◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/10(日) 18:22:34.45 ID:24rAXT9Fo<>このスレは安価で

乃木若葉の章
鷲尾須美の章
結城友奈の章
―勇者の章―

を遊ぶゲーム形式なスレです


目的

東郷家、犬吠埼家への挨拶
伊集院家の説得
勇者部による演劇(文化祭)
元気な子供



安価

・コンマと選択肢を組み合わせた選択肢制
・選択肢に関しては、単発・連取(選択肢安価を2連続)は禁止
・投下開始から30分ほどは単発云々は気にせず進行
・判定に関しては、常に単発云々は気にしない
・イベント判定の場合は、当たったキャラからの交流
・交流キャラを選択した場合は、自分からの交流となります


日数
一ヶ月=2週間で進めていきます
【平日5日、休日2日の週7日】×2
基本的には9月14日目が最終


戦闘の計算
格闘ダメージ:格闘技量+技威力+コンマ-相手の防御力
射撃ダメージ:射撃技量+技威力+コンマ-相手の防御力
回避率:自分の回避-相手の命中。相手の命中率を回避が超えていれば回避率75%
命中率:自分の命中-相手の回避。相手の回避率を命中が超えていれば命中率100%
※ストーリーによってはHP0で死にます


wiki→【http://www46.atwiki.jp/anka_yuyuyu/】  不定期更新 ※前周はこちらに

前スレ
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【一輪目】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1464699221/
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【二輪目】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1468417496/
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【三輪目】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1472477551/
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【四輪目】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1477053722/
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【五輪目】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1481292024/
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【六輪目】
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【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【七輪目】
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【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【八輪目】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1491918867/
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【九輪目】
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【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【十輪目】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1499086961/
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【十一輪目】
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【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【十二輪目】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1507900727/<>【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【十三輪目】
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/10(日) 18:44:44.33 ID:24rAXT9Fo<>
√9月13日目 昼(病院) ※土曜日


お昼になって、予定通り友奈に会いに行こうという話になる頃、

丁度病室を訪れた芽吹は、少し神妙な面持ちで一礼すると、

天乃のベッド脇まで近づく

「結城さんに関してですが……少し、問題が」

天乃「問題?」

東郷「友奈ちゃんがどうしたの……っ?」

強い不安を感じる東郷の声を背中に受けながら

芽吹は天乃を真っ直ぐ見つめる

不安と迷いのある瞳

少しの問題と言ったのだから

大したことではない可能性もあるが、

そうでありたいという願望でもある気がして

天乃「なに?」

天乃が問いかけると、芽吹は一息ついて――

「結城さんには一部、記憶の欠損が見受けられました」

夏凜「記憶の……? 満開してないのに?」

「医師が言うには、頭部を強く打ったことによる外傷性の記憶障害だと」

風「治るの?」

「時間はかかる可能性はありますが、問題なく戻るだろうと」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/10(日) 18:57:51.51 ID:0lE1zYM3O<> たて乙 <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/10(日) 19:00:20.99 ID:24rAXT9Fo<>
きっと治るだろう

その言葉を聞いて一安心と言った空気の流れる病室

しかし、サポート役であるはずがサポートできていなかった

そこに苦悩しかけていた東郷をまた、強く責めるには十分で

樹「東郷先輩」

東郷「っ」

樹「友奈さんなら大丈夫です」

強く握られていた手を、

隣のベッドを使う樹は優しく包みながら、声をかける

樹「みんな頑張って、その結果なんです……自分だけがもっと頑張ればよかったなんて。思わないでください」

みんな頑張る必要があった

この程度で大丈夫だろうという手加減をしていたつもりはなかった

全力で戦っていた

けれど、その全力自体があの戦いにおいては力不足だったのだ

努力が足りていなかったのだ

東郷一人が背負えば良い問題では、無い

東郷「樹ちゃん……」

風「そーよ、東郷。自分が。なんて思っちゃダメ」

夏凜「むしろ、友奈が嫌がるでしょ。自分のせいで東郷さんが……とか」

ほんと面倒くさい人間の集まりなんだから。と

呆れた夏凜のつぶやきに、みんなが「夏凜も面倒くさい」と袋叩きにする <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/10(日) 19:10:36.53 ID:24rAXT9Fo<>
園子「それでぶっきー」

「ぶっきーとは呼ばないでくださいと……」

反抗しかけた芽吹だったが、

園子のお茶目な笑みには何も言うまいと、

首を横に振って切り替えて

「なんでしょう?」

園子「結城さんの記憶障害って、どんな感じなの?」

沙織「重要な所だよね、それ」

どんな記憶を忘れてしまったのか

自分の名前から始まり、今自分の置かれている状況

その中に含まれる何を喪失してしまったのか

それによっては、接し方も大きく変えなければならない可能性があるのだ <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/10(日) 19:12:52.33 ID:24rAXT9Fo<>
↓1コンマ

1最低  0最大
1(軽度)→0(重度) <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/10(日) 19:14:19.85 ID:0lE1zYM3O<> あ <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/10(日) 19:49:41.82 ID:24rAXT9Fo<>
「結城さんが喪失したのは勇者としての自分です」

天乃「え……?」

「ただの讃州中学2年の学生であり、奉仕部。通称勇者部の部員。それが、覚えていることです」

勇者として何をしてきたのか

どんな目に遭ってしまったのか

その何もかもがすっぽりと抜け落ちてしまっているのだと芽吹は言う

夏凜達との関係も覚えている

だが、それは勇者部の仲間であり

天乃の恋人であるということだけ

それは……

樹「……難しいですね」

風「樹?」

樹「だって、お姉ちゃん。勇者としての記憶は良いことばかりじゃない」

それならさ。と、

樹は躊躇いがちに紡いで

樹「無理に思い出させなくてもいいような気もする……」

東郷「でも……それだって友奈ちゃんの大切な記憶よ?」

夏凜「それもそうだけど、樹にも一理ある。私達との関係に支障があるって言うなら話は別だけど……」

戦いももう終局が近づき

もしかしたら前回で片付いた可能性さえある現状

本当に思い出させた方が良いのか。

皆は、どうするべきか迷い始めていた <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/10(日) 20:08:15.40 ID:24rAXT9Fo<>
沙織「でも、結城さんは自分の記憶を忘れたままで良いって言うのかな?」

思い出させない話で進めた場合、

記憶がないことに関してははぐらかすことになるし

戻り始めたらまた、そこで対策を練らなければいけなくなる

沙織「楠さん、結城さんの記憶はちゃんと戻るんだよね?」

「はい、その可能性は高いです」

もちろん、戻らない可能性もあるにはあるが

心因性のものならばともかく

外傷性のものであるのであれば、本人が忘れたい。という制限をかけていない分

思い出せる可能性は高くなってくる

沙織「ということだけど、それでも思い出させない方が良いの?」

風「思い出さなくても良いんじゃないかって話よ?」

沙織「分ってる。だから、その方向で話すのならあたしの力を使うつもりでいてね? 完全に思い出せなくするから」

天乃「沙織!」

沙織「そう言う話で進めるなら……だよ。あたしも忘れられるなら忘れて勇者から離脱して欲しいって少し思うんだ」

天乃「……なんで?」

沙織「そしたら、結城さんだけは何があっても久遠さんの隣に居られるからだよ」 <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/10(日) 20:24:19.39 ID:24rAXT9Fo<>
天乃「そう言う意味で聞いたわけじゃない」

沙織の言葉に天乃は悲し気に首を横に振って呟く

そう言った理由は分かっている

けれど、そう言った意味が分からないからだ

天乃「なぜそんなことを考える必要があるの?」

沙織「久遠さんだって知ってるはずだよ」

友奈達が戦いに勝利しているのだとしても

それは結局、その場しのぎをクリアしたというだけで

何の解決にもなってはいない

それゆえに

友奈達が必ずしも再召集を受けるという確証はどこにもないが

そうならない可能性もまた、否定は出来ない

そうなった場合、神樹様の力が弱まりつつある今

勇者たちがまた不死ではなく死に至る戦いに赴かなければいけない場合もあるのだ

沙織「皆いなくなっちゃったら嫌でしょ?」

天乃「こ、ここまで来てよく……よく、そんなこと……っ」

不安定な感情にさいなまれ、声が、震えた


1、そんなこと二度と言わないで
2、そんなことにならない……そうでしょう?
3、それはそうかもしれない……けど、だからって友奈をそこに宛がう必要はないわ
4、友奈の意思が必要でしょう?


↓2 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/10(日) 20:27:34.94 ID:u5Xv7ZCJ0<> 1 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/10(日) 20:28:12.11 ID:0lE1zYM3O<> 4 <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/10(日) 20:39:45.70 ID:24rAXT9Fo<>
感情に身を委ねて叫ぶ

そうしてしまいそうな不安定な感覚を覚えた天乃は

口を閉ざして目を瞑ると、

深く息を吐いて、沙織へと目を向ける

怒りこそ沈静化しているがその視線はとても鋭い

天乃「仮に、そうだとしても友奈の意思が必要でしょう?」

沙織「……そうだね」

友奈の記憶の有無に関わらず

その記憶がどんなものであるかを友奈自身に知らせて

そのうえで、忘れてしまうかどうかを選択をさせるべきなのだ

沙織「そうだね……自分たちがどうこう言う話では、無いね」

園子「そうだね〜……こうするべきだって勝手に決めて何も知らせないのは大赦と一緒だよ」

夏凜「また屈辱的なことを……」

風「ま、そうなったら友奈が何を言うかなんて、あたし達には分り切ってる話よね」

暗い空気感の薄れる気配がなかった病室に、

風は明るい声を響かせて、笑う

風「要するに、悩むだけ無駄無駄! あーほんとバーテックスってやつは!」

樹「お姉ちゃん……」

風「そうと決まったら早速、お見舞いに行こうじゃないの!」

夏凜「ったく……。無駄に大声で言わなくていいっての!」 <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/10(日) 21:10:52.92 ID:24rAXT9Fo<>
「ですが、流石に全員をお連れすることはできません」

風「えっ」

沙織「だよね」

園子がいるから。という問題ではない

皆が自力で行動できるのならばともかく

そうではなく補助や経過観察を必要とされている状態の人がいる為

流石に全員でどうぞ。と言うわけにはいかないのだ

「ですので、二名でお願いします」

園子「じゃぁ、私と天さんで〜」

「すみませんが、乃木様は不可能です」

園子に対して辛辣にも率直にお断りをした芽吹は、

疲れたのかため息をついて、天乃達へと目を向ける

風「友奈が一番気にしてる……と思われるのは天乃だろうし、天乃は行くべきよねぇ」

夏凜「ならもう一人は東郷?」

東郷「良いの?」

樹「友奈さんと言えば、久遠先輩か東郷先輩かと」

風「夏凜ちゃんも立候補しても良いのよ〜?」

夏凜「私は良いっての……」

沙織「でも、三好さんのことも心配してると思うよ。特に、あんな状況だったわけだしね」

夏凜「それは……」


1、そう言うことなら、夏凜も来た方が良いんじゃない?
2、分かった。じゃぁ、夏凜が無事なことも報告してきてあげる。それで良いのね? 夏凜


↓2 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/10(日) 21:17:32.33 ID:u5Xv7ZCJ0<> 1 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/10(日) 21:18:27.91 ID:NAx0MnCUO<> 1 <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/10(日) 21:39:54.36 ID:24rAXT9Fo<>
天乃「そう言うことなら、夏凜も来た方が良いんじゃない?」

夏凜「けど」

東郷「大丈夫だから行ってあげて、夏凜ちゃん」

夏凜「東郷……」

東郷「隣で戦ってた夏凜ちゃんの事、きっとすごく心配だったはずだから」

今の友奈にはその心配さえもないかもしれない

けれど、

記憶にはなくても心にはある。と言うのは

様々な場面で聞く話だから

風「友奈のために、行きなさいよ。夏凜」

夏凜「そんな大ごとみたいに言わなくても行くわよ」

事を大げさに感じさせるような風の言い方に

夏凜は呆れたように溢して東郷を見る

夏凜「東郷が良いなら行く」

東郷「ええ、よろしくね」

天乃「……3人」

芽吹「駄目です。手が回りません」

天乃「そう……残念ね」 <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/10(日) 22:55:12.66 ID:24rAXT9Fo<>
√9月13日目 昼(友奈病室) ※土曜日


天乃達の病室が特殊なだけだが

なんだか狭く見える一人部屋の病室の中に友奈はいた

友奈「久遠先輩! それに、夏凜ちゃんも!」

天乃「元気そうね」

友奈「えへへっ、ドジしちゃったみたいで」

夏凜「ドジって……けがは?」

友奈「大丈夫、まだちょっとぼおーっとするけど」

本当に軽いことをしてしまったかのように笑う友奈は

怪我をしたであろう場所を手で触ろうとして、苦笑する

友奈「ごめんなさい、心配かけて」

天乃「ううん、それは良いんだけど。どうしてこうなったとか、話は聞いてる?」

友奈「あ、はい……階段から落っこちちゃったって」

それは嘘だ

誤魔化しにもならない、嘘

夏凜「それで記憶喪失になった。と」

でも、なんで記憶喪失だって解ったのよ? と

夏凜は少し踏み込んだ質問を投げかけた <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/10(日) 23:17:38.19 ID:24rAXT9Fo<>
友奈「それは……この時どうしてたんだっけ……って思い出せないのがいっぱいあったから」

検査の時の質問

そこで答えられない質問や、

そこから派生した疑問に自分で答えを見つけられなかったのだと友奈は言う

友奈「ごめん」

夏凜「それがどういうものなのかは聞いてんの?」

友奈「勇者が云々って……勇者部の事だと思ったんだけど、違う?」

天乃「中途半端ね……」

大赦なのか、医者なのか

恐らくは前者関連の医者なのだろうが

友奈には中途半端に話をしただけでしかないらしく

友奈は困惑したように笑う

これでは思い出せないし、忘れられもしない


1、実はね、友奈は勇者なのよ
2、ねぇ、友奈。それが嫌な事、辛いこと、苦しいこと、怖いこと。だとしても……思い出したい?
3、九尾、手伝って


↓2 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/10(日) 23:18:25.44 ID:o226TfU10<> 2 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/10(日) 23:21:30.18 ID:H+zrpPA40<> 2 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/10(日) 23:25:13.84 ID:u5Xv7ZCJ0<> 2 <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/10(日) 23:33:24.44 ID:24rAXT9Fo<>
では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば少し早めの時間から



友奈「覚えてるのはそう……」

友奈「白玉のような柔らかくて白い……久遠先輩の胸だけ」

夏凜「全部覚えてるでしょ。それ」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/10(日) 23:35:08.10 ID:o226TfU10<> 乙
まあ恋人ってことは覚えてるから <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/10(日) 23:42:13.76 ID:2+OoZVieO<> 乙
目的が大量に増えただけでなく今回から説明が微妙にリニューアルされてて今後の展開も楽しみだ
一方、友奈ちゃんにとってはこちらでも試練の時が… <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/11(月) 15:08:52.06 ID:cd4urZrkO<> アニメの友奈が凄くヒロインしてるなと思ったらこのシリーズでは2年以上前にすでに通ってた道だった件
形こそ違えど原作に上手く合わせて先取りしてるな <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/11(月) 22:21:05.08 ID:JCpwTIPTo<>
では少しだけ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/11(月) 22:25:10.91 ID:vJIhm4ywO<> かもん <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/11(月) 22:28:05.02 ID:JCpwTIPTo<>
戸惑いの色を隠せない友奈に追い打ちをかけることになるかもしれない。と

天乃は少し悩ましく思いながら、友奈のことを見つめる

外傷性の記憶喪失であり怪我の具合は良くなってきているとはいえ、

想起させる発言が友奈の体にも影響を及ぼすことを危惧して、その反応を見逃さないために

友奈「そ、そんな見つめられると……恥ずかしいです」

夏凜「だってさ」

天乃「我慢して」

友奈「ぅ……はい」

真っ赤な表情で必死に顔を背けまいとしながら

時折視線を泳がせる友奈

慌てふためくその姿に夏凜は少し呆れ気味だったが、

天乃は変わらず真面目で

その表情が、雰囲気が、恋する乙女には強い刺激だった

天乃「ねぇ、友奈」

友奈「ひゃ、ひゃいっ」

天乃「もしも、それが嫌な事、辛いこと、苦しいこと、怖いことだったとしても、思い出したい?」 <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/11(月) 22:37:36.36 ID:JCpwTIPTo<>
夏凜「ちょっとストレートすぎるんじゃないの?」

友奈が驚いた表情を浮かべると、夏凜は不安そうに口を挟む

遠回りすることが正しいとは言わないが

多少はオブラートに包むべきだと夏凜は思う

天乃の言い方では、それが思い出さない方が良いような苦い記憶だと言っているようなものだ

友奈「良く……解らないですけど」

しかし、友奈は夏凜に大丈夫だと一言言うと、

天乃のことを見つめながら、口を開く

恐れてはいない。だが、慎重に

パンドラの箱を開けるか否か悩むように。

友奈「久遠先輩達は、それを知ってるんですよね」

天乃「ええ」

友奈「……だったら、思い出したいです」

天乃の肯定

そのたった一つの動作で、

友奈は笑みを浮かべながら、自分の選択を口にする

それ以外にはあり得ない……その意思のある瞳で。 <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/11(月) 22:45:16.77 ID:JCpwTIPTo<>
夏凜「本当に良いの? 忘れた方が幸せかもしれないわよ?」

友奈「うん……そうかもしれない。けどね、夏凜ちゃん」

夏凜「……」

友奈「みんなが抱える嫌な記憶を自分だけ忘れるなんてこと……勇者は絶対にしないと思うんだ」

夏凜「勇者って……」

友奈「それに、久遠先輩と一緒になるときに決めたから。どんなことがあっても、何があっても私は久遠先輩の傍にいるって」

ここで道を外れたら

辛くとも大切な記憶を忘れてしまったら

その自分との約束でさえ、守れなくなるから

友奈「だから、思い出す。思い出したい……全部を知ったうえでちゃんと……久遠先輩と付き合っていきたいから」

夏凜「そ、なら。仕方がない」

友奈が思い出さない選択をすることはないと分かっていた

けれど

その考えに至る友奈の心を聞いて、夏凜は諦めたように笑う <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/11(月) 22:51:18.45 ID:JCpwTIPTo<>
天乃「……わかった、なら頑張って思い出しましょう」

九尾や沙織の力を用いれば簡単に記憶を入手することはできるかもしれないが

少しずつ治っていっているような状況で

いきなりすべての記憶を植え付けるとなると

それこそ、記憶に障害が残る可能性があるのだ

友奈「はいっ」

夏凜「それじゃ、友奈も私達の方に移すのよね?」

「問題がないようであれば、そうなります」

友奈「夏凜ちゃん達の方?」

夏凜「まぁ、なんていうか……その嫌な記憶の部分。言っちゃえば勇者としてのことで皆、けがとか色々」

そう言うわけで入院中だから、

友奈もその病室に移動するのよ。と

夏凜は芽吹よりも先に説明して、息をつく

友奈「怪我……大丈夫なの?」

夏凜「平気。樹はまだちょっとあれだけど……なんとかね」

天乃「……私もいるわよ」

友奈「久遠先輩も……? あ、子供のことでですか?」

天乃「そう。正解」

友奈「えへへ……元気な子供が産まれると良いですね」 <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/11(月) 22:57:21.89 ID:JCpwTIPTo<>
産まれるのはもう少し先の話になってくるだろうが

それでも、友奈はその時を見据えながら

天乃の腹部に優しく手を宛がって……撫でる

友奈「なんだか少し、大きくなった気がします」

天乃「そうかしら? そんな気は、全然」

友奈「前にエッチした時に触った時と少し違うので。多分ですけど」

夏凜「なるほど」

天乃「何がなるほどなのよ。なにが」

いや、別に? と

恍けて見せる夏凜に、天乃は何なのよ。再度問うと

夏凜は「友奈もよくしてんのね」と、

少しだけ、羨ましそうに答えた
<>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/11(月) 22:58:46.99 ID:JCpwTIPTo<>
√9月13日目 夕(病院) ※土曜日

01〜10 
11〜20 大赦
21〜30 
31〜40 
41〜50 若葉
51〜60 
61〜70
71〜80 千景
81〜90
91〜00 風

↓1のコンマ  <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/11(月) 23:00:26.46 ID:vJIhm4ywO<> あ <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/11(月) 23:06:42.20 ID:JCpwTIPTo<>
ではここまでとさせていたdきます
明日もできれば通常時間から


若葉「天乃……帰ったぞ」

天乃「若葉……もう怪我は大丈夫なの?」

若葉「そうじゃないだろう!」バンッ

天乃「はいっ!?」ビクッ

若葉「帰った。と言われたらお風呂か食事か天乃だろう!」

若葉「そして当然、私は天乃をいただこう!」ドヤッ

園子「わーアグレッシブだ〜」

夏凜「とりあえず、一発殴るわ」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/11(月) 23:18:39.70 ID:vJIhm4ywO<> 乙
そういや若葉たち久々だな
のわゆ勢はここまで出てこれないぐらい深手を負ってたのだろうか <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/11(月) 23:19:35.70 ID:RNi7Rfgd0<> 乙
これで嫁は全員集合かな? <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/12(火) 00:36:34.85 ID:+grmUpn00<> 乙
園っちとも恋人になって若葉ちゃんも帰って来たし
これで晴れて親子丼ならぬ祖先子孫丼が <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/12(火) 11:03:46.02 ID:CxhTeCEr0<> 姉妹丼と旧勇者部丼もあるぞ
特に姉妹丼は約束もあるしはやくしなくちゃ(使命感) <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/12(火) 15:23:13.68 ID:1GzEuHWJo<> そういえば精霊居るのに樹が開放骨折までいったのって
まるで二期の風先輩のような… <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/12(火) 21:51:39.87 ID:8j4T4/gdo<>
では、少しだけ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/12(火) 22:01:03.58 ID:sgYfZ+AeO<> 来てたか <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/12(火) 22:16:11.57 ID:8j4T4/gdo<>
√9月13日目 夕(病院) ※土曜日


夕方になって友奈の移動が終わり、

唯一空白だった東郷の対面にあるベッドに友奈が収まる

目を向ければまだ、痛々しさを感じる部分はあって

事情を聴いただけの友奈はとても心配そうだったが

一番重い怪我を負った―目に見える部分だが―樹は「大丈夫です」と

友奈に対して笑みを浮かべる

下手に動かせば痛みはあると樹は言うが、普通にしていれば問題ないらしい

東郷「でも、それなら樹ちゃん……出来ないんじゃない?」

風「なーに言い出すのよこの東郷淫らさんは」

東郷「誤解です風先輩! これはただ樹ちゃんを心配して……」

夏凜「目があわよくば代理にって言ってたんだけど」

友奈「東郷さん好きだもんね」

東郷「友奈ちゃんまで……!」

また少しだけ、病室が賑やかになっていく

友奈一人増えただけ。

けれど、増えたからこそ明るさは広がり色づく

若葉「……賑やかだな」

天乃「えっ?」 <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/12(火) 22:30:10.66 ID:8j4T4/gdo<>
若葉「少し遅くなった。大事無いようでなによりだ」

どこからともなく姿を表した若葉は、

天乃の身体を上下見渡して安堵の息を吐くと

共に戦った勇者達へと目を向けて笑みを見せる

天乃「若葉……もう、大丈夫なの?」

若葉「精霊だからな。勇者よりも傷の治りは早いんだ……それでも、ここまでかかってしまったが」

触れたりなんだりと、

普通の生身の肉体のように接したりすることが出来る若葉達だが

精霊として存在しているため、どちらかと言えば霊体が近いのだ

怪我をしたりとダメージを負うことはあるが

例え腕が吹き飛んだりしても、天乃の力があれば復帰することはできる

全身が燃え尽きたりしても、天乃の力があれば回復することが出来る

もちろん、それにも限界はあるし

沙織や歌野のように、自らの力を行使しての消滅という場合には

天乃の力があればいいというわけではなく、どうしようもない <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/12(火) 22:46:34.27 ID:8j4T4/gdo<>
若葉「心配させてすまなかった」

天乃「ううん、無事なら良いのよ。無事なら」

夏凜「若葉は最前線だったから吹っ飛ばされてたけど」

若葉「バーテックスと戦っている最中にそれごと砲撃に貫かれたんだ……躱せるわけがない」

天乃「そんなことがあったの……?」

確かにバーテックスにも無限―限度はあるかもしれないが―に回復できる力が備わっており

仲間意識を持たないのだとしたらそう言った自爆特攻的な戦い方も出来るだろう

天乃「……嫌な戦い方だわ」

回復できる味方を撃てば勇者を倒せる

そこで迷わず撃つのがバーテックスと言うことだ

若葉などの近接戦に特化した勇者からしてみれば

バーテックスは目の前にそびえたつ壁のようなもので

それ以外の物は視界に入らないのだ

ましてや、その背後のなにかなど。

園子「あの時の戦い方だね」

天乃「そうね……」

銀を失う切っ掛けとなった第一射

それも別のバーテックスを囮のように扱った戦い方だった <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/12(火) 22:58:11.11 ID:8j4T4/gdo<>
夏凜「まぁ、精霊の守りもあるから、若葉達は危ないけど私達は問題ないのよね」

風「いや、問題はそこでしょ」

夏凜「それとこれとは話が違うけど……違いない」

樹「精霊の存在があってなお、私達はここまでの怪我をしちゃったんですよね」

東郷「……そうね」

バーテックスの攻撃

その激しさが増したというのもあるのかもしれないが

それだけではない可能性があると、東郷は呟く

東郷「精霊……ううん、神樹様の力が弱まっているんだわ」

ただでさえ限界が近づいていると言われている中

連戦に次ぐ連戦

勇者として戦うために引き出されるその力、傷つく樹海

神樹様を通して行使されている精霊の力が弱まっていくのも無理はない

園子「流石にこれは仕方がないことだよね……神樹様も大赦も。責めるわけにはいかないよ」

若葉「そうだな、最低限の補助で自分達がどれほどやっていけるか……だな」 <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/12(火) 23:07:33.70 ID:8j4T4/gdo<>
天乃「ねぇ若葉、千景たちは大丈夫そう?」

若葉「ああ、出てくることも出来ると思う……ただ」

何かを言いかけた若葉は一瞬言葉に詰まったように息を呑んだが、

隠すことではないと判断したのだろう

不安を感じる瞳で天乃を見つめた

若葉「藤森さんが不安定で、歌野が傍についてる状況だ」

天乃「やっぱり、沙織と似たような感じなの?」

若葉「生身の人間でもある沙織と違い、藤森さんは精霊でしかないからな。その影響は強いらしい」

天乃「そう……流石に藤森さんに私がしてあげるわけにもいかないわね……」

その点は歌野に話せば何とかしようとしてくれるかもしれないが。


1、私の体についてはもう、話は通ってる?
2、若葉……大赦が壁外調査をする予定らしいの。付いてあげることってできる?
3、若葉もこの病室に入る?
4、藤森さんと歌野に話しておくこと出来る? それとももう通ってる?


↓2
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/12(火) 23:08:25.22 ID:+grmUpn00<> 4 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/12(火) 23:08:41.55 ID:CxhTeCEr0<> 3 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/12(火) 23:08:54.55 ID:oBhf20Wx0<> 1 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/12(火) 23:12:48.84 ID:sgYfZ+AeO<> 2 <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/12(火) 23:37:09.25 ID:8j4T4/gdo<>
では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


天乃「若葉もこの病室に入る?」

若葉「良いのか?」

若葉「だが、ベッドが……」

園子「ご先祖に添い寝されてみたいな〜」

若葉「そ、そうか……?」

<> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/12(火) 23:42:44.66 ID:CxhTeCEr0<> 乙
日替わりで添い寝する若葉さん… <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/12(火) 23:47:19.85 ID:sgYfZ+AeO<> 乙
こうして見るとみーちゃんの事とか調査の件とか色々問題が山積みになってきたなあ
何とかしてやりたいけど一体どうすれば… <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/13(水) 12:25:09.83 ID:kqifUEhLO<> ふと思ったんだが今の久遠さんは神樹のことどう思ってんだろう?
当初は大赦同様に恨みがあったような気がするけど <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/13(水) 22:25:57.39 ID:BSIem6KGo<>
では少しだけ <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/13(水) 22:29:18.38 ID:BSIem6KGo<>
天乃「ところで、若葉もこの病室に入る?」

若葉「そもそも私達精霊は普段、姿を見せていないだけで、この中にいるぞ」

天乃「それは分かってるわ。そうじゃなくて、姿を見せたままって話」

精霊として、目に見えない空間に存在しているため

わざわざ姿を見せたまま病室にいる必要はないのだが、

若葉も恋人の一人

皆がいる場所にいるのも悪くはないはずだ

若葉「私は本来いないはずの存在だからな……」

天乃「駄目なの?」

若葉「駄目というわけではないが、ここのベッドだって、8人分だろう?」

若葉が増えたら必要数は9人分だが、それが入る余地はない

姿を見せてここにいるということに関しては

そもそも学校にだって姿を見せているのだから

この狭い病室―学校と比べれば―ならさほど問題の無い話だ

問題は寝る場所がないという点だ

もちろん、夜は姿を消せばいいだけではあるが

天乃はもちろん、そう言う話をしているわけではないはずで

若葉「寝る場所はどうしたらいい?」
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/13(水) 22:29:23.05 ID:JAXtQOyxO<> よしきた <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/13(水) 22:41:54.08 ID:BSIem6KGo<>
夏凜「天乃と寝ればいいんじゃないの?」

天乃「どうぞどうぞ」

若葉「ほ、本気かっ?」

ぽんぽんっとベッドを叩いてみせる天乃に、

若葉は照れくさそうに声を上げて目を向ける

冗談半分、本気半分

天乃からしてみれば、何度か一緒に寝た経験もあるし、

今更恥ずかしがるようなことでもないのだけれど

若葉としてはやはり羞恥心の擽られる部分なのだ

若葉「本気なのか……本気か、そうか……」

園子「目の前でご先祖様がご先祖様から奪われていく〜」

東郷「嬉しそうね、そのっち」

風「あたしだったら状況が特殊すぎて付いていけないわ」

樹「園子さんは強いから」

そう言う問題ではないような気がしたが、

友奈は笑って誤魔化して、みんなの方へと目を向ける

友奈「誰か一人が久遠先輩と寝て、余ったべッドを若葉さんが使うのはどうかな?」 <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/13(水) 22:48:53.49 ID:BSIem6KGo<>
風「あーそれいいわね。採用」

夏凜「即決にも程があるんじゃないの? 園子はどうするのよ」

園子「目の前で繰り広げてくれればそれで〜」

夏凜「少しはブレなさいよ!」

東郷「そのっちはマイペースだから」

樹「でも、今回は私とお姉ちゃんの二つ空くよ?」

園子「けど、3人は無理だから一人自分のベッドになっちゃうかもよ〜?」

その園子の一言が空気を変えた。

賑やかでのどかだった雰囲気はピシリと鞭を打たれたように静まり返り、

樹と風の目が合う

園子「仁義なき女の戦いが始まりそう」

風「妹とて、手は抜かないわ」

樹「あとで手を抜いたって言い訳はダメだよ? お姉ちゃん」 <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/13(水) 23:00:28.00 ID:BSIem6KGo<>
一触即発にも感じる危険な空気

見詰め合う樹と風は互いを牽制し、余裕を見せるかのように笑みを浮かべる

何が起こるのかとあたふたする友奈には

東郷が「大丈夫よ」と優しく声をかけて

樹「どうするかは、分かるよね?」

風「ふんっ、誰に向かって言ってるんだか」

天乃「ちょ――」

戦うのではないか、争うのではないか

2人がそうするとは思えないし考えたくは無いが

もしかしたら。の可能性を考えて止めようとした天乃だったが――

風「どっちが天乃を一番気持ち良くさせられたかで勝負!」

樹「どっちが久遠先輩を一番気持ち良くさせられたかで勝負!」

天乃「えー……」

どこからか湧き出ていた緊張感は

それがまるで夢であったかのように霧散して

ニコニコした園子、呆れた夏凜、戸惑う若葉、自慢げな東郷、

安堵する友奈、牽制しあう犬吠埼姉妹……と

なんとも言えない状況に戻っていった <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/13(水) 23:11:03.32 ID:BSIem6KGo<>
若葉「まぁ、その。あれだ。私が姿を消せば――」

園子「もう戦いの火蓋は切って落とされたんだぜ〜、諦めな〜」

天乃「園子ーっ!」

園子「えへへ〜」

夏凜「エロイ事は天乃に必要なことなんでしょ? ならいいでしょ。別に」

そう言われれば確かにそうだし

樹や風が互いに競い合って、過激なことまでするわけが無いという信頼はあるから

別に委ねていいといえば委ねて良いのだけれど。

もはや寝させて貰うことすらできない可能性もある上に

やりっぱなしで気を失ったように眠ることになる可能性もあるのが、不安なのだ

天乃「私がえっちなことされっぱなしで気を失ってたら助けてくれる?」

夏凜「必要なら手は貸すけど」

天乃「夏凜だけが救いかもしれない」

夏凜「ま、その前につまみ食いするかもしれないけど」

天乃「前言撤回! ばかっ、えっちっ!」

園子「えろいのは先輩だけどね」

天乃「園子はもう口チャック!」

東郷「相当、鬱憤が溜まっていたのね……そのっちは」

園子「癒しだよね〜、天さんも、みんなも」

だからちょっぴり、悪戯

誰も不幸にならない、楽しい空間

自分が味わった苦痛

それが報われるような、護りたいと、護れてよかったと

心から思うことが出来る、大切な日常だった <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/13(水) 23:19:55.13 ID:BSIem6KGo<>
√9月13日目 夜(病院) ※土曜日

01〜10 
11〜20 大赦
21〜30 
31〜40 
41〜50 
51〜60 芽吹
61〜70
71〜80 
81〜90 芽吹
91〜00 

↓1のコンマ  <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/13(水) 23:20:25.58 ID:EhblhVTQ0<> や <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/13(水) 23:38:56.06 ID:BSIem6KGo<>
ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から




芽吹「淫らなことが出来ると思いました?」

芽吹「残念ですけど」

芽吹「不純同性交遊も認められていませんので」

ガシッ

夏凜「邪魔するのは止めときなさい」

芽吹「邪魔しないで、これはお役目よ」

夏凜「はぁ……死んでも。責任はとれないわよ?」

芽吹「不純な行為を止めるのに死ぬも何もないわ」ガラッ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/13(水) 23:45:22.06 ID:JAXtQOyxO<> 乙
話してる内容はアレだけど勇者部らしい明るさがあっていいなあ

そしてメブ…何故かくっころされる未来が見えた <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/14(木) 00:32:26.48 ID:NVofUJYf0<> 乙
賑やかで大変よろしい <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/14(木) 11:32:18.39 ID:Rqch3sOJO<> ここで更にまった食らったら風泣いちゃう <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/14(木) 11:51:16.33 ID:4bgV2IDCo<> 待ったされたら9話の暴走が起きるな(全員ver)
このスレの日常回(エロ含む)は本編同様の尊さがあって好き <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/14(木) 22:19:25.04 ID:WkeOK3WIo<>
では少しだけ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/14(木) 22:21:45.64 ID:iGv/pFB6O<> はいよ <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/14(木) 22:35:38.62 ID:WkeOK3WIo<>
√9月13日目 夜(病院) ※土曜日


全員で過ごすようになって初めての病院での夜

最後の巡回が終わってから移ろうかという話になって待機していると、

巡回とは別に病室の扉が叩かれて、芽吹が姿を見せた

天乃「楠さん?」

「久遠先輩、少々お話が」

天乃「皆はいても平気なの?」

天乃がいる病室には勇者が勢ぞろいしているうえに、

天乃自身が話があるなら。と、

自由に病室を出ていくようなことも出来ない状態

天乃が知っていても勇者部が知らないことはあるし

聞かれては困るような内容もあるはずで

「……構いません、お話と言っても報告のみになりますので」

天乃「報告ねぇ……また解散とか言われても困るわよ?」
<>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/14(木) 22:48:34.57 ID:WkeOK3WIo<>
大赦の常套手段とまではいわないが

天乃や勇者部が集合した時やなにか楽しいこと嬉しいことがあった時に限って、

大赦からの横やりや、バーテックスによる妨害がある

それゆえに怪訝そうな表情を見せる天乃に、

芽吹は「大丈夫だと思いますが」と、一言告げて

「正確な日時は未定ですが、来月には久遠先輩の世話係を外れる予定となります」

天乃「外れるって、楠さんが?」

「はい。引き続き夢路さんには送迎等を行っていただき、私は別件のために離れることになりました」

夏凜「別件?」

「そう。大赦からお役目を言い渡されました」

言い渡された。と言うよりは、言い渡されていたが正しいと天乃は思う

芽吹が世話係を抜けて徹するべきお役目は、

以前にも聞いた、壁外調査以外に無いはずだからだ

「ですので、久遠先輩の入院がいつまで続くかは不明ですが、途中で居なくなる可能性もあります」

天乃「……せめて最後まで付き合うことは出来ないの?」

「難しいですね。大赦の方も正確な行動時期の見極めには苦労しているそうで、どうすべきか。と」 <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/14(木) 22:59:04.31 ID:WkeOK3WIo<>
少なくとも今月中の行動はない。はずではあるのだが

場合によっては来月になった瞬間に行動するかもしれないし

そこから再来月になる寸前まで行動はしないかもしれない

まったく持って不明

それもこれもバーテックスが関係する非常に危険な内容だからこそだろう

以前大赦が言っていたように、

調査隊のメンバーを死なせたいわけではない。と言うのが真実であれば

出来うる限りの安全策を講じてから……というところだろうから

友奈「そうなったら学校どうなっちゃうの?」

「学校に関しては……失念してました。後ほど聞いておきます」

東郷「通えて当然だと思ってた? それとも――」

「唐突だったので頭の中に無かっただけです」

東郷の突っ込んだ一言を途絶えさせるように口を挟むと、

芽吹は一礼をして天乃へと目を向ける

芽吹にとって、学校は【お役目】でしかない

それゆえにどうでも良かったのだろうと天乃は思い、

その向けられた視線が余計なことは言わないように。と言いたいのだと察して、息をつく <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/14(木) 23:09:12.14 ID:WkeOK3WIo<>
風「んー楠さんは結局体験入部のままだったわねぇ」

樹「仕方ないよ……あの日以降全然活動できてないし」

東郷「依頼もたまっているだろうから、楠さんには色々と働いてもらおうと思っていたのだけど」

「私は部員になるつもりはない。と、断言していたはずですが」

東郷達の残念がって居る様子に、芽吹はそう言い放って首を振る

それは分かってるけどさ。と風は呟いて、笑う

風「せっかくだから、他人と触れ合うのも悪くないっていうのを知ってもらいたかったのよ」

「……頼んでいません」

友奈「そうだけど、でもね芽吹ちゃん。芽吹ちゃんは、私達の大事な仲間だもん。楽しいことを知って欲しいって思ったんだ」

「…………」

樹「楠先輩、来た当初はお役目関係ないなら見るのも聞くのも話すのも嫌だって、無駄だって。そう思っているように感じたから」

だから、そんなこと無いって言うのを感じて欲しかった

無駄なことではないのだと見つめなおして欲しかった

夏凜「勇者は別に孤高でも至高でもなく、泥臭いもんよ。あんたの理想とはかけ離れているだろうけどね」

「三好さん……」 <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/14(木) 23:15:09.12 ID:WkeOK3WIo<>

勇者部は勇者部で

ただ能天気に絡んでいるように思える半面

しっかりと芽吹のことを考えていて

たとえ嫌われたり、妨害されて、少しは腹立たしく思うようなことがあっても

ちゃんと、相手を思いやることは出来るのだ

面倒くさい人たちだと。

そう考えていた芽吹にとって、唐突に語られる優しさは驚きで

呆然とする芽吹の肩を、若葉が軽く叩く

若葉「誰か一人でも良い。関わりを持ってみてくれ、楠さん」

そう言った若葉は、懐かしむように笑みを浮かべると

首を横に振って、芽吹を見つめる

若葉「そうすれば君も分かるはずだ。君を打ち負かした夏凜の強さが、君が志す勇者とは何者なのかが。きっと」

園子「いいでしょ〜勇者部」

ずっと憧れ続けていたからこそ、そのありがたさを良く分かっている園子は

笑みを浮かべながら芽吹へと目を向ける

園子「ぶっきーがここに来たのはきっと、無駄にはならないよ」

「それは、それは……分かりませんが」

否定は出来ない。分からない

まだ、何も分からない


1、良い子達でしょう? 何かあったときは戻ってきなさい。力になってあげるから
2、貴女がどう思っているかは知らないけれど。みんなは一応、貴女のことも考えていたんだからね
3、頑張って、みんなと仲良くね
4、勇者は肩書きじゃないわよ。楠さん。夏凜や若葉。みんなの言葉を忘れずにね
5、見つけるのは少し大変かもしれないけれど、貴女は貴女の居場所を探してみなさい


↓2
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/14(木) 23:16:20.78 ID:NVofUJYf0<> 1 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/14(木) 23:19:00.56 ID:iGv/pFB6O<> 1 <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/14(木) 23:35:42.86 ID:WkeOK3WIo<>
ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


芽吹(勇者部……最後まで良く分からない人たちだった)

芽吹(でも)

芽吹(……いつか、自分が自慢できる仲間を連れて見せてやりたいと思った)

芽吹(ほら、私だってやればできるのよ……と)ギリッ

芽吹(こんな仲間がいるのよ。と)

芽吹「だから――そこを退きなさいッ、バーテックス!」ダッ

レオ・スタークラスター「…………」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/14(木) 23:41:58.28 ID:NVofUJYf0<> 乙
こっから芽吹はくめゆスタートで離脱か
また会えるといいな <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/14(木) 23:42:10.14 ID:iGv/pFB6O<> 乙
もしも原作でメブと勇者部が会ってたらこういう会話しそうだなあ
他のくめゆ勢の登場もそのうちあるのだろうか <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/14(木) 23:51:36.48 ID:Rqch3sOJO<> 乙
メブの方はほぼ原作通りに進行するんだろうけど最後の部分だけどうなるのか気になる <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/15(金) 07:35:57.06 ID:GY592Df5O<> 若葉のあえて答えは教えない姿勢が先代の教えっぽいし芽吹を気遣う勇者部は原作っぽくて猥談で盛り上がってたとは思えないな…

あとまたwikiでサイレント修正しただろ
沙織の眠姦完全版があるぞ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/15(金) 12:30:13.86 ID:GVm3vCX5O<> さおりん回見たけど安心のクオリティの高さだったな
寝ているのにエロさ滲み出るさおりん恐るべし…
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/15(金) 12:46:00.19 ID:ueQ7bvjvO<> 安心安定のクオリティ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/15(金) 19:48:54.29 ID:Zi5EUyi8o<> こんな辺鄙なところでやらずpixivいけば絵師も付くだろうに
勿体ねぇ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/15(金) 20:05:53.74 ID:IToxJkpn0<> 今更読んだけどすごいよかった
さすがの一言だな <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/15(金) 22:11:32.61 ID:K4T21HrWo<>
では少しだけ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/15(金) 22:17:09.05 ID:BzC8LijnO<> よっしゃ <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/15(金) 22:22:01.92 ID:K4T21HrWo<>
敵対しているような関係だったはずの勇者部

その優しさに触れて困惑している芽吹の呆然としているような様子に

天乃は慣れていないのね。と、苦笑して目を向ける

散々嫌なことを言われたし、された

勇者部が反発して争うようなこともあった……けれど

それは芽吹自身にも理由のあることで

仕方がないことで

仲良くすることは出来なかったけれど。

天乃「楠さん」

「久遠先輩……?」

天乃「良い子達でしょう? 私の自慢の仲間で、恋人で、家族」

「…………」

自慢げな雰囲気もちょっぴり含んだ幸せそうな笑み

勇者部の誰もそこに水を差すような所作を見せることはなく

ただ、似たような笑みをほんの微かに零すのみで

天乃「何かあったときは戻ってきなさい。力になってあげるから」

「ですが、私は――」

天乃「私は一応、貴女のお友達くらいにはなりたかったのよ? 流石に立ち位置が悪すぎてどうにもならなかったけどね?」 <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/15(金) 22:34:09.81 ID:K4T21HrWo<>
大赦に命じられたお役目を厳守しようとする姿勢を見せていた芽吹

大赦に背くばかりの勇者部と、率いる天乃

それが相容れるのはとても難しいことだっただろうし

天乃がやろうとしていることが大赦に不都合な事ばかりだったのだから

友達になりたかった。というのがまったくもって信憑性無いと言われても仕方がないくらいには悪すぎた

それでも。

天乃「でも、私は楠さんの先輩だから。ね」

「だから……理解できないんです」

さっさと消えてくれ、もう顔も見たくない

そう言われても不思議ではなかった

別れを喜ばれてしかるべきだったはずで

芽吹自身、そうだろうと思って覚悟は決めていた

嫌味のような言葉の一つや二つを考えてもいたのだ

もうお役目から解放されるから、言いたかったことを言ってしまってもいいだろうと

ついに厄介者から解放されると思ったのは自分の方だ。と

だが、これが本当に喜ぶべきことなのか、分からなくなる

自分はここで、まだ学ぶべきことがあるのではないかと、いまさらに後悔してしまいそうで。 <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/15(金) 22:43:26.50 ID:K4T21HrWo<>
「私には久遠先輩が理解できない……私は、久遠先輩の敵だったはずなのに」

それなのに、友達になりたかったと

いつでも戻ってきていいと、力になってあげると

自分は先輩だから。と、とても優しい笑みで言う

そんなこと、芽吹の生きてきた十数年の中に一度たりとも無かったから、分からなくなってしまう

夏凜「あー分かる分かる。その気持ち、なんなのコイツ理解不能だって気持ち良く分かる」

「え?」

風「楠さん知らないんだっけ? 夏凜は最初友奈をボコボコにして天乃怒らせてぶっ飛ばされてんのよ」

理解が追いつかず混乱する中に、場違いに明るい声が広がっていく

話していることは物騒な感じがするのに、笑い話のような空気感

友奈「えへへ……なんでだっけ? 何か理由があったけど、忘れちゃった」

東郷「勇者として適正があるかどうか……だったと思うわ」

沙織「いやー、最初は焦ったんだよ? 完膚なきまでにぶちのめすとか久遠さん凄い剣幕で、あーこれは死人が出るなーって」

天乃「ちょ、ちょっと待って! 私そこまで言ってないでしょ!」

「久遠先輩が……?」

芽吹が来て以降、時々怒った雰囲気を感じさせるようなことはあったが、

皆が言うほどの怖さを感じることは無かったし、

寧ろ、そんな物騒な感じがしたのはその周囲で

風「失神させるつもりだとか聞こえた覚えがあるけど」

天乃「それはそうよ。あの時は凄い怒ってて……でも私怨でしかないから控えたわ」

「思ったのも言ったのも事実ですか」

天乃「……そうね。でもあの場でしたことは後悔してないわ」
<>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/15(金) 22:57:29.51 ID:K4T21HrWo<>
もう半年近く前の懐かしむような話

けれどもしっかりと、鮮明な記憶

夏凜は悔しかった。と笑みを零して芽吹へと目を向ける

夏凜「それが気づけば、こんな関係にまでなった。天乃の考えも理解できるようになってきた」

「…………」

夏凜「だから、すぐにアレはダメこれはダメって切り捨てないで一緒に行動してみなさいよ。意外と、芽吹にとってその何かが良縁かもしれないから」

「……覚えておきます」

そう言って一礼すると、

芽吹はまだ報告する場も残っているので、と病室を出て行く

芽吹が勇者部を去るのはまだ先の話だが

彼女の居なくなった病室は不思議と静まり返って――

友奈「あ、あの、送別会! どうかなっ」

樹「いいですね、やりたいです」

園子「私の席もよろしく〜」

風「その前に退院祝いされたい」

夏凜「兼ねればいいでしょ、そっちは」

友奈の優しい提案に、病室はまた一段と明るさを取り戻していく
<>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/15(金) 23:03:44.61 ID:K4T21HrWo<>
1、同室
2、別室


↓2 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/15(金) 23:05:18.12 ID:IToxJkpn0<> 1 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/15(金) 23:06:17.42 ID:BzC8LijnO<> 1 <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/15(金) 23:14:45.32 ID:K4T21HrWo<>
ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


皆のいる部屋でみだらな行為に興じる背徳感 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/15(金) 23:23:27.61 ID:BzC8LijnO<> 乙
ケガとかしてるし今はあまりハッスルし過ぎないようにネ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/15(金) 23:31:35.27 ID:IToxJkpn0<> 乙
同室ってそういうことかよww
周りの人が連鎖的に欲求不満になりそう <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/16(土) 00:19:19.00 ID:0zAZOrKwO<> 乙
あの時の久遠さんの考え方は中学生じゃねーなって思ったな
本気でキレた久遠さんはあれだけだったっけ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/16(土) 06:16:04.48 ID:YbzPC+MEO<> アニメの夏凜ちゃんも次回予告ももうすでにこのスレの通った道…
久遠さんアニメ出てあげて!絶対的な安心感を下さい! <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/16(土) 07:22:59.99 ID:LjCDrEATO<> 次の決戦の行動次第でその後の勇者部の運命が大きく変わりそうだな
頼みの綱の久遠さんが現状参戦できないのが気掛かりだけど… <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/16(土) 09:23:41.11 ID:Tx5GhQDQ0<> 原作みたく満開祭りになるだろうけど原作より戦力は上だからちゃんと帰って来てくれるはず <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/16(土) 18:30:15.67 ID:JbSELvLVo<> 今日はエロいぞ暖かくしとけ…風邪を引く <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/16(土) 22:10:09.30 ID:oyMYJ7xno<>
では、少しだけ
ディレクターズカットでお送りします <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/16(土) 22:11:14.89 ID:LmLcTuJrO<> おk <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/16(土) 22:13:06.13 ID:oyMYJ7xno<>
天乃「まさか別の部屋を用意できないなんて」

風「しょーがないわねぇ……ふふふ」

天乃「なにそのいやらしい笑い方……中断――」

樹「しませんよ?」

何言ってるんですか? とでも言いたげな表情で首を傾げた樹は微笑を浮かべたまま天乃へと近づき、

ギブスで固定された左腕にやや苦労しながら、

少しばかり動きにくそうに天乃の右手側に膝をついて乗り上げる

樹「ずっと、話を聞くだけだったんです。ずっと、想像するだけだったんです……」

風「と、言うわけで。夏凜達にはあたし達が味わった悶々とした気分を味わって頂きたいと思いまして」

にやりと笑う風は樹とは逆の左手側を位置取って、身を寄せる。

カーテンはすでに閉め切られており、

周りの誰からも見られることはないが、声は聞こえてしまう。

だから、我慢しないと……と息を飲む天乃の唇に、風はゆったりと唇を重ねる。

押し付けるだけ。触れるだけ。みんなと共通の触れ合い。

樹「私も」

樹も同じように唇を重ねる。

風よりも薄く柔らかい未発達を感じさせる幼さを残した肉感

小さな唇は離れてすぐに重なって……

離れていくにつれて樹の顔の全体像が視界に入り込んでいく <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/16(土) 22:16:49.36 ID:oyMYJ7xno<>
初めのキスは、軽く。

それは誰が言い出したわけではないし、決められたものでもないが

樹も風もそれが良いと思ったのだ。

後々激しくなっていくだろう、淫らになっていくだろう。

そこはもう無礼講。

ただ一心不乱に愛を注ぎ、愛を貪る。愛淫の宴。

しかし、始まりから礼を欠くわけにはいかない。

食事の前にいただきます。と口にするように、

優しいキスは始まりであり、礼儀であり――感謝

天乃「ちょっと、慣れてない?」

風「どれだけ想像したと、焦らされたと……それを埋めるために、あたし達がどうしたと」

風は恨み言のように言いながらゆっくりと左手を天乃の頬に添える

いつも使うのは右手だが今はもう動かない……けれど、

その不快感はどこにもない

それを合図のように目を瞑った天乃の唇に重ねる。

始まりより少しだけ長く。唇の隙間から潤いが溢れていくのを気にも留めず、自分と天乃の唇を潤わせて

天乃「っ……」

風「さすが天乃、慣れてる」

樹「でも、二人から同時にされるのは東郷先輩と友奈さん以来……ですよね」

樹は最近、

オドオドとした態度を見せることはなくなってきていたのだが、、

ここではより落ち着いた様子を見せる。

それは風よりも、天乃よりも、どこか行為に長けた雰囲気を感じさせた <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/16(土) 22:21:23.93 ID:oyMYJ7xno<>
樹の小さな手が天乃の右手をなぞる

目に見えないほどの薄い産毛を掠める程度の限りなく近く遠い間隔

擽られるよりもくすぐったさともどかしさを感じさせる樹の指先は

天乃の指と指の隙間を埋めるように握ると、そうっと持ち上げて

天乃「っん!」

樹の舌がチロリと天乃の指を舐める。

まずは人差し指の先、

腹の部分を舌先で味見して爪と指の隙間を下唇に押し当てて上唇で爪を拭う。

二度、三度。それを繰り返しながら、覗かせた舌先で爪の隙間に潤いをしみこませて、

ぱくりと、第二間接の辺りまでを咥えてちゅるりと抜く

天乃「っ……なっ」

樹「ん……んちゅ……」

天乃「い、いつっ……」

樹「ぁむ……ふ……」

指先のくすぐったさが引けば艶の乾く寂しさが襲う。

しかしそれ以上の恥ずかしさを感じる天乃は冷えるよりも熱くなっていって、

その頬に風の手が触れて――唇が重なる

天乃「んっ……っ」

風「っは……んっ、んく……」

一瞬離れて、また重なる。

キスを幾度と無く経験してなれている天乃にとっても指を玩ばれながらのキスなど未経験で

手先からの刺激と唇の感触に神経は右往左往して

惑い、迷い、脆くなった隙を突くように風の舌が口腔へと入り込む

意図せず零れるいやらしい音。潤いに満ち満ちて溢れたものは口元から伝い落ち、風の指が拭う。 <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/16(土) 22:24:36.59 ID:oyMYJ7xno<>
風「は……ふ……んっ」

ゆっくりと離れた風が余韻に浸るように自分の口を拭って息を呑む中、

奪われた。という言葉に違いなくキスされた天乃の開いた唇に影が差し込む。

天乃「っぁ……や、い、樹……っ」

まだ風の感触が中途半端に残る舌。

言葉も覚束無い状況なのに……樹は容赦なく近付くと、

手を握りながら唇を重ねつつ、ぬちゅりと音を立てながら舌を絡める。

巻き付くような舌の動き。表を撫で、裏を削り、芯を絞る強引で大胆なキス。

しかしながら、

触れる唇はけして押しつぶすような圧迫感は無く、柔らかな肉質のクッションを重ねただけの重みで。

天乃「んっ……っふ……ぁっ」

樹「ん……っは……ちゅ」

潤いも感覚も吸い上げられ奪われていき

果てには魂までも奪われてしまいそうで、

しかしやめたいと思えない魅惑的な甘さが天乃の拒絶を阻害する。

待ち望み蓄えられた樹の情欲は、とても洗練されていたのだ

唇を重ね、舌を絡めていただけでも、それが直接身体の芯に触れたように火照らせて

流れ込んでくる愛欲の入り混じった唾液を天乃は飲み込む。

その瞬間、プツリ……と、胸元で音がしたかと思えば連続で鳴り、

乳房を含んだ白いインナーが露わになっていく。 <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/16(土) 22:31:14.58 ID:oyMYJ7xno<>
樹「吸えば母乳でも出てくるかな?」

天乃「ま、まだ早っ――んっ」

風「少しは喋らせてあげたら?」

樹「私がしてるんじゃないよ。誘われてるんだよ。逆らえないんだよ」

いやいや。と、風は内心否定しながら、

樹に深く抉られていく天乃の事を見つめる。

もがこうとしているのか、

握られていない左手は握ろうとしては開いてを繰り返しぴくぴくと震えて、

天乃の口からは樹による蹂躙の足音がぴちゃりぴちゃりと響いて、

聴覚器官を持余すことなく掻っ攫っていき、感覚的渇きに飢えた喉がごくりと鳴る

そして……

樹「っは……」

天乃「んっ……はっぁ……ぅ」

妹の口元から伝う糸の先、

潤いきった艶やかな唇は微かに開いて湿った吐息を零し、

ぼんやりとしているのが分かる瞳は誰かを求めて彷徨い風の視線に巻き付いてくる。

風「あ……」

だから、思った。

樹の言う「しているのではなく誘われて逆らえない」それがけして世迷言などではないのだと。

風「っふ……んちゅ……」

天乃「んっ、っはっ……んくっ……」

気付けば、唇を重ねていた

伸ばされた手に手を差し伸べるがごとく舌を絡めていた。

熱烈な接吻の熱気が溢れて、

誰のものかもわからない潤いが唇を、喉を、感覚を満たして――駆け抜けていく。

その快感に待ってという言葉は届かずに逃げていく、抜け落ちていく。

まるでそこには何も無かったかのように。だから、また貪るのだ。

空気を取り込んですぐにそれが体を巡るよりも早く

天乃の唇の感触、天乃の清廉な匂い、淫らな味わいが巡るために。 <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/16(土) 22:44:43.05 ID:oyMYJ7xno<>
天乃「はぁっはっ……はぁ……んくっ……」

風「はぁ……はぁ……」

ポタポタと涎が零れる風は自分が獣のように思えて慌てて口元を拭う。

溜まりに溜まったものを解放するのだから致し方ないという考えはあるのだが、

それにしても過激になりすぎてはいないだろうか。と自制心が何とか働く

樹「久遠先輩、脱がしますね」

天乃「んっ……ぇ?」

自分がなにをされようとしているのか。頭が追いついていない間の抜けた声を零した天乃を横目に、

樹はインナーの裾を捲ると、視線をものともしない強固な壁に仕掛けられた罠が姿を見せる

引き締まっているように見える腹部、その中央で目を奪う窪み

樹「お姉ちゃん、どうする?」

風「どうするって?」

樹「お臍、私が先で良い?」

どうするかを伺う樹は低姿勢だが、

風には自分が見上げている立場のような感覚を覚えて、頷く。

純粋に見たかったのだ。自分よりも知識を蓄えているであろう樹の愛で方を。

ベッドを賭けた勝敗などもはや関係ない。

風「キス、先にしたし」

樹「えへへっ、ありがと。お姉ちゃん」

可愛らしい純粋な笑みを浮かべた樹は、「久遠先輩」と甘えるような声で呼び、

右手で腹部を擦りながら唇を重ねてちゅるちゅると啜り、

空気の弾ける淫猥な音を響かせて離れる

樹「ん……ぁー」

そして、口に含んだ自分と天乃の唾液を天乃の臍に滴らせた <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/16(土) 22:47:27.54 ID:oyMYJ7xno<>
天乃「っ……!」

ねっとりとした生温い液体が流れ込む感覚に天乃の体は微かにビクついて、

収まりきらなかった分が脇腹に流れていくけれど、

樹は気にせずに舌を伸ばして窪みに落として、ぺろりと舐める

天乃「んっ……っ……ふっ……!」

初めに滴らせたことで身構えたからこそ天乃の腹部は

その感覚を固く受け止めてしまう。舐められている。味わわれている。その感覚が鮮明に脳に伝わってしまう。

本来は他の侵入を寄せ付けない窪みへの侵略

奥の奥、秘めたる部分。子宮。そこまで届いているかのような心地よさに

下腹部がじんわりと欲求を滲ませて、無意識に唾液の溜まった唇に風の唇が重なる。

天乃「んっ、っふ……ぁっ」

樹「んくっ……ん……ちゅ……」

天乃「っはっ……はぁっ……んっ――んんっ!」

樹の舌に束ねられた神経が風の唇に解されていくと、

つつーっと腹を割くような感覚が走り、天乃思わず体を震わせた。

不意を襲った感覚、舌を覗かせて微笑む樹

空気に触れて乾いていく腹部がなにをされたのかを示していたが、

それに対する反応をする余裕など与えては貰えない。

呼吸を終えればまた風の唇が唇を塞ぎ、

揉むように押し込まれては唇に挟まれて甘噛みされ、閉じれなくなれば舌が割り込んでくる。

粘着質な水の音がどこからとも無く響き、

風のつつくような舌の触れ合いにはもう天乃の口腔は心を許して自分から求めてしまっていて、

その間も腹部を這う樹の舌は容赦なく天乃の身体を堪能し、

魔の手は甘い実りを秘めた膨らみを捲る。

天乃「……っは」

樹「綺麗な膨らみですね」 <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/16(土) 22:57:55.68 ID:oyMYJ7xno<>
天乃「はぁっ……は……ふぅ……」

答える余裕など無く荒々しい吐息を零す天乃を一瞥し

ごくりと喉が鳴ったのが聞こえて音源へと目を向けると、

風もまた自分を見ていることに気付く。

同時に息を呑んだのだ。

純白でありながら紅一点を頂に染めた魅惑の果実。

アダムとイヴが食した禁断の果実など、比較するに値しない。

手で味わうか舌で味わうか……どちらをしても良いだが、どちらも行うという選択肢はどこにも無かった

天乃「んっ……はぁっ……はぁっ」

風「……左、あたし」

先に動いたのは風だった。

呼吸のたびに小さく揺れる乳房があまりにも美しくて、

さわり心地が良さそうで……しかし、

利き手ではない左手で触れることで傷をつけることを恐れて、舌先でチロリと乳頭を舐める。

天乃「っ!」

芯の通った抵抗感は根元からぐにゅりと折れて舌を受け流し、すぐにまたそそり立つ。

その誇らしげな姿に風は満足気に笑みを零して湿度の高い口を開くと、

薄桃色の領域全てをその口腔に頬張る

天乃「っぁっ!」

風「んふ……んにゅ」

よくよくお餅などとたとえられる乳房の感触は想像を遥かに超えた食感だった。

舌の奥にまで届く隆起した乳頭の硬さ、

唇に擦られ、歯に触れるたわわな肉質はほんの少しの圧迫感に反発して口から溢れ出ていき、

ちゅぷりといやらしい音を弾けさせながら逃れて震え、艶かしい光沢を放つ。

その僅かな所作でさえ、風は自分の下腹部が強く疼くのを感じて、苦笑する。

想像で自慰に浸った経験が馬鹿らしくて堪らなかったのだ。

あんな薄味な想像しかできなかった自分の不甲斐なさを痛感したのだ。

そして、考える。どうすれば逃すことなく、余すことなく味わえるのか。

そして――至る。

赤子ほど乳房において天才的な発想を持つ存在は居ないと。 <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/16(土) 23:00:19.52 ID:oyMYJ7xno<>
風がある意味での原点回帰に達する直前、

樹は なぜ行為の前に深爪するほど切らなかったのかと

樹は自分自身を責めようとしてすぐにそれを払い除ける

今は目の前の柔らかな人肌の宝玉に集中すべきだと、思って。

樹は右手で優しく天乃の乳房に触れる。手先ではなく、指の腹で掠めるように。

天乃「んっ……っ……」

くすぐったさと心地よさの交わった天乃の吐息が零れるその一方、

樹は自分への快楽など感じさせていないにも関わらず昂ぶっていくのを感じて、息を吐く

樹「はぁ……はぁ……」

肌理細かい肌は掠めるだけでも指を追いかけては滑るように落ちていき

それがあまりにも心地よくてゾクゾクとしてぷるんっと震える乳房にドキドキする。

もっと、もっと……と、脳が催促する

口の中が水浸しになって端から涎が滴っていくが、

樹は飲んでも飲んでも溢れてくるそれを止めるのは諦めて、手を伸ばす

東郷ほどの大きさは無いが樹の手には余るほどの豊満さを持つ天乃の乳房

その側面を撫でるように死ながら手を滑らせ、

体に密着する汗がたまりそうな部分を持ち上げて、舌を這わせる

天乃「んっ……んぅっ!」

風「んちゅ……じゅるっ」

天乃「んっんんっ……っ!」

樹「ふー……んちゅ……」

天乃「んんぅぅ!」 <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/16(土) 23:07:54.41 ID:oyMYJ7xno<>
天乃は自分の口に手を宛がって声を押し殺す。

この病室にみんなが居るのだ。

もう経験済み―園子はキスまでだが―といっても、えっちな声を聞かせるというのは恥ずかしいからだ。

けれど、

風は容赦なく赤子のように乳房に吸い付き乳頭を甘く噛んでちゅるちゅると啜り、

樹は胸を傷つけないようにと繊細な手つきで揉みながら

普段は表に出てこない部分に舌を通していくせいで、いつ声が漏れてもおかしくは無かった

天乃「んっ、んんぅ! んーっ!」

下腹部の疼きが際限なく強くなって、

とろり……とろり……と、蜜が漏れ出してお尻にまで広がっていくのを感じながら、天乃の体は震える。

二人の似たようで違う刺激は二分された神経では受け止めきれず、

溢れた快感が絶え間なく襲い、休息の間などない。

そして、樹までもが母乳を求める子のようにかぶりついた瞬間

重複した快感は神経を弾けさせて一瞬で脳に到達する

天乃「んんんっ!」

粗相をしてしまったかのような感覚が淫口から迸ったのを感じながら、

天乃は心地よさに震え、放心する

けれど体の熱は収まらないし、そもそもこれはまだ序の口だ

性欲に魅入られた猛獣はまだ、

何も満足などしていないといわんばかりに目を輝かせて、鼻を鳴らす

風「……えっちな匂い」

樹「啜ってみる?」

天乃「やっ……ぁ……」

故意ではなくとも焦らし続けてはいないのだと、天乃は身をもって知ることになった <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/16(土) 23:28:49.50 ID:oyMYJ7xno<>
1日のまとめ

・   乃木園子:交流有(淫らな体)
・   犬吠埼風:交流有(淫らな体、えっち)
・   犬吠埼樹:交流有(淫らな体、えっち)
・   結城友奈:交流有(淫らな体、思い出したい?)
・   東郷美森:交流有(淫らな体)
・   三好夏凜:交流有(淫らな体、夏凜と一緒に)
・   乃木若葉:交流有(一緒に)
・   土居球子:交流無()
・   白鳥歌野:交流無()
・   藤森水都:交流無()
・    郡千景:交流無()
・伊集院沙織:交流有(交流)
・     九尾:交流無()
・     神樹:交流無()


9月13日目 終了時点

乃木園子との絆 59(高い)
犬吠埼風との絆 88(かなり高い)
犬吠埼樹との絆 74(とても高い)
結城友奈との絆 97(かなり高い)
東郷美森との絆 105(かなり高い)
三好夏凜との絆 124(最高値)
乃木若葉との絆 90(かなり高い)
土居球子との絆 38(中々良い)
白鳥歌野との絆 35(中々良い)
藤森水都との絆 29(中々良い)
 郡千景との絆 35(中々良い)
  沙織との絆 106(かなり高い)
  九尾との絆 56(高い)
  神樹との絆 9(低い) <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/16(土) 23:30:54.75 ID:oyMYJ7xno<>

√9月14日目 朝(病院) ※日曜日

01〜10 沙織
11〜20 友奈
21〜30 
31〜40 
41〜50 夏凜
51〜60 
61〜70
71〜80 若葉
81〜90
91〜00 風・樹

↓1のコンマ  <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/16(土) 23:32:24.97 ID:rPQNsgzyO<> あ <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/16(土) 23:40:17.59 ID:oyMYJ7xno<>
では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から



風「つづ――」

園子「かないんよ〜」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/16(土) 23:45:32.31 ID:rPQNsgzyO<> 乙
風も樹も我慢の限界来てたのか
めちゃくちゃ濃いのをぶつけてきたな <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/16(土) 23:51:10.03 ID:LmLcTuJrO<> 乙
ゆうみもに続き犬姉妹をも虜にする久遠さんのおっぱいマジ勇者キラー
本当に母乳が出るようになったらさらに骨抜きになりそう <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/17(日) 00:11:40.20 ID:4Ps3YAJFO<> 乙…いやマジ乙
勇者の章の鬱憤を晴らそうとしてるのか?本気度が違うくね?

赤ちゃんがおっぱいの天才とかいう発想どこから沸いてんだよ… <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/17(日) 06:16:30.77 ID:eq4Vk5AFO<> ディルド=愛の伝達棒なんて発想してるんだから今更
このクオリティを1日で書いたっぽいのがレベル高い <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/17(日) 13:51:16.13 ID:rDviDpEAO<> 朝這いというのもある…のか? <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/17(日) 22:01:37.01 ID:HBAZpw8eo<>
では少しだけ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/17(日) 22:09:32.04 ID:d4X7i8hTO<> 平日時間とは珍しい <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/17(日) 22:12:40.16 ID:HBAZpw8eo<> √9月14日目 朝(病院) ※日曜日


天乃「ん……っ」

カーテンに襲い掛かる陽の光の熱量を微かに感じ取り、

天乃はゆっくりと目を開いて、息を吐く

昨夜―日を跨いで続いたが―の影響で虚脱感は残っているが

苦しさも辛さもないし、むしろ身軽な感覚さえする

穢れによる影響や妊娠を含めて身重な体になって以降

最も平常時に近い目覚めの良さかもしれない。とさえ思う

天乃「さーて……?」

最後の方の記憶はされるがまま乱れるがままで殆ど記憶にはないが

ベッド争奪戦などどこかへ消えたのだろう、2人仲良く天乃を抱くように眠っていて

殆ど動くことが出来そうになくて、困ったように声を漏らす

どちらかに寝返りを打つことは可能だが

そうした場合にはきっと独占的に抱きしめられてしまうだろうし

そこで向かなかった方が起きたらもう、また荒れるかもしれない。淫らな意味で。

そう考える天乃はどうすべきかと頭を悩ませる

どちらが気持ちよくしてくれたのか、という点で言うならば

樹の方だったと曖昧な記憶で査定する

元々強い好意を抱いていてくれた樹は

故意ではないが焦らすことになってしまっていた間

その小さな体に様々な思いを抱いては積み上げて来ていたのだ

その溜まりに溜まったものの放出はとても強烈だった <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/17(日) 22:22:36.43 ID:HBAZpw8eo<>
とはいえ、風からだって愛情は感じたわけだし

気持ち良くしてくれようと言う気持ちは精一杯に感じられたのだから、

正直な話、これについての優劣をつけるというのはしてはいけないことだと思う

天乃「……でも、ほんと」

あんなしかたはどこで学んだのか

気にはなるが聞いてはいけないような気がして、天乃はちらりと樹へと目を向ける

穏やかな寝顔を見せる樹は後輩らしいというといささかおかしな話だが、

まだ未成熟さを感じさせる可愛らしさがある

なのに、夜になっていざ行為をするとなったらあのレベルの高さ。

お腹に関しては通った道だから考えないにしても、

指を舐めたり……これも思いだすと恥ずかしくて死にそうな話だが

下腹部に口をつけるといった上級者―天乃からしてみれば―な行為を知っているし出来る

その樹ははっきり言って沙織と東郷に引けをとらないだろう

天乃「将来が不安だわ……」

より熱中したりしたら過激になっていく可能性もある現状

ここから成長がとど負ってくれたら嬉しいのに。と

密かに天乃は望みを抱いて――

樹「ん……」

風「ふぁ……ふ……」

モゾモゾと動く樹の一方、

小さくあくびを零した風はゆっくりと体を起こして、あたりを見渡す <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/17(日) 22:33:46.54 ID:HBAZpw8eo<>
風「んー……?」

天乃「おはよう」

風「ん……おはよ、天乃」

寝ぼけた様子ではあるけれど

自分がどこに居て、なぜここに居て、天乃が隣に居るのか

といったことに関しての記憶はしっかりあるようで

風「ふへへ」

天乃「っ」

互いの体に負担がかからないようにと言う気遣いを感じる優しい抱擁感に包まれて

天乃も優しく抱き返す

天乃「体は平気?」

風「あたしは全然。まぁ、ちょっと疲れは感じるけど、それは自業自得だし? むしろ得だし?」

天乃「それは良かったわね」

風「天乃の方は? 見た感じでは悪くなさそうだけど」

正直に快調だというのは

毎日の夜が酷く乱れそう―当然のごとく性的に―で少し悩ましく思った天乃だったが

抱いている疑問に関して、風はただ心配をしてくれているだけなのだから。と

優しく笑みを浮かべる

天乃「とってもいいわ。快調よ」

風「なるほど……寝不足な感じは?」

天乃「起きたときの脱力感はあるけど……それはあんまり」 <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/17(日) 22:51:30.37 ID:HBAZpw8eo<>
風「そう……今全員で8人。一日だけ3Pするとして一週間。寝不足なければ――」

天乃「待って、その考え方には異議申し立てをさせてもらうわ」

一週間毎日誰かしらとえっちをするなど

不順同性交友だとかそう言う単純な話ではなくなる

体質的に淫らな行為が必要な状態だといえど

そこまで頻繁にやっていては、

快復を通りこして疲労が蓄積されてしまう可能性さえあるのだ

風「じゃぁ、一日に2人3人相手にする?」

天乃「あー……ごめんなさい」

それこそ、無理な相談である

そもそも、全員を娶ると決めた以上

そう言った夜の問題に関してもしっかりと受け止めるのが天乃の役目だ

風「いっそ全員で大乱――」

天乃「九尾に聞く、聞くから。ね?」

身体的に問題はないのかどうか

九尾に聞いて正しい答えが得られるとは限らないけれど。 <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/17(日) 23:07:19.95 ID:HBAZpw8eo<>
風「まぁ、ひとまず快調そうでなにより……樹はまだ、寝てるか」

天乃「ええ、ぐっすり」

風「じゃぁ、起きた人間の特権。おはようのキス」

天乃「え……本気?」

夜やるような乱れたものではないだろうから

別にしても問題はないだろうけれど

それはこう、せがまれたり

意識してやるようなものでもないのではないかと天乃は思う

風「なによう、あたしと朝のキスは出来ないって?」

天乃「……お酒でも飲んだの?」

冗談だと分かってはいるが

なんとなくそんな気がして天乃は苦笑する

さて、この酔っ払い。どうあしらうべきか……なんて


1、する
2、樹にする
3、風にして、樹にする
4、みんなともするわよ


↓2 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/17(日) 23:09:03.25 ID:SOWkOQlp0<> 1 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/17(日) 23:09:21.03 ID:d4X7i8hTO<> 3 <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/17(日) 23:18:33.24 ID:HBAZpw8eo<>
ではここまでとさせていただきます
明日もできれば少し早い時間から

今月は基本的に日曜関係なく基本時間(22時〜)となります


風「んっ」

天乃「っ……」

風「っは……ふぅ……じゃ、あとみんなにね?」

天乃「えっ?」

天乃「……あー」

天乃「じゅ、順番に、ね?」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/17(日) 23:27:01.21 ID:d4X7i8hTO<> 乙&了解
今作の樹ちゃんはえっちなことには縁遠いかと思ったらいつの間にかドスケベな子と化していたとは…
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/17(日) 23:37:02.08 ID:SPhCrNr+0<> 乙
まあ樹は前回もえっちだったしな <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/18(月) 02:01:07.17 ID:st9LDCc+O<> 乙
毎日更新だけでも頭が下がる思いだわ
ありがとうございます <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/18(月) 06:43:41.79 ID:K89QFJimO<> 今月の初めくらいに12月は不定期不定休って言ってたと思うけど…
不定期(22時〜)不定休(半年で数回)
それで沙織の眠姦完全版で直後にあの風と樹のクオリティ

控えめに言って休めよ <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/18(月) 21:07:31.67 ID:bRVU6rNeo<> では少しだけ <> ◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/18(月) 21:14:03.60 ID:bRVU6rNeo<>
天乃「昨日あれだけしたのに、まだ足りないの?」

風「昨日は昨日、今日は今日だから」

天乃「なにその理屈」

冗談めかした表情で笑って言う風に、

天乃は少し困ったように笑みを返して息を吐く

別にみだらな行為をしようと言うわけではないのだから

そこまで気にすることでもないはずなのだけれど

昨日のこともあってか、キスをするとエッチな気分になってしまいそうで

天乃としては少し控えたいというのが本音ではある

天乃「キスだけよ? 唇同士の」

風「久遠さーん。今、朝ですからね?」

天乃「微妙に距離のある知人みたいな言い方しないで」

風「いや、天乃がやりたそうな雰囲気出してたから」

天乃「ま、まさか」

冗談止めてよ。と軽くあしらったものの、

体質的にそう言う状態になってしまっているのだから

そう言う雰囲気を醸し出していても不思議ではないと天乃は思う

けれどもちろん、する気はない
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/18(月) 21:42:43.97 ID:hSB9W00HO<> 来てたか <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/18(月) 21:46:44.50 ID:bRVU6rNeo<>
天乃「本当にそんな雰囲気だった?」

風「この状況で嘘をつくとでも?」

天乃「嘘は付かなくても冗談は吐くでしょう? 貴女は」

そうっと、手を動かして

ベッドの上に落ちたままの風の手に重ねて

ゆっくりと、握っていく

薄く浮かべた笑みに対して

風もまた苦笑を見せ、指を絡めるように合わせて握る

風「で、どうなのよ」

天乃「えっちはしないわよ。朝だもの」

ぐっと手を引くと

身構えていた風の体は容易く崩れて天乃に迫り、

押し付けるような強引さを引き連れたキスが二人を繋ぐ

触れ合わせるだけ。

そうはいってもどちらから離れるわけでもなく

重なったまま、数秒

止まった呼吸を再開するのと同時に、余韻を味わいつつ離れる

風「っは……」

天乃「……」

風「リトライ、する?」

天乃「しない」

風「手は握ったままなのに?」

天乃「朝だもの。えっちはしたくないわ」 <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/18(月) 22:14:59.10 ID:bRVU6rNeo<>
軽く、薄く

しかし、互いに求め合うような声で言いながら目を向け合う

握り合う手は必然に持ち上がって肘を折る

風「押し倒したくなってくる」

天乃「だーめ」

けれど、2人が重なることはない

そうしないと決めたから

そうするべき時間ではないと思うから

どちらかが、あるいはどちらとも

もう一歩踏み出してしまうのも悪くはないと思いながら

しかし、決して重ならない

風「なら、仕方がない」

朝を超え、昼を超えて触れ合うことが続いてしまうかもしれないから

そして何より、少しばかり……いや、かなり

夏凜「……いい加減にしなさいよ? 先輩方」

面倒な事になると

2人とも分かっていたからだ <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/18(月) 22:30:26.40 ID:bRVU6rNeo<>
風「な、なーんの話?」

夏凜「なに? 気配で見えてるとか言った方が良いの?」

カーテン越しの会話

夏凜の表情は見えない状況ではあるが

何となくちょっぴり怒った苦笑いを浮かべているだろうと天乃は思って、風を見る

気取られたことを自覚しているからか

風は焦りをにじませた顔つきで

夏凜「昨日の夜さんざんやっといて……まだやんの? 外でやれ」

天乃「外で出来るわけないじゃない」

夏凜「じゃぁ我慢して……お願い。寝不足なのよ。分かるでしょ。邪魔しなかったんだから、朝くらい、寝させなさいよ――まじで」

天乃「う、うん」

夏凜「おやすみ」

天乃「おやすみ……」

頑張って声は抑えたつもりだったが

流石に真横ともなれば声は聞こえてしまったし

感じ取れてしまったのだろう

色々な意味で鋭敏な夏凜ならば、尚更

ぶつ切りに懇願した夏凜の声が聞こえなくなってから

天乃と風は互いに顔を見合わせて、苦笑しながら手を離した <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/18(月) 22:53:08.78 ID:bRVU6rNeo<>
√9月14日目 昼(病院) ※日曜日

01〜10 
11〜20 九尾
21〜30 
31〜40 
41〜50 千景
51〜60 
61〜70
71〜80 球子
81〜90
91〜00 夏凜

↓1のコンマ 
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/18(月) 22:54:05.25 ID:hSB9W00HO<> あ <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/18(月) 23:12:11.42 ID:bRVU6rNeo<>
√9月14日目 昼(病院) ※日曜日


1、文化祭について
2、えっちについて
3、結婚について
4、伊集院家について
5、勇者組
6、精霊組
7、イベント判定


↓2 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/18(月) 23:15:03.47 ID:hSB9W00HO<> 4 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/18(月) 23:15:33.52 ID:hhyjiysH0<> 6 <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/18(月) 23:30:09.62 ID:bRVU6rNeo<>
1、九尾
2、歌野
3、水都
4、千景
5、球子

↓2 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/18(月) 23:32:55.71 ID:hhyjiysH0<> ksk <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/18(月) 23:33:10.33 ID:Rvzhe1xV0<> 2 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/18(月) 23:33:13.51 ID:YRVkAe0xO<> 1 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/18(月) 23:33:16.21 ID:hSB9W00HO<> 2 <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/18(月) 23:45:55.62 ID:bRVU6rNeo<>
ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から



歌野「わ、私の体は自由にできてもマイハートまではフリーにはならない!」

天乃「え?」

歌野「……す、するんでしょ? SEX」

天乃「なんでそこだけ発音しっかりしてるの……?」

歌野「言わされると思って」

天乃「言わせないわよ!」

夏凜「言われた時点で天乃の負けでしょ」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/18(月) 23:55:23.31 ID:hSB9W00HO<> 乙
久々のうたのん
みーちゃんにもしもの事があったら不味いし何かできないか聞いておきたい所だな <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/19(火) 00:28:58.41 ID:4jWF0yFVO<> 乙
夏凜は夜ねれなかったのか… <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/19(火) 21:31:51.49 ID:8Q6nDloBo<>
では、少しずつ <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/19(火) 21:40:42.02 ID:8Q6nDloBo<>
√9月14日目 昼(病院) ※日曜日


天乃「…………」

昼が近くなって樹も目を覚まし、

眠れなかった子達も順々に目を覚ましていき落ち着いた時間

ふと息を吐いた天乃は斜め向かいのベッドにいる沙織と若葉を一瞥して

歌野と水都、2人のことを思いながら名前を呼ぶ

天乃「歌野……出てこられる?」

歌野自身も戦闘による被害はあったが、

それ以上に重い状態なのが水都だ

若葉曰く、その水都に関しては歌野が何とかしているという話で。

だから、歌野のことを呼んだのだが……

歌野「……んー、ソーリー。遅くなったわ」

歌野は呼んでから少し経って姿を見せた

普段の明るさを見せようとしているのかもしれないけれど

浮かべる笑み、紡がれた声は疲れを感じさせるもので

かえって無理をしているのが分かってしまう歌野の姿に

天乃は困ったように眉を顰める <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/19(火) 21:59:14.83 ID:8Q6nDloBo<>
天乃「大丈夫なの?」

歌野「今はなんとかね……寝ているから呼ばないで上げて」

呼んでも出てくる来ないは水都次第ではあるが

主の呼び出しである以上、出てくるのが精霊の取るべき行動

天乃はそのあたりは強制することはないし水都の意思を尊重するけれど、

水都はまじめだから出てくるだろうと考えて歌野は願うように呟く

歌野「でも、心配しなくて良いわ。さおりんみたいに順調だから」

天乃「若葉に聞いたけど、歌野――」

歌野「ど、ドンウォーリー! ドントウォーリー! だ、大丈夫!」

天乃「う――」

歌野「ノーっ!」

名前を呼ぼうとしただけなのだが、

前言が災いして顔を真っ赤にした歌野は悲鳴のような声を上げて

天乃の口を強く塞いでベッドに押し付ける

歌野「あ、あんまり他言するようなことじゃないわ」

天乃「ん……んぅ」

歌野「オーケー?」

天乃「ん」 <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/19(火) 22:10:39.70 ID:8Q6nDloBo<>
追及する気はもともとなかったが、

天乃はとりあえず歌野の要求に頷いて解放を促して、

自由になった瞬間に大きく息を吐く

天乃「別に無理に聞く気はないわ。ただ、私も苦手だから上手く出来たのかなと思って」

歌野「上手く出来たかどうかに関しては……ノーコメントで」

ふいっと顔を背けた歌野は、

ポリポリと頬をかいて、照れくさそうに苦笑いを浮かべる

少し失敗したことがあって

助けるはずが助けられたことがあるのかもしれない

あるいは、ただ自信がなかっただけか。

天乃「歌野から迫ったの?」

歌野「みーちゃんはやろうって言い出さないから……私達はそう言う関係にまでなったことなんてなかったから」

天乃のように、

穢れが関係なくとも行為を行うような関係であればともかく

ただ穢れを癒す為だけに行為を行うというのは

ただの利用でしかない気がして、水都は行いたくなかったのだろうし

元から自分はそれを担う役目としていたから、そのまま消えることも受け入れていたのだろう <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/19(火) 22:20:13.73 ID:8Q6nDloBo<>
天乃「じゃぁ、歌野から言ったのね」

歌野「みーちゃんを失うのは嫌だったから」

自分が消えるだけならまだ許容できると思う歌野は

水都も同じように考えているのだろうと分かっていて

けれども、それを容認するのは嫌だという我儘があるのだと呟く

歌野「前回、守ってあげられなくて……今度も守れないなんて嫌だって思ったけど」

天乃「それだけじゃなかった?」

歌野「なんというか、失うって思った時。そうなった後の自分を考えた時……真っ暗だなぁって思ったのよ」

誰かに言われたわけでもなく

こうしようと考えたわけでもなく

無意識のうちに初めから、水都がいない未来を考えていなかったのだと歌野は笑う

好きとか、愛しているとかそういう感情的な思い以前に、

歌野にとって水都は空気のように存在していて当然だったのだ

目を覚ませば隣にいて、扉を開ければそこにいて

いつでもどこでも必ず傍にいる

そういうような存在だと歌野は信じて疑っていなかった

歌野「みーちゃんのためなら何でもできると思った。ううん、みーちゃんのために何でもしたいと思った」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/19(火) 22:21:25.09 ID:bNIMAIhFO<> 知らないところでそんな事してたのか… <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/19(火) 22:38:07.96 ID:8Q6nDloBo<>
それは想いを抱く少女の表情

無邪気な少年が、無垢な少女が

たった一つの小さな何か

しかし、限りなく大きな一歩を踏み出して大人に近づいたときの表情だった

歌野「これがラヴってっやつ?」

歌野は言葉を紡ぎながらそうっと自分の胸に手を宛がって

どこか大人びた優しい笑みを浮かべる

歌野「だから、みーちゃんは大丈夫。私が責任を取る」

天乃「私の精霊なんだけど……」

歌野「お母様、娘さんを私にください」

天乃「誰が誰のお母様だって?」

ちょっぴり気迫を込めて言うと、

歌野は「ソーリーソーリー!」と声を上げて、笑顔を見せる

疲れは感じるが、楽しげな表情

けして無理はしていない表情

天乃「そうそう。そういう笑顔が良いのよ。歌野」

歌野「え?」

天乃「疲れたときは疲れたって言えばいい。心配させないようにって無理に笑顔にならなくて良い」

歌野「久遠さん……」

天乃「笑える時に笑いなさい。それが一番、いい笑顔になるんだから」


1、でも、する時はちゃんと合意の上でやるのよ?
2、穢れが関係なくてもちゃんとするのよ?
3、じゃないと私が、彼女を口説いちゃうわ
4、貴女も体は問題ないのね?
5、東郷や沙織に話を聞くと良いわよ

↓2 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/19(火) 22:39:39.04 ID:f25rslIN0<> 4 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/19(火) 22:39:59.43 ID:bNIMAIhFO<> 4 <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/19(火) 23:10:20.15 ID:8Q6nDloBo<>
天乃「貴女も体に問題はないのね?」

歌野「イエス。久遠さんの力がある限り、私達勇者はちゃんと怪我を治すことが出来る」

天乃「そういうことじ――」

歌野「だから、ドントウォーリー。久遠さん」

夏凜達と同じように怪我を癒すことが出来るから

そこまで心配する必要はないと歌野は言う

けれど、天乃が言いたいのはそう言うことではない

今、身体に不快な部分、不調な部分はないのかと言うこと

それを分からない人は分からないだろうが

歌野は分かっていながら言っている

そう感じて天乃が目を向けると、歌野は苦笑いを浮かべて

袖の部分を捲って、見せる

天乃「っ!」

一部欠損したような跡―抉られた傷―がまだ生々しく残っていた

初めこそ驚きを見せた天乃だっtが、

すぐに歯を噛み締めて痛感に耐え忍ぶ表情を浮かべる

天乃「なにがあったの?」

歌野「巫女にダイレクトアタック……というか、非戦闘員っていう弱点を突かれた」

天乃「…………」

もちろん、そこで守れたから歌野にはそんな傷があって

沙織達は平気ではないが、怪我を負ってはいないのだろう

歌野「でも、大丈夫よ! この通り、痛みはないしちゃんと治って言ってるからね!」 <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/19(火) 23:22:37.59 ID:8Q6nDloBo<>
天乃「そう言う問題じゃないのよ……」

歌野「ノンノン。そーいう問題よ」

誰も犠牲にならない戦いなんて不可能だった

誰も傷つかない勝利などありえなかった

だから、この程度で済んだ時点で問題はなかった。と、

手放しではないにしても、喜ぶべきなのだと歌野は笑う

歌野「守るべき物を守れた……なら、この程度のこと、なんの問題もないわ」

天乃「…………」

歌野「久遠さんだって、そうでしょ?」

天乃の求めている理想は違う

たとえそれが望に過ぎた代物であるのだとしても

抱く願いは、その最低限の被害さえもない結果

そうでなければ喜ぶことなど、本当は難しいのだ

しかしパーフェクトを求めていても

どうしようもない時に最低限の被害で済むのならそれに越したことはない。と

そう言う考えを持つこと自体は天乃も同じだし、

どうしても被害が出なければいけないとなった時は確かに、

自分の守りたいものが守れるのなら自分が多少傷つくのなんて気にもならない

天乃「まぁ……そうね」

歌野「だから、平気」 <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/19(火) 23:38:57.52 ID:8Q6nDloBo<>
天乃「でも、そんな体なら尚更無理はしちゃだめよ。たとえ、水都さんのためだとしても」

歌野「そこは久遠さんに言われるのは辛いなーっ」

歌野はそう言って、笑う

雰囲気的に笑う場面ではなかったかもしれないけれど

なんとなく我慢できなかったようで

明るく声を上げながら、歌野は天乃の手に触れる

歌野「……今だって樹海化したら参戦しようとしてる感じが強い」

天乃「…………」

歌野「駄目よ。久遠さんは今、妊娠しているんだから」

天乃「分ってるわよ」

どんな体だろうと、そこで自分に出来る事があって

それがみんなを救うことなのであれば無理をする

そう言う生き方をしてきた天乃にとって

今のボロボロになっている勇者部は簡単に受け容れたり

はい、そうですか。と、放っておくことが出来る状況ではない

天乃「……解ってる。だから、無理しないでって言ってるの」

歌野「ん……解ってる。オーケー、オーケー」

無理をしないから無理をするな。その応酬を互いに受け止める

しかし天乃は思う。

皆がどうしようもなく無理をして、

その被害が今以上に大きく酷くなっていた時

自分は無理をすることなくいられるだろうか。と <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/19(火) 23:49:05.54 ID:8Q6nDloBo<>
√9月14日目 夕(病院) ※日曜日

01〜10 九尾
11〜20 
21〜30 
31〜40 夏凜
41〜50 
51〜60 
61〜70 園子
71〜80 
81〜90 大赦
91〜00 

↓1のコンマ  <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/19(火) 23:50:47.04 ID:bNIMAIhFO<> あ <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/20(水) 00:04:27.39 ID:aWHwmp/po<>
ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


歌野「ベリーハッピーなエブリデイ……出来ないと思っていたことができて、幸せだったわ」

水都「何もしてあげられなかった自分が、うたのんの、皆の力になれて良かった」

球子「楽しかった。幸せだった。だから、そろそろ、杏に話に行ってやらないとな!」

千景「過去の罪。その後ろめたい記憶があったからこその今日までの日々。後悔で終わらないことに感謝を」

若葉「私達は私達があるべきところに還るだけの話……今日まで、ありがとう。天乃」

九尾「妾の主は主様ではなく、陽乃。ゆえに、妾もまた逝くことは必然……生きろ、我が愛しの子」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/20(水) 00:13:16.83 ID:4qxe3lA/O<> 乙
なんて縁起でもないオマケなんだ…
久遠さんのメンタルが試される時だろうな <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/20(水) 00:47:26.10 ID:tzeWw4y7O<> 乙
九尾会いたかったしちょうどよかったな <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/20(水) 10:49:30.03 ID:u1A93jVAO<> 確か前に妖怪と子作りしたことで出産したら再び力を使えるようになるとか言ってたっけ
もしまた戦いに出るとしてもそれまで辛抱できるかな… <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/20(水) 11:42:30.56 ID:4rzD2PfOo<> それ多分勇者の章の時期に被せて来るよね
天乃「待たせてごめんね、でももう大丈夫よ」ギュッ
とかしてきたらもう… <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/20(水) 22:10:05.08 ID:aWHwmp/po<>
では少しだけ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/20(水) 22:16:17.05 ID:rMcDNnTvO<> よしきた <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/20(水) 22:18:47.83 ID:aWHwmp/po<>
√9月14日目 夕(病院) ※日曜日


夕方が近づき始めると、

夏ではまだ日が出ていた空は段々と暗さを増していく

それはたぶん、10月が近いというのが後押ししているのもあるだろうと、

天乃は外を眺めながら思い、笑みを浮かべる

もうすぐ10月。

10月になれば文化祭等もあって、学校生活はより楽しさを増して、

月を跨ぐ速さに驚いて、受験の近さに慄くことになるのが日常的と言えば日常的だが

そんな楽しみ方を出来るのだろうか

子供の件があって通院あるいは入院が増えるだろう自分はともかく、

皆はどうなのだろうか

そう考えてみんなの方に目を向けた瞬間

その視界はたった一人の姿に埋められて

九尾「身体は問題ないようじゃな。主様」

天乃「九尾……?」 <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/20(水) 22:28:44.67 ID:aWHwmp/po<>
なぜ呼んでもいないのに出てきたのかと思い

悪い知らせか良い知らせかを考えて

まだ芽吹が調査隊として派遣されていないことにひとまずの安堵の息をつく

調査隊が壊滅した。などと言う話は絶対に耳にしたくない

天乃「どうかしたの?」

九尾「ほれ、この通り妾の体は綺麗そのものになったからのう」

見せてやろうと思ってな。と

九尾はくつくつと笑いながらぐるりと回ってみせる

霊体的な白い美しさを持つ九尾の体には、

以前見えたような傷は見えなくなっており、

本当に回復したようにも見えるけれど

九尾ならば幻惑で誤魔化すことも出来るというのが、

天乃に少しだけ疑惑の念を植えつける

体の状態を知られてしまった九尾【だからこそ】そう言った力を使って

天乃を安心させようとするからだ

自分のためではなく天乃の為を思ってという行為なのだから

中々、叱りにくい

九尾「ただ、勇者として戦った者達はまだまだ完治には至らんな」

天乃「ええ、若葉や歌野を見たから良く分かってるわ」

そもそも、精霊による守りがあって解放骨折や内臓損傷、意識不明にまで陥ってしまう戦いで

何も無いという方が、おかしいといえるだろう
<>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/20(水) 22:39:55.35 ID:aWHwmp/po<>
天乃「それだけのためにわざわざ?」

しかし、良く分からない存在である九尾とはいえ

たったそれだけのためにこの場に姿を見せるというのは違うと天乃は思い、問う

あの戦い以降、まだ姿を見せていなかったのならばその可能性もあるが、

一度見せているのなら……それだけで、というのは弱い

九尾「ふむ……そうじゃな」

天乃が何かあるのだと考えていることを悟ってか、

意味ありげなため息を挟むと、

九尾はゆっくりと目を開いて、天乃の瞳を見つめる

九尾「主様、無理はするでないぞ」

天乃「無理って」

九尾「歌野にも注意されておったであろう? みなの被害を聞くたびにその思いが強くなっておるように見えるが?」

違うかや?

そう問いかけてきた九尾の視線を受け止めながら、

天乃は「かなわないわね」と冗談めかした笑みを浮かべて

小さく溜め息をつくと、今は力のない手を握り締める

天乃「そうよ。戦いたいって思ってる。私なら一人で全部の被害を受け止められるとかじゃなくて、ただ。自分だけ何もしていないのが嫌で」 <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/20(水) 22:49:56.61 ID:aWHwmp/po<>
この状態で出来ることなど限られているのに

何もしていないわけではないし、出来ることを見つけては実行している

しかし、一番力があるはずの自分が

一番危険なところに居ないというのが、天乃にとっては罪悪感を孕むことだった

天乃「でも、待つって決めたから我慢するわよ……前に言ったでしょう? 子供に悪影響があるって」

無理矢理に力を使うことは出来るが

その場合には子供に関しての保障は出来ないと。

悪五郎が自分の存在を賭けて託してくれた命

それを自分のエゴで無駄にするなど、天乃にはそれこそ、出来ないことだから

天乃「それに、みんなを信じてるから」

九尾「満開を繰り返してもかや?」

天乃「……そうならないように頑張ってもらう。でも、本当にどうしようもなくて、みんながそれを納得しているなら」

それなら。

戦いの場にいない自分には何も言えないことだと

天乃は考えて、首を振る

天乃「なぜそうなったのかを考えれば、少なくともみんなを責めることなんて絶対にありえないわ」


1、神樹様について
2、結界の外について
3、精霊について
4、満開の代償について
5、ところで、えっちはやりすぎても平気なの?


↓2 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/20(水) 22:56:28.99 ID:rMcDNnTvO<> 4 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/20(水) 22:57:15.83 ID:bC+F77H/0<> 3 <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/20(水) 23:23:29.66 ID:aWHwmp/po<>
ではここまでとさせていただきます
明日は諸事情で休載とさせていただきます


九尾「精霊?」

天乃「ええ、私には若葉達以外にもいるでしょう?」

九尾「うむ」

天乃「彼……彼女? あの子はなんなの?」

九尾「きゃつは憎き天神の血を引く我らの切り札じゃ」

天乃「え?」

九尾「まぁ、ただの火の玉じゃが」

天乃「どっちなのよ……」

<> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/20(水) 23:33:24.63 ID:rMcDNnTvO<> 乙
ここまで一切謎の精霊だった火明命のことだろうか…?
本当に天の神に対抗できるほど存在だったとしたら凄いけど <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/21(木) 00:03:52.34 ID:T5ltdKGdO<> 乙
まあそこまで精霊に全部深い設定あるわけじゃないしトリビア的なのを期待しとこう <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/21(木) 00:15:50.85 ID:TK8yGLPPO<> 乙
火明命ってググっても資料ねーのな

精霊に関しては死神=イザナミ=黄泉津大神で本来バーテックスサイドの存在とかいうのが一周目で語られてたな <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/21(木) 19:39:08.60 ID:pWW2ycrdo<> 今日はやらんのか…よし見返そう→13スレ→無理やな→イマココ

今回は大分長いな
夏祭りとハーレムルートの影響かな? <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/21(木) 22:02:45.94 ID:hndZJhenO<> やることめちゃくちゃ多かったしな <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/21(木) 22:35:12.43 ID:PqygqQkeO<> 夏祭りはいつ見ても楽しい日常回
エロはいつ見てもアウトゾーン…pdfファイルとか見られたら[ピーーー]るわ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/22(金) 12:30:25.99 ID:dwjEO5cgO<> くあゆシリーズ三周年おめ
一作目から独自の世界観ながらも原作に上手く合わせてて違和感の少なさは流石だなぁと
これからも原作共々大事にしたいな <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/22(金) 22:04:33.59 ID:tpGj4dsCo<>
では少しだけ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/22(金) 22:09:39.95 ID:Oqg6xkM5O<> よっしゃ <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/22(金) 22:17:08.28 ID:tpGj4dsCo<>
√9月14日目 夕(病院) ※日曜日


天乃「ねぇ、九尾……返答次第で参戦するとかいうつもりはないけど、ちょっと聞きたいことがあるのよ。良い?」

九尾「なんじゃその気遣わせるような言い方は」

天乃「ふふっ、確かに」

九尾「それで、何が聞きたい」

流石と言うべきか、

九尾は冗談っぽく見せた表情を一瞬で切り替えて、問い返す

参戦できるのなら参戦するきっかけにしようとしているというような前置き

それが九尾に緊張感を持たせたのかもしれない

天乃は「そんな気を張らなくて平気よ」と

宥めるように笑って見せて、一息

天乃「精霊が消費した力はすぐに戻るの?」

九尾「なんの話じゃ」

天乃「例えば、苛烈な戦闘が二日続いたりした場合に前日で消費した力は戻るのか、消費したまま再戦なのかって話」

九尾「ふむ。それに関しては樹海化した状態ですぐさま連戦とならない限りは問題なかろう」

九尾はそう言うことかと納得したように頷きながら

天乃の質問への答えを紡いでいく

九尾「消費量にもよるが、主様は力が溢れるほどには供給量が極めて高いからのう。流れる量も桁が違うし問題はない」 <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/22(金) 22:29:48.19 ID:tpGj4dsCo<>
とはいえ、神樹様と比べれば

やはり、その総量―結界維持等含めれば―には及ばないし

300年間の世界の維持など天乃には不可能だ

しかし、現在の勇者への供給量のみで考えれば十分に匹敵していると言えるだろう

天乃が沙織、歌野、水都、千景、若葉、球子……と

少なくとも6人の力を支えている一方、

神樹様は大赦曰く5人が限度―園子を温存して―だと言われたからだ

九尾「主様が樹海に居れば連戦だろうと関係ないが……それは出来ぬからのう。繰り返すが、樹海化を維持したままでなければ問題はない」

天乃「そう……じゃぁ、今もし戦闘があっても若葉達は力をちゃんと使うことが出来るのね?」

九尾「うむ。それについては保証しよう」

もちろん、戦いの厳しさによっては力を出し切る必要があって

それによる消滅も起きる可能性がないとは言えないが……

少なくとも、力を出し切れなかったから。という

本人に後悔を抱かせるような結果にだけはならない事だろう

天乃「あと、もし私の力が完全に消失したときにみんなはどうなるのかも教えて」

九尾「嫌な気配を纏った疑問じゃのう……よからぬことを考えてはおらぬか?」

天乃「これはついでのようなものよ。少なくとも力をなくすようなことをしたいとは考えてないわ」 <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/22(金) 22:44:39.97 ID:tpGj4dsCo<>
けれど、次第に厳しくなっていった戦い

いずれ落ち着くだろうという話は出たが、落ち着いたからと解放されるわけではないし

神樹様にも限界はあるのだ

そうなったときにはきっと嫌でも行動しなければいけないし

そのときにどういった手段を講じるのか

何か一つでも知っているのと知らないのとでは大差がある

だから些細なことでも知っておきたいのだと天乃は思う

九尾「そうじゃな、供給される力がなくなるだけですぐさま消滅するということはあるまい」

そう言った九尾は「ただし」と、続けて

九尾「存在するだけでも力を消費するゆえ、数日で消えることになるのは間違いない」

天乃「そう……」

九尾「それは免れられぬことじゃ。嫌ならば余計なことはするでないぞ」

天乃「わかってるわよ」

斜めから釘を刺されて、天乃は少し不服そうに答えると

自分の力のない足、弱った手を見て、窓に映る自分を見る

赤色だった瞳は段々と橙色に戻りつつあって

ただ、光を失った義眼のように見えた <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/22(金) 22:52:04.69 ID:tpGj4dsCo<>
天乃「そういえば、九尾は火明命に会ったことはある?」

九尾「あまり見ぬが」

天乃「私も契約? というか追加されたときに会った程度だからどんな子なのかなって」

九尾「ふむ……形状はおぬしが見たもので変わらぬはずじゃ」

九尾でさえもやや曖昧な答えで

考え込むように小さく唸った九尾は続ける言葉が見つからなかったのか

ため息をついて呆れた表情を見せた

九尾「実際の話、妾もきゃつについては殆どしらぬ」

天乃「どういうこと?」

九尾「妾の生きた長い年月……その間、火明命という名はまったく耳にしていない。ということじゃ」

そこまで情報がない神様? というのも珍しいだろう

今の時代に関しては

インターネットで検索しても該当なしとされるなど、

やや情報統制されている―神樹信仰―節がある為仕方が無いといえるが

神世紀以前の知識も持つ九尾がまったく知らないというのは

極めて異常だと天乃は思う

九尾「意外に千景のように抹消された存在なのかもしれぬな。なんにせよ、今の主様では見ることすら叶わぬ」

天乃「そうよね……」

九尾「少なくとも敵ではないのだから、あまり気にするでない」

天乃「…………」

そう言うわけには行かないと思うけれど

今の天乃ではどうしようもないことも、確かだった <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/22(金) 23:02:30.24 ID:tpGj4dsCo<>

√9月14日目 夜(病院) ※日曜日

01〜10 
11〜20 千景
21〜30 
31〜40 
41〜50 沙織
51〜60 
61〜70 
71〜80 夏凜
81〜90 
91〜00 大赦

↓1のコンマ 
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/22(金) 23:03:44.51 ID:Oqg6xkM5O<> あ <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/22(金) 23:27:02.58 ID:tpGj4dsCo<> √9月14日目 夜(病院) ※日曜日


1、精霊組
2、勇者組
3、イベント判定
4、文化祭
5、結婚について


↓2 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/22(金) 23:28:52.68 ID:H+9lNBTD0<> 3 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/22(金) 23:29:15.06 ID:Oqg6xkM5O<> 4 <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/22(金) 23:47:34.70 ID:tpGj4dsCo<>
ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


天乃「文化祭、楽しみましょうね」

風「そうね。全部終わったら、若葉達も含めて……楽しみましょ」

夏凜「ちょっと、その言い方は!」

友奈「大丈夫だよ夏凜ちゃん。為せば成るよ!」

東郷「全力で楽しみましょう、みんなで」

若葉「ああ、そうだな」

樹「はいっ」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/22(金) 23:48:53.29 ID:CPS5N1vFO<> 乙
全て受け止める久遠さん見たいぞ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/22(金) 23:59:04.82 ID:Oqg6xkM5O<> 乙
九尾に久遠さんが食い気味に質問したり九尾でも知らない事があったり意外と珍しい場面が多かったな
文化祭ではどんな日常シーンが見れるのだろうか <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/23(土) 06:51:24.92 ID:KIoDW71eO<> アニメを見て久遠さんを見て
似かよった展開での異なった状況に困惑
久遠さんの安心感がヤバい <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/23(土) 09:34:26.30 ID:LIkbqXq6o<> 二期前の自分
スレを見ながら「アニメだとこうだったんだよなぁ」
二期中の自分
アニメ見ながら「くあゆだとこうだったんだよなぁ」

二期がこのスレの通った道過ぎてもう…あと神樹様止めといた方がいい
友奈は久遠さんの嫁だぞ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/23(土) 17:31:04.84 ID:H80WIhURO<> そういや若葉と入れ替わりで日替わり添い寝だけど添い寝相手コンマあるかな? <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/23(土) 21:55:41.01 ID:Lvil2koho<>
では少しだけ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/23(土) 22:01:06.19 ID:IvCMSD+YO<> かもーん <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/23(土) 22:10:20.69 ID:Lvil2koho<> √9月14日目 夜(病院) ※日曜日


今日もまた一日が終わりに近づいていくのを外の景色と共に実感できる喜びに浸りながら

天乃はふと、息を吐く

9月が終われば10月になり、そして文化祭がある

みんなで劇をやって、時間があるだけ出し物を見て回ったり

生徒が提供する屋台の食べ物で空腹を満たして、

また、祭りの賑やかさに溶け込むのだ

それが、とても楽しみではあるのだが。

天乃「ねぇ、みんなは文化祭の劇……大丈夫?」

風「大丈夫が何に向かってるのか分からないけど大道具小道具はぎりぎり過ぎてやばい」

樹「衣装も間に合ってないよね」

東郷「演出もまだ途中です」

夏凜「セリフはまぁ……一応」

友奈「夏凜ちゃん凄いなぁ、私なんて全然だよ〜。台本見れば言えるんだけど」

沙織「それは誰でも出来るよ

<>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/23(土) 22:38:43.95 ID:Lvil2koho<>
なでなで。と沙織が友奈の頭を撫でながら笑うのを見ると、

夏凜は小さくため息をついて「覚えなきゃ」と呟く

夏凜「天乃は?」

天乃「平気だったら聞いてると思う?」

風「同類探し……いや、まぁ、そんな余裕ないわよねぇ」

勇者勢ぞろいで文化祭の準備が全然出来ていない状況に意気消沈して

そんな日常的なことに焦る余裕があることの幸せを感じて

園子「あれれ〜? 私は何も聞いてないよ〜?」

園子の楽しそうで寂しそうな声が聞こえた

園子「文化祭〜? 劇〜? 私もやりたーい」

天乃「園子は外出さえ出来れば……」

樹「あの、それなら……映像転写でリアルタイムで見せるのはどうでしょうか」

はいっ! っと手を上げた樹は、

やや身を乗り出すようにしながら、園子も出演させるための計画を話す

主人公が担う勇者の先代だったり、知り合いだったり

……そこは脚本である風に任せることになるが

とにかく、引退した関係者か何かの立場を与え、

主人公が脅威に阻まれた際に思い出す回想の一部として出てくる。という流れだ <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/23(土) 22:49:56.54 ID:Lvil2koho<>
東郷「……なるほど、その展開ならそのっちの今の状態も演出の一つと」

夏凜「確かに、そうできるかもしれないけど脚本の力次第になるわよ? それ」

風「な、なによその程度寧ろ役不足だしー? もっと無理難題を持ってきても平気だしー?」

沙織「んー。そうなる可能性があってなお立ち上がるんだって力強さを見せるのはどうかな」

沙織のその一言で、確かに。と皆が頷く

天乃や友奈達にとってはもはやそんなことは当たり前で考えすらしていなかったが

たしかに、その流れは見る人たちにとっては勇気付けられるようなものになりそうだと

皆が思う

園子「大事なのは犠牲になるための一歩じゃなく、生きるための一歩を見いだして踏み出す勇気だよね。同じようでまったく違う」

樹「そうですね。進んで人柱になるのも勇気が必要だと思います……でも、それじゃ本当に幸せにしたい人を幸せには出来ません」

友奈「何か一つを犠牲にするのが当たり前かもしれないけど、でも。物語はハッピーエンドが好きです」

天乃「解ってるから、みんなして私を見ないで」

夏凜「ま、それは天乃だけじゃなく、私達にも当てはまることだけど」

そう言った夏凜は友奈の言葉を受けてか「物語は」と呟いて、苦笑する

夏凜「犠牲を必要とするのがトゥルーエンド、犠牲なく終えられるのがハッピーエンド。友奈は後者、みんなは?」

若葉「愚問だな。だがあえて言おうか、私も後者であることを望む」

園子「ご先祖様に同じく〜!」

風「先代様に同じく〜!」

東郷「そのっちに同じく」

沙織「現実はいつもトゥルーだけど、理想はハッピー。それが人間だからね」
<>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/23(土) 22:59:09.15 ID:Lvil2koho<>
歌野が使いそうな言い回しで答えた沙織は、「ね?」と、

天乃にも同意を求めるように言うと、夏凜へと目を向ける

夏凜「なら、そう言う方向性で行きましょ。異論はないわよね? 風」

風「あたし部長なんだけど! 夏凜のほうが仕切ってる感出るのおかしくない!?」

樹「そういうところがせっかくの良い所を消しちゃってるんじゃ……」

風「樹……意外と毒舌になったわね……」

およよよ……と悲しげに呟く風の茶番な姿に、

樹は困ったように笑って「夏凜さんの方が大人っぽく見えるよ」と追撃を打ち込む

それは勇者部にとっては日常の一片なようで

東郷はそれではと、声を上げて場の空気を沈める

東郷「そのっちの体調次第ですが……役追加ということで良いですよね?」

天乃「反対する理由はないわ」

園子「お役目、GETだぜ〜」

友奈「ちゃんとできるようにみんな、体調には気をつけないとですね」

夏凜「とは言うけど、衣装とか何とかしなきゃ不味いんじゃない?」

園子「いっそ大赦使うとか」

風「それはなんか負けた気になるから出来れば……」 <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/23(土) 23:22:56.83 ID:Lvil2koho<>
沙織「なら瞳さんに聞いてみたらいいと思う。きっと喜んで力を貸してくれると思うよ」

送迎係を担っている瞳は、それと同時に夏凜の保護者のような立場でもある為

大赦の人間ではあるが、鷲尾時代の担任のように天乃達に寄り添う人で

行事への協力は惜しまないだろうし、寧ろ自ら名乗りを上げてくれるはずだ

夏凜「瞳ね……まぁ、確かに」

何か思ったのだろう

夏凜は苦笑いを浮かべて目を逸らすと、息をつく

少なくとも嫌な何かがあるという態度ではなかった

夏凜「あとで連絡してみる」

天乃「瞳は大丈夫? 忙しくない?」

夏凜「むしろ、今なら送迎がないから暇でしょ。多分」

芽吹へのお節介はあるが、あれは命令でもなんでもないため

役割的には確かに暇を持余している可能性はある

だからと言って仕事を増やすのは気が引けるが

向こうが喜んでやってくれるというのなら、口を挟むことではないだろうし

夏凜もそう思ったから、一瞬迷ったような反応を見せたのだろう


1、で、キスシーンはどうする?
2、私にも何か手伝えることない? 裏方で
3、私のお腹が大きくなった場合の衣装とか、どうするの?
4、みんなで成功させましょうね、ちゃんと



↓2
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/23(土) 23:25:19.46 ID:IvCMSD+YO<> 4 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/23(土) 23:25:40.90 ID:XyhFUIfz0<> 2 <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/23(土) 23:42:08.00 ID:Lvil2koho<>
ではここまでとさせていただきます
明日も出来れば昼頃から


友奈「え……神婚ですか?」

友奈「久遠せんp……じゃなかった。こほんっ。天乃先輩には話したんですか?」

友奈「してないなら、私は絶対に神婚なんてしません」

友奈「なんでって……天乃先輩が言ったんです。絶対に何とかするって」

友奈「だから、私は未来を諦めたりなんかしない。悲観しない、絶望したりなんかしない」

友奈「だって私は、天乃先輩のお嫁さんだから!」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/23(土) 23:52:39.72 ID:IvCMSD+YO<> 乙
こちらの勇者部は決戦前の時点で精神面が一歩先へ進んでる感じがするなあ
あとオマケにいるのは一周目の友奈ちゃんだろうか <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/23(土) 23:55:59.11 ID:pzkEBzG4O<> 乙
むしろ神婚するとか言い出しそうなの久遠さんだよなあ <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/24(日) 15:45:53.88 ID:T2ygaxZZo<>
では少しずつ <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/24(日) 15:52:18.67 ID:T2ygaxZZo<>
天乃「ねぇ、結構切羽詰まってるんでしょう?」

夏凜「そうらしいけど」

風「らしいけど。じゃないわよ夏凜。手伝え〜」

夏凜「言われなくてもちょくちょく手伝ってるわよ」

微笑ましく見ていられそうなやり取り

それを見つめながら、天乃は小さく笑みを浮かべて

天乃「私にも何か手伝えることない? 裏方で」

ほんの厚意でしかない問いを投げかけた

思惑などない

ただただ、頑張っているみんな

そのみんなで完成させたい文化祭だから

自分にも何かできることがあれば。と

そう思っただけなのだが

風「いやいやいや、天乃は何かしたら駄目だって!」

樹「久遠先輩の身体に障ったら大変です!」

天乃「でも」

東郷「普通の妊婦の体じゃないんですよ?」

沙織「双子って言うだけでも大変なのに、かなり不安定な状態なんだよ? いまだって本当はゆっくり寝ていて欲しいくらいなのに」

若葉「気遣いはありがたいが……自分の体を大切にしてくれ。天乃」

当然のように、みんなからは猛反対を喰らった <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/24(日) 15:56:07.19 ID:p+oc3kEnO<> きてたー <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/24(日) 16:07:17.81 ID:T2ygaxZZo<>
天乃「裏方よ? 裏方……」

東郷「設定崩されたら嫌なので」

樹「BGM消されると困るので」

天乃「そこまで機械に疎くはないわよっ!」

夏凜「インターネット掲示板で実名とアドレスを打ち込むような人に言われても」

天乃「それとこれとは話が違うじゃないっ」

そもそもなんでその話を知っているのか。という点については

この場にはいない長くて黒い髪を持つ女の子が

ついつい話してしまったからだと若葉が笑った

沙織「だからまぁ、ね? 大人しくしてよう?」

天乃「何よみんなして……もう手伝ってあげないんだから」

夏凜「何? 拗ねてんの?」

天乃「別に」

拗ねてんでしょうが。と

半ば呆れたように言った夏凜は

少しばかり面倒くさそうに息をつくと

ベッド同士の隙間を気にすることなく身を乗り出して天乃へと近づく

夏凜「……ま、そういうあんたも可愛いけど」

天乃「っ、ば、馬鹿なの……?」

夏凜「馬鹿で悪かったわね」

ちょっとした憂さ晴らし。

内心、揶揄うことが楽しくて

夏凜は良い顔で笑って見せた <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/24(日) 16:41:03.35 ID:T2ygaxZZo<>
友奈「でも、久遠先輩には安静にしていて欲しいです」

何か問題を起こされる可能性が少なからずあるけれど

それだけではなくて

子供の件というとても大切なことがあるから

だから、出来る限り何もしないで欲しいのだ

夏凜も、みんなも

若葉「風や東郷には満開もあって不安なのは分かるが、大丈夫だ」

天乃「……うん」

夏凜「瞳にも手伝ってもらうわけだし、平気よ。あんたはゆっくり休んでなさい」

天乃「でも、徹夜とかしないようにしなさいね?」

夏凜「大丈夫。あんたはほんと……心配性なんだから」

身体に障らないように

ベッドから自分が滑り落ちないように

ゆっくりと天乃の体に触れて、優しく引き寄せていく

夏凜「少しは気を抜いたほうが良いわよ。天乃」

天乃「抜かせてくれないのは貴女達でしょ」

夏凜「それは……悪かったわね」 <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/24(日) 16:53:00.52 ID:T2ygaxZZo<>
1日のまとめ

・   乃木園子:交流有(文化祭)
・   犬吠埼風:交流有(朝キス、文化祭)
・   犬吠埼樹:交流有(朝キス、文化祭)
・   結城友奈:交流有(文化祭)
・   東郷美森:交流有(文化祭)
・   三好夏凜:交流有(文化祭)
・   乃木若葉:交流有(文化祭)
・   土居球子:交流無()
・   白鳥歌野:交流有(水都、体調)
・   藤森水都:交流無()
・    郡千景:交流無()
・伊集院沙織:交流有(文化祭)
・     九尾:交流有(精霊について)
・     神樹:交流無()


9月14日目 終了時点

乃木園子との絆  61(高い)
犬吠埼風との絆  90(かなり高い)
犬吠埼樹との絆  76(とても高い)
結城友奈との絆  98(かなり高い)
東郷美森との絆 106(かなり高い)
三好夏凜との絆 125(最高値)
乃木若葉との絆  91(かなり高い)
土居球子との絆  38(中々良い)
白鳥歌野との絆  37(中々良い)
藤森水都との絆  30(中々良い)
  郡千景との絆  35(中々良い)
   沙織との絆 107(かなり高い)
   九尾との絆  57(高い)
    神樹との絆   9(低い)
<>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/24(日) 17:20:04.69 ID:T2ygaxZZo<>
√〇月〇〇日目 〇(〇〇) ※〇曜日


↓1 コンマ判定一桁

補正(+2) <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/24(日) 17:22:08.32 ID:p+oc3kEnO<> あ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/24(日) 17:25:01.80 ID:EJqdOorsO<> 一体何が起こるんだ…? <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/24(日) 17:32:42.84 ID:GGqkMgahO<> なんだなんだ? <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/24(日) 17:54:00.28 ID:T2ygaxZZo<>
少し前にも体験した、世界の変化

連なる人工物はその姿を非科学的で不安定な色合いの根へと変質させ

どこかへと向かって伸びていく

――樹海化

もう起きないと言われたわけではないが、

しかし、出来る限り起きることは無いようにと願った現象

つい先ほどまで傍らにいたはずの少女の姿はなく

夏凜は状況とともに息を飲んで、吐き出す

夏凜「若葉、状況は」

若葉「前回ほどではないように思えるな」

夏凜「……そ。向こうも勝負を捨てたってやつ?」

九尾「前回での損害がきゃつらも相当なものだった。と言うことじゃろう」

しかし、勇者の大多数に被害を与えることが出来た上に

神樹様も弱ってきているのだ。攻めない手はない

夏凜「…………」

友奈は記憶喪失により非戦闘員状態、水都は疲弊しきっていて

樹は左腕が完全に使えない

風「……やれる?」

夏凜「やれるやれないじゃない。やるしかないのよ」 <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/24(日) 18:25:50.05 ID:T2ygaxZZo<>
千景「バーテックスが減っていても、私達は人数が減っているうえに完全に癒えたわけじゃない」

若葉達に関しては、

天乃の精霊と言うだけあって治りも早く、

全快とまではいかなかったとしても、

万全な状況に近しい状態にまでは近づけているが、

素体が生身の人間である夏凜達まではそうはいかない

千景「無理は禁物よ」

夏凜「いざとなったら満開を――っ!」

パシンッと肩が叩かれ言葉が途切れる

振り向いた先、手を掲げたままの歌野はにやりと笑って

歌野「トゥルーよりハッピー。まずは抗ってみようじゃない!」

雰囲気に似合わず明るい表情を見せる

常に前向きに

ただただ、ハッピーエンドを求めて突き進む歌野だからこその表情

風「無理だったら無理だったで全力全開……それで、みんなで天乃に怒られましょ」

樹「久遠先輩は怒らないと思うけどね」

夏凜「そりゃ、あいつが怒るわけない」

きっと慰めてくれる

きっと優しくしてくれる

きっと、この場にいられないことを悔やむ

だから、全身全霊を持って――無事であろうと抗うのだ <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/24(日) 18:45:54.26 ID:T2ygaxZZo<>
難易度:4(状況変化中により更に+2)

判定有


1、スキップする
2、スキップしない


↓2


※スキップする場合、負傷の有無は判定で決まります
※スキップしない場合、負傷しない場合もありますが、より大きなけがをする場合があります <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/24(日) 18:46:41.89 ID:GGqkMgahO<> 2 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/24(日) 18:50:37.02 ID:EJqdOorsO<> 2 <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/24(日) 19:34:00.11 ID:T2ygaxZZo<>
では、マップが完成したところで一時中断とさせていただきます
再開は22時前後を予定しています

最終決戦ですが、前回よりは難易度低めです
※友奈離脱中


https://i.imgur.com/qsehukK.png <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/24(日) 19:47:49.86 ID:5ecxVHKDO<> 一旦乙
何気に最終決戦を操作するのは三作目にして初か
出来れば無傷で帰りたいな <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/24(日) 20:22:17.06 ID:Shd7FBp2O<> まあこうなれば多少の満開は仕方がないよ
ジリ貧になるくらいならしといて全員生きて帰ろう <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/24(日) 21:53:51.89 ID:T2ygaxZZo<> ではまた少しだけ <> ◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/24(日) 22:07:40.98 ID:T2ygaxZZo<>
夏凜「東郷、風。満開で使えなくなった腕と手に関しては問題ない?」

風「あー新しい精霊のおかげかもしれないけど、たぶん大丈夫」

先に答えた風はなぜか少し困った様子で左手に握っていた大剣を振るう

その瞬間に大剣は光を放って空間を刻み、

その軌道上に大剣と同じ大きさの刃が浮遊する

風「こんなのが使えるようになったのよ。自立型のやつ……って言っても、風で浮いてる感じなんだけど」

本来持ち手がある部分を風が包み込んでおり、

それが浮力として機能し空中を自由自在に旋回する

力の源であろう鎌鼬という精霊は姿を見なかったが、

話に聞く限りでは、そう言うもののはずだと風はいう

夏凜「ったく、精霊なら何でもありなのね……」

満開の代償を考えればそれは致し方ないことではあるのだが、

夏凜はこんな状況でありながらため息をついて東郷へと目を向ける

東郷に至っては3度目の満開

何が出てきても、おかしくはなくて

東郷「奇遇ですね風先輩、私も同じく遠隔攻撃砲が補填されました」

夏凜「はぁ!?」

樹「なんか遠隔操作の武器って格好いいですよね」

球子「タマは半遠隔操作だからな〜10個くらいババっと出してバーンってやってみたいなーっ」

千景「そんなゲームみたいなことを言っていると怪我するわ。土居さん。ここは現実なんだから」

球子「7人になれるからって余裕そうにっ!」

沙織「ねぇ郡さん、7人で久遠さんとエッチしてみる気はない?」

若葉「お前達いい加減にしないか! 敵が来るぞ!」 <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/24(日) 22:33:10.09 ID:T2ygaxZZo<>
操作は夏凜で固定します

1、スキル(精神を使う)
2、移動 MAPより選択
3、様子見
4、作戦提案

↓2


4はNPCの行動パターンを変更

https://i.imgur.com/5k12xkz.png <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/24(日) 22:35:42.66 ID:5ecxVHKDO<> 1 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/24(日) 22:37:46.32 ID:sHtSWsD40<> 2 J12 <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/24(日) 23:08:28.09 ID:T2ygaxZZo<>
若葉「今まで戦った敵と何も変わらない、だが、油断するな!」

夏凜「分ってる!」

後ろから若葉の声が飛んでくる

頭では分かっているつもりだったし

油断や慢心しているつもりもなかった

ただ、本来この手に握っていたはずの温もりを

身体が感じていたはずの優しさを

少しでも早く、取り戻したくて

自分が逆に与えていたはずのそれを失って

不安になるであろう彼女にまた差し出したくて

夏凜は全力で地面を蹴り出して誰よりも早く先行する

夏凜「さっさと終わらせて、帰る!」

誰かに満開を使わせるのは出来得る限り避けたい

獅子座がいて、満開はもはや不可避に近いが

それでも何人も満開するのは、避けたいと夏凜は思う

夏凜「……動いたっ!」 <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/24(日) 23:26:53.85 ID:T2ygaxZZo<>
若葉「いくら何でも先行しすぎだ」

千景「短期決戦が望ましいのは事実よ、乃木さん」

若葉「だが――」

千景「結城さんが抜けた穴を埋めようとしているのよ」

千景は先行していく夏凜の背中を一瞥すると

跳躍の為に一度地面に足を付けて、蹴り出す

そのたった一歩の間に、夏凜は二歩進んでいるという速度で離れていく

千景「満開した犬吠埼さん、至近距離が不得手な樹、精霊ゆえに消えてしまう私達……」

若葉「だから適任者は自分だと……?」

千景「三好さんの考えは分からないけれど、私ならそう考えるわ」

戦闘においてヒーラーは重要だが、

勇者の中にそんな能力を持っているのはいない

なら、次に重要なのが素早く動ける囮か、攻撃を受け止められるタンク

しかしバーテックスの超火力を前にしてのタンクなど自殺行為

実際に、樹は左腕をやられたのだから試す必要もない

ゆえに、最速の囮

千景「でも、バーテックスが三好さんを上回っていたら大変なことになる。だから」

若葉「全力で援護をするんだろう? 分っている……ッ! 行くぞ!」 <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/24(日) 23:40:00.63 ID:T2ygaxZZo<>
1、攻撃(蠍 威力300)
2、移動攻撃(J10移動 蠍攻撃 威力650)
3、移動 MAPより選択
4、精神コマンド(再安価)


↓2


※4の後に行動可 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/24(日) 23:41:10.28 ID:5ecxVHKDO<> 1 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/24(日) 23:44:21.58 ID:dFeYuF0lO<> 2 <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/24(日) 23:54:55.80 ID:T2ygaxZZo<>
夏凜→蠍座 命中判定↓1 01〜64  01〜10またはゾロ目CRI <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/24(日) 23:56:58.35 ID:QCZCxu55O<> あ <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/25(月) 00:04:14.41 ID:W/L/4Q/lo<>
樹→ 蠍 封印判定  ↓1  25〜34  52〜61  79〜88  01〜10 以外成功 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/25(月) 00:06:05.25 ID:AalNyCI0O<> あ <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/25(月) 00:12:40.87 ID:W/L/4Q/lo<>
ではここまでとさせていただきます
明日は出来れば通常時間から
休載の可能性もあります

若葉、千景はSP使っての攻撃……



若葉「満開は使うな、夏凜」

夏凜「分ってる……卍解!」

千景「なっ……死神代行は私よ!」

若葉「張り合うところはそこじゃないだろう!?」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/25(月) 00:17:57.98 ID:MPkI9Pp9O<> 乙
多少の満開もやむなし…… <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/25(月) 00:22:00.16 ID:AalNyCI0O<> 乙
夏凜ちゃんの満開は久遠さんのメンタルに致命傷与えそう…
それと友奈ちゃん参戦不可も結構キツいな <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/25(月) 10:25:01.68 ID:oTaafY6vO<> 逆に言えば原作で絶賛鬱展開中の友奈を無茶させずに済んだことにもなるけど… <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/25(月) 22:17:48.30 ID:W/L/4Q/lo<>
では少しだけ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/25(月) 22:20:25.65 ID:l3I5C/A+O<> よしきた <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/25(月) 22:23:36.86 ID:W/L/4Q/lo<>
夏凜「…………っ」

先行してきているのは、蠍座のバーテックス

通常の蠍のように尾に毒を持っているが、現代の勇者には精霊による守りがあるため、

無効になってはいるのだが……精霊である若葉達には有効で厄介だし

そもそもの力が強力で、

精霊の加護があろうとそれごと殴り飛ばされて強打したような痛みを負うことになる

その背後に、蟹座、獅子座、射手座

遠距離特化の射手座

圧倒的な質量の体で迫り、遠距離攻撃も可能な獅子座

それらを守る蟹座

厄介でしかないバーテックスの軍勢を見つめ、夏凜は少し長く息を吐く

夏凜「落ち着け、落ち着きなさい三好夏凜」

前回の激戦とは何もかもが違う。だから、焦る必要はない

一つ一つ、慎重に刈り取っていければいい

夏凜「行くわよ……三好夏凜!」

力強く地面をけり出して、滑空

肉薄の瞬間に、握った刀を蠍座の強固な体

その継ぎ目である僅かな隙間に突き通す <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/25(月) 22:27:46.93 ID:W/L/4Q/lo<>
夏凜「小さい虫は虫でも、蜂に刺されりゃ少しは痛いでしょ」

自分など見えていないかのような進軍

その傲慢な態度を見せていた蠍座のバーテックスの体が蠢く姿に、夏凜はにやりと笑って――

夏凜「っさせるか!」

振り回されそうになった尾先をもう一つの刀で切り落とす――が、一手足りない

夏凜「っ!」

針の無くなった尾はその身自身を武器として大蛇のように樹海の根をへし折って暴れ、

夏凜の体を弾き飛ばし、ぐるりと周囲の空間を薙ぎ払う

夏凜「でたら――っ!」

跳躍し、地面を転がり、縦横無尽に暴れまわる蠍座の攻撃を寸前で回避しつつ、

しかし、蠍座との距離は絶対に開かない

夏凜「そう……私を見ろ! バーテックスッ!」

その叫びに応じるように、蠍座の巨体が夏凜へと迫る

立ちはだかる壁のような巨躯

人工物ではない恐ろしさ

顔らしいものは存在していないのに、全身に感じる何者かの視線

夏凜「――若葉ッ!」

だが、怖気づくことはない

夏凜は自分を追って来ていた勇者の名前を叫び身を屈めると

自分の背中に何かが触れたのを感じて、バネのように体を伸ばす

その瞬間、若葉が姿を見せた <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/25(月) 22:34:45.03 ID:W/L/4Q/lo<>
本来の脚力に夏凜の力を合わせた若葉の接近は蠍座の反応よりも早く、

遅れて動いた蠍座の尾は、完全に間に合わない

だが、若葉は油断なく周囲の気配を感じ取って、刀に手をかける

前回も慢心していたわけではないが、手痛い襲撃を受けていたから

だから、極限までの緊張感を持って、挑む

若葉「悪いが、速攻で片を付けさせてもらう!」

千景「一気に決めるわ」

上空に構える若葉、どこからともなく地を駆け姿を見せた千景

2人はただ、己の一撃のみを頭に武器を取る

空気が切り裂かれ、鉄の閃光が瞬く

黒煙が伸び、巨躯が包み込まれていく

若葉「はぁぁぁぁぁ―――一閃!」

千景「ふっ―――っ!」

上空からの一閃、地上からの横薙ぎの一閃

両者は決してぶつかり合うことなく蠍座の体を刻み、

千景の持つ死神の力が蠍座の体を蝕み――崩壊へと誘う <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/25(月) 22:48:26.51 ID:W/L/4Q/lo<>
千景「……まず1つ」

若葉「次だ」

だれも倒した余韻には浸らない

そこに喜びも何もない

まだ目の前に存在する3体のバーテックス

彼らはきっと、連携を持って勇者を討ちに来るだろう

ゆえに、本番はこれからなのだ

夏凜「若葉、千景。もしかしたら満開が必要になってくるかもしれない……その時は」

若葉「状況次第だ。止める場合もあることは頭に入れておいてくれ……特に、夏凜の場合は」

夏凜に目を向けることなく言った若葉に対し、

夏凜は目を向けると何かを言いたげに眉を顰めて

しかし、何も言わずに首を横に振る

千景「そう言うネガティブな話なら後にして。今は集中しなさい」

若葉「分っている」

千景「……来るわ」 <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/25(月) 22:52:49.74 ID:W/L/4Q/lo<>
ダメージ計算

夏凜→蠍座 721ダメージ
若葉→蠍座 1254ダメージ
千景→蠍座 1274ダメージ

計3249ダメージ
討伐完了 <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/25(月) 23:04:37.35 ID:W/L/4Q/lo<>
バーテックス行動

蟹座→絶対防御(周囲のバーテックスへの攻撃阻害)

射手→若葉 命中判定↓1 01〜90 命中 ぞろ目切り払い 01〜10 切り払い  68〜77 カウンター
獅子→夏凜 命中判定↓2 01〜65 命中 01〜10 切り払い   ぞろ目 カウンター
獅子→歌野 命中判定↓3 01〜90 命中 ぞろ目切り払い 01〜10 切り払い  68〜77 カウンター <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/25(月) 23:05:16.45 ID:l3I5C/A+O<> あ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/25(月) 23:05:59.67 ID:gPaRG4K7O<> あ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/25(月) 23:06:48.55 ID:J2w9iQkZ0<> あ <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/25(月) 23:12:20.40 ID:W/L/4Q/lo<>
若葉命中 194ダメージ
夏凜回避
歌野カウンター <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/25(月) 23:21:48.70 ID:W/L/4Q/lo<>
ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


友奈「どうしよう……わ、わたしも……」

沙織「無理しても、何もできないよ。結城さん」

友奈「っ……」

沙織「力が欲しい? なら……使ってみる?」

友奈「え?」

沙織「火明命……あたし達の、切り札だよ」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/25(月) 23:24:38.90 ID:gPaRG4K7O<> 乙
今のところ順調だな <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/25(月) 23:29:47.74 ID:l3I5C/A+O<> 乙
蠍座をあっさり撃破したのは大きいな
若葉と千景の連携カッコいい… <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/26(火) 12:03:15.80 ID:OC3qMskqo<> 鍛練記録でもそうだけど先代勇者を格好良くしてかつ珍しい連携を書いてくれるから好き
千景と晴海とか凄かったな <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/26(火) 22:20:37.79 ID:qeuLCSjno<>
では、少しだけ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/26(火) 22:24:19.46 ID:Omeq/tYDO<> あいよ <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/26(火) 22:25:51.17 ID:qeuLCSjno<>
若葉「くっ……邪魔だッ!」

射手座との連携に特化した巨大な反射板を周囲に展開する蟹座が前へと進み、

その巨躯で若葉達の視界を奪う

獅子座は蟹座と並んで進みその姿を見せてはいるが、

肝心の射手座は完全に隠れてしまっていて

横へ、横へと動くたびに、

反射板は射手座を庇うように若葉を追尾して何かが一瞬、輝いた。

蟹座の反射板ではなく、その奥

そして――

若葉「っ……!」

若葉が反応するよりもはるかに早く、

蟹座の反射板を何かが撃ち抜いて――

若葉「くそっ――千景下がれッ!」

若葉が叫び千景が目を向けた瞬間

轟音と共に微かな金属音が響いてかき消され

若葉の姿は爆発に包まれて消えていく

遥か遠方からの正確無比な射手座の一撃

それが若葉がいたところを撃ち抜いたのだ

千景「乃木さん!」

すぐに声をかけると、

土煙を切り払って、若葉が姿を見せる

まだ、軽傷程度

若葉「大丈夫だ、この程度なら」

蟹座の反射板を撃ち抜いて軽減されたはずなのに

その質量ゆえか重く、一瞬でも防いだ刀、握る手は痛く震えてしまう

だけれど、その程度ならまだまだ余裕だと若葉は手を強く握りしめる

若葉「油断するな、まだ来るぞ!」 <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/26(火) 22:31:39.95 ID:qeuLCSjno<>
ゆらりと動く獅子座

そのゆったりとした動きは王者の風格

けして油断しているわけではない、慢心しているわけでも無い

ただただ、強固な体をもって蹂躙しているのだ

お前達ではかなわない。と、樹海だけでなく、勇者たちの心を

だが、それは甘い

夏凜「散々あんた達と対峙してきたのよ……今更ビビッてられるか!」

夏凜は力強く叫ぶと、

何が来ても良いようにと腰を落とし、前傾姿勢へとシフトさせていく

それに合わせたように、空には火の玉がうまれた

夏凜「来る……ッ!」

火の玉を一瞥してすぐに、夏凜は駆け出す

追尾型の火炎球は接触の瞬間に爆発を引き起こし

まともに直撃すれば二段階でダメージを負う面倒な攻撃

当たるわけにはいかない

その単体でのダメージが強くないとしても

それによって怯めばもう、良い的でしかなくなってしまう

だから、全力で回避する <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/26(火) 22:41:30.78 ID:qeuLCSjno<>
夏凜「……ふっ!」

樹海の根の集まる空間に駆け込み、全力で駆け抜けていく

その姿を追う火の玉の明るさは後れを取らずについてくる

以前よりも早い、以前よりも力強い

夏凜「抜けるか……いや、抜かないといけないのよッ!」

蹴りぬいた樹海の根が破片となって飛び散り消えていくのを耳に聞きながら、

夏凜は刀を構えながら駆けていく

勇者の体は通常の生身よりも強化され頑丈になっている

けれど、だからといってまだ余裕がある状態ではいけないのだ

夏凜「く……ぐっ」

強く歯を噛み締め食い縛り、

血液の流れが感じ取れてしまうほどに激しく脈動させていく

極限まで高めた鼓動が痛みを孕む――だが

夏凜「まだだッ!」

もう一段階、夏凜はギアを上げた

筋肉の繊維一つ一つ余すところなく使い果たして地を蹴り

目の前に差し迫った樹海の根を寸前で、最小限に回避して、突き進む

一瞬に出し切れ。

敵に消耗させられるくらいなら、自分で消耗させてしまえ

それでこそ、全力を出し切ったと言えるのだから

夏凜「っ――はっ!」

太く高く聳え立つ樹海の根を前にして、

夏凜は衝突することも、蹴りつけた足が軋むことも意に介さず

跳躍して火炎の背後へと回ると、曲がりきれなかった追尾弾は根に衝突して、消滅する <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/26(火) 22:46:52.37 ID:qeuLCSjno<>
夏凜が上手く回避してみせた一方、

歌野は火炎の接近に気づいて、藤蔓を持つ手に力を込める

歌野「おっと……ミーに来るとは、気付かれて無いと思ってたのに」

真正面から立ち向かっている夏凜達の傍ら、

側面から近付いていた歌野は、

火炎が自分にも向かってきていることに気付き、笑みを浮かべる

歌野「まぁ、その程度じゃベリーイージー! ラストバトルじゃないわ!」

簡単に終えられるならそれにこしたことはないと歌野は思うのだが

しかし、あまりにも呆気なく終わっても、

それはそれでまだ続くのかもしれないと不安になってしまうから

歌野「ふぅ……集中!」

パンッっと自分の両頬を力強く叩き、気を入れなおして地面を駆ける

迫る火炎は追尾する機能を有した炸裂弾

普通に回避していても避けきれないし、逃げ回るだけでは消耗するだけ

ならどうするべきかを、歌野はイメージする

時間的には300年前。

自分の中ではそう遠くない過去の話

追尾するように蠢いていた無数の異形達とはどう戦ってきたのか

歌野「……決めた!」 <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/26(火) 22:55:10.60 ID:qeuLCSjno<>
歌野は経験の中から一つの選択をすると、

樹海の中から飛び出し、根を蹴り跳躍してはまた跳躍を繰り返して、

空に浮かぶ翡翠の星のように瞬く

自分はここだ、ここに来い

そう、かつてのバーテックスを誘ったときのように火炎を導く

だがそれはもう、やつらのための誘蛾灯ではない

歌野「みーちゃん……見てる? 私はいるよ。ここに居るよ」

かつて見送ることしか出来なかった彼女が

今、この場に足を踏み入れている彼女が

けして、迷わぬように

けして、不安にならぬように

歌野「――大丈夫」

ゆえに。

誘われる赤き光は邪魔なのだ

右手に握る藤蔓

その持ち手を強く握り締め、肘を曲げ……引く

ヒュインっと鋭く風が切り裂かれ、蔓が踊る

歌野「みーちゃんをこれ以上不安にはさせないッ!」

振るった蔓は火炎の核に巻きつき、

歌野はその浮力を用いて体を回転させると、

炸裂弾を蔓で引き摺り――獅子座の巨躯へと叩きつける

爆発し、パラパラと粉が舞う中

着地した歌野は警戒しつつ二度下がって息をつく

歌野「私は歌野。白鳥歌野! みーちゃんのヒーロー……簡単に落とせると思わないで!」

それは大したダメージにはならないしすぐに回復されてしまうが、

それでも歌野は笑みを浮かべて獅子座を見上げる

その一つ一つが、弱ってしまった大切な人を支える力になるからだ <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/26(火) 23:07:02.82 ID:qeuLCSjno<>

現状→【https://i.imgur.com/Sn9jdhB.png】


1、射手座に攻撃(移動:J8 威力650)
2、獅子座に攻撃(威力650)
3、蟹座に攻撃(威力650)
4、封印 蟹座
5、封印 獅子
6、精神を使う(再安価)


↓2


※精神を使っても、攻撃できます
※精神(必中)を用いても封印には適用されません <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/26(火) 23:10:01.49 ID:Omeq/tYDO<> 4 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/26(火) 23:10:21.44 ID:6gsZuk7D0<> 2 <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/26(火) 23:14:39.47 ID:qeuLCSjno<>
樹→蟹座 封印判定↓1  17〜26  65〜74  81〜90  01〜10 以外成功 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/26(火) 23:16:39.16 ID:nFmpgVfKO<> あ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/26(火) 23:17:01.05 ID:Omeq/tYDO<> あ <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/26(火) 23:22:20.30 ID:qeuLCSjno<> 蟹座封印


夏凜→獅子 命中判定↓1 01〜90  01〜10またはゾロ目CRI
若葉→蟹座 命中判定↓2 01〜10またはゾロ目CRI
千景→蟹座 命中判定↓3 01〜10またはゾロ目CRI
歌野→獅子 命中判定↓4 01〜90  01〜10またはゾロ目CRI
  風→蟹座 命中判定↓5 01〜10またはゾロ目CRI <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/26(火) 23:23:58.83 ID:YXDvdOdfO<> あ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/26(火) 23:24:06.25 ID:Omeq/tYDO<> あ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/26(火) 23:24:43.12 ID:+P3K6Ut50<> あ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/26(火) 23:25:00.15 ID:YXDvdOdfO<> あ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<><>2017/12/26(火) 23:25:19.66 ID:66Iq1TUmO<> あ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/26(火) 23:25:21.99 ID:Omeq/tYDO<> あ <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/26(火) 23:32:21.94 ID:qeuLCSjno<>
ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間からですが、出来ない可能性もあります



水都「うたのんは負けない」

水都「うたのんは帰ってくる」

水都「うたのんは絶対に勝つ」

水都「だって、約束したから……」ギュッ

水都「そうだよね……っ、うたのんッ!」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/26(火) 23:35:04.00 ID:9H3JrxwKO<> 乙
絶対勝つぞ! <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/26(火) 23:37:28.25 ID:Omeq/tYDO<> 乙
うたのんが頑張ってるんだ、みーちゃんも消えちゃ駄目だゾ
あと封印+クリティカルと犬姉妹も本気出してきたな <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/27(水) 09:07:04.06 ID:RFaYPCk2O<> うたのんかっけー
相変わらず良い書き方をする <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/27(水) 22:11:08.87 ID:CHSTRm69o<>
では少しだけ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/27(水) 22:12:46.60 ID:Uh7hDn0CO<> かもーん <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/27(水) 22:23:41.47 ID:CHSTRm69o<>
夏凜→獅子 711
歌野→獅子 1149
  風→蟹座 1352
千景→蟹座 1260
若葉→蟹座 1240

獅子に1860ダメージ
蟹座に3852ダメージ  討伐 <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/27(水) 22:24:26.18 ID:CHSTRm69o<>
夏凜「……っ」

蟹座と獅子座は一塊になり、一歩下がって射手座が控えている布陣

蟹座は反射板を展開して獅子座や射手座を守っており、

それを潜り抜けてからでないと真っ当なダメージは通らない

ならば優先的に蟹座を落とすべきだが

しかし、それではすり抜けて来る獅子座の猛攻に横から叩き潰されるだけだ

若葉「夏凜、頼みがある」

夏凜「なに?」

若葉「歌野は横から獅子座を叩いて引き付けるつもりだ。援護を頼む」

夏凜「中々難しいことを言ってくれるじゃない」

千景「でも、貴女なら出来るはずよ」

誰かが獅子座の相手をして、その隙に蟹座を落とす

そうでなければ、やはり……

そう考えているからこその歌野の動き

それを察したからこその若葉の提案

一人で獅子座の足止めをするのは無謀だ

例え、歴戦の勇者。白鳥歌野だとしても

千景「三好さん。守ってあげて……久遠さんのために、藤森さんの為に」

夏凜「……」

千景は頭を下げて願うようなことはしなかったが、

その真っ直ぐ見つめてくる瞳を夏凜はじっっと見つめ返して、獅子座へと目を向ける

夏凜「分かった。ただし、確実に落としなさいよ」

若葉「ああ、なんとかする!」 <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/27(水) 22:31:32.02 ID:CHSTRm69o<>
夏凜「いくわよ――バーテックス!」

若葉と千景に背中を向けた夏凜は、

その姿をあえて認識させるために高く跳躍して、獅子座の前に姿をさらす

その巨体のどこに目があるのかは分からないが、

うるさい羽音には気付いたのだろう

大きな体は微動だにせず、ただ追尾する炸裂弾を作り出していく――が

翡翠の輝きが獅子座を穿ち、阻む

歌野「実に、実にナンセンスよ!」

それは歌野が許さない

攻撃などさせない。炸裂弾など扱わせない。

邪魔はさせない

きっとここからでは声は届かないだろう

だが、叫ぶ

歌野「三好さん――信じて進んで!」

どれだけ、連携を試行錯誤しただろうか

あの化け物級の一般人を相手に

あの勇者顔負けのステータスを築き上げた兄妹相手に

生半可な連携では歯が立たないどころか

口を開く隙すら与えてもらえなかった

だからこそ、口を開くことの出来る今は容易――ゆえに、吐き出す全力ではなく

全力を持って、紡ぐのだ <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/27(水) 22:38:48.44 ID:CHSTRm69o<>
歌野「タイムアタック……スターッツ!」

地に足を着け、それがめり込むほどに力強く踏み込む

足が杭となって脚力を奪う

だが、それで良い。今必要なのは回避する力ではない

足止めするための圧倒的な手数

しかし歌野の力が他の勇者たちより秀でていようと、

獅子座もまたバーテックスの中では非常に高位に位置する為

一撃一撃は掠めるような程度でしかない

歌野「壊れたって良い、潰れたって良い――とまれ、止まれ……止まれッ!」

それでも踏み込み、手首を撓らせ静かな光を激しく迸らせる

連携において重要なのは、

自分のそれが敵に対してどれほど有効なのかではない

もちろん、有効手であればあるに越したことはないが、

同様に重要なのが味方に対してどれほどの支援になるかだ

それは足止め一つとってもそう

バーテックスの矛先が一つでも自分へと向けば

その足が一瞬でも止められれば――

歌野「バーテックスッ!」

獅子座は動きを止め、炎の弾を作り出す

それが自分を狙い定めているのは明らかだったが、

しかし、歌野は小さく笑みを浮かべる

それでいい。それが良い

歌野「――私の、勝ちよッ!」

遥か上空にて瞬く紅き焔

その姿はバーテックスの生み出した火炎よりも赤く、力強くて。

歌野は痛みさえ感じる手をまた酷使して、一撃を獅子座の脇腹に叩き込む <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/27(水) 22:49:52.02 ID:CHSTRm69o<>
夏凜「頼むわよ、歌野!」

手早さゆえに穿つ鞭は無数の域に達し、強風を巻き起こす歌野の連撃

それには流石のバーテックスも不快にさせられたのだろう、

作り出される火炎は全てが歌野を狙い定めていて

夏凜「……馬鹿じゃないの?」

フリーになった夏凜は呆れたようにため息を突いて、刀を握り締める

獅子座は夏凜に気付いているはずなのだ

それでなお夏凜ではなく歌野に目を向けたのは、

その存在があまりにも騒々しく、そして――夏凜は取るに足らない存在だと見下したからだ

夏凜「解ってるわよ、力不足だって事くらい」

通常のバーテックスならともなく

その中でも集合体を抜いてトップの力を持つ獅子座に対しては

夏凜の力など微々たる物だろうし、

蟹座の反射板による防衛機能だって備わっているのだ

目を向ける価値さえないという判断が下されるのは必然かもしれない

しかし夏凜は刀を握る手に力を込めると、深く息を吐いて獅子座を睨む

夏凜「私にも意地ってもんがあんのよ!」

夏凜はそう叫ぶや否や足に力を命一杯込めて跳躍

その瞬間に獅子座を護る反射板は夏凜を察知して動き、弾き飛ばすための軌道へと移るが、

夏凜は回避する素振りは一切見せない

刀を身構えたまま、一直線に衝突へと向かって――反射板が力を失って落ちていく <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/27(水) 22:55:36.71 ID:CHSTRm69o<>
樹「間に合った……っ!」

樹だった

樹の封印の儀が衝突の寸前に成功し、

蟹座が展開していた全ての反射板がその機能を失って落下したのだ

樹「はっ……はぁっ……」

自分はそのときに何をしたら良いのかを考え

その結果が、攻撃をせずに封印を行うというものだった

千景の持つ死神の力に頼って攻撃に参加するのが一番良かった可能性もある

しかし、樹が封印を行うことにしたのは獅子座に向かっていった夏凜や歌野

そして、ついさっき若葉が狙い打たれたときに反射板の妨害が見えたからだ

自分の心もとない火力での攻撃よりも、

みんなを阻害する反射板を落とせる可能性に賭けた

樹「……私は」

晴海が言ったのだ

歌野が言ったのだ

もしも自分の力が不足していると思うのなら

誰かの力に上乗せすれば良いのだと。

樹「夏凜さん、若葉さん、千景さん――お姉ちゃんっ!」

風「ナイス樹!」

声をかけた瞬間、言葉通り風が真横を駆け抜けていく

大剣を担ぎ、

新しく備わった力である遠隔式の大剣を従えて

大きな背中が樹の瞳に映った <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/27(水) 23:00:28.63 ID:CHSTRm69o<>
葉「行くぞ、千景!」

千景「解ったわ」

封印が施され露出した御霊はそれ自体にも防衛機能のようなものが備わっており、

高速回転するものや増殖するもの、毒の霧を噴出させるものなど

様々な動作を起こすが、すでに樹の糸にからめとられて動かなくなった御霊はもはやただの的でしかない。

千景「油断はしないで」

若葉「解っている……任せろ!」

答えてすぐにトップスピードで地を蹴り飛ばし、

駆け出して行く若葉の姿を目で追いながら千景はくるりと大鎌を回して身構える。

流石の速さ、流石の力強さ。

一時は力を合わせ、そしてぶつけ合った力。

千景はその記憶が蘇ると共に激しく感じた衝撃を手に感じて息を吐く。

憧れていたその力にはまだ自分は届いていない。

鍛錬を見ていても参加していても距離は追えば離れていく一方だと感じる。

だが、若葉は求めたのだ。

千景にも力を貸して欲しいと、一緒に立ち向かって欲しいと。

樹は言った。「千景さんは私の憧れです」と。

夏凜は言った「認められるためじゃない、認めさせるために努力をするのよ」と。

千景「……乃木さんを。樹を。失望させないために」
<>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/27(水) 23:10:22.53 ID:CHSTRm69o<>
遥か遠方に消えていく若葉の背中、それを追い千景は駆ける。

速く、速く、速く。もっと速く。精霊であるはずの骨身が軋む。息苦しさに襲われる――だが、

もっと速くと着いた足場が抉れる力で駆け出す。

長い髪が舞う。大鎌が後ろへと引き摺られていく

千景「もっと、もっと速く……ッ!」

だが、千景はそれに引きずり込まれることはない。

そこで遅れたら、過去の自分に負けることになる。

忘れ去って良い過去ではない、置き去りにしていい過去ではない。背負わなければいけない郡千景の罪。

けれど、それを足枷にしてはいけない。それは踏み台であるべきなのだ。

自分の成すべきことが成せるようになる為の、届かぬ一歩のための一つ。

若葉「ふ――っ!」

千景の目の前で若葉が天に駆け上がっていく。

樹海の根を足場に遥かな高みへと上っていく。

その足元を千景は駆ける。動きの止まった蟹座の巨躯、そこからはみ出た御霊が前から後ろに流れて――

若葉「せぇぁっ!!」

気合の入った叫び、そして刀とは思えない轟音が御霊へと叩きつけられて

若葉「いけっ、千景!」

若葉の声が体を叩く

千景「っ!」

千景は蟹座の抜け殻を足蹴に高く跳躍すると、

ぐるりと回って勢いを増し漆黒を纏う死神の鎌を強く握り締める。

すっぽ抜けるようなミスをする気は無いが、全身全霊の一撃のために――

千景「はぁぁぁぁぁッ!」

不慣れな気合。必死に込めたその一撃を御霊へと叩き込んだ <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/27(水) 23:20:14.29 ID:CHSTRm69o<>
若葉「だめだ、削りきれていない!」

若葉の全力に千景の全力。

それは蠍座のバーテックスの外郭を含めて屠るほどの力があるが、

蟹座のバーテックスの御霊はそれを受けきるほどに強固だったのだ。

若葉「もう一度――」

千景「待って乃木さん!」

もう一度駆け出そうとする若葉の手を千景は掴んで引き止める

敵は蟹座のバーテックスのみではなく、

隣接するように存在している獅子座のバーテックスは

もうすでに若葉や千景をその標的として捉え、巨大な火の玉を形成していて

下手に動けば爆撃されるのは明白だった。

御霊に走った亀裂は千景の力によって回復を阻害されるが、

永遠に止められるわけではない。それは、樹の施した封印も同じこと。

封印は御霊というバーテックスの物質化した弱点を引きずり出す勇者の切り札の一つ。

しかし、その強硬手段は神樹様を酷く疲労させ、枯れさせていくために半永久的な封印は当然、不可能

若葉「だが、ここで討たねばやつは動くぞ!」

千景「それで貴女が消えたら何の意味もないわ」

若葉「っ」

千景「冷静になって、乃木さん。私達はたった二人で戦っているわけじゃない」

強く、優しく。手を握ってくる千景に、若葉は急く気持ちを抑えながら目を向ける。

千景の意志の宿った瞳はあの頃とはまったく違う。

孤高の存在として、高嶋友奈のみに心許しているだけの孤独な瞳ではない

仲間を信じる少女の瞳だ

千景「大丈夫。樹があれだけ頑張ったのだから」

若葉「……?」

千景「姉が、それを無意味に出来るはずがない」

根拠はないが確証はある。

そんな不釣合いな感情論にも似たことを述べる千景は、

動き始める獅子座が自分達ではなく、別の何かへと標的を変えたのが見えて――笑う

千景「もう遅いわ」 <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/27(水) 23:38:17.54 ID:CHSTRm69o<>
風「まだだッ!」

獅子座のバーテックスの頂点に到達するほどの高みから、彼女は叫ぶ

新しく得た力、空飛ぶ大剣を足場に、左手で大剣を構えて息を吐く

ただ切りつけるだけでは力が足りない

ならばどうするか、力に力を足してしまえば良い

ゆえに、風は高く、高く駆け上がった

自分のもてる力を最大限に利用し、若葉や千景が終えられる可能性

終えられない可能性の二つを考えながら、待ったのだ

蟹座が2人で落ちれば獅子座へと

しかし、もしも終えられなかったときは――

風「せぇぇぇぇぇやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!」

足場として止まっていた大剣を傾け、蹴り飛ばし

勢いに勢いを付加しつつ一気に体を落下させ――切先を御霊へと向ける

獅子座が動く。射手座が動く

だが、遅い

さながらミサイルの弾丸のような速度を持った風は誰にも止められない

風「喰らえ女子力ッ!」

犬神の加護が包む気高き黄金の輝きは陽の光にも見紛う美しさを持って――御霊を撃ち貫く <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/27(水) 23:39:43.43 ID:CHSTRm69o<>
轟く爆音は御霊を失った蟹座の外郭を容易く吹き飛ばして消滅させ、

舞い上がった土煙の中から、それは姿を現した

女子力を使いきってしまったのだろう

そこにはもはや少女と呼べるものはなく、

大剣を担ぎ、勇ましく歩むまさに勇者と言う言葉が当てはまるそれは大剣を振り抜いて全てを払う

風「……ふう。どうよ!」

若葉「あ、ああ……ナイスタイミング……だったぞ」

本当にベストなタイミングだった

あと一歩遅れていたら獅子座の介入は免れなかっただろう

しかし、間に合ってしまったからこそ、

今回の襲撃の恐らくはリーダー格であろう獅子座のバーテックスが

このままで終わるはずがなかった

若葉「っ!?」

肌を焼き尽くすような熱を肌に感じ、

若葉達が顔を上げる

天罰の怒りを現すような無数の赤い炎が空を埋め尽くし

その全てが――

若葉「みんな―ッ! 躱せぇーっ!」

降り注ぐ <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/27(水) 23:44:19.84 ID:CHSTRm69o<>
獅子→夏凜 命中判定↓1 ぞろ目切り払い 01〜10 カウンター 78〜00 それ以外命中(40〜49CRI)
獅子→若葉 命中判定↓2 ぞろ目切り払い 01〜10 カウンター 93〜98 それ以外命中(40〜49CRI)
獅子→千景 命中判定↓3 ぞろ目切り払い 01〜10 カウンター 74〜82 それ以外命中(40〜49CRI)
獅子→歌野 命中判定↓4 ぞろ目切り払い 01〜10 カウンター 68〜77 それ以外命中(40〜49CRI)
獅子→  風 命中判定↓5 ぞろ目切り払い 01〜10 回避 それ以外命中
獅子→  樹 命中判定↓6 01〜89 命中


<> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/27(水) 23:45:48.65 ID:Uh7hDn0CO<> あ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/27(水) 23:45:58.78 ID:ddYytUdrO<> あ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/27(水) 23:46:16.15 ID:3f4kB+00O<> 任せろ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/27(水) 23:46:22.68 ID:d17KHlhf0<> あ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/27(水) 23:46:47.60 ID:ddYytUdrO<> あ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/27(水) 23:47:08.93 ID:3f4kB+00O<> もうひとつ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/27(水) 23:47:09.17 ID:Uh7hDn0CO<> あ <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/27(水) 23:54:25.96 ID:CHSTRm69o<>
射手→夏凜 命中判定↓1 ぞろ目切り払い 01〜10 カウンター  27〜33 以外命中
射手→若葉 命中判定↓2 ぞろ目切り払い 01〜10 カウンター それ以外命中 (40〜49CRI)
射手→千景 命中判定↓3 ぞろ目切り払い 01〜10 カウンター それ以外命中 (40〜49CRI)
射手→歌野 命中判定↓4 ぞろ目切り払い 01〜10 カウンター それ以外命中(40〜49CRI)
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/27(水) 23:55:09.41 ID:A2PNP0n10<> よ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/27(水) 23:55:52.17 ID:3f4kB+00O<> うむ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/27(水) 23:55:52.31 ID:Uh7hDn0CO<> あ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/27(水) 23:56:03.88 ID:bxQGI2c5O<> あ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/27(水) 23:56:12.69 ID:d17KHlhf0<> あ <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/28(木) 00:02:18.46 ID:D9cSQ1NYo<>
ではここまでとさせていただきます
明日は諸事情で休載となります

蟹座討伐は風先輩のCRTのおかげ
歌野のみ奇跡の回避→切り払い




樹「お姉ちゃんがまた女子力落とししてる」

球子「威力は女子力依存だから二回目は威力半減するんだよなー」

球子「一定ターン女子力半減の副作用要らなくないか?」

千景「大丈夫、ビルドアップがあるわ」

風「ちょっ、それ女子力下がるやつ!」

千景「ふふっ、冗談よ」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/28(木) 00:07:33.08 ID:HALdLSk1O<> 乙
ここからが本番かな…みんなの連携と千景の信頼感好き <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/28(木) 00:10:09.83 ID:2UGDI2viO<> 乙
二回連続切り払いとかうたのん超人過ぎる…
が、あとは樹ちゃんが避けた以外は軒並み命中と相手も意地を見せてきたな <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/28(木) 00:31:20.97 ID:Izr/0NeeO<> 乙
誰が最初に満開するだろうか <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/28(木) 17:51:24.87 ID:vZKymJLNO<> これ以上満開させたら久遠さんの精神が死んじゃう <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/29(金) 00:36:24.81 ID:MPk1fTZRO<> 強化された久遠さんのメンタルを信じろ <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/29(金) 21:57:39.95 ID:vRXKdvGZo<>
では少しだけ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/29(金) 22:01:52.35 ID:1Ipi267cO<> おk <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/29(金) 22:04:54.05 ID:vRXKdvGZo<>
夏凜に522ダメージ
若葉に572ダメージ
千景に562ダメージ
歌野 回避
風に283ダメージ
樹  回避


※ダメージは合計値 <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/29(金) 22:08:18.26 ID:vRXKdvGZo<>
若葉「全員散開しろッ!」

若葉の悲鳴や怒号に似た叫び声が轟き、全員の足が一斉に動く

固まって動けばそこにまた攻撃は集中し

苛烈さを増してしまうことになるからだ

分断されるのは得策ではない……が

仕方がなく、各方面に大きくばらけていく――

千景「駄目――乃木さんっ!」

若葉と離れて移動していた千景の目に、それは映った

獅子座ですら前線に出ている中、後

方から出てこようとはしないもう一つのバーテックス

その口のような器官が開き無数の矢を天に向かって吐き出してくのが

それもまた広範囲を狙った矢雨

一つ一つは衝突と共に炸裂する追尾弾と比べれば取るに足らないかもしれないが

その一つによる一瞬の足止めが無数の追撃を許し

炸裂弾への援護となってしまう <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/29(金) 22:13:05.89 ID:vRXKdvGZo<>
若葉「なっ……」

躱そうというのなら、当たるまで降らせよう

そんな強引ささえ感じさせるその矢の雨は火の玉に交じり

逃げ道を完全に塞いで降り注ぐ

追尾してくる火炎と違い、矢の雨は無差別だ

無差別だからこそ……厄介で、回避行動が取り難い

若葉「こんな……くっ!」

若葉は逃走しきるのを早々に切り捨て、足を止める

逃げても逃げても火の玉は追尾し、矢の雨が降り続ける。それならば

若葉「少しでも――私に向かってくるが良い!」

若葉は抜刀術を用いるよりも先に刀を抜き切り

矢雨と火の玉を全力で弾き、切り伏せる

若葉の得意としている抜刀術は速度と威力に関して群を抜いている

しかし、それは圧倒的に手数が劣るために

若葉は抜き身刀での応戦を強いられてしまう

威力よりも、手数。それのみに特化した雑多な斬撃 <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/29(金) 22:16:33.36 ID:vRXKdvGZo<>
しかし、若葉の攻撃できる範囲の外には次から次へと矢が装填され

若葉が斬り払った分を埋め尽くすようにまた矢が差し込まれていく

それはまさしく無数の弾丸

超常的ゆえ途切れない殺意の雫が一つ、一つ……若葉の体に突き刺さっていく

若葉「ぐっ……く……!」

体が傷ついても、精霊ゆえに痛みはかなり軽減されてくれる

しかし、まったくの無痛とまでは行かない体からは

ヒリヒリとした痛みが流れ込み、次第に体を蝕んで鈍らせていく

そして、劣ることがないようにと手先に気を向けた瞬間……それは若葉の背中に触れた

若葉「しまっ」

千景「乃木さ――」

離れた場所で、

千景が駆け寄ってくるのが見えた

手を伸ばしているのが見えた

だが、肌を焼く炎の熱さを感じたときにはもう

それは急激に膨れ上がり――炸裂する

若葉「っあぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」

爆発に吹き飛ばされ、激しく地面を転がる

握っていた刀は道中に放り投げられ

身に纏っていた衣服の破片が塵となって消えうせてなお……

矢の雨は容赦なく若葉の体に降り注いでいく <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/29(金) 22:21:02.47 ID:vRXKdvGZo<>
千景「――邪魔しないで!」

向かい来る炸裂弾を切り払って一歩進めば

追い込むように降り注ぐ矢と火の玉に押し込められ、二歩下がる

まるで千景が若葉の元に向かいたがっているのを解っていて

あえてそれを阻害しているような動き

千景「乃木さん……乃木さんが……っ」

爆発を直に受けて吹き飛ばされ

地面に叩きつけられ転がったからと言って、若葉は死んだわけではない

それは千景にも解っているが、しかし

追撃する射手座の攻撃によって若葉は弱っていく

だから、気持ちが焦ってしまう

頭ではわかっていても心が焦る

誰かと繋がったことで生まれてしまう弱点

千景「邪魔を――しないで!」

怒号を上げて大鎌を振りぬき道を切り開いた千景は

その一瞬の隙を逃すことなく全速力で若葉の元へ駆け込む <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/29(金) 22:24:22.28 ID:vRXKdvGZo<>
出来る限り姿勢を低くしながら

大鎌を振り回して周囲の矢と火の玉をかき消し

樹海の根を蹴飛ばして跳躍し……また、駆けて――

千景「っ!」

横薙ぎの赤き礫が千景を打った

全て振り払ったはずだった

あと少しだった

近くて遠い距離

全力で駆けたそれはまるで遠く

痛みよりも濃い熱量を受けて千景は若葉へと手を伸ばす

届かない、届くはずがない

千景「くっ……乃木……さ――」

それをあざ笑うように、

獅子座による火炎は轟音と共に爆ぜて千景を包み込み

慈愛のない天の笑い声が降る <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/29(金) 22:29:12.74 ID:vRXKdvGZo<>
樹「っ……」

みんなよりも距離を取っていた樹は

獅子座の広大な攻撃範囲から逃れることは出来なかったものの

射手座の攻撃範囲からは外れていたため

迫ってくるのは真っ赤に燃える炸裂弾のみ

それなら、と樹は自分の体に力を込めて息を吐く

焦ると視野を狭めてしまうことになる

だから、まずは慌てるのをやめる。焦るのをやめる

何か近付いてきているのなら

もうそこまで来ている。ではなく

まだそこまでしか来ていない。と、認識を改める

もちろん、その再構築に際しても無駄に時間を使うことは許されないが

樹「大丈夫……頑張るって、決めたんだからっ!」
<>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/29(金) 22:33:15.50 ID:vRXKdvGZo<>
違いはあるが

似たような種類の武器を扱う歌野の背中を追って

樹はずっと鍛錬してきた

先代勇者……それも300年も前の時代、

たった一人で

諏訪という地方をバーテックスの猛攻から数年間護り続けた英雄と呼ぶべき彼女の姿を

樹「……行きます!」

左腕は痛みこそないが、反応は鈍く殆ど使い物にならなくて

そのハンデを背負いながら、当たれば致命傷に繋がるかもしれない

その緊張感を飲み込んで、一息

スイッチを入れた樹は普段

彼女が見せてくれる足跡を追うように

あえて炸裂弾へと向かって勢い良く前へと進む

近付くに連れてふりかかる火の粉は多く熱くなっていく

だが、樹はそれでも真っ直ぐ進んで――

樹「っ!」

接触しかねない寸前のところで一気に腰を落とし

地面を転がってすぐ起き上がりざまに飛びのいて武器を構える <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/29(金) 22:35:05.19 ID:vRXKdvGZo<>
じゃりじゃりと足が滑って樹海の根が削れていくが

目に映るのは向かう火の玉。回避しきれた様子はない

ならば。と、樹は自分を標的とする炸裂弾を引き連れて、樹海の中にもぐりこむ

低位の攻撃なら適当な根に触れて炸裂してくれるのだろうが

そんな様子はなく、樹は「そうだよね」と、少し残念そうに言うと

目の前に迫った樹海の太い根の直前で身を翻す

歌野なら木の根に飛び蹴りでも決め

一気に跳躍して逃走を謀るのだろうが

樹はまだ自分がそんな芸当を会得できているとは思っていないから

だから、真っ向勝負を仕掛ける

振り向きざまに武器を振り回し

火の玉を打ち払った瞬間の爆発を利用して飛びのくと

樹「はぁっは……はぁ……みんな……無事だよね……」

そのまま樹海から飛び出して獅子座の攻撃範囲から抜け出し

樹海の影に身を潜めて暫く様子を見てから安堵のため息をつき、祈る <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/29(金) 22:39:13.03 ID:vRXKdvGZo<>
歌野「っと!」

若葉たちが被弾する直前

自分にも降りかかってきた火の粉を叩き払った歌野は

振り切った腕を勢い良く引き戻し、正面で制止し、息を止めて目を瞑る

呼吸と視覚を一時的に切り離して

聴覚をより鋭敏にさせ、周囲の状況を収集していく

獅子座の降らせる火の玉の爆音は強い

だが、底に混ざって聞こえる風を貫いて飛来する何かの音を、歌野は聞き逃さなかった

歌野「すぅ……フルパワーッ!」

何も無い空間で二度蔓を振るうと

さらに速度を上げて力強く振るう

何度も、何度も、何度も

繰り返すたびに上がる速度は風を巻き上げて

近付く全てのものを弾き飛ばしていく <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/29(金) 22:43:22.68 ID:vRXKdvGZo<>
歌野「まだまだまだまだまだあぁぁぁぁぁっ!」

向かい来るは有限無限の当たれば痛い雨と

焼き尽くす爆炎。触れさせるわけにはいかない

当たるわけにはいかない。だから、歌野はあえて動くのをやめた

歌野「ふっ!」

それは若葉と似たような判断ではあるが

武器が刀のみで撓りが軽く、速度の鈍い若葉の決死の覚悟とは違う

歌野は正気があってこその踏み込み

体のどこかを動かす筋力さえも惜しみ

蔓を握る手にのみ力を込めて無心に振るい続ける

今も昔も変わらない

自分の背後には世界がある

水都が居る

護りたい人達が居る

ゆえに――

歌野「勇者は立ち続けるのよ――ッ!」 <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/29(金) 22:48:52.52 ID:vRXKdvGZo<>
全力の一振りが最後の攻撃を叩き切って、静寂が訪れる

圧倒的な強者であるはずの獅子座を前にして

歌野は一歩も退くことなく聳え立ち、凌ぎきったのだ

歌野「ミーが倒れたら次は皆に行く……それはノット。させるわけにはいかないわ」

いくら歌野とはいえ

猛攻を凌ぎきるには酷く体力を消耗して呼吸は荒いが

余裕の笑みを浮かべて首を振ると

深く呼吸をして整え、ため息をつく

そこにはもう、何事もなかったように佇む歌野の姿しかない

もしもバーテックスに人間のような反応が出来るのならば

相手にしたくないと、思うことだろう

歌野「さぁ――ミーたちのタイムよ!」
<>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/29(金) 23:35:44.26 ID:vRXKdvGZo<>
4ターン目→【https://i.imgur.com/ZtIPRwq.png】


若葉「くっ……」

精霊であることを超過して響く痛みを感じながら

若葉は体を起こして、このbにおいての絶対的脅威である獅子座を見上げる

歌野や夏凜の行動は足止めが主目的だったとはいえ

その攻撃は決して手を抜いたものではなかったはずだ

それなのにも関わらず、獅子座は何事もなかったようにその傷を完全に癒して佇む

それはやはり、圧倒的な存在ゆえの……

千景「乃木さん……っ」

不安そうな声で名前を呼びながら駆け寄ってきた千景は、

若葉の体が傷だらけになっているのを見て一瞬、悲し気に眉を顰めたが

目を瞑って息を吐くと、大鎌を握る手に力を込める

千景「まだ、戦えるのね」

若葉「ああ……大天狗を使う」

千景「なっ……それは最終手段でしょう!?」

若葉のいう大天狗は、西暦時代に禁忌とされていた強力な精霊の一つ

もう一つの力である義経が現代における初期配置される精霊であるならば、

大天狗は、満開に相当する諸刃の剣だ <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/29(金) 23:54:38.86 ID:vRXKdvGZo<>
若葉「だが、奴にはそうでなければ何も通用しない」

千景「それは……」

勇者が束になってかかればダメージらしいダメージを与えることもできるだろうが

それでは射手座に回す余力はない

封印できれば多少話が変わる可能性もあるが、

獅子座ほどの御霊の頑丈さは蟹座とは比べ物にならないし、

それもやはり、普段の火力では不足する

夏凜「若葉、千景!」

樹「みなさん!」

歌野「オールスター――って、ずいぶんボロボロね」

若葉「ああ……」

続々と集まっていく中、

歌野だけがまったくの無傷であるのが目に入って、若葉は少しだけ悔しそうに声を漏らして、笑う

悔しいが、実力差は納得しているからだ

若葉「それで、だが。私が精霊を用いて奴に一撃を叩き込む……だが、それでも火力は不十分の可能性がある」

歌野「というと……あと一人身を切れって?」

若葉「悔しいが、あのバーテックスは生半可な攻撃では受けきられてしまう。それゆえに精霊を用いた強力な一撃が必要不可欠なんだ」

夏凜「つまり、満開が必要って事よね。それ……」


1、封印は樹に委ねる
2、封印は夏凜が行う
3、樹、夏凜で封印を行う
4、夏凜が力を使って一撃を叩き込む

↓2

※1〜3は若葉と千景が精霊を用いた一撃を叩き込みます <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/29(金) 23:56:51.89 ID:1Ipi267cO<> 3 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/29(金) 23:57:05.22 ID:rNtLGOzRO<> 4 <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/30(土) 00:02:27.90 ID:bw2dgwjyo<>
では、ここまでとさせていただきます
明日は出来れば行いますが、おそらく出来ないかと思います



夏凜「……大丈夫」

夏凜「あいつの想いを抱き、あいつの希望を握り、私はここにいる」

夏凜「そして」

夏凜「私の想いを抱き、私の希望を握って、天乃はあの場所にいる」

夏凜「だから」

夏凜「例え、三好夏凜の全てを使ってしまうのだとしても」

夏凜「あいつの中の私がきっと――あの場所に戻ってくれるから」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/30(土) 00:10:59.19 ID:2VUZXyvuO<> 乙
これで運悪いところ引いてしまったらいよいよ久遠さん参戦不可避だろうな… <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/30(土) 00:11:00.03 ID:Iq7WazpPO<> 乙
夏凜が主人公に!?
締めは頼んだぞ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/30(土) 00:28:24.12 ID:r4flN0/VO<> ここでも「勇者部五箇条!!」の展開が見れるのか <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/30(土) 12:57:34.74 ID:s3nS0rW8o<> 諏訪を護った貫禄を見せつけるうたのんかっけー
その弟子の樹も凄いし…これは勝ったな!(フラグ) <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/30(土) 21:34:15.17 ID:r/AwEkCOO<> 最近休み多いなぁ… <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/30(土) 22:21:08.23 ID:3usVaBlTO<> 年末だぞ
毎日更新あるだけでも超人なのに <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/31(日) 18:32:05.90 ID:Hjop8SwmO<> 今年中に決着つくかな <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/31(日) 22:32:36.22 ID:+FeDSlRho<>
年末恒例、少しだけ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/31(日) 22:33:11.99 ID:3HQ3wW0sO<> 待ってました! <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/31(日) 22:37:29.58 ID:+FeDSlRho<>
夏凜「だったら、私が力を使うわ」

樹「な、なに言ってるんですか……っ!」

珍しい声を上げた樹は夏凜へと歩み寄って刀を握る手をぎゅっと掴む

そんなことはしたら駄目だと、

そんなことはさせないと意思の籠った手の力は強い。

けれど、

夏凜はその手に手を重ねて「樹」と、小さく名前を呼ぶ

夏凜「あんたは左腕がまともじゃない。でも、それは満開の後遺症じゃないから補助はされない」

樹「それは、でもっ」

夏凜「風は満開を経験済み、友奈は戦えない、東郷も満開を何度も経験してるからやらせるわけには行かない」

千景「私は、三好さんに力を貸すから出来ない」

歌野「私にはそこまでのパワーはない」

千景と歌野は協力できないことを惜しむように呟いて、

歌野は強く握り拳を作ると大きくため息をついて、

その鬱屈とした空気を振り払う

歌野「オーケーそう言うことなら、私達はその援護に回るわ」 <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/31(日) 22:44:50.70 ID:+FeDSlRho<>
若葉「歌野……」

歌野「久遠さんのナンバーワンだってわかってる。けど、それを一番理解してるのは三好さん自身よ」

若葉「……だろうな」

それでもやらなければならないときがあるのだと若葉は知っている

300年も前に何度もそうやって身を削り、

表に出ない涙を流させ続けた人が居る

そのダイヤモンドのような偽りの強さに甘んじていたわけではない。

そうせざるを得なかった。そう言い聞かせて……

歌野だってそうだ。同じ経験を経てここに居る

若葉「夏凜、君は消える覚悟はあるか?」

夏凜「無論……そんな覚悟なんてあるわけがない」

もったいぶる様子もなく、

夏凜はさも簡単なことであるかのように答えて若葉へと目を向ける

その瞳は強い。死地へ赴くことへの恐怖など微塵もない

夏凜「死ぬ気で死ぬ気でって良く言うけど、そんな覚悟で戦いに行くって天乃に言ったらなんて言うか解る?」

絶望的な状況下で、しかし、夏凜は冗談めいた苦笑を零して

夏凜「それなら私も一緒に行く。なんて笑顔で言うのよ」 <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/31(日) 22:45:23.17 ID:+FeDSlRho<>
千景「久遠さんなら言いかねないのが恐ろしいわね」

樹「でも、今の久遠先輩ならそれよりもふざけないでって怒るような……」

夏凜「そんな言い方じゃ、あんたのために必要なことだからって押し切ろうとするのは天乃も解ってると思うし」

だから説得よりもあえて

相手が嫌がるような提案や交換条件を提示してくるはずなのだと夏凜は言う

実際には天乃に聞かないと定かではないけれど

歌野「風評被害? も良い所ね……っと、悠長に話してる時間はないわ!」

集合していく勇者たちの動きを警戒してか、

動きを止めていたバーテックスが再び動き始めたのを見て歌野が警戒を促す

即断すべき案件ではないことはみんな分かっている

だが、状況は即断即決を求めている

ゆえに、若葉は夏凜へと目を向けて頷いた

若葉「了解した、力を貸してくれ。夏凜!」

夏凜「当然!」

若葉は夏凜の返事を聞きながら抜身の刀を鞘へと納めて深く息をつく

強力な精霊を用いる時、以前は精神が侵されるという欠点があった

今でこそその精神汚染―穢れ―は沙織や水都が担ってくれるとは言え、

心を穏やかに保たなければどんな悪影響があるか分からない。

だからこその、心頭滅却

若葉「闇を討ち払い、我ら勝利の輝きを得んがため、その御力を貸し与え給え――大天狗!」 <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/31(日) 22:46:02.39 ID:+FeDSlRho<>
猛々しく叫んだ若葉が即座に抜刀し目の前の空間を切り開くと、

切り抜かれた空間からは一羽の烏が姿を現し

大きな翼で若葉を包み込んで――その力を纏わせる

若葉「…………」

垢と白を基調としたよくよく天狗と称される神聖さを感じさせる装束、

襟元には嘴を彷彿とさせる装飾、両肩には羽団扇の断片、背中に生えた尊き漆黒の翼……

だが300年前とは違う部分もある

最も大きな違いが出ているのが手にした刀だ

最初期は金の輪が鍔のあたりに現れていたが、

今の若葉の刀は羽団扇から刃が生えたような姿をしており、

天狗と若葉が本当の意味で共存しているのだと分かる

若葉「……あの時は、人間だったからな」

過去の英霊という死した魂だからこそ

大天狗という偉大な大妖怪と解け合うことが出来る

天乃の精霊としての現出だからこそ

大天狗という災厄級の悪霊の力の恩恵を最大級に受け取ることが出来る

若葉「行くぞ……バーテックス!」 <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/31(日) 22:54:29.76 ID:+FeDSlRho<>
夏凜「さて……」

前回の最も必要とされる場面で使えなかった力を、

今この場で用いることが出来るのかどうか怖くないと言えば嘘になる

だが、使えなければいけないのだ

他の誰にも満開をさせないために、勝利を確実にするために

いや、違うと夏凜は考え直して笑う

夏凜「これはただ……あいつとの約束を守りたい私の意地だ」

夏凜には三好の遠い先祖に久遠陽乃が分け与えた久遠家の力の断片が眠っており

それを引き出すことで天乃が使っていた勇者の力を扱うことが出来るのだ

神をも侵し、疎まれ続けた力。

それは強力な分体への負担は絶大で、

適応しているはずの天乃でさえ吐血したり動けなくなったりといった症状が出てくるようなものなのだ

使えなくても責められるいわれはない

それは天乃だってそう。だけれど

夏凜はそこに甘えたくはないのだ

約束を守れないままでいたくはないのだ

他の誰かにこれ以上の犠牲を強いるわけにはいかない、それはもう許せない

まだ、頑張り切っていない勇者がここにいると夏凜は思うからだ

夏凜「千景、九尾……力を貸して」

千景「本当に平気? これは三好さんにとって満開と何一つ変わらない力よ」

確かに、回復阻害という効果も相極まって満開以上に強力と言えば強力だろう。

しかし使えば体に多大な負担はかかるし

もちろん、体の一部機能が使えなくなってしまうような障害が残る可能性は非常に高く

むしろ満開以上に危険が伴う力だろう。それでも使うのか。と、千景は問う

千景「満開か、久遠さんの力か。使う力を考えた方が良いわ」

1、満開
2、久遠の力

↓2 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/31(日) 22:55:19.18 ID:3HQ3wW0sO<> 1 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/31(日) 23:00:13.24 ID:7lrK6jPw0<> 1 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/31(日) 23:25:27.07 ID:MvYEdGJIO<> さて何連続満開になるか…… <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/31(日) 23:53:07.84 ID:+FeDSlRho<>
夏凜「普通に満開で行くわ」

千景「良いのね?」

夏凜「その方が良い……少なくとも、追い込まれていない今は」

本当の本当に最終手段

そうあるべき力だと、夏凜は思う

天乃が使うならただの諸刃の剣

だが、夏凜が使う場合は自らを侵す毒に対し服毒を持って制すようなもの

ゆえに、きっと普通に戻ってくることはまず出来ないからだ

夏凜「せめて……記憶だけは守られると良いけど」

多くは望むまいと夏凜は意を決して刀をバーテックスへと差し向け――

夏凜「満開ッ!」

夏凜は力を求める

絶対的な力

正式な勇者が持ち得る最高峰の恩恵を

神の腕を背に、燃え滾る血の赤色を身に纏って

夏凜「……行くか」

勇者三好夏凜は、絶壁へと立ち向かう <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2017/12/31(日) 23:56:55.29 ID:+FeDSlRho<>
夏凜命中判定 ↓1  01〜10 以外命中  ぞろ目 25〜30 61〜64 71〜74 CRI
若葉命中判定 ↓2  01〜10 以外命中  ぞろ目 CRI <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/31(日) 23:57:04.47 ID:MvYEdGJIO<> あ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/31(日) 23:58:42.55 ID:3HQ3wW0sO<> あ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2017/12/31(日) 23:58:55.37 ID:fFC62SZdO<> あ <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2018/01/01(月) 00:04:11.91 ID:TzVP//5Fo<>
獅子座に10,147ダメージ

獅子座討伐完了 <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2018/01/01(月) 00:26:32.00 ID:TzVP//5Fo<>
樹→封印行動 ↓1 01〜10  23〜32  45〜53 以外成功 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/01(月) 00:26:51.32 ID:z6FNthr50<> ほい <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/01(月) 00:27:09.93 ID:/6xyjSLVO<> あ <>
◆QhFDI08WfRWv<>saga<>2018/01/01(月) 00:52:41.67 ID:TzVP//5Fo<>
歌野→射手座 命中判定↓1 01〜80 命中  ぞろ目 01〜10 CRI 
千景→射手座 命中判定↓2 01〜60 命中  ぞろ目  CRI 
球子→射手座 命中判定↓3 01〜68 命中  ぞろ目  CRI 
  風→射手座 命中判定↓4 01〜68 命中  ぞろ目 01〜10 CRI  <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/01(月) 00:52:57.52 ID:z6FNthr50<> あ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/01(月) 00:55:31.95 ID:N1NnhDGLO<> あ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/01(月) 00:59:26.33 ID:z6FNthr50<> あ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/01(月) 01:00:01.00 ID:z6FNthr50<> あ <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/01(月) 01:10:49.18 ID:TzVP//5Fo<>
射手座に4248ダメージ
射手座討伐成功

戦闘は終了になります <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/01(月) 01:20:05.73 ID:TzVP//5Fo<>
あけましておめでとうございます。
この時空はもう少し続きますので、よろしくお願いします
では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば少し早めの時間から




天乃「また一つ、齢を重ねることになったわね」

夏凜「重ねられないよりはいいわよ。少なくとも今は」

天乃「そうね……ねぇ、夏凜」

夏凜「ん?」

天乃「お年玉くれないの?」

夏凜「なんで私があんたにあげんのよ! 普通逆でしょうが先輩!」

天乃「やんっ、お目玉くらっちゃったっ」

夏凜「はぁ?」イラッ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/01(月) 01:21:11.34 ID:z6FNthr50<> 乙
時空続くのやったー!!!
明日は夏凜の欠損部位からかな? <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/01(月) 01:23:49.97 ID:TXddH2+VO<> 乙
続くの素直にうれしい、良いお年を <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/01(月) 03:01:34.59 ID:ahYbIS/bO<> 展開が熱すぎる、このあとは久遠さん労いの姫初めか <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/01(月) 05:26:27.10 ID:4rP7+d4tO<> 乙
あとは夏凜ちゃんの無事を祈るばかりだな
続きに期待して今年もよろしく <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/01(月) 19:27:48.91 ID:Cpvxy6rJO<> 夏凜とのやりとり夫婦感あっていいよなあ
劇の練習始まったら練習にかこつけてキスされまくるいちゃいちゃ久遠さんを幻視した <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/01(月) 22:19:30.83 ID:TzVP//5Fo<>
では、少しだけ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/01(月) 22:23:01.52 ID:BUlH6CVRO<> よしきた <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/01(月) 22:27:58.66 ID:TzVP//5Fo<>
若葉「悪いが、お前に次はない……ここで終わりにさせて貰う!」

夏凜が満開をする直前、

雄々しい翼で天翔ける若葉は声を張り上げ獅子座へと近づいていく

その巨大な壁は周囲に火の玉を作り出して若葉を迎撃しようとするが

自由を手に入れた若葉にはもうそんなものは掠る事さえない

空気を蹴って、若葉は飛ぶ

飛来する火炎を軽やかに躱し置き去りにして駆け抜けていく

若葉「遅い、遅いぞ!」

大天狗たる精霊が、災厄たる大妖怪の力がこんなもののはずがない

もっと速くなれるはず、もっと力強いはず

足りないのは乃木若葉としての力だ

まだ扱いきれていない、引き出せていない

人間だったころ、若葉の心身を蝕んだ強力な力故の恐怖それが無意識に制限をかけてしまっているのかもしれない

だが、今はもう高速機動による身体負荷など若葉にはないならば――もっとだ!

若葉「狩れ、天狗! 駆れ、天狗! 私の全てを持っていけぇッ!」

赤き光が若葉を包み込む

過去、天人達の世界の一つを焦土と化し、恐怖を植えさせすらした災厄の業火

それは己の身をも焦がしていく。だが、それでも若葉は焔の軌跡を描き天を駆ける

それは天馬のごとき速さで下々の脳に姿を焼き付けていく

ある者には永久の悪夢として、ある者には永久の輝きとして

若葉「受けよ報い――我が一太刀は己が業と知れ!」 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/01(月) 22:35:41.99 ID:TzVP//5Fo<>
業火纏いし天狗の刀はその身をより強大な一太刀として

浮かび上がる小さな火の粉ごと獅子座の体に刻み込まれていく

あれだけ強固だったバーテックスの外郭などものともせず

火は瞬く間に焼き尽くし、灰燼へと帰す

若葉「夏凜!」

夏凜「……っ!」

地を駆けていた夏凜に若葉の叫びが下りる

最凶の力を持ってしても、

獅子座のバーテックスという巨大すぎる壁を完全に破壊することはできないのだ

しかし、これは集合体ではない

夏凜「義輝――その力の全てで」

夏凜の満開によって出現する4本の刀

夏凜の精霊となった義輝が扱った殺戮の武芸の模倣。生きるための防衛戦

だが、これは防衛ではない、進軍だ

ゆえに駆ける、ゆえに攻める。闘志を纏い、赤く滾った刀を握り、勝利の栄光を得んがために

夏凜「切り拓く!」

樹海の根を蹴り飛ばして高く跳躍した夏凜は

満開により得られた飛翔の力を用いて燃えていく獅子座へと近づく <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/01(月) 22:43:10.64 ID:TzVP//5Fo<>
さっきまで飛来していた獅子座による火炎は

若葉の業火に焼かれて消滅し、守る術はとうに失われている

それはつまり、夏凜の刀を防ぐことなどできないということだ

それゆえに、若葉と夏凜の勝利は確定する

夏凜「――一心一刀!」

背中に携えた4本の刀の切先を一点に集中させ

獅子座よりもはるかに高く昇った天に輝く赤き星

それは、久遠天乃の為の三好夏凜という少女の輝き、純真たる祈り

命を賭した英霊の一太刀は強靭な神の産物を討ち砕き、身を賭した勇者の願いは御霊を穿つ

夏凜「砕け散れぇぇぇぇぇ!」

衝突の衝撃に若葉の闘志が吹きあがって夏凜へと取り込まれ――炸裂

その大きな爆発は夏凜も、若葉も、獅子座の体も何もかもを包み込んで崩壊へと導く

崩れ落ちるのは獅子座の巨躯、舞い上がる粉塵、吹き飛ぶ絶望

現れた希望に歌野が拳を掲げ、握りしめた蔓を激しく振るう

弾けるような音が浮つく気持ちを引き締めて

歌野「さぁ、ここからがラストスパートの大見せ場! 続けーっ!」

地を踏み抜き、歌野が駆ける

先代勇者の肩書が偽りではないことを示す英雄の歩みは勇ましく

ぶれることなく未だ消滅しきらない獅子座の外郭を突き抜けて <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/01(月) 22:46:54.00 ID:TzVP//5Fo<>
樹「わ、私も行きます!」

風「待った待ったぁ!」

千景「っ……また勝手な」

自由奔放な諏訪の勇者に引きずられるようにしてみんなが動く

そのばらけた動きは数秒もたたずに揃う

風「樹、千景、跳んで!」

風の声に反応して千景と樹が並んで飛んだ瞬間

その足には風の大剣が衝突して二人の矮躯を遥か天空へと打ち上げて

樹の淡い緑色の光が風の体に巻き付き――勢いよく引き上げる

風「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」

遥かに打ちあがった樹達よりもさらに天高く

現実の世界で言い表すのならば成層圏

その高さまで急速に上昇させられる風はたまらずに上げた絶叫と共に二人の視界から消える

千景「樹、いけるわね?」

樹「はいっ、頑張ります!」

樹の役割は射手座の封印

それが出来る事がベストではあるが

失敗しても良いように起死回生の大打撃担当の犬吠埼風が遥か天空、衛星兵器のごとく控えているのだ

千景は樹の頑張ろうとしている頭を優しく撫でて、背中を押す

千景「姉を頼って気を楽に行ってきなさい」
<>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/01(月) 22:50:10.51 ID:TzVP//5Fo<>
樹「っ!」

自由落下の風圧を肌に感じながら

樹は目前に迫った樹海の根に光を纏わせ自分の体を引き付けさせて

また近づけば別の幹へと光を伸ばして勢いよく体を移させていく

それを見守る千景の頬を鋭い光が通り抜けていく。否、貫く

千景「――っ!」

射手座は中距離から遠距離を得意としているタイプのバーテックスで

その範囲内に唯一置き去りにされた千景が狙われるのは必然だったと言っても良い

即座に闇を纏い、穢れを迸らせた大鎌を投げたが、数発の矢が撃ち落としてしまう

球子「千景が狙われたな……頼むぞ!」

本来守るべき立場であることを球子は良く分かっている。だが

今ここでは守るよりも攻撃することがみんなを守ることに繋がるのだと信じて、力強く左足を地面にたたきつける

球子「強く踏み込め、動きは早く」

踏み込んだ勢いをそのまま転用して素早く体を回し、もう一度地に足を付けて

球子「正確に。流れを逃さず――ぶん投げろッ!」

手の上でぐるりと旋刃盤を回転させながらもう一度体を回転させ

身体が上を向いていく瞬間からゆっくりと、しかし素早く旋刃盤を手放し――投げ放つ

やや高めに投擲された刃は一直線に射手座へと向かって

千景を射抜くために開いた射出口へと吸い込まれて、

硬い金属音を響かせ、射手座のバーテックスの体を弾き、姿勢を崩させる <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/01(月) 22:53:00.14 ID:TzVP//5Fo<>
歌野「タマっちから来た……ならッ!」

示し合わせたわけではない

だが、千景の黒炎が包まず、神樹様の神聖なる光も感じられないことから

二人のアタックは不発に終わったのだと歌野は即座に判断する

諏訪で培った勇者としての経験を糧に、白鳥歌野は球子の一撃を合図に動きだす

歌野「……二人のアタックが入らない以上、決め手は犬吠埼さんになる」

少し前に黄色い光が空へと消えていったから間違いないと歌野は信じて進み

どう合わせていくかを考え

歌野は自分の火力ではバーテックスに致命的なダメージを与えるのは不可能だと紡ぎ

自分はどうつないでいくのかを選択する

歌野「あれを倒して犬吠埼さんの一撃を……」

遥か上空から黄金の輝きが飛来していく

標的は射手座、狙うは中核に最も近づくことのできる射出口だろう

しかし、現状では斜めに滑り込む形になるため抵抗を受けてその威力は軽減されてしまう

ならばどうするか、大将につなぐ副将、白鳥歌野の最適な行動とは何か

歌野「アーユー……レディ?」

歌野は自分に問いかける <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/01(月) 22:58:34.42 ID:TzVP//5Fo<>
失敗したら風までも危険に晒してしまう緊張感

信頼できる仲間が得られたメリットに重なって感じるデメリット

だが、歌野は思う。その緊張感は自分の集中力を高める糧になる

ならば、デメリットさえもそこにはないのではないかと

歌野「オープン!」

踏み込みを力強く、伸ばした藤蔓で射手座の体を絡めとり、締め付け、圧縮

口腔のような空間があるからこそ、その強固な外郭は圧縮によってバランスが崩れ、あちこちにひびが走っていく

それを横目に、歌野は全力で踏み込んで――引きずり倒す

歌野「犬吠埼さん、後はお任せ!」

引きずり倒した射手座の射出口は真上を向き、飛来してくる風を捉えて力を蓄えていく

単純に時間が経てば射手座の一撃が風よりも早く撃ち出され、風を撃ち落とすだろう

だが、そうはならない

風よりも先に舞い降りた鉄の雷が獅子座の脳天、頬、顎に走った皹を的確に撃ち砕いて破壊し

もはや残骸とさえなった射手座に本命が舞い降りる

その光は太陽のような輝きを放ち、天孫降臨を彷彿とさせる中での女子力を失った女神の鉄槌

若葉「行け、部長! 我らの想い、我らの願い、我らが乙女の祈りと共に!」

全身全霊、全力全開、粉骨砕身

己の全てをかけたその一撃はみなの想いによってより強固に、愛しき少女の祈りによって重く <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/01(月) 23:06:42.74 ID:TzVP//5Fo<>
風「うぅぅぅぅぅりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!」

風は雄たけびを上げながら大剣を振り下ろして射手座を貫く

強烈な一撃は爆発を起こし、辺り一面に砂塵をまき散らして結果を覆う

だが、勇者たちは微動だにしない

それは傲慢でも慢心でもない

ただただ、絶対的な信頼ゆえの余韻

樹「お姉ちゃ――」

若葉「案ずるな。我らには、勝利の女神がついているのだから」

景色が晴れていくと、射手座がいた場所には大剣を支えにゆらりと立ち上がる一人の勇者がいるのみで

全てが消えた樹海はゆっくりと光へと返っていく

犠牲がなかったとは言えない、完勝だともいうことはできない

だが、この勝利はとても大きく優しい勝利だったと言えるだろう

満開による力が抜けていくのを感じた夏凜はその勝利に笑みを浮かべて

すぐそばにいた若葉に体を寄せて、目を瞑る

夏凜「悪いけど……ちょっと貸して」

若葉「ちょっとだけだぞ」

自分も似たような影響を受けてしまうから。と

若葉は小さく呟いて夏凜と共に樹海の根を頼りに、座り込んだ <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/01(月) 23:09:45.64 ID:TzVP//5Fo<>
01:記憶 02:視覚 03:手 04:触覚 05:視覚 06:声 07:子宮 08:触覚 09:成長 10:腕
11:視覚 12:記憶 13:触覚 14:視覚 15:触覚 16:記憶 17:嗅覚 18:嗅覚 19:腕 20:皮膚機能
21:視覚 22:視覚 23:記憶 24:触覚 25:視覚 26:声 27:嗅覚 28:腕 29:成長 30:腕
31:触覚 32:皮膚機能 33:視覚 34:視覚 35:記憶 36:嗅覚 37:腕 38:記憶 39:皮膚機能 40:皮膚機能 
41:色素 42:胃 43:嗅覚 44:触覚 45:視覚 46:記憶 47:記憶 48:腕 49:視覚 50:感情 
51:触覚 52:子宮 53:腕 54:嗅覚 55:出産 56:視覚 57:聴覚 58:記憶 59:記憶 60:肺 
61:手 62:触覚 63:記憶 64:嗅覚 65:心臓 66:手 67:視覚 68:腕 69:成長 70:記憶 
71:触覚 72:色素 73:嗅覚 74:足 75:腕 76:記憶 77:聴覚 78:視覚 79:手 80:胃
81:嗅覚 82:触覚 83:声 84:嗅覚 85:視覚 86:腕 87:心臓 88:記憶 89:肺 90:聴覚 
91:感情 92:成長 93:腕 94:嗅覚 95:触覚 96:子宮 97:成長 98:視覚 99:視覚 00:記憶 


コンマ↓1

夏凜の満開代償 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/01(月) 23:12:30.51 ID:aiMOdmmtO<> あ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/01(月) 23:12:41.17 ID:BUlH6CVRO<> たのむ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/01(月) 23:17:35.42 ID:BUlH6CVRO<> これは記憶が無くなるよりはマシだけど生活するにはキツそう… <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/01(月) 23:28:36.66 ID:TzVP//5Fo<>
√〇月〇〇日目 〇(〇〇) ※〇曜日


夏凜「あぁ……なるほど」

言われるまでもなく、検査するまでもなく

満開によって何が失われてしまったのかを夏凜はすぐに悟った。

布が擦れる感触も、水の冷たさもお湯の温かさも

当然、人の温もりさえも感じることは出来なくなったのだ

しかし、夏凜はそれを嘆いたりすることなく

冷静に受け止めて、苦笑する

夏凜「まぁ、この程度なら別に」

「よろしいのですか?」

夏凜「良いわよ別に」

看護師の役割を担う大赦の女性に笑って答え、

夏凜は自分で触れても感じない手を握りしめて首を振る

夏凜「天乃のことを覚えてる。何を抱いたのかも忘れてない。なら、私にとっては満足のいく結果だったわ」

「…………」

夏凜「天乃には会いに行ける?」

「え、ええ。三好様の体の状況であれば、病室に戻ることは可能です」

夏凜「そ、じゃぁ戻らせて貰うわ」

余りにも気にしていないと言った態度に圧倒される女性を置き去りにして、

夏凜は足早に、天乃達がいるはずの病室へと向かっていく <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/01(月) 23:50:39.87 ID:TzVP//5Fo<>
夏凜「ただいま」

天乃「ただいまって……貴女」

夏凜「何? 怒ってんの?」

天乃「別に」

夏凜「いや、怒ってるでしょどう見ても」

ふいっと顔を背けて目を合わせようとしない天乃の態度に、

夏凜は呆れたように苦笑しながら近づいてその両頬をむにっと抓む

当然、その肌の優しさも柔らかさも温もりも

何も感じることは出来なかった

天乃「はひん……はぉへ?」

夏凜「そんな顔すんなって」

風「その状態で表情解る夏凜が凄いんだけど」

東郷「じゃぁ風先輩は久遠先輩の妻失格と言うことで」

風「なんでっ!?」

裏で楽しむ声を背景に、夏凜は抓んだ天乃の頬を手放し、

天乃はその手を掴む

白い頬はほんのりと赤くなっていた

夏凜「……なに?」



1、抱きしめる
2、何が駄目になったの?
3、引き寄せてキス
4、お疲れ様


↓2 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/01(月) 23:52:46.25 ID:v2XfTfVE0<> 1 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/01(月) 23:52:54.98 ID:BUlH6CVRO<> 2 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/01(月) 23:53:11.56 ID:aiMOdmmtO<> 3 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/02(火) 00:13:10.28 ID:9Mz/e//bo<>
ではここまでとさせていただきます
明日は出来れば通常時間付近から



天乃「はひん……はぉへ?」

夏凜「そんな顔すんなって」

風(かわいい)

樹(かわいい)

友奈(かわいい)

東郷(親指入れたい) <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/02(火) 00:19:03.15 ID:ktilALZVO<> 乙
東郷さん相変わらずハイレベル過ぎるw
今更だけどこのタイミングで供物が戻ってこないってことは園子様の復活はもう少し先になりそうだな <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/02(火) 08:43:32.40 ID:2R5DQcqMO<> 乙
みんな万全ではない中よく頑張ったな、カッコ良かった <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/02(火) 10:41:28.79 ID:NSHgIaW0O<> 相変わらずハイレベルな東郷さんと戦闘描写に若葉の口上に風先輩の部長らしい風格
なのにさ「女子力を失った女神の鉄槌」ってなんだよ
ネタなのにカッコいいとかもうそれさぁ… <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/02(火) 15:36:26.49 ID:LkHEO5D40<> 記憶とか感情とか失わなくて本当によかった…… <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/02(火) 17:38:12.88 ID:ef4wSkBRO<> 優秀な演出(コンマ)と優秀な脚本(>>1)が揃えば最強だよね
中でも若葉の「受けよ報い我が一太刀は己が業と知れ」という台詞の良さよ…花結いとかのIFでやられたら絶対に泣くわ <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/02(火) 21:52:00.92 ID:93/OLv/eo<>
では少しだけ <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/02(火) 21:56:33.14 ID:93/OLv/eo<>
天乃「何が駄目になっちゃったの?」

夏凜「やっぱりそれ聞いてくるのね」

むしろ聞かないわけがなかったのだが、

夏凜はわざとらしくそう言って、天乃の手を握り返す

夏凜「何にも感じなくなった」

天乃「何にもって、それ」

夏凜「そっ、感覚って言うよりは触覚って言った方が良いって言われたけど、温冷とか柔らかいとか、硬いとか」

痛覚が損なわれたわけではない為、身体が痛みを受けないことはないが、

例えば刀で刺されたとき、傷を負った痛みだとは感じることが出来るが、

自分に刀が刺さった。という感覚は無いのだ。

例えばエッチなことをした時

触れられた感覚によって体は快感を覚えるため、

何も感じることが出来ない夏凜は不感症のように心地よさを得ることは出来ない

天乃「……」

夏凜「っ……痛いっ、それは痛いっ」

爪を立てて限りなく強く握りしめる天乃の力は、

夏凜の損なわれた感覚の領域を乗り越えて痛覚を与える

夏凜が痛いといっても、天乃はその力を緩めることはなく、

夏凜も無理に振り払おうとはしなかった

天乃「……ばか」

夏凜「別に良いわよ。元々エロいことするのに積極的だったわけじゃないし」 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/02(火) 22:05:34.34 ID:93/OLv/eo<>
それについて言ってないだろうと風達は思うが、

今、自分たちの言葉は邪魔でしかないだろうと押し黙って

夏凜は強く握りしめてくる天乃の体を引き寄せて、抱きしめる

自分がするような柄ではないことは百も承知だが、

たまになら良いだろうと、考えて

夏凜「あんたを守れた。みんなも無事、何よりちゃんと覚えてる」

天乃「…………」

夏凜「それだけで、私は満足してんのよ」

触覚がなくなったことで不便な思いをすることがあるかもしれない

なにか悲しいことがあるかもしれない

けれど、それでも後悔はしていない。不満もない

願ったのは勝利を得るための力

その約束は果たされたのだから、多少の代償はあって然るべき

恋した記憶、愛した記憶

それが残っているのなら、文句は塵ほどにもない

夏凜「だから、そんな気にしなくて良いから」

天乃「……馬鹿ね。夏凜。貴女は本当に馬鹿だわ」

夏凜「それだけ尽くさせたことを、あんたは誇って生きろ」 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/02(火) 22:15:26.41 ID:93/OLv/eo<>
天乃「何よそれ……」

夏凜「私からあんたへの、凄く嫌な……呪い」

優しく触れる。でも、夏凜は何の反応も示さない

強く触れる。けれど、夏凜は何の反応も示さない

だが、夏凜は額と額を軽くくっつけると、

限りなく近い距離で苦笑する

夏凜「じゃないとあんた、すぐ死にそうだから」

天乃「ばか……、ば――っ!」

怒りと嘆きを紡ぐ唇は夏凜によって塞がれて、途絶える

優しく意地悪で、強く弱い

一瞬の触れ合いは容易く離れて余韻を残し、

繋がれてしまったかのように引き寄せ合ってまた唇が重なる

それは少し、長く続く

けれども誰も茶化すことさえなく、あからさまに目を背けず、目を向けず

納得と、安堵を持って小さく笑みを浮かべる

夏凜はその感覚を失くし

風は右手の機能を失くし

元々両足と記憶を失っていた東郷は右腕の機能を失った

ここまでとても大きな被害があって……ようやく

ようやく、一時の安寧を得ることが出来たのだった <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/02(火) 22:24:12.80 ID:93/OLv/eo<>
√10月01日目 月(病院) ※月曜日


10月に入っても、勇者部のみんなは病院での生活を続けている

と言っても、天乃が妊娠しているため、いつ調子が崩れたりしても良いように。という為であり、

勇者部の面々は満開の後遺症を除けば、もうすでに完治しているので

本当は自宅に戻っても良いのだが。

自宅に戻るか天乃と一緒に居るか。と

そんな選択肢にならない選択肢を与えられてしまったのだから、仕方がない

満開の後遺症に関しても治れば……とは思うが、

今のところ、回復する兆候は見られていない

しかし、神格級ではあるが神格ではない九尾が、

その能力を用いれば記憶を与えたりすることが出来るように

満開によって失われた部分に神聖な力で補った快復は出来るのではないか。という望みもなくはない

九尾曰く、それは人間性に神聖さを捻じ込むような行為になるため、

あまり薦められたことではない。と言うが、行うのは神樹様であり、

そもそも、九尾がすでに捻じ込んでいるため、いまさらだ。という意見もある <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/02(火) 22:45:04.91 ID:93/OLv/eo<>
風「身体はどう? 天乃。学校は行けそう?」

天乃「ん……うん、もしかしたらお昼に早退しちゃうかもしれないけど」

夏凜「なら行くの止めておいた方が良いんじゃないの?」

10月に入って文化祭やら何やらが近づき、忙しなさの増す讃州中学。

神樹様に選ばれた勇者としての戦いこそないが、

学生としての本分がまた、忙しいのである

天乃もその一員ではあるが、妊娠している体はその重みを増し、

それが低身長な天乃の体には非常にきつく、双子というのがその苦しみに拍車をかけており、

通学中の車内、教室

押し寄せるつわりの苦しみに喘ぎ、時には嘔吐や失禁といった症状まで出てきているため

9月に入ってからの登校は殆どが早退や欠席に終わっており、

今日もまた、どうするのかの審議が行われる

天乃「でも、文化祭の準備とか」

風「クラスのに参加するわけじゃないし、勇者部のはあたしらがガンガン準備するから……って話だったはずだけど」

天乃「そうだけど……」

沙織「クラスの子からも準備するなら夏凜ちゃんに言いつけるよーって忠告されてたよね」 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/02(火) 22:49:46.19 ID:93/OLv/eo<>
夏凜「なんで担任じゃないのよ」

若葉「あぁ……それなんだが」

乃木と言う名字を隠し、

九尾の勝手に作った九重若葉という名前を借りて讃州中学に通っている若葉は

天乃とは別のクラスではあるがその事情を知っているようで

少し困ったように笑って

若葉「どうやら、妊娠させたのは夏凜という噂が――」

夏凜「はぁっ!?」

樹「そうなんですか?」

夏凜「なんでそこで私に聞くのよ!?」

事情知ってんでしょうが。と

割と本気で怒っているように言った夏凜は、

大きくため息をついて、

良く分かっていない天乃を一瞥する <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/02(火) 22:55:37.20 ID:93/OLv/eo<>
夏凜「あんたが余計な事……ってわけでもないのね」

天乃「う、うん。私は夏凜だなんて言わなかったはずだから……」

千景「久遠さんが体調を崩した時の三好さんの対応力の高さと、お腹への優しい眼差しは間違いないって評判よ」

夏凜「なんの評判!?」

風「パパらしさに定評のある三好さん」

夏凜「私は女なんだけど!」

風「胸はないけど」

夏凜「喧嘩売ってんの?」

風の茶化している笑みに本気で怒りそうな夏凜だったが、

しかし天乃の「パパになってくれないの?」という窺うような視線とお腹への優しい触り方を一瞥すると、

ふと息を吐いて心を落ち着けて、まぁ良いけど。と、呟く

夏凜「妊娠させたのは断じて違う。父親なのは……受け入れるわ」 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/02(火) 23:05:29.75 ID:93/OLv/eo<>
東郷「胸と言えば、久遠先輩また大きくなりましたよね」

友奈「東郷さんその話題に行くんだ……」

沙織「今って確かトップ87cmじゃなかった? DからFに上がったって聞いたけど」

天乃「まだギリギリEで止まってるけど……誰から聞いたのよ」

沙織「九尾さん」

天乃「そんなくだらないことなんで広めちゃうのよ……っ」

大事な事だって言ってたわよ。と

風はあっけらかんとした表情で答えて、天乃は困ったようにため息をつく

元々筋肉質に引き締められて細かった天乃は、

その胸の大きさをより大きく見せてしまう体型で

ブラのサイズも中学生としては大きいサイズだったのだが、

それがまた余計に大きく見えるどころか実際に大きくなってしまったのだ

樹「大きいのも大変ですね」

天乃「張って痛いのよ……」

夏凜「ならやっぱり欠席で良いんじゃないの? どうせ公欠扱いなんでしょ?」


1、なら、夏凜も欠席ね
2、うん、そうしておくわ
3、ううん、学校には行きたい


↓2 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/02(火) 23:07:09.51 ID:dxtvYV2PO<> 1 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/02(火) 23:07:28.45 ID:RRzOCe6bO<> 1 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/02(火) 23:13:28.41 ID:93/OLv/eo<>
ではここまでとさせて頂きます
明日もできれば通常時間から


東郷「そう言えば、勇者なのに処女膜復活しないんですね」

九尾「勇者の回復力は、勇者自身が治りたいと思う強さに依存する」

九尾「ゆえに、治したいと思わぬ部分が戻ることはありはせん」

東郷「なるほど……つまり妊娠線や乳輪の黒ずみは」

九尾「治る」

東郷「神ですね!」

九尾「神樹とやらは神じゃろう……?」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/02(火) 23:17:16.57 ID:dxtvYV2PO<> 乙
神だな <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/02(火) 23:21:49.00 ID:RRzOCe6bO<> 乙
ついに10月突入したけど前作の終わりの時とは対照的な状況だな
そして久遠さんの乳がさらに凶悪化してる…夏凜ちゃんが独り占めできるチャンスでは <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/02(火) 23:22:54.52 ID:sRrKjRbyO<> 乙
84→87とか久遠さんのロリ巨乳っぷりに拍車がかかってるww
そして九尾の説は納得だな… <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/03(水) 19:30:28.92 ID:kVuceuWE0<> 二人きりになる前に胸の話されたらたまらんな
まあ汚れ浄化のためだし別にやっちゃっていいぞ夏凜 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/03(水) 19:52:08.65 ID:JtL1th4Zo<>
では、少し早いですが、少しだけ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/03(水) 20:02:12.26 ID:6AM5SixNO<> やったぜ <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/03(水) 20:05:11.33 ID:JtL1th4Zo<>
天乃「なら夏凜も欠席ね」

夏凜「なにその当たり前のような言い方」

天乃「夏凜が行くなら私も行くわ」

裾を摘まんでその意思をより明確にする天乃の仕草に

夏凜は困り果てた様子で風へと目を向けたが、

風はにやにやと笑うだけで役には立たない

2人の好きにしていいという事ではあるのだろうけれど

そのニヤつく表情が気にくわなくて

夏凜は少し怒りを見せて、ため息をつく

夏凜「私がいないと駄目? 園子もいると思うんだけど」

天乃「精神的に不安になるの。園子が駄目なわけじゃないけど……離れてるから」

夏凜「…………」

どちらも自由に動ける体ではなく、

正面に目を向ければ顔を合わせられるとはいえ、やはり多少の距離はある

それは夏凜にとっては近いの一言だが、不自由で、不安定な天乃にとっては近くも遠い距離なのだろう

夏凜「わかった。わかったわよ。もう……最近甘えん坊になったわねあんた」

ぎゅぅっとさらに裾が強くつかまれていくのを感じて、

夏凜は諦めたように受け入れて、天乃の手を掴む

相変わらず何にも感じ取れないが、そこに天乃の手があるのは分かる

温もりがあるのも分かる

そしてなにより、少しだけ不安に震えているのが分かる <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/03(水) 20:27:07.05 ID:JtL1th4Zo<>
風「夏凜って天乃には激甘よねぇ」

夏凜「そこまで甘やかしてないわよ」

東郷「何かあるたびに手を貸そうとしたり、少し動こうとしただけで止めるのが……甘くない?」

夏凜「なんなのその顔……妊婦なんだから当然でしょ!」

若葉「私は基準を知らないが、天乃の状態は特殊だからな。多少過保護になるのもやむを得ないと思うが」

夏凜「微妙にフォローになってない」

樹「今だってずっと手を握ってますし」

夏凜「っ、いや、これは……」

誰も責めるような表情でも意地悪するような表情でもない

ただ穏やかに関係を見守るような優しく嬉しそうな笑顔を浮かべるのみで

しかし、だからこそ夏凜は気恥ずかしさを覚えてしまう

それでも手を離さないのは、天乃を思うがゆえだ

夏凜「あーっ、良いからあんたら学校いけっ!」

友奈「えへへっ、夏凜ちゃん。久遠先輩と園ちゃんのこと宜しくね」

夏凜「友奈が勇者部の良心だわ」

病室を出る間際、一言言い残していった友奈に対して夏凜は呟くと、

天乃のベッドの端に座って、天乃の頭に触れる

夏凜「体、問題はない?」

天乃「うん……ごめんね。わがまま言って」

夏凜「良いわよ別に、何にも言われない方が逆にこっちが不安になるから」 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/03(水) 20:59:58.35 ID:JtL1th4Zo<>
まだ天乃が現役として戦っていたころは、

冗談を言うことは多々あっても、

周りの誰かに頼ろうとしたり、甘えようとするようなことは極端に少なかった

それから考えれば、天乃の現状はおかしいの一言に尽きるのかもしれないが

ここに来てまでなお、頼ろうともしないのであればそれこそ異常だと夏凜は思う

勉強の遅れや、文化祭関連、日々の鍛錬など、夏凜にもやることはあるし、

我儘を言われて多少の迷惑を感じないと言えば嘘になるかもしれない

けれど、それは学生として重要な事であって、三好夏凜として重要なのは天乃の事だ

夏凜「手、握る?」

天乃「ありがと」

夏凜「……そういえば、あんた胸が張るって言ってたけど、平気なの?」

天乃「痛いけど、どうしようもないって」

夏凜「マッサージとか、駄目なんだっけ」

天乃「しても良いけど、安静にしてた方が良いって聞いたわ。子供の為の変化の影響だからって」

夏凜「なるほど」 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/03(水) 21:10:23.36 ID:JtL1th4Zo<>
ぐにぐにと夏凜の手を握っても、夏凜は全く反応を示さない

それに少しばかり罪悪感を覚えそうになって、その手を頬に宛がうと

夏凜は少し困ったように笑いながら、頬を撫でる

感覚がなくてどの程度触れているかなんてわからないはずなのに

それはとても優しく、温かく、一番欲しい塩梅の力加減で

天乃「…………」

夏凜「シャツは濡れてない?」

天乃「えっ?」

夏凜「母乳じゃないけど出て来ちゃうってこの前あんた慌ててたでしょ。今は平気なの?」

天乃「あ、うん……ありがとう」

夏凜「礼は要らないから、安静にしてなさいよ。眠いなら無理して起きない。眠くないなら、話に付き合ってあげるから」

天乃「……優しいのね」

夏凜「そりゃ、父親ですから」

天乃を妊娠させたのが自分と言うことになっているのがまだ気にかかっているのか

それとも、自分の中で昇華させたことを示したいのか

冗談ぽく言った夏凜は空いた手で天乃の膨らんだお腹を撫でる

限りなく優しい力で <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/03(水) 21:16:28.15 ID:JtL1th4Zo<>
天乃「私、文化祭出られるか……ちょっとね、不安なの」

夏凜「園子が出られるんだから平気だと思うけど」

天乃「それはそうなんだけど……いつ出てくるか分からないじゃない?」

天乃と悪五郎の力によって生まれてくる子供の出産予定日は、

普通の予定日よりは早まるだろうという話になっているが、

しかし、その正確な時期はまるで予測が出来ていない

明日急に生まれる可能性もあれば、来年になる可能性もある

そんな不安定な状況にあるからこそ、天乃の不安も増していくのだろう

天乃「丁度重なったらって思うとね」

夏凜「……あんまり思いつめない方が良いんじゃない? 園子みたいに映像差し込むって方法もあるにはあるし」

天乃「でも、それだと本来の脚本とは違うじゃないっ」

夏凜「天乃」

ぽんぽんっと頭を優しく叩いて、

零れ落ちる涙が頬に滑ったところにキスをする

夏凜「落ち着け、不安になるのは分かるけど大丈夫だから」

天乃「っ……」

夏凜「それとも、なによ。その意味わかんない不安よりも、私への信頼はちっぽけなわけ?」

天乃「そんなことない……」

夏凜「なら大丈夫って信じてなさいよ」 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/03(水) 21:20:49.32 ID:JtL1th4Zo<>
精神的に不安定になって

あらぬ方向に疑心暗鬼になってしまったり、

どこかに攻撃的になってしまったり

そんな状況に陥っているのは夏凜も分かっているし

その矛先が自分に向けられようと耐え忍ぶ覚悟はある

けれど、それが子供の存在にさえ向きかねないのは不安で恐ろしく

夏凜は天乃の不安に覆いかぶさるようにして声をかける

夏凜「良い?」

天乃「うん」

夏凜「よろしい」

軽く唇にキスをして、頬を撫でてあげると

天乃はほんのりと赤らんだ顔色で笑みを浮かべて、唇を動かす

天乃「もう一回」

夏凜「はいはい」

天乃「はいは一回」

夏凜「二回目だから」

天乃「ならあと10回くらい言っても良いわ」

夏凜「何言ってんのよ、ったく」

お腹に負担がかからないようにと、横から

優しく唇を重ね合わせては離れて、またキスをする

そうしている時間は、胸の痛みも、身体の重さも、不安な気持ちも

何もかもを忘れられる気がして。 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/03(水) 21:24:37.16 ID:JtL1th4Zo<>
√10月01日目 昼(病院) ※月曜日


01〜10 
11〜20 大赦
21〜30 
31〜40 夏凜
41〜50 
51〜60 園子
61〜70
71〜80 
81〜90 九尾
91〜00 

↓1のコンマ 
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/03(水) 21:24:51.89 ID:kVuceuWE0<> あ <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/03(水) 21:44:26.54 ID:JtL1th4Zo<>
√10月01日目 昼(病院) ※月曜日


天乃「うー……」

頭が痛む、胸が痛む、お腹が痛む

品のない話、

我慢するとかしないとかいう次元の外で

色んなものが漏れ出していく不快感

胎児が育っていっているからこそだという明るい理由なのは頭でわかっていても

不快感は拭えないし不機嫌になって、不安になって

なぜだか苛立ってさえしまう

九尾「くふふ、相当辛い様子じゃな」

天乃「……なに? 用事がないなら……やめて……」

九尾「ふむ……」

どこからともなく現れた九尾は

天乃のことを見下ろしながら楽し気に笑っていたが

天乃のかすれるような声に抑圧されたように眉を顰めると

柔らかい金色の尻尾で天乃の額を拭う

九尾「あまり余裕がないようじゃな」 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/03(水) 21:57:06.52 ID:JtL1th4Zo<>
普段見えないだけで見ているのだから分かるはずなのに。

そんな意味の解らない怒りがこみあげてくるのを感じて目を瞑ると

夏凜の手が手を握り、額にも手が宛がわれて

夏凜「あんまちょっかい出すんじゃないわよ?」

夏凜の声が聞こえた

九尾「解っておる、妾も無駄なことは好まん」

天乃「どの口がそれを言うのよ……」

九尾「くふふっ」

九尾は普段と変わらない挑発するような笑みを浮かべると

ふと、瞬時に空気を入れ替え、

少しだけ気の張りつめた瞳で天乃を見下ろす

それは、真面目な話をする時の瞳

九尾「楠芽吹という娘を覚えておるか?」

天乃「それは、もちろん……」

九尾「そやつに関しての話じゃ。聞きたいかえ?」

芽吹に関しての事

妊婦の体には少々重すぎる内容かもしれない



1、聞く
2、聞かない

↓2 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/03(水) 21:58:21.36 ID:nPunFPx50<> 1 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/03(水) 21:58:36.34 ID:6AM5SixNO<> 1 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/03(水) 22:19:11.33 ID:JtL1th4Zo<>
天乃「うん……聞く」

夏凜「大丈夫なの? 無理しなくても――」

天乃「楠さんも、大事な仲間だから……」

夏凜「嫌われてたくせに、あんたってほんと」

呆れたように言いながら、分かっていたというような表情を見せる夏凜は

半ば笑ったかのような息を溢して「はいはい」と、呟く

夏凜「あんたがそうしたいなら付き合ってあげるわ」

天乃「ふふっ……甘いのね」

夏凜「妊婦に荷物持たせるのは良くないし」

天乃「ありがと……」

手を握ると、夏凜は感触ではなく音で感じ取ったのだろう

手元を一瞥してから苦笑しつつ優しく握り返す

九尾「交尾はほどほどにな」

夏凜「言い方! っていうか要件を早く言いなさいよ」

九尾「ふむ……あの娘とその調査隊が樹海に入った」 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/03(水) 22:43:04.50 ID:JtL1th4Zo<>
九尾「今朝方、娘を含め32人の実に豪勢な編成で調査に出て行った」

夏凜「なんか嫌味な言い方に聞こえるけど」

九尾「神樹の力を用いているとはいえ、その供給量は勇者に比べて非常に不足しているからのう。死んでもおかしくない」

そんな無謀な作戦に打って出たことが、

九尾としては茶化す材料にしかなっていないのだろう

決死の作戦であることはあ分かっているはずだが、

天乃がかかわっていないのであれば、九尾としては石ころも同然

気にしてさえいなければ、そんな報告も、調査も

きっと耳にしようとすらしないはずだ

天乃「樹海の外の状況は……? 貴女、見て来てくれたんでしょう?」

九尾「完成型の存在は無い。星屑と名付けられた材料は多いがのう」

夏凜「やっぱり、前回の戦いで?」

九尾「それもあるが……少々不気味な気配もある」

話しながら顔を顰めた九尾は

詳細は深く潜らないと解らない。と、言って首を振る

だが、その表情は険しく

本当に不気味で、危うげなものであることだけは

天乃も夏凜も疑わなかった

九尾「可能性としては、二つある」 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/03(水) 23:02:40.64 ID:JtL1th4Zo<>
天乃「可能性……?」

九尾「うむ」

頷いた九尾は、人差し指をぴんっと立てて二人に見せつける

1つ、単純に戦力強化が間に合っていない

2つ、人間に対してどう出るべきかの審議に入った

夏凜「審議って、なにそれ」

急にそんなことあるの? とでも言いたげな表情を見せた夏凜に、

九尾は信じなくてもよいが。と

淡泊に吐き捨てて天乃だけに集中して目を向ける

元々、目的は天乃だけだが。

九尾「西暦時代、地上を燃やし尽くしたように本気で力を使ってくる可能性もある」

天乃「……それ」

九尾「冗談ではないぞ」

天乃「……調査隊のみんなは大丈夫なの?」

九尾「すぐに動くことはないはずじゃ。しばらくは本来の危険性のみで済むじゃろう」 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/03(水) 23:19:45.27 ID:JtL1th4Zo<>
九尾「しかし……」

天乃「なに?」

九尾「いや、ふむ……」

何か意味ありげに呟き、躊躇って

天乃の顔色を見た九尾は諦めたような表情を見せる

九尾「調査隊に手を貸す気はないぞ。きゃつらは妾の管轄外じゃ」

天乃「……先回りするのね」

九尾「主様とは長い付き合いじゃからな」

怪し気に笑う九尾だが、

本当の本当にその気はまるでないらしい

天乃の残念そうな表情を見ても、

夏凜のように仕方がない。と言う姿勢は一切見せなかった

夏凜「それなら私が……って言いたいところだけど、大赦に端末渡してからうんともすんともいかないのよね」

九尾「しばらく勇者としての戦いは必要ないからじゃろうな。ようやく任を解かれたのじゃろう」

夏凜「んなわけないでしょ。どうせ」

九尾「とにかく、主様が待ち焦がれた楠芽吹の状況は話した通りじゃ」

それだけを言い残して、九尾は姿を消す

残ったのは未来の不安

また始まるかもしれない戦いの気配を感じて

夏凜と天乃は何も言わずに、互いの手を握り合った <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/03(水) 23:25:25.11 ID:JtL1th4Zo<>
√ 10月01日目 夕(病院) ※月曜日

01〜10 
11〜20  友奈
21〜30 
31〜40  若葉
41〜50 
51〜60 千景
61〜70 
71〜80 園子
81〜90 
91〜00  東郷

↓1のコンマ   <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/03(水) 23:26:51.10 ID:6AM5SixNO<> あ <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/03(水) 23:33:52.08 ID:JtL1th4Zo<> √ 10月01日目 夕(病院) ※月曜日

1、精霊組
2、勇者組
3、イベント判定
4、芽吹に関してのことをみんなに話す
5、満開の後遺症に関して


↓2 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/03(水) 23:35:15.49 ID:kVuceuWE0<> 3 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/03(水) 23:36:32.99 ID:nPunFPx50<> 4 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/03(水) 23:45:19.90 ID:JtL1th4Zo<>
では、ここまでとさせていただきます
明日は恐らく休みになるかと思います


天乃「あのね、楠さんのことなんだけど……」

若葉「ふむ……不安なら行こうか?」

球子「天乃の精霊なら、動けるからなー」

千景「西暦勇者でチームを組む。悪くないわね……」

歌野「それじゃ、とりあえず……ワールドを救いに行く?」

芽吹「こっちの物語にまで首を突っ込まないで」

芽吹(そんなことされたら活躍できなくなるわ) <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/03(水) 23:53:34.74 ID:6AM5SixNO<> 乙
メブはメブでハイスペックだし大丈夫だとは思うけどね
とはいえいつの日か勇者部や若葉たちと共闘する時が来たら胸熱だなぁ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/03(水) 23:55:38.47 ID:kVuceuWE0<> 乙
まあこっちもかなりゴタついてるし信じて待つしかないな <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/04(木) 06:59:19.96 ID:MK3SwUbrO<> 2人がイチャイチャしてるし激甘だしもう最高なんだけど九尾が言いかけたのが不安過ぎる…

原作と流れが違うけどどう合わせるのかきになるな <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/04(木) 22:46:47.61 ID:WUlHoRUvo<>
休みと言いましたが、あれは嘘です
少しだけ進めます <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/04(木) 22:48:01.57 ID:WUlHoRUvo<> √10月01日目 夕(病院) ※月曜日


風「たっだいまー」

樹「ただいまです」

友奈「ただいまですっ、久遠先輩」

東郷「ただいま帰りました、久遠先輩」

沙織「ただいま久遠さん、お帰りあたし」

天乃「お帰りなさい……夕方なのに、元気ね……」

皆の疲れを感じさせない明るい帰りに、

天乃は苦笑を交えながら応えて体を起こそうとすると、

夏凜が優しく手で制して首を振る

夏凜「無理に起きなくて良いから」

風「三好過保護に改名した方が良いんじゃないの?」

東郷「過保護の夏凜ちゃん……と言ったところね」

夏凜「表に投げ飛ばすわよ?」

割合高めに本気を見せる夏凜の表情に、

友奈は「冗談だからっ」と慌てて止めに入って

それこそ冗談だからと呆れる夏凜は風を視界から除外して天乃を見る

病気とかではないとはいえ

丸一日中本当につらい姿を見せる天乃のことに関して、

自分が過保護以上に過保護になっていることは分かっているが

今まで勇者関連で忙しかった分余計に尽くしたいと思ってしまうのだから仕方がない。と

諦めた笑みを浮かべて、頬を撫でる

その表情がまた慈愛に満ちたようなもので……

流石の風も茶化すどころか「またアレだよ」とでも言いたげな表情を樹に向ける <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/04(木) 22:53:37.02 ID:WUlHoRUvo<>
樹「えっと……今日は何かありましたか?」

夏凜「ん。それなんだけど」

樹の声に顔を上げた夏凜が、

またちらりと目を向けてきたのを感じて、頷く

隠すことではないし、皆も気になっていることだろうから

夏凜「楠さん……というか、芽吹が結界の外の調査を行ったらしいのよ」

東郷「壁外調査……結果はなんて?」

夏凜「九尾からそれをしたって話が回ってきただけだから、なんとも」

友奈「大丈夫だったのかな……」

勇者部に対して嫌悪感を示すことの多かった芽吹だが、

それでも、天乃でなくとも仲間や友人、クラスメイトだと思うような人の集まりである勇者部

壁外の危険性を知っているからこそ不安そうな表情を見せる面々の一人、部長の風は

少しばかり悔しそうに拳を握る

風「変身できなくなってなければ……」

天乃「一応、バーテックスは確認できないって、九尾は言ってたから」

東郷「ですが――」

夏凜「大赦が芽吹達に任せる考えなら、それに甘んじておいていいんじゃないの? どうせ必要になったらまた縋ってくるし」

そういう組織なんだから。と

あからさまに不快な表情を見せる夏凜に、

沙織は「ぐうの音も出ない」と冗談っぽく言って、失笑する

沙織としては、それはもはやネタの一つなのかもしれないが。
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/04(木) 22:58:15.49 ID:bwp3xmSaO<> あれ?やってるー!? <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/04(木) 23:00:33.31 ID:WUlHoRUvo<>
園子「うんうん。だから文化祭の為の準備をして〜楽しんで〜……日常の幸せをかみしめるんだよ〜」

東郷「そのっちの言う通り……ね。このために辛い思いをしたんだから」

園子「そうだよわっし〜。余所は余所、うちはうちの福は内〜」

言い方は悪いが、お人好しの集まりである勇者部がそう簡単に割り切る事が出来るはずはないけれど、

大赦が縋らない以上、楠芽吹と調査隊に関しての問題は起きていないということだろうし

それなら気にせず無茶に無茶を重ね、ようやくの思いで手に入れた日常を謳歌するべき。という園子の言葉に

皆は思い思いの表情で頷く

夏凜「取り返しがつかなくなる前に依頼してくれれば、それで」

沙織「どうだろう……大赦は後手に回っちゃうことが多いからなぁ。あたしも今回の件は蚊帳の外だし」

風「まぁ、大赦も人間だから」

東郷「では、暗い話は置いておいて、今日の久遠さんの洗礼を受ける幸せな人を選びましょう」

天乃「なんか嫌だからそれ止めない?」

東郷「聖水を浴びると言った方が良いですか?」

天乃「泣かせたいの?」

東郷「えっちなほ――」

ぱしんっと軽い力で夏凜が頭を叩き、東郷はちょっとだけ痛そうに苦笑してごめんなさい。と呟く <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/04(木) 23:06:55.97 ID:WUlHoRUvo<>
友奈「東郷さんさらにえっちなことに夢中になっちゃったよね」

東郷「久遠先輩に必要な事なら風俗に行く覚悟もあるわ」

樹「えー……」

風「気持ちは分かるけど落ち着け」

東郷「それは流石に冗談ですが」

みんなは「冗談に聞こえない」と、疑うような目を向けたが、

咳ばらいを一つして、東郷は無理矢理に切り替えていく

東郷「確かに、久遠先輩のお腹も大きくなってしまいましたし、無理に二人で寝る必要はないかもしれませんが、久遠先輩は大丈夫ですか?」

天乃「え?」

風「今日の夏凜への甘えっぷりを見るにひとりで寝られるのかってちょっと心配なのよねぇ」

すぐそばにいるとはいえ、頑張れない以上手が届くことはない

その近くとも遠い距離が余計な不安を引き起こしたりなんだりしてしまうんじゃないかと、風は不安らしい

風だけではなく、みんなも。

夏凜「べつにあんたが圧迫に耐え切れず漏らしたりしても汚いだのなんだの思わないし、被っても不快だとは思わない」

だから、そんなことは気にせずに

必要なら必要だと言って欲しいと夏凜は言う


1、ありがとう……でも大丈夫
2、ありがとう……なら、その……誰かお願いできる?
3、お願いする(再安価で人物指定)


↓2 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/04(木) 23:09:38.93 ID:4hs6wNFt0<> 3 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/04(木) 23:10:13.68 ID:bwp3xmSaO<> 3 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/04(木) 23:13:43.37 ID:WUlHoRUvo<>
1、友奈
2、夏凜
3、東郷
4、風
5、樹
6、沙織
7、若葉
8、千景


↓2


※園子は状態により不可 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/04(木) 23:16:20.69 ID:bwp3xmSaO<> 6 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/04(木) 23:16:45.72 ID:4hs6wNFt0<> 2 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/04(木) 23:24:25.59 ID:WUlHoRUvo<>
ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から



東郷「知ってますか?」

東郷「α派と言うのは、天乃派閥という言葉から出来たんですよ」

夏凜「勝手なこと言ってんじゃないわよ」

東郷「信じる者が、救われるのよ」

夏凜「足元すくわれてたまるか」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/04(木) 23:42:24.82 ID:bwp3xmSaO<> 乙
まあ園子様の言う通りしばらくは日常回を優先した方がいいかもね
あと東郷さんとは対照的な夏凜ちゃんは逆にそろそろ久遠さんにしたい事しても許される気がする <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/05(金) 07:32:31.43 ID:dNEL3TvsO<> でも夏凜ちゃんは今不感症(触感喪失中)なんだよね… <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/05(金) 16:41:40.87 ID:UDepNAFSO<> 味覚と嗅覚でカバーするしかないな <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/05(金) 20:05:03.43 ID:rS/69PhS0<> 味覚でカバーとかドエロティックだな <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/05(金) 21:00:45.52 ID:RGECAsT9O<> さてオマケに期待しようか(鬼畜) <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/05(金) 21:29:43.93 ID:E/LVJo1Vo<>
では、少しだけ <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/05(金) 21:45:55.70 ID:E/LVJo1Vo<>
天乃「なら、夏凜……」

また、そうっと裾を掴む

お願いはしたい

けれど、お願いをするという事の躊躇

それが良く分かる控えめな裾の伸び具合に、

夏凜は苦笑しつつ天乃の手を握る

夏凜「解った、付き合ったげる」

今の自分にバーテックスと戦う力はない

けれど、人間として、恋人として

尽くすだけの当たり前の力は残っているのだから

求めて、くれているのだから

風「樹さん、結局いつもの流れですね」

樹「なんで敬語で言うの?」

風「いやー一歩先を進んでいるなぁっと、思いましてねぇ」

だからと妬いたり僻んだりすることはないが、

淫らな行為にまで走らなくともしっかりと繋がっていられる

そんな行為など元から必要のないような関係、その姿を見せてくれる夏凜と天乃の満たされた表情に

風は満足そうに息をついて目を瞑る

そうやって満たされてくれているのなら

自分ではなくても、悔いはないと思えるからだ <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/05(金) 22:06:32.57 ID:E/LVJo1Vo<>
園子「風先輩もこっちに来る〜?」

風「もう行ってるよ〜」

園子「わ〜い」

2人して伸びのある抜けた声をかけ合うと、

園子は動けないからか、

風が優しく園子を抱きしめていく

ボロボロの体を余計に傷つけないように優しく

動かない右腕を宛がって。

東郷「友奈ちゃんっ」

友奈「そっちはちょっと早いかなぁって」

東郷「な゛っ」

しかし、友奈が東郷の方に行くことはなかったようで

悲しそうな声をあげた東郷だったが、

それでも友奈は手を合わせてごめんね。と苦笑する

性的な意味で年齢制限を凌駕してしまった境界線の向こう側へは、

大親友だとしても安易には踏み込めないらしい <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/05(金) 22:31:17.95 ID:E/LVJo1Vo<>
天乃「東郷と夏凜、足して割れば丁度良いんじゃない?」

夏凜「私は別に、あんたがエロイことしたいって言うならしてやっても良いのよ?」

夏凜は性的興奮こそするが、触感を失ったせいで

絶対にそこから先に進めないという人によっては生き地獄のような経験をすることになるけれど

元々性的な行為には積極的ではなかったことに加え、

天乃が満足できるのならそれでいいというスタンスのため、

自分のことに関しては鍛錬でもして紛らわせればいいと半ば投げたような考えを持っているのだ

の、だが。

天乃「っ」

ぐっと天乃の頭を引き寄せた夏凜は、何も言わずに唇をゆっくりと近づけていく

皆が見ていようと関係ない

誰かの目に自分たちが映っているのだとしても

自分に見えているのは天乃だけだから

天乃「か、夏凜……?」

あまりにも真剣な眼差しで、

焦らすように無駄に長い時間をかけて吐息が触れ合う

膨らんだお腹に軽く重みが触れては逸れて急に距離が縮まって――

天乃「っ」

夏凜「期待しちゃって……子供に悪いんじゃないの?」

天乃「ば、馬鹿なこと言わ――ん……っ」

――唇が重なる。ほんの少し深い、熱の伝わる味わい深いキス

そう。

夏凜は性的行為における創作物的な攻め方の心得は誰よりもあるのだ
<>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/05(金) 22:54:48.99 ID:E/LVJo1Vo<>
天乃「っは……ぅ……」

夏凜「そんな呆けた顔してると……また、しちゃうわよ?」

天乃「待って……待っ……」

頬に触れる手の温もりが少しだけ強くなったのを感じて、

天乃はもう一度キスをされるのだろうと身構える

準備をしていなかった頭では追いつかない

右往左往としている心に、その追い打ちは――寸前で押しを止めてしまう

夏凜「なんて」

天乃「ぁ、ぅ……」

夏凜「期待した?」

天乃「ほ、頬を出しなさい……っ」

夏凜「叩かれるのが目に見えてるから止めとく」

真っ赤な顔を見せる天乃の怒った顔つきに、

夏凜は珍しくお茶らけて見せると、耳元に口を近づけて

夏凜「……今は、まだそう言う時間じゃないし」

ぼそりと、呟いた
<>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/05(金) 23:06:14.45 ID:E/LVJo1Vo<>
√10月01日目 夜(病院) ※月曜日


01〜10 
11〜20 夏凜
21〜30 
31〜40 
41〜50 沙織
51〜60 
61〜70
71〜80 東郷
81〜90 
91〜00 

↓1のコンマ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/05(金) 23:06:34.72 ID:rS/69PhS0<> あ <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/05(金) 23:18:44.22 ID:E/LVJo1Vo<>
ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間……あるいは早めから



天乃「はぁ……はぁ……」

東郷「……力が、欲しくはないですか?」

天乃「え?」

東郷「受けに回らず、責めに回る力が……」スッ

天乃「え、う、うん? 何言ってるの?」

東郷「自慢げな夏凜ちゃんを、喘がせてみたくはないですか!?」

夏凜「いや、私はそう言う感じのにならないから無駄なんだけど」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/05(金) 23:20:16.41 ID:rS/69PhS0<> 乙
東郷先生! <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/06(土) 07:09:46.42 ID:BledyUMLO<> 勇者の章終わった…久遠さんは終わらないよね?ね?
6ヶ条目がこのスレでさんざん言われてることでやっぱりそうだよなぁと思うのと同時に
わかバードとか神の力でオッドアイとか要素は踏まえてるんだなぁと… <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/06(土) 07:23:01.03 ID:zfu/rFqiO<> 乙
流石に友奈ちゃんにドン引きされたら東郷さんも自重するかなw

さて原作は最終回になったか…くあゆでは久遠さんと神樹様には因縁があるからなぁ
まだ供物も戻ってきてないしこちらはどうなるのか最後まで読めないぜ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/06(土) 12:27:15.97 ID:+Z7Nrz2bO<> 夜は自分の出番と言わんばかりの東郷さんで笑った <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/06(土) 15:39:33.64 ID:v9WM2N/GO<> 逆に言えば東郷さんがここまではっちゃけられたのは原作の友奈や東郷さんのように一人で無茶させずに済んだからなのかもしれん
その分問題は山積みになってるけどみんなで少しずつ解決していければいいな <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/06(土) 17:26:48.40 ID:QLYSZCltO<> 最終回の例のシーンで思わず素で久遠さん探してしまった
牛鬼とかまさかの正体っぽい?けどこっちだとどうなるかな <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/06(土) 20:39:22.22 ID:KTvdw2Kqo<>
では少しだけ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/06(土) 20:41:30.92 ID:3Yn3WFmkO<> かもん <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/06(土) 21:20:30.06 ID:KTvdw2Kqo<>
√10月01日目 夜(病院) ※月曜日


暗く、部屋全体を影が覆う時間、

病院ゆえに一部がもうすでに眠りについている中

キュルキュルと回る車椅子の音が響き、

天乃と夏凜のいるベッドを囲むカーテンを捲る

東郷「…………」

夏凜「何こそこそしてんのよ」

東郷「音が聞こえなかったから……しないのかと思ったのよ」

夏凜「天乃の体も体だから」

天乃「正直、1から100まで頼ることになるから、辛いのよね」

そう言った天乃は、

苦笑するだけでも辛そうに眉を顰めて、

すぐ横の夏凜の手を握る

もっとも、一番大きいのは

夏凜が不感症のような状態だからだが。 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/06(土) 21:57:39.14 ID:KTvdw2Kqo<>
夏凜「それで? どうせそれだけじゃないんでしょ?」

東郷「ううん、それだけよ」

夏凜「……は?」

東郷「夏凜ちゃん、さっき久遠先輩を焚きつけただけだったわ。それじゃ生殺しだもの」

東郷はチラリと天乃を一瞥すると、

その表情に何を思ったのか、

ぺろりと指を舐めて、にこやかに笑う

東郷「私でよければ相手をしようかなと思ったの」

天乃「な、なに言ってるのよ……」

東郷「出産も刻一刻と近づいてきて、胎内環境が余計に乱れているのではないんですか?」

天乃「それは……」 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/06(土) 22:20:02.25 ID:KTvdw2Kqo<>
九尾に言われたわけではないが、

大きく膨らんでいくお腹の苦しみは、

穢れや悪五郎の力の流によってより厳しいものになっている可能性はある

元々、妊娠中はそれによる影響が出ているのだから

ここまで来てなおその影響が強くなってもおかしくないからだ

天乃「あるかもしれないけど」

東郷「なので、夏凜ちゃんが手を出さないなら私が手を出……じゃなくて協力しようかと思いまして」

夏凜「もう少し本音は隠しなさいよ」

東郷「どうしますか?」

天乃「こんな流れでどうって聞かれてもね……」

ちらりと夏凜を見ると

東郷に対して呆れたような目を向けていて。

東郷はと言えば、きらきらとした目で見つめて来ていて

友奈が近づいてきてくれなかった悲しみを忘れたのか、

それとも、自棄になってのものなのか



1、ううん、そう言うのは……今日はちょっと
2、夏凜……
3、東郷……
4、どうなの、九尾


↓2 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/06(土) 22:21:11.44 ID:ETeQeE+P0<> 4 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/06(土) 22:21:16.51 ID:IHl1pZpYO<> 3 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/06(土) 23:00:30.11 ID:KTvdw2Kqo<>
天乃「東郷……出来るの?」

東郷「夏凜ちゃんと久遠先輩が良ければ……ですけど」

行為への積極性と知識に関して、

東郷の右に出られるものは少ない

そしてきっと

友奈が敬遠してしまう境界線の向こう側にいる東郷は、

妊婦に対しての行為ですら、頭の中にあるのだろう

夏凜「私にはそう言う知識ないし、そもそもこんな体だから天乃がしたいなら譲るわ」

東郷「でも、良いの? 私と久遠先輩のエッチした後のベッドで」

夏凜「戻れると思っての?」

自分との事後ならともかく、

他人が淫らなことをしたベッドをそのままに使うことはできないのだろう

夏凜「それも含めて譲るわ。大丈夫でしょ? 天乃」

天乃「ぇ、あ……」

夏凜「悪いわね、相手してあげられなくて」 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/06(土) 23:14:01.97 ID:KTvdw2Kqo<>
夏凜は天乃の要求に不満を言うような様子はなく、

むしろ、その相手をしてあげられない

その相手として選びにくい状況であることを詫びるような

そんな優しい笑みを浮かべて、天乃の頬に手を宛がう

夏凜「遠慮なく東郷に頼みなさいよ、必要な事なんだから」

天乃「…………」

さっと夏凜は離れて、カーテンを避けて隣のベッドへと移る

東郷「……では、体に負担がないよう、相手させていただきますね」

天乃「う、うん……お願いね」

東郷「妊娠してる女性相手と言うのは、凄く背徳的で……緊張します」

そう言いながら、

東郷は半ば恍惚とした表情を見せて、手を伸ばす

東郷「さて……では、少しずつ行きますね」 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/06(土) 23:18:05.25 ID:KTvdw2Kqo<>
では、ここまでとさせていただきます
明日は出来れば昼頃から



東郷「産まれてからなら母乳プレイも出来るんだけど」

友奈「えー……」

東郷「飲んでみたくはないの?」

東郷「きっと、今までにないくらいの力を得られると思うの」

友奈「赤ちゃんの為の物だよ……?」

東郷「大丈夫、久遠先輩なら母乳が余るって樹ちゃんが占ったから!」

風「人の妹に何占わせてんのよ!」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/06(土) 23:28:19.00 ID:DSr4hPc80<> 乙
東郷さんウキウキじゃないすか <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/06(土) 23:32:47.82 ID:3Yn3WFmkO<> 乙
久遠さんの母乳プレイそのものはそのうち見てみたいけど友奈ちゃんはそろそろ東郷さんに勇者パンチしてもいいんじゃないかなw
あと嫌な顔せず東郷さんにえっちなことさせるのを譲る夏凜ちゃん本当優しい子や… <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/07(日) 11:27:07.81 ID:HD/CNmvVO<> 発情回数が多くなってきたけど久遠さん意外ともう出産近いのかな? <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/07(日) 13:01:13.08 ID:5gJTioi+0<> 嫁の数から行くとこんくらいの性豪でちょうどいい感ある <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/07(日) 13:47:19.53 ID:4cpGatSvo<>
では、時間を考慮してマイルドに少しだけ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/07(日) 13:49:02.33 ID:RO39lrSmO<> よっしゃ <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/07(日) 13:51:19.68 ID:4cpGatSvo<>
東郷「正直、自分が女の子だったことにすごく感謝してます」

天乃「どうして?」

東郷「久遠先輩に挿入したい。という気分が湧かなくて済みますから」

もちろん、指を扱ってのことはあるだろうが、

男の子が扱うようなものに比べてその凶悪性は格段に下がるし、

爪先にさえ気を配っておけば怪我をさせるようなことにはならないし、

清潔に保っていれば、生命の片割れを袋小路に閉じ込めるよりも安全だ

とはいえ……

東郷「……嗜虐的な欲求が湧いてしまう危険性はあるかもしれません」

東郷はそう言うとぺろりと指先を舐めて天乃の膨らんだ腹部に縦一本の線を引く

妊婦用の寝間着の上からの為その生ぬるさは伝わらなかったが

抱く企みに体は微かにびくついて……東郷は笑みを浮かべる

見下ろすその表情には影が差し、闇の中で輝きを放つ瞳、赤く燃えるような舌は怪しく揺れる

天乃「東郷……?」

東郷「ふふっ……」

天乃「っ」

白く細くて冷たい東郷の手が頬を掠める

さらりと巻かれた数本の髪が落ち、唇にかかってこそばゆさを生む

カーテンを挟んで隣には夏凜がいるし

東郷自身しっかりと自制してくれる……はず。の為、

そこまで緊張しなくて済むはずなのだが

妊娠による心体的不安によって増長させられてしまうのだろう、

性的行為の高鳴りに交わって緊張感が弾む <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/07(日) 13:57:15.28 ID:4cpGatSvo<>
天乃「や、優しくして……ね……?」

東郷「ぅ……!」

ドキリ。と、東郷の心臓が跳ね上がった

ほんの冗談でサディスティックな雰囲気で始めようとしただけだったのだが

ベッドの上で無防備に体を広げ

赤らんだ表情、怯えた瞳、可愛らしい唇で温情を懇願するという姿は

悪意なくとも東郷の体を釘付けにするし、それはもはや疑似的な痛みを感じさせる

東郷「ち……」

天乃「東……郷……?」

東郷「血を吐きそうです……」

天乃「だ、大丈夫なの? やっぱりやめた方が」

東郷「い、いえ! 止めたら死にます!」

天乃「でもっ」

東郷「たとえ、例えなので!」

こんな極上の夜食を逃すわけにはいかないというように前のめりに迫る東郷に対して

そうなの……? と、天乃は本気で不安そうにする

東郷は自分の胸に手を宛がって、深呼吸

落ち着け。と声をかけるが、

燃料の過剰供給によって心臓は爆発寸前でどうしようもない <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/07(日) 14:15:17.94 ID:4cpGatSvo<>
東郷「なんだか、新婚初夜な気分がします」

天乃「そう?」

東郷「結婚してから。と、守り続けた貞操それを今ようやく紐解くことが出来るような……」

残念ながら貞操を守り続けているわけではないのだが

しかし、いつまでたっても初々しい天乃だからこそそんな気分に浸らせてくれる

それは9割性欲で出来た東郷でさえも初心な気持ちにさせるのだろう、

伸びる手の緊張による震えに気づき、東郷は目を瞑る

東郷「大丈夫です、優しくします」

天乃「う、うん」

そうっと頬を包み、軽く触れさせるだけの接吻を交わすと、

東郷の口元から艶やかな糸が滴って……

天乃「んっ」

導かれるように二人はまた唇を重ねる

ゆっくりと唇がズレて絡まり距離が縮まるけれど、

まだ舌がふれあうことはなく、距離を置いて見つめ合う

唇に触れた互いの感触がじんわりと広がり熱を持つ

流れる季節の冷めた空気に触れてなおそれはより体を火照らせ、欲求する <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/07(日) 14:22:59.59 ID:4cpGatSvo<>
東郷「んっ……ちゅ……」

天乃「んぅ」

押し付け合うようなやや強引さを持つ東郷のキスに対し

天乃は優しく受け止め柔軟に絡みついて応える

何もかも東郷がしてくれるから、応えることに専念するだけで良い

ぬちゅりと入り込む東郷の舌にあいさつ程度の軽さで触れて、呼吸が止まる

東郷「んにゅっ……ふ」

天乃「んちゅ……ぁっ、んっ」

呼吸に対する労力さえも、接吻に回す

息苦しさを感じたら離れ、互いの吐息を取り込んでまた重なる

熱を持ったどちらのものとも言えない唾液を飲み下すたびに

体は性的行為に適したものへと作り変えられていく

気づいた時には握っていた手を握り合い、

淫らな音を弾かせながら離れ、軽快なリズムを奏でてキスをする

唾液に塗れ本来の感触を失った東郷の舌は舌に絡まりその皮を押し付けて脱皮し

僅かにザラリとした固く柔らかな絶妙な肉質で天乃の舌を絞りぬいて全てを奪う

満たされては乾き、飢えて求めた瞬間に飴が与えられる

そんな忙しない性の濁流に体が侵されていくのを感じてなお、抵抗は存在しない <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/07(日) 14:25:53.65 ID:e0BXJ3q4O<> すまない誰かマイルドって言葉の意味を教えてくれ <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/07(日) 14:40:26.31 ID:4cpGatSvo<>
東郷「っは……」

天乃「はっはっ……はぁ……んくっ」

東郷「ん……っ」

東郷が離れて一呼吸

息を飲んだ天乃の口元から流れ出た唾液を東郷は舐めとって……ほほ笑む

東郷「まだ、夜は長いですよ……久遠先輩」

それなのに、身体は出来上がっている

熱っぽく上気した頬、潤んだ瞳

艶がかった唇に吐くと息の生ぬるさ……そして

鼻腔を擽り情欲に絡みつく淫猥な香り

性的鎮静剤を投与されてなお

東郷は激しく脈動する心臓を感じてゴクリと生唾を飲む

どこかでもう少し激しくしていいのではないかと囁きが聞こえる

だが、東郷は首を振って天乃の唇に優しくキスをすると

乱れた横髪を払い除けて、首筋を甘く噛む

天乃「ひぅっ」

びくっと震え、可愛らしい嬌声が溶け込むのを感じて東郷は心の中で満足げに笑う

優しく、丁寧に浸透させていく

互いに完璧な満足を得ようとすれば齟齬が生じてくる

であれば、相手のみを満足させるように努めるのが愛する者の務め

尽くし尽くして

自分の手で愛する人が快楽に包まれていく煽情的な姿で得られる精神的な満足感に浸ることに落ち着くのも大切なのだと東郷は思う

ただ、その場合は多少なりとも意地悪な責め手になってしまうのだが、

そこは我慢して欲しいと

東郷は天乃の首筋に舌を這わせ、噛みつき、声を漏らす口に指を差し込む

そうして、愛欲に満ちた影の蠢きは月明りに照らされて妖艶さに覆われて長い夜の中へと消えていく <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/07(日) 15:01:29.20 ID:4cpGatSvo<>
1日のまとめ

・   乃木園子:交流有(芽吹について)
・   犬吠埼風:交流有(芽吹について)
・   犬吠埼樹:交流有(芽吹について)
・   結城友奈:交流有(芽吹について)
・   東郷美森:交流有(芽吹について、えっち)
・   三好夏凜:交流有(一緒にいて、芽吹について、一緒にいて)
・   乃木若葉:交流無()
・   土居球子:交流無()
・   白鳥歌野:交流無()
・   藤森水都:交流無()
・    郡千景:交流無()
・ 伊集院沙織:交流有(芽吹について)
・     九尾:交流有(芽吹について)
・     神樹:交流無()


10月01日目 終了時点

乃木園子との絆  62(高い)
犬吠埼風との絆  91(かなり高い)
犬吠埼樹との絆  77(とても高い)
結城友奈との絆  99(かなり高い)
東郷美森との絆 109(かなり高い)
三好夏凜との絆 128(最高値)
乃木若葉との絆  91(かなり高い)
土居球子との絆  38(中々良い)
白鳥歌野との絆  37(中々良い)
藤森水都との絆  30(中々良い)
  郡千景との絆  35(中々良い)
   沙織との絆 108(かなり高い)
   九尾との絆  58(高い)
    神樹との絆   9(低い) <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/07(日) 15:03:00.52 ID:4cpGatSvo<>
√10月02日目 朝(病院) ※火曜日


01〜10 
11〜20 風
21〜30 
31〜40 友奈
41〜50 
51〜60 沙織
61〜70
71〜80 樹
81〜90 
91〜00 夏凜

↓1のコンマ  <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/07(日) 15:04:17.13 ID:RO39lrSmO<> あ <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/07(日) 15:54:50.15 ID:4cpGatSvo<>
√10月02日目 朝(病院) ※火曜日


天乃「ん……っ」

風「おはよ、天乃」

天乃「風……?」

朝、目を覚まして一番に見えたのは

夜を共にした東郷の顔ではなく、風の顔で

見渡してみればもう、みんなは制服に着替えている時間だった

風「調子はどう?」

天乃「うん……寝坊はしちゃうけど……」

変に間延びした目覚めではなかったし、

妊娠中ゆえの体の重さこそあるが、

それ以外の不自然な気怠さや重さもない

天乃「多分、大丈夫よ」

風「そっか、それは良かった」 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/07(日) 16:01:49.34 ID:4cpGatSvo<>
天乃が誤魔化すような笑みを浮かべなかったのを確認すると、

風も満足げに笑みを浮かべてそうっと天乃の頬に触れる

昨夜の熱がまだ冷めていないのか、

ほんのりと、火照りを感じて、すぐに手を引く

風「必要な事なのはわかるけど……妊婦なんだからほどほどにね?」

天乃「それは分かってるけど」

風「特に東郷なんてどんなハードプレイやり出すか分かったもんじゃ――」

東郷「風先輩?」

風「て、訂正はしないわよ東郷!」

冗談めいた怒気の籠った満面の笑みに一歩も引かず、

風は誇ったように宣言して笑うと、

天乃のほうに向きなおる

風「友奈とか、樹に頼んだ方が良いわよ。拙いけど、絶対優しいって保証があるから」

天乃「えっちに関しては控えなくて良いのね……」

風「まぁ、今だって若干だけど体が出来上がってるんでしょ?」

天乃「それは……」

風「だから、無理に止めたりはしないわよ。大丈夫」 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/07(日) 16:06:33.10 ID:4cpGatSvo<>
そう言ってほほ笑んだ風は、

皆の準備が一応終わったのを確認してから

もう一度天乃に目を向けて

風「それで、今日はどうする?」

天乃「え?」

風「無理に学校行くとまた体調崩すかもしれないけど行く?」

天乃「…………」

風「行くなら手伝うし、行かないなら……アタシが残って処理してあげても良いけど?」

処理。とは淫らな事なのだろう

風はあえて耳元で囁くように言うと、

途端に恥ずかしそうに頬をそめて苦笑する

どうするべきだろうか、

登校しても学校のみんなを緊張させたり驚かせるだけだろうし、

また早退する羽目になるかもしれない


1、登校する
2、風に残って貰う
3、公欠  ※残る人再安価
4、風は、エッチしたいの?


↓2 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/07(日) 16:08:42.90 ID:ElSoCE9q0<> 3 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/07(日) 16:09:02.77 ID:TWqlcdHGO<> 1 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/07(日) 16:53:30.92 ID:4cpGatSvo<>
天乃「昨日はいかなかったし、今日は行きたいわ」

風「オッケー、じゃぁ着替え……しないとね」

天乃「ぁ、う、うん……そう、なんだけど」

わきわきと嬉しそうに手を動かしながら、

怪しげな笑みを浮かべる風を前に、

危機を感じて身を引くが、それはすぐに壁に阻まれて――

風「ふひひ」

天乃「ちょ、ちょっとなんなのその顔、その手!」

風「さぁ、身をゆだ――」

夏凜「余計な事すんじゃないわよ」

ぱしんっと風の頭を遠慮なく弾いた夏凜は、

その体をすぐに引きはがして天乃に近寄ると、

天乃の頬と首筋に手を触れさせる

天乃「んっ」

夏凜「着替えの前に体綺麗にするでしょ?」

天乃「えっと……」

夏凜「学校行くんだから、エロいことよりも準備。当然でしょ」

天乃「そう……よね」 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/07(日) 17:07:06.39 ID:4cpGatSvo<>
夏凜の触れる優しい手に触れられた頬、首筋が熱を持ち

導かれたわけでも無く顔を上げ、キスされることを期待して

それに対して夏凜が困ったように準備することを勧めてくると天乃は残念そうに、頷く

天乃「…………」

夏凜がそう言うのは当然なのに、

なぜだか少しだけ、裏切られた気分になって

夏凜「はぁ……ったく」

夏凜はそれを言われずとも感じたのだろう

呆れたようにため息をつきながらベッドを軋ませると

天乃の頬に手を宛がって、唇を重ねる

始まりと終わりにするような、余韻を断ち切るキス

ゆっくりと離れる夏凜は呆然とする天乃の唇を指で拭うと、笑う

夏凜「ほら、学校行くんでしょ? 今はとりあえず、これで我慢しなさいよ」

風「あ、遅刻するって伝えとこうか?」

夏凜「しないわよ!」

風の茶化しに怒る夏凜の後ろ姿を眺めながら、

天乃は重ねられた唇に触れて、小さく笑みを浮かべる

東郷のキスは優しい

けれど、それとは違う三好夏凜としてのキスは

優しく、温かく、身体に広がっていく <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/07(日) 17:21:42.21 ID:4cpGatSvo<>
√10月02日目 昼(学校) ※火曜日


01〜10 教師
11〜20 体調不良
21〜30 
31〜40 クラスメイト
41〜50 
51〜60 体調不良
61〜70
71〜80 体調不良
81〜90 
91〜00 体調不良

↓1のコンマ


※空白は勇者部(教室集まり)  <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/07(日) 17:23:17.79 ID:5gJTioi+0<> あ <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/07(日) 17:42:08.88 ID:4cpGatSvo<>
√10月02日目 昼(学校) ※火曜日

天乃「うぅぅ……」

夏凜「大丈夫?」

天乃「ごめんなさい」

風「やっぱり、こんな状態であんな椅子に座らせておくってのが駄目なのよ」

昼休みに入る前の時間、

二限目から徐々に体調を崩しかけていた天乃は完全に腹部からの痛みを覚えて保健室に運ばれ

結局、早退することが決まった

友奈「久遠先輩」

天乃「心配かけて、ごめんね」

樹「い、いえ、そんな」

沙織「教室の椅子と机は何とかして貰った方が良いよね……妊婦にあれは辛いよ」

優しく手を握る友奈と樹

2人の心配そうな表情に気丈に振舞っても、

痛みは余計に酷くなるばかりで

夏凜「とにかく、無理にでも寝なさいよ、あんた」

天乃「うぅ……」

風「でも、誰か一緒に帰らないと――」


1、風
2、友奈
3、東郷
4、夏凜
5、樹
6、沙織
7、大丈夫……千景たちがいるから

↓2 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/07(日) 17:43:04.13 ID:5gJTioi+0<> 2 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/07(日) 17:46:35.80 ID:ElSoCE9q0<> 6 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/07(日) 18:19:59.47 ID:4cpGatSvo<>
天乃「沙織、お願いしても良い?」

沙織「良いよ、世界の果てまでだって久遠さんとならいっしょに行くよ」

ぐいぐいと言葉では迫る沙織だが、

天乃の体に気を使ってか体を寄せるようなことはせず

優しく頬を撫でて汗を拭う

夏凜「じゃぁ、天乃のことは沙織に任せるとして、文化祭の準備は……」

風「その辺は適当に埋め合わせすればへーきへーき」

樹「お姉ちゃんが二人分やってくれるそうです」

風「樹ぃ!?」

友奈「あはは……私も手伝います」

具合の悪い天乃の横での騒がしさ

けれど、まったく不快にならないその日常らしさを耳に残しながら

天乃はゆっくりと目を閉じる

体が痛くて重く、息苦しい

そんな辛い気持ちを飲み込むように、かき消すように

天乃は沙織達が触れてくれる優しさに身を委ねていく <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/07(日) 18:48:08.40 ID:4cpGatSvo<>
√10月02日目 昼(病院) ※火曜日


天乃「はぁ……ぁぅ」

ベッドに横になれば楽になる。と言うわけではない

むしろ多少なりとも動いた方が良いのだが、

何の補助もない学校の椅子を使っていたのが問題だったらしく

身体の辛さはなかなか引かなくて、ため息をつく

行為を行ってからまだ二ヶ月しかたっていないが、

妊娠周期としては一般人のもので考えると大体4か月目か5か月周辺

押し寄せる妊娠の重みはその収縮された期間の分だけ重複しており、

一筋縄ではいかない

沙織「久遠さん、平気? えっちする?」

天乃「これは普通の体の問題だから」

沙織「そっか……それだと、あたしじゃなにもできないね」

天乃「ううん、そばにいてくれているだけで十分よ」

誰かがいてくれないと不安になる

目を瞑る事すら怖くなって不安になって

捨てられたんじゃないかと意味不明な考えまで湧いてしまう

でも、そばにいて、触れてくれて

温もりを感じさせてくれるのなら

それだけで心は十分、救われるのだ <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/07(日) 19:12:22.83 ID:4cpGatSvo<>
天乃「でも……みんなには悪いことをしちゃったわね」

沙織「早退したこと? 文化祭の準備の事?」

天乃「全部よ」

皆は休んだ方が良いようなことを言っていたのに

無理言って登校して、結局早退して

文化祭準備をするはずの沙織を連れ出して……

沙織「あははっ、久遠さんは馬鹿だなぁ」

けれど、

沙織はその悩みがとてもつまらないことだでも言うかのように笑い飛ばして

天乃のことを見つめる

沙織「みんな、そんなこと覚悟の上だよ。久遠さん」

天乃「でも」

沙織「もちろん、体調崩すと心配にはなるよ? でも、学校行きたいのに我慢させてる方が、心配になるよ」

妊娠中にそう言ったストレスをためすぎると駄目だという話を聞くし

双でなくとも、不安定な状況下でストレスをためてしまうと

それがわけのわからないことに繋がらないとも限らない

沙織「久遠さんはやりたい事、したい事。お願いしてくれていいんだよ?」

天乃「…………」

沙織「あたし達だって、主にえっちなことだけど、したいことさせて貰ってるからね」

天乃に必要な事。という建前で、

自分たちのやりたいことだという本音があるのだ

天乃の多少の我儘や迷惑など、駆けられたとしてもおつりがくるくらいには自由にさせて貰っているのだと

沙織は平然と嬉しそうに語る <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/07(日) 19:40:15.93 ID:4cpGatSvo<>
天乃「エッチな事と言われると、複雑なんだけど」

沙織「まぁ、そこは気にしないで」

天乃「気にしないでって……」

沙織「大事なのは、皆が満足してるってことだから」

夏凜に関しては、

エッチなことで満たされることが無いという状況ではあるが

しかし、

夏凜はそれよりも天乃が嬉しそうにしていたり、

幸せならそれでいいという考え方なのだから

気にすることではないのかもしれない

天乃「そう……」

沙織「ところでさ、久遠さん」

天乃「うん?」

沙織「三好さんじゃなくてあたしを連れ帰ったのは、何かあるの?」


1、ううん、とくにはないわ
2、満開の後遺症、みんなはどうなるのかなと思って
3、この体の事よ。出産時期とか分からないかなって
4、夏凜が気持ちよくなれる方法ってないのかなって
5、楠さんの件、何とか割り込めない?


↓2 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/07(日) 19:42:47.03 ID:TWqlcdHGO<> 2 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/07(日) 19:44:02.29 ID:nVeP2I0CO<> 3 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/07(日) 20:12:37.12 ID:4cpGatSvo<>
天乃「この体の事よ。出産時期とか分からないかなって」

沙織「出産時期……」

沙織は悩ましそうに天乃の腹部に触れると、

眉を顰めて小さく唸る

本来の妊娠周期に頼って考えるならば、

出産予定日は約妊娠10ヶ月目

天乃の胎児の成長速度が約2倍でずっと進むのだと考えれば、

その半分の5ヶ月が妊娠から出産までかかる月日になるだろう

とはいえ、行為した日から数えるわけではなく、それを含めひと月分と考えるのだから

通常で考えて9か月、天乃で考えて4.5ヶ月というのが、

大雑把な考えでの計算となるだろう

となると、12月か1月辺りが出産予定日になるかもしれない。と

沙織は不安そうに答える

天乃「12月か、1月?」

沙織「あくまで普通の妊娠から出産までの基本的な流れを基礎に、イレギュラーを排除しての計算だけどね」

天乃「ズレる可能性もある。と?」

沙織「あるというか……その可能性しかないというか……」 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/07(日) 20:31:07.79 ID:4cpGatSvo<>
沙織「12月と言っても、下旬の予定だけど……ほら、久遠さんの状態的に」

天乃「早まって上旬とかになるの?」

沙織「可能性は無きにしもあらずだね」

しかし、それも不確かで不安定なのが天乃なのだ

その時その時で大きく変動する

今でこそ、バーテックスの動きが大きくなく、

乱れも余り無い為に、天乃の体への影響も最小限だが

また活発になってしまった場合、

天乃の敏感な体にどんな影響があるのか分からないのだ

天乃「……でも、そう。12月か1月なのね」

沙織「そうだね。だからクリスマスパーティとか、年越しはここでやることになるかも」

天乃「別に、私に構わなくても良いのよ?」

園子「いや〜あまのん先輩がいないと楽しめないんじゃないかな〜」

天乃「起きてたのね……」 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/07(日) 20:55:19.01 ID:4cpGatSvo<>
園子「えへへ〜最近はだいぶ調子が良くてね〜」

沙織「調子がいいんだ……乃木さん、もしかして供物になった部分に何かあった?」

園子「どうなのかな。緩やかに、のびやかに〜って感じで」

沙織「そっか……」

園子の穏やかな声に対し、

沙織は少し不安そうな声で答えると

天乃の治りかけの目を一瞥して笑みを見せる

沙織「久遠さんが主役だからね、久遠さんが嫌がっても、みんなはここに集まると思うよ」

天乃「嫌がったりは、しないけど……」

沙織はもちろん、夏凜達も

誰も天乃に対して無理に気を使っているわけではないし

それを仕事のような義務だと思っているわけでも無い

ただ、自分たちがしたいからそうするだけだし

望む関係はそういうことをするのが当たり前だと考えているからであって

何かに無理強いされているわけではないのだ

沙織「じゃぁ、楽しもうよ」

園子「そうだよ。クリスマスも、お正月も……楽しめなかったことを、楽しもう?」

天乃「……園子、沙織」

折角取り戻した日常なのだから

気を遣う使わないだなんて考えで

つまらなくなってしまうのは、もったいないのだと

沙織は天乃の手に、触れた <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/07(日) 21:05:35.81 ID:4cpGatSvo<>
√10月02日目 夕(病院) ※火曜日


01〜10 
11〜20 若葉
21〜30 
31〜40 友奈
41〜50 
51〜60 九尾
61〜70
71〜80 樹
81〜90 
91〜00 夏凜

↓1のコンマ 
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/07(日) 21:08:27.11 ID:nVeP2I0CO<> あ <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/07(日) 21:48:33.35 ID:4cpGatSvo<>
√10月02日目 夕(病院) ※火曜日



夕方になって帰ってきた若葉は、

我先にと天乃の元へと歩み寄って、

穏やかな表情を確認すると、笑みを浮かべる

若葉「身体の方は……問題なさそうだな」

天乃「うん……平気」

若葉「それは何よりだ」

最初こそ、

膨らんだお腹を見て爆発するのではないかと大慌てにもなった若葉だが、

今では慣れたもの

刺激しないように優しく

それこそ、父親のような表情で触れる

若葉「天乃が体調不良になった分、この子達が成長しているんだろう?」

天乃「ちょっと、違うけどそんな感じね」

若葉「早く生まれてくると良いな」

天乃の体の為に

そして、個人的にはその腕に抱いてみたくて

若葉は思いを馳せたように、呟く <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/07(日) 22:04:13.31 ID:4cpGatSvo<>
若葉「なぁ、天乃」

天乃「……なに?」

若葉「私達は本来、ここにはいないはずの存在だ」

若葉や千景、歌野に水都に球子

西暦時代に生きた皆は今、

天乃の力によって現存しているだけで

本来ならばいないはずの存在

そのことをいまさらになって掘り起こした若葉は、

天乃へと、優しい目を向けた

若葉「だから、子供が産まれて、そのあともこの日常が続くようなら私達は姿を隠そうと思ってるんだ」

天乃「……どうして?」

若葉「いるはずのない存在だからだ。完全に取り戻せたのなら、本来いるべき者達のみで構成されるべきだろう?」

天乃「それは……」

たしかに、、若葉が言っていることは間違っていない

取り戻した日常の中では、

精霊と言う存在は必要ではないはずで、居ないはずで

天乃、風、友奈、東郷、夏凜、樹、沙織、園子

勇者部を含めてこの8人で形作られていくべきもの

若葉達精霊はそこに交わることはなく

影から見守るだけの存在であるはずなのだ <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/07(日) 22:08:19.71 ID:4cpGatSvo<>
若葉「だから、そう言うことにしようと思う」

天乃「千景たちは……?」

若葉「それが本来あるべき姿だと、賛成してくれている」

若葉は少し寂しげな表情を見せたが、

しかし、そうあるべきだという思いゆえか

笑みを崩すことなく、天乃と向き合う

若葉「……どうだろうか」

天乃「どうって……そんな」

若葉「天乃はどう思うのか。それを聞いておきたいんだ」

天乃「嫌だって、言ったら?」

それは少し困るかもしれないな。と

若葉は苦笑しながら頬をかいて、息を吐く

若葉「その時は……天乃の願いだ。残ろう」

天乃「…………」


1、若葉の提案を受け入れる
2、若葉達には残っていてもらう
3、考えさせて


↓2 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/07(日) 22:10:51.16 ID:nVeP2I0CO<> 2 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/07(日) 22:11:21.36 ID:2IC/0J9r0<> 3 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/07(日) 22:18:23.08 ID:4cpGatSvo<>
では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


若葉「なぁ、天乃」

若葉「ほんの些細な願いなんだが」

若葉「この戦いが終わったら」

若葉「天乃の子供を私に抱かせてくれないか?」

若葉「……ふふっ、ありがとう」

若葉「それじゃぁ……行ってくる」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/07(日) 22:25:23.19 ID:nVeP2I0CO<> 乙
本来なら再び眠りにつかせてあげるべきなんだろうけど…物凄く複雑な問題だなぁ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/07(日) 23:33:21.55 ID:Ecb4+MMIO<> 乙
日常回が主にエロい話題が多かった分真面目な話が心にくるな <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/08(月) 08:07:29.68 ID:dbiNOc5gO<> これもしかして久遠さんは勇者の章に関わらないのか? <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/08(月) 11:54:18.41 ID:w9Yi86oQO<> 出産タイミング次第じゃないかな
戦いも原作と違ってまだ続いてるみたいだし久遠さんが産んだあとも黙って待ち続けられるとは思えないが… <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/08(月) 13:01:38.77 ID:VxES5dlno<> けど12月中旬から1月中って勇者の章期間だし
戦いは終わってない可能性がある(バーテックス未確認)で原作同様くめゆに突入してるんだよな <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/08(月) 17:46:53.15 ID:bdC8TFxJO<> 原作で勇者の章にあたる期間が同じとは限らんしズレ込むかもよ
まあとにかく今はまったり待てばいい <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/08(月) 21:54:13.57 ID:FrkF9U/7o<>
では少しだけ <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/08(月) 22:03:36.55 ID:FrkF9U/7o<>
天乃「…………」

みんなは我儘や願いを言ってもいいと言った

その分の見返りと言うか、

我儘やお願いは聞いてもらっているから。と

けれど、この若葉の進言に対してのお願いは果たして

そんな単純な話に絡めて考えても良いのだろうか

天乃はそう考えて、小さな自分の手で握りこぶしを作る

天乃「ごめんなさい、考えさせて欲しいの」

若葉「……謝る必要はないし、そんなすぐに答えを決める必要もない」

天乃「でも」

若葉「そもそも、大切なことだから考える時間も必要だろう。と千景達と決めて早めに話したんだからな」

申し訳なさそうに願い出る天乃に対して、

若葉はその手に優しく手を重ねると穏やかな声色で言う

考える必要がある事だと分かっていたから

簡単に決められるようなことではないと分かっていたから

だから、まだ何ヶ月も前から話を切り出したのだ

むしろ、

簡単な話であるかのようにこの場で答えを出され、

それがきっぱりと諦めるようなものだったとしたら悲しくなってしまうかもしれない <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/08(月) 22:23:55.23 ID:FrkF9U/7o<>
若葉「……それは我儘だな」

天乃「え?」

若葉「いや、こっちの話だ」

何を我儘な。と

自分自身に呆れたように笑った若葉は

天乃の悲し気な表情に笑みを向けて首を振る

若葉「こんな時期に、すまないな」

天乃「ううん、また大変なことになっていくだろうし、それが終わってから言われたら心休まる時期がなくなってただろうから」

妊娠から出産まで

これからはさらに大変になっていくだろう

その間、心身共に中々休まることが無いのに

それが終わったかと思えば若葉達の件が切り出される

そうなったらきっと、真っ当な判断さえ難しかったかもしれないし

その場で感情任せに怒っていたかもしれない

天乃「ちゃんと、考えるから」

若葉「……ああ」

若葉達にはどちらがより良い選択になるのか

自分はどうしたいのか、どうして欲しいのか

考えるべきことは、たくさんある <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/08(月) 22:34:51.52 ID:FrkF9U/7o<>
天乃「……そうよね」

若葉が静かに姿を消してから

天乃は小さく呟いて、ため息をつく

若葉が自分の恋人の一人だからと言って

平和になったこの世界にまでいて良いのかと言われると、疑問がある

若葉達はすでに死者であり、安らかに眠っているべき魂

無理やりに掘り起こしたわけではないとはいえ、

生者の為の穏やかな日常が返ってきたのであれば、

死者の為の安らかな日常に還っていくのが本来の流れだろう

しかし、それは

天乃「……寂しく、なるかしら」

夏凜達がいるのだから、

そばに誰も居なくなるというような寂しさを感じるわけではない

だが、久遠天乃としての日常の一片から何かが損なわれてしまう寂しさ

ふと目を向けたとき、耳を傾けたとき

今までそこに感じ取れたものがなくなってしまうというのは

それが本来あるべき形なのだとしても、寂しく思う

天乃「日常の、代償……」

何かを得るためにはやはり、何らかの代償は必要なのだ

それはそう、平穏な日常を得るためだとしても <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/08(月) 22:43:48.37 ID:FrkF9U/7o<>
√10月02日目 夜(病院) ※火曜日


01〜10 風
11〜20 
21〜30 
31〜40 夏凜
41〜50
51〜60 
61〜70 友奈
71〜80 
81〜90 樹
91〜00 

↓1のコンマ  <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/08(月) 22:44:47.21 ID:QXj/ZEvMO<> あ <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/08(月) 22:55:40.62 ID:FrkF9U/7o<>
√10月02日目 夜(病院) ※火曜日


1、勇者組 ※再安価
2、精霊組 ※再安価
3、勇者部全員:若葉達の今後について
4、文化祭のリハ
5、イベント判定

↓2 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/08(月) 22:57:38.88 ID:GZRaYMau0<> 3 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/08(月) 22:57:49.79 ID:QXj/ZEvMO<> 3 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/08(月) 23:19:10.62 ID:FrkF9U/7o<>
ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


天乃「実はね、このまま平和になるなら若葉達が――」

東郷「そんなことを……」

若葉「ああ、平和になったら、私達は部外者だろうからな」

東郷「それは残念です」

東郷「年明けには甘酒ならぬ天酒を久遠先輩のお股で楽し……っと、これは関係ない話でしたね」

若葉「おい待て」

東郷「どうぞお気になさらず」ニコッ

若葉「無視できるわけないだろう!?」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/08(月) 23:46:18.36 ID:QXj/ZEvMO<> 乙
こういう時こそ悩んだら相談だな
そして東郷さんはしばらく口チャックしなさい <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/09(火) 06:23:21.78 ID:L/RlRsQzO<> 乙
東郷さんがハイレベル=>>1がハイレベル
オマケの小ネタとはいえよくもまぁ思い付くもんだ

天酒…飲みたい見たい絶対エロい <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/09(火) 20:20:04.36 ID:ofMaEky5O<> >>1はマイルドという言葉を知らないからね仕方ないね <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/09(火) 23:32:52.01 ID:eKfw6cK1O<> 今日はお休みかな? <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/09(火) 23:58:41.71 ID:ZNoWjPoZo<>
時間的にあれですが、今回はお休みとなります
明日は出来れば通常時間から

この難題の答えが出せませんでした <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/10(水) 00:04:06.13 ID:aB8Jt+XnO<> あら珍しい、乙です
どうしてもアレなら再安価でもいいよ
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/10(水) 00:10:10.06 ID:BBj/ctC7O<> 乙
まぁ久遠さんが最終決定下すだろうけど(再安価は確実)
勇者部それぞれの言葉が出ないんだろうね
若葉達にとっての正解と久遠さん達にとっての正解が違うから <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/10(水) 21:35:03.37 ID:+gPi7l5Uo<>
では少しだけ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/10(水) 21:36:09.73 ID:8ICfbTwQO<> よしきた <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/10(水) 21:43:26.21 ID:+gPi7l5Uo<>
√10月02日目 夜(病院) ※火曜日


消灯時間が近づく夜の病室

騒がしさも途絶え、明日に備えようとしているのを感じながら

天乃は小さく息を吐く

話すのは明日でも良いのではないか。

そんな風に逃げようとする心を捕まえて、首を振る

若葉は考える時間が必要だからとこんなに早く話してくれたのだ

それは、みんなにも言えることのはずだから

天乃「ねぇ、寝る前で悪いのだけど一つ話があるの」

風「ん。天乃が? 珍しい」

友奈「誰か同じベッドで……って話ですか?」

天乃「ううん、大切な話なの」

天乃の話し方は穏やかで優しかったが、

その一方で大切な話。という言葉を聞いた勇者部の面々は

僅かな緊張感を持って息を飲む

樹「何かあったんですか? あの、今日登校しちゃったせいとか」

夏凜「天乃が言うまで待った方が良いんじゃない?」

東郷「そうね……気持ちが急くけど」

絶対に大切な話をしないだなんてことはない天乃だが、

周りが聞きだしてようやく。という姿勢だったはずなのに、

自分から大切な話がある。と切り出してきたのが怖いのだと東郷は小さく言う

休み明けの登校、そして早退

その流れからの大切な話は嫌な予感しかしなくて。 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/10(水) 21:50:23.36 ID:+gPi7l5Uo<>
天乃「あのね、話っていうのは若葉達の事なの」

友奈「若葉さん……?」

そう言えば今はいないですね。と

辺りを見渡して呟く友奈に引っ張られるように

風達も思い出したように「いないわね」と確認する

沙織「居なくなったわけじゃないよ。今は姿を見せてないだけ」

風「そうなの……? なら良いけど」

天乃「ただ、このまま平和が続くなら、それは今を生きている人達で形成されるべきだろうって」

そして、それはつまり

若葉達が姿を消そうとしていることなのだと天乃は語る

樹「い、居なくなっちゃうんですか……っ!?」

東郷「久遠先輩の力が消えてなければ出てくることはできる……はずよ」

沙織「ただ、それが出来ても出てくることはない。それが、郡さん達の考え」

いつもお茶らけている沙織の張りつめた声の持つ緊張感が、

勇者部を黙らせ、考え込ませる

天乃の精霊である若葉達だが

樹達はその若葉達に救われたこと、学んだこと

けして一言では語れない経験をさせて貰ったのだ

ゆえに、そうなんですね。と

簡単に切り離せるような話題ではなかった <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/10(水) 22:02:24.88 ID:+gPi7l5Uo<>
東郷「確かに、若葉さんの語ったことは間違ったことではないですね……」

風「取り戻した日常はいるべき者達で形成されるべき……か」

樹「わ、私は一緒にいて欲しいです……まだ教えて欲しいことがあって、でも、まだお返しできてない事ばかりで……」

自分が言って良いことなのかは分からない

しかし、樹は抱いた気持ちを言わずにはいられなかった

戦い方を学んだし、考え方、捉え方を学んで

勇気の出し方を学んで、

絶望的な状況下だろうともどうあるべきなのかを見せて貰った

その大きな背中を、樹はずっと追いかけてきた

だからこそ、自分はここに居られるのだと樹は言う

樹「沢山教えて貰ったから、頑張れたんです……その、恩返しも何もまだできてないのに……」

今すぐいなくなるわけではないと言っても

樹にとって、

与えられたものへのお返しはきっと限られた中で返しきれるものではないのだろう

我慢しようとしている努力を感じる悲し気な嗚咽が病室に流れていく <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/10(水) 22:14:53.22 ID:+gPi7l5Uo<>
友奈「私も、若葉さん達と一緒に居たいと思います。でも、若葉さん達にはゆっくりして欲しいなとも、思います」

魂の疲労が西暦時代から引き継がれているのかどうかとか、

そう言った難しい話は抜きにしても、

戦うために生きた西暦時代

戦うために呼び出されたこの神世紀

その必要がなくなったのなら、安らかな眠りにつき

ゆっくりと休んで欲しいと思う

友奈「でも、寂しいです。悲しいです……戦う必要がなくなっても、ずっと一緒にいて欲しいです」

いや、一緒にいて欲しいとかではなく

いてくれるのが当たり前なのだと思っていた

平和になった世界でも

現在の勇者と過去の勇者で入り混じって平和な時代を仲良く

そして、何より楽しく幸せに生きていけるのだと思っていた

友奈「だから……私には、どっちが良いかなんて、決められないです」

悲しそうにいう友奈を見つめた東郷は

なにかを言いたげに眉を顰めて飲み込むと

小さく笑みを浮かべた

東郷「……樹ちゃんは反対。友奈ちゃんはどちらでもない。ですね」 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/10(水) 22:18:41.95 ID:+gPi7l5Uo<>
感情に揺られて悲し気に自分の意見を述べた二人の後

一線を引いて冷静な態度のままの東郷は、

風と夏凜を一瞥してから「私は」と、切り出す

東郷「私は、若葉さん達の意思を尊重したいと思います」

天乃「やっぱり、貴女はそうよね」

困ったように、けれど納得した笑みを見せる天乃の純粋な声から逃れるように

東郷は息を飲んで目を瞑る

もしもこれが銀の事だったら、そう考えた

その心は生きて欲しいと答えたけれど

でも、銀は呆れたように笑って言うのだ

何言ってるんだよ。みんなはあたしが居なくても大丈夫だろ? と

ちゃんとしたお別れが言えたから満足したんだと。

友奈が言ったように

友奈が考えているように

これからの日常を生きて欲しいという願いと

頑張って、尽くして眠るはずだった魂を呼び覚まし続けるというある種の残酷さ

その葛藤は同じようにある

しかし、目指した世界を前に踏み止まる英霊の決意に反対の意見を述べることはできない

東郷「若葉さん達だって悩んで決めたことだと思うので、尊重するべきだと進言します」 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/10(水) 22:26:04.18 ID:+gPi7l5Uo<>
夏凜「個人的な意見で良いわよね?」

東郷が語り終えたかと言う所でわざわざ挙手をした夏凜は

その一言にみんなの沈黙が返ってきたのを確認して、一息

東郷へと目を向けて

夏凜「私は反対。精霊だからなに? いない存在だからってなに? 私達の日常って、若葉達入れてこその日常なんじゃないの?」

普通の人間からしてみても

歴史的流れから見ても

若葉達西暦勇者の存在は異物だと言えるだろうし、

普通ならばいない存在ゆえに、流れが戻るのであれば消えてしまうべきなのかもしれない

だが、天乃や勇者部の日常において、

その存在はあって然るべきもののはずなのだと夏凜は言う

友奈「でも夏凜ちゃん、それは」

夏凜「バーテックスがいたからこそ、若葉達入れての日常だった?」

東郷「違うわ。どちらにしても、若葉さん達が安らぐべき魂であることには変わりがないのよ夏凜ちゃん」

夏凜「異議あり。そもそも、そこがおかしいんじゃないの? 若葉達は私達にとってなんなのよ。精霊? 魂? 力?」

樹「違いますっ、偉大な先輩で、先生で……でも、大切なお友達で仲間で……」

沙織「それはそうかもしれないけど――」

風「はーいはい」

パンパンッっと手を叩き、

白熱しかけた議論を止めに入った風は、

夏凜達の熱の籠った目を向けられてなお

飄々とした余裕そうな笑みを浮かべて、手を上げる

風「次はあたしの考えを言わせて貰うわよ」 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/10(水) 22:33:15.05 ID:+gPi7l5Uo<>
風「でもその前に、天乃は若葉達の考えを正したいとかじゃなくて、引き留めるべきか送るべきかを考えたいって言うので良いのよね?」

天乃「そうね……若葉達は別に間違ってない。私の気持ちの問題」

風「だったら東郷、夏凜。論点を戻すわよ」

まず先にとそう宣言した風は東郷と夏凜の両方に目を向けて清聴を確認すると、

変なこと言えないわねぇ。と照れ笑いを浮かべてため息をつく

にやけた表情が整って

風「若葉達が過去の英霊とかそういう難しい話は抜きに考えましょ」

東郷「待ってください風先輩!」

風「まだ意見言えてないってば」

意地悪で反対意見を述べるわけではないことを踏まえたうえで、

東郷の迫る勢いに制止を促した風は、

その気持ちは分かるんだけどね。と優しく言う

風「まぁ、それでもあたしは若葉達の意思を尊重してあげたいわね。東郷が言うように、考えて、相談して決めたことだと思うから」

樹「っ……お姉ちゃん」

風「悪いわね、樹。でも、やっぱりお姉ちゃんの考えとしてはこっち側なのよ」 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/10(水) 22:33:45.88 ID:+gPi7l5Uo<>
沙織「なるほど、犬吠埼さんとしてはそうなんだね」

風「沙織は違う?」

沙織「三好さんが言ったことに概ね同意するから。やっぱり、あたしたちにとって乃木さん達含めてこその日常なんじゃないかなって思う」

もちろん、若葉たちの考えが分からないわけではないし

その考え方を否定するわけではない

何か目的があって、そこに至る為に若葉たちがどこかへ旅立つというのであれば応援もするだろう

だが、本来の日常には自分たちは必要ないという考えでいなくなるというのであれば、

それは認められないというのが、沙織の個人的な意見だった

東郷「ですが伊集院先輩……」

園子「わっしー、今はそのことは考えないって話だよ」

東郷「…………」

若葉たちが本来どういった存在なのか

それをどうしても考えようとしてしまう東郷に対して

園子は優しくさえぎって首を振る

夏凜「なら、園子はどう思うのよ」

園子「そうだね〜」

普段と変わらない間延びした声で言った園子は

不安げな東郷を一瞥すると、天乃へと目を向ける

園子「やっぱり、いなくなっちゃうのは寂しいかな」 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/10(水) 22:40:20.74 ID:+gPi7l5Uo<>
園子「もちろん、これがわがままな気持ちだとは分かってる。でも、やっぱり寂しくなると思う」

東郷「そのっち……」

園子「みんなそれぞれの言い分は間違ってない。正しいと思うんよ〜私としても、魂は安らかに眠るべきだと思うし」

友奈「うん。だから難しいんだよね」

園子「でもね、今いるご先祖様達がただの魂だとは思えないのも事実だよね?」

東郷「それは、でも」

沙織「結局、これはあたし達が我儘を言えるかどうかって話なんだよね」

悩ましく話し合い、黙り込んでしまう面々の中

一人口を開いた沙織は天乃を見つめて、笑みを浮かべる

沙織「せっかく奇跡的な力で巡り合えたんだから……一緒に生きて欲しいってさ」

天乃「……でも、迷惑になるかもしれないわ」 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/10(水) 22:44:42.00 ID:+gPi7l5Uo<>
沙織「だからこそわがままなんだよ。そして、あたし達はその一生に一度の大きな我儘を言った瞬間から、相手を幸せにする義務を負う」

それはさながら、結婚のように。

病める時も、健やかなるときも

いつ、なんどきであろうと、

相手のことを幸せにしてあげようという努力を怠ってはいけない

夏凜「まぁ……考えすぎるなら、一つだけ考えりゃいいのよ天乃」

天乃「一つ?」

夏凜「そう。自分にその存在は必要なのかどうか。本当の意味での付き合い、結婚。それってさ、相手が自分にとって必要だと思うからするもんでしょ?」

そう言った夏凜から天乃へと目を向けた園子は、

まだ時間があるならもう少し考えたり、

若葉達と話したりしてからでも遅くはないけど。とつぶやいて

でもあえて一つだけ言わせてもらうなら。と切り込む

園子「天さんなら分かってると思うけど」

天乃「…………」

園子「引き止めなかった後悔はどうしようもないけど、引き止めた後悔をしない努力はいくらだって出来るからね〜」

天乃「っ」

風「まぁ、考えろってことね。天乃も、みんなも」 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/10(水) 22:47:03.32 ID:+gPi7l5Uo<>
1日のまとめ

・   乃木園子:交流有(若葉について)
・   犬吠埼風:交流有(早退、早退、若葉について)
・   犬吠埼樹:交流有(早退、若葉について)
・   結城友奈:交流有(早退、若葉について)
・   東郷美森:交流有(早退、若葉について)
・   三好夏凜:交流有(早退、若葉について)
・   乃木若葉:交流有(平和になった世界で)
・   土居球子:交流無()
・   白鳥歌野:交流無()
・   藤森水都:交流無()
・    郡千景:交流無()
・ 伊集院沙織:交流有(早退、若葉について)
・     九尾:交流無()
・     神樹:交流無()


10月02日目 終了時点

乃木園子との絆  62(高い)
犬吠埼風との絆  91(かなり高い)
犬吠埼樹との絆  77(とても高い)
結城友奈との絆  99(かなり高い)
東郷美森との絆 109(かなり高い)
三好夏凜との絆 128(最高値)
乃木若葉との絆  91(かなり高い)
土居球子との絆  38(中々良い)
白鳥歌野との絆  37(中々良い)
藤森水都との絆  30(中々良い)
  郡千景との絆  35(中々良い)
   沙織との絆 111(かなり高い)
   九尾との絆  58(高い)
    神樹との絆   9(低い) <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/10(水) 22:48:19.18 ID:+gPi7l5Uo<>
√10月03日目 朝(病院) ※水曜日


01〜10 
11〜20 千景
21〜30 
31〜40 
41〜50 球子
51〜60 
61〜70
71〜80 歌野
81〜90 
91〜00 夏凜

↓1のコンマ 
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/10(水) 22:48:48.86 ID:8ICfbTwQO<> あ <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/10(水) 22:52:02.95 ID:+gPi7l5Uo<> √10月03日目 朝(病院) ※水曜日

1、登校する(※イベント判定)
2、登校しない(※再安価)

↓2 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/10(水) 22:54:46.30 ID:L9z0eLfR0<> 1 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/10(水) 22:56:25.97 ID:sjeF42mN0<> 1 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/10(水) 22:57:49.65 ID:+gPi7l5Uo<>
01〜10 クラスメイト
11〜20 担任
21〜30 沙織
31〜40 千景
41〜50 九尾
51〜60 歌野
61〜70 球子
71〜80 水都
81〜90 夏凜
91〜00 若葉

↓1のコンマ 
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/10(水) 23:00:12.31 ID:8ICfbTwQO<> ほい <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/10(水) 23:05:01.59 ID:+gPi7l5Uo<>
ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
諸事情でしばらく1日置きの投下になるかもしれませんが、
出来る限り通常時間を予定しています


友奈「…………」チラッ

東郷「どうかしたの? 友奈ちゃん」

友奈「う、ううん。大したことじゃないんだけどね」

友奈「東郷さん……真面目なことも言えたんだなぁって」

東郷「違うわ友奈ちゃん。いつも真面目よ」

夏凜「何それ本気で言ってんの?」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/10(水) 23:13:58.09 ID:8ICfbTwQO<> 乙
難産だっただけあって見応えある話し合いだったなぁ
誰も間違ったことは言ってないし勇者部らしい暖かさがあって良かった <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/11(木) 01:29:05.99 ID:Iz3FGtRE0<> 乙
若葉たち残ってくれないかなあ
やっぱ寂しいよ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/11(木) 08:29:43.38 ID:YPI6FGzxO<> 普段エロいことばかりのみんなが真面目に話してる凄さよ…
感情で答える友奈と樹と頭で考えた風と東郷
その対立に対して頭で考えつつも残留を望む夏凜と園子

千景は何を言うのだろうか… <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/11(木) 13:23:14.71 ID:YH/IcgSAo<> 感情的な子と理知的な子の対比が良いなぁ
勇者の章でも対立してたけどそれとは違う優しい対立
>>1は脳内ピンクじゃなかったんだな!(賛辞) <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/11(木) 22:24:31.07 ID:qctMm5x4o<>
では少しだけ
もう少し真面目パート <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/11(木) 22:26:23.08 ID:RexuKlvfO<> おk <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/11(木) 22:28:37.90 ID:qctMm5x4o<> √10月03日目 朝(病院) ※水曜日


勇者部の今後についてのとても大切な話をしてから一夜明けて

いつも通りでいようという、努力をどこかに感じる空気感の中

天乃は今日も登校したいと、切り出すと

天乃の近くで準備をしていた風が顔を上げて少し不安そうに眉を顰める

風「良いんだけど、体調は平気そう?」

天乃「うん……いつも朝は調子いいの。お昼くらいにお腹が痛くなって気分悪くなって……」

夏凜「ま、そこは仕方ないんじゃないの?」

沙織「一応、もうちょっと体に負担のかからない車椅子をお願いしたからそれ次第だね」

天乃「そうね……ありがとう」

6日から7日に文化祭が行われるのだが、

そこに間に合えば演劇に出るための登校も苦にはならないだろうし

演劇中にずっと座っていても体調を崩しにくくなるだろうから

今は少しだけの我慢。

そう考えて一息ついたところに、

東郷のように黒く長い髪が不意に舞って

千景「あまり、無理はしないでいて欲しいけれど」

誰もが無意識の中に唐突に姿を見せた千景は

天乃のことを心配そうに見つめながら呟く <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/11(木) 22:34:12.18 ID:qctMm5x4o<>
天乃「千景……」

夏凜「昨日の話、聞いてたの?」

千景「ええ、聞いていたわ」

それでなんで平気で出てこられるのかと言いたげな風の視線を感じたからか、

それとも、樹や友奈の窺うような目を感じたからか

千景は周りを見渡すと、天乃へと向き直って小さく息を飲む

千景「乃木さんがなぜあんなことを言い出したのか、知りたい?」

東郷「若葉さんから言い始めたことなんですか? 他の誰かではなく」

千景「そう。乃木さんから私達に聞いてきたの」

千景は落ち着いた声色で答えると

不安を感じ取って樹に目を向け、笑みを浮かべる

昨日の話を聞いていたからこそ

気にかけていた樹の悲し気な表情は見逃せなかったのだろう

千景「乃木さんだって、別に勇者部と一緒にいることが嫌なわけではないわ」

友奈「でも、若葉さんが言ったんですよね?」 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/11(木) 22:39:46.58 ID:qctMm5x4o<>
沙織「それなりの理由があるってことだね」

千景「勇者部のみんなが納得できる理由かどうかは、分からないけれど」

一応、天乃と交際関係にある若葉がみんなと一緒にいることを嫌がるはずがないのだが

それが理由ではないというのなら尚更、怖さがある

若葉が平和になっていく世界に自分たちは不要だと考える原因は

それに匹敵する内容になるからだ

そして、

千景はどこからともなく普段使っている大鎌を取り出して、身構えた

千景「乃木さんが言い出した理由はこれよ」

風「これって、それ?」

夏凜「大鎌がなんなの?」

園子「武器……だよね?」

園子の窺う問いに頷き大鎌をかき消すと、

千景は「園子の言う通りよ」と、答える <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/11(木) 22:43:21.72 ID:qctMm5x4o<>
千景「自分たちがいる限り、本当の意味で平和を感じることは出来ないだろう。乃木さんはそう言ったわ」

友奈「そんなことないよ!」

天乃「友奈の気持ちは分かるけど、そう単純な話ではないわ」

若葉が言った言葉、

それを現すのに有効なのは大鎌であること

それを紡いだ天乃は悲し気に声を絞り出して首を振る

誰もそんなことは思っていないのに

思うはずがないのに。と

けれど、若葉の心配と不安も分かってしまう

だから、簡単に批判することは出来ない

天乃「若葉は精霊であり、勇者であり、過去の英霊……つまりね。若葉達は過去から現在に至るまでの戦いの象徴なのよ」

夏凜「……なるほど」 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/11(木) 22:54:22.85 ID:qctMm5x4o<>
樹「そんなことっ、そんなこと思わないです!」

強く否定を叫んだ樹に対して風は穏やかに「樹」と名前を呼ぶ

その優しさが、穏やかさが

自分の想いを否定する流れなのだと感じて首を振る。聞きたくない、言わなくて良い。と

けれど、風は口を開く

風「友奈、肉うどんと言えば?」

友奈「えっあ、その……風先輩……です」

風「なら国防と言えば?」

友奈「と、東郷さん……」

そう言うことなのよ。友奈、樹。と

厳しいことを言っていると分かっているからか、

罪悪感のにじんだ声で言った風は千景へと目を向けて、促す

千景「犬吠埼さんが言ったように、その物に対して強く刻まれた印象はどうしても想起されてしまう」

夏凜「光と言えば眩しい。火と言えば熱い……固定概念みたいなものよね」

東郷「そして西暦の勇者。先祖、精霊であるという免れ得ない事実は若葉さん達を戦いへと結びつけてしまったのね」

それを不安に思い、今後の平穏に対する不協和音になりかねないという危機感を覚えて

若葉は自分たちがいないべきだと言ったのだ

天乃が願い求めた平和を心から感じられるように

不安にならず、恐れることもなく

勇者部のみんなが取り戻した日常の中に溶け込んでいけるように

そう願って、そうあって欲しいと思って

若葉は望んだ世界を前に踏み止まろうという決意を固め、みんなに話してそれを総意とした <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/11(木) 23:00:34.62 ID:qctMm5x4o<>
千景「そうではないと言いたい貴女達の気持ちはちゃんと伝わったわ」

樹「…………」

千景「けれど、乃木さんのこの考えを聞いたうえでもう一度考えて欲しい」

若葉の進言、願い

それを受け無いことがどういうことなのか

若葉に何を思わせ、何を背負わせてしまうのか

そうした場合、自分たちは何をどうしていくべきなのか

園子「難しいことだよね……」

千景「それでも」

友奈「……っ」

お願いするわ。と告げて頭を下げた千景に対して、

勇者部は何も言えずに息を飲んで各々の中で若葉達への想いを紡ぐ

しかし、若葉の考えに対してそれが適切なのかどうか。

樹や友奈でさえ、今の今ですぐに答えを出すことは出来なかった <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/11(木) 23:02:30.38 ID:qctMm5x4o<>
√10月03日目 昼(学校) ※水曜日


01〜10 樹
11〜20 クラスメイト
21〜30 
31〜40 体調不良
41〜50 
51〜60 夏凜
61〜70 体調不良
71〜80 
81〜90 友奈
91〜00 体調不良

↓1のコンマ  <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/11(木) 23:02:45.34 ID:8egymG5ZO<> あ <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/11(木) 23:13:22.42 ID:qctMm5x4o<>
ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から



九尾「それでもなお、主様が求めるのならば残るのじゃろう?」

若葉「…………」

九尾「狡いのう……狐よりも狡猾じゃぞ」

若葉「そうかもしれないな」

九尾「お主の子孫が言うておったであろう。しなかった後悔はどうしようもないが、した後悔はしない努力が出来ると」

九尾「残って努力。お主はその根気も無いのに我らの純情なる乙女に手を出したのかや?」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/11(木) 23:16:55.62 ID:Pirr8bSYO<> 乙
若葉残ってくれ…… <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/11(木) 23:22:15.17 ID:RexuKlvfO<> 乙
こう若葉の覚悟を聞くと安易には引き止めにくくなるよな…
思いを受けとめて見送るかイメージを変えてく努力をするかどれが正解なんだろうか <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/11(木) 23:31:57.68 ID:wGjGP4B3O<> 乙
若葉の考えがより共感出来てしまうけどやっぱり一緒が良い…早くいつものエロいだけのみんなに戻ってくれ… <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/12(金) 12:58:16.35 ID:NmhzKKCao<> 夏凜が原作と違って読書家設定あるから頭良い側で嬉しい
そして若葉の考えは解るし若葉が考えそうとも思う

こういうところで手を抜かない作風好き <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/12(金) 22:06:32.23 ID:vapGwUGQo<>
では少しだけ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/12(金) 22:08:50.00 ID:yQPu4P/mO<> あいよー <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/12(金) 22:12:45.94 ID:vapGwUGQo<> √10月03日目 昼(学校) ※水曜日


外に遊びに行く足音や、まだまだ続くおしゃべりの喧騒が一層強まりつつある昼休みの中、

天乃は保健室のベッドで横になって呻いていた

3限目中盤から体に違和感と不快感を覚え、

手洗い場に向かうこと数回、二度吐いて保健室へと搬送されたのが4限目終盤

すでに送迎係である瞳にも依頼済みで、帰宅させられるのは確定事項だった

夏凜「入るわよ」

風「どうぞー」

軽いノックと確認の夏凜の声

それに風が答えた瞬間に扉は勢いよく開かれて

真っ先に友奈と樹が入り込んで

後からゆっくりと夏凜と東郷が保健室へと入ると

東郷の「落ち着いて」という心配そうな声が小さく響く

友奈「久遠先輩……」

天乃「うー……ごめんね……」

樹「いえ、大丈夫ですか?」 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/12(金) 22:20:54.10 ID:vapGwUGQo<>
沙織「まだつわりの症状が長引いてるみたいなんだよね……」

風「だから、というか、これはもう総意になっちゃうんだけどさ、天乃」

天乃「なに?」

夏凜「しばらく休み。登校は許可できないわ」

ベッドに寄りかかるようにして近づく樹や友奈の後ろから覗くように顔を見せた夏凜は、

天乃に対してはっきりと言ってため息をつく

天乃がまた保健室に運ばれたという連絡が回ったのと同時に、

天乃を登校させて平気なのかどうかという疑問が回り、

その結果が満場一致での登校不許可だった

比較的甘い判断をしてしまう沙織や樹、友奈でさえ

登校させたくない、して欲しくない。と

誰かの説得を受けたわけでも言い出したというのだから

相当心配したのだろう <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/12(金) 22:25:28.72 ID:vapGwUGQo<>
天乃「でも……朝は」

夏凜「登校するたびに体調不良で早退して……今日なんて吐いたんでしょあんた。気持ちは分かるけど、安静にしてて欲しいのよ」

沙織「時々体調崩す程度ならまだ許容範囲内かもしれない。でも、流石に連日でこれだと車椅子を変えるとかそう言う話じゃないから」

天乃「ダメ?」

樹「駄目ですっ」

ちらっと眼を向けられた樹は物怖じすることも躊躇うこともなく、

はっきりと否決を述べて天乃を見つめる

友奈も同じ考えのようで、悲しそうに不安そうに見つめ返して来ていた

天乃「そう……みんなの意見なのね」

東郷「心配なんです。久遠先輩だけでなく子供にまで悪影響なんじゃないかって」

天乃「流石に、この我儘は」

風「聞けるわけがないでしょ?」

どこにも味方がいない状況に置かれているのだと察して、

天乃は「困っちゃうわね」と苦笑する

天乃「でも困らせ過ぎたし、心配させすぎちゃったのよね」
<>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/12(金) 22:36:42.26 ID:vapGwUGQo<>
夏凜「今週末には文化祭があるわけで。それに備えて蓄えるために……って考えて貰えると助かるわ」

東郷「意地悪で言っているわけじゃないんです」

樹「久遠先輩が苦しいからって保健室に運ばれたって聞くのはもう嫌です」

友奈「久遠先輩だけの体じゃないんですっ」

たたみ掛けるような可愛い後輩で恋人の言葉から逃れるように沙織へと目を向けると

沙織はいやいや見られても。と言いたげに首を横に振って苦笑いを浮かべる

沙織「それだけみんな心配してるってことだよ」

天乃「うん……」

風「夏凜と一緒に縛り上げて部屋に押し込む計画すら考えたんだから」

夏凜「何で縛るのよ」

友奈「一緒なのは良いんだね」

夏凜「それは別に」

友奈のちょっぴり嬉しそうな笑みに夏凜は平然と答えて、

樹の頭の上を越えて、天乃の頬に触れる

夏凜「とにかく、今日も早退。明日からは公欠で文化祭まで安静にする。解った?」

天乃「…………」


1、分かったわ
2、調子よかったら……ちょっとだけとかは?

↓2 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/12(金) 22:38:00.57 ID:yQPu4P/mO<> 1 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/12(金) 22:38:53.68 ID:choJz1kA0<> 1 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/12(金) 22:39:02.44 ID:CDHyh1WqO<> 1 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/12(金) 22:53:52.31 ID:vapGwUGQo<>
天乃「解ったわ……そうする」

友奈「文化祭の準備とかは心配いりませんから」

天乃「うん、それは任せてるから」

そもそも、ほとんど役に立ててはいないのだから

天乃が居ようがいまいが、

文化祭の準備は滞りなく進んでいくだろう

風「断られたらどうしようかと」

東郷「それこそ縛って強制送還では?」

沙織「東郷さんが言うとなんかエッチな方の相姦に聞こえるよね」

東郷「今はまじめな話を――」

むっとした東郷の傍ら、

一貫して姿勢を崩そうとしない夏凜は、

ところで。と東郷と沙織の諍いに立ちふさがって

夏凜「誰か連れて帰る? それとも、若葉たちが居れば平気?」



1、友奈
2、風
3、樹
4、東郷
5、沙織
6、夏凜
7、若葉達がいるから大丈夫
8、一緒に来てくれる人は任せるわ

↓2 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/12(金) 22:55:14.88 ID:OA7mUT7v0<> 3 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/12(金) 22:55:21.13 ID:choJz1kA0<> 8 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/12(金) 22:55:40.77 ID:yQPu4P/mO<> 3 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/12(金) 23:17:07.25 ID:vapGwUGQo<>
01〜10 風
11〜20 友奈
21〜30 樹
31〜40 夏凜
41〜50 東郷
51〜60 若葉
71〜80 千景
81〜90 球子
91〜00 沙織

↓1のコンマ 
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/12(金) 23:20:26.24 ID:CDHyh1WqO<> あ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/12(金) 23:20:32.66 ID:yQPu4P/mO<> あ <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/12(金) 23:29:13.10 ID:vapGwUGQo<>
ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から



東郷「樹ちゃん……縛りプレイは優しさ重視でね?」

樹「しません」

東郷「なら何のために帰るの!?」

樹「ただの付き添いです!」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/12(金) 23:32:36.71 ID:yQPu4P/mO<> 乙
樹ちゃんのターンは久々だな
若葉たちの一件でショック受けてそうだし励ましてあげたい <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/12(金) 23:34:53.09 ID:CDHyh1WqO<> 乙
本当かなあ? <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/12(金) 23:35:06.71 ID:n4PySi3N0<> 乙! <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/13(土) 13:21:38.09 ID:yrLrcNvEO<> 久遠さんの体調不良率100%(月曜から水曜までの3日間)だからみんなが心配するのもそりゃそうですよと <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/13(土) 20:51:24.68 ID:1o1u5IcvO<> ここも勇者の章の部分が終わったら終わりだよねきっと
流石に続かないよね <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/13(土) 21:04:37.53 ID:dR81GhpAO<> のわゆ(陽乃さん)編かゆゆゆい編ならワンチャン…?
>>1次第だけどもしも可能ならみたいなあ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/13(土) 21:50:09.83 ID:C64IO5+B0<> あえて箸休め?的にくめゆ編でまたオリキャラ作るのもありかもしれん、久遠家の存在で防人のメンバーも多少変化あるかもしれないし
久遠さんとの絡みは難しいだろうけどこっちの芽吹ちゃんのその後みたいな? <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/13(土) 21:59:19.95 ID:1o1u5IcvO<> 確かにのわゆパートはあるかも

ただ今回の週前に久遠さんじゃないとモチベーションが持たないって言ってた気がするから新規はないんじゃないかな
この戦闘とエロと内容のクオリティは全部久遠さんだからこそでしょ <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/13(土) 22:10:50.21 ID:saMxSPWpo<>
では少しだけ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/13(土) 22:12:31.87 ID:S+QVPKxPO<> よしきた <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/13(土) 22:14:46.78 ID:1o1u5IcvO<> うむ <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/13(土) 22:20:13.85 ID:saMxSPWpo<>
√10月03日目 昼(病院) ※水曜日


本来なら昼休みが終わるころの時間に病室へと帰ってきた天乃は、

戻るや否やベッドへと横にされ、

担当の看護師に安静にしているようにときつく言われて頷く

体調が悪いのだからおとなしくするのは天乃も分かっているはずだが、

それでも何かしかねないと思われているのかもしれないと、

園子と樹は目を向け合って心配そうに苦笑いを浮かべる

天乃「何もあんなに言わなくても」

園子「それだけ不安視されてるってことだね〜」

樹「出来る限りベッドから出ないでくださいとも言ってましたから……」

体調が悪くても動いてしまうと思っているのだろうし

樹や園子、ここにいない夏凜達も

天乃がそうやって必要があれば動いてしまうと思っているからこそ

看護師が多少きつく言っていても当然だと止めに入らなかったのだ

もっとも、どれだけきつく言おうと

その時に天乃にしかできないことがあってするべきこと、しなければならないことがあったとしたら

天乃は死ぬ気でそれを実行することだろう

天乃「樹もごめんね? 戻ってきちゃって本当に大丈夫だった?」 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/13(土) 22:34:49.14 ID:saMxSPWpo<>
樹「はい、大丈夫です」

そう答えて辺りを見渡した樹は、

空っぽになったベッドのいくつかに目を止めて、

ほんの少し悲しそうに眉を顰める

樹「狡いかもしれないですけど、久遠先輩と話したいこともあったんです」

天乃「狡い……?」

何が狡いのかと一瞬考えた天乃だったが、

昨日の今日、今朝の今

皆に対して狡いのは若葉に対しての話をするからだろうと察して首を振る

天乃「ううん、別に良いのよ。樹には樹の言いたいことがあるでしょう?」

樹「昨日でほとんど言っちゃったんですけど、でも朝の千景さんのことがあって」

天乃「気が変わった?」

樹「そんなこと、ないです」

優しく問えば、樹はまだ比較的穏やかな声色で否定する

感情的な強い発言も悪いとは言わないし、

それこそ気持ちが籠っているということなのだろうが

きっと、今樹がしたいのはみんながいる時にはできない話

感情的にならずにしたい話

そう思ったからこそ、天乃は優しく見守るような目を向けて頷き、促す <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/13(土) 22:43:37.68 ID:saMxSPWpo<>
樹「千景さんが言ってたこと、若葉さんが言ったこと、きっとそうなんだろうなって思うんです」

自分たちは過去の勇者であり英霊

力の象徴、戦いを彷彿とさせてしまう存在

風が友奈に聞いていたこと、夏凜が言った光と火のこと

それを考えてみれば、樹はそれ自体は否定することは出来ないのだろうと思ったのだ

樹「でも……」

しかし、それでも樹は若葉達が居なくなってしまうことには異を唱える

樹「でも、私は若葉さん達のことを平和の象徴だとも考えられるんじゃないかなって、そう思うんです」

天乃「平和の象徴? どうしてか、聞いても良い?」

樹「……勇者だから。です」

勇者というのは戦いの象徴なのかもしれないが

しかし、合わせてその戦いを治める平和の象徴ともいえるのではないだろうかと

樹は考えているのだ

いや、そうでなければ勇者が報われない

どれだけ頑張って未来を残そうとも

その未来にて【彼女たちが守ってくれた】ではなく、【戦いがあった】としか言われないのだとしたら

それはとても、悲しいことなのだと樹は言う <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/13(土) 23:04:57.71 ID:saMxSPWpo<>
園子「でもいっつん。どうしてそれが狡いの?」

樹「抜け駆け、するからです」

皆に相談したことで

みんなの意見がそれぞればらばらな中、

自分の意見だけを二度押しするようなことをしてしまったから

だから狡いのだと樹は答える

樹「それに、どこかで思ってるんです。久遠先輩は優しいから私や友奈さんの味方になってくれるんじゃないかって」

今話している時だってそう

樹はすべてにおいて思っているわけではないが

少しはそんな期待をしてしまっている。

確かにそうなんだと、考えを後回しにして優しく答えてくれるのではないかと

樹「狡い……ですよね」

罪悪感を含んだ悲しそうな呟きに

園子は黙って息をついて天乃を見る

そう思うの? と、聞かれている気がした


1、樹は自分の意見を言っただけだし、これに関してそんなおかしな制限をかけた覚えはないわ
2、それが自分の気持ちなら、最後までその言葉を誇って胸を張りなさい
3、そうかもしれないわね……
4、私ってそんなに優しくないわよ?


↓2 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/13(土) 23:10:24.14 ID:HUOZ4uApO<> 3 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/13(土) 23:10:47.90 ID:S+QVPKxPO<> 4 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/13(土) 23:10:58.65 ID:1o1u5IcvO<> 2かな <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/13(土) 23:18:41.73 ID:saMxSPWpo<>
ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から



天乃「私ってそんなに優しくないわよ?」

園子「優しくないけど甘いよね〜」

天乃「そんなことは――」

東郷「久遠先輩の体で一番甘いのはやっぱり胸ですね。優しく噛み締めた時ににじみ出るあの身体に染みる甘さ……」

東郷「次におすすめなのはうなじですね。一舐めで聞こえる喘ぎ声にほんのりと感じる久遠先輩の出汁はもぎゅ――」グイッ

風「はーい。あんたは学校戻るわよ東郷」グイグイッ

東郷「まだ魅力の欠片も話せてな――」

夏凜「話さんでいいわ!」ペシンッ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/13(土) 23:28:45.12 ID:S+QVPKxPO<> 乙
樹ちゃんの思いはおそらく聞いているであろう若葉たちに届くのだろうか… <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/13(土) 23:32:05.48 ID:1o1u5IcvO<> 乙
勇者だから戦いの象徴で勇者だからこそ平和の象徴…樹らしいというかなんというか… <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/14(日) 13:32:32.34 ID:8DPa5Trqo<>
では少しずつ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/14(日) 13:37:27.53 ID:rVkwtlgzO<> かもーん <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/14(日) 13:46:26.72 ID:8DPa5Trqo<>
天乃「私はそこまで優しくないわよ」

園子「確かに、天さんは無償の優しさがあるように思えるけど厳しい時は厳しいよね」

自分に対して厳しいのはもちろん、

樹達に対しても全てにおいて甘く接するというわけではない

それが誤りであるのだと感じたときは訂正するし

それでも直さないのであれば厳しく言うかもしれない

大勢でのこう言った意見の出し合いを行ったとき、

誰かの情に訴えるような意見だけに耳を傾けてしまうようなこともない

天乃「だから別に、貴女が狡いだなんて思う必要はないわ」

園子「と言う感じで罪悪感を消しに行く優しさはあるけどね〜」

天乃「茶化さないの」

はーい。とのびやかな声で答えた園子の笑い声に触発されたように、

樹も小さく笑い声を溢して確かにそうですね。と、言う

樹「久遠先輩はやっぱり優しいです」

天乃「でも、樹だけに傾くことはできないわ」

樹「それは……解ってます」 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/14(日) 14:02:57.90 ID:8DPa5Trqo<>
樹「でも、良いんです。久遠先輩や若葉さん達に思ってることは言えたので」

それで何かが変わるかどうかはこれからの天乃達の考え方次第だったりするが

その決定が自分の想いを踏まえたうえでのものであるのなら

言わなかった後悔だけはせずに済むから

樹「園子さんが言ったように、しなかった後悔をしない努力をしようと思っただけですから」

だから狡いのではないかと言う後ろめたさがありながらも

あえて真っ直ぐに自分の気持ちを伝えたのだ

天乃「そう……貴方の気持ちも考えも。私達はちゃんと聞いたから」

樹「はい。かんがえて貰えると、嬉しいです」

天乃に、若葉達に

目に見えない空間に対しても願い出た樹は

天乃の体をゆっくりとベッドに押して、布団をかける

樹「すみません、長く話しちゃって」

天乃「ううん、大丈夫」

特別眠くもないし。と普通に言う天乃に、

樹はそれでも休まないと駄目ですよ。と苦笑して

樹「寝れないときにお姉ちゃんが良く歌ってくれた歌があるんです」

天乃「……あら、子守歌?」

樹「はいっ。お腹の子にもきっと優しい歌ですよ」 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/14(日) 14:17:23.04 ID:8DPa5Trqo<>
そう言って、樹は優しい声で温かな歌を口ずさむ

穏やかに優しく誘う子守歌

かつて、姉である風だけではなく

妹だった樹にも母親が歌った子守歌

語らず歌われ継がれた優しさの愛情

手を引いてくれた母親の大きくも小さな手

話しかけるたび振り向いてくれた優しい笑顔

遅れないように躓かないように合わせてくれた歩み

天乃「…………」

それを思い出しながら、

樹は悲しさを滲ませるのではなく、その時得られた幸福感を乗せて

それは出会いに感謝し、これからの未来に希望を願う――祈りの歌

樹「…………」

歌い終えた樹は、

自分の手を握る小さくも大きい母の手を握り返して

優しい寝顔にかかる髪を払う

樹「……みんなが幸せになりますように」
<>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/14(日) 14:32:58.33 ID:8DPa5Trqo<>
√10月03日目 夕(病院) ※水曜日


01〜10 夏凜
11〜20 
21〜30 歌野
31〜40 
41〜50 九尾
51〜60
61〜70 友奈
71〜80 
81〜90 風
91〜00 東郷

↓1のコンマ  <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/14(日) 14:34:11.38 ID:rVkwtlgzO<> あ <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/14(日) 15:22:48.73 ID:8DPa5Trqo<>
√10月03日目 夕(病院) ※水曜日


樹「久遠先輩、お姉ちゃんたちはもうちょっと遅くなるらしいです」

電話を終えて戻ってきた樹は、

すぐにその内容を簡潔に告げる

文化祭の演劇の大道具小道具の準備

それがこのままでは間に合わない可能性があるからと

時間いっぱいまで残って作業したいらしい

天乃「……樹は大丈夫?」

樹「私は全然、パソコンがあれば何とかできるので」

天乃「そう……みんな無理しなければいいけど」

無理をし過ぎて当日体調壊すのは本末転倒だというのはみんな分かっていることだろうし、

そもそも無理をするなと天乃に言ったのだから

そこは自重してくれるはずだが……

天乃「前日とかなら学校に泊まることは出来るの?」

樹「前々日なら出来た気がします」

天乃「そしたら、その日はみんな帰ってこなかったりする?」

樹「どうでしょうか……」

作業が終わらなければ帰らない可能性もあるだろう

そこは、今日の進歩状況を聞いてからだ <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/14(日) 15:35:29.97 ID:8DPa5Trqo<>
天乃「私が無理に学校通ったせいよね、きっと」

樹「そんなことはないと思いますけど……」

以前から準備していく予定ではあったのだが

勇者としての戦いや、

それによって動かせなくなってしまった体のこともあって

元々、難航していたのだ

天乃が心配させたから

誰かを連れて早退してしまったからというのは

ほんのわずかな理由の一つでしかない

樹「若葉さん達も手伝ってくれているという話なので、大丈夫ですよ」

天乃「……向こうにいるのね。千景たちも?」

樹「千景さんはこっちにいるそうです。若葉さんや歌野さん、水都さんは向こうにいます」

天乃「一人残してくれたのね」

それも心配だからだろうけれど

若葉が残らなかったのは、あの話が影響しているような気がして

少しだけ、寂しさを感じた


1、樹
2、園子
3、イベント判定

↓2 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/14(日) 15:41:04.81 ID:rVkwtlgzO<> 2 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/14(日) 15:43:47.97 ID:wo6ShjK3O<> 2 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/14(日) 16:34:17.65 ID:8DPa5Trqo<>
天乃「ねぇ、園子は今朝の千景の話を聞いて何か変わった?」

園子「う〜ん……」

天乃「別に無理に答えたりしなくても良いからね?」

考え込む反応に、

あえて難しく考えないようにと一言添えたが、

園子はそんな天乃を一瞥すると、苦笑する

園子「私はにぼっしーと同意見かなぁ」

天乃「変わらないってこと?」

園子「ご先祖様の考えはなんとなくわかってたというか、それでも寂しくなるなぁって気持ちは変わらないから」

寂しくなるというのは感情に基づいた意見で

何か理知的な考えあってのものではない

それゆえに、

園子の意見が変わることはないのだ

園子「天さんは、決まった?」

天乃「それを言われると、少し辛いわね」 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/14(日) 16:40:22.76 ID:8DPa5Trqo<>
皆がどんな考えを持っていようが

どんな想いを抱いていようが

天乃一人の言葉一つで若葉がどうするのかが決まってしまう

それだけに、

簡単に判断を下すことはできないし

その考えを口にすることはできない

天乃「答えを出さなくちゃいけないのは私なのは分かってるのよ。でも、中々ね」

園子「天さんが良いよって言えばいなくなっちゃうからね。仕方ないよ」

天乃「……うん」

優しく慰めようとしてくれる園子の言葉に、

天乃は困ったように笑みを浮かべて、頷く

天乃「若葉が言わなかった考えを聞いて、余計に迷っちゃったのかもしれない」

むしろ

迷うからこそ若葉が言わなかったのかもしれないとさえ、思う

今回の若葉達の処遇で重要なのは

友奈たちが別れを認めるかどうかではなく、どう思うかでもなく

それを受け入れることが出来るのか。と言う点で

若葉達がどんな思いでそれを口にしたのか。だ <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/14(日) 16:50:38.02 ID:8DPa5Trqo<>
適当な理由や思い付きなんて言うものではなかった以上、

若葉の考えはしっかりと吟味して答えを出さなければいけないし

発言一つで考え抜いた答えを曲げさせてしまうのだとしたら

それによって生じる諸々の責任等はすべて天乃が背負わなければいけない

それは当然

若葉達が居なくなっておけばよかった。と

一番してはいけない後悔をさせてはいけないというものもある

しかし、そこで気負ってしまえばむしろ

自分たちの存在が平和への足かせになっていることになって

結局、若葉達に後悔をさせてしまうことになる

天乃「……難しいことだわ」

園子「我儘を言えば良い。とは言ったけど、ご先祖様を納得させる何かは必要だよね」

ここにいても平気なのだと

あるいは、

平和への足かせになどならないのだと納得させる何かが

天乃「その点で言えば、樹の気持ちはとても有効だったのかもしれないわね」 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/14(日) 17:06:24.16 ID:8DPa5Trqo<>
惜しむらくはそれを若葉自身が聞いていなかったことだけれど

それに関してはきっと、千景が伝えてくれることだろう

園子「多分、学校でも文化祭の準備をしながら話してるんじゃないかな」

天乃「どうかしら」

若葉はまじめだから

今はその話はやめておこう。と控えようとするかもしれないし、

友奈がその話題を嫌がって逸らそうとするかもしれない

あるいは、夏凜がそんな話をしないように妨害するか……

天乃「歌野や藤森さんが読めないけど……」

園子「考え直してくれるかな?」

天乃「幸い、まだ時間はあるからゆっくり考えたいことだわ」

それを幸いと言うべきかは疑問だけどね。と

天乃は前言撤回しながら苦笑する



1、満開の後遺症について
2、文化祭について
3、樹が言ってたことについて
4、若葉の考えに対して(寂しい以外の答え)
5、ところで、園子はエッチなことがしたいとは思わないの?


↓2 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/14(日) 17:06:57.82 ID:j3tQRTiU0<> 4 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/14(日) 17:07:59.40 ID:132yGtLfO<> 1 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/14(日) 17:41:24.63 ID:8DPa5Trqo<>
天乃「ねぇ園子、この際だから聞いてもいいかしら」

園子「うん〜?」

天乃「園子の方は満開の後遺症はどう? 治っていたりする?」

園子「微妙な感じかなぁ……治っているような、治っていないような」

園子はいまだ全く動かすことのできない体を目で追って、呟く

動かせるようになりそうな気配を感じると言えば感じるが

それは気のせいと切り捨てそうなほど微妙な感覚

園子「九尾さんが言ってたことはたぶん正しいと思うんよ。だから、治る可能性はあるんだよね」

天乃「………」

供物になってしまった身体を、

神樹様の力を用いれば治すことが出来るだろうという九尾の話

記憶が九尾によって復元出来ているのだ

九尾以上に神聖な力を持っている神樹様ならば可能と言うのは間違っていないはず。

園子「神樹様が人に寄り添って下さるのなら、治してくださるかもしれない」

天乃「どうして?」

園子「天さんの体が不自由になっていったことで騒ぎが起きたからだよ」

<>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/14(日) 17:55:11.17 ID:8DPa5Trqo<>
その騒ぎが神樹様にまで届いているのだとしたら、

死なないようにして、人ならざる者へと昇華していくのではなく

人として生きていくことの方が重要な事なのだと気づいてくれたかもしれない

もしもそうなのだとしたら

満開によって散華し、供物となった機能が戻ってくる可能性は高いと

園子は自分の考えを述べる

天乃「でも、だとしたらそんなゆっくりとした動きになるかしら?」

園子「天さんも一応、満開によって供物になった機能があるよね?」

天乃「ええ」

園子「だからじゃないかなって思ってるんよ」

天乃「というと?」

園子「下手に戻せば天さんの体の状況はより悪化する可能性があるのは分かるよね?」

それゆえに慎重になっているため、

周りへの供給も微々たるも物になってしまっているのではないかと園子は言う

園子「そこで天さんになにかあったらそれこそ、前回の暴動の比じゃなくなることも理解していればだけどね」

今度は勇者まで出てきて

もはや壁を壊してしまう可能性さえあるのだ

下手なことが出来ないのは当然かもしれない <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/14(日) 18:01:49.70 ID:8DPa5Trqo<>
天乃「ならいっそ、私なんて――」

園子「あははっ、天さんらしいけどそれは駄目じゃないかな」

悪く言えば融通が利かない神樹様だが

死ななくしたのだって結局のところ

三ノ輪銀と言う勇者を失ってしまったことに対する勇者

あるいは人間たちの悲しみを受けて神樹様がねん出したものだろう

今回の事だって神樹様が人間に対し、勇者に対し

良かれと思い、好意でやってくれていることなのであれば

手際の悪さと言うと語弊が生じるかもしれないが

納得のいくようなものではないのはごく当たり前だと言っていいだろう

天乃「神樹様もまだ、学んでいる最中……ということね」

園子「簡単に言えばそうなるかな〜」

間延びした声で言う園子は

少しだけ考えて「気になるなら」と切り出す

園子「九尾さんは神樹様の力に敏感だから聞いてみると良いんじゃないかな」

天乃「九尾に……ね。かんがえておくわ」 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/14(日) 18:03:03.40 ID:8DPa5Trqo<> √10月03日目 夜(病院) ※水曜日


01〜10 若葉
11〜20 
21〜30 友奈
31〜40 
41〜50 風
51〜60
61〜70 
71〜80  東郷
81〜90 
91〜00 歌野

↓1のコンマ  <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/14(日) 18:03:18.14 ID:j3tQRTiU0<> あ <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/14(日) 18:12:24.07 ID:8DPa5Trqo<>
では少し中断させていただきます
再開は20時頃には行う予定ですが過ぎる場合もあります <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/14(日) 18:18:56.62 ID:132yGtLfO<> 一旦乙
久遠さんは仕方ないにしてもできることなら他の子は早く解放してあげたいなぁ <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/14(日) 21:02:34.10 ID:8DPa5Trqo<>
ではもう少しだけ <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/14(日) 21:16:02.18 ID:8DPa5Trqo<>
√10月03日目 夜(病院) ※水曜日


風「まぁ、全力で詰めて前日ギリギリいければいいかなってとこ」

夏凜「多少でも削減した方が良いと思うんだけど」

東郷「ただ、どうするとどこをどう削減するかを話し合わないと劇そのものが成り立たなくなるわ」

友奈「その時間がもったいないかな……」

文化祭の作業は進みはしたが、

まだ完成までには遠いらしく

天乃の進歩状況への質問から反転して

どうしていくかの議論へと移っていく

夏凜「背景セットの塗りを甘くして、その時間を削るとか、そもそも小道具を減らしたりするのは?」

東郷「難しいわね。すでに完成しているものと比べると粗悪さが目立ってしまうわ」

風「初めからクオリティにこだわったのは失敗だったか……」

樹「ううん、最初は問題ない予定だったんだもん。仕方がないよ……」

仕方がない。

それは間違いないし、

学校のみんなも天乃の件によって

そう言えてしまうようなやむを得ない状況が【お役目】にはあると知っているから

見逃してはくれるだろう。が

風「かといって、そう簡単にあきらめたくはないわよねぇ」 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/14(日) 21:59:47.13 ID:8DPa5Trqo<>
友奈「まだ未完成の部分の劇自体を引いちゃうとか……」

沙織「それは難しいと思うよ。大きいのを最後に回してるから最悪背景自体が消えることになる」

樹「ならやっぱり、凄く頑張るしかないかな……」

毎日残って、

最終日まで泊まることが出来るよう申請して

そこまで頑張れば理想通りの劇に近づくことはできるだろう

そう言った風は少し困ったように苦笑すると

まぁとにかく頑張らないとね、と

やや強制的に話を進める

風は文化祭の劇に関して手を抜く気はないらしい

沙織「でも、学校にお泊りってなんだか憧れるよね」

友奈「なんだかいけないことしてるみたいだよね」

東郷「夜の学校……そう言えば教室で――」

夏凜「あーなんか嫌な予感がするから言わなくて良い」

夏凜の困った表情、素早く動いた手

遮られた東郷は不服そうに何かを言う

まるで、若葉達の件などなかったかのような雰囲気だった


1、みんなに樹に言われたことを話す
2、みんなに今朝のことを踏まえた答えを聞く
3、夜の学校ね……申請下りると良いわね
4、勇者組 ※再安価
5、精霊組 ※再安価
6、イベント判定


↓2 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/14(日) 22:00:49.13 ID:qduoGJD5O<> 1 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/14(日) 22:03:15.34 ID:2X5xR0wY0<> 5 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/14(日) 22:17:26.95 ID:8DPa5Trqo<>
1、若葉
2、千景
3、歌野
4、水都
5、球子
6、九尾

↓2 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/14(日) 22:19:01.50 ID:7KitQ3yb0<> 6 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/14(日) 22:19:15.05 ID:132yGtLfO<> 6 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/14(日) 22:35:34.24 ID:8DPa5Trqo<>
再開して間もないですが、ここまでとさせていただきます
明日は出来れば少し早い時間帯からを予定していますが
出来ない場合もあります



東郷「普段みんなが勉強している教室なんですよ。とか囁きながら」

東郷「指示棒でいろんなところを突いて責めてみたいので是非夜の学校に行きましょう」

天乃「丁重にお断りさせて貰うわね」

東郷「でも、淫らなことはしたいですよね?」

天乃「……それは、その」フイッ

東郷「では普通のちょっと過激なことしませんか?」

天乃「少しなら――」

夏凜「誘導すんのやめなさいよ東郷!」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/14(日) 22:41:38.09 ID:TyjhkVkuO<> 乙
劇までもうちょいだな <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/14(日) 22:49:25.52 ID:132yGtLfO<> 乙
久遠さんチョロすぎませんかねぇ…
それはともかく園子様との会話からして久遠さんはもう神樹のことそんなに恨んでないのかな <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/15(月) 08:13:34.91 ID:0LTPyJ8IO<> 序盤じゃ神樹様に頭下げるのすら嫌がってたよな
九尾も快く思ってなかったと思うしどう折り合いつけてくのか <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/15(月) 08:48:42.95 ID:fVobkKzQO<> 今はその神樹様の力を頼るしかないからなぁ…
けど今は無関心に近いような気がする神樹様がなにか大切なものを奪っていったらキレるだろうけど <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/15(月) 20:11:15.31 ID:D+7ciWa5o<>
では少しだけ <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/15(月) 20:21:49.90 ID:D+7ciWa5o<>
√10月03日目 夜(学校) ※水曜日

天乃「九尾、居る?」

そう声をかけると、

普段通りにどこからともなく九尾は姿を見せる

真っ白な体に黄金の髪と赤い瞳

衰えを感じない妖狐の人間としての姿

九尾「何か用かえ?」

天乃「少し……連れ出して貰っていい?」

友奈達の話し合いに耳と目を傾けていた天乃は

そこに自分が不要であることを確認してから、九尾に求める

九尾「ふむ……良かろう」

あまり外出は推奨されたことではないが

全くしてはいけないとも言われていないし

止める理由は無かった

天乃「ちょっと出てくるわね」

夏凜「ん? 一緒に行く?」

天乃「ううん、九尾が一緒にいるから大丈夫」

夏凜「それはそれで逆に嫌な予感がするけど……まぁ、分かった」

夏凜の心配に挑発的な笑みを浮かべる九尾を突きながら

寝静まりつつある病室の外へと車椅子を動かした <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/15(月) 20:38:16.43 ID:D+7ciWa5o<>
九尾「それで、主様が聞きたいのは後遺症の件かや?」

九尾は前触れなくそう切り出して

また、「それとも」と続ける

九尾「西暦の娘達の考えに対する妾の考えかや?」

天乃「えっと」

九尾「残念ながら後者に関して妾の答えはない。ゆえに言える言葉など一つもありはせん」

薄情だ。と

そう思いかねない言い方ではあるが

九尾はそもそも天乃を第一に考えて行動するため

本来ならば勇者部に対する思い入れさえも皆無だと言っていいかもしれない

それでも色々と対応したりしてくれているのは

単にそれが天乃へと直結する問題だからでしかない

仮に若葉達がどうにかしなければ消えてしまうというような

理不尽な消滅間際であるのならば考えもするだろうが

自分の意思で決めようとしていることなのであれば

九尾は好きにしたらいい。と、切り離してしまう

天乃「何か言ってくれてもいいのに。寂しくなるとか」

九尾「幾千の別れを見てきた妾に、そのような感情はありはせんよ」 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/15(月) 20:49:20.85 ID:D+7ciWa5o<>
九尾「それで、何を求めておるのじゃ?」

ただ連れ出して欲しかったのか

満開の後遺症について聞きたかったのか

それとも若葉達と同じように

九尾もまた、姿を消すつもりがあるのか

あるいは、結界の外の事

九尾「もしくはみだらな行為の指南をしてやっても良いぞ?」

天乃「…………」

冗談めかして言うが

確かに、九尾のその手の技術は

沙織や東郷に一矢報いることが出来る可能性は高い

天乃「……い、いやいや。何考えてるの」

ちょっぴり体が熱を帯びたのを感じて慌てて首を横に振る

流石にところかまわず。と言うのは危険だ



1、後遺症の件
2、九尾の今後
3、結界の外
4、淫らな行為
5、ただ外の空気が吸いたかった


↓2

<> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/15(月) 20:50:31.37 ID:KytmHhvsO<> 1 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/15(月) 20:50:55.68 ID:HhkBq2et0<> 1 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/15(月) 21:09:56.92 ID:D+7ciWa5o<>
天乃「エッチな方は良いわ。今は……そうでもないし」

九尾「ある種の発作的なものじゃからな。それに関しては日中発症しないよう気を付けておけ」

すでにした経験があるような気がした天乃は、

話半分にそれを肯定して、息をつく

天乃「話を聞いていただろうから色々省くけれど、後遺症の件よ」

九尾「単刀直入に言えば園子が言うておったことでおおむね間違いは無かろうな」

天乃「なら、身体が治るということ?」

九尾「治る。と言う言葉では誤りがあると思うが」

僅かな安堵と共に訊ねた瞬間

すぐにまた不安へと蹴落とされていくのを感じて

天乃は強く声を上げそうになったのをギリギリで堪えて息を飲む

そんな主の状況を悟ってか

九尾は小さな息をつくと、

すぐそばにあった椅子に腰かけて天乃の目線に合わせる

九尾「牡牛が覚えておるのか解らぬから繰り返すが、主様や東郷、西暦勇者に施した妾の記憶の復元を覚えておるか?」

天乃「当たり前でしょう?」

九尾「うむ。ならば分かるはずじゃ。治るのではなく補う。妾の記憶で記憶を補うように、供物もまた神樹が補うだけでしかない」 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/15(月) 21:26:08.39 ID:D+7ciWa5o<>
天乃「それって……」

九尾「例えば主様の左目としたら、右目は主様自身の瞳、左目は神の瞳となるわけじゃ」

天乃「それによる弊害は何かないの?」

九尾「補われた部分が身体になじむまでに時間がかかる。と言うのが普通じゃろうな」

天乃達が記憶を戻して貰った際に、

痛みに苦しんだり、気を失ってしまった。というのもその影響故のものだ

あれは急激に注ぎ込んだゆえの影響だが

そうでないのならば満足に動かせなかったり

義手や義足を付けたときのような感覚の不一致がおこる程度だろう。と

九尾は簡潔に説明して、天乃の足に触れる

九尾「現状、勇者部の娘達にはその力が流れ込んできておる。だが、その治りは非常に遅い。理由は分かるかや?」

天乃「……園子が言ってたことと違うの?」

九尾「残念ながら、主様の体を神樹が治すことは出来ぬ」

天乃「え?」

九尾「驚くことではあるまい。主様には神殺しの穢れの力が常時流れておるんじゃぞ?」

つまり、

その穢れの力によって天乃の体を治そうとしているのだとしても

補った瞬間からその部分は喰われて穢れ、治らないということだ

九尾「さて。答えは簡単じゃぞ。娘たちを治すのと同時に壁外調査に向かう32人にも力を分け与えているからじゃ」 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/15(月) 21:43:51.04 ID:D+7ciWa5o<>
天乃「大赦の行動が速かったの?」

九尾「微妙なところじゃな。そもそも神樹の力が弱っているせいと言うのもあるからのう」

大赦の行動が速く、

治す前に動いてしまったというのも理由の一つにはなるだろうが、

一番は神樹の力が弱っているせいで

大赦の行動までに間に合わなかったのだろう

九尾「隠さず言えば、主様の満開によって樹海が傷を負ったというのも理由の一つじゃぞ」

天乃「それは……」

九尾「その分、穢れた部分を補っては来ていたが、それでは不十分だった。と言うことじゃな」

天乃「……でも、夏凜達は治るのよね?」

九尾「妾はあまり薦めらたことではないがな」

それでも治ってしまうのじゃろうが。と

九尾は諦めたように呟くと

少しばかり不快そうな表情を見せて

九尾「半人半神となるからのう。バーテックスとやらに狙われなければよいが」

天乃「その可能性があるの?」

九尾「昔から言われおろう。力あるものを贄として力を蓄えていくものじゃ。ゆえに、以前の主様や今身籠っている命は良き餌とも言える」

<>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/15(月) 21:55:18.97 ID:D+7ciWa5o<>
天乃「そしたら……最後に教えて貰っても良い?」

九尾「主様の体なら、妾が勇者時代のように補ってやることは出来るが」

天乃「やっぱり、それ以外の方法はないの?」

九尾「あると言えばあるが……ふむ。知りたいかや?」

九尾は意味ありげに含んだ表情を浮かべると

あまり聞かない方が良いと言いたげな目を向ける

弱気と言うほどではないが

どこか悲しさと弱さを秘めた視線に、

天乃は一瞬、躊躇いに時間が止まったような錯覚さえ覚えて

九尾「聞きたいというのならば話すが」

天乃「…………」

九尾「別に、聞くようなことではない。妾の力で補うのは勇者部の娘たちが神の力で補われるのと変わらぬからのう」


1、聞く
2、聞かない


↓2 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/15(月) 21:59:09.79 ID:HhkBq2et0<> ksk <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/15(月) 21:59:23.74 ID:KytmHhvsO<> 1 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/15(月) 21:59:25.59 ID:h7Mrm7FQO<> 1 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/15(月) 22:15:01.51 ID:D+7ciWa5o<>
天乃「良いわ。可能性の一つとして教えて頂戴」

九尾「良かろう。しかし、これを何らかの判断材料とはするでないぞ」

天乃「どういうこと?」

流れに対して不安をさらに煽るような事を言う九尾の不可解さに、

天乃はあからさまな不穏な気配を感じて訊ねたが

しかし、もう賽は振られてしまったのだろう

九尾「死神は主様の体が供物となる流れを奪って自分の能力と紡ぎ、別種の精霊との契約としたことは覚えておるか?」

天乃「え、ええ……だいぶ前のことになるけど……」

まだ一年すら経過したわけではないのに

とても懐かしく感じてしまう以前の話

そう、まだ、千景ではなく死神さんだった時の話

片言の人語で言ったのだ

死神の力を使っての満開を行っていると

天乃「それが、なんなの……?」

九尾「あの娘たちがいなくなればそこに蓄えられていた主様の供物となった部分が戻る可能性はある」

天乃「……それ、つまり」

九尾「そうじゃな。今話題の西暦勇者の処遇。要望通りに進めば主様は元通り治る可能性があるというわけじゃ」 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/15(月) 22:33:10.29 ID:D+7ciWa5o<>
天乃「…………」

九尾「今回は妾との外出中じゃからな。きゃつらの耳には入っておらぬ」

天乃「だから、なに?」

九尾「あの娘たちもさすがにこの可能性を知っているわけではない」

若葉が素戔嗚で

千景が死神で

歌野達がまだ稲荷神達だったころからいる九尾だからこそ

その可能性の紐を握っていたのだ

天乃「……そう」

九尾「最も、知っている娘もいるが」

自分の利になるかどうかは別として

自分の体が治る可能性の為に傾くようなことをする天乃ではないが……

しかし、そんな理由もあっていなくなろうとしているの出れば

確実にいなくなることを拒むだろう

天乃「それ……千景?」

九尾「いかにも」

天乃「そんなこと知ったら若葉達はいなくなることを譲らなくなるわ」

九尾「じゃが、千景は話しておらぬ。それにも理由はあるじゃろう。話を聞いてみればよい」

病院の通路をそめる暗闇が段々と伸びてきているような気がして

天乃は思わず目を背ける

呑まれてしまったら、考えが良くなくなるような気がしたからだ <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/15(月) 22:41:02.87 ID:D+7ciWa5o<>
1日のまとめ

・   乃木園子:交流有(登校、後遺症について)
・   犬吠埼風:交流有(登校、早退、公欠)
・   犬吠埼樹:交流有(登校、早退、公欠、樹の考え)
・   結城友奈:交流有(登校、早退、公欠)
・   東郷美森:交流有(登校、早退、公欠)
・   三好夏凜:交流有(登校、早退、公欠)
・   乃木若葉:交流無()
・   土居球子:交流無()
・   白鳥歌野:交流無()
・   藤森水都:交流無()
・    郡千景:交流有(若葉の考え)
・  伊集院沙織:交流有(登校、早退、公欠)
・     九尾:交流有(後遺症について)
・     神樹:交流無()


10月03日目 終了時点

乃木園子との絆  64(高い)
犬吠埼風との絆  92(かなり高い)
犬吠埼樹との絆  80(とても高い)
結城友奈との絆  100(かなり高い)
東郷美森との絆  110(かなり高い)
三好夏凜との絆  129(最高値)
乃木若葉との絆  91(かなり高い)
土居球子との絆  38(中々良い)
白鳥歌野との絆  37(中々良い)
藤森水都との絆  30(中々良い)
 郡千景との絆  36(中々良い)
  沙織との絆  112(かなり高い)
  九尾との絆  60(高い)
  神樹との絆   9(低い) <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/15(月) 22:44:46.26 ID:D+7ciWa5o<>
√10月04日目 朝(病院) ※木曜日


01〜10 友奈
11〜20 
21〜30 歌野
31〜40 夏凜
41〜50
51〜60 
61〜70 風
71〜80 
81〜90 東郷
91〜00 樹

↓1のコンマ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/15(月) 22:46:12.74 ID:KytmHhvsO<> あ <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/15(月) 22:48:38.62 ID:D+7ciWa5o<>
√10月04日目 朝(病院) ※木曜日


1、勇者組
2、精霊組
3、判定

↓2
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/15(月) 22:52:24.34 ID:KytmHhvsO<> 2 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/15(月) 22:54:37.58 ID:HhkBq2et0<> 2 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/15(月) 22:58:01.54 ID:D+7ciWa5o<>
1、千景
2、若葉
3、歌野
4、球子
5、水都
6、九尾

↓2 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/15(月) 23:00:12.11 ID:KytmHhvsO<> 1 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/15(月) 23:00:25.78 ID:hl9pHE1o0<> 5 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/15(月) 23:10:10.32 ID:D+7ciWa5o<>
ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から



水都「うたのんとのピロートーク聞きます?」

歌野「みーちゃん!?」

天乃「あら、面白そうね」

水都「実はですね、うたのんはお尻を触りながらキスしてあげると悦ぶんですよ」

歌野「ウェィウェィウェィウェィィィット!」

歌野「違う、違うからッ! 適当なこと言わないで!」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/15(月) 23:20:07.10 ID:KytmHhvsO<> 乙
またもや辛い選択が…久遠さんは何かを犠牲にしないと幸せになれないのかなぁ

次は一休みで諏訪組の猥談でも聞いて落ち着こうか <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/15(月) 23:24:42.26 ID:CBUbrEaPO<> 乙
誰も欠けることなく幸せになりたいなあ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/16(火) 08:23:04.08 ID:M26uss5TO<> でも九尾が補ってくれれば動けるしそれはそれで原作と同じだから
若葉達を消してしまうほどのことではないかと <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/16(火) 17:38:35.49 ID:aTXw+nC2O<> 何気に現時点で人間保ってる子は樹ちゃんしかいないのか…
満開数0の前作とは対照的だな <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/16(火) 22:13:58.24 ID:OsFZEHLwo<>
では少しだけ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/16(火) 22:15:11.34 ID:9bjCz3adO<> あいよ <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/16(火) 22:25:23.34 ID:OsFZEHLwo<> √10月04日目 朝(病院) ※木曜日


普段通り調子のいい朝

登校したいという気持ちを抑え込んでみんなの準備を眺め

ため息とともに天井へと眼を逸らす

登校したいけれど出来ないというのもそうだが

今は考えるべきことが多くなってきていて

どうしても、ため息が零れてしまうのだ

天乃「……みんな」

若葉達に知られれば確実に譲らなくなるのはもちろん、

夏凜達反対する勇者部もまた、それなら……と揺らぐ可能性さえある

天乃「言えるわけないわね」

各々準備を終えて

今日の授業はなんだとか

今日はどこまで文化祭の準備ができればいいだとか

そんな話ににぎわっていく中、

取り残される天乃はふと思い出したように、

歌野の相方である水都の名前を呼ぶ

水都「呼びました?」

天乃「ええ」

普通に姿を見せただけで

天乃は一安心だと笑みを浮かべながら、頷く <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/16(火) 22:36:51.66 ID:OsFZEHLwo<>
天乃「体の調子はどう?」

水都「うたのんがしてくれたので、そこまで違和感はないです」

天乃「エッチな気分になったりは?」

水都「と、時々」

その質問はどうかと言いたげに照れくさそうな表情を見せた水都は

しっかりと答えて、自分の体を庇うように身を縮めると

天乃から眼を逸らして、首を振る

水都「その、経験しちゃってから……そういうことをしたいなって、思うようになっちゃって……」

穢れによる影響もあるのだろうとは思うが

体験したことによってその感覚がクセにもなってしまったのではないかと

水都は困ったように言って笑う

水都「でも、そういう時は必ずうたのんが相手してくれたんです」

天乃「藤森さんから?」

水都「半々ですね。うたのんがする? って聞いてくることもあります」

意外と積極的なのか

それとも、ただ心配しすぎて定期的なものとなっているのか

後で聞いてみるのも面白いかもしれない。とちょっぴり企んで

天乃「調子が良いって言うことはうまく出来てるようで安心したわ」

水都「っ!」
<>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/16(火) 22:46:26.71 ID:OsFZEHLwo<>
ただ安心の理由を述べただけにも拘らず、

水都は一際顔を赤く染め上げると

僅かに体を震わせて、恥ずかしそうに頷く

天乃「下手なやり方だとなかなか難しいのよ。特に私がそうだからね」

水都「そ、そんなことはないと思いますが」

天乃「ううん、私はする方は苦手なの」

水都「される方に得意とかあるんですか……?」

普段見ていてもするよりされる方が圧倒的に多い天乃の事だから

あえてそう言ったのだろうとは水都も分かっているが

ある意味淫らな行為をされる才能と言うか、

そうされざるを得ない何かでもあるのではないだろうかと

ちらっと天乃の体を見つめて、首を振る

天乃「?」

水都「妊婦さんなので、無理はしないでくださいね」

天乃「ええ」

もっとも天乃がどう思おうが

周りが強引にでもしたいと燃え上がってしまった場合はどうしようもないのだが。

妊娠中は抑制もするだろうけれど

出産し、休養期間が過ぎたら地獄―ある意味天国―を見ることになりそうだなぁ。と

水都は苦笑いを浮かべて誤魔化した


1、それで? 歌野とはどんなことをするの?
2、私ともしてみたい?
3、ねぇ、貴女は若葉の提案に対してどう思った?
4、樹海の穢れ、後どれだけ補うことが出来る?


↓2 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/16(火) 22:47:21.52 ID:I2UIj3qZ0<> 1 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/16(火) 22:47:33.17 ID:9bjCz3adO<> 1 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/16(火) 22:47:38.15 ID:GI4DZs8h0<> 3 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/16(火) 23:02:17.25 ID:OsFZEHLwo<>
ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から



天乃「それで? 歌野とはどんなことをするの?」

水都「……久遠さん」ギシッ

天乃「ちょ、えっ」

水都「知りたいなら、教えてあげますよ……」キシッ

天乃「あの、藤森さ――」

グイッ

水都「もちろん、身体に……ですけど」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/16(火) 23:12:27.10 ID:9bjCz3adO<> 乙
まさかこういう形でうたのんとみーちゃんが結ばれるとは本人たちは思いもしなかっただろうなぁ…
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/16(火) 23:13:37.50 ID:xoswD1MCO<> 乙
体験談を聴き込む久遠さん <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/17(水) 13:18:05.95 ID:INfuXKGuo<> 久遠さんなにやってんの…また誘い受け?
実践しても返り討ちに遭うんだからやめなよ <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/17(水) 21:43:28.88 ID:d1tL3Pn0o<>
では少しだけ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/17(水) 21:44:10.87 ID:cNYrOF9/O<> おk <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/17(水) 21:52:27.11 ID:d1tL3Pn0o<>
天乃「それで、歌野とはどんなことをするの?」

水都「へえぇっ!?」

天乃「そんな驚かなくてもいいじゃない」

驚き戸惑う水都の一方、

さも当然のことであるかのように困った笑みを浮かべる天乃は

興味があるのよ。と

悪戯っ子のような怪しげな笑みを浮かべて

天乃「私とみんなのだって見てるんでしょう?」

水都「そ、それは不可抗力と言うかなんというか」

天乃「でも恥ずかしい声とか聞いたり、顔を見てるのよね?」

水都「うぅ……」

それを言われると、弱かった。

水都のみならず、

歌野や若葉達精霊のほとんどが、

天乃と東郷や夏凜達の淫らな行いの様子を見て来ていて

自分が人には聞かれたくないなぁという声

人には見られたくない

場合によっては電気を消して見えなくしたくなるような表情までもを

見てしまっているのだ

水都「分かりました、分かりました!」

それでなお、

自分の経験を言葉にすることが恥ずかしいとは言えなかった <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/17(水) 22:10:58.41 ID:d1tL3Pn0o<>
水都「ただ、大したことはしてないですよ?」

天乃「うんうん。それで?」

東郷や沙織にされていることを思うと、

自分たちの行為はなんて普通なんだろう。と、思ってしまうが

興味津々の好奇心に満ち満ちた子供の表情を見せられては

語らずでは終われないだろうと改めて息をつき、覚悟を決める

水都「まずは軽くキスするんです。久遠さんもしてますよね?」

天乃「ええ」

目を閉じる必要のない、瞬間的な接触の唇の触れ合い

そして、今度は唇を触れ合わせ、重ね合わせてから

ゆっくりと密着する面積を広げながら、手を絡めていく

指の一本一本を丁寧に握り合わせてから唇を離す

水都「そこでちょっとした余韻に浸ることが多いですね」

天乃「キスが好きなのね」

水都「久遠さんが言えたことじゃないですけど……」

夏祭りのあの日

キスと言う行為に興味を強く持つきっかけとなったあの天乃との距離感

それを思い出した水都は、

ふと、自分の視線が天乃の唇を追いかけていることに気が付いて

天乃「どうかした?」

水都「ぁ、い、いえ!」

声を掛けられ慌てて眼を逸らす

自分の恋人とかではないのだから

思うのは勝手かもしれないが、することは許されない <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/17(水) 22:20:36.00 ID:d1tL3Pn0o<>
水都「そ、そしたらうたのんは襟元からゆっくりと手を忍ばせてくることが多いです」

握り合わせた手とは反対の手―大体が左手―を水都の首に滑らせ、

第一ボタンを簡単に外して手を忍ばせて、顔を持ち上げると、キスをしてくる

その間にまた一つボタンを外して胸元まで露出させたら、優しい愛情を感じる手つきが胸を撫でていく

天乃「意外と慎重派ね……でも、なんとなく想像できそう」

野菜を扱っているように。と言うと

歌野はもしかしたら微妙な反応をするかもしれないが

それだけ大切で愛おしく思っているのだろうと天乃は思い、嬉しそうな笑みを浮かべる

天乃「それで、言い方から察するに藤森さんから行く場合もあるのよね?」

水都「……別に、今ここで実演しても良いんですよ?」

天乃「あっ、ごめんなさい」

ギシリとベッドを軋ませながら、

もうこうなってしまったらと言いたげになりふり構わずに迫ってくる水都から若干体を引いた天乃だが、

ベッドの上では逃げるスペースなどないに等しくて

水都「今更、どうにかなると思いますか?」

天乃「え、あ、あの……それは、ほら。興味が」

水都「なら、実演してみた方が良いと思うんです」

もう一度ベッドを軋ませた水都は完全にベッドの上へと身を乗り上げていて、

逃げ場のなくなった天乃は体を横にして少しでもと距離を取るが

もちろん、水都が離れない限りあとはもう、距離は縮まるだけだ <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/17(水) 22:30:52.81 ID:d1tL3Pn0o<>
水都「私の場合は……大抵、こうやって気持ちが抑えられなくなった時です」

天乃「へ……ぇ?」

ふと離れた水都は放心する天乃の手前、

困ったように語る

穢れの影響なのだろう

時には気持ちを抑えられなくなることがあり、

それが水都が歌野に対して攻める時だ

ベッドに引き倒して、体位的な優位性をまず確保する

そして――

天乃「っ!」

まずは手を掴む

暴れることが無いと分かっていても、

その手を使われれば立場が逆転されることは明白

ゆえに、出来る限り使われることが無いようにと

まずは手を抑え込んでから、そうっと顔を近づける

天乃「ぁ……ぅ……」

水都「こうやって、キスをするんです」

触れる寸前の情欲を擽る絶妙な距離感を保って実演をして見せた水都は

天乃から離れるのと同時に安堵の息をついて

呆然とする天乃に目を向けて、ごめんなさい。と、一言告げる <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/17(水) 22:43:38.60 ID:d1tL3Pn0o<>
天乃「な、なんで謝るの?」

水都「いえ、あー……その……やりすぎたと思うので」

本心で言えば、

いっそこのまま襲ってしまおうかと言う考えがあったのだが

抑制の効いた水都はしっかりと謝って、困った笑みを浮かべる

水都「久遠さんのえっちな姿を思い出しちゃって……少し、したいなと思ってしまって」

天乃「…………」

水都「とにかく、結構普通な事しかしてないですよ。あとは普通に体を撫で合って……と言う感じで」

さらりと説明した水都は、

少し気恥ずかしそうな笑みを浮かべて、そのまま姿を消してしまった

天乃「…………」

残された天乃はそうっと唇に触れて

夏凜「天乃」

天乃「なっ、なにっ!?」

夏凜「なに驚いてんのよ」

不意にかけられた夏凜の声にびくっとしながら答えて

ドキドキとするし、目は自然と唇を見てしまう

夏凜「今日はどうする? 誰か残していくけど、要望ある?」



1、風
2、友奈
3、樹
4、東郷
5、夏凜
6、沙織
7、若葉
8、千景たちがいるから良いわ(若葉は除く)
9、任せるわ※判定


↓2 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/17(水) 22:44:38.58 ID:8CYWFuRyO<> 9 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/17(水) 22:44:49.84 ID:cNYrOF9/O<> 9 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/17(水) 22:50:01.83 ID:d1tL3Pn0o<>
01〜10 友奈
11〜20 風
21〜30 歌野
31〜40 夏凜
41〜50 東郷
51〜60 若葉
61〜70 樹
71〜80 千景
81〜90 沙織
91〜00 球子

↓1のコンマ  <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/17(水) 22:50:24.54 ID:8CYWFuRyO<> あ <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/17(水) 23:00:14.23 ID:d1tL3Pn0o<>
では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から



天乃(……若葉が残るのね。なら……藤森さんの――)

若葉「天乃」

天乃「うん?」

若葉「淫らなことはしても良いが」

若葉「別に、私が優位に立っても構わないんだろう?」ニコッ

ギシッ

天乃「えっ、ぁ、ちょ、ちょっと……まだなにも――」

※久遠さんは若葉さんが美味しく頂きました※ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/17(水) 23:03:45.00 ID:se8Pm7mJO<> 乙
久遠さんも大概キス大好きだからなぁ
さっきのやりとりで欲求溜まった分を若葉に解消してもらおう <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/17(水) 23:09:25.38 ID:cNYrOF9/O<> 乙
てっきりうたのん達はもう貝合わせまで進んだのかと思ってたわ
キス諸々の場面はwikiでぜひ見てみたいな <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/17(水) 23:32:11.80 ID:2qpht4sXO<> 乙
>>1は久遠さんいないエロは書かないから…貝合わせと言えばこんだけヤってて(意味深)一度も描写されてなくない?
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/18(木) 08:30:58.31 ID:36Q3++5XO<> この若葉の台詞は死亡フラグにならない安心感しかないな

ところでTwitterに久遠天乃がいるけど偽物だよねあれ、良いの? <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/18(木) 12:49:29.23 ID:ocMVEenBo<> ぶっちゃけ若干やる気ない程度の力で書かないとこのスレの描写は危ないと思うんだが <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/18(木) 17:35:23.57 ID:NXEAyWajO<> 今更だけど諏訪組を除くとのわゆ勢はそれぞれ相方が不在なんだよな
残りの三人が復活したらここでの成長に驚きそう <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/18(木) 22:10:22.80 ID:IM7Gz9wRo<>
では少しずつ <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/18(木) 22:11:41.70 ID:IM7Gz9wRo<>
天乃「そ、それならお任せするわ。ほら、作業分担とかあるだろうし!」

夏凜「なに焦ってんのよ……」

天乃「何でもないから。なんでも……本当」

どうしても唇を見てしまう

キスした経験が心を擽ってしまう

水都の迫ってきた勢いが、そこから先の流れと感覚が

頭の中、目の前にいる夏凜でゆっくりと再現されていく

それゆえに見ていては駄目だと眼を逸らした瞬間――

夏凜「またそうやって眼を逸らす」

天乃「っ!」

夏凜の細く力強い手が顔に宛がわれて、

クイッと正されてしまう

夏凜「……ふーん」

天乃「何よその悟ったみたいな反応……」

夏凜「いや、顔見れば大体察しがつくって言うか」

夏凜は少し困ったような笑みを見せると、

天乃の顔から手を離して

夏凜「どうせエロいこと考えてたんでしょ?」

天乃「違っ……わない……けど……っ」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/18(木) 22:13:04.82 ID:GsWzs/ZAO<> きてた <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/18(木) 22:22:05.04 ID:IM7Gz9wRo<>
キスが淫らな事なのか

それとも健全な事なのかは聞いた相手によって二分される話だが

頭の中で描かれた流れ、その内容的に明らかに前者であろうと考える天乃は

夏凜曰く分かりやすい真っ赤な顔で頷く

夏凜「ったく」

天乃「んっ!」

呆れたと言わんばかりの声を漏らした夏凜は、

伏せてしまった天乃の顔をそのまま持ち上げて――唇を重ねる

いつものように軽く、一瞬

だけれど天乃の気は抜かれて

夏凜「っふ……」

天乃「っぁ」

続いた長めのキスへの抵抗はもちろんなく

味わうような余裕も何もなく

しかし心だけはしっかりと満たされていく気がして

驚きに見開いていた瞳はゆっくりと瞼の裏に隠されていき

温もりに包まれていくのを感じるのと同時に、離れていく <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/18(木) 22:31:04.97 ID:IM7Gz9wRo<>
夏凜「っは……ふぅ……」

天乃「ん……もう、止めちゃうの?」

夏凜「いや、これから学校だから」

困った反応を見せる夏凜の一方

天乃はちょっぴり不満げに眉を顰めて唇に指をあてると

夏凜には目を向けずに自分の体に触れていく

天乃「温めるだけ温めていなくなるのは酷いと思うわ」

夏凜「出来上がってたやつが何を言うか」

ちゃんと誰か置いていくから。と

夏凜は生贄を差し出すような勢いで言うと

風や千景達と誰を残すのかを話し合って――

若葉「……その、なんだ。よろしく頼む」

今は無意識に気まずくなってしまう若葉が残ることが決まった <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/18(木) 22:41:19.74 ID:IM7Gz9wRo<>
√10月04日目 昼(病院) ※木曜日



01〜10 
11〜20 若葉
21〜30 
31〜40 
41〜50 教師
51〜60 
61〜70 
71〜80 九尾
81〜90 
91〜00 

↓1のコンマ 
<> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/18(木) 22:42:59.24 ID:GsWzs/ZAO<> あ <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/18(木) 22:47:31.22 ID:IM7Gz9wRo<> √10月04日目 昼(病院) ※木曜日

1、若葉
2、園子
3、イベント判定

↓2 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/18(木) 22:48:47.87 ID:BjzP61d5O<> 1 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/18(木) 22:49:15.98 ID:GsWzs/ZAO<> 2 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/18(木) 22:52:52.28 ID:IM7Gz9wRo<>
ではここまでとさせていただきます
明日は出来れば少し早い時間から


6日目 文化祭@
7日目 文化祭A
14日目 ハロウィン(予定) <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/18(木) 22:54:57.61 ID:hIuEJjjCO<> 乙
イベントいっぱいだな
劇は何日目だろう <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/18(木) 22:59:12.65 ID:GsWzs/ZAO<> 乙
この感じだとしばらく日常回が続きそうだな
久遠さん以外の後遺症も少しずつ回復してくれればなお嬉しい <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/19(金) 10:10:49.05 ID:1ZwdiK98O<> 10月は日常回11月も日常回
12月は絶望回01月も絶望回
久遠さんとみんなは無事に切り抜けられるのか… <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/19(金) 20:51:07.39 ID:pGcpPEw2o<>
では少しだけ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/19(金) 20:53:19.08 ID:lao6rOaMO<> よっしゃ <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/19(金) 21:00:54.55 ID:pGcpPEw2o<>
√10月04日目 昼(病院) ※木曜日


太陽が高く昇りつめる昼時。

窓際のベッドを照らし出す光はより一層厳しさを増して

天乃は少しだけカーテンを動かして、光を遮り息をつく

天乃「…………」

目の前には園子がいて、どこかには若葉がいる

若葉の考えは千景から聞いているが、

その本心を聞くにはまたとないチャンスだと言っても良い

けれど、天乃はなかなかそこに踏み切る事は出来なかった

無駄な話をして

もし、九尾が言っていた考えのひとかけらにでも若葉が触れてしまったら

そう思うと、下手に声をかけられなかった

無駄な話は余計な話にすらなり下がってしまうから

天乃「ねぇ、園子」

園子「んー?」

安心するような間延びする声に、

天乃は思わず笑みを浮かべて、「園子」と

もう一度名前を呼ぶ <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/19(金) 21:10:31.72 ID:pGcpPEw2o<>
天乃「一応九尾に話をきいたけれど、貴女の言ったことで大体間違いないらしいわ」

園子「えへへ〜」

凄いでしょ〜?と、

持ち前の愛らしいゆったりとした自慢げな声で言った園子に、

天乃は凄い凄いとほほ笑む

若葉に対しての不安な気持ちが完全に拭えるわけではないが

しかし、少しは心穏やかになることが出来るその声を耳に残し、

天乃は園子のまだ治り切っていない姿を見る

園子「なぁに?」

天乃「ううん、園子はみんなよりも時間がかかっちゃうのかなと思って」

園子「その分、天さんと一緒に居られるわけですな〜」

天乃「何言ってるのよ」

身体が治っていようがいまいが、

今しばらくは天乃の入院は長引くし、

その間は夏凜達もまたこの病室へと帰ってくるのだから

一緒に居られる期間は変わらないはずなのだが。

天乃「貴女も早く体を治して、学校いけるようになった方が良いわ」

園子「……最終学歴小学校卒業でも天さんなら愛してくれるって信じてるんよ〜」

天乃「それとこれとは話が違うじゃない」
<>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/19(金) 21:23:55.72 ID:pGcpPEw2o<>
園子が笑って天乃も笑う

確かに、小卒だろうと何だろうと、

天乃にとっては別に関係がないことだし

それが愛せるか否かに繋がることなどまずなかった

天乃「でも、ある程度は勉強して欲しいわね。せめて義務教育くらいは」

右往左往と泳ぎ回る園子との会話

だからこそ、余計なことは考えずに済んでいて

園子「ねぇ、天さん」

天乃「…………」

園子の声が優しく、静かなものとなって

何か大切なことを言おうとしているのだと感じた瞬間

天乃は悟ったように薄く笑みを浮かべながら、目線を下げていく

天乃「どうしたの?」

園子「ううん、いつもの天さんならあのあとエッチな話とかするんじゃないかなぁって」

天乃「それは少し私を変に見過ぎていると思うけど」

園子「そうかなぁ〜……でも、若葉さんとお話すると思う。あの考え方とかについて」 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/19(金) 21:46:04.45 ID:pGcpPEw2o<>
園子「そうじゃなくて私に声をかけてきたから、なにか悩んでるのかなって」

本当は言うべきではなかったかもしれない

あまりに直接的過ぎたかもしれない

そんな悩みを言ってしまってから考えて

それは違うよね。と、首を振る

苦しい時も辛い時も助けられてばかりだった

そんな過去の自分に対し、今の自分はこんな場所で寝て過ごすだけの日々

だから園子は思ったのだ

せめて一緒に悩むことくらいはできないだろうか。と

同じく大切な人の死を経験した自分なら

答えを出し難い天乃の思考の代理として考え、悩み

シュミレートする手助けなり得るのではないだろうか。と

園子「聞いたらだめ。かな?」

園子はあえて催促の言葉を呟き、天乃の言葉を待つ



1、別に、貴女との話に続きがあっただけよ
2、若葉、席をはずしては貰えるかしら
3、なら、そうね。たとえば若葉達が居なくなってしまうことが何らかの利益につながるとしたら、貴女はどう思う?
4、一々そこまで考えてないわ。ただの気まぐれよ
5、若葉を呼んだら絶対に淫らなことをするもの。駄目よ

↓2 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/19(金) 21:48:43.95 ID:hZdPYwJOO<> 5 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/19(金) 21:50:28.91 ID:lao6rOaMO<> 2 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/19(金) 22:17:19.84 ID:pGcpPEw2o<>
園子の半分以上隠れてしまった表情が

とても真剣であるのを視界に収めて、天乃は一度目を伏せる

どうするべきか、考えて

天乃「若葉」

若葉「……どうした?」

呼べばすぐに姿を見せてくれる若葉

無意識に醸し出してしまう気まずさを飲み込んで

天乃は若葉へと目を向ける

天乃「ごめんなさい……席をはずしては貰えないかしら」

若葉「天乃……」

天乃のまなざしに何かを感じたのだろう

若葉は何かを言いかけたが

首を横に振ると「そうか」と、少し悲し気に言う

若葉「分かった。私が聞くべきではない話なのだな」

天乃「ごめんね」

若葉「気にするな。そもそも、天乃にとっての無理難題を出したのは私だからな」

若葉はそう言うと、

そのまま姿を見せた状態で病室を出て行った <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/19(金) 22:58:14.39 ID:pGcpPEw2o<>
園子「聞かれちゃダメな話……だったんだ」

天乃「ええ、ちょっとね」

決めつけるのは早計なのかもしれないが、

若葉の今の考え

そもそもの性格を考えれば、

自分の考えは間違いではないのだろうと天乃は思う

天乃「聞かれると、きっと若葉はいなくなることを譲らなくなっちゃうから」

園子「ということは、天さんにとても関係ある事なんだね」

天乃「そう。とても関係ある話」

天乃はそう言いながら自分の左目を手で覆い、

動かなくなった両足をもう片方の手で指さす

天乃「実はね? 園子が言ってた話には一つ訂正があるの」

園子「訂正?」

天乃「うん。私はね、神樹様には治すことはできないらしいわ」

園子「え……?」

驚く園子に対し、

天乃は九尾から聞かされた自分の体が治されない理由

それに対し、若葉達がどう繋がってくるのかを

包み隠さず話した <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/19(金) 23:14:37.68 ID:pGcpPEw2o<>

園子「そんな……そんなことって」

若葉達精霊が姿を消せば、天乃が失った体の機能は戻る可能性があるが

そうしなかった場合は九尾に補って貰う以外の方法ではずっとこのままなのだ

若葉に聞かれては困る理由で

若葉が引いてくれなくなる理由には十分すぎる者だった

園子「神樹様の力が弱まってるって言うのは聞いてたけど……それ以上の問題だね」

天乃「例え弱ってなくても、私は私自身の力の影響で治らないのよ」

園子「うん……」

自分が少しでも力になることが出来れば

そう思って聞き出したはずだったのに

事の重大さに上手く考えが浮かばなくて

下手なことは言えなくて

冗談を言えるような状況でも無くて、

園子は困ったように目を閉じる

そして、考えて、考えて

園子「……ご先祖様を還せば天さんは五体満足になって。子供に対して、ゆーゆ達に対して、自力で何かが出来ると思う」

天乃「…………」

園子「でも、きっとゆーゆ達は寂しい思いをするし悲しい思いもすると思う、もちろん、天さんも」

天乃「それは、ね……」 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/19(金) 23:26:45.84 ID:pGcpPEw2o<>
園子「そして還さなければ、寂しい思いをしなくて済む。ご先祖様にも日常を感じて貰える」

けれどきっと

魂の問題を切り出すことになってしまうが、

安らかに眠るべき魂が眠りにつくことはできないだろうし

自分たちの存在が

どこかにある不安を煽ってしまっているのではないかという懸念を抱かせるし

そうならないようにと、

天乃達は尽くさなければいけなくなるかもしれない

天乃「元々どっちにも良し悪しはあった……けど」

園子「後遺症の件が出て来て難しくなった」

園子の言葉に天乃は頷いて、膨らんだお腹を優しく撫でる

子供の為を想えば、

満足な体でしっかりと育ててあげるべきだし、世話をするべきだし、

少し大きくなって活発になった時

全てを周りに任せて横になっているだけの母親

あるいは、おして貰わなければいけない車椅子の母親と言うものは

まだ小さな子供にとってどんなものになってしまうのかという不安が無いと言えば嘘になる



1、園子は、どっちがいいと思う?
2、私ね、子供を取るかみんなを取るかで悩んでるのよ
3、園子は、どう? 何もしてくれない母親に何か思うことはある?


↓2 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/19(金) 23:28:54.52 ID:B6zL2EXyO<> 1 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/19(金) 23:29:16.27 ID:sShd6WIU0<> 2 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/19(金) 23:34:44.97 ID:pGcpPEw2o<>
では、ここまでとさせて頂きます
明日もできれば通常時間から



九尾「選べ」

九尾「主様はいつだって、難しいものも易しいものも」

九尾「選択してここまで来たのじゃからな」

九尾「いずれの未来も、ゆかねば分からぬのじゃからのう?」

九尾「進んでしまえ」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/19(金) 23:42:25.63 ID:lao6rOaMO<> 乙
こんな相談を冷静に聞いてくれそうなのは園子様ぐらいだろうしなあ
迂闊に答えを出せない問題なだけに凄く悩むわ… <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/19(金) 23:46:26.56 ID:B6zL2EXyO<> 乙
どうにかみんなの幸せを…… <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/20(土) 06:49:25.21 ID:feMzi795O<> 答えられるかは別としても風と夏凜は話を聞くかと
ただ毎回>>1は久遠さん(主人公)に対して厳しすぎないっすかね
なろう作品の甘さを取り入れようぜ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/20(土) 09:48:27.48 ID:lfHCz0SYO<> 1週目以外はまあ優しいよ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/20(土) 13:41:47.33 ID:sXqti9Pbo<> 1周目
単騎突撃で生け贄のように死んだあげく勇者部が崩壊友奈闇堕ちバッドエンド
能力の過剰使用による寿命喪失による20歳での逝去エンド
2周目
恋人外の春信との子作りと後遺症による年末までの意識不明(回復した)エンド
3周目
治らない体と消滅要求する精霊に後遺症問題


なんだ優しいじゃないか(錯乱) <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/20(土) 17:51:44.82 ID:MAouBePKO<> まあ大きな代償と引き換えに得た強大な力で勇者部のみんなを酷い目にあわせずに済むと思えば…ね?(白目) <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/20(土) 20:08:25.86 ID:feMzi795O<> メアリースーと呼べる力があるのに…悲しいなぁ <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/20(土) 22:30:36.81 ID:TqGAOsM6o<>
では少しだけ <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/20(土) 22:33:23.49 ID:TqGAOsM6o<>
悩みが絶えない中、天乃は意を決して息を飲み

目の前でただ一人話を聞く園子を真っ直ぐ見つめる

そのどこかに迷いが生じていても

酷なのではないかと考えが浮かんでも

天乃は届かない手の代わりのように、言葉を紡ぐ

天乃「私ね、子供を取るかみんなを取るかで悩んでるのよ」

園子「お母さん、だもんね……私には、簡単に分かるなんて言えないけど」

でも。と、

園子はあえて言葉を続けて数舜の間を置く

園子「そうなる気持ちも、なんとなくだけど。そうなんだろうなぁって……」

これではあやふやではないかと園子自身は思ったが、

しかし、子供を孕んだ経験のない園子には推測しか出来ない

だからどうしても曖昧な言葉になってしまう

足りない力で歯を食いしばってしまう

園子「天さんはお母さんとして子供が大事で、恋人として、友達としてみんなが大事で」

どちらも切り捨てられるような安い存在ではないし

天乃自身がそんな考えを持ち、決断できるほどの嫌な強さは持ち合わせていない

だから苦しむのだ。悩むのだ

もしも簡単に割り切れるさっぱりとした性格だったのなら

相談も悩みもなくあっさりと決めていたかもしれない <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/20(土) 22:52:06.84 ID:TqGAOsM6o<>
天乃「でもね、九尾の力を借りれば何とか体を動かすことはできるのよ」

園子「天さんは、それでいいかなって思うの?」

天乃「正直な話、一つの妥協案だとは、思うのよね」

天乃は薄く笑みを浮かべて、答える

とても悲しそうな笑みだった

考え切れたとは言えない

迷いをとても強く感じる言葉だった

九尾の力を借りて五体を取り戻せば若葉達が消える事がなくとも問題はなくなるけれど

しかし、若葉達には懸念を抱かせることになる

片方を選べば必ず、何らかのマイナス要素が浮上する

園子「若葉さん達には大丈夫だよって安心してもらえるよう頑張る……というのも、違うよね」

天乃「そうね。頑張ったら駄目なのよ。それじゃ意識させちゃうわ」

それでは、若葉達に残ったことを後悔させてしまうし、

その嘆きは巡って天乃達を苦しませることに繋がる事だろう

そうなるくらいなら、やはり、

若葉達の気持ちを酌んで消滅を許可するべきだ
<>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/20(土) 23:05:04.03 ID:TqGAOsM6o<>


天乃「居なくならないでって言った時の若葉達の反応はね、想像できるの」

少し困ったように、「そうか。分かった」と

笑いながら答えて了承してくれるのだ

居なくなるべきなのではないかと言う悩みを抱き、

常に天乃達に目を向けて負担にならないかと気が気でない毎日を過ごす

そんな必要がないと言ってもきっと

若葉達は自分たちが戦いの象徴たる西暦勇者であるがゆえに

その考えを捨て去ることは出来ないのだ

天乃「……私の一言で、若葉達を悲しませる。友奈達を悲しませる。そのどちらも出来てしまうの」

子供に対してだってそう

産まれてきた小さな我が子の世話は

夏凜達あるいは病院の人達にほとんど一任することになるだろう

九尾の力を借りて体を取り戻して世話をするのだとしても

子が親離れするまでの遥かなる年月の間永久的に力を貸して貰うなどできはしない

そして、力が途切れた母親の本当の姿は

子供にとっては衝撃的だろうし、

耐性がなかった場合は、

動かないはずの体を動かせるその姿は化け物の一種にさえ思えるかもしれない

もちろん、その理由を説明すればいいのだが

それは結局、戦いを子供に教えることになってしまうし

それはきっと、若葉達が安らげない理由となる <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/20(土) 23:21:28.05 ID:TqGAOsM6o<>
園子「難しいよね……難しいよ」

そう言うことさえ、烏滸がましいと園子は思い

目の前にいる天乃の悲しげな姿をその目に焼き付ける

自分の力不足ゆえに、そこから救えていないのだと

戒める意味もそこにはあった

園子「……天さん」

天乃「なに?」

園子「それでも、それでも、私は……誰かが居なくなっちゃうのって悲しいと思う」

大切に思っていた友人を失った一人である園子は

銀を失った時の悲しみを胸に、自分の気持ちを絞り出して

園子「言い訳と言うか、逃げることになっちゃうかもしれないけど」

天乃「そんなことは思わないわ」

園子「えへへ……あのね。お母さんに対する思いは、風先輩やいっつんがとても参考になると思うんだ」

その話を聞くのは酷だろう

その話をするよう勧めるのも酷だろう

園子は思い、しかし自分自身を傷つけるつもりで言う

園子「私が聞くように言ったって話していいから……聞いてみた方が良いと思う」

天乃「……馬鹿ね。あの子達は怒らないわよ」

例えそんな様子を見せたとしても、

天乃は園子の責任にするつもりはないと

はっきりと告げた <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/20(土) 23:28:04.71 ID:TqGAOsM6o<>
√10月04日目 夕(病院) ※木曜日


01〜10 
11〜20 風
21〜30 
31〜40 夏凜
41〜50 
51〜60 
61〜70 樹
71〜80 
81〜90 沙織
91〜00 千景

↓1のコン <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/20(土) 23:28:33.47 ID:V9I59u0qO<> あ <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/20(土) 23:37:28.40 ID:TqGAOsM6o<>
√10月04日目 夕(病院) ※木曜日


1、精霊組
2、勇者組
3、イベント判定


↓2 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/20(土) 23:38:56.86 ID:Siv8dr5L0<> 2 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/20(土) 23:39:15.82 ID:RgT+/4Ni0<> 3 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/20(土) 23:52:26.51 ID:TqGAOsM6o<>
01〜10 友奈
11〜20 風
21〜30 歌野
31〜40 夏凜
41〜50 東郷
51〜60 担任
61〜70 樹
71〜80 千景
81〜90 沙織
91〜00 球子

↓1のコンマ  <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/20(土) 23:53:18.60 ID:Siv8dr5L0<> あ <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/21(日) 00:15:13.16 ID:IEE/1xujo<>
ではここまでとさせていただきます
明日もできればひるごろから


園子(こう言うしかなかった)

園子(悔しいなぁ)

園子(天さんに対しての天さんのような人がいたらなぁ)

園子(いないんだけど……) <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/21(日) 00:27:00.99 ID:thWNJdXYO<> 乙
そんな気はしてたけど九尾の力で補うのも大分リスクが大きいのか
みんなの心を救う道は中々険しいな… <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/21(日) 02:31:30.80 ID:wLRSTKxV0<> 乙
とりあえず園子のアドバイスしてもらったし犬姉妹に母について聞かなきゃ <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/21(日) 13:43:07.45 ID:IEE/1xujo<>
では少しずつ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/21(日) 13:45:55.03 ID:PCqw7tLpO<> ほいさ <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/21(日) 14:08:24.49 ID:IEE/1xujo<>
√10月04日目 夕(病院) ※木曜日


夕方、風達が帰ってくるよりも先に天乃達の病室には来客が訪れた

讃州中学3年、天乃達のクラスの担任を任されているその男性教師は、

普通とは違う離れに置かれ、

ただお見舞いのようなことをするだけで役職付きの看護婦が付き添い、

明らかに数の多いベッドが並ぶ病室という特例極まりない状況に少し戸惑いながら、

ベッドに横になる天乃の近くに椅子を置き座る

天乃「珍しいですね。先生がこんな場所にまで来るなんて」

「少し君に話をする必要があってね」

落ち着いた表情は学校で見かける天乃と何も変わらない

言葉にするのは女子中学生には失礼なことかもしれないが

齢不相応に経験を積んでしまったような大人びた雰囲気を感じさせる薄い笑み

簡単に言えば、社交辞令に慣れた様子。というところだろう

暴動を起こしたクラスの担任として

勇者を預かるクラスの担任として

ある程度のことを耳にしてはいる男性教師ではあるが

目の前にいる女子生徒の経験の重さなど、測り知ることはできない <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/21(日) 14:21:10.46 ID:IEE/1xujo<>
「身体の方は……調子はどうかな」

天乃「順調ですよ。触ってみます?」

「いやいや、交際相手でも医者でも無いのにそれはちょっと」

天乃「ふふっ、そうですか」

「久遠は相変わらず、異性に対しての距離感を分かっていないようだね」

天乃「あら……先生にとって、私は異性と呼ぶ対象になるの?」

悪戯か、本気か、誘いか

やや斜め下から舐め上げるように視線移動し見つめてくる天乃の表情

驚きを口にしながらどこか喜びをにじませただけの声

「大人をからかうものじゃ……ないよ」

担任が眼を逸らすと、

天乃は楽し気に笑い声をあげて「すみません」と言って

天乃「それで、どうしたんですか?」

「それなんだけどね。久遠の今後についての話なんだ」

天乃「私の……今後」

「とりあえず、これを」 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/21(日) 14:45:45.75 ID:IEE/1xujo<>
教師が持参した鞄から取り出した一枚の紙には、

進路希望調査と書かれており、

第一から第三までの就職あるいは進学と言った

3年生が良くやる進路希望の記入欄が置かれていた

「実は、普通の生徒を基準に考えると、久遠は出席日数が足りていないんだ」

天乃「なら、留年ですか?」

「いや、それは免除されるからさほど問題じゃない。もちろん、久遠がしっかりと通いたいというのなら、留年もあるけどね」

お役目を行っているがゆえのものと言うこともあり、全て公欠。

考慮され、出席不足など免除されるのは殆ど当然のことなのだ

もちろん、一般性とならば、進級ならばよほどの問題がない限り行われるが、

高校への進学にはやや問題が生じる為

どうしても、3年生の場合は留年してもらう必要性が出て来てしまう場合もある。

「問題は君の今の状況だね。成績には問題ないし、試験も受ければ合格できるだろうとは思う。だが、通えるかい?」

天乃「…………」

「就職。という話も君の状況ではなかなか難しいだろうね」

厳しいことを言うことになるけど。と

男性教師は天乃の変わらない表情から目を背けて、告げる

子供がいる高校生―中学生での出産―など、前代未聞

大赦が介入するだろうからもみ消される可能性があるし

何らかの援助も必ず行われることだろう

だが、果たして一般の生徒がその特別な状況・待遇

それを前にして何もなく平穏でいられるのかと言う所は聊か疑問が残る

道徳の授業を根強くおこなってきたと言っても

所詮は人間なのだから。
<>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/21(日) 15:07:31.58 ID:IEE/1xujo<>
「進学にせよ、就職にせよ。よく考えて貰いたいんだ」

天乃「……結婚とか、だめです?」

「だ、駄目とは言わないが……それもよく考えた方が良い」

天乃「することは、決定事項ですけど」

天乃は進路希望調査票を見つめながら

少しだけ握る手に力を込めて、息をつく

讃州中学には境遇を理解し、寄り添ってくれる友人がいた

だから、車椅子の生活となっても不自由なことは有れどそんな思いをすることはなかったし

周りは迷惑だなどと言わずに助けてくれていた

だが、新しい学校になったらどうだろう

手を貸してくれる人はいるだろうか

廊下の半分を通り道として使ってしまうような人を

邪魔な存在とは見ないでくれるだろうか

天乃「……お先真っ暗です」

若葉達の事

身体の事

これからの事

積み上がっていく沢山の問題に

天乃はどう向かうべきなのかと笑みを浮かべる


1、とりあえず、進学と言うことにしておいてください
2、とりあえず、永久就職でお願いします
3、保留で良いですよね?
4、自分の大切な何かの為に別の大切なものを失わなければいけないとしたら、先生はどうしますか?
5、留年したら友奈達と同じクラスにして貰えるんですか?


↓2 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/21(日) 15:09:14.08 ID:wLRSTKxV0<> 2 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/21(日) 15:11:05.48 ID:PCqw7tLpO<> 3 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/21(日) 15:34:03.93 ID:IEE/1xujo<>
天乃「先生、とりあえず今は保留でも良いですよね?」

「出来たら今月中に提出してもらいたいけど、来月末まで待とう」

天乃「すみません」

「いや、良いよ。とりあえず体に気を付けるんだよ」

天乃「はい」

妊娠した中学生の生徒という、

目のやり場に困ってしまう状況から抜け出すように周囲へと目を向けた担任は、

ふと息をついて、鞄を手に取る

「それじゃ、要件も済んだし帰るかな」

天乃「あの……風達は」

「残って文化祭をするんだと元気よく話し合っていたよ。学校への宿泊申請の届け出もされていたかな」

天乃「受理、されますか?」

「勇者部の普段が普段だからね。断られるようなことはないと思うよ」

彼女たちには街のみならず学校も助けられたからね。と

男性教師は嬉しそうに言って

「その頑張りに報いるためにも、久遠は休んで体調を整えるんだぞ。劇は【7日目】の最後に行われる予定だからね」

天乃「最後の最後なんですね……抽選ですか?」

「いや、犬吠埼がもしかしたら間に合わない可能性もあるから。と、最終日の最後にして欲しいと頼んできたんだよ」 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/21(日) 15:41:26.42 ID:IEE/1xujo<>
劇場となる体育館は他の部活等も使うため、

そう簡単に我儘が通せるはずがなかったのだが

勇者部たってのお願いなら。と

それぞれがスケジュールを調節して最後の枠に収めてくれたのだ

「学校のみんなも協力してくれたんだ、久遠」

天乃「はい?」

「今回は、出てくれるだろう?」

天乃「……そのつもりですよ」

それは良かったよ。と

他人の男性教師は看護師に一礼をして出ていくことを伝えると

天乃の方に目を向けて笑みを見せる

「皆、久遠が学校に来るのを楽しみにしているからな」

天乃「はい。ちゃんと、戻る予定です」

何もなければ。きっと

ちゃんとまた学校に通うことが出来ます。と

天乃は少しの不安を胸に、

担任の姿を見送った <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/21(日) 15:51:07.73 ID:IEE/1xujo<>

√10月04日目 夜(病院) ※木曜日


01〜10 
11〜20 風
21〜30 
31〜40 夏凜
41〜50 
51〜60 樹
61〜70 
71〜80 歌野
81〜90 
91〜00 友奈

↓1のコンマ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/21(日) 15:55:16.73 ID:wLRSTKxV0<> あ <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/21(日) 16:32:39.13 ID:IEE/1xujo<>
√10月04日目 夜(病院) ※木曜日


歌野「ついぞ手にすることなかったシークレットレターね」

天乃「っ!」

不意に声がかけられ、

手に持っていた進路希望調査票が上へと消えていって

天乃は思わず驚きに目を見開いて声の主へと目を向ける

天乃「……ごめんなさい、気づかなかったわ」

歌野「ノンノン。別に気にしてないわ」

冬が近づき日が短くなってきたせいか、

それとも時計を気にすることがあまりないせいか

いつの間にか夜と呼ぶような時間が近く、

そんな時間に帰ってきた勇者部に天乃は気づかなかったのだ

歌野「ミー達は貰えなかったのよ。進路希望調査票」

天乃「……バーテックスのせいでしょう?」

歌野「まぁね。悩んでるの?」

天乃「色々積み重なってきちゃって……」 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/21(日) 16:55:58.78 ID:IEE/1xujo<>
歌野「乃木さんのことに進路のこともあるから大変ね」

天乃「……うん」

歌野は知らないのだ

若葉達が消えることでしか

天乃の体が回復する可能性はないのだと

きっと、知ったら歌野だって引くことを躊躇わなくなるだろう

歌野「私じゃ、ちょっと相談相手にはなれないわね」

天乃「なら、藤森さんに聞いたようなことを聞いても良い?」

歌野「……丁度いいところにこんなに長い紐があるわ」

笑みに対して笑みを見せた歌野は

丁度良いと言いつつ、

自分が武器にしている藤蔓を何度も張らせて天乃の方へと近づけていく

歌野「最近、東郷さんがこれを使ったプレイを――」

天乃「駄目な情報源よ、それ」

東郷は当然、真面目に取り組んでいるだけなのだろうが

残念ながら行き過ぎているのだ



1、藤森さんとは具体的にどんな感じなの? 詳しく教えて
2、歌野は、若葉に賛成したのよね?
3、ねぇ、もしも大切な何かを取り戻す為に何か大切なものを失わなければいけないとしたら。どうする?
4、歌野が私の状況だったら、進路はどうする?


↓2 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/21(日) 16:57:05.74 ID:wLRSTKxV0<> 2 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/21(日) 17:00:18.86 ID:Qs4IZ44CO<> 2 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/21(日) 17:45:00.34 ID:IEE/1xujo<>
天乃「ねぇ、歌野は若葉に賛成したのよね?」

歌野「んー……本当にそれで良いのかな。とは思ったかな」

天乃「中立だったのね」

歌野「そうね」

楽し気な笑みに儚さを交えた歌野は、

担任も使った来客用の椅子に腰かけると、

自分の手先をじっと見つめて、息をつく

歌野「正直な話、私も乃木さんと同じようなことは考えていたのよね」

天乃「そう……」

歌野「ふと気づいた時に、ここは私達が生きてたワールドじゃないというか、時間じゃないというか。そう言う感じがして」

幽霊とは違って

周りの一般人も現界さえしていれば認識してくれるから

この世界にいるのにいないというような

悲しさこそなかったけれど

歌野「本当にいて良いのかな。って、考えることはよくあったわ」 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/21(日) 18:10:52.48 ID:IEE/1xujo<>
歌野「でも、樹ちゃんや結城さんにこれからもこういう日が続くと良いですねって、言われて」

それは若葉があんなことを言い出し、天乃に告げるよりも前の話

戦いが無かった数日間

そんな時に、さりげなく言われた言葉だった

歌野「あー自分たちは結城さん達の当たり前に含まれているのねって、感じたわ」

天乃「それでも、最終的には消えてしまう方に賛成したんでしょう?」

歌野「だって、本当に心からハッピーを感じて欲しい。そう思っちゃったのよ」

歌野は自分自身に困り果てたような

そんな苦笑いを浮かべながら言うと、

天乃ではなく樹や友奈達の方へと目を向けて、笑い声を小さく零す

そこに自分たちもいるべきなのだと

そう思わなかったかと言えば嘘になる

けれど、歌野はずっと見てきたのだ

恐怖を刻まれた人々がどうなってしまうのか

そこから立ち直るのにどれだけの努力と時間が必要なのか

それが戦いを彷彿とさせる自分たちと通ずるとは言い切れない

だが、否定もしきれないのだと歌野は思う

歌野「ミー達の存在がみんなから戦いを拭い去れないのだとしたら、それはとても悲しいことだわ」

天乃「……だからって、居なくなることないじゃない」 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/21(日) 18:23:06.69 ID:IEE/1xujo<>
天乃「居なくならなくても大丈夫なように頑張ってみるとか、考えなかったの?」

歌野「ミー達は勇者よ。精霊よ。それはどうあがいても拭えないし消せないわ」

普通の人間のように生活をすることはできる

だが、家族も戸籍も何も

歌野達には存在していないのだ

それはもしかしたら大赦に何か対応して貰えるかもしれないが、

それでも、やはり偽物であることには変わりがない

歌野「ミー達がいる限り、いつか思い出を振り返るときがあるから」

天乃「その時に、戦いを思い出してしまうから。だから、駄目だって言うの?」

歌野「大切な思い出もある。でも、痛かったことや苦しかったこともあるわ」

皆がそれを乗り越えられない

そんなネガティブな考えを持つほど

歌野の心は弱さに折れていたりはしないはずで

むしろ、乗り越えられるだろうと信じたいという気持ちさえあるはずだ

天乃「歌野らしくないわ。その考え」

歌野「……一番の理由はやっぱり、このワールドの空気になじめていないってことだから」

歌野はそう言って、悲しそうに笑う



1、本当は、諏訪のみんなを守れなかった自分が平然としているのが、許せないんでしょう?
2、……そう。どうしてもいなくなるつもりなのね
3、友奈達も私も貴女達を必要としているのに


↓2 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/21(日) 18:34:20.98 ID:Qs4IZ44CO<> 1 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/21(日) 18:34:35.44 ID:X/dRVzfr0<> 3 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/21(日) 18:35:27.87 ID:g5q9i3guO<> 1 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/21(日) 18:41:09.94 ID:IEE/1xujo<>
では、少し中断します
再開は20時頃を予定してます <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/21(日) 18:45:39.01 ID:g5q9i3guO<> 一旦乙
久遠さんには今度こそ幸せな未来を掴んでほしいなぁ… <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/21(日) 20:17:28.89 ID:IEE/1xujo<>
ではまた少しずつ <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/21(日) 20:48:07.24 ID:IEE/1xujo<>
天乃「友奈達も、私も貴女達のことを必要としてるのに」

歌野「気持ちは嬉しいけど……ソーリー」

歌野は本心から悲しそうな笑みを浮かべて、

やはり、首を横に振る

歌野「やっぱり、このワールドには私達は必要ないと思うわ」

天乃「………」

そんなことないと言っても

きっと歌野もまた、そんなことはないと言うだろう

皆には必要なのだ

風も東郷も若葉の進言を受け入れるべきとはいうが、

心のみで答えるならばきっと

残っていて欲しいというはずだ

なのに……

天乃「そう……歌野の考えはそうなのね」

歌野「…………」

歌野は答えずに

ただ笑みを浮かべて「ごめんね」と、呟いた <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/21(日) 21:01:44.93 ID:IEE/1xujo<>
1日のまとめ

・   乃木園子:交流有(後遺症について)
・   犬吠埼風:交流無()
・   犬吠埼樹:交流無()
・   結城友奈:交流無()
・   東郷美森:交流無()
・   三好夏凜:交流無()
・   乃木若葉:交流無()
・   土居球子:交流無()
・   白鳥歌野:交流有(歌野の考え)
・   藤森水都:交流有(歌野との情事)
・    郡千景:交流無()
・  伊集院沙織:交流無()
・     九尾:交流無()
・     神樹:交流無()


10月04日目 終了時点

乃木園子との絆  65(高い)
犬吠埼風との絆  92(かなり高い)
犬吠埼樹との絆  80(とても高い)
結城友奈との絆  100(かなり高い)
東郷美森との絆  110(かなり高い)
三好夏凜との絆  129(最高値)
乃木若葉との絆  91(かなり高い)
土居球子との絆  38(中々良い)
白鳥歌野との絆  38(中々良い)
藤森水都との絆  32(中々良い)
 郡千景との絆  36(中々良い)
  沙織との絆  112(かなり高い)
  九尾との絆  60(高い)
  神樹との絆   9(低い) <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/21(日) 21:12:21.39 ID:IEE/1xujo<>
√10月05日目 朝(病院) ※金曜日


01〜10 
11〜20 友奈
21〜30 
31〜40 
41〜50 夏凜
51〜60 
61〜70 
71〜80 千景
81〜90 
91〜00 体調不良

↓1のコンマ  <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/21(日) 21:12:31.63 ID:g5q9i3guO<> あ <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/21(日) 21:41:02.99 ID:IEE/1xujo<>
√10月05日目 朝(病院) ※金曜日


夏凜「――と言うわけで、今日は帰ってこないのよ」

天乃「でも、誰かは帰ってくるんでしょう?」

風「そうねぇ、進歩状況にもよるけど出来る限り帰す予定よ」

明日が文化祭の初日と言うこともあり、

夏凜達は今日は帰ってこないで

泊まり込みでの作業を行うのだという

樹「まだ大事な部分が残ってるんです」

友奈「でも、それなら夏凜ちゃんは帰った方が良いんじゃないかな」

夏凜「いや、樹は力ないし友奈は考え無しで壊すでしょ」

友奈「そこまでひどくはないよっ!」

沙織「接着間違えてたけどねー」

友奈「うぅ」

先生が言っていた通り、

最終日のギリギリまでかかりかねないほど

切迫しており

勇者部総出での宿泊しての準備

ここは……


1、大丈夫よ。無理して帰らないで
2、私にも手伝えることはない?
3、ごめんね、無理のない範囲で帰って来てくれればうれしいわ
4、じゃぁ、私が指名しても良い?


↓2 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/21(日) 21:41:50.75 ID:gGgUOvppO<> 4 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/21(日) 21:43:38.19 ID:g5q9i3guO<> 1 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/21(日) 21:56:42.55 ID:IEE/1xujo<>
天乃「大丈夫よ、無理して戻らないで」

夏凜「いや、そう言うわけにもいかないでしょ」

もっとも、

天乃の傍をほぼ必ず離れない九尾がいる為

戻らなくても問題ないと言えば問題ないのだが

夏凜は少し不安そうに天乃を見つめると

ため息をついて、首を横に振る

夏凜「やっぱり誰か帰るわ」

沙織「帰ってくる。じゃなくて良いの?」

夏凜「私がかえるとは限らないし」

風「部長命令で帰すこともできるけど」

夏凜「一々権限使わなくて良いから」

冗談だと分かり切った呆れた声で言う夏凜は

そう言うことだから、と、天乃に告げて

樹「久遠先輩の為ではあるんですけど、私達の為でもあるので」

友奈「その方が安心できるんです。連絡も取りやすいですし、何かあったときすぐ行動できるので」 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/21(日) 22:16:00.02 ID:IEE/1xujo<>
別に側近である九尾を信じられないわけではない

九尾は少し怪しい存在ではあるが、

天乃のことに関してだけは真面目に対応してくれるからだ

しかし、

それでも誰か勇者がそばにいた方が

勇者部との連絡が取りやすく

皆が安心できるし、天乃のことも安心させられる

風「まぁ、そう言うことだから」

天乃「大丈夫なのに」

千景「万が一、子供のことで何かあったときに人がいた方が良いわ」

天乃「それは……看護師がいるから」

天乃がそう言うと、

夏凜はいつまで言ってんのよ。と

やや不満そうに言って、天乃の手を掴む

夏凜「みんな、文化祭よりもあんたの方が大事だって言ってんのよ。良いからあんたは安静にしてなさいよ。分かった?」

天乃「……解った」 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/21(日) 22:22:59.34 ID:IEE/1xujo<>
強引な夏凜に押し負けて

天乃は誰かが帰ってくることを受け入れて眼を逸らす

考え無ければいけない事が多くて

誰かに知恵を借りたい気持ちもあるが、

一人で考えたい気持ちもあったのだ

天乃「…………」

ただ、今日は夏凜達の内誰かが残ると言ったことはせず

夕方までは精霊と園子に任せて学校に行くため

その時間の間なら

一人で考えることも

九尾や園子に相談することもできるだろう

もっとも、園子は風や樹に相談した方が良いと言っていたのだから

受けてくれない可能性は高いが。

天乃「でも、本当に無理はしないでね」

風「アタシの目が黒いうちは無理はさせないわ」

樹「元々黒くないけどね」

風「そこはそう言う言葉だからって流すの!」

にぎわう病室で

天乃は考えに耽って……少しばかりはかなげに笑みを浮かべていた <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/21(日) 22:36:51.51 ID:IEE/1xujo<> √10月05日目 昼(病院) ※金曜日


01〜10 体調
11〜20 
21〜30 九尾
31〜40 
41〜50 
51〜60 
61〜70 園子
71〜80 
81〜90 
91〜00 九尾

↓1のコンマ  <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/21(日) 22:37:55.07 ID:gGgUOvppO<> あ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/21(日) 22:44:16.29 ID:C1doN7AYO<> こいついつも体調崩してんな <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/21(日) 22:50:42.25 ID:IEE/1xujo<>
ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


天乃「っ……ぅ」

天乃「んっ……」

園子「ちょ、ちょっと天さん……? 大丈夫?」

天乃「え、ええ……っ」

天乃(だめ……ね)

天乃(心は平気でも、身体がみんなを求めてる……っ)ビクッ

園子「なんか、天さんえっちだ」チラッ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/21(日) 22:54:49.93 ID:gGgUOvppO<> 乙
最近汚れ発散できてないからねしょうがないね <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/21(日) 23:02:16.89 ID:g5q9i3guO<> 乙
単純に発情してるのか出産が早まってきたのか…
そういえば週一の検査はもうしてないのかな <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/22(月) 08:36:04.55 ID:pUgHDnVNO<> 作中時間一昨日に九尾から日中発症に関して注意されたのに昨日若葉としないから… <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/22(月) 13:24:12.12 ID:WQn9KaVco<> しかも発情させられて放置プレイだったからなぁ…水都にあんなこと聞いたところからフラグが立ってたわけだ <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/22(月) 21:29:17.25 ID:VtQw99BHo<>
では少しだけ <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/22(月) 21:34:54.75 ID:VtQw99BHo<>
√10月05日目 昼(病院) ※金曜日


天乃「んっ……っ」

昼頃になるにつれて

段々と気怠くなって頭がぼうっとしていく

じっとりとした汗が肌を伝い、

布団の温もり以上の熱さを体に感じて

天乃は熱っぽい息を吐き出す

天乃「これ……危ない流れだわ……」

何がどうしてこうなってしまったのかは分からないが

身体に起きている異変

身体が求めていることだけは分かってしまう天乃は

もっとも要求する部分に手を伸ばす

天乃「んにゅぅっ!」

布越しでも感じ取れる淫猥な潤い

弾けるような感覚

それは自分での接触であるにもかかわらず

不意を突くような激しさで

思わず声を上げた天乃に、園子は驚いて

園子「て、天さんっ? 大丈夫?」

天乃「んっ……」

園子「大丈夫そうに見えないよ……」 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/22(月) 21:47:07.88 ID:VtQw99BHo<>
園子が心配そうに呟いた瞬間、

金色の髪が靡き、女性の姿をした九尾が現れて

天乃の額に手を宛がう

九尾「お主、妾がせっかく教えてやったのに……してなかろう?」

天乃「っ……そんな余裕、無かったのよ」

みんな、文化祭の準備で忙しそうで、

それに加えて、

若葉達のことを考えなければいけなくなって

後遺症のことまでも考えなければいけなくなって

天乃「迷惑……かけたくないじゃない……」

皆が頑張っている中、

学校に行っても昼休みに早退してしまい

準備の手数を奪ってしまうだけの自分が

どうして、疲れているだろう夜に淫らなことをしたいと言えるだろうか

九尾「ふむ……しかし主様はそうしなければ体がもたぬぞ」

天乃「っふ……んっ」

九尾「主様のその欲求は穢れに影響されておるからのう。何もせぬからそうなる」 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/22(月) 21:59:39.62 ID:VtQw99BHo<>

発症しないように注意するべきと言ったそばから

昼間だというのに、この状態

しかも不幸なことに、今日は文化祭準備の為に行為が行える嫁はみんな出払ってしまっている

九尾「主様が悩み苦しむほどに穢れはそれに影響され増長し、より主様を苦しめる」

九尾は細長く綺麗な指で天乃の頬をなぞり、

そうっと顔を持ち上げると

その真っ赤な瞳で天乃を見つめる

九尾「自分ではどうしようもあるまい」

天乃「そんな、こと……」

園子「ごめんね、天さん……私は体が動かせないから」

九尾「自分で頑張っても構わぬが……」

他人の刺激に慣れ親しみ、

そもそも責めることに関しては不慣れな天乃では

自分が満足するほどの行為はきっと不可能だろう

九尾「妾が手を貸しても構わぬぞ。あるいは、勇者部を呼び戻すか。じゃな」


1、自分で頑張る
2、九尾の手を借りる
3、誰かを呼び戻す

↓2 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/22(月) 22:00:23.48 ID:gks2tSnGO<> 3 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/22(月) 22:01:38.35 ID:710gokDVO<> 2 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/22(月) 22:02:12.01 ID:98E4qapVO<> 2 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/22(月) 22:23:08.02 ID:VtQw99BHo<>
天乃「そう……ね……」

皆を呼び戻すなんて迷惑はかけたくないが、

かといって夕方までこの状態まで耐えられるかと言えば

残念ながらそんなことはないだろう

そしてきっと

自分の手で何とかするというのも無謀な話

ならどうするかと考えたとき、

選ぶことが出来る選択肢など

たった一つしかなかった

天乃「九尾、お願いしても良い?」

九尾「うむ。任されよう」

天乃「ちなみに、私の体から出ていく穢れに触れて、九尾は大丈夫?」

九尾「妾はそんなに柔ではないぞ」

天乃の心配に反し、

九尾は呆れたように言って、くつくつと笑みを浮かべる <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/22(月) 22:45:58.00 ID:VtQw99BHo<>
九尾「主様からにじみ出るほろ苦い穢れの蜜など、妾の舌にも沁みぬわ」

天乃「穢れの蜜って……」

九尾「では、すぐに始めるぞ。主様も崩れるほどには切迫しておるのじゃろう?」

九尾はそう言いながら

ギシリとベッドを軋ませて、天乃の体を跨ぐ

人間体ゆえに1つにまとまった金色の尻尾が光を受けて煌めいて

九尾の細長い指が頬をなぞる

九尾「妾は人間ではないからのう。多少厳しいぞ」

天乃「東郷や沙織よりも?」

九尾「くふふっ……さて、どうじゃろうな」

含み笑いを浮かべる九尾はどこか怖さがあって

天乃は九尾に頼んだのは間違いだったのかもしれないと、思う

けれど、それはもう、遅い思考だった <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/22(月) 22:55:38.64 ID:VtQw99BHo<>
では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から



園子「目の前で繰り広げられる獣と乙女のまぐわい……!」

園子「滲む色気、迸る熱気、響く嬌声に傍観者乃木園子はお預けを喰らう」

園子「次回」

園子「セクシュアル・ワルツ」

園子「愛されし姫君は淫欲に舞う」

夏凜「なにそれっぽいこと言ってんのよ……」

園子「えへへ〜」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/22(月) 23:02:04.04 ID:uh01n6ApO<> 乙
思えば九尾によるエロ展開って初めてじゃないか?
九尾の夜の実力や如何に <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/22(月) 23:06:38.00 ID:gks2tSnGO<> 乙
久遠さん唇とか胸とか弱点の性感帯多過ぎるせいで勝てるビジョンが浮かばないんだよなあ
あと園子が生殺し状態に <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/22(月) 23:10:46.94 ID:8HK3HvUB0<> 乙
いざとなったら園っちも九尾にお任せすれば実質間接的に久遠さんとしたことになるのでは <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/23(火) 00:23:30.16 ID:gNcBWk/rO<> 明らかに唇が弱点なのにキス大好きだからキスで気づかない間に自爆して受けに回っちゃう久遠さんかわいい <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/23(火) 08:23:13.64 ID:Nr3mRdHYO<> 久遠さんはキスが好きなだけで弱点ではないのでは?穢れの感度上昇効果?でダメージ大きいのが責められない理由かと思われる <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/23(火) 19:26:29.97 ID:XADS0wn3o<> いやいや久遠さんだからだよ(断言) <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/23(火) 22:46:06.79 ID:rLUs54bao<>
では少しだけ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/23(火) 22:47:10.65 ID:CuUmYFbRO<> やったぜ <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/23(火) 22:50:15.96 ID:rLUs54bao<>
九尾「とはいえ、妾は別に女も喰えるというだけであって、男専門の知識じゃからのう」

天乃「苦手?」

九尾「くふふ……そのようなことはないが」

男ならば、九尾のような豊かな曲線を綺麗に描いた体つきの女性が身を寄せればすぐにでも欲を引き出せるし

その手で穢れの塔に触れてやればさぞ悦ぶことだろう

少々悪気のある言い方をしてしまえば男は性に単純な生き物なのだ

しかし、女は少々面倒で、性に正直な者もいれば、

それを何層にも織り込んで包み隠す者もいる

九尾はそう言うのを引き出すような悪戯が好きなのであって

女性に対し本格的に責め込むというのは手練れであると自負する気は起きなかった

九尾「さて……心の準備は良いかや?」

天乃「う、うん……」

改めて確認を取り天乃がほんのりと上気した表情で頷いたのを見て、

九尾は横になった天乃の頬をなぞるように指を走らせて下顎を持ち上げると、唇を重ねる

今までの行為を知っているからこその配慮だろう

みんなと同じように接触で済ませた九尾は顔を上げ

チロリと覗かせた舌で唇を舐めて笑みを浮かべると、もう一度顔を近づけて……

キスをするのと同時に空いた左手で天乃の寝間着の中へと手を忍ばせ

直に天乃の腹部に触れる

子を愛でる優しい触れ方。愛情を知り、母の愛というものを抱いた経験を感じさせる愛撫

そこに性的な欲求を刺激するようなものはない。だが―― <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/23(火) 22:52:48.01 ID:XXpxax9no<> よしきた <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/23(火) 22:57:27.67 ID:rLUs54bao<>
天乃「んんっ!?」

九尾から触れてくる唇の圧力

舌の蠢きは確かな淫靡さを身に纏った侵略そのものだった

最初の友好的な感触などただの茶番だったかのように

高圧的な唇は天乃の唇を容易く押し開いて道を作り

人間よりも一回り小さくしかし細く力強い舌はずにゅりと割り込んでいく

天乃「んっ……っふ……」

九尾「っふ……ふふ……」

不敵な笑みが流れ込む

強引なキスは僅かな呼吸のための隙間を残すのみで離れることはなく

天乃の腹部に触れていた優しい手は

いつの間にか下へと下って臀部の柔らかな肉を揉むように滑り

さらに下りようとしている

それに剥がされるように寝間着のズボンと下着は徐々に徐々にとずらされて肌が露出し

流れ込む微かな冷気に体がびくつく

弧を描くような手つき

指紋の微かなザラリとした感触にひんやりとした手の甲

突き刺すことも可能とした爪が掠めていく感覚

母親の愛を感じる手つきなど消え失せ、

そこにはもう久遠天乃という少女の矮躯に秘められた淫らさを探求する情欲の探求心しかない <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/23(火) 23:04:10.37 ID:rLUs54bao<>
天乃「やっ……んっっ!」

信頼を裏切られたような感覚に覆いかぶさるように

淫靡な熱気に包まれ、唾液を絡め合う口腔からの刺激

身体を這ういやらしさに満ち満ちた手の感触が天乃へと流れ込む

それは拒絶の言葉を叩き潰して微糖を加えられた嬌声へと作り変える

九尾「……言うたであろう? 妾はそう、甘くはないとな」

挑発的で嫌味の交わった九尾のささやきに天乃が目を瞑ると、

少しずつ雫が浮かびあがって――ペロリ

天乃「ひぅっ!」

唐突に離れた九尾の舌が舐めとっていく

驚いて目を開けば九尾の笑みが視界に移りこみ

それはまた段々と近づいてくる

天乃「んっ……!」

勇者部の中でも強引さを感じる東郷と沙織だが

その二人とは比にならないほどに九尾は力強く責めてくる

引けば迫り、引かぬば責める怒涛の流れ

それにはもちろん、天乃は不快感を覚えてしまうが、

しかし、九尾はその不快感を裏返して背徳感へと切り替えるから質が悪いのだ。 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/23(火) 23:14:59.63 ID:rLUs54bao<>
支配ともいえる圧倒的な強引さは熟知する天乃の敏感な場所に触れ、

身体が好む触れ方に中和され流し込まれて心地よさになり替わる

だから、拒絶よりも嬌声が零れ落ちる

九尾「くふふ……まだまだ、これからじゃぞ」

紅潮した表情を見せる天乃に覆いかぶさるようにしながら、

九尾は脱がすことなく乱れた天乃の寝間着の隙間から見える脇腹に指を滑らせていく

感じるこそばゆさはなぜだかこれからの容赦ない行為の前触れのような気がして、

天乃はくすりとも笑うことは出来なかった

天乃「お願いだから、優しくして……」

九尾「ふむ……痛い思いはせぬから安心してよいぞ」

子供にも危害を加えるつもりはないし

出産に影響が出るようなこともしないと誓ったうえで、

九尾は改めて責めさせて貰う。と、宣言した
<>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/23(火) 23:19:55.81 ID:rLUs54bao<>
√10月05日目 夕(病院) ※金曜日

01〜10 東郷
11〜20 風
21〜30 若葉
31〜40 夏凜
41〜50 千景
51〜60 樹
61〜70 沙織
71〜80 歌野
81〜90 球子
91〜00 友奈

↓1のコンマ  <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/23(火) 23:20:14.80 ID:CuUmYFbRO<> あ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/23(火) 23:20:24.00 ID:Uj2X+4RxO<> あ <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/23(火) 23:28:27.14 ID:rLUs54bao<>
ではここまでとさせていただきます
明日はお休みをいただくかもしれません




歌野「……」キョロキョロ

天乃「どうかしたの?」

歌野「……いやーなんというか」」

歌野「スンスン」

天乃「っ!」

ギシッ

歌野「……した、よね?」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/23(火) 23:30:47.84 ID:Uj2X+4RxO<> 乙
ぐちゃぐちゃにされただろうし臭いが残るのもしょうがない
やっぱり定期的に嫁といちゃいちゃしなきゃなあ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/23(火) 23:40:43.83 ID:CuUmYFbRO<> 乙
九尾のテクニック…妊娠中とはいえ久遠さんでぐちゃぐちゃだと並の男性だとどうなってしまうのか <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/25(木) 13:32:57.44 ID:NW1N4KQOo<> 昨日休みだったかー <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/25(木) 19:50:46.62 ID:dosCXArdO<> 冷静になると久遠さんが九尾に責められてる間ずっと園子も同席してたと思うと微NTR感あるな
園子の身体も早く戻るといいね <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/25(木) 21:49:48.30 ID:T6+07eezo<>
では少しだけ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/25(木) 21:51:10.51 ID:LnZkPTaUO<> 待ちわびたぞ <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/25(木) 21:58:58.55 ID:T6+07eezo<>
√10月05日目 夕(病院) ※金曜日


放課後、みんなが帰ってくるような時間に戻ってきたのは、

天乃の精霊の一人である歌野だった

天乃からの要望がないままに帰る人を決めるとなると

そこは厳正なくじ引きでの決定となるらしく

その結果だったのだと、歌野は苦笑いを浮かべる

歌野「本当はノーサンキューって、言ったのよ」

自分は嫁の一人ではないのだから

準備に参加しておくべきだと歌野は言ったのだが、

そこは公平性を保とうということで参加することになり

結局、歌野に白羽の矢が立った。というわけだ

もっとも、矢先は赤かったが。

天乃「……そう。ごめんなさいね」

歌野「ノープロブレム、私も久遠さんは気になってたから」

大切な命を宿した体だし

そうではなくとも大切な人となった命

昼休みになると毎度体調を崩してばかりで

いっそ早退して様子を見に行くべきではとさえ、

勇者部のみんなは考えたらしい

歌野「ちょっと、元気なさそうに見えるけど……」

天乃「あぁ、うん……これは、ちょっと」 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/25(木) 22:11:14.38 ID:T6+07eezo<>
お昼頃、見事に体調を崩して発症し

九尾に手を貸して貰った結果が、これだ

痛い思いこそすることなかったが

徹底的に色んな意味で抜き出されてしまったというべきか

吸い出されたというべきか……

その疲れが夕方にまで影響してきているのだ

歌野「何かあったの!?」

天乃「ううん、大したことじゃないのよ? ほんとう」

歌野「でも、ベリータイアード。朦朧としてる感じがするわ」

天乃「少し感じない?」

歌野「感じるって……」

疲れを感じさせる笑みを浮かべながら

どこか恥じらいが混じっている天乃が言うのを一瞥した歌野は

もしかしてと辺りを見渡してから

遠慮がちに少しだけ意識して空気を取り込むと

微かに、それを感じるような気がして

歌野「したの……?」

天乃「疼いちゃって……九尾に」 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/25(木) 22:36:03.24 ID:T6+07eezo<>
目を向けて来ていた天乃が眼を逸らして、

歌野は少し気まずくなっていく空気を感じながら

ソーリー。と、一言謝って頬を掻く

心配だったとはいえ、恥ずかしいことを言わせたと後悔して

歌野「あれ……でもみーちゃんにもっと恥ずかしいこと言わせていたような……」

天乃「なら私も言えば良いの? 九尾にされたこと」

歌野「ノっ、ノーサンキュー!」

自分たちの行為など霞むような行為を行ってきた天乃が

恥じらい話すことを避けようとした時点で

こんなにも疲弊しきった状態である時点で

とてもではないが聞くべきことではないだろうと歌野は感じて拒否する

天乃「そう……実演してあげようとしたのに、残念ね」

歌野「いやいや、ミーは嫁候補じゃないから」

天乃「ふふっ、確かにそうね」

楽しげに笑って見せた天乃は、ふと息をついて

天乃「それで、準備の方はどう?」

歌野「朝と昼休みに準備したけど、まだまだ」

天乃「そう……みんなは泊まり込みなのよね?」

歌野「イエス。その予定よ……ただ、久遠さんが要望あればミーとチェンジも予定しているわ」


1、交代要求する
2、そう……ところでみんなは若葉達の件について何も言ってこないの?
3、何言ってるの? 貴女が私のお嫁になればいいじゃない
4、大丈夫……でも、一緒の布団にいてくれない?


↓2 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/25(木) 22:37:44.76 ID:i2YpdiClO<> 2 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/25(木) 22:39:08.19 ID:LnZkPTaUO<> 2 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/25(木) 23:38:53.73 ID:q/1fy7Dfo<> 寝落ちか? <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/26(金) 06:06:44.49 ID:tCWzJJppO<> とりあえず乙 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/26(金) 06:23:59.34 ID:yALADd8Bo<>
すみません、寝落ちしました
今日は出来れば少し早めの時間から <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/26(金) 07:46:26.73 ID:koqIAVOeO<> 乙
毎日更新してるからしゃーない
お疲れ様です <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/26(金) 09:50:59.45 ID:ihHe334pO<> 乙 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/26(金) 21:13:38.83 ID:yALADd8Bo<> ではすこしだけ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/26(金) 21:25:42.79 ID:qig3shIVO<> きてたー <> ◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/26(金) 21:41:50.86 ID:yALADd8Bo<>
天乃「そう……」

歌野の気遣いはありがたいとは思うが

それは逆に歌野のことを傷つけてしまうようなことで

天乃は交代してもらえるということには興味がないような声を漏らすと

ふと、気づいたように歌野へと目を向けた

天乃「ところでみんなは若葉達の件について何も言ってこないの?」

歌野「そうね。エブリバディ……何も言わずに文化祭の準備を進めてるわ」

天乃「友奈達も?」

歌野「少しだけ……気にしてるけど」

歌野は少しだけ悲しそうに言うと、

首を横に振って「でもdon't say」と続けて笑みを浮かべる

それはやはり、どこか慈愛に満ちて

儚さを伴っていた

歌野「文化祭は楽しく過ごしたい。そう思ってるのかもしれないわ」

天乃「……嫌な時期に、相談しちゃったわね」

歌野「ドントマインド、悪いのはきっと乃木さんだわ。せめて文化祭が終わってから切り出すべきだった」 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/26(金) 22:19:05.72 ID:yALADd8Bo<>
天乃「そんなことないわよ。若葉は若葉で……悩んでたんだもの」

歌野「正直、私も文化祭はエンジョイしたいわ!」

天乃「……それなら、残ってくれたらいいのに」

文化祭だって高校生になったもっと出来るだろう

修学旅行や林間学校

行事も増えて、規模も大きくなってやることも増えて

きっと、楽しいことも増えてくるに違いない

そう思って、そう考えて

何気なく口にしたその一言に、

歌野は「ソーリー」と変わらない答えを返す

歌野「私達は久遠さんにも、心の底からエンジョイして欲しい」

天乃「そんなの、貴女達がいたって――」

歌野「本当の意味で、久遠さんをフリー……解放したいから」

歌野はそう言いながら天乃の手に触れると

優しく笑みを浮かべて

歌野「農作業で言えば、ほかの実を成長させるために間引くような免れ得ないことよ。久遠さん」

天乃「農作業なんて、知らない」

歌野「ティーチャーしてあげても、良いわよ?」

天乃「老後にお願いしてもいいかしら?」

歌野「侮れないわね、そうくるなんて」

歌野は少し困ったように、苦笑した <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/26(金) 22:20:51.47 ID:yALADd8Bo<>
√10月05日目 夜(病院) ※金曜日

01〜10 東郷
11〜20 風
21〜30 
31〜40 夏凜
41〜50 
51〜60 樹
61〜70 
71〜80 千景
81〜90 沙織
91〜00 友奈

↓1のコンマ  <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/26(金) 22:22:33.77 ID:embiPrrUO<> あ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/26(金) 23:12:43.28 ID:d/4xfsKi0<> 今気付いたけど全部ゾロ目じゃん <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/26(金) 23:15:10.61 ID:yALADd8Bo<>
√10月05日目 夜(病院) ※金曜日


夜になって肌寒さが増していく中

精霊である歌野が夏凜のベッドを借り、

正面には園子がいるがやはり、普段の明るさの欠けたこの時間は

天乃にとっては少し、寂しくて

明日に備えて眠ろうとした瞬間、真っ黒な視界の中に

僅かに光を受ける何かが姿を見せた

千景「眠れない?」

天乃「千景……?」

千景「少し抜け出してきたわ。精霊は便利ね」

天乃「何かあったの?」

千景「むしろ、久遠さんに何かあったのか聞くためにここに来たのよ」

千景曰く、

歌野を戻したとはいえ、

結局、勇者部のみんなは心配せずにはいられなかったらしい

千景「準備も終わっていないのに帰るかどうかの話をするから、様子を見に来ることにしたのよ」 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/26(金) 23:33:06.95 ID:yALADd8Bo<>
天乃「心配性ね……まったく」

千景「それはそうでしょう……いよいよなんだから」

千景はいつも以上に嬉しさのにじんだような声で言うと、

何かに思いを馳せるような

そんな、穏やかな笑顔を浮かべて見せて、小さく首を振る

天乃「どうか、したの?」

千景「大したことじゃ……ううん、大したことかもしれない」

そう言った千景は自分の手を握り合わせて、

おもむろに友奈が使っているベッドへと目を向けて、息をつく

千景「叶うなら、文化祭を楽しませてあげたかった人がいたの……今は、もう、絶対に無理だけれど」

天乃「……西暦の子ね」

若葉との記憶を共有している天乃は、

千景が友奈のベッドを見たことで

それが友奈と似た姿をしている高嶋友奈なのだと確信をもって、問いかける

千景「ええ。そう、高嶋さんよ」

天乃「西暦時代は本当、そんなに様子がなかったんだものね……」

千景は軽く頷くと、

だからこそよ。と、天乃へと目を向けた

千景「私は成功ではなく大成功をさせたいし、乃木さん達だけでなく、久遠さん達にも楽しんで欲しいと思っているわ」

そう思うからこそ、体調を崩しやすい天乃を心配してくるのだと

千景は偽りなく答えた


1、身体は大丈夫……でも、一緒にいてくれない?
2、体調は良好よ……昼間にエッチな気分になっちゃったけれど
3、ねぇ千景。九尾から聞いたのだけど……後遺症の件知ってるのよね?
4、みんなこそ心配だわ。明日なのに泊まり込みで準備なんて


↓2 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/26(金) 23:35:59.51 ID:qig3shIVO<> 3 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/26(金) 23:36:14.28 ID:CrJd6FPz0<> 3 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/26(金) 23:36:41.63 ID:embiPrrUO<> 1 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/26(金) 23:43:06.50 ID:yALADd8Bo<>
ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


千景「私は成功よりも大成功させたい」

東郷「私は成功よりも性交したい」

友奈「大成功が良いよね」

樹「お客さん達からアンコール貰えるような劇にしたいです」

沙織「大性交っていうとなんか凄く激しい感じするよね」

風「とにもかくにも、、まずはセットを完成させるわよー!」

球子「良いのか、無視していいのか……そこの二人……ッ」

夏凜「いいに決まってるでしょ。何をいまさら」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/26(金) 23:44:41.08 ID:embiPrrUO<> 乙
劇7日だっけ?
体調不良にならないよう6日の夜には嫁の誰かに来てもらおう <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/26(金) 23:51:04.54 ID:qig3shIVO<> 乙
実はこのシリーズで千景が高嶋さんに触れたのって初めてかな?
すっかり成長してカッコ良くなった千景を高嶋さんに見せてあげたいなあ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/27(土) 16:06:37.96 ID:kLgUmDV7o<> 久遠さんに満開させれば見せられるよ(鬼畜) <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/27(土) 22:24:35.71 ID:DaWbzQZEo<> では少しだけ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/27(土) 22:25:35.30 ID:xVzdwpvKo<> 来たか <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/27(土) 22:25:48.56 ID:XYdKIYugO<> よっしゃ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/27(土) 22:26:32.92 ID:xVzdwpvKo<> おう <> ◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/27(土) 22:37:46.07 ID:DaWbzQZEo<>
天乃「ねぇ、千景……聞きたいことがあるの」

天乃の静かな切り出し方

ゆっくりと見上げてくる仕草に、

千景は何かを感じ取ったのだろう

千景「夜だから……では、なさそうね」

そう呟くと来客用の椅子を取り出し、

腰を下ろしてから眼を合わせて頷く

答えられることなら答えると言うことだろう

天乃「九尾から聞いたのだけど、後遺症のこと……知ってるのよね?」

千景「ええ、知っているわ」

天乃「私と精霊の関係も」

千景「もちろん、知っているわ」

千景は特に隠すような素振りもなく

簡潔に率直に短く言葉を返し

自分の胸元に手を宛がうと、深く息をつく

千景「彼……というべきかは分からないけれど。その彼が隠してきたことも私は引き継いでいるから」 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/27(土) 22:48:14.89 ID:DaWbzQZEo<>
死神が何を考え、何を思い

どのような行動をしてきたのか

そのすべてを引き継いできた千景は

悩まし気な表情を浮かべて天乃へと目を向ける

千景「別に、彼も言わなかったわけではないわ」

ただ、状況的に

そして

死神という精霊の思考回路的に

自分たちの存在が天乃の体の犠牲を継続させていくということを

天乃に伝える必要性を感じていなかっただけなのだ

天乃「別に、いまさら死神さんに文句を言うつもりはないわ」

それはどうしようもなかったことだし

その時に戻るためには精霊を消さなければいけないと言われても

結局、どうしようもなかったことなのだから

天乃「私が気になったのは、千景がそれを若葉達に話してない事よ」 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/27(土) 22:57:52.22 ID:DaWbzQZEo<>

天乃「どうして?」

千景「話したら、乃木さん達は自分たちの考えなんて一切持つことはないと思ったから」

天乃達のことを思うがゆえに、

こうしようと、ああしようと考えて行動するのではなく

自分たちはそうするべきなのだと、それが定めなのだと

仕事や任務のようにただ実行しようとする

ただ、こうあるべきだと自分の想いを廃してしまう

そう思ったからだと、千景は答えて

千景「それが曖昧で優柔不断で纏まりがないと分かってはいたけれど……でも、久遠さんは私達を精霊ではなく人として見ているから」

そうやって、悩んで、苦しんで

右往左往に曖昧で、暗中模索に躊躇って

目的地を同じくして別れ道を行くことこそが

想いを抱く人間らしいと千景は思う

千景「こういう対立なら、しても悪くないでしょう?」

天乃「……みんなのことを考えての事だったのね」

千景「ええ。だから、乃木さんの言葉を一つだけ訂正するわ」 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/27(土) 23:08:03.69 ID:DaWbzQZEo<>
千景はそう言うと、

天乃のことを見つめたまま真剣な表情を見せる

戦いに赴くかのような緊張感を感じて

天乃は余計な口を挟まないようにと唇を固く結ぶ

千景「残れ。だなんて命令ではなく、久遠さんやみんなの考えと想いが聞きたいわ」

天乃「いまさらそれを言う……?」

千景「そうね。心配するようなことではないかもしれない」

天乃達が抱く想いによって

どれだけ悩み、苦しんでいるのかを見ている千景は

嬉しそうに笑いながらも

一応は念を押そうと思っただけ。と天乃の手に触れる

千景「後悔だけは、しない選択を」

千景は軽く抱き寄せて耳元で優しくささやく

後悔した人生だったからこそ

後悔する辛さと、苦しさと、悲しさを知るからこそ

千景は若葉達にも、天乃達にも

後悔しない考えを持つことが出来るようにと……願うのだ <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/27(土) 23:19:24.20 ID:DaWbzQZEo<> 1日のまとめ

・   乃木園子:交流無()
・   犬吠埼風:交流無()
・   犬吠埼樹:交流無()
・   結城友奈:交流無()
・   東郷美森:交流無()
・   三好夏凜:交流無()
・   乃木若葉:交流無()
・   土居球子:交流無()
・   白鳥歌野:交流有(夏凜達について)
・   藤森水都:交流無()
・    郡千景:交流有(後遺症について)
・  伊集院沙織:交流無()
・     九尾:交流有(息抜き)
・     神樹:交流無()


10月05日目 終了時点

乃木園子との絆  65(高い)
犬吠埼風との絆  92(かなり高い)
犬吠埼樹との絆  80(とても高い)
結城友奈との絆  100(かなり高い)
東郷美森との絆  110(かなり高い)
三好夏凜との絆  129(最高値)
乃木若葉との絆  91(かなり高い)
土居球子との絆  38(中々良い)
白鳥歌野との絆  40(中々良い)
藤森水都との絆  32(中々良い)
 郡千景との絆  38(中々良い)
  沙織との絆  112(かなり高い)
  九尾との絆  62(高い)
  神樹との絆   9(低い) <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/27(土) 23:20:53.25 ID:DaWbzQZEo<>
√10月06日目 朝(病院) ※土曜日

01〜10 千景
11〜20 体調
21〜30 
31〜40 友奈
41〜50 
51〜60 
61〜70 夏凜
71〜80 
81〜90 若葉
91〜00 樹

↓1のコンマ  <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/27(土) 23:23:23.80 ID:XYdKIYugO<> あ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/27(土) 23:23:26.59 ID:FZlfSuKSO<> あ <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/27(土) 23:26:49.37 ID:DaWbzQZEo<>
ではここまでとさせていただきます
明日は出来れば昼頃から


土曜日の朝、文化祭初日
体調は問題なし <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/27(土) 23:29:44.39 ID:FZlfSuKSO<> 乙
いよいよ文化祭! <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/27(土) 23:36:51.31 ID:XYdKIYugO<> 乙
体調崩さなくて良かった…
文化祭でのみんなとの日常に期待 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/28(日) 14:14:54.15 ID:X/ZLbthUo<>
では少しずつ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/28(日) 14:24:19.63 ID:KnGlOYCcO<> よしきた <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/28(日) 14:50:19.08 ID:X/ZLbthUo<>
√10月06日目 朝(病院) ※土曜日


まるで今日という日を歓迎するかのように

遮るもののない澄み切った空

目を覚ました天乃は身籠っているがゆえの体の重みや気怠さこそ感じるものの

体調の悪化に伴う不快感を感じることはない

歌野「ハウアーユー? 久遠さん」

天乃「ん……うん、大丈夫」

歌野「良かったわ。ならとりあえず問題はデイタイム……お昼ね」

いつも、天乃は朝だけは調子がいいのだ

昨日の性的な発作を含めれば

ここまで連日体調を崩し続けている魔の時間

天乃「今日は文化祭だから、精神的に大丈夫だと思うけど……」

歌野「粘るって意味?」

天乃「まさか、そんなことしたらみんなに怒られちゃう」

歌野「なら良いけど、デンジャラスって感じたら連れ戻す。みんな、そう決めてるわ」

それが例え、劇の最中であるのだとしてもだ <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/28(日) 15:14:15.87 ID:X/ZLbthUo<>
天乃「ただ、楽しいことをしていれば体も空気を呼んでくれるんじゃないかって言う、希望的観測よ」

真剣に言う歌野に対して

天乃は自分の考えを述べて、小さく笑う

天乃は学校が嫌いなわけではない

授業が嫌なわけではない

むしろ、登校できる嬉しさがあった

それでいて、体調を崩してしまうのだから。

自分がどう思っているかなどという精神的なものなど

気休めにもならないと分かっているからだ

天乃「みんなは学校で待ってるのよね?」

歌野「イエス。だから私が連れて行くわ。プリンセス」

天乃「あら、劇は明日よ? 勇者様」

歌野「ならエブリワンズ、ワイフね!」

天乃「夫は?」

歌野「久遠さんは夫じゃないわ」

それは絶対。と

歌野は冗談か本気か分からない笑顔で答えた <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/28(日) 15:35:07.18 ID:X/ZLbthUo<>
√10月06日目 朝(学校) ※土曜日


天乃「……あれ?」

歌野に押して貰いながら教室まで向かった天乃だったが、

教室はすでに暗黒界―お化け屋敷の一部―と化しており

3年生の階層自体がもうすでに使い物にならなくなっていて

「あっれー? 久遠さん」

天乃「丁度良かった、聞きたいことが――」

「教室だよね? 今は使えないし、HRは多目的室でやるんだよ。犬吠埼さんから聞いてない?」

天乃「聞いてないけど……」

歌野「昨日帰ってないから……いや、そもそも考えてる暇がなかったわね」

文化祭の準備の締め切りに追われてて

そう言ったことが頭の片隅に追いやられてしまっていたのだろう

「そっか、犬吠埼さん忙しかったもんね。なら行こうよ多目的室」

天乃「HRって参加しないと欠席扱いになる?」

「ううん、そもそも自由参加だから誰かが口頭で伝えれば大丈夫だよ」

天乃「そう……」


1、なら、私達は部室に行くわ
2、ありがとう。なら行きましょうか


↓2 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/28(日) 15:36:21.12 ID:y5K0waWcO<> 1 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/28(日) 15:41:02.46 ID:KnGlOYCcO<> 1 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/28(日) 16:05:13.58 ID:X/ZLbthUo<>
天乃「ごめんなさい、それなら部室に直行するわ」

「そっか、みんな向こうにいるもんね」

天乃「ええ」

「久遠さんはあたし達クラスメイトよりも部員のみんなが大事なんだもんね……っ」

ぐしぐしと雑に目元を拭って見せた女子生徒は、

いつもの運動部の幼馴染が居ないのをいいことにスカートから取り出したハンカチを目元に宛がうと

天乃へと背を向けて……首だけで振り返る

「でも、良いよ……人生って、そういうものだもんね」

天乃「何言ってるのよ……もう」

歌野「みんな、久遠さんにラヴね!」

「あははっ、じゃぁ先生には学校に来てるって伝えておくね〜」

天乃「ええ。よろしく」

元気よく、軽快に

そしてなにより嬉しそうに廊下を駆けていく後姿を見つめながら

天乃は少し困ったように息をついて

天乃「走ったらだめよーっ!」

歌野「エネルギッシュね」

大きく呼びかけたが、すでに姿のなくなった彼女からの返事はなかった <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/28(日) 16:37:20.08 ID:X/ZLbthUo<>
風「あー友奈、それそっちじゃなくてこっち!」

友奈「えっ、でもこれは窓枠の――」

千景「窓枠であってるわ。犬吠埼さんは休んで、昨日も遅かったでしょう」

風「いや、えっと――」

東郷「リーダーは休むのも仕事ですよ。風先輩」

若葉「後は任せてくれ、もうじき完成するからな」

それなら尚更完成させてから

そう言いかけた風の体を夏凜は簡易の敷布団へと押し倒して、動きを止める

夏凜「いいから休む。無茶すんのは戦いだけで良いわよ」

樹「ここまで頑張ってくれたんだもん、お姉ちゃんが休んでも誰も何も言わないよ」

むしろ休まないと文句が出るわ。と言う千景の呆れたような声に

まるでどこかの勇者様だな。と若葉は冗談なのだと笑って言う

風「そこまで言うなら、休む……」

夏凜「ご飯は? なんか買って来ても良いけど」

水都「三好さんの煮干しがあったような?」

友奈「それならもう食べきっちゃったと思う」

<>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/28(日) 17:05:59.17 ID:X/ZLbthUo<>
そんな鬼気迫る状況の中、がらりと部室の扉が開く

段ボールやガムテープ

マジックの蓋や定規

色々なものが散らばった床

僅かな踏み場にはすでに誰かの足が置かれていて

入口の傍には折りたたまれた車椅子

風を布団に押し倒す夏凜と

周りにいる勇者部と千景たち

見渡した天乃は扉を掴んで――

天乃「夏凜は私以外には積極的なのね」

そんな言葉が入り天乃が出ていく

夏凜「いやちょっと待てぇ!」

若葉「ま、待て今そこは私が――っ!」

夏凜の足が若葉の足を踏み

仰け反った若葉の体が樹を押し倒して

倒れ込む樹が東郷を押し倒して……と

部室の忙しなさが増していく <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/28(日) 17:20:03.40 ID:X/ZLbthUo<>
天乃「あらやだ、勘違いしちゃった」

夏凜「分かってたでしょ、あんた」

明らかに違うと分かっていたと分かる天乃の満面の笑みに

夏凜は困ったようにため息をついて、

すでに作業に戻っている勇者部の面々へと目を向ける

皆は寝ていないわけではないが

昨日も遅くまでやり、今日も早くからやっているためか

どこか疲れを感じる表情が時々見える

天乃「大丈夫なの?」

夏凜「体調? それともセット?」

天乃「両方。でも一番はみんなの体調」

天乃の体調が良かったとしても

皆が体調を崩してしまっていたら

それはまた、なんの意味も無くなってしまうのだ

だからこそ心配そうに言う天乃の頬に手を当てて

夏凜はこつんっと額と額をくっつける

夏凜「大丈夫よ。風は多少無茶してたけど、休ませたし……セットはもう完成するから」

天乃「夏凜は?」

夏凜「問題ないでしょ?」

天乃「ちょっと、熱いかな」 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/28(日) 18:21:30.76 ID:X/ZLbthUo<>
夏凜の体温か、自分の体温か

どちらが高くて低いのか分からないが

天乃は苦笑しながら答えて少しだけ顔を上げる

周りに人はいない

けれど、学校の中という状況からか

夏凜は一歩引いて天乃に笑みを見せる

ほんの少し、照れた笑み

夏凜「それで、あんたはこの後どうすんの?」

天乃「どうするって?」

夏凜「文化祭。どこか見に行くのも良いんじゃない?」

天乃「良いんじゃないって……来てくれないの?」

夏凜「は?」

天乃「え?」

夏凜の驚いた表情

止まったような時間

数秒前に戻る記憶

そして、自分の言葉を思い返して

天乃は「違うの!」 と、声を上げた <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/28(日) 18:29:48.73 ID:X/ZLbthUo<>
天乃「違うの、ごめんなさい」

ずっと頑張って

寝る時間も押しで準備して今日という日を迎え

なお、頑張っている夏凜達

その一方で病院でただ時間の流れに揺られていた自分

文化祭に付き合ってなどと言うべきではないのに

そう思う天乃は悲し気で

天乃「疲れてるのに」

夏凜「いや、それは別に……」

しかし、夏凜は困惑の色を浮かべたまま

ふと、息をついて天乃の目線に合わせるように腰を低くする

夏凜「あんたがそんなこと言うとは思わなかったのよ」

車椅子であり

妊娠している天乃を一人でどこかに行かせるわけがないし

むしろ誰かが付き合うのは当然だと思っていたからこそ

夏凜はその一言を付け加えてはいなかったのだ

夏凜「行先聞こうかと思ったけどいいわ。誰と行きたい? 準備があるから全員は無理だけど一人くらいなら歌野と入れ替われるし」

今だって夏凜と歌野が入れ替わっているのだ

そこで補うことはできるだろう


1、夏凜
2、友奈
3、東郷
4、千景
5、若葉
6、風
7、樹
8、沙織
9、歌野
0、球子


↓2 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/28(日) 18:32:17.18 ID:zk3xUqyO0<> 1 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/28(日) 18:32:39.26 ID:rngOtVWeO<> 6 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/28(日) 19:05:51.07 ID:X/ZLbthUo<>
天乃「だったら……風を借りても良い?」

夏凜「風? あぁ……良いわよ。今丁度休憩中だし。少し待ってもらうことになるけど」

天乃「待つのは全然いいから」

本来なら疲れている風は後に回して

しっかりと休んでもらうべきかもしれないが

頑張ってくれた勇者部の部長として

一番頑張ってくれたのは風だろうし

歌野が補佐に入るとはいえ

誰かが抜けたと知ったら、風はまた頑張ろうとすることだろう

そうさせるくらいならいっそ

文化祭に付き合わせようと考えたのだ

天乃「すぐそばにいれば、風の事をすぐに休ませることもできるし」

流石に、

天乃が休ませようとしたら拒んでくることもないだろう

天乃「準備が終わって、みんなも平気そうなら……みんなで。ね?」

夏凜「あと、あんたの体調が崩れなければね」 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/28(日) 19:24:11.63 ID:X/ZLbthUo<>
天乃「それは頑張るから」

夏凜「頑張るって、どう頑張んのよ」

冗談のつもりだったのにと言いたげに笑う夏凜は、

天乃の真剣なまなざしを一瞥すると

分かったわかった。と

ややため息交じりに呟いて、ひじ掛けに置かれた天乃の手に手を重ねると

ぐっと――身を寄せて

天乃「っ!」

ふわりと舞った夏凜の髪

ほんの一瞬の接触

宿直か部活関係者が使うシャワー室を借りたであろう清潔な匂いが遅れて伝わって

唇から離れていく感覚だけが取り残される

夏凜「これで頑張れるでしょ。ま、楽しんできなさいよ、あんた達は来年は卒業してんだから」

天乃「ばか……誰かが見てたかもしれないのに」

夏凜「広まって困るようなことでも無いし」

多少茶化されたりはあるかもしれないが

夏凜としては別に、付き合うこと自体は恥ずかしいなどと思っていない為

茶化されようが噂されようが何の意味もないのだ

夏凜「とにかく、また後で」

そう言い残した夏凜が部室に消え、

それから数分経って、風が出てきた <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/28(日) 20:09:28.05 ID:X/ZLbthUo<>
風「3年生なんだから楽しんで来いって言われちゃった」

天乃「沙織は何か言ってなかった? ほら、私と一緒で、3年生で」

沙織のことに関してよく分かっていると言いたげな表情を見せる天乃に、

風は苦笑交じりに肯定しながら車椅子を押す

右手でモノを握ることは出来ないが

右腕には力が入るため、支えなどの補助道具を使えば

普通に押すことが出来るのだ

風「あたしも3年生なんだけどなぁ……デート。したいんだけどなぁ」

そんなことを言ってたのだと

微妙に似ている声真似をした風は

他の階から聞こえてくる文化祭の忙しなさ、騒がしさに耳を傾けて足を止める

風「……最後、ねぇ」

天乃「どうかした?」

風「ん……いや、なんていうか。かなり大変で忙しくて辛かったのに考えてみればあっさりしてるなって思って」 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/28(日) 20:45:53.37 ID:X/ZLbthUo<>
風「中学生がもうすぐ終わるって言うのもそうだけど、それより先に今年が終わるじゃない?」

天乃「そうね……あと二ヶ月。高校生まではまだ5ヶ月あるわね」

風「だから中学生最後って言うより、濃すぎた1年のことを先に思っちゃったのよ」

決して、楽しかった一年だとは言えない

むしろ、さっき言ったように

大変で忙しくて辛くて苦しい記憶

でも、とても大切な経験

天乃「最初、風は私のことを久遠って呼んでたわよね」

知り合って2年は経過していたのに

風は天乃のことを下の名前では呼ぶことなく

どこか距離を置いた関係を保ち続けていた

そこには、

2年前、天乃の力による影響で両親が亡くなってしまった。という

とても不幸なことがあって

風「でも、それが今ではこんな関係で……だからってわけじゃないけど」

風はまた車椅子を押しながら

嬉しそうで優しい声で「天乃」と呼ぶ

風「歩み寄らなかった二年間。その分を楽しみましょ!」 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/28(日) 21:06:45.42 ID:X/ZLbthUo<>
天乃「だからってあんまりはしゃぎすぎないようにね」

風「心配ないわ、天乃と一緒で元気100倍!」

元気な声が響いて

すぐにどこかの教室の声にかき消されてしまう

騒がしさに埋もれて

自分たちの存在など文化祭の一部へと呑まれていく

その日常の一部になれているという雰囲気が、感覚が

天乃達にはとても嬉しいくて

天乃「子供なんだから」

風「まだ、中学生だからいいでしょ」

幸せに満ちた笑い声が響く

何にも呑まれずかき消されずに。

風「天乃はどこか行きたいところある?」

3年生のお化け屋敷

2年生や1年生の写真展、喫茶店、占いの館や屋台

活動による展示や絵描き、体力測定、ゲーム

天乃「そうね……」



1、風に任せる
2、天乃が決める ※再安価


↓2 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/28(日) 21:07:51.97 ID:RRho1O+KO<> 2 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/28(日) 21:10:09.64 ID:zk3xUqyO0<> 2 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/28(日) 21:26:09.25 ID:X/ZLbthUo<>
1、お化け屋敷
2、メイド喫茶
3、執事喫茶
4、写真も撮れる写真展
5、占いの館
6、ゲームセンター(古典部)
7、漫画研究会
8、外の屋台巡り


↓2 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/28(日) 21:27:20.15 ID:rngOtVWeO<> 5 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/28(日) 21:28:27.45 ID:zk3xUqyO0<> 1 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/28(日) 21:51:22.21 ID:X/ZLbthUo<>
では早い時間にはなりますがここまでとさせていただきます
明日は出来れば通常時間から


園子「お化け屋敷」

園子「暗い部屋」

園子「愛し合う二人」

園子「何もしないわけがないよ……っ!」キラキラ

大赦「監視カメラを設置するのは……ちょっと」

園子「ふざけないでよ」バンッ

大赦「ひぃっ!?」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/28(日) 21:53:14.91 ID:rngOtVWeO<> 乙
吊り橋効果か!? <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/28(日) 22:04:54.45 ID:RRho1O+KO<> 乙
風先輩と一緒にお化け屋敷か…なにも起こらない訳がないなw
そしてクラスメイトはどう仕掛けてくるのか <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/29(月) 13:48:19.46 ID:mfc+4Bqbo<> お化け苦手な風を連れていくとかナチュラルに鬼畜だね <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/29(月) 19:26:32.48 ID:g/ElraQEO<> まさかの久遠さん責めのチャンス <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/29(月) 21:40:05.41 ID:PCaIQF3zo<>
では少しだけ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/29(月) 21:41:33.19 ID:TJdj38KFO<> かもーん <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/29(月) 21:48:57.02 ID:PCaIQF3zo<>
天乃「お化け屋敷いきましょう。お化け屋敷」

風「いつになくテンション高いわね……好きだったっけ、お化け」

天乃「そう言うわけではないけど、以前は霊感があったせいで本物だろうと偽物だろうとあまり楽しめた覚えがなくて」

風「なるほど、そりゃたのし……ん?」

本物? 本物ってどういうこと……? と

困惑する風に、

天乃は苦笑しながら「よくいるでしょ?」と当たり前のことのように言う

風「良くいてたまるかっ!」

天乃「皆の精霊だって私の九尾達だってお化けみたいなものじゃない」

風「それとこれとは話が違うわっ!」

身を引く風の反応はどこか恐れを感じるもので

天乃は悪戯な笑みを浮かべて手招きする

早く行きましょうと言いたげで

しかし明らかに嫌がらせをするつもりでしかない表情

風「ちょ、ちょっかい出すのはなしよ!」

天乃「分かってる。分かってるから」

風「分かってないっ、フリじゃないからっ!」 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/29(月) 21:55:18.56 ID:PCaIQF3zo<>
やっぱり行くの止めない? という懇願にも似た呟きを聞くこと数十回

どうせ本物なんていないだろうからという天乃の励ましにもならない言葉に支えられ辿り着いた3年生の階

数クラス分の教室を廊下経由で繋いだ大型のお化け屋敷で

その分の多彩な仕掛けが施されているらしいのだが

「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」

風「ひぃっ!?」

天乃「あら……」

一応は非常口として設定されている途中の扉から飛び出してきた女子生徒は

真正面の壁にぶつかる勢いで膝をつき、

追いかけてきたであろう友人の女の子も息を切らしながら傍に歩み寄って

崩れるように座り込む

天乃「大丈夫?」

「ぅ……ぁ、はい……」

天乃「何があったの?」

「お、女の人が……喋って……首……血が……っ」

「女の人の首が転がってきたんです……」

天乃「首が転がってきた……?」 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/29(月) 22:01:19.16 ID:PCaIQF3zo<>
話しているうちに思い出してしまったのだろう

また悲鳴を上げた女子生徒は頭を抱えるように縮こまって

体の一部を何度も拭うように手を動かす

天乃は「ごめんね」と優しく声をかけ

震える頭に手を伸ばして引き寄せる

車椅子に座っている状態の為、柔らかく抱きしめてあげることはできないが

その小さくも優しい手で撫でて、涙を拭って

天乃「大丈夫」

温かく、声をかける

震えが止まるまでそうして寄り添った天乃は

女子生徒がまた立ち上がれるようになったのを見て笑みを浮かべると

いかない方が良いという二人に「心配ないわ」と答えて風を促す

天乃「よほどの演出なのね!」

風「や、やっぱりやめない?」

天乃「何言ってるのよ。これはやらないと駄目でしょ」

満面の笑み、きらきらした瞳

期待しかしていない天乃の子供っぽさに

風は諦めたように息をついて歩き出し

心配そうな視線を受ける風だけが振り返って……しかし

もう、行かない道は逃げるしかなかった

風「やばそうだったら非常口で抜けるから」

天乃「うん、それで良いから」 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/29(月) 22:11:31.15 ID:PCaIQF3zo<>
「おーいらっしゃい」

天乃「なかなか、大盛況なようね」

「まぁねぇ」

教室の中から絶え間なく響く悲鳴

非常口から飛び出す生徒や一般客

その激しさに行こうとしていた足を止める人や

逆に面白そうだからと友人の手を引く人

あるいは、恋人同士

その流れを眺めていた天乃は車椅子を見下ろして

天乃「所で、私も入れる?」

「モーマンタイだよあまのん! 車椅子だろうと松葉杖だろうと入れます! ただし心臓の悪い方はお断り!」

あと怪我が悪化する恐れのある人。と付け足す女子生徒に

風は「松葉杖も危なくない?」と呟くが

女子生徒はそこは武器持ち判定だから。と適当なことを言うと

結局は自己責任になっちゃうけどねぇ。と呟く

「しかし犬吠埼さんを連れてくるとはあまのんもおにちくだねぇ」

風「あたしに選択肢はなかった……」

天乃「クラスのみんなが頑張ってくれたのよ? 参加しなきゃ駄目よ」
<>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/29(月) 22:17:11.54 ID:PCaIQF3zo<>

「それは嬉しいけど、ごめんね。あたし達も勇者部の作業手伝ってあげられなくて」

風「あー良いの良いの。お互いに自分ので手一杯だったわけだし」

「そっか。そうだね……」

ほんの少し申し訳なさそうに呟いたクラスメイトは

ならさ。と、言葉を続けて

「その分の謝罪もかねて作り上げた超本格的ゴーストアトラクション! 『最恐の帰り道』を通って行ってね!」

そう言いながら渡された懐中電灯を受け取り、

風は不安そうに呟きながら天乃へとライトを渡す

風「出来れば通りたくないけど……」

天乃「大丈夫よ、学生の作りものなんだから」

「おーいうねぇ……まぁ、あまのんはこう言うの強そうだもんね」

風「アタシは強くないんだけどッ!」

天乃「劇の方も、明日やるからよろしくね」

「もちのろんだよ。体育館を埋め尽くす人数で行くよ!」

頑張ってねー。と

穏やかに見送るクラスメイトの声を背中に受けながら

風「強くないってのに」

恐怖に遅くなった足で天乃の車椅子を押し、犬吠埼風は決戦の場へと向かうのだった <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/29(月) 22:28:09.67 ID:PCaIQF3zo<>
天乃「やっぱり暗いわね……足元は平気そう?」

風「へ、平気!」

天乃「そう……怖かったら車椅子に隠れても良いからね」

光を当てると、森林をモチーフにした薄暗い絵が壁に浮き上がる

どこまでも果てしなく続くような奥行きがしっかりとしたそれは

軽く触れると、細かい木片のザラリとした感触が指から伝わってくる

天乃「……本物ね」

壁―森林―の木の部分には本当にその木の皮が張られており、

葉っぱの部分にもやはり、落ち葉やらの本物が使用されており

嗅覚に感じるのはやはり本物の自然

だが所詮……というと頑張って作ったクラスメイトには申し訳ないだろうと天乃は思うが

やはり、中学生が言う本格的というものは本物とは違う

驚かし方や小道具

隅々までしっかりと考えられているのだとしても

それは最低限の資金で作られる最高の出来で止まってしまう

天乃「……いるわね」

霊感こそ現在の天乃は持ち合わせていないが

気配や視線を感じ取るといった技術は問題なく健在

それゆえにどこに誰がいて

どんな仕掛けを施してくるのかが分かってしまう <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/29(月) 22:45:14.08 ID:PCaIQF3zo<>
静かな室内に響くキュルキュルという静かな車輪の音

肌に触れる葉っぱの感触、激しく高鳴る鼓動

風「うぅ」

息が止まりそうな恐怖を感じながら

風は一歩一歩足を進めて

天乃「風」

風「なっ、なに!?」

名前を呼ばれた瞬間に身を屈めた風は

天乃の「大丈夫だから」という声に安堵の息を吐く

暗さに慣れてきた視界に映る天乃は少し困った表情で

天乃「震え過ぎよ。大丈夫?」

風「だ、だだ大丈夫……」

天乃「別に私一人でも良いんだけど――」

風「それは駄目!」

偽りの恐怖しかないのだとしても

こんな場所に一人置いていくなど風のプライドが許さない

どれだけ怖くても、足が竦んでも、体が震えても

風「あたし――」

ベトリ。

意を決した風に、それは突如として襲い掛かった

開いた口元に触れた何かは生き物のように顔を舐めて胸元に落ち

そのまま足元へと落ちて

上履きに乗っかった生き物の柔らかさは

ずるり、ずるりと這うように動いてどこかへと去っていく <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/29(月) 22:58:10.47 ID:PCaIQF3zo<>
では途中ですがここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


園子「質量を持ちながら柔かい水溶性の生き物」

園子「そして溶け出す制服……」

夏凜「溶けるか! 大体制服だけ溶けるなんてことがあるわけ――」

園子「そこは神樹様パワーで」

夏凜「いやいやいや……それは流石にあり得ないっての」

園子「信じてた時期が私にもありました」

夏凜「やめろ」 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/29(月) 23:02:38.54 ID:rctwXpM4O<> 乙
神樹媚薬に神樹触手もあるぞ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/29(月) 23:08:46.15 ID:TJdj38KFO<> 乙
風先輩はホラー関係で録な目に会わないのがお約束みたいになってるな
クラスメイト達の本気に期待 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/30(火) 08:06:09.65 ID:dcXzpPIHO<> ここの所体調崩してばかりだったからか久遠さんウッキウキやな
悪戯っ子な久遠さんが久々に見れて嬉しい <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/30(火) 23:03:38.61 ID:77vQR906o<>
では少しだけ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/30(火) 23:04:20.29 ID:WiZLBX0cO<> やったぜ <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/30(火) 23:11:57.62 ID:77vQR906o<>
風「あ……」

天乃「……大丈夫?」

風「え……」

何かが触れた場所に触れる

汗ではない粘液のような何かの足跡がぬるりと指につき

はじいた胸元、制服の一部にも何かが飛び散った冷たさがじわり……じわり……尾を引く

その何かが落ちた足の感覚はまだ、ソレを乗せた感覚が鮮明で

風「あぁぁぁぁぁあああぁぁああああッ!?」

粘液に触れた手、自分の胸、自分の足

流れるように目を向けた風は車椅子の持ち手を掴む手にも――何かが触れる

風「ひぃぃぃぃぃぃっ!?」

飛ぶように驚いた風だったが、それは決して離れようとはしなかった

ほんのりとひんやりしているのに温かい

優しく、柔らかくて、力強い

天乃「落ち着いて、私だから」

風「あ、天乃……?」

天乃「そう、私」

超えに導かれるように懐中電灯の明かりが手から天乃へと遡って

それが真実であることを風へと示す <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/30(火) 23:16:53.29 ID:77vQR906o<>
今にも破裂してしまいそうな心音はゆっくりと収まり、

風の足はまた、ゆっくりと動き出す

天乃「非常口あるわよ?」

風「だ、大丈夫よ……っ」

まだ一つ目の教室の半分も言っていない序の口

そこで情けない叫び声を上げてはみっともない

本心を言えば進むことが怖かったが、しかし

天乃がいる手前、クラスメイトの手前

無様なままでいたくは無くて

大丈夫。大丈夫。と自己暗示をかけながら足を進めていく

雑草を模したビニール紐を踏み荒らし、

発泡スチロールで作られた墓石でささやかれる声に耳を塞ぎ、

飛来する火の玉に拳を叩き込んで

古民家をモチーフにした入り口―次エリア―への扉の直前

何処からとも無く現れた少年が瞬きする間に消えたのを記憶から消す

風「はぁ……はぁ……はぁ……っ!」

天乃「風、辛いなら――」

風「へっちゃらよこんなもん! 何か出てきたら叩き込んでやるわ!」 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/30(火) 23:24:44.49 ID:77vQR906o<>
乱れた吐息、

薄暗い光に当てられてみえる額の汗

平常心を損なっているであろうそんな状況で突き上げられる拳

明らかに不安しかない姿を前に

天乃は「危なかったら非常口ね」と

改めて声をかけて、機械仕掛けの鈍った動きに身を任せる

天乃「…………」

風「さむっ」

扉を開けた瞬間、月日をまたいでしまったかのような冷気に風と天乃は身体を震わせる

それは当然、室内で冷房がかかっているというだけなのだろうが

肌を撫でる絶妙な寒さが不快感を増し、恐怖心を煽る

キシ……ギシ……キィィィ

床に敷かれたスノコがまた、古めかしく廃れた古民家に合う音を歌う

天乃「ちょっと、寒いわね」

風「体、平気?」

天乃「ええ、温かくしてきたから大丈夫だけど……」

問題は、このエリアが女子生徒が泣きながら逃げ出してきた場所という事だ

この肌寒さに恐怖心を煽られ、

あまりにもショッキングな―言っていたことが確かならだが―映像を見せられて耐え切れなくなってしまったのだろう

そんな考えごとをしていたからか

あるいは、そもそもそれが【人ならざる者】なのか

「おや……またかい。なんなんね」

ぬぅっと影も音もなく、老婆が姿をみせた <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/30(火) 23:31:29.65 ID:77vQR906o<>
微妙な光に照らされる顔には、マスクによる固定された表情は無く

笑みや驚き、言葉の数々にズレなく順応する顔

丸みを帯びた背中、手や腕、足の心もとなさに、

露出した手や頬などの肌に見える皺

特殊メイクにしてはかなりレベルの高い精巧なつくりで

すくなくとも中学生の文化祭レベルで持ち出すような金額では作られないであろう姿

ゆえにそれは間違いなく、老婆だった

風「こ、今度はなによぉう!」

ぐっと握りこぶしを作って構える風に目を向けた老婆は

ふふふふっと怪しげな笑みを浮かべると

その丸まった背中を風に向けて玄関のどこかに手を触れて電気をつける

古民家らしい露出した電球は黄ばんだオレンジ色だ

「おとっちゃまじゃのう……しゃんしゃん来まい」

ぼうっとする風と天乃をみくらべた老婆は、

風に向かってやや強い口調で言うとそのまま歩いて奥まで進んでしまう

風「ね、ねぇ……あんな先生いた?」

天乃「出席日数足りてる貴女が知らないなら、いないんじゃないかしら」

職員室とかの清掃を行うパートさんがいて

みんながその人に出てくれるよう頼んだというなら話は別だが…… <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/30(火) 23:32:27.91 ID:77vQR906o<>
後戻りするわけにもいかず、

風はごくりと喉を鳴らして車椅子を押して先へと進む

相変らずな軋む音が演出する現実味を、

ダンボールの扉が悲しくも中和する中へと入っていく

天乃「……すごいわね」

中は和室になっており、古ぼけた畳が敷き詰められ、

年季の入った机が一つ……だが。

風「あれ……おばあちゃんは?」

どこにも老婆の姿はない。

入り口があって誘導されたという事は出口があるはずで

そこから出て行っただけなのだろうが

ややパニックになりつつある風はおびえたようにあたりを見渡すが

どこを見ても老婆が出てくる様子は無い

天乃「風、とりあえず先に進みましょう」

風「天乃……あれ、本物じゃないわよね?」

天乃「足があって話せているなら偽者じゃないかしら」

適当に嘯く天乃に対して「冗談じゃなくて!」と風は真剣だった

足の有無など九尾を知り、西暦勇者を知っているならば

真偽に掠りもしない事は明白だからだ <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/30(火) 23:47:44.88 ID:77vQR906o<>
天乃「霊感があるわけじゃないから定かではないけど……覚悟はしておいたほうがいいわね」

風「覚悟って……」

天乃「廊下で女の子たちが飛び出してきたのがこの辺り。そして女の人」

女子生徒を泣き叫ばせる地獄絵図を見せたのが

若い女性なのか

それとも年老いた女性なのかで話が変わるが

このエリアで行われる惨劇であることには代わりがない

風「……ま、まさか首が飛ぶ?」

天乃「かもしれない」

風「や、やばい――って」

引き返そうとした風の手が、止まる

車椅子が止まり、風の声が止まり

ただ、ガタガタガタ。という今にも壊れそうな音がするばかりで

天乃「どうかしたの?」

風「あ、開かないのよ! さっきは開いたのに!」

頑丈なはずがないダンボールの扉は

まるで鉄扉のように開くことを固く拒む

恐怖に震える手のせいかも知れないと天乃にゆだねるが

天乃「うん……施錠でもされてるんじゃないかしら」

風「施錠って、ダンボールなのに……ッ」

天乃「……落ち着いて。大丈夫だから」 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/30(火) 23:55:55.84 ID:77vQR906o<>
震える手を、包む

手を引いてあげることは出来ないけれど

そこにいて、勇気を与えることくらいなら出来るのだと

自分がいるから、大丈夫なのだと

車椅子で自力での移動が出来ないはずの天乃からは

とても強い力を感じて

風「あ、天乃……」

天乃「大丈夫。私が守るわ」

風「う、うん……」

そう微笑んだ天乃は

不意にあきれた表情を見せて「どうせマッチポンプだし」と

扉の方を眺めるが

そのつぶやきを聞き逃した風は緊張と恐怖にかき立てられながら

風「あ、開けるわよ」

すぐ目の前にいる天乃の事を信じて扉を開けると

老婆は待ちくたびれたように佇んでいた

「遅かったのう……ほれ、首が長くなってしもうた……」

風「ひっ……!」

言葉だけではなく

本当に……長い、長い首をにょろりにょろりと伸ばして <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/31(水) 00:04:42.19 ID:CgFyAJr5o<>
ではここまでとさせていただきます
明日は出来れば少し早めから
明日でお化け屋敷編は終わる予定fです <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/31(水) 00:14:33.37 ID:rV/VFEZuo<> 乙
怖がっている風先輩かわいいな <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/31(水) 00:25:46.92 ID:ot/MNEPgO<> 乙
お化け屋敷きてよかったな <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/31(水) 00:29:55.54 ID:x5YCbkKAO<> 乙
ある意味風先輩だからこそお化け屋敷は正解だったなw <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/31(水) 21:11:24.47 ID:CgFyAJr5o<>
では少しずつ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/31(水) 21:20:23.84 ID:/D3KCUaJO<> あいよー <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/31(水) 21:35:46.47 ID:CgFyAJr5o<>
風「ちょ、ちょち……っ」

天乃「……九尾でしょう。貴女」

驚きに戸惑い声にならない声を上げかけている風を横目に

天乃はいたって冷静に轆轤首と呼ばれる妖怪を模した何かへと声をかける

轆轤首はにょろにょろと長い首を漂わせて風の身体に巻きついていたが、

風「ひあぁぁぁぁぁぁ……」

青ざめた表情の風の一方

天乃には全く効果がない事を悟ってか

少しつまらなそうに舌打ちをして――女性体の九尾へと姿を戻した

九尾「何じゃつまらん」

天乃「つまらん。じゃないでしょう……このあと何するつもりだったのよ」

九尾「逃げた相手を追って首を伸ばし巻き付いて頬にぺろりと」

天乃「お遊びの範疇を超えてるわよ……」

機械人形ならともかく

明らかに生身な人間体がそんなことをしてきては

恐怖以外の何物でもないだろう

お化け屋敷に紛れ込んでいること自体はこの際

ただ文化祭を楽しもうとしているだけなのだろうから気にしないにしても

やっていることがあまりにも凄惨すぎると天乃は注意を述べてため息をつく

天乃「相手は普通の人なんだから……できるだけ優しいいたずらにしてあげて」

九尾「ふむ……相手次第じゃな」

本格的と銘打つからにはのう。と

九尾はイタズラな笑みを浮かべながら次のエリアへの入り口を指さす

風「もう帰るぅ……」

九尾「次で最後じゃ。安心せい」

風「ほんと……? 嘘じゃないわよね」 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/31(水) 21:46:10.63 ID:CgFyAJr5o<>
衰弱しきったような状態でありながら

九尾へとにらみを利かせながら訊ねた風は、無言の首肯を確認すると

途端に笑みを浮かべて「ならいくっきゃないわね」と車椅子を支えに足を進める

段ボールで作られたものではなく、

次のエリアに経由される教室本来の扉を開いたところで

天乃がふと思い出したように「そう言えば」と零す

風「ん?」

天乃「首を落とすのって九尾じゃなかったのね」

風「……えっ?」

天乃「場所的に九尾から逃げたんだと思ったけど……」

暗いから勘違いしちゃったみたいね

楽しげに苦笑する天乃の一方で

風は呆然と自分たちを飲み込もうとしている闇へと目を向ける

風「首……落ちる?」

天乃「九尾の伸びた首を勘違いしたのかもしれないし、風はどうする?」

ゴールテープを切るか

途中で諦めて足を止めるか

任せるという天乃の視線を受けて

風は少し悩んで……よしっ。と気合を入れる <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/31(水) 21:57:02.14 ID:CgFyAJr5o<>
風「い、行くわ」

天乃「大丈夫?」

風「まっかせなさーいっ!」

次のエリアで最後

それならもう突き進んでクリアしたい

そんな気持ちも確かにあって

意気込んだ風は扉を開けて先へと進む

後ろの扉は独りでにしまって退路を断ち

また、懐中電灯だけが頼りの世界へと切り替わる

車椅子の車輪が回る音

緊張感と恐怖心に早まる鼓動、乱れる吐息

やや過敏な状態に陥ってしまっている風は

何が現れてもいいようにと戦闘時のような覚悟を決めて

天乃の懐中電灯が照らす先をじっと見つめる

敷き詰められた段ボールの地面はほんの少し枯れ葉がばらまかれており

所々に踏み込まれた足跡と人の足が――

風「ひぃっとっ!?」

「あ、ごめんなさい」

若い女性の声が闇の中から聞こえ

天乃が人の足を懐中電灯で昇っていくと

讃州中学の制服を着込んだ女子生徒がマフラーとマスクを装備し、困った表情を浮かべているのが露になった <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/31(水) 22:10:13.37 ID:CgFyAJr5o<>
「このあとちょっと足場が悪いみたいで」

天乃「通れないの?」

「いえ、通れるんですけど一応念のために案内役として私が同行するんです」

風「そ、それなら驚かすんじゃないわよぉっ!」

案内係ならなんで懐中電灯付けていないのかと文句を言う風に

女子生徒は困った表情のまますみません。と謝罪を述べて

「一応は急に現れた方が驚かせられるかと思ったので」

風「質が悪いわよっ」

天乃「お化け屋敷なんだからそう言うものでしょ」

案内係だったという安心感があるからか

ほんの少しだけ賑やかになって、雰囲気が良くなっていく

「こほっ……寒くないですか?」

天乃「冷房かかってるから少しね。貴女は……大変そうね」

「ええ、まぁ……こほこほっ」

寒さに震えるそぶりを見せながら、何度も咳をする女子生徒にしたがって道を進む

九尾のいた古民家の裏口から出た先は山のような斜面を模しているのだろう

体感的には変わりがないが

数え切れないほどの草木が生い茂った風景は段々と下っていく

「この先ですね。獣道になっちゃうんですけどそこをかき分けて貰えれば大丈夫です」
<>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/31(水) 22:28:49.85 ID:CgFyAJr5o<>
しばらく進んだ先で女子生徒が光を当てた場所に目を向けると、

普通の扉とは違ってたくさんの枯葉を敷き詰められた壁が見えた

あれをかき分ければ先に進めるということだろう

風「凝ったことするわねぇ、掃除大変なんじゃない?」

「獣道ですから、人が通るようには作られていないんですよ……けほっこほっ――くしゅんっ!」

風「ちょ、大丈――」

咳ではなく大きなくしゃみが聞こえ、振り返った瞬間

ゴトリ。と

風の目の前で何かが落ち、足へとぶつかる

「あ……失礼しました」

相変わらずな声で謝罪を述べた女子生徒の懐中電灯の光がゆっくりと動いて風の足元を照らすと

さっきまで話していたはずの少女の首が転がっているのが見えた

風「ぅ゛い゛!?」

「簡単に落ちゃうんですよね」

悲鳴にさえならない悶絶の声を漏らした風の一方

女子生徒はさも当たり前のように苦笑しながら生首を掴んで

それに合わせるように「大丈夫?」と声をかけた天乃の懐中電灯が、

ポタリ……ポタリ

マフラーを赤く染め上げていく頭のなくなった首を映し出してしまう

風「ひっ、ぃぃっぃぃぃぃっ!?」

「いやぁ、マフラーだけじゃ全然守れなくて……だから風邪を……けほっけほっ」 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/31(水) 22:46:16.79 ID:CgFyAJr5o<>
ぐじゅり……ぐじゅり

不快極まりない生々しい音を響かせながら

ネジを扱うように生首を刺し込んだ女子生徒らしきなにかは

180度真逆に付け間違えている状態で。

「あれ、いなくなっちゃった?」

天乃「逆よ、逆」

「あぁ、ありがとう!」

風「く、くび……くっ……ぃぃっ」

この世のものとは思えないような音を奏でながら首を回した女子生徒は

困った表情のまま「自分だと良く分からなくてね」と

疲れたように溢す

天乃「ねぇ、そ――」

風「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」

ついぞ耐え切れなくなった風は叫び声を上げると、

悠長に話そうとしていた天乃の車椅子を押し込み、

阻む草の壁を蹴り飛ばして次のエリアへと天乃を連れて逃げ込む

風「ぜぇ……はぁっ……はっ……けほっ……ぃ」

天乃「大丈夫?」

風「だ、大じょっげほっ……わけ……」

天乃「とりあえず落ち着いて、ゆっくりと呼吸を整えて……」

運動後の乱れのように荒い呼吸をする風は、

天乃の声に従ってまずは息を整えることに集中して呼吸をして

風「なんなのよあれぇ!」

整った瞬間に声を張り上げた <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/31(水) 23:08:48.29 ID:CgFyAJr5o<>
風「首が取れたわよ首! しかも血が……っ! ぐじゅぐじゅって……ひぃぃっ」

天乃「作りこまれてたわね……どうやって作ったのかしら。気になるわ」

あれなら九尾に注意する必要もなかったのではと考え直している天乃の一方

風は平然と楽しむ天乃を睨むように見つめて

風「なんで楽しそうなのよぉっ! 首がっ、だってくび……うぅぅぅ……」

自分で言いながらまた思い出して

風は体を強く抱きしめて身震いする

今すぐにでも非常口から出してあげるべきなのだろうが

天乃は少し困ったようにあたりを見渡して

天乃「風、悪い知らせと悪い知らせどっちが聞きたい?」

風「どっちも嫌!」

天乃「そんな夏凜みたいな……あのね。エリア越えしちゃったから非常口がもうないわ」

そして、非常口に行きたければ

さっきの首なしの女の子が待つ部屋に戻らなければいけない

風「つ、つまり……ゴールするしかない……?」

天乃「そもそもそのつもりで九尾のところから進んだんでしょう?」

風「そりゃそうだけど……天乃の鬼っ!」

天乃「照れるわ」

風「褒めてないしっ!」

楽しそうな天乃の一方、半狂乱な風は爆発しかねない勢いで高鳴っている鼓動を抑えきれないまま

また先へと進む

覚悟とかそんな余裕はないのに

道はゴールする以外ないという焦燥感まで感じ始めていたからだ。 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/31(水) 23:09:15.01 ID:CgFyAJr5o<>
風「作り物、人工物……ふーっ、所詮偽物っ!」

天乃「こらこら」

風「幽霊の正体見たり枯れおば――」

「いやぁぁぁぁぁあぁぁぁぁっぁっ!」

風「なぁぁぁぁぁぁぁんでしょぉぅ!」

叫び、だんっと地団太を踏んだ風は戦闘態勢に入って

悲鳴が聞こえた方に目を向けるが、向かう先は闇

天乃の懐中電灯が道を照らしても映るのは暗く描かれた森林の風景

恐る恐るといった様子で車椅子を押しながら風は進んでいく

あの悲鳴が最後の仕掛け、人工物の。

そう心に強く念じながら、一歩ずつ

これが終わればゴール……人工のアトラクションの。

そう希望を持って先へと進む

見えてきたのは嗚咽を溢しへたり込む女の子だった

風「……ご愁傷様、さっ、天乃行くわよー」

天乃「その子を通過しないとゴールに行けないみたいだけど」

風「大丈夫よ。目を合わせなければ戦闘に入らないって千景が言ってたから」

天乃「それはゲームの話じゃ――」

「ぐすっ……ひっくっ……た、助けて下さい……」

風「無理ーっ!」

天乃「勇者部部長さん?」

風「だっ、だって明らかに罠じゃない!」

うずくまる少女の懇願から見事に身を退けた風に天乃は困った表情を浮かべたが

風は強く反論していやいやと首を振る

天乃も少女が仕掛けの一端である事は承知しているが

いやいや。といわれてもどうしようもないのだ

天乃「分かったわ。私が手を貸すからそこまで押してくれる?」

風「た、食べられるわよ!?」

天乃「食べられないって」 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/31(水) 23:22:02.53 ID:CgFyAJr5o<>
さっきまで言っていた人工物だの何だのというおまじないは何処へ行ったのか

すっかりおびえて近づこうとしない風に変わって

天乃は車椅子を自力で動かして近づく

天乃「どうかしたの?」

「ぐすっ、あ、あの……私、お願いがあって」

天乃「うん」

優しい声をかける天乃の後ろから顔を覗かせながら、風は様子を見る

危なくなったら逃げよう。全力で

そう、足に力をこめていく

そして――

「お前の顔をよこせぇぇぇぇっ!」

雄たけびにも似た声を上げながら勢い良く振り返った

天乃「っと」

視界に入ったのは顔のパーツの何もかもが零れ落ちたまっさらな皮膚

その少女には瞳も口も、鼻も、耳もなにもなかった

――のっぺらぼうだ

車椅子の肘掛けを逃れようのない力で掴み、顔同士がぶつかるような勢いで迫る

まるで目の前の人間の顔をそのまま奪い取ろうとしているかのように

だが。

風「そぉぉい!」

「ふぐっ」

風はのっぺらぼうの胸元に肘を打ち付けて天乃から引きはがすと

転がるのっぺらぼうを無視して先の道へと駆け出し、

少し進んだ先にある外からの光を受ける出口らしい出口の扉をあけ放って飛び出す <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/31(水) 23:33:49.00 ID:CgFyAJr5o<>
風「いえぇぇい、ゴールぅ!」

一人大喜びする風の傍ら

お化け屋敷の中で一番怖かったのが風のラストスパートに決定した天乃は

車椅子から落ちないようにと強くつかんでいたひじ掛けを手放して

深々とため息をつく

天乃「……あの子大丈夫かしら」

肘打ちを喰らったのっぺらぼうを心配して振り返った天乃は

教室の中へと耳を澄ましてみるが誰の声も聞こえることはない

ほんの足止め程度の軽い当て身だったのだから大丈夫だとは思うが。

天乃「風、一応最後の役の子にごめんなさいってした方が良いわよ?」

風「わ、分かってるわよぉ……」

天乃「ほんとう……苦手なのね」

とぼとぼと歩いていく風の疲れ切った背中を見送る天乃は

満足げに恍惚とした笑みを浮かべて、呟いた <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/31(水) 23:35:49.95 ID:CgFyAJr5o<>
√10月06日目 昼(学校) ※土曜日

01〜10 東郷
11〜20 沙織
21〜30 
31〜40 友奈
41〜50 
51〜60 
61〜70 夏凜
71〜80 
81〜90 若葉
91〜00 樹

↓1のコンマ  <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/31(水) 23:36:38.55 ID:/D3KCUaJO<> あ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/31(水) 23:37:32.34 ID:jr0QV4JjO<> あ <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/01/31(水) 23:39:09.78 ID:CgFyAJr5o<>
ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から

お昼も風先輩継続
夕方に勇者部合流……の予定 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/31(水) 23:43:37.80 ID:jr0QV4JjO<> 乙
楽しかったな <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/01/31(水) 23:45:44.53 ID:/D3KCUaJO<> 乙
久遠さんの無防備さと風先輩とのリアクションの差で笑った
こういう場面では終始久遠さんが優勢なんだな <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/02/01(木) 01:08:43.60 ID:yvg5Yvjyo<> 乙
この久遠さんは追い込まれてないからな
ほかの週と比べてもこの週が1番余裕あると思う <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/02/01(木) 16:39:52.30 ID:MmIRQCvno<> やっぱりこういう久遠さんが良いし可愛いし好きだな <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/02/01(木) 22:02:41.89 ID:fB9rHmdco<>
出は少しだけ <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/02/01(木) 22:08:01.23 ID:J22RtrJgO<> よしきた <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/02/01(木) 22:15:13.33 ID:fB9rHmdco<> √10月06日目 昼(学校) ※土曜日


天乃「こんな多目的トイレみたいな設備いつできたの?」

風「最近完成したというか、急きょ付け足したというか」

生徒や職員数に対し、讃州中学の校舎の大きさは容易に余る部分を残していたのだが

各階層のその一部分の空間が作り替えられ、立派な広いトイレが設置されていたのだ

元々広めの手洗い場が用意されているため、文化祭に訪れる一般利用者は使えないように

讃州中学の生徒及び教職員専用となっている

しかし、重厚な扉は押しボタンでの自動開閉

中に入ると一つの高機能洋式トイレ、低く広く作られた手洗い場、大きな鏡

所々に備え付けられた手すりに幼い子供用の寝台……と

生徒や教職員用にしては

明らかに行き過ぎた設備にも思える

天乃「……ねぇ、もしかしてなんだけど」

風「んーまぁ、でしょうね」

直接言われたわけではないから定かじゃないけど。と

風は苦笑しながら答えて、天乃をトイレへと連れ込んで座らせる

これはきっと、天乃の為の設備だろう

いつ何が起きるか分からない

そんな状況下でも登校することを選択し

連日体調不良になっている天乃への対策あるいは、気遣いだろう <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/02/01(木) 22:34:30.99 ID:fB9rHmdco<>
風「けど、天乃も本心では怖がってたのねぇ」

天乃「ん?」

自分だけではなかったと思っているからなのか

散々な目に遭った仕返しのつもりなのか

にやにやと笑いながら言う風は車椅子のポケットから新しい下着とスカートを取り出すと

天乃の靴を脱がし、靴下を脱がす

風「だから漏れたんでしょ?」

天乃「怖かったのは風の車椅子の扱いであってお化け屋敷じゃないわよ」

風「えっ」

天乃「そもそも、これ自体怖かったというより、本来の圧迫感に車椅子移動の圧迫感で押し出されてきちゃっただけなのよ」

風「あー……そう……ごめん」

天乃なら笑って対応するようなことだから。と

ほんの少しからかうつもりだった風は、

それが自分のせいであるという罪悪感に俯きがちに謝ったが

天乃は「仕方がないことよ」と、やっぱり笑いながら許しを述べる <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/02/01(木) 22:47:46.55 ID:fB9rHmdco<>
天乃「風、手袋した方が――」

風「汚いわけじゃないし」

天乃「でも」

風「むしろ聖水とも言われるって東郷が言ってたわよ」

天乃「あの子の話を真に受けないで」

スカートのファスナーを下ろし、手すりを支えに腰を上げると

濡れてしまった下着とスカートの両方を風が脱がして密閉袋にしまう

天乃「むしろ私の方が申し訳なく思うわ」

風「それこそ仕方がないことでしょ」

ただでさえ足が動かない替えの難しさがあるのに、

妊娠してお腹が膨らんだことでどうあがいても自分ではそういった交換が出来なくなってしまったのだ

風「どうせなら出し切っちゃった方が良いんじゃない?」

天乃「そうね……」

風が目の前にいるということに羞恥心を感じた様子もなく、

天乃はまだ残っている分を出し切って

その間に風は車椅子自体が濡れていないかを確認し、

トイレットペーパーで拭い、スプレー洗剤をしみ込ませたタオルで拭く。 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/02/01(木) 22:55:38.28 ID:fB9rHmdco<>
目を向けたくなるような音がする中、

風は一心に作業を行って……思わず生唾を飲む

天乃「……駄目よ?」

風「み、みみみないわよ!」

天乃「ううん、それは別に良いのよ。駄目なのはなんか、こう……ゴクリって言うから」

風「たまたまだから!」

流石にそこまでレベルの高い真似は出来ないと

風は背中を向けながら否定して、それをしている自分の姿を想像して顔を真っ赤にし、

慌てて首を振って振り払う

風「だ、大体……見ること自体……」

天乃「一時期尿瓶にするのを手伝ってもらってた身としては、もはやそんなことにこだわる気は失せたわ」

羞恥心のない恋人でごめんなさいね。と

冗談なのか何なのか分からないことを言う天乃に、

風はそんなこと言わなくて良いから。と

カラカラとトイレットペーパーが扱われ、水が流れたのを耳で聴きとってから

振り返って、改めて清潔なタオルで天乃の臀部、秘部をしっかりと拭い、

改めておりもの用シートとショーツ、スカートを天乃に付けて息をつく <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/02/01(木) 23:07:00.56 ID:fB9rHmdco<>
風「でもエッチの時は――っと、メールね」

えっちが何なのよ。と怪訝な表情を浮かべる天乃を横目に

風は受け取ったメールを確認して、満足げな笑みを浮かべながら

天乃へと目を向けると「ほら」と、端末を差し向ける

天乃「?」

向けられた端末の画面に映る差出人は東郷。

内容はいたってシンプルに任務完了と書かれ

これより勇者部は散策に移ります。夕刻、部室に来られたし。と続きが書かれていた

天乃「果たし状か何か……?」

風「東郷なりのジョークあるいは疲労感によるハイテンション」

東郷の場合は冗談もあり得るし、真面目な場合もあるし

ただただ疲れているからおかしくなってしまっている場合もあって。

天乃は「そうねぇ」と呟いて端末を一瞥し、

真剣に考えることは放棄したのだろう息をつく

天乃「つまり劇の準備は終わってみんな文化祭を回ってるってことね」 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/02/01(木) 23:07:52.98 ID:fB9rHmdco<>
風「せっかくだから合流すれば良いのに」

天乃「それぞれ楽しみたいこともあったんじゃないかしら。変に気を使わない。あの子達らしいじゃない」

特に夏凜。と、天乃は嬉しそうに笑う

誰かが天乃と合流してみんなでどこか回ろうといっても

夏凜ならきっと、散策中に会ったらしたらいい。とか

会いたければ愛に行けば良いと言うだろうと天乃は思う

寂しがらせたから。とか

そう言った理由で変に気遣っても

その気持ちが先攻してしまう可能性があるから。

天乃「それじゃ、このままデートを続けましょうか」

風「でー、デートって……そ、そりゃ……確かにそうだけど……」

急に言われて驚き状況が状況だからか、

それとも、浮かべる笑みの愛らしさに当てられてか

風は少しだけ照れくさそうに頬を染める

天乃「あら……もしかして二人きりの個室だからってえっちしたいの?」

風「はっ!?」

天乃「ふふっ、冗談よ」

風「ぐぬぬ……っ」 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/02/01(木) 23:16:13.60 ID:fB9rHmdco<>

これからの行動

1、メイド喫茶
2、執事喫茶
3、写真も撮れる写真展
4、占いの館
5、ゲームセンター(古典部)
6、漫画研究会
7、外の屋台巡り
8、風に任せる

↓2 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/02/01(木) 23:17:27.97 ID:BabakPyqO<> 8 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/02/01(木) 23:18:35.74 ID:J22RtrJgO<> 1 <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/02/01(木) 23:23:52.74 ID:fB9rHmdco<>
ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から

次スレは明日立てます <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/02/01(木) 23:28:15.89 ID:J22RtrJgO<> 乙
個室トイレのシチュってさおりんとかなら凄くうらやましがりそう <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/02/02(金) 00:16:31.47 ID:UNuDs/erO<> 乙
スレの残りがないから書き込むの待ったほうがいいな <>
◆QhFDI08WfRWv<><>2018/02/02(金) 22:16:23.55 ID:dyw7JPvuo<> 【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【十四輪目】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1517577349/

続きは次スレで行います <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/02/02(金) 22:19:46.47 ID:26f6emZ3O<> 了解 <> 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします<>sage<>2018/02/02(金) 22:24:26.51 ID:8oEQzd2h0<> 1000ならハッピーエンド <> 1001<><>Over 1000 Thread<>             /          \
            /   、_/_  l     `` ‐- 、
          /   , -─/-、  !         `ヽ、
         /   i  _/  ,'  、_/__ /   !   \      _ _, ----──‐‐--
        /    ` ̄  /   / / ̄   l     / ̄  ̄
      /         -‐′  ,'      | | ___ /     ,
     /        __/__  └---   l,イ´  /`ヽ.   /  -─‐
    /         /   , ヽ        l.  /   丿 /   ヽ、
  /        r‐-、 /   /  l    '  /   '´ /      `
 /         ヽ  X.   /   ,!   -L. /     '´
/           `´ `    /   ー|ァ'       ,      、__/
                   /   ,. -‐ァ、_    /        /  ̄_
                   /  i   /      /       /  ,   `   /
                     ` 7      i     ,!  /   !       /
                      /      ヽ._ ノ   /     \     /
ヽ.                    /               .  ,. --、   /
  \                /                  /   ト. /
   ヽ、_             /                  /`ヽ、_/ l /、
       ̄ ̄``ヽ、      /                /'     // i
            \.     /                ァ′      //   |   
             ``ヽ./          ___./     //    l      SS速報VIP(SS・ノベル・やる夫等々)
                 ̄  ̄  ̄ ̄  ̄ ̄     /      /ー'  ̄  ヽ、    http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/
<> 最近建ったスレッドのご案内★<><>Powered By VIP Service<>【安価コンマ】モバP「彼女欲しい……」(2nd) @ 2018/02/02(金) 21:46:39.75 ID:Q9IjQXUVO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1517575599/

アルミン「ミカサ」エレン「明太マヨ」デデン! @ 2018/02/02(金) 21:26:59.09 ID:l5dwuxmn0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1517574418/

八幡「大洗女子学園?」 @ 2018/02/02(金) 21:10:46.54 ID:f7nyW01G0
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鞠莉「運命の相手が曜だった...」 @ 2018/02/02(金) 20:51:52.90 ID:1ebl6xk40
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自衛艦隊これくしょん2―節分戦線異状アリ!?― @ 2018/02/02(金) 20:48:41.02 ID:1YudO+/40
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P「・・・なにこれ?」光「ヒッポリト星人のあれ」 @ 2018/02/02(金) 19:13:21.63 ID:YskqL1KX0
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【安価】宮永咲「下駄箱に手紙が…」 @ 2018/02/02(金) 18:42:04.89 ID:a7sFFsbq0
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冬こそ旅に出るっちゅう @ 2018/02/02(金) 18:37:23.60 ID:jbs6GqrAO
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