今ではお祭りや観光で見られる程度よ」

ディアナ「それは残念ですね…てっきり日本には侍や芸者みたいな方がたくさんいるものとばかり思っていました」

提督「…イタリアだって剣闘士とか元老院の人なんていないでしょう、それと同じよ?…それに今の日本がどういう雰囲気かはアニメで見てるでしょうに」

マエストラーレ「いや…だって、ねぇ。この前見たドラマだとお役人が悪人を切り捨ててたよ?」

提督「…そんなのやってたかしら」

グレカーレ「提督はお風呂入っていたし見てなかったけど、この間やってたのよ。主役の方が「カブキ」の俳優さんなんだって」

百合姫提督「……主役が歌舞伎俳優で…時代劇…もしかして「鬼平」?」

足柄「あぁ!…ねぇ、それって「火盗改めである!」ってやつ?」渋い声を真似する

リベッチオ「それそれ!「抵抗すれば容赦なく切り捨てるっ!」って、格好いいよねぇ!」

百合姫提督「…ごめんなさい、それは時代劇だから昔のお話よ?江戸時代にいた「火付け盗賊改め方」の人を脚色した物語なの」

グレカーレ「じゃあ今はいないんですか?」

百合姫提督「そうなるわね…でも主演の歌舞伎俳優さんは今の人よ?」

ディアナ「そうなんですか。…好きかどうかは別ですが、格好いいと思います」

マエストラーレ「そうね。やっぱり一番好きなのは提督だから、見るのは好きな俳優さん…くらいかな?」

提督「!…ねぇ聞いた?姫、この娘たちってば「私が一番」ですって♪」

百合姫提督「聞こえたわよ、よかったわね♪」

提督「えぇ♪…マエストラーレ。あなたと妹たちには、後で好きなもの買ってあげる♪」

リベッチオ「やったぁ!…提督大好きっ♪」ちゅっ♪…頬にキスをした

提督「いいわ♪ならお姉さんが好きなもの二つ買ってあげる♪」

足柄「…全くごちそうさまなことで」




<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/03/31(金) 01:53:30.94 ID:UPsAiVrZ0<> …鎮守府・夜…


百合姫提督のお菓子をあれだけつまんだあとにも関わらず、「残すのはもったいない」と、提督は夕食を難なく平らげた。食後、皿の片づけを手伝ったあとは席に戻り、ミッチャー提督たちとたわいない話を始めた。
テーブルを囲んでいるのはデュイリオとドリア、カヴール、チェザーレと、むっちりボディの戦艦たちに、ゴージャスな「ビッグE」、駆逐艦とは思えないフレッチャーと、スタイルはいいがほっそりしているライモンは少し気おくれした様子でいる…


ミッチャー提督「いや、美味しかった!こういう暮らしをうちの艦娘たちにもさせてあげたいんだけどねぇ…何しろ軍艦はレディだし…「パウダー」と「ペイント」に金がかかるから」(米海軍のジョーク。「パウダー」(火薬、おしろい)と「ペイント」(塗料、口紅)をかけている)

提督「うふふっ♪」

ミッチャー提督「笑いごとじゃないわよ?名前や性格を覚えるのも一苦労だし、出撃なんて言ったら誰が誰やら…もう大変」

フレッチャー「でもマームはすごいの、あたしたちの名前間違えたことないもの」

提督「へぇ…それはすごいわね」

ミッチャー提督「ふふん…よくバーで「フレッチャー級の名前を全部言えるか」って賭けをしては、他の士官から小銭を巻き上げたからね♪」

提督「本当に言えるの?すごいわねぇ…」

ミッチャー提督「やってみましょうか?……フレッチャー、ラドフォード、ジェンキンス、ラ・ヴァレット、ニコラス、オバノン、シェバリエ、ソーフレイ、ウォーラー……」

提督「よく覚えてること…」

デュイリオ「少なくてよかったですね、提督?」

提督「そうね…一番多くても十数隻だもの」

エンタープライズ「うちのマームは特別だから…何しろ海軍作戦部長の推薦でノーフォークの提督になったくらいだし。きっとこれが終わったら話してくれるわよ」

ミッチャー提督「…ポーター、カルホーン、グレゴリー、リトル、ルクス。…はい、これで全部よ」

提督「すごいわ♪」

ドリア「こんなに思ってくれている方なら、艦娘の方も嬉しいでしょうね♪」

デュイリオ「さすがですね♪」

ミッチャー提督「よしてよ、ほめ過ぎだってば///」提督たちの拍手に手をひらひらさせる

エンタープライズ「ところでマーム、あの話をしてあげたら?」

ミッチャー提督「えー?あれは自慢げに言うものじゃないでしょ?」

提督「時間ならあるわ。ジェーン、聞かせて?」

フレッチャー「そうそう、せっかくマームのいかしてる話なんだから」

ミッチャー提督「いやぁ、そう言ってもねぇ……まぁいいか」コーヒーをすすった


………



<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/03/31(金) 02:08:48.70 ID:UPsAiVrZ0<> ……とりあえず今日はここまでにしておきます。その場で考えながら書いているので、次第に収拾がつかなくなってきているような……はやく百合エロしてほしいという方には本当に申し訳ないです、待ってて下さい…次はミッチャー提督の昔話を少し…それからまた提督がいちゃいちゃしますので… <> ◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/03/31(金) 11:00:18.41 ID:UPsAiVrZ0<> …数年前…


とあるホテルで行われた米海軍によるパーティ。来ていたのは海軍のお歴々と、地元の州議会議員や軍需企業の幹部、地元の名士など。一般人は普段はなかなか目にすることのない艦娘を納税者にお披露目し、海軍の宣伝をする意味もあってか、会場はごちそうとカクテルが用意され、星条旗や花で飾り付けられにぎやかだった。ミッチャー提督はまだ中佐で、西海岸の鎮守府で戦果はあげていたが、なかなか昇進が進まなかった…


ミッチャー提督「おーおー、にぎやかなこと」

エンタープライズ「太平洋艦隊司令官もいますね」

ミッチャー提督「本当だ…「ゲット・アウト」マティアス大将ね」視線の先には短気そうな大将が立って、数人の議員と話している…しばらくすると議員と企業の幹部は離れてバーの方に行った…

エンタープライズ「何でも怒りっぽい人だそうね」

ミッチャー提督「らしいね…まぁ、いいわ。ほら、せっかくなんだからマティーニでも飲もう?…フレッチャーにはマルガリータでも頼んであげようか」

エンタープライズ「いいですね」

フレッチャー「それでいいわ」

ミッチャー提督「オーケー」バーに近寄った

ミッチャー提督「マティーニを二つ、それとマルガリータ」ホテルのバーテンダーに頼んでいる間、そばでバーボンをすすっている議員たちの声が聞こえた…

企業幹部「…しかしあの「深海お化け」のおかげで受注が多くてありがたいことですな…しかも相手は人じゃないし、あの「艦娘」とやらも軍人ではないから「誰の良心も痛むことのない作戦」という訳で、おかげで株価も鰻のぼりですよ…まったく、議員のおかげです」

議員「ははは。しかし最近はおかしなことになってきているな、女や黒人や、なよなよした少年みたいなのまでが肩章をつけて、やれ「提督」だの「司令官」だのと…もっとアメリカ人らしいタフな人間が指揮ををとらなきゃいかん!」

企業幹部「まったくですな!……しかしあの「艦娘」たち…なかなかいかすとは思いませんか?」

議員「ははは、たしかに悪くないな…ところが海軍はうるさくていかん、何だかんだと理屈をつけては近寄らせまいとするのだ。全く、納税者の代表たる議員に向かって失礼な奴らだ…さっき大将に抗議してきたがね」

企業幹部「全くですな…もう一杯いかがです、せっかくのタダ酒ですからな」

議員「持ってきてくれるか、すまんな」

ミッチャー提督「…あとテキーラを」手早く出されたグラスをカッと空けると、熱い液体が喉を焼いた

議員「まったく、LGBTだか何だか知らんが…古き良きアメリカをないがしろにしているとは思わんかね」

企業幹部「全くですな」

議員「おい、君!」

ミッチャー提督「…私ですか」

議員「そうだとも…なんだ、君も「提督」とやらかね?…まったくどいつもこいつも提督だな」

ミッチャー提督「それだけ深海棲艦の脅威が大きいと言うことでしょうね」

議員「ふん、あんな深海イカの化け物みたいな奴なんぞ、巣を探してニュークでも何でもぶち込んでやればいいんだ…ところでそっちの娘は君のところの「艦娘」とやらか?」ミッチャー提督を探しにきたエンタープライズを指差した

ミッチャー提督「ええ、議員。彼女は空母エンタープライズです」

議員「ほうほう…なかなかいい女じゃないか。どうだね、中佐。彼女をしばらく貸してくれんか?女同士ではパートナーが減ってもったいない!」

ミッチャー提督「せっかくの申し出ですが…彼女たちはなかなか規格外のところがありますから」

議員「なんだ、黒人が!…その上レズか、こんなのが海軍だというのかね!」

企業幹部「まったくです、議員。…おい、せっかく議員が悪いようにはせんと言っているのだぞ」

ミッチャー提督「シッ!…ファック、ユゥ!サノバビッチ!」

議員「何を!?」次の瞬間議員が後ろにふっとび、テーブルを巻き添えにしてひっくり返った

企業幹部「おい、何て事を!」こちらも何か言う前にあごにアッパーを食らってふっとんだ

ミッチャー提督「この、くそったれのゲス野郎、とっとと出て行かないともう一発くらわすよ!」わらわらと集まってきた士官たちや客人に引き離され、ノックアウトされた議員と企業幹部は担ぎ出された…




<> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/03/31(金) 15:59:29.40 ID:kNVvsMnr0<> shit,fuck you son of a bitchとは強烈なwww
いいぞもっとやれ <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/04/01(土) 01:06:41.32 ID:10xR/krw0<> …しばらくして…


大騒ぎになった会場から連れ出され、太平洋艦隊司令部に連れてこられたミッチャー提督。「ゲラウ!」(出て行け!)が口癖のマティアス司令官は「海軍大将の中に交じった海兵隊大将」と言われるほど短気で、そのマティアス大将が凝視している…


ミッチャー提督「騒ぎを起こして申し訳ありませんでした」

マティアス大将「…何があった」

ミッチャー提督「かくかくしかじか…エトセトラ、エトセトラ……」経緯を正直に説明した

マティアス大将「ついた悪態はそれだけか?」斜め下から見たハシビロコウのような目つきでにらんでくる

ミッチャー提督「いえ。…「息の臭い飲んだくれが、そんなにレズがいけないって言うんなら男から産んでもらえ、この不能のディキシー(アメリカ南部)野郎」…と」

副官「!?…バカもん!議員にどれだけの力があるか分かっているのか?」

ミッチャー提督「分かってはおります。その…自分の事だけならまだ我慢したでしょうが、エンタープライズのことは我慢できなかったのです」

副官「だからと言って下院議員を殴り倒す奴があるか!大問題だぞ!」

マティアス大将「……ふふ…ははははっ!こいつは傑作だ!」大将はげらげら笑いだした

副官「…は?」

マティアス大将「海軍は深海のイカお化けだろうが火星人だろうが、決して必要以上の戦争なんか望んでない。部下の家族にお悔やみの手紙を書くなんて悲惨すぎてやり切れんからな…それをあの議員なんぞは、軍隊経験もないくせに威勢のいいことばかり言いやがる。それに取り入ってくだらんものを売りつけようとする軍需会社もくそったれだ。…中佐、最高だったぞ!」

ミッチャー提督「ユア・ウェルカム・サー…?」

マティアス大将「あのバカ議員から来た苦情の手紙にはこっちから返答しておいてやる…それに「艦隊の娘たちを思っての行動」とは見上げたもんだ。最近のお世辞ばかりうまい連中とは大違いだ…任地はどこだ?」

ミッチャー提督「サンフランシスコです」

マティアス大将「ふむ。君のような雄弁家はこのままいさせてやりたいが、そうすると奴らが何かと嫌がらせをしてくるだろう…わかった、しばらくはナポリにでも行ってこい。その間に海軍長官に掛け合っていい任地を用意しておいてやる…どうだ」

ミッチャー提督「サンキュー・サー…ですが、うちの艦娘たちは…」

マティアス大将「一緒に決まっているだろう、心配するな!…おい、副官!何をぼやぼやしとる、とっとと手続きを始めろ!…中佐、帰ってよろしい!」

ミッチャー提督「は!」かかとを合わせ、くるりと後ろを向いた

マティアス大将「待て!…言い忘れたことがある」

ミッチャー提督「は!…何でしょう?」慌てて戻る

マティアス大将「…あごにアッパーを食らわすと手を痛める、今度からは腹にしろ」

ミッチャー提督「ご忠告ありがとうございます、サー。失礼します」

マティアス大将「うむ、ご苦労!」

……… <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/04/01(土) 01:32:03.89 ID:10xR/krw0<> ……



ミッチャー提督「と、まぁ…こんな経緯でナポリに来て、その時にフランチェスカに出くわしたわけ」

ドリア「口説いたのですか…?」

提督「あぁ、いえ…そうじゃないの。ナポリの司令部でお互い時間を待っていて世間話をしたら、ひどいところに泊まっていて…私の借りていた部屋は二人くらいなら平気だったし」

ミッチャー提督「あの時は艦隊が入港していたからまともなホテルがとれなくてね…フランチェスカは親切だったし、もし何かされそうになっても返り討ちにする自信はあったから」

提督「ひどい言いぐさじゃない?…私はそんなことしないわ」

ミッチャー提督「よく言うわ…夕食をエプロン姿で作って、濃いワインに甘いデザート。キャンドルまで照らして、食後に映画を見たかと思ったら「シャワーを浴びて来るわ♪」とか言って、戻ってきたときにはバスローブをはだけさせているんだから…」

提督「え、そんなにいけなかった?…ごく普通にお客様をもてなそうと思っただけなのだけど」

ドリア「まぁ…」

デュイリオ「…天然なのかしらねぇ」

チェザーレ「ふむ、普通は口説いているようにしか思えんな」

カヴール「あらあら、提督は策士なんですね…♪」

提督「えー…?だって美味しい夕食なら喜んでもらえるし、キャンドルはおしゃれかなって思っただけなのよ?」

ライモン「提督の遊び人…」

提督「ちょっと、ライモン?…私は遊びでお付き合いしたことなんてないわ」

エンタープライズ「プレイガール…」

フレッチャー「同感…」

提督「…誰もかばってくれないの?」

ライモン「こればかりは無理です」

提督「…」 <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/04/03(月) 10:25:07.06 ID:gfQOrVTm0<> …お待たせしました、そろそろ投下します…



<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/04/03(月) 11:27:18.23 ID:gfQOrVTm0<> …またしばらくして・ベランダ…


楽しい歓談で一時を過ごした提督は、夕食とボトル半分ほどのワイン、食後のカクテルで火照った身体を冷まそうとベランダに出ていた。風が涼しい星のきれいな夜で、時々ちぎれ雲が流れていく…


提督「ふぅ…いい風」長い髪を手で梳きながら、熱い頬を風に当てた…と、後ろから目をふさがれた

百合姫提督「だーれだ?」

提督「…姫でしょう?」優しい声は聞き間違えようもない

百合姫提督「正解♪…いい夜風ね、フランチェスカ」小さい手を離すと、隣に立って石造りの手すりをつかんだ

提督「そうね。…ベランダでたたずんでいて、隣に愛しい人がいる。ロマンティックね」そっと腰に手を回し、身体を近寄せた…

百合姫提督「くすくすっ…あなたまで龍田にお仕置きされちゃうわよ?」

提督「龍田は可愛い娘だし歓迎するわ……それに、今は他の娘の話はしてほしくないの。せっかく貴女といるんですもの…♪」少し小柄な百合姫提督に肩を寄せると、そっと頬にキスをした

百合姫提督「もう…いったい今まで何人に向かってそう言って来たの///」

提督「さあ?そんな昔のことなんて覚えていないわ♪」

百合姫提督「フランチェスカってば、ずるい…♪」桜色に染まった頬を手で押さえて、身体を預けた

提督「…もしかして酔ってるの?」

百合姫提督「そうかもしれないわ。…ベッドまで運んでくれる?」

提督「はい、お姫様♪」


…提督居室…


百合姫提督をお姫様抱っこで運んできた提督は寝室のベッドに座るようすすめ、百合姫提督は会釈してベッドに腰掛けた。ぽすっ…と可愛らしい音をたてて座ると、興味深そうに辺りを眺めた…

百合姫提督「ここがあなたのお部屋?…調度品も趣味がいいしおしゃれだと思うわ」

提督「着任時に用意しておいてくれたの、私にはもったいないくらいの部屋よ♪」

百合姫提督「そんなことないわ……だってフランチェスカは素敵な人だもの///」

提督「まぁまぁ…///」

百合姫提督「…だって本当の事ですもの///」

提督「ふぅ…。姫、あんまり誘惑しないで?私、これでも我慢しているつもりなんだから…」

百合姫提督「あら、どうして我慢するの?…こんなに会いたくて仕方なかったのに…」上目遣いでじっと見る…うるんだ瞳と浴衣の首筋、流れる黒髪がぼんやりしたナイトスタンドの灯りに照らされた

提督「あぁ、もう止められないわ♪」…ぷつんと理性の糸が切れ、提督は百合姫提督を優しくベッドに押し倒した

百合姫提督「きゃあっ…♪」

提督「ふふっ、可愛い姫♪」…ちゅっ♪


……… <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/04/03(月) 12:46:56.04 ID:gfQOrVTm0<> …翌朝…


提督「うーん」…朝日も昇り提督は起きようと思ったが、隣ですやすやと寝息を立てている姫の寝顔を眺めては、「まだいいわ」とベッドの中でごろごろしていた

ライモン「おはようございます、提督…そろそろお目覚めですか?」ノックをして入ってくる

提督「おはよう、ライモン。…小声でお願い」人差し指を唇にあててウィンクをする提督

ライモン「はい…ですが昨夜はドリアさんも普通にお部屋に戻っていましたけれど?」

百合姫提督「…ん、んんっ…♪」もぞもぞとベッドで寝返りをうつ

ライモン「…!?」

提督「こういう訳なの…コーヒーをありがとう、いただくわ♪」ベッドからそっと降りるとライモンと向かい合って椅子に座り、コーヒーをすすりつつ小声で話した

ライモン「…提督、大丈夫なんですか?」

提督「…立場がどうかなんて、恋の前には何の抑止にもならないわ♪…ええ、どうにか自制しようとは思ったけど、可愛くて我慢しきれなかったわ…」しゃれた台詞を言ってみたが、呆れたような視線にぶつかったので、素直に言った…

ライモン「はぁ…提督を起こしに来るたびに誰が一緒で、どんなことになっているか分からないわたしの身にもなって下さい…」

提督「ごめんなさいね、ライモン…いつも迷惑ばかりかけているし、今度二人きりでお出かけしましょう?」ミルクコーヒーをすすりつつ微笑みかけた

ライモン「それは嬉しいですけど…提督を起こすのはわたしが勝手にやっていることですし…いいんでしょうか?」

提督「ええ、ライモンのそういうかいがいしい所、私は好きだもの♪…それにここのみんなは優しいから嫉妬したりなんてしないでしょう?」

ライモン「ええ…そうですね。でしたら今度、一緒にお出かけしたいです♪」

提督「いいわよ♪」言いながら挨拶代わりに軽いキスを交わしていると、コン、コンッ…とノックの音が響いた

ライモン「誰でしょう?みんなはわたしが提督を起こしに行くのを知っているはずですし…何か急用があるんでしょうか?……はーい」隣の執務室にあるドアを開けに行った…

提督「誰だった…?」

ライモン「あ…いえ、その……」

提督「あー…もしかして」立ち上がると執務室の方に向かった

ライモン「提督…」ドアの前で微笑している相手を見て、困り顔で立っている

提督「やっぱり……おはよう、今日もいい天気ね♪」優しく微笑みかけた

龍田「そうねぇ…天国に行けそうなほどいい天気ねぇ…♪」口元は微笑んでいるが目が笑っていない。おまけに白鞘の日本刀を手に持って黒の着流し姿と、任侠物のような格好でいる…

ライモン「…あぁ、もう…どうするんですか、提督」

提督「…ライモン、下がっていていいわ。龍田、どうしたの?」

龍田「あらぁ、よく分かっているはずでしょう…提督においたをしたらどうなるか言ったわよねぇ?」

提督「だって…すごく可愛かったものだから♪」

龍田「それで許されると思っているのかしらぁ…♪」

提督「じゃあ、龍田は我慢できる?姫に「お願い…♪」っておねだりされたら?」

龍田「それは無理ね。…でも、提督は別よねぇ…さぁ、おいたのお仕置きよぉ♪…大丈夫、跡も残さないし、ここのお湯で治る程度にしておくわぁ♪」すらりと抜いた日本刀の刃が、きらりときらめいた

提督「…!」いきなり龍田に抱きつくと、きつく抱きしめた

龍田「えぇ…!?ちょっと、どういうつもりなのぉ?」あまりのことに刀をだらりと下げ、頬を真っ赤にしている

提督「ごめんなさい。私がちゃんと姫をお部屋に送り届ければ良かったのよね?…龍田、決してあなたの提督を取るつもりはなかったの。…許してくれる?」

龍田「そんな、「私の」提督じゃないわよぉ…///」照れたような笑みになる

提督「…あのね、最初はちょっとお話するだけのつもりだったの…でもあんなに貴女と仲良さそうで、優しい笑顔を見せていたのを思い出したら、あの顔を見てみたくて我慢できなくなっちゃったの…。龍田、私はあなたと姫の信頼し合っている関係がうらやましかったのかもしれないわ…」

龍田「もう…そんなこと言われたら怒れないじゃないのぉ///」

提督「怒っている顔も素敵だけど、あなたには優しい微笑みが似合うもの…笑ってくれる?」

龍田「うふふ…そうねぇ♪」

提督「よかった、可愛い顔になったわ♪」胸の谷間に挟みこんで頭を撫でた

龍田「うふふっ、でもお仕置きはなくならないわよぉ……今度はこっちに来てもらうわぁ♪」

提督「ええ、あなたのお仕置きなら…喜んで♪」

<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/04/04(火) 01:10:41.75 ID:ZSycw/3t0<> 龍田「それじゃあお仕置きにならないわねぇ…♪」くすくすと笑った

提督「うふふっ…そうねぇ♪」

百合姫提督「あら…フランチェスカ、いないの?……って、龍田。どうしたの?」ベッドに提督が寝ていないので探しに来たらしく、はだけた浴衣と眠い目のまま出てきた…黒髪が乱れていて、すんなりした脚がのぞいている

龍田「…前に言ったわよねぇ。お仕置きされたいのかしらぁ?」

百合姫提督「…あ。ごめんなさい、龍田。…きっと久しぶりにフランチェスカに会えたから舞い上がっていたのね……許してくれる?」

龍田「考えておくわぁ…そうそう。おはよう、提督♪」そう言いつつも微笑はもう和らいでいて、いつもの調子に戻っていた

百合姫提督「おはよう、龍田」

ライモン「はぁぁぁ…まったく、心臓に悪いです」

百合姫提督「ライモンドさん、ごめんなさいね。…お詫びと言ってはなんだけど、あとでお茶につき合ってもらえます?」

ライモン「ええ、ありがとうございます。お邪魔させていただきます」

百合姫提督「よかった♪…じゃあフランチェスカ、また後でね」小さく手を振ると、微笑を浮かべた龍田に引っぱられるようにして帰って行った

提督「行っちゃったわね…」

ライモン「はぁ…朝から疲れました」

提督「ふふっ…なら元気になるおまじない♪」軽く唇にキスをして、それから着替えのために寝室へ戻った…


………

…昼頃・庭のテーブル…


ライモンにかけた迷惑のおわびということで、百合姫提督は庭でお茶をごちそうすることにした。彼女はかきつばた模様の小袖を着て、懐紙に乗せたお菓子と緑茶を出していた。テーブルには提督とライモン、妹のアッテンドーロ、それにたまたま近くにいた、軽巡アオスタとエウジェニオが呼ばれた…


提督「お招きありがとう、姫♪」

百合姫提督「え、ええ…本当にいい天気でよかったわ///」…妙に疲れたような表情をしていて、おまけに顔を赤らめている。その上お茶をこぼしそうになったりお菓子を配り間違えたりと、普段の落ち着きがない

龍田「本当にねぇ…♪」一方の龍田はにこやかで血色もよく、上機嫌に見える…

提督「…姫、かわりにやりましょうか?」

百合姫提督「え?…あぁ、いいの。さぁ、どうぞ」ようやくお菓子を配り終えた

アオスタ「まぁ、シックな装いで美味しそうな感じがするわ」

エウジェニオ「……うふふ、日本の提督さんの方も甘くて美味しそうねぇ…味見がしてみたいわ♪」

龍田「あら、あげないわよぉ♪」

提督「エウジェニオ」

エウジェニオ「だって、ねぇ…せっかくの機会だもの♪」

アオスタ「だめよ、日本の提督さんが困っているでしょう?」

エウジェニオ「あら姉さんってば、妬いてるの?…可愛い♪」くい、とあごに手を当てて上向かせ、いやらしい手つきで頬を撫でた…

アオスタ「あっ、あっ、あぁ…だ、だめ。今はだめだってば…」

エウジェニオ「なら後でね…可愛い姉さん♪……ところでこの和菓子、美味しそうね」姉をじらして切ない声をあげさせると、つと手を離し、何ということのない口調で言った

ライモン「そうですね、何だか落ち着いた黄色ですが…これって何でしょうね?」皿にずらして乗せられた、二切れの長方形のお菓子を眺めた

百合姫提督「これは東京に古くからあるお菓子で「舟和」の芋ようかんっていうの。さつま芋で出来ている羊羹で、控えめで和風なスウィートポテトみたいな感じかしら…緑茶と一緒にどうぞ?」

ライモン「では……んっ、美味しい♪…すごく控えめで素朴なんですね。お茶にも合う味です」しっとりと切れるが水っぽくはない、しっとりとしてほくほくした舌触りと、素直な甘さが若草色の緑茶と合う

アッテンドーロ「本当、美味しいっ!…ナポリにもこんな美味しいものなかったわ」

提督「…ん♪……そうね、しっとりしていて美味しい…こういう色は山吹色っていったかしら?」

百合姫提督「ええ、そうね。でも、美味しいって言ってもらえて良かった…日本だと地方によってはサツマイモの産地があるから、あんまり喜ばれないの」

アッテンドーロ「こんなに美味しいのに、もったいないこと」 <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/04/04(火) 02:22:40.20 ID:ZSycw/3t0<> 提督「でも、芋ようかんだけじゃないみたいね…これは?」白っぽい台形をした餅のようなものに、黒褐色の液体ときな粉がかけられている…

龍田「これは「船橋屋」のくず餅ねぇ…本店は東京、亀戸の天満宮さまのそばにあって、江戸時代から続く老舗よぉ。確か「あんみつ」を考案したお店でもあったはずなのぉ……くず餅は、本来「葛」っていう植物の根っこからでんぷんを取り出して蒸すんだけど、当時から葛の根はなかなか取れないから、じゃがいもや小麦から作るようになったの、だから「久寿餅」って書いて「くずもち」って読ませたりするわねぇ」

ライモン「なるほど。…ですが、お餅にしては伸びないようですね?…でも、ぷるぷるしていて美味しそうです…この黒いのは何でしょう」

百合姫提督「これは黒蜜って言って、黒砂糖を使った甘いシロップみたいなものね…江戸のころは白砂糖がぜいたくだったから、普通は黒砂糖だったの…味に深みがあるからこれはこれでいいものよ。どうぞ召し上がれ?」

ライモン「はい…ん…うん……んぅ♪」もっちりして後味が涼やか、蒸す前に生地を多少発酵させてかすかな酸味を加えることで、きな粉と甘い黒蜜をかけてもくどくならず、相性がいい

ライモン「…ふぅ…思っていたよりずっとさっぱりしていて美味しいです♪」

百合姫提督「よかった…長持ちしないから早く食べないと、って思っていたの。どんどん召し上がれ?」

ライモン「はい…もう二切れ下さい///」思っていたより勢いよく食べてしまい、少し恥ずかしげに皿を出した

百合姫提督「はい、どうぞ♪」

提督「私にももらえる?本当にさっぱりしていて美味しいわ♪」少し暑いくらいの陽ざしの中、波の音を聞きつつお茶をすすり、江戸時代から続く銘菓で歴史的な味を楽しむ

百合姫提督「気に入ってもらえてよかったわ…でも、まだあるの♪」

アオスタ「本当ですか、期待してしまいますね」

エウジェニオ「私は日本の提督さんの表情の方がそそるわぁ♪」

足柄「あげないわよ」

エウジェニオ「残念…ところで足柄さん、旅の思い出に一晩の甘いときめきなんていかが?」

足柄「あいにく間に合ってるわ。スピットヘッドの観艦式の後、イタリアやドイツを巡った私だもの、そういうのはもう飽きてるわ」

エウジェニオ「そう?…でも、欲しくなったらいつでも言ってちょうだいね♪」

足柄「結構よ、だいたいさっきも龍田のお仕置きで提督が……」

エウジェニオ「…ぜひ詳しく聞かせて欲しいわ♪」

百合姫提督「…あ、足柄///」

足柄「…あっ!……今のは聞かなかったことにしなさい!」

エウジェニオ「…まぁまぁ、これはこれは♪」

アッテンドーロ「へぇぇ…しとやかそうな日本の提督さんが、ねぇ♪」

龍田「あらぁ、ばれちゃったわねぇ♪」

足柄「龍田、あなた楽しんでない?」

龍田「さぁ?…「提督がお仕置きされてあんあん喘いでいた」なんて、私一言も言ってないわよぉ?」

百合姫提督「///」

提督「まぁ…姫ったら、赤くなって可愛いわ♪」

百合姫提督「あぁ…もう、恥ずかしい///……足柄、次のお菓子を出して///」

足柄「あぁ、はいはい……龍田、あんまり提督をおもちゃにしないでちょうだい」

龍田「だってぇ♪」

足柄「全く、「だって♪」じゃないでしょうが…はい、熱いわよ」叱りつつ、厨房から借りてきていた蒸し器の蓋を開けた…


…湯気と共に中から取り出したのは、あせた緑色の葉っぱでくるまれ、細いつるのようなもので縛られている。それぞれがつるでつながって、ニンニクの吊るしたもののように連なっているが、見た目はとても大きいキャンディのように見える。包み紙のかわりになっているらしい葉っぱは両端が広がっていて、清涼な緑の香りが湯気と一緒に広がった…


足柄「はい」

提督「ありがとう…っ!…ずいぶん熱いけど、きっと蒸したての美味しいお菓子なのね」ふーっ、と息を吹きかけ湯気を追いやると、植物のつるで出来たひもをほどき、ガサガサした葉っぱを一枚づつめくった…中からのぞいたのは艶やかな濃緑色でまゆの形をしている餅で、いくらか葉っぱにくっついて伸びた…

足柄「そうね。これは、新潟の「笹だんご」。笹でくるんであって防腐効果とか…あとは香りがいいのが何よりね。それはさておき蒸したてが一番おいしいわよ、冷めないうちにどうぞ」

百合姫提督「…同期が新発田(しばた)で護衛駆逐隊の司令をやっていて、実家も湯沢だったから送ってもらったの…美味しい?」

提督「ふー…あふっ!……ふぁ…んむ……あっ、中にあんこが入っているのね…外の餅も何だか爽やかな味がするし、とっても甘くて美味しいわね」

アオスタ「冬はいいでしょうね、寒い中、これで両手を温めながら食べるとか」

エウジェニオ「他にも暖め方はあるわよ…♪」


<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/04/04(火) 02:25:57.34 ID:ZSycw/3t0<> …ふぅ、今日はここまでで…東京は色々ありますが、伝統的な銘菓をチョイスさせてもらいました。これで全国銘菓も新潟まで来ましたね… <> ◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/04/04(火) 10:38:14.75 ID:ZSycw/3t0<> 提督「うふふっ、そうね…」笹を半分だけ剥いて、剥いていない残りの部分を持ち、熱いよもぎ餅と濃厚な甘さのあんこを味わった…大きさも充分で、一つでも結構な満足感がある

ライモン「ふぅ…美味しかったです♪」満足げに緑茶をすすった

提督「本当にね…ところで姫、貴女の鎮守府って横須賀よね?」

百合姫提督「ええ、そうよ?」

提督「横須賀って…何県だったかしら?とにかく、貴女の配属先の地元に銘菓はないの?」

百合姫提督「横須賀は神奈川県ね。…ふふっ、銘菓だってちゃんとあるわ♪」

龍田「…あれは私も好きよぉ♪」

提督「龍田も好きなの?きっと美味しいお菓子なのね」

百合姫提督「そうね。美味しいって言うのもあるし、もう定番みたいなところがあるわ…はい、どうぞ」黄色の包装紙をはがして箱を開け、皿に並べたのは鳥の形をした厚手のサブレ。一見していかにも素朴で、無難な雰囲気を醸し出している

提督「見た目は…鳩?」きれいな茶色をしたサブレを手に取り、しげしげと眺めた

百合姫提督「大正解♪…明治・大正のころからある、「豊島屋」の鳩サブレーって言うお菓子なの」

アッテンドーロ「へぇぇ…じゃあ頂きます……あ、美味しい」

ライモン「本当ね、なんだか手作りしたような味がする♪」ざっくりとした生地はほどよく焼き上げられ、香ばしく歯ごたえがいい。欧米のサブレのようにスパイスや調味料をふんだんに使っているわけではないが、その分バターや砂糖の風味がよく分かる…

龍田「美味しいわねぇ…ハイカラだし」

百合姫提督「本当にね。ふふ、美味しい…」破片をこぼさないように片手で受けつつ、小さく割ってつまんだ

足柄「あー…真っ昼間からお菓子食べて、お茶飲んで…姉さんたちには悪い気がするわね」

百合姫提督「あら、鎮守府のみんなには鎌倉「レ・ザンジュ」の高いクッキーを置いてきたじゃない」

足柄「ああ、あれ?美味しかったけど、あのクッキーってそんなにするの?」

百合姫提督「…ごにょごにょ」小声で耳打ちした

足柄「え!?…知ってたらみんな食べないわね」呆れて首を振った

提督「それは持ってきてくれなかったの?」

百合姫提督「あのお店は予約が取れなくて…それにクッキーならこっちの方が本場だから、食べ飽きているかな…って思ったの」

提督「そこまで考えてくれていたの…ありがとう♪」

百合姫提督「いえいえ、こちらこそ」
<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/04/05(水) 00:16:16.97 ID:ylhfEtZN0<> …全国銘菓めぐりの旅もそうですが、そろそろ本編を進めていきます…

>>120でリットリオのカード手に入れてますし… <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/04/05(水) 01:30:25.03 ID:ylhfEtZN0<> …ある日・執務室…


南イタリアは相変わらず好天続きで、少し汗ばむ程度に暖かい。そんなある日、提督は午前の執務を終えようとしていた…


提督「…これで、よし♪」最後の一枚になった申請書類にさらさらと万年筆でサインをすべらせ、「済」の箱に書類を入れた。万年筆を置いてこわばった手首を回すと、椅子から立ち上がって窓辺で伸びをした…眼前に広がる海では、気の早い数人が水着を持ち出して海水浴にいそしみ、別の数人は庭のデッキチェアや草地でのんびりしたり、花の手入れを楽しんでいる……と、ノックの音がしてドリアが入ってきた

提督「あら、ドリア。書類のサインはちょうど終わったわ。あとは週末の便に乗せて送るだけだから、もうやることはないわよ♪」

ドリア「…いえ、ローマから新しい書類が届きました」

提督「え?今日は文書の配送はないはずだけど?」

ドリア「ええ、ですがこれは別でしょう」ドリアが手渡してきたのは仰々しい海軍の紋章入り封筒で、封は重々しい封印で留められ、「重要」や「機密」といったスタンプが押されている…

提督「何かしら…」少し緊張した面持ちでペーパーナイフを取り上げ、封を切った

ドリア「提督にとって良いことだといいのですが…」

提督「そうね…発、海軍司令部。宛、タラント第六司令部、カンピオーニ少将……」しばらく文書に目を走らせ、視線を上げた

提督「…ドリア」

ドリア「はい」ドリアらしくない少しこわばった表情で提督を見た…

提督「…とうとう建造・開発の許可が出たわ♪」にっこり笑って書類をひらひらさせた

ドリア「ふぅ…。全く、驚かさないで下さい」ため息をつくと、わざとらしくすねてみせた

提督「ごめんなさい、でもようやく許可が下りたわ…さっそく準備をしないと♪」

ドリア「そうですね、楽しみです♪」

………

…数時間後…


建造・開発で新しい艦娘が着任すると聞いて、あっという間に歓迎のパーティを用意することが決まった。歓迎委員会は生真面目な軽巡アオスタが委員長を務め、戦艦チェザーレと軽巡ガリバルディ、ソルダティ級駆逐艦アルピーノ、ナヴィガトリ級駆逐艦アルヴィセ・ダ・モストが脇を固めた。

一方、提督とドリア、ライモン、戦艦デュイリオ、重巡ザラ、ゴリツィアは使われていなかった工作室の立ち上げに忙しく、残りのみんなは都合と気分で提督を手伝ったり、パーティの準備を手伝ったり、あるいは見物したりしていた…


…工作室…


掃除と管理こそされていた工作室だが、古くなっている機器はどうしてもあちこち劣化していて、提督たちは工具箱と解説書を並べて奮闘していた…旋盤や穴あけ機、ネジ切りの道具に天井から吊るされているクレーンまで、骨董品から割と最近の物までバラバラながら、機械は一通りは揃っている


提督「これ…よく手入れはされていたみたいだけど…っ!」油こそ差していても、使わないでいたレバーはくっ付いていて動かない…歯を食いしばって引いてみたが息が上がるばかりでらちが明かない

ドリア「あらあら…♪」息もたえだえで顔を紅潮させ、胸を揺らしている提督を見て楽しんでいたが、やがて提督が床にへたり込むと、かわりにレバーをつかんだ…

ドリア「せー…のっ!」少し力を込めると、がくんとレバーが動いた

提督「はぁ…はぁ…ふぅぅ……。…ドリア…そんなに簡単に…動かせるなら…私に…やらせないで……ふぅ…最初から…やってちょうだい…」作業用の素っ気ないシャツとスラックス姿でレンガの床に座り込み、途切れ途切れに文句を言った

ドリア「いえ、提督がやっていることを邪魔するのも僭越(せんえつ)かと…」言いながらライモンたちにウィンクした

ライモン「そうですよ、提督のお邪魔はしないようにと思ってのことですから♪」(…荒い息をして顔を真っ赤にしている提督、すごくいやらしいです♪)

デュイリオ「ドリアは遠慮深いですからね♪」(…ふふ、提督ってば美味しそう♪)

提督「ふぅ…ふぅ。…今度からは遠慮せず邪魔していいわ」

ザラ「そうするわ♪」(…提督のシャツが透けて…付けてないのね、いい眺め♪)

ゴリツィア「はい、そうします♪」(…姉さんたちもいいですけど…提督も素敵です♪)

提督「ふぅ…これで機械は動く、と…」

ドリア「これで大丈夫でしょうか?」

提督「リストの内容はこなしたし大丈夫…さぁ、着替えて歓迎の用意に取りかかりましょう?」提督たちが出て行くと、静かになった部屋のあちこちから小さな姿が出てきた…


妖精(緑)「おー…これで動くですねー」

妖精(赤)「なにぶん久しぶりゆえ、ちょっと心配ですがー」

妖精(白)「まー、なるようになります」

………
<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/04/05(水) 02:26:03.83 ID:ylhfEtZN0<> …昼頃・工作室…


準備が整い、礼装の白い制服と金モールに身を固めた提督とドリアが緊張した面持ちでレバーに手をかけていた。提督は全員が見に来てもいいとは思っていたが、初めての建造で何があるか分からないのと、工作室にそこまで入りきれないので、二人だけできていた


提督「いい?ドリア」

ドリア「はい」

提督「レバーは二人で引きましょうね」

ドリア「戦艦の時は戦艦、なんて面白い考えですね」

提督「そうじゃないと、いつも秘書艦の娘にやってもらっちゃって、なんだかえこひいきみたいな気がするから…たまたま今回はドリアだったわけね」

ドリア「でも嬉しいですよ…私が最初の建造にお伴できるなんて♪」

提督「これが初めての共同作業ね///」

ドリア「まぁ…///」

提督「さぁ、始めましょう?」

ドリア「はい♪」

提督「では…建造開始っ!」恥ずかしさを振り払うように言ってレバーを引いた

ドリア「しかし、どうやって現れるんでしょうね…」

提督「雷でも落ちるのかしら」

ドリア「フランケンシュタインの怪物じゃないんですから…あっ、見て下さい」奥の電話ボックスほどの部屋で閃光がはじけ、何やら動きがあった

提督「なるほど…こうなるのね」隙間から漏れる青いプラズマのような光を眺め、つばを飲み込んだ…

ドリア「結構かかるものなんでしょうか?」

提督「さぁ…なんでもすぐに建造できるカードみたいなのがあるって聞いたけど、これには入っていなかったから」青い図鑑をめくったが、不意にボックスの上にあるプレートに視線が行った…

提督「ドリア、あれ…カウントされているように見えるけど、残り時間かしら?」

ドリア「あぁ!そうかもしれませんね…でもそうだとしたら、あと六時間はありますよ?」

提督「でもせっかくなら見ていたいし…椅子と軽食でも持ってきてもらう?」

ドリア「そうですね、それがいいでしょう」壁の電話機に近寄った

………

…食堂…


艦娘たちは新しい仲間を迎えるのに、精一杯のおめかしをしてごちそうを並べた。ポーラとっておきの年代物ワインと進水には欠かせないスプマンテ(イタリアのシャンパン)、色もさまざまなカクテル。前菜はクラッカーにオリーブやレバーペーストを乗せたものや、楊枝で刺した小さいサンドウィッチ、スモークサーモンの冷菜やパルマの生ハム。メイン料理は厨房で料理上手の十数人が汗水たらして作った丸鶏のローストと、スパイスの効いたビーフソテー。焼くのには向かないテール肉やすね肉は別なメニューのために数日かけて煮込まれていたが、せっかくなので使うことにして、これも手間のかかるパイ皮で包み焼き上げた…が、いつまでたっても提督たちはやってこない


アオスタ「どうしたんでしょうね」

チェザーレ「おかしな気配はないが…故障でも起きたか?」

アルピーノ「山があったら登って確かめる所だけど…」(※アルピーノ…山岳兵)

ダ・モスト「見に行きましょうか?」

チェザーレ「いや、まだいい。何かあったら提督が言ってくるはずだ…それにドリアもいる」

ダ・モスト「そうだけど、心配ね」

チェザーレ「なに、心配はいらんさ。……それより皆、空腹のようだが我慢だぞ?」

オストロ(トゥルビーネ級)「チェザーレ、お腹減ったよ…風が吹いても倒れそうなの」

チェザーレ「オストロ、風なのは君たちトゥルビーネ級の方だろう?もうちょっとだから我慢することだ」年下の駆逐艦がぼやくと、チェザーレはベテラン艦の余裕で微笑んで見せた

トゥルビーネ「そうよ、しゃんとしてないと…でも提督ってば遅いわよね」そうつぶやいた途端、壁の内線電話が鳴りだした…

<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/04/05(水) 11:18:21.77 ID:ylhfEtZN0<> チェザーレ「こちら食堂」ジリリン…ッと鳴る、古風な壁かけ電話の受話器を取り上げた

チェザーレ「ああ、提督。よく聞こえるぞ…建造の方はどうだ?なに?…そうか、では一旦戻ってきたらどうだ…え?ああ、そうか。分かった、駆逐艦の誰かを向かわせようか?…なるほど……うむ、待っているとも」カチャン…と受話器をフックにかけ、全員が見守っている中、壇上に立った

チェザーレ「提督から連絡があった。建造は順調、今のところおかしなことにはなっていないらしい…が、どうやらあと六時間少々かかるとのことだ」ざわめく食堂

チェザーレ「それでだ、提督は建造の様子を見ていたいとおっしゃる。ドリアも側から離れるつもりはないと言う。なので、何か軽食を持ってきてほしいとのことだ」

サエッタ「なら私が行く!電光の名前は伊達じゃないもの!」

フォルゴーレ「稲妻みたいに速く行ってくるわ!」

フルミーネ「私だって!」他にも雷の名を持つ駆逐艦たちが一斉に手を上げたり立ち上がったりした

ゼフィーロ「私だって早いわよ!」

トゥルビーネ「そうよ、風の名が付いているもの!」トゥルビーネ級駆逐艦たちも負けじと立ち上がり、他にも速さのある艦名を持つ数人が一斉に声をあげた…

チェザーレ「待て!続きがあるのだ…まずは座ってくれ」片手をあげて制すると、全員が座るのを待って続けた

チェザーレ「提督は運ぶのにあたって、艦を指名している。…ディアナ!」

ディアナ「はい、ここにおりますよ」厨房に近い方で手を上げた

チェザーレ「その高速で飛ばして、提督にお昼を持って行ってくれるか?」

ディアナ「よしなに…無論ですとも」優雅に立ち上がると厨房に行き、皿に載せきれなかったサンドウィッチや生ハムを盛り合わせたお盆を用意しはじめた

チェザーレ「助かるぞ。…実は伝言はもう一つある。提督は優しい方だ。皆がもう空腹だろうと、このごちそうとは別に軽く昼食をとって待っていてほしいとおっしゃった。厨房の冷蔵庫に入っている冷菜や具材でちょっとした軽食を作ろうではないか」あちこちから賛成の声が上がり、チェザーレも微笑してうなずいた…


…工作室…


提督「あと五時間とちょっと…結構かかるわね」

ドリア「そうですね…チェス盤でもあればよかったのですが」

提督「工作室にそんなもの置いておかないものね…」

ドリア「…」

提督「…」二人して奥の小部屋をじっと眺めている…と、工作室の入口をノックする音がした

ドリア「はいはい、今開けますよ」がちゃ…

ディアナ「お待たせしました、お昼をお持ちいたしました」大きなお盆を持ち、静かに入ってきた

提督「ありがとう、ディアナ…みんなはどう?」

ディアナ「お昼を作って食べていてほしいと提督がおっしゃったので、お腹を空かせた子たちは喜んでおりましたよ。とりあえず作り過ぎてしまったサンドウィッチと、冷蔵庫にあったミートローフとピクルスを出しておきました」

提督「そう、よかったわ♪…では私たちもお昼にしましょうか」

ドリア「ええ、持ってきてもらって助かります♪」

ディアナ「よしなに」

提督「おしぼりとナプキンまで付けてくれて助かるわ…ではちょうだいするわ」手を拭いて、小さい三角形と四角形のサンドウィッチに手を伸ばした

提督「あら、美味しい…きゅうりと、ローストビーフね」

ドリア「こっちはハムとピクルスですね…しっとりしていて美味しいですよ、ディアナ」

ディアナ「それはよかった。まだありますので、ごゆっくりどうぞ」

提督「ええ、ありがとう…一緒に食べて?」

ディアナ「持って来たわたくしが食べてしまってはお二人の分が減ってしまいます」

ドリア「こんなにたくさんあるのですから大丈夫ですよ…それに提督がおっしゃっているのですし」

ディアナ「左様ですか…では失礼して、お相伴にあずからせていただきます」

提督「ええ、どうぞ」 <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/04/07(金) 00:42:30.69 ID:AX7+Hzev0<> …食後…

ディアナ「では失礼します」空になった盆を持って優雅に会釈すると、すっと立ち去った

提督「ふぅ…美味しかったわ」

ドリア「提督ったらよく食べてましたものね…いっぱい食べて大きくなるんですよ♪」

提督「いや、いまさら大きくはならないでしょう…」両手を上げて肩をすくめた

ドリア「本当にそうですか?…この辺なんか、まだまだ成長途中なのではありません?」いたずらっぽい笑みをこぼすと、胸の下に手を差しいれて持ち上げた

提督「あんっ♪…もう、結構真面目な気分なんだから今は止めてちょうだい?」

ドリア「分かりました。しかし、この電話ボックス……みたいな装置、見れば見るほど「ド○ター・フー」のアレにそっくりですね」

提督「こーら、「ドク○ー・フー」とか言わないの。だいたいアレよりも飾りがあってお洒落じゃない…って、どうして「ドク○ー・フー」なんて知ってるの?」

ドリア「え?提督はご存じないのですか?この鎮守府のテレビ、BBCもZDF(ドイツ放送協会)のチャンネルも映りますよ?…この前はBBCで「ト○プ・ギア」をやってましたよ」

提督「えー…。どうせまたルノーが爆砕されるんでしょう?」

ドリア「ええ、チャレンジャー戦車に砲撃されてましたね」

提督「ほらやっぱり……って、見て。あと三時間まで来たわ♪」

ドリア「三時間…「史上最大の作戦」を流せばちょうどいいくらいですね」

提督「まぁ、そのくらいね…それにしても「リットリオ」が楽しみだわ。カードには姿が出ていたけど、どんな娘なのかしら」

ドリア「大戦中は燃料不足で活躍できなかったとはいえ優秀な艦でしたし、きっと素敵な大人の女性に違いないですよ…こう、口紅とシガーが似合うような」

提督「かもしれないわね♪」






<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/04/07(金) 01:42:25.16 ID:AX7+Hzev0<> …一時間後…

提督「さすがに疲れてきたわ…あんまり変化もないし」

ドリア「もう四時間も待っていますものね。…一旦食堂に戻ります?」

提督「いいえ、不測の事態が起きるかも知れないし、せっかくここまでいたんだから最後までここにいるわ」

ドリア「うふふ…そうですよね」

提督「とはいえ…さすがに飽きてきたわ」

ドリア「…そう言うと思って持って来ておきました♪」すっと漫画を差し出した

提督「あら、これ姫からもらった「ゆらゆり」の続きじゃない…どうしてこの巻だって分かったの?」

ドリア「ふふ…提督のナイトテーブルに置いてあった巻からしおりがどけてあったので、その巻までは読み終えているのだろうと」

提督「鋭いわね♪…じゃあ一緒に見る?」

ドリア「そうですね、そうしましょう」二人で身体を寄せ合って一冊の漫画を読んだ


…二時間後…

提督「ふぅ…由良ちゃんは可愛いわね」

ドリア「ええ、「ゆらゆり」なのに主人公の影がうすいなんて面白いですよね……提督、もうそろそろじゃあありませんか?」…装置の上のタイマーはもう数分のところまで来ている

提督「そうね。ドリア、食堂に連絡をお願い」

ドリア「はい」電話を取り上げてそろそろだと告げた

ドリア「連絡完了しました。向こうも準備万端だそうです」

提督「結構。さて、上手くいっているといいけど…」午後のまぶしい日差しにも負けないほど明るい、青い光が装置から漏れてくる…リベットを打ったり、溶接しているような音も大きくなっている…

提督「…」

ドリア「そろそろです…」

提督「あと十秒…」

ドリア「五秒…」

提督「3、2、1…」装置のタイマーがゼロになり、音が止まった…

提督「…こっちから開けるのではなくて、向こうから出てくるのよね?」

ドリア「ええ、説明書にはそうあります」二人してドアを凝視していると、光の幅が大きくなって、向こうにシルエットが見える…と、ドアが完全に開き、まぶしい青い光を受けつつ、中から一人の艦娘がしずしずと出てきた…

提督「…っ!」光に目がくらんで一瞬視線をそらしたが、すぐに光は収まった…目の前には大柄ながらも童顔で可愛らしい艦娘が一人立っている

提督「…ボンジョルノ(こんにちは)」

???「ボンジョルノ♪…あなたが私の提督さん?」くりっとした瞳、結い上げた茶色の髪、白いブラウスにえんじ色のフレアースカート、ローマ風の落ち着いた紅色をした上着をまとって、手には古代ローマ帝国のシンボルである束稈(ファッショ)を持っている…

提督「ええ、フランチェスカ・カンピオーニ少将です」手を差し出した

リットリオ「まぁ、女性が提督さんなのね♪…初めまして、リットリオ級戦艦ネームシップ、リットリオです。ふふ、リットリオ、いつでも行けます♪」優しく手を取ると、提督の手の甲にちゅっ…とキスをした

提督「あら、ありがとう…よろしくね、リットリオ///」すっと身体を近寄せ、左右の頬に挨拶のキスをした

リットリオ「わ、提督さんってば唇柔らかいのね♪…ところでここはどこなのかしら?…あと、そちらのお姉さんはどなた?」

提督「ここはタラントのはずれよ。それと彼女を紹介するわ…リットリオ、こちらは戦艦アンドレア・ドリア。日頃、私の右腕として頑張ってもらっているわ」

リットリオ「まぁ、デュイリオ級二番艦のドリア?…すっごい美人なのね♪」

ドリア「…ありがとう///」

提督「さ、リットリオ、歓迎の用意ができているわ。行きましょう?」すっと腕を出すと、リットリオは軽く顔を赤らめて自分の腕を絡めた…




<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/04/07(金) 01:52:11.32 ID:AX7+Hzev0<> …今日はこのへんで止めます。なかなか進みませんでしたが、ようやく戦艦リットリオが艦隊に来ましたね…ちなみに日本ではヴィットリオ・ヴェネト級とすることが多いですが、イタリアを始め欧米ではリットリオ級としていますので、そちらにならいました


とにかくイタリア艦らしくアイデア満載、デザインもお洒落な戦艦で、性能自体も強火力、重防御、高速といい所づくめですが、あくまで地中海用の戦艦なので燃料搭載量が少ないという欠点が…少食だと思えば可愛いはず…

<> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/04/07(金) 12:12:15.18 ID:gxH6IE9io<> 乙でした
イタリア海軍唯一の超ド級戦艦クラスきましたか
艦これでは常識人枠でしたがこちらではどんな娘なのか楽しみです

ゆらゆりはちょっと読んでみたいが我が嫁艦の影が薄い・・・だ・・・と・・・? <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/04/08(土) 00:36:25.15 ID:FtKWqMc50<> >>358

感想ありがとうございます。リットリオはおしとやかな艦娘の予定ですが、まだどうなるかは決めていませんのでお楽しみに…由良がお嫁さんでしたか、これは失礼をば!


…では本編を投下します <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/04/08(土) 01:53:32.66 ID:FtKWqMc50<> …廊下…

リットリオ「それにしても驚きです…こんなに可愛い服を着て、空の下を歩けるなんて」スカートの裾をつまんでみたり、しげしげと身体を見回してみたりした

提督「そうでしょうね。着るものに食べるもの…やりたいことも見つかるでしょうし、貴女がここの生活でいっぱい楽しんでくれれば嬉しいわ」

リットリオ「ありがとう、提督。それにしても平和ですね…」廊下から青々とした庭と輝く海辺を眺めた

提督「そうね、そのこともじきに説明するわ…さぁ、まずはごちそうを頂きましょう。みんなあなたのために頑張って作ったから、楽しみにしていてね♪」

ドリア「きっと待ちくたびれていることでしょうね♪」ころころと笑った

リットリオ「わざわざ私のためになんて、なんだか照れちゃいますね♪」

提督「ふふっ、そう?…じゃあ、開けるわね♪」両開きで金のノブがついた、大きな食堂のドアを開けはなった


…わーっ!ドアを開けた瞬間に起こった割れんばかりの拍手喝采が響き、壁には「歓迎、リットリオ!」の垂れ幕がかけられている。提督とドリアが工作室にこもっていた六時間の間に、食堂はすっかり飾り付けられ、壇上には色とりどりの花が活けてある大きい花瓶と、リボンを巻いたマイクが置かれている。
テーブルには普段より立派なテーブルクロスがかけられ、そこここにスプマンテの瓶が冷やしてあるアイスバケットと、目がくらみそうな高級ワインが置かれている。片側のテーブルには目にも鮮やかなリキュールが並べられた臨時のバーカウンターが作られ、テーブルの上に所せましと置かれた銀の盆や容器には、普段よりさらに豪華なごちそうが積み重なっている…食堂の中央はテーブルを離して通路が作られていて、どこから持ち出したのか、紅い絨毯まで敷いてある


提督「まぁ…すごいじゃない♪」ごちそうはともかく、ここまで豪奢に飾り付けられているとは思っていなかった

リットリオ「…これが全部、私のためなんですか?…ちょっと、恥ずかしいですね」頬を赤くして、少しうつむいている

ドリア「うふふっ…恥ずかしがらなくていいんですよ?みんなの好意なんですから、喜んでもらえたらそれで十分です♪」にっこり笑いかけた

アオスタ「ええ、そうですよ…初めまして、リットリオさん。軽巡エマニュエーレ・フィリベルト・デュカ・ダオスタです。タラント第六鎮守府にようこそ。心から歓迎します!」スマートに敬礼してから白百合の花束を渡した

リットリオ「まぁ、アオスタ?戦中から綺麗な姿だとは思っていたけど…とっても素敵になって…初めまして、戦艦リットリオです♪」答礼すると花束を受け取り、それから左右の頬にキスをした

チェザーレ「待ちくたびれたぞ…歓迎するよ、リットリオ。ずいぶん久しぶりであるな…しかも見た目も変わったが、そなたはチェザーレの事を覚えておいでだろうか?」アオスタの隣に立っているチェザーレは月桂冠を頭に乗せ、紅のマントをひるがえした堂々たる姿で歓迎の言葉を述べた

リットリオ「チェザーレ、もちろん覚えてます…あの時はお互いに大変でしたね」挨拶のキスを受けると、軽く抱き合った

チェザーレ「おぉ…前から大きいとは思っていたが、それはこの姿でも同じだな♪」身長の高いチェザーレよりさらに大きいので、少し見上げるようにして感心したように言った

リットリオ「艦首のシアを延長していますから…これからよろしくお願いします♪」

アルピーノ「リットリオさん、ようこそ、タラント第六へ!ソルダティ級駆逐艦、アルピーノです」山岳兵の目印、チロル帽を身体の前に持ってくると、きれいに一礼した

ダ・モスト「初めまして、ナヴィガトリ級駆逐艦、アルヴィセ・ダ・モストです。ここにいれば色んな発見がありますよ♪」航海者らしい三角帽を手に取ってこちらも一礼した

リットリオ「まぁまぁ、駆逐艦のみんなには護衛で何かとお世話になりましたね。よろしくおねがいします♪」身体をかがめて頬にキスをした

アルピーノ「ありがとう♪…さぁ、演説台にどうぞ!」

ダ・モスト「左右は私たちに任せて♪」

リットリオ「えぇ?そんな、いきなり演説だなんて言われても…」まごつくリットリオの両脇に駆逐艦の二人が並び、彼女を促して演説台に向かった。一方、提督とドリアはチェザーレとアオスタに案内されると席についた

提督「あらあら…いきなり大変ね♪」












<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/04/09(日) 01:51:33.63 ID:Ncum05/E0<> アオスタ「まずは着任艦のあいさつです。リットリオ、どうぞ」提督たちを案内し終えるとまた立ち上がり、演壇の脇に立ててあるマイクスタンドでよどみなく司会を続けた

提督「…アオスタって、こういうの得意よね」小声でささやいた

ドリア「まぁ、戦後賠償でソ連にいたことがありますからね…委員長気質というか、生真面目ですよね」

提督「そうね、エウジェニオとは正反対というか…あ、リットリオのスピーチが始まるわね」姿勢を正してじっと壇上を見た…リットリオは可愛い困り顔をしていたが、ぴしりと姿勢を直すと深呼吸し、食堂を見回した

リットリオ「こほん…。提督、そして艦隊の皆さん、初めまして。リットリオ級戦艦、一番艦のリットリオです。…まずは提督さん、私を呼んでくれてありがとうございます。こうしてまた太陽の下を歩けるとは、素晴らしいことですね。…もちろん戦艦としても、砲撃戦の主役を務められるよう頑張りますので、よろしくお願いします」一礼したリットリオに座ったまま礼を返した

リットリオ「…次に、艦隊のみなさん。戦時中一緒に行動してくれた方も、その機会がなかった方もいますが、これから仲良くしてもらえればと思います。この場所に馴染むまでは少々ぎこちないところもあるでしょうが、温かく見守ってくれれば嬉しいです…と同時に、色々教えてもらえれば助かります。よかったら気軽に話しかけて下さいね…以上です」


わー!…拍手と温かい声援が飛び、中には可憐な表情で豪華な姿をしたリットリオを見てどう手ほどきしようかと、いたずらっぽい笑みを見せている艦娘もいる…


アオスタ「リットリオ、ありがとうございます。…続いて提督、歓迎のあいさつと乾杯の音頭をお願いします」

提督「そんな…いきなり言われても」そう言いつつマイクを受け取り、椅子から立ち上がった


わぁぁっ!…歓声と拍手を浴び、少しはにかんだように笑った


提督「えー…いきなりスピーチしろとアオスタに言われましたが、私はそんなにアオスタを怒らせるようなことをしたでしょうか」あちこちでくすくすと笑いが漏れた

提督「…まずはリットリオ、ようこそタラント第六鎮守府へ。…来てくれて嬉しいわ。もちろん貴女には期待していますが、ここは出撃も少ないし、あせらずにゆっくり馴染んでいってほしいと思います。貴女の姉妹艦はまだいないけど、近いうちに呼べるようにしますから待っていてね♪」リットリオに軽くうなずいた

提督「それから……ふふっ。提督なら長い演説をするものなのかも知れないけど、みんな早くごちそうに手を付けたくてうずうずしているみたいだから止めておきましょう…みんな、グラスを持って起立」…全員がスプマンテで満たされたグラスを持って立ったのを見て、提督もアオスタからグラスを受け取った…

提督「では、リットリオの着任に…乾杯!」杯を掲げると、口をつけた。…ことさら高級な一本らしく、舌触りのいい滑らかな泡と爽やかな味が喉を流れていく…

全員「「乾杯!」」全員の唱和にリットリオは気恥ずかしそうに頬に手を当て、微笑んでいる

提督「ありがとう、座っていいわ。さてみんな、お待たせしたわね…どうぞ召し上がれ♪」愉快そうに言った

わーっ!…じりじりしながら待っていた一部の艦娘たちが歓声を上げてフォークを取り上げ、さっそく食事が始まった

リットリオ「…提督、優しいんですね」席に戻ると隣になったリットリオが話しかけてきた

提督「ん…んむ……そうかしら?」皮目がパリッと焼け、マッシュポテトを詰めた身からは香ばしい鶏のエキスがじゅっと染みだしてくる、ローストチキンの胸肉を味わってから返事をした

リットリオ「ええ。だって提督のあいさつに歓声が起きて、冗談まで飛んでいましたし…それにみんな微笑んでいたので。優しい提督さんで安心しました♪」

提督「そう言ってもらえてうれしいわ。…牛肉、もう一切れいかが?」

リットリオ「はい、頂きます。さっきからどの料理も美味しくて、迷ってしまいそうです」

提督「ふふっ。貴女の歓迎会なんだから、好きなだけ食べてね♪」

アオスタ「そう言いながら一番食べているのは提督のように見えますが?」

提督「そういうことは言わないの、怒るわよ?」わざとらしく頬をふくらませてみせる

アオスタ「言わなくても事実は変わりませんので」

チェザーレ「はははっ。提督、一本取られたな♪」ヴィンテージもののバルバレスコを味わいつつ笑った


<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/04/09(日) 02:01:14.65 ID:Ncum05/E0<> …短い更新ばかりで申し訳ないですが、今日はこのへんで止めます。もうちょっと早く進められればいいんですが…次回はごちそうの描写が続き、それからリットリオの進水式で和やかに過ごし、その後はエウジェニオとねっとり絡み合う…予定です

潜水艦もそろそろ配属の予定ですし、潜水艦紹介も済ませないと…遅筆ですがお付き合いいただければと思います <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/04/10(月) 00:19:23.68 ID:54SQBIRD0<> …しばらくして…


ミディアム・レアで外はいい具合に火が通り、中はしっとりと柔らかいビーフ・ステーキを口に運んだ。…赤ワインとニンニク、塩、胡椒、ローズマリーとシンプルだが、ディアナが肉をうまく冷蔵庫で熟成させておいたので、炭を使って焼いたのでほどよく脂が落ち、香ばしい風味は濃い赤ワインに合う…


提督「美味しいわ…本当に美味しい♪」

ドリア「全くです。ディアナは本当に料理上手ですね♪」

リットリオ「はぁぁ、美味しくてとろけそうです。こんなに美味しいものを頂けるなんて…♪」恍惚の表情を浮かべる

提督「本当にそうねぇ♪」

ドリア「ええ、本当に…しっとり柔らかくて、とろけるような…うふふ♪」…すりっ♪

提督「…っ!?」左側のドリアがふとももを擦り付けてくる…吸いつくような張りのあるふとももを離そうとしても、大柄なドリアは脚を伸ばして続けてくる

チェザーレ「…どうかしたのかな、提督?」

提督「いえ、何でもないの…そこのパイ包みを取ってもらえる?」

チェザーレ「うむ…これでいいかな」さくっ、ぱりぱりっ…パイ皮を破る音と、よく煮込まれたビーフ・シチューのいい香りが広がる…

提督「ありがとう…あら、いけない♪」フォークを取り落した

チェザーレ「あぁ、いかんな…後で拾っておこう」

提督「いいのいいの…申し訳ないけど、誰か代わりのフォークを取って来てもらえる?」

フォルゴーレ「なら私が!」さっと立ち上がると、厨房に行った

提督「えーと、フォークは…」落としたものを拾うのは本来マナー違反ではあるが、あくまでも肩の凝らない食事会なのでテーブルクロスの下に潜った

ドリア「ありました?」

提督「あらぁ?…どこかしらぁ♪」フォークはあっさり見つかったが、提督はさっきのお返しとばかり、足元からドリアのふくらはぎを指でくすぐった

ドリア「ふふっ…うふふっ!……見つかりませんか?」

提督「それが意外に遠くに飛んで……もうちょっとで届くのだけ…ど♪」黒いレースのストッキングからむっちりとはみ出しそうな、真っ白なふとももを撫でまわし、ストッキングの内側に手を差しいれてふとももを撫で上げた

ドリア「んっ…んん……美味しいですね、これ///」

アオスタ「…提督、後で片づけの時に拾えばいいですから」

提督「でも、片づける時に手間がかかるでしょう…気にしないで?」言いながらドリアのふとももを撫で上げる

アオスタ「そんな、気にしないでいいのに…提督は皆を気遣って下さって…本当に…いい提督です」ワインも入っているせいか、感動した様子で声を震わせる

提督「そんな大仰に言わなくても、人間として当然でしょう?」拾い上げたフォークでドリアのふとももをつんつんとつついた

ドリア「んっ///…そろそろ取れましたか?パイが冷めてしまいますよ」

提督「やっと手が届いた…の……あんっ♪」ふとももで手を挟まれ、フォークを取り上げられた

ドリア「取れたのですね?…はい、受け取りました♪」

提督「よいしょ…ふぅ」

ドリア「床を探したのですし、手を拭いた方がいいですよ。……お礼は後でたっぷりさせてもらいますから♪」小声でささやいた

提督「そうね。……ふふ、楽しみにしてるわ♪」手を拭いていると、フォルゴーレが替えのフォークを持ってきてくれた

フォルゴーレ「はい、提督…どうぞ♪」先端の湿ったフォークを差し出した

提督「ありがとう…ふふ、間接キスしたかったの?」小声でささやいた

フォルゴーレ「///」

提督「ふふ、嬉しいわ。…でも、今度は直接してあげるわね♪」

フォルゴーレ「うん…待ってるわね///」



<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/04/10(月) 01:38:03.88 ID:54SQBIRD0<> 提督「さて…と」フォークでパイを口に入れた

提督「んんっ…んっ……ん…♪」

バターの香ばしい香りが効いたさくさくのパイ皮と、内側の牛の煮込みが馴染んだしっとりしたパイ皮…両方の食感と、薄い塩味だけのシンプルなパイ皮に包まれた、こっくりした味わいの濃いビーフ・シチュー…ローリエ、赤ワイン、ナツメグ、オールスパイスと、少し多めに効かせた黒胡椒の辛みが食欲をそそり、とろとろにほぐれるまで煮込まれた牛のテールやすね肉、先に入れて形も残さないようにしたものと、後から入れてざくざくした食感を残した二種類の玉ねぎが溶け合う…

チェザーレ「本当に美味しいな…ディアナ、素晴らしいぞ」

ディアナ「光栄です…食べた方に美味しいと言ってもらうのは、一番の喜びです」

提督「本当に美味しいわ、ディアナ…ロッシーニにも負けないわね♪」(※ロッシーニ…「セビリアの理髪師」で有名なイタリア屈指の作曲家。美食家で料理愛好家。女遊びと食べることが大好きで、若くして作曲家で成功すると、とうとう趣味のレストランを開いてしまい「別に、「セビリアの理髪師」の編曲は好きに批判すればいいが、スープのレシピには絶対に文句を言わせない」と言い切るほどの腕前だった。ステーキにフォアグラを乗せた「ロッシーニ風ステーキ」は有名。二重あごをたびたび風刺された)

ディアナ「まぁ、ロッシーニと比較してもらえるとは嬉しいですね」

提督「そのくらいおいしいわ」

リットリオ「ええ、本当に美味しいですよ♪」

提督「せっかくだからもう一杯もらおうかしら。あら、もうワインが無いわ?」

チェザーレ「ではチェザーレが注いで差し上げよう……おや、瓶の方もなくなってしまったな。次のを開けるか…ポーラ」

ポーラ「はぁーい、ポーラを呼びましたかぁ〜?」

チェザーレ「うむ、ワインが無くなってしまってな…次はどれがいいかな?」

ポーラ「はいは〜い、次はぁ〜…これですぅ〜♪」すっかり上機嫌のポーラは手早くコルクを抜くと、暗紅色のワインを注いだ

提督「いい香り…」

ポーラ「そうでしょ〜?だってぇ…マディラの十数年ものですからぁ〜♪」(※マディラ…スペイン領の島。ブランデーとワインの特徴をあわせ持つマディラ・ワインで有名。マデイラとも)

提督「また値が張るようなワインを…んっ……強いけど美味しい♪」

ポーラ「でしょ〜?……提督をこれで酔わせてぇ〜…なんて、えへへぇ〜♪」

提督「まったくもう、ポーラったら♪……そんなことしなくても、誘ってくれれば付き合ってあげるのに♪」

ポーラ「そうですかぁ〜♪…ならぁ〜、今夜はぁ…どうですかぁ?」

提督「ふふっ、残念♪…今夜はドリアに予約されちゃったわ」

ポーラ「むぅ〜、ドリアは秘書艦だから執務中も一緒じゃないですかぁ〜」

ドリア「うふふっ…ごめんなさいね♪…ポーラは優しいから、おばあちゃんに譲ってくれますよね?」

ポーラ「もぉ〜、そんなぴちぴちの身体なのに艦齢の事を言うのはずるいですぅ〜」

提督「まぁまぁ…。ポーラ、深夜は駄目だけど…お風呂や寝る前の時間ならどうかしら?」

ポーラ「仕方ないですねぇ…でもぉ、ポーラはぁ〜いい子なのでぇ〜、それでいいですよぉ〜♪」

提督「ありがとう、ポーラ♪」…ちゅっ♪

ポーラ「えへへぇ!ポーラ、提督にキスされちゃいましたぁ〜♪」

リットリオ「…あの、提督?」

提督「なぁに?」

リットリオ「先ほどから…その、提督とみなさんの間で何やら仲が良すぎるような気がするのですけど……私の勘違いですか?」

提督「いいえ、女性同士で大変仲良くさせてもらっているわ♪」

リットリオ「え、あの……それって、いわゆる「アモーレ」という意味で?」

提督「ええ、そうよ。ここでは百合の花が咲いていて、夜には甘い蜜に誘われて蝶々がやって来るの…♪」ワイングラス片手に、ぱちりとウィンクをしてみせた

チェザーレ「あー…、せっかくの言い回しに水を差すようだが、ここの場合夜ばかりではないだろう?」なかば呆れ、なかば面白がって言った

提督「うふふっ…そうよね、蝶々は昼間に飛ぶものだものね♪」

ドリア「まぁ…提督ったら♪」

リットリオ「はぁぁ…時代が変わったのでしょうが、驚きました……でも、提督は綺麗な方ですし、きっと皆さんも愛おしく思っているのでしょうね」

提督「お褒めにあずかり恐縮です♪…リットリオ、そのうちに貴女も分かるようになるかもしれないわね♪」もう一度ウィンクをして、ワインをくーっと飲み干した <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/04/11(火) 01:02:25.62 ID:so0dlDxj0<>
…デザートは初夏ならではの苺のムースと、グラスで金色に輝く、とろりとしたハンガリーの貴腐ワイン「トカイ」が出された。もちろん一番値段の張るランクの「トカイ・アスー」で、それが十本は開けられていた…提督は並んだ瓶の値段を考えないことにして、蜂蜜のようにとろとろとグラスで踊るトカイを含んだ…


提督「…濃厚で甘いわね、口の中に絡むようでこくがあるわ♪」

ポーラ「えへへぇ〜、そうでしょ〜♪…ところでぇ〜、何だか熱くなってきましたねぇ…♪」胸元をはだけ、ほんのりと桜色に染めた頬を手で扇ぐ

提督「もう、あんまり飲み過ぎるから…大丈夫?」

ポーラ「平気ですよぉ〜、ポーラはぁ…酔ったりなんてしないのれす♪」とろんとした目つきで細い瓶のトカイ・ワインを提督に注ごうとする

提督「あぁ、もう…ふらふらしているじゃないの……ほら、水を飲んで」

ポーラ「お水なんていやですぅ〜…ポーラはぁ、美味しいワインがいいのっ♪」トカイの瓶を抱えて離そうとしない

提督「そう言われてもねぇ…ほら、お酒と同じ量の水を飲まないと悪酔いするわよ?」

ポーラ「いいワインはぁ、悪酔いなんてしないです〜…それにぃ、ポーラはぁ、酔った事なんてないでしょ〜?」

提督「今は酔っているようにしか見えないわよ…じゃあ少しでいいから、ね?」

ザラ「ポーラ、提督の言うことを聞きなさい?」

ポーラ「だってぇ、せっかくザラ姉さまと一緒にワインが飲めるんだものぉ〜、いいでしょ〜?」

ザラ「駄目よ。…ほら、ポーラったら」瓶を取り上げ水のグラスを持たせようとする

ポーラ「ザラ姉さま……ポーラはぁ、姉さまと一緒に飲みたいの…ぉ♪」ぷるっとした唇をわずかに開き身体をしどけなく傾け、上目遣いで見た…

ザラ「え、ええと…その、私はいいけど…あの…ほら、酔って迷惑をかけたらいけないから…ね?」ポーラのおねだりにすっかり骨抜きにされ、ザラの口調はまるで頼りない

ポーラ「だってぇ…。それにぃ、ポーラが酔っ払ったらぁ〜、ザラ姉さまが介抱してくれるでしょ〜?…ポーラ、ザラ姉さまにいっぱい介抱されたいのっ♪」

ザラ「そ、そう…?私でよければ介抱してあげるけ…ど///」

提督「……ふぅ。ポーラ?」くいっ、と手招きした

ポーラ「はぁ〜い、何でしょ〜?」

提督「…んくっ!…んっ…んっ…んんっ……」水を含むと唇を重ね、舌でポーラの唇をこじ開けると一気に流し込んだ

ポーラ「んっ!?…ん…んっ…んんぅ…ぷはぁ♪」一瞬目を見開いたがすぐ身体をゆだねて大人しく水を飲みほし、提督が唇を離すと、たらりと銀色の糸がこぼれた…

リットリオ「…え!?」

ドリア「まぁまぁ…提督ったら積極的ですね♪」

エウジェニオ「あらぁ…いいわねぇ、すっごくいい♪」

提督「…ふぅー。…お水飲んですっきりした?」

ポーラ「すっきりしましたぁ…えへへぇ///……ポーラ、まだ飲みますよぉ♪」

ザラ「もう、いい加減になさい」

提督「…今度はザラがやってあげたら?」

ザラ「…ポーラ」

ポーラ「なんですかぁ、ザラ姉さまぁ?」

ザラ「もうちょっと飲みましょう///」

ポーラ「えへへぇ…ポーラ、大歓迎です〜♪」きゅ、ぽんっ!…といい音を立てて栓を抜き、二人のグラスに注いだ



<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/04/11(火) 02:09:34.37 ID:so0dlDxj0<> …食後…

アオスタ「以上で、リットリオ歓迎の晩餐会を終わります…ではこれから進水式を行いますので、港までお願いします」

リットリオ「え?」

提督「…進水式?」

アオスタ「はい、歓迎委員会としてはぜひ」

提督「分かったわ…リットリオ、せっかくだから」

リットリオ「はい…では恥ずかしながら」ほんのりと紅い頬を片手で押さえつつ、提督と一緒に港に向かう…周囲の艦娘たちと各国の提督もぞろぞろと後に続いた


…鎮守府・港…


辺りは夕方の鮮やかな黄色が空に見え始めていて、海の鮮やかな青に反射する金色の波頭が美しい…提督たちはドックの先端、黄色っぽいレンガ造りの波止場までやって来たが、駆逐艦がせいぜいの港で大きい艤装を展開するのは無理なので、リットリオは一部の艤装だけを召喚し立っている…


提督「それで?」あちこちに国旗と信号旗を結んだリボンをくくりつけられて、すっかり満艦飾にされているリットリオを見て言った

アオスタ「はい、しきたり通りにシャンパンを艦首で割って頂きます」

チェザーレ「間違っても頭には叩きつけんようにな」

提督「しないわよ…でも、ぶつけるのは艦首でしょう?…この状態だとないわよ?」

チェザーレ「あー…アオスタ、艦首でないとだめか?」

アオスタ「そうでした…これは計算外でしたね」あごに手を当てて考え込んでいる。周囲の艦娘たちもがやがや言いながら色々と考えを出す

リットリオ「あのぉ…この格好だと恥ずかしいので、早く決めてもらえれば嬉しいです」満艦飾で、もじもじしながら波間に揺れている

レオーネ「あの、提督…とにかく進水を祝えばいいのだから、ぶつけられそうなところでやってしまえばいいのではないかな?」賛同の声があちこちで上がり、アオスタたちもうなずいた

提督「なら決まりね♪…スプマンテは?」

ポーラ「ここにありますよぉ〜♪」首にリボンをかけた瓶を取り出した

提督「どこから出したの?…まぁいいわ。それでは…」瓶を見ると「フランチャコルタ」とある

チェザーレ「どうした?さ、叩きつけて進水を祝おうではないか」

提督「え、ええ。フランチャコルタ…DOCG認定のひと瓶を…ねぇ」高い一本を手に微妙な顔をしていたが、恥ずかしげな様子のリットリオに近寄った

アオスタ「提督、一言お願いします」

提督「そうね、では…汝、戦艦リットリオをここに進水させ、その誇り高きイタリア海軍旗に更なる栄光をもたらし、また、無事に帰投することを祈って!」…ひゅっ…ぱりん!艤装に叩きつけた


わあぁぁーっ!…大歓声と拍手喝采を受け、恥ずかしげなリットリオが海面に滑り出た。少し沖まで出ると艤装を完全に展開して、先ほどとはうって変わって堂々とした様子で一礼した


チェザーレ「…提督、これをつけた方がいいな」そう言って何かを渡してきた

提督「耳栓?…つけたわよ」

チェザーレ「結構…では、提督。沖に出てチェザーレが手を上げたら「撃て」と号令をかけてくれ」駆逐艦、巡洋艦数隻と艤装を召喚すると沖に出て、手を上げた

提督「…礼砲?分かったわ……撃て!」精一杯の声で叫んだ

チェザーレ「撃てぇ!」チェザーレの主砲が迎角を取り、吼えた。320ミリ砲の轟音は空砲にもかかわらず、周囲が爆風でびりびりと震えるほどだった

提督「…すごいわ、これが戦艦の力なのね」

チェザーレ「撃て!」

リットリオ「撃てっ!」ドッ…ゴォォ…ン!!…返礼の381ミリ砲はさらに強烈で、夕空に砲煙が広がった…チェザーレ、リットリオたちは十数発の礼砲をわざわざ主砲で撃ち、硝煙で煙った衣服を直しながら戻ってきた

チェザーレ「どうだったかな?」

リットリオ「久しぶりに主砲を放ちましたが…提督、どうでした?」

提督「…すごかったわ」耳栓を外してもまだ声が遠く、提督はがくがくとぎこちなくうなずいた

<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/04/11(火) 02:12:09.16 ID:so0dlDxj0<> …やっとリットリオ進水が終わりました…次からは濡れ場の予定ですので、提督が百合百合していきます。では今日はこのへんで… <> ◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/04/11(火) 11:36:46.05 ID:so0dlDxj0<> …しばらくして…


提督「と、いうわけで、ここが貴女のお部屋になるわ…家具は最低限の物しかないけど、そのうち増やしていきましょうね♪」部屋の鍵を渡し、にっこり微笑んだ

…窓の外では夕日も沈み、星のまたたく深い紺色の空と、わずかに見える白い波の泡が浜辺に寄せては返す。ドアを開け、部屋の灯りをつけると、室内はクリーム色と淡い緑で配色されたボタニカル柄の壁紙と同系統のカーテンでシックにまとめられている。左右の壁沿いにそれぞれクローゼットとベッドが据えられ、枕辺に置かれたナイトテーブルにはライトスタンドが置いてあるのが見える

リットリオ「いえいえ、これでも十分ですよ♪」ベッドの端には柔らかいタオルケットと薄い夏用布団、柔らかな枕が積まれ、クローゼットにはとりあえず必要な寝巻用のシンプルなネグリジェとバスローブ、スリッパ、歯ブラシや下着が用意されている…ナイトテーブルには規則集が載せてあり、壁には旧式の壁掛け電話が取り付けてある

ドリア「まぁまぁ、そのうちにいろいろ欲しくなりますから…私からのプレゼントです♪」平たい箱を渡した

リットリオ「私に?ありがとうございます、開けますね……わぁ、綺麗なドレス♪」紙の箱を開けると、中からサマードレスが出てきた。襟はおしゃれにレースをあしらっているが、いつでも使えそうなシンプルなドレスで、リットリオはパッと表情を明るくした

ドリア「普段着がないと困りますから♪…それと、これは有志の方たちから」数冊の本を渡した

リットリオ「漫画ですか?すごいですねぇ、昔のに比べて綺麗な装丁で、絵柄も…」

提督「どうしたの?」

リットリオ「いえ…こういうの読んでも平気ですか、カラビニエーリとか海軍憲兵とか呼ばれたりしませんか?」女の子同士が唇を重ねている表紙を見て、顔を真っ赤にしている

提督「平気よ、ここには憲兵もカラビニエーリ…は駆逐艦でいるわね……とにかく、私も女性は好きだけど、こうして少将をやっているわよ?」

ドリア「ふふっ、おかげでみんな影響されてますものね♪」

提督「いいことじゃない♪…まぁ、時間があるときにでも読んでみたら?」(あら、無垢でいいわね♪)

リットリオ「は、はい…そうします」

提督「忙しいけど、今度は大浴場ね…行くときはバスローブで平気よ」

リットリオ「そうですか、気軽に行けるんですね」

提督「ええ、立派なお風呂だし、身体にも良いらしいわ」

リットリオ「それは楽しみですね♪」 <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/04/12(水) 01:09:15.94 ID:U7tfKrOz0<> …大浴場・脱衣所…


提督「ここが大浴場ね、バスタオルとかはそこに置いてあるわ」脱衣所の棚を指差した

リットリオ「すごい立派な作りですね」木製の棚に服を入れる藤のカゴが置いてあり、古い時代を感じさせるような脱衣所を、感心したように眺めている

提督「ちなみに水着とかは着ないで入ることになっているわ、古代ローマ風なんだそうよ」

リットリオ「え!?…ちょっと恥ずかしいですね」

提督「私も最初はそう思ったけど、最近は慣れたわ…案外いいものよ?個室みたいなお風呂もあるし、視線が気になるならそれを使うといいわ」

リットリオ「そうですか…なら、後で入ってみます」

提督「そうね、そうするといいわ…あら、あなたたちもお風呂に?」やって来たのは足柄と龍田で、二人とも白地に藍色で百合の柄が入った涼しげな浴衣を着ている

足柄「ええ、提督は飲み過ぎて後で入るっていうから、私たちでさっぱりしに来たわ」

龍田「私も飲み過ぎちゃったから、お風呂でさっぱりしようと思ったのよぉ♪」

提督「そうね、それもいいかもしれないわね…ここのお風呂はどう?」

足柄「大きいのはいいけど少しぬるいわよ…湯冷めするんじゃないかって思うわ」

龍田「でも、その分長く入っていられるのはいいわねぇ」

提督「時間は気にしなくていいのだから、ゆっくり汗を流して♪」

龍田「ありがとうございます……私たちがお風呂に入っているからって、提督に手を出したりしたら…うふふ♪」

提督「しないから安心して?…酔っている姫を介抱しに行くことはあるかも知れないけど」

足柄「ちっとも安心できないじゃないの」

リットリオ「…あの、提督。こちらのお二人は?」

提督「あぁ…リットリオ、こちらの二人は日本から交流のために派遣されてきた百合野准将の随伴艦、妙高型重巡「足柄」と天龍型軽巡「龍田」よ…足柄、龍田、こちらは戦艦リットリオ級の一番艦、リットリオ」

足柄「初めまして、一等巡洋艦、足柄よ。戦前はスピットヘッドの観艦式や欧州歴訪もして、「飢えた狼」と称されたわ」

龍田「初めましてぇ。二等巡洋艦、龍田です。建造当時は世界水準の軽巡と評価されましたよぉ」

リットリオ「ご紹介にあずかり光栄です。リットリオ級戦艦一番艦、リットリオです。超ド級戦艦では最高速の戦艦ですよ、よろしくお願いしますね♪」

足柄「そうなの、戦艦なのに金剛よりも速いなんてすごいじゃない!」

リットリオ「そんな、褒められると照れちゃいます…その分航続距離が短いんです」

提督「地中海で行動するには充分だからいいの♪…それよりお二人とも、そろそろお風呂に入ってきたら?」

足柄「あぁ、そうだったわ!…何か忘れてると思った」

龍田「そうねぇ…ではお先にぃ♪」

提督「ええ♪」

龍田「…どうして見てるのかしらぁ」

提督「綺麗な肌…透き通るような白い肌で、まるで白絹のようね♪」

龍田「ほめてくれて嬉しいわぁ……でも、のぞいていい訳じゃないのよぉ」

足柄「本当にそういう言い回しがぽんぽん出るのよね…全くイタリアらしいと言うかなんというか…」

提督「ありがとう、足柄♪貴女のその精悍なスタイル…うちの鎮守府にいたら見惚れてしまって執務が手に付かなくなるわ」

足柄「そ、そうよね///」

提督「ええ…よかったら一緒に…お風呂、入りましょう…♪」するりと腰に手を回した

龍田「ご遠慮するわぁ」

足柄「…そうよ!私は百合姫提督のお気に入りなの!」

提督「あら、残念…リットリオ、とりあえず今夜はゆっくりお休みして、明日また必要な所を回りましょう?」

リットリオ「分かりました!…では、お部屋に戻って規則を読み込んでおきます」

提督「リットリオは真面目ないいお姉さんなのね♪…何か必要なことがあったら内線で私、チェザーレ、ドリア、軽巡モンテクッコリかガリバルディにかけてね?…誰も出なかったら食堂か作戦室、待機室には誰かいるはずだから、遠慮せずに♪」

リットリオ「はい、わかりました」
<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/04/12(水) 02:15:42.57 ID:U7tfKrOz0<> 提督「よろしい、ではお部屋まで送るわ。…ドリア、私はその後でお風呂に入るから、よかったらお先に♪」

ドリア「いえいえ、せっかくリットリオと会えたのですから、しばらくお話でもしようかと…リットリオ、私みたいなおばあちゃんがお部屋に訪ねてもお邪魔ではありませんか?」

リットリオ「そんな、おばあちゃんだなんてとんでもないです!…ぜひ遊びに来てください」

ドリア「あら、嬉しいです♪…では提督、私はリットリオとお部屋に行っておしゃべりでもしておりますから、ゆっくり汗を流してください」

提督「ありがとう。今夜は用もないし、自由にしていていいわ」

ドリア「はい、わかりました♪…ではリットリオ、行きましょう?」

リットリオ「はい、ドリアさん」

ドリア「ドリアでいいですよ♪」ドリアが付いていてくれると言うので、提督は安心してお風呂に入ることにした


…大浴場…


相変わらず豪勢なローマ風の大浴場だが、今日は「満腹で動きたくない組」と「もう少ししっとりと飲んでいたい組」が多いせいか空いていて、数人のシルエットが湯気の向こうに見える程度だった…奥で絡み合っているザラとポーラの姿と甘い嬌声がちらりと漏れ聞こえてきたが、提督は二人の時間を邪魔しないよう、反対側のあずまや風の個室風呂に向かった…


提督「ふー…」…ちゃぽ…とぽとぽとぽ…湯を流す樋からは清水のように柔らかい音を立てて湯が流れてきて、丸天井の天井画には雲と鳥たちの絵が描かれていて、外にいるような気分にさせてくれる…ゆったりと脚を伸ばし、緑がかった湯にとっぷりと浸かる

提督「あー……いいお湯ね…」たっぷりとった食事とワインのおかげで身体中の力が抜け、ゆで過ぎたパスタのようにお湯の中でくたっとしている

提督「あら…だれか来たのかしら……」ぴた、ぴた、ぴたっ…濡れた足音が近づいてくる。貸し切りの風呂ではないので提督は一緒でも構わないと思ったが、もしかしたら裸で入浴するのが恥ずかしい誰かなのかもしれない、もしそうなら出て行ってあげればいいと思い、そのまま浸かっていた

エウジェニオ「あ、提督。こんな個室でお風呂なんて珍しい♪」入ってきたのは軽巡エウジェニオだった。相変わらず目がさめるような整った顔立ちに、くすみ一つない肌、胸とヒップがほどよく出ているバランスのいい姿は誰が見てもしなやかで、水仙のように美しい

提督「そうねぇー…今日はそんな気分だったから…お邪魔かしら…ぁ」脱力したまま、ぼーっとした口調で答えた

エウジェニオ「いいえ、提督と一緒なんて嬉しい♪…どうしたの、力が抜けちゃっているみたいだけど?」…ちゃぽっ…いたずらっぽい笑みを浮かべて隣に入ってくるとさりげなく腕をふとももに置き、長いまつげをぱちぱちさせながら言った

提督「えぇ…ワインもご飯も美味しかったけど、お風呂に入ったら力が抜けて……あー…大丈夫だけど、温かくて気持ちいいし動きたくないの…」

エウジェニオ「あら、奇遇ね…私も、提督の隣から動きたくないわ♪」

提督「ありがと…エウジェニオ、優しいのね…」

エウジェニオ「提督こそ…甘い言葉をかけてくれるし、気遣ってくれて優しい♪」

提督「そうかしらぁ…」

エウジェニオ「そうよ、提督は私のお姫様…できるならこの髪で貴女を縛って、ずっと離さないでいたいわ♪」

提督「そんなことしたら髪が傷むわ……一緒にいたいなら指を絡めていましょうよ…♪」

エウジェニオ「素敵♪…あなたと恋人つなぎ、なんて♪」

提督「そう…気に入ってもらって嬉しいわ…」








<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/04/13(木) 02:20:17.85 ID:9se0l4n30<> ………

エウジェニオ「提督ったらこんなに綺麗で、優しくて…まるで春のように鮮やかで、太陽のように暖かいわ」くいっとあごに指を当て、湯船に浸かっている提督にまたがった

提督「あん…エウジェニオ、当たってるってば…♪」ふっくらと柔らかい乳房と、ぴんと突き出た桃色の先端が提督の身体に触れた

エウジェニオ「当ててるの♪…ねぇ、提督?…私をもっと…ときめかせてくれる…?」手で身体を愛撫しながら、せがむように言った

提督「…ええ…私も、もう止められないから…ね?」背中に手を回し、ぎゅっと抱き寄せた

エウジェニオ「あんっ♪…提督ったら、優しい顔して意外と激しいのがお好みなのね♪」

提督「いいえ、愛していると目一杯表したいだけ…♪大好きなの、貴女のそのささやき方、その瞳、その身体…もう、我慢できないわ♪」…ちゅっ、ちゅるっ…ちゅぷっ♪ふっくらとした唇を重ねるだけの優しいキスから、次第に舌を絡めあう深いキスに変わっていく

エウジェニオ「んふっ♪……ちゅる…ちゅ…んっ…ちゅぽっ……提督の唇、初恋の甘い味がする♪」

提督「私も……甘くて、とろけそう…♪」とろんとした金色の瞳がエウジェニオの姿を映す…そのまま提督は魅入られたようにエウジェニオの引き締まった胸に手を伸ばし、優しく触った

エウジェニオ「もっと…触って…エウジェニオの、弱点…見つけてみて?」言いながら首筋に舌を這わせ、長い栗色の髪をハープの糸のように撫でた

提督「あっ…んっ♪……エウジェニオってば…すごく上手……とっても優しいのに、ぞくぞくする…♪」

エウジェニオ「だって…提督が甘く誘惑するのがいけないのよ?」

提督「誘惑されたのは私よ…ね、胸も…触って……気持ち良く…して?」

エウジェニオ「ふふ…提督の胸、大きくて柔らかい……戦艦並み、ね♪」ちろちろと先端をくわえ、甘噛みしながら揉みしだいた

提督「あ…んっ…エウジェニオの胸は大きいけど……しっかりしていて…揉みごたえがある…わ」脱力したまま、押し返してくるような張りのある乳房を揉み、先端を指で挟んだり、つまんだりした

エウジェニオ「はぁぁ…んぅ♪提督ったら…上手…ぅ……もっと、もっと…ぉ♪」その整った顔を困ったような表情にして、甘くねだる…と同時に、ふとももで提督の腰を挟みこむと両手を背中に滑らせていき、提督の肩甲骨に円を描くようにしてそっと撫でた

提督「ふぁぁ…あんっ……そこ、いいのぉ…エウジェニオ…止めないで…ぇ」言いながら提督も手をエウジェニオの背中に滑らせ、その見事な曲線をなぞった

エウジェニオ「あぁ…ん、やっぱり…ぃ♪…提督の指、すごくいい…っ♪」次第に息を弾ませながら、桃色の爪も綺麗なほっそりとした人差し指を内腿に沿わせた…

提督「はぁ…ふぅ……んあぁ…いいのぉ♪」秘所がきゅん…と疼き、とろりと濡れる。提督は脚をこすりあわせて、甘ったるく切ない声をあげた

エウジェニオ「ふふ、こんなところで乱れて…いけない提督♪……そんな提督は、私がイかせてあげる…♪」指先をいやらしい様子で舐めると見せつけるようにゆっくりと湯の中に浸けていき、わざとじらすように探りながら、温かくしっとりとした秘部に沈めた

提督「えぇ、そうして♪…あっ、あっ、あぁぁっ…いいのっ、そこ…いいのぉ♪」

エウジェニオ「ここがいいの?…それとも、こっちがい・い・の…っ?」じゅぷっ…ぐちゅっ、ずぶぅぅっ♪…散々じらしながら、いきなり深いところに指を突き入れた

提督「どっちもいい、の……あ、あっ、あぁぁぁっ♪」嬉しそうな声で絶叫しながら、エウジェニオにまたがられたまま身体を弓なりにのけぞらせた…湯の中にねっとりと蜜が流れ出し、顔を紅潮させて湯船の縁に頭を乗せた

エウジェニオ「あぁ…提督ったら、甘い声を上げちゃって♪……もっとしてあげたくなっちゃうわね♪」

提督「えぇ、もっと…もっと…ぉ♪」ろれつが回らないままふとももでエウジェニオの腰を挟みこみ、そのまま腰をあてがい動かした…浴槽の表面に激しい波が起きて、ざばっ、ざばぁ…とお湯があふれ出る

エウジェニオ「あんっ♪…じゃあ、私も…♪」…にちゅっ、くちゅっ♪…両手で提督のふとももを抱え、馬乗りになって責めたてて、同じくらい責めたてられた

提督「あぁっ…いいっ、いくっ、イくのぉぉっ♪……エウジェニオ、キス…して…♪」腰を動かすのを止めて、エウジェニオのとろりとした膣内に優しく指を入れ、ゆっくりかき回した

エウジェニオ「あふっ…んっ♪…ふふ、ならキスしてあげる♪」…ちゅっ♪…甘い優しいキスをしながら、いきなり提督の花芯に人差し指と中指を突き入れた

提督「…んっ♪…んぁあぁぁっ♪」とぷっ、どぷっ…とろっ♪…激しくイったせいでくちゅくちゅと優しくかき回していた指が引きつり、思いがけずエウジェニオの深部にまで突き入れてしまった

エウジェニオ「んはぁぁぁっ!」どぷっ、とろとろっ、じゅぶっ♪…ひときわ高い声で叫びながらぴんと身体をのけぞらせ、一瞬してから提督の上に倒れ込んだ… <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/04/13(木) 23:46:12.03 ID:9se0l4n30<> …お待たせしていますが25キロ訓練爆弾程度にちょこちょこ投下していきますので、待っていてもらえれば嬉しいです。台詞だけではうまく伝わらないかと思って地の文が多いですが、これでいいのか気になるところです。意見があればぜひ… <> ◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/04/14(金) 00:32:17.62 ID:3nJCwW7K0<> …数分後…

提督「はぁぁ…のぼせたわ…」提督は浴槽に脚だけ浸けてちゃぽちゃぽと動かしながら、模様の綺麗な石の床に寝そべっていた。時々あふれたお湯が流れてきて、身体はほどよく温かく、隣ではエウジェニオがどきっとするほど魅力的な笑みを浮かべながら肘を突き、たまたまあった洗面器で提督を優しく扇いでいる

エウジェニオ「ふふ、私につき合わないで出ればいいのに♪」

提督「ううん…せっかくエウジェニオと一緒なんだもの、まだ出たくないわ」

エウジェニオ「まぁ、嬉しい♪」…ちゅっ、ちゅるっ…ちゅぅぅっ♪…顔を近づけて唇を重ねた

提督「…ふ…んっ……んぅぅ♪」エウジェニオの器用な舌が口中をまさぐってきて、同時に濡れたままの秘所にほっそりした指が入ってくる…

提督「…ぷは…そこ…いいのぉ……エウジェニオ…私のこと…ぉ、もっと、かき回して…ぇ♪」柳眉を困ったようにひそめて指を受け入れつつも、エウジェニオの滑らかなヒップに指を走らせた

エウジェニオ「あんっ♪…いたずらな手なのね、もっと触って?」

提督「ええ…この丸っこい手触りは艦尾のラインかしら♪」

エウジェニオ「あん…っ♪もう、艦尾は被弾に弱いんだから、あんまりいじっちゃ駄目♪」そう言いつつも止めさせようとはしないまま身体を重ねると、提督のふとももにまたがり、花芯をこすりつけはじめた…

エウジェニオ「はぁ、あぁっ♪…提督で気持ち良くなってるの…ぉ…いいっ、すっごくいいっ♪」…ずりゅっ、ずちゅっ♪恍惚の表情を浮かべて腰を動かし、ふとももをねっとりとした蜜でとろりとぬめらせながら喘いだ

提督「ふふ…エウジェニオ、いやらしい顔も綺麗で…そそるわ♪せっかくだから、もっと気持ちよくしてあげる♪」むっくりと上半身を起こすと、かぷりとエウジェニオの先端を甘噛みした

エウジェニオ「あぁぁっ♪…いいわっ、それ、いいっ♪」ぬちゅっ、くちゅっ♪…とろっとした蜜の音を立てつつ、さらに激しく腰を滑らせる

提督「…ふふ、いやらしい音が響いているわ♪」今度はエウジェニオの花芯の奥に指を入れ、じゅぶっ、じゅぶり…と音をさせながら動かした。温かくねっとりした花芯の奥が、とろりと指に絡みつきながらきゅうっと締まってくる

エウジェニオ「いいのっ…もっと響かせてみんなに見てもらいましょうよ…ぉ♪」ひくひくと身体をけいれんさせつつ、熱っぽく言った

提督「そうよね…思い切り、しちゃいましょうか♪」…ぐちゅぐちゅっ、じゅぶっ!

エウジェニオ「あぁぁぁっ!…それ、いいわっ♪…私っ…また、イくのぉぉっ♪」悩ましげな声をあげながら果て、派手に蜜を浴びせた



<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/04/14(金) 01:37:16.10 ID:3nJCwW7K0<> ………

…しばらくして風呂から上がった提督とエウジェニオは、お互いにタオルで拭いたり触ったりしながら服を着た。エウジェニオは薄い白のネグリジェ、提督はバスローブ姿で腰掛けに座り、水差しの冷水をあおった


提督「それにしても、エウジェニオってばいつもこうなの?」頭を傾け、タオルで髪を拭きつつ言った

エウジェニオ「何が?」

提督「お風呂で愛し合うことよ…お姉ちゃんのアオスタとか、フォルゴーレ級のみんなとか」

エウジェニオ「ええ♪だってみんな美味しそうじゃない」

提督「んー…それはそうね」頭を拭き終わると納得したようにうなずいて、もう一杯レモン水を注いだ

エウジェニオ「提督も目指したら?」いたずらっぽく笑った

提督「?」

エウジェニオ「鎮守府のみんなを完全制覇♪」

提督「ぶは…ごほっ、けほっ!」レモン水を噴き出した

エウジェニオ「むせることはないでしょ?提督ならできると思うわよ?」

提督「けほっ…あのね、そんな節操のないことができるわけないじゃないの」

エウジェニオ「そう?…ライモンド、ドリア、ミラベロ級の二人、ポーラ…これで節操って言われても、ね♪」

提督「…だって、みんな可愛いんだもの」

エウジェニオ「でしょう?…だからいいじゃない」

提督「うーん、それも一理あ……ちょっと待って」

エウジェニオ「なに?」

提督「「完全制覇」もおかしいけど…さっき提督「も」って言わなかった?」

エウジェニオ「ええ」

提督「エウジェニオ、貴女みんなと…してるの?」

エウジェニオ「ええ、何か?」

提督「…」

エウジェニオ「もちろんお互いに合意の上で、よ?」

提督「それならいいわ…じゃなくて。いったいどれだけの娘と…その……愛し合ったわけ?」

エウジェニオ「えーと…最初がアオスタ姉さん、それからザラ、ポーラ、フィウメ、ゴリツィア…この前は戦艦カヴール…普段は淑女なのに乱れちゃって、とってもよかったわ♪…それから駆逐がマエストラーレ級のリベッチオとグレカーレ…提督のおかげでミラベロたちもねだって来るわ♪」

提督「もういいわ…待って、もしかして」

エウジェニオ「…ライモンド、可愛いわよね♪」

提督「ちょっと」

エウジェニオ「…仕方ないじゃない、ライモンドが「最近は提督がお忙しいから、あまり入り浸っているわけにはいかなくて…」って切なそうなんだもの…うんと優しくしてあげたわ」

提督「ライモンが?……そうね、このところあんまりかまってあげられなかったわ」

エウジェニオ「そうよ?…誰にでも優しいのはいいけど、奥手であんまり言えない娘たちもいるんだから」

提督「反省するわ…しばらくはライモンのこと思い切り可愛がってあげなきゃ♪」

エウジェニオ「そうしてあげて?…その間に、私はアオスタ姉さんと甘い生活を送らせてもらうわ」

提督「…ほどほどにね?」

エウジェニオ「提督もご同様に…ふふ♪」

提督「ふふふっ、了解♪」
<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/04/14(金) 01:55:21.55 ID:3nJCwW7K0<> …もうちょっと進めようかとも思ったのですが、「今日は七時半からカラテの稽古があるのよ付き合えないわ」ということで止めておきます。この後提督は連戦でポーラ、ドリアと夜戦の予定です(描写が単調になりそうなのでダイジェストにするかもしれませんが、希望があれば頑張ってみます…)

では、サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ♪ <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/04/15(土) 00:46:38.47 ID:0ekCbLo50<> …廊下…

提督「ふふ…疲れたけど、エウジェニオってばあんな積極的で…♪」ほんのり明るいライトが照らす廊下を歩きながら、だらしない笑みを浮かべていた…と、何のはずみか提督は中央の大階段ではなく、普段はあまり人の通らない端の階段の方に向かっていた…

提督「ここ、なんだか暗いわね……あ、電燈が切れてるわ…明日にでも換えないと」電燈をいじりながらそうつぶやいていると、後ろでコトリと音がした…

提督「…誰?」さっと振り返った。…陰が多いのでよく見えないが、誰かいるようには見えない

提督「もう、こういうのって恐怖映画でよくあるパターンじゃない……どうせ音の正体は猫か何かで、ほっとした所で襲われるんでしょう?」馬鹿らしくなって肩をすくめると、電燈をいじるのを止めて階段に向かった…と、うす暗い廊下の片隅から何かが飛びかかってきた

提督「きゃっ…何!?くっ、重い…っ!」倒れ込んだ提督にかぶさるように、タオル地の何かが顔を覆ってきた…柔らかいが押さえつけてきて息もできず、提督は振りほどこうともがいた…

???「もぅ!…重いだなんて失礼ですねぇ〜、条約型の一万トン重巡に言うことじゃないですよぉ〜?」顔面を覆っていた何かがどけられて、妙にのんきな声がした

提督「ぷはぁ!…って、ポーラ?」

ポーラ「はぁい♪ポーラです〜…全く、せっかく提督の後ろから抱きついて「だーれだ?」ってしようと思ったのに〜…ポーラ、怒っちゃいますよぉ?」パイル生地のバスローブ姿で頬をふくらませている

提督「ごめんね、ポーラ。重いだなんて失礼だったわね…おわびに何でもしてあげるから♪」軽く三千トンはサバを読んでいることに目をつぶり、素直に謝った

ポーラ「…提督ぅ〜?…今「何でも」って言ったぁ?」

提督「…あ」

ポーラ「えへへぇ〜…それならポーラ、提督とえっちしたいのっ!」バスローブの帯を解いてパサッと脱ぎ捨てた

提督「まぁ、夕食の時も言ってたから別に構わないけど…って、ここで?」

ポーラ「えへへぇ♪…さっそく味見しちゃいま〜す♪」

提督「…ちょっと待って、ここは廊下だから…あんっ♪」





<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/04/15(土) 01:23:39.54 ID:0ekCbLo50<> …寝室…

提督「はぁぁ……さすがに…連戦は疲れたわ…もう寝ないと、明日起きられない…」たっぷり三十分ばかり廊下でめちゃくちゃにされ、ぐっしょりと秘部を濡らしたまま寝室に戻ってきた…目はちかちかする上に喉はからから、バスローブははだけ、膝が笑っている…腰の力も入らないまま壁に手を突き、ドアを開けた。目の前にはふっくらしたベッドがあり、今夜の安眠を約束してくれている…はずだった

ドリア「お帰りなさい♪」ほとんど裸の薄いベビードール一枚でドリアが寝そべっていて、ベッドの布団をめくりあげて入るスペースを開けてくれている…

提督「…ただいま、ドリア……リットリオは?」

ドリア「おしゃべりしながら過ごして、さっき戻ってきたところです…きっと今頃は百合漫画を読みながら顔を赤らめているかと♪」

提督「そう…で、どうしてそこに寝そべっているのかしら?」

ドリア「あら、約束してくれたのは提督ですよ?…今夜は一緒に、甘い時間を過ごしましょう♪」胸元をはだけ、みだらな視線を送ってくる

提督「あの…ドリア」バスローブを脱いで椅子の上に置き、布団にもぐりこみつつ言った

ドリア「なんでしょう?」

提督「今夜はあんまりちゃんとした反応ができないかもしれないわ…」

ドリア「ふふっ、分かっています♪…ポーラさんといっぱいしたんですものね?」

提督「ええ、廊下で…」

ドリア「あらあら、大胆ですね♪」

提督「本当にそうよ…見つかったらどうするつもりなのかしら」

ドリア「見つかったらきっと提督のお相手が増えるだけですよ?」

提督「…見つからなくてよかったわ。もう腰が抜けちゃって、ひざもがくがくだし……」

ドリア「あらあら…明日は立てないかも知れませんね♪」

提督「あの、ドリア?…優しくして…ね?」横に寝ころび、おそるおそる言った

ドリア「まぁ♪…提督の可愛いおねだりで、理性の糸が切れちゃいました♪」ヒップを優しくわしづかみにして、秘所を重ねた…

提督「ちょっとドリア…っ、ひぅ…あんっ、あっ、あっ、あぁっっん♪」

ドリア「うふふっ…優しくしてあげますが、今日は寝かせてあげません♪」

提督「ドリア…ひぐぅぅっ♪…気持ちいいの…ぉ♪」


……… <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/04/15(土) 01:53:44.84 ID:0ekCbLo50<> …翌朝…


ドリア「提督…提督っ♪」普段よりもさらに艶やかなドリアが、ゆさゆさと軽く揺さぶりながら耳元でささやいた

提督「…んぅ」髪の毛を乱れさせ、布団にくるまっている

ドリア「もう…提督、朝ですよ…っ♪」ふーっ…と耳に息をかけ、頬に優しくキスをした

提督「んっ…んん……今、何時なの…ぉ?」いやいや目を半開きにして聞いた

ドリア「0830時です、そろそろ起きないと朝食を食べ損ねてしまいますよ?」

提督「ドリア…」

ドリア「はい、何でしょう」

提督「私が…昨日寝かせてもらった…のは…何時…だった?」

ドリア「0500時です♪」

提督「起きられると…思う…?」

ドリア「提督ならできますよ♪さぁ、起きて朝食を食べに行きましょう?」

提督「私はいいわ…ドリアは行ってきていいから…少し寝かせて……すぅ…」

ドリア「あらあら♪ずいぶんお疲れですね……では、私は朝食を頂いてきますから、ついでに何か持ってきてあげますね♪」

提督「んぅ…お願い……すぅぅ…」


…食堂…

ドリア「おはようございます♪」

ライモン「おはようございます…あれ、提督はどうしたんですか?」

ドリア「何でもお疲れなので、「少し寝ているわ」…だそうです♪」

ライモン「提督、このところ忙しかったですからね……ところでドリアさん、今日はいつもよりさらに血色がいいですね」

ドリア「そうですか?」

ライモン「ええ、艶やかでどきどきしちゃいそうです…///」

ドリア「あらあら…そんなこと言われたら私もきゅんとしてしまいますよ?」

ライモン「いえ、その…今日はなんだかポーラさんもエウジェニオも妙につやつやしていて…」

ドリア「きっといいことがあったのね…ライモンド、その話は後でしましょうか。まずは朝食を頂きたいので♪」

ライモン「あぁ、そうでした…お邪魔してごめんなさい」

ドリア「いいのよ、ライモンド…また後で♪」

ライモン「はい。わたしも後で提督の様子を見てきますから、ではその時に」


……… <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/04/16(日) 01:10:12.94 ID:ymjgJ94e0<> …しばらくして…

ライモン「はい、どうぞ♪」お盆に載せた朝食を持ってライモンがやって来た。丸パンとバター、クリームチーズとアンズジャム。厚めに切ったハムと黄身がとろりと流れ出すような半熟卵がにぎやかに並んでいる

提督「ありがとう、嬉しいわ…♪」寝室の小さい丸テーブルにお盆を乗せてもらい、バスローブ一枚で椅子に座ると朝食を食べ始めた…提督は塩を振って身が締まり、ぎりぎりで黄身がこぼれない絶妙なゆで卵を賞味しながらライモンに微笑みかけた

ライモン「ノン・ファ・ニエンテ(何でもないです)。…お味はいかがですか?」

提督「とっても美味しいわよ、わざわざ作ってくれたんでしょう?…ありがとう♪」残り一個になったパンにナイフを入れて二つに割り、たっぷりのチーズとジャムを塗るとかぶりついた

ライモン「…提督のためですから///」胸元で手をいじりながら恥ずかしげに言った

提督「…そういえば♪」

ライモン「はい、何でしょうか」

提督「いつぞやここの海岸でピクニックみたいなことでもしようって言ったのよ」

ライモン「ええ、ドリアさんから聞きました」

提督「それで、午後は潜水艦が来る予定だけどそれまで時間があるし…これからやりましょう♪」ナプキンで口の端を拭うと立ち上がって言った

ライモン「え、これからですか?」

提督「ええ、だってもう初夏で結構熱いし…海に入るには良いんじゃない?」窓の外は陽光がきらめき、波も白いしぶきを上げて海水浴日和に見える…

ライモン「また、ずいぶん急ですね…でも、そうですね。せっかくリットリオさんも来たのですし、いいんじゃないでしょうか」

提督「でしょう?…じゃあ、バスケットとサンドウィッチ、シートを用意して…あとは水着ね」

ライモン「水着…ですか」

提督「持ってない?」

ライモン「いえ、ありますが…その」

提督「恥ずかしいならサマードレスで海岸に寝そべるのもいいわね。でも、せっかくなら水着で波打ち際に遊ぶ、なんていうのもいいと思うけど?」

ライモン「分かりました…提督がそうおっしゃるなら、水着で行きます」

提督「ええ、楽しみにしてるわ♪」

<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/04/16(日) 01:53:03.21 ID:ymjgJ94e0<> …午前中・浜辺…


鎮守府内で放送を流すとあっという間に準備が整い、鎮守府の面々はそれぞれ分担してバスケットやパラソル、シートを持って浜辺に降りてきた。弓なりになった海岸は岬に挟まれ波もなく、穏やかで暖かい…提督はサングラスをかけ、白い夏用ワンピースとサンダル姿でパラソルを一本肩に担いでいる


ライモン「私が持ちますよ?」隣でバスケットを持っているライモンはフリルのついたビキニスタイルで、つつましいがしなやかな身体をひきたてていて、よく似あっている

提督「大丈夫…それより水着、とっても似合っているわよ♪」

ライモン「あ、ありがとうございます…提督に褒めてもらえてうれしいです♪」小さくこぶしを握ってうなずいた

提督「じゃあ、この辺りにしましょうか?」適当な所にパラソルを差し、広げた

ライモン「はい♪」ライモンは持っていたシートを広げ、隅に重しを乗せてバスケットを置いた

提督「うん、準備完了…と♪」

ライモン「すぐ近くですから足りないものがあっても持ってこられますし…」バスケットに入っているこまごましたものを取り出そうとした…

グレカーレ「あっ!ライモンドお姉ちゃん、ここにいたんだ♪」マエストラーレ級駆逐艦のグレカーレがライモンを見つけるとボトルを手にして駆け寄ってきた…白い水着はフリル付きのセパレートタイプだが、股のところはきゅっと切り上がっていて、かなり際どい…

ライモン「グレカーレ、どうしたんです?」戦後、除籍年が64年で一緒のところから何かと付き合いのあるグレカーレに、ライモンは優しく聞いた

グレカーレ「うん、お姉ちゃんがまだ着替えてないから先に来たんだけど…よかったらオイルを塗って欲しいな♪」

ライモン「わたしですか…リベッチオは?」

グレカーレ「いや、リベッチオは真っ先に飛び出しちゃって…お願い♪」

提督「ライモン、やってあげたら?」

ライモン「そうですね…じゃあ、そこに寝そべって下さい」

グレカーレ「うんっ」シートの上でうつ伏せになると、小ぶりながら褐色で張りのある乳房が柔らかく変型した…座っている提督の脇でうつ伏せになっているので、ぴっちりとした水着がヒップの割れ目に食い込んで、瑞々しい艶のある肌が揺れるのが手に取るように見える

ライモン「じゃあ、塗りますよ?」とろ…っ

グレカーレ「はーい」…もとより色艶のいい肌にオイルが塗られて、褐色が映える。くすぐったいのか時おり身体をばたつかせると、そのたびにぷるっとヒップが揺れる…

ライモン「…強さはこのくらいでいいですか?」すり、すりっ…

グレカーレ「ん…ぅん……いいよ…ぉ♪」

ライモン「じゃあ、今度はヒップに行きますよ」

グレカーレ「…んんっ、気持ちいいよ♪」

提督「あらまぁ…♪」何かと想像が膨らむ光景に、にへら…と崩れた笑みが止まらない提督…

ライモン「…はい、終わりましたよ。前は自分で出来ますよね?」

グレカーレ「うん、ありがとう♪じゃあ、遊んでこようかな…っと!」シートからポンと跳ね起きると、小鹿のように跳ねていった

提督「ライモン」

ライモン「はい」

提督「いい眺めね♪」

ライモン「そうですね、暖かで気持ちいいです♪」




<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/04/16(日) 02:13:49.88 ID:ymjgJ94e0<> 提督「…それにしても、壮観ねぇ」

ライモン「まぁ、艦隊一つが丸ごといますからね…?」

提督「そうねぇ」サングラス越しに艦娘の身体をじっくりと楽しんでいる…と、チェザーレが近づいてきた

チェザーレ「提督」スカートのような白いパレオに、上は紐を首元で留めるビキニスタイルで、腰に手を当てて仁王立ちしている

提督「あぁ、チェザーレ。どうしたの?」

チェザーレ「…視線が気になってな」耳元でささやいた

提督「…分かっちゃう?」

チェザーレ「うむ、チェザーレは構わんが…少し控えめに見た方がいい」

提督「やっぱり気になるかしら」

チェザーレ「いや、チェザーレは気にならないが…積極的な面々に気づかれたらどうなるか分からないぞ?」

提督「そこまで?」

チェザーレ「このチェザーレの姉ながら、カヴールもかなり…提督が浜辺でしたいなら別だが」

提督「…それ、ちょっといいかも///」

ライモン「提督」

提督「うそよ…心配しないで?」

ライモン「…そうは思えませんでした」

チェザーレ「はははっ!提督にはもう妻がいたな…ライモンド、君なら心配あるまい。提督は任せるぞ♪」

ライモン「はい、なかなか大変ですが…」 <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/04/16(日) 17:39:56.53 ID:ymjgJ94e0<> 提督「ごめんなさいね、ライモン」

ライモン「別に構いませんよ。ただ、最初に会って泣きそうになった時、提督に慰めてもらって…あの表情と優しさが忘れられないんです。それ以来、提督のお側にいたくて…」

提督「ふふ、嬉しい♪…貴女のような可愛い小鳥の止まり木になれて良かったわ」優しく微笑んだ

ライモン「…お話しているだけと言うのもなんですし、少し海に入りましょう///」顔を赤らめて、唐突に言った

提督「はいはい♪」


…提督は上に羽織っていたワンピースを脱いで畳み、バスケットを重し代わりに置いた。下に着ていた黒いセパレートの水着はサイドの紐で留めるシックでお洒落水着だった…が、鎮守府の食事が美味しいせいか、水着はかなりぱっつんぱっつんで、花飾り付きの上は胸にぴったりと張りついて谷間が強調され、下は白いふとももがはち切れそうになっている…


提督「…やっぱりきつくなったわ」ふとももに食い込む生地を伸ばしてみてから手を離すと、ぱちんと音を立てて張りついた…

ライモン「…その、とっても魅力的ですよ///」視線は動くたびに揺れる胸とヒップにくぎづけで、上の空で感想を言った…

<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/04/16(日) 17:40:55.84 ID:ymjgJ94e0<> …時間があると思ったのですが用事で投下できなくなりました、また後で… <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/04/16(日) 19:59:49.24 ID:Kz6PN6M8o<> 乙でした
毎回愉しんでますb <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/04/16(日) 22:40:53.20 ID:ymjgJ94e0<> >>384

グラツィエ!そう言ってもらえると張り合いが出ます…引き続きお付き合い下さいな <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/04/16(日) 23:18:47.87 ID:ymjgJ94e0<> ………

提督「さて、と…身体もほぐしたし」一通り準備運動をして、いよいよ波打ち際に近づいていった。白い波の泡が金色の砂浜にしゅーっ…と音を立てて寄せては返り、上空ではカモメが数羽鳴いている

ライモン「せっかくですし、軽く泳ぎましょう」

提督「ええ、楽しみね♪」

デュイリオ「提督、ライモンド、よかったら一緒に行きませんか?」後ろから優しい声が聞こえた

提督「あらデュイリオ、いいわよ…っ///」振り向いて歩み寄ってくるデュイリオを見て固まった

デュイリオ「…どうかしました?」

提督「いえ…なかなか大胆な水着ね///」…背が高く豊満なデュイリオは紅のスリングショットとでも言うのか、胸元とふとももが深く切れ込み、背中も大きく開いた際どい水着で、歩くたびにゆさゆさと乳房が揺れ、胸当てからこぼれそうになっている

デュイリオ「そうですか?…提督がどきどきしてくれたなら大成功です♪」近寄ってきて、両手で乳房を支えてみせた…普段は垂れ目気味のおっとりした表情だが、今はどこか妖しげな雰囲気を出している…

提督「…」ごくりと生唾を飲む

ライモン「わわ…目のやり場に困ります///」

デュイリオ「提督、このまま海辺で熱い一時を過ごしませんか……」頬に手を伸ばし、そっと撫で上げる…

提督「えっ…いや、その///」

デュイリオ「…なんて♪ライモンド、今日は貴女と提督で水入らずの楽しい時間を過ごして下さい…誘惑するのはまた今度にしてあげますから♪」

ライモン「…はい、ありがとうございます。行きましょう、提督……提督?」

提督「…あぁ!そうね、せっかく水着なんだもの。泳ぎましょう♪」

ライモン「…これ以上妨害を受けないうちに、ですね」

提督「ん、何か言った?」

ライモン「いえ、何でもないですよ…さぁ、はやく♪」

提督「もう、ライモンってば…♪」


…ばしゃばしゃとしぶきを上げて海に駆け込んだライモンが手招きする。提督も海に駆け込むと暖かい海水をはねあげて、ライモンにかけた


ライモン「きゃあ!…もう、やりましたね♪」お返しとばかりに水をしゃくって浴びせてきた

提督「ふふっ…そーれっ♪」

ライモン「あんっ、それならこちらも反撃です♪」

<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/04/17(月) 00:45:04.67 ID:xMnV7ejZ0<> …波打ち際…

エウジェニオ「うふふっ、どの娘もいいわね…そう思わない?」普段からガチレズ勢筆頭のエウジェニオは、どうしたことか白いワンピースといたって落ち着いていて、頭には麦わら帽子をかぶり、サングラスをかけて波打ち際で水を蹴り上げながら歩いている

アオスタ「そんなこと言われても困るわよ…」一方真面目なアオスタはシンプルな紺色の競泳水着風で、ぴったりとした水着でメリハリの効いた精悍なボディが強調され百合艦娘たちを舌なめずりさせているが、当人は気づいていない…

アオスタ「…それより、エウジェニオ。貴女のことだからもっと危うい格好かと思っていたけど…結構普通の水着ね?」

エウジェニオ「うふふ♪体型じゃどうあっても戦艦や重巡には勝てないから、そこは戦術よね♪」そう言って姉にどきりとするような投げキッスを放った

アオスタ「…あ、あんまり私を誘惑しないで///」顔を真っ赤にしてもじもじとふとももをこすり合わせる

エウジェニオ「あら?真面目な姉さんも今日くらいは……いやらしく…乱れてみる?」するりと腰に手をかけ、ふとももを絡めた…

アオスタ「エウジェニオ…こんな所じゃ見られちゃう……だ、だめ……///」と、そこにぽーんっ…とビーチボールが飛んできた

エウジェニオ「…ふぅ、とんだ邪魔が入ったわね、姉さん?…まぁ、その分……今夜いっぱいしてあげる♪」絡めていた脚をほどくと脱力している姉を優しく浜辺に座らせ、ボールを投げ返した

ベルサリエーレ(ソルダティ級駆逐艦)「…ありがとぉー!よかったらエウジェニオさんも入るー?」

エウジェニオ「ええ、行くわ!…それじゃ姉さん、チャオ♪」ちゅるっ、ちゅっ♪…そのまま呆けているアオスタの口中に舌を差しこみたっぷりとねぶると、軽く手を振って浜の方に上がっていった

アオスタ「はぁ、はぁ、はぁ……んっ♪」くちゅり♪…波打ち際にへたり込み、エウジェニオを思い出しながら水着の上から秘所に指を入れると、甘い声をあげた…


…浜辺・パラソルの下…


…足柄は「気合いを見せる」と意気込み、イタリア艦娘たちと一緒になってビーチバレーに加わっていたが、百合姫提督と龍田はパラソルの下で座っていた。百合姫提督は淡い桃色で腰回りにフリルのついた素直なセパレートの水着、龍田は白い肌によく合う黒のホールターネックのビキニスタイルを身に付けていた


百合姫提督「んー、今日もいい天気。…イタリアだとお風呂に水着がいるって分かってたから、水着を持って来たけど……こうなると正解だったわね?」

龍田「そうねぇ。イタリアの提督さん、それに艦娘たちも結構大胆なのね…」恥ずかしがって夏用ワンピースを着ているリットリオを除き、戦艦たちは大きい胸を惜しげもなくゆさゆさと揺らし、泳ぎやビーチバレーを楽しんでいる

百合姫提督「そうね♪…あ、足柄がブロックしたわ……足柄ー、上手よー♪」軽く手を振ると、足柄も一瞬手を振り返して試合に戻った

龍田「こんなにのんびりしていたら、鈍っちゃいそうねぇ…」

百合姫提督「そう?…きっと龍田なら大丈夫。切れ味は鋭いままだって分かってるわ♪」

龍田「…嬉しいこと言ってくれるわぁ///」

百合姫提督「ふふ…ところで飲み物はいる?」

龍田「そうねぇ…せっかくならいただこうかしらぁ」

百合姫提督「はい♪」コロン♪…と氷の音を立てるグラスにはストローが二本立ててあり、縁には小ぶりなオレンジの輪切りが差してある

龍田「あら、ハイカラねぇ」

百合姫提督「龍田…一緒に飲みましょう?」

龍田「結構、恥ずかしいわねぇ///」顔を近づけて二人でトロピカルフルーツのジュースをすすった

百合姫提督「…ん♪」片手を伸ばすと、龍田と手をつないで指を絡めた…

龍田「…///」白い顔を赤らめて、視線をそらしつつも絡めた指は離さない…二人は「恋人つなぎ」をしたままジュースを飲んだ

百合姫提督「…ちゅぅ…すすっ…すぅー…」

龍田「…すぅー…ずー…」


…からころと氷の音がしてジュースはおしまいになったが、二人は見つめあったまま恋人つなぎを離さない…百合姫提督がストローから唇を離すと、透明な唾液の糸が一本こぼれた…


百合姫提督「…龍田///」

龍田「…提督///」

………

<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/04/17(月) 00:52:11.72 ID:xMnV7ejZ0<> …もうちょっと投下する予定でしたが、その前に結構な問題を見つけてしまいました…

>>29

アブルッツィ級軽巡を「152ミリ連装四基」と間違って書いてますが…正しくは「152ミリ三連装二基、連装二基の背負い式」ですね……ゴメンなさい、提督が何でもしますから… <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/04/17(月) 03:13:44.95 ID:Um5XDfcvo<> 乙 <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/04/18(火) 00:16:38.16 ID:1ffJaiso0<> >>389 グラツィエ…よかった、もう行ったかと思ってたよ <> ◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/04/18(火) 00:58:22.30 ID:1ffJaiso0<> …浜辺…


数人の艦娘たちが興じているビーチバレーは棒きれで線を引いてコートにしているだけの単純なものだったが、十数人がわいわい言いながら見物していた。…ルールは普通だったが、巡洋艦と駆逐艦という風に大小の組を作り、一セットごとに負けたチームのメンバーが入れ替わっていくことにしてあったので、駆逐艦や補助艦艇の面々もちゃんと参加できるようになっていた。試合が終わると艦娘たちは息を切らして天幕の下に行き、ディアナが用意しておいた冷たい飲み物のお世話になり、涼しい風を楽しんだ…


百合姫提督「足柄ー…頑張ってー♪」

足柄「イタリア重巡なんて見かけだけでしょ?…勝利が私を呼んでいるわ!」パラソルの下から手を振っている百合姫提督を見て、紫の競泳水着に身を包んだ足柄は勢いづいていた

ザラ「ふーん…あなどらない方がいいわよ?」ひゅっ…とボールを投げ上げた

足柄「電、来るわよ!」

フォルゴーレ「電は日本の駆逐艦でしょ、私はフォルゴーレ!」

足柄「どっちでもいいわよ…来た!」ぽーんっ…と飛んできたボールを打ち返す

ザラ「へぇ、さすがね♪」

足柄「ふふん、飢えた狼は伊達じゃないのよ!」

レオーネ「…そっちがルピ(雌狼)ならこっちは……レオーネ(ライオン)だ!」金色のたてがみのような髪を振り乱し、小柄な身体で強烈なサーブを放つ

足柄「そっち!」

フォルゴーレ「!?…しまった!」砂にボールが弾み、審判のチェザーレが手を上げた

チェザーレ「試合終了だ!…ザラ、レオーネ組の勝ち!」

足柄「…まぁ仕方ないわ、電もよくやったじゃない」

フォルゴーレ「だから「イナズマ」じゃないの、フォルゴーレだってばぁ!」

足柄「あぁ、悪かったわ…ふぅ。…ちょっとはしゃぎ過ぎたから提督のところに戻るわ」

フォルゴーレ「喉乾いたぁ。休憩…」

チェザーレ「お互い大したものだったな…次のチームは誰かな?」

ディアナ「わたくしたちです」

チェザーレ「おぉ、ディアナか!普段から忙しいのだ、たまにははしゃいでくれ…もう一人は?」

シロッコ「私だよっ!」マエストラーレ級駆逐艦、褐色のシロッコが手を上げた

チェザーレ「おぉ、そうか。では双方、位置に付いて…始め!」ぽん…とボールを放ると試合が始まった

<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/04/18(火) 01:58:53.61 ID:1ffJaiso0<> リベッチオ「シロッコは出来るもの…頑張って!」

パンテーラ「へぇ…なら賭けてみる?」からかうように言った

リベッチオ「むぅ…何がいい?」

パンテーラ「そうねぇ…じゃあキスとか♪」

リベッチオ「いいよ!シロッコが勝つに決まってるもん……こっちが勝ったらキス二回もらうからね!」

パンテーラ「じゃあレオーネには勝ってもらわないと…♪」(ふふ…この勝負、どっちにしても損はないし…♪)

エウジェニオ「その賭け、私も乗るわ…ザラ、レオーネ組にキス二回♪」唐突に近寄って来て言った

リベッチオ「エウジェニオも負けたら私にキスされるんだからね?」

エウジェニオ「そうね、ぜひとも勝ってもらわないと…キスされちゃうわ」(どっちに転んでも得しかしない…パンテーラったら、頭いいわ♪)

アブルッツィ「なになに、何に賭けてるの?とりあえず私も賭けたい…エウジェニオ、勝負しよう?」

エウジェニオ「あら、アブルッツィ。賭けならいいわよ?…ちなみにこの試合でどっちが勝つか、キスを賭けてるの…私はザラ、レオーネ組に」

アブルッツィ「キスね?楽勝♪…じゃあディアナ組にキスを賭けるわ!」

エウジェニオ「決まりね♪」(ふふ、楽しみね♪)


…しばらくして…


ディアナ「ご容赦下さいませ…月光蝶です!」速いサーブを打ち込む

レオーネ「行けるっ……うわ!」脚を取られてひっくり返った…と、ザラがボールを打ち返す

ザラ「私が…貴女を撃つと言ったはずよ!」ひゅっ…と高速の一発が放たれた

シロッコ「くっ…動け、なぜ動かん!」砂で動きが遅れ、そのままボールが砂に跳ね返った…

チェザーレ「試合終了!ザラ、レオーネ組の勝ち!……みんなまだやりたいだろうが、いったん休憩にしよう」日差しが照りつけてくるので、チェザーレはそう言って日陰に向かった…


リベッチオ「負けちゃった…パンテーラ、勝ったんだからキスしていいよ」

パンテーラ「ふふ、ではでは♪」ちゅっ、ちゅぷ…ちゅぅっ♪…柔らかいリベッチオの唇に甘噛みしつつキスをした

リベッチオ「…ふぁ…パンテーラってば…キス、上手だねぇ」

エウジェニオ「リベッチオ、私も勝ったから二回ね♪」

リベッチオ「むー…まぁ負けたんだし仕方ないよね」

エウジェニオ「大丈夫、エウジェニオお姉さんが後悔させないから…あむっ…ちゅぅぅ、ちゅるっ…ちゅぷっ♪」唇を重ねると舌を絡め、ねっとりと甘いキスを浴びせた

リベッチオ「…あぅ…あっ、あっ…ふわぁぁ…♪」キスが終わると砂浜にへたり込み、とろりととろけた目でエウジェニオを見上げた

エウジェニオ「はい、それじゃあ二回目ね♪」ちゅるぅぅ、ちゅぽっ…くちゅ、じゅるぅ♪…すっかり骨抜きになったリベッチオのあごを持ち上げ、上からかがみ込むようにして深いキスを交わした…

リベッチオ「あふ…ぅ…はひぃ…いぃ……よぉ♪」ろれつも回らないほど気持ちよくされ、すっかりとろけた表情をさらしている…

エウジェニオ「ふふ、ごちそうさま…アブルッツィ、次は貴女よ?」

アブルッツィ「分かってる…けど、その…お手柔らかにね?」

エウジェニオ「ええ♪」ちゅぽっ…じゅるじゅるっ♪…ちゅ…ちゅるぅぅぅっ…!

アブルッツィ「はぁ、はぁ、はぁ……はひっ…あへぇぇ……約束…したのにぃ……こんな…激しいの…ぉ♪」

エウジェニオ「約束なんてしてないわ♪…「お手柔らかに」って言われただけで、私はそうするなんて一言も言ってないもの♪」

アブルッツィ「そんなの…ずるい…」荒い息をしながら文句を言う

エウジェニオ「そう、手加減したつもりだったのだけど…それなら本当に気持ちのいいキスをしてあげましょうか♪」

アブルッツィ「い、いや…文句言ってごめんなさい」

エウジェニオ「はい、よろしい♪」唇を指でなぞってから、みだらな微笑を浮かべた

……… <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/04/18(火) 02:03:08.60 ID:1ffJaiso0<> …遅々として進みませんが、今日はこの辺で失礼します…この後潜水艦が着任予定ですから、ますますにぎやかになっていきます。ご期待ください <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/04/19(水) 00:19:57.27 ID:BzcpQ3zN0<> 乙です。宇宙世紀の人が何人かいますね… <> ◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/04/19(水) 00:33:55.72 ID:fm3RmwJp0<> …浜辺・パラソルの下…

百合姫提督「お疲れさまー」

足柄「うー…疲れたわ」慣れないビーチバレーで駆け回った足柄はぐったりと座り込んだ

百合姫提督「はい、どうぞ」…ぽんぽんっ♪

足柄「膝枕?…そんな、悪いわよ」

百合姫提督「…どうぞ?」

足柄「わ、分かったわ…よいしょ」

百合姫提督「どう?」

足柄「ふぅ…すっごくいいわ。動きたくなくなるわね…」

龍田「提督の膝枕は格別だものねぇ」

百合姫提督「ふふ、ありがとうございます…ところで足柄、食べる?」巾着ほどの大きさをした透明なビニール袋をがさがさ探ると、長方形でカラフルなキャンディ状の包みをいくつか取り出した

足柄「ん?…なにかくれるの?」視線を動かして袋を見た

百合姫提督「ええ、信州名物、飯島商店の「みすず飴」…懐かしい感じがして好きなの」味によって数種類の色があるビニールの包みを剥くと、オブラートでコーティングされたグミ状の「飴」をさしだした…

足柄「いただくわ…んむ…んむ……ちゃんと果物の味がして美味しいわね」

百合姫提督「えーと、それは…「さんぽうかん」(三宝柑)ね。…「ぶどう」と「あんず」は色味が違うからよく分かるけど、果汁と水飴、寒天だけで出来てるから「もも」「りんご」はほとんど見分けがつかないのよね」いいながら百合姫提督はビニールを剥き、一つを龍田に差しだし、もう一つは自分でつまんだ…

龍田「美味しいわねぇ…甘いのは大好きよぉ」

百合姫提督「ね♪…遠慮しないで食べて?」

龍田「ふふ、了解♪」

……… <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/04/19(水) 00:37:02.01 ID:fm3RmwJp0<> >>394

感想ありがとうございます…そのうちに霧島あたりが「再び連合艦隊の理想を掲げるため…あ号作戦成就のため…ソロモンよ、私は帰ってきた!!」」とかややるのではないかと… <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/04/19(水) 01:07:39.60 ID:fm3RmwJp0<> …波打ち際…


フレッチャー「イェー!最高じゃない!」横しまの入ったワンピースの水着で思い切り海に駆け込み、ばしゃばしゃと透明な水を楽しんでいる

エンタープライズ「全くね。ところでマームはどんな水着なの……///」水着からはちきれそうな大きい胸をスターズ・アンド・ストライプス(星条旗)柄のビキニスタイルで包み、波を楽しんでいたビッグEは、やって来たミッチャー提督の格好に生唾を飲んだ

ミッチャー提督「おー…きれいな海だねぇ。どうしたの?」

エンタープライズ「オゥ……ウェル」あまりのことに感嘆語しか出ないエンタープライズ

フレッチャー「何?マームの水着はそんなに……ジーザス///」振り向いて真っ赤になりつつ、視線は釘づけのフレッチャー……やって来たミッチャー提督は紅のマイクロビキニ姿で、秘所と乳首以外はほとんど隠れていない…

ミッチャー提督「似合ってないかな?」腰に手を当てると水着が食い込み、秘部のシルエットがくっきりと見える

フレッチャー「///」

エンタープライズ「ノー、マーム…とっても似合ってます///」

ミッチャー提督「オーケイ、そんなら私も混ぜてよね♪」

フレッチャー「う、うん///」

ミッチャー提督「じゃあ、ひと泳ぎさせてもらおう…っと」抜き手を切って泳ぎだした

エンタープライズ「…フレッチャー」横目でミッチャー提督のヒップを舐めまわすように見ている

フレッチャー「なに?」

エンタープライズ「私がマームに襲い掛かったら止めてね」

フレッチャー「あー、あたしの方がマズイかも…鼻血出そう……」

ミッチャー提督「ヘーイ!二人とも泳がないの?…気持ちいいよ?」

エンタープライズ「今行くわー!」

フレッチャー「これ、我慢できるのかな…?」

……… <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/04/19(水) 01:38:38.35 ID:fm3RmwJp0<> …浜辺…


金色に輝く暖かい砂の上、ジャンヌ・ダルクとリシュリューは水着を着て波打ち際に向かっていた。ジャンヌは白いフリルとパレオ付きの清楚なワンピースタイプで、リシュリューは白から淡い灰色のグラデーションが入り、羽飾りと大仰なフリルがついた、エレガントなのかよく分からないビキニスタイルを着ていた。二人に続いているエクレール提督はシートとバスケットを持ち、サイドリボンのある水色のビキニを着ていた…


エクレール提督「ここでいいですわ。…さぁ、二人とも、わたくしに構わず行って楽しんでいらっしゃいな」

リシュリュー「左様で?…まぁ、せっかくですからわたくしめがパラソルを準備いたしましょう」砂に深々とパラソルを突きたてて広げた

ジャンヌ「私もお手伝いいたします」バスケットに入っている必要なものを取り出して置いた

エクレール提督「あら、二人のおかげで手早く準備できましたわ…さ、今度こそ行ってらっしゃい」

リシュリュー「提督はどうなさいますか」

エクレール提督「しばらく日光浴でもさせてもらって…それから海に入りますわ」

リシュリュー「了解しました…ではジャンヌ。参りましょうか」

ジャンヌ「はい、リシュリュー…提督、お待ちしておりますよ♪」

エクレール提督「メルスィ♪」海に歩いて行く二人を見送り日差しが注ぐ砂の上にシートを広げると、しゅるり…と水着を脱いだ。白い端正な身体が陽光にさらされる…

エクレール提督「…あぁ、これですわ♪」一糸まとわぬ姿でシートに寝そべると、大きいタオルを丸めてクッションにして置いた

エクレール提督「コート・ダジュールは手が届きませんが、まさかこんなところで日光浴が出来るとは思っておりませんでしたわ…♪」(※コート・ダジュール。「青の広場」の意。南フランスの高級観光地)

エクレール提督「風も心地いいですし…しばらくこうしていましょう…」海辺の歓声を聞きつつ、のんびりと日光浴を始めた…

………
<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/04/19(水) 01:41:01.14 ID:fm3RmwJp0<> …潜水艦着任まで進めたかったのですが、今日はこの辺で…ちまちまと投下はしていきますのでよかったら見に来てください。それでは… <> ◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/04/19(水) 10:36:15.19 ID:fm3RmwJp0<> …百合姫提督のパラソル…

足柄「それにしても…あれは大胆すぎじゃないかしら」しばらく膝枕をしてもらい、すっかり回復した足柄は起き上がって浜辺で遊ぶ艦娘たちを眺めていた…が、全裸で日光浴をしていたり、トップレスで水をかけ合っている数人を見て、神戸生まれの淑女は眉をひそめた

百合姫提督「ふふ…」

足柄「なに、おかしい?」

百合姫提督「いいえ?…♪〜たーめ息のぉーでーるようなぁー、あなーたーのぉくーちづけにぃー…甘ぁーい恋をゆめーみーるー、おとめぇーごころよぉー…〜」軽く足柄に微笑すると口ずさみ始めた…

足柄「その歌は?」

百合姫提督「63年の大ヒット…姉妹デュエット、ザ・ピーナッツの「恋のヴァカンス」…欧州でも「歌う外交官」カテリーナ・ヴァレンテみたいなスターにカヴァーされたの…今の雰囲気がぴったりだから」パラソルの下で風に吹かれ、足柄にもたれかかりながら言った…

足柄「よかったら聞かせてよ?」

百合姫提督「ええ……♪〜銀色にぃーかがやーくぅー…あーつーいすなーの上でー、はーだーかーで恋をしーよーうぅー、人魚のよーうーにぃー」

龍田「ただいまぁ…あら、提督の歌?」歌の上手い百合姫提督の声を聞こうと、シートに寝そべり肘をついた

百合姫提督「お帰り、龍田…♪日にぃーやけたー頬よーせてー、ささーやいたぁーやくそーくーは、ふーたーりーだけのーひめーごーと、ため息がでーちゃぁーうー…あぁ恋のよーろこーびーにぃ、バラいーろのつーきひーよーおぉー…はーじめてあなたーをみーたー、恋のー、ばーかーんーすぅぅー…〜♪」

足柄「相変わらず歌も上手ね…でもちょっと歌詞が…///」

龍田「提督にそんなこと言われたら……我慢できなくなっちゃうわぁ…///」悶々とした様子の二人を見て、百合姫提督は立ち上がった

百合姫提督「さーてと、泳いでこようっと♪」 <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/04/20(木) 01:03:48.12 ID:PDYsqK3l0<> …午後…

用意してもらったサンドウィッチとコールドチキン、グラスのワインを詰め込んだ提督は、潜水艦到着まで待っていることにした…一応夏季略装を着てパラソルの下に座っているが、制服が砂でちくちくする…横には水着の上から薄手のサマードレスを着たドリアが控え、ライモンも着替えてくれていたが、昼のワインが効いたのかすっかり夢心地でいる…


提督「あら…ライモンってば疲れちゃったみたいね」シートの上で柔らかな寝息を立てているライモンを見て微笑した

ドリア「仕方ありませんよ…提督とずいぶん楽しんでいましたもの」

提督「ふふ、純真で可愛らしかったわ♪」のんびりとした海の様子を眺めている…提督が真っ先に出迎えたいだろうと、先ほどから作戦室にはガリバルディが詰めていて、レーダーコンタクトを無線機で教えてくれている

ドリア「潜水艦の娘は海から来るのですか?」意外そうなドリア

提督「ええ、ヴェネチアから自力で回航してくるそうよ」

ドリア「そうですか、どんな娘なのか楽しみですね?」

提督「ええ、楽しみよ♪」昼の気だるい日差しが照りつけ、ぽっかりと綿雲が浮かんでいる…昼下がりの陽ざしは厳しいので、たいていの艦娘はパラソルの下で休憩か昼寝にいそしみ、元気な数人は起きて潜水艦が到着するのを待っていた…

アントニオット・ウソディマーレ(ナヴィガトリ級駆逐艦)「うーん…新しい仲間が来るのは嬉しいんだけど…潜水艦って言うのは正直複雑かも……」そばに来ていたウソディマーレが肩をすくめた…42年戦没の理由が友軍潜水艦の誤射なのだから無理もない

提督「そうねぇ…今度はそんなこともないだろうし、仲良くしてあげられる?」

ウソディマーレ「うーん…それは会ってみないと何とも…かな」

提督「もし付き合いにくいようだったら、私も考えてみるから…ね?」

ウソディマーレ「分かってるよ、提督…大丈夫だから」

提督「ありがとう♪」…と、無線がざわついた

ガリバルディ「提督、こちらガリバルディ。レーダーに感、南東の沖合十海里です…反応は味方のものですし、来たようですよ?どうぞ」

提督「了解。ありがとう、こっちに戻ってきていいわ…どうぞ」

ガリバルディ「了解。そっちに行きます…通信終わり」

提督「ドリア、ライモン。潜水艦の娘は十海里まで来たそうよ」

ドリア「そうですか…みんなにも伝えてあげたらいかがでしょう?」

提督「そうね。…みんなー、潜水艦の娘はあと一時間くらいで来るわー!」

チェザーレ「おぉ、そうか…一応迎えを出すか?」この辺りではほとんど見かけないとはいえ、深海棲艦が出てこないとも限らない

提督「…お願いできる?」

チェザーレ「もちろん…他に随伴してくれる艦はいるか?」

アオスタ「なら私が行くわ」

エウジェニオ「姉さんが行くなら私も♪」

提督「ありがとう、せっかく休んでいたのに艤装を付けさせちゃって…ちゅっ」優しくごほうびのキスをするとチェザーレは意味深に微笑み、アオスタは顔を赤らめ、エウジェニオは嬉しげに唇を拭った…

チェザーレ「…なら、行ってくるぞ」

提督「行ってらっしゃい」

…一時間後…

ドリア「あれでしょうか?」沖を指差した

提督「きっとそうね…チェザーレたちがいるし」双眼鏡を取り上げて焦点を合わせた

ウソディマーレ「うー…あの黒い影みたいな感じ……やっぱり好きになれないな」

提督「無理しないで下がっていていいわ…ライモン、起きて♪」唇にキスをするとライモンが驚いたように目を覚ました

ライモン「うわ!…寝てしまいましたか、潜水艦の方は?」

提督「そこまで来ているわ…チェザーレたちが直衛してきてくれたの」

ライモン「すみません、寝こけちゃって…」

提督「ふふ、可愛い寝顔だったからいいわ」
<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/04/20(木) 01:21:32.21 ID:PDYsqK3l0<> …潜水艦着任はすぐそこなんですが、今日はこの辺で…ごめんなさい、待たせてばっかりで…… <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/04/21(金) 00:24:11.59 ID:4dtQmm900<> 乙です、楽しみに待ってます <> ◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/04/21(金) 23:33:33.01 ID:MZmmArCH0<> >>403 待たせたな!(大塚明夫風)……少し投下していきますね <> ◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/04/22(土) 00:44:24.66 ID:P3VUMhFV0<> …提督が優しく言っている間にもシルエットは近づいてくる。次第に明らかになってくる姿は流麗で美しい…艤装を解いたチェザーレたちが上陸し、案内するのに続いて潜水艦たちも陸に上がった…バランスがとれた姿にすんなりと長い脚に、灰色と灰緑色の斑点迷彩の競泳水着がぴったりと張りつき、水が滴る長い青灰色や淡い青色の髪を払う姿は優雅だった……毎日美少女と美女にかこまれていてすっかり慣れっこになっていた提督は、数隻の潜水艦が来ても大して変りないだろうと思っていた…が、ここまで綺麗な美少女を見るとは思っていなかった……


提督「まるで…「ヴィーナス、波間より立てり」ね…」浜辺に立って並んだ潜水艦たちに答礼しながらつぶやいた

潜水艦「…グラツィエ、司令官。そこまで言ってもらえるとは思っていませんでした♪」声は鈴のようなきれいなソプラノで、提督の手を取ると薄いがしっとりした唇が近寄り、手の甲にキスをする…

提督「///」片膝をついて手を包み込まれ、優雅にキスされるという甘美な状態に浸りきっている…

ライモン「…提督」小声でささやいた

提督「こほん…まずはつつがない到着に安堵しています。ここの司令官、フランチェスカ・カンピオーニ少将です…こちらは戦艦アンドレア・ドリア、こちらは軽巡ライモンド・モンテクッコリ。…よかったら自己紹介をお願いね」

潜水艦「はい、では…ヴェネチア第三鎮守府から転属してまいりました中型潜水艦フルット(波)級、ネームシップのフルットです。戦時の建艦ではありましたが、優秀だったと言われておりました……こんどこそ、この波で勝利を」…優雅に波打つ長髪は白と淡い水色のウェーブがかかったものだったが、たしかに波のように見える。「フルット」という言葉も優雅な言い回しで美しい

潜水艦「同じくフルット級、二番艦のゴルゴ(渦)です。…敵をこの渦に巻き込んでみせます」頭のてっぺんから斜めに耳の周りにかけて、羊の角のように巻いた白い髪の房が渦潮に見える…声は思っていたより低く、視線も結構鋭い…

潜水艦「同じく三番艦、マレア(潮)です。提督にとって上げ潮になりますように♪」紅い星が付いているのは戦後ソ連に引き渡され、訓練や研究に使われたからだろうか…淡い水色の髪は編んであって、貴婦人風に頭に巻きつけてある

潜水艦「同じく四番艦、ムレーナ(ウツボ)だ。…ふふ、敵艦くらい噛みちぎってみせるさ」こちらは黄土色と茶色のグラデーションをした髪を尾ひれのように長く伸ばし、それが脚に絡みついている。戦中ドイツ潜と没したためか、美しい中にも恐ろしい雰囲気を漂わせていて、まさに「海のギャング」にふさわしい…

潜水艦「同じく五番艦、ナウティロ(オウム貝)です。戦中はドイツの手に落ち大破しましたが、戦後ユーゴスラヴィアに引き上げられて「サヴァ」になりました。…そんなに深くは潜れませんし、各国に同じ名前の艦がいますが、大事にしてくれたらうれしいです♪」しっとりと落ち着いた口調で、大きなオウム貝の殻を頭に乗せ、白と赤の房が交じった髪を伸ばしている


<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/04/22(土) 01:35:50.97 ID:P3VUMhFV0<> >>405修正 「ドイツ潜として」です、フルット級の自沈艦はたいていヴェネチアで敗戦を迎え自沈、ドイツの手で引き上げられ、ドイツ潜となりました

………


潜水艦「同じくフルット級六番艦、スパリーデ(sparide。意味は検索しても出ないが鯛のことか)です。ムレーナ、ナウティロと同じようにドイツ潜となりましたが、また三色旗を掲げられて嬉しい限りです」淡い桃色と銀の髪は鯛のような色合いで、陽光にきらりときらめく…地味な迷彩の水着と対照的で、髪には艦橋後部の手すりらしい飾りが付いている…

潜水艦「同じくフルット級七番艦、トリトーネ。海神の名は伊達じゃないわ」トリトーネ(トリトン、あるいはトライトゥン。ギリシャ・ローマ神話で三つ又鉾を持つ海の神。英語では「ほら貝」の意味も)の名にふさわしく、長い三つ又矛を持ち、競泳水着風の艤装に長いパレオが付いているのは古代の格好を模しているらしい。青い目がじっと提督を見つめ、長く波打つ青灰色の髪がぽたりと水を垂らす…

潜水艦「同じく八番艦、ヴォルティーチェ(渦)です。「ゴルゴ」も渦だけど、ちょっと意味が違うのでよろしく。戦後も48年までは在籍していましたが、また海に出られるのはいいものですね…よろしく、提督さん」ヴォルティーチェ(英語ではヴォーテックス。渦、渦動の意)はゴルゴと違って渦巻いている髪の房が青く、額にはイタリア軍の五陵星がティアラのようにつけてある

あいさつが終わると、周囲からは「わー!」と歓迎の拍手が起き、フルットたちは一礼した。…ぴったりした水着風艤装のおかげできゅっと引き締まった胸やヒップ、腰の滑らかなラインがはっきりと見え、提督は生唾をのんだ…


提督「あー、えーと……こちらこそよろしくね♪…事前の話だと二人が来るくらいだと思っていたんだけど、まさかこんなにたくさん、しかもフルット級みたいな優秀な娘が来てくれるとは思っていませんでした…ここはあんまり出撃もないし、鎮守府の生活を楽しんでもらえたら嬉しいわ」

ドリア「私が秘書艦を受け持っていますが、チェザーレと軽巡ライモンド、ガリバルディも鎮守府は詳しいですから、提督以外にも気軽に相談してくださいね♪」

フルット「はい、感謝します…アンドレア・ドリアさま」

ドリア「あの、もっと気軽にドリアで構いませんよ…そんな風に言われるとくすぐったいですから///」

フルット「わかりました、ドリアさん」きらめく瞳に、潜水艦という地味な艦種とは思えないほどの魅力的な姿で軽く会釈した…

ドリア「はい。よろしくお願いしますね…フルット///」清楚にして流麗な艦名が艦娘としての姿にも影響しているのか、「可愛い」タイプが多い鎮守府の中で「美しい」艦娘のフルット級は新鮮で、あてられたらしいドリアは頬を赤らめて返事をした…
<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/04/22(土) 02:12:00.78 ID:P3VUMhFV0<> では、ついに到着した艦娘紹介を…


潜水艦…フルット級。1942〜43年生まれ。計画十二隻(うち完成八隻)。

戦前計画の中型潜水艦バリラ級、その後継艦(本来ポルトガル海軍向けでキャンセルされた)アルゴ級を下敷きにした改正型。
(基準)排水量930(水上)/1093(水中)トンとドイツZC型より一回り大きい。ディーゼル二基(2400馬力)と電動機(800馬力)で16ノット/8ノットと速度は標準的。
武装は533ミリ魚雷発射管四門(艦首)/二門(艦尾)、100ミリ単装砲一門(艦橋前部)、20ミリ機銃二基と武装も標準的。これも優秀だった「アルゴ級」の性能向上型としたため、戦時建造ながら潜航速度が30秒とイタリア潜では最も早く、運動性もよく高く評価されている。
戦前のイタリア潜と違って司令塔のデザインはドイツZC型に似た暴露型(司令塔の上に窓付きの囲いがない。吹きさらしだが視界は良くなる)になっている。

好成績だったため後継艦のフルットU級(24隻)も計画されたが敗戦で中止。艦そのものは悪くなかったがイタリアがレーダー、ソナー、潜望鏡用照準器等に遅れをとっていたため、乗員の勇敢さを最後まで活かしきれなかった。ムレナ、グロンゴには胴体外側に人間魚雷(水中スクーター)の格納筒が装備された。未成艦はチェルニア(魚のハタ)、デンティーチェ(レンコダイ。黄鯛)、グロンゴ(アナゴ)、スピゴラ(スズキ)と命名の予定だった


イタリア海軍が戦中までに量産した最後の中型潜水艦で優秀艦 <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/04/22(土) 02:19:13.77 ID:P3VUMhFV0<> …補足…

フルットなどの言い方は同じ「波」でも優雅な言い方らしい。艦娘としては雲形の斑点迷彩の競泳水着風(の艤装)に、頭に載せた艦橋と後部手すりが飾り物に見える端正な美少女。


…とりあえずこの辺で止めます。潜水艦は多い上に、これだけ書くのでも死ぬほど疲れたので… <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/04/23(日) 00:38:50.34 ID:qETo6rra0<> 祝「艦これ」四周年だそうですね。色々意見があるかも知れませんが、これで軍艦史や歴史を学ぶ機会になればいいですね…なによりイタリア艦に少しでも日が当たったのが喜ばしいことです、アクィラとかリットリオなんて艦名はちょっと前まで通じませんでしたから…

では少し投下していきます <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/04/23(日) 02:39:57.88 ID:qETo6rra0<> …夜…

歓迎のパーティは週末にやることにして、提督たちはごく普通に夕食を終えた。せっかくなので食後はリットリオとフルットたちを近くに呼んで、さまざまなことを話しながらをカクテルをゆっくりと傾けた…リットリオの歓迎の時に古い家具をバラして仮設したカクテル・バーは好評だったので、提督はポーラとソルダティ級第一グループの駆逐艦ジェニエーレ(工兵)に手伝ってもらい、厨房の脇にお洒落なカウンターを作っていた…


提督「なるほど…ヴェネチアは意外と大変だったのね」

フルット「ええ、ダルマチア諸島での哨戒に深海側の迎撃と多忙でした…おかげでずいぶん活躍させてもらいましたが」丈の高いスツールに斜めに腰掛け、深いスリットの入った白いカクテルドレスを着ている…カクテルは青色が美しいロング・ドリンクの「チャイナ・ブルー」で、上を向くとグラスに乗っているマラスキーノ・チェリー(リキュールあるいはシロップ漬けのチェリー。パフェなどに乗っている真っ赤なアレ)をつまんだ

提督「そう、ここはそんなに忙しくならないはずよ…///」見ないようにと思いつつもフルットの滑らかな脚がすらりと伸びていて、ヒップの丸いラインまでスリットから見えそうになる…提督はカルーア・ミルクをちびちびすすりながら言った

ムレーナ「何だよ…活躍できると思ってたのに」艦名の「ウツボ」にふさわしく、美しいが荒っぽくもあるムレーナはひとくさりぼやき、ドライ・マルティーニをあおった…飲み干してからピック(楊枝)にさしたオリーブを食べると、グラスを差しだした

ムレーナ「うまい♪…今度はスクリュードライバーで」油田作業員がドライバーでステアして飲んだという、ウォッカ・ベースのカクテルを頼む

ポーラ「はぁーい、ポーラはぁ…カクテルも得意なのですぅー…ひっく♪」胸をはだけ、艶めいた姿でカクテルを作るポーラ…見ていると夕食でワインを一本近く空け、バーが「開店」すると自分用に二、三杯のカクテルを作って飲み、頼まれたものをステアしたり、シェイクしたりする間にもちょくちょく味見をしていた…カクテルをもらいに来た艦娘は十数人いて、中にはお代わりを頼む艦娘もいたので、ひと舐めづつでも数杯分は入っているはずだった…

提督「ちょっと、ポーラ?」

ポーラ「えへへぇ…提督さんもおかわりですかぁ〜?」

提督「…飲み過ぎよ、ポーラ。ここは私が代わってあげるから、そろそろ部屋に戻ったら?」

ポーラ「むぅ…ポーラはぁ〜、酔ってなんかいません…よぉ♪…美味しいお酒を飲むのにぃ〜…酔ってたらちゃんと味わえないですからぁ〜…ひっ…く♪」

ムレーナ「どう見ても酔ってるだろ?」褐色と金の瞳で呆れたようにポーラを見た。着ているのは胸元でしばって留めた軽いシャツに綿の短パン、サンダルと、夏のヨット遊びみたいな恰好でいる…当人は気づいていないし気にもしていないが、提督からはシャツの下から締まったいい形の乳房がのぞいて見える…

<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/04/23(日) 20:24:16.56 ID:qETo6rra0<> …また今夜あたり投下しに来ます、お待ちください… <> ◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/04/24(月) 00:46:47.35 ID:Onl0mcH70<> 提督「あー…誰か、私と一緒にポーラを運んでくれない?」スツールを降りるとカウンターに回り、ポーラの腕を首にかけさせた…

ポーラ「提督ぅ〜…ポーラはぁ、酔ってないのぉー」振りほどこうと抵抗する

提督「うわ、力が強い…///」ばたばたと可愛らしく暴れるたびにポーラのずっしりした胸が当たる…と、ひょいとポーラが引き離された

チェザーレ「全く、仕方ないお嬢さんだな…部屋に戻るぞ」簡単にお姫様抱っこにして持ち上げた

ポーラ「嫌ですぅ〜、ポーラは酔ってないです〜…」

チェザーレ「…戻るぞ。提督、悪いがドアを開けてくれるか?」

提督「はいはい…さすがね、チェザーレ」大きなドアを押さえて、チェザーレが出るのを待った

チェザーレ「まあな…さ、行こうか」

提督「ええ」


…コツ、コツ、コツッと廊下をザラ級の部屋に向かう。提督が小走りにならないよう、歩幅を合わせてゆっくり歩くチェザーレ

ポーラ「えへへぇ…チェザーレはとっても大きいですねぇ〜♪」ポーラはチェザーレの首に手を回してつかまり、胸に顔をうずめて喜んでいる

提督「…うらやましい」

チェザーレ「…聞こえてるいるぞ?」

提督「…冗談よ?」

チェザーレ「そうか?……本気でもいいのだがな」小声でつぶやいた

提督「///」

ポーラ「二人ともぉ〜、お熱いですねぇ〜♪」

チェザーレ「確かに提督を抱きたくて仕方ないが…まずはそなたを送り届けてからだな」

提督「…チェザーレ///」


…ザラ級の部屋…

提督「ザラ、いる?」ノックした

ゴリツィア「提督!今開けます…姉さんたちはお風呂です、私は後で行こうと…あ、チェザーレさんもこんばんは…って、ポーラ姉さん?」

チェザーレ「うむ…ゴリツィア、このリキュールでいっぱいのイレデンタ(未回収地)をどうにかしてくれ」ベッドに案内させると冗談めかして言いながらポーラを降ろした…

ゴリツィア「あぁ、はい!…ポーラ姉さん、酔っているみたいだし今日はもう止めましょう?」

ポーラ「もぉ、酔ってないです〜…ザラ姉さーん…あれぇ〜、ザラ姉さんはぁ?」

ゴリツィア「いまお風呂ですよ、ポーラ姉さん」

ポーラ「おー…ゴリツィアがいた〜♪…じゃあ、一緒に飲もう〜!」ごそごそやっていたかと思うと、どこからかワインの瓶を取り出した

提督「もう…いい加減にしておきなさい?」瓶を取り上げてベッドに寝かせた

ポーラ「あーっ、ポーラのぉ…返して下さい〜」

提督「駄目よ。…ほら、お休みのキスしてあげるから♪」ちゅっ…と額にキスをすると瓶を小型ワインセラーに戻した

ポーラ「むぅ〜、今日はキスしてもらったから言うこと聞きます〜…お休みなさぁい♪」ゴリツィアに手伝ってもらいながら服を脱ぎ、そのままタオルケットに潜りこんだ…

提督「はぁ…」部屋をでてドアを閉めると廊下の壁にもたれて息をついた…ポーラを担ごうとしたりして暑かったので紅潮した頬を手で扇いだ…外は月が綺麗で、銀紙のように海がきらめいている…

チェザーレ「提督も大変だな」

提督「いいえ、楽しいから平気…だけどみんな力があるからそういう意味では大変かもしれないわ」窓の外を眺めつつ、緩やかに歩きながら言った…

<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/04/24(月) 01:46:03.77 ID:Onl0mcH70<> チェザーレ「そういえば、提督…」半歩後ろに付いて歩いていたチェザーレが思い出したように声をあげた

提督「んー?」

チェザーレ「今夜はルナ(月)が見事だな…どうだ、少し夜風に当たらないか?」

提督「いいわね。今夜は月も緑色がかっていて、綺麗だし…♪」廊下の窓を開け放ち、ベランダに出た…外は月夜と波の照り返しの輝く絶景で、ほどよい夜風が提督の髪を撫で、提督の肌が月光でほのかに光って見える…

提督「あぁ、なんて涼しい空気♪…夜風が気持ちいいわ」髪をなびかせてうっとりと目をつぶった

チェザーレ「…提督」

提督「どうしたの?」

チェザーレ「月光は人をおかしくするというが、本当のようだな…」腰に手を回すと、提督をくるりと半回転させた。そのまま唇を重ねると提督の金色の瞳が驚いたように開き…そっと閉じられた

チェザーレ「…む…んん…ちゅっ…ちゅるっ…」

提督「んっ…ちゅっ……ちゅるっ…ちゅ…♪」一旦唇を離すと目を開け、タンゴのように身体をのけぞらせた…

チェザーレ「すまないが…もう我慢できそうにない///」もどかしげに提督のナイトドレスの裾をつかむとたくし上げ、壁に押し付けて秘所を重ねた…

提督「あっ♪…チェザーレ…私のこと、好きにして?……大好きだから///」早くも濡れはじめた秘所を重ね合わせ、腕を曲げて両手を上げるようにしながらささやいた…

チェザーレ「そうか…提督のように綺麗な女性に「好きにして」などと言われると……こらえきれないな」くちゅ…くちゅっ♪…片足立ちでふとももを開かせ、間に割り込むようにした…

提督「あっ、あっ、あぁっ♪…チェザーレの…熱い…熱いの…ぉ♪」壁に押し付けられて甘く性急に責めたてられ、提督はねだるような喘ぎ声を上げた

チェザーレ「チェザーレも…だ///……提督のここは熱くて…とろっとしていて……火傷しそうだ♪」

提督「ひぅ…んぁぁ…いいの……ぉ…チェザーレ…ここ……もっと…ぉ…♪」

チェザーレ「すまないな……ふぅ…こういうことは…あまり経験がないから…な……ふっ…ん」最初こそ少々ぎこちなかったが、軍事の天才チェザーレの名を冠しただけあり、あっという間に提督の弱点をつかみ的確に責め始めた…

提督「あぁぁぁっ!…ひぐっ、いくぅぅっ…チェザーレ…そこ…いいのぉっ♪」一度果てて、今度は壁に手を付けさせられると下半身を抱えられるようにして責めたてられた

チェザーレ「これは…たまらないな…っ♪…ドリアやライモンドが夢中になるのも……分かる…♪」…くちゅっ、ぐちゅ、ぐちゅっ♪

提督「せっかく二人きりなんだから…あぁぁっ、いいっ!…他の娘…の…名前は……んんっ…出さないで……今の私は…あぁぁっ♪…チェザーレだけの…もの…だから…」ナイトドレスを腰までめくりあげられ、壁に両手を付けさせられたままで言った…

チェザーレ「あぁ……そう言われると…どんな勝利よりも満足するな…っ♪」

提督「あ゛ぁぁっっ…激しいっ♪…そこ…ぉ、いいのぉ……あぁぁっ、イくぅぅっ…イってるのぉぉっ♪」下半身を夜風にさらし、とろとろと蜜を垂らしながらだらしない表情を浮かべ叫んだ…

チェザーレ「そのみだらな顔……もっと、チェザーレに見せてくれ♪」

提督「あんっ……あっ、あっ、あふっ……あっ、あ゛ぁぁぁっ♪」チェザーレのむっちりしたふとももにぶしゃぁぁ…と蜜をぶちまけ、気が抜けたような声で絶頂した…


……… <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/04/24(月) 02:11:36.28 ID:Onl0mcH70<> …食堂…

提督「…今戻ったわ///」


提督はバーカウンターのスツールに腰かけると、氷の解けかけたカルーア・ミルクを一気に飲み干した…白の薄いナイトドレスには愛蜜の染みが垂れていて、一緒に戻ったチェザーレは少し気恥ずかしそうながらも満足げにワインを傾けている……テーブルでカクテルを楽しみつつも、大人の女性であるドリアとカヴールは察したらしく、提督とチェザーレに意味深な笑みを浮かべながら、頬を紅潮させ、濡れた花芯を疼かせている提督を見て舌なめずりしそうな様子だった。一方リットリオは熱でもあるのかと心配そうな視線をちらちら送ってきたが、すっかりとろけて雌の顔になっている提督の表情に理由は分からないがどきどきしているようだった…


ミッチャー提督「お帰り…ところでカクテルを頼んでいいかな?」スツールに座ってカウンターに肘を突いている

提督「え、ええ…何が飲みたいの?」濡れた場所を隠すように脚を挟み込むようにしてカウンターに立った

ミッチャー提督「そうねぇ…じゃあ「セックス・オン・ザ・ビーチ」で♪」

提督「…分かってて言ってるの?」

ミッチャー提督「何のことかしらねぇ?…普通に飲みたくなっただけなんだけど?」にやにやと半笑いを浮かべながら出来上がったカクテルを勢いよく飲んだ

提督「飲むのが速いのね…他にある?」

ミッチャー提督「いいわね…それじゃあ、「ビトウィーン・ザ・シーツ」(シーツの狭間)をお願い」…また意味深なカクテルを頼みつつ笑いかけてくる

<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/04/24(月) 02:15:24.58 ID:Onl0mcH70<> …今日はこの辺で止めますね…チェザーレと夜戦する予定はなかったのに、どうしてこうなった……しばらくは建造と開発に明け暮れつつ潜水艦と補助艦艇の紹介をしていこうと思いますが、その間提督や艦娘たちがいちゃつくこともあると思います… <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/04/24(月) 23:56:11.33 ID:pmTZ6tNno<> 良いぞ良いぞ <> ◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/04/25(火) 01:42:28.91 ID:QIGIMnRB0<> 提督「…」

ミッチャー提督「どうしたの?」

提督「…何でもないわ」カクテルを作って出した…と、奥の方のテーブルできゃあきゃあいう嬌声が聞こえてきた

提督「いったいどうしたのかしら……って、ちょっと!?」カウンターから身をのりだして様子を見ると、慌てて騒いでいるテーブルに向かって小走りで駆け出した…

ミッチャー提督「あらまぁ…♪」スツールで身体を捻じると騒ぎの原因を見て愉快そうに笑い出した

エンタープライズ「?…あぁ、なるほど。…マームもいつだったかあんなことしたわね」苦笑いしながらジン・フィズをすすった

フレッチャー「うわ…」新造された40年代の道徳観を残しつつも、興味深々のフレッチャーは真っ赤になりつつもこっそり凝視している…


…提督が向かった中央あたりのテーブルでは、出来上がっている十人あまりが嬌声を上げながらふざけていた…テーブルの上では褐色のマエストラーレ級駆逐艦グレカーレとリベッチオがすっかり出来上がって、アラビア音楽のレコードをかけながら物憂げに身体をくねらせつつ、着ているものを脱ぎだしていた…周りのコンドッティエーリ(Condottieri…傭兵隊長)型軽巡や駆逐艦たちも止めるどころかはやし立てている…


提督「ちょ、ちょっと待って…///」割って入ろうとするが周囲に「観客」が固まっていてうまく入り込めない…

コレオーニ「あははっ、リベッチオ可愛いよー!」

リベッチオ「本当!?…ならサービスしちゃおうかなぁー♪」…するりとしま模様の下着を脱いで放った

エウジェニオ「うふふっ…最高♪」魅力的な笑みを浮かべつつ、グレカーレが脱いだらしい桃色のブラジャーを片手にしてワインをあおっている

バンデ・ネーレ「おぉー♪…グレカーレのも見たいなぁー!」

グレカーレ「仕方ないなぁ、行くよー?」じらしつつ裾をめくりあげる…

ニコロ・ツェーノ(ナヴィガトリ級駆逐艦)「いいよぉー!」

エマニュエーレ・ペッサーノ(ナヴィガトリ級)「もう、じらさないでよ♪」

提督「こらこら!いくら何でもだめで…しょ…///」ようやく周囲をかき分けてやって来ると、テーブルの上に乗った二人を見上げ叱ろうとして…褐色の艶やかなふとももと、その奥からのぞきそうな影に生唾を飲んだ…

リベッチオ「おー?提督もリベッチオのここ…見てみたいのかなぁー?」笑いながらスカートをまくろうとする…

提督「わーっ、駄目!…いくら楽しくしているからってやり過ぎよ、みんなもはやし立てない!」

グレカーレ「だってみんな喜んでるよ…ほら?」周囲の艦娘たちはわーわーはやし立て、「提督も脱いでー♪」と不穏な声も聞こえてくる

提督「それとこれとは別よ!…だいたい、素足だからってテーブルに乗っちゃ駄目でしょう!」

リベッチオ「うーん…それはそうだよね、じゃあ降りよっか♪」妙な理由だったが納得して、不満の声が響く中あっさりとテーブルから降りようとした

提督「じゃあ、ほら…支えてあげるから」

リベッチオ「提督は優しいねっ…よいしょ♪」ひょいと飛び降り、提督は両手で腰をつかんだ…が、リベッチオの勢いが良かったのでつかみ損ね、ぴちっと張りのあるヒップを支える形になった…

リベッチオ「もう、提督のえっち♪」まんざらでもない顔をしてわざと言った

提督「あっ…ごめんね///」(…すっごい瑞々しい///)

バルビアーノ「あー、提督だけずるいわ!」

バンデ・ネーレ「私だって触りたいのにぃ♪」

グレカーレ「よーしっ…じゃあみんな、抱きしめて、銀河の果てまでぇー♪」

ジュッサーノ「いいわよ、おいでっ♪」

エウジェニオ「うふふっ♪ほーら、お姉さんが抱きしめてあげる…♪」

アブルッツィ「こっちにおいで♪」

提督「駄目だってば!…お願いだからグレカーレ、普通に降りてちょうだい」

グレカーレ「えー?」

提督「もう、「えー」じゃないの…ほら、ちゃんと服も着て?」


…ブーイングが起きる中グレカーレを受け止めるとそっと降ろしてやり、それから周囲の艦娘たちの方を向き、腰に手を当てた…

<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/04/25(火) 02:30:17.73 ID:QIGIMnRB0<> 提督「だいたい、いくら楽しいからって駆逐艦の娘にこんなことさせちゃ駄目でしょう」

エウジェニオ「ミラベロ級を手籠めにした提督に言われても納得できないわ…♪」

提督「失礼ね、手籠めになんてしてないわ。むしろ合意の上だったもの……可愛かったし///…とにかく、人に見えるようなところでそういうことはしないの!」

ジュッサーノ「ふーん…じゃあ提督、この間大浴場でエウジェニオと何してたのかしら?」

提督「何って……あ、愛し合ってました///」

コレオーニ「…たった今、ボクの耳には「見える所でしない」って聞こえたような気がしたんだけどな?」

バンデ・ネーレ「奇遇ね、私にもそう聞こえた♪」

提督「だって…見えてはいなかったから」

エウジェニオ「ふふっ、あの可愛い喘ぎ声はしっかり聞こえていたみたいだけど♪」

提督「とにかく、駆逐艦の娘は小さいんだから…あんまりそういうことをさせちゃ駄目でしょう」

リベッチオ「リベッチオは34年生まれだけどなー…41年戦没だけどね……」

提督「あっ…ごめんなさい、リベッチオ……って、そこじゃないの。実年齢じゃなくて、外見相応の話。憲兵が来たら捕まるのは私なんだから」

バルビアーノ「憲兵なんかいないから平気でしょ?…それにボクたちが守ってあげるよ」

提督「ありがとう、バルビアーノ……って、違うの。……あんまり疲れさせないで」

エウジェニオ「じゃあ、お疲れの提督を癒してあげる♪……ほら、私の胸に飛び込んで…?」

提督「エウジェニオ…///」

エウジェニオ「いいのよ…遠慮しないで?」吸いこまれそうな瞳がきらりと輝く…

提督「嬉しいわ……じゃなくて。とにかく、以後食堂でストリップは禁止よ」

グレカーレ「そんなに私たちは貧相な身体かなぁ…」

提督「あぁ、落ち込まないで…むしろグレカーレたちが魅力的すぎるからよ?…それにね「深窓の令嬢」って言うくらいで、美人はあんまり露骨にしないものよ…ね?」

グレカーレ「そっかぁ、「深窓の令嬢」かぁ…じゃあエウジェニオは?美人だけど全然隠してないよね?」

エウジェニオ「あら、「美人」だなんて♪…グレカーレ、後で私のお部屋に来て?…ごほうびをあげる♪」

提督「あれは……ほら、ギリシャ帰りだから」

グレカーレ「あぁー…なるほど」

提督「とにかく、これ以上大騒ぎしないこと。…はい、解散!」 <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/04/25(火) 11:21:45.93 ID:QIGIMnRB0<> …夜・寝室…

提督「あー…色々疲れた」

ドリア「お疲れさまでした、お休みになりますか?」

提督「ええ…もう動きたくないもの」ぱさっ…とナイトドレスを椅子の背にかけると、肌触りのいいふわふわのタオルケットにもぐりこんだ…

ドリア「それでは…灯りを消しますね♪」部屋の灯りを切ると、服を脱いでドリアが入ってきた

提督「今日はもう寝るわよ?」

ドリア「ええ、いいんです…提督のぬくもりが欲しいだけなので」そっと腕を絡めて、優しく頬にキスをした…

提督「…いい夢が見られそうね、お休み♪」ドリアに慈愛あふれる笑みを向けた…

………


…翌日・午前中…


提督「そう言えば、工作室で開発と建造ができるようになったのよね?」朝食を終え、執務室でリットリオ建造とフルット級潜水艦着任の報告書を書き終えると、ドリアに向かって言った

ドリア「ええ、できますよ」

提督「せっかくだから開発してみましょうか」

ドリア「それもいいですね、ぜひやってみましょう♪」

提督「決まりね」


…工作室前…


…工作室の入口には、「提督が目新しい事をする」と聞いてやって来た何人かの艦娘たちと、開発で何ができるかが気になる各国の提督たちが集まっていた。提督は綺麗な群青色のタロットのようなカードと図鑑を取り上げると、この間リットリオを呼んだ時のようにパッとカードを投げ上げた…


ミッチャー提督「へぇ…イタリアさんはこんな具合にできるものが分かるんだねぇ」

百合姫提督「うちはこんなにお洒落じゃないわ…なんだか魔術師みたい♪」

エクレール提督「何でも直感ばかりのイタリアらしいですわ、理論も理屈もあったものじゃありませんわ!」

提督「さてと、何が出るかしら…」タロットのような青いカードを見ると、よく見る対空機銃の絵が浮き出ていた…

ドリア「どうですか、提督?…あら、これは20/65ブレダ1940・20ミリ連装対空機銃ですね」(※「20/65」は口径、「ブレダ」はイタリア有数の小型火砲・機銃メーカー「ブレダ」社、「1940」は年号…20ミリ65口径・ブレダ製モデル1940)

提督「やったわね…って言っても、みんな装備はあるのに開発してどうするのかしら?」

ドリア「損傷を受けると装備が破壊されてしまいますし、戦時に行った対空火器増強仕様などに改正するときに使えますよ?」

提督「なるほど…資材は貯めてあった分がたっぷりあるし、もうちょっと開発してみましょうか」

ドリア「いいんじゃないでしょうか…カドルナたちはまだ水偵がカント25AR飛行艇で、メリジオナリRo43になっていないので、ぜひ開発してあげて下さい♪」

提督「了解…って言っても、私のさじ加減では決まらないみたいだから「頑張ってみる」としか言えないわ」

フルット「頑張って下さい、提督」

ザラ「提督、頑張ってね♪」

百合姫提督「私も応援しているわ」

提督「みんなありがとう…じゃあ、行くわよ……ドロー!」

ライモン「うまく行きました?」入り口からのぞきこむようにして言った

提督「…あー、水偵は出なかったわ」

ドリア「そうですか?…まぁ、これは9.0/50アンサルド・OTO1938/39対空砲ですね。私とデュイリオ、リットリオ級の対空砲です」

提督「そうね、しゃれたデザインだしすぐ分かったわ…でもカドルナたちに水偵を出してあげたいのよね」

ドリア「頑張りましょう…さぁ、もう一回♪」

提督「えぇ、……はい、どうかしら?」

ドリア「うーん…飛行機ではあるのですが……」

提督「どれどれ…レジアーネRe2001艦載型?」出てきたのはヴェルデ・オリーヴァ(オリーヴ・グリーン)に塗られた戦闘機、レジアーネRe2001「アリエテ」(※「牡羊」の意…ギリシャ・ローマ神話の「金の毛をした羊」や牡羊座にあやかって名付けられ、ガリアやブリタニアを震撼させたローマ帝国の破城槌(はじょうつい)「アリエテ」からとったネーミング)で、艦載型らしく着艦フックが付いている…
<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/04/25(火) 12:07:57.59 ID:QIGIMnRB0<> 提督「実機はとうとう完成しなかったけど、こうしてまた作り出せるって言うのは感慨深いわね…」

ドリア「そうですね…さぁ、もうちょっとだけやってみましょう?」

ライモン「フォルツァ(頑張れ)、提督♪」

提督「ええ…来て…っ!」

ドリア「どうですか?」

提督「あー…まぁ、そううまくは行かないものよ」手にしたカードには触角の付いた機雷が描かれている…

ドリア「T200、潜水艦敷設用機雷…ですか」

提督「民間航路もあるのに攻勢機雷原なんか作れる訳ないわよね…ふー……」
(※攻勢的機雷原…港などへの侵入を防ぐ機雷原と違い、敵艦の通りそうなところに機雷を仕掛け航行を妨害するもの。イタリアは19世紀末から機雷の研究を熱心に行い、エリア大佐の考案した係維機雷「エリア機雷」は日本など世界各国も参考にした。第二次大戦も54000個余りの機雷をシチリア海峡に敷設して回り、戦果も挙げている)

ドリア「そうですね…一旦休憩にでもします?」

提督「そうね…待機室がすぐそこだから、そこで休憩しましょうか」

ドリア「はい。…みなさんも一緒にお茶でもどうですか?」

ライモン「あ、ならお湯を沸かしてきます」

百合姫提督「私はお菓子を取って来るわ」

ミッチャー提督「ならお皿でも並べておこうか?」

提督「ありがとう♪」

エクレール提督「…わたくしが紅茶を提供してあげてもいいですわ」

提督「いいの?」

エクレール提督「交流のため…し、仕方なくです。別に貴女のためではありませんわ」そう言いつつちらちらと視線を向けてきて、何か言って欲しそうにしている…

提督「…グラツィエ♪」ちゅっ、ちゅるっ♪…エクレール提督をぎゅっと抱きしめると舌を絡め、ねちっこく甘ったるいキスを浴びせた

エクレール提督「…んんっ!?…ん…んん…っ……あっ、あっ、あふ…ぅ♪」キスを浴びせられただけであっさりとトロ顔をさらし、内またになってへたり込んだ…

提督「うふふっ…可愛い♪」

エクレール提督「いきなり…何て…こと……するんです…の?…立てなく…なってしまう…じゃ……ありませんか///」

フルット「…あの、提督」

提督「なぁに?フルット」

フルット「素晴らしいですね……いい波です♪」

提督「…フルット、百合は好き?」

フルット「はい♪…しかし、フランスの提督がこうしてへたり込んでいるのを見ると……その…ぞくぞくしますね♪」

提督「普段お高く止まっているだけになおのことね……もっとも、もうすっかり調教されちゃってるのだけど♪」

フルット「まぁ♪」

エクレール提督「それは…言わないで下さい……ませ///」

提督「うふふっ…さ、お茶を飲みに行きましょう?」

フルット「提督は焦らすのもお上手なのですね♪」

提督「さぁ…何の事かしら♪」

<> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/04/25(火) 16:11:04.07 ID:8SVGg8QDo<> 艦これ脳だとマエストラーレ級駆逐艦のストリップなんて事案以外の何者でもない危険度と認識しました(いいぞもっとやれ
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/04/25(火) 18:00:18.69 ID:4q7aKGOf0<> 百合姫提督に耳掻きされてイッちゃうフランチェスカ提督が見たいです <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/04/26(水) 00:46:07.07 ID:qR2TuHzp0<> >>421 ここには憲兵やカラビニエーリはいないのである程度は…

>>422 欧州は耳かきしないそうですしね…リクエストに加えておきます


…ちょっぴり投下しますよ <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/04/26(水) 01:36:03.99 ID:qR2TuHzp0<> …待機室…


…待機室は本来警戒待機組の部屋だが、穏やかなこの鎮守府に出撃要請があるわけでもなく、二時間ばかり座っていればいいサロンと変わりない…しかし出てうろうろするのはご法度なので、室内には安楽椅子やソファー、テレビに本、提督が読み終わった朝刊、図書室からローテーションされてくる漫画や雑誌、お茶の道具が置いてある…提督とフルットはすっかり骨抜きになったエクレール提督に肩を貸してやり、負傷者を運ぶように連れてきた…


百合姫提督「あら、どうしたの?」支えられてやって来たエクレール提督を見て言った

提督「んー、ちょっと足首を捻っちゃってね…何でもないの」エクレール提督にだけ見えるようにパチンとウィンクを決めた

エクレール提督「え…ええ、ご心配をおかけして申し訳ないですわ」

百合姫提督「じゃあこちらの安楽椅子に掛けてください…今、お茶も準備しますから」そう言ってヤカンのお湯をティーポットに注ぎ、ポットを温めた

提督「紅茶はエクレール提督が持ってきてくれたのがあるわ」脚の速いライモンが持ってきてくれた、「フォーション」のアップル・ティーの缶、金色に黒字のロゴが入っているあの缶を差しだした

百合姫提督「あら、高級な紅茶をわざわざ…」白い夏季軍装も清楚な百合姫提督が、丁寧に一礼した

エクレール提督「構いませんわ…フランスの偉大さを学んでいただく機会ですもの」と、また待機室のドアが開いた

龍田「提督、持って来たわよぉ」巾着袋ほどのビニールで包まれたお菓子を十数個抱えてきた

百合姫提督「ありがとう、龍田♪…さ、座って?」

龍田「提督が駆け回るなんて…こそばゆいわねぇ」

提督「ふふ、いいのよ…みんなはいつも頑張っているんだもの♪」

ミッチャー提督「ザッツ・ライ♪…その通りよ。こっちは普段ふんぞり返っているだけなんだから、たまにはサービスしないとね」親指を立ててみせる

百合姫提督「さぁ、お湯を注いだわ。四分でできるからみんな座って?」

提督「…ドリア、ライモン、フルット、一緒に座りましょう?…バンデ・ネーレ、それに第九駆逐隊のみんなもどう?」ソファーに座っている警戒待機組、軽巡バンデ・ネーレと開戦時「第九駆逐隊」を編成していたオリアーニ級の四隻にも声をかけた

バンデ・ネーレ「ありがとう、提督…いただくわね♪」華奢な身体で軽やかに腰掛けたバンデ・ネーレは「ジョバンニ・デレ・バンデ・ネーレ」の名にふさわしく、相変わらず黒を基調にした服を着ている

オリアーニ「やったわ♪…日本のお菓子はどれも美味しかったし、たまには警戒待機もいいことあるのね♪」

提督「そうじゃないと嫌になっちゃうもの♪…みんな、お皿はある?」

ドリア「ありますよ。…では、お隣に座らせてもらいますね♪」隣にしなをつくって座ると、さりげなく提督のふとももに手を置いた

ライモン「…提督、反対舷はわたしでいいですよね?」ちょこんと座ると、こちらは肩にもたれかかるようにした

フルット「まぁ…私の場所が無くなってしまいましたね……では失礼して」端正な顔立ちのフルットは横の椅子に脚を組んで座った…クリーム色のスカートにレースで波模様が入ったタイツ、七分丈のブラウスと白い長手袋は貴婦人のようで、私服も見事なほど似合っている

提督「ええ、貴女の顔も見られてちょうど…」裾がずり上がったスカートから、黒いガーターベルトとランジェリーがのぞく…

フルット「なにか?」

提督「…下着、見えてるわ」小声でそっと耳打ちした

フルット「…見たいでしょうから」そう言いつつぎりぎりで見せない奥ゆかしさと、そこからちらちらと見え隠れする色っぽい下着が提督の気をそそる

提督「とっても目の保養になるわ…」

<> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<><>2017/04/26(水) 02:37:06.06 ID:qR2TuHzp0<> …補足…

ジョバンニ・デレ・バンデ・ネーレ…第一次大戦後に初めて建造した軽巡「ジュッサーノ級」の一隻。

ローマ、あるいはイタリアの栄光を示すため、中世ルネサンス期の著名な傭兵隊長たちの名をとったことから数クラスまとめて「コンドッティエーリ」(傭兵隊長)型と言われる。その「コンドッティエーリ」型軽巡の初期に当たる艦。設計はジュセッペ・ヴァン、ジュセッペ・ロタ造船官

ジョバンニ・デレ・バンデ・ネーレ(バンデ・ネーレは「黒帯」の意。「黒帯のジョバンニ」または「黒備えのジョバンニ」)はシャルル五世と戦った傭兵隊長ジョバンニ・ディ・メディチで、教皇レオ十世の崩御を悼み、以後必ず黒いリボンや帯をつけ、槍に付ける旗印も黒にしたというメディチ家開祖の父。最後は大砲の暴発で負傷、敗血症を引き起こし亡くなった



ライモンド・モンテクッコリ…オーストリア人で、三十年戦争のころ活躍した武将。
神聖ローマ帝国の軍司令官としてオスマン・トルコを破り、ネーデルラント継承戦争、第一次北方戦争などなど様々な戦争でも司令官を務めた。軍隊の機動のさせ方が上手かったが、現役を退いてからはオーストリアの歴史を研究して過ごした。
「伊土戦争」でトルコからかなり強引に植民地を手に入れたイタリアからすると、対トルコの英雄は国威発揚にふさわしいと考えたものらしい。

軽巡R・モンテクッコリ級はウンベルト・プリエーゼ(プリエーゼ・シリンダー防御システムや円筒形の艦橋で有名)、レオナルド・フェーア造船官の設計


ムツィオ・アッテンドーロ…ミラノ・スフォルツァ家の開祖で傭兵隊長。スフォルツァとは「厳格な」というような意味で、同じく傭兵隊長だったアルベリコ・ダ・バルビアーノ(ジュッサーノ級の一隻に付けられている)に言われたとされるが、気に入ったのか勝手に流行ってしまったのか、とうとう家名にしてしまった



ルイージ・カドルナ…「カドルナ級」の名前の由来である、第一次大戦時の陸軍第四軍司令官。
スイス・オーストリア・イタリア国境のチロル地方、「ピアーヴェ戦線」でオーストリア軍に対し十一回に渡り攻勢をかけるも行き詰まり、むしろオーストリア・ハンガリー帝国の反攻作戦で発生した「カポレットの戦い」で大敗。後任アルマンド・ディアスもカドルナ級二番艦の名前になっている。

無用な戦死者ばかりを出したが、ムッソリーニの時代になって祭り上げられた…日本で言うなら乃木希典あたりか




アルフレド・オリアーニ…駆逐艦「オリアーニ級」の由来になった、第一次大戦前後(1910〜20年代)のナショナリスト。

国家の威信回復や、オーストリア・ハンガリー帝国から「未回収地」(ダルマチア諸島、南チロル地方、トリエステなど)を奪回すべしと説いた。ムッソリーニや「戦闘ファッショ」などにも影響を与えた作家・愛国者。

四隻ともに国威発揚のため愛国者や国粋主義作家の名前が付いている
<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/04/27(木) 01:32:23.37 ID:GocWDeC70<> ………

百合姫提督「さぁ、紅茶が入ったわ」とぽとぽとぽ…といい音を立ててカップに紅茶が注がれる。香り高いフォーションのアップルティーは水色も綺麗で、真っ白なジノリのティーカップによく映える

提督「ありがとう…じゃあ、お菓子も開けさせてもらうわね?」巾着風に結ばれ、結び目に爪楊枝が差してあるビニールの袋を解くと、中にはプラスチックの入れ物と小さい容器が重ねてあった

提督「このお菓子はなぁに?…それと食べ方を教えてもらえる?」小さい四角いチューブを収めるために中央がへこんでいる容器は、うわぶたが透明で、そこからきな粉らしい固まりがのぞいている…

百合姫提督「今説明するわ…お菓子の名前は「桔梗屋」の「信玄餅」。山梨の銘菓で求肥餅にきな粉をまぶしてあって、その上から小さい入れ物に入っている黒蜜をかけていただくの…一個持ち上げて隙間に黒蜜を垂らすとこぼさないで食べられるわ」

提督「なるほど…では」ふたをどけて黒蜜を垂らし、楊枝で刺してつまみ上げた…一つの入れ物に一個かと思っていたが、中に入っている求肥は一口大のものが三つで、一つ口に入れるとほのかに甘い求肥ときな粉、黒蜜が上手く絡んで美味しい…

提督「ん…素直な味」

百合姫提督「硬くならないうちに食べようと思ってたから、いい機会だったわ」

ライモン「んー♪…美味しいですね」

バンデ・ネーレ「ジァポーネ(日本)のお菓子は美味しいものなのね」

フルット「出撃もなく、美味しいお菓子を頂ける…いい時代になったものですね」

オリアーニ「美味しいわ♪…でも三つしか入ってないのね。……もっと食べたいかも」

提督「はい、あーん♪」

オリアーニ「いいの、提督?」

提督「信玄餅はまだあるみたいだし、警戒待機で退屈だったでしょうから…ごほうび♪」

オリアーニ「嬉しいけど…でも止めておくわ」

提督「あら、どうして?」

オリアーニ「妹たちにもあげないと不公平だし、提督の残りを食べちゃうのはいけないわ」

提督「まぁ…妹思いで偉いわ」

百合姫提督「そうね…そんないい子には……はい♪」オリアーニ級の四人に、さらに一個づつ差しだした

オリアーニ「あ!」ぱーっと表情を明るくするオリアーニたちを見て、提督は百合姫提督にウィンクした

ミッチャー提督「よかったね。…しかし、日本の菓子は独特で面白いねぇ…「モチ」とか「キナコ」とか、健康的だし」

フレッチャー「ね、なかなか美味しいし…けどマームのアップルパイが食べたいな……」

ミッチャー提督「またそれ?…仕方ないね。…今はリンゴの時期じゃないから、今度厨房を借りてストロベリー・パイでも作ってあげよう」

フレッチャー「イェス♪」

ミッチャー提督「そんなに喜ばなくても…」そう言いつつも、嬉しそうなミッチャー提督

<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/04/28(金) 23:49:34.09 ID:T0a4KtjE0<> …お待たせしました、投下しますよ。ゆっくりですが楽しんでいってもらえれば… <> ◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/04/29(土) 00:38:38.01 ID:wo3lx9dz0<> エンタープライズ「!…もう、謙遜しないでいいのに」ミッチャー提督の手作りパイと聞いて、身を乗り出しかけてから慌てて座り直し、ふぅ…と息を付いてから言った

ミッチャー提督「謙遜してるんじゃなくて、あんまり期待されて微妙な顔されたら嫌じゃない…特にここの食べ物は美味しいしさ?」

提督「ありがとう、ディアナが聞いたら喜ぶわ」

ミッチャー提督「ダイアナは丁寧だしいい子よね…もっとも、うちの規模じゃあんな風に細やかで丁寧には行かないわ」

フレッチャー「どかーん…と盛ってあるだけだもんね」

ミッチャー提督「文句言わないで。「ニンジンいらないよ!」って言ってるのに山盛りにされないだけよかった、と思ってよ」

フレッチャー「…アイアイ・マーム」

提督「ふふ、仲がいいようで何よりね」

ドリア「提督ほどではありませんけど♪」



…お茶の後…


…甘いものと香り高い紅茶をお腹に収めて満足げな警戒待機組のバンデ・ネーレとオリアーニ級の四隻…と、そんな様子をみて微笑んでいる提督。一同はソファーでくつろぎつつ、衛星放送で日本のアニメ映画を流しているのを見ている…


提督「あー、見たことあるわ、これ♪…「となりのノトロ」(能登呂)だったかしら?」昭和の田舎にあったであろう牧歌的な日本の原風景と、穏やかな日常に起こるちょっと不思議な出会い……画面に映し出される綺麗な作画は、何度見ても飽きさせない…夢中になっているオリアーニたちの邪魔をしないように、小声でやり取りをする提督たち…

百合姫提督「私も。学生のころ公開されてから飽きるほど見たわ」

足柄「過去形じゃなくて、鎮守府でだって暇さえあればかけてたわよね」

龍田「駆逐艦のみんなは喜ぶものねぇ…」


…足柄と龍田が何度となく見た映画にああだこうだ言っている間にも場面は変わっていく…「さーつきちゃーーん!」「はーあーいーー!」テレビには主人公「皐月」と「メイ」の日常が穏やかに映っている…


エクレール提督「まぁ、日本のアニメはすごいですものね…こればかりは大したものだと思いますわ」頬に手を当て、優雅に脚を組んで映画を見ている

提督「そうね…そうそう、昔はこのお菓子が分からなくて」近所のおばあちゃんと一緒にお菓子を食べるシーン、大きな黒いぼたもち(牡丹餅…秋には「御萩」(おはぎ)と言う)を見て言った…


…皐月が減らず口をたたいて逃げ出した腕白坊主にあかんべえをしてから、縁側でぼたもちにかぶりつく……「男の子きらーい…でも、女の子はとーーっても好き♪」「はいはい、たんとおあがり♪」…提督は途中で見るのを止めようと思いながら結局最後まで見てしまい、「おわり」の文字を見てから立ち上がった…


提督「しまった…「開発しに行こう」と思っていながら、結局見ちゃったわ……」

ドリア「仕方ありませんよ…面白かったですし」

提督「そうよね。…じゃあ、遅ればせながらお昼まで開発を続けましょうか」

ドリア「はい♪」



<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/04/29(土) 01:34:31.08 ID:wo3lx9dz0<> …工作室…

提督「じゃあ、改めてやりましょう」

ドリア「はい…期待しています♪」

提督「ええ、頑張るわ」ひゅっ…とカードを投げ上げ意識を集中させる。落ちてくるカードを受け止めると絵柄を見た…

提督「うーん…また20/65ブレダ対空機銃ね」

ドリア「まぁまぁ…対空兵装は役に立ちますから」

提督「そうね…っ!」ぱしっ…と落ちてきたカードを受け止める

ドリア「どうですか?」

提督「…あ、やったわ♪メリジオナーリ、Ro43水偵」複座、複葉(正確には下翼が小さい単葉半)の水上機が描かれたカードをひらひらさせた

ドリア「やりましたね…ではごほうびです♪」ちゅっ…と音高くキスをされまんざらでもない提督と、感心したようなフルットたち…

フルット「あら…提督とドリアさんはそういう関係ですか」

ドリア「ええ、そういう関係です♪…ライモンドに続く位置の「愛人」と言ったところでしょうか」

提督「あの…その言い方は人聞きが悪いのだけど」

フルット「いえいえ、平気ですよ…何しろ中世のころからヴェネチアは最強の海軍国でしたし、同時に高級な色街があった事でも有名ですから」

提督「あー…ヴェネチアはそうだったわね。北アドリア海管区の司令部で、そういう噂も聞いたことがあったわ…」

フルット「ですから……提督、味見はいかがですか…♪」聖人でさえぼーっとなりそうな顔が近づき、甘い香水と波の匂いが鼻をくすぐる…と、フルットがするりとスカートの中に手を差しいれ、ふとももを撫で上げていく…

ゴルゴ「いいでしょう…提督、私たちの渦に…呑まれてみない……?」引き締まった乳房が後ろから押し付けられる…

提督「あぁ…うふふ♪……いいの…二人とも……?」

フルット「はい…この波に身をゆだねて下さい…♪」

ゴルゴ「ふふ、ベッドの中で……提督を快楽の渦に巻き込んで…あげる……♪」

提督「うふ…うふふっ……もう、お昼から…なんて、いけない提督よね…♪」

ドリア「…こほん!」

提督「…だ、駄目よ。まだ開発は済んでないもの…建造もしたいし」

ドリア「ええ、その通りです♪」

フルット「そうですか…では、またお時間の都合がつき次第…♪」ふーっと首筋に息を吹きかけると小さく手を振り、ゴルゴを連れて出て行った

ドリア「あの…提督」

提督「…なに?」

ドリア「確か「ヴェネチア第三鎮守府の提督がもたなかった」からフルットたちがここに来た…と言ってましたね」

提督「ええ…それで?」

ドリア「面識はありますか?」

提督「ヴェネチア第三の提督?…ええ。四角いレンズの銀縁眼鏡に髪の毛もひっつめているような、まぁ律儀で杓子定規なタイプの女性士官で……中佐だったかしら」

ドリア「もしかして、ですが…フルットたち、いつもあの調子だったのでは?」

提督「あー、だとしたらあの中佐が心臓発作を起こしてもおかしくないわ。…だから私のところに来たのかしら♪」ふふふっ…と笑みをこぼす

ドリア「…着任の経緯を考えると笑いごとではない気がしますが」

提督「あー…まぁ、そのー……開発は済んだし、建造しましょう」

ドリア「了解……ヴェネチア料理も素敵でしょうが、よかったら今夜もドリア…いかがですか?」

提督「…ええ、メインディッシュに♪」小首をかしげて、ぱちりとウィンクを決めた

……… <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/04/29(土) 02:09:19.37 ID:wo3lx9dz0<> …午後…


建造のための準備が終わらず、カレンダーの日付も縁起が良くないので、提督は建造を翌日に延ばした…代わりに秘書艦交代の時期だったので、以前に引いていたくじにのっとり、午後の最初は次の秘書艦のあいさつということにした……着任直後のくじ引きは完全に公平だったにもかかわらず、戦艦のお姉さま方が好きな提督が念力でも送っていたのか、次の秘書艦も戦艦「コンテ・ディ・カヴール」で、提督に呼ばれると色白でむっちりしたカヴールが台に登った…



カヴール「では、ドリアに替わって秘書艦を務めることになりました。コンテ・ディ・カヴールです。…第一次大戦の時はまだ出来たてでしたが海軍の総旗艦を務めさせてもらいましたし、あれからずいぶんと経験も積みました…潜水艦の娘たちもどんどんやって来る予定ですし、もっとこの鎮守府の暮らしを良くしていきましょうね♪」

チェザーレ「うむ…姉上なら大丈夫だろう」下では妹、チェザーレが納得したようにうなずいている…

提督「はい、ありがとう…カヴール、よろしくお願いするわね♪」

わー!拍手喝采と同時に、「着任のキスはー?」などと冗談めかした声が聞こえる…と、カヴールがいたずらっぽい笑みを浮かべた…

カヴール「…では早速、秘書艦特権で♪」ちゅっ、んちゅぅぅ♪…そう言うなり提督をひょいと抱き上げ、お姫様抱っこのまま濃厚なキスを浴びせた…


わーっ!…歓声と嬌声、悪意のない軽口と拍手が飛び交う


提督「…んんっ!?…んーっ……んんぅ……ん♪…もう、いきなりするなんて♪」とん、と地面に下ろされた提督はふくれたようなふりをしつつも、顔がにやけきっている…ライモンは半ば呆れ、半ば面白がってその様子を見ていた

カヴール「改めて、これからよろしくお願いしますね…提督♪」

提督「ええ♪」

……… <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<><>2017/04/29(土) 22:55:25.69 ID:85pA723p0<> 少し前にこのスレ発見して一気に読みました。ひたすら艦娘口説いたり口説かれたりで最高です。この提督の仕事っていったい・・・(いいぞもっとやれ!)

<> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/04/30(日) 00:16:23.87 ID:8QxWKtDSo<> 深海棲艦と戦うばかりが提督と艦娘の仕事じゃないって素晴らしいことだと思うの

L'amore e grande! <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/04/30(日) 00:45:15.55 ID:/uwpJqD20<> >>431 途切れ途切れに投下していますし、大まかに「提督と艦娘たちが百合百合する」以外の筋は立てていないので前後の脈絡がつながっていないかも知れませんが…楽しんでもらえたら幸いです

>>432 戦って戦果を挙げると注目されて「提督の華麗な百合遍歴」がばれてスキャンダルになる…という設定なので、あんまり血沸き肉躍るような戦闘シーンはないはずです。戦中は不遇だったイタリア艦を活躍させたくなって出撃させることはあるかもしれませんが…感想グラツィエ


…ちょっと投下していきます…「百合姫提督×提督で耳かき」というお題ももらっていますし

……… <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/04/30(日) 01:47:20.21 ID:/uwpJqD20<> …午後…


…新秘書艦カヴールのあいさつも済み、開発も試してみることができたので提督は満足し、百合姫提督の客室に邪魔していた…日本人は椅子だとくつろげず、床に座るほうが安心できるらしいと言うことで、百合姫提督と随行艦の客室は急遽用意した畳のしつらえてある部屋だった…部屋の隅に用意された三畳ばかりのスペースでは、膝に頭を乗せた龍田が何やら耳に棒を突っこまれて、百合姫提督が慈愛に満ちた顔で棒を動かしている……


百合姫提督「はい、とれた…♪」細い竹細工の棒を耳から抜き、カーブした先端をアルコールで湿したティッシュで拭っている…

龍田「よく聞こえるわぁ…最近聞こえが悪くなってたのは主砲のせいじゃなくて、このせいだったのねぇ」

提督「こんにちは、姫。それに龍田…相変わらず二輪の白百合みたいに綺麗ね♪…ところで何しているの?」

百合姫提督「はい、こんにちは…白百合だなんてほめ過ぎです……♪」

龍田「…イタリアの提督さんはご存じないのかしらぁ?」

百合姫提督「…欧州にはその風習が無いらしいのよ、龍田。それに、最近ではむしろやっちゃいけないという学説もあるらしいわ」

提督「えーと…で、何をしていたのかしら?」

百合姫提督「耳かきよ♪」

提督「耳かき…ねぇ?」

龍田「したことないのかしらぁ?」

提督「ええ、あいにくと姫の膝枕で「耳かき」をしてもらう栄誉にはあずかっていないわ」

百合姫提督「ふふ…もう、やってあげるから……ここにどうぞ?」折り目正しい正座の姿勢で、ぽんぽんと膝を叩いた

提督「いいの?…龍田が怒らない?」

龍田「うふふ…そんなことで怒らないわよぉ、だいたい提督の膝枕は堪能させてもらったもの♪」

百合姫提督「そう言ってるから…来て?」

提督「ありがとう…では失礼して」靴を脱いで畳の上に乗り、ぽすっ…と百合姫提督のふとももに頭を乗せた…ほっそりしているがほど良い柔らかさで、人柄を表すように温かい……

百合姫提督「やったことがないとちょっと恐いかも知れないけど、動かなければ大丈夫だから…」そういって耳かきをそっと差しいれた…

百合姫提督「じゃあ、まずは周りから…」ごそ、ごそっ…と水中で音を聞くようなこもった響きが聞こえ、耳の穴をなぞる耳かき棒の固い感触が伝わってくる…

提督「なにこれ…結構不安かもしれないわ」耳を動き回る異物感に多少表情がこわばっている…が、次第に耳の穴のかゆみと、少しひりつくような感覚を心地よく感じ始めた……耳元では百合姫提督が愛しい赤子をあやすようなささやき声で、日本の子守歌のようなものを口ずさんでいる…

提督「……慣れると結構気持ちいいわね」ごそっ、ごそごそ…棒が次第に奥に入ってくる

百合姫提督「そうでしょう?動かないでね…」こそっ、かさっ…

提督「えぇ……あっ…ぁ♪」ざらっ、ごそっ…

百合姫提督「もうちょっと…」

提督「あ……あっ♪」長身の提督が脚を抱え込むようにして、口を半開きにしている

百合姫提督「もう少し……」

提督「あふ…ぅ……はひ…ぃ♪」桃色の艶やかな唇から、たらりと銀色の涎がこぼれる…

百合姫提督「あ、とれたわ…じゃあ、仕上げに……」梵天の方を差しこむと、ごそごそと回してすっと抜き、最後にふーっ…と息を吹きかけた

提督「あっ、あっ……あぁぁっ♪」ひくひくと身体をけいれんさせ、脚を突っ張ったかと思うと脱力したようにくたりと伸びた…

百合姫提督「はい、反対側…♪」

提督「これ、反対側もあるの…?」

百合姫提督「だって耳は両方にあるじゃない…さ、横になってリラックスして?」

提督「あの…この姿勢」

百合姫提督「なあに?」

提督「すっごく姫のいい匂いがする…しつこくないジャスミンみたいな甘い匂い……」百合姫提督のお腹に顔を押し付け、深々と息を吸いこんだ…

百合姫提督「もう♪…沈丁花(じんちょうげ)じゃないかしら、香水に使ってるの。さぁ、始めるから動かないで…?」

<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/04/30(日) 02:07:31.78 ID:/uwpJqD20<> 百合姫提督「ふふ、こうしているとなんだか娘ができたみたい…♪」がさっ…ごそ、ごそっ…耳かきをしながら反対の手で軽く頭を撫でる

提督「ふわ……あっ…ぁぁ…そこ……きもちいいの…ぉ♪」

百合姫提督「ここ?」

提督「はひぃ…っ♪…そこ、そこ…ぉ♪」

龍田「あらあら…まぁ、提督の耳かきは「人を駄目にする耳かき」だものねぇ…」

提督「あっ、あっ、あっ…ひぃ…っ♪」がさっ、ごそっ…こりっ♪

提督「あっ、あ……んぁぁぁっ♪」

百合姫提督「動いちゃ駄目よ……もうちょっとで奥の…が」…ごりっ

提督「ふぁぁ…あっ、あぁっ♪」ふとももをこすり合わせながら、呂律の回らない甘ったるい声をあげている…

百合姫提督「ふぅ、あんまり汚れてなかったけど、少し奥の方に溜まっている感じだったわ…」梵天を入れて細かい耳かすをかき出すと、ふーっ…と息を吹きかけた…

提督「あっ、あひっ……イくぅぅっ♪」ひくん、と身体をのけぞらせ、百合姫提督のふとももに埋もれるように突っ伏した…

百合姫提督「え、えっ?……そんなに気持ち良かったの?」驚いたようにぱちぱちとまばたきをする百合姫提督…と同時に、提督がふとももの間に顔を埋めているので恥ずかしげに頬を赤くしている…

龍田「うふふ、無自覚なのは罪よねぇ…」

………

<> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/04/30(日) 06:32:30.25 ID:Z3l1Ecmw0<> なんだ、最高じゃないか <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/04/30(日) 23:47:15.53 ID:/uwpJqD20<> >>436 グラツィエ、引き続き頑張ります。では、少々投下します… <> ◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/05/01(月) 00:59:09.23 ID:XKeO2zYX0<> …別の日・執務室…


…いよいよ本格的な建造で艦娘を呼ぶことになり、前夜から提督は慌ただしく駆け回っていた…空いている部屋と家具や調度の確認に、隣や向かいの部屋の艦娘たちとの艦種や相性も考えての部屋割り…空き部屋の掃除やシーツ、タオルケットなどの補充はみんなに手伝ってもらい、その間に提督は引き継ぎを兼ねて秘書艦ドリア、新秘書艦カヴールの二人を左右に従え、あちこちのファイルをかき回しては書類を書き、書類を書いてはファイルをかき回した…



提督「はー……ようやく準備が整ったわね…」あろうことか1960年代ころの申請書まで出てきたファイルの山を棚に戻すと、ため息をついた

カヴール「お疲れさまでした…肩でも揉みましょう」

提督「ええ…お願い」得意ではない数字の羅列に取り組み、すっかり疲れた提督は執務室の椅子にぐったりともたれていた

カヴール「はい…失礼します♪」提督のおかげか最近はお茶目な所も見せてくれるドリアより少し奥手で、わずかに困り眉にタレ目気味の瞳、いつもおっとり気味でしとやかなカヴールが後ろに回った…脚が速いのはイタリア戦艦の特徴らしく相変わらずで、そっと肩に手を置いた…

提督「あー…気持ちいいわ……」肩のちょうどいいところで白くて柔らかい手が動き、だらしなくうめく提督を揉んだ…

ドリア「私も何かしましょうか?」

提督「そう…ねぇ、差し当たって特にやることはないし……休憩していていいわ」

ドリア「…そうですか?」ちょっとすねたような口調で聞き返した

提督「ええ、疲れたでしょうし…」

ドリア「カヴールが疲れていないのに、私が疲れているはずないじゃありませんか……提督♪」…同じラ・スペツィア(イタリア北西部の軍港。「長靴」の膝のあたり、付近は重工業が盛んで、フランスにも近い北部チレニア海の要衝)生まれでカヴールの一年後輩にあたるドリアは、カヴールに惚気て(のろけて)いる提督を見て頬をふくらませた

提督「そう?でもあんまり無理しないで欲しいの…」作業で重たいものを運ばせたりしたので、その疲労に配慮して言ったつもりだった…

ドリア「提督まで私をおばあちゃん扱いして…こんなに瑞々しいおばあちゃんがいます?」むっちりと若々しいボディをしたレディとして「1916年就役」というのが、「微妙に」気になるお年頃のドリアは、頬をふくらませたまま腰に両手を当てると上半身をぐっと乗り出し、ルージュをひいた唇をすっと近づけた…

提督「そ、そんなつもりじゃないわ…だいたい、私よりもずっと色っぽいし……」キスをねだるようなドリアの顔から視線をそらし、頬を赤らめる…

ドリア「そうですか?…ふふ、嬉しいことを言ってくれますね、提督…そんな提督にはごほうびです♪」机を回り込むと、提督の足元に四つん這いになって入り込もうとする…

提督「えっ…ドリア?」何がしたいのかも分からないまま、ドリアに椅子を回されてスペースを作られ、そのまま机の下に潜りこまれた…

カヴール「…ドリア、何をするつもりなの?」肩を揉むのも忘れ、首をかしげたカヴール

提督「そうよね…。ドリア、そこは狭いでしょうし出ていらっしゃ…あんっ♪」机の下でローヒールを脱がされると、そのままつま先にしゃぶりつかれた…

ドリア「んふふっ…気持ひいい…れす、か…?」

提督「ちょっと、ドリア…シャワーも浴びてないんだ…から……だめ…」ちゅぷ、ちゅるっ…とストッキングを舐めまわされ、身をよじる

…足首をしっかりとつかまれ、身動きも出来ずにドリアの舌さばきに悶えていると…コン、コンッ…と、ノックの音が響いた…

提督「ど、どうぞ…///」

トリトーネ「トリトーネ、報告にきたわ」

ヴォルティーチェ「ヴォルティーチェ、同じく…提督、顔が赤いようだけど」

提督「え、ええ…さっきまで作業をしてたものだから///」その間にドリアがそっと略装のベルトを外し、スラックスを下ろしてうちももを舐めまわした…

トリトーネ「それにしたって赤いわよ?…熱でもあるんじゃない?」

提督「へ、平気よ…それで、報告は?」

トリトーネ「空き部屋の掃除、終わったわ…やっぱり変じゃない?」

提督「だ、大丈夫よ…お気遣いありがとう」と、大柄なドリアが机の下で姿勢を変えようとして頭をぶつけ、ごつん、と痛そうな鈍い音がした…

トリトーネ「…」

ヴォルティーチェ「…」

提督「な、なぁに?」

トリトーネ「誰か机の下に潜ってない?」

提督「まさか、そんなことしてどうするの?」

ヴォルティーチェ「…提督の秘密の泉を味見するとか」

提督「まさか、そんなことはしないわ」

<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/05/01(月) 01:18:56.04 ID:XKeO2zYX0<> トリトーネ「同じような答え方ね…本当に聞いてる?」

提督「もちろん…他ならぬトリトーネたちの言うことだもの……ひぅ!」かぷっ…とふとももを甘噛みされ、変な声が出た

トリトーネ「誰もいないなら…三つ又矛で突いてみてもいいわよね!」ひゅっ、と手に持っていた長い三つ又矛を構えた

提督「駄目よ!……その、机が壊れちゃうから」

ヴォルティーチェ「…ま、提督を信じるよ。行こう、トリトーネ?」

トリトーネ「…一つだけ言っていい?」

提督「何?」

トリトーネ「…机の下の隙間から髪が見えてるわ」

提督「え、本当?」

トリトーネ「…」

ヴォルティーチェ「…」

提督「…えーと」

カヴール「…提督がお疲れだったので、ドリアにふくらはぎをほぐしてもらっていたんですよ…誤解されるといけませんし、隠そうとはしたんですが……ばれてしまいましたね♪」

トリトーネ「…そういうことにしておくわよ」

ヴォルティーチェ「…ふふ、情欲の渦が巻き起こるね。チャオ」

提督「ええ、また後でね///」

…二人が出て行くと、ドリアが机の下から出てきた。ばれてしまったので笑みを浮かべ、小さく舌を出した

カヴール「もう、少しは考えないと駄目でしょう?」

ドリア「だって、提督がおばあちゃん扱いするんですもの」

提督「だからそんなつもりじゃなかったの…ぶつけたみたいだけど、頭は大丈夫?」

ドリア「提督がキスしてくれれば平気です♪」

提督「もう…♪」ぷるぷると艶やかな唇にキスをした…

………


<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/05/01(月) 02:09:22.01 ID:XKeO2zYX0<> …次の日…


いよいよ新しい艦娘の建造とあって周囲は大変に、にぎやかだった…カードのシルエットは二隻とも駆逐艦だったので、駆逐艦勢はわいわい言いながら工作室の周りや食堂に集まり、歓迎の昼食を準備したり、リットリオの着任以来好評のバー・カウンターでせっせとカクテルの準備を進めていた…提督もこの間の建造で時間がかかったので、多めに余裕を見て工作室にやって来た…


…工作室…

提督「準備はいい?」サウロ級駆逐艦の「ナザリオ・サウロ」と手を重ね、レバーに置いた

サウロ「もちろん♪」

提督「じゃあ、行くわよ…建造開始!」滑らかにレバーが動き、いくつか並んでいる電話ボックス型の箱が音を立てはじめた…

サウロ「あとは待てばいいのね」

提督「ええ…楽しみね♪」

サウロ「そうね、待ち遠しいわ」


………

…数時間後…


提督「いよいよね…」失敗した話は聞かないが、少し身体を強ばらせている

サウロ「平気よ、提督。何が出てきたって守ってあげるわ」

提督「ありがとう、サウロ」

ヌロ「お姉ちゃんの言うとおりです。私たちで守ってみせます♪」大人しい末妹、「フランチェスコ・ヌロ」も姉の意見にうなずいた

提督「ヌロもありがとうね…出てきたわ」まばゆい青い光が消えると、二人の駆逐艦が立っていた


…二人の駆逐艦はずいぶんと小柄で、態度こそ大人っぽいが、一見すると小学生か、よくても中学生にしか見えない…戦中のイタリア海軍らしい複雑なグレイ二色の折れ線迷彩のセーラー姿で、主砲と魚雷発射管の他に、小脇に小型のモーターボートを抱えている…

…提督は「駆逐艦」で「モーターボート」の二つから、二人が誰なのかピンと来た…二人は足元を確かめるように「電話ボックス」から出てきて、提督の前で敬礼した…


駆逐艦「ボンジョルノ。初めまして、提督」

駆逐艦「初めまして」

提督「ボンジョルノ、ようこそタラント第六へ…私が司令官のフランチェスカ・カンピオーニ少将です、よろしく♪」駆逐艦はよく似ているが、姉らしい方はツイン・テール、もう片方は意外と素っ気ないまっすぐな結い方にしている…

提督「ふふ、少将だからって緊張することはないわ…ところで、二人はもしかしてセラ級?」…提督は優しく微笑むと聞いた

駆逐艦「!…よく分かったですね。クィンティノ・セラです」姉らしい方が言った

駆逐艦「小さいから、目立たないと思ってたので…フランチェスコ・クリスピです」妹らしいまっすぐな髪の方が言った

提督「ご冗談を♪…そのMTM(爆装艇)ですぐ分かったわ」

サウロ「…セラ級!…あの時はみんなして喝采を叫んだものだったわ」

セラ「いや、あの時一回きりですから…」

クリスピ「まぐれみたいなものです」

提督「まぁまぁ♪…さ、本格的なあいさつは食堂でしましょう、みんなが待ってるわ」

………
<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/05/01(月) 02:40:49.20 ID:XKeO2zYX0<> ようやく建造にこぎつけました…せっかくなので解説をしてから止めます…


…解説…


駆逐艦…セラ級。1926〜27年生まれ。四隻(イタリア参戦時は二隻)


第一次大戦型駆逐艦パレストロ級、クルタトーネ級(クルタトーネ級は第二次大戦時も在籍、水雷艇扱い)の改型。本来四隻だったがスペイン内乱への派兵で大赤字だった国庫を潤すため、二隻は参戦直前にスウェーデンへ売却。
二本煙突、955トンの小さい船体に120ミリ連装砲二基、533ミリ連装魚雷発射管二基、40ミリ機銃二基とかなり過大な兵装を積んだ。速力35ノットは造船所がボーナス目当てで無理をさせた公試時の値で実際の値よりかなり過大評価。艦名は昔の政治家から


大戦中は1941年3月26日、夜間にMTM(爆装艇…モーターボートに爆薬を積んで、停泊中の敵艦に針路を固定、それから乗員は後ろに飛び降りるというもの)母艦として隠密裏にクレタ島、スダ湾に接近。発進した「第10MAS」(デチマ・マス)隊の六隻のMTM艇が英重巡「ヨーク」、タンカー、貨物船を撃沈する大戦果を挙げた。…が、以後は英軍の警戒が厳しくなり航跡の派手なMTMは発見されやすく、戦果を残せなかった

ネームシップ、「クィンティノ・セラ」は41年に、「フランチェスコ・クリスピ」は43年のイタリア休戦時にドイツに鹵獲され「TA15」になったが、44年にクレタ島で空襲により失われた


艦娘のセラ級は小さい身体に折れ線迷彩のセーラー姿で、小脇に抱えたMTMはおもちゃのようで無邪気な子供っぽく見えるが実際はかなり危険…もちろん出撃時以外は爆薬を積んでいない。姉のセラはねじったツイン・テール、妹クリスピはドイツ風なのかそっけない結び方をしている



<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/05/02(火) 01:28:42.74 ID:QDgm8vmb0<> …食堂…


…週末に歓迎会を予定しているとはいえ、普段通りのお昼では着任したての艦娘たちがかわいそうだということで、普段より豪華なお昼が用意された…大戦中にスダ湾で大暴れしてみせたセラ級は小型だが駆逐艦の間でもてはやされ、次々と乾杯を受けていた…ワインばかりではなく料理もたっぷりで、パスタは熱々のアラビアータか、届いたばかりのアサリと烏賊で作ったペスカトーレのどちらか。メインディッシュはほどよく茹でたベビーコーン、ブロッコリーにカジキマグロのソテー、肉はあっさりとしたマリネ液につけた鶏の串焼き……戦前・戦中の貧しかったイタリアを覚えているのか、セラ級の二人は感動したように料理を口に運んでいる…


提督「どう、美味しい?」駆逐艦の間に交じって食事を味わいつつ、セラ級に話しかけた…好評の串焼きはマリネ液に玉ねぎ、唐辛子、バジルに白ワインを加えレモンを絞り、塩、胡椒で味を付けた提督の味で、前夜にディアナと頑張ったかいがあったと嬉しく思っていた…

セラ「はい、大変美味しいです♪」

クリスピ「こんなに美味しいものを頂けるとは…いい時代になりましたね」

アスカリ(ソルダティ級)「んだ、いい時代だ…うんとこさ食べな」テーブルに置いた紅いフェズ(トルコ帽)に飾り房をつけ、どことなく言葉づかいもアラビア風に訛っている(※アスカリ…植民地兵)

フレッチア「そうそう、もっと食べないと♪」言いながらフレッチア(電光)のようにカジキを皿に取り、レモン風味のあっさりした味を楽しんだ

提督「そうね…もう一杯いかが?」

セラ「はい、もう一杯ちょうだいします…♪」小さい身体にたっぷりと料理とワインを詰め込み、すっかりご機嫌のセラとクリスピ…駆逐艦たちも満腹して、ちびちびとワインをすすっている…

提督「はい、どうぞ♪」

クリスピ「おいしいです…でも、暑いですね」辛いアラビアータとそれを洗い流すためのワイン、明るい南イタリアの陽光に、パタパタと上着を動かす

リベッチオ「別に脱いじゃえばいいじゃない…気にしないから♪」そういうリベッチオは半袖のチュニックにフレアースカート姿で、ふんわりしたゆるい服は確かに涼しそうに見える

クリスピ「そうですか?…では少し楽をさせてもらいましょう」上着を脱ぐとその下は淡灰色のキャミソールで、涼しげに目を細めた

セラ「うん…涼しくていいわ」こちらは白のキャミソールで、「ふぅ…」と息を吐きながらワインをすすった

提督「…///」二人は気づかず、他の駆逐艦は気にも留めていないが、薄手のキャミソールが日差しを受け、その慎ましやかな胸やお腹が透けて見える…

カラビニエーレ(ソルダティ級)「どうしたの…提督?」

提督「いえ、たしかに暑いわね…」

ミラベロ「だったら…脱げばいいんじゃない?」

リボティ「私は構わないよ?……裸で昼食を食べる提督なんて、背徳的で面白いと思うけどな♪」

提督「残念でした、下にもう一枚着てます。…全く、この耳年増たちは♪」呆れながらも面白がって笑っていると、デザートが運ばれてきた…季節の果物と、よく泡立てて冷やしてあるホイップ・クリームで、好きに器に盛れるよう大きなスプーンがついている…

提督「あら、美味しそう…ありがとう、アヴィエーレ♪」

アヴィエーレ(ソルダティ級)「いいの、空を駆けるように速かったでしょ?」革長靴とオールバックの髪型に、サングラスが似合う…提督に礼を言われると、格好よく親指を立ててみせた(※アヴィエーレ…航空兵)

提督「本当ね…では、いただくわ」

………


<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/05/02(火) 02:00:21.97 ID:QDgm8vmb0<> …食後…


…食器を厨房に運んだ提督は、いつもてきぱきと片づけをしているディアナと、持ち回りの皿洗いの係を手伝うことにした…数十人分の食器と調理器具を片づけるのなら人手は多い方がいいし、今日の係は普段あまり話せていない気がする重巡トレントと軽巡アルマンド・ディアスだったので、提督は上着を脱いでカウンターに置き、エプロンをかけて手伝った…


トレント「そんな、提督は座っていて下さい……どきどきしちゃうので…」

ディアス「そうです…あんまり近くにいると……いい匂いがして…」

提督「まぁまぁ、早く終わらせてお茶でも飲みましょう♪…ディアナも一緒にいかが?」二人が小声でつぶやいた言葉が聞こえ、にっこりする提督…そのまま洗い物を片づけ始めた

ディアナ「よろしいですね…では、手早く片付けましょうか」


…かちゃかちゃと皿を洗い、両手を泡だらけにしつつ提督たちは片づけを終えた。終わるとディアナが冷蔵庫の水差しからアイスティーを出してくれ、トレントたちと軽くあおった…


提督「ふー…皿洗いも大変ね……夏は夏で大変だけど、冬場は寒いし…ディアナ、感謝してるわ」

ディアナ「お気遣い嬉しく思います…トレントたちもありがとうございます」

トレント「いえ、そんな…重巡もどきの私で役立てることならいつだって呼んで下さい」

ディアス「私もです、コンドッティエーリ型の軽巡に比べて力不足ですし…せめてこちらで活躍したいと思います」

提督「…そんなに過小評価しなくていわ、私は二人とも十分に役立っていると思っているもの」

トレント「そうでしょうか…」

提督「ええ、トレント級は重巡の火力と軽巡の速度があるし、防御面に気を付けてあげれば活躍の機会は多いわ…カドルナ級は華奢だとか言うけど、戦前のイギリス軽巡だって言うほど立派じゃなかったわ…だからもっと自信を持って?」

トレント「提督…優しいです///」

ディアス「私…///」

提督「ふふ……おいで?」両腕を広げ、二人を抱きしめた…

ディアナ「…本当に、優しい提督ですわね」

……… <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/05/03(水) 00:32:16.83 ID:wMihtqYt0<> …しばらくして…


…提督とトレントたちはお茶を飲みながら、百合姫提督が山ほど持って来た全国銘菓の一つ、岐阜県の「栗きんとん」の残りを食べていた…以前百合姫提督から説明してもらった所によると、普通日本人が「栗きんとん」と言ってイメージするのは剥いた栗があんと一緒に甘煮にされているものらしいが、これは本当に栗を蒸して裏ごしし、茶巾絞りにしてある……ほわっとした口当たりに栗の風味が豊かで、栗版のマッシュポテトのようだった…


提督「ふふ、美味しいわね」…向こうの食堂から笑い声ときゃあきゃあ言う歓声が響いてきたが、楽しげなので安心してお茶とお菓子を楽しんでいた

トレント「はい、美味しいです…///」にこやかに微笑む提督に赤くなっている…

ディアス「…提督と一緒だから倍も美味しいです///」初々しいラブコールに提督の表情も自然とゆるくなった…

提督「ふふ、ありがとう♪」…和やかな一時を過ごしていたが、不意にカラビニエーレが駆け込んできた……顔は恥ずかしいのか真っ赤で、ぱくぱくと口を開けて何か言おうとしているが、上手い言葉が思いつかないらしい…

カラビニエーレ「提督!…あの……その!」

提督「どうしたの…何かあった?」ただならぬ様子に椅子から立ち上がった

カラビニエーレ「あ…えーと…とにかく、手が付けられないので来てください…///」

提督「?…ごめんね、トレント、ディアス。それにディアナも…ちょっと様子を見て来るわ」そう言って「栗きんとん」の最後の一かけらを口に入れると、ぱんぱんと食べかすをはたいてカラビニエーレについて行った…


…食堂…


カラビニエーレ「あ…あれなんですが…///」大騒ぎになっているテーブルを指差した…

提督「え!?…あれは、その…美味しそうね///」

カラビニエーレ「そうじゃありません、どうにか止めさせてください…!」


…提督の視線の先には、テーブルの上にあお向けに寝ているナヴィガトリ級駆逐艦の「ルカ・タリゴ」が見えた……それだけなら、以前リベッチオたちマエストラーレ級に言ったように、「テーブルの上には乗らないの」と叱って済ませるところだったが、ワインが入ってすっかりご機嫌の駆逐艦たちはまた趣向を変えていた……色白で波打つ金茶色の髪をしたタリゴは革のハイブーツ、ストッキングとガーター、白いレースのランジェリーだけとほぼ裸で、全身のあちこちにさっきのホイップ・クリームと苺、カクテル・バーから持って来たらしいマラスキーノ・チェリーを載せて飾り付けられている…秘所と乳房の先端にはホイップ・クリームとマラスキーノ・チェリーが乗っかり、革長靴のすねのところやお腹には、クリームをたっぷりと塗りつけてある……


カラビニエーレ「私は止めたんですけど…///」真面目なカラビニエーレは真っ赤になって釈明した

提督「カラビニエーレ、貴女のせいじゃないから…後ろに下がっていていいわ」カツカツと足音も高く大騒ぎの中心に近寄った…

エウジェニオ「どこからいただこうかしら……ここかしら、それともこっちかしら♪」スプーン片手に舌舐めずりしながらタリゴを味見しようとしている

ランチエーレ(ソルダティ級)「あっははは、このデザートは美味しそうねぇ!…槍構え、突撃ぃ!…なんてねぇ、あはは♪」フォークを槍のように構え、けらけらと笑っている(※ランチエーレ…槍騎兵)

パンテーラ「んふふっ…私は猫科だからクリーム大好き♪」指を舐め、乳房の下あたりに盛りあがったクリームをしゃくい、いやらしくぺろりと舐めとった…

スパリーデ(フルット級)「ふふ、美味しそうなデザートですね…「タラント風、もぎたて果物の盛り合わせ」なんて♪」ストッキングにこぼれているクリームをねっとりと舐めた…

フルット「ヴェネチアでもこれはありませんでしたものね?…せっかくのおもてなしですから…美味しくいただきましょう♪」ちゅるり♪…と、おへその辺りをねぶった…

タリゴ「ふふ、どこも甘くて美味しいよ…お好きなように、め・し・あ・が・れ♪」そばにあったスプーンでクリームをしゃくい取ると、胸の谷間にも盛り付けた…

提督「…ちょっと、いくら何でもいい加減にしなさい!」そこまで見たところで提督が割って入った……普段から抑えつけることはせず、さまざまなことを楽しんで欲しいとは言っていたが、これはやり過ぎと判断したのだろう……かたわらではらはらしていたカラビニエーレはそう思った

タリゴ「あ、提督…提督も一口いかが?」

提督「…タリゴ、発案者は貴女?」

タリゴ「どうかな…最初に服にクリームをこぼしたのは私だったけど、それを見てみんながクリームや苺を乗せ始めたからね…」

提督「なるほど…」

…普段はどこまでも優しく小言一つ言ったことのない提督だけに、雷が落ちるとなると相当だろうと、みんなは息を呑んでいた…




<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/05/03(水) 01:30:28.31 ID:wMihtqYt0<> 提督「あのねぇ…」

タリゴ「…」ごくり…と唾を呑んだ

提督「食べ物を粗末にしちゃ駄目でしょう!」

カラビニエーレ「!?」

提督「ホイップクリームを泡立てるのにどれだけ時間がかかるか…電動泡だて器があるからってそう簡単じゃないのよ!?」

タリゴ「それは…よく分かってるよ……?」妙な方向から怒られて、返事に困るタリゴ…

提督「クリーム乗せちゃったこのハイブーツだって、先にアルコールで拭いたりしたの?」

タリゴ「いや…でも、誰かがキッチンペーパーを敷いたよ…?」几帳面な誰かの配慮か、確かにキッチンペーパーが敷いてある…

提督「…そう。で、このマラスキーノ・チェリーはポーラから?」

ポーラ「えへへぇ、ポーラはぁ…ここですよぉ〜…タリゴの可愛いお乳の先端にぃ〜、真っ赤なサクランボですよぉ〜…♪」反対側の床に膝立ちになっていて見えなかったポーラは、手を上げながら脇腹のクリームを舐めていた…

提督「ふぅ…」

タリゴ「…」

提督「……今後はこういう「デザートの盛り合わせ」をするならちゃんと綺麗にしてからやること。それと、残したりこぼしたりして、食べ物を無駄にしないこと…いいわね?」

タリゴ「…えーと」

提督「返事は?」

タリゴ「り、了解…」

提督「みんなはどうなの?」

…周囲から「了解」の声が聞こえた…すると提督は「うふふ」といやらしく笑った…

提督「…ところで、私ももうちょっと甘い物が欲しいなー……って思っていたのだけれど♪」

エウジェニオ「そう……あらぁ?ちょうどこんなところにー、美味しそうなホイップクリームと果物があるわよー?」

提督「あら、本当♪……ちょうどスプーンもあるわね♪」にやりとしながらテーブルのスプーンを取り上げた…

提督「みんなも…残さず食べましょうね♪」いたずらっぽくウィンクを決め、谷間のクリームをすくいとった…途端に「わーっ♪」と歓声が上がり、またしてもきゃあきゃあ言いながらのデザートが始まった…

ドリア「あらあら……全く、提督ったら♪」何事かとやってきて肩をすくめ、それからスプーンを取った

提督「甘くて美味しいわよ?」

ドリア「ふふ、そうみたいですね…でしたら、この可愛いサクランボを頂いちゃいます♪」先端に乗ったサクランボをつまみ上げた

ランチエーレ「あーっ、ずるい!」

ドリア「いいじゃありませんか、もう一個ありますし♪」

ランチエーレ「なら、これはもらった♪」反対側のチェリーを器用にフォークで刺し、口に放り込んだ

パンテーラ「ふふ…マラスキーノ・チェリーで喜んじゃって、お子様ねぇ…こっちの方がおいしいのにね?」ちゅるっ、れろっ♪…言いながらふともものクリームをねっとりと舐めあげる…

フルット「ええ、美味しいクリームですね…でも……もっと舐めたら、奥からシロップが溢れてきますね♪」上品な態度で、内腿のクリームをを丹念に舐めとる…

龍田「あらぁ…さっきからずいぶんにぎやかだと思ったらぁ…うふふ♪」様子を見に来た龍田は頬に指を当て、微笑を浮かべている…

提督「龍田もいかが…美味しいわよ?」

龍田「そうねぇ…でもいいわぁ」

提督「そう?」

龍田「ええ、私はうちの提督とちょっと特殊な「お酒」を頂くことにしてるからぁ…♪」

提督「?」

龍田「分からないなら後で提督に聞いてみたらぁ?…ヒントは「海草」よぉ♪」そう言って手をひらひら振ると出て行った…

提督「海草…昆布出汁とか?……でも、姫が関係するかしら?」タリゴの可愛らしい丘に積もったクリームの雪を舐めあげつつも少し考えた…が、数秒もしないうちに思考は甘いクリームの方に向かい、結局「…あとで姫に聞いてみよう」としか思わなかった…

……… <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/05/04(木) 01:34:45.83 ID:yX2FwMqo0<> …バーカウンター…


エンタープライズ「マーム、ちょっと見てよ!…あの子たち、駆逐艦のことデコレーションケーキにしてるわよ♪」後ろから聞こえる騒ぎをちらっと見ると、面白い光景を見物しようとスツールを回した

ミッチャー提督「ええ?フランチェスカだってそれは怒るんじゃない?……って、本当だ…しかもフランチェスカが一番舐めまくってるように見えるじゃない♪」さっきからポーラがいないので、かわりにカウンターに立ってシェーカーを振っていたが、背伸びして様子を見るなり笑い出した…

フレッチャー「オゥ…シィッ///」つられて後ろの様子を見て真っ赤になった…

エンタープライズ「ウェ…ル、あんな光景久々に見たわ……♪」

エクレール提督「いったいどうしました?…って、一体何をしているんですのっ///」ミッチャー提督に「フレンチ75」を作ってもらいちびりちびりとすすっていたが、ミッチャー提督とエンタープライズたちがプレーリードッグよろしく向こうの様子を眺めているので一緒になって振り向いた…と、見る見るうちに顔を真っ赤にした

リシュリュー「はて、どうなさいました?……あぁ、なるほど。斬新ですな」一緒に「フレンチ75」をすすっていたが、ちらりと見ると得心したようにうなずき、顔色一つ変えずにカクテルをすすっている…

ジャンヌ「いったいどうなさったのです、司令官……ごほっ!…あ、あれは一体何を!?」ジャンヌは甘い「カルーア・ミルク」を嬉しそうに飲んでいたが、様子を見るなりせき込み、真っ赤になって凝視している

エクレール提督「き、教育に悪い事この上ないですわ!…止めるよう言ってきますわね!」ジャンヌとリシュリューに言うとカクテルを飲み干し、優雅なエクレール提督にしては珍しく、叩きつけるようにグラスを置いて立ち上がった…

ミッチャー提督「んー、ジャスウェイ(ちょっと待って)」

エクレール提督「一体何ですの!?…まさか「見ていたい」などと言うおつもりではありませんわね?」ミッチャー提督のほうが階級が上なので、一応丁寧に聞いた

ミッチャー提督「まぁ、面白いし見ていてもいいなとは思うわよ…だけどそれだけじゃなくてね」

エクレール提督「何だと言うのです!?」

ミッチャー提督「…あの騒ぎを止める自信はある?」

エクレール提督「……やってみなければわかりませんわ!」

ミッチャー提督「正直、無理だと思うわ。私がノーフォークに着任したとき、嬉しくてハメを外したうちのガールたちが似たような騒ぎをやったけど、MP(憲兵)が来てもどうにもならなかったわよ?」

エクレール提督「で、ですがあれは…ジャンヌにもよくありませんわ!」

リシュリュー「おや、「ジャンヌにも」ということは、わたくしめは大丈夫…ということで?…信用してもらって光栄ですな」余裕のある口調で言いながら、ジャンヌのグラスと取り違えて飲んでいる…

ミッチャー提督「やれやれ…その様子じゃ止めに行ったところで、一緒にクリームを塗りたくられて舐めまわされるのがオチだと思うけど?…カクテルくらいまた作ってあげるから、今日は部屋に戻ったら?」

エクレール提督「しかし…」

ミッチャー提督「じゃあ…とりあえずお二人さんだけでも戻ったら?…止めに行くかどうかはそれから決めればいいじゃない」ジャンヌとリシュリューを示して言った

エクレール提督「…そうですわね。二人とも、わたくしはもう少し貴女たちと飲んでいたかったのですが…この騒ぎはよろしくありませんわ、お戻りなさいな?」

リシュリュー「承知しました…ではジャンヌ、戻るといたしましょう」

ジャンヌ「そ、それが一番です…早く出ましょう…///」二人は連れ立って出て行った…

ミッチャー提督「で、止めに行くの?」

エクレール提督「…も、もちろんですわ!はしたないことこの上ないですもの!」

ミッチャー提督「オーケー。それじゃあ、グッドラック♪」

エクレール提督「…一緒に来てくれるのではありませんの!?」

ミッチャー提督「行かないわよ…止められるわけないし♪」

エクレール提督「わ、分かりました…ならわたくしだけでも止めに行ってきますわ!」

……… <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/05/04(木) 10:28:27.74 ID:yX2FwMqo0<> …

ミッチャー提督「さて…どうなるやら」

エンタープライズ「見てる分には面白いけどね」

フレッチャー「///」

ミッチャー提督「お、近寄っていった…なんかガミガミ言ってる」

エンタープライズ「でも、いいようにあしらわれてる」

ミッチャー提督「だろうね、可愛い女の子を前にしたフランチェスカを相手にするなんて分が悪いよ…だいたいマリーはフランチェスカに惚れきってるし、言いあいで勝てる訳もないのにねぇ」

エンタープライズ「あ…スプーン突き付けられてる」

ミッチャー提督「きっと「はい、あーん♪」ってやつね…あーあ、真っ赤になっちゃって」

エンタープライズ「…食べた」

ミッチャー提督「はい、フランチェスカの勝ち…フレッチャー、「ミント・ジュレップ」でも作る?」

フレッチャー「ええ…///」

ミッチャー提督「あんまり恥ずかしいなら戻ろうか?」

フレッチャー「平気よ、子供じゃないんだから…でも、ショー・ガールよりやらしいってどうなのよ///」

ミッチャー提督「40年代だとラインダンスがせいぜいだもんね……やっぱり引き上げよう♪」

エンタープライズ「オーケー、マーム」きゅっと最後の一口を流し込み、スツールから降りた

フレッチャー「ごめんね、マーム…もっと飲んでいたかったよね」

ミッチャー提督「ドンウォーリー(気にしないで)…さ、帰ろう」フレッチャーの肩に手をかけて出て行った…

………

<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/05/04(木) 10:31:56.61 ID:yX2FwMqo0<> …甘々ではあってもそう無茶はしない予定が今度はこんなことになるとは…次はもうちょっと普通の話になるかと思います <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/05/04(木) 11:34:28.93 ID:gGUlLD3lo<> 電探とえげつないまでの対空能力でブイブイ言わしてたフレッチャー級なのにウブでかわいらしいですな <> ◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/05/04(木) 23:49:01.83 ID:yX2FwMqo0<> >>449 なかなか初心に見えますが、まだ建造年代(40年代)の常識が残っているだけで結構積極的、かつ学習も早いです……ちなみに当時のB−17などによく描かれていたノーズアートのピンナップ・ガールや、スパンコールの衣装を着たコーラスガールがふとももを見せてラインダンスするくらいなら耐性があります…


…せっかくなので少し投下していきます
<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/05/05(金) 00:38:58.14 ID:9DvKa5Ei0<>
…ある日・工作室…

…今日も今日とていい天気で、工作室も隣の船渠から照り返しが差しこんできていて明るかった…建造・開発のために提督はカヴール、フルットを連れていて、いよいよ世界有数の勢力だった潜水艦隊を建造していこうと決意していた……


提督「いい、カヴール?」

カヴール「はい、もちろんです」

提督「フルット?」

フルット「ええ、いつでも…」

ライモン「きっと大丈夫ですよ、提督…応援しています♪」工作室の入口から応援してくれているのは、軽巡ライモンとアッテンドーロ、潜水艦ナウティルス、デンティーチェ、ムレーナで、他にも多くの艦娘たちが替わりばんこにのぞきこんでいる…

マレア(フルット級)「ええ、私たちも提督に上げ潮が来るよう応援しているわ」

提督「ありがとう…じゃあ、やりましょうか?」

カヴール「ええ、そうですね…とりあえず二隻だけにしてみたらいかがでしょう?」

提督「そうね、なら…フルット、準備はいい?」

フルット「はい、いつでも…♪」

提督「なら……建造、開始します!」グイとレバーを引いた…途端ににぎやかになる工作室。ドリルやリベット打ちの音が聞こえ、「ド○ター・フーの電話ボックス」あるいは「クローゼット」こと、建造用の小部屋がガタガタしだした…

提督「…四時間。…一人の艦娘を迎えるのだからもっと時間がかかってもいいとは思うけど、同時にもう少し短くならないのか、とも思うわね…」

カヴール「それは、その…そうかもしれませんね」

フルット「一体どのお姉さまがくるのか…楽しみですね」

提督「建造した週末には歓迎会をすることにしたけど、ごちそうは何がいいかしらね?」

フルット「せっかくなのですから、生まれた場所にちなんだ献立にしたらいかがでしょう?」

提督「なるほど、いいわね♪」

カヴール「…ところで提督、装備の備蓄はありますか?」

提督「もちろんあるわ…できればいつも無傷で帰ってきてほしいけど、どうしても損傷が避けられない時もあるでしょうし、そんなときに装備を惜しんで大破なんてさせたら自分が許せなくなるもの」

カヴール「まぁ……///」提督の真摯な意見に思わず「きゅん」と胸がときめいた…

提督「…?どうかした?」

カヴール「いいえ、提督は優しい方だと一層強く思うようになりました♪」

提督「そう?…ありがとう、カヴール♪」ちゅ…っ♪…提督はカヴールとフルットに優しくキスをした

フルット「…意識せずにしているのですね…だからみんなが慕うようになる…と♪」

………


<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/05/06(土) 00:45:16.14 ID:3I+iIssm0<> …四時間後…


…初回と二回目はトラブルを警戒して固くなっていた提督だったが、建造装置も順調に動いているので、ある程度安心して椅子に腰かけていた。脚を組んで、手元の装備品の在庫リストをめくりつつ、どの系統の装備が足りないか確認していた…


カヴール「そろそろですよ、提督」

提督「そう、ありがとう」カウンターは残り三十秒を切っている…

提督「…」

カヴール「…」

フルット「…」


…カウンターがゼロになった。もう慣れた青い光がパッと室内を瑠璃色に染め、その光が収まると二人の艦娘が立っていた…潜水艦なのはカードからわかっていたし、顔や姿もある程度描かれていたが、思っていたよりどちらも小柄だった。二人は身体の割に包容力のありそうな雰囲気と、大きい胸をしていた…歩くたびに揺れる巨乳をウェットスーツ風の艤装が包み、片手に533ミリ魚雷を抱いている…


潜水艦「初めましてぇ♪」

潜水艦「こんなおばさんでごめんね♪」二人は茶色の髪をカールさせていて、首元にはイタリア軍の星章、鬢(びん)の辺りにはワイヤー・カッター(防潜網や係維機雷用)を模したらしいギザギザの髪留めをしていた

提督「とんでもない、とっても可愛いわよ?…私が貴女方の提督、フランチェスカ・カンピオーニ少将です。お名前を教えてもらえる?」

潜水艦「はい、大型潜水艦バリラ級、一番艦のバリラです…艦隊のみんな、お乳の時間ですよ♪……でも、用途はタンクだけじゃないのよ♪」ぴっちりしたウェットスーツに見えるが、敬礼するとゆさゆさと胸が揺れた…

潜水艦「同じくバリラ級、ドメニコ・ミリエーレです♪…これでも戦前は長距離航海で鳴らしたものですから♪」

提督「あら、バリラ級ね…大型潜水艦は初めてなので、色々教えて下さいね///」

バリラ「まぁ、ご丁寧にどうも…♪」丁寧に会釈をした

フルット「バリラ級のお二人でしたか…戦前は様々に活躍なさっていましたし、私たち潜水艦のお母さんみたいなものです」

バリラ「あら、ということは貴女も潜水艦?…お母さんにお名前を教えて♪」

フルット「中型潜水艦フルット級、ネームシップのフルットです」

ミリエーレ「あらあら、あのフルット?…可愛くなって、まぁ♪」

フルット「お恥ずかしいかぎりです…妹たちも見に来ていますよ」

マレア「フルット級のマレアです…今のところ私たちフルット級しかいないので」

ムレーナ「久しぶり。あたしはムレーナ、こんな格好になっても相変わらずでっかいな」他のフルット級も手を振ったり、拍手したりしてバリラとミリエーレ歓迎した

バリラ「まぁまぁ、みんなきれいになって…お母さんは嬉しいわよ♪」

ミリエーレ「そうね、白くて透き通るみたいに綺麗な肌…うらやましいわぁ♪」

提督「ふふっ♪…立ち話も何ですから、どうぞこちらへ♪」

バリラ「あらあら、ご丁寧に…最近の提督さんは優しいのね♪」

ミリエーレ「そうですねぇ…お言葉に甘えていただきましょう♪」

……… <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/05/06(土) 01:00:23.31 ID:cO0XOVAWo<> 乙〜。
恥ずかしながらイタリアの潜水艦はあまり詳しくないので興味深い
日独米英はそこそこわかるのに・・・ <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/05/06(土) 01:18:39.53 ID:3I+iIssm0<> …食堂…


…提督はバリラ級の二人を案内し、食堂に連れてきた…戦前組でも特に同い年の1928年組がいるトゥルビーネ級駆逐艦はさっそくあれこれと話しかけ、仲よさげにしている…


提督「ところで、フルット」

フルット「はい、何でしょう?」

提督「潜水艦用の装備で足りないものはある?」

フルット「そうですね…基本の装備はありますが、せっかくなので533ミリ高速魚雷「ヴェローチェ」などがあれば使ってみたいところですね」

バリラ「魚雷ですか、私は使う機会もなかったので使ってみたいところですね♪」にっこりしながらコーヒーをすすり、髪の毛をいじっている

ミリエーレ「わたしもです、何しろ何にもさせてもらえなかったので欲求不満なんです……それにしても、みんな可愛い女の子になって…提督さんまで女性だなんて、時代が変わったみたいね♪」

提督「そうかもね、でも安心して?」

バリラ「ふふ、お母さん心配はしてないの…だってよくなついているのが分かるもの、無能な提督だったらこうはいかないわ♪」

カヴール「優しい顔して案外厳しいですね…」

バリラ「あら、カヴールさんね…そうね、やっぱり年下の娘が次々倒れていくのを見ていたら優しく言ってはいられないもの」

提督「そうならないよう努力しています」

カヴール「提督は優秀ですよ…出撃数回とはいえ小破がたった一回、後は無傷なんです」

バリラ「まぁ、偉いわね♪…今後も上手に出来たらお母さんがごほうびを…あ・げ・る♪」あごに手を当て、頬に人差し指と中指を伸ばしたバリラがとろっとした甘い声で言った…よく見ると泣きぼくろがあって、より一層甘えさせてくれそうに見える…

提督「…はい///」

エスペロ(トゥルビーネ級)「あ、やっぱり提督のところにいた…バリラ、ミリエーレ、よかったら一緒にお昼をたべましょうよ?」

バリラ「あらあら、こんなおばさんでいいの?」

エスペロ「いいから言ってるのよ?…ここの食事は美味しいし、つもる話でもしながら…どう?」

ミリエーレ「いいですね。じゃあ、お邪魔させてもらいますよ♪…では提督、また後で♪」

提督「ええ。後で色々お話も聞くから、その時にね♪」

エスペロ「さぁ、行こう♪」手をひいて小走りでテーブルに向かった…

バリラ「待って?…お母さんはそんなに速く走れないか…ら♪」ぎゅっとエスペロの腕をつかんで胸に当てた

エスペロ「///」

提督「…あれで同い年?」

カヴール「には見えませんね…」

……… <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/05/06(土) 01:27:49.16 ID:3I+iIssm0<> >>453 いえ、普通は伊軍の潜水艦は知らないと思いますし、正直こちらも水上艦に比べ伊潜はなまかじりの知識ですので……日本の潜水艦はさっぱりなので感心します…海大型とか、伊号、呂号とか…番号だけの上に繰り返し使われているので正直どれがどれやら…

…米潜?戦果を挙げたガトー級さえ覚えていれば何とでも(適当)……英潜?何かしましたっけ? <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/05/06(土) 01:50:48.71 ID:cO0XOVAWo<> >>455
イタリアの潜水艦って小型の潜航艇みたいなのしかないと思ってたLVです
いやはやお恥ずかしい
日本の艦船もけっこう英潜にやられてます(当時の日本の対潜能力の低さは・・・)
何気に地中海でもドイツイタリアの輸送船団や客船は英潜水艦にけっこう手痛い目にあってたりしますので何もしてない訳ではww)
米潜もガトー級以外にも戦歴武勲艦はけっこういたりします <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/05/06(土) 01:59:18.81 ID:3I+iIssm0<> …艦娘紹介…


大型潜水艦…バリラ(Balilla)級。1928〜29年生まれ。四隻

イタリアが第一次大戦後に初めて建造した、完全複殻式(大きい外殻の内側に内殻で守られたバラスト・タンクや船体内部を構成する)の潜水艦。
1427(水上)/1874(水中)トンと大型ながら、4900馬力(ディーゼル)/2200馬力(電動機)で16ノット/7ノットと、戦前艦としては十分な性能を持つ。
30年代頃に司令塔の形状を変更、発見されにくいよう小型化。それまで司令塔と一体で張り出した形の主砲も独立、露呈式に変えた。…同時に砲そのものも120ミリ27口径から120ミリ45口径に改めた。兵装は主砲以外に533ミリ魚雷発射管(艦首四門、艦尾二門)、13.2ミリ連装機銃二基。

戦前はプロパガンダのため、長距離航海で大いに活躍したが戦中は旧式化し、42年戦没した「アントニオ・シエスタ」を除き、「バリラ」「ドメニコ・ミリエーレ」「エンリコ・トーティ(トーチ)」のいずれも解役。バリラは重油タンクとして大戦を終え、姉妹艦も同様。…艦名はイタリア愛国政治家や活動家から


艦娘のバリラたちは重油タンクだったせいか小柄な割に巨乳で、母性と包容力がある…が、参戦してすぐに解役されたせいで欲求不満気味。淡い茶色の髪をカールさせ、おっとりした人妻に見える <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/05/06(土) 02:13:02.91 ID:3I+iIssm0<> >>456 丁寧な感想ありがとうございます。

…何しろ開戦当初「警告し、相手が退船してから射撃するように」などと言う(潜水艦をばかにしていたこともあり)イギリスなので…戦果もドイツ、下手をするとイタリア以下の可能性が…

…米潜の初期の戦果が少なかったのは、チェスター・ニミッツ提督(太平洋艦隊司令官)も「ニミッツの太平洋海戦史」で言及していて、「開戦当初居座っていた無能な提督たちはどんどん勲章などをやって退役させたが、自分は潜水艦だけは分からなくて当初の無能な提督たちを更迭、退役させられなかったからだ」と言っています…実際予算も少なく、初期の魚雷の触発信管がぶつかると曲がってしまい撃発しないこともしばらく分からずにいたとか…

それでいながらあの巻き返し方とは…どうやっても勝てる訳ないですね…
<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/05/07(日) 00:29:14.55 ID:JOgiBhlI0<> …真面目な説明も必要でしょうがあまり面白くはないでしょうし、せっかくなので建造を続けていきたいと思います。では、参ります…


………

…数日後、工作室への廊下…


…この数日間でバリラ級の残りの二隻、やっぱりお母さんらしい「エンリコ・トーティ」と、名前のせいかお昼寝の好きな「アントニオ・シエスタ」を迎え、ますます鎮守府はにぎやかになっていた。ディアナも厨房を手伝ってくれるバリラたちのおかげで楽できるようになり、献立も増やせると喜んでいた…提督は夏用の白い制服を着て、カヴールを連れて工作室に向かっていた…


カヴール「提督、今日も建造ですか?」

提督「そう、せっかくだから♪」

カヴール「一体誰が来るでしょうか?」

提督「んー…一人は分かっているけど、教えたら面白くないでしょう?…だから秘密♪」

カヴール「もう、そんなこと言わずに教えてくださいな♪」

提督「だーめ、せっかくの驚きがなくなっちゃう」

カヴール「では、せめて艦種だけでも教えてもらえませんか?」

提督「そうねぇ……あ、ちょうど着いたからそれは「建造してのお楽しみ」で♪」

カヴール「まぁ、タイミングが悪いですね」


…工作室…


ポーラ「提督ぅ〜…待ってましたよぉ〜、ポーラはぁ…早くも祝杯の最中です〜♪」勢いよくグラスのワインを傾ける

提督「こらこら…」

カヴール「なるほど、一人は分かってしまいました…♪」

提督「そうよね…でも、他の艦娘はまだ分からないから…私も楽しみなの」

ゴルゴ「全くです…♪」ポーラと乾杯をしていたのか、空のグラスをいじりつつ頬を少し桃色にしている

ヴォルティーチェ「そうねぇ、楽しみねぇ♪」こちらも抜けるように白い肌を珍しく火照らせ、渦になっている髪の房をいじりつつ言った

バリラ「ええ。…どの娘がくるんでしょうね、お母さんは楽しみよ♪」衣類倉庫から都合したブラウスは胸がきついのか前を大きく開けていて、しっとりと汗ばんだ谷間と濡れた唇が大人の色気を振りまいている…

提督「そうね。でも、誰が来ても歓迎するわ♪」

バリラ「えらいえらい♪フランチェスカはいい娘ねぇ♪」ふくよかだが小柄なバリラはつま先立ちで手を伸ばし、屈んで軍帽を脱いだ提督の頭を撫でた…

提督「ふふ、ありがとうお母さん♪…って///」大きい胸が眼前で揺れた…

カヴール「…しっかりしてくださいね、提督」

提督「…え、ええ……さてポーラ、始めましょうか?」

ポーラ「は〜い…ポーラ、頑張っちゃいますよぉ〜♪」

提督「では、建造開始♪」

ポーラ「おー♪」

提督「今度はゴルゴ、ヴォルティーチェ、こっちに来て♪」

ゴルゴ「はい」

ヴォルティーチェ「今行きます♪」

提督「レバーは持った?」手の甲にほのかに青白くひんやりした、ヴォルティーチェとゴルゴの手が重なる…

ゴルゴ「準備よし」

ヴォルティーチェ「さ、始めましょう」

提督「そうね…では、建造スタート♪」

バリラ「誰が来るか楽しみです♪」

………


<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/05/07(日) 01:39:37.20 ID:JOgiBhlI0<> …数時間後…

提督「うまくいったかしら…」青い光に目を細めつつ、ポーラに言った

ポーラ「うまく行ってますよぉ〜…えへへぇ♪」空にしたワインの瓶を床に置き、頭をゆらゆらさせている…

提督「そうね…あ、出てきた」…先に出てきたのは建造時間の短い潜水艦の方で、五人がほぼ同時に床に立った…一人はバリラ級に似ていて、戦艦や重巡に比べるとやはり小柄だが、潜水艦としてみるとバリラ級と同じくかなり大きい…髪はふわふわのウェーブがかかっていて、胸に飾り帯をかけ、銀色の小手をはめた手には教本らしい冊子を持ち、鎖付きの丸縁眼鏡をかけている…

潜水艦「ボンジョルノ、あなたが私の司令官?」

提督「ええ、タラント第六の司令官、フランチェスカ・カンピオーニ少将です。みんな、よろしくね…それと、自己紹介もお願い♪」六人の潜水艦が敬礼したのでそれに応え、それからにっこりして頬にキスをした…

潜水艦「大型潜水艦、エットーレ・フィエラモスカです。偵察機は積めずに終わりましたが、訓練艦として解役まで尽力しました…潜水艦のこと、たくさん勉強してくださいね♪」話し方はごく普通で、どことなく優しい先生に見える…

提督「ええ、なにとぞ教えて下さいね♪…そちらは?」


…提督が視線を向けた方の潜水艦は中型潜水艦らしく、四人とも精悍な顔をしている美人で大人っぽい……中の一人は詩集らしいノートに羽ペンを持ち、腰に剣を手挟んでいて、何やら詩を口ずさんでいる…


潜水艦「中型潜水艦マメリ級、ゴフレド・マメリです。イタリア統一のため、共に戦おうではありませんか!」詩集を持った艦娘が調子をとって朗々と叫ぶと、剣を抜き放った。灯りに反射してきらりと長剣が光る…

提督「うわっ…と、マメリ級ね?…戦中はよく頑張ってもらったから、今度は肩の力を抜いて楽しんでね♪」一歩下がって言った

潜水艦「ここはタラントですか、もう一度ウフィッツィ美術館に行きたいと思っていたのですが…おっと、マメリ級のピエル・カッポーニです。機関換装せずに沈んでしまいましたが、今度は大丈夫ですとも…なにとぞよろしく♪」長い金髪と、白地に細かい花柄のケープをまとい、豪奢な金鎖や宝石を身に付けている…

提督「ええ、そのうちフィレンツェにも行きましょう?その時は案内してね♪」

潜水艦「マメリ級、ジョバンニ・ダ・プロチーダですよっ、提督♪休戦後は姉さまたち一緒に米軍の標的役として相手をしてました…今度は活躍したいものね♪」黒髪に似合う綺麗な顔と、小柄な身体の割に立派な様子だが、口調にいくらか砕けた調子があり、どこかサディスティックな心をくすぐられるのは米軍の対戦訓練でソナーや攻撃パターンの標的艦を務めていたせいか…

提督「よろしくね、プロチーダ。活躍させてあげられるほど、ここに出撃命令は来ないけど…みんなで楽しくやって欲しいわ♪」

潜水艦「同じくマメリ級、ティト・スペリ。よろしくね、提督♪…戦中はやっぱり対潜訓練をやらされてたから、今度こそ実戦に出たいわね♪」

提督「ええ、よろしく。対潜訓練はしないで済むけど、実戦は少ないから日々の生活で身体を動かしてもらえれば、と思うわ…とにかく、まずは着任おめでとう、ここの暮らしが気に入ってくれるといいのだけど♪」

マメリ「ガリバルディがいれば十分に楽しめますとも」

提督「ええ、いるわ。…一緒に楽しく過ごしてね♪」

マメリ「…これはこれは、一輪の白百合のような美しい司令官にそのように言ってもらえるとは…ふふ、よかったら愛の詩でも捧げましょう♪」

カヴール「私を差し置いて提督に愛を語るつもり…ではありませんよね?」

マメリ「はて…こちらは豪奢なバラのようなご婦人だが?」

カヴール「コンテ・ディ・カヴールです……提督は一人の物ではありませんから」

マメリ「おやおや、ガリバルディにカヴール候もいらっしゃるとは…今宵は昔話に花を咲かせるとしましょう♪」

提督「まぁまぁカヴール、落ち着いて…」

カヴール「これは…その、年甲斐もなく熱くなってしまいましたね///」

提督「平気よ♪…フィエラモスカ、マメリ級のみんな、もう一人来る予定だから、それまで座っていてくれる?」

フィエラモスカ「はい♪」

……… <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/05/08(月) 00:45:42.22 ID:XCmNNmKK0<> …

提督「待っている間にお菓子でもどうぞ?」皿に出した和菓子をすすめた…

フィエラモスカ「これは…初めて見ますね、イタリアのお菓子ではないようですが?」

提督「来訪している日本の提督が持ってきてくれたの、遠慮せずに召し上がれ?」


…富山の銘菓「薄氷」は、白砂糖が貴重だったころからある和菓子で、薄い台形の砂糖で覆われた生地が、薄氷のように見えることから名づけられた…白い紙箱に柔らかい綿が敷き詰めてあり、その上に数枚づつ「薄氷」が載っている…


フィエラモスカ「では…」

マメリ「いただこう」…「薄氷」という名にふさわしいばりばりとした食感と、甘い砂糖の味が不可思議な感覚をもたらす…高級な落雁(らくがん)に近いような味は繊細で、甘いと言ってもむやみに甘いだけではない……それに貧しい時代を知っている20年代組の艦娘にとっては、「甘い物」と言うだけで目の色が変わるほどだったので、それぞれ頬を押さえて甘さをかみしめた…

カッポーニ「素晴らしい!…なんという美味♪」

プロチーダ「甘ぁい…美味しいね!」

スペリ「あぁ、甘くて口の中が幸せだよ…提督、あんがと♪」

提督「どういたしまして♪」

ポーラ「提督ぅ〜、そろそろですよぉ〜…♪」

提督「あら、本当ね…」タイマーのカウントはあと数十秒になっていた。姿勢を正し、裾をぱんぱんっ…と払う

カヴール「きっとポーラに似ているんでしょうね?」

提督「でしょうね、でもわからないわよ?」

ポーラ「えへへぇ〜、似てるといいですねぇ♪」

カヴール「…そのお酒好きは似ていなくてもいいと思いますが」

ポーラ「あ〜、ひどいですぅ〜…ポーラはぁ…一生懸命がんばってますよぉ〜?」

カヴール「それとこれは別ですから」

提督「まぁまぁ…さぁ、出て来るわ♪」


…光が消えた所に立っていたのはポーラとそっくりで、少し顔立ちの違う艦娘だった。髪はブロンドのウェーブがかかっていて、目はきらめいている…イタリア海軍らしい淡い灰色のプリーツ・スカートに胸元を開き気味にした同色のフリルブラウス、黒のハイヒールを身に付け、頭にはザラ級と同じくかなり高い測距儀が載っている…一見して重巡と分かるシルエットで、その上未配属の重巡は一人しかいない…


重巡「ボンジョルノ、提督さん♪」

提督「ボンジョルノ、ようこそタラント第六鎮守府へ。司令官のカンピオーニ少将です…ボルツァーノ、よね?」

重巡「はい、重巡ボルツァーノです♪ザラ級とは従姉妹に当たる…のかしらねぇ?砲撃と防御には自信があるけど、「チャリオット」とラ・スペツィアは嫌いなの」

提督「知ってるわ…今度はあんなことにはならないから、一緒に頑張りましょうね♪」

ボルツァーノ「グラツィエ♪」挨拶として両の頬にキスをし、それからスカートの裾を持って優雅にお辞儀をした…


<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/05/08(月) 02:40:05.82 ID:XCmNNmKK0<> …やっと重巡勢が揃いましたので、新着潜水艦ともども解説を…読んで下さっている皆様なら大丈夫かと思いますが、潜水艦のスペックは(水上)/(水中)となっていて、トン数は基準排水量です。また「生まれ」は基本的に竣工年にしております…


…艦娘紹介…

大型潜水艦…エットーレ・フィエラモスカ。1930年生まれ。単艦。


前に紹介した大型潜水艦「バリラ」級と前後する大型潜水艦。姉妹艦なし。

中型潜水艦「ピサニ」級の拡大型で「単殻・サドルタンク(固い外殻一枚で、小脇にバラスト・タンクを抱えている形を言う)」型。
1530トン/2094トンと戦前の潜水艦にしてはかなり大型。主機は5200馬力(ディーゼル)/2300馬力(電動機)で15ノット/8ノット。兵装は533ミリ魚雷発射管八門(艦首/艦尾にそれぞれ四門)、120ミリ単装砲一基、13.2ミリ連装機銃二基。


当初は司令塔後部にブリスターを設け、日本の「伊四〇〇」型のように水偵を収める予定だったが適当な機体がなく、ブリスターも後に撤去された。性能は今一つで大戦時には旧式化していたこともあり、訓練用にしばらく用いられたのち、41年に解役。
艦名は1503年のヴァレッタ(現在マルタ島の首都)の戦いで勝利した騎士エットーレ・フィエラモスカ(Ettore Fieramosca)の名から


艦娘のフィエラモスカはふんわりウェーブの栗色の髪、騎士の名が艦名の由来からか銀色の手甲とすね当て、白と黄色の飾り帯を肩にたすき掛けにし、戦中は訓練に用いられたことから手には教本を持ち、鎖付きの丸縁眼鏡と属性過多…見た目は「き○いろモザイク」の「烏丸先生」にそっくり

………


中型潜水艦…マメリ級。1929年生まれ。四隻


長距離での作戦用に整備された大型潜水艦「バリラ」級と同時に整備された中型潜水艦。やはり第一次大戦後初となる中型潜水艦のはしり。
810/993トン、主機3000馬力(ディーゼル)/1100馬力(電動機)で15ノット/7.5ノット。兵装は533ミリ魚雷発射管六門(艦首四門/艦尾二門)、102ミリ単装砲、13.2ミリ連装機銃一基。

部分複殻で安全性が高く、(当時としては)運動性もよく成功作とされる。41年に戦没した「ピエル・カッポーニ」を除く三隻は42年に主機を換装、速力が二ノット向上した。43年のイタリア休戦後は大西洋で米軍相手に対潜訓練の仮想敵を務め、戦後の48年に揃って解役された。
(ちなみにたいていのイタリア潜は有名な「U-ボート」ことドイツ潜と違い司令塔上部に覆いがあり、艦首部に窓がある。暴露型艦橋と違い過ごすには楽だが視界が狭まり、シルエットが大きくなるのが欠点)


艦名は愛国者や各地の偉人から。ネームシップの「ゴフレド・マメリ」(Goffredo Mameli)はガリバルディと共闘した愛国詩人、唯一戦没した「ピエル・カッポーニ」(Pier Capponi)はフィレンツェの政治家から


艦娘のマメリは詩人らしくノートと羽ペンを手放さない。常に詩的な話し方をしつつも剣を持ち、イタリアのことになるとかなり熱い。カッポーニはフィレンツェの政治家らしく美術に詳しく、後ろにまとったケープは白地に細かい花柄で「プリマヴェーラ(春)」で女神にかけられていたケープに似ている…残りの二人はプロチーダ、スペリ共に波打つ黒髪がきれいだが、アメリカの影響を受けたのか提督にもかなりなれなれしく話しかける


………


重巡…ボルツァーノ。1933年生まれ。単艦


イタリア重巡の七隻のうちの最終型。条約型重巡であるザラ級の「ゴリツィア」と同じ29年計画により建造が決定したが、ザラ級と違い高速・軽防御に回帰し、同時にザラ級の性格も取り込んだ。そのため全体はザラ級に、艦橋と一番煙突が一体化した形状は「ポーラ」に似ている。
排水量はいくつか数字があるがだいたい11000トン(満載すると13000トンほど)

兵装は203ミリ53口径連装砲四基、100ミリ連装対空砲(高角砲)八基、40ミリ対空機銃四基、13.2ミリ連装機銃四基、533ミリ連装魚雷発射管(水上・横向き固定)四基、水偵三機だが、水偵は露天係止で格納庫はない。後に対空機銃を増備している。
速度は36.8ノット(公試)とされるが実際は34ノット程度。装甲は最大100ミリ(司令塔)、舷側装甲帯70ミリ、甲板50ミリとかなり優秀。重量削減のために大出力の汽缶を搭載して缶数を減らし、船体も船首楼甲板型にして無駄を減らすなどした。
前後煙突の間隔を缶室排気の導管を延長することで拡げ、ようやく一、二番煙突の間に水偵と射出機を置く中央配置にすることができた。


高速とザラ級並みの火力を維持するべく様々な努力がされた重巡。戦中は英潜の雷撃などで数回損傷し、42年の修理・改修時には航空巡洋艦にする案や空母化の計画も持ち上がったが実現せず。
戦中施された迷彩は淡灰色にV字型や楔形の折れ線で描かれ、かなり形が分かりづらい。

最後は1944年ラ・スペツィアでドイツに接収され修理待ちだったが、ザラ級の「ゴリツィア」と相前後してイタリア、イギリス連合の人間魚雷「チャリオット」のチームに破壊された…艦名は地名から


艦娘のボルツァーノはザラ級に似て可愛げのある顔と、金茶色(ブロンド)のウェーブがかかった髪。ザラ級よりほっそりした身体をしているが、出ているところは出ている。性格はおっとりしたポーラに似ているが、少し控えめでトレント級に似ているところも……

……… <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/05/08(月) 23:40:29.69 ID:XCmNNmKK0<> …お待たせしました、本編ゆるゆると投下していきます <> ◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/05/09(火) 00:16:23.96 ID:myK3Kgk30<> …補足…

「プリマヴェーラ」はフィレンツェにあるボッティチェリの傑作絵画…ちなみに「ボッティチェリ」は「小タル」の事で、制作グループの名称で固有名詞ではないらしい…


………

…提督はボルツァーノにも「薄氷」を食べてもらい、空になったティーセットを持って食堂に案内した…提督の後ろからぞろぞろとバリラ、フィエラモスカ、ゴルゴ、ヴォルティーチェ、マメリ級の四人、ボルツァーノ、ポーラ、それに秘書艦カヴールがついてくる…


提督「なにこれ…花嫁行列?」


…食堂…


提督「ここが食堂ね、みんな貴女たちが来るのを待ってたわ♪」

ザラ「あら提督、建造はうまく行った…って、ボルツァーノ!」

ボルツァーノ「はぁい、ボンジョルノ♪」

ザラ「あぁ、やっと重巡が揃ったわね…♪」ちゅっ…と頬にキスをするとウィンクをして、自分たちの席に座るよう言った

ゴリツィア「ほんとに…ボルツァーノ、久しぶり…」嬉しさのあまり半泣きで、目をこすった

ボルツァーノ「ええ、久しぶりね♪……これからはずっと一緒よ、泣かないで」ぎゅっと抱きかかえ、頭にキスをする

提督「仲睦まじくてよかったわ…ボルツァーノは一人っ子だからちょっと心配だったのよね」

ポーラ「もぉ〜、ポーラたちがぁ〜…そんな意地悪するわけないですよぉ〜♪…えへへぇ、ボルツァーノ♪」ポーラは小走りでボルツァーノの方に行った

マメリ「結構なことだ、姉妹愛の美しさはアドリア海の青にも勝る…ところでガリバルディはいないのか?」朗々と響く声で呼んだ…

ガリバルディ「誰?…って、もしかしてマメリ?」

マメリ「いかにも…久しいな、戦友!」

ガリバルディ「あぁ、やっと来てくれたわね…カヴール、一緒に座りましょう?もうすぐお昼だし」

カヴール「提督?」

提督「もちろんいいわよ♪私は適当な所に座って食べるから」

カヴール「ありがとうございます♪…それでは、失礼して」楽しげに話しながら窓辺の席を取った

提督「みんな仲が良いようでよかった…」

フィエラモスカ「そうですねぇ、仲良きことは美しきかな♪」

バリラ「ほんとねぇ…お母さんは嬉しいわ♪」

提督「ええ…ところで、よかったらお昼を一緒にいかが?」

フィエラモスカ「あら、嬉しい限りです」

バリラ「喜んで♪…妹たちもいいかしら?」

提督「もちろん♪」

<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/05/09(火) 01:02:24.15 ID:myK3Kgk30<> …お昼はディアナがヴェネチア風の「蟹のトマトクリームパスタ」と、幅の広いフェットチーネで北部風の「カルボナーラ」(炭焼き)を用意してくれていた…提督自身料理は出来る方だが、オレンジ色の綺麗なソースでこっくりした味わいの「蟹のトマトクリーム」は蟹の殻を砕いたりと手間がかかり、カルボナーラはカルボナーラで、火加減を間違えると卵黄が固まって炒り卵になってしまうことを知っているので、感心しながら味わった…


提督「すごい…こんなにいい具合のカルボナーラは初めて♪」ちょっと渋めのワインを味わいつつ、こってりしたカルボナーラをくるくると巻き取る…卵黄と生クリーム、チーズ、粗挽きの黒胡椒だけとシンプルだが、手際よく絡めてあって生過ぎず、かといって火が通り過ぎてもいない…と、絶妙だった

バリラ「本当に美味しいわね…さ、いっぱい食べて大きくなるんですよ♪」

提督「これ以上大きくはならない方がいいのだけど」

バリラ「駄目ですよ…それとも、お母さんのおっぱいがいいですか?」ゆさゆさと揺すってみせた

提督「そっちもいいかもしれないわね♪……もう、冗談よ」一部軽巡や駆逐艦、それに百合姫提督の方から冷たい視線が送られてきたので、提督は手をひらひら振って冗談めかした…

提督「さて…と。おかわりをするべきか、せざるべきか、それが問題ね…」最近提督は毎日のように「食べ過ぎないようにしよう」と思いつつ、食事のたびに美味しすぎるせいで量を過ごしてしまっていた…しばらくうらめしげに皿を見てしばらく考え込み、それから吹っ切れたように立ち上がった…

提督「…ディアナ、おかわりをもらうわね♪」カウンターに置かれている茹でたてのフェットチーネをたっぷりとよそった

ディアナ「はい、どうぞ。気に入って頂けて何よりです」

カヴール「あらあら…あれではまた体重計にそっと乗ることになってしまいますね」

提督「ぐっ……運動するわ」

ドリア「うふふっ、そう言いつつこの間ちょっと泳いだだけでしたね♪」

提督「…」

ライモン「提督、あまり食べるとお身体に差しつかえると思います…」

提督「ありがとう、ライモン…もう差し支えているから安心して」自嘲気味に言うと席に着き、湯気の立つカルボナーラを幸せそうに口に入れた

トーティ(バリラ級)「美味しそうに食べるのね…見てるだけで幸せになっちゃうわ♪」

シエスタ(バリラ級)「本当に…いっぱい食べるのよ?」

フィエラモスカ「いっぱい食べられるようになったのですものね♪…さぁ、ワインもどうぞ♪」

提督「あー…フィエラモスカとバリラたちって母性の固まりみたいね……なんだか駄目になりそう…」

カヴール「あらあら…」すっかり子供扱いされている提督を見て微笑ましいと思うべきなのか、提督を駄目にしないよういさめるべきなのか悩みつつ、ゆっくりとワインをすすった…

……… <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/05/09(火) 01:57:48.86 ID:myK3Kgk30<> …ある日…

提督「あら、伝線してるわ…」着替えを探してクローゼットをかき回していると、黒いストッキングが結構な勢いで伝線していることに気付いた…何枚か持っているのでわざわざ取っておくこともないと捨てることにしたが、ついでなので着ない服を選び出すことにした…

提督「うーん…これはいらないわね」ごそごそと服や下着を引っ張り出しては、床に置いた「いるもの」「いらないもの」の、二つの段ボール箱に分けて放り込んでいった…


…提督は昔もらった似合わない服や小さくてもう着られない服を選り分けていて、状態のいいものは着る物をなかなか買いに行けない艦娘たちに渡したり、衣類倉庫に放り込んでいた。最近、その選別がやっと終わりかけた頃になって、今度はミラノ海軍通信隊付の「お姉さま方」から、「フランチェスカと艦娘のみんなに愛をこめて」と、段ボール十数箱も衣類が送られてきた…。もちろんたいていは親切心からの贈り物だったが、中にはいかがわしい衣装や状態の悪いものも入っていて、提督はため息をついてその整頓にあたっていた…


提督「うわ…これは着られないわ」ピンク色で透け透けのベビードールは明らかに二サイズは小さめで、提督が着たらまるっきり着ていないのと変わりなくなってしまう…とはいえ、モノはミラノの高級ブランドだったので、駆逐艦サイズの誰かなら着られると、いる方の箱に入れた

提督「これは…どういうつもり…?」もっさりした紫と灰色の毛糸で編んだ、遠くから見ればむしろ迷彩効果でもありそうなヘンテコなセーター…ばらして編み物の糸にすればいいが、とりあえず服としては使わないので「いらない方」に放り込んだ…

提督「うーん…おしゃれだけど……ねぇ」まだ包装に入ったままのランジェリーは紫色に黒いレースのついた上等なシルクだったが、サイズが変わってしまった提督には着られない…「いるもの」の箱に入れた

カヴール「提督、いらっしゃいますか?」コンコン…とノックをして、カヴールが声をかけた

提督「ええ、いるわ…どうぞ?」

カヴール「失礼しま…一体どうしたのですか?」

提督「あー…ほら、みんなに「好きなように持って行って」って言っている服があるでしょう?それの整頓がようやく済んだと思ったら、ミラノからこれが届いたの…時間もあるし、ついでに片づけようと思って」

カヴール「なるほど…でしたら私も手伝います」

提督「そんな、いいわよ」

カヴール「いえ、せっかく来たのですから…それに、用事もそのことだったので」

提督「あら、そうなの?」

カヴール「ええ、何しろ「建造」で艦娘が増えましたから、それぞれに着るものがありませんと…それで、彼女たちが「よかったら提督に見繕って欲しい」とのことで」

提督「なるほどね、じゃあ、これを片づけたら持っていきましょう」

カヴール「はい、きっと喜びますよ」

提督「そうね、でもまずは選り分けないと。…これは……いる」

カヴール「お手伝いします…これは、要りますか?」

提督「んー…一応「いるもの」にお願い」

カヴール「はい♪」

………


<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/05/09(火) 01:59:50.19 ID:myK3Kgk30<> …あんまり進んでいなくて申し訳ないですが、今日はこの辺で…また明日にでも投下しますので、待っていてもらえればと思います。それでは <> ◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/05/09(火) 10:14:11.76 ID:myK3Kgk30<> …しばらくして…

提督「はぁぁ…」

カヴール「ふぅ…」

提督「終わったわね……お手伝い助かったわ」二つの段ボール箱には放出品のように服や小物が積まれ、少し汗ばんだ様子の提督は椅子に腰を下ろした

カヴール「いえ、こちらこそ。提督はたくさん服を下さるので助かってます、何しろ着回しも大変ですから」

提督「そう?お古で喜んでもらえるなら安上がりで済むわ…そのうちにその分のお金でお出かけでもしましょうね♪」

カヴール「あらあら、提督は優しいのですね♪」頬に優しさのこもったキスをしてくれる…

提督「ふふ、そんなに褒めてもらえるとくすぐったいわ…そうね、よかったら手伝ってくれたお礼にいくつか先に持って行っていいわ♪」

カヴール「いいのですか?」

提督「ええ、いいわよ」

カヴール「では、これと…これにします」趣味が変わって着なくなったが、もったいなくて捨てられなかったフリルブラウスと、きつくなってしまったパンティとストッキング、ガーターベルトを拾い上げた…

提督「そんな私のお古でいいの?」

カヴール「うふふ…提督のお古だからいいのではありませんか……ふふ、提督のおみ足がつつまれていたストッキング…♪」にっこりと微笑むと、れろ…っ♪…と舌を這わせストッキングをしゃぶった…

提督「!?」

カヴール「れろ…じゅるっ♪……どうかしましたか?」

提督「あ、いや…気持ちは嬉しいけど……ちょっと目の前でされるのは…ね?」

カヴール「あぁ、いけない…私としたことがはしたなかったですね……部屋でゆっくりと愉しむことにします♪」

提督「え、ええ」

カヴール「提督のお下がりは人気ですから、こんなにもらえるとは嬉しい限りです…ふふ、よかったら箱も運んであげます」

提督「あー…お願いできる?」

カヴール「ええ♪」花束を抱えるようにお古の服を胸元に抱きしめると空いている方の片手で箱を持ち上げ、嬉々として部屋を出て行った…

提督「……人気?」

……… <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/05/10(水) 00:45:48.86 ID:9n3iwXiu0<> …食堂…


…何のかのと言って結局一番大人数を収容でき、位置的にも使い勝手のいい食堂は必ず誰かしらいて、カヴールが衣服の箱を持っていくと気が利くライモンが内線と放送でそれを伝えた…カヴールはその間にテーブルの上に服を並べた…しばらくすると艦娘たちがちらほらとやって来た…


エウジェニオ「うふふ…ライモンド、わざわざありがとう♪…お礼はキス、それとも一晩過ごす?」ねっとりとした手つきで頬を撫でた…

ライモン「そ、そういうのはいいですから。同じ軽巡ですし、ちょっとくらい贔屓してもいいかな…って思っただけなので」

アオスタ「ありがとう、助かるわ」

バンデ・ネーレ「黒いのがあればちょうだい♪」

ジュッサーノ「いつも黒いのね…たまには違う色にすればいいのに」

バンデ・ネーレ「いいの、これが好きなんだから」

ライモン「まぁまぁ…二人とも好きなのを選んでください」

ニコ「あー、新しい服だ!…どれにしよう♪」

ニコロ・ツェーノ(ナヴィガトリ級)「んー…これがいいかな」

リベッチオ「じゃあ、私はこれ♪」…並べてある服は、駆逐・軽巡用、重巡用、戦艦用とだいたい大きさに合わせて分けてあるが、一大勢力を擁している駆逐艦向けはどうしても枚数が足りないので、毎回競い合うことがあればくじ引きで決めていた…が、提督が着任してからは色々買ってくれるので、そこまで競い合うこともなくなり、今回も穏やかなはずだった…

ニコ「ん?これって、提督のお下がり…だよね?」ひょいとつまみ上げたのは提督の白いストッキング…レースで花柄の透かしが入っていて、ふとももの辺りはなにやら染みがついている…

ニコ「…もしかして♪」目をキラキラさせてストッキングを長手袋のように腕に通し、すべすべの生地に頬ずりした。知識豊富なニコには染みの原因もだいたい想像がついたので、頬を染めつつもその部分をれろれろと舐めた…

サウロ「やった…私も、「お宝」見つけちゃったわ♪」サウロが見つけた提督のブラジャーは大きさが合わないが、気にせずつかんで胸元に押し当てると、恍惚の表情で目をつぶった…

ミラベロ「ふふ…これ…いいわねぇ♪」提督のランジェリーを見つけ出すと、顔に当ててすーはーと深呼吸した…

リボティ「ああ…これ……最高だよ」ごそごそと衣服の山を漁って冬物の厚いタイツを見つけ出すと、とろけそうな顔でねぶった…

ドリア「まぁまぁ…そんなに嬉しそうでは、「貴女たちでは着られないのですから、私に譲って下さいな」と言えなくなってしまいますね♪」そう言いつつも、すでに提督のガーターベルトとブラジャーを手に入れて微笑んでいる…

ニコ「ドリアならいいよ…代わりに何かくれれば、だけどね♪」

ドリア「そうですか?…でしたら提督の……あら、エクレール提督♪」

エクレール提督「ボンジューゥ(こんにちは)…それ、フランチェスカの着ていたお古なんですの?」

カヴール「ええ、そうですが?」

エクレール提督「…それ、譲っていただけませんこと?」

ミラベロ「嫌よ、提督の匂いがするレースのパンティなんてそう簡単にあげられる訳ないわ♪」

ニコ「同感♪…申し訳ないけど、他を当たってもらえる?」

エクレール提督「くっ…でしたらこれで如何でしょう、出かけたときにでも好きなものを買いなさいな」財布からユーロ札を取り出した…

カヴール「鎮守府内で私物に対しお金のやり取り…というのは感心できませんね」

エクレール提督「だったら一体…!」

提督「…直接頼めばいいんじゃないかしら♪」







<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/05/10(水) 01:25:05.16 ID:9n3iwXiu0<> エクレール提督「え!?」

カヴール「あら、提督♪」

サウロ「!?…提督、あのねこれは違うの…その、えーと」

ミラベロ「私は違わないわ♪…提督の匂いだけで…イき…そ…う♪」

リボティ「ふふ、甘い毒だよね…白雪姫だってイチコロだよ♪」

ニコ「うーん…と、まぁ…そういうことなんだよね♪」

カヴール「…提督、あんまり怒らないで上げてくださいね」

提督「あー…その、私のお古が欲しいの?」

ミラベロ「欲しいわ♪」

リボティ「ぜひとも♪」

ドリア「その……よろしければ私にも♪」

エウジェニオ「私も欲しいわ♪」

提督「そう。…それなら言ってくれればあげるのに」

一同「「!?」」

提督「…だってきつくなって着られない服をクローゼットに入れておいても仕方ないし、有効活用してもらった方が服も喜ぶでしょう?」

ニコ「ほんとにいいの!?」

提督「ええ、別に下着くらい構わないわ…でも、大きさが合わないでしょうに」

ニコ「ふふ、着るだけが使い方じゃないから♪」

提督「あぁ、なるほど…それなら私のクローゼットにまだ選り分けてないのがあるし、後でもう何枚か持ってきてあげる♪」

カヴール「提督、いいのですか?」

提督「ええ。…それとも涙目で「そんなことに使うなら返して…!」とか言った方が可愛げがあるかしら?」

ミラベロ「どんな時も提督は可愛いから心配いらないわ♪」

提督「あら、ありがとう♪…と、いうわけで、争いの種にならない限り別に何に使おうが構わないわ……あと、マリー」

エクレール提督「な、何ですの」

提督「あとで私の部屋ね」

エクレール提督「わ、わたくしだけですの!?」

提督「お金をちらつかせるなんて汚いでしょう…だいたいマリーはうちの艦娘たちじゃないわ」

エクレール提督「理不尽ですわ…」

ニコ「提督、私も行こうか?」

エクレール提督「…あ、あの…それは///」

提督「今日「は」いいわ…また今度ね♪」

ニコ「了解…それじゃあ、これを楽しんでくるよ♪」

提督「ええ…みんなも選んだら自由に過ごしていていいわ♪」

………

<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/05/10(水) 01:34:04.57 ID:9n3iwXiu0<> …

提督「ところでカヴール」

カヴール「はい、何でしょう?」

提督「誰がそんなことを教えたの?…ポーラとかは多少似たような事をしてたけど」

カヴール「えーと…その」

提督「なぁに?」

カヴール「えー…つまり……百合野提督です」

提督「姫が?」

カヴール「正確に言いますと…百合野提督が持って来たアニメに「洗濯物をするときにねっとりと襟足を舐める」というくだりがありまして…」

提督「あぁ、それでなのね……まぁ、とりあえず害がないならいいわ。…それと、人前で大っぴらにやらないように」

カヴール「はい、伝えておきます♪」


……… <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/05/10(水) 15:12:35.58 ID:9n3iwXiu0<> …少し時間が出来たのでちょっと投下します… <> ◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/05/10(水) 16:15:43.44 ID:9n3iwXiu0<> …夕食後・食堂のバーカウンター…

提督「…って言うことがあって、姫が持って来たアニメDVDからインスピレーションを受けたって聞いたわ」

百合姫提督「あぁ…あれね?ドラゴンがメイドさんとして転がり込んでくるアニメで、そういうくだりがあるの……ポーラさん、もう一杯もらえる?」空になった「ピニャ・コラーダ」のグラスを差しだした

ポーラ「はぁ〜い、いいですよぉ〜♪」

百合姫提督「…ん、美味しい……「まじやばくね?」ってところね♪」

提督「…かわいい///」

百合姫提督「ふふ、ありがとう♪…これは作中の台詞なんだけど、フランチェスカにも後で見せてあげる」

提督「ええ……今の言い方、とっても似合ってたわ」

百合姫提督「そう?…嬉しい♪」

ミッチャー提督「…それはそうとさ、なんだっけ?……フランチェスカの着ていたストッキングやランジェリーをしゃぶる?」

提督「ええ、そうよ」

ミッチャー提督「…アー、ファック!マジでイカレてるわ!」両手をこめかみに当ててから振り下ろすような動きで強調しつつ、区切るようにいった

提督「そう?」

百合姫提督「そう言われると否定はできないけど……」

ミッチャー提督「…でも嫌いじゃないわ♪」そこまで言ってからにやりと笑った

提督「もう、驚いたわ。…ふふ、でもそうよね♪」

百合姫提督「嫌いなわけないわよね♪」

…一方、バーカウンターの端…

アオスタ「あぁ…もうやだここ……一人くらい常識人はいないの…ぉ?」端の方でカクテルをすすりつつ、聞こえてくる会話に頭を抱えていた…

ガリバルディ「こんばんは、ポーラ。とりあえず「カンパリ・ソーダ」をもらうわ……どうしたの、アオスタ?」

アオスタ「あぁ、ガリバルディ…あの提督たちをどうにかしてぇ」

ガリバルディ「なに、何かされたの?」

アオスタ「いえ、それがね……」

ガリバルディ「…なるほど。…確かにそれはちょっとやり過ぎかもしれないわね」

アオスタ「よかった…ガリバルディはまともで……」

ガリバルディ「ふふ、何よそれ。……ねぇ、ところで…よかったらこの後一緒に…夜の海岸を散歩でもしない?」

アオスタ「…え?」

ガリバルディ「ふふ、だって…アオスタは可愛いから」

アオスタ「全然人の話聞いてないじゃない!」

ガリバルディ「聞いてたわ…「好きな人の着たものだからって、ストッキングやランジェリーを舐めるのはちょっと変よね」…って話でしょう?」

アオスタ「やっぱり聞いてたのよね?」

ガリバルディ「ええ、もちろんよ。…だから「私はそういうことしないし、一緒にどう?」って言うことなんだけど」

アオスタ「…やっぱり聞いてないじゃないの!」

ガリバルディ「聞いてるでしょうが?…単に私は女の子が好きってだけよ♪」くいっ…とカンパリソーダをあおり、流し目をくれた

アオスタ「///」

ガリバルディ「で、どうかしら…夜の海岸は素敵よ?……涼しい夜風が吹いて、空にはオリオーネ(オリオン座)がきらめく…とどろく波音、浜辺の白いさざなみが闇に輝いて見えるわ…♪」

アオスタ「じゃあ、これを飲んでから…///」

ガリバルディ「決まりね♪」

アオスタ「うぅ…ソ連式の理詰めでも勝てないなんて…」

ガリバルディ「ふふ、このガリバルディに勝てる人間なんてそういないもの♪」

……… <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/05/11(木) 01:29:16.69 ID:646v6+Mz0<> …翌日・執務室…

提督「ところでカヴール」

カヴール「はい、提督」

提督「今日の待機組は誰だったかしら?」

カヴール「あら…せっかくボルツァーノが来たのだから、彼女を入れて編成したいと言ったのは提督ですよ?」

提督「そう言えばそうだったわね、だとすると…」

カヴール「40年開戦時、在メッシナの重巡第三戦隊…ポーラ、ボルツァーノ、トレント、トリエステです」(※メッシナ…イタリア半島の長靴が「つま先で蹴とばした」シチリア島の北東部。イタリア本土と目と鼻の距離にあり、戦時は狭いメッシナ海峡を封鎖する重要拠点だった)

提督「そうだったわね…ボルツァーノは来て間もないし、後で待機室にお邪魔しようかしらね…」と、作戦室からの直通電話が鳴った

提督「はい、執務室……ええ、それで?」優しい顔が一瞬くもり、きっと唇を噛みしめた…

提督「…了解、すぐ行くわ」受話器を置くとパッと駆けだした

カヴール「出撃ですか?」追いつくと横に並んで聞いた

提督「ええ…それに状況が少し良くないわ」

カヴール「…提督なら大丈夫ですとも」

提督「ありがとう…急ぎましょう」


………

…作戦室…


提督「アオスタ、通信内容をもう一度お願い…カヴール、私が状況を聞いている間に待機組へ出撃命令、沖で次の命令を待つようにと伝えて。それと第二待機のグループにも準備を急がせて」

カヴール「了解」内線を取り上げ待機室につないだ…

提督「それで?」

アオスタ「…通信内容です。発、アドリア海管区司令部で、イオニア海管区司令部から転送されてきました。内容は「ブリンディシ第二司令部より救援要請、哨戒中の駆逐隊がギリシャ南岸沖にて会敵、交戦中…敵重巡「カレドン」級二隻、「C」ないし「D」級軽巡四隻を認む…後は座標です」

提督「了解。…ブリンディシから増援は?」

アオスタ「は、北部アドリア海哨戒のため北上中だったため、反転しても間に合わないと…」

提督「そう…カヴール」

カヴール「はい!」

提督「至急。重巡第三戦隊は以下の指定座標に急行、友軍駆逐隊を救援すべし…敵は重巡「カレドン」級二、軽巡「C」「D」級四」

カヴール「…軽巡「C」「D」級四……よろしいですか?」

提督「待って。…必ず帰還されたし」

カヴール「帰還されたし…」

提督「それでいいわ…アオスタ、引き続き情報が入り次第すぐ教えて」

アオスタ「了解」

……… <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/05/11(木) 02:57:07.41 ID:646v6+Mz0<> …数時間後、地中海・ギリシャ沖…


カミチア・ネラ(ブリンディシ第二)「右舷一斉、フオーコ(撃て)!」

アルティリエーレ「フオコ!」

アスカリ「フオーコ!」

ランチエーレ「フオコ!」


…パウッ!…と小さいながら果敢な砲火がきらめき、発砲煙で船体が煙る…同時に機関への燃料供給を過剰にし、不完全燃焼の真っ黒い煙幕を展張する……すでに数発被弾したアルティリエーレとランチエーレをかばうようにカミチア・ネラとアスカリが駆け回り、「隙あらば必殺の魚雷をお見舞いするぞ」と煙幕から出ては接近して雷撃の構えを見せ、相手を牽制する…


カレドン級(に似た深海棲艦)「小賢しい…てぇ!」

カレドン級B「沈め、小娘……撃て!」八インチ砲が轟然と響き、煙幕の中に見え隠れするシルエットや、時折隙間からのぞくマストを狙う…

C級「撃て!」

C級B「撃て!」

D級「いい加減…!」

D級B「大人しくすることね…!」連携のとれた動きは大戦時の英海軍をほうふつとさせるが、当時の英海軍にあったシーマンシップは期待できそうにない…容赦ない砲撃に戦隊司令のカミチア・ネラも唇をかんだ…

カミチア・ネラ「撃て!」こちらのちっぽけな120ミリ主砲では相手に接近しても大した損傷を与えられないが、相手重巡の八インチ主砲を浴びれば致命傷になる…その上相手には軽巡も四隻いて、その六インチ単装砲も加わる…

ランチエーレ「撃て!…ネラ、こうなったら吶喊する!」損傷した船体をかばいつつ、「槍騎兵」の名の通り突っこんでやろうと槍を構え直した…槍の穂先に付いたイタリア三色旗のペナントがびびっ…と鋭い音を立ててはためく……

ネラ「バカ言わないで!…突っ込んだところで集中砲火を浴びるのがオチよ!」黒いシャツは裂け、痛々しい切り傷が見える(※カミチア・ネラ…黒シャツ隊)

アルティリエーレ「ネラ…こっちはもう持たないよ……また名前を…あげることになる…みたい」

ネラ「ここはマルタ沖じゃないし、改名なんてしたくないわ!撃て!…タラントからの援軍ももう来るころよ!」

カレドン級「へぇ…よく頑張るのね……それもどこまで持つかしら」八インチ主砲の斉射が吼え、弾着がアスカリを包み込んだ…

アスカリ「ふんっ!…このくされ重巡が!」かすめた砲弾がマストをへし折ったが、八インチ砲弾は駆逐艦の薄い舷側を撃ちぬいて炸裂しなかった…お返しの砲弾と一緒にイタリア語の流暢な悪態を並べ立てる…

カレドン級「もういい…切りこめ!」

C級「了解…一気に行く!」

D級「ふふ、これで閉幕と相成ります……じゃあね、マカロニの皆さん」…と、周囲に砲撃の水柱が噴き上がった

カレドン級「増援か…取り舵二十、新手を沈める!」ぐーっと船体が傾き、見事にウェーキを描いて回頭した…

ネラ「…増援が間に合ったわよ!だから言ったでしょう!」

ポーラ「…こちらタラント第六、第三重巡戦隊です。ブリンディシの駆逐艦たち、聞こえてますかぁ」

ネラ「聞こえるわ!…どうやら私たちが敵巡を沈める所を見るのに間に合ったみたいね!」イタリア人の心意気で粋がってみせた…が、後部甲板室上の第三砲塔は旋回不能で、後部マストも折れていて見当たらない…

ポーラ「そうですねぇ…まぁ、その機会はまたありますからぁ〜…まずはこちらでお相手しましょう」単縦陣で斜めに割って入り、先頭艦に照準した…

ポーラ「一番、二番主砲…フオーコ!」バウッ!…と主砲が吼え、敵重巡の周りに砲弾が降り注いだ

ボルツァーノ「一番、二番主砲、てっ!」

トレント「一番、二番、撃て!」

トリエステ「一番、二番主砲…てーっ!」

カレドン級B「ぐっ…!」ボルツァーノが撃った偶然の一発が主砲塔を撃ちぬいた…高初速の203ミリ砲弾を受け止められるほど装甲は厚くなく、あっという間に何かに誘爆、カレドン級「風」の深海棲艦は猛烈な勢いで吹き飛んだ…煙の晴れた海面に残ったのは、錆びた鉄のジャンクやフジツボ、カキ殻で出来た「残骸」だけだった…

トレント「お見事!」言いつつもつるべ撃ちに撃ち続ける…C級軽巡の一隻は煙を噴いて陣形から後落し始め、D級軽巡もその細い船体が傾いている…

カレドン級「まだだ…!」ジョンブル魂が深海棲艦にあるのかは謎だが、僚艦が沈んでもとにかく食い下がってくる…すでに前部主砲は沈黙、船体も傾斜しているが、後部主砲と対空砲、機銃まで向けてくる

ポーラ「…ごめんなさいねぇ」すれ違いざまに203ミリ主砲八門が平射で叩き込まれ、カレドン級はゆったりと優雅さを帯びて深海に戻っていった…

………

<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/05/12(金) 01:22:16.84 ID:8JirYkJw0<> ポーラ「よく頑張りましたぁ、駆逐隊は後退してくださいねぇ〜…♪」六インチ軽巡二隻と、203ミリ砲(八インチ)搭載重巡四隻の撃ちあいでは、軽巡の勝ち目は薄い…が、「C級軽巡もどき」はなおもしつこく抵抗を続ける。…ポーラたちとしては損傷した駆逐隊を安全圏まで後退させ、後ろを気にせず交戦したかったが、ブリンディシの「カミチア・ネラ」が頑として聞かなかった…

ネラ「断るわ…せめてこの傷の分を撃ちこまないことにはね!」

ポーラ「仕方ないですねぇ〜…言ったら主砲を斉射してくださぁい…」

ネラ「ええ、任せなさい!」

ポーラ「元気ですねぇ〜♪」そう言っている間にも右舷に主砲を指向し、斉射を撃ちこむ…

トレント「照準…撃て!」バウッ!…と主砲が吼え、C級軽巡の喫水線に砲弾が吸いこまれていった…

C級「まだ…まだだ!」大破したまま魚雷発射管を向け一斉に放ち、そのままずぶずぶと沈んでいった

トレント「危ない…っ!」幸い前後をすり抜けたが、ひやりと冷たい汗をかいた…

ポーラ「フオーコ!…はい、ネラ♪」

ネラ「食らえっ…てーっ!」もう大破しているC級軽巡に近寄り、533ミリ魚雷三発を叩きこんだ…命中した瞬間、C級の細い船体がぐらりと揺らぎ、真ん中から二つに折れて沈んでいった…

………

ポーラ「残敵な〜し…やりましたねぇ♪」沈んだ相手に手向けるように、少し悲しい表情を浮かべ十字を切ると、それから振り返って言った…損傷したアルティリエーレ、ランチエーレはそれぞれネラとアスカリが曳航し、ポーラたち四隻の重巡が方陣を組んで周囲を警戒した…

ボルツァーノ「初出撃で一隻撃沈…きっと提督に褒めてもらえますねぇ♪」すっかり上機嫌のボルツァーノ

ポーラ「まずは基地まで帰らないと、ですよぉ〜…」駆逐隊の痛々しい様子に顔を曇らせた…

トレント「ポーラ、損傷した駆逐艦たちは十五ノットがせいぜいです…ブリンディシよりうちの方が近いし、連絡して戻りませんか?」

ポーラ「そうねぇ…」

トリエステ「ブリンディシでは設備も小さいでしょうし…とりあえず提督に指示を仰いでみては?」

ポーラ「それがいいわぁ〜」

………

…作戦室…


アオスタ「第三戦隊より入電…音声に切り替えます」

提督「ありがとう…」パチリとつまみを動かし、インコムをつけた

提督「ポーラ、ご苦労様…大丈夫だった?……そう、よかった…え?…なるほど…もちろんいいわよ、連れていらっしゃい。どうぞ」

カヴール「?」

提督「損傷したブリンディシの駆逐艦を連れて来る…って。……了解、ブリンディシの方にはこちらから伝えておくわ、出迎えにライモンとアッテンドーロを送ったから、次の座標で合流して、どうぞ」…座標を読み上げると笑みを浮かべた

提督「了解、ボルツァーノにもうんとごちそうを用意するわ♪…通信終わり」インコムを外すと、固い表情がすっかりほぐれていた

カヴール「で、どうでした?」

提督「やったわ♪……ブリンディシの駆逐隊は大破、中破各一隻だけどこちらは損傷なし…救援もぎりぎり間に合ったし、文句なしに作戦成功よ」

アオスタ「はぁ…よかった」

提督「そうね…でも戻って来るまでが作戦だから集中を切らさないようにしないと」

カヴール「そうですね…みんなに伝えましょうか」

提督「ライモンたちと合流して安全圏についたらにしましょう…それとアオスタ、ブリンディシ第二の司令官につないで」

アオスタ「了解」

カヴール「ブリンディシの提督はご存じですか?」

提督「今リストをめくってるわ……あった。…あぁ、知っているわ。まぁ、「悪い人間じゃない」っていう所ね。ただ…「切れるか」と言われたら違うわ」

アオスタ「提督、ブリンディシにつながりました」

提督「ありがとう…代わりました、こちらタラント第六のカンピオーニ少将…ええ、私よ。…ええ、それで?……まさか、そんな訳には行かないでしょう?損傷した駆逐艦をブリンディシまで帰投させるつもり?…どうぞ」相手の声を聞いていたが、眉をひそめた…

提督「所属だとか、修理の資材だとかは気にしなくていいから彼女たちの事を考えたらどうなの?…たかだか二、三隻の駆逐艦が来たくらいで資材が立ち行かなくなるほど追い込まれてはいません、どうぞ」

提督「ええ、そうよ。…了解、納得してもらえてよかったわ。…了解、通信終わり」


<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/05/12(金) 01:54:25.75 ID:8JirYkJw0<> アオスタ「どうでした?」

提督「ふぅ…説得に苦労したわ。「他鎮守府の所属艦に資材を使う訳にはいかないはずですから、ブリンディシまで帰投させます」って言って来たの」

カヴール「…曳航されているのに、ですか?」

提督「ええ、そうよ…もちろん、あんまりだから叱ったわ。だいたい十五ノット出るかでないかの損傷した駆逐艦をブリンディシまで帰らせるなんてどうかしているわよ…そうしたら今度は「資材はいつまでに返せばいいでしょうか」ときたわ…取りたてでもすると思ったのかしら」

カヴール「まぁまぁ…きっと資材が厳しくて、提督も同じだと思ったのでしょう」

提督「そこまで考えるつもりなら、ブリンディシまでの距離を海図で計って燃料消費量を計算すればいいのよ…こっちで駆逐艦を修理、回復させるより、ブリンディシまでうちの重巡四隻を航行させるほうが高くつくから、むしろその方が取りたてを受けるハメになるわ」

アオスタ「え?…あ、本当ですね」

提督「でしょう?…兵站は一番大事なのにあの司令官ときたら測ろうともしないのだから…まったく……」

カヴール「…ふふ、でも駆逐艦も無事なようでほっとしました」

提督「そうね、それは喜ばしい事だわ♪」急に満面の笑みを浮かべた…

カヴール「ごちそうは何がいいですか?」

提督「そうねぇ…カジキマグロがまだあったはずだから、あれにパン粉をつけてバター焼きに……あー…でも、トマトソースで煮込むのも捨てがたいわね」

カヴール「どっちも美味しそうですが冷蔵庫に鶏肉もあるでしょうし、カジキはバター焼きにして、鶏肉はピエモンテ風のトマト煮込み、なんていかがでしょう♪」

提督「いいわね♪……そんなことを言ってたらお腹が空いてきたわ」

カヴール「緊張していたのですね…よかったら食堂から何か持ってくるよう頼みましょうか?」

提督「そうね…いえ、飲食は電子機器に悪い影響があるわ。帰って来てから食堂でお茶でも飲みましょう」

カヴール「はい♪」

アオスタ「ライモンドから入電、「第三戦隊を視認、合流する」とのことです」

提督「ふぅ…よかったわ。…アオスタ、よかったら代わりにお茶でも飲んで来たら?」

アオスタ「いえ、まだ帰投したわけではないので…」

提督「ふふ、そうね。…ありがとう」軽く頬にキスをした

アオスタ「///」

……… <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/05/12(金) 01:58:30.57 ID:8JirYkJw0<> …急にイメージがふくらんできたので、久々に出撃をやってみました…どうだったでしょうか。…とりあえず今日はこの辺で終わりますが、次からまたのんびりいちゃいちゃする予定でいますから、甘いのが欲しい方はご安心を。それではまた… <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<><>2017/05/13(土) 00:28:39.78 ID:x7zaauhS0<> …投下する前に訂正です。ずっと深海側の重巡「カレドン級」って書いていますが、実際のカレドン級はC級軽巡です……言い訳になりますが、最初重巡「エクセター」と「カレドン」級の組み合わせにしようと思っていたのですが、重巡がエクセター(ヨーク級)ではちょっと弱いかな…などと消したりしているうちに艦名だけが残ってしまい、そのまま重巡に化けてしまったという訳でして……読んで下さっている方と英海軍の皆様、大変失礼いたしました。その部分は「ヨーク級」に置き換えてお読みください…


…解説…


アルティリエーレ…ソルダティ級駆逐艦、艦名は兵種「砲兵」。1940年にマルタ沖で英艦グループと交戦、撃沈された

カミチア・ネラ…ソルダティ級駆逐艦、艦名は兵種「黒シャツ隊」。(※黒シャツ隊…ファシスタ党の私兵部隊。第一次大戦の「乱暴だった」突撃部隊、「アルディーティ」(突撃兵)が夜襲のため黒シャツを着ていたことから。戦後も徒党を組んでファシスタ党の母体になったことから、黒色が基調になった…ドイツ武装親衛隊の先輩にあたる)
…1940年に撃沈された「アルティリエーレ」の乗員を救助したことと、ムッソリーニの失脚でファシスタ党礼讃の必要が無くなったため1943年に改名、「アルティリエーレ」(U)になった…1949年ソ連に賠償として引き渡された

<> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/05/13(土) 02:51:12.19 ID:h3jpkvGJo<> 乙でした
<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/05/13(土) 10:34:59.45 ID:x7zaauhS0<> >>480 どうも <> ◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/05/13(土) 11:35:11.10 ID:x7zaauhS0<> …ある日・朝…

提督「ん…んんぅ……」…むにゅっ♪…半分寝ていて夢うつつの提督の顔に、何やら柔らかい感触がある…もっちりふんわりしていて温かく、バニラのような、あるいはカスタードクリームのような甘いいい匂いがする…

提督「…むにゃ……すぅ…」もにゅ、ぽよんっ♪…気持ちいい感触のそれに顔を押し付けているとまた眠りに引き込まれそうになるが、空腹感が押し寄せてきてもいる…

提督「んぅ…そろそろ……朝かしら…」…むにっ♪

提督「そろそろ…起きないと……」

ドリア「まだいいじゃありませんか…♪」

提督「…そう?……んぅ…おはよう、ドリア……」

ドリア「はい、おはようございます」

提督「……!?」

ドリア「どうかしましたか?」乱れた髪を肩から胸元に垂らし、目を細め微笑んでいる…

提督「いえ…昨日夜に執務していたところまでは覚えているのだけど……」

ドリア「提督はお疲れだったのでしょう。そのままお眠りになってしまったので、カヴールがベッドに運んであげたのです」

提督「…貴女、ドリアよね?」

ドリア「うふふっ…ドリアですよ♪」

提督「…カヴールがベッドに運んでくれたのでしょう?…どうして貴女がいるのかしら」

ドリア「提督がお疲れで眠ってしまったと、部屋に戻る途中のカヴールから聞きまして……でしたらお休みなさっている提督で…うふふ♪」

提督「私で…なに?」

ドリア「それはもちろん……提督、世の中には知らなくていい事、知らない方が幸せなことがありますよ♪」

提督「…今何時?」

ドリア「0900を少し回った所です」

提督「それなら朝食を食べに行くわ……」背中に手を回されている。力を込めて身体を引き抜こうとしたが、びくともしない…

提督「あの…ドリア」

ドリア「はい、提督♪」

提督「私は朝ご飯を食べに行きたいのだけど…」

ドリア「もう少しこうしていたいので嫌です…♪」

提督「お願い、さっきから良い匂いがするし…」

ドリア「きっと私の香水ですね♪」

提督「パンの匂いがする香水なんてあるの?……ね、後で何でもしてあげるから…」

ドリア「ふふ、それも悪くありませんが…だめです♪」

提督「お願い…お願い」

ドリア「♪〜傷つけないーでー…」

提督「ごまかさないで…ねぇ、ドリア…いいでしょう?」

ドリア「私と朝食、どっちが大事なんですか…♪」

提督「もちろん貴女よ…だけど今は別。お腹が空いて力が出ないの…」

ドリア「…だったら提督の事を好きに出来ちゃいますね♪」

提督「いつもだってかなわないのは同じでしょうが……ねぇ、ドリア?私は断食なんてしたくないの、お願いだから…」

ドリア「仕方ありませんね♪…はい、お目覚めのミルクですよ♪」提督の顔を胸に押し付ける…

提督「んぅー、んーっ!」

ドリア「母乳が出れば吸わせてあげますが…私は出ないので、匂いで我慢してくださいね♪」

提督「ぷはぁ…甘い良い匂いがしたわ……でもお腹が減ってるのは変わらないわよ…」

ドリア「むぅ…ならどうしたいのですか?」

提督「いえ、だから最初から「朝食を食べに行きたい」って言っているのだけど…」

<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/05/13(土) 11:57:52.11 ID:x7zaauhS0<> ドリア「提督はわがままですね…♪」

提督「私のせいなの…?」

ドリア「そんなわがままを言う提督はお仕置きです♪」またベッドに引きずり込まれた…

提督「きゃあっ!…ちょっと、ドリア…どこ触って…あんっ///」

ドリア「うふふ…さぁ、提督…熱いドリアに……スプーンを入れてみてください…とろけて、火傷しちゃいますよ♪」

提督「あぁ…もう……♪」

カヴール「おはようございます、提督。食堂にいらっしゃらないので朝食をお持ちしましたよ…って、ドリア?」控えめにドアをノックして入ってきたカヴールは、ドリアを見て腑に落ちないような表情を浮かべた…

ドリア「あらあら…せっかくとろけるようなドリアを召し上がっていただこうと思ったのに…♪」

提督「はぁ…はぁ…はぁ……カヴール」

カヴール「はい、提督」

提督「助かったわ…あとでお礼に好きなことしてあげる」

カヴール「まぁ、嬉しいです♪…でもそんなに空腹でいらしたのなら、食堂にいらっしゃればよかったのに」

提督「そうね…行きたかったのだけど、どこかのド級戦艦に阻止されて…ね、ドリア?」

ドリア「さぁ…何のことでしょうか……朝からとろとろのドリアを召し上がろうとしていた提督♪」

カヴール「……ねぇ、ドリア。…私、「提督はお疲れですからゆっくりお休みしてもらいましょう」…って言いましたよね」

ドリア「ええ」

カヴール「秘書艦の意見が聞こえませんでしたか…?」

ドリア「私お婆ちゃんだからよく聞こえなかったの♪」

カヴール「私の方が年上ですよね…それとも聞こえるように言って差し上げましょうか?」

ドリア「恋は盲目…って言うけど、耳も聞こえなくなるみたいだから無駄ね♪」

カヴール「…」

<> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/05/13(土) 13:30:56.49 ID:h3jpkvGJo<> ド級戦艦は性欲もド級でしたww
甘ったるい百合百合もすばらしいけどちょっと修羅場ってるのもいいゾコレ <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/05/14(日) 00:48:44.57 ID:R+g5stMz0<> >>484 では、超ド級戦艦リットリオ級が百合をこじらすと…?……ご期待下さい

ちなみにカヴールの方が一年先輩にあたり、しかも第一次大戦時はイタリア海軍の総旗艦だったのに、ドリアほど提督に対して積極的になり切れないのをもどかしく思っている…という設定が隠れています
<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/05/14(日) 01:26:07.40 ID:R+g5stMz0<> 提督「あら、美味しそうな朝食ね♪」…お互い「提督と二人きりになりたい」という思いと、ド級戦艦としてのプライドをかけ、にこやかながら研ぎ澄まされたつば競り合いを繰り広げるカヴールとドリアを見て、ふと力が抜けるような調子で言った…

カヴール「あぁ、いけません私ったら…今、お給仕して差し上げますね♪」

ドリア「さ、座って下さい♪」

提督「ありがとう、二人とも…喧嘩は駄目よ?」

カヴール「喧嘩なんてしていませんよ?」

ドリア「ええ、艦隊総旗艦に逆らうほど無謀じゃありませんから…コーヒーはいかがですか♪」

提督「ありがとう…んっ、美味しい♪」ふわっとまとめられた柔らかいオムレツは暖かみのあるクリーム色で、二つに切ると包み込んであったチーズが溶けだし、バターの香りと共に鼻腔をくすぐった…生焼けの所も、焼きすぎで固くなっている所もなく、舌触りは絹のようになめらかだった…

カヴール「よかった…。これ、私の手作りなんです…♪」

提督「とっても美味しいわ♪…モッツァレラがいい具合に溶けて」

カヴール「ゴルゴンゾーラやゴーダでは匂いがきつ過ぎますから…パンもどうぞ?温かいのを確保してきましたから♪」

提督「嬉しいわ♪」四角い食パンを斜めに切り分け、台形になっている黄金色のトーストが柳のパンかごに幾枚も載っている…そばには、適度に温めてあってパンに載せるだけで溶け出すようになっている四角いバターの小皿、初夏の日差しをいっぱいに浴び、菜園で大量に取れた苺の手作りジャム。小ぶりなガラスの水差しには、冷たいミルクが満たされている…

提督「うーん…素晴らしい朝食ね。高級ホテルでもこうはいかないわ……それに綺麗なお姉さんが二人も♪」

カヴール「もう、提督…嬉しいけれど恥ずかしいです///」

ドリア「うふふ、提督ったら♪…そんなに嬉しい事を惜しげもなく言って、私が我慢できなくなっても知りませんから…♪」

提督「あらあら、朝食の後は運動?……規則正しい生活ね♪」

カヴール「も、もう…提督ったら、ドリアにそんなことを言って///」朝から提督の情事を想像して、頬を桃色に染めている…

ドリア「うふふ…提督、ドリアと恋の海原を駆けてみませんか♪」

提督「ふふっ…まずは朝食を頂いてからね♪」

……… <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/05/14(日) 10:25:54.03 ID:JFosqfUyO<> いいなぁ…生まれ変わったら此処の提督になりたい <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/05/14(日) 13:52:34.63 ID:R+g5stMz0<> >>487 そう思ってもらえてなによりです…せっかくなので少し投下していきますね <> ◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/05/14(日) 15:20:11.69 ID:R+g5stMz0<> …午前中・作戦室…

提督「はぁ…ようやく所属艦リストの更新手続きが終わったわね」ローマのスーペルマリーナ(最高司令部)から返送されてきた山ほどある書類にチェックを入れ、ファイルに戻した…

カヴール「ええ、少し肩が凝りましたね…ちょっと身体を動かしに行きましょうか」立派な艦名簿は見た目はいいが冊数が増えると重く、それを取ったり戻したりしていたカヴールは少し肩を回し、首筋を揉んでから言った…

提督「え?私は構わないけど…カヴールはいいの?」

カヴール「ええ。みんなもよく運動を兼ねてしていますし……私だとそんなにおかしいですか?」

提督「いいえ。でも、カヴールってあんまりそういう風には見えないから…って、偏見でものを言ってはいけないわね」

カヴール「偏見だなんて、そんなこと思ってはいませんよ…でも、ドリア、デュイリオ、チェザーレにリットリオもいますし、その分もっと上達しないと…そう思っていますから」

提督「そんなに言ってもらえて嬉しいわ。午後は工作室でまた建造にかかろうと思っているから、午前中だけしか時間は割けないけれど…いい?」

カヴール「ええ、充分です♪」

提督「そう…即答されちゃったわ///」

カヴール「では、参りましょうか…道具は向こうに置いてありますし」

提督「道具…ね///」

カヴール「私、何かおかしなことを言いましたか?」

提督「いいえ?…私はあんまり好きじゃないけど、中には好きな人もいるわよね」

カヴール「そのようですね、この間ミッチャー提督も見ましたから」

提督「ジェーンね…何となく分かるわ///」

カヴール「そうですか?…よく手に馴染んでいるようで、大変お上手でしたよ」

提督「ええ、まぁ…そうかも知れないわね///」

カヴール「では行きましょうか」

提督「そうね」


………

…鎮守府の外れ…


提督「こんなところで?…結構積極的なのね///」どちらかと言えばおっとりしているカヴールからは想像も出来なかった状況に、思わず口元が緩む…



…鎮守府、北東側の外れには半地下の耐爆掩蔽壕になっている火薬庫や木製の的が並ぶ射撃練習場があるが、射撃場で使えるような小火器は本棟の武器庫にしまっている分しかなく、備蓄の弾薬もそう多くはないのであまり使われず、火薬庫も厳重に管理されているので、普段はあまり人通りがない…それをいいことに、何人かが屋外での交わりに使っているという噂は聞いたことはあった…


カヴール「あの…提督」先ほどから気にかかるような表情でいたが、口を開いた…

提督「なぁに…もう、我慢できそうにないかしら♪」タイトスカートをちょっとずつ下ろし、にっこりと微笑む

カヴール「…どうも、お互いに勘違いをしていたようですね///」

提督「あらあら……そんなに恥ずかしがらなくてもいいのよ♪」

カヴール「いえ……その…私が「運動」と言っていたのは単に射撃の訓練なのですが…」

提督「え…?」

カヴール「…その、紛らわしい言い方をしてしまったかも知れませんが」

提督「あー…えーと…」

カヴール「運動をすれば筋肉がほぐれるかと思いまして。射撃以外にもちょっとしたトレーニング器具もありますし…」

提督「つまり…」

カヴール「野外で…その、道具を使ってまぐわう……と意味ではないのですが///」

提督「そう…昼間からねっとり絡み合うようなレズセックスができると思って、期待に胸を膨らませていたわ」(そうね、そうだろうとは思っていたわ)








<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/05/14(日) 16:52:57.68 ID:R+g5stMz0<> カヴール「心の声が漏れていますよ、提督……ですが、その…夜でしたら」

提督「ふふっ♪…そうね、では夜になったら私の寝室に来て?」

カヴール「はい♪」

提督「では、誤解も解けたところで、改めて運動をしに行きましょうか」

カヴール「はい、そうしましょう」


…射撃練習場…


…レーンが五つしかない小ぶりな射撃練習場は併設されたトレーニング施設と防音壁で分けられていて、トレーニング室の方ではいく人かの熱心な艦娘たちが練習器具を使っていた…一方の射撃練習場では、カヴールの言った通りミッチャー提督がいて、隣でピストルを構えているフレッチャーに何やら教え込んでいる…


カヴール「こんにちは、ミッチャー提督」

ミッチャー提督「お、今日も来たんだ。感心だね……って、フランチェスカ?珍しいね」

提督「まぁ、甘いお菓子に釣られて…と言った所かしら」

ミッチャー提督「…何となく想像はついたわ。しかし、始めたばかりなのにカヴールは射撃が上手いからね…数日に一回やればもっと上達するよ」

カヴール「ありがとうございます…フレッチャーにも教えているのですか?」

ミッチャー提督「まぁね。私もやらないでいると腕がなまるし、人に教えていると自分の欠点も分かってくるから」

フレッチャー「マームは教え方も上手いから、どんどん上手になってみせるわ」

カヴール「なるほど…では、提督。耳当てをどうぞ」

提督「ええ。まずはカヴールの腕前を見せてもらうわ」

カヴール「はい」耳当てとぴったりした革手袋をして、壁に向かった…壁には作り付けの棚があり、射撃競技用や、ごく普通の軍用ピストルが数丁づつ収めてあるが、カヴールは一丁のピストルと弾の箱を持って戻ってきた…

カヴール「私はいつもこれです」カヴールがレーンに立つ前にピストルを見せてくれた。持っていたのは戦中イタリア軍の制式ピストル、ベレッタ・モデル1934だった…もう骨董品だが状態はよさそうで、金属も青光りして艶がある…

提督「まぁ…何とも懐かしいモデルね……」

ミッチャー提督「9×18ミリだから、あんまり反動もきつくないし…何より当時のピストルだからね」

カヴール「思い入れ…というのではありませんが、どことなく懐かしさを感じますよ」レーンの前にある台に立つと、ピストルの台尻の底にある爪を動かして弾倉を抜き、弾を詰めると弾倉を込めた…(※戦後まで多くのヨーロッパ系ピストルはグリップ脇のボタンではなく、底の爪で弾倉を押さえる仕組みが一般的だった…握りこんだ手が触れ誤って弾倉を落としてしまわない代わりに、リロードが遅くなる)

提督「そうなのね……さぁ、レーンに立つのだから集中して」

カヴール「そうでしたね……」構え方も戦前スタイルで、身体を横に向け腕を長く伸ばす…引き金を引いた


…パンッ!と大きいが軽い音が響き、同心円状の的の中心から二列目、「9点」の所に穴が開いている…


ミッチャー提督「おぉ、上手いもんだね…指の動きがちょっと固かったな」

提督「上手よ、カヴール」

カヴール「ありがとうございます…」真剣な表情は普段の物柔らかな態度からは想像もできないほど凛々しく研ぎ澄まされていて、目を細めて的を見る様子に、提督は思わず息を呑んだ……銃声が響き、的の「9点」にもう一つ穴が開いた…結局、八発入りの弾倉一本でほとんどが「9点」、一発が「10点」を撃ちぬいていた…

ミッチャー提督「エクセレンッ!(素晴らしい)…旧式のベレッタ、しかも片手でこれなら、両手で構える今どきの撃ち方なら間違いなく「10点」を撃ちぬけるね」

提督「そうね…すごいわ」

カヴール「ほめ過ぎです…恥ずかしくなってしまいます」

フレッチャー「いや、私も上手いと思うわ」

カヴール「まぁまぁ…そう言って頂けて嬉しいです♪」

ミッチャー提督「んー、これは私も負けてられないな…」そう言って、小さいガンケースを開けた

提督「あら、わざわざアメリカから持って来ていたの?」

ミッチャー提督「そう。もちろん許可はもらったわよ?」

フレッチャー「マームは射撃の名手なのよ」

ミッチャー提督「名手は言い過ぎ…海軍の競技会で二十位以下じゃね」

フレッチャー「でも、普段は私たちと一緒に過ごしてくれて、ほとんど練習してないのよ」

提督「それはすごいわね…」

ミッチャー提督「やめてよ…///」恥ずかしそうに頭をかき、それからきゅっと唇を結ぶとピストルを取り出した… <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/05/15(月) 02:10:42.40 ID:7IzuwlCu0<> 提督「それで、ジェーンのピストルはどこの物なの?」

ミッチャー提督「これよ」

提督「これって…コルト?」

ミッチャー提督「そう、フォーティファイヴ」(※フォーティファイヴ….45口径の意。「.45口径」とは0.45インチ口径のことだが、普通コルト・M1911ピストル「ガバメント」を言う)

ミッチャー提督「…そっちには悪いけど、M9ピストルは嫌いでさ。一応普段は官給品を持っているんだけど、射撃場ではいつもこれなの」
(※M9…現行の米軍制式採用ピストル。もとはベレッタのM92Fで、M9はアメリカ軍仕様。トライアルでは高得点だったが、初期のベレッタM92ピストルに不良が多く、また「阻止力が低い」と海兵隊からは不評。結局海兵隊はフォーティファイヴの改修・延命型ピストル「MEU」を採用)

提督「ずいぶん手が加えられているみたいだけど…?」

フレッチャー「!」

ミッチャー提督「お、分かる?このフォーティファイヴはさ、普通のフォーティファイヴとは少し違うんだよね…ついていたスライドはガタが来ていたから強化スライドを買って、細かいところは自分で研磨して合わせたし、マガジンキャッチはでっぱりが高すぎるとマガジン脱落を起こすから小さいものに交換したし…、挿入口は広げて、グリップは滑りにくいウォールナット(クルミ)材、セイフティはいらないから小ぶりなのに変えて、三点ドット式サイトで…」

フレッチャー「あーあ…マームにピストルの話はダメよ……長いったらありゃしないんだから」

ミッチャー提督「…もちろん、スミス&ウェッソン・M39系列のオートマティックの方がいいところが多いわよ…だけどせっかく素体があるならいじって見るのも手だと思うし、これなんか「のみの市」で売られてたジャンクからパーツを抽出して作ったから、結局安く済んだわ」

提督「…なるほどね。…つまり手をかけた分だけ、自分に合っている一丁になった…と」

ミッチャー提督「そう言うこと♪マイルドで撃ちやすいフォーティファイヴになったわ……ま、論より証拠。見せてあげるわね」慣れた手つきでスライドを引いた…構えている手をもう一方の手で包むような握り方は、イタリア発祥とされる握り方で安定させやすい……バンッ!…とさっきより強い音がして、的の中心にある「×」印のそばに穴が開いた…

提督「上手…本当に凄いわ」

ミッチャー提督「ん…ちょっと構えが悪かったかな……」…バンッ!……今度は見事に的の中心を射抜いた

フレッチャー「さすがマームね!…ワイアット・アープもかないっこないわ!」

(※ワイアット・アープ…西部開拓時代の連邦保安官。射撃の素晴らしい腕前と、腕前だけの乱暴者が多かった保安官の中で教養があり、人柄もよく、当代伝説の人物だった。作家バントラインが話のタネを探していた時に出会い、さっそく大いに尾ひれを付けた物語を書いたが、その礼に数人だけがもらった「バントライン・スペシャル」(銃身がとてつもなく長いコルト・シングル・アクション・アーミー「ピースメーカー」)を使いこなしていた唯一の人物…無法者クラントン一家との「OK牧場」の決闘が有名で、その後一味の残党による闇討ちで亡くなった弟の敵討ちをした)

ミッチャー提督「だからほめ過ぎだってば…」そう言うと、また引き金をひいた…さっきの中心からわずかに外れた所に穴が開く……的の穴はほとんど「10点」で、二発だけがわずかにそれていた…

提督「みんな上手ねぇ…私では足元にも及ばないわ」

カヴール「まぁまぁ…射撃の腕前だけが大事ではありませんし、提督にはいいところがたくさんありますよ」

フレッチャー「そうよね。…まぁ、カンピオーニ提督、お互いへたくそ同士で頑張りましょうか!」

提督「ええ、そうね…さてと、ピストルも色々あるわね」宝石店のようにきれいに陳列されたピストルの中から、提督はカヴールと同じベレッタ・M1934ピストルを取り出した…

ミッチャー提督「へぇ、フランチェスカはM1934が好きか…戦中は人気だったとはいえ、なかなか渋いね」(※ベレッタ・モデル1934…名前の通り、1934年に生産開始されたピストル。第二次大戦中は将校などの自衛用ピストルとして支給された。中型で威力は低い目の9×18ミリ口径だが、仕上がりの良さから当時敵である連合軍にも人気で、イタリア軍将校を捕虜にするとまず取り上げて自分用の「お土産」にしたほどの名銃…口径が9×19ミリの「モデル1935」もある)

提督「小さいけれどちょうどいいの」弾倉に弾を込め、いっぱいになった弾倉を銃尾にパチリと差しこむ…

提督「ふー…」スライドを引きピストルを両手で包みこむように構えると、すっ…と引き金を引いた

提督「んっ…」パンッ!…と銃声が響き、まっさらな的の「9点」部分に穴が開く

フレッチャー「…え?」

ミッチャー提督「おぉ…グレィト!(すごい)…これで「射撃が下手だ」なんて謙遜もいいところね♪」

提督「そう?…すぅ……」パン!

カヴール「ええ、お上手です♪」

提督「ほめられると嬉しいものね♪…ふぅー……」パンッ!

ミッチャー提督「おー、いい腕じゃないの」

フレッチャー「ちょっと…!」

提督「…」パンッ!…最後の一発まで撃ち終えると、つないであるひもをたぐって、的の紙を引き寄せた

ミッチャー提督「ヒュゥ♪…フランチェスカってば、充分上手じゃないの」

カヴール「ますます自慢の提督です…はい、ごほうびです♪」…ちゅっ♪

提督「あらまあ…素敵なごほうびをありがとう♪」

フレッチャー「う…この中だと私だけが素人みたいじゃない」

ミッチャー提督「まぁまぁ、私が教えてあげるって…フランチェスカたちは?」

カヴール「ピストルを片づけたら、向こうでちょっとトレーニングをしてきます♪」フレッチャーの気持ちを察してそう言うと、ミッチャー提督にウィンクした…

ミッチャー提督「サンクス(ありがと)……フレッチャー、私が今からしっかり教えてあげるからさ♪」ウィンクを返し小声で言うと、コルトを持って的に向かっているフレッチャーのそばに立った…

……… <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/05/16(火) 01:54:16.88 ID:y7vwC4xl0<> …トレーニング室…

提督「あれ…この部屋ってこんなに機材あったかしら」射撃練習場を出て防音ドアを閉めると、改めて室内を見回した…着任当初あったのはごく普通の運動マットに平均台、イタリアでは多くの人がたしなむフェンシングのコートだけだったはずが、いつの間にか色々増えている…

カヴール「提督の着任以来、通販で物を買うことができるようになったので…」

提督「あー…そう言えば駆逐艦の娘たちとか、何か買うって言ってたわね……そう言えば、ここに置いてあるこれもそうじゃない?」片隅に置かれていたウォーキングマシンを指差した

カヴール「ええ、彼女たちはお金があると色々買ってしまって…結局使わないので、ここに置いてあるのです」

提督「そうなのね…別に自分のお小遣いだから好きに使ってくれていいのだけど、使わないのはもったいないわね?」

ガリバルディ「…だからありがたく使わせてもらっているわけ」最近通販で見た、「身体を起こすだけで腹筋を鍛えるマシン」で上体を起こしながらガリバルディが話しかけてきた…

提督「あら、ガリバルディ…鍛えているのね」

ガリバルディ「鍛えている…のもあるけど……ふっ!…お腹がね……ふぅっ!……少し…」そうは見えない引き締まった身体から汗をしたたらせ、胸を揺らしながら上体起こしを続けている…白いTシャツは汗でしっとりと濡れ、胸の先端が桃色に透けて見える…

提督「あらあら…なかなかいいわね♪」

ガリバルディ「…ふぅ……どこを見て…よいしょ……言ってるのかしらね!……はー…終わった…わ……」上体起こしの器具から降り、器具の柱に巻きつけてあったタオルで額を拭った…

提督「お疲れさま…はい♪」片隅に置いてある小さい冷蔵庫から水差しとグラスを出して、いっぱいになるまで注いだ

ガリバルディ「グラツィエ……ごくっ…ごくんっ……ふー…」大きいグラス一杯の水を一気に飲み終えると、三つある椅子の一つに腰かけた

カヴール「今日は何回ほど?」

ガリバルディ「今日?…ちょうど100回ね」

提督「100回…すごいわ……」

ガリバルディ「美人にモテたいならそのくらいしなくちゃいけないわ…提督もトレーニング?」

カヴール「ええ、そうです…書類相手で肩が凝ったので♪」

提督「え…えっ!?…勝手に決めないで、カヴール」

カヴール「駄目ですよ、この間から運動すると言いながら…///」

ガリバルディ「ベッドでするのは運動じゃないわ…それも含めたら、この鎮守府に何人かアスリートがいることになるわよ」

提督「うふふっ、そうね♪……ねぇ、カヴール。私はやりたくないわ…お願い♪」

カヴール「そうですか…でしたら……って、駄目ですよ。優しく言われたので危うくごまかされるところでした」

提督「だって、ねぇ…私の身体じゃ飛んだり跳ねたりはおぼつかないわ」下から手をあてがって、ぽよんと大きな胸を揺すってみせた…

カヴール「…よく士官学校の厳しい授業を合格できましたね」

提督「あー…まぁ、たいてい及第点ぎりぎりだったわ。…いつも最下位だったわけじゃないのよ?」

カヴール「提督…それはあんまり自慢には……」

提督「…そうよね。…確かに下から数えた方が早かったけど、いつも居残りの時は教官が付きっきりで見てくれて。…まぁ、だいたいは体育倉庫でねっとりいちゃいちゃしていただけだったけど……」

カヴール「…全員参加の障害物走とか、お目こぼしのできない授業もありますよね?」

提督「壁はお尻を押してもらったり…最下位でもたいてい誰かが一緒になってくれたし、腕立てとかも……」

カヴール「…」

ガリバルディ「あははっ、そうよね。提督の事だからそんなことだろうと思ったわ♪」

カヴール「…今からでも遅くありません、頑張って運動しましょう」

提督「えー…むしろ私はカヴールが運動している所を見たいわ♪」

カヴール「私はもちろんですが、提督も一緒にですよ♪」

提督「…はーい」

……… <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/05/17(水) 00:59:50.92 ID:SkCDG+fO0<> …

カヴール「さぁ、頑張って腹筋三十回です…できたらごほうびをあげましょうね♪」

提督「本当?…ぜひとも頑張るわ」上着を脱ぐと腹筋マシンに身体を預けた

ガリバルディ「ふふ、扱いやすいと言うか何というか…」

カヴール「では、始めましょう♪」

提督「ふぅ…っ!」

カヴール「いーち…」

提督「くぅ…ぅ」

カヴール「にーい」

ジュッサーノ「頑張って、提督♪」

サウロ「結構速いですよ、その調子♪」…数人が器具から降りると周りに集まってきて、声援を送り始めた。そのおかげもあってか最初は調子のよかった提督だったが、二十回を過ぎた辺りからペースが遅くなってきた

提督「ふ…くぅぅっ!」

カヴール「二十二…さぁ、もうちょっとですよ」

提督「うぅ…っ!」上体を起こす速度が遅くなればなるほど辛い斜めの姿勢が長く続いて、余計に疲れてしまう…提督は顔を紅潮させて上体を起こした

カヴール「はい、頑張って下さいね♪」ちゅっ♪…と、上体が起きた瞬間に唇を重ねた

提督「もう、カヴールったら♪」姿勢を戻すと甘い表情で微笑んだ

カヴール「上体が起きたらキスが待ってますよ…そーれっ///」

提督「ふぅ…っ!」

カヴール「ちゅっ♪…はい、二十三回♪」

サウロ「カヴールさん、よかったら私も…///」

カヴール「いいですよ♪…さぁ提督、サウロの可愛いキスが待っていますよ♪」

提督「ふぬぬ…っ!」

サウロ「ちゅっ♪」

カヴール「二十四」

ガリバルディ「なら私も…♪」

提督「くぅぅ…っ!」

ガリバルディ「んちゅっ♪」

カヴール「二十五…さぁ、あと五回です♪」

提督「ふぅ…はぁ……五回しかない…と言うべきか、五回も残っている…と、言うべきか……悩むわね…ふぅっ!」

ジュッサーノ「ちゅっ♪」

カヴール「二十六」

サウロ「あと少し、頑張って♪」

提督「ええ、頑張るわ…っ」

カヴール「ちゅぅぅっ♪…二十七」

オリアーニ「…何だか面白そうね、私もいい?」

カヴール「ええ、提督をやる気にして下さいな♪」

オリアーニ「ええ、任せといて!…提督、お願い…キスして欲しいの♪」

提督「待っててね……ふ…っ!」

オリアーニ「ちゅっ♪」

カヴール「二十八…あと二回です♪」

提督「ふっ!…く…うぅぅ!」

カヴール「ちゅっ…あと一回♪」 <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/05/17(水) 01:19:22.35 ID:SkCDG+fO0<> 提督「ふうぅ…っ!」

カヴール「ちゅぅ…ぅ、ちゅるっ…ちゅぷっ♪……はい、三十回よく頑張りましたね♪」

提督「ふぅ……はぁ…はぁ、腹筋した…あとの……長いキスは…止めておけば…はひぃ…よかったわ……息が切れて…ふぅ……」

ガリバルディ「はい、お水よ」

提督「ありがとう…こくっ…ごく…っ……」汗で濡れたシャツが肌に張りつき、乳房の形もはっきり分かる…

サウロ「わぁぁ…///」

ガリバルディ「提督、今日はしてないのね……ふふ、いい眺め♪」ぴんと張りつめた桃色の先端が、シャツから浮き上がって見える…

ジュッサーノ「わっ…提督の……見えてる///」

カヴール「まぁ…あらあら♪」

オリアーニ「おぉ…すごい♪」

提督「も…もしかして透けてる?」じっと注がれる熱っぽい視線を感じとって言った

カヴール「はい、お胸もお腹もくっきりと」

ガリバルディ「ふふん、いいわねぇ♪」

サウロ「…もう、濡れてきちゃう///」

カヴール「ふふ、確かにそうですね♪…でも、提督は午後から建造があるので…」

提督「ええ、残念ながら。また機会を設けてあげるから…約束するわ」誓うようにサウロの手の甲にキスをした

サウロ「ええ、待ってるわね♪」

提督「みんなもありがとう、おかげで腹筋もちゃんとできたわ…♪」

カヴール「さぁ、一旦お部屋で着替えて…それから工作室に向かいましょう♪」

提督「そうね…ではみんな、また後でね♪」

ガリバルディ「ええ、チャオ♪」

……… <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/05/17(水) 09:35:46.86 ID:B2RizGGEo<> Grazie!

何て素敵なごほうびでしょうか
これなら腹筋何回でも出来てしまいますな!
カヴール良いキャラしてるなあライモン贔屓でしたが乗り換え検討中 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<><>2017/05/17(水) 16:46:00.26 ID:zbvktaBK0<> なんと素晴らしいご褒美。これなら運動できない人でも死に物狂いでやりますね <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/05/17(水) 23:58:22.12 ID:SkCDG+fO0<> >>495 こちらこそ反応がよくて嬉しい限りです…性格も違いますし、乗り換えなどと言わずライモンもカヴールも同時に愛でてあげて下さい。

…かのルイ十四世(たしか)も、部下に「二人の女性を同時に好きになってしまいました…どうすればいいでしょうか」と聞かれ「同時に愛してやればよいではないか、余はブルゴーニュもボルドーも好きだぞ?」と言ったそうですし


>>496 これなら運動嫌いの提督でも大丈夫!…その分息が続かない気が……


……… <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/05/18(木) 01:21:05.66 ID:f+tnHeNZ0<> ………

…大浴場…

提督「はぁー…」たっぷりとかいた汗を流そうと、着替えを持ってシャワーを浴びに来た提督…午前の訓練を済ませた艦娘たちも一緒になったので、にぎやかな談笑が高い天井にこだましているなか、シャワーヘッドから出る熱めのお湯で身体を洗い流す…

フルット「あら、お疲れのようね…」ぼーっとシャワーのお湯を浴びている提督に近づくと耳元でささやき、後ろから抱きつくと背中に手を這わして撫で上げた…美麗な姿のフルットは手も白く滑らかで、ほっそりした指が肩甲骨の間を滑っていく…

提督「んっ、気持ちいい…っ♪」

フルット「そう、よかった…」

カヴール「…フルット」

フルット「なぁに…カヴール……」提督の背中から離れると、今度はずっしりしたカヴールの乳房を優しくこね回した…

カヴール「んぅっ…もう♪…ちょっとイタズラが過ぎますよ」と、言いつつもまんざらではないカヴールはフルットの白魚のような指に自分の指を絡め、反対の手を滑らかな腰に回した…

フルット「あぁ…素敵……もっと…♪」そっと瞳を閉じると顔を近づける…長いまつげとしっとりした唇がカヴールに近づく……

提督「うふふ…いいわね♪」…と、提督のヒップをするりと撫で上げる感触があった

提督「あんっ♪…誰?」

カヴール「どうしました、提督…って、ちょっと?」はっとすると同時に周囲への関心を取りもどし、提督の後ろにそっと近づいていた数人を呼びとめた

ナウティロ(フルット級)「見つかっちゃいました…ごめんなさい、カヴール」すぐに謝ってしまうほど真面目なナウティロ(オウム貝)だが、オウムガイの殻の色に似た赤と白の髪から水をしたたらせ、それが身体や脚に絡みつくさまはどことなくみだらで背徳的な触手のように見える…

ゴルゴ「仕方ないわよ…それにしても提督のお尻はむっちりしてて、良い触り心地…♪」見つかったのにもかかわらず、両手でヒップを撫で回す…

提督「そう?」ゴルゴの艶っぽいアルトでそう言われると何となく大人の女性に口説かれているようで、提督の表情も緩む…

バリラ「あらあら、ゴルゴはいいわねぇ……提督、お母さんにも一揉みさせてくれるかしらぁ♪」おっとりした口調ながら欲求不満な身体を持て余しているのか、目は欲情でらんらんとしていて、にこにこしているが息づかいはかなり怪しい…

提督「ええ、もちろん♪…なぁに、カヴール」

カヴール「…提督、今は駄目ですよ。午後から建造があるのを忘れていませんか?」

提督「あー…言われてみればそうね。…みんなごめんなさい、また今度ね♪」

バリラ「残念ねぇ。お母さん待ってるから、今度はタンクから燃料補給してあげるわね♪」大きい胸をゆさゆさと揺すって言った…

提督「ええ、楽しみにしているわ♪」

カヴール「さぁ、提督。そろそろ上がりませんと」

提督「はいはい……カヴール、ごめんなさい。貴女をないがしろにしているつもりはないのよ?…ただ、つい安心して頼りきりになってしまうの」隣を歩くカヴールに小声でささやいた

カヴール「…そう言ってもらえたらと思っていました…提督、私…嬉しいです///」

提督「…よかった♪」


………



<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/05/19(金) 02:13:09.73 ID:kAe+4THN0<> …今は時間的にちょっと投下できないのでまた明日で…待っている方、ごめんなさい… <> ◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/05/20(土) 01:14:26.26 ID:JYh9ICuu0<> ………

…昼食後・待機室…

提督「んー、美味しかった♪」…先ほどの運動を帳消しにする勢いでたっぷり昼食を取り、至極ご満悦の提督は、建造の前に警戒待機組の様子を見に来ていた

アッテンドーロ「ええ、美味しかったわ…ナポリ風ピッツァは生地がさくさくでいいわね」待機組の旗艦は軽巡アッテンドーロ。ライモンの妹で、43年ナポリ港で戦没したためか、今でもナポリ風のさばさばした性格をしている…

提督「トマトにモッツァレラ、バジルだけのシンプルさがいいわよね」

アッテンドーロ「本当にね。…ローマ風の四角いのなんてピッツァじゃないわよ」そう言うとまだまだある百合姫提督のお土産の一つ、静岡の「安倍川餅」をつまんでいた…きな粉をまぶした柔らかい小さな丸餅は好評で、百合姫提督も「気に入ってもらえてよかった」と喜んでいた…

アスカリ(ソルダティ級)「あれはうめかったな」植民地兵の赤いフェズ(トルコ帽)を机に置き、しきりにうなずいている…

リベッチオ(マエストラーレ級)「美味しかったよね。…あ、いけない!テレビつけなきゃ」チャンネルを取り上げるとテレビのスイッチを入れた…

グレカーレ(マエストラーレ級)「そうだったね、今日は何かな?」

提督「…今の時間って、何か面白そうな番組やっていたかしら?」

カヴール「さぁ…私はあまりテレビを見ないもので……」

フランチェスコ・ヌロ(サウロ級)「あ、合わせてくれたのですね!」

リベッチオ「当然♪…あ、始まった!」…テレビの画面には愛想のよさそうな男女一人づつの司会者らしき人物が映っていて、中央のテーブルには何かのペットボトルが積み上げられている…

提督「…通販番組?」

カヴール「なるほど…トレーニング室の健康マシンや、それ以外にも色々買っているのはこの番組の影響では?」

提督「あー…」二人は通販番組を見てみることにした…

司会者男性「…今日はこれからの暑い夏にぴったり!この水分補給用ミネラルウォーター「ドゥーチェのおいしい水」のご紹介です!」

司会者女性「これからは熱中症が気になる季節ですものね…でも、どんなふうに「夏にぴったり」なんですか?」

男性「よく聞いてくれました!…なんと、この「おいしい水」…水素と酸素を含んでいるんです!!」

女性「わぁ、すごーい!」

提督「…え?」

男性「そうなんです!…人間の身体に欠かせない水素と酸素はなくてはならないもの。しかし意識して取るのはなかなか難しいですよね…ですが、これを飲めばたちどころにたっぷりの水素と酸素が補給できるんです!…さらに、喉の乾きも癒されるというスグレモノ!」

女性「運動や作業の後にぴったりですね!」

男性「そうなんです!…こちらが実際の利用者の感想です!」

農家「いやぁ、暑い時期はこれに限るよ!…ワインだとアルコールも気になるし、かみさんに怒られるけど、これなら安心して飲めるからねぇ」

工員「いつも暑いところにいるので、これは手放せませんよ…すっきりしていてゴクゴク飲めるし、何より、水分補給になるのがいいですよね」

…(※利用者の感想です。実際の効果・効能を示しているわけではありません)…

男性「このように、大変好評のミネラルウォーター「ドゥーチェのおいしい水」ですが、大好評につき今だけ、何と!…この計量カップもセットでお付けします!」

女性「うわぁ!すごーい!」

男性「気になるお値段ですが!一リットルの「ドゥーチェのおいしい水」十二本に計量カップも付けて、何と…百ユーロ、一万リラでのご提供!」(※ここでは一ユーロ100円、復活した設定のリラは「一リラ」につき一円で換算)

女性「まぁ、とってもお買い得ですね!」

男性「はい!…今すぐ、お電話を!!」…通販番組が終わった

リベッチオ「おー、今回もすごいねぇ!」

グレカーレ「じゃあ、電話しよっか?」部屋の隅にある電話を取り上げようとする…

提督「ちょ、ちょっと待って!」

リベッチオ「なに、提督?」

提督「いえ…わくわくしている気分をぶち壊すようで悪いけど、あれは、別にすごい物じゃないと言うか……」

アッテンドーロ「ただの水よ?」

グレカーレ「え?でも水素と酸素がどうこう…って」

カヴール「普通の生活をしていれば十分に摂取できますよ?」 

リベッチオ「そうなの?」 <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/05/20(土) 01:32:50.70 ID:JYh9ICuu0<> 提督「ええ、通販の買い物は楽しいでしょうし、別に自分のお金なんだから私が止めさせるものでもないけど…あんまりいい買い物とは言い難いわよ?」

リベッチオ「そうだったんだねぇ…」

提督「ごめんなさいね、楽しみに水を差すようで」

グレカーレ「ううん…おかげで無駄遣いしないで済んだもの♪」

ヌロ「でも、この番組がないと見るものがないので…」

提督「あー…そうねぇ」待機室にある新聞を取り、テレビ欄をめくった…

提督「じゃあ、これは?…同じチャンネルのアニメ「春霧イ・ドライヴ」…特殊能力の持ち主たちが集められている島に連れてこられた「春雨」「霧島」が島の統治者、「イ四〇〇」たちと脱出を図る能力者もの…だそうよ?」

リベッチオ「面白そう♪」

ヌロ「そうですね、それを見ます♪」

提督「面白いといいわね…私は工作室の方に行くから、何かあったら呼んで?…カヴール、行きましょうか」

カヴール「はい…それではアッテンドーロ、引き続き待機をお願いします」

アッテンドーロ「了解、任せといて♪」

……… <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/05/20(土) 09:57:10.55 ID:JYh9ICuu0<> …工作室…

フィエラモスカ「待っていましたよ、提督♪」工作室では大型潜水艦エットーレ・フィエラモスカが椅子に腰かけて待っていた…ふんわりした彼女によく似合う白のサマードレススタイルで、どうしても汚れが付いてしまう工作室には向いていない可愛らしさがあった…手には「潜水艦運用教本」と書かれた本を持ち、銀鎖付きの丸縁眼鏡をかけていた

提督「お待たせ♪」さっそく建造の準備に入る提督。カヴールも慣れたもので、準備を手伝ってくれた

提督「準備よし…と。それじゃ、フィエラモスカ…いい?」

フィエラモスカ「はい、いいですよ」

提督「そう、それでは…建造開始♪」

カヴール「時間は…四時間です」

提督「まぁ、来ていないのは潜水艦くらいだからそのくらいが妥当ね…大型潜水艦ってところかしら?」

フィエラモスカ「同じ大型潜水艦が増えるのは嬉しいですね」

提督「大型潜水艦二隻が増えれば、バリラ級四隻と貴女を加えて七隻体勢になるわね」

フィエラモスカ「そうですね、楽しみです」

提督「じゃあ、その間にお菓子でもいただきましょうか…コーヒーでも準備するわね」

フィエラモスカ「私がやりますよ?」

提督「いいの、やってあげたい気分だから座ってて?…カヴールも座って?」

カヴール「そ、そうですか?…どうも提督にお給仕して頂くというのは…なんというか」

フィエラモスカ「こそばゆいと言いますか…」

カヴール「ええ…提督、せめて何かお手伝いをさせて下さい」

提督「気にしないで?…お湯はあるし」ほうろうびきのポットを簡易コンロに乗せ、置いてあるコーヒーセットを取り出した





<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/05/20(土) 10:58:26.23 ID:JYh9ICuu0<> …しばらくして…

提督「さぁ、召し上がれ♪」コーヒーポットからいい香りが漂い、小さいテーブルの上には手際よく菓子皿も並んでいる…

フィエラモスカ「このお菓子は…見たことがありませんねぇ」

提督「あぁ…それは姫のお土産で、たしか愛知の「青柳ういろう」って言ったはずよ?」

カヴール「そう言えば「固くなるといけないから早く食べてね」とおっしゃっていましたね…もっちりしていますが、「ようかん」の一種なのでしょうか?」ビニールを剥いて厚めに切った「白」と「さくら」のういろうを見て言った…

提督「詳しい事は姫に聞かないと分からないけど、どうも材料が違うみたいね」(※ういろう…上新粉)

フィエラモスカ「んーっ、それはそうともっちりしていて美味しいですねぇ♪」フォークで刺して口に運ぶと、頬を手で押さえた

カヴール「そうですね。んむっ…フォークにくっついてしまうのが難点ですが、ほのかに甘くて桜のいい香りがします♪」淡い桜色をして、きめ細かい舌触りのういろうを美味しそうに頬張り、ミルク入りのコーヒーをすする…

提督「日本らしくて美味しいわよね♪…お皿は私が片づけてくるからいいわ」

フィエラモスカ「片づけまでしてもらって、ありがとうございます」

提督「いいのよ…その分美味しいお菓子を楽しめたから♪」

カヴール「あとは時間までお話でもしていましょうか」


…数時間後…


提督「そろそろね」

カヴール「誰が来るのでしょうね」

フィエラモスカ「3…2…1……」


…ドアが開くと同時に出てきたのは、ぴっちりした水着風の艤装に錬金術士風のお洒落な帽子とケープをなびかせ、ずっしりした感じの茶色い髪を長く伸ばした艦娘たちで、片方は磁石らしいものを持ち、もう片方の艦娘はピサの斜塔の像を抱えている…


提督「初めまして…ようこそタラント第六へ♪」

潜水艦「こちらこそ初めまして…アルキメーデ級大型潜水艦、ガリレイです。物には「引力」って言うものがあるんですよ♪…浮上しても勇敢ですし、紅茶も嫌いではありませんが、バッテリーと月の石は嫌いです」…滑らかな腰のラインが淡い灰色の水着で強調されている

潜水艦「初めまして、提督。アルキメーデ級潜水艦、フェラリスです♪…磁石をこうすると……ほぉら、回転するでしょう♪今度は最後まで頑張りますから、どうぞよろしく♪」…手の間で磁石を浮かべると、磁石が回転し始めた…そのままぱしっと受け止めると、可愛らしく敬礼してみせた

提督「ええ、よろしく。カンピオーニ少将です…名前はフランチェスカだけど、好きな呼び方でいいわよ♪」

フェラリス「グラシアス、提督…」(※グラシアス…スペイン語で「ありがとう」)

ガリレイ「…!」脇を肘で突いた

フェラリス「じゃなかった…グラツィエ♪」

提督「デ・ナーダ♪…こちらは秘書艦のコンテ・ディ・カヴール。こちらは大型潜水艦のエットーレ・フィエラモスカ」(※デ・ナーダ…スペイン語で「どういたしまして」)

カヴール「よろしくお願いします」

フィエラモスカ「私たちに何でも聞いてね♪」

ガリレイ「はい、よろしくお願いします」

提督「…では、最初の任務です」

フェラリス「さっそくですね…緊張します」

提督「私たちの後についてくること…それから、食堂でお茶を飲んで交流を図ること。以上♪」

フェラリス「…なんだ、よかったぁ」

ガリレイ「了解。では任務遂行します♪」

……… <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/05/20(土) 11:32:01.96 ID:JYh9ICuu0<> …艦娘紹介…


大型潜水艦

アルキメーデ級。1934〜35年生まれ。四隻(参戦時二隻)


30年代のイタリア王国海軍拡張期に建造された大型潜水艦。下側一部が単殻の部分複殻。「大型」と言ってもバリラ級ほど大きくはなく、970/1239トンと中型潜水艦に近いが成功作と言われる。
31年に同級四隻が起工されたが、ネームシップ「アルキメーデ」と「トリチェリ」はスペイン内乱時の1937年、極秘裏にフランコ側に引き渡された。

速力は3000(ディーゼル)/1100(電動機)馬力で17ノット/8ノット。
兵装は533ミリ魚雷発射管八門(艦首四/艦尾四門)、100ミリ単装砲二基(司令塔前後に一基ずつ)13.2ミリ連装機銃一基(司令塔後部張り出しに装備)


戦時は紅海艦隊に属していたが二隻とも戦没。特に「ガリレイ」は1940年、英軍と交戦中に電動機用のバッテリーに不具合が発生、やむを得ず浮上したところを英軍トローラー「ムーンストーン」に発見され、さらに交戦。バッテリーの有毒ガスと砲戦で多数の死傷者を出しついに降伏、鹵獲され英軍潜水艦「X2」になった

…艦名は著名な学者で、「アルキメーデ」は言わずと知れたアルキメデス、「ガリレイ」は物理・天文学者のガリレオ・ガリレイ、「フェラリス」は回転磁界を発見した物理学者ガリレオ・フェラリス。「トリチェリ」は物理・数学者のエヴァンジェスタ・トリチェリから。



艦娘の彼女たちはそれぞれ由来になった人物にゆかりのあるアイテムを持っていて、豊かな長い茶色の髪をしている。艤装は灰色の競泳水着風にハイヒール、錬金術士風のケープと可愛い帽子、潜望鏡支柱の飾り。…二人がスペインに引き渡されたためかスペイン語が混じることがあるが、当人たちは隠そうと思っている。頭はいいが実験好きで、時々妙な発明のせいで騒ぎを起こす。


<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/05/20(土) 11:35:56.03 ID:JYh9ICuu0<> …誤字訂正…

正しくはエヴァンジェリスタ・トリチェリです(と言っても数学は苦手なので何をした人かは知りませんが…) <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/05/20(土) 11:44:14.41 ID:JYh9ICuu0<> >>504 補足

トリチェリはガリレイの弟子で、水銀気圧計の圧力が外部のファクターで変化することや、深い井戸から直接水を吸い上げられないのは気圧と内部圧力の関係であることを証明した人…だそうです


…もうしばらく建造を続けて行く予定ですので、ご期待ください… <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/05/21(日) 00:06:38.63 ID:iAgEMBuV0<> …しばらくして・食堂…

バリラ「あらぁ、ガリレイちゃんにフェラリスちゃん♪ひさしぶりねぇ」


…食堂で言わずと知れた三重県銘菓「赤福」と、百合姫提督が淹れてくれた緑茶をすすりつつ、まったりしている大型潜水艦たち…バリラ級のたゆんと揺れる胸と甘やかしてくれる性格は母性の固まりのようで、今も数人の駆逐艦たちがおしゃべりに加わり、また別の数人は椅子を近づけて膝枕をしてもらい、優しく頭を撫でてもらっている…


ガリレイ「これはこれは、バリラ級のみなさんですね」

ミレリーレ(バリラ級)「お久しぶりです♪」

シエスタ(バリラ級)「お久しぶりね…すぅ…」シエスタと言う名前のせいなのか、テーブルに突っ伏して寝ながら答えた…

トーティ(バリラ級)「まぁまぁ♪ガリレイたちが来てくれたのなら訓練をお任せ出来るわぁ♪」

フェラリス「訓練…とは?」

バリラ「対潜訓練の仮想敵よ、駆逐艦の娘たちを相手にしているのだけど…どうしてもお母さんたちは潜るのが遅いから♪」

ガリレイ「なるほど…でも、フルット級の娘たちもいるようですし、彼女たちではいけないのですか?」髪をかきあげながら聞いた

フィエラモスカ「そうですねぇ、いけない…という訳でもないのですが」教本を閉じた

フェラリス「?」

提督「フルットたちはあの顔で結構積極的だから…訓練が終わる度に「撃沈」された駆逐艦を「補習」とか言って部屋に連れ込んだり、船渠でいやらしい事したりで大変なのよ…駆逐艦の方もまんざらでもないって感じで……別に訓練時間でなければ百合百合したって構わないけど、訓練だけは真面目に取り組んで欲しいから…」

カヴール「結構悩みのタネなのですよ」

ガリレイ「なるほど…」

フェラリス「ふむふむ」磁石を空中に浮かべつつ、金属のスプーンを近づけてみたり離したりしながらうなずいていた…

提督「さっそくで悪いけど…どう?できる?」

ガリレイ「まぁ、やってみましょう…物には引力というものがありますから♪」

フェラリス「そういうことですね」

提督「引力…なのかどうかはさておき、数日後からちょっとずつよろしくお願いするわ」

ガリレイ「了解」
<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/05/21(日) 00:50:20.01 ID:iAgEMBuV0<> …その日の夜・執務室…

提督「ふぅ…そろそろ寝ましょうか」朝からトレーニングに潜水艦の建造と忙しく、しかも運動不足でなまりきっている提督は身体中の筋肉がきしんでいた…

カヴール「そうですか、それでは私は失礼して……こんな時間に誰でしょうね」コン、コンッ…とノックの音がした

提督「アルキメーデ級の二人にはフィエラモスカを付けたから、分からないことがあるわけもないし…どうぞ?」

フルット「こんばんは、提督」

ムレーナ「やぁ…」

トリトーネ「なんで来たか分かっているわよね?」

提督「いいえ?…何か相談でも?」

トリトーネ「…分かってないのね?」三つ又鉾の柄で床を突いた…石突きと床の石材が鈍い音を立てる…

ムレーナ「提督…どういうつもりだ」

提督「まぁ、待って…そんな「ゴッドファーザー」のアル・パチーノみたいな話し方をして、どうしたの?」

ムレーナ「似ているか」

提督「ええ、上手よ…じゃなくて、一体どうしたの?怒っているようだけど」

フルット「そうなるのも無理からぬ事なのよ…提督が私たちから愉しみを取り上げようと言うのだから」

提督「…もしかして対潜訓練の事?」

フルット「そうよ」

ムレーナ「対潜訓練に出られないって言うのなら、こっちにも考えがある」

提督「そうは言っても…対潜訓練の後、必ず駆逐艦とえっちしているじゃない?」

フルット「補習とごほうびですよ、提督…やる気になってくれますから♪」

提督「むしろ成績が下がっているのだけど…」

カヴール「その通りです。最近の対潜訓練の成績は、あなたたちの時だけ一回りは悪いのですよ」

トリトーネ「それだけ私たちが優秀…とは思ってくれないのね」

提督「いいえ、もちろん貴女たちが優秀なのもあるわ…でも、明らかに回避できる攻撃を受けたり、爆雷の投下が遅すぎるし…要はうわついているの……訓練をおろそかにしては駄目よ」

フルット「そうね、一理あるわ…でも、私たちは可愛い駆逐艦たちとなめくじが絡み合うような濃厚なレズセックスがしたいのよ…♪」

提督「気持ちは分かるけれど…」

カヴール「あ、あの……その…いくら何でも直球すぎです///」

フルット「失礼…教養に欠ける言い方だったわ。…私たちは無垢で可愛らしい駆逐隊の娘たちを愛でていたいのよ…」

カヴール「言い方を変えても駄目です…よね、提督?」

提督「ええ、そうね…それに任務中以外なら、双方の合意次第で好きにしていていいし、私も何も言わないわ」

ムレーナ「本当だな…?」

提督「ええ、嘘は言わないわ…だいたい私も、この後カヴールとしっぽりさせてもらう予定だから♪」

カヴール「え、えぇ?…聞いてないですよ、提督?」

提督「今決めたわ…カヴールは嫌?」

カヴール「嫌ではないですが…その、だったらもう少し飾り気のある下着を身に付けて…お化粧もしないと……」

フルット「ふふ…ド級戦艦のカヴールでもそんなに慌てることがあるのね♪……分かったわ、提督。今後は任務に差し支えない範囲で愉しませていただきます。…これでいいかしら?」

提督「それで十分よ…では、お休みなさい♪」…フルットの艶やかで繊細な唇との優しい触れ合い、ムレーナの荒々しく押さえつけるようなキス、トリトーネとしっとりと吸いつくようなキスを交わすと、三人は納得して出て行った… <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/05/21(日) 01:40:12.10 ID:iAgEMBuV0<> ………

…ある日・食堂…

提督「あいたた…」席からそろそろと立ちあがり、うめき声をあげる提督…

ドリア「あら、どうしました?」

カヴール「昨日トレーニングを張りきり過ぎてしまって、筋肉痛だそうで」

提督「腹筋を一分間に三十回も出来るようになったのよ…でも、うちももと腹筋が引きつってて…いたた…ぁ」顔をしかめてももをさする…

ドリア「うふふ、まぁまぁ♪…ごほうびは何でした?」

提督「一分間にできた腹筋の回数一回につきキス一秒…つまり三十秒のキスだったわ」

ドリア「もう、私なら提督が腹筋なんかしなくてもキスくらいしてあげますよ♪」

ライモン「提督とのキスならどんな時でも最優先なのに…提督、無理しないで私とキスしましょう……///」

カヴール「二人とも、それではせっかく提督がやる気になっているのに無駄になってしまうじゃありませんか」

ドリア「いいじゃない♪制服のタイトスカートからふともものお肉がはみ出すような提督も…♪」

ライモン「胸がはち切れそうな提督…いいですね……///」

カヴール「もう、そうなっては困るでしょう…だから運動してもらっているのですよ?」

提督「んー…ドリアとライモンがいいって言ってくれるならそれでもいいのだけど…着るものが無くなると困るから……」

エウジェニオ「裸で過ごせばいいじゃない♪」

アオスタ「だ、駄目よそんなの!」

デュイリオ「私はいいと思いますよ♪」

チェザーレ「ふむ…もしそうなっても、大きいタオルを巻いてトーガのようにすればいいではないか」(※トーガ…古代ローマの長衣)

カヴール「もう、そう言う問題ではありませんよ…とにかく、私は提督をお連れして大浴場に行ってきますから」

デュイリオ「なら私も行きましょう♪」

チェザーレ「むむ…チェザーレは先約があるのでご一緒できん、デュイリオ、カヴール。お任せするぞ」

ドリア「私も駆逐艦の娘たちにお茶を振る舞ってあげる約束をしておりますので…また後で、提督♪」

ライモン「私も菜園のお手入れがあるので…残念です」

提督「また機会があるわよ、ライモン。…ドリア、チェザーレも、また後でね…あいたたっ……」

カヴール「さぁ、行きますよ」

デュイリオ「反対側は私が」両脇を支えてもらうようにして、ゆっくりと歩く提督…

エウジェニオ「…ふふふ、年上好きの提督と、甘やかすのが好きな二人…きっと面白いことになるわね♪」

……… <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/05/21(日) 01:51:02.94 ID:iAgEMBuV0<> …今日はここまでで、次の投下でも建造をやっていきたいと思います。百合百合する場面も少なからず作る予定です…


とりあえず考えているのは…

重巡ザラ×ポーラ(以前ポーラからザラへの呼びかたが違っているとのことだったので、別バージョンで行きます)

フルット級×駆逐艦(美麗な潜水艦フルット級に甘い言葉で翻弄される駆逐艦を…)


辺りで…他にも、提督がネコの何かはあるかも知れませんが…他にもリクエストがあれば答えていきます

<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/05/22(月) 01:12:23.93 ID:hImf/QpB0<> …大浴場…

提督「うー…はぁー…」そろそろと脚を浸けていき、ちゃぽん…とお湯に浸かると呻き声が出た…

デュイリオ「ふふ、まるでお婆ちゃんみたい♪」

カヴール「あんまり言わないであげて下さい…提督も頑張って運動しているんですから」と、また誰かが大浴場に入ってきた

ジョヴァンニ・ダ・プロチーダ(マメリ級)「はぁーい、提督♪こんな朝っぱらからお風呂なんてどうしたの?」

ティト・スペリ(マメリ級)「なになに?…朝からベッドでお楽しみだったのかな?」

カヴール「違います、提督ったら…無理に運動しすぎて筋肉痛なんです」

プロチーダ「そうなの…つまんないわ」

スペリ「ねー♪」

提督「二人は訓練の後よね?」

プロチーダ「そ…わたし、訓練は好きなんだよね♪」

スペリ「うんうん♪」

提督「あら、偉いわね」

プロチーダ「実戦では嫌なんだけど…なんて言うか、訓練で追い回されて次第に追いつめられる感じが…たまらないんだよね」

スペリ「浮上させられて…駆逐艦の娘たちに何をされるだろうと思うと……濡れてきちゃうのよね」

提督「あー…「訓練が好き」ってそういう……よかったらナヴィガトリ級のニコに声をかけてみたら?」

プロチーダ「えーと「ニコ」って、「ニコロソ・ダ・レッコ」のこと?」

提督「ええ、そうよ…きっと仲良く出来るはずだから♪」

カヴール「提督…彼女は、その///」

提督「だからよ♪…って、あら、カッポーニ…セラとクリスピもお疲れさま♪」

カッポーニ(マメリ級)「おや、提督…ごきげんよう♪」片膝を曲げて優雅にお辞儀をしたが裸なので、高貴な貴婦人が舞踏会か何かの会場に裸で来ているような背徳感を覚え、提督は少し怪しい妄想を膨らませてぞくぞくした…

提督「…ごきげんよう。対潜訓練、お疲れさま///」

カッポーニ「これはこれはご丁寧に…ところで提督、どうなさいました」

提督「ちょっと筋肉痛で…お湯に浸かったらだいぶ良くなったわ」

クィンティノ・セラ(セラ級)「提督も大変なのね…って、大きい……///」

フランチェスコ・クリスピ(セラ級)「三人が並んでいるとなおの事…ね///」

提督「そう?」たゆん♪…提督が改めて自分の胸を見おろすようにすると、水面に波紋を広げつつ柔らかい乳房が揺れた…

カヴール「そうまじまじと見られると…ちょっと恥ずかしいですね///」ゆさゆさっ♪…少しの恥じらいと、頬を赤らめているセラ級に覚えた「手ほどきしてあげたい」と思うみだらな感情から、ほんの形ばかり胸に手を当てる…と、丸い艶やかな胸の谷間に、ぽたりと汗がしたたり落ちた……

デュイリオ「まぁまぁ…減るものではありませんし、よかったら触ってみます?」ばいんっ、ぶるんっ♪…しっとりと柔らかそうな巨乳を下から持ち上げて揺すった…セラ級とマメリ級の視線はゆさゆさと揺れる白い柔肌にクギづけで、プロチーダは半ば無意識的に手を伸ばした…

デュイリオ「はい、捕まえた♪」むにゅっ、ぐにっ♪…プロチーダを抱きかかえると、あっという間に手を重ねて胸を揉ませた…

プロチーダ「…お、おぉー!……柔らか…すご…♪」

デュイリオ「おっぱいは二つあるから…はい、スペリも♪」ぐいっと腰に手を回し引き寄せると、ふとももの上にスペリを乗せて乳を触らせた…目を糸のように細めにこにこしている様子は母親のようだが、プロチーダたちにこねくり回すように揉ませ、甘い喘ぎ声を立てている様子はかなりいけない雰囲気を醸し出している…

スペリ「わー…最高じゃない♪…朝からド級戦艦の爆乳を揉ませてもらえるなんて、ついてるぅ♪」

デュイリオ「私も、揉まれて気持ちいいですから…朝からごほうびですね♪……あんっ♪」

セラ「…わぁ///」

クリスピ「///」

提督「…セラ、クリスピ。…私の胸でよかったら触る?」

セラ「その、私でいいの?」

クリスピ「は、恥ずかしい…///」

提督「大丈夫、女の子とお姉さんだから♪」

……… <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/05/22(月) 01:25:02.39 ID:hImf/QpB0<> プロチーダ「えー、提督はお姉さんじゃなくてむしろ…」

提督「…んー?」

プロチーダ「…何でもない、提督は優しいお姉さんだよっ♪」

提督「そうよね♪……セラ、遠慮しないでもっと好きなようにしていいのよ♪」

セラ「う、うんっ…♪」

クリスピ「柔らかい……いい匂いがする」

提督「ふふっ…うふふっ♪」無垢な感じが漂う二人の小柄な女の子に両の乳房をこね回され、甘い白粉のような髪の香りを嗅いでにやけている…

カヴール「全くもう…///」そっと提督のふとももに手を置いた…

<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/05/22(月) 02:06:24.57 ID:hImf/QpB0<> …しばらくして…

プロチーダ「…もう、最高だったよ……♪」

スペリ「はひぃ……デュイリオ…激しすぎぃ……♪」

デュイリオ「あらあら…ちょっと遊んでみたつもりだったのですが、お二人には刺激が強すぎたようですね♪…カッポーニ、貴女はもう一戦……いかがですか?」

カッポーニ「…わたくしも……ふぅ……腰がガクガクして…///」

デュイリオ「そうですか?……私はまだまだ不完全燃焼なのですが…んっ♪」くちゅり♪…デュイリオがとろっとした目をして、お湯の中に手を沈めている隣では、提督とセラ級の二人、カヴールが甘いやり取りを楽しんでいた…

セラ「…はぁぁ……提督♪」ちゅっ♪

クリスピ「こんなに優しい指揮官を持てて…幸せです♪」ちゅぅ♪

カヴール「全くです…愛しの提督♪」んちゅっ、ちゅぷっ♪

提督「うふふっ、もう…ほめ過ぎよ♪……ところでセラ、洗面器に入っているそれは?」

セラ「…あっ///」

提督「別に怒らないから、よかったら見せて?」

セラ「えーと…これなんですが」洗面器に入れてあったのは二十センチほどの模型のボートで、よく見るとただのモーターボートの玩具ではなくて、セラ級が積んでスダ湾奇襲を敢行したMTM艇の精巧な模型だった…

提督「爆装艇?…良くできてるわね」

セラ「その…ここのお風呂広いし、ちょっと遊んでみようかな…なんて///」

提督「人の迷惑にならない限り、好きにしていいと思うけど?」

クリスピ「…いいのですか?」

提督「ええ。…クリスピも自分のを持って来たかったのでしょうに、遠慮したのね?」

クリスピ「ええ、まぁ…」

提督「ふふ、じゃあ…人の少ない時か、個室の浴槽で遊ぶこと♪」

セラ「分かったわ…じゃあ、あんまり人がいないときに使うことにする♪」

提督「そうね。…誰も怒らないとは思うけど、そうしてくれれば助かるわ♪」

セラ「了解♪」

カヴール「…ふふ、セラもクリスピもいい子ですね♪」

……… <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/05/23(火) 10:32:44.90 ID:N0I6h8Z60<> …しばらくして・工作室…


カヴール「最近は建造が多いですね、数日に一回といった具合で」

提督「んー…まぁ、せっかく建造できるから」

カヴール「それにしても、いくら小柄な潜水艦の娘たちとはいえ急に増えると準備が大変ですよ?」

提督「そうよね…でも中型潜水艦もマメリ級、フルット級だけだと負担が大きいから」

カヴール「まぁ、それは確かにそうですが」

マメリ「なに、気にすることはありません。これもイタリアのため…そして麗しい提督のためなれば」

提督「ふふ、ありがとう♪…それに、マメリも味方が多い方が心強いでしょう?」

マメリ「それはそうですとも。それにここはいいところですから、早く来てもらいたい気持ちで心は一杯です」

提督「そう言ってもらえて、嬉しい限りよ…♪」

マメリ「おぉ、これはこれは…「唇の頬に触れるは春の吐息」と言ったところか///」

提督「誰の言葉?…この場にぴったりね」

マメリ「即興のたわむれです…さぁ、建造にかかりましょう!」

カヴール「やっと用事を思い出してくれました」

提督「ふふ、二人でいちゃいちゃしてごめんなさいね♪…では、建造開始と行きましょう!」



………

…数時間後…


提督「相変わらずまぶしいこと…今回は中型潜水艦なのは分かっているけど、誰が来るのかしら?」

マメリ「さぁて…それが分からないのもまた一興というもの」

カヴール「…あ、来ましたよ」

潜水艦「命令に応じて着任いたしました!」出てきた四人の艦娘はぴったりのウェットスーツ風艤装の上に、金モールと肩飾りのある上着を羽織り、黒革の靴にストッキング、頭には三角帽子を被った中世の提督風で、ぴしりと敬礼を決めた…

提督「休め!私はここの司令官フランチェスカ・カンピオーニです。…ご苦労さま、自己紹介をお願いね♪」答礼すると微笑みかけた

潜水艦「は!…中型潜水艦ピサニ級、ヴェットール・ピサニ!…先代は装甲巡洋艦でした。ようやく活躍する機会を頂けて、感謝いたします!」

潜水艦「同じくピサニ級、ジョバンニ・バウサン!…先代は防護巡洋艦でしたが、今度は海中で戦ってみせましょう」

潜水艦「ピサニ級、マルカントニオ・コロンナ!…レパントで活躍した栄光を再びこの手に」

潜水艦「同じく、デス・ジェネイス!…今度は解役ではなく、活躍したいものです」

マメリ「おぉ、ピサニ級か!…このマメリ級と同時期に生まれた中型潜です」

提督「みんな偉大な提督の名前がついているのね…未熟な少将ですが、なにとぞよろしく♪」

ピサニ「いやいや、今どきはこのようなうら若い女性が少将なのか!…それだけの実力があると言うことでしょう、上手く本官たちを使いこなしてほしいものだ」

コロンナ「さよう、名前負けしないようわれわれも努力するのでね」

提督「ええ、これからよろしくお願いしますね…提督がた♪」…それぞれの頬にキスをした

ピサニ「おぉ…最近の提督は良い匂いだな…♪」

バウサン「うむ…女性の提督もなかなかいいものだ」

ジェネイス「むむむ…これは相当頑張らなければなるまいな」

コロンナ「確かに…甘い香水の匂いがして、くらっときたぞ」

……… <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/05/23(火) 11:45:06.96 ID:N0I6h8Z60<> …紹介…


中型潜水艦…ピサニ級。1929年生まれ。四隻


「マメリ級」中型潜水艦と同時期に建造された中型潜水艦で、単殻サドル・タンク構造。866トン/1040トン、3000馬力(ディーゼル)/1100馬力(電動機)で15ノット/8.2ノット。
兵装は533ミリ魚雷発射管6門(艦首4門/艦尾2門)、102ミリ単装砲一基(司令塔前面)13.2ミリ連装機銃一基(司令塔後部張り出し上)


大きさ、カタログデータはマメリ級と変わらないように見えるが安定性が悪く、サドル・タンクを大型化することになり速度が2ノット/1ノット低下した。戦前の建造で、性能面でも特に優れた点はない。戦中は旧式で性能もよくなかったことから活躍することもなく、港内で係留されて重油用の浮きタンクや練習用、他艦の充電用に使われ、47年解役の「ヴェットール・ピサニ」を除く三隻は戦時に解役。



…艦名はいずれも中世の提督の名から取っていて、ネームシップの「ヴェットール・ピサニ」(Vettor Pisani)は海戦でジェノアに勝利したヴェネチアの提督。先代は1899年生まれの装甲巡洋艦「ヴェットール・ピサニ級」のネームシップで、日露戦争時活躍した「日進」、「春日」のもとである「ジュセッペ・ガリバルディ」級の前級

「マルカントニオ・コロンナ」(Marcantonio Colonna)は「レパントの海戦」で法王庁艦隊の副司令官(形式上指揮は王族が執っているので実際は指揮官)を務め、トルコ艦隊を撃破したコロンナ公爵…当初はデュイリオ級戦艦の次級として第一次大戦中に計画された34000トンの大戦艦「フランチェスコ・カラッチォロ」級三番艦になる予定だったが、イタリアの国力では建造できず中止に

「ジョバンニ・バウサン」(Giovanni Bausan)はナポリ海軍の中将で政治家。…先代は1885年竣工したイタリア初の防護巡洋艦でイギリス人ジョージ・レンデル(レンデル式砲艦で有名)に設計してもらった「ジョバンニ・バウサン」

「デス・ジェネイス」(Des Geneys)はジェノアの提督で、バーバリ海賊の退治などをしたナポレオン時代の提督らしい…が、日本では有名ではないので、詳細はよく分からない…


…いずれも提督の名前がついていることから中世の提督らしい三角帽子に、金モールと肩章の付いた上着に白いストッキングと立派な格好をしている…が、出撃時はウェットスーツ風の艤装に少し金モールがついているだけと地味になる。びしっとした性格は並みの提督よりもよほど提督らしい。…とはいえ艦娘たちや提督が女性であることに驚きもし、同時に周囲が可愛い女の子だらけで嬉しくも思っている…



<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/05/24(水) 00:54:12.67 ID:/3pLgGQN0<> …ある日・菜園…


…鎮守府の横手にある菜園に植えてあるバジルやパセリ、数本のトマト、それに奥に生えている一本のオレンジの木はいずれも良く実っていて、今日もまた数人の艦娘が簡単な格好をして収穫に励んでいた。提督もガーデニングや庭いじりは好きな方なので、執務を手早く済ませるとふにゃふにゃのワンピースに着がえ、一応ゴム長靴に履き替えて表に出た…


提督「んーっ…いい天気」麦わら帽子をあみだにかぶり、手には小さいハサミを持っている

カヴール「そうですね…風が涼しくて心地いいです」つばの広い布の帽子を優雅に被り、柳のバスケットを持ち、暑気を忘れさせる優しい風に目を細めた…

ライモン「提督、カゴの準備も出来ました」収穫用のカゴを持ち、そこへ作業にいそしんでいる数人へ渡すレモン水の水差しとグラスを入れている…

提督「ありがとう♪」黄色いレンガの道のかたわらに、上手く手入れされた菜園が出来ている。図書室の園芸図鑑のおかげか、どれも艶やかないい色をしている…

ザラ「提督、来たのね♪」

ポーラ「待ってましたよぉ〜♪」声を聞きつけ、畝の間から顔を出して手を振る二人…真っ赤なトマトとこんもりと茂ったバジルを仲良く摘み取っている

提督「ライモンがレモン水を持ってきたから、休憩にしたら?」

ザラ「いいわね♪ライモンド、ありがとう…ちょうど欲しかったわ♪」

ポーラ「ポーラはぁ…ワインがいいのぉ〜♪」

提督「この暑いさなかにワインをがぶ飲みしたら頭に来るわよ?」

ポーラ「そんなに飲まないですよぉ〜…」

提督「まぁまぁ、そう言わずに…ライモンが頑張ってレモンを絞ってくれたんだから」

ライモン「いえ、そんなわざわざ言うようなことじゃありませんよ…!」

ザラ「わざわざどうもね♪…ポーラ、あんまり無茶言わないの」

ポーラ「はぁーい…ライモンドがわざわざ絞ってくれたのですしぃ〜…ザラ姉さまもそう言うなら仕方ないですねぇ〜…」そう言いつつ、地面に置いてあった瓶からワインを注ぎ、素焼きのコップでぐいぐいとあおる…田舎風の分厚い丸い瓶には持ち手がついていて、底面は柳を編んだカゴに収まっている…

ザラ「あ!…もう、一体どこからこんなの持ってきたの?」

ポーラ「えへへぇ…作業前にワインセラーから持ち出して置いておいたのです〜…ひっく♪」

ザラ「ちょっと貸しなさい…って、半分は飲んでるじゃない」

ポーラ「さっぱりしてるから大丈夫です〜…お庭でワインを頂くのもぉ…南イタリア風でいいでしょ〜…♪」

ザラ「もう…提督」

提督「はいはい、預かればいいのね」

ポーラ「あ〜…それはぁ、ポーラのですよぉ〜」

提督「分かってます…残りはお昼のパスタと一緒に頂きましょう?」きゅっとコルク栓をして、カヴールに持っていくように頼んだ

ポーラ「むぅ…分かりましたぁ〜」

提督「よろしい…ところで、収穫はどう?」

ザラ「おかげさまで、よく取れてます♪」

ポーラ「今日はトマトのパスタですねぇ〜♪」

提督「ピッツァ・マルゲリータも捨てがたいわ♪」

ライモン「カプレーゼなんかもいいですね♪」

提督「むむむ…どれもいいわね」

ザラ「とりあえず、収穫はたくさんあるからどれも出来そうよ」

ポーラ「楽しみですねぇ〜…♪」 <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/05/24(水) 01:38:33.85 ID:/3pLgGQN0<> 提督「さてと…オレンジの木はどうかしらね?」


…裏庭に近い小高い一角には、小ぶりながら熟した実をつけたオレンジがなっている…チュニックやお古のワンピース、Tシャツやあまり綺麗ではないブラウスと、適当な長ズボンやスカートで作業をしているのは駆逐艦レオーネ級、ミラベロ級とセラ級で、小柄な彼女たちは梯子をかけ、木になっているオレンジを収穫ハサミで切ってはカゴに放り込んでいる…


提督「どう、生りはいい?」

ミラベロ「いい具合よ、提督♪」

リボティ「一個あげるよ…ほら、愛がこもったオレンジだよ♪」…皮にキスをすると、ぽーん…と放って寄こした

提督「うわっ!…と、危うく愛の重さで落としそうになったわ♪」ずっしりしたオレンジを危うく受け止め、木の上にいるリボティにウィンクすると、腰に差していた小型ナイフで皮を剥いた…刃を入れると「ぷしっ」と果汁が音を立て、飛び散って霧になる…

提督「どれどれ……んーっ、甘酸っぱい♪」

セラ「私にも一切れもらえる?」

提督「どうぞ?…ライモンも、はい♪」ナイフで切り分け、手に付いた果汁を裾で拭った…

セラ「んーっ、甘くて美味しいです♪」

ライモン「んっ…みずみずしい♪」

提督「せっかくだから、ミラベロにリボティも、降りて来て召し上がれ?」

ミラベロ「そうね、今行くわ」

リボティ「せっかくだもんね♪」

提督「レオーネたちもどう?」

レオーネ「なら、一切れはもらおう…」

ティグレ「酸っぱいからあんまり得意じゃないんだ」

パンテーラ「そうね…甘いのは割と好きなんだけど」

提督「さすが猫科…なのかしらね?」首を傾げつつ、数個のオレンジを剥いた…


…数分後…

セラ「美味しかったです」

クリスピ「ん、とっても♪…提督、あっち向いてこそこそしているけど…どうしたの?」

提督「んふふ、ちょっと待ってね……う゛ぅー!」振り向いた提督は、唇と歯ぐきの間にギザギザを入れたオレンジの皮を咥え、妖怪のように吼えてみせた…たちまち嬌声をあげて追いかけっこが始まった…

ライモン「…全く、提督ったら♪……あれ…あのシーンって老衰で倒れる直前だったような……」複雑な表情で見ている…

パンテーラ「ほぉら、ここまでおいで♪」豹らしく、するりと木に登ったパンテーラ…下からスカートの中、黒の色っぽいガーターとランジェリーが見えている…

提督「う゛ぅーっ…♪」しばらくのぞいてから、駆逐艦たちを追いかけ回した

セラ「きゃぁっ!うふふっ…♪」

ティグレ「はははっ、運動不足の妖怪には捕まらないさ!」

レオーネ「うむ、さよう!」

クリスピ「遅いですよっ!」

提督「ふー…はぁー……」数分ばかりきゃあきゃあやっていたが、提督は大して駆け回ってもいないうちに息が上がり、木の下にへたり込んだ…

ライモン「全くもう…無理しないで下さいね」水差しのレモン水を渡してもらった…

提督「…ふぅ、駆逐艦の娘たちは脚が速いわね……はひぃ…」ふーふー言いながら、肩で息をしている提督…

ライモン「さぁ、深呼吸ですよ…」

提督「ええ…そうね……ひっ、ひっ、ふー…」

ライモン「妊娠したんですか?」

提督「間違えたわ」

ライモン「そんな間違え方しませんよ」




<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/05/24(水) 01:43:34.04 ID:/3pLgGQN0<> …今日はこの辺で、もうしばし日常の風景を投下したら建造か、ザラ×ポーラのいちゃいちゃを投下したいと思います… <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/05/25(木) 00:48:43.50 ID:/96BL5HOo<> 乙です
サラ×ポーライチャイチャ期待 <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/05/25(木) 01:41:27.48 ID:dPd+HKRg0<> …一方・トマト畑の片隅…

ザラ「カゴを持ってきて、ポーラ」

ポーラ「はい、ザラ姉さまぁ〜…♪」すでに結構な数の熟したトマトが入っているカゴを持ち、足取りも軽くやって来た

ザラ「ありがとう、ポーラ♪」片手で実が落ちないように支え、もう片方の手で鋏を入れた…茎の断面からトマトの香りがつんと漂う…

ポーラ「ここに置きますよぉ〜…きゃっ!」ザラに気を取られ、足元に置いてあった鍬に気づかなかったポーラは柄に脚をひっかけると、前につんのめった…

ザラ「きゃあっ!…あいたた……ポーラ、大丈夫?」慌てて受け止めようとしてトマトの棚の間に派手に倒れ、寝ころぶ形になってしまったザラ…麦わら帽子が株の間に転がっている…

ポーラ「ポーラはぁ、大丈夫ですよぉ〜…それより、ザラ姉さまはぁ〜?」カゴのトマトがあちこちに散らばり、あお向けになったザラがポーラの腕の間に身体を投げ出している…

ザラ「大丈夫?…もう、ポーラ…注意力が散漫になるし、だからワインは止めておきなさいって言ったでしょう?…今後はけがしないように気をつけるのよ……っ!?」…ちゅっ、ちゅるっ…ちゅぷっ……草いきれで青い匂いの漂う空気、蜂の羽音とわずかな波の寄せ返し、みんなのおしゃべりと笑い声がわずかに聞こえる中、不意にポーラが身体を沈めて唇を重ねた…最初はついばむような初々しいキスだったが、甘いぷるっとした唇を重ねているうちに、次第に口づけが激しくなっていく……

ポーラ「ザラ姉様…ザラ姉さま…っ、大好きなの…ぉ♪……んちゅっ、ちゅぅっ…ちゅぷっ、れろっ、じゅる…っ♪」抑えが効かなくなったように舌を絡め、口中を蹂躙した…

ザラ「ポーラ…ポーラぁぁ♪…れる…っ、じゅるぅぅっ…ぴちゃ…っ…ちゅぅぅっ♪」片腕をポーラの背中に回し、ぐいと引き寄せると、こちらもタガが外れたように舌を絡め、唾液をすすった…

ザラ「…んんっ、もう我慢できない…っ♪…お願い、ポーラ…舐めて、しゃぶって…ポーラの好きなようにして…ぇ♪」キスの嵐がようやく静まりポーラが舌を引き抜くと、ザラはもどかしげにブラウスの前を開き、形の良いふっくらと乳房を惜しげもなく晒した…それから、頬を染めてまじまじと凝視しているポーラにまくしたてるように言った…

ポーラ「はぁ〜い…ポーラはぁ、ザラ姉さまのお乳も大好きですよぉ〜…えへへぇ♪」…じゅるっ、ちゅぷっ、んちゅっ♪…耳元でささやくと、白くて大きい乳房にむしゃぶりつき、しばらく谷間に顔を埋めて舐めまわしていたが、そのうちにポーラは膝立ちになると白いワンピースをたくし上げて裾を咥えた…

ザラ「んんぅ…いいっ、いいわ…ポーラぁ♪」…ポーラの、紅色の生地に同色のレースをあしらった下着と白いふともも、むっちりしたヒップが暖かい外気にさらされると、ザラは背中に回した手を下ろしていき、張りのあるヒップをわしづかみにしてこね回した…

ポーラ「えへへぇ…ザラ姉さまぁ〜…、もっとぉ、ポーラのことぉ…めちゃくちゃにして…ぇ♪」ポーラは恥ずかしさと嬉しさの混じった表情で眉をひそめ、首を傾げた…明るい灰色がかった髪がひと房、豊かな胸元にかかっている。…ワインレッドの下着からは早くもとろりと蜜を垂らし、ぐちゅりといやらしい水音を立てている…

ザラ「んんぅ…ちゅぅぅ♪…じゅるっ、ぐちゅっ……じゅぶっ♪」身体をずらすと、ポーラの花芯をすべすべしたランジェリーの上から責めた…舌を差しこみ、わざと激しい水音をさせながら舐めまわした…


……… <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<><>2017/05/26(金) 22:51:13.11 ID:mKl/AIdO0<> ここのポーラはエロくて新鮮ですね。艦これのポーラってもはやギャグキャラなのに <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/05/26(金) 23:55:44.52 ID:V4Zgb50k0<> >>521 ザラやポーラは姉妹百合が好きなだけですから、えろくない、えろくない…せっかくなので投下していきます… <> ◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/05/27(土) 00:40:54.14 ID:tbBMKekM0<> …十数分後…


ザラ「んぁぁっ♪…はぁん…んんっ、いいっ……ポーラ、もっと…ぉ♪」

ポーラ「えへへぇ…ザラ姉さまぁ…ん、じゅるぅぅっ…ぴちゃ、くちゅっ♪」

ザラ「んぁぁぁっ!…いいっ、そこっ…いいの……ぉ♪」


…照りつける南イタリアの太陽の下、汗を滴らせながらザラとポーラは絡み合っていた。甘い睦言、密かなささやき、優しい口づけ…とろりと熱く、頭がぼーっとなるほどのひととき…


ポーラ「ザラ姉さま…もっと、したいのぉ…♪」

ザラ「もう、仕方ないわね…♪」ちゅっ…ちゅるぅっ、くちゅっ、ぐちゅっ♪…ポーラの両頬を手でそっと押さえると、そのまま引き寄せて口づけした…ポーラの方はキスを楽しみつつ、ねっとりと濡れているザラを花芯を優しくかき回した…

ポーラ「んふ…ぅ、んんぅ…ザラ姉さま…ぁ……れろっ、んちゅっ…ちゅる……っ♪」

ザラ「んんぅ♪……なぁに、ポーラ?」

ポーラ「ポーラは…ぁ……ザラ姉さまのこと…大好きなの…ぉ♪…ポーラのぉ…アモーレ・ミーオ(愛しい人)なのぉ〜…♪」

ザラ「私もよ…ポーラ…ぁ、アモーレ、アモーレ…アモーレ・ミーオ♪」

ポーラ「えへへぇ…嬉しい…っ♪」ちゅっ…ちゅぷっ、んちゅっ♪

ザラ「私も…嬉しいわ。…ポーラに、フィウメ、ゴリツィア……みんなとまた会えたこと、提督と会えたこと……それから、こうやって空の下で愛しあえることも…っ♪」

ポーラ「ちょっと、変態さんみたいだけどねぇ〜♪」

ザラ「ポーラとなら何だっていいわ♪」

ポーラ「ザラ姉さま…っ♪」

ザラ「愛すること以外に、大事なことなんてありはしないわ…ポーラ♪」…ちゅっ、ちゅるっ…んちゅぅぅ♪

ポーラ「そうですねぇ〜……あれぇ、ザラ姉さま…誰かがポーラたちの事を呼んでますよ〜…」とろりと地面に蜜を垂らしているザラを、ふっくらした柔らかい指二本で責めたてつつ言った

ザラ「…そう?」畝間の黄色っぽくて乾いた地面に背中をつけ、キスしながら耳を澄ました…確かに、畑の向こうから提督たちの声が聞こえてくる…


ライモン「ザラ、ポーラぁ!作業はおしまいにして、お昼にしましょーう!」

提督「二人ともぉー、早くしないとお昼が冷めるわよー!」


ポーラ「ザラ姉さまぁ…どうしましょ〜?」

ザラ「私はまだ…二人でいたいわ…♪」

ポーラ「お昼が冷めちゃいますよぉ〜…?」そう言うものの、くすくす笑って身体をどけようとはしない…

ザラ「冷めたっていいわ。…その分、ポーラが私のこと…熱くしてくれるもの…ね♪」

ポーラ「そうですよねぇ〜…んふふっ、ザラ姉さま♪」

ザラ「んんぅ…ポーラ♪」んちゅっ、ぐちゅり…じゅぶっ♪


……… <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/05/27(土) 01:32:27.48 ID:tbBMKekM0<> …畑の外側…

ライモン「ふー、これだけ声を張り上げたのに聞こえないなんて…二人とも暑気あたりでも起こして倒れているんじゃないでしょうか」心配げにそう言った

提督「んー…そうねぇ。ポーラったら、ワインを飲みながら作業していたもの……ちょっと見て来るわ」

ライモン「わたしはどうしましょうか?」

提督「先に戻っていていいわ…お昼も始めていていいから。せっかく新鮮なハーブを収穫したんですもの、ね♪」

ライモン「了解…でも、よかったらわたしも一緒に探しますよ?」

提督「気にしないでいいの♪」

ライモン「分かりました、では、先に戻っていますね」

提督「ええ」


…畑の奥…

ポーラ「提督たち…いっちゃったみたいですねぇ〜♪」

ザラ「ふふっ…ポーラぁ、もう一戦しましょう♪」

ポーラ「お任せです〜♪」…くちゅっ、じゅるっ…じゅぶっ!

ザラ「んぁぁぁっ!…いいのっ、そこ…もっと、奥までぇ…ぇ♪」身体を引きつらせ、甘い叫び声をあげる…

提督「ザラぁ、ポーラぁ…いないのぉー?」畑のどこからか聞こえてきた提督の声…まだ遠いが次第に近づいてくる…

ザラ「!」

ポーラ「!」…んちゅぅぅ♪…ねちっこいキスでザラの声を抑えた…

提督「二人ともー、そんなに作業を頑張っていると疲れちゃうわよー?」

ザラ「んんぅ…んふ…ぅ…んっ、んっ……んーっ♪」口を封じられつつ思い切り責めたてられると、ザラはびくっ、びくんっ!と身体をけいれんさせ、ぶしゃぁぁっ…と蜜を噴き出した…トロ顔で秘部を重ね合わせながら髪を振り乱し、すっかり目の焦点も合わないでいる…

ポーラ「んふふぅ…んっ、んっ…くちゅっ、にちゅっ♪」姉の乱れた様子を見ていたずらっぽく微笑むと、ねっとりと粘っこい液体にまみれたふとももを重ね合わせ、静かに責め続けた…

提督「ポーラぁ?…飲み過ぎて倒れちゃったりしてないわよねー?」

ポーラ「んふふ♪…ちゅるっ、じゅぼっ…ぐちゅり、ぐちゅっ♪」

ザラ「ん…んっ、んーっ…んんーっ♪」

提督「…二人ともー、どこにいるのかしらぁー」

ポーラ「…えへへっ、開放的で気持ちよかったです…ザラ姉さま♪」

ザラ「…あふぅ、はひぃ……私は…息が切れて……ふぅー…でも、そうね。…開放的だったし、「見られるかも」って思うとどきどきして、それもよかったわ…♪」

ポーラ「もう、ザラ姉さまってばぁ〜♪」

提督「ザラ、ポーラぁ…?」だいぶ近い位置から声が聞こえる…

ポーラ「はぁ〜い!ポーラはぁ、ここですよぉ〜♪」さっと服を着直し、土ぼこりを払うと声を上げた

ザラ「どうしたんですか、提督?」ぐしゃぐしゃになったランジェリーで膝まで垂れた蜜をどうにか拭いとると、転がったトマトの入っていたカゴの底に放り込み、上から拾い直したトマトを放り込んだ…

提督「あぁ、二人とも…こんなところにいたの?…とっくにお昼の時間よ、行きましょう?」

ポーラ「はぁ〜い。午前中のワインが残ってますからぁ、それを頂きましょ〜♪」

提督「はいはい…あら、よく取れたわね♪…一ついただこうかしら?」

ザラ「!…だ、駄目ですよ、まだ洗っていませんし…それに、これからお昼なんですから」

提督「それもそうね♪」

ザラ「…ふぅ」

提督「…で、どうだった?」

ザラ「!」

ポーラ「!?」

提督「うふふっ…二人とも、すっかりとろけた顔をしているもの……言わないでいてあげるから、先にお風呂にでも入っていらっしゃい♪」

ザラ「は、はい…///」

ポーラ「はぁ〜い///」 <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/05/27(土) 02:24:59.79 ID:tbBMKekM0<> ………

…食堂…

ライモン「あぁ、お帰りなさい。提督…ザラとポーラ、いました?」

提督「いたわ。こっちに来る前に、先にシャワーでも浴びてくるつもりみたいね」

ライモン「まぁ、今日は暑いですからね」

提督「そうね…あら、美味しそう♪」席に着いて目に飛び込んできたのは紅い縁どりがされた大皿に、スライスされたトマト、モッツァレラ、バジルを重ね、オリーブオイルを垂らした冷菜、カプレーゼ…田舎風のワインとよく合う南部らしい一品に、あちこちで絶賛する声が上がる…

提督「どれどれ?…んんぅ、美味しい…暑いところから戻ってきたからなおの事♪」ちびりちびりとワインをすすりつつ、カプレーゼと、細いカッペリーニに和えたトマトの冷製パスタを賞味した…

カヴール「んっ、美味しいですよ…ディアナ♪」

ディアナ「暑いなか作業されたのですから、なおのこと美味しいでしょう」

カヴール「それを抜きにしてもです」

ディアナ「これは嬉しいお言葉です、ではもっとお召し上がりになって下さい♪」

カヴール「ええ、頂きます♪」


…遅れてやって来た提督の側には新しく「建造」した、アルキメーデ級大型潜水艦とピサニ級中型潜水艦が座っていて、それぞれさっぱりした昼食に感嘆の声をあげつつ、提督との会話にも興じていた…


ガリレイ「しかし、これほどとは思っていませんでした」

提督「何が?」

ガリレイ「美味しい食事にぜいたくな部屋、優しい提督、任務にあくせくすることもない暮らし…」

フェラリス「そうね…後は実験用の器材でもあれば十分」

提督「実験?」

フェラリス「ええ、だって学者の名前がついているんだもの、私も実験したいのよね」磁石の上にフォークを浮かせつつ言った…

ガリレイ「いいものができるかも知れませんよ、提督?」

提督「失敗して大爆発…なんていうのはやめてね?」

フェラリス「大丈夫、最初は「中和剤」みたいな簡単なのからやるから」

提督「…たーる♪」

ライモン「なにか言いましたか?」

提督「いいえ、何でもないわ」

ライモン「…かわいかったです///」

提督「///」

ジョバンニ・バウサン(ピサニ級)「まったく…提督も他の艦も可愛い娘だらけで…甘い匂いがたまらないですね」

ヴェットール・ピサニ「ふふ、ヴェネチアよりも美人が多いように思えますね。…それどころか私たち自身もこんな華奢な娘っ子になって」

マルカントニオ・コロンナ「ふふ、全くです。しかしなかなか良いではありませんか…可愛い娘たちと過ごせるというのは」

デス・ジェネイス「ええ。それに、積極的な娘たちも多いようですし…提督も嫌いではないのでしょう?」

提督「ええ。できれば貴女がたとも交流を持ちたいわね♪」

バウサン「おぉ…?なかなか積極的でよろしいですね、ナポリ美人を忘れてしまいそうだ♪」

ジェネイス「ジェノアの女性は素晴らしいですよ…提督♪」

ピサニ「美人の多いヴェネチアには敵わないでしょう?」

提督「うふふっ…どうかしらね、比べてみないと♪」

………


<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/05/27(土) 09:53:14.25 ID:tbBMKekM0<> …食後・リットリオ級の部屋…


…提督は食後のひとときを艦隊唯一の超ド級戦艦、リットリオの部屋で過ごすことにした。…食後すぐに「よかったらお茶でも飲みに来てください」と誘いを受け、建造・開発の時間まで用事もないので、そのお誘いを受けることにしていた…


提督「リットリオ、いる?」コン、コンと軽くノックをして、ドアの前で待った

リットリオ「あ、提督…どうぞ♪」

提督「失礼するわね」…室内はまだ調度品が少ないので簡素な印象をうけるが、倉庫から持って来たスタンドや小机やちょっとした雑貨が可愛らしく並べてあり、まだ空きの多い本棚には数人が貸した百合漫画が立てかけてある…

リットリオ「よく来てくれました…さぁ、どうぞ座って下さい」…ライトグレイのスカートとフリルブラウスはおしゃれで、その上に着ている穏やかなえんじ色の胴衣が形のいい胸をほどよく強調していて、軽やかに歩くたびに小気味よく揺れる…

提督「…♪」にっこり微笑して席に座ると、今度はお茶の支度をするリットリオのふとももを後ろから眺めた…

リットリオ「どうですか?」

提督「いい眺めよ♪」…ティーセットの用意をして身動きするたびにふわりとフレアースカートの裾が持ち上がり、提督の視線に白い物が入ってくる…

リットリオ「そうですか、気に入ってもらえて何よりです♪」

提督「ええ…白もいいわね」

リットリオ「よかったです。上手く合わせられたか気になっていたので…」

提督「いいと思うわ、純粋な感じで」

リットリオ「純粋…ですか、提督は詩人でいらっしゃいますね」

提督「そう?」

リットリオ「ええ、だって棚の色の話をしているのに、「純粋」だなんて…素敵ですよ♪」

提督「あー…まぁ、そうね。おとめ座の私としては、センティメンタルにならずにはいられないの」

リットリオ「あれ、提督っておとめ座でした?」

提督「いいえ?」

リットリオ「ですよねぇ?」

提督「でも、「おとめ座」って響きがいいじゃない?」

リットリオ「確かにそうですね。…さぁ、お茶が入りましたよ、どうぞ♪」ティーカップは食器室にしまってある端数のカップで、ポットとミルク入れはブランドも柄も違うバラのものだが、それぞれ上手く組み合わせてある

提督「ん…美味しい……ダージリンね」

リットリオ「はい…お菓子もどうぞ♪」丸いクッキーはリットリオが焼いたらしく、反応を熱心に見ている…

提督「美味しいわよ…上手ね♪」

リットリオ「///」

提督「もう、そんな顔されたら…期待しちゃうわ♪」右手を重ね、指を絡めた…小さい机の上に置かれたティーカップの湯気が、開いた窓から入ってくる南風に揺れた…

リットリオ「…提督」

提督「なぁに?」

リットリオ「その、恥ずかしいです…♪」

提督「あら、「恋人つなぎ」が?」

リットリオ「ではなくて…反対の手です///」

提督「そう?…柔らかくていいわ♪」むにゅ、むにっ♪…さりげなく提督の左手が袖から入っている…

リットリオ「もう…提督ってば♪」そう言いつつ、明るい茶色の目をきらきらさせて期待している…

提督「うふふっ…地中海的でいいでしょう♪」

リットリオ「それ、私の台詞ですよっ…いけない提督です♪」

提督「ふふ、そうかもね…♪」

<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/05/27(土) 10:37:09.32 ID:tbBMKekM0<> 提督「…では、いけない提督は……もっと触っちゃうわね♪」

リットリオ「きゃん、あうんっ♪」

提督「んー…しっとりもちもちで、手触りがいいわ♪」

リットリオ「もぅ…プリエーゼ・シリンダーは触っちゃ駄目ですっ♪」

提督「ふふ、そう言いつつ右手も案内してくれるなんて♪」

リットリオ「せっかく来てくれたのですから。…こっちも触ってみてください、提督♪」

提督「ええ…ふふ、超ド級ね…柔らかくて指が埋まるわ♪」胸を強調するようなぴったりしたボディス(胴衣)の下から手をあてがい、ゆさゆさ揺らしたり揉みしだいたりした…むっちりとした柔肌が指に合わせて形を変える…

リットリオ「んっ、んぅ…あふぅ♪」

提督「おぉー…すごいもち肌…どうやったらこんなに白くて柔らかい肌になるのかしらね♪」

リットリオ「…んんぅ…普通に…石鹸で洗っているだけですよ…ぉ…あっ、あっ…あぁぁ…ん♪」

提督「そう?…おかしいわね、私だって肌には気を使っているつもりなのに…っ♪」むにっ、むにゅっ♪

リットリオ「はぁ…ふぅ、ふぅぅ…もう、提督ったら胸ばかり触り過ぎです♪」

提督「そう言いつつも、リットリオは私の手をふとももの方に引っぱっていって…?」

リットリオ「…こっちも触って下さい♪」少し恥ずかしげに目をそらし机の下でスカートをたくし上げると、白い吸いつくような肌をさらした…

提督「ええ、さっそく♪」

リットリオ「んんぅ…はぅ…んっ♪」

提督「いいわねぇ…すべすべでもちもち…♪」

リットリオ「もう…提督だってむちむちで柔らかいですよ♪」

提督「あー…最近食べ過ぎているせいね…やっぱり少し食事制限した方がいいのかしら」

リットリオ「…私はこのくらいむっちりしている方が好みですよ♪」

提督「そう?…ならいいわ♪」

リットリオ「そうですよぉ…ふとももに隙間があるなんて嫌ですよぉ」

提督「そうよね…だってこうやって、間に手を入れようとすると……♪」

リットリオ「もう、いけませんっ♪」ぐいっ…むちっ♪

提督「んふふっ…リットリオのふとももに手が挟まれちゃった♪」

リットリオ「ねっ♪」

提督「ええ、手が幸せ♪」

リットリオ「でも…せっかくですから♪」

提督「あら…いいの?」いやらしい笑みを浮かべにやにやしている…

リットリオ「はい…リットリオの秘密の花園へ、どうぞ♪」

提督「んふふっ…では失礼して♪」くちゅっ…♪

リットリオ「ふふっ…あっ、あぁっ…いいですっ♪」

提督「そう?」

リットリオ「ええ…あ、あっ♪…もう、きゅんきゅんしちゃいますっ♪」

提督「もう…私たちったら、昼下がりから何をしているのかしら♪」

リットリオ「ふふっ、私は提督と百合えっちしたいですよ♪」

提督「そう…では要望にお応えしないとね♪」

リットリオ「はいっ♪」

……… <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/05/28(日) 00:24:01.72 ID:XKxYYFAm0<> …しばらくして…

提督「ふふ、リットリオ♪」

リットリオ「はい、提督。なんですか?」

提督「呼んでみただけよ♪」

リットリオ「もう♪」

提督「リットリオ…はい、あーん♪」

リットリオ「あーん…っ♪」かぷっ…ちゅぷっ♪

提督「あんっ、もう…指まで食べちゃ駄目♪」

リットリオ「甘くて美味しいですよ?」れろっ…ちゅるっ♪

提督「んっ…もう、私の指は砂糖菓子じゃないのよ♪」

リットリオ「そうですか?…白くて甘くて、まるでクリームみたいです♪」

提督「んー…さっきリットリオの甘い蜜を付けたからじゃないかしら?」

リットリオ「///」

提督「ところで…ここの生活には慣れた?」

リットリオ「はい。みなさん優しいですし、美味しい食事に素敵なお部屋までもらえて…♪」二人が向かい合っている卓上には花瓶が置かれ、クリーム色のオリエンタル・リリーが数本活けてある。リットリオはそっぽを向いてしまっている花の向きを直しつつ言った…

提督「そう、よかったわ…特に仲のいい娘はいる?」

リットリオ「そうですねぇ…戦艦の中でもカヴールとデュイリオは優しくしてくれますし、駆逐艦のみんなはどの娘も色々誘ってくれて楽しいです…あと、軽巡ではライモンドが丁寧に色々教えてくれるのと、エウジェニオがすごく優しくしてくれます♪」

提督「エウジェニオね…そう♪」

リットリオ「なにかまずい事でも?」

提督「いいえ?…その本棚に置いてある漫画やゲームもエウジェニオから?」

リットリオ「あっ…は、はい///」本棚に置いてある伊日合作「レオーネ×舞風」の百合ゲーム…通称「れおまい」のケースを見て言った

提督「ふふ、でしょうね…ところで、その花びらにくちづけはした?」リットリオが向きを変えた一輪のオリエンタル・リリーを指して言った

リットリオ「いいえ…?」

提督「そう…では♪」花瓶の花を一本抜き取ると、甘い芳香を嗅いでからひんやりした花弁にくちづけをした…

提督「はい、お返しするわ♪」手首を回して花の方をリットリオに向けると、にっこりと微笑んだ

リットリオ「…はい///」

提督「鼻に花粉を付けないようにね♪」

リットリオ「はい。…甘い…いい匂いです♪」

提督「そうね…それじゃあ、それそろ失礼するわ。またお話しましょうね♪」ウィンクをすると立ち上がった

リットリオ「はい///」

……… <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/05/28(日) 01:09:05.22 ID:XKxYYFAm0<> …しばらくして・待機室…

カヴール「お待ちしていましたよ、提督♪」待機室のソファーで優雅に座っていたが、提督が入ってくると立ち上がった

提督「待たせたわね、カヴール。…リットリオに優しくしてくれてありがとう♪」

カヴール「彼女から聞いたのですか?…うふふ、彼女はいい娘ですから♪」

提督「…可愛くて♪」

カヴール「初々しくて♪」

提督「いじらしくて♪」

カヴール「目がくりっとしてて♪」

提督「それなのに身体は超ド級で♪」

カヴール「…まさに条約違反の可愛さですね♪」

提督「そうよね…エウジェニオ?」

エウジェニオ「ええ、そうね♪」…録画してある再放送の「くっつきぼし」を見ながら言った

提督「うふふっ、可愛かったわ♪」

カヴール「…その、提督。私はどうでしょう?……「可愛い」でしょうか?」

提督「そうねぇ…カヴールは「可愛い」よりは「おっとり」と…「美人」かしら♪」

カヴール「そうですか…提督は「おっとりした美人」はお好きですか?」

提督「ええ♪」ちゅっ♪…と頬にくちづけをすると、エウジェニオが映像を止めて微笑を浮かべた

提督「…見ないで♪」

エウジェニオ「ふふっ、いい眺めじゃない…私にも見せて♪」

カヴール「その…ちょっと恥ずかしいので///」

エウジェニオ「待機室の真ん中でキスするのが?」

カヴール「だって…提督の唇ったら……柔らかくて///」

アヴィエーレ(ソルダティ級)「ひゅぅ♪…お熱いねぇ」テーブルのお菓子をつまんでいるアヴィエーレは「航空兵」らしく、ソファーで身体を伸ばし、革長靴を履いた脚は組んでテーブルに乗せ、憂いを帯びた格好いい表情でからかった…胸元から深青色の箱を取り出すと一本抜き取り、口にくわえた…

提督「…アヴィエーレ…それ、煙草?」

アヴィエーレ「海軍施設が禁煙なのは知ってるよ…その後だいたい、「身体に悪いから」って続くんだろう?」

提督「まあね…でも、どうしても吸いたいなら裏手でどうぞ?」

アヴィエーレ「仕方ないな…」そう言ってぽりぽりと噛んで食べた…

提督「…それ、煙草じゃないの?」

アヴィエーレ「ああ…この間日本の提督からもらったんだ、一本いるかい?」箱を振って一本差しだした

提督「え、ええ…」箱を見ると「オリオン・ココアシガレット」と印字してある

アヴィエーレ「何でもココアシガレットとか言うらしいね…ただのお菓子さ」

提督「へぇ…」薄い小豆色をした棒をぽりぽりと噛むと、薄荷の清涼感とココアの甘い味がする…

カヴール「提督…私も欲しいです♪」半分ほど減ったところでカヴールがそう言うと、頬を押さえて反対側の端から食べ始めた

エウジェニオ「あらあら♪」

アヴィエーレ「おぉ…やっぱり熱々だねぇ♪」

カヴール「…」ぽりぽり…

提督「…」ぽりぽりっ…ぽりっ

カヴール「♪」ぽりっ…んちゅっ♪

提督「♪」…んちゅ、ちゅぅぅっ♪

カヴール「ん…ちゅっ……ふふ♪」

提督「…ちゅ…っ♪…甘くて美味しかったわね、カヴール♪」

カヴール「はい…///」

<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/05/28(日) 01:50:24.38 ID:XKxYYFAm0<> カラビニエーレ(ソルダティ級)「あぁ、もう!…これが提督でなかったら逮捕するところよ!」

ランチエーレ(ソルダティ級)「おぉ♪…提督!カヴール!遠慮することはないよ、そのまま「槍構え」で突撃あるのみっ♪」ランチエーレ(槍騎兵)は三角ペナントの付いた短槍を振って応援した

オリアーニ「わ、わぁぁ…♪」

ジオベルティ(オリアーニ級)「いいよ…ぉ、すっご…い♪」

フィエラモスカ(大型潜)「あらあら…私も、見てみたいですね♪」

カヴール「もう、見せ物じゃありません…///」

提督「そうよ…誰かに「見せてあげる」ためにするんじゃないの、「したい」からしているの♪」

エウジェニオ「うふふっ、そうよね♪」

提督「ええ…だからカヴール、もう一回キスしましょう♪」

カヴール「も、もう…提督ったら///」…ちゅっ♪

エウジェニオ「いいものを見せてもらったわ♪…カラビニエーレ、貴女も我慢しないで…正直に言ってみなさい?」

カラビニエーレ「そんなの…駄目です///」

エウジェニオ「…じゃあ、お願い。…私と……キス、して?」

カラビニエーレ「あぁぁっ、もう…我慢してたのにっ!……こんなの…耐えられる訳ないじゃない!」ちゅっ、ちゅるっ…ちゅぷっ♪

エウジェニオ「んふふっ…はい、おしまい♪」ちゅっ♪…ふとももに手を置きほんの数回キスを交わしただけで、つと唇を離した…

カラビニエーレ「な…なんでっ……どうしてっ///」

エウジェニオ「だって、待機中よ?…待機時間が終わったら…私のお部屋に来てね?」

カラビニエーレ「え、ええ…分かったわ///」

提督「…」

カヴール「見事なテクニック…ですね」

提督「どこで覚えたのかしらねぇ…」辺りはまた普通の空気になり、エウジェニオは駆逐艦オリアーニを横に座らせてアニメの続き、駆逐艦数人はお菓子と漫画に戻った…

カヴール「さて、提督…そろそろ建造に行きましょう、お手伝いの娘が工作室で待っているはずですよ?」

提督「そうね…ではみんな、チャオ♪」

エウジェニオ「チャオ♪」振り向くと投げキッスを送ってくる

提督「ふふっ♪」それに応えるようにひらひらと手を振ると、カヴールを連れて部屋を出た…

……… <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/05/28(日) 01:53:27.89 ID:XKxYYFAm0<> …今日はここまでで、また明日以降投下します。…この提督はキスしてばかりで、ちっとも建造が進まないですね… <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/05/28(日) 14:04:40.52 ID:ENUrbEFSo<> キスなんて挨拶みたいなもんですし仕方ないね <> ◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/05/29(月) 23:57:51.99 ID:nVNeThW90<> >>532 なるほど、挨拶なら仕方ないですね(笑)


…ちなみに、小ネタとして「提督と艦娘たちがカンツォーネを歌う」「ナポリタンを初めて食べたみんなの感想」は考えています

あと、どうでもいいことかも知れませんが、「鎮守府」って言う言い方は旧帝国海軍で平時の司令部を称していた言い方だったので、イタリア海軍だとちょっと引っかかる気がしています…時々「司令部」となっていることがあるかも知れませんが、気にしないでもらえればと思います… <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/05/30(火) 00:17:05.61 ID:M3u2OnSR0<> …工作室…

提督「お待たせ」


…すっかり慣れた建造なので、気負うこともなくてきぱきと準備を進める提督…今回建造するのは潜水艦なので、順番が回ってきた中型潜水艦、ピサニ級のネームシップ「ヴェットール・ピサニ」と、バリラ級大型潜水艦「アントニオ・シエスタ」が待機していた…


ピサニ「待っていたぞ、さて…誰が来るか楽しみだ」

シエスタ「そうねぇ…お母さんも楽しみよぉ……ぐぅ…」

カヴール「寝てないで、起きて下さい」

シエスタ「それもそうね。はい、起きたわ♪……すぅ…」

カヴール「起きないと…提督にいたずらされますよ?」

シエスタ「あらぁ……くぅ…すぅ…提督のいたずらなら……むにゃ…歓迎よ…ぉ…」

提督「…シエスタ…起きてくれたらごほうびをあ・げ・る♪」耳元でささやいた…

シエスタ「…おはようございます、提督♪」

提督「おはよう、眠り姫さん…お目覚めのくちづけよ♪」濃い紅色のルージュをひいた唇に軽くキスをした

シエスタ「キスのおかげで、お母さん元気いっぱい♪」

提督「よかった…じゃあ、建造しましょうか」

ピサニ「待ちくたびれたぞ。さぁ、参ろう!」

提督「了解♪」

………
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<><>2017/05/30(火) 01:23:45.75 ID:M3u2OnSR0<> …数時間後…


ピサニ「そろそろか…楽しみだな」

提督「ええ、今回はどうかしらね」

カヴール「まぁ、失敗したと言う話は聞きませんし…安心していていいのでは?」

シエスタ「そうね……ぐぅ…」

提督「ふー…♪」椅子に腰かけたままこっくりこっくりしているシエスタの耳元に、そっと息を吹きかけた…

シエスタ「!…おはようございます、提督」

提督「おはよう…そろそろよ?」

シエスタ「お母さん待ちくたびれちゃったわ♪」

カヴール「さぁ、真面目になって下さい」


…いつものように青い光がきらめき、晴れたときには数人の艦娘が立っていた。中型潜水艦らしき八人と、大型潜水艦らしき二人…中型潜水艦の方は四人づつ2クラスらしいが顔や体型はそっくりで、大型潜水艦の方はエキゾチックで異国風な雰囲気を醸し出している…


提督「みんな、初めまして。タラント第六司令部によく来てくれました。…司令官のカンピオーニ少将です」

カヴール「秘書艦を務めております、コンテ・ディ・カヴールです」

シエスタ「バリラ級大型潜水艦、アントニオ・シエスタよ♪」

ピサニ「ピサニ級中型潜水艦、ヴェットール・ピサニだ!…諸君、歓迎するぞ」

大型潜水艦「オブリガード♪大型潜水艦グラウコ級、グラウコよ…よろしく♪」(※オブリガード…ポルトガル語で「ありがとう」の意)…きれいな瞳と長い髪はどちらも「青の洞窟」のような深く澄んだ青色で、首にはイタリア軍の星章をあしらった、ブルーサファイアのネックレスがきらめいている…緑と落ち着いた赤の上着に、下はハイレグ水着風の艤装で、白くしなやかふとももがすらりと伸びている…

大型潜水艦「大型潜水艦グラウコ級、オタリアよ…ボンディーア♪」(※ボンディーア…ポルトガル語で「こんにちは」の意)…こちらはきらきらと輝く栗色の目、つやつやの黒髪。灰色の艤装の上には膝まである高級そうなアシカのコートをまとい、貝殻の細工で出来たブローチをしている…

提督「ボンディーア。グラウコ、オタリア、よく来てくれたわね♪…さぁ、貴女たちも自己紹介をお願い」

中型潜水艦「中型潜水艦、バンディエラ級!フラテッリ・バンディエラよ。よろしく!」イタリア三色旗を背中にマントのようにして、熱っぽい瞳をして活気に満ちている…

中型潜水艦「同じく、ルチアーノ・マナラ!初めまして、提督!」

中型潜水艦「同じく、チロ・メノッティ!頑張るからね!」

中型潜水艦「同じく、サントーレ・サンタローサ…今度は沈まないよう頑張るわ!」

提督「バンディエラ級ね、よろしく♪」

バンディエラ「よろしく、提督!」

提督「さてと、だとすると貴女たちは…スクアロ級かしら?」

中型潜水艦「やるじゃない。そう、スクアロ級中型潜水艦、スクアロよ…大戦時は敗戦まで暴れ回ってやったわ……ま、今度はもっと噛み千切ってやるわ」…引き締まった身体にぴったりの水着は灰色の斑点迷彩だが、他の艦娘たちのと違って表面はザラザラしている…瞳は黒目だけの瞳孔が開いたようで、にやりと微笑むと白い牙のような犬歯が目立ち、首からは牙の並んだような白いアクセサリーを付けている…

中型潜水艦「初めまして。スクアロ級、デルフィーノですっ♪…よろしくね♪」艤装は普通だが、その上に背中側が濃い灰色、お腹側が白の薄物を羽織っている…灰色の髪と懐っこい目、すべすべの肌をしていて、提督に頬を擦り付けてきた…

中型潜水艦「中型潜水艦スクアロ級、ナルヴァーロです…こんどは狩られないように気を付けます」色白で、白い毛皮を羽織っている…額のティアラらしき飾りは一角獣のようにねじれた角になっていてかなり邪魔そうだが、大事にしているように見える…

中型潜水艦「同じく中型潜水艦スクアロ級、トリケーコです…貝類が大好きなの♪」こちらは艤装の上に濃い茶色をしたセイウチの毛皮をまとい、フードのようになった頭の部分から、二本の牙が頬の両脇に伸びている…

提督「スクアロ級のみんなも、これからよろしくね…あんまり出撃はないから、ゆったり過ごして?」

スクアロ「そう、せっかく敵を食い荒らしてやろうと思ったのに…次の歯が伸びてきちゃうわ」

提督「ごめんなさいね…そのかわり、夕食には魚貝料理を用意するわ」

トリケーコ「貝類っ!…いいわね、大好きよっ♪」

カヴール「食費…大丈夫だといいですが……」

……… <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/05/30(火) 02:34:36.16 ID:M3u2OnSR0<> …艦娘紹介…


大型潜水艦…グラウコ級。1935年生まれ。二隻


34〜35年生まれの「アルキメーデ」(アルキメデス)級大型潜水艦と前後して建造された1054トン/1305トンの大型潜水艦。本来はポルトガル海軍の発注によるが建造開始直後にキャンセルされ、イタリア海軍が引き取る形で建造した。

中型潜水艦「スクアロ級」の改良・拡大型で、同級の弱点を洗い出したため「きわめて優秀」との評価を得て、以後のイタリア潜に大きく影響を与えた。


3000馬力(ディーゼル)/1200馬力(電動機)で17ノット/8ノット。
イタリア大型潜の特徴で兵装も533ミリ魚雷発射管8門(艦首4/艦尾4)、100ミリ単装砲2基(司令塔前後に1基ずつ)、13.2ミリ連装機銃1基(司令塔後部張り出し上)と充実…ネームシップの「グラウコ」は41年戦没したが「オタリア」は無事で48年に除籍


艦名は「グラウコ」(Glauco…紺碧)と「オタリア」(アシカ。あるいはオットセイのこと)から。


艦娘「グラウコ」は深く澄んだ青い髪と青い目、ブルーサファイアの装身具と「紺碧」にふさわしい美しさ、「オタリア」は艶やかな黒髪に高そうなアシカのコートをまとっている…「自前の」毛皮なので保護団体も文句は言えない…はず

………


中型潜水艦…バンディエラ級。1930年生まれ。四隻


1930年代に入って最初に建造された中型潜水艦。925/1080トン。第一次大戦後初となった中型潜水艦である29年組の「マメリ級」、「ピサニ級」に続いて四隻が建造された。

「単殻・サドルタンク型」のピサニ級と「部分複殻型」のマメリ級では部分複殻のマメリ級の方が優れていたが、何が気に入らなかったのかそれを採用せず、あえてピサニ級の「単殻・サドルタンク方式」に固執した…結局、ピサニ級と同じ復原性が悪くサドル・タンクを大型化、速度が低下した。また凌波性向上のために艦首部が少し盛り上がっている

速度は3000馬力(ディーゼル)/1300(電動機)で15ノット/8ノット、兵装は533ミリ魚雷発射管8門(艦首4/艦尾4)、102ミリ単装砲1基(司令塔前部)、13.2ミリ連装機銃1基(司令塔後部張り出し)


…ピサニ級よりは優れていたが、開戦時には同じく老朽化していたためごく短期間の出撃にとどまり、42年以降は北アフリカへの補給任務に回された。リビアのトリポリで戦没した「サントーレ・サンタローサ」以外の三隻は43年の休戦時まで生き残り、残りの期間を訓練艦として過ごした…艦名は愛国者から


艦娘「バンディエラ」級はイタリア国旗を背中になびかせ、とにかくイタリアへの愛にあふれている…が、同じくらい女の子を口説くのも好き。「サントーレ・サンタローサ」は座礁した所を魚雷艇に沈められたため、割とついてないところがあり、浅瀬が嫌い


………

中型潜水艦…スクアロ級。1930〜31年生まれ。四隻


「バンディエラ級」とほぼ同じ時期に建造された中型潜水艦で、排水量は920/1125トン。性能もバンディエラ級とほぼ同じような改良型で、見た目もそっくり。当然欠点だった復原性の悪さも同じで、サドル・タンクの拡大と艦首の乾舷の増積を行い速度が低下したのも一緒。
戦時の活動も似たり寄ったりで、「ナルヴァロ」「トリケーコ」は戦没、「デルフィーノ」は戦闘以外の損傷から沈没し、無事だったのは48年退役の「スクアロ」だけ…と、あまり活躍せずに終わった

出力3000馬力(ディーゼル)/1300馬力(電動機)で15ノット/8ノット、兵装は533ミリ魚雷発射管8門(艦首4/艦尾4)、102ミリ単装砲1基(司令塔前部)、13.2ミリ連装機銃1基


艦名は「スクアロ」(サメ)、「デルフィーノ」(イルカ)、「ナルヴァーロ」(イッカク)、「トリケーコ」(セイウチ)と海の生き物から


艦娘「スクアロ」は鮫肌のザラザラした風変りな艤装に牙の首飾りと、ハイライトの消えたようなサメらしい瞳をしていて好戦的。反対に「デルフィーノ」はイルカらしい灰色と白のツートンカラーを基調にしている。懐っこくて可愛く、頭もいい…が自慰が好きなのは変態なイルカならでは。
「ナルヴァーロ」は額にイッカクの角のような飾りをしていて、艤装の上に白いすべすべの毛皮をまとっている…とっても珍しいレア艦娘。「トリケーコ」は猟師が獲物の皮をかぶるように、フード付きコートみたいにセイウチの皮をまとっていて、貝類が好き


………
<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/05/30(火) 02:40:49.01 ID:M3u2OnSR0<> …疲れたので今日はこの辺で止めます。しかし、イタリア艦の艦名に多い愛国者なんですが、イタリア以外ではよく知られていない人が多いので、艦娘の特徴を作りにくいのが難しいですね…動物とかなら楽なんですが……まだまだ潜水艦はたくさんいるのですが、なかなか艦名だけでは覚えにくいでしょうし、頑張ってキャラを作ってあげたいなと思っています… <> ◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/05/30(火) 10:41:37.74 ID:M3u2OnSR0<> …しばらくして・食堂…


バリラ「あらぁ、久しぶりねぇ♪」ちゅっ♪…頬にキスをして歓迎するバリラ級大型潜の四人とフィエラモスカ…側には包容力抜群のバリラ級に甘えている駆逐艦たちもいて、あっという間に人混みが出来上がった

フィエラモスカ「先生はグラウコたちが来るのを待ってましたよ♪」動きやすいように袖をまくり、ふわふわの髪をアップにして夕食の準備にいそしんでいたが、提督たちを見ると小走りで駆け寄ってきた

トーティ(バリラ級)「お久しぶりー♪」

ガリレイ「待ってたよ……そして、こうすると?…はい、引力で引き合います♪」ぎゅぅぅっ♪…席に座って図書室にあった物理学の本を読んでいたが、それを置くと一人づつ順番に抱きしめ、頬にキスをした

フェラリス「ふふ、嬉しい♪…グラウコ、オタリア、二人とも綺麗になって♪」磁石を手のひらの上で浮遊させながら、唇に触れて回った

グラウコ「みんな優しくて嬉しい…でも、提督もそうだけどちょっと積極的すぎない?」頬のキスはあいさつとして理解できるが、唇への優しすぎるキスや必要以上に指を絡めている艦娘たちを見て小首をかしげた…

オタリア「そうよね…何だか「空気が甘い」って言うのかしら?」食堂のすみっこで壁にもたれて、とろっととろけた表情を浮かべている駆逐艦や、隣り合って座っている数人を見て言った

スクアロ「本当ね…なんか甘ったるい感じ」言いかけたところで中型潜水艦フルット級の数人が近づいてきた…

フルット「スクアロ…お久しぶり…♪」くいとあごを持ち上げ、反対の手を腰に回すと唇を重ねた…

ダルド(フレッチア級駆逐艦)「お、おぉ…!」

フルミーネ(フォルゴーレ級駆逐艦)「…電撃で来たわね♪」

スクアロ「んっ…んん……ぷは…ぁ。…一体どういうつもりなのさ?」

フルット「歓迎のあいさつです。一緒に頑張りましょうね…♪」

グロンゴ(フルット級)「んちゅ…久しぶりだなスクアロ、私が誰か分かるかい?…グロンゴだよ♪」薄茶色っぽい艶やかな肌をしたグロンゴ(ウツボ)はスクアロ(サメ)と「海のギャング」同士で惹かれあうものがあるのか、荒っぽいキスをすると親しげに話しかけた

スクアロ「あぁ、グロンゴか。この姿では初めまして…かな?」

グロンゴ「そうだな…せっかく来てくれたんだ、一緒に暴れような」

スクアロ「敵は少ないって聞いたけど、そこはどうなの?」

グロンゴ「なーに…駆逐艦相手の練習でも意外と楽しくやれるし、出撃の機会だってある」

スクアロ「そう、それなら……水面下の柔肌に食いつくのが楽しみねぇ♪」

グロンゴ「待ち伏せから…引きずり込んで♪」

スクアロ「汁気たっぷりの獲物がもがいて、ばたつくのを食いちぎる…♪」にやりと笑うと、白い犬歯がきらめく…

グロンゴ「…たまらないな♪」

デルフィーノ「あの二人怖いです…このままじゃデルフィーノは食べられちゃいます…提督ぅ、隠れさせて下さいぃ…」

提督「あぁ、はいはい…」背中に張りつき、脇からグロンゴたちの様子をそっと見ている…が、そのうちにデルフィーノはとろんとした目つきで腰を擦り付け始めた…

デルフィーノ「んはぁ…提督……甘くていい匂い…はぁ…はぁ…はぁ……んっ♪」水着風の艤装に指を這わせていたが、そのうちに割れ目に指を入れ始めた…

カヴール「あ、あの///」

提督「デルフィーノ…ちょっと大胆すぎるわよ♪」

デルフィーノ「あっ…ごめんなさい、提督///」

提督「ふふ…もう、いけない娘なんだから♪」首筋に軽くキスをし、ウィンクをすると、デルフィーノは恥ずかしげにうつむいた

………








<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/05/30(火) 11:08:21.36 ID:M3u2OnSR0<>
…一方、食堂の中央部では愛国者を艦名に持つ一団がイタリア国旗を振って声を上げていた…


バンディエラ「イタリアに栄光あれ!」

マメリ(マメリ級中型潜)「いかにもさよう!…この三色旗に集え、イタリアの英雄たちよ!」すらりと長剣を抜き放ち、即席の詩を詠んだ…

ガリバルディ「イタリア統一は近いわ…いざ、ローマに向けて進め!」

マナラ「おぉー!」

メノッティ「イタリア万歳!」

サンタローサ「イタリアのために!」

オリアーニ「おー!」

ジオベルティ(オリアーニ級)「フォルツァ・イターリア!」(※フォルツァ…「頑張れ」)

カルドゥッチ「サウロもこっちに!」

サウロ「はい!…イタリアの……提督のために頑張ります!」

マニン「そうよね、イタリアと…提督のために!」

ヌロ「はい、提督のためなら頑張れます!」

バティスティ「そうね、提督万歳!」

ガリバルディ「…ふふ、私はそんな貴女たちが大好きよ♪」順繰りに抱きしめたりキスしたり、駆逐艦の引き締まった乳房を触ったりした…(※イタリア統一の英雄ガリバルディはかなりの女好きだったらしい)

提督「…口説き上手ねぇ」

カヴール「このままいくと私まで巻き込まれそうなので…ちょっと厨房でディアナを手伝ってきます」

提督「ええ、行ってらっしゃい♪」
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/05/31(水) 02:22:27.95 ID:weUITr8Ao<> つーか何故イタリアの人はケチャップをそんなに異端視するんだろうなあ
ナポリタンも食べさせた場合の評価がめっちゃ真っ二つになるのも面白い <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/05/31(水) 09:57:59.47 ID:JFKDzoGT0<> >>540 「味が甘すぎて子供っぽいから」「フランス名の調味料をアメリカ人がグローバルスタンダードみたいな顔して押し付けてくるのが腹立つ」「マンマの作る味にかなう訳ないじゃん」「せっかくのパスタで手抜きすんな」が主な要因では…(個人の感想です) <> ◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/05/31(水) 10:42:52.81 ID:JFKDzoGT0<> …しばらくして…

提督「はぁ…はぁ…ふぅ…」


…愛国者の一団に担ぎあげられ、触られたりキスされたり、はては胴上げされたりした提督はやっとのことで騒ぎをしずめ、ぐったりと椅子に座りこんでいた…が、ほっぺたやうなじについたキスの跡を手鏡で見てはまんざらでもない顔をしている…


百合姫提督「お疲れさま」

提督「いいえ、大丈夫よ…ふぅ」持ってきてくれた氷水をあおりつつ、乱れた服を直した

百合姫提督「あら、カヴールは?」

提督「厨房に行ったわ、夕食の準備を手伝ってくるって」

百合姫提督「ここの夕食は準備が大変そうだものね…あら、いい匂い」

提督「トマトがたくさん取れたから、きっとソースにしているのね」

龍田「…そう言えば」

百合姫提督「なに、龍田?」

龍田「イタリアに来たのに、まだナポリタンは食べてないわねぇ…提督の作ったあれは美味しかったから、本場のも味わってみたかったのだけど」

百合姫提督「あ…」

バウサン(ピサニ級中型潜)「…ナポリがどうしたって?」(※ジョバンニ・バウサン…中世ナポリの提督)

ライモン「ナポリですか、懐かしい響きですね」(※40年開戦時「第2巡洋艦戦隊」で在ナポリ)

コレオーニ「あの時はボクとライモンドで一緒だったもんね♪」(※同じく開戦時に「第2巡洋艦戦隊」所属)

アッテンドーロ「ナポリに何かあったの?」(※40年開戦時「第7巡洋艦戦隊」所属で在ナポリ…43年戦没もナポリ港)

アオスタ「ライモンドにムツィオ、提督まで…どうかしたの?」(※同じく「第7巡洋艦戦隊」所属)

リットリオ「ナポリがどうかしましたか?」(※40年開戦時にティレニア(チレニア)海管区旗艦で在ナポリ)

提督「あーあ…」

龍田「あの、何か悪い事言ったかしらぁ…?」

提督「あれは好きじゃないのよね…明太子のパスタは美味しいと思うけど」

足柄「龍田、「ナポリタン」って言うけど「ナポリタン」はイタリアにはないのよ?…まぁ、欧州歴訪したから私だからこそ知っている訳だけど?」少し優越感をにじませる

龍田「そうなのねぇ…」

百合姫提督「だいたい戦前にはなかったはずだもの…確か戦後に駐留軍の兵士がケチャップだけでスパゲッティを食べているのを見て、地元の料理屋さんの主人が「それだけじゃあいくら何でも粗末すぎるけど、アレンジしたら美味しいかもしれない」って改良して店に出したのが始まりだったはずよ?」

ディアナ「皆さん、パスタがどうかしましたか?」

提督「あぁ、いえ…龍田が「食べたいものがある」って」

ディアナ「あら、せっかく来て下さっているのです…でしたら作ってあげますよ?」

百合姫提督「あの、それが「ナポリタン」なので…」

ディアナ「ナポリタン…?」

リットリオ「そもそも「ナポリの」って言いたいなら、「ナポリターナ」か「ナポリターノ」ですよ?」

提督「あの…ディアナ、「ナポリタン」ってイタリア知識がない時に日本で生まれた物だから…」

ディアナ「同じような経緯で生まれたそうですが、ドリアは美味しかったですよ?」


<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/05/31(水) 11:29:11.48 ID:JFKDzoGT0<> 提督「あれは受け入れやすいけど…これはちょっと……」

ミッチャー提督「要はキャリフォルニア・ロールだとか、「テクス・メクス」みたいなもんでしょ?」(※テクス・メクス…アメリカ南部で生まれた「メキシコ風」料理。偽メキシカンなのでメキシコ人は激怒するらしい)

アッテンドーロ「…まぁ、せっかくなんだから作ってもらったら?」

ディアナ「でしたら準備いたしましょう」

提督「…嵐の予感がするわ」

百合姫提督「私の料理を「美味しい♪」って食べてくれた貴女でさえ、微妙な顔してたものね…」


………

…厨房…


ディアナ「さて…と、材料はこれでいいですか?」

百合姫提督「ええ…でも、本当に無理しないでいいのよ?」

ディアナ「まぁまぁ、せっかくの機会ですから。見聞を広めると言うのもいいでしょう」

百合姫提督「そう?そう言ってくれるなら…」

ディアナ「では、作り方を教えて下さい」

百合姫提督「ええ。それじゃあ、玉ねぎは薄切り。ピーマンは薄い輪切り…ウィンナーソーセージは…斜めに」

ディアナ「はいはい…」トン、トンッ…トトトンッ…

百合姫提督「パスタは少し太い目の…七分くらいのを時間通りに」

ディアナ「アルデンテはみなさんには固すぎるようですものね」大きいパスタ鍋にたっぷりの塩を入れ、手際よくパスタを捻りつつ入れる…ぐらぐら沸き立つ熱湯の中でパッとパスタが広がった…

百合姫提督「その間に…フライパンで具材を炒めます」バターの大き目のかけらを入れると、香ばしい香りが漂う…

アッテンドーロ「結構おいしそうな感じがするわね」後ろからのぞきつつ言った

ディアナ「そうですね」玉ねぎがしっとりと透けてきたところでウィンナーソーセージとピーマンを入れ、玄人はだしの腕でフライパンを振る

百合姫提督「あ、パスタが茹で上がったわ」上着を脱いだエプロン姿の百合姫提督がパスタ鍋からざるを引き上げる…少々ゆで過ぎなようにも見えるが、それでいいらしい…

ディアナ「それで…次は?」

百合姫提督「フライパンにバターをひいて…」

ディアナ「はい」じゅーっ…と泡立つバター

百合姫提督「そこに茹でたパスタを入れます」

ディアナ「!?」

アッテンドーロ「は?」

リットリオ「えーっ!?」

ライモン「え、パスタを炒めるのですか!?」

ディアナ「…わ、分かりました」フライパンに張りつきそうになるパスタを木べらと腕ふりでしのぐ…

百合姫提督「先に炒めておいた具材を入れます」

ディアナ「はい…もう何を言われても驚きませんよ?」

百合姫提督「ケチャップを回しかけて炒めます」

アッテンドーロ「はぁ!?」

リットリオ「え…えぇ?」

ディアナ「あの…今日収穫したトマトを二時間かけて作ったサルサ・ポモドーレがありますが」(※サルサ・ポモドーレ…そのままの意味で「トマトのソース」)

百合姫提督「分かっているけど…」

ディアナ「…わかりました」渋い顔でケチャップをかけると、何かぶつぶつ言いながらフライパンを回す

百合姫提督「最後に塩胡椒で味を調えて…はい、出来上がりです」

ディアナ「なるほど…その、日本にイタリア料理の知識がないころはこういうものだと思われていたのでしょうね」オレンジ色ががったナポリタンを皿に盛ると、異形の物でも見るようにしげしげと眺めた…
<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/05/31(水) 12:02:07.36 ID:JFKDzoGT0<> …食堂…

百合姫提督「龍田、できたわよ」

龍田「あら、美味しそうねぇ♪」

足柄「ふんふん、良い匂いじゃない♪」

コレオーニ「…これは、ボクの知ってるパスタじゃないよ」

リットリオ「あ…あぁ……」

ライモン「食べ物の趣味はそれぞれですが…その…」

アッテンドーロ「ナポリって言う名前なのに…なんなのよこれ!」

バウサン「おかしいな、ナポリにこんな料理はなかったぞ……戦後にできたのか?」

ディアナ「手作りのサルサ・ポモドーレよりこちらが食べたいとおっしゃると言うことは…日々情熱と努力を傾けてきた、わたくしの料理とは一体なんだったのでしょう…」

提督「あぁ、やっぱり…まるでシャドウでも生まれそうな雰囲気じゃない……」

龍田「ず…ずずっ…んむ、んむ……美味しいわぁ♪」

足柄「そうね、この…ずず……甘っぽい味が…」

百合姫提督「あ…ごめんなさい」小声で謝る…

ディアナ「なるほど…日本の方はパスタをすするようほどですし、きっと本場の味も分からなかったのですね…なぁーんだ、そうだったのですね♪」

提督「ディアナが壊れた…ところでみんな、そのー…」

アッテンドーロ「…なに?」

提督「味見…してみる?」

アッテンドーロ「はぁ!?」

リットリオ「あの…リットリオはそこまでお邪魔だったですか?それとも提督への愛が少なかったですか?…この前えっちしたときにお気にさわる事でもありましたか…でも、直しますから…リットリオの事、嫌わないで下さい…」

提督「いや、そこまで悲しげにしなくても…私はそんなに好きじゃないけど、もしかしたら美味しいかも知れないでしょう?…とりあえず食べてみたら?」

バウサン「取りあえず食べろ?この私は実験用のネズミか何かか?」

提督「ネズミだなんて思ってないわ…スネークでもないし」

バウサン「ならいいが…」

<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/05/31(水) 12:08:34.19 ID:JFKDzoGT0<> >>544 誤字…「すするようほどですし…」は「すするほどですし」です…ナポリタンもある程度の年代の人には「憧憬」というか「郷愁」のようなものを感じさせるようですが、まぁ日本独特の食べ物ですよね…


また後で投下します…
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/06/01(木) 00:28:31.60 ID:rtZK2SSxo<> ラーメン、蕎麦うどんと麺類をすすって食べるのは日本独特ですなあ
外人さんはなかなかこれが上手くやれないみたいですが
さてナポリタンをここの艦娘達がどう評価するか楽しみです
トマトなんかも日本のトマトは本当におかしい(褒め言葉的な)
無論イタリアのトマトも美味しいです
むしろマジメにイタリア料理やるならやはりイタリアのトマトでないと・・・
ナポリタン、ドリアもそうですがピザなんかも大変面白い具合になってますよねえ <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/06/01(木) 01:26:19.08 ID:U1+p4cfY0<> >>546 熱のこもった感想に感謝です、グラツィエ!

…まぁすする事がマナー違反と言うこともあるからでしょうね。最近はとみに不寛容な人が多いですが、とりあえずイタリアではイタリアのやり方に、日本では日本のやり方に馴染んでもらいたいものです…ちなみに聞いた話になりますが、イタリアの子供はアルファベットより先にピッツァの(三角形を巻いたり折ったりしてチーズや具をこぼさないようにする)食べ方を両親から教わるそうなので、食べ方が悪いと両親の教育や家庭の状態を(日本でもそうですが)疑われるそうです

日本のトマトは品質もそうですが、むしろ規格品みたいにうるさいところや値段の高いのに驚くようです…キロ単位で買ったりするので、そこまで一個づつは気にしないというか、「自然の物なんだから形がいびつでも仕方ないよね」みたいに割り切っているようですし…あと、イタリアのピッツァは(本場ではネギくらいしか入れない讃岐うどんなどと同じように)そこまで具を色々乗せないので、日本の「ピザ」を見ると豪華さに驚き、値段を見てもう一度驚くらしいですね… <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/06/01(木) 02:25:02.29 ID:U1+p4cfY0<> …しばらくして…

提督「ま…まぁ、味見程度にしておきましょうね」小皿とフォークを並べた

リットリオ「ぐすっ…私が戦艦ですし最初に食べますから…ぁ」

バウサン「あー…まぁ、その…なんだ…食べないで済ますのも悪いからな…」

アッテンドーロ「ええ、でも一口だけよ?捨てるのも悪いし…」

コレオーニ「お願いだから、本当に一口だけにしてね…」

ライモン「せっかく作ってくれたのですし…わたしはちゃんと頂きますから……」

アオスタ「…」

ディアナ「作ったのはわたくしですし、責任を取って食べます…」


…フォークを取り上げくるりと巻くと、リットリオたちはおそるおそる口に入れた…かたわらでは美味しそうにナポリタンをすすっている龍田と足柄、途中からやってきて、これまた美味しそうにナポリタンをぱくついているエンタープライズとフレッチャーがいる分、余計対照的に見える…


リットリオ「あぁ……何でしょう…この……茹ですぎてコシも何もないところに、べったりと甘い味つけ…うぅ…」半泣きで小皿のナポリタンを食べているる…

ライモン「んむ……あー…なんというか、戦後の日本ではきっとごちそうだったのでしょうね…」あからさまにどうこう言わないのは優しいライモンらしいが、ふたくち目から一向にフォークを取り上げようとしない…

アッテンドーロ「!?…うわ…何よこれ……甘ったるくて…ポモドーロでも何でもないわね…こんなの店で出されたら主砲叩き込んでやるわ!」勝ち気なアッテンドーロはナポリ風の「べらんめえ」でまくしたてた

バウサン「中世じゃなくてよかった…もし従兵にこれを出されたら艦隊引き回しの鞭打ち刑にしていたところだ」

コレオーニ「…いや…まぁ…そりゃあ、不味くはないよ?……でも「ナポリ風」かと言われたら違うよね…」微妙な顔でしげしげと皿を眺める…

アオスタ「うー…ソ連にも似たようなものがあったとはいえ…これは…」貧しいソ連の食事を引き合いに出すあたり、よほど微妙に思っているらしい…

ディアナ「その…味よりも何よりも……常識からは考えられない料理を作るというのは恐ろしいことですね…」料理人として真面目に味を確かめつつも、フォークが進まない…

百合姫提督「その…あんまり好きじゃないようでしたら、私が食べますから……」

ライモン「そんな…わたしの食べかけなんて食べさせるわけにはいきません…んむ…っ」目をつぶって最後の一口を飲みこんだ…

リットリオ「どうにか…完食です……うぅ、提督…リットリオは頑張りました…」

提督「偉いわね、ライモン、リットリオ。…じゃあ、口直しに…♪」ちゅっ…ちゅぅぅっ♪

アッテンドーロ「!?……んぐっ…んんっ…んむぅ。…食べたわよ、提督!」

提督「無理しなくてもいいのに…はい♪」ちゅ…っ♪

コレオーニ「んむ…んむ……味にはびっくりしたけど、こうして食事を食べられるのはいいことだよね」戦前の貧しかったイタリアを思い出したのか、達観した様子のコレオーニ…

提督「けなげね…そんなコレオーニにはごほうびをあげるわ」…ちゅっ…ちゅぷっ♪

バウサン「うむ…確かに食事に文句をつけてはいかん……食べられるのだからな」

提督「バウサンも頑張ったわね」ちゅっ♪

アオスタ「私も食べました…夕食には美味しいものが出てほしいです」

ディアナ「わたくしもそう思っておりました…うんと腕によりをかけて美味しい物をつくりますので!」

提督「そうね…じゃあ、口の中の後味を打ち消してあげるわね♪」ちゅっ…ちゅるっ……ちゅぷっ♪

ディアナ「んんぅ…ぷは…ぁ。…大変すばらしい口直しでした///」

アオスタ「…え、ええ…そうね///」

提督「ふふっ…今日の夕食は何かしらね♪」キスで口の端についたケチャップを指で拭うと、にっこりと微笑みかけた…

……… <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/06/01(木) 23:39:04.05 ID:rtZK2SSxo<> ナポリタンはタバスコと粉チーズぶっかけるのがさらに意味がわからんって言われてますね
個人的にはナポリタンにタバスコと粉チーズはたっぷりいきたい派ですが(さらに粒黒胡椒があればベネ)
ピザに関しては日本だけじゃなく米国のもイタリアに言わせればこんなのピッツァじゃねえよってなるのが面白いですね
日本のピザの高さはイタリアだけじゃなく米国もびっくりするそうですがww(無駄に高いのは宅配ピザのイメージ)
最近は割りと本格的な石釜使って安価(1枚500円〜)かつ美味しい本格的なピッツァ食べさせてくれるお店も増えましたね
あと日本ではお弁当の付け合せにパスタ使うのが何か納得いかないそうですねww <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/06/02(金) 01:16:02.61 ID:mKnJ9k4u0<> >>549 感想グラツィエです。…ナポリタンはあんまり好きじゃない派なのでわざわざ作ろうとは思わないですが、人の嗜好を否定はしません。何しろ好きな人も多いですから…

ちなみにタバスコはアメリカでメキシコの「サルサ」を劣化コピーした「メキシコ風」調味料ですし、チーズはその時その時でおろす物なので、どちらもイタリア人からするとむっとなるのでしょう…

…また、いわゆるアメリカの「ピザ」は「大味でごてごてしている」と酷評だそうで、日本のは「豪華だが高すぎる」とこれまた微妙なんだそうで…「ピッツァ」はあくまでもシンプルな「塩むすび」みたいな位置にあるようですし、日本人が外国で「おにぎり」を頼んで、マヨネーズとバーベキューソースがかかっているとか、鰻とマグロに霜降りA5ランクの牛肉がこれでもかと乗せられていて「一個2980円」とか言われたらげんなりすると思えばわかりやすいですよね…

…パスタはおかずではなくスープの代わり(もちろん簡単に済ませる時は主菜の位置にいることもあるようですが…)なので、お弁当にいるのは奇妙に見えるそうで…ちなみに物の本によると、イタリア軍のレーション「ラツィオーネ・ヴィヴェリ・スペシアーレ」には主食のクラッカーにリゾット(これもスープ枠)がついていたりと、日本人からすると奇異に見える組み合わせもあるそうです

<> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/06/02(金) 01:21:47.98 ID:xtoUoDa/o<> >主食のクラッカーにリゾット(これもスープ枠)

日本で言えばラーメン&半チャーハンとかざるソバとカツ丼のセットみたいなもんなんでしょなあ
個人的にはお弁当や日本式洋食の付け合せにパスタ付いてくるのはアリなんですが
ホントなんでこうなったんでしょうねww
<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/06/02(金) 02:06:32.34 ID:mKnJ9k4u0<> …夕食後…

ディアナ「ようやく味覚が元に戻った気がします…」

ライモン「ええ、とっても美味しかったですよ」

リットリオ「私もそう思います♪」ディアナがサルサ・ポモドーレと白ワインを煮詰めて作った「本物の」ナポリ風パスタを食べ、すっかりご満悦でいる…

提督「本当に美味しかったわよ、ディアナ♪」

ディアナ「よかったです…午後のあれは「黒歴史」として、山に埋めてしまいたいほどでした…」

提督「まぁまぁ…結局、姫と足柄たちが食べてくれてよかったじゃない」

ディアナ「まぁ、そうですが…」

コレオーニ「ふぅ…食べた…お腹いっぱいだよ」

バウサン「うむ…ぅ…。あまりに美味いので食べ過ぎたな…」

アッテンドーロ「最高に美味しかったわよ…なんだかナポリを思い出すわ」

提督「ふふ、私も♪「歌の街」ナポリ…ね。あれだけ歌になっている街もそうないものね♪」

アッテンドーロ「まぁね、「ピエディグロッタの歌祭り」からだもの、歴史が違うわ」

(※「ピエディグロッタの歌祭り」…15世紀ごろからナポリの教会にある「ピエディグロッタの聖母」に歌を奉げていたものがお祭りになったもの。数々のカンタウトーレ(カンツォーネ歌手…広く歌い手のこと)と名曲が生まれた)

提督「…せっかくだからナポリの曲でもかけましょうか♪」隅っこに置いてあるレコード・プレーヤーに近づき、下の棚からレコードを取り出した…鎮守府に寄付されたレコード・プレーヤーは古めかしいがちゃんと動き、アンプにもつないである…

リットリオ「あ、「帰れソレントへ」ですか!」

(※「帰れソレントへ」(TORNA A SURRIENTO)…1902年の「ピエディグロッタ」で生まれた。ナポリ対岸の漁港ソレントから出て行った恋人に戻ってくるよう頼む名曲。作曲、作詞はジョヴァンニ・バティスタとエルネストのデ・クルティス兄弟)

ライモン「いいですね…」

提督「これは…60年代のミルバが歌ったバージョンね」色あせたカバーからレコードを取り出した…

(※ミルバ(MILVA)…カンツォーネ(イタリアン・ポップス)の女性歌手で、60年代〜90年代まで活躍した。パワフルな圧倒的声量と、元はシャンソンである「愛の讃歌」(エディット・ピアフ)をイタリア語でカヴァーしたり「ウナ・セラ・ディ・東京」を日本語で歌うなど、幅の広さもあわせ持っていた女性カンタウトーレ)

アッテンドーロ「提督、せっかくだから歌って?」

提督「ふふ、いいわよ…でも、貴女も一緒にね♪」

アッテンドーロ「ええ…ライモンド姉さんもよ♪」

ライモン「あんまり自信はないけど…分かったわ、ムツィオ♪」立ち上がると数回深呼吸をして、「あー」と声を出した…

提督「いい?…かけるわよ」

………


<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/06/02(金) 02:17:42.45 ID:mKnJ9k4u0<> >>551 逆です、逆。チャーハンに半ラーメンな感じです…勝手な意見ですが、大阪の人が「ご飯」と「お好み焼き」を同時に食べるのと一緒ではないかと…


…今日はこの辺で止めます。せっかくイタリアなので、今度はカンツォーネを歌う場面を投下しようと思っています…歌詞は耳で聞いた通りを文字に起こしますので、イタリア語的には間違っているかも知れませんが、音はそれらしい感じになっているはずです… <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/06/03(土) 01:10:22.05 ID:O742F9ll0<> …提督は木目調のレコード・プレーヤーに「帰れソレントへ」のレコードを乗せ、針を置いた…数秒ほど砂を流したような音がしていたが、すぐに明るいナポリ湾とほのかな哀愁を思わせる叙情的な前奏が始まり、提督はライモン、アッテンドーロたちの方を向くと胸に手を当てて、始めは静かに、次第に高らかに歌った…


提督「♪〜ヴィデーオーマーレ、クァンテ、ベーッロ…スピーラ、タントゥ、セッティメーントーぉ…」

(ご覧、何と美しい海…限りないときめきが息吹いている)

提督「♪〜コンメトゥアー、キティエーネーメーンテーぇぇ…!カーシェタ、トォー、ファイエ、スンナーぁー…!」

(まるで貴女の優しい言葉が私を夢心地にするように)

提督「♪〜グァールダ、グァチストゥクァル、ディーノ…スィエンテ、シィスクゥーナ、ランチェーぇぇ…!」

(ご覧、この庭を…オレンジの香りが漂ってくる)

提督「♪〜ヌゥープルフゥーモー、アッスィ、フィーノ…ディーントーォコーレ、セネヴァーぁー…」

(恋人たちにとって、この繊細な芳香に勝るものがあるだろうか?)

アッテンドーロ「♪〜エートゥ、ディチェイァルディーオー…!」

(なのに貴女はいう「私は行くの、さようなら」と…!)

アッテンドーロ「♪〜タァァール、ダルナ!…ストゥルコォーレーぇぇ!」

(きみは私の心から遠くに行ってしまう…!)

アッテンドーロ「♪〜ダッラ、テッラ、ディアモーレーぇぇ!!」

(そして、この恋の思い出の地へも)

アッテンドーロ「♪〜ティエ、オコレントルゥーナー…」

(本当に戻って来てくれないの…?)


…そして曲は一番有名な部分にさしかかり、提督やアッテンドーロ、ライモンをはじめ、辺りにいた十数人も一緒になって声を張りあげた…


一同「♪〜マァーヌメーラー、サーァぁぁ!!ヌンダルナ、ストゥルミエント!」

(行ってはいけない!私を悲しませないで!)

一同「♪〜トーぉぉルナぁぁー、スリエントエぇぇー!…ファーぁムメーぇぇ、カムパーぁぁ!!」

(帰れソレントへ!私の生きがいを消さないで!)


………


<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/06/03(土) 01:39:50.18 ID:O742F9ll0<> …しばらくして…


アッテンドーロ「上手だったわよ、提督♪」ウィンクしてレモン水のグラスを渡してきた…曲の流れるままに二番も歌い、その後もアンコールで数曲歌わされた提督は額の汗を拭いて、レモン水をあおった…

提督「ムツィオこそ…もっと歌えばいいのに」

アッテンドーロ「ありがと…今日は提督と歌えてよかったわ♪」

ライモン「ええ、素敵な時間でした」

リットリオ「はぁぁ…提督、とっても綺麗なお声で…もう、夢心地でした…♪」

バウサン「あぁ…もし私が提督にこんなことを言われたら、絶対ナポリに残るよ」

アオスタ「素晴らしい歌声でした…」

コレオーニ「ボクもそう思うよ…提督ってば、なんて豊かな声なんだろう……」

提督「もう、ほめ過ぎよ…みんなだって上手だったじゃない♪」

百合姫提督「フランチェスカ、とっても上手だったわ♪…せっかくなんだし時々歌ったら?」

足柄「ね、そうすればいいんじゃない?…うちの鎮守府でも演習の後とかにカラオケ大会みたいなのやってるわよ?」

提督「なるほどねぇ…考えてもいなかったわ」

百合姫提督「こっちには「カラオケ」みたいなのは、あまりないものね?」

提督「んー…そうね。でも、せっかくだから時々やってみましょうか♪」

アッテンドーロ「賛成!…提督が歌うならなおの事♪」

リットリオ「私も賛成です…提督、二人で歌いましょう♪」

ライモン「あ、ならわたしも提督と歌いたいです!」

提督「はいはい♪…私は一人なんだから、そんなにいっぺんには歌えないわ…週末ごとにでもやることにしましょうね」

ライモン「はい♪」

アッテンドーロ「ええ♪」

リットリオ「わぁ…嬉しいですっ♪」

アオスタ「…ヴォイストレーニングしないと」

バウサン「む…提督となら大人の恋愛ソングでも歌いたいが、この小柄な身体では背伸びに見えてしまうか……うーむ…」

……… <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<><>2017/06/03(土) 10:40:23.92 ID:O742F9ll0<> …別の日・工作室…

提督「さぁ、今日は何ができるかしらね?」


…ここ最近でずいぶん増えた艦娘たちのために兵装の充実を図ろうと、提督は戦艦カヴールとリットリオ、セラ級駆逐艦の「クィンティノ・セラ」、スクアロ級中型潜水艦の「ナルヴァーロ」を連れて工作室に来ていた…


セラ「何ができても嬉しいです。でも…私の爆装艇は使い捨てなので、たくさんあれば嬉しいです」小脇に抱えたMTM艇を撫でているさまは、おもちゃのモーターボートで遊ぼうとしている女の子にしか見えない…

リットリオ「私も副砲の予備があれば助かります♪」超ド級戦艦の艦娘とは思えない可愛らしいブラウスと、折り目ごとに紅白が分かれているプリーツスカート、紅いエナメルハイヒールと髪のリボン…ポニーテールに結い上げた髪も相まって、涼しげで清楚に見える

ナルヴァーロ「私は…魚雷ですかね。高速魚雷があればもっと活躍できると思います」艦名の「ナルヴァーロ」(イッカク)にちなみ、額から斜めにつき出した角のティアラをつけ、プラチナとジルコニウムのネックレスを首にかけている…清楚な飾りと、色白で角の生えた姿はユニコーンやペガサスのようにも見える…

カヴール「ふふ、みんな欲しいものはいっぱいありますから」そう言っているカヴールは超ミニの黒いワンピースにオニキスのネックレスと、大人の女性らしい格好できめている…

提督「みんな工作室に来るのに、そんなにおしゃれしなくてもいいのに…せっかくの服が汚れちゃうわよ?」そういう提督は機械に絡まないよう長髪をまとめ、多少使いふるしたドレスシャツと、食生活のせいでぴっちりしているスラックス姿で、足下も動きやすいローヒールと簡素にまとめていた

カヴール「ふふ、だって提督と一緒に過ごせるのですから…おめかししたいです♪」

提督「あら、ありがとう…じゃあ、期待に応えられるように開発しましょうか」

カヴール「はい♪」


………

…数十分後…


カヴール「ブレダ20/65対空機銃です」

提督「役には立つけど…さっきからそればっかり続いているわね」青い縁のタロット・カードをめくり、投げ上げ、ドローするたびにカヴールたちが絵柄を確認してくれる…が、無難でありふれた対空機銃が続き、カードを引くたびに力を使っている気がする提督は額から汗を垂らし、とうとう椅子に腰かけた…

提督「ふー、ふー…ちょっと休憩…これ、意外に疲れるの」

カヴール「そんなに無理をなさらず…どうぞ、お菓子でも食べて」そう言うと棚に置いてあった石川県銘菓の高級落雁「長生殿」の箱を取り出した…百合姫提督のお土産の一つで、カヴールは甘い紅白の落雁と一緒に飲んでもらおうとストレートの紅茶を淹れた…

提督「ありがとう…みんなもどうぞ」ぽりぽりとした食感の落雁をつまむと、甘い砂糖の味がくたびれた身体に染みる…いい砂糖ならではの爽やかな後味に感心しつつ、セイロン・キャンディ紅茶をすする…

セラ「わぁ、お菓子ですね…いただきます」

リットリオ「嬉しいです…ふふ、甘くて美味しいです♪」

ナルヴァーロ「本当に…でも、砂糖だけで出来たお菓子というのも面白いです」

提督「そうね…っ!?」提督の向かいに座っているカヴールが脚を組み、そのつやつやしたむちむちのふとももから下着がのぞいている…黒いレースのランジェリーはほとんどつけていないような薄さで、割と奥ゆかしいはずだったカヴールの大胆な格好にむせた…

提督「けほっ、ごほっ…!」

カヴール「だ、大丈夫ですか…?」

提督「え、ええ…秘密の花園、わずかに生えた柔らかい草が…///」

カヴール「その…黒はお気に召したでしょうか///」ちょっと恥ずかしげにうつむき、はにかんだような笑みを浮かべつつも期待して上目使いで見ている…

提督「…破壊力抜群だったわ///」

リットリオ「むぅー…なら、リットリオも超ド級戦艦の意地を見せちゃいます、カヴールには負けませんっ…///」スカートの裾をまくりはじめ、ちらりと白い下着が見えそうになったところで止めた…ひらひらと闘牛士のムレータのようにスカートを動かすと、真っ白い雪のようなふとももがのぞく…

セラ「わ、わぁ///」

ナルヴァーロ「何と…素晴らしい…///」食いいるように隣に座ったカヴールのふとももを凝視しているセラと、リットリオのきめ細やかな肌を眺めているナルヴァーロ…

提督「うふふ…で、どっちが私を大破させてくれるのかしら?」鼻血が出そうな光景ににやけた笑みを浮かべつつ、あわてて鼻を押さえた

リットリオ「リットリオですよ、提督♪だって…超ド級戦艦は、ベッドでも…すごいんですから♪」きらきらと期待しているような目で提督を見て、待ちきれないかのようにふとももをこすり合せた…

カヴール「ふふ、私ですよ♪……何しろ、実戦経験豊富ですし…身体は新造艦並みですもの…ねっ♪」少し恥ずかしげな表情を浮かべつつも、指をぺろりと舐めてみせた…

提督「あぁ、もう♪…午後には建造するつもりだったのに、こんなに予定が入ったら明日になっちゃうわね♪」


………



<> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/06/03(土) 14:51:07.51 ID:/5LNmp3jo<> 建造、開発艦これ的には単なるデイリー作業なはずなのに何と地中海的な・・・ <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/06/04(日) 01:21:15.49 ID:bhLIVKHI0<> >>557 同じ地中海でも…


「哀愁のポルトガル」…大航海時代のはしり、「エンリケ航海王子」以降はいいところなしでWW2は無難に中立のポルトガル海軍


「情熱たぎるスペイン」…フランコ独裁で枢軸側と蜜月な割に中立といい続け、イギリスにはジブラルタルを持たせたまんまにしてやり(独裁ではあったものの)平和を謳歌…これがアルマダ・エスパニョーラ(※スペイン無敵艦隊)とは…一体いつまでそう呼ぶつもりなのか


「血沸き肉躍る冒険活劇イタリア」…MAS艇(魚雷艇)で船団に突っこみ暴れ回る、潜水工作員がジブラルタルに侵入、港内の英艦を沈めて回る、豆潜水艦で英戦艦二隻を大破させる…と、アクション小説ばりのわくわくするようなエピソード満載…が、集団になると王制派とファシスタ派、ナポリ人、シチリア人、ヴェネチア人など仲たがいが続き、結局その力が発揮されず…


「外国嫌いフランス」…ドイツ侵攻にあっても議論と議論と議論を重ね、机上の空論を振り回す…結局、すべての行動原則は「フランス万歳!フランス語をしゃべらない外人はみんな嫌い!」というだけ…ヴィシーフランス側は英軍、米軍、自由フランス側は伊軍、独軍と戦うが、とにかく「フランスのため」が行動原則なので、勇敢だとしても敵と同じくらい味方も迷惑する。負けたら負けたで軍艦を自沈させる徹底ぶり…なぜ最初からその勢いで戦わないのか…


「過去の栄光に浸るギリシャ」…貧乏な二流、三流国になったのにやたら気位だけは高く、何かにつけて「欧州文明発祥の地」と自慢げで、常に外国は「バルバロイ」(蛮族)で自分たちは「ヘレネス」(古代ギリシャの英雄「ヘレン」の子孫)だと思っている…まぁ個人レベルでは勇敢であるが陸海軍ともに大した装備も実力もなく、英軍魚雷艇隊と共闘した海上パルチザングループ以外は結局なにもできず


「オスマン帝国の誇り、トルコ」…ケマル・アタテュルクが進めた民主化、近代化で列強による植民地化を辛くもかわし、WW1で共闘したドイツとは親しくしつつもWW2では中立を掲げ、ソ連の南下とドイツの東進で戦場にされることを上手く防いだ…「死をも恐れない」最強の兵を擁するが、中立ゆえに兵器は型落ちだったり、近代兵器の導入はいまいち進まず…ドイツ製のメッサーシュミットBf109とイギリス製のホーカー・ハリケーンが仲良く編隊飛行していたのはフィンランドとトルコくらいなもの。…海軍はWW1時地中海の封鎖で逃げ場を失い、あえて東に突破してトルコ海軍に編入を「志願」した旧ドイツ帝国海軍の巡洋戦艦「ヤウズ・スルタン・セリム」(「ヤウズ」とも…元「ゲーベン」)を大事に使って過ごした…


…と、色々です(個人の感想です。お友達のフランス人やギリシャ人にこの通り言って、怒り狂ったお友達に刺されても知りません)

…長文になりましたが、また次から投下していきます…





<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/06/04(日) 01:54:06.20 ID:bhLIVKHI0<> …結局…

提督「建造、頑張りましょうね」

カヴール「はい♪」

リットリオ「そうですねっ、提督♪」

ナルヴァーロ「あの…潜水艦の建造は潜水艦が横につくのだとうかがったのですが…狭いです……///」横からリットリオの張りのある乳房が押し付けられ、もごもごと言った

リットリオ「ナルヴァーロ、何か言いました?…それより提督っ、一緒に建造しましょうねっ♪」

カヴール「建造、楽しみですね♪」

提督「んむ…ぅ、そうね。……って、暑いわ///」横にカヴールが抱きつき、ほっぺたが柔らかい巨胸で押されている…

ナルヴァーロ「早く建造しましょう…そうしないと、離してもらえそうにないです」

提督「そ、そうね…」

リットリオ「提督も、ナルヴァーロも…ぎゅーっとしちゃいます♪」

カヴール「うふふ…提督、私のプリエーゼ・シリンダー…触っていいですよ///」

提督「二人とも…まずは離れて……」

ナルヴァーロ「お…重いです」

リットリオ「む…リットリオは重くないですよ!」

提督「4万1377トンは十分重いわよ…」

リットリオ「もう…そういうことは言わないで下さい」

提督「いや、だって…ナルヴァーロが押しつぶされちゃうから」

カヴール「ええ、そうですよね」

提督「…あの、カヴールも少し離れて?」

カヴール「え…提督はカヴールのお乳、お嫌いですか?」

提督「いいえ、もちろん好きよ…柔らかくて…なのに、むっちりと張りがあって♪……でも、音楽だって一つの音階では歌にならないわ…カヴールの優しい瞳も、ぱっちりしたまつ毛も、さらさらの髪も、お腹のくびれも、むっちりしたふとももにきゅっと引き締まったふくらはぎも…いっぺんに視界におさめたいの♪」

カヴール「あらあら…うふふっ♪提督さんったら、よくばりさんですね♪」

提督「ええ、そうよ♪」

カヴール「それでは仕方ありませんね♪…はい、離れましたよ」

提督「ありがとう。じゃあ、ナルヴァーロ…建造、始めましょうか」

ナルヴァーロ「…ふぅー…了解です」


………





<> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/06/04(日) 04:14:35.97 ID:1NlJaFmOo<> イタリアは11人以上集まるとダメとか
美女と郷里を守護る為なら能力を発揮するとか良く言われますね
同じ人間魚雷の名称なのに日本とイタリアでは何故ああも違うのか・・・ <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/06/05(月) 00:56:26.62 ID:q7V2p+sD0<> …真面目な話になりますが、本来イタリア王国陸軍はフランスやオーストリアに対する郷土防衛軍の役割を担うもので、しかも国境線はアルプス山脈に守られ、国土も山がち、しかも当時は道路も整備されていなかったので機動力は(国家予算に余裕もなかったので)大して必要ありませんでした。
また、各地に(「アリエテ」や「リットリオ」師団など一部を除いて)「ナポリ」「カターニア」「フリウリ」などと地元の地名がついた師団があり、その地域の出身者はその師団に入隊するのが一般的でした

…つまり、戦前のイタリア陸軍は「背後の自分の家を守るために戦う」ための軍であって、派兵された兵たちは「ムッソリーニの思いつきにつき合って北アフリカで死ぬなんて嫌だ!」となり、休養なども与えられなかったことや、無能な(たいてい貴族階級の)士官が多かったことから「士気が低かった」と言われています

また、集団戦闘が苦手なのも予算不足で大規模演習がなかなか出来ず、かわりに銃剣、フェンシング、白兵戦、銃剣突撃の訓練ばかりやっていたためと考えられます…結果、「一個分隊(12人)以下なら最強」と言われるように…


海軍も同郷の兵で固められる規模のMAS艇、MS艇(モート・シルランティ…MAS艇の後継になった魚雷艇。ドイツSボートを参考にしつつ、イタリア魚雷艇のノウハウも詰め込んだきわめて優秀な魚雷艇)なら団結力を発揮でき、個人の力に頼るコマンドなら勇敢だったのですが、大艦隊になると途端に支離滅裂に…何しろ燃料がなく、しかも「英地中海艦隊に勝てる訳がない」(仮想敵はフランス海軍で、それなら互角以上だったはず)と、及び腰だったと言われています


…「人間魚雷」ですが、「絶対に死ぬ」(自殺する)事はキリスト教的に重い罪であり、カトリックのイタリアはもちろん、ドイツでも絶対にやらせませんでした(ドイツの場合、「育てた兵士が生きて戻ってくるほうが、脱出装置つけるコストよりも結果として得だ」と、厳密に計算したとは思いますが…)どんな無茶な兵器でも脱出だけは出来るようになっているのはそのためです…
また欧州では戦闘はあくまでも「その時だけ」のもので、終われば(大抵の場合)同じ人間同士「手を上げる」ことが許され、糾弾されることもないということが、日本との絶対的な差かと… <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/06/05(月) 01:43:37.05 ID:q7V2p+sD0<> ………

…数時間後…

ナルヴァーロ「そろそろですね…」

提督「そうね、潜水艦がくるのは楽しみ?」

ナルヴァーロ「はい、戦友が増えるのはいいことです」

提督「そう…あ、来たわ♪」


…まず出てきた潜水艦の艦娘は大柄でむっちり気味だが、腰に長剣を差し、なかなかきびきびしている。両脇には機雷格納用の筒を提げているところから敷設潜水艦らしい…続いて出てきたのはやはり大柄な潜水艦で、一人は青白い姿でどこかはかなげ、一人はドイツ風の革長靴にウェットスーツ風の艤装で、その上からバスローブのように着物を羽織っているせいで、かなりおかしなことになっている…髪は後ろで結い、金のかんざしを差している。最後の一人は後ろは明るい茶色の髪をポニーテールのようにして、銀のかんざしを差しているが、こめかみの所は縦ロールにしていてお洒落な様子でいる。提督は自己紹介を済まし、それぞれの名前を聞いた…


潜水艦「大型潜水艦、ピエトロ・ミッカです。戦中は敷設任務だけでなく、改装されて輸送任務にも就きました…姉妹はいませんが、機雷敷設も補給もお任せです」

潜水艦「大型潜水艦カルヴィ級、ピエトロ・カルヴィ…戦中はフランスにいたから、イタリアに戻ってきたのは久しぶりなのよ。ちなみにイギリス海軍にも捕まらない忍び足が特技よ。よろしくお願いね、提督」

潜水艦「カルヴィ級、ジュセッペ・フィンチ。はるばる日本まで長躯したぞ…イタリアに戻れてうれしいよ。…ちなみに日本通なのでな、何でも聞いてくれ」

潜水艦「同じく…カルヴィ級…エンリコ・タッツォーリ…よ……ふふ…私の身体…どこに行っちゃったの……かしらね…ぇ…」青白い手で頬を撫でられ、提督の背中に冷たいものが走った…

提督「よ、よろしくね…タッツォーリ……手が冷たいのね…暖めてあげる」手を握ると、タッツォーリははかなげに微笑した

タッツォーリ「そんなに優しく…しなくていいのよ…優しくすると……連れて行ってしまうかも…しれないから…///」

提督「大丈夫…たとえ地獄の底だろうと、私が貴女を連れ戻してみせるわ♪」

タッツォーリ「ふふ…ありがとう……」

セラ「こ…怖いですよ…」カヴールの後ろに隠れてそっとのぞいている

タッツォーリ「そう…でも、あれ…貴女の後ろに……」

セラ「ひぃ…!」

タッツォーリ「なんてね…」

提督「もう、怖がらせないの」

セラ「こうなったらMTMをぶつけるしか……」顔をこわばらせ、赤で「MUNIZIONI」(弾薬・火薬)と書かれた箱を取り出し、MTM艇に積もうとした

提督「セラ、駄目よ!…タッツォーリも、今度そういうことしたら怒るわよ?」

タッツォーリ「はーい…」

<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/06/05(月) 02:48:09.85 ID:q7V2p+sD0<> …まず訂正を…

>>562 ジュセッペ・フィンチ「はるばる日本まで長躯したので」は「長躯する予定だったので」です…意味が全く違いますね、ゴメンなさい


………

…艦娘紹介…


大型潜水艦…ピエトロ・ミッカ。1935年生まれ。単艦


31年に起工され、かなり時間をかけて建造された大型の機雷敷設潜水艦で、1545トン/1940トンとかなり大型。部分複殻構造で、船体中央部の複殻部分の内側、縦に機雷格納筒を装備して船底から機雷を敷設する。

大型で航洋性がよく、運動性能もよかったと言うが、大型ゆえに建造コストが高く、後継艦となる中型敷設潜水艦「フォカ」級の建造計画が進んでいたため、一隻のみの建造で終わった。戦中は機雷敷設から北アフリカへの補給任務向けに改装されて13回、2000トンあまりの補給任務を行ったとされる…最後は43年7月29日、英潜により撃沈された

速力は3000馬力(ディーゼル)/1500馬力(電動機)で15.5ノット/8.5ノット。
兵装は533ミリ魚雷発射管6門(艦首4/艦尾2)、120ミリ単装砲二基(司令塔前後に各1基)、13.2ミリ連装機銃1基(司令塔後部張り出し上)、機雷20個


艦名は1706年Tulin(トゥリン?)防衛に功績のあった兵士の名「Pietro Micca」から…らしいが詳しくはよく分からない


艦娘の「ピエトロ・ミッカ」は豊満でむちむちな身体をはち切れそうな艤装に包み、けっこう機敏。両脇に筒状の機雷敷設筒を装備している。…腰に剣を差しているのは兵士の名前が由来で、よくお菓子をくれるのは補給任務を行っていたからか

………


大型潜水艦…カルヴィ級。1935〜36年生まれ。三隻


「バリラ」級から発達し、「アルキメーデ」級、「グラウコ」級潜水艦と並行して建造された大型潜水艦。1525トン/2028トンの完全複殻型。

大戦中は地中海、フランスが降伏してからはボルドー「ベタソム」基地に派遣され(この時の二隻「カルヴィ」と「フィンチ」(フィンツィ)はジブラルタルの警備を最初にすり抜けたイタリア潜とされる…その後もイタリア潜はちょくちょくジブラルタルをすり抜けて大西洋に進出している)大西洋で作戦を行った

…しかしイタリア潜は性能的にドイツの「U・ボート」に劣り、戦術、装備の規格の違いからも共同作戦は難しく、42年戦没の「ピエトロ・カルヴィ」を除く二隻は大型であることを活かして日本への物資輸送用に回されることになった…が、イタリアの休戦で「ジュセッペ・フィンチ」はドイツ潜「UIT.21」となったりとごたついているうちに戦局が悪化、輸送に使用されることもなく44年に自沈…「エンリコ・タッツォーリ」は先に改装されたが、43年5月にビスケー湾で行方不明…三隻とも失われた


速度は4400馬力(ディーゼル)/1800馬力(電動機)で17.1ノット/7.9ノット。兵装は533ミリ魚雷発射管8門(艦首4/艦尾4)、120ミリ単装砲2基(司令塔前後各1基)、13.2ミリ連装機銃1基(司令塔後部張り出し上)


艦娘の「カルヴィ」級は、「ピエトロ・カルヴィ」がジブラルタルをすり抜けたためか忍び足が得意で、こめかみはフランス風に緩く縦ロール、姉妹が日本へ航海する予定だった影響か、後ろを結って日本風の銀のかんざしをしている。「ジュセッペ・フィンチ」は競泳水着風の艤装にドイツ風の革長靴、日本の着物をバスローブのように羽織り、頭には金のかんざしと国籍不明…自称「日本通」だが、結局派遣されてはいないので知識はかなりいい加減。
「エンリコ・タッツォーリ」は43年喪失のせいか、髪と肌は青白く、手も冷たくて幽霊のよう…実際は別に幽霊でも何でもないが、時々相手を怖がらせてはからかっている

……… <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/06/05(月) 23:36:09.69 ID:q7V2p+sD0<> …書き忘れましたが、「カルヴィ」級の艦名は愛国者から…

それではちょっと投下します。そのうち潜水艦×駆逐艦で百合っぽいこともしたいと思っていますので、待っていてくれれば嬉しいです… <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/06/06(火) 00:31:52.62 ID:hCVSoCsG0<> ………

…夕食時・食堂…

カヴール「それにしても…ずいぶん増えたものですね」

提督「胸が?」…ぽよんっ♪

カヴール「違います、潜水艦の娘たちですよ」

提督「あー。だって、ねぇ…せっかく建造できるならみんなにここでの暮らしをさせてあげたいじゃない?」

カヴール「提督は優しいですね…まぁ、仲もよさそうで何よりです」

提督「ええ、そうね♪」提督がワインを傾けつつ視線を向けた先では、潜水艦たちと駆逐艦たちが一緒の食卓を囲み、バジルと香ばしいチーズがとろけるピッツァ・マルゲリータと、ペンネで作ったひき肉入りのポモドーロを味わっている…

バリラ(バリラ級大型潜)「はーい、おかわりが欲しい人は取ってあげますよ♪」おっとりとした若奥様のようなバリラたちは目じりを下げ、にこにこしながら駆逐艦に料理を取り分けてやっている…が、欲求不満なので、可愛らしい駆逐艦を見てはぺろりと舌なめずりをしている…

提督「…バリラ級と駆逐艦は離した方がよさそうかもしれないわ」

カヴール「あ、あぁ…あの触り方は……」皿を差しだす駆逐艦のすんなりした手に自分の手を重ねる様子は明らかに怪しい…

提督「あっちは逆に穏やかなものね…」

フィエラモスカ(大型潜)「なるほど…参考になります」戦前生まれの大型潜水艦で、戦中は訓練用だった「エットーレ・フィエラモスカ」は優しい先生のようで、今は学者の名前が付いた二人から物理の講義を受けているらしい…

ガリレイ(アルキメーデ級大型潜)「と、まぁ…このように引力は働くわけなの」

フェラリス(アルキメーデ級)「そうね…まぁ、頼まれれば講義から「うに」の調達まで何でもやってあげるわよ?…お金はいるけどね♪」

フィエラモスカ「どうして「うに」だけなんです?他の貝とかはダメなんですか?」

ガリレイ「あー…中世の学者っていうのは多かれ少なかれ錬金術にも傾倒していたから」

フィエラモスカ「ですから、それがどうして「うに」の調達だけできることになるんです?…先生にはわかりません」

フェラリス「まぁ、つまりはそういうことなのよ…ちなみにこの「うに」は食べられないから」

フィエラモスカ「ますます訳が分かりませんね…」

フェラリス「ねぇ、ガリレイ先生?…作った「うに」を深海棲艦にぶつけてやれないかな?」

ガリレイ「なら「うに!」って叫ばないとだめよ…フェラリスちゃん♪」

フェラリス「はい、先生!」

ガリレイ「ふふふっ」

フェラリス「あははっ♪」

フィエラモスカ「…何がおかしいのか先生にはさっぱりわかりません」

提督「あー…「錬金術士」が二人もいる…お願いだから「うに」にしておいて…「N/A」の調合とかで部屋を吹き飛ばしたりしないように祈るわ」

カヴール「?」





<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/06/06(火) 01:24:26.98 ID:hCVSoCsG0<>
提督「さてと…向こうには水族館みたいなが娘たちがいるわね」…大型潜と中型潜でも、海の生き物を名前に取った艦娘たちがまとまっている…白ワインを勢いよく開けつつ、とれたてのアサリで作ったボンゴレ・ビアンコを取り分けている…

オタリア(グラウコ級大型潜)「アサリが美味しいですねぇ…ポルトガルは鱈の料理ばっかりでしたから♪」黒いつやつやのミニドレスで優雅に身体をしならせる「オタリア」(アシカ。オットセイとも)は、ボンゴレ・ビアンコを美味しそう頬張った

スクアロ(スクアロ級中型潜)「これも美味しいけどね…でも私はね……もっと、こう…血が滴って…噛み千切れるほうがいいのだけど」スクアロ(鮫)はそう言って、しなやかでいかにも美味しそうな妹、デルフィーノ(イルカ)にニヤリと笑いかけた

デルフィーノ(スクアロ級)「ひぃ!…誰か助けて下さい、お姉ちゃんが恐いです!」

トリケーコ(スクアロ級)「こら、スクアロ…妹が恐がっているじゃない、もう少し優しくしてあげられないの?」

スクアロ「そう言っても…食べちゃいたいくらい可愛いじゃない?」

トリケーコ「んー…まぁ、そうよね…私もむしゃぶりつきたいかも…あ、アサリが美味しい♪」懐っこい妹デルフィーノはちょくちょくベッドや大浴場で顔を火照らせては切ない声を上げていて、誘っているようにしか思えない……相づちを打ちながらも貝類好きの「トリケーコ」(セイウチ)はパスタそっちのけでアサリをつまんでいる…

ムレーナ(フルット級中型潜)「本当だ…このアサリ、美味いな」褐色がかった「ムレーナ」(ウツボ)は相変わらずハスキーな声で言った

ナウティロ(フルット級)「本当に美味しいです…深海にはこんな美味しいものはいないそうですから」赤と白の房になった髪を垂らし、アサリのパスタを口に運ぶ「ナウティロ」(オウムガイ)は、浅瀬の恵みに感心している

スパリーデ(フルット級)「んー…殻ごとでもイケそう」歯の丈夫な「スパリーデ」(鯛)はそんな冗談を言いつつ、大皿からアサリだけを取り出してはワインのお供につまんでいた

ムレーナ「おい…スパリーデ、ずるいぞ」低い声で言った

スパリーデ「だって…美味しいじゃない」

ムレーナ「…なに?」テーブルナイフを構えた

スパリーデ「じょ…冗談よ」

スクアロ「ムレーナ…はしたないわよ」

スパリーデ「ふぅ…本当ですよ。スクアロ、ムレーナに言ってやって下さい」

スクアロ「構えたら必ず仕留めなさい…生かしてやってもいい事なんてないわ♪」

ムレーナ「ああ…そうだな♪」

スパリーデ「!?…なんてことを教えるんです…私、このままじゃメインディッシュにされてしまいます……」

ムレーナ「安心しな…そこまで見境ないわけじゃない」

スパリーデ「ふぅ…」

ムレーナ「汁気たっぷりだし、食後に頂くよ♪」

スパリーデ「ひぅ!」

スクアロ「もっちりしていて美味しそうね…一口分けてもらおうかしら」

デルフィーノ「わ、私もお魚は好きです…♪」ふとももをこすり合せ、頬を紅潮させる…

トリケーコ「白身魚は大好き♪」

スパリーデ「うわ…わ……///」





<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/06/06(火) 02:06:36.71 ID:hCVSoCsG0<> 提督「…」

カヴール「…」

提督「あー…で、ここは提督たちの集まり…と。ジェーンにマリー、姫もいるし」

カヴール「そのようですね」

ミッチャー提督「だね…この娘たちもさすが提督たちだよ♪」

百合姫提督「ええ、本当に」

エクレール提督「…ナポリにしろヴェネチアにしろ、ナポレオンに敗れた国ばかりなのに生意気ですわね」

提督「んー?そう言えばまた「革製品」の手入れが必要ね…♪」

エクレール提督「い…言い過ぎましたわ///」

提督「…結構♪」

ジョバンニ・バウサン(ピサニ級中型潜)「まぁ、許して差し上げましょう」

マルカントニオ・コロンナ(ピサニ級)「カタツムリを食べる国ですから…まぁ仕方ないですね」

デス・ジェネイス(ピサニ級)「フランス海軍の活躍…はて、聞いたことがありませんな」

ヴェットール・ピサニ「まぁまぁ…諸君、その程度にしておこうではないか。古傷をえぐることはあるまい」

エクレール提督「くっ…!」

ジャンヌ・ダルク「よろしいのですか、こんなことを言わせておいて!」

リシュリュー「落ち着くことです、ジャンヌ…時には妥協も必要なのですよ」

ジャンヌ「むぅぅ…」

フレッチャー「ま、ソーナーも爆雷投射機もある私に潜水艦がかなう訳ないけど?」

エンタープライズ「こら、そういうことを言っては駄目でしょうが!」

龍田「潜水艦ねぇ…好きじゃないわぁ」

足柄「…龍田にしてみたら無理もないわね。とはいえ味方の潜水艦なんだから」

龍田「まぁ…ね」

ジュセッペ・フィンチ(カルヴィ級大型潜)「日本の艦娘か…日本は素晴らしいところだと聞いていますよ」そばにいたフィンチが話に入ってきた

百合姫提督「あら、日本がお好き?」

フィンチ「何しろ日本に派遣される予定だったもので…サムライとゲイシャが手をつないでフジヤマに登り、朝日にお祈りをすることくらいは知っています」

百合姫提督「え…えーと」

フィンチ「日本の艦娘はサケを含んで兵装に吹きかけるのでしょう?」

足柄「ま、まぁ…そういう艦娘もいるんじゃないかしら」

フィンチ「やはり…私は日本が好きなので…日本への戦略物資輸送任務が取りやめになって、かえすがえすも残念でした」

龍田「そ…そうねぇ、来てくれたら嬉しかったわぁ…」

フィンチ「ええ…もっとも、今回日本の提督と随伴艦の方々が来てくれたのですから、色々教えて頂きたい」

百合姫提督「ええ…そうします」

提督「…」


………

<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/06/06(火) 10:29:39.09 ID:hCVSoCsG0<> …食後…

提督「さて…と、夕食も済んで」

カヴール「片付けも終わりましたね…この後はどうしますか?」

提督「そうねぇ…とりあえずみんなの所を回ってみようと思っているけど」

カヴール「そうですか。では私もお伴します」

提督「ありがとう♪」


………

…しばらくして・駆逐艦トゥルビーネ級居室…

提督「私だけど、ちょっといいかしら?」ノックして返事を待った

アクィローネ「はいはーい、今開けます。…あ、提督にカヴールさんも…どうぞ、入って♪」ドアが開いてアクィローネが顔を出すと、二人を見て入るよう勧めた

提督「こんばんは、みんな」

ネンボ「こんばんは、提督。こんばんは、カヴール♪」

カヴール「ええ、こんばんは」


…八人姉妹のトゥルビーネ級は大きめの部屋をあてがわれていて、手前側にサロンのような談話室を設け、奥にそれぞれの個室が並んでいた…辺りには風や気象に関係する飾り物が置いてあり、数人はテーブルで漫画を読んだり、ラジオに耳を傾けていた…


オストロ「提督、どうしたの?」読みかけの漫画をテーブルに置くと聞いた

提督「特に用事じゃないわ。ちょっとお話に来たのだけど…お邪魔かしら?」

エウロ「とんでもない!…来てくれて嬉しいです///」

提督「そう?…よかった♪……ところで、何を読んでいたの?」

エウロ「私ですか?…これです」見せてくれたのはずいぶんと直線ばかり使って描かれた漫画で、日本の物らしい…

提督「ふーん…「最強伝説・黒潮」ねぇ…」

エウロ「同じ作者の「空母黙示録・赤城」って言うのもあるらしいんだけど、そっちは図書室にないの」

提督「そう、読みたいなら姫に頼んでみるわ」

エウロ「本当?…嬉しい」

ボレア「なに…提督が来てるの?」

エスペロ「どうしたの…って、提督?」トゥルビーネ級のみんなが個室から出てきて周囲に集まってきた

提督「みんな、足りないものとかある?…よかったら今のうちに聞いておくわ」

ゼフィーロ「そうね…アクセサリーかしら」

トゥルビーネ「ええ…やっぱり八人もいるとね」

提督「分かったわ。今度一緒に買いに行きましょうね♪」

トゥルビーネ「ええ…嬉しいわっ♪」ちゅ♪…とつま先立ちで頬にキスをした

提督「まぁまぁ…ふふっ。それじゃあ、お休みなさい♪」








<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/06/06(火) 11:10:57.94 ID:hCVSoCsG0<> …重巡・ザラ級居室…

提督「さてと…普段からボルツァーノと仲良くしてくれているようだから、ザラ級のみんなにはお礼を言わないと」

カヴール「ええ、そうですね」

提督「…ザラ、いる?」

ザラ「あっ…提督!……ちょっと待ってもらえる?」ドアの向こうから騒がしい音が聞こえてきた…

提督「ええ」

ザラ「ふぅ…お待たせしたわ。どうぞ?」髪と服を乱れさせ、はーはーと肩で息をしている…

提督「…お邪魔なら入らないけど?」

ザラ「そう…ごめんなさい。…フィウメたちとちょっとはしゃいでいたから」

カヴール「そ、そうですか…///」

提督「うふふ…みたいね♪…とりあえず、「ボルツァーノと仲良くしてくれてありがとう」って言いに来ただけだから」

ザラ「いいのいいの…気にしないで?」

ポーラ「あー、提督ぅ〜♪…カヴールも…こんばんは〜」ひょいと顔をのぞかせたポーラが二人に手を振った。一応ネグリジェを着てはいるが、ただ羽織っているだけなので、しっとりと汗ばんでいるふくよかな胸からもっちりしたふともも、その奥の花芯さえほとんど隠れていない…柔和な笑みはいつも通りだが、それにみだらな表情が混じっている…

フィウメ「はひぃ…ふぅ…ふぅ…こんばんは、提督にカヴール…」奥から声が聞こえる…

ゴリツィア「はー…はー…ザラ姉さん…っ…んんっ///」こちらは隠す様子もなく、甘ったるい声でザラを呼んでいる…

ザラ「もう…ゴリツィア、はしたないわよ…ごめんなさい、二人とも♪」ザラが顔を引っ込めると、くちゅりと水音が聞こえてきた…

ゴリツィア「あっ…あぁっ♪」

提督「ふふ…やっぱりお邪魔みたいね。お休み、ポーラ♪」

ポーラ「はぁ〜い、お休みなさぁ〜い♪」ちゅぷっ♪…と深いキスを交わすと、「えへへぇ♪」と笑ってドアを閉めた…

カヴール「…はぁ、こっちの方が恥ずかしかったです///」

提督「ふふ…楽しみの間違いでしょう?」

カヴール「も、もう…提督ったら///」

提督「さ、次の娘の所に行きましょうか♪」

……… <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/06/07(水) 00:41:14.83 ID:uEEUPnWh0<> …中型潜水艦・スクアロ級居室…

カヴール「スクアロ級ですか…まだしっかりとお話はしていませんものね」

提督「ええ、私もそう思ったから…スクアロ、いる?」コンコンッ…とリズムよくノックをした

スクアロ「…どうぞ」

提督「失礼するわね…っ!?」がちゃりとドアを開けた瞬間、扉の陰に立っていたスクアロが後ろから何か固いものを押し付けて来て、提督は大人しく両手を上げた…

スクアロ「あぁ…提督だったのね」すっと下ろしたのは銃ではなくただのペーパーナイフだった…

提督「あ…あのね、心臓に悪いから止めてもらえるかしら……」

スクアロ「ふふ…悪かったわ。ちなみにナルヴァロとトリケーコは大浴場でばちゃばちゃやっているわ」ペーパーナイフをテーブルに置くと、一時停止していた映画を再生した

提督「何を見ているの?」

スクアロ「これよ…面白いわね」小さいテレビでテーマソングが有名なサメ映画を見ている…時おりテレビの調子がおかしくなると一時停止して立ち上がり、側面を引っぱたいた…

提督「そのうちに予算が回ってきたら新しいのを買いましょうね」

スクアロ「ええ、お願いするわ」

デルフィーノ「うわぁ…こんな映画を大画面で観るなんて嫌ですぅ…」縮こまっているデルフィーノ…

提督「そこはスクアロもちゃんと分かってくれているわ。…ね、スクアロ?サメ映画だけじゃないわよね?」

スクアロ「もちろん…サメ映画だけじゃなくて恐怖映画も取り揃えておいたわ」

提督「もう…妹を怖がらせてどうするの」

スクアロ「ふふ…提督、耳を貸して?」

提督「なぁに?」

スクアロ「デルフィーノはね、恐怖映画とかを見せられると夜になってベッドにもぐり込んできてね…怖いのが収まるとそこでし始めるから…ふふ♪」

提督「あぁ、なるほど…デルフィーノったら、可愛い顔して意外と盛んだから…って、…それ、すごくいいわね♪」ひそひそ話を交わしている様子を見て、きょとんとしているデルフィーノ…しかし、提督とスクアロが視線を向けているので、頬を赤らめて恥ずかしげにもじもじしている…

スクアロ「でしょう?…本人もいやらしいことが大好きだし♪」

提督「何しろデルフィーノ(イルカ)だものね…♪」

スクアロ「そういうこと。…可愛いし、甘噛みするといい声で鳴くから……たまらないわ」

提督「うふふっ…今度、私も誘ってみるわね♪」

スクアロ「ええ…楽しいわよ♪」

提督「んふふっ。もう、楽しみ…♪」かなり気持ち悪い笑みを浮かべている…

カヴール「…提督ったら……私がおりますのに…」小声でつぶやいた…

提督「んー?カヴール、ご奉仕してくれるの?…嬉しいわ♪」

カヴール「!?…聞こえていたんですか」

提督「ええ…遠慮しないで?…ベッドが待っているわ♪」

カヴール「あぁ…もう、次に行きますよ///」

提督「ふふ…了解。じゃあ、スクアロ、デルフィーノ…またね♪」

……… <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/06/10(土) 09:21:21.34 ID:/8I+2Heb0<> …この数日投下できなくてごめんなさい、再開します <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/06/10(土) 09:38:55.80 ID:PZFRpXXxO<> さて、どれくらいの人が『元祖暴走錬金術師・マルローネ』を知ってるのか・・・。 <> ◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/06/10(土) 10:05:58.23 ID:/8I+2Heb0<> …翌朝…

提督「んーっ…」ベッドの上で伸びをする提督。部屋に射しこむ曙光がまぶしく、打ち寄せる波の音が心地よい…

カヴール「おはようございます、提督」魅力的な身体にぴったりしたナイトドレスをまとったカヴールがコーヒーマグを渡してきた。昨夜二人で甘い時間を過ごしたためか、少し恥ずかしげに頬を赤らめている…

提督「ありがとう」ナイトガウンだけ羽織って窓辺に立つと、海を見ながらコーヒーをすする

カヴール「…いい眺めですね」隣に立って窓枠に手をつき、身体を寄せた…

提督「ええ…綺麗な海……」日の出のカナリア色からクローム・イエロー、それから徐々に青さを取りもどしていく海を見てつぶやいた

カヴール「なんだか、こうして話していると恋人同士みたいですね…///」

提督「事実、恋人でしょう?」

カヴール「もう…からかわないで下さい///」ぷい、と視線をそらしたが、耳まで赤くなっている…

提督「…私は、貴女のこと…愛しているけど?」

カヴール「これまでに何人に向けてそう言ってきたのですか?」

提督「あら…信用されてないわね。…カヴールほどの奥ゆかしい美人には初めてよ?」

カヴール「もう…提督ったら///」

提督「ふふっ♪…カヴール。私の愛しい人……」腰に手を回し、そっと唇を近づける…

カヴール「太陽のように暖かで、花のように可憐な、私の提督…///」目をつぶり、そっと唇を重ねた…


………

…しばらくして…


提督「カヴール…///」窓辺で抱き合っている間にも日は昇っていき、気付けば朝焼けの黄金色はすっかり消えていた…いくつか白い綿雲が浮かび、黄色い砂浜が陽光を反射しきらめいていた

カヴール「提督…///」

提督「カヴール…もう一度…キス…しましょう……」そう言って柔らかな唇に触れようとした瞬間、空腹を訴えてお腹が鳴った…

カヴール「ふふ、くすくすっ…さすがの提督もキスだけではお腹いっぱいにはならないようですね?」

提督「みたいね…食堂に行きましょうか///」

カヴール「はい♪」


………
<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/06/10(土) 10:10:19.08 ID:/8I+2Heb0<> >>572 とりあえず「マリー」と「ユーディー」はプレイしたことがありますが…イングリド先生怖かったです。あとは美少女と渋いおじ様率の高さが…… <> ◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/06/10(土) 10:55:30.08 ID:/8I+2Heb0<> …食堂…

提督「おはよう、ディアナ」

ディアナ「おはようございます、提督…もう少しお待ちください」…いつも食堂は朝早くからディアナがきりもりしていて、黎明時哨戒を終えた駆逐隊や早起き組に美味しい朝食を提供していた…が、今日は出遅れたのか、まだエプロン姿で忙しげに立ち回っている。とはいえ、数人の哨戒組には手際よくパンと冷蔵庫に入っていたコールド・チキンを出してある…

提督「手伝うわよ?」

ディアナ「そうですか?…でも、わたくしの務めですから」

提督「そう言わずに…ね?」ぱちりとウィンクをすると、袖口が広がっていて邪魔な羽織りものを脱いでカウンターに放り出し、キャミソール一枚になってエプロンをつけた

ディアナ「なら、お願いできますか?」

提督「ええ…カヴール、少し手伝って?」厨房に入ると包丁を取り出し、取り出してあるマッシュルームを切り始めた…壁には料理のレシピが留めてあり、今朝の献立に合わせて手早く刻みだした

カヴール「はい♪」カヴールもおっとりしているようで意外と手際が良く、ハーブを刻んだり卵をかき混ぜたりとテンポがいい…

提督「ディアナ、炒り卵はやっておくわよ?」

ディアナ「はい、お願いします」

提督「了解♪」ディアナはスープを相手に目が離せないので、かわりに大きいフライパンにバターをいれ、刻んだホワイト・マッシュルーム、溶き卵を注ぎ入れる…香ばしい匂いといい音がして、それを手早く木べらでほぐす…手早く火を通すと置いてある大皿に入れ、また次の分に取りかかる…

カヴール「では…私も」じゅーっ…といい音がしてカヴールは素早くフライパンを振る…重くて提督ではまともに振れないパエリェーラ(パエリア鍋)ほどもある一番大きいフライパンで十数人分を一気に作り、大皿に盛ると丁寧にパセリを乗せた

提督「…ディアナ、マッシュルーム入りの炒り卵はできたわ」

ディアナ「助かりました…何しろこちらは見ていないと噴きこぼれるので」ミルクたっぷりのクリームスープは滑らかに仕上げる火加減が難しく、ディアナは目を離せないまま言った

提督「いいのよ♪…あとは果物くらいね」網目模様のないつるりとしたメロンを八つに切り、皮目に沿って身を切り離すと一口大に切り分けた

カヴール「こちらも出来ましたよ」チーズの盛り合わせを持ってカウンターに置いた

ディアナ「本当に助かりました…あとはできますので、どうぞ座って召し上がってください」

提督「そう?では、お言葉に甘えて朝食にさせていただくわね♪」


………




<> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/06/10(土) 11:50:23.00 ID:PZFRpXXxO<> まあ、進め具合によっては『はたきで騎士団長を圧倒する病弱少女』なるEDもありますからなぁ、あれは・・・(^_^;) <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/06/11(日) 00:03:07.09 ID:xSy1zc5D0<> >>576 病弱な親友を「護衛代がタダ」というだけで採集に連れ出し前列に置き、掃除屋の妖精さんを「きりきり働いてちょうだい!」と酷使…友人たちからの「頼みごと」であってもきっちり銀貨を巻き上げる鬼畜錬金術士ですから(苦笑)…

<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/06/11(日) 00:36:38.78 ID:xSy1zc5D0<> …朝食…

提督「では…」ふんわりと仕上がったマッシュルーム入りスクランブルド・エッグにカリッとしたパン、味のいいバターにチーズ、滑らかなクリームスープ…水気滴るメロンにコーヒー、牛乳を取ると席に着いた

カヴール「いただきましょうか♪」スプーンを取り上げた

提督「ええ。…んむ…っ」

…スクランブルド・エッグは香ばしいバターの香りと、ホワイト・マッシュルームのクセのない味がお互いを活かしあって、ふわふわの卵に豊かな後味をもたらす…挽いたばかりの黒胡椒が香りと味にアクセントをつけ、パセリの爽やかな青さが卵独特の重ったるい感じを打ち消す…

提督「美味しい…」

…そう、「美味しい」と言うだけなら誰にだって言える…だが、イタリア海軍少将たる者、厨房の艦娘たちの努力をその一言で片づけてしまっては、あまりにもボキャブラリーが足りないと言うものだ…

提督「この…ふわっとまとまった卵に…んむ……歯切れのいい…マッシュルーム……「オムレツにミルクは入れない」けど…この場合……ふんわりしたスフレ状になって…舌触りがいいわ…」

…シチューや煮込み料理ならブラウン・マッシュルームの方がこっくりとした香りや味がはっきりと出て美味しいだろう…が、柔らかなクリーム色をしたふわふわの炒り卵に、無粋な茶色が広がるのは好ましくない…ホワイト・マッシュルーム…黄色い南イタリアの陽光には、やはり白い雲が必要…ということなのだろう…

提督「ふぅ…では、スープを……」

…とろりと滑らかなクリームスープは、賞味期限が近かったクリームと牛乳を一気に使うための策だろう…が、まだ寝ぼけている胃腸に優しく染みていく…滋味豊かなコンソメをベースに、たっぷりのクリームとミルク…牛乳はとかく塩が効きすぎるので塩はごくわずかに振ってあるだけだが、ベースのコンソメに溶け込んだ香味野菜の風味と相まって、ほど良い味わいで美味しい。…もし天使がクリームスープを飲むとしたら、間違いなくこのクリームスープを選ぶだろう…

提督「あー…身体に染みるのが分かるわ……」

…噴きこぼれないよう、けれど、滑らかになるようにぎりぎりの火加減で煮たたせ、ゆっくりとかき回し続けた時にだけ味わえるとろりとした滑らかさ…けれどもべっとりとくどくはない…まるで波打ち際の白い泡のようにすっと消える後味の良さ…

提督「ん…美味しいわ…」

<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/06/11(日) 01:22:02.91 ID:xSy1zc5D0<> 提督「パンもいただきましょうか…」

黄色いバターが四角い形を変型させながら流れていく…香ばしく台形に切った食パンに、十文字に割れ目の入った丸いパン…丸い方をちぎろうとすると、皮目がばりばりと音を立て、中がもっちりと抵抗しながら裂けていく…

提督「いい香り…ね」

…食パンもひと噛みごとに力がいるようなしっかりしたパンで、焼き色もちょうどいい…麦秋の畑を表すような黄金の一枚は、溶けたバターが染みこみかぐわしい香りまでしている…

提督「んむ…んむ……っ」

…濃い色のチーズとバターを添えて、一口ごとに噛みしめる…焼き立てでなければ味わえない香ばしさ、風味…まさに「早起きへのごほうび」…一枚と一個のパンは、あっという間になくなってしまった…

カヴール「あら…提督ったら、そんなにお腹が空いていらしたので?」…カヴールが親切にも丸パンを一個分けてくれる…その優しさが隠し味になって、一個目よりさらに美味しい…

提督「ありがとう……んっ…」

…香ばしい丸パンに残ったバターを挟み込み、余熱で溶けるのを待ってから口に入れる…しっとりとバターが染みわたり、中からじゅっ…と溢れてくる…素朴だからこそよく分かる素材の良さ…

提督「…ふぅ…香ばしくて、いいパンだったわ」

提督「さて…と、果物も……」

…切ってあるメロンは「メロン」と言っても、甘すぎる温室のメロンと言ったものではない。露地栽培で気長に、気ままに育ったまくわ瓜のようなメロンで、その味はさっぱりと爽やかでみずみずしい…淡黄色の果肉は夏らしい鮮やかな色合いで、口の中も必要以上にべたべたしない…

提督「朝にはちょうどいいわね…さっぱりしていて」

カヴール「ええ、そうですね…お皿は私が片づけますから」すでに食べ終えていて、ゆったりとコーヒーをすすっているカヴール…ミルクを入れて相性の良さをじっくりと味わっている…

提督「ありがとう、カヴール。…ふぅ、満足したわ」


………

<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/06/11(日) 01:28:37.35 ID:xSy1zc5D0<> …なんだか途中から、「提督のグルメ」みたいになってしまいましたが、いかがだったでしょうか?

今日はここで止めて、次からまた建造に取りかかります。そうしないといつまでたってもエピソードや個性のありそうな潜水艦たちが出てこられないので…ちなみにフルット級以外の潜水艦は「大型」「中型」を分けて古い順に建造しています…別に順番はバラバラでもいいとは思うのですが、忘れてしまいそうで… <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/06/11(日) 01:59:35.29 ID:pXwD+29So<> 日本のパンも美味しいけどイタリアとかドイツで食べたパン美味しかった思い出
そういや撃沈されたイタリアの駆逐艦が発見されたとかニュースになってましたねえ
発見者は戦艦武蔵とおなじくかの大富豪さんですがww
3000mとか地中海にそんな深い場所あったんですねえ
日本艦だと場所がほぼ太平洋なもんで4000mとかマリアナ海溝のどこかとかそんな感じになりますがww <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/06/12(月) 00:33:54.20 ID:mwjCILRN0<> >>581 伊駆逐艦は船団護衛、船腹が足りなくなってからはイタリア版「東京急行」に酷使されて八割方は戦没していますから、何隻か見つかってもおかしくはないでしょうが…戦争だなんて無駄な事をしたものです……

…当時の貴重な資料ですし、もし引き上げられるならヴェネチア海軍博物館辺りでぜひ保存して欲しいですね…まぁ、欧米は日本みたいに機械遺産を粗末に扱わないですから期待は出来るでしょうが…
<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/06/12(月) 01:31:04.65 ID:mwjCILRN0<> …食後…

ライモン「おはよう、オリアーニ。黎明哨戒、何もなかったようですね…あ、提督もおはようござ……///」顔を赤らめ、視線をそらす…

提督「おはよう、ライモン。キスの跡でも付いてる?」

ライモン「い…いえ、そのっ///」耳まで赤くしていたが、慌ててお盆をつかむと料理を取りはじめた…

提督「?」

デュイリオ「おはようございます、皆さん…まぁ、提督。おはようございます♪」

リットリオ「みなさん、おはようございます♪…って、提督ったら…もう、朝なのに我慢できなくなっちゃいます…///」

提督「おはよう、デュイリオにリットリオ…私の顔にでも何かついているの?」

デュイリオ「いいえ?…うふふっ、提督は冗談がお上手ですね♪」

リットリオ「あぁ、もう…そんな無関心なふりをして…提督ってば、いじわる…っ///」

提督「…?」

フルット「おはようございます、皆さま…あら、提督……朝から素敵です」

スパリーデ(フルット級)「おはようございます、提督。ふわぁ…ぁ、刺激的です♪」

バリラ「あらあら…お母さん、身体がうずいちゃいます♪」

ミレリーレ(バリラ級)「私も。デザートは提督なのかしら…♪」

オタリア(グラウコ級)「ふふっ、提督ったら…」

提督「あら、みんなもおはよう…フルット、お褒めにあずかり恐縮だけど…どこが素敵なの?」

フルット「それはもう…言うまでもありませんよ♪」

バリラ「ええ♪」

ミレリーレ「誘っておいて気づかないふり…だなんて、もう♪」

提督「?…おはよう、マメリ」釈然としないまま、入ってくる娘たちに挨拶した…

マメリ「おはよう…その、ずいぶん刺激的だな…///」

提督「…刺激的?……あっ」…朝食前、提督は調理の邪魔になると上着を脱ぎ、それを忘れてキャミソールにエプロンをつけたままの格好で席に着いていた。…が、エプロンでキャミソールが隠れてしまい、入ってくる艦娘たちからすると裸エプロン姿に見えなくもない…

バリラ「あらまぁ…気づかれてしまいましたね」

マメリ「あぁ、その…すまん…な?」

提督「…カヴール、カウンターの上着を取ってくれる?」

カヴール「はい、いまお持ちします」

デュイリオ「…あらら…もうちょっと、提督の裸エプロン姿を見ていたかったのですが♪」

リットリオ「…提督の…裸、エプロン…っ///」鼻を押さえて悶えている…

フルット「いいものを拝見させていただきました…♪」

ライモン「あ、あの…とても……どきどきしました///」

提督「…なんだかこっちまで恥ずかしくなってきたわ///」


……… <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/06/12(月) 02:11:48.50 ID:mwjCILRN0<> >>582 

補足…見つかったのはソルダティ級駆逐艦第一グループの「アルティリエーレ」(Artigliere)らしいそうですが、そうだとすると40年にマルタ近海で英部隊と交戦し撃沈されたので、損傷の激しさも理解できますね…まぁ、駆逐艦は世界中で「ブリキ缶」と言われるほど薄いですし、戦艦ほど原型は保っていないでしょう…
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/06/13(火) 02:33:27.49 ID:Xa3OE19io<> 世界最強クラスの防御を誇った大和でさえ三分割とかなってますんで無理もないですな
あれじゃイスカンダル行けない
<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/06/13(火) 09:25:04.55 ID:sG9SDb930<> >>585 「なに、エンタープライズがある」(米海軍)

…戦艦大和・武蔵好きな人には申し訳ないですが、大和型は「不沈艦」だからと水面下防御や機関の配置、浸水対策とか、(装甲厚はさておき)防御面を結構ないがしろにされた分、実際には意外と問題があったとか…何より対空戦能力に(いくら制空権下で戦う予定だったにしろ)不足が否めないのは事実…アメリカの戦艦は盛り過ぎな感じがして好きではないですが、あの平射・対空両用砲と40ミリ機銃の山積みはいかにも「実戦慣れ」した感はありますね… <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/06/13(火) 09:59:48.35 ID:sG9SDb930<> …午前中・工作室…

提督「さぁ、今日も張りきって建造しましょうか♪」

カヴール「分かりました…今日も潜水艦ですか?」

提督「そうね…どうかした?」

カヴール「リットリオの妹たちも呼んであげて下さいね?」

提督「あー…超ド級戦艦となると、なかなか呼べないけれど…頑張ってみるわ」

カヴール「はい…リットリオも喜びますよ♪」にっこり微笑して頬にキスをした

提督「そうね///」

ピエトロ・ミッカ(大型潜)「さぁ、提督。建造しましょう?」機雷敷設潜水艦のピエトロ・ミッカは、後ろ手に組んだ手の中でT200潜水艦用機雷(の飾り物)を転がしながら言った

バウサン(中型潜)「うむ…待ちくたびれたぞ」

コロンナ(ピサニ級中型潜)「いかにも…さぁ、提督!」

提督「はいはい♪」後ろから押されるようにして装置に手をかけると、一つ深呼吸をしてからレバーを引いた

カヴール「あとは数時間待つばかり…ですね」

提督「そうね…みんな、座って待ちましょう?」

ミッカ「ありがとうございます♪…はい、よかったらどうぞ?」両方の腰に下げている機雷格納筒をごそごそやって、白い落雁を取り出した

提督「ありがとう…って、これ、姫からもらったお菓子?」

ミッカ「はい、何でも滋賀の「近江八景糖」とか何とか…他にもお餅とかあったのですが、機雷格納筒に入れてくっ付いたら困るので」

提督「ふふ…そうね。じゃあ、頂くわ♪」…「三井の晩鐘」や「石山の秋月」といった琵琶湖畔の名所を型にした落雁を少しづつ割ってつまんだ…


………

<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/06/13(火) 10:39:13.55 ID:sG9SDb930<> …数時間後…

バウサン「おぉ…そろそろ頃合いだな?」

提督「そうね」

カヴール「あ、出てきましたよ?」


…クラスも隻数も多い潜水艦だが、提督は新しい艦娘たちの一人づつと話をする時間を取りたいと思っていたので、普段はひとクラスごと…多くても二、三クラス程度の建造でとどめていた。が、ここ一週間は大した予定もなかったので、思い切って大量建造を実行していた…


潜水艦「うわ…ちょっとちょっと!」

潜水艦「もう少し詰めて下さいよぉ…」帰還した潜水艦の甲板に整列するように並んで敬礼した…が、ぎゅうづめでふらついたり押しあいへし合いしている…

カヴール「…いくら何でも多すぎたのでは?」

提督「反省はしてるわ…後悔はしてないけど♪」

カヴール「全くもう…♪」

提督「うふふ…さてと、潜水艦のみなさん。自己紹介をさせてもらうわね」答礼した提督は自己紹介を済ませ、あいさつのキスをした

提督「それで、今度は貴女たちの自己紹介をお願いね?そっちから順番にどうぞ」…手で差し示した潜水艦は三姉妹らしいが、「ピエトロ・ミッカ」と同じように機雷敷設潜水艦らしく、腰のあたりにスロープのような変わった艤装がついている…


潜水艦「はい。大型潜水艦「フォカ」級のフォカです…敷設潜水艦ですが、戦中は補給任務を主にしていました」…滑らかな髪に高そうなアザラシ皮のコートを羽織り、ぴっちりした艶のある艤装がすんなりした身体を包んでいる…

潜水艦「同じく、フォカ級のゾエアです…早く大きくなりたいです」…こちらは半透明の羽衣のようなものを艤装の上に羽織り、薄い青色の髪に紅い玉の飾りを付けている。…綺麗に撫でつけられた髪に二つついている髪飾りが目のようになっていて、どこかユーモラスな蟹のようにも見える…

潜水艦「フォカ級のアトロポです…敵の寿命を切るハサミは私が持っています♪」女神のように伸ばした綺麗な髪に灰色のぴったりした艤装、手には鋏と糸を持ち、糸の先には機雷が吊るしてある…


提督「はい、ありがとう♪」

<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/06/13(火) 11:11:41.73 ID:sG9SDb930<> 提督「では、貴女たちもお願いね?」…フォカ級の自己紹介を受け、続いて隣のグループに視線を向けた…9人はいる潜水艦はいずれも提督の格好をしていて、艤装の上に羽織った上着や三角帽の金モールがきらきらしている…

潜水艦「は!…私は大型潜水艦マルチェロ級、マルチェロです。今度は最後まで戦ってみせますとも!」

潜水艦「同じくマルチェロ級、バルバリゴ。提督、この私を使いこなしてくださいね」

潜水艦「同じくダンドロ。先代は歴史に残る戦艦でした…この名に恥じぬよう奮闘し、最後まで生き残りました」

潜水艦「マルチェロ級、エモです。由来になった提督の名前から「アンジェロ」(天使)なんて言われます」

潜水艦「同じくマルチェロ級、モチェニーゴです。提督は私たちを感心させられるかな?」

潜水艦「同じく、モロシーニ。先代は戦艦でした。オスマンを破ったヴェネチアの偉大な提督の名にふさわしいでしょう?」

潜水艦「同じくマルチェロ級、ナーニです。よろしくお願いね、提督♪」

潜水艦「マルチェロ級、プロヴァナです。今度は最後まで頑張ります」

潜水艦「で、私がマルチェロ級のヴェニエーロ。…以上9隻、無事着任いたしました!」

提督「休め!…ふふ、みんな凛々しくて素敵よ?活躍、期待しているわ♪」

マルチェロ「は、尽力させていただきます…///」

提督「結構…でも、そんなに固くならないで♪……さてと、お待たせしたわね。自己紹介をお願い♪」




<> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/06/13(火) 22:15:32.70 ID:Xa3OE19io<> アメリカ艦船の対空能力の凄まじさは両用砲、Bofors40mmの搭載数の多さもさることながら
レーダーピケット駆逐艦、電探同調統制高射装置等をはじめとした防空システムの構築と運用にあったと思います
マジックヒューズことかの有名なVT信管はそれほど有用でもなかったとは聞きますがww
何かの動画で米軍の対空射撃の様子を見たことがありますがあんな何段構えもの弾幕群容易に抜けれる訳ないですね
(映画の永遠のゼロでも対空射撃の弾幕再現してますが無理ゲーに見えましたww)
しかも40mm当たれば余裕でバラバラになってしまう日本軍機じゃなおさら・・・ <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/06/14(水) 00:36:33.50 ID:sDuRnR4L0<> >>590 WW2時代のアメリカのすごさは質・量ともにある兵器と、失敗を素直に認めて改善しようとする風通しのいい組織にあると思っています(実際そうなるようにニミッツ提督が頑張ったわけですが)…初期の28ミリ機銃や20ミリエリコンも「火力不足」だとすぐ下ろされていますし…

…防弾や実用上便利なものがすごく多いので、アメリカ艦はカタログスペックより実戦での活躍がすごいですね…あと、日本機に限らずドイツ機でも40ミリなんて浴びたら粉々ですから……まぁボフォースって一部の第三諸国ではまだ現役の傑作砲なので仕方ないですが、実戦の映像見ると本当に「弾幕」っていう言葉の意味が分かりますよね…

<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/06/14(水) 00:51:48.21 ID:sDuRnR4L0<> ………

…自己紹介を求められたのは二隻の潜水艦で、容姿や大きさから中型潜水艦だと分かる。と、同時に腰に下げた機雷格納筒を持っているので敷設潜水艦らしいことも分かった。片方は疲れたような顔の提督姿で、もう片方は映画に出てきそうな小粋なソフト帽をかぶり、メモとペンを持っている…


潜水艦「中型潜水艦…ブラガディン級のマルカントニオ・ブラガディン。第二次大戦は無事でしたが…嘘つきは嫌いです」

潜水艦「どうも、ブラガディン級のフィリッポ・コリドーニです!…提督、私たちの着任に感想はありますか!」かなり押し付けがましくメモを取ろうとしている…

提督「えー…コリドーニ、貴女を含めてこれだけの潜水艦が着任してくれた事を嬉しく思っています。…そろそろお昼なので食堂に行きましょう♪」

コリドーニ「なるほど…ムッソリーニ統領と親しかった私を抱きこもうという訳ですか!ならば、ぜひごちそうしてもらいたいものですね!」

ミッカ「…よろしくね」(声がうるさいわ…)

カヴール「さ、では参りましょう?」

提督「ヴェネチア風の昼食でよかったわ…そうでしょう、提督方?」

マルチェロ「ほほう、ヴェネチア風…楽しみですよ」

………


<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/06/14(水) 02:15:22.55 ID:sDuRnR4L0<> …艦娘紹介…


大型潜水艦…フォカ級。1937〜39年生まれ。三隻


世界の緊張が高まりつつあり、イタリアも植民地拡張を進めていた35年頃に計画された大型の敷設潜水艦。1305トン/1625トン、部分複殻型。

35年就役の大型敷設潜水艦「ピエトロ・ミッカ」は建造に時間と費用がかかり過ぎたため、一回り小型化して新技術も盛り込んだ潜水艦。
サイズは「ピエトロ・ミッカ」にくらべ小さいが機雷搭載数はむしろ多く、「実績も良かった」とされるが、あくまでも「ピエトロ・ミッカ」に比べての話で、第二次大戦レベルでは「それほどでもない」との評価もある。

開戦後は機雷敷設よりも北アフリカへの燃料・物資輸送に駆け回り、ハイファ沖(エジプト)で機雷敷設中に自艦の機雷に触れたらしい「ゾエア」(詳細は分からず「戦没」ではなく「喪失」扱いになっている)以外は無事に大戦を終え、47年除籍された

速力は2880馬力(ディーゼル)/1250馬力(電動機)で16ノット/8ノット。

兵装は533ミリ魚雷発射管6門(艦首4/艦尾2)、100ミリ単装砲一基(当初は司令塔後部張り出し上だったが、後に一般的な司令塔前甲板に移設)、13.2ミリ連装機銃2基、機雷36個


艦名は「フォカ」(あざらし)、「ゾエア」(エビ・カニ類の幼生、「ゾエア幼生」)、「アトロポ」(ギリシャ・ローマ神話の「アトロポス」…人の寿命を糸として紡ぎ、計り、切る「モイライ」の一人で切る役割を持つ)


…艦娘の「フォカ」は黒くて艶やかな髪と艤装の上に羽織ったアザラシ皮のコートがお洒落な艦娘で、大のエビ・カニ好き。「ゾエア」はゾエア幼生が由来からか、艤装の上から薄い半透明の羽織り物をまとい、おかっぱ(あるいは円盤風)の薄青い髪に頭の前の方に付けた紅い髪飾りが目のように見える髪型をしている。「アトロポ」は長い金髪に鋏を持ち、糸の先に機雷をぶら下げている…


………


大型潜水艦…マルチェロ級。1938年生まれ。9隻


「フォカ」級と同時期に建造された大型潜水艦。1043トン/1290トン、単殻、サドル・タンク付き構造

元ポルトガル向け潜水艦「グラウコ」級の性能の良さを受け建造された「航洋型」の潜水艦。第二次大戦当時のイタリア潜では「最優秀艦の一つ」という評価を受け、速度、潜航時の安全性、操作性も良好といわれる。

性能は良かったが戦局は厳しく「ダンドロ」以外の全艦が戦没している。しかしながら何隻かは数万トン単位の敵船舶を沈めている


速度は3600馬力(ディーゼル)/1100馬力(電動機)で17.4ノット/8ノット。

兵装は533ミリ魚雷発射管8門(艦首4/艦尾4)、100ミリ単装砲2基(司令塔前後の甲板に各1基)、13.2ミリ連装機銃2基(司令塔後部張り出し上)と充実


艦名は

「マルチェロ」(Marcello)が「レパントの海戦」でトルコを破るも戦死したヴェネチアの「ロレンツォ・マルチェロ」(Lorenzo Marcello)提督

「バルバリゴ」(Barbarigo)が同じく「レパントの海戦」で参謀長を務めたが負傷、三日後に死亡したヴェネチアの「アゴスティーノ・バルバリゴ」提督

「ダンドロ」(Dandolo)が「東ローマ帝国」を滅ぼし「ラテン王国」を作ったヴェネチアの統領「エンリコ・ダンドロ」(Enrico Dandolo)で、先代は1880年就役の(先代の)「カイオ・デュイリオ」級戦艦二番艦の「エンリコ・ダンドロ」

「エモ」(Emo)は1700年代のヴェネチアの提督「アンジェロ・エモ」(Angero Emo)

「モチェニーゴ」(Mocenigo)はヴェネチアの名家モチェニーゴ家出身の提督「ラッツァロ・モチェニーゴ」

「モロシーニ」(Morosini)は1688〜94年にヴェネチアの統領で、提督としてもオスマン・トルコと戦った「フランチェスコ・モロシーニ」(Francesco Morosini)…ちなみにモロシーニ提督がアテネに布陣していたオスマン軍を砲撃した際に、砲弾がオスマン軍の火薬庫を直撃、誘爆したせいで「パルテノン神殿」が崩壊した。先代は軍縮条約で建造途中に破棄された戦艦「フランチェスコ・カッラチォロ」級の四番艦だった

「ナーニ」(Nani)はヴェネチアの提督・政治家の「ジャコモ・ナーニ」で、41年英軍の「花」級コルヴェット「アネモネ」に撃沈された

「プロヴァーナ」(Provana)は1520年頃のヴェネチア提督で「レパントの海戦」に加わった「アンドレア・プロヴァーナ」提督らしいが日本語の資料がないのでよく分からない…40年6月17日に浮上航行中、フランス通報艦(掃海艇などのことをフランスでは「通報艦」と呼ぶ)に衝突され、撃沈したが、これがWW2フランス艦による初めてのイタリア潜撃沈だった

「ヴェニエロ」(Veniero)は「レパントの海戦」でヴェネチア海軍艦隊司令官で、後にヴェネチア統領になる「セヴァスティアーノ・ヴェニエール」提督から…いずれも中世ヴェネチアの提督・英雄からで、ナポリ王国と同じくイタリア半島最強の海軍国だったヴェネチアらしい艦名がついている


…艦娘「マルチェロ」級はいずれも艤装の上から提督らしい上着と三角帽子を被り、金モールがきらめいている(「レパントの海戦」の時は三角帽子ではない、などと言ってはいけない)ヴェネチアの栄光を重んじ、それぞれ能力も高い…

………
<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/06/14(水) 02:39:45.73 ID:sDuRnR4L0<> …艦娘紹介(続き)…


中型潜水艦…ブラガディン級。1931年生まれ。二隻。


中型潜水艦「ピサニ」級から発展した構造を持つ、中型の機雷敷設潜水艦。965トン/1068トン。単殻、サドル・タンク構造。

元になった「ピサニ」級の「単殻・サドルタンク型」は設計が良くなかったせいで性能が今一つだったが、これを受け継いでしまったため性能は良くなかったとされ、35年に艦尾の短縮とサドル・タンクの増積を行った。機雷は艦尾から敷設する。戦時は機雷敷設よりも北アフリカ、東地中海(エーゲ海)方面への補給任務に従事し、二隻とも無事に大戦を終え48年除籍


速度は1500馬力(ディーゼル)/1000馬力(電動機)で11.5ノット/7ノット

兵装は533ミリ魚雷発射管4門(艦首)、102ミリ単装砲1基(司令塔前部)、13.2ミリ連装機銃1基(司令塔後部張り出し上)、機雷16〜24個


艦名は「マルカントニオ・ブラガディン」(Marcantonio Bragadin)が、今のキプロス辺りの島を増援が得られないままオスマン・トルコから一年にわたり防衛、最後は命の保証と引き換えに降伏したが惨殺され、遺体を見せ物にされたヴェネチアの提督。「フィリッポ・コリドーニ」(Filippo Corridoni)がムッソリーニと親交のあった右派活動家で記者らしいが日本では有名ではないらしくよく分からない…


艦娘の「ブラガディン」は薄幸そうな美人でトルコにアレルギーがあり、嘘をつかれるのが嫌い。コリドーニは戦前の記者らしい粋なソフト帽にメモとペンを持っている。艦名が活動家のせいか声も大きく「うるさい」と言われることもしばしば…

……… <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/06/14(水) 02:43:18.02 ID:sDuRnR4L0<> …ふぅ…以上で今日の投下は止めます。イタリア艦は艦名の由来になった人物を調べるのが大変で……イタリア語のつづりも出来るだけ書いておいたので、イタリア語が読める方でもし気になったら、調べてみても面白いでしょう… <> ◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/06/15(木) 01:46:19.39 ID:eVt8rufS0<> …午後・執務室…

提督「ふわ…ぁ」昼食はヴェネチアに縁のあるマルチェロたちに合わせて濃厚な「ヴェネチア風蟹のクリームパスタ」だったが、提督はそれをたっぷりと食べ、歓談しながらボトルを開けたせいか少しばかり量を過ごし、まぶたが閉じそうになっていた…

提督「午後の執務…までは時間があるわね……」上着を寝室の椅子に掛け、タイトスカートも脱ぐと下着姿でベッドに倒れ込んだ。ふんわりとしたタオルケットと羽毛の軽い布団が心地よく、掛け布団をめくり入り込もうとした…

リットリオ「失礼します、提督。いいですか?」軽やかなノックの音がすると、リットリオの可愛らしい声が聞こえた…

提督「あー…どうぞ?」

リットリオ「失礼しま…あ、お昼寝の時間でした?」

提督「いいわよ…なあに?」

リットリオ「はい…午前に行った訓練の結果報告です」

提督「あぁ、はいはい」ベッドの上で上半身を起こし、薄い黒のブラジャー姿で報告をめくった…

リットリオ「私も頑張りましたよ、提督♪」

提督「そのようね…よくやったわ♪」火力・速力・防御力の三拍子がそろったリットリオ級戦艦はさすがに成績もよく、提督はにっこりと微笑んだ

リットリオ「ところで…」

提督「ふふっ、分かってるわ…で、ごほうびは何が欲しいの?」


…訓練結果や出撃時の戦果、味方への支援や回避が優秀だった艦娘の「好きなお願い」を提督が聞いてあげる「ごほうび」は、艦娘たちが熱心なのでなくても構わなかったが、途中で止めるのも不公平だと思っていたので着任以来続いていた。…戦中の記憶もあるいい大人の「艦娘」たちとはいえ、そこは可愛いもので、たいていの「お願い」はお洒落なアクセサリーやちょっと高い化粧品、提督のキスや向かい合って「恋人のように過ごす夕食」などが多かった……


リットリオ「言っていいですか?」

提督「どうぞ?」

リットリオ「…提督と……したいです」少しはにかんだように言った…

提督「んっ?…もう一度言ってもらえる?」

リットリオ「…提督と…レズセックスしたいですっ♪」

提督「あー…まぁ、「ごほうび」なんだからよっぽど無理なお願いでもなければ聞くけど…夜にする?それとも今から?」

リットリオ「はい、今からです♪……実は…はぁ…はぁ…さっきから提督の……柔らかなお胸が揺れて…美味しそうで……たまりませんっ♪」普段は可愛らしい顔を情欲でたぎらせ、明るい色の瞳をらんらんと輝かせながら、ベッドにじりじりと近寄ってくる…

提督「そう?…うふふっ、いいわよ♪」ぱちりとウィンクをすると、布団をまくった…

リットリオ「嬉しい♪…では、リットリオ、行きますっ♪」


………




<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/06/16(金) 01:07:30.84 ID:NRg/73oB0<> …数分後…

リットリオ「んんぅ…ちゅぅ……ちゅるっ…ちゅぷ…っ♪」馬乗りになって深いキスをくり返すリットリオ…リボンとレースが豪奢な雰囲気の、お洒落な桃色の下着姿でまたがっている

提督「んふふっ…ちゅっ……んちゅぅぅ…ちゅるっ…れろ…っ♪」

リットリオ「ちゅる…んはぁ♪……提督…こっち…も♪」…ぷるんっ…ゆさゆさっ…黒いレースの高級そうなブラを外すと、提督の白い柔らかな乳房が外にさらされた……リットリオは舌で頬、首筋、鎖骨と舐める場所をずらしていき、ふっくらした先端に甘噛みした

提督「んんっ!…もう、お返し♪」ずっしりと重量感があって張りのあるリットリオの胸をつかむと、丁寧に揉みしだき、下から持ち上げて揺すった…

リットリオ「あうんっ♪…もう、提督のえっち♪」

提督「ふふっ…だってリットリオが可愛いから♪」…下から乳房をこねくり回し、同時に滑らかな脇腹をれろっ…と舐めた

リットリオ「…もう、我慢の限界ですっ♪」リットリオがそう言うと、ぶつっ…と理性の糸が切れた音がしたような気がした…

提督「我慢しなくてもいいのよ…って、リットリオ?…ちょっと?」はぁはぁと息づかいの荒いリットリオに黒のランジェリーを引き下ろされ、ぐっ…と開脚させられた…同時にリットリオは座り込むような体勢をとり、互いに向かい合うような形になった

リットリオ「ふふっ…提督のここ、綺麗ですねっ♪」ぐりっ、くちゅ…ぐちゅっ!…リットリオは白いふとももを交差させるようにすると秘部を重ね、激しい前後動をかけた…

提督「あっ…んっ♪……もう、いきなり激し…んんっ♪」

リットリオ「んはぁぁ…っ♪気持ちいいっ…提督っ、気持ちいいですっ♪」ぐちゅっ、ぐじゅっ、ぐちゅっ…提督の脚を両脇に抱え込むようにして、腰を滑らかにくねらせる…

提督「んぅぅ…それは、よかっ…あっ、あっ、あぁっん゛っ♪」

リットリオ「気持ちいい…っ、提督のここ…とろっとろで気持ちいいです…っ♪」結い上げたポニーテールをほどき、髪を振り乱しながら濡れた花芯を重ね合わせる…明るい真昼の寝室に激しい水音と、汗ばんだ肌が吸いつく音が響く…

提督「あっ、あっ…リットリオも、んんっ…暖かくて…柔らか…んぁぁっ♪」とろりと濡らした秘部をリットリオに押し付け、腕を投げ出して嬌声を上げている…

リットリオ「提督と…お昼からなんて……とっても、地中海的ですねっ♪」

提督「ふふ、そんなの…ここくらいなものよ♪」頑張った腹筋の成果で勢いよく上半身を起こすと、リットリオの滑らかな背中に手を回して唇を重ねた

リットリオ「んんぅ♪…ん、んっ……んふ…ぅ♪」

提督「んぅ…ちゅる…っ♪…んちゅっ…ちゅぷ……っ♪」

リットリオ「んんぅ…ぷは…ぁ♪……奇襲だなんて、ずるいです♪」

提督「ふふっ…これから攻勢に…回らせてもらうわね…っ♪」リットリオの背中から腰へと触れるか触れないか程度の軽いタッチで手を下ろしていき、指先が瑞々しいヒップまで来るとわしづかみにした…

リットリオ「きゃ…んっ♪」

提督「とろとろなのは…リットリオの方じゃない♪」くちゅ…ぐちゅっ♪……リットリオの濡れた花芯に提督自身の秘所を重ね合わせ、ゆっくりと擦る…

リットリオ「んぁぁっ♪提督…っ…あっ、あっ、ああんっ♪」胸を揺らし、汗を滴らせながら花芯を重ねて喜悦の声を上げた

提督「うふふ…っ、リットリオほどの超ド級戦艦とあろうものが、私みたいな小娘に喘がされて悦んじゃって♪」提督がみだらな気分の時だけ浮かべる、甘ったるいようないやらしい笑みを浮かべるとリットリオに腰を打ちつけた…

リットリオ「んんっ…あんっ♪……だって、提督のっ…んぁぁっ…気持ちいいっ♪」

提督「ふふ…リットリオ、大好きよ……愛してるわ…♪」ぞくぞくするようなささやき声で耳元にささやいた

リットリオ「そんなこと…っ、耳元で言われたらっ…また、イっちゃいます…っ♪」がくがくっ…とぷっ、とろっ♪

提督「気持ちいいでしょう?…もっとしてあげるわね、私のバンビーナ(小鹿)ちゃん…脚をがくがくさせて悦んでね♪…ふー…っ♪」

リットリオ「あぁっ、んあ゛あぁぁ…っ!」ぶしゃぁぁっ…♪


………




<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/06/16(金) 01:47:55.95 ID:NRg/73oB0<> …もう少し投下したかったのですが今日はこの辺で。…なかなか進みませんが提督×リットリオはしばらく続ける予定ですので待っていてください… <> ◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/06/16(金) 10:32:07.50 ID:NRg/73oB0<> 提督「んふふっ…可愛いわね♪」うなじに手をかけ、見つめあいながらつぶやくとリットリオの胸に顔を埋め、ぺろりともち肌を舐めまわした…甘い花とベビーパウダーの混じったような香りで頭がぼーっとなり、まともな考えも浮かばないでいる…そのまましっとりした乳房に甘噛みした

リットリオ「ひゃぁ…んっ♪……もう、リットリオだって負けませんよ♪」腕で挟むように胸を寄せ、片手で包むように優しく提督の頭を押さえつけると、ぷるんと張りのある乳房に押し付けた…

提督「んんっ…んぅ、んっ…んぐぅぅっ♪」リットリオの空いている右手、そのほっそりした白い指が秘所をかき回してくちゅりと水音を立てる…わざと大きい音が出るように指を動かし、可愛らしい笑みを浮かべるリットリオ…

リットリオ「あらぁ?…提督は私の腰をがくがくさせてくれるはずでしたよね…っ?」

提督「んぁぁっ♪…リットリオが……させてくれないから…っ……あ゛っ、あぁぁっ♪」…綺麗に切ってあり、表面もつるつるに磨いてあるリットリオの爪で花芯の核をぴしっ…とはじかれ、身体をけいれんさせながら悩ましげに絶叫した…

リットリオ「あぁっ、もう…提督、可愛いっ♪」濡れそぼった花芯に長い指を突き入れ、くちゅくちゅっ…とかき回す

提督「あ゛ぁ゛ぁっ♪…いいわ…っ、リットリオ…もっと……♪」

リットリオ「ふふ…では、主砲斉射、行きますっ♪」ほっそりした人差し指と中指をとろりとした秘部に突き入れた

提督「んぁぁぁっ♪」ぶしゅっ、とぷっ…とろとろっ♪……脚を引きつらせ、白いむっちりしたふとももを震わせながら蜜を噴き出した…

リットリオ「リットリオの381ミリ主砲はいかがですか…て・い・と・く♪」ぐちゅっ、ぐちゅぐちゅっ!

提督「…んふふっ」

リットリオ「…何かおかしかったですか、提督?」

提督「ふふ…だって♪……リットリオの主砲は連装だったの?…せっかくなら三連装で斉射して♪」

リットリオ「そういう…ことを言うと、私……止まりません…よっ♪」じゅぶ…っ、ぐちゅっ…じゅぶっ!

提督「んぁぁぁっ♪いいわよ、リットリオ…止めないでっ…ほら、もっと♪」

リットリオ「はぁ、はぁ…提督っ、いやらしくて…可愛いっ♪」

提督「はぁぁんっ!…リットリオ、ほら…着弾修正しないと…っ♪」重ねた指をことさら繊細な場所に誘導する…

リットリオ「ふふっ、ここが提督のクリティカル・パートですね…じゃあ、リットリオ…全装薬で行っちゃいます♪」ぐちゅり、じゅぶぅぅっ!

提督「ああ゛ぁ゛ぁっっっ!!…リットリオぉ…いいのぉ…っ♪」ひくんっ、びくびくっ…と身体を浮かせてリットリオの手とふとももに蜜をぶちまけた…が、みだらな微笑みを浮かべて、また指を案内した

リットリオ「もう、提督ったら…とっても、いやらしいっ♪」

提督「あら、そういうのは嫌い?」

リットリオ「いいえ…大好きですっ♪」ぐちゅ…じゅぶっ!

提督「んあぁぁっ♪」


<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/06/17(土) 01:42:22.93 ID:9zJoGm200<> 提督「だけど…普段は真面目なリットリオがこうも乱れていると……」

リットリオ「…ちょっと、幻滅しちゃいました?」

提督「いいえ?…むしろ、とってもいいわ♪」

リットリオ「もう、提督の変態っ♪」

提督「ふふ…リットリオが可愛いからいけないのよ?」

リットリオ「あ、そういう言い訳はずるいですよ…っ♪」

提督「だって…ねぇ♪…普段は可愛いリットリオが絶頂しながらいやらしくねだって…ここだって……もう、とろとろでしょう?」

リットリオ「あぅ…そう言われると……は、恥ずかしいです///」

提督「じゃあ…もっと恥ずかしいこと……しちゃいましょうか♪」ねっとりと濡らした二人のふとももは身体を動かすたびに、ぐちゅ、にちゃ…とみだらな音を立て、欲望をかきたてた…提督はベッドから起きるとリットリオを窓辺に連れて行き、開け放っていた窓の枠に両手をつかせた…

リットリオ「あの…っ、これ、外から見えちゃいます…っ///」暖かい風に裸身をさらすと、振り向いて頬を真っ赤にして抵抗した…

提督「それがいいんでしょう?」…形ばかりは嫌がるそぶりを見せつつも、リットリオはわくわくしたような表情で両手を窓枠につき、腰を突きだして誘っている…

リットリオ「も…もう……恥ずかしくて…どうにかなってしまいそうです♪」そう言いつつも花芯をとろりと濡らし、提督が腰をあてがい、指でヒップをなぞると嬌声をあげた

リットリオ「ふわぁ…ぁぁっ♪…見られちゃうかも知れないのに…っ、気持ちいいっ♪」

提督「んふふっ、遠慮せずにイっちゃっていいわ♪」ぐちゅぐちゅっ、じゅぶ…じゅぶっ♪

リットリオ「あっ、あっ、あぁぁぁっっ♪」

<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/06/17(土) 11:32:36.12 ID:9zJoGm200<> 提督「風が気持ちいいわね♪」…後ろからリットリオを抱き、くちゅりと秘所をかき回した

リットリオ「んぁぁぁっ!…もっとぉ、奥までかき回して…っ♪」…外では数人が日光浴や庭の手入れを楽しんでいて、見られるかもしれないと思うと秘部がきゅん…とうずいた

提督「そんなに大きい声を出すと…聞こえちゃうかも知れないわね♪」

リットリオ「はぁぁんっ♪…それでも、いいですからっ…もっと…私の膣内……とろけさせて下さいっ♪」

提督「はいはい、分かってます♪」…ぐちゅ、ぐちゅっ♪

リットリオ「んはぁぁぁっ!…ああっ、ひぃぃんっ♪」

提督「ふふ…そんなに大きい声で絶頂してると、気付かれるわよ?」

リットリオ「だって…ぇ、気持ちいいっ♪…あひっ、ひうっ…ひぐぅぅっ!」

提督「ふふ…♪」


…窓辺で腰を突きだし、床に水たまりを作って悦んでいるリットリオと、その後ろからすんなりした指を突き入れ、花芯を重ねてはリットリオを喘がせている提督…二人の白い肌はしっとりと濡れて、身動きするたびに汗がしたたる……と、そこにノックの音が響いた…


提督「はい、だあれ?」言いながらもリットリオの肩甲骨の間を舐めあげ、びしょびしょの秘部を水音も高くかき回した…リットリオは声を抑える努力もしないで喘ぎ、腰をがくがくさせている…

声「デュイリオですが…入ってもよろしいですか♪」…ドアの外から聞こえてきたのはデュイリオの声で、普段の優しく甘い声に混じって、いたずらっぽい響きも混じっていた

提督「ふふっ…どうぞ♪」

リットリオ「だめです…っ、みられちゃいま…ああぁぁっ♪」

デュイリオ「失礼します♪…あら、お楽しみの最中でした?」にこにこしながらぺろりと舌なめずりをしてみせた…

…鎮守府の戦艦群は武人ではっきりした性格のチェザーレ、最近はすっかり甘々なドリア、おっとりしていて控えめなカヴール…と、性格はばらばらだが、デュイリオは欲望に忠実で、ただれた甘い関係が大好きだった。…提督の着任直後はまだ控えめだったのか、ドリアに機会を譲っていたデュイリオだったが、提督が百合を公言しドリアも甘百合体質になって以来、にじみ出るような大人の色気で提督を誘惑し続けていた……近頃はカヴールやライモンも、朝方ベッドに誰かがいることにすっかり慣れっこになっていたので、デュイリオは数日おきに提督と夜を共にし、すっかり「夜の秘書艦」扱いだった…

提督「ええ♪」

デュイリオ「あらあら…とってもいやらしくて、可愛いですねぇ♪」デュイリオは淑女の優しさとみだらな色気が混じった微笑みを浮かべてリットリオのあられもない様子を眺めた…

リットリオ「ひぅぅぅっ♪…み、見ないでくださいっ///」そう言いつつも悦んで蜜を垂らし、腰をがくがくさせている…

提督「もう…こんなに可愛いんだもの、我慢なんてできっこないわよね♪」

デュイリオ「ええ♪…とろとろに濡らして、ふとももまで蜜でべとべとじゃありませんか♪」…リットリオの白いレースのストッキングが濡れて張りつき、丸いヒップが誘っているように揺れた

リットリオ「あぁぁっ…そんなに言われると…っ///」とろけた顔でよがりながら蜜を垂らし、提督に「もっと…ぉ♪」とねだる

提督「デュイリオ…一緒にいかが?」

デュイリオ「まあ、提督ったら♪…午後の執務に差し支えますよ?」そう言いつつもくねるような動きで淡い灰色の袖なしタートルネックとスカートを脱いで椅子にかけ、ハイヒールに黒いガーターベルトとストッキング、レースの際どいランジェリー姿で近寄ってきた…

………










<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/06/18(日) 01:51:01.72 ID:iGP3hdzc0<> …

デュイリオ「それでは…ん…んふ…っ♪」リットリオの花芯を後ろからかき回している提督…肩口から顔をひょいとのぞかせ、振り向いた提督とねちっこいキスを交わした…

提督「んんぅ♪…んちゅ…ちゅっ、ちゅる…っ♪」

デュイリオ「んちゅぅぅっ…ぷは♪……提督もリットリオの事を言えませんね♪」トロ顔で蜜をしたたらせ、甘ったるい声でリットリオと一緒になって乱れている様子を見て、デュイリオはからかった…

提督「だって…リットリオったら攻めも受けもすごくいいんだもの…ぉ♪」

デュイリオ「さすがリットリオ、三拍子揃った超ド級戦艦の面目躍如ですね♪」

リットリオ「あひっ…あふぅぅっ…そんなの、いいですから…私の事、もっとイかせてくださいぃ…っ♪」

提督「私も…っ♪……デュイリオぉ…♪」

デュイリオ「んふふっ…ではリットリオ、振り向いて下さい♪」

リットリオ「は、はい…んんっ///」頬を紅潮させ、内股になった脚をぐっしょりと濡らしながら恥ずかしげに振り向いた…困ったような表情の混じったトロ顔がいやらしく、デュイリオの気分をそそった…

デュイリオ「うふふ…提督もリットリオも可愛いですよ……さてと♪」提督を後ろからリットリオに押し付けた

提督「あんっ♪…リットリオの胸…温かくてすべすべ……で、こっちは…とろとろっ♪」思い切り抱きつく形になると、ずっしりした重量感のある乳房に頬ずりしながら腰に手を回し、秘部を重ねて優しくねっとりと動かした…

リットリオ「あひぃぃっ…ひぃぃんっ♪…提督のここだって、びちょびちょです…っ♪んちゅ、じゅるっ、じゅるぅぅっ♪」リットリオも普段の真面目さをかなぐり捨て、発情したように秘所をあてがい、涎を垂らしながら乳房にむしゃぶりついた…

提督「んっ、んはぁぁぁっ♪…だって、リットリオが可愛いから…っ、んぁぁぁっ♪」とろっ…ぶしゃぁぁっ♪

デュイリオ「ふふ…お二人とも、いやらしくて可愛いですよ…では、リットリオ♪」

リットリオ「はい…っ♪」ずりゅっ、ずりっ♪…デュイリオとリットリオは提督をサンドイッチして、身体を滑らかに動かしつつ、同時にとろけきった花芯に指を突き入れた…大柄な二人に挟まれつま先立ちになった提督は、ひくひくと身体をけいれんさせながら蜜を噴き出している…

提督「んぁぁぁっ♪…これ、いいっ♪二人に挟まれて…っ、気持ちいいの…ぉ……イくっ、イぐぅぅぅっ♪」

リットリオ「提督…、好きですっ♪」

デュイリオ「ふふっ、私は……提督のこと…めちゃくちゃにしたいです♪」

提督「リットリオ…デュイリオ……じゃあ、私のこと…めちゃくちゃにして♪」リットリオにキスをすると後ろを向いてデュイリオにウィンクした…

デュイリオ「ふふ…もう、押さえられませんよ♪」ぐちゅぐちゅっ、じゅぶっ…ぬちゅっ、ぐちゅっ♪

リットリオ「私も…理性……吹き飛びました…っ♪」じゅぶじゅぶっ、ぐじゅっ…じゅぶぅぅっ♪

提督「あっ、あっ、あっ…いいっ♪…もっと、もっとぉ♪」

デュイリオ「あんっ♪そんなに誘惑しちゃ駄目ですよ…窓辺で、みんなに見せつけたくなっちゃいますから♪」

提督「いいの、お願いっ♪…みんなにも聞こえるようにっ、窓辺でイかせ…て♪」

デュイリオ「あぁ、もう…可愛いですねぇ♪」望み通りに窓辺で喘ぎ声を上げさせながら、激しく責めたてた…

リットリオ「私も…ぉ、イきますぅぅっ♪」前で提督とイかせあっていたがとうとう膝が笑ってしまい、床にできた愛蜜の水たまりにへたり込んだ

提督「あぁっ、また…っ、イくぅぅっ♪」ぶしゃぁぁっ♪…またとろっとした蜜を噴き出すと、ちょうどへたり込んでいたリットリオに浴びせたようになった

リットリオ「あんっ…提督にシロップをかけられちゃいました♪…もう、リットリオはお菓子じゃありませんよ♪……でも…ちゅるっ…とろとろの蜜…おいひいれす…っ……じゅるぅぅ…っ♪」手首に垂れた蜜を舐めあげると、へたり込んだまま崩れた笑みを浮かべた…

提督「私も……もう…あぁぁんっ♪」がくがくと腰を動かすと、そのままデュイリオに身体を預けて脱力した…

デュイリオ「あら…二人とも、もうおしまいですか?……ふぅ…ちょっと物足りないですので、ドリアの所に行ってきます♪…二人とも、とっても良かったですよ♪」べとべとになったランジェリーをみだらに腰をくねらせて脱ぐと拾い集め、見事なプロポーションの身体に直接スカートとタートルネックを着ると出て行った…

提督「あ…腰に力が入らないわ。…後片付け……どうしようかしら」

リットリオ「ふふ…提督……カヴールさんが来るまで、一緒にいましょう♪」

提督「ふふふっ、そうね。…リットリオ、ごほうびはこれでよかったかしら?」

リットリオ「はい♪」

………


<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/06/18(日) 01:55:12.12 ID:iGP3hdzc0<> …途切れ途切れの上、ずいぶん時間がかかりましたが、提督×リットリオ(むしろデュイリオ×提督とリットリオ?)でした。今度は日常生活を挟みつつ潜水艦×駆逐艦の予定ですので頑張ります… <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/06/18(日) 14:09:10.74 ID:25mipyaWo<> 乙ですマイペースでよろしいかと <> ◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/06/19(月) 00:17:55.48 ID:9Fo5fmi80<> >>604 そう言ってもらえて感謝です…何しろ遅筆なもので…

では、少しばかり投下していきます <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/06/19(月) 01:39:25.82 ID:9Fo5fmi80<> …夕食後・バーカウンター…

提督「ふー…今日の夕食も美味しかったわ。…ところでカヴール。午後は片づけを手伝ってくれてありがとう♪」

カヴール「ふふ…提督のためですもの、いいですよ……ちょっと恥ずかしかったですけれど///」

提督「あー…まぁ、そうよね。…今度、何でもしてあげるから♪」

カヴール「お気になさらず…でも、そう言ってくれるのなら……また、ベッドに誘ってくださいね♪」頬に軽くキスをすると、にっこりと微笑んだ…

提督「ふふっ、毎日でもいいわよ♪」…また視線を感じた提督は、そちらを向いてウィンクを送り、手を振った

カミチア・ネラ(ソルダティ級)「///」

バンデ・ネーレ(ジュッサーノ級軽巡)「///」


…窓辺で喘いでいた提督の「昼下がりの情事」は当然見られていて、夕食時はずっと熱っぽい視線(多数)と非難するような視線(ほんの少し)を浴びていた…特に庭で花壇の手入れをしていたソルダティ級駆逐艦の数人と、海軍だけではなく高級な色街も有名だったヴェネチアの提督たちであるマルチェロ級大型潜、美麗な姿と美しい言葉使い…そして美女と美少女が好きなフルット級中型潜は余すところなくそれを見ていた…


提督「もう♪さっきから視線が集まって来てるけど、どうしたのかしらね」分かっていながら冗談めかす提督

…昼下がりで窓を開け放ち、しかも「聞こえるように」窓辺でまぐわっていた提督たちなので、当然声も響いていた…部屋の近いドリアやエウジェニオはわくわくしながら提督とリットリオの痴態を想像し、ライモンやアオスタのような真面目な艦娘たちは恥ずかしいやら、うらやましいやらで真っ赤になっていた…

カヴール「ふふ…もう、提督ったら分かっているでしょうに♪」

提督「えー?何の事かしら♪」

トーティ(バリラ級大型潜)「あらあら…提督ったら。いやらしい声で、お母さんもむらむらしちゃったわ♪」

デルフィーノ(スクアロ級中型潜)「ええ、本当に…お昼は提督のお声で…デルフィーノ……何回も…イっちゃいました…ぁ///」

提督「うふふっ、そう?じゃあ、デルフィーノ…今度は、私が気持ちよくしてあげましょうか?」

デルフィーノ「あっ、あっ♪…そんなこと言われたらぁ…デルフィーノ、くちゅくちゅしたくなっちゃいます…ぅ♪」グラスを置いて、右手を脚の間にそろそろと伸ばしていく…

エウジェニオ「あらぁ、可愛いイルカさん…よかったら手伝ってあげるわよ♪」肩に手を回して、反対の手で滑らかな腰を撫でつつ顔をのぞきこんだ

デルフィーノ「いいんですか…じゃあ、お願いします…ぅ///」

エウジェニオ「いいわよ♪…それじゃあ、提督…お休み♪」デルフィーノの腰に手を回し、さっそうと出て行った…

提督「あらら…取られちゃったわね♪」

バリラ「提督さんは、お母さんじゃ嫌かしら?」メロンの目方を計るように下からずっしりした乳房を揺すってみせた…

ドリア「もう、提督ったら…ドリアは熱々ですよ、夜食にいかがですか♪」スリットの深いカクテル・ドレスをちらりとめくってみせた…

提督「んふふっ…もう、目移りしちゃうわ。どうしようかしら♪」にやけきったままカクテルをすすっている

カヴール「ふぅ、まったく…提督ったら♪」ブランデーをちびちび舐めながらくすくす笑った…

……… <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/06/19(月) 02:30:45.49 ID:9Fo5fmi80<> …一方・食堂の反対側…

セラ「もう一杯行きましょう♪」…駆逐艦たちと乾杯をくり返していたセラ級の二人…最初は周囲の駆逐艦たちも気分よく唱和していたが、時間がたつにつれて次第に退席していき、残っている艦娘たちもすっかりげんなりしている…

クリスピ(セラ級)「うん…もう一杯♪」とく、とく、とくっ…と何本目かの「リモンチェーロ」を注いで、レモンを絞った…グラスを電燈にかざして黄色を楽しむと、きゅーっと飲み干した…

セラ「んー、美味しいっ♪」

サウロ「私は…もう、いいわ……」

カルドゥッチ(オリアーニ級)「私も…身体が熱い……」

セラ「えー、そうですか?…美味しいのに♪」

オリアーニ「もう…セラ、クリスピ、割ってみたり氷を入れたりしてたにしても、いい加減多いわよ」

カラビニエーレ(ソルダティ級)「その通り、飲み過ぎは罪よ!」

セラ「こんな甘いお酒が、そんなに強いわけないじゃないですか♪…真面目で可愛いカラビニエーレに、乾杯っ♪」(※リモンチェーロ…度数約30%)

クリスピ「乾杯♪」

カラビニエーレ「もう、人の話を聞きなさいよ…!」


………

…同じ頃・アメリカ艦の部屋…


フレッチャー「ワッツァ・ファック!(マジなの!?)」部屋でミッチャー提督に借りたカタログをめくっていたフレッチャーがいきなり叫んだ

エンタープライズ「何、どうしたの!?」慌てて本を閉じ、駆け寄ったエンタープライズ…

フレッチャー「何なのこれ!?…ほとんど着てないじゃない!…こっちだってまるで紐よ!?」フレッチャーが見ていたのは新しい「ヴィクトリアズ・シークレット」のカタログだった(※「ヴィクトリアズ・シークレット」…アメリカで有名な女性向けセクシー下着のカタログ。下着だけでなくモデルも魅力的だと、たいていのアメリカ軍艦の士官室には常備されている…らしい)

エンタープライズ「あぁ、ヴィクトリアズのカタログ…40年代の下着と見比べると良識がないわよね」

フレッチャー「本当よね…もう、最高♪」食い入るようにページをめくりながら、煽情的なモデル…と下着を眺めている

エンタープライズ「どれどれ……ヒューゥ♪」褐色で肌がてらてらしているようなモデルが、紫やピンク色のランジェリーを着ている…エンタープライズも時々ミッチャー提督から借りて眺めてはいたが、今回のはなおの事派手だった…

フレッチャー「これなんて透けてるじゃない!」

エンタープライズ「こっちは肝心な部分がほとんど隠れてないわね♪」

フレッチャー「うん…イカしてるわ♪」興奮して次々とページをめくった…

エンタープライズ「ま、楽しんでちょうだい♪」

フレッチャー「ええ。すっごい…わ♪」

……… <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/06/20(火) 00:47:40.04 ID:iYtdK/KL0<> …同じ頃・日本艦の部屋…

百合姫提督「さ、すわって座って♪」…足柄と龍田の部屋にお邪魔している百合姫提督は紫陽花模様の浴衣で髪を結い上げて、「何でも入っている」ような巾着袋を小さい丸テーブルの上に置いた

龍田「準備できたわよぉ…♪」衛星放送にチャンネルを替えると、畳の上でよいしょ…と座りなおす

足柄「何だかんだで好きなのよね、この番組」

百合姫提督「そうね、数日遅れだけど…あ、始まったわ」…三人で肩を寄せ合ってテレビに向かった


…テレビには瓢箪を半分に切ったような島が映っている。海辺で数人の艦娘と提督らしい一人の女性が火をおこし、取ってきた貝や魚を炙っている…


テレビ「んー、おいしいもんやねぇ♪」提督らしい女性が柔らかい関西弁で焼き貝をほじくり出している

テレビ「リーダー(提督)のお肌にもいいんじゃない?」艦娘の一人が自分の貝を食べながら言った

テレビ「そうやねぇ…ありがとうな♪」

テレビ「…貝の栄養が疲労気味のアラフォーに染みる…が、今回は更なる恵みを求めて提督が奮闘する!」(ナレーター…平野義和)

テレビ「艦娘島…TAKAOは無人島を開拓できるか!!」


…企画で無人島を開拓することになった重巡系アイドルグループの「TAKAO」……関西弁でお疲れ気味のリーダー(提督)、何でも器用で頼れる姉貴分の高雄、人好きのする笑みで何となく憎めない愛宕、意外と不器用な鳥海に、かっこいい事をいうが結構適当な摩耶。この五人が作物を作ったり、焼き物を焼いたり、魚を取ったりするこの番組は、アイドルらしくないほど熱心に作業をする様子が受けて人気だった……


百合姫提督「始まったわね」

龍田「ふふ、今回も面白そう♪」

足柄「重巡つながりなのか、なんか親近感あるのよねぇ」…そう言っている間にも、漁をしたり小屋を作ったりと忙しい「TAKAO」とリーダーの提督


テレビ「高雄はさすがねぇ…私たちなんてなにもしてないもん」

テレビ「ね…あたしたちなんて口だけだもんね」

テレビ「いやさ、でも結構頑張ってない?…マジで」

テレビ「て言うかリーダー、もうへばってるし…しっかりしてよね」


足柄「確かに、もうへろへろじゃない」

龍田「それでも仲のいい雰囲気なのが面白いわよねぇ…♪」

百合姫提督「そうね…私もはたから見たら頼りない感じなのかしら?」

龍田「そんなことないわよぉ?」

足柄「そうよ!提督は最高なんだから自信を持ちなさい!」

百合姫提督「あら…嬉しい…///」


……… <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/06/20(火) 01:27:10.40 ID:iYtdK/KL0<> …その時・フランス艦の部屋…


ジャンヌ・ダルク「おぉ…相変わらず面白かったです」…本を読み終え、一人で感心している

リシュリュー「ほう…何を読んでいたのです?」

ジャンヌ「はい、フランスの生んだ大傑作…「ダルタニヤン物語」です!」…銃士隊見習いの田舎剣士から元帥に至るダルタニヤンの栄達を描く長い物語…その最初の部分「三銃士」は特に痛快な歴史・剣豪小説で、フランス以外でも愛読者が多い…

リシュリュー「なるほど…」それを聞いてもいまいちさえない表情をしているのは、艦名の由来になった「リシュリュー」が敵の黒幕扱いだからか……リシュリュー自身は歴史に残る名宰相である…が、老練な策略家のイメージが強すぎるのか、あまりいい人間として描かれないのが気になるらしい……

ジャンヌ「あ…その、申し訳ありません」

リシュリュー「いやいや…お気になさるな」…謝ろうとするジャンヌに「気にしていない」と、鷹揚に手を振ってみせた

ジャンヌ「……リシュリュー殿は何を読んでいたのです?」

リシュリュー「わたくしめはこれですよ」持ち上げて表紙を見せた…

ジャンヌ「えー…と「夜間飛行」ですか」

リシュリュー「サン・テグジュペリの短編ですが、味わい深い、いい文章ですよ」

ジャンヌ「読んだことはあります…短い中に濃縮された言葉はフランス語の精緻を極めた素晴らしいものでした!」

リシュリュー「ふふ…他のもお読みになるといいでしょう」

ジャンヌ「はい、そうします!」

リシュリュー「あぁ、結構ですな♪」

ジャンヌ「…ところで提督は何をなさっているのでしょうね?」

リシュリュー「ふむ…おおかたイタリアの提督と戦術論でも戦わせているのでしょう」

ジャンヌ「!…ならばこのジャンヌが助けに行かなくては!」

リシュリュー「少しお待ちなさい、ジャンヌ…提督が貴女を必要とする時は必ず呼んでくれます。早まっては戦を失いますよ」

ジャンヌ「む…それもそうですね」

リシュリュー「さよう。…切り札は最後まで取っておくから切り札なのです」

ジャンヌ「…ですが、わたくしはたかだか練習巡洋艦……提督の切り札になっているでしょうか?」

リシュリュー「無論ですとも…提督は貴女を一番大事に思っていますよ」

ジャンヌ「…わ、わたくしがコマンダン(司令官)の一番…っ///」

リシュリュー「ええ…そうですとも」

ジャンヌ「わたくしが…提督の…っ///」

リシュリュー「ふふ…確かにジャンヌは「一番」ですよ……わたくしめは提督の「特別」ですから…♪」優越感に浸りながら、小声でつぶやいた…

……… <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/06/20(火) 01:55:46.24 ID:iYtdK/KL0<> …今日はここまでで終えようと思います。潜水艦×駆逐艦はもうちょっとしたら投下したいと思っていますが、まだまだ紹介していない潜水艦がたくさんいるので、そっちも進めないと……


あと、補助艦や特設艦艇は詳細もよく分からない艦が多いので、とりあえず形ばかり紹介することになるかと思います…待っていて下さいね
<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/06/21(水) 01:42:02.62 ID:w4x/WgIH0<> …ある日…

提督「んー…執務なしの朝はいいわね♪」

カヴール「ええ、頑張ったかいがあります」にこやかにうなずくカヴール

提督「そうね。…あ、せっかくだから訓練の様子を見に行きましょう♪」…前夜にコンピューターとにらめっこしながら任務報告や新着艦リストを作り上げ、専用のアタッシュケースに入れておいた提督……時間もあるので午前中は訓練の様子を確認しようと思い立った…


………

…波止場…

提督「おはよう、みんな」…カヴールを連れて提督が波止場に行くと、ソルダティ級駆逐艦第一グループの「アルピーノ」「アヴィエーレ」「ベルサリエーレ」「ランチエーレ」の四人が準備をしていた…


アルピーノ「おはようございます。山に登りたくなるようないい天気ですね♪」そう言って「アルピーノ」(山岳兵)は羽飾り付きのチロル帽をかぶりなおした…

ランチエーレ「おはよう、提督…波もないし、これなら転覆しないで済むよ!」…42年3月、マエストラーレ級の「シロッコ」と一緒に荒天下で転覆したことがある「ランチエーレ」(槍騎兵)はそう言ってからからと笑って見せた

アヴィエーレ「うん…確かにいい天気だ。こんなにいい天気だと飛びたくなるね」サングラス、後ろに撫でつけた髪、斜に被った軍帽にお洒落なスカーフと「アヴィエーレ」(航空兵)らしく小粋にめかしこんでいる…

ベルサリエーレ「ふふ…駆け足なら任せておいてね」…頭には雄鶏の黒い尾羽で作った羽飾り「ピウーメ」を付けた特徴的な熱帯帽をかぶり、軍用ラッパを腰から提げた「ベルサリエーレ」(狙撃兵…選抜された歩兵の事で「スナイパー」ではない。軽装甲部隊の意味合いもある)


提督「調子もよさそうね…ところで、だれか私を乗せてくれない?」

アルピーノ「えっ?」

提督「訓練を直接体験してみたいのだけど…どうかしら?」

アルピーノ「いや…まぁ、艤装を完全展開すれば当時の大きさになる訳だし、それなら乗れないこともないけど……」

カヴール「訓練弾なら危険も少ないでしょうし…乗せてあげてもらえませんか?」

ベルサリエーレ「うーん、乗せるのはいいけど……誰が乗せる?」

アヴィエーレ「なら私が波に乗せてあげるよ…提督♪」

ランチエーレ「ちょっと待った!…提督、私と48000馬力の馬に乗って海原を駆けてみない?」

アルピーノ「ねぇ、提督♪このアルピーノがアルプスより白い波の頂を見せてあげるけど?」

ベルサリエーレ「ちょっと、三人とも!…提督、この戦場を駆けるベルサリエーレが貴女を乗せてあげるわ♪」

提督「あら…どうしようかしら♪」

カヴール「困りましたね…」





<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/06/23(金) 01:04:05.69 ID:VdZNPu4P0<> ランチエーレ「…この「槍騎兵」に文句があるなら、槍でぶすりと貫いてあげるけど?」短槍をきゅっ…としごき、小脇に抱えた

アルピーノ「ソ連軍さえ恐怖した「白い悪魔」こと、「モンテ・チェルビーノ大隊」は山岳兵だけど?」

ベルサリエーレ「ふーん…軍の華、「ベルサリエーリ」にかなうと思ってるの?」

アヴィエーレ「はいはい…こっちは空の上から高みの見物としゃれこむよ」そう言いながら提督の側に一歩近寄った

カヴール「…提督」

提督「…そうね」

アルピーノ「決まったの!?」

提督「ええ…カヴール」

カヴール「はい、何でしょう?」

提督「…乗せて?」

カヴール「えっ、ええ?」

アルピーノ「待って、戦隊司令は私よ!?」

提督「言い争いをするようでは訓練に支障が出るし…喧嘩した罰として貴女たちの誰にも乗りません」

ベルサリエーレ「そんなのってないわよぉ!」

アルピーノ「そうよ…みんな提督を乗せたいだけなの!」

アヴィエーレ「参ったな……とばっちりを食らうとはね」

ランチエーレ「…悪かったわ…謝るから許して?」

提督「私に謝る前に、姉妹同士で謝りなさい?」

アルピーノ「う……みんな、私が先任として治めなきゃいけなかったのに…悪かったわ」

ランチエーレ「いえ、こっちも槍を構えたりしてごめんね」

ベルサリエーレ「こっちも悪かったわ…」

アヴィエーレ「すまないね…澄ました態度でさ」

提督「はい、よろしい……訓練が終わったら順繰りに乗ってあげるから、ね?」

アヴィエーレ「本当かい?」

提督「嘘は言わないわ」

アルピーノ「やった♪…じゃあ、手早く片付けるわよ!」

ランチエーレ「任せて!」

ベルサリエーレ「なら、駆け足で行こうか!」

提督「じゃあ私はカヴールから観戦させてもらうわ…頑張ってね♪」

アルピーノ「了解っ!…各艦、抜錨!…前進微速、沖合にて艤装を完全展開!」

提督「…じゃあカヴール、沖合まで連れて行って?」カヴールの首に手を回し、「お姫様抱っこ」の形でつかまる提督

カヴール「は、はい///」…一部の艤装を展開しつつ、頬を赤らめている…

………





<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/06/23(金) 02:31:40.35 ID:VdZNPu4P0<> …沖合数キロ…

カヴール「さぁ、提督。私の中へどうぞ…///」脇に立って艦橋に案内する…高さ数十メートルにそびえるプリエーゼ式円筒型艦橋は堂々としていながら、モダンで美しい…

提督「ええ……意味深に言わないで欲しいわね?」

…艤装を「完全展開」した各艦はありし日の艦影そのままで、白黒写真でしか見たことのなかったその姿に感動しつつ、提督は艦橋に入った…

提督「…こんなふうになっていたのね」広い艦橋には、舵輪、羅針盤、伝声管、敵味方識別表……操艦と艦隊指揮に欠かせない機材が並び、双眼鏡や連絡板をもった白い詰襟姿の海軍士官たちの姿が見える…

カヴール「ええ…きっと私の記憶が再現されているのだと思います……だから現代の艦は「艦娘」になれないのでしょうね」

提督「ワインと同じで「熟成」していないといけないのね…」

カヴール「ええ…さぁ、こちらへどうぞ?」

提督「ありがとう」艦隊司令官の立ち位置に案内され、双眼鏡をつかんで周囲を眺めた…アルピーノをはじめとする駆逐隊は白波を切り、単縦陣で進んでいる……

提督「見事なものね…」

カヴール「ええ、見るたびにそう思います」…と、先頭のアルピーノから信号旗が揚がった

提督「…戦隊司令よりカヴールへ、これより訓練水域…対潜訓練を開始す」

カヴール「了解。潜水艦たちにはすでに伝えてありますから、私たちに向かって魚雷は来ません…このまま艦橋で観戦なさっては?」

提督「そうね、司令塔は周囲が見にくいものね」

カヴール「ええ」


…待ち受けるフルット級中型潜水艦は四隻で、どこかに潜んで駆逐隊を待ち受けている。…とはいえ、同数の潜水艦と駆逐艦では潜水艦に分があるので、潜水艦側は二隻づつの交代で仮想敵を務めることになっていた…


提督「んー…散開して対潜スクリーンを形成するつもりね」…残念なことに大戦中のイタリア艦は電子兵装の開発が遅れていて、性能の悪い音波探知機しか備えていなかったので、米・英艦のように手際よく見つけるという訳にはいかない

カヴール「フルット級は小回りも効きますし、見つけてからもなかなかの難敵でしょうね」

提督「そうね……んっ?」くさび型に近い陣形で側方警戒をしている駆逐隊の斜め後方、穏やかな波の間に揺れる黒い物がちらりと見えた…フルット級の潜望鏡は駆逐隊を認めると素早く沈んだ……

カヴール「…アルピーニたちは気づくでしょうか?」

提督「どうかしら。…あっ!」四本の白い雷跡が駆逐隊の斜め後方から扇型に伸びていく…と、ぐーっと艦首波を上げて四隻が急回頭した。信号旗がマストにするするっ…と揚がり、アルピーノたちは悠々と魚雷をかわした…

カヴール「あら、フルットたちにしては焦り過ぎな気もしますね…駆逐艦相手では真横でも命中は難しいはずですが」

提督「そうね…素早い駆逐艦相手には不意打ちしかないけど……ちょっと角度が悪かったわね」


…アルピーノたちは雷跡から発射位置を推定すると二隻が全速で向かい、高速では自艦のノイズで聞こえなくなってしまう音波探知機のために、二隻が低速で左右から網を狭めていく…直上まで来ると少量の火薬のみでできた、ドラム缶型の訓練用爆雷をゼロ深度で投下する…


提督「うん…いい動きね」艦尾の航跡に交じって訓練用爆雷の水柱が上がる…二隻は回り込みつつ、三角形の効果範囲をつくるよう爆雷を投下する……

カヴール「そうで…提督っ」カヴールが駆逐艦の奥を指差した

提督「あっ!」双眼鏡の視界に映っているのはするすると伸びていく雷跡で、低速で索敵している方の駆逐艦を狙っていた…

提督「…やられたわね」弾頭なしの訓練用魚雷がごつんとぶつかり、ベルサリエーレから「戦闘不能」の旗が揚がる…

カヴール「撃った方は囮ですか…なるほど」駆逐艦が最初に撃った潜水艦に向かうことを読んだ上で、その側面、しかも音波探知機の探知距離外に潜んでいた手際の良さに感心している…

提督「フルットはヴェネチアでずいぶん鍛えられているから…さぁ、アルピーノは三隻でどう反撃するかしら?」

…見ている間にもアルピーノは白波を蹴立て、全速で回頭すると発射点に向かい爆雷を投下した…その間もアヴィエーレは音波探知を続け、二隻の潜水艦を失探しないよう押さえ込む…が、爆雷が投下されると音波探知機は役に立たなくなるので、その間にアルピーノと役割を交代し、加速して爆雷を連続投下する…

提督「あら…アヴィエーレが一隻仕留めたみたいね」見ている間にもざーっと海水をどけながら潜水艦の黒っぽいシルエットが出てきて、マストに「戦闘不能」の旗を揚げた…

<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/06/24(土) 00:07:24.35 ID:8plC8kyK0<> カヴール「さて、一隻だけでどう戦うのか…興味はありますね」

提督「そうね…フルットたちの訓練でもある訳だし」…そう言っている間にも急回頭に次ぐ急回頭、爆雷投下に次ぐ爆雷投下が続いたが、なかなか成果が出ない…

カヴール「きっと下では頭痛がひどいでしょうね」訓練用爆雷とはいえ航跡の中に次々と水柱が噴き上がると、カヴールは同情的になってつぶやいた…

提督「そうね…大戦中は七時間以上も爆雷攻撃を受けたっていう話も聞いたことがあるし……潜水艦じゃなくてよかったわ」

カヴール「全くですね…あっ、信号旗です」…アルピーノから信号旗が揚がる

提督「…なるほど、爆雷の残りが少ないから、一回の投下を二発ずつに絞るつもりね」


…駆逐艦二隻が追尾と攻撃を請け負い、一隻がその外側で警戒に当たる…青い海に白い水柱が鍾乳石のように次々と立ち上がっては消えていく…


提督「さぁ、どうなるかしら…」

………

<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/06/24(土) 01:47:55.09 ID:8plC8kyK0<> …数十分後…


カヴール「とうとう捉まってしまったようですね」

…狭められていく包囲網に次々と投下される爆雷…と、どーっと海面をかき分けて潜水艦のシルエットが浮上し、するすると信号旗を掲げると100ミリ主砲をランチエーレに向けた

提督「潜航不能の信号旗…浮上しての砲戦までやるつもりね」砲弾抜きの空砲とはいえ重々しい砲声が響き、ランチエーレも主砲と対空機銃を最大俯角にとって応戦する。当然アルピーノとアヴィエーレも支援に入りたいが、二隻が近過ぎてうかつに砲撃できない…

カヴール「むぅ…なかなかどうして……」浮上したフルット級は小さいシルエットをさらに小さくするため駆逐艦に正面を向け、次々と主砲を放つ

提督「大したものね…」とはいえ、駆逐艦と浮上潜水艦では喧嘩にならない……すぐに「戦闘不能」の旗が揚がり、最初の訓練は終わった…フルット級の二隻は仲良く並ぶと、司令塔を開けてアルピーノに敬礼した…

提督「あぁ、ナウティロとマレアだったのね」…頭のオウムガイが肩にずり落ちていて、オウムガイの脚をほうふつとさせる白と赤の髪もすっかり乱れているナウティロと、貴婦人風の水色の髪が解けて、汗をかいているマレア…アルピーノ以下の四隻もナウティロたちに答礼し、それから手を振った…

カヴール「でも、ナウティロがあんなに積極的に攻勢をかけてきたのは意外でしたね」

提督「そうね、でもアルピーノたちも素晴らしかったわね」

カヴール「ええ、四隻の駆逐艦で二隻の潜水艦を仕留めるのは並大抵の努力ではできませんものね」

提督「そうね…あとでごほうびをあげないと♪」


…そうほめていた提督だったが、フルット・ヴォルティーチェ組を相手にしたときのアルピーノたちは散々で、扇状に斉射された魚雷を浴びて早々に二隻が「戦闘不能」、残ったアルピーノ、ベルサリエーレの二隻ではフルットとヴォルティーチェを追い切れず、結局時間切れを迎えた…


………

…訓練終了後・沖合…

アルピーノ「…くやしいわね」

フルット「仕方ないですよ…最初の斉射で二隻に命中するなんてこちらも思っていませんでしたから」

ベルサリエーレ「だからなおの事「してやられた」って気分なの」

アヴィエーレ「うむ…全く。…いくら駆逐艦四隻に二隻の潜水艦とはいえ、バリラ級やピサニ級相手ならもうちょっと見せ場を作れるんだけどな」

ナウティロ「でも、最初の雷撃をかわしてからの反撃は早くてびっくりでした…」

マレア「そうね…射点を近くに取り過ぎて補足されたのは私のミスだったわ」

ヴォルティーチェ「…ちょっと慢心したわ」

フルット「訓練でそれが分かれば大した成果ですよ、ヴォルティーチェ…あとで私からごほうびをあげましょう」優しく諭すような声で言うと、ヴォルティーチェは頬を染めた…

ヴォルティーチェ「え、ええ…待っています、お姉様///」

フルット「はい。それにアルピーノたちも素晴らしい動きで、いい刺激になりました……また「補習」にいらっしゃいね…♪」アルピーノたちににっこりと微笑みかけると、駆逐艦たちはそれぞれ顔を赤らめたり、もごもごと返事をした…

提督「…補習?」

カヴール「ああ、あれですか……///」

………

<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/06/24(土) 01:55:30.08 ID:8plC8kyK0<> …お待たせしていますが、次からようやくフルット級中型潜×駆逐艦で百合っぽいのを投下します……実際の対潜攻撃はもっと複雑で時間もかかるものですが、何となく緊張感や潜水艦攻撃の難しさが伝わればいいなと思って投下しました…

…ちなみにアメリカではASW(アンチ・サブマリーン・ウォーウェア…対潜水艦戦)をもじって「オーフリー・スロー・ワーク」(とっっ…ても時間のかかる仕事)ともじっているとかで、何にせよ潜水艦を見つけて撃沈するのは昔も今も難儀だということですね… <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/06/24(土) 02:23:14.91 ID:TusXeX+kO<> つまんないからピクシブとかで書けば? <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/06/24(土) 06:52:50.61 ID:HpGe9nG9O<> 自分の知識をひけらかしたいだけならここじゃなくてチラシの裏でやれよ
リベッチオ、リットリオとか実装されてる艦ならともかく実装されてない艦を好きなように扱ってるから、オリジナルキャラでレイプしてるように見える
待ってないから絶筆してほしい <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/06/24(土) 08:23:34.18 ID:TXORkQiJO<> イタリア海軍についてよく知ってるなと思ったけどこれを女性提督でやる意味は何?
まさか作者が女性で自己投影とか臭いことしてないよね? <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/06/24(土) 09:08:24.27 ID:g9EO3U7E0<> 変なのがわいたぞ。嫌ならみなきゃいいという基本的なことすらできないのか

そんなことより駆逐艦の百合シーンまだですか? <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/06/24(土) 09:40:26.97 ID:8plC8kyK0<> >>620 …意見は様々ですから仕方ないと思います。でもタイトルにも「百合」って入れてあるのに見ていないのでしょうか……駆逐艦の百合っぽいのはそろそろ投下しますが、そういう意見もあるようですし少し抑え気味の方がいいのか迷う所です <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/06/24(土) 12:35:50.84 ID:FUbHgpczO<> 抑え気味というかつまらない <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/06/24(土) 12:42:50.69 ID:mQbNUixsO<> >>620
嫌なら見るなって言うけど上がってくるから嫌でも目につくんだよ
スレタイすらみたくねえ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/06/24(土) 18:08:56.52 ID:t2arIL31O<> 感想貰おうが貰うまいが駄文撒き散らすんでしょ、感想も散発だし自演かな? <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/06/24(土) 22:54:40.46 ID:Ue46fyRyO<> タイトルも見れねえのかボケって流石作者様は違うなあ
読まれてるんだから真摯に受け取れよクソが <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/06/24(土) 23:28:05.33 ID:zgowVsmGO<> 前から気になってたけどなんでスレタイ女提督にしなかったの?
女提督のスレは調べたらそこそこあるのにオリジナリティ出そうとしたの? <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/06/25(日) 16:34:52.04 ID:I6+UQ3XwO<> 本編は短いしなんだかなあ… <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/06/25(日) 17:09:19.11 ID:/GZEbcjj0<> そういえば、アルキメーデ級の残り二隻はでてくるのだろうか? <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/06/27(火) 05:37:10.52 ID:XN8haqCeO<> 更新頻度がこんなに遅いくせして言うことは一人前か
さすがは作者様 <>
◆b0M46H9tf98h<>sage<>2017/06/28(水) 00:18:44.59 ID:l4+qz8nq0<> …「面白くない」、「本編が短い」、等々さまざまな意見をいただきました。未熟で申し訳ないです…タイトルを「女提督」にしなかったのは特に深い意味ありません。…本編より解説や馴れ合いみたいなことが多かったのはいたく反省しております


>>628 アルキメーデ級大型潜の残り二隻、「アルキメーデ」、「トリチェリ」は38〜39年竣工の「ブリン級」大型潜で代艦「アルキメーデ(U)」と「トリチェリ(U)」が竣工しているので、そちらで出てくる形になります <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/06/28(水) 00:43:37.83 ID:l4+qz8nq0<> …帰投後…

提督「お疲れさま」

アルピーノ「うーん…」

提督「どうしたの?」

アルピーノ「いや…やっぱり対潜水艦戦は難しいから」

提督「でも、「補習」とやらで教えてもらっているんでしょう?」

アルピーノ「…まぁね」

提督「とはいえ、なかなか覚えきれるものでもない…」

アルピーノ「…そういうことね。まぁいいわ、フルット級の部屋に行ってくるから」

提督「ええ」

ランチエーレ「じゃあね」

アヴィエーレ「また後で♪」

ベルサリエーレ「チャオ」

提督「はいはい」

フルット「それで、提督はどう思ったのかしら…」

提督「いいと思うけど…射点の取り方も、タイミングも」

フルット「そう言ってもらえてよかったわ…それじゃあ…」軽く手を振って優雅に歩いて行った…

ナウティロ「また夕食の時に」

ヴォルティーチェ「じゃあね」

マレア「ん♪」


…フルット級・居室…


アルピーノ「お邪魔するわよ?」

フルット「はい、いらっしゃい…」

アルピーノ「じゃあ座らせてもらうわよ…っと」

フルット「大丈夫?」

アルピーノ「大丈夫、ちょっとよろめいただけ…」

フルット「そう…?」白い細い手を伸ばし、そっと頬をさすった…

アルピーノ「そ…そういうのはいいから///」

フルット「ふふ…あれだけ勇敢なアルピーノでも、こんなことで赤くなるの?」

アルピーノ「仕方ないでしょうが…慣れないものは慣れないし……」

フルット「そう…みんなも座ってちょうだい?立っていられると首が疲れるから」











<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/06/28(水) 01:06:17.41 ID:l4+qz8nq0<> アルピーノ「それで…と」

フルット「今日の反省点?…ちょっと勇み足だったことくらいでしょうね」

アルピーノ「…それだけ?」

フルット「他に言えることがあるとすれば……「提督が観戦していたから集中しきれなかった」…とか?」

アルピーノ「う…それはあるかもしれないわ……「見られている」って思うと、なんか落ち着かなかったのはあるわ」

フルット「でしょうね…動揺していた感じがにじんでいたから……でも、少し悔しい」

アルピーノ「何が?結果はそっちの勝ちだった訳だし、そんなに落ち込むような失敗もなかったと思うけど?」

フルット「そうじゃなくて…」

アルピーノ「じゃあ何が?」

フルット「こうして、向かいあって話しているって言うのに…顔色一つ変えてくれるでもなし……そんなに魅力が足りない?」

アルピーノ「そんなことはないけど……綺麗だし」

フルット「本当に…そう思っている?そうやって視線をずらして、見てくれようともしない……」

アルピーノ「それは…だって、直接見ると……瞳に吸いこまれそう…で」

フルット「そう…?なら、まだ脈はあるってことでいいの?」

アルピーノ「…もちろん」

フルット「じゃあ…指を重ねて……?」

アルピーノ「う…うん」

フルット「いい?」

アルピーノ「もし「ダメ」…って言ったら?」

フルット「そう言うつもりなの?」

アルピーノ「……いや」

フルット「…なら」フルットの薄い唇がそっと触れる…

アルピーノ「ん…んっ///」

フルット「ん…ちゅ……ちゅっ…」

アルピーノ「ん…ぷは…ぁ…///」

フルット「恥ずかしかった?」

アルピーノ「思っていたよりは平気だったわ…」

フルット「で、お味はいかが?」

アルピーノ「……しょっぱかった」

フルット「…ふふっ、何それ?」

アルピーノ「まだ、海水の飛沫がついていたみたいで…」

フルット「甘くなかった?」

アルピーノ「いや、そういう意味で言ったわけじゃないんだけど…!」

フルット「いいの…黙って」アルピーノの唇に指を当てた…

フルット「塩抜きできるまで……キスしてあげるから…」

アルピーノ「…そっちがしょっぱくなっちゃうけど///」

フルット「…私は平気」…ちゅ…ちゅぷ…っ…



<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/06/28(水) 01:33:58.80 ID:l4+qz8nq0<> フルット「…そんなに気になる?」

アヴィエーレ「い、いや!」

フルット「そう?」

ナウティロ「…アヴィエーレ、こっちに来て?」個室のドアを開けた…

アヴィエーレ「待った!……君はいいのかい?」

ナウティロ「何考えてるの?…単に「補習」するだけよ?」

アヴィエーレ「おっと…そうだったのか///」

ナウティロ「ふふ…アヴィエーレったらお茶目なんだから」

アヴィエーレ「オウムガイを乗せてる君に言われたくはないかな」

ナウティロ「もう……さぁ、来て♪」

アヴィエーレ「…あ、ああ///」

ランチエーレ「///」

マレア「あら、恥ずかしいの?」

ランチエーレ「誰がよ…一番槍を決められなかったのがちょっとくやしいだけ!」

マレア「みんなの一番ではないかも知れないけど……私の一番ならなれるわよ?」

ランチエーレ「うっ…そ、そうね///」

マレア「…突撃の時はあんなに勇ましいのに、子猫みたいに震えちゃってどうしたの?」

ランチエーレ「っ…いいわよ、行きましょうよ!…キスでも何でもしてあげるから、その時になってからひぃひぃ言わないでよね!」

マレア「ふふ…怖い怖い」

ヴォルティーチェ「あーあ…「そして誰もいなくなった」と」

ベルサリエーレ「残ったのは私たちだけね…どうする?」

ヴォルティーチェ「…こんな雰囲気で勉強もないでしょう?せっかくだし、私の部屋に来たら?」

ベルサリエーレ「私はいいけど…「残り物」どうしみたいな感じでくっ付くのは嫌じゃない?」

ヴォルティーチェ「あらま、お気遣いありがとう…でも平気。ちゃんとそう言ってくれたから」

ベルサリエーレ「そう…なら案内してくれる?」

ヴォルティーチェ「ええ…さぁ、どうぞ♪」


………


フルット「ふふ…アルピーノも山じゃないとてんで頼りないのね♪」

アルピーノ「あ…あぁ…ふぅ……だって、フルットのキスが…甘いから///」

フルット「あらあら…そんなにすぐ、波に呑まれちゃって…ふーっ…♪」

アルピーノ「あっ、あっ、あぁぁぁっ///」

フルット「背筋がぞくぞくした?」

アルピーノ「した…したからぁ///」

フルット「それは何より…ふー…♪」

アルピーノ「だから…っ、耳に息を吹きかけないで…っ///」

フルット「注文が多いのね。……分かりました…では……「愛してるわ」…♪」

アルピーノ「そ…それも反則ぅ…っ///」

フルット「ふふ、時間はたっぷりあるし、防音も効いているから安心してちょうだい…」

アルピーノ「あっ…ぁぁ……///」 <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/06/28(水) 02:01:04.86 ID:l4+qz8nq0<> ………

ナウティロ「いらっしゃい…どう?」

アヴィエーレ「海辺の小屋って感じがする部屋だね…好みだよ」机の上に置かれた白い巻貝や、壁には古い投網の切れ端でできたタペストリー…

ナウティロ「どうぞ、座って?…お茶でも淹れる?」

アヴィエーレ「平気だよ、気を使わなくたっていい」椅子に座ると、つい足を組んで机の上に乗せた…

ナウティロ「…」

アヴィエーレ「おっと…すまないね。つい癖でやっちゃうんだ」軍帽を脱いで頭をかいた

ナウティロ「いいけど…」

アヴィエーレ「悪かったよ、操縦士たちってよくそうするからさ」

ナウティロ「ううん、気にしてないから…それより……」

アヴィエーレ「なんだい?」

ナウティロ「…キス……しないの?」

アヴィエーレ「…して欲しいのかい?」

ナウティロ「私はしてほしい…の」

アヴィエーレ「そっか…私もだよ……っん……///」

ナウティロ「んっ…ん……んぅぅ…///」

アヴィエーレ「んんっ…はぁ…」

ナウティロ「…ふぅ…ふぅ……柔らかかった…」

アヴィエーレ「そいつは良かった…リップクリームだのなんだのって、存外効果があるもんだね」

ナウティロ「…黙って///」

アヴィエーレ「おっと…何か悪い事を言ったかな」

ナウティロ「…わざと軽いふりをしているのが分かるの……そんなのいいから」

アヴィエーレ「そうかな?……ま、内心では怖がっていても、こうやって軽口きいていればへっちゃらだから…つい、ね」

ナウティロ「…むしろ一緒に怖がっていて欲しい……って気持ち、分かる?」

アヴィエーレ「分かるさ……じゃあ、しばらくは怖がらせてもら…」

ナウティロ「ん…ちゅぅ……///」

アヴィエーレ「んっ!……んんぅ…んっ…ん……///」

ナウティロ「んちゅ…ちゅぅ…ぅ……ちゅるっ……///」

アヴィエーレ「ん…ふぅ……ん、ちゅ…ちゅっ…///」

ナウティロ「んんぅ…ちゅぅぅ…ちゅっ……くちゅっ///」

アヴィエーレ「んっ!…んんぅ、んぅ……っ!」

ナウティロ「んっ…ちゅぅ……///」

アヴィエーレ「んーっ……ぷはぁ!…窒息させるつもりかい?」

ナウティロ「あ!…ごめんなさい」

アヴィエーレ「いいさ…幸福だったからね///」

ナウティロ「ならよかった…もう一度……する?」

アヴィエーレ「ちょっと恥ずかしいけどね…あぁ、いいよ///」

……… <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/06/29(木) 19:25:49.59 ID:oCHxaPw30<> 乙。
余り、気にするな。
楽しみにしてる読者なら此処にいる。 <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/06/30(金) 00:25:22.41 ID:Sq5ZG5Vc0<> >>635 ありがとうございます…やっぱりちょっと困惑しましたし……あんまり毎回トップに上げるのも良くないのかも知れませんので、「トップに移動しない」形を混ぜて投下していきます <> ◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/06/30(金) 01:06:35.64 ID:Sq5ZG5Vc0<> ランチエーレ「…お、お邪魔するわよ?」

マレア「ようこそ♪…コーヒーでいい?」

ランチエーレ「いいわよ」

マレア「じゃあ、ちょっと待ってて?」ふんふんと何かの曲をハミングしながらコーヒーを淹れる…コトリと置かれたカップのコーヒーには、ミルクと砂糖が入れてある…

マレア「さぁどうぞ、召し上がれ?」

ランチエーレ「…ありがと」コーヒーをすすり、頬を赤らめたままお菓子をつまむ…

マレア「ところで…」

ランチエーレ「な、なに?」

マレア「ひぃひぃ言わせるんじゃなかったの?」

ランチエーレ「けほっ!…あのねぇ、いくら私でもそんな理由だけで人の唇を頂こうなんて思わないわよ!」

マレア「…私も…貴女の唇が欲しい…」

ランチエーレ「じょ、冗談は止しなさいよ!…ナポリ人じゃあるまいし、からかうのはなし!」

マレア「私は…本気よ?」整った顔のマレアが四つんばいでゆっくりとにじり寄ってくる…緩いキャミソールから引き締まった小ぶりな胸がのぞき、ランチエーレは耳まで真っ赤になった…

ランチエーレ「あ…あのっ!」

マレア「ねぇ…いいでしょう?」

ランチエーレ「ああ…もうっ!……んっ///」そっと目をつぶって、顔を近づけて行った…

マレア「ん…んっ……んんぅ…ふぅ…っ……ちゅ…♪」

ランチエーレ「んぅ///…ちゅぅ…ぴちゃ…っ……ちゅぷ…っ……ん、ふぅ///」

マレア「んふ…っ、んっ……ちゅ…っ、ちゅるっ……♪」

ランチエーレ「ちゅ…ぷは…ぁ。……ど、どうなの?」

マレア「ふふ…とっても良かった……さすがね…でも、ひぃひぃ言わせるのよね?」

ランチエーレ「あ、あれは「言葉のあや」ってやつで…ねぇ、ちょっと待って!」

マレア「…待てないわ」

ランチエーレ「んんっ!…んぅ!…ん、んんぅ…ん、ふぅ…ちゅるっ…ちゅっ///」

マレア「んっ…ちゅぷ…っ、ちゅるぅぅ…っ…くちゅっ、んちゅっ♪」

ランチエーレ「んはぁ!……もう、待って…ってば…ぁ///」

マレア「だって…とろけた表情が……可愛い……んっ♪」

ランチエーレ「も…もう……そんな顔して言われたら…断れないじゃない…んちゅっ…ちゅっ///」

マレア「んふ…っ…脱がせるわね……」

ランチエーレ「言わないでよ…恥ずかしいから///」

マレア「そう、なら黙ってするわ」

ランチエーレ「そう言う問題じゃなくて…///」

マレア「大丈夫、私に任せていればいいから♪」

ランチエーレ「そ…それもなんかしゃくにさわるのよね……」

マレア「そう…でも、今は私の番♪」

ランチエーレ「ちょっと…どこ触っ…んぅっ///」

マレア「ふふ、槍騎兵さんは突撃は得意でも…責められるのには弱いのね♪」

ランチエーレ「…い、言ってなさいよ…反撃に入ったら…んぁっ、あぁぁっ♪…膝が震えるくらいがくがくにし…あぁぁぁっ!」



<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/06/30(金) 01:49:05.06 ID:Sq5ZG5Vc0<> ヴォルティーチェ「向こうでは始まってるみたいね…」

ベルサリエーレ「…こうやって聞いていると…その…結構恥ずかしいと言うか…///」

ヴォルティーチェ「んー…ならキスしましょう?こっちもしてれば気にならないでしょうし」

ベルサリエーレ「いや…そんな軽い感じには……私は普通におしゃべりしててもいいし…」

ヴォルティーチェ「まぁ…そう言うならそれでもいいけど……正直…私はベルサリエーレの事、けっこう好きよ?」

ベルサリエーレ「嬉しいけど…///」

ヴォルティーチェ「…だから…一緒になれて、正直……期待しているの///」渦をかたどったような難しい結い方の髪をほどくと、ぱさり…と髪の房が肩から垂れた…

ベルサリエーレ「そ、そう…なら、期待に応えないと…んっ///」

ヴォルティーチェ「ん…ちゅ♪」

ベルサリエーレ「…どう、かな?」

ヴォルティーチェ「…まだ分からないわ……普段は「ヴォルティーチェ」の私が巻きこむ方だけど、今日は私の事を……渦に巻き込んで欲しいの///」

ベルサリエーレ「了解…なら、駆け足で行くよ……ちゅぅぅっ、ちゅるぅ…ちゅぷぅぅ…っ///」

ヴォルティーチェ「んっ、んんっ…んぁぁ……甘くてとろけそう…でも……もっと♪」

ベルサリエーレ「分かりましたよ、お嬢さん……ん、ちゅぅ…ちゅるっ……ぴちゃ…っ///」

ヴォルティーチェ「んぅぅっ…んっ、んっ、んんぅ♪……舌が…入って…///」

ベルサリエーレ「んちゅ…ちゅぷ…っ……ちゅぅぅ…♪」

ヴォルティーチェ「んっ、ふ……んぅ…暖かくて…優しいのね♪」

ベルサリエーレ「そう……いいかな?」

ヴォルティーチェ「ええ…こっちにも…キスして?」

ベルサリエーレ「…こんなところにキスしたら…跡が見えちゃうけど?」

ヴォルティーチェ「それでも…いいの♪」

ベルサリエーレ「…こっちの方が恥ずかしいけど……行くよ…んぅぅっ、ぷは…ぁ!」

ヴォルティーチェ「んんっ…跡になってればいいけど♪」

ベルサリエーレ「…じゃあ、甘噛みさせてもらおうかな……///」

ヴォルティーチェ「ふともも?首筋?…それとも胸?」

ベルサリエーレ「…なら全部に…ん、かぷっ……///」

ヴォルティーチェ「んんぅ♪…んっ、んっ、んんんっ♪」

ベルサリエーレ「この…白いふともも……んぅ」

ヴォルティーチェ「んぁぁっ、あんっ♪」

ベルサリエーレ「柔らかくて…甘い……かぷ…っ///」

ヴォルティーチェ「あぁぁっ、んぅ…もっと♪」

ベルサリエーレ「この桜色の先端も…っ♪」…こりっ♪

ヴォルティーチェ「ひぁぁぁっ!んぅ♪」

ベルサリエーレ「…すべすべの陶器みたいな……丘の方も…///」

ヴォルティーチェ「ひぃぅぅ…んっ♪」

ベルサリエーレ「首筋も白くて……かぷり…っ///」

ヴォルティーチェ「あぁぁぁんっ…いいっ、いいのぉ♪」

ベルサリエーレ「じゃあ…こんどは……反対側を…♪」

ヴォルティーチェ「あっ、あっ、あぁぁぁっ♪」

ベルサリエーレ「ヴォルティーチェ……もっと…しようか///」

ヴォルティーチェ「え、ええ♪」

……… <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/07/02(日) 01:16:28.20 ID:4oMEcbTn0<> ベルサリエーレ「…じゃあ、こっちも舐める…よ……脚、開いて…?」

ヴォルティーチェ「…ん///」

ベルサリエーレ「…では、失礼して……んっ、んっ…くちゅ…っ……れろっ///」頭を脚の間に突っこみ、ふっくらした秘所を優しく舐めあげ、舌をさしいれてくすぐる…

ヴォルティーチェ「…あっ…ん、んっ…くぅっ…んっ///」

ベルサリエーレ「とっても綺麗だよ…桃色の真珠みたいで……ぴちゃっ、くちゅ…♪」

ヴォルティーチェ「…んんっ、んっ、あぁぁ…んっ♪」

ベルサリエーレ「ふふ…しっとり濡れてて…暖かい…♪」

ヴォルティーチェ「ひぅ…っ♪……そこ…っ、舌が這入ってくる…と……じんじん…しびれて……ん、あぁぁっ♪」

ベルサリエーレ「どんどん濡れてきてるもの…ね……とろとろで……甘酸っぱい蜜が…いっぱい♪」

ヴォルティーチェ「だって…そこ……良いのっ……あっ、あっ、あっ♪」

ベルサリエーレ「ん……じゅるっ、じゅぷ…っ、ぐちゅ…っ♪」

ヴォルティーチェ「ひぅっ!…んぁぁっ♪」

ベルサリエーレ「…じゅる…ちゅるっ……ふぅ。…舌が疲れたから、今度は指でいかせてもらうよ?」

ヴォルティーチェ「…じゃあ、キス///」

ベルサリエーレ「分かった…よいしょ……っとと!」無理な姿勢で脚がしびれ、身体を動かそうとして倒れ込んだ…

ヴォルティーチェ「きゃ…っ!」どさり…とのしかかってきたベルサリエーレの身体は火照っていて、汗でしとどに濡れた額に髪が張りつき、頬を紅潮させて見おろしている…

ベルサリエーレ「…綺麗だ……アドリア海の輝きも、勝利の栄光も…君の前では蜃気楼に過ぎないね…」

ヴォルティーチェ「もう…上手なんだから///」

ベルサリエーレ「…事実だからね。…ん♪」

ヴォルティーチェ「んっ♪…ん、ん、んんっ♪」

ベルサリエーレ「じゃあ、いくよ?」…くちゅ、くちゅっ…じゅぶっ!

ヴォルティーチェ「あっ…あぁぁっ♪…ん、くぅ…っ♪」

ベルサリエーレ「…指に吸いついてくるみたいだね……とろっとしてて、気持ちいいよ///」

ヴォルティーチェ「ひぅっ!あぁっ…ん♪……身体が…うずいて……熱いの…ぉ///」

ベルサリエーレ「あぁ…こっちも。…脱がせてあげよう///」

ヴォルティーチェ「お願い…///」

ベルサリエーレ「…ん」しゅる、しゅるっ……ぱさっ…普段は真っ白い細雪のようなヴォルティーチェの、火照って桜色になった肌があらわになる…

ヴォルティーチェ「じゃあ…貴女のは……私が…///」しゅるり…しゅる…っ…

ベルサリエーレ「…こうしていると……結構恥ずかしいね///」…花模様のレースをあしらった桃色のブラと、半分脱げた薄いブラウスから、汗ばんだ肌がのぞく…

ヴォルティーチェ「そうね…でも…///」ぺろっ…れろっ…

ベルサリエーレ「…汗ばんでるから、止めた方がいいよ///」

ヴォルティーチェ「いいの…ベルサリエーレの汗だもの……でも、しょっぱい♪」

ベルサリエーレ「ふふっ♪だから言ったろう?……そっちもしょっぱいな♪」れろっ…ぴちゃ…

ヴォルティーチェ「んんっ♪……ねぇ、せっかくだからこっちも…重ねてみて♪」

ベルサリエーレ「あぁ……んっ、んっ…くぅぅ…んぅ♪」くちゅ、くちゅり…じゅぶ…じゅぶっ…♪

ヴォルティーチェ「んぁぁっ…んっ、んぁぁ、んぁぁぁぁっ♪」ぐちゅっ…くちゅっ♪

ベルサリエーレ「も、もう…んぁぁぁっ♪」

ヴォルティーチェ「…私も……んっ、はぁぁんっ♪」

<> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/07/02(日) 13:43:38.38 ID:yJVz/Pvuo<> E 'grande

乙です
面白いと思って読んでる人もおるし更新ペースや書く内容も>>1次第なので
自分の好きなようにやるのが一番ですよ <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/07/04(火) 10:42:55.63 ID:FyKNHoq00<> >>640 グラツィエ、そうします…あと、そろそろ「正妻」ライモンとイベントさせる予定です <> ◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/07/04(火) 11:30:34.79 ID:FyKNHoq00<> …しばらくして…

ベルサリエーレ「ふぅ…っ……もう、身体中べとべとだし…力は入らないし…///」

ヴォルティーチェ「私も……膝が笑って…立てないの///」

ベルサリエーレ「ん…しょ……大浴場で汗を流そう」濡れ布巾と大して変りなくなった下着を脱ぎ捨て、足下がおぼつかない様子でスカートだけ履いた

ヴォルティーチェ「そうしましょう…歩けるならね」

ベルサリエーレ「…ちょっと無理かも」

ヴォルティーチェ「くすくすっ…だろうと思ったわ、あれだけよがってたもの…ね♪」

ベルサリエーレ「…い、言いっこなし///」

ヴォルティーチェ「…ふふふ、そうね。私だってあんなに叫んじゃったし///」

ベルサリエーレ「…でも困ったな…どうやって大浴場まで行こうか?」

ヴォルティーチェ「誰か呼びましょう…姉上、マレア、ナウティロ……誰でもいいけど手伝って?」

ベルサリエーレ「…また適当な」

ヴォルティーチェ「大丈夫、来てくれるから」そう言った矢先にドアをノックしてナウティロが顔をのぞかせた

ナウティロ「なーに?」

ヴォルティーチェ「ああ、ナウティロ…悪いけど大浴場まで行きたいの、手を貸してくれない?」

ナウティロ「いいですよ…ちょうど私たちも行こうとしてたし♪」

ベルサリエーレ「…「私たち」ってことはアヴィエーレも……」

ナウティロ「んふふっ…とっても良かった♪」

ベルサリエーレ「…はぁ、フルットたちには調子を狂わされるな…とりあえず、曳航の方はお願い」

ナウティロ「はいはい…ヴォルティーチェ、あなたは立てる?」

ヴォルティーチェ「立てるわ…よいしょ……」テーブルに手をつき、慎重に立ち上がる…

ナウティロ「ふふ、お婆ちゃんみたい♪」

ヴォルティーチェ「誰がおばあちゃんよ…もう♪」ナウティロの乳房に手をついて立った

ナウティロ「あんっ♪もう、ヴォルティーチェったら♪」

ヴォルティーチェ「仕返しよ♪…さ、行きましょう」

ベルサリエーレ「…ナウティロ、アヴィエーレはいいの?」

ナウティロ「大丈夫、今来るから…ほら」

アヴィエーレ「…お待たせ///」

ナウティロ「ん…じゃあ、いきましょう♪」アヴィエーレの腰にさりげなく手を回し、反対側の腕でベルサリエーレを支えた…同時に、スカートの下に手を入れて、きゅっと引き締まったヒップを下から撫でた…

ベルサリエーレ「///」

ナウティロ「…下着、洗濯しないといけなくなっちゃった?……それとも、ずっと履いてなかったの?」耳元でささやいた…

ベルサリエーレ「そんな変態じゃないから…濡れて気持ち悪かったから脱いだだけ…///」

ナウティロ「そうなの?…あのね、アヴィエーレも実は…」

アヴィエーレ「おいおい…二人には内緒だろう///」

ナウティロ「残念♪」

ヴォルティーチェ「…取らないでよ?」

ナウティロ「大丈夫、アヴィエーレがいるから」

アヴィエーレ「…あ、ああ///」

ベルサリエーレ「すっかり骨抜きにされてるし……もっとも、私もアヴィエーレの事は言えないか///」愛おしげにヴォルティーチェの方に視線を向けた…

………

<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/07/05(水) 01:25:38.91 ID:5XrywTds0<> …大浴場…

ベルサリエーレ「ふー、気持ちいい……あれ、ヴォルティーチェ?ナウティロ?」

アヴィエーレ「二人ともいなくなったね…なんだい、私たちの端正な裸体を見て鼻血でもだしたのかな?」

ベルサリエーレ「まさか?ヴォルティーチェたちの方がしなやかで綺麗だし、それにいやらしく触りに来るっていうならまだしも…」

アヴィエーレ「ははは、違いないね♪」

ベルサリエーレ「それにしたってどこに行ったの…うわ!」ごぼごぼ…と空気の泡が湧きあがってくると同時に、ヴォルティーチェがお湯から飛び出してきた

ヴォルティーチェ「ぷはぁ!…ナウティロは?」

アヴィエーレ「ええ?…なんだい、潜水の勝負かな?」

ヴォルティーチェ「そうなんだけど…負けちゃったかしらねぇ」

アヴィエーレ「また、くだらない…」

ヴォルティーチェ「くだらなくないの…負けるたびにお皿片づけたりするんだから」

ベルサリエーレ「賭け?」

ヴォルティーチェ「そう。…でも、また負けちゃったみたいね」両手を上げるとベルサリエーレの肩に頭を乗せ、腕にすがりついた

ベルサリエーレ「…///」

アヴィエーレ「それにしても…ナウティロは大丈夫なのかい?お湯だし、のぼせているんじゃないか?」

ヴォルティーチェ「…じゃあ、呼んでみる?」そう言っていると、湯気の向こうから二人のシルエットが近づいてきた…

提督「あら、ヴォルティーチェ、アヴィエーレとベルサリエーレも…「補習」はもういいの?」長身を傾けていたずらっぽく尋ねた

カヴール「補習ですか…成果はありました?」こちらは温和な笑みを浮かべ、目尻を下げて言った

ベルサリエーレ「それは…///」

ヴォルティーチェ「ばっちりでした♪」

アヴィエーレ「あぁ、まぁね///」

提督「それは良かったわね。それにしてもいいお湯で……ひぅっ!?」ちゃぽん…とお湯に脚を入れた瞬間、毒グモにでも刺されたように飛び上がった

カヴール「どうしました!?」

提督「今、お湯の中でぬめっとしたものに…脚を撫でられて」今日は源泉の影響か緑白色の濁り湯になっていて、提督はじっと水面を見おろした…

ベルサリエーレ「…」

ヴォルティーチェ「…」

アヴィエーレ「あー…」

ナウティロ「…ぷはぁ!ふふ…アヴィエーレ、いきなり脚舐められて驚いたでしょ?それにヴォルティーチェ、また私の勝ちみたい…ね」

提督「…♪」

カヴール「…あらあら」

ナウティロ「……あの…もしかして、さっきの脚って」

提督「私のよ。…ずいぶんと潜りがお上手ねぇ…♪」

ナウティロ「…失礼して、もう一度「深く静かに潜航せよ」ということで…!」

提督「待ちなさいっ!…この可愛いいたずら娘♪」

ナウティロ「きゃあっ!」

提督「この…ぉ♪」

ナウティロ「ひぅぅっ♪」







<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/07/05(水) 01:54:18.57 ID:5XrywTds0<> カヴール「それはそうと」…しばらくきゃあきゃあと嬌声をあげていたナウティロたちだったが、提督がお湯に入るとようやく落ち着き、隣に浸かっているカヴールがそれを見て声をかけた…

提督「んー?」

カヴール「日曜日はどうされます?」

提督「そう言えばもう週末だものね…どうしようかしら。月ごとの書類は…」

カヴール「決済済みです」

提督「足りないものは…」

カヴール「ありません」

提督「新着艦の居室に必要な家具は…」

カヴール「私とドリア、ザラ級とボルツァーノで運んでおきました」

提督「そう…なら暇な一日を過ごせ……あ」

カヴール「?」

提督「ライモンと出かけることにするわ…ここの所どうしても新着艦のみんなにばかりかまけていて、すっかりごぶさたしていたから…」

カヴール「あぁ…それはいいですね♪彼女は奥ゆかしい性格で、あんまり言い出せないでいたようですから…ぜひ連れて行ってあげてください♪」

提督「そうね…うん、そうするわ」

アヴィエーレ「いいことだね…ライモンドは優しいし、提督にぞっこんだからね♪」

カヴール「本当に。もう、嫉妬しちゃいます♪」そう言いつつもちっともそう思っていないのは、目を細めて慈愛に満ちた笑みを浮かべていることからも明らかで、単にからかっているだけらしい

提督「怖いわ…後ろから刺されないようにしないと♪」

アヴィエーレ「さっきのナウティロみたいに下からかもしれないね♪」

カヴール「それに、私だったら刺したりしませんよ?」

提督「あら優しい♪」

カヴール「ふふ、「年増の魅力」というものをたーっぷり教えて差し上げるだけですから♪」

ベルサリエーレ「それは…優しくないねぇ…」

提督「…ごくっ」

カヴール「ほら…提督…こうやって、若い女の子にはない魅力というのも……あるんです…よ♪」豊かな胸に手を導いていく…

提督「柔らかい…///」

カヴール「…ふふっ、冗談です♪…ライモンドと二人で、水入らずのお出かけを楽しんできて下さいね♪」

提督「ありがとう、カヴール…その気持ち、とっても嬉しいわ」

カヴール「いいんですよ、私は普段から良くしてもらっていますから。……さっきだって、あんなに可愛い声で…うふふっ♪」

提督「あぁ…まぁ、それは……その///」

アヴィエーレ「ヒューゥ♪」

提督「からかわないで…とにかく、日曜日はライモンとお出かけするから。カヴール、留守の方は任せていいかしら?」

カヴール「無論ですとも♪」

提督「ありがとう…ふふ、楽しみね♪」

………


<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/07/05(水) 02:44:28.20 ID:5XrywTds0<> …土曜日・夜…

ディアナ「わたくしに御用とのことですが…何でございましょう?」昼食後、厨房にやって来た提督から「相談がある」と聞かされていたディアナは、改めて用向きを尋ねた…

提督「明日、ライモンを誘ってお出かけするから、バスケットに素敵なお昼を用意したいの。それで…」

ディアナ「あぁ、でしたらわたくしが……」

提督「ううん、気持ちは嬉しいけど私が作るの…で、何がいいかしら…と、思って」

ディアナ「なるほど…ライモンドさんは好き嫌いも少ないですし…バスケットに詰めるのでしたらサンドウィッチが無難でしょうが…」

提督「ええ、何かひと味違うのが欲しいの」

ディアナ「なるほど…でしたら……」献立の本を棚から取り出し、ページをめくった…

提督「どう?」

ディアナ「これはいかがでしょう?「胡椒を利かせたパストラミハムとオリーブのサンドウィッチ」と「サーディンとスライス玉ねぎ、フレンチ・マスタードのサンドウィッチ」…あとは、「トマトスライスとモッツァレラ、フレッシュバジルのイタリア三色旗サンドウィッチ」…彩りも綺麗ですし、なかなかお洒落ですよ?」

提督「いいわね…あとは、コールドチキンでも……」

ディアナ「さっき熱心に鶏をローストなさっていたのはそのためでしたか」

提督「ええ…「明日の分」以外に理由があるかしら?」

ディアナ「てっきりお夜食かと♪」

提督「…」

ディアナ「冗談です」

提督「ええ、そうよね…」思わず脇腹をつまんでみて、つかめないことに安堵した…

ディアナ「…それと、デザートのお菓子ですか?」

提督「そうね、常温でも美味しいのがいいわ」

ディアナ「でしたら…ビスコッティでしょうか」

提督「なるほど、いいわね」

ディアナ「ふふ…ライモンドさんがうらやましくなってしまいますね」

提督「ごめんなさいね、つきあわせちゃって」

ディアナ「いえいえ…よしなに♪」

提督「さて…と、それなら準備に取りかかりましょうか」

ディアナ「はい♪」


………


提督「まずは…材料を切る」…トマトは断面が見えるよう、ダルマ落としのように横からスライスしていく…透明なゼリーの部分は水っぽいので取り除いて、水気を切る…玉ねぎはまだ新玉ねぎで辛くないので、薄切りにしてから軽く数分水にさらすだけでボウルから上げる

ディアナ「サーディンの方は出来ましたよ」…オイルサーディンは缶から取り出し、軽く油をきる。パストラミは冷蔵庫から塊を出してきて、端から薄切りにしていく…しっとりとしたモッツァレラは厚めに切って、バジルは「ポンッ」と手の中で軽く叩き、香りを出す…オリーブの瓶詰めはオリーブの円形をした断面が見えるように薄くスライスする…

提督「ありがとう…パンは……」…普通の食パンと胚芽入りのパンは耳を落とし、バターと、一部にフレンチ・マスタードを塗る…円盤状のもっちりしたパンは半分に裂いてオリーブオイルを塗り、バジルを乗せた…

ディアナ「あぁ、いい具合ですね…では、のせていきましょうか」


…胚芽と普通のパンを合わせたサーディンのサンドウィッチに、円盤状のパンに合わせたモッツァレラとトマト、バジリコのサンドウィッチ、それに黒胡椒を利かせたパストラミとオリーブのサンドウィッチがまな板の上に並ぶと、もう一枚のまな板で重しにした…


ディアナ「できましたね…しばらくしたらバスケットに詰めていきましょう。終わったらバスケットには濡れ布巾をかけておくので、パンがぱさぱさになることもないですよ」

提督「ありがとう、ディアナ…今度、機会ができたら貴女ともお出かけしたいわね」

ディアナ「ふふ、ありがとうございます…明日は頑張ってくださいね」

提督「ええ、頑張るわ♪」


……… <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/07/06(木) 22:50:39.10 ID:ApSqAq9MO<> 〜完〜 <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/07/07(金) 00:45:23.48 ID:ndedZiHT0<> …日曜日・朝…

提督「おはよう、ライモン。似合っているわよ♪」黒に近い濃い青色のランチア・フラミニアを玄関に寄せた

ライモン「そうですか?嬉しいです///」白いワンピースに青いスカーフ、サンダルを履いた夏っぽいスタイルのライモンは、にこやかに応じた

提督「そう、じゃあ乗って?」一旦降りるとライモンをエスコートして助手席のドアを開けた

ライモン「そこまでしなくてもいいですよ…///」

提督「気にしないで…さぁ♪」

ライモン「は、はい///」嬉しげに乗り込み、律儀にシートベルトを締める

提督「準備いい?」

ライモン「はい、できました」

提督「結構、じゃあ行きましょう♪」ヴォ…ンとエンジンをふかし、鎮守府を出た


…国道…


ライモン「…というようなことがありまして」

提督「そうなの、続きを聞かせて?」

ライモン「はい、そうしたらあまりの事に動きが止まってしまって…大変だったんですよ」

提督「ふふ、そうだったの♪」しっかりしたエンジン音を響かせるランチアのハンドルをしっかりと握りつつも、たわいないおしゃべりに笑みを浮かべる提督と、久しぶりに二人きりで話したいことがたくさんあるライモン…

ライモン「ええ、そうしたらもうオイルは噴き出す、警告灯は点く、アラームは鳴るで…」

提督「あらあら…」滑らかにカーブをクリアしていくと、海沿いの眺めのいい辺りにでた…きらきらと照り返す夏の海に、白いカモメ…

ライモン「こうやって提督が一緒だと、海もまたひと味違う感じがします」

提督「あら、ありがとう……っ!」ぎりぎりのところをかすめて、後ろから来た別の車が抜いて行った…

ライモン「…全く、危ないですね……って、提督?」

提督「…ちょっと速度上げるわね」…ヴォォォ…ン!

ライモン「え、何もあんなのと張り合わなくても…!」

提督「…せっかくの雰囲気に水を差されたのが…ね」…あっという間に加速して相手の車…現行モデルの「ジュリエッタ」に並ぶと、一気に追い越した

ライモン「そんな、ラリーじゃないんですから…」ライモンが呆れたように言った…

提督「向こうがそのつもりだったようだから…旧式とでも思ったのかしらね」

ライモン「…まぁ、少しすっきりした気分にはなりましたが……でも、危ないですよ」

提督「そうね、大事なライモンを乗せているんだもの…以後気を付けるわ」

ライモン「はい、お願いします」

提督「さてと…目的地まではあと少し……いい天気でよかったわ♪」

ライモン「ですね。お天道様も祝福してくれているんでしょうか?」

提督「もちろん、神様から優しいライモンへのごほうびよ♪」

ライモン「///」

提督「…ふふ♪」





<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/07/07(金) 01:15:12.31 ID:ndedZiHT0<> 提督「さぁ、着いたわよ♪」道路の端にランチアを停めると、坂になっている細い道を二人で下った…たどり着いたのは雑木林にかこまれた小さい海岸で、波が静かに寄せては返していた…

ライモン「わぁぁ…綺麗な海岸///」

提督「海は見飽きているでしょうけど、ここの海岸は人もめったに来ないし、とっても綺麗だから…どう?」

ライモン「とっても素敵です…白い砂浜と緑の木が鮮やかで…波も穏やかですし」

提督「この前タラントに出かけた時、ふっと気がついて坂を下りてみたらここがあったの…で、いつかライモンと来ようと思って…///」

ライモン「///」

提督「……さ、シートでも敷きましょうか!」

ライモン「は、はい///」

提督「じゃあ、そっちをもって?」

ライモン「はい♪」

提督「そっちにそれを置いて?」

ライモン「これですか?」

提督「そう、それ」

ライモン「置きました」

提督「じゃあ私はこっちに…あ、それはこっちに…」

ライモン「はい…ふふっ♪」

提督「何かおかしい?」

ライモン「はい…だってさっきから「あれ」とか「これ」で意味が分かるなんて…長年連れ添っているみたいで///」

提督「ふふ、言われてみればそうね♪……さてと、これでくつろぐ準備はできたわ…さぁ、どうぞ?」

ライモン「あの、提督……嬉しいですけど…その」

提督「…「お出かけ」するからには、買い物とか、映画とかに連れて行かれると思ってた?」

ライモン「あっ、いえ!……ここはとっても静かで、素敵な場所です…でも、提督はつまらないんじゃないか…って」

提督「お気遣いありがとう♪…でも、ライモンは普段から忙しくしているし…たまには二人きりで「何にもしない」って言うのもいいんじゃないかしら?」

ライモン「…それもそうですね……なんだか、ふふ…納得しました♪」

提督「そう、よかった♪」

ライモン「では、せっかくなので…よいしょ…♪」柔らかい砂の上に敷いたシートの上に座った…

提督「ふふ…では私も♪」隣に座って、そっと手を重ねた…

ライモン「あ…///」

提督「しばらく…こうしていましょうか…」

ライモン「はい…提督の手、すべすべで暖かいです……」

提督「そう?…ライモンこそ、陶器みたいに滑らかね♪」

ライモン「…///」

提督「…」

ライモン「…あの」

提督「?」

ライモン「提督は…私でよかったのですか?」

提督「…今日のお出かけ?」

ライモン「はい」

提督「…もちろん♪」 <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/07/07(金) 01:43:34.27 ID:ndedZiHT0<> ライモン「でも…カヴールさんとか、ドリアさんとか……他にもいっぱ…!」…ライモンの唇に人差し指を当てて黙らせた

提督「今は…他人の名前は言わないで?…せっかく二人なんだもの」

ライモン「…はい」

提督「それに、他人は他人、ライモンはライモン……他のみんなにはない魅力がいっぱいあるから♪」

ライモン「…そ、そうですか///」

提督「ええ♪」

ライモン「……提督は」

提督「ん?」

ライモン「具体的に…わたしのどこが好きですか?」

提督「そうねぇ…律儀な性格も、しなやかな姿も、爽やかな声も…全部好きよ?」

ライモン「……では…その…いつ頃からでしょうか…///」

提督「好きになったの?…着任早々に、目を潤ませて取りすがってきたころから…かしらね」

ライモン「そ…それってほとんど最初じゃありませんか///」

提督「ええ…けなげで、真っ直ぐないい娘だなって思ったの」

ライモン「///」

提督「…な、なにも真っ赤になる事じゃないでしょうに……こっちまで恥ずかしくなってくるわ///」

ライモン「だって、提督がその頃から…思ってくれていたかと思うと……///」

提督「だって…あぁ…ぁ、なんだかこそばゆいというか…くすぐったいというか///」

ライモン「…提督が…言ったんですよ……「好き」って///」

提督「あぁぁ…もう///」

ライモン「提督…///」

提督「…なぁに」

ライモン「…もう一回、あの時みたいな……キスを///」

提督「…じ、じゃあ…目をつぶって///」

ライモン「ん…///」

提督「すー…はー…///」

ライモン「…」

提督「ふー…///」

ライモン「…ま、まだですか?」

提督「ちょっと待って……じゃあ、キス…するわよ///」

ライモン「…ん///」

提督「んっ…♪」

ライモン「……優しい…キスですね///」

提督「…ま、まぁ…そうね///」

ライモン「その…素敵なキスでしたよ///」

提督「あ…ありがとう///」

ライモン「でも…まだまだ時間はありますし…もうちょっとだけ……///」

提督「え、ええ…なら……ん♪」

ライモン「…んっ♪」 <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/07/08(土) 09:29:21.37 ID:ffoQ/aqb0<> 提督「…///」

ライモン「月並みな言い方ですが……とっても…よかったですよ///」

提督「…泳ぎましょう///」

ライモン「えぇ?水着なんて持ってきてないですよ?」

提督「急に泳ぎたくなったの♪」

ライモン「分かりました、じゃあ…」するする…っ、ぱさり…

提督「えっ、ライモン…ちょっといきなり///」

ライモン「泳ごう、って言ったのは提督ですよ?さぁ、提督も…♪」(…照れ隠しのつもりだったのでしょうが、逆効果でしたね♪)

提督「…ええ、分かったわ///」する…っ、しゅる…っ

ライモン「じゃあ、行きましょう♪」白い肌を惜しげなく見せつけ、提督を引っ張るライモン…

提督「…ごくっ///」ライモンのヒップが小気味よく揺れている…

ライモン「どうしたんです?さぁ、早く泳ぎましょうよ♪」

提督「…あぁ、はいはい///」

ライモン「わぁ…水が暖かいですね♪」

提督「そ…そうね///」

ライモン「…」

提督「…///」

ライモン「…えいっ♪」バシャ!

提督「きゃっ!…もう、いきなり何をするの♪」

ライモン「だって、さっきから私の胸ばっかり見てて…きゃぁ!」

提督「お返し♪」

ライモン「やってくれましたね…反撃です♪」

提督「うわ…ぷ!…もう♪」バチャ、バシャッ!

ライモン「ひゃあっ♪」

提督「…ふふ」

ライモン「ふふ…っ、楽しいですね♪」

提督「よかった…♪」

ライモン「じゃあ、今度は少し泳いでみます?」

提督「んー…遠浅みたいだし、まぁ大丈夫そうね……行きましょう♪」

ライモン「じゃあ、湾につき出しているあの岩の所まで競争ですよ♪」

提督「む…泳ぎなら負けないから♪」


…しばらくして…


提督「ふー…はー…ふぃー…」

ライモン「はぁ…はぁ…ほぼ、互角でしたね…」

提督「ふー…ライモンがこんなに…ふぅ…速いとは…思わなかったわ…」

ライモン「提督こそ…私も結構速い方だと思うのですが…ふぅぅ…よく追いつけましたね…」

提督「…はぁぁ…止せばよかったわ…ふぅ……疲れた…」

ライモン「…楽しかったですけどね♪」 <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/07/08(土) 10:21:22.75 ID:ffoQ/aqb0<> 提督「それならよかったけど…ふー…」

ライモン「ふふっ…♪」

提督「何かおかしい?」

ライモン「ええ、二人でお出かけするのだから、お洒落なお店で買い物をして、静かなカフェでコーヒー…それから高級レストランできりりと冷えたワイン付きのランチタイム…なんて思っていたので」

提督「ふふ…がっかりしちゃった?」

ライモン「いいえ…提督の裸が見られただけでおつりが来ます♪」隣り合って脚を投げだし、シートに座る二人…

提督「…もう、からかわないの///」

ライモン「…本気ですよ」提督をじっと見つめ、指を絡ませる…

提督「///」

ライモン「ここなら…誰も見てないですよ……」

提督「…そ、そうね///」

ライモン「…ん…んちゅ…っ♪」

提督「んっ、んっ…///」

ライモン「ちゅ…っ♪…ふふ、もしかして期待してます…?」

提督「…それは…その///」

ライモン「なら、期待に応えないといけませんね♪」ぐいっ、どさっ…

提督「あ///」

ライモン「提督の瞳に空が映って…まるで青い目みたいです♪」

提督「…ライモン///」

ライモン「ん…ちゅっ…ちゅる…っ、ちゅぷっ♪」

提督「んっ、んっ……はぁ///」

ライモン「ふふ…塩辛いです♪」

提督「え…ええ///」

ライモン「もう…我慢できませんから……♪」

提督「…来て///」

ライモン「…ん、ちゅっ…ちゅぅぅ♪」

提督「んぅぅ…舌…入ってきた///」

ライモン「提督の…乳房……柔らかい……でも、ここは硬いですね♪」むにゅ…ぐにっ……こりっ

提督「あっ、あっ♪…先端はつまんじゃ駄目…っ♪」

ライモン「…と、言いつつ押し付けてくるのはどうしてですか♪」

提督「…だって///」

ライモン「こっちだって、すっかり濡れそぼっていますし…♪」くちゅっ、くちゅり…

提督「んっ、んぅ…あぁぁ♪」

ライモン「とろけたお顔も…素敵ですよ…っ♪」…くちゅっ♪

提督「あっ、あぁぁぁっ♪」




<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/07/08(土) 11:15:04.44 ID:ffoQ/aqb0<> ライモン「ふふ、こんなに乱れた提督は初めてです…ね♪」くちゅっ、じゅぶっ…ぐちゅ♪

提督「んんぅ、だって…ライモン……いいの……続けて…っ♪」

ライモン「こんなにとろとろで…シートがびしょびしょですよ?」

提督「ビニールなんだし…水で流せば……んぁぁぁっ♪」とろっ…

ライモン「そろそろ、わたしも……っ♪」くちゅり…

提督「……んっ、あぁぁっ♪ライモンの…肌……火照ってる…♪」

ライモン「重くないですか…?」

提督「大丈夫だから…じらさないで……♪」ぷるっとした艶やかな唇が開き、甘ったるくねだる

ライモン「そうですか?では…♪」くちゅっ、ぐちゅっ…ぐちゅっ♪

提督「んぁぁぁ…っ♪」ライモンが重なり合った秘所を滑らかに動かすと、ため息のような声をもらした…

ライモン「…愛してます♪」身体を重ねつつ、こっそりと耳打ちするようにささやいた

提督「あぁぁんっ♪…そういうのは反則…///」

ライモン「恋と戦争は手段を選びませんから…ふー…♪」

提督「あっ、あっ、あぁぁぁっ♪…もう、どこでそんなこと覚えたのっ♪」

ライモン「提督からですよ…っ♪…ん、ちゅっ♪」

提督「んっ、ふぅぅ…ちゅる…ん、んぅ♪……そういえばそうかも…んっ、あぁぁっ♪」

ライモン「…ちゅっ♪」

提督「はぁぁ…ん♪」

ライモン「こっちも…すっかりとろとろで……♪」

提督「ひぅっ、んぁぁぁっ♪……ライモン…もっ…と///」

ライモン「はい…では、わたしに身体を預けて…♪」ちゅぷっ、じゅぷっ…

提督「あっ、あぁぁ…ぁっ♪」

ライモン「とろけた表情も可愛いですよ…♪」胸を合わせ、濡れた身体をゆっくりと動かしつつ、そっと顔を撫でた…

提督「あんっ…ライモン……れろっ、ちゅぱ…っ///」顔を撫でる指をそっとつかんで引き寄せ、優しく舐めた…

ライモン「ふふ…せっかく濡らしてくれたので……好きですよ、提督」くちゅっ♪…濡れた指を愛おしげに見つめていたが、耳元でささやくと手をゆっくりと降ろして、とろりと蜜を垂らす提督の花芯に滑り込ませた…

提督「んっ…それ、いいっ♪……ライモンの…指が…ひぅぅぅっ♪…入ってきて…んっ、あぁぁぁ♪」くちゅ、くちゅっ…とろっ…♪

ライモン「…すごい濡れて…ねっとりしてます……♪」

提督「…だって……ライモンに「好き」って言われたら…んっ、ああっ!」

ライモン「でしたら……愛してます♪」かぷ…り

提督「あっ、あっ、あっ…あぁぁぁっ♪」とろ…っ、ぶしゃぁぁ…っ

ライモン「ふふ、提督の乱れた顔…♪」

提督「…あんまり見ないで♪」

ライモン「いいえ…わたしだけに見せてくれたんですから…♪」

提督「もう、仕方ないんだから♪」

ライモン「…ふふ、提督のとろけたお顔…わたしには一番のごほうびです♪」

提督「気に入った?」

ライモン「はい…でももうちょっと……♪」

提督「あっ…んんっ♪」

<> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/07/08(土) 13:42:43.78 ID:0S0g6oqpo<> 半端だな相変わらず <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/07/12(水) 00:50:01.20 ID:D2uYbT9+0<>
ライモン「…その」二人で甘い一時を過ごし、しばらく無言だったがライモンがぽつりと切りだした

提督「な、なに…///」

ライモン「…可愛かったですよ///」

提督「そ…そう///」冷静になってみるとかなり大胆だった行為が恥ずかしく、視線をあわせられずにいた…

ライモン「はい…♪」


…手を重ねた二人が座っているひと気のない海岸にざぁぁ…っと波が打ち寄せては引いていく…時々カモメが甲高い声で鳴きながら上空を飛び、沖合には貨物船らしい船の小さくかすんだシルエットが見える…


提督「んー…一万トンクラスのバラ積み貨物船……」隣に裸の美少女が座っていてもつい沖を行く船を識別しようとしてしまう…というより、白い肌をさらした裸のライモンを直視できないので、照れ隠しに目をこらして沖を眺めている…

ライモン「……船体は緑で白い縁取り、赤い煙突にデリックが二基…喫水線が高く見えるので積み荷は空…速度は大体十ノットくらいですか」

提督「よく見えるわね…」

ライモン「ええ…視力は良い方で……」そこまで言ったところでお腹がぐー…と鳴った

ライモン「っ///」

提督「…ふふ、お昼にしますか♪」

ライモン「…は、はい///」

提督「じゃあ、それを取って?」

ライモン「はい…って、これ全部お昼ですか?」

提督「え、ええ…嬉しくてつい作り過ぎたのは認めるわ」

ライモン「…いくらなんでもこれは…一個小隊をまかなう訳じゃないんですから」柳のバスケットを二人の間に置いた

提督「ま、まぁ…いっぱい食べて?」

ライモン「そうします」

提督「見た目はどう?」

ライモン「どれどれ…わぁ、豪華ですね♪」

提督「さ、どうぞ?」ウェットティッシュを渡し、皿を並べた…

ライモン「ありがとうございます、ではさっそく……んむ…もぐ…」

提督「……ど、どう?」

ライモン「とっても美味しいですよ…はい、あーん♪」

提督「あーん///」

ライモン「提督はお料理も上手なんですね♪」

提督「あ、ありがとう……「あーん」してもらったら二割増しくらい美味しい…わ///」

ライモン「そ、そうですか///」

提督「ええ……あ、そういえば飲み物もあるのよ?」一応水筒にアイスティーを詰めては来たが、直前になって二人の「お出かけ」を聞きつけたポーラから渡されたクーラーボックスがあったので開けてみた

ライモン「ポーラさんから受け取ってましたよね…なんでしょう?」

提督「おおかたお酒だとは思うけど…ほら、やっぱり」クーラーボックスの中は氷が詰めてあり、ワイングラス二つとキァンティ葡萄酒ひと瓶が行儀よく収まっている…

ライモン「ポーラさん、優しいですね」

提督「気持ちは嬉しいけど、飲んで運転するつもりはないから困ったわね…」

ライモン「…かといって開けないのも悪いですし」

提督「分かったわ、一杯だけね…あとはライモンが好きなだけ飲んで、残ったら持って帰りましょう」

ライモン「わたしそんなに飲めませんよ…?」

提督「無理に飲まなくていいから…さ、グラスを出して?」


<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/07/12(水) 01:52:24.10 ID:D2uYbT9+0<> 提督「あ…いい香り」きゅっ、ぽん♪…と軽い音がしてコルクが抜け、露が降りたグラスに紅いワインをとくとくとく…と注いだ

ライモン「本当ですね…さ、提督の分はわたしが」

提督「ありがとう、形だけいただくわ」

ライモン「はい…これでいいですか?」

提督「ん…じゃあ、乾杯♪」こんっ…

ライモン「乾杯♪…んっ…こく、こくん…」

提督「美味しい…良いワインね」

ライモン「ええ、美味しいです…きっとポーラさんのとっておきだったんじゃないでしょうか」

提督「かもね…銘柄は書いてないけど…」口の中で転がしつつ、ほど良い酸味と渋みを味わった…

ライモン「チキンを切りましょうか?」

提督「あぁ、いいの…私がやってあげる。ライモンは食べる方をお願い♪」小さいナイフで器用に骨からチキンを削ぎ、皿に盛った

ライモン「じゃあ…お言葉に甘えて……」塩とニンニク、少しエスニックな雰囲気にしようとクミンとチリ・パウダーをまぶした変わり種のコールド・チキンにライモンは驚いた表情を浮かべたが、すぐその可愛らしい口で鶏の脚一本分を平らげた

提督「…美味しい?」答えは分かっているが、ライモンから直接聞きたくてたずねた

ライモン「はい、とっても…中東風で美味しいです♪」

提督「よかった…普通のもあるから、よかったらこっちも食べて?」

ライモン「ええ、それより提督も召し上がって下さい」

提督「ありがと♪…でも、ライモンが食べているところを見ているとこっちまで幸せになってくるわ♪」

ライモン「///」

提督「ふふ…でも私もお腹が空いたし、いただくわね」パストラミのサンドウィッチを取り、かぶりついた…

ライモン「ん、こっちのも美味しいです♪」サーディンのサンドウィッチをぱくつき、ワインを傾けた

提督「うん…自分で作っておいてなんだけど、美味しい♪」

ライモン「…特に青い空の下でいただくと格別ですね、ワインも美味しいですし♪」キァンティとチキン、サンドウィッチでほどよくお腹がくちくなったライモンはいつもより気楽な具合で、頬を桜色にしていた

提督「そうね♪」パンの耳をのんきにカモメに放ってやりながら、にっこりしてうなずいた

ライモン「ふー、ふーふーんー…いい気持ちですね…ぇ♪」今度はひと昔前のカンツォーネをハミングしながら、機嫌よく身体を揺らしている…

提督「気に入った?」

ライモン「もちろん…青空の下で愛し合って、美味しいお昼にキァンティまでついて、言うことなしです♪」またワインを注いでもらい、くーっと傾ける…

提督「ふふ、まさかお昼を裸でいただくとは思わなかったけど…♪」

ライモン「たまにはいいじゃありませんか、目の保養になりましたよ…ひっ…く♪」

提督「あら、少し飲み過ぎちゃった?」

ライモン「どうでしょう…そんなに傾けたつもりはなかったんですが……ひゃっ…く♪」

提督「そうよね…大瓶だけどまだ残っているくらいだし……暑いから酔いが回ったのかしら?…はい、お水」

ライモン「ふふ…ありがとうござい……ひっく」

提督「もう少し水を飲んで、少し日陰で休めば良くなるわ」そう言ってチキンの油が付いたナイフと皿を紙で拭い、バスケットに放り込んだ

ライモン「そうですね…あぁ、でもふわふわして…気持ちいいです…♪」軽くあくびをしながら日陰に敷き直したシートに座ると、とろんとした目つきでうつらうつらし始めた…

提督「ほら、おいで?」

ライモン「ふわ…ぁ、膝枕ですか……ありがとうございます…♪」とろとろした口調でそれだけ言うと、ぽすっ…と頭を乗せて、規則正しい寝息を立てはじめた

提督「あらあら…寝顔も可愛い♪」提督はすーすーと穏やかな寝息を立てるライモンの頬にそっとキスをして、頭を撫でながら海を眺めた…

<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/07/15(土) 01:32:49.98 ID:6p34SnPz0<> …しばらくして…

提督「…そろそろ帰らないと」…金色に輝くような午後の日差しはまだ明るかったが、提督は時間を考えてそろそろ帰ろうと考えた…が、膝枕の上ですやすやと眠っているライモンを見ると起こすのはしのびない……

ライモン「すぅ…むにゃ…」

提督「ふふ…♪」そっと膝枕からライモンを下ろすと、バスケットや荷物を先に車の後部座席に載せた

ライモン「…ん…提督……すぅ…」

提督「はいはい…ここにいますよ…♪」ライモンを起こさないよう静かに浜辺の草原に移すと、敷いていたビニールシートの砂を払ってくるくると丸め、それからライモンを「お姫様抱っこ」の形で抱き上げた…

ライモン「ん…んぅ…」

提督「いい子ね……っと」坂になっている小道で少しよろめきながらも、助手席にそっとライモンを乗せるとシートベルトを締め、こんどは額にキスをした…

ライモン「すぅ…すぅ……ふふっ♪…」いい夢でも見ているのか、穏やかな寝顔に小さな笑みを浮かべた…

提督「また来ましょうね、ライモン…♪」小声でそうつぶやくと、大きい音を立てないようにドアを閉めてキーを回した


…国道…


提督「ラジオでもつけようかしら…小さい音ならライモンも起きないわよね?」…提督のクラシカルなランチアにカーラジオはついていない。少し音楽が欲しくなった提督は紅いポータブル・ラジオの電源を入れて、小物入れに押し込んだ……ラジオからはパーソナリティの落ち着いた声が聞こえてくる

ラジオ「……えー、この時間は「懐かしのメロディ」、50年代、60年代、70年代に一世を風靡したカンツォーネをお送りします。ミーナ、ミルバ、ジャンニ・モランディ、ドメニコ・モドゥーニョ……黄金時代を彩ったカンタウトーレたちの歌声をどうぞ」

提督「あら、いいわね…直接は知らない世代だけど…♪」

ラジオ「最初は59年の映画「刑事」の主題歌、「死ぬほど愛して」(SINNO ME MORO)をお送りします…」

提督「…この曲なら知ってるわ…あぁ、だめ、もう泣けてきた……」慌てて速度を落とし、目尻を拭った…

ラジオ「…貧しかったイタリアの世相と悲恋を描いた映画を象徴するように、アリダ・ケッリが切なく歌いあげるこの曲は当時大変に人気を博しました…ちなみに当時のアリダ・ケッリはまだ16歳、彼女の透明感ある歌声をお楽しみください…では、どうぞ」…前奏が流れ、さみしげに震えるような声が響く…


ラジオ「♪〜アモーレ…アモーレ…アモーレ、アモーレ・ミーオ…(愛する、愛する、愛する…愛する人)」

ラジオ「インブラッチァ、テメ、スコォルド…ニドローレ…(あなたの腕の中ならば、どんな悲しみでも忘れられる…)」

ラジオ「ヴォイオレスタ、コテ…シノ、メ、モーロ…(あなたといられないのなら死ぬわ…)」

ラジオ「ヴォイオレスタ…コッテ…シノン、メ、モーロ…(あなたといられないのなら死ぬわ…)」


提督「…う…ぐすっ……」

ラジオ「二番まで流したいところですが、次が控えておりますので、一番だけにしておきましょう…では次の曲を……」

提督「よかった…うぅ…」

ラジオ「お次は言わずと知れた名曲、ドメニコ・モドゥーニョの「ヴォラーレ」(VOLARE)を送ります…最近では「ジプシー・キングス」のカバー版の方が有名ですが、元はといえば58年に大ヒットした曲…当時全米でも人気一位を記録、正確なタイトルは「青く塗られた青さの中に」(NEL BLU DI PINTO DI BLU)ですが、こちらの方が知名度が高いですね…では、ドメニコ・モドゥーニョで「ヴォラーレ」です♪」


ラジオ「♪〜ヴォー…ラーァレー!オー、オー!…カーーンターレーェェ!オー、オ、オオー!!」(飛ぶ!オー、オー!…歌う!オー、オー、オオー!)

ラジオ「ネル、ブルゥ、ディ、ピント、ディ、ブルゥー…フェリィーチェ、ディ、スタレ、ラ、スゥ」(青く塗られた青さの中…空を飛ぶ幸せ)

ラジオ「エ、ヴォラヴォ、ヴォラーヴォー、フェリーチェ、ピゥ、ナルト…デル、ソレ、アンコラ、ピゥ、スゥ」(太陽の高さ…もっと高くまで幸せに飛ぶ、飛ぶ)

ラジオ「メントーレ、イルモンド、ピァン、ピアノ…スパリヴァ、ロタント、ラ、ジゥ…」(地球は遥か下…静かに静かに消える)

ラジオ「ウナ、ムージカ、ドルチェスォヴァナ、ソレタント、ペルメ…」(私だけのため、奏でられる甘い音楽…)


提督「ヴォーラーレ…オー、オー……カーンターレー…オーオーオー…」青い海と空が見える景色にぴったりの曲で、提督はライモンを起こさないよう小声で口ずさんだ…

提督「あら…もう着いちゃうわね。でも、もう少しだけ、こうしていたいから……」しばらくすると入ってくるのは雑音だけになり、提督はラジオを切るとそっと「ヴォラーレ」を口ずさみながらアクセルをゆるめた…



<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/07/15(土) 02:10:43.07 ID:6p34SnPz0<> …鎮守府…

提督「着いちゃったわね…」名残惜しげに入り口まで車を回すと、カヴールと数人が迎えに来ていた

カヴール「お帰りなさい、提督♪」提督が運転席から降りると、さっそく左右の頬にキスを浴びせてきた

ポーラ「うまくいった〜?」

セラ「お帰りなさいっ♪」

クリスピ「待ってたよ♪」

提督「ん、お出迎えありがとう♪…だけど、しーっ…」

セラ「?」

クリスピ「どうかしたの…?」

提督「ライモンが寝ちゃったから…ね♪」

カヴール「あらあら…ふふ♪……ライモンド、昨日は「提督と二人きりでお出かけ」だって、すごく喜んでいましたし…きっと寝つけなかったのでしょうね♪」

提督「ふふ…そんなに喜んでもらえてよかったわ……さてと、じゃあ私はライモンを部屋まで運んでいくから」

カヴール「…私が運んであげましょうか?」

提督「気持ちは嬉しいけどいいわ…だって「私の王女さま」だもの♪」

カヴール「ふふ…妬けてしまいます♪」

提督「ごめんなさいね、カヴール」

カヴール「いいえ…その分、埋め合わせをしてもらいますから♪」

提督「はいはい♪…あ、セラ、クリスピ」

セラ「はい、なんでしょうか?」

提督「これ…残り物で悪いけど、持って行ったお菓子食べなかったから、よかったらどうぞ?」

セラ「わぁぁ…セラは、これで十分です♪」

クリスピ「グラツィエ、提督…ちゅ♪」二人はつま先立ちすると両方の頬にキスをして、お菓子の袋を持って駆けて行った…

ポーラ「じゃあ〜、こっちはぁ…ポーラが片づけて…あ!せっかくのキァンティがまだ残ってますねぇ〜♪」クーラーボックスの中に残っていたキァンティを目ざとく見つけるとグラスにたっぷりと注ぎ、きゅーっ…と飲み干した

提督「…お片付けありがとう」

ポーラ「いいえ〜、せっかくのキァンティを残しちゃったらもったいないですし〜…それでは〜♪」空いた瓶とクーラーボックスを持って歩いて行った…

提督「…」

カヴール「でしたら私は残っている物を片づけておきますから、提督は可愛い眠り姫を運んであげて下さい♪」

提督「ええ、そうする…よいしょ」


…鎮守府・階段…


提督「…よっ……こらせ…」ライモンは軽い方とはいえ、お姫様抱っこで階段を上がるのはなかなか難儀で、足下を確かめつつ慎重に上って行った

提督「うん…しょ…」

ライモン「すぅ…すぅ……」

提督「っ…///」お姫様抱っこで運んでいると、ライモンの甘い香水と寝息が鼻と耳をくすぐる…そのたびに優しく愛撫されたようなぞわぞわした感覚が背筋に登り、腕の力が抜けそうになる…

提督「…ライモンの部屋まで…もう…少し…」





<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/07/16(日) 00:31:22.82 ID:gq8+bXUV0<> …モンテクッコリ級軽巡・居室…

提督「ムツィオ、いる?」ライモンを抱えつつ左手を伸ばし、どうにかノックする…

アッテンドーロ「いるわよ…ちょっと待ってね」ナポリ訛のさばさばした声が聞こえ、ドアが開いた

アッテンドーロ「お帰りなさい、提督……って、姉さんってば寝ちゃったの?」

提督「そうなの…起こすのも悪いから…運んできたんだけ……ど…」腕が小刻みに震えだし、顔を真っ赤にしている…

アッテンドーロ「あっ、あぁ!…いけない、早く入って」

提督「あ…ありがとう……ふー…」ライモンを個室のベッドに下ろすと、肩と手首を回しつつ息を吐いた…

アッテンドーロ「もう、無理しないでドリアとかカヴールにでも運んでもらえばよかったのに…まぁいいわ。ちょうど誰かとおしゃべりしたかったし、座って?」

提督「ええ、そうさせてもらうわ」

アッテンドーロ「ちょっと待ってね…はい、コーヒー」手際よく淹れたコーヒーを提督に渡した

提督「あら、いい香り♪」

アッテンドーロ「ふふん…新しい豆だもの、そりゃいい香りよね♪」

提督「そうね……んー、味もいいわ」

アッテンドーロ「でしょうね…ところで…」

提督「?」

アッテンドーロ「なんで姉さんに泣かされたの?…まぁ、あの姉さんに限って無理やり「事に及んだ」訳ないわよね……まさか喧嘩でもしたの?」

提督「え、一体何のこと?…泣くような事なんてなかったわよ?楽しく過ごしたもの」

アッテンドーロ「嘘言わないで、泣いた跡があるじゃない」目の端を指差した…

提督「あぁ…これ?……笑わない?」

アッテンドーロ「まだ聞いてないから保証はしないけど…まぁ、努力はするわ」

提督「…それでいいわ。…あのね、帰りにライモンが寝ちゃって、少し音が欲しくてラジオをかけたの…」

アッテンドーロ「それで?」

提督「流れてきた歌の曲調が…」

アッテンドーロ「悲しい調子の曲だった?…提督も結構おセンチなのね」

提督「だって…あれを聞いたら鼻の奥がじーんと熱くなって……」

アッテンドーロ「…ふふ…あははっ♪」

提督「もう…だから「笑わない?」って聞いたのに…///」

アッテンドーロ「だって、ねぇ♪…普段はあれだけ包容力たっぷりで鷹揚に構えているのに、歌の一つや二つで涙ぐむなんて可愛いじゃない♪」

提督「仕方ないでしょう?…泣けてくるんだもの」

アッテンドーロ「ふふ…ま、そういう所も好かれる理由じゃない?」

提督「…そう?」

アッテンドーロ「じゃなきゃ、これだけの娘っ子たちを上手くさばける訳ないわ……ま、とにかく」

提督「?」

アッテンドーロ「今日は姉さんとデートしてくれてありがとう…姉さん、緊張と期待で昨日は一睡もしてなかったんじゃないかしら…」

提督「そうだったのね…じゃあ、やっぱり街でお洒落なブティックとか巡った方がよかったかしら…」

アッテンドーロ「もう…提督ったら何言ってるの。…姉さんのあの寝顔を見ればとっても楽しかったって分かるわよ♪」

提督「ふふ…それもそうね♪」

アッテンドーロ「そうよ…さてと、姉さんはすっかりお休みだし……提督も着替えて来たら?」

提督「そうね、コーヒーをごちそうさま。…あ、その前に……」ライモンの個室にそっと入って、サイドテーブルの上に何かを置いてメモを書き残した…

アッテンドーロ「姉さんへのお土産?」

提督「ええ、これくらいしか思いつかなくて…それじゃあ、また後で」


<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/07/16(日) 01:32:28.25 ID:gq8+bXUV0<> アッテンドーロ「じゃあ夕食時に」提督を見送ると、ライモンが寝冷えしないようタオルケットを掛けてあげようと部屋に入った…

ライモン「…すぅ……ん…む…♪」

アッテンドーロ「ふふ、姉さんったら少し真面目過ぎるのよ…♪」無邪気な笑みを浮かべたライモンを見てアッテンドーロは軽く微笑み、そっとタオルケットを掛けた…と、ベッド脇の小机に置かれた提督の「プレゼント」が視線に入った

アッテンドーロ「これが姉さんへの贈り物ね?…ごめん、姉さん。先に見ちゃうわね」しげしげとのぞきこむと、首を振りながらくすりと笑った

アッテンドーロ「…ふふ、全く。……気の効いた贈り物だこと♪」

…ベッドサイドのテーブルには白い巻き貝の殻が置かれていて、その下に敷いた青い便箋には斜めに「これを耳に当てれば、きっと今日の波音が聞こえてくるでしょう。愛を込めて……フランチェスカ」と書き添えてある…

アッテンドーロ「宝石よりずっといいものをもらったわね…姉さん♪」そっと個室のドアを閉めて出て行った…


…しばらくして・食堂…


カヴール「…それで、いかがでした?」ズッキーニとパプリカ、トマトの入った牛の煮込みを味わいつつカヴールがたずねた

提督「楽しかったわ♪」

カヴール「ふふ…はぐらかしても駄目ですよ♪」向かいからつま先を伸ばしてふくらはぎを撫で上げた…

提督「もう…お行儀が悪いわよ?」

カヴール「あらあら…叱られてしまいました♪」そう言いつつも止める気はさらさらない…

提督「…カヴール♪」

カヴール「はいはい、分かりました♪」

提督「ところでみんな、もう少しいかが……あの、もしもし?」

リットリオ「…はぁぁ…提督と二人きりの波打ち際……あこがれちゃいます///」

ボルツァーノ「耳元でささやく提督の甘い声…///」

ミラベロ「きっと頬に手をあてて……」

リボティ「…こう言うんだろうね「キス、しましょう」…って♪」

スクアロ「それは…我慢できないな♪」

デルフィーノ「…んっ♪……ちょっと化粧室に行ってきます///」

提督「…ふぅ…過度な期待をされても困るのだけど」

カヴール「でも提督、今日のお出かけではライモンドと……うふふっ♪」

提督「…ノーコメント」

カヴール「まぁ、残念♪」

チェザーレ「…カヴール、あまりそういうことを聞き出そうとするな。提督とライモンド、二人だけの秘密なのだから」

カヴール「ふふ、それもそうですね…ですが、私のようなおばあちゃんはうわさ話が大好きなので♪」

チェザーレ「その容姿でどこが「おばあちゃん」なものか…全く」

カヴール「あら、嬉しい…でも、そう言うチェザーレだって凛々しくて素敵ですよ♪」

チェザーレ「う……あまりチェザーレをからかわないでくれ///」

カヴール「ふふ♪」

提督「ふふふっ…チェザーレでも動揺することがあるのね♪」

チェザーレ「まぁな…さてと、その煮込みをもらおうか///」

ミラベロ「チェザーレがごまかすなんて、よほど恥ずかしかったのね♪」

リボティ「ふふ…わざと素っ気ない態度を取っているんだろうね♪」

チェザーレ「…何か言ったか?」

ミラベロ「何も?」

チェザーレ「…よろしい」

リボティ「仕方ない、黙っているよ…お仕置きされるのはご免だからね」

<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/07/18(火) 10:09:25.98 ID:UJr0sN6t0<> 提督「ふふっ…さすがのミラベロとリボティもチェザーレにはかなわないわけね?」

カヴール「うふふっ♪」

チェザーレ「む…別にそう言うつもりではないのだが……怖がらせてしまったか?」

ミラベロ「ううん…平気よ」

リボティ「おっかないようでチェザーレは優しいもんね…ところで今日のデザートは何かな?」

提督「夜になってもまだ暑いし…ひんやりしたものがいいわね」

ジュセッペ・フィンチ(カルヴィ級大型潜)「そう言うと思ってな、今日は日本風の氷菓を用意してある!」バーカウンターになっている食堂の片隅から声が飛んできた

提督「あら、フィンチ…何を用意してくれたの?」

フィンチ「私は日本通だからな…屋台の「かき氷」というものを提供するぞ!みんな、ぜひこっちにきて堪能してもらおう」

…戦中、日本に派遣される予定がおじゃんになったせいか、間違った日本の知識を色々仕込んでいるフィンチだが、今日は浴衣にねじり鉢巻き、手元には「祭」と書いてある赤いうちわを置いて屋台を「開店」している。カウンターの上にはブルーに塗られ、手回しハンドルの付いた古めかしい削り器が鎮座していて、脇には色鮮やかな液体の瓶と、アイスクリーム用のガラス器、足りない分のカクテルグラスが並べてある…

提督「かき氷器?あんなの、厨房にあったかしら?」

ディアナ「ええ、ありましたよ。あんまり使わないのでしまってあったのですが、かき氷に使うと言うので出してきました」さりげなく並んで、子供のようににこにこしている

フィンチ「さぁ、お嬢ちゃんたち、並んで並んで!」うちわをパタパタやりながらべらんめえでまくしたてる…

百合姫提督「あら、本格的…♪」

足柄「いいわねぇ、夏らしくて……ちょっと間違ってるけど」

龍田「ふふ、私にも一つ下さいな♪」

フィンチ「へい、毎度!どれにしやしょう?赤、青、黄色、緑とございやすが!」

龍田「味じゃなくて色で言うの?…そうねぇ、なら「赤」がいいわぁ♪」

フィンチ「へい、なら赤を一丁!」

リベッチオ「リベッチオには緑をちょうだい!」

フィンチ「あいよっ!」

百合姫提督「私は…青がいいわ」

足柄「なら黄色にするわ…一口ずつ味見できるように」

フィンチ「へい!」…かき氷器のハンドルを回し、器にガリガリと削った氷を盛っていく…仕上げに液体をたっぷりとかけると、脇にスプーンを突きさした

フィンチ「お待たせでござんす!はい、次の方!」

龍田「美味しそうねぇ♪」

百合姫提督「ふふ、イタリアでかき氷が食べられるなんて…では」

足柄「いただきます…と♪」しゃりっ…

龍田「!?」

百合姫提督「けほっ!?」

足柄「んっ!?」

提督「どうしたの?」









<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/07/18(火) 10:47:07.76 ID:UJr0sN6t0<> 龍田「何…これ……うぅ、イチゴ味かと思ったのに…すごく苦いのだけど…ぉ」

百合姫提督「…これ、お酒の味がするわ」

足柄「こっちはレモン味だけど…確かにリキュールみたいな味がするわね」

リベッチオ「うー…こっちもなんだか苦いかも……」

提督「…フィンチ、一体何のシロップを使ったの?」

フィンチ「え?…普通にあるもので」

提督「シロップなんてあった?」

フィンチ「いいえ?…ですから「赤」はカンパリ、「緑」はミントリキュール、「青」はブルーキュラソー、「黄色」はリモンチェーロで……」

提督「…」

フィンチ「あー…それだと間違ってるのか?」

提督「んー…まぁ…」渋いグレープフルーツそこのけに苦いカンパリの味に顔をしかめている龍田…それを見てけなげにも百合姫提督が龍田の分まで助けている…

フィンチ「そうか…映像では味までは分からんからな」

龍田「でも…屋台の看板にも果物の絵があったはずよ…ぉ」顔をしかめたままぼやいた

フィンチ「あれは…なんというか、にぎやかになるように描いてあるのかと」

提督「あー…まぁ、ほら……そういうこともあるわよ…って…」

チェザーレ「ふむ…カンパリ味も爽やかな苦みでなかなかいいと思うがな」しゃり…しゃりっ

ポーラ「えへへぇ…ミントリキュールもさっぱりしておいしいです〜♪」…しゃくっ

提督「…」

サウロ「苦いのは…あんまり好きじゃないわ…」

デルフィーノ(スクアロ級)「デルフィーノも苦手です…スクアロ、助けて下さいぃ…」

スクアロ「仕方ないな、ほら……しかし、赤いのを食べたら血みたいで…がぁぁ!」大きく口を開けてみせる…

デルフィーノ「ひぅ!」

ムレーナ(フルット級)「おいおい…あんまりいじめるなよ、なぁ?」後ろから近付いてぽんぽんと肩を叩く

デルフィーノ「ムレーナ…ありがとうございますぅ」

ムレーナ「なぁに…気にするなよ♪」口の端から真っ赤なカンパリをたらりと垂らしている…

デルフィーノ「ひぃぃ…!」

ムレーナ「あっはははっ!」

提督「こら、あんまりからかわないの!」

デルフィーノ「うー…提督ぅ…」

提督「はいはい…こっちにおいで?」

デルフィーノ「もう、あの二人はいじわるです」

提督「あとで叱っておくから…それより、どうしようかしら…」

ドリア「フィンチ、カンパリも大人の味で美味しいですよ?」

ザラ「今度はブルーキュラソーでお願い」

フィンチ「へい!さて器に盛りましたるこの姿はまるでヴェスビアス……もとい、フジヤマの形で、日本ではこれを食べると無病息災…上にかけたシロップは日本の四季を表す縁起物だよ!」

百合姫提督「…今度は「ガマの油売り」の真似かしら?」

足柄「別に四季はあらわしてないわよね…」

<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/07/18(火) 11:21:51.29 ID:UJr0sN6t0<> 提督「一部には好評みたいだけど…んー…」

セラ「苦いです……デュイリオ、食べてくれませんか?」

デュイリオ「助けてあげたいのはやまやまですが…でも、さっきからたくさんもらってしまって……チェザーレ?」

チェザーレ「シャーベットは好きだが、こんなには食べきれないぞ…ドリア、少しどうだ?」

ドリア「もう五つ目ですよ…さすがにお腹が冷たくて」

リットリオ「私もちょっと…」

エウジェニオ「…キス一回で食べてあげるとは言ったものの…ちょっと欲張り過ぎちゃったわ」

提督「…フィンチ」

フィンチ「あぁ、提督。どうかしたのか?」

提督「カンパリじゃなくて、これならどう?」バーカウンターの後ろに並べてある瓶の中から、綺麗な紅い液体の入った瓶を取り出した

フィンチ「それは?」

提督「グレナデンシロップ…甘いからカンパリよりいいと思うの」

フィンチ「おぉ…なるほど」

提督「セラ。別なものに変えてみたけど、これでどう?」

セラ「苦くないですか?」

提督「ええ、甘いシロップにしてみたわ」

セラ「でしたら頂きます…ん」しゃり、しゃく…

提督「どう?」

セラ「んー、甘くて美味しいです♪」

提督「よかった…って、あんまり勢いよく食べると」

セラ「っ!…頭が痛いです……っ」

提督「あー…アイスクリーム頭痛ね、しばらくそっとしておけばすぐよく治るから…クリスピはどう?」

クリスピ「あぁ。…んむ…甘くて美味しいな」

提督「よかった…って、またポーラは……」フィンチが椅子に腰かけてリモンチェーロかき氷をしゃくっている間にカウンターにやってきて、勝手にかき氷器を回し始めた…

ポーラ「片方にカンパリ、反対側にはぁ〜…ミントリキュールで…イタリア国旗のかき氷です〜♪」

マメリ(マメリ級中型潜)「おぉ!素晴らしく愛国的な色合いだ!」

バンディエラ(バンディエラ級中型潜)「私は…この瞬間に立ち会えて感動している!」

ポーラ「はい、どうぞ〜♪」

マメリ「美味い…カンパリは独立までの苦い味、そしてミント・リキュールが国家が一つになったときの爽やかさ…そして何もかかっていないところは無垢で純粋なイタリアへの愛……素晴らしい!」

バンディエラ「うむ…これこそイタリアだ!」

提督「…そこまで言う?」

ポーラ「んー…でもぉ…もうちょっとピリッとした……ありましたぁ〜♪」透明な瓶には緑の字で「スピリタス」とある…

提督「!?」

ポーラ「ちょっとかけて…軽くライムを絞ってぇ……れろっ…お塩を縁に…」かき氷は少な目で、カクテルグラスの縁を一回り舐めると塩を上手くまぶし、スノウスタイルにして味をみた…

ポーラ「ん〜っ!まろやかなのに喉にか〜っと来ますねぇ〜…♪」

提督「ちょっとポーラ!そんなに度数高いのは駄目よ!」

<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/07/18(火) 11:58:50.33 ID:UJr0sN6t0<> ポーラ「えへへぇ…ポーラはぁ、だいじょーぶです♪」

提督「…本当に?指は何本?」二本の指を立ててみた

ポーラ「あー…提督のお顔、可愛いですねぇ〜…♪」

提督「そ、そう…って、ごまかさないの///」

ポーラ「もちろん両手合わせて十本ですよぉ〜…それくらいポーラはぁ…分かってますよぉ〜…」くぴっ、くぴっ…きゅーっ…♪

提督「あっ…もう、口当たりがいいからっていい気になって飲むと、後でひどいわよ?」

ポーラ「ちゃんとお水も飲んでますよぉ〜…それより〜…♪」

提督「?」

ポーラ「この部屋は暑いですねぇ〜…ふぅ…」ぱさっ、しゅるしゅるっ…

提督「わわっ!…ちょっとポーラ、脱いじゃ駄目よ!」

ポーラ「え〜…?でもぉ、暑いですからぁ♪」ぽーっと火照った頬を置いてある「祭」うちわであおぎつつ、あっという間に上半身裸になった…

提督「あの…お願いだから何か着て」白い乳房と汗ばんだ谷間を見てごくりと生唾を飲み手を伸ばしたが、頭をごんごん叩いて理性を取りもどした

ポーラ「はぁ〜い♪」ポーラはとろんとした酔眼でグラスの残りを一息に空けると、ゆるみきった笑みを浮かべつつ白いレースのブラを取り上げた…

ポーラ「ん〜…?おかしいですねぇ〜…このブラ、急にきつくなったみたいです〜…」

提督「あー…上下逆よ」

ポーラ「面倒なのでぇ、提督がつけてくださいっ…えへへぇ♪」

提督「あー…そう来ると思ったわ、よいしょ」

ポーラ「さわってもいいですよぉ〜?」

提督「いいの?…じゃなかった……こほん!…ちゃんと服着ないと駄目よ?風邪引いちゃうでしょう?」

ポーラ「ポーラはぁ〜、アルコールで消毒しているので大丈夫です〜♪」

提督「またそういうことを…心配して言っているのよ?」

ポーラ「提督は…ポーラの事、心配してくれているのですか…?」

提督「なんで?当然じゃない?」

ポーラ「…ポーラはぁ……こんなに優しくしてもらって…ぇ……♪」

提督「おかしいこと言った?」

ポーラ「おかしくないです〜…むしろポーラ、嬉しいですっ♪えへへっ、ポーラはぁ…えへへぇ♪」

提督「ポーラ、ちょっと…もしもし?」

ザラ「あー、提督…うちの妹が迷惑をかけて……どうも申し訳ありません…」

提督「いえいえ…って、ザラ?」

ゴリツィア「あの、姉さまたちはちょっとお酒をいただきすぎたようなので…この辺で……ほら、ポーラ姉さま…」

ポーラ「え〜…ポーラはぁ、もう一杯飲むのっ♪」

ボルツァーノ「ほら、ポーラ…行こう?」

ポーラ「あれぇ?…いつの間に妹が増えたのぉ?」

ボルツァーノ「私はボルツァーノよ。…もう、私そっくりな従姉妹がこんなにへべれけで…困ったものだわ……ふふ♪」

提督「仲いいのね♪」

ボルツァーノ「ええ、姉妹みたいなものですし…一人っ子の私を混ぜてくれるので」

提督「そう、じゃあお願いしていい?」

ボルツァーノ「もちろんです♪さぁ、ポーラ、背中に乗って下さい…よい…しょ……」

ゴリツィア「上着は持ったわ」

提督「じゃあ、また後で♪」

ゴリツィア「はい♪」 <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/07/20(木) 00:55:48.29 ID:nfuiC7I/0<> 提督「ふー…」

百合姫提督「ふふ、これだけの大所帯だと大変ね?」

提督「んー…でもいい娘たちだし、楽させてもらってるわ」

百合姫提督「フランチェスカは優しいのね…はい、どうぞ♪」小皿に黒くて丸い飴玉と、小豆色をしたクランチチョコレートのようなお菓子を差しだした…

提督「嬉しい事を言ってくれるわね?…これはなぁに?」

百合姫提督「こっちが和歌山名物「那智黒」…まぁ、黒飴ね。和歌山県で採れる「那智黒」っていう碁石を模したからそう言う名前がついているの…それとこっちは大阪銘菓の「村雨」…小豆と米粉を蒸しあげたふんわりしたお菓子よ」

提督「ありがと…でも急にどうしたの?」

百合姫提督「ああ、それはね…さっきの「カンパリ味」のかき氷で龍田が渋い顔しているから口直しに……ごめんなさい。せっかく用意してくれたのに失礼よね…」

提督「ううん…気にしないで?…とりあえずいただいてみるわね……ん、ちゅぱ…」黒糖でできた「那智黒」は深みのある甘さで、白砂糖とクリームに慣れた口には少し違和感があったが、香ばしいような風味が口に広がり、何となく「日本らしい」味がした…

提督「んむ…んちゅ……」

百合姫提督「どう?」

提督「美味しいわ。ちょっとカラメルみたいに焦がしたような風味がして…」紅茶を軽く口に含んでゆっくりと味わうと、今度は「村雨」に取りかかった

提督「あら…軽く切れた……もっと固いものかと思ったわ」すっとフォークを入れ、ほろほろと崩れていく「村雨」をこぼさないよう慎重に口に運んだ…

提督「…んむっ……うん…」

百合姫提督「美味しい?」

提督「美味しいわ…ふっ、と口の中で崩れていく感じ…すごく日本的なお菓子ね」

百合姫提督「ふふ、けっこう古くからあるお菓子だもの。それに全国からいいものがどんどん入ってくる「商業の街」大阪で残っている…つまりそれだけの価値があるのね」

提督「確かに結構な味だったわ…しとやかで繊細……こう、抹茶とかそういうのが欲しくなるような…ね♪」

百合姫提督「…お茶はこの間で使い切ってしまったから。ごめんなさい」

提督「あぁ、いいの!…マリーにもらった紅茶も美味しいし、文句はないわ…で、その龍田は?」

百合姫提督「苦いのは収まったみたいで、向こうでおしゃべりしているわ」

提督「というより、フィンチに捕まったみたいね…」


…窓際の席…


フィンチ「…最近の「ゲイシャ」は「カロリーメイト」で体重をコントロールしているのは知っているぞ」

龍田「えーと…そうねぇ…」

フィンチ「何しろ日本派遣の予定があったのでな、日本の文化風習はある程度押さえてある」

龍田「んー、まぁ…よく勉強したのねぇ……」…かなり偏り、間違っている日本の知識ばかりだが、自慢げに話しているのでばっさりと切り捨てるのもかわいそうだと口ごもる…

フィンチ「うむ…かき氷が果物のシロップとは知らなかったが、これもまたいい勉強になった」

龍田「ところで、日本の知識はどうやって得たのかしらぁ?」

フィンチ「ふむ、外国語は聞いて覚えるのが一番だという…したがって会話は映画とアニメ、文字は漫画で覚えたぞ」

龍田「そうなの…」

フィンチ「うむ♪だが、もし間違っているようなことがあったらぜひ教えて頂きたいのだ、よろしく頼む」

龍田「まぁ…おいおい教えていくわぁ…」

<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/07/20(木) 01:49:45.79 ID:nfuiC7I/0<> 百合姫提督「あらあら…♪」くすくすと笑って口元を袖で押さえた

提督「まぁ、あんまり気にしないで?」

百合姫提督「いいじゃない…派遣予定があったから勉強したなんて可愛いわ♪」

提督「まぁ…そうねぇ……」

百合姫提督「ふふ♪…あ、そういえばもう一つ」

提督「なに?」

百合姫提督「これ…せっかく夏だから鎮守府のみんなに」巾着から取り出したのは十センチくらいの立方体をした紙箱で、表には墨で何やら書いてある…

提督「これは?」

百合姫提督「日本の夏といえば…を持って来たの。お菓子とは別で、これはこちらの鎮守府全体への手土産♪」

提督「わざわざありがとう…開けていいかしら?」

百合姫提督「ええ、どうぞ♪」

提督「それでは…」箱を開けると中に入っていたのはリンドウの形をした鉄の小さい置物で、内側は小さい重しと短冊形の紙がひもで通してある…

提督「えーと…これ、「風鈴」だったかしら?」

百合姫提督「そう♪…これは「南部鉄器」の風鈴だから、見た目こそ地味だけど涼やかでいい音がするの。窓際に吊るしてね♪」

提督「なるほどね、こんなに素敵なものをわざわざ日本から…本当にありがとう」

百合姫提督「いえいえ…♪」

提督「相変わらず奥ゆかしいことで…みんな、ちょっと静かにして?」ざわざわしていた食堂が静かになる…

提督「はい、ありがとう…えーと、ただいま百合野提督から、みんなのために日本から持ってきてくれたお土産をいただきました。…まずはお礼の拍手をお願い♪」拍手喝采に答えて百合姫提督はぺこりと頭を下げた

提督「で、その品物ですが…窓際に吊るして涼しい音を楽しむ「風鈴」というものです」

シロッコ「…風鈴?」

提督「んー…まぁ、鳴っているところを見ればよく分かるわ。…姫、どこに吊るせばいいかしら?」風鈴を持って窓を見渡した…

百合姫提督「そうね…あそこはどう?」カーテンレールの空きに近寄っていった

提督「そうね、そこならよく開けるし…あ、誰か椅子を持ってきて?」床から天井まで届くような大きい窓を前に、大柄な提督も手が届かなない…

カヴール「…椅子を持ってくるほどでもありませんよ、私が肩車してあげます♪」

ドリア「!…なら私の方が適任ですよ、提督♪」

リットリオ「お二人より私の方が背は高いですよ、提督、私が肩車してあげます♪」

提督「…姫にやってもらうわ」

カヴール「むー…」

ドリア「あら…」

リットリオ「残念です…」

百合姫提督「じゃあ、私が…っと……んー、よいしょ…」小柄な百合姫提督は椅子の上に立ち、つま先立ちで手を伸ばしているが窓枠に手が届かない…

足柄「もう、仕方ないわね…ほら、私が肩車してあげるわよ」百合姫提督を肩車したまま椅子に乗った

百合姫提督「もうちょっと…左」

足柄「分かったわ…って///」肩車している百合姫提督のすべすべしたふとももが優しく足柄の頬を挟み込む…おまけに浴衣の裾がめくれて「生の」柔肌がしっとりと張りついてくる…

提督「…♪」夜の窓に反射している百合姫提督のめくれた浴衣、そこからのぞく清楚ながら艶やかなふとももに、笑みがこぼれっぱなしの提督…

カヴール「まぁ…まぁ♪」

エウジェニオ「うふふ…いい眺め♪」

百合姫提督「もう…ほんの少し……かかった♪」カーテンレールに適当なフックを引っかけ、そこに風鈴を吊るした…涼しい夜風と一緒にリーン…と透明な音色が響く…

提督「うん、いいわね♪」

カヴール「色々な意味で…ですか♪」

足柄「提督、早く降りて!…あぁ、もう…すべすべでおかしくなりそう///」

百合姫提督「あっ…ええ、すぐ降りるわ///」

<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/07/21(金) 11:18:25.97 ID:HAKb9Chm0<> …しばらくして…


提督「…いい音」チリン、リリーン…と柔らかい音を立てる風鈴を楽しもうと窓際の席に座った…近くにはミッチャー提督とフレッチャー、エクレール提督が座って、飲み物片手にゆったりと時間を過ごしている

ミッチャー提督「本当ね、涼しい感じがするわ」ちびちびとブランデーを舐めながら風鈴を眺めた

フレッチャー「なんていうか…教会のハンドベルみたいじゃない?」アイスミルクを片手に目を閉じ、風流な音に耳を傾けた…

ミッチャー提督「そうね、まぁそんな感じにも聞こえるわね…夏の小さい虫みたいな儚さがいいわね」

エクレール提督「あら…アメリカ人というのは虫の音が理解できないと聞きましたが?」コニャックの入ったカットグラスを置くと、いつものように皮肉を言う…

提督「ジェーンは特別なのよ…ねっ♪」ミッチャー提督のグラスを持っていない方の手を撫でた

ミッチャー提督「…ウェ…ル(そうねぇ)、私が特別って言うよりか…たいていのアメリカ人には虫と接するような機会がないから理解できないんじゃない?」

エクレール提督「恋に生き、小さい体を震わせて鳴きかわす昆虫たちを見たこともなければ、その詩情も理解できないとは…大国とはいえ文化的にはお寒い限りですわね」

フレッチャー「…むっ」

ミッチャー提督「そうかもね…まぁ、ニューヨークやシカゴには虫なんていないから……まぁ、「街のダニ」って言う虫ならいるけどね」エクレール提督のイヤミをさらりと受け流し、オチを付けて返した

提督「…それにフランスじゃなかったかしら、「昆虫記」のアンリ・ファーブルをほとんど知らないのは。レジオン・ドヌール勲章をもらった学者なのにね」

エクレール提督「わたくしは存じております、あれはパリの連中が物を知らないだけですわ!」

提督「あら…マリーってパリジェンヌじゃなかったの?意外ねぇ…♪」田舎出身を気にしているエクレール提督を黙らせる切り札をとり出した

エクレール提督「…ぐっ」

フレッチャー「…イェス♪」机の下で小さくガッツポーズを決める

ミッチャー提督「まぁまぁ…風鈴の音を楽しもうじゃないの♪」目を細めて夜風と風鈴を楽しんでいる…

ディアナ「みなさん、そろそろ食堂の灯りを落としますよ?」食事時が終わるとバーカウンターの周囲と常夜灯以外は消され、ほのかな明るさがしっとりとした大人の時間を演出する…

提督「いいわよ…ディアナもお疲れさま、ゆっくり休んで♪」

ディアナ「はい、ではお休みさせていただきますね」しゃなりしゃなりと優雅な足取りで近づいてきて提督の頬にお休みのキスをすると、ミッチャー提督たちには小さく頭を下げて出て行った…

提督「…ふふっ♪」

ミッチャー提督「顔がにやけてるわよ?」

提督「いえ…だって、ねぇ♪」水色のルージュをひいた少し冷たいディアナの唇…柔らかくしっとりとした感触が頬に残っている……

エクレール提督「…わたくしとのキスでもそんな甘い顔をしたことなどありませんのに……」

提督「ん?何か言った?」

エクレール提督「な、何でもありませんわっ!」

提督「…ふふ、ならマリーのキスで私の表情……とろけさせて?」そっとエクレール提督の指に自分の指を絡ませ、上目遣いでまつげをぱちぱちさせた

エクレール提督「もう!…聞こえているじゃありませんの///」

提督「あらそう?……ふー…♪」顔を近寄せ、耳元に息を吹きかける…

エクレール提督「あっ…あっ……///」

提督「ほら…どうしたの……?」妖しげに頬を撫であげ、テーブルの下ではほっそりした脚をつま先でくすぐった…と、笑顔のカヴールがやってきて提督の腕を取った…

カヴール「あら、提督。こちらでしたか……明日もありますし、そろそろお休みになりませんと♪」

提督「え…いえ、だってまだ……」腕の時計に目をやったが、そう遅い時間でもない…

カヴール「ふふ、夜更かしはお肌に悪いですから……ほーら、行きますよ♪」

提督「あ…ちょっと……じゃ、じゃあジェーン、マリー、フレッチャー…また明日♪」大柄なカヴールに引っぱられるようにして出て行く…

エクレール提督「え…あの…」あまりのことにきょとんとした表情で二人を見送った

ミッチャー提督「…ぷっ…ふふっ」

フレッチャー「ふふ…あははっ!」

ミッチャー提督「ふふ…あはははっ!」

エクレール提督「もう、笑わないでくださいます!?」
<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/07/21(金) 14:35:30.16 ID:HAKb9Chm0<> …一方…

提督「…カヴール、そんなに怒らないで?」

カヴール「怒ってなんかいませんよ♪」

提督「あの…だったらどうして腕を離してくれないの?」

カヴール「私が腕を組んでいたいので♪」

提督「そ、そう…///」

カヴール「はい♪…さぁ、お部屋に着きましたよ」

提督「ありがとう、じゃあ私はお休みさせてもらうからカヴールもお部屋に戻って…」

カヴール「お召し物は私が脱がせて差し上げます♪」にこにこと微笑みつつ寝室に入ってくる…

提督「いえ…別に自分で着替えられるから……」

カヴール「まぁまぁ、そうおっしゃらずに♪」さわっ…

提督「あの…ちょっと///」くすぐるような触り方に身をよじらせた…そのうちに手つきがいやらしくなってくる

カヴール「まぁまぁ…相変わらず白くて柔らかいお肌で♪」むにっ、むにゅ…♪

提督「ちょっと、どこ触ってるの…///」

カヴール「うふふっ…提督の柔らかな双丘を♪」

提督「あんっ、もう♪…仕方ないわね、一緒に寝たいの?」

カヴール「はい、準備は万端です…さぁさぁ♪」するりとナイトガウンを脱ぐと、下は面積の小さい黒いランジェリーだけで、腕を引っ張ってベッドに引き寄せた…

提督「あー…ちょっと待って?」…天蓋付きベッドのふんわりしたシーツと涼しいタオルケットがいつもと違って妙に盛り上がっている……

カヴール「……誰です?」

提督「怒らないから出ていらっしゃい…ね?」

声「はい…その、ごめんなさい…」ベッドの中からもそもそ言うと、リットリオがひょっこり顔を出した

提督「あら、リットリオ…どうして私のベッドに?」

リットリオ「はい…リットリオ級はまだ私一人ですし、静かなお部屋がさみしかったので……提督と一緒のベッドでお休みさせてもらおうと」

提督「ふふっ…そう言うことならいつでもいらっしゃい。カヴール、また今度でいい?」

カヴール「もう、せっかくの機会だったのに仕方ないですね……提督がお入りになるのにどうしてタオルケットをめくってくれないのです?」

リットリオ「いえ、だって…カヴールが見ていると……恥ずかしいですし///」

カヴール「お互いに裸も見ているのに恥ずかしいこともないでしょう?さぁ、提督を入れてあげて下さい」

リットリオ「///」そっとかけていたタオルケットを持ち上げた…と、提督は唾をのみ込んだ…

提督「まぁ…リットリオったら///」…たいていは裸で寝ている提督や艦娘たちなので、一糸まとわぬ姿なら驚きもしなかったが、リットリオが着ていたのは透け透けのベビードールで、薄いピンク色と縁取りの紅いリボン、肝心な所を隠すように入っている花模様の柄が刺激的だった…

カヴール「あらまぁ…本当に添い寝だけのつもりだったのでしょうか♪」

リットリオ「…それは、その///」

提督「ふー…リットリオ」

リットリオ「何でしょう…」

提督「ちょっとベッドが狭くなるけど、いい?」

リットリオ「はい///」

カヴール「…ふふ、リットリオはいけない娘ですね…いろいろ教えてあげませんと♪」提督をベッドに引っ張り込んであちこち撫で回しつつ、同時にリットリオのずっしりした乳房を揉みしだいた…

リットリオ「きゃん…っ♪」リットリオもいたずらっぽいチャーミングな笑みを浮かべると提督の柔肌に手を伸ばした…

提督「あんっ…もう、二人ともいやらしいんだから…っ♪」

……… <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/07/21(金) 15:39:47.29 ID:HAKb9Chm0<> …あくる日…


提督「うー…」一晩中ド級戦艦と超ド級戦艦の相手をして、結局ほとんど寝ていない提督はかすれた声でうめいた……起きたくても両腕をそれぞれカヴールとリットリオに押さえられているので身動きひとつ出来ない…

提督「んっ…!」枕を抱き寄せるようにして胸の谷間に腕を抱え込んでいるカヴールから腕を引き抜こうとした…

カヴール「んぅ…♪」いやいやをするようにぎゅーっと押さえこまれた…

提督「はぁ…じゃあこっちは……ふうっ!」今度は提督の腕枕でぐっすり眠っているリットリオの頭をどかそうとした…

リットリオ「ん…んんぅ…行っちゃ…嫌……むにゃ…♪」むにゃむにゃと寝言を言いながら、腕を回し、脚を絡めてしがみついてきた…

提督「もう、困ったわね…♪」そうつぶやいたものの、リットリオとカヴールの柔肌に挟まれてまんざらでもない提督…

ガリレイ「おはようございます、提督♪…ライモンドは提督の朝食を作っていますから、かわりに私が起こしに来ましたよ」アルキメーデ級潜水艦「ガリレイ」の声がする…

提督「あー…どうしよう…」全裸のリットリオと、半分脱げたあられもない格好でしがみついているカヴールに挟まれている提督…

ガリレイ「まだお休みですか?仕方ないですねぇ…ここは一つとっておきの錬金アイテムで……」

提督「おはよう、ガリレイ…起きてはいるのよ」このままいくと物騒なものを投げ込まれる気がしたので、仕方なく返事をした

ガリレイ「あぁ、起きていたのですね…なら話は早い……さぁ、朝食を食べに食堂ま…で?」ベッドのカーテンを開け、しばらく硬直した…

提督「お、おはよう…今日もいい天気ね…」

ガリレイ「おはようございます…気圧は上昇中、風は南風で……抜けるような快晴が予想されます」

提督「そう、ありがとう…で、朝食は欲しいけどこの状態だから動けないの……腕を引き抜きたいから手伝って?」

リットリオ「…んぅ♪……もっ…と♪」愉しい夢をむさぼっているらしいリットリオの寝言を聞いて、ガリレイのこめかみに青筋が立った…

ガリレイ「提督の…」

提督「な、なぁに…?」

ガリレイ「提督のすけこましっ!…食らえっ、カガクチョーップ!!」額にびしりと強烈なチョップを浴びせられた…

提督「あ痛っ!」

ガリレイ「もう、信じられない…お嫁さんが朝食を作っている時に二人も引っ張り込んでいるなんて!」

提督「あいたた…脳天に抜けるような痛さだったわ……目に星が飛び散ったわよ…」

ガリレイ「当然です、反省しなさい!」

提督「いえ、だって……百合的な万有引力の法則が働いたのよ…ね♪」

ガリレイ「…へぇ、そういえばちょうどピサの斜塔の石膏像がありますが…それでがつんとやれば違う法則が導き出せますか?」

提督「…はい、ごめんなさい」

ガリレイ「なら結構です…じゃあ、起きるのを手伝って……ひゃあっ!」

カヴール「提督に手を上げるのは感心しませんよ…♪」赤と金の錬金術士風ケープに手を入れ、胸をわしづかみにしてこね回した…

リットリオ「ふわぁぁ……もう…大声で目がさめちゃいました……あら、ガリレイったら可愛いです♪」色欲も超ド級なのか、カヴールに触られて息を荒くしているガリレイににじり寄った…

ガリレイ「うわぁぁ…んっ、んぁぁっ!」

提督「ちょっと、二人とも…」

カヴール「ふふ、提督ったら妬いているんですか…いいですよ、ならもう一戦……しましょうか♪」身体をくねらせみだらな手つきで愛撫してくる…

リットリオ「もう、朝からしたいなんて♪…でも、リットリオはいつでもいけますよ♪」可愛い笑顔に似合わない爛々とした目つきでのしかかる…

提督「ちょっと…もう朝だから///」

カヴール「朝だと提督のお顔がよく見えて…たまりません♪」

リットリオ「頬を赤らめた提督…可愛い…っ♪」

提督「あっ、あっ、あっ、あぁぁぁっ…!」

ガリレイ「…と、とりあえずライモンドを呼んできます///」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/07/22(土) 17:21:10.53 ID:LYywD1vuo<> これはよい百合ハーレム <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/07/25(火) 00:10:11.14 ID:RbwDDVXK0<> >>669 グラツィエ、更新遅いですが頑張ります… <> ◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/07/25(火) 01:02:09.03 ID:RbwDDVXK0<> …しばらくして・食堂…

ライモン「…で、なにか言うことはありますか」口元は笑っているが目が笑っていない…

提督「えーと…その……ごめんなさい」

カヴール「ライモンド、提督は悪くないんです…私、提督がフランスの提督さんたちと楽しく話しているのを見て「うらやましい」って思ったの…だから無理にベッドに連れ込むような真似までして……」

ライモン「なるほど…で、リットリオさんは?」

リットリオ「うーん…と、私だけ妹たちが来てなくてちょっとさみしかったのと……あとは、なんだか昨夜はムラムラしちゃって…」

ライモン「ふーん…そうですか」

提督「あ、あのね?…リットリオも悪気があったわけじゃないのよ。…その、追い出せなかった私も悪いから……」

ライモン「はぁ…まぁいいです……日曜日にデートしてもらったわけですし…ただし、今度こういうことがあったら……」

提督「あったら…?」

ライモン「…」

提督「…こういうことが起きないよう努力します」

ライモン「はい、結構です…さぁ、では気持ちを切り替えて朝食をどうぞ♪」提督の好みに合わせたライモンお手製の朝食が置かれる…熱いものは湯気を立て、冷たいものは露が降りていて、大変美味しそうに見える…空腹を刺激された提督はさっそくフォークとナイフを取り上げた

カヴール「まぁ、美味しそうですね…私の分はあります?」

ライモン「…何か言いましたか」

カヴール「…冗談です。では提督、また後で」

リットリオ「私も朝食をとってきますので…それでは」

提督「ええ、また後でね♪」

ライモン「はぁぁ…やっと提督とご一緒できます…」

提督「ごめんなさいね…ん、美味しい♪」とろりと黄身がこぼれるような半熟のゆで卵にフルーツの盛り合わせ、パンとコーヒー…

ライモン「美味しいですか?…よかった♪」

提督「ふふ…ライモンの作るご飯はどれも美味しいわよ♪」口もとを拭ってから頬にキスをした

ライモン「もう…またそんなことを言って…///」

提督「本当の事だもの♪」

ライモン「ふふっ…嬉しいです……きゃっ!」パシャ!…突然焚かれたフラッシュに目をつぶった…

提督「眩しい…っ、誰?」

フィリッポ・コリドーニ(ブラガディン級中型潜)「いやぁ、朝から巻き起こった大変な修羅場と、そこからの見事な関係修復…提督、この時の心境についてぜひ一言お願いします!」艦名に記者(作家)の名を取ったと言うだけあって、コリドーニが勢いよく畳みかけてくる…

提督「えーと…」

コリドーニ「あぁ、いい顔ですねぇ!」カシャ、カシャッ!…ライカを首から提げ、メモ帳に手早く筆記していく…

ライモン「あの…ちょっと」

コリドーニ「お、ライモンドさん。ぜひ提督の浮気について一言!」クリーム色のスーツに中折れのソフト帽をかぶり、ぐいと顔を近づける…

ライモン「…提督は綺麗な女性、可愛い女の子とみればすぐ口説きにかかって、全くアテになりませんが…」

提督「う…」

ライモン「それも優しすぎるほどの愛のためだと思っています…それに、必ずわたしのもとに帰って来てくれるとも///」

コリドーニ「おぉ…!まさに正妻ならではのこの発言…提督、いかがですか!?」

提督「その…嬉しいです///」

コリドーニ「はい、どうもありがとうございました…ぜひ記事にさせていただきます!」

提督「え?…ちょっと!?」

ライモン「行っちゃいましたね……でも、提督が「嬉しい」って…あぁぁ///」頬に手を当てて珍しいほどにやけている…

提督「ま、まぁライモンが喜んでくれたのなら…良しとしましょう」

<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/07/25(火) 02:13:42.70 ID:RbwDDVXK0<> …朝食後・執務室…

提督「はい、どうぞ?」書類をめくっていたが、ノックの音を聞いてファイルを閉じると返事をした

マルチェロ(マルチェロ級大型潜)「失礼…提督、折り入って要望があるのだが」金モールと燕尾のある上着に腰のサーベル…三角帽子を脇に抱え執務机の前に立った…

提督「えぇ、何かしら」中世の提督たちを名前に取ったマルチェロ級は貫禄充分で、少し姿勢を正した…

マルチェロ「うむ…実を言うと大型潜の拡充をお願いしに来た」

提督「んー…でも、最近は貴女たちマルチェロ級9隻に、フォカ級3隻を一気に呼んだけど…そんなに足りない?」

マルチェロ「ああ…言いたいことは分かる。しかしだ…」

提督「なぁに?」

マルチェロ「ここにいる大型潜のうち、フィエラモスカは単艦で編成が難しい…単艦のミッカとフォカ級の3隻は機雷敷設潜…カルヴィ級も途中から輸送任務を予定されていたせいか雷撃はいまいちの成績だ」

提督「まぁ、確かに…」

マルチェロ「それにだ…」

提督「?」

マルチェロ「戦友(カメラータ)が増えるのは愉快だからな、ぜひまた顔を合わせたいと思っているのだ」

提督「なるほど…分かったわ、頑張ってみるわね」

マルチェロ「あぁ、頼む……ふぅ」

提督「どうかしたの、疲れているようだけど?」

マルチェロ「いや…少し寝不足で……バリラ級の色欲はどうにかならんのか…」肩をすくめてため息をついた

提督「あー…なんていうか、欲求不満の人妻というか…」

マルチェロ「うむ…最初はこちらも愉しんでいたところがあったのだが…さすがに付き合い切れん……翌日に訓練なんぞあった日にはたまったものじゃない」

提督「それは災難というか…」

マルチェロ「他の連中は私たちがいい気になって付き合っていたから手をひいてしまうし…バリラたちは毎夜のようにやって来るし…なんだあれは、サッキュバスか何かか?」

提督「でも、リットリオやデュイリオもたいがいだと思うけど…」

マルチェロ「戦艦クラスならわからんでもないが、バリラ級は28年組の大型潜だぞ…どこにそんな体力があるのだ?」

提督「あの…もしかして大型潜の拡充って……」

マルチェロ「まぁ…少しでも興味が分散してくれれば……というのもある」

提督「なるほど…私からバリラたちにそれとなく言っておくわ」

マルチェロ「頼む…アルキメーデ級の二人に栄養剤をもらう始末だからな」

提督「了解。…ほどほどにするようにマルチェロたちからも頼んでみて?」

マルチェロ「うむ。無駄だろうがやってみる…では」かちりとかかとを合わせると出て行った…

カヴール「…うふふっ…バリラたちは確かに色っぽいですものね♪」マルチェロが出て行くなりくすくす笑いを始めたカヴール

提督「笑いごとじゃないわよ…任務に差しさわりが出るのはいただけないわ」

カヴール「なら提督がお相手して差し上げればいかがでしょう…バリラたちはむっちりしていて美味しそうですし♪」

提督「特にあの胸が…ね♪」冗談めかしてウィンクをした

カヴール「浮き燃料タンクだったのですものね……母乳は出るんでしょうか?」

提督「…いや、出る訳ないでしょう」

カヴール「あら…てっきり出るものかと♪」

提督「あのねぇ……それに私はライモンに油を絞られたばかりだもの、止めておくわ」

カヴール「ふふ、珍しいこともありますね…傘を用意しておかないと♪」

提督「ふぅ……ほら、おしゃべりはこの辺にして、書類の整理を手伝って?」

カヴール「はいはい♪」 <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/07/26(水) 00:49:15.06 ID:Cu28OCQm0<> …数十分後…


提督「えーと…これでだいたいは出来たわね」

カヴール「そのようですね…お疲れさまでした♪」と、またしてもノックの音がした…

提督「今度は誰かしら……どうぞ?」

コリドーニ「失礼します!」入ってきたのは記者で活動家のコリドーニで、片手に刷ったばかりらしい印刷物を持っている

提督「いらっしゃい。それは?」

コリドーニ「よくぞ聞いてくれました…これが前から言っていた鎮守府の新聞です!」タブロイド判くらいで裏表一枚きりだが、結構凝ったデザインになっている。提督は受け取ってさっと眺めた…

提督「あら、なかなか良くできた……」

コリドーニ「そうでしょう!今朝のもばっちり現像して一面に掲載させてもらいましたよ!」

提督「…ちょっと、何これ?…「提督とカヴール、リットリオの爛れた夜…怒り狂うライモンドの主砲が火を噴いた!」って……」

カヴール「え?…あら、こちらの記事は「ザラ級四姉妹、ボルツァーノを交えみだらな昼下がり…柔肌をさらして乱れる重巡を激写!」とありますね」

コリドーニ「いかがですか!…どうです、読みたくなる記事が満載でしょう?」

提督「…却下します」

コリドーニ「えー!?」

提督「えー…じゃないでしょう。これじゃあ鎮守府の新聞というより、ゴシップ記事の週刊誌よ?」

コリドーニ「うーん、そう言われても…やっぱり読者をひきつけるにはセンセーショナルな記事でないと!」

提督「だめです。もうちょっとちゃんとした記事なら発行してもいいわ…ただし、その場合も事前に持ってきて私に見せること。いいわね?」

コリドーニ「仕方ないですね…じゃあ没になったそれは捨てちゃってください。…またインタビューしにお邪魔しますよ、それでは!」小粋な帽子を持ち上げて挨拶すると、メモ帳に何か書きながら出て行った…

提督「ふぅ…やれやれね」

カヴール「ふふっ…♪」

提督「全く朝から疲れるわ…あ、このライモンの顔…上手に撮れてる……」ハサミを取り出し、写真の部分を切り取って机の引き出しに入れた…

カヴール「あらあら…ライモンドは愛されてますね♪」

提督「ライモンだけじゃないわ…貴女のことも好きよ、カヴール♪」頬に軽くキスをした

カヴール「まぁ…うふふ♪」

提督「さてと…じゃあ、そろそろ建造・開発の方に取りかかりましょうか」

カヴール「でしたら工作室の方は準備しておきます」

提督「お願いね♪」

<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/07/26(水) 02:34:46.03 ID:Cu28OCQm0<> …工作室…


提督「さてと、今日の建造は潜水艦ね。頑張りましょう」


…夏季略装の白い制服とタイトスカートでやって来た提督を出迎えたのは、問題のバリラ級大型潜のうち二人…「バリラ」と「アントニオ・シエスタ」で、バリラは目を細め、頬に手を当ててにこにこしている。一方お昼寝が好きなシエスタは工作室の腰掛けに座ってうつらうつらしている…


バリラ「ええ、頑張りましょうね♪……建造、お母さんが手伝ってあげるから♪」薄手のセーターごしでも分かる、少し垂れ気味で大きく柔らかそうな乳房…先端の突起もはっきりとセーターの生地から浮かび上がっている……

提督「ええ、ありがとう…ところで」

バリラ「なーに?お母さんにお願いごと?…何でも聞いてあげるわよ♪」

提督「お願い…になるのかしらね?風の便りに聞いたのだけど…」

バリラ「うんうん♪」

提督「その……ちょっと夜の営みが激しいんじゃないかしら?声が響いて困るって意見がちらほらと…ね?」

バリラ「あらぁ……そう言われるとお母さん、返事に困っちゃうわぁ♪」

シエスタ「…むにゃ……可愛い娘がいっぱいだから…我慢できないの…よ……ぐぅ……」

提督「別にしちゃいけないとは言わないわ…その、少し頻度を落としてもらえれば助かるのだけど」

バリラ「んー…でもここの女の子たちを見ていると、お母さんむらむらしちゃって……うずいちゃうの♪」

提督「まぁ、なるべくでいいから……さてと、建造の方に取りかかりましょう?…えーと、建造リストは……」キャビネットの下の段を見ようとしゃがみこむと、タイトスカートがぴちっと張りつめ、裾が上がってふとももがのぞく…

バリラ「…えいっ♪」…さわっ♪

提督「ひうっ!?」いきなりヒップを撫でられ、おかしな声が出た提督…

バリラ「あらあらぁ…むっちりしてて触り心地がいいわぁ♪」両のヒップを撫でつつスカートをずり上げた…

提督「ち、ちょっと…///」

バリラ「あん…提督ってば可愛いわぁ♪」バリラにヒップを優しくつかまれてこね回されると、今度は腰を当ててきてねちっこく動かしてきた…

提督「バリラ…今「控えめにして」って言ったばかりで……あんっ♪」耳たぶを甘噛みされ、工作室の大きな戸棚に優しく押し付けられる。固くなった乳首の感触が背中に伝わり、耳元にはとろりと甘いバリラの声がささやいた…

バリラ「お母さんね……もうとろとろに濡れちゃってるの♪」そう言いながら提督の下着を脱がしにかかる…

提督「あぁ、もう…人の話……全然聞いてないじゃない…んっ♪」くちゅり…くちゅ……

バリラ「だって…ぇ♪」甘えたような声をあげつつ濡れた秘所を擦り付けてくる…

提督「あっ、あっ…あんっ♪」

シエスタ「…ふわぁ……さてと、そろそろ起きようかしら♪」むっくりと起き上がると近寄ってきてメロンの重さでも量るように、提督の乳房の下から手を回した

提督「んんっ…あっ、あぁぁっ♪」シエスタに胸を揉まれ、膣内にはバリラの指が入ってきて、とろけた表情の提督は内股になって棚にもたれかかった…

バリラ「あらあらぁ…♪」くちゅ…くちゅ…っ

シエスタ「んふふっ…大きいし、触り心地も抜群……枕にしたいかも…♪」

提督「あ、あっ、あん…っ♪」とろとろっ…と蜜を垂らすと、力なく床にへたり込んだ…

バリラ「…やっぱり提督は可愛いわぁ♪」

シエスタ「そうねぇ…じゃあ、お休み……すぅ…」好きなだけ触ると、また椅子に戻ってうつらうつらし始めた…

提督「もう…建造するのに毎回こんなことしてたら私の身体が持たないじゃない……んっ///」文句を言いながらも濡れた秘所に指を入れて、上目遣いのとろけた表情でバリラを見た…


………
<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/07/28(金) 01:40:46.81 ID:yLIiBFoG0<> …しばらくして…

提督「はぁ…まさか建造するのに着替えることになるとは思わなかったわ……」

バリラ「だって…提督、可愛かったんだもの♪」ぺろりと舌をだしてみせるバリラ…

提督「もう……ばか///」

バリラ「あらあら、お母さんにそんな口聞いちゃだめよぉ…んー♪」ちゅっ…とキスをすると、提督が建造装置にかけた手に自分の手を乗せた…

提督「…いい、行くわよ?」バリラと、まだ眠そうなシエスタの手が重なった…

バリラ「いいわよぉ♪」

提督「建造…開始っ」レバーを引くと機械がゴトゴト言い出した…

バリラ「それじゃあ、あとはしばらく待つばかり…ね♪」

提督「そうなるわね…じゃあお菓子でもつまんで待ちましょう」そう言ってコーヒーセットが置いてあるガラス扉の食器棚に近寄ったが、急に振り向いた

提督「…二回目はなしよ」

バリラ「あらら…残念♪」わざといやらしく両手を動かした…

提督「…」

バリラ「冗談よぉ♪」

提督「そうは思えなかったわ…」セージグリーンの縁取りが落ち着いた雰囲気のコーヒーセットを取り出し、皿にお菓子を乗せた

バリラ「あら、このお菓子はなぁに?」…白い和紙の包み紙から出てきたのは揚げ餃子のような見た目をしたお菓子で、表面には軽く粉砂糖を振ってあり、狐色に揚がっている

提督「待ってね…今読むわ」百合姫提督が辞書と首っ引きで書きあげた解説を読んだ…

提督「えーと、奈良県銘菓「ぶと饅頭」……「ぶと」とは奈良県に古くからある「春日大社」に納めるお供え物のことで、そのお供えの「お下がり」を模した銘菓……お菓子としては「あんドーナツ」のようなもの…だそうよ」

バリラ「あら、困ったわ…お母さん「あんドーナツ」って何か知らないの」

提督「説明したいけど難しいわね……とにかく食べてみて?ほら、シエスタも起きて?」

シエスタ「ふわぁぁ…んー、美味しそうに揚がったお菓子ねぇ…」

バリラ「ふふ、頂くわぁ…んっ」

提督「どう?」

バリラ「あらぁ、美味しい♪」

シエスタ「日本の「あんこ」って風味が面白いわよねぇ……むにゃ…ふわぁ…ぁ…」

提督「じゃあ、私も一つ……ん…」香ばしく揚がった素朴なあんドーナツと言ったシンプルさが美味しい…提督たちはあえて砂糖なしのミルクコーヒーと一緒につまんだ

バリラ「ふぅ…美味しかった♪」

提督「そうね…姫が持ってきてくれた日本のお菓子はどれも安心感があるわね」

シエスタ「美味しかったです…よ……ぐぅ…」

提督「ふふ…また寝ちゃった……♪」

バリラ「シエスタも可愛いわ…もちろん、提督も可愛いわよ♪」

提督「ありがとう♪…でも、今度から工作室では止めてね?」

バリラ「そうするわ♪」

提督「よろしい♪」


………


<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/07/29(土) 01:32:29.86 ID:imzcwuzx0<> …数時間後…

バリラ「……それで、「お母さんだって戦前は長距離航海の記録持ちだったのよ?」って…」

提督「ふふっ、そうよね…っと、そろそろ時間ね。…さぁシエスタ……起きて?」バリラとたわいない話をしていた提督だが、タイマーの残り時間が少ないのを見て、机に突っ伏して寝息を立てているシエスタを揺すり、ぽんぽんと軽く頭を叩き、声をかけたが全く起きない……

シエスタ「…すー…むにゃ……♪」

提督「…ふぅ…起きないわね」

バリラ「あら、そんなの簡単よ?」

提督「そうなの?」

バリラ「見ててね…♪」耳元に口を寄せた…

提督「?」

バリラ「ふー…れろっ♪」そっと息を吹きかけ、ついでに耳の穴まで舐めた

シエスタ「ふわぁぁっ♪……お、おはよう///」

バリラ「はい、見ての通り♪」

提督「…なかなか敷居が高いわね…さぁ、並んで?」シエスタの乱れた髪を直してやり、バリラがお尻に伸ばしてくる手をいなすと出迎えの体勢をとった


…出てきたのは大型潜らしい七人で、二人と五人に分かれて並んでいる。二人組の方は古いタイプの海軍制服を羽織り、特に片方はドイツ風なのか革のブーツにUボート記章、さらりと腰まで伸ばした銀髪、さらに日本風の髪飾りをつけている…頭にはやたら目立つイタリア潜の特徴、司令塔の中央上部からつき出した烏帽子のような潜望鏡支柱が帽子のように載っている…


提督「ボンジョルノ。タラント第六鎮守府の司令官、カンピオーニ少将です…よろしくね♪」真面目に敬礼を交わすと、一転してにっこりと笑いかけた

大型潜「ボンジョルノ、グーテンターク、こんにちは…大型潜カッペリーニ級、コマンダンテ・カッペリーニです。いろいろあって最後は日本の呉鎮守府所属、伊五〇三として敗戦を迎えました…長距離輸送は得意ですが、今回はタラントでよかったです♪」

提督「そうね。久々のイタリアを楽しんで♪」

カッペリーニ「グラツィエ♪」

大型潜「同じくカッペリーニ級大型潜、コマンダンテ・ファー・ディ・ブルーノです…今度はファー・ディ・ブルーノ大佐のように頑張りたいです」

提督「大丈夫、きっとできるわ♪」…そう言うと提督は軽く頬にキスをし、五人が並んでいる方に向かって進んだ

提督「…さてと、貴女たちも自己紹介をよろしくね」


…五人の大型潜は格好がバラバラで、下に着ている灰色の「競泳水着風」艤装以外は、一人が中将の制服、一人が神父様のような僧服、残る三人は実験器具を持って錬金術士風の格好に身を固めている…


大型潜「大型潜ブリン級、ネームシップのブリン…ベネデット・ブリン中将の名に恥じぬようがんばるのでな、よろしく頼む」

提督「こちらこそ…お迎えできて光栄です」

大型潜「同じくブリン級、ガルヴァーニ…神経って電気で動くのよ?知ってた?」にこにこしながら手からカエルをぶるさげて、金属板をあててひくひくさせている…

大型潜「私も同じくブリン級、グリエルモッティ…神のお導きがありますよう」紺色の修道女風の服装に似合う敬虔な表情で十字を切り、合掌した

大型潜「私はアルキメーデ(U)、ブリン級大型潜よ…物理と数学は得意よ、よろしくね♪」三角定規とコンパスをもち、クリーム色と若草色のケープをふわりと払うと笑みを浮かべた…ふわりと結い上げた髪、それに干渉しないよう傾けた潜望鏡支柱…左の側頭部には「U」のような髪留めを付けている

大型潜「そして、私がトリチェリ(U)…最後はペロシ中佐の指揮下で、英艦相手に水上で華々しく暴れてあげたわ♪」紫のケープと羽飾りの付いた帽子、手には小手のようにはめた主砲の飾りをつけている

バリラ「…!」

シエスタ「…ト、トリチェリって、「潜水艦教本」に出てた、あの……」

提督「名前はうかがっているわ…よく奮戦してがんばったわね」

トリチェリ(U)「ふふ、ありがと…お嬢さん♪」提督のあごに手をあて、唇の近くにキスをした

提督「グ…グラツィエ……///」

トリチェリ「いいのよ…これからよろしくね♪」

提督「ええ…とりあえず、お昼が準備されてるわ。食堂まで行きましょう」

ブリン「承知した…みんな、行こう」

……… <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/07/29(土) 02:16:26.37 ID:imzcwuzx0<> …新着艦紹介…


大型潜…カッペリーニ級。1939年生まれ、二隻


中世の提督から名を採った大型潜「マルチェロ級」9隻に一年遅れて建造された大型潜。排水量1043トン/1290トン

性能はマルチェロ級とほぼ同じで、最初は地中海で戦っていたが、開戦当初のドイツ・Uボートの不足を受けフランス・ボルドーに進出、大西洋でも戦った。しかしドイツ潜との連携不足や性能、戦術の差から協同しづらくなり「コマンダンテ・カッペリーニ」はマルチェロ級「バルバリゴ」と同じく日本への輸送任務に就くことになった。

…この輸送任務で「バルバリゴ」は撃沈されたが「カッペリーニ」は優れた腕前でボルネオ・サバンまで到着…が、43年のイタリア降伏で現地の日本軍に接収され、一部乗員と共にドイツ軍の東南アジア艦隊「モンスーン・グルッペ」に参加「UIT.24」になった…ところがこんどは45年にドイツが降伏、また日本軍が接収して呉鎮守府所属「伊五○三」として整備中に敗戦、最後は46年に海没処分と、数奇な運命に翻弄された大型潜だった


性能は3600馬力(ディーゼル)/1100馬力(電動機)で17.4ノット/8ノット。兵装は533ミリ魚雷発射管4門(艦首)/4門(艦尾)に100ミリ単装砲二基(司令塔前後に各1基)、司令塔後部に13ミリ連装機銃二基と豊富…が、日本への航海時は魚雷発射管にまで荷物を詰め込んだため魚雷なし、45年の「伊五○三」時には弾薬の互換性がない100ミリ主砲を降ろし機銃のみとされる

………

…艦名は1866年普墺(プロイセン・オーストリア)戦争時に火事場泥棒的に手に入れようとした島「リッサ島」への上陸作戦中、迎撃にきたオーストリアの木造艦と交戦した艦長たちから…この「リッサ海戦」時の指揮官ペルサーノ中将はいきなり旗艦を変える意味不明の行動をとり、あげく木造オーストリア艦の衝角攻撃で二隻も装甲艦を失い、リッサ島への上陸も不成功と無能をさらし、後の軍法会議で軍籍剥奪の刑を受けた……以後しばらくはイタリア海軍は「不要」と予算を減らされ暗黒時代を送ることになる…

…一方艦名の由来になった「コマンダンテ・カッペリーニ」(カッペリーニ中佐)は、装甲艦「パレストロ」艦長で、炎上する自艦から退艦するよう勧められるのを断り、志願した乗組員たちと消火作業中に爆沈、戦死した「海軍軍人の鑑」

「コマンダンテ・ファー・ディ・ブルーノ」はリッサ海戦時の(当初の)旗艦「レ・ディタリア」(イタリア王)号の艦長。最後は二隻から衝角攻撃を受け撃沈された

………


艦娘「コマンダンテ・カッペリーニ」はイタリア・ドイツ・日本に所属しただけあって革のブーツはドイツ風、髪のかんざしは日本風。長い銀髪をなびかせ、言語、文化の知識も抜群と「泳ぐ外交官」的才能のもちぬし。妹「ファー・ディ・ブルーノ」は大戦時活躍する機会を得る前に撃沈されたので「デキる」姉に気おくれしている…

<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/07/29(土) 03:10:39.08 ID:imzcwuzx0<>
大型潜…ブリン級。1938〜39年生まれ。五隻


スペイン内乱時にこっそりフランコ側に提供され、学者の名前をもつ「アルキメーデ級」潜水艦の発展型。1000トン/1245トン

長距離航海に適した大型航洋型の潜水艦で、「アルキメーデ級」よりデザインが洗練された分性能が向上、優れた大型潜水艦とされる。

39年生まれの「アルキメーデ(U)」と「トリチェリ(U)」はフランコに渡された「アルキメーデ」「トリチェリ」の代艦。戦時中は強力な英海軍を相手に「ブリン」を除く四隻が撃沈。


性能は3400馬力(ディーゼル)/1300馬力(電動機)で17.3ノット/8ノット。533ミリ魚雷発射管4門(艦首)/4門(艦尾)、120ミリ単装砲1基(司令塔前)、13.2ミリ連装機銃二基(司令塔後部)


全体的に優れた潜水艦だったが、特にトリチェリ(U)はサルヴァトーレ・ペロシ中佐の指揮下で英駆逐艦「カンダハール」「カルトゥーム」「キングストン」、およびスループ「ショアハム」からなる英艦グループに捕捉され、潜航できない状況だったため浮上砲戦を敢行、英駆逐艦「カルトゥーム」を撃沈している…最後は艦を自沈させ、艦長ペロシ中佐も捕虜になったが、戦後は中将にまでなった…勇敢だったイタリア潜水艦隊を代表するような痛快なエピソードである。


………

艦名は「ブリン」が「リッサ海戦」後、1873年の初代「カイオ・デュイリオ級」から長く1889年まで設計を担当し、イタリア海軍を列強に追いつかせた天才造船家「ベネデット・ブリン」造船監

「ガルヴァーニ」はカエルを使い「生き物の筋肉は電気で動く」ことを実験、ヴォルタ電池の発明にもつながった「神経生理学の父」、ルイージ・ガルヴァーニ

「グリエルモッティ」は詳細がよく分からないが、神父「アルベルト・グリエルモッティ」

「アルキメーデ」は古代の学者「アルキメデス」

「トリチェリ」は数学・物理学者で、深い井戸からのくみ上げができないのは内圧・外圧の差である事などを証明し、気圧計の改良にも功績があった「エヴァンジェリスタ・トリチェリ」から


………

艦娘「ブリン」は中将の上着もきまっている大人の潜水艦。イタリア海軍的には足を向けて寝られないほどの偉人だが、鷹揚で優しい…ブリンのデザイン力のおかげか、見ただけでスペースに物が入るか入らないか分かるので、片づけや物をしまうのが上手い

「ガルヴァーニ」は実験好きで、時々白衣で実験用のカエルをぶるさげているのでマッドサイエンティストに見える…周りのイメージに応えて怪しい薬を作ったりしているが、実は電気実験の方が好き

「グリエルモッティ」は艦娘の身体なので紺と白の修道女の格好をしている、お祈りは欠かさないし修道女的に肉食は(ヴァチカンから免除を受けているとはいえ)ちょっと複雑な気分

「アルキメーデ」は錬金術士風のクリームと若草色のケープとティアラをしている。時々周囲の事を忘れて実験や錬金にのめり込み、ほかの事は気にしない…ギリシャ的な所もあるので女の子は好き

「トリチェリ」は紫のケープに同色の髪飾り。小手のように腕にはめた主砲の飾りと、格好いい態度がクール。浮上砲撃戦で駆逐艦を沈め、もう一隻にも損害を与えた「華々しい」最後から潜水艦隊で一、二を争う人気ぶり
<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/07/29(土) 10:12:55.99 ID:imzcwuzx0<> …食堂…

提督「はい、着いたわ。ここが食堂よ…まずはお昼でも食べながらお互いの事を良く知りあいましょう♪」そう言いながら、隣に立ったアルキメーデ(U)とさりげなく手をつないだ

アルキメーデ「♪」頬を紅潮させ、嬉しそうに指を絡めた…

ブリン「うむ、これはありがたい…実を言うとちと空腹でな」

トリチェリ(U)「私も…お昼は何かしら」

カッペリーニ「久々のイタリア料理…楽しみ♪」


…食堂に入ると、満場の拍手喝采がカッペリーニたちを出迎えた。席に着くと早速アオスタが委員長気質で歓迎会の司会を始めた。今回はライカをかかえた中型潜コリドーニが脇に立ち、あきれるほど写真を撮りまくっている…


提督「さ、座って…今日は冷たいカッペリーニみたいね♪」乾杯を済ませて席に着く…今回は暑い昼にぴったりの、新鮮なトマトと茹でた海老を冷やして絡めた極細パスタ、カッペリーニがガラスの皿に盛られている

カッペリーニ「嬉しいわ♪」同名のパスタに顔をほころばせるカッペリーニ

ファー・ディ・ブルーノ「美味しそう…よかったね、お姉さま♪」

カッペリーニ「ふふ、ありがと…♪」

ブリン「おぉ…うまそうだ、これは司厨長をほめてやらんといかんな♪」

提督「うちの「司厨長」なら向こうにいるわ…金髪の彼女、ディアナよ」手を振ると貴族のような優雅さで振りかえしてきた

ブリン「ディアナ…高速スループのか……船のときでも綺麗な姿だと思っていたが。まるで空気が吸い出されるような美しさだ…機能的でありながら優雅で…」急に気づいたように辺りを見回すと、急に唾をのみ込んだ

ブリン「提督、提督…」

提督「はい、どうしたの?」冷たい白ワインで喉を湿していた提督は、小声で呼ばれて耳を寄せた…

ブリン「あそこの二人は誰だね?」そっとさし示したのは軽巡ガリバルディとエウジェニオで、お互いの手を重ねて仲良く会話している

提督「手前が軽巡ガリバルディ、奥がエウジェニオよ」

ブリン「素晴らしい…ほれぼれするような美しさだ……で、あっちはどなたかな?」

提督「戦艦デュイリオ…隣で話しかけているのが駆逐艦リベッチオ、マエストラーレ級ね」

ブリン「うぅむ…この名のもとになったブリン中将が初代をデザインしたとはいえ、何とも魅力的な姿を引き継いだことよ…///」優雅で色っぽいデュイリオの艶姿と、それと対照的に快活で健康的なマエストラーレ級駆逐艦の組み合わせにぼーっとなっている…

デュイリオ「♪」…視線に気づいたデュイリオが振り向くといたずらっぽい投げキッスを送ってきて、真似したリベッチオも楽しげに投げキッスを送ってくる

提督「ふふっ…♪」お返しにウィンクを返した

ブリン「うむ…素晴らしいところだ、ここは……///」そう言って納得するとパスタに取りかかった

提督「そうね♪…ガルヴァーニ、パスタの味はいかが?」黙々とパスタを口に運んでいるガルヴァーニに声をかけた

ガルヴァーニ「うん…美味しい。お礼に面白いものを見せてあげるよ♪」白衣のポケットをごそごそやり始めた…

提督「…カエルはなしよ?」

ガルヴァーニ「おや…カエルがぴくぴくするところを見せてあげようと思ったのだけど」

提督「…食事時は止めてね♪」

ガルヴァーニ「仕方ない…それなら……」両方の手のひらをこすり合せて離すと、たちまち手の間に紫電が走った

提督「!?……綺麗だし、すごいじゃない♪」

ガルヴァーニ「ふふん…昼間だから見づらいけど、ちょっと生体電流をね♪」

カヴール「…どうしました、提督?そんなにすっとんきょうな声を出して…あら♪」

アッテンドーロ「どうしたの?…へぇ!」

ダルド「すごいわ!小さい雷みたい♪」…「雷」や「稲妻」といった艦名からか、わらわらと集まってくるフレッチア級とフォルゴーレ級

ガルヴァーニ「ふふ…でもおしまい、起こした電気が無くなったからね♪」パンっ…と手を叩くとまんざらでもない顔をした

提督「素直に感心したわ♪」

ガルヴァーニ「それは良かったわ♪…カエルもやりたかったけど」

提督「…」 <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/07/29(土) 11:09:39.57 ID:imzcwuzx0<> アルキメーデ(U)「んむ…んむ……美味しい…♪」

トリチェリ(U)「ほんと……いいところに来たみたいね」あっさりした鯛のカルパッチョを味わいながら、フタをした試験管をペンのようにくるくると回している…と、近くの艦娘が声をかけた

フェラリス「ねぇ二人とも…私たちのこと知ってるかしら?」赤と金の豪奢な錬金術士のケープをまとっている

ガリレイ「見れば分かるよね?」こちらは薄紫にピンクのレース飾りが付いた軽いワンピーススタイルで、テーブルにピサの斜塔の小さい石膏像を置いた

トリチェリ(U)(以後トリチェリ)「ピサの斜塔…もしかしてガリレイ?」

ガリレイ「正解♪…もう、会いたかったのよ?」

トリチェリ「こっそりスペインに連れて行かれちゃった二人の分身だけどね」

フェラリス「そう言うこと言わないの、二人だって大事な妹よ♪」

ガリレイ「そう、万有引力が働いたの♪」

アルキメーデ(U)(以後アルキメーデ)「万有引力…かどうかはさておき、会えてうれしい。よろしくね♪」

フィエラモスカ「先生も二人に会いたかったですよ…二人とも優秀なので言うことはありませんが、アルキメーデ」

アルキメーデ「はい、先生♪」

フィエラモスカ「ちゃんとお部屋のお掃除はできますね?…もしできないと」目の辺りに影がさし、背後にオーラが立った…

アルキメーデ「で、できますよ先生…天才アルキメーデに出来ない事なんてないですっ♪」

フィエラモスカ「はい、いい子ね♪…先生、それを聞いて安心しました」

ガリレイ「ちょっと、あんまり妹をおどかさないでくれる?」

ブリン「こほん…あー、盛り上がっているところすまんが…一応こっちの妹だぞ?」

フェラリス「…いやいや、うちのアルキメーデとトリチェリに代わってできた娘なんだから私たちの妹でいいでしょ?」

ガリレイ「賛成、物理的にもそれがセクシー…「ユリ、承認」だってしてもらえるはずよ」

グリエルモッティ「それがどういう意味なのか知りませんが…アルキメーデとトリチェリはマリア様から授かった私たちの妹です」

ガルヴァーニ「嫌なら…次の実験台が決まっちゃうね♪」

ガリレイ「へぇ…私の物理・天文学に挑むつもり?」

フェラリス「磁界の力で誰かと「くっつきぼし」にしちゃってもいいのよ?」

提督「…いっそ両方の妹ってことにしたら?」

ガリレイ「提督!?」

ブリン「…いま、何と?」

提督「仲間同士なんだもの…両方の妹にしてうんと甘えさせてあげればいいじゃない♪」

フォカ「それでいいじゃない…みんなで仲良くしなさいよ♪」

ミッカ「そうですよ…私だって一人っ子ですが、フォカ級の三人とは敷設潜同士、姉妹同然の付き合いをさせてもらっていますよ?」

エモ(マルチェロ級大型潜)「そうですとも…お互い、仲良くしましょう♪」由来になった名前がアンジェロ(天使)・エモというだけあって、優しくさとした…

グリエルモッティ「眩しい…天使がいます///」

エモ「あなたがグリエルモッティね…エモです、よろしく♪」

グリエルモッティ「は、はい///」

ガリレイ「…ふぅ。そうね、お互い仲良くしましょう」

ブリン「こちらこそ」

提督「…よかった。せっかくの歓迎会だもの、仲良くしないと」 <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/07/30(日) 22:22:09.68 ID:C6dyg6af0<> ガリレイ「じゃあ、仲直りにワインでもいかが?」

ブリン「いいですな…いただきましょう」

提督「…ふー…危なかった……」ガリレイたちアルキメーデ級とブリン級の五人が仲良くワインを傾けるのを見て、冷や汗を拭った

フィエラモスカ「喧嘩はいけないですが…そこまで緊張しなくても」

提督「フィエラモスカにはちょっと分からなかったでしょうね…錬金術士がいて「小さいアクセサリーをいじくり回している」時の恐ろしさは……」

フィエラモスカ「?…よく分かりませんが…危機は去ったということですか?」

提督「キューバ危機そこのけの…ね。とにかく丸く収まってよかったわ」

カッペリーニ「提督…隣、よろしいですか?」食後のシャンパンを持ってやって来た

提督「もちろん…ファー・ディ・ブルーノも座ったら?」

ファー・ディ・ブルーノ「お姉さまの隣は…ちょっと緊張しますね」

カッペリーニ「ふふ、緊張することはないじゃない…お姉ちゃん、そんなに怖いかしら?」

ファー・ディ・ブルーノ「いえ、めっそうもない!……ただ、わたしなんかよりずっと活躍しているのでまぶしいというか…」

カッペリーニ「ふふ、何それ♪…何も自分の姉に気おくれすることはないじゃない」

提督「そうよね♪」さりげなく腰に手を回し、身体を近寄せた

ファー・ディ・ブルーノ「あの…どうしてそんな風に抱き寄せていらっしゃるのでしょうか///」

提督「んー…ちょっと固くなっているみたいだから、気分をほぐしてあげようかと思って。……もしかして触られたりとか、そういうの好きじゃない?」

ファー・ディ・ブルーノ「いえ、平気ですよ…それにそこまで気を使ってもらって…///」

カッペリーニ「妹に優しくしてくれてありがとうございます…ところで、この手は何でしょうか♪」カッペリーニのほど良く引き締まったふとももに白い手がさりげなく置かれている

提督「いや…カッペリーニのふともも、すらっとしててすべすべで……その、触り心地がよさそうって思ったの♪」

カッペリーニ「そうですか…で、いかがです?」

提督「大変よろしゅうございます……スカートから伸びるふとももの滑らかなこと……んー♪」

カッペリーニ「ふふ…提督は女性がお好きでいらっしゃる?」

提督「ええ♪」

カッペリーニ「それは素晴らしいですね。昔から軍艦は「女性」だと言いますし…私たちにも愛情を持って接してくださいね♪」

提督「そうね…その点だけは保証するわ♪」

足柄「あのねぇ…うちの提督とねんごろの仲でいるって言うのに、まだ足りないのっ?」浴衣姿で頬を赤くした足柄が近寄ってきた…胸元がはだけ、アルコールの熟柿くさい息を吹きかけてくる

百合姫提督「足柄…もう!……ごめんなさい、フランチェスカ。足柄、飲み過ぎちゃったみたいで」小走りで駆け寄ってきて足柄を支える百合姫提督…

カッペリーニ「こんばんは、日本の提督さん…それと……」綺麗な日本語で挨拶すると会釈した

足柄「一等巡洋艦、足柄よ!…あなた、日本語が上手ね……えーと…」

カッペリーニ「コマンダンテ・カッペリーニ…UIT.24…あるいは伊五○三です、よろしくお願いします」

足柄「えぇ?…こま…コマンダンテ……か…」

カッペリーニ「カッペリーニです」

足柄「か、か……あぁ、もういいわ、「かっぺい」ね!」とうとう言うのをあきらめ、日本のお家芸「空耳」であだ名を付けた…

カッペリーニ「ふふ…私も海のエトランゼとして色々な名前をもらいましたが……ここまで面白いのは初めてですよ…ふふふっ♪」それを聞いて怒るでもなく
微笑しているカッペリーニ

百合姫提督「あの…ごめんなさい、カッペリーニ……足柄も普段はこうじゃないんだけど」

カッペリーニ「お気になさらず…ところであの土鍋は?」向こうのテーブルに鍋敷きと茶碗、箸が置かれ、鍋敷きの上にはいかにも和風な土鍋が鎮座している
<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/07/30(日) 22:52:12.29 ID:C6dyg6af0<> 提督「言われてみればテーブルの上に土鍋がいるわね…あんなのあったかしら?」

百合姫提督「そちらのディアナに聞いて貸してもらったの…勝手に用事を言いつけてしまってごめんなさいね?」

提督「いいのよ。お礼ならむしろディアナにお願い……で、土鍋で何をしたの?」

百合姫提督「ご飯を炊いたの」

提督「お昼の量、足りなかった?」

百合姫提督「いいえ。足柄が「お茶漬けが食べたい」っていい出して……何しろ今日は暑いでしょう?勢いよくワインを飲んだからちょっと回っちゃったみたいで……」

カッペリーニ「最後の締めにお茶漬けですか…いいですね♪」

足柄「あら、それが分かるなんて「かっぺー」もなかなか通じゃない…うぃ……さぁ…てと、お茶漬けでさらりと流し込むわよ…ぉ!」ふらっ…とよろめき、慌てて百合姫提督が腕をとった

百合姫提督「んっ…足柄、しっかり立って……」

足柄「仕方ないじゃない…今日の海はだいぶうねりがあるんだもの……」

提督「…姫、足柄の左舷は支えてあげる」

百合姫提督「ありがとう…私も浴衣だから支えきれなくて……」

足柄「あのねぇ……私は一等巡洋艦よ?…出来の悪い戦標船じゃないんだから、一人で歩けますって…の!」(※戦標船…戦時標準船)

カッペリーニ「まぁまぁ…大戦艦や空母でも入港には曳船の力を借りますでしょう?……足柄さんも一等巡洋艦なのですし、港内のかじ取りは私たちに任せて、堂々と入港すればいいのですよ♪」

足柄「んー?…まぁ、それもそうね……」納得したのか大人しく支えられて席に着いた…

百合姫提督「ふぅ…助かったわ。お礼と言っては何だけど…お茶漬け、少し付き合う?」

提督「いいわね♪」

カッペリーニ「では、お言葉に甘えて♪」日本語の言い回しも流暢で、百合姫提督も感心した様子で微笑を浮かべた

百合姫提督「はい…じゃあ準備するわ」普段は食器室のどこかにしまわれているらしい、和風の茶碗と急須を並べた…

<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/08/01(火) 11:45:39.13 ID:xlBEFEGj0<> 百合姫提督「開けるわね…よいしょ」ごと…土鍋の蓋が開き、湯気が立ち上る

足柄「あぁ…いいじゃない!しかも銀飯よ、銀飯!」(※銀飯…麦飯ではない白米のみの飯)

龍田「美味しそうにお米が立ってるわねぇ…なんだか嬉しくなるわぁ」

百合姫提督「料理用の日本酒を水と一緒に入れたから…ふふ、「カニの穴」も出来てる」しゃもじでまんべんなく返して、茶碗によそった

足柄「あのね、かっぺー…いい?米を炊くときはね……」

カッペリーニ「たしか…「はじめちょろちょろ中ぱっぱ…赤子泣いてもフタとるな」……でしたか?」

足柄「そうよ…分かってるじゃない……つまらないわね」

百合姫提督「はいはい…絡むのはそこまでにして、お茶漬けをどうぞ?」

足柄「具はあるの?」

百合姫提督「あるわ……じゃーん♪」何でも入っているらしい巾着から袋を取り出した

提督「それ、なぁに?…海苔、じゃなさそうだし……表面に粉が噴いているけど?」

百合姫提督「これ?大和屋の「えびすめ」…良く乾かしてある昆布の佃煮みたいなものよ」ビニールを開けて、パラパラとご飯の上にふりかけた

足柄「おぉ…いいわねぇ」とぽとぽ…とお茶をかけると、えびすめがほどよく柔らかくなり、味がしみ出す…

百合姫提督「ぬるくなる前にどうぞ?」

足柄「いただくわね……ずず……」

龍田「私も…いただきます♪…ず…ずずず……」

提督「じゃあ私も…熱っ……ん…」

カッペリーニ「いただきます…するっ……すす…」

足柄「あ゛ー…沁みる……これよ、これ…」

龍田「ふふ…美味しいわぁ…♪」

提督「ん…「うま味」の味がすごくするわ……この「えびすめ」のおかげなのね」

カッペリーニ「何とも…すす……素朴に楽しむ味わいですね……」さらさらっ…とお茶漬けをすすり、コトリと茶碗を置いた

百合姫提督「あ…美味し……ずず…」

足柄「美味しかったわね…あ、まだご飯残ってるじゃない」

百合姫提督「もう一膳食べる?」

足柄「龍田、そっちは?」

龍田「私はもういいわぁ」

足柄「イタリアの提督さんは?」

提督「ありがとう…でもお腹いっぱいだからどうぞ?」

カッペリーニ「私もごちそうさまです…残しては八十八の苦労が無駄になってしまいますから、どうぞ召し上がってください」

足柄「ならありがたくもらうわね……と、えびすめもおしまいになっちゃったみたいね」

百合姫提督「ごめんね…小さい袋だったから」

足柄「うーん…だからって何もなしって言うのはさみしすぎるし……」

フィンチ(カルヴィ級大型潜)「だったらこれを使ったらいかがだろう?」足柄が悩んでいるとフィンチが皿を持ってやって来た…

足柄「何かあるの?」

フィンチ「日本には「鯛茶漬け」というものがあると聞いているぞ…これを乗せてしまえばいいのではないか?」差しだしたのはガラス皿に盛られたカルパッチョの残りで、日本通を自称しているフィンチは自慢げに言った

足柄「まぁ…ないよりはいいわ……あんまりオリーブオイルのかかってない所をもらうわ」数切れの鯛を乗せ、出汁でもなく普通の緑茶をかけた

フィンチ「いかがだ?」

足柄「うん…まぁ……ちょっとオリーブオイルっぽいけど…食べかけでよかったら、味見する?」

フィンチ「これはかたじけない…据え膳食わぬはなんとやらで…頂戴しよう……ずずっ、ずずー…」

足柄「どう?」

フィンチ「美味いっ!…すこし風味が物足りない緑茶と白米に、ほのかなオリーブオイルと塩胡椒が効いて……サムライの食卓にふさわしい味だ!」
<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/08/01(火) 12:16:15.14 ID:xlBEFEGj0<> 足柄「まぁ、よかったわね…食べちゃっていいわよ」

フィンチ「うむ…では残さず頂こう……ずず…」

龍田「…」

カッペリーニ「えーと…」

提督「…あんまり気にしないであげて?」

フィンチ「ごちそうさまでした……ふぅ…しかし日本食に比べるとドイツの食事は最低だった」

カッペリーニ「あー、同盟国を揶揄するのもどうかとは思いますが…それは……まぁ、分かります」

足柄「分かるわ…戦前にキール運河だか、ハンブルグだかを訪問したのよ……レーヴェンブロイと白ソーセージはよかったけど、あとは三食いつでも芋・いも・イモ!…ジャガイモばっかりで死にそうだったわ」

フィンチ「うむ…そして出てくる酸っぱい黒パン」

カッペリーニ「固くてもそもそしていましたね……」

クリスピ「分かる!あれはひどかったねぇ…なんにつけてもザワークラウトだし…」ひょいと顔をのぞかせた小柄な駆逐艦「フランチェスコ・クリスピ」もしきりにうなずいている…

トゥルビーネ「ドイツのご飯は美味しくなかったよ…もっともイタリアだって大戦中は他人のこと言えなかったけどね」やはりドイツ艦として没した駆逐艦「トゥルビーネ」も肩をすくめてぼやいた

提督「ひどい言われよう…分かるけど」

トゥルビーネ「うん…私はここでよかったよ♪」

ディアナ「それは良かったです…毎日つくるかいがあります♪」片づけにきたディアナがにこにこしながらウィンクをした

提督「ふふ…だってディアナのご飯はとっても美味しいもの♪何か手伝いが必要なら言ってね?」

ディアナ「はい…あとで補給のトラックが来ますから、荷物を食料庫に入れるのだけ手伝ってもらえれば助かります」

提督「了解。よかったらみんなも手伝ってね?」

クリスピ「はーい」

カッペリーニ「はい♪」

トゥルビーネ「もちろん手伝うわ♪」

フィンチ「一宿一飯の恩義というやつだからな、当然手伝わせていただく」

提督「ふふ、えらいわ♪…そういうえらいみんなには…はい、ごほうび♪」…ちゅっ♪

クリスピ「わぁ♪」

トゥルビーネ「はぁぁ…///」

カッペリーニ「ふふ…提督の唇、柔らかいですね♪」

フィンチ「お…おぉ……♪」
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/08/01(火) 13:03:08.99 ID:zSmjyXrJo<> ドイツもイタリアも(仕事で)行ったことがありますがどちらも自分は有りだったなあ食事

ドイツパン:変に硬いとか酸味や香りがとやかく言われますが個人的には有り有り(なお日本国内で売ってるドイツパンのが美味しい模様
ザワークラウト:酸味はともかくあの塩辛さがやや合わなかった
ブルスト:ウマいマジウマい入ってるもんがいろいろ違うんでしょうがホントにウマかったおかげで日本のソーセージ系が実に物足りない
芋料理:ジャガイモ好きなので特に問題なくただ同じ様な味付けばかりで日本の肉じゃがが恋しくなったもんです

自分は酒類が全然なのでビールもワインも全然でしたが仕事での逗留先は伊、独ともに
アルコールを水の様にガバガバ飲む人ばかりだったので何故アルコールを飲まないんだ?ってめっちゃ不思議がられてました
なお土産に持ってった日本酒と響は大絶賛でした(響は英国でも大人気でした響すげえ) <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/08/03(木) 23:57:03.54 ID:KErCm/gU0<> >>685 細かく教えて下さってありがとうございます…もしかして前に「パンが美味しかった」と教えてくれた方でしょうか?もしそうなら途切れ途切れでゴメンなさいですが、引き続きお付き合い頂ければ嬉しいです

…お酒ですが、何しろ西洋の人は強いですから……でも、メキシコのことわざで「テキーラの四杯目。それはインヴィシーブレ(インビジブル…見えなくなる、つまり意識をなくす)」と言ってましたから、中南米は案外弱いのかも…?

あと、ロシアとか意外に甘い物もお酒も好きだったりして日本人からすると意外な感じがしますね <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/08/04(金) 00:44:03.00 ID:c29qjzv40<> カヴール「…あの、提督♪」

提督「なぁに?」

カヴール「私も物資の積み下ろしはちゃんと手伝っていますよ?」

提督「ええ、知ってるわ…いつもありがとう」

カヴール「あの……そうではなくて」

提督「?」

カヴール「んー…♪」座っている提督の前で大柄な身体をかがめた

提督「あぁ…はい♪」…ちゅっ♪

カヴール「ふふ、ありがとうございます♪」

ドリア「…提督、私もカヴールさんに負けないくらい頑張ってます♪」

提督「ドリアも偉いわね…んー、ちゅっ♪」

ドリア「ふふっ…午後もいいことがありそうです♪」

提督「もう、変な所で張り合って♪……あ…」ドリアとも唇を重ね微笑んでいたが、そのままの姿勢で凍りついた…

エウジェニオ「…提督…私にはごほうびなし?」

ポーラ「もぉ…ポーラだって手伝ってますよぉ〜?」

トレント「その…あの、私も…できるなら……ごほうびをいただけたら…嬉しいのですが///」

ミラベロ「私だって、小さいなりに頑張っているのよ?あまぁ…いごほうび、くれるわよね?」

サウロ「私も、ディアナが褒めてくれるの……だから…ね?」

オリアーニ「私もよ!…駆逐艦の模範になるよう頑張っているんだから」

オタリア(大型潜グラウコ級)「微力ながら私も手伝わせてもらっています…よかったら私にも……軽くでいいですから」

フルット(中型潜フルット級)「提督……ぜひ、その柔らかな唇で洗礼をいただけたら…と、思います♪」

提督「ふわぁぁ…みんながキスをせまってくる……///」

ミッチャー提督「…フレッチャー、見てみな?」

フレッチャー「何あれ…ゾンビの群れ?」

ミッチャー提督「ぷっ、あはははっ!…ね、まるっきりジョージ・ロメロ監督の映画みたいよね♪……あぁ、おかしい、腹の皮がよじれるわ!」

提督「笑ってないで少しは助け……んー…っ!」

エクレール提督「普段とっかえひっかえで遊んでいる罰ですわ!」

リシュリュー「…に、してはまんざらでもなさそうですな」

提督「…あんっ、もう♪…ほーら、順番に……そうじゃないと気持ちを込められないでしょう?」

エクレール提督「信じられませんわ!あの女たらし……でも、わたくしも手伝ったら…あぁ、いけませんわ、毒されてますわね……///」

提督「あっ、ちょっと…触るのはなし!…もう、デルフィーノ、どこに身体を擦り付けてるのっ♪」

ミッチャー提督「やれやれ、あの調子なんだからもっと積極的にならないとだめなのにねぇ…」エクレール提督をちらりと見て首を振った

フレッチャー「…こっちよりアピール合戦が大変そうね、マーム?」

ミッチャー提督「そう見えて一人ひとりに目が届いているのがフランチェスカのすごいところなのよね…私もそこは覚えたいわ」

フレッチャー「言っておくけどプレイガールな所はいらないからね、マーム?」

ミッチャー提督「分かってますって…マイ・ディア(大事な人)♪」

フレッチャー「///」
<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/08/04(金) 01:30:13.09 ID:c29qjzv40<> …十数分後…

提督「うー…唇がべとべとする……♪」そう言いつつまんざらでもなさそうな提督……タラントからの補給トラックが来るまでの暇つぶしと、カヴールが居室から漫画を持ってきたので、左右にライモンとカヴール、膝の上に駆逐艦セラを乗せてパラパラとページをめくった…

セラ「このマンガ面白いわ…ゆるーい感じが好き♪」

提督「お礼は百合姫提督に言ってあげて?わざわざ日本から持ってきてくれたのだから」

セラ「ありがとうございます、百合野提督♪」

百合姫提督「いえいえ……ところでどの漫画?」

提督「これ?「ゆら式」だけど?」

百合姫提督「なるほど♪…確かに「ゆるーい感じ」がするわね」

提督「そうよね……せーのっ!」

百合姫提督「ゆら式!」

提督「ふふふっ、ありがと♪」

セラ「わぁ♪」

カヴール「あらあら…提督ったらまた可愛いことを♪」

ライモン「胸にきゅん…ときました♪」

提督「好評で嬉しいわね……あ、トラックが来たわ」ゲートの開閉を知らせるブザーが鳴り、補給の三トン積みトラックが入ってきた…提督は漫画をテーブルに置き、文書便の鞄を手に取った

カヴール「じゃあ、行きましょうか」

提督「そうね♪」


…鎮守府・食堂脇…


提督「お疲れ様です…まずは文書便を」意外と大きいイヴェコ・トラックの助手席から飛び降りてきた女性士官に文書便の鞄を渡す…

士官「はい、確かに」形ばかりとはいえ、アタッシュ・ケースの取っ手と手首を手錠でつないだ

下士官「よいしょ…司令官、物品リストです」今度は濃い緑色のつなぎを着た女性下士官が運転席から降りてくると敬礼して、厚板のボードに挟んである長い物品リストを渡した…

提督「はい、じゃあこれから確認します…よかったらその間にコーヒーでも?エスプレッソがいいかしら?」

士官「…ええ、ありがとうございます」

提督「伍長、あなたは何がいい?」

下士官「は、私も同じもので」

提督「分かったわ、じゃあちょっと待っててもらえる?」庭の席に案内すると手早くエスプレッソを淹れた…

提督「お二人とも…どうぞ?」

士官「ごちそうさまです」

下士官「…その、恐縮です」

提督「いいの、気にしないで」そう言うとリストを持って荷台の方に回った…

カヴール「はい、そーれ♪」荷台から軽々と荷物を降ろしていくカヴールと、こちらも軽々と受けとるドリア

提督「リストを持って来たわ…いい?」スーパーマーケットの宅配サービスを大げさにしたような箱の山を眺め、毎回のように感心する提督…

トレント「はい、どうぞ」

提督「えーと、卵のグロス入りケースが二つ…割れてない?」

トレント「大丈夫です」

提督「いつだったか割れてて困ったことになったから……鶏もも肉、二十キロ」

トレント「あります」

カヴール「鶏のピカタが食べたくなりますね♪」

提督「まぁ、運び入れてから考えましょうね…牛のあばら肉、同じく二十キロ」

トレント「ええ、あります」
<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/08/04(金) 02:18:11.96 ID:c29qjzv40<> 提督「それから…地元の猟師さんたちが害獣駆除で仕留めたイノシシ肉、二頭分…寄付だそうよ」

トレント「確認しました…煮込み料理でしょうか?」

提督「キノコと一緒にこっくりした味のワイン煮とか…まぁ、後でじっくり考えましょう……スズキ、二十尾」…次々と読み上げ、チェックを入れるとエウジェニオやカッペリーニ、セラたちが次々と食料庫に運び込んでいく

トレント「はい…大きいですね」

提督「これはレモンか何かでさっぱりといただきたいわね……カレイ、十五尾」

トレント「カレイ……カレイ…ありました」

提督「それ…カレイ?……「おひょう」じゃないの?」発泡スチロールの箱に収まっている魚を見て眉をひそめた

トレント「違うものなんですか?」

提督「大きいけど安いのがおひょう。よく「大カレイ」とか「大ヒラメ」って言って素人を驚かせているあれよ」

トレント「味はどうなんでしょう?」

提督「まぁ、大味だっていう意見もあるけど調理しだいね…気にしないでおきましょう……冷凍マグロ」肩をすくめた

トレント「はい」

提督「冷凍海老…二箱」

トレント「あります」

ムレーナ(フルット級)「うまそうなエビだ…いいねぇ」

フォカ(フォカ級)「私も♪…海老大好き♪」…中型潜フルット級の「ムレーナ」(ウツボ)と敷設潜フォカ級の「フォカ」(アザラシ)……海鮮好きの二人が箱を運びつつ舌なめずりをしている…

提督「凍ったまま食べちゃだめよ?…次に蟹が二箱、魚市場からの提供品だそうよ」時おり市場から脚の折れた「不良品」や、急なキャンセルで在庫になったものが寄付され、タラントで分配されると届けられていた

トリケーコ(スクアロ級)「カニですか…ふふふっ、嬉しい♪」こちらもエビ・カニ類が好物のスクアロ級中型潜「トリケーコ」(セイウチ)が、箱を開けて中を眺め、にこにこしている…

提督「ほら、早く持っていかないと痛むから……次は野菜ね」

カヴール「…ちょっと重いですよ?」

ドリア「ええ、大丈夫です♪」

提督「えーと…ズッキーニが一箱」

トレント「はいっ」

提督「トマト…一箱」こちらも大きい木箱いっぱいに入っている…地物の野菜だけあって形こそ不ぞろいだがみずみずしい……

提督「レモンとライム、それぞれ一箱」海軍内にまだ壊血病への警戒感があるのか、小箱とはいえ欲しくない時でもやって来るレモンとライム

提督「カリフラワーとブロッコリーが一箱ずつ」

トレント「ありますね…はい」

提督「ナス一箱」大箱に白いナス、紅いナス、紫のナスが区分けされて入っている…煮ればとろりと柔らかく、ディアナの夏料理には欠かせない

提督「ピーマンと紅パプリカ」

トレント「はい…っと」箱の割に意外と軽いので、持ち上げようとしてよろめいた

提督「大丈夫?」ぎゅっ…倒れないように後ろから抱きかかえた

トレント「あっ…だ、大丈夫です///」

提督「よかった♪…キャベツ一箱」

トレント「はい///」

提督「ニンニク一箱」

トレント「ええと…はい///」

カヴール「むぅ…私が数える役になればよかったですね…」

提督「カヴール、妬かないの…玉ねぎ」大きさこそバラバラだが、使う分には大して困らない…

トレント「ありました」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/08/04(金) 22:27:22.50 ID:/sj0RbvXo<> >686
いえいえ更新楽しみにしておりますよ

>もしかして前に「パンが美味しかった」と教えてくれた方でしょうか?
そちらの方とは違いますよ
あとテキーラはアルコール度数が度数なので・・・南米の方がどうとか言うLVでは・・・
大丈夫なのはロシアの方くらいではないでしょうかww <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/08/05(土) 23:55:08.98 ID:HLjSP5Hm0<> >>690 これは失礼をば…では、改めて感想ありがとうございます。艦娘は引き続き増えていく予定なので頑張ります <> ◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/08/06(日) 00:50:11.27 ID:wpzzXaJL0<> 提督「えーと…ほうれん草が一箱……「ホウレンソウ」や「法蓮草」じゃなくて「ほうれん草」なのが錬金術士的には大事よ♪」

トレント「?」

提督「…分からなかったら後でガリレイやトリチェリ辺りに聞くといいわ♪」一人でクスクス笑いながらチェックを付ける提督

フレッチャー「ねぇ、マーム…これスピナッチ(ほうれん草)じゃない?」さっきから面白がってのぞいていたフレッチャーがすっとんきょうな声をだした

ミッチャー提督「そうだね、ほうれん草がどうかした?」

フレッチャー「いや…これ食べたら強くなれるんじゃないかって思って……」

ミッチャー提督「あははっ、あれはあくまでも海軍の啓発漫画……それにフレッチャーは十分強いよ♪」そう言うとにやにやしながら腕に力こぶを作り、「ポパァーイ・ザ・セーラーメェン!」と塩辛い声の真似をした

フレッチャー「うわ、そっくり!?…ね、もう一回やってよ♪」

ミッチャー提督「喉に来るからまたあとでね…ほら、フランチェスカたちの邪魔になるから、行くよ?」

フレッチャー「アイアイ・マーム……それじゃあ、バーイ♪」提督たちに軽く手を振った

提督「またね、フレッチャー…大事な「オリーブ」のこと、守ってあげてね♪」

ミッチャー提督「あたしがオリーブなの?…まぁいいけどさ」フレッチャーと手をつないで戻っていった

トレント「…仲が良いみたいですね」

提督「ね♪…さぁ、続きを進めましょう?……野菜は以上で、今度は缶詰とか瓶詰ね…イチゴジャム一箱」

セラ「ん…しょ……ちょっと重いので大変です…」

提督「セラ、大丈夫?」

セラ「はい…私だって駆逐艦の一人ですから」

提督「偉いわね♪」少し身体を屈めると、戻ってきたセラのほっぺたに軽いキスをする

セラ「ふわぁ…ありがとうございます。セラ、もっと頑張りますね♪」

提督「無理しなくても大丈夫、力仕事は得意な人に任せればいいのよ♪」

セラ「ですが、せっかくお手伝いするのなら一生懸命やらない…と!」

提督「うふふっ…いい娘ね♪」

カヴール「セラ、大きいのはあとで私やドリアがやりますから」

セラ「いえ、せっかくなのでわたしも頑張ります…っ!」大きい段ボール箱を肩に乗せ、瓶をかちゃかちゃ言わせながらゆっくり歩いて行く…

提督「…トレント、ちょっとリストの方をお願い」

トレント「はい」

セラ「ん……しょ…」慎重に歩を進めるセラ…と、後ろから提督が腕を回し、箱の下を支えるように持った

セラ「提督っ!?」

提督「…セラ、あなたがしっかり者の頑張り屋さんなのは分かってるけど、せめて私にも手伝わせて?」そのまま二人で歩調を合わせて食料庫まで歩いた…

ディアナ「セラ、また持ってきてくれたのですね……今度は、えーと…」

セラ「アンズジャムです……はぁ…ふぅ…」

提督「…♪」セラには見えないようにディアナにウィンクすると、ディアナもさとったように軽くうなずいた

ディアナ「この重たい箱を運んできたなんて、すごいですね…♪」

セラ「ふぅぅ…私だって…36000馬力はありますから…ふぅ……」

提督「さすがね、セラ…しばらく休んでいいわ」

セラ「でも、まだ終わっていませんし…」

提督「…なら、カヴールの荷降ろしを手伝ってくれる?」

セラ「はい、もちろんです♪」

<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/08/06(日) 01:29:43.65 ID:wpzzXaJL0<> カヴール「モッツァレラ・チーズの箱をお願いしますね」

セラ「はい…ドリアさん、いいですか?」

ドリア「はい、いいですよ」

提督「大丈夫?…次はブルーチーズの塊が四個」

セラ「よいしょ」

提督「パック牛乳が四箱と、リンゴジュースが三箱」

カヴール「はい♪」淑女らしい気配りで、さりげなく重いものやかさばる物をセラの代わりに降ろすカヴール

提督「♪」思っていた通りに気を使ってくれたカヴールに向けウィンクを投げた

カヴール「ふふっ♪」どうやら意図が分かっていたらしく、さりげなく投げキッスで返してきた

セラ「…提督?次は何でしょうか」

提督「あぁ、はいはい…えーと……何、これ?」

カヴール「どうかしました?」

提督「ヴーヴ・クリコの白、十二年もの。六本入り…一箱」

カヴール「えーと…はい」

提督「バルバレスコの赤、十年物。六本入り、一箱」

カヴール「はい」

提督「キァンティ、十二本入り…一箱」

カヴール「はい」

提督「ナポレオン一箱…十年もの」

カヴール「あります」

提督「スウィート・シードル、ドライ・シードル、各一箱…十二本入り」

トレント「はい、あります」

提督「ルジェ・クレーム・ド・ペシェ…六本入り、一箱」

トレント「はい…」

提督「ウォッカ「ズブロッカ」一箱…」

トレント「はい」

提督「…誰かポーラを呼んできて」

ポーラ「ポーラはここですよぉ〜?…お呼びですか、提督ぅ〜?」

提督「ええ、呼んだわ……これは何?」

ポーラ「お酒ですがぁ?」

提督「それは分かっているわ…この量について聞いているのだけど?」

ポーラ「それはですねぇ…せっかく月のお小遣いをいただいたのでぇ〜…飲みたいものを買ってみましたぁ!えへへぇ♪」

提督「あー…「お小遣い」で足りるようなお酒じゃないわよね?」

ポーラ「はい♪…それでぇ、みんなから選んでほしいとお金を預けてもらったのでぇ〜…ポーラが選びましたぁ♪」

提督「…はぁ、分かったわ」

ポーラ「ご用はそれだけですかぁ?」

提督「ええ…飲んでいないうちから頭が痛くなってきたわ……」 <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/08/06(日) 02:09:21.67 ID:wpzzXaJL0<> …しばらくして…


士官「では、失礼します」

下士官「また補給に来ますので、その時に」

提督「ええ、待っています」答礼の後にこりと微笑み、トラックが出て行くのを見送った…

提督「……さてと」食料庫に向かって歩いて行く提督


…食料貯蔵室…


提督「手伝いに来たわ、ディアナ」略装の上着を脱いで、灰色のタンクトップ姿で貯蔵室に入る…暑い表から戻って来たばかりなので冷蔵室はちょうどいい具合に涼しかった…

ディアナ「あぁ、助かります…前の補給品を手前に、今日の補給品を奥に並べますので、手伝っていただければ助かります」

提督「了解♪」背丈ほどの棚が林立する貯蔵室の中で、古いものとおかしくなり始めているものをディアナが出していく…それを適当な箱に入れると厨房の冷蔵庫に運んで行って、すぐ使えるようにする…

ディアナ「今日は何が召し上がりたいですか、提督?」

提督「何が食べたいかより、消費期限が近いもので何ができそう?」

ディアナ「まぁ…ふふ。提督はよく分かっていらっしゃいます♪」

提督「そうね…転属して部屋を借りた時にはよく料理したから」

ディアナ「それで意中の女性の心を射止めた訳ですね…いけない方♪」

提督「ふふっ♪…じゃあ今は私がディアナに射止められたわけね♪」

ディアナ「あら、お上手ですね♪……とりあえずひき肉を使ってしまいたいので、肉入りの「パスタ・ポモドーロ」を考えています」

提督「いいわね…あとはこのイワシの缶詰で……サーディンとパン粉の重ね焼きにでもする?」

ディアナ「タラント料理ですね…わたくしも好きですよ」

提督「じゃあ決まりね…ところでこれは?」少し古くなったスポンジ生地と生クリームの大きい紙パックが箱に入っている

ディアナ「あ…これですか……実は、数日前お菓子に使おうと思っていたのですが、すっかり失念してしまいまして……今日にも期限が来てしまうのです。美味しいお菓子になるはずがもったいない事をしてしまいました…」

提督「…一人で切り盛りしているんだもの、仕方ないわ…私も手伝ってあげられればいいのだけど」

ディアナ「よしなに。そのお気持ちだけで嬉しく思います……ですが人数が増えた分、食事をまかなうにはもう一人…いえ、これがわたくしの任務ですから、文句を言うのはおかしいですね」

提督「…いいのよ、ディアナ。なにか方策を考えておくわ。それと、このスポンジとクリーム、使っていいかしら?」

ディアナ「ええ、もちろんです…できたら美味しくしてあげて下さい」

提督「ええ、そうするわ……じゃあ、これは夕食の後に♪」

ディアナ「何ができるのでしょう?…ふふ、楽しみになってきました♪」


<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/08/07(月) 01:21:22.11 ID:08vJIwMR0<> ………

…夕食後…

チェザーレ「いやはや…実にうまい夕食だった!」肩からまとったトーガから、火照っていくぶん桜色になった胸元がのぞくチェザーレ…ワインとよく合うナポリ風ポモドーロに舌つづみをうち、あとは厨房でかちゃかちゃやっている提督お手製のデザートを心待ちにしている…

バウサン(ピサニ級中型潜)「いやはや…久しぶりのナポリ料理は最高でした♪」艦名が中世ナポリの提督「ジョバンニ・バウサン」というだけあって、ナポリ料理にはうるさい彼女も充分満足していた…

リットリオ「よかったですね♪……それにしても提督、「お腹を空けておいて」と言っていましたけど、一体何でしょう?」こちらはタラント料理「イワシとパン粉の重ね焼き」を堪能し、ゆったりとくつろいでいるが、ときおり厨房をのぞこうと首を伸ばしていた

サウロ「詳しくは分からないですが…提督の特製ドルチェ(デザート)らしいですよ?」

ディアナ「ふふ…わたくしも提督のドルチェ、楽しみですよ」エプロンを外し、ゆるいガウン風の服でくつろいでいるディアナ

カヴール「うふふっ…全身にクリームがたっぷりのった提督でしょうか♪」しとやかな淑女らしい微笑を浮かべつつ、さらりと言ってのける

ドリア「残念だけどそれはないでしょう、カヴール……この間あれだけ怒られていましたもの」

ガリバルディ「…残念ね、提督なら美味しいドルチェになるでしょうに」

スクアロ(スクアロ級中型潜)「いやいや、諸君…提督はドルチェよりメインディッシュにふさわしいよ。…あのむっちりした胸…お尻、ふともも……かぶりついたら肉汁がこぼれ、噛み跡を残せそうな桃色の柔肉……たまらないね♪」…艦名の「スクアロ」(サメ)にふさわしく、真っ黒な瞳をどろりとした欲情にぎらつかせ、白い牙のような歯を剥きだして、にっと笑った

エウジェニオ「うふふ…それもいいけど、ドルチェは提督のとろとろな蜜を……ね、いいと思わない?」

ピサニ(ピサニ級中型潜)「ほほぅ、それは…たまらないな♪」

足柄「な、何なのよ…ここの連中は……」食後のゆったりとした空間とは思えない会話に、神戸生まれのモガ(モダン・ガール)は冷や汗を垂らしている…

百合姫提督「…ま、まぁ…何ていうか、その…イタリア流のちょっとした冗談なのよ。ね、龍田もそう思うでしょう?」

龍田「うふふ…イタリアの提督はみんなからこんなに愛されて……私も見習わないといけないわねぇ♪」百合姫提督に妖しげな視線を向けた

百合姫提督「…で、出来るだけ応えられるよう頑張ります……」龍田のリクエストを想像して、恐怖半分、わくわく半分の百合姫提督…

龍田「それは楽しみねぇ♪」

足柄「あのねぇ、龍田…提督をあんまり……」

龍田「来たみたいよぉ?」

足柄「こら、龍田……まぁ、すごいじゃない!」食堂のカウンターに次々と並べられた提督の「ドルチェ」に感心したような声をだした

百合姫提督「あれは…」

足柄「パフェーよ、パフェー!…すごい!ハイカラじゃない!」大正生まれの淑女からすれば「ハイカラ」の極致にある「パフェー」を見て、思わず歓声をあげた…

龍田「すごいわぁ…!」専用のグラスがなかったので、提督がカクテルグラスやら大きい赤ワイン用のグラスを代用して盛ったパフェだが、龍田も嬌声を上げて笑みを浮かべた

チェザーレ「ほう…なにやら涼しげなドルチェが来たな?」

マメリ(マメリ級中型潜)「ガリバルディ、これは美味しそうではありませんか!」

ガリバルディ「ええ、カラフルで可愛い♪」

アスカリ(ソルダティ級駆逐艦)「こんなドルチェは初めて見ただ…美味そうだな♪」褐色の「アスカリ」(植民地兵)も興奮のせいか、いつもよりさらに訛っている

提督「ふふ♪一個づつ取っていってね……二つ取ったりしちゃだめよ♪」


…冷たいドルチェと言えばジェラートが定番のイタリアで、日本風にフルーツが乗せてあるパフェは目新しく、たいていの艦娘たちは甘い物好きということもあって、たちまちカウンターの周りできゃあきゃあ言う嬌声と歓声が響き渡った…


ライモン「美味しい…美味しいです♪」

コレオーニ「あぁ…甘くて幸せ♪」

<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/08/07(月) 02:10:06.45 ID:08vJIwMR0<> 百合姫提督「どう、足柄?…パフェは美味しい?」

足柄「あぁ、もう言い表せないくらいよ!…ねぇ、よかったら提督も一緒に食べて?」

百合姫提督「いいの?」

足柄「一つのパフェーを二人で分け合うのって、すっごくハイカラじゃない!…一度やってみたかったのよね」

百合姫提督「ふふ…じゃあ、「あーん」して?」長いスプーンもなかったようで、百合姫提督は普通のスプーンでしゃくって差しだした…

足柄「うぇっ!?…ちょ、ちょっと待って、そんなこと出来そうにないわよ///」

百合姫提督「ほら…早くしないと落ちちゃうから……ね?」

足柄「じ、じゃあ…行くわよっ!」目をつぶって口を開けた…

百合姫提督「はい、あーん…っ♪」

足柄「あーん…」

百合姫提督「…で、味はどうだった?」

足柄「あ、味なんて分からなかったわよ///」

龍田「もう……足柄ってばぁ、布団の上では狼なのに「あーん」で赤くなって可愛いわぁ♪」

足柄「う、うるさいわね!……あぁぁ、どうしよう…恥ずかしくて顔から火が出そうよ…///」ほっぺたを押さえて顔を赤らめている…

百合姫提督「まぁまぁ…はい、今度は龍田よ……あーん♪」

龍田「あーん♪」

百合姫提督「ふふ…龍田の「あーん」可愛いわ♪」

龍田「あらあら///…それにしてもとっても美味しいわぁ♪」

提督「本当?よかった…うろ覚えで作ったからうまくいったか心配だったの」…自分のパフェを持ってやってきて、すとんと椅子に腰かけた

百合姫提督「心配いらないわ。とっても美味しい♪」

足柄「それに何しろハイカラよね!……そう、提督と腕を組んで銀座の街を歩いて…お洒落なフルーツパーラーでこんな感じのパフェーをつつくの…それから恋愛ものかなんかのキネマを見て……ダンスホールで踊った後は、夜の街で街燈の灯りを背景にキッスする…なんて……あぁ、もう///」

龍田「理想よねぇ…♪」

提督「ふふ…乙女心ね♪……ディアナ、お味はいかが?」

ディアナ「はい、大変美味しいですよ…スポンジを下に、チョコレートソースとバニラのアイスクリーム…上にホイップクリームとイチゴ、てっぺんにはマラスキーノ・チェリーですか」食べながら一層ずつ確認して、感心したようにスプーンを入れる…

提督「ええ。チョコレートソースは残っていた板チョコレートを湯せんで溶かして、バニラアイスも中途半端に残ってたからそれを使って……下の部分はシリアルみたいなのでやることも多いそうだけど、あのスポンジ生地を使うつもりだったから…」

百合姫提督「…日本でもコーンフレークより舌触りがいいから、スポンジを使うお店もあるの…私もスポンジの方がしっとりして好きよ♪」

提督「そう…ならよかったわ♪」

ディアナ「美味しいですし、大成功ですね♪」

提督「みたいね…ん、本当……美味しい♪」

百合姫提督「あら…足柄、口の端にクリームがついてるわ」

足柄「本当?どっちに?」

百合姫提督「待って?……動かないでね」ちゅっ、ぺろっ♪……口の端についていたクリームを舌で舐めとった…

足柄「!?」

百合姫提督「はい、とれたわ♪」

足柄「あ、あ、あ…っ///」

提督「ふふふっ♪」

カヴール「まぁ…♪」

エウジェニオ「うふふ…良いものを見せてもらったわ♪」

<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/08/09(水) 01:15:00.46 ID:7CxIu/1b0<> 提督「カヴール、早く食べないと溶けてきちゃうわよ?」

カヴール「それはいけませんね…では、いただきます♪」

提督「…どう?」

カヴール「まぁまぁ♪…甘くて冷たいですし、果物もいっぱいで美味しいです♪」満面の笑みでパフェにスプーンを入れる

提督「それはよかったわね♪……あら、リベッチオ。どうしたの?パフェは美味しかった?」

リベッチオ「うん…とっても美味しかったけど、もうちょっと食べたかったなって……ううん、ちゃんと自分の分は食べたから、わがままは言わないことにする…ね」そうは言っているものの、ときおり物欲しげに提督のパフェを眺めている

提督「ふー…おいで?」半分ばかり残っているパフェとリベッチオを交互に眺めると、ひざをぽんぽんっ…と叩いた

リベッチオ「いいの!?」

提督「特別よ?」ひざの上にリベッチオを乗せるとパフェのグラスとスプーンを渡し、腰に手を回して落ちないように支えた

リベッチオ「じゃあ、いただきまーす。んー…」

提督「パフェは逃げないから、味わって食べて?…お味はいかが?」片手で頭を撫でつつ、張りのある褐色の身体を抱きしめる…ぴちぴちのヒップとぱちんと跳ね返りそうな脚がふとももの上に優しく乗っている

リベッチオ「…提督が分けてくれたからかな、さっきよりも美味しいよ♪」

提督「まぁ…!」ちゅっ♪

リベッチオ「えへへ…だって提督は優しいんだもの♪」

カヴール「…あら、リベッチオもお上手ですね♪」

リベッチオ「ふふん♪」

提督「…可愛いわね♪……ねぇ、リベッチオ♪」甘ったるい声で呼んだ

リベッチオ「んー、なぁに?」

提督「よかったらこの後、一緒にお風呂に行きましょう♪」

リベッチオ「いいよ?……じゃあ、洗いっこでもしよっか?」

提督「ふふ、リベッチオは洗いっこしたいの?」

リベッチオ「うん♪」

提督「なら決まり……」

カヴール「…♪」口もとは笑みを浮かべているが、視線が冷たい…

提督「んー…そう思ったけど、今日はお皿も洗わなくちゃならないし、またの機会にしましょうか?」

リベッチオ「そうなの?…残念」

提督「ごめんなさいね、言い出したのは私なのに」

リベッチオ「いいよ、今度は一緒にお風呂入ろっ?」

提督「ええ、そうしましょう♪」

リベッチオ「それじゃあ、パフェをごちそうさま…また作ってね?」ひょいと滑り降りると、ちゅ♪…と唇にキスをし、空いたグラスを片づけるために駆けて行った…

提督「もちろん……うふふっ♪」

カヴール「もう…さっきからにやけすぎです」軽く手の甲をつねった

提督「ふふ…ごめんなさい♪」

カヴール「いいですよ、許してあげます♪」

提督「ありがとう♪…ディアナ、お皿は私が洗っておくわ」頬にキスをすると、椅子の背もたれにひっかけていたエプロンを取り上げた…

……… <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/08/09(水) 02:56:22.78 ID:7CxIu/1b0<> …翌朝…

カヴール「…建造、ですか?」

提督「ええ、資材に余裕はあるし…ディアナの苦労を減らしてあげなくちゃいけないと思うの」コーヒーカップと「海軍公報」、「コリエーレ・デラ・セラ」紙、コリドーニが作って持って来た鎮守府新聞を見ながら言った

カヴール「なるほど…ですが、補助艦艇と言っても幅が広いですよ?」

提督「ええ。まぁ、ある程度の目星はつけてあるわ」

カヴール「なるほど…でも、先に朝食にいたしましょう♪」

提督「んー…それもいいけど、まずはシャワーを浴びたいわ……昨夜は暑くて、身体がべたべたしているの」

カヴール「そうですね、私も昨晩は身体が火照って…うふふっ///」

提督「…そう、聞かないでおくわ」

カヴール「久しぶりにチェザーレと寝室を共にしてみたのですが…ふふ、姉妹ですからお互いに弱い所がよく分かっていて……ああ見えてチェザーレも意外と積極的なので、結構汗をかいてしまいました♪」

提督「あー…海軍公報のお堅い文章が頭に入らなくなるからちょっと静かにしていてもらえる?」

カヴール「あら…提督ならきっと聞きたがるかと♪」

提督「聞きたいけど、先にこっちを片づけたいから…ね?」

カヴール「もう、仕方ないですね……面白い記事はありました?」

提督「…もしかして退屈なの?」

カヴール「退屈…ではありませんが、提督とお話がしたいですから♪」

提督「分かった、負けたわ…各国海軍のニュースを読んであげる」

カヴール「ふふ、嬉しいです♪」

提督「えーと…この記事はフィンランド海軍の人事みたいね……「フィンランド海軍のエイノ・アカーザ・アッカネン少将…昇進」だそうよ」

カヴール「そうですか」

提督「じゃあ、これは?…「ロシア海軍、カスピ小艦隊司令官のユリア・レズノヴァ少将は講演を行い、チョウザメの不漁について「深海棲艦のせいで漁が不可能なので品薄は避けられない」と発言。さらに記者から「深海棲艦」の跋扈に関して質問されると「まとめて浅瀬の隅に追い詰めて吊るし切りにしてやる」と言って物議をかもした」

カヴール「…キャビアはそんなに好きではないので」

提督「そうね…あんまり食べられる身分でもないし。なら…「日本の海上自衛隊「佐世保鎮守府」で交流イベントが行われ、好評を博した…カレーライスの食べ比べ、艦娘の戦艦たちと腕相撲、ビンゴ大会…空母、「蒼龍」「飛龍」などと声の大きさを競う「シャウト大会」などが行われ、三日で一万数千人が会場を訪れた」

カヴール「面白そうですね♪」

提督「一万数千人はすごいわね。…それからこれは「チリ海軍練習帆船「エスメラルダ」、メキシコ海軍練習帆船「クウォテモック」が揃ってスペイン・カルタヘナを訪問…海の貴婦人である「エスメラルダ」「クウォテモック」がスペイン有数の軍港カルタヘナを訪問、歓迎を受けた…写真もあるわよ?」

カヴール「まぁ…綺麗な船型です。艦娘の二人も清楚で……提督はスペインには?」

提督「ええ…士官学校時代に修学旅行みたいな形で。もっとも、軍港めぐりで観光地はマドリードくらいだったけど」

カヴール「そうですか…スペインというと「情熱の国」だと言いますが、どうでした?」

提督「んー…まぁ、そうね。長い黒髪の情熱的なお姉さま方がいっぱいいたわ///」

カヴール「その様子だと、旅の思い出をたくさん作ったようですね♪」

提督「まぁね…さ、これ位でいいでしょう?シャワー浴びて来るわ」

カヴール「はい…では、行きましょう♪」 <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/08/11(金) 01:09:13.68 ID:RpidyqAg0<> …大浴場…

提督「おはよう、みんな」黎明哨戒組だったバルバリゴ級大型潜の「提督たち」がシャワーを浴びに来ていたので声をかけた

カヴール「おはようございます。哨戒、お疲れさまです♪」

バルバリゴ「あぁ…おはよう、提督。おはよう、カヴール…見事な身体だな♪」提督とカヴールを上から下までじっくり眺めまわすと、称賛するように言った

提督「ふふ、ありがとう…でも、ちょっと恥ずかしいわね///」

マルチェロ「なに、恥ずかしがることなどありませんよ、提督。中世ヴェネチアでは見目麗しいコルティジャーナたちが橋の上で胸をさらしていたんですからね♪」ぱちりとウィンクをしてみせた…

(※コルティジャーナ…クルティザンとも。ルネサンス期ヴェネチアの超高級娼婦。胸を露出したり透け透けの衣装を競ったが、高い教養があり、嫌いな客ならたとえ王侯貴族でも相手をしなかった)

提督「ここはヴェネチアじゃないのよ?…でも、ありがとう♪」ちゅ…♪

マルチェロ「朝から提督のキスとはついてるわ♪」キスされたほっぺたを押さえてにやにやしている

バルバリゴ「ふぅむ…私にもキスしてくれるかな?」

提督「はいはい…哨戒、ご苦労様♪」

バルバリゴ「うむ…これは、いいものだ……♪」

ダンドロ「私にもぜひいただきたいですね…甘い提督のくちづけを♪」

ナーニ「私も♪…ナーニに、キスしてくださいな」

カヴール「あらあら…人気ですねぇ」少し不満げに頬をふくらませた…

提督「…キスは挨拶でしょう、カヴール?」

カヴール「むむ…いつもそう言ってキスをおねだりしていますから、文句は言えませんね」

バルバリゴ「しかし…せっかくだから私のあいさつも受けてもらおう♪」ぐいっ…と提督を壁に押し付け、両頬に手をあてて押さえると舌をねじ込んだ…

提督「きゃ…っ!……んんっ、んっ…///」

バルバリゴ「ちゅ…じゅるっ……んっ…ぷはぁ……どうだったね?」

提督「ふふっ♪…気持ち良くて……腰が抜けちゃいそう///」

バルバリゴ「それは良かった……では、そろそろ上がらせてもらおう…チャオ♪」ふっ…と微笑してウィンクをすると、マルチェロたちを連れて出て行った…

提督「…」

カヴール「提督、大丈夫ですか?」

提督「え、ええ…いきなりだったからちょっと驚いただけ……結構上手だったし///」

カヴール「まぁ、ふふ♪…立てます?」腕をつかむように見せかけて、むにゅ…と胸を押し当てて触らせるカヴール

提督「大丈夫、立てるわ…相変わらず柔らかくて良い触り心地♪」

カヴール「あら、提督ったら嬉しい事を言って下さいます…」と、視線を感じたカヴールが横を見ると、いちゃつく二人を真っ赤になって眺めている小柄な姿が浴槽に見えた…

カヴール「…提督」

提督「なーに?…どこを触って欲しいの♪」

カヴール「いえ…浴槽に」

提督「…浴槽?」

セラ「……あの、セラは見てませんから…向こうのお風呂に行っていますね///」頭にタオルを巻いた小柄な駆逐艦、セラとクリスピが首筋まで真っ赤になっている…

クリスピ「あ…あの、大丈夫なので…どうぞ続けて下さって結構です///」

提督「大丈夫よ、止めるから…ごめんなさい、朝からちょっと刺激が強かったわね?」手を胸からどけると、改めてシャワーに向かおうとする提督…

カヴール「……向こうのお風呂もいい湯加減ですよ?…セラ、クリスピ…よかったら入って来てはいかがです?」

セラ「は、はい…そうします。…クリスピ、行きましょう?」恥ずかしげな様子でお湯の中をじゃぶじゃぶ渡っていった…

提督「ち、ちょっと…カヴール///」

カヴール「…いいじゃありませんか……欲しくなってしまったのですもの♪」提督の身体を引き寄せるカヴール…

提督「もう、今日は忙しいのに……んっ、んんっ///」

………

<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/08/11(金) 01:49:16.16 ID:RpidyqAg0<> …午前中・工作室…

提督「あぁ…もう、朝から疲れたわ……」工作室の椅子に力なく腰かけ、補助艦艇建造のサポートに来てもらったディアナにぼやいた…

ディアナ「まぁ…いかがなさったのです?」建造の残り時間を眺めていたが、提督の方に水色の瞳を向けた

提督「あー…とある戦艦とちょっとね…」

ディアナ「喧嘩ですか?それはいけませんね」

提督「喧嘩やいさかいではないけど…もうぐったり」

ディアナ「最近は異常なほど暑いですから…お疲れなのでしょう……よかったら建造はわたくしが見ておきますが?」

提督「ありがとう…ディアナ。でもここにいるわ」

ディアナ「そうですか。では、よかったらこれを…」水差しいっぱいの冷たいレモネードを用意してくれていた

提督「助かるわ…こくっ、こくっ、こくんっ……はー…」

ディアナ「いかがですか?」

提督「おいしい…沁みるわ……ありがとう、ディアナ」

ディアナ「ふふ、よしなに♪」

提督「ふー…それにしても暑いわね…」夏用の白い制服は見た目はいいが暑いことこの上ない…脇や胸まわり、ふとももの間に汗がたまってべたべたする…

ディアナ「よかったらお使い下さい…制服を脱いで軽く拭けばさっぱりするかと…」

提督「濡れタオル?…ありがとう、ちょっと脱ぐわね」しゅる…っ…

提督「あら…何だかひんやりして気持ちいい……それにいい香り」

ディアナ「ふふっ、暑いかと思ってミント水を作っておきましたので…いかがですか?」

提督「ふー…さっぱりするわ……もう、胸の間とか下とかが蒸れて…」汗でアンダーシャツが張りつき、胸の形がはっきり分かる…

ディアナ「…そのようですね…よろしければ背中はわたくしが」

提督「お願いできる?」

ディアナ「はい、よしなに」タオルを受け取ると、アンダーシャツをまくりあげた…

提督「ふー…気持ちいいわ…」ディアナが控えめにすーっ…と撫でていくと、ねっとりしたような感じが無くなって扇風機の風が爽やかに吹き抜ける

ディアナ「それは良かったです…では」さわっ…するっ…

提督「ふふ…もう、くすぐったいわ///」

ディアナ「さようですか?」しゅる…さわ…っ…

提督「あっ…あの、ディアナ///」

ディアナ「はい、いかがなさいました?」さわ…っ

提督「その…触り方が…///」

ディアナ「出来るだけ丁寧に…と思ったのですが、痛かったでしょうか?」

提督「あぁ、いいえ…大丈夫よ///」(普通に拭いているだけなのね…)

ディアナ「さようですか…では、残りも」

提督「んっ…」

ディアナ「脇も汗がたまりやすいかと…腕を持ち上げて頂けますか?」繊細でほっそりしたディアナの指がタオルごしに動く…

提督「あっ、あ…んっ♪」触っているかいないか程度の優しい撫で方が愛撫のように感じられ、甘い声が漏れる…

ディアナ「…はい、おしまいです。いくらか涼しくなりましたか?」

提督「はぁ…はぁ…ふぅ……ええ、表面は涼しくなったわ///」汗は引いたが、身体の中はディアナの無意識かつ的確すぎる愛撫で火照りきっていた…

ディアナ「それは良かったです」

……… <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/08/12(土) 01:43:05.18 ID:tmmtqQAk0<> …数時間後…

提督「さて…そろそろね。ディアナ、これであなたも少しは楽できるようになるはずよ♪」

ディアナ「ありがたいお言葉ですが…皆さんが喜んでくれるので、私は忙しくても充実していますよ♪」

提督「……本当にありがとう、ディアナ♪」ぎゅ…っ

ディアナ「あっ……提督の身体、暖かくて柔らかいです…///」

提督「ディアナはひんやりしているのね…よかったら今度、私のベッドを涼しくしてくれる?」

ディアナ「ふふ…私は氷まくらですか?…それと、そろそろ新しい娘が出てきますよ?」

提督「いっそのこと見せつけてみる?」

ディアナ「だめです。そういうのは慣れてからにしてあげないと、驚いてしまいますからね」手際よく提督の白い夏用制服のホコリを払い、優雅な姿勢で待ち受けた…

提督「あ、来たわ…」


…最初に出てきた艦娘は少し小柄ながら、ハイヒールに黒ストッキング、淡いグレイの吸いつくようなドレススタイルもモデルのような優雅でスマートな艦娘。アフリカの民芸品のような木とガラス玉の首飾りをしていて、くりくりした瞳は愛らしい…


第一の艦娘「こんにちはぁ、植民地スループ(通報艦)の「エリトレア」です♪…追跡をかわすのと潜水艦の皆さんへの補給は得意でしたので、戦後も長らくフランス海軍で頑張りました♪…ここが新しい任地であってます?」えくぼを浮かべて小首を傾げつつ、茶目っ気たっぷりに膝を曲げて挨拶をした

提督「ええ、初めまして…タラント第六鎮守府、司令のカンピオーニ少将です。よろしくね♪」

ディアナ「高速スループ、ディアナです…よく来てくれましたね」

エリトレア「あぁ、ディアナなのね!久しぶりです♪」

提督「ふふ、仲良くしてあげてね?…そちらのお二人は?」


…「エリトレア」の隣に並んでいるのは小柄な艦娘が二人。着ているのは淡いグレイと複雑な幾何学迷彩のかなり短いミニワンピースで、片方は白い髪に一部だけ黒い房が交じっていて、どこかアンニュイな黄色い瞳をしている。もう一人は同じタイプのようだが、白にピンクの髪の房が入っていて、どういう訳かお買い物袋を提げている…どちらも小柄でぽっちゃりした体つきの割に、脚は長くてほっそりしている…


黄色い瞳の艦娘「コルヴェット、ガッビアーノ級…ガッビアーノです。…白い翼はないけれど、忍び足は得意だったから対潜任務は任せて欲しいね」

買い物袋の艦娘「同じくガッビアーノ級、チコーニャですっ。よろしくね、提督♪…まぁ爆雷運びで忙しかったので、今度は楽な任務ならいいなぁ…って思ってます♪」

提督「あら、ガッビアーノ級が来てくれるとは嬉しいわ…暇な鎮守府だけど、よかったら色々手伝ってね?」

ガッビアーノ「了解した」

チコーニャ「んー…できるのは対潜哨戒くらいだけど、頑張るわねっ♪」んちゅっ♪…つま先立ちするとほっぺたに唇を当てた

提督「あらあら♪…素敵なあいさつをありがとう♪三人とも、これからよろしくね」

エリトレア「はいっ♪」

ガッビアーノ「あぁ、どうかよろしく」

チコーニャ「こちらこそ♪」

提督「さぁ、お昼が出来ているから食堂に行きましょう?みんな待ちくたびれているはずだもの♪」

チコーニャ「早速お昼とは嬉しい限りです♪」

ガッビアーノ「出されたものは何でもいただくよ」

エリトレア「久しぶりのイタリア料理…楽しみです♪」

ディアナ「では、参りましょう」

……… <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/08/12(土) 02:32:36.82 ID:tmmtqQAk0<> …食堂…

カヴール「ようこそ…お待ちしておりましたよ♪」

アオスタ「タラント第六へようこそ…心から歓迎します」

コリドーニ「さ、今のお気持ちをどうぞ!ここの雰囲気はどうですか!タラントでよかったと思いますか!提督とベッドを一緒にしたいと思いますか!」ライカのフラッシュを焚きまくり、矢継ぎ早に質問を浴びせる…

提督「…ちょっと、コリドーニ」

コリドーニ「提督!…提督はこちらの艦娘の方々を可愛いと思いますか!抱きしめたいと思いますか!あと提督のスリーサイズと体重を教えて頂けますか!」

提督「…三つの質問には、それぞれ「はい」、「はい」、「いいえ」で」

コリドーニ「むむぅ…せっかくですのでもう一言!」

提督「早く座ってお昼にしましょう」

コリドーニ「う…分かりました、では一枚!」…パシャ!

提督「ふー……アオスタ、式次第は決まっているのよね?」

アオスタ「もちろんです、歓迎委員会のみんなで用意しましたので」

提督「それは良かったわ…さ、こちらへ」エリトレアの手を取って自分の正面に座ってもらう…その隣にはガッビアーノ級の二人が座り、向い合せにカヴールとアオスタが座る…

チコーニャ「わぁぁ…美味しそうっ♪」目をきらきらさせてごちそうの山を眺めた…

提督「アオスタ、みんなもう待ちきれないようだから…♪」

アオスタ「はい…では、シャンパングラスを持って起立願います!…提督、乾杯の音頭を」

提督「はいはい……えー、本日ここに集まったみんなで新しい三人の艦娘を迎えられることは大変うれしいことです。…心からの歓迎を込めて、乾杯♪」

一同「「乾杯!」」全員でグラスを空けると席に着き、さっそく豪勢なお昼が始まった…

提督「エリトレア、よかったらイノシシのあばら肉はどう?」香ばしい田舎風に仕立てたイノシシのあばら肉はオーブンから出したばかりでじゅーじゅーと音を立て、脂身から沁みだした肉汁がぷちぷちと表面にはじけている…

エリトレア「はい、いただきます♪」

カヴール「ガッビアーノ、牛タンといんげん豆のゼリー寄せはいかが?」

ガッビアーノ「もらいます。…ここの食事はどれも美味しい♪」

アオスタ「ペンネ・アラビアータは美味しいですか?」

チコーニャ「はい、とってもボーノです♪」

アオスタ「結構です…ちゃんと野菜も食べて下さいね」

チコーニャ「はい、分かってます♪」

提督「…ワインは?」

エリトレア「はい…もう一杯だけ……美味しいワインです♪」

提督「ポーラの趣味なの…よかったら空けちゃって?」残り少ないワインを注ぐ

エリトレア「はい、ならいただきます…ねぇ♪」とろりととろけたような表情も可愛らしいエリトレアが、なみなみと注がれたワインを美味しそうに傾ける…

提督「ふふ、ご協力に感謝するわ♪」(ほろ酔いの顔も可愛い…♪)

カヴール「…」さりげなく提督のふとももをつねった

提督「痛っ…カヴール?」

カヴール「いけませんよ…ワインの力を借りようだなんて♪」

提督「べ、別にいやらしいこと考えていたわけじゃないわ…ただ、一口だけ飲み残しても仕方ないから……」

カヴール「なら提督が召し上がればよかったのです♪」

提督「酔うほど飲んだら午後の執務に差し支えるもの…」

カヴール「ふふ、そうなったら私が優しく介抱してあげます…♪」つねったばかりのふとももを今度はさわさわと撫でた…

提督「あんっ…もう♪」

カヴール「午後は長いですから、お昼寝なさるのもいいかも知れません…ね♪」

提督「ふふ…考えておくわ♪」テーブルクロスの下でカヴールの手をそっと握り、撫でて欲しい所にそっと導いた…
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/08/12(土) 22:11:23.44 ID:4fIUvJAvo<> そろそろ誰が誰だったか判らなくなってきたけど読んじゃうww
本家艦これも新艦で伊潜水艦Luigi Torelliが出ましたね
てか艦暦が面白すぎですねこの娘 <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/08/14(月) 00:19:38.94 ID:LbUZM6pj0<> >>703 書いている当人がもう分からなくなり始めているので大丈夫です(苦笑)…「ルイージ・トレーリ」も「コマンダンテ・カッペリーニ」と同じような運命をたどった艦ですからね……ぐだぐだですがよかったら引き続きお付き合いください <> ◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/08/14(月) 01:00:56.95 ID:LbUZM6pj0<> …食後…

提督「これ美味しい…ムツィオが作ったの?」ドルチェに出されたのは甘い桃をスライスして飾ったフレッシュピーチ・パイで、提督はあっさり誘惑に負けて二切れ目を味わっていた…

アッテンドーロ「ええ、そうよ?おかしいかしら?」戦前はナポリ所属で今でもちゃきちゃきのナポリ人、ライモンの妹アッテンドーロが「にっ」と笑った

提督「いいえ…ディアナに負けないほど美味しいし、もっと作ればいいのに♪」

アッテンドーロ「私は姉さんと違ってそういうこまごましたのがあんまり好きじゃないのよ」

提督「ふふ、ナポリっ子らしい言い方ね…ムツィオのそういう所、好きよ♪」

アッテンドーロ「ち、ちょっと口説かないでよ///」

提督「あら、赤くなって可愛い…♪」ほっぺたに手を当ててそっと撫で上げた…

アッテンドーロ「あっ…だ、だめよ……姉さんだっているし、止してちょうだい///」

提督「だって…♪」

アオスタ「こほん…提督」後ろで咳ばらいの音が聞こえ、提督が振り向くとアオスタがいた

提督「あぁ、はい…なぁに?」しぶしぶアッテンドーロを放した…

アオスタ「せっかくエリトレアとガッビアーノ、チコーニャが来てくれたので、食後に何か出し物を…と、思いまして」

提督「私…?」

アオスタ「ええ、みんなからも「ぜひ見たい」と…お願いできますか?」

提督「えーと…」

アッテンドーロ「いいじゃない♪…みんな、提督が脱いでくれるそうよ!」わぁぁーっ!!…嬌声のような悲鳴のような黄色い声が充満した

アオスタ「そういう不健全な催しはありませんっ!」

アッテンドーロ「ソ連組は固いわねぇ…少しは妹を見習ったら?」あごでしゃくった

エウジェニオ「エリトレア、その話とっても面白いわ♪……よかったら私の部屋でもっと聞かせ…て?」

アオスタ「あれは…きっとギリシャの暑さでやられちゃったに違いありません」

アッテンドーロ「あはは、面白いこと言うじゃないの♪」

提督「面白いこと…ねぇアオスタ、ちょっとしたジョークでもいいかしら?」

アオスタ「無論構いませんよ…いいですか?」

提督「ええ」


…演壇の前…


アオスタ「では、新任のエリトレア、ガッビアーノ、チコーニャ歓迎の催しものを行います…最初は提督からです、どうぞ♪」歓声が上がり、演壇の周りにぞろぞろと集まってくる…

提督「えーと…急に言われたので特に思いつく芸もありませんが…」

ニコ(ナヴィガトリ級)「じゃあ脱いじゃえ♪」

グレカーレ(マエストラーレ級)「賛成っ!…提督っ、脱いでー♪」

提督「いや、それは…」

チェザーレ「まったく…服一枚脱いで、自然から授かった身体を見せるのにどうして恥ずかしがることがあるのだ?」

アオスタ「……あんまりふざけていると、ソ連式教育の時間になりますよ」

ニコ「…」

グレカーレ「…」

エウジェニオ「それに柱が無いわ…残念♪」









<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/08/14(月) 01:59:01.65 ID:LbUZM6pj0<> アオスタ「んっ!…提督、どうかはじめて下さい」

提督「はいはい…じゃあ思い出した笑い話をいくつか…」

ミッチャー提督「期待してるよー♪」後ろの方から手を振ってきた

提督「あんまりプレッシャーかけないで♪……大戦中、日本、ドイツ、イタリアの将軍、提督たちが集まって「この中で一番勇敢な兵隊を持っている国はどこだ」と論争になりました」

セラ「イタリアじゃないでしょうか…爆装艇もありますし」

ムレーナ「同感、マイアーレで戦果あげたのもイタリアだけだもんな」

(※マイアーレ…豚。潜水工作員を乗せる水中スクーター「SLC」(人間魚雷)の通称。分離式の弾頭を船底にくっ付けた後の人間魚雷はひどくバランスが悪かったが、その訓練中に開発者で指揮官のテゼイ技術大尉が「そのブタ公にしがみつけ!」と言った)

フルット「ムレーナ、静かに聞きましょう…?」

ムレーナ「あ…悪ぃ、姉さん」

提督「まずドイツの提督が「一番勇敢なのはドイツに決まっている…おい、今からU-ボートで船団に攻撃しろ!」といい、ドイツ兵は命令通り突入してしまいました」

コレオーニ「ずいぶんな話だね…兵隊さんがかわいそうじゃないか」

ドリア「まぁまぁ、お話ですから」

提督「すると日本の将軍が「なんだ、そんなことなら日本の兵士の方が勇敢だ…今から敵艦に特攻してこい!」といい、日本兵も命令通り突入してしまいました」

フレッチャー「カミカゼ・アタックってやつね…ここまではあんまり笑えないかも」

提督「そして、日本とドイツの提督と将軍は「どうだ、やっぱり我が国が一番勇敢だろう」と自慢をしました」

レオーネ「ふむふむ…しかし小噺とはいえイタリアが馬鹿にされると無性に腹が立つな……」

提督「するとイタリアの将軍は「なに、我が国の兵隊はもっと勇敢だよ」と、一人の兵隊を呼んできて命令しました…「おい、今から向こうのイギリス軍に銃剣突撃をかけろ!」すると兵隊は「ふざけるなこのとんちきの馬鹿野郎、そんなにやりたきゃ手前でやれ!」と、どなりましたとさ」

ザラ「…ぷっ…ふふふっ♪」

バリラ「うふふふっ♪」

チェザーレ「あっはははは、こいつは傑作だ!」

ポーラ「ふぇ?…ザラ姉さまぁ〜…今のはぁ、何が面白かったんですかぁ?」

ザラ「ひぃー、あはははっ♪…あの…ぷふっ、あのね……将軍に…ふふ……口ごたえする兵隊が…うっふふ……一番…勇敢だっていう…ふふっ…しゃれなの…よ」

ポーラ「おぉ〜♪…ポーラ、ワインが美味しくて…ちょっととろけちゃってたのでぇ〜……ふふ、面白いですねぇ〜…♪」

オリアーニ「あははっ、何それっ♪反応薄いわねぇ♪」

提督「じゃあもう一個…かつてチェザーレが勝利の報告をローマに書き送ったときの報告が「来た、見た、勝った」でした」

チェザーレ「うむ…ローマ軍団華やかなりしころだな」

提督「第二次大戦時のイタリア陸軍も北アフリカでロンメルと肩を並べて、ローマ軍団と同じように戦いました…」

フォルゴーレ「どこが!?「補給を寄こせ」って泣きついてきて、私たちを船団護衛に駆け回らせたくせに」

フレッチア「まぁまぁ…雷を落とす前にまずは聞きましょうよ……」

提督「…つまりドイツ軍が「来た」…ドイツ軍が戦うのを「見た」…ドイツ軍が「勝った」」

フォルゴーレ「ぷっ♪…あっははは、違いないわ!」

バリラ「うふふっ♪ぷっ……ふふふっ♪」

提督「アオスタ、これでいい?」

アオスタ「ふふふっ…はい、充分です……くくっ♪」

提督「ふー、受けたようで何よりね…しーんってなったらどうしようかと思ったら、すごく嫌な汗かいたわ……」壇上から降りて、グラスの冷水を一気に飲み干した…

アオスタ「えー…お次は……アルキメーデ級のガリレイ、フェラリスが実験の成果を見せてくれるそうです」

提督「えっ…アオスタ、待って!」

アオスタ「はい、何でしょう?」

提督「二人から何をするか聞いているの?」

アオスタ「いえ…何でも「錬金術」がどうとか……」

ガリレイ「ふふ。心配いらないですよ、提督♪…ちゃんと安全なものにしてありますから」

提督「……分かったわ」 <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/08/14(月) 02:50:26.27 ID:LbUZM6pj0<> ガリレイ「えー…提督からも許可が出たところで」

フェラリス「早速始めていきますよ♪」丸底フラスコに試験管…ふんわりしたケープとそれぞれデザインの違う可愛い帽子を被った二人が緑や赤の液体を混ぜていく…

提督「あぁ…マリア様、サンタ・ルチア様、ドルニエ校長、イングリド先生、ヘルミーナ先生……誰でも構いません、お願いですから二人が食堂をオープンカフェにしないよう見守って下さい…」フラスコから煙が上がり始め、提督は両手を組んだ…

ガリレイ「ここに試薬を垂らすと…?」ぽん!…と小さな音を立てて、綺麗な紫の煙が噴き出した…

フェラリス「はい、大成功♪…みんな、拍手は?」わー!…喝采を受けると指を振った

フェラリス「ちっちっちっ、実はもう一つ…この金属棒に磁気をまとわせると……?」煙に棒を近づけると、誘導されたように煙が棒の方に流れていく…わーっ!!もっと大きな歓声と同時に、安心した提督も大きな拍手をした

ガリレイ「盛大な拍手をありがとう…理科と錬金術を教えて欲しかったらいつでもどうぞ♪」

エリトレア「すごいですねぇ、面白いですっ♪」

ガッビアーノ「素晴らしいね…私のような旅のカモメにまで……」

チコーニャ「すごいですね、後で何か持って行ってあげないと♪」

アオスタ「お二人の「錬金術」でしたか?…見事なものでしたね、さて…お次はマメリ級中型潜のピエル・カッポーニです」

カッポーニ「紹介ありがとう♪」片手にスケッチブックを持ち、反対側に鉛筆を持っている…

カッポーニ「芸術の街フィレンツェと縁がある私ですので、よかったらみなさんのお顔でもスケッチしますよ…まずは新着艦のエリトレア、ガッビアーノ、チコーニャの顔を描くことにしましょう…」

提督「そう言えば、カッポーニの絵は見たことが無いわね?」

カヴール「当人いわく、見せびらかすのは好きではないらしいです」

アッテンドーロ「そう言っておいて、実は理解不能な絵なのかも知れないわよ?」

提督「…ダリみたいな?」

アッテンドーロ「そのダリとやらは知らないけど…ほら、この前見せてくれた……叫んでいる人みたいな」

提督「ムンク?」

アッテンドーロ「それそれ…ほっぺた押さえて気味悪い背景に立ってるアレ」

提督「えーと…それも芸術だから…」

アッテンドーロ「勘弁してよ…少なくとも私は欲しくないわ」

カッポーニ「さてさて…どうやら三人のお顔が出来上がりました」提督たちが話している間に絵が描けたらしく、カッポーニがさっとスケッチブックを振り向けた…三人ともうまく特徴がとれていて、よく描けている

提督「あら…すごい上手♪」

アッテンドーロ「へぇ、やるわね♪」

カッポーニ「お褒めにあずかり恐縮です…では、何かリクエストは?」

ドリア「デュイリオを描いていただけますか?」

ザラ「私たちザラ級に…ボルツァーノも入れてくれる?」

ボルツァーノ「ザラ…///」

ライモン「…提督をお願いします!」

リットリオ「言われちゃいましたね…私も言おうと思ったのですが」

カッポーニ「よろしいですよ、ちゃんと描いてあげます…」さらさらと鉛筆を走らせていく…

カッポーニ「まずはドリアのリクエスト…カイオ・デュイリオ」にこやかに微笑むデュイリオの絵が渡された

ドリア「まぁ、そっくり…♪」

デュイリオ「ふふふ…本物より綺麗に描けていますよ」ちゅっ♪

カッポーニ「…淑女の口づけは、何よりの褒め言葉です♪…で、これがザラ級とボルツァーノ」五人が仲良く並んでいる…

ザラ「はい、ボルツァーノ…これからもあなたは私たちの姉妹同然よ♪」

ボルツァーノ「嬉しいです…ザラ///」

ポーラ「むぅ、ザラだけですかぁ〜…?」

ボルツァーノ「もちろん、ポーラもフィウメもゴリツィアもですよ♪」




<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/08/15(火) 01:18:28.39 ID:gFRKH5Fz0<> カッポーニ「…仲良きことは美しきかな。お次はライモンド、貴女がリクエストした絵です」描いたものをスケッチブックから切り離すと、うまくケープでかくした…

ライモン「なんで私のは見せないように渡すんです?……あっ///」ケープの下からそっと見せられた瞬間に耳まで真っ赤になった…

提督「…カッポーニ、どんなふうに描いたの?」

カッポーニ「さて、どう描いたでしょうね?……ただ、ライモンドの気に入るように描いたのは確かですよ」

提督「どうも引っかかるけど…まぁいいわ」

アオスタ「カッポーニ、大変上手でしたね。お次はディアナです」

提督「え?」

ディアナ「驚きました?…では、ちょっと行ってきます」みんなの間をすり抜けて壇上に登ると優雅に会釈して、艤装に付いている弓と矢筒を肩にかけた…

アオスタ「では、ディアナの弓を披露して頂きましょう♪」

ディアナ「お見せするほどの腕ではないかも知れませんが…参ります。何か的になるものを置いてみてください」それを聞いて面白がった数人が食堂の反対側に空き缶やらリンゴを並べた…

ディアナ「はい、結構です…的はどれにいたしましょう?」

エリトレア「ディアナ、あのリンゴを狙ってみてください♪」

ディアナ「いいですよ……ふっ!」きりきりと弓を引き絞り、ひょうと放てばあやまたず…放たれた矢が見事にリンゴに突き刺さった

ディアナ「ふぅ…まずは当たってくれました。お次はどれにいたしましょう?」…わぁぁーっ!歓声が上がると同時に、あちこちから次の的を指定する声が響いた…

提督「…弓は上手だって聞いていたけど、すごすぎでしょう……アーチェリーの選手もかたなしね…」ファンタジー世界に出てきそうな弓はデザインこそ美しいが、スコープもバランサーも付いていないただの弓で、それを使って広い食堂の反対側にあるリンゴを射抜いた腕前に舌を巻いた…

足柄「なにアレ…那須の与一?」(※那須の与一…平家物語。源氏方の弓の名手、海岸から揺れる船上の扇を射落とした)

ミッチャー提督「ダイアナ…なるほど、名前通りね♪」

提督「月と狩りの女神だものね…それにしても、よね」

エクレール提督「…わたくしも素直に感心いたしました…リンゴですし、まるでウィリアム・テルですわ」

カヴール「ふふっ…ディアナの本気はこんなものではありませんよ♪…ディアナ」

ディアナ「はい、カヴール?」

カヴール「これはどうでしょうか?」ガラス戸を開いて庭に出ると、小枝を見つけて地面に突き刺した

エクレール提督「それはいくら何でも無理というものですわ…ディアーヌが素晴らしい腕前でも、表には風もありますし」

ジャンヌ「全くです、もしできたらそちらの提督とここでキスしてみせたって構いませんよ!」

エクレール提督「ジャンヌ…貴女はまた軽々にそういうことを!」

提督「まぁ…聞こえた?」

カヴール「ええ、はっきりと♪」

提督「ディアナ…」

ディアナ「はい、何でしょう?」

提督「…必ず当てるように」

ディアナ「承知いたしました」几帳面なアオスタがさっきまでと同じ距離を測り、床に目印を置いた…ディアナが立つと、静かに弓を引いた

提督「…」

カヴール「…」

エクレール提督「…」

ディアナ「…っ!」ひゅん…っ、ばしっ!…見事に命中して小枝が裂け、ディアナはまた優雅に礼をした

提督「すごい…!」

カヴール「ふふ、信じておりましたよ♪」

ミッチャー提督「ジーザス…」

エクレール提督「だから言いましたのに…ジャンヌ、どうするつもりですの…」

ジャンヌ「あ…あぁ…」

<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/08/15(火) 01:49:53.06 ID:gFRKH5Fz0<> 提督「さぁて…と♪」じゅるりと舌舐めずりしそうな様子でジャンヌに近寄った…

ジャンヌ「ひぃ…っ!」

提督「もう、そんなに怖がることはないわよ♪」

百合姫提督「まぁ、悪い笑顔ね…」

ミッチャー提督「まったく「シャイニング」そこのけじゃないの」

提督「さぁさぁ、目をつぶって…?」

ジャンヌ「うぅ…主よ、なぜジャンヌをお助け下さらないのです……」

提督「行くわよ……ちゅっ♪」軽くほっぺたにキスをした…

ジャンヌ「………え?」

提督「はい、おしまい♪」

ミッチャー提督「…嘘でしょ、フレンチ・キスしないとか……なに、明日は雪でも降るわけ?」

エクレール提督「フランチェスカ、あなた…」

提督「嫌がっているのを無理にするのは好きじゃないの…マリー、私の分までキスしてあげて♪」背中を軽く押した

エクレール提督「わ、分かりましたわ……ジャンヌ///」ちゅっ、ちゅぷっ♪

ジャンヌ「…コマンダン///」…ちゅっ…ちゅぅぅ♪…二人が全員の前でキスすると、歓声と悪意のない軽口、口笛が飛び交った…

エリトレア「お…おぉぉっ!?」

ガッビアーノ「ひゅぅ…これは驚いた」

チコーニャ「わわわっ、なんて綺麗な眺めなんでしょう♪」

提督「どう、気に入った?」

エリトレア「…最近はこういうのもあるんですね、いいと思いますっ♪」

ガッビアーノ「私のようなさすらうカモメにも、こういう止まり木のような女(ひと)が欲しいものだね…」

チコーニャ「すごいですね…何だか顔が熱いです///」

提督「ふふふっ、だんだん慣れていきましょうね♪」

チコーニャ「はい…そのうちに、提督とも……キスしたいですね///」

提督「待ってるわ♪」

アオスタ「えーと…以上で、歓迎会の催しものを終わります……この後波止場で進水式を行いますから、移動してください///」

エウジェニオ「…ふふ、見てたら姉様もキスしたくなっちゃった?」

アオスタ「よ、余計なお世話です…さ、早く行くわよ///」

エウジェニオ「…真っ赤になって可愛いわ、私のお姉様♪」ふーっ…と耳に息を吹きかけた…

アオスタ「///」

……… <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/08/15(火) 03:08:16.16 ID:gFRKH5Fz0<> …とりあえず一区切りついたところで新着艦紹介です。イタリアの補助艦艇は日本語資料があまりないので間違いがあるかも知れませんがご勘弁を…


…艦娘紹介…


植民地スループ(通報艦)…エリトレア。37年生まれ。単艦


1934年の計画で、当時かなり強引に植民地を拡大していた「イタリア領東アフリカ」(エチオピア)で、警備、国威発揚を目的としたアヴィソ(通報艦)で、それまでの旧型巡洋艦や海防艦を代替した。船型は客船のようなスマートな二本マスト、一本煙突で、艦内容積を多く取れるよう長船首楼型をとった。また、燃料事情や航続力を考え、当時は珍しいディーゼル主機/ディーゼル電気推進の併用としたが、速度を求める艦種ではないと20ノットと控えめ。

排水量2165トンで武装は艦首、艦尾に120ミリ連装砲を一基づつと、40ミリ機銃、13.2ミリ機銃数基ずつ。


大戦中は紅海警備艦隊としてマッサワ(エチオピア)にいたが、イギリスからの圧力が増してきたことから40年2月(イタリア参戦前)に仮装巡洋艦(艤装商船)「ラムT世」「ラムU世」を連れて脱出。途中で「ラムT世」は失ったが、スマトラを経由して無事に神戸へ入港。
43年にはインド洋でイタリアから日本へ重要物資を運んでいた潜水艦「コマンダンテ・カッペリーニ」「レジナルド・ジュリアーニ」「ルイージ・トレーリ」と合流、洋上補給を行った

43年9月のイタリア降伏時にはボルネオ・サバンにいたが、「このまま日本に捕まって捕虜にされるくらいならイタリアに戻ろう」と脱出。軽巡「那珂」の追撃をかわしきり、コロンボで英軍に投降した。戦後の47年にフランスに引き渡され66年まで「フランシス・ガルニエ」として在籍した…高速ではないわりに英軍や日本軍の追跡をたびたび振り切り、戦後も長く在籍した幸運艦…艦名「エリトレア」は植民地「エリトリア」のイタリア語読み

…艦娘「エリトレア」は、くりくりした目とぴったりした淡いグレイのカクテルドレス風の服、黒ストッキング、首にかけたアフリカの民芸品らしい首飾りが似合う可愛らしい艦娘。隠れた幸運の持ち主で、フランス語や日本語も堪能


………


コルヴェット…ガッビアーノ級。40年〜43年生まれ。計画60隻(うち43年のイタリア降伏までに完成29隻…ドイツ占領下で完成10隻)


有名なイギリスの「花」級(「フラワー」級とも)や、日本の丁型海防艦に似た対潜コルヴェット。戦時下に急造され、護衛艦艇の不足に悩んでいた輸送船団を支えた。戦時急造の量産型にしては「デザインが凝り過ぎ」と言われることもあるが、地中海向けコルヴェットとしては極めて優秀…排水量が660トンと「花」級や丁型海防艦に比べて小さいが地中海での活動に支障はなかった。

優れた点として評価されるのが3500馬力のディーゼル主機(速度18ノット)の他に150馬力の電動機2基を備え、6ノットの静粛航行が出来ることで、音波探知機を使っての潜水艦捜索時に役立った。また、爆雷投射機が片舷に四基あり、強烈な爆雷攻撃を行うことが可能。


武装は100ミリ単装砲一基、20ミリ機銃数基(増備した艦も多く数はまちまち)、爆雷投射機8基(片舷4基…爆雷76発)、爆雷投下軌条2列と対潜専門の武装だったが、一部は「敵艦に雷撃する機会があるかもしれない」と、450ミリ単装魚雷発射管2基(片舷1基)を装備していた


艦名は鳥や獣から…ネームシップの「ガッビアーノ」はカモメのことで、戦中には英潜一隻を爆雷攻撃で損傷させている



…艦娘「ガッビアーノ」級は小柄でふくよかな身体つきをしていて、グレイ系幾何学迷彩のミニワンピースからふとももが見えている…鳥が由来の艦名が多いからか、ぽっちゃり気味なのに脚は細く、ふとももから上のむちむち具合と対照的

「ガッビアーノ」は黄色い瞳に白に近い薄灰色の髪で、こめかみの所にひと房だけ黒髪が垂れている…憂鬱気味な台詞が多いが、カモメの寂しげなイメージからそうなっているらしい。意外と何でも食べる悪食な所は実際のカモメ譲りか…「チコーニャ」はコウノトリの事で、買い物袋を提げているのは「赤ちゃんを連れてくる」という欧州の言い伝えから…髪は白で桃色の髪がひと房入っている。煙突の上みたいな高い所が好き


<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/08/15(火) 23:49:34.46 ID:gFRKH5Fz0<> …始める前に訂正を一つ…

43年にエリトレアが振り切った軽巡は「那珂」ではなく「球磨」でした。どうもすみません…

<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/08/16(水) 01:13:28.04 ID:K8TFMwHH0<> …別の日・厨房…


…エリトレアの配属で食事の準備が楽になったディアナは、今までよりも凝った料理や一品ものを出すことができるようになり、エリトレアのアフリカ風料理のおかげで献立のレパートリーも広がっていた。そんなある日の朝…


ディアナ「あら…?」エプロン姿で朝食の支度に余念がないディアナがふと首をかしげた…

エリトレア「どうしたんです、ディアナっ♪」さっそく厨房で活躍しているエリトレアは、動きやすいようにと緩いシャツと綿の長ズボンを着ていた…飾りのついたパステルピンクのエプロン姿を付けて小首をかしげる様子に、普段は落ち着き払っているディアナも「きゅん♪」とした…

ディアナ「エリトレア、可愛いです……こほん。…いえ、ここに朝食用のゆで卵を盛ってあったのですが……」柳のカゴにピラミッドのように盛られている卵だが、てっぺんの数個が無くなっている…

エリトレア「落ちちゃったんでしょうか…探してみますね!」よいしょと厨房の床にしゃがみこみ、卵を探すエリトレア…履いている綿パンからぷりぷりしたヒップラインがはっきり分かる…

ディアナ「朝から刺激が強いですね///……そうです、嫌いなものを思い出しましょう…キャベツのゆで汁…剥けないニンニクの薄皮…焦げたパン…敵潜の雷撃……」

エリトレア「おかしいですね、ないですよっ……ディアナ?」しゃがみこみ、下から見上げるようにのぞきこんだ…緩いシャツから薄桃色ですべすべした胸がのぞき、ディアナの理性が吹き飛んだ…

ディアナ「エリトレア…っ♪」ぎゅぅぅっ…♪

エリトレア「うわわっ…どうしたんです、ディアナ!?」

ディアナ「貴女は…本当に無邪気なんですから……もう、我慢できなくなってしまうじゃありません…か♪」抱きしめてしっとりした乳房を優しく揉みほぐす…

エリトレア「うぅ…ん、あっ…あふっ♪…あのっ、ディアナってそんなに積極的でしたっけ!?」

ディアナ「もう、あなたがいけないのですよ…朝食も作りかけなのに、こんなに誘惑して…♪」

エリトレア「誘惑なんて…あん…ディアナっ…んんっ♪」

ディアナ「わたくしったらいけませんね…厨房でこんなことを……でも、可愛いんですも…の……?」ふと視線が片隅の段ボール箱に止まった…

エリトレア「あんっ…どうして止めちゃうんですっ……もっと、もっと触ってくださいっ♪」目を潤ませておねだりするエリトレア

ディアナ「ごめんなさい、エリトレア…今、そこの段ボール箱が気になって」名残惜しげに離れると、壁に立てかけてあった弓を取った

段ボール箱「…!」ごとっ…

ディアナ「誰です?…素直に出て来たら「月光蝶」は勘弁してあげます」弓に矢をつがえた…

段ボール「やれやれ…静粛航行モードでも見つかってしまうとはね……脱帽だ」段ボール箱の中から出てきたのはガッビアーノで、片手には半分食べかけのゆで卵、反対の手には冷蔵庫に残っていたカスタードとアプリコットのパイを持っている…

ディアナ「素直でよろしいですね…で、どうしてゆで卵とパイの残りを?」

ガッビアーノ「んむんむ…ごくんっ。…朝の光が眩しくて、少し空腹になってね……」言いながらゆで卵を口に放り込んだ

ディアナ「…だからと言って盗み食いはいけませんね」

ガッビアーノ「それは悪かったよ…すまない」

ディアナ「ふぅ、わたくしも心苦しい限りですが……さすがに提督に報告させていただきます」

ガッビアーノ「仕方ないね…謝りに行くよ。ついでに詳細も話すことにしよう」

ディアナ「詳細…と言いますと?」

ガッビアーノ「それはもちろん一部始終さ…ディアナとエリトレアの微笑ましい光景や甘い言葉もね」

エリトレア「えっ!?…ガッビアーノ、そんな恥ずかしいことまで報告しちゃうんですかっ!?」

ガッビアーノ「いや、私が提督の所に報告が行かなければいいだけさ…お互いになかったことにして、白く泡立つ海にでも流さないかい?」

ディアナ「…」

ガッビアーノ「…どうかな?」

ディアナ「ダメです」

エリトレア「ディアナ!?」

ディアナ「謝ったことは良しとしましょう。でも、エリトレアが恥ずかしがる気持ちを使って黙らせようというのはいただけません…それに」

ガッビアーノ「?」

ディアナ「…アプリコットパイの残りは私とエリトレアでいただくつもりだったので」

ガッビアーノ「しまった…食べ物の恨みか……」

<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/08/16(水) 02:08:48.92 ID:K8TFMwHH0<> …しばらくして・執務室…

ディアナ「…という訳でして」

提督「なるほど…まぁ、つまみ食いだけならともかく……」

カヴール「…それが楽しみにしていたお菓子だったのでは、なかなか許してあげられませんか」くすくすと笑った

ディアナ「それもそうですが…エリトレアの恥ずかしさにつけ込もうというのは…」

提督「許しがたい…と」

ディアナ「そこまでではありませんが…しかし全くおとがめなし、というのでは少し納得しがたいのも事実です」

提督「分かったわ…で、エリトレアは?」

ディアナ「恥ずかしかったようですね」

提督「ふふ…そうじゃなくて♪」

ディアナ「ええ、素敵でしたよ…///」

提督「うふふっ…また機会があるといいわね♪…とりあえずガッビアーノには何かさせるから、それでいいかしら?」

ディアナ「はい、お任せします」

提督「了解…下がっていいわ」

ディアナ「では、失礼します」

カヴール「ふふ…冷静なディアナが厨房でエリトレアと……見たかったですね♪」

提督「こらこら…さてと、今度はガッビアーノを呼びましょう」内線でガッビアーノを呼び出した

…数分後…

提督「と、いう訳で…貴女には施設の掃除を頑張ってもらうことにします」

ガッビアーノ「了解…まぁ、仕方ない」

提督「そうね。それと…」

ガッビアーノ「?」

提督「来たばかりのエリトレアやあなたには刺激が強いかも知れないけど、たいていのみんなは慣れっこだから口封じにはならないわよ?」

ガッビアーノ「ん?…つまり、どういうことかな」

提督「ふー…カヴール?」

カヴール「はい♪」ん…ちゅぅ♪

ガッビアーノ「お…おぉ///」

提督「ん…ぷはっ……つまりこういうことなの♪」

ガッビアーノ「お…おぉぉ!」

提督「ガッビアーノ?」

ガッビアーノ「…こんなにいい所に来ることができたのに、私の心には何か足りないと思っていた。……いや、うすうす気づいてはいたが、これも海原のエトランゼ(異邦人)、カモメの生き様とあきらめていた……が、今の光景を見て完全に理解した…」

提督「えーと…」

ガッビアーノ「美しかった…窓を背にして二人がくちづけをした瞬間は、息を飲むほど美しかったのだ……!」

カヴール「あらあら…ガッビアーノったら完全に目覚めてしまったようですね♪」

提督「嬉しそうね…♪」

カヴール「ええ♪」

ガッビアーノ「これで分かった…提督」

提督「え…ええ」

ガッビアーノ「私は悪いことをした…二人の女性が見つめあい、唇が触れる…その瞬間を邪魔してしまったのだ……罰直で済むかは分からないが、一生懸命やらせていただく!」

カヴール「…」

提督「…分かったならいいわ、下がってよろしい」



<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/08/17(木) 11:27:11.17 ID:7NgHAt5h0<> …午前中・待機室…


ガッビアーノ「すまない…そこをどいてもらえるかな……君のような美しい姫の足下に塵一つあってもいけないから…」

…ガッビアーノは頭に三角巾を巻き、モップを持って真面目に掃除をしていた……が、すっかり百合に目覚めてしまったおかげで、掃除しながらキスを振りまいている始末だった…

サウロ「えっ…は、はい///」脚をあげた

ガッビアーノ「ありがとう。私のようなエトランゼの唇が触れることを許してくれるなら、その滑らかなおみ足にキスさせてもらえないだろうか…」

サウロ「その……どうぞ///」赤いエナメルのパンプスを脱ぎ、白いストッキングに包まれた脚をそっと差しだした

ガッビアーノ「…ちゅっ♪」両手で脚を包み込み、脚の甲にうやうやしくキスをする…

サウロ「はぁぁ…っ///」

コレオーニ「……ガッビアーノは一体どうしちゃったんだい。暑さで参っちゃったのかな…?」

提督「確かに気温は30℃を超えてるけど、そうじゃないの……ちょっと目覚めちゃったみたいで」

コレオーニ「また提督が何かしたんだろう…もう、悪い提督だね♪」ちゅ…っ♪

提督「そう言いながらキスしてくれるコレオーニの方がもっとイケナイ娘ね♪」…ん、ちゅっ♪

コレオーニ「ふふ、ボクをイケナイ軽巡にしちゃったのは提督だよ…でも、もっと色々教えてほしいな♪」

提督「…待機中は駄目だから、後でね……んっ♪」ちゅっ…♪

コレオーニ「あ…ふぁぁ、相変わらずとろけそうなキスだね///」

提督「そう?よかった…だって今日のこのキスは一回きりだもの、ちゃんと甘いキスにしてあげなきゃ」

コレオーニ「そういう口説き文句も一流だよね…かなわないよ///」

アッテンドーロ「はぁ、全く…ライモンド姉さんがのぼせるのも無理ないわ……どこでそんなこと覚えたのよ?」

提督「んー…やっぱり母親とおばさまのおかげなのかしら……それから幼なじみとか、学校の先生…士官学校の教官にミラノの通信隊にいたお姉さま方……」

アッテンドーロ「とりあえず女の人はみんな口説いて回ってたのね…あきれた……テレビでも見るわ」大げさに肩をすくめてテレビのチャンネルを回した…

テレビ「…本日の気温ですが、ローマは最高気温32℃と記録的な暑さになるでしょう……トリノも30℃を越える気温で……」

アッテンドーロ「暑い話は聞きたくないわ」…ピッ

テレビ「今日の映画はアジアン特集!第一弾は香港映画「燃えよアタゴン!」をお送りします!…ひょんなことから香港に入港したぽっちゃり重巡「アタゴン」の痛快アクションとコミカルなストーリーに抱腹絶倒雨あられ!…」

アッテンドーロ「この暑いさなかに香港映画なんてやってられますかっての…」ナポリっ子らしいキレのあるべらんめえ調でぼやくと、次々にチャンネルをまわした…

提督「…新聞でも読んだら?」

アッテンドーロ「もう読んじゃったわ…だいたい、今日の新聞に「ナポリ三失点で黒星」って出てるのよ?一回読めば充分よ」

提督「昨日のサッカー?」

アッテンドーロ「そうよ…全く、インテルナツィオナーレとか言って外国人をかき集めたミラノのチームに負けるなんて……全くだらしないったらありゃしないわ」

コレオーニ「まぁまぁ…そう熱くならないで」

提督「…昨日はインテルとの試合だったのね」

アッテンドーロ「そういう訳でスポーツ新聞は見たくないし、鎮守府新聞はもう隅から隅まで読んじゃったわ」

提督「それはご愁傷様…まぁ、もう少しだから我慢してね」

アッテンドーロ「分かったわ…はぁ……」

ガッビアーノ「聖女のような貴女のお手にくちづけをさせて下さい…そして私の唇を清めさせていただきたいのです…」

提督「ガッビアーノったら、すっかり「ロメオとジュリエッタ」ね…」

<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/08/19(土) 09:36:52.44 ID:r/2IF+na0<> ………

…しばらくして・食堂…


提督「はーい、ディアナ…調子はいかが?」鎮守府内の見回りの途中、提督は日課である「献立の確認」ことつまみ食いのために食堂にやって来た

ディアナ「いいですよ」

提督「エリトレアはどう?」

ディアナ「はい、とっても可愛いです…♪」

提督「…聞きたかったのは「厨房でうまくやれているか」ってことなのだけど」

ディアナ「あっ…その、それはもう充分に///」

カヴール「あらあら…♪」

提督「ふふ、赤くなっちゃって♪…お昼の献立は何かしら?」背伸びしてカウンター越しに厨房をのぞきこむ

ディアナ「今日はグラウコとオタリアが手伝ってくれているので、バカリャウのオムレツです」

提督「バカリャウって…たしかポルトガルの鱈の塩漬けよね?」

ディアナ「ええ、イタリアやスペインの一部にもありますが使い道が少なくて…ずっと食料庫で眠っていたものですから」

提督「なるほどね」ポルトガル潜になりかけた大型潜グラウコ級の二隻なら、「タラ料理のレシピが365日分ある」ポルトガル料理でうまくバカリャウを使ってくれると納得した…

グラウコ「あら…こんにちは、提督♪」声を聞いて厨房から出てきたグラウコは相変わらず透き通ったような青い目で、鈴のような涼しげな声で挨拶した

提督「こんにちは。お昼はポルトガル料理だそうね?」

オタリア「そうですよ、ちゃんと美味しいのを出しますからね♪」艦名が「オタリア」(アシカ・オットセイの類)だけあってつやつやの黒髪で、今は調理の邪魔にならないよう後ろでまとめ上げていた…提督とおしゃべりできるのが嬉しいのか、くすくすと笑っている

ディアナ「あら…お二人が出てきてしまってはエリトレアだけになってしまいますね。わたくしは厨房に戻りますよ」

グラウコ「分かりました、ディアナ。…それでは提督、座って下さい」グラウコは提督を座らせ、チーズケーキのように切りだした「バカリャウのオムレツ」をお皿によそった

提督「ありがとう…それでは昼食を確認させていただきます………んむ、んむ……」

オタリア「どうですか…?」

提督「塩鱈でほどよい塩味が乗った…といった具合ね。ジャガイモと玉ねぎもいい具合に火が通っていて美味しいわ♪」食べ終えて口もとを拭うと、左右に引き寄せた二人の頬にキスした

グラウコ「もう…提督ったら、そんなに簡単にキスしてはいけませんよ///」

オタリア「あうぅ……唇がぷるぷるして、柔らかかったです///」ほっぺたを押さえて真っ赤になっている

提督「ふふ、ごちそうさま…見回りがあるから、また後でね♪」

グラウコ「はい」

オタリア「はーい…また後で♪」

<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/08/19(土) 10:58:46.50 ID:r/2IF+na0<> …体育館…


チェザーレ「ふっ…はっ!……相変わらずさえているな…!」キンッ…カシーン!

ガリバルディ「やっ……そちらこそ……えいっ!」キィーン、ガキンッ!…フェンシングのコートでで丁々発止と渡り合っている二人は一撃の重いチェザーレと、足さばきの軽やかなガリバルディで、スタイルこそ違うがほぼ互角に剣を交えていた…

スクアロ「チェザーレたちは相変わらずものすごいな…でも、本当にやる気ならナイフじゃないと…ね♪」こちらはゴム製模擬ナイフの刃を上に向け、フルット級のムレーナとフェイントをかけあっていた

ムレーナ「だな…さぁ、ウツボの恐ろしさを教えてやるよ♪」こちらも刃を上にし、ナイフのみねに人差し指を沿わせている…

スクアロ「ウツボじゃあサメには勝てないよ…ほーら、こっちにおいで……♪」

提督「…あら、やってるわね」体育館にやって来た提督は、運動器具やフェンシングのコートで汗を流している艦娘たちを見て一人うなずいていた

カヴール「うふふ…「やってるわね」ではなくて、提督もなさるのですよ」

提督「わ、分かってます…腹筋だって途中で止めないで30回出来るようになったじゃない」

カヴール「ええ、ですからもっと頑張りましょうね♪」

提督「えー…もういいんじゃないかしら」

カヴール「いけませんよ、提督は運動をなさらないと途端にお肉がついてしまうのですから…制服がはちきれちゃいますよ?」

提督「いや…だってまだ余裕があるから、それに今日はことさらに暑いし……」

カヴール「たっぷり汗をかいて、それからシャワーでさっぱりいたしましょう?…さぁ、どうぞ」優雅に、しかし容赦なく運動マットに寝かされた…

提督「はぁ…わかりました」提督はため息をついて上着をカヴールに渡すと、マットに横たわった…

カヴール「じゃあ、今日は30回休まずに出来たらキスしてあげます♪」

レオーネ「面白い、じゃあ私も手伝おう!」脇の椅子で休憩していた駆逐艦の「レオーネ」もやって来て吼えるように言った…運動で逆立った濃い茶色と黄金色の髪でなおのこと「レオーネ」(ライオン)めいている

デス・ジェネイス「ふむ…提督が運動不足とはいけないな。上手く行ったら本官もキスしてさしあげよう」中型潜「ピサニ級」の一人、デス・ジェネイスも寄ってきた

ピサニ「ちょっと待った、先任は私だから提督にくちづけするのは私だろう……だいたいジェノヴァよりヴェネチアの方が強いのだからな」…中世ジェノアの提督「デス・ジェネイス」にヴェネチアの提督「ヴェットール・ピサニ」が待ったをかけた

ジェネイス「む…ジェノアは偉大な航海者たちの故郷だぞ、あまりあなどらんほうがいい」

提督「……なんだか雲行きが怪しくなってきたわね。…二人とも、私はちゃんと二人にキスしてあげるわよ?」

ピサニ「優しいな、提督は……だが少し待っていてくれ。「ジェノバがヴェネチアより強い」などと言う寝言を止めさせたらすぐにでも甘いくちづけをしてあげよう」

ジェネイス「ほほう…クリストフォロ・コロンボがいなければ新大陸は見つからなかったのだぞ?姉上はジャガイモもトマトも唐辛子も食べないで過ごせるのか?」

(※クリストフォロ・コロンボ。…ジェノア人。英語ではクリストファー・コロンブス。スペイン名ではクリストバル・コロン。第一次大戦前にはイタリア巡洋艦「クリストフォロ・コロンボ」、スペインには「クリストバル・コロン」がいて、それぞれ「自国の」英雄として扱っている)

提督「あの…もういいから、ね?」

ピサニ「まぁ待て、提督……なぁ妹よ、かつてのヴェネチアより優れた海軍国などイタリア半島にあったためしがないのだ」

ジョバンニ・バウサン「何?…姉妹喧嘩に口を挟んですまないが、ピサニ提督。ナポリ王国を忘れてもらっては困るな」

提督「あー…これは面倒なことになってきたわ」

ピサニ「ははは、ナポリ王国か…しかしだ、艦名を見てもヴェネチア人が一番多いだろう?つまりそう言うことなのだ」

バウサン「何だと?」

ピサニ「勝負するかね?…質も量もヴェネチアが段違いだが」

ジェネイス「ジェノア人の意地を見せて差し上げますよ、姉上!」

バウサン「ナポリとヴェネチア、どっちが強いか決める時のようだな…!」

カヴール「…提督」

提督「…分かってます」 <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/08/19(土) 11:38:32.65 ID:r/2IF+na0<> ピサニ「さぁ、どこからでも…うわっ!?」提督がピサニの脚を引っ張りマットに押し倒すと覆いかぶさった

提督「ん、んちゅぅぅ…♪」

ピサニ「ん、んっ…んーっ!」

提督「ぷは…ぁ♪」口から銀色の唾液を垂らし、それを手の甲で拭った…

ピサニ「あふっ、はへぇぇ…///」

ジェネイス「提督、一体どういうつも…んぅぅ!?」今度はジェネイスに抱き着く形で押し倒し、両手で頭を押さえて舌を入れた

提督「ちゅぅぅ…ん、ちゅっ……れろっ…ぴちゃ……っ♪」

ジェネイス「んんぅ…んっ、ん…んぁっ……ん///」

提督「ふー…」

ジェネイス「…あぁぁ、はひっ…ひぐぅ……///」

バウサン「提督、人の勝負に割り込むのは少し無粋じゃ……んっ、んんぅ///」腰が引けているバウサンを下から蛇のように撫でて行き、背中に手を回した…

提督「ちゅるっ…んちゅ……くちゅ…ちゅぽ…っ♪」

バウサン「…んっ、じゅるっ…ちゅ……んちゅ…///」

提督「ちゅぽ…っ♪」

バウサン「あひぃ…ひぅ……んぁぁぁ///」

提督「…ちゅうぅぅ♪」マットでへたっている三人にのしかかると、もう一度ねっとりと舌を絡めた…

提督「……もう、お互いに喧嘩しないの。今は同じイタリアなんだから…それと、みんな私を通して間接キスしたからもう仲直りできるわね?」

ピサニ「ひぅ…んぁぁ……はひぃ…」

提督「…できるわね?」

ピサニ「で…出来るとも………はぁ、はぁ、はぁ……」

提督「よろしい…ジェネイスは?」

ジェネイス「れ、れきまふ…あふ…ひぅ……」

提督「ん、結構…バウサンも大丈夫ね?」

バウサン「もとはピサニたちが原因なのに…何で私まで……」

提督「…もう一回キスしましょうか♪」

バウサン「…ぜひとも友好的に振る舞わせていただきます!」

提督「そう、よかったわ♪」

チェザーレ「ああいう解決法もあるのか…参考になるな」

ガリバルディ「すごいキスだったわね…♪」

カヴール「提督」

提督「なぁに?」

カヴール「確かに解決はしましたが…私は提督が説得なさるものと思っていました」

提督「んー…だってキスの方が気持ちい……こほん…お互いに親密感を高められるとおもったから」

カヴール「ふふ…全くもう♪」

提督「さてと…カヴール、無事に内戦の危機も回避できたことだから、食堂でお茶でも飲みましょうか♪」

カヴール「ええ、そうしましょう……その前にちゃんと運動をなさってからですが」

提督「…気づいた?」

カヴール「ええ♪」

提督「はぁ…分かりました、ちゃんと腹筋します……」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/08/19(土) 11:57:09.64 ID:CJLPNBWqo<> 乙です
本家艦これの夏イベとかが忙しくてしばらく覗けなかったら
エライお話増えてた(歓喜 <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/08/19(土) 23:52:33.61 ID:r/2IF+na0<> >>718 グラツィエ、提督さんも頑張って下さい……エロイお話が増えてた?(難聴)…とりあえず、ぼちぼち更新していくので気長に待っていてください。今ネタにしようかと考えているのは…


潜水艦建造(続き)

鎮守府で犬を引き取る

基地祭

憲兵、襲来

提督の帰省

伊仏対決再び

米提督×フレッチャー(リクエストがあればビッグEも)

…と言ったところです。場合によってはローマ、V・ヴェネト、軽巡「カピターニ・ロマーニ」級、魚雷艇「MS16」「MS22」も魚雷艇代表で呼びたい所ですが、収拾がつかなくなりそうなので考え中です… <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/08/20(日) 00:31:09.47 ID:N6eJOtP/0<> …しばらくして・大浴場…

提督「あー…」シャワーから流れる湯に身を任せ、ぼーっと立っている…

カヴール「ふふ…よく頑張ったではありませんか♪」

提督「そうね…体力を全部使い切ったわ…」

カヴール「もう…仕方ない提督ですね、洗って差し上げましょうか?」手に身体洗いのスポンジを持っている

提督「いい?」

カヴール「もちろんですとも…♪」スポンジでもこもこと泡をたて、汗でべたべたしている背中を洗い始めた…

提督「ふぁぁ…、気持ちいいわ…」気の抜けたようなあくびのような声で感想らしいものを口に出す

カヴール「そうですか…では、こちらも……♪」ずっしりと重くたゆんと揺れる乳房に手を伸ばした…

提督「あー…それもいいかも知れな……ん?…ちょっと待って、カヴール…あれは何かしら?」石けん入れに乗っかっていた「何か」を見つけて、ぐっと視線を近づけた…

カヴール「あら、惜しい所でしたのに……なんでしょう、海綿?」今でもギリシャあたりで取れる天然のスポンジ、「海綿」に似ているが、少し違った…

提督「んー…使ってみる?」穴だらけのそれを取り上げ、手に取った…海綿より固く、少しごわごわしているが悪くないような感じがした……

カヴール「提督がお使いになりたいのなら、流して差し上げますよ?」

提督「じゃあ、お願いするわ♪」カヴールがしゃこしゃこと手のひらで石けんの泡を立て、バラの香りがするそれを背中に付けると、謎の「海綿もどき」でこすった…

カヴール「いかがです?」しゃっ…しゃっ…

提督「あっ、あっ♪…ちょっとひりひりするけど、垢が落ちている感じがしていいわ……♪」

カヴール「ふふ、気持ちいいようで何よりです」…と、数人が連れ立ってやって来た

足柄「…おかしいわね…もしかしたらこの辺りに置き忘れたのかもしれないわ」

龍田「あらぁ…最近、足柄ったら物忘れがひどいわねぇ♪」

足柄「…いい度胸ね♪」

龍田「あらあら、怖いわぁ……って、あれじゃないのかしらぁ?」

足柄「どれ?…あっ、あった!」提督とカヴールの方を見てとんきょうな声をあげた

カヴール「お二人とも、何かお忘れですか?」

提督「必要なら手伝うわよ?…あっ、そこ気持ちいぃ…っ♪」

足柄「…探し物は今あなたたちが使ってるそれよ」

カヴール「これですか…どなたかのものかとは思ったのですが、興味深いので使わせていただきました……使い方はあっていますか?」

足柄「ええ、合ってるわよ…それ、へちまのスポンジなの」

提督「へちま…?」

足柄「えーと…何ていえばいいのかしら……あっ、そうそう!ズッキーニみたいな瓜よ!」

提督「そうなの…きっと中の繊維だけ取り出すのね?」

龍田「外の部分を腐らせたりして中を残すのよぉ…それ、気持ちいいでしょう?」

提督「ええ…慣れないからちょっと肌がひりつくけど、その分「汚れが落ちた」って感じがするわ」

足柄「…もう一個あるし、よかったらあげましょうか?」

提督「え、いいの?」

足柄「別にへちまの垢すりの一個や二個でそんなに驚かなくても」

提督「ふふ…ありがとう、足柄♪」むぎゅっ…♪

足柄「…ちょっと、何よこのむっちり柔らかい身体は///」

龍田「あらあらぁ…♪」

<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/08/20(日) 01:58:41.16 ID:N6eJOtP/0<> 声「それにしても…マームは「イタリアはいい所でしょ」って…まぁスパゲッティはいいんだけど、たまには肉の厚いハンバーガーが食べたいわ……」

声「そうねぇ…私はペパロニのピザがいいわ。こってりしたチーズがとろけるようなのをね…」…湯気の向こうから声が近づいてきた

提督「あら、こんにちは…フレッチャー、エンタープライズ♪」

フレッチャー「ハーイ、提督さん…って、ホーリィシッ!(ぶったまげた!)一体どういうこと!?」提督が足柄を抱きしめているのをみて目を丸くした…

エンタープライズ「ワーオ…さすがイタリアの提督ね、日本のクルーザー(巡洋艦)まで抱きしめて…ガールハントに余念がないみたいね♪」

提督「だって…足柄の精悍な鋭いスタイルも好きだから♪」

足柄「ちょっと…止めてよ……って、いつまで抱きしめているつもり!?」

提督「ふふ…日本のレディは奥ゆかしいのが美徳なのよね♪」手の甲にうやうやしくキスすると、すっと放れた

足柄「も、もう…///」

提督「うふふ…ところでお二人もシャワーを浴びに?」

フレッチャー「そうなの。ここはハリウッドシャワーし放題だし、せっかくだからたくさん浴びてやろう…って♪」(※ハリウッドシャワー…水制限なしのシャワー。米艦では頑張った乗員やちょっとした功績にたいして「ごほうび」で与えられる)

エンタープライズ「そうなんです、マームが「いいからたっぷり浴びておいで」というので」

提督「そうよね、やっぱり真水だと気持ちいいものね…私も最初の練習航海で一番気になったもの。よく分かるわ」

フレッチャー「へぇ…提督さんもフリゲートとかに乗ってたの?」

提督「ええ、インパヴィド級とかね…ここは温泉はあるし、真水も使い放題だし…言うことなしよね」

フレッチャー「そうよね!…缶詰野菜じゃないのもすごいし」

エンタープライズ「個室に近い部屋があるのもすごいわ…ノーフォークにこれだけの施設があったら、海軍作戦部長から提督たちまで押し寄せてくるでしょうね」

提督「そうよね…さてと、よかったら背中流しましょうか♪」

エンタープライズ「大丈夫、こっちで洗いっこすれば済む話だから」

フレッチャー「そういう訳…ま、気持ちは嬉しいけどノーセンキューよ……どこ触る気か分かったものじゃないわ」

提督「あら残念…それじゃあ、ゆっくりシャワーを楽しんでね♪」いたずらっぽいウィンクを投げ、またカヴールとへちまの垢すりに身を任せた…

カヴール「かゆい所はありませんか?」

提督「おかげさまでないわ…あー、気持ちいい……♪」

カヴール「…胸の谷間とか、汗がたまっているのではありませんか?」

提督「いいえ、さっき流してもらったおかげで快調よ…ふー…♪」

カヴール「……乳房の下あたりも汗がたまりますよね、流して差し上げましょう」

提督「あっ……そうね、さっきから汗がたまってべたべたする…って思ってたの♪」

カヴール「そうだろうと思っていました♪…でしたら、なおのこと丁寧に流してあげませんと♪」へちまを置くと手に泡を取り、ゆっくりとした手つきで下から乳房を持ち上げた…

提督「あんっ…もう、触り方がいやらしいわね♪」

カヴール「そうですか?優しく洗っているだけですよ♪」

提督「まったくもう…♪」

カヴール「ふふっ…こちらはどうですか♪」

提督「あっ…ちょっとそこは……ひぅん♪」

カヴール「ここがよろしいのですね、それでは…カヴール、参ります♪」

提督「あっ、あっ、あぁっ♪…もう、また汗だくになっちゃう///」

カヴール「そうしたらもう一度洗ってあげますから…♪」

………

<> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/08/20(日) 22:11:34.34 ID:QKboe0i6o<> 水場とかで裸でイチャつく女子って良いよね <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/08/21(月) 01:34:32.05 ID:EqOanMQ20<> >>722 気に入ってもらえて何よりです…しばし小ネタを投下していきます <> ◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/08/21(月) 02:39:57.06 ID:EqOanMQ20<> …昼下がり・会議室…

提督「えー…今日は「空母戦術」について勉強したいと思います」…鎮守府の「会議室」は扇風機と数少ないエアコンの内の一基が据え付けられていて、DVDの再生機器や大型のスクリーンも備えられている「視聴覚教室」のような部屋だった…

リベッチオ「えー…せっかくだし映画にしようよ!」

マエストラーレ「こら、本来ここは会議室なんだからわがまま言わないの…まぁ、少し残念だけど」…「会議室」とはいえ会議するようなことも少ない鎮守府なので、普段は午後や夜に映画を流していて、「涼しい会議室で映画でも」と集まっていた艦娘たちは不満そうな声をあげた

ミッチャー提督「なんだ…私も楽しみだったのにな」略式のカーキ色半袖シャツとズボン、頭には「CV−9・エンタープライズ」の野球帽をかぶっている

エンタープライズ「今日はことさらに暑いし、午後は映画でも見てのんびり…と思ったのにね」

提督「まぁまぁ…みんなが座ったら資料を流すわ」

百合姫提督「本来はそのための施設だもの…とりあえず、静かに見ましょう」真面目な百合姫提督は涼しげな浴衣姿で、きちんと膝に手を置いた…

提督「座ったわね…じゃあ、始めるわよ……」カーテンを閉め、DVD機器の電源を入れた…

スクリーン「TORA!TORA!TORA!……トラ!トラ!トラ!」大きな赤い文字が流れる…

リベッチオ「やった、映画だ!…もう、提督ってば優しいねっ♪」ちゅ…っ♪

提督「ふふ、さっきのは冗談♪…でも、題材はしっかりしているから勉強にもなるわよ」

百合姫提督「…懐かしいわ、昔よく見たもの♪」

ミッチャー提督「やっぱり映画だったのね…でも、「トラ!トラ!トラ!」かぁ……気分的には複雑かも」

提督「…そうだったわね。他に無くって、つい……」

ミッチャー提督「ノープロブレム…平気よ」肩をすくめた…

………

…映画・真珠湾奇襲のシーン…


映画「無電を打て!…ワレ奇襲ニ成功セリ…トラ、トラ、トラや!」…攻撃隊の淵田隊長が叫ぶ

リベッチオ「おぉぉ…!」

映画「…いっそこの弾に当たって戦死してしまえばよかった……」奇襲を受けた太平洋艦隊司令官・キンメル中将は、無能とされるくらいなら「名誉の戦死」をしてしまえばよかったと、司令部の窓ガラスを撃ちぬいた機銃弾をとりあげてつぶやいた…

ミッチャー提督「…」

………

…映画が終わって…

リベッチオ「うん…すごい迫力だったね!」

提督「そうね…それもそうだけど、開戦までの緊迫した外交のやり取りも歴史に忠実で良くできているのよ」

マエストラーレ「そうなのね…確かにリアルで見応えがあったわ」

ミッチャー提督「何しろ日米合作映画で、よくできてはいたんだけど……アメリカじゃあ「日本人がアンフェアな奇襲をかけたくせに、どうして開戦をためらっているような描写があるんだ!」って酷評でね…ちっともウケなかったのよ」

提督「らしいわね…さてと、せっかくだから空母についての話し合いもやりましょうか。飲み物もまだあるし」少しぬるくなってきた水差しのアイスティを注いで回った

ミッチャー提督「…まだ冷えてるし、これで十分よ♪」

エンタープライズ「私も隣にいるわ、マーム」

百合姫提督「いいわね。じゃあ、お菓子でも……」巾着袋をごそごそやり始めた

ミッチャー提督「何でも入ってるわよね、その巾着…もしかして四次元だったりしてね♪」

百合姫提督「いえいえ…普通の巾着ですよ。時々中身を入れ替えているから……はい」黄土色の袋を開け、お皿に梅鉢の形をした狐色のクッキーらしいものを出した…

提督「おいしそうね…どこのお菓子?」

百合姫提督「京都の「そばぼうる」っていうお菓子で、私の好物なの…素朴で、飽きが来なくて、安心感のある味がするわ」

提督「なるほどね…」少しぼりぼりしたクッキーのような焼き菓子は、ほのかに甘くて歯ごたえもいい…

ミッチャー提督「ほんとだ…なんだか日本的な美味しさね」

百合姫提督「ね?…舞鶴の先輩が送ってきてくれたの」

<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/08/22(火) 01:23:49.02 ID:FqNY1NCF0<> 提督「美味しいわね…ジェーン、もう一杯いかが?」

ミッチャー提督「ありがと、もらうわ♪」…しばらくのんきなお茶の時間が続き、真面目な「空母戦術」論はどこへやら、最近見た映画の話や化粧品の話、たわいないジョークで盛り上がった

提督「…でね、ザラとポーラに「どうしてそんなにお小遣いがあるの?海軍からもらえる額は艦種ごとに一律でしょう?」って聞いたの」

百合姫提督「確かに、ザラとポーラはよく買い物をしているみたいね?みんなにもよくお菓子やお花、アクセサリーを買ってあげているみたいだし…」

提督「そうなの。そうしたら「ポーラはぁ、ちょっとお化粧品のメーカーと…えへへぇ♪」って言うのよ?」

百合姫提督「…ポーラ…化粧品……あー、なるほど」

提督「何か知ってるの?」

百合姫提督「ううん…けど、ブランドに名前でも貸しているんじゃないかしら?」

提督「そうなの?聞いたことないけれど…それで、ザラもこの間「提督、よかったらこのパールのネックレス、買ってあげましょうか?」っていうのよ?」

ミッチャー提督「買ってもらえばよかったじゃない、フランチェスカの首もとにピンクパール…似合うと思うけど?」

提督「そんな…指揮下の艦娘に買ってもらうなんていけないわ……それに、すごい値段だったのよ?」

ミッチャー提督「それを買ってあげるって?リッチなんだね」

提督「…それもまた謎なのよ。ザラもポーラみたいに「ええ、まぁ…服とか色々ありまして……」とかなんとか…」

百合姫提督「ザラ…なるほど……それで横須賀鎮守府のそばにショップができたのね…」

提督「とにかく不思議でしょうがないわ…」

ミッチャー提督「なるほどね「不思議鎮守府キン・ザ・ザ」ってわけね…ふふっ」

提督「?」

ミッチャー提督「…あぁ、何でもないの」…と、ドアが開いて優雅にエクレール提督が入って来た…30℃越えの暑さの中、ばかばかしいくらい優雅に決まっている白の制服と、恐ろしいことに白の長手袋まで付けている

エクレール提督「あら、皆さまおそろいでお茶の時間ですの?優雅でいいですわね…わたくしも少し暑さを覚えましたので、涼みに参りましたわ」横には相変わらずおしゃれだが奇抜なファッションのリシュリュー、白いサマードレスの涼しそうなジャンヌ・ダルクを従えている…

提督「ちょうどよかったわ、姫が持ってきてくれた日本のお菓子があるし…どうぞ座って?」

エクレール提督「メルスィ…リシュリュー、ジャンヌ、貴女方も掛けなさいな♪」

リシュリュー「では、失礼して」

ジャンヌ「は、座らせていただきます!」

エクレール提督「…それで、何をお話しなさっていたのでしょう?」

百合姫提督「ふふ…空母戦術を少し」

エクレール提督「まぁまぁ…確かに空母といえば「大艦巨砲主義」に幕を降ろした立役者……その活躍は歴史を変えたと言っても過言ではありませんわね」

ミッチャー提督「確かに。ノーフォークでも海軍士官が三人集まればその話になるよ…何しろハワイで高い授業料を払わされたからね」

百合姫提督「そうですね…でも、私は真珠湾で山口提督の言うようにもう一波攻撃隊を送るべきだったと思うのです」

ミッチャー提督「へぇ…意外だね、プリンセスはもっとアドミラル・ナグモ(南雲提督)みたいに「艦に損害が出てはいけないから…」って言うと思ってたよ」

百合姫提督「いえ…それはそうですが、あの機会でさらに艦爆を発進させて港湾・燃料施設を叩いておけばハワイは使用不能……サンフランシスコまで後退しなければ修理を行えない状態になったはずですから…もっとも、歴史に「もし・たら・れば」はありませんが…」

ミッチャー提督「なるほどね…でも、反撃の可能性は捨てがたかったはずよ?空母を失うリスクはどう考える?」

百合姫提督「一回の奇襲で太平洋艦隊を徹底的に叩くことが目的でしたから、空母一隻と引き換えにしてでももっと攻撃を行うべきでした。あれでは「不徹底」だったと山本司令長官がおっしゃったのも無理ないかと…それに後講釈ですが、ヒッカム(空軍基地)の混乱ぶりからして、機動部隊を発見できたかは微妙ですし…空母直掩の零戦も控えていましたから」

ミッチャー提督「むむ…フランチェスカ、どう思う?」



<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/08/22(火) 02:54:34.26 ID:FqNY1NCF0<> 提督「そうねぇ…奇襲を受けた側としては何とも言いようがないわ。イラストリアスと20機そこそこのソードフィッシュにあれだけやられちゃったわけだし……」

(※フェアリー・ソードフィッシュ…イギリスの複葉・羽布張りの雷撃機。古めかしいデザインと保守的な設計だったが無類の頑丈さと使い勝手の良さから、後継機フェアリー・バラクーダや、アメリカから貸与されたアヴェンジャーなどより好まれた。ビスマルクの舵機に魚雷を当てたなど勇戦した記録も多い)

カヴール「お恥ずかしい限りです…」

提督「あぁ、別にカヴールを責めているわけじゃないの…ただ、あれのせいですっかりスーペルマリーナが怖気づいちゃったのは事実ね」

百合姫提督「タラント奇襲、「ジャッジメント作戦」ですか…」

(※1940年11月の夜襲…二波の攻撃隊によって主力の戦艦5隻のうち、リットリオ、コンテ・ディ・カヴール、カイオ・デュイリオの三隻が大破着底。特にカヴールは敗戦まで修理が完了せず、結局トリエステで修理中のまま爆撃され沈められた)

提督「そう、それで艦隊の大部分がナポリに動いたから、マルタに圧力が加えにくくなったわけね」

ミッチャー提督「で、補給線を断たれて北アフリカ、ひいては敗戦…と、でも結果はどっこいどっこいかな。あの「ミニ真珠湾」の成果から日本が勉強した、なんて意見もあるくらいだもの」

エクレール提督「やはり空母の持つアウトレンジ能力は有効だ…ということですわね」

提督「まぁ、そうね」

エクレール提督「…ふふ、何しろフランスは空母「ベアルン」を持っておりましたもの。そして「ベアルン」は日本の「赤城」やアメリカの「ヨークタウン」とほぼ同時期の生まれ…まぁ、列強の一国として当然ではありますが♪……イタリアはどんな空母をお持ちでした?」

提督「正規空母アクィラと軽空母スパルヴィエロ…どっちも未成よ」

エクレール提督「それでは英地中海艦隊にかなわないのも無理ありませんわ」

提督「イラストリアスは空軍がドイツのシュトゥーカ隊と協力して大破させたけれどね」

エクレール提督「…ところで、「奇襲」と言えばジェノバの砲撃は覚えておいでですか?」

提督「開戦早々にフランスがリグーリア地方のジェノバ、サヴォーナを砲撃した作戦ね」

エクレール提督「ええ、それですわ。イタリア側の反撃はお寒いものでしたが、一体どうしてだったのか教えていただけませんこと?」

提督「そうねぇ…こっちの戦艦はたいていタラントにいたし、歓迎する前にさっと逃げて行っちゃったから…フランス艦の高速性は逃げる時には役立つわね」

エクレール提督「くっ……それにしてもほぼ損害なしとは…イタリア海軍はやる気を疑われても仕方ないですわ」

提督「士気は高かったけど、イタリアは貧乏だったから装備が悪くて…でも四隻のMAS(魚雷艇)が艦隊に雷撃したとか、機雷敷設艦艇の護衛中だった水雷艇がただ一隻でフランス艦隊に切り込もうとしたとか…心配してくれて嬉しいけど、やる気は大丈夫よ」

百合姫提督「そうね、勇敢さはどこの国にも劣らないわ」

エクレール提督「…しかし、本当にフランス海軍と戦ったらイタリアに勝ちはなかったと思いますわ」

提督「そう?…リシュリューには悪いけど、こっちのリットリオ級は四隻建造の予定だったし、ドゥーチェが開戦の予定を繰り上げたりしなかったらもっと
整った戦力を用意できたはずよ?」

エクレール提督「…それをいったらフランス海軍も艦隊を植民地に逃がしたりせずに、全力でお相手できたはずですわ!」

提督「そうね、そうしたらドイツ艦隊もバランスのとれた戦力を持った状態だったでしょうし、そっちの大西洋艦隊はかなりの損害を受けたでしょうね?」

エクレール提督「…イギリスと共闘すればドイツ艦隊など、ノルウェイのように全滅だったと思いますわ!」

提督「どうかしら?…イギリスって不意打ちが苦手でしょう?「ツェルベルス作戦」を見れば分かると思うけど、イギリスのお役所仕事ぶりはよく分かっているはずじゃない」

(※ツェルベルス作戦…ツェルベルスは地獄の番犬「ケルベロス」のことで、英語名の「チャネル・ダッシュ」(海峡ダッシュ)作戦とも。在ブレストの戦艦「シャルンホルスト」「グナイゼナウ」重巡「プリンツ・オイゲン」が、ヒトラーの言う「ノルウェイへの連合軍上陸」を防衛するため白昼堂々とドーバー海峡を突破した。綿密な作戦もあったが、イギリスの官僚的な形式主義のおかげで成功し、「英国最大の恥辱」と言われた…が、戦略的に意味はなかった)

エクレール提督「くっ…!」

提督「ふぅ…パリ(フランス海軍省)にいた割には、まだまだ考え方がプロヴァンスの可愛い娘さんみたいね、マリー♪」美味しいお菓子をつまんでいたせいで気が緩んだのか、かみついてくるエクレール提督につい軽口をたたいた…

エクレール提督「…言いましたわね!」白手袋を脱いで叩きつけた

カヴール「!」

リシュリュー「…提督!」

ミッチャー提督「ヘイ、穏やかじゃないね…決闘を挑む合図でしょ、それ?」

エクレール提督「ええ、そうですわ…中世のように命までとは言いませんが、名誉のために勝負を挑みます!」

……… <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/08/22(火) 10:34:36.16 ID:FqNY1NCF0<> …トレーニング室…

提督「…本当に勝負するの?……暑いしまたの機会にしましょうよ」

エクレール提督「いいえ、わたくしを田舎娘扱いした態度は許せません、言っていいことと悪いことがあるのを教えて差し上げますわ!…それとも負けるのが怖いんですの?」

提督「…いいわ、お相手させていただくわ」

ミッチャー提督「やれやれ…大の大人が子供じゃあるまいし……だいたい、さっきは勢いに飲まれちゃったけど、「ベアルン」と同時期の空母って「ヨークタウン」じゃなくて「レキシントン」じゃないの?」

エンタープライズ「そうね、マームったら今さら気づいたの?」

ミッチャー提督「いや…「そうは言ってもフランスの空母って何してたっけかなぁ」って考えてたら指摘し損ねたのよ……」

エクレール提督「…人は誰でも間違いを犯すものですわ///」

提督「えー?…その程度の認識で空母論を語ってたの?」

エクレール提督「う…とにかく、「プロヴァンスの田舎娘」呼ばわりしたことを謝罪して頂きますわ!」

リシュリュー「やれやれ…コマンダンは火がつくと手に負えませんな…」

ジャンヌ「提督、この聖女ジャンヌがお側におります!イタリアなど蹴散らしてしまいましょう!」

提督「はぁ……で、トレーニング室まで来たわけだけど、何で勝負するの?」

エクレール提督「もちろん、フェンシングですわ♪」

提督「フェンシングねぇ…」

エクレール提督「幸いここにジャンヌとリシュリューがおりますし、軽巡、戦艦、そしてわたくしたちの三本勝負で勝敗を決めましょう!」

提督「分かったわ、じゃあ……アブルッツィ、来てくれる?」話を聞きつけ面白半分で集まっていた艦娘たちの中から、軽巡アブルッツィを呼んだ

アブルッツィ「私ね?…いいわよ♪」

提督「戦艦は…チェザーレ、いい?」

チェザーレ「無論だ、ガリア人の国だったフランス相手に遅れをとるものではない」

エクレール提督「決まったようですわね…ポイントは十点先取と致しましょう」

提督「いいわよ」

エクレール提督「でしたら防具をつけて、ここに集合しましょう」更衣室の方に歩いて行った…

提督「さてと…なら私たちも行きましょう?」

アブルッツィ「…フランス相手と聞いて、がぜんやる気が出てきましたよ!」

提督「ふふ、頼もしいわ♪」提督とアブルッツィも更衣室に入っていった…

カヴール「…チェザーレ」

チェザーレ「…どうした、カヴール?」

カヴール「いえ…ああは言っているものの、提督は運動が苦手でいらっしゃいます……それにわざわざフェンシングを指定してきたあたり、フランスの提督は相当お強いのではありませんか?」

チェザーレ「かもしれないな」

カヴール「…大丈夫でしょうか」

チェザーレ「なに、大丈夫さ♪…要は提督までもつれ込ませなければいいのだろう?…このチェザーレ、リシュリューだろうと何だろうと負けるつもりはない。それにアブルッツィも荒削りだが腕は確かだ」

カヴール「ならいいのですが…」

チェザーレ「心配するな、カヴール…悩むとしたら「ごほうびのキスをどこにするか」くらいなものだ」

カヴール「そうですね…チェザーレ、頑張って下さいね」ちゅ…っ♪

チェザーレ「うむ…///」

<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/08/22(火) 11:18:14.33 ID:FqNY1NCF0<> 提督「さてと…判定はジェーン、それと姫にお願いするわ」

ミッチャー提督「オーケイ、任せて」

百合姫提督「しっかり見てますね」

エクレール提督「さて…では先鋒の軽巡からですわ、ジャンヌ?」

ジャンヌ「はい、コマンダン!」

エクレール提督「準備はいいですわね?」

ジャンヌ「無論です!…このジャンヌは主の啓示を受けたのです、勝利は約束されていると!」

エクレール提督「トレビァン(よろしい)。では、行ってらっしゃい」

提督「…アブルッツィ、相手はジャンヌ・ダルクよ。練習巡洋艦だからと言って気を抜かないようにね」

アブルッツィ「もちろんです!…それにフェンシングの腕前と艦種はあまり関係がないみたいだから」

提督「そうね…大丈夫、期待しているわ」

アブルッツィ「はい、フランスには負けません!」

ミッチャー提督「さて…準備はいい?」

アブルッツィ「いいですよ!」

ジャンヌ「ええ」

ミッチャー提督「じゃあ…始め!」

アブルッツィ「えい、やっ!」

ジャンヌ「ふっ…はぁぁっ!」猛烈に攻めまくるアブルッツィと実戦慣れしたような動きのジャンヌの勝負はほぼ互角…が、ひと息に片づけてしまおうと考えていたアブルッツィは意外と粘るジャンヌに手こずり、そのうちに余力がなくなってきた…

カヴール「あぁ…あの調子だと燃料切れといった具合ですね……」心配そうなカヴール

提督「…航続距離の短いイタリア軽巡だものね」

チェザーレ「ううむ…特に相手は航続距離が自慢の練習巡洋艦……一気に決められないと…」言っている間にもジャンヌのエペが鋭く伸び、防具に当たった…

ミッチャー提督「ジャンヌ、9ポイント!」

アブルッツィ「く…こうなったら!」猛烈な突きを見舞った

ジャンヌ「…はぁっ!」ひらりとかわすとしなるエペが胸を突いた……わーっ!イタリア勢から驚きと悲鳴のような声が漏れる

ミッチャー提督「はい、そこまで!……勝者、ジャンヌ・ダルク!」お互いに礼をすると面を外した…

エクレール提督「さすがジャンヌですわ!…よくやりましたわ」額にキスをした

ジャンヌ「…はい///」

アブルッツィ「ごめん、提督。勝負を焦っちゃった…」

提督「まぁ、仕方ないわ…相手がジャンヌ・ダルクだもの。…お疲れさま」ちゅ…♪

チェザーレ「…しょげることはない、アブルッツィ。いい勝負だった…チェザーレ、出るぞ!」

提督「応援しているわ♪」

チェザーレ「うむ」

エクレール提督「リシュリュー、ここで一気にかたをつけてしまいましょう!」

リシュリュー「承知しました。高速戦艦、リシュリュー…参ります」

ミッチャー提督「…用意、始め!」

リシュリュー「はっ…えいっ!」

チェザーレ「はっ、やぁっ!」高速で動きの読めないリシュリューだが、散布界の悪さはフェンシングでも変わらないらしく、チェザーレの素早い強烈な突きを幾度も浴びた…

カヴール「チェザーレ、応援していますよ!」

サウロ「頑張って!」 <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/08/22(火) 12:01:07.12 ID:FqNY1NCF0<> リシュリュー「く…!」リシュリューもつるべ撃ちに攻撃を繰り出すが命中率は悪く、たびたび剣先がそれる

チェザーレ「甘いな!…えいっ!」チェザーレが繰り出す猛烈な突きは高初速で、高速のリシュリューでもかわす余裕がない

ミッチャー提督「チェザーレ、9ポイント!……では、アレー!(始め!)」

リシュリュー「はっ、やぁっ!」

チェザーレ「…やっ!」突きを入れたリシュリューの腕の下から交差するように剣を撃ちこんだ

ミッチャー提督「勝負あった!…勝者、ジュリオ・チェザーレ!」

…わぁぁぁっ!…歓声と拍手が飛び交い、チェザーレはリシュリューと握手をすると戻ってきた

カヴール「さすがです、チェザーレ♪」むぎゅぅぅ♪

チェザーレ「う、うむ…柔らかいな///」

提督「チェザーレ、偉いわ♪」ちゅぅぅ…っ♪

チェザーレ「なに…リシュリューもいい腕だったが、外れた攻撃が多かったからな……さて、提督の番だぞ」

提督「ええ、行ってきます」

カヴール「勝ってください、とは言いません。…頑張ってきてくださいね」

セラ「応援してるね…勝ったらキスしてあげるから」

エウジェニオ「そうねぇ…勝ったら……私のこと、好きにしていいわよ♪」

バリラ「ふふ、お母さんも応援してますからね…戻ってきたら私のお胸で挟んであげます♪」

提督「ふふ、ありがと♪」

エクレール提督「…よろしいですこと?」

提督「ええ、いつでも」

ミッチャー提督「準備はいいね?……よし、じゃあ始め!」

提督「はっ!」

エクレール提督「ふふ…甘いですわ!」

ミッチャー提督「マリー、1ポイント!…始め!」

提督「えい!…やっ!」

エクレール提督「やぁっ!…はっ!」

提督「えい…っ!」

ミッチャー提督「フランチェスカ、1ポイント!……始め!」

…運動は苦手でフェンシングも得意ではない提督だが、フェンシングが「お家芸」かつ国民的スポーツのイタリアで「上手くない」程度で、意外とエクレール提督とも渡り合っていた…とはいえ、ずっしりと揺れる豊かな乳房とむっちりとしたふとももが動きを遅らせ、細身のエクレール提督に振り回されていた…

エクレール提督「えい!」小憎らしいほど優雅に立ち回ってくるエクレール提督…

ミッチャー提督「お…今のでマリーが8ポイント!……それじゃ、始め!」

カヴール「頑張って下さいね!」

チェザーレ「悪くないぞ、まだ十分戦えるとも!」…集まっている艦娘たちから熱い声援が飛んでくる

提督「…えいっ!…マリー?」剣を交えながら小声で呼びかけた

エクレール提督「はっ!…なんですの急に?」

提督「やぁっ!…もしマリーが勝ったら……私のこと、好きにしていいわ///」

エクレール提督「えっ!?」

提督「…はっ!」

ミッチャー提督「フランチェスカ、7ポイント!…用意、始め!」

<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/08/23(水) 01:25:44.11 ID:NpaMQ87v0<> 提督「えい!……マリーって甘くていい匂いがするわね♪」

エクレール提督「えっ!?…き、きっと香水ですわ///」

提督「…やっ!」

エクレール提督「くっ!」キンッ、カシーン!…二人の腕が交錯し、剣戟の音が響く

ジャンヌ「どうなさったのです、モン・コマンダン!?」

リシュリュー「提督のフルーレは素晴らしい腕前だったはずですが…」

チェザーレ「…どうもフランスの提督に隙が多くなってきたな……提督、これなら勝てるぞ!」

フォルゴーレ「稲妻みたいな突きね!…提督っ、負けないで!」

ダルド「紫電の一閃ね!……提督が勝つ方に賭けるわ!」

パンテーラ「賭けにならないわよ、当然だもの…ほら、良い調子よ♪」

提督「…はいっ!……マリー、私が負けたらいっぱいお仕置きして…ね///」

エクレール提督「え、えっ!?」

提督「…やあっ!」

エクレール提督「くっ…!」

提督「……首輪をつけて、お散歩させてくれる…?」

エクレール提督「えっ!?…フランチェスカに首輪……首輪っ///」

提督「…えいっ!」

ミッチャー提督「フランチェスカ、8ポイント!…いい勝負になってきたじゃない……始め!」

エクレール提督「えい…やっ!」

提督「とう!……マリー、好きよ///」

エクレール提督「えっ!?…くっ!」カキンッ、カシン…ッ!

提督「はっ!…このまま、マリーに押し倒されて…着ているものを剥ぎ取られたらって思うと……えいっ!」

エクレール提督「くぅっ!……フランチェスカと…こうして見られている中……?」

提督(妄想)「…あぁ、だめ…カヴール、チェザーレ……見ないで…マリーに好きなようにされてしまう所なんて…見られたくないの……あんっ///」

エクレール提督「///」

提督「…はいっ!」

エクレール提督「あっ!?」

ミッチャー提督「フランチェスカ、9ポイント!…驚いたね。…マリー、暑くて動きが鈍っているみたいだし、休憩を挟もうか?」

エクレール提督「いいえ…フランチェスカ、あとは一気に決めさせていただきますわ!」

提督「そう?」

ミッチャー提督「いいのね?…なら、始めっ!」

エクレール提督「はいっ!とぉっ!」

提督「く…さすがマリーね……」

エクレール提督「はっ、やぁっ!」

提督「えいっ!…ねぇ、マリー……」

エクレール提督「やっ!…なんですの、素直に負けを認める気になりまして?」

提督「はっ!……ううん…こうしていたら……濡れてきちゃった…///」

エクレール提督「え!?」

提督「はいっ!」…びしっ!

ミッチャー提督「10ポイント!…フランチェスカの勝ち!」

…わぁぁ!!…大歓声を受けあっという間に取り囲まれた提督は、面を外すなりキスの雨を浴びた… <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/08/23(水) 02:21:24.35 ID:NpaMQ87v0<> カヴール「あぁ、もう…心配したのですよ♪」ちゅぅぅ♪

チェザーレ「いやはや、見事な逆転劇だった!…勝利の口づけを受けてくれ♪」ちゅっ♪

バリラ「うふふ、とってもすごかったわ…いい子にはお母さんがごほうびに「ぎゅっ」て、してあげます♪」むぎゅ…っ♪

提督「ぷは…もう、みんな大げさなんだから♪」

百合姫提督「…とにかく、これで二人の名誉は回復できたわけだし、あとは仲直りをすればいいと思うの」

提督「そうね……着替えなきゃならないし、少し二人で話してくるわ」


…更衣室…

エクレール提督「むぅ…」

提督「…お疲れさま、マリー」

エクレール提督「…本当ですの?」

提督「何が?」

エクレール提督「そ、その…「濡れてきた」というのは…///」

提督「ええ…たっぷり汗かいたし」

エクレール提督「そういう意味ではありませんわ!」

提督「…え、じゃあどういう意味だと思ったの?」微笑を浮かべて聞き返した

エクレール提督「そ…それは///」

提督「…まぁ、私も悪かったわ。マリーはプロヴァンスの田舎娘なんかじゃないもの」

エクレール提督「ふぅ…構いませんわ。わたくしも少し短気になりすぎ……」

提督「…マリーは特別に可愛い田舎娘だものね♪」

エクレール提督「フランチェスカ、貴女はいつもそうやって…!?」

提督「さ、早く着替えましょう?暑くてかなわないわ」…しゅるっ……フェンシングの胴着を脱ぎ始めた提督。汗が湯気のように立ち上り、火照った肌が桃色に染まっている…

エクレール提督「…黒ですのね///」汗で張りついた下着を見て生唾を飲んだ…胸の谷間は汗ばんでいてブラが透け、お尻は黒いショーツが食い込んで、ヒップラインを際立たせている……

提督「ふふ…気に入った?」胴着を洗濯カゴに放り込むと、下着姿のまま近寄った…

エクレール提督「あの…そのっ……とっても色っぽいですわ///」

提督「よかった…じゃあ、仲直りのキスをしましょう♪」ちゅっ…ちゅるっ……♪

エクレール提督「ん…ふぁ……ん、んっ…ちゅるっ…ちゅぅ///」

提督「ふふ…マリー……大好きよ♪」

エクレール提督「あぅ…そんな顔で言われたら、怒るものも怒れなくなってしまいますわ…///」

提督「なら…ここでしましょうか♪」

エクレール提督「ちょっと、何を考えているんですのっ///」

提督「…ふふ、「もし誰かが来たら」って思って興奮してるでしょう?」エクレール提督の胴着を脱がせにかかる…白いサイドリボンつきのしゃれた下着と、しっとりと汗ばんだ細身の身体が現れる…

エクレール提督「…も、もう///」汗ばんだ提督の色っぽい様子と肩に垂れる長い髪、甘ったるい口説き文句にすっかり骨抜きになっていた…

提督「もう、可愛い…♪」小ぶりで形のいい乳房にそっと手を伸ばす…

リシュリュー「そろそろお着替えも終わりましたかな?」

エクレール提督「…もう少しですわ!」唐突に入ってきたリシュリューに驚き、提督から離れた…

リシュリュー「さようで……わたくしめがタオルをお持ちしましたので、お使いください」

提督「もう…せっかくマリーと甘い時間を過ごそうと思ったのに♪」…小声でつぶやいた

リシュリュー「カンピオーニ提督もタオルをどうぞ……申し訳ありませんな、エクレール提督はわたくしのモン・ナムール(愛しい人)でもありますので」タオルを渡しながら小声で言った

提督「…マリーってば可愛いものね♪」

リシュリュー「いかにも…それに、カンピオーニ提督にはカヴール候がおりますから」手際よく二人を引き離しにかかるリシュリュー

提督「ふふっ…さすが謀略の達人ね♪」

………
<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/08/24(木) 01:48:33.86 ID:kAyHLjzP0<> …夜・食堂…

提督「あー…お腹減ったわ、今日の夕食は何かしら……」

…わーっ!…歓声と拍手で迎えられ、たちまち周囲の艦娘たちから席を勧められる…

カヴール「さぁ提督、どうぞこちらへ♪」とろりと色っぽい流し目としどけない姿勢、吸いつくようにぴったりなクリーム色のカクテルドレスのおかげで、滑らかな身体のラインがはっきり見える…生地越しに胸の先端がつんと突き出て、身動きするたびに豊かな乳房が誘うように揺れる…

フォルゴーレ「提督っ、こっちに来て一緒に座りましょうっ♪」無邪気な笑みと、稲妻のような色をした白と紫の薄いドレス…二枚の生地が重なっているデザインだが全体が透けるようで、襟ぐりからは小ぶりな胸が見える…

フルット「さあ…ここなら波音が良く聞こえますよ、どうぞおかけになって…♪」胸元が泡立つ波のような白い飾りで覆われた、淡青色のカクテルドレス…フルットがドレスのスリットをつまみ上げると、白いストッキングとガーターベルト、すんなりとした白いふとももがちらちらのぞいた…

提督「えーと…何、これ?」

ライモン「それが…みんな「提督がフランスの提督に一泡吹かせた」と、すっかりお祭り騒ぎでして…」そう言うライモンも青灰色のすっきりしたドレススタイルで、髪には銀とアクアマリンの飾りをつけている…

提督「……なるほど…さて、どうしようかしら?」

ミラベロ「私たちと一緒に座りましょう?…ね、お願い♪」

デュイリオ「うふふ…提督、私がたっぷりサービスしてあげますよ♪」豪奢な桃色のドレスから、たゆんと揺れる胸元をちらりとのぞかせる…

ジュッサーノ「…私たちと一緒に座ってくれる?」きりりとした顔立ちにさっぱりした淡灰色のドレスが良く似合う…

ミッチャー提督「…ヒュゥ…モテる女はつらいねぇ♪」食前のマティーニをすすりながらからかう

フレッチャー「マームだってノーフォークではモテモテじゃないの」

ミッチャー提督「サンクス♪(どうも)…しかしまぁ、これだけモテると大変だねぇ」

提督「…うん、今日は駆逐艦のみんなと座ることにしましょう♪」

オリアーニ「待ってたわ、提督♪」

ニコ「本当にね……提督はいつも胸の大きいお姉さんの所に行っちゃうんだもの」

提督「ごめんなさいね…でも、そんなつもりはないのよ?」

エクレール提督「…聞いてあきれますわ」

ジャンヌ「くっ…この騒ぎぶりには我慢なりません、コマンダンからイタリアの提督に厳しく言ってやってください!」

エクレール提督「ジャンヌ…どうであれ結果はついたのです、蒸し返すのはいけませんわ……それに、ここでわたくしたちが平静を保っている方が「大人」というものですわ」

ジャンヌ「しかし!…分かりました、このジャンヌ……くっ!」

アッテンドーロ「さ、聖女さまも機嫌を直して…ね、一杯いかが?」ナポリ人でもなければできないような絶妙な煽り方でスプマンテを勧めた…

ジャンヌ「……いただきます!」滑らかに泡立つスプマンテをきゅーっとあおってグラスを置いた

エクレール提督「ジャンヌ、あまり急に飲むと…」

リシュリュー「まぁまぁ…わたくしめも一杯いただきましょう」

アッテンドーロ「はい、どうぞ♪」提督が苦手なスポーツで仇敵フランスを負かしたとあって、すっかりご機嫌なアッテンドーロ…

ジャンヌ「ごくっ、ごくん…もう一杯いただきます!」勢いよくスプマンテを飲み干した…

…一方・提督と駆逐艦のテーブル…

提督「…はい、あーん♪」

サウロ「あーん…提督に食べさせてもらうと倍も美味しいです///」

クリスピ「…よかったら、私にも「あーん」してくれないか…な?」

提督「ふふ、もちろんいいわよ♪」片手を隣に座っているフレッチアの腰に回し、空いている方の手でフォークやスプーンを伸ばし「あーん」してあげる提督

クリスピ「美味しい…故郷の味って言うのもあるけど、提督と一緒にいるから…かな///」

提督「あぁ、もう可愛いっ♪……このまま食べちゃいたいわ」

セラ「クリスピを食べちゃダメです!…セラの大事な妹ですから」

提督「ええ、そうね♪……でも…セラも可愛いわよ♪」

セラ「わ、私も食べてしまうのですか?……それなら…優しくしてくださいね///」

提督「…セラ、よかったらこのあと私のお部屋でお話でもしましょうか♪」

カラビニエーレ「ダメです!…提督、カヴールさんとライモンドさんに報告されたいですか?」

提督「むぅ…カラビニエーレは真面目ねぇ……でも、その頼れるところが好きよ♪」

カラビニエーレ「///」 <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/08/26(土) 00:42:13.08 ID:+8oZWLRe0<> ミッチャー提督「あーあー…やってるやってる。ナポリで出くわしたときもあんなだったっけ……」エンタープライズが先に部屋に戻ったので、ミッチャー提督はカクテルをちびちびすすりながらフレッチャーとおしゃべりしていた…

フレッチャー「…やっぱりあんな感じだったの?」

ミッチャー提督「まぁね…ほら、ああいう具合よ……」

提督「…ふふふっ、可愛いニンフ(妖精)さんたち、じゃあそろそろベッドに行きましょうか♪」

ストラーレ(フレッチア級)「…じゃあ、お手をどうぞ///」

提督「あらあら…♪」

トゥルビーネ「ならこちらの手は私が♪」

提督「まあ…優しいエスコートが二人も♪」

セラ「なら、私も随伴艦ということで…。いいですよね……お姉さま///」

提督「…今、何て?」

セラ「…お姉さま///」

提督「あぁ…可愛いわね、もう♪……じゃあ、お姉さんをベッドまでエスコートしてね♪」

ストラーレ「提督の護衛任務ですね…それでは行きましょう♪」

提督「お願いね♪」容姿や性格も様々な駆逐艦たちに手を取ってもらい、くすくす笑いながら出て行った…

フレッチャー「…」

ミッチャー提督「…うん、ああいう感じだった」

フレッチャー「よくあんなプレイガールの部屋に転がり込もうと思ったわね?」

ミッチャー提督「いや、別に害はなさそうだったし…それにホテルがひどかったからね」

フレッチャー「はぁ…時々わたしもマームの心臓が欲しくなるわ……ところで」

ミッチャー提督「ん?」

フレッチャー「この部屋…暑くない?」

ミッチャー提督「確かに…言われてみればね。……向こうにかなり際どい格好のもいるし…」

ポーラ「はぁ…風が涼しいですねぇ〜♪」フリルブラウスの胸元をはだけ、誰かから借りた豪奢な羽の扇で気だるくパタパタしている…

ゴリツィア「ポーラ姉さま、ちょっといくら何でも…///」

フレッチャー「…///」

ミッチャー提督「あんまり見ると刺激が強いかな……表に行こう」そっと手を取り、ガラス戸を兼ねた大きな窓を開けて表に出た…

…波打ち際…

ミッチャー提督「おー…涼しいねぇ、星も綺麗だ♪」食堂の灯りも届かない暗い波打ち際にやって来た二人…上は満天の星空で、夏の星座がきらめいている

フレッチャー「そうね……わ、冷たっ!」フレッチャーは腕を組み、白く泡立つ波を脚で軽く蹴とばしては寄せ波をさっと避ける…

ミッチャー提督「……ねぇ、フレッチャー」

フレッチャー「なに?」

ミッチャー提督「少し夜風が冷たいから…もっとこっちにおいで?」

フレッチャー「…うん///」ぴたりと身体を寄せ、肩に頭を預けた…

ミッチャー提督「……ちゅっ」そっと唇を当てた…

フレッチャー「ん…ん、ちゅ…ちゅっ……///」

ミッチャー提督「…ん♪」暗い浜辺の草原に押し倒すと首のひもを解き、するするとカクテルドレスを降ろした……

フレッチャー「…夜でよかった…これ、すっごく恥ずかしいわ///」

ミッチャー提督「そう?私は残念かな…せっかくの顔が良く見えないから」

フレッチャー「…ばか///」

ミッチャー提督「…口が悪いな……誰に似たんだか♪」ひざをついた四つん這いで見おろしていたが、そう言うとしっとりと夜露の降りた草原としなやかなフレッチャーの上に身体を沈めた… <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/08/26(土) 02:04:44.98 ID:+8oZWLRe0<> ミッチャー提督「…まずはキスから」唇にキスをし、優しく舌を絡めた…

フレッチャー「はぁ…んんっ……ん、ぴちゃ…んちゅ……///」

ミッチャー提督「ん、ちゅぽ…っ……れろっ、ちゅぅぅ…ぴちゃ…♪」しっかりした大きさの乳房に舌を這わせ、舐めたり吸ったりした…

フレッチャー「んっ、んっ……マームの…変態っ///」

ミッチャー提督「まぁね……正直こうやってたら我慢できなくなってきたし…じゃあ、こっちも行くよ」人差し指を舐め、フレッチャーの中に入れた…

フレッチャー「あぅ…うぅん、はぁ…ん……///」

ミッチャー提督「お…フレッチャーの中、とろとろで温かいね……」

フレッチャー「もう…言わないでよ、恥ずかしいから///」

ミッチャー提督「…そう言われてもね……かき回してる指が…温かくて気持ちいいよ……♪」

フレッチャー「あっ…あっ、あっ……マーム…私……とろけそう…腰が抜ける…っ///」くちゅ…ちゅくっ……

ミッチャー提督「ドンウォーリィ…ちゃんと運んであげるから、イっちゃっていいよ」じゅぷっ…ぐちゅ…

フレッチャー「あっ、あ…そんな言い方っ……アンフェアよっ…あっ、あっ、あぁぁっ♪」とろ…っ、ぶしゃぁ…ぁっ♪

ミッチャー提督「おーおー…ずいぶんと派手に噴き出したもんだね……でも、せっかくだからもうちょっと羽目をはずしていこうか♪」頭を下ろしていくとフレッチャーの秘部に顔を近づけた…

フレッチャー「マーム…ちょっと、何する気……?」

ミッチャー提督「そうだねぇ…シロップの味見って所かな……♪」じゅるっ…じゅぶっ……ちゅぽ…っ…♪

フレッチャー「今何て?…あぁぁぁっ!」

ミッチャー提督「…じゅる…っ……この…じゅるぅぅ…温かいシロップを……じゅる…出来たての…ぐちゅっ……パンケーキにでも…かけたら……じゅぽっ…いいかもね…♪」

フレッチャー「バカなこと言わな……ひぅっ、あっ…あっあ゛ぁぁっ♪」ぶしゃぁぁ…ぐちゅ…っ♪

ミッチャー提督「ちゅぽ…っ……うー、顔面にかかったわ…こんなにシロップをごちそうになったの、カナダのメイプルシロップ工場の見学以来ね…♪」顔を拭って手のひらに付いた愛蜜を舐めた…

フレッチャー「あぁぁ…もう、ドレスに垂れちゃったじゃない……///」

ミッチャー提督「大丈夫、私のもだから……ま、どうせ汚しちゃったんだし、あとは何回しても同じよね…♪」フレッチャーを上にのせ、秘所を重ねると勢いよく腰を動かした…ねっとりとした水音が波打ち際に響く…

フレッチャー「ちょっと待っ…あぁっ、あっ、あっ、ひぐっ♪」甘い喘ぎ声を出しながら身体ごと揺さぶられているフレッチャー…口では「待って」と言いながらもミッチャー提督のはち切れそうなヒップをわしづかみにして、動きを合わせた…

ミッチャー提督「…うん、いいよ……イェス♪…そこ…いいっ……エクセレンッ……あっ、あんっ…上手じゃない♪」とろとろと濡れた花芯を重ね、フレッチャーの動きをほめる…

フレッチャー「もう、訓練じゃないんだから///……そんなに…いい?」

ミッチャー提督「…あっ、あっ……いいよ、とってもい……あっあっ…あぁぁぁっ♪」じゅくっ、ぐちゅっ…ぶしゃぁぁっ♪

フレッチャー「…マーム、イったの?」

ミッチャー提督「ええ……しかしフレッチャーは何でも器用だね。初めてだっていうのに、とってもよかったよ…♪」

フレッチャー「…もう、おだてないでよ///」

ミッチャー提督「おだててないよ…ふぅ……」

フレッチャー「…まったく、ノーフォークの妹たちが聞いたらきっと腰を抜かすわ」

ミッチャー提督「今腰が抜けてるのは私たちだけどね♪」

フレッチャー「あはは♪…ところで、こんなありさまでどうやって部屋まで戻るの?」ぐしゃぐしゃに濡れそぼったカクテルドレスとストッキングを眺めた…

ミッチャー提督「ウェル…そこまで考えてなかったわ。私のドレスもめちゃくちゃだし…どうしよっか?」折れた草の茎で切ったのか黒いストッキングには大きな穴が開いていて、カクテルドレスも冷たく濡れて、ヒップにぴたりと張りついている…

フレッチャー「…マーム」

ミッチャー提督「ん、どうした?……あれ、おかしいな」途中で蹴とばして脱いだヒールを探して後ろを向いている…ぴったりと張りついたドレス越しにむちむちしたヒップが揺れるのが手に取るように見え、破れたストッキングからはみ出したふとももがみだらな雰囲気を出している…

フレッチャー「その格好…すっごくやらしい///」…くちゅっ、にちゅっ♪……後ろから腰に抱きつき、秘所を擦り付けた

ミッチャー提督「おっと…もう一戦交えたくなった?」

フレッチャー「もうドレスもめちゃくちゃなんだし…こうなったらね///」

ミッチャー提督「オーケー…じゃあもう一回しようか♪」

……… <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/08/26(土) 02:48:35.37 ID:+8oZWLRe0<> …一方…

セラ「ふふ、提督さんと踊れてとっても嬉しいです♪」

フルミーネ(フォルゴーレ級)「あははっ、提督はダンスも上手ね♪」

提督「うふふっ、そう?…それにしても、みんなのドレスが色鮮やかで花畑にいるみたい♪」…食堂で誰かがかけた音楽が切れ切れに聞こえてきて、提督と駆逐艦たちは廊下でロンドを踊り始めていた

トゥルビーネ「ふふ、楽しいっ♪」

提督「楽しい?よかったわ♪…トゥルビーネは白いドレスだから咲きはじめの清楚な白百合ね♪」

フレッチア「じゃあ私は?」

提督「白と淡い紫…ふんわりした花びらのトルコキキョウじゃないかしら♪」

クリスピ「しまったなぁ…私は黒いドレスだ……」

提督「黒いバラは近くで見ると光沢があって綺麗よ?」

クリスピ「ふふ…そうかな♪」

提督「ええ♪…甘い香りもするし、ドレスがひらひらして風にそよぐ花びらみたいよ♪」

リベッチオ「なら提督さんは花畑を飛び回るファルファッレ(蝶々)だねっ♪」

提督「あらあら、嬉しいことを言ってくれるわね♪…リベッチオのドレスはきれいな桃色だし、きっといい匂いのするスウィートピーなのね♪」

リベッチオ「えへへ、提督は優しいね♪」ちゅっ♪

提督「あら、チョウチョウからじゃなくて花の方からキスしてくれるの?」

セラ「ふふ、じゃあ私もキスしてあげるね…お姉ちゃん♪」ちゅ…っ♪

提督「うふふ…もう、お姉ちゃんじゃないわよ♪」

マエストラーレ「…ねぇ提督、よかったら一緒に寝ましょうよ♪」

提督「うふふ、それはいいわねぇ♪」

セラ「じゃあ、セラと一緒に寝よう?…お・ね・え・ちゃん♪」

提督「んふふっ、いいの?」

オリアーニ「あら、私たちと一緒に寝てくれるのよね?」

提督「そうね、オリアーニたちもいいわねぇ…♪」

フォルゴーレ「断然私たちよね?…提督♪」

提督「うふふっ、もう困っちゃうわねぇ♪」

ミラベロ「…私の所なら、きっと甘い夢を見られるわよ♪」

提督「ふふっ、もう…おませさんなんだから……じゃあ目をつぶって回ってみて、私が止まった先のお部屋にしましょう♪」目を閉じて腕をつかんでもらい、何回かくるくると回った…

提督「はい、このお部屋ね♪」

…提督がゆらゆらしながら目を開けると、ドアには「ナヴィガトリ級」とある。ソルダティ級を除けば最大級、十二人の大型グループで、「航海者」だけにチャレンジ精神が旺盛な「ニコ」こと「ニコロソ・ダ・レッコ」もこのグループにいる…

ニコ「やった!」

リベッチオ「あーあ…残念」

フレッチア「あん、もう!…提督、また今度ね」

アルピーノ「ま、仕方ないか…それじゃ、お休みなさい」

提督「はーい…それじゃあみんな、お休みなさい♪」

アントニオ・ダ・ノリ「ふふ、やったね…さ、入って入って♪」

提督「はいはい…それでは、お邪魔します♪」
<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/08/26(土) 11:36:32.62 ID:+8oZWLRe0<> …ナヴィガトリ級・居室…

ノリ「いらっしゃーい♪」

ピガフェッタ「ようこそ、ナヴィガトリ級の部屋へ♪」

提督「はぁーい、こんばんは…素敵なお部屋ね♪」

…十二人もいるナヴィガトリ級にはかなり大きな一部屋があてがわれていて、インテリアの代わりにアンティークの四分儀、二本の筒を伸び縮みさせる古い望遠鏡、金象嵌がほどこしてある骨董品のフリント・ロック式ピストル、壁掛け代わりの航海図などが置いてあって、いかにも「航海者」らしい部屋になっていた…

ウソディマーレ「提督はどのベッドで寝る?」

…部屋のあちこちにそれぞれの書き物机が置いてあって、真ん中あたりにベッドが据えてある…が、どれも「一品限り」の払い下げや寄付されたもので、はては脱税者から押収した高そうなベッドまである。おかげで並んでいるベッドは種類も形もバラバラで、クィーン・サイズのベッドが一つにダブルベッド、シングルベッドがいくつかに二段ベッドまで揃っている…

提督「んー…♪」小首を傾げて考えていると、あっという間に腕をつかまれた

ニコロ・ツェーノ「…はい、提督はここね!」

ルカ・タリゴ「そ、ここで決まり♪」一番大きいクィーン・サイズのベッドに押し倒された

提督「あんっ、もう乱暴なんだから♪…それと、服を脱がないとしわになっちゃう……んんっ」寝ながらルビー・レッドのカクテルドレスを脱ごうとじたばたしている…

ニコ「もう、提督ったら一人じゃお着替えも出来ないのかな?……脱がしてあげるよ♪」

提督「んふふっ、ありがと♪」小ぶりな手が身体のあちこちを這い回ってはスリップを外し、リボンを解き、ヒールを脱がす…ぴったりしたカクテルドレスなので当然下着はつけていない……最後にドレスをするりと脱がせると、メリハリのきいたド級戦艦並みの身体があらわれた

ツェーノ「おぉぉ…♪」

タリゴ「…魅力的な身体ね♪」

提督「もう、我慢しないで来て……ほーら♪」

エマニュエレ・ペッサーノ「…じゃあ、お言葉に甘えちゃおう♪」しゅる…っ、ぱさっ♪

提督「はい、いらっしゃーい♪……あれ?」小柄な駆逐艦たちの裸身をとろんとした様子で眺めて悦にいっていたが、ふと理性を取りもどした…

ニコ「…はぁ、はぁ…提督、この間からもっとうまくなったんだ……ためしていいよね♪」黒いリボンを取り出し息を荒げている

提督「ち、ちょっと待って……未成年とえっちしたら今度こそ軍法会議にかけられちゃう…」慌てて起き上がろうとする提督

タリゴ「大丈夫…私たちはみんな提督より大人よ?」裸に白いストッキング、ガーターベルトだけと、かなりあやしい格好で提督の胸元を優しく突いて押し倒した

ウゴリーノ・ヴィヴァルディ「…私たちはみんな29年から31年生まれだもの、平気平気♪」

提督「そういえばそうねぇ…ならいいか♪」

ランツェロット・マロチェロ「うんうん…全然問題ない♪」

提督「そうね……じゃあ改めて。…来て?」

ニコ「んふふ…提督の白い裸身に黒いリボン……きっと可愛いよ♪」手首にシルクの黒いリボンを結びつけた…

提督「あんっ…もう♪」

ジョバンニ・ダ・ヴェラサーノ「ふふ…れろっ♪」

提督「んふふっ、もう…くすぐったい♪」

アルヴィセ・ダ・モスト「こっちも味見させてもらうね…ん、じゅるっ……れろっ、ぴちゃ♪」

提督「あんっ……そういうイタズラなお姉さんにはお返ししてあげる♪」小ぶりな胸に舌を這わせた

モスト「あん…もう提督のえっち♪」

提督「ふふ、可愛いみんながいけないのよ♪」

ペッサーノ「きゃあっ♪」

ヴィヴァルディ「あんっ♪」

提督「うふふっ、可愛いお姉さんたちね…さ、もっとくっ付いて寝ましょう♪」

モスト「ひゃぁっ、どこ触ってるの…♪」

ヴェラサーノ「わぁ…提督のふともも柔らかい……舐めちゃおう♪」

ノリ「じゃあこっちはもちもちのお胸を…♪」

提督「うふふっ、遠慮しないでいいからね…好きなように召し上がれ♪」

レオーネ・パンカルド「それじゃあ…いただきまーす♪」

………

<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/08/27(日) 00:48:13.48 ID:Fy6/50hv0<> …翌朝…

カヴール「おかしいですね…」

ライモン「どうしました、カヴールさん?」

カヴール「それが…今日は建造と開発の予定があるのに、昨夜から提督が部屋に戻ってきていないようでして……ライモンドは何か心当たりはありませんか?」

ライモン「いえ、わたしは夕食の後早めに休んでしまったので…カヴールさんはご存じないのですか?」

カヴール「ええ…私はポーラを部屋に連れて行く手伝いをしておりまして……それに昨日は「提督が勝った」と大変な騒ぎでしたから…」

ライモン「じゃあ一部屋ごとに聞いて回るしかありませんね…」

カヴール「ふぅ…じゃあライモンド、提督のお着替えを用意しておいてもらえます?私が探しに行きますから」

ライモン「はい、わかりました」

………

…ナヴィガトリ級の部屋…

提督「うーん…♪」まだ半分眠っている提督は、身体にのしかかっている心地よい重さとほど良い柔らかさに身を任せていた…

カヴール「だれも起きていませんか?…ツェーノ?ヴェラサーノ?」

提督「んー…むにゃ……柔らか…い……♪」…声が聞こえたような気がしたが、ごろりと寝返りをうつと小ぶりなニコの胸にちょうど顔が当たった…ほど良い固さと温かさ、ベビーパウダーのような甘い匂いに包まれ、二度寝の誘惑に負ける気になった…

カヴール「…失礼しますね。誰か提督の居場所をご存じ……」入ってきたカヴールがぴたりと止まった…

カヴール「…あら、提督……おはようございます。…美少女たちをはべらせて、さぞ心地よい眠りだったことでしょうね♪」

提督「…んぅ?……あっ…カヴール…」ベッドの脇で腰に手を当て、こめかみに青筋を立ててこちらを見おろしながら、はなはだ穏やかでない微笑を浮かべているカヴール…提督ははっきりと目を覚まし、改めて周囲を見回した…

カヴール「おはようございます、提督…今日は快晴、風は南からの微風、波もなく、黎明哨戒の組も帰投しております♪」

提督「えーと…その……」

カヴール「…構いませんよ、提督が年下に見える幼い容姿の娘たちが好みだったとしても……ましてや全裸で絡み合って、身体中に黒いリボンを巻きつける…などという特殊な行為がお好みだったとしても…そして身体中に口紅の跡を残してにやけていたとしても……ええ、結構ですよ♪」

提督「いえ…本来私はお姉さんが好きなのよ……ただ、駆逐艦の娘たちって「大物殺し」なのね…身をもって実感したわ」

カヴール「…「甘い言葉に乗せられて、気づいた時にはベッドの中」でしたか?」

提督「そうなの。カヴール、探させてごめんなさい……」

カヴール「構いませんとも…ただ、少しお仕置きがいるようですね♪」

提督「え…痛いのはちょっと……」

カヴール「私は提督に手を上げたりはしませんし、それに提督のことです…意外と叩かれるのもお好きでしょう。それではごほうびになってしまいます」

提督「いえ…叩かれるのは苦手だけど……それと、部屋に戻りたくても着るものがカクテルドレスしかないわ…」カクテルドレスでは身体のあちこちに付けられたキスマークが隠せそうにない…

カヴール「ここにナイトガウンだけ持って来てありますから、とにかくこれをお召しになってシャワーを浴びてきて下さい…ライモンドが居室に制服を用意してくれています……とにかく早く着替えてもらえませんか、私まで劣情を刺激されてしまいますから///」視線をそむけがちにしてナイトガウンを差しだした…

提督「あー…そうね……よいしょ…」提督の腕を枕にしてすやすや眠っているニコの頭をそっと持ち上げ、腕を抜こうとした…

ニコ「…んんぅ、だめだよ……提督ぅ…もう一回……リボンで遊ぼう…よぉ♪」寝ぼけた様子で腕にすがりつくニコ

カヴール「…なるほど、さぞ楽しかったでしょうね♪」

提督「…」



<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/08/27(日) 02:08:24.18 ID:Fy6/50hv0<> …食堂…

カヴール「さぁ、どうぞ…召し上がれ♪」

提督「…ありがとう」…シャワーを済ませ、ライモンの「主人を見上げるスパニエル犬」のような恨めしげな視線を浴びながら着替え、食堂にやって来た…朝は紅茶かミルクコーヒーの提督だが、目の前には小さいジョッキほどもあるマグカップになみなみと注がれた真っ黒なコーヒー、小さい丸パンが一つに申し訳程度のバターとチーズが一切れずつ並んでいる…

提督「…他には何かあるかしら」

カヴール「ええ…どうぞ♪」こぎれいなサラダボウルにはレタスとトマトスライス、塩茹でのブロッコリーと提督が嫌いなアスパラガスがたっぷりと盛られている…

提督「…青虫なら喜んでくれそうな献立ね♪」

カヴール「ふふ…新鮮な野菜ですから美味しいですよ♪」

ディアナ「あの…カヴール……せめて卵でも付けてあげては…」

カヴール「ディアナ…これも提督のためですから」

ディアナ「…そ、そうですか」

シロッコ(マエストラーレ級)「提督…よかったら私の生ハム取ってもいいよ……?」

提督「シロッコ…ありがとう……」

カヴール「…シロッコ、提督は食事療法の最中です。誘惑したり、お邪魔してはいけませんよ…♪」

シロッコ「…くっ、なんというプレッシャー……ごめん、提督。…私は「歴史の立会人」だから介入できないみたい……」

提督「うぅぅ…」もそもそとお義理程度にドレッシングのかかっているサラダを食べ、眉をひそめてコーヒーをすすった…

提督「…!」アメリカ海軍お馴染みの塩入りコーヒーに顔をしかめた…

ミッチャー提督「あーあー…フランチェスカへのお仕置きは肉抜きの朝食とうちの海軍お馴染みのブラックコーヒーなのね」別の席ではミッチャー提督が厚切りのベーコンにマスタードを塗り、香ばしいパンに挟み込んでむしゃむしゃやっている…

フレッチャー「///」黙々と食べているが、昨晩のことを思い出しては左舷の航行燈なみに真っ赤になっている…

エンタープライズ「…救援には行かないのかしら、マーム?」半熟の目玉焼き四つとさくさくの食パン数枚、厚切りのハムを食べながら聞いた

ミッチャー提督「自分でまいたタネってやつだし、私が介入したらカヴールも納得しないでしょう…だから今はモンロー主義で……それに見ている分には面白いし♪」

エンタープライズ「なるほど…」そう言ってカヴールの「お仕置き」を興味深く眺めた…

提督「…カヴール」

カヴール「はい、何でしょう♪」

提督「これじゃあ午前の執務に支障をきたすわ…もう少し何かもらえないかしら」小さいパンとチーズでは空腹は満たされず、なまじよく噛んで食べたせいかむしろ空腹感が増していた…

カヴール「それは困りましたね…では、これならいかがでしょう♪」…ちゅっ♪

提督「んっ…///」

カヴール「はい、私からの愛情ですよ…これで頑張れますね♪」

提督「…」

チェザーレ「…なぁ、姉上よ」

カヴール「はい、何ですか?」

チェザーレ「さすがにそれは厳しいのではないか?…ここには可愛い娘たちがたくさんいるのだ、誘惑に負けて「ブンガブンガ」したとしても仕方あるまい」(※ブンガブンガ…乱痴気騒ぎ。かつて「迷言王」ベルルスコーニ元首相が外国要人に絵画を見せ、そう説明したことでひんしゅくを買った)

カヴール「ふふ、チェザーレは優しいのね…でもだめです」

チェザーレ「おや、今日は厳しいな……提督よ、今日はカヴールにうんと尽くしてやらんと、三食とも修道院の食事になるぞ?」

提督「ええ…すでに心から後悔しているわ」

カヴール「さぁ、チェザーレ…近くで美味しそうな匂いをさせているとますます提督が空腹になりますから」背中を押して別の席に追いやろうとする

チェザーレ「…それもそうだな。ではまた」

提督「あぁぁ…チェザーレでもだめなのね…」

………

<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/08/28(月) 02:18:24.24 ID:Zs0JVCVl0<> …午前中・工作室…

提督「あー…お腹減った……」

エンリコ・タッツォーリ(大型潜カルヴィ級)「あらら…じゃあ私と入れ替わってみる?…幽霊ならお腹も空かないよ……?」後ろから冷たい手が触ってきて、提督の背中にぞわりとしたものが走った…

提督「…ひゃぅ!?……あぁびっくりした、タッツォーリなのね」

タッツォーリ「ふふ、びっくりしたら空腹感も吹き飛んだでしょう…」青白い肌に薄い緑色をしたドレスがはかない感じを強調していて、消え入りそうな声も幽霊らしい…

提督「涼しくはなったけど…お腹が減っているのは相変わらずかも……どこかにレーションでもいいから落ちてないかしら…」

タッツォーリ「もう…だめよ、提督……落ちているものなんか食べたら、毒が入っているかもしれないよ…ぉ?」

提督「もう、冗談よ♪……そう言えば、ここの棚にまだお菓子があったはず…!」百合姫提督からもらった銘菓の山から、いくらか抜いてきては工作室の食器棚に入れているのを思い出した…

カヴール「はい、私が預かっていますよ♪」

提督「むぅ…本当に夜まで続けるの?」

カヴール「ええ、本当です♪……とはいえ、反省の色も多少は見えたので、終わったらお茶にしてあげます……それまでは我慢してくださいね」

提督「まぁ…ありがとう、カヴール♪」ちゅ…っ♪

カヴール「いえいえ♪…ですが、それまでは建造と開発の時間ですよ」

提督「ええ、頑張るわ」

カヴール「今日の建造は…大型潜ですか、このところ大型潜の建造が続いていますね」

提督「んー…エリトレアも来て、日本派遣組の大型潜を呼びやすくなったから呼んであげよう、って思ったのよ」

カヴール「また食堂がにぎやかになりますね」

タッツォーリ「それはいいけど…肝心のエリトレアとカッペリーニはどうしたの……」

エリトレア「遅くなりましたっ!…エリトレア、ただいま到着っ♪」

カッペリーニ「同じくコマンダンテ・カッペリーニ…遅れて申し訳ありません」

提督「二人ともどうしたの?」

エリトレア「はい、軽巡の龍田さんやフィンチと日本の話をしていたらすっかり時間を忘れてしまいまして…」今日は淡いグレイのプリーツスカートにシンプルなブラウスと、気どらないがどこかあか抜けた服を選んでいる

カッペリーニ「何しろフィンチの日本の知識はかなり…いえ、せっかく楽しくやっているのにけなすこともありませんね」大人な対応のカッペリーニ……その「数奇な運命」からか、格好も時々ドイツ風だったり和風だったりするが、今日は黒革のパンプスに黒と紫のミニドレスと、小粋なお姉さん風で決めている

提督「ふふ、カッペリーニは気遣いが出来て偉いわね♪…さぁ、では建造に取りかかりましょうか」

カッペリーニ「せっかくですから日本派遣組の誰かが来てくれれば嬉しいですね」

提督「そうなるといいわね。じゃあ、行きましょうか…エリトレア?」

エリトレア「あっ、はい!…エリトレア、準備良しです♪」

提督「それじゃあ、建造開始…っ♪」

エリトレア「ほぁー…」装置をみて変な声をあげるエリトレア

提督「どうしたの?…建造は時間がかかるし、眠たかったら少し仮眠してもいいわよ?」提督は開発用「タロットカード」のセットを取り出し、カヴールと一緒に次々と青いカードをドローしている…

エリトレア「いえいえ…こんなふうに建造するんですねぇ……エリトレア、びっくりですっ♪」

提督「まったく不思議よね……ドロー!」カードを空中に放り上げ、パシッと受け止めるとカヴールに渡す…

カヴール「あらあら…空腹だと開発まで調子が悪くなるのですね」カードを受け取り、苦笑いしながら絵柄の出なかったカードを山に戻す…

提督「むむ…やっぱり空腹だと集中が途切れるのかしら」

カヴール「かもしれませんね…そろそろ止めましょう」絵柄なしのカードは山に戻し、絵柄の出たカードは種類別に棚に納めた

提督「そうするわ……いつもより疲れたし」くたりと椅子に座りこみ、漫画の一冊に手を伸ばした…

エリトレア「提督、漫画なら私も一緒に見たいですっ♪…いいですか?」

提督「ええ…いらっしゃい」…肩を寄せ合って漫画をめくる二人

カヴール「…ふふっ、なんとも可愛い光景です♪」

……… <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/08/29(火) 01:22:59.19 ID:nCVSXbsl0<> …数時間後…

提督「起きて…起きなさい、エリトレア♪」建造装置のタイマーはあと数分になっている…

エリトレア「…むにゃ……エリトレアが…いっぱい食べ物を持ってきてあげましたから……ね…」提督の肩にもたれてすっかり夢心地のエリトレアは、遣日潜水艦隊への補給作戦でも夢見ているらしい…

カヴール「提督、まだエリトレアは起きませんか?…建造完了までもう少しですよ?」

提督「分かっているわ……仕方ないわね。……れろっ、ぴちゅ…っ♪」

エリトレア「ひゃぅっ!?」

カヴール「…」

提督「おはよう、エリトレア…そろそろ新造艦の娘たちが来るから、目を覚ましてね♪」

エリトレア「はいっ、目はすっかり覚めました!……あのぉ…提督、もしかしてエリトレアの耳を…」

提督「何のことかしら?…きっと夢でも見たのね♪」

カッペリーニ「ええ…私は何も見ていませんよ」

タッツォーリ「ふふ、私も見てないよ…」

エリトレア「そ、そうですか///」

カヴール「ほら…エリトレアも並んでくださいな」

エリトレア「はいはいっ♪」

提督「さぁ、来たわ…今回はどんな艦娘かしら」


…出てきたのは4人の大型潜で、淡灰色をした競泳水着スタイルの「艤装」に、三人は将校風の軍帽、一人は黒の僧服と金の十字架を首にかけている…おかしなことに軍帽をかぶったうちの一人は上半身だけアオザイのような民族衣装を羽織り、首元にアジア風のネックレスを付けている…きゅっと引き締まった脚と艤装からはみ出しそうなぱんぱんに張ったヒップ、すらりと整った身体は遠泳の選手にも見える…


提督「ようこそ、タラント第六鎮守府へ…司令のフランチェスカ・カンピオーニ少将です。では、自己紹介をお願い♪」一列に並んで敬礼する大型潜に堅苦しくない程度に答礼すると、茶目っ気のある笑みを浮かべてウィンクした

大型潜「はい。大型潜リウッツィ級、コンソーレ・ジェネラーレ・リウッツィです…よろしくね、提督さん♪」真面目そうな瞳が急にきらめいて、にっこりと歯を見せて笑った

大型潜「同じく、レジナルド・ジュリアーニ…巡礼の道を遠路はるばるやってまいりました…すべての勇士たちに神のご加護を……」僧服の艦娘は十字を切った…

大型潜「同じくリウッツィ級、アルピーノ・バニョリーニ。よろしくお願いするよ…ところで提督、君はとっても可愛いね……一緒にめくるめく世界に旅立ってみないかい?」提督のあごに手を当てて、甘い微笑を浮かべた

提督「あらあら…素敵なお誘いね♪」

カヴール「…こほん」

提督「…ごめんなさい、また今度ね?」

バニョリーニ「それは残念…おや、これまた何と美しい……高貴な貴婦人よ、初雪のように白くて柔らかな貴女のお手にくちづけを…」

カヴール「まぁ…お上手なのね♪」優雅にかわした

バニョリーニ「おや…手厳しい♪」

大型潜「…いいですか、バニョリーニ?……大型潜リウッツィ級、カピターノ・タランティーニです…今度は最後まで頑張りたいものです」

提督「そうね、一緒に楽しく過ごしましょうね♪…それと、紹介するわね。こちらの素敵なお姉さまが私の秘書艦を務めてくれている、コンテ・ディ・カヴール」

カヴール「もう、ほめ過ぎです…カヴールです、仲良くしましょうね♪」

提督「こちらが植民地スループのエリトレア…ジュリアーニは色々と付き合いもあったでしょうね」

エリトレア「ジュリアーニ、私です、エリトレアですよっ…お久しぶりですねっ♪」

ジュリアーニ「お久しぶりです、エリトレア…心身共に健康そうで何よりです」

エリトレア「はい、おかげさまで素敵な生活を送っています♪」

提督「こちらがカルヴィ級のエンリコ・タッツォーリ…ベタソム派遣組なら顔見知りよね?」(※ベタソム…ドイツの占領後、フランス・ボルドーに整備されたイタリア潜水艦基地)

タッツォーリ「お久しぶり…会えてうれしいね……」

バニョリーニ「あぁ…タッツォーリがいなくて淋しかったよ」

提督「そしてカッペリーニ級のコマンダンテ・カッペリーニ」

ジュリアーニ「お元気でなにより…また会えるとは、きっと主のご加護があったのでしょうね」

カッペリーニ「ええ、おかげで愉快に過ごしています…会えてうれしい♪」…優しく頬にキスをした

ジュリアーニ「///」
<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/08/29(火) 02:11:58.53 ID:nCVSXbsl0<> …新着艦紹介…


大型潜…リウッツィ級。1939〜40年生まれ。四隻


アルキメーデ級の発展型であるブリン級をさらに発展させたタイプ。船体形状の改善をほどこし、砲の配備箇所も建造当初から常識的な司令塔前部に改めてあるなど実用面で改良が施された。ブリン級と同じく性能も良好だったとされる

排水量は1148トン/1460トン。主機3500馬力(ディーゼル)/1500馬力(電動機)で18ノット/8ノット。兵装は533ミリ魚雷発射管を4門(艦首)/4門(艦尾)、100ミリ単装砲1基(司令塔前部甲板上)、13.2ミリ連装機銃2基(司令塔後部張り出し上)

………

「コンソーレ・ジェネラーレ・リウッツィ」と「カピターノ・タランティーニ」はそれぞれ40年に英軍と交戦し、「リウッツィ」は自沈、「タランティーニ」は撃沈されたが、残る二隻の「アルピーノ・バニョリーニ」「レジナルド・ジュリアーニ」は41年に司令塔の小型化を施し、ボルドー「ベタソム」基地へ進出、43年には「コマンダンテ・カッペリーニ」などと同じように日本への輸送任務に就くことになった。

…結局「バニョリーニ」は43年イタリアの休戦などでボルドーにいた所をドイツが接収、「UIT.22」として44年戦没したが、「ジュリアーニ」は日本やドイツの技術士官、貴重な図面などを積んでボルネオ・サバンに到着。ところがイタリアの休戦でこれも接収され「UIT.23」としてドイツ軍の指揮下に入り、最後は44年マラッカ海峡で英潜に沈められた…結局は撃沈されたとはいえ、「ドイツ潜に比べて性能で劣る」と言われたイタリア潜が見事にボルネオまで到着したあたりは、イタリア潜水艦乗りの技量が低くなかったことを証明している


…艦名は軍人で、「リウッツィ」がスペイン内乱に従軍した将軍、「ジュリアーニ」は第一次大戦でエチオピアに従軍した従軍僧、「バニョリーニ」は山岳兵(アルピーノ)の「アッティリオ・バニョリーニ」、「タランティーニ」は軍人「ラファエレ・タランティーニ」のことらしいが、日本では無名のためよく分からない…ちなみに「アルピーノ・バニョリーニ」はイタリア参戦早々の1940年6月10日前後に、ピットーニ中佐指揮のもとでイタリア潜初の戦果、英軽巡「カリプソ」を撃沈している


………

…艦娘の「リウッツィ」級は遠泳が得意で「ぼん・きゅっ・ぼん」の身体をしている。「リウッツィ」は行ってもいないアジアの民族衣装を羽織って出てくるなど、真面目そうで意外とお茶目、「ジュリアーニ」は従軍僧だけあって黒い僧服を羽織っている。「バニョリーニ」はイタリア潜初戦果を挙げた所からか女の子に対して手が早く、口説くのも上手。「タランティーニ」は戦没が早かったため少し影が薄い





<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/08/29(火) 11:24:53.65 ID:nCVSXbsl0<> …昼食…

提督「じゃあリウッツィの上着は…」

リウッツィ「全然関係ないの♪…なかなか面白かったでしょ?」本来羽織っているグレイグリーンの陸軍制服を椅子にひっかけると、「艤装」の水着の上から借りたワンピースを着こんで食卓についていた…

提督「お茶目さんなのね♪…カヴール、そのハムをもう少し切ってくれる?」

リウッツィ「…いいけど良く食べるのね?」

タランティーニ「提督は成長期なんでしょうか?」

カヴール「うふふっ…提督は朝食が少なかったので」

提督「はぁ、やっと人心地ついたわ…ワインをもう一杯いかが?」

ジュリアーニ「結構ですね…頂戴いたします」

提督「ボルドーの赤だけど、どう?」

バニョリーニ「うーん、懐かしいようなそうでもないような…」そう言いながら前に座った重巡トレントの手を撫でまわしている…

トレント「あの、バニョリーニ///」

バニョリーニ「どうしたんだい、可愛いお嬢さん?」

トレント「いえ…そんなに手を撫でないで///」

バニョリーニ「いけないかい?…こんなにすべすべしててきれいな手をしているのに♪」

カヴール「あらあら、これは提督並みの好色家ですね…♪」

提督「まぁ、失礼ね…私はちょっと愛が多いだけよ♪」

バニョリーニ「…おや、きみはなんて素敵な姿をしているんだろう…ぜひお名前を教えてくれないかな♪」今度は隣のフルットに目をつけ、ウィンクを送った

フルット「まぁ…嬉しいです……中型潜のフルットです…覚えておいででしょうか?」

バニョリーニ「なるほど…あのころから優雅で美しい姿だったが……よかったら私と波の向こうの新境地を開拓してみないかい?」

フルット「…それは素敵ですね♪」端正で優美なフルットはにこりとした…

トリケーコ「…提督、止めなくていいのですか?」ヒラメの香草焼きに没頭していたが、フルットの鈴を鳴らすような声を聞いて言った

提督「んー…まぁ、お互いに合意しているならいいんじゃないかしら♪」返事もそこそこにナポリ風のさくっとしたピッツァ・マルゲリータに取りかかり、それからヒラメに手を伸ばした

カヴール「それにしても…よく食べますね」

提督「ふふ…だってお腹が空いちゃって♪」

…隣のテーブル…

足柄「まぁ、よく食べるわねぇ…」足柄の位置からだと提督の様子がよく見える…テーブルマナーのいい神戸生まれの重巡は丁寧に食べながらも呆れたように言った…

カッペリーニ「ふふ、今朝はパン一個とサラダだけだったようですからね…♪」愛想がよく誰とでも仲良くできるカッペリーニは足柄とも親しく、日本にも詳しいのでいい話し相手になっていた

龍田「うふふ、かわいそうにねぇ♪……それにしても提督にはもっと食べて欲しいわねぇ…ほら、大きくなれないわよぉ?」百合姫提督にもっとハムを食べるか聞いた

百合姫提督「いえ、もう充分…美味しいけどお腹いっぱい」…レモン味のドレッシングがきいたサラダに始まり、さくさくして美味しいがとても大きなピッツァ二切れとスープ代わりのパスタ、メインはハーブのきいたヒラメにハムの厚切り、数種類のチーズ…百合姫提督はすっかり満腹で口元を拭った

カッペリーニ「おや、百合姫提督は少食でいらっしゃる…きっとそれがほっそりした体型の秘訣ですね♪」

足柄「あなたたちが良く食べるだけよ……もっとも、戦艦に限っていえばうちの鎮守府の方が食べるようだけど?」

カッペリーニ「イタリア艦は燃料搭載量が少ないですから…♪」

足柄「あー、なるほど…胃が小さいのね?」

カッペリーニ「いかにも…だからよく「お茶の時間」だとかでお菓子をつまんでいるんですよ」

足柄「なるほどね…」

カッペリーニ「さてさて…食後の甘い物に取りかかりましょう、今日はチョコレート・アイスクリームのようですね♪」

足柄「アイスクリンは白いのしか知らなかったから最初は驚いたわ…美味しそうじゃない♪」

龍田「イタリアはお菓子も美味しいものねぇ…いただきます♪」

カッペリーニ「ふふ、少しお待ちを…これをかけませんと」ガラスの小さい水差しには琥珀色の液体が入っている… <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/08/29(火) 20:48:40.53 ID:b3B3XcBgo<> 日米の燃料搭載量と燃費、航続距離がおかしいだけなんよねえ(太平洋が主戦場なので当然なんですが)
イタリアあたりは地中海あたりうろつければ充分だし(そもそも石油の備蓄が枢軸国は・・・)

そのかわりイタリアはやたら快速な艦が多いイメージ
<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/08/30(水) 00:36:49.32 ID:nKKkdaxJ0<> >>743 そのイメージでだいたいあってます…日・米艦は太平洋が主戦場なのでどうしても大柄、かつ脚の長い艦が多いですし、植民地が世界中にあったイギリスと、そのルートを脅かし通商破壊戦をもくろんだドイツ艦も脚が長いですね…


…他にも山本五十六長官は(明言こそしていませんが)どうやら日本海海戦の当初案だった漸減作戦、「七段構え」の焼き直しで米艦隊をすり減らし、最後は小笠原辺りに連合艦隊を進出させて決戦に持ち込む気だったようで、それを考えると日本が一式陸攻などにもやたら「航続距離を伸ばせ」と言っていたのが理解できます


…なんにせよイタリア艦は昔からデザインが素晴らしく、火力・装甲・速度の組み合わせがとても上手だった上に地中海の小ささもあって、燃料搭載を削って他のステータスに振れる強みがありましたから(…代わりに全速航行で二日もすると燃料が無くなるほどですが)…そのためか他国より一回り小さい艦で能力は同等と、使い方さえ誤らなければ優秀艦と呼んでいい艦が結構あります

…まぁ、とにかく当時の日本より国力に乏しいうえ、ムッソリーニが無策だったため「このままだと戦勝国の一員になれない」と、火事場泥棒的に参戦して燃料が三か月分しかなく、しかも「爆撃機があれば戦争は勝てる」と海軍への割り当てが減らされたので…日本のようにパレンバンみたいな資源地帯も近くになかったですし……なんにせよ、よく頑張ったと思います


…とりあえずイタリア艦はおしゃれで、長距離進出さえ考えなければ優秀ということで……


<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/08/30(水) 01:43:42.37 ID:nKKkdaxJ0<> 足柄「何それ?」

カッペリーニ「ラムです…少したらすと美味しいですよ」

足柄「いいわね、少しかけてもらえる?」

龍田「私もお願いするわぁ♪」

カッペリーニ「…では、頃合いになったらストップをかけて下さいね」

足柄「もういいわ」

カッペリーニ「では、龍田さんの方も…」

龍田「…はーい、ストップよぉ」

カッペリーニ「ではどうぞ♪」

足柄「んー、美味しいわ!…ほろ苦くて大人の味ね、とってもハイカラだわ♪」

龍田「本当ねぇ…風味がいいわぁ♪」

カッペリーニ「それはよかったです…♪」

…一方…

サウロ「うー…」

アヴィエーレ「どうしたんだい、サウロ?」

サウロ「何でもないの……うぇ…」チョコレートアイスクリームをにらみながら顔をしかめ、不味そうに舌を出している…

アヴィエーレ「…サウロ、交換しよう?……こっちはまだかけてないんだ」

サウロ「いいの?…いえ、でも私がかけちゃったんだもの…」

アヴィエーレ「サウロは先にかけちゃっただろう?かける前の味も知りたいと思ってね♪」

サウロ「ありがとう、アヴィエーレ…じゃあ、取り替えっこしてくれる?」

アヴィエーレ「もちろんいいとも…かわいこちゃんのためだからね♪」よくモテる「航空兵」らしく、格好よくウィンクしてみせた

サウロ「うん…じゃあ取り替えっこで」

アヴィエーレ「あぁ、いいよ♪」

ザラ「ふふ…微笑ましい光景ね……って、ポーラ?…どれだけ飲めば気が済むのよ?」

ポーラ「たまにはぁ、ラムもいいですよねぇ……それよりポーラはぁ…なんだか熱くなってきましたぁ〜♪」食べ終えたアイスの器にラムを注ぎ、くいっと空けるポーラ…フリルブラウスの胸元を開き、とろんとした目でザラを見た…

ザラ「…ごくっ…ポーラ、お昼が終わったら……一緒にお昼寝しましょうね///」

ボルツァーノ「はぁ…ザラとポーラのべたべたぶりも相変わらずですね……」髪色が違う真面目なポーラ…のように見える重巡ボルツァーノは、参考になったザラたちとは従姉妹のようなもので仲良くしていた……とはいえ、しょっちゅうベッドやベッド以外の場所であんあんと嬌声をあげているザラたちには、半ばあきれていた…

…別のテーブル…

エクレール提督「なるほど…美味しいですわね」別の一角ではエクレール提督とリシュリュー、ジャンヌ…そして端正な姿の軽巡エウジェニオが一緒に座っていた

ジャンヌ「はい、美味しいと思います」

エウジェニオ「ふふ、それは嬉しいわ…でも、もっと美味しいものも……試してみない?」ぞくぞくするほど美しい顔をジャンヌに近寄せ、ふとももに手を置き、反対の手で頬を撫でた…

ジャンヌ「やめてください!…このジャンヌ、そのような趣味はありませんっ///」

エウジェニオ「ふふ…それにしては顔が赤いのね♪」

ジャンヌ「いきなりそんなことをされたら赤くなるに決まっています!」

エウジェニオ「いいじゃない…イタリアなんだもの、ひとときの愛に溺れてみましょう…?」

ジャンヌ「コマンダン、助けてください…///」

エクレール提督「ジャンヌが嫌がっておりますわ……フランチェスカ…こほん、カンピオーニ提督も「合意なしはだめ」とおっしゃっていたはずですわね?」

エウジェニオ「ええ、そうでした…ジャンヌ、貴女があまりに初心で可愛いんだもの♪」

ジャンヌ「か、可愛い///……いえ、騙されはしませんよ!」

エウジェニオ「ふふ…なら午後はそちらで、フランス語でも教えてもらおうかしら♪」

エクレール提督「フランス語の勉強なら……まぁ、構いませんわ」

エウジェニオ「うふふ、メルスィ♪」

……… <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/09/01(金) 01:16:46.22 ID:29KWJaYN0<> …午後・提督執務室…

提督「はぁぁ…それにしても、よくもまぁこれだけの申請書類を思いつけるわね…」

カヴール「文書便の直後はたいていこうですものね…」提督の執務机の上にある「未処理」の箱いっぱいに積まれた書類の山を見て、二人でため息をついた

提督「えー…「払い下げ家具使用申請書」、「艦娘食事手当申請書」、「艦娘被服手当申請書」…とにかく主計部からの申請書もろもろ……きっと海軍士官にフラれた恨みでもあるのね…」

カヴール「まぁまぁ……よく言うじゃありませんか、主計長と軍医長、機関長はたいてい暇人だ…って♪」

提督「私もそれは知ってるわ…でも、機関長と軍医長がヒマなのはいいことだけど、暇な主計はたいていこういう嫌がらせをしてくれるのよ……」やたら細かい表をひらひらさせて言った…おまけにたいていの見出しに「〜は別項を参照のこと」と書き加えてある

カヴール「でも、これで最後ですから…さ、頑張りましょう♪」

提督「ふー…やっと終わりなのね……って、これは何?」山ほどあったファイルに混じって、大きな厚手の封筒が入っていた…提督がペーパーナイフで封を切ると、中からカラフルなカタログのようなものが出てきた…

カヴール「企業の通販カタログでしょうか?」

提督「それは文書便じゃなくて普通の郵便で来るはずだから……えーと、なになに?」…カタログの表紙には車いすから立ち上がっているあどけない少女に、抱きしめたくなるような子犬と子猫、それに松葉杖を置いて家族と抱き合っている感動的な写真が配されている……

提督「発行元は…社会福祉公社?」

カヴール「どうも海軍とはあまり関係がなさそうですね?」

提督「そうよね…あ、待って」封筒の中にはもう何枚か紙が入っていた…

提督「…ふーん。なるほどね」

カヴール「何と書いてありました?」

提督「読む?」

カヴール「はい……えーと、「海軍施設におけるアニマルセラピー、および捨て犬、捨て猫対策に係る「社会福祉公社」との協同プロジェクトについて」…つまり……」

提督「…鎮守府で犬か猫を飼うように、ってことね」

カヴール「なるほど…犬や猫は可愛いと思いますが、私たちは動物を飼った経験なんてありませんよ……提督はどうですか?」

提督「実家に大型犬がいるわ…まぁ、すぐにわんこやにゃんこが来るわけじゃないみたいだから、その間に飼育の手引きを読んだりして準備しましょう……確かに施設は広いし、みんなの遊び相手やマスコットにいいかも知れないわね♪」

カヴール「それもそうですね…さぁ、今度は報告書を片づけましょう」

提督「はー…」

………

…同じ頃・エクレール提督の客室…

エクレール提督「…そうです、この時は複数形の冠詞が付きますの」…午後は会議室で流している映画を見に行くことが多いエウジェニオが、どういう風の吹き回しか「フランス語を教わりたい」と言い出したので、エクレール提督とジャンヌがそばに付いて教えていた

エウジェニオ「…ル・ヴァトゥュー・エ・グリィ(その車は灰色です)」鼻かぜにかかったような鼻から抜ける音の多いフランス語も、エウジェニオにはたやすいらしい…

エクレール提督「ええ、正解ですわね…」きれいな発音に、さすがのエクレール提督も文句のつけようがない

エウジェニオ「ふふ…面白いわ」時々隣に座っているジャンヌのふとももを眺め、いたずらっぽい微笑を浮かべている

エクレール提督「さてと…これで冠詞の単数と複数、女性と男性の使い分けができるようになりましたわね?…サ・ヴァ(よろしい)?」

エウジェニオ「ウィ、大抵はイタリア語と同じですから…ところで」

エクレール提督「はい、なんですの?」

エウジェニオ「この複数の時は…えーと、何でしたっけ♪」含み笑いをしながら例文の一つを指差した

エクレール提督「さっき出来ていたではありませんか…この時の冠詞はル(Les)ですわね」

エウジェニオ「冠詞は「ル」…ですね」

エクレール提督「ビアン(よろしい)、今日はこの辺にしておきましょう……何がおかしいんですの?」

エウジェニオ「うふふ…定冠詞の「Les」を覚えて、お褒めの言葉が「ビアン」……なるほど、つながっているんですね♪」…Lesをわざと「レズ」と呼んで、ちろりと舌を出してウィンクした

エクレール提督「な…何を言っているんですのっ///」

ジャンヌ「え?……あっ///」

エウジェニオ「うふふっ…楽しいフランス語講座をありがとうございました。それでは、アデュー♪」

エクレール提督「あぁ、もう…結局からかいに来ただけですのねっ!?」

……… <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/09/01(金) 09:47:35.63 ID:YESDLWJ7o<> 猫は洋の東西を問わず船には付き物ですな
WW2の軍艦だとビスマルクやアークロイヤルなんかに搭乗してた黒猫オスカーが有名ですな
乗ってる艦が沈んでもその都度救助される強運猫ですな
艦これ提督的には猫はちょっとアレではありますが <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/09/02(土) 00:59:38.92 ID:5VNjJiLw0<> >>747 艦これはやってないのですが、確かエラー表示の時に出てくる「妖怪猫吊るし」でしたか…?

…猫と言えば雄の三毛猫は数万頭に一匹なので幸運を呼ぶとかで、漁村で大事に扱われるなどと聞いたことがあります。他にもヨーロッパで「黒猫が目の前を横切ると不吉」というのも、黒猫が不吉なのではなくて「幸運の黒猫が行ってしまうから不吉」なんだそうで…座敷童が出て行く家みたいなものでしょうか…

ちなみに鎮守府のマスコットは犬にするつもりです、猫は飼ったことなくてよく分かりませんから… <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/09/02(土) 02:08:04.21 ID:5VNjJiLw0<> …廊下…

提督「それにしても…アニマルセラピーねぇ……飼うのは意外と大変だし、ちゃんとみんなにも勉強してもらわないと」…ドシン!

カヴール「そうですね、送られてきたパンフレットにも飼い方の手引きがありましたから勉強することにしましょう」…ドシン!

提督「それにしても、犬ねぇ…カヴールはどんなわんこがいい?」…ドシン!

カヴール「そうですねぇ……大きさは小さめで、なにより可愛いのがいいですね♪」…ドシン!

提督「…さっきから階段のほうでドシンドシン言っているけど、一体何の音?」…ドシン!

カヴール「さぁ…巨人でも現れましたか?」

提督「…見に行きましょう」

エウジェニオ「あら、提督…さっきから工事みたいな音がしてるけど、そういう予定ってあった?」

提督「ないから見に来たの…エウジェニオは、なにか心当たりある?」

エウジェニオ「ないわ。私はてっきり提督の足音かと……もう、冗談よ♪」…ギロリとにらまれて手をひらひらさせた

カヴール「だめですよ、エウジェニオ…提督ったら、せっかく減らした体重が元に戻ってしまったものですからおかんむりなんです」

提督「だってあれだけひーひー言わされて、体重計に乗ったら前と変わらないんじゃ…ねぇ?」そう言いながら広い中央階段を上から見おろした…

チコーニャ「…ふぅ、ふぅ…はぁぁ……やっぱりお昼寝の時間帯にやるんじゃなくて、もっと後の時間に誰か呼んだ方がよかったと思うなぁ…」

ガッビアーノ「はぁ、はぁ……ふぅ…仕方ないよ、私みたいなエトランゼは孤独を好むのさ……それに、みんなの時間を邪魔するのもよくないからね」音の正体はコルヴェット「ガッビアーノ」と「チコーニャ」で、がっしりした棚を両方から支えて、一段ずつ階段を登っている最中だった…が、小柄な二人では腕も回しにくく、とっかかりの少ない棚に悪戦苦闘していた……

提督「…ちっともそんなことないし、もっと遠慮せずに頼って欲しいわ♪」階段を下りて行ってガッビアーノにウィンクした

カヴール「ええ、同じ鎮守府の一員ですもの…言って下されば運んであげましたのに」

エウジェニオ「ふふ…何でも一人でこなせる女性は素敵だけど、無理することはないわ……それに、せっかくの棚に傷が付いちゃうでしょ♪」

ガッビアーノ「それもそうだな…ふふ、このカモメに手を差し伸べてくれるとは優しいことだね」

チコーニャ「ふぃー…ありがとうございます。もう腕が痛いですよ…」

提督「無理もないわ…じゃあ、上着をお願い……カヴール、そっちを持って?」ぱさりと制服の上着を脱いでチコーニャに預け、白いキャミソール一枚で棚の下に手を入れた…

カヴール「チコーニャ、私のもお願いします」きれいなレースの羽織りものを預け、お気に入りらしい袖なしの黒いタートルネックだけになった

提督「いい?」

カヴール「はい、いつでもどうぞ」

提督「了解…せーのっ!……うぐぅ!」提督はがっしりしているが小ぶりな棚と油断していた…大きさの割にかなり重く、変なうめき声が出る……酔っ払いのようなおぼつかない足取りで、円の半周分はある、広いらせん階段が向かいあった形の階段を一歩づつ登る…

カヴール「…なるほど、これは少し大変だったでしょうね……ね、提督?」

提督「…な…に」

カヴール「あの…大丈夫ですか?」

提督「…平気…だから……んぐぅ…」

エウジェニオ「あぁ、もう真っ赤になっちゃって…私も手伝ってあげる♪」すっ、と隣に手を差しいれて持ち上げた…

提督「ふぅ…すごいわね…」

エウジェニオ「高出力の主機だもの♪…って言うよりも、可愛い提督はちょっと腕の力が弱いんじゃない?」

提督「ふー…ひー……ええ、そうですとも…」

エウジェニオ「もう、すねないの…そんな提督も可愛いわよ♪」

カヴール「エウジェニオ、私の前でいちゃつくのはやめて下さいな……最後の一段に気をつけて下さいね」

エウジェニオ「ふぅ…これで階段はおしまい、と♪……さ、一旦下ろしましょう」棚をそっと置くと手に付いたほこりを払った

提督「ひー…ふー…はー…みんな力持ちねぇ……」

カヴール「まぁ、私も一応ド級艦ですし…」

エウジェニオ「さぁ提督、とっとと運びましょう…終わってからのんびりすればいいわ♪」

提督「えぇ…それも…はー……そうね…」

ガッビアーノ「もう階段はないし…提督、無理しなくても大丈夫だよ」

<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/09/02(土) 02:42:02.94 ID:5VNjJiLw0<> 提督「…ふー…大丈夫、あとちょっとだもの」

カヴール「そうですか?……では、いきますよ」

エウジェニオ「…せーのっ♪」

提督「んぐぅ…んんっ!」

チコーニャ「針路そのまま…はい、もうちょっとです!」

ガッビアーノ「ドアの前に来たよ……カヴール、取り舵四十で後進微速…」

カヴール「はい…っ」

ガッビアーノ「提督、エウジェニオ…そのまま部屋に入って……ようそろー」

提督「ふうっ…んぐ…っ」

エウジェニオ「了解。…で、置き場所は?」

ガッビアーノ「その位置で壁際に置いてもらえる…かな」

エウジェニオ「いいわよ♪…提督、手を放して」棚をそっと下ろした

カヴール「位置はいいですか?…下ろしますよ?」

ガッビアーノ「うん…いいよ♪」

カヴール「…よいしょ……ふー、これで一件落着ですね♪」

エウジェニオ「ふふ、これからはもっと頼りにしていいのよ…それじゃあね♪」ほほに手際よくキスをすると、小さくウィンクして出て行った…

カヴール「そういうことですね。だって、お互い家族みたいなものじゃありませんか……ね、提督♪」

提督「ええ…ぜぇ…はぁ……ガッビアーノ、あんまり一人で…ふぅ……背負いこんではだめよ?…何でも聞いてあげるから、ね♪」

ガッビアーノ「優しいんだね…ここのみんなは……ところで///」

提督「…なぁに、他にも頼みごと?何でも聞いてあげるわよ?」

ガッビアーノ「いや…何ていうのかな……乳首が透けてるんだよね///」そう言って少し視線をそらした…

提督「…え」…見おろしてみると確かに汗だくになったキャミソールが張りつき、胸が透けている

カヴール「まぁ、ふふっ…きっと頑張ったごほうびですね♪」

ガッビアーノ「…綺麗なピンク色だと思うよ///」

チコーニャ「わわ…っ、胸大きいですね///」

提督「その…ほめてくれるのは嬉しいけど……あぁもう、着替えて来るわ///」

カヴール「あらあら…残念♪」

提督「…見回りの続きは通信室からだから…カヴール、先に行って待っていて」

カヴール「…いえ、私も提督のお着替えを手伝います♪」

提督「んふふっ…そう?……あー、でも駄目…きっと着替えが終わらなくなっちゃうから…」

カヴール「残念です…では、私も部屋で着替えてきますね」

提督「それならいいわ…じゃあ、通信室で」

カヴール「はい♪」 <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/09/02(土) 10:32:02.84 ID:5VNjJiLw0<> …通信室…

提督「あ、涼しい…♪」部屋の浴室で軽くシャワーを浴びて汗を流し、さっぱりとした気分で半袖ワイシャツの制服に身を包んだ提督…レーダーや電子機器に影響がないよう、エアコン完備の通信室は冷たい冷蔵庫のような匂いがした…

提督「これはいいわね、今日は暑いもの……カヴールはまだみたいね」大きなレーダー画面には民間船のコンタクトだけが映っている

提督「はー…座らせてもらいましょうか、と……うわっ!?」むぎゅ!…中央の大きな机に近寄った瞬間、何かを踏んづけた提督

声「痛った…ぁ!?」

提督「一体なにが…あら?」…床から誰かがむっくり起き上がった

シエスタ「…もう、ひどいですよぉ……せっかくいい心持ちでお昼寝していたのに…」ぱんぱんと服のホコリを払い、寝ぼけまなこで文句を言うのはバリラ級大型潜の「アントニオ・シエスタ」寝起きのぽーっとした表情と、はだけ気味のブラウスが妙に色っぽい…

提督「…シエスタ、どうしてこんなところに?」

シエスタ「いえ…この部屋は涼しいですから、お昼寝にいいかなぁ…って思ったんです」

提督「床で寝てたの?…固くて寝にくいでしょうに……」よく見ると床にビニールシートを敷き、ブランケットまで持ってきている…

シエスタ「見ての通りですよ…ぉ……ふわぁ…ぁ…」

提督「シエスタ…一応ここは通信室で、レーダー室でもあるわけ。当直で来ているならともかく、お昼寝に使うのはちょっと……」ゴト…すみっこの方で鈍い音がした

提督「…」近寄ると大きめのロッカーがある…

提督「…えい!」ロッカーを開けた…

リボティ「やぁ、提督…相変わらずきれいだね♪」…ショーツを足下にずりおろし、胸をはだけたままのリボティがロッカーの中に入っていた

バティスティ「これは…その……えへへぇ///」リボティと脚を絡め合ったまま、はにかんだような表情を浮かべている…上半身は裸で、身に付けているのはスカートだけ、それもリボティにめくりあげられている…

提督「あら、相変わらずきれいだなんて、リボティは上手ね♪……それで?」

リボティ「…恋の迷宮に閉じこめられた子羊を導いてあげていたのさ♪」

提督「…可愛い子羊を食べちゃう狼の間違いじゃなくて?……で、何をしてたの?」

リボティ「ロッカーが倒れそうなほど濃厚なレズセックスを…ね♪」

提督「はぁ……合意の上なら好きにしていいとは言ったけど、場所まで「好きな所で」とは言わなかったはずよ?」

リボティ「通信室はいけないとは言われなかったからね…密着感があって、視界いっぱいに可愛い相手の姿態が入ってくるからなんともよかったよ。提督もライモンドと試してみたらどうかな?」

提督「そうね、それもいいかもしれないわ♪……って、言うと思う?」

リボティ「言わないのかい?…てっきり大賛成すると思ったのにね」

提督「…ふふ、だってロッカーじゃ立ったままでしか出来ないでしょう♪」

リボティ「なるほどね…さすが提督だ」びっしょりと濡れたショーツを丸めると手に持ち、ブラウスを着直してひょいと出てきた…

バティスティ「ねぇ、リボティ……私、まだじんじんしてるの///」後ろからしがみつき、ねだるように腰を擦り付けている…

リボティ「ふふ…バティスティはイケナイ子羊ちゃんだね……♪」

提督「…二人とも」

リボティ「おや…どうしたんだい、提督も交じりたいのかな?」

提督「いいえ、二人の時間を邪魔したりしないわ♪……そうじゃなくて、あとでロッカーを掃除しておくこと」

リボティ「…了解。行こう、バティスティ♪」

バティスティ「うんっ♪…ね、今度はどこでするの///」

リボティ「さぁ、どこだろうね…♪」手を「恋人つなぎ」にして出て行った…

提督「…」

シエスタ「…はぁ…びっくりです……ロッカーの中でもするものなんですね…」

提督「普通はしないわ…目が覚めた?」

シエスタ「はい、はっきりと……何とも驚きました///」 <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/09/03(日) 00:54:08.95 ID:duo4+D+D0<> カヴール「遅くなりました。……あら、シエスタがここにいるなんて珍しい…お昼寝はいいんですか?」涼しげな花柄の白いサマードレスに着替え、唇には桃色のルージュをさし、長い髪も内側にくるりとカールさせている…

シエスタ「あぁ、カヴール…私、ここでお昼寝してたの……寝起きにかなり強い刺激をもらったけど」

カヴール「と、言いますと?」

提督「んー、通信室の目的外利用って所だけど…まぁ、気にしないで♪」

カヴール「何とも腑に落ちない話ですね……電話が鳴ってますよ?」ルルルッ…ルルルルッ……鎮守府内の黒電話や壁掛け電話には慣れているが、まだボタン式の電話であたふたしてしまうカヴールは提督をうながした

提督「はいはい、私が取るわ……もしもし、イタリア海軍イオニア海管区・タラント第六鎮守府です」長い肩書をつっかえずに言えた提督はカヴールたちにウィンクした

カヴール「ふふっ…喜ぶ提督は可愛いですね♪」

提督「…はい、じゃあすぐ呼ぶから待っていてもらえる……ところで貴女の声、とっても素敵ね♪…呼ばないでずっと聞いていたいわ……あら、そう♪」受話器を押さえて振り向いた

カヴール「…どちらからです?」

提督「国際電話…日本からよ。姫と足柄、龍田を呼んでくれる?」

カヴール「はい♪」内線の黒電話を回した…

…数分後…

提督「あー…姫ならちょうどいまやって来たわ、それじゃあ代わるわね♪」息を弾ませている百合姫提督に受話器を渡した…

百合姫提督「ふぅ…横須賀から電話がかかっているそうね?」白地に藍の金魚柄を染め抜いた浴衣で駆けてきた百合姫提督…走りやすいように裾をめくっていたらしく、ちらちらと白いふくらはぎがのぞく…

足柄「駆逐艦の娘たちが会いたくてぴーぴー言っているんじゃない?」すみれ色の着流し姿で髪を結い上げた足柄…ほっそりした精悍な身体つきと着物がよく似合う

龍田「うふふ…案外天龍ちゃんかもしれないわねぇ…♪」こちらは一見すると地味な黒地の着物だが、背中いっぱいに荒々しい鯉の滝登りを染めてある…

百合姫提督「はい、代わりました…ふふ、久しぶりかもしれないわね。そっちはもう夜でしょうに、わざわざ嬉しいわ……あ、ちょっと待ってね」いったん受話器を離した…

提督「…スピーカーに切り替える?」

百合姫提督「ええ」

提督「はい、切り替わったわ」

電話の声「…もしもし、提督?」

足柄「あらま、誰かと思ったら間宮?」

龍田「まぁ、通信能力の高い船だものねぇ…」

百合姫提督「はい、聞こえてるわ。足柄と龍田も横にいるから、声を聞かせてあげるわね…」

足柄「もしもし、聞こえる?」

間宮「…聞こえてますよ、イタリアはどうですか?」

足柄「いい所よ。そっちに比べてカラッとしてて涼しいし、イタリヤだけあってハイカラな洋食がいっぱいあるわ…例のメモもちゃんとつけてるから安心しなさいね」

間宮「そうですか、ではイタリアからの「機密情報」に期待していますね♪」

足柄「はいはい…龍田、あなたも何かしゃべりなさいよ」

龍田「うふふ、そうねぇ……間宮、聞こえるかしらぁ?…イタリアはいい所よぉ。ちょっとだけイタリア艦のみんなと訓練する以外は一日中おしゃべりして、美味しいもの食べて、テレビ見たりしてだらだらしてるわぁ♪」

間宮「まぁ、そうですか…でも、あんまりテレビは見過ぎてはいけませんよ?目が悪くなりますから。それと、慣れない食べ物ですからあんまり量を過ごさないようにして下さいね…水も硬水でお腹を壊しやすいですから、時々正露丸を飲んだ方がいいですよ?」

龍田「うふふっ、まるでお母さんねぇ…分かってるわよぉ。そういえば、天龍ちゃんは私がいなくて平気かしらぁ……泣いたりしてないわよねぇ♪」

天龍の声「…おいこらぁ!自分の姉に向かって何てこと言うんだ…そっちこそ訓練でマカロニ艦相手に負けたりしてないだろうな!?」向こうで電話越しに啖呵を切る声が聞こえた

龍田「あらあらぁ…天龍ちゃんが怒ったぁ♪」

百合姫提督「ふふ♪…天龍、龍田も口ではこんなこと言ってるけど、ちゃんとお土産を買ったりしてるのよ♪」

天龍「…そ、そっか……悪いな///」

龍田「もう…天龍ちゃんがそんな風にしおらしいと、こっちまで恥ずかしくなってくるわぁ……///」

足柄「何だかんだで仲良しなのよね♪」
<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/09/03(日) 01:52:37.79 ID:duo4+D+D0<> 百合姫提督「ところで、ほかのみんなは元気?…せっかくだから声を聞かせて?」

間宮「はい、わかりました……さ、どうぞ?」

雷「もしもし、提督…元気にしてる?」

百合姫提督「ええ、雷は元気?」

雷「元気よ、電もいるわ」

百合姫提督「そうなの、電?」

電「はい、電も隣にいるのです♪」

百合姫提督「ふふ、二人とも元気そうね♪…横須賀で変わったことはあった?」

電「んー…あ、おやつに置いておいてくれたクッキーはとっても美味しかったのです♪…雷と「あーん」で食べさせあいっこもしたりして、楽しかったのです♪」

百合姫提督「ふふ、よかった♪」

足柄「何ていうか…あの「タメ」の二人は相変わらず仲良しみたいねぇ」

提督「…タメ?」

龍田「うちの鎮守府で雷と電を呼ぶときにそう呼んだりするの…雷電為右衛門からついたあだ名なのよぉ」
(※雷電為右衛門(らいでん・ためえもん)…江戸時代、不世出の大力士。大関までしかなかった江戸時代に16年も大関の地位にあった)

提督「でも、またどうして相撲の力士があだ名についたの?」

百合姫提督「帝国海軍は相撲を推奨してたから、みんな詳しくて…大相撲中継を見てても解説者顔負けなのよ♪」

提督「へぇ…」

百合姫提督「ふふ、声がきけて良かったわ…暁と響はいる?」

暁「いるわよ。提督、聞こえる?」

響「響もいるよ…元気そうで何より」

百合姫提督「ええ、元気いっぱいよ♪」

響「それは良かった……他のみんなにもかわるよ」

松「提督、お元気でいらっしゃるようで何よりです…あの焼き菓子は確かに美味しかったです」

竹「ふふっ、うーんと背が伸びそうでした♪」

梅「そうそう…わらわの梅酒は上手にできたのでな、暑気払いにみんなで飲んでおるぞよ♪」

百合姫提督「そう、飲み過ぎないようにね♪」

宗谷「あ゛ー……提督ぅ…こっちは暑くて死にそうです……身体は重いし、南極とか涼しい所に行きたいのー……」

百合姫提督「南極はちょっと無理ね…冷房を入れて頑張って?」

宗谷「はーい…あ゛づー……死ぬぅ…」

雪風「もう、私たちで冷ましてあげますよ…ふぅー♪」

吹雪「ふーっ♪」

初雪「ふー♪」

如月「…ねっ、如月の頃を思い出して涼しくなったでしょ?」

宗谷「あー…涼しい……という訳で、こっちは熱波で溶けかけてます…以上、横須賀の宗谷でした…」

赤城「…こんな具合でいつも通りです、提督♪」

百合姫提督「みたいね♪」

大淀「そうなんです、何しろ加賀さんときたら赤城さんと時雨が作ってあげたかき氷を急に食べたものですから…」

百合姫提督「…「頭にきました」って?」

大淀「あ、どうして先に言っちゃうんですか!」

足柄「ぷっ♪…またべたべたなダジャレを……くくっ♪」

大淀「…そう言えば提督、この前の夏場の作戦……」

百合姫提督「…お疲れサマー」

大淀「あぁ、もう!」 <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/09/03(日) 15:14:51.22 ID:duo4+D+D0<> 百合姫提督「ところで…」

大淀「なんですか、提督?」

百合姫提督「えーと…大淀に相談したいことがあるの」

提督「…カヴール、シエスタ、お茶でも飲みに行きましょう♪」

カヴール「はい♪」

シエスタ「了解です…ふわぁ……」

提督「終わったら普通に受話器を置けばいいようになっているから…あとでね♪」

百合姫提督「ええ、またあとで」

…数分後・食堂のテラス…

カヴール「さぁ、どうぞ。冷たいレモネードですよ♪」テラスにある席までカヴールが飲み物を持って来た。大きなガラスの水差しいっぱいにレモン水と氷が入っている…

提督「ありがとう、いただくわ…それにしても暑いわねぇ……」

フルット「全くです。おや、これは冷たそうなレモネードですね…」水を滴らせたフルットが髪をかきあげながらやって来た

提督「けほっ…!」水で張りついた競泳水着がフルットの滑らかな線を強調して、見惚れていた提督はうっかりレモネードの氷を飲みこんだ…

カヴール「よかったらどうぞ……あの、どうしてそんなに濡れているんです?」

フルット「暑いので少し遠泳を…」

提督「なるほど…それは涼しそうね♪」

フルット「ほんの十キロほど」

提督「…十キロ?」

グラウコ「青く澄んだ海は素敵でしたよ…提督もひと泳ぎなさっては?……それとも、ひんやりしたベッドの上でひと泳ぎなさいますか?」ぽたぽたと水を垂らしながら、青い瞳で誘惑するグラウコ

オタリア「何しろ今日は暑いから、毛皮を脱ぎたくなっちゃう…♪」姉に負けじと競泳水着のスリップを肩から外し、大型潜らしいたわわな胸をちらりとのぞかせるオタリア…

フォカ(大型敷設潜フォカ級)「ほんと…アザラシ皮なんて夏は暑いし汗で滑るし……ビニールにでもしておけばよかったわ」

アトロポ(フォカ級)「じゃあ切ってあげましょうか…」しゃきん…とハサミを鳴らすアトロポ

フォカ「冗談じゃないわ!……おぉ、こわっ」

サンタローサ(中型潜バンディエラ級)「…もう、みんな速すぎですよぉ」淡いグレイと濃いグレイの斑点迷彩を施した競泳水着はきりっとした感じに見えるが、少しむちむちした体があちこちからはみ出しかけていて、むやみに色っぽい…

提督「あら、サンタローサも遠泳?」

サンタローサ「そうなんです…最近またお腹周りが……あとお尻も…」ぴちぴちの水着を引っ張ると、ぱちんと音を立ててヒップに食い込んだ…

フォカ「またサドル・タンクが大きくなったのよね♪」

サンタローサ「もう、その話はしないで下さいよ…」

カヴール「あらあら♪」

ナルヴァーロ(スクアロ級中型潜)「…う、その話はこちらも耳に痛いですね」イッカクの角が生えたような飾り付きのサークレットと白い水着のナルヴァーロは、自分のお腹をつまんだ…

トリケーコ(スクアロ級)「さぁ…何のことか分かりません♪」トリケーコ(セイウチ)は水族館のセイウチたちがよくやるように手を口もとにあてた…

提督「ディアナに魚介は減らしてもらうように言った方がいいかしらね?……ところでスクアロとデルフィーノは?」

ナルヴァーロ「スクアロは午後の映画です…サメ特集だそうなので……デルフィーノは…」

デルフィーノ「…呼んだ、お姉ちゃん?」食堂から顔を出した

ナルヴァーロ「あら、ここにいたの……どうかしたの?」

デルフィーノ「な、何でもないよっ…♪」頬を赤らめて妙にあたふたしている…

ディアナ「…デルフィーノ、ズッキーニだけじゃなくてほかにも何か持っていきますか?」厨房からディアナの声がした

デルフィーノ「…いいのっ、もう大丈夫だから!……じゃあね、お姉ちゃん、提督っ///」

提督「…ズッキーニねぇ」

カヴール「デルフィーノはイルカですものね…ふふっ♪」

……… <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/09/05(火) 01:33:54.22 ID:XbTgqcyh0<> …夜…

提督「こほん…みんな、少し話したいことがあるの」立ち上がって声をあげると、周囲のざわつきが次第に収まる…

提督「はい、ありがとう……えー、もしかすると、この鎮守府にみんな以外の仲間が増えるかもしれません」…ざわざわがまた大きくなり、チェザーレが意味ありげに咳払いをした

提督「ありがとう、チェザーレ…ちなみに仲間っていうのは「艦娘」の事じゃなくて、捨てられたり、野良になっていたワンちゃんや猫ちゃんなの」送られてきた文書をかみ砕いて説明する提督

セラ「じゃあ、ここに犬か猫がやって来るの?」

提督「その予定よ」

サウロ「わぁ、可愛いネコちゃんがいいです♪」

アオスタ「利口な犬がいいわね♪」

パンテーラ「猫がいいわね…仲良く出来るもの♪」

ガリレイ「犬かな…色々教えられるし、「ネコのヒゲ」は素材にはなるけど引っかかれるし…」

提督「あぁ、待って。…そのことで言いたいことがあるの」

リットリオ「名前を決めるんですね♪」

ムレーナ「…なら私が名付け親(ゴッドファーザー)になろう」得意のマーロン・ブランドの物真似をして、周囲にいた艦娘たちにウケた

提督「そうね、名前も付けなくちゃいけないわね♪…でも、その前にみんなには犬・ネコの飼い方についてよく勉強して欲しいの……コリドーニ」

コリドーニ「はいはい、出来てますよ!…はーい、一部ずつね!早くしないとなくなっちゃうよ!」ハンチング帽に袖をまくったワイシャツ、ネクタイ姿で号外のように冊子を配る…

チェザーレ「ふむ…「犬と猫の飼い方マニュアル」か…」

アクィローネ「なるほど…これでお勉強すればいいわけですね!」

提督「そうなの。「可愛い」っていうばっかりではいけないもの…実際に譲渡されるまでによーく読み込んで、しっかり覚えておくこと!」

一同「「了解っ」」

提督「結構…それではお話は終わり、後は自由にどうぞ♪」席に着くとまた和やかな食事が再開した…

カヴール「…提督にしては珍しいですね」

提督「何が?」熱くてとろけそうなラザニアを取り、ふーふーしながら応えた

カヴール「いつもなら優しい言い方をなさるのに、このことに関してはとても真剣でいらっしゃいました」

提督「あー…そうね。……実は子供のころ、そういう境遇の犬を引き取ったの。以来実家で飼う犬はみんな保護された捨て犬とか野良犬で…言わなかったかしら?」

カヴール「初耳ですね…そもそも提督のご家族についてはあまり聞いたことがありませんでしたから」

提督「そういえばそうね。何しろここの暮らしは天国みたいだから「家族に会いたいな…」なんてホームシックになることもないのかも知れないわ」

カヴール「ふふ、天国ですか…ハーレムではなくて?」

提督「人聞きが悪いわね…私はハーレムみたいにはべらせてどうこうじゃなくて、みんなの一人ひとりが好きなの。…もちろんカヴール、貴女もね♪」ウィンクをとばし、それからラザニアに取りかかった

カヴール「もう♪…あ、もう少し冷まさないと熱いですよ?」

提督「あつっ!?……はひっ、はふっ!」あわててワインを流し込む…

提督「はぁー、熱かった…舌先に火傷したんじゃないかしら」

デュイリオ「ならデュイリオが冷ましてあげましょうね…んちゅっ、ちゅるっ……ぴちゅっ♪」隣に座っていたデュイリオが提督の顔を向けさせると、舌を滑り込ませた…

提督「んっ!?…んっ、ん……ちゅるっ、ぴちゅ…ん、ちゅ……///」

デュイリオ「うふふ…舌先は冷めました?」

提督「も、もう…いきなりするなんて……舌の熱いのは収まったけど、今度は身体が火照って…///」

デュイリオ「まぁ、ふふふっ…♪」

リットリオ「……提督、リットリオも舌先をやけどしちゃったの…ね、冷やしてくれる♪」

ドリア「あふっ…熱いラザーニアで火傷しちゃいました…♪」

エウジェニオ「あんっ…ラザニアを胸元にこぼしちゃったわ、冷やしてくれる?……ね、提督♪」乳房の下を手で支え、寄せあげて艶めかしい声をあげる…

カヴール「……やけどは冷水で冷やすのが一番ですよ…よかったらどうぞ♪」

リットリオ「むぅ…」

ドリア「あらあら…おばあちゃんの知恵袋ですね♪」

<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/09/05(火) 02:33:03.96 ID:XbTgqcyh0<> カヴール「あら、一歳しか違わないのに「おばあちゃん」とは少し言い過ぎですよ?」

ドリア「ふふ、怒らないでくださいな…言葉のあやですから♪」

提督「いやーな予感…」

エウジェニオ「まぁ、年を取ると気が短くなるものね♪」

カヴール「…エウジェニオ、何か言いました?」

エウジェニオ「いいえ?」

ドリア「……だいたい提督は年上がお好きなんですから。ド級戦艦と軽巡では火力も違いますし♪」…たゆん♪

エウジェニオ「今さら大艦巨砲主義?……第一次大戦でそういう時代は終わったわよ、それに火力でゴリ押しだなんて芸がないわ」

カヴール「…ドリア。エウジェニオはまだ若いのですから、そう目くじらを立ててはいけませんよ♪」

エウジェニオ「子供扱いとは恐れ入ったわ…さすが1915年生まれね♪」

カヴール「ふふ、軽口が過ぎるのはきっとギリシャ暮らしで文化的な生活から離れていたせいですね♪」

エウジェニオ「…私だって行きたくて行ったわけじゃないわ」

提督「ふぅ…あの……」

チェザーレ「…まて、提督。ここはチェザーレが」

提督「…そう?」

チェザーレ「うむ…姉上、ドリア、それにエウジェニオもだが…」

カヴール「何です、チェザーレ?」

チェザーレ「自分の経験がチェザーレのソ連暮らしより大変だったと思うなら、好きなように言いあいでも何でもするといい」

カヴール「…それは」

ドリア「…」

エウジェニオ「…悪かったわ」

チェザーレ「よろしい。…提督、三人とも仲直りしたそうだ」

提督「よかったわ…なら、ごほうびにキスしてあげましょう♪」…ちゅっ♪

カヴール「んっ♪」

ドリア「んっ、ん…♪」

エウジェニオ「…ちゅ…んんっ♪」

提督「はい、おしまい…まったく、みんないい年しているのに子供みたいな喧嘩して♪」

カヴール「提督にそれを言われると一番こたえますね……」

エウジェニオ「……私だって提督よりははるかに上だもの…参ったわ」

ドリア「あら…でもよく考えたら」

提督「?」

ドリア「…提督ったら私たちの子供……いえ、お孫さんでもいいくらいの年なんですよね?」

カヴール「ええ、そうなるわね」

ドリア「…自分の孫娘ほどのお嬢さんとベッドを共にするなんて、何というか……背徳感があってたまりませんね♪」

カヴール「ふふ、そんな可愛い「大人びた孫娘」といろいろしているわけですね…なんだかぞくぞくしてきました♪」

エウジェニオ「…言われてみれば、外見は同じような見た目なのにずっと年下って……そそるわね♪」

提督「チェザーレ…この変態なお姉さまたちをどうにか…」

チェザーレ「うむむ…年端もいかぬ娘っ子に色々手ほどきしてやる訳か……悪くない♪」

提督「あー…今夜から大変なことになりそう」

……… <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/09/06(水) 01:31:43.25 ID:LMD2+DN70<> …翌朝…

提督「…こうなると思ったわ」ネグリジェの前をはだけさせられ、散々むしゃぶりつかれた提督…あちこちにキスされ、ほっぺたや鎖骨、人には言えないような場所にまでルージュの跡が残っている…下半身はべとべとで、まだじんじんうずいている……

カヴール「すぅ…すぅ……」提督の胸を揉みしだいたまま寝てしまい、まだ左の乳房に手を乗せている

ドリア「…むにゃ……提督…♪」こちらは子供のような寝顔で提督の身体を抱き枕にし、寝言をつぶやいている…

エウジェニオ「…すー…ふー……」提督とは上下逆さまで、ふとももを枕にぐっすり寝ている…

提督「…暑い」…むーん……

提督「…くっ…お願いだから動いて……っ」ぐぐっ…くっ付いてくるカヴールたちを引き離そうと、懸命に押したり引いたりしてみる

カヴール「…むぅ……むにゃ…行っちゃだめ…です……」ひし…むぎゅ……

提督「…あー…あづい……」汗でベタベタする裸体にしっとりもち肌のカヴールが抱き着いてくると、次第にむんむんと蒸れてきた…おまけに朝日が差しこんできて、じりじりと照りつけてくる……

提督「…えぇい……うーごーけーぇぇ…!」目一杯の力でカヴールたちを押しのけた…と、引きずられたカヴールが寝ぼけまなこをこすって起き上がった

カヴール「…ふぁ…ぁ……おはようございます。ド級戦艦、カヴールです…」

提督「操作説明はいらないから、ちょっと身体を離して……あぁもう、汗でベタベタする…」クローゼットのタオルをとりあげ、執務室の隣にある浴室に向かう…

カヴール「…せっかくですから私もシャワーを♪」

提督「…いいわ、じゃあ行きましょう」

カヴール「はい♪」

…提督浴室…

提督「ぐっ…普段使わないせいか、蛇口が固くなってるわね」真鍮の小粋なシャワーだが、蛇口が固くなって動こうとしない…

カヴール「…では私が♪……あら、本当に固いですね…っ!」全裸よりよほど色っぽい、シースルー素材でピンク色のベビードールを着たまま前に屈み、蛇口をひねる…

提督「///」白くてもっちりしたヒップが目の前でぷるぷると揺れる…

カヴール「あっ…動きまし……きゃあっ!」蛇口の栓がいきなり回り、カヴールはしたたかに冷水を浴びた…ベビードールがぴったり張りつき、体のラインを浮き上らせる…

提督「…カヴール///」

カヴール「さぁ、シャワーを浴びましょう…どうせ濡れてしまいましたから、このままで♪」長い髪を乱し、完全に透けているベビードールごとシャワーを浴びた…

提督「ふふっ…カヴール♪」そのままカヴールに抱き着き、身体をこすりつけた

カヴール「あらあら、昨夜はあれだけしてまだ足りなかったのですか?……提督の色欲は超ド級ですね♪」

提督「だって…身体の芯がきゅうきゅう疼いて……んっ///」

カヴール「ふふっ、確かにすっかりとろとろです…♪」くちゅっ…ちゅぷっ……♪

提督「はぁ…はぁっ…あっ、あっ、あっ……///」ざぁ…っ、と夕立のようなシャワーを浴びつつ、浴室の壁に背中を預けてカヴールの責めるに任せた…

カヴール「よいしょ…♪」脚を開かせ、ふとももを両腕で支えると腰をゆったりと動かし始める…

提督「あ…っ、んっ…んあぁぁっ♪」じゅぶっ…ぐちゅっ♪…とろけきった表情の提督はカヴールに支えてもらい、優しくねっとりと秘所を責めてもらう…

カヴール「ふふっ……提督、大好きですよ…ちゅっ♪」じゅぶっ、ぐちゅっ♪…カヴールは優しいキスと同時に膣内をかき回した

提督「あっ、あぁぁぁぁっ…///」甘ったるい嬌声をあげ、くたりと浴室の床にへたり込んだ…

<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/09/06(水) 02:22:43.43 ID:LMD2+DN70<> …午前中…

提督「全くもう…」昨晩の「夜戦」でぐしゃぐしゃになったシーツとタオルケット、枕カバーにネグリジェを抱え、洗濯場に向かっていた……うずくような火照りはもうないが、かわりにすっかり力が抜けきっている。そのせいなのか、提督は朝からくだらないミスばかりしていた…

カヴール「まぁまぁ…普段のそつなくこなせる提督もいいですが、今日みたいな提督だと私がお役に立てるので嬉しいですよ?」

提督「そうは言ってもね…ジャムはこぼす、グラスは倒す、パンは落とすし書類は書き間違える……はぁ」

カヴール「ふふ、じゃあ今日はお休みなさっては?」

提督「ありがたいけど、今日も開発しないと…戦力があって困ることはないもの」

カヴール「ええ、そうですね」

提督「特に大型潜はあと数タイプだし、哨戒や長距離の索敵にも向いているから…」

カヴール「なるほど…あら?」

提督「どうしたの、カヴール?……って、バンデ・ネーレ?」

バンデ・ネーレ「や、提督。カヴールもおはよう♪」中世の傭兵隊長「黒備えのジョバンニ」が艦名で、その影響もあるのか黒い服が好きなバンデ・ネーレだが、今日はどういう訳か、やたらセクシーな革のライダーススーツを着ている…

提督「どうしたの、バンデ・ネーレ…暑くない?」バイク用のぴったりしたスーツはきりっとしていて格好いいが、明らかに時期外れだった…

バンデ・ネーレ「いや、暑いよ…けど、黒い服がなくって……」ジッパーをおへそまで下ろし、おまけにぱたぱた手で扇いでいる…

提督「水着は?」

バンデ・ネーレ「いやぁ…まだ乾いてなくて……もうちょっとだからこれで我慢しているんだ」

提督「じゃあ私の服を貸してあげるわ…暑気あたりでも起こしたら大変だもの」

バンデ・ネーレ「黒いのはあるかな?」

提督「あるわ…カヴール、これお願いしていい?」洗濯物を預けようとする…

カヴール「ええ…ただ」

提督「なに?…こんな蒸れるような服を着てたらバンデ・ネーレが暑さで参っちゃうもの、貸し借りがどうこうとかいうのはなしよ?」

カヴール「ええ、そういうつもりではなく…失礼ながら、バンデ・ネーレの体型では胸やお尻が余ってしまうのでは……そう思いまして」

提督「……あ」

バンデ・ネーレ「そうだね…提督の色っぽい体型に比べたら棒みたいだもんね」

提督「……大丈夫、一着似合いそうなのがあるわ」

カヴール「そうですか?…じゃあ、洗濯物は持って行きますね」

提督「お願い…バンデ・ネーレ、行きましょう」

バンデ・ネーレ「了解だよ」

…数分後・提督寝室…

バンデ・ネーレ「で、どれがそれなのかな?」

提督「待ってね…確かこの辺に……」クローゼットや衣装箱をひっくり返す勢いで服を取り出す…

バンデ・ネーレ「私は構わないよ?…もう水着なら乾いただろうし……」

提督「大丈夫、もうすぐだから…ほら、あった♪」黒い服を取り出してベッドの上に置いた

バンデ・ネーレ「おぉ、どれどれ……って、これ?」広げてみると、きらりと光るラメが入った超ミニワンピースで、しかも提督のサイズより明らかに小さい…

提督「そう、それ…革のライダーススーツよりは絶対涼しいはずだから」

バンデ・ネーレ「そりゃ涼しいだろうね…じゃあ、借りるよ」

提督「ええ…着られそう?」

バンデ・ネーレ「…うん、胸は少し余るけど、他はちょうどいいくらいだよ」…が、裾が短いので身動きするたびに黒い下着がチラつく……

提督「そう、よかったわ///」

バンデ・ネーレ「でも、おかしいよね」

提督「んー?」 <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/09/07(木) 00:18:34.61 ID:oyZHxzJc0<> バンデ・ネーレ「いや…だってさ、私が着てちょうどいい大きさなんだよ……提督には小さすぎない?」

提督「あー…うん、まぁ……」

バンデ・ネーレ「まさかサバを読んで着られなかった…とかじゃないよね?」裾を引っ張ってみるがそれでも短い…

提督「そうじゃないわ……それ、ミラノの通信隊にいた頃に上官のお姉さまからもらったの///」

バンデ・ネーレ「…その頃の提督はまだ未発達だったとか?」

提督「ううん…胸こそもうちょっと小さかったけど、プロポーションはあんまり……」

バンデ・ネーレ「…その「お姉さま」って相当なスケベだったんじゃないのかな、だって提督が着たらぴちぴちだったでしょ?」

提督「ええ……通信隊でちょっとしたパーティをするから着て欲しいって///」恥ずかしそうに手をひらひらさせる…

バンデ・ネーレ「…で、着たの?」

提督「着たわ。…もうこの話はおしまいにさせて///」

バンデ・ネーレ「……ちょっと見てみたかったな。とにかく、ありがとね♪」

提督「どういたしまして…気に入ったら持って行ってもいいわよ?」

バンデ・ネーレ「いいよ、思い出の品だろうしちゃんと返すよ。じゃあね♪」

提督「またね……あー、恥ずかしい///」提督はミラノの通信隊時代を思い出して真っ赤になった…


………

…数年前・ミラノ…


少佐「…と、いうわけで夏季休暇に入る前に、ちょっとしたパーティをやりたいと思うの。食べ物は持ち寄りだけどお酒は私が用意するし、官舎で女だけの小ぢんまりしたパーティなら、メイクだなんだで気苦労もしなくて済むでしょ?」…通信科の女性陣を呼び集めると、目鼻立ちのはっきりした金髪の少佐がウィンクしながら言った

短髪の大尉「いいわね。男が入ってくると色目は使ってくるし、酔わそうとしてくるしでうっとうしいものね…私は参加するわ」さばさばした性格の大尉はうなずいた

少佐「はいはい…大尉、あなたもどうです?」ぽっちゃりした「肝っ玉母さん」の大尉にも声をかけた

おばさんの大尉「あははっ!こういうのはね、おばさんを呼んだって面白くないわよ?……家族の夕食も作ってやらなきゃいけないし、あんたたち若い娘たちだけで楽しみなさいな♪」

少佐「そうですか?……カンピオーニ中尉、あなたは来る?」…まだほやほやの中尉だった提督は電子機器がいまいち苦手で、せっかく作った表を消したりしては、主任の少佐に一緒に残ってもらったりとずいぶん助けられていた……その「何かと優しい少佐」がにっこりして聞いた

カンピオーニ中尉(提督)「ええ、時間もありますし…」

少佐「そう、よかった♪…少尉、あなたは?」色白の小柄な少尉に聞いた

少尉「いいんですか?」

少佐「もちろん。おばさんばっかりで嫌になったらすぐ戻っていいからね♪」

少尉「そんな!…じゃあ、少しだけお邪魔させていただきます」

少佐「決まりね……じゃあ夕方には部屋を開けておくから、いつでも来てね。以上♪」がやがや言いながらデスクに戻る……

提督「…ふぅ、なら少し食べ物でも作って……」

少佐「……フランチェスカ♪」

提督「あぁ、はい…何でしょうか?」

少佐「ふふ、フランチェスカはもう中尉になったじゃない?…せっかくだから昇進祝いにプレゼントしたいものがあるの。よかったら早めに来てくれる?」

提督「あぁ、はい。いいですよ…1900時くらいでいいですか?」

少佐「ええ、いいわ…♪」満面の笑みを浮かべた…

提督「ふふ、少佐ってば……優しい♪」

<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/09/07(木) 01:14:52.00 ID:oyZHxzJc0<> …夜・女性士官の官舎…

提督「…失礼します、少佐」料理上手な提督はピエモンテ風鶏の煮込みの入った鍋と、冷やした黒オリーブとタマネギのマリネを入れたボウルを抱えて入った……少佐の部屋は殺風景な官舎とは思えないほど上手に飾ってあり、急な転任でも引っ越しやすいように小ぶりな絵画や壊れにくい金属の花瓶などが置いてあった…

少佐「あら、いらっしゃい♪……まぁ、お料理まで持ってきてくれたの?じゃあテーブルに置いちゃって?」私服の少佐はファッションの本場ミラノらしく、さりげないおしゃれが見事に決まっていた

提督「はい」ごとんと鍋を置き、ボウルのラップをはがした…

少佐「…フランチェスカ、改めて昇進おめでとう……あなたの課題論文は読んだけど、いい出来だったじゃない♪」

提督「いえ、そんな///」

少佐「謙遜しないの…そうそう、忘れる所だったわ!……これ、私からの昇進祝いよ♪」ドレスらしい紙箱を棚から取り出した

提督「ドレスですか?…少佐にそんな高いものを買わせてしまっては……」

少佐「いいのいいの…せっかくの昇進祝いなんだし、もらっておきなさい♪」

提督「でも…」

少佐「いいのよ。私は独身の官舎住まいだからお金は余ってるし…ね♪」

提督「そうですか…では、ありがたくちょうだいします」

少佐「ええ、後で着てみてね♪」

提督「それにしても…少佐の私服はいつも完璧ですね///」ほのかに花の香りがする香水、ぱっちりしたまつ毛、緩くカールさせた髪、少し濃い目の紅いルージュ…秋のミラノにふさわしい栗色のスカートにクリーム色のハイネック、首元に巻いた朽葉色のスカーフ…

少佐「そう?……いけない、すっかり忘れてたわ!」褒められて嬉しそうな少佐…と、急にあたふたしてベッドに腰掛け、サイドテーブルから爪切りを取り出した…

提督「…爪切りですか?」

少佐「そうよ、身だしなみは大事だもの♪」ぱちん…ぱちんっ…丁寧に爪を切り、切り口が滑らかになるまでヤスリをかけた……

提督「そこまで大事にするなんて…やっぱりお洒落な人は違うんですね」

少佐「ふふ、フランチェスカもちゃんと爪は切らないとだめよ…よかったら切ってあげる、手を出して?」

提督「ええ…じゃあお願いします」優しく手を包み込まれ、ぱちり、ぱちり…と爪を切ってもらう

少佐「ふふ、きれいな指ね…」

提督「そうでしょうか?…少佐の指の方がずっときれいだと思います///」どういうわけか少佐はマニキュアを付けていないが、つやつやした爪とほっそりした指は美しい…

少佐「はい、おしまい…そろそろみんなも来るころね♪」そう言った矢先に、コンコンッ…とノックの音がした

少佐「どうぞ♪」さっと立ち上がって出迎えに行く…

提督「少佐の手、すべすべで柔らかかった…///」

少佐「どうしたの、フランチェスカ?乾杯するわよ?」

提督「あ、はい!」

…数時間後…

少佐「♪〜ふふーん…ふー…ふふー…」ゆったりとワルツのリズムで踊る少佐と提督…色白の少尉は上官ばかりのパーティに遠慮して早めに戻ってしまい、短髪の大尉は飲み過ぎて「あ゛ー…明日が休みでよかった…」とぼやきながら引き上げてしまった……テーブルの食事とワインの残骸は片づけられ、静かになった部屋で控えめな音楽だけがかかっている…

提督「…少佐はワルツもお上手なんですね……私は運動はさっぱりなので」身体をあずけて踊る…

少佐「大丈夫、こういうのは慣れだから…私も運動は苦手だもの」

提督「そういえば、何だかんだでドレスを開け損ねちゃいましたね…」

少佐「そうね……よかったら、今から着てみてくれる?」

提督「そうしましょうか…せっかくですし」

少佐「ええ…似合っているとは思うけど、ぜひ見てみたいわ♪」

提督「分かりました…じゃあ、浴室をお借りしますね」ドレスの箱を持って浴室に入っていく提督…少佐はそれを見送ってにっこり笑うと、玄関のドアに鍵をかけた…

<> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/09/07(木) 01:44:17.24 ID:AHFpj+Ywo<> 人に歴史あり良いですねえ <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/09/07(木) 02:07:06.85 ID:oyZHxzJc0<> …数分後…

提督「あのぉ…少佐///」浴室のドア越しになさけない声が聞こえる…

少佐「どうしたの、フランチェスカ?」

提督「これ…着たのはいいんですが……ちょっと///」

少佐「似合わなかったかしら…出てきて私に見せてくれる?」

提督「はい…///」むちっ…♪

少佐「あら…ちょっと小さかった?」

提督「せっかくいただいたものですけれど…ちょっとどころか、だいぶ……」裾はずり上がってヒップが空気にさらされ、胸やふとももははちきれそうになっている…

少佐「まぁ、困ったわねぇ…フランチェスカのサイズを聞かなかった私がいけないのだけど、いきなり渡して驚かせたかったから……ごめんなさいね♪」(うふふっ、美味しそう♪)…内心にやりとしながら色っぽい身体を観賞する

提督「…もっと細身ならよかったのでしょうが、わわっ!」ぱっつんぱっつんの超ミニワンピースで上手く歩けなかった提督は絨毯につまずいて、少佐の胸元に飛び込んだ…

少佐「あんっ…大丈夫?」

提督「はい…すみません、ぶつかっちゃって///」(近くで見るとますますきれいな人…)

少佐「いいのよ♪…ところでフランチェスカ」

提督「はい?」

少佐「フランチェスカは女性同士のキスって、何回くらいしたことある?」

提督「えっ…!?」(…どうしよう、二ケタくらいなら驚かれないですむかしら……)

少佐「あぁ、変なこと聞いてごめんなさいね…何となく、映画のキスシーンみたいだったから♪」

提督「…あの、家族の挨拶でするキスは数えませんよね?」

少佐「そうね♪……ふふ、フランチェスカは家族以外とキスしたことはないの?……か…」

提督「…百回ではきかないかと思います///」

少佐「…可愛いわね♪……ん?」

提督「その…百回以上だと思います……数えたこともないので///」

少佐「…まぁまぁまぁ♪」一気に抱き寄せ、あごをくいっと持ち上げた

提督「あのっ、その…少佐もそういう……///」

少佐「んふふっ、着任初日から食べちゃいたいな…って思ってたわ♪」

提督「初日から…ですか///」(嬉しいっ、こんな素敵なお姉さまが…♪)

少佐「ふふっ、そうよ♪」…ちゅぅ、ちゅるっ、ちゅぷ…っ♪

提督「んっ…ふ……少佐のキス、上手です…♪」半開きの口からとろりと涎が流れ、甘ったるい表情を浮かべた…

少佐「あらあら、誰と比べて?」

提督「その…知り合いのお姉さんです///」

少佐「ふふ…じゃあその「お姉さん」よりもっと気持ち良くしてあげましょうね♪」

提督「はい…いっぱい気持ち良くしてください///」

少佐「あんっ、もう♪…そんな顔でそんなこと言われたら、教会のシスターだって襲って来るわよ♪」…ぐちゅっ、じゅぶじゅぶっ♪

提督「あっ、はんっ…あぁぁんっ♪」…

………


カヴール「…提督、提督っ?」

提督「…!」

カヴール「どうなさいました?」

提督「あぁ、カヴールだったのね……いえ、ちょっと昔のことを思い出して///」

カヴール「そうですか♪……でも、あんまりのんびりしていると午前が過ぎてしまいますよ?建造に行きましょう?」

提督「そうね、急ぎましょう」 <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/09/08(金) 00:54:02.47 ID:rdTh1xAH0<> …工作室…

提督「さて、ようやく建造に取りかかれるわね」

カヴール「そうですね…今日はアヴィエーレとフィエラモスカ、カッペリーニが一緒ですね」

アヴィエーレ「よろしく♪」…アヴィエーレは相変わらず革のブーツに地図と乗馬ズボンの裾を突っこみ、半袖の開襟シャツに軍帽姿でサングラスをかけている…手には煙草代わりに葉巻型の焼き菓子を持っていて、親指と中指で挟み込んだそれを、煙草をすぱすぱやるようにさくさく食べている…

フィエラモスカ「よろしくお願いします」白いフレアースカートにブラウス、手には教本を抱え、モノクル姿で一礼した

カッペリーニ「ふふ、誰が来るか楽しみですね」長い髪に日本らしい珊瑚のかんざしを差し、淡い青のサマードレスが涼しげに見える…

提督「じゃあ頑張りましょう…準備はいい?」

アヴィエーレ「この一本を食べるからちょっと待ってくれるかい?」さくさくさく…一気に口に押し込むと、両手をはたいてレバーに手をかけた

提督「…じゃあ、建造スタート♪」

カヴール「…はい、無事に動きましたね。ではこちらもお願いします」…カヴールは青い図鑑と絵柄のないまっさらなカードの山を取り出し、提督は図鑑を受け取り意識を集中した…

提督「ええ、開発の方も頑張りましょう……何しろ航空戦力が乏しいものね」

アヴィエーレ「飛行機は好きだから頑張って欲しいね♪」

カヴール「…空軍は役に立ってくれませんでしたが、まぁ…無いよりはあった方がいいですから」


(※イタリア空軍…なかなかの実績を残した第一次大戦後、列強に先駆けていち早く独立。陸軍・海軍・空軍の三軍体制になったが、その時に水上機や飛行艇を含めた海軍航空隊をパイロットを含めて吸収。案の定、第二次大戦では仲の悪さを発揮し、索敵には失敗、友軍に誤爆はするで全くアテにならなかった…どころか、戦後の軽空母「ジュセッペ・ガリバルディ」にハリアーを積むことになったときでさえ「空軍の所管だ」とゴネて、海軍を激怒させた)


提督「そうね…空軍はいつも邪魔ばかりしてくれるわよね……」

カッペリーニ「まぁ、役に立つこともありますよ…きっと」

提督「ふぅ、まぁいいわ…ドロー!」カードを投げ上げ、青い閃光と一緒に落ちてきたカードを受け止める…

アヴィエーレ「どれどれ…おっ、いい機材がきたよ」カードの絵柄を見せてくれる…

提督「なになに…Ju-87「シュトゥーカ」B2/R2仕様、と…」絵柄はドイツのグリーン系二色の通常カラーで、機首の黄色と国籍マークだけが違うイタリア仕様のシュトゥーカが急降下しているものだった…

アヴィエーレ「ドイツから供与されたシュトゥーカだね…タラントラもC202に乗り換えるまではシュトゥーカ乗りだったよ♪」


(※エンニオ・タラントラ…マッキC202のエース。スペイン内乱の1機を含めて撃墜10機で通称「バナナ」…戦前は広場の果物売りだったことから愛機にかけ声「Dai Banana!」(それいけバナナ!)と書き込んでいた)


提督「詳しいわね…じゃあ、どんどんドローするから解説をお願い♪」ひゅっ…とカードをドローする

アヴィエーレ「よしきた…あっ、いいね!マッキC202、セリエ[だって♪」…絵柄はノッチォーラ・キアーロ(※明るい栗色…サンドイエロー)にヴェルデ・オリーヴァ(オリーブグリーン)で「煙の輪」(※日本では「ピーマンの輪切り」とも)迷彩を施したマッキがイギリス軍熱帯仕様のハリケーンに食いついている…

(※マッキC202「フォルゴーレ」(稲妻)…設計者カストルディが前作のC200「サエッタ」(電光)をリファイン、エンジンを液冷に換装して昇華させた傑作機。日本は三式戦「飛燕」から五式戦を作ったが、それを逆にしたようなもの…武装が機首の12.7ミリ機銃2挺(途中から7.7ミリ2挺を追加)と貧弱だったが速度や旋回性はよく、イギリス軍とも互角に渡り合えた。何より「飛燕」では全く使えなかったDB601エンジンを稼動できたあたりはさすがイタリア)

提督「それって主翼に7.7ミリブレダを追加したタイプ?」

アヴィエーレ「そうさ。航続距離はイマイチだけど、スピットファイアMk.Xくらいならほぼ対等に渡り合える良い戦闘機さ。イタリア空軍の主力戦闘機だね…ハートはまぁ、ドイツ製だけどね」(※DB601エンジン…大戦後半はライセンスのアルファロメオ「モンソーネ」エンジン。出力は1134馬力ほど)

提督「なるほどね…まぁ、よく解説が出てくること」

アヴィエーレ「本職だからね♪」

カヴール「あの…戦闘機もいいですが、雷撃機や爆撃機がないと困りますよ?」

提督「そう言われても、こればっかりは運だから仕方ないわ……っ、と」

アヴィエーレ「へぇぇ、提督は引きがいいんだねぇ…サヴォイア・マルケッティSM79「スパルヴィエロ」だよ♪」

(※サヴォイア・マルケッティSM79「スパルヴィエロ」…元は戦前の高速レース機だった、イタリア軍の主力雷・爆撃機。750馬力の「アルファロメオ126RC34」エンジンをドイツのJu-52/3m「タンテ」(おばさん)のように三発搭載、機首部に各銃座が集中しているデザインをしている。武装は12.7ミリ機銃3挺、7.7ミリ機銃1挺、750キロ魚雷1発など…大戦終結まで船団キラーとして頑張った名作)

提督「スパルヴィエロなら有名よね。三発エンジンの雷撃機でしょう?」

アヴィエーレ「ご名答、ほら♪」絵柄は超低空で輸送船団に雷撃を敢行しているSM79「スパルヴィエロ」(ハイタカ)で、こうして見ると武骨なデザインながら確かにハイタカのような精悍さがある…

提督「こうして見るとなかなか格好いい機体ね…♪」

アヴィエーレ「この格好よさが分かるとは、さすが提督だね♪」

<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/09/08(金) 01:46:29.44 ID:rdTh1xAH0<> 提督「こういうのは上手くいっている時に多めに出しておきたいわね…それっ!」

アヴィエーレ「おおぉ!…来たよ、提督!!」

提督「なに?」

アヴィエーレ「ほら…マッキC205「ヴェルトロ」だよ!」銀翼をひらめかせてイタリア本土上空に飛来するP-51「マスタング」に挑む、ヴェルトロの勇壮な絵柄が入っている…

(※マッキC205「ヴェルトロ」(グレイハウンド)…C202フォルゴーレのエンジンをより強力なDB605エンジンに換装した戦闘機。登場が遅かったが、フィアットG55「チェンタウロ」(ケンタウルス座)、レジアーネRe2005「サジッタリーオ」(射手座)と並ぶ「セリエ5」の中では一番活躍した…武装は12.7ミリ2挺と主翼にマウザー20ミリ機関砲2門)

カヴール「あの…さっきのC202フォルゴーレとどう違うのでしょうか……軍艦なら分かるのですが、戦闘機まではさすがに…」

アヴィエーレ「え、違いが分からないの?」

カヴール「え、ええ…そんな可哀相なものを見るような目で見ないでください……」

アヴィエーレ「はぁ…まぁ仕方ないか。とにかく、大戦後半の敵機とも渡り合える貴重な機体だよ」

提督「ふふ、今日は運がいいのね♪」

アヴィエーレ「…ね、提督。これ、よかったら持って行っていいかな」

提督「え?…持って行ってどうするの?」

アヴィエーレ「それはもちろん飾るに決まってるよ♪」

提督「んー…それはちょっと。使う時に慌てて取りに行くわけにはいかないもの」

アヴィエーレ「そっか……」

提督「ふふ、分かったわ。代わりに今度、ヴェルトロのイラストを注文してあげる……それでどう?」

アヴィエーレ「…やったね♪」

提督「ほら、開発の続きをしましょう♪」

アヴィエーレ「了解だよ、提督♪」…ちゅ♪

提督「んっ…もう///」カードを投げ上げたがアヴィエーレの唇に気が散り、全く意識が集中できていない…

カヴール「…二人とも、集中してください」カヴールが取ったカードは白いままで絵柄が入っていない…

アヴィエーレ「ごめんごめん」

提督「ふふ、カヴールったら妬いちゃってるのね……了解♪」

アヴィエーレ「ほら、頑張れ提督♪」

提督「そーれっ!」

アヴィエーレ「おぉ…C202だ、今度は初期型だね」

提督「じゃあ…それっ!」

アヴィエーレ「うんっ、フィアットCR42「ファルコ」だね…最後の複葉機だ」

(※フィアットCR42「ファルコ」(鷹)…1938年初飛行の戦闘機。数年前のスペイン内乱で思っていたより複葉機が(…共和政府側に戦闘機が少なかったこともあって)活躍したことと、パイロットたちが古くさい旋回戦にこだわり続けたことから開発された「世界最後に開発された複葉戦闘機」…密閉風防なしのコクピットに複葉、ずんぐりしたスパッツ付きの固定脚とレイアウトは古くさいが、840馬力と複葉機としては大きいエンジンのおかげで速度もそこそこ出たので量産された……が、当然のように大戦に入ると一気に旧式化、航続距離の長さを活かした船団護衛や、攻めてくるイギリスも旧式機ばかりだったエチオピア戦線やギリシャで頑張り、一部は性能不足ながら北アフリカにも投入された……世代を間違えた傑作機)

提督「うーん…クラシックな外見で素敵だとは思うけど……」

アヴィエーレ「…ちょっと物足りないかな」

提督「…ふぅ」

カヴール「疲れてしまいました?」

提督「ええ、気力を使った感じ…ちょっと、休憩にしましょう……」

……… <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/09/08(金) 05:59:31.33 ID:3y6BDDdao<> イタリアもドイツもけっこう高性能機を持ってるのにも関わらず空軍がどっちもダメダメなのは面白いですね
ドイツ空軍も海軍の駆逐艦(艦これではお馴染みZ1(レーベリヒト・マース)Z3(マックス・シュルツ)を誤爆して轟沈させてますし
(Z3は友軍空軍の誤爆を回避中に機雷に触雷してですが・・・なおこの機雷も友軍が敷設したもの説濃厚) <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/09/09(土) 00:35:18.59 ID:lEPvXm650<> >>765 まずは感想ありがとうございます…

…誤爆と言えば「ツェルベルス」作戦で「ティルピッツ」以下の迎撃に向かった旧「W」級駆逐艦を味方のボーフォート爆撃機が、あろうことか「プリンツ・オイゲン」と間違えて爆撃し、反対にドイツ側のフォッケウルフFw190がそれを迎撃して「W」級を援護してくれたとありますし…まぁ空軍からみた軍艦なんてどれも似たような感じなんでしょうね…


……伊・独の海空連携の悪さは、イタリアはムッソリーニが「空軍こそ次の戦争を決する物だ」と思い込み、空軍・海軍のつながりが薄かったこと、ドイツはヒトラーが「ちょびひげの陸軍伍長」だったせいで海軍にコンプレックスがあって、そのせいで海軍を冷遇したせいだと言われています…ドイツは一番の側近が空軍の「デア・ディッケ」(でぶ)ゲーリングだったこともあって、空母「グラーフ・ツェッペリン」用のBf109Tの完成がどんどん先送りされていましたし…

…ちなみにキャンセルになった「グラーフ・ツェッペリン」のカタパルトや一部艤装は「アクィラ」と「スパルヴィエロ」に転用されたそうです(完成はしませんでしたが)

…なんにせよ、いつも世界と付き合って、常に他国と戦力を比較している海軍は威勢のいいことばかり言う独裁者にとっては「シラケて」いて扱いづらい組織なので、やっぱり煙たかったんでしょうね……海軍も自国の「船乗りじゃない素人」より他国の「同業者」の方が付き合いやすいでしょうし…
<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/09/09(土) 01:28:08.17 ID:lEPvXm650<> …数分後・工作室…

カヴール「コーヒーをどうぞ…カプチーノですよ」

提督「はぁ、ありがとう…美味しい……」

カッペリーニ「淹れ方がとてもお上手ですね」

カヴール「ふふっ、提督のために練習しましたから♪」

アヴィエーレ「ひゅぅ…お熱いねぇ♪」

カヴール「もう、からかわないで下さい」

フィエラモスカ「…本当に美味しいです、先生は満点をあげますよ♪」

カヴール「そう言ってもらえると嬉しいです…では、お菓子も出しましょう♪」まだたくさんある百合姫提督のお土産…今日の和菓子は茶色の瓦のような焼き菓子で、表面に何か焼印が入っている…

アヴィエーレ「おやおや、ジァポーネでは瓦を食べるのかい♪」からかうように両手を上げた

カヴール「そういうお菓子だと思いますよ?…説明を読みましょうね」百合姫提督手書きの解説を読み上げた…

カヴール「えーと、兵庫県銘菓の「瓦せんべい」は…小麦と砂糖、卵で西洋風に仕上げた神戸の名物で、焼印は神戸で「楠公さん」と言われる日本の智将、「楠木正成」です」

アヴィエーレ「その…「クスコーサン」って誰なんだろ、うちの国は智将っていうとチェザーレとかだけど……ね、フィエラモスカ。普段潜水艦たちに色々教えてあげてるよね、「クスなんたら」さん…って誰か知ってるかい?」

フィエラモスカ「えぇと、「クスノキ・マサシゲ」ですか。ごめんなさい、先生もよく知りません…提督はご存じですか?」

提督「海軍提督ならともかく…焼印の格好からしたら戦国時代の人でしょう?さすがに知らないわ…」

カッペリーニ「…差し出がましいですが、カッペリーニは神戸にいたこともあるので知っておりますよ」

提督「本当、じゃあ教えてくれる?」

カッペリーニ「はい…楠木正成は幼名を「多聞丸」と言い、南北朝時代に後醍醐天皇の下に活躍した武将として「太平記」に記録されていて、少数を持って多数を撹乱させるゲリラ戦の達人でした。最後は足利尊氏と望まない広野での合戦を行い戦死なさってしまいました。…私が行ったころの日本では、物がない中で奮闘させるときには必ず「楠木公精神」などと言って、ずいぶん多用しておりましたよ」

提督「なるほど……って、あ!」

アヴィエーレ「うん…うまいね♪」

フィエラモスカ「こら、ちゃんとカッペリーニの話を聞きなさい!」

アヴィエーレ「わるいね…ぼり、ぼり……操縦士なんてものは勝手なものでね……ぼり、ごくんっ…お先にいただいているよ♪」

提督「もう、せっかく説明してあげたのにね?…カッペリーニ、丁寧な解説に感心したから一枚おまけ♪」

カッペリーニ「これはこれは…ありがたくちょうだいします♪」

提督「ふふっ、じゃあ私も……ん」ぼりぼりざくざくした食感の瓦せんべいはカプチーノにもよく合う…提督も二枚のせんべいをさくさくと食べてしまった……

提督「うん…美味しかったわ」

カヴール「ええ…さてと、そろそろ建造が完了するころですね」

提督「えぇ?…本当ね、ずいぶん早く感じたわ」

カヴール「裾は大丈夫ですか?食べかすはついていませんね?」

提督「子供じゃないんだから大丈夫よ♪」

カヴール「そうですか?…あら、口の端にお菓子のかけらが」

提督「え?…左舷側、右舷側?」

カヴール「今取ってあげますから…ちゅっ♪」舌で舐めとるようにしてかけらを取った

提督「ありがとう、カヴール///」

カヴール「うふふっ、これでさっきのキスを上書きできました♪」

アヴィエーレ「…む、協同撃墜は同時じゃないと認められないよ」

フィエラモスカ「なるほど…今度、潜水艦の娘たちに教えてあげましょう「食べ物のかけらが口に付いているわ」といえばキスできると♪」

提督「…もう出てくるから準備しなさい///」 <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/09/09(土) 02:45:56.25 ID:lEPvXm650<> カヴール「あ、出てきましたよ…っ、いけません!」建造装置からシューッと赤と緑の炎が噴き出し、カヴールはとっさに提督をかばう

提督「…消火器!急いで!」

アヴィエーレ「了解!」慌てて駆け出し消火器を渡した…

提督「…待って!……何ともないみたい…」提督は消火器を床に置いた…額からは冷や汗がどっと出ている……


…なんでもないように出てきたのは大型潜らしい競泳水着姿の六人。明るい金茶髪の髪に大型潜らしいボリュームたっぷりの胸、おまけに脚がすらりと長いので実際よりも大きく見える…一列に並んで敬礼している六人に、心臓がまだどきどきしたままの提督は答礼し、それから一人づつ順繰りに頬へキスをし手を握った…


提督「ようこそ、タラント第六鎮守府へ…司令官のフランチェスカ・カンピオーニ少将です、よろしくね」初対面の挨拶だと言うのにかたことで、頬へのキスもおざなりな感じになっていた…

大型潜「はい、よろしくお願いします♪…大型潜マルコーニ級、グリエルモ・マルコーニです……ここは百合の波長が強い気がしますね♪」

提督「…そうかしら?……さて、あなたの名前を教えてくれる?」にっこりしてくれたマルコーニにもうわの空で、操り人形そこのけのギクシャクした動きで隣の艦娘と挨拶した

大型潜「はい、同じくマルコーニ級。マッジォーレ・バラッカです、なにとぞよろしく…可愛い提督さん♪」

提督「ありがとう……はい、お次はあなたね…はじめまして」

大型潜「ミケーレ・ビアンキだ…貴君はイタリアを愛しているか!」仰々しい態度と叩きつけるような言い方に提督はまた驚いた…

提督「もちろん…イタリアは大好きよ、あなたと同じようにね……ん」ほっぺたにキスをするとビアンキは真っ赤になった…

ビアンキ「な…いきなり何を!……まぁ、その、何だ…とにかく結構だ///」

提督「よかった…さてと、あなたは?」

大型潜「大型潜マルコーニ級…そして歴史に残る大天才、レオナルド・ダ・ヴィンチだよっ!…よろしくねっ♪」羽根飾りつきの帽子、飾り付きの杖に試験管を持ち、ウィンクをしてキスをしてきた

提督「どうも…偉大な天才を迎えられて光栄です」

ダ・ヴィンチ「もう、提督さんは固いなぁ…もしかして着任の花火が地味だったかなっ☆」

提督「…え?」

ダ・ヴィンチ「イタリア色の花火…綺麗だったでしょ、ね♪」

提督「…あの、建造装置から噴き出したアレ?」

ダ・ヴィンチ「そうそう♪」

カヴール「…少し離れましょう」…すすっ

アヴィエーレ「あほ面下げて爆心地…って言うのはいただけないからね」…すすすっ

提督「そう、花火だったの…」

ダ・ヴィンチ「そうだよっ♪」

提督「すぅー……驚かさないでちょうだい、事故でも起きたのかと思ったでしょう!」

ダ・ヴィンチ「!」

提督「全くもう!…消火器を持ち出してとんでもない騒ぎになるところだったのよ!?」

ダ・ヴィンチ「……それは…ごめんなさい」

提督「……でも、花火と分かっていたなら綺麗だったわ…二度と建造装置ではしないでね♪」

ダ・ヴィンチ「…分かったわ、提督。驚いていたからあんなに固かったのね♪」

提督「あの、ダ・ヴィンチ…話し方が?」

ダ・ヴィンチ「ふふ…花火で驚いてくれなかったようだから、話し方も変えてみようかと思ったの。普段はこうよ、提督さん…改めてよろしくね♪」

提督「ええ、よろしく……ふふ、ようやくキスの感触が戻ったわ♪」

大型潜「ふぅ…ダ・ヴィンチはいつもこうだから…アレサンドロです、コモ・エスタ?」スペイン語で「ご機嫌いかが」と言ってきたアレサンドロはスペイン風の黒い三角帽子、袖口にレース飾りのついた上着を羽織って剣を提げている

提督「ムイ・ビエン(大変いいです)…ちょっと肝が冷えたけど……さて、貴女は?」

大型潜「ボンジョルノ、ルイージ・トレーリです。…これでも以前はジァポーネまで航海したものですよ♪」日本まで行った証か、髪にヒスイの髪飾りをつけ、きらきらした瞳と賢そうな顔立ちでぐっと美人に見える

提督「よろしく…そして、お帰りなさい♪」ちゅっ♪

トレーリ「んっ…ふふ、久しぶりのイタリアだからとっても嬉しいっ♪」

提督「そうよね…さ、準備は出来ているからお昼にしましょう♪」

トレーリ「了解、提督さん♪」

……… <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/09/09(土) 10:26:20.41 ID:lEPvXm650<> …食堂…

マルコーニ「わぁ、これはすごいですね♪…パルマの生ハムに……トマトの冷菜…♪」

ダ・ヴィンチ「蟹のニンニク風味…ごちそうなんてものじゃないわね♪」

アレサンドロ「すごい…パエーリャまであるじゃないの!」

フェラリス「ふふん…♪」

ガリレイ「…本場の味よ♪」

提督「海鮮が多いからワインは白にしましょう。ポーラ、どんなワインがいいかしら?」

ポーラ「そうですねぇ〜、普段ならぁ、イタリアの白をすすめるところですがぁ〜……さっぱりと冷やしたシャブリでどうでしょう〜?」

提督「ポーラがそういうならシャブリで♪」

ポーラ「了解ですよぉ〜…そ〜れぇ♪」ポンと栓を抜き、グラスに注いでくれる…

提督「はい、ありがとう…さ、冷めないうちにどうぞ?」

トレーリ「では、いただきまぁす…♪」

バラッカ「はぐっ……んむんむ」

ビアンキ「どれ、頂くとしようか……んっ!」

提督「大丈夫?…喉につかえたの?」

ビアンキ「んんぅ♪…何と言う美味、制作者のイタリアへの愛がひしひしと感じられる!」

提督「…だそうよ、ディアナ♪」

ディアナ「よかったです…今日はガリレイとフェラリス、エリトレアにトリチェリも手伝ってくれましたから、いっぱい献立を増やせました」

提督「確かにすごいごちそうね…お皿がたくさん」

トレーリ「あぁ、久しぶりのイタリア料理…美味しいよぉ……」

エリトレア「わぁ、よかったです♪…そういえばトレーリ、私のこと覚えてます?」自分を指差したエリトレア…今日は青のプリーツスカートにピュアホワイトのブラウス、金の首飾りとシンプルで、身体のスマートさが際立っている

トレーリ「もしかして……エリトレアかな?」

エリトレア「そうですよぉ、トレーリもやっと来てくれましたねぇ♪…んー、ちゅぅぅ…ぷは♪」

トレーリ「んちゅぅぅ♪……ぷはぁっ、別れてから長かったけど会えて嬉しいっ♪」

提督「ふふ…素敵な光景ね♪」

カヴール「感動の再会が、ですか?…それとも、可愛い女の子同士の口づけが…ですか?」

提督「ふふ、もちろん両方ともよ♪」そう言って周囲の様子を見まわした…

ビアンキ「…これこそイタリアだ!……んー、うまい!」はす向かいのビアンキはディアナが生地から作った最高の「ピッツァ・マルゲリータ」を頬張っている

マルコーニ「トト…トトン…トトト、トントン…トト……」隣ではもぐもぐと口を動かしつつ、テーブルを指で叩くマルコーニ…

チェザーレ「…分かった、じゃあグラスを」

マルコーニ「トトト、トン…トトン、トントン…トト、トン…トン…」

ディアナ「そうですか、よかったです♪」

提督「マルコーニ、無電の発明者なのは分かるけど…ちゃんと口で言わないとだめよ?」たしなめる提督

マルコーニ「トトン…トトトト、トン…トトト、トン…」

提督「え?…「口に頬張りながらしゃべるのはマナーが悪い」……まぁ、それはそうね。でも、何か取って欲しいなら口で言わないと失礼にあたるわ♪」

マルコーニ「……トン、トトト…トントン…トト……トトト、トン、トト…」

提督「なになに?……「食事が美味しいから話している時間が惜しい」ねぇ…気持ちは分かるけど…ふふっ♪」よく見ると皿にたっぷりと料理を盛り、口にもいっぱい食べ物を詰め込んでいる…

チェザーレ「ま、今日だけは多めに見てあげようじゃないか。提督♪」

提督「ふふっ、そうね♪」

マルコーニ「…トトト…トン、トト…トントト…トン」

提督「えぇ?…「ありがたいお言葉。謝す」…ふふ、今回だけだから。それに慌てなくても料理はたっぷりあるわ♪」

マルコーニ「むぐ…ごくん……ふぅ、それなら安心ね」

<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/09/11(月) 01:08:14.85 ID:XEPUQhLr0<> …食後…

提督「ね、言った通りだったでしょう?」

マルコーニ「そうね……食べ過ぎたわ……」お腹をさすり、だらしなく椅子に座っている

提督「ふふ、ここの食事は美味しいものね♪」

カヴール「そうですね…でも、ごちそうもいいですが、もう少し歓迎の雰囲気を出してあげたいですね……」

チェザーレ「ふむ、確かにな……諸君!」席を立つと、つかつかと演壇に歩み寄って声をあげた…マイクを入れていないにもかかわらず、大きな食堂の端まで朗々と声が響く……

提督「わ!……チェザーレ、いったいどうしたの?」

チェザーレ「よくぞ聞いてくれた、提督…せっかくマルコーニ級の諸君が来てくれたこともあるし、食後に少しばかり娯楽が欲しいとは思わないかな?」

フレッチア「賛成!…楽しいのは好きよ♪」

フォルゴーレ「同感♪」

チェザーレ「それは結構♪…では、皆で何か披露しようではないか」

ダルド「じゃあ……提督、歌ってよ!」

アッテンドーロ「いいわね…提督の歌、聞きたいわよ♪」

提督「うぇ!?…そんなこと言っても……食べたばっかりで動きたくないし…」

カヴール「まぁまぁ…せっかくですし。一曲だけでいいですから…ね♪」

提督「…分かったわ。マルコーニたちの着任祝いにね……代わりに、みんなも何かやってよ?」

カヴール「はいはい♪」

アオスタ「では、進行は私、アオスタがお送りします!」戦後ソ連へ引き渡されたせいか、司会や演説、委員長役には目がないアオスタ……マイクを入れると演壇に両手を突いた…

チェザーレ「ふむ、では頼むぞ」アオスタに任せ、よっこらしょと席に座るチェザーレ

提督「もう……レコードはあるかしら…あった」カヴールたちに背中を押され立ち上がると、ごそごそとレコードプレーヤーの下にあるレコード入れから一枚取り出し、セットした…

アオスタ「えー、まずは我らが提督です!…穏やかな表情、優しい顔だちに似合わず有能、かつ無類の口説き上手である提督……曲は…」

提督「花のささやき(イン・ウン・フィオーレ)」

アオスタ「イン・ウン・フィオーレ!……この曲は66年サン・レモ音楽祭でウィルマ・ゴイクが歌って見事入賞した曲となっております、甘酸っぱい歌詞と歌声でお楽しみ下さい…提督、どうぞ!」言い終えるとちょうど前奏が終わって曲に入った…


提督「♪〜セー、ノン、コッリ、トゥポタル、ヴェ、ディーレぇぇー…レー、コッセ、ベッレ、ケスタンノ、イントゥルノ、ア、テ…」
(急がなければ、あなたのまわりにある美しいものが見られるの)

提督「♪〜ノンサぁぁ…イ、ケイウン、フィオーレ、チェ、ウン、モンピェノァモーレ!」
(あなたは知らない、一つの花の中にさえ愛いっぱいの世界があることを)

提督「…ノン・サイ、ケ、ニェメオッチィ、ケ・アモーレ、ペルテ…♪」
(あなたは知らない、私の瞳の中は、あなたへの愛でいっぱいなことを…)

…甘い歌詞に合わせてぱちりとウィンクと投げキッスを送る提督に、小柄な駆逐艦たちはきゃあきゃあ言って手を振る…

龍田「うふふ…♪」ふとももに置かれた手をそっと近づけると、手を握ってくれるようにうながした…

百合姫提督「まぁ、フランチェスカったら…可愛い♪」足柄、龍田やミッチャー提督、エクレール提督と一緒に前の方に座らせてもらった百合姫提督はそれに気づかないまま、投げキッスに応えてにっこりしている

龍田「…」

足柄「……ちょっと」

百合姫提督「どうしたの、足柄?…フランチェスカ、可愛いわよ♪」

提督「グラツィエ♪…みんな、拍手喝采をありがとう……ちゅっ♪」最後に両手で投げキッスを送ると、またきゃあきゃあと歓声が上がった…

百合姫提督「お疲れさま…とっても上手ね」

提督「そう?……姫がそう思ってくれて嬉しい♪」

龍田「………」

<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/09/11(月) 02:10:18.95 ID:XEPUQhLr0<> マルコーニ「上手でしたよ…///」

トレーリ「…とっても魅力的でした///」

ビアンキ「何だあの歌は!…軟弱な歌だな……その、まぁ…上手だとは思うが///」

アレサンドロ「ムイ・ビエン!(よくできました)…とっても上手だったわ♪」

提督「グラシアス…ほめてくれてありがとう♪」

百合姫提督「とっても綺麗な声だったわ…フランチェスカの歌、また聞かせて?」

提督「そうね、姫の頼みだもの♪」

百合姫提督「嬉しい…♪」

龍田「……私も一曲いいかしらぁ」

アオスタ「はい、もちろん!…あ、ただレコードやCDに日本の曲がないので……」

ミッチャー提督「なに、龍田は日本の曲を歌いたいの?……ソーリィ…フレッチャー、脚の速い所で部屋から私のラップトップとコード類一式を持ってきてくれる?」

フレッチャー「アイアイ・マーム!…そんなのピース・オブ・ケークよ♪」だっ…と駆けだしてすぐ戻ってきた

ミッチャー提督「センクス♪…で、曲のタイトルは?」ノートパソコンを立ち上げ、食堂の音響機器にコードをつないだ…

龍田「…」小声でタイトルを告げる…

ミッチャー提督「オーケイ♪……えーと、地域は…国際……コードよし、モデム状況…二次関数曲線とコリオリ変数からのデータ調整…フィボナッチ数列的換算処理からの……」ぶつぶつ言いながらキーを目まぐるしく叩く…

提督「すごいわね…私にはちんぷんかんぷんだわ……」

ミッチャー提督「…ここの光ファイバー通信、軍用の割にだいぶ遅いみたいね……まぁいいわ。龍田、こっちはオーケイよ♪」壁に字幕が出るように、置いてあったプロジェクターを据えてカーテンを閉めた…

龍田「うふふ…ありがとうございます」

足柄「…」冷汗をかき、ごくりと唾をのんだ…

アオスタ「つづいては、遠路はるばる日本からいらっしゃった百合野提督、そしてその随伴艦としてここに滞在しております軽巡「龍田」です…本来はお客様でありながら、マルコーニ級歓迎のためにステージに立っていただきました…どうぞ!」

龍田「うふふっ…この曲をうちの提督に贈るわぁ「天城越え」よぉ…♪」小袖姿の龍田に似合う、鼓と尺八の前奏が響く…


龍田「♪〜隠し、きれない…残り香が…いつしか、あなたに……浸みついた…」

提督「まぁ…大人の雰囲気ね」しっとりした歌声に聞きほれ、小首を傾げて目をつぶった…

カヴール「…いわゆる「演歌」というものでしょうね」

龍田「♪〜…誰かに盗られる…くーらーいなら…あなたを…殺して……いいですか…」百合姫提督に熱っぽい視線が向けられる…

提督「…えっ?」穏やかでない歌詞に目を開けた…どう見ても龍田のこめかみに青筋が立っている……

リベッチオ「うぇぇ……怖いよぉ…」

マエストラーレ「…確かに…脚ががくがくするわ……」

龍田「♪〜…寝乱れて…隠れ宿…九十九折…浄蓮の滝ぃぃ……舞い上がりぃぃぃ!…揺れ堕ちるぅぅ…肩の向こうに、あなた…山がもぉぉえるぅぅぅ…!」こぶしの効いた歌声に殺気まで感じる……

足柄「あぁもう…やっぱり……駆逐艦なんか泣きそうじゃないの…」

百合姫提督「…あとで謝らないといけないわね」

足柄「まぁ…こういう所も含めて龍田なんだから、どうしようもないけどね……」


…歌い上げた龍田が戻ってくると、そばの駆逐艦や潜水艦たちがすっと引いた…


龍田「急に離れてどうしたのぉ?……もっとお話しましょうよ…ぉ♪」

フィンチ「…い、いや!…その、今はもう結構というか……あー、食べてすぐおしゃべりすると牛になると言いますから!」

龍田「ふふ、面白い潜水艦さんねぇ♪……牛さんなら牛鍋にしていただこうかしらぁ♪」

フィンチ「…ひっ!」

提督「…フィンチ、おいで?」

フィンチ「……おぉ怖かった…くわばらくわばら」

龍田「うふふ…♪」

……… <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/09/12(火) 00:57:45.23 ID:wIFgr0s60<> …数十分後…

龍田「あらぁ?…提督、飲み物が空っぽよぉ。取って来るわねぇ♪」

百合姫提督「ええ、ありがとう……ふふ、でも嬉しい///」

足柄「何が?」

百合姫提督「龍田が嫉妬してくれるほど私のこと好きだなんて…あぁ、顔が熱くなってる///」真っ赤になった頬を両手で押さえている

足柄「はぁ…「あばたもえくぼ」とはよく言ったものね……私なら怖くて震え上がるわよ」呆れかえってステージの方を向いた…

提督「ふふ、姫はそういう所があるから…あら?」

ミッチャー提督「いやぁ、せっかくもてなしてもらっているから私たちも何かしないとね…♪」ビッグ・Eとフレッチャーを左右に引き連れ、マイクスタンドの位置を調整している…

アオスタ「曲は何でしょう?」

ミッチャー提督「うーん…最近の、艦娘がいる鎮守府といえば「入ったら出られない素敵な所」だけど……そうきたらこの曲よね「ホテル・カリフォルニア」♪」

アオスタ「分かりました…イーグルスの「ホテル・カリフォルニア」です♪」

♪〜…曲が流れ始め、ミッチャー提督の少しかすれたハスキーな声にエンタープライズのしっかりしたハスキーな声、フレッチャーのちょっと高めでクリアな声が上手く響く…

ミッチャー提督「♪〜ウェルカム、トゥ、ザ、ホテル、キャーリフォーニア…サッチ、ア、ラヴリープレイス…サッチ、ア、ラヴリープレイス……」

提督「…まぁ、上手だったわ♪」スタンディング・オベーションで迎えた提督たちにミッチャー提督は苦笑いした

ミッチャー提督「よしてよ♪…サンディエゴでこれをやるとウケるからって覚えただけなんだから」

エクレール提督「シャンパンに氷を入れるなんてフランスでは絶対にしませんわ」へそ曲がりが自慢のフランス人だけあって、歌詞にまで文句をつける…

提督「ふぅ、相変わらずだこと…」

カヴール「まぁまぁ…エクレール提督もとっても素敵でいらっしゃいますよ♪」

エクレール提督「っ…冗談はいやですわ///」普段はお高く止まっているエクレール提督も、カヴールほどの美人にささやかれるとまんざらでもないらしい…

ジャンヌ「…コマンダンに手を出さないで下さい!」

カヴール「手なんて出しませんよ…私には提督がいますから♪」提督をぎゅっと抱きしめるカヴール

提督「わっ…んむぅぅ///」ずっしりした柔らかい胸に挟み込まれ、息も出来ない提督

カヴール「…さて、フランスの娘さんが嫉妬してしまうといけませんし……提督、そろそろ午後の執務に行きましょうね♪」

提督「むぅ、むぅー…ぷはぁ!…わかりました、執務ね」

アオスタ「では私が適当な所で切りあげさせますから」

提督「お願いね…それじゃあ、また後で」引っ張られるようにして提督は出て行った…


……… <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/09/12(火) 01:57:16.18 ID:wIFgr0s60<> …あちこち脱線してばかりですが、とりあえず忘れないうちに艦娘紹介を…


大型潜水艦…マルコーニ級。1940年生まれ。六隻


単殻、サドル・タンク付き構造の大型潜水艦。大型潜水艦「ブリン」級、「リウッツィ」級の発展型で、「戦前に作られた航洋型イタリア潜の中では最良のタイプ」とされる、戦果を挙げた艦もあったが、戦局の厳しさから「ルイージ・トレーリ」以外の全艦が失われている

排水量1175トン/1465トン。
主機3600馬力(ディーゼル)/1500馬力(電動機)で速度は17.8ノット(水上)/8.2ノット(水中)

兵装は533ミリ魚雷発射管4門(艦首)/4門(艦尾)、100ミリ単装砲1基(司令塔前部甲板)、13.2ミリ連装機銃2基(司令塔後部張り出し上)


…特にエピソードとして有名なのは「ルイージ・トレーリ」で、大型潜「コマンダンテ・カッペリーニ」などと同じように実入りの少ない南大西洋での作戦行動から引き上げられ、ボルドーの前線基地「ベタソム」で輸送潜水艦に改修、貴重な戦略物資を搭載して日本へ出航…サバンまで到着した所でイタリアが降伏、一部乗員は志願して残留し、ドイツ軍「モンスーン・グルッペ」に編入されて「UIT.25」となったが神戸に来着した所でドイツも降伏…呉所属の「伊五〇四」潜として敗戦を迎えた……伊・独・日の軍艦旗を掲げるという数奇な運命をたどった潜水艦で、最後は米軍によって海没処分となった

…また、「レオナルド・ダ・ヴィンチ」は英地中海艦隊のパトロールが厳しい地中海、途中からは戦果の少ない南大西洋やインド洋をドイツに割り当てられたなかで善戦し撃沈18隻、12万5633トンというイタリア潜で一番の戦果を残し、「アレサンドロ」はイタリア潜で大西洋初戦果をあげている

………

艦名の由来は

「グリエルモ・マルコーニ」が海軍的にも重要な無線通信の発明者でノーベル賞受賞の科学者
「ミケーレ・ビアンキ」は右翼活動家
「レオナルド・ダ・ヴィンチ」は潜水艦も発明していた歴史に残る偉大な大天才
「ルイージ・トレーリ」は1810〜87年にいた愛国者で政治家
「マッジォーレ・バラッカ」は日本語の資料にはなく詳しいことはよく分からない…
「アレサンドロ」は当時のスペイン海軍の士官として世界を冒険した航海者「アレサンドロ・マラスピーナ」

………

艦娘「マルコーニ」級は可愛い顔に反して巨乳で、すらっと脚が長いので大柄に見える。


「マルコーニ」は時々しゃべらずモールスだけで会話することもある面倒くさがりで、「ビアンキ」は右派活動家だけあってイタリア的な物やことがらに熱心で声が大きい。甘々な生活を送っている提督たちを「最近の娘はたるんでいる」と怒るが、せまられると期待で真っ赤になってしまう所も…
「ダ・ヴィンチ」は戦果も多く、潜水艦たちの尊敬と大天才の名前をほしいままにしているが、怪しい実験やらトンデモな発明品で周囲を振り回す「嵐を呼ぶ錬金術士」である。「トレーリ」は日本特産のヒスイの飾りものを髪につけていて、甘い声にきらきらした瞳がチャーミング。とにかくイタリアに戻れたことが嬉しくて仕方ない様子で、堅苦しかったドイツや日本に比べ年中いちゃいちゃできる空気を歓迎している
「バラッカ」は穏やかな性格で姉妹にも愛されているが、他の偉人に比べて地味なのが気になっている…「アレサンドロ」はスペイン航海者風に黒と白いレース飾りのついた服に剣を差し、大きい帽子を斜めにかぶっている

……… <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/09/13(水) 22:14:23.98 ID:j35kqMUY0<> ランチアつったら037かデルタかフルビア、ベータぐらいしか知らんから調べたけど提督めっちゃお洒落なクルマ乗ってんなw

https://imgur.com/YSbWJSY <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/09/14(木) 01:01:20.53 ID:WfxUTiX/0<> >>774 わざわざ調べて下さって嬉しく思います、車ネタを投下しようと思っていたところなのでタイムリーですね…

…60年代欧州車ってものすごく格好いいと思っているのでぜひガジェットとして使いたいな、と……最初は提督の車をスポーティな「アルファロメオ・ジュリエッタ」(初代)や「アルファロメオ・1962」にしようかとも思ったのですが、二人乗りクーペなので「艦娘たちとお出かけ」みたいな小ネタに使いにくいと断念しました

…ちなみに初代「ジュリエッタ」は「ガンスリンガー・ガール」の「フランコ・フランカ」の二人組が乗っていますし、アルファ1962はフォーサイスの小説「ジャッカルの日」で、フランスに越境したとき「ジャッカル」が乗りこなしています。どっちも小粋なしゃれたスポーツクーペで格好いいです


…ちなみに提督たちの車は時代関係なしにその国で一番素敵な(あるいは有名な)車を選ぼうと思っています。今は百合姫提督の車を何にしようか考え中です…やっぱりマツダ・ロードスター(初代)か、いっそ日産・フィガロなんていうのも……? <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/09/14(木) 01:52:47.23 ID:WfxUTiX/0<> …執務室…

カヴール「提督♪」

提督「はぁーい…どうしたの、にこにこして?」

カヴール「分かってしまいますか…ふふっ♪」

提督「ええ、分かるわよ♪…それで?」

カヴール「…明日は執務がありませんね?」

提督「そうね、ちょっと車のメンテをしたくて…」

カヴール「…と、言うことは車を動かしますよね?」

提督「まぁ、そうなるわね……何かお買いものでもしたいの?」

カヴール「あら…分かってしまいました?」

提督「それは、まぁ……車の運転を覚えたいって訳じゃあなさそうだもの。……タラントはちょっと距離があるし、近くの街でいいかしら?」

カヴール「ええ、もちろんいいですよ♪」

提督「ところでカヴール。悪いけど、お買い物だから他にも誰か乗ってもらうし「二人きりでデート」…っていうわけにはいかないけど、それでもいいかしら?」

カヴール「構いませんよ、私もお買いものがしたいだけですし……提督とはたくさん交戦させてもらっていますから満足です♪」

提督「もう…またそういう恥ずかしいことを言う///」

カヴール「ふふ、嘘はつけない性格ですから…提督は優しいですし、甘くって柔らかくって…とっても素敵ですよ♪」

提督「止めてよ…照れるわ///」

カヴール「まぁ、赤くなって可愛い…♪」提督の手をつかんで両手を包み込み、じっと眺めてくる…

提督「あぁ、もう…この書類、今のうちに終わらせたかったのに///」…ちゅっ♪

カヴール「ん、ちゅっ♪……さぁ、ベッドに行きましょう♪」

提督「もう、強引なんだから…」

カヴール「ふふ、提督が可愛いのがいけないんですよ……さ、脱ぐところを見せて下さいな♪」

提督「もう、せかさないで…っ///」上着を椅子にかけ、黒のレースがついたブラを外そうと身体をよじる…と、ノックの音が響いた

提督「!」

カヴール「…どうぞ寝室で着直してください、私が出ます……はい、どなた?」

提督「…お願いね」寝室に駆け込みドアを閉めた

ファー・ディ・ブルーノ「失礼します…おや、提督は?」

ブリン「こちらかと思って来たのですが……」

カヴール「提督ならシャワーを浴びに行きましたよ…何か御用ですか♪」

ブリン「いかにも。…例の「犬と猫の飼育マニュアル」で分からないところを潜水艦の間でまとめてきたから、それをお渡ししようと思って」

カヴール「まぁまぁ…しっかり読み込んでいて偉いですね♪」

ファー・ディ・ブルーノ「いやいや…まとめ役として少しはいい所を見せないといかんから、ね」

カヴール「ふふ、頼もしいですね♪…では、これは提督にお渡ししておきますので」

ブリン「よろしくお願いする……ところでカヴール」

カヴール「はい、何でしょう?」

ブリン「提督はシャワーを浴びるのにブラウスまで脱いで行ったのかね?」

カヴール「…いえ、これは汗ばんでいるので先に着がえて……これは私が、後で洗濯場に持っていくつもりですよ」

ブリン「そうかね…ま、ほどほどしたまえよ♪」

ファー・ディ・ブルーノ「うむ…「昼間砲撃戦が得意だから」といってあんまり昼から盛っていると、われわれ潜水艦は口さがないから「ド級戦艦」じゃなくて「ド級性欲艦」だ、などとからかわれるぞ?」

カヴール「むぅ……だったらリットリオはどうなのです?」

ブリン「ははは、あれはそもそもそういう艦だよ…「超ド級」の色ボケ戦艦だからな♪」

…リットリオ居室…

リットリオ「…くしゅんっ!」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<><>2017/09/14(木) 02:04:10.92 ID:0ix93+ESO<> >>777get <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/09/14(木) 08:22:13.80 ID:IfnLhGwWO<> >>774
百合姫提督には是非この4ドアハコスカこと2000GT-R PGC10に乗って頂きたい!
https://imgur.com/1z0HbKL <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/09/14(木) 12:48:37.79 ID:4ixNGq8mO<> 乙ー
一気読みしちった。最高だぜ、b0M46H9tf98h氏よ。
ザラポーラ姉妹が特に良い。何が良いかは問わずに良いのだよ

個人的に聞いて答えるなら、b0M46H9tf98h氏は誰がお気に入りとかある? <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/09/15(金) 01:17:06.30 ID:OV8hH2iG0<> >>777 おめでとうございます♪

>>778 えーと、調べてみましたが、「PGC10」っていわゆる「初代」ですよね?……何となく運転は苦手な百合姫提督なので車は大人しいのを選ぼうかなと思っていたのでどうでしょう…?
……でもありがとうございます。小ネタとしてぜひ使いたいと思います



>>779 グラツィエ♪……ザラ級はWW2でツいてなかったですが、列強の一万トン重巡の中で群を抜いて(デザインも性能も)いい艦なので、せめてSSの中だけでも仲良く活躍させてあげたかったですし、気に入ってもらってよかったです……


…個人的にはイタリア艦に目覚めさせてくれたR・モンテクッコリ級軽巡がお気に入りですが、リットリオ級のたおやかで優雅なデザインも嫌いじゃありません……野上隼夫さんのイタリア軍艦の絵は写真かと思うほど写実的で美しかったです…あと、知らなかった頃はイタリア巡の主砲塔のコンパクトさと、主砲二門の間隔が狭いのが他国の砲塔に比べてお洒落に見えて……実際は悪影響が多かったと知ってがっかりしたものです……


ちなみに日本では妙高型重巡か改修前(15.5センチ三連装砲塔)の最上型重巡(実際は積み込み過ぎで窮屈かつトップヘビーだったと知って残念でした)、駆逐艦は旧峯風型・神風型(特型の前に作られた艦首楼があるタイプで、結構頑丈だったとか)、改松型あたりです…

…イギリスではE級(エメラルド級)軽巡か、「40ノットは出た」という最高の敷設巡アブディール級、ハント級4型駆逐艦とかです…

…アメリカは…趣味的にはあんまり……ミズーリは良く戦ったですし、エセックス級空母や護衛空母の数々、リバティ船なんかは戦勝の原動力ですしすごいなと思いますが……と言ったところです

<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/09/15(金) 02:20:21.27 ID:OV8hH2iG0<> …翌日…

提督「おはよう、みんな…昨日の夜伝えたけど、今日はそこの町で買い物をしてくるから、リストがある人はカヴールに渡してね♪」

セラ「ふふ、初めてのお小遣いが出ましたから…楽しみです♪」

エモ(マルチェロ級大型潜)「分かります…私もです♪」ぱぁっ…と明るい表情を浮かべるエモは、由来になった提督が「アンジェロ・エモ」だけに、アンジェロ(天使)のように無垢で可愛らしい笑みを浮かべた…

カヴール「よかったですね…さ、受け取りますよ♪」…大荷物でも動きやすいよう薄手のハイネックセーターと栗色スラックス姿のカヴールは、艦娘たちからの「お買いものリスト」を次々に受け取る…

提督「え…そんなにあるの?……ここのトラックにした方がいいんじゃないかしら」鎮守府にあるフィアットのぽんこつ小型トラックをひきあいに出した

カヴール「もう、提督はせっかくのお買いものにトラックを使うおつもりなんですか?」むぅ…と頬をふくらませてみせるカヴール

提督「いえ、だって…ねぇ。配送をお願いしても今日中にはつかないわよ?」南イタリアらしいのんきな気風は遊びにはいいが、注文や配送を頼むにはあまりむいていない…

カヴール「ふふ、みんな分かった上で頼んでいますから…♪」

提督「そう?ならいいけど…」

カヴール「それより、一緒に乗る娘たちですが…」

提督「ええ」

カヴール「機雷敷設潜のピエトロ・ミッカと、駆逐艦のアヴィエーレです」

ミッカ「今日はご一緒させてもらいます♪」大戦中は輸送任務に明け暮れた大型潜ピエトロ・ミッカはさっぱりした青いカットソーにひらひらした軽やかなスカートで、身体が動くたびに胸が弾んだ…

提督「ええ…いいわね♪」

カヴール「…♪」きゅっ…とふとももをつねる

提督「あいたっ!……で、もう一人はアヴィエーレね♪」

アヴィエーレ「最近は一緒になることが多いね…嬉しいよ♪」オールバックの髪にサングラス、砂色の開襟シャツと綿パン、革のサンダル…と、相変わらず航空兵らしいスタイルのアヴィエーレ…

提督「私もよ…護衛はよろしくね♪」

アヴィエーレ「お任せあれ」

カヴール「…では提督が車のメンテナンスを終えるまで、私たちはテラスで待機していましょう」

アヴィエーレ「シィ。了解だ」

ミッカ「はい、そうしましょう」

提督「じゃあ終わったら車を回すわね」

………

…しばらくして・車庫…

提督「ふぅ…どれどれ」…提督は髪をまとめて頭に巻きつけ、汚れてもいいように袖口のほつれたTシャツと余っていた軍用のつなぎ、作業用の手袋を身に付けてボンネットを開けた

提督「んー…コード類は大丈夫そうだし、ファンベルトも張ってる。オイルもバッテリー液もあるし……錆もオイル漏れもなさそうね……」今度はガレージによくある車輪付きの板で車体の下に潜りこんだ…

提督「こっちも大丈夫、と……」ディスクブレーキの汚れやすり減りを見て、タンクやパーツのガタつきがないか触ってみた……

提督「よいしょ…あら、どうしたの?」

ミッチャー提督「よっ…いや、車は好きだからのぞきに来たのよ♪」提督が下から滑り出ると、逆さまに見えるミッチャー提督がのぞきこんでいた

提督「この車、どう思う?」

ミッチャー提督「ランチア・フラミニア?いいんじゃない、格好いいわ♪……でも、結構なクラシックでしょ?よく見つけたわね?」

提督「ふふっ、中古のを捨て値で買って地元のガレージで直していったの…最初は目も当てられなかったわ♪」タイヤのドレッドと空気圧を確認する…

ミッチャー提督「へぇ…意外だね。…フランチェスカは油まみれになるようなことはあんまり好きじゃないと思ってたよ」

提督「どういたしまして♪…母の影響かも知れないわ、「車は女の子なんだから、優しくしてあげなきゃだめよ」って言うのが口癖だから」

ミッチャー提督「へぇ…いい心がけだね」

提督「あと…「せっかく可愛い女の子と約束してドライブデート…なんて時に、故障なんてしたら目も当てられないわよ?」って言ってたわ♪」

ミッチャー提督「ぷははっ!…フランチェスカのお母さんらしいね」

提督「ね、我が母親ながらおかしかったわ♪」

ミッチャー提督「…何か手伝おうか?」

提督「ありがとう、でも大丈夫…何にも問題なかったわ」

ミッチャー提督「そりゃよかったね。ドライブ、楽しんできなよ♪」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/09/15(金) 07:46:28.74 ID:6qB8nGzSO<> ミッチャー提督は3代目カマロとか似合いそうw <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/09/17(日) 00:28:58.34 ID:Lr7ohM4V0<> >>782 遅くなってすみません…コメントありがとうございます。個人的には70年の「2代目」カマロとか、71年の「3代目」コルヴェットなんかが候補でした……50年代のゴージャスな車でもよかったですが、さすがにクラシックすぎるかとあきらめました


……あと、訂正を一個

>>746でフランス語の「Les」を「ル」って書いてましたが、「レ」ですね。うろ覚えで書いてしまってごめんなさい… <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/09/17(日) 01:38:34.11 ID:Lr7ohM4V0<> 提督「ありがと♪……そういえば」額をつなぎの袖で拭って、モンキーレンチを工具箱に戻しながら言った

ミッチャー提督「なに?」

提督「ジェーンはどんな車に乗っているの?……米軍の准将さんなんだから、やっぱり黒塗りの「リンカーン・コンチネンタル」とか?」

ミッチャー提督「あははっ、ノーウェイ(ないない)♪…最近の米軍ときたら「駆逐艦三隻に提督が一人」って具合だから、何でもかんでもワシントンの小役人みたいな奴らに査察を食らっちゃあ、イヤミな叔母さんみたいにネチネチやられるのよ?……リンカーン・コンチネンタルなんか乗ってたら何を言われるか分かったものじゃないわ」

提督「そうなの?」

ミッチャー提督「そうよ。だいたい貧乏な准将どのにリンカーンなんか維持できないわよ、年中うちの「レディ」たちと一緒に週末のバーベキューだとか、お出かけだとかしててピーピーなんだから。それに、あれは運転手に運転してもらう車だし私向きじゃないわ……っていうか、写真見せなかったっけ?」

提督「見てないわ。写真があるの?……ふふ、お財布とかに入れているのね♪」

ミッチャー提督「ヘイ、止してよ…スマートフォンってものがあるのを知らないわけ?」ポケットからスマートフォンを取り出し、画像を探し始めた…

提督「へぇぇ…便利なものね」

ミッチャー提督「アーユゥ、キディン、ミィ?(冗談でしょ?)…今どきスマートフォンも持ってないの?支払いとかはどうしてるのよ?」

提督「え?…現金とカードだけど」

ミッチャー提督「参ったわね…こっちに来てから電子マネーは通じないし、アメックスも使えないなんてことはあったけど……」

提督「別にリラとユーロ札があれば困らないもの」

ミッチャー提督「はぁ……お、あったわよ」

提督「どれどれ…?」画面をのぞきこむと、黄色いスポーツクーペのボンネットに腕を乗せポーズを取るミッチャー提督と、横に立っているフレッチャーが写っていた…

提督「あら、速そうな車♪」

ミッチャー提督「ふふん、「プリマス・バラクーダ」71年モデル…ため込んだ数万ドルをはたいて買った自慢の一台なの♪」

提督「いかにもアメリカって感じね」

ミッチャー提督「まぁ、買えたのは本当に偶然だったんだけどね…」

………

…数年前・サンディエゴ…

ミッチャー提督「そろそろちゃんとした車が欲しいわね」…当時太平洋艦隊の少佐だったミッチャー提督は、ヒンジがひしゃげているおんぼろなピックアップのドアをどうにか閉めると、下見をかねて自動車ディーラーのひしめき合っているブロックに車を走らせた……ようやく貯めた数万ドルの入った財布と、強盗よけの「お守り」としてホルスターに突っこんである.45口径のコルトをお供に、駐車場の一角に車を停めた…


ミッチャー提督「ここね」…軍関係者には割引もあると聞いてきた自動車ディーラーの店は、ピカピカのフォードやダッジから、きれいに整備された中古車までずらりと並んでいる。ディーラーの男はミッチャー提督を車に詳しくない「お嬢さん」だとでも思ったのかやたら愛想がよく、付きっきりで話しかけてくる……

ディーラー「…自動車はアメリカで生まれました、日本の発明品じゃありません。少し後れをとりましたが、今や巻き返しの時です」近くにあった新型のキャデラックに案内して自慢げに言う…大きいばかりの新型キャディを見て仏頂面のミッチャー提督……

ミッチャー提督「…キャディは好きよ」(…ただし、75年以前のね)

ディーラー「キャディがお好き?結構、ではますます好きになりますよ♪…シートはビニール、本革だと夏は暑いしひび割れはするし、汗で滑るし良いことなんかありませんよ…天井は高くて大柄な方でもゆったりだ♪」

ミッチャー提督「…」

ディーラー「どうぞ回してみて下さい…いい音でしょう?余裕の音だ、馬力が違います♪」

ミッチャー提督「……別のはある?」

ディーラー「おや…お気に召しませんでしたか?」

ミッチャー提督「まぁ、そうね……って、あれは売り物?」モータープール(駐車場)の奥にひっそりと停めてある一台に視線が行った

ディーラー「ええ売り物ですよ。ご覧になりますか」案内された先にはダッジの払い下げパトカーや中古のバンに並んで、黄色いプリマスが鎮座していた

ミッチャー提督「嘘でしょ…いくら?」

ディーラー「ええ、そうですね…ざっと2万ドルでいかがです?」

ミッチャー提督「乗ってもいいかしら?」

ディーラー「ええどうぞ…パワフルで豪華、まさに古き良きアメリカの車です。いかがです?」

ミッチャー提督「そうね。でも一番気に入ったのはね…」

ディーラー「…なんです?」

ミッチャー提督「…値段よ」ドル札を渡すと、中古ピックアップは捨て値で買い取ってもらい、意気揚々と乗って帰った…

………

ミッチャー提督「と…まぁ、そんな具合で買ったのよ」

提督「そういうことってあるものなのねぇ…」つなぎから着替えてメイクをするためにテラスで別れた… <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/09/17(日) 02:23:24.21 ID:Lr7ohM4V0<> …数十分後…

提督「はい、お待たせ♪」涼しげなアメジストのネックレスとイヤリングに、軽いピンク色のルージュ。シンプルなスカートにブラウスと動きやすい格好でランチアを停めた…

アヴィエーレ「よし…じゃあ行こう!」

カヴール「ふふ、では後部座席はお二人でどうぞ♪」

ミッカ「はい、ありがとうございます」

アヴィエーレ「眺めのいい助手席がよかったなぁ…風も感じたいし」

カヴール「まぁまぁ…帰りは代わってあげますから」

アヴィエーレ「まぁ、ならいいや」

ミッカ「提督、準備いいですよ」

提督「そう?…じゃあ出発♪」

アヴィエーレ「よーし、アヴァンティ(前進)!」


………

…近くの町…

提督「さてと…買い物リストは……と」提督たちが日ごろお世話になっている小さな田舎町はのんきな空気が流れていて、町中がみんな顔馴染みのような気楽な町だった

カヴール「まずは…お菓子屋さんですね」

提督「はいはい…みんな甘い物は好きだものね」

…菓子屋…

提督「こんにちは」

菓子屋のおじさま「いらっしゃい、海軍さん」…渋い声の「おじさま」が腕を振るっている菓子屋は艦娘たちと提督のお気に入りで、地味だけれどしっかり作られた焼き菓子が絶品だった…もちろんムースやクリームの乗ったケーキも美味しいが、そうそう持って帰れないので大抵は焼き菓子だった

提督「えーと…普通のクッキーと市松模様のクッキーをそれぞれ五十枚…一口マロンパイを六十個……」

菓子屋の奥さま「あらあら…いつもご贔屓に♪」菓子屋のおじさまが奥に引っ込み追加を持ってくる間に、ほっそりしたしとやかな奥さまが出てきて袋に詰めてくれる…

提督「こんにちは、奥さま♪」

奥さま「ふふ、奥様だなんて恥ずかしいですよ…ただの菓子屋ですもの」

提督「いいえ、優雅でお綺麗ですよ……ご主人がうらやましい」

奥さま「もう、お上手ですこと♪…よかったら割れちゃったクッキーも持って行って下さいな。……あなたがたも焼き菓子はお好き?」カヴールたちにもにっこり微笑みかけてくれる

カヴール「うふふっ、もちろんです…甘い物はお茶の時間をより幸せにしてくれますから♪」

アヴィエーレ「しかも、こんな見目麗しい奥さんが手ずから作られたとあればなおさら…ね♪」

ミッカ「ここのお菓子は美味しいですから大好きです」

奥さま「もう、みんなお上手なのね……よかったら、切り落としのケーキも持って行って?」ピスタチオ入りケーキの端っこも紙袋に詰めてくれた

カヴール「ふふ、ごちそうさまです♪」

奥さま「いいのよ…ご近所さんに配るにしても毎日だと飽きられてしまうし、普段からたくさん買って下さいますからね」

おじさま「…追加の分です。……まだ熱いから、持って帰ったら袋の口を開けて冷まして置いてください…」

提督「はい、わかりました♪」復活したリラ札を数枚取り出した

おじさま「毎度どうも…今後ともご贔屓に……」

奥さま「またいらして下さいね♪」

……… <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/09/17(日) 13:21:21.32 ID:wAQOzO6LO<> 71年式のバラクーダとはなかなかいいセンスですな。プリムスやったら426ヘミエンジンを積んだヘミ・クーダやスーパーバードが好きかな。50~80年代のクルマは国を問わず名車しかないから困る。 <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/09/18(月) 00:39:05.65 ID:MajhNf9S0<> >>786 

まずは感想ありがとうございます…とっても詳しい方なのですね。こちらは見た目重視でメカの方はあんまり……ですが、よかったらお付き合い下さい。個人的にはジウジアーロ的デザインの「四角い車」があまり好きではないので、50〜70年代に入るころぐらいまでの車が好きです


…ちなみに途中でちらりと登場してもらったドイツのヴァイス中佐には戦前の「BMW327」でクロームイエローと黒のツートンカラー…さもなければ61年モデルの「メルツェデス600リムジン」のクロームシルバーに塗装されたものに乗って欲しかったのですが、あまりにも無理があるので泣く泣くあきらめました…


…しばらく車の小ネタは投下する予定ですので、引き続き各国の名車を登場させていきたいと思っています <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/09/18(月) 01:16:01.26 ID:MajhNf9S0<> 提督「さて次は……雑貨屋ね」

カヴール「何かと必要なものが出てきますからね…さ、参りましょう♪」すっ…と指を絡めてくる

ミッカ「あ…じゃあ私は反対側を」

アヴィエーレ「はは、まるで親子連れだね♪」石畳が敷かれた道の一歩先に立って、振り返りつつからかうアヴィエーレ

提督「ふふ、親子ですって♪……ねぇ、カヴール…親子だとしたら私とあなた、どっちが奥さんかしら///」

カヴール「む…それは難しい質問ですね……///」

ミッカ「私が子供なのは決定済みですか…」

提督「だって、ねぇ…カヴールは子供には見えないわ」

ミッカ「そうですか……あ♪」

提督「なぁに、何か思いついた?」

ミッカ「…提督とカヴールの「カンピオーニ婦妻」っていうのならいかがでしょう?」

提督「なるほど…それ、いいわね♪」

カヴール「それなら私も提督の奥さんになれますし、提督も婦人のままでいい訳ですね♪」

提督「ふふ、そうね…ありがと、ミッカ♪」優しく頭を撫でた…

ミッカ「あっ…///」

カヴール「あ、私も撫でて下さい♪」

提督「はいはい…じゃあ少し屈んでくれ…る?」つま先立ちして頭を撫でる…

カヴール「うふふっ…提督の手、柔らかくて暖かいです♪」撫でている手を取ってそっとキスをした…

提督「あんっ、もう///」頬を赤らめて上目遣いでカヴールを見た

アヴィエーレ「あー、はいはい…ごちそうさま。…甘いなんてものじゃないよ、全く……」さりげなくもらったクッキーの袋に手を突っこみ、ぼやきながらぼりぼりかじっている…

アヴィエーレ「ところで三人とも…」

提督「?」

アヴィエーレ「…盛り上がっているところを悪いけど、目的地を通り過ぎちゃったよ?」

提督「えっ?」

アヴィエーレ「ほら、雑貨屋はそこの角だろう?」

カヴール「あらあら…」

提督「ごめんなさいね…すっかりうわの空だったわ」

アヴィエーレ「そうみたいだね」引き戸を開けてくれた

提督「あら、ありがとう♪」

アヴィエーレ「いえいえ…どうぞ、カンピオーニ「ご婦妻」♪」

カヴール「まぁ…照れちゃいますね♪」

ミッカ「子供扱いはともかくですが…この両親だったら嬉しいです」
<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/09/18(月) 02:14:20.10 ID:MajhNf9S0<> …店内…

提督「えーと…」買い物のメモを片手にカヴールの持っているカゴに商品を入れていき、ついでに薄暗く涼しい店内にほっとしてあちこち見て回った

提督「釘のセット二つに……カッターナイフの替え刃…電球四つ……30メートル以上のホース…」

カヴール「庭のホースがこの間だめになってしまいましたからね…よく持ってくれましたが」

提督「切れたところから水が噴き出して大騒ぎだったものね……野菜用の液肥…」

ミッカ「菜園のトマトがどんどんなっているから、少し施してあげないといけないわ」

提督「そうね♪……えーと、麻ひも一巻き…洗濯バサミ……洋服ハンガー……」どさっ…とカゴに積み込んでいく

カヴール「ふふ、こういうお買いものは生活感があって楽しいですね♪」

提督「そう?…あ、そういえば」

カヴール「どうなさいました?」

提督「うちの鎮守府に犬か猫が来るじゃない?……首輪とリードも買おうかしら」

ミッカ「でも、どんな子が来るか分からないのですよね…少し気が早いのでは?」

提督「あー…言われてみればそれもそうね。……じゃあ買うのはまたにして、どんなのがいいか下見だけしましょう♪」

アヴィエーレ「それなら…こんなのはどうだろう?」指差したのはシンプルな黒革の首輪で、留め具の所にはしっかりした鋲が打ってある

提督「悪くないわね、丈夫そうでいいと思うわ♪」

ミッカ「私はこれがいいと思います♪」可愛い桃色のリボン風首輪で、白い子猫や子犬に似合いそうなデザインだった

提督「ふふっ、ミッカは可愛いのが好きなのね♪…カヴールは?」

カヴール「そうですね…これがいいのではないでしょうか」シックな飾りのついた首輪を持ち上げた

提督「それもお洒落でいいわね……さて、身体も涼しくなったしお会計に行きましょう♪」

………

…数分後・街角…

提督「…それにしても暑いこと」…かんかんと太陽が照りつけるなか、提督とアヴィエーレはサングラスをかけ、カヴールはシックなリボンと飾りのついた貴婦人のような帽子をかぶり、ミッカは涼しげな麦わら帽子をかぶっていた

アヴィエーレ「うぁー…溶けそうだよ……」

ミッカ「…どこかでひと泳ぎしたいです」

カヴール「冷たいものでもあればいいのかも知れませんね…」と、視線が街角の屋台に止まった…

提督「…あー、ジェラートね」

アヴィエーレ「一つ買おう…お金はあるんだし」

ミッカ「そうですね…私も欲しいです」

提督「いいわ、じゃあ私が買ってあげる♪……カヴールは?」

カヴール「まぁ…よろしいのですか?」

提督「ええ、もちろんいいわ♪…すみません、ジェラートを……何味がいい?」

アヴィエーレ「普通のミルク仕立てに…レモン、イチゴか……涼しげだからレモンにしよう」

ミッカ「イチゴがいいです♪」

カヴール「ではミルクを」

提督「…私もミルクで♪」

屋台のお姉さん「はい♪……可愛いお嬢さん方にはサービスね♪」手早く三角錐型にジェラートを盛ると、ウィンクしてもう一しゃくいして乗せてくれた…

提督「あら、うれしい♪」

お姉さん「いいのよ♪……どれも美味しいから、仲良く味見してみて…ね?」

提督「ふふっ、ぜひそうさせてもらいます♪」ジェラートを持って小さい広場の銅像の下、石造りの台座に腰かけた…

アヴィエーレ「んー、美味い♪……なんだか鎮守府のみんなに悪いなぁ」

提督「どうかしら…もしかしたら姫が日本の美味しいお菓子を出して、お茶会でもしているかもしれないわよ?」

カヴール「ふふ、でも私は提督の舐めたジェラートが一番美味しいと思いますよ…♪」ぺろっ…と大きく舐めとった♪

提督「あ、そんなにとるなんてずるいわ……カヴールのも舐めさせてもらうわね♪」…れろっ♪ <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/09/19(火) 01:03:28.45 ID:89zESbUh0<> …同じ頃・鎮守府…

百合姫提督「くしゅっ!……噂でもされているのかしら」百合姫提督は睡蓮の柄が入った浅葱色の小袖を着て、食堂にいた艦娘たちに抹茶とお菓子を振る舞っていた。大き目の菓子皿に懐紙を敷き、四種類のお菓子が盛り合わせにされている……

フェラリス「ガリレイ?…ほら、お茶の時間だからこっちに来て?」

ガリレイ「もう少し待って……今いい所だから…」

百合姫提督「あらあら…すっかりお気に入りみたいね」…暇そうにしていたアルキメーデ級大型潜、「ガリレオ・ガリレイ」に百合漫画を渡してみた所、すっかり気に入ってむさぼるように読みふけっている…

フェラリス「まぁ、ガリレイは略号が「GL」だから♪」

(※略号…イタリアで駆逐艦以下の小型艦に必ず書いてあるアルファベット二文字の頭文字。駆逐艦は戦時を通して艦首、潜水艦は30年代まで司令塔側面に大書していた。「ガリレオ・ガリレイ」は通称ガリレイ(Galilei)で、これを縮めて「GL」になる)

百合姫提督「あぁ、なるほど…」

フェラリス「ほら、早く来ないとなくなっちゃうかもよ?」

ガリレイ「んー…」生返事でページをめくっている…

フェラリス「仕方ないわね、もう……先にたべちゃいましょう」

百合姫提督「ごめんなさいね…私もお茶の時間が済んでから渡せばよかったわ」

ミッチャー提督「まぁいいんじゃない?…それより、なんだか渋い見た目のお菓子が多いわね」

百合姫提督「そうかしら?……見た目は地味でも、どれも地元で愛されてきた銘菓だから一個づつ説明してあげる」

エンタープライズ「それはいいですね。ぜひお願いします…日本のお菓子は奥深いですから」

百合姫提督「はい♪……えーと、今日のお茶菓子は四国銘菓の盛り合わせにしてみました」

足柄「四国っていうのは、呉を挟んで向かい側にある大きい島のことよ」

ミッチャー提督「あー…あの島ね。了解」

百合姫提督「…私ね、日本でも四国の四県を正しく言えない人がいて残念に思っているの…人は優しいし、気候は温暖だし、食べ物は山海の珍味が揃っているし…」

フェラリス「いい所なんですね」

百合姫提督「ええ。ここみたいに温暖で、レモンや柑橘の栽培も盛んな所よ」

フェラリス「なるほど…では、きっとお菓子も美味しいことでしょうね♪」

百合姫提督「そうね、きっと気に入ってくれると思うわ……まずは「讃岐うどん」で有名な香川県の「おいり」よ♪」…小さく丸いお菓子に白や薄桃色、黄色や緑の色付けがされている

ミッチャー提督「日本的な色合いね、パステルカラーで可愛いと思うわ」

百合姫提督「ふふ…味も素朴で美味しいの。お餅を乾かしてふくらませるのだけど、丸い形なのは「心を丸くする」っていう意味もあるそうよ」

ミッチャー提督「へぇぇ…私なんかとげとげしいばっかりだから一つ食べておくわ……」指でつまんで「おいり」を口に放り込み、ピーナツのようにぽりぽり噛んだ…

百合姫提督「ちなみに讃岐の一部では嫁入りに使われることもあるみたいね」

フェラリス「へぇ……それはともかく、飽きの来ない味ですね」頭の上でひゅんひゅんと磁石を浮遊させながら、つまんでは口に入れる…

トリチェリ(U)「…なかなか美味しいわ、いくらでも食べられそう」

バニョリーニ「ふふ…美味しいな……ほら、あーん?」隣に座っているルイージ・トレーリの頬に片手をあてて、反対側の手でつまんだ「おいり」を差しだした…

トレーリ「じ、自分で食べられますから…///」

バニョリーニ「そうか…じゃあ、ジオベルティ……あーん♪」

ジオベルティ(オリアーニ級)「う……あ、あーん///」

バニョリーニ「ふふ、いい子だね…♪」首筋をくすぐってからバニョリーニもつまんだ

オリアーニ「うちの妹たちに手を出さないで…この女ったらし!」

バニョリーニ「おや…妬いているのか、可愛いね♪」

オリアーニ「…ばか、そんなのじゃないわよ!」

バニョリーニ「ふふ、いいんだよ♪……百合野提督、お次は?」

百合姫提督「次は…これにしましょう、阿波踊りで有名な徳島の「霰糖」(あられとう)ね。四国は香川の「和三盆糖」で有名だけど、徳島も昔から砂糖の産地なの。その和三盆を精製するとき、ふるいに残るのがこの「霰糖」なの…」

ランポ(フォルゴーレ級)「…んっ、美味しい……♪」白い小石のようにも見える粒をそっと口に入れると、天然の砂糖きびならではの素朴な甘さがじーんと広がっていく…

百合姫提督「美味しい?……よかった♪」

<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/09/19(火) 01:54:13.64 ID:89zESbUh0<> ミッチャー提督「んー…やっぱり日本らしいね、アメリカにはこういうシンプルなお菓子はあんまりないから」

百合姫提督「ふふ、お味はいかが?」

ミッチャー提督「うん、美味しいよ…甘いだけじゃない「風味」って言うのがあるね♪」

百合姫提督「良かった…抹茶も召し上がれ♪」

カッペリーニ「すー……あぁ、日本の味ですね」

トレーリ「ね…渋いけど美味しい♪」日本派遣組のトレーリとカッペリーニは懐かしげに抹茶をすすっている…

タッツォーリ(カルヴィ級大型潜)「うぇぇ…苦いですね、これがいわゆる「青汁」ですか」…トレーリとカッペリーニが日本まで長躯した思い出に浸りながら抹茶をすすっている一方、自称「日本通」の「エンリコ・タッツォーリ」は眉をひそめていた……

足柄「誰が青汁よ…抹茶よ、抹茶……うちの提督に失礼なこと言わないの」

百合姫提督「いいのよ…タッツォーリ、美味しくなかった?」

タッツォーリ「いえ…美味しくないわけでは……苦み走った深みが実に日本らしい…」

百合姫提督「ふふ、タッツォーリには宇治抹茶より、ココアやモカの方が良かったかしら?」

タッツォーリ「いえ…苦いのはブルーマウンテンも平気ですから……この葉っぱのような青い味がどうも…」

百合姫提督「じゃあ…少し貸してくれる?」抹茶の器を受け取り小さじで砂糖を入れると、厨房から取ってきたミルクを注いだ

タッツォーリ「?」

百合姫提督「…抹茶ミルクだけど、これなら美味しく飲めると思うの」

タッツォーリ「なるほど、では……」

百合姫提督「どうかしら?」

タッツォーリ「美味しいです、これならいっぱい飲めます♪」

カッペリーニ「抹茶はいっぱいいただくものじゃないのよ、タッツォーリ♪」

百合姫提督「ふふ、いいのよ♪……他にも抹茶ミルクにしたい人?」

セラ「なら、私もお願いします…」

ミラベロ「私もお願いするわ、どっちの味も楽しみたいもの…ね♪」

百合姫提督「はいはい♪」

チェザーレ「ふむ…チェザーレはこの苦味、結構好きだぞ」

リットリオ「うー…私は甘いのがいいです、抹茶ミルクにしてください……」

百合姫提督「はい、どうぞ。…とはいっても、次のお菓子は甘いから口直しになると思うわ」

リットリオ「そうですか、嬉しいですっ♪」

百合姫提督「ふふ…」白あんのような色をしたようかんが二切れ、懐紙の上にずらして並べてある

チェザーレ「で、どのようなお菓子なのであろうか…ぜひお聞かせ願いたい」

百合姫提督「ええ…これは鰹や坂本竜馬、皿鉢(さわち)料理で有名な「土佐」…つまり高知県の「百合羊羹」よ♪」

バニョリーニ「百合…羊羹……っ!」…ガタッ!……椅子から身を起こして、また座りなおした…

ドリア「まぁ…素敵です♪」

ガリバルディ「ほほう♪」

エウジェニオ「……百合羊羹…良い響きね♪」

ミッチャー提督「食いつきがいいわね…」

百合姫提督「百合根を練り込んである羊羹で、名前がいいから買ってみたの…よく練ってある羊羹で、味わいもしっとりしてて良かったわ」

エウジェニオ「そうですね……ふふ、美味しい♪」

ポーラ「はい、ザラ姉さま…あーん♪」

ザラ「あーんっ♪……んむ、んむ…じゃあポーラも、あーん♪」

ポーラ「あーん…ふふっ、美味しいですねぇ〜♪」

ザラ「そうよね…ほら、フィウメ、ゴリツィアも「あーん」して?」

フィウメ「あーん……ザラ姉に食べさせてもらうと格別ですね♪」

ゴリツィア「姉さまたちと一緒にお菓子を食べられて……幸せです♪」 <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/09/19(火) 02:34:13.34 ID:89zESbUh0<> バニョリーニ「それにしても美味しいお菓子たちだった…で、最後の一品だけれど……ロールケーキかな?」

ポーラ「ロールケーキはぁ〜、和菓子じゃないですよねぇ〜…?」

オリアーニ「確かにロールケーキだけど…中のクリームがどう見てもクリームじゃないわ」

百合姫提督「ええ、そうなの。これは蜜柑で有名な愛媛県の銘菓「一六タルト」(いちろくたると)っていうの」クリーム色のしっとりした生地に、「の」の字に黒いあんこが巻かれている…

フェラリス「…一六タルト?」

百合姫提督「ええ。……昔、日本が鎖国をしていた江戸時代の頃、唯一の交易拠点だった長崎の「出島」にお勤めすることになった松山藩主「松平定行」が、ポルトガル人に教えてもらって製法を持ち帰ったの…だけど当時の日本にジャムやレモンはなかったから、中はジャムの代わりにあんこを詰めて、レモン風味ではなくて柚子の香りを付けた努力作なの……洋風だけど和風…面白いでしょう?」

グラウコ「あの…ポルトガル語に「タルト」という言葉はないはずですが……」ポルトガル潜になりかけた大型潜「グラウコ」が、深青色の目を向けた

百合姫提督「ふふ♪…それがね、聞いたところによるとポルトガル語の「トルタ」(ケーキ)を聞き違えて「タルト」になってしまったらしいの」

グラウコ「あー…ふふふっ♪」

百合姫提督「さ、召し上がれ…きっと驚くから♪」

グラウコ「ではでは……ん?」

ゴルゴ(フルット級中型潜)「おぉ…?」艦名が「ゴルゴ」(渦)だけにロールケーキには目がないが、妙な顔をしている

ヴォルティーチェ(フルット級)「んぅ?」…こちらも「ヴォルティーチェ」(渦・渦動)だけにロールケーキは好きだが、不思議そうな顔をして「一六タルト」を味わっている

百合姫提督「あら…あんまり好みじゃなかった?」

グラウコ「いえ…美味しいですが……不思議な味です」

オタリア「ね、何だか後味がすごくさっぱりしていて…」

百合姫提督「…きっと柚子の味がそうさせるのね」

足柄「私は「シベリア」みたいで好きなんだけど…まぁ、レモンの味に慣れてると違和感があるのかも知れないわね」

龍田「普通に美味しいと思うのだけど、ねぇ?」

ミッチャー提督「私は美味しいと思うよ…面白いし。……何ていうか、そのお殿様はロールケーキが食べたくて仕方なかったんだろうね」

足柄「まぁ、肉じゃがだって「ビーフスチュウ」が食べたいって東郷元帥が言ったから出来た訳だし…」

カッペリーニ「努力したことを考えると美味しさもひとしおですね」フォークで丁寧に切って口に運ぶ…

百合姫提督「どのお菓子もまだあるから、もっと欲しかったら言ってね♪」

ガリレイ「ふぅ…遅ればせながらやってきました……どれどれ、美味しそうですね♪」

百合姫提督「ふふ、ゆっくり召し上がれ♪」

………

<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/09/19(火) 11:15:07.51 ID:89zESbUh0<> …同時刻・近くの町…

提督「ふー…買ったわね」ランチアのトランクに買ったものを詰め込み、再びお買い物のメモ片手に街を歩いている…

カヴール「楽しいお買いものでしたよ」

提督「そうね…えーと、次は……」

カヴール「どうやらさっきのでおしまいのようですね」

提督「そう、なら街歩きしながらお買いものでもしましょうか」

アヴィエーレ「お、やった♪」

ミッカ「何を買おうか迷ってしまいますね…♪」

提督「好きなものを買うといいわ…ただ、あんまり大きいものは乗せられないから届けてもらうことになるけど……」

アヴィエーレ「そうか…じゃああれはどうだろう?」

提督「?」…アヴィエーレが指差した通りの角には小さな店がたたずんでいる…古びた外観で、ガラスのショーウィンドウに何やら企業のステッカーらしいものがいくつも貼りつけてあり、入り口には赤と青に塗り分けられ、そこに白い星二つが横並びしているマークの電飾看板が置いてある……

アヴィエーレ「わからないかなぁ…ほら、星二つと言えば」

提督「…少将?」

アヴィエーレ「…それもそうだけどさ。まぁいいや、入ればわかるよ」腕を取って引っ張っていく

提督「はいはい…♪」

カヴール「では私たちもついて行きましょう」

ミッカ「はい」

アヴィエーレ「ほら、ここまでくれば分かるよね?」

提督「あー…模型店なのね」…近づくと提督にも店の正体が分かった。ガラスのショーウィンドウに積み重ねてあるのはプラモデルの箱で、うち数段分は店主の作品なのか、完成したキットが麗々しく飾ってある

アヴィエーレ「ふぅ…よし、入ろう」


…店内…

提督「こんにちは…」カラコロと鈴が鳴り、ひんやりした空気と古本屋に似たような紙の匂いが漂う店内にそっと脚を踏み入れた…

店主「…いらっしゃい」カウンターの席に座っている店主は白いヒゲを生やし、使いこまれたエプロン姿で昨日の新聞をめくっていたが、提督たちが入ってくると新聞をたたみ、ゆっくり出てきた

提督「どうも…」

店主「何かお探しで?」

提督「いえ…私ではなく彼女が」

アヴィエーレ「…この町にこんないいお店があったなんて知らなかったよ」しゃがみこんで箱絵を確認して、ときおり引っ張り出しては表面のホコリを手で払っている

店主「お嬢さんは模型作るのかい?」…飛行機好きの「世界的アニメーション監督」にそっくりな店主はにっこりして聞いた

アヴィエーレ「ええ、飛行機のプラモデルを…」

提督「そうなの?」

アヴィエーレ「あれ…見せたことなかったっけ?」

提督「見てないと思うわ…何を買いたいの?」

アヴィエーレ「んー…これにしようか、それともこっちか……」マッキC.205V「ヴェルトロ」と、レジアーネRe2005「サジッタリーオ」(射手座)のキットを並べ、値札を見て思案している…

提督「両方は買えないの?」

アヴィエーレ「うん、ちょっと値段がね…」

店主「お嬢さん…中身は同じなんだけど、こっちにあるのでよければ割安だよ?」…片隅から引き出して来たキットは箱がへこんでいて、紙も日に焼けてしまっている

アヴィエーレ「あ、ならそれで♪」

店主「はい、どうもね……道具や材料は揃っているのかい?」

アヴィエーレ「はい、一通りあるので大丈夫です♪」目を輝かせ、大事そうに紙袋を抱えた

店主「そうか。上手にできるといいね……これからもちょくちょくおいで」アヴィエーレにもう一度にっこりした

提督「…私もやってみようかしら」

店主「そうだね…雨の日も退屈しないし、手先が器用になるよ。……日曜日以外はいつでも開いてるから、またどうぞ」 <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/09/19(火) 11:52:42.41 ID:89zESbUh0<> …しばらくして・鎮守府…

提督「ただいま、みんな♪」

ライモン「お帰りなさい♪」ちゅっ…と音高く頬にキスをするライモンに提督はにっこりして、荷物の紙袋を抱えたままお返しのキスをした

チェザーレ「お帰り。荷物を持とう♪」ミッカの荷物を受け取り、運んであげるチェザーレ

ミッカ「あぁ、助かります…運ぶのは得意ですがちょっと大量だったので、ふぅ……」

ドリア「さ、アヴィエーレも荷物を♪」ドリアも優しくアヴィエーレに声をかけた

アヴィエーレ「いや、これは私の買い物だから平気さ……気持ちだけ受け取っておくよ♪」ニッ…と口の端に笑みを浮かべ、指二本で小粋な敬礼をすると駆け足で部屋にあがって行った…

提督「ちゃんと手を洗うようにねー?」後ろ姿に呼びかける

アヴィエーレ「任せておいてー…!」

ミッチャー提督「おーおー…結構な買い物だね」玄関に迎えにきたミッチャー提督も感心したような声をあげた

提督「疲れたわ。暑かったし……」

ライモン「じゃあ荷物は片づけておきますから、シャワーでも浴びてきて下さい」

提督「いい?……じゃあお願いしようかしら」

チェザーレ「ミッカ、貴君もそうするといい♪」

ミッカ「いいのですか?」

チェザーレ「無論だ…たまにはチェザーレも手伝わせてほしいのでな♪」

提督「ありがとう、チェザーレ♪……さ、ミッカ。チェザーレがそう言ってくれるのだから、お礼を言ってシャワーを浴びに行きましょう?」

ミッカ「ありがとうございます、チェザーレ」

チェザーレ「なに、気にするな♪」片手でひょいと紙袋を持ちあげ、紅いマントをひるがえして持って行った…

百合姫提督「じゃあシャワーを浴びて来たらお茶にしてあげる…さっき私たちで食べたお菓子、ちゃんととっておいたから」

提督「ありがとう、姫…それじゃあさっぱりしてきます♪」

百合姫提督「いってらっしゃい…じゃあもう一度お茶を点ててくるわね♪」

エクレール提督「……ふわぁ…朝から騒がしいことですわね、何事ですの?」階段を下りてきたエクレール提督はシルクのパジャマ姿でぼーっとしている…

ミッチャー提督「や、おはよう♪……といっても太陽はすっかり昇ってるし、フランチェスカは買い物に行ってきた所だよ」

エクレール提督「…もうそんな時間ですの?」

ミッチャー提督「そうだけど?」

エクレール提督「あの、正確には…?」

ミッチャー提督「こっちの時計で1045時…ま、たまにはいいんじゃない?」

フレッチャー「フランス人はお寝坊だもんね♪」

エクレール提督「はぁ…参りましたわね。……ちょっとシャワーで汗を流してきますわ」

ミッチャー提督「ふふ、行ってらっしゃい♪」…大浴場で提督と出くわしてどんな騒ぎになるかと思いつつ、ニヤニヤしながら見送った

……… <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/09/20(水) 01:26:39.09 ID:Ulu/vmaB0<> …大浴場…

提督「はぁ…気持ちいい……」ざーっ…と心地よいシャワーの湯が提督のふっくらとした白い肩を流れ、艶やかなふとももを伝って床に落ちていく…

ミッカ「…よかったら流しましょうか」こちらは一旦シャワーを止め、身体洗い用のスポンジにもこもこと石けんの泡を立てている…

提督「そうね、せっかくだからお願いしていい?」最近は撫でているだけでしっかり洗った気がしないスポンジより、足柄にもらった「へちま」や、少し目の粗いタオルの方が好きな提督だったが、せっかくの申し出なので受けることにした…

ミッカ「はい…じゃあ一旦シャワーを止めますね」きゅっ…と栓をひねり、ぽたぽたと雫を垂らす提督の裸身にそっとスポンジをおいた…

提督「あー…もっと力入れても大丈夫よ……ふぅ…」しゃこしゃことスポンジで擦ってもらい、肩、腕、背中と洗ってもらう

ミッカ「このぐらいでいかがでしょう…よいしょ……」すべすべした背中にスポンジを這わせ、一生懸命こするミッカ…

提督「うん…いい具合よ…」

ミッカ「腕を上げてください…脇の下に汗がたまりますから」

提督「胸が大きいとなおのことね」…たゆん…っ♪

ミッカ「ええ、よく分かります」ぷるんっ♪…ミッカもほど良く豊かな乳房を揺らしうなずいた

提督「ふふっ…くすぐったい♪」

ミッカ「あ、ごめんなさい…脇はだめでしたか」

提督「ううん、気持ちいいけど手つきが優しいからくすぐったかったの」

ミッカ「そうでしたか…私は姉妹がいないので、洗いっこのようなものにはあまり縁がなくて……」

提督「でも気持ちよかったわよ?…ありがとう、あとは私が出来るから♪」スポンジを受け取ると乳房を持ち上げ、汗ばんだ胸元や谷間を流していく…と、微笑を浮かべてミッカを見た

ミッカ「…?」

提督「よかったらミッカのことも洗ってあげましょうか?」

ミッカ「そんな…提督に洗ってもらうなんて申し訳ないです…」

提督「いいのよ、せっかく洗ってくれたのだし……それとも命令しないとだめ?」

ミッカ「う……で、では…お願いします」

提督「よろしい♪」一度スポンジをきれいに流して、泡をたてなおした…ジャスミンとバニラ、それに涼しげなミントの香りがふわりと広がる……

提督「じゃあ…腕から行きましょうね」手首からそっと円を描くようにスポンジを進めていき、二の腕、しっとりした肩と洗っていく…

ミッカ「あっ…ぁ……///」

提督「次は背中ね…」片手のスポンジで色白の背中を優しくこすっていき、同時に空いている方の手で、少しこわばっている肩甲骨を解きほぐすように撫で上げて行った……

ミッカ「あっ…んっ……♪」

提督「じゃあ、前に回るわね…」

ミッカ「いえ……前は自分でできますから…///」

提督「まぁまぁ、せっかくですもの……ね♪」

ミッカ「分かりました…///」

提督「きれいな肌をしているわね…///」提督はうつむいたミッカと正対する形で立つと、滑らかな鎖骨からふっくらとした胸、意外とむっちりしたお腹から張りのある腰……と、湯気に頬を上気させながら丹念にスポンジを滑らせていく

ミッカ「…あのっ、もう充分です……から///」提督の手とスポンジがそっと内またを撫でていくと、ミッカはひくっ…と身体をよじらせた

提督「だめよ?…ここも汗がたまりやすいのだから……綺麗にしておかないと…///」艶のあるふとももから手を下ろしていき、最後は足下にしゃがんで頬ずりするような形でふくらはぎ、足首と丁寧に洗っていった…

ミッカ「はぁ…っ……んっ///」とろけたような表情で提督を見おろし、恍惚の表情を浮かべるミッカ…と、湯気が揺らめいて誰かが入ってきた……

エクレール提督「ふぅ…全くわたくしとしたことが……寝坊だなんて恥ずかしい限りですわ…」

ミッカ「…あっ」ふと湯気が晴れて目線があった…

エクレール提督「あら……って…あ、貴女方!?」

提督「おはよう、マリー…貴女もシャワーに?」

エクレール提督「そ、そんなことより一体何をなさっているんですのっ…朝から大浴場でなんて……し、信じられませんわ!」

提督「なにが…普通のことじゃないの?」

エクレール提督「ば、馬鹿なことを言わないで下さいまし!……その、いくら貴女でも…そ、そんな///」


<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/09/20(水) 02:16:57.35 ID:Ulu/vmaB0<> 提督「…洗ってあげているだけよ?」

エクレール提督「えっ!?……今、何とおっしゃいまして?」

提督「洗ってあげていただけよ…それがなにか?」

エクレール提督「…本当ですの?」

ミッカ「は、はい…提督のおっしゃる通りです、その…私はそんなに丁寧にされては気恥ずかしいので、そこまでしないで欲しいと言ったのですが……」

提督「だって…ミッカのこと洗ってあげたかったの♪」

エクレール提督「では、その…ごくごく普通に洗っていただけなのですね?」

提督「ええ、そうよ……それとも、私とミッカでどんな想像をふくらませていたのかしら♪」いたずらっぽい笑みを浮かべてからかった

エクレール提督「そ、そんなことありませんわっ…!」

提督「そう?……てっきり私がしゃがみ込んでミッカの花芯をねぶっているように思ったのかしら…と」

エクレール提督「あ、あり得ませんわ…っ///」

提督「ふふっ…マリーは想像力が豊かなのね♪……まぁいいわ。私たちはそろそろ上がらせてもらうから、ゆっくりシャワーをどうぞ♪」

エクレール提督「え、ええ…そうさせてもらいますわ///」

提督「…よかったらお流ししましょうか♪」

エクレール提督「け、結構ですわっ!」

提督「そんなつれないこと言わないで?……一緒に狭い浴室で絡み合ったまま洗いっこした仲じゃない♪」

エクレール提督「そ、そんな昔のこと…っ!」

提督「そんなに昔じゃないわ♪……ところで…」エクレール提督に近づき、ほっそりした身体をしげしげと眺めた

エクレール提督「は、はい…なんですの?」

提督「…少し胸が大きくなったみたいね。肌つやもよくなったし、やつれた感じが無くなって……美味しそうよ♪」…さわっ♪……提督はぺろりと舌なめずりをするとエクレール提督に抱きつき、まだ肉の薄いヒップを撫でた…

エクレール提督「なっ…何をするんですの///」

提督「うふふ…それじゃあ、また後でね♪」去り際に投げキッスを送るとミッカと指を絡め出て行った…

エクレール提督「も、もう…あんなことされたら、疼いて仕方ありませんのに……んっ///」くちゅ……と、困ったような表情で指を秘所に差しいれた…

………

…しばらくして・食堂…


ミッチャー提督「そう言えば、出かける前に車の話になったじゃない?」満面の笑みを浮かべた提督とミッカ、エクレール提督とどこか満足げなリシュリューが「百合羊羹」や「一六タルト」を味わっている姿を見ながら切りだした…

提督「ええ、そんな話したわね…ジェーンがあの格好いいクロームイエローのプリマスとどうやって出会ったか、とか……それで?」

ミッチャー提督「いや、日本のお姫さまとエクレール提督、二人はどんな車なのかな…って思ってね」

提督「マリーの車なら知ってるわ…小さい灰色のシトロエン・2CV(ドゥシュヴォア)よね」

ミッチャー提督「あぁ、あのちっこいトタン板の物置きみたいな……実用性は抜群よね」

エクレール提督「あら、フランチェスカ…わたくしも大佐ですし、もういい加減2CVではありませんわ♪」自慢げなエクレール提督

提督「あら、そうなの?」

エクレール提督「ええ…今はかのシャルル・ド・ゴールも愛用した「シトロエン・DS19」に乗っておりますの♪」

ミッチャー提督「あぁ、DS19…あの「ムール貝」みたいなデザインで、車高を変えられたり、油圧制御でマニュアル車なのにクラッチ操作がいらないとかいう……」

提督「フランスらしいと言えばフランスらしい車ね」

エクレール提督「引っかかる言い方ですわね…優雅で革新的、しかも乗り心地も抜群ですわ♪」

提督「フランス車のいい所は、たとえデザインが絶望的でも足回りだけは最高な所だもの…DS19はデザインも悪くないし、いい車を買ったわね♪」

エクレール提督「ふふ、全くですわ♪……ところで百合野提督はどのような車をお持ちなんですの?」



<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/09/20(水) 15:57:09.09 ID:Ulu/vmaB0<> 百合姫提督「私?」

提督「そうね、私も知りたいわ♪」

ミッチャー提督「…きっとあれだ、環境に優しいとかなんとかいう最近の流線型をしたやつね♪」

百合姫提督「えぇ…と、私の車はマツダの初代「ロードスター」なんだけど……」

ミッチャー提督「ロードスター…あぁ、あれね!」

提督「どんな車だったかしら?……日本車は良く知らないの」

ミッチャー提督「まぁ待ちなさいって。ロードスターってこれよね?」スマートフォンで画像を検索し、百合姫提督に見せた

百合姫提督「そうです…」

提督「どれどれ?」エクレール提督と二人で回してもらったスマートフォンを眺めた…画面には濃緑色の2シーター・オープンクーペが写っている……

エクレール提督「なるほど…まぁ日本車にしては良い形の車ですわね」

提督「おしゃれな車じゃない♪濃い紅とかに塗られたらアルファロメオだって言われても信じそうね…でも濃い緑だと、イギリスのロータス辺りに見えるわ」

ミッチャー提督「ロータス・エリーゼ辺りに似てるわよね」

提督「それにしても意外ね…姫のことだからもっとおとなしいセダンとか、それこそハイブリッド・カーとかに乗っているイメージだったわ」

百合姫提督「ふふ…そうよね。……実は色々訳あって買ってもらった車なの」

提督「そうなの?…その話、ぜひ聞きたいわ」

ミッチャー提督「そうね。お昼までやることもないし」

エクレール提督「お菓子とお茶もありますし、よろしかったらお話下さいな」

百合姫提督「いえ…そんな話すほどのことでは……」

足柄「いいじゃない、話してあげなさいよ♪」

百合姫提督「そう?…じゃあ……」百合姫提督はお茶をひとすすりしてから話し始めた…

………

…数年前・日本…


百合姫提督「ふぅ…久々の帰省ね……」車窓からぼーっと窓の外を眺めている…

…ゴトゴトと走るローカル線の車窓には波打つ青々とした田んぼと里山、ときおり大きな一軒家の農家が映り、遠くには海が線になって霞んでいる……関東地方の田舎に実家がある百合姫提督だったが、この一年は呉鎮守府に配属されていた上「深海棲艦」相手の作戦で忙しく、昇進と横須賀の一鎮守府を任されることになった、その合間に帰省を実行していた…

百合姫提督「んっ…」新しく肩に付いた金モールがまだなじんでいないせいで、制服が少し窮屈に感じられる…

車内アナウンス「…次は……駅…お降りの方はお忘れ物、落し物をなさいませんよう、ご注意ください…」

百合姫提督「…忘れ物……なし。…制服、よし」荷物の鞄二つを両手に提げ、手際よく身の回りを確認すると小さい駅のホームに降り立った…

百合姫提督「あ…涼しい……」

…都心から一時間ばかり離れただけで草の青い香りと涼しい風、蝉しぐれが響き渡る…駅前は相変わらず何にもなく、潰れかけた雑貨屋とタクシー会社が一軒づつと、数軒きりの商店街が細々と営業している。小さいロータリーには地域の特産物をかたどった何とも言えない石像が立っていて、目印らしいものと言えばそれしかない……百合姫提督は一台だけいたタクシーに乗りこんだ…


タクシーの運転手「あれ、もしかして百合野さんとこの…?」住所を告げるとミラー越しに顔をのぞいた…

百合姫提督「ええ、そうです」

運転手「あぁ…やっぱりね。みなさん相変わらず元気ですよ」

百合姫提督「そうですか」町から少し走っただけで道の左右は田んぼと畑だけになってしまい、思い出したように農家があるばかりだった…

運転手「…はい、着きましたよ」百合姫提督の実家は田舎によくある典型的なお屋敷で、寺のような門と御影石の表札がかけてある

百合姫提督「はい、ありがとうございます」荷物を持ってタクシーを降り、開けっ放しの門を抜けた…思い出深い庭も相変わらず広く、周囲には刈り込んだ松や槇の木が植えてあるが、やたら広い母屋の近くだけは花壇やプランターがしつらえてあり、洋風の庭になっている…

百合姫提督「ただいま…♪」案の定鍵のかかっていない玄関を開けた…


<> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/09/20(水) 22:25:04.10 ID:YVtWd+MX0<> シトロエンDS19とはこれまた物珍しいクルマだなww てっきりルノー・アルピーヌA110とかプジョー404クーペかと思った。 <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/09/21(木) 00:40:25.92 ID:AIiS6hPH0<> >>798 コメントありがとうございます、メルスィ

…一応今どきな「ルノー・メガーヌ」「ルノー・カングー」と、渋い目の「パナール・ディナ」が候補でした……が、個人的にDS19のデザインと、革新的だったメカがフランス的かなと……映画版「ジャッカルの日」の大統領専用車や「ルパン三世対人造人間」のフランス警察などメディア露出も多い方ですし…それに確か「2CV」と並んで「世界の名車100」にもランクインしていたはずなので…

<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/09/21(木) 01:45:17.51 ID:AIiS6hPH0<> 年配の婦人「あら、いつ帰って来たの!?」

百合姫提督「たった今よ…ただいま、おばあちゃん♪」やたら間口の広い玄関で靴を脱ぎ、端に揃えて置いた…靴下だと滑りそうな、飴色をしただだっ広い木の廊下と、田舎のお屋敷によくある「輪切りにして艶をかけた木の切り株」や、色んなトロフィーがにぎにぎしく飾ってある……

百合姫祖母「まぁまぁまぁ…大きくなったわねぇ……それにその制服!…金モールがたくさんついて……おじいさん、何しているんです、孫が帰って来たんですよ!?」

百合姫提督「いいのいいの…私が居間に行けばいいから……おじいちゃんは町議会じゃないの?」

祖母「今日はお休みの日よ…さ、ゆっくりしてちょうだいね……あなたのお父さんとお母さんもそろそろ畑から戻ってくるから」

百合姫提督「そう、じゃあその間にご先祖様にお線香でも……」


…居間…


百合姫祖父「おぉ…よく帰って来たな、元気か!」かくしゃくとしている百合姫提督の祖父は、居間でテレビの高校野球を流しつつ座椅子に座っていたが、入ってきた孫娘を見て声をあげた…天井の高い和室の壁には、先祖の写真が順を追って飾ってある……

百合姫提督「ただいま、おじいちゃん…これ、お土産ね♪」

祖父「おぉ、そうか!……じゃあ、婆さん、それ…受け取ってな、仏壇にあげておきなさい!」

祖母「はいはい…」テレビの音量を絞り、仏壇にお菓子の箱をお供えして「おりん」を鳴らした…

百合姫提督「…」仏壇の前で正座して手を合わせる百合姫提督

祖父「いや、良く帰って来た……大きくなったなぁ!…おい婆さん、ほら…棚にお菓子があったろ!出してあげなさい!」気ぜわしくあれこれ大声を張り上げる…

祖母「…この間の寄り合いでもらったお菓子ですか?」

祖父「そうだ、「何とか」っていうえらいお菓子があったろ」

百合姫提督「私のことはいいから、おばあちゃんも座って?…そんなにお腹も減ってないし…」

祖父「そんなことはないだろう…じゃあ、ほら…これ食べなさい!」お盆に乗せてあった饅頭を渡してくる…

百合姫提督「ありがとう、おじいちゃん…じゃあいただきます」…どのみちなにか食べるまで延々とお菓子を勧めてくるのは分かっているので、ありがたくお饅頭をいただく…と、エンジン音が聞こえてきて徐行で走る音が近づくと、停車させたらしくぱったり止まった

声「あれ…誰か来てるのかな、靴がある」

百合姫提督「お父さん?……私よ♪」廊下に向けて声を張りあげる

百合姫父「あれ、呉にいたんじゃなかったのか…?」居間に入ってきた百合姫提督の父親は喜びながら少し驚いた…

百合姫母「まぁまぁ…立派な制服だこと……ほら、汚すといけないから貸しなさい?」相変わらずほっそりと色白で、子供扱いが抜けきれない母親…

百合姫提督「いいわ、自分でやるから…それよりお父さんもお母さんも、手を洗ってきて?座ってお茶でも飲みましょう?」天袋の溝に制服の上着をかけたハンガーを引っかけ、ブラウスと制服の白いスラックス姿で扇風機を近づけた…

父「それにしても立派だね…士官学校の時以来、久々にこの格好を見たよ……」

母「あなたはこの格好が似合うものね…凛々しくて素敵よ♪」百合姫提督ににっこりした

百合姫提督「止してよ…別に格好で指揮するわけじゃないのよ……それに実際に着てみると重くて暑苦しいから大変だし……そうそう、言い忘れていたけど昇進したの」

母「そうなの?…えーと、今は中佐だったわよね……次は大佐だったかしら?」

百合姫提督「そう。小さいけれど鎮守府も任されることになったの…だからしばらくはあちこち転属させられることはないと思うわ」

父「そうか、良かったねぇ…その「鎮守府」はどこにあるんだい?……まさか稚内とか、パラオとかじゃないだろうね?」

百合姫提督「横須賀なの…これでもっと頻繁に帰ってこられるわ♪」

父「横須賀なら近いね…安心だよ」

祖父「そうか、横須賀か!…じゃあ写真を撮ってな、それから外で食事にしよう!……すき焼きか、てんぷらか…それとも鰻がいいか?」

祖母「あんまりせかさないであげて下さいな…疲れて出かけたくないなら、何か作るからね?」

百合姫提督「ええ、分かってるわ…♪」

……… <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/09/21(木) 19:49:19.14 ID:qvyp12BJ0<> グレイ提督はアストンマーティンDB4やロータスエスプリV8とか似合いそうですね。 <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/09/23(土) 00:23:37.77 ID:dGslftlW0<> >>801 コメントありがとうございます、アストンDB4は格好いいですね。候補に入れておきます

…一応イギリスのグレイ提督は貴族の家系という(…もしまた登場させるなら)という設定なので、乗るならジャガーXK150Sか、RRファントムWあたりを予定しています……でも、もしかしたらミニのような庶民派かも知れません

<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/09/23(土) 01:10:33.83 ID:dGslftlW0<> ………

…外食後…

百合姫祖父「どうだ、美味かったか!」

百合姫提督「うん、とっても美味しかった。でももうお腹一杯で……」町までタクシーを飛ばし、料理屋で天ぷら、鰻、寿司…と宴会のような勢いで料理を食べさせられ、小さいお腹がはち切れそうな百合姫提督……

祖父「そんなことないだろう、あんまり天ぷらも食べてなかったし…それならほら、甘い物を食べなさい!」…ついでに「甘い物は好きだろう!」と、帰り際に町のケーキ屋で6号のホールケーキまで買い、食べるようせっつく祖父

祖母「まぁまぁ、深雪(みゆき)は昔から少食な方でしたから」(※深雪…百合姫提督の名前)

祖父「まぁ、そうだな!…でもたくさん食べないといかんぞ、提督さんなんだからな」

百合姫提督「はい、努力します……」

母「ところで深雪、あなたも…その……「鎮守府」だっけ?」

百合姫提督「うん、鎮守府で合ってるわ」

母「その鎮守府とやらを持つんでしょう…何か要るものがあるんじゃない?」

百合姫提督「うーん…とはいっても、旧海軍じゃないから日本刀やピストルもいらないし、服は制服の一揃いで足りるし……あ」

母「ほら、何かあったでしょう?…あなたは昔っから欲しがらない子供で、聞き出すまで言わないんだから♪」

百合姫提督「いや…こればっかりは自分で買わないと……」

母「いいから言いなさい?…お祖父ちゃんもお父さんも、あなたに何か買ってあげたいんだって」

父「うん、母さんの言うとおりだよ…ほら、言ってごらん?」

百合姫提督「…うん、でも高い買い物だからねだるのは悪いよ……」

祖父「何を言っているんだ!…我が家で初めての提督なんだから、おじいちゃんが何でも買ってやろう……時計か、宝石か!」相変わらずせっかちの上、すぐ孫娘に買ってあげたがる悪いくせが出ている…

祖母「おじいさん、そんなにせかしたらますます言いにくいですよ…ねぇ?」

母「言うだけ言ってみなさいな?…買う買わないはその後で決めたっていいんだから」

百合姫提督「うん…じゃあ、その……車を。…さすがに自転車だと「提督として如何なものか、せめてもう少し…」って偉い人に言われて……」

父「車かぁ…確かに安い買い物じゃないねぇ……」

母「そうねぇ…中古でも数十万は……」

祖父「なんだ、車か!…何がいい、「センチュリー」か、「クラウン」か…それとも「プレジデント」か!」

父「お父さん、そういう車だと深雪が偉い人ににらまれるから駄目だよ」

祖父「どうしてだ、提督なんだから構わんだろうが?」

百合姫提督「いえ…提督と言ってもまだ大佐だからせいぜい駆逐隊司令っていうぐらいで、あんまり高い車だとそれも……」

祖父「そうか……おぉ、そうだ!…物置にお前の車があるだろう、あれを渡してやりなさい。どうだ?」

父「え…あれはもう昔のだから……」

祖父「だっていい車なんだろう?…「何とか」って」

父「え、でもずっと乗ってないし…ホコリかぶってるよ」

祖父「そんなのはきれいにすればいいだろう。ほら、見に行くぞ!」

父「分かったよ、父さん…」

百合姫提督「じゃあ一緒に行くね」

<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/09/23(土) 01:57:02.33 ID:dGslftlW0<> …物置…

父「よいしょ…」縁側からサンダルを履くと表に出て、母屋の横手にある物置のシャッターを開けた…車二台分は入る大きな物置には様々な農機具や古い農薬噴霧器が積み上げられていて、その手前に一台の車がカバーをかけて停めてあった…

祖父「そうだ…ほら、カバーを外してみせてあげなさい」

父「分かったよ…よいしょ……っ!」ぶわっ!…と砂ぼこりが舞い上がる

百合姫提督「すごい速そうな車…」

祖父「何だっけ?…「スカイなんとか」言うんだろ?」

父「スカイラインね…68年から72年に生産されたスカイライン、「ハコスカ」っていうやつだね」

百合姫提督「ハコスカってなぁに?」

父「うん、それはね「箱みたいなスカイライン」だからだよ…でも、ずっと乗ってなかったからパーツもすっかりだめになってるし……」

祖父「そうか…乗れないのか?」

父「だめだと思うよ」

祖母「仕方ないですよ、おじいさん。ずっと動かしてなかったのですから……それにお祝いが使い古しでは深雪がかわいそうですよ」

祖父「うむ…そうだな。よし……じゃあ明日な、自動車の店に行くから、朝七時には起きて支度しておきなさい!」

父「いくら何でも早くないかな?」

百合姫提督「まぁまぁ…言わせてあげよう?」

母「そうね。…じゃあ明日は早いんだから、早めに寝るのよ?」

百合姫提督「はい」


…翌日…


祖父「ほら、ここだ!」…新車と勘違いしているのか、祖父のクラウンに無理やり乗せられて、街道沿いの中古車販売店へ来た百合姫提督と父親

父「…あの、父さん」

祖父「なんだ、ここの先代はわしと同じ中学だったからな!……でな、ここの息子さん、知っとるだろ?ほら、駅前の床屋の息子と友だちで……」

父「悪いね…おじいちゃんはいつもこうだから……」

百合姫提督「ううん…平気。いいのがあるかもしれないし」

祖父「ほら、この車なんかどうだ、それともこっちか?」どうやってもセダンタイプを選ばせたいらしく、そうした車を次々指差す

百合姫提督「ううん…」

祖父「値段なら気にするな!…こっちのはどうだ、車内は革張りシートだし木のパネルだぞ?」

百合姫提督「なら…あれがいい」きれいに磨かれた一台の「マツダ・ロードスター」が屋内展示場に置いてある…

祖父「あんなのでいいのか?……ほら、こっちのはエンジンをかけるとメーターが光る仕様そうだ」

百合姫提督「ううん…あれがいいの」

祖父「なんだか小さい車だな…昔あったホンダの……なんだっけか?」

父「ホンダの「S600」じゃないか、父さん?」

祖父「そうそう、それだ!…さもなきゃ「ヨタハチ」みたいな車だな……本当にこっちじゃなくていいのか?」…内装は豪華な一台を指差す

百合姫提督「これにするわ」

祖父「そうか…じゃあ、これ買って帰るから!」

父「……中古だけどいいのかい?」

百合姫提督「いいわ。スマートで乗り心地もよさそう♪」



……… <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/09/24(日) 01:41:09.48 ID:3UA1doGF0<> 百合姫提督「それで私の車が決まったの…最初はそこまで思い入れもなかったんだけど、乗っているうちに気に入って……」

提督「そういうのってあるわよね…それより」

百合姫提督「?」

提督「もし気に障ったら謝るけど……姫って「深雪」なんてきれいな名前なのに、あんまり使わないわよね?」

ミッチャー提督「確かに…変な名前ならとにかく、「ミユキ」って「深く積もった雪」のことでしょ?……幻想的でいい名前じゃない♪」

エクレール提督「まぁ、そういう意味なんですの…きっと冬に産まれたんですのね……色も白くてそんな感じがしますわ」

百合姫提督「ありがとう……実際大雪の日に産まれて、両親にはいつも「あの時は病院まで「ジムニー」を飛ばして行ったんだよ」なんて言われるのだけど…」

提督「?」

足柄「ふぅ……まぁ提督さんたちは知らないでしょうから無理ないわね。…「深雪」って艦が吹雪型駆逐艦にあったのよ」

ミッチャー提督「あー…もしかして不運な「フネ」だったの?」

足柄「ある意味ではそうだし、別な考え方をすればむしろ幸運だったのかもしれないわ」

百合姫提督「子供の頃に知ったの……「深雪」って襲撃演習中に煙幕から出てきた「電」にぶつけられて沈没しているって。幸い艦隊が近くにいたから死者は数人で済んだのだけど…以来あんまり縁起のいい名前じゃないなって思って、鎮守府では「美雪」とか、略して「雪」って書いたり……」

龍田「特型で唯一戦没じゃなくて平時の沈没だものねぇ……しかも提督の最初の艦が「電」だったのよ…」

百合姫提督「そうなの。別にどっちが悪いわけでもないのに、最初はお互い気まずくて…」

提督「なるほど…」

百合姫提督「それでも、士官学校でずいぶん考えを改めたのよ?……一時期は「なんでこんな名前にしたの、雪風とかなら良かったのに」って思ってたほどだけど」

提督「なぁに、士官学校にもっと運のない名前の同級生がいた…とか?」

ミッチャー提督「あるいは悲惨なほど頭の悪そうな名前の子がいたのかも……実際アナポリスにもいたわよ、「パリス」とか、「エンジェル」とかいう、親がイカれたペパロニのピザ食ってトリップしてたらしい名前の同期…」

提督「ふふふっ…その舌も相変わらず冴えているわね♪」

ミッチャー提督「ははっ、「アナポリスの女アーレイ・バーク」って言われたぐらいだからね♪」

百合姫提督「ふふ…面白いけどそうじゃなかったわ……同期にいたのは「早蕨美保」(さわらび・みほ)っていう子で…」

足柄「縁起悪いどころじゃないわよね…震えが来るわ……」

龍田「聞くだけでぞっとするわぁ…」

提督「えーと…その名前はそんなに悪いの?」

百合姫提督「ええ、まぁ…」

足柄「何しろ駆逐艦「早蕨」は行方不明で喪失、後に建造された「蕨」は「美保関事件」で衝突して沈没…」

ミッチャー提督「うわ…それは嫌だろうね……」

百合姫提督「ええ。それで、その早蕨さんに言われたの「深雪くらいで良かったでしょ?…私なんて「嶺上開花の直撃」みたいなものよ…って」

提督「えーと、「嶺上開花」が何かはよく分からないけど…とにかく縁起の悪い名前だったのね……」

百合姫提督「ええ…以来「もっと悪い名前だったかも…」って考えたら、深雪でよかった思えるようにはなったわ…とにかく同期は縁起の悪い名前が多くて、教官にも「なに…お清めの塩でも撒こうか?」って言われた程だったもの」

足柄「そうだったの?」

百合姫提督「ええ…だって、「畝傍」(うねび)さんに「如月」さん、「大山鳳子」(おおやま・ほうこ)で「大鳳」さんってあだ名だった人がいて…「古賀峯子」っていうそっくりさんみたいな名前の人がいて……」

龍田「…それはよっぽどねぇ」

足柄「もういいわよ…お菓子が消化できなくなるから……」

提督「…深雪でよかったわね?」

百合姫提督「…改めてそう思ったわ」

ミッチャー提督「じゃあ、深雪がいい名前だってことを祝して乾杯…抹茶だけど♪」

提督「乾杯♪」…こつりと茶碗をぶつけた

エクレール提督「乾杯ですわ♪」

足柄「乾杯よ♪」

龍田「かんぱーい♪」

百合姫提督「ふふ…ありがとう……♪」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/09/24(日) 07:45:30.33 ID:uoIofmRho<> ふーかーくふーかくーみーゆーきーのよーなー♪(音痴&野太い声)

艦これ登場艦でほぼ唯一実戦を知らず沈んだ深雪は軍艦として幸せだったのかどうか
そして電ちゃんは歴代衝突癖が受け継がれてるという不思議な因縁が <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/09/25(月) 13:50:07.00 ID:xmp6OmP40<> >>806 わざわざ歌声ありがとうございます……カーン(…鐘の音一回)


衝突癖…なのかはさておき、「蕨」「早蕨」ともに事故と台風で喪失と縁起が悪かったので以後はいませんね… <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/09/25(月) 14:22:12.80 ID:xmp6OmP40<> …そう言えば一応解説を…


美保関事件(みほのせきじけん)…戦前に連合艦隊が赤青両軍に分かれて行った演習中に起きた多重衝突事故。


夜間襲撃によって戦艦「陸奥」などに雷撃を行おうとした水雷戦隊の先頭艦、軽巡「神通」が防御側の「陸奥」や軽巡「龍田」などに発見され、探照灯の照射を受けたことで襲撃を放棄し回頭、側面にいた樅(もみ)型駆逐艦「蕨」に衝突…「蕨」はボイラーの爆発などで数分も経たずに船体が両断し沈没。「神通」に後続していた軽巡「那珂」も回避を試みたが間に合わず樅型駆逐艦「葦」(あし)に衝突、損傷した


…レーダーもない時代、臨時編成の部隊に息を合わせるのが難しい夜間襲撃を行わせた軍令部にも問題がなかったとは言えないが、米英に挑もうと言う「月月火水木金金」の空気の中で訓練を「減らす」「見直す」といった発言は出来ず、結局「神通」艦長が軍法会議を待たず自決して終わった



……「樅」型駆逐艦自体は艦首楼型の船体を採用し、艦橋前の窪み(ウェル)に魚雷発射管を置くなど、平甲板型で荒天に弱かった英駆逐艦の模倣から脱却した優秀な駆逐艦で性能もよく、その形は峯風型・神風型・睦月型にも引き継がれた <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/09/25(月) 14:46:44.31 ID:MNQ3bkVco<> 日本海軍はさらに友鶴事件とかも・・・
台風と言えば第四艦隊事件にコブラ台風(ハルゼー台風事件)も外せませんね <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/09/25(月) 15:57:10.79 ID:xmp6OmP40<> …数日後・朝…

提督「ふわぁ…ぁ……」ベッドの上で大きく伸びをして、裸に薄いバスローブを羽織っただけの提督は窓に近寄ると外の様子を眺めた…

カヴール「あら、おはようございます。目覚めのコーヒーはいかがですか?」朝から髪を内向きにカールさせ、ほんのり薄化粧も施しているカヴールがにっこりしながら、棚のマグカップを取り出した

提督「おはよう、カヴール…ふわぁ……まず歯を磨いてくるわ…」あくびをかみ殺しながら生返事をすると、浴室としてはあまり使っていない提督浴室に入って洗面台に向かった

提督「…しゃこしゃこ……」洗面台に置いてあるマグカップに立ててある歯ブラシを水でゆすぎ、チューブの歯磨き粉をつける

カヴール「いつものでいいですねー?」

提督「それふぇいいふぁ……しゃこ…」泡をこぼさないように上を向いて「それでいいわ」と答える…

カヴール「はーい」

提督「しゃこしゃこ…がらがらがら…ばしゃばしゃ……」歯を磨いてうがいをし、顔を洗うとようやく目が覚めた…

カヴール「はい、どうぞ♪」マグカップに入った、少しだけ甘いミルクコーヒーを渡してくる

提督「ありがとう…今日の海はどう?」

カヴール「はい。気象報告ですと今日は一日快晴で、風はほぼなく、海も穏やか…とのことです。」

提督「そう、いいわね♪」

カヴール「ええ、それに提督も久しぶりにゆっくり出来ますね?」

提督「そうね。大型潜水艦が増えて長距離の哨戒任務も交代で出来るようになったから、ローテーションも楽になったし、海軍司令部に送るこまごました書類も書かなくて済むわ♪」

カヴール「ええ、全くですね…今日は文書便の日ですが、そんなに大変なものもないでしょうから……」

提督「…映画でも見ながらのんびりさせてもらいましょうか♪」

カヴール「それもいいですね、ミッチャー提督は映画好きなので面白いのを流してくれますし♪」

提督「この間は「史上最大の作戦」だったわね」

カヴール「ええ、何でも「…戦争映画はナポリの米艦隊が山ほど持ってるから送ってもらえるんだ」って言っていましたね」

提督「みたいね……そういえば、昨夜は変な夢を見たわ」

カヴール「と、言いますと?」

提督「どういうわけか私が造船所の乾ドックにいて、プリエーゼ造船官に「プリエーゼ・シリンダー」の解説を受けながら船底に頬ずりしてたの……」

カヴール「まぁ…ふふ♪」

提督「ね、夢とはいえおかしいわよね♪」

カヴール「いいえ、ふふっ♪……だって、昨夜の提督ったら私の胸に顔を押し付けてお眠りだったのですもの♪」

提督「あー…それでそんな夢をみたのね……道理で変な夢だと思ったわ///」

カヴール「うふふっ、私のプリエーゼ・シリンダーは外からは見えませんが……結構、ボリュームたっぷりですから♪」ゆさゆさと大きな胸を揺らしてみせた

提督「言われてみると、ライモンやアオスタたちも軽巡なのに意外と大きいし…きっと着やせするタイプなのね……」あごに手を当てて考え込む

カヴール「きっとそうでしょうね…豊満な胸のお好きな提督からすれば喜ばしいことですか?」

提督「ふふっ…確かに大きい胸は好きだけど、手のひらに収まるような小ぶりな胸も好きよ?」

カヴール「あら…それでは競争相手が多くなってしまいますね」

提督「うふふ……カヴールの大きくて柔らかい胸は格別だから大丈夫♪」ふにゅっ…♪

カヴール「あんっ♪…もう、朝から交戦するおつもりですか?」

提督「今日は時間があるもの……」そう言ってカヴールのずっしりと柔らかな乳房を揉みしだこうとしたとたん、ぐぅ…とお腹の音が鳴った……

カヴール「ふふ、いい所でしたのに…♪」

提督「そうね…食堂に行きましょう」残念そうにもっちりした乳房から手を放し、くすりと微笑んだ… <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/09/26(火) 00:01:48.02 ID:uu73GBQX0<> >>809 「友鶴事件」にしろ「第四艦隊事件」にしろ、条約型の日本艦にありがちだった「用兵サイドの過度な要求」をのまざるを得なかった、無理のある設計で起きた事故でしたから……


ちなみに「友鶴」を含む水雷艇「千鳥」型は復原性能改善後は性能こそ凡庸になりましたが扱いやすくなり、小型護衛艦艇として活躍しているので、やはり「600トン程度の水雷艇に中型駆逐艦並みの武装を」という思想に問題があったと言うことに尽きるかと… <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/09/26(火) 01:25:01.93 ID:uu73GBQX0<> …食堂…

ザラ「おはようございます、提督」ちゅっ…♪

フィウメ「おはようございます♪」

ゴリツィア「お、おはようございます…///」

提督「おはよう♪」ちゅ♪…ザラたちの頬に挨拶のキスをして、にっこり笑みを浮かべる提督

ポーラ「おはようございまーす、提督ぅ……ん〜♪」

提督「ポーラもおはよう……さすがに朝からは飲まないのね♪」冗談めかしてウィンクする

ポーラ「もぉ、ポーラが〜…お酒ばっかり飲んでるみたいに言わないで下さい〜…」

提督「そうね…昼までは飲まないものね」

ポーラ「当たり前ですよぉ〜。美味しいワインで〜…人生を楽しむ時はぁ……お腹一杯で、昼のうららかな日差しを浴びながらいただくのが一番なんですからぁ〜♪」

提督「ふふ、そうね…♪」

ポーラ「でもぉ…寝起きの気だるい雰囲気でいただく午前中のシャンパンもぉ〜…悪くないですよねぇ〜♪」

提督「ふふ、もう……朝はコーヒーにでもしておきなさい♪」

ポーラ「分かってま〜す♪」

提督「うふふっ…ポーラもなかなか「哲学」をお持ちのようで……あら」…普段は「パリジェンヌらしい」という理由でクロワッサンと、フランス式のお椀に入ったカフェオレで済ますエクレール提督だが、いい匂いの朝食につられたのか、フランス人が大好きな焼き立てパンと一緒にたっぷりと料理をよそっている……

提督「ボンジュゥ、マリー♪……サ・ヴァ?(元気?)」リシュリューとジャンヌを連れ、朝からメイクもばっちりなエクレール提督にフランス語で声をかけた…

エクレール提督「ウィ。サヴァ、サヴァ…メルスィ♪……エ・ヴ?(そちらは?)」

提督「おかげさまで…そうそう、そうやってしっかり食べないと身体に悪いわよ?」……朝からだと少し重い気がしたが、チーズの屋根が美味しそうな「オニオングラタンのスープ」をとり、それから「東南アジア風コールドチキン」を皿に載せた…ネギ油の香りと糸唐辛子、バジルがアクセントになっていて食欲をそそってくれる…

ディアナ「提督、おはようございます。今日はエリトレアの担当ですが…ふふ、美味しそうですね」…それまで厨房を一人で切り盛りしてくれていたディアナだが、「エリトレア」のおかげでレパートリーも広がり、交代で休みも取れるようになったので雰囲気にも余裕がにじみ出ていた…

提督「エリトレアはアジア風とか、東アフリカ風の料理が多いわよね…どれも目新しいから楽しみよ♪」

ディアナ「そうですね♪」手際よく、丁寧に料理を乗せた…

提督「ではでは…♪」異国風のコールドチキンと熱々のオニオングラタン・スープ、食後には爽やかな甘さのスイカとメロンの盛り合わせを心ゆくまで味わい、食べ終えるとコーヒーをすすりながら海を眺めた……

カヴール「いい眺めですね…♪」

提督「そうね、カモメが鳴いているわ…」

ガッビアーノ「さすらえる一羽のガッビアーノ(カモメ)をお呼びかな…?」小柄な身体にくりくりした黄色い瞳…と、可愛らしい見た目の割に、どこかつかみどころのない物腰の「ガッビアーノ」が側によってきた

提督「ふふ、呼んではいないけど…どうぞ?」

ガッビアーノ「ありがとう…止まり木をくれてうれしいよ♪」隣の椅子にちょこんと座ると、アイスコーヒーをすすった

提督「相変わらずいい天気だけど……暑いわね…」朝から気温が上がっていき、提督は眉をひそめた…百合姫提督のくれた風鈴も無風なので鳴ってくれない……

エンタープライズ「…少しいいですか」ばるんっ♪……提督が閉口していると「ビッグE」が自分の「ビッグE」を揺らしながら声をかけてきた…

提督「あら、エンタープライズ…何かご用かしら?」

エンタープライズ「はい、マームから「よかったら会議室で映画でも見ませんか」とのお誘いです」たゆん…っ♪

提督「そう言えば映画を流してくれるのだったわね。分かりました…「すぐに行くのでまだ始めないでください」と伝えてもらえる?」

エンタープライズ「アイアイ。そのように伝えます」

ガッビアーノ「…大きかったな」

提督「胸が?」

ガッビアーノ「うん。……ところで、もしよかったら一緒に行きたいけど…流浪のカモメを連れて行ってくれるかな?」

提督「映画?…もちろんどうぞ」

カヴール「では私もご一緒させてください♪」

提督「ええ、みんなで見ましょう…♪」 <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/09/26(火) 11:36:19.36 ID:uu73GBQX0<> …会議室…

提督「わ…涼しい♪」

カヴール「冷房というのは便利なものですね…少し冷えすぎてしまうのがいただけませんが……」カヴールは古き良き時代の淑女だけあって「エアコンというのが苦手でして…」と、薄いひざ掛けを持ってきていた

ミッチャー提督「おー、来たか…待ってたよ」カーテンを閉め切った会議室に入ると、さっそく塩味のポップコーンが入ったボウルを渡された

提督「ポップコーンまで…わざわざありがと」

ミッチャー提督「気にしないで♪……よーし、みんな準備はいいかい?」スクリーンを下ろし、再生機器の向きを調整した…

セラ「はい、いつでもどうぞ♪」

リベッチオ「待ちくたびれたよぉ!」

カミチア・ネラ「面白い映画だといいけど…何を流すのですか?」座っているのはほとんど駆逐艦たちで、ポップコーンを手にわくわくした様子でいる…

ミッチャー提督「そうだねぇ…今日は1957年の映画でアカデミー賞も取った「眼下の敵」にしよう、何しろ駆逐艦が奮闘する映画だからね」

オリアーニ「いいわね♪」

提督「昔観たことがあるけど…ちゃんと見るのは久しぶりかも」

ミッチャー提督「オーケイ…それじゃあ、始めますかね♪……では皆様、上映中は立ち歩いたりなさらず、お静かに願います♪」…開演のブザーを物真似すると、リモコンの「再生」を押して席についた……


…トランペットのファンファーレが鳴り、映画会社のロゴがサーチライトで照らされる有名な演出が流れ、そして青い海を一隻だけで航行する護衛駆逐艦の凛々しい姿が映る。軽やかに波を切る駆逐艦の姿に合わせ、勇壮さと緊張感があるテーマ曲が立派なシンフォニーに演奏され、特に緊張感のある一節になると、正面から接近してくる駆逐艦の姿を潜望鏡の十字線が捉えた……


提督「うわー…懐かしい……」
 
ミッチャー提督「ふふ、この間の文書便に乗せてもらったんだ…アーカイブにあるっていうからね……お、始まった…」赤文字で流れるキャストの文字が終わると、護衛駆逐艦の後甲板に向かう士官が映る…カーキ色の制服姿で手にはパイプをもち、気さくに水兵たちに話しかける…

………

士官「やぁ、海軍のポテトは無尽蔵かね?」甲板に座り込んでジャガイモを剥く水兵に話しかける…

水兵「あいにくと」

士官「…こう蒸し暑いとやってられんね」…帽子を脱いで後部甲板室の脇に立っている二人に話しかける

水兵A「ええ、今夜は甲板で寝ますよ」

士官「深夜からスコールになると言ってたぞ」そう言って後部主砲から爆雷投下軌条の方に歩いて行く…

水兵B「…なかなかうまくは行かないもんだな」

水兵A「まったくだ」



………

ストーリーは南大西洋を行く護衛駆逐艦バックレイ級が、嵐の夜、レーダーで潜水艦の司令塔をキャッチして始まる……ロバート・ミッチャム演じる護衛駆逐艦の艦長は元貨物船の航海士で、U・ボートに船を撃沈されて同乗していた妻を失った人情味のある男だが、乗組員からは「左舷と右舷の区別もつかない素人」だと思われている…一方、通商破壊船の入手した暗号表を受け取りに行く\型U・ボートは、厳格な指揮官で古めかしい海の男を、名優クルト・ユルゲンスが見事に再現している……

クリスピ「レーダーかぁ…いいなぁ」…武装と言えば数門の3インチ(76ミリ)砲と爆雷投射器、40ミリ・ボフォース機銃に20ミリ・エリコン機銃だけと、護衛任務向きとはいえ小柄なバックレイ級にもかかわらず、レーダーとソナーを完備したアメリカ海軍の豊かさにあこがれている…

ピガフェッタ「あ…危ないっ!」他に航行する船もない海域での潜水艦と護衛駆逐艦…一対一の駆け引きに息を飲み、魚雷をかわすシーンでは思わず手を握りしめる…



艦長「爆雷一番、撃て!」…実際の護衛駆逐艦を借りて撮影しただけのことはあり、ぐぐっ…と重々しく動く艦と、高く上がる爆雷の水柱がリアリティを出す…

トゥルビーネ「うんうん…あの時はこうだった……」

サウロ「そうね…」

………

…映画が終わって…

提督「はー…涼みがてらのつもりが、ポップコーンも食べないで見ちゃったわ。何回か見たからラストは知っているのに」

サウロ「でも…ああいう終わりかたって、いいと思います」

リベッチオ「き…緊張したぁ……」

ウソディマーレ「やっぱり潜水艦は嫌いです…あぁ、疲れた……」

ミッチャー提督「ははは、まぁお茶でも飲んで…でも、みんなも緊張するくらい良くできてるってことなんだね」

提督「ジェーン、今日はわざわざありがとう。おかげで楽しめたわ」

ミッチャー提督「いえいえ…まぁ、毎日何かしら映画は流してるから、気が向いたら来てね♪」にっこり笑ってDVDを箱にしまった… <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/09/26(火) 19:53:38.50 ID:ZCPdePcy0<> 百合姫提督には是非バトルシップを観て頂きたいですな <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/09/27(水) 14:57:34.49 ID:9yvj+Qqk0<> >>814 「バトルシップ」はなんとも「アメリカ・イズ・ナンバーワン!」な映画でしたし、ホンモノのミズーリが出演する以外はあんまり…きっと百合姫提督は「トラ!トラ!トラ!」や「あゝ江田島」派だと思います…それに放送しようとするたびにイージス艦が衝突するので……

…とりあえずバトルシップのラストから……「昼はチキン・ブリトーを食べるつもりだが、一緒にどうかね?」 <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/09/27(水) 16:56:05.05 ID:9yvj+Qqk0<> …午後・執務室…


提督「あれだけ片づけたのに、またこんなに書類の山が……一体何の書類なのよ、もう……」素晴らしい日差しと涼やかな風がステキな午後だと言うのに、文書が山ほど届き、げんなりしている提督…

カヴール「まぁまぁ…お手伝いいたしますから」

ライモン「わたしもいますよ…何でも言って下さいね♪」

提督「ありがとう、二人とも……それにしても、イオニア海管区の司令官に恨みを買うような事をしたかしらね…」ため息交じりに書類の封筒を開けては中身を読んでいく…

カヴール「ざっとですが、重要なものとそうでないものはより分けておきました」

提督「助かるわ…はぁ、地中海の体積よりローマのスーペルマリーナにある書類の方が多いんじゃないかしら…って、……え?」ふと読み飛ばしかけた書類を二度見して、今度はむさぼるように読み始めた…

カヴール「どうしました?」

提督「参ったわね……頑張って大型潜を増やしてきたのに、司令部からまたこんなのが来たわ……」上端には海軍の公文書にある仰々しい「錨とロープが絡み合って、三色旗とイタリアの星章が四等分に描かれた盾」が刷ってある…提督はその書類をカヴールに滑らせ、「参ったわ…」と両手を上にあげた

カヴール「失礼して…ふむふむ……」

ライモン「文章の中身は…聞いても大丈夫ですか?」

提督「ええ、どっちみち私からも言うことになるし…」戻してもらった書類を今度はライモンに渡した

ライモン「えーと…前文が長いですね……」

提督「いつものことよ…三段目くらいからが本文だったわ」

ライモン「えーと…「この数か月間における『タラント第六鎮守府』のイオニア海、並びに要請を受け行われたアドリア海管区への援護は成功裡に終わった。このことは本官としてもはなはだ欣快(よろこばしいこと)である」……提督、褒められているようですが?」

提督「その後が問題なのよ…偉い人たちが甘い言葉を先に書いてあるときは大体後に「にがーい薬」が入っているんだから……」

ライモン「そうですか?……「この戦績並びに諸般の事情を総合的に考慮し、タラント第六鎮守府を夏季作戦である『ケルケナー諸島方面』を担当する鎮守府として任命し、同鎮守府司令官には、目的完遂のため尽力することを期待する」…とありますね」(※ケルケナー諸島…マルタ島の南西、チュニジア沿岸にある)

提督「その『ケルケナー諸島方面』作戦って言うのがね……次のページに書いてあるから読んでみて」

ライモン「はい。えーと…「現在、北アフリカでは干ばつによる農作物の不作、および「深海棲艦」の活動による沿岸漁業の出漁見送りが続き、住民の栄養状態が悪化しており、国際的な援助の手が差し伸べられている」…昨日の新聞にも出てましたね」

提督「そうね…それはいいことだけど、問題はその後なのよ……」

ライモン「では、続きを読んでみますね…「しかしながらこの援助物資を輸送するにあたって民間船を使用することは、深海側の攻撃もありえることから危険、かつ困難であり、特にケルケナー諸島方面における「深海棲艦」の活動が活発であり、我が方が制海権を得ていないことから適切ではない…」確かにあそこは深海棲艦の「巣」みたいなものですから……」

提督「一時期のマルタ島沖ほどではないにしてもね…」

ライモン「ええ、もの凄かったそうですから…「したがって、今回の輸送任務には隠密性に優れた『輸送潜水艦』の使用が望ましく、貴鎮守府がこれを有しない場合は「建造」に関わる資材、および各種の手続きにおいてイオニア海管区司令部より支援を行うこともありうる」…とありますよ」

提督「全く、信じらないわ…「深海お化け」がウヨウヨしているところに大事な艦娘を送り込めって言っておきながら、「まぁ、手続き程度なら手伝ってやらないこともない」って言う素っ気なさなんだから……」

ライモン「確かにそうですね……でも、もう一個任務が書いてありますよ?」

提督「そっちはまぁ…「飴と鞭」の「アメ」の方ね……読んでみたら分かるわ」

ライモン「そうなんですか?…「また、ケルケナー諸島周辺において大規模な「輸送船」タイプの「深海棲艦」が目撃されている。この「輸送船」タイプが実際に何らかの「補給」を担っているかは不明であるが、護衛が付随していることからも深海棲艦にとって重要な存在であることは確実である。…貴官は、商船攻撃に向く『大型潜水艦』をもってこれを攻撃すべし。この場合も必要であればイオニア海管区より援助を得られることに留意されたし」…つまり」

提督「大戦中、在リビアの陸軍に向けて補給任務をやったでしょう?あれと同じよ…」

ライモン「なるほど」

<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/09/28(木) 01:08:04.62 ID:IcoVHUrU0<> 提督「…で、二つ目の任務が「船団相手に好きなだけ暴れておいで」っていう任務…と、まぁ、いずれにせよまた建造することになったわけね」

カヴール「しかしこの書き方…」

提督「…まだいない『大型潜水艦』から考えても、建造するべき艦は決まっているようなものね……ふぅ、仕方ないわ。やるからには無事に帰ってこられるような作戦を立てないといけないし…せっかくけちんぼな司令部が「建造に関わる資材、および手続き」を手伝ってくれるって言うのなら、ありったけ要求を出しちゃいましょう」

カヴール「了解…工作室の機械もいくつかお払い箱にしたいところでしたものね♪」

提督「…あとは輸送作戦をどうやって成功させるか……腕の見せ所ね」

………

…その日の夜・食後…

ミッチャー提督「フランチェスカ」

提督「んー…?」

ミッチャー提督「何か悩み事でもあるの?…聞いてあげるよ?」バーカウンターでちびちびドライ・マティーニをすすりながら声をかけてきた

提督「…分かる?」

ミッチャー提督「分かるよ、いつもより笑顔が少なかったしさ。何だか夕食も上の空で食べてたでしょ……「バトルシップ」みたいな、カウチポテトでお気楽に見られるような映画でも流そうか?」

百合姫提督「…どうしたの?具合でも悪いの?」

エクレール提督「聞いてあげてもよろしいですわよ?」

提督「そう…じゃあ聞いてもらえるかしら」

ミッチャー提督「いいよ?……ははぁ、さてはフランチェスカのことだから色恋の話だね。二人と同時にデートすることになったとか♪」提督を背の高いスツールに座らせると、冗談めかして言った

提督「それなら良かったのだけど…」次の輸送作戦の話をぽつぽつとした…

ミッチャー提督「……あー、つまり「トーキョー・エクスプレス」のイタリア版ってわけね」

百合姫提督「なるほど…フランチェスカの次の作戦は「東京急行」なのね……私はどうにかなったけど、あれは潜水艦を使っても難しいわね」

提督「ええ…どっちみちやらないわけにもいかないし……困ったわ」

ミッチャー提督「海図ある?……ちょっとテーブルの方に行こう」

提督「そうね…ライモン、申し訳ないけど「北アフリカ沿岸」の海図を取って来てくれる?」

ライモン「はい」…さっと立ち上がり、足早に海図を取りに行った

ミッチャー提督「それで…と。まず作戦の利点と欠点は?」海図を持ってきてもらい、テーブルに広げると腕を組んだ

提督「うーん…利点は潜水艦だから被発見率が低いこと……欠点は水深が浅いから潜航できる海域が少ない上に、たとえ潜航していても海が澄んでいると見える場合があること…後は、上空に敵機がうじゃうじゃいること…かしらね」

ミッチャー提督「しかし、何も潜水艦じゃなくたってねぇ…戦時中とちがってマルタ島はそっちの物なんだし、基地だけ借りて航空隊を発進させれば脚(航続距離)も届くし……上空援護を付けて、軽巡辺りに物資を積ませた「高速補給艦隊」を編成するわけにはいかないの?」

提督「それも考えたわ…何しろ大戦中のイタリア王国海軍といえば、陸軍のおかげでそればっかりやらされたくらいだから……」

エクレール提督「でしたらやり方も熟知しているのではありませんの?」

提督「だから困っているのよ。相手はシップキラーの「ボーファイター」に「サンダーランド」、「ハリファックス」、「ソードフィッシュ」……上空援護が付いたとしても厳しいって分かりきっているから……戦時中はそれで沈められた艦も多いし…」

ミッチャー提督「むむむ…うちはそういう「強行輸送」みたいな作戦がなかったからなぁ……」

百合姫提督「何か助言できればよかったのだけど…ごめんなさい」

エクレール提督「なかなか嫌な任務を押し付けられましたわね……」

提督「むぅ…とにかく今日は寝て、明日建造してから考えることにするわ」

ミッチャー提督「それがいいよ…私なんてトイレで上手い作戦を思いついて、下着だけで飛び出したことあったわよ」

エクレール提督「まぁ…」

百合姫提督「私は柱に頭をぶつけて思いついたことがあるわ」

提督「じゃあ私も何かにぶつかってみればいいわけね……話したおかげで少し楽になったかも♪」

ミッチャー提督「じゃあ寝る前に一杯作ってあげる…よく冷えたマルガリータ、塩なしで♪」

提督「ふふ、ありがとう♪」

……… <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/09/28(木) 01:49:32.38 ID:IcoVHUrU0<> …翌朝…

提督「んー…」

カヴール「おはようございます、提督。今日はいい天気なのでタオルケットを洗いますよ……提督、起きないと触っちゃいますよ…?」

提督「だめ、触らないで!」

カヴール「えっ…」叱られたテリアのような寂しい表情を浮かべたカヴール……

提督「あぁ、違うの!……「タオルケットに触らないで」って言いたかったの…ほら、見て?」タオルケットのしわを指差した

カヴール「タオルケットが何か…?」

提督「あっ…いえ、そのね……起きようと思ってタオルケットをめくったら、たまたまケルケナー諸島の形になったから、何かいいアイデアが出るかも…って」

カヴール「そうでしたか…気づかずに失礼しました」

提督「ごめんなさい、私こそ大声出したりして。……昨夜はまんじりともできなかったし、むしろカヴールにいっぱい触って欲しいかも…///」

カヴール「でしたらタオルケットを崩さないよう、別のところで…♪」

提督「ええ…いっぱい甘えさせてね?」

カヴール「はい♪」


………

…朝食…

提督「うーん…」コンソメスープに手を付けないで何事か考えている…

ディアナ「あの…お気に召しませんでしたか?」

提督「ううん…いいの、気にしないで?」

ディアナ「そうですか…」

バウサン「提督は一体どうしたのだ…カヴール?」

カヴール「どうやら、スープの表面に浮いた油が北アフリカの沿岸に見えているようでして……」

バウサン(ピサニ級中型潜)「例の「補給作戦」とやらか…難儀をしている子供たちに物資を届けるのはやぶさかではないが、あれだけの哨戒網をくぐり抜けろ……とは、最近の上層部ときたら全く…」

ベネデット・ブリン(ブリン級大型潜)「同感です…私がスーペルマリーナにいた時なら装甲艦の艦隊をもってして突破を図りますな」

クィンティノ・セラ「私の爆装艇がもっと活躍できれば、相手の泊地に夜襲を行う所なのですが…」

ブリン「セラ、君のせいではないよ。我々もまだまだ大英帝国に追いついていない、ということなのだろう……おや」提督はしばらく見ていたスープを一気に飲み干し、急にメモを取り出した…

提督「カヴール、まずは建造して新しい娘に会ってみましょう。…作戦はそれから考えたって遅くないわ」

カヴール「はい」

提督「ディアナ…スープ、美味しかったわ。おかげでいい考えが浮かびそうよ♪」

ディアナ「ふふ、ありがとうございます…♪」

提督「ところで…足柄はいる?」

足柄「何、ここよ?」

提督「今回の建造、貴女にいて欲しいの…姫には許可を取ってあるけど、いい?」

足柄「うちの提督に許可取ったなら文句なんかないわ…それで、どうすればいいのかしら?」

提督「とにかく建造に立ち会ってもらえる?」

足柄「一体どうしたの?…潜水艦と私に何か接点でもあるの?……ねぇ、ちょっと///」…指を絡めて手をつなぐ「恋人つなぎ」に真っ赤になる足柄と、微笑を浮かべているカヴール

ヴェットール・ピサニ「…何が何やら」

フルット「ふふ、ああいう時の提督はきっと何か考え付いています……きっとうまく行きますよ♪」

コマンダンテ・ファー・ディ・ブルーノ(カッペリーニ級大型潜)「そうね…提督ならいい作戦を思いつくはずよね♪」

……… <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/10/03(火) 10:47:11.04 ID:QDPvD+730<> …工作室…

足柄「で、私を連れ出してどうするのよ?…潜水艦の建造をするんじゃないの?」

提督「いえいえ、足柄が必要なのよ♪」

足柄「よく分からないわね…でもまぁ、必要だっていうのならお手伝いするわ」

トレーリ(マルコーニ級大型潜)「提督、準備できました♪」

提督「ありがとう」

バルバリゴ(マルチェロ級大型潜)「さぁ、どうぞ」

提督「ええ。…じゃあ足柄、準備はいい?」

足柄「いいけど……ちょっと恥ずかしいわね、これ///」提督は足柄の後ろから抱きつくような形で建造装置のレバーに手を乗せた…背中に提督の柔らかい胸が当たり、顔を赤くする足柄…

提督「それじゃあ、スタート♪」


…建造中…

足柄「にしても…どうして私なのよ?」

提督「んー…艦娘と一緒にレバーを引くと上手く行く感じがするし、今回は足柄じゃないとだめなの」

足柄「説明になってないわよ…気持ちは嬉しいけど///」

提督「まぁまぁ…赤くなって可愛いわ♪」

足柄「な…これは赤くなってるんじゃないのっ!……ここが暑いせいよ///」

トレーリ「もぉ、相変わらず日本の女の子は可愛いですね♪」

バルバリゴ「ふむ…ヴェネツィアにもいい女はたくさんいたが、東洋の美女も魅力的で悪くない……」

足柄「ちょっと、止めてよ…恥ずかしいじゃない」

提督「…」

足柄「…ねぇ、提督さん」

提督「…」

足柄「もしもし?」

提督「…」

トレーリ「見事に考え込んでいるみたいね」

足柄「…」ぱんっ!……目の前で手を叩いた

提督「うわ!…どうしたの、一体?」

足柄「それはこっちが聞きたいわよ、何を考え込んでいたの?……また輸送作戦のこと?」

提督「ええ…ちょうどこの古いシミがチュニジア沖の海図に見えて……」

足柄「考え過ぎてもいいことないわよ?……「下手な考え休むに似たり」「案ずるより産むが易し」ってね」

トレーリ「あ、それ聞いたことあります「アンズより梅が安い」って♪」

足柄「それは江戸時代の地口(じぐち)ね…神戸にいたにしても、なかなか変なこと知ってるのね……」(地口…だじゃれ、言葉遊びのこと)

提督「トレーリは三カ国語出来るし、物知りよね♪」トレーリの頭を軽く撫でる提督

トレーリ「わぁ、嬉しい♪……提督、もっと褒めてくれたら何か出るかも♪」

提督「ほんと?……じゃあ、目がくりっとしてて可愛い♪」

トレーリ「ひとーつ♪」

提督「髪も滑らかで触り心地がいいわ♪」

トレーリ「これでふたーつ♪」

提督「肌がすべすべで…指がほっそりしててきれい……♪」両手でトレーリの手を包み込み、それから腕に頬ずりをする…

トレーリ「みーっつ……って、何してるの///」

提督「だって…♪」

<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/10/04(水) 01:01:04.68 ID:0+ae0pEP0<> 足柄「あぁ、はいはい…砂糖吐きそう……黙って作戦のこと考えていてくれた方が良かったわ」

バルバリゴ「いつものことだから致し方ないな」

トレーリ「うん、そうね///」そう言いつつも褒められてまんざらでもないトレーリ…困ったような恥ずかしいような表情で眉を寄せ、えくぼを浮かべている…

提督「もう…私の事を浮気性みたいに言わないで?そんなことないんだから」

バルバリゴ「…耳がおかしくなったかな?」

足柄「全く、よく言うわね」…紅茶をすすりつつあきれたように言う

提督「…あ、そろそろ時間ね♪」

バルバリゴ「それに、ごまかし方も上手くなった」


…慌てて直立不動の姿勢を取り、潜水艦を迎える提督たち。眩しい閃光が消えて並んでいたのは相当大柄な潜水艦が六人で、どうやら四人と二人の組に分かれているらしい。背も高ければむっちりと肉感的なわがままボディは潜水艦らしからぬボリュームで、二回りは小さそうな「艤装」からはち切れそうな胸やふともも、ぴっちり食い込んだヒップ、秘所の割れ目の形もくっきりわかる食い込み具合に提督だけでなく、一緒にいたトレーリやバルバリゴ、足柄も生唾を飲んだ……


提督「は…初めまして///」ずっしりと重く、たわわに揺れる乳房にしどろもどろにになりながら自己紹介を終える提督

大型潜「よろしくお願いします、提督閣下。ではこちらも着任の報告をいたしましょう」四人組の大型潜は艤装の水着の上から金モール付きの制服を羽織って、腰に軍刀を提げている…

提督「え、ええ…///」

大型潜「緊張することはありません。…カーニ級大型潜、「アミラリオ・カーニ」です。提督にはぜひ我々を使いこなしてほしいと思います♪」ぎゅっと抱擁され、挨拶のキスを頬にされると、提督はすっかり骨抜きにされたようにぼーっとしている…

バルバリゴ「…」後ろからふとももをつねる

提督「…あぁ、ごめんなさい。続けて?」

大型潜「同じくカーニ級、「アミラリオ・カラッチォロ」…先代は戦艦になるはずでしたがお流れになってしまいました。また戦中は自沈する羽目になってしまいましたから…今度こそリベンジさせてもらいます」

提督「ええ…きっと出来るわ」

カラッチォロ「嬉しい言葉です…ではごあいさつに……♪」ちゅ♪…と音高く頬にキスをされ、すっかり甘えた表情になってとろけている提督

大型潜「同じく、カーニ級のアミラリオ・ミロ。…提督は優しそうな方で良かった♪」

提督「ふふ、ありがとう…///」またまた抱擁されて背中をぽんぽん…と叩かれ、左右の頬にキスを受けつつも滑らかな腰に手を回す提督……

ミロ「ふふふ…いたずらなおててですね♪」提督の手をそっと腰から外すと、その手にもキスをした…

提督「まぁ…///」

大型潜「…ミロ、よろしいかな?」

ミロ「あぁ、すみません…お待たせしました」

大型潜「いやいや…構わんよ。……初めまして、提督。同じくカーニ級大型潜、「アミラリオ・サイント・ボン」である。以後お見知りおきを♪」

提督「偉大な海相をお迎え出来て光栄です…肖像画もちゃんとありますよ」

サイント・ボン「いや、なに…私はその名にあやかっただけだから……今度はアルビオン(英国)に一泡吹かせてやろうとは思っているけれどね♪」

カラッチォロ「同じく!…あの海賊どもを「我らが海」から追い払いましょう!」

提督「英国…ではなくて、その姿に似た「深海棲艦」だけれど……よろしくお願いします」

サイント・ボン「なぁに、どちらでも構わないとも…だが、あの一騎打ちの相手は敵ながら見事だった……ああいう好敵手を今度は退けてみたいものだ♪」

<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/10/04(水) 02:00:39.47 ID:0+ae0pEP0<> 提督「さてと…それであなたたちは……」


…カーニ級の隣に並んでいるのは双子のようにそっくりな大型潜で、やっぱり艤装からはち切れそうな胸やふとももをしていて、髪は灰色であちこちに跳ねている。特に頭の上の方は犬の耳のような形になっていて、金色の瞳と相まって狼そっくりに見える。妹らしい方は少しいたずらっぽい……というより少し無邪気で小悪魔な感じがする…手にはたっぷり食べ物が入った柳のカゴを持っていて、艤装の上から古代ローマ風のトーガをまとっている…


大型潜「初めまして、R級のロモロです。武器はないけど頑張るわね……それにしても…提督、甘くていい匂い♪」提督が挨拶にキスしようと身体を近づけると、すんすん…と匂いを嗅いでささやいた

提督「…ありがとう♪」

ロモロ「いいえ…本当に甘くて……美味しそう…♪」(あぁ…すっごい甘い匂い……抱きたい……したい…やりたい…っ♪)

大型潜「もう、ロモロはいっつもそうなんだから♪……提督、私はR級の「レモ」、お姉ちゃんとも仲はいいのよ?…よろしくね♪」ぎゅっと腰にしがみついてきて、甘ったれたような口調で自己紹介した

提督「ええ、よろしくね…ローマ建国の双子を迎えられて嬉しいわ♪」

レモ「さすが提督、詳しいのね♪…それにしても、お姉ちゃんの言うとおりで「デリシャスメル」ね♪」(あぁ…もう可愛い……無理やりどこかに連れ出して、いきなり押し倒して犯しちゃいたい…いや、いっそ立ったまま……♪)

バルバリゴ「…なんというか……目が爛々としてるな…」白い犬歯を見せて「にぃっ」と笑みを浮かべている双子にさすがのバルバリゴも腰が引けている…

提督「はいはい、二人ともあんまりくっつかないで…もう、転んじゃうでしょう♪」

ロモロ「そんなこと言わないで、提督♪」

レモ「提督…柔らかくてあったかーい♪」

提督「もう、二人とも人懐っこいんだから♪」

足柄「で…どこに私が必要なわけがあったのかしら」

提督「ふふ、この「R」級の「ロモロ」と「レモ」は狼の乳で育った双子だもの……「飢えた狼」の足柄ならちょうどいいかと思って♪」

ロモロ「へぇ…そっちのお姉さんは狼さんなのね♪」

レモ「じゃあお母さんみたいなものね♪……ね、お母さん…おっぱいちゅうちゅうしていい?」

足柄「だ、駄目に決まってるでしょうが!…だいたい私は出ないわよ///」

レモ「ざんねーん…」

ロモロ「その分牛乳でも飲みなさい?」

レモ「そうね、牛乳だってお乳だもんね…レモ、かしこーい♪」

提督「はいはい…じゃあ食堂に行ってお昼にしましょう。カーニ級のみなさんも、どうぞこちらへ♪」

カーニ「いきなり「お昼」なんて…やっぱり平和なのね♪」

サイント・ボン「ふふ、せっかくだからくつろいでいただくとしよう♪」


…しばらくして・食堂…


提督「どう、おいしい?」

ロモロ「美味しいっ♪…このお肉、食べごたえがあって……んむんむ…」猪のあばら肉をトスカーナ風ハーブ焼きにした、かなり歯ごたえのある一品にかぶりついては食いちぎっている…

レモ「美味しいっ…やっぱりお肉がいいね♪」むしゃむしゃと真っ赤な猪肉に食らいつき、赤ワインをごくごく飲みほしている…汗を垂らし、らんらんとした瞳に火照った頬で視線を向けてくるたびに、提督は電撃を受けるような感じがした……

サイント・ボン「あぁ、結構なことだ……この銘柄はいい年の物だね」…白ワインをそっと口に含むサイント・ボン

ベネデット・ブリン「そうですね。…海相、もう一切れ鱒はいかがですか?」淡白な味の鱒はシンプルな香草焼きとして出されている…

サイント・ボン「あぁ、ありがとう…いただこう」

提督「お味はいかがですか?」

サイント・ボン「そんなにかしこまらずとも…私は海相ではなく、あくまでもカーニ級の「アミラーリオ・サイント・ボン」なのだからね♪」

カヴール「いえいえ…私たちからすればその名前だけでも尊敬するに値しますから」

サイント・ボン「どうも弱ったね…ドリア、そちらのお皿が空だよ?」

ドリア「あぁ、わざわざすみません…」

サイント・ボン「いやいや…いいんだよ。提督もよかったら鱒をお取りしよう」

提督「ではお願いします…」

サイント・ボン「うむ♪」

<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/10/04(水) 03:14:11.03 ID:0+ae0pEP0<> …新着艦紹介…


大型潜…カーニ級(アミラーリオ級)。1941年生まれ。四隻


参戦直前に計画された(特殊な目的の艦を除いた)イタリア大型潜最後の航洋型潜水艦。単殻・サドルタンク式

イタリア潜最大の大きさを誇り、強力な武装を施した大型潜。
特に商船攻撃を重視し、MAS(魚雷艇)などに採用される450ミリ(大抵の潜水艦は533ミリ)という細めの魚雷を装備したが、それを艦首8門、艦尾6門の計14門、再装填用の予備魚雷を合わせて36発というものすごい数を装備し、なおかつ司令塔の前後に100ミリ単装砲1基ずつを備えた重武装艦。


1635トン/2136トンと並みの駆逐艦以上の排水量を誇り、主機は4370馬力(ディーゼル)/1800馬力(電動機)で速度17ノット/8.5ノットと速度もそこそこ。魚雷、主砲の他に13.2ミリ連装機銃2基も備えている。


その大きさの割に動きも機敏だったと言い、「アミラーリオ・カーニ」が大西洋で行動したほか、地中海でも活躍した…が、英軍の猛烈な攻撃で一隻は自沈、二隻は戦没し、残ったのはネームシップの「カーニ」だけだった

…特に「アミラーリオ・サイント・ボン」は英潜「アップホルダー」と浮上砲戦を挑み、一騎打ちで戦ったが雷撃を受け撃沈されたが、このU級潜水艦「アップホルダー」は赫々たる戦果を持つ英潜「最優秀艦」で、駆逐艦「リベッチオ」、潜水艦「トリケーコ」を撃沈、軽巡「ジュセッペ・ガリバルディ」を撃破、他に商船19隻、11万9000トンを沈め、イタリア水雷艇「スピカ」に沈められるまで暴れ回った名艦だった


…カーニ級の艦名は偉大な提督、海相の名で、特にリッサ海戦の敗戦後に巻き起こったイタリア海軍不要論・縮小論を造船監「ベネデット・ブリン」と打ち消してその拡大と発展に努めた「海軍中興の祖」である名海相サイント・ボン(海相1873〜92…最後は現役のまま死去)や、ナポレオン戦争時代「英軍には降伏しない」と最後まで頑張り、最後はネルソン提督に絞首刑にされた「フランチェスコ・カラッチォロ」提督などがいる


………

艦娘「カーニ」級は肩から金モールの制服を羽織り、軍刀を持って凛々しく堂々としている……はずが、そのむっちりと豊満な身体を「二回りは小さい」艤装で包んでいるせいでかなり色っぽい状態に…「サイント・ボン」はにじみ出る風格のせいで誰からも敬われるがもっと普通に扱って欲しい様子



………

輸送潜水艦…R級(ロモロ級)。1943年生まれ。完成2隻(計画12隻)


本来は「日本との間で貴重な物資の交換に使おう」という目的で計画されたが、北アフリカの戦局が悪化するにつれて日本の丁型(潜輸大型…伊三六一型とも)と同じように、警戒が厳しく水上補給が難しい前線に「潜航して物資を送り届けよう」…となった輸送潜。

部分複殻構造の艦で、艦内には四つに分かれた貨物倉を有しており貨物610トンを運べる。12隻の計画は開戦してからの資源不足で不可能になり二隻で終わった。完成が遅すぎたため輸送任務に就くこともなく、実績は残していない


2155トン/2560トンの排水量で、主機は2600馬力(ディーゼル)/900馬力(電動機)。速度は14ノット/6.5ノット。一部は450ミリ魚雷2門を艦首に備えたがほとんどの艦は20ミリ機銃3基だけと、最低限の自衛用火器しか備えていない


………

艦名があったのは完成した「ロモロ」と「レモ」だけだが、この「ロモロ」と「レモ」は伝説でローマを建設したと言う双子、いわゆる「ロムルスとレムス」のこと。


…戦(いくさ)の神マルス(火星)とレア・シルヴィアの間に産まれた「ロムルスとレムス」は、王座を奪っていた祖父の弟が「大きくなって正統な後継者となり、自分を殺すのでは」と恐れたためテヴェレ川に流され、流れ着いたところにいた雌狼の乳で大きくなった。
その後人に拾われてその事実を知ると祖父の弟を倒して祖父に王権を返し、自分たちは「流れ着いていたところに町を作ろう」と町の建設を始めた…ところが地面に線を引いていたロムルスを「できっこないよ」とからかったためケンカになり、結局果し合いの末レムスはロムルスに殺されてしまう…この時ロムルスが「この場所は以後誰にも越えさせない」と誓ったためにローマは外敵から守られているという……その後女っ気がなかったローマはお祭りにかこつけて近隣のザビーネ人の女たちを連れて行ってしまい、「ザビーネ女の略奪」という彫刻にもなっている




艦娘「R」級は豊満なボディにローマ風のトーガ、手には食べ物いっぱいの柳のカゴを持っている。髪と目は「狼に育てられた」伝説のせいか瞳は金色、髪は灰色で犬耳のようになった部分もあり、嗅覚が鋭い。「レモ」はよく「ロモロ」のやることをからかって怒られているが気にしておらず「レモかしこーい」が口癖だったりする…と同時にローマ建設時代の一件があるのか、常に発情期で女に飢えていて、提督でさえ隙あらば手籠めにして食べ散らかしてしまいそうな勢いだったり……


………



<> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/10/04(水) 18:59:21.92 ID:uyH4+uugo<> 料理レシピの描写が減ってちょっと悲しい <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/10/07(土) 00:18:06.87 ID:NzU3VDuf0<> >>823 楽しみにしていたのならごめんなさい…どうにも言い訳がましいですが、数日前まで風邪をこじらせ「身体に水をかけたらじゅうじゅう蒸発するような」熱を出しておりまして、投下するのもおっくう…といった具合でして…

…ようやく回復しましたが、しばらく蜂蜜とショウガ入りの紅茶とチキンスープでしのいでいたのでレシピのことを書けるような気分ではなくて……今後は復活させていきますので気長にお待ちいただければと思います…あと、レシピついでに書いておきますが、チキンスープは鶏手羽と長ネギの青い所を水から煮て、途中で白菜少しを加え、最後におろしショウガとごま油を少し垂らした中華スタイルでした…ご覧になっている皆様も、気候の変化が激しいですから風邪など引かぬよう気を付けましょう……

<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/10/07(土) 02:00:52.35 ID:NzU3VDuf0<> …翌朝・食堂…

提督「みんな、いいかしら?」珍しく朝の全体会議をかけた提督に、艦娘たちはざわついていた…提督と言えば朝食後に「コーヒー片手でゆったり新聞を読みながら過ごす」はずが、珍しく真剣な表情で演説台に立っている……

提督「はい、ありがとう……今朝集まってもらったのは他でもないわ。…今回、この鎮守府に向けてイオニア海管区から次期作戦の通達がありました」一層ざわついた室内が収まるのを待って続けた…

カヴール「みなさん、お静かに願います」

提督「…続けるわね。今回の作戦ですが……」

リットリオ「…ごくっ」

チェザーレ「…」

提督「今回の作戦内容は、「ケルケナー諸島方面における物資輸送作戦」及び「ケルケナー諸島・トリポリ沖に活動する敵輸送船団への攻撃」です」途端にため息とも不安な喘ぎともつかないものが一斉に漏れた…

ドリア「提督…それは……」

バルビアーノ「ケルケナー諸島作戦といえば厳しい任務として有名なんですよ……合同作戦とかではなくて、参加する鎮守府はここだけなんですか?」

提督「ええ、うちだけで行います」

リベッチオ「…でも、あそこは深海側の艦がうじゃうじゃいるって言うし」

フルット「…参りましたね……」

提督「こほん!…みんなの不安は分かっています。ですが、今回の作戦における任務の重要さは言うまでもないわ……北アフリカへ人道支援物資を輸送することの意義は、みんなも分かってくれるわよね?」

チェザーレ「確かにな…」

バンデ・ネーレ「大戦中と違って陸軍の無茶ぶりに応える作戦でもないわけだし…要はドラム缶を乗せて突っ走ればいいのね?」

提督「いいえ…深海側の哨戒網が厳しいので、水上での強行輸送はよんどころない時の奥の手……ということになっているの」

フォカ「…じゃあ、水中輸送?」

提督「それをこれから説明する所よ……今回の作戦で主体になるのは「R」級輸送潜水艦二隻および、機雷敷設能力…言い換えれば、物資搭載能力のある大型潜水艦「ピエトロ・ミッカ」と、「フォカ」級の三隻。場合によっては物資輸送が可能な「カルヴィ」級、「カッペリーニ」級、「リウッツィ」級、「マルコーニ」級大型潜も候補になります」

コマンダンテ・カッペリーニ「それは構いませんが…援護はもらえるのでしょうか?」

提督「うちの鎮守府に所属している航空機を飛ばして上空援護にあたらせるために、シチリア島のメッシーナ、アウグスタなどの基地を借りるつもりでいます…あとは海軍のP3「オライオン」対潜哨戒機が上空から深海側の動きを探ってくれます」

レジナルド・ジュリアーニ(リウッツィ級)「…あとは神の御心によると」従軍神父の名を取った「ジュリアーニ」だけに、僧服姿で十字を切った…

ルイージ・トレーリ(マルコーニ級)「私だって日本まで行けたんですから、きっと大丈夫ですよ!」

提督「ええ、そうね。でも、私としては万全の体勢で挑むつもりでいます……この中の誰かがいなくなるなんて考えられないもの。…ですから、作戦まではかなり厳しい訓練をしてもらいます」

トレーリ「うぇぇ…」

提督「…その分、上手く行ったらうんとぜいたくなパーティを開くことを約束するわ」

ロモロ「まぁ…やってみるだけやってみよう?」

フォカ「そうね…」

ディアナ「私も全力で支援させていただきます」

エリトレア「同じく!……食べないと元気も出ないですから、いっぱいご飯を作らなきゃ…ですね♪」

提督「そうね。厳しい訓練になるから加給食も作ることにします…といっても、陽動と間接援護を兼ねた艦隊も出撃させる予定だから、みんなも他人事じゃないのよ?」

リットリオ「久しぶりにこの主砲が活躍するわけですね♪」

デュイリオ「間接援護とはいえ、重要な任務……わたくしデュイリオ、全力で当たらせていただきます!」

提督「…みんな、ありがとう」

チェザーレ「何を水くさい…では諸君、今日から猛訓練というわけだ……ローマ帝国の威信を示し、ブリタニアを我らが海から駆逐せよ!」

ガリバルディ「ええ、やってやろうじゃない!」

サウロ「イタリアの栄光をアルビオンに見せてやるわ!…いざ、アヴァンティ!(前進!)」

一同「「アヴァンティ!アヴァンティ!」」…誰かが持ち出した大きなイタリア国旗をみんなで振り回し、「アヴァンティ!」の掛け声が沸き起こった

提督「…ここまでみんながまとまったのは初めてかも知れないわ……」

カヴール「それだけ気力が充実しているのですよ…あとは「提督に格好いい所をみせる」気になってもいるのでしょう」

提督「理由はどうであれ、みんな無事に戻ってくればそれでいいわ…とにかく、うまく行ったらパーティ以外にも何かごほうびをあげないと……」

カヴール「でしたら、「提督と一晩過ごせる権利」がいいですよ♪」

提督「…考えておくわ」 <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/10/07(土) 10:51:37.50 ID:NzU3VDuf0<> …午後・波止場…

提督「じゃあ、来たばっかりで大変だろうけど……訓練、頑張って」…仮想敵の駆逐艦たちが哨戒する中を「見つからずに」目的地に着く訓練ということで、波止場には今回の輸送作戦に参加する潜水艦たちが艤装を付けて並んでいる……提督は白の制服姿で、一人一人に声をかけた

ロモロ「いえいえ、お任せあれ♪」ばいんっ♪…薄灰色の水着がはち切れそうなロモロがおどけたような敬礼をすると、乳房が揺れた

提督「え…ええ///」競泳スタイルの「艤装」から胸がはみ出し、谷間をぐっと強調している…提督は凝視しかけて、あわてて視線をずらした

レモ「ふふん…レモに任せて♪」ゆさっ♪…こちらも艤装に胸やお尻が食い込んでぱっつんぱっつんのレモ……

提督「任せるわ…訓練とはいえ、怪我だけはしないようにね///」

レモ「だいじょーぶ♪……じゃあ、いってきまーす♪」

提督「行ってらっしゃい」

カッペリーニ「では、行ってまいりますので」

提督「ええ、頑張ってね」

トレーリ「じゃあ、行ってきます♪」

提督「頑張って♪」

トレーリ「はい、頑張ります♪」

提督「…さて、じゃあ私も頑張りましょうか」

カヴール「では私も訓練が入っていないので、お付き合いします♪」

提督「ありがとう♪」


…通信室…

提督「さて…と」通信室の電話をとりあげ耳に当てると、最新版の「海軍年鑑」をめくり、番号を探した…

カヴール「?」

提督「えーと……あ、あったわ」とある番号を見つけると、ページをめくっていた手を止めてボタンを押した…提督の耳に「ルルルル…ルルルルッ」と呼び出し音が聞こえる…

声「もしもし…海軍司令部、海図測量部ですが」

提督「もしもし、こちらはイオニア海管区タラント第六鎮守府司令官のカンピオーニ少将ですが、そちらにカルリーニ大佐はいらっしゃいますか?」

声「…少々お待ちください」しばし電話の向こうでやり取りする声が聞こえると、すぐに誰かが受話器を取った

別の声「もしもし、代わりました。海図測量部のカルリーニです」…甘ったるいような、それでいて冷めたようなアルトの声が耳に心地よく響く

提督「こんにちは…久しぶりね♪」

カルリーニ大佐「まさか……フランチェスカ?」

提督「ええ、そうよ…挨拶を送るわね♪」ちゅ♪…と電話越しに投げキッスの音を送った

カルリーニ大佐「海軍公報で見た時そうじゃないかとは思ったけど…もう少将とは驚いたわね……で、何が必要なの?…最新版の海図?私のフィアット?それとも脱ぎたてのブラとパンティ?……ちなみに今日は黒の紐みたいなのよ♪」

提督「んー…脱ぎたての下着もなかなかそそられるけど……今回はチュニジア・リビア沖の海図と、海底の詳細な地形図一揃いが欲しいの」

カルリーニ大佐「了解。じゃあ優先リストの一番上に乗っけておいてあげるから…そうねぇ……明日には送り出すわ」

提督「そんなに早く?…助かるわ、今度お礼に素敵なレストランに行きましょう♪」提督とっておきの甘い声でささやいた

カルリーニ大佐「いいのよ、私と貴女の仲なんだから……それに作戦なんでしょ?…上手く行くように祈ってるわ」

提督「ありがと…愛してるわ♪」

カルリーニ大佐「もう…ムラムラするからその声は止めて……それじゃあ、チャオ♪」

提督「チャオ♪」

カヴール「…」なかば呆れたような顔で提督を見ている

提督「どうしたの?」

カヴール「いえ…相変わらず口説き上手でいらっしゃいますね」

提督「…別に口説いているわけじゃなくて、ナポリで一緒の部屋だったから親しいだけよ」

カヴール「そうですか…」
<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/10/07(土) 11:57:52.31 ID:NzU3VDuf0<> 提督「ええ♪」…相づちを打ちながら電話帳になっている「海軍年鑑」の後ろの方のページをめくる

提督「あった…えーと……」肩で受話器を挟み、指で電話番号の所を差し示しながらボタンを押した

声「はい。こちらは海軍航空隊パレルモ基地、スキッピ伍長です…どのようなご用件でしょうか」

提督「もしもし…こちらはタラント第六鎮守府司令官、カンピオーニ少将ですが……アントネッリ飛行隊長はいらっしゃいますか?」

伍長「中佐ですか?…少しお待ちください」後ろでP3「オライオン」対潜哨戒機の甲高いエンジン音が響いている…と、受話器を置かないでしゃべっているらしい伍長の声が提督にも聞こえた……

伍長「少尉、隊長はどこか知りませんか?…今「タラント第六鎮守府の司令」で少将だとか言う、甘い声の人から電話がかかって来たんですが……」

少尉「嘘つけ、どうせ隊長の女だろ?……あの人ときたら基地の電話で女を口説くんだぜ?」

伍長「さぁ…それはともかく、隊長はいないんですか?」

少尉「待てよ…聞いてやっから……おーい、誰か「女たらし」の隊長見てないか?」

女性の声「どうした、何か用か?」…電話越しにハスキーな女性の声が聞こえた

少尉「うえっ!…一体どこにいたんです、隊長?」

女性の声「ロッカーで着替えていたら君の声が聞こえたんだよ。…さて、少尉。私が「女たらし」であるという「現状認識」は正確でよろしいが、私が六時の方向にいても気づかないとは「後方警戒」の訓練不足だな…」

少尉「いや…その……」

女性「…便所掃除、三日だ。私がミグだったら撃墜されていたところだぞ…スキッピ伍長!」

伍長「はい、隊長!」

女性「その「甘い声の女性」は待たせてあるのか?」

伍長「は、はい!」

女性「じゃあ私が代わろう……ところで伍長、コーヒーでも飲みたい気分じゃないのか?」

伍長「ええ…はい、飲んできます」

女性「ゆっくり行って来い……もしもし、アントネッリです」どっかりと座る音がして、少し塩辛い女性の声が耳に入ってくる

提督「…相変わらずね、ジュリア♪」

アントネッリ中佐「おや、君からとは嬉しい驚きだ…フランチェスカ♪」

提督「もう、聞こえたわよ……基地の電話で女の子を口説くなんて駄目じゃない♪」

アントネッリ中佐「全く、スキッピ伍長は仕方ない奴だな、保留にもしないで……でも、君が叱る可愛い声が聞けたから良しとするか」

提督「相変わらず女の子を口説いているのね…イケない人♪」

アントネッリ中佐「ふふっ…君ほどじゃないさ、フランチェスカ……そのステキな声を聞くだけで濡れてきそうだよ♪」

提督「相変わらずお上手ね…ところで」

アントネッリ中佐「何かな…タラントまで行くのはちょっと厳しいが、どうしてもというならバイクを飛ばして行くよ?」

提督「いいえ…実はね……」事情を説明する提督

アントネッリ中佐「なんだ、そんなことならお安いご用さ…哨戒訓練のルートを少しいじればいいだけだからね♪」

提督「出来るの?…恩に着るわ」

アントネッリ中佐「なーに、フランチェスカのためさ…かわりにに今度会ったら一日中部屋から出さないぞ♪」

提督「もう、ジュリアったら♪」

アントネッリ中佐「ふふっ。それじゃあ、その件は了解した…任せておいてくれ♪」

提督「助かるわ…それじゃあね♪」

アントネッリ中佐「ああ、また♪」 <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/10/09(月) 01:25:22.64 ID:xP3q0qzc0<> カヴール「あの…提督」

提督「なぁに?」

カヴール「本当に何でもない関係なのですか?…私にはどうも信じられないと申しますか……」

提督「ふふっ…どうかしらね♪」また別の番号に電話をかけながら、カヴールに向けていたずらっぽい笑みを見せる提督

カヴール「むぅ…」

提督「……もしもし、軍情報部ですか?私はタラント第六鎮守府のカンピオーニ少将ですが、ミカエラ・フェリーチェ大尉は今どちらに?…ええ、お願いします」

提督「…こんにちは、ミカエラ。ええ、私よ♪」電話越しの相手に耳を傾けてからくすくす笑った

提督「そうなの…ええ、とっても可愛い娘たちよ……もう、妬かないの♪」

提督「ええ、そうなの…それでね、良かったらチュニジア沿岸からリビア辺りの情報を少し教えてくれないかしら?……そう、良かった♪」

提督「ありがとう、じゃあ今度会う時はうんとお洒落していくわ……本当にありがとう♪」かちゃりと受話器を置くなり、すぐ次の番号を回し始める…

カヴール「…提督、一体どうやってそこまでの人脈を作ったのです?」

提督「え?……普通に士官学校の同期とか…あとはあちこちの任地で知り合ったお友達だけど?」

カヴール「そうですか…」

提督「あ、もしもし…タラント第六鎮守府司令官のカンピオーニです、そちらのマリア・ヴィオレッタ少佐は今……え、まだ昼食から戻っていませんか…分かりました」受話器を置くと携帯電話を取り出し、電話をかけた…

提督「もしもーし、マリア?…はぁい、フランチェスカよ♪……なぁに、その嫌そうな声は?…お昼してる所なのよね、何を食べてるの?……黒オリーヴとチーズのピッツァに…スパゲッティ・ポモドーロ?美味しそうね♪」

提督「え?用件を早く話せって?…もう、ベッド以外でも相変わらずせっかちなんだから……」途端にきんきん声が携帯から漏れ、提督は携帯電話を耳から離しスピーカーホンに切り替えた

声「…ばか!真っ昼間からなんてこと言うのよ!」

提督「だって……楽しかったでしょ?私にメイドの格好をさせて鞭を振るわせる…マリアったらぶたれながらとっても悦んでたものね♪」

声「だから昼間っから何だっていうのよ!……あのね、携帯電話は秘話回線じゃないのよ?」

提督「私は困らないわ…だいたいあの後、私のせいにしようとした貴女がいけないのよ?」

声「はぁ……負けたわ、何をすればいいの?」

提督「さすがマリアね、話が早くて助かるわ…来週あたりから一週間ぐらい、AWACS(空中早期警戒機)の訓練飛行ルートをすこーし南に動かしてもらえるかしら?」

声「距離はどの位?」

提督「そうねぇ…南に五海里も動かしてもらえれば充分……大丈夫、領空侵犯どころかイタリア領空すら出ないわ」

声「分かったわよ…もう」

提督「ふふ…よろしくお願いね、はしたないお嬢さま♪」

声「もう、フランチェスカのばか///」

提督「ふふっ、チャオ♪」

カヴール「あの…何やらずいぶん刺激的な……///」

提督「あぁ、マリアのこと?……ふふっ…まだ大尉だったころに士官宿舎の部屋で「メイドさんにお仕置きでぶたれるお嬢さま」ごっこをしてたら鞭の音を聞かれちゃって……」

カヴール「それは…その、何とも気まずいですね///」

提督「マリアったら何があったか聞きに来た海軍憲兵に「私は彼女につき合っていただけなので…」なんて白々しい嘘をついてくれたから…幸い知り合いの憲兵だったからウィンク一つで見逃してくれたけど……それ以来彼女に頼みごとをする時は簡単でいいわ♪」

カヴール「士官宿舎でなさったのですか…///」

提督「部屋に招かれたらマリアが準備万端整えてたのよ…全く、どこであんなの買ったのかしら?…ともかく、これで準備は出来たわね」

カヴール「もうそろそろ練習組も戻って来るころですね」

提督「…あら、本当ね。それじゃあ加給食の準備に行きましょう♪」

カヴール「分かりました」

……… <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/10/09(月) 02:30:44.50 ID:xP3q0qzc0<> …厨房…

提督「さてと…加給食といっても……何を作ろうかしらね」

ディアナ「激しい運動のあとですから、カロリーの摂取が大事ですね」

提督「んー…冷蔵庫には何があるかしら?」

ディアナ「卵に、鶏の手羽が結構あります…あとはハムの消費期限が近いのでそれを使いたい所です」

提督「あ…じゃあ手早くハム入りのカルボナーラでも作りましょうか♪……エリトレア」

エリトレア「はい」

提督「パスタの方はお願い」

エリトレア「了解しました♪」

提督「ディアナ、卵とハムを出してもらえる?」

ディアナ「はい、よしなに…♪」

提督「じゃあ…カヴール、お皿を出しておいて?」

カヴール「はい♪」


…大きいアルミのパスタ鍋いっぱいにごぼごぼとお湯が沸き、エリトレアが小さじ二つばかり塩を入れる。幅の広いフェットチーネが鍋に入るとひらひらと広がっていき、卵の形をしたタイマーのスイッチを入れた。……提督はその間にハムと卵、生クリームを準備する…「本来ハムは入れない」などと言う北部の原理主義者もいるカルボナーラだが、提督はハムの消費期限が近いこと、それに、「疲れて帰ってくる艦娘たちに少しでも栄養を取ってもらいたい」と、目をつぶることにした。ハムは後ろ脚に比べて安価な豚の前足のハムで、もうあんまり残っていない肉を大きい包丁で骨から削ぎ落した。卵と生クリームは大きいボウルで手早く混ぜ、とろりとしたバニラ色の液体が出来上がった…


カヴール「お皿は置いておきますね」

提督「ええ、ありがとう♪」


…提督は平たいアルミのフライパンを取り出すと、たっぷりのバターを切りだしてフライパンに落とし火をかけた。バターがぶちぶち言いながら溶けると切ったハムをさっと入れ、じゅうじゅうと香ばしい音と匂いを立てるまで、アルミにキズを付けない木べらで炒めた…戦時下では貴重な金属だったアルミのフライパンはディアナが大事にしている物なので、使いこまれてよく油がなじんでいる割に痛みや汚れも少なく、愛用されていることが分かる…


エリトレア「そろそろパスタを上げますよ?」

提督「…了解」


…炒めたハムを人数分に分けておき、慎重に火加減を調節して卵液を注ぎ込む……火が強いとあっという間に炒り卵に化けてしまう…慎重に手早くかき混ぜ、ゆで上がったフェットチーネを入れ、ハムも戻してさっと和える…卵液をボウルで湯せんする方が簡単で上手く行くが、そこはせっかく頑張ってきた艦娘たちへの加給食なので、律儀に作ろうと決めていた…


カヴール「はい」濃紺と金で縁取られたお皿を差しだした

提督「ん、ありがとう」…トングでパスタを渦巻き状に乗せ、カルボナーリ(炭焼き)の名の通りになるよう、ペッパーミルで黒胡椒を振りかけた

ディアナ「まぁ…お上手です」

提督「ふぅ…人数分やらないといけないから結構大変ね……」次々とカルボナーラを作っては、エリトレアとカヴールがテーブルに並べていく…

ディアナ「代わりましょうか、提督?」

提督「大丈夫」…最後の一つまで完成させると両手をポンとはたいてフライパンを流しに浸け、エプロンを外した…と、がやがやいう声が近づいてきて、食堂のドアが開いた…

ロモロ「ロモロ、戻りました…ぁ♪」

カッペリーニ「ふぅ…疲れました……」

トレーリ「手は洗ってきましたよ、加給食があるって聞きましたけど…って、わぁぁ♪」

レモ「デリシャスメルだね、美味しそう♪」

フレッチャー「私たちの分まであるのね…サンクス、準備してもらって嬉しいわ♪」…鎮守府の駆逐艦と一緒に仮想敵を買って出てくれたフレッチャーも、少しくたびれた様子で席に着いた

提督「どうぞ、召し上がれ♪」

フォカ「んーっ…美味しいわ♪」

カッペリーニ「カルボナーラもいいものですね…あぁ、空腹だったので染みます♪」

提督「ふふ、よかった♪」

……… <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/10/09(月) 23:18:11.37 ID:GemK3y9xo<> 病み上がりなのに乙 <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/10/10(火) 00:05:16.18 ID:JBJhbdhj0<> >>830 ありがとうございます、頑張りました…というより、治り始めてからはずっと寝てて暇だったので、ネタになりそうなものをつらつら考えておりました……せっかくなので「提督が風邪を引く」小ネタもやろうと思っています <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/10/10(火) 00:18:25.87 ID:UIRgRAuQo<> 乙ですお大事に
看病ネタいいですね楽しみにしてます <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/10/10(火) 01:20:48.50 ID:JBJhbdhj0<> …数日後・執務室…

提督「うーん……」その日の夕食もそこそこに執務室にこもった提督はバスローブ姿で、海図のコピーに青ペンで補給ルートを描いてはくしゃくしゃと丸めて捨て、そのたびに衛星画像を重ねてみたり、海底の地形図を当ててみたりしながら頭を抱えていた……

カヴール「提督、コーヒーですよ」

提督「うー…」そばにそっと置かれたコーヒーカップにも気づかず、うんうん唸っている…

カヴール「提督っ」

提督「うわ!……カヴール、どうしたの?」

カヴール「コーヒーをお持ちしましたよ、クリームと砂糖入りです」

提督「ああ、ありがとう…」赤ペンで描き入れた「深海棲艦」の哨戒ルート、台風予想図のような緑の線に、MAD(磁気センサー)やソナーの範囲を表す同心円を描いたP3対潜哨戒機のルート、ひときわ大きいAWACSのレーダー範囲を示す青い円と飛行ルートをにらみつつ、無意識にコーヒーをすする…

ライモン「提督、お探しの資料です」書類棚から持って来た資料を抱えてライモンがやってきて、卓上の「バベルの塔」が崩れないよう、そっと執務机の上に置いた…いつもはある程度整っている提督の執務机も今はめちゃくちゃで、雑然と積み上がった資料と色ペン、ディバイダー、コンパス、分度器などが散らかっていた…

提督「ありがとう…」さっそくページをめくり、あごに手を当てて考え込む提督…時々思い出したようにコーヒーをすすり、額にペンを当てたりしながら考え込んでいる

カヴール「提督。そこまで思いつめなくても、最初の案で十分大丈夫だと思いますが…?」

提督「カヴール…気遣ってくれるのは嬉しいけど、私は今ここにいるみんなに怪我をさせるようなことはしたくないの……それも私の思慮が足りなかったせいなんてことになったら、私は自分を許せないわ…」

カヴール「ですが、あまり根を詰めて考えていても疲れてしまいます…しっかりお休みになることも提督の大事な務めですよ」

提督「そうね…ありがとう、カヴール……もう止めるわ。二人とも遅くまでありがとう」

カヴール「いいえ、私でよければいつでもどうぞ」

ライモン「しっかりお休みになって下さいね、提督…では、失礼します」

提督「ええ、お休み…」二人を送り出してから、また席に座る提督…いつしか夜も更けてきて、背後の窓からのぞく月が徐々に沈んでいく……しばらく海図を眺めているうちに、だんだんまぶたが重くなり、線がぼんやり霞んできた…

提督「ふわぁ…」提督はもっといいルートが出来上がるまで眠らないでいようと思っていたが、「少しだけ」とまぶたを閉じた…案外冷える海風と、床から上ってくるひんやりした夜気が足元を冷やしていく…

提督「…くしゅっ!」うとうとしているうちにすっかり目を閉じてしまった提督は、小さく一つくしゃみをした…

………

…二日後…


カヴール「もう、ですから私が言ったではありませんか…しばらくは絶対安静になさって下さい、いいですね?」腰に手を当て、心配しながらも提督を叱りつける…

提督「ええ……こほっ!けほっ!」心労と無理な執務が響いていたのか、薄着で冷たい夜風に当たりながら眠ってしまっただけで風邪を引いた提督…ベッドに寝かされた提督は水銀体温計を脇に挟んで、ベッドの中ではぁはぁと息を荒げている…

ライモン「提督…大丈夫ですか、何か欲しいものはありますか?」心配そうにのぞきこんでくるライモン…頭の下にはタオルを巻いた氷枕、脇のナイトテーブルには水差しとグラスが乗っているが、まだ何か足りないかのようにあちこち見回している

提督「大丈夫…ごほっ!……うつるといけないから…離れていた方がいいわ……」顔は熱で上気していて、タオルケットやら布団やらに包まれている…

カヴール「何か召し上がりますか?」

提督「う゛ー…喉が痛いから……柔らかいものが…いいわ…」と、タイマーが鳴ってカヴールが体温計をとりあげた…

カヴール「38.1度…立派な風邪です……何かお持ちしますから、食べたらすぐお休みになって下さい、いいですね?」

提督「了解…38.1度……リットリオ級の主砲と同じ数字ね…げほっ、ごほっ!」

カヴール「もう、こんな時までそんなことを……とにかく安静になさっていてください。…それと、ご用があったら食堂か私、さもなければライモンの部屋にかけて下さい」ナイトテーブルにどこかから持って来たダイヤル式の内線電話を置いた

提督「ありがとう…うー、げほごほっ……」普段の物柔らかな声もすっかりかれて、ハスキーなシャンソン歌手そこのけになっている…

カヴール「それでは、何か作ってきますから…ゆっくり眠って下さいね」

提督「ええ…ごめんなさい……」

カヴール「いいのですよ…今回の作戦のために寝ずに頑張っていたのですから……早く治してくださればそれで十分です」

提督「ええ…そうするわ…」

<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/10/10(火) 01:58:25.19 ID:JBJhbdhj0<> …しばらくして…

カヴール「提督、起きていらっしゃいますか?」かちゃかちゃと皿の鳴る音が聞こえ、大きな銀のお盆を持ったカヴールが入ってきた…

提督「ええ…いい匂いね……」

カヴール「食べられそうですか?」寝室のテーブルに一旦お盆を置いて、提督の顔をのぞきこんだ

提督「どうにか…」

カヴール「それは良かったです…では、上半身を起こしますよ」…ベッドの背板に枕を置き、そこにもたれかかることが出来るよう提督を支えた

提督「ありがとう…」ネグリジェ姿の提督はお姫様抱っこのように上半身を起こしてもらい、ベッドにもたれかかった

カヴール「まずは手を拭いてくださいね」…まだ温かい蒸しタオルで手を拭いた

提督「はぁ…はぁ……」

カヴール「大丈夫ですか?」

提督「ええ…熱の割には食欲があるわ」お盆の上の物を確認する提督…

カヴール「でしたらすぐによくなりますよ…スープから召し上がりますか?」

提督「ええ…喉も乾いたし……」

カヴール「分かりました…では、「あーん」してください」スープ皿を片手に持って、スプーンを口もとに近づける…

提督「あー…ん」湯気の立つチキンスープがじんわりと喉を流れ下って行く…薄い塩とコンソメだけのスープは懐かしさすら感じる優しい滋味豊かな味で、飲み終えるとそっと次の一口が差しだされた…

カヴール「いかがですか?」

提督「おいしい…」飲むほどに身体の中が暖まっていき、じんわりと汗をかき始めた…スープを飲み終えると、提督は小さくつぶやいた

カヴール「よかった…時間をかけたかいがあります。次はどれにしましょうか?」

提督「その美味しそうなのは…」

カヴール「オムレツです…召し上がりますか?」

提督「ええ…」中がとろとろと流れ出すような、黄色い柔らかな木の葉型のオムレツをスプーンですくってもらい、一口ずつ含むように食べる…どうやら卵一つで作ったらしく、もう少し食べたいと思ったもののすぐに無くなってしまった…

提督「もうちょっと食べたかったわ…」

カヴール「まぁ…食べられるなら大丈夫ですね。……でも、朝はこのくらいにしておきましょう、甘い物もありますし」ガラスの器に入ったアイスクリームを近づけた…

提督「あら…嬉しいわ……身体が熱くて…冷たいものが欲しかったの…」

カヴール「そのようですね…お水も後で持ってきます」小さじでバニラのアイスクリームをすくって、ツバメの親鳥のように口に運ぶカヴール

提督「…ふぅ、美味しかったわ……」

カヴール「ふふ、よかったです…さてと、後はお薬です」風邪薬の錠剤を取り出した

カヴール「粉薬以外もあるんですから…いい時代ですね?」

提督「そうね…感謝しないと……」錠剤を含み、喉の痛みをこらえてグラスいっぱいの水で流しこんだ…

カヴール「はい、結構です…後はお休みになって下さい。またお昼になったら来ますので」

提督「了解…」

カヴール「おやすみなさい…」提督をまたベッドに寝かせると布団をかけ、お盆を持って出て行った

提督「はぁ…ふぅ……」熱と、筋肉痛のような関節のきしみにうんうん言いながらも、風邪薬のおかげで眠りについた…
<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/10/10(火) 10:32:57.30 ID:JBJhbdhj0<> …昼頃…

カヴール「提督、起きていらっしゃいますか?」

提督「うーん…おはよう、カヴール……」

カヴール「調子はいかがですか?」

提督「おかげ様で少しは眠れたわ…」

カヴール「何か食べられそうですか?」

提督「ええ…お腹は空いているわ」

カヴール「よかったですね、トレント?」

提督「…トレント?」

トレント「提督っ…しっかりしてください、私……心配で心配で…!」七隻のイタリア重巡でも最初に産まれ、一番華奢な重巡トレント級…その特徴をよく表しているトレントは長身で細身、性格は奥ゆかしく「引っ込み思案」といってもいいほど遠慮深い…そのトレントが枕辺で泣きそうな顔をして立っている…

提督「大丈夫よ…泣かないで?……ただの疲れだから…けほっ!」

カヴール「トレントが提督のために何か作ってあげたいから…というので、スープを作ってもらいました……さ、冷めないうちにどうぞ?」

トレント「提督のために一生懸命作りましたから…どうぞ召し上がってください…」

提督「ありがとう、嬉しいわ…」近づけてもらったスープ皿には綺麗なクリーム色のスープが入っている…

トレント「クリームスープです…ゆっくり召し上がってください」

提督「そうするわ……すぅ」コーンクリーム缶とたっぷりのミルクを少しの塩と香りづけ程度のバターで仕上げ、上にパセリを散らしたクリームスープ…温かくてとろりとしたスープは、トレントが噴きこぼれないようにじっと火の前に立って作ってくれたものらしい……病身の胃腸にじーんと沁みた…

提督「あぁ…美味しい……」一口ごとに食欲が出てきて、結構な勢いでスープをすすった

トレント「美味しいですか?…よかった…」心からほっとした表情で椅子に座った…

提督「ええ、とっても…これならすぐ元気になれるわ」そう言ってお盆を見たが、後は寝室にある小型冷蔵庫に入れておくための水差しの替えと、昼の薬しか載っていない…

提督「カヴール…もう少し何か欲しいのだけど……やっぱり止めておいた方がいいのかしら…?」もしカヴールの親切心ならむげにしてはいけないと、遠慮がちに聞いた…

カヴール「ふふ…そんなことはありませんよ、まだ出来上がっていないので……あ、来ましたよ?」

百合姫提督「こんにちは、フランチェスカ…大丈夫?」お盆の上に土鍋を載せてやってきた百合姫提督と、一緒に付いてきたミッチャー提督…それと、訓練を終えたばかりのはずなのに疲れも見せずにやってきた「ルイージ・トレーリ」が入ってきた

ミッチャー提督「やぁ、風邪引いたって?…ついてないね」

提督「ええ…でも食欲はあるし……喉が痛いのと熱があるだけよ…う゛ー……ごほっ」

ミッチャー提督「うわ…普段の優しい声はどこ行っちゃったのやら……今ならジョージ・A・ロメロ監督の映画に出られるわね…」(※ジョージ・A・ロメロ…世の中のほとんどのゾンビ映画を手掛けてきたゾンビ映画界の巨匠)

提督「ひどい言われようね…げほっ!」

百合姫提督「あんまりお話してはだめよ…喉が痛むのでしょう?……さぁ、これを食べて?」

トレーリ「百合姫提督との合作ですから…ちちんぷいぷい……早く良くなりますよーに♪」呪文を唱える真似をしながらミトンをはめて土鍋の蓋を開けた…何やら卵でとじられたものから、ふわっと湯気が上がる…

提督「美味しそうだけど…何かしら」

百合姫提督「かき卵入りのおかゆを作ってみたの…食べる?」

提督「ええ…いただくわ」

トレーリ「最初はフィンチが「日本通としてはぜひ『おかゆ』を作りたい」って言ったんですけど…あぶなっかっしいから私と百合姫提督が代わりに…フィンチの分は気持ちだけ受け取ってあげてください♪」

提督「そうなの?……あーん」小さいお鉢によそってもらい、さらに百合姫提督がスプーンでふーふーして差しだした……

百合姫提督「どう?」

提督「かゆ…うま……」

百合姫提督「ふふ…そんなのどこで覚えたの?」

提督「誰かが言ってたのを覚えていたから…他に言う時もなさそうだもの……あふっ、おいひい…」

トレーリ「それにしても…フィンチのあれにはびっくりでした」…

……… <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/10/10(火) 11:56:50.38 ID:JBJhbdhj0<> …一時間ほど前・厨房…

カヴール「トレントのスープ、美味しそうですね…これならきっと召し上がってくれますよ♪」ことことと煮え始めたトレント特製のスープをのぞきこんで、にっこりと微笑みかけたカヴール

トレント「本当ですか?…それより提督の具合は大丈夫なんでしょうか…」

カヴール「ええ、大丈夫ですよ…さてと、後は何を持って行ってあげましょうか……」

フィンチ「カヴール、ジァポーネでは風邪を引いた時に「おかゆ」なるものを作るのが定番だと聞いているぞ?」たまたま食堂にいたフィンチが声をかけてきた…

カヴール「おかゆ…ですか……残念ながら私はどう作るのか知らないので…フィンチはご存じなのですか?」

フィンチ「無論、日本通だからな!」

カヴール「でしたら提督に「おかゆ」を作ってもらえますか、喜んでくれますよ♪…ちなみ「おかゆ」とはどのような料理なのですか?……映像で見た限りではとろとろした白いポタージュのようなものに見えましたが…」

フィンチ「ふむ。あー…「おかゆ」というのは、いわゆる和風に仕上げたリゾットのようなものだな」厨房にやってきて腕組みをして言う……ドイツ潜として没したせいかどことなくきりりとした雰囲気で、言うこともそれらしく聞こえる…

カヴール「リゾットですか…なるほど」

フィンチ「うむ…まずは土鍋で米を炊くことにしよう」幸い百合姫提督に教わっていたので水加減は大丈夫で、土鍋にご飯を炊いた…が、おかゆは米から煮ることを知らなかったので、普通の固さに炊きあがった…

フィンチ「おぉ…上手く炊けたな……さてと…うーむ」棚を眺めて、サクランボジャムを取り出した

百合姫提督「あら…フィンチ、ご飯を炊いたの?……上手に炊けているわね」たまたま食堂に来た百合姫提督がご飯の香りに気が付いて、様子を見に来た

フィンチ「うむ…病床の提督に「おかゆ」を持って行ってあげようと思っているのだ……蓋が固いな」

百合姫提督「あの…フィンチ?」

フィンチ「なにかご用かな、百合姫提督?」

百合姫提督「ええ……その、おかゆ…なのよね?」

フィンチ「いかにもさよう」

百合姫提督「どうしてサクランボジャムを開けようとしているの?…何かもう一品甘い物を作ってあげるの?」

フィンチ「ああ、いや?…これはおかゆの真ん中にに入っている「アレ」なのだが」

百合姫提督「…梅干し?」

フィンチ「そう、梅干しと言ったかな…とにかく赤い「アレ」の代役として入れようと思ったのだが…瓶の口が固くて……」

百合姫提督「…フィンチ、申し訳ないけどおかゆに甘い物は入れないのよ?……よかったら私と一緒に作りましょう?」

フィンチ「おぉ…本場の味の作り方を見せてくれるのか……「百聞は一見にしかず」と言うものだな」

トレーリ「…ルイージ・トレーリ戻りましたぁ。あー…疲れましたよぉ……ガッビアーノの爆雷は遠慮なさすぎなんですから…訓練なのに頭がガンガンする……って、フィンチ、ご飯炊いたの?」

フィンチ「提督におかゆを作って差し上げようと思ってな…百合姫提督に指導してもらっているところなのだ」

トレーリ「あー…うん、なるほどね……百合姫提督、私も手伝います♪」ジャムの瓶と百合姫提督の困ったような表情を見たトレーリはだいたいの事情を察して言った

百合姫提督「トレーリは帰って来たばかりで疲れているでしょう…私とフィンチで大丈夫よ?」

トレーリ「まぁまぁ、「乗りかかった船」ですから…ね?」

百合姫提督「そうね…じゃあお手伝いをお願いします♪」

トレーリ「はーい♪」そっと百合姫提督にウィンクをするトレーリ…

百合姫提督「梅干しはないから…私の好きなかき玉のおかゆ……どっちかといえば卵雑炊なのかしら…にしましょう♪」

フィンチ「うむ…日本の提督が好きな味なら間違いはないだろうからな…」

トレーリ「ご飯が炊けているみたいですし、和風のスープを作ったところに入れれば上手く行きますね♪」

百合姫提督「そうね、そうしましょう」

…結局、ご飯が多すぎるので半分以上は取り出しておにぎりとしてトレントたちに振る舞い、残りのご飯でおかゆを作ることにした……たまたまあった和風だしの素と少しの塩でさっぱりとしたおつゆを作り、水でさっとすすいだご飯を入れてことこと煮た…最後に溶き卵を回し入れて蓋をし、しっかりと蒸らした…

………

トレーリ「という訳だったんですよ」

提督「ありがとう…おかげで甘いおかゆじゃなくて美味しい卵のおかゆを食べられるわ」

トレーリ「たくさん召し上がれ♪」 <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/10/11(水) 01:03:20.74 ID:X79JyvpA0<> 提督「ふー…するっ……すすっ…」

百合姫提督「まだあるから、食べられそうならいっぱい食べて?」

提督「ええ…すす…すすぅ……」最後までおかゆを食べ、ほっと息を吐いて小鉢を渡した…食後の冷たいゼリーも食べて人心地ついた提督は、ベッドの上で半身を起こしたまま話を聞いた…

百合姫提督「しっかり食べられたようでよかったわ…偉いえらい♪」…頭を撫でる百合姫提督

提督「も…もう、子供じゃないのよ///」

ミッチャー提督「ま、いいじゃないの…和風美人に頭をなでなでしてもらえてさ?」

提督「結構恥ずかしいのだけど…で、ジェーンはお見舞いに来てくれたの?」

ミッチャー提督「あぁ、そうそう…忘れる所だったわ。…はい♪」掛け布団の上にぽい…と何かを置いた

提督「…風船ガム?」取り上げた物をしげしげと見ると、果物の絵が描いてある風船ガムの包みだった

ミッチャー提督「あれ、知らないか…映画だと必ず風船ガムをお見舞いに持ってくるのよ♪」

提督「ありがとう、後でいただくわ」

ミッチャー提督「ええ、そうして♪」

カヴール「ところで提督…だいぶ汗をかいたようですね?」微笑を浮かべながら聞いた

提督「そうね……もうぐっしょり…」ネグリジェは肌に張りつき、身体中べたべたして気持ちが悪い…

カヴール「そうだと思いました…♪」提督浴室からお湯が入った洗面器とタオルを持ってきて、しっかりと絞った…

百合姫提督「あら…」

トレーリ「あ、もしかして…♪」

カヴール「風邪を召していらっしゃるのですから、入浴は出来ませんが……これなら大丈夫です♪」

提督「ありがとう…じゃあタオルを貸して……?」カヴールが「うふふ…」と微笑して小さく首を振った

カヴール「風邪を引いている時に頭を動かすと、ふらふらして気持ち悪くなってしまうでしょうから…私が拭いて差し上げます♪」

提督「え?…そんな、いいわよ…そのくらい自分で出来るわ」

カヴール「だめです、病気なんですから…さぁ、私に身を任せてくださいね……♪」タオルを手に怪しげな笑みを浮かべている

提督「え…いや、でも///」

百合姫提督「……お鍋を片づけてこないといけないわ。フランチェスカ、また後でね♪」

ミッチャー提督「あー…午後の映画を準備してきてあげないと。今日は「南太平洋」にでもしようかなー…っと」

提督「え…ちょっと……」

百合姫提督「それじゃあ、またね♪」

ミッチャー提督「どうぞごゆっくり…バーイ♪」

カヴール「うふふ…トレントとトレーリも……提督のことを拭くの手伝って下さいね♪」

トレント「いえ…でもっ……提督の身体…っ///」

トレーリ「はぁい……提督ったら熱で上気した顔が色っぽい…♪」普段の透き通ったきらきらした瞳が、欲情でどろりと染まった…

カヴール「さぁ…腕から拭って差し上げましょうね♪」…提督は何をされるかと身構えていたが、想像していたような拭き方ではなく、優しく丁寧に拭いてくれたのでほっとした

提督「ふぅ…気持ちいいわ」提督は安心して身を任せると、身体の力を抜いた

カヴール「反対側はトレーリ、お願いします♪」

トレーリ「了解…ふふっ、提督の肌……すべすべ♪」

提督「今は汗でべたついているからそうでもないと思うけど……やっぱり拭いてもらうだけでも、身体がさっぱりしていいわ」腕を持ち上げられて、脇を拭いてもらう…汗で蒸れていたので、自家製ミント水入りの爽やかな匂いがするお湯で拭いてもらうといい気分になった……

<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/10/11(水) 01:41:53.64 ID:X79JyvpA0<> トレーリ「拭きおわりましたよ、カヴール…♪」

カヴール「では一旦絞りましょう……さて♪」タオルを絞ると、急に甘ったるい笑みを浮かべた…

提督「な…何かしら///」

カヴール「こちらも汗で蒸れて気持ち悪いでしょう…私が拭いてあげますね♪」布団をめくるとネグリジェを脱がせにかかる…

提督「え、ちょっと…待って///」熱で力も入らない提督はカヴールのなすがままで、あっという間に肩のスリップを外され、胸をはだけさせられた…

カヴール「ふふっ…谷間がむんむんと蒸れて、上気したお顔も期待していらっしゃるようで……もう、我慢できなくなってしまいそうです♪」

提督「も、もう…やっぱりこういうことがしたかったのね///」

カヴール「はい、風邪の時は拭いてあげるのが定番だそうですから…♪」ねっとりした手つきで乳房にタオルを当てて、谷間を拭うカヴール…

提督「んっ…んんっ///」

カヴール「ふふ…可愛らしいお声で……風邪ですっかり弱った提督も思う存分好きにしたくなると言いますか…♪」

トレーリ「うんうん…っ♪」

トレント「熱を出している提督も…守ってあげたくなる感じがして……好きです///」

提督「んっ…はぁ、はぁ……あんっ…どこを撫でているの…っ♪」

カヴール「拭いて差し上げているだけですから♪……さてと、乳房の下にも汗がたまって気持ちが悪いでしょう……トレント、拭いてあげたらいかがでしょう?」

トレント「は、はい…///」ずっしりした乳房を持ち上げ、そっとタオルを持った手を差しいれる…

トレント「…あっ…しっとりして……柔らかい///」

提督「ん…んっ///」

トレーリ「…やっぱりこの鎮守府は最高です♪」

カヴール「うふふ…トレント、反対側はトレーリにお任せしましょう♪」

トレーリ「提督…♪」

提督「な…何かしら、トレーリ……」

トレーリ「こっちも汗ばんでいるでしょう?……拭いてあげますね♪」

提督「いえ…そこは自分でやるから……っ///」

トレーリ「あれぇ?……ここもずいぶん汗ばんでいるみたい…ね♪」

提督「あっ、あっ…んんっ///」

カヴール「私も拭いてあげます…トレーリ、交代しましょう♪」

トレーリ「はーい♪」

カヴール「あらあら…トレーリが拭いているのに、ずいぶんとべとべとしているようですね…♪」

提督「はぁ、はぁ……だって…んっ///」

カヴール「うふふ…トレントも拭いてあげてくださいな、きっと悦んでくれますから♪」

トレント「その、いいんですか…?」

提督「ええ、トレント…お願い……///」

トレント「で、では…失礼します……」

提督「んっ、んっ…あぁ…っ♪」ひくひくと身体をひくつかせ、とろりとした表情で力なく枕にもたれかかる提督…

カヴール「…では、後は私が拭きますから……お二人とも、ご苦労様でしたね♪」

トレーリ「ふふっ…また拭いてあげたいわ♪」

トレント「はぁ…柔らかかった……」自分の手のひらをじっと眺めて握ったり開いたりしている…

提督「もう…早く着替えさせて///」

カヴール「はいはい♪」

……… <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/10/11(水) 15:22:04.64 ID:X79JyvpA0<> …その日の夜…

提督「あー…お腹空いた……」風邪薬と愛情がいっぱいこもった食事のおかげか、昼に比べて熱が下がってきた提督…そうなると暇を持て余し始め、ベッドの上でごろごろしながらナイトテーブルの本をめくってみたり、作戦の手順が気になったりと落ち着かない……

ライモン「提督、起きていらっしゃいますか?…夕食をお持ちしましたよ」ノックの音がして、お盆を持ったライモンが入って来た…お盆の上には耳付きの深い器と耐熱ガラスのコップ、パンの入った小さいカゴが載っている…

提督「あぁ、ライモン…ちょうど空腹だった所よ」

ポーラ「提督ぅ〜、大丈夫ですかぁ〜…?」一緒に顔を見せに来たのは重巡ポーラ…ブラウスをはだけ気味にし、顔が赤くなっている…

提督「ポーラこそ大丈夫…顔が赤いけど?」

ポーラ「ポーラはぁ…大丈夫ですよぉ〜♪」椅子に座ると、上半身をゆらゆらさせながら微笑している…

提督「…ねぇライモン、ポーラは酔ってるの?」

ライモン「ええと…まぁ、それに近いと申しますか……とりあえずお食事にしましょう、それから話しますので」

提督「そうね…美味しそう♪」


…ライモンが夕食に持ってきてくれたのは食べやすいよう薄く切ったパンとチーズ、まだ湯気を立てているビーフシチュー…どうやらすね肉と一緒にこっくりと煮込んだらしく、ルーの中でたっぷりの玉ねぎとブラウンマッシュルームがとろりと煮とろけていて、上から生クリームが垂らしてある……脇のグラスは金属で縁取りをされた耐熱のマグカップで、湯気を立てているホットワインがなみなみと入っている…


提督「すごくいい匂いね…♪」シチューにそっとスプーンを入れて口に運んだ…赤ワインとローリエ、牛のすね肉と玉ねぎの香りが食欲をそそった……

提督「うん…よく煮えていて美味しいわ」

ライモン「よかったです…♪」

提督「せっかくだからワインといただくわね」ガラスのマグカップをとりあげ、ホットワインをすすった…スパイス入りの赤ワインが身体中を暖めながら喉を下っていく…

提督「うん…ちょうどいいわ、誰が作ったの?」

ポーラ「はぁ〜い…ポーラですよぉ〜、えへへぇ♪」

ライモン「最初はワインを付けるつもりはなかったのですが…実は……」

提督「何だかさっきと似たような感じがするわね…」


…数十分前・夕食の支度中…

ライモン「ディアナさん、そろそろ提督にも夕食を持っていきますので」

ディアナ「はい…では、お盆と……食欲はあるようですし、きっとシチューは食べられますね」

ライモン「そう思います、後は何か温かい飲み物でも作ってあげようかと思うのですが…」

フィンチ「ライモンドよ、ならば私にいい考えがあるぞ」

ライモン「いい考え…ですか?」

フィンチ「うむ…日本では病気の時に「卵酒」を飲むと聞くぞ……作ったことはないが、そう難しいものでもあるまい♪」

ライモン「フィンチ、気遣ってくれる気持ちは嬉しいですが…作ったことがないものを提督にお出しするわけには…」

フィンチ「頼む、ライモンド…このフィンチ、昼はおかゆを作ってあげようとしたが上手く行かなかったのだ……ぜひ「汚名挽回」させてくれないか?」

足柄「あのね、汚名は「返上」よ……挽回してどうするのよ?」横須賀の間宮に頼まれ、ディアナに料理のレシピを聞いていた足柄が呆れたように言った

フィンチ「言い方はさておき…頼む、武士の情けだ……」

ライモン「分かりました、そんなに熱心に頼まれては断れません…じゃあ作ってみましょうか♪」

フィンチ「すまないな…まぁ「卵酒」と言うのであるから……」ボルドーの赤ワインを取り出して銅の片手鍋にごぼごぼ注いで火にかけ、そこに卵を割り込もうとした…

足柄「ちょっと!……いきなり何する気!?」

フィンチ「卵酒だが…?」

足柄「どこがよ!?……あぁ、もう…こういう生かじりの知識って怖いわ…」

ポーラ「どうしたんです〜?」夕食の手伝いに来ていたポーラが、コルクを抜く軽やかな音を聞いて厨房をのぞきこんだ…

足柄「えーと…今、フィンチが卵酒を作ろうとしたのよ……」

ポーラ「でもぉ…料理用以外にぃ〜、日本酒なんてありませんよ〜?」

足柄「はぁ…見れば分かるわ」
<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/10/11(水) 16:12:59.74 ID:X79JyvpA0<> ポーラ「えーと…これは何ですかぁ〜?」割りかけた卵にふつふつとたぎり始めている赤ワイン…

足柄「見ての通りよ」

フィンチ「いや…「卵酒」と言うからてっきりワインに卵を落としこんだものかと……」

ポーラ「それは…あんまり飲みたくないですねぇ〜…」

ライモン「それにしてもこのワインはどうしましょうか…」

ポーラ「ん〜…じゃあポーラに任せてもらえますかぁ?」

ライモン「そうですね…では、お願いします」

フィンチ「済まぬな…ポーラ」

ポーラ「いいんですよぉ〜…それにぃ、せっかく沸かしてくれたのですからぁ…これを使っちゃいましょー♪」瓶に残っているボルドーをグラスに注いで味見をし、少し思案してから手を叩いた

フィンチ「これで何か出来るのか…いやはや、さすがポーラだ」

ポーラ「えへへぇ、褒めても何も出ませんよぉ?」ディアナからシナモンやオレンジを受け取り、振り入れたり絞ったりするポーラ…時々鍋のワインを小皿にとっては味見をし、立ちのぼるワインの湯気を吸いこんだ…

ライモン「どうですか?」

ポーラ「美味しいですよぉ〜♪……フィンチ、これなら提督も喜んでくれますねぇ♪」

フィンチ「いや…私は何もしていないのだが……」

ポーラ「フィンチがワインを温めてくれたから〜、ポーラも思いついたんですよぉ〜?」

フィンチ「そ、そうか…///」

ポーラ「えへへぇ、美味しいですねぇ…♪」

ライモン「あの…ポーラ?」

ポーラ「はぁ〜い、どうしましたぁ?」

ライモン「大丈夫ですか…その、酔ってませんか?」

ポーラ「ポーラはぁ、酔ってなんかいませんっ♪」

ライモン「じゃあ…何本ですか?」人差し指を立ててみる

ポーラ「一本ですねぇ〜……ちゅぅぅ…っ♪」

ライモン「な、何をするんですか///」

ポーラ「美味しそうなので味見しちゃいましたぁ〜♪」気づけばボルドーの瓶は空になって、カウンターの上で横になっている…と、ポーラがブラウスをはだけ始めた……

足柄「ちょっと…はしたないわよ///」…本来は神戸生まれのしとやかなハイカラさんだけあって、ボタンを留めてあげようとする足柄

ポーラ「だってぇ、暑くなってきちゃったんですよぉ♪」胸元をはだけ、ぱたぱたと扇ぐ…

足柄「…ごくり///」白い胸が服の隙間からちらりとのぞき、扇ぐ度にふるふると揺れる…

ライモン「…とりあえずスパイス入りワインは出来たようですし……ディアナさん、お盆を貸して下さい」

ディアナ「そうですね、持って行ってあげて下さい…」

ポーラ「じゃあ、ポーラも一緒に行きますねぇ…えへへぇ♪」

………

ライモン「という訳でして…」

提督「まぁ、そうだろうとは思ったわ…これで酔ってないんだから、ある意味ポーラってすごいわよね……」

ポーラ「えへへぇ、褒められちゃいましたぁ♪」

提督「ふふっ…そうね♪……ライモン、とっても美味しかったわ。ごちそうさま」

ライモン「はい、よかったです…早くよくなってくださいね///」

提督「ええ、そうね…どうしたの?」

ライモン「あの…風邪は移すと治るって言いますし……」ライモンが顔を近づけ、ちゅっ♪…と唇が重なった

提督「もう…だめよ、ライモンに風邪がうつったら困るわ///」

ライモン「その時は…提督がキスしてください///」

提督「ええ…そうするわ♪」 <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/10/12(木) 01:51:51.17 ID:Cdlb1JG30<> …その日の深夜…

提督「はぁ…喉、乾いた……」寝苦しさを覚えて目を覚ました提督はひどく汗をかいていた……ベッドの脇、小机の上に乗っているガラスの水差しは空で、冷蔵庫に入っていた分も飲み干してしまっていた…

提督「0200時…どうしようかしら……」カヴールを起こすのは悪いと思ったが、さりとて食堂まで降りていけるだけの元気はなかった…暑さを我慢できず布団をはねのけ思案していたが、とうとう来てもらってから謝ることにして、内線電話をとりあげた…

提督「お願い…出てちょうだい……」数分前には喉の渇きに耐えかねて洗面台の水道水に口をつけようかとも思ったが、お腹を壊すのが見えていたのでさすがにあきらめていた…リリリン、リリリリン…ッ!……と、むなしく呼び出し音が鳴っている…

声「アロー?」どういう訳かエクレール提督の声が聞こえた…

提督「え…マリー?」

エクレール提督「ええ、わたくしですわ…こんな時間に起きていて、具合は大丈夫ですの?」

提督「ごめんなさい…ちょっと寝苦しくて……カヴールにかけたつもりだったのだけど…」

エクレール提督「構いませんわ、まだ寝ていませんでしたし…何か欲しいのでしょう?……わたくしでよければ持って行ってあげますわ」

提督「ごめんなさい、マリー……喉が渇いて…厨房の冷蔵庫にミネラルウォーターと氷があるの…水差しに入れて持ってきてもらえるかしら……」

エクレール提督「ええ、すぐ持って行ってあげますわ…待っていて下さいな」

提督「ありがと…」

…数分後…

エクレール提督「入りますわよ?」滑らかな生地のナイトドレス姿で水差しとグラスを持ち入ってきた…他にも何かこまごましたものをお盆に載せ、寝室のテーブルに置いた…

提督「ありがとう…」

エクレール提督「構いませんわ…フランチェスカ、熱は下がりました?」普段はフランス人を絵にかいたような理屈ばかりこねるイヤミな性格で、フランス以外を見下したような事ばかり言っているエクレール提督だが、二人きりになると意外に優しい所もある…提督の前髪をかきあげるとそっと額を当てた……

エクレール提督「まぁ…結構な熱ですわね……今、氷枕の替えを出してあげますわ」

提督「マリー…あんまり近づかない方がいいと思うわ……風邪がうつるといけないから…」

エクレール提督「フランチェスカ…何のかのと言っても、相変わらず貴女は優しいですわね……さ、わたくしの事は気にせずお飲みなさいな」

提督「メルスィ…」

エクレール提督「冷たいミルクも持ってきましたけれど、そちらにします?」

提督「ありがとう…ミルクがいいわ…」

エクレール提督「ウィ…さぁ、どうぞ?」

提督「ありがとう…ごくっ…ごくんっ……」頭を傾け一気に飲み干した…

エクレール提督「氷枕の新しいのですわ…失礼しますわね」タオルを巻き、すっ…と氷枕を差しいれた……

提督「はぁ…冷たくて気持ちいい……」身体を起こしているのもおっくうで、氷枕を入れ替えてもらうと横になった…

エクレール提督「替えの水差しは持ってきましたから、冷蔵庫に入れておきますわね…それと、シュー・ア・ラ・クレームを持ってきてあげましたから、元気になったらお食べなさいな?」

提督「ええ…こんな真夜中にごめんなさい…」

エクレール提督「いいんですのよ…わたくしと貴女の仲ですわ……それに、わたくしはイタリアの風邪ごときうつったりはしませんもの」

提督「そう…フランス人のイヤミには風邪も通用しないのね……」

エクレール提督「貴女こそ、風邪を引いていてもその軽口は相変わらずですのね……でも、その調子では相手にもなりませんわ…まぁ、しばらく一緒に居てさしあげますわね」…椅子を近くに引き寄せると座って、そっと頭を撫でた

提督「ありがとう……すぅ…すぅ……」

エクレール提督「まぁ…ずいぶんとあっさり眠ってしまいましたわね……フランチェスカ…モン・ナムール(愛しい人)…」そっとキスをして、寝顔を眺めていた… <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/10/13(金) 01:13:57.57 ID:Xc/kmred0<> …翌日・食堂…

提督「みんな、おはよう…迷惑かけてごめんなさい」

ライモン「提督っ!…大丈夫ですか?……さぁ、座って下さい」

提督「心配かけたわね、もう大丈夫よ♪」ちゅ♪…と頬にキスをし、反対側の頬に手を当てた

ライモン「それは…良かったです///」

アッテンドーロ「姉さんときたら「提督提督」で、もうなんにも手に付かないんだもの…良くなってくれて嬉しいわ」

提督「それは迷惑かけたわね、ムツィオ」

アッテンドーロ「いいのよ…いつも姉妹でべたべたしてると、どこかの重巡みたいになりかねないもの」

ザラ「…悪いかしら?」

アッテンドーロ「いいえ?…それとも思い当たる節でもあるのかしら」

ザラ「別に?…だって私たちは仲良しだものね、ポーラ♪」

ポーラ「えへへぇ…ザラ姉さまは優しいですからぁ♪」

フィウメ「とにかく提督が良くなってくださって…心から嬉しいです♪」

ゴリツィア「心配したんですよ、提督…みんなで何か持って行ってあげようかと相談もしましたし……」

ボルツァーノ「でもお邪魔して具合を悪くさせてはいけないから…って我慢していたんです」

提督「あらあら…」ボルツァーノにぎゅっと抱き着かれまんざらでもなさそうな提督は、順繰りに優しくザラたちを抱きしめた…

バンデ・ネーレ「あ…提督、良くなったんだ……♪」普段は黒ばかり着ているが、珍しく白いワンピースのバンデ・ネーレ

提督「おかげ様で…今日は白い服なのね?」

カヴール「バンデ・ネーレはいい娘ですから…「提督が治るまでは縁起が悪い黒を着ない」と言ったのですよ」

提督「まぁ…ありがとう」

バンデ・ネーレ「おかげで着るものに困ったよ…特に下着はなかなか借りる訳にも行かなかったから……」

提督「え…じゃあもしかして……///」

バンデ・ネーレ「残念だったね、今日は着てるよ♪」ちらりとワンピースの裾をつまみあげた…

提督「あら残念…でも着てる方が素敵よ?……綺麗な脚にはお洒落なランジェリーが必要だもの。野菜にドレッシングが必要なようにね♪」席に着いてウィンクした…

バンデ・ネーレ「ふふ、すっかりいつも通りだね♪」

ドリア「今朝はみなさんにぎやかですね…まぁ♪……おはようございます、提督。身体の具合は良くなったのですか?」ひと足遅れてやってきたドリアが気遣って言った

提督「おかげ様で♪」座っている提督は暑い盛りながら、カヴールが用心して着せてくれた分厚い豪奢なガウンに包まれている……が、確かに血色もよくなっていた

シロッコ「もう…散々心配したんだよ?」

提督「ごめんね、シロッコ…♪」

マルチェロ「うむ…我々「提督たち」も心配で仕方なかったぞ」

…中世の提督が名前になった大型潜「マルチェロ」級や「カッペリーニ」級、中型潜「ピサニ」級、名海相「サイント・ボン」をはじめとする大型潜「カーニ」級の面々が口々に言った

提督「ごめんなさいね…」

カヴール「さぁさぁ、お話は食後になさってください…提督、熱も引いたことですし、今度はうんと食べて栄養を付けて下さい♪」大きいマグカップにたっぷり入ったミルクコーヒー、チーズがたっぷりかかっていい匂いを立てているペンネ…それにフレンチトーストが二枚……

提督「えぇ、もうお腹が空いて……何でも食べられそう」

デュイリオ「あら、でしたらわたくしを召し上がってみませんか?……きっととろりと甘くって、出来立てのカスタードクリームみたいですよ…♪」近くで朝食を楽しんでいたデュイリオが甘い声でささやいた

提督「うふふっ…それはもうちょっと元気になってからじゃないと♪」クリームチーズをのせ、ハチミツがかけてあるフレンチトーストをナイフで切り分け、フォークで口に運ぼうとした…と、厨房からエクレール提督が姿を現し、向かいに座った…

エクレール提督「元気になったようですわね、フランチェスカ…これはわたくしの特製ですの」フレンチトーストは一枚が斜めに立てかけてあり、上から綺麗にハチミツをかけてある…シナモンも軽く振ってあり、甘いいい匂いがする…

提督「とっても美味しそうね…このステキな芸術品を崩して食べてもいいかしら?」

エクレール提督「もちろん構いませんわ…ボナペティ♪(召し上がれ)」

提督「メルスィ♪」…焼き目の付いた外側は香ばしく、たっぷりと卵と砂糖が染みこんだ真ん中は甘くてしっとりしているフレンチトーストは極上の一皿だった

提督「んー、甘くて柔らかい……きっと天国の雲にかぶりついたらこんな味じゃないかしら♪」

エクレール提督「もう…大仰ですわね///」

<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/10/13(金) 02:19:33.60 ID:Xc/kmred0<> 提督「んー…ペンネも美味しいわ♪」

カヴール「もう少し召し上がります?」

提督「えぇ、いただくわ♪」

チェザーレ「おぉ、よく食べるな…元気になったようで結構だ♪」

バリラ「お母さんいっぱい食べる娘は好きよぉ♪」

フェラリス(アルキメーデ級大型潜)「提督、よかったら磁気治療もどうですか?」回転磁界の発見者のせいか、金属のスプーンを中空に浮かべながら怪しげな笑みを見せる…

ガルヴァーニ(ブリン級大型潜)「いやいや…ここは電気刺激がいいんじゃないかしらぁ♪」こちらはカエルの実験で「神経伝達が電気信号である」ことを発見したガルヴァーニだけあって、今にも電気でひくひくさせたがっているように見える…

提督「…その、気持ちは嬉しいけど……」

カヴール「提督は病み上がりですから、刺激は避けないといけません…お二人とも、別の機会になさってください♪」

フェラリス「あーあ、残念」

ガルヴァーニ「きっと気に入ると思ったのに…」

レオナルド・ダ・ヴィンチ(マルコーニ級大型潜)「そうね…なら私が発明した機具ならどう?」不世出の大天才にして、潜水艦も発明したダ・ヴィンチがにこりとした…

提督「うーん…ダ・ヴィンチの発明品なら……」

カヴール「だめです…だいたい「アレ」を提督に使ったら刺激が強すぎます」

ダ・ヴィンチ「そう言われればそうね…じゃあ提督用を開発しないと……ちょっとアトリエに行ってくるわ♪」残っていたパンに適当な肉や野菜を挟んで、紫の薄いケープをはためかせながら飛び出していった…

カヴール「ああなったらしばらくは部屋にこもりきりですね…結構いい発明品もあるだけに、期待してしまうのが何とももどかしいといいますか……」

提督「そうね。ダ・ヴィンチときたら、ちょっとした木材と歯車だけですごいものを作るものね…」すっかり満足した提督はコーヒーのおかわりをもらい、朝刊に目を通し始めた…と、すでに朝食を終えていたらしいミッチャー提督とフレッチャー、エンタープライズがやってきた

ミッチャー提督「やれやれ、新聞を忘れたわ……って、フランチェスカ!…モーニン(おはよう)、元気になったみたいね?」

提督「グ・モーニン…おかげさまですっかり良くなったわ。きっと風船ガムのおかげね♪」

ミッチャー提督「はははっ、それはよかったわ……よいしょ」…ミッチャー提督は近くの席に腰かけ、駆逐艦や潜水艦たちにかこまれておしゃべりしている提督を見ながら、エンタープライズと一緒に海軍誌「ネイバル・トゥディ」や「ニューヨーク・タイムズ」をめくった…一方フレッチャーは「小難しいニュースはノー・センキュー」と、戦前から特徴的な題字のレタリングが有名だった映画・芸能ニュース専門紙「ヴァラエティ」をめくっている……

提督「ジェーン、何かニュースはあった?」

ミッチャー提督「ええ。…太平洋艦隊で不祥事があって数人の提督が解任されたの。読んであげる…「太平洋艦隊在籍のマイケル・ステューピッド少将、およびジョン・フール少将は先の作戦で無用な損害を出し、多くの『カンムス』(艦娘)に無用な負傷を負わせ、また司令部の資材を私的に流用したことで査問会にかけられ、解任された」…だそうよ」

提督「それにしても解任?…最近にしてはずいぶん厳しい措置ね」

ミッチャー提督「いいのよ、少しくらい解任した方が……最近は例の「深海棲艦」相手で戦果を挙げる士官が多いから昇進はよくあるでしょ?」

提督「ええ、まぁ」

ミッチャー提督「…その割に降格や解任は「イメージダウンだ」ってめったにやらなかったから、今では「フリゲート艦三隻に提督一人」なんてありさまなのよ…ほんと「ゲット・アウト」のマティアス大将が海軍作戦部長になってよかったわ……ま、おっかないけどね♪」

エンタープライズ「…マームはそういうけれど、実際はマティアス大将のお気に入りなんです」

提督「ふふ、分かるわ♪…ジェーンは好き嫌いがはっきりしているから、きびきびした人には好かれるのよね?」

ミッチャー提督「ないない…私だっていつ「ミシガン湖鎮守府」に飛ばされるか分かったものじゃないわ♪」

提督「ふふっ、きっとジェーンなら大丈夫♪」

ミッチャー提督「はははっ、信用してもらってるようで嬉しいわ」


<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/10/14(土) 02:04:36.95 ID:XyTVFoWG0<> …午前中・大浴場…

提督「はー…久しぶりのお風呂ね……」わしゃわしゃと石けんを泡立て、タオルでごしごし洗いはじめた…

カヴール「では後ろは私が♪」頭にタオルを巻いたカヴールが、ぴたりと背中をつけてくる

提督「……カヴール、暖かいのね///」

カヴール「も、もう…提督も暖かいですよ///」背中に手を当てて身体を押し付け、頬を肩甲骨の辺りにくっつけた…

提督「カヴール…///」

カヴール「提督…♪」

…二人が頬を染め、今にも唇が触れんばかりになったその時、入り口の扉が開いてがやがやと数人が入ってきた…

ロモロ「さぁ、身体を洗いましょう……って、あら?…提督、良くなったのね!?」…ばいんっ♪

レモ「もう、心配したんだよー?」…ばるんっ♪

アミラーリオ・サイント・ボン「提督は数日ぶりの入浴ですな……たまった汚れと汗をしっかり流して、充分温まるようになされよ」…むちっ♪

提督「そうねぇ…それに大浴場にいるといいことも多いわね♪」…大型潜とは思えないカーニ級とR級の豊満な身体を見てにこにこしている

アミラーリオ・カーニ「…みんなスタイル抜群ですものね♪」

アミラーリオ・カラッチォロ「それ、分かるわ…♪」ねっとりとカーニ級姉妹の身体を眺めた…

アミラーリオ・ミロ「もう、姉上ったらに妹に欲情してどうするのです…いけない人ですね♪」そう言いつつ胸を強調して、まつげをぱちぱちさせた…

提督「うふふ、いい眺め……♪」

カヴール「もう、提督ったら…私というものがありながら♪」ばしゃっ!…怒ったようなふりをして、頭からお湯をかけた

提督「もう、カヴールったら何をするのっ♪」

カーニ「ふふ…カヴールも提督と仲がよろしいようで……では私たちはお風呂に浸かってきますので♪」

提督「はーい、また後でね♪」

………

…午後・執務室…


提督「はー…お昼も美味しかったわ♪」


…かなり激しい訓練にいそしんでいる艦娘たちのために、エリトレアはいつもよりこってりした料理を多く出していた…チーズがたっぷり使われた四角くて生地の分厚いローマ風ピッツァに、素晴らしい名物料理が多く、冗談交じりに「肥満の街」と言われるボローニアの肉厚に切ったハムと、ひき肉のタリアテッレ……ボトル半分の濃い赤ワインもほど良く胃に収まり、提督はガウンを着て執務室の椅子に座っていた…開けた窓からは午後の訓練に参加している駆逐艦のシルエットと訓練爆雷の音、硝煙のにおいが入って来ている…


カヴール「しっかり召し上がっておりましたものね♪」

提督「ええ、それなのにこの書類の山よ…全く、食欲をなくすわね。数日しかたっていないのに…」

カヴール「仕方ありません…今回の「大型潜建造」に合わせて提出した、機材の更新に関するもののようですし」

提督「あー、あれね…それにしたって、訓練も追い込みに入っている時にこんな書類でわずらわせないで欲しいわね……」提督は嫌になっていったん書類を放り出し、双眼鏡をつかむと窓から訓練の様子を眺めた…

提督「あー…フレッチャーもいる。さすがジェーンの所の艦娘ね、いい動きをしているわ……あら?」機敏で重兵装、レーダーやソナーも抜群のフレッチャーだけあって動きにもそつがない…と、提督は急に倍率を動かした……

提督「失探?……フレッチャーが?」明るいイオニア海には不似合いな、濃いブルーグレイとグレイの迷彩を施したフレッチャーが「我、敵潜をロスト」と信号旗を揚げた…同時に周囲を慌てたように駆け回り、潜水艦を探す「ソルダティ」級駆逐艦と軽巡「ジュッサーノ」級……

提督「まぁまぁ…私がだらしなく寝込んでいた間に素晴らしい成長ぶりだわ♪」…窓から身をのりだし、食い入るように索敵の様子を見つめる提督

カヴール「ええ、これだけの短期間とは思えない長足の進歩です」

提督「後は目的のブイの所までたどり着けるかどうかね…」沖合にぽつんと浮いているオレンジのブイが目的地「アフリカ」で、そこで浮上すれば潜水艦側の任務成功となる……提督が双眼鏡に目をあててしばらく眺めていると、ぼこぼこと海面が泡立って潜水艦の司令塔が現れた…

カヴール「あれは…トレーリですね」目のいいカヴールは双眼鏡なしで、遠方に浮上している潜水艦が誰なのか言った…確かに信号旗が揚がると「ルイージ・トレーリ」と発信している

提督「トレーリったらすごいわ♪…後でうんと褒めてあげないと♪」そう言っている間にも「アフリカ」にたどり着いた潜水艦が続々と浮上し、自慢げに阻止側の艦娘たちに向けて信号を送った

カヴール「提督が風邪を引いている間、みんなとても頑張っていましたから♪」

提督「みたいね…この調子ならそろそろ作戦を始められるわ。…できれば絶対確実になるまで待ちたいけれど、司令部からは期限を切られているから……」表情を曇らせる…

カヴール「大丈夫ですよ…あの娘たちなら♪」

提督「…そうね、私が心配そうにしていてはいけないものね……さぁ、じゃあこの「書類で出来たヴェスビアス火山」を始末しちゃいましょう♪」

カヴール「はい」

<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/10/15(日) 01:35:58.36 ID:mv/9jUhd0<> …数日後、作戦日の朝…

カヴール「アテンツィオーネ(気をつけ)」朝の食事を終えると全体に集合がかけられ、一同そろって食堂に集まった……艤装を身にまとった艦娘たちの間を通って演説台に向かう提督は珍しく「イタリア王国海軍」時代の制服をほうふつとさせる白い詰襟姿で、いつものような優しい笑みではなくきりりと唇を引き締めている。演説台に立った提督に合わせ、カヴールの号令がかかる…


提督「えー…いよいよ本日より『ケルケナー諸島方面作戦』を開始します。目的は人道支援であり、内容はチュニジア、ないしリビア「トリポリ」への物資輸送となります」そうした作戦で撃沈された軽巡「バルトロメオ・コレオーニ」やトゥルビーネ級駆逐艦の「エスペロ」は居心地が悪そうに身体を動かした…

提督「本作戦は潜水艦を使って敵哨戒網をかいくぐる難度の高い作戦です。もちろん海軍航空隊、鎮守府の基地航空隊の援護はありますし、間接援護の艦隊として戦艦を中心とした部隊も出撃させます……」見ないようにしていたがつい作戦のカギである「R」級や「カッペリーニ」級に目線が行ってしまう…

提督「とはいえ、発見された場合は強行せずに帰投すること…必要とあれば物資の投棄もやむをえません」

提督「…最後に、みんなが戻ってきたら盛大に作戦成功の晩餐会を開きます……おいしい鶏のローストが待っているから、絶対無事に帰ってくること!」…テーブルにはシャンパンのグラスが置かれていて、提督は自分のグラスをとりあげた

提督「では、大漁と無事の帰投を願って…乾杯!」

一同「「乾杯!」」グラスを掲げて一気に飲み干し、出撃組は波止場に向かった…


…波止場…

提督「…気を付けてね、ロモロ」今回の主役である潜水艦たちを見送りに来た提督…波止場に並んだ一人ずつと順番に手を握り、左右の頬にキスをする……当初は一グループ六隻の部隊を四つまで運用することになっていたが、たびたび手が足りない鎮守府の援護をして戦果を挙げたおかげか、今では最大三十六隻の大きな艦隊を運用する許可が下りていた…

ロモロ「お任せあれ♪…「ローマは一日にしてならず」……あれだけ練習したんだもの、絶対上手く行くわ♪」

レモ「そのとーり、レモとお姉ちゃんにお任せです…戻ってきたらレモは提督と……じゅるっ♪」舌なめずりをして提督を眺めるレモ…こんな時でも屈託のないロモロとレモに、提督も少しほっとした……

カッペリーニ「私も困っている人たちに物資を届けられるよう、精一杯努力いたします」

トレーリ(マルコーニ級大型潜)「トレーリも頑張ってきますね♪」

提督「気を付けるのよ?」

トレーリ「大丈夫ですっ、日本まで行くのに比べたらお散歩みたいなものですから♪」

提督「トレーリ…距離は近いけれど、油断しちゃだめよ」両肩をつかんで顔を近づけた…

トレーリ「は…はい///」

ミッカ「大型機雷敷設潜ピエトロ・ミッカ、出撃準備よし…ふぅ、補給作戦は何度やっても慣れないものですね……」戦中は補給任務に明け暮れたミッカも、やはりどこか落ち着かない……

提督「落ち着いてやれば大丈夫…きっとうまく行くわ」

ミッカ「…そうですね、私も頑張ります」

アトロポ(フォカ級大型敷設潜)「命の糸は私が切るのよ…深海の連中じゃないわ」…寿命を司る三人の女神「モイライ」の一人で、ハサミを持った「アトロポ」(アトロポス)は裁ちばさみをしゃきん…と鳴らした

提督「その意気よ…だって私とアトロポには赤い糸が結ばれているものね」

アトロポ「それなら……その糸だけは切らないでおいてあげる♪」

提督「ええ…ありがとう♪」

アトロポ「ふ…じゃあ行ってくるわ」艦を「呼び出せる」深さの沖合に向かっていく潜水艦たち…ついで援護の戦艦隊が波止場にやってきた……


リットリオ「提督、リットリオも頑張ってきますね♪」くりっとした瞳をきらめかせ、提督のキスを嬉しそうに受ける

チェザーレ「ブリタニアの艦隊相手に戦うのは久しいな……しかし今回は陽動のようなものだからな、うんと暴れさせてもらおう!」腰にローマ風の長剣を差し、紅のマントも堂々としたチェザーレ…

デュイリオ「うふふっ…帰ってきたらうんとごほうびをいただくわ、提督…♪」いつものように悩ましげな声を出しながらも、しゃんとしているデュイリオは、ふと思い出したように小さく片手を振ってみせた

ドリア「提督…このドリア、必ず任務を成功させます」こちらも、いつものおっとりした様子ではなく凛々しげな表情を見せるドリア

提督「ええ…みんな、期待しているわ」

リットリオ「はい…では第一戦艦戦隊、出撃しましょーう♪」高速戦艦らしく軽やかに沖に出ていくリットリオと、それに追随するチェザーレたち…
<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/10/15(日) 02:48:17.38 ID:mv/9jUhd0<> エウジェニオ「ふふっ…出撃前に幸運の女神さまとキスできるなんて最高ね♪」…続いてやってきたのが戦艦隊の護衛に付く水雷戦隊の二隊…旗艦には高速補給任務に就いたこともある「デュカ・ダオスタ」級軽巡エウジェニオと、イタリア軽巡の至宝「アブルッツィ」級の「ジュセッペ・ガリバルディ」…そして高性能の「ソルダティ」級駆逐艦がそれぞれのグループに四隻づつ……

ガリバルディ「提督、私に任せておいて…♪」女好きでもあるガリバルディはぱちりとウィンクした…

提督「ええ、リットリオたちの守りは任せたわ」

レジオナリオ「提督!ローマ軍団の栄光にかけて、チェザーレ様は私が何としてもお守りします!」艦名が「レジオナリオ」(ローマ軍団兵)だけあってチェザーレに心酔している…

コルサーロ「へっ…ま、あたしがバッサリやっちまえばいいわけね♪」ソルダティ級第二グループの「コルサーロ」(※地中海のアラビア海賊…英語で言う「コルセア」)はシミタール(三日月刀)を腰のベルトにぶちこみ、にやりと凄んでみせた

提督「勇敢なのね…でも、無理はしないで?」

コルサーロ「よしなよ、提督…そんなこと言われたらせっかくの気合いが抜けちまう♪」

ヴェリーテ「コルサーロは相変わらずですね…」大戦中、受けた損傷の修理を早めるため、未成に終わった「カリスタ」(戦車兵)と接合した経緯がある「ヴェリーテ」(軽歩兵)は左右の瞳の色が違うオッドアイで、顔も半分ずつ微妙に違って見える……二重人格めいたところなど、色々な所で二人分の特徴を持っているヴェリーテは背中に短銃身仕様のカルカーノ小銃を背負い、戦車兵の皮コートを羽織っている…


グラナティエーレ「とにかく、しっかり戦艦を守ればいいのよ」…ソルダティ級第一グループの「擲弾兵」ことグラナティエーレは「ディアボリ・ロッシ」(※赤い悪魔…戦中のイタリア手榴弾が危険であることを示すために赤く塗装されていたことから……が、実際には投げても不発だったり、逆にピンを抜いていないのにいきなり爆発したりと味方にとって危険な手榴弾だったので、皮肉をこめてつけられたあだ名)と言われた手榴弾を腰のベルトに下げている…


アスカーリ「んだ、戦艦さ守れれば後はどうとでもなるでな…///」相変わらずアフリカ訛りが治らない「アスカーリ」(植民地兵)は赤いフェズ(トルコ帽)に褐色の肌で、提督のキスを受けると真っ赤になった…

アルティリエーレ「とにかくぶっ放してやればどうにかなるわよ」…何につけても弾幕と火力を要求する「アルティリエーレ」(砲兵)…数学が得意で巨砲にあこがれていて、よくリットリオについて回っている

アヴィエーレ「今日は上空援護が完璧だから大丈夫さ…」アヴィエーレは長い絹のマフラーを後ろに垂らし、オールバックの髪をかきあげた

フチリエーレ「どんな相手でも一発でおしまいにしてやればいいわ」ライフル歩兵の「フチリエーレ」は銃身が長いバージョンのカルカーノ小銃を背負って、ぐっとこぶしを握った…

提督「それじゃあ、気を付けてね」

エウジェニオ「了解♪…水雷戦隊、出るわよ!」

ガリバルディ「では、私たちも行こうか♪」

提督「行ってらっしゃい…帰りを待ってるわね」

ガリバルディ「任せておいて」

提督「これで全員出撃したわね……って、だあれ?」…作戦に参加するすべて艦を送り出したはずの提督だったが、また誰かの足音がしたので振り向いた…





<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/10/16(月) 00:57:21.54 ID:rHLIcLyJ0<> ミッチャー提督「ハーイ♪」ミッチャー提督がカーキ色の略装に「DD−445 フレッチャー」の野球帽をかぶってやってきた…両脇には艤装を付けたエンタープライズとフレッチャーを従えている…

提督「ジェーン?…エンタープライズとフレッチャーも、艤装を付けてどうするの?」

ミッチャー提督「ヘイ、冗談は止してよ…どういう意味か分かるでしょ?」

提督「一緒に出撃するつもりなの?…だめよ、何かあったときに貴女にまで責任がふりかかって来てしまうわ……気持ちは嬉しいけど…」

ミッチャー提督「ちっちっ…誰が「一緒に出撃する」なんて言った?……うちのエンタープライズとフレッチャーは「イタリア艦隊の戦いぶりを観察する」ために、ア・リトル(ほんのちょっと)沖に出るだけよ……その途上で敵さんに出会ったら、まぁ「自衛のために」艦載機を出すことになるだろうけど♪」

エンタープライズ「艦載機は状態も万全です。…装備はF6Fにヘルダイバー、アヴェンジャー、5インチ主砲に40ミリボフォース、20ミリエリコン………まぁ、深海お化けが向かってくると言うのならウズラの群れみたいに蹴散らしてあげますよ♪」

フレッチャー「こっちもばっちり。深海のあまっこどもに一発ぶちかましてくるわ♪」

ミッチャー提督「…という訳でね、波止場を借りるよ♪……ビッグE、フレッチャー…準備オーケー?」

エンタープライズ「オーケーよ、マーム」

フレッチャー「オーケイ!…頭はクール、ハートは最高にホットになってるわ!」

ミッチャー提督「グレイト!…それじゃあ、出撃!」

エンタープライズ「行ってくるわ」

フレッチャー「カンピオーニ提督、戻ってくるまでに私たちの分のごちそうも用意してよね♪」

提督「ジェーン…」

ミッチャー提督「なぁに、怒られたって構いはしないわ。こういう時に力を貸さないで何が「提督」よ……って、どうやらそう思ったのは私だけじゃないみたいね♪」…あごをしゃくった先には艤装を付けた「足柄」、「龍田」、「リシュリュー」、「ジャンヌ・ダルク」と、きっちりと軍装を身にまとっている百合姫提督とエクレール提督が歩いてきていた…

提督「二人とも…」

百合姫提督「どうせなら途中までお見送りしに行きたいって言うから…ね、足柄?」

足柄「えぇ、ただのお見送りよ、お見送り!……別に陽動攻撃するつもりなんかないわよ?」

龍田「そうよぉ…勘違いされても困るわねぇ♪」そう言いつつ、にっこり笑みを浮かべる

提督「ありがとう、姫。……それにマリー、貴女まで来てくれるなんて思わなかったわ…♪」

エクレール提督「勘違いなさらないで欲しいですわね?……わたくしは必要なものが出来たので、リシュリューとジャンヌを急ぎトゥーロンまで戻さなければならなくなりましたの……ただ、そのルートが少し南寄りなだけですわ///」

リシュリュー「ええ、あくまでもそういうことですので…」

ジャンヌ「そういうことです!…神のご加護を受けフランスを勝利に導くこのジャンヌが、どうしてイタリアなど助けましょうか!」

提督「……マリー、心から感謝するわ」

エクレール提督「ですから、わたくしはあくまでトゥーロンから取って来てほしいものがあるだけですわ…!」

足柄「さぁ、早くしないと「お見送り」できなくなるわよ!」

百合姫提督「そうね…重巡「足柄」、軽巡「龍田」、出撃準備よろしい?」

足柄「準備よし、いつでも行けるわ!」

龍田「同じく、準備よし♪」

百合姫提督「よろしい…それでは出撃、どうぞ!」

足柄「了解…足柄、出るわ!」

龍田「龍田、行くわよぉ♪」

エクレール提督「さて…リシュリュー、ジャンヌ」

リシュリュー「いつでもよろしいですよ」

ジャンヌ「こちらも!」

エクレール提督「では出撃…いえ、その……行ってらっしゃいな」

リシュリュー「高速戦艦リシュリュー、参ります」

ジャンヌ「練習巡洋艦、ジャンヌ・ダルク、行きます…フランスに栄光を!」

ミッチャー提督「これで全員ってわけだね…さぁ、通信室に行こうか♪」

提督「ええ」

……… <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/10/16(月) 02:31:57.52 ID:rHLIcLyJ0<> …通信室…

提督「さてと…」

…席に着いて肘を机に乗せ、指を組み合わせる提督…艦隊用の無線電信の前にはマルコーニが座り、いつでもモールス信号のキーを叩けるように身構えている…ライモンは机に固定されている大きい海図の上でT字型の棒を使って青い駒を動かし、艦隊の動きをプロットしている……提督の右隣では小さい金の十字架を首にかけているカヴールが立ち、左には提督が通信をさばききれないときのために、数人がインコムをつけて座っている。そして一段後ろの「観覧席」にミッチャー提督たちが腰掛けている……

ミッチャー提督「まぁ、まだ動きはないだろうね」

提督「そうね……あっ」海軍航空隊の周波数に合わせてある無線機が鳴り始め、提督は対応するスイッチを入れ、インコムを耳にかけた…

無線「こちら「ビアンカ(白)1」……タラント第六、聞こえますか…どうぞ?」P3対潜哨戒機のアントネッリ中佐から無線が入った…

提督「こちらタラント第六、ビアンカ1、感度明瞭です…どうぞ」

アントネッリ中佐「タラント第六、こちらは現在、高度3000メートルで哨戒飛行中…何か見つけたら随時連絡するわ、どうぞ」

提督「了解、みんなの分もお礼を言わせてもらうわ…ありがとう。どうぞ」

アントネッリ中佐「お気になさらず♪…以上、通信終わり」

ミッチャー提督「…?」

提督「P3のパイロットの中佐なんだけど、哨戒ルートを変更してくれたの」

ミッチャー提督「P3オライオンか…やるじゃない」

提督「手に入る支援は何でも使わないとね…」と、空軍からの無線が点滅した

トリエステ「…こちらタラント第六、感度明瞭です、どうぞ」トリエステが応答し、司令官に代わると相手に告げた…スイッチを切り替えうなずいた提督

無線「…こちら「ステラ(星)4」、タラント第六へ敵情報あり、どうぞ」AWACSの訓練飛行ルートを変えてもらうようヴィオレッタ少佐に「頼んだ」かいあって、索敵訓練中のAWACS(空中早期警戒機)が敵を見つけてくれた……とはいえこれも「深海棲艦」の特性なのか、艦娘が装備する大戦中のレーダー以外では上手くコンタクトが捉えられず、ぼんやりと「そこに何かがいる」程度にしか映らない…

提督「こちらタラント第六司令官、内容をお願いします。どうぞ」

無線「敵影あり、位置は…」座標を聞いて海図をにらむ提督…

提督「敵の詳細は分かりますか、どうぞ?」…だめもとながら一応聞いてみる提督

無線「こちらステラ4、相変わらずコンタクトはぼやけていて詳細不明…反応は小型で数は五、18ノットで東に向けて航行中。どうぞ」

提督「…了解、引き続き敵情報があったら通信願います、どうぞ」

無線「ステラ4、了解…そちらの「艦娘」たちが無事帰投できるようこっちからも祈っておきますよ、司令官」

提督「こちらタラント第六、感謝します…そちらもよい飛行になりますように、以上」

無線「どうもありがとう。通信終わります」…通信を伝達するとライモンが紅い駒を置く……

ミッチャー提督「うーん…」

提督「戦艦戦隊へ連絡、「敵艦あり。シルエットは小型、数は五……」位置と座標、速度と進行方向もね」

マルコーニ「了解」トトン・ツーと小気味よいモールスの音が響く…

提督「ふー…」緊張をほぐそうと深呼吸し、机の上に置かれた濃いコーヒーをすすった…

………

…一方・食堂…

フェラリス(アルキメーデ級大型潜)「うー…」難しい作戦に出撃しているみんなの事が心配で、落ち着かない様子のフェラリス…

ガリレイ(アルキメーデ級)「あー…うーん……」こちらも歩き回ってみたり、貧乏ゆすりをしてみたりと忙しいガリレイ…

オリアーニ「あぁ、もう!うっとうしいわね!」…こちらも心配でしょうがないが、「新型軽巡について行ける優秀な艦隊型駆逐艦」として模範を示そうと、雑誌をめくり落ち着いたふりをしていたオリアーニ…が、目の前でウロウロしているアルキメーデ級の二人にこらえきれなくなって叱りとばした

フェラリス「そうは言っても…」

ガリレイ「みんなのことが心配なのよ。まだ安全な海域だって分かっていても、北アフリカ沿岸に敵影があった…っていうし」

オリアーニ「分かってるわよそんなこと!…暇だから落ち着かないのよ、いつもの「錬金術」とやらをやったらどう?」

ガリレイ「錬金術は集中していないと失敗するから…部屋を吹き飛ばしたくはないし」

オリアーニ「あぁ、もう使えないわね……何か他にないわけ?」

フェラリス「あとは…えーと……」

ガリレイ「…ギターくらいね」

オリアーニ「ギターね…いいじゃない、みんなに聞かせてあげれば喜ぶわよ♪」

ガリレイ「うーん…まぁ、そうね……じゃあ、取って来るわ」

フェラリス「あんまり披露したくはないのだけど……」 <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/10/18(水) 11:59:10.52 ID:w1hASEH80<> ガリレイ「取って来たわ…よいしょ」ガリレイは椅子に腰かけて飾り気のないギターを抱えた…

フェラリス「ふー…まぁ、やってみましょうか」

オリアーニ「そうそう、軽くでいいから♪」

セラ「お二人とも、ギターですか?」

フェラリス「そうだけど…まぁ、良かったら聞く?」スペイン内乱時、秘密裏にフランコ側に参加した思い出があるせいか、スペイン帰りをやたら隠そうとする二人……実際はほとんど隠せていないが、それもまたチャームポイントになっている

セラ「はい。やっぱり出撃しているみんなのことが気になりますし、集中できなかったので…」読みかけの「クオレ」にしおりを挟んで閉じると、椅子を近寄せた

クリスピ「私もそうする…いい?」セラの横から本を眺めていたクリスピも、セラが本を閉じたので椅子を引っ張ってきた…

オリアーニ「ほら、始めなさいよ♪」

ガリレイ「ん、じゃあ始めようか…」軽く音を出し、お互いに視線を合わせる二人…二、三回胴を叩くと弾きはじめた


…最初こそ恐るおそると言った具合の二人だったが、そのうちにスペインの風を思い出してきたのか演奏に熱が入っていく。曲は情熱的でハイテンポなルンバ・フラメンカで、だんだん暇を持て余していたり、出撃組の様子が気になって集中しきれないでいたみんなが集まり出した…


ジュッサーノ「…二人とも上手ね」ファッション雑誌を広げたままテーブルに伏せて置き、椅子を持ってくるとセラにささやいた

セラ「…はい」

アヴィエーレ「へぇ、うまいもんじゃないか……あ♪」

ルカ・タリゴ(ナヴィガトリ級)「どうしたの…?」

アヴィエーレ「いや…この曲、私がやっているゲームのオープニング曲なんだ……日本のゲームなんだけど、この間提督に注文してもらってね」

タリゴ「…フラメンコがテーマ曲ってことは、スペインを舞台にしたゲーム?」

アヴィエーレ「いや、ジェット戦闘機の空戦ものだよ…相手の女性エースが引退してフラメンコ・ダンサーになっているのさ……」

タリゴ「へぇ…そうなの」

アヴィエーレ「またこの曲が華々しい空戦によく合っているんだ…『よう、相棒』ってね♪」

タリゴ「今度貸してもらおうかしら…」

アヴィエーレ「あぁ、いいよ」

エスペロ(トゥルビーネ級)「…二人とも」

アヴィエーレ「あぁ、ごめんごめん…」

ガリレイ「…こんなだけど少しは楽しめた?オリアーニ?…って!?」

フェラリス「どうしたのガリレ……うぇ!?」…二人が曲を終えてふと視線を上げると、十数人が椅子を持ってきて囲むように座っていた

ガリレイ「ちょっと!?……いつからこんなにいたの?」

オリアーニ「そうねぇ……だいたい二、三分あたりから…って所じゃないかしら」

フェラリス「うわぁぁ…どうしよう……///」

ジュッサーノ「恥ずかしがることはないじゃない…上手だったし」

ガリレイ「そこじゃないんだって……あぁ、もう///」

アヴィエーレ「とっても上手だったよ♪」

提督「…そうね、上手だったわ」

アヴィエーレ「うわっ!?…提督っ?」不意打ちにびっくりして飛び上がった

提督「はーい、アヴィエーレ♪」…普段はキザっぽいアヴィエーレの仰天した様子が面白く、提督は失礼にならない程度でにっこりした

ジュッサーノ「出撃組の様子はどう?…エウジェニオとガリバルディなら大丈夫だと思うけど……」

提督「ええ…しばらく安全な海域だから、その間にみんなの様子を見に来たの……急ぎの連絡にはこれもあるし」詰襟のきつそうな胸ポケットに押し込んである携帯電話を指差した…

オリアーニ「私たちはそこそこ上手くやってるわ」

提督「そう、ならいいわ…お昼は好きにしていいけど、エリトレアの手伝いはしてあげてね」

オリアーニ「了解」

……… <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/10/19(木) 01:28:37.27 ID:+u19amzr0<> …通信室…

提督「はい、戻ったわ」

ミッチャー提督「みんなの様子はどうだった?」レーダー画面を眺めつつ声だけかけた

提督「ん、仲良くやってたわよ…そろそろお昼食べて来たら?」

ミッチャー提督「そうだね、ドンパチはまだ始まらない感じがするし……じゃあちょっとパクついてくるわ」不思議と戦闘が始まりそうになると、その気配を察知できるミッチャー提督が「今はまだ始まらない」と席を立った…

百合姫提督「では、私も…」百合姫提督は年上のミッチャー提督に遠慮していたのか、少し遅れて席を立った

提督「マリーは?」

エクレール提督「ノン…わたくしはまだ空腹ではありませんの」

提督「そう?…食べられるうちに食べておかないと、いざという時にお腹が減って頭が回らないわよ?」

エクレール提督「ですから大丈夫ですわ……」そう言ったそばから、くぅぅ…と小さくお腹が鳴った

提督「ほらね?…レーダーは私が見ておくし、何かあったら携帯電話にかけてあげるから」

エクレール提督「ですが…」

提督「いいから行ってらっしゃい…横でずっとグーグー言われてたらかなわないわ」

カヴール「ふふっ…♪」

エクレール提督「わ…分かりましたわ///」カヴールに小さく笑われて恥ずかしくなったのか、急に立ち上がると出て行った…

提督「ふぅ…全く強情なんだから」

カヴール「きっと提督の前ですから、やせ我慢していたのですね…可愛い方ではありませんか♪」

提督「うふふ…そうね。…ところで、カヴールも今のうちに行ってきたら?」

カヴール「そうですね、まだ友軍の制空圏内ですし……提督はどうなさいます?」

提督「さっき食べてきたわ…エリトレアの作った美味しいアラビア風カレーとカツレツをご飯で♪」お腹をぽんぽんっ…と軽く叩き、いたずらっぽくウィンクした

カヴール「まぁ、カレーとご飯とは珍しい組み合わせですね?」

提督「ふふっ…エリトレアいわく、足柄が出撃前に手伝ってくれたそうよ」

カヴール「そうですか……ではせっかくですし、いただいてきましょう♪」

提督「ええ、美味しかったわよ♪……通信機は私が見ておくから、マルコーニたちも交代で行ってらっしゃい。ちゃんと取っておいてくれているけど、あれは冷めると美味しくないわ」

マルコーニ「じゃあ…行ってこようかな♪」ヘッドフォンを外すと提督に預け、カレーの匂いに鼻をひくひくさせながら出て行った…

提督「えぇ、ゆっくり味わっていらっしゃい♪」

トリエステ「ライモンド、お先にどうぞ?」奥ゆかしい性格のトリエステだけあって、さっそくライモンに譲ろうとする

ライモン「いえ…わたしはまだ平気ですから、トリエステこそ食べてきて下さい」こちらも控えめ、かつ気配りの出来るライモンだけあってトリエステに譲った…

提督「ふふ…もう、分かったわ♪」苦笑いしながら内線電話に手を伸ばした…

提督「食堂、聞こえる?…早くなって申し訳ないのだけど、午後の当直でお昼を済ませた誰かを通信室に呼んでもら…シロッコ?そう、じゃあ少し早いけれどお願いするわ」受話器を置くとにっこりした

提督「シロッコとザラが来てくれるそうよ。二人が来たらあなたたちは食堂に行って、たっぷり食べてくること…命令よ♪」

ライモン「は、はい…///」

トリエステ「了解///」

提督「よろしい♪」
<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/10/19(木) 02:48:29.38 ID:+u19amzr0<> …同時刻・イオニア海…

足柄「私の特製カツレツは気に入ってくれたかしらね?」…つたないイタリア語と英語と日本語のちゃんぽんで、何とかエリトレアに「勝つ」と「カツ」でゲン担ぎになっていることを説明して、出撃前にカツレツを揚げてきた足柄……とはいうものの、カツレツそのものは揚げたての端っこを味見がてら一切れつまんだだけで、艦上で食べているのは三角形の握り飯だった…

龍田「気に入ったと思うわぁ…足柄のカツレツは本当にさくさくで美味しいもの♪」お互いに握り飯を頬張り、抜けるように青い上空に目を向けながら手信号でやり取りする…

足柄「龍田の「竜田揚げ」も美味しいわよ…さすが、名前の由来になったって言われるだけあるわ」

龍田「まぁ、うれしいわぁ…でも、誰も「竜田揚げ」って書いて、「龍田」揚げって書いてくれないのよねぇ……」言いながら百合姫提督が持たせてくれた握り飯をしげしげと眺めた…


…今回の難しい作戦に頭を悩ませていた提督を見て、百合姫提督は数日前から足柄と龍田を陽動艦隊に同行させようと考えていた。そして出撃前夜には「当日分のお昼だけでも」と、二人に五目飯の握り飯を準備していた……手の小さい百合姫提督が一生懸命大きくなるように握ったらしい三角形の「握り飯」は可愛らしい感じに仕上がっていて、無骨な「握り飯」というより、「おむすび」と言った方が似合っている…


龍田「美味しい…♪」前方を輪形陣で進む、軽やかな淡灰色と濃い灰色で迷彩を施したイタリア艦隊を見つつ、もう一口頬張った…


……経木の弁当箱に互い違いに入れられ、三個が上手く納まっている「おむすび」は刻んだ牛肉、人参…それにどうやってイタリアで手に入れたのか、牛蒡(ごぼう)に椎茸、油揚げが入っていて、砂糖と醤油、みりんで甘辛く味付けされている…硬めに炊いたご飯にうまく煮汁が染みこみ、噛むたびにじんわりと風味が広がる…


龍田「ふぅ…ごちそうさま」小さく手を合わせると弁当箱を閉め、今度は瓶のサイダーを取り出して王冠をポンとはねあげ、ちびちびすすった…

龍田「んー…美味しいわぁ♪」前部14サンチ主砲の脇に座って脚を投げだし、心地よい海風に髪をなびかせた……

龍田「向こうでは今頃カレーを食べている頃かしらねぇ…」


…そのころ・鎮守府の食堂…

カヴール「エリトレア、いい匂いですね」

マルコーニ「うぅむ、何ともたまらないスパイシーな香りだねぇ」

ライモン「なんだか、お腹が空いてきちゃいますね♪」

トリエステ「なんとも刺激的な感じですね」

エリトレア「そうでしょう♪……何しろエリトレア特製の「アフリカ風カレー」ですからね、ひと味違いますよぉ?」…周囲にに赤と緑、金色で幾何学模様が描かれたエキゾチック風な皿に、たっぷりとバターライスを盛った……端っこには刻んだピクルスが載せてあり、湿っぽくならないよう別皿に「足柄のカツレツ」が置かれている…


カヴール「まぁ、美味しそう」まだ鍋で湯気を立てているカレーをたっぷりとよそう…黄色っぽくて、野菜が煮とろけているカレーからは、ペルシャあたりのスーク(市場)のような香辛料の香りが立ちのぼってくる……

エリトレア「ごゆっくりどうぞ♪…おかわりもたっぷりありますからね♪」…よく見るとエリトレアもアフリカの民族衣装のような紅い服を着て、雰囲気を出している…

ライモン「今日はエリトレアもアフリカ風ですね、よく似合ってますよ」

エリトレア「いやぁ…そんなに褒められたらサービスしちゃいますよ?」へらでもう一しゃくい分バターライスを盛った…

ライモン「え…こんなに食べられませんよ…」

エリトレア「大丈夫ですって、きっとぺろりですから♪」

ライモン「そ…そうですか……」カレーを盛って席に着いた…側には辛い食べ物によく合う、熱いストレートの紅茶がガラスのポットに入っている……

カヴール「では…♪」スプーンで丁寧にすくって口に運んだ…と、にっこりするカヴール

エリトレア「どうですかぁ?」厨房から声をかけてきた

カヴール「とっても美味しいです♪」

…エリトレア言うところの「アフリカ風」豚を使わないカレーのことらしく、今回は鶏腿肉のぶつ切りと手羽元がゴロゴロ入っている。それをどうやらスパイスと玉ねぎ、トマトでよく炒め、それをスープストックで伸ばしたものらしい……ピリリと辛くさっぱりした汁気の多いカレーと、ぱらりとしたバターライスがよく合う……時々明るい金色に揚がっているさくさくしたカツレツを食べ、口が辛くなってきた時は渋めのオレンジペコーをすする…

ライモン「ん…本当に美味しいです♪」

エリトレア「でしょう♪」

………


<> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/10/19(木) 21:01:55.29 ID:/Ygh0zGQo<> 百合姫提督のにぎったおむすび食べたい <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/10/21(土) 00:28:13.08 ID:mPW9uwVx0<> >>852 百合姫提督の鎮守府所属なら食べられますよ…ちなみに普段は間宮、伊良湖、速吸その他給糧艦、輸送艦が作っているので百合姫提督の手づくりはあんまりありません……

それと、なかなか進まなくて申し訳ないです……
<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/10/21(土) 02:17:44.93 ID:mPW9uwVx0<> …食後…

ミッチャー提督「いやぁ、旨かったね♪…ライス・アンド・カリーにチキンのカツレツ、最高の組み合わせだったよ♪」

エリトレア「カツレツは足柄さんが揚げたのを出しただけですし、そんなにほめられると照れちゃいますね♪」

エクレール提督「いいえ、なかなか美味しかったですわ。良く煮込まれた鶏がほろほろと崩れて……それにスパイスの比率もなかなか…少なくともコリアンダーにクミン、ケイパーに唐辛子、黒胡椒とカイエンペッパー(赤胡椒)…あとはナツメグにローリエが入っていましたわね?」

エリトレア「うわ!……よく分かりましたね?」

エクレール提督「これでもスパイスやハーブにはうるさい方ですもの」

百合姫提督「私はスパイスの事を良く知らないけど……最初は炒めた玉ねぎのおかげで少し甘くて、そのうちピリッと辛くなって美味しかった…汗かいちゃったわ」…カレーが跳ねないように上着は脱いでいたが、紅潮した頬を軽く押さえ、汗ばんだ額を手ぬぐいで拭った……

カヴール「百合姫提督の言うとおりですね…辛くて食欲が刺激されました♪」少し恥ずかしそうにおかわりしていたカヴール…口もとを上品に拭うと熱い紅茶をひとすすりした…

ライモン「チキンのカツも美味しかったです、胸肉だからさっぱりしてましたね」

エリトレア「はい、ささみや胸肉は煮込むとパサパサになってしまいますから…どうしようかと思っていたら足柄さんが「カツレツにしましょう」って、アイデアをだしてくれたんです♪」

百合姫提督「あぁ…ふふ♪…それはね、「チキンと勝てるようにチキンのカツレツにしたら?」って私が言ったからなの♪」一人でくすくす笑っている百合姫提督…

エリトレア「あー…ダジャレですか……」不思議そうなカヴールたちやミッチャー提督たちに何とか説明するエリトレア…

ミッチャー提督「はははっ、なるほどね♪…じゃあポークは?」

百合姫提督「とんかつだと「とんとん拍子で勝つ」ように…ね♪」

ミッチャー提督「ビーフは?」

百合姫提督「んー…相手を「ぎゅうぎゅう」の目に合わせるのかしら?」

エリトレア「これ以上は止めて下さいよ…私は通訳じゃないんですからねっ?」

ミッチャー提督「ソーリィ…訳しにくい事を聞いて悪かったわね……」と、不意に何かを考え込むミッチャー提督…

エリトレア「…どうしました?」

ミッチャー提督「いや、なんだか引っかかるような…敵さんに動きがあるような気がするわ……日本でカツレツと言えば「ウースターソース」をかけるから、「ウースター」つながりで駆逐艦を連想したのかも知れないけど…」

エクレール提督「ウースター…?」

百合姫提督「えーと、確か「アドミラルティ改W級」で…第一次大戦には間に合わなかったけれど、第二次大戦では海峡艦隊の在籍になっていた……基準排水量1140トン…速度はだいたい33ノット、主砲は4.7インチ(12センチ)単装4基に…確か53.3センチ三連装魚雷発射管が二基……旧式ながら「ツェルベルス作戦」で「プリンツ・オイゲン」と「グナイゼナウ」に肉薄して、多くの死傷者を出しつつも母港に自力で帰還した勇敢な駆逐艦でしたね…」

ミッチャー提督「うん、アナポリスでも満点の答えだね♪」

エクレール提督「…あの、わたくしにはどうも思い出せないのですが」

ミッチャー提督「そう?…やたら艦橋の高い二本煙突の駆逐艦なんだけど…ジャストウェイ(ちょいまち)……」スマートフォンに入れてある「ジェーン軍艦年鑑」を探した…

ミッチャー提督「あった…はい、これ」

エクレール提督「これですの…確かに主砲が背負い式で、艦橋も艦の大きさに比べてずいぶん高いようで……なんというか、かなりアンバランスですわね」

ミッチャー提督「そうね、一応当時では珍しいレーダー搭載の駆逐艦でね。…笑えるとしたら「ウースター」だけにあだ名が「ソース瓶」だったことかな…とにかく、そろそろ戻ろうか」

カヴール「では、私たちも戻りましょうか?」

ライモン「はい、そうしましょう」

トリエステ「了解」

………

…通信室…

カヴール「カヴール、ただいま戻りました」

ライモン「軽巡モッテクッコリ、同じく」

トリエステ「重巡トリエステ、戻りました」

提督「お帰りなさい…あら、ジェーンも戻って来たの?」

ミッチャー提督「うーん…何か気分がざわざわしてね。レーダーはどう?」

提督「今のところ静かなものよ?……リットリオたちも接敵してはいないし、ロモロたちの方もまだ水上航行しているわ」

ミッチャー提督「そう、なら考え過ぎかな…」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/10/21(土) 11:47:38.69 ID:LCh/lp/Go<> 乙。
ご飯のシーンがある、それだけで嬉しい <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/10/23(月) 00:22:38.31 ID:gyfp4Nld0<> >>855 まずは「乙」をありがとうございます、グラツィエ…なかなか日本では馴染みのないイタリア王国海軍の艦をメインにしていますから、ある程度とっつきやすい所も作ろうと入れています…料理のシーンは書きやすいですし……

…しばしイタリア艦が活躍する場面を入れようとは思っていますが、それが終わったらまた百合っぽいことをしていきますので…… <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/10/23(月) 02:08:50.74 ID:gyfp4Nld0<> 提督「どうかしら…ジェーンの直感って外れたことがないものね……」と、言い終わらないうちにレーダーにぽつんと点が出た…薄暗い画面に出た淡い蛍光グリーンの点には軍の識別コードも民間機の便名も出ていない…

百合姫提督「フランチェスカ、あれ…」

エクレール提督「本当に出ましたわね…?」

ミッチャー提督「当たって欲しくない時に限ってこうなんだから…全く、笑えるわ……」そう言っている間にもAWACSから無線が入ってくる…

AWACS「こちらステラ4、タラント第六へ。敵情報に更新あり、どうぞ!」

提督「こちらタラント第六、ステラ4へ…内容をどうぞ?」

AWACS「こちらステラ4…敵シルエット、速度200キロ程度、コンタクトは単数。針路北東。おそらく航空機……一時間ほどでそちらの艦隊と接触の可能性あり…どうぞ」

提督「了解…機種は分かりますか、どうぞ?」

AWACS「あー…大きさと速度から、おそらく深海側の「ウォーラス」飛行艇、あるいは「ソードフィッシュ」雷撃機ではないかと思いますが、はっきりしません、どうぞ」

(※スーパーマリン・ウォーラス(セイウチ)…大戦中イギリス艦の観測機や救難・哨戒機として活躍した三座の水陸両用飛行艇。コクピット前後に.303ブリティッシュ口径のヴィッカース「K」機関銃を付けた開放型銃座がついている。…カタログスペックは凡庸だったが無類の頑丈さと長い航続距離から活躍し、英軍将兵に愛された)

提督「了解、艦隊に連絡を入れます…情報に感謝します」

AWACS「いえいえ、これが本業なので…ステラからは以上」

提督「了解、通信終わります……マルコーニ、リットリオに打電して「空中早期警戒機より通信…単機の航空機をレーダーで捕捉、そちらと接触の可能性あり」…」

マルコーニ「はい!「……レーダーで捕捉…そちらと接触の可能性あり」…打電終わりました」

提督「了解…」指を組んで肘を机に置いている…

………


…イオニア海・シチリア島沖の東数十キロ…

リットリオ「んっ?……ちょっと待って、通信が来たの」チェザーレと「手旗の練習を兼ねて」おしゃべりに興じていたリットリオに電文が届いた…白い詰襟姿の士官に紺と白のセーラー服を着た水兵が敬礼して電文を渡し、それを横から眺めるリットリオ……

チェザーレ「うむ…こちらも受信している」…艦橋にいるチェザーレの脇を、はっきりしたイタリア王国海軍将兵の姿が駆け抜けていく…あまりにもはっきりしていて「幽霊」とも「幻影」とも言いがたいその姿が急に慌ただしくなり、次々と伝令や通信紙を持った水兵が行き来する……

リットリオ「敵機確認だって…どう思う、チェザーレ?」

チェザーレ「別に「どう」と言うこともないだろう……それが敵なら、相応の火力をもって相手をするだけのこと…違うかな?」

デュイリオ「そうですね、しっかりお相手をしてあげないと失礼ですもの♪」

リットリオ「んー…それはそうなんだけど…交戦規定とか、そういうのは……」

チェザーレ「ふむ。聞いていた限りでは交戦規定はただ一つ…「生き残れ」だと提督も言っていたぞ?」

リットリオ「そういえばそう言ってたかも…じゃあ、準備する?」

チェザーレ「そうだな…まだ早いが情報は伝えた方がいいだろう」

リットリオ「了解。…はーい、ちゅうもーーく!」信号旗をメインマストに掲げ、艦橋から外の回廊に出ると声を張りあげた…

ガリバルディ「了解、見えてるわ。駆逐隊へ、右舷側の援護に付くわよ」するりと護衛位置に付いたガリバルディ

エウジェニオ「信号を了解♪…さぁ、もう少し詰めて左舷側に付くように」

…エウジェニオも駆逐隊の陣形を少し縮めさせ、中央にくさび型に並んだリットリオたち戦艦隊を入れる…その後方、艦隊の中心には「お客様」のエンタープライズ、リシュリューを置き、その後ろ、V字に並んだ後衛の左右に足柄、龍田が付き、V字の頂点にはジャンヌ・ダルク。…対空・対潜能力の高いフレッチャーはエンタープライズたちのそばを遊弋している……

リシュリュー「しかし…何ともちぐはぐなものですね」ふふ…と微笑するリシュリュー

エンタープライズ「同感ね♪」

…艦首の甲板に赤と白の斜線でカラフルな対空識別帯を塗装している以外は単色だったり、淡いグレイと濃いグレイで雲形迷彩や折れ線の幾何学迷彩、艦首にニセの艦首波を白く描いたりと、それぞれバラバラな迷彩を施しているイタリア艦……それに囲まれているのは濃いブルーグレイとグレイの二色迷彩を施したビッグEにフレッチャー…フランス風グレイに面倒なグラデーションが入った迷彩のリシュリューと単色のジャンヌ…濃いネズミ色で明るい地中海では明らかに浮いている足柄と龍田……

リットリオ「いいですね…それでは皆さん、警戒を強めてくださいね?」

エウジェニオ「了解…外側の警戒は任せるわ♪」

レジオナーリオ「了解、ローマの栄光のために!」

コルサーロ「は、深海の飛行艇なんか八つ裂きにしてやるさ♪」…手のひらに唾を吐きかけ、アラビア風の三日月刀を抜くと柄に馴染ませた…

ヴェリーテ「コルサーロは相変わらず勇ましいですね…」そう言うと「もう一人の」ヴェリーテが声をあげた

ヴェリーテ「んー…戦車なら得意なんだけどねぇ……」軽歩兵用のカルカーノ短小銃と、肩にひっかけているベレッタ・モデル1938「モスキト」(蚊)短機関銃を装填した…

グラナティエーレ「ウォーラスに見つかれば、次は猛烈な空襲と決まってるわ…ま、やってくるといいわ♪」艦名が擲弾兵とあって鉄火場には慣れている「グラナティエーレ」は、晴れ渡った上空を眺めて不敵な笑みを浮かべて見せた… <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/10/23(月) 02:17:20.04 ID:gyfp4Nld0<> …今日はこの辺で失礼しますが、その前に一つ訂正を……

>>849 出撃した後で「アヴィエーレ」がガリレイたちのギターを聞いていますが彼女は出撃組です、間違えました…同じように「キザっぽい」というか、二枚目な性格をイメージしているリウッツィ級大型潜の「バニョリーニ」(アッティリオ・バニョリーニ)に置き換えてお読みください…… <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/10/25(水) 01:44:23.63 ID:pHtMlrfs0<> …数十分後…

リットリオ「来ませんねぇ…針路を変えちゃったんでしょうか……?」

ガリバルディ「ま、普段はあれだけ哨戒機がうろちょろしているんだから…そのうちにこっちを見つけるでしょうよ」

…すでに「総員配置に就け!」は済んでいて、リットリオは双眼鏡で水平線を探っていた……イタリア艦としては珍しく開戦直後から数少ないレーダー、EC−3「グフォ」(Gufo)を搭載していたリットリオだったが、不調続きでアテにならないレーダーよりむしろ目の良さをいかし、ガラス張りの眺めのいい艦橋から抜けるように青い空を索敵し、しばらくすると一旦双眼鏡を下ろして艦首を見おろした……二番砲塔の上に設置されているブレダ・37ミリ連装対空機銃の機銃座には、ヘルメットをかぶった水兵たちが配置に就いている…


リットリオ「このまま見つからないと陽動にならないですねぇ…」そう言って肩をすくめた瞬間、右舷側の駆逐艦「フチリエーレ」が甲高い声で叫んだ…

フチリエーレ「機影っ!右舷二十度!」

ガリバルディ「…ほぉら来た!機種は!」

フチリエーレ「あー…」双眼鏡に目を押し付けるフチリエーレ…

アヴィエーレ「ウォーラスだね…間違いない」航空機好きのおかげで、シルエット識別も一流のアヴィエーレ

ガリバルディ「了解。…心配のタネが減ったわね、リットリオ?」

リットリオ「そうですねぇ……それでは、対空戦用意!」

チェザーレ「うむ、待っていたぞ!」チェザーレは個人的なアクセントに、メインマストの戦闘旗と一緒にでかでかと「SPQR」(ローマ軍団)と金で縫い取られた真紅の旗を掲げている…

ガリバルディ「みんな、油断しないでよ?」

アスカーリ「んだ、任せといて欲しいもんだな」駆逐艦たちはきれいに艦隊の外側を守り、120ミリ連装主砲、37ミリ・ブレダ連装機銃、20ミリ・ブレダ連装機銃を向けている…


…一流の戦闘機や爆撃機・雷撃機に比べてひどく遅いウォーラス飛行艇の「推進式のエンジンを上下翼の間に挟んだ羽布張り複葉」というクラシカルなシルエットがゆっくり近づいてくる…リットリオは防御されている装甲艦橋に行こうか一瞬だけ考え、後ろにある金庫室のような重い動力扉を眺めたが、ウォーラス相手にそこまですることはないと思い直した……相手が攻撃力のほとんどないウォーラスだからと言うのもあったが、びびびっ、と風に引っぱられて鳴るイタリア海軍旗、紺碧の海、雲一つない青い空、暖かくて白い波しぶきを送ってくる海風……スリットでしか外を見られない薄暗い司令塔に入りたくないほど、地中海の夏の気持ち良さを集めたようないい天気だった……


リットリオ「通信が送られていますから…そろそろ頃合いでしょうねぇ」…速い速度で叩かれている深海側のモールス符号をキャッチしたリットリオは片舷に六基ずつ並んでいる90ミリ高角砲に指示を飛ばした……スマートなデザインの砲塔に収まった高角砲が徐々に旋回していき、仰角を取る…

リットリオ「目標、ウォーラス水偵!…距離、8000メートル…照準!」

デュイリオ「…では、リットリオにお任せしましょう」

リットリオ「了解♪…それでは、行きますよぉ……右舷一番、撃て!」パウッ!…90ミリ高角砲がひらめくと、数秒後にはかすかな点のように見えるウォーラスのそばでパッと煙が上がった…

チェザーレ「おや、惜しいな…」

リットリオ「む…初弾なんですよ?……右舷二番、てっ!」…旋回を始めて側面をさらしたウォーラスの、しゃちほこのように機体後部が跳ね上がったシルエットが砲煙で隠れる…

アルティリエーレ「おぉ、上手です♪」…「砲兵」だけに巨砲にあこがれ、日頃からリットリオを尊敬の目で見ているアルティリエーレがほめる

リットリオ「むぅ…でもまだ命中には程遠いですね……右舷三番、撃てっ!」…と、偶然うねりに乗ったおかげか、ウォーラスの近くで砲弾が炸裂した……白い煙を引いてゆっくり離脱していくウォーラス…

エンタープライズ「エンタープライズよりリットリオ…追撃にヘルキャットを出しますか?」甲板上で待機させているシーブルーのF6Fを出撃させるか聞いてきた(※ヘルキャット…F6Fの通称「地獄のネコ」……実際にはスラングで「あばずれ女」のような意味)

リットリオ「止めておきましょう…対潜哨戒の艦爆だけでいいと思います」

エンタープライズ「了解、そうします…それと、見事な射撃でした」

リットリオ「グラツィエ♪…これで深海側がこっちに気を取られて、潜水艦のみんなが苦労せずにアフリカへ行きつければいいんですけど…」



……… <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/10/25(水) 03:12:40.31 ID:pHtMlrfs0<> …その日の夜・2200時ごろ…

ロモロ「ふー…基地の食事が恋しいわ……」潜水艦の狭い厨房で作られ、ご丁寧にディーゼル燃料の臭いまでしていたパンと缶詰のオイルサーディン、チーズとボローニアソーセージ、それにぬるいミネストローネというしょうもない夕食を思い出し、肩をすくめた…辺りは一面の星空で、大した速度も出ていないのでディーゼル機関のゴトゴトいう音も気にならない……

レモ「もぉー、基地のご飯と比べるなんて…全くお姉ちゃんったら♪」


…ドイツの「U・ボート」と違って雨風は防げるが、その分視界の悪い屋根と窓がある司令塔から、夜間哨戒の駆逐艦やコルヴェット艦がいないか入念に探しつつ、レモはお菓子をぱくついた……ロモロたち潜水艦隊は哨戒艦を避けるために潜航していた後なので、暑さと湿気を払おうと冷たい水を飲み、百合姫提督が持たせてくれた広島銘菓の「もみじ饅頭」をむしゃむしゃ食べていた……こしあんとふんわりした生地の「もみじ饅頭」は美味しい上に片手でつかめるので、双眼鏡を見ながらでも食べられた…


トレーリ「でも、私も早く基地のご飯が食べたいです……」こちらは行先が「アフリカ」と言うことでエリトレアが積んでくれたバナナを剥いて、浮上後の疲労回復食にしながら言った…

カッペリーニ「バナナもいいですけれど…ね。あの頃はなかなか食べられませんでしたし……」いまではすっかり安くなったバナナを感慨深そうに眺めるカッペリーニ…

ミッカ「そうですね…でも私は「北アフリカ」と言えば、やっぱりナツメヤシですね」赤黒く、クセのあるプルーンのようなナツメヤシ(デーツ)をつまみながらいった…

アトロポ「そうね…私はナツメヤシ派だわ」ねちっこい乾燥ナツメヤシをゆっくり噛みながら目をこらした…まだ北アフリカの海岸線は見えていないが、何となく砂漠の匂いが漂ってくるような気がしていた……

ロモロ「それにしても…昼間にリットリオたちが陽動してくれたおかげか、全然警戒艦艇が見当たらないわ」…普段なら嫌と言うほどウロウロしている深海側のコルヴェットや護衛駆逐艦、フリゲートなどがさっぱり見当たらない……

ミッカ「それはありがたいですが…それでも機雷はあるかも知れないし、気を付けた方がいいですね」

レモ「うんうんっ、そうだね…それにしても重いなぁ……」船倉に600トンも栄養食や粉ミルクを積んでいるせいで、うねりを受けるとワンテンポ遅れて艦が揺れる……

トレーリ「大丈夫ですか、レモ?」

レモ「うん、へーき…巨乳の人と同じようなものだし♪」そう言うレモ自身がぴっちりした競泳水着からはち切れそうな身体をしていて、身動きするたびにずっしりした胸が揺れ、ヒップが水着に食い込んでいた……

トレーリ「あ、分かります…遅れて揺れるんですよね」トレーリ自身も大型潜なのでその気持ちはよく分かった…

ロモロ「でもいいこともあるわよ…♪」

ミッカ「そう?」

ロモロ「物の置き場所ができるもの♪」たゆん…と揺れる乳房の間に鉛筆とディバイダーを挟み込むと六分儀を持って天測したり、食べかけのお菓子を上手く置いたりしていた……

ミッカ「なるほど…私だと、ちょっと厳しいですね……」決して小さい方でもないミッカだったが、胸を寄せてみたり、腕組みして押し上げてみたりしても出来なかった……

ロモロ「んー、まぁ…私たちは大きすぎるから……いつもは結構不便だもの」

トレーリ「そうなんですか?」

ロモロ「えぇ、そりゃ不便よ…ちょうどいい下着はなかなかないし、ぽよんぽよん弾んでしょうがないから走る時なんかは遅くなっていけないわ」

トレーリ「あー…なるほど」

レモ「うんうん、レモだってたまにはピンクの可愛いふりふりがついた下着が着たいのに…たいていはいやらしい紫とか黒のランジェリーばっかり……」

カッペリーニ「なかなかうまく行かないものですね……では、作戦を終えて帰投したら提督に聞いてみたらいかがでしょう?」

レモ「提督に?」

カッペリーニ「きっと探してくれますよ♪」

レモ「そっか♪……でもレモは提督に下着を選んでもらうより…提督の下着姿を見たいかも♪」

カッペリーニ「あぁ…まぁ、気持ちはわかりますが」

レモ「帰ったら…提督にごほうびをおねだりして……ふふ♪」


………

…鎮守府・通信室…


提督「…くしゅっ!」

カヴール「あら、いけませんね…冷房のせいでしょうか」…軽いケープを肩にかけた

提督「いいえ…なんだか、誰かにいやらしい妄想でもされているような気がするわ……」

……… <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/10/25(水) 20:43:27.70 ID:kx4Wg8GKo<> 乙っぱい <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/10/27(金) 01:20:23.69 ID:Xr4ZIiLe0<> …通信室・0300時…

ボルツァーノ「提督…少しお休みになったらいかがですか?」カヴールと交代で深夜直を請け負ってくれた重巡ボルツァーノは、「昼寝をしていたので」とまだ元気な様子でいる……

提督「ありがとう……でもこの時間は気が抜けないから…ふぁ……ぁ」あくびをかみ殺し目尻に涙をためつつ、マグカップで何杯目かの濃いコーヒーに手を伸ばす…レーダー画面には刻々と変化する味方の位置と、AWACSとP-3対潜哨戒機が捕捉している敵性コンタクトが表示されている……

アッテンドーロ「そんな生あくびしているようじゃあまともな判断なんかできっこないわ…ボルツァーノの言うとおり、少し休んだら?」…提督に「命令」され、隣の空き部屋に据え付けた簡易ベッドで休んでいるライモンに代わり、妹のアッテンドーロが大テーブルの海図上で駒をプロットしていたが、インコムを付けたまま振り返りもせず言った……

ミッチャー提督「だね…長丁場なんだし、少し休んだ方がいいと思うけど?」あくまでもオブザーバーとして控えめなミッチャー提督

百合姫提督「私もそう…ふぁ…あ…」慌てて手で口元を押さえる百合姫提督…

エクレール提督「そうですわ…無用の損害を出したくないのなら万全の体勢を整えるのが筋でしょう?」

提督「分かった、分かった……ボルツァーノ、十五分だけ寝かせてもらうわ…寝ている間に何か変化があったら起こしてちょうだいね?」

ボルツァーノ「はい…提督、退室されます」

提督「いいえ、ここでいいわ…」後ろにあるゆったりした「お偉方の席」に座ると、しっかりしたヘッドレストに頭を乗せて目を閉じた……

ボルツァーノ「…あら…あっという間に眠っちゃいました……」羽織っていたカーディガンを脱ぐとそっと提督の身体にかける…

ミッチャー提督「無理もないよ…ずっと相手の動きを読んで判断し続けていたんだから……」横目でちらっと見ると穏やかに笑った…

提督「すぅ…すぅ……」

………




ボルツァーノ「…とく」

提督「う…むにゃ……」ほのかに甘い花の香りと優しい揺れが感覚として伝わってくる……

ボルツァーノ「…いとく」

提督「ん…」

ボルツァーノ「…提督、おはようございます」

提督「…っ。おはよう、ボルツァーノ……状況は?」

ボルツァーノ「はい。今は0430時、状況に変化はありません」

提督「0430時?…あれだけ「十五分で起こして」って言ったのに、どうして起こしてくれなかったの」

ボルツァーノ「提督はお疲れでしたし、状況も安定してましたから」

提督「…笑いごとじゃないのよ、ボルツァーノ……私が針路変更の命令を出すつもりだったとしたらどうするの?」

ボルツァーノ「…失礼ですが、提督は艦隊に細かい針路までいちいち指示するような口うるさい性格じゃありません。…リットリオとミッカに一任しているはずですし、もし仮に転針させるつもりだったのなら、私たちにも事前に教えてくれているはずです」

ミッチャー提督「…フランチェスカ、あんまりボルツァーノに言わないでやって?私も起こすのを止めさせたんだ…大丈夫、まだ状況はひっくり返っちゃいないよ」

提督「そう……ボルツァーノ、ごめんなさい。寝起きで頭がすっきりしていないのかも……」

ボルツァーノ「大丈夫です…寝起きなんですから無理もないですよ」

ミッチャー提督「顔でも洗っておいでよ?もし何かあったら呼ぶから」

提督「ありがとう…ジェーンこそ寝ないで平気なの?」

ミッチャー提督「ははっ、私は「丈夫なのが取り柄」ってやつでね…コーヒーの飲み過ぎで胃がむかむかしてるのと、そろそろトイレに行きたいぐらいなものよ」

提督「…じゃあすぐ戻るから、帰ってきたら化粧室へどうぞ?」

ミッチャー提督「アイアイ・マーム。待ってるよ♪」

……… <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/10/27(金) 03:12:30.98 ID:Xr4ZIiLe0<> …作戦二日目・0500時…

提督「さて…と」顔を洗いさっぱりし、通信室にハムのサンドウィッチとミルクコーヒーを持ってきてもらって軽くお腹もふくれた提督…すっかり冴えわたった様子で指示を飛ばす……

提督「こちらタラント第六、ステラ4へ…そちらのコンタクト「赤06」の詳細を教えてもらえますか、どうぞ?」転送されてくるレーダー画面に目ざとく緑の点を見つけると、インコムをとりあげた

AWACS「こちらステラ4、タラント第六へ。コンタクト「赤06」は速度およそ250、針路035、数は四…おそらく「ボーファイター」……そちらの艦隊へ向かいつつあるようです。どうぞ」…機内に簡易厨房や仮眠室、トイレまであって「二十四時間営業」のAWACSから昨日のオペレーターとは違う、可愛い女性の声が入る…

提督「了解、それでは…」

AWACS「待ってください。タラント第六へ、さらにコンタクトあり……「赤07」と命名…速度およそ200、針路030…大型グループ、おそらくこちらは「ソードフィッシュ」…そちらの艦隊の推定位置に向かいつつあり。注意を促すことを推奨します」

提督「了解、ご忠告に感謝します」

AWACS「いえいえ…タラント第六、こちらの分まであの「深海のお化け」をやっつけて下さい。以上」

提督「ええ、そうします。通信終わり」

カヴール「いよいよですね…爆撃機や雷撃機がやってくるわけですか……」

提督「ええ…まぁ、ハチの巣をつついたのだからそうなるわ……さぁ、じゃあ「うち」の航空隊を出してくれるよう、シチリアの空軍基地に電話を入れないと…」空軍直通の電話をとりあげてダイヤルした…

………

…シチリア島・トラーパニ空軍基地…


下士官「はい、こちらトラーパニ」


…明け方の空が管制塔をまばゆい黄色に照らし、滑走路わきの草は朝露に濡れていた……コンクリート張りの滑走路に今どきの「ユーロファイター・タイフーン」や「パナヴィア・トーネード」が駐機している向こう側、戦時に使われていた草地の駐機場には各「鎮守府」所属で、艦隊の援護のためシチリアへ進出している第二次大戦時のマッキやレジアーネ、サヴォイア・マルケッティの飛行機が集まっている。最初こそ速度や性能の違いから勝手が分からず扱いに困っていたが、今では空軍基地の管制官もすっかりおなじみになっている……


下士官「了解、タラント第六ですね?…すぐ発進させます」紅い電話を置くと士官に声をかけた

下士官「主任、タラント第六所属の戦闘機隊を発進させるよう電話が来ました」

士官「了解…タラント第六は……あぁ、あそこだ」


…科学者にも金モールべたべたの「エライ人」にもどういう仕組みか全くわからないが、古めかしいダイヤル式電話で昔の基地に電話を入れるとちゃんと反応がある……アメリカでは幻想SF作家「ジャック・フィニイ」の「ゲイルズバーグの春を愛す」で、これと似たようなことが起きるので、これを「ゲイルズバーグ現象」と呼んでいたりするらしい……

士官「タラント第六所属の戦闘機隊、出撃要請…目標位置はマルタ島南東沖40キロ。艦隊に向かいつつある敵爆撃機・雷撃機を迎撃されたし」


…電話をかけると受話器越しに当時の基地のざわめきや飛行士たちの悪態が聞こえてくる…士官はそっと電話を置くと「向こうの」滑走路を眺めた……当時の編制から言うとバラバラではあるが、滑らかできれいなデザインのマッキC202「フォルゴーレ」がエンジンを始動させ、当時の格好をした「妖精」なのか、革の飛行服姿のパイロットたちが操縦席に駆けつけ、機付整備兵がエンジン始動クランクを回しているように見える……


下士官「きれいなもんですね。…速度こそ600キロも出ませんが、おれは今のユーロファイターなんかより好きですね」

士官「ああ、俺もガキのころはよくプラモデルで作ったもんさ…」

…「ドルッ、ドルッドルッドルンッ…!」と、低い響きのDB601エンジンを始動させては次々と滑走路から出撃していくC202戦闘機には、当時の航空団(Stormo…ストルモ)や飛行隊(Squadriglia…スクアドリア)のマークが描きこんである…

士官「おーおー…あれは第四航空団だな」…双眼鏡で胴体の飛行隊番号とエンブレムを見ては感想を漏らした


…エースが集う第4航空団は第一次大戦時代の騎兵上がりのエース、「フランチェスコ・バラッカ」にあやかり、王冠をいただいた盾型紋章に「カヴァッリーノ・ランパンテ」(Cavallino Rampante…「後足立ちする若馬」バラッカの個人紋章。戦後にはフェラーリが許可をもらってエンブレムにしている)を描き、第9航空群は黒地に白馬、第10航空群は白地に黒馬と色で分かれている……特に飛行機好きのアヴィエーレが提督にキスの嵐を見舞ったのが中の一機、第10航空群の84飛行隊長「84-1」号機で、1942年にはエース「フランコ・ルッキーニ」大尉(最終スコア21機)その人の乗機だった…


下士官「あれはどこの飛行隊ですか、少尉?」

士官「んー、あれか?…あー、「黒猫」だから…第51航空団だな」


…サンドイエローにオリーヴグリーンで「煙の輪」迷彩を施したマッキの胴体の後部、識別用の白帯の所に黒丸の縁取りをし、その中に「黒猫が前足で薄緑色のハツカネズミを取る」シルエットを描いた第51航空団「黒猫」……エースの「バナナ」ことエンニオ・タラントラもいた航空団で、大戦時はローマ、ナポリ、シチリア、チュニジアと転戦を重ねた…

士官「次は第三航空団か…あそこもキラ星のようにエースがいたはずだったな……」


…やはり白の胴体帯の所に描かれているエンブレムは、薄青の逆三角形の中に「歯を剥きだし手にダガーを持ったハチ」のコミック風イラストが入っている…航空団の名前もそのものずばりで「ヴェスパ・アラビアータ」(怒ったスズメバチ)と言い、「スズメバチ」だけあって多くのエースを出している…


士官「…よし、みんな発進したな。あとはタラント第六の司令官次第だな」

下士官「海軍さんがどれだけ出来るか見ものですね」次第にDB601エンジンの音も遠ざかり、朝の管制塔はまた静かになった…

………
<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/10/28(土) 02:39:10.71 ID:i6ECV5DN0<> …0530時・マルタ島沖数十キロ…

リットリオ「鎮守府から通信、「空軍より情報あり、敵航空機多数接近中!」…機種、おそらくソードフィッシュおよびボーファイター!」

チェザーレ「なら対空戦の準備としゃれこもうか♪」艦橋で朝日を浴びながら紅のマントをひるがえしつつ艦隊を眺めると、320ミリ主砲、100ミリ連装対空砲、20ミリ対空機銃を見回した…

ドリア「みなさん、ちゃんと朝食は済ませました?」昨日は何か考え込んでいて静かだったドリアも、今朝は晴れ晴れとした表情をしている…

デュイリオ「ええ、戦闘配置についていた割には美味しくいただけましたよ♪」

…厨房の火は落としてあったが、軍用の噛みごたえがある胚芽入りクラッカーと「対空戦は目が命」だからと鎮守府から持ち出してきたブルーベリージャム、少し粉っぽいチェダーチーズと胡椒の効いたサラミソーセージの厚切り、タマネギのピクルスにグラス一杯の赤ワインを詰め込んでいた…

エウジェニオ「おかげ様で。冷たいおかずしかなかったけど美味しかったわ」

ガリバルディ「駆逐隊のみんなもちゃんと食べたわね?…途中で空腹になっても相手は待ってくれないのよ?」

アスカーリ「うんとこさ食べたよ…もう腹がくちくなって眠りそうだ♪」

ガリバルディ「寝たら主砲を叩きこむわよ?」

アスカーリ「心配せんでいいだよ、ガリバルディ…いくら何でも爆弾が落っこちてくりゃあ目覚めるだでな♪」ニッと笑ってウィンクしてみせた

アヴィエーレ「それにうちの航空隊も出撃したって言うし、きっとここまでたどり着く前に全機撃墜さ」首に巻いた紅いスカーフをひらりと払って、髪に櫛を入れるアヴィエーレ……

アルティリエーレ「ま、戦闘機の洗礼が済んでもこっちにはリットリオの381ミリ砲が待ってるもの…来るならこい、って所よね♪」

フチリエーレ「…私もきっちり当てて見せますから」

リットリオ「みんなやる気みたいですね♪」

フレッチャー「イタリアさんっていうのはやる気になると強いって言うし…どの程度か見せてちょうだいね?」…朝から「乾燥卵ではない」新鮮な卵で作ったスクランブルドエッグに、ポテトのフレンチフライ、ミックスベジタブルの缶詰、脂っこい焼きソーセージを食べ、満足げに口元を拭っているフレッチャー

リットリオ「ふふ、いいですよ♪」

エンタープライズ「こらこら、フレッチャー。あんまり偉そうにしてるとしっぺ返しを食らうわよ?」

フレッチャー「オーライオーライ…ビッグEがそう言うなら大口は叩かないでおくわ」

エンタープライズ「グッド、それでいいわ…リットリオ、艦隊防空にうちのF6F-5を上げたいの、27ノットまで増速の許可を」

リットリオ「了解、幸い海は凪いでいますし、駆逐艦たちもついてこられるでしょう…許可します♪」

エンタープライズ「ロジャー(了解)…27ノットまで増速!飛行隊は発進準備!」


…すでに甲板に係止していたスリートーン迷彩のF6F「ヘルキャット」にばらばらと搭乗員が駆けつける……ぐっと速度を上げたエンタープライズの、風がひゅうひゅう鳴る甲板で次々とプラット&ホイットニーの「R-2800」、2200馬力のエンジンが回り始める…さすが当時のアメリカ製エンジンだけあって、自機のダイナモだけでちゃんと始動を始め、整備員がクランクを回したり始動車が駆けつける必要もない……


アヴィエーレ「おぉ、すごいね……デザインはともかく、技術じゃとっても追いつけないな…」

エンタープライズ「イェス、何しろジーク(ZEKE…零戦21型)に勝つための機体だから…頑丈さではピカイチだし、装備もなかなかよ?」


…「ヘルキャット」は一見したところがっちりしていて、マッキC202「フォルゴーレ」やC205「ヴェルトロ」のようにほっそりと美しい姿ではなく、ドイツの「メッサーシュミットBf109」のような鋭く精悍なスタイル、あるいは流麗なイギリスの「スピットファイア」やフランスの「ドヴォアティーヌD520」に比べて、いかにも不格好で鈍重そうに見えるが、よく見ると後部胴体はぎゅっとおにぎり型に絞られ、後ろ上方の視界を確保している……何より熟成した技術だけで作り上げられた「ヘルキャット」はまったくトラブルとは縁がない。速度こそ600キロそこそこと、2000馬力級の戦闘機にしては少し遅いが、運動性も意外とよく、分厚い防弾板に自動防漏式の燃料タンク…と、多少の弾にはビクともしない無類の頑丈さを誇り、新米パイロットの多くが助けられている…


エンタープライズ「オーケイ、飛行甲板はオール・クリアー…一番機、クリアー・トゥ・ローンチ(発艦準備よし)……テイクオフ!」…轟々と重々しいエンジン音を上げて発艦するF6F。尾翼にはエンタープライズの符号「M」が白文字で書いてある…

アヴィエーレ「おぉ……おぉぉ」

エンタープライズ「全機発艦!上空で待機させます…これで上空のカバーはばっちり、ノープロブレムです」ぐっと親指を上げて見せるエンタープライズ

リットリオ「了解…ちょっとむずがゆい感じですけどね……」米海軍機と直接撃ち合った経験こそないが、戦中は敵方だった「白い星」の国籍マークを描いたヘルキャットが上空にいるとどうも落ち着かない…

…艦隊後方…

足柄「うー…ぞわぞわするわね……」足柄はリットリオ以上に落ち着かず、首筋辺りを撫でながらちらりと横目で上空を見上げる……

龍田「分かるわぁ……撃たないようにするので必死よぉ…」龍田は見上げるたびに25ミリ対空機銃を向けそうになる…

リシュリュー「おやおや…F6Fとは、何ともいやはや……」こちらは戦後に供与を受け海軍で運用しただけに、懐かしさを込めて優雅に手を振るリシュリュー…

ジャンヌ「懐かしいです、あのころのフランスは栄光に包まれていましたから…」

リシュリュー「ともかく、これで上空は問題なしですな…あとはあちらがどう出るか……」

……… <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/10/29(日) 01:31:47.47 ID:7B+ItLkj0<> …同時刻・鎮守府…

提督「はい、ええ…「ケルケナー諸島の北東十数キロに、重巡二、軽巡三、駆逐艦六の敵艦隊…20ノットで接近中」ですね?…了解」

ライモン「プロットを完了、艦隊への接敵までおよそ一時間!」

提督「結構……もしもし、トラーパニ?…タラント第六ですが、本鎮守府所属の雷撃機隊へ発進を要請します…ええ、はい、助かります…」

トレント「対潜哨戒機から連絡、「トリポリ沖北西数キロに敵コンタクト、針路北西、速度12ノット、数は四…コルヴェット艦「花」級と思われる…」とのことです!」

提督「了解、輸送潜水艦隊に敵座標を転送…追伸に私信で「気を付けて」と伝えて」

トレント「了解、伝達します」

レオーネ「空軍の空中早期警戒機から連絡、「先ほどの敵ソードフィッシュ隊『赤07』には十数機の護衛が合流したもよう…おそらくスピットファイア」とのこと!」

提督「了解……トラーパニ、タラント第六ですが…追加の発進要請です。戦闘機隊の第二波として第73、96、97飛行隊の27機を発進させてください」

トレント「輸送潜水艦隊より打電「了解、潜航し接触を回避する…一同より愛を込めて」とのこと」

提督「了解…あのコンタクトは何?AWACSに問い合わせて!」

レオーネ「了解した」


ミッチャー提督「…うーん」

百合姫提督「相手は航空攻撃の後に艦隊を送り込んでくるつもりでしょうか…」

ミッチャー提督「ほぼ間違いないだろうね、陣形は乱れているし疲れも出るから……だけど空母がいないのが気になるのよ…」

エクレール提督「戦艦もおりませんわね…」

ミッチャー提督「まさかAWACSのレーダーをごまかせるとも思えないけどね…」


…0550時・マルタ島沖…


リットリオ「見えました…だけど、まぶしいですね……!」東から接近してくる雷撃機は昇ってくる太陽を背にしていてまともに直視できそうにない…

アヴィエーレ「ちっ!……だけどあのシルエット、ボーファイターで間違いないよ!」


…接近してくる「ブリストル・ボーファイター」は双発爆撃機「ボーフォート」の戦闘・多用途機型で、一見すると可愛らしく見えないこともない、ずんぐりした丸っこいシルエットだが、イスパノ20ミリ機関砲や爆弾、魚雷、ロケット弾など、多種多様な武装バリエーションと頑丈な機体を持ち「ささやく死神」と自称していた…実際、地中海や大西洋で多くの艦船を屠り、「シップキラー」の称号をほしいままにした恐ろしい相手でもある…

(※ささやく死神…当時の東南アジア戦線で「日本兵がつけた」あだ名だとされるが、そう言ったあだ名は日本側にはなかったのでプロパガンダか……装備している「マーキュリー」エンジンの音が遠くでは聞こえず、接近してから急に大きく聞こえることからイギリス側がそう名付けたらしい)


ガリバルディ「で、うちの空軍はどこにいるのよ!」

アヴィエーレ「まぁまぁ……ほら、来たよ♪」アヴィエーレが満面の笑みを浮かべ上空に向けて指をさした…青い空を背景にして小さくゴマ粒のように見えるのは、きれいな編隊を組んだマッキ「フォルゴーレ」で、稲妻の名にふさわしい勢いで次々とダイブをかけた……

アヴィエーレ「いいぞっ…一機やった!」…高倍率の据え付け型の双眼鏡でのぞくと、低空を這うようにして回避する「ボーファイター」に、次々と「フォルゴーレ」が切り込んでいく様子が見える……フォルゴーレの素晴らしい活躍ぶりにアヴィエーレはぞくぞくした…

ガリバルディ「あら、空軍もやるわね♪…ところでリットリオ、戦闘機の撃ち漏らした雷撃機に対して射撃許可を求めるわ」

リットリオ「はい。…接近してくる相手には任意で射撃を許可します!」

ガリバルディ「了解、じゃあ千人隊の力を見せてやらないとね♪……第一、第二砲塔、目標、右舷二十度の敵雷撃機!距離、16000!…照準!」…ガリバルディの152ミリ三連装主砲が旋回し、仰角を付けた…連装の二番砲塔も同じように旋回して照準をつける……

ガリバルディ「じゃあ、今日の一発目は私からね……一番砲、撃てッ!」バウッ!…と主砲が吼え、遠くの空に煙のシミが残った……

ガリバルディ「うーん…少し短いか……」

リットリオ「なかなかいい位置でしたよ…もう少し上げです」

ガリバルディ「了解…寄ってきてるから15500で行きましょう……二番砲、てっ!」距離を測りつつ一門ずつ放つ…

リットリオ「至近弾です!」

ガリバルディ「私から見ても今のはなかなかいいわ…二番砲塔、照準……撃てっ!」

……… <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/10/29(日) 03:22:35.31 ID:7B+ItLkj0<> …数十分後…

リットリオ「敵機視認!…ソードフィッシュです!」遠くからでも分かる鈍足の複葉機がノロノロと近づいてくる…

エンタープライズ「また古めかしい機体を……でも、油断は禁物ね」骨董品とはいえ「ビスマルク」撃沈のきっかけを作ったりと、大金星を挙げることの多い「ソードフィッシュ」だけに、上空援護の「ヘルキャット」に指示を飛ばし警戒を強めた…

アヴィエーレ「まぁ、うちのフォルゴーレがあっさり片づけてくれるはず……あ、マズイな…スピットだ!」


…それまで悠々とボーファイターとソードフィッシュに食らいついていた「フォルゴーレ」に、今度は深海側の「スピットファイアMkX」が襲いかかる……あごのような不恰好な防砂フィルターのせいで通常型より「十数キロは遅い」砂漠用スピットに対して、「6000メートルまでなら、マッキは空の王者だった」(10機撃墜のエース、フェルナンド・マルヴェッツィ大尉)という「フォルゴーレ」はお互いに好敵手だった……しかも鎮守府の「フォルゴーレ」はアヴィエーレが熱心に育て上げたベテラン揃いだけにそうやすやすと落とされはしない…が、こうなるとフォルゴーレも雷撃機の相手どころではなくなった…


リットリオ「…各艦、対空戦闘の用意を!」

アルティリエーレ「リットリオ…必ず守ってあげるからね!」

リットリオ「グラツィエ♪…アルティリエーレも被弾しちゃダメですからね?」

アルティリエーレ「ええ、任せておいて!」


…しばらくして…


ガリバルディ「ちいっ、しつこいわね!」…落下式増槽の機構がそもそもないマッキC202「フォルゴーレ」はスピット相手に十数分の華麗な空中戦を見せると再補給のために帰投してしまい、リットリオ以下の艦隊は次々と押し寄せるソードフィッシュとボーファイターの対応に追われていた……

アルティリエーレ「回頭、面舵いっぱァーい!」バンバンバンッ!…と20ミリブレダ機銃が次々と保弾板(弾倉の一種)を空にし、時々投下される魚雷をやすやすとかわす……

足柄「全く…零戦の数機でもいたらあっという間なのに!……25ミリ機銃、右舷から雷撃機!」

龍田「あぁ、もう…もっと大きい身体なら防空巡にもなれたのにねぇ!」とぼしい25ミリ対空機銃を振り回し、銃身も焼けよと撃ちまくる足柄と龍田…

ジャンヌ「あぁ、この鈍足がうらめしいです!」…練習巡洋艦だけあって速度は27ノットそこそこのジャンヌ……ブルボン王家の「百合の紋章」が入った小旗を槍につけ、銀の胸甲姿で両脚を踏まえている……

リシュリュー「ノンノン…わたくしはドイツ艦とはひと味違いますよ、モナミ(きみ)?」前部には主砲、後部には副砲と高角砲が集中しているエキセントリックな設計のリシュリューだが、速度は列強の戦艦でもトップクラスで、大きさに似合わず動きが速い…

エンタープライズ「…三番機、機銃の残弾は?…了解、帰投せよ……六番機、敵撃墜を了解…グッジョブ♪」接近される前に次々と「ソードフィッシュ」を撃墜するエンタープライズの搭載機…かつての味方にそっくりな相手を撃つのはやりにくいが、きっちり艦隊防空をこなしている……

フレッチャー「A砲塔、グッドキル!…これでスコアが6機になったわ!」…当時最先端だった「SC」、「SG」レーダーと近接信管として有名な「VT信管」、おまけにヤマアラシのような20ミリ・エリコン機銃や40ミリ・ボフォース機銃が相まって、強烈な弾幕を張り巡らせるフレッチャー…

(※エリコン…多くの国でライセンス生産され、現在でも使用している国があるスイス生まれの傑作20ミリ機関砲。ボフォース…戦中、アメリカやイギリスでライセンス生産され活躍したスウェーデン製40ミリ機関砲、こちらも国によっては現役……たいていの場合20ミリ以上の自動火器は『機関砲』扱いだが、海軍では40ミリ程度までが『機銃』)

リットリオ「…艦隊旗艦より各艦へ、鎮守府より至急報!「…敵艦隊接近、重巡二、軽巡三、駆逐六!」注意してくださいっ」

エウジェニオ「この忙しい所にとんだお客様ね…たとえ美女でも時と場所をわきまえて欲しいわ♪」

エンタープライズ「…リットリオへ、上空の敵はほとんど片付いたので、今度はヘルダイバーとアヴェンジャーを発艦させたいのですが?」


(※カーチス・ヘルダイバー…SB2C急降下爆撃機。ドイツの「シュトゥーカ」に感銘を受け開発され、空母「翔鳳」などを沈めたものの、戦前の設計で型落ちになってしまったSBD「ドーントレス」の後継機。搭載量が「ドーントレス」の倍近い1トンほどになり、マリアナ海戦以降で急降下爆撃を担った。戦艦「大和」や「比叡」などの撃沈に功績があったが安定性など基本設計に問題があり、戦後すぐに退役した)

(※グラマン・アヴェンジャー…TBF/TBM雷撃機。それまでの主力、TBD「デバステーター」は米雷撃機として初の単葉、金属外皮構造と進歩的ではあったが、開戦以後あっという間に旧式化してしまい、その後継機として開発された。全備重量6トン以上と重量級だったが、「グラマン鉄工所」とあだ名されたグラマン社の機体らしい頑丈さと、コクピット後部の動力銃座など実用上役に立つ装備を充実させ、連合艦隊への攻撃から船団護衛まで幅広く活躍した。「TBM」はジェネラル・モーターズ(GM)の生産型で多少改修されている)

リットリオ「了解、発艦をお願いします…でも、うちの方からも雷撃機が来るそうですよ?」

エンタープライズ「それはいいわね…サヴォイア?」

リットリオ「はい、SM79「スパルヴィエロ」(ハイタカ)です♪」

エンタープライズ「了解、じゃあこっちからも援護機を出しましょうか?」

リットリオ「あれだけ空戦を行ってましたけど…状態は大丈夫ですか?」

エンタープライズ「オフコース。まぁ、「ワンサイド・ゲーム」っていうやつね♪」

リットリオ「了解、ではお願いします」

エンタープライズ「オーケイ♪」

<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/10/30(月) 02:40:32.20 ID:B46B86TU0<> アヴィエーレ「……ふぃー…戦闘に入る前に少し詰め込んでおこうかな…」汗をぬぐうと冷水をごくごく飲み干し、小さいサクランボのパイにかぶりついた…甲板上では山と積まれた空薬莢を水兵たちが片づけ、終わると持ち場の周囲で座り込んだ……

リットリオ「そうですね……私から「酒保ゆるす」を出しますから、甘い物なんかは随意に食べちゃってください♪」…そう言うと嬉しそうにクルミ入りパウンドケーキをぱくついた

ドリア「私はまだあんまり活躍していませんが…せっかくなのでいただきましょう♪」カスタードクリームのタルトを丁寧に食べる

足柄「ちょうどひもじくなってきたところだったのよ♪」硝煙で煤けた顔をばしゃばしゃっ…と洗うと手ぬぐいでよく拭き、手鏡を見ながら髪の乱れを直した……満足が行くと懐から取り出した甘納豆とコンペイトウに取りかかった…

龍田「戦闘の後はお腹がすくものねぇ…」缶入りのドロップをいくつか取り出すと口にいれ、頬をふくらませて満足そうにしている龍田…

エンタープライズ「ヘイ、ガールズ!人に艦載機の発艦をさせといてそれはないんじゃない?…私だってお腹ペコペコなのよ?」

フレッチャー「オーケイ、それなら今のビッグEにぴったりな曲をかけよっか♪」

…にやにやしながらレコードを回すと、ビッグバンドの「ベニー・グッドマン楽団」から「ドント・ビー・ザット・ウェイ」(その手はないよ)を流し、ついでに「お口で溶けて手で溶けない」マーブル型チョコレート「M&M」をいくつか口に放り込んだ……

エンタープライズ「はっはっは、ナイス・ジョークね……フレッチャー、後で覚えておきなさいよ?」エンタープライズは「ヘルキャット」や「アヴェンジャー」の発艦を済ませると艦橋の椅子に座り、脚を組むと「ハーシー」のチョコレート・バーにかじりついた……

リシュリュー「…甘い物は素早くエネルギーになりますからね、まことによろしいものですよ」エクレール提督が持たせてくれたマドレーヌをじっくり味わって食べる

ジャンヌ「ふぅ…このジャンヌ、あの程度の戦闘など何ということもありませんでしたが…まぁ、せっかくですし頂くとしましょう♪」待ちきれない様子でリボンをかけた紙袋を開けると、外がさくっとして、中がふわっとしている甘いマドレーヌをつまんだ……

リットリオ「ふふっ、みんな鋭気をやしなってくださいね♪」


…0700時ころ・鎮守府…

トレント「提督、リットリオから打電!…「我が艦隊は敵雷撃機隊の撃退に成功、被害なし。『酒保ゆるす』をかけ菓子を喫食中なり…友軍戦闘機隊、エンタープライズ搭載機ともに大いに活躍、撃墜十数機にのぼる……引き続き、友軍雷撃機の活躍にも期待す」とのことです!」…それを聞くと一同から「わーっ!」と歓声が上がり、提督も少しほっとした……

カヴール「まぁ…よかったです」

ライモン「安心しました…」

提督「そうね…でも敵の艦隊が残っているわ、まだ油断は禁物よ」そう言いながらも小さく息を吐いた…

提督「陽動は上手く行っているみたいだけど、ミッカたちは大丈夫かしら……」レーダー画面に映る、ミッカたちを示した点を見て腕組みした…


…0710時・チュニジア沖数十キロ…

ミッカ「何というか、今日は静かですね……」いつもなら浮上している暇もないほど敵の「アンソン」双発爆撃・哨戒機や「サンダーランド」大型飛行艇がうようよしているが、今日に限ってターコイズブルーの明るい空は静かなままで、何か食べ残しでもくれないかと、物ほしげなカモメが数羽飛んでいるだけの時間が過ぎていた…

ロモロ「水上の敵もいないし、いいことね♪」20ミリ対空機銃以外の武装がない輸送潜水艦「ロモロ」と「レモ」からすればありがたいかぎりで、双眼鏡を持ちながらではあったが、安心してドライフルーツの入ったスポンジケーキをほおばっていた…

カッペリーニ「そうで……左舷三十に艦影っ!」水平線を几帳面に見張っていたカッペリーニが、灰色のシルエットを目ざとく見つけた…

ロモロ「げほっ!…警報!」

ミッカ「急速潜航ッ!……全く、「悪魔の噂をすれば悪魔がやってくる」とはよく言ったものですね!」ハシゴを滑り降り、慌てて司令塔ハッチを閉めて潜航する…

ミッカ「…潜舵戻せ…ようそろ……排気弁閉め…両舷電動機、前進半速……」最後は床に飛び降りたミッカは慌てたあまりレバーに脇腹をぶつけ、ずきずきうずく場所に手を当てて操艦指示をだしていた……頭上を走るパイプからポタポタと水滴が垂れ、深度計が50メートルあたりを指した…

ミッカ「よろしい…潜望鏡深度へ……艦首五度上げ、艦尾五度下げ……水平…」手近なパイプにつかまり、聴音機のヘッドフォンに片耳を当てる……

ミッカ「……どれどれ」潜望鏡に片目を当て、ぐるりと回して周囲を確認した…

…幸い気づかないでいてくれたらしい深海側の艦はコルヴェットの「花」級で、地中海向けらしい淡いグレイと明るいグレイグリーン、ホワイトの迷彩が施されているように見える…が、もっとじっくり観察すると、迷彩に見えるのは「呪われたカリブの海賊」か、さもなければ幽霊船のようになった艦の肌に張りついた海草や貝殻の色で、姿自体もあちこちにくっついたカキ殻やフジツボのせいで、何となくぼんやりかすんで見えることに気がつく……

ミッカ「ここまで来て「花」級に出くわすなんて…」


…一本煙突で艦橋の前面にメインマストがあり、ずんぐりした小タルのような「花」級は1000トンにも満たないような小さいコルヴェットで、速度は18ノットも出ればおんの字…「コルヴェット」とはいうものの、その姿は小さい商船か捕鯨船にしか見えず、水上用の武装も艦首楼に装備された4インチ(10.2センチ)単装砲一門に後部の台上に装備された2ポンド(40ミリ)単装機銃一基とお寒い…が、艦尾には数十発の爆雷と爆雷投射機を据え付け、イギリスが開発し「アスディック」(ASDIC)と呼んでいたソナーも搭載した強敵で、多くの潜水艦が沈められている……商船構造なので軍艦の建造にノウハウのない小さい造船所でも生産でき、小回りが効き実用性に優れた「近海用の優れた対潜コルヴェット」で、イギリス海軍が長く途絶えていた「コルヴェット」の艦種を復活させたほど有効利用され、百隻余りも建造されたどの艦にも花や植物の名前が付けられている……


ミッカ「っ!」…潜望鏡をのぞいていると、艦橋から辺りを眺めている「深海棲艦」の姿が見えた……蒼白と言ってもいい白い肌に、さめたパールグレイのような色の髪…頭には枯れた珊瑚や死んだ貝殻のように真っ白な色をした花飾りをつけている……

ミッカ「もういいです…潜航、深度70メートルで静止……」そのまま聴音を続けていると、一時間ほどでスクリューの音が去って行った… <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/10/31(火) 01:21:51.88 ID:XG9ZMaAL0<> …0800時・ケルケナー諸島沖数十キロ…

リットリオ「では、敵艦隊に備えて陣形を二重くさびにします。エンタープライズ、リシュリュー、足柄、ジャンヌ・ダルク、龍田、フレッチャーは後方について下さい…お客様にキズをつけたら怒られちゃいますから♪」

リシュリュー「せっかくの主砲なのですが…まぁ、仕方ありませんね」

足柄「ま、もてなしてもらっている立場で文句を言っちゃあいけないわよね…龍田、下がるわよ?」

龍田「はぁーい」

フレッチャー「エンタープライズ、私たちも後ろにつかないと……ヘイ!」

エンタープライズ「待って……リットリオ!こっちのアヴェンジャーが接敵したわ!……重巡「州」(カウンティ)級二隻、防空軽巡「C」級二隻、駆逐艦「種族」(トライバル)級二隻に「G」級四隻…現在交戦中!」

リットリオ「了解、では27ノットで急行しましょう!……駆逐隊は大丈夫ですか?」

エウジェニオ「今日は凪ぎだから平気よね…ね、ヴェリーテ?」

ヴェリーテ「はい、エウジェニオ……大丈夫です///」

ガリバルディ「むしろリットリオ、そっちこそ大丈夫?」

(※リットリオの「バルバス・バウ」が当初ひどく振動を起こし、あまりにも波を起こすので艦首1メートルあまりを延長する改修を受けている…公試時には艦橋までしぶきが飛んできて「一番主砲が射撃できない」とまで言われた)

リットリオ「むぅ…ちゃんと改修してありますよ!」

ガリバルディ「ならいいけど、がぶって主砲が撃てないなんて言わないでよ?……期待してるんだから♪」

リットリオ「はい、ちゃーんとリットリオの斉射をお見せしますよ♪」

ガリバルディ「頼むわよ♪」

………

…0830時…


リットリオ「むっ……艦影視認!敵艦隊!」

チェザーレ「待ちくたびれたぞ!…雷撃隊の具合はどうだ?」

エンタープライズ「第一波は魚雷を投下して帰投中です…「ヘルダイバー」は私たちが交戦する頃に上空につくよう時間を合わせてあります」

ドリア「さすがです♪……では、主砲の装填をしましょうか」

リットリオ「そうですね…各砲塔、榴弾を装填!」


…レーダーや電子機器でこそ遅れをとっていたが、なかなか進歩的な所も多いイタリア艦は駆逐艦用の主砲(120ミリ)以上のほとんどに、電動式の自動揚弾、旋回、俯仰機能がついている……リットリオの弾薬庫には自転車のチェーンを大きくしたようなものに、麻袋からコーヒー豆をすくう金属シャベルのような「アレ」を平たくしたような、一種の「樋」がくっ付いている……巨大な砲弾と薬嚢二つがその「樋」に乗せられるとチェーンが駆動し、砲弾と薬嚢は上に向かう「揚弾機」に引き渡されて上昇していく…そのまま砲尾に続いているレールから電動ラマー(弾込め棒)で押し込まれると、砲の尾栓がガチャンと閉じた……


リットリオ「主砲装填完了!…副砲、装填完了!」

チェザーレ「こちらもだ……カウンティ級重巡の装甲ならやすやすと撃ちぬける!」相変わらず大きなローマ軍団の旗をイタリア海軍旗と一緒に掲げ、紅いマントを堂々と後ろになびかせている…

ドリア「装填完了、私も大丈夫です」

デュイリオ「私も大丈夫ですよ…いつでもです♪」
<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/10/31(火) 02:45:16.59 ID:XG9ZMaAL0<> リットリオ「では……待ってください、深海側から平文でこちらに向けて打電してきています!」…まだ敵艦の姿がけし粒ほどの大きさにしか見えない中、急にすっとんきょうな声をあげた……

チェザーレ「うむ、チェザーレも受信している……言うなればイシュカン・コミュニケーションだな…」

リットリオ「えぇと、本文は…「グッド・モーニング、イタリア艦隊の皆さま。こんな遠くまでお散歩ですか?…港に居座る退屈な「任務」を放り出したくなるような好天ですからお気持ちはわかりますが、ちゃんと帰途の燃料はお持ちでしょうか?……こちらもせっかくですのでお近づきになりたいところですが、ここは『戦闘海域』なので、お怪我なさらないよう帰投されることをお勧めします……」ですって!」…イギリスらしさ満載の、皮肉たっぷりで慇懃無礼な電文を読み上げた……

チェザーレ「ブリタニアの野蛮人が生意気なものだ…射程距離に入ったら思い知らせてやらんとな」

アスカーリ「何だァ、あの女ッ子(あまっこ)はずいぶん偉そうでぇか!……もじゃもじゃの海草みてぇな髪ィして、船体にァカキ殻とフジツボをうんとこさくっつけて、鰻の腹か生焼けのパンみてぇな生っちろい色をしておきながらこォだな生意気なこと抜かすか…あの減らず口は魚雷さ一発ぶッ食らわさねぇと閉じねぇだな?」…かんかんになったアスカーリは頭のトルコ帽そこのけに真っ赤になって怒っている

ガリバルディ「ちょっと、落ち着きなさい!……訛がひどくなって何言ってるか分からないじゃない。だいたい、イギリスの連中がああいうこと言うのはいつものことでしょうが…」

リットリオ「むぅ…こうなったら砲撃の前にちゃんと返信してあげようじゃありませんか」

デュイリオ「ふふっ…ならアスカーリの言った「鰻の腹みたいに生白い顔」はぜひ入れませんと♪」

エウジェニオ「イタリア人と悪口の言いあいで勝てると思ったのかしら?……おっと、もちろん砲撃戦でもね♪」

リットリオ「えーと…「ウナギ」の英語が分からないんですが……」

ドリア「エンタープライズに聞けばいかがです?」

リットリオ「…いえ、その単語が分からないから聞きたいんですよ?」

ドリア「あぁ…そうですね……足柄さんならわかるんじゃないでしょうか?」

リットリオ「あぁ!…じゃあ足柄さんに聞いてみましょう♪」さっそく発光信号でモールスを打ちはじめたリットリオ…


…艦隊第二陣…

足柄「リットリオから信号?…やっぱり相手がイギリス艦だからかしら。えーと、なになに…「英語で『ウナギ』の綴りを教えて下さい」?……あー、さっきの電文にやり返そうってわけね…「了解。E・E・Lで『イール』」っと♪」

エンタープライズ「ワッツロォン(どうしたの)?」

足柄「あー…リットリオから「イール」の綴りが知りたいって言って来たの」

エンタープライズ「なるほど…ま、口の上手いイタリアさんだもの……きっとうちのマームもかなわないような「名文」を送ってくれるわよね♪」


…艦隊第一陣…

リットリオ「できました…打電します♪」

チェザーレ「ふふ、どんな返事をくれるかな?」

…リットリオが皮肉とブラックユーモアたっぷりの返信を打電する。その間にも敵艦隊の姿は徐々に大きくなり、今では煙突とマストのてっぺんが水平線からのぞいていた…

リットリオ「打電しました!…ついでですから「ごあいさつ」もしましょうか」精巧なガリレオ社製・二重式測距儀を回し、距離を測る……

リットリオ「目標、敵先頭艦…距離、22000メートル!」

チェザーレ「むむっ…そっちの381ミリ主砲なら楽勝だろうが、こっちの主砲だとぎりぎりだな……」

ドリア「まぁ、せっかくですし」

デュイリオ「そうですよ♪」

チェザーレ「うむ、分かった…照準!」…戦艦四隻の主砲が一斉に右舷よりの敵艦に照準をつける…


…旧イタリア王国海軍では「砲撃の観測が混乱するから」と、一隻の敵艦には一隻の味方艦しか目標を定めてはいけないことになっていた…が、そのせいで攻撃が散漫になり、悪くすると「他艦が目標にしているから」と砲撃を手控えてしまうことさえあった……提督は「もし弾着が見たいなら順番に射撃するようににすればいいし、交叉してからは命中率に構わないで」有力な目標に集中して砲撃を見舞うよう改めさせた…


アスカーリ「しかし提督も面白いことさ言うな……でもたすかに、新しい方法の方がいいかもしれねぇだな」

アヴィエーレ「ふふ、昔のやりかたは色事師が一人で一人を口説くようなものだからね…上手く行くかどうかは相手次第なわけだ」

アスカーリ「そんなら、今のやりかたはどうなるだね?」

アヴィエーレ「んー…うちのレディたちが集団で相手の小娘を手籠めにするようなものかな?」

アスカーリ「そいつはタチがよくねぇだ…」

<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/10/31(火) 12:06:49.26 ID:XG9ZMaAL0<> アヴィエーレ「海戦なんてそんなものだろう?」

ガリバルディ「…二人とも、ばかな事を言ってると砲弾が飛んでくるわよ?」

アスカーリ「了解だぁ」

アヴィエーレ「了解、真面目にやるよ」

アルティリエーレ「いよいよリットリオの斉射が見られる訳ですね…うー、ぞくぞくします」

リットリオ「それでは期待に応えないといけませんね……一番主砲、よーい…てっ!」ゴウッ!…381ミリ主砲が轟き、海面がブラストで波立つ……

チェザーレ「では、チェザーレも続くぞ…撃て!」…さすがにリットリオの主砲には及ばないが、それでも雷鳴のような音を響かせる320ミリ主砲

ドリア「撃て!」

デュイリオ「撃てっ!」

リットリオ「むぅ…近弾です、300伸ばしてください!」

ドリア「まぁ、「初弾から当たる」なんて奇跡みたいなものですから…二番砲塔、照準よろし!」

チェザーレ「どうもこの主砲のやつ…弾着がバラけていけないな……照準よし」

デュイリオ「リットリオ、私も照準よしです」

リットリオ「了解……撃て!」測距儀で見てもまだ小さい敵艦の周りに、白い水柱が次々と上がった…

リットリオ「遠弾…100下げ!」

ドリア「装填完了!」再装填に数分はかかる戦艦の主砲…その間にじりじりと相手の艦影が大きくなってくる……

リットリオ「距離17000…撃てっ!」

ドリア「撃て!」

チェザーレ「撃てっ!」

デュイリオ「撃てぇ!……あら、交叉したようですよ!」

リットリオ「はい、交叉しました!次の斉射は命中するはずです!…三番主砲、撃て!」敵艦隊に向かって斜めになるように接近し、旋回範囲いっぱいに回した後部主砲も射撃に加わる……発射の爆風で艦橋までびりびりと震える…

リットリオ「んっ?……今の斉射はどこに落ちたか見えました?」

ドリア「いえ…もしかして命中したのでは?」

デュイリオ「はい、命中です!こちらから見えました!」

チェザーレ「…ほぅ、リットリオはさすがだな……おっと、そろそろ相手の203ミリも射程圏内か」次第に距離が詰まってくると、白っぽい明色の迷彩を施した敵の艦隊が見えてきた…

ガリバルディ「いよいよね…」

エウジェニオ「リットリオへ、敵重巡はおそらく「ケント」級!…203ミリ砲八門に四連装魚雷発射管二基、速度31ノット!」三本煙突でどっしりしたシルエットの重巡「ケント」級の姿が見え始める…

足柄「ケント級?…それなら私が相手したいわね!」

(※ケント級…約一万トンの条約型重巡「州」(カウンティ)級の第一弾。長大な海上輸送網と植民地警備のために『安くて小さい』軽巡洋艦を多く持ちたかったイギリスだったが、一隻ごとの性能を高くした日・米の8インチ砲重巡に対抗するため、いやいやながら作られた重巡。海軍軍縮条約の『一万トン』という制限の中、速度と火力を重視したせいで装甲が25ミリというお粗末に……「ドイツ海軍を喜ばせるための艦」や、役立たずでお金ばかりかかることから「白いゾウ」などと皮肉られた。戦前に急遽装甲を追加、111ミリとし、大戦中は援ソ船団の護衛や地中海方面作戦で奮戦した……スピットヘッド観艦式で英記者が「飢えた狼」足柄と比較して「ホテルみたいな」艦だと言ったのはこのクラスで、実際に長期の航海に耐えられるよう居住性がよかった)

リットリオ「エウジェニオ、敵重巡はケント級、了解。…足柄さん、出ちゃダメですよ?」

足柄「仕方ないわね…せっかくライバル対決だと思ったのに」

エンタープライズ「リットリオ!本艦搭載の艦爆、間もなく投下コースに入ります!」

リットリオ「了解、投下しちゃってください!」

エンタープライズ「了解、この攻撃をかわしたらほめてあげるわよ♪」…護衛の軽巡と駆逐艦が主砲や八連装2ポンド「ポンポン砲」をふりあげ、急降下する「ヘルダイバー」を阻止しようと砲弾を撃ちあげる……とはいえ、「地獄へと降下する者」九十度に近い角度でダイブをかけるヘルダイバーに命中弾を与えられるような対空砲はほとんどない…たちまち艦隊の周りに水柱が林立する…

アヴィエーレ「これはすごい…!」



<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/11/02(木) 01:40:56.41 ID:S8WH0GsX0<> チェザーレ「一番主砲、再装填完了!…目標、重巡ケント級!……距離は…」測距儀で敵艦を見ると、最初は眼鏡をかけていないときのようにぼやけていて、それが双眼鏡のようにぴたりと鮮明な像を結ぶと正しい距離が出る……

チェザーレ「…16000メートル!」

リットリオ「エウジェニオ、ガリバルディ、もう有効射程でしょう…駆逐隊の先頭にいる「トライバル」級を狙って下さい!」

エウジェニオ「了解、熱い口づけをお見舞いしてあげましょう♪」

ガリバルディ「私の新型主砲の命中率…見せてあげるわよ」…と、水平線近くに機影が見え始めた

フチリエーレ「右舷に機影!」

ガリバルディ「もう、このタイミングで!」

アヴィエーレ「あれはサヴォイアだよ、友軍機だ!……雷撃隊が来てくれたのさ」


…三発エンジンで、操縦席後方が盛り上がったような独特の形をしているサヴォイア・マルケッティSM.79「スパルヴィエロ」がエンジン音を響かせ、水面ぎりぎりに降下する…淡いブルーグレイの腹部に抱いている750キロ魚雷を落とそうと、前部固定機銃を撃ちっぱなしにしながら敵艦隊に突っこんでいき、次々と魚雷を投下するとそのまま深海側の艦隊を突っ切り、離れたところで旋回して去っていく……


リットリオ「投下を確認!……命中は、あったようです!」駆逐艦の一隻が白い煙を上げ、徐々に艦隊から遅れていく…

エンタープライズ「ナイスワーク!…あの雷撃隊、ガッツがあるわ」

リットリオ「ありがとうございます、エンタープライズ♪…艦隊各艦へ、このまま距離を取りつつ交戦します……駆逐隊のみんなには申し訳ないですが、こちらの主砲を有効活用させてもらいましょう!」

レジオナリオ「せっかくチェザーレの前で奮闘してみせようと思ったのに…」

アルティリエーレ「猛練習した砲撃を試したかったわ……」こちらも少し不満そうなアルティリエーレ…

ガリバルディ「まぁまぁ。こっちに損害が出ないのが一番なんだから……それにリットリオの事だもの、相手が駆逐艦だけになったらちゃんと交戦させてくれるわよ」

チェザーレ「うむ、ガリバルディの言うとおりだ…む、煙幕を展張し始めたな……」

ドリア「あれは「G」級駆逐艦ですね……『土ボタル』には見えませんが」

チェザーレ「ふぅむ、「G」級か…だとしたら「ヒッパー」にしたように体当たりしてくるかもしれないぞ?……諸君、注意することだ」

レジオナリオ「大丈夫です、私が一歩も近づけさせはしません!」

チェザーレ「ふふ、心強いな…任せたぞ♪」

レジオナリオ「はいっ!」

リットリオ「むぅ…それにしても照準が付けにくくなりましたね……マストのてっぺんしか見えません」

デュイリオ「仕方ないですよ…集中射撃を加えれば少しは命中弾もあるでしょう」

リットリオ「ええ、そう思います…では、目標は左側の「ケント」級に!」

チェザーレ「うむ、承知した」

ドリア「はい…お昼までに片づけてしまいましょう?」

コルサーロ「ひゅぅ、ドリアの姐さんは何とも勇ましいこって!」

ドリア「もう、姐さんは止めてください」

コルサーロ「でも「姐さん」じゃないとしたら年から言ってもバアさ……いや、何も言ってないだろ」

ドリア「…言ったら怒りますからね♪」

デュイリオ「私も…怒っちゃいますよ♪」

……… <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/11/02(木) 03:16:42.95 ID:S8WH0GsX0<> …1030時…

リットリオ「主砲、てっ!」ゴウッ!…また主砲が吼え、砲弾が飛翔していく……

チェザーレ「むむ…また回避した。重巡にしてはしぶといな…」片方の「ケント」級はエンタープライズの爆撃を受けて停止し、ずぶずぶと沈み始めている……残る一隻のケント級は時おり射撃を見舞いつつ、中破している二隻の「C」級防空軽巡と攻撃を回避している…

足柄「こっちの砲撃も浴びせているって言うのに…いい加減沈みなさいっ!」

リシュリュー「ふむ、なかなか当たらないものですね……」

ドリア「もういい加減にしてほしいですね…撃てっ!」ガウッ、ドォォ…ンッ!……ドリアの主砲が斉射を見舞った…と、水柱の間に包まれたケント級…

リットリオ「お見事、命中です!」…煙幕の間からちらちら見えるケント級は三本煙突の一本が無くなり、三番砲塔もあさっての方向を向いて止まっている

ドリア「まぁ、ここまで上手く命中するとは……それにしてもガリバルディはお見事でしたね」

ガリバルディ「まぁね、軽巡の二隻は私とエウジェニオが仕留めて、それぞれ大破戦闘不能…残りの一隻も被弾していて、もう速度が出ないみたいね」

リットリオ「駆逐艦はどうですか?」

ガリバルディ「あー…トライバル級の一隻はエウジェニオ、レジオナリオ、グラナティエーレと交戦して撃沈。グラナティエーレが二発被弾で小破。G級の一隻はさっき煙幕を展張しようとして前面に出てきたときに、アルティリエーレとアスカーリが砲撃をお見舞いしたわ」

リットリオ「命中しました?」

ガリバルディ「それが分からないのよ、煙幕の影に隠れてくれたものだから…もう一隻のトライバル級はエンタープライズのヘルダイバーが撃沈したわ」

リットリオ「そうですか…いずれにしても見事でしたね♪」…と、硝煙と煙幕の黒い煙を払うように、爽やかな海風が吹きはじめた……

エウジェニオ「まぁ、いい風♪」

ドリア「あら…相手も見えてきましたよ」

チェザーレ「ふむ……さっきのアルティリエーレたちの砲撃は上手く命中したようだな、あそこで傾いているのはG級だろう?」艦首を海面に突っこみ、艦尾が少し持ちあがったまま停止している……

リットリオ「あ…敵重巡、沈没していきます!」次第に沈みながらも後部砲塔が射撃を続けているが、もうそこまでの勢いはない……あたりの海面には海藻がまとわりつき、白化した珊瑚のような色をしている「深海棲艦」の残骸に混じって、大破して停止しているG級が二隻……残りの二隻のG級は旗艦のケント級に許可されたらしく、高速で退避していく…

デュイリオ「さすがに持たないと判断したのでしょう…射撃を継続しますか?」

リットリオ「うーん……心苦しいですが、また脅威になるかもしれませんから…射程距離の間は砲撃を続けて下さい」

デュイリオ「了解」

アスカーリ「ほォら見ろい、あんな事さ言うからこうなるだよ!…あのもじゃもじゃの海藻頭を洗って出直すがいいだ!」途端にヒュッ!…と音を立てて砲弾が至近距離に降り注いだ

アスカーリ「うへ!……あんだね、あの距離で聞こえてるとは地獄耳だぁね…」

ガリバルディ「…リットリオ、G級に斉射をお願いするわ……アスカーリの分をお見舞いしてあげて?」

リットリオ「了解、駆逐艦ですし副砲でいいですね…行きますよぉ?……撃て!」

ガリバルディ「あ、当たったわ。これで少しはこりるでしょうよ……ところでリットリオ、沈みかけの敵艦は降伏させてやりたいのだけど、いいかしら?」

リットリオ「向こうが降伏してくれれば、ですが……向こうの性格を考えるとまず無理でしょうね」

ガリバルディ「それでも一応やってみるわ……そうよね、エウジェニオ?」…そう言っている間にも一隻は二つに折れて沈んでいき、ガリバルディは少しせかすように言った

エウジェニオ「ええ♪…じゃあ私が降伏勧告してあげましょう、取って食べたりはしないから…って♪……みんなは損傷があれば応急修理、なければ空薬莢だとかを片づけて元の陣形に戻って?」

ヴェリーテ「了解」

エウジェニオ「さてさて……そちらのG級駆逐艦へ、こちらはイタリア海軍の軽巡エウジェニオ・ディ・サヴォイア……貴艦は誇りを持って、充分勇敢に戦われたわ。これ以上貴女の勇敢さを示すための戦闘は不要でしょう……軍艦旗を降ろし、私たちの救助を受けられますよう勧告します」

G級「イタリア軽巡エウジェニオへ……たとえ轟沈しようとも、このG級…ホワイト・エンサイン(英海軍旗)を掲げる限り、肉が骨から削ぎとれるまで戦う!…ジョージ国王陛下、万歳ぁぁーい!」青白い姿の「深海棲艦」G級はそう言うと、1基だけ発射可能だった魚雷発射管の四発を一気に放った

ガリバルディ「危ないっ!」

エウジェニオ「…っ!」さいわい速度を落としきっていなかったので、慌てて舵を切り回避するエウジェニオ

コルサーロ「エウジェニオ!……こんちくしょうめっ!」撃つ機会のあまりなかった120ミリ連装主砲を近距離から叩き込む…

G級「………」喫水線下に砲弾を浴び、滑らかに沈んで行った…

コルサーロ「大丈夫かよ!エウジェニオっ?」

エウジェニオ「ええ…やるかも知れないと思ってたから大丈夫。それにあのG級はもう沈みかけてたし、貴女が撃つまでもなかったわ……でも気持ちは嬉しかったわよ、コルサーロ」

コルサーロ「お、おぅ…とにかく無事で何よりだ///」

リットリオ「…とにかく目的は達したわけですし…そろそろ帰投しましょう」

エンタープライズ「そうね…それにしても、最後に「ジョージ国王陛下万歳」ねぇ…今はエリザベス女王の時代だっていうのに……」頭を振ってため息をついた…

………
<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/11/02(木) 03:46:11.90 ID:S8WH0GsX0<> …登場艦解説…


駆逐艦…「トライバル」(種族)級


…第一次大戦の頃にもあった、世界各地の「原住民」の種族名をつけた駆逐艦。第一次大戦時の「旧トライバル」級では損害を受けてそれぞれ前半分と後ろ半分だけになった「ズールー」と「ヌビアン」を接合した「ズビアン」のエピソードが有名


第二次大戦時の「トライバル」級は1934頃から計画され、1938〜39年に竣工した新型駆逐艦で、それまでの「A」〜「I」級駆逐艦で『数を揃えるために安上がりで強雷装』の小さい艦ばかり作っていたイギリスが、『12.7センチ砲を搭載した日独の駆逐艦に対抗する』ため、砲力を高めた大型駆逐艦…基準排水量1870トンで速度36.5ノットの二本煙突艦


…武装は対空射撃可能な4.7インチ(12センチ)連装砲4基、21インチ(53.3センチ)4連装魚雷発射管1基、2ポンド4連装「ポンポン砲」1基、12.7ミリ4連装機銃1基、爆雷投射機2基と爆雷20発……と、当時としては水上火力、近接対空火力がかなり高かったが、開戦後はさらに対空火器が必要と分かり、生き残っていた艦は三番主砲を4インチ(10.2センチ)高角砲に換装した。優秀な駆逐艦だったが『駆逐艦にしては大きすぎるし高すぎる』と、保守的なイギリス海軍ならではの文句も出た


……ドイツのポケット戦艦「アドミラル・グラーフ・シュペー」が捕虜にしたイギリス人を乗せ(当時中立だった)ノルウェーのフィヨルドに逃げ込んだドイツ補給艦、「アルトマルク」に切り込みをかけ、これを拿捕した「コサック」の勇敢さと、その時の切り込み隊が叫んだとされる「イギリス海軍ここにあり!」は有名…が、性能が良かったぶん厳しい戦場に投入され、16隻のうち残ったのは4隻だった


………


駆逐艦「G」級


1933年計画艦で9隻が1936年就役。排水量は1335トン(嚮導型は1485トン)で速度36ノット


すべて「G」から始まる艦名をつけている駆逐艦で、前級「F」級の縮小・改修型。

1933年の演習で、それまでの4連装魚雷を積んだ駆逐艦による集団攻撃だと「一つの目標(大物)に集中しすぎてしまう」と分かり、一隻で充分目標を撃沈できるような「強雷装艦」を意識し始めた。そのため、「グローウォーム」(Glowworm…ツチボタル)に21インチ(53.3センチ)5連装魚雷発射管2基を試験的に搭載したことが特徴的


武装は4.7インチ単装砲4基(嚮導型は5基)、21インチ魚雷4連装発射管2基(グローウォームは5連装2基)、12.7ミリ4連装機銃2基、爆雷投射機2基、爆雷20個


…有名なのは5連装魚雷を装備した「グローウォーム」で、ノルウェー作戦で交戦中弾薬を撃ちつくし、ドイツ重巡「アドミラル(アトミラール)・ヒッパー」に体当たりした勇敢な最後が知られる。戦後イギリスの作家アリステア・マクリーンが書いた「女王陛下のユリシーズ号」ではそれを下敷きにした場面が出てくるなどイギリスにとっては記憶に残る駆逐艦……どの艦も地中海や大西洋の厳しい戦場で酷使され、生き残ったのは3隻だけだった


………





<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/11/04(土) 01:38:54.46 ID:t5GlZMuX0<> …1100時ころ・鎮守府…

ガルヴァーニ(ブリン級大型潜)「提督、陽動艦隊より打電!…「リットリオより鎮守府。…我、重巡二隻を含む深海側の戦隊11隻と交戦し、「リットリオ」および「エンタープライズ」搭載機、それぞれ重巡「ケント」級を撃沈。「C」級軽巡二隻を「ガリバルディ」、「エウジェニオ」が協同撃沈。一隻は「ガリバルディ」の砲撃により大破沈没…「トライバル」級駆逐艦二隻のうち一隻は「エンタープライズ」搭載機、もう一隻は「エウジェニオ」、「レジオナリオ」、「グラナティエーレ」が協同撃沈……」


ミッチャー提督「グレイト…ビッグEは後でほめてやらないと……」


ガルヴァーニ「…「G」級駆逐艦のうち一隻は「アルティリエーレ」、「アスカーリ」の砲撃により大破、救難開始直前に両断し沈没。一隻は大破航行不能状態にあり「エウジェニオ」が救難を試みたものの、雷撃を行い抵抗したため「コルサーロ」が砲撃し撃沈…残る二隻は約30ノットの高速で退避、「リットリオ」以下砲撃の数斉射を行うも命中弾は得られず…」


提督「深追いは危険だからそれでいいわ、リットリオの好判断ね……」


ガルヴァーニ「…以上の戦果を挙げ、損害は「グラナティエーレ」の駆逐艦主砲による被弾二発、および「チェザーレへ」の至近弾による損傷のみ。各艦見事な働きをし、特に「エンタープライズ」、「フレッチャー」、「足柄」の奮闘見事なり…」損害軽微と聞いた途端に部屋中でわぁぁっ!…と黄色い歓声が上がった……


百合姫提督「……ふふ…きっと二人とも頑張ったのね。…弾よけのお守り、効果があってよかったわ」

エクレール提督「…リシュリューとジャンヌが被弾するわけありませんものね♪」

提督「ちょっと、みんな静かに!…気持ちは分かるけど……ガルヴァーニ、続きは?」


ガルヴァーニ「…よって陽動艦隊は当初の目的を達し損害軽微。燃料、砲弾にも余裕あり。引き続き作戦を継続するか指示乞う」…とのことですが」



提督「了解…「鎮守府よりリットリオ。…「リットリオ」以下、艦隊の目標達成を心より嬉しく思う。…が、それ以上に各艦に重大な被害がなかったことが喜ばしい。「リットリオ」の艦隊指揮および各艦の技量は称賛に値する……作戦継続については、当初の目的は達成された以上『長居は不要』…敵制空権下より退避し、帰途にマルタ島周辺海域を哨戒し帰投せよ」…書けた?」

ガルヴァーニ「書きました…これで打電しますか?」

提督「いいえ。『追伸』として…「今回支援に加わった「エンタープライズ」、「フレッチャー」、「リシュリュー」、「ジャンヌ・ダルク」、「足柄」、「龍田」には厚く感謝の意を表明し、それぞれの提督たちに代わりキスを送る……ねぎらいと心からの愛を込めて。フランチェスカ」としてもらえる?」


ガルヴァーニ「了解…打電しました」

提督「…ふぅ、やったわ♪……後はロモロたち輸送潜水艦とサイント・ボンたち『輸送船団攻撃』組の作戦完了待ちね」

ミッチャー提督「リットリオたちもこっちに近づくほど援護が受けやすくなるからね…もっとも、近場とはいえ海中に潜んでいる奴がいるかも知れないけど……」

百合姫提督「そうね。私も出撃の時はいつも言っているの…『作戦は帰投するまでが作戦です』って」

提督「そうね…でも少し安心したわ……って、安心したらお腹が空いてきたわね…」

ミッチャー提督「ははっ、きっとリットリオたちもそうなんじゃないの?」


…数分後・ケルケナー諸島沖…

リットリオ「「…心からの愛を込めて。フランチェスカ」……エンタープライズたちはそう言ってもらえてうらやましいです」

エンタープライズ「もう、リットリオだってうんと褒められてるじゃないの」

チェザーレ「うむ、その通りだ…それにリットリオ、頬をふくらませている時間があったら提督の言うように退避した方がいいと思うが?」

リットリオ「ほっぺたなんて膨らませてませんっ!…そうですね、輪形陣を取って退避します。針路北北東、20ノット……チェザーレ、至近弾を受けたそうですが、20ノット出せますか?」

チェザーレ「うむ、チェザーレは大丈夫だ。喫水線より上だったのでな」

グラナティエーレ「それにしても…お腹がぺこぺこ」

エウジェニオ「駆逐艦はすぐお腹空くのよね。可愛いわ…ぁ♪」

グラナティエーレ「何よ、そのいやらしい目つきは……とにかく、食事にしましょうよ」

リットリオ「そうですね…戦闘配置はまだ解きませんから、冷たいものが中心になりますが……」

グラナティエーレ「いやいや、これで充分よ…」軍用クラッカーにレバーのパテや厚切りチーズ、サーディン、キュウリのピクルス…と、一枚ごとに違うものを載せると、ワインの小瓶とオレンジ一つを横に置いて食べ始めた……

足柄「何だか美味しそうなもの食べてるわねぇ……もっとも、これのほうが落ち着くけど♪」三角形の『握り飯』は戦闘配置に就いていたせいで悠長なことはやっていられないと、梅干しだけのものが二つ入っていた…と、龍田から信号が送られてくる……

足柄「どうしたのかしら…なになに「…今日のお昼はぜいたくね『卵焼き』と『かまぼこ』が入っているわ♪」……ですって?ちょっと待ってよ、私の方はそんな贅沢してないって言うのに、何で龍田が「かまぼこ」だの「卵焼き」だのって……どこで「ギンバエ」したわけ?」(※ギンバエ…たかること)
<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/11/04(土) 03:00:18.98 ID:t5GlZMuX0<> 足柄「えーと?…「双眼鏡で見てみれば分かるわ」ですって?」…双眼鏡で龍田の艦橋を拡大すると、指で黄色い何かをつまんでいたずらっぽい笑みを浮かべている龍田が見える……

足柄「あれ、どう見てもたくあんにしか見えないけど……って、落語じゃない!」

(※落語「花見酒」…貧乏長屋の一同が茶目っ気のある大家につき合わされ、「ものがないなりに」花見を楽しもうとする噺…『卵焼き』はたくあん、『かまぼこ』は大根の漬物、酒は番茶の煮だしたものと、『お酒盛り』ならぬ『おチャカ盛り』をする)


足柄「ってことは…「かまぼこ」は大根の漬物なわけね?」信号をやり取りすると、龍田がうなずいているのが見えた…

足柄「もう、ばかばかしい…それならこっちは浴びるほど『酒』を飲んでやるわよ♪」アルマイトのやかんから湯呑みに注いだ、冷めたほうじ茶をぐいぐいあおる…

足柄「ふぅ…のどが渇いてたからちょうどいいわ……それにしてもあれだけ撃ちまくられて損害なし…やっぱり提督のお守りが効いたのね……」首から提げていた紫のお守りを撫でた…


…一方・龍田…


龍田「ふふっ、足柄ったらあんなにびっくりして…驚かせるかいがあるわぁ♪」指先についた米粒をひょいとつまみ、それから残っていた「卵焼き」を口に入れてばりばり噛んだ…

龍田「そういえば…まだ鉢巻きを取ってなかったわ」トンボの柄が入っている縁起のいい鉢巻きを取ると、額を拭い椅子に腰かける……周囲は上天気でからりと暑く、ちぎれ雲がいくつかぷかぷかと浮いている…

龍田「ごくん…ごくんっ……」やかんのほうじ茶を湯呑みに注いで飲みほした……それからしげしげとお守りを眺める…足柄のは紫だが龍田のは紅で、「竜田川」だけに金のもみじが刺繍してある……

龍田「提督も物好きよねぇ…うちの艦隊みんなにこれをあげるなんて……おかげでしばらくはすっかり毛が無くなっちゃったのよね…♪」ひとりごとを言いながらその様子を思い出して、少しいやらしい微笑を浮かべる龍田……

龍田「ふー…涼しくなってきたし、後は戻るまで何も出てこなければいいわねぇ……」双眼鏡を巡らせ、流麗なイタリア艦を観察する龍田…ちょうど左舷には「ジュリオ・チェザーレ」が並んでいる……


…チェザーレ艦上…

チェザーレ「うむ、美味い」…食に「こだわりがない」と言えばうそになるが、サラダオイルが「髪用の香油」でも怒らなかったり、出された物に「文句をつけながら食べる」ようなことはしないよう部下を戒めたりしたチェザーレだけあって、冷菜ばかりの昼食にも文句をつけず食べている……

チェザーレ「厚切りのチーズはいいな…噛みごたえがある……」癖のあるゴルゴンゾーラ・チーズをしっかり味わい、小瓶の赤ワインで流し込む…

チェザーレ「ふむ…ワインも上等だ。ポーラの鑑定眼には感謝せねば……」ラベルをしげしげと見てつぶやく…

チェザーレ「それにこの軍用クラッカーも食感がざくざくしていてそう悪くない……戦中の「アジノ・モルテ」やポレンタ(トウモロコシのオートミールのようなもの。貧しい食事の代名詞)ばかりの食事に比べれば「雲泥の差」というやつであるな…」最後の一枚には黄色いバターとラズベリージャムを塗り、こぼさないよう口に運んだ……


(※アジノ・モルテ…「死んだロバ」缶。「砂漠のキツネ」にも書かれている戦中イタリアの軍用牛缶で、『AM』と印字されていたが、相当まずかったことからイタリア兵がつけたあだ名。ドイツ軍にも提供され「アルター・マン」(爺さん)とか、「アルマー・ムッソリーニ」(死んだムッソリーニ)などと散々に言われた)


チェザーレ「しかし…ロモロたち輸送潜は上手くやっているだろうか」食べ終わってナプキンで両手を拭うと、じっと考え込んだ…


…同時刻・チュニジア沿岸から百キロ圏内…


ロモロ「はぁぁ…っ、空気が美味しいし空が眩しい!」またしてもウロウロしていたコルヴェット「花」(フラワー)級のせいで潜航を余儀なくされていたミッカ以下の「輸送潜水艦」隊……やっと静かになって浮上したロモロはハッチを開けて周囲を警戒し、それが済むと「うーん…」と伸びをした

レモ「ねぇ、お昼食べよっ?」

ミッカ「そうですね…お昼にしましょう」…ミッカは司令塔にお盆を持ってきて折りたたみ椅子に腰かけ、周囲に目をこらしつつ黒オリーブとチーズをつまみ、タマネギやズッキーニ、ニンジン、それにえんどう豆やヒヨコマメを煮こんだ具だくさんのトマトスープをすすりつつ、フォカッチャをちぎった…

レモ「んー、デリシャスメル……んぅ、美味しい♪」

ロモロ「ほんとにね♪」ロモロとレモは二人とも同じ考えだったらしく、ほぐした固ゆで卵とアンチョビを薄切りのパンにのせ、黒胡椒を利かせたオープンサンドウィッチにかぶりついた……

カッペリーニ「私もお昼にしましょう…おぉ、潜航明けと言うのもありましょうが、これは美味ですね♪」…カッペリーニは裂いた冷製チキンと紅いパプリカのマリネをパンで挟み込んで丁寧に食べる……

アトロポ「私もお昼としましょう」…タンの燻製と赤玉ねぎのマリネ、それにチーズとモモの缶詰を開けた

トレーリ「みんな美味しそうですね♪」ニンニクと唐辛子、タマネギをゆっくり油で温めて香りを出し、そこに加えた生米をトマトスープで煮こんだ舌触りのいいリゾットをクラッカーと一緒に口に運んだ……

ミッカ「いよいよ沿岸部に近づきますから、みんなしっかり食べておかないとだめですよ?」

レモ「りょうかーい…でもレモは船倉が一杯だから船体は重いし、しっかり食べたらお腹まで重くなっちゃうね♪」

ミッカ「そこはまぁ…上手くやって下さいな」

ロモロ「そうよ、食べる量ぐらいきっちりわきまえなさい」

レモ「へぇ…お姉ちゃんだって狼みたいにがつがつ食べてるくせにね♪」

ロモロ「あ…そういうこと言うの」

ミッカ「二人とも、食べ終わったなら周囲の警戒です」

ロモロ「了解」

レモ「はぁーい♪」
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/11/04(土) 23:30:29.30 ID:NsvmvjYwo<> 乙 <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/11/05(日) 00:09:48.37 ID:AcktoGgC0<> >>876 まずは「乙」をありがとうございます…



…えーと…たびたびで申し訳ないですが間違いがあります…

>>875 は「花見酒」ではなくて「長屋の花見」の間違いで、「花見酒」は酒好きの二人が店のない桜の名所に天秤棒に吊るした桶の酒を売りに行こうと考えるも、お互いに元手のお金を行ったり来たりさせては「買って」飲んでしまうという噺で、「で、お互いに買って飲んじまったのか…してみると無駄はねぇや」でおなじみのアレです……なんにせよ、眠い時に書くと本当にどうしようもない粗忽をやらかしてしまいますね…すみませんでした


……ちなみに、もうしばらくしたらちゃんと百合姫提督×足柄あたりで百合っぽい場面を書こうと思っていますので、代わり映えのしない作戦行動の場面が続きますけれどもご勘弁を……
<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/11/05(日) 01:43:04.61 ID:AcktoGgC0<> …1600時・鎮守府…

提督「んー…すん…すんっ……」明け方の仮眠をのぞいては、昨晩からずっと通信室に詰めていた提督……少し状況が安定したせいもあって、昨日からシャワーも浴びず過ごしていたことが気になるらしい……制服の襟元を嗅いだりしては眉をひそめていた…

エクレール提督「…一体どうしたんですの?」

提督「いえ、少し臭うんじゃないかって気になって…でも、お風呂に行っている間に状況が変わったらと思うと……」

エクレール提督「香水はつけてみました?…少しはさっぱりした感じになりますわ」

提督「ええ…一応つけてみたんだけど……」小さい「フェラーリ」の香水瓶を手の中で揺らした……

エクレール提督「どれ…少しつけてみて下さいな」手首に一吹きしてもらうと、小粋なエクレール提督らしく手首を揺らしてファースト・ノット(立ちのぼる最初の香り)を嗅ぎ、それからセカンド・ノットの香りをじっくり吸い込んだ…

提督「どう、マリー?」

エクレール提督「そうですわね…てっきり自動車メーカーだけに潤滑油の匂いでもする香水かと思いましたが、なかなかいい香りですわ」

ミッチャー提督「へぇ…どれどれ」提督の首筋に鼻を近づける

提督「ちょっと、ジェーン…昨日からまともにお風呂に入っていないからだめよ///」

ミッチャー提督「平気平気♪……私なんてハワイでむちゃくちゃ忙しかった時、三日も入浴もシャワーも抜きだったわよ?」

百合姫提督「それにフランチェスカ、全然臭ったりしてないわ。でも…もしよかったらシャワーだけでも浴びて来たら?やっぱり爽やかな気分の方が頭が冴えると思うの」

ザラ「そうね、私も行って来た方がいいと思うの。何かあったら内線で呼ぶし…」

フィウメ「私たちでも充分無線への対応は出来ますから…どうぞ行ってきてください」

提督「そう、じゃあ部屋でシャワーを浴びて来るから…十分で戻るわ」駆け足で飛び出して行った…

カヴール「ふふっ、真面目なんですから…♪」

ヴェットール・ピサニ(ピサニ級中型潜)「それが提督のいい所だろう…もっとも、潜水艦ではシャワーも浴室もなかったからな。数日どころか数週間は洗面台の塩水で海水石けんを使うのがせいぜいだった……気にすることもあるまいに、年頃のお嬢さんだな♪」

ナウティロ(フルット級中型潜)「まったくです…それにドイツ潜なんかは『清潔ぶってると獲物が逃げる』なんて言ってました……」

ピサニ「では輸送船攻撃にいそしむサイント・ボンたちのためにも風呂は止めるか、はははっ!」

ナウティロ「それは止めて下さいよ?…隣は私なんですから。だいたい、カーニたちだってまともに入浴なんか出来ていないはずですし、ピサニまでやらなくても……」

ピサニ「ははっ、冗談だ……それにしても、カーニたちの『獲物』が見つかるといいがな」


…リビア沖数十キロ・海中…

アミラーリオ・カーニ「ふぅ…潜航中とはいえ蒸し暑いですね……」


…それまでの二日間、「アミラーリオ・カーニ」級の四隻はチュニジアからリビア沖にかけて、深海棲艦の「輸送船」がケルケナー諸島へ向かうための「補給ルート」を逆走するように、西から東へと航行していた…が、ちっとも相手に出くわさないので一時間ほど前から潜航し、深海棲艦の「スクリュー音」でも聞こえないかと全周囲聴音で索敵していた……艦内のむっとこもった空気はじっとりと蒸し暑く、カーニの豊満な身体から汗がしたたり落ちては大きな胸の谷間やずっしりと重量感のあるヒップ、むちむちしたふとももの間にたまる……


カーニ「上着は脱いでしまいましたし……あと脱げるものは…」金モールの付いた白い提督の服とサーベルの剣帯、ぴっちりとした競泳水着風の「艤装」は艦長室のハンガーにかけてある……カーニが改めて見おろした上半身は汗でびしゃびしゃの開襟シャツ一枚、下はカーキ色の半ズボンに革のサンダル…と、当時のイタリア陸軍や空挺隊の熱帯用装備をかき集めたような恰好をしている……

カーニ「…誰かが見ているわけでもないし、別にかまいませんよね……?」正確には当時の格好をした乗組員の「幻影」のようなものが配置に就いているが、彼らは直接どうこうするわけでもなく、「艦娘」を見たり聞いたりもしないので気にならない…

カーニ「んっ…くうっ!」茶革のベルトを外すとふとももに張りついている半ズボンを脱ごうと身をよじらせ、そのたびにばるんっ!…と乳房が揺れて汗が飛び散る……

カーニ「くっ…えいっ!……ふぅ、ふぅ…ふぅー…」何とかズボンを脱ぎ捨てると、白いショーツからはち切れそうなヒップが揺れ、ヒップと秘所の割れ目に布地が食い込んだ…

カーニ「はぁー…少しは涼しいですけど……あんまり変わらなかったですね…」と、潜望鏡をのぞいたカーニは一瞬ぱちぱちとまばたきし、それから水平線のかなたに霞んで見える船団の姿を見つけた。……ほんの少しだけ空より色の濃いシルエットを見つけると、全速で船団を追跡できるよう浮上の用意に取りかかった…

……… <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/11/07(火) 01:54:49.59 ID:SUGckN2v0<> …1800時・シルテ湾の沖合十数キロ…


カーニ「機関両舷全速!左舷二十度へ転針!……明るいうちにあの船団の横手に回り込みます!」

サイント・ボン「承知した。しかし機関が全力だと気持ちのいいものだ……こう、元気が出てくるようだな」

カラッチォロ「ええ…それにしても、夕風が涼しくて気持ちが良いですね」

カーニ「そうですね……くしゅっ!」西日が傾くと急に涼しくなって、カーニは慌てて長ズボンを引っ張り出してきた…

ミロ「カーニ、夜は冷えますよ?」

カーニ「分かってます…ちゃんと着ましたよ」


…1900時…

……リビアにあるシルテ(スルト)とベンガジの間、南に大きくくぼんでいる形のシルテ湾…戦中はイタリア領リビアの「キレナイカ」と言われていた地方を結ぶ沿岸航路で、その岸辺にある「エル・アゲイラ」「メルサ・ブレガ」「ベンガジ」と言った場所は、『砂漠のキツネ』ロンメル将軍と、それにどうにかついて行こうとしたイタリア王国陸軍が砂煙をあげて駆け回った場所でもある……今はリビア領になっているが最近は沿岸に「深海棲艦」が跳梁跋扈していて、民間船は行き来できずにいる……


サイント・ボン「ふむ…少々船団攻撃には不向きな晩ですな……」ちらりと上空を見上げる「アミラーリオ・サイント・ボン」……船団の隻数や護衛艦艇を観察していたが、沈んだばかりの夕日に代わって銀色の月が明るく水面を照らしているのを見て、大きく肩をすくめた…

カーニ「ええ、月が明るすぎますね…」カーニたちは日が沈むまでに船団の北側へと回り込むことが出来たので、船団は月光を背にして浮かび上がり、反対に自分たちは月のない海面を航行していた…が、それにしても月光が明るすぎた……司令塔の窓越しに双眼鏡でのぞくと、深海棲艦の薄暗いシルエットがいくつも並んでいるのが見える……

ミロ「それにしても大物がいっぱいいますね…護衛も少ないようですし……」向こうにぼんやり浮かび上がっている深海側の「船団」には、大きなデリックのあるものや、艦首楼のあるもの、はたまた三島式の構造をした昔懐かしい形の貨物船……のような「深海棲艦」が、四列縦隊の四角い陣形を作っている…


(※三島式…「みしましき」。三島型「さんとうがた」とも。…船首、中央、後部に一段高くなった楼を設けているタイプの貨物船で、大戦頃までは多く建造された。間のウェル・デッキ(窪み)が船倉部分になるが、今では輸送効率が悪いのでほとんど建造されない)


カラッチォロ「そうですね…ずいぶん手薄に見えます…」貨物船より色の淡いコルヴェット「花」級の迷彩姿が二つに、「ハント」級護衛駆逐艦らしいほっそりした姿が一つ……

カーニ「これだけ月が明るいと潜水攻撃でしょうかね…」昼の暑さは日が沈むとあっという間に消え、今度はうすら寒く感じるほどだった……革のコートを羽織り、あごに指を当てるカーニ

サイント・ボン「それがよろしいのではないかな?」

カラッチォロ「私もそう思いますが…戦隊の先任はカーニですから」

カーニ「……分かりました、潜航して雷撃します!」

サイント・ボン「了解した」

ミロ「了解」

カーニ「ここが正念場ですね…!」…するりと潜航するサイント・ボンたちに続いて、カーニも潜航をかけた


…潜航したカーニは潜望鏡に取りつき、しきりに左右を見回す……船団の向こうに護衛艦艇はいないか、距離を取っている間接護衛のコルヴェットはいないかと探し回ったが、結局護衛は三隻だけのように見える……


カーニ「そういうこともあるのでしょうか……敵船団、相対方位080度!…速度、9ノット!…距離、2000メートル!……魚雷深度は3メートル!…前部魚雷発射管一番から八番、後部発射管一番から六番まで注水!」魚雷発射管前扉を開けられるよう、発射管に注水して圧力を慣らす…発射管がゴロゴロ言って注水が終わる……


カーニ「発射管前扉開け!……発射は扇状発射で、指揮はここでとります!」

…これがドイツ潜なら傑作映画「U・ボート」(Das Boat)から、クラウス・ドルディンガーの名曲「U-96のテーマ」が流れるような場面で、カーニは士官帽を後ろ前にして潜望鏡をのぞきこむと、いかにも重そうな輸送船を眺めた……そしてU・ボートなら、照準器に繋がった自動計算機が相手の針路や角度に合わせて照準を自動で調整してくれるが、残念ながらイタリア潜にはそこまで進んだ装置はついていない……カーニは速度と見越し角を計算しながら針路を変える…


カーニ「第一の目標は船団中央のあれにしましょう…回頭、面舵一杯っ!」次第に艦の正面へ回ってくる、一万トンはありそうな重々しいシルエットに狙いを定めた……緊張と興奮で冷たい汗がしたたり、潜望鏡をつかむ手も汗でぬるぬるする……

カーニ「……前部発射管一番から八番、よーい……発射!」頃合いのいい所で、ドスッ…と細身の450ミリ魚雷が扇状に撃ちだされる……

カーニ「そのまま回頭!後部一番から六番、よーい…撃て!」ぐるりと円を描くように舵を回しながら、後部発射管の六発も撃ちだしたカーニ…

カーニ「お願いだから…ちゃんと当たってね……」潜望鏡を眺めていると、魚雷に気づいたらしい一隻が照明弾を打ちあげ、途端に船団は大混乱になった…不意打ちで、しかも14門の発射管を持つ「カーニ級」四隻からの一斉発射……さすがに「ハント」級は駆逐艦だけあってかわしたようだったが、深海の「輸送艦」は次々と水柱を噴き上げて速度を落としていく……

カーニ「やった、命中っ!……発射管前扉閉め!潜航!」慌てて駆けまわる「ハント」級と「花」級の追跡をかわそうと一気に潜航するカーニ…提督が測量部に頼んで用意してくれた海図とにらめっこして海流の強い所を選ぶと、力不足の電動機が出せる速力に数ノットを足す……

カーニ「はぁぁ…あとは誰にも爆雷が来なければいいんですが……」そう言っている間にも遠い爆雷の「ズシーン」というイヤな響きが聞こえてきた…

カーニ「どうかみんなが無事でありますように…」気づかれないように慎重に舵を取って戦闘海域から抜け出した…

………
<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/11/08(水) 01:00:22.74 ID:eJpUH/mv0<> …0040時・鎮守府…

提督「フルット…カーニたちからの打電は?」

…まだ夜も宵のうちに「攻撃開始」の暗号電を送って来てからと言うもの、数時間も梨のつぶて状態でだんまりのカーニたち…振り払っても振り払ってもイヤな予感がして、胃に冷たいしこりが出来ている気分の提督だったが、艦娘たちの前で落ち着きを失ってはいけないとしっかりと椅子に座り直し、もう六杯は飲んでいる冷めかけのコーヒーをすすった……

フルット「いえ、まだ……」交代して艦隊向け通信機の席に着いているフルットも、整った顔を少し心配そうにしかめている…

提督「そう…いくら爆雷攻撃を受けたにしても、ここまで遅いと気になるわね……」

カヴール「まぁまぁ。もしかしたら哨戒機が飛んでいて浮上出来ないのかもしれませんし、通信アンテナが破損したのかもしれません……淹れたてのコーヒーを持ってきて差し上げますね」つとめて穏やかに振る舞うカヴールだが、落ち着きなく首にかけた小さい十字架をいじくっている…

提督「あー…コーヒーは止めておくわ、胃がむかむかするから……」

カヴール「では食堂から何か持ってきましょう…」すっと立ち上がって扉を開けた…

フルット「カーニから打電あり!」

提督「本当っ!?……こほん…内容は?」ガタンと椅子から跳ね起きたが、慌てて冷静な様子で聞き直した…

フルット「はい、内容は…「船団攻撃成功。斉射によって「輸送船」タイプ八隻を撃沈。他に輸送船四隻航行不能、「花」級一隻を含む三隻を大破させ、「ハント」級護衛駆逐艦および「花」級コルヴェットにより五時間にわたり爆雷攻撃を受く……」だそうです」

提督「そう…みんな無事なのね?」

フルット「はい、まだ電文の続きがあります…「追跡を受けた『アミラーリオ・ミロ』は爆雷攻撃を受け一時浸水するも現在は問題なし。『アミラーリオ・サイント・ボン』は魚雷一発が不発、安全装置をかけ投棄……帰投する」

提督「了解。それで……」

フルット「待ってください…まだ追伸があります」

提督「追伸?」

フルット「はい。「爆雷がまだ頭に響くので頭痛薬を用意されたし」とのことです」

提督「ふふっ…冗談が言えるくらいだから相当上手く行ったのね♪」

一同「わーっ!」拍手喝采が飛んだが、今度は提督も制止しようとはしなかった

カヴール「攻撃成功、よかったですね?」

提督「ええ…残るはミッカたち「物資輸送任務」のグループだけだから、後はそれに集中すればいいわけだし……」

ミッチャー提督「コングラチュレーション(おめでとう)…真っ先に言えて嬉しいよ」

提督「まだ早いわ…ここにみんなが帰って来るまではね♪」

ミッチャー提督「ウップス!(おっと)…それはそうだったね、ソーリィ」…おどけて額を叩いてみせた

カヴール「ふふ、でもお気持ちは嬉しいですよ…よかったら何かお飲み物をお持ちしましょうか?」

ミッチャー提督「ならコーヒーをもう一杯もらうわ…ちょいまち……」カップの底に残っていた冷たい残りを一気にすすると丁寧に渡した

提督「んー…私はココアにするわ」

カヴール「お二人は何になさいますか?」

百合姫提督「あ…わざわざ気を使ってくれて……それなら私もホット・ココアにします…」

カヴール「宇治抹茶もありますが、ココアで構いませんか?」

百合姫提督「ええ…どうもありがとう」

カヴール「エクレール提督はどうなさいます?」

エクレール提督「そうですわね…ならカフェ・オ・レをお願いしますわ」

カヴール「はい♪」
<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/11/08(水) 02:04:19.25 ID:eJpUH/mv0<> …同時刻・マルタ島南東沖…

ドリア「ふぅ…それにしても何てきれいな月……」艦橋に立って温かい紅茶をすすりながら、緑色がかった月を眺めている…

リットリオ「きれいですね……それにとっても明るいです」本が読めそうなくらい明るく真ん丸な月に、リットリオも双眼鏡を動かす手を休めて空を見上げた……

エウジェニオ「ふふ…こんな夜は少しおセンチな「ルナ・ナポレターナ」なんていいかもしれないわね」

(※『Luna Napoletana』…1961年のカンツォーネ。歌はマーリオ・マリーニ。日本語タイトルは「夢のナポリターナ」で、ザ・ピーナッツが「ルナ・ナポリターナ」としてカバー、人気を博した)

ヴェリーテ「いいですね…お願いします」

エウジェニオ「ええ…愛らしい天使にそう言われたら断れないわ♪」

ヴェリーテ「そんな…私は愛らしくなんてないですよ……二人分の身体をくっつけたようなものですから…」

エウジェニオ「もう、そういうこと言わないの…二人分の優しさと愛らしさをあわせ持っているなんて素敵だと思うわ……さぁ、歌ってあげる♪」

ヴェリーテ「は、はい…///」


エウジェニオ「♪〜ルナ・ルナ・ルナ・ルー…カルメッラ・ノン・チェ・ピゥ……ルナ・ルナ・ルナ・ルー……カルメッラ・ノン・チェ・ピゥ…」
(月、月、月…カルメッラはもういない……月、月、月…カルメッラはもういない…)

「♪〜オー・ルナ・ルーナー…ナポレターナ・セ・トロッポィグラタ・ロ・サイ・ペルメ…」
(おぉ、月よ、ナポリの月…あなたはあまりにも恩知らず……なぜだかあなたに分かるだろうか…)

「♪〜オー・ルナ・ルーナーぁ…ナポレターナぁぁ…ノン・ミィ・ヴォイ・ディーレ・ドゥヴェ・カルメ…」
(おぉ、月よ、ナポリの月……あなたは僕に言いたくないんだね、カルメッラの居場所を…)

「♪〜マ・ダント・ヴァッチォ・クァンド・チェリ・トゥー……マ・ダッティ・ジォルノ・ノン・ロ・ヴィスタ・ピゥ・アッドゥスタ…」
(僕にキスしてくれたんだ、お前がいる時に。僕に「一日」を与えてくれた彼女……なのにあれから会っていないんだ。彼女はどこにいるんだ…)

「♪〜オー・ルナ・ルーナー…ナーポーレターナ…センツァ・カルメッラ・ノン・ヴィヴォ・ピゥ……」
(おぉ、月よ、ナポリの月…僕はカルメッラなしに生きてはいけない……)


エウジェニオ「どう?…私のカルメッラ……♪」

ヴェリーテ「その…上手でした///」

エウジェニオ「それだけ?……まぁいいわ、帰ったら二人で月を眺めてワインでも傾けましょうね♪」

ヴェリーテ「え、ええ…そうですね///」


…艦隊中央部…

エンタープライズ「見事な月ね…幸い夜間哨戒の敵はいないみたいだし、安心出来るわ」

フレッチャー「音楽でも流す?」

エンタープライズ「うるさいのは却下よ…何か良いのがある?」

フレッチャー「グレン・ミラーの「ムーンライト・セレナーデ」は?」

エンタープライズ「グッド♪…あれは好きよ」

フレッチャー「オーケイ、レコードをかけるわ…」戦前「グレン・ミラー楽団」の優しい音色が蓄音機から流れ始める…


「♪〜I stand at your gate…and the song that I sing of moonlight…」
(僕は貴女の家の門に立ち、そして月光の歌を歌う…)

「♪〜I stand and I wait for the touch of your hand in the june night…」
(六月の夜…僕は立って、貴女の手にそっと触れるときを待っている…)

「♪〜The roses are singing a moonlight serenade…」
(バラの花々が「ムーンライト・セレナーデ」を歌っているなか…)


フレッチャー「…懐かしいわね……あの頃を思い出すわ」

エンタープライズ「いつ聞いてもいい曲ね…なんだかホームシックになりそうよ……」

……… <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/11/10(金) 00:35:19.36 ID:3073yday0<> …翌朝0500時・チュニジア沿岸…

ミッカ「それにしても素晴らしい朝ですね…少し寒いですが……ぶるるっ」…作戦三日目の朝、もうすぐチュニジアに到着しようというミッカたち輸送潜グループ……周囲は朝霧が立ち込め、まだ夜の冷え込みが残っているせいか革のコートがないと少し肌寒い……襟を立てて身震いしたミッカ…

ロモロ「もう、運動すれば寒さなんかへっちゃらよ?」

レモ「すぐに暖かくなるもんね…レモ、かしこーい♪」司令塔の中で腕を振り回しながら、しきりに飛び跳ねているロモロとレモ……

ミッカ「若いお二人は元気ですね……私にはとっても…」熱いコーヒーの入ったカップを両手で包むようにして持ち、ふーふーしながらすする

トレーリ「ミッカ、年は関係ないかも…私も暖かい飲み物の方がいいもの」濃く淹れたニルギリにラムを垂らし、砂糖を二さじ加えたものをゆっくり喉に流し込む……トレーリがいくら双眼鏡を動かしても、まだ周囲は霧の中で天測もできない…が、紅茶の香りに交じってふと漂ってくる砂漠の匂いは目的地が近いことを感じさせる…

カッペリーニ「そうですね……おや、アトロポ…どうかしました?」

アトロポ「ううん……私としたことが…身体がこわばって…あいたた……」腰を伸ばし身体をひねるアトロポ…さすがに丈夫な「艦娘」も一晩中夜の空気にさらされているとあちこちきしんだような感じがする……

カッペリーニ「お気の毒に…暖かいスープでもお召しになるといいですよ」

アトロポ「全く…寿命を司る女神がこれではいい笑い者ね……」

ミッカ「まぁまぁ…チュニジアはもうすぐです、頑張りましょう」

アトロポ「そうね…早くこの荷物を降ろして帰りたいわ」

ミッカ「さてと…それでは鎮守府に位置報告をしませんと」


…同じころ・鎮守府…


エクレール提督「ボンジューゥ、フランチェスカ…サ・ヴァ(お元気)?」

提督「ウィ。サ・ヴァ…メルスィ♪……エ・ヴ(そちらは)?」

ミッチャー提督「はー…フランチェスカはすごいねぇ……私はフランス語なんてからっきしだから。こほん…ボンジュール、サバー?」

エクレール提督「…全く英語にしか聞こえませんわね」

ミッチャー提督「そうね…あきらめてコーヒーでも飲んでるわ」真っ黒けな「塩入りブラック・コーヒー」をすする…

百合姫提督「フランチェスカは外国語が得意なのね…すごいわ♪」

提督「ありがとう、姫♪」ちゅっ♪…と頬に軽く口づけをしただけで、真っ赤になってしまう百合姫提督

百合姫提督「も、もう…///」

カヴール「提督」

提督「はいはい」

カヴール「輸送潜グループより打電ありです…「我、北アフリカ沿岸に到達…チュニジア海軍の先導でメデニーヌ近郊の港湾に入港の予定」だそうです」

提督「そう、とうとう着いたのね…よかった♪」

バリラ(バリラ級大型潜)「うふふ…よかったわね、提督。…バリラお母さんは提督のこと信じてたわよ♪」提督をぎゅっと抱きしめるバリラ…

パンテーラ(レオーネ級駆逐艦)「おめでとう…ちゅっ♪」

カドルナ(カドルナ級軽巡)「おめでとうございます、後は帰りだけですね」

ライモン「数日とは思えないほど長かったですね……でも、無事に着いてよかったです」

提督「そうね…うんとぜいたくなごちそうを用意しないと♪」



<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/11/10(金) 01:44:49.85 ID:3073yday0<> …0915時・メデニーヌ近郊…

ミッカ「これで物資の積み下ろしは完了ですね?」

国連職員「はい。イタリアからはるばるご苦労さまでした」港では青い帽子の国連職員と青いベレー帽の国連軍士官、それに金モールのチュニジア海軍士官がテントで出迎えて、アラビア風の濃い甘い紅茶でもてなしてくれた……

ミッカ「いえいえ…これも私たちの愛のなせるわざですから♪」

国連職員「愛…ですか。……そうですね、人類同士が愛し合えることが世界平和への道ですからね」

ミッカ「ええ、まぁ♪」(本当は愛しい人のためですが……せっかく善意の解釈をしてくれたのですし、訂正することもありませんね♪)

チュニジア海軍士官「とにかくご苦労さまでした…良かったら地元のバザールものぞいてみますか?……最近は観光客も来ないので何か買ってくれれば地元の商人も喜ぶでしょうし、時間があるようなら下士官に案内させますよ?」

レモ「わぁ、楽しそう!…ね、行こうよミッカ?」

ミッカ「はいはい…まずは鎮守府に打電してみましょうね♪」


…十数分後・鎮守府…

ゴリツィア(ザラ級重巡)「提督、ミッカからです…「国連軍士官、チュニジア軍下士官の案内付きで地元を散策したく、許可願う…予定は1500頃まで」と打電してきていますが…どうしますか?」

提督「いいと思うわ…「許可します。楽しんでいらっしゃい」と打電して?」

ゴリツィア「了解♪」

百合姫提督「ふふ、チュニジアなんてエキゾチックで素敵…きっとカサブランカみたいなところなんでしょうね……」

提督「そうね、お土産に期待しましょう……なんてね♪」

カヴール「…何はさておき、きっと提督には買ってきてくれますよ♪」

提督「ふふっ…お土産なんかよりも、ミッカたちが緊張をほぐしてくれればそれで充分よ♪」ぱちりとウィンクをして無邪気な笑みを浮かべた…


…しばらくして・チュニジアのバザール…


…狭い道の両側にごちゃごちゃと立ち並んでいる商店は土壁だったりタイル張りだったりしているが何となく統一感があって、黒いヴェールやスカーフをまとった女性や、白いシャツに派手な刺繍がされたベストを着こんだ男性が行き来している……と言っても、近海に「深海棲艦」がうろついているせいか観光客は少なく、お土産や海産物を扱う商店はたいてい店を閉めている…


レモ「わぁ…美味しそう……デリシャスメル♪」…香ばしい匂いがするアラビア風羊の串焼きに、平べったくて大きいアラビア風パン……医薬品や乳幼児向けの栄養食こそ輸送が必要だったが、ごく一部の店では商売上手な店主たちがまだ頑張って声を張りあげていた

ミッカ「せっかくですから買ったらどうかしら?」

レモ「いい?…それじゃあこれ下さい♪」国連職員の通訳さんに訳してもらって、長い串焼きを買うレモ……イタリア・リラが通じないので、通訳さんに両替してもらった現地のコインを取り出す…

通訳「店主のおじさんいわく「また来てな、お嬢ちゃん!」…だそうですよ」

レモ「んー…また輸送作戦があればね……あーん♪」むしゃむしゃとスパイスのきいた串焼きにかぶりつき、がっしりした羊肉を食いちぎるレモ…

カッペリーニ「あら…可愛いバッグ。手作りですか?」フェルトらしいバッグを眺めて、ひげの店主に聞く

通訳「これは全部手作りだそうです…「良かったらお土産に買っていかないか」と言っていますよ」

カッペリーニ「そうですね…じゃあこれとこれを♪」値切りを楽しみつつ、カッペリーニはお土産を兼ねたバッグを数個買った…

ミッカ「これ、綺麗ね……これを買いたいのですが」センスのいい金のネックレスを見つけて、値段を聞いてもらう

ミッカ「え?……まぁ、お手頃…その値段なら買えます♪」

アトロポ「ふふ…いい布地ね……3メートルばかりもらうわ」手のハサミをならしつつ、豪奢な感じがする布を買いこむアトロポ…

トレーリ「とっても素敵…これを買います♪」宝石のはまったペアの指輪やネックレスをいくつか買って、さっそくネックレスをかけてみるトレーリ…

ミッカ「ふふ…楽しいですね♪」数日ぶりの陸を楽しみ、あちこちの店をひやかして回った…


……… <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/11/11(土) 00:47:55.99 ID:KuvATf+Z0<> …二日後・1000時…

提督「いよいよ艦隊が帰投してくるころね…長かったわ」

ライモン「はい。でも作戦は大成功でした」

提督「まぁ、そうね…ごちそうの準備も進んでいるし、今回お世話になったジュリア……アントネッリ中佐のことよ、彼女も招待してみたわ」

ライモン「そうですか、いいと思います♪…でも、わざわざパレルモから来るのですか?」

提督「どうかしら…哨戒任務がなければバイクを飛ばして来るって言ってたけど……」

カヴール「提督、リットリオより打電です「第一戦艦隊よりタラント第六。我、ミッカ以下の輸送潜グループ、およびカーニ以下の大型潜グループと無事合流、鎮守府到着は1615時の予定…各艦損害はわずかながら、「チェザーレ」のみ速度の低下あり、原因不明…18ノットで帰投の予定」

提督「んー…何か機関に損傷でもあったのかしら……でも異常はないみたいだし…」

カヴール「分かりませんよ?…軸路(スクリューシャフト)のわずかなひずみですとか、舵機に何か絡んでいる可能性もありますし…とにかく、帰投してから「要検査」ですね」

提督「そうね。…さてと、じゃあ私はたまった書類を片づけてくるわね。それから…食堂でディアナの手伝いでもしてこようかしら?……とりあえず、何かあったら内線か私の携帯電話にかけて?」

カヴール「了解♪」


…執務室…


提督「うわ…ぁ……」数日間ほとんど戻っていなかった執務室の机の上…「未決」の箱の方に書類が山と積まれている様子は、軍艦写真集で見た日本の「扶桑型」戦艦の艦橋そこのけになっていて、提督は思わず絶句した……

ライモン「お手伝いしますよ、提督」

提督「そうね…まずは締め切りの順番に並び替えましょうか……あら?」イオニア海管区からの小うるさい物品請求への説明書や見積書に交じって、「社会福祉公社」と書かれた手紙が置かれている…

ライモン「あれ、その「社会福祉公社」って…例のワンちゃんネコちゃんの……」

提督「ええ、その団体からよ…どれどれ……」封筒を開けると中から一枚の紙が出てきた…

提督「えー…「タラント第六鎮守府への保護犬・保護猫の引き取りに関して、近く社会福祉公社から飼育環境の視察のため職員を派遣することとなり、同時に当公社としても出来る限りご希望に添うべく、以下の書類に回答いただき返信して下されば幸いです」…だそうよ」…提督がさっと書類に目を通すと、どうやら単なるアンケートのようなものだった……

ライモン「どういう質問なんでしょう?」

提督「えーと…まずは犬がいいか猫がいいか…これは多数決で「犬」って決めたわね……」フィレンツェ製の万年筆を取り出してチェックを入れる…

提督「…犬種・大きさ、雄・雌は「特に問わない」……と」

ライモン「純血種より雑種犬の方が賢いって言いますもんね」

提督「一代雑種は特にね。実家の犬も賢かったわ…毛色と毛足は……「指定なし」と…」

提督「それから……トイレトレーニング・基本のしつけは…「済み」の方がいいわね……去勢・避妊は「指定なし」と…」

提督「それから、特記事項……「海軍施設につき危険物・重量物も多く、いたずら癖のない犬を希望」と…結構注文が多いかも知れないわね」

ライモン「でも大事なことですよ?…雷管や工作機械をいじったりしたら大変なことになりますし」

提督「そうね…後はこれを封筒に入れて…と。これでよし……あとは文書便に持って行ってもらうだけね」海軍の紋章入り封筒に入れて封をした…

ライモン「どんな子が来るか今から楽しみですね♪」

提督「そうね♪」

<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/11/11(土) 01:35:36.09 ID:KuvATf+Z0<> …1610時・鎮守府沖…

リットリオ「チェザーレ、機関の具合はどうですか?」

チェザーレ「うむむ……別に機関も軸路もおかしくないし、破損もないのだが…チェザーレも年かな」冗談めかしてみるが腑に落ちない顔をしている…

エウジェニオ「可愛い女の子を抱けば年なんてすぐ忘れるわ…ねっ♪」

チェザーレ「ははは、違いない♪……この数日は一人寝の淋しさと言うやつを散々味わったからな」

ロモロ「チェザーレ、下に潜ってみましょうか?…潜望鏡を使えば何か見えるかも知れないわ」

チェザーレ「いや、ローマの生みの親にわざわざ潜ってもらうなどおそれ多いのでな……鎮守府の浴場でこの老体をゆっくり休ませてもらうとしよう♪」

フチリエーレ「ねぇ見て、みんなが手を振っているわ♪……おーい♪」



…1620時・波止場…

カヴール「全体、整列!」鎮守府中の艦娘たちと提督たちがそれぞれの正装を着て鎮守府の波止場から庭にずらりと並び、ザラ級重巡がそれぞれイタリア海軍旗、アメリカ海軍旗、フランス海軍旗、海上自衛隊旗をささげ持ち、華々しい軍楽隊……のレコードで艦隊を出迎えた

リットリオ「リットリオ以下第一戦艦隊、ただいま帰還しましたっ!」

ミッカ「物資輸送潜水艦隊、ただいま帰投いたしました!」

カーニ「通商路攻撃艦隊、帰投しました!」

提督「みんな、本当によくやってくれたわ…私、あなたたちがいなくて寂しかったわ♪」堅苦しい行事の嫌いな提督だけあって、脚に「装具」をつけて「浮いて」いるリットリオにさっそく抱き着いてキスをした…

リットリオ「も、もう…提督ったら♪」

提督「…ふふっ、お帰り♪」

リットリオ「ただいま…提督っ♪」

提督「ん♪…ところでチェザーレの速度が出ないそうだけど……艤装を直せば船体も戻るのよね?」

チェザーレ「うむ、どういう訳かそうなっているな」

提督「ならチェザーレは先に入渠して、艤装の修理を……」

チェザーレ「どうしたのだ、提督?」

提督「いえ……チェザーレの脚に海藻みたいなものが絡んでいるから…それのせい?」

チェザーレ「おや、道理でさっきからくるぶしがぬるぬるすると思ったが…しかしなぁ、提督、コロンボの頃にサルガッソー海が恐れられたのは海藻のせいではなく無風帯のせいだぞ?……それに75000馬力のチェザーレに絡みつく海藻などあるわけあるまい?……」(※大西洋の「亜熱帯性無風帯」…かつてはホンダワラなどの海藻が集まり漂流し、そこにつかまると船が動かなくなるとされた「魔の海域」と言われた)

提督「まぁ、そうね…」

チェザーレ「いずれにせよ、海藻がついているのは気分のいいものでは……ずいぶんと重いな」…ざばぁ

深海棲艦「…」

チェザーレ「何っ!」

深海棲艦「言ったはずでしょうが…肉が削ぎとれるまで戦うと!」後ろからチェザーレを羽交い絞めにする深海棲艦…

リットリオ「提督っ、下がって!」

提督「チェザーレ!…引きはがせる!?」

チェザーレ「力ではこちらが上だが…引きはがそうにもフジツボと貝殻だらけでな!」確かにアルチンボルドが描いた「魚」の人物像のように、姿かたちは貝殻やぬめっとした藻類で出来ている……

ミッチャー提督「なら銃がいるわ!…フランチェスカ、武器庫へ早く!」

提督「ええ!…全員、どうにか深海棲艦を食い止めて!」
<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/11/11(土) 02:42:31.72 ID:KuvATf+Z0<> …武器庫…

ミッチャー提督「全くあの「深海お化け」も大したもんだよ…はるばる船底に引っ付いてきたなんてね!」鍵を開けてもらうと中に飛び込んだ

提督「笑いごとじゃないわ…姫、使い方分かる?」自分用に握りやすいベレッタM12Sサブ・マシンガンをひっつかみ、9mm×19の弾倉数本をベルトに突っこむと銃器保管箱から銃を取り出す…

百合姫提督「え…ええ」

提督「なら姫はこれで…安全装置は外してあるから、スライドを引けば撃てるわ!」イタリア軍制式採用のベレッタM92・ピストルと予備の弾倉数本を渡す

百合姫提督「分かったわ!」

提督「マリー、これ使える?」M12Sをもう一丁とりだした

エクレール提督「当然ですわ、早く!」

提督「ええ!」銃の扱いは今一つの百合姫提督を援護しようとエクレール提督が飛び出して行った…

ミッチャー提督「…フランチェスカ、いいのがあるじゃない!」そう言っている間に、ガシャリ!…と棚から取り出したのは、本来二階テラスの三脚に取りつけるMG42/59(イタリア・ライセンス仕様のMG3)軽機関銃…それをランボーそこのけに腰に抱え、手早く100発の弾薬ベルトを装填し、残りを腕に回した…

提督「さすがね…じゃあ行きましょう!」二人して駆けだした…


…波止場…

チェザーレ「放さないか…この、ブリタニアの亡霊めっ!」冷たくぬめりのある青白い指が喉にかかって締め付けて来るが、後ろになびかせていたローマ風マントを首元で留めていたおかげで締めつけがゆるかった……

深海棲艦「お前一人でも道連れにしてやるわ!」

レジオナリオ「リットリオ、主砲斉射の許可を!……チェザーレには当てないで撃つ!」

リットリオ「却下します!鎮守府に当たってしまいます…だいたい、私たちでも120ミリ砲の直撃なんて耐えられるはずありません!」

レジオナリオ「なら20ミリ機銃を!後ろから抱きついているんだからチェザーレには当たらない!」

リットリオ「だめです!20ミリの銃弾がどこに飛ぶか分かったものじゃないでしょう!」

ドリア「とにかく、チェザーレから深海棲艦を引き離さないと…!」もやい綱を輪っかにして深海棲艦の首にひっかけた…

エウジェニオ「手伝うわよ!…艤装を付けていないみんなは離れていなさい!……この招かれざるお客さまにはお帰りいただくから!」

深海棲艦「うぐっ…きっ!」丈夫なもやい綱を喉にあてがうと、ごつごつしたフジツボやらカキ殻やらでこすり、あっという間にぶつりと切った…

カヴール「くっ…知恵も回るようですね……チェザーレ、今助けますからね!」

チェザーレ「姉上、心配無用だ!…ブリタニアの小娘に遅れを取るチェザーレではない!」

深海棲艦「そうかしら、マカロニさん!」ぐいぐいと喉を締め上げる…

ザラ「…チェザーレ、提督たちが来ましたよ!」

提督「みんな射線からどいて!…チェザーレ!」剣帯を指差す…

チェザーレ「…!」剣の鞘でみぞおちに突きを入れるチェザーレ…途端に深海棲艦のぬめっとした手がほどけて後ろにのけ反った

ミッチャー提督「テイク・ディス(食らえっ)…ビッチ!」バララッ…バララランッ…!と、MG42/59の二脚を持って腰だめ撃ちにするミッチャー提督…

深海棲艦「うっ…く」ばりばりと貝殻や破片が飛び、よろめくと波止場にのし上げた深海棲艦……よく見ると脚まで甲殻のように貝殻やフジツボで覆われていて、くるぶしから先だけが白っぽい脚になっている

ミッチャー提督「ちっ…なんて丈夫なやつなの!」弾切れの軽機関銃を放り出すと腰のホルスターから愛用のコルト.45「ガバメント」を抜き、甲殻の欠けた所に撃ちこむ…

提督「代わって!」ダダダダッ!…と小気味いい連射音を響かせ、エクレール提督とベレッタ短機関銃の弾倉を撃ち尽くす……が、まだ甲殻が剥がれず、立ち上がるとゆらゆら歩いてきた…

百合姫提督「大人しくしなさい…!」パン、パンッ!…と一発ずつM92ピストルの弾を撃ちこむ……

提督「あきれるほど殻がついているみたいね…!」…と、ディアナが駆け寄ってくる

提督「ディアナ、危ないから下がって!」

ディアナ「いいえ…これなら通じるかも知れませんから!」きりきりと弓を弾き絞り、ビィィ…ン!…と弓弦の音をさせて放った

深海棲艦「…くっ!」割れそうだった部分がバリッと大きく剥がれ落ち、深海棲艦はバランスを崩して倒れた…

ミッチャー提督「銃弾より威力のある弓とは恐れ入ったわ…!」

提督「とにかく押さえこまないと…!」 <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/11/12(日) 01:09:38.42 ID:Wt6vGLWL0<> カヴール「手伝います!」

提督「でも素手じゃ触れそうにないわね…っ!」慌てて誰かが持って来た油まみれの古毛布をフジツボやら貝殻がまとわりついている腕にかぶせると、ぐっと押さえ込みにかかった…

フチリエーレ「私も力を貸すわ!」…散々撃ちこんだがちっとも効かなかった6.5ミリ・カルカーノ小銃を放り出すと「深海棲艦」に飛びついた

ミッチャー提督「みんな、のしかかって!」

深海棲艦「…ええぃ、退け!」力いっぱい腕を払うと取りついた数人は弾き飛ばされ、今度は提督に馬乗りになると波止場のレンガに押さえつけた…

提督「ぐっ……!」

深海棲艦「やれるものならやってみなさいよ…銃弾を撃ちこもうものならこの小娘にも当たるわよ?」

ミッチャー提督「ファック…たしかにあれじゃあ撃てないわね!」コルトの弾倉を素早くリロードしていたが、狙いようがない…

提督「けほっ…思っていたより力強い抱擁ね……誰か代わってくれないかしら…?」

ライモン「提督っ!」

エクレール提督「どうします、あのままでは窒息してしまいますわ!」

ミッチャー提督「アイ・ノウ!(分かってる!)…シット、何か良い手は……」

ポーラ「…はぁ…もったいないですねぇ〜……せっかく開けようと思った五十年もののシェリーなのにぃ〜……」ガンッ!…後ろからそっと近づき、「五十年もの」のシェリー酒の瓶で後頭部を引っぱたいた…

深海棲艦「…っ!」ばったりと倒れ込む深海棲艦…

カヴール「ポーラ、よくやりました!」

セラ「すごいです!」

エウジェニオ「…いいけど「彼女」をどかさないと。提督が下敷きなのよ?」

カヴール「分かっています…提督っ!」

ライモン「大丈夫ですかっ!」

提督「えぇ…おかげさまで……けほっ…」カヴールたちに助けられ、下から引っ張り出された提督…せっかく整えた髪にはぬるぬるした海藻のようなものがまとわりつき、染み一つなかった白い正装には海水やら緑がかった汁やらがついている……

提督「ふぅ…とんでもないお客様だったわ……目を覚まさないうちに拘束するしかないわね…」

チェザーレ「すまない…チェザーレが速度が出ないときに気づけばこうはならなかった……」

提督「いくらチェザーレでもこれは気づけないわ…それより、みんな無事?」

リットリオ「全員無事です!…提督こそ怪我はありませんかっ!?」

提督「大丈夫よ…あぁ、それでいいわ」今度こそ切られないようにと、数人が鎖を持って来て縛り上げた…

提督「それとディアナ、貴女のおかげでチャンスが出来たわ…お礼を言わせて?」

ディアナ「おそれ多いことでございますが…どうぞ、よしなに……♪」

提督「んっ♪」ひざまずいて手の甲にキスをした…

ディアナ「まぁ…///」

ミラベロ「提督、縛り上げたわ…それで、どうするのかしら?」

リボティ「ふふ……きっと「お慰み」に使うのかも…ね」

提督「リボティ」

リボティ「おっと…口が滑った」

百合姫提督「それにしても…本当にどうすればいいのかしら……」

ディアナ「そうですね……」

エリトレア「あのぅ…」

提督「エリトレア…何か考えたの?」

エリトレア「とりあえず……この「殻」みたいなの、よく見たら結構食べられるものもありますよ?」
<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/11/12(日) 02:05:45.84 ID:Wt6vGLWL0<> 提督「え…まさかこれを食べるつもり……?」海岸に打ちあがって腐りかけた海藻のような臭いと古い魚のような臭い、それに潮の匂いが混じりあって鼻をつまみたくなるような臭いをさせている…

エリトレア「いえ…だってなかなか高いのも交じっていますし、ちゃんと新しい海水で潮を吐かせればイケるんじゃないでしょうか♪」二色迷彩…のように見えるフレアースカート風の艤装には、確かにムール貝やら小ぶりで食べごろなカキやらが張りついている…

ディアナ「なるほど…言われてみるとカキにムール貝……タコも張りついていますし……」

提督「でもこんなにひどい臭いだけど…?」制服についてしまった緑の染み…巻き貝の「苦い所」にたまっているような色の染みを嗅いでみて眉をひそめた…

カヴール「ですがいずれにせよ、この「甲殻」を剥がさないと素手で触る事も出来ませんし……ディアナ、エリトレア…できますか?」

ディアナ「おそらくは…」

エリトレア「やってみますねっ♪」

カヴール「分かりました…ではお願いします!」

提督「ちょっと、カヴール…!」

ポーラ「むぅ…五十年もののシェリーを割ってしまった代わりにしてはちょ〜っと割が合いませんが……ポーラ、我慢しますっ♪」

ディアナ「ええ、そうしてください…提督を助けてくれたわけですし、上手く調理できたらポーラに特別美味しいペスカトーレをごちそういたしますから」

エリトレア「そういうことです♪」

ポーラ「待ってますよぉ〜♪」

ディアナ「はい♪……誰か、工作室から金槌を持ってきてくれませんか?」厨房からギラリと光る大型の包丁を持ってきて、甲殻の隙間にこじ入れる…

チコーニャ「お待たせ♪」ガッビアーノ級コルヴェットの「チコーニャ」がコウノトリらしくカゴに金槌やノミを入れて持って来た…

提督「ディアナ、エリトレア…お願いだから「身体」には傷をつけないようにね……?」

ディアナ「はい…♪」重なり合ったカキ殻の隙間にこじ入れた包丁を金槌でとんとんっ…と押し込んでいく……側にはバケツがいくつも置いてあり、食べられそうな貝類やエビ・カニ類、タコやイカは次々とバケツに放り込まれていく…

深海棲艦「…」バリッ…と剥がれるカキ殻やフジツボ、カメノテや縁の鋭い貝類……次第に「艤装」の下に隠れていた青白いぬめっとした姿が現れてくる…

ミッチャー提督「ジーザス…こんなの初めて見るわ……」

フレッチャー「ホーリィ・カウ!(ぶったまげた!)…あんな気持ち悪い姿なのに、下は意外と普通に見えるわ……」

提督「あ…胸の所が剥がれる……」固く重なっていた甲殻の隙間にノミを入れ、コツコツと叩いていくと大きな一片が剥がれた

エウジェニオ「あら…意外と普通……それに結構胸もあるじゃない…これなら抱いてもいいわ♪」剥がれた殻の中には白くてぬめっとしているが、案外普通の身体らしいものが見える……粘液のせいで妙にテラテラしている胸と引き締まったお腹を見てエウジェニオは冗談を言った…

カヴール「エウジェニオ…そこまで好みの範囲が広いとは思いませんでした……」

エウジェニオ「もう、冗談よ?……でも、提督もこれなら抱いてみたいと思わない?」

提督「んー……生臭いのさえなければ、イケなくもない……っていうところかしら」

エクレール提督「ありえませんわ…どういう趣味ですのっ?」

リシュリュー「いくら何でもエキセントリックですな」

ドリア「あらら?…主砲が前にしかないリシュリューが言えるのかしら」

リシュリュー「おや……私の設計は非常に理論的かつ合理的に導き出された物です…そちらこそ、わざわざ6割も改装するとは……そこまでするのなら新戦艦を作った方が安上がりだったでしょうな?」

ドリア「む…レディの体型と年齢を言うのはぶしつけだと思いますが?」

リシュリュー「これは失礼…ドリア嬢は自分のお年が気になる頃でいらっしゃる…」

エクレール提督「リシュリュー、おやめなさい」

提督「ドリアも…ほら、一番大きな殻が剥がれるわ……!」

エリトレア「ふ…んっ!」バリバリッ!…と甲殻が剥がれ、つるりとした身体が中から滑るように出てきた……側にいたザラやチコーニャが慌てて鎖やらロープで「身体」の方を縛りなおす……

ミッチャー提督「うわぁ…何ていうか、剥き身にしたオイスターだわ」

提督「じゃあレモンをかけて食べる?」

ミッチャー提督「いや…遠慮しておくわ、あたるといけないから」

ディアナ「とりあえず剥けましたが…どうなさいますか?」

提督「んー…何か着るものでも渡して、鍵のかかる頑丈な部屋に……いえ、まずは大浴場で洗いましょう」

チェザーレ「ならチェザーレが連れて行くとしよう」ドリアやリットリオも手伝って担ぎ上げた… <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/11/12(日) 02:59:41.90 ID:Wt6vGLWL0<> …大浴場…

チェザーレ「さて…大浴場まで連れてきたはいいが……はたして水か、それともお湯か?」

ドリア「シャンプーや石けんは使っても大丈夫でしょうか?」

提督「さぁ…とりあえず水にしておいた方がいいような気がするわ」制服の上着とスラックスはクリーニングに出すことにして洗濯場に放り出し、下着とワイシャツだけでやってきた提督……

アスカーリ「んだけども、ほんにまぁ…こうして見るとなかなかのべっぴんでねぇか……」何かあったときのためにと、一応カルカーノ小銃を抱えて来たアスカーリ…

リットリオ「…まぁ、とりあえずかけてみましょう♪」シャワーの水を出して「海藻みたいな」ぬるぬるの頭からかけた…

深海棲艦「うっ…ぷ!」

チェザーレ「目を覚ましたぞ…提督、距離を取れ!」

深海棲艦「何を…っぷ!……いきなり水責めとはね…でも私には効かないわよ、マカロニさん?」軽蔑するような言い方でせせら笑った

チェザーレ「失礼な奴だな、ローマ第一の市民に向かって……ブリタニアは未開の国だから風呂もないとはいえ、こうして洗ってやっているのが分からないか?」

深海棲艦「洗ってどうしようというのよ…見せ物にでもする?」

提督「全く、わがままなお嬢さんなんだから…どんな時でもユーモアを忘れない英国海軍らしくないわよ?」

深海棲艦「うるさい…このブラッディ・フール!(大間抜け)」

提督「あら…そう♪」シャワーの栓をお湯に変えた…

深海棲艦「熱っ!…ちくしょう、火傷するっ!」

提督「しないわよ…30度もないくらいでしょうし……リットリオ、シャンプー取って?」

リットリオ「はい、でも気を付けてください……噛みつくかもしれませんよ?」

深海棲艦「誰がよ、このおたんちん!」

アスカーリ「こら、じたばた暴れるでねぇ!」

提督「はいはい…目をつぶっておきなさいね?」

深海棲艦「誰が敵の言うことなど!」

提督「全く…手がかかるわね」わしゃわしゃと泡立ててみるがぬめぬめのせいでほとんど泡が出ない…

提督「あー…一回流して?……数回洗わないとこのべとべとはとれないわ…」お湯を浴びたせいか少しだけ青白い肌が色味を取りもどし、ただの白い肌に近づいたように見える……

深海棲艦「ちくしょうっ、この……放せ!」

提督「リットリオ、しっかり押さえて!」暴れる猫より手におえない深海棲艦の頭に泡立てたシャンプーをつけ、ごしごし洗った…


…しばらくして・食堂…


提督「はー…ふぅー…」

チェザーレ「ふぅ…戦闘より疲れた気がするな」

リットリオ「そうですねぇ」…どうにか深海棲艦を押さえつけて全身を洗い、ぬめりを取ってからぬるいシャワーを浴びせた提督たち…大浴場を出ると古タオルでごしごしこすり、適当な服を着させてから空き部屋に放り込んだ……波止場での格闘もあって、すっかり疲れ切った提督はバスローブ姿でチェザーレたちと食堂に座り、ちびちびとキァンティをすすっている…

提督「明日のパーティのごちそう、何がいい…チェザーレ?」

チェザーレ「あー…海の匂いがするものは欲しくないな……」

提督「リットリオはー…?」

リットリオ「牡蠣は見たくないですねぇ……」

提督「そうよね…ふぅ……まだ生臭いわ…」髪についたぬるぬるを取るのに、リットリオに何度も流してもらった提督…にもかかわらずまだ変な臭いがとれないでいる……

ミッチャー提督「お疲れさま」こちらもシャワーを浴びて、カーキ色のシャツとスラックスの略装に着がえているミッチャー提督…会釈するようにウィスキーのグラスを持ち上げた

提督「今日はありがとう、ジェーン。おかげで助かったわ」

ミッチャー提督「いやいや…しかし.45口径が効かないとは思わなかったから肝をつぶしたよ」

提督「私だって…あの近距離でベレッタ短機関銃が通用しないとは思わなかったわ」

ミッチャー提督「ま、お互いに無事でよかったから…乾杯」

提督「乾杯♪」頭にバスタオルを巻いた姿でグラスをコツン…と合わせ、キァンティを喉に流し込んだ…

……… <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/11/12(日) 17:59:08.56 ID:wo/sD8uno<> 元祖艦これには鹵獲する仕様がないのがなあ
一応浄化された深海棲艦⇒艦娘 轟沈した艦娘⇒深海棲艦ってことらしいから
ドロップ艦とかが鹵獲艦扱いなのかもだけども
さて鹵獲した深海棲艦はどんな娘やら <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/11/14(火) 10:24:48.36 ID:pgqT+7VE0<> >>890 遅ればせながら、まずは感想ありがとうございます…この数日ちょっと投下する時間がなくって…

とりあえず「ついてきた」深海棲艦ですが、今のところ海に帰す予定です…「鹵獲」と言うのは考えていませんでしたし、英艦まではさすがに書けないので…… <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/11/14(火) 11:07:52.19 ID:pgqT+7VE0<> …翌朝…


提督「よしっ…準備完了!」いつもより早く目を覚ますと、朝食もそこそこに身支度に取りかかる提督…長くずっしりした明るい栗色の髪をきゅっとお団子にまとめ、首回りがくたっとなっていて染みまでついているTシャツと、くたびれた綿パンを着る…腕時計や指輪は外し、メイクもほとんどしていない……

ライモン「気合十分って言う感じですね♪」

提督「それはもう…「作戦成功おめでとうパーティ」の準備だもの♪」

ライモン「わたしも手伝います」

提督「だーめ…ライモンは作戦中ずーっと頑張ってくれていたから、今日はお休み♪」

ライモン「でも、それなら提督だって…」

提督「んー…そこまで言うなら……お手伝いをお願いしようかしら」

ライモン「いいんですか?」

提督「ええ…一つ思いついたから♪」


…しばらくして・厨房…


提督「はい、かけて?」厨房のすみっこにストゥール(腰掛け)を置いてライモンを座らせ、首にナプキンをかけた…

ライモン「あの…この状態で何をお手伝いすればいいんですか?」

提督「ふふっ…味見をお願い♪」

ライモン「いえ…あの……わたしはお手伝いしたいと思って…」

ディアナ「味見も大事なお手伝いですよ?…何回も味見をしていると舌が麻痺してきてしまいますから」

エリトレア「そうですよっ…全く、レモがハリッサ(唐辛子で作るチュニジアの辛い調味料)なんか買ってくるから……うー…まだ舌がピリピリしますぅ…」

ガッビアーノ「そうそう。という訳で私もいるんだ…優しい月の女神さまが哀れなカモメに食料を恵んでくれると言うからね……」いったい小柄な身体のどこに入るのか分からないが、とにかく何でもよく食べるガッビアーノ…厨房をうろうろしては調理台に置かれた材料をつまみ食いしている……

提督「まぁ、そういう訳だから…よろしくお願いするわね♪」

ライモン「はぁ…わかりました」

ディアナ「さてと…まずは下ごしらえですね……提督、準備はよろしいですか?」

提督「ええ♪」ファサッ!…と、銃撃戦にのぞむチョウ・ヨンファがコートを羽織るように白いエプロンをまとった……

ディアナ「では…作戦開始ですね♪」


………

…ディアナ、エリトレア、提督が厨房に立って料理を始め、ポーラは食堂でワイングラスを磨いている…残りの艦娘たちは誰かに呼ばれるか、さもなければ面白そうな作業に手を貸しては、きゃあきゃあと歓声をあげている……


ディアナ「提督、このタンの燻製をサイコロ状に切ってもらえますか?」

提督「はいはい…あら、この包丁いつもよりもっと切れるわ♪」…双子のマークが入っているドイツのブランド包丁「ツヴィリング」は、「切れすぎないように作ってあります」がうたい文句のゾーリンゲン製だったが、それにしても滑らかによく切れる…

ディアナ「ええ…昨日、あの「深海棲艦」から貝や蟹の甲殻を剥がすのに使って刃が欠けてしまいましたから……あの後研ぎ直したのです」

提督「そうだったの?私が銃の手入れをしている間にそこまでしてたなんて…本当にディアナはやることが速いわね」

ディアナ「いえいえ…厨房は私が預かっているようなものですし……エリトレア、もちろん貴女もですが」

エリトレア「うふふっ、そう言われるとくすぐったいですねぇ…♪」




<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/11/14(火) 12:02:02.53 ID:pgqT+7VE0<> 提督「インゲン豆が茹で上がったわ…ここでいいかしら?」

ディアナ「はい…エリトレア、ニンジンの方もタンと同じくらいに切って下さい」

エリトレア「はいはい!」

ジュッサーノ「ディアナ、お湯をかけておけばいいのね?」

ディアナ「はい…とりあえずお湯さえわかしておけば何でもできますから……あ、バンデ・ネーレ、ちょうどいい所に来てくれました」

バンデ・ネーレ「何かお手伝いが必要かな?」

ディアナ「ええ…冷蔵庫にしまってある大海老を出して下さい」

バンデ・ネーレ「了解」

リベッチオ「ディアナ、これつまんでもいい?」

ディアナ「個数があるものでなければ…ちょっとだけですよ♪」

リベッチオ「ありがと♪……うん、これ美味しい!」

ディアナ「そうですか?そう言ってもらえてよかったです。でも、あんまり味見してはダメですよ?…せっかくのごちそうが入らなくなってしまいますから♪」

提督「ディアナ、ゼラチンが溶けたわ…コンソメスープはどこ?」

ディアナ「あぁ、はいはい…奥の片手鍋ですよ」

提督「ん、了解…溶かし込んでいいわね?」

ディアナ「はい。全部使って構いませんよ」

提督「分かったわ」

エリトレア「ディアナ、野菜はみんな洗っておきました♪」

ディアナ「ではサラダと料理に使う分をわけておいてください……あらいけない、タイマーが…!」

提督「私がやるわ……どうすればいい?」メレンゲを泡立てながら聞いた

ディアナ「裏ごししたら生クリームでのばしてください」

提督「了解…作戦指揮もこういう風にきびきびできたらいいのにね、ライモン?」

ライモン「いえ、今回の作戦も見事だったと思いますよ?」

提督「あら、嬉しい…そういう可愛い事を言ってくれるライモンには任務をあげます……はい、あーん♪」泡立てたレモン・メレンゲを泡だて器でしゃくって人差し指にのせ、ライモンにつき出した…

ライモン「あーん…っ、美味しいです///」

サントーレ・サンタローサ(バンディエラ中型潜)「もう…二人ともいちゃついてないで手伝って下さいよ!……私、座礁なんて嫌ですよ…?」お皿を数十枚も重ねてふらふらしているサンタローサ…

デス・ジェネイス(ピサニ級中型潜)「サンタローサ…そういう時は私を呼んで、手伝うから」三分の一ほどをサンタローサから取って腕に抱えた

サンタローサ「ふぅ……思っていたよりずっと重くって…助かりました♪」

ジェネイス「気にしないで…ジェノア人はみんな優しくて、勇敢で、気立てがいいんだから♪」

ヴェットール・ピサニ(ピサニ級)「ちょっと待て…ジェノヴァ人よりもヴェネチア人の方が優しいぞ?……ほら、私が持ってあげよう♪」残りの皿をほとんど取り上げて抱えた…

サンタローサ「あのぉ……二人でそんなに持ってしまったら、私がお手伝いする意味ないですよ?」

ピサニ「いいんだよ、サンタローサ。きみがあくせくすることはない……ゆっくり休んでいたまえ♪」

ジェネイス「ふーん…人の物真似で点数を稼ごうなんて、さすが物売りのヴェネチア人ね」

ピサニ「…誰にでもつっかるのは向こう見ずのジェノヴァ人らしいな」

ジェネイス「…へぇ」

ピサニ「ほぉ…」

チェザーレ「二人ともまたやっているのか……ガリバルディに怒られるぞ?」

ジェネイス「うぇ…それは勘弁」

ピサニ「…駆逐艦や潜水艦にも「一つのイタリア」派は結構多いからな……今のところは止めておこう」

チェザーレ「結構」
<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/11/15(水) 01:14:36.27 ID:3N9YtLQI0<> ザラ「うーん、百合の花も飾って、きれいなテーブルクロスもかかってるし、リボンも上手く出来てるし……って…ポーラ、まだあのシェリーの事もったいなかったと思っているの?」グラスを拭きながらため息をついているポーラ…

ポーラ「だってぇ…五十年もののシェリー……ポーラ、ひと月分のお小遣いを貯めて…今度の作戦が終わったらぁ〜…みんなで空けようと思っていたんですよぉ〜…?」

ザラ「そうは言っても…あのままだったら提督があの深海棲艦にむしゃむしゃ食べられちゃったかもしれないのよ?」

ポーラ「そうなんですけどぉ〜……うぅ、みんなで飲みたかったです〜…」

ザラ「はぁ…ちょっと待ってて?」


…厨房…

提督「じゃあ注ぐわね…」長方形の型にコンソメ風味の溶かしたゼラチンを注ぎ込む…半分ほどで一旦注ぐのを止めると見栄えよくタンやニンジン、インゲンマメを散らし、上からまたゼラチンを注ぐ……これを冷蔵庫で冷やせば見た目も涼しげな前菜のアスピック(ゼラチンの煮こごり)が出来上がる…

ディアナ「私はこちらでかかりきりなので…提督、引き続き前菜をお願いします!」

…厨房の外にある直火のグリルを前に、汗をかきながら猪のあばら肉をローストにするディアナ…厨房では大きいソースパンに赤ワインとハチミツ、数種類のスパイスを入れた「秘伝のワインソース」を前にエリトレアが火加減を見て、同時に大海老に包丁を突き入れては二つに叩き割り、パセリとオレガノ、粒マスタードの入った特製マヨネーズをたっぷりとかけて「大海老のグリル・マヨネーズソース」の準備に余念がない…

ザラ「失礼するわね…提督、ちょっといい?」

提督「なぁに?」トマトスライスにモッツァレラチーズとバジルをのせた「カプレーゼ」とオリーブを沿えた鯛のカルパッチョを同時に準備している提督…目線を包丁からそらさずに聞いた

ザラ「ごにょごにょ……」何か耳打ちするザラ…

提督「あー…それなら私の部屋の冷蔵庫の一番下、ピンクのリボンをかけた袋に入っているわ」

ザラ「ん…ありがとう、提督♪」

提督「いいえ、こちらこそ……ポーラには早めに見せてあげてね♪」

ザラ「了解っ♪」


…一方・屋外…

百合姫提督「ふぅ…暑いわね、ディアナ」

ディアナ「ええ……でも、作戦に参加したみんなのためですから」

百合姫提督「そうね。……ふぅ、でも大変ね…」巨大な猪肉をひっくり返そうと格闘しているディアナの脇で、パタパタとうちわで扇いでいる百合姫提督……よく見ると、網のすみっこの方を貸してもらって大きなウナギを扇いでいる…

ディアナ「それにしても…面白い調理法ですね……ふぅ…」炭がぱちぱちと熾っているグリルの脇には庭のテーブルを持ってきてあって、卓上に氷水の入った大きい水差しとグラスが置いてある…

百合姫提督「そうね…ヨーロッパの人はあんまりウナギの料理法がないみたいだし…」ウナギの調理は習得に一生かかると言うだけあって、目打ちをしてさばいてみたものの頭は取れかけ、身もギザギザになってしまっていた…が、とにかくさばいたウナギを蒸し器にかけ、一生懸命白焼きにしている百合姫提督……

ディアナ「それにしても……面白いものですね♪」

百合姫提督「ええ、笑ってしまったわ♪」

………

…作戦二日目・艦隊戦たけなわのころ…

足柄「回避!…取りかぁぁじ…いっぱぁーい!!」

龍田「14サンチ砲、一斉撃ち方…撃て!」バウッ!……もうもうと上がる発砲煙でむせ返りながら敵艦隊を確認する龍田…

足柄「それにしても…全く、たまには砲弾じゃなくてウナギでも放りこんでくれればいいじゃない!」深海側の艦隊に悪態をついていると至近弾が降ってきた…

龍田「きゃぁっ!」

足柄「龍田、損害は?」

龍田「大丈夫…被害なし……って、うふふふっ♪」

足柄「…この忙しい時に何が面白いのよ!?」

龍田「足柄…深海棲艦にはもう文句が言えないわ……うっふふ♪」

足柄「一番砲、撃て…どういう意味よ!?」

龍田「見て…ほら♪」どうしたことか大きなウナギがしぶきと一緒に艦橋に飛び込んできてのたうっている…

足柄「なるほどね…帰ったらさばいてもらって一杯やりましょう……撃てっ!」

………

百合姫提督「帰投してすぐの深海棲艦騒ぎの後、龍田がバケツに入ったウナギを持って来た時はどうしたのかと思ったわ……っぷ、煙が…」バタバタと扇ぎつつ、煙で目をしょぼしょぼさせている

ディアナ「ふふっ…さてと、だいたい火が通りました……お先に失礼します」 <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/11/15(水) 02:04:25.85 ID:3N9YtLQI0<> …しばらくして…

提督「はぁぁ……疲れた…って、あらまぁ♪」ボウルや泡だて器、ゴムベラやレードル(おたま)をかしゃかしゃと洗ってエプロンを外した提督……ライモンを連れて厨房を出ると、飾り付けられた食堂の様子に感嘆した様子でため息をついた

ザラ「提督、準備完了です♪」

提督「こんなに綺麗な飾り付けをしてくれたのね…ご苦労様」天井には紙のリボン飾りを渡し、演説台の所には大浴場から持って来た鉢植えの胡蝶蘭と廊下の展示スペースに置いてあるイタリア国旗を飾ってある…そして演説台の後ろには背景になるように「祝!作戦成功」と大きな横断幕が張り渡してある…

ザラ「いえいえ…それより提督、アレを」

提督「あぁ、はいはい……ポーラ」

ポーラ「はぁい…」バーカウンターでお酒に弱い艦娘用の甘いフルーツ入りポンチ酒を味見していたが、とことことやってきた…が、やっぱり深海棲艦に叩きつけてしまったシェリーが惜しかったのか元気がない……

ザラ「ポーラ…元気出して?」

提督「ええ、おかげで助かったわ…だからね……」

ポーラ「はい…なんでしょ〜ぅ……」

提督「…じゃーん♪」形から瓶と分かる、ピンク色の袋を渡す…

ポーラ「これ…ポーラにですかぁ?」

提督「ええ……ほんとは別の機会にあげようと思っていたのだけど、助けてもらったお礼の気持ち♪」

ポーラ「開けていいですかぁ?」

提督「もちろん♪……これで元気になってくれる?」

ポーラ「じゃあ、開けますよぉ〜……っ!」

提督「どう?」

ポーラ「提督っ、これって「ムートン・ルージュ・ロートシルト」じゃないですかぁ〜!」

提督「そうよ♪…イタリアワインではポーラほどいいものを買えないし……フランスワインでごめんなさいね?」

ポーラ「そんなことないですっ!…高かったでしょうし、よく手に入りましたねぇ〜?」

提督「せっかくだから奮発してみたの…どう、元気になった?」

ポーラ「はいっ。…ポーラ、提督のその気持ちが嬉しいですっ!おかげですっかり元気になりましたよぉ〜♪」

提督「ふふ…よかった」

フルット「よかったですね…ポーラ」いつもミュシャの絵のような整った容姿で綺麗なフルットだが、今日はほんのりメイクもしていてことさらに美しい…

提督「まぁ……フルット///」

フルット「どうかしましたか、提督?」

提督「いえ…そろそろお昼だから、夕方のパーティまでのつなぎで何か食べましょう?」

フルット「それはいいですね。でも、提督はまずお着替えをなさいませんと…ね」

提督「あ…そうだったわ……じゃあ、みんな好きなようにお昼にしてて?……ただし、ごちそうの分は空けておくようにね♪」

フルット「はい…ナルヴァーロ、トリチェリ、ガリレイ……一緒にいかがですか?」

ナルヴァーロ(スクアロ級中型潜)「ええ、ご一緒させて」

トリチェリ(ブリン級大型潜)「フルットと一緒なんて嬉しい…ぜひとも♪」

ガリレイ(アルキメーデ級大型潜)「ふふっ、これはこれは……夜になったら一緒に天体観測でもしましょうね?」

フルット「まぁ、素敵……では参りましょう♪」

オタリア(グラウコ級大型潜)「…私たちも行きましょうよ、同じ海の動物同士で♪」オタリア(アシカ)が数人を誘った

フォカ「そうね…ナルヴァーロ(イッカク)はフルットと行っちゃったけど……トリケーコ(セイウチ)…よかったら来る?」フォカ(アザラシ)がスクアロ級のトリケーコを呼んだ

トリケーコ「ありがとう。ご一緒します」

オタリア「それならテラスでお昼にしましょう♪」

………

<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/11/15(水) 02:10:43.59 ID:3N9YtLQI0<> …一応今日はこの辺で…結局ごちそうの場面までたどりつけませんでした…


…とりあえず今後の予定は、パーティからの百合姫提督×足柄と、提督と艦娘複数×エクレール提督のシチュエーションもの……それから鎮守府にわんこがやってくる予定です… <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/11/16(木) 14:29:36.00 ID:BeQ8uSYXo<> ごちそう(意味深 <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/11/17(金) 01:17:26.83 ID:BdqMRQKf0<> …夕方…


…ごちそうの用意が整ったテーブルには銀色の脚付きの器や豪奢な皿が所狭しと並べられている……長いテーブルには白いテーブルクロスが敷いてあり、長テーブルの中央には大きな花瓶に入ったみずみずしいオリエンタルリリーが活けてある…


提督「えー…まずは今回の「ケルケナー諸島方面作戦」お疲れさまでした。みんなが奮闘してくれたおかげで損害もなく、無事に作戦を終了することが出来てほっとしています」

アヴィエーレ「提督の指揮がよかったのさ♪」

カラビニエーレ「…こら、静かに」

提督「と、いう訳で約束のパーティを開くことになりましたが、ここでもう一つ嬉しいお知らせがあります…」手紙を片手に眉を上げてみせる提督と、それを聞いてざわめく食堂…

提督「この手紙によると、みんなが待っていた「社会福祉公社」からの犬が数週間以内にやってくることになりました♪」わぁぁっ!

提督「ふふ、みんなここにワンちゃんが来るのを待っていたものね……それでは、乾杯しましょう!…みんな、グラスを持って?」

提督「…作戦成功と、アメリカ、フランス、日本の提督と艦娘たちとの友好…そして新しい仲間の到着を祝して……乾杯っ♪」

一同「乾杯!」

提督「さぁ、みんな。もうスピーチはしないから好きなだけ食べて?」…しきたりの答礼を「堅苦しいのはよそう」と言ってくれたミッチャー提督たちにウィンクして席に着いた……お腹を空かせた提督はさっそく前菜から取りかかった


…前菜は琥珀色の中に牛のタンやインゲンマメが入っているフランス風の煮こごり「アスピック」と、碁盤目模様になっている綺麗なテリーヌ、鯛のカルパッチョ、それに太陽の恵みがいっぱいの南イタリアにはふさわしいカプレーゼ…提督はぷるっとしたアスピックにナイフを入れ、口に運んだ…


提督「んっ…いい味……♪」コンソメの風味と、固めのゼラチンの中に浮いているタンや茹で野菜の食感が口の中でほどよく溶けていく…

エクレール提督「なるほど…なかなか上品で美味しいですわ」

リットリオ「ほんと、美味しいです……もう一切れいただきます♪」

提督「前菜でお腹一杯にならないようにね?」

リットリオ「はいっ♪」

提督「せっかくだからカルパッチョも…」薄切りの鯛を透かして下のお皿に描かれた模様が見える…オリーブオイルの舌触りの良さと鯛のほのかな甘みが、高級な岩塩の塩味、オリーブのわずかに油っぽい味とよく合う……

百合姫提督「ん…美味しい♪こんなに美味しいカルパッチョ、銀座の高級イタリアンでも食べられないと思うわ」

足柄「そうね…でも個人的には刺身の方がいいわ」

龍田「まぁまぁ、これも美味しいじゃない♪」

提督「ふふ…日本は素材を大事にするお国柄だものね、足柄がせっかくの鯛をいじくり回しているように感じるのも無理ないわ♪」ちょっと偉そうに通ぶってみてから茶目っ気たっぷりに微笑して、ワインのグラスを軽く揺すぶった

百合姫提督「ううん、気にしないで?これも美味しいわ」

提督「いいのいいの…食の好みはそれぞれだもの♪」

ミッチャー提督「まぁね……私はこういうお洒落な料理とは縁がなかったからやりにくいよ♪」

フレッチャー「私もよ、マーム。…鉄板で焼いたペッパーステーキとかじゃないと落ち着かなくって……」マナーはわきまえているものの、フォークとナイフを手にコチコチになっている…

提督「フレッチャー、みんな気にしないからくつろいで食べて?」

フレッチャー「いや、まぁ……」

ミッチャー提督「無理もないよ…サンディエゴでもノーフォークでも、「パーティ」って言ったらバーベキューだったものね」

エンタープライズ「マームのせいじゃないわ、あれだけメンバーがいるとそれしかないでしょうし」

ミッチャー提督「なんか悪いね、エンタープライズ…ノーフォークに戻ったらハンバーガーでもごちそうしてあげるわ♪」

エンタープライズ「じゃあパティはビーフのダブルでね♪」

ミッチャー提督「オーケイ♪」

<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/11/17(金) 02:26:30.79 ID:BdqMRQKf0<> 提督「お次は…スープやパスタね」

…朝から十数人が手伝った手打ちのパスタにひき肉をたっぷり絡ませた「ボローニア風タリアテッレ」か、トマトの爽やかな酸味が効いた冷製パスタのカッペリーニ……それと、「ジャガイモの芽が出てきていたので…」とディアナが言い訳しながら作ったヴィシソワーズはエクレール提督への心遣いで、ガラスの食器に入って見た目も涼しい…

エクレール提督「すぅ……美味しいですわ。トレ・ビァン♪」…ひとすすりすると珍しく素直に褒めた

リシュリュー「ほほぉ…これはこれは見事なヴィシソワーズですな♪」舌触りの悪さも無ければ塩味もちょうどよい…それに手順もよかったらしく「生クリームがぬるくなって生臭い」ということもない……

ジャンヌ「あぁ、なんと素晴らしい…やはりフランスの料理は世界一ですね!」

チェザーレ「…うむむ、このタリアテッレは素晴らしいな♪」

ディアナ「喜んで頂けて何よりです…♪」

ジュッサーノ「本当に美味しい…あぁ、とっても幸せ♪」

カドルナ「うぅん……カッペリーニを食べたのですが…せっかくなのでタリアテッレももらうことにします」

提督「ふふ、いいじゃない…いっぱい食べて大きくなるのよ♪」滑らかな泡の立つスプマンテをシャンパングラスで楽しんでいたが、しっかりした味わいのタリアテッレに合わせてコクのある赤ワイン「バルバレスコ」に切り替えた…

カヴール「うふふっ…私、ほど良くお腹が空いてきました♪」すでにボトル半分ほどの赤ワインを空け、微笑しながらたっぷりと料理を取るカヴール…

デュイリオ「いけない…私、食べ過ぎてしまいそう……とっても美味しいんですもの♪」そう言いながらテーブルの下でストッキングを履いた脚を伸ばし、つま先で提督の太ももをくすぐる…

提督「あんっ…もう///」

ディアナ「…みなさん、ピッツァがちょうどいい具合に焼けましたよ♪」デュイリオの脇を通りながら声をあげる

デュイリオ「あらあら……ディアナ、わざとですね?」

ディアナ「おや、何の事でしょう…ところで、一切れお取りしましょうか?」

デュイリオ「…ええ、頂きます♪」

チェザーレ「おぉ、ローマ風ピッツァか♪」

レモ「やったぁ、嬉しいっ!」


…四角く切ってあるローマ風ピッツァと、薄くてさくさくした生地で三角形のナポリ風ピッツァ……ローマ風はエダムやモッツァレラと言った数種類のチーズがこってりととろけて、表面に黒オリーブが散らしてある…ナポリ風のピッツァはまさしくナポリ発祥の「ピッツァ・マルゲリータ」で、白、赤、緑のトリコローリ(イタリア三色旗)カラーが目にも鮮やかで、いい匂いをさせている…


提督「ふふ…では、公平に一切れずついただきます♪」

ドリア「まぁ、素敵な考え…私もそうさせてもらいます♪」

オリアーニ「提督たちもやっているし…私が両方とってもいいわよね……」

マエストラーレ「そうね…じゃあ私も♪」

フィウメ「あれ……ポーラ姉さま、ワインがなくなってしまいました」

ポーラ「本当ですねぇ〜、それでは〜…次を開けましょ〜う♪」ぽんっ…と栓を抜くと立ちのぼるワインの香りを吸い込み、それから優雅な手つきでグラスに注ぐ…

エウジェニオ「ポーラ、私にもいただける?」

ポーラ「はぁ〜い♪」

エウジェニオ「ふふ…いいものね、美味しいワインと食事……それに可愛い女の子たち♪」とくとくとくっ…口の広いワイングラスに濃い赤色の液体が注がれるとエウジェニオはゆっくりと口に含んで味わい、それから優雅な姿勢でしどけない表情を浮かべた…

ナウティロ(フルット級中型潜)「///」

ゴルゴ(フルット級)「…けほっ、こほっ!」

アレサンドロ・マラスピーナ(大型潜マルコーニ級)「ふふっ…可愛い娘を口説くなら私も負けてはいないよ、エウジェニオ?」戦中イタリア潜として大西洋初戦果を挙げたせいか、とにかく手が早い「アレサンドロ・マラスピーナ」……隣に座っていたスクアロ級中型潜の「デルフィーノ」はすでに撃沈状態で、テーブルの上に置いた手を重ねて、頬を桜色に染めてもたれかかっている…

デルフィーノ「あぅ…ん……んっ、んっ…///」しきりに脚をもじもじさせ、口をだらしなく半開きにしている…

アレサンドロ「ふふ…デルフィーノは賢いから、食事が終わるまで待てるね?」

デルフィーノ「はい…待てます……ぅ///」

アレサンドロ「ふふ…いい娘だね♪」手の甲を優しくさすった…

デルフィーノ「んんっ…んぅ///」

……… <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/11/18(土) 01:04:50.22 ID:vi4lqqIa0<> …しばらくたって…

提督「ディアナ、次の料理を運ぶの手伝いましょうか?」

ディアナ「いえ、平気ですから」

百合姫提督「ふぅ…もう結構お腹一杯だけど、まだあるのね……よいしょ…」軽く体を揺すりお腹を空けようと頑張っている

足柄「それにしてもイタリヤ料理って言うのは、ハイカラだけど量もあって美味しいわね♪」

龍田「そうねぇ…♪」ボトル一本のワインとたっぷりの料理をお腹に収め、火照った頬を扇ぎつつくつろいでいる龍田…

トレーリ「ジァポーネの食べ物は……私が行ったときはあんまり美味しいものに出会えなかったので…どうなんでしょう?」

フィンチ(カルヴィ級大型潜)「案ずるな、トレーリ!当然美食もあるぞ…スシ、テンプラ……後は…あー……」

ディアナ「ウナギなんていかがでしょう?…百合姫提督がお手ずから足柄と龍田に調理されたものですよ♪」二人の前に蓋つきのお皿を置いた…

足柄「えっ…あれ、本当に調理してくれたの?」

龍田「ウナギをさばくのは大変だったでしょう?…開けるわねぇ」

百合姫提督「ええ。どうぞ召し上がれ♪」二人は皿の蓋を開けてため息をついた

足柄「まぁ、上手なものじゃない♪」

龍田「美味しそうな白焼きねぇ…せっかくだからいただきます♪」

百合姫提督「ねぇ、二人とも……せっかくの和食だもの、日本酒なんて欲しくならない?」

足柄「それはもう…「赤ワインでウナギ」よりは日本酒できゅっとやりたいわね」

百合姫提督「そうよね……はいっ♪」ディアナに冷やしておいてもらったらしい清酒「浦霞」の四合瓶を開け、シャンパングラスにとくとくっ…と注いだ

龍田「あら、いいわねぇ…それじゃあさっそく……はむっ」ふわりと焼き上がったウナギの白焼きに箸を入れる…ふわりととろける脂の乗ったウナギはほどよく焼き目も付いていて香ばしい……

足柄「んーっ!…やっぱりこれに限るわねぇ♪」きゅーっとほど良く冷えた清酒をあおり、ふた口ばかり頬張ってからわさび代わりのホースラディッシュを乗せて味わう…

百合姫提督「どう、美味しい?」

足柄「美味しいに決まっているでしょう…提督の手づくりとあればなおさらよ♪」

龍田「とっても美味しいわぁ…料亭の味ねぇ♪」

提督「よかったわね、姫?」

百合姫提督「えぇ。二人に喜んでもらえてとっても嬉しいの♪」

ディアナ「よかったですね…さぁ提督、メインディッシュを受け取ってくださいませ♪」

提督「まぁ、素敵♪」

…大きな皿に盛られてきたのはディアナが「トスカーナ風」と言っている、グリルした猪の骨付きあばら肉を赤ワインソースで煮こんだ野性的な一品…それと別のお皿には、マヨネーズソースで仕上がっている大海老のグリルとカキのソテー・バターソースが載っていて、好きな方(…か、お腹さえ了解すれば両方とも)を選べる…

ディアナ「どちらにします?…お肉?それとも海老ですか?……両方でも構いませんよ?」

提督「じゃあ両方でお願い…あ、でもデザートまでお腹を空けておかないといけないのよね……うーん」

リットリオ「でしたら提督、食べられるだけ食べたら私に回して下さい。手伝いますから♪」

提督「あら…食べさしなんて渡しちゃっていい?」

リットリオ「はいっ…むしろ提督の食べさしの方が♪」

ドリア「……私も手伝いますよ、提督♪」

ライモン「で、でしたら私も…!」

提督「ふふっ…みんなして私の食べかけを取らないで、自分たちで分けあいなさい?……リットリオは私からね♪」たっぷり二本分のワインが入って、誰かれ構わず甘やかしている提督…

リットリオ「はいっ♪」

<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/11/18(土) 02:18:51.47 ID:vi4lqqIa0<> ロモロ「うぅ…ん!」今回の輸送作戦でも頑張ってくれた功労者、「R」級大型輸送潜の「ロモロ」は狼のように猪肉にかぶりつき、濃い目の味付けとがっちりした肉の噛みごたえに満足している…

アブルッツィ「うん、とっても美味しいわ♪」

…軽巡ガリバルディの姉に当たる「ルイージ・ディ・サヴォイア・デュカ・デリ・アブルッツィ」……本名はもっと長い名前だったが軍艦になって省略され、それでも長すぎたので戦中から「アブルッツィ」と呼ばれている……アブルッツィ地方は野山で狩りが出来るので、自然とアブルッツィも猪肉を取った

アッテンドーロ「私は海老で♪」ライモンの妹でナポリ所属だった小粋な軽巡「ムツィオ・アッテンドーロ」は大海老を取り、ほろりとほぐれる海老の紅白の身を口に運び、ワインの「アスティ」との組み合わせを楽しむ……

チェザーレ「あの深海棲艦に張りついていた牡蠣か……猪にしよう♪」

フィウメ「私は海老にします♪」

ザラ「じゃあ私は猪にするわ…もし味見したかったら言いなさいね?」

ポーラ「ポーラはぁ、猪にしまぁ〜す♪…ボルツァーノ、一緒にどうですかぁ〜?」

ボルツァーノ「はい、嬉しいです♪」姉妹のないボルツァーノだけに、従姉妹のようなザラたち…特に基本形になったポーラとは仲が良い

ミッカ(大型潜)「よかったら一口いかがですか、フィエラモスカ?」…同じく単艦同士の「ピエトロ・ミッカ」と「エットーレ・フィエラモスカ」は、「フィエラモスカ」が大型潜で唯一年上にあたる「バリラ」級の四人のお姉さま方、「ミッカ」がほぼ同い年の「アルキメーデ」級の二人、それに慕ってくれる中型潜たちと楽しくやっている……

バリラ「あらあら、二人はそんなに仲良しなのね…お母さん嫉妬しちゃいそう♪」

スクアロ「へぇ…そういう関係だったのか……おめでとう♪」

ジョヴァンニ・ダ・ヴェラサーノ(ナヴィガトリ級駆逐艦)「おめでとう♪」

ニコロソ・ダ・レッコ(通称ニコ)「そういう関係ってことは…もしかして……///」

アルヴィセ・ダ・モスト(ナヴィガトリ級)「それはあれだよ…きっと……」

ニコ「…っ///」ダ・モストが何やらひそひそと耳打ちすると、ニコは真っ赤になってワインをがぶ飲みした…

フィエラモスカ「残念でした、ミッカとはまだそういうお付き合いはしていません」

ミラベロ「と、言うことは…これから「そういうお付き合い」をする予定なのね♪」

リボティ(ミラベロ級)「ふふ…嘘はつけないものだね♪」

ミッカ「ミラベロ、リボティ…あんまり大人をからかうものではありませんよ?」

アントニオ・ダ・ノリ(ナヴィガトリ級)「そうそう…あんまりそういうことを言っていると提督を呼ばれちゃうわよ、きっと」

リボティ「ふふ、提督ならあちらでリットリオといちゃついているから平気だよ」

提督「…呼んだ?」

リボティ「!」

提督「ちょっと替えのグラスを取りに来たの……でもね、リボティ…「聞こえていないだろうから」って人の噂なんていけないわね♪」耳元でそういうと「ふーっ♪」と息を吹きかけ、そのまま軽い足取りで席に戻って行った

リボティ「ふふ…私の耳元で天使がささやいていったよ……あぁ、驚いた」実年齢はさておき、容姿の割には耳年増なミラベロとリボティだが、提督の奇襲を受けてたじたじとなっていた…

ダ・ノリ「あはははっ、さすがのリボティも提督相手ではかたなしなのねぇ♪」

リボティ「む…提督は仕方ないと思うけどね?」

ミラベロ「そうね、あの可愛い容姿にだまされると…ふふ♪」

提督「もう…相変わらずなんだから……」白ワインをもう一杯飲み干して大海老を口に運んだ…牡蠣のソテーはバターの風味も豊かで美味しかったが、さすがに全部は食べきれないだろうと、口をつける前に一個をリットリオに渡した…

リットリオ「ありがとうございます♪……本当は食べかけの方がよかったんですけど…」

提督「なぁに、リットリオ?」

リットリオ「いえ、何でもないですっ」

提督「…後で食べかけの牡蠣よりいいものをあげるから、今は我慢してね♪」リットリオのふとももに手を置いて、そっとささやいた

リットリオ「もう、聞こえているじゃないですかっ…///」

ライモン「むぅ…提督ってば……///」さりげなくふとももをくっつけてくれているのは嬉しいが、提督がリットリオにも甘い顔をしているのでさも不満げなふりをするライモン…

提督「ふふ…大丈夫よ、ライモン♪」意味深な微笑みを浮かべてみせた

ライモン「…はい///」

<> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/11/18(土) 09:28:57.48 ID:M6HC6NyAo<> mangiare cantare amore

これぞ伊太利亜でございますなあ <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/11/19(日) 00:49:36.18 ID:jv8XsFTF0<> >>902 「食べて、歌って、恋をして」ですね…それに「パンと恋さえあれば生きていける」って言っていますから……しばらくドルチェな時間を過ごす予定ですので、乞うご期待です

<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/11/19(日) 02:05:34.08 ID:jv8XsFTF0<> 提督「さてと…とっても美味しかったけど、まだドルチェとコーヒー…お酒もたっぷりあるのよね♪」

ディアナ「ええ、ありますよ。ドルチェ(甘い物・デザート)はレモンメレンゲを乗せたロールケーキとカンノーロ、パンナ・コッタにアプリコットのタルトレット(小さいタルト)です」

(※カンノーロ…シチリア発祥の銘菓。筒に巻きつけ円筒形にした生地をからりと揚げ、中にリコッタチーズかカスタードクリームをベースにマルサーラ・ワインやバニラなど好きな風味をつけたクリームを詰めるお菓子……映画「ゴッドファーザー」でも要所をしめる小道具として出てきたりする。複数形はカンノーリ)


提督「ふふ、そんなに色々あると迷ってしまいそうね…♪」

カヴール「そう言いながら結局はどれもお取りになるのでしょう?…せっかく運動してもこれではお釣りが来てしまいますよ♪」

提督「また明日から運動すればいいし、今日は気にしないことにしているの……あー、どれにしようかしら♪」ドルチェはカウンターの盆の上に並べてあって、どれも甘い芳香を放ち「食べて下さい」と言わんばかりに誘っている…結局提督はデザート皿にカンノーロとレモンメレンゲのケーキ、タルトレットを並べ、別のお皿でパンナ・コッタを取った……

ミッチャー提督「よく食べるね…私は甘い物はそんなに欲しくないから、そのクリームプディングだけにしておくよ」

提督「もう、ジェーンったら…「パンナ・コッタ」はプリンと違ってクリームをゼラチンで固めたものよ?……「ババロア」みたいなものって言えばいいのかしら」

ミッチャー提督「へぇ…それは知らなかったわ。これからは恥をかかずに済むってわけね♪……うん、美味しいよ」

提督「それはもう、ディアナのお菓子だもの…「カンノーロの銃口から撃ちだされるは甘いクリームの銃弾」…なんてね。……はむっ♪」

ムレーナ(フルット級)「提督、酔ってるんじゃないか?」

提督「いいえ、意識はしっかりしているから酔ってはいないわね。ただ、少し身体が火照っていて……気持ちいいわ♪」

ムレーナ「ほろ酔いってところだな…人生を楽しく感じられるってわけだ……あたしはカンノーリにしよう」

スクアロ「…銃はおいて来い……カンノーリは持ってきてくれ」

ムレーナ「それだよそれ…しびれるセリフだったからなぁ」

スクアロ「じゃあ、今度「油紙にくるんだ魚」でも届けようか?」(※ゴッドファーザーのワンシーン…相手の組織に対し「送り込んできた奴はいまごろ魚のエサ」と言う意味)

ムレーナ「ははっ、私は味方だろ…敵に送ってやるといい♪」

フラテッリ・バンディエラ(バンディエラ級中型潜)「いかにもそうね!…愛国の志士よ集え!我らが海からアルビオンを追い出すのだ!」

ムレーナ「おいおい、そう熱くなりなさんな…あたしは可愛い深海娘の柔肉に喰らいつければそれでいいんだから♪」ぺろりと舌なめずりをして、カンノーロを食いちぎった

スクアロ「ああ…それと私たちにそういう下らんお題目は必要ない……」アル・パチーノばりの冷静な声を真似て素っ気なく言うと、カンノーロをつまんでから濃いエスプレッソをすすった

ムレーナ「おいおい、格好いいじゃないか…惚れちまいそうだね♪」

スクアロ「ふふっ…練習のかいがあったかな?」

ムレーナ「…何だ、練習したのかよ?」

スクアロ「どうせ「海のギャング」呼ばわりされるなら一流になろうと思ってね…似てただろう♪」

ムレーナ「あぁ…でもそいつはいいね、あたしも練習しようかな」…スクアロ(サメ)とムレーナ(うつぼ)だけに、危険な雰囲気を漂わせている二人

カラビニエーレ「何よあれ…全く、取り締まりが必要ね!」一方、カラビニエーリ(軍警察)が艦名の由来だけに規則にうるさく、今にも二人を叱りつけそうなカラビニエーレ…

アヴィエーレ「まぁまぁ、潜水艦の連中はみんな冷めているのさ……私みたいなロマンチストじゃやっていられないんだ、きっと♪」…今日も革長靴にお洒落なマフラー、金縁のサングラス姿で、後ろに髪を撫でつけているアヴィエーレ…もっとも、入り口でかけてもらった花の輪っかをかけているので少しおかしな感じになっている……

カラビニエーレ「うーん…仕方ないわね、今日は不問にしてあげることにするわ」

アヴィエーレ「それがいいよ…さーて、もう一杯何かいただこうかな♪」

カラビニエーレ「ちょっと、まだ飲む気なの?」

アヴィエーレ「いけないかい?…出撃してきたんだし、いいだろう?」

カラビニエーレ「ぐっ…あんまり飲み過ぎないようにね?」

アヴィエーレ「それは無理な相談かな…今日はぐでんぐでんになるまで飲んでやろうと思っているからね♪」ほろ苦いカンパリ・ソーダをきゅっとあおる…

カラビニエーレ「ちょっと!」

アヴィエーレ「操縦士流の冗談さ…今度はマルティーニにするかな♪」


<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/11/20(月) 09:55:41.92 ID:WZCgJMrA0<> …食後しばらくして…

提督「うふふふっ…カヴール、もう一杯いただくわ♪」すっかり満足した提督はバーカウンターでストゥールに座り、甘いアプリコット・ブランデーをちびちび舐めながら愉快そうにしている…

カヴール「あらあら…そんなに飲んだら酔ってしまいますよ♪」

提督「大丈夫…よ♪」ちゅっ……甘い味のする唇でついばむようにキスをした…

カヴール「あんっ、もう…提督ったら♪」

ミッチャー提督「お、いいのがあるじゃない……フレッチャーはどうする?」シングルモルト・ウィスキーの「グレンリベット・18年」を見つけ、香りを楽しみつつゆっくり傾けるミッチャー提督

フレッチャー「そうね、マーム。私も何か飲み物が欲しいわ」

ミッチャー提督「オーケイ、ジンフィズでも作ってあげるよ……誰か歌うのかな」演説台の脇に置いてあるマイクスタンドに誰かがスイッチを入れた…

フォルゴーレ「一曲聞かせてぇー?」

リベッチオ「わぁ、歌え歌え♪」

足柄「いいわよ、日本の歌を歌ってあげるからちゃんと聞きなさい♪……提督も私が歌ったら一曲やりなさいよ?」すっかり顔を赤くしてマイクスタンドに立った

百合姫提督「はーい…ふふふっ♪」

ミッチャー提督「やれやれ…バーテンダーはともかく、ジュークボックスの役割までするハメになるとは思わなかったわ……曲名を教えてくれたら流してあげるわよ?」足柄が言った曲名を聞くとラップトップ・コンピューターから曲を探し、つないであったスピーカーで流し始めた…

足柄「そうそう、この曲よ…」少しもつれたような調子で歌い始める足柄…

足柄「♪〜あーかーいぃ、りーんーごぉぉにぃ、くちびぃーるよぉせーてぇぇ……だーまぁーってみーてぇぇーいーる、あーおいそーらぁぁ…」

足柄「♪〜リンゴはなんにも言わないけれど…りーんごーの気持ちーはぁー…よぉぉくわーかぁぁるぅぅ…」

足柄「♪〜りんご、可愛ぃーやぁー、かわいやりーんーごぉぉー…」


ダルド「わぁぁ、可愛い歌ですね♪」

足柄「ほら、次は提督の番よ!」

百合姫提督「はいはい…ミッチャー提督、「かもめが翔んだ日」をお願いしますね♪」

足柄「おぉ、提督の十八番じゃない♪」

龍田「提督ったら年の割に曲の選択が古いわよねぇ、うふふっ♪」

百合姫提督「♪〜ハーバーライトが…朝日にかわーりぃー…その時…一羽の…カモメぇぇーがーとーんーだーぁぁ」同期からは「横須賀の能登麻美子」、年配の提督たちからは「横須賀の菊池桃子」「鎮守府の聖子ちゃん」などと言われる甘い声が魅力の百合姫提督…歌い出しから透き通った綺麗な声が響く…

提督「あら…上手♪」飲みかけのグラスをカウンターに置くと、ぐるりと腰掛けを回して聞き入った…


…曲が終わって…

百合姫提督「ふぅ…ありがとうございました♪……足柄、龍田…歌ったら酔いが回ったみたい……部屋に連れていってくれる?」

足柄「いいわよ…寝る前に少しお風呂に浸かりましょう♪」

提督「お休みなさい、姫。とっても上手だったわ……あ♪」ふらふらしながら部屋に戻る百合姫提督へと手を振っていると、視線にエクレール提督の姿が入った……提督は急にいたずらっぽい怪しい笑みを浮かべると、カヴールに何かささやいた…

カヴール「まぁ…提督も悪いお方ですね……外交問題になってしまいますよ♪」

提督「大丈夫、マリーの事だからきっと悦んでやってくれるわ♪」

カヴール「うふふふっ…では取ってきます♪」

提督「じゃあその間は足止めしておくわ……ねぇ、マリーも歌って?」

エクレール提督「わたくしですの?…いえ、結構ですわ」残っているのは飲み足りないか、飲んで陽気にはしゃいでいる面々で、それを見るなりあっさり断った

提督「ねぇ、お願い…マリーの歌が聞きたいの♪」

エクレール提督「し…仕方ありませんわね、一曲だけですわよ?」

提督「嬉しいわ…私、マリーの声も好き♪」

<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/11/20(月) 10:45:18.08 ID:WZCgJMrA0<> エクレール提督「おだてても何もでませんわよ…ミッチャー提督、曲をお願いしますわ///」

ミッチャー提督「はいはい…タイトルは?」

エクレール提督「夢見るシャンソン人形…65年、フランス・ギャルの曲ですわ」

ミッチャー提督「オーケイ…あぁ、あった……それじゃあ、流すよ?」


エクレール提督「ええ、お願いしますわ」

「♪〜ジュ・スゥイ・ゥヌ・プゥペ・ドゥ・スィヌ・ウヌ・プペ・ドゥ・ソン…モンクェレ・ダン・メションソン・プペ・デ・スィヌ・ペデッソン」
(私はロウ人形…おがくず(歌う)人形…心は歌に刻み込まれたロウ人形)


提督「ふふっ、とっても上手よ♪」…コケティッシュで小生意気な感じのするフランス娘らしさと、つんとすまして首を小刻みに動かす雰囲気はなかなか魅力的に見える……十数人の艦娘たちも盛んに喝采を送る


エクレール提督「♪〜メ・ディ・ク・ソン・ウノ・ルァ、ドゥ・ルコシャカン・ペムゥ・ヴォァ…」
(私の心のレコードは鏡…歌う私をみんなが見るの、私の声はバラバラに壊れそうだけど……)


…何のかのと言って、曲が終わると提督を見て「どうだったかしら?」としぐさでたずねるエクレール提督


提督「トレビァン♪…とってもシャルマン(チャーミング)で可愛かったわ……」と、そこにいやらしい笑みを浮かべて戻ってきたカヴール…手には何やら紙袋を持っている……

カヴール「ありましたよ…もう、どうなっても知りませんからね♪」

提督「うふふっ♪……ところでみんな、もうすぐ鎮守府にワンちゃんが来るわけだけど……」急に周囲の艦娘たちに呼びかけた…

アヴィエーレ「ああ…それがどうかしたのかな?」

提督「ちゃんと私の用意した「飼育の手引き」は読んでくれた?」

フレッチア「もちろんよ、稲妻のような速さで読んだわ♪」

ダルド「私もです!」

ポーラ「いきなり何の話ですかぁ〜?」

提督「ふふ…今からちゃんとできるかテストしようと思って……マリー♪」

エクレール提督「はい、何ですの?」

提督「ちょっとこっちに来てくれる?」

エクレール提督「?」…眉をひそめながらも近くに来たエクレール提督……と、急に袋から出した何かを頭につけさせた…

エクレール提督「い、いきなり何ですのっ!?」

ゼフィーロ(トゥルビーネ級)「わぁ、似合ってますよ♪」

ジョヴァンニ・バウサン(ピサニ級中型潜)「はははっ、これはいい…傑作だ!」

ジャンヌ「な…コマンダンに何をするんですか!」

リシュリュー「…おやおや」

エクレール提督「一体何を…っ!?」バーカウンターの後ろにある鏡を見て絶句した…

カヴール「うふふふっ…よく似合っていますよ♪」

提督「ええ…ふふっ……とっても可愛いわ♪」

エクレール提督(犬耳)「…すぐ外しなさいっ!」……ピンと立った白い犬耳のカチューシャをつけられ真っ赤になっているエクレール提督…と、提督が顔を近づけて耳元にささやいた…

提督「…マリー……首輪とリードもあるのだけど♪」

エクレール提督「…な、何を言っておりますのっ!?」

提督「…首輪はいや?」

エクレール提督「嫌に決まっておりますわ!」

提督「そう……それなら「しっぽ」もあるのだけど、どっちがいい?」

エクレール提督「し…尻尾ってどういう意味ですの……?」

提督「大丈夫……私は使ったことないし、ちゃんとアルコール消毒もしてあるから♪」

エクレール提督「…く、首輪にしておきますわ///」

提督「そう…じゃあつけてあげるわ♪」カチャ…ミラノ製の黒革で出来た首輪を首につけ、リードとつないだ…… <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/11/20(月) 11:33:53.05 ID:WZCgJMrA0<> ザラ「エウジェニオは残念ね…こんないいものを見逃しちゃって♪」

ポーラ「そうですねぇ〜♪」

トレーリ「ネコミミでないのが残念ですね…ジァポーネではエクレール提督のような方を「ネコ」と言いますから♪」

エクレール提督「で…一体どうしようというのです///」

提督「んー…みんながちゃんと基本のしつけを覚えているかテストするわ……ほら、四つん這いになって♪」

エクレール提督「ここで…ですの!?」

提督「今さら恥ずかしがらなくたって、よく妙な運動しながら似たような姿勢をしているじゃない……それとも表でやる?」

エクレール提督「あれはヨガですの……こ、ここにしますわ///」

ミッチャー提督「……いやはや、ジーザス…恐れ入ったわ」

フレッチャー「…」

エンタープライズ「何とも絶景ですね…マーム、ちゃんと見てます?」

ミッチャー提督「あぁ……ほっそりしたふとももが伸びて…白か」

フレッチャー「…ごふっ!」

ミッチャー提督「どうした?」

フレッチャー「間違って氷を飲みこんじゃったわ…けほっ!」

提督「さてと…ワンちゃんの準備もできたことだし……まぁ、基本的に必要なのは「お座り」と「待て」…あとは散歩の時に引きずられないようにする方法くらいかしら?」

リボティ「しつけの悪い雌犬を調教するわけだね…♪」

提督「リボティ、失礼なこと言わないの。こんなに毛並みのいいワンちゃんじゃない……おー、よしよし♪」四つんばいになったエクレール提督の頭を撫でる

エクレール提督「あ、あの…///」

提督「おかしいわね…ワンちゃんを撫でたはずなのにワフワフいって喜んでくれないわ……カヴール、どうしてかしら?」

カヴール「そうですね……手引きには「たくさん撫でてあげれば喜ぶ」と書いてありましたから、もっといろんなところを撫でてあげたらいかがでしょう♪」

提督「そうね、たいていのワンちゃんは撫でれば撫でるほど喜んでくれるもの…特に、尻尾の付け根は犬の「ツボ」だからかいてあげると喜ぶのよ……いっぱいかいてあげるわね♪」…さわ、さわっ♪

エクレール提督「あっ…んっ///」

提督「あら、やっと気持ちよさそうにしてくれたわ…トレーリ、せっかくだからやってみる?」

トレーリ「はいっ♪」

エクレール提督「ちょ…ちょっとお待ちなさいな、いくら何でも……っ///」

提督「あらあら…こうやって散歩の時に引きずられそうになるのは、飼い主がリードを長く持ちすぎているからなの。少し短く持って、自分の足元にワンちゃんがつき従うようにすれば……ほら、ちゃんとついてくるでしょう♪」リードをきゅっと引いて近寄せる…

エクレール提督「///」何か言おうとした瞬間に提督たちのスカートの中が見え、真っ赤になってうつむいた…

トレーリ「おー…可愛いワンちゃんですねぇ♪」顔に胸を近づけ、「よしよし」と頭を撫でるトレーリ

提督「あら、上手♪……これならワンちゃんもきっと悦んでくれるはずよ…ね♪」

エクレール提督「わ…わんっ///」

提督「ね?…じゃあ、次にやりたい人♪」

サエッタ「私が!」

ストラーレ「はいはいっ!」

サウロ「わ、私もやりたいです///」

ポーラ「はぁ〜い♪」

提督「うふふっ、みんな熱心ね。じゃあ順番にやってみましょう…最初に手を上げたサエッタからね♪」

エクレール提督「こ…こんなの……んんっ///」四つんばいになったまま、顔を真っ赤にしている…

……… <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/11/20(月) 22:01:44.56 ID:WZCgJMrA0<> …数十分後…

ドリア「ふふっ、ワンちゃんとのお散歩って楽しいですね♪…ほーら、おいで?」

エクレール提督「んっ…くぅ……んぁぁ……///」とろっ…ぬちゅっ……ぴちゃ…♪

提督「ドリア、そろそろお散歩はおしまいにして、今度はお座りの練習をしましょう?」

ドリア「あら残念♪…ニコからリードを受け取ってからまだ食堂を一周しただけですのに……」

提督「まぁまぁ、今度は「お座り」の練習をしましょう?…「お座り」の時は、飼い主がこうやって近寄って……視線をあげさせると自然と「お座り」の姿勢になるのよ♪」ちゅぅ…ちゅぷっ♪……あごに親指と人差し指を当ててくいっと持ち上げると、ゆっくり唇を吸った…

エクレール提督「はぁ、はぁ…///」

カヴール「提督、このワンちゃんはお座りの姿勢になりませんね…」

提督「そうねぇ…そういう時は尻尾の付け根、腰の所を軽く上から押してあげると……」さわっ…

エクレール提督「あんっ…んんぅ///」とぷっ…とろっ♪……床にぺたりとへたり込み、ふとももを濡らしているエクレール提督

提督「はい、よくできました♪」椅子に座ると腕を伸ばして頭を撫でた…

エクレール提督「あっ…そんな優しく撫でられたら……んっ、きもひいいれひゅ…のぉ♪」

提督「はい、お座りもよくできました♪……こうやってごほうびをあげると「これをすればごほうびがもらえる」って、飼い主がさせたいことを覚えてくれるようになるわ♪」ひざの上に頭を乗せてやり、ゆっくり撫でる提督…時々頬を撫で上げ、髪をいじくり回した

エクレール提督「はひっ…ひぅっ……んんぅ///」

ニコ「はぁ、はぁ、はぁ…この状態……すごくそそるねぇ///」

提督「…あ、そうだわ♪……ディアナ、無塩バターを一切れもらえる?」犬の汗腺は基本的に足裏ぐらいにしかないので塩分はやらない方がよい…と、無塩バターを要求した

ディアナ「はーい……持ってきましたが、何にお使いになるのでしょう?」

提督「よくできたわんこのごほうびに…ね♪」指にバターをなすりつけ、目をうるませているエクレール提督の口元に差しだした

提督「さぁ、ごほうびよ♪……あら、舐めないの?」小悪魔的な笑みを浮かべると、バターの付いた指でゆっくりエクレール提督の唇をなぞる…

エクレール提督「くぅぅ、んっ……ぴちゃ、ぺろっ……れろっ///」

提督「ふふ、やっぱり犬はバターとか脂っこいものが好きね…ディアナもやってみる?」

ディアナ「まぁ、よろしいのですか?……では♪」

エクレール提督「んっ、んんぅ…れろっ…ちゅぱ……ちゅぷっ、れろっ、ぴちゅっ……///」

ディアナ「まぁ、ふふっ…くすぐったいですね♪」

ポーラ「ポーラもやりたいです〜♪」

ジャンヌ「あ…あの……わたくしもよかったら…その///」

エクレール提督「ジャンヌ…!?」

ドリア「こーら、あんまり吠えちゃダメですよ♪」軽くリードを引く…

エクレール提督「あんっ…///」

提督「さぁ、ジャンヌ…こっちに来て?」

ジャンヌ「はい///」

提督「私の膝の上に座って…指先にバターをつけて……さぁ、どうぞ♪」

エクレール提督「ジャンヌ…ぅ……あむっ、ちゅるっ…れろっ///」

ジャンヌ「はぁ、はぁ、はぁ……モン・コマンダンにこんなことをしてしまうなんて…聖女失格…失格ですが……あぁ、たまりませんっ///」…ぞくぞくっ♪

提督「ふふっ…みんなの分もバターはあるから、遠慮しないでいいわよ♪」

エクレール提督「はぁ、はぁ、んぁぁぁっ……ひぅぅっ♪」とろとろっ…♪

……… <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/11/20(月) 23:20:41.14 ID:WZCgJMrA0<> …同じ頃、百合姫提督の部屋…

足柄「あー…気持ちいい……今日はずいぶん飲んじゃったわ…」大浴場で一緒にお風呂に浸かっていると「先に部屋に行って待っていて」と言われ、百合姫提督の部屋にやってきた足柄

足柄「それにしても…提督はずいぶん遅いわねぇ……まさかお風呂で溺れていたりしないでしょうね」

足柄「……さてと…それにしても暇ねぇ」なかなかやってこない百合姫提督…かといって暇つぶしに何かする気分でもない……脚を伸ばして布団の上に座り込み、少し酩酊した頭でぼんやりとナイトスタンドの灯りを眺めている……

…こんこんっ…

足柄「はい…誰?」

百合姫提督「足柄…まだ起きてる?」

足柄「…起きてるわよ」

百合姫提督「よかった…入るわね」

足柄「ええ……って、提督///」


…部屋に入ってきた百合姫提督は紅葉のように真っ赤な緋縮緬(ひちりめん)の長襦袢一枚で、酔った頬を桜色に火照らせ、白くしなやかな脚が伸びて襦袢からちらちらのぞく……湯上りで「烏の濡れ羽色」になった髪を薄明るい電燈の灯りにきらめかせ、こめかみのほつれた数本が口の端に入っている……奥ゆかしく、しどけない姿に足柄は息を呑んだ……


百合姫提督「あの…ね///」

足柄「な…何よ?」

百合姫提督「その…作戦中は二人ともいなくって寂しかった……それに…今日は酔ってしまって、一人で寝たくないの……だから……一緒に…お布団に入ってくれないかしら///」

足柄「わ……私はいいわよ///」

百合姫提督「ありがとう……その、じゃあ……足柄、先に入って…///」

足柄「そ、そうね…分かったわ……」掛け布団をめくると浴衣一枚の足柄はするりと布団の間に潜りこんだ…

百合姫提督「それじゃあ…その……私も入らせて……?」留め紐を解き、するりと長襦袢を脱ぎ捨てた……ほのかな明かりで陰影を帯びた身体がより艶めかしく見える……

足柄「え…ええ……入りなさいよ///」

百合姫提督「あ…足柄の身体……暖かい///」ぴったり身体を押し付け、足柄の胸の鼓動に耳を傾ける百合姫提督…

足柄「提督こそ……お風呂上がりだから…しっとりして、火照ってるわ……」

百合姫提督「ねぇ、足柄…///」口を半開きにして、とろけたような目でじっと見つめる…

足柄「提督…私も我慢できそうにないわ……」

百合姫提督「ええ…お願い……///」

足柄「もう…知らないわよ……んっ、ちゅっ///」

百合姫提督「ん…ふっ……んんっ///」

足柄「んっ、ふぅ…んんっ……ちゅるっ、ぴちゅっちゅぷっ…んぅぅ///」こらえがきかなくなった足柄と百合姫提督は、薄明るい畳の部屋のしっとりした雰囲気の中で、むさぼるように甘い口づけをかわした…

百合姫提督「んぅぅ…足柄ぁ……もっと…///」

足柄「分かってるわよ……ちゅっ、ちゅぅぅっ///」百合姫提督の小ぶりで均整のとれた胸をいささか乱暴にまさぐりながら息を荒げる…

百合姫提督「ふぅ…んんっ♪」恥ずかしげに視線をそらしつつ甘い吐息をもらす…

足柄「提督…」

百合姫提督「お願い…「提督」じゃなくて…名前で呼んで……」

足柄「いいわよ……「深雪」…脚…開いて……」くちゅっ…くちゅ、ぬちゅっ……足柄は百合姫提督の上に馬乗りになると秘所を重ね、脇の辺りに手をついた…

百合姫提督「うん……あっあっあぁっ///」ぐちゅ、ぐちゅり……

足柄「深雪…みゆき……ぃ!」ぐちゅぐちゅっ、じゅぶっ!

百合姫提督「はぁぁ…っ、あぁぁっ…いいのっ……足柄っ…それ……いいのぉっ///」ひくひくっ…びくんっ!

足柄「分かってるわよ……んっ、んくっ…はぁぁんっ♪」

百合姫提督「ひうっ、いくっ……あふっ、あっあっあっ……あぁぁっ♪」びくんっ…とろとろっ、ぶしゃあぁっ♪

足柄「はぁ、はぁ……全く、深雪との夜戦はこたえられないわね…♪」

百合姫提督「はぁ、ふぅ……私も…とっても良かった……腰、抜けちゃった…///」

足柄「そういうこと言って誘うなら…一晩中寝かせてあげないわよ……♪」

……… <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/11/21(火) 00:04:27.73 ID:q0WqbWGSo<> おねがいします犬エクレール提督の延長戦を見せてください! <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/11/21(火) 09:44:15.94 ID:mpm18pEO0<> >>910 あー…エクレール提督のはあれで終える予定だったのですが……どうにか延長戦にもつれ込ませてみます <> ◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/11/21(火) 10:30:12.44 ID:mpm18pEO0<> …しばらくして・食堂…

提督「はーい、いい子ねぇ…♪」

エクレール提督「わんっ///」

ミッチャー提督「あー…フランチェスカって催眠術でも使えるの?……この目で見なかったら信じなかったでしょうね…っていうかまだ信じられないわ。さっきまであれだけ嫌がっていたマリーが、嬉々として指を舐めてるなんてね…」

エクレール提督「…い、言わないで下さいまし///」

提督「あら…いつ口をきいていいって言ったかしら♪」

エクレール提督「あ……きゅぅん///」ひざに頭を乗せ、若干うらめしげな上目遣いで提督を見た…

提督「うふふっ、よしよし…大丈夫、私は虐待なんてしないから♪」

エクレール提督「///」

ポーラ「ところで提督ぅ〜…」

提督「なぁに?」

ポーラ「そのバターはぁ〜…もういいのかしら〜?」

提督「どうかしら…みんな、バターはもういい?」

ディアナ「ふふふっ…わたくしは堪能いたしました♪」…いつもよりツヤツヤな頬を軽く押さえ、含み笑いをするディアナ

ドリア「はい、愉しめました♪」

ニコ「うん…とっても刺激的でよかったよ……///」

エリトレア「いやぁ…いいものが見られましたよぉ♪」

トレーリ「ジァポーネの「芸者遊び」でもこんなに面白いものはなかったですよ♪」

提督「トレーリ、芸者遊びなんてしたの?」

トレーリ「んー…実はその時は情勢がアレだったものでしませんでしたが、ここに着任してからちゃーんと勉強しましたよ♪」

提督「トレーリは勉強熱心なのね♪」

トレーリ「ふふっ♪」

ポーラ「…提督ぅ〜?」

提督「あぁ、いけない…バターはもういいそうよ。はい、どうぞ」

ポーラ「グラーツィエ…さ〜て〜と……よいしょ〜♪」くるぶしの革紐で留めている黒い編み上げ型のハイヒールを脱いで、薄い黒のニーハイソックスのつま先に指でしゃくったバターをなすりつけた…

ニコ「お…おぉ?」

カヴール「まぁまぁ♪」

リットリオ「あーっ!それ、やればよかった…!」

ポーラ「えへへぇ♪」椅子に腰かけ、つい…とつま先を伸ばす……

エクレール提督「いえ…そのっ///」

ポーラ「ほぉーら、ワンちゃん…お〜いでぇ♪」

カヴール「ふふっ♪…良かったですねぇ、マリーちゃん……ポーラがバターをくれるそうですよ♪」

エクレール提督「わ、わんっ///」見ないようにしても、靴下からむちっとはみ出た柔らかそうなふとももと、その奥の薄いランジェリーが見える…

ポーラ「舐めにくいですかぁ〜…じゃあ、脚を持ち上げてあげましょ〜♪」脚を持ち上げると黒の透け透けランジェリーが白いふとももの間からのぞく…お洒落だがほとんど紐のような下着に、数人の生唾を飲む音も聞こえる…

フレッチャー「おぉ…私にも見える……当時のピンナップ・ガールばりね///」

ミッチャー提督「あー…それならセンサーよ、センサー」(※censord…検閲・削除、「ピー」という音)

エンタープライズ「ヒュゥ……大胆♪」

ポーラ「えへへぇ♪」視線がクギ付けのフレッチャーたちに手を振った…

<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/11/21(火) 11:08:04.02 ID:mpm18pEO0<> エクレール提督「…ぺろっ///」

ポーラ「おぉ…まだいっぱいありますからねぇ〜……よ〜いしょ♪」しゅる…っ♪……腰から胸にかかる黒いコルセット風の胴衣を外して脱ぐと、ブラウスを大きくはだけた

提督「あら…うふふっ♪」

ザラ「ポーラ……もっと見せてよ♪」

ポーラ「ザラ姉さま…それは二人きりの時にしましょ〜?」

ザラ「おっと、そうね♪」

ニコ「はぁ、はぁ、はぁっ…私は、ここで脱いでもいいと思うけどな……///」

トレーリ「うんうんっ」

ポーラ「だめですよぉ〜…ポーラの裸はぁ、そんなに安くありませんからぁ〜♪」

トレーリ「あぅん…残念っ♪」

ゴリツィア「もう、ポーラったら…もっと脱いじゃえ♪」

ポーラ「えへへぇ…暑いですしそれもいいかもですねぇ〜……でも、まずはワンちゃんと戯れましょ〜♪」紅いケシの花模様のレース飾りがついた黒いブラを外して放ると胸の谷間にバターを塗りつけ、エクレール提督の前にしゃがみこんだ……

エクレール提督「///」

ポーラ「さぁ、どうぞ〜?」

エクレール提督「わ…わんっ///」ぺろっ…ちゅる……ちゅるっ♪

ポーラ「えへへっ、くすぐったいですねぇ〜♪」谷間に顔を埋めてぺろぺろ舐めまわしているエクレール提督の頭を両手で抱え、ぐっと押し付けた

エクレール提督「むぅ、むぅぅ///」

フィウメ「あ…ポーラ、今度でいいので私にもそれやって下さい♪」

ポーラ「はぁ〜い♪」

リシュリュー「なるほど…ああいうやり方もありですか……ふむふむ、興味深い♪」われ関せずと片隅でコニャックを傾けているが、さりげなく観察は続けている…

提督「うふふっ♪よかったわねぇ、マリー……あ」

カヴール「どうしました?」

提督「いえ……物を食べるのかどうか分からないけど、あの深海棲艦にも何か持って行ってあげないと」

ライモン「そう言えばそうでしたね…さぁ、行きましょう///」あまりの光景にいたたまれずにいたので、てきぱき動いて食事をお盆に乗せるライモン…

ポーラ「今度は先端ですよぉ〜♪」

エクレール提督「わん、わんっ///」

ポーラ「もう、そんなに焦らなくてもぉ、ポーラは逃げませんよぉ〜…あ、バターが垂れちゃいましたぁ……♪」おへその辺りまでブラウスを開き、溶けたバターを指でなぞってから舐めあげる…

提督「あらぁ…うふふっ♪」

ライモン「ほら、行きますよっ///」

提督「あ、もうちょっと待って……きゃあ♪」

………

<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/11/21(火) 12:11:56.84 ID:mpm18pEO0<> …空き部屋…


提督「ちょっと失礼…お邪魔するわね♪」

深海棲艦(英・G級駆逐艦?)「何かご用?」

…部屋の中には軍用のパイプベッド、シンプルなマットレスと枕に冴えない色の軍用毛布…ベッドサイドのナイトテーブルの上には聖書が一冊とトランプのカードが一揃い置いてある……ベッドに座っている深海棲艦はぬめりこそとれたが、まだ魚市場の片隅のような海臭いにおいがたちこめている…

提督「夕食を持って来たわ…召し上がれ♪」

深海棲艦「そう…てっきりもらえないものと思っていたわ」素っ気ない言い方だが一応イギリス英語で、皮肉らしい言葉をつぶやいた

提督「ごめんなさいね、物を食べるかどうかもよく分からないし……部屋に入ってもらった時はちょっと興奮気味に見えたから」…ミッチャー提督言うところの「暴れる山猫が子猫に見える」ような勢いで暴れ回り、部屋の片隅に粉みじんになったソファーが転がっている事を考えると、提督の言い方は控えめと言ってよかった…

深海棲艦「ジョークのつもりかしら…冴えないけど」

提督「あら…あなたの顔色よりは冴えているつもりだけど?」

ライモン「提督、相手にしちゃダメです……ほんの数時間前には提督の首を締め上げたような相手ですよ?」

深海棲艦「ふぅーん……あなたたちってそういう仲なの?」

提督「ええ、そうよ…ん、ちゅっ♪」

ライモン「///」

深海棲艦「…女同士でべたべたして気持ち悪いわね、あなたたち」

提督「あら…牡蠣殻くっつけて全身ぬるぬるだった貴女が言えること?……さぁ、食べて?」丸パン数個と夕食の猪肉を一切れ、チーズとバターにワインが一杯…

深海棲艦「戦争が弱い国は食事が美味しいって言うから、期待しておくわ……あむっ…」

提督「…ご感想は?」

深海棲艦「まぁ…不味くはないわ……捕虜に出す食事にしては上等だと思うけど…それとも、処刑前の最後の食事だからかしら?」

提督「一応、処刑の予定はないわ…とりあえずお口に合ってよかったわ♪」

ミッチャー提督「失礼…お、深海棲艦もちゃんと物は食べられるんだ……」

提督「あら、ジェーン…来たの?」

ミッチャー提督「まぁね…あの食堂にいたら何に付き合わされるか分からないから逃げてきたわ♪」

深海棲艦「…むしゃむしゃ」

ミッチャー提督「暴れ回ってたのが静かになったもんだ…ハーイ」

深海棲艦「何かしら、植民地の方…奴隷にしてはいい身なりね?」

ミッチャー提督「なるほど……イギリス人の口が悪いのは深海棲艦も同じだ♪」

提督「そうね…あら、もうごちそうさま?」

深海棲艦「数分で食べ終わる量だったから仕方ないわ、それに肉は生っぽいし……ひっく…///」

ライモン「いちいち失礼な……提督、あんまり好き放題言わせておくことはありませんよ」

提督「まぁまぁ。そんなに少ないつもりはなかったのだけど……次はもうちょっと量を増やしてあげるわね」

深海棲艦「あなたたちの分が無くならなければいいけど…ひゃっく……ね///」

提督「あー……もしかして酔ってるの?」…青ざめた白い肌にかすかに色味が戻っているように見える

深海棲艦「…一体なんのこと……意味がわから…ひっく……ないわ///」

ミッチャー提督「深海棲艦って…もしかしたら魚と同じでアルコールの分解酵素がないんじゃない?」

提督「なるほど…あり得ない話ではないわね……」

深海棲艦「いいからもう一杯寄こしなさいよ…///」

ミッチャー提督「で、酩酊するまで飲みたがるのはイギリス人と同じ……と」

深海棲艦「ちょっとぉ、聞いてるの!?」

提督「で、酔うとめちゃくちゃに暴れるのもイギリス人と同じ…と♪」

深海棲艦「私の…話を……聞けぇ!」

提督「はいはい…」むにーっ……深海棲艦の真っ白なほっぺたを引っ張る提督

<> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/11/21(火) 17:17:59.46 ID:q0WqbWGSo<> 「ツンツンした女の子が首輪でソフトなSMプレイ」がストライクなんですありがとうございますありがとうございます <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/11/21(火) 21:07:55.65 ID:mpm18pEO0<> >>915 気に入ってもらえてよかったです…無理やり百合百合するのはあんまり書きたくないですし書けないので、引き続きお互い合意の上……かつゆるーい感じでやっていきます… <> ◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/11/21(火) 21:50:27.04 ID:mpm18pEO0<> 深海棲艦「いふぁい!…ふぁにふるのよふぉの、フラッフィ・ファッフォ・ファッファー!」

ミッチャー提督「あー…「痛い、何するのよこのブラッディ・マッド・サッジャー!(冷酷な悪党)」……だって」

提督「ふーん……♪」ぎぎぎ…

深海棲艦「ふぁるふぁっふぁわ……ほふぇんふぁふぁい…」

ミッチャー提督「そのくらいで放してやったら?…「悪かったわごめんなさい」って、言ってるわよ」

提督「そう…分かればいいの♪」

深海棲艦「ふん…マカロニなんかに謝るのは今回だけよ……」

提督「あー…なんだか今すぐ柔らかいものをつまみ上げたい気分ね……♪」

深海棲艦「…」ぴたりと静かになってきっちり座った

ライモン「ぷっ…くすくすっ♪」

深海棲艦「ワッツ・ユア・ラーフィンナバウト…!?」ギロリ…

ミッチャー提督「ライモンド「何がおかしいんだ」…だって」

ライモン「だって…あれだけ大暴れした深海棲艦が……ぷっ、ふふっ…提督にほっぺたつままれただけで大人しくなるなんて……うふふふっ♪」

提督「確かにね…ふふっ♪」

深海棲艦「私は見せ物じゃないわ……用が済んだならお引き取り願いたいわね」

提督「はいはい……ライモン、行きましょう」

ライモン「分かりました…時々見回りに来ますから、変な気は起こさない方が身のためですよ」

深海棲艦「ふんっ、捕虜はいつだって敵に迷惑をかけるよう努力するものよ……それに、そんな脅しは通用しない」

ライモン「あー…そうですか。鎮守府には「せっかく捕まえたんだし、深海棲艦を口説き落としていやらしいことしてみたーい♪」って言いかねないような人たちがいるから、親切でいってあげているんですが……まぁ、忠告を無視するようなら貞操の保証は出来かねますよ?」

深海棲艦「な…ここにはこんなのがうようよいるわけ……?」

提督「あらら…「こんなの」って言われちゃったわ……それじゃあね♪」ちゅ

深海棲艦「なに…っ///」

ミッチャー提督「嘘でしょ…?」

ライモン「あーっ!…だめですよ、ほっぺたとはいえ深海棲艦とキスなんて……バイ菌でも入ったらどうするんです?」

深海棲艦「失礼な…だいたい急にキスするなんて……マカロニの色ボケらしいわ///」

提督「冷たいけど意外に柔らかいのね……それに、ほのかに塩味だったわ///」

ライモン「いやいや、聞きたくありませんっ…それと、このあと私とキスするつもりなら……絶対にうがいをしてくださいね!」

提督「了解…それじゃあ、行きましょうか♪」

ミッチャー提督「あぁ…うん」

…がちゃ…

………

深海棲艦「あのイタ公の提督…ぷるっとして柔らかかったわね……いけないいけない…///」冷たい指を提督の唇が触れた辺りに走らせてみる…



<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/11/21(火) 23:21:54.98 ID:mpm18pEO0<> …しばらくして・食堂…

ライモン「うわ…ぁ///」

ミッチャー提督「…ジーザス」

提督「なにがどうなってるの…これ……♪」


…ライモンに怒られて散々うがいと歯みがきをさせられた提督……食堂に戻ってみるとエクレール提督が半裸になって可愛いリボンで飾りたてられ、手足を犬のように折り曲げてお腹をさらし、嬉々として艦娘たちに撫でられている…


エクレール提督「あんっ、フランチェスカぁ…///」床にあお向けに寝転がり、身体をくねらせひくついている……

ニコ「あれぇ…どうして犬が口をきいているのかなぁ?」

アントニオ・シエスタ(バリラ級大型潜)「ふふっ、おかしいですよねぇ……でも可愛いから許しちゃいます♪」

ランチエーレ(ソルダティ級)「そうね…それに「フランスの雌犬が這いつくばっている」って聞いただけでぞくぞくしてくるし♪」

アッテンドーロ「ほら…ここがいいのよね♪」

ザラ「尻尾も可愛いわ♪」

エクレール提督「わんっ…あっ、あぁぁんっ…♪」とろとろっ…ぴちゃっ、ぽたっ……♪

ジャンヌ「はぁ、はぁ、はぁっ♪…いけないと分かってはいるのですが……こんな痴態を見せられたら…聖女であるわたくしとて我慢できないと言うものです……っ///」ふみっ♪…優しく胸元を踏みつける

エクレール提督「んぅ…ジャンヌ…ぅ……れろっ///」くるぶしの辺りを舐めあげる…

ジャンヌ「ふぅっ、ふうっ……あぁ、背徳感が…すごすぎてっ///」くちゅっ…

リシュリュー「おや、提督方。お戻りになられましたか……フレッチャーとエンタープライズでしたらすでにお部屋ですし、わが提督は…見ての通りでございますので、ここはわたくしどもにお任せを♪」

ミッチャー提督「あー…うん、じゃあ私は撤退させてもらうから……後はよろしく♪」

提督「おやすみなさい……さてと」

エクレール提督「きゃうん…わんわんっ♪」

提督「あらあら、そんなに私が戻ってきたのが嬉しいの?」

エクレール提督「わんっ///」

提督「そう♪……でも、そろそろおしまいにしないと…」

エクレール提督「きゅーん…」

提督「マリー……すっかりはまっちゃったみたいね///」エクレール提督のことを考え、フランス語に切り替えて言った

エクレール提督「…あの、ええっと……こうしていると、日頃のストレスが全部吹き飛びます…の///」

提督「あー…いつも肩が凝るような生活をしているものね……書類は山ほどあっても数日で片づける。食事はいつも控えめ…食後にはややこしいヨガだかピラティスだか……おまけに、よせばいいのに気どったパリジェンヌの真似までして……」

エクレール提督「そ…それは言わない約束ですわ……///」

提督「…とにかく、今日はこのぐらいにしておきましょう?……またやってあげるから♪」

エクレール提督「やってくれますの?」

提督「ええ……それに食堂じゃあわんこのトイレトレーニングは出来ないじゃない?」

エクレール提督「そ、そこまでしますの…っ///」

提督「さぁ、どうかしら?……ところでみんな、イヌの基本的な飼い方はよく理解しているようね♪」イタリア語に戻してにこやかに言った

ニコ「うん…もうばっちりだよ♪」

提督「よかったわ…さてと、そろそろマリーにも「エクレール提督」に戻ってもらいましょう……ほら、立って♪」

エクレール提督「あっ…んっ、ふぅ……んんぅ///」

ドリア「あら、もうお終いですか…」

カヴール「残念ですねぇ♪」

トレーリ「でも、色々試せてよかったです♪」

提督「よかったわね…それじゃあ、明日は好きなだけお寝坊していいから、寝ているみんなの迷惑にならない程度でご自由にどうぞ♪」

……… <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/11/22(水) 00:48:01.35 ID:Z/WuIaSn0<> …波打ち際…

提督「はぁ…さすがに夜になると涼しいわ……」入浴も済ませ後は寝るばかりの提督だったが、トレーリに「よかったら夜の散歩でもしませんか?」と誘われ、ナイトガウンを羽織って庭に来ていた…

トレーリ「ですね…それにしても、月に照らされたあおいなぎさがきれいです…♪」

提督「……そうね、花園もしずまりかえって…」ぱちゃぱちゃと波打ち際に脚を踏み入れた

提督「涼しい水…それに、まるで玉のような青……たまりませんわ♪」

トレーリ「そうですね、それに……やや、なんときれいな星…このはなも夜空のひかりを喜んでいるように見えますね♪」足下の小さい白い花をそっと撫でた…

提督「深雪も部屋から見ているかしら…それとももう寝ているかしら……」

トレーリ「むぅっ…私が隣にいる時に他の女性の話はなしですよ……トレーリの「女の子と付き合う時の十のルール」だと、六条に違反していますからね?」

提督「あっ…ごめんなさい、私としたことが……」

トレーリ「…冗談ですよ、許してあげます♪」

提督「ありがとう、トレーリ……それにしてもきれいな空ね、天から銀河の音も聞こえてきそう…こんな夜は鳳(おおとり)にでもなって空を飛べたらと思うわ……スピカやオリオーネを眺めながら…ね♪」

トレーリ「本当ですね……でもニュースで聞きました…最近は地球温暖化とかで、この夜空もきれいに見えなくなっているって」

提督「ええ…中には「二酸化炭素は必ずしも温暖化の原因かどうか分からないんだ」っていう学説もあるけど……私は二酸化炭素を減らすことが温暖化を止める要だと思っているわ…って、こんな素敵な時間に無粋だったわね……」

トレーリ「いえ……それにしても昼の深海棲艦騒ぎには驚きました」

提督「私もよ…でも、みんなが私を守ろうとしてくれて……いつも大したことはしてあげられていないと思っているのに…とっても嬉しかったわ♪」

トレーリ「だって私たちは剣ですから…提督と言う城を守る……ね♪」

提督「…気持ちは嬉しいけど、それで誰かが怪我をしたり、入院なんてしたら嫌よ?……鎮守府が冬の森みたいになってしまうし…たとえば詩を書いて送っても、遠くでは気持ちが届くまでに時間がかかるもの…」

トレーリ「はい、提督のためにもけが一つしないで頑張ります♪」

提督「それでいいわ……ところで、この地中海に源があるとしたらどこなのかしら…きっと千も二千も小さな川が集まって、その華やかさを留めるのね♪」

トレーリ「ふふっ、提督はロマンチストですね…いつもは優しいお顔で甘い声をかけ……時には夏のように目をキラキラさせ、檸檬のように明るい色をパッとその場にもたらしてくれます……」

提督「ありがとう、トレーリ…もっとも、私も幼いころは内気な性格だったみたいだけど……いつからか、籠に入ったままの女じゃいけないと思ったのね…たとえその籠がいい香りの白檀(びゃくだん)だろうと、美しい金だろうと…♪」

トレーリ「きっと昔の提督はストロベリーのように可愛かったでしょうが、トレーリは今の提督が好きですよ……もっとも、一度くらい幼い提督を見てみたいですが♪」

提督「え、私が子供に戻るの?…もしそうなったら鎮守府がパニックになるでしょうね…」

トレーリ「そうですね……ふふ、きっと提督の争奪戦が始まって手が付けられなくなりますよ♪」

提督「それは遠慮したいわ……ところで、寒くなってきたわね」

トレーリ「そうですね…そろそろ戻りましょうか……」

……… <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/11/22(水) 11:42:07.20 ID:Z/WuIaSn0<> …翌日…

カヴール「おはようございます…提督♪」

提督「おはよう、カヴール…朝から元気ね……」

カヴール「それはもう…だってこんなにいい天気ですから♪」

提督「私は朝からぐったりよ……リットリオにしても…ロモロとレモにしても、あんな可愛い顔してて底なしなんだもの…」

カヴール「交代でやって来たんですか?」

提督「ええ、時間を決めてね……う゛ー…それにしても少し飲み過ぎたみたいね…まだ喉がガラガラするし、口の中がにちゃにちゃするわ」

カヴール「そう言うと思って持ってきました♪」

提督「エスプレッソね…二日酔いの時はこれに限るわ……んー、ほろ苦くてすっきりする……」

カヴール「今日は執務こそありませんが、社会福祉公社の方がおいでになるそうです」

提督「あー…そういえば予定を繰り上げてくれたのよね……みんなも早くして欲しいって言うし」

カヴール「それはそうですよ、犬や猫は可愛いですから♪」

提督「そうね…じゃあまずはきれいにしておかないと……」


…午前中・食堂…

提督「あら…これはちょっとまずいわね」

ディアナ「おはようございます、提督…お片付けですか?」

提督「ええ…今日は社会福祉公社の人が来るから、あんまり散らかっているのもよくないと思って……」

ディアナ「私もお皿を洗ったらそちらを手伝います」

提督「あぁ、いいの…ディアナは厨房で頑張っているのだから……」

カヴール「ではゴミ袋を持ってきますね」

提督「ええ……あらおはよう、カッペリーニ♪」

カッペリーニ「おはようございます、提督…今日はお日柄もよろしくて、素晴らしい夏の日になりそうですね」カヴールと入れ違いにやってきたカッペリーニ…丁寧にあいさつを済ませると、何も言わないうちに紙テープやリボンを片づけ始めた

提督「あら、ありがとう」

カッペリーニ「いえいえ、お礼には及びません……鎮守府の一員として当然のことですし、大したことでもありません」

提督「ううん…とっても助かるわ♪」ちゅっ♪

カッペリーニ「ふふ…ありがとうございます」…カシャ!

コリドーニ「おぉ…朝から提督とカッペリーニの濃厚なキス!…ばっちり撮れましたよ!」

提督「ちょっと、コリドーニ……それに挨拶のキスよ」

コリドーニ「何にせよ、いいものを見せてもらって…ありがとうございます♪」

提督「ふぅ……どうするつもり?」

コリドーニ「もちろん現像して鎮守府の新聞に…」

提督「却下」

コリドーニ「いいじゃありませんか、検閲なんてしなくても……私は愛国者ですよ?」

提督「だめよ」

コリドーニ「まぁまぁ…ちゃんと目線は隠してあげますから……掲載の許可を要請します!」

提督「要請は却下します」

コリドーニ「えぇー…」

提督「…ただし、私の写っている部分…かつ、個人に提供する範囲でなら見逃してあげます……」

コリドーニ「やった!…それではさっそく……」

提督「待って…その許可は掃除を手伝ってからよ♪」

コリドーニ「えー…?」

提督「手伝ってくれないなら許可は取り消すわ」
<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/11/24(金) 01:15:47.31 ID:lBVS0oPA0<> コリドーニ「仕方ない……手伝いましょう!」

提督「ありがとう…撒いた紙吹雪を掃き集めてくれる?」

コリドーニ「了解ですよ」相変わらず戦前の新聞記者のような鳥打ち帽と袖をめくったワイシャツ、茶色のズボンとチョッキ姿でホウキとちりとりを持ちだし、掃き掃除を始める…

提督「じゃあ私はこっちの方をやるわ」

カヴール「提督、ゴミ袋を持ってきました」

提督「あぁ、ありがとう」広げてもらったゴミ袋に紙くずやほこりを捨てる…

コリドーニ「よいしょ…んしょ……しかし大したゴミの量ですね、まったく…これがリラ札だったら今頃大金持ちになってることでしょうよ」

提督「文句言わないの、昨夜は楽しんだでしょう?」

コリドーニ「それはそうなんですがね……あ!」バサッ…ちりとりで上手くすくえない紙くずを拾おうとした瞬間、内ポケットに入っていた何かの束が落ちた

提督「コリドーニ、何か落ち……これはなぁに?」散らばった束を拾って写っている物を何気なく見た瞬間、提督の笑顔に殺気がこもった

コリドーニ「えぇと……鎮守府の新聞に載せる「季節の野草」の写真の事ですかねぇ…♪」

提督「…私が聞きたいのは、その下に入っている写真なんだけど……私の裸よね、これ?」

カヴール「あらら…こともあろうに提督に見つかってしまうとは……」

コリドーニ「おっと、急に用事を思い出したので失礼します!」写真の束を引っつかむと食堂を出ていこうとする…

提督「渡しません……気を付けぇ!…回れぇ、右!」

コリドーニ「…あはは、私にまだ何かご用ですか♪」

提督「えぇ♪……この写真について説明して欲しい所ね」パラパラとめくり、眉を吊り上げた

コリドーニ「えーと…これは、そのぉ……いわゆる士気向上のため…と言うやつでして」

提督「ふぅん……私の着替えているところに…入浴中もあるのね……この寝顔なんか、実によく撮れているわ♪」

コリドーニ「は…はは……」

提督「まぁ、許可なしとはいえ私の寝顔くらいなら許してあげないでもないわ……でもこれは何?」

コリドーニ「あちゃー…」

提督「いつから私は全裸で食事をとるようになったのかしら…不思議ねぇ」

コリドーニ「…」

提督「それに執務中にこんなあられもない開脚姿で誰かを誘った事なんてなかったと思うけど……きっと記憶が無くなっちゃったのね♪」

カヴール「…あらあら…あれも見つかってしまったのですか……」

提督「…あと、私は運動が苦手なんだけど…いつからこんな上手にポールダンスなんてできるようになったのかしら♪」

コリドーニ「えぇと…その……」

提督「私にも分かるように説明をお願いね♪」

コリドーニ「了解…えーと、そのぉ……これは私の副業と言いますか…」

提督「…なるほど」

コリドーニ「いわゆる合成写真と言うやつでして…結構注文があるんです……なにぶん、私たちはあんまりこういうのを見たことがないので…その分大変そそられると言いますか……」

提督「ふーん、よく分かったわ…これは没収します♪」

コリドーニ「そんな…横暴です!」

提督「あと、廊下掃除を一週間ね♪」

カヴール「もう…コリドーニ、そうやって持ち歩くからですよ」

提督「そういう問題じゃないでしょうが……って、カヴール」

カヴール「はい…?」

提督「まさかあなたまで持っていたり…しないわよね?」

カヴール「うふふ……それでは、ゴミ袋を片づけてきます♪」

提督「…」 <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/11/24(金) 02:22:08.67 ID:lBVS0oPA0<> …しばらくして…

ライモン「提督、「社会福祉公社」の方がいらっしゃいました」

提督「はいはい…今行くわ」小ざっぱりした夏季略装に身を包み、厨房でティーセットを用意するとテラスに持って行った……と、「社会福祉公社」と側面に書かれたフィアットのバンがやって来て停まった……降りてきたのは長身で厳格そうな東欧系の女性と、メイクの上手な可愛らしい感じのする若い女性だった…

提督「ようこそ、タラント第六鎮守府へ。司令のカンピオーニです」

東欧系の女性「ご丁寧にどうも…社会福祉公社のオリガです」

可愛らしい感じの女性「社会福祉公社のプリシッラです…なんともいい所ですね♪」

提督「そう言ってもらえると嬉しいです…何しろ「艦娘」たちには大変な事を要求していますし、せめて鎮守府だけでも居心地を良くしてあげたい……そう思っておりますから♪」

オリガ「その努力は充分のようですね…さて、私たちの視察ですが」

提督「はい」

オリガ「この施設が犬の飼育にふさわしい状態にあるかを確認させてもらいます…それから、候補となる犬を数匹連れてきておりますので、一番相性のいい子をこちらに譲渡する形になります……これが書類です」

提督「はい、確かに」サインをして写しをもらうとファイルにしまった…

オリガ「それでは案内の方を…」

提督「その前にお茶でもいかがですか?……そこに用意してありますから」

オリガ「いえ、私たちは…」

プリシッラ「いいじゃないですかオリガさん、せっかく用意してくれたんですよ?……だいたい課長が「お前たちは暇そうだから保護犬の譲渡をカバーにして、各地の下見に行って来い」なんて言うから……週末はミラノでお買いものする予定だったのに」…ごにょごにょ

オリガ「ふぅ、分かったわ……では、いただきましょう」

プリシッラ「はい…おいしそうですね♪」

提督「お好きなだけどうぞ♪」

カヴール「…ミルクと砂糖はいかがいたしましょう?」

プリシッラ「提督さん、こちらは…?」

提督「鎮守府の艦娘、戦艦「コンテ・ディ・カヴール」です」

カヴール「初めまして」

プリシッラ「ええ、こんにちは…メイクが上手ね♪」

カヴール「ふふっ…ありがとうございます♪」

リベッチオ(マエストラーレ級)「提督、気持ち良かったよー♪……って、お客様が来てたんだ…」海で泳いできたらしく濡れた白い水着とサンダル姿でやって来て、公社の二人を見て気まずそうなリベッチオとグレカーレ…

提督「あー…鎮守府の駆逐艦「リベッチオ」に「グレカーレ」です。……二人とも、こちらは社会福祉公社のオリガさんとプリシッラさん」

リベッチオ「こ、こんにちはぁ…///」

グレカーレ「えーっと……こんな格好でごめんなさい///」

プリシッラ「やだぁ、可愛い♪……リベッチオにグレカーレね?私はプリシッラよ、よろしくねー♪」

オリガ「…こほん」

プリシッラ「あー…その、ごめんね……なれなれしくて」

リベッチオ「ううん、別にいいよっ…プリシッラも可愛いよ♪」

グレカーレ「オリガさんは格好いいです♪」

プリシッラ「ありがとね、リベッチオ♪」

オリガ「ふっ…どうもありがとう」

提督「さぁ、二人とも着替えていらっしゃい♪」

二人「はーい♪」

………
<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/11/25(土) 11:51:11.44 ID:lhfEmUg30<> …しばらくして…

提督「…と言う訳で、飼育環境は整えてあります」

オリガ「そのようですね…でしたら犬の方を連れてきましょう」

提督「お願いします」

リベッチオ「楽しみだねぇ、提督♪」

提督「そうね…どんな子が来るかは私も知らないし……」

セラ「可愛い子がいいですね♪」

アッテンドーロ「そうね…って、あれがそうじゃない?」

カヴール「まぁまぁ…どの子も可愛い子ではありませんか♪」

ジュッサーノ「本当ね…あの黒い子がいいわ」

コレオーニ「ボクはあの大きい子がいいと思うな…ゴールデン・レトリーバーかな?」

提督「まぁまぁ…まずはここに馴染める子じゃないと♪」

プリシッラ「お待たせしました…連れてきましたから様子を見ましょう」

オリガ「大抵は懐っこい子を連れてきたので、どの子でも問題ないとは思いますが…」

明るい黄色の犬「ワンッ!」

提督「おーよしよし…いい子ねぇ〜♪」

黄色「ワフワフ…♪」…ゴールデン・レトリーバーの成犬らしい大型犬の背中を撫でてあげると喜んでお腹を出してくれた…そのままわしゃわしゃとお腹をかいてあげる提督

コレオーニ「よーし、おいで…」

黒犬「ワフッ…♪」こちらは何の雑種かよく分からない黒い犬……片耳が折れていてマズル(鼻)が長く、くるりと巻いた尻尾からみると日本犬も混じっている…用心深いが、コレオーニに撫でられても嫌そうではない

バリラ「あらあらぁ…お母さんが撫でてあげましょうか」

白犬「ワン♪」

バリラ「はいはい…可愛い子ねぇ♪」

白犬「ワフン…ワフワフッ♪」ぺろぺろとバリラの顔を舐める大きな白い犬……どうやらラフ・コリーの雑種犬らしく、笑い顔と長いマズル、長い脚とフサフサの尻尾をしている…が、真っ白で普通よりも脚が長いのはボルゾイ犬か何かが混じってしまったらしい……

バリラ「あんっ、もう…お顔を舐めちゃだめよ♪」

リベッチオ「ねぇ提督…このわんこたち全部飼いたいな♪」

提督「ぜ、全部はちょっと……お散歩だけでも大変だから…」

プリシッラ「でも、気持ちは嬉しいよ…みんな新しい飼い主が欲しいからね♪」

グレカーレ「こんなに可愛いのに、どうして新しい飼い主が見つからないんですか?」

プリシッラ「んー…やっぱりかわいい盛りの幼い犬や猫の方が引き取られやすいし、大型犬を飼えるお家はそう多くないんだ」

グレカーレ「そうなの…おまえも苦労してるんだね」

白犬「ワフッ♪」

……… <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/11/26(日) 01:05:21.05 ID:uykI1nH30<> オリガ「どうやらあの白い子が一番なついているようですね」

提督「ええ、そのようですね」

リベッチオ「ほーら、追いついてごらん!」

白犬「ワンッ!」

リベッチオ「おー、速いねぇ♪」

カラビニエーレ「こぉら、あんまり走り回るんじゃないの!」

リベッチオ「はぁ、はぁ、ふぅ…まぁそう言わずにさ……楽しいよ?」

カラビニエーレ「うっ…でも鎮守府内で駆け回るのは行儀が悪いわ……私たちだって立派な艦娘なんだし」

提督「まぁまぁ、今日ぐらいはかまわないわ。それに、いっぱい遊んであげたらわんこも喜ぶもの♪」

カラビニエーレ「そ、そうですか?……よーし、それじゃあおいで♪」

白犬「ワンワンッ♪」

オリガ「…彼女たちも気に入っているようですし、あの子を譲渡すると言うことでよろしいですか?」

提督「そうですね…ところで」

オリガ「なにか?」

提督「あのワンちゃんに名前はついていますか?」

プリシッラ「はい、ついてますよ…えーと」手元のファイルをめくった…

オリガ「白い子は「ルチア」です。推定二歳、メスの雑種犬で避妊手術は済んでいます」

提督「了解。…ルチア、いい名前ですね」

ルチア「ワン♪」

ジョバンニ・バウサン(ピサニ級中型潜)「なに、お前はルチアと言うのか…「サンタ・ルチア」と言えばナポリの守護聖人じゃないか、いい名前だ♪」肩章の付いた白い上着に毛がつくのも気にせず、抱きしめてわしゃわしゃ撫でた…

アッテンドーロ「へぇ、確かに縁起のいい名前ね…おいで、ルチア」

ルチア「ワンワンッ♪」

アッテンドーロ「ふふ、いい子ね…♪」

ルチア「フンフン…ッ♪」アッテンドーロが着ている白と黒で市松模様になっているプリントのワンピース…その裾から鼻を突っこんで匂いを嗅ぎ始めるルチア……

アッテンドーロ「あ、こら…///」

提督「…ルチアと代わりたいわね♪」

カヴール「…♪」ギューッ…笑顔で手の甲をうんとつねる……

提督「いたた…冗談よ、冗談」

カヴール「…そうは聞こえませんでした♪」

提督「あー、痛かったわ…ふーっ、ふーっ……」

プリシッラ「とにかく、これで引き渡しは完了です…たいていは受け入れ側の準備不足とかでお試しするだけなんですが、ここは準備が整っているので♪」

提督「了解。こちらとしてもお手数をかけずにすんでほっとしています…では、門までお送りします」

オリガ「いえ、大丈夫です…それより、新しい環境になじむまで数日かかりますので、もし具合が悪くなったりしたらこちらにも連絡を下さい……一応各地の動物病院にも連絡体制はありますが、時々忘れる獣医がいるので…」

提督「分かりました…今日はご飯も少なめにしておきます」

オリガ「助かります。中には嬉しくて二度も三度もご飯をあげたりおやつを食べさせる方がいるので…」

提督「気持ちはわかりますけれどね♪……それでは、そこまでお見送りしましょう」

プリシッラ「それにしても提督さんがうらやましい…こんなに可愛い女の子がいっぱいいて♪」

提督「では交代しましょうか……なかなか大変ですよ?」

プリシッラ「いえいえ、止めておきます……それじゃあ、チャオ♪」

リベッチオ「チャオ♪」

…公社の二人はバンのドアを閉めるとエンジンをスタートさせ、徐行で出て行った……提督は忘れずにゲートの電子錠を解除して、カメラ越しにバンが出ていくのを見送るとゲートを閉じた…

<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/11/26(日) 01:30:20.49 ID:uykI1nH30<> 提督「さてと…じゃあルチアと遊ぶことにしましょうか♪」

リベッチオ「そう言えば首輪をつけないと」

提督「そうだったわね。いくら広い敷地でフェンスもあるとはいえ、脱走しないとも言い切れないし…首輪なしじゃあ野良犬と間違えられちゃうものね…」

バウサン「それで提督よ、首輪はあるのか?」

提督「えぇ、もちろん…この間買って来たわ♪」食堂のテーブルに置いてあった袋をがさごそかき回すと、中から紅い革の首輪が出てきた…

リベッチオ「私が付けるよ、提督っ♪」

バウサン「聖ルチアはナポリの聖人だからな、縁のある私がつけよう」

アッテンドーロ「なら私でもいいはずよね」

アオスタ「同志諸君、ここは歓迎委員長である私がつけたいと思いますが!」

エウジェニオ「もう、姉さんは相変わらずね……いつまでソ連にいるつもりなの?」

アオスタ「…だ、だって……つい出ちゃうんだもの///」

エウジェニオ「そんなのじゃだめよ、姉さん…ゆーっくり深呼吸して、肩の力を抜いて……」

アオスタ「すー…はー……」

エウジェニオ「そのまま目を閉じて…」

アオスタ「…ん」

エウジェニオ「口をすこーし開けて…そのまま深呼吸は続けて……」

アオスタ「すー…はー…」

エウジェニオ「うん、いい調子…そのまま…そのまま……」ちゅるっ♪

アオスタ「ふっ、ん!?」

エウジェニオ「ん、くっ…ふぅ……んんぅ♪」ぴちゃっ♪…銀色の糸がたらりと垂れた……

アオスタ「いきなり何するの…っ///」

エウジェニオ「あら…お気に召さなかった?」

アオスタ「そうじゃなくて、みんなの前でいきなりすることじゃないでしょう!」

エウジェニオ「ふーん……それなら、みんなの前じゃなくて、予告があればいいのね?」

アオスタ「それなら……まぁ、その…いいけど///」

エウジェニオ「ふふ、よーく分かりました…真面目なアオスタお姉さま♪」

アオスタ「///」

提督「……結局、誰が首輪をつけるの?」

ライモン「このままではらちがあきませんし…提督がお付けになるのが一番では?」

提督「んー…それでいい?」

リベッチオ「異議なーし♪」

バンデ・ネーレ「それがいいと思うな」

オリアーニ「賛成よ…みんなもそう思うわよね?」

セラ「私はそれでいいです」

レオーネ「いいとも」

サウロ「はい、いいですよ♪」

提督「了解、じゃあ私が……おいで、ルチア♪」

ルチア「ワゥン♪」

提督「いい子ねぇ〜…よーしよしよし♪」首輪をきっちりと…しかしきつくないようにつけた

バウサン「…うむ、よく似合っているな」

ドリア「おめでとう、ルチア……今日からあなたもここの一員ね♪」

ルチア「ワンッ♪」 <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/11/26(日) 02:13:12.64 ID:uykI1nH30<> 提督「それでは…と」床によいしょと座り込み、ひとしきり袋をかき回すとブラシと結び目のあるロープのおもちゃを取り出した…

提督「ルチア、おいでぇ〜♪」

ルチア「ワフッ♪」

提督「はい、いい子ねぇ〜お姉ちゃんがいい子のルチアちゃんにブラシしてあげましょうねぇ♪」しゃかしゃか…

カヴール「…」

ライモン「……こんな提督初めて見ますね」

ルチア「ワフン…ッ♪」

提督「そうなのぉ、ここがかゆいのぉ♪……はーい、それじゃあフランチェスカお姉ちゃんがごしごししてあげましょうねぇ♪」

ガリレオ・ガリレイ「…どこのどちら様かな?」

トリチェリ「……私、どこかおかしくなったりしてませんよね……提督があり得ないほどお子ちゃま言葉になっているように見えるんですが…」

アミラーリオ・サイント・ボン「奇遇ですな…本官にもそう見受けられます」

フェラリス「…ちょっと電気でも浴びせてみる?」

ポーラ「ポーラ…酔ってませんよねぇ〜?」

ザラ「しらふよ、ポーラ……」

提督「あら、どうしたの?……みんなもそこで見てないで、ルチアにブラッシングしてあげたら?」

カヴール「あ、あぁ…そうですねぇ♪」

チェザーレ「これはしまった、カヴールに先をこされてしまったなー…終わったらチェザーレにかわってくれー」

提督「?」

ルチア「クゥーン♪」

提督「あぁ、はいはい…ルチアちゃーん、かゆいところはどこですかぁ〜?お姉ちゃんがかきかきしてあげましょうねぇ〜♪」テラスの床に寝そべって、ルチアの背中をブラッシングする提督……スカートがずり上がってむちっとしたふとももと、黒の下着が食い込んだ張りのあるヒップがのぞいている…

デルフィーノ「…ごめんなさい、デルフィーノはちょっとお花をつんできます…ぅ///」

ニコ「これは…うん……今夜ははかどりそうだね///」

デュイリオ「あらあら、提督ったらあんなに無防備で…とっても美味しそう♪」

ライモン「…提督」

提督「はい、なぁに?」

ライモン「ティーセットを片づけたいのですが、よかったら残っているお茶を一緒に飲みませんか?」

提督「あら、いいわね…それじゃあ、ブラシはバリラに預けるわ……みんな、ルチアが嫌がったら無理にやっちゃだめよ♪」

バリラ「お母さんがちゃーんと見ておくわ♪」

提督「ええ、よろしく。じゃあまた遊びましょうね、ルチア♪」

ルチア「ワフッ♪」

ライモン「ふぅ……さぁ提督、どうぞ♪」

提督「ありがとう…あら、姫のお菓子がまだあったのね♪」

ライモン「残りはだいぶ少なくなってきましたが、それでも結構あります…どころか、これは今朝になって航空便で送られてきましたよ」…指し示したのは可愛らしいお団子が三つ連なったもので、白、黒、緑が互い違いになっている

提督「あら、いかにも和風のお団子ね…トレーリ、一緒にいかが?」

トレーリ「では、せっかくですから…いただきます♪」

提督「どうぞ……んむ…♪」三つのお団子はあんこと白あん、抹茶味で出来ていて、ほろっとしたあんの口どけと軽く残る甘さがアイスティーにもよく合う…

提督「んー、柔らかくてほのかな甘みがちょうどいいわ…どこのお菓子なのかしら」

百合姫提督「あ、打吹公園だんごが届いたのね?……鳥取のお菓子よ。固くなって「三日しか持たない」って言うから、食べる順番が近くなったところで日本から送ってもらったわ…どう、おいしい?」

提督「とっても美味しいわ…あーん♪」

百合姫提督「あーん…ん、相変わらず美味しいわ///」

ライモン「提督が「あーん」したからなおの事、ですね♪」

百合姫提督「え、ええっと…///」
<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/11/28(火) 01:22:31.90 ID:2CeDtUYl0<> 百合姫提督「ね、ねぇフランチェスカ…こっちのお菓子も召し上がれ?」

提督「あら、ありがとう。綺麗な緑色ね…抹茶のお菓子かしら♪」

百合姫提督「ええ。島根の「若草」っていう求肥のお菓子で、こっちの紅白の砂糖菓子が「山川」って言うの」

提督「へぇ…いかにも日本らしい雰囲気の和菓子ね、抹茶に合わせたら美味しいでしょうね」

百合姫提督「そうね。この「山川」は日本三大銘菓の一つで…残りの二つは……ごめんなさい、忘れちゃった…」

提督「ううん、気にしないでいいわ…いただきます♪」


…名前の通り若草色をした「若草」はむちっとした求肥で、「山川」はほろりと崩れる砂糖菓子だった……冷たい紅茶でも悪くはないが、おそらく抹茶でいただくのが絶品なのだろうと思わせる、大人しい味わいがする…


提督「ふー…美味しい♪」

ライモン「ごちそうさまでした」

百合姫提督「気に入ってくれてよかった…島根、鳥取っていいお菓子が一杯あるのだけど、みんな奥ゆかしい人柄らしくって有名にならないの」

提督「確かにそういうのってあるわ。…さてと、休憩も出来たし、パーティ二日目の準備に取りかかりましょうか♪」

ライモン「今日はディアナとエリトレアにゆっくりしてもらうんですよね?」

提督「そう、いつも交代とはいえずーっと厨房をお任せしているから、たまには休んでもらわないと」

トレーリ「今日は提督たちのための献立でしたね…和食ならちょっとは出来ますよ?」

提督「ならお手伝いをお願いね♪」

トレーリ「了解っ♪」


………

…夕食時…

提督「ふぅー…疲れた……それにしても我ながらよく頑張ったわ」

トレーリ「うー…もうくたくたです……」髪をアップにして日本ならではのヒスイの髪飾りをつけ、龍田から借りた浴衣姿になっている

カッペリーニ「お疲れさま、大変豪華な夕食だと思いますよ♪」


…真面目なフルコースだった前日と違って、パーティ二日目は長テーブルの一つに大きなお皿や鉢を並べて保温用の簡易コンロや湯せんの桶をあてがい、めいめいが好きなように取るビュッフェスタイルにしてあった……提督たちが奮闘した結果、見事にフランス風キュイジーヌとアメリカン・ディナー、それに和食のお惣菜を並べてある…


龍田「あら、すごいわぁ♪」…三角形のおむすびが並んでいるお盆の横には黄色くて甘い卵焼きと、牛とじゃが芋をこっくりと煮込んだ「甘煮」……いわゆる「肉じゃが」がたっぷり盛られている…それにお酒の「あて」として、薄く切ったカラスミやイワシのなめろうが小皿にのせてある

リシュリュー「おやおや…これは素晴らしいですな」フランス料理には皮目をパリッ焼き上げた鱒の香草焼きに、魚たっぷりのブイヤベース…

エンタープライズ「ワーオ…よくここまで作れたわね♪」…ミディアム・レアで肉汁が滴るようなサーロイン・ステーキと、ベーコンと豆をぐつぐつ煮こんだポークビーンズ……

提督「好きなだけ召し上がれ、遠慮はいらないわ」南イタリア風ズッキーニとパプリカのマリネに、ペスト・ジェノヴェーゼ(バジルソース)を使った香り高い鶏もも肉のロースト……きりりと冷えた白ワインがよく合う…

ロモロ「うん…肉だ……んむ…美味しい♪」

アレッサンドロ・マラスピーナ「これは美味ですな…いや、結構結構♪」

グリエルモ・マルコーニ「うん、とっても美味しい♪」

ダ・ヴィンチ「うーん、こんなに美味しいものを作ってもらったんだから…提督にはぜひ私の発明品を試してもらいたいわ♪」

提督「それ、安全性は大丈夫?」

ダ・ヴィンチ「当然…この「天才」レオナルド・ダ・ヴィンチが変なものを作るわけないでしょう♪」

ガリレイ「この間は強烈な肩もみ器を作ってましたよね…脱臼したかと思いましたよ」

ダ・ヴィンチ「まぁ、時には失敗もあるわ…で、どうかしら♪」

提督「……遠慮しておくわ」

ダ・ヴィンチ「あら、つまらない……トリチェリは?」

トリチェリ「いや…いいです……英艦と浮上砲撃戦をやった時を思い出すほどでしたから…」

ダ・ヴィンチ「そう…まぁいいわ。今度は大きいものを作る予定だから、乞うご期待よ♪」

提督「…フェラリスやガリレイたちの「錬金術」でさえ大変なのに……お願いだから鎮守府を吹き飛ばさないでね?」

ダ・ヴィンチ「あははっ。私は錬金術士のみんなと違って木材と滑車、それにロープと歯車で作るから大丈夫♪」 <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/11/28(火) 10:15:32.86 ID:2CeDtUYl0<> …食後…

ダ・ヴィンチ「…大変美味しかったわ♪」ドルチェにオレンジスライスを散らしたチーズケーキとチョコレートケーキを食べ、それからたっぷりのワインを流し込んでいた…

提督「いっぱい食べていたものね。何回おかわりしたの?」

ダ・ヴィンチ「三回ほどおかわりに行ったけど、あとは覚えていないわ…まぁ、お皿も小さいから」

提督「そうやって油断していると……サドルタンクが大きくなっちゃうわよ♪」

ダ・ヴィンチ「それに関しては大丈夫。新しい発明品を作る時は頭を使うから、カロリーくらいどうってことないの♪」

提督「…おかしいわねぇ、それなら私だってあんな運動しなくても済むはずなのに」

カヴール「提督の場合は召し上がる量が少し多くていらっしゃいますから♪」

提督「ぐっ…まぁ運動すればいいのよね」

ミッチャー提督「そうだね、フランチェスカが運動嫌いなのはさておきとして」

提督「だって、走るにしても跳ぶにしても身体が重くって…」ぽよん♪…下から乳房に手をあてがった

エクレール提督「ぐっ…これだからド級戦艦体型は……」

ジャンヌ「私はコマンダンのほっそりした身体の方が好きですよ」

エクレール提督「メルスィ、ジャンヌ…でも、わたくしだって一度はああなってみたいものですわ」

百合姫提督「そうね…着物には合わないけど」

エクレール提督「そうですわね…まぁ、大きいばかりが能ではありませんわ。要は脂肪の塊ですもの!」

提督「…どこからか雑音が聞こえてきたわ……」

ミッチャー提督「やれやれ…大きいの小さいのって、みんな気にし過ぎなんだってば。でかくていいのはエンジンと銃の口径ぐらいなものよ♪」ばるんっ♪

エクレール提督「く…あって気にしないで済むのと、そもそも持っていないのでは状況が違いますわ……」

フレッチャー「そんなに気にしなければいいのに…ねぇ、マーム?」たゆんっ♪

エンタープライズ「まぁまぁ、フレッチャー…あなただって駆逐艦とは思えない身体だからそんな余裕が出るのよ」ばいんっ♪

フレッチャー「そうなの?私はもっと大きくなりたかったけど」

セラ「…わ、私みたいに小っちゃくたって活躍出来ないわけじゃないですし……」

ミラベロ「そうね…小さいのが好きって言う提督だっているもの♪」

リボティ「小さくたってすごいからね…♪」

提督「…それにしても、こっちの駆逐艦たちとあっちのフレッチャー……これが国力の差なのかしらね」

ライモン「確かに…」

提督「ね……ところで、みんなもう食べ終わったみたいね。テーブルを動かすから手伝って?」

セラ「はい」

クリスピ「姉さん、手伝うわ」

セラ「ありがと、クリスピ♪」

アヴィエーレ「…そっち側が二人だけじゃ少し厳しいだろう、私も手伝うよ」さわっ…すりすり♪

セラ「あの……ど、どこを触っているんです///」

アヴィエーレ「おっと、少し間違えた♪」

クリスピ「アヴィエーレ……爆装艇を突っこまれたい?」

アヴィエーレ「おっと、それは勘弁願いたいな……真面目にやるよ♪」

チェザーレ「準備はよろしいかな?…そっちは頼むぞ」

セラ「はい、大丈夫です」

トレント「私も手伝いますよ、セラ」

セラ「大丈夫です。小さくても馬力はあるんですから…っ!」

提督「まぁ、すごい…あんなに大きくて重いテーブルなのに……無理しないでいいのよ?」

セラ「平気です…っ!」
<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/11/28(火) 11:24:43.50 ID:2CeDtUYl0<> ミッチャー提督「さてと、テーブルが片付いたね…で、何をするのかな?」

提督「ごちそうの後だけど、せっかくだからダンス・パーティでもしようと思って♪」オペラやワルツ、カンツォーネが入ったCDやレコードをかき集め、プレーヤーの準備に取りかかった

ミッチャー提督「それはいいわね…エンタープライズ、フレッチャー。せっかくだから踊ろうか♪」

フレッチャー「オーケイ、マーム♪」

エンタープライズ「いいわよ…でもまずは見学ね」

ライモン「提督…よかったら踊りませんか///」

アオスタ「レコードは私がやりますよ」

提督「ありがとう、アオスタ……あんまり上手じゃないけれど、それでもよかったら♪」

ライモン「はいっ♪」

ドリア「あら…先を越されちゃいました♪」

カヴール「まぁまぁ…ライモンドは提督と踊りたいのですから」

ドリア「ふふっ、そうね……ポーラ、その間に一杯もらえる?」

ポーラ「はぁ〜い♪」


…軽いクラシックが流れ始めると提督たちは踊り始めた……一応教養として社交ダンスは覚えている提督たちの中で、日舞ならともかく社交ダンスは経験のない百合姫提督だったが、そこは欧州歴訪の経験がある足柄と、大正ロマンの時代に生まれた龍田だけあって上手くリードできた…


百合姫提督「足柄ってダンスも上手なのね…///」少し酔っているのか、それとも足柄の身体がぴたりとくっ付いているからか…頬を赤らめて手を取りあって、腰にもう片方の手を当てて踊っている…

足柄「あんまりほめないでよ…恥ずかしいじゃない///」

ライモン「…提督…いい匂いがします///」

提督「香水かしら…今日のはブルガリだけど」

ライモン「もう…提督のいじわる///」

提督「ふふ、ごめんなさい……ライモンも甘くていい匂いがするわ♪」高めの位置でまとめているポニーテールの房に手を当て、ライモンの香りを吸い込んだ…

ライモン「…も、もう///」

提督「あら…曲が終わっちゃったわ……戻りましょう♪」

ライモン「はい///」

ミッチャー提督「今度はこっちの番かな…フレッチャー、行こうか♪」

フレッチャー「すっかり待ちくたびれたわ♪」

…ミッチャー提督のチョイスは当時に合わせて1942年のグレン・ミラー楽団の「アメリカン・パトロール」と、1937年のベニー・グッドマン楽団「シング・シング・シング」……フレッチャーもカールをかけた40年代風のふわりとした髪型で、ワンピースの裾をなびかせて踊った…

フレッチャー「マームってダンスも上手いのね!」…手を取り合ってみたり、くるりと回ったりと忙しいスウィングを踊りながら嬉しそうなフレッチャー

ミッチャー提督「そう、気に入ってくれたならよかったよ♪」

フレッチャー「あぁ、もう最高よ!マームったらまるでフレッド・アステアね!」(フレッド・アステア…俳優・ダンサー。ステップの名手だった)

エンタープライズ「フレッチャー、交代させて♪」

フレッチャー「オーケイ♪」

ジョバンニ・ダ・プロチーダ(マメリ級中型潜)「スペリ、私たちも踊ろっか♪」

ティト・スペリ「オーケー。レッツ、スウィングね♪」…43年以降は米軍に協力して対潜攻撃の練習相手をしただけあって、多少アメリカナイズされたところのある二人……さっそくスカートの裾をひらめかせて派手なステップを踏んだ

提督「あら、上手…二人とも素敵よ♪」

プロチーダ「センキュー、提督…バリラ、せっかくだから一緒に踊ろうよ♪」たまたま近くにいたバリラを引っ張り込むプロチーダ

バリラ「えっ、ちょっと…あんっ♪」振り回されるように踊るバリラ

スペリ「ゴルゴ、一緒にスウィングしよ♪」

ゴルゴ(フルット級中型潜)「…では少しだけ」最新型だったフルット級だけあってダンスもそつなくこなすゴルゴは、渦を巻くように踊った…

スペリ「あー楽しかった。ゴルゴ、ありがとね!」

プロチーダ「ふぅ、最高だったよ…バリラはむちむちで触り心地いいしさ♪」

バリラ「はぁ、ふぅ……お母さんにはちょっと激しすぎたわ…」大型潜でも一番の年長というだけあって、激しいステップにつき合わされて息切れしている…

……… <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/11/29(水) 01:12:17.48 ID:wa1NAxRx0<> …しばらくして・廊下…

提督「じゃあついて来たい人は付いてきて?…行きましょうか、ライモン」

ライモン「本当にあの深海棲艦を放しちゃっていいんですか?」

提督「そうする以外ないでしょう?…このままここに置いておくわけにもいかないし、もし査察や何かで見つかったらきっと実験施設に連れて行かれてバラバラにされるのがオチよ…うー、考えただけでもぞっとするわ……」

ミッチャー提督「確かに容易に想像できるわ…エリア51みたいなところに送り込まれてホルマリン漬け確定だものね」

百合姫提督「この間見た「インディペンデンス・デイ」みたいな感じね…」

フレッチャー「あの気持ち悪いエイリアンね……うぇぇ、やだやだ」

提督「でしょう、だから海に戻してあげるの…もっとも、彼女のお仲間をさんざん沈めておいて、今さら「海に帰してあげる」なんてしらじらしいかもしれないけど……」

チェザーレ「いや、あれも武人の端くれならばきっと分かってくれると思うぞ…ちゃんと飲み食いもさせてやったし、文句のつけようはないはずだ」

エウジェニオ「そうね…ちょっとやらしい百合物の漫画なんか差しいれてあげたけど、何のかのと言って突っ返しては来なかったわ」

デュイリオ「そうですね、食事を持って行ったら返事はしてくれましたし…触っても怒りはしませんでしたもの♪」

提督「ね?…だからまだ「脈はある」って言うところだと思うの…失礼するわね」…コンコンッ

深海棲艦「どうぞ、入りなさいよ」


…ベッドに腰掛けて漫画をパラパラとめくっている英駆逐艦「G」級タイプの深海棲艦……色は相変わらず蒼白で、目も色のないようなグレイのままではあったが、瞳には少しだけ光が見え、頬もわずかながら血色があるように見える…


提督「こんばんは…夕食はお気に召したかしら?」

深海棲艦「ご覧のとおりよ」お皿は舐めたように綺麗になっていて、パンの耳すら残っていない

提督「それはよかったわ…ところで」

深海棲艦「いよいよヤードに吊るされる日にちが決まったの?それとも目隠しで銃殺?」

提督「いいえ、そのどちらでもないわ」

深海棲艦「そう、なら秘密の施設でモルモットね」

ミッチャー提督「相変わらずブラックユーモアが好きだね……もし本気でそうするならこんな立派な個室だの、ちゃんとした食事だのを与える訳ないでしょ♪」

深海棲艦「優しくしておいて急に拷問にかけるのは、情報を引き出すときによく使う手よ」

提督「もう、そんなことしないわ…あなたには今夜、海に帰ってもらうことにしたの」

深海棲艦「…あらそう」

提督「あんまり嬉しくないみたいね…?」

深海棲艦「いいえ、嬉しくはあるわ…とはいえ、ここ数十年の知識を知れば知るほど、自分がロビンソン・クルーソーにでもなった気分…と言うところかしら」

提督「そう…私としては「残ってもらっても構わない」って言いたいけど、見つかったらやっぱり色々と問題になるから……」

深海棲艦「いえ、こっちとしても海に戻れるならさっぱりするわ…どうやら最近は女同士でキスしたりやらしいことするのが普通みたいだけど、急にそんなこと言われてもね……頭が追いつかないし」

提督「あら…案外慣れたら病み付きになっちゃうかもしれないわよ?」

深海棲艦「だから困るのよ……お互いまた海で顔を合わせるかも知れないのに、変に親しくなるのも考え物だから」

デュイリオ「私もできれば会いたくはないですね。お互いの健康のためにも…ねっ♪」

深海棲艦「ほら!これだからマカロニは嫌なの……どうして私のふとももを撫でる必要があるのよ///」

デュイリオ「だって、生白い肌と近寄りがたい雰囲気に慣れたら意外と……可愛いじゃありませんか♪」

提督「確かに…海藻みたいな生臭い匂いも取れたし……ちょっと無表情だけど、言われてみれば可愛いかもしれないわ♪」

エクレール提督「じ、冗談ですわよね…?」

チェザーレ「いや…こうしてみると勇敢であるし、確かになかなかいい娘に見えるな♪」あごに手を当てて顔を持ち上げ、じっくりと眺めまわす…

深海棲艦「か…顔が近いわよ///」

チェザーレ「お…これは済まぬ……しかし、まつ毛は整っているしな…」

エウジェニオ「イギリス娘らしい妙に初心な感じも…ね♪」

提督「うーん、そう言われると何だかもったいないし…帰してあげるのはまだまだ先でいいような気がしてくるわね……」

深海棲艦「ちょっと待ちなさいよ……私を海に帰さないでどうしようって言うの?」
<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/11/29(水) 02:13:01.81 ID:wa1NAxRx0<> 提督「どう…って」

カヴール「捕虜宣誓か何かで私たちに危害を加えないと誓っていただければ、一緒に夕食の席に着いていただくとか…」

エウジェニオ「髪を洗ってあげるわ…優しく、丁寧に……ね♪」

ニコ「さもなければ、静まり返った図書室で小説でも読もうか…きっと新しい地平が開けるよ…♪」

深海棲艦「待ちなさいよ…どう考えても洗脳するための手段にしか聞こえないわ」

提督「別にそういうつもりではないのだけど…あなたはどうしたい?」

深海棲艦「…海に戻るわ……もっとも、新しい風習を色々覚えられたから…その点では感謝しておく」

エウジェニオ「あら、残念ね…マリア像の下で色々してあげたかったのだけど♪」

デュイリオ「えぇ、残念です……気位の高い英艦を蹂躙するなんて、なかなか興奮する展開だと思ったのですが♪」おっとりした表情のまま、ぺろりと舌なめずりする…

深海棲艦「ひっ…」

提督「こらこら、そういう悪い冗談はやめてあげなさい……大丈夫よ、うちの艦娘たちに悪い娘はいないわ♪」

ニコ「イケナイ娘ならいっぱいいるけど…ね♪」

ミッチャー提督「とにかく、返してあげるなら今のうちじゃない?」

提督「ちょうど引き潮だものね……」

深海棲艦「時間から言ってもそうよね…分かった、海に帰してくれるなら戻るわ」イギリス風の深海棲艦らしく肩をひょいとすくめ、服を脱ぎ始めた…

提督「え、ちょっと…///」

深海棲艦「こういう服は動きにくくなるから持っていかないわ…くれるっていうなら包んで持っていくけど」ためらいもなくするすると脱いでいく深海棲艦…あっという間に一糸まとわぬ裸になって立ち上がった……

提督「え、ええ…袋はあるから持って行って……///」

エクレール提督「な、なんということですの///」

リシュリュー「…ふむ、駆逐艦らしい慎ましやかな身体ですな……しかしうぶ毛一つ生えていないとは…///」

深海棲艦「…じゃあ私はこれで……聞きたいことがあるなら今のうちよ?」荷物…と言うほどでもないワンピース一枚に下着、ストッキング一足を袋に詰めてもらい肩に背負うと、皮肉めいた冷ややかな笑みを浮かべた

ニコ「…名前とスリーサイズかな」

深海棲艦「この身体の事で聞いてるのでしょうけど、あいにくと知らないわ」

ミッチャー提督「…じゃあ、深海棲艦が戦う目的は?」

深海棲艦「それもあいにくと知らないわ。単に第二次大戦が終わってない気分でいるんじゃないかしら…他には?」

提督「…また会えるかしら?」

深海棲艦「敵として?それとも話せる相手として?」

提督「できれば話せる相手として…ね」

深海棲艦「まぁ、心にまで貼りついていたカキ殻だとかフジツボだとかも落としてもらった気分だし…しばらくは「話せる」状態でいるんじゃないかしら」

提督「そう…それなら、またご飯でも食べにいらっしゃい♪」

深海棲艦「それはどうも…そのうちこっちも夕食をごちそうしないといけないかもしれないわね」

提督「イギリス料理は……まぁ、機会があったらでいいわ♪」


…波止場…

深海棲艦「…それじゃあ帰るわ。涙なんかいらないわよ……もっとも、嬉し涙かもしれないわね」…美味しいものを食べても皮肉は治らないらしい

提督「じゃあ、せめて見えなくなるまでは見送るわ」

深海棲艦「ふんっ…ずいぶんとおセンチなのね」

コリドーニ「…ちょっと待って下さい!どうも何か忘れているような気がしたんですよね……あった、これこれ♪」数枚の紙のようなものを差しだした

深海棲艦「写真?」

コリドーニ「ええ、あなたのもありますし提督のも…こほん……とにかくラミネート加工しましたから水中でもおかしくはなりませんし…まぁ、餞別ということで♪」

深海棲艦「そう……感謝するわ」

提督「それじゃあ、チャオ♪」

深海棲艦「フェアウェル…」そう言って静かに海を滑って行き、いつの間にか見えなくなった…(※フェアウェル…「さようなら」の古風な言い方) <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/11/30(木) 01:35:16.91 ID:VFqGEn970<> …数日後・朝…

提督「うーんっ…今日もいい天気ね。さぁ、シーツとタオルケットを洗濯しましょう♪」

カヴール「いい天気ですが…暑くなりそうですね」

提督「構いはしないわ。提出するべき書類は全部片づけたし…どっちみち作戦の後だから執務なんてする気もないわ」

カヴール「じゃあ今日は一緒にいましょう。替えのシーツはありますし♪」

提督「もう、昨日だってあれだけいちゃいちゃしたのにまだ足りないの?残念ながら今日はちゃんと運動をして、それから涼しい部屋で読書でもするわ」

カヴール「提督が運動するなんて珍しい……きっと急なお客様でもいらっしゃいますね」

提督「あら、失礼しちゃうわね。…実は昨日ライモンに叱られたのよ「運動はお嫌いでしょうが、やっぱり毎日やらないとだめだと思います」って」

カヴール「そうでしたか。まぁ、心配顔のライモンドにそう言われたら「提督でも」やる気になりますよね」

提督「提督でも…っていう言い方が引っかかるけど、まぁそういうことね」

カヴール「分かりました、それでは貧血を起こしたりしないように朝食を食べに行きましょう♪」

提督「賛成♪」

………

…同じ頃・鎮守府に向かう地方道路…


女性「♪〜…ハーイウェーイ・トゥ・ザ・デンジャー・ゾーン……」まだ朝の光がまぶしい海岸沿いの道路を紅い大型バイクを飛ばしていた…バイクには映画「トップ・ガン」の主題歌「デンジャー・ゾーン」を流しつつ、ヘルメットに黒のライダーススーツ姿の女性がまたがっている…

女性「……「タラント第六」はこっちか…」明るくほこりっぽい田舎道を駆け抜け、きらりと太陽を反射する海を見ながらヘルメットの下で笑みを浮かべた…


…しばらくして・鎮守府のトレーニング室…

提督「ふぅー…もうダメ」

カヴール「そう言わずに…さぁ、もう一回だけがんばってみましょう♪」

提督「はぁ、ふぅ……息が切れて…けほっ……口の中がぱさぱさ…」汗だくでTシャツが張りつき、額には大粒の汗が浮かんでいる…

アッテンドーロ「もう、しっかりしなさいよ…ほら」水のペットボトルを投げ渡す

提督「ありがと…ごく…ごくん……みんなの方こそ…よくこの暑い中運動なんて出来るわね……ふぅ」

アッテンドーロ「軽巡っていうのはいつも身軽じゃないとね……それより、腹筋をもうちょっと頑張りなさいよ♪」スカートの裾を両手でつまみ上げて、ぎりぎりのところで止めた…

カヴール「ほら、珍しくアッテンドーロがスカートの中を見せてくれるそうですよ?」

提督「まぁ、嬉しいわ♪……それならもう一回くらい……は!」ぐぐっ…と上体を起こし、ひくひくと震える筋肉に力を入れる…

アッテンドーロ「はい、よくできました♪」さっとスカートを戻した…

提督「えっ、ちょっと……見せてくれるんじゃなかったの?」

アッテンドーロ「誰が見せるなんて言ったの?…ま、よく頑張ったじゃない?」ほっぺたに軽いキスをすると、汗拭きタオルを持って出て行った…

提督「もう、頑張ったのに損したわ…」苦笑いを浮かべてマットに大の字になった

カヴール「まぁまぁ…でしたら代わりに私が♪」

提督「んー…いつみてもきれいなふともも……それにランジェリーは…ずいぶん刺激的なのね///」

カヴール「今日はベッドで一日過ごせると思ったので、ちょっと大人っぽい下着がいいかと…紫も悪くないですよね♪」

提督「え、ええ…///」…と、内線電話が鳴った

カヴール「私が取ります…はい、トレーニング室♪……えぇ、はい…立ち入り許可を求めている?……わかりました、提督に聞きますから少し待っててくださいね」

提督「…どうしたの?」

カヴール「通信室のガッビアーノからでした…何でも海軍航空隊の士官の方が構内に入りたいと許可を求めているそうです」

提督「海軍航空隊?…あ、もしかして!」

カヴール「どなたか心当たりが?」

提督「えぇ、ガッビアーノには「許可する」って伝えて?……早く着替えないと」

カヴール「汗拭きタオルはここにありますよ」

提督「ありがとう…それと厨房に連絡して、お茶の用意をしておいて?」

カヴール「はい♪」 <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/12/01(金) 01:38:00.36 ID:7NIg0BIe0<> …鎮守府・庭…

提督「おまたせ、ジュリア!」慌てて着替えてテラスに駆け付けた提督…胸元をはだけ気味にした白いブラウスと短めのフレアースカートに、サンダル履きという軽い格好であらわれた

アントネッリ中佐「いや、待つってほど待ってはいないよ…ん、ちゅぅ♪」…熱を持ったエンジンがまだチリチリ言っている、1000ccはありそうな真っ赤なモトグッツィの大型バイクにもたれかかっていたが、提督が駆け寄るとぎゅっと抱きしめ、舌を差しいれて熱っぽく口中をなぞった…

提督「んぅぅ…んっ♪」ちゅぷ…っ♪……とろけたような表情の提督の、半開きになった口からつーっと糸が伸びる…

アントネッリ「…やぁ、相変わらず最高に可愛いな♪」掛けていたサングラスを外すとにっこり笑って見せた…

提督「ぷはぁ……もう、普通は挨拶が先でしょう///」

アントネッリ「そう言うなよ、可愛いバンビーナ(小鹿ちゃん)♪…ところで、ローマにいた時より綺麗になったね。ここの暮らしが合ってるみたいだ」

提督「そうね、とってもいい所よ……立ち話もなんだし、よかったらお茶でもいかが?」

アントネッリ「いただこう。ほんとはもうちょっと刺激的な物が欲しい所だけどな」

提督「もう、朝からお酒なんて身体に悪いわよ?」

アントネッリ「ははっ、飛んでない時は飲んでる時なのさ♪」

提督「相変わらずね、そう言うところ…♪」

…食堂…

アントネッリ「ふぅー…室内は涼しくていいね……」黒のライダーススーツのジッパーをへそ辺りまで下ろし、額の汗を拭った。引き締まった腹筋とぱんと張った乳房がスーツの隙間からのぞく…

提督「石造りだから冷気が上がってくるのよね…それにしても急に来るんだもの、驚いちゃったわ♪」

アントネッリ「哨戒飛行の搭乗ローテーションの都合でね、あさってまでは非番なんだ…そういう訳で、昨晩からあのバイクを飛ばしてきたっていうわけだ」

提督「え、じゃあパレルモから?」

アントネッリ「あぁ、君に逢いたくなってね♪」

提督「…気持ちは嬉しいけど、一晩中乗っていて疲れたでしょう……後でベッドを貸しましょうか?」

アントネッリ「冗談が上手いな、フランチェスカ。…途中で休憩も挟んだし、P3の対潜哨戒だったら十時間は当たり前なんだ。そんなのでへこたれると思う?」

提督「そう、でも無理しないで欲しいわ///」

アントネッリ「……全く、相変わらず甘い声だな…今すぐ押し倒したくなっちゃうぞ♪」

カヴール「…ふふ♪」お茶を持って来たカヴールが思わずくすくす笑った

アントネッリ「おや、こちらの貴婦人も同意見のようだ…フランチェスカ、良かったら紹介して欲しいね」

提督「はいはい、浮気っぽいのも相変わらずね…ジュリア、こちらはうちの艦娘、戦艦「コンテ・ディ・カヴール」……カヴール、こちらは作戦の時に哨戒機を飛ばしてくれたジュリア・アントネッリ中佐」

カヴール「初めまして。わたくし鎮守府で提督の秘書艦を務めております、カヴール級戦艦「コンテ・ディ・カヴール」です。その節は大変お世話になりました」

アントネッリ「イタリア海軍航空隊パレルモ基地所属、ジュリア・アントネッリ中佐…全く、貴女のように綺麗なご婦人を秘書にしているなんてフランチェスカはぜいたくだ……ところでカヴール嬢、よかったらそのお手にキスをさせてくれませんか」

カヴール「あらあら…「カヴール嬢」だなんてくすぐったいですね♪」

提督「ジュリア♪」

アントネッリ「いいじゃないか…こんな綺麗なご婦人を独り占めとはいけないな♪」

提督「ふふっ…相変わらずなんだから♪」

アントネッリ「君も変わらないよ……最初に会った時は、まだ士官学校を出たばかりの少尉さんだったっけ」

提督「もう、止めてよ…ずいぶん前の話でしょう///」

アントネッリ「いやいや…カヴール嬢も聞きたいんじゃないかな♪」

カヴール「ええ、よろしかったら♪」コロン…と氷の浮かぶ冷たいアールグレイを置くと、膝に手を置いて座った

アントネッリ「よし、それじゃあ話してあげよう♪」

提督「まったくもう…///」

……… <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/12/01(金) 11:59:38.31 ID:7NIg0BIe0<> …七年ほど前・ナポリ…

カンピオーニ少尉(提督)「…っ!」パンッ!……陸・海・空にカラビニエーリの軍人が並んでいる軍の射撃場でベレッタ・ピストルを構えている提督…

提督「…」パン!…あくまで「ピストル射撃講習」でレーンに並んでいるだけだったが、たいていの運動に比べて射撃は上手な方で、紙の的に穴をあけていく

提督「…ふぅ」パァン!…数本の弾倉を撃ちきると箱に銃と弾倉を入れ、受付の下士官に返そうとレーンを出た……と、三つほど離れたレーンにいた一人の女性士官に目が行った…

女性士官「…」パン!


…士官は保護ゴーグルと耳当てをつけ、片目を細めてレーンに向かっている。短い髪にしっかりした顔立ち……射撃姿勢も整っていて、自分の射撃フォームが少し気になっていた提督は参考にしようと、少し離れた場所に立って様子を見ていた…


女性士官「…何か用か?」弾倉を一本分撃ち終わると、振り向かずに聞いた

提督「いえ、射撃姿勢がきれいなので参考にさせてもらおうと…お邪魔でしたか?」

女性士官「いや、構わないよ……名前は?」銃を台に置くと振り向き、少しだけ驚いたような表情を浮かべた…

提督「フランチェスカ…フランチェスカ・カンピオーニ少尉。フリゲート「インパヴィド」級所属です」(わ、いままでお付き合いしたことのない「格好いいタイプ」の人だけど……とっても綺麗)

女性士官「カンピオーニ少尉か…私はジュリア。海軍航空隊所属のジュリア・アントネッリ大尉……よかったら射撃姿勢を見てあげようか?」

提督「よろしいのですか、大尉?」

アントネッリ大尉「教官たちのようにはいかないが、構わないよ。…さ、ここに立って」

提督「はい」的を取りかえてもらって銃を構える…

アントネッリ「よし、じゃあ数発撃ってみて」

提督「…すぅ」パンッ!

アントネッリ「ふーん…なかなか上手じゃないか、続けて?」

提督「はい」…パァン!

アントネッリ「なるほど……銃を置いてくれ」

提督「はい」

アントネッリ「少尉、君は少し腕が外側に開いているように見えるな…もっと身体に近づけるようにすればブレが少なくなるんじゃないか」そう言って後ろから抱きつくようにして身体を密着させ、右手を重ねた…

提督「なるほど///」…姿勢を直してもう数発撃つと、さっきよりも弾の集まり方がよくなった

アントネッリ「さっきよりよくなったね……ところで」

提督「はい、何でしょうか」

アントネッリ「この後、少し時間はあるかな…せっかくこうして知り合えたのだから、ワインの一杯ぐらいごちそうするよ」

提督「ええ、ありますが…アントネッリ大尉」

アントネッリ「ジュリアでいい……少なくとも、制服の時以外は♪」

提督「はい…♪」

…数時間後…

アントネッリ「フランチェスカ……こんな下町の一人歩きは危ないからね、よかったら下宿先まで送ろう」

提督「はい、ありがとうございます…あの」

アントネッリ「どうした?」

提督「…よかったら、その……上がってコーヒーでも召し上がりませんか///」

アントネッリ「…ふふ、それがどういう意味か分かって言っているんだな?」

提督「ええ…大尉もそういうつもりでしょう?」

アントネッリ「制服を脱いでいる時に「大尉」はなしだ」

提督「分かりました……ジュリア///」

<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/12/02(土) 01:27:59.91 ID:5kSiNLDb0<> …下宿…

提督「どうぞ、上がって下さい」

アントネッリ「お邪魔するよ…なるほど、いい部屋じゃないか♪」…提督が借りていたのは小ぢんまりとした家具付きの部屋だが、掃除はそこそこ行き届いていて、なかなか可愛らしいバラ模様のクッションだったり花瓶が置いてある……

提督「そう言ってもらえると嬉しいです、普段は一人なのでほめてくれる人もいませんし…いまコーヒーを淹れますね♪」

アントネッリ「……コーヒーならまだ待てる」後ろから腰に手を回して壁に押し付けた

提督「ジュリア…せっかちなんですね///」

アントネッリ「まぁね……ん、ふぅ…ちゅるっ……♪」

提督「んっ…ちゅぅ……ちゅっ…」

アントネッリ「きれいな瞳だな……太陽みたいだ」

提督「…ふふっ」

アントネッリ「笑うともっと可愛いよ……フランチェスカ、あとはベッドルームで君の可愛い所が見たいな」

提督「もう…せっかくキャンドルとワインを用意したのに」

アントネッリ「わざわざ素敵な雰囲気を作ってくれて嬉しいね…だけど我慢できないな♪」



………

カヴール「まぁまぁ♪」

提督「あー、恥ずかしい…///」

アントネッリ「いやぁ、あの時のフランチェスカの可愛かったこと…ヴィーナスとマリア様が一緒に笑ってるような具合でね♪」

ライモン「提督…少尉の頃からそんなだったのですか」

提督「えぇ、まぁ……物心ついた子供の頃から、実家ではそんな感じだったから…」

ライモン「え…提督のお母様もそういう…でも提督がいると言うことは結婚はなさったはずですし……うー、頭が混乱してきました」

提督「うーん…うちの母親は子供が欲しくて交際はしたけど、結婚はしなったみたい……「真面目ないい人だ」とは言ってたけど」

アントネッリ「まぁ、この国じゃあ結婚すると簡単には離婚できないからね…でも、お母さん一人で大変だったろうね」

提督「ええ……とはいってもおば様がいたし、実質お母さんが二人いたようなものね♪」

アントネッリ「へぇ…今ならとにかく、当時は大変だったろうね」

提督「まぁ、田舎の町はずれに住んでたから「あの家は変わってるよ」ぐらいで済んでいたみたい……子供の頃お出かけしたときに、時々変な目で見られたくらいかしら」

アントネッリ「だろうね」

ミッチャー提督「ハーイ、お茶を飲みに来たよ…って、どちら様かな?」

提督「あら、ジェーン…こちらは作戦の時にP3を飛ばしてくれたジュリア・アントネッリ中佐……ジュリア、こちらは米海軍ノーフォーク基地の提督、ジェーン・ミッチャー准将」

ミッチャー提督「ナイストゥミーチュー…フランチェスカのお友達だね、話は聞いているわ♪」

アントネッリ「こちらこそ…なるほど、ブロンドで艶やかな褐色の肌……フランチェスカの趣味は相変わらずいいみたいだ」

カヴール「…提督、これは少しまずいのでは」

提督「大丈夫、きっと意気投合するから」

…十数分後…

アントネッリ「…そうそう♪時間をかけてキスしたときの、とろけた顔をしたフランチェスカの可愛いこと♪」

ミッチャー提督「それもいいけど、胸をこねくり回すと甘ったれたような声で鳴くのがたまらないね♪」

アントネッリ「いや、さすが准将…フランチェスカの事もよく分かってる♪」

ミッチャー提督「いやいや、そっちこそ♪」

提督「……意気投合すると思ってはいたけど…これはちょっと///」

ライモン「///」

<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/12/02(土) 11:41:37.73 ID:5kSiNLDb0<> …お昼時…

提督「せっかくだからお昼を一緒に食べましょう?」

アントネッリ「いや、悪いねぇ……フランチェスカの手づくりかな」

提督「いいえ、鎮守府ではディアナとエリトレアが厨房を取り仕切っているから……今日はディアナの日ね」

ミッカ「…提督、ピエトロ・ミッカ戻りました。今日の海は暖かくて気持ちいいですね♪」横手の入口より都合がいいので、ついついテラスから食堂に入って来てきてしまう艦娘たち……いつもは真面目で潜水艦たちの優しい先生であるミッカも、今日はお気楽モードらしく白い水着にサンダルで上がってきた

オタリア「グラウコ級オタリア、遠泳から戻ってきました…って、お客様ですか」こちらはアシカのように艶やかな黒褐色の髪からぽたりぽたりと雫をたらしつつ、頭を拭いた…

アントネッリ「お…これはまた何とも可愛い娘たちじゃないか……やぁ、こんにちは♪」

ミッカ「こんにちは…挨拶するのに水着でごめんなさい///」

アントネッリ「いや、構わないよ…目の保養になるからね♪」

提督「ミッカ、こちらが作戦でお世話になったアントネッリ中佐よ」

ミッカ「お会いできて光栄です♪」

アントネッリ「こちらこそ…そうだ、フランチェスカ」

提督「なぁに?」

アントネッリ「せっかくだから作戦に参加した「艦娘」たちにお引き合わせ願いたいね」

提督「はいはい♪…そろそろお昼だからみんな来るはずだし、その時に紹介してあげるわ……あら、ルチア♪」

ルチア「ワフッ…♪」とことことやって来て足下に座ると、パタパタと尻尾を振っている

提督「あー、おやつが欲しいのね♪」

ルチア「…♪」尻尾の振り方が激しくなった

アントネッリ「あれ、犬なんて飼ってたっけ?」

提督「数日前からね…保護された犬を引き取ったの♪」

アントネッリ「あー…例の「社会福祉公社」だっけ?うちの航空隊にも案内が来てたなぁ」

提督「引き受けた?」

アントネッリ「ああ、基地司令が引き受けたよ。ただ、エンジン音がうるさいから室内飼いにしろって言われてね……まだスペースを作っている最中なんだ」

提督「そうなの…でも犬がいれば航空隊のいいマスコットになるじゃない」

アントネッリ「まぁね…ほらフランチェスカ、「早く何かくれ」ってさ」

ルチア「ワフッ」

提督「はいはい…えーと確か……ディアナ、牛の骨がどこかにあったわね?」

ディアナ「はい、焼いたのが冷蔵庫に」

提督「あー、あった……はい、ゆっくり味わってね♪」牛肉を調理した時に出た、「牛のあばら骨をしっかり焼いて冷ましたもの」を口にくわえさせた

ルチア「…♪」床に伏せてガリガリと音をさせながら牛骨をかじる

アントネッリ「…ずいぶんと野性的なものをあげるんだね?」

提督「そう?犬なんだから骨が一番でしょう…鶏の骨は割れて喉に刺さるから駄目だけど」

アントネッリ「いや、それにしたって犬用のガムとかあるんじゃない?」

提督「ああいうのには何が入っているか分からないもの。それに骨なら長く楽しんでいられるでしょう…ねっ♪」ルチアの頭を撫でる

ルチア「♪」ガリガリと骨にしゃぶりついている

ミッチャー提督「まぁ、いいんじゃない…骨ならタダだもんね♪」

提督「ふふふっ♪」…数百人単位の食欲旺盛な艦娘を抱え、いつも財布と相談しているミッチャー提督らしい言いぐさに提督も微笑した

ディアナ「みなさま、お昼が出来ましたよ…♪」提督たちがたわいないおしゃべりをしている間にお昼を作り、カウンターの保温容器に次々と料理を盛っていくディアナ

提督「さぁ、ジュリア…お待ちかねの食事よ♪」

アントネッリ「いや、いい匂いだ。故郷(くに)のお袋を思い出すね♪」

<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/12/03(日) 01:24:43.43 ID:kGlWvWCw0<> ディアナ「よかったらお取りしましょうか」

アントネッリ「あぁ、君のような美人によそってもらうなんてツイてるよ…グラツィエ♪」…人差し指と中指でウィンクと敬礼のあいのこのような格好をしてみせるアントネッリ中佐

ディアナ「いえいえ、お客様でいらっしゃいますから」

ミッチャー提督「お…ダイアナ、今日のメニューも美味しそうだね」

ディアナ「お褒めの言葉、感謝いたします…」

提督「ほんと、美味しそう♪」

ディアナ「どうぞたっぷり召し上がってくださいませ…♪」


…昼食は順番なしのア・ラ・カルトスタイルで、冷蔵庫から出してきたモルタデッラ・ソーセージの薄切りと、巾着袋のような形にして熟成させるチーズ「カチョ・カバッロ」のスライスを並べ、黄色いトウモロコシ粉を蕎麦がきのようにこねたポレンタにサラミソーセージを添え、タラントの名物料理、丸っこいニョッキのようなパスタ「オレキエッテ」(耳)がほかほかと湯気を立てている…


提督「あら、美味しそうなオレキエッテ…ブロッコリーとアンチョビソースが絡まって……んー♪」

アントネッリ「どれどれ…んっ、美味いなこれ!」

ディアナ「お気に召しましたか?」

アントネッリ「あぁ、最高だね……フランチェスカ、こんないい生活をしているとバチが当たるよ♪」

提督「…そうね、服がきつくなったわ」

アントネッリ「ほら、やっぱり…それに運動もサボっているとみた」

提督「う……図星よ」

アントネッリ「だろうと思ったよ。いくらローマのお堅いところから離れてのびのび暮らしているとはいえ、それだけでこう「ふっくら」する訳ないさ」

提督「…だって、とっても美味しいんだもの」…オレキエッテを口に運び、優雅にワインを傾ける……と、お昼の匂いにつられたのかぞろぞろとやってくる艦娘たちと百合姫提督の一行…

百合姫提督「ごめんなさい、ディアナ…お手伝いしようと思っていたのだけど、報告書を進めたくて……あら?」

提督「いいのよ、姫はお客様なんだから♪……紹介するわね。こちらはパレルモ基地でP3対潜哨戒機の飛行隊長を務めているアントネッリ中佐…ジュリア、こちらは横須賀鎮守府の百合野准将。ここで知識交換に励んでいるの」

百合姫提督「初めまして、横須賀の百合野です」

アントネッリ「アントネッリ中佐です。どうぞよろしく、准将閣下」キリッとした表情で敬礼するアントネッリ中佐

提督「ジュリア、そのよそ行きの顔は必要ないわ…姫も私と「とっても」仲が良いの♪」

アントネッリ「…なーんだ、真面目なフリして損したな♪……でも「姫」っていうのは?」

提督「奥ゆかしくてお姫様みたいに見えるでしょう?」

アントネッリ「確かにね…こほん、ジァポーネの姫君……よろしければそのお手に接吻をお許し下さい♪」口もとを拭うと、おもむろに片膝をついて言った

百合姫提督「いえ、その…私はそんなに立派なものではありませんから……///」つかまれた手の甲をおずおずと差しだす

アントネッリ「感謝します…♪」ちゅっ♪

足柄「ちょっとちょっと、人の提督に何をするのよ!」

アントネッリ「おや…これはまた精悍なお嬢さんたちだ……さながら姫を守るサムライだね♪」

足柄「妙高型の重巡「足柄」よ…作戦の時は助かったけど、だからってうちの提督にちょっかいは出さないで」

龍田「天龍型軽巡「龍田」よぉ……おいたは許しませんからねぇ♪」

アントネッリ「了解、それなら一杯やることにするよ♪」席に戻るとぐいぐいとワインをあおった…

提督「まったくもう♪…ところで、もう一人ここに座れるけれど……誰かご一緒する?」

ゾエア(フォカ級大型潜)「提督、空いてるならご一緒したいです」

提督「あら、ゾエア。そうね、良かったらここに……って、もうちょっとちゃんとした服を着て欲しいわ///」

ゾエア「別にパジャマやバスローブではないですよ?」…名前がエビ・カニ類の幼生「ゾエア」だからか、ほとんど透けているシースルーの薄青いワンピース……と言うよりベビードールのようなものだけしか着ていないので、窓から陽光が入ってくるとメリハリのある身体がはっきり透けて見える…

アントネッリ「…フランチェスカは指揮下の艦娘たちにこういうのを着せて喜んでるのか……悪い提督だな♪」

提督「いえ、別にそういう訳では……」

カヴール「と言いつつも、禁止したことはありませんよね♪」

提督「……オレキエッテのおかわりを取ってきます」

………
<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/12/03(日) 01:35:11.24 ID:kGlWvWCw0<>
…あちこち脱線していますが、これで「鎮守府で犬を飼う」が終わりましたので、今度は提督が夏休みのバカンスで帰省する予定です…一応提督の子供時代と百合っぽい場面も入れる予定ですが、帰省に連れて行く艦娘を誰にするかは決めていません……いつもカヴールとライモンではえこひいきかと思いつつ、一番イメージがまとまっていて動かしやすいので、つい……
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/03(日) 16:59:39.93 ID:gvPn2QfPo<> 乙々。ライモン姉妹でいいじゃない、正妻だもの <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/03(日) 20:32:09.37 ID:+D+KB6iIo<> 乙
いろいろな娘がいて目移りしちゃうけど自分もライモンに1票かな
チェザーレも捨てがたいけど <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/12/04(月) 00:27:31.63 ID:r+YsI7d00<> まずはご意見ありがとうございます、グラツィエ!……とりあえずライモンは確定かなと思っています

>>939 『「正妻だもの」…みつを』……ゴメンなさい。いつもライモンが多いですしムツィオ(アッテンドーロ)も出してあげることにします

>>940 チェザーレですね?武人ですがなかなか登場させる機会がなかったので、今回は甘々スローライフを過ごしてもらいたいですね…


これから数日間は少し投下の間隔が開いてしまうかも知れませんが、気長にお待ちいただければと思います…… <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/12/04(月) 01:45:56.82 ID:r+YsI7d00<> …数日後…

百合姫提督「それにしても、あと一週間もしないうちにこことお別れなのね…ちょっとさみしいわ」

提督「まぁ、なんのかのと言ってもこっちは年度末が近いし……それに戦術研究する鎮守府も一か所だけじゃなくて、複数の方がいいって言うのがスーペルマリーナ(海軍最高司令部)の意見だから仕方ないわ…」

ミッチャー提督「だろうね…とにかく、今回は楽しく過ごさせてもらったよ」

エクレール提督「わたくしも……フランチェスカと一緒に過ごせてよかったですわ」

ミッチャー提督「おーおー、やっと本音が言えるようになったね。大した成長じゃない♪」

エクレール提督「か、からかうのは止めて下さいませ///」

提督「私も夏休みの前にみんなと過ごせてよかったわ…最初に人選を見た時は知り合いばっかりでびっくりしちゃったけど♪」

ミッチャー提督「縁は異なもの…ってね♪」

提督「まったくね……それはそうと、このお菓子とっても美味しい♪」…緑茶をすすりながら、半月型の小さいクレープのようなお菓子をつまんでいる

百合姫提督「岡山は倉敷の銘菓「むらすゞめ」ね」

ミッチャー提督「こっちの焼印があるお菓子も美味しいね」薄桃色で繭玉(まゆだま)のような形のお菓子を口に放り込む…ふにっとした求肥で白あんを包み、はんなりと甘い……

百合姫提督「これは山口の「舌鼓」です、下関の同期から送ってもらいました……この焼印も「舌鼓」って書いてあるんですよ」

ミッチャー提督「へぇ。要は「デリシャス」って刻印されているようなものね」

百合姫提督「ふふ…まぁそうなりますね♪」

提督「どれも美味しいお菓子ばっかりだから、お茶の時間が楽しいわね」

百合姫提督「それにこのペースならちゃんと沖縄までたどり着けそうね…♪」

ミッチャー提督「あー、沖縄ねぇ……まだ日本近海が忙しかった頃に派遣されたこともあったっけ」

百合姫提督「そうなんですか…私が士官学校を出た頃にはもう近海は落ち着いていたので……先輩方の中には下関と目と鼻の先にある「響灘」で交戦した、なんていう方もいましたけど…」

提督「私も年上の提督たちから聞いたことあるわ…一時期はマルタやシチリアの住民を避難させる計画が持ち上がったり、パンテレリーア島の前線基地で戦闘に明け暮れたとか……」

ミッチャー提督「だろうね…まぁ、今はこうやってお茶飲んでお菓子をパクついていられるんだから平和なものよ♪」

提督「それにしても、ジェーンはいつでも激戦区の指揮を執っていたみたいね」

ミッチャー提督「まぁね、「サリンジャー」を小型ピストルの一種だと思ってたぐらいで教養はないけど、スタミナはある方だと思ってるよ♪」(※サリンジャー…「ライ麦畑でつかまえて」の作者。小型ピストルは「デリンジャー」)

エクレール提督「まぁアメリカ海軍ですもの、仕方ないですわね……それにしてももう少し教養があってもよろしいのではなくて?わたくしは軍人ですがヴェルレーヌからサガンまで引用できますわよ?」

(※ヴェルレーヌ…詩人。ノルマンディ上陸作戦をレジスタンスに通達する際に引用された「秋の日のヴィオロンのため息を…」など。フランソワーズ・サガン…デビュー作「悲しみよこんにちは」を十代でかきあげた女性作家)

提督「マリー、鵜呑みにしちゃだめよ…ジェーンのそういうセリフにだまされて痛い目にあったアメリカ海軍の士官が何人もいるんだから」

ミッチャー提督「そんなことないって……ちょっとびっくりさせただけだって♪」

提督「スコールの中からミズーリ級が飛び出してくるぐらいの…でしょう?」

ミッチャー提督「ないない、せいぜいエセックス級の搭載機ぐらいだって♪」

提督「ふふっ、余計悪いじゃない。それにあなたのあだ名だって…♪」

ミッチャー提督「あはははっ、あれね♪」

エクレール提督「あだ名…ですの?」

提督「そうよ。ジェーンったら「ノーフォークのエグゾセ」とか言われていたんだから♪」

(※エグゾセ…フランス製対艦ミサイル「トビウオ」。フォークランド紛争で英フリゲート「シェフィールド」、コンテナ船「アトランティック・コンベアー」を撃沈して有名になった)

エクレール提督「それはまた……しかしどうして「エグゾセ」なんですの?」

提督「ふふふっ、それはね…「もし突っこんで来るのが見えてもかわせないし、当たるとひどいことになる」からなの♪」

ミッチャー提督「ひどい言いぐさだよね、まったく♪」

提督「あながち間違いでもないけれど…ね♪」

ミッチャー提督「ははは、まぁね……お、そろそろ午後の映画を準備してくるかな」

提督「行ってらっしゃい。私も後で見に行くわ」

ミッチャー提督「待ってるよ♪」 <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/12/04(月) 02:37:24.29 ID:r+YsI7d00<> …その日の夜・寝室…

提督「ふぁ…あ……そろそろ寝るとしましょうか…」ナイトガウンを椅子の背にかけ、ふんわりした夏布団に包まって寝ようとした……と、「コンコン」と聞こえないほどかすかなノックの音がした

提督「こんな時間に誰かしら…はーい、今開けるわね」……執務室にあるドアを開けた

デルフィーノ(スクアロ級中型潜)「提督…こんな時間にごめんなさい……」

提督「まだ起きてたから別にいいけど…どうしたの?」…薄手のパジャマに三角形のナイトキャップをかぶり、腕に枕を抱きしめた典型的な格好でやってきた……

デルフィーノ「よかったら…一緒に寝てもいいですか……?」

提督「ええ、いいわよ?」

デルフィーノ「ありがとうございますぅ…デルフィーノ、今日は一人で寝られそうにないですから…ぁ……」

提督「それはまた…いったいどうしたの?」もう一度ナイトガウンを脱いでベッドにもぐりこむと、布団をめくりあげてデルフィーノを招き入れる……

デルフィーノ「それが…スクアロお姉ちゃんにぃ……」

提督「もしかして…いじめられたの?」

デルフィーノ「いえ…「寝る前に映画を見よう」って……」

提督「…ふんふん、それで?」

デルフィーノ「それが怖い映画で…デルフィーノは寝られなくなっちゃったのですぅ……」

提督「あら、可哀そうに…またサメ映画を見せられたの?」

デルフィーノ「いいえ…「サメ映画なら怖いから見ませんよ」って言ったら、「大丈夫、サメ映画じゃなくて南極を舞台にした映画だから」……って」

提督「南極の映画ならいいじゃない、ひんやりした気分で……あ」

デルフィーノ「それが怖い映画だったんですよぉ…「遊星からのなんとか」って言う映画で……!」

提督「あー…「遊星からの物体X」を見せられたの…まぁあれは怖いし気持ち悪いわよね……」

デルフィーノ「しかもスクアロは途中で寝ちゃったので、怖くて止めるスイッチも押せなくなっちゃって…ぇ!」

提督「最後まで見ちゃったの……それなのに一人でここまで来たのね、よく頑張ったわね…♪」

デルフィーノ「はいぃ…もう怖くてこわくて……」


…十数分前…

デルフィーノ「あ…あぁ……」金縛りにあったように映画のエンドロールを眺めているデルフィーノ…スクアロは映画の途中で寝てしまい、ナルヴァーロとトリケーコはグラウコたちの部屋に行っていた……

デルフィーノ「うぅ…これじゃあ寝られないですよぉ…お願いです提督、まだ起きてて下さい……」枕を抱きしめてびくびくしながら廊下に出る…常夜灯はついていて暗くはないが、その分影が大きくなってより一層怖い「何か」に見える……

デルフィーノ「…深海棲艦なら怖くないけど……見えなかったり擬態している相手なんてどうすればいいんですかぁ…」壁に手をつき、一歩ずつおずおずと歩いていく……

デルフィーノ「ひぅっ…!」階段の灯りに照らされた踊り場に、背筋の凍るようなシルエットが揺らいでいる…

デルフィーノ「……うぅ、怖くないこわくない…」抜き足差し足でそーっと通り抜けるが…ぴちゃぴちゃとエイリアンの舌なめずりのような異音が聞こえる…

デルフィーノ「…ひっ!」中央の階段ホールをそーっと通り抜けた…


エウジェニオ「…うふふ、誰か通るかも知れない所でするのも気持ちいいでしょう……お姉さま♪」

アオスタ「んっんっんっ…あひぃ……ひぐぅぅ♪」くちゅくちゅっ…ぽたっ、ぴちゃっ……


デルフィーノ「…提督のお部屋まで…あと少し……」

ルチア「ワフ…ッ♪」夜のパトロールのつもりかとことこ歩いてきて、尻尾を振りつつ身体をすり寄せてくるルチア…

デルフィーノ「…あ、あっ……ひぅっ…」

………

デルフィーノ「という訳だったんですよ…ぉ」

提督「あらあら…まぁ、あの映画を見た後で犬に出会ったら……たしかにぞっとするわよね」

デルフィーノ「はい……提督、お願いです…くっ付いてもいいですか…」

提督「ええ…ほら、抱きしめてあげるから…♪」

デルフィーノ「ありがとうございます…ぅ」

<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/12/06(水) 01:25:54.87 ID:3AwMg0JR0<> …深夜…

提督「う……うぅん……?」

デルフィーノ「…んっ、んっ……はぁはぁ…はぁ…っ///」提督はしばらくの間怖がるデルフィーノの頭を撫でてあげていたが、とうとう眠気に押されて撃沈した……が、しばらくして目が覚めかけると妙に荒いデルフィーノの息づかいが聞こえてきた…

提督「…」(まさか)

デルフィーノ「はぁ…はぁっ、提督……柔らかいです…ぅ///」提督のもっちりしたお尻に腰を擦り付け甘い声をあげているデルフィーノ

提督「…すぅすぅ……」すっかり眠気の吹っ飛んだ提督…が、せっかく一人で愉しんでいるのに邪魔するのも無粋だと思ってたぬき寝入りを決め込んだ……

デルフィーノ「んはぁぁっ…提督のお胸ぇ……もちもちで柔らかぁ…い///」確かめるように裸の胸を撫で回す…

提督「ん、くふっ……」固くなった先端をこねくり回され、くすぐったさに笑いそうになる…が、寝息のふりをしてごまかした

デルフィーノ「…?」

提督「すぅー…すぅー……」

デルフィーノ「起きてないですよね……はぁ、はぁ…それなら、こっちも……ぉ///」肌に触れるか触れないか程度に唇を当てて、そーっとキスをしながら這いずっていく……頬と首筋に暖かい吐息がかかったかと思うと、次第に布団へともぐりこんで胸、脇腹、腰、ふとももと下りていく…

提督「…すぅ」

デルフィーノ「はぁはぁ…提督っ、提督ぅぅ……ん、んっ///」くちゅくちゅっ…ぬちゅっ♪

提督「///」思わず顔を赤らめる提督だったが、うとうとしていた間に寝返りをうっていたのか、顔をそむける形になっていたので気づかれないで済みそうだった……

デルフィーノ「んっ…んんーっ///」ひくっ、ひくんっ♪

提督「すぅ…すぅ……」(デルフィーノったら可愛い顔に似合わず結構お盛んなのね…)

デルフィーノ「はぁ…ふぅ……提督っ……んっ、ふぅ…ん///」

提督「…」

デルフィーノ「んぁ…あんっ……はひっ…すごぉ…ぉい……これ…気持ひいぃよ…ぉ♪」ぐちゅっ、ぐちゅり…っ!

提督「…」

デルフィーノ「はぁはぁ…提督っ♪……すっごくいいの…ぉ……もっとしちゃお…ぅ///」ずりっ…ぐちゅっ、ぬちゅ♪

提督「…ひぅ!?」声を出さないように我慢していたが、デルフィーノの温かく濡れた秘部をふとももに擦り付けられるとさすがに変な声が出た…

デルフィーノ「て、提督っ!?……んんっ、はぁぁ……んぅぅっ!」びくっ、びくんっ!

提督「あー…」

デルフィーノ「はひっ…提督ぅ……いつから起きてたんですかっ?」

提督「……えーと…デルフィーノが私のヒップを触ってた所くらいから、かしら」

デルフィーノ「え…ほとんど最初の方からじゃないですか…ぁ///」くちゅ…くちゅり

提督「いや…だってせっかくのお楽しみを邪魔するのも悪いかな……って思ったし、それに私が起きてたらさすがに乳房を撫でたりお尻を触ったりはしづらいかと……」

デルフィーノ「でも、起きてたなら言ってくださいよぉ……もう恥ずかしくて…ぇ///」くちゅっ♪

提督「…そう言いつつその可愛いおてては何をしているのかしら♪」

デルフィーノ「だって…ぇ、すっかりばれてたと思ったら……ぁ、恥ずかしいけど気持ちよくって…ぇ///」ちゅぷっ、にちゅっ…

提督「…本当にお盛んなのね……てっきりスクアロとかが冗談で言っているのかと思っていたわ」

デルフィーノ「だってぇ……とっても気持ちいいんですから…ぁ♪」ぐちゅりっ…じゅぷっ♪

提督「んー、それはまぁ…その身体になってからだから未体験の快感だとは思うけど……いつでもそうなの?」

デルフィーノ「はい、普段の日課をちゃんとこなした時の「自分へのごほうび」なんですよっ……んっ、ふぅ…ん♪」くちゅくちゅぅ…っ♪

提督「つまり毎日なのね……それはいいけど、せめて話の間ぐらいは手を止められないの?」

デルフィーノ「だって…ぇ、気持ち良すぎてぇ……あそこがきゅんきゅんしびれて、腰がじんわり溶けてるみたいなんですよぉ…///」くちゅ…とろとろっ♪…へなっととろけたような表情で粘っこい水音を立てつつ、「一人演習」にふけるデルフィーノ…

提督「…イルカは自分でするのが大好きだって言うけれど……よかったら手伝ってあげましょうか?」

<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/12/06(水) 02:33:46.24 ID:3AwMg0JR0<> デルフィーノ「いいんですかぁ…♪」くちゅ…くちゅっ

提督「寝ている間に「お楽しみ」の材料にされるよりはいいわ…さ、後ろを向いて♪」

デルフィーノ「はぁ…い♪」

提督「それじゃあ…指、入れるわよ?……って、もうすっかりとろとろね♪」

デルフィーノ「えへへ…ぇ♪」ちゅぷっ…♪

提督「もう、「えへへぇ」じゃないでしょう?…全く、イケナイ娘なんだから♪」

デルフィーノ「だって…ぇ、提督のお胸もお尻ももちもちのすべすべで…とっても柔らかくてぇ……♪」くちゅくちゅっ、くちゅっ♪

提督「もう…ほめてくれるのは嬉しいけど、人の身体で自分だけ楽しむのはどうなのかしら?」

デルフィーノ「でもぉ…デルフィーノがしたくても提督はしたくないかも知れないし……んぁぁ、そこ気持ちいいのぉ…///」ぬちゅり…♪

提督「もう、デルフィーノがしたいならいつだって付き合ってあげるわ…もっとも、風邪の時なんかは別だけど♪……ここがいいの?」じゅぶ…っ♪

デルフィーノ「うんうんっ、そこっ♪…ふわぁぁ、すっごく気持ちいぃ……下半身が無くなっちゃったみたいなの…ぉ♪」

提督「そんなに悦んでもらえて嬉しいわ…それじゃあ、もうちょっと恥ずかしいことしましょうか♪」くちゅ、くちゅっ♪

デルフィーノ「うんっ、もっといーっぱい恥ずかしいことしたいの…ぉ♪」

提督「はいはい…それじゃあ、上半身を起こして脚を開きましょう♪」

デルフィーノ「はぁーい♪」とろとろっ…とぷっ♪……替えたばかりのシーツの上にデルフィーノの蜜がとろりと垂れた…

提督「ん…しょ」べたべたになっていない左手を伸ばし、ナイトスタンドのスイッチを入れた……

デルフィーノ「明るい所でするの?……でも、デルフィーノはお昼にしたこともあるし…♪」

提督「うふふっ♪」デルフィーノをひざの上に乗せるようにして、姿見の方に向きを変えた……白い艶やかなふとももをいっぱいに開いて、困ったような嬉しいような表情を浮かべるデルフィーノ…

デルフィーノ「提督ぅ…こんなの恥ずかしいよぉ♪」くちゅくちゅっ♪

提督「そう?…とっても嬉しそうだけど♪」

デルフィーノ「だってぇ、恥ずかしいから気持ちいいのぉ♪」

提督「もう、このお利口なイルカさんときたら…♪」こりっ…くにっ♪

デルフィーノ「はひぃぃっ、そこっ、いいよぉ…もっと摘まんでぇ♪」とろとろっ…ぶしゃぁ♪

提督「ええ…それじゃあもう一回♪」

デルフィーノ「はひぃ、んあぁぁぁっ…もっとぉ♪」

提督「じゃあ…これはどう♪」

デルフィーノ「いいっ、いいのぉ♪」

提督「じゃあ、せっかくだから…そーれっ♪」デルフィーノの開脚した脚を腕で支えて抱えると姿見に近寄った

デルフィーノ「はぁぁ♪……提督にデルフィーノの恥ずかしい所、思い切り見られちゃってるの…ぉ♪」ぐちゅぐちゅっ…♪

提督「ええ、とっても良く見えるわよ…ふとももがてらてら光ってて、本当にイルカの肌みたいね♪」

デルフィーノ「そんなこと言われたら恥ずかしくて…んぁぁ♪」ぶしゃぁぁ♪

提督「んふふっ、もう…鏡を汚してくれちゃって♪」

デルフィーノ「ごめんなさぁ…い……でも、止まらないのぉ♪」とろっ、ぴちゃっ…♪

提督「いいのいいの……デルフィーノのいやらしい顔、もっと近くで見たいもの…♪」ちゅ♪

デルフィーノ「あっあっあっ…それ、ずるいです……ぅ♪」とろとろ…っ♪

提督「ふふ…可愛い♪」

デルフィーノ「ふぁぁ……気持ち良すぎてぇ…もう立てないです……ぅ♪」

提督「なら今度こそ寝ましょうね…お休み♪」がくがくと脚を震わせるデルフィーノのびしょびしょになったふとももを優しく拭ってあげると、お姫様抱っこでベッドに運び、頬にお休みのキスをして隣にもぐりこんだ…

……… <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/12/07(木) 01:22:43.82 ID:Zx6U1ds/0<> …翌日の午後・食堂…

提督「それでは、「百合姫提督のお別れ前にちゃーんと全部のお菓子を開けて感想とお礼を言おう」ティーパーティーを始めることにします♪」

リットリオ「わぁぁ…とっても豪華ですねっ♪」可愛らしい顔によく似合う、明るい紅茶色のドレスも愛らしいリットリオ…

提督「それはもう…「近くの町」のケーキ屋さんで桃のタルトも買って来たし、ディアナとエリトレアにも協力してもらってビスコッティとティラミスも作ったわよ♪」…ド級戦艦並みの豊満な体型を控えめに見せる薄緑のドレススタイルで、ずっしりと豊かな髪を先端でくるりとカールさせている…

フルット「嬉しいです……開戦後はお菓子はあんまりいただけなかったので…」薄青の肌に吸いつくようなイブニングドレスも優雅なフルット…

デンティーチェ「ええ、ほんとですね…提督、感謝してます♪」ロココ調にありそうな薄桃色…と言うより鯛色のドレス

提督「そんなに言われると照れちゃうわね…それに、お礼ならお土産を買ってきてくれた姫と、それを運んでくれた足柄と龍田に言ってあげて?」

ゴルゴ「感謝するわ、お姉さん方…♪」艦名が「渦」だけに、裾の白がマリンブルーになっているグラデーションのドレスが似合っている

ナウティロ「どれも本当に素晴らしかったです。それに、はるばるジァポーネから持ってくれた気持ちがこもっていて、倍も美味しく感じられました♪」

百合姫提督「いえいえ…本当はこの後のナポリ鎮守府にも持っていくつもりだったけど……必要なら航空便で送ってもらえばいいし、喜んでもらえて私も嬉しい♪」浅葱色の着物で髪を結い上げ、にっこりと微笑んでいる

足柄「そうね。それに、これだけ美味しい食事を食べさせてもらったらお菓子の一山くらい何でもないわよ」こちらは藤色の着物に銀のかんざしも凛々しい…

龍田「運んだかいがあったって言うものねぇ♪」黒地に銀で昇り龍が入った着物に白鞘の日本刀……とはいえ、穏やかな表情を浮かべている

ミッチャー提督「いやぁ、十数年前の横須賀以来久しぶりの「和菓子」だったけど、なかなかいいもんだね…ところでさ、フランチェスカたちへのお土産なのに勝手にお相伴にあずかっちゃっていた訳だけど……お礼に私の特製ストロベリー・パイを用意したんだよね♪」

百合姫提督「そんな…わざわざ申し訳ありません」

ミッチャー提督「あぁ、お礼なんていいから。何しろうちのガールたちがガツガツ食べちゃったから、その分ちゃーんとお返ししないと」

フレッチャー「ヘイ、マーム!それは失礼って言うものじゃない、いつ私がそんなにお菓子をがっついたっていうのよ?」

エンタープライズ「マームにしては珍しい失言じゃないかしら?」

ミッチャー提督「へぇ…フレッチャー、エンタープライズ……私はね、あんたたちがイタリア艦たちの倍は食べてるのを知ってて言ってるのよ?」

フレッチャー「証拠がなきゃ認めないわよ、マーム」

ミッチャー提督「この間「むらすゞめ」食べた時にいっぺんに三つも取っていったのはどういう理由よ?」

フレッチャー「ホーリィ・シッ…見られてたのね」

エンタープライズ「フレッチャー、それは行儀が悪いわね」

ミッチャー提督「ヘイ、ビッグEだってあんまり言えないでしょうが……いつだったか「信玄餅」の二包み分をいっぺんに口の中に放り込んだの見てたわよ?」

エンタープライズ「……あれは…ほら、日本のお菓子は小さいから私みたいな大柄な女だと足りないのよ…ね、マーム♪」

ミッチャー提督「だからってねぇ…それだとまるで普段食べさせてないみたいじゃないの、全く……とにかく、これは私からみんなへのプレゼント♪」縁が艶やかな狐色に仕上がっている大きなフルーツパイを切り分けた…中には小ぶりで少し酸っぱく、野趣のある味がするイタリアの野苺を敷き詰めてある……

提督「嬉しいわ…それにとっても上手♪」

ミッチャー提督「ふふ…可愛い料理なんて縁がないけど、パイだけは得意なんだ♪」

百合姫提督「イチゴのきれいな紅色が美味しそうですね」

ミッチャー提督「センキュー…マリー、そっちもお皿を出して?」

エクレール提督「メルスィ♪」

リシュリュー「おやおや…サバランほどとは言いませんがお上手です」(※ブリア・サバラン…フランスの偉大な料理人・菓子職人。ケーキ「サバラン」の名前の由来になった)

ミッチャー提督「へぇ、おだてるのが上手いね?…よし、じゃあリシュリューにはサービスしちゃおう♪」親指を上げて見せるともう一切れ乗せた

リシュリュー「これはこれは…メルスィ♪」

ジャンヌ「わたくしは栄光あるフランスのお菓子以外は認めないつもりです!」

ミッチャー提督「そっか……フランチェスカ、もう一切れ食べるよね?」

提督「ええ、食べるわ♪」

ジャンヌ「少し待ってください!…別に「食べない」とは言っておりません、批評するにも味見は必要ですから……///」

ミッチャー提督「アイノウ(分かってる)…ちょっとしたジョークよ、ジャンヌの分もちゃんとあるって♪」

バンデ・ネーレ「何だかんだ言っても欲しかったんだよね。ま、フランス娘は正直じゃないから……ね、提督♪」

提督「うふふっ、そうね♪」

エクレール提督「///」

ジャンヌ「///」
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/08(金) 22:23:59.91 ID:rK0EeUPzo<> 帰る前にフラン提督と百合姫提督のねちょが見たいのですが...(小声 <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/12/09(土) 00:12:17.46 ID:WMtU2vmI0<> >>947 提督×百合姫提督ですか?……正直考えていませんでしたが、全国のお菓子をコンプリートした後でやってみますのでお待ちください… <> ◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/12/09(土) 00:51:52.09 ID:WMtU2vmI0<> 提督「それはそうと、今日はまたずいぶんといろんなお菓子があるのね♪」

百合姫提督「そうね、実を言うと都道府県ごとに一種類ずつあればいいと思って、同期の提督や司令たちにお願いしたんだけど……」

提督「どこかの提督が、「姫のため」だからっていっぱい送ってきたのね?」

百合姫提督「ええ、そうなの」

カヴール「律儀なお方ではありませんか」

提督「…きっと姫の人徳のなせるわざね、どういうことがあったのか聞かせて欲しいわね♪」

百合姫提督「いえ、そんな話すほどの事じゃないの…」

足柄「何言ってるのよ、あの司令の事でしょ…話せばいいじゃない?」

龍田「そうよぉ、せっかくだもの♪」

百合姫提督「でも…そんな自慢げに言うことでもないし……」

ライモン「遠慮しないで下さい、私たちも聞きたいですし♪」

コリドーニ「お話をお願いします!鎮守府の新聞に掲載したいと思いますので!」

提督「こらこら、そんなに詰め寄ったら姫が話しにくいでしょうが…よかったらでいいのよ?」

百合姫提督「そう…じゃあ……」

…百合姫提督がお皿に乗せたお菓子は十種類近くあって、丸いのやら四角いのやら、黄色いのやら薄紫の物やらと、形も色も千差万別と言ったところだった……

百合姫提督「こっちに分けてあるお菓子は福岡県のお菓子なの…でね、数年前の事なんだけど……」

………

…数年前・福岡…


百合姫提督「ふぅ…哨戒お疲れさま、今日も暑いわね?」…抜けるような青空に白い入道雲…暑い盛りの「博多鎮守府」で、百合姫提督は波止場に立って哨戒任務から戻ってきた「松」型駆逐艦を出迎えた……

松「いえ、平気です…それにしても、あれだけ叩きに叩いてまだ「ガトー」級が出没するなんて……困ったものですね」

梅「うむ…こう忙しくてはかなわぬわ……それより、週末の大宰府見学はちゃんと予約できたであろうな?」

百合姫提督「ええ、ちゃーんと電車も…「西鉄」だったかしら、指定席を取っておいたわ♪」

梅「うむ、かたじけないの…それでは司令、暑気払いに氷を入れた梅酒でも如何かえ?」

百合姫提督「いえ…私はまだ職務中だから……梅ジュースならいただくわ」

梅「ほほほ、律儀よの…とはいえ、そこがまた愛おしいのぉ♪」

龍田「あらぁ…可愛いかわいい「小梅」ちゃんでもそれはいただけないわねぇ……♪」

梅「おや、龍田かえ…軽いたわむれであるからの、そう目を吊り上げんで欲しいのぉ」

百合姫提督「龍田、そう怒っちゃダメよ?」

龍田「怒ってないわぁ…♪」

百合姫提督「よろしい…さぁ、じゃあ仲良くお菓子でもいただきましょうね」…と、鎮守府のアナウンスが流れだした……

仁淀「通信室より司令、緊急電あり!提督、至急通信室へお願いします…繰り返します、提督、至急通信室へ……」

百合姫提督「…松、竹、梅、それに樫は再出撃に備えて用意をお願い。龍田、あなたも準備を急いで」

梅「うむ…まったくせわしないことよ」

龍田「了解よぉ♪」


<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/12/09(土) 01:54:48.27 ID:WMtU2vmI0<> …博多鎮守府・通信室…

百合姫提督「仁淀、いったいどうしたの?」

仁淀「あぁ提督、お待ちしていました……近くの鎮守府から緊急の「支援乞う」です」

百合姫提督「それはまた…どこから?」

仁淀「えーと…「小倉鎮守府・大島分遣駆逐隊」です…「我が方の駆逐隊、壱岐諸島への哨戒中に襲撃受く…現在位置「小呂島」の南数キロ、敵『グラマン』多数、援護を求む!」とのこと」(※大島…福岡、津屋崎の北にある)

百合姫提督「大島の駆逐隊…同期の少佐が司令だわ……とにかく、至急艦隊を出撃させます」

仁淀「そういうと思いました、空母も準備していますが…?」

百合姫提督「そうね、鳳翔と龍驤には零戦の準備を急がせて…援護には軽巡「五十鈴」と秋月型がいいでしょう」

仁淀「了解、出撃を急がせます」


…一時間後…

仁淀「通信…入りました!」

百合姫提督「…みんな無事ならいいけど」

仁淀「電文解読中です…「我が方の零戦隊、敵『グラマン』F4F十数機と交戦、六機撃墜し被撃墜・未帰還なし…友軍の駆逐隊「電」「雷」「響」「曙」の四隻はいずれも小型爆弾および12.7ミリ機銃の被弾により小・中破するも航行に影響なし、大島まで援護し帰投す」とのことです!」

百合姫提督「よかった…さすが鳳翔と龍驤ね」

仁淀「ですね…それと、大島駆逐隊の司令からも電文が入っております」

百合姫提督「内容は?」

仁淀「はい「援護に感謝します、これから必要なものがあったら何でも言って下さい!」とのことです」

百合姫提督「そんな、援護要請があれば救援に行くのが当たり前なのに…丁寧なのね」

仁淀「提督は本当に無欲な人ですね…そこが好きなんですが」

百合姫提督「…仁淀///」

仁淀「うぇ…そ、そこで照れないで下さいよ///」



………

百合姫提督「と言うことがあって……は、恥ずかしいわ///」

提督「まぁまぁ…そんな風に言われたら誰だってキュンとなるわ♪」

百合姫提督「か、からかわないで……それで、その司令が用意してくれたの」

龍田「今は博多の鎮守府で大佐になったって聞いたわぁ」

百合姫提督「そうね…それはさておき、福岡のお菓子はいっぱいもらっているから……まずは」…取り分けたのは丸い円盤状の餅菓子で、あんこの色らしい薄い紫が透けて見え、中央に「梅鉢」の焼印が押されている…

百合姫提督「福岡と言えば学問と雷の神様、「菅原道真公」のおひざ元、太宰府天満宮のお土産「梅ヶ枝餅」ね」

足柄「温めても美味しいのよ…それと、餅がちょっと柔らかいのが特徴よね」

百合姫提督「そうね…さぁ、どうぞ」

デュイリオ「では、いただきますね…んっ♪」もっちりと柔らかい焼き餅にたっぷり入った甘いあん…表面のバリッとした焼け具合と中のねっとりした甘さが存在感を出している…

ポーラ「おー、これは美味しいですねぇ〜…」サンブッカ(濃いコーヒーにリキュールをたらしたもの)をすすりながら二つにちぎった「梅ヶ枝餅」をぱくつく…

フレッチア「雷の神様が由来ならちゃんと食べておかないとね♪」

ダルド「そうですね!」

フォルゴーレ「私も食べます!」

百合姫提督「大丈夫、ちゃんと分けるから」

<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/12/09(土) 02:59:40.39 ID:WMtU2vmI0<> 提督「ふー、美味しかったわ…一個でも結構な満足感があるわね?」

百合姫提督「そうね。でも、まだいっぱいあるのよ…?」

提督「そう、じゃあ頑張らないと♪」

ドリア「そこは頑張らなくていいんですよ♪」

提督「そうは言ってもね、ちゃんと感想は言わないと失礼だもの…どうしたの、ライモン?」

ライモン「あの…唇の端にあんこがついています///」

提督「あら、これでも上品に食べたつもりだったのだけど……取ってもらえる?」

ライモン「はい……れろっ、ちゅっ///」せいぜい指ですくい取ってくれる程度だろうと思っていた提督だったが、唇を寄せ、ぺろりと舌で舐めとったライモン……

提督「あら、ライモン…なかなか大胆ね///」

アッテンドーロ「へぇ、姉さんもやるようになったわね♪」

ドリア「…まぁまぁまぁ♪」

デュイリオ「あらぁ、ライモンったら……もう、そんな甘い光景を見せられたら…私、濡れてきちゃいます♪」

百合姫提督「わ…///」

ミッチャー提督「ワーオ…やるじゃない♪」

ジャンヌ「…モン・コマンダン!…口の端にあんこが……ついておりませんね」

エクレール提督「わたくしのように上品に食べれば、お菓子のかけらなどついたりはしませんもの」

ジャンヌ「そうですね…モン・コマンダンはテーブルマナーも完璧でいらっしゃいますから……」

エクレール提督「…落ち込むことはありませんわ…あとでわたくしのお部屋にいらっしゃいな、ジャンヌ……♪」小声でささやいた

ジャンヌ「はいっ♪」

提督「まぁ、うふふっ…さぁ、次のお菓子は何かしら♪」

百合姫提督「えーと……博多名物「通りもん」ね、柔らかい生地に甘いカスタード風のあんがとっても美味しいの///」提督たちの甘ったるい空間にあてられて真っ赤になりながら、手のひらサイズで柔らかい狐色をしている円盤状の「通りもん」を切り分ける…

提督「あら美味しそう…いただきます♪」泡をたっぷり立てた濃いめのカプチーノをお供に、しっとりとした「通りもん」を口に運ぶ…とろっとした風味のあんに柔らかい生地が絶妙で、柔らかい甘さもちょうどいい…

アスカーリ「これはえらくうめぇだな♪」

アルピーニ「ほんとに…初雪のように柔らかで恋のように甘いね♪」

カミチア・ネラ「あぁ、甘い物ってこんなに美味しかったのね…ほんと、いい時代だわ」普段は艦名の「黒シャツ隊兵」だけにイタリアの栄光や威信にうるさいが、甘いお菓子の山にぽーっとした表情を浮かべ、無心に「通りもん」をつまんでいる…

オリアーニ「ちょっと、ソルダティ級のくせにだらしないわよ?…もっと駆逐艦の模範を……」

ジョスエ・カルドゥッチ(オリアーニ級)「まぁまぁ…これ、ほんとに美味しいよ?」

オリアーニ「そう?…あむっ……んっ///」

カルドゥッチ「ね?」

オリアーニ「た、確かに美味しいわ……我らがイタリアのお菓子にも引けを取らないわ」

百合姫提督「あぁ、良かったわ…それじゃあお次は…あ♪」

提督「どうしたの、嬉しそうね?」

百合姫提督「チロリアンが出てきたわ♪」イラスト入りの外袋に個包装されている五センチ程度の筒状のお菓子がばらばらと入っている…

提督「チロリアン?」

百合姫提督「スイス「チロル地方」のお菓子を参考にして作ったって言う福岡銘菓なんだけど…ふわふわのクリームを筒状の香ばしい生地に詰めたお菓子なの……私、これのバニラクリームが好きで、鎮守府でも時々食べるの♪」

提督「ふふっ、姫の可愛らしい様子が目に浮かぶわね♪」

足柄「それはそうなんだけど、うちの提督ったら生地のかけらでクリームだけしゃくって食べたりするのよね……ちゅうちゅう舐めたりね」

百合姫提督「…い、言わないで///」

提督「ほら、やっぱり可愛い♪」

デュイリオ「本当に可愛いですね♪…私、百合姫提督を抱きしめたくて……何だかむらむらしてきちゃいました♪」

足柄「お菓子はあげても提督はあげないわよ!」

デュイリオ「あら、百合姫提督はとっても甘くて美味しいお菓子ではないのですか…♪」

足柄「あぁ、もう!…イタリヤのド級艦って言うのは「ド級戦艦」じゃなくて「ド級の色ボケ艦」の間違いなんじゃないのっ?」 <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/12/10(日) 01:19:11.74 ID:E7p/PsGg0<> 提督「ふふふっ…あながち間違いじゃないかも知れないわね♪」

ライモン「……あの、提督」

提督「どうしたの、ライモン?」

ライモン「…百合姫提督は気づいておられませんが「チロル地方」はスイスではなく、我が国とオーストリアの間ではありませんでしたか?」

提督「ええ、そうだけど……」

ライモン「?」

百合姫提督「…はい、一つづつね……バニラとコーヒー、それにストロベリー味だけど…どれがいい?」

提督「あの可愛い顔を見て何か言うことなんてできないでしょう?」

チェザーレ「とはいえ、間違ったままの知識と言うのもいかん……仕方ないな」百合姫提督に近寄り耳元に唇を近づける…

百合姫提督「どうしたの、チェザーレ……えっ、そうなの?…ご、ごめんなさい///」

足柄「ちょっと、うちの提督に何を言ったのよ!」

龍田「あらあらぁ…?」

エンリコ・タッツォーリ(カルヴィ級大型潜)「どうかしたんですかぁ…」相変わらず幽霊のように白く、消え入るような声のタッツォーリ……とはいえ、よく見ると僧服のようなものを着ている…

提督「ええ、チロル地方はイタリアとオーストリアに挟まれた地方でスイスじゃないっていう……どうしたの?」

タッツォーリ「オーストリア…あぁ……うぅぅ!」一瞬で表情が青ざめたタッツォーリ

ライモン「提督、タッツォーリにオーストリアの話なんてだめに決まっているじゃないですか!」

アルマンド・ディアス(軽巡カドルナ級)「うっ…オーストリア……リベッチオ、これあげる」

ルイージ・カドルナ「わ、私もいいわ……サウロ、あげるから食べて?」

リベッチオ「いいのっ?…ありがと♪」

サウロ「ありがとうございます♪」

提督「…あー…そういうことね……」

ライモン「そうですよ、タッツォーリの由来を考えてあげて下さい」

提督「ごめんなさい…すっかり失念していたわ」

タッツォーリ「いえ…いいんですよ……夜になったら提督の部屋のすみっこで一晩中めそめそ泣きますから……ぁ」

提督「それは冗談抜きに怖いわね……お願い、どうにか許してくれないかしら?」…背筋にぞーっと冷たいものが走った……慌てて謝る提督

タッツォーリ「提督のキスがあれば…無事に天国に行けるでしょう……」

提督「わ、分かったわ…んっ///」

タッツォーリ「頬へのキスではこの呪いは解けません……唇でないと…」

提督「ええ……ん、ちゅぅぅ///」

タッツォーリ「はい…呪いは解けました……ぁ」

ライモン「むぅ…結局タッツォーリも提督とキスしたいだけじゃないですか」

タッツォーリ「……ええ、いいじゃないですか…それとも……」ズォォ…

ライモン「うわ、怖いですね……わ、分かりました…いいですよ」

タッツォーリ「分かったのならいいのです……神の祝福を…」

ライモン「ふぅー…」

タッツォーリ「…ぴとっ」冷たい手をふとももに置いた…

ライモン「ひぅっ!?…何をするんですか!」

タッツォーリ「ちょっとした冗談ですよ…ライモンド」

ライモン「冗談にしては怖すぎます!……もう、お菓子ぐらいゆっくり食べさせて下さいよ…」 <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/12/10(日) 02:32:44.59 ID:E7p/PsGg0<> 百合姫提督「でも、どうしてタッツォーリはオーストリアがそんなに苦手なの…?」

ガリバルディ「それは私が解説してあげるわよ」

百合姫提督「ええ、お願いします…」

ガリバルディ「エンリコ・タッツォーリは、北イタリアがオーストリアの支配下にあった時代にリソルジメント(イタリア統一運動)活動を行った神父の名前よ」

百合姫提督「リソルジメント…歴史の授業で習った気がするわ」


ガリバルディ「それなら話が早いわ……とにかくタッツォーリはオーストリアに対する反乱とイタリアの統一を計画していたの…もっとも、王制を廃して共和制を求めたジュゼッペ・マッツィーニの「青年イタリア」とは違ってキリスト教精神と愛国心を融合させた独自の理論を説いたのだけどね……だけど、この反オーストリア活動が露見して、当時の北イタリア総督ヨーゼフ・ラデツキー伯の命令で仲間と処刑されたのよ……この時に処刑された活動家たちを地名にちなんで「ベルフィオーレの殉教者」と呼ぶの…つまり、タッツォーリにしてみればオーストリアは仇敵なわけ」


タッツォーリ「そういう訳です…ですから、オーストリアは大嫌いなんです……」

カヴール「全くですね。オーストリアのいけ好かない連中ときたら「ミラノ風仔牛のカツレツ」の作り方も盗んで行きましたし…何が「ウィーナーシュニッツェル」ですか」

ガリバルディ「その通りね……ガリバルディ候が南イタリアを統一して国王に献上してよかったわ」

サウロ「イタリアの旗の下に集え、フラテッリ(兄弟)!…ですね」

フラテッリ・バンディエラ「そうです、我々が本気を出せば「オーストリアなんか怖かねぇ!」っていうやつです!」

ガリバルディ「そうね……なら、この「オーストリアに盗まれた」チロルのお菓子を食べてあげようじゃない♪」

サウロ「さすがですね、ガリバルディ!……うん、美味しいです♪」さくさくの衣に包まれたクリームはふわふわで、ふっと舌の上で溶けていく……

バンディエラ「うーん…この憎いオーストリアめ、こうしてやります!」さくっ…♪

足柄「……何のかのと言って、結局は食べるんじゃない」

百合姫提督「ま…まぁ美味しく食べてもらえればいいわ……次のお菓子を用意しましょうね」

提督「ごめんなさい、姫…」

百合姫提督「ううん…私こそ調べもしないで持ってきちゃってごめんなさい……でもこれなら大丈夫よね」取り出したのは可愛いひよこ型のお菓子で、きれいな焼き色がついている……

チェザーレ・バティスティ「わあぁ、可愛い♪」

ドリア「まぁまぁ…こんなに可愛いお菓子は食べられませんね♪」

百合姫提督「このお菓子は見た目通り「ひよ子」っていう福岡銘菓…なんだけど、どういう訳か東京のお土産みたいになっているのよね」

提督「そうなの…よかったらこの可愛いひよこちゃんを食べちゃいたいわね♪」

百合姫提督「ええ、どうぞ♪」

レモ「では、ローマの狼がひよこを食べちゃいますよ……あーんっ♪」

ロモロ「私も…んっ、これは美味しいわ……中のあんこ?…なのかしら……それも美味しい♪」

百合姫提督「白あんで素朴な甘さがいいでしょう?」

提督「ええ、ちょっとほわっとしたこの食感がいいわ…♪」

カヴール「ふー…ジァポーネには美味しいお菓子がいっぱいあるのですね……次も期待できそうです♪」

百合姫提督「はいはい、お次は「にわか煎餅」ね…昔、領主の圧政に苦しんだ農民たちがこういうお面をかぶって悪態をついたのが始まりだそうよ」

フルット「なるほど…これをつけるとはヴェネツィアの仮面のようです……表情は多少ユーモラスですが」

カヴール「ふふ、なかなか面白い趣向ですね♪」にわか煎餅を顔に当ててみる…

セラ「ふふふっ…カヴール、変な顔になっています♪」

百合姫提督「うふふ、それでいいのよ……食べるとぼりぼりした瓦せんべいみたいなものだから、飽きが来ないでしょう?」

提督「そうね…美味しいって言うよりは無難な味、と言った所ね……きっとこれが庶民の楽しみだったのね♪」

百合姫提督「そうね…さてと、これで福岡のお菓子はおしまい。本当は「鶏卵素麺」も有名だけど…あれはとっても甘くって好き嫌いが出るから……」

提督「いいえ、これで充分よ…それに次のお菓子があるんでしょう?」

百合姫提督「ええ、それはもう」

提督「ならそれを開けましょう…ね♪」

エクレール提督「まだ食べるつもりですの…あきれましたわね……」
<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/12/10(日) 03:12:40.88 ID:E7p/PsGg0<> 百合姫提督「まぁまぁ…次は大分県の銘菓ね……ディアナ、エリトレア、厨房をお借りしていいかしら?」黒と銀、それにオレンジ色でまとめられたお菓子の箱を持って立ち上がった…

ディアナ「ええ、構いませんが……」

エリトレア「何が始まるんです?」

ミッチャー提督「…第三次大戦だ」…キリッ♪

フレッチャー「ぷっ…あはははっ♪」

エンタープライズ「ふふふっ、マームったら♪」

ミッチャー提督「ははっ、似てたでしょ♪」

フレッチャー「あーはははっ!……ひー、お腹が痛い♪」

百合姫提督「ふふ…っ♪」しばらくするとオーブンの「チーン」と言う音がした……百合姫提督はミトンをはめた手でオーブンの天板を持ち、お皿にスィートポテトのようなお菓子を載せた…

提督「姫、これは?」

百合姫提督「大分銘菓「ざびえる」よ…温めるとふわっとして美味しいの♪」

提督「へぇ…どれどれ?」小ぶりな紡錘形のお菓子をつまむと二つに割る…ぽーっと甘い湯気が立ちのぼると、ほのかにラムの香りが漂う…

提督「あら、いい匂い……では味の方を…はふっ…ふうっ♪」熱い「ざびえる」はとろりと柔らかいスィートポテトにラムレーズンが散らしてあり、温かくてねっとりと甘い…

ポーラ「美味しいですねぇ〜…ザラ姉さまぁ、こっちのと二種類あるみたいですし半分こしましょ〜?」白あんとラムレーズン…どちらも大きさからは想像できないほどしっかりした風味がある……

ザラ「じゃあ…はい、あーん♪」

ポーラ「あ〜んっ……えへへぇ♪」

ザラ「なら今度は私ね…あーん……」

ポーラ「はい、あ〜ん♪」

ザラ「あむっ…ちゅっ、ちゅぅ♪」

ポーラ「もぉ〜…ザラ姉さまぁ、ポーラの指まで食べちゃだめですよぉ……♪」

ザラ「いいじゃない…とっても美味しそうだったんだもの♪」

フィウメ「…ねぇ、ゴリツィア♪」

ゴリツィア「はい、フィウメ姉さん……私たちも「あーん」しましょうか///」

フィウメ「ええ…♪」

提督「うふふ…ポーラたちは仲がいいわね♪」

エクレール提督「…爛れた関係の間違いですわ」

提督「んー、何か言った?」

エクレール提督「な、何でもありませんわっ///」

提督「…そう、ならいいわ♪」

百合姫提督「もう、フランチェスカったら…みんな「ざびえる」も食べ終わったみたいだから、次は鹿児島……と♪」

提督「今度は…白い羊羹?」気泡がいっぱい入っている白い羊羹のようなお菓子が、きちんとお皿の上に乗せられた……

百合姫提督「山芋を練り込んだ銘菓「かるかん」(軽羹)ね…地元で取れる山芋を使う名産品として考案されたとも言われていて、江戸時代には幕府への重要な献上品だったの…ちなみに山芋は滋養強壮にいいそうよ?」

提督「そう、健康のためのお菓子なのね…あら、すごいしっとりして……ちょっと変わった風味があるわね?」

百合姫提督「山芋の風味だと思うわ……そのままの山芋は舌がピリピリするから食べられないっていう人もいるけど、これは蒸されているから大抵の人は大丈夫なの♪」

提督「なるほどね……それにしても何ていえばいいのかしら……荒いスポンジ生地…硬めのホイップクリーム……うーん」

百合姫提督「表現するのが難しいわよね…で、美味しい?」

提督「ええ、とっても」

百合姫提督「ならよかった…♪」 <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/12/12(火) 11:34:13.84 ID:+24kJnBO0<> アルピーノ・バニョリーニ(リウッツィ級大型潜)「二人とも親密な関係のようだから、水を差すのは心苦しいけどね…そろそろ次のお菓子を食べさせてくれると嬉しいね♪」

百合姫提督「え、ええ///」

アミラーリオ・カーニ(カーニ級大型潜)「もう、バニョリーニはせっかちですね…」

提督「そうよね、せっかく姫と甘い時間を味わおうとしていたのに」わざとらしく頬をふくらませてみせる

百合姫提督「その、それはまた後で……///」

提督「そう、なら心待ちにしているわ♪」

百合姫提督「も、もう…フランチェスカったら……///」

リベッチオ(マエストラーレ級)「あー、百合姫提督さん真っ赤になってるー♪」

マエストラーレ「こら、からかうんじゃないの!」

百合姫提督「…つ、次はカステラね///」

ガリレオ・ガリレイ(アルキメーデ級大型潜)「カスティーリャ?」

ガリレオ・フェラリス(アルキメーデ級)「いいわね、黄色くて美味しそう♪」

グラウコ(グラウコ級大型潜)「ポルトガルのお菓子…懐かしいわね」

オタリア(グラウコ級)「実際に行ったことはありませんけどね」

グラウコ「まぁまぁ…ポルトガルの名前までもらっていたんだから、ね?」

ミラベロ(ミラベロ級駆逐艦)「もう、二人とも難しい話はいいから……ねぇ提督、私に「あーん」してくれない?」

提督「そうねぇ、してあげたいのはやまやまだけど…」ちらっと百合姫提督の方を見た

百合姫提督「?」

リボティ(ミラベロ級)「ミラベロ、提督は姫さまと間接キスがしたいんだって……それを横からつまみ食いするのはどうかとおもうけどな?」

ミラベロ「ふふ、残念…♪」

百合姫提督「えっ?あっ…///」

提督「全くもう…姫、無理にとは言わないからね?」

百合姫提督「え、ええ…とにかく、「福砂屋」のカステラをどうぞ///」富貴や幸運の象徴とされるコウモリの柄が入った箱を開け、マリーゴールドの花のように明るい黄色のカステラを切り分ける……

アヴィエーレ「お…これはうまそうだ♪」フォークで切り分けようとすると、たっぷりの卵黄と砂糖を使った生地が柔らかく跳ねかえって抵抗する…それを口に運ぶと、甘く弾力のある黄色の生地と、底面の茶色の部分に散らしてある砂糖のじゃりっとした食感が口に拡がる……

足柄「あー、美味しい。ところで「福砂屋のカステラ」と言えば、演習の時に佐世保でごちそうになったわね」

百合姫提督「そうね、あれは平戸の鎮守府にお邪魔した時だから…おととし?」

足柄「そうそう。とにかく演習で疲れた身体に甘さが染みわたって…」

百合姫提督「ふふ、一棹食べられそうなんて言ってたものね……ん、相変わらず美味しい♪」

提督「そうね、恋のように甘くて美味しいわ…さぁ、姫「あーん」して?」

百合姫提督「…あーん///」

提督「うふふっ…はい♪」

百合姫提督「///」

カヴール「むぅ……ところで、こちらの丸いお菓子は何なのでしょう?」

<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/12/13(水) 02:15:59.06 ID:R2kNG6do0<> バニョリーニ「何だか知らないけどちょうだいしよう♪……って、んんっ?」

…全体が雪のように白く、少し平らなてっぺんだけが軽く狐色をしている丸い焼き菓子に「あぐっ」と食らいつき、腑に落ちない表情を浮かべたバニョリーニ……お饅頭程度の大きさをした焼き菓子はカリッとしているが、中はまるっきり空っぽで何も入っていない…

リットリオ「どうかしたんですか?…あむっ……ん?」カリッといい音を立てて焼き菓子に口をつけたが、こちらも困ったような表情を浮かべている…

サントーレ・サンタローサ(バンディエラ級中型潜)「そんな…ツキはない方だと思っていましたけど……まさかお菓子の中身まで空っぽだなんて…」何とも切ない表情でぽっかり空いた焼き菓子の中を眺めている…

百合姫提督「あぁ…ゴメンなさい、みんな……説明が遅れちゃったけどそれはそういうお菓子なのよ、別に「中身を詰め忘れた」とか「ハズレ」とかじゃないから安心して?」

サンタローサ「本当にそうなんですか?……普段から運がないのでてっきり…」

百合姫提督「大丈夫よ、ほら」百合姫提督もカリッと一口かじると、ただの空間になっているお菓子の中を見せた…

サンタローサ「本当なんですね、良かったぁ……♪」

提督「それにしても面白いお菓子ね、これで合っているなんて」

百合姫提督「ええ、そうね…私も最初は驚いたけど、この長崎名物「一口香」(いっこっこう)はそういうお菓子なんですって」

カヴール「カリカリした砂糖菓子と言った感じですね、なかなか美味しいです♪」濃く淹れたカプチーノをすすりつつ、上品に割って食べるカヴール

ドリア「でも中に何か詰めてあげたいところですね♪」

リットリオ「私ならきれいなマラスキーノ・チェリーとホイップクリームにします♪」

ドリア「あらあら、リットリオは言うことまで可愛いのね…♪」

リシュリュー「ふむ…マカロンの中が無くなったようなお菓子とでも言いましょうか……異国のお菓子と言うのも面白いものですな」

フレッチャー「ばりばり…うん……ばりっ……何ていうか、ケーキの上の砂糖菓子を食べてる気分ね……ばりっ」

ミッチャー提督「こら、食べながらしゃべるんじゃないの…それじゃあうちの鎮守府で何も教えてないみたいに思われるじゃない」

提督「…実際のところは?」

ミッチャー提督「あー…基本的なテーブルマナーと挨拶、社交ダンスとドレスコード以外は特に……ほら、大西洋の船団護衛と哨戒で忙しいし」

エンタープライズ「マームは基本的に多忙で…一応私やミズーリなんかが教えてあげてはいるんですが」

提督「ふふっ…いかにもって言う感じね……それにしてもこの「一口香」だったかしら?香ばしくて美味しい♪」

百合姫提督「そう、良かった…それじゃあ次は……あら、佐賀の「丸ぼうろ」があったわ、これも南蛮渡来のお菓子なんですって」

足柄「…北島の?それとも村岡屋?」

提督「それって、お店によって味が違うの?」

百合姫提督「そうねぇ…好みが分かれるって言ったところかしら……ちなみに足柄は「鶴屋」の丸ぼうろが好きで…私はどの店のも美味しいと思うわ♪」

提督「そうなの…じゃあいただきましょうか……んむ」穏やかな茶色に仕上がっている円盤状の「丸ぼうろ」は少し歯ごたえのある焼き菓子で、一見地味だが小麦粉と卵と砂糖で出来ているお菓子特有の、何とも言えない良い香りがする……

提督「なんだか……背の高い椅子に座って脚をぶらぶらさせていると、お祖母ちゃんがオーブンで焼いてくれるお菓子みたいな…懐かしいというか、優しい味って言うのかしら…」

チェザーレ「いいことを言うではないか…チェザーレもテヴェレ川の岸辺に立った気がしたぞ」

龍田「何となく分かるわぁ…この何とも言えない優しさがいいのよねぇ♪」

百合姫提督「そうね…実家の縁側で食べるような、ね」

カヴール「何だか私まで昔が恋しくなってしまいますね……さぁ、次に行きましょう♪」少しセンチメンタルな気分になっている一同を見て声をあげた

百合姫提督「はいはい……次は宮崎の「鯨ようかん」ね…と言っても鯨みたいな柄の餅菓子だから安心して?」

デルフィーノ「よかったです…デルフィーノはクジラさんとは同類みたいなものなので」

トリケーコ「そうね、同じ海の生き物だもの」…白い餅が黒あんに挟まれた「鯨ようかん」にフォークを入れ、ゆっくり噛みしめる……

提督「結構むっちりしているのね」

ジュッサーノ「残りは二つ三つ、って所だけど…食べきれるかしら」

アブルッツィ「そうね、結構色々食べたから……かなり満足かも」

エウジェニオ「なら、もらってあげましょうか?」

アブルッツィ「とんでもないわ、ちゃんと全種類味見するつもりよ!」

ガリバルディ「そんなところで意地を張って…ふふ、全くもう」
<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/12/14(木) 01:03:38.69 ID:4bIZkh0n0<> 提督「まぁうち国の娘はみんな胃が小さいから仕方ないわね……それじゃあ、ラストスパートね♪」

ガリバルディ「美味しくいただかせてもらうわ♪」

バンデ・ネーレ「ボクはもう…結構いっぱいいっぱいだけどね……」

ジュッサーノ「そうね…それなのに駆逐艦の娘たちはあんなに勢いよく食べて……後でお腹壊したりするんじゃないかしら?」

セラ「いえ、セラたちは身体が小さいのでちょこちょこ食べてもすぐお腹が減ってしまうのです…」

クリスピ「そういうことね…で、この丸いのは一体何かしら?」

提督「何だか前に食べた「古鏡」にも似ているけど…姫、これはどこのお菓子?」

百合姫提督「これは熊本の「誉の陣太鼓」ね、他にも「朝鮮飴」があるわ」…黒いあんを固めた「古鏡」そっくりな「誉の陣太鼓」と、白い粉がかかっているふにふにの飴菓子「朝鮮飴」が箱に行儀よく収まっている…

提督「朝鮮飴?日本のお菓子なのに?」不思議そうな顔で「朝鮮飴」を手に取ると、指で挟んでもにゅもにゅと揉んでみる…

百合姫提督「えーと、昔は長生きできるように「長生飴」(ちょうせいあめ)って言っていたそうなんだけど、熊本藩主だった加藤清正公の朝鮮出兵に合わせて糧食として採用されたらしいの、それから明治のころまでは熊本藩の特産品として城内の買い上げ品だったそうよ」

提督「それで朝鮮飴なんて名前になったのね…うん、むちむちしてて美味しい」…表面に片栗粉をまぶした長方形の飴を口に入れ、にっこりしてみせる提督

ライモン「こっちの「誉の陣太鼓」も美味しいです♪」

アッテンドーロ「名前も勝ち戦になりそうで縁起がいいわね…うん、味もなかなか♪」

提督「そうねぇ…ところで、姫」

百合姫提督「なあに?」

提督「…んっ♪」数センチしかない朝鮮飴の端っこを咥えて、反対側を百合姫提督の方につき出した…

百合姫提督「えっ、えっ?……その、こっちから食べればいいの?」

提督「ん♪」

百合姫提督「……フランチェスカ…本当にするの?……その、みんなが見てるのに///」

提督「ん、んっ♪」

百合姫提督「分かったわ……はむんっ///」

足柄「ちょっと、提督!?」

龍田「これはお仕置き決定ねぇ♪」

ライモン「…むむっ……ねぇムツィオ、私たちも「あれ」やってみませんか?」

アッテンドーロ「いいわよ姉さん…ふふっ、提督に妬いてるのね♪」

ライモン「……だって、提督ったら私の目の前でするんですよ?」

アッテンドーロ「姉さんも意外と単純よね…まぁいいわ、付き合ってあげるわよ……んー♪」

ライモン「はむ…んっ♪」

アヴィエーレ「ヒュー…二人ともヴェスビアス火山よろしくお熱いねぇ♪」

グレカーレ「あーあ、私もライモンドとしたかったなぁ…」

リベッチオ「んー…ねぇグレカーレ、ライモンドみたいなお姉さんじゃないけど……私とやってみる?」

マエストラーレ「それはいいんじゃない?姉妹だからやりやすいでしょうし…どう、グレカーレ?」

グレカーレ「それもそうかなぁ…うん、それじゃあお言葉に甘えて……リベッチオ、よろしく♪」

リベッチオ「了解、任せておいて…んむ♪」ぷるっとした桃色の唇が柔らかな「朝鮮飴」の端を咥えると、吐息でふるふると揺れる……

グレカーレ「はむっ…んむ、ちゅ……るっ///」朝鮮飴は小さなお菓子だけにあっという間に食べ進んでしまい、すぐ褐色の肌をした二人の唇が触れ、互いに甘い口の中を舐めまわした……

リベッチオ「…んっ、ちゅっ……んむ、んむっ……ぷは、ごちそうさま♪」

グレカーレ「ぴちゅっ…はぁ……グラツィエ、リベッチオ♪」

リベッチオ「いいのいいの、姉妹でしょ…ところで提督たちはどうなったかなぁ?」無邪気な笑みを浮かべると提督たちの方を横目で見た…

百合姫提督「ふぅ、うぅん!…んぅ、んんぅ!」

提督「んっ、ちゅるっ……ちゅぅ、ちゅるっ……んんっ♪」

百合姫提督「んっ…ぷはぁ……はぁ、はぁ、はぁっ……///」唇が離れると、息も絶え絶えと言った様子で空気を吸い込む百合姫提督…

<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/12/14(木) 01:56:38.40 ID:4bIZkh0n0<> ミッチャー提督「ワーオ…ひと昔前のハリウッド映画でもなかなか見られないようなキスシーンだったわね♪」

フレッチャー「ヒュー…私もリッツ・ホテルかなんかのスィート・ルームでキャンドルに照らされながらシャンペン付きの夕食をごちそうになって……それからあんなキスをしてみたいわ♪」

ミッチャー提督「…ソーリィ、私のお財布じゃあ「ダウンタウンの鉄板で焼いたハンバーガー」の後に、バラクーダのシートでキスするのが精いっぱいだわ」

フレッチャー「そうよね…でも、マームとならどこでだっていいわよ?」

ミッチャー提督「お、優しいこと言ってくれるじゃない♪」頭をわしゃわしゃと撫でる

フレッチャー「ちょっと、止してよ!……せっかくマームのためにおめかししたんだから」

ミッチャー提督「そっか…「私のため」ねぇ♪」

フレッチャー「…ワッツ・ソゥ・ファニィ?(何がおかしいのよ)」

ミッチャー提督「いやぁ、そう言われると提督やってるかいがあるってものよね♪」

エクレール提督「あの!……気持ちはわかりますがせめて他の所でしていただけません?」

百合姫提督「…ご、ごめんなさい///」

提督「はいはい……犬耳つけられてよがりながらきゃんきゃん言ってた割にはそういう事にうるさいのよね♪」

エクレール提督「///」

デュイリオ「うふふふっ…♪」

百合姫提督「と、とにかくこれで最後よ……えーと、これは沖縄の「紅いもタルト」ね」

提督「あら…なんだか今までの「伝統の和菓子」とはまとっている空気が違うわね」

百合姫提督「そうね、最近になってできたお菓子だし……でも、味は保証するわ」小ぶりな舟形のタルト生地に、綺麗な赤紫色のクリームが波をつけて盛ってある…

提督「どれどれ…んっ、本当ね……サツマイモって言う割にはしっとりしてて美味しい、もっともそもそした食感かと思っていたわ♪」

百合姫提督「実は私もそう思っていたの…美味しいわよね、これ///」

ライモン「ほんと、美味しいです♪」

カッペリーニ「前に日本へ航海してから数十年ですが…こんなに美味しいお菓子があったとは、夢にも思いませんでした」

トレーリ「ほんとに…美味しいステキな時間が過ごせました、改めてありがとうございます♪」

ジュセッペ・フィンチ(カルヴィ級大型潜)「全くだ。ドイツのぼそぼそした地味な菓子に比べて何と日本のお菓子はいいものだろう…さすがサムライとゲイシャがいる国は違う♪」

提督「うーん…侍と芸者がお菓子とつながるかはさておき……姫、改めて言わせてね?…重かったでしょうにいっぱい持ってきてくれてありがとう……グラツィエ♪」…ちゅっ♪

百合姫提督「え、ええ…喜んでもらえて何よりだわ///」

提督「ええ…さてと、そんなこんなですっかり夕暮れ時になっちゃったけれど……夕食はどうしようかしら」

ドリア「え、召し上がらないおつもりですか?」

提督「だって美味しいお菓子をこんなに食べて…今はお腹が一杯なのだけれど」

リットリオ「冗談ですよね、提督?……お菓子は夕食の代わりにはなりませんよ…?」くりっとした瞳をうるうるさせ、さもひもじそうな様子のリットリオ…

提督「そうは言っても…ディアナもエリトレアもドレス姿だし……」

ディアナ「ふふ…提督♪」

提督「なぁに、ディアナ?」

ディアナ「そうなるのではないかと、冷菜を作りおいておきました」

提督「あら、すごい…お茶会の前に?」

ディアナ「はい、さようでございます…「チキンの冷肉・シチリア風サルサ・ポモドーロ」と夏野菜のサラダ、それに冷製パスタでいかがでしょう?」

リットリオ「わぁ…大好きですっ、ディアナ♪」

エリトレア「…私も頑張ったんですよぉ?」

リットリオ「ふふっ、エリトレアも大好きですっ♪」

提督「よかったわね、リットリオ……まぁ、私はお腹一杯だけど…せっかく二人が作ってくれたのだから、ちゃんと味見はしないといけないわね♪」

カヴール「ふふ、結局食べるだろうとは思っていました♪」

提督「だって……すごく美味しそうで///」

チェザーレ「姉上よ、提督に食欲があるのは心配事も身体の不調もない証だ…いいことではないか」

カヴール「そうですね♪」 <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/12/14(木) 02:04:57.79 ID:4bIZkh0n0<> …長々と続きましたが、これでようやく「日本の郷土お菓子全国縦断」は完了です……この後はリクエストのあった提督×百合姫提督のいちゃいちゃ…それから「提督の夏休み」でチェザーレ、ライモン、アッテンドーロにルチア(犬)を連れて提督が帰省します……


…ちなみにまだリットリオの妹分「ヴィットリオ・ヴェネト」「ローマ」の二人に軽巡「カピターニ・ロマーニ」級の数隻、それに殊勲艦の多い中型潜水艦グループがいくつも残っていますが、それはおいおい建造していく予定です…… <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/15(金) 01:00:19.99 ID:vlZAw0duo<> 舞ってる <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/12/15(金) 01:25:06.00 ID:Ky96nWG00<> …夕食後…

アオスタ「それでは次にぃ、軽巡龍田が歌いまーす!拍手ぅぅ!」…わーっ♪

バニョリーニ「ヒュー、可愛いよ♪」

龍田「あんまり柄じゃないんだけどぉ…」

フレッチア「そんなことないわ、ぜひ日本の歌を聞かせて?」

龍田「そうねぇ、それなら歌うわねぇ…」テンポのいい曲が流れ始めると身体でリズムを取りながらマイクに向かった…


龍田「♪〜揺れるハァトが振り子のように、右でときめく左でsadness…甘くとろけて、いませつなぁーく、みーつめ合いましょう」

龍田「♪〜乙女・純情期・つぼみだなんて、そんなコトバじゃありふーれーてる…だって微妙なもどかーしさーをーだーれか、わかーって…」

ザラ「龍田、格好いいわね♪」

ポーラ「そうですねぇ〜……せっかくなので歌声を肴にもう一杯いただきましょ〜♪」

足柄「ひ…っく……私ももう一杯だけ…」

デュイリオ「うふふふっ、サウロ…あなたは本当に可愛いわ♪」

サウロ「デュイリオ…もう、どこ触っているんですかぁ……///」

デュイリオ「あら、いけませんか?……でしたらこの慎ましやかなお乳を♪」

サウロ「も、もう……デュイリオのえっち♪」

チェザーレ「ガリバルディ、せっかくだからもう一献付き合ってくれまいか?」

ガリバルディ「いいわよ♪」

カヴール「チェザーレ、ガリバルディ…私も混ぜて下さいな♪」

チェザーレ「おや、提督と一緒ではないのか?」

カヴール「うふふ、提督は百合姫提督と一緒にお部屋に向かわれたので……今夜は私たちで♪」

チェザーレ「そうか…では乾杯と行こう♪」

アスカーリ「あははは、これはえかく面白ぇだなぁ!……一丁脱いでやるべぇ♪」するっ、しゅるしゅるっ…ぷるんっ♪

リベッチオ「おー、アスカーリも意外と大きいね♪」

アスカーリ「…リベッチオ、せっかくだで比べてみるべか?」

リベッチオ「いいよぉ…そーれ♪」ばさっ♪

カラビニエーレ「…ちょっとぉ、何考えてるのよ!」

アヴィエーレ「はいはい…せっかくの酒宴に水をさすのは軍警察といえども野暮ってものさ……ほら、こっちにおいで♪」

カラビニエーレ「///」

ルカ・タリゴ「すっかり赤くなっちゃって…可愛い♪」

アヴィエーレ「…せっかくだし、このままベッドに行こうか」

タリゴ「うちの姉妹の部屋なら大きいベッドがあるわ……ね、いいでしょ?」

アヴィエーレ「よし、決まりだ…じゃあお姫様、今から白い脚の翼と甘い吐息のエンジンで天国まで連れて行ってあげるよ♪」ひょいとカラビニエーレをお姫様抱っこにした…

カラビニエーレ「え、待って…!」

フランチェスコ・ヌロ「私も行こう…っと♪」

ニコ「私も……普段は真面目な娘ほど乱れると可愛いからね♪」

カラビニエーレ「ちょっと、誰か…!」

ドリア「うふふ、愉しんでいらっしゃい……みんなで仲良くね?」

ニコ「分かってるよ…ふふっ♪」


……… <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/12/15(金) 02:44:20.35 ID:Ky96nWG00<> …同じ頃・提督寝室…

百合姫提督「あぁ、楽しかった…夕食も美味しかったし」

提督「そう、よかったわ♪」…寝室はナイトスタンドのほのかなオレンジ色の光で照らされ、はたはたとカーテンを揺らす夏の夜風が入ってくる……

百合姫提督「あんまり楽しかったから、少し飲み過ぎちゃったみたい……」

提督「…水でも持ってきましょうか?」

百合姫提督「ううん…むしろ……もう少しだけ飲みたいの///」着物の胸元を少しはだけさせ、唇を半開きにした百合姫提督がしどけない姿勢で椅子に座っている……目元はほのかに桜色で、黒髪がひと房胸元にかかった…

提督「じゃあ…とっておきのワインがあるけど」

百合姫提督「ええ…少しだけね♪」椅子の上で斜めに座ると、白くてほっそりした脚が着物からのぞいた…

提督「じゃあ…二人の楽しい時間に乾杯♪」ヴェネチアンガラスの小さなワイングラスに、ルビー色のワインを注いだ…

百合姫提督「乾杯…♪」

提督「それにしても…姫、今回の訪問はとっても嬉しかったわ」

百合姫提督「そうね…私も楽しかった…でも、フランチェスカ……///」

提督「なぁに?」

百合姫提督「まだ…お部屋には帰りたくないの……しばらく一緒にいさせて…///」

提督「そうね……んっ♪」指を絡めてテーブル越しに身体を伸ばし、唇を重ねる二人…

百合姫提督「んっ…ふ……んんっ、ちゅっ……フランチェスカ…」

提督「んっんっ…うんっ……ちゅぅぅ…ちゅる……ちゅっ……深雪♪」

百合姫提督「んっ……んんっ…」

提督「……こっちに来て」

百合姫提督「ええ…そうする……」しっとりと汗ばんだ百合姫提督の黒髪がふっと香り、そのままふわりとベッドに倒れ込んだ…

提督「…深雪///」ベッドの上で着物をはだけさせ、両腕を枕元に投げ出している百合姫提督…裾のめくれ上がった着物からはすんなり伸びた脚と、その奥がほのかな影になっている……

百合姫提督「フランチェスカ……好きなようにして///」

提督「…ええ、私のお姫様♪」ちゅっ…ちゅぷっ……れろっ♪

百合姫提督「ひぁぁ…んっ、あふっ……ひうっ///」しっとりとした優しいキスから、甘くとろけるような大人のキスへと変化させていく提督と、ベッドの上で身体をもどかしげにくねらせながら舌を絡める百合姫提督…

提督「ちゅぅ……ちゅっ…ふふ、すっかり固くしちゃって♪」こりっ♪…と胸の先端を甘噛みする提督……同時に小ぶりで固くなった乳房に優しく手を這わす…

百合姫提督「あふぅ…んっ、ひぁぁっ……///」よくある言い回しも提督の甘いささやき声にかかると全くの別物で、百合姫提督はそれだけでひくひくと身体を震わせた…

提督「ここがいいの?…それとも、ここ?」あくまでも相手を思いやるような優しい声にふっ…と混じるいやらしい甘い響き……百合姫提督にそっと身体を重ねると耳元でささやきつつ、時々ふーっと吐息をかけた…

百合姫提督「あっあっあっ…ひぅん!……そこがいいのぉ…もっと……んぁぁっ///」

提督「ふふ…すっかり濡れちゃって……でも、せっかくの着物を汚すといけないから……失礼して♪」そう言って着物の裾をまくりあげると、身体を百合姫提督の下半身までずらしていった…

百合姫提督「え?……あっ、あっ、あぁぁっ!…んっ、そこ、敏感なところだからぁっ……ひぅぅっ!」

提督「ん、じゅるっ…ちゅぅぅ……ふふ、こんなに濡らしちゃって…まだ溢れてくるわね♪」じゅる…ぴちゃっ……ちゅぷっ♪……提督は押し広げた脚の間に顔を近づけると、とろりと濡れたそこに舌を這わせ、割れ目に指を差しこんだ……

百合姫提督「ひぁぁぁっ…いぃっ……ひぐっ、いっ…あぁぁっ、んっ…んぁぁぁっ……///」普段は大きい声も出さない百合姫提督がかすれたような声で喘ぎ、ふとももをびしょびしょに濡らしながらひくひくと身もだえする…

提督「うふふ…いい眺め♪」百合姫提督にまたがり、口に含んだワインを口移しでふくませた…

百合姫提督「んっ、ごくっ……はぁ、はぁ……はぁ…あぁ…ん///」

提督「ふふ……いつもの姫もいいけど、いやらしくもだえる姫も可愛かったわ♪」

百合姫提督「そんな風に言われると恥ずかしい…わ///」

提督「ふふ、かもね……さぁ、後はゆっくり…」

百合姫提督「…フランチェスカ///」

提督「なぁに?」

<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/12/16(土) 01:02:37.51 ID:5nY6l33t0<> 百合姫提督「…あのね、お酒がまだ残っているから……取って欲しいの…///」

提督「ええ」…テーブルの上に置かれた可愛い巾着袋を開けると、少しだけ残っている日本酒の四合瓶が出てきた……

提督「はい、どうぞ…グラスは?」

百合姫提督「ううん、いらないわ……あのね///」

提督「?」

百合姫提督「前に龍田から聞いたかも知れないけど…///」脚をぴったりと閉じ、瓶のふたを開けた…

提督「え…まさか///」

百合姫提督「……飲んで?」とくとくっ…とふとももの間に酒を注ぎながら、恥ずかしげに顔をそむける百合姫提督……

提督「姫も意外と大胆ね…それでは……ぴちゃっ、ぴちゃ…///」

百合姫提督「んっ、んんっ……はぁぁっ///」

提督「ちゅぅ…ちゅっ、じゅるっ……♪」

百合姫提督「ひうっ…ん、んっ……あ、あっ…ん……///」

提督「あら?…飲み干したはずなのにまだ溢れてくるわね……ん、美味しい♪」

百合姫提督「あっ…だめ……今敏感になってるから…んんっ!」

提督「ふふ…またイっちゃった?」

百合姫提督「もう…言わなくても分かってるでしょう……///」

提督「冗談よ♪……さぁ、そろそろ寝ないと明日に差し支えるわ」

百合姫提督「じゃあ……一緒に寝て?」はだけた着物姿の百合姫提督が、瞳をうるませてささやいた…

提督「あら…姫ったら、いつの間にそんな可愛い殺し文句を言えるようになったの♪」イブニングドレスを脱ぎ捨てるとベッドに飛び込み、正面から抱きついた…

百合姫提督「あんっ…」

提督「…もう、今夜は寝かせてあげないから♪」

百合姫提督「きゃあっ///」

………

…深夜…

提督「それにしても…」お互いに天井を向いたまま、指を絡めて手をつないでいる…布団も掛けずにいるが、くっつけあっている身体がほのかに暖かい…

百合姫提督「ん?」つと身体を動かして提督の方を向いた…

提督「こういうのって「不思議な縁」って言うのかしらね…♪」提督も寝返りを打って百合姫提督と向き合うと、手に収まる小ぶりな胸をゆっくりこね回した…

百合姫提督「そうね…って、どこ触ってるの///」

提督「…姫の慎ましやかな双丘を♪」

百合姫提督「もう…真面目な話でもするのかと思ってそっちを向いたのに……」

提督「んー、そういう話もしたかったけど…この素敵な白い乳房を見てたらその気が無くなったわ♪」

百合姫提督「…そう言うところ、相変わらずでよかった……よかったって言うのもおかしいけど」

提督「ありがと…むしろ進歩したかもしれないわ。何しろうちの娘たちときたら揃いもそろって色好みだから…♪」

百合姫提督「もう、あなたのせいでしょうに?」

提督「かもしれないわ…でも、姫だって足柄や龍田に影響されているみたいだし…お互い様ね♪」

百合姫提督「そうね……あんなの、舞鶴の時だったら恥ずかしくて気絶してたかも///」

提督「…そうやって無垢な姫も日本の艦娘たちに汚されていくのね……ううっ♪」よよよ…と嘘泣きをしてみる提督

百合姫提督「よく言うわ……ふわぁぁ…」

提督「あらあら…それではお姫様、そろそろお休みしましょうか♪……電気を切るわ」

百合姫提督「ええ…改めて色々ありがとう……お休みなさい」

提督「お休み♪」…ちゅっ♪

……… <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/16(土) 01:13:34.62 ID:Z4eQFic0o<> 姫かわいい感謝感謝 <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/12/16(土) 01:53:15.93 ID:5nY6l33t0<> …訪問最終日・庭…

提督「それでは各鎮守府の皆さん…戦術とか艦娘たちとの付き合い方、大変参考になりました……とっても楽しかったわ♪」アメリカらしくハグと握手を交わす…

ミッチャー提督「よしてよ、私とフランチェスカの仲じゃない…それに、いい気分転換になったしさ」形ばかりとはいえレセプションということで、CDの「錨を揚げて」をかけている…

フレッチャー「イェス、いいサマーバケーションになったわ♪」

エンタープライズ「ふふ、私も水着の跡がくっきり残っちゃった…♪」

フレッチャー「冗談でしょ……あんな裸みたいな水着だったのに?」

エンタープライズ「何か言った?」

フレッチャー「…何も」

提督「ふふっ…さてと、マリーも色々とありがとね♪」…それまであったはずの「フランス海軍曲集」がどこかに行ってしまい、慌てて出してきた国歌「ラ・マルセイエーズ」をかけつつ、左右の頬にキスをする提督……

エクレール提督「…こちらこそ、多少は学習するところがありましたわ」

提督「そうね、夜のお遊びもレパートリーが広がったでしょう♪」

エクレール提督「…こ、ここで言わなくてもいいではありませんか///」…もじもじしながら頬を赤らめるエクレール提督

提督「はいはい…ジャンヌ、リシュリューもありがとう。トゥーロンに戻ったらぜひマリーと遊んであげて♪」

ジャンヌ「こ、コマンダンと…///」

リシュリュー「ウィ、お任せください…♪」

提督「…時々「お散歩」にも連れて行ってあげてね♪」

ジャンヌ「///」

リシュリュー「ええ、もちろんそのつもりでおりますよ…♪」

提督「ふふ♪……最後になっちゃったけど…姫、改めてありがとう」…背後で流れる「軍艦マーチ」の音を少し絞ってもらい、ぎゅっと抱きしめた

百合姫提督「ううん…私こそ色々教えてもらっちゃった」

提督「そう?……とにかく、姫のおかげでとってもいい時間を過ごさせてもらったわ♪」

百合姫提督「こちらこそ……ステキな時間をありがとう」

提督「どういたしまして…それに足柄、龍田もありがとう……今後とも姫を大事にしてあげてね」

足柄「そんな…改めて言われると恥ずかしいわね///」

龍田「あらあらぁ…カンピオーニ提督もやろうと思えばちゃーんと真面目に出来るのねぇ♪」

提督「…それと、結婚式の日取りが決まったらぜひ教えて♪」ぱちりといたずらっぽいウィンクをした

百合姫提督「ちょっと…///」

足柄「はいはい」

龍田「それよりも「おめでた」の方が先かもしれないわよぉ…♪」

足柄「えっ!?…ちょっと、それどういう意味!?」

龍田「冗談よぉ…♪」

足柄「あー、びっくりした……龍田の事だからてっきり…」

龍田「てっきり…何かしらぁ?」

足柄「いや、何でもないわ…」

百合姫提督「ふふふっ…」

提督「ふふ…それじゃあ、送迎のバスが来るまでそれぞれの音楽でもかけておきましょうか」……そうこうしているうちにゲートに海軍のバスが停まり、ドリアやチェザーレが荷物を運ぶと、提督たちがそれぞれ手を敬礼してから乗り込んで行った…

ライモン「行っちゃいましたね…」

提督「そうね……まぁ、夏休み明けにもう一組来る予定だから、きっとまたにぎやかになるわ」

ライモン「そうですね……ところで、提督」

提督「んー?」

ライモン「…いままで百合姫提督たちといちゃいちゃしていた分、取りもどさせていただきますから♪」

提督「ふふ…はいはい♪」 <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/12/16(土) 02:00:19.09 ID:5nY6l33t0<> >>964 どうもありがとうございます…百合姫提督はまたどこかしらで出したいものですね


……なかなか進みませんが、とりあえずこれで日・米・仏の提督来訪は終わり、今度はドイツのヴァイス中佐とイギリスのグレイ少将が鎮守府に来訪する予定ですので、どうぞお楽しみに… <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/12/16(土) 10:50:32.87 ID:5nY6l33t0<> …その日の午後…

提督「ふぅ…楽しい時間は過ごせたけど、後片付けとなると面倒ねぇ……」

ライモン「まぁまぁ…どの提督さんもちゃんと綺麗にしておいてくれたじゃないですか」それでもシーツをはがし、タオルケットと一緒に腕に抱えた…

提督「そういうことは士官学校で叩き込まれるから…って、ジェーンったら忘れ物?」ミッチャー提督へ貸した部屋の机に、数冊の雑誌らしいものが置いてある…

ライモン「読み終えたから置いて行ったんじゃないでしょうか……って///」片づけようとして真っ赤になるライモン

提督「あー…なるほど」

…机の上には数冊のセクシー系美女の雑誌…に見える「ヴィクトリアズ・シークレット」のカタログが置かれている……よく見ると一番上の一冊はページが開いていて、濃い紅の口紅で「プレゼント・フォー・ユー…ジェーン」の文字と、ハートマークが斜めに書きこんである……

提督「わざわざどうも、ジェーン……ライモン、見る?」

ライモン「見ませんっ!……もう、こんなの恥ずかしくて見られる訳ないじゃないですか///」

提督「そう、なら待機室にでも置いておくわ」

ライモン「だめですよ、駆逐艦の娘たちが見たらどうするんです?」

提督「別に?…多少色っぽいお姉さんが写っているけど、みんな大人なんだし」

ライモン「駄目です。…よしんば駆逐艦の娘たちが大人だとしても、憲兵隊や主計部の査察でもあったらどうするんです?」

提督「その時は「これは下着のカタログです」の一言で済ませるわ」

ライモン「はぁ…全くもう」

提督「ふふ…後でこっそり見るといいわ♪」

ライモン「だから見ませんって……提督がこういうのお好きなら別ですが……」

提督「んー?」

ライモン「いえ、何でもありません…さぁ、次の部屋を片付けましょう」

提督「そうね…ちなみに私はいつもの下着でいいと思っているわ♪」

ライモン「き、聞こえてたんですか…」

提督「まぁね…さ、次の部屋を片付けましょう♪」


…エクレール提督の客室…


提督「まぁ綺麗…相変わらずイヤミなくらい完璧ね」

…ドアを開けるなり両手をあげて「たまげた」と驚いてみせる提督……家具は椅子一つ動かしたようには見えず、ほのかにディオールの香水が香っているところだけがエクレール提督のいた痕跡を残している…

ライモン「チリ一つ落ちてないですね……シーツもピシッとしていますし」

提督「本当にこの部屋で寝たのかしら…」枕もほど良くふくらませてあり、掛け布団やタオルケットもきれいに畳んである…

ライモン「とはいえ、一応洗濯させてもらいましょう…よいしょ」

提督「じゃあこっち側は私が引っ張るから……せーの!」

ライモン「はい…ふぅ、上手くめくれましたね」

提督「そうね……って、またプレゼント?」ベッド脇の化粧台に小さい瓶が一つ置いてある…綺麗な瓶の首の所にはピンクのリボンがかけてあり、瓶で押さえるように一枚の紙が挟んである…

ライモン「少し気位が高い感じでしたけど…いい人ですね」

提督「そうね♪…なになに「フランチェスカへ…香水の本場は貴女が何と言おうとパリですので、その証明にこれを差し上げます…これをつけてわたくしの事を思い出して下されば幸いです……貴女のマリーより」……あらまぁ、あのマリーがこんな優しい言葉を書き残していくなんて…明日は雨でも降るんじゃないかしら」…万年筆で書かれたほっそりした字体の書き置きを読むと微笑を浮かべた……

ライモン「提督、そう言わずに…ああ見えて優しい方なんですよ」

提督「そうね…今度はこっちからも何か送ってあげないと♪」

<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/12/16(土) 11:54:03.47 ID:5nY6l33t0<> …百合姫提督の客室…

提督「さてと…最後は姫の部屋だけど……うーん、ここもきれいに片付いているわね」

ライモン「そうですね…お布団もきちんとたたまれていますし」

提督「この白檀(びゃくだん)の香りが何とも日本風ね……あら、また置手紙があるわ」…化粧台の上にきれいな和風の便箋が置いてある……一文字づつ丁寧につづったらしい手紙は百合姫提督の性格をよく表していて、すみっこは綺麗な石を置いて押さえてある…

ライモン「提督のお気持ちがちゃんと通じていた証拠ですよ…♪」

提督「もう、よしてよ♪…どれ、姫のお手紙には何て書いてあるかしらね……「前略…南イタリアの暖かくて心地よい日々もあっという間に過ぎてしまい、何だか寂しいような感じがしています……とはいえ、素敵な時間を過ごさせてもらったので私と足柄、それに龍田も気分を一新して次の訪問先に向かうことが出来そうです…」

ライモン「よかったですね、提督」

提督「ええ…それじゃあ続きを読むわね「…ちなみに次の訪問先は『ジェノヴァ第二鎮守府』と言うところだそうで、どのような所なのか少し緊張しています…」ジェノヴァの第二ね……」

ライモン「あれ、フルットたちのもとの配属先はジェノヴァの…第三でしたか?」

提督「そうよ、『ジェノヴァ第三』は最近収拾がつかなくなっているようだ…なんてアドリア海管区司令部のお姉さまからこっそり聞かされたわ」

ライモン「そこの隣ですか…なかなか大変かもしれませんね」

提督「そうね…誰が司令か後で調べておきましょう……「それはともかくこの数週間と言うもの、ここで暖かく迎えていただき、とても嬉しく思いました。美味しいご飯と素敵な和室まで準備してくれて感謝しています……最後になりますが、お手紙に乗せた石は新潟のヒスイの原石だそうです、きれいだと思ったので持ってきました、これを見るたびに私たちを思い出してくれればと思います……百合野」

ライモン「…最後まで丁寧な方ですね……提督が「姫」って呼ぶのもうなずけます」

提督「そうね…なんと言うか「本物の風格」って言うものを感じたわ……さぁ、お片付けを続けましょうか♪」

ライモン「はい…でもその前に、提督はお手紙を汚さないようにお部屋に持って行って下さい」

提督「そうね…それじゃあすぐ戻るわ」

ライモン「はい、その間掃除をしておきます」


…しばらくして・洗濯場…

提督「はー…数人分の寝具をまとめて運ぶといい運動になるわね」…ゴロゴロと回っている洗濯機の脇にある、背もたれのない腰掛けに座ると言った

ライモン「もう、やっぱり提督は運動不足です」

提督「いいじゃない…士官学校の卒業証書と引き換えに厳しい運動は置いてきたんだから♪」

ライモン「まったくもう、それじゃあまたお腹にお肉がついちゃいますよ?」

提督「それが不思議なことにお腹にはあんまりつかないのよ…もっとも、胸とふとももはだいぶきついけれどね……」

ライモン「はぁ…また今度から野菜だけの献立ですね」

提督「イヤよ♪」

ライモン「そう言っても運動しないのでしたら、その分の燃料を減らすのが当然でしょう」

提督「だって運動しなくたってお腹は減るもの…それにパスタもピッツァもリゾットもなし、パンもフォカッチャもダメっていうなら……」

ライモン「…反乱でも起こしますか?」

提督「食べさせてくれるまでキスしてあげない…♪」

ライモン「むぅ…それは反則です///」

提督「食べさせてくれないのも反則でしょう…そういえば」

ライモン「何ですか?」

提督「もうそろそろ夏休みだけど、行先は決まった?」

ライモン「あー、そういえばヴァカンスの申請書が配られてましたね……送迎は海軍でしてくれるんでしたっけ?」

提督「ええ、海沿いならどこでもだいたい基地やら鎮守府やらがあるし…もし海外でも近隣の欧州諸国とトルコなら許可されるはずよ?」

ライモン「うーん…」

提督「マメリ級のみんなは昨日持って来たわ、フィレンツェで「美術館めぐり」ですって♪」

ライモン「それもいいですけど…」

<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/12/17(日) 01:45:46.71 ID:EBtBDXb/0<> 提督「選択肢が多いとなかなか決まらないものよね…ちなみにザラたちは四人でドヴロヴニクやフィウメ(リエーカ)を巡って、トリエステに戻ってくる「アドリア海周遊の旅」だそうよ……クロアチアは街並みがきれいだし、物価も安いからいいわよね」

ライモン「うーん…「トレント」と「トリエステ」の二人も、名前の由来になったトリエステと、あとはヴェローナに行くって言ってましたけど…」

提督「いいじゃない…ムツィオを連れてヴェローナに行って、ジュリエッタ像の胸を撫でて来たら?」

ライモン「…あれって撫でるとどうなるんでしたっけ」

提督「なんでも恋愛が成就するとかなんとか…「ロメオとジュリエッタ」の舞台だけに、恋人の聖地みたいよ?」

ライモン「そうですねぇ…」

提督「あとは…セラとクリスピは自分たちが搭載したことのあるMTM(爆装艇)を見に、ヴェネツィアの海軍博物館に行くんですって」

ライモン「むむ…」

提督「まぁヴェネツィアなら任務でも行けるものね……ちなみにアヴィエーレはローマの航空ショーと、ガルダ湖畔にある航空博物館で「フィアットG55を見て来るんだ」って言ってたわ」

ライモン「ガルダ湖ですか…綺麗な保養地だそうですけど……」

提督「…なかなか悩ましい所よね……十六日の休みでは足りないでしょう?」

ライモン「いえ、日数は満足ですが…」

提督「ならお財布の心配?……よかったら少し出してあげましょうか?」

ライモン「いえ…お金も充分にあります……でも///」

提督「…でも?」

ライモン「あんまり提督と離れていたくないな…と思って///」

提督「まぁ…///」

ライモン「そ…そんなに顔を赤らめないで下さい……わたしまで恥ずかしくなってしまいますから///」

提督「いえ…急に言われたから///」

ライモン「あぁぁ…恥ずかしくてどうにかなりそうです///」

提督「私もよ……でも、ちょっと待って」

ライモン「?」

提督「……よかったら、私の実家に来る?」

ライモン「…え?」

提督「だって、みんなそれなりに行きたい場所があるのに、ライモンだけお留守番じゃあ面白くないでしょう?……うちなら数人泊めるぐらい出来るし、私ともいられるわよ♪」

ライモン「いえ…でもみんなをさしおいて、わたしだけ提督のお家にお邪魔するなんて……」

提督「別にいいんじゃないかしら?…カヴールならガリバルディにロモロとレモを連れて「ローマの史跡めぐり」をするつもりだそうだし、エウジェニオはギリシャのレスボス島で「ヌーディストビーチで美人を観賞してくるわ」って満面の笑みを浮かべていたし……」

ライモン「相変わらずエウジェニオはぶれませんね……いえ、でもわたし一人で提督のお家にお邪魔したら、きっと我慢できなくなっちゃいます……」

提督「我慢しなくたっていいじゃない♪…どのみち実家に戻ったら朝寝をして美味しいものを食べて、新聞もニュースも一切見聞きしないで過ごすつもりだったのだから……一日中裸で過ごしたって構わないわ♪」

ライモン「いえ…それじゃあご家族の方にあきれられてしまうでしょうし…」

提督「うふふふっ…まぁそんなことはないと思うわよ?」

ライモン「そうですか?…うーん、それなら提督のご実家にお邪魔するのも……ぶつぶつ」

提督「…もし一人で行くのに抵抗があるなら、誰か誘ってみたら?」

ライモン「そうですね……ちょっと考えさせてください」

提督「ええ、いいわよ♪…とはいっても、みんなどんどん行先を決めているから、誰かを連れて行くなら早めにね♪」

ライモン「はい……あ、洗濯が終わったみたいですね」

提督「そうね…じゃあ干しに行きましょう♪」 <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/12/17(日) 02:37:22.54 ID:EBtBDXb/0<> …しばらくして・食堂…

ライモン「ドリアさん、ちょっといいですか」

ドリア「あら、ライモンド…どうかした?」

ライモン「はい…ドリアさんは夏休みの予定って決まってます?」

ドリア「ええ、一応は…デュイリオと一緒にラ・スペツィアに行って、それからサン・レモの保養地にでも行こうかと思っているの♪」

ライモン「そうですか…ちなみに誰か予定の決まっていない方を知りませんか?」

ドリア「そうねぇ…リットリオはまだ妹たちが鎮守府にいないから、彼女に聞いてみたら?」

ライモン「そう言えばそうでしたね…どうもありがとうございます」

ドリア「いいのよ。それより…もし予定が決まっていないのなら提督のお家に押しかけちゃって、一日中いちゃいちゃして過ごすなんてどうかしら♪」

ライモン「いえ…そんなっ///」

ドリア「うふふっ…きっと提督も悦ぶと思うけど?」

ライモン「ま…まぁ考えておきます///」

ドリア「ふふ…それじゃあね♪」



リットリオ「夏休みの予定ですか…私はアオスタとコレオーニを連れてナポリに行くつもりですよ♪」

ライモン「あー…第七巡洋艦戦隊のアオスタに第二巡洋艦戦隊のコレオーニですか」

リットリオ「そうなんです…もっとも、ムツィオに「ムツィオも第七戦隊だし一緒にナポリに行きませんか?」って言ったら断られちゃって…ライモンドは第二巡洋艦戦隊だったし、よかったら一緒に懐かしのナポリに行きましょう?」

ライモン「いえ…ムツィオが行かないのにわたしだけナポリに行ったら彼女が一人になっちゃうので」(…ムツィオったら、わたしが行き先を決めかねているからって断ってくれたのね……)

リットリオ「そっか…それじゃあ気が変わったら教えてね♪」

ライモン「はい」



アッテンドーロ「やっぱりね…どうせそんなことだろうと思って予定は空けておいたわ」わかりきっていると言った様子でエスプレッソをすすり、肩をすくめた…

ライモン「はぁ…ムツィオにはかなわないわ……で、どう思う?」

アッテンドーロ「もう…「どう思う?」も何もないものよ……この週末には申請書の締め切りが来るって言うのにまだ提督に言い出そうとしないんだもの。今日言わなかったら勝手に書いて出しておくところだったわ」

ライモン「えっ…だって「一緒に過ごしたいな」って思ったのは数日前からなのよ?」

アッテンドーロ「よしてよ、姉さん…どう考えたって申請書が来てからずっとでしょうが……旅行のパンフレットをめくっては夢見心地で気だるいため息なんてついて、私が何を言ったって上の空だったじゃない」

ライモン「…わたし、そんなにひどかった?」

アッテンドーロ「ええ、もうバレバレよ…ドリアなんて数日前から姉さんを見るたびにくすくす笑ってたわ……「後押ししてあげたほうがいいかしら♪」って」

ライモン「うわ…ぁ///」

アッテンドーロ「姉さんはいつも真面目で本当に助かってるわよ……でもこういう時になると煮え切らなくって、見てるこっちがもどかしいわ」ナポリ流に威勢よくまくしたてる…

ライモン「…いつもごめんね、ムツィオ」

アッテンドーロ「いいのよ、普段はいい姉さんなんだから…こういう時ぐらい妹にも活躍させてちょうだい♪」

ライモン「あ、ありがとう…///」

アッテンドーロ「気にしない気にしない…で、もう一人ぐらい一緒に来てもらうんでしょ?」

ライモン「ええ…その方がわたしも落ち着いていられそうだから……提督と二人きりになんてなったら、正直我慢できそうにないし…///」

アッテンドーロ「はぁ、何ていうか…「羊が狼にケガをさせないか心配している」みたいだわ」

ライモン「そ、そうかしら…」

アッテンドーロ「ええ…だいたい提督だって実家なら親もいれば親戚だっているでしょうし、心配する必要はないと思うのよね」

ライモン「うーん…」

アッテンドーロ「まぁいいわ…とにかく、もう一人付き添いが必要だっていうなら探してみましょう♪」

ライモン「ありがとう、ムツィオ…♪」

アッテンドーロ「はいはい」 <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/12/18(月) 01:28:30.99 ID:Yy1DNF7a0<> …待機室…

グレカーレ「え、夏休みの予定?」

ライモン「はい、もしよかったらご一緒したいな…と」

グレカーレ「うわぁぁ…そのつもりだったのならもっと早く言って欲しかったのに…シロッコたちと行こうって申請書は出しちゃったし、ホテルの手配もお願いしちゃったよ……」

ライモン「あぁ、ゴメンなさい…」

グレカーレ「謝らなくていいですよ、ライモンド……その気持ちだけで充分嬉しいから///」(ライモンドから旅行のお誘いね…提督一筋かと思ってたけど、もしかして意外と「脈あり」って言うやつなのかも♪)

ライモン「そうですか…楽しいヴァカンスになるといいですね、グレカーレ♪」

グレカーレ「そうだね…ライモンドも♪」

…庭のテラス…

アッテンドーロ「こんにちは、ネンボ…隣、いいかしら?」

ネンボ(トゥルビーネ級)「アッテンドーロ…いいですよ、どうぞ♪」…艦名の「ネンボ」(雨雲)だけに濃いグレイと白のワンピースが似合っている…細い脚は薄手の黒いストッキングでぴっちりと包まれ、見るからにすべすべしている……

アッテンドーロ「ありがと…そのワンピース似合っているじゃない、まるで荒天の地中海みたいな色ね」

ネンボ「ふふっ、そう言ってもらえると嬉しい。実は嵐を意識してみたんです♪」

アッテンドーロ「上手く行ってるわね…あなたみたいな美少女がそう言うのを着てると、まるで嵐の中で輝いている感じがするわ♪」

ネンボ「そうですか?…もう、ナポリにいるとそういうことを言うのが上手くなるんですね///」

アッテンドーロ「ちょっと、「ムツィオ・アッテンドーロ」はミラノの人よ?……名前をもらった私がたまたま開戦時にナポリの第七戦隊だったって言うだけ」

ネンボ「ミラノの人なら余計に、ですよ…ほんと、何を着てもきれいだし」

アッテンドーロ「どうもね…ところで休みの予定ってもう決まってる?」

ネンボ「ええ、決まってますよ…去年の冬休みは北イタリアに行ったのですが、冬だったので凍りつくような強い風で……今回はそんなことが無いように、ボローニャで美味しいものでも食べてきます♪」

アッテンドーロ「ああ、いいじゃない」

ネンボ「行き先が決まっていないんですか?」

アッテンドーロ「ええ、まぁ…ちょっと人数が足りなくてね」

ネンボ「そうですか…ツアーだとそういうのもあるそうですからね」

アッテンドーロ「そうね、まぁ他にもあたってみるわ」

ネンボ「ええ…もしかしたらガッビアーノなんか空いてるかもしれませんよ?」

アッテンドーロ「聞いてみるわ…ありがとね」

…トレーニング室…

ライモン「どうですか、バンデ・ネーレ?」

バンデ・ネーレ「ボクを誘ってくれたのは嬉しいけど、ちょっと遅かったな…もうミラノのホテルを頼んじゃったよ」

ライモン「そうですか…ミラノではお買いものを?」

バンデ・ネーレ「そうだよ、お洒落なお店でちょっと黒い服をね♪」

ライモン「本当に黒が好きですね、バンデ・ネーレは」

バンデ・ネーレ「まぁね…今度、ジァポーネの「ジュードー」とかやろうかな、とも思ってるよ。何しろ「黒帯」が付けられるそうだからね♪」

ライモン「そのために、ですか…」

バンデ・ネーレ「それはさておき…アブルッツィならまだ決めてないんじゃないかな?」

ライモン「そうですか?」

バンデ・ネーレ「うん…聞いてみるといいよ」

ライモン「どうもありがとうございます」

バンデ・ネーレ「どういたしまして♪」

……… <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/12/18(月) 02:35:19.35 ID:Yy1DNF7a0<> …しばらくして・食堂…

アッテンドーロ「で、どうだった?」

ライモン「…それが、みんな結構決まってて」

アッテンドーロ「はぁ…まぁそうよね」

ライモン「ごめんね、ムツィオ…」

アッテンドーロ「いいのよ…それにしてもガッビアーノまで決まっているとは誤算だったわ」

ライモン「いくら彼女が「カモメ」だからって、別に当てもなくさまよっているわけじゃないもの…で、ガッビアーノはどこに行くの?」

アッテンドーロ「ローマですって…「風の向くままに美味しいものでも食べてこようと思うんだ…それに最近はローマにもカモメがいるそうだからね」だそうよ」

ライモン「あ、その話は聞いたことあるわ。何でも海沿いが開発されちゃったから、テヴェレ川に沿って飛んできたんじゃないか…って」

アッテンドーロ「まぁそんなことはいいのよ…で、どうする?」

ライモン「うーん……いざとなったら二人でもどうにかならないわけでもないし…でも」

チェザーレ「…二人とも思案顔だが、いったいどうしたのだ?」

ライモン「あ、チェザーレさん…いえ、実を言うと旅行をするのに同行してくれる人がもう一人欲しいな…と、思って聞いて回っていたんですが……なかなか予定の決まっていない人が見つからなくって」

アッテンドーロ「うちの姉さんったらこんな時に限って熟考してくれちゃってね…チェザーレ候、だれか予定の決まっていない娘を知りません?」

チェザーレ「そうだな、ふむ……チェザーレなら空いているが?」

ライモン「そうですか……えっ!?」

アッテンドーロ「は!?」

チェザーレ「二人とも、チェザーレの予定が空いているのがそんなに意外か?」

ライモン「いえ、別にそういうつもりではなかったのですが…てっきり、リットリオたちと一緒にローマ観光をするおつもりかと」

アッテンドーロ「これは盲点だったわ…私もてっきり誰かに誘われているものと……」

チェザーレ「ははは♪…意外かもしれんが夏のローマは埃っぽいし外国の観光客が多くてな、ゆっくり観光も出来はせぬのだ。それに提督が着任してからと言うもの、一気に艦娘も増えたのでな…もし夏休みを一緒に過ごせる相手がいない娘がいたなら…チェザーレでよければだが……同行しようと思っていたのだ」

ライモン「そこまで考えて…優しいんですね」

チェザーレ「なぁに、それは単なる言い訳でな。実際は行き先が決まっていなかっただけのことよ…チェザーレのような老兵にはせわしない旅行など向いておらぬしな♪」

アッテンドーロ「何にせよ身体は空いているのね?」

チェザーレ「うむ。おかげさまでみんな仲良くしているのでな、誰かと一緒がいいのに相手がいない…などと言う娘もおらぬようだ」

ライモン「でしたら…わたしたちと一緒に旅行しませんか?」

チェザーレ「それは構わんが…しかしライモンド、なんでもそなたは提督と……いや、何でもない…」

アッテンドーロ「あー、それがちょっと訳ありで……姉さんったらお目付け役がいないと提督を手籠めにしちゃいそうだ…っていうんですよ……」

チェザーレ「…なるほど、それでもう一人というわけか……それにしても「提督に迫る」など、ライモンド程度のなら別に害もあるまいし取り越し苦労ではなかろうか…今回誘ったのは提督だと言うし、逆なら容易に想像できるが……」

アッテンドーロ「私もそう言ったんですが…姉さんったら律儀だから…」

チェザーレ「…ふふ、そんなことだろうと思っていたぞ……それに提督のことよ、ライモンドに迫られたら嬉々として応じるに決まっているであろうに…♪」

アッテンドーロ「ええ、全く♪」

…執務室…

提督「…くしゅんっ!」

カヴール「あら提督、大丈夫ですか…お片付けのせいでホコリでも舞い上がったのでしょうか?」

提督「んー…むしろ誰かに噂されたのかも」

カヴール「噂になることはいっぱいしていますものね…♪」…ちゅ♪

提督「あんっ、もう…ほら、トランクに荷物を詰めたいから手伝って?」

カヴール「はいはい…ライモンドとの夏休み、愉しめるといいですね♪」

提督「…なんでもう知ってるの」

カヴール「…うふふっ♪」

……… <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/12/19(火) 01:06:48.26 ID:bOrA2JIJ0<> …翌日の昼間・車庫…

提督「よいしょ…っと」


…明るい陽光に照らされた車庫の中、提督は帰省の長距離ドライブに備えて念入りにランチアの様子を確認していた…台車に乗って車の下に潜りこむと、あちこち叩いたり触ってみたりして調子を確かめる……よれよれのタンクトップに着古した下着、その上にこれまた染みだらけのつなぎを着ている提督はずりずりと車体の下から這い出ると、オイルまみれの軍手をバケツに放り込み、それから柔らかいブラシと洗剤の大瓶、それにホースを持ちだした…


提督「さてと、足回りは異常なし…と。それじゃあ、今から綺麗にしてあげるからね♪」シャーッ…濃紺、あるいはロイヤルブルーのような車体に金属パーツが縁どられ、その銀色がアクセントになっている「ランチア・フラミニア」に水をかけると、丹念に洗い始める提督……

提督「あら…結構ほこりがたまってたみたいね」毛が柔らかく柄が短いブラシと、同じく長いブラシを窓の掃除人のようにバケツに突っこんでおき、取り出してはこする…普段は気づかないが海風のせいか、気づかないうちについていた埃でバケツの水はすぐ茶色くなる……と、誰かが車庫の入り口に立った

ライモン「あぁ…提督、こちらでしたか」

提督「あら、ライモン…どうしたの?」

ライモン「いえ…昨日のお誘いですが…」

提督「あぁ、夏休みの……で、どうかしら?」

ライモン「はい…私にムツィオ、それにチェザーレさんを誘いたいのですが……構わないでしょうか?」

提督「別にいいわよ?……実を言うと、どうしても行き先が決まらない娘たちのために席を空けておいたのだけど…その心配もないみたいだし♪」

ライモン「提督もですか…やっぱり提督は優しい方ですね♪」

提督「そんなに感動したように言わなくたっていいわ♪……それより、「提督も」…って、他に誰かそういう風にして予定を入れなかった娘がいたの?」

ライモン「え、ええ…チェザーレさんが」

提督「あら、そう…なんだか気を使わせちゃったわね、きっとローマの史跡巡りとかしたかったでしょうに……」

ライモン「あ、提督もわたしと同じこと言ってます♪」

提督「そうなの?…でも、チェザーレと言ったらやっぱりローマのイメージよね」

ライモン「そうですよね、でも彼女は「夏のローマは埃っぽいし人が多すぎるから行かない」って言ってました」

提督「あー…なるほどね、確かにそうだわ」

ライモン「そうなんですか」

提督「ええ…ローマのスーペルマリーナ(海軍司令部)で勤務していた時なんて悲惨だったわ……あら、ルチア♪」

ルチア「ワンッ♪」

提督「えー?…ここにはおやつなんてないわよぉ?」

ルチア「ワフッ…♪」尻尾をパタパタと振るルチア…ラフコリーの血が混じっているらしいルチアは「コリースマイル」のような笑い顔をしている

提督「そうねぇ…じゃあ何かおもちゃになりそうな……うわ!」ホースを持ったままぐるりを見回そうとして脚に絡みつかせた提督……そのまま派手にひっくり返った…

ライモン「提督、大丈夫ですか!?」

提督「いったぁ…お尻打った…おまけにびしょ濡れだし……もう」苦笑いを浮かべながらホースを脚から外して、舌を出して近寄ってきたルチアを撫でてあげる提督…

ルチア「ワフッ…♪」

提督「…はいはい、撫でて欲しいのね♪」

ライモン「あの…提督っ……///」

提督「んー?」

ライモン「いえ…その、服が透けて……///」

提督「え?……あらまぁ、ほんとね」びしょぬれのタンクトップがぴったりと張りついていて、ずっしりと丸みのある胸がくっきり浮かび上がっている…どころか、ぴんと突きだした乳首まではっきり形になって見える……

ライモン「あの…お着替えを持ってきましょうか///」

提督「別にいいわ、洗車が終わる頃にはどうせ濡れるんだし…それより涼しくて気持ちいいわ……ルチアも浴びる?」ルチアの足下にザーッと水を流す…

ルチア「ワン、ワンッ♪」流れる水を捕まえようとしたり、ぴちゃぴちゃと飲んでみたりと大はしゃぎしている…

提督「あらそう、楽しいのぉ…よかったわねぇ♪」ルチアと一緒になって水を浴びてみたりして、あっという間に頭からずぶぬれになった

ライモン「あー…先にテラスにタオルとお着替え用意しておきます」

提督「ありがと…もう、張りついちゃって動きにくいわね……よいしょ♪」濃い緑色の軍用つなぎを脱ぎすて、白いパンティとタンクトップ一枚になってしまう…

ライモン「あの、いくら何でもちょっと……///」

提督「大丈夫、誰も見てないわ……私とルチア…それにライモン、あなた・だ・け♪」パチッとウィンクしてみせる提督

ライモン「もう…と、とにかく着替えを用意してきますから///」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/19(火) 01:08:29.52 ID:MziwB+uso<> このワンコやりおる・・・ <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/12/19(火) 11:32:07.32 ID:bOrA2JIJ0<> ライモン「…着替え、テラスの席に置いておきました///」

提督「ありがとう…って、あんっ♪」もう成犬に近いとはいえまだまだ遊び盛りのルチアにとびかかられ、ぺろぺろと顔面を舐めまわされる提督…

ルチア「ワンッ♪」ハッハッ…と生暖かい息を吐き、ザラッとしながらもぬめっとしている舌で舐めてくる……

提督「もう、こぉら…んっ……ぷ♪」

ルチア「ワフッ…♪」

提督「もう、いきなり熱いキスなんていけないワンちゃんだこと♪」ところ構わず舐めまわしてくるルチアを持て余し気味の提督…どころか、何か言おうとした瞬間にルチアの舌が入るような形になって慌てて顔を離し、手で口元を拭った…

ライモン「あっ、こら!……提督、今リードも持ってきます」

提督「大丈夫よ、よいしょ…よーし、こんどはお姉ちゃんが捕まえちゃうからねぇ♪」ようやく起き上がってルチアを追いかけ回す提督…と言っても運動不足の提督と足の速いコリー系の雑種犬では勝負にならない…提督はあっという間にへたばり、屈みこんで肩で息を吐いた……

ルチア「ハフッ…ヘフヘフッ……♪」追ってこない提督を心配したのか、それとも追いつけない提督に足の速さを自慢しに来たのか…とにかく庭から戻ってきて舌を出しながら、ぱたぱたと尻尾を振っている……

提督「はぁ、はぁ…ルチアは走るのが速いわね……ふぅぅ…」

ライモン「提督、大丈夫ですか…?」

提督「ええ…どうにか……とにかく車は綺麗になったし、冷たいお茶でも飲みましょうか♪」

ライモン「はい…でもその前にちゃんと身体を拭いて、着替えてくださいね?」

提督「はーい…それじゃあルチアもおいで♪」

ルチア「♪」すぐ大人しくなるあたり、大変お利口なルチア…教えられたわけでもないのに提督の脇につき従い、尻尾をゆさゆさと振っている……

…しばらくして・テラス…

提督「はー…美味しい」周囲を照りつける夏の太陽をパラソルの下から眺めつつ、氷が揺れるアイスティーをストローですする提督……うがいと手洗いを済ませ、濡れた服は洗濯機に放り込んで、ライモンの用意してくれたさっぱりしたプリントのワンピースに着がえている…

ライモン「お疲れさまでした……それにしてもいい天気ですね♪」

提督「そうねぇ…雲一つないし」…と、向こうからお盆にのせた飲み物を持ってカヴールとガリバルディ、それにサウロ級駆逐艦の「ダニエレ・マニン」がやってきた

カヴール「今日はよいお日柄ですね、提督♪」

提督「あら、カヴール…こんにちは♪」

ガリバルディ「こんにちは、提督…ライモンド、もしかして私たちがいたらお邪魔かしら?」…ガリバルディの「赤シャツ隊」にちなんでか、まぶしいくらいにヴィヴィッドな、丈の長い赤いワンピース姿でいる

ライモン「いえ、そんな…全然かまいませんよ」

マニン「もしお邪魔ならそう言ってくれていいんですよ…ね、ガリバルディ?」

ガリバルディ「そうね…でも優しいライモンドのことだから、きっと言わないでおくでしょうね♪」

マニン「そっか…そうね、ライモンドは優しいもの♪」

ライモン「あの…目の前でそんなに褒められると恥ずかしいですから……///」

提督「ふふ、ライモンったら可愛いわね♪……ところでこの三人ってなかなか珍しい組み合わせに見えるわね」

マニン「そうですか?」

提督「ええ…だって歴史の授業では「イタリア統一の三傑」でも、現実主義で合理的だったカヴールと、革命家で信念に生きるガリバルディは仲が悪かったって言うから……」

(※イタリア統一の三傑…現実的で「冷淡」ともいえる政治家のカヴール伯、ゲリラ戦の天才で理想の実現に命をかけたカリスマ革命家のガリバルディ、「青年イタリア」など、多くの社会運動に影響を与えたジュゼッペ・マッツィーニの三人)

カヴール「まぁまぁ、それは本人たちがそうだっただけで…私たちはとっても仲良しですよ、ね?」

ガリバルディ「そうなの?……てっきりカヴールは私のこと嫌いだと思ってたわ」

カヴール「え…ガリバルディ、そんな悲しいことを言わないで下さいな」

ガリバルディ「ふふ…冗談よ♪」

マニン「うふふっ、ガリバルディは本当に冗談がお好きなのね♪」

ガリバルディ「まあね…マニン、あなたと同じぐらい好きよ?」

(※ダニエーレ・マニン…当時北イタリアを支配していたオーストリアに反旗を翻し、「ヴェネツィア共和国」を立ち上げた「ヴェネツィア革命政府」の臨時大統領で弁護士。知略・勇気ともに優れ、オーストリア軍による一年あまりの包囲の後敗北するもパリへ亡命、最後までイタリアを思い続けた愛国者……若かりし頃のガリバルディは「ヴェネツィア共和国」の理想に賛同してメンバーとして名前を連ねている)

マニン「…もう、昼間からなんて……だめですよ///」

ガリバルディ「いいじゃない…それにほら、「ジュセッペ・ガリバルディ」ってニースの生まれだし……昼間から熱い「愛の営み」に励んでもいいじゃない♪」

マニン「もう…そんなこと言われたら我慢できなくなっちゃいます……後で一緒にお昼寝しましょう///」

提督「うんうん…お互い仲がいいようで大変よろしい♪」

ライモン「…仲が良いというか、何というか///」 <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/12/22(金) 01:35:57.32 ID:KdBbDVsu0<> …そして数日後・夏休み初日の朝…

提督「みんな、おはよう♪……支度は出来てる?」

……長距離のドライブで楽なようにと、さっぱりしたブラウスにふわっとしたフレアースカートで現れた提督と、朝から送迎のバスを心待ちにしながら落ち着かない様子の艦娘たち…出発当日にもかかわらず、ディアナとエリトレアがサービスで朝食を作ってくれたが、前日の夕食で生鮮食品や消費期限の近い食材は軒並み空っぽにしてあったので、缶詰を開けただけだったり、残り物をお腹におさめるスタイルの軽食だった……

ジョスエ・カルドゥッチ(オリアーニ級)「うん、出来てる♪」

提督「カルドゥッチは…ボローニャだったわね?」

カルドゥッチ「そ、美味しい食事のように詩と文学をたっぷり味わってくるの…ダヌンツィオの詩集でも買ってこようかな、なんてね♪」

提督「カルドゥッチは詩人だものね…ニーチェやゲーテも引用出来るんなんてすごいわ」

カルドゥッチ「それだけじゃなくて本当の「カルドゥッチ」ならヴェルギリウスやホメロスも出来るのよ…私はまだだけど」


(※ジョスエ・カルドゥッチ…イタリア初のノーベル文学賞受賞者。ギリシャ文学「イーリアス」の翻訳も行い、イタリア統一運動の「リソルジメント」にも共感を抱いていたとされる。無神論者でカトリック式教育によらない学校を創設し、幼いころのベニート・ムッソリーニもカルドゥッチ式学校に通っていたことがある…が、カルドゥッチ自身は「旅先に妻のパンティを詰め込み時おり嗅いでいた」などと言うしょうもないエピソードもあるらしい……)


提督「ふふ、いい本を買えるといいわね……おはよう、ライモン。よく眠れた?」

ライモン「ええ、まぁ…ちょっと緊張していますが」

提督「もう、私の家族に会うのにそんなに心配しなくたっていいわ♪…ムツィオ、貴女は?」

アッテンドーロ「私は平気よ、ぐっすり休ませてもらったわ」

提督「そう、よかった…ところでカヴール、チェザーレはまだなの?」

カヴール「ええ…チェザーレは髪にうるさいので、まだ髪型をいじっている最中かと……」

提督「別に私の車だからいいけれど……送迎のバスはまだ来ないでしょうし、ちょっと見て来るわね?」

カヴール「はい、それでは私はテラスにおりますね♪」


…カヴール級の部屋…

提督「…チェザーレ、いいかしら?」…軽くノックをして声をかける

チェザーレ「ああ、提督か……入ってくれて構わんよ」化粧台の前で髪の毛一本一本を並べ、櫛を動かすチェザーレ……すでに着替えは済んでいて、イタリア海軍特有の明るい白のようなグレイを使った、ドレープ(折り目)がたっぷり入っているサマードレスに革のサンダルと、軽やかで涼しげに見える…

提督「失礼するわね…って、あら……とってもお洒落な髪型♪」

チェザーレ「せっかくのヴァカンスなのだ…それに、かのジュリオ・チェザーレも髪にはうるさかったそうだからな……どうだろうか、提督?」見事にウェーブをかけた髪をさらに軽くカールさせ、額は左右にふわりと流してある…

提督「そうね…綺麗に結えているし、いいと思うわ」(ジュリオ・チェザーレが髪にうるさかったのは薄毛だったからよね……)

チェザーレ「そうか…よし、一時間半かけたかいがあるな♪」

提督「そんなにかかったの……大変だったでしょう?」

チェザーレ「いやいや、なんの…むしろ姉上が「それでいいんじゃないかしら、フランス風でとっても素敵よ♪」とばかり言って、ちっともまともに相手をしてくれなかったのだ」

提督「あら、カヴールにしては珍しい」(…きっといい加減飽きたのね)

チェザーレ「うむ、きっと姉上も夏休みを前に気もそぞろになっていたのであろうな…おや、そろそろ時間か……待たせてすまなかった、では参ろうか」

提督「ええ、忘れ物はないわね?」

チェザーレ「うむ、準備は万端である…いつでもルビコン川を渡れるぞ♪」

提督「じゃあ行きましょうか…あちこちの電気は切ってコンセントも抜いてあるし、窓の鍵も掛けてある……と」

チェザーレ「さ、提督…お手を取らせていただこう」片方の手でずっしりしていそうな旅行カバンを提げると、反対の手をそっと差しだした

提督「ふふ…チェザーレは優しいわね♪」結婚式のように二人で仲良く手をつなぎ、緩いらせんの中央階段を降りる…

<>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/12/22(金) 02:32:58.17 ID:KdBbDVsu0<> 提督「それじゃあみんな、準備は出来ているかしら?」

……提督が再び食堂に顔を出してそう尋ねると、送迎のバスを待ってそわそわしていた艦娘たちから「はぁーい♪」という明るい返事が聞こえた…一同の声を聞いてにっこりした提督は、テラスに出ると前庭の道に停めてあるランチアのトランクを開け、ライモンやムツィオのスーツケースやバッグと一緒に、チェザーレの旅行カバンを詰め込んだ……

ライモン「あ、バスが来たみたいですよ?」

提督「みたいね…それじゃあ、行き先ごとに分かれているから、間違えないようにそれぞれのバスに乗ってね」海軍が借りた数台の小型バスが鎮守府の入り口付近で停まり、案内の下士官たちが降りてきては口々に行き先を告げる…

女性下士官「ローマ方面はこっちです!」

カヴール「あ、来ましたね…それじゃあ提督、行ってきます♪」…ちゅっ♪

提督「ふふ、行ってらっしゃい…ローマ、楽しんできてね♪」

カヴール「はい♪」

ロモロ「懐かしいわ…ローマ、どんなになってるのかな」

レモ「きっと美味しいものとか綺麗なお姉さんがいっぱいなんだろうねー……ふふん、食べ散らかしてきちゃおうっと♪」

提督「食べ過ぎてお腹を壊さないようにね♪」

レモ「だいじょーぶ…レモ賢いから♪」

提督「うん…それじゃあ、気を付けてね♪」

陽気な下士官「はい、ナポリ方面のバスですよ…さぁお嬢さん方、乗った乗った!」

リットリオ「はぁーい。それじゃあ提督、また夏休み明けまで…チャオ♪」

提督「ん、またね♪」

アオスタ「それでは行ってまいります、提督…一応各所の電気と施錠は私も確認しておきましたから、大丈夫です」

提督「わざわざありがとう、アオスタ…ヴァカンスの間は肩の力を抜いて楽しんでいらっしゃい♪」

背の高い下士官「ヴェネツィア方面はこちらです、荷物を忘れずに!」

アミラーリオ・サイント・ボン(カーニ級大型潜)「それでは本官も出かけますので…提督もうんと羽を伸ばしてもらえればと思いますよ」

ベネデット・ブリン(ブリン級大型潜)「その通りです。ゆっくり休養を取って、また夏休み明けに会いましょう」

コマンダンテ・ファー・ディ・ブルーノ(カッペリーニ級大型潜)「ええ、そういうことですね…ゆっくり骨休めをなさってください」

バルバリゴ(マルチェロ級大型潜)「それではまた、休暇明けに!」

提督「は、感謝します…提督閣下♪」…他にもマルチェロ級の「フランチェスコ・モロシーニ」や「アンジェロ・エモ」など、一緒になってヴェネツィア巡りの予定を立てている大型潜水艦の「提督たち」に答礼するとウィンクをした……

…数十分後…

チェザーレ「さてと…これでみんな休暇に出かけたわけだ」

提督「そうね、それじゃあそろそろ私たちも出かけましょうか…ライモン、ムツィオ、忘れ物はないわね?」

ライモン「大丈夫です」

ムツィオ「ええ、準備は万端よ♪」

提督「よろしい。それじゃあルチア…おいで♪」

ルチア「ワンッ♪」教えたわけでもないのに車に飛び乗り、後部座席の床に腹ばいになるルチア…

提督「さてと…それで、誰が助手席で誰が後部座席なのかしら?」

ライモン「はい、それはもう決めてあります…ですよね、チェザーレ///」

チェザーレ「うむ……最初は当然ながら妻であるライモンドが隣であろうな♪」

ライモン「///」

提督「あら…それじゃあまるで新婚旅行ね♪」

ライモン「や、止めてください…恥ずかしいですから///」

チェザーレ「ならチェザーレは花嫁の介添えをしよう」

アッテンドーロ「じゃあ私が姉さんの付き添いね♪」

提督「無事に役割も決まったところで…行きましょうか♪」…正面ゲートの電子錠をかけると、車に乗り込んでアクセルをふかした……

……… <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/12/23(土) 10:58:31.07 ID:NbDC4aNO0<> 提督「それにしても実家に戻るのなんて久しぶりだわ」ヴォォ…と落ち着いたエンジン音を響かせ、夏の埃で白っぽくなっている道路を快調に走らせる……

ライモン「着任前にいったん戻られなかったのですか?」

提督「ええ。必要な荷物はローマのアパートにあったし、実家に戻ると母親がいろんな服とかアクセサリーを持たせようとするから…」

アッテンドーロ「いいお母さんじゃない」

提督「それも場合によるわ…うちの母親は少し度が過ぎているの」サングラス越しに苦笑いを浮かべる提督…

ライモン「そうですか…そういえば、提督をのぞいて三人も泊まりに行くわけですけれど、ご実家に連絡はされたのですか?」

提督「あー…そういえば連絡してなかったわね……まぁいいわ、途中で電話するから」

チェザーレ「…それにしても、提督よ」

提督「んー?」

チェザーレ「タラントから提督の実家まで軽く半日はかかるそうだが…疲れないか?」

提督「ありがとう、大丈夫よ。休憩はこまめに挟むし…それに、みんなといれば楽しいから平気♪」

チェザーレ「そうか…そう言われるとなんともこそばゆいな///」

アッテンドーロ「ふ…かのチェザーレも提督にかかるとかたなしね」

チェザーレ「仕方ないだろう…提督は匂い立つようなべっぴんだからな」

アッテンドーロ「まぁね、姉さんが首ったけになるのもまぁ分かるわ」

ライモン「…あの、二人とも///」

提督「過分のお褒めをどうも。あなたたちだってお洒落で凛々しくて、とっても素敵よ……今すぐ食べちゃいたいくらい♪」

チェザーレ「そうしたいのなら、まず車を停めてからにしてもらいたいな」

提督「うふふっ、そうね♪」

ライモン「て、提督…音楽でもかけましょうよ///」

提督「はいはい…ラジオのスイッチはそこだから、お好きな局に合わせてちょうだい♪」カーブの多い海沿いの道を小気味よく走り抜けていく…

ライモン「えーと、これですね…よいしょ」…少し空電が入った後、明るい調子で曲の紹介をするパーソナリティの声が聞こえてきた

ラジオ「はい。という訳で「懐かしのイタリアン・メロディ」のコーナーですが、実に多くのお便りが届いております…お次は1962年の「ゴーカート・ツイスト」(GO-Kart Twist…邦題は「サンライト・ツイスト」)のリクエストですね!」

ライモン「うわぁ、懐かしいですね…あの時はまだ現役でしたから、聞いたこともありますよ」

提督「あー、そうだったわね…ライモンは64年まで海軍籍にあったものね」

ライモン「そうですよ、戦後も練習艦でしたけど現役でしたから…わー、ジャンニ・モランディの声なんて久しぶりです♪」

ラジオ「……この曲はまだ無名だったエンニオ・モリコーネの作曲で、青春映画「太陽の下の18才」の挿入歌として、まだ16歳だったジャンニ・モランディによって歌われました…彼の勢いのある歌声をお楽しみ下さい。ではどうぞ♪」

ラジオ「♪〜エ・ジレ、ジーレヴァイ、エ・ノン・フェナーレ・マイ!…エ・ジレ、ジーレヴァイ、エ・ノン・フェ・マルティ・マイ!」
(アクセルをふかして、ふかして走り出せ、決してブレーキをかけないで!…アクセルをふかして、ふかして走り出せ、決してブレーキをかけないで!)

ラジオ「♪〜メティティ、カスコ、エサタスル・ゴーカート、エ・ヴァイ、ヴァイ、ゴ・ゴ・ゴ・ゴーカート!」
(ヘルメットをかぶってゴーカートに乗って、ゴ・ゴ・ゴ・ゴーカートで行こうぜ!)

ラジオ「♪〜エ・バレライ、トゥイスト、エ・ゴーカート!…トゥイスト、ゴーカート、トゥイスト・アンド・トゥイスト、ゴーカート!」
(そして踊ろうぜ、「ゴーカート・ツイスト」を!…ツイスト、ゴーカート!ツイスト、ツイスト・ゴーカート!)


提督「ふふ、いいじゃない…それじゃあすこーしとばしましょうか!」ふっと笑みを浮かべるとギアをトップに入れ、ぐっとアクセルを踏み込む…大柄で大人しいベルリーナスタイルとはいえ、ランチアだけあってぐんと加速した…

ライモン「うわ…っ!」

アッテンドーロ「へぇ、提督もやるわね♪」

チェザーレ「うむむ…最近の車はこんなに速いのか」

提督「そうね、160キロは出るんじゃないかしら…もっとも、この辺りはコーナーが多いからそんなに出さないけど」

ライモン「うわわ…提督、あんまり飛ばさないでくださいよ?」

提督「大丈夫、ちゃんと控えめにしているわ……オートストラーダに出たらもうちょっとスピードをあげましょうね♪」

ライモン「…」

……… <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/12/26(火) 00:54:33.54 ID:drfSr8jP0<> …二時間後・街道沿いのガソリンスタンド…

提督「それじゃあ少し休憩にしましょうか、みんな長距離のドライブで疲れたでしょう?」キュッ…と車を停めると、後ろを振り向いて声をかけた

ライモン「わたしは平気ですよ…それより提督は大丈夫ですか?」

提督「あら、ありがと。私もまだまだ平気よ♪」

アッテンドーロ「悪いわね、気を使わせちゃって…うーんっ♪」車から降りると大きく伸びをして肩を回した

チェザーレ「うむ、すまないな……っと、腰がこわばってしまったようだ」

ルチア「ワンワンッ♪」さっそく道端の匂いを嗅いでみたり、草をかじってみたりして遊んでいる…

提督「そういえば朝の軽食から何も食べていないけど…何か買ってきましょうか?」

チェザーレ「うむ…そう言われれば少し空腹を覚えているな」

アッテンドーロ「私も、よかったら何か欲しいわね」

ライモン「あの…提督にそんな散財をさせるのは……///」そう言った矢先に「くぅ…」と、可愛らしく音をたててお腹がなり、真っ赤になってしまうライモン……

提督「気にしないで、私もお腹が減ったし…それじゃあ待っててね♪」給油所の隣にあった小さい店に入っていき、数分もしないうちに茶色の紙袋を抱えて戻ってきた

提督「はい、お待たせ…普通のパニーニだけど、なかなか美味しそうよ♪」楕円形のパンに斜めにしま模様の焼き色がついているパニーニをいくつも取り出す

(※パニーニ…単数形はパニーノ。イタリア風ホットサンドウィッチで、斜線状に焼き目を付けたパンに具材を挟む)

ライモン「温かくて美味しそうですね…いただきます」…パリッといい音を立てる黄金色のパンに、生ハムとルッコラを挟んだ素直なパニーニは手早く食べられる軽食らしい気軽さがあって、野外で食べるせいもあってか美味しい……ライモンは思わず笑みを浮かべた

チェザーレ「おや、こちらはチーズ入りか…うむ、これも悪くない♪」胡椒の効いたパストラミハムにしっかりしたゴーダ・タイプのチーズを挟み、黒オリーブのスライスをアクセントにしている…胡椒のピリリとした辛さと黒オリーブのわずかな苦みがほどよく大人っぽい味を出している……

提督「それぞれ一個づつあるから、焦らなくても大丈夫よ…ルチア、おいで♪」パンの耳をちぎって差しだす

ルチア「ワフッ♪」数口で呑み込むと、くりっとした瞳で物欲しげに見上げてくる…

提督「ごめんね、もうないのよ」

ルチア「キューン…」

提督「それじゃあみんなは食べながら待っててね、私は給油と実家への電話を済まして来るから」

チェザーレ「了解した」

ライモン「はい、待ってます」

アッテンドーロ「分かったわ」

提督「…ルチア、あなたも分かった?」

ルチア「ワンッ!」

提督「はい、よろしい…じゃあ、店員さんに声をかけて来るわ♪」

…提督はガソリンを入れようとランチアを給油スタンドに寄せた…が、オーナーらしい作業つなぎを着たおじさんはもう一か所のレーンに停まっている黒い車のドライバーと何か言いあっていて、ちっともこちらに来ようとしない……あきらめて車を降りると黒い車の方に歩み寄った…

オーナー「あー、もう分からないかなぁ……ここからナポリに行くんなら国道に出なきゃだめだって…オーケー?」

提督「…あの、いいかしら?」

オーナー「すみませんね、お客さん…今行きますから!」

提督「どうかしたんですか?」

オーナー「いやぁ…こちらのお客さん、道が分からないみたいなんだけどイタリア語が出来ないみたいで……こっちは英語がからっきしダメだし…参ったなぁ」

提督「よかったら代わりに話しましょうか?」

オーナー「いいですか?…じゃあお願いしますよ」

提督「ええ、その間にフラミニアにハイオクをお願いします」

オーナー「いやぁ、ありがたい…それじゃ窓ふきと空気圧の確認はサービスしておきますよ!」

提督「グラツィエ♪」 <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/12/26(火) 01:58:36.67 ID:drfSr8jP0<> 提督「…あの、よかったら道を教えましょうか?」…近寄ってみると黒い車は綺麗に磨き上げられたフランス・ナンバーのBMWで、乗っていたのは頭を剃り上げ、ヒゲの剃り跡も青いワイルドな雰囲気を漂わせている男性だった

ドライバー「あぁ、どうも」…夏の盛りだと言うのにピシッとした白いワイシャツに黒いネクタイ、黒のスーツとビジネスライクな格好の男性……ぶっきらぼうな調子の英語を話すが、少しだけ口もとに笑みを浮かべた

提督「それで、行き先はどちらですか?」

ドライバー「ナポリなんだが、いまいましいことにこのくそったれなナビがおかしくなって……失礼」乱暴な言葉を途中で呑み込むと肩をすくめた

提督「そう言うこともありますよ。…ナポリならこの街道に乗って直進して、最初の十字路を左、それを道なりに行けばまた交差点がありますから、それを右に行けばオートストラーダに出ますよ」

ドライバー「ありがとう…ところで、あれ……あんたの車?」給油されているランチアをあごでしゃくった

提督「ええ、そうですよ」

ドライバー「…ランチア・フラミニアとは今どき珍しい……それによく手入れされてる」

提督「あら、ありがとうございます。そちらのBMWもタイヤが新しいようですし、きれいに磨き上げられていますね…ディーラーの方ですか?」

ドライバー「ええまぁ……とにかく、おかげで時間に遅れずに済みそうだ」

提督「いいえ、困ったときはお互い様ですから。ミスター……ええと」

ドライバー「マーティン…フランク・マーティンだ」

提督「それでは、ミスター・マーティン…」

フランク「フランクだ。フランクでいい」

提督「そう…では改めて、時間に間に合うといいですね。フランク」

フランク「あぁ、大丈夫だ…ルールは守ることにしている……場合によるが」

提督「?」

フランク「いや、何でもない…それじゃ」滑るようにBMWを発進させると、一気に加速させて走って行った…

提督「…変わった人ね、ディーラーにしてはずいぶんこわもてだったけど……」

オーナー「お客さーん、給油終わりましたよ!」

提督「あ、はーい」提督は料金を支払うと携帯電話を取り出し、実家の番号にかけた…

提督「もしもし…あ、お母さま?…私、フランチェスカよ……ええ♪」

提督「…そうなの、実は今日から休暇でそっちに戻るのだけど……三人と一匹を泊められるように客室を整えておいてくれないかしら?」

提督「もちろん「急で悪いな」とは思っているのよ、でも仕方ないじゃない…このところ忙しくて電話をするのをすっかり忘れちゃったものだから…ね?」

提督「……泊まるのはもちろんうちの「鎮守府」の娘たちよ。ちなみにどの娘もとっても綺麗な娘よ…きっとお母さまも気に入るわ♪」

提督「ええ、それじゃあよろしく…チャオ♪」

…一方・道端のライモンたち…

ライモン「…それにしても」

アッテンドーロ「なぁに、姉さん?」

ライモン「提督のお母さんってどんな人なのかしら」

チェザーレ「ふむ…提督に似ているなら明るい栗色の長髪に柔らかい笑みの女性だろうな」

ライモン「わぁ…だとしたらとっても綺麗でしょうね♪」

アッテンドーロ「分からないわよ?…案外タルみたいな身体つきの肝っ玉母さんかも♪」

ライモン「もう、ムツィオったら…そんな訳ないに決まってます!」

アッテンドーロ「じゃあ今日の分のキスを賭ける?」

ライモン「いいですよ…勝ったらわたしが独り占めですからね」

チェザーレ「ならチェザーレが判定をしよう……おや、給油が終わったようだ。提督が呼んでいるぞ?」

………

…提督は電話を終えると車に戻り、ライモンたちを乗せた……三人は少し歩き回って身体を伸ばし、ルチアはチェザーレとムツィオからもパンくずをもらったらしく、満足して後部シートの足元に寝転がった…

提督「それじゃあこれからオートストラーダに乗るから、午後には家につくはずよ」

チェザーレ「速いものだな…」

アッテンドーロ「速いのは大好きよ、早く提督の家族にも会いたいし…ね♪」

提督「そう?…それじゃあ出発♪」 <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/12/26(火) 10:59:27.69 ID:drfSr8jP0<> …数十分後・オートストラーダ…

提督「ふーん…ふふーん♪」何かの曲をハミングしながらハンドルを握っている提督…速度計の針はきっちり130キロを差している

ライモン「提督、ご機嫌ですね♪」

提督「まぁね。何のかのと言っても久しぶりの帰省だもの……みんなのおかげで鎮守府の生活も楽しいけど、警報や出撃要請が来るかも知れないって思いながら過ごすのと何も考えないでのんびりできると思うのでは、やっぱり気楽さが違うし…好きなだけだらだらしていいって思うと心が弾むわ♪」

チェザーレ「ふむ…まぁ気持ちは分かる。たとえ提督自身が意識していなかったとしても落ち着かんだろうな」

アッテンドーロ「そうね。まぁ、港に入っているのに空襲が来るようなものよね」

チェザーレ「うむむ…それは願い下げにしたいものだな」

ライモン「まぁまぁ、せっかくのお休みなんですからもっと明るい話をしましょうよ」

提督「そうねぇ…そう言えば昨日は綺麗な星空だったわね」

チェザーレ「うむ。あまりにいい夜空だったからガウンを羽織って表に出てみたのだ…まるで全天が降り注ぐような明るさだったな」

提督「そうね、とっても綺麗だったわ…」

チェザーレ「チェザーレも久々に姉上とゆっくり過ごしてな…二人で一つのガウンを羽織って海沿いを歩いてみたりしたのだ」

提督「…あのシルエットはチェザーレだったのね」

チェザーレ「何、提督も見ていたのか……これは失敗だったな…///」

提督「あー…そういう事ね」

チェザーレ「うむ、そう言うことだ……忘れてくれれば助かる」

提督「そうね、見なかったことにしてあげるわ♪」

チェザーレ「すまぬな…代わりにチェザーレに出来ることなら何でもして差し上げよう」

提督「…何でも?」

チェザーレ「うむ」

提督「じゃあ…今夜はライモンと二人きりになれるようにしてほしいわ♪」

ライモン「だ、駄目です!……提督と二人きりになったら、わたし…我慢できる自信がありません……」

チェザーレ「承知した」

提督「じゃあ決まりね♪」

ライモン「えっ、ちょっとチェザーレさんっ…それじゃあ何のために来てもらったのか分からないじゃないですか」

チェザーレ「仕方あるまい、あれを見られていたとなるとこちらも多少…恥ずかしいのでな」

アッテンドーロ「へぇ…チェザーレったらカヴールと恥ずかしくなるような事をしてたってわけね♪」

チェザーレ「…まぁそう言うことになるが、姉妹同士のたわむれだと思って聞き流してくれ」

アッテンドーロ「そうねぇ…ま、いいわよ」

ライモン「ムツィオ、あんまりチェザーレさんをからかっちゃだめでしょう」

アッテンドーロ「いいじゃない…ねぇ♪」

提督「そうねぇ…いつもの凛としたチェザーレもいいけど、あたふたするチェザーレも可愛いわ♪」

チェザーレ「そう言ってくれるな…ますます恥ずかしくなる///」

提督「ふふっ…♪」 <>
◆b0M46H9tf98h<>saga<>2017/12/28(木) 11:37:03.40 ID:UB74NGKe0<> …数時間後・カンパーニア州の小さな町…

提督「ふぅー…やっと着いたわね、ここが私の実家がある街よ」


…ナポリとローマのちょうど中間あたりにあって、米第六艦隊の本拠地でもあるカンパーニア州の「ガエタ」…そこから北に行った所にある小さな町は、海沿いながらほど良く静かな林や丘にかこまれ、古い石畳の道が時間に取り残されたような街の中を通っている……町全体が親しげな陽気さと落ち着きをあわせ持っていて、家々のベランダや窓辺には花の植木鉢が並び、どこかのんびりと時間を過ごしているように見える…


ライモン「わぁ…いいところですね」

提督「何もないのが取り柄みたいな小さな街だけど、居心地はいいわよ」昼下がりの街はそろそろシエスタ(昼寝)の時間帯のせいか、商店は鎧戸を下ろしはじめていて、周囲も閑散としている…

アッテンドーロ「で、提督の実家は?」

提督「町はずれにあるからまずはここを抜けないとね…ちょっと遅くなっちゃったけれど、お昼は家で食べることにしましょう?」

アッテンドーロ「了解」

提督「…うわぁ、全然変わってないわ」

ライモン「…綺麗な街♪」落ち着いたカナリアイエローに塗られた家や、白壁に赤っぽい色の屋根瓦を載せた家が並んでいる……

提督「まぁ、綺麗ね…多少古びてはいるけれど」

チェザーレ「もうそろそろか?」

提督「ちょっと待ってね…もう、こんなところにフィアットなんか停めないでよ……ほら、見えてきたわ♪」


…街で唯一の「大通り」をゆっくり抜けると、町はずれに広がる海沿いのなだらかな丘に、一軒の白い家が見えた…庭と木々に囲まれていてはっきりとは見えないが、そこそこの大きさがあるように見える…


ライモン「あれが提督のご実家ですか?」

提督「ええ、そうよ……懐かしいわ、結構久しぶりの帰省だから♪」ほとんど平坦に近い坂道を滑らかに走らせるとしゃれた鉄の門が現れ、その奥に綺麗な庭が見える…

アッテンドーロ「ここ?」

提督「ええ、そうよ…ちょっと待ってね」

提督「…さてと……ようこそ、我が家へ♪」提督は門を押し開けるとランチアを敷地に入れ、そこでライモンたちを降ろした…と、車の音を聞きつけたのか、花の茂みの奥から誰かが出てきた……

妙齢の女性「まぁ…♪」出てきた女性は長い金髪を波打たせ、ふとももがまぶしいミニワンピースに麦わら帽子をかぶっている…と、女性は花のカゴを地面に降ろすと、おっとりしたような雰囲気を漂わせてつつ近づいてきた……

提督「…ただいま」いつもとくらべ少し素っ気ない提督

女性「……おかえりなさぁい、フランチェスカ!…んーっ、ちゅっ♪」…いきなり提督に抱きつくと腰に手を回し、恋愛映画そこのけに甘ったるいキスを浴びせかける

提督「ちょっと、やめてってば…うちの艦娘たちがいる前で……恥ずかしいから///」

女性「いいじゃない、フランチェスカが帰ってきて嬉しいもの…んーっ♪」

ライモン「……あの…こちらは提督のお姉さまですか///」

提督「ぷはっ……いいえ、私の母よ」

ライモン「え?」

アッテンドーロ「何ですって?」

チェザーレ「…なに?」

提督「ふぅ……紹介するわ。こちらは私の母親、クラウディア・カンピオーニ…お母さま、こちらはうちの艦娘で、戦艦の「ジュリオ・チェザーレ」…それと、最初に「仲良くなった」軽巡の「ライモンド・モンテクッコリ」、こっちがライモンドの妹「ムツィオ・アッテンドーロ」…あと、鎮守府のマスコット「ルチア」ね」

チェザーレ「あー…お目にかかれて光栄です、提督の母君」

ライモン「初めまして、提督のお母さま…いつも提督には優しくしてもらっています」

アッテンドーロ「提督に負けず劣らず美人でびっくりしたわ……なにとぞよろしく」

ルチア「ワンッ…♪」

クラウディア「まぁまぁ、わざわざご丁寧に…こちらこそよろしくね♪」ちゅっ…んちゅっ♪

ライモン「///」

アッテンドーロ「ふぅ…提督のキスはお母さまの「英才教育」のたまものってわけね///」

チェザーレ「…な、なんとも丁寧なごあいさつで///」

提督「さてと、それじゃあ…」

クラウディア「…お昼にしましょうね♪」

<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/12/28(木) 12:56:10.37 ID:UB74NGKe0<> 提督「どうして何も言わないうちに分かるの…?」

クラウディア「だってこの時間に戻ってきて、どこかでお昼を食べてくるなんて出来ないじゃない?……でももうちょっと待っててね、そろそろシルヴィアも戻ってくるから♪」

提督「でしょうね…ところで、クラウディアお母さまは元気にしてた?」

クラウディア「ええ…可愛い艦娘さんを「味見」をしてみたいと思うくらいには元気よ♪」

提督「相変わらずね…もうお手上げだわ♪」

クラウディア「あらあら、愛しいフランチェスカに「お手上げ」って言われちゃったわ……とにかく食事の用意は整えてあるから、まずは素敵なランチアを車庫にしまっていらっしゃいね♪」

提督「はいはい…じゃあみんな、先に行っててね♪」

ライモン「はい」

提督「…お母さま」

クラウディア「なぁに?」

提督「お願いだから戻ってきたときにいちゃついていたりするのは止してよ?」

クラウディア「もう、そんなことしないわよ…多分ね♪」

提督「…車を車庫に入れて来るわ」


…カンピオーニ家・居間…

クラウディア「…そう、それじゃあフランチェスカは立派な提督さんなのね♪」明るく居心地のいいリビングで椅子に腰かけると、にこやかに聞いた

チェザーレ「いかにも…大変優しい方でありながら、提督としても一流だと思っております」冷たい水で喉をうるおしつつ言った

クラウディア「そう…それを聞いて安心したわ♪」リビングのあちこちにはデザイナー用の型紙や衣装を着せるためのトルソ、それに縫いかけの服が置いてあり、ほど良く散らかっているおかげでどこか親しみやすさを演出している…

ライモン「あんなにいい提督は他にいないと思います…優しくて、穏やかで……でもしっかりしておられます」

クラウディア「うんうん♪…それに鎮守府の暮らしは合っているみたいね、顔も身体もローマにいた時よりふっくらしているもの」脚を組むとミニワンピースがまくれ上がり、提督の親とは思えないほどみずみずしいふとももと、際どい黒の下着がのぞいた…

ライモン「そうですね。提督も気になっているようで運動などしていますし…」

クラウディア「フランチェスカが?……ふふふ、それってきっと「ベッドの上でする運動」の事でしょう♪」

ライモン「いえ、その…///」

クラウディア「いいのよ…あなたみたいに凛としていて、その上可愛い娘なんてなかなかいないわ。それに、とっても綺麗な瞳で……吸い込まれそう♪」

チェザーレ「こほん…とにかく、提督は立派なお方です」

クラウディア「ありがとう、チェザーレ。その髪型、整えるのにさぞ時間がかかったでしょう…とっても優雅で貴女の魅力を良く引き出しているわ♪」

チェザーレ「これはこれは…チェザーレの髪をほめてもらって嬉しく思うぞ」

クラウディア「その古代ローマのトーガみたいなサマードレスもシンプルでいいわ…胸の盛り上がりがとっても魅力的よ♪」

チェザーレ「そう言われるとくすぐったく思えてしまうな…」

クラウディア「あなたみたいな立派な艦娘がついていてくれるならフランチェスカも安心ね」

アッテンドーロ「…それにしても、提督のお母さんが若いのに驚いたわ」

ライモン「まだ言っているんですか…」

アッテンドーロ「ええ、そりゃあ……賭けに負けたしね」

クラウディア「まぁまぁ…ふふっ♪……アッテンドーロもお洒落で素敵よ、後で素敵な服でも探してあげましょうね♪」

アッテンドーロ「提督のお母さんは…」

クラウディア「クラウディアって呼んで?…私は確かに「フランチェスカのお母さん」だけど、その前に一人の女性だもの♪」

アッテンドーロ「ええ。それでクラウディアは……」アッテンドーロが何かを言いかけた所で遠くから「ダーン…」と乾いた銃声が響いた…

ライモン「提督っ…!」慌てて駆け出そうとするライモン…

クラウディア「大丈夫よ。この辺りでは時々猟をしている人がいるの…鹿に猪にウサギ、あとはウズラとかね♪」

ライモン「そうでしたか……ふぅ」

クラウディア「きっと明日には美味しいお肉を出せるわ…期待していてね♪」コーヒーをすすりつつ、ぱちりとウィンクをしてみせた <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/12/29(金) 00:34:29.98 ID:W2IvlEzY0<> 提督「…ふぅ、表はまぶしいわね。戻ったわよ、お母さま」

クラウディア「お帰りなさい…ちょうどあなたの話をしてもらっていた所よ。タラントでの生活はどう?」

提督「あー…まぁ、悪くないわ♪」

クラウディア「そう、それはよかったわ…そうだ、今日はいい天気だしお庭で昼にしましょうか♪」

提督「そうね、木陰なら涼しいでしょうし…じゃあお皿を持っていくわね」

クラウディア「そうね。じゃあ私は料理を持っていくわ…みんなはフランチェスカの後について行って?」

ライモン「あの、わたしも手伝います…」

クラウディア「いいのよ、お客様なんだから…むしろ一番して欲しいのは、いっぱい食べて「美味しい」って言ってくれることよ♪」

ライモン「分かりました、それではお言葉に甘えて…」

クラウディア「そうそう♪」


…庭の木陰…

提督「じゃあテーブルクロスを広げて…と」小ぶりな木の陰に置いてある白いテーブルにテーブルクロスを広げると、手際よく皿やグラスを並べた…

ライモン「提督、手伝います」

提督「大丈夫よ…いつも手伝ってもらっているから、今日くらいは私にやらせてほしいの♪」…立ち上がろうとするライモンを押さえてにっこりと微笑む

チェザーレ「ライモンドよ…いつも律儀なのはいいが、お客として振る舞うのも立派なことだぞ?」

ライモン「それもそうですね……じゃあ座っています」

提督「ええ、そうして♪」…と、クラウディアがミニワンピースの上にエプロンをつけてやってきた……腕にはワインのボトルを抱え、何やら両手いっぱいに美味しそうな料理を持っている…

クラウディア「はーい、お待たせ…まずはアンティパスト(前菜)から行きましょうね♪」大きな皿をテーブルに置いて、「どう?」と自慢するようにライモンたちを見回した

ライモン「わぁ…美味しそうですね♪」

アッテンドーロ「いい匂いね…待ちきれないわ♪」

チェザーレ「ああ、全く……しかし、クラウディアどの」

クラウディア「もう…「クラウディアどの」だなんて堅苦しい呼び方じゃなくて…「クラウディア」って呼んで……♪」とろけそうな声でささやいた…

チェザーレ「う…どうも提督といい提督の母君といい、チェザーレを弱らせる視線をお持ちのようだ……クラウディア」

クラウディア「なぁに、チェザーレ…?」

チェザーレ「いや、先ほど「シルヴィアを待って」などとおっしゃっていたので…もう待たなくてもよろしいのだろうか?」

クラウディア「あぁ、それはね…うふふっ♪」

提督「チェザーレ…ふふっ、あのね……♪」

チェザーレ「チェザーレが何かおかしなことでも言っただろうか?」

はきはきした女性の声「…私の事を呼んだ?」少しかすれたような心地よい声が後ろから聞こえた

チェザーレ「!」

…チェザーレが振り向くと、庭の裏手から入ってきたらしい女性が立っていた……うなじにかかる程度の短さに切った栗色の髪と、日に焼けたクリーム色の肌。きりっと引き締まった口もとに、凛々しい濃い茶色の瞳…片手には仕留めたらしいウサギのつがいをぶら下げ、肩には散弾銃を担いでいる……白い開襟シャツに肩から掛けた弾薬ベルト、茶色の乗馬ズボン姿で、裾は革のブーツに突っ込み、鞘付きナイフもブーツにねじ込んである……どう見てもパルチザンか、はたまた山賊にしか見えない…

クラウディア「まぁシルヴィア、お帰りなさい…んーっ♪」クラウディアは料理を置くと飛びつき、大人のキスを交わした…

シルヴィア「んっ…クラウディア、その白い肌に長い髪がまるで女神のようね……それじゃあ、着替えて来るから」

クラウディア「ええ、待ってるわ♪」

チェザーレ「あー…その、先ほどは失礼した……お初にお目にかかる」

シルヴィア「チェザーレって言ったかしら…シルヴィア・カンピオーニよ、よろしくね」散弾銃を背中に回すと、両の頬にキスをした…

チェザーレ「うむ…チェザーレは提督の旗下にある戦艦「カイオ・ジュリオ・チェザーレ」と申すもの……シルヴィアどの、お招き下さってありがたく思う」

シルヴィア「ん…挨拶は着替えて来てから改めて、ね……お帰り、フランチェスカ」

提督「ただいま、シルヴィアおばさま♪」

シルヴィア「おばさまはやめて、フランチェスカ…少し日に焼けたみたいだけど、相変わらずきめ細やかな肌が美味しそうね」

提督「もう…クラウディアお母さまもシルヴィアおばさまも、言うことはそれしかないの?」

クラウディア「うふふっ、だって…我が娘ながらとっても可愛いんですもの♪」
<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/12/29(金) 01:36:11.91 ID:W2IvlEzY0<> 提督「はぁ…あきれた」

シルヴィア「クラウディアはいつもそうでしょ…じゃあちょっと着替えて身体を洗ってくるから、先に始めてていいわ」

クラウディア「なら一緒に入りましょうよ♪」

シルヴィア「それは夜のお楽しみに取っておきなさい…じゃあ、すぐ戻るわ」

ライモン「…あの、提督」

提督「ん?」

ライモン「あちらが提督の言う「おばさま」なのですか…?」

提督「ええ…私に「色々」教えてくれた、シルヴィアおばさまよ」

クラウディア「フランチェスカはとっても大人しい良い子で…子供の頃はずーっと私とシルヴィアの後をついて回っていたのよ……♪」

提督「…もう、一体いつの話よ///」

クラウディア「あら、ほんの十数年前の話じゃない♪」

提督「お願いだからうちの艦娘たちの前で昔の話はしないで…恥ずかしいわ///」

クラウディア「別にいいじゃない、嘘を言っているわけじゃないし♪」

アッテンドーロ「…そうね、もっと聞いてみたいわ♪」

提督「…ムツィオ……後で覚えておきなさいね?」

アッテンドーロ「だって、せっかくの機会だし…そうよね、姉さん?」

ライモン「そんな、提督が恥ずかしがってるのに…でも、聞きたくないと言えばうそになるし……うーん」

クラウディア「じゃあ話してあげるわね…その前にワインをどうぞ♪」柳のカゴに入った地元のワインをグラスに注ぎ、前菜として出したブルスケッタをそれぞれの皿に載せた…

チェザーレ「では、ありがたく頂戴しよう……うむ、これは美味い♪」

…パリッと焼いたバゲットにオリーヴオイルを塗り、ニンニクとオレガノ、それに少しの塩胡椒で風味をつけたトマトペーストを塗ったシンプルな一品…飽きの来ない味と軽い歯ざわりがワインによく合う…

提督「それじゃあ私も…ん、相変わらず美味しいわ……ねぇお母さま、私が同じ材料でいくらやってもこの味にならないのに、お母さまが作ると絶品だわ…一体どうやったらこの味になるの?」

クラウディア「そうねぇ…いっぱい愛情を込めることじゃないかしら♪」

提督「だとしたら変ね…ライモンにはうんと愛情を込めているつもりなのに……」

ライモン「けほっ…///」

クラウディア「あらあらあら…ウエディングドレスが必要なら作ってあげるわよ♪」

提督「今のところは大丈夫よ……ライモン、もう一杯いかが?」

ライモン「ええ、いただきます///」

アッテンドーロ「…ところで、クラウディアはデザイナーなの?」

クラウディア「ええ、そうよ♪…ミラノでデザインをしていたんだけど疲れちゃって……辞めてからはこっちに住んでいるの」

アッテンドーロ「なるほど…だからあんなに服やデザイン画が置いてあったのね」

クラウディア「そういうこと…あ、シルヴィア♪」

シルヴィア「お待たせ…どう、クラウディアのブルスケッタは絶品でしょう?」きゅっと引き締まった身体に似合う、グレイのスラックスに薄手のシャツを着て、さっそうと現れた…

チェザーレ「うむ、提督も料理上手だが…どうやら母上のおかげとみた」

クラウディア「まぁまぁ…チェザーレはお上手ね♪」

シルヴィア「ふふ…クラウディアの料理はいつでも美味しいものね……ちゅっ」後ろからクラウディアの頬にキスをすると席に着いて、たっぷりとワインを注いでもらう…

提督「そうね。何はさておき料理にかけては最高の母親だと思うわ♪」

クラウディア「もう…料理だけ?」

提督「実の娘と一緒のベッドに入るようないかがわしい母親なんて、普通はいないわよ♪」

クラウディア「別にいいじゃない…可愛いフランチェスカと一緒にいたいんだもの」

提督「私もお母さまでなかったら放り出しているわ……ちゅっ♪」

クラウディア「あらあら……ちゅっ、んっ♪」

ライモン「…」 <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/12/30(土) 02:29:21.58 ID:hlz3G0Ob0<> チェザーレ「それにしてもいささか驚いた…いきなり散弾銃を持ってご登場とはな」…大きな陶器のボウルに入っている主菜、とろりと煮こまれた鹿肉のトマト煮込みを味わいつつ言った

提督「シルヴィアおばさまはいつもそうだから仕方ないわ」口に入れるとたっぷりのオリーヴオイルがじゅっと沁みだす、薄切りのナス、ズッキーニ、トマトの焼き物を取りつつ笑みを浮かべる…味付けは塩と唐辛子に少しのニンニクだけにもかかわらず、驚くほど立派な主役になっている……

チェザーレ「いやはや、このチェザーレもさすがに肝を冷やしたぞ…てっきり提督を寝取ったと思われて、撃ち殺しに来たのかと……」

シルヴィア「悪かったわね…何しろ食堂でお昼にしていると思ったから。それに……もし寝取った相手を撃ち殺すなら、ウサギ用の軽い散弾銃じゃなくて熊撃ち用の銃を取って来るわ」

チェザーレ「うむ、さようか……しばらくは気をつけるとしよう…」

ライモン「えーと…それで、シルヴィアさんは猟師さんなんですか?」

シルヴィア「いいえ、猟は趣味よ…だから肉が無くなったときにしか捕りにいかないの」

クラウディア「そうなの。シルヴィアは射撃が上手だから、町からも「増えすぎた猪とかを仕留めてくれ」ってちょくちょく言われているのよ…もっとも、無駄に動物を撃ったりはしないから、猟に行くのは月に一回……多くて三回くらいよね♪」

シルヴィア「そんなに捕っても食べきれないでしょ…ライモンド、鹿肉をもう少しどう?」

ライモン「はい、いただきます♪」

アッテンドーロ「とっても美味しいわ、この煮込み料理……肉もいいけど、クラウディアは本当に料理上手ね」

クラウディア「またまた…褒めたってなにも出ないわよ♪」

シルヴィア「それはどうかしら……私が褒めると後で素敵なごほうびをくれるでしょう?」

クラウディア「それはシルヴィアだからよ…んー♪」

シルヴィア「んっ、ふ…ちゅぽっ……料理を食べている時にキスはしたくないわ、せっかくのキスがトマト風味じゃムードもへったくれもないもの…」

クラウディア「ふふ、ごめんなさい…フランチェスカが帰って来て、お洒落な女の子もいっぱいいるから嬉しくなっちゃって♪」

シルヴィア「でしょうね、言わなくても分かってるわ…フランチェスカ、チーズは?」

提督「ええ、一切れちょうだい?…あ、よく熟成されてる」

シルヴィア「二か月寝かせておいたから…ちょうど食べごろよ」

提督「うん、しっとりしてて美味しい……ムツィオ、グラスが空よ?」

アッテンドーロ「じゃあもう一杯だけ…あんまり気持ちいいからって飲み過ぎるのも考え物だし」

クラウディア「まぁまぁ…そんなに気を使わないで、自分の家にいるつもりで過ごしてほしいわ♪……後でお昼寝をするなら、そこの木にハンモックを吊るしてあげる♪」

アッテンドーロ「それはどうも…」

提督「ふふ、お母さまはいつもこうだから気にしないで♪」

シルヴィア「気に入った相手はとことん甘やかす性格なのよ…だから遠慮しないでいいわよ」

アッテンドーロ「そう…じゃあお言葉に甘えることにするわ」

クラウディア「うんうん、素直でよろしい♪」

提督「あー…お昼寝って聞いたら……なんだか私も…ふわぁ……眠くなってきたわ…」

ライモン「提督はこの数日多忙でおられましたからね……」

チェザーレ「おまけにタラントからここまで運転してきたのだからな…どうだろう、先にお休みになられては」

提督「そうね…ワインも効いてきたみたいだし……もてなす側が先に寝てしまうなんて、どうかとは思うけれど…ひと眠りさせてもらおうかしら」

クラウディア「いいのよ、あなたのお部屋は綺麗にしてあるし…たっぷりお休みなさいな♪」

シルヴィア「…ライモンドたちは私とクラウディアでもてなすから、構わないわよ」

提督「ごめんね、ライモン…それにお母さまたちも…それじゃあ……ふぁ…少し寝てきます……」目をこすりながらクラウディアとシルヴィア、それにライモンたちの頬にキスをすると、ふらふらしながら家に入って行った…

クラウディア「後で子守歌でも歌ってあげるわね♪」

提督「それはいらないわ…寝ている間に何をされるか分からないし……ふわぁ…」

シルヴィア「…ふふ、ああやってるとまだまだ子供みたいね」

クラウディア「ね、とっても可愛いわ♪」

チェザーレ「…提督はいつでも可愛いと思うが」

ライモン「ええ、そうですね」

アッテンドーロ「同感」

シルヴィア「では、意見の一致を見たところで…もう一杯いかが」

……… <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/12/30(土) 02:36:24.04 ID:hlz3G0Ob0<> …なかなか進まないのでもやもやしていましたが、ここしばらくは余裕を持って投下していけそうです。よかったら引き続きお付き合い下さい……この後はライモン、ムツィオ、チェザーレ相手にいちゃいちゃし続け、そこに多少イベントを混ぜる予定でいます…
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/30(土) 13:21:39.59 ID:Js7cOFJGo<> ママおばいいぞ <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/12/31(日) 00:04:28.49 ID:tFq+4OSd0<> >>988 感想ありがとうございます。以前から大人百合枠はどうしようかと結構考えていましたので……では、少し早いですが「よいお年を」という訳で投下していきます
<>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/12/31(日) 01:26:08.35 ID:tFq+4OSd0<> …提督の部屋…

提督「わ…お母さまったら、ローマに赴任する前のままにしておいてくれたのね……」


…家の二階にある小ぶりな自室は午後の明るい日差しをいっぱいに取り込み、クラウディアが少しだけ開けておいてくれた窓から涼しい海風がさーっと吹き込んでくる…窓からは花の咲き誇る庭と、木々の隙間から少しだけのぞく丘のふもとの街、そして西側に生えた庭木の間からは青くきらめく海が見える……白い壁紙が爽やかな感じを与える提督の部屋は、文庫本がいっぱい詰まった本棚と結構散らかっている小ぶりな机と椅子、それに薄桃色のタオルケットとボタニカル柄のシーツが敷いてあるシングルベッドが一つある…


提督「ふわぁ…」大きなあくびをしながら服を脱ぎ捨てると、ベッドに転がり込んでタオルケットをかけた…陽光に温められ、気持ちのいい太陽の匂いがするベッドに包まれると、あっという間に寝息を立てはじめた……


…しばらくして・客室…

クラウディア「それじゃあここにベッドが二つあるから、好きなように使ってね…一人は空き部屋に寝てもらうことになっちゃうけど、ベッドは同じくらい上等だから我慢してね♪」

シルヴィア「まぁ、順番にするとか、そこはやりくりしてもらえると助かるわ…あと、連れてきた犬は玄関脇に場所があるし、そこで寝てもらうから……ちなみにお手洗いはドアを出て左よ」

クラウディア「化粧室は下の階にもあるから心配しないでね…それと、何かあったら遠慮なくどうぞ♪」

シルヴィア「それじゃあ、ごゆっくり」

ライモン「……さてと、それじゃあ今日はどうしましょうか」

アッテンドーロ「そうね…一人はあぶれる形になるわけだけど……」

チェザーレ「ならチェザーレがそこに行こう。二人は姉妹なのだし、色々話したいこともあろう」

ライモン「いえ、でも…せっかく一緒に来て下さったチェザーレを……」

チェザーレ「そんな風にすげなく扱う訳には…か?」

ライモン「はい…何しろわたしから一緒に来てほしいとお願いしたわけですし……」

チェザーレ「なに、遠慮することはない。別に寝台がないわけではないのだ」

アッテンドーロ「そうね…どうせだから、チェザーレもここで寝たら?」

ライモン「え…でもこの部屋だと、ベッドは二つしか入りませんよ?」

アッテンドーロ「何言ってるのよ、姉さん……姉さんは提督の部屋で寝ればいいじゃない♪」

ライモン「もう…ムツィオったら何言ってるの///」

チェザーレ「なるほど、うまい考えだ…ではそう言うことにしよう♪」あっさりそう言って旅行カバンをベッド脇に置いた

アッテンドーロ「決まりね…それじゃあ姉さん、提督と一緒に昼寝を楽しんでいらっしゃい♪」…化粧台の前で結い上げていた髪を解くと服を着替え、ベッドに転がり込むと「うーん」と大きく伸びをした…

ライモン「も、もう…///」


………

…しばらくして…


ライモン「…提督、お邪魔します……」小ざっぱりしたワンピースに着がえ、いつもは高めのポニーテールにまとめている髪をほどいたライモンが、そっとドアを開けた…

ライモン「わ、可愛いお部屋ですね……」


…提督の部屋にそっと入ったライモンは、静かに辺りを見回した……本棚に、数冊の本やノートが放り出してある机、花柄のクッションが載せてある椅子…壁には花束を描いた小さな絵が掛けてあり、ベッドの脇にはぬいぐるみもいくつか置いてある……そして長い髪をベッドにふんわりと広げ、ふっくらとした白い胸をゆっくり上下させて眠っている提督……暑かったのか、薄いタオルケットはへその辺りまで払いのけられている…


ライモン「もう…いくら暑いからってそんな恰好で寝ていたら、風邪を引いちゃいますよ……」そっと足元の方に近寄り、掛け直そうとタオルケットを持ち上げた…

提督「うーん…むにゃ……」ごろりと寝返りをうち、すべすべのお腹とむっちりしたふとももをライモンの目にさらす提督……

ライモン「うわ…///」同時に秘所の柔らかな産毛がきらきらと日差しに照らされ、思わず生唾を飲む…

ライモン「……ちょっとだけなら、いいですよね///」ふわりとタオルケットを掛けるとそっと提督に顔を近づけ、ぷるっと瑞々しい桃色の唇に自分の唇を重ね合わせた……

……… <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/12/31(日) 02:08:44.31 ID:tFq+4OSd0<> …しばらくして…

提督「うーん、気持ち良かったわ……って、あら…?」

ライモン「すぅ…すぅ……」膝立ちのような状態でベッドに頭を乗せ、穏やかな寝息を立てている…

提督「ライモン、タオルケットを掛けてくれたのね……ちゅっ♪」

ライモン「んぅ…って、提督っ……」

提督「あら、おはよう…ありがとう、わざわざ様子を見に来てくれて」

ライモン「あぁ、あのっ…その///」

提督「いいのよ……来てくれて嬉しいわ♪」

ライモン「て、提督…」

提督「…ねぇ、ライモン……せめてここでは階級抜きにしましょう?」

ライモン「あの…それって……///」

提督「ええ…「フランチェスカ」って呼んでほしいの…♪」

ライモン「///」

提督「…だめ?」

ライモン「……ふ、フランチェスカ///」

提督「なぁに、ライモン♪」

ライモン「うぁぁ、これ……は、恥ずかしいです///」

提督「んー、私は嬉しいけど…そうね、ずっと言っていれば慣れるんじゃないかしら」

ライモン「いえ…とても、そんな……もう、心臓がどきどきして///」

提督「本当?…なら確かめてあげるわね♪」ライモンの背中に手を回し、目をつぶって胸に耳を当てる提督…

ライモン「あっ、あっ…///」

提督「本当だわ…ライモンの胸、すごくどきどき鳴ってるわ……でもね」

ライモン「…?」

提督「…私の胸も、同じくらい高鳴っているのよ……♪」ライモンの頭を軽く押さえると、ぎゅっと胸に抱き寄せた

ライモン「あ…///」

提督「ね?」

ライモン「はい…とっても激しい鼓動の音がしていました///」

提督「ふふ、こんなにときめいているのは……初めてかもしれないわ♪」

ライモン「…フランチェスカ///」

提督「…ライモン♪」

ライモン「キス…しませんか?」

提督「ええ…嬉しいわ///」

ライモン「ちゅっ……ん…ふっ///」

提督「んっ…ん、ちゅっ……んふっ…んぅ♪」

ライモン「んっんっ、んっ……ん、はぁ///」午後の日差しに照らされ、二人の舌から伸びた銀色の糸がきらりと光り…ぽとりと垂れた……

提督「ふふっ…この休暇の間、いっぱい愛し合いましょうね……ライモン♪」

ライモン「はい…フランチェスカ///」

……… <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/12/31(日) 02:19:10.62 ID:tFq+4OSd0<> …ずいぶん時間がかかりましたが、これでいったん区切りと言うことにして、続きは次のスレを立てますのでそこから行っていきます……本当は提督の夏季休暇明けくらいから次に入れればよかったのですが、だいぶ目算を誤りました…

何はともあれ、つたない初SSながらご覧になって下さったみなさま、ありがとうございました <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2017/12/31(日) 02:34:37.67 ID:tFq+4OSd0<> …せっかくですので、本編ではやれなかったので小ネタを一つ……


コブラ「…南イタリアにタラントって言うでーっかい軍港がある。そこの外れにある鎮守府に赴任することになった一人の女提督さんだが、何とまぁ在籍しているのは可愛い女の子ばっかりときた!」

コブラ「小さい女の子から妙齢のご婦人までよりどりみどり……毎日甘い生活を送ってきて、とうとう夏休みになっちまった提督さんだが、実家にも女の子を連れ込んで、毎日毎日キスの雨…かぁー、うらやましいねぇ」

コブラ「ところがどっこい、そんな甘い生活に迫りくる暗い影があったってわけだ…」

コブラ「…次回、「提督に迫る深海の影」……タラント鎮守府で、また会おう」

<> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/31(日) 20:33:43.11 ID:vMi1XhIdo<> 良いお年を <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/01(月) 10:41:05.43 ID:0jEIxkbdo<> あけおめことよろなのですよ <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2018/01/02(火) 00:42:56.37 ID:nkom9ZfR0<> >>994 

>>995

遅くなりましたが、まずは明けましておめでとうございます♪…立てただけの次スレにもそろそろ投下しておくので、よかったら見ていって下さい


……とりあえずお正月なので「何かそれらしいことを」と思ったのですが…おせちに入っている「ニシンの昆布巻き」を持て余してしまったら、ほぐして温かいご飯にのせて、すり胡麻やみつば(お雑煮になどにいれたものの余ってしまった分)などをパッと散らし、熱いお茶(お出汁でも可)などをかけていただくと、なかなかステキなお茶漬けになったりします…お夜食やお酒の後の一品にどうぞ



何はともあれ、本年も皆さまが健康でよい百合に出会えますよう…♪ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage saga<>2018/01/03(水) 09:10:07.53 ID:X65dTUcmo<> 次スレ

イタリア百合提督(その2)「タラントに二輪の百合の花」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/ <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2018/01/03(水) 23:58:30.81 ID:uFND3CJ90<> >>997 貼って下さって助かります、やり方がよく分からないもので……


…ちなみに次スレではライモンとえっちしたり、チェザーレとまぐわったり、ムツィオといちゃいちゃしたりする予定です……他にクラウディアとシルヴィアの大人百合なども計画中です、少し時間がかかりますがちゃんと投下しますのでお待ちください… <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/04(木) 00:28:51.43 ID:bkbnDdZGo<> ママ百合を待機してます <>
◆b0M46H9tf98h<>sage saga<>2018/01/07(日) 00:52:47.79 ID:awA39HyH0<> >>999 受け付けたリクエストは基本全部やるつもりですから、次スレをぜひどうぞ…


…初ssで何かとまどろっこしい所も多かったにもかかわらず長々とお付き合い下さったみなさま、改めてありがとうございました……大変大仰な意見ですが、願わくばこれが150年を超える長きに渡る日伊の友好親善と、イタリア海軍への理解……そして、いくばくかの百合成分の補給につながってくれたならと思います


それでは、また次スレでお会いしましょう…チャオ♪ <> 1001<><>Over 1000 Thread<>               | ///////i!、\ \ ヽ
   、 ,          |/// / ツ/// /i 1!、 \ ヽ ヽ
  エIIエ ふ イ 大. お  |// //// // /.| ||i;゛、   ヽ ヽ  、
  .Eヨ     | .申 , れ  .|/ /リ{ {{{{// / i | ||i .!ヾ   ヽ `、 ヽ
           ̄    |.//{ Y'''''/ /ノ |.|!||! 、i ヽ    `、 、
  、 ァ .つ | 十    |///| { ,,;;;;i :: |.|ii ii、 i  !    i  i
  ┐用 .う  .レ.cト、   |シ从|.|,,,;;;" ̄~"|.|.ii ヾ、、 ヽ    i  i|
  ~ー‐ 、、    、、  |//i、.|| ii!' ,,, -‐.|.| 乂 \  \   i
  ┼ __  -|―|‐    |i i.i|. r| li!く  ゚ |ト /  i;; \  \  i
  ノ 、__   !_    | ii ||/"| l!`ミニ=ニ||'  /;;;;;: \  `、、_
              { |、{{..(| ll! i!;;;;;;; /|  '、:::...:  \  `ー-
   |-    /       | i!|1ト、|lili! !;;;;;;;/ .!  ii|il= il!   .` ー
  .cト、   /⌒し    |!i从/i∧i! i::::    ili!'__iI!--―'' ナ`-ト
          、、   |/いi|l!∧ ::  ー'''''二 ==--一"ヲ/  ||
    O  -|―|‐    .|./i i i|/∧ : :: ヾ-'"        / ;;;::リ'
         !_       | .|/i i!!リi ヽ:: :: ::|li、´ ̄ ̄ ̄ ̄ン ;;;: /
               | .i! i| /i| |、ヾ、.ィi' Tー-―テI|、  ;/:::
        /      |  /リ、| | ||.\i! l! ー‐キil!:::|/::::::::_
        /⌒し    |/ / i!.!;!ii|| |!::::` 、i!  " リ:/-‐''' ̄      SS速報VIP(SS・ノベル・やる夫等々)
              /   .ノ  i! !/:::::::::: へ=-‐'´           http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/

<> 最近建ったスレッドのご案内★<><>Powered By VIP Service<>善子「曜さんって千歌さんのこと好きなの?」 曜「えっ」 @ 2018/01/06(土) 23:42:54.09 ID:DbW43PWa0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1515249773/

ふりーっぴ @ 2018/01/06(土) 23:36:13.63 ID:HVxnjAAPo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1515249373/

【新年明けて】ここだけきのこたけのこ大戦 会議所★143【規制も復活】 @ 2018/01/06(土) 23:29:52.91 ID:jujlEEO0o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1515248992/

【モバマス】カップケーキ @ 2018/01/06(土) 22:48:28.24 ID:ltky78oY0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1515246507/

お休み処-青葉- @ 2018/01/06(土) 22:23:43.00 ID:H0i00YYTo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1515245022/

【ラブライブ】真姫「その罪は何色か」【仮面ライダーW】 @ 2018/01/06(土) 22:03:45.99 ID:fXm7gmSo0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1515243825/

モバP「金持ちは異性にモテるらしい?」 @ 2018/01/06(土) 21:48:49.44 ID:waZz0QCDO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1515242929/

モバP「枕営業...?」 @ 2018/01/06(土) 21:47:40.58 ID:wwPaZmVS0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1515242860/



VIPサービスの新スレ報告ボットはじめました http://twitter.com/ex14bot/
管理人もやってます http://twitter.com/aramaki_vip2ch/
Powered By VIPService http://vip2ch.com/

<>