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別に新ジャンルじゃない「ひょんなことから女の子」Part2
1 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/06/10(火) 18:16:51.31 ID:vtaj2wA0
ここは「ひょんなことから女の子」スレ Part2です。

誰かが女の子になったり、何かが女の子になったりしています。
デフォのキャラがいないので、自由にキャラを作って下さい。
別に新ジャンルじゃないし既出も上等。何でも自由、ただし節度を持って。
あなたも「ひょんなの子」を妄想してみませんか?

・過度のリアル報告・自虐、自動保守は避けましょう。
・書きたければ迷わず書こう。長編でもSSでも何でもおk。
・投下する時はコテや作品名をつけるとまとめやすいです。



Part1 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1177071350/
まとめwiki http://www12.atwiki.jp/hyon/
避難所 http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/computer/31732/

ということでおねがいします。どしどし投下おk。
2 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/06/10(火) 18:39:37.08 ID:20mWLUgo
>>1
3 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/06/10(火) 19:35:53.73 ID:IdgWBx.o
>>1乙です
4 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/06/10(火) 21:47:46.17 ID:0Z1bfUDO
激しくいちおつ!


このスレ立ては価値あるスレ立て
5 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/06/11(水) 00:23:33.74 ID:sjL9yH2o
よくやった
俺を女の子にする権利をやろう
6 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/06/11(水) 00:48:46.85 ID:NYLS4Rw0
>>1乙

ひょんなのこ描いてみたいのだが…どうしたらひょんなのこっぽくなるんだろう?
セリフとか無しだとすげえムズいように思うんだが
7 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/06/11(水) 02:16:41.02 ID:v4C.2k2o
>>6
セリフ無し、単体絵、Before/AfterのうちAfterのみ描く
って制限をつけるなら、無茶苦茶ムズいんじゃないかと。
大抵の場合、外見は女そのものになっちゃってるからなぁ。

あえて素材を挙げるなら、ブカブカ男服とか、男っぽい仕草とか、驚き・戸惑いの表情とか……。
または「下着に困る」みたいな場面を考えてみるとか……。

あるいは、絵単体であることにこだわらないなら、
自作SSを併用したり、既存投下作品の絵を描かせてもらう、ってのもアリだと思う。
8 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/06/12(木) 03:46:10.16 ID:C0yZi2s0
>>1
9 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/06/14(土) 00:13:16.39 ID:xOn.MwDO
(´・ω・)描いてみた。
ひょんなのこに見えない+なんかおかしけどが気にしないでくだちい



http://l.upup.be/?1ouLxCmw2Y
10 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/06/14(土) 02:42:13.05 ID:DqtVs2go
消えてね?
11 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/06/14(土) 02:48:33.16 ID:MKY8KIoo
PCからだと見れなかったぜ
12 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/06/14(土) 06:55:38.43 ID:xOn.MwDO
http://s.pic.to/r9c25


これでどうでしょ?
13 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/06/14(土) 10:24:45.26 ID:P.2LveYo
>>12
PC許可よろ
14 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/06/14(土) 16:57:44.01 ID:FTCvX9E0
GJ!
15 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/06/15(日) 02:32:02.88 ID:3s5ObOY0
>>12
GJ!!

それにしても投下無いなぁ…
16 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/06/15(日) 15:54:25.37 ID:Hv.P8Fgo
前スレも埋まらないのに移住してる時点でお察し
17 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/06/16(月) 10:17:32.86 ID:/nRLd86o
忙しすぎて話が練れません

っていうのを言い訳にしたらお仕舞いだよなマジで
18 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/06/17(火) 19:28:16.21 ID:JqCDTyk0
>>9だが…ウィキの10万ヒット記念に安価でもしてみよう
なるたけ頑張るが期待に添えなかったらすまん

19 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/06/17(火) 20:46:00.90 ID:ZtqG53go
>>18
安価幾つなんすかww
とりあえず加速↓

というか、まとめ10万HITか。すごいな。
俺も何かかいてくる。
20 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/06/18(水) 01:30:15.63 ID:en5W7vk0
下ってことだろ
じゃあ、かわりに安価ゲット
21 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/06/19(木) 10:26:50.55 ID:8daXdQDO
>>20把握した。
仕事終わったら描くぜ
22 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/06/19(木) 23:09:01.00 ID:8daXdQDO
http://s.pic.to/r9c25 の三枚目です。
一月くらい前に朝起きたら猫耳生えた女の子になった夢を見ました……寝姿が上手く描けなかったんでこんなネタで申し訳ない。


今見ると全くひょんなのこ関係ないし、そういや10万HIT記念も関係ないですね。だが後悔は(ry
でも反省はしている。
23 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/06/20(金) 01:14:19.79 ID:PqBF.XIo
獣耳いいよ獣耳
24 :ひょんなことから女ねこ ◆Z5if4Sx6mU2008/06/20(金) 02:40:51.64 ID:PqBF.XIo
「今日の給食、魚だったでしょ?」
家に帰るなり母親にそんな風にからかわれた事があった。
どうも頭をかく癖があるらしく、食事中に手から頭に匂いが移るそうだ。

無類の魚好きで、一人暮らしをはじめてから魚を食べることも多くなった。
昔の事を思い出したのは、鯵の塩焼きを食べながらつい頭を触ってしまったのだ。
まだ癖が直っていないんだな、と苦笑いをして食事を続ける。
その苦笑いを向ける相手がいないとさびしいものだ。

そんな自嘲じみた平和な時間は長く続かなかった。
突然、胃の中が沸騰したような、痛みと熱さを感じたのだ。
必死で吐き出そうとするが、思うようにいかない。
倒れこんだ体の隅々に、痛みが広がってゆく。
意識を失うのに時間はかからなかった。


混沌とした色の中に一匹の猫がいた。
「王女様、はじめましてキャシアです」
キャシアと名乗ったその猫は、王女に向かって話しかけている。
その王女がどこに居るのかと思ったが、猫は自分に向かって話しかけている。
「王女…だと?俺は男だが、猫は人間の性別もわからないのか」
「目覚めれば理解できるでしょう。あなたが必要なのです。はやくお目覚めになってください」
そうか、これは夢だ。夢というのは往々にして無茶な設定の物語が繰り広げられる。
猫に言われなくても目覚めてやろう。あした大学に提出するレポートの続きを書かないといけない。
目の前が色あせ、やがて闇になった。
25 :ひょんなことから女ねこ ◆Z5if4Sx6mU2008/06/20(金) 02:44:44.72 ID:PqBF.XIo
目を開くと、倒れる前のことが鮮明に思い出された。
レポートどころじゃない。俺は食事中に胃から痛みを感じて倒れて…
まったく、魚が嫌いになりそうだ。毒でも混ざっていたのだろうか。
「ちょっとまてよ、おかしいぞ」
何かがおかしい。毒で倒れたならまだ苦しんでいるはずだ。
体に異常らしき異常は感じられず、倒れているのが信じられないほどだ。

だが、無意識に頭を触ると信じられない感触に心臓が止まりそうになった。
あってはならないものが頭にあり、顔の横にはあるべきものがない。
耳が、獣のような耳になっていたのだ。

「一体なんだこれは!まだ夢なのか?」
叫びながら起き上がろうとして、テーブルの下に居たために頭を打ってしまう。
ただ頭が痛いだけでなく薄い耳が傷つくリアルな感覚が、自分を正気にさせる。
ついでに体のあらゆる所を点検すると、今までの自分とはまったく違う体がそこにあった。
「獣の耳が付いた…女、だと?」
姿見の前に立って改めて確認すると、体つきはどう見ても少女のそれで、
人間のものではない耳に加えて、ご丁寧に尻尾まで生えている。
どことなく自分に似ている少女の顔が、冷静な顔で自分を見つめている。
驚きを通り越して冷静になった頭で、夢の話を思い出した。
26 :ひょんなことから女ねこ ◆Z5if4Sx6mU2008/06/20(金) 02:48:18.71 ID:PqBF.XIo
「みゃぁ」
鳴き声の主は、夢の中で見た猫だった。
「えっと、君がキャシアなのか?」
床に座って猫に話しかける。
「王女様、突然で申し訳ございません。今まで人間の雄として生きてこられたので、
 さぞかし驚かれたでしょう。しかし時間がないのです。王宮で女王様がお待ちです。
 説明は道中でいたします」
「ちょっとまて、もうちょっとまて、いやまて。何がなんだかわからない。
 とりあえず獣の耳がついた女になってしまったのは、無理やり理解した。
 だが、王女?夢の中でも俺を王女と呼んだが、一体それは何だ。
 出かけるには知識が無さ過ぎる。ついでに言えば、着ていく服も無い。」
相手が一息で話してきたから、負けじと畳み掛けるように言葉を吐き出す。
キャシアはその剣幕に驚いたのか固まってしまった。
しかし王女への連絡係を任されただけあってか、すぐに平静を取り戻す。
「もうしわけございません」
そう言ってから語り始めた説明を要約すると、
ニャンス王国という猫の国の王女であること、
女王が人間界で子を育てた、つまり自分の母親がニャンス王国の女王だったこと、
そしてニャンス王国が今存亡の危機にある事だった。
27 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/06/20(金) 02:51:30.73 ID:PqBF.XIo
猫耳を見てつい書き始めてしまった、反省はしていない
設定に無理があるけど続くのか?この話ww
28 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/06/20(金) 16:04:27.83 ID:Cl2WCbQo
>>27
超展開でもいいから続けてくれ
29 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/06/21(土) 06:44:28.54 ID:uWootgAO
ってか先に前スレ終わらせた方がいいんじゃないのか?
30 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/06/23(月) 09:55:32.89 ID:4SCgA9Ao
終わったみたいだな
31 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/06/23(月) 13:08:59.07 ID:qNy1JcDO
みんなに質問したいんだが…
女の子になりたいのか?
女の子になっちゃった奴に萌えるのか?

俺はどっちかって言うと前者なんだが…
32 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/06/23(月) 13:09:58.86 ID:QNtcnLYo
俺は後者だ
33 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/06/23(月) 20:01:10.18 ID:vp.QTXIo
俺は両方だ
34 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/06/23(月) 21:44:09.63 ID:tZ1WiLco
自分も女の子になって別の女の子になっちゃった奴と性的にキャッキャウフフズブリズブリ
35 :本日、六月二十四日は全世界的に、UFOの日です2008/06/24(火) 11:19:05.80 ID:K5.WhDEo
お薬ハプニングのネタが固まってきたが文章にできねぇ
誰か俺に思考力をくれ、いやマジで

先週の金土日の三日間で脳味噌オワタ…
36 :本日、六月二十四日は全世界的に、UFOの日です[sage]:2008/06/24(火) 15:20:06.78 ID:uPbAzkDO
>>35(´・ω・)つ旦
まあ飲みぃや。ゆっくりして落ち着いたら…
また書けるさ。今まで書けてるんだもの。
焦らない事も大事だよ。
37 :本日、六月二十四日は全世界的に、UFOの日です2008/06/24(火) 19:34:42.29 ID:LEy10k.o
俺も書けないときは全然だわww
こういう時は何もしないのが一番だwwww
38 :本日、六月二十四日は全世界的に、UFOの日です2008/06/24(火) 20:52:05.22 ID:WPcpo5A0
俺も書けん。いや、書けはするんだがそれが自分で面白いと思えん。
TS要素のある小説やらゲームやらでモチベーション高めてるよ。
39 :本日、六月二十四日は全世界的に、UFOの日です2008/06/24(火) 23:15:28.05 ID:vGC/TSko
>>TS要素のある小説やらゲーム
kwwsk
40 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/06/25(水) 02:32:15.73 ID:CVEq6A60
>>39
エロゲおk?
なら鋼炎のソレイユを薦める。エロだけじゃなく日常も結構面白い。エロゲにエロをあんま求めない身としては、こういうTSエロゲがもっと増えて欲しい。
戦女神zeroもやりたいけど時間が無いww
小説なら最近だとケンプファーか、薄いけど。
正直商業よりネットのssの方がいいの多いよなぁ。そこにある物置。の作品全般とか、古いし更新停止中だけどゴンザレスとか、キラービーとか。
最近だとある魔女の受難に注目中。
ここだと長目さんの『クロ/クロ』が一番好きだ。
41 :ひょんなことから女ねこ 2 ◆Z5if4Sx6mU2008/06/26(木) 04:40:23.00 ID:Cu.tk7oo
一通り説明を聞き終わるうちに、別の猫が服を用意してくれた。
もちろん家にある服は男物の服だけだから、女性服が必要だったのだ。
キャシアともう一匹の猫にリビングで待ってもらい、着替える為に奥の部屋に入った。
「しかし、これを着るのか…」
猫が持ってきたからといって、服が変だという事は無かった。
しかし、いくら体が女性化したと行っても中身は男だ。抵抗がある。
それでも今は女なんだから、これを着ないほうが変だろうと諦める他なかった。

部屋着を脱ぎ捨てると、やわらかな少女の肌があらわになる。
下着まで脱ぐと「失われてしまった部分」を見てしまい、愕然とした。

さっきの説明を信じるなら、自分は王女なのだから今が本当の姿だという事になる。
「20年近く男として育ってきたのに、今更これはないだろう…」
薄暗い部屋に、少しだけ高くなった声が静かに響く。
つい言葉に出してしまったのは、
隣の部屋のキャシア達に今の絶望感を伝えたかったのかもしれない。
ただ、伝えたところでどうにかなるとも思えなかった。
42 :ひょんなことから女ねこ 2 ◆Z5if4Sx6mU2008/06/26(木) 04:40:55.43 ID:Cu.tk7oo
ズボンだったら、幾分か楽だったかもしれない。
しかし用意されたのはスカートだった。着てみると思いのほか頼りない。
だから、部屋を出たときにキャシアから「お似合いです」といわれたのが恥ずかしかった。
猫の目線ならスカートの中が見えるのではないか?と思って。
後でこいつの性別を確かめておかないとな。名前からすると、雌のようだが。

そう考えていると、キャシアが怪訝そうにこっちを見ていた。
「どうしました、そろそろ行きましょう」
王女に対して言っているとは思えない、どこか遠慮のない声で急かされる。
でも自分も王女である実感がない。
「そうだな、案内してくれ。」
少しだけ偉そうに言い放ち、さっきまでの絶望感など無かったかのように振舞った。
「では行きましょう。われら猫の地、ニャンス王国へ」
そう言ったキャシアの顔は、少し安心したような表情だった。
43 :ひょんなことから女ねこ 2 ◆Z5if4Sx6mU2008/06/26(木) 04:41:29.14 ID:Cu.tk7oo
マンションを出るとキャシアが先頭に立ち、その後ろに自分、さらに後ろに一匹の猫が続いた。
道中に詳しく説明をすると言っていたのにキャシアはずっと黙っていた。
キャシアに声をかけようとしたが、よくよく考えるとこの世界では猫が喋るのはおかしなことだ。
最初に会ったのが夢の中だったから良かったものの、
突然猫が喋りだしたら、びっくりするどころではないだろう。
仕方がないので黙ってついていく。

街中を歩いているので、夜でも人通りが多い。
猫に挟まれて歩いている自分はどんな風に見えただろう。
それと、ほんの数時間前に変わってしまった体が、どう見られているのかも気になった。
ただ幸いなことに、興味を持って視線を送る人など居なかった。

きょろきょろと辺りを見ながら歩いていると、ふと前にキャシアが居ないことに気づいた。
先導のキャシアは猫だ。ちゃんと下を見ていないと、当然だが見えなくなる。
足元を探そうとしたときに、足首に何かが当たった。キャシアだ。
無言で足首を叩き、前足を路地に向ける。この路地に入れということだ。
44 :ひょんなことから女ねこ 2 ◆Z5if4Sx6mU2008/06/26(木) 04:42:57.52 ID:Cu.tk7oo
狭くて暗い路地に入ると、奥は真っ暗だった。
歩いてきた道と平行した道路があるから、路地はその道に通じているはずだ。
目を凝らして見てもやはり真っ暗だったが、ふと光るものを見つけた。
「王女さまのおなり!」
そうニャンスが言う先には10匹の猫。光っていたのは猫の目だ。
「お帰りなさいませ!王女様!」
何も知らなければ、猫が集団で鳴き喚いているようにしか見えなかっただろう。
そんな大合唱で迎えられた。

2匹+10匹の猫に連れられて路地を抜けた先は、広大な別世界だった。
ニャンス王国の入り口は丘になっていて広い範囲を見渡せるのだが、
どうやら見える範囲には城はないらしい。

7匹の大きなネズミが牽く車が用意され、これで城へ向かうという。
車に乗ると、いっぺんに色々ありすぎて疲れたからか、すぐに瞼が落ちてくる。
詳しい説明を聞こうと思ったのに、聞く気力はなかった。
ぼんやりと意識が薄れる中、車は城に向かっていた。
45 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/06/26(木) 04:48:39.78 ID:Cu.tk7oo
>>28
なんとか続いたぜww
46 :題名は無い ◆KYq8dD7k0Q[sage]:2008/06/26(木) 09:24:33.35 ID:F1fv6Hwo
友「男ーつまみの追加まーだー?」
男「ほらよ次はこれだ、豚キムチかつぶしあえ」
友「こりゃうめぇ、何処で知ったんだこんなの」
男「この前、女と居酒屋に行ったときに喰ったら美味かったんでアレンジしてみた」
友「かー、女とデートかよ、この幸せもんが、でも悔しいなお前が女だったら俺が欲しいくらいなのに。」
男「そんな関係じゃねーよ。って言うか、お前気持ち悪いこというんじゃねぇ!」
友「へぇへぇすいませんでしたっと。酒切れたな追加するか?」
男「いや、俺そろそろ帰るわ呑みすぎっぽいし、二日酔いになるだろうから多めに寝たい。」
友「たまにはオールでも良いじゃねーかよ、どうせ休みなんだし」
男「ばっか、休みだからこそじっくり寝たいんだよ。ここのところ午前様ばっかりだったから寝不足だしな。」
友「じゃーそこで寝ればいいだろ、俺この辺で寝るから」
男「家で寝たいんだよ。微妙に炊いた米残してきちまったから、明日の朝喰わないと捨てる羽目になるし。」
友「相変わらず細かい奴だな、まぁいっか、又呑もうぜ。おめーの料理美味いから食いたいし。」
男「今回も全額ださせてすまねーな。礼はそのうちするわ。」
47 :題名は無い ◆KYq8dD7k0Q[sage]:2008/06/26(木) 09:26:23.95 ID:F1fv6Hwo
男「う〜ん、頭がボーっとするな。」
男(なんか布団が重いな・・・)
男「まだ酒残ってるんかなぁ・・・世界が広いな」
ぶつくさ云いながら布団から出る男。
男「って、腕細いし手が小さいし何だこれ、胸?洗面所行ってみるか」
男(何か歩きにくいな歩幅おかしいし?)
男「とりあえず顔おうああああああああああああああ!」
男(同じ表情だから俺だよな、夢だよな?)
鏡に映ったのは可愛い女の子だった。
男「はふぅ・・・気に成って思わずシャワー浴びて色々調べてしまった。」
男「どうすっかなぁ・・・」
48 :題名は無い ◆KYq8dD7k0Q[sage]:2008/06/26(木) 09:28:22.57 ID:F1fv6Hwo
あたっらし〜いあ〜っさがきったきぼぉ〜おのあぁ〜さぁ〜
男「と電話だ、はいもしもし」
友「あ、男?って、声からすると妹ちゃん?横に居たらたたき起こしてくれない?」
男「いや、俺だって!男だって」
友「またまた、からかってるだけでしょ?まぁ寝てるならいいや、
タバコとライター忘れてってるから取りに来いって言っといて」
男「だから、俺だって、切りやがった」
男「取りあえず服着るかって、サイズがどうすんだろ」
男「トランクスはだぶだぶ過ぎるな、妹と同じっぽいしここは仕方ないか」
妹の部屋のドアをノックする
妹「朝っぱらから兄貴何か用?開いてるから入って良いよ」
49 :題名は無い ◆KYq8dD7k0Q[sage]:2008/06/26(木) 09:29:17.62 ID:F1fv6Hwo
男「なぁ、妹パンツ貸してくれない?」
妹「な!アンタ誰よ!いきなり裸にバスタオル一枚で入ってきて!」
男「いや、お前の兄なんだが、朝起きたらこうなってた」
妹「何冗談言ってるのか知らないけど、気持ち悪いし、
兄貴はそんな華奢じゃないしって言うか女でもないし!」
男「ほう、じゃあお前が小学2年生までおねしょが治らなかったことや、
未だに辛いカレーが苦手で、甘口に蜂蜜とバナナと牛乳まで入れないと食えないことや、
最近自分で下着だけ洗うよ・・・」
妹「わーわーわー!待って判った兄貴だって理解したって言うか信じるから勘弁して」
男「と言う訳でパンツ貸してくれ」
妹「はぁ・・・ありえないけど仕方ないか」
50 :題名は無い ◆KYq8dD7k0Q[sage]:2008/06/26(木) 09:30:19.03 ID:F1fv6Hwo
男「取りあえず下着とか買わないとダメかなこれ」
妹「兄貴に負けた兄貴に負けた、背がうちより低い兄貴に負けた」
男「妹よ・・・パンツは丁度良いんだけど、上どうしたら良いんだまぁ俺のTシャツでいいか」
妹「ばっ!ちょっと待て、せめてこれ付けて。」
男「ふむ、伸びるから入るか、しかし友の家行かないとだめなんだが。」
妹「まず服何とかしてからにしなさいよ。買い物付き合ったげるから」
男「でも、忘れ物取りに行くだけだぜ?」
妹「判りました、あたしが一緒に行って受け取ってくる。それで良いでしょ」
男「で、その後服を買いに行くと」
妹「そういうこと」
51 :題名は無い ◆KYq8dD7k0Q[sage]:2008/06/26(木) 09:31:21.49 ID:F1fv6Hwo
友「お、妹ちゃんいつも可愛いね、ところでその後ろの大胆な子は?」
妹「それより兄貴の忘れ物頂戴、今日は急いでいるから、今度紹介する。」
男(実は男なんだが、とかいったら妹にしばかれるよなあ)
友「ほい、じゃータバコとライター」
妹「どうも、じゃあ又ね」
男「さて、服を買いに行くか」
妹「忘れ物ってこれかい!代わりの買えば良いじゃない」
男「ばっか、このジッポでつけたときの香りがな」
そう言って、タバコに火をつけて吸い込もうとする
男「ごほっがはっえへっえへっ・・うええなにこれ」
妹「兄貴タバコ止めてたら?体質も変わったんじゃないの?」
男「くやしいな・・・もったいないから残しておこう」
52 :題名は無い ◆KYq8dD7k0Q[sage]:2008/06/26(木) 09:32:07.40 ID:F1fv6Hwo
妹「まさか、2カップ負けるとは・・・」
男「初めて知ったああやって計るんだ。しかし70のDとは」
妹「声に出すな恥ずかしいっ!て、言うか、道端で弄るな」
男「減るもんじゃないし良いだろ自分のだ」
妹「兄貴周囲の目を気にしなさい」
男「・・・・・・・サーセン」
妹「でも、身長とバスト以外全部同じとは、ある意味嫌味ね」
男「しかし、困ったな、理想が出来てしまった。」
妹「は?何のこと」
男「俺が女に成ってしまったらそれはもう理想の女って事じゃないか?」
妹「う・・確かに、でもすげームカツク」
男「取りあえず、スカートは勘弁してもらいたかったんだがスースーするぞこれ」
妹「我慢なさい、ロングパンツの方が高かったんだから予算ぎりぎりだったじゃないの」
男「たしかに、でも喫茶店ぐらいいける程度あるし行こうぜ」
53 :題名は無い ◆KYq8dD7k0Q[sage]:2008/06/26(木) 09:33:02.62 ID:F1fv6Hwo
妹「アイスミルクティーとこのリンゴのシブーストってのセットで」
男「アメリカンホットであとチョコレートパフェ」
店員「かしこまりました、少々お待ちください」
妹「・・・兄貴まさかそう来るとは思わなかった。」
男「一度食ってみたかったんだよな。」
妹「ほー、だからいつもあたしが食べてると欲しそうだったのか」
男「気付いてたならくれよ!」
妹「甘いもの好きだし、くれって言わない限りやるつもりは無かった。」
男「おのれ〜」
店員「お待たせしました」
男「きたきた、チョコパフェ初体験」
妹「なんかはずい言い方すんな馬鹿兄貴」
男「〜♪」
妹「聞いちゃないなこいつ」
54 :題名は無い ◆KYq8dD7k0Q[sage]:2008/06/26(木) 09:33:50.14 ID:F1fv6Hwo
男「又食べたいなあれ。」
妹「味覚まで変わってしまいましたか」
男「そう言えば戻りにコンビニで何買ったんだ」
妹「んー、帰ってからで、必要に成ったときでいいと思うけど。」
男「わかった。」
チャラ夫「おじょーちゃん達暇してたら遊ばない?」
妹「やれやれ。」
男「うぜぇ、もうちょっとまともな台詞覚えて出直して来い!」
妹はあきれつつぼやき、思い切りにらみつけつつそう返す。
チャラ夫「は、はい・・・」
チャラ夫(何だ今の迫力)
妹「根本は相変わらずなようですね、お兄様」
男「なんのことだ?」
妹「いえなんでも」
55 :題名は無い ◆KYq8dD7k0Q[sage]:2008/06/26(木) 09:35:18.55 ID:F1fv6Hwo
妹「そう言えば、彼女である女さんに報告したんですか?」
男「彼女じゃないんだって!タブンちなみに知っているのはお前だけだ」
妹「取りあえずメールしてみたらどうですかね?」
男「判った。あて先友、女、タイトル大変だ、内容女になっちまったどうすればいい?と」
妹「いやそれ・・・まあいいです。」
男「返信はえーな!友、kwwskとな、返信、家に来いと」
妹「・・・」
男「女からも着たな・・・奇遇ね私は男になったわ・・・なん・・だと!?」
妹「ちょうどいいようですね」
男「ちょ、電話してみる」
女「あー、はい男?声で判るかもしれないけどどうしよう」
実に男らしい声である。
男「こっちも声で判るだろうけど、どうしよう」
凄く可愛らしい声である。
女「とりあえずそっち行くわ」
56 :題名は無い ◆KYq8dD7k0Q[sage]:2008/06/26(木) 09:36:00.20 ID:F1fv6Hwo
友「マジカヨ・・・男だけならず女ちゃんまで」
女「やー参ったね、どうしよっかこれ」
友「男結婚s(ぼかっがすっ)」
抱きつこうとして、男と女に殴られる友。
男「何とちくるってやがる」
女「そうだ、男は私のだ」
勢いで言う女。
男「おまっ!いやまぁ、喜んで」
やや照れつつ返答を返す男。
妹「何このバカップル告白してないんじゃなかったの?」
男・女「あ・・・」
男「なんてこった!」
友「何はともあれおめでとう?くそっ」
妹「やれやれ、馬鹿集団だったか」

このお話はひとまずおしまい。
57 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/06/26(木) 09:54:17.14 ID:F1fv6Hwo
うっかり、sageのまま書いてた
女ねこさんの作品wwktkしながら読んでたんだけど
我慢できずに書いた後悔はしてない
58 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/06/26(木) 12:36:02.39 ID:1Ka2yQDO
お二方、激乙なんだぜ?

(´・ω・)意欲はあるのに絵描けねって何なのかね。
59 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/06/26(木) 14:27:13.08 ID:sL/hFXQo
>>45
乙〜続きの続きwwktk

>>57
乙!久々に新ジャンルらしい会話ばかりのktkr
60 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/06/26(木) 15:34:21.44 ID:JGVKx5E0
どっちもGJ!
61 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/06/26(木) 16:58:45.72 ID:a6kF0FIo
投下いっぱいキタ━━━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━━!!

乙!
62 :題名は無い ◆KYq8dD7k0Q[sage]:2008/06/26(木) 22:06:09.00 ID:F1fv6Hwo
>>58
意欲があったらとりあえず描きまくるしかないかと
そのうち解決するかも知れないから是非に描いた絵を投下してくれ。

>>59
新ジャンルっぽくするために無理やり削ったからかなり変な文章に成っていてサーセン
書いてみて思ったけど皆よく会話だけであれだけかけるわ。
63 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/06/26(木) 22:47:37.29 ID:fjAMr/wo
>>57
乙!
>>62
ですよね〜会話だけのは難しいwwww
俺は普通にしかかけないわ(それですら怪しいのに)ww
64 :45[sage]:2008/06/26(木) 22:48:15.32 ID:fjAMr/wo
あ、IDかわってたww
65 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/06/26(木) 23:05:49.14 ID:F1fv6Hwo
>>63
普通なのでも描写が良ければいいと思うんだぜ

続き書こうかと思ったけど、エロシーン省略したら叩かれそうで書けない俺が居る
66 :題名は無い ◆KYq8dD7k0Q[sage]:2008/06/27(金) 00:30:03.50 ID:k01jh1Yo
自重せずに続き

男「ところでさっき買ったのなんだったんだ」
妹「あれはまー、友が帰った後ね」
友「女ちゃんは良いのかよ!てかちゃんも変だなこれ」
女「女って呼び捨てで良いよ」
男「では俺は男様って呼ぶんだ」
妹「うわーキモイわ」
友「了解であります男様っ!なのでお慈悲をっ」
抱きつこうとするも女に止められる
男「駄目に決まってるKYだぜ友」
妹「空気読んだからあの行動じゃないのか」
女「止めない方が面白かったかな」
友「まぁ、邪魔者らしいから帰る」
67 :題名は無い ◆KYq8dD7k0Q[sage]:2008/06/27(金) 00:35:14.14 ID:k01jh1Yo
妹「さて、友さん帰ったし」
買って来た物を出してくる、いわゆる生理用品である
男「なんで、生理用品?」
女「なるほどね、元女とはいえ居て良いのかな?」
妹「まあ、ほらなにぶん経験も無いわけですし。それに、付き合うことになったのなら良いかなと」
女「初めては戸惑うかもしれないからね」
妹「じゃあまず、知ってると思うけど月経説明から」
男「あるってのは聞いてるけどどんなもんかまではしらん」
妹「(月経説明略)」
男「何か面倒くさそうだな」
女「面倒なんてもんじゃないよ、じゃあ使い方は私から」
男「とりあえず開けてみてみよう。棒のとはんぺんみたいなのかわからんなこれ」
女「(使い方などの説明省略)」
68 :題名は無い ◆KYq8dD7k0Q[sage]:2008/06/27(金) 00:36:22.63 ID:k01jh1Yo
男「ふむふむ・・・じゃあこの、通称座布団って方使えばいいか、指入れようとしたら痛かったし。」
妹・女「なん・・・だと?」
男「いやほら、気に成って朝シャワー浴びつついろいろ弄った」
妹・女「・・・・馬鹿が居ます」
男「しかしこれ、直に貼り付けるんじゃなくて、パンツにつけるのか、はがしたとき悩んだけど」
妹「って、一個無駄にしてるし。まぁいいわ次からは自分で買うこと」
男「へいへい、何時成るかわからないなら持ってないと駄目か。面倒だな」
女「其れよりも、大きな問題があるけどどうしようか」
妹「なにがです?」
男「なるほど、明日から会社どうするかか」
女「部長に連絡してみようか」
男「いやその前に親に知らせないとまずくないか。」
69 :題名は無い ◆KYq8dD7k0Q[sage]:2008/06/27(金) 00:37:26.90 ID:k01jh1Yo
男「あ、母さん?俺だけど」
母「ああ、男もやっぱりなっちゃったか。お父さんやっぱりなったみたい」
男「は?ナニガ?訳わかんない」
母「いや、だから女になったんでしょ?うちの家系たまに有るのよね」
男「遺伝?冗談だろ・・・」
母「だからアンタの名前どっちでも良いようにつけたじゃないの」
男「・・・わかった。これ治らないの?」
母「死ぬまでずっとそのままみたい、ちなみに母さん」
電話を切る男
男「遺伝らしい」
女「これは、もしかしてうちもなのか」
70 :題名は無い ◆KYq8dD7k0Q[sage]:2008/06/27(金) 00:37:49.32 ID:k01jh1Yo
女「あ、父さん?女だけど、男になっちゃった」
女父「んーあーごめん」
女「ごめんって何?」
女父「父さんな、男の子欲しかったから必死に研究して薬作ったんだ」
女「・・何で遺伝子研究所に勤めてるのかと思ったら」
女父「いろいろ実験して大丈夫そうだったんで使った、後悔はしていない。」
女「母さんは知ってるの?」
女父「もちろん母さんも欲しかったから応援してくれた」
女「なんて親達だ・・・丁度良かったからいいわ。」
女父「なんだって、じゃあ男のままで良いのか!?」
女「いいわ、男が女になっちゃったし。」
女父「納得は行かないがまあ良い。名前はもともと平気なようにつけたしな。」
女「こっちもかい!」
71 :題名は無い ◆KYq8dD7k0Q[sage]:2008/06/27(金) 00:38:11.18 ID:k01jh1Yo
男「なんだか大変そうだな」
女「問題は無さそうだからいいんじゃないかな」
男「さて部長に電話するか」
部長「男君なんだね?」
男「もしもし部長」
部長「妹ちゃんかい?男君に何か合ったのかね?」
男「いや部長、男なんですが朝おきたら女に、そして女ちゃんが男に成ってしまいました」
部長「ギャグだろ?とりあえずシャメうp」
男「じゃあ、二人とも撮影して送ります」
えーと撮影・・・IDじゃ無くて社員番号付けてっと
メール送信
72 :題名は無い ◆KYq8dD7k0Q[sage]:2008/06/27(金) 00:38:52.51 ID:k01jh1Yo
部長「まぁ事実のようだが、明日は朝着たらそのままデスク待機で、社長に報告だ」
男「わかりました」
女「制服とか着替えとかどうするんだろ。」
男「背広は俺ので丁度良さそうだな、試しに着てみろ」
女「おー丁度いいね、なんて便利な体」
男「俺が着てたときより似合ってやがる」
女「うーん、そっちのはあたしのだとロング系は全部駄目ね、上は丁度良さそうな気もするからとってくる」
男「了解とりあえず、家で待ってるわ、あーついでだから俺の服まとめて持ってけもう着れないし」
女「ありがと、じゃあ又後で」
大量の着替えをゴミ袋に詰め込んで持ち帰る女しわになりそうである。
妹「兄貴はずっと女のままですか」
男「一度変わるとしんでも戻らないらしいからな。」
妹「そうでしたか。」
73 :題名は無い ◆KYq8dD7k0Q[sage]:2008/06/27(金) 00:39:38.10 ID:k01jh1Yo
女「そう言えば男は、女に成ってしたの?」
男「そういうお前はどうなんだ?こっちはシャワーで弄ったといっただろ痛いだけだったが」
妹「二人とも自重・・・」
女「してみたわ、朝起きて最初になんていうかすっごい疲れた」
男「んー?そんなもんかね、男のときはそんなでも無かったが」
女「いやだって、あそこまで大きくなると思わなくて。」
男「なん・・だと・・・?ちなみにどのぐらいだ」
手で長さとサイズをジェスチャーする女。
男「それは冗談だろ、俺だって標準よりちょっと有る程度だったけど」
妹「ふむ、其れが事実だとすると、なるほど。」
女・男「何時から其処に居たっ!?」
妹「ここはそもそも私の部屋です。二人の世界入るのは構いませんが、せめて兄貴の部屋でどうぞ。」
74 :題名は無い ◆KYq8dD7k0Q[sage]:2008/06/27(金) 00:39:51.85 ID:k01jh1Yo
男「二人の世界じゃなければいいと、そうだせっかくだから女見せろ」
女「何言ってるん・・・(にやり)おk判った」
おもむろにズボンを脱ぎ始める
妹「・・・・(わくわく)」
男「恥ずかしがってないぞ・・何こいつ・・・」
女「こんなんだけどどうなの?」
男「平常時でこれかよ。硬くなったらと考えると危険だな」
妹「なるほど、判りました。とりあえずしまってください」
女「はいはい、しまいますよっと。」
男「で、何がわかったんだ」
妹「要するにですねバストカップ=ナニのサイズです。」
男「なるほど確かに女確かぎりぎりFだったよな」
女「うんGにぎりぎりならないFだったね」
75 :題名は無い ◆KYq8dD7k0Q[sage]:2008/06/27(金) 00:40:43.94 ID:k01jh1Yo
男「でもって俺は標準よりちょっとだけ大きめだった」
女「ということは今サイズは?」
男「70のDらしいぞ」
女「おー、丁度良さそうなちょっともまs(がすっ)」
男もなぜか殴られる
妹「二人とも自重してください。兄貴も仮にも妹が居る前で」
男・女「サーセン」
妹「しかし、兄貴懲りずに又弄るつもりですか?」
男「そりゃもちろん、神秘探求って奴だ痛いだけだったが。」
女「ちゃんと教えてあげないとそのうち怪我したり病気になりそう」
妹「其処で提案ですが、正しい(?)しかたを教えましょうか?」
女・男「!?」
76 :題名は無い ◆KYq8dD7k0Q[sage]:2008/06/27(金) 00:41:01.97 ID:k01jh1Yo
妹「と言うのも、兄貴をたまには苛めてみたいって言うのも有りますが。」
女「あ、それ賛成てか、あたしも混ぜろ」
男「ナニコレ、貞操の危機って奴?俺弄ばれる?」
妹「否定しないということは肯定と取ります。」
女「じゃあとりあえず脱ぎましょうか。」
妹「ちなみに、兄貴は女さんに教えてあげること。」
男「ちょ、おまいらそんなさくさく脱ぐな、こっちは外し方が判らないんだから。」
妹「兄貴それフロントホックだから後ろ幾ら弄っても外れない。」
男「あ、ホントだ、店員の人に色々つけてもらってそのままだったから、どっちだか忘れてた。」
女「自分で付け外しできるように練習からだね。」
妹「ちなみに両方のタイプとも4つずつ買ってあるので、両方練習からです。」
男「何て面倒な、フロントの奴だけでいいじゃないか。」
77 :題名は無い ◆KYq8dD7k0Q2008/06/27(金) 00:41:47.43 ID:k01jh1Yo
女「そうもいかないよ、たまに肌によって前だとかぶれる人も居るから。」
妹「ふむ、幸い大丈夫そうですね」
男「おま、人の乳両手で広げて真中見るな」
暫く付け外しの練習をさせられる男
妹「では練習はこの辺で」
女「本題と」
妹・女「いきましょうか」
男「お前等ハモるな、って言うか目つきがこえええええええ!」
〜〜〜お好きに妄想してください、ただし男を開通するなよ!〜〜〜
男「何か・・・もうね・・嫌い。」凄く泣きそうな顔
女「ごめんごめん、可愛かったからついやり過ぎました。」
妹「まさかあそこまで上手いとは、勉強になりました。」
男「もうやだこの人たち・・・しねばいいのに・・・」

すまんやっぱりエロシーンはかけなかったwwwwwwww
今度こそ終わり・・・だと思いたい。
78 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/06/27(金) 00:46:50.50 ID:SLMAWLIo
わろたwwwwwwwwww
79 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/06/27(金) 22:33:32.93 ID:k01jh1Yo
わろてくれる人が居てよかったwwwwwwwwwwww
最近のスレ見るとエロシーン無いと駄目そうなので敢えて省略します
まぁ、エロシーン書けといってもかけませんがwwwwww
80 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/06/29(日) 01:09:32.03 ID:vqzqQCI0
GJ!

とりあえず書いてみたのでうP。

81 :vqzqQCI02008/06/29(日) 01:10:58.12 ID:vqzqQCI0
どんだけ☆エモーション  (その1)   

「さすがにこの姿も当たり前のようになってきたなぁ。」
鏡をじっと見つめる俺。鏡の前には以前の俺じゃない顔が映る。

ピンポーン、
家のインターホンが鳴る。
「お、いけねっ。」
俺は時計を見る。
AM7:40 
もうこんな時間。奴が迎えにきてしまったよ、急げ。
ばたばたと制服を着込み、鏡の前で最終チェック。
よしっ、寝ぐせ無し。他のところもOK。
「迎えに来てくれているんだからぁ、早くしなさいよ〜」
母さんの声。
「はぁ〜いっ! 今、行くー!」

何はともあれ朝の洗顔、着替え、夜の入浴、歯磨き等、日々鏡の前に立つ
イベントの時は現在の俺自身の姿を認識せざるを得ない。     
ひょんなことから女の子になってしまった俺の存在を…。
82 :vqzqQCI02008/06/29(日) 01:12:43.84 ID:vqzqQCI0
  ◇
 それは遡る事1週間前。
いつものように高校の授業を終え帰宅している時の事だった。
「おーい、待てよヒロアキ」

 ヒロアキは俺の名前。某都内の高校に通う何の変哲の無い
男子高校生だ。授業が終わったら俺は速攻で自宅に帰るつもりだった。
バリバリの帰宅部の俺は自宅でパソコンに向かう時間を今宵無く
大事にしているからである。…単なるネット中毒ともいうか。

そんな俺に声を掛けたのは友人のサトシ。
思えば小学校からの付き合いだ。
俺と違ってサトシは運動部で活躍しているのだが
今は試験期間中ということもあり、一緒に帰る約束をしていたのだ。

「一緒に帰る約束していただろう?なんで置いて行くかな」
少々渋い顔をしてサトシは俺の横に並んだ。
「悪いな。オレの頭の中はネットとかゲームとかで一杯なんだ。
ついオマエとの約束を忘れてしまったぜ。」
悪びれない俺。
「お前さぁ、サッカー部を辞めてから付き合い悪くなったよな〜」
サトシがぼやく。
「仕方無いだろ。怪我をして部を辞めてから興味がPCに移って
しまったのだからさ。それよりもサトシはオレと違って
レギュラーの選手だし、女の子達にも人気有るんだからさ
そろそろ彼女でも作って青春をエンジョイしたらどうだ?」

そう、サトシはサッカー部のレギュラーであり
しかもルックスが結構いい方なので周りの女子連中からは
かなり人気がある。最近よく色んな女子から告白されているもんな…。
「エンジョイとは古いな…。俺は女にはあまり興味無いし、
今は自分のやりたい事を好きなようにやりたいだけだ。」
「女に興味が無い!? …オマエ、もしかしてホモ?」
「ホモじゃネーヨ!! ってゆーか二次元オタクには言われたくねーぞ!」
何だかムキになって否定するサトシ。…怪しい。
83 :vqzqQCI02008/06/29(日) 01:14:22.32 ID:vqzqQCI0
「聞き捨てならないなぁ…。オレは純粋にアニメやギャルゲーを
楽しんでいるだけだ。オタクと呼ばれるレベルにはまだ到達してないぞ。」
「それはどうだか…俺は知ってるぞ?お前が新作のギャルゲーを買う為に
前日から某所に徹夜で並んだり、某アニメのフィギュアでハァハァしている事を…」
「ハハハ、流石、親友だなオレの事を良く分かっているようで。
…で、それが何か?」悪びれず胸を張る俺。

「開き直るなよ…。ハァ…それにしてもこんな奴が一時であっても
サッカー部において俺と最高の攻撃のコンビであったなんて
信じられないよ…」
頭を抱える素振りをしながら俺の姿を見るサトシ。その表情は
俺を馬鹿にするというよりは途中でコンビを解消してしまった俺に対する
やり切れなさが漂っていた。
「う…、そんな顔すんなよ。オレだって好きで怪我をして部を
辞めたワケじゃないんだからさ…。」
サトシに恨めしそうな表情をされると正直、俺はつらい。

思えば小学のサッカーチームの頃から俺とサトシはコンビを組んで
いたんだっけ。小学、中学とサッカーの大会ではこのコンビで
全国とまではいかないまでもいいところまで勝ち進んだもんな。

当然 高校でもサッカー部でコンビを組んで「目指せ全国」と息込んでいた
矢先の俺の怪我&退部。
俺はともかくサトシにとってはかなりショックだったようで、
数日の間 落ち込んでいたのはほぼ一年前のことか。

その後、サトシは一年生でありながらもレギュラーのポジションを
とって現在に至るわけだが、元々サッカーの才能はあるんだよなアイツは。
今では部にとって無くてはならないポイントゲッターだもんな。
それに比べて今の俺は…。何やっているんだろうな。
好きだったサッカーを辞めて毎日インドア三昧だもんな。
84 :vqzqQCI02008/06/29(日) 01:15:38.70 ID:vqzqQCI0
「どうした?」
俺の顔を怪訝そうに覗き込むサトシ。
「い、いや、何でも無いっ! ちょっと考え事をしててな…。」
「…悪い。俺なんかより一番辛いのはヒロアキなのにな。
お前がサッカーを好きなのは俺だって知っているのに…。
無神経な事を言って済まなかった。許してくれ。」

俺の表情の変化に気が付いたんだろう、今の俺が何を考えていたのか
察したサトシは済まなそうな顔をした。
「い、いきなり何だよっ!? お前に謝られる理由なんて
オレにはさっぱり解らないぞっ? と、とにかく頭を上げろよ!」
慌てる俺。何だか分からないが自分の顔がカーッと赤くなって
いるような気がする。

「そうか?お前が気にしてないのならいいんだが…」
頭を上げたサトシは俺を見つめている。
ホント、コイツは昔から俺の事を誰よりも理解してくれるいい奴
なんだよな。

俺がもしも女だったらサトシの彼女になってもいいかも。
…って、俺は何考えてるんだよっ! そんなんじゃ無いんだからねっ!
…ツンデレ?

「どうした?」怪訝そうに俺の顔を覗き込むサトシ。
「な、何でもないから! ほ、ホラ、早く帰るぞ!」
また慌てる俺。先刻とは違った意味で自分の顔が赤くなっていくのを
感じた。
とりあえず気を取り直して俺とサトシは取り留めの無い話をしつつ
家に帰った。
   ◇
サトシの家は俺の家の近くにある。
先に俺の家に向かうのはいつもの事である。

「じゃ、ゲームしないでしっかり試験勉強しろよ」
俺の家の前に着くなりサトシはそう言って帰ろうとした。
「うるせー、オレの楽しみを試験ごときにつぶされてたまるかよ」
サトシの言葉に思わず反発する俺。
「はいはい…まぁ、いいや。明日はサッカーの朝練がないから
迎えにいくからな。」
サトシはそう言うと自分の家へと帰っていった。
「さて…、ゲームに興ずる前に食糧の買い出しをせねばな。」
俺はそう言うと家に入らず足早に近所のコンビニへと向かった。

まだ時間は正午になったばかり。
丁度 昼飯時で腹が減ったところである。

いつもと違って時間はたっぷりあるのでコンビニに向かうルートを
若干変更して近所の大きな公園の間を通り抜ける事にする。
身体を動かす事は嫌いじゃない。脚の状態が良ければまた
サッカーの復帰を考えている位だ。…まぁ、無理なんだけど。
85 :vqzqQCI02008/06/29(日) 01:16:55.94 ID:vqzqQCI0
天気が良いので公園内は歩いていて非常に気持ちが良く感じる。
空気が爽やかなんだよなぁ。
昼飯時のせいか公園内は人がいない。
かなり大きな公園で緑が多いせいか人の姿が見えづらいという話もあるが
これはこれで貸し切り状態で悪くない気がする。
とりあえず俺は公園内の広場のベンチに座ることにする。
丸太を縦半分にして作られたベンチは背もたれの無いものであったが
非常に座り心地が良い。

「あ〜たまにはこういうのも悪くないよな…」
座る事に飽き足らず俺はそのままベンチに寝そべった。
目の前には雲一つ無い青い空が現れた。

「考えてみたら前の日、朝方までゲームしてたんだ…」
天気のせいかそれともベンチの寝心地が意外に良いせいか、ともかく俺は
そのまま眠りにつこうとしていた。

と、その時である。

とろんとした目で俺はぼんやりと空を見ていたのだが
雲一つない青い空の中に白い点が見えた。

「…ん?」
はじめ小さな点でしか無かった「それ」はどんどん大きくなって、
俺のところに落下してきているように見えた。
「!?」
夢うつつの俺はそれが現実か夢かの判別もつかない状況であったが
自分に向かって迫り来る「それ」の存在に慌てた。

「これは、まずい…!」
身体を起こそうとするもまるで金縛りにあったかのように自分の身体が
動かない。

「おいおい、なんだよっ!」
必死に身体を動かそうとするがぴくりともしない。
益々焦る俺。
そうこうしている間にも俺の目前まで「それ」は迫り来た。
…もう、駄目だっ!

「くうっ!!」
白い物体が俺の身体に衝突するその瞬間、俺は目を閉じた。

ドン!! 大きな衝突音がした。

自分の身体が凄く揺れたような感じがした。





俺はそのまま気を失ってしまった。
86 :vqzqQCI02008/06/29(日) 01:18:11.14 ID:vqzqQCI0
          ◇
目を覚ますと俺は自分の部屋で寝ていた。

あれ? 何時の間に家に戻ったのだろうか?
そう考えながらベットから身を起こし、辺りをきょろきょろと見回す。
ご丁寧に制服は既に着替え終わっていて、ハンガーに自分の制服が
かけられている。
よっこらしょ、と俺はベットから出る。何だか身体が気だるい。
自分の身体が自分のもので無いような感覚だ。

まだ半分寝惚けてながら俺は部屋を出ると居間に向かう。

それにしてもさっきの公園での出来事は何だったのだろうか?
まだ寝起きで頭がうまく回ってくれないのだがとりあえず色々考える。

公園のベンチで寝そべって頭上から何か正体不明の白い物体と衝突した
ところまでは記憶しているが、今考えて見るとそれが現実の
出来事かどうかなんて正直なところ実感できない。
もし、さっきの出来事が本当だとすると俺は一体どうやってここまで帰って来たのか
謎だらけだ。ひょっとして夢だったのかな?

まだ外が明るいところを見るとそんなに時間が経過していないようで
何気に腹が減っている俺は台所の中を物色し始める。

「ん〜、母さん何も作ってくれてないのか…」
試験期間に入るので帰宅が昼ごろになる事を伝えていたのにも関わらず
母さんは昼の準備はしてくれなかったようで。
そうなると益々腹が減ってくる。

「仕方ねぇなあ…」
俺は軽く舌打ちすると、台所の戸棚の中からインスタントラーメンを取り出し
ガスコンロに水を張った鍋を乗せると火を点ける。

お湯が沸騰するまでやることの無い俺は居間でテレビのスイッチを入れ、チャンネルを
チェックしはじめる。
飯食ったら何するかな…。試験勉強? はは、ありえねー。
やっぱ、ネットサーフィンとしゃれ込むかな。まずは。
ぼんやりとテレビ番組を観ながらこの後の予定を考えてみたりする。

あー、それにしても何だか身体がだるい。
だいぶ目が覚めてきたにも関わらず、どうも身体が変だ。

目が覚めてからずっと続いている俺自身の違和感。
意識がハッキリし始めてからだんだん違和感が大きくなっているのを
俺自身感じてしまっているのはどうにも否定できない。
自分の身体が自分の身体でないような感覚がさっきからずっと続いているんだよな。
それになんか不思議な事に自分の身体が変化しているような気がする。
87 :vqzqQCI02008/06/29(日) 01:20:01.77 ID:vqzqQCI0
どのように変化したかというと、まず身体が縮んだような。何故か普段着がブカブカなんだよな。
視界も妙に低くなったし。
次に妙に身体がふにふにしているような。特に胸のあたりと腰まわりとか。
それなりに筋肉質であったはずの自分の身体がふにふにしている。
太ったというより、肌に弾力感があってふにふにして柔らかい。、
特に胸のあたりなんて膨らんでいて一体何なんだよ、これじゃ女みたいじゃないかよ。
…そんなに大きくは無いけど。
肌もすべすべしているし、そんなには濃くは無かったけど体毛がすっかり無くなっているし。

「あー、あー。 こほん! あー、てすてす。」
声も何だか高くなっている。まるで、女だ。

それに決定的におかしいのが今の俺の姿だ。居間に設置してある鏡には
いつもの俺じゃない人物が映っているんですが。
とりあえず顔かたちは俺なんだが、女みたいな俺。って、どうみても女の子な俺。
輪郭が丸っこくってふっくらとした感じになっている。
肌もすっかり白く綺麗になっているし、瞳もなんかパッチリしている。
髪の毛も気付かないうちにボサボサの短髪からちょっと栗色の艶やかな
女の子のショートヘヤーっぽく変化している。
う〜ん、顔の造形はそんなには悪くないけど、どこかで見たことのある顔だ。
鏡の中の人物は俺の動きを真似て同じ動きをする。
こら、俺の真似すんなって。あ、でも笑うと何か可愛いじゃねーか。

そうこうしている間にもコンロに乗せた鍋のお湯が沸いてきた。
「…とりあえず、メシだ。」

現実から逃れるように俺はのそのそと動きづらいダボダボの普段着に苦戦つつ台所に向かう。

と、その時
「ただいまー! ヒロちゃん、帰ってきていたのねー
ゴメンねぇ〜、お腹空いたでしょ、すぐお昼にするからね〜」
「だから言ったでしょ、早く帰らないとお兄ちゃん帰ってくるって」
いきなり玄関のドアが開くなり俺の母さんが騒がしく帰ってきた。

これはまずいのではないか?
一瞬、俺の思考がそう告げたのだが次の行動に移る前に
俺の姿は母さんと、母さんと出かけたらしく一緒に戻ってきた妹にあっさりと見つかった。

「え?」

「へ?」

「…や、やあ、お帰りなさい」

その瞬間、居間で3人は固まったままお互いの姿を見つめていた。
88 :vqzqQCI02008/06/29(日) 01:26:32.16 ID:vqzqQCI0
続きはあるのだろうか。
途中で投げたらスマソorz
89 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/06/29(日) 01:40:04.21 ID:.lmuohAo
導入部がどうみてもBLwwwwwwww
90 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/06/29(日) 09:33:27.36 ID:yha1GX.o
なんと言う寸止めwwwwwwww
続き待ってます
91 :長目[sage]:2008/06/29(日) 16:24:36.69 ID:jlLK6Oco
最近投下増えてきてるねぇ。良きかな。

ttp://www12.atwiki.jp/hyon/?plugin=ref&serial=174
もう『クロ/クロ』とか覚えてる人いないだろうなぁ、と思ってたら、
ちょい前に名前を挙げてもらえて嬉しいやら恥ずいやらw
92 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/06/29(日) 16:38:11.32 ID:HSkN1eI0
>>88
GJ!
続きwktk

長目さんがいらっしゃった!
93 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/06/29(日) 16:40:44.01 ID:bcnK8oYo
>>91
あなたが神ですか。
94 :題名は無い ◆KYq8dD7k0Q[sage]:2008/06/29(日) 21:08:47.34 ID:yha1GX.o
まとめwiki作品一杯ありすぎて未だにどれも見てないけど
早速読んできます。

>>91
絵もかける神とはすばらしいです.
95 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/06/30(月) 02:00:43.52 ID:7FWgefAo
きたあああああああ
96 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/07/01(火) 02:29:14.71 ID:KO6PQ1E0
なついなあ
97 :vqzqQCI02008/07/01(火) 04:27:37.86 ID:vmXdN6E0
どんだけ☆エモーション  (その2)

「まあ、全くの他人という気がしなかったから信じることができるわけなんだけど…」
晴子もとい、俺の母さんはため息をつきながら俺の顔をじっと見る。

とりあえず、俺と母さん、妹の3人は居間にて座り込んで話しをしている。
俺がヒロアキであることは意外にも二人は信じてくれた。
俺にも事の経緯が分からない状況ではあるが、とりあえず自分の身に起きた事を
出来る限り説明した。二人はふんふんと納得して聞いてくれた。
しかし、その後俺の身体は二人によって色々なチェックを受けたのは言うまでも無い。
あんなところやこんなところ、挙句の果てにはそんなところまで!
詳しいことは割愛させていただくが俺は二人によって剥ぎ取られた洋服を
顔を真っ赤にして涙目になりながらいそいそと身につけていく。
ううっ、俺もうお婿(この場合はお嫁か?)に行けないよ…。

「うん、あたしも初めてお兄ちゃん、…いや、この場合はお姉ちゃんか。
見た時にどうみてもこの人はうちの家族の人間だな、って疑い無く思っちゃったもん。
だって、雰囲気が私が高校生まで成長したらこんな感じかなって。」

おいおい、「お姉ちゃん」って俺のことかよ。
まあ今の姿じゃどう見ても「お兄ちゃん」でないことは確かであるがな。

それにしてもさっき鏡で自分の姿を見たとき誰かに似ているなと思ったら
母さんと妹の実由に似ているのか。実由に言われて俺はハッと気付いた。
だから鏡を見た時に俺が女の子みたいになってしまった事には納得できないものの、
女の子になった自分自身の姿には意外に違和感を感じなかったのはそういうことだったんだ。

「…でもね〜、どうしようか〜。まさか娘がもう一人増えるなんて考えもしなかったわ。」
割と楽天的な性格の母さんではあるのだが、さすがにこの事態には少々困っているようである。

「別にいいじゃん。あたし、お姉ちゃん欲しかったし。」
中学2年の実由は呑気にそう言うと早速俺の横に座り込み腕を組んでくる。

「お、おい、実由…。」
「やっぱり、兄妹、じゃなくて姉妹だよね〜。
ふふっ、それにしてもお姉ちゃん、あたしやお母さんに似て可愛いよね。」
おいおい、俺を持ち上げてんの? でも何気に自分が可愛いと言ってるようですが。
ちなみに母さんも高校生の俺がいるにも関わらず見た目がえらく若く見える。
実由が自分の母親を可愛いというのもあながち嘘ではない。
実際は40代のババ…って、イテッ!!
「今何気に失礼なこと考えて無かった?」
俺の耳を引っ張りながら可愛らしく笑いかける母さん。
「そ、そんな事ありません!」
敬語な俺。
「そう? それならいいんだけど〜。」
見た目20代そこそこにしか見えないこの女性は俺の耳を離すと
今度は引っ張った部分を優しく撫でる。
「まあ、こうなったら母さんも腹を括るしかないわね〜。」
母さんは母さんなりに事態の収拾を図るべくゆっくりと立ち上がると
電話の受話器を持ち上げる。
ん? どこに電話をかけるんだろ?
98 :vqzqQCI02008/07/01(火) 04:32:01.56 ID:vmXdN6E0
「お姉ちゃん、立って立って!」
俺が母さんの様子を見ていると自分のほうに気を向かせたいのか実由が騒いでくる。
「何なんだよ、実由は」
中学生になってから俺と若干の距離を取るようになっていた実由であったが
久々に俺に懐いてきているのはどんな理由なんだろうか。

俺がかったるそうにしているのも気にせず実由は俺を無理やり立たせる。
そして俺の周りをくるくる回って俺の姿をじっと眺めまわす。
「むぅ…。これは…」
「じろじろ見んなよ。俺に何かついているのか?」
「全然だめっ!!!!」
「ほえ?」
しかめっ面で俺にびしっと、ひとさし指を突き出す。
「何なの? さっきからその格好は!」
「これが何なんだって?」
「少しは女の自覚を持ったらどうなの? そんなくたびれたダサい格好しちゃってさ!
お姉ちゃんは女の子なんだからもっとそれらしい格好しないと駄目なの!!」
さらに今度は実由は俺の今着ている服を両手で引っ張りはじめた。
「ち、ちょっと! 実由!! おま、おまえ何してるんだよ!」
「いいから、いいから!」
「な、何がいいんだよっ! ち、ちょ、っと、これはっ! って、あれえ〜?」
抵抗する間も無く俺は実由の手によって服を脱がされてしまった。
男の時ならば脱がされることも無いのかもしれなかったが、すっかり腕力も
女の子並みになってしまったようで実由の力づくの行動にあれよあれよという間に
俺はトランクス一枚のみの情けないカッコにされてしまう。
う〜、またかよっ!! 服を脱がされるのは本日2度目です!
そりゃ、今回はまだましだけど。
最初の二人がかりのチェックの時にはトランクスまで取られて
色んなところまで…、い、いやぁ〜!!! 悪夢が思い出される…。
99 :vqzqQCI02008/07/01(火) 04:34:00.95 ID:vmXdN6E0
「み、実由〜っ!!!」
思わず涙目で妹を睨みつける俺。何だか涙腺まで弱くなったようで
気を抜くと涙がこぼれて泣いてしまいそうなんですが。

「お姉ちゃん、いいっ? そのままで待っててね!」
ばたばたばた…ばたん!
「?」
ばたばたばた!
実由は凄い勢いで自分の部屋に駆け込むと自分の服を持って帰ってきた。
「はい! これ着て!!」
俺にいきなり自分の服を渡してくる実由。
「え?」
「いいから! これ着て! お姉ちゃんなら絶対似合うからっ!」
「こ、これを、お、おれが?」
呆気にとられている俺を尻目に実由は自分の服を俺の身体に合わせてくる。
「背丈とかはあたしより多少は大きいみたいだけど
この服だったら多分サイズ的には丁度いいはずだから着て!」
実由から差し出されたのはブルーのワンピース。
各所に可愛らしくフリルなんかあしらわれている。
で、これを俺が着ろと?
「止まってないで、はやく〜!」
「わ、わかったから! 落ち着けよ」
急かす実由に押されて仕方なく俺はそれを着込む。
もう、この急展開は一体…。
100 :vqzqQCI02008/07/01(火) 04:35:09.08 ID:vmXdN6E0
          ◇
「きゃっ♪ かあいい!!」
自分の服を着た俺の姿を見て嬉しそうにはしゃぎまわる実由。
「良く似合う、似合う! 最高!!」
「お、おい…、そんなに騒ぐほどのもんじゃないだろ…」
「何で? だって見てみてよ! 」
実由は戸惑う俺を鏡の前に引っ張って行く。
「どう?」

「…!」 こ、これは…!
実由に連れられて鏡の前に立つ俺の前にはワンピース姿の可愛い女の子が映っていた。
男の服装を着ていた時には見た目が不自然な気がしていたが
それなりの格好をしてみると随分姿が変わって見えるものだ。
こうして見るとなるほど流石は兄妹、いや姉妹なのか? 妹の実由と俺は良く似ている。
俺のほうが大人っぽく見えるのは当然なんだけど。
「お姉ちゃん、どうしたの? ボーっとしちゃって?
ふふん♪ ひょっとして、自分の姿に見惚れちゃったとかぁ?」
「ば、馬鹿言ってんじゃないよ! そんなワケないだろっ!!」
「はいはい、そうしておきますよっ☆」
実由の言うとおり俺は自分の姿に見惚れていた。
しかし、この格好は…
「お、おいっ、このワンピース、丈が短くないか?」
おずおずとワンピースの裾を下に引っ張る俺。
実由が俺に渡したワンピースは確かに似合っているとは思うんだが、
思いっきり自分の太ももまで露出していて落ち着かない。
どんだけミニなんだよ。
「え〜? 今はこれ位が普通だよ? 何照れてんの、お姉ちゃんだって
男の時はそんな格好した女の人見て嬉しそうにしてたじゃない?」
「それとこれとは話が…」
「お姉ちゃん!!」
「は、はいっ!」
実由の大きな声に思わず自分の居住まいを正す俺。
何だか知らない内にすっかり実由のペースになってしまっている。
「どういう原因で女の子になっちゃったのかはあたしには分かんないし、
いつ元に戻るのかも分かんないけどこうなった以上は女の子らしくした方がいいに
決まってるよっ!!」
「でも…」
「でもも、何も無いよ! こんだけ可愛くなったんだよっ!
こういう時にもっとお洒落しないでどうするの? 勿体無いじゃん! 
分かったら男らしく気持ちを切り替える!!」
「女の子だもん…」
むうむう、何だか矛盾しているよ。
101 :vqzqQCI02008/07/01(火) 04:36:02.16 ID:vmXdN6E0

「はいはい、そこまで〜。
ヒロちゃんも実由ちゃんも落ち着いて。」
俺と実由のやり取りをようやく止めにかかる母さん。
「う〜んヒロちゃん、その格好良く似合っているわね〜。」
「えへっ、そうでしょ♪」
ちなみにそう言われて嬉しそうにしているのは俺じゃなくて実由の方。
「こうなってしまった以上、ヒロちゃんは女の子として生活しなきゃならないみたいね。」
「う、うん、それしか無いんだろうけど…」
表情が曇る俺。いきなりこんな姿になって今後どうすればいいのか分かんないよ。
「大丈夫〜。お母さんに任せて。色々手を打っておいたからね。」
俺の気持ちを察したのか母さんは俺を抱き寄せ頭を撫ぜ撫ぜする。
「ち、ちょっと! 恥ずかしいからっ」
顔を真っ赤にして俺は母さんから離れようとした。
「やだ、何照れてんのよ〜。可愛いっ!」
「お姉ちゃんっ、最高に可愛いっ!!」
俺のささやかな抵抗も空しく、母さんと実由は嬉しそうに俺に抱きつく。
もう、何なんだ、この母娘は…。
しかし不思議なことにさっきまでの不安が和らいでいるのを俺は感じていた。
102 :vqzqQCI02008/07/01(火) 04:43:55.70 ID:vmXdN6E0
忙しくて続きが作れないです。
眠い…。
103 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/07/01(火) 09:08:50.64 ID:J7mTnsDO
(´・ω・)つ旦 乙、なんだぜ?
104 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/07/01(火) 13:52:19.37 ID:bK8toK.o
おつおつんぽ
105 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/07/03(木) 01:36:33.26 ID:DggE4ngo
わっふるわっふる
106 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/07/04(金) 01:51:28.46 ID:0/UTMrYo
つづきがない
107 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/07/04(金) 03:25:46.91 ID:2/2a9wAO
ある朝、佐原 洋はベッドの上で目覚めると自分が女性になっているのを発見した。

「えええぇぇぇっっ!!??」

と、驚きの声をあげてしまったところで自己紹介。僕は佐原 洋、読みはさはらよう。年は17、性別は男のはず。
着替えようと寝ぼけ眼で制服を布団の中に引きずり込んだところで気づいた。
あるはずのモノがなく、ないはずの脂肪の塊が二つ。

そこで混乱して叫んでしまったわけです。

「んー、なんだい、うるさいな。 こっちは一仕事終わらせたところなんだからゆっくり寝かせてくれないか」

とか言いつつ僕の布団から出てきたのは従姉の佐原綾。
ちなみにマッドサイエンティスト。

「綾姉、僕の体に何かした?」
「女の子にした」
「即答か!!」

いつもこうだ……人を実験台にしようとする……

「失礼だな。 今回は実験じゃないぞ」
「じゃあどんな理由だよ」
「うむ。洋も知っての通り私はレズだ。しかし、ここ数年従弟――つまり、男であるはずの洋に恋愛感情らしきものを抱いてしまった。だから、あるべき形にしてみた」
「どこからツッコミ入れればいいんだ、それは!?」
108 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/07/04(金) 03:28:43.60 ID:2/2a9wAO
「大丈夫だ、私がレズだということは未来永劫変わらない。 つまり、洋が女の子であれば万事解決するんだよ!!」
「自分の性癖を治そうとは思わんのか」
「それで、私はどさくさ紛れに告白してしまったわけだが、返事は?」
「え、ちょ、この流れで!?」
「私は君に割と想われている自覚はあるのだが。
 そうでなければ私が入浴している最中にわざわざ用事を作り脱衣場に入ってきて、私の下着を横目でチラチラ見た挙げ句、シャンプーの補充という名目で私の裸を見ようと……」
「昔から好きでしたがなにか問題でも!? っていうか自分で言ってなんだけど、女同士っていうのが一番問題じゃ……」

「なに、大丈夫だ。 洋、君は自自分を男だと思うか?女だと思うか?」
「え?お、男だけど」
「うむ、ちなみに私は女だ。男と女で問題ないじゃないか」
「……あれ?」


まで書いて眠くなった。
109 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/07/05(土) 00:30:21.58 ID:UGpgokDO
(´・ω・)<わっふるわっふる!
110 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/07/05(土) 01:49:54.52 ID:ELD5cj.o
うっほー
111 :オリサs[sage]:2008/07/06(日) 22:24:37.04 ID:.8bBcwA0
[同性的な彼女]

 午前2時、深夜の公園にボクは来ていた。昼間は沢山の人で賑わいを見せているこの公園も、この時間になると人気は無くなり、静寂な雰囲気が漂っている。
 ボクは今、女物の服を着せられている。勿論、ボクの性別は間違いなく男である。
 どうしてこうなったのかというと、それはボクの背後から付いてくる幼馴染みの女の子の所為である。ボクは彼女にゲームで負け、その罰ゲームとして女装をしながら公園一周を課せられているのだ。
 彼女の名前は“ハルカ”。近所で有名所の私立女子校に通っていて、才色兼備な上に人当たりが良いためにとても人気者である。しかし、そんな彼女にも一つだけ欠点がある。

 それは、彼女は天性的なレズビアンなのだ。

 そもそも、そのことを知ったのはボクとハルカが小学生の時だった。家が隣同士だったボク達は小さい頃から仲が良かったのだが、小学6年生の頃にボクはハルカに校舎裏へと呼び出された。
 その頃のボク達は、クラスメイトから“ラブラブ”と冷やかされるほど仲が良かった。その為、呼び出されたあの時は告白されるものだとばかりボクは思っていた。そして、実際にボクは校舎裏でハルカに告白された。まあ、その告白はどちらかというとカミングアウトに近かったけど。
 自分が女の子にしか恋心を抱けず、ずっとボクが好きだったということ。そして、ボクを今までずっと女だと勘違いしていたこと。ボクはあの時、この二つの事実を知ることになった。
 その後、ハルカはボクが本当は男であったことにショックを受けたのか、暫く口をきいてはくれなかった。そしてハルカはそのまま中・高一環の女子校へと進学して行き、ボクとハルカは別れ離れになる・・・・・・はずだった。
 しかし、その後ハルカは頻繁にボクの元へと遊びに来ることになる。
 理由は簡単だった。「ユキちゃんより可愛い女の子が居ないんだもの」だそうだ。
 こうして、今に至るまで、ボクとハルカの変な関係は続いてきた。

 そして話は現在に戻る。突然、ポシェットに入れていた携帯電話が鳴り響く。ディスプレイにはハルカと表示されていた。
「もしもし、どうしたのさ。もう終了なら大歓迎なんだけど」
「バカね、そんなはずないでしょ」非常な答えが返ってきた。「それよりも、あそこのベンチを見てちょうだい」
 そう言われ、ボクはベンチを目で探した。50m先に、一つのベンチが寂しそうに蛍光灯のスポットライトを浴びていた。そこに人が座っている。
「あれがどうかしたの?」ボクはそう尋ねながらも嫌な予感がし始めていた。「まさか・・・・・・」
「ユキちゃん、あそこに座ってる人に話しかけてくれるかしら」ハルカは電話越しでとんでもない指令を出してきた。「もちろん、出来ないとは言わせないわよ」
 ボクは何か反論しようと思い後ろを振り返った。しかし、物陰に隠れているハルカはこれ見よがしに自分のデジカメをヒラヒラとさせている。ボクは途端に観念せざるを得なかった。なぜなら、彼女の持っているデジカメの中には、ボクの女装した恥ずかしい写真が沢山残っているからである。そして、この罰ゲーム中に少しでも反論したらその写真をボクの学校にばら撒くと脅されているのだ。
「わかったよ!話しかければ良いんでしょう!」ボクはもう自暴自棄に陥っていた。
「ふふん、解かればよろしい。」そう言い残し、電話は一方的に切られた。
112 :オリサs[sage]:2008/07/06(日) 22:25:16.08 ID:.8bBcwA0
 ボクは恐る恐るベンチに近づいてゆく。暫く近づいたところで、そこに座っているのが男性であることに気が付く。それも、この熱帯夜に冬用のロングコートを着込み、襟を立てて顔を隠している。
(怪しい・・・・・・)ボクはそう思い、作戦の中止を指示してもらうために後ろを振り返った。
 しかし、ハルカは親指をグッと突きたて、ゴーサインを出し続けている。ボクは観念してその男性に話しかけた。
「あの、こんばんは」男性がボクの方を振り向く。隠れていて良くわからないが、40後半くらいの年だろうか。「今夜は暑いのに、そのコートは暑くないですか?」
 男性は何も言わずにスッと立ち上がり、ボクのほうに近づいてきた。ボクは反射的に同じ歩数分だけ後退りした。
「お嬢さんこそ、こんな夜中に一人で何をしているのかな?」男はニヤリといやらしく笑う。
「ボ──、私はちょっと眠れなくてお散歩を・・・・・・」
 ボクは危険を察知し、ハルカに助けを求めようと後ろを振り向いた。しかし、それがいけなかった。
「あぐっ!」突然、横腹に鋭く重い痛みが走る。どうやら棒のようなもので力いっぱい殴られたようだ。「うぅ・・・・・・」
 痛みに耐え切れず、地面に膝を付く。見上げると、あの男が卑猥な笑みでボクを見下していた。
「だめだよぅ〜お嬢ちゃん。こんな夜中に一人で歩いたら危ないんだよ〜?」ボクは男に茂みの中へと引きずられていく。「オジサンがどんなに危ないか教えてあげるねぇ」
 抵抗する間も無く、テープのようなもので口や手足を封じられ、マウントポディションを取られる。必死に抵抗するが、非力なボクの力では抜け出すことが出来なかった。
「さーて、お洋服をヌギヌギしましょうねぇ」男の嫌らしい手が、ボクのワンピースの裾を掴んだ。

「こらこらオジサマ、それより先は私の所有地よ」

 不意に、男の背後から声がした。男は驚いた様子で後ろを振り返る。そこには、ハルカが腕を組み仁王立ちしていた。笑顔ではあるが、どす黒いオーラを放っている。
「なんだ、お友達が居たのか」男は声の主が女の子だと解かり油断したのか、立ち上がるとハルカの腕を掴み取った。「盗み見とは悪い子だねぇ〜。お嬢ちゃんもお仕置きが必要だねぇ」
 しかし、ハルカはどんなことでは動じていない様子だった。それもそのはず、だって彼女は──。
「ハァ!」静かな公園に、怒声が響き渡る。その直後、ドシンッという振動と共に、男の体が地面に叩きつけられた。「あら?ごめんなさいね。私、柔道で赤帯なのよね」
 男はどうやら、一発で気絶をしてしまったらしく、ピクリとも動かない。ハルカはその姿を見てふんっと鼻を鳴らすと、もう興味が無いというようにその男を見捨てて、ボクの元に寄ってきた。ハルカによって口を封じていたテープが剥がされる。
「ぷはぁ〜!危なかった・・・・・・。これも全部ハルカの所為だよ!」開口一番、ボクはハルカを叱り付けた。
 一方ハルカは・・・・・・というと、反省するどころか、なぜかあの男のように呼吸がハァハァと荒くなっていた。
「ユキちゃんの縛られてる姿・・・・・・」ハルカの喉がゴクリと鳴るのが解かった。「もう我慢できない〜!」
「な、なんだってー!?」
 その後、縛られたままハルカの部屋に担ぎ込まれたボクは、またしても彼女により涙で枕を濡らすことになるのだった。そんな夜のお話。


おしま・・・い?
113 :オリサs[sage]:2008/07/06(日) 22:35:44.96 ID:.8bBcwA0
このスレがエロ路線になりつつあるのを察知して、過去作の続きではなく新作を書いてみたお!

過去作の作者的イメージがこのスレと反比例しだしたから、過去作は後日纏めて別のところで再開することにするお

( ^ω^)<そんなわけですお]
114 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/07/07(月) 11:28:46.18 ID:0itedH2o
路線とかは気にする事はないんだぜ
GJ
115 :vqzqQCI02008/07/09(水) 08:31:27.47 ID:qg/4RRk0
どんだけ☆エモーション  (その3)

昼飯もそこそこに俺は母さんと実由に連れられショッピングセンターへ向かう。
理由は俺の服と下着もろもろの購入の為である。
現状の俺に合う服と下着が無いから已むを得ないわけだが
今後それを着なければならないかと思うと気が重い。
母さんは自家用車でショッピングセンターに向かう車中において
俺に今後の事について語り始める。
「でね〜、あそこのタルトが美味しくって絶品なのよ〜」
「…あの」
「そうだ! 今度ヒロちゃんと実由ちゃんも一緒に行こうねぇ〜」
「うん! お母さん約束よっ!」
「はいはい♪」
「え〜と…」
「そうそう知ってる? お母さんが持ってきたあのケーキ、実はね〜」
「え〜! そうなのぉ? さすがお母さん!!」
…楽しそうにやり取りをする母娘。取り残される助手席の少女。
「あのう…」
「そういえば今朝テレビでねぇ、○○が紹介されていt」
「もう! 母さんってばっ!」
「え? どうしちゃったの、ヒロちゃん? そんな恐い顔して〜、
もう、折角の可愛い顔が台無しじゃない〜」
「母さん、俺の今後について色々話してくれるって言ったじゃないか?
なんで全然関係ない話してんだよっ!」
これじゃ俺の脳内ナレーションが全く意味ないっつーの!
「あはは、ごめんねぇ〜、怒っちゃった? 今話すから機嫌直して〜」
手を合わせてニッコリと謝る母さん。
…ガクっ。えらい脱力感。
この気の抜け加減はさすが天然キャラ全開の母さんだ。       
「さっきお父さんと電話でお話したんだけどね、とりあえず今のヒロちゃんは
男の子のヒロちゃんとは別の人物として生活したほうがいいんじゃないかって事に
なったのよ〜」
「え? それってどおいう事?」
母さんの言ってることが分からず首を傾げる。
「ヒロちゃんが女の子になったのがどういう原因なのか分からないけど、
もしかしたら男の子から女の子になったのとは逆に戻ることができるかも知れない。
それを考えたら変にヒロちゃんの戸籍を変えるより新たにもう一人の女の子としての
ヒロちゃんの戸籍を作ったほうがいいかも知れないって事になったのよ。」
「悪くない話だけど…そんな事できるの?」
「えー、戻るの? そんなのもったいないよ! あたしは可愛いお姉ちゃんがいい!!」
騒いで俺に抱きつく実由。冗談でも勘弁してくれ。
「ふふ、すっかり仲良しさんね。あら〜、着いちゃったわ〜。」
俺の問いには答えずに母さんはゆっくりと車のステアリングを切る。
俺達を乗せた乗用車はショッピングセンターの駐車場の入り口に入っていく。
俺と実由は辺りをキョロキョロしながら場内の様子を眺める。
まぁ、平日の何も無い日なのでそんなに車は停まってはいない。
車を適当な場所に停めた後、三人は車から降りる。
「さあ、行きましょうか〜」
「ねぇ、母さん、さっきの話…」
母さんの話の続きが気になる俺は思わず訊ねようとする。
116 :vqzqQCI02008/07/09(水) 08:33:41.83 ID:qg/4RRk0
いきなり母さんは俺の口にひとさし指を立てる。
「ヒロちゃん、心配無用よ〜。私とお父さんを何者だと思っているの〜?」
にいっと自信満々に微笑む母さん。
ああ、そうだった。母さんは地元の有力者の娘で、父さんは某県議員の敏腕秘書だったか。
色々とコネがあるってことね…。
                  ◇

とりあえず俺の女性の戸籍を作り、今の学校にそのまま通うことにする。
実際のところ俺が女になった理由は不明であり、どうやったら戻るのか
それとも元に戻らないのかは病院で調べることにする。
場合によっては治療してもらうことも有り得る。
今のところ解決策が無い以上、現状を乗り切るためにこうしたほうがいいんじゃないか
というのが両親の提案である。
俺はどうすることもできないのでその提案に従うことにした。
他にいい方法も無いしな。

「もー、お姉ちゃん何やってんのよ! 早く来てー」
俺が色々考えていると実由が俺の腕を引っ張っていく。
「うわ、ち、ちょっと、待てよっ」
「お姉ちゃんに絶対似合う服を見つけたよっ! 早く着て!!」
「もう、実由は強引だな…」
俺は衣料売り場の試着室に押し込まれ、実由から渡された服を渋々チェックした。
「何だよコレ、えらく露出度が高いシャツだな〜」
肩を思い切り出す感じの薄地のシャツ。レースのついたそれは淡いピンク色で
えらく可愛らしい感じがする。
「シャツ? 何言ってんの? 恥ずかしい〜。それキャミだよ。」
何故か実由も一緒に試着室に入っている。
母さんは俺に似合いそうな服を先程から物色している。
「キャミ? ああ、キャミソールね…。」
キャミの肩紐をプラプラさせながら俺はそれを眺める。
自分が着込んだ姿を想像してみるがどうしても男の姿で想像してしまうので
思わず「似合わねぇ…」と呟く。
「もう! 合うか合わないか着てみないと分からないでしょっ?
早く着てよ、まだ着てもらいたい服があるんだから!」
「さあ、どんどん入れていくわよ〜」
母さんが服をどんどん試着室に入れていく。
おいおい! 何やっているんだよ!! 投入される洋服の数に思わず後ずさる俺。
この母娘、どんだけ俺を着せ替えるつもりなの!?

「お姉ちゃん次はコレ!」
立て続けに実由は俺にミニスカートを渡してくる。黄色い生地に花柄がプリントされた
フリフリのスカート。思わず硬直する。これ、俺が着るの?
「時間が無いのでゴメンね、お姉ちゃんっ、えいっ!」
「ひゃうんっ!?」
実由は素早い動きで俺が着ている実由のワンピースを脱がした。
実由から借りたスポーツブラとショーツのみになった俺は慌ててしゃがみ込んでしまう。
うう〜っ、恥ずかしいようっ。
「その反応女の子ぽくって(・∀・)イイ! でも時間無いんだよねっ」
実由は俺を立たせるとスカートを穿かせる。上は白いフリルの入ったノースリーブ。
「きゃー可愛いっ!」
嬉しそうに騒ぐ実由。
117 :vqzqQCI02008/07/09(水) 08:35:10.00 ID:qg/4RRk0
「ヒロちゃん、どんな感じ?
 う〜ん、いいじゃない? とっても可愛いわね〜」
母さんも覗きにやって来た。
「うっう〜、有り得ないよ、こんなの…」
「何言ってるの? すっごい似合ってるよ! じゃ、次コレっ!」
実由は間髪入れずに白いデニムのショートパンツを寄こす。
「上は青いチェック柄のチュニックで涼やかな印象がいいわね〜」
母さんも上着を寄こしてくる。
「何というか…脚や肌の露出の多いのばかり…、なんとかならないの?」
困惑の表情を浮かべる俺。ホントどうにかならんものか。
「何言ってるの!? そんな格好が出来るのは若いうちだけなのよ?
今出さないで、何時出すというの!!」
旬を過ぎたオバサンが自分の娘に対し力説しているような感じで言ってくる実由。
一体お前はいくつなんだと問いたい。
「さぁ、どんどん行くよ!」
「ええ!? こ、これ!?」
「いいからいいから〜♪」
「いくないっ!」
洋服選びはこうして俺を巻き込んでどんどん進んでいく。

さらにこの後には下着選びが待っているのだが、流石の俺も
男としての尊厳というか、何と言うかそのようなものが残っているため
ここでの内容については省略させていただく。

「今更何言ってるの〜?」
「そうそう、ここまで可愛くなって尊厳も何もないって☆」
え!? 何故俺の脳内ナレーションが読まれているの?
「何を今更。さぁ、洋服選びも済んだし、今度は下着買いにいこっ♪」
がしっ。
「ほえ?」
母さんと実由は俺の腕をそれぞれ両側から掴むとずるずると俺を下着売り場へと
引っ張っていく。
「ち、ちょっとぉ〜? い、いやぁ〜!!」
下着購入描写の省略もそこそこに俺は下着売り場へ連れられる。
「ううっ、これは…」
「きゃー!カワイイ!」
「あらあら〜、いいわね〜」
思いっきり引いている俺を尻目に母さんと実由は下着を物色し始める。
「いらっしゃいませ、本日は何をお求めですか?」
女性の店員さんがやってきた。
「こんにちは〜。今日はね、この子の下着を買いにきたの〜。
まずはこの子のサイズを測って頂けないかしら〜」
「かしこまりました。それではこちらにどうぞ。」
「え? え?」
事態が飲み込めない俺を店員さんは試着室へと引っ張って行く。
一畳程の広さの試着室に連れていかれて呆然としている俺をよそに
女性の店員さんはメジャーを取り出す。
「では、サイズを測りますので服を脱いで頂けますか?」
118 :vqzqQCI02008/07/09(水) 08:36:35.09 ID:qg/4RRk0
「ええっ!? ぬ、脱ぐの?」
思わず大きな声で反応する俺。今度は見知らぬ人の前で裸になれというの?
「ハイ、正確にサイズを測る為には出来るだけ服は脱いでもらった方が
よろしいかと思います。特にバストは正確に測らないと肩こりの原因になったり、
後々形が崩れたりしますからとっても大事なんです。」
「そ、そうなんですかぁ…だ、大事なんですね…」
説得力のある言い方にどんどん声が小さくなる俺。
ううっ、そんな風に言われたら覚悟しなければならないようです…。
「…」
仕方なく服を脱ぐ俺。服を脱ぐ(脱がされる)のは今日だけで何回目なんだろうか。
スポーツブラもかなり躊躇ったのち、おずおずと脱ぐ。
試着室には当然鏡があるので目の前にはショーツ一枚のみの俺の姿が映る。
裸の自分自身の姿を見るのは考えてみると今回が初めてだ。
さっきは何だか実由や母さんのせいで落ち着いて見る暇も無かったからな。
こうしてみると一応は女性らしい身体つきになっているようで
多少小振りながらも形の良いバスト、そこそこくびれたウエスト、相応のヒップと
スレンダーでまだ成熟には遠いながらも多少メリハリのある身体つきになっている。
「…」
一応自分の身体ではあるが女性の裸を直にみるのは母さんと実由以外では
初めてではないだろうか。元々男である自分にとって興味津々なのは言うまでも無い。
鏡の中の少女は恥ずかしいのか頬を赤らめながらぎこちなく身体を動かしている。
なんだかその姿が可愛らしく、さらにこの少女が自分自身であるので
妙な陶酔感に浸りそうである。
他人が今の俺を見たらどう思うんだろう?
この娘が俺自身でなかったら惚れてしまいそうな程可愛いし、そそるよなぁ…
「…」
横から視線を感じる。
「あ…」
店員さんが俺の様子をさっきからじっと見ていたことをすっかり忘れていた。
やべ、今の様子をしっかり見られていたよ。
恥ずかしさのあまり顔が赤くなっていく俺。ううっ、恥ずかしいぜ…。
119 :vqzqQCI02008/07/09(水) 08:37:23.47 ID:qg/4RRk0
「よろしいですか、では測りますよ。」
何事もなかったように店員さんがメジャーを手に俺の胸を測りはじめる。
「…う」
店員さんの手やメジャーが俺の肌に直に触れ、その都度俺は過敏に反応する。
「えーと、アンダーが64で、トップが78なので65Bといったところですね。」
「…そうなんですか?」
バストサイズについてよく分からない俺は曖昧な返事をする。
「お客様はまだ若いのでまだ大きくなる可能性はあると思いますが、現状は
このようですので今のサイズに合ったブラジャーを買うのがベストだと思います。」
「そういうものなんですか…」
「それでは次はヒップのサイズですね。…えーと、82ですのでSサイズで充分ですね。」
「はあ。」
計測は呆気ない感じで終わったが、まあそんなもんであろう。
「測ってもらったかな〜」
「お姉ちゃん、試着!試着!!」
ばたばたと母さんと実由がそれぞれ思い思いの下着を持ってやって来る。
…二人の展開の速さについて行けません。
「で? どうだったの〜」
「え〜と、店員さんは65Bとか言ってたなぁ。」
「えー!? あたしより大きい! 羨ましいなぁ〜、あたしAカップなんだよね…」
「実由ちゃんはまだ中学2年でしょ〜、まだまだ大きくなるわよ〜」
「そうかなぁ(///)? よーし、頑張るぞ!」
…何を頑張るのか良く分からないが流石にこの母娘、俺を置いて暴走しっ放しである。
「でね、ヒロちゃん? さっそく選んできたの〜、着てみてくれる〜?」
「あたしの選んだのも着てよっ! 絶対カワイイから!」
「ふぇ?」
色とりどりでレースの付いたのやら何やらと様々なブラジャーを俺に渡す二人。
これを俺にどうしろと?
「決まっているじゃない〜、着けて〜♪」
…ある意味、俺の自我が崩壊しかかった瞬間であった。
120 :vqzqQCI02008/07/09(水) 08:38:30.85 ID:qg/4RRk0
                 ◇

洋服&下着選びは3時間にもおよび、俺はぐったりしてカフェラウンジのシートに座り込む。
「あの服良かったよね〜」
「うん! 可愛かった!! あれならあたしも欲しかったかも!」
俺とは対照的に母さんと実由は楽しそうにケーキを食べつつ会話に花を咲かせている。
そんな二人の様子を見つつ、俺は横目で購入された服の詰まっている買い物袋を
眺める。一体何着買ったのだろうか。大きな買い物袋が4つ、全て俺の洋服である。
しかもその内容は俺用の服で有りながら自分の好みや希望などが一切入ってないところが
不思議なんですけど。
…これを俺が着なきゃなんないのか。思わずため息。
さらに…ため息の理由がもう一つ。
「そうそう、ヒロちゃん試験勉強は無くなったけど一応ヒロちゃんは別の人間で
学校に行くことになるから編入試験の準備が必要よ〜」
ミルクのたっぷり入った紅茶を美味しそうに飲む母さんは
ぼんやりと買い物袋を見つめる俺に言う。
両親の提案で男のヒロアキとは別の人間で今まで通っていた高校に通うことになった
俺だが、編入試験という避けられない問題が今俺の目の前に立ちふさがる。
勉強か。折角、試験から開放されると思ったらこれだ。

「さて、それじゃ帰りましょうか〜」
「うん! 沢山買ったよね、帰ろっ!」
母さんと実由はカップの紅茶を飲み干すと立ち上がる。
「しかし、この荷物半端ねぇなぁ…」
大きな買い物袋の山を見つめる俺。
俺が男だったら、この位一人でも何とかできるかも知れないけど
今の俺じゃちょっと…なぁ。
「みんなで運べばいいじゃない〜?
流石にヒロちゃんはもう女の子だし、一人で荷物は持ちきれないからね〜」
母さんは買い物袋を三人で分担して運ぶように言う。
「そうそう、みんなで協力しよっ!」
「ああ、そうだな。」
俺と実由はそれぞれ荷物を手分けして駐車場の車まで運んでいく。
「あれ? もう夕方だ。」
「そうね〜、もうこんな時間ねぇ〜」
外に出るとすっかり日も暮れかかっていた。
結構長く店の中にいたからなぁ。
帰りの車中で俺は今後の事について様々な想いを馳せる。
121 :vqzqQCI02008/07/09(水) 08:39:29.83 ID:qg/4RRk0

すっかり変わってしまった俺自身の姿。
元に戻れるのか分からない状況。
今後の俺の生活。
今分かる事は今まで通っていた高校に女として通うこと。
しかしこれまでの俺とは全くの別人として通うわけだから当然今までのようにいかない。
別の人物の俺である以上、友人も改めて作る必要がある。
友人か…そういや、サトシとはどうなるんだろうか…?
俺にとってはかけがえの無い親友だったんだけどなぁ…。
別に同じ学校に通うわけだから会う事ができないわけではない。
しかし今の俺は女の子、これは紛れもない事実。
こんな俺を奴は受け入れてくれるのかな。いや、それ以前にこんな馬鹿げた姿になった
俺の事をあいつは俺だと信じてくれるかな?
様々な想いが浮ぶが答えは当然浮ばない。
「…」
俺はうっすらと赤く暮れ始めた空を車の中からぼんやりと眺めていた。
「ふふっ、大丈夫よ〜ヒロちゃん、サトシ君はきっとあなたの事分かってくれるわ〜」
「そうそう、お姉ちゃん心配無用よっ♪ サトシくんはお姉ちゃんといい関係になるかも♪」
何故か分かりませんがこの母娘、さっきからずっと俺の考えていることを読んでくれるんですが。
俺は色んな意味で恥ずかしさが込みあがってくる。
「あのぉ〜、俺の脳内ナレーションを読むのを止めて欲しいんですけど!!」
もう、やだ。
そうこうしているうちに車は俺の自宅に到着した。
俺と実由は荷物を車から降ろし、入り口まで歩いていく。
母さんは車庫に車を入れに行く。
「あれ?」
実由が家の入り口前に誰かがいる事に気付く。
「ん?」
俺は荷物を抱えている為、前の状況が分からないが誰かが入り口前で俺達を
待っているのは見えた。
「あれ? サトシくんどうしたの?」
「こんにちは実由ちゃん。ちょっと、ヒロアキに用事があってさ。」
聞き慣れたその声に俺は思わず身体を硬直させる。
今の俺にとって最も顔を合わせづらい相手。

そこにサトシが立っていた。
122 :vqzqQCI02008/07/09(水) 08:44:34.76 ID:qg/4RRk0
とりあえず出来てる分だけうPしました。
次回はいつのことやら。
123 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/07/09(水) 15:18:10.29 ID:gT5r/wDO
(´・ω・)っ旦
最近はスレも落ち着いてるし、ゆっくりでも大丈夫そうですぜ?
俺は気長に待ってます。
124 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/07/09(水) 16:45:03.40 ID:AYy735I0
GJ!
125 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/07/11(金) 20:05:55.37 ID:FMa55AAO
「ぐーたっち」の続きがよみたい
126 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/07/11(金) 22:39:38.16 ID:zej5/ywo
あまり続きを期待されて無い俺はゆっくり書くとしよう

続きを期待されるような続きを書きてぇwwwwww
127 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/07/14(月) 00:31:30.47 ID:nzrSFgUo
続きを!一心不乱の続きを!!
128 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/07/14(月) 00:51:43.95 ID:6NsnR7Eo
一話っぽいのだけ投下してその後音沙汰ないのが多いなぁ。
129 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/07/14(月) 02:34:07.50 ID:HhJ88Wko
>>128
投下あるだけマシとおもいましょうや!wwwwww
たとえ一話だけでも、たとえ似たような話でも、
この過疎スレではあるとないとでは大違いww
130 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/07/14(月) 04:09:11.42 ID:0E1ocrAo
投下するよー

これまでの話 >>24-26 >>41-44
131 :ひょんなことから女ねこ 3 ◆Z5if4Sx6mU2008/07/14(月) 04:10:02.51 ID:0E1ocrAo
車は草原を走っていた。車といっても自動車ではない。
馬車…の馬の代わりに大きなネズミ(のようなもの)が引いている鼠車だ。
ゴトゴトと舗装されていない道を走る振動で目が覚めた。
「おはようございます、王女様」
猫のキャシアがすぐに起きたことに気づき、挨拶をしてきた。
「おはよう。城には…まだ着かないのか?」
「人間界とつながっているモンプの村からお城まで二日ほどでございます。
 明日の昼頃には到着する事でしょう。」
「遠いな、ずっと車なのか?」
昨日は車に乗ってすぐ寝たのだが、
途中宿にもとまらず、夜通し車を走らせていたようだ。
ネズミが引いているのは夜目が利くからだろうか。
だが、さすがの巨大ネズミも二日も走り続ける事はできまい。
「今日は早めに宿をとりまして、そこでお城に上がる準備も致します。」
「そうか。宿まではあとどれくらい?」
「昼過ぎに着きます。ところで朝食は車中でお召し上がられますか?
 それとも外にテーブルをご用意致しましょうか。」
「中でいいよ。早く行って宿でゆっくりしたい」
「かしこまりました」
外が良いと言った場合、どうやって猫がテーブルなど出せるのだろうと思ったが、
脇にあるバスケットから器用にパンとポットを出しているところを見ると、
この世界の猫は人間並みに手足が動くようだ。心配はいらないのだろう。
132 :ひょんなことから女ねこ 3 ◆Z5if4Sx6mU2008/07/14(月) 04:11:33.57 ID:0E1ocrAo
と、起きてからここまで、この状況に全く違和感がなかった自分が恐ろしい。
昨日の夜に、男から猫耳女に突然変身してしまった上に、
わけのわからない世界につれて来られている。それなのにこの冷静さはなんだろう。
この姿が本来の自分であることを体が知っていたのだろうか。それほど違和感がなかった。

改めて変身した体を眺める。
一晩寝て落ち着いたからか、これもなかなか良いなと思い始めた。
小さくなったから体がずいぶん軽くなった気がするし、
胸が小ぶりなのは…邪魔にならないって喜べば良いのか、それとも悲しめば良いのか。
人間じゃない変化も新鮮だ。耳の聞こえが良くなって、遠くの音までクリアに聞こえる。
尻尾は慣れないな。全く使ったことが無いから、どう使えば良いのかわからない。

「王女様、紅茶が入りました」
「お、ありがと」
人間界のポット、それも魔法瓶のポットでお湯を運ぶようにしてから、
猫の国では移動中に熱い紅茶を飲むことが流行っているそうだ。
「…っんぁ!」
車のゆれに合わせて、想定以上の紅茶が口の中に入ってしまった。
猫人間になったからじゃなく、元々猫舌だ!熱い!
133 :ひょんなことから女ねこ 3 ◆Z5if4Sx6mU2008/07/14(月) 04:12:32.56 ID:0E1ocrAo
「だ、大丈夫でございますか?」
「らいりょうう(だいじょうぶ)」
「すみません、もう少しさめてからお渡しすれば…」
「いいっれ。…あれ?れこのくにっれみんなれこりらっれわけらないの?」
(良いって。…あれ?猫の国ってみんな猫舌ってわけじゃないの?)
「人間界にはそういう言葉があるそうですね。
 でも私たちは特に熱いのが苦手というわけではないのですよ」
「そうらのか。今度から僕用には少しさめたものを頼む」

親が猫の国「ニャンス王国」の人間だからといって、
自分はニャンス王国の事をよく知っているわけではない。
人間界で育ってきたから、人間界のことしかしらない。
今でも、この猫のパーツが付いた体を見ても、ちょっと良いなって思っても、
心の表層では、自分はまだ人間だと思いたかった。
134 :ひょんなことから女ねこ 3 ◆Z5if4Sx6mU2008/07/14(月) 04:13:43.48 ID:0E1ocrAo
でもこんな風に、自分は猫の国を知り、猫の国の住人も自分を知り…
いずれ、名実ともに猫の国の住人になってしまうんだろうか。
いや、本当に猫の国の住人なのだ。この耳も、この尻尾も。
そしてそれを「良い」と思ったこの心も。もう戻れないんだ。元の生活には。

「王女様…?どうされました?」
「ん、なにがどうした」
「涙が…」
「なんでもない。」
「しかし、」
「なんでもない!」

そう、なんでもない。こんなこと、なんでもないはずだ。
涙もろくなったな、と苦笑いしながら涙をぬぐう。
自分は、王女だ。うん。きっと王女だ。
こうなってしまった以上、それで通すしかない。もう泣き言はヤメだ。
それに出発前に聞いた話ではニャンス王国が存亡の危機ということだ。
「すまない。だが心配はいらん。そろそろ、ニャンスの話を詳しく聞こうか」
キャシアは静かに頷いて、語りだした。
135 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/07/14(月) 04:15:59.67 ID:0E1ocrAo
投下おわりー。
方向性は固まってきたにゃぁ。
136 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/07/14(月) 17:36:28.66 ID:1u2lYy60
GJ!
137 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/07/20(日) 00:55:31.23 ID:cz9d7UUo
ぴたっーーーーーとレス居なくなったなww
138 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/07/20(日) 01:05:34.78 ID:cz9d7UUo
あ、「居」消しわすれorz
139 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/07/20(日) 19:36:26.41 ID:X0LTn.DO
(´・ω・)みんな忙しいのかもね?ま、まったりと待とうぜ。

あ、この場を借りてwikiのdatとまとめ手伝いしてくれた方さんくす!超乙です。
140 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/07/24(木) 12:06:50.88 ID:sIFIjKQo
ほす
141 :vqzqQCI02008/07/30(水) 23:07:49.45 ID:.W.gFTo0
保守!
142 :vqzqQCI02008/07/30(水) 23:08:47.95 ID:.W.gFTo0


  どんだけ☆エモーション(その4)

俺は買い物袋で自分の顔を隠しつつサトシの様子をうかがう。
サトシと実由が家の玄関前で立ち話をしているようだ。

「誰も居なかったから帰ろうかな、と思ったけど丁度良かったよ。」
「みんなでお買い物行ってたんだよね。色々買わなきゃならないものがあったからね。」
「ふーん、そうなんだ。みんなって言う事はヒロアキも一緒なの?」
サトシはキョロキョロと辺りを見回す。
「サトシくん、お姉ちゃ…いや、お兄ちゃんにどんな用なの?」
実由はちらりと俺の方を見る。
「…」
俺は荷物を持って固まったまま「俺は居ない!」ことを
実由に目配せする。
「分かったわよ」という表情で応える実由。
一応は実由も俺の状況を考えてくれているようだ、ちょっと安堵する。
「ウチの高校が試験期間に入ったからサ、あいつの為に試験勉強の足しになればと
一応ノートをまとめてきたんだ。」
サトシはノートを見せる。
「サトシくん、相変らずデキるオトコだよね〜、ウチのお兄ちゃんとは大違いだよ。
どうしてこんなに外見、運動、勉強、人格全てにおいて完璧超人なサトシくんと
お兄ちゃんが親友なのか、あたし理解できないよぉ。」
ニヤニヤしながら俺の方を見る。
うるさい、実由。大きなお世話だ。
それにしてもサトシ、お前って奴は律儀というか何というか…。

「あらぁ〜、サトシちゃんじゃない〜、こんにちわ〜」
母さんは車庫から戻ってきた。
「こんにちは、晴子さん。そろそろ”ちゃん”付けは厳しいんですけど。」
サトシは俺の母さんのことを晴子さんと呼ぶ。
どうやら母さんがサトシにそう呼ばせているようだ。
「おばさん」と呼ばれるのが嫌らしいけど…何を今更というか
…って、やば。母さんが俺を見てるよ、とびっきりの笑顔でwwwwww
ううっ、脳内ナレーションが読まれてるよ…。
「サトシはね〜色々用事があって居ないのよねぇ〜」
「…そうなんですか。それなら仕方無いです。さっきから携帯をかけているんですが
連絡取れないのは用事のせいですかね。」
そうなんだ。ショッピングセンターの帰り際からサトシから俺のケータイに連絡が
何度か来ていたのは知っていた。だけど、こんな状況だったからずっと無視していたんだ。
「ふ〜ん、そうなの〜? ここの所あの子も忙しくなってるからね〜、お父さんの
お手伝いとか何やらで〜」
流石、母さん。
母さんの頭の中にはもう既に俺の今後の展開が作られているようで
サトシにも今の俺の存在を教えるつもりは無いようだ。
ハッキリ言ってありがたい。
143 :vqzqQCI02008/07/30(水) 23:10:11.90 ID:.W.gFTo0
「はぁ…、そうなんですか。それじゃ仕方ないですね。
俺帰りますけど、このノートヒロアキに渡してもらえますか。
あいつの試験勉強の参考になればと思って持って来たので。」
「 サトシちゃんったら〜もう! なんていい子なの〜!
ホント、ヒロちゃんには勿体無いくらいよ〜!!」
「うわわっ、は、晴子さん! こんな事で感激されても俺困るんですがっ!」
思わずサトシを抱きしめる母さんに対し、抱きつかれて慌てるサトシ。
って、いきなり何やってんだよっ! 母さんは!!
サトシが顔を赤らめつつ、困惑の表情であたふたしている。
「やだぁ、サトシくんったら照れちゃって可愛いんだぁ♪」
実由は二人のそんな様子を見てニヤニヤしている。
って、そこは笑うところじゃなくて止めるところだろ、実由は!!
「〜っ、もう!!」
俺は思わず荷物を置いて母さんとサトシのところにダッシュで行くと
二人を引き剥がした。
「あら〜?」
「? ん? あれ?」
意外な表情を浮かべる母さんと俺を不思議な表情で見つめるサトシ。
実由も俺の意外な行動に目を見開いている。
「…」
俺は衝動的とは言えども自分の起こした行動にワケが分からなくていたが、
ふと正気に返ると黙り込んでそっぽの方を向く。
何でこのような行動を起こしたのかは俺自身分からなかったが
サトシに抱きつく母さんの姿を見ていたら何故かイラっときてしまったのは何でだろ?
平静を取り戻し周囲を見ると母さん、実由、そしてサトシが俺の事をじっと見ている。
特に母さんに限っては妙にニヤニヤして俺を見ている。
…正直、3人の視線が耐えられないのですが。
「え〜と、この子は?」
サトシは俺の事を母さんに尋ねる。
「ゴメンなさいね〜、サトシちゃんが余りにステキすぎて紹介するの忘れちゃったわ〜。
この子は今日から我が家で預かる事になった親戚の子で、ミヒロって言うの。よろしくね〜」
「そうなんですか、どうも初めまして。俺、サトシって言います。」
「……(゚Д゚)ハァ?」
硬直する俺。ミヒロって誰ですか?…って、俺?
呆然としつつ母さんを見ると俺に向かって軽くウインクしてきた。
…どうやら俺の名前は「ミヒロ」に決定したようです。
「ミヒロちゃん、たぶん高校の試験期間明けに編入することになると思うから
サトシちゃん、仲良くしてあげてね〜」
「俺やヒロアキと同じ高校ですか? それは楽しみですね。ミヒロさん、よろしくね。」
俺にニッコリ笑い、サトシは俺の姿をじっと見る。
サトシの視線に多少たじろぐ俺。俺がヒロアキだとバレやしないか正直冷や汗ものだ。
しかし、今の俺の姿は女の子。しかも母さんや実由によってお出かけ用とばかりに
顔に化粧をされたりミニスカばりの丈の短いワンピースを着せられたりしていて
どこをどう見ても可愛い女の子にしか見えない。って、俺が言うか?
自分で自分の事を可愛いだなんて俺もあの母娘と同じ血を持つ家族ってことか。
それはともかく様子を見る限りではサトシは俺がヒロアキである事に気付いてないようだ。
144 :vqzqQCI02008/07/30(水) 23:11:33.49 ID:.W.gFTo0
当然の事だが今現在女の俺は男の時の俺の面影が残っている。
だからもし俺がヒロアキだと言う事を疑おうと思えば難しい事では無いかも知れない。
しかし、俺と同じ面影を持つ妹の実由と今の俺が姉妹のように似ているのと同様、
男の頃の俺と同じ面影を持つ親戚の女の子、ミヒロという設定にしておけば誰も
その存在を疑わない。定番といえば定番な感じだが、俺の姿かたちで今後心配する事は
無いように思える。
あとは俺が変にボロを出さなければ今後の俺の生活において何の支障も無いわけだ。
…まぁ、この状況自体支障をきたしているんだけどね。
「ミヒロお姉ちゃん、何ぼーっとしているの? サトシくん挨拶してるよ?」
「あ、そ、そうだった。…よ、よろしく」
考え事をしていたのですっかり今の状況を忘れてしまっていたが
実由に突かれ現実に戻り、あらためてサトシに挨拶を返す。
笑顔が引きつり気味の俺。
「…」
「…? ど、どうしたんですか?」
さっきからじっと俺を見ているサトシに思わず尋ねる俺。
正直なところ他人行儀であったりとか敬語を使ったりとか俺にしてみれば
違和感バリバリなのは言うまでもないのだが、俺はともかくサトシにしてみれば
俺はきっと初対面の人間としか見ていないんだろうなと思う。
「あ、ジロジロ見ててゴメン。何かミヒロさんが全くの初対面な感じがしなくて。」
…初対面な感じがしないか、そりゃそうだろうよ。
「あと、それに…」
「それに?」
「…いや、何でもないや、ハハ…」
何かを言いかけて頭を掻きながら俯くサトシ。妙にそわそわしていて落ち着きが無い様子だ。
こんなサトシの仕草は初めて見る。何だろ?

                  ◇
145 :vqzqQCI02008/07/30(水) 23:12:33.05 ID:.W.gFTo0
サトシが帰ったあと、俺達は夕食の準備をすることになった。
これまでは母さんと実由の二人で食事の準備をしていたのだが何故か俺も
やらされる羽目になった。母さん曰く、「料理は女のたしなみ」だそうで
全く面倒なことになったものだ。
「ったく、今までやったことないんだからできるわけないだろ…」
「お姉ちゃん、ブツブツ文句言わないの」
「あら、でもミヒロちゃん初めてにしてはジャガイモの皮むき上手じゃない〜」
「え? そうかな? エヘヘ」
「喜んでいるよ、この人」
本日の夕食はカレーということで料理初心者の俺にはうってつけとのことであるが
しかしこの下ごしらえが面倒だよなぁ…ホントに俺に出来るのだろうか?
「それにしてもさ」
ジャガイモに続きニンジンの皮むきを始める俺。
「ん〜?」
「さっき、いきなり俺の名前『ミヒロ』ってなってたけどそれって」
「うん、今度からヒロちゃんのこと『ミヒロ』ちゃんってよぶことにしたからね〜」
「ミヒロお姉ちゃんかぁ、いいよね♪」
本人の意思とは無関係に盛り上がる母娘。…慣れてますけどね。
「…まぁ、そんなに変な名前でも無いし。」
しばらくはこの『ミヒロ』という名前が女としての俺の名前になるわけか…。
なんとも不思議な感じである。

そうこうしている間にも調理は着々と進む。
肉と野菜を熱した鍋で炒めた後、ブイヨンスープを投入。
沸騰したら出てきたアクを掬い取って最後にカレールーを入れる。
「えーっと、これで後は煮込んで完成って…、おい!」
俺が料理に集中している間に母さんと実由はキッチンから離れ居間でお喋りに興じていた。
「お姉ちゃんできたー?」
「うふふ、ごめんねぇ〜ww ミヒロちゃんがあまりに真剣にお料理を作っていたから
お邪魔したら駄目かなって思って〜」
「そりゃもう完成かもしれないけどさ」
もう、これだから女って奴はよぉ…、俺もその一人になっちまったけど。
「それにしてもお姉ちゃん、そのエプロン姿最高っ!」
「ホント〜カワイイわぁ〜」
…さっきから実由と母さんが俺のエプロン姿を携帯カメラで撮影しまくっている。
とりあえず今の俺の格好は実由から借りっ放しの(実由は俺にあげると言っているが)
青い色のワンピース。その上には母さんから渡された黄色い薄地のエプロン。
あちらこちらにあしらわれたひらひらのフリルと生地にプリントされた沢山の花柄模様が
このエプロンがあまり実用に向いていないことを何気に表わしているような。
…それにしても撮影音が非常に耳障りなんですけど。
「とりあえず、恥ずかしいから撮影は止めてもらえますかっ!!」
146 :vqzqQCI02008/07/30(水) 23:13:28.79 ID:.W.gFTo0

なにはともあれ料理は無事に完成した。
早速3人で夕食をとる。父さんは帰宅が遅いのでいつもこのような感じである。
「あら〜! とっても美味しいわ〜、ミヒロちゃん〜!」
「ホント!! 料理初めてなんて信じられない位美味しくできてるよっ♪」               
俺の作ったカレーを母さんと実由が大袈裟に褒めちぎる。
「二人ともオーバーだな。カレーなんて誰が作っても同じだろ。
使っている材料はいつも同じなんだから…(パクッ)、…お、美味しいっ!?」
カレーを口にして思わず顔がほころぶ俺。
苦労して作ったからかな? なんだか普段よりも美味しく感じる。
これって…実は俺の隠された才能だったりとか?
「ね〜☆ とっても美味しいでしょ〜」
「はいはい♪ 才能才能♪」
お皿のカレーを平らげてゴロリと横になる実由。…太るぞお前。
「初めてにしては良く出来てたかな」
「ミヒロちゃん〜、女の子は料理は上手なほうがいいわ〜
これからどんどん特訓して素敵な男の子のハートをGETよ〜!」
「母さん話が飛躍しすぎ」
「そうそう♪ サトシくんとお姉ちゃんなんてステキかもねっ!」
「実由、お前なぁ! 変な想像するなよ!! BLかよ!?」
食事の後はいつもこんな風にグダグダとしょうも無い話で盛り上がっていく。
俺自身の状況は変わってしまえども母さんや実由がいつも通りなので
俺も別に何事もなく普段通りに振舞えるんだよなぁ…。
そういう部分ではありがたいと思ったりして。

食事の片付けも3人がかりだったせいか作業はあっさりと終了し、
やることのなくなった俺はとりあえず自分の部屋に戻ろうとする。
「あ、お姉ちゃん待って!」
「ん?」
「あたしもお姉ちゃんの部屋に行くよっ」
実由はパタパタと俺の側にやって来ると俺の腕に組み付いてきた。
「なんだよ実由は」
「今日買った服とか片付けるでしょ? あたし手伝ってあげる!」
ものぐさな実由にしては珍しい…何か魂胆があるような。
「そんなことないよ! ヒドイなーお姉ちゃん!!」
ぷくっと頬を膨らます実由。
…えーと。
「でもまぁ、否定はしないけどねっ! 片付けるの手伝ったら一緒にお風呂入ろっ♪」
「まぁ、いいけどさ…、って、ええっ!?」
適当に答えた後、我に返る俺。おいおい、それってどういう事?


147 :vqzqQCI02008/07/30(水) 23:18:01.84 ID:.W.gFTo0
久々の投下ですた。
前回から間が空いてしまったですがあまりスレが伸びてないですね。
前スレの終了あたりに投下されていた方々の投下をまったりとお待ちしてますwwwwww
148 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/07/31(木) 02:25:25.41 ID:nLlXXlUo
ROM専が多いだけだと思います。
何か書くと予想外にレスがつくし。
149 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/08/01(金) 00:54:26.73 ID:PdnN1x.0
GJ!!!
150 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/08/03(日) 21:35:10.08 ID:L4NxSYAO
>>147
GJ!!
ROMってたかいがあった
151 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/08/06(水) 02:33:02.58 ID:/cq8sTQo
wwktkk
152 :vqzqQCI02008/08/08(金) 19:48:44.74 ID:nciUuzs0
   どんだけ☆エモーション(その5)

「お姉ちゃん、何してるの?」
浴室の脱衣所で固まっている俺を見て実由は不思議そうに尋ねる。
「何してるのって、実由お前は恥ずかしくないの? 今はともかく以前はお前の兄貴だった
俺の前で平然と服を脱ぐなんてさ…」
「やだぁ〜♪ お姉ちゃん何意識してるの? 今は女同士なのに?」
脱衣所に入るや否やさっさと服を脱いで下着姿になった実由は俺の言葉に挑発的に微笑む。
まだ中学生ではあるが第二次性徴期真っ最中の妹である。
俺ほどでは無いにせよ多少なりとも女性らしさを感じる体つきになっているのは
確かであり、たとえ兄妹(姉妹?)であってもそれなりに恥じらいはあって然るべきでは?
「今はそうかも知れないけどさ…」
「今更何言ってるんだか。お姉ちゃん、男の頃からあたしの裸ずっと見てきてるじゃない?」
「誤解を招くような発言は控えてもらおうか。大体それは小学生の話だろ。
今現在はそんなこと全く無いしな。それによ、最近はすっかり実由は俺から疎遠に
なったよな。妙によそよそしくなったというかさ…」
「…」
「ん?」
「お姉ちゃん、話はいいから入りましょ!」
実由はそう言うなり俺の着ている衣類を一気に脱がしにかかる。
「ええっ!? ち、ちょっと、実由!?」
あせる俺。
「いいからいいから♪」
「いくないからっ! って、あれぇ〜!?」
またまた抵抗する間も無くあっという間に衣類を全て脱がされる俺。
これで何度目なんだろうか…
「実由! お前って奴はぁぁっ!!!!」
「やだ、本気で怒らないでよ、お姉ちゃん♪ 折角の可愛い顔が台無しだよ?」
何だか腹立たしいやら悲しいやらで涙目を通り越して本泣きの俺なんですが!
153 :vqzqQCI02008/08/08(金) 19:50:02.81 ID:nciUuzs0
                ◇

何やかんだでバスルームに入る俺と実由。
「…」
俺はバスルーム入ってすぐ目の前にある鏡を見つめる。
バスルームの大きな鏡には華奢ながらも年相応の女の子らしい体つきをした
可愛い女の子が映る。少女は顔を赤く染めつつ、恥ずかしそうに見ている。
これが今の俺なんだよな…認めたくは無いがどうにもこの事実は変えられない。
そうしているとひょこっと、鏡に映る俺の横にもう一人俺に似た可愛い女の子の姿が映る。
「何してるの、お姉ちゃん?」
実由は俺の横にやって来ると俺の腕を引っ張る。
「何だよ、実由は」
「お姉ちゃん、あたしが身体洗ったげるねっ♪」
俺の返答を聞かずに実由はスポンジをボディソープで泡立たせはじめる。
「いいよ、自分の身体くらい自分で洗えるって。」
「いいからいいから、座って」
俺が嫌がっているにも関わらず実由は俺を座らせると半ば強引に洗いはじめた。
「もう、強引なんだよな」
「女の子の肌は繊細なの。お姉ちゃん、きっとガシガシと身体洗っちゃうでしょ?
だからあたしが洗い方教えてあげるからねっ☆」
…なる程、大雑把な俺だから男の感覚で強く身体を洗うつもりだったのだが
それだと肌には良くないのか。
実由にしてはまともな事を言うなぁ。俺は実由が俺の身体を××したいものだと思ってたよ。
「イヤだなー!もう! お姉ちゃんったら!! まるであたしが変態みたいな事言って!!」
「…実由ちゃん、俺の考えている事読まないでくれる?」
「でもまぁ、否定しないかも。だってお姉ちゃんこんなに可愛いし、身体もキレイだし、
本気で好きになっちゃったよっ♪」
「ち、ちょっと! 実由っ!!」
気持ちが高鳴ったのか実由が抱きついてくる。正直焦る俺。
もう何してんだか。この姉妹は…。
傍からみると女の子同士でいちゃついているように思えるのだが
とりあえず俺は実由から身体の洗い方のレクチャーを手取り足取り教えてもらった。
…ぐったり。
154 :vqzqQCI02008/08/08(金) 19:51:53.76 ID:nciUuzs0
「あたしね、お姉ちゃんが女になって良かったと思うんだ。」
身体を洗い終わった後、バスタブの湯に浸かる俺と実由。
「おいおいっ、俺はちっとも良くないぞ。この身体のせいで俺はさ…」
「あはっ、ゴメンね♪ 気に障っちゃった?」
「…」
多少ふて気味で実由を睨む俺。
「まあ、お姉ちゃんにとっては良くないのは当然か。でもあたしはお姉ちゃんには悪いけど
嬉しいの。だってそのお陰であたしは気兼ね無くお姉ちゃんに接することができるんだもん。」
実由が俺の肩に寄りかかってくる。
「まあ、同性になったからな。兄妹と姉妹とじゃ違うだろう。」
考えてみると実由が中学生になった頃からかな。俺と実由が一緒に風呂に入らなくなったのは。
その頃から疎遠気味になったんだよな俺達。
表面的には変化は無いように見えるけど、何か他所他所しくなったというか何というか。
「…お姉ちゃん、あたしの事勘違いしてない?」
「勘違い?」
「うん、疎遠がちっていうけどあたしはそんなつもり全然無いよ。
むしろお姉、…お兄ちゃんがあたしから遠ざかっている感じがしててあたしはそれが嫌だったよ。」
「俺の方が実由を避けはじめていたっていうのか?」
「うん」
「そうかな? …そうかも知れないなぁ」
実由に言われて妙に納得する俺。俺の方が意識していたのかも知れない。
考えてみると実由が女の子らしくなってから以前のように接することに
抵抗感があったような気がする。日に日に可愛らしくなっていく、異性を
感じさせていく実由に対しそれに違和感を覚える俺。
そう思ってしまったらなんだかぎこちない感じになっていたかもな。
「あたしたち、世界にたった二人の兄妹、…いや姉妹だよ。仲良くしないなんて
有り得ないよ。だから今回の件は昔のあたしたちに戻れるいい機会だと思ったんだ。」
「…」
俺は実由の顔を見つめる。
湯船に浸かっているせいか、実由の顔は上気していてほんのり赤くなっている。
顔が赤くなっているのはお風呂のせいだけではないようで、今まで言えなかった事が言えた
気持ちの高翌揚もあるのかなって俺は感じる。
「うん、そうだね。 その通りだよっ、お姉ちゃん♪」
「実由…」
「え…」
思わず実由を抱きしめる俺。こんなにも実由が愛しく感じたのは久々かも知れない。
「実由の言うとおりだな。ごめんな、お前の気持ちを考えてやれなくて…」
「嬉しい、お姉ちゃん…」
実由も俺の身体に抱きつき、俺の胸に顔をうずめる。
心なしか実由も感極まったのか涙を浮かべていて、正直そんな実由が可愛く感じる。
気が付けば俺は実由の頭を撫ぜ撫ぜしてあげていた。
「えへへ♪ お姉ちゃん、大好きww」
嬉しそうに撫ぜられている実由。
「女になって何だかなぁ…」と思っていたが、この時ばかりは良かったと思ってしまう。

その後、風呂から俺と実由はあがると下着のつけ方(ブラジャー)の着け方を実由に
教えてもらい、俺は自室へと戻った。
「お姉ちゃん、また一緒におフロ入ろうね♪」
実由は顔を赤らめて俺に抱きつく。甘えた声で嬉しそうにそう言うと自分の部屋へ行った。
ヤバイ。実由、マジ可愛い。いや、変な意味じゃないですけど。
…うーむ、変なフラグが立ったかも。
155 :vqzqQCI02008/08/08(金) 19:53:13.00 ID:nciUuzs0
                 ◇  

「ふぅ…、今日は色々有りすぎたなぁ。」
自分の部屋に戻るなり大きくため息をつく俺。
今日一日で起こった出来事については「どんだけ☆エモーション」の「その5」まで
引っ張っていることからその内容の濃さが物語っていると思われますが、
…とにかく疲れた。
あれだけ有った買い物の荷物は入浴前に実由と二人がかりで片付けたので
今はタンスやクローゼットの中に綺麗に片付けられている。
「…」
タンスの引き出しを開けると色とりどりのショーツとブラジャーが現れる。
…これを俺が付けなきゃなんないのか、既に付けているけど。
クローゼットを開けるとスカート、ワンピースが姿を現す。
男の時に着込んでいた洋服の類は今やどこにも無い。
男に戻る可能性も考えてか押入れのダンボールの中に以前の衣類が片付けられている。
果たしてそのダンボール内の衣類を再び着る機会はあるのだろうか。
…正直なところ俺には分からない。出来る事ならすぐにでも戻りたいのが本音だ。
「…」
俺はクローゼットからスカートを取り出す。実由の選んだピンクのミニスカート。
それを持って鏡の前に立ち、身体に合わせてみる。
しかし似合うよなぁ、どれもこれも。どの洋服を合わせてみても俺に良く似合う。
不本意ではあるが認めざるを得ないぜ…、この可愛らしさ。
今後の事を考えると女の子らしく振舞わないとならないのかぁ。
俺に出来るのかな? 誰も見ていないし、ちょっと練習せねば。
とりあえず笑顔から。
( ̄ー ̄)ニヤリ
…何か違う。
(・∀・)ニヤニヤ
…これも違いますねっ。
(゚∀゚)アヒャ
…何やってんだろ、俺。
156 :vqzqQCI02008/08/08(金) 19:54:23.34 ID:nciUuzs0
「楽しそうですね」
「!!」
いきなり何処から聞こえる声に俺は身体を硬直させる。
母さんでもない、実由でもない誰かの声。
「だ、誰?」
キョロキョロと辺りを見回す俺。
「…私? 私はここに居ますよ」
「!!」
急に俺の目の前が真っ白になる。
…。
…あれ?
何だこの感じは? どこかで同じ感覚を体験したような。
「あ。」
そうだ、これは今日の昼間にあの公園で俺が体験した白い物体との遭遇。
そして気が付いたら…こんな姿に。
「思い出したようですね。そうです、貴方が公園で衝突した存在。
そして貴方がその姿になった原因、それが私。」
…そうか、そうなのか。思い出した。あの時俺が公園のベンチで寝ていた時に
俺の頭上から落下してきた謎の白い物体。記憶が曖昧なまま自室で目覚め、
気が付いたら自分の身体が女の子になっていたあの出来事。
今の俺はベットの上に腰掛けている状態で一人ぼんやりと呆けている状況になっているが、
実際のところ自分の意識の中で俺はもう一人の誰かと会話をしていた。
「えーと、君は誰?」
「…私は○×◎☆▽と言います。端的に言いますと私は貴方達のような形態の生命体では無く、
ましてやこの世界の存在でもありません。」
「え?○×…何? 宇宙人? 異次元人? …それとも妖精?」
「今貴方の挙げた様々な”存在”の定義が正しいか否かは判断しかねますが、
私はこの世界には存在しない”思念体”のようなものと解釈していただいてよろしいかと
思います。」
意識下での会話は自問自答に近い感じではあるのだが、頭の中で返事がちゃんと
返ってくるので問題は無いようです。それにしても”白い存在”の言っている事は
俺には理解するのが難しいかも知れないです。
「うーん、まぁ何だか良く分からないけど、君は俺達のような”人間”では無く、
何か他の存在って事なんだね。」
「はい、そう理解していただいて問題ありません。」
「…ふーん、まぁ、そうならそれでいいんだけど。」
とりあえず納得する俺。これまでの経緯を考えるとそうせざるを得ない状況にあると
思われますので。
157 :vqzqQCI02008/08/08(金) 19:56:45.12 ID:nciUuzs0
「驚かれる様子はないので安心しました。この世界の方は異質な存在に対して
拒否感が無く意外と冷静で居られるようですね。」
「そりゃ、俺に限っては色々エロゲとか…って、やば。何でもありまry」
「えろげ?」
「いえいえっ、何でも。とにかく、君は何の用で来た訳なの? あと、どうして
俺がこんな事になってしまったのか教えて欲しいんだけど?」
焦る俺。思わず話をそらしてしまったよ。
「そうですね、この件について一番の影響を被ったのは貴方ですものね。
私は貴方にお詫びしなければなりません。あと、お礼も言わなければなりません。」
「それって、どういう事?」
「私は本来ここに居ないはずの存在。たまたまこの世界にきたのは
別の世界に移動する為でした。」
「どうして移動していたの?」
「はい、私達は時空間を移動する存在。様々な世界を渡り行き最終的に
自分の生存できる場所を見つける習性を持っています。それが私達という
”種”が存続していくための方法なんです。」
「ふぅん、…それで君は自分の住むべき場所を探すために移動していた途中だったんだ。」
「そうですね。しかしながら別世界の移動には非常に力を使います。
今回は長く移動を続けていたせいか、私自身の力不足もありましてあの場所で
力尽きてしまい、丁度貴方の居た場所に落下してしまったのです。」
「意識体が落下する? 何だか妙な感じだけど落下した先に俺が居て衝突したって事ね。」
「はい、その辺りの説明は…私も良く分からないので…お話できませんが、結果として
…そうなってしまいました。」
…? ん?
「…あのままだと私だけでなく、貴方も死んでしまう状況にありました。
そこで私は貴方と融合することにしたのです。…本当に申し訳ありませんでした。
私のせいでこんな事になりまして、私にはこうするしか方法が無かったのです。」
…気のせいか意識体であるはずの○×…えーと、何とか?さんが泣いているような気がする。
「それは、分かったけど、なんでこの姿になったんだろ?
生命を永らえるだけなら男のままでも良かったと思うんだけど。」
「…ごめんなさい、私は貴方の世界でいうところの女性なんです。
だから融合の際、私の存在の影響から身体が女性になったと考えられます。」
「え〜と、俺は元に戻れるのかなぁ?」
恐る恐る確認する俺。
「…ゴメンなさい、それは出来ません。今の私と貴方はある意味一心同体。
今はまだ身体のみの融合になりますが、そのうちに意識的にも何ら違和感無く融合してくると
…思います。」
「えー! マジですか!! なんか!何か恐いんですけどっ!!!」
青ざめる俺。何だよそれは!! 本来の俺は何処行っちゃうの?
158 :vqzqQCI02008/08/08(金) 19:58:03.58 ID:nciUuzs0
俺の身体が元に戻らないという事実よりもこの得体の知れない謎の物体との融合が
俺にとっては驚愕の事実であった。
何だか分からない不安感、恐怖感に襲われ恐慌気味の俺。本体の身体が
恐怖のあまり(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル している。
イヤ━━━━(゚∀゚;)━━━━!!!!
「落ち着いて下さい、大丈夫ですからっ! べ、別に貴方自身の存在が無くなるわけでは
ありませんからっ!!」
焦り気味の○×…▽だっけ?さん。俺が半狂乱に陥ったのを慌てたのだろう。
「イヤ━━━(゚∀゚;)━( ;゚∀)━( ゚)━( )━(゚ )━(∀゚ ;)━(;∀;)━━━!!!!!」
「心配しないでっ!! わたしを信じてっ!! 貴方の存在の保障はわたしがしますっ!!
絶対、約束しますからっ!! だから落ち着いてっ!!!」
傍から見ればベットの上で女の子がぐるぐる回って身悶えしているように見えるかも
知れない。いやぁ、これはこれで妙に艶かしくて萌えるかもしれませんが。
…しかし俺にとっては非常に恐ろしい精神状況にあったのでした。
「ミヒロちゃん〜落ち着いて〜! 話は私が全て聞いたわ〜!!」
「お姉ちゃん! 大丈夫よっ♪ あたしが居るからっ!!」
いきなり俺の部屋がバタンと開けられたかと思うと母さんと実由がぱたぱたと
やって来て回っている俺の身体に抱きついた。
…って、あなたたち何してんですか? 俺は意識体よりもあなた達のほうが恐いですよ。
「ねえ〜、意識体の○×さん〜?」
「は、はいっ?」
いきなり意識体に話かける母さん。いきなり話かけられて動揺する○×さん。
まぁ、普通は話しかけられることは無いはずだから驚くわな。
「ミヒロちゃんがあなたに乗っ取られることは絶対に無いのね〜?」
「あ、ありません!」
「ホントに〜〜〜〜?」
「ホ、ホントですっ!!」  
「そう〜」
母さんは○×さんに確認を取るとおもむろに俺の顔を自分の胸に埋める。
「んー!!」
バタバタと混乱している俺などお構いなしに母さんは俺の頭を撫ぜ撫ぜし続ける。
「大丈夫だって〜、ヒロちゃん〜、大丈夫だからって〜」
「うーん」
「大丈夫よ〜、大丈夫〜」
「う…」
徐々に身体の力が抜けていく俺。
…トクン、トクン、トクン
「…」
…トクン、トクン
…母さんの心音が聞こえる。
規則正しいリズムは不思議にも俺の混乱状態を落ち着かせてくれる。
「…」
動き疲れたせいか、それとも母さんに抱かれて安心したのか俺はそのまま
眠りについたのであった。
159 :vqzqQCI02008/08/08(金) 20:11:47.98 ID:nciUuzs0
今回はここまでっす。
話の構想はある程度できてるのであとは文字にするだけなんですが
なかなか時間が取れませんorz。
しかしここまで話を進めてしまうと途中で投げられないwwwwww

160 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/08/08(金) 21:05:54.14 ID:cznb5dwo
GJ
おもしろいよww
161 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/08/08(金) 21:18:26.93 ID:dTh1IsAo
>>159
乙!楽しみにしてるんだぜwwww
162 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/08/08(金) 23:30:18.81 ID:NbQLsVko
超展開wwwwwwwwwwwwwwwwww乙
163 :長目2008/08/10(日) 19:50:47.49 ID:RWTiFzko
2日遅れながら。
http://l.pic.to/te69a

事後報告で難ですが、ID:npoZcXws0氏のデザインをお借りしました。
164 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/08/10(日) 22:32:19.35 ID:anZtRvs0
GJ!
165 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/08/11(月) 20:48:21.48 ID:3tnIAg.0
>>163
ちと亀だが、GJ!!
二周年かぁ。人が少ないのが寂しい限りだ。
166 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/08/13(水) 11:24:14.74 ID:coHfz3wo
ar
167 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/08/16(土) 23:54:59.25 ID:JSxW6mco
なんでとまって・・・あれ?
168 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/08/18(月) 00:04:15.77 ID:c1OsVMAO
もう2年とな・・・・


あっという間に年取っちまう訳だわな
169 :vqzqQCI02008/08/19(火) 02:36:15.82 ID:Ic1cst60
   どんだけ☆エモーション(その6)

「え? 居ないんですか?」
サトシの顔が驚きに変わる。
「そうなのよ〜、ゴメンね〜サトシちゃん」
サトシは登校前、俺を迎えに来ていた。試験期間中なので部活も今は中止していて
久々に朝錬の無いサトシは俺の家まで来ていたのだ。
「晴子さん、今は学校の試験期間中ですよ? こんな時期に学校に来れないなんて」
「ふふっ、大丈夫よ〜☆ 学校の先生には事情を話しておいたから〜」
「でも、試験期間なんてせいぜい一週間位じゃないですか。それが終わってからでも…」
腑に落ちないサトシは母さんに食い下がる。
普通ならば試験期間中に学校に行かない生徒など有り得ない話であり、
サトシが納得いかないのも理解できる。
「そうなのよね〜私も困っているのよね〜。うちのお父さんったら、なんでこんな時期に
ヒロちゃんを連れていかなければならないのか理解に苦しむわ〜」
いまいち真実味に欠ける母さんの口調ではあるがこんな感じの人だから仕方が無い。
とりあえず話の内容としてはこうだ。
父さんが海外友好都市の交流のため、俺を連れて海外に行く事になる。
元々、父さんは某議員の秘書なのでこういった都市のイベントに参加する事は別に
珍しい事では無い。それで交換留学生の名目で急遽俺を連れて行くことにしたというのが
今回の話の内容だ。こうすれば俺の学校においても試験を休むいい口実になるし、
これはこれである意味授業の一環として評価されることになる。実に合理的な展開と言える。
…当然ながらこの話は嘘なんですが。
「…そうですか。それなら仕方ないですね。分かりました、とりあえずヒロアキが
戻ったら俺に連絡頂けますか?」
あまり納得していないサトシではあるが母さんにこれ以上聞いても埒が明かないのは
サトシ自身が理解しているところであり、この場は引くことにしたようだ。
「うん、わざわざ来てくれたのにごめんねぇ〜」
あまり悪びれる様子の無い母さん。…まあ、こんな人だから助かっているんだけどね。
170 :vqzqQCI02008/08/19(火) 02:37:37.37 ID:Ic1cst60
俺は部屋の窓から学校に向かい始めるサトシの様子を眺めていた。
サトシは一瞬、チラっと俺の部屋の窓を見る。
カーテン越しではあるが俺はそのサトシの様子にドキっとする。
…見えてないよね。
(そんなに気になるならサトシ君に自分の事を話して理解してもらったらどうですか?)
俺の頭の中からもう一つの思考が浮ぶ。通常ならば違和感有りまくりなのだが、
自分の中で自問自答している感覚なので自然といえば自然で自分で思ったような錯覚さえ感じる。
…それにしても。
「あの〜、マルさん。俺の事に関してあまり構わないで欲しいんだけど。」
(あら? でも、私とあなたは一心同体ですよ? 干渉するなと言われても無理な話ですよ)
いかにも興味津々な感情が俺の中に浮ぶ。くそっ、人の気を知らないで。
…あれ、と言う事は?
「…ひょっとして、俺の心の中って読まれている?」
(ミヒロさんの深層部分までは分かりませんが、でも浮んでくる感情とかで大体の事は
分かっちゃいますね)
「う〜」
俺の顔がどんどん赤くなっていく。どんだけ俺の心境を知ってんの?

たった一日の付き合いでしかないが、俺と○×◎☆▽さん(以下、マルさんと呼ぶ)は
すっかり馴染んでしまったようでお互いの意識を共有し合っている。
あれだけ俺が(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブルしたのが嘘のようだ。
昨日、あの状態に陥っていた自分自身の姿を思い起こしてみると恥ずかしいやら
何やらであるのだが、母さん、実由、マルさんともに分かってくれているので
今日は何事も無く振舞っていられる。
初めあれだけ堅苦しい感じだったマルさんの口調(思考)もすっかり砕けた感じに変わっている。
…正直あの小難しい思考が俺の頭の中にぐるぐると出てこられるとキツイので良かったかな。

「ミヒロちゃ〜ん、朝ご飯できてるから来なさい〜」
「はーい」
それにしても、学校に行く予定が無くなってしまったので本日は休日のようになってしまった。
でもまぁ、編入試験の勉強をしなければならないんだけどね。
「おはよう、母さん、実由。」
(お母様、実由ちゃん、おはようございます。)
「おはよ〜☆ミヒロちゃん、マルちゃん」
「お姉ちゃん、マル姉ちゃん、おはようっ♪」
この人達もすっかり馴染んでいるようですね。普通なら…いや、何も言うまい。
(ミヒロさんも私の存在にあまり驚かなかったようですのでお互い様では無いですか?)
…マルさんが言うな。
171 :vqzqQCI02008/08/19(火) 02:38:52.42 ID:Ic1cst60
とりあえず3人(プラス1)はテーブルを囲んで朝食をとる。
例のごとく父さんは仕事で朝早く出かけてしまうのでいつもこんな感じである。
…ここ最近、父さんの姿を見ていないのは俺の気のせい?

「お姉ちゃんは今日は学校休みかぁ。いいなぁ〜」
「エヘヘ、羨ましいだろー。」
「ミヒロちゃんは今日は学校に行かないんだから私のお手伝いしようね〜」
「え?」
硬直する俺。ウインナーをつまむ箸の手が止まる。
「ま、当然だよねっ♪」
味噌汁の残りをすする。実由。
「ま、仕方無いか…」
(私もお手伝いしますよ。)
意識体が何を手伝ってくれるんだかwwwwww

朝食後、実由は学校に出かけ、俺と母さんは家事を行なう。
家事といってもほとんどやり方の知らない俺なので母さんに色々教えてもらいながら
掃除、洗濯をこなしていく俺。
昨日のマルさんの話から俺が男に戻れる可能性は無くなってしまったので
「もう腹を決めて女の子修行しなきゃ駄目よ〜」
などと母さんに言われ、渋々家事に取り組む俺。まぁ、仕方無い。
そうこうしているうちにすっかり時間がお昼時になってしまった。
今日のお昼は俺の作ったパスタ。
あさりときのこをソテーした後、ホワイトソースと混ぜ合わせ
茹で上がったパスタにからめる。
…うむ、いい味。料理の腕だけは着実に上がっているようです。
ポイントはあさりの下処理、これに尽きますね。
「ミヒロちゃん、美味しい〜! お料理上手ね〜」
「ホント? エヘッ、嬉しいなっ☆」
(ミヒロさん、仕草が段々女の子っぽくなってますね)
…ギクッ。そ、そう?
マルさんに指摘され思わず動揺する俺。身体だけでなく心まで女の子になってしまうのか?
そんなのやだぁ〜、きゃは☆
「ミヒロちゃん〜可愛い〜」
(可愛いは正義ですね、わかります)
「…お願いだから心読まないでくれますかっ」
…もう、やだ。
172 :vqzqQCI02008/08/19(火) 02:40:30.95 ID:Ic1cst60
かくして賑やかに昼食が終わり、俺はキッチンで食器の後片付けをする。
「そうだ〜、お昼ご飯を食べたら今度はお買い物行ってくれる〜?」
「ほえ?」
お皿を洗う手が止まる。買い物ねぇ。
「こんなに上手なんだから晩御飯の準備、ミヒロちゃんにおまかせしちゃうわ〜」
背後から俺に抱きついてにっこり微笑む母さん。
「まぁ、いいけど。何を買えばいいの?」
「何でもいいわよ〜。ミヒロちゃんの食べたいもので〜。」
…俺の食べたいものか。う〜ん、どうしようかな。
「それじゃ〜、お金渡しておくからお願いねぇ〜」
母さんは俺にお金を渡すと庭の方に行ってしまった。母さんは趣味の庭いじりに興じるようだ。
(お買い物ですか。楽しそうですね。)
どうなんだろうか? 楽しいかはともかく、今の俺の姿で外に出かけるのは流石に
躊躇われるのですが。
「…まぁ、いいや。」
とりあえず外出用に着ていく服を選ぶため、部屋に戻る俺であった。
173 :vqzqQCI02008/08/19(火) 02:41:24.44 ID:Ic1cst60
               ◇ 
「うーん、どおしょうかなぁ…」」
クローゼット内の洋服たちとにらめっこを続ける俺。
どうせ近場のスーパーでの買い物だし、出かけるにしてもそんなに気合いの入った服装は
必要ないのだが、そもそも俺の現在所有する服がどれも女の子全開の可愛いものばっかりなので
派手で無く大人しめの無難なものを探すのが困難という問題に直面している。
(別にどれでもいいじゃないですか。どれも可愛くてセンスがいいですよ。)
「分かっちゃいるけどぉ…、恥ずかしいんだよぅ。」
女の子のファッションに慣れてないので自分が着込んだ姿を想像するだけで赤面しそうです。
(これはどうです?)
マルさんは赤のスカートを選ぶ。ちょっとタイトな感じのミニ。
「派手だ…」
(そうでもないですよ? ミヒロさんはこの位が似合うと思います)
「でも〜」
(それではコレなんてどうですか? 可愛らしいですが結構大人しめですよ)
次にマルさんはベージュのワンピースをチョイスする。成程、色も大人しめだな。
ところどころの白いフリルもそんなに派手で無いし。
…丈は相変らずミニに近いものがあるが。
(あとは上にこの赤いボレロなんて着込むといいですよねっ)
何だか洋服選びを楽しんでいるような気持ちが伝わってくる。
ワクワクしているというか、はしゃいでいるというか。
「マルさんはこの世界に来て日が浅いのにファッションとかに妙に詳しいですね…」
(そうですか? 実はミヒロさんのお母様や実由ちゃんから色々教わったんですよ、うふふ)
…え? 何時の間に?
俺の知らないとこで何してるんですか、あなた達は?
(ふふっ、いいですからコレに決めましょうよ?)
「う〜ん、どうしようかなぁ〜」
煮え切らない俺。そもそも乗り気でないというのもあるが。
この姿になったせいで元々出不精な俺自身にさらに拍車を掛けたような気がする。
(着慣れないのでしたら昨日着ていた実由ちゃんのワンピースを着ますか?)
「アレのほうが派手だよ…」
(ミヒロさんの言う派手でないものといえば見た限りではコレしか有りませんよ)
「そうなんだけど…」
(時間が無くなっちゃいますよ、急がないと。)
「…」
結局、マルさんの勧めた服を着る事になったのでした。
174 :vqzqQCI02008/08/19(火) 02:43:18.15 ID:Ic1cst60
                   ◇

俺が向かうスーパーは自宅から歩いて10分程の距離にある。
その道のりを俺は歩いていた。 
「やっぱ、スースーして落ち着かない…」
ワンピースの丈を気にしながら歩く俺。
(慣れたら気になりませんよ。こういうものだと割り切るのが一番です)
「そうは言ってもぉ…」
(服選びの時といい、ミヒロさん女々しいです。何だか男らしくないですよ?)
えー!? ち、ちょっとぉ、マルさん!!
「お、女の子なんですけどっ!!」
もー!! 矛盾してるよおっ!!!

…とか、やっているうちに目的のスーパーに到着。
まだ夕食の買出しの時間には程遠い時間なので店内は落ち着いている。
「さーて、何買おうかな〜♪」
俺は本日の夕食を何にするか各売り場を回りながら考える。
(ミヒロさん楽しそう、何だか生き生きしてるww)
「そうかな?」
(ハイ)
「う〜ん、言われてみればそうかも知れない。 自分の作った料理をみんなが美味しいって
言ってくれたんで頑張ってまた美味しいものを作ろうかなって、ね?」
(ウフフ、可愛いです)
「! いや、そのっ、可愛いなんてっ、止めてくれない? 恥ずかしいからっ!」
あまり人の居ない時間帯で良かった。
傍から見たら女の子が一人で慌てたり赤面したりしているのだ、挙動不審にも程があります。
「もぅ、マルさんったら…」
ブツブツ言いながら買い物を続ける俺。

程無くして買い物を済ませた俺は自宅に向けて歩き出す。
スーパーの近くに俺の通う高校があるのでさっきから制服を着た生徒とすれちがう。
「…」
試験期間中だもんな。こんな早い時間に学生が歩いていても不思議ではないか。
ぼんやりとその姿を見ながら俺は足取りを進める。
サトシも試験が終わって帰っているところかな?
175 :vqzqQCI02008/08/19(火) 02:44:27.33 ID:Ic1cst60
「あれ? ミヒロさん…だっけ?」

「え?」
俺がそう思った矢先、俺の目の前に制服姿のサトシが立っていた。
サトシはすぐ近くのコンビニから出てきたばかりで手にはコンビニ袋を下げている。
「え、えっと、あなたは…」
一瞬頭の中が真っ白になり、思わず後ずさりしそうになる。
「えーっと…昨日会ったんだけど、忘れてしまったかな? ヒロアキのダチのサトシなんだけど…」
俺が思いっきり引いている様子を見て少々戸惑うサトシ。
今の俺にとって最も顔を合わせたくない人間だもんな、どう接すればいいのか分かんないよ。
「…あ、ハイ、分かります、サトシさんですよね…」
俺はこれ以上何を言えばいいのか分からず黙り込んでしまう。
「いや、その、そんなに引かれてしまうと俺も困っちゃうんだけど。いきなり声をかけて
気を悪くしてしまったのならゴメン。…迷惑なら俺もう行くね。」
サトシは俺の反応にちょっと落ち込んでしまったようでそそくさと帰ろうとする。
「…待って。」
「え?」
思わずサトシを呼び止める俺と意外な反応に立ち止まるサトシ。
「…別に迷惑じゃない。急に声を掛けられて驚いただけ、ゴメンなさい。」
「そうなんだ。偶然とはいえ会えて良かったよ。」
「会えて良かったって…どうしてですか?」
サトシを引き止めた事に若干の後悔をしつつもサトシの言葉が気になる俺。
「おれ、…じゃなかった、私とサトシさんが初めて会ったのは昨日の事ですよね?」
「まあ、そうなんだけどね。…実はさ、気になってたんだ。ミヒロさんのこと。」
「え?」
思わずサトシの顔を見る俺。サトシは俺を見てニッコリ笑っている。
…今、何て言った? サトシの奴?
思考が止まる俺。サトシは相変らず俺を見ている。
(いきなりの急展開ですか☆)

…(゚д゚)ポカーン
…( ゚Д゚)ハッ!
なんでそうなる!!
176 :vqzqQCI02008/08/19(火) 02:54:13.08 ID:Ic1cst60
ちょっと短めですが、今回はここまでです。
自分でいうのもなんですが、なかなか進まない展開にorz
しかし、過疎ってますなww
177 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/08/19(火) 21:30:03.32 ID:mWB/bho0
GJ!
178 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/08/21(木) 01:21:34.64 ID:XNVf6qYo
GJだが静か過ぎるな
179 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/08/21(木) 21:03:09.38 ID:DN1YuAAO
GJ

無駄に

ざわ・・・
ざわ・・・

いってるよりはいいんでないかい
180 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/08/26(火) 00:30:29.61 ID:Zp5JR3w0
…(゚∀゚)
181 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/08/26(火) 00:42:21.64 ID:saGr1YIo
g
182 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/08/29(金) 01:16:08.93 ID:TgJdxYko
起きろ!!
183 :vqzqQCI02008/08/30(土) 02:34:53.07 ID:u2R7PrQ0
   どんだけ☆エモーション(その7)

「…で、マックに来たわけだが」
立ち話もなんだし、というサトシの提案によって俺とサトシはちょっと足を伸ばして
最寄の駅前のマックに来ている。
俺はバニラシェイク、サトシはコーヒーを頼むと窓際の適当な場所に座る。
「いきなり誘ってゴメンね。」
サトシは俺にシェイクを手渡し、向かい合わせの位置で椅子に座る。
「いえ、別に大丈夫ですからっ。」
何が大丈夫なのか良く分からないがとりあえず何事も無いように振舞う俺。
それにしても。

―「…実はさ、気になってたんだ。ミヒロさんのこと」
(サトシ君の言葉、気になりますねっ)
さっきからマルさんのドキドキ、ワクワクしている気持ちが俺に伝わってくる。
何と言いますか、マルさんってかなり乙女全開な女の子なんですね。
マルさんにつられているかどうかはともかく、俺もマックまでの道程の間ずっと
胸がドキドキしっぱなし、さらに緊張しまくってサトシとの会話の内容が
良く憶えて無いほどだった。
―マルさん、俺とサトシは昔からの親友であってそれ以外の何者でも無いですよ?
何を期待しているのですか?
心の中で俺はマルさんに話しかける。
(あら、何を言ってるんです?前はともかく、今のミヒロさんとサトシ君は異性の関係なんですよ?
これを期待せずして何を期待するんですか?)
―だからって、俺とサトシはそうならないって。
(ミヒロさんはともかく、サトシ君はそうでは無いかも知れませんよ。それに)
―それに?
(以前は親友同士だった関係からの発展、何か萌えるシュチュエーションですよねww)
―ボーイズ・ラブかよっ!? 全く女って奴は…って、俺もか?
「えーと…、ミヒロさん、どうしました?」
怪訝な顔をしているサトシ。
いけねっ、またこれだ。
俺とマルさんのやりとりは傍から見れば一人百面相をしているようにしか見えない。
怒ったり、しかめっ面をしたかと思えばニヤついたり涙目になったり忙しい限りである。
「いえいえっ、ちょっと色々思い出しちゃって思わず顔に出ちゃったのかも知れません。
ごめんねっ、変な女の子で…」
その場を取り繕うように笑って誤魔化す俺。
「いや、何だか安心したよ。ミヒロさんと会った時、あまり顔に表情を出してくれてなかったから
俺もどうしたらいいか分からなかったけど今のミヒロさんはいいよね。
やっぱり女の子は表情豊かな方が素敵だし、そのほうがとっても可愛いよ。」
184 :vqzqQCI02008/08/30(土) 02:36:08.09 ID:u2R7PrQ0
「!?」
(!?)
俺とマルさんは二人して固まった。
か、可愛いっですとっ!!
(やだ〜もぉ〜、サトシ君ったらwwww)
マルさんはサトシのセリフにときめいてしまったようで、本気でドキドキしている。
おいおいっ、あんたがサトシに惚れてどうすんですか…。
とはいえ、俺も「可愛い」というフレーズが頭の中でグルグルして回ってドキドキしている。
何だろ? この感情は?
しかし、サトシが女の子に対して何処かに誘ったり、可愛いなんてセリフを言ってくるなんて
あの堅物にしては意外といえば意外だ。
俺の知らないサトシ。これはこれで妙に寂しい感情が浮んでくるのも事実であった。
「…で、いいかな?」
「え? あ、ハイ」
サトシの声で現実に引き戻される俺。
いけねっ、またまた自分の世界に入ってしまっていたようです…。
「実は聞きたいことがあってミヒロさんを誘ったんだけどね。」
コーヒーを口にするサトシ。
あれ? 確か俺の事が気になって誘ったってサトシは言ってたよな?
なんだか自分が期待している展開と異なる方向に進んでいるような予感がする。
所詮、社交辞令みたいなもんですか。ちぇっ。

…あれ、期待なんかしているわけないですよね?

「ミヒロさんってつい最近あの家に来たの?」
「あ、ハイそうですけど。」
「ふーん、ヒロアキってもう海外の方に行っちゃったの?」
「え? おr、じゃなかった、ヒロアキ君ですか? 行ったといえば行ったような…」
「ような?」
「いえ、今朝の早いうちです。出かけてしまったのは。」
「ひょっとして昨日買い物していたのは準備の為だったのかな?」
「えーと、まぁ、そうですね…」
なんだか会話の内容がミヒロとは関係の無い話になっているんですが。

…でも、成程。サトシが俺(ミヒロ)を誘った理由が分かった。
今日の朝、母さんとの話に納得いかないサトシはヒロアキの家に住む事になったミヒロに
事実を確認しようとしているわけなんですか。
(え〜、いい展開になるとおもったのに〜! ミヒロさん、冷静に分析してないで
サトシ君に積極的にアプローチしましょうよー)
…いいですから、話を蒸し返さないで下さい。
185 :vqzqQCI02008/08/30(土) 02:37:58.40 ID:u2R7PrQ0
「サトシさん、今朝家に来てましたよね? かあs…、晴子さんの話に
納得いかない事でもあったんですか?」
「いや、そういう訳では無いけど、話が唐突すぎてさ。
だって、昨日奴と一緒に学校から帰って直ぐにだよ? あの時俺と居た時はそんな話全然無かった。
あの後 奴の携帯にも何度も電話したけど繋がらなかった。不自然だし、おかしいと思わないかい?」
「たしかにそうですね…」
声が小さくなる俺。母さんの話はともかく、サトシの電話に出なかった当事者なので気分的に
後ろめたい気持ちになります。
「今朝の晴子さんの話も何だか話が出来過ぎているような気がするし、
何か隠しているような気がしてならない」
「はあ…」
鋭い奴と思いつつも顔には出さない。
「で、ミヒロさんに実際のところヒロアキがどうなっているのか聞きたいんだ。」
「えーと、実際もなにも晴子さんのいう通りでして、それ以外私には何も答えようが無いです」
…これ以上何を言えというのか。
俺の動向については正直なところ追求して欲しくない話題ではある。
今後俺自身どうなるか分からないので適当な事も言えないし、出来る事ならサトシには
あまり俺に関わらないで欲しいのが本音である。
サトシには悪いがとにかく無理矢理にでも納得させてこの話を終わらせないとな。
「じゃあ、ヒロアキは本当に海外に行っちゃったのかい!?」
「はい」
「本当に?」
「何度言われましてもそう答えるしかありません」
「そう…なんだ……」
「…」
しばし沈黙。
さすがにサトシも何も言えず黙り込む。
俺は俺でどうしたらいいのか分からず黙ってサトシの様子を伺う事しか出来なかった。
(サトシ君、黙り込んでしまいましたね。)
―多分この状況だと皆黙り込むしかないのかも知れませんが。
俺はすることも無くぼんやりと店内を眺める。
店内は落ち着いていてお客はおしゃべりに興じたり本を読んだりとのんびりとした雰囲気だ。
186 :vqzqQCI02008/08/30(土) 02:38:52.82 ID:u2R7PrQ0
「…で」
サトシが口を開く。
「え?」
「なんでかな…。何でヒロアキは俺に何も言ってくれなかったのかな…」
「え…」
俺はハッとしてサトシの顔を見る。
何だか寂しそうなサトシの顔。
「俺とヒロアキは昔からの親友でさ、ずっとつるんで行動していたもんでお互いの事なんか
良く分かっていたし、これまで隠し事とか全然無かったんだけど…どうしちゃったのかな。」
「それは…」
親友だと思ってた人間が何も言わず急に何処かへ行ってしまった。
それに対しての切ない思いがポツリと口から出てしまったサトシ。
俺はサトシのそんな姿を見た瞬間、急に申し訳の無い想いにとらわれた。

「…ごめんね。ミヒロさんには全然関係無い話だったよね。折角誘っておいて
こんな話しかしないで全然楽しくないよね、つき合わせちゃってホントごめん。」
申し訳無さそうにミヒロ(俺)に謝るサトシ。
「そんな…」
口ごもる俺。
いや、悪いのは俺だ。これだけ俺の事を心配しているにも関わらず
俺は自分の事しか考えてないばかりかサトシを自分から遠ざけようとしていたのだから。

こうなって初めて知る、親友の存在。
ホント、サトシは俺には勿体無い位のダチだよな…。
今の俺はこんな姿なのでヒロアキとして接する事は出来ないし、
今さらミヒロがヒロアキだと言うのも難しいところだ。
だけど今の俺でも何とか奴の気持ちを和らげる事くらいは出来るはず。

「いいえ、そんなこと無いです。…その」
「ん?」
「サトシ…さん、ホントにヒロアキ君の事 親友として気にしているんですね。
羨ましいです、ヒロアキ君にこんなにいい友達がいるなんて。」
「そうかな? でも奴は今回の事について俺には全然話をしてくれなかったんだよ。
俺はともかく、あいつにとって俺はそんな程度の友人でしか見てないのかも知れないよ。」
やや自嘲気味にサトシが呟く。
187 :vqzqQCI02008/08/30(土) 02:40:01.96 ID:u2R7PrQ0
「…!!」
俺はサトシの言葉に反応する。
確かに連絡とか相談とかしなかったのは俺が悪いにかも知れない、だけど。
「そんな程度」って、サトシお前は何て事いうんだよ!
俺がお前に対してそんな訳ないだろうが!
といいたいのを俺は必死に我慢する。…くそっ。
そう思った瞬間、俺は腹が立って涙が溢れてくる。

あー、もう駄目だ。我慢できないっ!
「そんな事ないっ!」
「…え、ミヒロさん?」
俺の突然の口調に驚いた様子のサトシ。
「どうしてそんな冷めた事いうんだよ、そんな程度の友人だなんて。
サトシは今までヒロアキと接して来たんだろ? ホントにヒロアキがお前をそんな程度でしか
見てないような奴だったのかよ?」
「それは…」
「お前は知っているはずだ、ヒロアキがどんな奴だったかを。
怪我のせいでサッカー部を退部する事になったヒロアキが自分の事よりも
一緒に退部をしようとしたお前の事を心配していた事や、お前が病気で学校を
1週間休んだ時も毎日家まで様子を見に来ていた事とか、ヒロアキがお前の事を
そんな程度の友人でしか見ていない奴だったらそこまでするのか?」
「…」
「自分のダチならダチの事を信用してやれよ。ヒロアキにはお前に言えない事情が
あるんじゃないのか?」
「…」
サトシは黙って俺の話を聞いている。
「きっと有ると思うぞ、サトシと連絡がとることの出来ない理由が。
だってこれだけ自分の事を心配してくれる友達だぞ? 連絡を拒否するなんて
有り得ないだろうが。」
「確かに…そうかも知れない。」
そう言ったサトシの表情は何となく和らいだように見えた。
「そうそうっ、ヒロアキはサトシに心配させまいとする何らかの理由があると思うぜ。
こんな自分の事考えてくれるダチを無視するなんて許せない話だよっ」
俺はそう言うとサトシの肩口に手をかけ、Vサインをしてサトシに( ̄ー ̄)ニヤリッ、と笑いかける。
「…! あ、うん、そうだよな。」
サトシは一瞬、驚いた表情を浮かべた。だがすぐに笑顔で返してくれた。
「今は連絡が取れないから話すことも会うことも出来ないかも知れない。
だけどお前の相手を思う気持ち、…その気持ちは必ず相手に伝わると思うぜ。」
「…そうかな?」
「絶対だ。俺が言うんだから絶対だよっ」
だって俺がそのヒロアキ本人だもんな。
188 :vqzqQCI02008/08/30(土) 02:41:16.03 ID:u2R7PrQ0
「…俺?」
怪訝な表情を浮かべるサトシ。
「あ、いやっ、わたし、私っ。アハハっ」
慌てて言い直す俺。ヤバイヤバイ、つい素が出てしまったよ。
「アハハ」
「ハハハ」
何となく俺とサトシは互いに笑い合った。
「…ミヒロちゃんってスゴイね。なんだか圧倒されてしまったよ。
最初の印象は大人しそうな娘だなって感じだったけど、実は結構熱い娘なんだね。」
「そ、そうなんだよね。皆に良く言われるんだ、見た目と中身のギャップが大きいって。」
今度はボロを出さないようにしなきゃ、と思いいつつもサトシも俺もすっかり打ち解けた雰囲気に
なったので変な敬語が無くなり、自然な話し方になっている。
「うん、確かにギャップが大きいかな。さっきの変貌ぶりにミヒロちゃんの見る目が
全然変わってしまったよ。」
「アハハ、サトシ君私のこと幻滅した? こんな男っぽい女の子だから。」
「ううん、そんな事ない。むしろ前よりいいかも知れない。」
「え?」    
サトシの返答に思わず考え込む俺。
前よりいい? おしとやかさを強調して(あくまで本人の主観)いた前のバージョンの俺より?
「何ていうんだろ。ミヒロちゃんの口調とか雰囲気とかは俺にとっては結構昔から
慣れ親しんでいるんだよね。だから不思議と安心できるというか、心許せるというか…」
昔から慣れ親しんでいる? それって…
「で、でも女の子がこんな感じって変だよねっ」
とりあえず否定的な返事を促す俺。確認の意味合いもあるのだが。
「そうかも知れないけど、俺はそうは思わないよ。昨日、初めてミヒロちゃんに会った時
俺は君に言った思うけど不思議と初対面な気がしないって言ったよね?
その時は何故か分からなかったけど、今その理由が分かったような気がする。」
「…え」
「さっき俺に語っていた時のミヒロちゃん、まるでダチのヒロアキに雰囲気がそっくりなんだ。
姿形は違うんだけど、何だかそっくりなんだよな。」
「…」
思わず黙り込む俺。ひょっとして俺(ミヒロ)がヒロアキだと分かった?
…でもなんだかサトシの雰囲気からしてそうでは無いようだが。
「で、改めてミヒロちゃんと会って分かったんだ。」
「な、何が?」
「ミヒロちゃんが良ければなんだけど、…また会ってくれないかな?」
「…」
「…え」
「…ええっ?」
顔がどんどん驚きの表情に変わっていく俺。
189 :vqzqQCI02008/08/30(土) 02:43:17.62 ID:u2R7PrQ0
(サトシ君、いよいよ本題に突入ですねっ、私も待ち焦がれた甲斐がありますww)
嬉しそうなマルさんの思考が飛び込んでくる。
マルさんはこの展開を読んでいた? 期待していた?
―「…実はさ、気になってたんだ。ミヒロさんのこと」
あれってヒロアキの状況を聞きだす為にミヒロを誘った口実では無かったのか?
様々な疑問符が浮ぶ俺。

「…駄目かな?」
目を白黒させている俺を見てちょっと躊躇いがちに尋ねるサトシ。
そんな憂いの表情をされると…俺。
(ミヒロちゃんっ!! サトシ君が聞いてますよっ!! 早くOKして下さいっ!!)
そ、そんな…
(モタモタしないで下さい! 男らしくおkして!!)
男らしく!? ちょっとぉ、だって今は女のk
(早くしろ〜!!!!! ミヒロ〜!!!!!)
「ひい、いいえっ! 全然OKですっ!」
「本当? ありがとう、嬉しいよ」
マルさんの心の叫びに思わずOKしてしまった俺。
…マルさん、恐すぎだよ〜っ!!
そんな事など知らぬサトシは嬉しそうに笑う。
…あ、でも悪くないかも。今のサトシの笑顔見たら胸が不思議にキュン!って、なったから。
何気に心地良い胸の鼓動。ひょっとして、これって…

(やったwwやったww うふふ、楽しみ〜wwww)

…あれ?
ひょっとしてこれって俺じゃなくって、マルさんの胸キュンですか?

(つづくww)

…あれ? つづくって…?
190 :vqzqQCI02008/08/30(土) 02:57:23.49 ID:u2R7PrQ0
投下しました。
話の終わりが見えないです。予定では10くらいで終わる予定ですが、
これでは終わりませんwwww ちょっと忙しくなってきたので
次回はいつになることやら。正直、ちゃんと完結できる自信がww

191 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/08/30(土) 11:15:01.22 ID:nvKBW6co
gjjgj
続くほうが俺は嬉しい
192 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/08/30(土) 16:50:39.49 ID:yL5V3gQ0
創作発表板できたよー
http://namidame.2ch.net/mitemite/
創作した小説やイラストなどを発表し感想を貰う板です。
193 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/08/30(土) 23:25:09.82 ID:LVOdJS20
GJ!
194 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/08/31(日) 15:28:03.46 ID:NlNJDJYo
鮮やかな桃色のパンツ。
僕が最後に見たのはスカートの中から覗く一瞬の幸福だった。
間もなく僕は意識を失って、通学路の上に倒れ込んだ。



         ○  


「あたたたたー」
女がぶつけた頭をさすりながら起きあがる。
「まったく一体何があったんだ?」
周りを見渡す女。女の近くには通学鞄と、少し離れた所に男とその鞄が横たわっていた。
「わっ、大変だ」
女はすぐさま男の元に駆け寄る。
「大丈夫ですか……?」
少し申し訳なさそうに声をかける女。
「……」
応答はない。
「……これは、人口呼吸が必要なのか……?」
女は逡巡した。どうも引け目があるのだろう。
そしてその場で少し考え込んだ。人工呼吸は関係ないだろっ!とツッコミを入れる者は誰もいない。
「男に人工呼吸は……嫌だが仕方ない……ってあれ?男?」
首に手を当てて唇をつけようとしたときに
そこで初めて事の異変に気付いた。
「あれ?僕がぶつかったのって、男だったっけ?」
女は男の首に手を当てつつ疑問に思う。
じゃああのパンツは……、などと少し考えこむも、目の前に男が倒れているのは事実。
「僕の勘違いだな……、さて、人工呼吸を」
と言って唇をつけようとしたとき
195 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/08/31(日) 15:40:30.93 ID:NlNJDJYo
「人口呼吸関係ないわーーっ!!」
勢いよく男が起きあがった。
「アホーーっ、お前アホかっ!!」
すると女はぽんと手を打ってにっこり微笑んだ。
「そういや、そうだな」
「今頃気付くなーーーーっ!!」
男が激しいツッコミを入れる。
そして一通りツッコミを繰り出した後、
「ってあれ?」
男も異変に気付く。
「わたしがぶつかったのって……どこかのチンカス野郎じゃなかったかしら」
どこかのチンカス野郎とはひどい物言いだが、男はそう言った。
女は男の一人称を疑問に思いつつも口を挟む。
「実は僕も女の子にぶつかったと思ったのに、あなただったので驚きました」
間髪入れず
「チョットマテオマエ」
男が般若の形相で睨み付ける。
「イマ、ナンテイッタ」
「え、いやあの、てっきり僕はあなたが女の子だとばかり思っていて」
「どうみても女だろーーーがっ!!!」
キレた。男が失礼しちゃうわ、なんて言いつつ
「全く私のどこが男に見えるわけ?だいたいスカートを履いている男なんか……あれ?」
自分のズボンを触りながらマヌケな声を出す。
「ちょあれ?なんで?なんでわたし学生服着てんのーーーーーーっ!」
196 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/08/31(日) 15:54:38.03 ID:NlNJDJYo
「うそっ、いや、なにこれっ!!」
「あのー、学生服着てるのがそんなにおかしいんでしょうか……」
「おかしいも何もわたし女っ!!……だけど……まさか」
男がおそるおそるという感じで
「あの、さっきから思ってたんだけど、あなたわたしに随分似てるわね」
「そういうあなたこそ……まんま僕じゃないですか」
ごくり、と喉を鳴らす男。
「あのー、一つ聞いて良いかしら」
男が質問する。
「あなた性別は?」
「男」
「…………自分の服装見てみ」
え?と女は自分の服装に目を遣る。そして……

青ざめた。
「ぼ、僕にこんな趣味があったなんて……」
「違うだろーーーっ!!」
男が突っ込む。
「いやでも、あれ?あれ?あれ?なんか重いものが胸に……」
自分の胸を揉みながら女が言う。
「ちょ、揉むなアホーーーーっ!」
男が女の頭をぶん殴る。
「いっったーー」
「さわんなエッチ変態バカっ!」
顔を真っ赤にしながら男が叫んだ。
「ななな、なんであなたに怒られなきゃ」
女が本当に驚いたというような声をあげた。
すると男はまだ顔を赤くしつつ大声を出して、
「怒るもなにも、それはわたしの体だアホーーーーっ!!」
197 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/08/31(日) 15:59:15.11 ID:NlNJDJYo
それから数分後、女が沈んだ声で言った。
「あの、それ本当ですか?」
男は答える。
「だって状況を見たらそれしか考えられないし、それに」
制服の胸ポケットから一冊の生徒手帳を取り出す。
「こんなもの入ってたし」
「あ、それ僕のっ」
女がその生徒手帳を受け取った。
「じゃあやっぱり本当に」
女が言う。
「そう」
と男。
そして二人同時に


「「体が入れ替わってるーーっ!!!」」
198 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/08/31(日) 16:04:43.65 ID:NlNJDJYo
「信じられないっ」
女が悲鳴をあげた。
「こんなの非科学的過ぎるっ」
「わたしもそう思うわよ」
はぁ、と男(中身は女)がため息をつく。
「是非夢であってほしいけど……」
自分の頬をつねり
「そうじゃないみたい……」
「……ですね」
女(中は男)が情けない声を出す。
「決定的なのは……わたしに玉と竿がついてることかしら」
そういいながら自分の股に手をやろうとして
「ちょちょちょ、やめてくださいっ!!」
女が焦ったように声を出した。
「遅いわよ、もう確認したから」
はぁ、と男(実は女)がため息をつく。
199 :レモン ◆yVOiXYQsYU2008/08/31(日) 16:09:08.21 ID:NlNJDJYo
続きを書く予定ですが今日はこれくらいにします。
トリつけときます。
200 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/08/31(日) 16:38:24.12 ID:NlNJDJYo
「それにしても」
男が口を開く。


以下、男、女は精神によって区別する。


「あんたのチンポ、やけに小さいわよねなんかこう、短小?みたいな」
「わーわーわー」
男が必死にその声を妨害する。
「あーあ、こんな情けないものをつけてしまうなんて、心まで情けないわ」
「そんなにいじめないでくださいよぉ」
「あ、あと」
女が言う。
「わたしの体触ったらただじゃおかないわよ」
えっ、と男は胸に持って行こうとした手を止めた。
「触ったらその、ぶっころだから」
「ぶっころ……」
男は少しだけ寒気に襲われる。
「でも、とにかく、このままじゃマズイですよね」
このままとは肉体が入れ替わった状況のことだ。
「あったりまえじゃない」
と女。
「でも、どうします」
男がどうしようもないよ、という顔をする。
すると女はキッパリ言い放った。
「解決策は、あるわ」
女がびしっと男に指をさして言った。
「もう一回ぶつかるのよっ!!」
201 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/08/31(日) 16:44:32.91 ID:NlNJDJYo
「あのー本当に大丈夫なんでしょうか」
少年はひどく不安げに問う。
「大丈夫、死ぬ事はたぶんないわ」
たぶんという副詞をつけ死ぬ可能性をアピールする女。
「たぶんって……」
女が提案した「もう一度ぶつかる」という行為は間もなく開始されようとしていたのだが、
男はあまり乗り気でない。
代わりに女は思いっきりぶつかるつもりでいる。
「だいたい、体はわたしのものじゃないんだし、いくらぶつけても平気よっ!」
そんなことさえ言い放つ。
「そんなぁ」
不安げな男。

そして、
「じゃあ行くわよっ」
女が加速を始めた。
「は…はい……」
男も乗り気でないにしろ走り出す。
「うらあああ」
「うわあ……」
ちなみに後者が男。
202 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/08/31(日) 17:49:53.31 ID:NlNJDJYo
数分後

「……痛いわね」
「……ですね」
「なんかこう、失敗みたいね」
「……失敗みたいですね……」
二人は道路に倒れこんでいた。
「それじゃあさ」
「はい、何でしょう」
「当分このままでいようか」
「はい…………ってえ!?勘弁して下さいよ!」
「だってもう疲れたし……」
「このままいるほうが疲れますよっ!!」
「そういやあなた家どこ?」
「なんでそんなこと聞くんですか!?」
「いやー、帰って寝ようと思って」
「だーー、やめて下さいっ!!」
「じゃあ、どうすんのよ」
女が攻めるように聞く。
「どうしろって……」
203 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/08/31(日) 17:52:38.52 ID:NlNJDJYo
「どうしようもないじゃないですか」
「そうよね、だから家を教えなさい」
「だからなんでっ!……それに僕アパート暮らしですよ」
「え?一人暮らし?」
「はい、この4月から……」
女はにっこりと微笑んだ。
「余計都合いいわ」
「だから僕の部屋に行く考えは捨てて下さいっ!!」
「えーーー」
女がつまらない、というふうに声を出した。
204 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/08/31(日) 18:19:26.22 ID:NlNJDJYo
「それじゃあさ」
女が代換え案を出す。
「家に住まない?」
「え?」
男がマヌケ声を上げた。
「その、つまり、不本意だけど、あなたを、いや、今は私自身を、彼氏とかそんな感じで」
「いや、そんなのあなたの両親が許すわけないでしょう!」
「いや、それがね、実は今家に私ともう一人、姉しか住んでないのよね」
「え、」
「だから、あなたは別に普通にわたしを演じればいいのよ。それで、上手く姉を説得してくれない?」
「そんなの無理ですよっ」
男が声をあげた。
「僕嘘とか苦手です」
「使えない奴……」
女がぼそりと漏らす。悪かったですね、と男が反撃する。
「やっぱり、正直にお姉さんに言ったらどうですかね」
「……信じてもらえる自信ないわ……」

205 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/08/31(日) 18:33:28.58 ID:NlNJDJYo
「信じる」
「本当ですか?」
「うん、だってあなた美也子らしくないもの」
「やったー、香奈姉大好きーっ」
と男の姿のままの美也子が抱きついた。
「わかった、わかった、もう……」

(補足、姉:法条香奈、妹=女:法条美也子、男:坂谷翔)

「でも、一つだけ条件があるわ」
と香奈が切り出したのはその時だった。
「一体なんでしょう」と翔。
「それはね、」

香奈が一拍おいてから言った。
「私はいつもと同じような生活を送らせてもらうわ。翔君と」
美也子が驚愕の声をあげる。
「え、うそっ、そんなっ」
翔は全く何のことだか分からなかったが、なんか凄くマズイらしい。
そして、

ふふふ、と小悪魔的微笑をしつつ香奈が言った。
「翔くん、わかってないみたいね。

つまり、私は「あなた」と毎日風呂に入って同じ布団で寝るって事よ」

「えーーーーっ!!!!」
206 :yVOiXYQsYU2008/08/31(日) 18:37:12.27 ID:NlNJDJYo
一応、これで終了です。
あと>>199のレスは忘れて下さい。では。
207 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/08/31(日) 18:59:22.78 ID:wrz84C6o
>>199
wwwwwwwwwwwwwwwwwwww

乙ww
208 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/08/31(日) 23:58:42.74 ID:ItPviTEo
おまwwwwwwwwwwwwww
GJ
209 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/12(金) 14:54:33.14 ID:r2OPjrgo
死んでる・・・
210 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/12(金) 16:19:15.18 ID:cmdP6c6o
つ【レイズ】
211 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/13(土) 22:35:37.37 ID:VTjdq1ko
メガザル



あとは・・・まかせた・・・グハァ
212 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/14(日) 19:42:08.28 ID:rtkqmCAo
そろそろ続き書くか…二ヶ月近くほったらかしww
213 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/15(月) 02:45:40.06 ID:U8SrzUAO
>>212
wktk
214 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/15(月) 15:53:39.05 ID:RaX69oc0
>>212
wwktk
215 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/09/16(火) 10:31:01.96 ID:seV.yoDO
キツネ目の女上司とショタ顔の部下の性転換物
ってのを思いついてここ一月ずっと仕事中考えてたんだが…
文章にすらならん…どうしたら良いか教えてエロい人?
216 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/16(火) 12:00:07.46 ID:htJgB0wo
>>213-214
結局別のものつくってたwwwwサーセンww(でも1/3くらいは書いたんだぜww)

>>215
キ「これは、一体どういうこと?」
シ「せっかくのタイ出張だったので、思い切って性転換してきました!」
キ「思い"切って"おちんちん"切っちゃった"のね…」
シ「えへへ…これでキツネさんと同性ですね!」
キ「せっかく君のおかげで男嫌いが治りそうだったのに…
  君が女になったから、また"好きになれる男"がいなくなったじゃないの」
シ「もういいじゃないですか、女だけで……」
キ「や、ちょっと、くっつくかないでよ!」
シ「だが断る、のですww」
キ「あ……やめなs…あん…」
(省略されました続きを読むにはワッf(ry
こうですか、わかりません><
217 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/16(火) 12:10:29.83 ID:seV.yoDO
( ゚д゚)<わっふるー!わっふるーぅ!
218 :vqzqQCI02008/09/27(土) 03:20:28.90 ID:yUcxAZE0
   どんだけ☆エモーション(その8)

「行ってきまーす♪」

実由はいつものように学校指定のバッグに母さんの弁当を詰め込むと
学校に出かける。

「行ってらっしゃい〜」
「おう、頑張れ」
俺と母さんもいつものように返事をする。

いつもの朝の光景。
何事も無いいつもの日常。  
いつもであれば俺もこの後準備をして学校に向かうところであるのだが。

「それじゃ、ミヒロちゃんお願いね〜」
「うん、分かった」
…俺は母さんに頼まれて朝食の後片付けをしている。
何でこんな事しないとならんのだろうか。

今の俺の姿は女の子。
まだ女の子歴三日目ではあるがすっかりお料理と後片付けの仕事は板についてきている。

「今日は母さん、いろいろ用事があって忙しいからお昼は一人で済ませておいてね〜」
「ふーん、どこか行くの?」
洗い物を済ませて居間のソファに腰掛けていると外出着でおめかしをした母さんが
ぱたぱたと忙しそうに何やら準備をしていた。
「まぁ、いろいろね〜、帰りは夕方になるからよろしくね〜」
「うん」
…夕方、という事は夕食の準備をしないといけないな。

母さんが出かけた後、夕方の買出しまで時間がある俺はとりあえず編入試験に向けた
勉強などしてみる。性別が変わってから不思議に俺の嗜好が変わってしまったようで
ネットはおろかPCもほとんど触れる事無く家事に専念するようになってしまった。
人間とは不思議なものだ。
(家事というより、買ってもらったお洋服の着こなしの研究で忙しくなってますよね)
ええい、マルさん五月蝿い。
とにかく色々変わった事は事実なのっ!

…とはいえ、勉強が好きで無いのは相変らずではあるが。
219 :vqzqQCI02008/09/27(土) 03:23:01.76 ID:yUcxAZE0

「ふう…、ちょっと休憩するかな」
時計をみると勉強を始めてから1時間位経過していた。
久々の勉強なのでちょっと集中しただけで疲れてしまった。
今までどんだけ勉強を怠けてきたか、ホントに困ったもんである。

外の空気を吸うために庭に出る。
初夏を迎えつつある外の風景は好天のせいか空の青と草木の緑がやけに鮮やかに見える。
梅雨時であるにもかかわらず大気もスッキリしているし非常に気持ちがいいなぁ。
母さんの育てている庭の花々も咲いているものがあって、俺は不思議と
気持ちが浮き立ってくるのを感じざるを得なかった。

「ふふっ、母さんが育てた花がこんなに咲いているよ。男のときには
何とも思わなかったのに、どうしてこんなに嬉しくなるんだろ?」
(ミヒロちゃん、すっかり気持ちが女の子になりつつあるよね)
俺の心の中からもう一つの意識が浮び上がる。
色々あってすっかり親しくなったマルさんは俺のもう一人の人格のようになっている。
俺と同じ意識を共有する存在。多分考え方とか好みは違えども
これだけ友人、親兄妹よりも深い関係の存在は有り得ないかもしれない。
「えっ? そ、そうかなっ? 自分はそんな風には感じないんだけど」
(いえいえ、ミヒロちゃんは明らかに変わりつつあるのはこの私が感じるところなの)
「う〜ん、良く分からないなぁ…」
マルさんと(心の中で)会話しつつ、俺は庭の外から見える街並みを眺める。

いつもと変わらない街並みでいつもと変わらない日常のはずなのに
俺は外見はおろか気持ちまで変わりつつあるのか…な?
別に不安とか無いといえば嘘になるけど…なるようにしかならないしなぁ。

「ミヒロちゃん、こんにちは」

「え?」
俺の思考を不意に遮る声。俺は声の主の居る方向を見る。
「あ…サトシ、…くん」
塀を挟んでサトシが学校帰りと思われる制服姿で立っている。
(あ、サトシ君だww)
…今週いっぱいまで定期試験だもんな。サトシの家の帰り道の途中に俺の家があるし、
タイミングが良いと言うか。
220 :vqzqQCI02008/09/27(土) 03:25:24.00 ID:yUcxAZE0
サトシ君、今 帰りなの? 昨日といい、早いよね?」
とりあえず白々しいと思いつつも特に(今の俺の姿で)話す事も無いのだが
ありきたりな会話をしてみる。
「うん、今試験期間中でさ。今週はずっと早く帰れるんだよね。」
「へーっ、試験かぁ、大変だね。どう? 調子は?」
「うん、まあまあかな。 一応ちょこちょこ試験対策はしてきているから
何とか答案は埋めれているけど結果はどうなるか」
「スゴイねー、勉強してるんだ。じゃあ、いつも学年トップ10に入っているんじゃない?
サトシ君って頭良さそうに見えるし」
「えーと、そんな風に言われると…。まあ、確かに常連と言えば常連かも知れないけどね」
頭を掻きつつ何だか照れくさそうに答えるサトシ。
…知っているよ。サトシ、お前っていつも学年トップ10どころかトップだろうが。
俺はそう思いつつも顔には出さない。
(もう、ミヒロちゃんって意地が悪いというか素直じゃないというか)
うるさい、マルさん。
「そういえば、ミヒロちゃんってウチの高校に編入するんだよね?
編入試験とか受けるの?」
「うん、受けるよ。今週受ける予定になっているけど?」
急なサトシの質問に怪訝な表情を浮べつつ答える俺。
「そうだ、良かったらさ、一緒に勉強しない? 俺は定期試験、君は編入試験で
同じ学年だからきっと何かの役に立てると思うし。」
「え?」
思わず固まる俺。試験勉強? 俺とサトシが?
(うっわー二人きりww もう、サトシ君ったら、行動が早いんだからww)
「…」
「…?」
「…」
「ミヒロちゃん?」
思考が止まり固まっている俺に思わず声をかけるサトシ。
「あ、ハイ、勉強会だよね?」
ハッと気が付き答える俺。
…この姿でサトシと勉強会かぁ。マルさんの言うとおりサトシの奴、手が早いなあ。
「うーん、どうしようかな…」
「ミヒロちゃんが忙しいなら別にいいけど…」
悩む俺の姿を見てちょっと落胆気味のサトシ。
ああ、もう、そんな顔すんなよ。そんな顔されるとすごい罪悪感を感じるし、
俺の気持ちまで沈んで来るじゃないか。
「ううんっ、そんな事ないよ。私、勉強分からないところあるし、調度良かったよ」
…とりあえずサトシのお誘いに乗る俺。
別に奴のために誘いに乗ったわけでは有りませんから。
あくまでも自分の勉強のためです。ホント。
221 :vqzqQCI02008/09/27(土) 03:26:27.37 ID:yUcxAZE0
「! 本当かい!? 良かった、じゃ、いつやろうか? 今週中なら早くやるに越した事は
ないけど?」
打って変わって嬉しそうにするサトシ。
…あれ? サトシの笑顔を見たら俺も嬉しくなるのは何故?
「そうだね、じゃサトシ君、時間があるなら…えーと、今日でもいい?
まだ夕方まで結構時間があるし、私ちょうど今試験勉強をしていたところなんだ。」
「そうなんだ? じゃ、これからやろうか? えーと、場所はどうしようかな…」
「ここでいいよ。サトシ君なら晴子さんや実由ちゃんが帰ってきても問題無いし。」
「確かにそうかも。それじゃ、俺の家はここから近いから準備をしに帰ってから
ミヒロちゃんのところに来るよ。」
「わかった。じゃ、私も準備して待っているよ。」
「じゃ、この後すぐね」
俺の返事に嬉しそうに返すとサトシは自分の家に向かっていった。
「…」
(どうしたの? ミヒロちゃん?)
「いや、別に。」
…サトシと二人きりで勉強会かぁ。
不思議に胸が高鳴るんですけど。…仕様ですかね。
222 :vqzqQCI02008/09/27(土) 03:27:30.90 ID:yUcxAZE0
                ◇

サトシが来るまでの間、俺は急いで客間の掃除を済ませつつ何気に得意になるつつある
料理というか、お菓子作りに挑戦してみたりしてみる。
そんなわけでサトシが来るまでの30分位の間でおもてなしの用意を済ませてしまった。
(うわー、ミヒロちゃんって才能あるかもww)
…うん、俺もそう思う今日この頃です。すぐにでもお嫁に行けますね、…って、ちっがーう!!

ピンポーン。

おっと、サトシが来たみたいだ。
俺はサトシを迎え入れると客間に通す。
さすがに自分(ヒロアキ)の部屋はサトシには知られているので今のミヒロでは通せないよな。
客間のテーブルに勉強道具を広げ、俺とサトシはさっそく試験に向けた勉強を始める。

「…で、これはこうすると解けるんだ」
「へーっ、そうかぁ、なるほど」
さすがに頭のいいサトシだけあって面白いように様々な試験問題が解かれて行く。
うん、これは一人でやるより効率が良いな。
始めはテーブルを向かい合わせで各々の勉強をするつもりであったが
俺が余りにも色々と聞いてくるのでいつしかサトシは俺の横について教えてくれている。
「それじゃ、これはどうすればいいの?」
「…ミヒロちゃん、さっきからほとんど俺に聞いてばっかりだよね」
「だって分からないし。頭のいいサトシ君に聞けば一発で解るからいいよね」
「うーん、それじゃあんまり勉強にならないような気がする。
ミヒロちゃんのためにまずは自分で出来るところまでやってみないと。」
そう言うとサトシは俺の側から離れようとする。
「だめー、横に居ないと困るよっ!」
俺は立ち上がろうとするサトシの腕に両腕でしがみついた。
「ええっ!? ち、ちょっと、ミヒロちゃん!?」
「だめだよー、勉強見てくれないと。 誘ってきたのサトシ君でしょ?
だから私の面倒みてよっ!」
223 :vqzqQCI02008/09/27(土) 03:29:29.88 ID:yUcxAZE0
「えーっと…その…」
困った表情で俺を見るサトシ。
「その? 何?」
「勉強見るから、腕を離して欲しいかなって…」
「あ、ゴメンね」
サトシに言われてとりあえず腕を離す俺。サトシはそのまま座り直す。
「…」
「? どうしたの?」
サトシが黙り込んでしまったので思わず聞く俺。
何だかサトシの顔が赤くなっているような気がするけど、気のせいかな?
「…こうして勉強しているとヒロアキの事を思い出してさ。」
「え?」
急に俺の名前を言われ驚く俺。
俺の状況など知らないサトシは思い出し笑いを浮べつつ話しはじめる。
「ヒロアキは勉強が苦手でさ、試験のときにはいつも俺が勉強をみてやってたんだ。
あいつはやれば出来るのに普段全然勉強しないから試験前は自分の勉強よりも
ヒロアキの勉強で忙しかったなって。本当に大変だったよww」
「ふーん…そうなんだ」
ちよっとムッとする俺。確かに俺は勉強は好きではないが
サトシに迷惑に思われていたのかと思うと気分的に良くないなぁ。
「今回ヒロアキは出かけて居ないから勉強の面倒を見る必要は無いかなと思ってたんだけど
…まさかこんな形で試験勉強を教えることになるなんてさ、ハハハ」
「…自分の勉強で大変なのに迷惑かけたなら、ごめんね」
笑うサトシとは対照的に棘のある言い方で返す俺。
「え? 別に迷惑なんじゃないよ、むしろ俺にとっては楽しかったんだよね。」
「え?」
「昔からヒロアキとつるんでいるのが俺にとっては当たり前でさ、あいつがサッカー部を
辞めてからつるむ機会がめっきり減ったせいかな? 何だか毎日がつまんなくてさ。」
「…」
「毎日学校の授業と部活と充実しているといえば充実しているのかも知れないけど、
ヒロアキとのやりとりが無いと何だか味気無いというか何というか…ね。」
「…」
「だから試験期間に行なう勉強会が俺にとってはヒロアキと馬鹿やりながら
昔のような時間を過ごす事の出来る貴重な機会だと思っててさ、
試験は試験で大変と言えば大変なんだけど不思議と楽しみにしているんだよね。」
俺は黙ってサトシの話を聞いていた。さっきまでのムッとした気持ちが
サトシの話の中でどんどん無くなっていくのを感じる。
224 :vqzqQCI02008/09/27(土) 03:30:28.17 ID:yUcxAZE0
「正直なところ俺が無理矢理勉強させていたからヒロアキのほうが
迷惑だったんじゃないかな、って俺の方がそう思うんだけどね。」
そういうとサトシは俺の顔を見てニコッと笑う。
「そ、そうなんだ、…そうかぁ、てへへ」
思わず何とも言えないこそばゆい気持ちになる俺。
不思議に顔がニヤニヤしてしまうのは何故だろう?
ああ、もう何だかわかんないけど嬉しい気持ちだよっ。
「サトシ君って、ヒロアキ君の話をする時って結構楽しそうに話をするよね?
ヒロアキ君の事をどう思っているの?」
「ヒロアキ、…うーん、そうだな…」
サトシは俺の問いにちょっと考え込む。
あれ? そんなに考え込む程の質問だったかなと不安に思う俺。
「…俺にとっては親友だよ。
すごく馬鹿な奴だけど…違うな、馬鹿やってる振りして周りを盛り上げるのが
上手いんだよな。そして周りの皆の事を大事に思っているすごくいい奴なんだよな。
あいつといると不思議に楽しいんだ。気持ちが乗らない時でもあいつと馬鹿やってると
ホントやる気が湧いてくる。俺、あいつにはどれだけ励まされたか分からない位だよ。
今頃あいつは海外で何してるんだろうな…」
真面目な表情で俺の事について語るサトシ。
最後にちょっと遠い表情をしたのは俺が海外にいる(と思いこまれている)せいか。
(やっぱりサトシ君はヒロアキ君の事、親友として大事に思っているんだねー)
―うん、そうかも知れないなぁ。
マルさんのいう通り、俺の事について色々考えているんだな。
ふふっ、良かった♪ …って、あれ?

そんな中ふと俺はある質問をしてみたくなる。
「…ねえ、サトシ君?」
「何? ミヒロちゃん」
興味深そうに俺の言葉を待つサトシ。
「もしもの話なんだけど、…ヒロアキ君が居なくなったらどう思う?」
225 :vqzqQCI02008/09/27(土) 03:31:40.21 ID:yUcxAZE0
「え?」
急に表情が固まるサトシ。
一瞬俺が何を言ったのか理解できない表情をしている。
「ヒロアキが居なくなったらどう思う…って、なんでそんな事聞くの?」
「さあ。…何となく」
とぼける俺。
「うーん、例えば今頃ヒロアキ君は海外に居ると思うんだけど、そのまま帰って来なかったら?
…事故とか? …可能性は有るよね。」
「…」
マルさんの話から俺はヒロアキの姿でサトシの前に現れることは二度とできないかもしれない。
そうなってくるとどうしてもサトシに俺が居なくなったらどう思うかを
確かめたくなるのが人情ってものかも?
俺としてはこの姿(ミヒロ)でもサトシに会えないことはないのでとりあえずは
…問題は無い(訳が無い)が。
しかし俺はともかくサトシはそうはいかない。
ミヒロの正体がヒロアキだという事を知らない限り
サトシにとっては親友、ヒロアキの存在が居ない事になるわけだから。

「…ミヒロちゃん」
「はい?」
サトシの声に反応する俺だがサトシの雰囲気がさっきとは
一変していることに気付く。
「…冗談でもそんな事言わないでくれるかい。言っていい事と悪い事があるよ。」
「え、…!」
俺はサトシの表情を見てビックリした。
今まで見た事の無い、いや一度だけあるかも、とにかくサトシの表情が
もの凄く険しくなっている。…怒っている?
俺はサトシの表情を見てビックリした。
今まで見た事の無い、…いや一度だけあるかも。
とにかくサトシの表情がもの凄く険しくなっている。…怒っている?
226 :vqzqQCI02008/09/27(土) 03:34:21.84 ID:yUcxAZE0

「ヒロアキは一人っ子だった俺にとってはかけがえの無い親友であり、兄弟みたいな
ものだと俺は思っているんだ。」
「…」
黙り込む俺。
「例え話でもヒロアキが居なくなる、海外に行って何らかの状況で帰って来ない、来れない
…ひょっとしたら最悪の事が有るかも知れない。
考えたくないけど俺にとって奴が居なくなるなんては有り得ないし想像もつかないし、
したくもない事だと思っている。」
「…」
「ヒロアキは俺の事をどう思っているのか俺には分からない。でも俺にとってはそのくらい
奴を重みのある存在だと思っているんだ。あいつに何かあったら俺はすぐにでも
飛んでいく覚悟はあるし、出来れば早く無事に帰ってきて欲しいと願っているよ。
…ミヒロちゃんにしたらほんの軽い気分の質問だったのかも知れないけど
俺にとっては我慢できない質問だ。」
「…」
「俺の前でそんな話は二度としないでくれるかい? 今は我慢しているけど次はどうなるか
分からない。たとえ、…俺は女の子でも許さないから」
「…」
(うわぁ…すごいね、サトシ君の友情は。)
…うん、そうだね。
サトシがどんだけ俺の事を考えているか再認識する。
「…ごめんなさい」
俺はサトシに謝る。
俺の為を思って言ってくれた事に対し嬉しいといえば嬉しい事なんだけど。
…何だろう、この感情は。
「いや、俺も強く言ってしまって、ミヒロちゃんを驚かせてしまったね。」
さっきとは打って変わり穏やかな表情のサトシ。
「…ううん、私の方こそサトシ君に嫌な気持ちにさせてしまったよね…」
我ながら馬鹿な質問をしてしまったと反省する俺。
サトシはサトシで俺の存在を大事に考えているのに俺は無神経にも奴に何て事を
言ってしまったんだろうか。
227 :vqzqQCI02008/09/27(土) 03:36:35.42 ID:yUcxAZE0
…。
そんな情けない気持ちだけでなく、
さっきサトシがミヒロ(俺)に向けた厳しい視線と口調が俺の頭の中で
ぐるぐると回っている。何気に…いや、かなりショックを受けている俺。
さっきのサトシの姿が頭に焼き付いているだけでなく、
その姿を目の当たりにした状況で俺自身の身体が恐さですくんでいる。
悪いのは俺だ。分かっている。
…だけど。
だけどあんなに恐い顔で言わなくてもいいじゃないか。
あんなに強い口調で言わなくてもいいじゃないか。

―私は"女の子"なんだよ?

…酷い。
…酷いよね?
…酷いじゃないかよっ!
色んな感情が俺の中でごっちゃになっていく。
冷静になろうと努力してみる…でも、マイナスの気持ちが勝っているみたいで。
…。
…あ。
何だか目の前がぼやけてきた。何とか堪えようとする俺。
女になってから何だか変なんだよなぁ。気分がころころ変わるし、涙腺が緩いのか涙が溢れやすいし
…。

「…ミヒロちゃん?」
俺の様子の変化に気付いたサトシは俺に呼び掛ける。
「…」
俺は溢れ出そうになる涙を堪えるのに必死だったが、
…駄目みたい。 泣いちゃうっ。

…ポロポロ
…ポロポロポロ

「!! ミ、ミヒロちゃん?」
俺を見て驚くサトシ、というか慌て気味のサトシ。
「…」
「ひょ、ひょっとして俺が怒ったから泣いてるの!?」
目の前で涙をボロボロこぼして泣くミヒロを見てどうしたらいいか分からず
オロオロするサトシ。
228 :vqzqQCI02008/09/27(土) 03:37:40.17 ID:yUcxAZE0
「…ううん、…そんな事無い、…けど」
溢れ出る涙を何とかしようとするのだがどうにもならずなすがままの俺。
「でも俺がミヒロちゃんの気持ちを害したから泣いちゃったんだよね?
本当にミヒロちゃんゴメン、ゴメンね!」
サトシはサトシでミヒロに必死に謝る。
「…謝らなくてもいいっ、…悪いのは自分だからっ」
あー、もう、どんだけ涙が出れば気が済むんだよっ、この瞳はっ。
必死に涙を両手で拭うが全然止まる様子が無い。
側にあったテイッシュペーパーを何枚かまとめて引っ張り出し、目にあてる俺。
「ミヒロちゃんゴメンね、ホントにゴメン」
「しつこいっ、サトシは謝らなくていいの!」
「でも…」
困った顔のサトシ。
「…もうすぐ、もうすぐで止まるから、待っててよっ」

…といいつつも俺の涙が止まるまで結構時間がかかってしまい、
その間サトシはずっとオロオロしっ放しであった。
229 :vqzqQCI02008/09/27(土) 03:38:44.20 ID:yUcxAZE0
            ◇

結局あの後、盛り上がらないまま何となく勉強が始まり何となく時間だから
終了してしまった。
「ごめんね、今日は…」
帰ろうとするサトシを玄関まで見送る。
サトシの前で泣いたせいか何となく気恥ずかしい。
多分、顔も赤くなっているに違いない。
「いや、俺の方こそゴメンね。何ていうか…」
サトシは何か言いたそうであったが何も言えずもごもごしている。                   
「? 何ていうか?」
首をかしげる俺。
「何というか…」
サトシは下を向いたまま何か言うかどうか悩んでいる様子であったが
とりあえず一呼吸置く。
「…あ〜、もう、俺って駄目だな。あんまり普段女の子と接する機会が無いからさ、
あんな時どうすればいいのか分かんなくて」
「…」
「俺、ミヒロちゃんにどうすればいいのかずっと戸惑っていた。
気の利いた言い回しも浮ばないし、ずっと泣かせてしまったままで何のフォローも
してあげられなかった。俺自身が原因とは言え、情けないなぁ…」
「…」
「俺は周りから何でも出来る人間とか言われているけど、女の子の扱いは
なんとも…苦手というか…分かんないというか」
普段のサトシらしからぬ発言がミヒロ(俺)の前でこぼれる。
何だろう、この感じ。
クールなサトシがこんなに弱気になるなんてよっぽど俺(ミヒロ)を泣かせたのが
堪えたようで。…なんだかカワイイ。
230 :vqzqQCI02008/09/27(土) 03:39:44.12 ID:yUcxAZE0
「サトシ君、私は別に気にしてないよっ」
「え?」
俺は俯き加減のサトシの前に立ち、両手でサトシの顔に触れると自分の顔の前に近づける。
「ミ、ミヒロちゃんっ?」
俺の行動が理解できずに目を白黒させるサトシ。自分の顔の前にミヒロの顔が接近したせいか
どんどんサトシの顔が赤くなっていく。
…ふふっ、真っ赤になっちゃって。
「私だって人前で泣くなんて恥ずかしかった。サトシ君はそんな私をどうすることも
出来ずに自分自身を情けなく思った。これって…おあいこだよねっ?」
「ミヒロちゃん…」
「元はと言えば私がヒロアキ君の事でサトシ君を怒らせてしまった事がいけないんだもの。
サトシ君は何も悪い事は無いよ。 それとサトシ君が女の子の扱いが分からないっていったけど
…私だって同じだよ? だから別に恥ずかしい事なんてないよっ」
「…そうかな?」
「そうだよっ、サトシ君っ」
「…ミヒロちゃん、…そうだね」
ミヒロの笑顔につられて笑顔を浮かべるサトシ。
「そうそう、笑顔が一番だよww」
俺はそう言うとサトシの肩口に手をかけ、Vサインをしてサトシに( ̄ー ̄)ニヤリッ、と笑いかける。
「…」
サトシは何も言わずに笑う。
「あ、そうだサトシ君、ちょっと待ってて」
「?」
俺はサトシを玄関に待たせたままキッチンに向かいあるものを手にするとすぐ戻る。
「実は休憩中に食べてもらおうと思ったんだけど…コレ貰ってくれる?」
俺は紙袋をサトシに渡す。
「これは?」
「私が作ったカップケーキ。急ぎで作ったから味は保証できませんww」
「見ていい?」
「どうぞ」
サトシは紙袋を開けて中身を見る。中には俺手作りのカップケーキが3個入っている。
一応、生地の中にドライフルーツを入れたもの、アーモンドやナッツ類を入れたもの、
ココアパウダーを生地に混ぜ込んだものと3種類のケーキとなっている。
「ありがとう、嬉しいなぁ、ミヒロちゃんの手作りが食べられるなんて」
本当に嬉しそうなサトシ。 そんなに喜ばれるとあげた甲斐があるよねっww
俺自身もなんだか嬉しくなってくるよっ。
231 :vqzqQCI02008/09/27(土) 03:40:39.96 ID:yUcxAZE0
「…それじゃ、ミヒロちゃん」
「うん、またね」

サトシが帰った後俺は部屋の片付けをする。

片付けをしながら俺はさっきのサトシのやり取りを思い出す。
サトシの前で泣いた自分とそれを見て慌てふためくサトシ。
その光景を思い出すと非常に滑稽で笑ってしまう俺。
…それにしても。
さっきのサトシの帰り際の状況で俺はサトシに対してすごく自然に女の子らしく
振舞う事が出来たような気がするなぁ。
サトシを気遣うセリフも何だか自然に出来たし、まるで元がガサツなヒロアキとは
思えない位可愛いミヒロを演じていたような気がする。
(ミヒロちゃん、私に感謝してねww)
―え?
(私、意識をミヒロちゃんに重ねたんだよね。…上手くいって良かった)
―え? え? え?
(でもミヒロちゃんもまんざらでも無いし、私もミヒロちゃんと同じ気持ちだし、
…いいよねww うふっ♪)
―ひょっとして、マルさん!?
意識をシンクロさせた? 操られた? まさか?
でもこれまでも俺の知らないうちに自分の身体が活動した形跡があったりして、
…マルさんって、一体?
232 :vqzqQCI02008/09/27(土) 03:42:31.89 ID:yUcxAZE0
ガチャ。
入り口の扉の鍵の開く音。

「ただいま〜、あら? どうしたのこんな所で〜」
俺が玄関で思考を回転させていると母さんが帰ってきた。
「あ、母さんお帰り。別に何も無いけど」
「ふ〜ん、それならいいけど。あ、そうそう決まったわよ〜」
母さんは靴を脱ぐと脇に抱えた紙袋を持って居間に向かう。
「え? 何が決まったの?」
俺も母さんの後について行く。
「ミヒロちゃんの編入試験よ〜。いきなりだけど明日だって〜」
「え? 明日? ちょっとぉ、まだ心のじゅんb」
「試験は簡単な面接だけだから大丈夫だって〜」
「え?」
動きが止まる俺。え? 勉強しなくていいの?                
「良かったよね〜、ヒロちゃん、勉強苦手だもんね〜」
…あの〜、お母様? 自分の子供にそんな事言いますか?
とはいえ、正直安堵する俺。
そうかぁ、勉強しなくて済むんだ。エヘヘっ。
着替えを済ませて普段着に戻ると母さんは居間のソファに腰掛ける。
俺は自分と母さん用に紅茶を淹れると母さんに渡す。
「母さん、今日は学校に行ってきたんだ?」
「うん、そうなのよ〜、色々手続きがあってね〜大変だったのよ〜」
「そうなんだ、俺のためにわざわざありがとう」
俺はそう言うと紅茶をすする。
「だめ〜! ミヒロちゃん!!」
急に俺に強い口調で言うとビシッと指をさす母さん。
「え? な、何?」
驚く俺。思わず紅茶がこぼれそうになったよ。
「もうあなたは女の子なんだから『俺』なんていうの禁止〜!」
「え? ええっ!?」
驚く俺、じゃなかった、わたし?
「ミヒロちゃんみたいな可愛い女の子が『俺』なんて凄く変〜!
だから駄目〜!」
「駄目って、そんなぁ…」
「いい〜? 数日後には確実にミヒロちゃんは学校に通うことになるのよ〜?
今のうちから特訓しておかないとこの先苦労するのは目に見えているわよ〜」
「でも…」
「でもも何もないのよ〜? 今から特訓開始〜」
「えー…、そんなぁ…」
俺はうなだれる。ただでさえ色々あって今の自分を保つのに苦労しているのに
振る舞いまで気を遣わないといけないなんてっ。
(晴子さん、大丈夫です。私がミヒロちゃんを立派な女の子として
育て上げますから。)
「あ〜、そうよねぇ〜、マルちゃんが居れば安心よねぇ〜」
妙に自身満々のマルさんとマルさんの発言に嬉しそうに納得する母さん。
実由といい、母さんといい、マルさんといい、この3人は
どんだけ俺を引っ張り回してくれるのか。
…もう、やだ。
それはともかく、明日は学校に行くのか。
う〜、どうなるんだろうかぁ…。
233 :vqzqQCI02008/09/27(土) 03:55:57.59 ID:yUcxAZE0
久々の投下ですた。
間があいたせいか長めになってます。
間があきすぎてこのまま投げそうになりましたが…継続は大変ですね。
次回は、このままだといつになることやら。
234 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/27(土) 05:13:11.49 ID:kj85/6Ao
ここの人はみんな気が長いから平気だと思います。
235 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/27(土) 22:38:47.67 ID:h6GVWYQo
ねー。じゃなかったらとっくにスレ見なくなってるはずだwwww
236 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/09/28(日) 01:04:02.04 ID:inqL/dM0
GJ!
237 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/10/05(日) 20:55:36.95 ID:9.Asiuo0
以前この新ジャンルスレで作品を書いていたのですが
文自体の変更、それと設定の再確認を兼ねて
同じ作品を書き直したものを投下してみたいと思います

大して面白くなかったり、他の人の投下の邪魔になってしまったら済みません
先に謝っておきたいと思います
238 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/10/05(日) 21:43:41.07 ID:YUq5KyYo
>>237
それわかるわー。
新ジャンルとしては重すぎて続きを書いたらえらいことになりそうで悩んでるwwww
239 : ◆wjOmYNm0Aw2008/10/06(月) 22:26:08.56 ID:9/cKQ1c0
私の酉に見覚えのある方、私のかつての作品を読んだ方、読んでいない方
前回の作品とは関係なく、この作品を楽しんで貰えれば
そして始めて私の作品を読む方も楽しんで貰えれば幸いです
それでは失礼して、投下開始とします
240 : ◆wjOmYNm0Aw2008/10/06(月) 22:27:13.92 ID:9/cKQ1c0
---幸福と不幸の間に関係式はあるのだろうか

---幸福と不幸を足したら0になるという説もある

---幸福と不幸は生まれた時点で決められた数与えられているという説も・・・

どっちが正しいの?

---両方正しい

---今幸福を味わっている人に対する渇であり、今不幸を味わっている人に対する励ましであるからだ

じゃあ、どっちが間違ってるの?

---両方間違っている

---幸福や不幸は、1や2で表せるものではない、虚数でも無理、記号なんか論外

---君はどっちだと思う?

僕は・・・




どっちも正しい、けど間違っている。幸福を求めることに、理屈はいらない。それは僕が『人間』だから


---私には分からない考え・・・ね
241 : ◆wjOmYNm0Aw2008/10/06(月) 22:28:22.63 ID:9/cKQ1c0
第零話

−???−

「結果は?」

深刻な顔をした男が、その部下らしき女に尋ねている

「悪くありません、操作もほぼ完璧に出来ています」

「そうか・・・ようやくスタッフに報告出来る」

男の顔に安堵の色が浮かぶ

「下がっていいぞ」

「はい」

女が部屋から出て行く、男は椅子にもたれ掛かるように座った

部屋に人が入ってきた、さっきの女とほぼ入れ違いだ

「・・・スタッフ」

「どうだったの?」

男がスタッフと呼ぶ相手・・・つまりこの『実験』の計画者であり、トップでもある

「部下の報告によると、99%成功と言えます」

残りの1%に該当する部分は、この男にも分かっていない

ただ、スタッフの命令、願望を100%叶えている自信がない。それがこの1%である

「そう・・・残りの1%が気になる・・・けど」
242 : ◆wjOmYNm0Aw2008/10/06(月) 22:29:11.03 ID:9/cKQ1c0
部下が持ってきた報告書を見る

一枚一枚、それも紙に穴が開いてしまうのではないか、というぐらい入念に見ている

「私の目には・・・その1%は見当たらない」

それは男もそうであった

スタッフに対する恐怖、怯えから生まれた無意識の1%である

見当たるわけがない

男はスタッフの命令を待った、スタッフの命令は絶対である

「計画を・・・実行する」

それが・・・始まりであった
243 : ◆wjOmYNm0Aw2008/10/06(月) 22:29:44.49 ID:9/cKQ1c0
第一話


不思議な夢を見た

誰かが僕に話しかけてくる夢

いや、話しかけてくる、ではない

僕も話しかけていた、会話は一方通行ではなかった

何かを聞かれ、そして何かを答え、そして何かが起きた

うーん、夢って何で起きると記憶が曖昧(3cm)になるんだろ

中途半端に覚えていることほど気味の悪いものはない、はっきり思い出したい

でもそれですぐに思い出せたら苦労しないんだけどさ・・・

「あー超お腹減ったし♪」

そんなこんなで考え事をしていたらうるさい奴がやってきた

「う゛〜」

「どうした?腹痛いのか?ゴーWC、ヤンキーゴーホーム」

人のことお構いなしに呑気な奴だ、というかヤンキーゴーホームって何だよ、家帰れってか

「うるさい奴が人の思考邪魔して頭が痛くなったんだ」

「そいつは残念だったな、ゆっくり考え事してってね!」
244 : ◆wjOmYNm0Aw2008/10/06(月) 22:30:11.67 ID:9/cKQ1c0
残念なのはお前の頭の中だ、というか最初のあれなんだよ、かなりヤバイ台詞だな、頭と著作権的な意味で

「まあいいから昼飯食べようぜ、勇人(ゆうと)」

「へいへい」

僕の名前は秋空勇人(ゆうと)、現役のピチピチ高校生、リアルタイムで青春を謳歌中さ!

ちょっと自分が言うと気持ち悪くなりそうな文だ・・・もちろんこんな酷いキャラじゃないぞ、画面の前の君

「今日は面白い物持ってきたんだぜ」

そして僕の目の前で自分の鞄を漁っているのが西田真希(にしだまさき)である

「マキちゃんコレクションまた増えたのか」

「だから俺の名前はマサキだっていつも言ってるだろ!」

そう、本名はマサキなのだが、マサキで変換しても真希とは出ない、変換したいときはマキと入力するしかない、だから僕はマキと呼んでいる

それをネタによくからかっているのだ、ちなみにれっきとした男、マキって呼び方だと女って勘違いしそうになるからな

「だってマサキじゃ変換出ないからさ、不便じゃん」

「いや不便じゃないって!話し言葉に変換とか関係ないから!」

「ビル・ゲイツに認められてないのが悔しいんだろ・・・分かるよその気持ち・・・」

「いやビル・ゲイツとか全然関係ないから!変換とか関わってないからあの人!というか勇人って変換で普通に出るじゃん!気持ち分かってないよ!」

それにしてもこのマキちゃん、ノリノリである
245 : ◆wjOmYNm0Aw2008/10/06(月) 22:30:33.67 ID:9/cKQ1c0
「で、マキが今日持ってきたのって何さ」

「あ、そうそう。ちょっと待ってて」

少し話題を逸らすとすぐ忘れるという、やっぱり頭の可愛そうな子なのかもしれない・・・

「今失礼なこと考えなかった?」

「ソンナコトアリマセンヨ」

「何で片言なんだよ!」

・・・相手は読心術の使い手のようだ、いかんいかん、気をつけないと

そしてマキが取り出したのは一冊の本だった

タイトルを見ると『フロイトの夢判断』と書いてあった

「何この凄そうな本は」

「オーストリアの有名な精神分析学者、フロイトが書いた本を参考に書かれた本だ、これで夢を分析出来るらしい」

そういえばそんな偉そうな学者の名前何処かで聞いたことがある、しかし

「そんな難しそうなこと、マキに出来るのか?」

「それがこの本は普通の人でも分析出来るように、分かりやすく書かれているんだ」

「それってつまり、ただの夢占いじゃね・・・?」
246 : ◆wjOmYNm0Aw2008/10/06(月) 22:30:57.19 ID:9/cKQ1c0
途端に胡散臭くなった

「占いじゃねーぞ!れっきとした精神、心理学に基づいたものだ!」

そんなこと言われても僕、心理学の勉強なんかしてないから分かるわけがない

まあそこまで言うなら、付き合ってやるのも悪くはないかな

「というわけで勇人が今日見た夢の内容教えてくれ」

「いや何で僕が最初の実験台なんだよ、自分の夢でやったらどうなんだよ」

例え実害がなくても、最初の実験台って嫌だよね、なんか知らないけど

「そうしたいところなんだが、あいにく俺今日見た夢忘れちゃってさ」

なんだ、結局僕と同じなのか

しかしうるさいマキのことだから、僕も忘れたよ、なんて言ったら絶対思い出せって言ってくるだろう

ある程度覚えているけど、夢にしては少しリアルだったから言いたくなかった

「今日見た夢ね・・・」

思い出すフリをして適当な夢を考える、夢って訳分からないものだし、カオスな想像でもなんとかなるだろ

「たしか『大きな蛇』が『海』に潜り込んだと思ったら『剣』で『りんご』を突き刺しまくってる夢だった」

我ながらカオスな夢を思いついたものだ
247 : ◆wjOmYNm0Aw2008/10/06(月) 22:31:20.42 ID:9/cKQ1c0
これはこれでどういう結果が出るか楽しみかも

「なになに・・・蛇に海に剣にりんごか・・・」

まあ流石にここまで変な夢だと該当するものとか無さそう・・・

「あった!」

おいおいマジかよ

「どれどれどんな結果がでた?」

あれ程カオスな物でもしっかり分析出来るとは、やっぱりフロイト先生って凄いのか・・・?

「えーっと、欲求不満、主に性的な意味で」

・・・はい?

「あー・・・えっと、勇人」

何か可愛そうなものを見る目だ・・・止めろ・・・!僕をそんな目で見るな!

「この話は無かったことにしよう、さあ昼飯タイム再開だ」

なん・・・だと・・・・、いやいやちょっと待ってくださいよマキさん

「ちょっと待った!それ違うんだ!」

「まあ・・・否定はしないさ、そんなもんだろ?男って」
248 : ◆wjOmYNm0Aw2008/10/06(月) 22:31:41.22 ID:9/cKQ1c0
違う!違う!それは・・・それは・・・

「誤解だああああああああああああああああああ!」

昼休み、教室に僕の声が反響する




僕にとっての日常

僕にとっての幸福

僕にとっての不幸


何もかもが変化する、今とは違った世界

少し不思議で、少し甘い世界


これまでの世界が、今日で終わりだとは・・・・




このときの僕が、そんなこと知るはずもなかったんだ・・・
249 : ◆wjOmYNm0Aw2008/10/06(月) 22:32:41.53 ID:9/cKQ1c0



                       第1章:その名はドッペルゲンガー





------------------------------------------
今日の分の投下はここまでです
それでは失礼しました
250 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/10/07(火) 21:49:12.98 ID:keSWB6.0
wktk
251 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/10/08(水) 09:04:53.55 ID:N5paBMAO
めちゃくちゃ楽しみだ

wktk
252 : ◆wjOmYNm0Aw2008/10/09(木) 22:56:39.16 ID:7XYZfFI0
続きが書けましたので投下しておきます
あまり多くは書けませんでした・・・
253 : ◆wjOmYNm0Aw2008/10/09(木) 22:59:18.19 ID:7XYZfFI0
第二話

目が覚める

と言っても誰かに殴られて気絶したとかクロロホルム嗅がされたとか
そういう危険臭のする目覚めではない、ただ寝て起きただけである

この流れだとさっきの出来事は夢オチなんじゃね?って思うだろ!
残念それは私のおいなりさん・・・じゃなくてトラップだ、普通にマキに変な誤解を与えました、泣きたいです

まあ実際にはあの後、夢は作り話でしたー!とか言ってなんとか誤解は解けたんだけどさ・・・誤解を解くのって想像以上に難しい・・・

そして次の日の朝を迎えたというわけだ、ちなみに今日は土曜日、休日の前日ってどう頑張っても夜更かししてしまう、賛同者が多いことを願う

え、じゃあそのまま寝てればいいじゃんって?生活サイクル崩れると直すの面倒なんだ・・・まあ休日だからゲームしたいというのもある。そういえば日曜日にマキが遊びに来るって言ってたな

色々くだらないことを考えられるぐらいだから頭は起きてるのだが、体が動かない、というかダルい、体だけ寝ているような感覚だ、いつものことだが
254 : ◆wjOmYNm0Aw2008/10/09(木) 22:59:51.83 ID:7XYZfFI0
ジリリリリリリリリリリリリ

と目覚まし時計が大きな音を出して暴れている、目は覚めてるのに目覚まし時計って何か訳分からない・・・まあ体が寝ているようなもんだからいいか

スラムダーンク!

とでも言いたくなるぐらい思いっきり目覚まし時計を叩く、毎日毎日スラムダンクやってるから見なくても場所は把握出来ている

バンッ!という音をたてて目覚まし時計の暴走は終了となった、体もしっかりと動いてくれた・・・と考えていたその瞬間

バチンッ!

「いてっ!」

何かが僕の手の上に乗っかってきた・・・というかむしろ叩かれた感じがする。しかも妙に威力があって痛かった、いてっ!なんて言ってるのがその証拠だ

しかし、最近の目覚まし時計はカウンター機能があるのか、凄いな科学技術、技術大国日本万歳


・・・いやいや何現実逃避してるんだよ、僕。問題はそこじゃないだろ、しかもその謎の不意打ち攻撃してきた『何か』はまだ手の上にあるし、痛みが引いてきて分かったことは、この『何か』は熱を持っているということだ。
255 : ◆wjOmYNm0Aw2008/10/09(木) 23:00:39.30 ID:7XYZfFI0
目覚まし時計に熱を出す機能はない!僕の知らないところでそんな目覚まし時計が作られているかもしれないが、僕の目覚まし時計はそんな凄いもんじゃなくて・・・うんたらかんたら

もうとっくに気づいてます、この熱くもなく冷たくもない熱、そしてこの感触、僕の手の上に乗っかっている『何か』は間違いなく人の手だ

ホラー系の匂いがするが、勇気を持って目覚まし時計を見ると・・・


僕と全く同じポーズをして固まっている・・・一人の『少女がいた』

髪はそこまで長くない、寝ているからよく分からないけど大体肩にかかるかどうかぐらいだと思う。少女も起きたばかりなのか目は半開き、全体的にボーッとしているような感じなのだが、不覚にも可愛いと思ってしまった。年齢は僕と同じぐらいか・・・。しかし、可愛いよりも優先される思考が混乱であった

「「え?」」

お互いに声を重ねて言う、ロシアにも負けないぐらいのシンクロ率だ
256 : ◆wjOmYNm0Aw2008/10/09(木) 23:02:36.60 ID:7XYZfFI0
「「あれ・・・え?何?・・・誰ですか?」」

目覚まし時計に手を置いたままそんなことを言う、一字一句同じである

少女の存在自体ありえないのに、その少女もきちんと布団をしいて寝ているという点がもっとありえない。少女の分の布団なんて出した覚えないし、記憶障害みたいなヤバそうな病気にもかかっていない。むしろ半年近く一人暮らししてるのにそんな重大なことがあったら困る

僕と目の前の少女は仲良く、状態異常:混乱にかかっていた
257 : ◆wjOmYNm0Aw2008/10/09(木) 23:03:29.37 ID:7XYZfFI0
------------------------------
今日の分の投下はここまでです
それでは失礼しました
258 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/10/10(金) 01:41:12.19 ID:w9RSYcDO
乙です、続きを楽しみにしてるんだぜ?
259 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/10/10(金) 20:05:37.62 ID:IEwZEPko
前も同じトリで勇人の話書いてたよね今の話はアレと関係あるん?
260 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/10/10(金) 20:54:24.92 ID:tXA1dOko
そこまで分かっているのならタイトルと話の流れを比べてみれば良いじゃない。
261 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/10/11(土) 00:11:07.49 ID:9/53X8go
wwktk
262 : ◆wjOmYNm0Aw2008/10/11(土) 15:09:10.14 ID:cfJucoc0
>>259
完全に別物と思ってください、何一つ関係ないです
続き書こうと思ったら 
あれ?設定忘れた→ここはどうなってるんだ・・・?→やべえ訳分からなくなってきた→\(^o^)/
そして1からスタートとなりました。
皆さんのwwktkで気力を貰ってます、有難うございます
それではまた書けた分、投下しておきます
263 : ◆wjOmYNm0Aw2008/10/11(土) 15:10:21.33 ID:cfJucoc0
第三話

僕は現在リビングでコップに入れた牛乳を飲んでいる

そして目の前には先ほどまで仲良くハイパーパニックタイムを過ごした少女もいる、少女の前にも牛乳

お茶には沈静作用があると何処かで聞いたことあるのだが、寝起きはお茶より牛乳でしょ!という僕の独断と偏見により牛乳に決定

今は落ち着いて話せるぐらいにはなっているが、ちょっと前まではお互いに・・・いや少女だけが異常に暴走していた

少し回想してみようと思う


----------------------------------------------------------------------
「あの、どちら様ですか?」

先に質問したのは僕だった

「えっと・・・この部屋の住人なんですけど・・・ってあれ?」

少女が首を傾げる。いやいやこの部屋僕が借りてるのですが

「あ〜あ〜、もしもーし」

今度は何か独り言・・・なのだろうか、少し違う気がする。しかし、何をしたいのかが分からない

「あれ・・・声が変になってる」

一般的な女性の声としては普通だと思うんだけど・・・いつもと違うなら風邪でも引いたのでは?と言いたかったがタイミングが掴めない

「あ・・・あれっ!?」
264 : ◆wjOmYNm0Aw2008/10/11(土) 15:10:57.18 ID:cfJucoc0
自分の身体を見下ろして素っ頓狂な声を出す

と思ったらいきなりパジャマを脱いで下着姿になった、しかも自分の胸や下半身急所・・・いわゆる股間を触る始末

「ちょっ!何やってるんですか!人の目の前で何やる気ですか!」

いくらなんでも暴走しすぎである、流石にこれ以上放置したらヤバいと判断して正気に戻そうと試みるが

「え!?何で!?」

全く聞こえていないのだろうか。ここまで華麗なスルーは初めて見ましたよ

少女はいきなり立ち上がってダッシュした。どうやら洗面所に向かったらしい。そこで鏡を見ている

「え!?僕女になってる!?」

いやいやいや、何を言ってるんだお前は(画像省略)

ただ危害を加えてくる気配は無さそうなので少し安心した

しかし安心したとは言っても混乱しているのは一向に直りそうにない。このままでは事態を収集出来そうにないので

「あの・・・少し落ち着きませんか?」

と鏡の前の少女に声をかけてみた。少女はまだ暴走気味ではあったが

「あ・・・はい、すみません」

割と容易に落ち着いて貰えた


ここからはハイパー質疑応答タイムに入る
265 : ◆wjOmYNm0Aw2008/10/11(土) 15:11:42.22 ID:cfJucoc0
彼女の話を要約すると

「あ、ありのまま今朝起こったことを話すぜ!昨日の夜普通に寝たと思ったら朝起きたら女になってた!何を言ってるか以下省略」

で、おまけに目の前に自分自身がいたらしい

つまり客観的に見ると、「僕が二人に分裂して、片方は女になった」ということである

そして今に至るというわけだ

----------------------------------------------------------------------

「つまり、記憶、思考能力等の内面的能力に変化はなく、身体的な特徴が」

「はい、おそらく同じ記憶を所有しています。考えていることも完全に同じだと思います・・・」

そんなこと言われて、はいそうですかと信用するほど僕の頭の中はお花畑ではない

そうなると、やはり自分自身に関する質問をして真偽を審議するのがよさそう・・・なんちゃって

そして今の駄洒落に審議中のAAが貼られると

よし、大分僕の頭も落ち着いてきたようだ、下らない駄洒落で判断するのかよとか言わないでね

「では少し質問してもいいですか?僕本人であるのならば確実に答えられる質問ですが」

「はい、お願いします。それで信用してもらえるなら・・・」

相手も結構大変なようだ。まあこれで本当か嘘か大体分かるはず

「まず第一問、僕の名前と多少のプロフィールをお願いします」
266 : ◆wjOmYNm0Aw2008/10/11(土) 15:12:30.67 ID:cfJucoc0
最初の一問目は比較的間簡単なものにしておこう、これすら答えられないようでは話にならないぐらいだ

「秋空勇人、現在15歳で高校一年生。学校では一部の友人としか話さないので比較的目立たない人種」

成る程、確かに思考回路は似ているかもしれない。僕の考えていた解答とほとんど同じである

「では第二問」

ゲーマーならではの質問といこうではないか

「今までやったことのあるネトゲを全て答えてください」

ネトゲはマキとよくやるのだが、マキに内緒で色々試しにやってみているネトゲもある

つまり、一番親しいマキですら知りえない情報についての質問である

「メイプルストーリー、テイルズウィーバー、ラテール、NOSTALE、WonderLand Online」

おっと、これはさっそくボロを出したか?と思ったら

「そうだ、あとトリックスターもだ」

・・・しっかり全部答えられたようだ。ここで僕は相手をひっかけてみることにした

「MoEは?」

勿論MoEなるネトゲはやったことない、ここで相手が動揺したら怪しい。普通にやったことないと答えられたら信じられるに一歩近づくわけだが

「MoE?確かそれはよく聞いたけど、やったことはないですよ」

全く動揺した素振りは見られなかった。となるとやはり本当なのだろうか・・・
267 : ◆wjOmYNm0Aw2008/10/11(土) 15:13:04.63 ID:cfJucoc0
次の質問で最終的な結論を出すことにした

と言っても現時点で僕にしか知りえない情報まで持っているという点から、理論的にはほぼ100%信じられるのだが・・・

一応念のためということで聞いてみる

「第三問、これでラストにします」

何を聞いたかは近いうちに説明しよう



「・・・正解です」

結局、三問目も正解した。どうやら本当に僕本人のようだ・・・

しかし、正解したらしたでまた新しい問題というか疑問というか

これから先どうなることやら・・・
268 : ◆wjOmYNm0Aw2008/10/11(土) 15:15:06.96 ID:cfJucoc0
------------------------------
今回の分の投下はここまでです
それでは失礼しました

休日をフル活用して書いてきます
269 : ◆wjOmYNm0Aw2008/10/11(土) 21:25:55.89 ID:cfJucoc0
こんばんは
それではまた書けた分を投下していきます
270 : ◆wjOmYNm0Aw2008/10/11(土) 21:26:52.39 ID:cfJucoc0
第四話

「それじゃ・・・信じてもらえたんですか」

確かに問題には全問正解できたものの・・・

「しかしまだ100%完全に信用した、というわけではないですね。70%程度です。科学の発達した今の世の中ではちょっと厳しいというか・・・」

これはちょっと物理的に信じがたいものがある

「そうですよね・・・僕自身も未だに信じられません」

しかし実際問題、こうなってしまったものは仕方ない。幸い土曜、日曜、月曜と三連休だ。ちなみに月曜は創立記念日

「とにかく、これからのこと考えませんか?こうなってしまった以上」

「そうですね、悩んでいる暇はありません」

意外にあっさりとこの提案を受け入れてくれた

「それでは・・・えーっと、んー・・・」

「どうしました?」

早速問題にぶち当たってしまった

「えーっと、何て呼べばいいですか?勇人は男の名前ですし、それに自分の名前を呼んでいるみたいでちょっと抵抗感が・・・」

「それもそうですよね・・・じゃあ人を取ってユウと呼ぶのは?漢字は・・・優しいの優です」

・・・優か
271 : ◆wjOmYNm0Aw2008/10/11(土) 21:27:35.51 ID:cfJucoc0
「うん、悪くないね」

「よかった。じゃあそうしましょう。僕は何て呼べばいいですか?」

「一応僕が本来の秋空勇人だからな・・・頑張って勇人って呼んでください」

自分は嫌なことを避けるけど相手には強要させる。おおう、僕、凄い外道だ

「そ、それずるくないですか!何か別の名前で呼ばせてくださいよ!」

「僕がずるいのは僕自身が一番知ってるでしょう?ね、秋空優さん」

優は肩を震わせている。おー怒ってる怒ってる、元自分とは思えないぐらい面白いやつだ

「・・・分かりました、それで妥協します」

「おお、秋空勇人は大人だな。凄いぞ自分」

「妥協したのは秋空優で秋空勇人は子供ですよ!」

もともとは同一人物であろうに。まあそれはいいとして

「とりあえずこれから宜しくお願いします」

改まって挨拶する

「こちらこそお願いします、って自分に対して敬語って変じゃないですか?」

確かにそう言われればそうかもしれない

「じゃあヨロシク、これでおk?」
272 : ◆wjOmYNm0Aw2008/10/11(土) 21:28:09.18 ID:cfJucoc0
「うん、ヨロシクねっ」

満面の笑みでそう言われる、少し顔が赤くなった気がした

僕が優のことに関わる必要性なんてないんだろうけど、自分のドッペルゲンガーとやらはかなり気になる。今のご時世にこんなことに出会えるなんて面白すぎる

何より優がちょっと僕好みで可愛いってのもあるんだけどね。同じ感性してるならバレてるかもしれない。アドバンテージは優にありか、ちょっと憂鬱だ・・・
273 : ◆wjOmYNm0Aw2008/10/11(土) 21:30:04.70 ID:cfJucoc0
第二章:元々同一人物


第一話

まず何をすべきか考えていたところ、洗面所に向かっている最中に優がパジャマの裾を踏んで豪快に転倒したため服を買いにいくことにした

男一人で女性の服を買いにいくのは周囲の目が危なすぎるので優も同行、というかサイズの問題もあるし

しかし女性と並んで歩くというのは予想以上に恥ずかしいものがある。いくら自分だと分かっていてもである

「もしかして恥ずかしい?」

さらに悪いことに、自分のことだからいとも簡単に人の思考を当ててしまう。迷惑ってレベルじゃねーぞと叫びたい

「自分のことも分からんのか?」

そうは言っても見破られるのはもっと恥ずかしい。半分キレ気味半分照れ隠しで言う

しかし優は

「腕組もうよ、腕♪」

なんて言い出す始末である。自分の性格を恨んだのは今まで生きてて初めてである

そりゃ女の子と腕組んで歩けたら幸せですよ、ええ。でもぶっちゃけ自分だし、だからと言って恥ずかしくないと言ったらそれは嘘になる。複雑な気分だ・・・

「普通に歩けないのかお前は」

と言ったにも関わらず

「勇人君♪」
274 : ◆wjOmYNm0Aw2008/10/11(土) 21:31:31.93 ID:cfJucoc0
豪快に腕に抱きついてきやがった。人の話を聞かないってのがどんだけ迷惑なのかが分かった気がする、これからは人の話をよく聞こう・・・

「お前っ!離せって!僕が恥ずかしがってるの分かっててやってるだろ!」

「うん、そうだよ?」

上目遣いでこんなこと言われた。本来なら可愛いはずのこの顔も今は悪魔の笑みにしか見えない

そんなやりとりをしているうちに、目的地へ到着した

「あ、着いたね。じゃあ服と下着買ってくるねー」

結局腕を組んだままここまで来てしまった・・・クラスの連中に見られてはいないだろうか

服に関してだが、同行する予定ではあったものの自分のセンスのなさはお互いに承知。なので店員に任せるという結論が出た

近くにあった自動販売機でジュースを買う

長くなりそうだったので椅子に座って色々と考えることにした


一体僕には何が起きているのだろうか
自分のドッペルゲンガー・・・しかも異性・・・か
マンガから得た知識だが、ドッペルゲンガーというのは完全に自分そのままの姿をしているらしい。性別が違うなんて話聞いたことがない
ドッペルゲンガーも性別の転換も本来ならまずありえないこと
けど確か、前何処かで聞いたことがある
確立の低いことが連続して2回以上起きたとき、それらは何かしらの関係を持つ可能性が非常に高いと
ドッペルゲンガーと性別の転換には何か関係があるのだろうか
一昨日見た不思議な夢は何か関係あるのだろうか
何かの病気なのだろうか
275 : ◆wjOmYNm0Aw2008/10/11(土) 21:33:28.80 ID:cfJucoc0
・・・ダメだ、全く分からない

どんな問題にも何かしら手がかりはあるのだが、今回の件については何一つ手がかりを見つけることができない、知識の範囲外とかそういう問題じゃなくなってる

まあでも自分以外の知識、本とかインターネットで探してみれば何かしらの手がかりは得られるだろう。それに期待するか


少し眠くなってきた、優が戻ってくるまで軽く寝ていよう・・・


・・・そのまま夢の世界に落ちていった
276 : ◆wjOmYNm0Aw2008/10/11(土) 21:35:00.52 ID:cfJucoc0
------------------------------
今日の分の投下はここまでです
それでは失礼しました
277 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/10/11(土) 22:41:33.21 ID:TCBPfaco
GJ続きに期待してます
278 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/10/11(土) 23:07:23.02 ID:TEd8KJ.0
GJ!
続きwktk
279 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/10/12(日) 10:59:29.66 ID:qHDTBsAO
この作品すっげー好きww

wktk
280 : ◆wjOmYNm0Aw2008/10/12(日) 20:53:29.02 ID:6NcUxhQ0
こんばんは
それではまた書けた分を投下していきます
281 : ◆wjOmYNm0Aw2008/10/12(日) 20:55:37.83 ID:6NcUxhQ0
第二話


「・・・」

ん?何だろう・・・

「お・・・、勇・・・?・・・人」

何かが聞こえる

「おーい、勇人?買い物終わったよ?もしかして寝ちゃってる?」

声の主は優だった

「ん・・・、あれ?僕完全に寝ちゃってた?」

「うん、凄い気持ちよさそうに寝てたよ」

参ったな、軽くうとうとするぐらいの予定だったのに・・・

「それより見て見て!」

何だろうと思って目を擦って見ると、さっきとは違う服を着た優がいた

「えへへ、似合う?」

僕とは思えないような言葉遣いだが、それすら気にならないぐらい似合っていて可愛い

「店員さんが色々と持ってきてくれたんだ、その中で気に入ったやつ選んできたの。どう?可愛いでしょ」

でしょって聞くも何も、優が気に入る=僕が気に入るだろう
282 : ◆wjOmYNm0Aw2008/10/12(日) 20:56:17.78 ID:6NcUxhQ0
似合っていて可愛い、と言いたいがそこは性格の捻くれた僕だ。図星ではあるがちょっと反抗してしまう

「微妙」

「あ、ひどいなー」

言葉に反して顔は笑顔だった。やっぱり心を読まれているらしい・・・。ちょっと僕不利じゃないっすかこれ。呼び方の仕返しにしてはちょっときついですよ。メラミ撃ったらメラゾーマで反撃されたみたいな感じだ

「まあとりあえず帰るか」

「うん、そうだね」

二人並んで夕焼けの道を歩いていった

両手は荷物で塞がっていたから帰りは腕組まれることはなかった、荷物が多くて有難いと思うなんて・・・
283 : ◆wjOmYNm0Aw2008/10/12(日) 20:57:57.13 ID:6NcUxhQ0
第三話

「ふぅ〜・・・」

帰宅完了、久しぶりに動いたというわけでもないのに汗だく。服って地味に重いんだな

「はー疲れた・・・」

隣では優が同じように汗だくである

とりあえず買ってきた服を整理整頓しよう、優が今来ているやつも買ってきたやつだ。しかし買ってすぐ着るやつがいるか?普通・・・

「うーん、汗だくだよベタベタだよー」

「汗だくなのもベタベタなのも分かったから手伝えっての」

僕は早速作業に取り掛かることにして、片っ端から袋の中の物を出している

一方、優は僕の服が入っているタンスを漁っている

「・・・何やってるんだ人のタンスなんか開いて」

「今日だけ寝るときのパジャマ、勇人の使わせて貰おうかなーって思って」

それで人のタンス漁ってるわけか、パジャマは上から3段目だ

・・・と言おうとして気がついた

「おいちょっと待て、パジャマって何だ、お前もう寝るつもりか?これが終わるまで寝るとか許さん」

人に任せて自分は寝るとかいい度胸だな
284 : ◆wjOmYNm0Aw2008/10/12(日) 20:59:26.54 ID:6NcUxhQ0
「やや、違うって。汗流したいからシャワーあびてくるだけ。また着替えるの面倒だからそのままパジャマでいいかーってことだよ」

「ああ、なんだ」

そういうことか・・・しかし随分女らしくなったな、僕。男の僕のほうは汗だくベタベタでも平気だぞ、気持ち悪いけど問題ない

「あったあった、これ借りてくね」

優がタンスから着替えのパジャマを取り出す。だが風呂場に向かおうとしない

「何やってるんだ?さっさと浴びて来い」

急かしてみるものの一向に動く気配がない。何か問題があるのだろうか

・・・もしかして

「シャンプーとかが髪にあわなかったらどうしようとか考えてるのか?そんなこと言われても僕にはどうしようもないぞ」

そう言って優のほうを見る

何故か優はニヤニヤ笑っている。これは・・・ちょっと悪い予感がするぞ・・・

「勇人〜♪」

案の定とでも言うべきか、優が抱きついてきた

女の人に抱きつかれる経験なんてほとんどなかったため心臓バクバク。やばいんじゃねこれ心臓破裂して死んじゃうんじゃねってぐらいやばい

だがそれを悟られるのも嫌なので冷静に冷静に・・・

「流石に多少は抵抗力ついてきたぞ、街中ってわけでもないし」
285 : ◆wjOmYNm0Aw2008/10/12(日) 21:00:35.63 ID:6NcUxhQ0
言葉と体が一致してないのは仕様です

「そうかな〜?勇人の鼓動感じるよ〜?」

そりゃ密着させれば分かるだろ・・・くっそ〜ディスアドバンテージがでかすぎる、肉体的にも精神的にも。脳からやばそうな物質が分泌されまくりんぐ。頭の中が溶けそうだ

「いいからさっさとシャワー浴びて来いって!」

なんとか理性を総動員して優を引き剥がす。あいにくだが僕の理性は最強の称号を持つ。その程度の誘惑に負けるわけが・・・

「ねえねえ、一緒にシャワー浴びようよ。勇人も汗だくじゃん♪」

「ぐ・・げほっ!」

総動員された理性は一撃で瀕死になった。最強の称号はどうやら井の中の蛙とかいうものだったらしい。飲み物飲んでるわけでもないのにむせてしまった

これはもう想定ラインから10M以上はオーバーしてる、まさかここまでの強さだったとは・・・流石元同一人物だ、強すぎる・・・!

「えへへ〜、勇人の身体はかつての自分の身体だし、僕は平気だよ?」

僕は平気だよ?に、でも勇人は平気じゃないもんね、という意味が込められている。いわうる反語というやつだ。あれ反語であってたっけ

僕は瀕死になっている理性達に全力で回復魔法をかけて再び総動員した

「15歳の人間に18歳以上のことを要求するな!」

「僕・・・いいよ、勇人なら・・・優しくしてくれるって信じてるから・・・」

ビキビキビキ、頭の中でこんな効果音が響き渡る

理性も完全回復して本来の僕に戻れたようだ
286 : ◆wjOmYNm0Aw2008/10/12(日) 21:01:23.43 ID:6NcUxhQ0
「寝 言 は 寝 て 言 え 。 蹴 り 殺 さ れ た い の か」

「うぅ、酷いなぁ・・・。じゃあ浴びてくるねー」

着替えを持って風呂場へ向かう優

・・・危なかった、もし追撃があったら回復魔法が間に合わなくて死んでいたかもしれん、人として

「さて・・・さっさと片付けるか」

目の前にある服の山を見てそう呟く、先は長そうだ・・・


片付け開始から15分くらいが経過、大体半分以上終わった頃だった

ガシャーン!!

と風呂場から凄い音が聞こえてきた。どうやったらあんな音出せるんだよってぐらい大きな音である

「うおっ!」

あまりに大きな音だったので少し驚いてしまった

「お、おい大丈夫か?」

風呂場にいる優に声を掛けてみるが返事がない

「おい、大丈夫なのか!」

またも声を掛けてみるが、やはり返事がない

不安になって風呂場へ向かう、のぼせて転倒して頭強打とかだったら大変だ
287 : ◆wjOmYNm0Aw2008/10/12(日) 21:02:24.17 ID:6NcUxhQ0
「おい、優!どうした?」

風呂場の前で聞いてみる、それでも返事は無かった

これは流石に危ないと思った僕は優の安否を確認することにした

「おい、だいじょ」

風呂場のドアを開けて聞いてみる、内心かなり不安だったのだ・・・が

「やっほー勇人!やっぱり一緒に浴びたかったんだね!」

といきなり抱きつこうとする優

ガラガラ

華麗に無言で閉める僕

「えぇ!?勇人それは酷くない!?せっかくどうやって大きな音出すか必死に考えたのに・・・」

「お前一回死んでこい!氏ねじゃなくて[ピーーー]!」

「酷いなぁ・・・僕は勇人と一緒にシャワー浴びたかっただけなのに」

風呂場から立ち去る僕。何も見ていない何も見ていない、僕は何も見ていない・・・

だが脳内スクリーンではさっきの優の裸体が再生されている、あのとき本気で心配してたから余計綺麗にクリアーに再生されている・・・

「・・・最悪だ。まさか自分の性格がここまで悪かったとは」

何でこう・・・あんな挑発的な性格になってしまったんだ僕は。名前の仕返しにしてはちょっと酷すぎるだろ常識的に考えて・・・
288 : ◆wjOmYNm0Aw2008/10/12(日) 21:03:15.41 ID:6NcUxhQ0
喜んでいるのか悲しんでいるのか怒っているのか・・・いや、どれでもない


答えは簡単、憂鬱だ・・・






------------------------------
今日の分の投下はここまでです
それでは失礼しました
289 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/10/13(月) 04:13:46.63 ID:LJSjwp.o
GJ
この二人はくっつくのだろうかwwww
楽しみだwwww
290 : ◆wjOmYNm0Aw2008/10/13(月) 21:36:30.94 ID:TqZCXjg0
こんばんは
それではまた書けた分を投下していきます
291 : ◆wjOmYNm0Aw2008/10/13(月) 21:36:59.97 ID:TqZCXjg0
第三章:HKOK症候群


第一話

目が覚める。目覚ましが鳴っていないことを考えるとまだ7時前のようだ

今日は・・・昨日が土曜日だったから日曜日か。夜には月曜怖いタイムが始まる。僕には関係ないけど。その代わり火曜日が怖いです

「すーすー」

隣から優の規則的な寝息が聞こえる。やはり昨日のことは夢ではなかったようだ

目が覚めたら全部夢でしたー!ってなればよかったのに・・・。現実はそこまで甘くなかったようだ

「すーすー」

優に起きる気配は見られない。いくら同じ人間でも起床時間に多少のズレは生じるようだ

というより僕の視点で見れば同年代でしかも僕好みの可愛い女の人と寝ているわけだから、ゆっくり寝られるわけがない

時計を見ると、午前7時5分・・・・あれ、どうやら目覚ましのセットを忘れていたようだ

昨日の夜は大変だった。あの後シャワー浴び終わった優と片付けをしていたのだが・・・

それが終わって、今日はもう寝て明日考えよう、とか言ったら優がお約束のように一緒に寝ようとか言い出す始末

もちろんきちんと二人分の布団を敷いてやったけど

何でそうやって・・・僕のことを大人の領域に誘うのかが分からん。こういうことがあったから今日は少し早く目覚めたのかもしれない。警戒心丸出しじゃねーか僕

「うーん・・・あ、おはよう」
292 : ◆wjOmYNm0Aw2008/10/13(月) 21:37:31.98 ID:TqZCXjg0
「おはよう」

優が起きて朝の挨拶を交わすものの、すぐにまた布団に潜る。起きてから1時間経過しないといつも通りにはならないってのもやっぱり同じみたいだ。流石ドッペルゲンガー

まあ僕も完全に目が覚めていないから布団に潜ることにする。羽毛布団サイコー


1時間後

「勇人おはよう〜、昨日は楽しかったね。今日は何処いく?」

「はぁ・・・」

優はしっかりと、昨日と同じテンションに戻っていた。いくら目が覚めていても朝っぱらからこのテンションに付き合うのは疲れる・・・というか何で中身同じなのに、こうも人柄というかなんというかが違うんだ

「溜め息つかないでよ、せっかくの日曜日なのに」

休日は部屋でゆっくりするもんだろ・・・日曜日なのにじゃなくて日曜日だからだ。まあ僕は年中ゆっくりしてるようなもんだけど

「彼氏彼女ってわけじゃないんだ、今すべきことを考えろ」

「むむむ、今すべきこと?」

女になった僕、何か頭悪くなってないか・・・?まあそんなことはどうでもいいとして

「生活用品は全て揃えた。食料も大丈夫、暮らしていくのに必要なものは一通り揃ったってことだ」

もともと予備に取っておいたものなんだけどね、ほとんどが

「じゃあ出かけようよ〜」

ああ、やっぱり女になった僕は頭が可愛そうになってるようだ。しかもアウトドア派になってるし
293 : ◆wjOmYNm0Aw2008/10/13(月) 21:38:02.15 ID:TqZCXjg0
「何で肝心なことを忘れてるんだよ。ドッペルゲンガーと女体化について調べなくてどうする」

「うーん、面倒臭いなあー」

「今日も休みだからな、一日全部使って調べ上げるぞ」

優が不満そうな顔をする、こいつ本来の目的忘れてるんじゃないか・・・?

「あ、寝起きのシャワー浴びてくるね」

寝起きのシャワー・・・だと。今までの僕では考えられない行動だ、もう別人レベルにまで性格変わってるぞ元自分。もうどうにでもなーれ

「ねー、勇人。い」

「先に調べてるからさっさと浴びて来い」

と言ってパソコンを起動する。どうやら先制攻撃が成功したようだ。優がまたもや不満そうな顔をする

優が風呂場に向かうのを見て再度パソコンを見る

「何か情報が得られるとは思わないが・・・とりあえず検索してみるしかないか」

まずはドッペルゲンガーについて検索をしてみた

検索結果を纏めると、やはりもう一人の自分=ドッペルゲンガーという認識で問題なさそうだ

妖怪みたいなものとして捕らえられているから性別とかなさそうだけど、本人のコピーらしいから性別は同じと考えるしかない・・・ってところか

それ以上のことは分からなかった。他は、ドッペルゲンガーは宇宙人説とか電波障害が起きそうなものばかりだった

「じゃあ次」
294 : ◆wjOmYNm0Aw2008/10/13(月) 21:38:34.91 ID:TqZCXjg0
今度は女体化で検索みた。件数が多すぎる

しかもドッペルゲンガーと違って、何か元になりそうなものすらないし

「・・・」

よく考えれば女体化なんて普通に考えられないし、人間で女体化とかありえないよな・・・

こんなもの創作の範囲にすら入りそうだし

なんというか前途多難、やる気が0になってしまった。おおゆうとよ、しんでしまうとはなさけない。違うそれ0になったのHPだ

仕方ないからVIPにいくことにした、今日も何か面白いスレ見つけられるかなという期待

板一覧からVIPを開き、スレをぼんやりと眺めていく

新ジャンル詰め合わせ、新ジャンル素直HOT、新ジャンル掃除用具、新ジャンルひょんなことから女の子

なんか最近新ジャンルスレが乱立してる・・・

「え?」

危うく見逃すところだった、見間違いかと思ったが確かに新ジャンル:ひょんなことから女の子というスレがある

新ジャンルスレだしVIPだし・・・いい情報は期待できそうにないが、念のため見ることにする。藁にもすがる気持ちだ
295 : ◆wjOmYNm0Aw2008/10/13(月) 21:39:23.77 ID:TqZCXjg0
1 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2005/2/○○(土) 21:47:14.69 ID:
ここは「ひょんなことから女の子」スレです。

誰かが女の子になったり、何かが女の子になったりしています。
デフォのキャラがいないので、自由にキャラを作って下さい。
別に新ジャンルじゃないし既出も上等。
あなたも「ひょんなの子」を妄想してみませんか?

・過度のリアル報告・自虐、自動保守は避けましょう。

まとめwiki http://www12.atwiki.jp/hyon/pages/1.html
避難所 http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/computer/31732/1155745234/

実際に発生したケース http://〜


「成る程成る程・・・って実際に・・・?」

どうやら実際に発生したケースがあるらしい。さっそくリンクからそのページに飛んでみた
その先には


「HKOK症候群 正式名称:突発性女体化症候群

性染色体がXYからXXに書き換えられ、さらに細胞が再構築されることによって男性が突然女性に変異する病気

特徴として、朝目が覚めたら既に女性になっていたケースしか見られず徐々に変化する様子は誰も見たことがない

発症例が極端に少ないため、治療法不明、発症原因さえ未だ明かされていない
唯一判明していることは、10年に一度だけ必ず患者が出るということだけである

最近は、1995年のカナダでの発症を最後に未だ世界各国でも発症者は発見されていない。法則から考えて、2005年に発病者が出ると考えられている
296 : ◆wjOmYNm0Aw2008/10/13(月) 21:40:00.32 ID:TqZCXjg0
驚いた、まさかここまで珍しい病気だとは・・・。しかし、女体化は確率が低くてもこのHKOK症候群とやらで説明出来るとして、ドッペルゲンガーについてはどうなるんだ

・・・まさかそれも珍しい病気なのだろうか

「ふぅー、気持ちよかった」

後ろを見ると、優が着替え終わってバスタオルで髪を拭いている

「何か分かったことある?」

「あぁ、可能性としてだがどうやらHKOK症候群と言うらしい」

「HKOK?何それ、青酸カリ?」

何でそんな物騒な単語が出てくるんだよ

「青酸カリはKCNだ、とりあえずこれ読んでみろ」

そう言ってパソコンの画面を優に見せる。ついでに椅子に座らせた

「もしかして、僕がこれ発症したってこと?」

「そうとしか考えられんな」

書いてある通り、1995年のカナダで発症、そしてその10年後の今年2005年、日本でもう一人の僕、つまり優が発症したと考えると辻褄があう。のだが

「じゃあドッペルゲンガーについてはどうなの?」

それが問題なんだ。HKOKという病気がある以上、何処かにドッペルゲンガー症候群なんてのもあるはずなのだが

「それは分からん。ドッペルゲンガー症候群なんて聞いたことない」
297 : ◆wjOmYNm0Aw2008/10/13(月) 21:40:30.43 ID:TqZCXjg0
そう、もう一つの問題が大きな壁になっているのである

それに優もHKOK症候群になったとは限らないし

「「・・・」」

お互い無言になる。気まずい・・・何か言わなくては・・・

「ま、まあお先真っ暗ってわけじゃないんだし、とりあえず女になった原因は分かったんだし」

とっさにフォローを入れる僕

HKOK症候群にかかる確率はほとんどない。だが低確率の連続は互いの事象に関係性がある確率が高いという理論から優はHKOK症候群にかかったと見て間違いないだろ、と自分に言い聞かせる

「別にいいんじゃないか?不自由してないだろ?」

言ってから気付いた、男だったのにいきなり女になって不自由じゃないわけない。失言だ・・・

「うん、まあそれもそうだよね!何とかなるって!」

それでも優は笑顔を見せてくれた、優が笑顔じゃないとこっちの調子が狂いそうだ。何でかは分からない
298 : ◆wjOmYNm0Aw2008/10/13(月) 21:40:52.27 ID:TqZCXjg0
------------------------------
今日の分の投下はここまでです
それでは失礼しました
299 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/10/15(水) 11:25:24.30 ID:3GLUYrUo
おちゅおちゅん
300 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/10/16(木) 01:10:04.06 ID:9SHyY2DO
乙!

すげぇなあ…俺もこんな風に書いてみたいもんだぜ
301 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/10/16(木) 14:39:37.39 ID:h0kGi6AO
>>298
乙!wktkがとまらねぇwww

>>300
書いてみちゃえよwww
302 : ◆wjOmYNm0Aw2008/10/16(木) 22:03:39.59 ID:ovQ12Z20
こんばんは
書くのに夢中で投下忘れてました/(^o^)\
303 : ◆wjOmYNm0Aw2008/10/16(木) 22:08:17.41 ID:ovQ12Z20
第二話

「ドッペルと女体化はとりあえず考えないことにしよう。そうなると次の問題は今後の生活だ」

現実逃避にも思えるが、ただの高校生が調べたところで何になる。今は別の現実に目を向けよう

僕はアパートで一人暮らしをしている。15歳で一人暮らしかよ、と言われるかもしれないが、入学した高校があまりにも家から遠かったからである。というより一人暮らしのために今の高校へ入学した、のほうが正しいかもしれない

「うーん、でも特に困ることってないんじゃない?」

優にそう言われてから考える。物資的な意味ではもう大丈夫だが

「昨日も今日も、さらに明日も休みだからな。でも火曜日から学校だ。そこでまた問題が発生するかもしれない。例えば、万が一優の姿を見られたときとか・・・そんときの誤魔化し方とか・・・」

なんか一番の問題を後回しにしていたような気がする

「じゃあまず僕が勇人とどういう繋がりなのか聞かれたら?」

まあ一つ一つ解決していくしかないか

「従兄弟・・・はちょっと近いな。はとこあたりでいいんじゃないか?」

「うーん、まあそれでいっか。他は?」

「学校は当然だけど僕が行く、優は家に残って家事とかしててくれ。暇ならゲームでもやっていてくれればいいや」

「何か夫婦みたいだね」

それは言っちゃいけないお約束だったのに・・・

その時だった
304 : ◆wjOmYNm0Aw2008/10/16(木) 22:08:44.08 ID:ovQ12Z20
ピンポーン

ドアホンの鳴る音が部屋に響く

「「えっ!?」」

しまった、一人暮らしといえど誰か来客はある。その可能性を忘れていた

「優!何処か隠れろ!」

「えっ?あ、うん!」

優が隠れたのを見て僕はインターホンを取る

『よう勇人、遊びに来たぜ』

どうやらマキが来たようだ。タイミングが悪すぎるぜマキちゃん・・・いやそんなことより

「へ?遊ぶ約束してたっけ?」

約束したか覚えてない・・・聞きながら自分の記憶を掘り起こす

『おいおい、忘れたのか?金曜帰るときに、日曜遊びに行くからなって言ったじゃねーか』

「あ・・・」

----------え、じゃあそのまま寝てればいいじゃんって?生活サイクル崩れると直すの面倒なんだ・・・まあ休日だからゲームしたいというのもある。そういえば日曜日にマキが遊びに来るって言ってたな----------

ああああああああ、しまったあああああああ!完全に忘れてたああああ!

「ご、ごめん。今日用事が出来ちゃって・・・」
305 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/10/16(木) 22:08:53.09 ID:/oExq6co
ヌルポ
306 : ◆wjOmYNm0Aw2008/10/16(木) 22:09:17.46 ID:ovQ12Z20
『え?マジで?』

しまった・・・優が来てから色々バタバタしてたからすっかり忘れていたようだ・・・

「うん・・・だから今日は無理。また今度にしてもらえる?」

『うーん・・・うん、分かった。今日のところは帰るよ』

「ホントごめん・・・」

ふぅ・・・危なかった。マキが人の事情にあまり口出ししない性格でよかった

インターホンを置いて優にもう出て大丈夫という合図をする

「誰だったの?」

「マキでしたあばばばばば」

頭の中はまだ混乱している

「ああ、マキちゃんか・・・。そういえば約束していたのすっかり忘れてた」

「お互い様かも分からんね、とりあえず今日は外出は無理だな」

「え、何で?」

いや何でじゃないだろ・・・

「マキを用事があるって追い返しておいて、それで何処か二人で買い物とかしてるとこ見られたらまずいだろ」

「あ、そっか」
307 : ◆wjOmYNm0Aw2008/10/16(木) 22:09:49.77 ID:ovQ12Z20
結局その日は外出せずに家でまったりと過ごした


その翌日の月曜のことだが、マキがいきなり家にやってきて

『よ、今日は大丈夫か?』

何て言い出しはじめた。もちろん断った、今日も用事があるって

口出ししないのは嬉しいが、連絡無しに人の家来るのはどうにかならないのか・・・と思ったが言わないでおいた

というわけで月曜も家で一日中過ごすはめになったのであった・・・二日連続で外出しないのは僕にとって普通だし慣れているが優がすごい不満そうにしていた。

自分の立場をちょっとは考えるべきだろ・・・これからずっと外出は出来ないし、日中一人で過ごすというのに

3連休はあっという間に過ぎてしまった。明日から学校が始まる

この時の僕は自分の趣味と自分の性格で自分の首を絞めることになる、とは全く予想出来ていなかったのであった、まる
308 : ◆wjOmYNm0Aw2008/10/16(木) 22:11:21.24 ID:ovQ12Z20
第四章:自業自得


第一話

半分目が覚めている状態、けどまだ眠いから布団のなかでゴーロゴロ

「勇人ー、起きる起きるー」

カンカン

ふとそんな声が聞こえてくる。声だけでなく変な金属音も聞こえる

「ゲットアップ、ゲットアップ、ゲットアーーーップ、起きろー」

カンカンカン

「朝っぱらから騒がしすぎる」

と優に文句を言う、だが優の姿を見てちょっと唖然

「何でエプロンつけてるんだ?」

何故かエプロンを装着している。これもまた似合っているのだがそんなことは言わなかった

「朝食つくってたんだよ」

土曜日、日曜日、月曜日とそんなことしなかったのに。まあ新たな才能の開花かもしれん。そんなことより

「じゃあ右手のおたまと左手のフライパンはなんだよ・・・」

「秘技・死者の目覚め」
309 : ◆wjOmYNm0Aw2008/10/16(木) 22:13:41.24 ID:ovQ12Z20
成る程・・・変な金属音の正体はこれか。某物語の主人公の妹さんですか

時計を見るといつも通り、午前7時ジャスト。目覚まし時計の起動まで30秒。とりあえず解除。ポチッとな

えっ7時?

「まだ7時になったばかりだってのに朝食作り終わったのか?」

「1時間前にはもう起きてたもん」

マジかよ・・・

「なんつーか・・・はりきってるな、自分」

「ホントだよね、以前の僕じゃあ考えられないや」

テーブルを見る、トーストと卵焼きとサラダが置いてある

僕って意外に料理の才能とかあったりするのかな

しかし気合入ってるのはいいけど

「僕が朝食異常に食えないっての知ってるよな?喉の通りが悪いんだぞ、朝は」

「脳が活性化しないぞ?そんなこと言ってると」

確かによく聞くけどな、朝飯食べないと脳がしっかり働かないって

まあそんなことは百も承知。それにせっかく作ってくれたんだし、頑張ってみるか

「「いただきます」」
310 : ◆wjOmYNm0Aw2008/10/16(木) 22:14:28.58 ID:ovQ12Z20
二人テーブルに対面に座って言う。飲み物がコーヒー牛乳なところが僕らしいな

「あれ、結構美味い」

「でしょ?頑張ったんだよ」

ふむ・・・いつも自分でつくる朝食は適当だし。それに家事も優がやってくれるのか・・・案外この生活悪くないかも

しかも、僕と優じゃ何故か知らんけど性格完全に違う人間レベルにまで到達してるよな。男と女ってそんなに見える世界が違うのだろうか

子供の頃にネコの目が青なのを見て、ネコはこの世界が青く見えてるのかな?何て思っていたのと同じ理屈・・・か?

しかし、そう考えると・・・

「案外、このまま夫婦になっても悪くないかも分からんね」

「あはは、有難う♪」

優は凄い嬉しそうである。冗談だぞ冗談。こいつ冗談だって分かってるのか・・・?

朝食を終えて、はみがき、洗顔、着替えを済ませていざ出発

「いってきます〜」

一人暮らしのときも挨拶は欠かさずやっていた。人いるとかいないとか関係なくするよね、そういうのって

まあその癖もあって別にいってきますと言うぐらいなんら違和感ない

「いってらっしゃ〜い」

だが返事されるのは久しぶりである。しかも同年代の可愛い女の子が相手となるとやはりと言うべきか恥ずかしいな・・・
311 : ◆wjOmYNm0Aw2008/10/16(木) 22:17:07.49 ID:ovQ12Z20
そんな今日は火曜日、三日ぶりの学校。まあいつも通り、何も変わらず、なんだけどね





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今日の投下はここまでです
それでは失礼しました
第二話で新キャラが登場します!
ってネタバレしちゃダメですよね。ま、まあこれぐらいなら・・・うーん・・・
312 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/10/18(土) 00:45:12.41 ID:L0YVZsM0
乙!
313 : ◆wjOmYNm0Aw2008/10/18(土) 16:36:03.85 ID:.CHHgvI0
こんにちは
割と書けたので投下していきますね
314 : ◆wjOmYNm0Aw2008/10/18(土) 16:38:48.99 ID:.CHHgvI0
第二話

学校へ到着。教室に入るとすでにマキがいた

「よう勇人、おはよう」

「おはよう」

いつもの挨拶なのだが、僕にはちょっと罪悪感があってつらかった。日曜、月曜と遊びの誘いを断ってしまった・・・というより嘘ついてしまったからである

僕はそのまま自分の席に着いて、荷物の整理をしたあと机に伏して寝る

低血圧なのか何なのかよく分からないけど、朝は眠いからいつもこうしている。これが毎朝の僕の日課と言えよう

しかし、そんな僕の毎朝の日課を邪魔するやつがそろそろ・・・

「おはよう勇人!」

やはりというか予想通りというか、うるさい奴がやって来た

しかしそこはいつものこと、僕は寝たまま挨拶を華麗にスルー。え、挨拶は人がいるいない関係なくするもんだろって?それとこれとは話が違うのだよワトソン君

なんてくだらないことを考えていたら

「何スルーしてんだよ!返事しろっての!」

スパァンッ!

「いてっ!」

何かで思いっきり頭を叩かれた。そこまで痛くはなかったのだが、そういう問題ではない
315 : ◆wjOmYNm0Aw2008/10/18(土) 16:39:13.53 ID:.CHHgvI0
「おいこら!何しやがる!」

すかさず机から頭を起こして怒鳴りつける。ちなみに今ので眠気全部吹き飛んだ

「何しやがるはこっちのセリフだ!人の挨拶無視したから自慢のデスノートで制裁してやったんだ!」

そういって右手を僕の目の前に突き出してきた。その右手にはノート、しかも丸めてある

本人はこれをデスノートと呼び、毎朝僕を叩き起こすのに使っている。しかもこれ数学とか英語のノート使ってるわけではなく、僕を叩き起こすための専用ノートになっているとのこと。資源の無駄遣いだろ・・・あと起こすのにデスってどうなんだよ、それ永眠じゃねーか。というか毎朝それカバンからわざわざ出してるのかよ。もう突っ込み所多すぎてどうしようもないぞ

「だからって何も叩くことないだろ・・・常識的に考えて」

「常識的に考えて挨拶無視するほうが悪いだろ!」

む・・・確かにその通りかもしれない

「その通りかもしれないじゃなくてその通りなんだよ!」

「おい人の頭の中覗くのはよろしくないぞ・・・」

「単純なんだよお前が!」

失礼なことを言うやつだ。僕は再度机に伏して寝る態勢を整える。顔だけは一応真夏のほうへ向ける

そうそう紹介が遅れてしまったようだ。さっきからこのぎゃーぎゃーうるさくて失礼なやつは東雲真夏(しののめみなつ)という。漢字だとまなつなのに読みはみなつと風変わりな名前が特徴だ。まあそんなこと言ったらマキもそうだが

「今ちょっと失礼なこと考えなかったか?」

「いやいやそんなことありませんよ、真夏さん。毎朝毎朝ぎゃーぎゃー騒がしい上に失礼な奴だなんて思ってませんよ、ええ」

「へぇ・・・そういう風に思ってるんだ・・・」
316 : ◆wjOmYNm0Aw2008/10/18(土) 16:39:45.81 ID:.CHHgvI0
おいおい、何でそんな怖い顔してるんだよ・・・きちんと思ってませんって否定したじゃないですか。人の背中に回りこんでどうするつもりですか、怖いんで止めてくださいよ

だがそんな脳内での弁解も空しく、背後から腕が伸びてきて首を締め付ける・・・苦しいっす・・・

「お前にはこの影殺しが必要らしいな!」

影から忍び寄って、首を絞めて[ピーーー]から影殺しらしい。ネーミングセンス悪いぞ・・・というかそれただのCQCじゃないっすか

「さあどうだ!参ったか!参ったと言えば許してやるぞ!」

正直なところ、けっこう限界に近い。だが前にも言ったであろう、僕は性格が捻くれているのである。簡単にギブアップなんかするはずがない

「ぜ、全然苦しくないぜ・・・お前の大きな胸がクッション代わりになってるからまだまだ余裕っすよ」

「んな・・・!このセクハラ野郎!息の根止めてやる!」

そう、実はこいつ『女』なのである。こんな乱暴な言葉遣いしているという点から男と勘違いする人が多かったりする

だから普段話しているときは、男友達といるような感覚になる・・・わけなのだが、今みたいなときには男女の体つきの違いを実感、というか痛感してしまうせいで凄い恥ずかしい・・・というわけだ

背はそこまで高くないのだがその反動なのか胸が大きかったりする。顔は可愛いの部類に入ると思う。だがしっかりものというオーラを放っているように見えるせいか、可愛いというだけでは評価しきれない部分がある。なんというか、美しいと可愛いの丁度中間にいるような感じのやつだ。それゆえ、結構モテるらしい

い・・・今はそんなこと考えている場合じゃなかった・・・!

「さあ、どうだ!これでもまだ余裕だと言い張るつもりか!」

かなり苦しい・・・!だがその分・・・真夏の豊満な胸の感触が強くなっていく・・・!肉を切らせてなんとか戦法・・・だ!でもはっきり言う・・・と、真夏の胸に興味とか・・・全くなかったりする!締められ損の・・・くたびれもうけだ・・・!ちょっと・・・違うけ・・・ど・・・やば・・・げんか・・・い・・・

キーンコーンカーンコーン

チャイムが鳴った、どうやら助かったようだ。真夏はチャイムが鳴るとそれをゴングにでもしているのか、攻撃を止めるのである
317 : ◆wjOmYNm0Aw2008/10/18(土) 16:40:07.67 ID:.CHHgvI0
「ちっ」

真夏が舌打ちして自分の席へ帰る、あのままだったらかなり危なかった・・・

僕は中指を立てて真夏を挑発する。真夏はこれに気付いているのだが、毎朝こんなやりとりをしているから慣れてしまったらしい。習慣化しているようだ

しかし、今日の影殺しはいつもより強かったな・・・

・・・あいつ、また胸大きくなってないか?

それ以上考えるのは止めておいた。僕の脳に気を遣った結果だ
318 : ◆wjOmYNm0Aw2008/10/18(土) 16:42:07.28 ID:.CHHgvI0
第三話

キーンコーンカーンコーン
・・・ヤバイ

何がヤバイって?今のチャイム、4時間目終了の合図だったりするんだ。優のこ
とばかり考えていたせいで、授業内容の半分以上が頭の中を通過した悪寒。気が
付いたらもう昼休みという・・・

「さて、昼飯だ昼飯」

内容の薄いノートを見て嘆いていたらマキがやってきた。まだ片付けてるんだか
ら弁当置くなよ、邪魔くせえ

「そうだ、マキ。ノート見せてくれ。今日やった分、全部」

「ん?まあいいけど、どうしたんだ?」

「いや授業中ちょっと上の空になってたから」

「へえ、珍しいな。勇人が上の空なんて。ちょっと待っててくれ」

マキが自分の机からノートを持ってきた。それを受け取ってノートを写す準備を
していたら

「ハイパー昼飯タイム!」

真夏がやってきて弁当を机の上に置く。何だよ、ハイパー昼飯タイムって

いや、そんなことより

「お前ら弁当、人の机に置くじゃねえ!邪魔だ!」
319 : ◆wjOmYNm0Aw2008/10/18(土) 16:42:31.15 ID:.CHHgvI0
「おう、悪い悪い」

「そうだよ、アース。邪魔になってるじゃねえか」

「お前もだよ、真夏!」

「はいはい、分かったよ」

こいつら、人の机を物置か何かと勘違いしてないか。

ちなみにアースってのは真夏にとってのマキのあだ名

-----真夏「西田真希ってローマ字で書くとNISIDAMASAKIで逆からだとイカサマじゃね!?私大発見!」→マキ「気にしてること言うな!」→真夏「じゃあイカサマとってDISIN、地震か!英語でアースクエイク!これからアースって呼ぶぜ!」-----

という経緯があってだな、しかもDIとかぢだし、ネーミングセンス悪いし。真夏のネーミングセンスの悪さはこれから先、より明らかになるであろう・・・

ノート写しを再開する一方で、二人は近くの椅子と机を持ってきてそこで昼飯の準備をし始めた

「ん?勇人、ノート写してるのか?」

「ああ。マキにも言ったけど、上の空やっちまったんだ」

「勇人が?珍しいこともあるもんだ」

何だよ、二人にとっての僕のイメージは完璧人間にでもなってるのか・・・?

しかしそんなこと気にしても仕方がないのでノートを写す作業に没頭する

昼休みはいつもの同じ4人メンバーが集まって談笑兼昼食という形になっている。まだ来てない一人がそろそろ・・・

「済みませんー、遅れましたー」
320 : ◆wjOmYNm0Aw2008/10/18(土) 16:42:58.58 ID:.CHHgvI0
「お、真冬も来たみたいだね」

噂をすればなんとやらだ、最後の一人である真冬ちゃんがやってきた

彼女は東雲真冬(しののめみふゆ)。真夏の妹だ。好戦的な姉とは正反対で、性格はおとなしめ。さらに肌が若干白く、儚げな印象もあってつい守ってあげたくなるようなそんな感じ。姉と妹を足して2で割ったら丁度よさそうだ。ちなみに学年は一つ下で中学3年生

この学校は高等部と中等部の校舎が同じ敷地内にあるため、昼休みになると弁当を持って真冬ちゃんが僕たちの教室までやってくるというわけだ。・・・健気だなあ、真冬ちゃん。それに比べて姉は・・・

「おい、また何か失礼なこと考えてないか?」

何だよまた読心術使ってきやがったよ。ボロを出さないためにもここは無言で通すしかない

でも無視するのもつまらないので目からマイナスのオーラを送りつけてやった

「何でそんな負の感情が詰まってそうな目線送るんだよ!図星か!図星なのか!」

「ま、まあお姉ちゃん落ち着いて」

どっちが姉か分からんな・・・

「おし、終わった。僕も昼食にするか」

真冬ちゃんが席についたのとほぼ同時にノートも写し終える。マキにサンキュ、と言ってノートを返した

だがカバンから弁当を取り出そうとして一つ思いついたことがあった


優のことをみんなに相談してみるのはどうだろうか・・・

勿論、今家に優がいるなんてことまで言うつもりはない

ここで聞くのは、あくまでドッペルゲンガーについてだ
321 : ◆wjOmYNm0Aw2008/10/18(土) 16:44:32.31 ID:.CHHgvI0
しかし、いきなりドッペルゲンガーを見たと言うのも変だ。それに、話題が話題なだけに、あまり真剣になって聞くのもおかしい。頭の心配はされたくない・・・

ここでベストな質問は・・・ドッペルゲンガーを信じるかどうか、と言ったところだろうか

いや、それでもいきなりすぎる。何の前触れもなくそんなこと聞くのは変だ

どうやってドッペルゲンガーの話に持っていくか・・・

「秋空先輩、どうしたんですか?」

「ん?あ、いや」

どうやら少し考え事に耽りすぎたらしい。真冬ちゃんを心配させてしまったようだ

「もしかして考え事ですか?目、赤くなってますよ」

「げ、マジで?」

「ホントですよ、ほら」

そう言って真冬ちゃんが差し出した手には鏡があり、そこには目が真っ赤になっている僕がいた


実は、僕にはちょっとした不思議な力がある

力と言えるほど凄いものでもないし、僕はこんな訳分からない力、どうでもいいと思っている

あのとき優に質問した三問目は、この赤くなる目についてである
322 : ◆wjOmYNm0Aw2008/10/18(土) 16:44:58.16 ID:.CHHgvI0
第四話

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「じゃあラスト三問目。僕は何故かはよく分からないけど、目が赤くなるときがある。そのときの条件は?」

「考え事に耽っていくとだんだん目が赤くなっていき、最終的には白目の部分が全部赤くなるぐらいになってしまう・・・そして」

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「で、考え事すると目が赤くなってどうなるんだっけ?」

マキが聞いてくる。前にも話したと思うんだが・・・

「あーちょっと待って。私が前にメモしたのが残ってるはず」

そう言って真夏は自分のカバンを漁る

取り出したのは一冊のノート。これって例のデスノートじゃねえか

「どれどれ?目が赤くなると・・・んー・・・色々書いてあって逆に訳分からなくなってる・・・どうやら簡潔に言うと頭の回転がはやくなるっぽい。流れで説明すると、考え事をする→目が赤くなりはじめる→考え事を続行→目が完全に赤くなる→ハイパーLREタイム→思考能力が急上昇、みたいだ」

「ああ、そういえばそんな感じだった」

「でも確か欠点もありましたよね?」

「それも書いてある。使いすぎると頭がボーッとするらしい。これはまだ軽いほうで、限界まで使ってると強制解除されたあと気絶するぐらい。だとさ。ちなみに強制発動も出来るらしいけど、使用時間が通常より短くなるみたいだ」

まあ要するにそんなところ。考え事をすればする程、脳内での時間が遅く流れるだけ。ソーマトウって言うのか?まあでも頭がよくなるわけじゃないから、あまり意味無いけどな

しかし、なんだ・・・
323 : ◆wjOmYNm0Aw2008/10/18(土) 16:45:28.25 ID:.CHHgvI0
「何でそんなことわざわざメモしてるんだ?」

「いや、何か目が赤くなるとか格好いいじゃん?マンガとかに出てきそうだよ。これ使って私、何かマンガ書けそうだよ。というかその力凄い羨ましいよ。私にくれよ」

「わけわかんねーよ!マンガ書くつもりかよ!結局自分が欲しいだけじゃねーか!」

「凄いじゃんその力!追い詰められた主人公がこの赤い目で逆転とかさ!友情、努力、勝利に繋がりそうだしさ!それに某ハントマンガの鎖使いみたいだよその赤い目!」

「僕はクルタ族の生き残りでもなんでもねえよ!しかもジャンプに応募するつもりかよ!それにこの力のせいで長い間考え事出来ないからむしろマイナスだろ!というかこれただの充血だっての!」

マキの家系は大体医者になっているらしい。マキにもその才能があるらしく、僕の力というか赤い目を見せたところ充血という診断結果だった。・・・格好悪い

「充血もそこまで来ると逆に格好いいよ!私もそれぐらい充血してみたかった!」

「全然格好よくねえよ!充血したいって何!充血願望とか聞いたことないぞ!それにハイパーLREタイムって何!」

「正式名称は、赤眼開花 - Lunatic Red Eyes(ルナティックレッドアイズ)略してLRE!格好いいだろ!私が名付けた!」

ダメだこいつ・・・はやく、なんとかしないと・・・

というか何でこんな話になったんだっけ。ああ、そうだドッペルゲンガーについて聞こうとしたんだ

「そうだそうだ。なあ、みんな。ドッペルゲンガーっていると思う?」

「へ、ドッペルゲンガー?」

最初に反応したのは真夏だった

「んー、どうだろう。私はいないと思うけどな・・・妖怪の類だろ?ドッペルゲンガーって。今の世の中に妖怪なんて・・・」

「マキはどう?」
324 : ◆wjOmYNm0Aw2008/10/18(土) 16:45:56.80 ID:.CHHgvI0
「俺も真夏と同じ意見だな。妖怪とか正直、いるとは思えない。科学技術的な意味で・・・というか、勇人いきなりどうしたんだ?妖怪の存在とか真冬ちゃん並に信じてなさそうだが」

「あ、いや。昨日ホラー映画見たあと日本妖怪辞典みたいなの見てたらさ、ドッペルゲンガーってのがあったんだ。世の中に似た人は3人いるっていうし、そこのところどうなんだろって思って」

危ない危ない、結局何の前触れも無くいきなり聞いてしまった。真夏はスルーしてくれたのに・・・。変なところで鋭いな、マキ

最後に真冬ちゃんに聞いてみることにした

「真冬ちゃんは・・・」

マキがさっき言ってた通り、真冬ちゃんが信じているとは思えない。何て言ったって、あの『証明の女神』の二つ名を持つぐらいだ。ちなみにその二つ名は真夏が広めt

「私は・・・いると思います・・・」



「「「なんだってー!」」」

僕とマキと真夏でシンクロする。おお、案外ドッペルンゲンガーじゃなくてもシンクロするもんだな

って、そうじゃなくて

「え、いるって。本当に?」

少し信じられなくて再度聞いてしまう。聞き違いなんてことが・・・

「は、はい。いると思います。ただ、妖怪ではなく、全く同じ、もう一人の自分だという条件付きですが」

・・・どうやら聞き違いではなかったようだ

僕もマキも真夏も唖然。ざわ・・・ざわ・・・
325 : ◆wjOmYNm0Aw2008/10/18(土) 16:46:25.12 ID:.CHHgvI0
「お、おい・・・。あの『証明の女神』がドッペルゲンガーを信じているだと・・・?」

「そ、その二つ名、恥ずかしいです・・・」

うーん、可愛らしい。じゃなかった、びっくりだ。真夏に至ってはびっくりしすぎて声すら出てない

ちなみにさっきも言った通り、『証明の女神』というのは真夏が名付け、真夏が広めた真冬ちゃんの二つ名である。

数学的、物理的、科学的に考えて物事を証明する癖からついた二つ名・・・

そんな空想から一番遠いと思われる真冬ちゃんがドッペルゲンガーを信じるだと

・・・

いや、逆に考えるんだ

そんな真冬ちゃんだからこそ、何かドッペルゲンガーを信じるに値する根拠があるのかもしれない

それに、ドッペルゲンガーじゃなくて同一人物という条件付きだという。僕としてはそちらのほうが有難い。あれは妖怪の類ではなかった。多分

・・・聞いてみるか

「真冬ちゃんが、そのドッペルンゲンガーを信じる根拠って何?」

「それはですね・・・」

真冬ちゃんの目が怪しく光る・・・いかん、これは自分の世界に入った予感

「まず!西田先輩もお姉ちゃんも間違ってます!いない、という意見を持つのは問題ありませんが、理由は科学技術の発展したこんな世の中だから、なんて人任せでしかありません!そんな証明、エレファントです!」

「え、エレファント?」
326 : ◆wjOmYNm0Aw2008/10/18(土) 16:46:58.62 ID:.CHHgvI0
マキのやつこれも忘れてるのかよ。たしか、エレファントってのは数学の証明の評価で使う言葉だっけ。綺麗に証明出来ると「エレガント」、不恰好だと「エレファント」・・・って真冬ちゃんが言ってた

「今度は私が証明します!ドッペルゲンガーはいます!一般相対性理論と量子力学をあわせた量子重力理論、その中の超弦理論を使います!まだ未完成ですが、これが成立すると仮定します!超弦理論は、物質の基本的単位を大きさが無限に小さなゼロ次元の点粒子ではなく1次元の拡がりをもつ弦であると考える弦理論に超対称性という考えを加え拡張したものです!超は、凄いって意味でついた訳じゃないので間違えないでください!ここで宇宙多重創生論です!平行宇宙間を繋ぐものに、アインシュタイン・ローゼン橋と呼ばれるものがあり、これはブラックホール等の重力崩壊を起こした天体によって生じるものです!先ほど言った超弦が絡み合う状態は、極小のブラックホールを生み出します!ちなみに超弦理論は理論の整合性のため10次元時空が必要で・・・」

そ、そろそろやばくなってきた。真夏やマキは大丈夫だろうか

二人の様子を見る・・・

って真夏の頭から何か出てるぞ!煙!?マキは口から何か出てるし!あれエクトプラズマってやつじゃねえのか!?

「Q.E.D 以上です!あ・・・」

どうやら事態に気付いたらしい。真冬ちゃんの証明がストップした

「す、済みません!済みません!また私、自分の世界に入っちゃって・・・」

「いや、まあ僕は大丈夫だけど他の二人は重症かも」

「お姉ちゃん!西田先輩!済みません!」

真冬ちゃんが必死に謝っている。どうやら二人とも蘇生出来たようだ

だが肝心なことが聞けてない、というか理解出来てない
327 : ◆wjOmYNm0Aw2008/10/18(土) 16:47:38.18 ID:.CHHgvI0
「真冬ちゃん、結局どういうことなの?」

おそらく証明できたのだろう。結論だけ聞かせてもらうことにした

「えっと、つまり多重構造世界。いわゆるパラレルワールドから来たってことです。ドッペルゲンガーでなく、同一人物ですが」

・・・それの証明ってことだったのか

証明の女神の二つ名は伊達じゃないってこと、改めて実感した






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今日の投下はここまでです
それでは失礼しました
328 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/10/19(日) 07:28:57.43 ID:FK2VB6AO
>>327


なんか頭から煙が出そうだったが面白かったwwwwww
329 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/10/19(日) 23:03:40.55 ID:qGzGSzQo
邪気眼・・・だと・・・!
330 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/10/20(月) 02:53:57.00 ID:YwHRuW2o
金庫の中から象のぬいぐるみ・・・だと・・・?
331 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/10/23(木) 02:24:44.30 ID:86VKnVco
たたかえ!
332 : ◆wjOmYNm0Aw2008/10/24(金) 18:24:03.37 ID:slAbCzs0
こんばんは
大分空いてしまいましたが、投下させてもらいます
333 : ◆wjOmYNm0Aw2008/10/24(金) 18:28:29.79 ID:slAbCzs0
第五話

つまり、真冬ちゃんの考えによると

別世界の秋空勇人がそのパラレルワールドから僕の世界にやってきて、そこでHKOK症候群を発祥。そして秋空優の誕生ってことか

正直、全く信じられん。だが、HKOK症候群なんてものがあるくらいだ。パラレルワールドに繋がる場所があったとしてもおかしくない。それに真冬ちゃんの話では、それは存在しうるってことだしな

・・・これ以上考えるのは止めよう。脳内PCがぶっ壊れる予感がする。それに凄いSF臭までするし。同じSFなら、時間旅行のほうがマシだったかもしれん

気を取り直して僕も昼食タイムに、と思ってカバンを開けて弁当を探す

「・・・あれ?」

おかしい、カバンの中にあるはずの・・・

「弁当がない」

「おいおい、マジかよ。」

隣に座っているマキが僕のカバンの中を覗く。しかし無い物は無い

「弁当盗難事件発生か!よし、この名探偵真夏様に任せなさい」

「いやいやここは科学捜査部西田班に任せてもらおう」

「どう見ても忘れただけです。本当に有難うございました」

何で二人ともそんな落ち込んでるんだよ。紛失より盗難のほうがいいのか

「先輩、どうかしたんですか?ノート写し忘れたり、お弁当忘れたり・・・」
334 : ◆wjOmYNm0Aw2008/10/24(金) 18:28:57.23 ID:slAbCzs0
どうしたんだろうなー、まあ大体原因は想像つくけどさ。家にいるあの悪魔だろうな

しかし忘れた物は仕方ない。一階の購買で何か買うしかないようだ

・・・弁当、飛んでこーい

・・・家に置かれているであろう弁当に念を送ってみるものの、飛んでくる気配無し。いや、それで窓ガラス突き破って弁当が飛んできたりしたら逆に困るわけなんだけどさ

ふぅ、とため息。

何か知らんが、妙に落ち込む・・・。俯き気味になっているのがその証拠

やっぱり買わなくていいや、昼飯抜きでもなんとかなるだろ

と思っていたそのとき!(世界丸見えのナレーションの人っぽく)

ガラッ

教室のドアが開く音。しかし教室のドアが開くぐらい、至って普通のことなのだが

「おおっ!!」

何故か歓声が起こる。しかも主に男の声

何だと思って頭を上げて後ろのドアを見る。しかしそこには何もないし、誰もいない

・・・どうやら皆が見ている方向とは違うようだ。マキも真夏も真冬ちゃんも前のドアを凝視している

というわけでつられて僕も前のドアを見る

そこには
335 : ◆wjOmYNm0Aw2008/10/24(金) 18:29:26.50 ID:slAbCzs0
「んーっと・・・?」

お決まりというのか何というのか・・・優がいた。条件反射なのだろうか、気づいたら机の上に鞄を置いてその影に隠れていた

どうやら弁当を持ってきてくれたらしい。おお、凄いな僕。念じたら弁当来たよ。しかも飛んできてガラス割るなんてことも無かったし

・・・最近、現実逃避の頻度が多くなってきてるな。特技の欄に現実逃避って書けそうだ

さて、ここはどういう行動に出るべきか

@弁当を受け取りにいく
A隠れる
B隙を見て教室の外に逃げる

@は絶対却下。そんな目立つ真似は避けたい。話にならない。アウトオブ眼中ってやつだ

Aは難しい。こんな狭い教室で隠れるスペースなんか無い。伝説の蛇の人でも無理がある

というわけでB!どう考えてもB!消去法でB!

よし、何とか逃げる方法を考え出そう。今こそLRE(命名:真夏)を強制発動させ使うとき!これで僕の勝ちだ!ハーッハッハッ

「あ、いたいた。勇人ー!」

・・・人間、勝つ直前が一番負けやすいって言葉を聞いたことがある

教室中の視線が僕に集まる。正直耐えられん

「やっと見つけた。はいこれ、忘れ物」

そう言って弁当を差し出す優
336 : ◆wjOmYNm0Aw2008/10/24(金) 18:29:50.90 ID:slAbCzs0
有難うございます・・・と普通なら言いたいのだが声が出ない。見えないガムテープでも貼られたような気分だ

「せっかく持ってきてあげたのに、お礼の一つも無し?」

「・・・弁当持ってきてくれたことには感謝しよう。だが常識ってものが無いのかね君は」

「忘れ物をして困ってたんでしょ?困ってる人を助けるのは常識だもん」

ああ、はい。その通りです。でも僕が言いたいのはそこじゃないんです

優の格好はどうみても私服、目立ちまくりんぐ。それに何故か、頭には猫耳・・・。

「分かった。困っている人を助けるのは常識。それには僕も同感せざるを得ない。だがその頭についてるものは絶対常識と認めん」

「あ、これ?前買っておいたけど結局用途のなかったやつ。似合うでしょ?というより、実は寝癖が酷かったからこれで隠してる。ヘアピンとかなかったからさ」

嘘つけ、朝見たときは寝癖なんか無かったぞ。というか、むしろ寝癖のままのほうがいいだろ。そんなもんやるぐらいなら・・・

これ以上は僕の心が耐えられそうにないので、帰ってもらうことにした

「とりあえず有難う。感謝感激した。だからもう帰ってくれないか」

「酷いなぁ、感謝の念が篭ってないぞ?」

そりゃそうだ、感謝してないんだから感謝の念なんか篭ってるわけないだろ

しかしそんなことはお構いなし

「有 難 う ご ざ い ま し た 。 お 帰 り く だ さ い」

と言いながら優を帰るよう促す。不満そうな顔をするが、それに応じて帰ろうとする優
337 : ◆wjOmYNm0Aw2008/10/24(金) 18:30:27.03 ID:slAbCzs0
だが帰り際

「じゃーねー勇人!今日もあれやろうね!最初はつらかったけど、頑張るから!それと、もうお風呂覗くなよー!」

ブハッ

マキが飲んでいたお茶を豪快に吹いたようだ。クラスの男連中も一部が吹いていた。きたねえぞお前ら

優はドアの前で手を振ったあと、スタコラサッサと帰っていった

もう悪魔とか鬼って言葉じゃ追いつかないくらい迷惑な人間だ
前、メラミ撃ったらメラゾーマ返されたって言ったの、あれ無し。どう見てもマダンテです、本当に有難うございました

・・・数秒の空白、誰一人として動いていない。時が止まっているみたいだ。誰だスタンド使ってるの

ここで時間の流れを復活させるために一言

「今日は一人で弁当タイムを過ごしたい気分!じゃあな!」

そう言ってマキ達に背をむけ、早足で教室から脱出。

しようとしたのだが

ガシッ

「ぐおっ」

誰かに首根っこ捕まえられた。首が絞まって思いっきりむせた

「まーまー待てよ勇人君。今日は私、色々楽しい話を持ってきているんだ。だから勇人君の話も聞かせてほしーなー」

どうやら犯人は真夏のようだ。真夏さんそれ笑顔なんですか?めちゃくちゃ引きつってますよ?
338 : ◆wjOmYNm0Aw2008/10/24(金) 18:31:08.01 ID:slAbCzs0
そして真夏に連れられ・・・というか引き摺られるような感じで自分の席に戻る


「というわけで、色々と質問に答えてもらおう。回答次第では、私のパワーアップした影殺し・改が火を噴くからな」

何でパワーアップしてるんだよ。腕力か、腕力が上がったのか。それとも違う場所がパワーアップしたのか

「まあとりあえず、大体の質問は俺がしよう。さっきの人、誰だったんだ?」

まさかこんなタイミングで優の存在がバレるとは・・・まあこういうときのために事前に回答を考えておいてよかった

「僕のいとこのいとこ。つまりはとこ」

「名前は?」

「秋空優。優は優しいの優」

「歳は?」

「15歳」

・・・歳とか関係あるのか?というかマキ、お前ナンパでもするつもりかよ

「・・・じゃあ今日も頑張ろうって言ってたのは?」

「ああ、あれか。あれは確か風呂あがったあとに」

「わ・・・!先輩ストップです!」

真冬ちゃんが顔を赤くして叫んできた

「真冬の前で何言う気だお前は!判決死刑!」
339 : ◆wjOmYNm0Aw2008/10/24(金) 18:32:10.98 ID:slAbCzs0
パワーアップしたらしい影殺し改とやらを食らう

真冬ちゃん、それ誤解ですから!この建物4階までだけどそれ誤解だから!

苦しい!苦しいっす!

「ぐ・・・ストップ!人の話は最後まで聞け!」

真夏の腕から解放される。だが真夏は戦闘態勢のままである。怖いから背後に立たないでくれ・・・

「『風呂あがったあと、もう寝ようと言った。しかし、何故か眠れない僕たち。同い年の異性が近くにいて眠れるわけがない。それは優もそうだった。見詰め合う二人。顔が赤くなるのが分かった。気がついたら僕は優のパジャマのボタンを外していた・・・』」省略されました。続きをよむにはここをクリックしてください

「先輩ストップ!ストップ!」

真冬ちゃんはもうやばいくらい真っ赤になっていた。主に照れ的な意味で

一方、姉の真夏も真っ赤になっていた。主に怒り的な意味で

「お前というやつは!やっぱり死刑だ!今日はお前の命日だ!」

「わー止めろ!マキは何勝手に物語つくってるんだよ!全然違うから!眠れなかったから二人でゲームやってたんだよ!」

「『やっていたゲームはR18の学園物。物語を二人で進めていたらどうやらR18のシーンに入ったようだ。気まずい、しかし優の何かを期待している目が見えた。その期待に答える義務が、僕にはある。僕はそっと優のほうへ向いて』」省略されました(ry

あの野郎・・・人が首絞められるのがそんなに楽しいか

「おい真夏。僕がやってたのはMGS3だ。さっきから真冬ちゃんを困らせているのはマキだぞ。その影殺し・改とやらはマキにやるべきなんじゃないのか」

「む・・・それもそうか。というわけだ、覚悟しろアース!」

はー危ない危ない。マキがアホで助かった
340 : ◆wjOmYNm0Aw2008/10/24(金) 18:32:45.64 ID:slAbCzs0
真冬ちゃんを見ると、どうやら限界が来たらしい。顔を真っ赤にして机に顔を伏せていた

「ぐ、ぐえぇ。そ、そういえばお弁当持ってきたけど、もしかして一緒に住んでるってやつ」

「ん?ああ、そうだけど」

よく首絞められながら喋れるな、器用な奴だ

「あ、あれ?でも勇人って一人暮らしだよね?じ、じゃあさ今勇人と彼女の二人暮らし?」

お、おい余計なこと言うなって

真夏の動きが止まってる。・・・これはマズい流れの予感

「げほっげほっ、それにお風呂覗くなよって言ってたよな。それについてはどうなんだ」

こいつ・・・そんな細かいことまで覚えていやがったか・・・

あれ、マキの後ろにいたはずの真夏がいな

ポンと誰かの手が肩に乗る
341 : ◆wjOmYNm0Aw2008/10/24(金) 18:33:27.14 ID:slAbCzs0
「被告人、秋空勇人」

「はい」

「判決:死刑」

「言い残したことがあります。紙とペンをください」

「却下します」

意識がブラックアウトした。死因は窒息死。以上









------------------------------
今日の投下はここまでです
それでは失礼しました
342 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/10/25(土) 00:57:24.37 ID:d.XXnOwo
おお、ゆうしゃよ、しんでしまうとはなさけない。
343 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/10/26(日) 08:39:02.42 ID:6jf00IAO
後頭部に当たる乳の感覚を感じながら窒息させるとは・・・・


なんとうらやまs・・・じゃなくて恐ろしい技
344 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/10/28(火) 16:19:43.42 ID:3Ec0AVMo
過疎意
345 :vqzqQCI02008/10/31(金) 03:20:01.58 ID:H7KMJyE0
  どんだけ☆エモーション(その9)

「ミヒロちゃん〜、準備はできたの〜?」
母さんが俺の部屋に向かって呼び掛ける。
「出来たから、今行くっ!」
俺は準備を済ますとぱたぱたと居間に向かう。
「うわ〜似合っている!! お姉ちゃん!!」
実由が俺の姿を見て嬉しそうに騒ぐ。
「あらあら〜、私のお下がりとは言え良く似合って可愛いわね〜」
母さんも嬉しそうに言う。
「そ、そうかな? そう言ってくれると悪い気はしないけど…」
俺は鏡を見ながら自分の姿を確認する。
(元がいいからね、ミヒロちゃんなら何を着ても似合っているよww)
むむ、素直に喜べないけどありがとう。確かに似合っているので否定のしようが無いのだが。
一応、今の俺の姿は母さんのお下がりの制服を着ている状態だ。
とは言え、この制服姿は一時的なものでしかない。

今日は俺がヒロアキとして通っていた高校にミヒロとして編入試験を受ける日。
とは言え、面接のみという事なのでそんなに大袈裟なものでは無い。
他の高校からの編入ということなので俺は他校の制服姿で行くことにする。
丁度、母さんが高校時代に着ていた制服を持っていたのでそれを着ることになった。
…しかし、俺の高校はブレザー。母さんはセーラー服の学校だったので
これを着るとなると…目立つよな。
まぁ仕方無いかと思いつつ、朝食を食べる。
「ミヒロちゃん、ちょっといい〜?」
「ふぁ、ふに?(ん? なに?)」
食べながら返事をする俺。
(ミヒロちゃん、お行儀が悪い)
…ごめんなさい。
「女の子なんだから髪の毛位ブラッシングしましょうね〜」
母さんは朝食を食べている俺の背後に立つと俺の髪の毛を弄り始める。
「ミヒロちゃんの髪、サラサラして綺麗ね〜。このまま伸ばすといいわよ〜」
「確かにそうだよねっ♪ もっと女の子らしくて可愛くなるよ、お姉ちゃん♪」
いつの間にか実由も俺の背後で俺の髪を弄っている。
「ちょっと、今食事中なんだから止めてくれる?」
「いいからいいから♪ ウフッ、お姉ちゃんの髪、いい匂いするよっ♪」
実由は俺の文句も意に介せず俺の髪を撫ぜつける。
栗色のショートヘアーの俺の髪は二人の手によってブラッシングされる。
「…」
初めは鬱陶しく感じていたが何気に髪を触られるのは心地良いことに気付く俺。
…気が付くとウットリしていた。
346 :vqzqQCI02008/10/31(金) 03:21:43.65 ID:H7KMJyE0
「さぁ、出来上がり〜♪」
「ショートだからあまり派手な事も出来ないし、学生らしい髪型で今回は良しとしましょうか〜」
「…出来たの?」
朝食を食べ終え、髪を弄られながらテレビを観ていた俺は二人の呼びかけで
鏡で自分の髪型を確認する。
「…」
何だかすっかり女の子っぽくなっちゃったな…。
(可愛い〜、良く似合ってるww)
母さんや実由によって俺の髪型は髪留めで綺麗にセットされていた。
丁寧に髪を梳かされ艶のある髪の毛に派手では無いが可愛らしい花型の髪留めがセットされる。
鏡に映る少女が上品でなお且つキュートな感じに見えるのは俺の目の錯覚かな?
「やだ〜ミヒロちゃんたら、可愛いんだから自信持ちなさい〜」
「そうそう♪ あたしに似てキレイなんだからねっ♪」
…だから人の考えていることを読まないで欲しいんですが。
それにしても短時間でここまで俺の雰囲気が変わるとは…。
「さあさあ時間だし、二人とも学校に行ってくるのよ〜」
「はーい♪」
「…うん」
俺は自分の姿を鏡であちこち確認していたが母さんに促されて出かける事にする。

「実由、俺の格好変じゃないかな?」
落ち着かない様子の俺はそわそわしながら実由に確認を求める。
登校までの道程、俺と実由は途中までは同じなのでそこまで一緒に向かって行く。
「全然変じゃないよ、むしろ可愛いすぎ♪ お姉ちゃんの姿、写メでたくさん撮っちゃった♪」
(流石、実由ちゃん。後で私にも見せてねww)
「うん♪」
「…」
347 :vqzqQCI02008/10/31(金) 03:22:53.65 ID:H7KMJyE0
「それより、制服のスカートちょっと丈が長くない?」
実由はそう言うと俺のスカートの裾を引っ張る。
「ちょっと、実由は何してんだよ」
「長いよー、これ。 何か長くてカッコよくないなぁー?」
「いや、俺は丁度良いけど。何か?」
俺は自分の着ている制服を確認する。
スカートの丈は膝上5センチ程。
実由が俺に買ったスカートやワンピースはどれも膝上20センチ以上は当たり前なので
長いといえば長いかも知れないが俺には丁度良い。
「駄目だよ、これじゃ。えいっ♪」
実由はいきなり俺のスカートのウエスト部分を折り返し始めた。
「ち、ちよっと、何してんだよ!」
「いいから、いいから♪」
「いくないっ!」
(あらあらww)
抵抗する間もなく俺のスカートの丈は実由によって膝上15センチほどに調整されてしまった。
「み、実由〜またしてもお前は〜っ!」
ガバッ!
「…ほえ?」
怒ろうとする俺の身体に抱きつく実由。
「ごめんねっ、お姉ちゃん」
「実由?」
実由の突然の行動に戸惑う俺。
「あたし、もっともっとお姉ちゃんには可愛くなって欲しいの。あたしの自慢の
お姉ちゃんになって欲しいの。この間まで男の子だったお姉ちゃんには嫌な事だとは思うけど…」
「実由…」
「だって折角こんなに可愛い女の子になったんだよ? あたしだってお姉ちゃんには
可愛さで負けたくないけど、常にあたしにとっての目標であって欲しいんだ、お姉ちゃんには」
上目遣いで俺に抱きつきつつ話す実由。
…ちくしょー可愛いじゃねーか。
俺は俺で実由を抱きしめたくなる衝動を抑える。
それにしても実由の行動は俺に対する想いがあるが故の行動だと納得する。
「…とりあえず実由の気持ちは分かったけど、あんまりやり過ぎは良くないからな」
実由の仕草に何気に萌えを覚えつつ、いちおう釘を刺す俺。
「うん、ありがとうお姉ちゃん、でも安心して。あんまり短くし過ぎると面接に響くから
今回は抑え気味にしておいたから♪」
ペロッと舌を出してニッコリ笑う実由。
(実由ちゃんって、ホント可愛いよねww ミヒロちゃんはいい妹を持って幸せだねww)
「エヘヘー、アリガトー、マル姉ちゃん♪」
「… まぁ、いいや」
…何だかもうどうでも良くなってしまった。
ホントにこの人たちって。
348 :vqzqQCI02008/10/31(金) 03:25:13.72 ID:H7KMJyE0
                ◇

途中で実由と別れた後、俺は高校に辿り着いた。
…女の子になってから初めての学校。試験無しとはいえ妙にドキドキする。

「…う〜ん」
(どうかした?)
―いや、何だかな。
周りの視線が気になるのは俺の気のせいだけではないような。
通りすがる生徒のほとんどが俺の姿をさっきからチラチラと見ているのはブレザーの学校の中に
一人だけセーラー服の女生徒がいるのが珍しいからであろう。
やっぱりこの制服だもんな、目立つよな…と思いつつ受付の事務員さんに連れられ俺は
2階の会議室まで向かう。丁度時間的にもHR前の生徒が登校して賑わっている時間帯なので
会議室までの道程は良くも悪くも見世物状態で困ったものである。
それにしても廊下に居る生徒達が普段より多く見えるのは気のせい?

「ではこの部屋で待っていて下さい。担当の先生が来ますので」
事務員さんは俺を会議室まで案内すると戻っていった。
数多くの視線から開放された俺はホッとしたせいか会議室の椅子に深々と座り込んだ。
(なんだか疲れた…すごくたくさんの視線を浴びたせいかな?)
マルさんの意識が流れてくる。
…確かに疲れた。全く初めからこれじゃ先が思いやられるよ。
できれば帰りは生徒が学校をウロウロしない時間に帰りたいもんだなぁ…。

それにしても自分の状況が変わると普段見慣れているはずの学校の光景まで
違っているように感じるのは気のせいだろうか。
何だか今の自分はここの学校の生徒というより、お客様というか余所者というか
そんな感覚で此処にいるような気がしてならない。
…不思議な違和感を感じる。
こんなんで今後この学校でやっていけるのかな…?
妙に不安が俺の中によぎる。
(ミヒロちゃん、心配し過ぎだよ?)
…分かっているけどさ。

ガチャ。
俺が色々考えこんでいると会議室のドアが開いた。
「あなたがこの学校に編入することになった方ですね」
「あ、ハイ、そうです」
俺は振り返り声の主を確認する。
「はじめまして。私は本日の面接を担当する新井です。よろしくねミヒロちゃんww」

あれ? え? …千絵先生?
どうして俺(ヒロアキ)の担任がここに?
349 :vqzqQCI02008/10/31(金) 03:27:42.61 ID:H7KMJyE0
        ◇

新井 千絵。 母さんの親友であり、俺のクラス担任であるこの人は
高校のみならず俺が幼い頃から色々と面倒を見てもらっている顔馴染みの人である。

「こうして見るとハルちゃん(母さんの愛称)の昔の頃と同じで可愛いわね〜、
その制服ってハルちゃんの高校時代のものでしょ? 懐かしいわねぇ、だから雰囲気も
似てるのかしらね? 実由ちゃんにもソックリだし、ホント可愛い〜」
面接などそっちのけで俺の姿について観察しまくる千絵先生。
俺の顔やら身体やらペタペタと触ってくるのが何とも。
「あ、あの…興味が湧くのは仕方の無い事かも知れないけど…ホントに勘弁して、千絵先生っ」
「え〜?だって、こんなにヒロちゃんがカワユクなっちゃったんだよ!?
私、我慢できないよぉ〜!」
そう言って俺に抱きついて頬ずりする千絵先生。
ああ、もう、千絵先生といい、うちの家族といい…。

…しかし、なるほど。

全ては母さん達が上手く手を回してくれたお陰で俺は特に今後の生活についての
問題は無いわけである。千絵先生も良き理解者として俺の学校生活のフォローを約束してくれたし。
(なんにせよ、ひと安心だよねww)
…まぁ、確かに。
…でもね。

ザワザワと帰り時間で生徒達が賑わう校内。
こうなる事はある程度予想はついていたがホントになってしまうのは何とも。
恨めしそうに会議室から外の様子を伺う俺。

「帰りは元々居た学校だし、全然問題ないでしょ? 私この後試験の添削があるから
見送りできないのよね〜」
千絵先生はそう言うと職員室に戻っていってしまった。

俺の面接自体はそんなに時間のかかるものでは無く、書類関係の提出と今後の生活についての
色々なレクチャーで済んだので実質1時間程度で済んでしまった。
しかし。
「…千絵先生、俺、もう帰りたいんですけど」
「え〜?駄目よ。もう少しお話しましょ?」
「試験の担当は大丈夫なの?」
「あ、全然大丈夫。ヒロちゃんの面接と手続きで他の仕事はキャンセルしてるから」
「キャンセルって、どういう事?」
早く帰れるはずが千絵先生が俺を全然解放してくれないものだから
結局、学校の生徒達の帰る時間帯と重なってしまったよ。

ううっ、…行き同様、俺は生徒達の興味の視線に包まれそうです。
350 :vqzqQCI02008/10/31(金) 03:31:47.52 ID:H7KMJyE0
            ◇
キョロキョロを辺りを見回す俺。
(ミヒロちゃん、挙動不審ww)
うるさい。分かっているよ、そんなの。
さすがに二度も大勢の生徒の視線に耐えられるほど俺のハートは強くない(?)ので
なるべく生徒のいないところをチェックしつつ、家に帰ることにする。
校舎を上手くスルーして学校から出てしまえば後は普通に帰るだけなので
そこまでが勝負といったところか。
会議室前の廊下は部屋の用途から人の通りの少ない場所に位置しているわけではあるが
裏口へ降りるまでの階段へ向かうには生徒の通行の多い連絡廊下を通る必要がある。
う〜む、迷っていても仕方が無い。
(そうよ、女は度胸っていうじゃありませんか)
ええっ!? マルさん!?

そうこうして裏口から校舎を出ることに成功した俺。
完璧とはいえないがそれでもそんなに大勢の生徒達の視線を浴びることなく
ここまで来れたのは俺の天性の逃げ足のテクニックの成せる技か。
…周りを見ている余裕が無かったともいえるけど。
裏口からはグラウンドが見渡せる位置にあり、サッカー部時代の俺は
よくこの裏出口からクラブ活動に向かっていたっけ。
試験期間中もあってグラウンドは人の気配もなく、閑散としている。
そんなに懐かしさも感慨も全然ないのだがグラウンド内を何となくブラブラと歩いてみる。
「ん?」
サッカーゴールのところに何故かサッカーボールが転がっているのを発見する俺。
思わずゴールの場所に向かう。
(どうしたの?)
「サッカーボールが落ちているんだ、部の奴だろうなきっと」
(サッカーボウル?)
「誰だよ…だらしないなぁ」
口とは裏腹に元々サッカーが好きでクラブ活動を続けてきた俺である。
久々に触るサッカーボールの感触に妙に心が浮き立つのは気のせいではあるまい。
(どうするの?)
「まぁ見てなよ。よっ、おっ」
借り物の制服だし、あまり汚れることの無い程度でボールに戯れる。
久々のボールではあるがわりと身体がいい感じで動くので楽しくなってきた。
初めは簡単なリフティング、ドリフト程度であったが調子がいいので難しい事にも
挑戦したくなる俺。
(ミヒロちゃんすごいww )
―意外に身体が調子いいというか、あれだけ気になっていた脚の状態も悪くないというか…
不思議なんだけど、怪我をしてサッカーを辞める前の状態に戻っているような気がするよっ。
この格好で動きすぎるとスカートが短いからあまり良くないよなと思うが…
誰も居ないし、楽しいし。まぁいいや。
「ほっ、よしっ」
…しかし、脚の調子がホント良いなぁ。どうしちゃったんだろ?
(そうね、実はミヒロちゃんが女の子になった際に脚の状態が悪いのは気になってた)
―ん?
(だからいいのかなと思いつつも私、ミヒロちゃんの脚をあるべき状態に戻しちゃったww)
―ん?

え、ええ〜っ!!
どういうことですか、マルさん!?
351 :vqzqQCI02008/10/31(金) 03:33:52.60 ID:H7KMJyE0
(まぁ、何といいますか、私には多少ながら"力"があって、私が一つになる相手の状態が悪い時は
治療したりとか出来るんだよねww)
何となくではあるが照れくさそうな感情のマルさんの意識が流れてくる。
「そうだったんだ…。だからこれだけ俺の脚の状態が絶好調なわけなんだ…」
マルさんにそんな力があるとは…別に今更驚く程の事ではないけど、でもその恩恵を受けている
俺はマルさんに感謝せねばならないわけで。
…でも正直なところ男の時に治して欲しかったなぁ。

「ミヒロちゃん!? どうしたの? こんなところで?」

不意に俺を名を呼ぶ声。
「! あれ?」
(あらww)
スポーツウェア姿のサトシが小脇にサッカーボールを抱え驚きの表情で俺の姿を見ていた。
「サトシ…くん」
俺も予期せぬ相手の登場に戸惑いの表情を浮かべつつボールを操る脚の動きを止める。
「ミヒロちゃん、その格好は学校に試験を受けに来たのかい?」
「う、うん、そうなんだ。これは前の学校の制服なんだけど…」
ぎこちなく自分の着ている制服を見せる仕草をする俺。
「なる程なぁ、吉田が言ってたのはこの事だったんだ」
「何が?」
妙に納得した表情のサトシの言葉が気になる俺。
「うん、今朝、セーラー服のすっげーカワイイ子がうちの学校にやって来て騒ぎになっているって」
「ええっ? それって…」
「うん、ミヒロちゃんのことでしょ? うちのクラスの奴ばかりじゃなくて他のクラスの奴らも
みんな話を聞いて見に行ったらしいよ」
「…」
思わず赤面して黙り込む俺。やっぱり目立っていたのは自分の気のせいでは無かったんだ…。
道理であんなに人が居たわけだ。
それにしても、カワイイって…。
352 :vqzqQCI02008/10/31(金) 03:35:26.78 ID:H7KMJyE0
ねえ、ミヒロちゃんって、サッカーやってたの?」
「どういう事?」
サトシの質問に思わず返す俺。
「いや、グラウンドに向かう時、セーラー服の女の子がサッカーボールを操っているのは
見えていたんだけど、あまりにも上手すぎてとても素人とは思えなかったんだ。
まさかその女の子がミヒロちゃんなんて全然思いもしなかったんだけどね」
流石、サッカー部ナンバー1のサトシだ。俺の何気ないボールさばきが尋常では無いことに
気付いているとは。考えてみると俺はFWプレイヤーのサトシをフルに生かす為に
様々な技術を身につけるべく特訓していたものだ。当時、俺の存在は全国に通用する
MFとしてサトシ共々注目されていた気がする。
「えーと、まぁ、多少かな…」
とは言えサトシの問いには曖昧に答える俺。
「多少って、そんなレベルじゃないよね。女子サッカー部にでも入ってた?」
「う〜ん、それ程じゃないって」
とりあえず謙遜するが、かなりのレベルだと自負しているのは言うまでもない。
でもこの場合はあまり目立った事はしないほうがいいなと思う。
「いや、あれはかなりのレベルだって。あれは俺が見る限り…」
「おr、じゃなかった…私の事はいいから。それよりサトシ君はなんでここに?
まだ試験期間中だったよね?」
俺について目を輝かして聞いてくるサトシの姿に若干引き気味の俺は話を変えるべく
話題を変えようとする。
「え?俺? 俺はもう試験も明日で終わりだし、そろそろ身体を動かさないといけないなって。
流石に身体も鈍ってきたしね。勉強しなくても試験はいけそうだし。」
俺と会話しつつ柔軟体操を始めるサトシ。
「へ〜そうなんだ、すごいね。よっぽどサッカーが好きなんだね?」
「…まぁ、好きというのもあるけど、俺はそれだけじゃないって言うか…」
ちょっと言い澱むサトシ。
「ん? それだけじゃないって?」
「…うん、まぁ、その、なんだろう? 俺にとってのサッカーは自分だけのものでは
無いっていうか…」
…自分だけのものじゃない?
俺はサトシの言った事を色々考えてみる
353 :vqzqQCI02008/10/31(金) 03:48:03.55 ID:H7KMJyE0
久々の投下です。久々過ぎて忘れ去られているような。
とりあえず話もようやく後半ですかね。
多分あと3〜4話位で終わりそうな…分かりませんが。
354 :vqzqQCI02008/10/31(金) 03:50:02.16 ID:H7KMJyE0
そう言えば間が開いている間に新たな投下が。
極めてGJと言わざるを得ないww
355 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/10/31(金) 16:40:30.07 ID:FMyfrNEo
乙!
ドリフトのことは内緒にしておくぜ
356 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/10/31(金) 17:23:15.75 ID:93z5jUAO
GJ!!
357 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/10/31(金) 17:24:25.42 ID:93z5jUAO
GJ!
358 : ◆wjOmYNm0Aw2008/11/07(金) 17:19:16.28 ID:wSU6VAA0
時間が取れなくて執筆が進まない

申し訳ないです・・・
359 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/11/07(金) 20:44:44.19 ID:hEahzsAO
>>358
気にしないで頑張ってくれ

気長に待ってるから
360 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/11/15(土) 15:33:57.59 ID:9AW3TEYo
過疎過ぎる
361 :vqzqQCI0 2008/11/19(水) 05:20:53.14 ID:jTQi0tY0
   どんだけ☆エモーション(その10)

「よし、柔軟終了」
サトシはサッカーボールを脚で軽く転がし始める。
さらにボールを扱う簡単な動きをするサトシ。
「…」
じっとサトシの動きを見つめる俺。
流石にその動きは無駄が無く、サトシのレベルの高さがうかがえる。
考えて見たら俺がサッカーを辞めてからサトシのプレーを見ることなんて全然無かった。
多分あの頃よりもサトシは格段にレベルアップしているよな。
…。
「どうしたの? そんなにじっと見て?」
「え?」
俺はサトシに言われてハッとする。
気が付けば俺はサトシの動きをじっと見続けていた。
「ミヒロちゃん、好きなんでしょ?」
サトシはニッコリ笑って俺を見る。
「!? そ、そんな事ないよっ?」
好き? 急に何を言うんだろ? コイツは!?
思わず上ずった声で答える。
「ふ〜ん、そうなの? でもさっきのミヒロちゃん、生き生きとボールを追いかけて
いたような…」
「な、何言ってるの? 別に好きで見てるわけじゃないんだからね?」
「え? 見ている? ミヒロちゃん、サッカーはプレーより観戦するほうが好きなの?」
俺の返答に不思議そうに尋ねるサトシ。
「え? ええっ? 好きって、そっちの方!?」
「え? そっちって?」
「い、いや、何でも無い! 何でも有りません!」
顔を赤らめて否定する俺。何やらお互いに論点がずれていたようで。
サトシはサッカー、俺は…(///)。
「ふ〜ん、そうなの? はい、パス!」
いきなり俺にボールを寄こすサトシ。
「え、えっ?」
戸惑いながらもボールをトラップする俺。
「ミヒロちゃん、パス、パス!」
矢継ぎ早にサトシはボールを要求すると走り出す。
「あ、もう、なんなんだよ」
俺はつられつつもサトシに向けてボールを蹴る。
蹴り出されたボールは走っているサトシの足元に的確に転がる。
「ナイス、パス!」
サトシは再び俺に向けてボールを蹴る。
今度はさっきと違い速いスピードでボールがやって来た。
俺はそれをトラップしてサトシにパスする。
362 :vqzqQCI0 2008/11/19(水) 05:23:03.11 ID:jTQi0tY0
ボールはサトシの元に届く。
「上手いね、いくよっ!」
今度のボールは高く浮き上がって俺の元へ飛んできた。
俺はそれを難なく胸でトラップするとサトシにパスする。
「いたた…」
男の時と違い、胸のトラップは痛かったかも…。
(ミヒロちゃん、女の子なんだから胸で受けるのは駄目よっ)
―そうですね、ごめんなさい…。
それでも的確に蹴られたボールは再びサトシの足元に届く。
そんなやりとりが何回か続く。
しかし何回やっても俺の放ったボールはサトシの足元にピタッと届く。
「…やっぱりこの子、かなりできる」
サトシは呟くとドリブルで俺の元までやって来る。
「ミヒロちゃん、いきなりゴメンね。大丈夫?」
「ううん、いきなりだったからビックリしたけど大丈夫だよ」
俺の言葉に安堵の表情を浮べるサトシ。
「それにしてもパス上手いね。俺の足元にピタッと来るなんて」
「え、そんな、マグレだよ」
出来て当然のプレーを褒められ軽く苦笑する俺。
「そうかな? じゃあミヒロちゃん、ちょっとゲームしない?」
「ゲーム?」
「うん、1対1のボールの取り合いみたいなもの。」
要はボールをどれだけキープするかの話か。ゲームというよりは練習に近いな。
でも何だか久々でワクワクしてくるのは自分の気のせい?
「うん、いいよ。でも私相手じゃサトシ君の練習にもならないよね」
「そんな事分からないよ、やってみないと。」
サトシはそう言うと俺にボールをパスしてきた。
「それじゃ、初めは俺が先行だね。俺にボール取られない様にしっかりキープしてね」
「うん、わかった」
俺がボールをキープするよう構えると同時にサトシは向かってきた。
俺は移動しつつ、サトシからボールを取れらまいと体勢を変える。
サトシの脚がボールを取ろうと何度も向かってくる。
俺はボールを動かしたり身体の姿勢を変えたりしてそれをかわしていく。
まだ本気でないせいかサトシの動きは緩やかである。
363 :vqzqQCI0 2008/11/19(水) 05:24:20.13 ID:jTQi0tY0
「やるね」
感心するサトシ。
「ありがとう。この位なら何となくね」
「それじゃ、これは?」
そう言うとさっきよりもスピードを上げて動いてくるサトシ。
確かに初めよりは動きは速く、俺もちょっとしたテクニックを使わないと
かわしていくのは容易ではないかも。
…しかし。
「よっ」
「…!」
全然ボールに触れる事が出来ないサトシは驚きの表情を浮べる。
素人レベルであれば今のサトシの攻撃で片がつくかも知れない。
しかし俺にとってはまだまだ大丈夫。ことごとくサトシの攻撃を凌いで
ボールをキープし続ける俺。俺は俺なりに初めから全開だから当然ではあるが。
「普通の素人レベルならこの位で充分なんだけどな…」
ボソッと呟くサトシ。

…分かっていた事とは言え、やっぱり本気でなかったか。

よーし、こうなったら。
「サトシ君、どうしたの? 全然ボールに触れてないけど?」
「え?」
俺の突っ込みに驚きの表情を浮べるサトシ。
「ひょっとして試験中休んでたからできなくなっちゃったとか?
まさかねー? サッカー部NO.1が女の子に勝てないなんてないよね?」
(あらまww まさかの挑発ですか?)
ちょっと(かなり)自信満々な表情の俺。あえてボールの位置を足で何度も動かして
余裕を見せる。
「…そうだね、もう少し頑張らないと駄目だよね。」
サトシは軽く苦笑すると身体の姿勢をさっきまでと違って、低く構えはじめる。
「じゃ、行くよ」
サトシの目がすっと細くなった。

ヤバイ…こりゃ、本気モードだな。
久々のサトシの本気に背中に冷たいものが流れる俺。
(ミヒロちゃん、自業自得ww)
364 :vqzqQCI0 2008/11/19(水) 05:26:08.35 ID:jTQi0tY0
…これからの状況を解説する余裕は俺には全く無くなってしまった。

本気のサトシの猛攻を俺は必死にかわしていくのが精一杯で、まさかここまでサトシの
サッカーレベルが高くなっているなんて思いもよらなかった。
俺が怪我をする前に俺とサトシはよくこの1対1をやってキープ力に勝る俺は
何度もサトシに勝ち続けていたわけであるが、サトシの技術はあの頃より遥かに向上して
今の俺の身体的(性別的)ハンデを含めても俺と互角以上のレベルに達しているのではないかと思う。
「〜!」
必死の表情で逃げる俺。
「…」
あくまでも表情を崩さず、しかし真剣な表情のサトシ。
どこまで逃げてもサトシは俺の側から離れずピタッとついてくるし、何度もボールを
取られそうになりその度に身体を張ってどうにか取り返すといった激しい攻防。
「ちっ」
自分のありとあらゆる技術を使って、体力の限りを使ってサトシのプレッシャーを凌ぐ。
流石にサトシは荒っぽくチャージをかけてくるような事はしないので
その辺りで助かっているが、それでも激しく動きまくっているとこれまで運動らしき運動を
してこなかった俺にとっては厳しいものがある。
せめて身体が男であれば…体力がどんどん奪われてゆく状況の中で
無意味な考えを浮かべつつ身体を動かしていく。
ハァハァ…
息がどんどん苦しくなっていく。
「…動きが鈍ってきたね」
サトシが呟く。サトシは息を切らしているがまだ余裕がありそうだ。
「く…まだまだっ」
俺は返すのに精一杯、って言うか余計な体力使わすなっ!
「くぅ…」
「…」
ギリギリの攻防が続く。
俺もサトシも黙々とゲームを続けている。
今の俺はどんな状況でプレーしているのだろうか?
セーラー服でこんなに激しく動きまくっているんだ、あまりいい状況ではないよなぁ。
多分恥じらいを感じさせるような場面もあるのかも知れないが気遣っている余裕は無い。
くそっ実由の奴、俺の制服のスカートを短くしやがって。
…多分サトシには見られてしまっているのかなぁ?
365 :vqzqQCI0 2008/11/19(水) 05:27:18.41 ID:jTQi0tY0
「…」
無表情を装っているけど。…それともそんな余裕は無いかな?
とりあえずギャラリーが居ない事が唯一の救いかも知れない。
「〜っ、もう!」
そうこうしているうちに何だか脚がどんどん重く感じてくる。
身体も何だか動かしている感覚が無くなってきている。
「…」
それにしても。
どうしてここまで頑張っているのだろうか?
「…」
俺が頑張る理由。
今までサトシに負けた事の無い俺にとっては「負けられない」という意地で
この攻防を続けているのは確かだ。
しかし今の俺は女の子。
しかもサッカーから離れてもう一年以上経つ。
これだけのハンデがありながらも現役のサトシとここまでやれている。
普通に考えればこれで充分なんじゃないかと思える。
「…」
そうだよな。
正直なところ身体も限界だし、これは単なるゲームだしそろそろ終了してもいいかもな。
「…」
…いいのかな? 本当に?
これで終わってもいいのかな?
…昔の俺ならこの状況になろうともまだ続けると思うけど。
今の俺は…?
「…!」
俺の意識が緩んだ瞬間をサトシは見逃さなかった。
俺の操るボールがサトシの一瞬の足の動きにより軌道を外れ、離れる。
「あ…」
目でボールの動きを追うが自分の身体はもはや動かない。
俺が体勢を整えた時には既にサトシの足元にボールが。
俺の一瞬の気の緩みが勝負を決してしまった。
366 :vqzqQCI0 2008/11/19(水) 05:28:31.78 ID:jTQi0tY0
「…勝負あったね」
さすがにサトシも疲れたらしく、肩で息をしている。
俺との対決に勝ってホッとしたのかちょっと緩んだ表情で話しかけるサトシ。
「…うん」
俺はその場にしゃがみ込む。
自分の体力の限りを出し尽くしたせいか身体が重く動かない。
(負けちゃいましたね)
―うん負けちゃった…
俺はふっと空を見上げる。
「……終わった」
青い空をぼんやりと眺め俺はポツリと呟く。
「…」
…負けた、負けちゃったなぁ。

…でも、いいのかも知れない。

俺はミヒロ。
もう、…ヒロアキじゃないんだから。

「…大丈夫?」
少し息を切らしつつもサトシは俺の元に駆け寄り様子をうかがう。
「とりあえず大丈夫…」
「そう…良かった」
俺が大丈夫そうに振舞う姿を見てホッして笑顔を浮べるサトシ。
「…良くないよっ、負けたし…」
ジロリとサトシを睨みつける俺。
「いや、この場合は引き分けみたいなもんだよ。だって俺はミヒロちゃんの動きに
手も足も出なかったんだから。」
「何言ってるの? ボールを取られた時点で勝負ありだよっ!」
「ええっ!? ま、まぁ、何と言うか…でも」
怒った口調の俺に困惑するサトシ。
「でも、何?」
「…いいえ、何でもありません」
困った表情のサトシ。
…あれ?
そんなサトシを見て何だかカワイイと思ってしまう俺は一体…
ゲームには負けてしまったけどちょっとだけ気持ちが晴れる。
367 :vqzqQCI0 2008/11/19(水) 05:30:11.91 ID:jTQi0tY0
…まぁ、いいか。
一応は悔しがる素振りをする俺ではあるが、自分の限界まで走り回って
力を使い果たした俺にとって勝負の結果はどうでも良くなってしまっていた。
むしろサトシと決着がついた時点で俺の中でサッカーへの思い入れが切り替わっていた。
今後女の子として生きていく俺にサッカーは必要ないんだって。
…だから、もういいんだって。

「ん?」
「…」
ふと横のサトシを見ると困った表情のまま黙ってしまっている。
…いけねっ、サトシを置いたままでまた自分の気持ちの中に浸ってしまっていたよ。
慌ててサトシのフォローに入る俺。
「うそウソっ、…でもサトシ君凄いね。あれからすっかりレベルアップしちゃって…」
「…え? あれから?」
「あ、いやー、なんだろ? とりあえず私の動きについてこれるなんてスゴイスゴイっ!」
怪訝な表情のサトシであったが俺のはしゃぐ姿につられて微笑む。
「ミヒロちゃんって、やっぱりサッカー経験者だったんだね。あの動きができるのは
うちの部の奴の中には一人も居ないよ」
「まぁ、バレちゃ仕方ないか。サトシ君のいう通り私、サッカー経験あるんだ。
それにしても私もここまで出来る人に出会った事が無いからある意味感動だよ。」
とりあえずサトシの話に合わせる。
「出来る人か…」
「ん?」
俺の言葉に何やら考え込む仕草を見せるサトシ。
「どうしたの?」
「…いや、ミヒロちゃん並に動ける奴が居たなって。以前のサッカー部に。」
「ふ〜ん、そうなんだ」
…俺の事を言っているのは知りつつもとぼけた返事をする。
(演技上手ねww)
―この場合はそうせざるを得ないでしょ。例えミヒロがヒロアキだといっても
誰も信用し難いものがありますが。…一部を除いて。
「あの頃、そいつのキープ力は部でナンバー1だった。…俺も敵わなかった。
あの足遣いは独特で、でも動きが読めなくて素早くて…そう、まるで今日の…って、あれ?」
そう呟くなり俺の顔をじっと見て考え込むサトシ。
368 :vqzqQCI0 2008/11/19(水) 05:31:29.89 ID:jTQi0tY0
「…」
「あのさ、ひょっとして…」
「とりあえずグラウンドじゃなんだから移動しない?」
「…え? あ、そうだね」
いきなりの俺の提案にハッとするサトシ。
まだ身体は重たいがちょっとでも休んだので動けないほどでは無い。

されにしても流石はサトシだ、さっきの俺の動きから何かを感じとったみたい。
でもあまり追求して欲しくない話題であるのでそれを避けるような別の話を振ってみる。
「今日の面接をしてくれた先生って新井先生って人だったよ」
「へー、俺の担任だよ。今日はHRしか姿を現さなかったから何やってんだって
皆言ってたな…」
「サトシ君の担任なの? へぇ、スゴイ偶然だね」
「確かにそうかも知れないね。」
「ひょっとしたら私、サトシ君と同じクラスになるかもね?」
「それが本当ならいいね」
俺とサトシはグラウンド横の芝生に移動し会話を続けていた。
しかしサトシは先程から別の話題をしたいような素振りをしている。
俺が全然関係ない話題を振ってくるものだから中々その話に持っていけないようだ。
(割とミヒロちゃんって意地悪だよねww ひょっとしたらサトシ君、ミヒロちゃんのことで
何か確認したい事があるんじゃないのかな?)
―分かっているよ、そんな事。俺(ミヒロ)とヒロアキのサッカーの動きが全く同じだから
サトシはその確認をしたいんじゃないかなって。でも、ヒロアキは男で…今の俺は女。
性別も違えば体格も見た目も全然違う。どう考えても同一人物には結びつかないだろ。
「…あのさ、話のところ悪いけどちょっといい?」
「ん?」
会話の最中であったがばつが悪そうにサトシは俺に話を振ってきた。
「ミヒロちゃんって、サッカーは誰から学んだの?」
「? どうして?」
ホラ来た、と思いつつとぼけた返事をする。
「今日、ミヒロちゃんと初めてサッカーの1対1をしたけどその動きが俺の知る限り
ヒロアキのサッカープレーと全く同じなんだ。フェイントとかドリブルさばきとか
ちょっとした癖とか…」
「…」
369 :vqzqQCI0 2008/11/19(水) 05:32:37.06 ID:jTQi0tY0
俺は黙って聞いている。
「ミヒロちゃんって、ヒロアキの従兄妹なんだよね? もしかしたら奴に色々教えて
もらったのかなって思ったんだ。」
「まぁ、教えてもらったと言えばそうなるのかなぁ…、でもどうしてそんな事聞くの?」
相変らずとぼける俺。
「俺の錯覚でなければプレー自体が全くの同一人物の動きなんだ。そんな訳無いのは
相手を見る限り分かっているんだけど…」
(鋭いねー、全くの同一人物なんだけどねぇ。)
―それを言っちゃお終いでしょ。
「さっきサトシ君が言っていた敵わない相手って、ヒロアキ君の事?」
「!? どうしてそれを?」
俺の投げかけに驚いた表情を浮べるサトシ。分かっちゃいるけど…俺って性格悪?

「去年までヒロアキ君はここのサッカー部に居たって事、私知っている。
…怪我で辞めた事も知っている。サトシ君はヒロアキ君と親友であると同時に
サッカー部での最強コンビだったんでしょ?」
「うん、ミヒロちゃんのいう通りで…俺とヒロアキはここのサッカー部で全国を目指す上で
無くてはならないコンビだったんだ。」
「…」
「それと同時に俺はヒロアキのテクニックの上手さに憧れていた…俺にとっての目標でもあったんだ。
当時に比べて俺も多少なりともレベルアップしたかも知れないけど、…多分まだまだだな」
サッカーボールを手で触れながら考え込むように呟くサトシ。
「ヒロアキ君が居なくなってもサトシ君はずっと頑張ってきたんでしょ?
だって、サッカー部のエースストライカーとして部を支えているんだから。」
「…そうなんだけど、実は俺がサッカーを続ける理由の大部分はあいつ…ヒロアキの為でもあるんだ」
「え?」
俺の表情をチラリと横目で眺めつつ話を続ける。
「あいつはホント、サッカーが好きなんだよ。そんなあいつがサッカーを辞めざるを得ない。
これがどれだけ辛い事か俺には想像もつかない。だけどあいつは自分の辛さを置いといて
俺の事を気にかけて逆に励ましてくれた。だから俺はヒロアキの為にも
あいつの夢でもあった全国制覇をする事と、あいつの脚が良くなって何時帰ってきても
温かく迎えて入れてやれるように俺はサッカーを続けているんだ。」
370 :vqzqQCI0 2008/11/19(水) 05:34:36.47 ID:jTQi0tY0
「! そ、それって…」
「未練がましいのかも知れないけど、俺は諦めて無いんだ。もう一度あいつとサッカーをしたいし、
続けたいんだ。だから俺は待ち続けてるんだ、アイツの復活を。」
自分の思いを俺に力強く語るサトシ。自身の秘めた思いを初めて人に聞かせたせいか
話終わった後にちょっと照れ臭そうにする。
「…!」
サトシのセリフに驚愕する俺。
初めて聞くサトシの想い。
「…この事を話したのはミヒロちゃんが初めてだよ。ヒロアキにも話した事無かったんだけど。」
「そ、そうなんだ…でもどうして?」
…確かにこの話は初めて聞く、…けど。
「理由は分からない。でもミヒロちゃんとサッカーをしていたら何だか話しておかなければ
いけないような気になったんだ。」
「…」
これだけ俺の事を考えて、これだけ俺の為を思って自分の道を歩んでいるサトシ。
なんだろう、この感覚。自分の胸の奥から止め処も無く湧き出てくる不思議な感覚。
「…」
俺は驚きの表情でサトシを見つめ続ける。

「あ〜、あいつは今頃何してるのかな? 早く帰って来て欲しいなぁ」
サトシは手にしているサッカーボールをポンポンと掌で叩く。

こいつは何の疑いも無く俺の帰りを、復帰を願って今も頑張っているんだ。
371 :vqzqQCI0 2008/11/19(水) 05:36:20.84 ID:jTQi0tY0
「…」
…それに引き替え俺は何してるんだ?
俺はサッカーを辞めてからの自分自身の姿を思い出す。
怪我をした後に復帰する為の努力もせずただのうのうとだらけた日々を送り、
…良くわからないうちにこんな馬鹿げた姿になってしまった。
しかも元に戻る事も叶わず、周りの騒ぎに巻き込まれ自分自身を見失ってしまって。
(…ん)
さらにはこれだけ俺の事を考えて俺ともう一度サッカーをする為に自身の努力を
続けているサトシの思いにも応えてやることが出来ず。

今後俺はサトシの為に何をしてやれる?
(…ちゃんっ)
こんな姿になってしまって一緒にサッカー? …できるわけねぇだろ?
今の俺じゃ却って足手まといだぜ?
さっきの結果を見ての通りサッカーの技術はもはやサトシの方が上である事は確かだ。
かえって失望させるのがオチだ。



…何も

…何もしてやれないよっ!

…何もしてやれないじゃないかよぉっ!!!
(ミヒロちゃんっ!)
マルさんの声が聞こえる。
372 :vqzqQCI0 2008/11/19(水) 05:37:34.07 ID:jTQi0tY0
「…」
どうしょうもない。
どうすることもできない。
様々な思い、とりわけ絶望感が俺の中で凄い勢いで充満しつつあるのを感じる。
(ミヒロちゃん! 落ち着いて!!)
…もはやマルさんの声も俺の耳には(意識には)届かない。

…? ミヒロちゃん?」
俺の変化に気づいたサトシが俺に声をかける。
「…っ」
「え?」
首を傾げるサトシ。
「無理っ」
「? 何が無理なの?」
俯いて表情を見せない俺の様子を見ようと顔を近づけるサトシ。
「無理なんだよっ、サッカーは」
「え? …どういう事」
「俺はもうサトシとサッカーは出来ねぇんだよ! 今更言われたってどうすることも
出来ねぇよっ!!」
込み上がってくる気持ちをどうすることも出来ずに俺は立ち上がるとサトシに向かって
叫ぶ。
「ミ、ミヒロちゃん!?」
いきなりの俺の変貌に戸惑うサトシ。どう反応してようやら分からず固まってしまっている。
「こんな、…こんな姿になってどうする事も出来なくて、唯でさえ訳が分かんないのに!
そんな俺にどうすれっていうんだよっ!! 無理だよっ! 無理なんだよ!!」
ワナワナと震える全身を自分の両腕で抱きしめて押えつけようとする俺。
「ど、どうしたんだい? 急に?」
サトシはただオロオロするばかり。
ああ、まただ。またサトシに迷惑かけちゃう。
373 :vqzqQCI0 2008/11/19(水) 05:38:48.29 ID:jTQi0tY0
…ホント俺ってどうしようも無い奴だよ。
「もう駄目っ!!」
「え?」
「…ゴメンねっ…!」
一度自分の想いが溢れ出すと止めようが無く、止め処も無くこぼれる涙を拭う事もせず、
どうしようも無くなった俺は走り出す。
「ミヒロちゃん!」
「…」
「ミヒロちゃん! 待って!!」

サトシは俺の名を呼ぶが俺は振り返ることもせずひたすら走った。
自分の鞄をグラウンドに置きっぱなしだったがそんな事など構わず走った。
今は一刻も早くその場から離れたかったから。

そのまま俺は自宅に逃げるように帰ると着替える事もせず部屋のベッドに飛び込む。
母さんや実由、マルさんが俺に呼び掛けている気がするが今の俺には
何も聞こえなかった。

俺自身の不甲斐無さ、無力感、そしてもう二度と戻ることの出来ない日々への
喪失感と後悔、…様々な想いが渦巻く。 …しかし、もはやどうすることも出来ない。

その日俺は泣いた。…ひたすら泣き続けた。
374 :vqzqQCI0 2008/11/19(水) 05:54:44.36 ID:jTQi0tY0
ようやく投下です。
スレが伸びてないので間が空いて無いように見えるところがなんとも。

ところで前回、思い切りやらかしてしまいましたorz
ドリフトって何だww ドリブルでしたね。
指摘いただいてありがとうございました。

そろそろ終盤です。多少は書き溜めたものがあるので次回は早めに
投下できそうですが。
375 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/11/19(水) 22:49:57.92 ID:7gHHims0
乙!
376 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/11/19(水) 23:00:40.93 ID:BMNO0sAO
乙です。続きwwktk
377 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/11/21(金) 12:17:46.48 ID:Njx8yas0
乙ー
オレも続きwktk
378 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/11/21(金) 14:58:44.36 ID:ZGhv3Q.o
wwktk
379 :vqzqQCI02008/11/28(金) 23:34:53.66 ID:ia4L0EA0
   どんだけ☆エモーション(その11)

(※サトシ視点)

「ミヒロちゃん!」
俺は走り去っていく少女の名を呼んだ。
彼女の後を追おうと俺も走る。
しかし速い。信じられない事だが彼女の脚の速さは尋常でない。
ミニゲームでも感じていた事だがドリブルさばきとかフェイントをかけた後の
ダッシュとかうちのサッカー部の誰よりあんな動き出来る奴いないって。
…全然追いつけない。
「なんなんだろう…あの子」
見た目の女の子らしさとは裏腹に妙なところで男っぽかったり、その辺の男以上の
運動神経だったりあれだけ意外性を感じさせる女の子は初めてだ。
追うのを諦めた俺は荷物を取りにグラウンドに戻る。
「あれ?」
俺のスポーツバッグの横に見慣れぬ学生鞄が置いてある。
鞄の横には可愛らしい人形が括りつけられていた。
「ミヒロちゃんの鞄か。あの子忘れていったんだ。」
結構取り乱していたからな。慌ててしまって忘れてしまったんだろな。
「…でもこれでミヒロちゃんに会う口実が出来たな。」
ミヒロちゃんの鞄を持ち上げる際についつい呟く。
…不思議と笑みも浮んでくる。何でだか分からないがあの子に会えるかと思うと
ワクワクしてくる。
380 :vqzqQCI02008/11/28(金) 23:35:47.83 ID:ia4L0EA0
何だか妙に惹かれるんだよな、ミヒロちゃんって。

初対面のときから感じていた親近感。
見た目は実由ちゃんを高校生にしたような感じで正直可愛い。
いや、かなり可愛いと思う。ダチの吉田が騒ぐのも分かる。

だけど俺には外見的なところだけであの子に惹かれているわけではない。
今日のサッカーの動きもそうなんだけどミヒロちゃんに会っていると
彼女の話し方や仕草の諸々が俺の中で身近に感じる存在とダブっているのを感じる。
そう、今は居ない親友の存在を。
「…ハハハ、まさかな。」
馬鹿馬鹿しい考えに自分自身つい笑ってしまう。
ミヒロちゃんはどこをどう見ても女の子にしか見えない。

「よいしょ」
俺は二人分の荷物を抱えると帰路に向かう。
帰る最中も俺はミヒロちゃんについて色々考えてみる。

ヒロアキと入れ替わりで現れたミヒロという女の子。
晴子さんの話では親戚の子という事でヒロアキの家に住む事になったそうだが
考えれば考える程あの子の存在は謎としか言いようが無い。
とにかく不思議なのはあの子の言動だ。俺がヒロアキの事について色々聞こうとすると
何かを隠しているようであったり、話題を避けようとする割りにはヒロアキについて
熱く語ったりするし、何らかの関係があるような気がする。

そして今日のミヒロちゃんの言った言葉。

「俺はもうサトシとサッカーは出来ねぇんだよ!」、
「こんな、…こんな姿になってどうする事も出来なくて、唯でさえ訳が分かんないのに!」
彼女は俺に対して何が言いたかったんだろう?
サッカーのミニゲームに負けたのが悔しかったからもうしたくないとか、
制服姿でサッカーをしているのが嫌だったとか?
…そんな訳ないよな。
これまでの彼女の言動を改めて考えてみると俺が彼女に対して抱いている疑問が
ひょっとしたら解けるのかも知れない。
でも確かなものが無いんだよな。
381 :vqzqQCI02008/11/28(金) 23:37:36.85 ID:ia4L0EA0
色々な事を考えているうちに目的の家にたどり着いた。
「さて、ヒロアキの家というかミヒロちゃんの家に着いたわけだが…」
とりあえず俺は彼女の忘れていった荷物だけでも渡しておかないとならない。
さすがにあの後なので気まずい感じもするが俺は多少考えた後
インターホンを鳴らす。

「はい〜? どなたです〜?」

この間延びした話し方は晴子さんだ。
ミヒロちゃん本人が出てくるかも知れないとちょっと期待していたが…
多少落胆、でもかなりホッとしたりする。

「サトシです。ミヒロさんの鞄を届けにきたんですけど…」
「あら〜サトシちゃん? ちょっと待っててね〜」

ぱたぱた、ガチャ。
家の玄関ドアが開く。
「サトシちゃん〜ありがとうね〜、ミヒロちゃんの鞄持ってきてくれて〜!
全くあの子ったら、どうしちゃったのかしらね〜?」
晴子さんが現れるなり嬉しそうに俺に抱きつく。
「ち、ちょっと晴子さん!?」
「あらあら、ゴメンねぇ、ついつい抱きついちゃったわ〜」
戸惑う俺に対し全くのマイペースな晴子さん。
「えーと、分かりましたんでとりあえず離して頂けると…」
「え? サトシちゃんひょっとして嫌なの〜?」
晴子さんの表情が若干曇る。
「いや、そうでなくって…恥ずかしいんですよね」
「うふふっ、照れちゃってやだわ〜」
俺の答えに嬉しそうに顔を赤らめるとようやく俺を開放してくれる晴子さん。
いつもの事ながらこの方には振り回される。

しかし何時見てもこの人若いよな。
俺の母さんと同じ位の歳のはずなのに20代そこそこにしか見えない。
「…」
親戚だけあって実由ちゃんは当然にしてもミヒロちゃんに似ている。
多分彼女が成長したらこんな感じになるのかな?
性格は全然違うだろうけど。
382 :vqzqQCI02008/11/28(金) 23:38:42.63 ID:ia4L0EA0
「どうしたの〜私の事ジロジロ見ちゃって〜?」
「いえ、こうして見ているとその…ミヒロさんが晴子さんに似ているなって。」
「それはそうでしょ〜、だって同じ血筋だものね〜。ふふっ、二人とも可愛いって事かしら〜?」
「ええっ!? いやまあその…」
「もう、サトシちゃんたら〜ww」
…同じ血筋か。それはそうだよな。可愛いって事については否定はしないけど…。
「そういえば気になっていたんですけど、どうしてミヒロさんは晴子さんの家に
来たんですか?」
この際だからミヒロちゃんの事を色々聞いてみようと思う。
「そうね〜あの子の両親が仕事の都合で海外に行く事になったのよね〜、
だけどミヒロちゃんは海外に行くのが嫌だったので色々あって私の家に来たのよ〜」
「ふーん、そうなんですか。海外ですか。」
海外と聞くとヒロアキの事を思い浮かぶ。今頃奴は何してるのかな。
と言ってもまだ三日しか経ってないのだけれども。
「じゃあ、高校の間はずっとこの家に住むんですね。」
「そうね〜、ミヒロちゃんもその方が良いって言ってるしね〜」
「そうですね」
ヒロアキが居ない状況なのであまりこの家に顔を出す機会は少ないかなと思っていたが
ミヒロちゃん絡みで意外に機会は多いかも知れない。
俺の家も近いし、ひょっとしたら同じクラスになるかも知れないから高校の間は
彼女に会う機会が多い?
ミヒロちゃんがどうなのかは分からないけど俺にとっては嬉しい話だ。

「…ねぇ、サトシちゃんってミヒロちゃんの事好き?」
「え? いきなり何ですか?」
突然の晴子さんの言葉に驚く。
「好きも何もまだ会ってからそんなに経ってないのに…」
「時間なんて関係ないでしょ〜? 好き嫌いなんて〜? ねぇ、好き?」
戸惑う俺に対しニッコリ微笑みながら尋ねてくる晴子さん。
「…わかりませんよ、いきなりそんな事言われたって。確かに気にならないと言えば
嘘になりますけど。」
本当は結構気にはなっているが気の無い態度を貫く。
「ふ〜ん、そう。まぁ、いいわ〜」
意外にあっさりとそう言うと晴子さんは俺からミヒロちゃんの鞄を受け取る。
383 :vqzqQCI02008/11/28(金) 23:39:43.55 ID:ia4L0EA0
「ところでミヒロさんの様子はどうですか? 鞄を置いたまま帰ってしまうし、
気になるんですけど。」
「そ〜なのよね〜、どうしたのかしら〜? すごい勢いで帰ってきたかと思えば
ずっと部屋に篭りっきりなのよ〜。呼んでも反応が無いし、困っちゃうわ〜」
俺の問いに首を傾げて答える晴子さん。
この状況だと晴子さんに頼んでもミヒロちゃんには会えそうも無い。
この場は素直に引き下がった方が良さそうだと判断する。
「…そうですか。それじゃ今日はもう会え無さそうですね。じゃ、帰ります。」
「あ、待って〜」
晴子さんは帰ろうとする俺を呼び止める。
「どうしたんですか?」
「あのね、サトシちゃん、ミヒロちゃんの事よろしくね〜」
「え?」
いきなりの晴子さんの言葉が理解できずにいる俺。
「あの子、いろいろあって心身ともに大変な時にあるのよね〜。
私や実由もあの子を支えているんだけど私達だけじゃ足りないのよ〜。
だから、お願い。サトシちゃんもミヒロちゃんを支えてあげてね〜」
何で晴子さんがそのような事を言ったのか分からなかったが
ミヒロちゃんの面倒については俺には断る理由が無い。…いや、むしろ。

「そういう事ですか。お安い御用ですよ。」
俺は晴子さんのお願いに笑って答えた。
384 :vqzqQCI02008/11/28(金) 23:40:38.05 ID:ia4L0EA0
             ◇

  (※ミヒロ視点)

…朝になった。
俺はどうやらあのまま寝てしまったらしい。
目を覚ますと部屋の中がカーテン越しからの陽の光で淡く射し込んで来て
すっかり明るくなっていた。

「…」
…頭がぼんやりしている。
昨日の事は何もなかったかのように、まるで夢の中の出来事のように感じる。
妙に気分が晴れたように感じるのは俺の気のせいか。
あれだけ泣いたんだスッキリしないほうがおかしいのかな?

「…朝か」
ボソッと独り言。
「そうだよっ♪ お姉ちゃん♪」
「…え?」
気がつくと俺のベッドの中にもう一人寝ていた。
「実由?」
その存在に気付いてちょっと驚く俺。
「実由?じゃないよ! もーヒドイんだから!!」
実由はぷくーっと頬を膨らませると俺に抱きつく。
「昨日あれだけお母さんとあたしが呼び掛けたのに全然返事無いし、一緒に食べなきゃ
なんない晩ごはんも全然食べないで寝ちゃうし!」
「え…。そ、そう、ゴメン…」
実由の癇癪に押されついつい謝る俺。
「でもマル姉ちゃんがお姉ちゃんの代わりに一緒にご飯食べたりお風呂入ってくれたから
許すけど…てへ♪」
そう言うと実由は怒っていた顔を変え、頬を赤らめてはにかんで笑う。
「…そう、マルさんがね…」
考えてみれば俺の意識の無い時にはマルさんが俺の代わりに身体を動かすことが
出来るんだったよな。
385 :vqzqQCI02008/11/28(金) 23:44:23.35 ID:ia4L0EA0
「…」
そう考えるとこの格好も納得がいく。
確か制服のままベットに飛び込んで寝たはずなのに今の格好は可愛らしい
ピンクのパジャマを着ている。
歯もしっかり磨かれていて昨日の寝る前と違う状態なのは実感できる。
待てよ。…という事は。
…マルさん。
(……)
…マルさん?
(……)

…返事がない。どうやら彼女の意識はまだ寝ているようです。

マルさんは元々の身体の持ち主ではないので俺の代わりに身体を動かすと
消費が激しく、復活するのに時間がかかるようだ。
普段俺と共に行動するときは自分自身の意思で身体が動かせるわけでは無いので
不自由を強いられるのかなと思ったが、実のところ俺とマルさんの行動は
融合しているとのことで何も問題が無いそうで。
真っ昼間から寝てしまった俺の代わりに夜まで一人で活動していたので
相当疲れてしまったようだな。

俺もあれからずっと寝ていたのが不思議でならないが考えてみれば
昨日は学校で色々と緊張した時間を過ごし、その後身体が動かなくなりそうな程
サッカーをして、家でひたすら泣き続けたから俺自身もかなり疲労していたようです。
一体何時間寝ていたんだか。
386 :vqzqQCI02008/11/29(土) 00:05:04.67 ID:EqF9HFg0
「お姉ちゃん、…目が腫れぼったいよ。」
実由が俺の顔をそっと触れる。
「ん…昨日色々あったから、そのせいだよ。そんな心配そうな顔すんなよ、実由らしく
ないぞ」
俺は実由の髪をくしゃくしゃと撫ぜつけるとそのまま実由の頭を自分の胸に抱え込む。
実由の甘く良い香りが俺の鼻をくすぐる。
「…」
実由は何も言わず俺に抱きついたままじっとしていた。

実由の柔らかくて暖かい感触を抱き締めていると
俺自分の気持ちが和らいでくる事に気付く。
この様子を見ると実由は俺が昨日何をしていたのか事情を知っているようだ。
多分マルさんが実由や母さんに話したんだろうな。
別に知られたところで俺は別に構わないけど、あまり気を遣わないで欲しいなぁ。
「別に気なんて遣ってないよ? あたしはお姉ちゃんが好きだから側にいるだけ。
…それだけだよ?」
上目遣いで俺を見る実由。
「ふーん、そう。 まぁいいけど。…って、心の中読まないでくれる?」

「ほら〜二人とも起きなさい〜? 朝ごはん出来てるわよ〜」
母さんが俺の部屋に向けて呼び掛けている。
「うん? もうそんな時間か」
ベッドの横の目覚まし時計を見る俺。
「あ〜あ、今日が休みだったらなぁ、ゆっくりお姉ちゃんに抱きついていられるのになぁ〜」
残念そうに実由は呟くと俺から渋々離れた。
どうやら母さんは実由が俺の部屋にいる事は知っているようだ。
「とにかく起きるぞ、実由」
「うん♪」
ぱたぱたと着替えた後、リビングで朝食をとる。
俺は今日は何も用事は無い。実由は学校なので準備を済ますと忙しそうに
学校へ出かけて行った。
387 :vqzqQCI02008/11/29(土) 00:06:43.58 ID:EqF9HFg0
「どう、落ち着いた〜?」
朝食後リビングでぼんやりとテレビを観ていると母さんが二人分のコーヒーを
準備して持ってきた。
「ありがとう。…母さんや実由は事情は知っているんだよね? 多分マルさんから
昨日あった事は聞いていると思うけど。」
俺は渡されたコーヒーに大量にミルクと砂糖を入れてから飲む。
でないと女の子になってから味覚の変わってしまった俺には苦くて飲めないから。
「そうね〜まぁ、大体は聞いているけどね〜」
「そうなんだ…」
そうだよなぁ、知らないわけないかぁ。
この母娘に隠したところで意味がないのは分かってはいるけれどもね。
「そうそう、昨日の夕方にサトシ君がミヒロちゃんの鞄を持ってきてくれたわよ〜、
駄目よ〜、忘れ物しちゃ〜」
「う、うん…」
そういえば昨日鞄を置いたままで帰ってしまったんだ、すっかり忘れていたよ。
「サトシ君に会ったらちゃんとお礼を言っておくのよ〜」
「うん…」
…サトシに会わなきゃなんないのか。
あんな事があったので正直サトシと顔を会わす気になれない。
気を紛らわそうとコーヒーをぐいっと飲む俺。

「あとミヒロちゃんに高校から電話があって来週の月曜日から学校に通って下さいって
連絡があったわよ〜」
「そうなんだ…これも母さんや千絵先生が色々手を尽くしてくれたお陰だよ」
「そうね〜、今回は千絵ちゃんが協力してくれたからね〜。お礼を言っておかないと
ならないわね〜」
母さんは俺と取り留めの無い話をした後、用事があるからと言って出かけてしまった。
取り残された俺はまたぼんやりとリビングのソファに横たわる。
388 :vqzqQCI02008/11/29(土) 00:07:49.43 ID:EqF9HFg0
…学校は来週の月曜日からか。
今日は金曜日だから3日後という事になる。
そういえば高校の試験期間も今日で終了だよな、…という事はサトシは今日から
サッカー部の活動再開ってところかな。
昨日のサトシとのやりとりを頭の中に浮かべるが俺の中ではあまり良い記憶ではないので
直ぐに思い起こすのを止める。
まぁ、いいや…俺にはもう関係無いことだし。

(…う〜ん)
俺の頭の中でもう一人の声がする。
お? ようやく目覚めたようですね。
(…ミヒロちゃん、お早う。私、すっかり眠っていたようね)
まだぼんやりとした感じでマルさんの意識が俺の中に流れ込んできた。
―いや、昨日は俺に代わって母さんや実由の相手をしてくれてありがとう。
お陰で説明する手間が省けたよ。

(いえいえww 私もミヒロちゃんの役に立ちたいもの、そう言ってくれると嬉しいww)
照れくさそうなマルさんの意識。
「…ん?」
俺一人の時には昨日のマルさんと母さん達との状況が分からなかったが、
マルさんが目覚めてから昨日の夜に何があったのか浮かんでくる。
さすがに4日も意識を共有してくるとどちらかが寝ていても何をしていたのかが
記憶として残っていて確認することが出来るようになってくる。
…これでは隠し事なんて出来ないよなぁ。って、もう本人同然な感じなので
別にいいんですけど。
(そうですねww)
それはともかく昨日の状況が浮かんできたのだが、…マルさんはさすが
本物の女の子(と言っても意識体)だけあって母さんや実由が感激する位
可愛いミヒロを演じていて、俺には出来ないところだよなぁ。
(大丈夫よ、ミヒロちゃんww ミヒロちゃんには私には無い"萌え"を醸し出しているからww)

…何ですか、それ?
389 :vqzqQCI02008/11/29(土) 00:10:05.53 ID:EqF9HFg0
                ◇
    (再びサトシ視点)

終業のベルが鳴った。

クラスメイト達は1週間ほど続いた試験がようやく終わってホッとした表情、
開放されて晴れ晴れとした表情、駄目だったのか暗い表情…と様々であったが
それなりの感慨に浸りつつも帰り仕度をしていた。

「サトシ、お前はこの後どうするんだ?」
友人の吉田が話しかけてきた。
「一応、部活かな。部活は今日までは休みなんだけど俺としてはブランクを埋めるべく
活動に励まなくてはならないし。」
「え〜、ホントかよ? いいじゃん、今日くらい羽目外して遊びに行こうぜ?
もう約束しちゃったしさ。」
「約束?」
吉田の言葉に怪訝とした顔をする俺。
こいつは女好きだから大体の予想はつく。
「そう、E組の仲畑さんと高野さん。サトシを連れていくという条件で彼女達と遊びに行く
約束しちゃったんだよ」
「ふ〜ん」
やっぱりな。俺が女子から人気がある(らしい)のをいい事にうちのクラスのみならず
他のクラスの女子にも声をかけている。
俺が行くのであれば女の子達はついてくるらしいが…勘弁して欲しい。

ヒロアキも言っていたが俺は結構モテるらしい。
確かに思い当たる節は多々あるが実際に女の子と付き合ったことは無い。
せいぜい日常会話をしたりするのがほとんどでそこから発展することは今まで無かった。
そんなこれまでの状況なので俺としてはそんな意識は全くないのだが、
今の俺は他に打ち込まなければならない事があるので恋愛どころじゃ無い。
390 :vqzqQCI02008/11/29(土) 00:17:40.33 ID:EqF9HFg0
「悪いな。大会が来月あるから遊んでいる場合じゃないんだ」
「お〜い! そんな事いうなよ〜っ!! 頼むからさ〜!」
つれなく断る俺に必死で頼み込む吉田。

「はいはい、みんな〜席に着いてー!」
賑やかな教室内に千絵先生が帰り際のホームルームをしにやって来た。
みんなパラパラと騒がしくも席に着いていく。
「ホラ、早く自分の席に着けよ」
「頼むって〜!」
これ幸いに冷たく吉田を追い払う俺。吉田は未練がましく頼み込み続ける。

「吉田君、早く自分の席に着きなさいね」
「う…分かりました」
千絵先生に指摘され渋々自分の席に戻る吉田。

「ふう」
俺は吉田から解放されホッとして教壇の千絵先生を見る。
そう言えばミヒロちゃんの面接を担当したのって先生なんだよな。

…俺の頭の中に昨日の彼女の姿が思い出される。

昨日泣きながら帰ってしまった彼女。
あの後彼女の家まで行ったが会う事は出来なかった。
正直なところあの子が泣いた原因はずっと考えたが全然思い浮かばない。
ひょっとしてサッカーに勝ってしまったのがいけなかったと思ったが…
結構負けん気が強い子だしな。

まだミヒロちゃんと出会って数日しか経ってないけど彼女の事が頭の中から
離れない事が多い。
初めて出会った時の印象、一緒にマックに行った時の事、
ヒロアキの家で勉強した時の事、そして昨日のサッカーと
どれも一悶着遭って大変ではあったが俺の中では彼女と居て
自分でも分からないけど充実して楽しかったという印象しか浮ばない。
391 :vqzqQCI02008/11/29(土) 00:19:07.57 ID:EqF9HFg0
でもミヒロちゃん自身はどうなんだろ?
俺の事をどう思っているんだろうか? …気になる。

昨日のサッカーでは多分俺が原因で泣かせてしまった。
そういえばその前の日も泣かしてしまったよな…。
ああっ、そうだ。マックの時は怒らせてしまったぞ?
ひょっとして俺って、ミヒロちゃんを怒らせるような事ばかりしていたのだろうか?
「う〜む…」
これでは彼女の俺に対する印象はきっと最悪だよな。
昨日の家に行って会ってくれなかったのは多分そのせいかも知れない。

…自分の恋愛経験の無さを今更ながらに痛感するよ。

「…で、連絡事項は以上ね。あと、皆さんにお知らせがあるわ」
俺がぼんやりと考え事をしている間にも千絵先生の話が続いている。
教室内は相変らずざわついているが先生の話が聞こえない程では無い。

さて、ホントにこの後どうするかな。
吉田に付き合ってこの後他のクラスの女子と出かけてみるか?
少しは異性について慣れておく必要があるのかもしれないし。今後の為にも。
392 :vqzqQCI02008/11/29(土) 00:21:08.32 ID:EqF9HFg0
サワザワ。

―ん?
俺は一瞬騒然となった教室内の状況に意識を傾ける。

数人の驚きの声と一部の女子の騒ぎ声。
皆、千絵先生の話を聞いて反応している。

「おい、どうしたんだ?」
俺は思わず自分の座席前のクラスメイトに話しかける。

「先生の話、聞いてなかったのかよ?」
俺の問いかけに驚きの表情を崩さないクラスメイトが答える。
「海外留学に行ったヒロアキが事情があって学校を辞めるって」

「え?」
一瞬彼の言った事が理解出来ない俺。

学校を辞める? 誰が?

「だから日本に帰れない事情が出来て、ヒロアキがうちの学校を辞めるんだってよ?
この場合は何て言うんだ、退学? いや、海外に留学したままだから転校か」

日本に帰れない? ヒロアキが転校?

…何故?

俺は頭の中が真っ白になった。
393 :vqzqQCI02008/11/29(土) 00:39:30.41 ID:EqF9HFg0
投下しました。
続きを現在進行形で書いてますがどうなることやら。
もう少しなんで頑張ります。
394 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/11/29(土) 00:39:58.68 ID:tWLrnSMo
乙〜〜〜〜
395 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/11/30(日) 02:40:10.67 ID:1l5MSPco
2年前にwikiを見て以来だったがふと思い出してみてみたらまだ続いていてなんか感動した
書き手の人はがんばって
396 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/12/02(火) 20:52:56.19 ID:PXGDcto0
乙です。

続き期待してます。
397 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/12/03(水) 01:05:27.96 ID:RBqtiiMo
ずいぶん過疎になったな
398 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/12/06(土) 18:22:30.82 ID:uR/nT8Mo
元々過疎ってたけど一時的に盛り上がってただけ。
399 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/12/07(日) 20:59:49.04 ID:dXw8SYAO
師走だから皆さん忙しくて投下する暇が無い…と信じたい。自分も何か書ければいいのだが。
400 :vqzqQCI0 2008/12/14(日) 00:28:45.43 ID:uVpZ6co0

     どんだけ☆エモーション(その12)

  (サトシ視点)  

「千絵先生!」

俺はホームルーム終了後職員室に向かう千絵先生を追いかけた。

「あら? サトシ君どうしたの? そんなに慌てて?」
千絵先生はいつもと変わらない表情で俺をじっと見る。
「そりゃ慌てますよ! ヒロアキがこの学校から居なくなるんだから!」
興奮が抑えきれないせいか俺にしては珍しく口調が強くなってしまう。
「確かにヒロアキ君が居なくなる事は大変な事よね。でも決まってしまった事だし
仕方無い事だわ。」
千絵先生は俺の興奮をよそに冷静に答える。
「何で千絵先生は平然としているんですか? ヒロアキは先生と晴子さんとの
関係からして昔からの顔馴染みでは無いんですか?」
「そうだけど私はヒロちゃんと二度と会えない訳ではないし、学校だけのつながりでは
無いからね」
「先生にとってはそうかも知れないですけど展開が急すぎですよ! 留学だけの話では
無かったんですか?」
「まぁ、留学自体がアレだったし、展開としてはいいのかな」
「アレ?」
曖昧な千絵先生の言葉に(゚д゚)ポカーンとする俺。
「ふふっ、何でも無いわ。とにかく決まってしまった以上、私にはどうすることも出来ないわ。
ハルちゃんだってそうせざるを得なかったんでしょうねぇ。」
「そうせざるを得ない…?」
「ご免ね、サトシ君。私用事があるから行くわよ」
「…」
呆然としていたのでこれ以上千絵先生を引き止める事もできず
その場に立ち尽くす俺。
千絵先生は立ち去ろうとしたが一旦立ち止まると振り返って俺に向かう。
「サトシ君、確かにあなたの親友のヒロアキ君は高校にはもう来ないけど
別にそれで終わりじゃないでしょ?」
「え?」
千絵先生の問いかけに戸惑う俺。
「確かにサトシ君にとって今回の件はとてもショックな事だと思うわ。
でも親友は親友でしょ? どのような状況であってもね」
「それはそうですけど…」
先生の言っている事は分かっていても腑に落ちない。
「…それに別に寂しくなんてないでしょ、一応居るし」
「え?」
「それじゃ、ね」
千絵先生は行ってしまった。
401 :vqzqQCI0 2008/12/14(日) 00:31:28.56 ID:uVpZ6co0
「…」
千絵先生が行ってしまった後になっても俺は動揺が治まらずその場に居た。
下校時間なので生徒の往来の邪魔にならないように廊下の窓際に寄りかかる。
窓の外からは下校中の生徒が見える。皆、試験が終わったせいか賑やかな様子で
俺とは対照的だ。

…ショックだ。

何でこうなってしまったのだろうか。
天気はとても良いのだが、その良さが俺にとってはかえって空虚に感じる。
…。
ぼんやりしながらも俺は色々とこれまでの経緯を思い起こす。

今週の初め、俺とヒロアキは一緒に帰った。
俺にとってはいつもと変わらない光景でヒロアキもいつもと変わらない様子だった。
しかしその日の昼以降から奴の消息がプッツリと途絶えた。
何度携帯電話で連絡を取ろうにも実際に家に会いに行っても手掛かりは掴めなかった。
翌日の朝、俺がヒロアキの家まで迎えにいった時に晴子さんは
ヒロアキは海外留学に行ってしまったと言った。

…そして今日の千絵先生の話。

「やっぱり、おかしいぜ…」
思わず言葉がこぼれる。
あまりに話が急展開すぎるし、不自然にも程がある。
第一、俺はヒロアキから留学の話をこれっぽっちも聞いてない。
そのような素振りも全然無かった。たとえ以前よりヒロアキと接する機会が減っていたとしてもだ。

肝心の母親の晴子さんはあんな感じだからまともな確認の取り様が無いのは
俺自身が認識しているところであり。

だからヒロアキに確認を取ろうにもその本人はあの日一緒に帰って以降
全然連絡が取れなくなってしまった。
これまでこんな事はヒロアキのやり取りの中で一度も無かった。
実のところひょっとしたら連絡が取れるんじゃないかと未だに連絡を取り続けている。
402 :vqzqQCI0 2008/12/14(日) 00:35:29.56 ID:uVpZ6co0
「…」
俺は晴子さんがヒロアキについて何かを隠しているに違いないと思っている。
そりゃ、実の母親だもんな。知らない訳が無い。
そうなってくるとその疑惑は晴子さんだけでなく千絵先生にもかかってくる。
俺は千絵先生は晴子さんと非常に仲が良い事は知っている。
絶対あの二人が裏で繋がっているのは間違いないと思う。
さっきの会話の中にも何か意図的なものを感じるのは俺の気のせいだろうか。

そうなってくると。
「…この後の予定が決まったな」
俺は一人呟くと教室に戻り、自分の荷物をまとめる。
「サトシ、帰るのか? それなら俺と…」
「悪い! 急用ができた! 急ぐからごめんな!!」
「え? ちょ、サトシ!?」
俺の戻りを待っていた吉田を振り切ると俺はヒロアキの家へと向かった。

このままでは埒が明かないし、何も知らないままでいることなんて俺には耐えられない。
…だから。
403 :vqzqQCI0 2008/12/14(日) 00:40:57.95 ID:uVpZ6co0

      ◇

(ミヒロ視線)

「さて、そろそろ準備に取り掛からないとね〜」
「うん」
夕方になって夕食の準備に取り掛かる俺。
それぞれエプロンを身につけるとキッチンに向かう。
「…」
しかし相変わらず実用に向かないひらひらのエプロンですこと。
親子揃ってフリフリのレースの入った可愛らしいピンクのエプロン。
某所に行ったら普通にコスプレと勘違いされるんじゃないの?
実由の分もあるのでペアルックというよりはトリオルックとでも言うのだろうか?
…全くいい趣味しているよ。確かに似合っているから何も言えないが。
「そうでしょ〜、私たちに似合うと思ってチョイスしたのよ〜」
(ホント、よく似合っているよねww 可愛い〜ww)
「はいはい」

そんなやりとりはさておき、俺は母さんと二人で今晩何を作るか話し合う。
「今日は家庭的に肉ジャガなんてどう〜?」
「うん、いいと思う」
あっさり決まる。
嗜好の変化のせいかあまり好きでは無かったイモが最近好きになっている俺。
何故か女の子ってイモが好きなんだよね。

とりあえず下ごしらえの野菜を切る作業を始める俺。
すっかり俺の包丁を扱う手つきもさまになってきている。
「毎日の献立を考えるのって結構大変なんだな」
「そうよ〜、主婦って色々大変なのよ〜
ミヒロちゃんも立派な奥さんになれるように今から特訓しないとね〜」
「お、奥さんって、何言ってるの? しかも誰の!?」
「ふふっ、誰なのかしらね〜。でもいつかはミヒロちゃんも…ね♪」
母さんは俺の方を見ると軽くウインクする。
「ち、ちょっと、止めて欲しいんですけど!?」
思いっきり動揺する俺。…ああ、もう、野菜のカットがバラバラだよっ!
404 :vqzqQCI0 2008/12/14(日) 00:42:23.72 ID:uVpZ6co0
気を取り直して下ごしらえに専念する俺。
…トントントン。
まな板の小気味の良い音が続く。

―奥さんか。
作業の手を緩めてそのフレーズに想いを巡らす俺。
今の俺の姿のままだといずれは誰かの奥さんになってしまうのかな、と考える。

「…いやいや、落ち着け」

この間まで男だった俺だよ?
女になったからって急に男を好きになって付き合うとか、更には結婚して
誰かのお嫁さんになるなんて実感が湧かないし有り得ない話だと思ってしまう。
そうそうこの状況に順応なんて出来ないよなぁ…。
(大丈夫よ、ミヒロちゃん)
―ん?
(私がいるもの。私がいるから男の子を好きになる事も付き合う事も
何ら違和感は出てこないわ。だって私、女の子だもの)
―…。
確かに男の子と付き合う事について全然違和感というか拒絶する気持ちは
俺の中には湧いてこないんだ。

…しかも。
しかも恐ろしい事に母さんの話の「誰の奥さんになるのかしらね」という部分で"ある人物"が浮んで
来ていたのである。それも…
(うふww ミヒロちゃんだけでなく私も好きだから良かったよねっww)
俺の意識の中にマルさんの胸キュンな感情が流れ込んでくる。

す、好きって!?
だ、誰の事かな〜〜〜〜!!!!

それは俺の中の”気持ち”と反応して恐ろしいまでの相乗効果を生み、
甘酸っぱい感情が溢れかえってすっごいドキドキしてくる。
「あらあら〜微笑ましいわね〜! 私も二人の応援するからね〜!」
母さんは嬉しそうに俺を抱きしめる。
(頑張ろうね、ミヒロちゃんww)

だから!
だから、読まないでよ!! 人の心の中をっ!!!
俺の顔が真っ赤になる。
も〜嫌っ!!
405 :vqzqQCI0 2008/12/14(日) 00:45:40.90 ID:uVpZ6co0
ピンポーン。
玄関のインターホンの鳴る音がする。

「あら? 誰か着たみたいね〜」
「実由じゃないかな? 見て来る」
俺は料理を作る手を止めるとパタパタと玄関に向かう。

ガチャ。
実由だと思っていた俺は無用心にも確認もせずにドアを開ける。
「え」
ドアの向こうの人物に俺は思わず固まってしまう。
「や、やあ」
「…サ、サトシくん」
そこにはサトシが立っていた。

サトシもまさか俺が出てくるものとは思っておらず驚きの表情を浮かべている。
俺は俺で昨日の事や母さんとのやり取りもあって正直なところ色々と気まずいのだが。
(ホラ、ミヒロちゃん、頑張ってww)
―う、うん…

「…え〜と、昨日は色々ゴメンね。あと、鞄を持ってきてくれたんだよね、
…ありがとう」
俺はマルさんの励ましで何とか気持ちを落ち着かせつつ振る舞う。
「いや、俺の方こそゴメン。ミヒロちゃんを泣かせてばかりで嫌な思いばかりさせて」
「…? 嫌な思い?」
サトシの言葉に首を傾げる俺。
「昨日とか、一昨日とか、俺のせいだよね、ミヒロちゃんが泣いちゃったのは。」
確かにサトシに会うたびに泣いたり怒ったりしているような気がしているが
それは俺が原因で起きたものばかりでサトシ自身には非は無いと思う。
「…何言ってるの? 別にサトシ君のせいじゃないよ、私が勝手に泣いただけ。
それに嫌な思いなんて全然してないんだから気にする必要なんて無いんだよ?」
「え、でも…」
「気にしないでいいのっ、ホントだから、ね」
困った感じのサトシに念押しで笑ってみせる俺。
「…そうなんだ、それなら良かった。俺はてっきりミヒロちゃんに嫌われたかなって
内心不安だったんだよね」
ホッとした表情を浮かべるサトシ。
406 :vqzqQCI0 2008/12/14(日) 00:48:13.45 ID:uVpZ6co0
「やだなぁ、私がサトシくんを嫌いになるわけないじゃない? むしろ私は」
「え? むしろ?」
(むしろww 何?)
「いや、まあその…、それにしても今日はどうしたの?
試験が終わってサッカー部の活動再開だったよね、なんでココに?」
思わず妙な事を口走りそうになるのを抑えて話の方向転換を図る俺。
(もう、ミヒロちゃんったらww)
「そうだ、俺は晴子さんにどうしても確認したい事があって来たんだ」
「母さ…晴子さんに確認?」
「あらあら〜、サトシちゃんじゃない〜」
俺の背後から母さんが現れる。
「どうも。ここのところ毎日来てばかりですいません。」
ペコリと母さんに向かって頭を下げるサトシ。
「いえいえ、いいのよ〜、未来の候補の最筆頭だものね〜」
(晴子さんったら、ヤダww)
「…未来の候補? 何ですか?」
「ちょ、かあさ…、何を言ってるの!?」
母さんの言っていることが理解できる俺は思わず動揺する。
「いいじゃない〜? 別に〜」
「もう、いい加減にしてよ!」
「あらあら〜、照れちゃって〜ww」
(うふふww)

「…」
俺と母さん(+マルさん)の盛り上がりとは対照的にサトシは神妙な顔を崩さず
じっと俺たちの様子を見ていた。
「どうしたの〜? サトシちゃん、深刻そうな顔しちゃって?」
「いえ、今日…学校で千絵先生から聞いたんですけど」
「千絵ちゃん? まぁ、という事は」
何かに気付いたような母さんの表情。

「そうです、ヒロアキの転校の話です」
「え?」
俺はサトシの言葉に反応する。
俺が転校? 初めて聞いたぜ、そんな事。

「…先生の言った事を確認したくて今日はここに来ました。
本当に、本当にヒロアキは学校に帰って来ないんですか?」
407 :vqzqQCI0 2008/12/14(日) 00:49:45.76 ID:uVpZ6co0


「今更、嘘を言っても仕方ないわ〜。サトシちゃん、それは事実よ〜」
一瞬の沈黙の後母さんは答えた。
「そうなんですか…」
母さんの話に明らかに落胆の表情を浮べるサトシ。
「ヒロちゃんは向こうの留学先で色々あったのよね〜。
だから帰って来れる予定が変わってしまったのよ〜」
母さんは俺をチラチラ見ながら会話を進めていく。
…成る程、どうやら男に戻る事が無理だから
ヒロアキは留学したまま帰って来ない展開にするわけか。
母さんの考えている事を理解する俺。

「…ヒロアキに何があったのですか? 俺に教えてもらえないのでしょうか?」
事情を全く知らないサトシは身を乗り出さんばかりに母さんに話を聞こうとする。
「あらあら、も〜、サトシちゃんたら積極的なんだからww」
母さんはサトシの視線に嬉しそうにする。
「かあさ…、晴子さん、なんでそこでトキメクの!?」
「あらやだww ミヒロちゃん、妬いてるの?」
「違うっ!」
展開があらぬ方向に進みそうになるのを抑える俺に対し
相変らずの母さん。…もう、この人ってば。

しかしサトシは表情を崩さずにいた。

「俺が心配しているのはあいつが無事かどうかですよ、学校に戻る戻らないは
この際どうでもいい。俺が知りたいのはあいつはどうしているのか、
元気でやっているのか、それを知りたいんです。」
408 :vqzqQCI0 2008/12/14(日) 00:52:06.60 ID:uVpZ6co0
「サトシ…くん」
真剣に俺の事を気にかけているサトシ。
俺はその姿を見ると申し訳の無い気持ちにとらわれる。
「う〜ん、そうねぇ…ヒロちゃんが元気な事は元気なのよね〜。ただ、」
「ただ?」
「戻るに戻れない事情が出来ちゃったのよね〜、困ったことに〜」
母さんはそう言うと俺の方をじーっと見る。
…あんまり見んなよ。

「…戻れない事情?」
母さんの言葉に怪訝な表情をするサトシ。
「そうなのよ〜、事情なのよ〜」
「…それって、何か病気にでもなったって事ですか?」
「いえいえ〜、本人は至って元気よ〜」
「病気で無ければその事情って何なんですか?」
「そうね〜病気では無いんだけど身体がね〜」
「ヒロアキの身体に何があったのですか?」
「まあ、色々あるのよね〜、察してあげて欲しいわ〜ww」
「海外から帰って来れないのはそれが原因だと言うのですか?」
「ん〜、海外というか何と言うか別に海外で無くてもいいんだけどね〜」
「え? どういう事ですか?」

「あうあう…」
ストレートに色々聞いてくるサトシと微妙な返答を続ける母さんとのやりとりを
聞いていてハラハラする俺。
このままだと俺(ミヒロ)がヒロアキだとバレかねない状況になるんじゃないの?

そんなやり取りが続き、何時までたっても埒が明かないような気がした。
いつもであればきっとサトシは諦めてしまっているに違いなかった。
…しかし、今日のサトシは普段と違っていた。
409 :vqzqQCI0 2008/12/14(日) 00:54:49.03 ID:uVpZ6co0

母さんのペースに乗せられる事無くサトシは自分の気持ちをどんどん前に出していく。
流石の母さんも少しずつサトシに押されていく。…そして。

「とにかく教えて下さい! 晴子さん、俺にはヒロアキの事を知る権利は無いんですか?」
「サトシちゃん〜、そんな事はないわ〜、でも」
「でも、何ですか? 話せないのはヒロアキが俺には言うなと口止めでもしてるんですか?
晴子さんにとって、…ヒロアキにとって俺は事情を教えるに足らない存在でしか無いんですか?」
切実な表情のサトシ。
母さんに伝える言葉は悲痛な音色に変わっている。
「ヒロアキは俺の事をどう思っているのか、俺には分かりません。でも俺は
あいつの事を親友だと思っているし、これからも親友で有り続けたいと思ってます。
ヒロアキの身にどんな事があったとしても俺はあいつの親友を止めるつもりはありません!」

「サトシちゃん…」
母さんは普段見せない辛そうなサトシの姿に言葉を詰まらす。
さすがの能天気な母さんもサトシの本気の姿に心を打たれてしまったようだ。

「…ひょっとしたら、それは俺の知ってはならない事実なのかも知れない。
でも俺はあいつが学校から居なくなる事を聞いた時に決心しました。
俺は迷わないし、後悔しない。このまま知らないままでいる事の方がもっと後悔すると思うから。」

「…」
俺はサトシの姿を直視できずいた。
サトシの事をよく知っているからこそ奴の想いの強さに俺自身の感情がコントロールできなくなる。

…あー、やばいかも。
さすがにこのままだと奴に本当の事を話しかねない。…それに本気で泣いちゃいそうだよ。
410 :vqzqQCI0 2008/12/14(日) 00:56:17.13 ID:uVpZ6co0
「…ごめんなさい…、ちょっと…」
我慢し切れなくなった俺はそそくさとその場を離れる。
「…」
母さんはちらりと俺の姿を見る。

ぱたぱたと駆け足で自分の部屋に向かう俺。
「ううっ…グス、グスッ」
部屋の戸を開けた時にはもう涙がこぼれ落ちて嗚咽が漏れそうになる。
(ミヒロちゃん、つらいよね…)
「グスッ…うん」

つらい。
本当につらいよ。
本当の事を言いたいよ。

あれだけ俺の事を思って苦しんでいるサトシに自分がヒロアキだと伝えて
安心させてあげたいよ。
俺だってサトシに隠し事なんてしたくなかった。
出来る事なら今すぐにもあいつに言いたい。

…でも。

本当の事を言ったらこれまで通りの生活に戻れるのかなぁ。

いつものようにサトシと、クラスの連中と馬鹿やっていられるのかなぁ。

サトシとサッカーの全国制覇を目指す事ができるようになるのかなぁ。



…無理だね。

だって、俺はもうヒロアキじゃないんだもん。
ミヒロなんだもん。
もう二度と男に戻る事なんて出来ない。
俺が女の子になったなんてサトシだって信じないし、これまでの関係なんて無理に決まっているよ。

…だから言えないし、言わない。
こんな話、誰も信じてくれないし、有り得ない話だから。

俺は飛び込むようにベッドにうずくまった。
411 :vqzqQCI0 2008/12/14(日) 00:58:37.02 ID:uVpZ6co0
       ◇

…玄関には母さんとサトシの二人きりになった。
そして俺が居なくなってもやり取りは続いていた。

「…俺に教えて下さい、俺はどんな事でも信じます」
サトシは何かを決意したような表情で母さんをまっすぐに見つめている。
「どんな事って、サトシちゃんは何かヒロちゃんについて心当たりでもあるの〜?」

サトシは母さんの言葉に何か考え込む様子であったが
言おうか言わないか悩んだ後、
「…心当たりは無いわけではありませんが、そんな事無いだろうな…」
困惑の表情で呟く。
「…」
母さんはそんなサトシの様子をじっと見ている。

「…確証が無い以上、ハッキリとした事は言えません。
でも俺の前に現れないのは理由が有っての事だと思います。
俺はどんな理由であってもヒロアキの事は受け入れるつもりなんですけど。」

「…サトシちゃんって、ホントにヒロちゃんの事を思っているのね…」
母さんはそう言うとサトシにそっと抱きついた。
「…晴子さん」
普段であれば慌てふためくサトシも今回は大人しく母さんに抱きつかれている。
「…でも、ごめんなさい。これだけは私に話す権利は無いと思うわ〜。
本当は話してあげたいのだけどね…だってサトシちゃんとヒロちゃんとの間の話だもの〜。」
「え?」
母さんに抱きつかれたままで母さんの話しを聞くサトシ。
「これはサトシちゃんとヒロちゃんが二人で解決しなければならない話よ〜。
私や千絵ちゃんがあの子の為に出来る事はある程度はしてあげたけど、人間関係に至っては
私達ではどうする事もできないわ〜。結局は当事者同士で解決していかなければならないのよ〜。
ヒロちゃんは気持ちを切り替えてサトシちゃんとの繋がりを絶とうとしているみたいだけどね〜。」
「俺との繋がりを絶つ…?」
「…あ、でも別な形での繋がりが出来つつあるのかも知れないけどね〜。」
「え…?」
母さんの話に首を傾げるサトシ。しかし表情は崩さないでいる。
412 :vqzqQCI0 2008/12/14(日) 01:00:41.95 ID:uVpZ6co0
「確かめてみればいいじゃない〜?」
「え?」
「さっき、ヒロちゃんの心あたりについて確証できないって言ってた事よ〜。
サトシちゃんがヒロちゃんのことについて感じた事、思った事は
これだけ付き合いの長い二人だもの、ひょっとしたら当たっているかも知れないわよ〜。」

「そ、それは…でも…」
急な母さんの提案に戸惑うサトシ。
「もしその確証が事実だとしたら…サトシちゃんはそれを受け入れられるの〜?」

「…正直、分かりません。実際にそうなってみなければ。
…何と言うか、晴子さんの話は"謎かけ"が多くて今の俺に全てを理解することはできません。
俺があいつの為に何をしてやれるのか正直なところ分かりませんけど…
だけど何とかしてやりたい気持ちは誰よりもあります。」

「…ヒロちゃんは苦しんでいるの〜。そしてその苦しみに気付いてあげられるのは
サトシちゃんしか居ないのよ〜。」
「苦しんでいる…ヒロアキが…?」
「そしてあの子を助けてあげられるのはサトシちゃんだけ。…親友のね〜。
だからお願い。早くあの子を助けてあげて〜。」
母さんはニッコリ微笑んでサトシを見つめる。

「…分かりました、晴子さん。俺はヒロアキの為に出来ること、やってみます。
…確認したい事もありますし」
サトシも何かスッキリした表情に変わる。

「あ〜それはそうとサトシちゃん〜、お願いがもう一つあるんだけどいい〜?」

「…はい? 俺ですか?」

何やら微笑みに意図的なものを感じさせつつサトシに迫る母さんと
その動きに戸惑いを見せるサトシ。

…そんな二人のやり取りなど露知らず、ベッドに突っ伏している俺であった。
413 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/12/14(日) 01:07:13.38 ID:R4fhzgQ0
GJ!
414 :vqzqQCI0 2008/12/14(日) 01:14:49.39 ID:uVpZ6co0
投下しました。

師走なんで忙しくて続きが止まってますww
年内に終わらせる予定だったのですが…これではどうにもorzです。

もう少しなので最後まで見捨てずお付き合い下さいませ。
415 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/12/14(日) 17:49:37.93 ID:GwAewac0
GJ!

物語が盛り上がってきて続きが気になりますね!
416 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/12/15(月) 18:14:24.13 ID:fRQ1gMAO
続きwwktk
417 : ◆wjOmYNm0Aw2008/12/19(金) 19:14:39.79 ID:AmVi31g0
お久しぶりです
続きが書けたので投下しようと思います
418 : ◆wjOmYNm0Aw2008/12/19(金) 19:15:14.92 ID:AmVi31g0
第五話

「はー、ひどい目に遭った・・・」

時は進んで今現在。絶賛帰宅中

思わず独り言が出てしまうぐらい悲惨な一日であった

あれからしばらく真夏の攻撃が続いただけならまだしも、真冬ちゃんに変な誤解されたし、マキはマキで真夏を煽りまくってるし(しかも煽った結果怒りの矛先がきちんと僕のほうへ向くように上手く誘導してるし・・・)

勿論、毎日こんなやり取りをしているわけじゃない。今日はたまたまというか今日だけ特別というか

・・・

結論から言うとだ

僕は目の前にある家のドアを思いっきり開ける
419 : ◆wjOmYNm0Aw2008/12/19(金) 19:15:50.78 ID:AmVi31g0
「ただいまーっ!」

「おかえりー」

どう見ても今返事をしたこいつが原因です。本当に有難うございました

優は今日学校へ来たときと同じ服装のままだった。ちなみに猫耳もそのまま

「久しぶりの学校どうだった?」

「ええ、誰かさんのおかげでとても充実した時間になりました」

「それはなにより」

・・・こめかみのあたりがピクピク動く。そうだカルシウムが足りないのかもしれない、と必死に自分を落ち着けてみる

「まあでもみんな元気そうでよかったよ」

「ああ、もう元気過ぎて逆に困った。首に変なあとが残ってないかが心配だ」
420 : ◆wjOmYNm0Aw2008/12/19(金) 19:16:16.10 ID:AmVi31g0
「大丈夫、何も残ってないよ」

よかった、体は傷物になっているということはなかったようだ。なんかやらしい響きだけど

「・・・うん。みんな楽しそうだったよ」

そう優が呟いた

そういえば秋空優だって本当は秋空勇人なんだ。本来なら、あの場所にいるのは自分だったはずなんだ

みんなの様子を見に行ったら、そこはいつもと変わらない風景だった

自分がいなくても、何一つ変わってなかったんだ

自分が姿を現したとき、みんな興味津々な目で見ていた

でも、それは決して、友好的な態度だけとは言い切れないはず
421 : ◆wjOmYNm0Aw2008/12/19(金) 19:16:42.94 ID:AmVi31g0
何処かに・・・見知らぬ人間に対する警戒心が、あったんだ

自分は秋空勇人だ、と叫びたかったのかも知れない

僕だったら、そんな目をむけられて耐えられる自信がない

優は・・・何を考えていたんだろうか・・・

「大丈夫だよ」

優の声が聞こえた、それは呟きではなく、きちんと僕にむけられた声だった

「サイコロってのはね、1の反対側は6、2の反対側は5って合計して7になるように作られているんだ」

「え?」

優が何を言いたいのか理解できなかった
422 : ◆wjOmYNm0Aw2008/12/19(金) 19:17:13.53 ID:AmVi31g0
「僕は今まで『秋空勇人』として、みんなを見ていた。でも今は無理。けど・・・これからは『秋空優』として、みんなを見ることができる。人が物を見るには限界がある。それは視点が一つしかないから。」

「優・・・」

ここまで来て、優が何を言いたいのかが分かった

「物、そして人ってのはサイコロとは違う。法則なんて存在しない。そして立方体ですらない。だから視点を変えるしかないんだ。でもそんなこと簡単に出来るわけがない。そして一生出来ない人もいる。でも僕は別な人間に生まれ変わった。二回分の人生を送っているってことになる。そう考えれば、すっごい得してない?」

「・・・ああ、凄い得してるように思えてきた。逆に羨ましいくらいだ」

「うん。分かればよろしい」

今ここで断言しよう、もうこいつは『秋空勇人』じゃない。僕はこんな前向きに物事を考えるなんて芸当、出来なかった

本来なら僕が励ます側なのに・・・逆に励まされてしまったみたいだ
423 : ◆wjOmYNm0Aw2008/12/19(金) 19:17:56.16 ID:AmVi31g0
----------------------------------------
今回の分はここまでです
それでは失礼しました
424 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2008/12/20(土) 22:24:29.87 ID:D9SnBAAO
乙です!
続き楽しみにしてます!
425 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/12/22(月) 20:28:48.40 ID:tgh262DO
乙!
次も期待してるぜ!
426 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 0 9 !2009/01/01(木) 15:43:36.59 ID:X9Ev8s2o
あけおめー
427 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2009/01/04(日) 01:17:00.52 ID:A0isbKY0
作品を書こうと思うんだが、完成させてから投下するのか
もしくは、書け次第部分的に投下するのかどっちがいいんだろう…
428 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 0 9 !2009/01/04(日) 03:30:22.71 ID:Es4aFIYo
ある程度書き溜めながらちょくちょく投下するのが良いと思う。
429 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 0 9 !2009/01/04(日) 16:13:17.85 ID:Wsw4RMAO
人によりけりですね。どちらにしても書き続けられるかのモチベーション次第だと。途中で投げたままの作品の多い事多い事。
430 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 0 9 !2009/01/04(日) 16:52:41.06 ID:.YU..22o
>途中で投げたまま
サーセンwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
431 :A HAPPY NEW YEAR 2 0 0 9 !2009/01/04(日) 16:53:05.58 ID:.YU..22o
ちょwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww草増量中だったwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
432 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/01/07(水) 18:25:54.73 ID:PqDTK.AO
しかし、過疎ってますな…。
433 :静宮2009/01/15(木) 00:34:33.14 ID:K.jz23k0
初めまして。
人生初SSですが、投下させて頂きます。
拙い文章だと思いますが、良ければ見ていってください。
434 :静宮2009/01/15(木) 00:35:45.98 ID:K.jz23k0
『ソプラニスタ』

「はぁ…ぼくは一体どうすれば良いんだろう…」
僕は控え室で溜め息をついていた。
何故かと言うと…ぼくは合唱団でボーイソプラノを担当している。
そして、中学生になった最近は思うように声が出なくなってきている。
そう、『声変わり』である。
世の中には声変わりを経てもソプラノを歌える『ソプラニスタ』って言う人も居るみたいだけど、
残念ながらぼくにはその才能は無かったらしい。
「どうしよう…このままじゃ、ソプラノで歌えない…お母さんとの約束を守れないよ」
435 :静宮2009/01/15(木) 00:36:30.69 ID:K.jz23k0
ぼくのお母さんは、オペラ歌手をやっていていつも色んな所に行っていたので、一緒に居た記憶は余り無い。
でも、お母さんはいつもぼくの歌声を褒めてくれた。
『綺麗な歌声ね。貴方はきっと素晴らしい歌手になれるわ』
そう言いながら、ぼくの頭を撫でてくれた。
お母さんが褒めてくれるのが嬉しくて、ぼくは歌う練習を一生懸命頑張った。

でも、ぼくの歌声を褒めてくれたお母さんはもう居ない。
3年前に、事故で死んでしまったのだ。
元々、お父さんも居なかったぼくは女さん―お母さんのマネージャー―の養子となり、合唱団を続けていた。
「何か、方法は無いのかなぁ…女の子になれれば、声が変わらずに居られるのかなぁ…」
436 :静宮2009/01/15(木) 00:37:18.77 ID:K.jz23k0
そんな風に悩んでいると、ノックが聞こえた。
「ぼく君、入るわよ?」
そう言って女さんが入ってきた。
「やっぱり、悩んでたかぁ…でも、こればかりは私でもどうにも出来ないから、受け入れるしかないわよ?
それに、声変わりしたとしても、ぼく君ならカウンターテノールで十分やっていけると思うわ。」
そう、女さんはぼくに目線を合わせて諭すように優しく語り掛ける。
「でも…お母さんはぼくのソプラノの歌声を褒めてくれた。
その声が変わっちゃったら、ぼくはお母さんに褒めて貰えなくなっちゃう。
それじゃ、ダメなんです!」
ぼくは真剣な顔でそう言った。
そうすると、女さんは困った顔をして、
「もし、お母さんが居たら絶対そんな事は言わないと思うけど…
でも、お母さんに甘えられず寂しがる気持ちは分からなくも無いわ。
どうしてあげれば良いのかしら…」
とどうしたら良いのか分からない様子だった。
437 :静宮2009/01/15(木) 00:38:20.32 ID:K.jz23k0
その後自宅に帰り、ご飯を食べお風呂に入って後は寝るだけになった時、
女さんが「明日、日曜日だし動物園にでも行こっか」とぼくに言った。
実の所、ぼくは動物―特に小動物―が好きだ。
何て言うか、見てて癒される所とか。
ぼくはその提案に賛成し、少しワクワクしながら眠りに付いた。
438 :静宮2009/01/15(木) 00:39:17.68 ID:K.jz23k0
『ピピピピピ……』
毎日聞いている目覚ましで起きる。
何だろう…身体がだるい。風邪をひいちゃったんだろうか?
今日は折角の動物園だって言うのに…。
そんな事を考えていると、女さんが起こしに来てくれた。
「あ、女さん。おはよ…」
そこで、僕は自分の声に違和感を感じた。
女さんも感じたらしい。
「ねえ、ぼく君。声が変だけど…大丈夫?熱は無い?」
ぼくはその瞬間、自分に起きた変化に気付き服を脱ぎだした。
そして、僅かだが膨らんでいる胸とあるはずのものが無くなった股間を確認する。
「わ…やった、ぼく女の子になった…ホントに女の子になったんだ!!」
ぼくは嬉しくて、さっき感じた身体のだるさなんて吹き飛んでしまった。
そして、ぼくは声を確認してみる。
前と同じ、もしくはそれ以上に澄んだ綺麗なソプラノの音が出た。
呆然とその様子を見ていた女さんは、
「…えーと、貴女はぼく君…なの?」
その声を聞いて僕はすぐに
「うん、そうだよ。きっと…これはお母さんがぼくの願いをかなえてくれたんだね!」
と、満面の笑顔で答えた。
…それから女さんは苦笑しながらぼくに幾つか質問をした。
「…うん、確かにぼく君に間違いないわね。
とりあえず…そのままじゃ動物園には行けないから、色々と準備をしましょ」
439 :静宮2009/01/15(木) 00:39:51.92 ID:K.jz23k0
このときは気付かなかったけど、ぼくは身長が縮んでしまっていた。
中学生には見えないくらいに。
不安が無いと言ったら嘘だけど、ぼくには歌とお母さんがくれたこの声があるし、女さんも居る。
身支度を整えて、ぼくは女さんを引っ張って外へと出かけた。
まず最初に、この身体に似合う服を揃える為に――
440 :静宮2009/01/15(木) 00:43:19.07 ID:K.jz23k0
投下は以上です。

初SSだったため、長編は諦め単発で書きました。
それでは、失礼しました。
441 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/01/15(木) 00:55:38.22 ID:znvj9MAO
GJ!! 続きを期待させるような展開ですねー!
442 :vqzqQCI0 2009/01/17(土) 00:56:10.08 ID:RFUPpyI0
GJ! 新たな投下キター

429>投げっぱなし orz になりそうなので投下します。。。
443 :vqzqQCI0 2009/01/17(土) 00:58:31.67 ID:RFUPpyI0
   どんだけ☆エモーション(その13)


サトシが帰った後、母さんは俺を呼びに部屋にやって来た。

「ミヒロちゃ〜ん、いいかしら?」
「…」

相変らず俺はベッドに突っ伏していた。
「サトシちゃん、帰ったわよ〜。」
「…」
母さんはベッドに腰掛けると俺の上半身をやさしく起こす。
「も〜、涙で折角の可愛い顔が台無しじゃない〜?」
「…グス、グスッ」

なかなか気持ちの治まらない俺は泣き続けていた。

…涙が止まらない。
何とかして心を静めようと努力しているんだけど、さっきのサトシと母さんのやり取りが
頭の中から離れないんだ。

…自分の中で分かっていたのに。

今後はヒロアキじゃなくてミヒロとして生きていかなくてはならない事。
分かっていたからこそ気持ちを切り替えてやっていこうとしていたのに。

だけどあのサトシの姿を見た時に俺の中で全てが崩れてしまった。

どうすることもできないからこそ、つらい気持ちだけが俺の中でループしている。
いつまでもこのままで居ても何の進展も無いのは分かっているけど
…涙はいつまで経っても止まらないんだよね。

「もう、泣き虫さんね〜、ミヒロちゃんは何時からこんなになっちゃったのかしら〜?」
そう言うと母さんは俺を抱きしめる。
「…」
母さんの柔らかい胸の中に顔をうずめると不思議に心が落ち着いてきた。

…確か女の子になってしまった初めの頃、マルさんとの出会いで気持ちが混乱した時も
母さんに抱きしめられて気持ちが落ち着いたよな。
ホント不思議だよなぁ、母さんって。
実由もそうだけど暖かい感触に包まれて、トクントクンと一定のリズムで続いている心音を
聞いていると心がすごくリラックスする。
444 :vqzqQCI0 2009/01/17(土) 00:59:45.37 ID:RFUPpyI0
「ミヒロちゃん、つらいのよね〜?」
「…うん」
精神的に参ってしまったせいか、母さんの問いかけに素直に答える俺。

「どうしてつらいの〜?」
「…それは…」
母さんの問いかけに言い淀む。様々な思いが俺の中で渦巻いて混乱しており、
何から言えばいいのか分からない。

「これまでのようにサトシちゃんと仲良く出来ないからかしら〜?」
「…それもある」
「ミヒロちゃんはどうしたいの〜? 昔のように仲良くしたいの〜?」
「…うん、…でも無理だよ」
「どうして〜?」

「だって、俺は男のヒロアキじゃないから。すっかり姿かたちが変わってしまって、
サトシはきっと俺だって信じてくれないよ」
「果たしてそうかしらね〜? 意外にあの子、鋭いところあるわよ〜」
微笑みながら俺の表情をのぞき込む母さん。

「…」
確かに、と俺は一瞬思う。
サトシって結構鋭いところを持っているのは俺が知っているところではある。

女の子に変わってしまった俺と初めて会った時に俺に対して妙な親近感を持ったらしいから
ミヒロとヒロアキとの関係に心のどこかで気づいているのかも知れないが
俺はサトシじゃないからその辺りは分からない。

「ミヒロちゃんが思っている以上にサトシちゃんは分かってくれるわよ〜?
だって、ホントに友達思いのいい子だもん〜。」
「うん…」
思わず頷く俺。

俺も今回の一件が無ければサトシの事は単なる親友という"言葉"の括りの中でしか
奴のことを捉えられなかったかも知れない。
そう考えると俺はサトシという本当の親友に出会えた事を幸せに思うべきであるし、
奴に感謝すべきであろう。
445 :vqzqQCI0 2009/01/17(土) 01:01:45.32 ID:RFUPpyI0
「今回の件は私も実由ちゃんもヒロちゃんの為に秘密にすべきところは
徹底してきたけれど、今後の事を考えるとサトシちゃんという理解者が
あなたにとって必要だと思うの〜」
「…うん、そうだね」
母さんの言葉に素直に頷く俺。理解者は多ければ多いほど良いだろう。
サトシであれば尚更良いに決まっている。 …だけど。

「素直にサトシちゃんに自分の事話したらどう〜?」

「…」
答えられない俺。その言葉が俺の中でずしっと重くのしかかってくる。

「ミヒロちゃん〜?」
「…うん、母さんの言いたい事は俺も分かっているつもりだよ、だけど」
「だけど〜?」
「…怖いんだ、自分の正体を晒してもしサトシが俺のもとから
居なくなってしまったらと思うと…」

…そうなんだ。

俺が女の子になった事によって一番恐れている部分、
それはサトシに俺の存在を否定される事。
これまで築いてきた関係が壊れてしまう事。

「…ミヒロちゃん」
「…だから俺はサトシにミヒロがヒロアキである事を話すつもりも無かったし、
ヒロアキという存在が海外から帰って来ない話になった時も
それでいいかなって、思ってたんだ」

「駄目よ〜、ミヒロちゃん、現実から目を逸らしたら〜。
あなたはどこまでいってもヒロちゃんだもの。
サトシちゃんとのこれまでの関係を全て無かった事にできるの〜?」
「そ、それは…」
言葉に詰まる俺。

「出来ないでしょ〜? それはヒロちゃんを否定する事になるし、
サトシちゃんに対する裏切りにもなるわよ〜?」

これまでの自分の否定とサトシに対する裏切り。
…母さんの言葉が俺に重くのしかかる。

「そ、そんなの嫌だよ、サトシを裏切るなんて! …俺はそこまで考えてなかった」
「じゃあ、伝えないと〜、サトシちゃんに本当の事をね〜」
446 :vqzqQCI0 2009/01/17(土) 01:03:16.76 ID:RFUPpyI0

…母さんの言っている事はもっともだと思う。
俺の事を本気で心配してくれているサトシ。
それに応えることの出来ない俺。
だけどサトシに対して俺のすべき事が無いわけでは無い。
それは本当の自分をあいつに教える事。それが今の俺に出来るサトシへの誠意かも知れない。
…だけど、だけど。

「でも、怖いよ。…あいつに拒絶されたら、俺はどうしたらいいのか分かんないよ…」


あ、やだ。

…サトシに拒絶されるイメージが浮んできた途端に悲しくって涙が出てくる。

「大丈夫よ〜! ミヒロちゃんっ!!」
それを察知したのか母さんは俺をギュッと力強く抱き締める。

「か、母さん!?」
「もう、ミヒロちゃんったらホント泣き虫さんね〜。こんな泣き虫な女の子は
もう"俺"なんて言う資格がないわよ〜」
以前母さんに禁止されていたにも関わらず「俺」を使い続けている事について
母さんは不満に思っていたらしく、珍しく怒った表情をしている。

「え…、でも…」
急に話の展開が変わった事に戸惑いの表情を浮べる俺。
「でも、じゃ無いの〜! 駄目ったら駄目〜!!」
「…ヤダよ、"私"なんて。格好悪い…」
「可愛い女の子が"俺"という方がずっと格好悪いわよ〜! もう、そんな事いうなら
こうしちゃうんだから〜!」

母さんはいきなり俺の脇やら腰やらをくすぐり始めた。

「ひ、ひゃんっ!? や、やだっ」
母さんの行動の意図が分からず焦る俺。

「う〜ん、恥じらいにまだ"照れ"があるわね〜、まだまだ足りないかしら〜」
母さんはそういうとさらにくすぐりを続ける。
「やっ、あうっ、んっ」
俺は一応抵抗しているものの、腕力が普通の女の子並なので母さんに敵わない。
為すがままにくすぐられる。
447 :vqzqQCI0 2009/01/17(土) 01:04:26.63 ID:RFUPpyI0
「こちょこちょこちょ〜」
「うう〜ん、ああっ」
「それそれそれ〜」
「ひゃは、はあんっ、くううっ」

母さんはどさくさに紛れて俺の胸まで揉んできた。
ち、ちょっと、母さん!?
「ミヒロちゃんの反応があまりに可愛すぎるから、ついつい〜、ね〜」
「…ああん、やだっ」
気がつかないうちに嫌がる仕草が女の子のようになっている俺。
「うふふ〜、可愛い〜」
小悪魔的な笑みを浮べつつも手の動きを止めない母さん。

…母さんの攻撃に何とか我慢し続けていたのだが

…あ〜っ
あ〜! も〜っ!! 限界っ〜!!

「わ、分かりましたっ!! 俺、止めるからっ! 私って、いうから!!」
「ホント〜?」
「ホ、ホントですっ! 私、言いますっ!」
母さんの攻撃(?)に陥落する俺、と言うか私?


はあはあと息を切らす俺と母さん。
「ふふっ、多少は気は紛れたかしら〜? 」

「母さん…」
母さんが俺の気持ちを紛らわすためにこんな事をしてきた事に気付く。

…でも何だかさっきの母さん、いつもより生き生きしてたような気がするのは気のせい?

さっきの騒ぎで荒れ果てたベッドのシーツや布団を整えると
俺と母さんは座り直して向き合った。
「どう〜、ちょっとは落ち着いた〜?」
「…うん、ありがとう、母さん」

母さんは俺の頭を撫ぜつけながら俺を抱きしめる。
「大丈夫よ〜、あの子を信じてあげて〜。 あなたが思っている以上に
サトシちゃんは強い子よ〜。
あなたの全てを受け入れてくれるだけの強さをもっているわ〜。…だから、ね。」

「…うん、おr、じゃなかった、私、頑張って…みようかな」
母さんの言葉に俺の中で不思議に気持ちが強くなっていくのを感じる。
448 :vqzqQCI0 2009/01/17(土) 01:05:33.03 ID:RFUPpyI0
ピンポーン。

再び、玄関のインターホンの鳴る音。
「あら〜? 実由ちゃんが帰ってきたようね〜?」
「そうみたい」
「それじゃ〜みんなで夕食の準備をしましょ〜」
母さんはそう言って玄関に向かっていく。
「うん、そうだね」
(……)

…ん? マルさん?

(……)                 

反応が無い。

さっきまで母さんと一緒になって盛り上がっていたのに
今はマルさんの心の動きが全然感じられないのですが。

(ミヒロちゃん…ごめんね)

―…ん?

マルさんの声がする。
明るくホンワカとした雰囲気の彼女と打って変わって暗く沈みがちな声。

(…私のせいだよね、ミヒロちゃんがこんなに苦しむ事になったのは…)

―…え? どうしたの? マルさん、急に。
母さんと一緒に夕食の準備に取り掛かろうとしていた俺だったが
マルさんの状況に思わず動きを止めて彼女の様子を窺う。

(あの時、私がミヒロちゃんと一緒にならなければミヒロちゃんが女の子になる事は
無かった…だからこれは私のせい…)

―ち、ちょっと、マルさん?
マルさんのいきなりの行動に焦る俺。
考えてみたらここまでマルさんの落ち込んだ状況は初めてだ。
どうしたらいいのか分からなくなる。
449 :vqzqQCI0 2009/01/17(土) 01:06:54.36 ID:RFUPpyI0

(…ミヒロちゃんの気持ち、ココロの辛さ、…一心同体の私だからこそ良く分かる。
…そもそもの原因である私にはミヒロちゃんに謝って済む問題じゃないけど、
本当にごめんなさい…謝るしか…これしか無いから…私には…)

―な、何言ってるんだよ? 馬鹿な事言うなって。
…俺は別にマルさんのせいだなんて思ってないよっ。

(…でも…)

さっきまでメソメソしていた自分の事は棚に置いて
俺は頭の中でマルさんに強い気持ちで話しかける。

―…結果的にはこんな事になってしまったけど、俺はマルさんのお陰で生きていられたんだし
マルさんとの出会いだってそんなに悪くないって思っているんだよ?

(…私の…お陰…?)

あの時、あの場所で俺とマルさんが衝突してしまったことによって起こってしまった悲劇。
実際であれば双方ともに生きている事が出来ない状況だった(とマルさんが言っていた)が、
本来持っていたマルさんの"能力"によって俺とマルさんは一つになって生きている。
…俺は女の子になっちゃったけど。

―俺とマルさんとの事故について起こってしまった事については仕方無いよ。
別に誰かを責めるつもりなんて俺は全然考えてないし、責めたところで何かが変わる
訳でもないし。

(……)

―とりあえず俺にとってはこれからの事が大事だと思う。
今後女の子として生活していく俺にとって気持ちが揺らぐ事があるかも知れない。
だけどマルさんが居るなら俺は何とかやっていけると思うんだよね。

(……)
450 :vqzqQCI0 2009/01/17(土) 01:08:08.61 ID:RFUPpyI0
―マルさんは俺の事をどう思っているのか分からないけど、俺はマルさんの事、大好きだよ。
今は居てくれなきゃ困る位の存在になっているもの。

(…私だって、ミヒロちゃんの事、……大好き…)
マルさんの意識が俺の中に流れ込む。か細くも照れてはにかんだ感じ。

―だから、マルさんはマルさんらしくいつものように振舞ってくれればいいんだよ?
そうしてくれた方が俺としては嬉しいから…、ね?

我ながら恥ずかしい事を言ってしまったような気がするが
これでマルさんが元気になればいいと思う。

(…ミヒロちゃん…、あり…が、…と…グスっ、グスッ)

―ちょ、ちょっと、マルさん、泣かないでよっ!?

慌てる俺。俺の意識の中にマルさんの色んな感情が雪崩れのように入りこんでくる。
でもその感情のほとんどは俺の言葉に感激している気持ちが大半を占めているようで。

(…ゴメ…わたし…限界っ、…ふぇえぇぇぇ〜ん!!)
「ち、ちょっと、マルさんって、…グス、グスッ」
マルさんの感情に感応されたのか俺までがポロポロと泣き出す。

(グスッ…だって、嬉しいんだもん、グス…実はずっと私、気にしていたから…。
…私のせいでミヒロちゃん、いえ、ヒロアキ君が女の子になって苦労していたから。
ずっと私は目の当たりにしていたから…申し訳ない気持ちにいつも苛まれていたの…。
だからミヒロちゃんにそんな風に言ってもらえると…グスッ、嬉しいよぉっ!
うぇえええ〜ん!!)
「グスッ、わ、分かったから、マルさん、感情を抑えてっ!
感情が洪水のように押し寄せてくるもんだから…おr、じゃなかった、私まで…泣いちゃうよっ!」

一心同体の俺とマルさん。

2つの意識が同じ身体を共有しているもんだから、これはこれで大変な事で。
結局、大泣きのマルさんに感応されて俺までも一緒に泣いちゃって
母さんと帰ってきた実由の二人になだめられることになったのは言うまでもない…。
451 :vqzqQCI0 2009/01/17(土) 01:09:19.33 ID:RFUPpyI0
          ◇

「それにしてもビックリしたよっ、帰ってきたらお姉ちゃん達があんなに泣いているんだもん」
夕食の肉ジャガを頬張りながら実由は呟く。

「えーと、…まぁ」
(エヘヘ…そんな訳ですww)
俺とマルさんの二人は恥ずかしそうにして夕食を食べる。
「まぁまぁ、いいじゃない〜、本当に二人とも仲が良いんだからね〜」
母さんは俺たちを微笑ましそうに見ている。
本来であれば俺(ミヒロ&マルさん)と母さんと実由で夕食を作る予定であったのだが、
なかなか泣き止まない俺達をなだめる為ずっと実由が付きっきりになり、
母さんが一人で夕食の準備をすることになってしまった。
…ゴメン、母さん。

「…でも、何だかいいよねっ♪ 前よりも二人の気持ちが繋がったというか、
ものすごく仲が良くなったというか、そんな感じがするのはあたしの気のせいかな?」

「…そう?」
(どうなのかしら…?)
本人たちは全く意識は無いのだが、言われてみると違うのかも知れない。
日を追う毎にシンクロが進んでいるのもあるけど、さっきの一件でお互いの壁がさらに一つ
取っ払う事が出来たのかな?
(…私は嬉しいよ…ミヒロちゃんと仲良くなっていくのは……)
―俺だって嬉しいよっ、今更言うまでも無いけどねっ。
(……)
452 :vqzqQCI0 2009/01/17(土) 01:10:22.03 ID:RFUPpyI0
「はいはい、ご馳走様☆」
「ふふっ、ホント仲が良い事は良いことよね〜。…それはそうと、
ミヒロちゃん〜わかってるわよね〜」
母さんの目がキラリと光る。
「わ、分かってますっ! "私"ですよねっ! ちゃんと言いますからっ!」
(ふふ…ミヒロちゃん、大変…ww)
もう、何と言いますか。脳内で自分の事を"俺"って言っているもんだから
心の中が読まれているおr、じゃなかった、私としてはナレーションしづらいの何の。
母さんの表情が笑っているのが…何だか恐いんですけど!

…でも、ナレーションの時位は勘弁して下さい。
一応はHKOKな話ですので。
…ホントだよ?

「仕方無いわね〜」

…え?

           ◇
453 :vqzqQCI0 2009/01/17(土) 01:12:16.51 ID:RFUPpyI0
…こうして夕食も終わり、片付けを終わらせると自分の部屋に戻る俺。

何だか非常にぐったりしてしまったせいかまだ寝る時間には程遠いがベッドに寝そべる。

「…ふぅ」
本日も色々有って思わず溜め息をつく。
(…ミヒロちゃん)
心配そうなマルさんの意識。

―マルさん、大丈夫だよ。そんな心配そうな気持ちにならないでよ。
(うん、…そうだね)
とは言えマルさんには俺の心に迷いがあるのはモロバレなんだろうな、と思う。

…俺にとっての"迷い"とはサトシに俺の事を打ち明ける事。
正直なところ決断がつかないし、そのきっかけをどうやって作るか見当もつかない。

でも母さんにも言われたようにここで決着をつけない事には
サトシも俺も苦しみ続けるのは言うまでも無い事である。
…俺はともかく、サトシが俺の事で悩み苦しむのは耐えられないよ。

とにかく、こうしていても事態が進展しないのは言うまでも無い事で、
何かいい方法は無いものか。

「ふぅ、それにしても何だか身体が重たいなぁ…、昨日の疲れが溜まっているのかな?」
昨日の今日でかなりの疲労だったのか、自分の手足が重く感じる。

(……)

…あらためて自分の体力が女の子になっているんだなぁ、と実感する俺。
あんまり無茶しちゃ駄目なんだな…。

…ぱたぱたぱた。
一階の方から人の動く物音がする。

「ミヒロちゃ〜ん、電話よ〜」

ぼんやりとしながら色々な考え事をしていると母さんがいきなり俺を呼ぶ。
454 :vqzqQCI0 2009/01/17(土) 01:13:18.72 ID:RFUPpyI0
「…電話?」
思わず呟く俺。
って、…誰? 電話って?

現状の俺(ミヒロ)に電話で心当たりのある相手。
実際のところ今の俺と関係のある人間って誰だろうか?

…母さんや実由、学校関係だと千絵先生?
色々考えてみるが他に思い当たる人物が居ないぞ。

母さんが普通に俺に繋ぐ相手だから特に問題は無いのだろう。
とりあえず呼ばれたので行ってみることにする。

ちなみに俺の携帯電話は一応持っている事は持っているのだが
ほとんど使っていない。…というか、"ヒロアキ"所有のものなので
ミヒロが持っているのはおかしいし、使うわけにもいくまい。
現状は母さんや実由との連絡用として持っているだけである。

「母さん、おr、じゃなかった、私に電話って誰?」
怪訝な表情を浮かべ尋ねる俺。
「うふふ〜、誰でしょうね〜?」
なんか嬉しそうな表情の母さん。…怪しいな。
「怪しくなんてないわよ〜、ホラ、受話器を取って〜」
「…大丈夫なんだろうね?」
「へいき、平気よ〜」
言われるままに受話器を取る俺。
「…もしもし?」
相手が誰だか分らないので恐る恐るなのは言うまでもありません。

『…あ、ミヒロちゃん?』
若い男性の声。

…というか聞き覚えがありますよ?
この相手って…

「サトシくん!?」

思わず声を上げる俺。
先ほど俺の家に来ていたサトシが何故、電話を? しかも俺宛てに?
455 :vqzqQCI0 2009/01/17(土) 01:24:26.80 ID:RFUPpyI0
今回はここまでです。
次回の投下はどうなりますか。
正直、リアルで忙しいので厳しいです…。
456 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/01/17(土) 11:28:26.87 ID:o3YkD5U0
GJ!
次回はついに打ち明ける話になりそうですね。
wktkしながら待ってます。
457 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/01/17(土) 18:06:12.53 ID:q6qGSMAO
乙です! 気長に待ってますよー!
458 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2009/02/01(日) 16:27:53.75 ID:32MaFHk0
とうとう2月になってしまった。
459 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/02/15(日) 13:30:36.51 ID:d7mNS3co
一月投稿無いとか終わったな
460 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/02/17(火) 11:00:56.45 ID:HokF2gDO
あ〜…女の子になりてぇ


自分で書いてやるっ!て意気込んだは良いものの…
シチュエーションやキャラは思い描けても、実際文章として書き起こすのって難しいね。
例えて言うならばハンバーガー好きだから作ってみようって言って、肉の味は大体分かるんだけど
レタスやバンズの味なんて思い出せない…まして隠し味やなんて尚更って言う話なんだろうか?
461 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/02/17(火) 12:01:04.16 ID:C/SoZBwo
2009年になったことだし1月に投下しようと思って書かないまま2月になりますたww

>>460
レタスやバンズは買ってきても良いじゃない。
ハンバーグが自家製ならきっとおいしいのができるよ。
462 :vqzqQCI0 2009/02/18(水) 03:17:24.95 ID:0XUEaXg0
どんだけ☆エモーション(その14)


翌日、俺は最寄の私鉄駅前の広場にて待ち合わせをしていた。

「…」
携帯電話で時間をチェックする。まだ午前9時30分。
一応約束の時間は10時なのだが昔からの習慣とは恐いもので待ち合わせ時間の30分前に
いつも俺は来るようにしている。

毎回思うのだが早く来すぎたかな?
…特に今回の場合だとまるで俺が今日のお出かけを待ちわびているようではないか。

「…」
…それにしても何だかなぁ。
駅前のお店のショーウィンドウに映る自分の姿を見ながら考えてしまう。

本日の俺の格好は実由の手によってしっかりおめかしされていて、
薄い黒地の半袖カーディガンに花柄の刺繍があしらわれているピンク色のミニドレス。
ちょっと大人っぽさを演出した感じで、初夏のこの季節に良く合っていると思う。
…しかし。
ミニドレスの丈は膝上20センチで気を抜くとパンツが見えてしまうんじゃないの?
ううっ…、実由の奴め。

お化粧も何気に施されていて、俺にしてみればえらく気合が入っているなぁ…と感じてしまうのだが
実由も母さんも「「この位、全然普通よ〜♪」」…だそうだ。
まぁ、自分で言うのも何だが…可愛いかな?
…いや、かなり可愛いぞ。

…それにしても何でこうなってしまったのだろうか。
463 :vqzqQCI0 2009/02/18(水) 03:20:03.48 ID:0XUEaXg0


『…いきなりゴメンね、電話してしまって』
受話器の向こうでサトシが申し訳無さそうに言う。
突然、俺への電話をしてきたサトシ。

「ううん、別に何とも無いよっ、…どうしたの急に?」
考えてみるとここのところ毎日のように俺とサトシは顔を合わせているのだが、
あらたまって電話を掛けてくるなんてどういう事なんだろうか?

『ええと、まぁ…その、何というか』
…? なんだか妙に落ち着かない、煮え切らない感じの口調のサトシ。
どうしたんだろ?
「…」
でも、サトシの次の言葉を待つ俺は不思議とドキドキしている。
(私までドキドキしてきた…)
『んー、言わないと駄目だよなぁ…、あの…ミヒロちゃんって、明日は予定とかある?』
「予定? …えっと、別に無いけど?」
『ミヒロちゃんさえ良ければ明日…俺と一緒に出かけないかな?』
受話器の向こう側から一呼吸置いた後、サトシは思い切って言った。

…え、これって。

(…デートのお誘いかな?)
デート? サトシが俺に?
「…一緒って、何処かに連れてってくれるの?」
思わず尋ねる俺。

『まあ、そうなんだけど…どうかな?』
サトシの誘いに俺は一瞬考える。
464 :vqzqQCI0 2009/02/18(水) 03:22:39.68 ID:0XUEaXg0


…うーむ。

サトシがどういうつもりで俺を誘っているのかはともかく、
これは俺の事をあいつに伝えるいい機会なのかな? と思う。

(…どうするの?)
いつもならば乗り気のマルさんも今回ばかりは俺の返答を待っている。
「…」
後ろを見ると母さんが俺の事を興味津々な表情で見ている。

…。

『…ミヒロちゃん、…駄目かな?』
何だか落胆したような感じのサトシの声。
俺が返答に迷っている事に戸惑っているのかな?

…ああ、もう。
そんな事でテンション下げんなよ、サトシめ。
あいつって、割と恋愛下手なのかも知れないな。
人の事は言えないけど。

思わず俺は受話器の向こうの相手に言う。

「…サトシ君、その…」
465 :vqzqQCI0 2009/02/18(水) 03:25:31.85 ID:0XUEaXg0
 ◇

「毎度の事ながらこういう時はあそこだな」
俺はそう言うと迷わず駅前のマックに向かう。

俺が待ち合わせに早く来すぎた時はいつもそこで時間をつぶす。
軽くホットコーヒーを一杯飲みつつ、待ち合わせの時間までのんびりとする。
いつしかそれが俺にとっては当たり前の待ち合わせの習慣だったりするのだ。

店に着き、カウンターに向かう俺。

「…あれ?」
「え? ミヒロちゃん?」
なんとそこには俺より先にレジ前で会計を済ませようとしているサトシの姿があった。

「サトシ君? どうしてココに?」
思わず尋ねる俺。まだ時間には早いだろ。

「ミヒロちゃんこそ、…早いね。待ち合わせの時間まで30分近くあるよ?」
驚きの表情を隠さずにサトシは俺に言う。

「…えーと、まぁ、早く来ちゃったんだよね」
順番が来たので俺はそそくさと注文をする。
既に会計を済ませたサトシは俺が終わるのを待って側に立っている。

そう。今日の待ち合わせはサトシからのお誘いによるお出かけ。
昨日、俺はサトシの申し出にOKしたのだ。

それぞれ会計を済ませた商品を手に俺達は窓際の席につく。

「お昼まで時間があるとは言え、随分買いこんでいるね」
ホットコーヒーだけの俺と違い、サトシはモーニングセット+ハンバーガーを手にしている。
「まぁ、食べ盛りなんで、この位が丁度いいかなって。」
「運動部だからよく食べるとは言え、朝食は当然摂っているんでしょ?
…食べすぎなんじゃない?」
モリモリとハンバーガーを頬張るサトシを目に少々呆れ顔の俺。
「そりゃ、勿論朝食は摂っているよ。でも身体が欲しがっているんだ、仕方無いよ」
サトシは照れ笑いを浮かべつつも手と口の動きは止まらない。
「育ち盛りだから? 」
「う〜ん、そうかもね。高校入ってから随分身長も伸びたし。」
サトシの言うとおり中学に比べ奴の背は伸びたのは目に見えて明らかだ。
俺も高校に入って身長は伸びたが、170そこそこの俺に比べサトシはそれ以上伸びている。
175以上はあるんじゃないの? …くそっ。
しかも女の子になってしまった俺は折角伸びた身長も今や160すらいかない位までに
背が縮んでしまっており、お陰で腹立たしい事に奴を見上げないとならないので
元男の俺にしてみれば結構屈辱的な状況である。
466 :vqzqQCI0 2009/02/18(水) 03:27:00.52 ID:0XUEaXg0
「ミヒロちゃんはホットコーヒーだけなんだね」
「うん、おr、じゃなかった、私はいつもコーヒーだよ。
最近すっかり苦い物が苦手になりつつあるんだけどね。」
「ふ〜ん、そうなんだ」
じっと、俺を見るサトシ。
会話しつつも食べるペースが落ちる事が無い。

「ところで今日は何処に連れてってくれるのかな?」
俺もそんなサトシの姿を見ながら尋ねる。
「うん、ミヒロちゃんってこの町に来てまだ間も無いと思ってさ、
この町の遊べる所とか便利な場所とかを紹介できたらなって考えてるんだ。」
「…この町の案内って事?」
「そうだね、簡単に言ってしまうとそうなるかな」
「…そうかぁ、この町の案内ねぇ」
俺は生まれてからずっとこの町に住んでいるので別に案内されても分からないところは
無いのだが、一応ミヒロはこの町に来たばっかりという設定になっているので
サトシはミヒロの為に気を遣ってお誘いしてくれたようです。
…でも今更この町を紹介されてもねぇ。別に目新しいものが有るわけで無いしなぁ…。
「…ミヒロちゃん?」
「あ、ううん、ありがとう。サトシ君も忙しいのにゴメンね、私の為に
時間を作ってくれて。サッカー部は大丈夫なの?」
俺の反応があまり良くなかったのを気にしてか、ちょっと不安げな表情のサトシに
気付いた俺はとりあえず嬉しそうな素振りを見せる。
「うん、とりあえず大丈夫かな、試合は近いんだけどね」
「そうなの? ホントにゴメンね。でも嬉しいよ」
「…良かった。それじゃ、行こうか?」
俺の笑顔を見てホッとした表情を浮べるサトシ。
「うん」
サトシの様子を見て俺もホッとする。

かくして俺はサトシの案内によって見慣れたこの町を見て回る事になった。
467 :vqzqQCI0 2009/02/18(水) 03:28:48.37 ID:0XUEaXg0
「まずは駅前のショッピングセンター巡りからスタートかな?」
サトシはそう言うと商店街に向かって歩き出す。
「賑やかな所だね、この辺りは」
ありきたりな事を言いながら俺はサトシの横についていく。
「この辺がこの街では一番賑やかなところなんだ。
うちの高校の連中も放課後この辺りでブラブラしてたりするんだよね」
「へーっ、そうなんだ、でも楽しそうだよね?」
「俺はこのあたりの大きなスポーツショップでサッカー用品をチェックするのが
自分の習慣みたいな感じになっているんだ」
「へえ、さすがサッカー部員だね、私はどちらかと言えばパソコンのソフトかな?」
「パソコン?」
「興味が移ってしまったんだよね、以前は別なジャンルだったんだけど。」
「ふーん」
俺とサトシは学校の話題や最近の自分の状況について取り留めの無い会話を
続けつつ、街の中を歩いていく。

正直なところ、サトシの案内で街の中を歩いていても特に目新しい発見も無く
相変らずの俺の良く知っているいつもの街の風景ではあった。
しかしサトシと二人でおしゃべりをしながら街の中を歩いていると
俺は以前良くサトシとつるんで出掛けていた頃の事を思い出す。

こうして振り返って見ると俺がサトシと何処かに出掛けるのなんて何時以来なんだろう?
俺はぼんやりと考えてみる。

小中学、高校の夏休みや冬休みのまとまった休みの時に
サトシとよく街へ繰り出したり海や山へ遊びに行っていたよな。
特に目的はなかったけど何だか冒険しているみたいで俺はwktkしたもんだ。
ホント、あの頃は楽しかったよな。

今回は久々にサトシと一緒の外出。別に感慨も何も無いけどさすがに
昨夜は期待で気持ちが高まったせいかなかなか寝付けなかったよ。

しかし今日は一応は案内とは言うけど単に街へ遊びに出ているもんだよね? これって。
こういった状況は男同士で行くよりカップルで出かけるときっと楽しいのかな?
考えてみると異性との付き合いがほとんど無い俺にとっては
妙に憧れるのは言うまでも無い話です。
468 :vqzqQCI0 2009/02/18(水) 03:31:11.48 ID:0XUEaXg0
ん? …男同士? いや、待て。

今の俺はヒロアキじゃなくてミヒロ。中身はともかく一応は女の子である。
これってひょっとして、…デート?

でも、相手がサトシだし俺にはそんなつもりは…無い、はず?

「…?」

…でもでもっ? このドキドキとする感覚や甘酸っぱいような気持ちは
俺が男だった時にサトシに対して感じ得なかった感覚だ。
どうしてこんなにwktkするんだろう?

「どうしたの、ミヒロちゃん? 目を白黒させて?」
そんな俺の様子に気が付いたサトシは俺を見ている。
「う、ううん、何でも無いよ? ちょっと考え事をしていただけ」
「ふーん、じゃ、次はあそこに行ってみようか?」
サトシはそんな俺の状況など気がつかず嬉しそうに俺の前を歩いている。
考えてみるとあいつが異性の相手と二人っきりで出かけるなんて初めてなんじゃないの?
一応今の俺はミヒロという女の子。中身はともかく、傍から見ればデートだよな、この状況は。
何だか今日のサトシはいつもと違って舞い上がっているような気がするのは俺の気のせい?
まあ、…分かんないけどね。

「…でね、ここは本以外にもCDが充実しているんだ」
「へーっ、便利だね、このお店」
サトシの案内はどんどん白熱を帯びてきた。
俺にとって既に知っている場所ではあるがサトシが一生懸命に説明するもんだから
それが妙に面白くて俺はさっきから笑いが抑えられない。
そんな俺のニヤニヤした表情をサトシは俺が喜んでいるように見えるようで
その説明にどんどん力が入ってきている。

「さて、お腹も空いたし何処かでご飯でも食べようか」
昼過ぎまで歩き回った俺達はファミレスに入って昼食をとることにした。
469 :vqzqQCI0 2009/02/18(水) 03:32:54.04 ID:0XUEaXg0
「う〜ん…」
午前中はずっと歩き回っていたせいかすっかり疲れてしまった俺。
具合は悪くないんだけど身体が妙に重く感じる。
「どうしたの? ミヒロちゃん?」
サトシがそんな俺の様子を見て尋ねてくる。
「あ、ううん、何でもないよ、ちょっと疲れたかなって」
何事も無いように振舞う俺。
「え? 歩きすぎちゃった? …もう少し休みながらでも良かったね、ゴメン」
「え、いや、そんな大層なものじゃなくて…お腹が空いちゃったかな、って」
「あはは、そうなんだ。注文はしてるからもう少しの辛抱だよ」
「言っておくけど私はサトシ君ほど食いしん坊じゃ無いからね」
「やだなぁ、成長期だと言ってくれよ」
「また、それ?」
気兼ねの無い会話が続く。
以前の俺(ヒロアキ)ではないので多少気を遣って会話をしなければ
ならない部分も確かにあるのだが、それでもサトシと一緒にいると楽しい。
こんな時間がずっと続けばいいのになぁ、と俺は思う。
そんなやりとりをしていると注文した料理が運ばれてきた。

「街の中を歩いてみて、どうだった?」
注文した料理を食べつつサトシは俺に聞く。
「うん、割と充実しているよね。これなら大きな街に出なくても
買い物については問題ないかもね」
実際のところ勝手知ったる街なので感想も何も無いのだが
とりあえずは無難な返事をする俺。
「良かった、気に入ってくれて。ミヒロちゃんを誘った甲斐があったよ。」
そう言うとサトシは残りの料理に手をつける。
「それにしても、どうして今回私なんかを誘ってくれたの?
サトシ君って忙しいのにわざわざ街案内までしてくれるなんてさ。
サトシ君位の人なら私よりも同じ学校の可愛い女の子を誘えばいいのに」
コーヒーを口にしつつ上目遣いでサトシをちらりと見る。
「え? えーと…そう、ミヒロちゃん、君の方こそにこっちに来て色々と
忙しかったんじゃ無いかなって。だから、街案内も兼ねてミヒロちゃんの
気分転換になればと思って誘ったんだよね。」
ちょっと焦った様子のサトシ。若干、顔が赤くなっているけど?
470 :vqzqQCI0 2009/02/18(水) 03:35:26.25 ID:0XUEaXg0
…こっちに来てかぁ。
そう言えば俺は最近この家に来たという設定になっているんだっけ。

「確かにそうかも。私、最近遊びに行く事なんて全然無かったなぁ…」
思わず実感を込めて話す俺。
最近どころかネットで一日中PCの前にへばり付いていた俺にとっては
ミヒロがどうのこうのという問題どころの話ではないのですが。

「そうなんだ。じゃあやっぱり誘って良かったよ」
「え? どうして?」
サトシのホッとした様子が気になる俺。
「実は俺、女の子を誘ったの初めてなんだよね。正直、すごく緊張したよ。
でもミヒロちゃんが俺の案内を喜んでくれたみたいだし、何だか安心したって言うかさ。」
しみじみと実感を込めて話すサトシ。
「そ、そうなんだ? でもそんなに緊張するほどのもんじゃないでしょ?
相手は私なんだし」
「…ミヒロちゃんだからこそ、俺は緊張したんだよ」
「え?」
俺の問いかけに対し真顔で答えるサトシに戸惑う俺。
「他の女の子、とりわけ同じ学校の女の子達にはあまり関心を引く相手が
俺には居なかったんだ、…これまでは。」
「…」
「だけどミヒロちゃんに初めて会って、まだ日は浅いんだけど何だか惹かれるものを
感じるんだ」
「そ、それって…」
(……)
サトシの話に何故かものすごくドキドキしてくる俺。
マルさんの気持ちが俺に流れ込んでいるせいかどうかは分からないけど、
この甘酸っぱいクラクラする感覚は何なんだろう?
それにしても、いきなりサトシは何を言い出しているのだろうか?
「で、でも何で私なの? サトシ君みたいに女の子に人気があるような人が?
もう少し色々考えてみたの? 落ち着いてさ、冷静に考えてみようよ?」
この場はなんとか収拾をつけようとするが自分でもわけの分からない会話をする俺。
「理由なんか俺にも分からないよ。でも会って色々話したりして気がついたんだ、
…俺はミヒロちゃんがいいって。」
俺とは対照的に冷静に言うサトシ。
「……」
顔がどんどん赤くなっていく俺。頭の中が真っ白になるとはこの事かな?
「ご、ごめんね、ちょっと、トイレ…」
思わずトイレに駆け込む俺。慌てていたせいか荷物は座席に残したままにして向かう。
471 :vqzqQCI0 2009/02/18(水) 03:37:55.83 ID:0XUEaXg0

「あ〜、もう何を言うんだよ…サトシの奴」
ファミレスの女子トイレの手洗い場の前で俺は思わず呟く。
鏡の中に映る俺の顔はすっかり赤くなっている。くそっ、何赤くなってるんだよ。

少しでも心を落ち着かせようという気持ちの表れか、蛇口の流水の中に両手を入れる。
流水が冷たくなってくるにしたがって俺の気持ちも冷静になってくる。

ありゃ、本気だな。
サトシは俺を、ミヒロを好きになってしまっている。

…俺の正体はヒロアキなのに?

でもサトシは俺の事をミヒロという一人の"女の子"として初めて会ったあの日から
俺の事を見ている。
サトシは俺(ミヒロ)をヒロアキとは思わずに普通の女の子として
楽しく案内に興じているのかと思うと騙している気がして
申し訳のない気持ちになってしまう。

一応俺は(もちろん今後も)女の子だけれども、ヒロアキなんだ。
中途半端な女なんだ。出来ればサトシのようないい奴にはホントに可愛い女の子と
付き合った方が良いに決まっている。
俺なんかに興味を持たれてもお互いにいい事なんか無い。

…これはハッキリいってまずいな。
まさかサトシが俺に対してそんな感情を持つなんて全くの想定外だった。
先程まで顔を赤らめていた俺だったが事態の深刻さに顔が青ざめていく。

「…」
俺が自分の事を初めからヒロアキである事を話してさえいればこんな事にはならなかった。
…これは俺のせいだ。俺がハッキリ言わないからこんな事になってしまったんだ。
このままだとサトシを裏切るだけで無く、騙すことにもなってしまう。
それこそ終わりだ。

…どうすればいい?

俺は考える。しかし答えはただ一つ。
考えてみれば今日はその為にサトシの誘いに乗ったわけだし。
ここで呑気に顔を赤らめたり、胸をときめかせている場合じゃない。

「…よし」
俺は気持ちを入れ替えるとサトシの居る席に戻った。
472 :vqzqQCI0 2009/02/18(水) 03:42:06.25 ID:0XUEaXg0
「ごめんね、お待たせしちゃったね」

俺が戻るとサトシはぼんやりと食後のコーヒーを飲んでいた。
「…いや、別にいいよ」
サトシはさっきのやり取りが何事も無かったかのように普通に振舞っている。
…ん? でも、普通過ぎかな?

「あ、ミヒロちゃん、バッグ置きっぱなしだったから俺が預かっていたよ」
サトシはそういうと白い皮製の手提げバッグを俺に差し出す。
「あれ? 私、席に置いたままだったんだ。ありがとう、サトシ君」
俺は笑顔でそれを受け取る。
「うん、別にいいよ。…そうだ、バッグの中に携帯電話が入っているのかな?
何か呼び出し音みたいな音がしていたけど」
「え? そうなの? 誰だろう? 私、一応携帯は持っているんだよね」
俺はサトシからバッグを受け取ると席に座る。
「ふ〜ん、そうなんだ」
サトシはそう言うと残りのコーヒーを口にする。

「さて、そろそろ出ようか。まだ案内したいところもあるし」
サトシはそう言うとすっと立ち上がる。
「うん?そうだね」
俺もそれにつられて席を立つ。

ファミレスを出た後も俺とサトシは街の中を歩く。
「…」
「…」
しかし午前中のような和気あいあいとした雰囲気は無くなってしまっていた。

たぶん、その原因は俺。
自分の事をサトシに話さなければならないという俺の心の焦りで
サトシの案内に気持ちが乗らなくなってしまったから。

いつ、どのタイミングで自分の事をサトシに話すか。
サトシの案内が進んで行く中でこの思いがどんどん重く膨らんでいって、
自分でも気がつかないくらい俺の表情が憂鬱に、そして暗くなっていく。
「…?」
更には俺の身体の感覚も重く苦しい気がする。気持ちが重いと身体も重くなるのかな?
自分の脚が重く感じて一歩一歩が非常にしんどく感じる。
473 :vqzqQCI0 2009/02/18(水) 03:43:41.60 ID:0XUEaXg0
「…」
サトシはサトシで午前中とは様子が一変していた。
最初は嬉々として俺を案内していたサトシ。しかし俺の変化に気付いたのか
どうかは分からないが、ファミレスを出てからのサトシの表情は曇っていた。

「…ミヒロちゃん、ちょっと街から外れてしまうんだけどいいかな?」

真剣な表情で俺に尋ねてくるサトシ。
「え? 別にいいけど?」
俺はサトシの様子に戸惑う。
「…そう、それじゃ行くよ」
サトシはそう言うと俺の方を見ずに足取りを進める。

「…何処に行くの?」
サトシの足取りが俺とサトシの家の方向に向かっているのに気がついた俺は
思わず尋ねる。…ひょっとして帰るとか?

「うん、ちょっと…ね。」
サトシはそう答えたきり何も言わない。
「…」
俺はサトシの俺に対する変化が気になりつつも、それ以上聞かずに後をついて行く。

サトシの足取りは街から外れ、何故か街の中を流れる川沿いの草地にたどり着いた。

「ここは…川沿いの原っぱだよね?」
俺は案内された場所を見渡しつつ呟く。
「…うん、何処にでもある原っぱだよ」

…でも、この場所は。
俺は堤防を降りて草地の真ん中まで歩いていく。
サトシも俺の後に続く。
474 :vqzqQCI0 2009/02/18(水) 03:45:13.80 ID:0XUEaXg0
「ここは…」
この場所は俺がまだ小学生の頃、サッカーの練習によく使っていた。

サトシと初めて出会ったのもこの場所だった。
そう言えば初対面で俺とサトシはいきなりガチのサッカー勝負をしたんだっけ。
…あの時のサッカー勝負。

「…勝ったのは誰だったかなぁ」
ぼんやりしていたせいか俺は不用意にも呟く。…サトシがすぐ側にいるにもかかわらず。

「…ヒロアキが勝ったよ」
サトシがポツリと一言。
そうか、あの時は俺が勝ったんだ…って、ええっ?

「ヒロアキって、一体どうしちゃったの? サトシ君?」
サトシの一言に狼狽する俺。
「うん? 別に独り言だよ? ミヒロちゃん」
サトシは何事も無いかのように振舞う。

…だけど、何か様子が変だ。
考えてみるとファミレスから出てからサトシの様子に変化があったような気がする。
俺に対して何か余所余所しさがあるような気がするんですけど。

「…サトシ君? どうしちゃったの?」
「…ミヒロちゃん、ちょっと待ってね。 気になる事があってさ、
どうしても確認したいことがあるんだよね。」
サトシ俺の問いかけには答えず、おもむろに携帯電話を取り出すと
電話をかけようとする。
475 :vqzqQCI0 2009/02/18(水) 03:46:52.32 ID:0XUEaXg0
ん? 急にどうしたんだろ、サトシの奴?
俺との会話を止めて電話なんかかけちゃって。

〜♪ 〜〜♪

ん?

〜〜♪

あれ?

俺の携帯電話から着信音が。
誰だろ?
「…あれ?」
しかもこの着信メロディーって…

俺は何も考えず自分の携帯をバッグから取り出す。
それは俺がヒロアキの頃から使っている機種。
サトシが見ているにも関わらず俺は無警戒にもそれを取り出した。

「…」

「…え」

「どうして君がそのケータイを持っているんだい?」

「…サ、サトシくん…?」

気がつくとサトシは携帯を持っている方の俺の手を掴んでいた。

「たとえ、同じ機種を持っていたとしてもその着信メロディーは俺とヒロアキの間だけでしか
登録していない音楽なんだけど。」

「…そ、それは」
俺は自分の携帯電話の液晶画面に目を通す。
電話の相手は…サトシ。

「!?」

そう、サトシは俺の携帯に電話をかけたのだ。
…それにしても何故? どうしてこのタイミングで?
思わず動きが止まる俺。
476 :vqzqQCI0 2009/02/18(水) 03:48:32.21 ID:0XUEaXg0
「…」
何だろうか、自分自身の心臓の音がもの凄い勢いでドキドキしていて苦しいくらいだ。
俺は恐る恐るサトシの顔を見る。

「…どういう事か俺に話してもらえるかな? ミヒロちゃん?」
俺は思わず硬直する。
今までに無い位無表情のサトシ。怒っている? いや、良く分からない。
しかしこんな冷たい表情、俺は見た事が無い。

どうしよう。

どうしたらいい?

俺の頭の中で良く分からない思いがぐるぐる駆け巡る。
確かに俺は今日、サトシに俺の正体を告げようと考えていたし、そのタイミングを
ファミレスから出てずっとうかがっていた。だけど、こんな展開になるなんて
正直想像もつかなかった。

…思考が上手くまとまらないし、答えが出ない。

やだ、どうしよう。

どうにもならない。

答えが出せない。

「…」
サトシは相変らず俺を冷たい視線で見続けている。

怒っている? 今まで俺がミヒロと偽ってサトシを欺いてきたことを?

今まで隠し事無く親友としてやってきたのに何の相談も報告も無く
急に居ない振りをしてきた俺の事を?

急に頭の中が真っ白になる俺。
477 :vqzqQCI0 2009/02/18(水) 03:52:24.60 ID:0XUEaXg0
「こ、これは…その」
サトシの追求にうろたえる俺。

「その…何?」
相変らず表情を変えないサトシ。

色々思いつく限りの理由を考えるが混乱しているせいもあり
何も思いつかない。

「…」

「…」

「…」

沈黙が続く。非常に長い時間が流れているように感じる、いや止まっているように
感じるのかな?

その間、俺はもはやサトシには誤魔化しがきかない状況であることに気付いていた。
…だからといって今の状況をすんなりと言えるほど俺は冷静では無かった。

「…」

俺の頭の中は混乱の極致にあった。

…そして。

訳の分からなくなった俺がとる行動はただひとつ。

「ご、ごめん! なんと言うか、その…、ごめんねっ!!!」

ダダダッ!!!!

凄い勢いで走り出す俺。いわば敵前逃亡だった。
478 :vqzqQCI0 2009/02/18(水) 03:53:50.00 ID:0XUEaXg0
「!! えっ! ミ、ミヒロちゃん!? ちょっと!!」
サトシは俺のいきなりの行動に戸惑っているようだ。
慌てているサトシの声が後ろから聞こえる。呼び止めようとするがそんなの構っちゃいらんない。
捕まったら即、死(?)である。

「ミヒロちゃん!! 待って!」
サトシの必死な声が聞こえる。どうやら奴は俺を追いかけてきているようだ。
後ろを気にする余裕は無い。いくら俺の逃げ足が天才的とは言えども男の時とは違う。
それにサトシの脚はサッカー部でも1、2を争うくらいの俊足だ。
まともにやって敵うとは思えない。

…そんな訳で滅茶苦茶に走った。サトシに追いつかれない様に。
何時の間にか俺の履いていた赤く可愛らしいデザインのミュールは何処かに
いってしまったようで、俺は裸足で走っていた。

実由が俺に似合うといって無理やり着せられているピンク色のミニドレスは丈が短いので
これだけ激しく走っていると多分パンツ丸見えなんだろうな〜と思うが
もはやそんな事気にしちゃいらんない。とにかく走って逃げ切るんだ。

「…」
「ミヒロちゃん!」
これだけ必死に走っているにも関わらずサトシが俺に着実に近づきつつあるのを、
サトシが俺に確実に追いついてしまうのを感ぜられずにはいられなかった。

「う〜、くっそ〜」
俺は思わず唸る。
正直なところ俺の身体は俺の思い通りに動いてくれないんだ。
昨日くらいからずっと身体が重くって、…不思議なんだよ。

俺が男だったらサトシなんかに追いつかれることなんて無いのに!
色々な思いが俺の中で交差する。

(…ミヒロちゃん)
何故かこの場面でマルさんの声が。
479 :vqzqQCI0 2009/02/18(水) 03:55:57.64 ID:0XUEaXg0
どうしたんだよ、マルさん?
今日は全然意識が流れて来なかったからどうしたのかと思ったよ。
…などと言っている余裕は今の俺には無いんですけど。

(ミヒロちゃん、こんな時にゴメンね。
…なるべく"出ない"方がいいかな、って思ってたから…)
「…何を言っているのか分かんないよっ」
苦しそうに声を出す俺。

(あまり"私"が出過ぎるとミヒロちゃんに影響が出過ぎちゃうから…)
…?
さっきからマルさんの言っている事が分からない。

(こんな時にゴメンね、でも"時機"が近づきつつある今しか
ミヒロちゃんに…話せないから)
マルさんの話は続く。
(もう実感していると思うけど、ミヒロちゃんの身体が自分の思うように
動かなくなっていないかな…?)
…確かにそうだけど、それって疲労のせいじゃないの?
(ううん、これは私の影響がいよいよミヒロちゃんの身体に起きている
兆候なの…)
マルさんの影響? 何それ?
確かにマルさんと融合した事により俺の身体は女の子になっちゃったけど。

(以前、私はミヒロちゃんに自分の事を異世界を渡り歩く思念体だと言ったけど…実は違うの。)

…違う? どういう事?

必死に走りながらも意識はいつの間にかマルさんとの会話に集中している俺。
俺は川原を抜け、いつの間にか市街地まで出ていた。

(…私の正体は生命体に寄生する思念体。…そして最終的にはその個体を意識もろとも乗っ取るの)
480 :vqzqQCI0 2009/02/18(水) 03:58:06.21 ID:0XUEaXg0






俺の思考はフリーズしていた。

マルさんは今、何を言ったんだろう? 全然理解できない。



…でも。

言われてみるとマルさんが俺の身体を乗っ取る事について否めない部分を感じる。

(あの日、あの時、私は公園で寝そべっているヒロアキ君を見かけた。
これまで私はあなたに会うまで色々な生命体との融合、そして乗っ取りを試みていた。
…でも"相性"というものがあって私はことごとく失敗に終わっていた。
…このままでは"自分の身体"を見つける前に私自身が消滅してしまう。
だから迷わずにあなたに寄生した。あなたという"身体"を手に入れるために。
これは私にとっては最後のチャンスだったの。)



(…幸運にも、ヒロアキ君との融合は成功した。そして、ヒロアキ君は女の子になった。
実はヒロアキ君が女の身体になったのは私があなたの身体を完全に乗っ取った後に
私が人間の女の子として生きる為に変化したもの。…そう、全ては私の為だけの変化だったの。)

…俺と君との衝突も、融合しないと二人とも生命を失うとか、という話は…。

(勿論、…嘘。 私はあなたを欺いてきた。…でも、それももう終わり。
私とあなたのシンクロが進めば進む程、あなたの身体は自分の思うように
動かなくなっていき、最後はあなたの意識ごと私の身体になる)
481 :vqzqQCI0 2009/02/18(水) 03:59:45.13 ID:0XUEaXg0






…そんな。

…そんな馬鹿な。

俺は呆然とする。
これまでのマルさんの話は全て嘘だった?

…信じられない。マルさんが俺を騙していたというのか?
全ては俺の身体を奪い取る為に?

(……)

マルさんからの反応は無い。
…ホントに俺を騙していたのか?

…マルさんは。

…ホントに?
482 :vqzqQCI0 2009/02/18(水) 04:01:07.08 ID:0XUEaXg0
「危ないっ! ミヒロちゃんっ!!」
呆然としている俺に向けられる叫び声。

「…サトシ?」
俺はその声でハッと我に返る。

サトシから逃げている途中だった俺。

無我夢中でいつの間にか車道に出ていた俺。

…そして。

俺の目の前には走行中のトラックが。







キキーッ!!

激しいブレーキ音。





そして。












トラックに跳ね飛ばされる俺が居た。
483 :vqzqQCI0 2009/02/18(水) 04:05:41.09 ID:0XUEaXg0
間が開きすぎましたorz

しばらく開いていた割にはスレが伸びてないのが過疎というか。
一応次回でラストです。よろしくです。

484 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/02/18(水) 05:29:29.90 ID:MNXtEQDO
乙です!

急な展開に土器が胸々ですぜ

485 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/02/18(水) 23:00:48.13 ID:AgSb2Jso
乙〜
486 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/02/20(金) 18:20:11.36 ID:2TFbSQAO
GJ!!
487 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/02/21(土) 14:00:13.73 ID:AO/cJ1E0
GJ!
急展開にwktkしまくりです。
続きをお待ちしてます!
488 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/03/01(日) 21:44:51.12 ID:rkxk0SMo
幼女「あれ? なんで俺の体が幼女になってるんだ?」
http://takeshima.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1235891484/

ひょんなことから幼女と入れ替わった?話やってるぜ
489 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/03/02(月) 00:26:56.75 ID:vY0HM4Io
>>488
これはいいこと聞いた
490 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/03/15(日) 21:23:28.98 ID:KnmGfAAO
過疎過ぎる。
491 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/03/15(日) 21:29:45.80 ID:7sBbXSAo
だな
492 :vqzqQCI02009/03/26(木) 15:15:47.86 ID:ldFBRS60
    どんだけ☆エモーション(その15、最終話)




暗い世界。



俺は目を開け、そして辺りを見回す。
周りには何も無い。ただ真っ暗なだけ。

…なんでここに居るんだろ?

俺は記憶を辿って思い起こす。

…ん?

…そうだ、そう言えば俺はサトシと出かけていて
サトシが俺の正体に気付いたんだ。

そして逃げている途中で俺はトラックに跳ねられて…。

…。

う〜ん、俺、死んじゃったのかな?

思わず立ち上がって自分の身体を見回して見る。

…とりあえずは何ともないよね。どこも痛くないし、服も破れている様子も無い。
事故にあったのがまるで夢のように感じる。



…グスッ

…ん?

グスッ、グスッ…。

…何?

暗くて気が付かなかったが人の気配を感じる。

…誰だろ?
俺は気配の方に向かって歩き出す。

そう言えば俺の身体はサトシから逃げている時と違ってすっかり
身体の自由が利く状態に戻っている。
夢の中を歩いているようでちょっとふわふわした感覚があるものの意外に快適だ。
493 :vqzqQCI02009/03/26(木) 15:17:01.06 ID:ldFBRS60
…グスッ



グスッ、グス…

…泣いている?

その気配に近づく程にすすり泣くような音が聴こえる。
とりあえず歩みを進めると、俺は目の前の存在に気付く。

「…誰?」
俺は一人の少女の姿を確認するとそう呟いた。

「…ぐすっ」
その場に座り込んでいる少女は相変わらず泣いたままであったが
俺に気付くと顔をあげる。

「…」
俺は少女をじっと見る。

少女は俺と同じ年くらいに見える。
俺より長い髪をして、透き通った白い肌。
白のワンピースを着ていてこの暗い場所で白さが際立っているように感じる。
目鼻立ちがくっきりとしていてどこかのお嬢様ふうのこの少女、
正直なところ可愛い。…俺も可愛いけどねっ、って張り合ってどうする?
少女は泣いていたせいか目元が赤くなっているがそれも妙に艶かしく感じる。

…でも、この子は。
494 :vqzqQCI02009/03/26(木) 15:18:46.61 ID:ldFBRS60

初対面のはずなのに俺はその少女の名前を呼ぶ。
「…マルさん」

「…ミヒロちゃん」
少女は俺の姿を見てさらに涙をポロポロと零しはじめた。
俺は少女、マルさんの横に座る。なんとなく距離を置いてしまうのは今の俺の
複雑な心境からである。

「何で泣いているの?」
俺はそう言うとちらりとマルさんを一瞥する。
「まさかこんな事になるなんて思わなかったから…。私のせいで…ごめんなさい」
マルさんはそう呟くと両手で溢れ出る涙を何度もぬぐう。

「え…? 何で謝るの? だって、マルさんは俺の身体を乗っ取るつもりだったんでしょ?
今更トラックに跳ねられたって気にしないけど? 俺は」
俺はついついキツイ口調で彼女に返す。

正直なところ、マルさんのせいで俺は女の子になってしまったわけだし、
更には彼女に身体を乗っ取られてしまうというのだ。
騙された事も相まって俺のマルさんに対する態度が厳しくなってしまうのは
仕方の無いところである。

「…うっ、私が悪いのは分かっているんだけど…、グスッ、そんな風に言われちゃうと
…グスッ、グスッ、…ふぇえええ〜んっ!!」
俺の言葉に思いっきりショックを受けたマルさんは泣き出してしまった。
「う〜ん、泣かれても困るよ…、俺だって困っているんだからさ」
俺は俺でマルさんの状況に困惑してしまう。

マルさんを慰めようにも今回の元凶は彼女自身であるわけだし。
むしろ俺の方が慰められるべきじゃないの?
…などと考えてしまって、素直に彼女に接してあげられない自分がいる。
俺はどうする事もせずにじっと彼女の様子を眺め続けていた。
495 :vqzqQCI02009/03/26(木) 15:20:36.68 ID:ldFBRS60
「うぇ〜〜〜ん、え〜〜〜ん」
マルさんは相変わらず泣き続けていて、哀しい気持ちが俺に伝わってくる。





「…なんでそんなに泣くのさ? …俺だって」
彼女の哀しい雰囲気が俺の心に入り込んできたせいか、俺の気持ちも
どんどん悲しくなってくる。

「…」
俺は恨めしそうにマルさんを見る。
彼女はその整った綺麗な表情を崩し、涙をポロポロと流しながら声を上げて
哀しげに泣いている。

俺はマルさんの姿を初めて見るが、たぶん普段の彼女は俺のイメージ通りの
ほんわかとした明るい感じの少女に違いないと思う。しかし今のマルさんには
そんな雰囲気を微塵も感じさせないほど悲しげな姿に見える。

…。

彼女の泣く、その理由は何なんだろうか。
…俺の身体が手に入らなかったから? それとも…何?
俺には彼女の気持ちなんか分からない。分かりたくもない。
だって、これだけの事を俺にしたんだ、俺がどんだけ傷ついたか分かっているの?
マルさんが本当の事を告げた時の俺のショックを理解しているの?

…分かるわけないよね。俺だって分からないから、君の事。
だって結局は俺とマルさんは他人同士だもん。

…でも不思議。どうして今の俺とマルさんはお互い一方通行のすれ違いなんだろう?
あれだけ気持ちをシンクロさせて通じ合っていたはずなのに。
お互いの事あれだけ分かっていたはずなのに。
496 :vqzqQCI02009/03/26(木) 15:21:57.31 ID:ldFBRS60
…。

「ううっ、ぐす…ぐすっ」
相変わらず泣き続けるマルさん。
「…」
何でそんなに哀しそうに泣くんだよ? 悪いのはマルさんでしょ?

…俺の方がずっと可哀想なんだよ? 俺の方がずっと報われないんだよ?

…何で?

何で俺がこの状況でマルさんを可哀想に思ったり、同情を禁じえなかったりするんだよ?
…訳分かんないよっ。何なの? この俺の感情は?

俺の中でマルさんに対する様々な想いがぐるぐると駆け巡る。
その想いが膨らんで行くに従って、俺の表情も変化していく。

「…泣いたって駄目なんだからっ、俺だってマルさんに裏切られて…
どれだけ、辛かったか。……分かるの? …ぐすっ」
俺はマルさんに自分の想いを突きつけるように話かけるが、彼女の悲しそうな
姿を見ていたら俺まで感化されて涙が溢れてきてしまった。

「…ぐすっ、…ミヒロちゃん?」
マルさんは俺の様子の変化に反応する。
「マルさんは酷いよっ、…自分だけ泣いちゃってさ、グスッ、…行き場の無い
俺の…気持ちはどうなるのさ? …うぅっ、グスッ」
一度気持ちが揺らぎ出すとどうにも止まらないもので俺の感情は哀しさで
溢れ出してしまった。
497 :vqzqQCI02009/03/26(木) 15:25:14.52 ID:ldFBRS60

「…ぐすっ、ミヒロちゃん…泣かないで、…私のせいで…辛い想いをさせてしまって
…ごめんなさい」
マルさんは俺の側に寄って何度も謝る。
「…そうだよっ! マルさんのせいだよっ!! 何で俺がこんな嫌な思いをしなければ
ならないんだよっ!うっ、ううっ…ぐすっ」
俺はもう悲しくって、腹立たしくって我慢できずマルさんに抱きついて泣いてしまう。

「やだっ、…やだよ、ミヒロちゃん、泣いちゃ嫌だよぉ…」
マルさんも泣き出す。
「…俺だって好きで泣いているんじゃないよっ!
どうして俺との関係を壊すような事をしたのさっ!! 有り得ないよっ!!
俺はマルさんの事、…信じてたのにっ、ぐすっ」
鬱積した思いを感情のまま話すものだから、俺は気持ちの抑制が利かない状態になっていた。

「…ぐす、ぐすっ」
マルさんは泣きながら黙って俺の言葉に耳を傾けている。

そんな彼女の様子をよそに俺の喋りはますますヒートアップしてくる。
「…俺の事、好きだの言っといてさ、…あの言葉は何だったの? 嘘だったの?
俺を騙して…苦しめて、…楽しかったの? …それとも気持ち良かったの?」

…。

…。

「……仕方無いじゃない」
一瞬の沈黙の後、ポツリとマルさんが一言。

「…え?」

「…私だって、望んでこんな事をしたかったわけじゃないよっ…!」
「ま、マルさん…?」
「…確かに責められるべきは私だよ。一方的だって言われても弁解の余地は無いよ。
…でも。…でも、ミヒロちゃんだって…私の気持ちを分かってないじゃない?
どうして私がこんな事をしなくちゃならないかって。…こんな人を騙してまでも、
理不尽な事を望まなくてもしなくちゃならないかって…!」

「…え、え…と」
予想もしなかったマルさんの言葉に俺は戸惑う。
…ひょっとして、逆切れですか?
498 :vqzqQCI02009/03/26(木) 15:26:46.74 ID:ldFBRS60
マルさんは俺の顔をじっと見つめる。
その顔は涙を零しつつもさっきとは変わって強い表情になっている。
俺は俺でその様子に少々たじろぐ。マルさんの迫力(それほどでは無いにしても)に
押されているような感じ。

「…私だって、"生きたかった"の。 人に寄生して、乗っ取るのが私という"種"の本能だもの。
乗っ取られる方にして見れば理不尽極まりないかも知れない…。でも、私にしたって、
こういう事をしなければ生きていけない、…理不尽さを持っている」
「…」
「…乗っ取る側と、乗っ取られる側。
それぞれの思いは相容れないし、それぞれが一方的だと思う。
…ミヒロちゃんは私に自分の気持ちなんて分からないよねって聞いてきたけど、
ミヒロちゃんだって私の気持ち、分かってくれないよね?」

「…マルさんの気持ち?」
「…今更、信じてくれないかも知れないけど私はミヒロちゃんの事、…大好き。
…初めは生きる為に寄生した対象だった。だけど短い間ではあったけれども一緒に生活してきて
お互いの気持ちを通わせ仲良くなっていくうちに…ミヒロちゃんが私にとって大事な存在に
なってきたの……嘘じゃ、無いんだから…」
マルさんの表情がどんどん暗くなっていく。声も小さくなっていく。

「…マルさん…」
俺は俺で、どんどん胸が苦しくなっていく。

今の彼女の話は嘘で、また俺は騙されるのかなと考えてみるが、
…何だろう? この動悸は。…このどうしょうもなく切ない気持ちは。
これ以上、マルさんの話を聞くことが辛くなっている。

ひょっとしたら俺には分かっていたのかも知れない。…彼女の苦しみが。
シンクロしている時にも心の何処かで気付いていたのかも。

…だからかな? こんなもに俺の心が苦しくなっているのは。

"生きる"為とはいえ自分の好きな相手を乗っ取らなければならない。
自分の本能とそれに抗う気持ち。色んな葛藤の真っ只中にある彼女の苦悩。

だけど誰もそんなマルさんの事を理解する者は無く、
悩んだ結果に勇気を絞って本当の事を伝えた相手には散々な事を言われ、傷ついて。
499 :vqzqQCI02009/03/26(木) 15:30:44.81 ID:ldFBRS60
「…そうか」
俺は思わず呟く。

…そうなんだ。マルさんだって、この不条理な世界の被害者なんだ。
彼女だって好き好んでこんな生き方をしたかったわけじゃ無い。

普通に人間として生まれて、俺やサトシ、母さんや実由達と仲良く生活したかったに
違いない。

「…嘘じゃ無いんだから…ぐすっ…」
マルさんは何度も小さな声で繰り返し呟く。

「…う」
俺はズキッと自分の心が痛むのを感じた。

…きっとこれは彼女に対する罪悪感だ。

俺は初め、俺の身体を乗っ取ろうとするマルさんの身勝手さを責めた。
だけど今、俺はマルさんを理解せずに辛く当った自分自身を責める。

彼女は確かに俺を陥れようとした。
そして彼女自身は今、俺に対する罪悪感に苛まれている。
俺に色々言われる以前にマルさんは彼女なりに苦しんでいたんだ。

「…そうだよな」
改めて納得したように呟く俺。

マルさんの気持ちはシンクロしていた経緯から俺は実のところ気付いていたと思う。
だけどこれまで積み重なったショックの方が大きくて頭が回らなかった、
…いや、気付かないようにしていたんだ。
結果、マルさんが重荷を一人で抱え込んでしまった。
ひょっとすると彼女の重荷を分かち合って軽くしてあげられたかもしれない。
だけど俺はマルさんの苦しみを和らげるどころか余計に大きくしてしまったのだ。

…。

…俺はどうすればいい?

今の俺が彼女に出来る事って何? そう考えると勝手に身体が動いた。
500 :vqzqQCI02009/03/26(木) 15:32:30.73 ID:ldFBRS60
「…マルさん」
俺は彼女の身体を優しく抱きしめる。
「…ミヒロ…ちゃん?」
いきなりの俺の行動に戸惑うマルさん。
「正直、俺はマルさんにどうすればいいのか分かんないけど…、
でも俺はマルさんの泣く姿は見たくない。…やっぱり俺は何だかんだ言っても
マルさんの事キライになれないんだよね」

「え…」
目を見開いて俺の事を見るマルさん。彼女の大きな瞳がさらに大きくなる。

「俺も辛かったけど…マルさんも辛かったんだよね? マルさんの気持ち、
…分かってあげられなくてゴメン」
「そんな、ミヒロちゃん!? 悪いのは私なんだから謝らないで!
…私だって分かってあげられなかったのに、ミヒロちゃんの気持ちを…」
済まなそうに俺が頭を下げたのを見て慌てて止めさせようとするマルさん。

「…もう一度、やり直せるかな? 俺とマルさん。今度はお互い隠し事無しでさ。
色々有ったけど…大丈夫、もっとお互いにいい関係になれると思うんだ」
ちょっと視線をそらしつつ話す俺。柄にも無い事を話したせいか何となく照れくさい。

「ミヒロちゃ…」
マルさんの瞳が涙で溢れる。
「…ああ、もう、マルさんは。泣かないでよ。マルさんは明るく笑った方が可愛いんだから」
俺は何処からとも無く取り出した花柄のハンカチで彼女の涙を優しく拭う。
マルさんは頬をほんのりと赤らめながら微笑む。
「…うん、そうだね、うん、…ありがとう、ミヒロちゃんww」

俺とマルさんはお互いにあらためて顔を見合わせ、そしてお互いに笑いあった。
501 :vqzqQCI02009/03/26(木) 15:34:17.81 ID:ldFBRS60
             ◇

「それにしても此処って何だろう」

ひとしきりお互いに話したい事を話した後、現在の状況を確認する俺。

「ここはミヒロちゃんと私の二人だけの深層世界。外界から切り離された
肉体の存在しない精神だけの世界」
マルさんは自分の膝枕に俺を寝かせたままの状態で俺の髪を撫でながら話す。
何でこんな体勢になっているかは不明だが、何となくマルさんと話している内に
こんな状況になっていたりする。
「肉体が無い…? でも、マルさんの身体の感触はあるよ? こんなふうに」
俺はそう言うとマルさんの手を握る。
彼女の柔らかくて暖かい手の感触が気持ち良い。

「それはミヒロちゃんがこれまでの経験として得た感触という記憶のお陰で
意識的に感じているだけだよ。私だってミヒロちゃんを通じて体験した感触の記憶で
こうしてミヒロちゃんの髪の感触を得る事が出来るんだもん」

「うん? そうなの? 何となく分かるような分からないような…。
とりあえずは此処は現実の世界で無い事は確かだってことだ」
俺はマルさんの手に続き、彼女の別のプニプニする部分を触りながら周りの様子を
眺める。
「やん、ミヒロちゃん? どさくさに紛れて何処触っているのww
とにかく此処はいつまでも居ても決して良いところじゃ無いって事は確かだよ」
マルさんは顔を赤らめて俺の手を握る。
「ふ〜ん、それじゃ、早いところ元の世界に戻らないとならないのか。
でもな〜どうやって戻りゃいいの? 第一、戻っても俺の身体はトラックに
跳ねられてどんな事になっているのやら…」
俺はちょっと困惑の表情を見せる。

俺の記憶が確かならば真正面から衝突したはずだから、かなり酷い事になって
いるのではないだろうか?
たとえ意識が戻っても身体が無ければ全く意味が無い話だ。
502 :vqzqQCI02009/03/26(木) 15:36:30.80 ID:ldFBRS60
「ふふっww それは大丈夫よ、ミヒロちゃん。私には"力"があるって言ったでしょ?
跳ねられる瞬間、私はミヒロちゃんの身体をガードしたの。だから身体は無傷よ」
にっこりと微笑むマルさん。
「…そうなの? すごいな、マルさんは」
「ふふっww そんなに感心されると照れちゃう」
俺の感心した様子に照れくさそうに顔を赤くするマルさん。

「それじゃ、戻る方法を考えることだけが当面の課題だって事だ。
さて、どうするかな…」
「あ、それも大丈夫。私の"力"でミヒロちゃんは戻れるからww」
マルさんはそういうと自信有りげに胸を張って見せる。
「え? そうなの? 何だ、それじゃ全然困ることなんか無いじゃないか」
俺は彼女のプニプニする部分を触りながら言う。
「きゃっ、もう、ミヒロちゃん、触り過ぎだよ?」
「あ、ゴメン、ついつい。だって俺より大きいんだもん。それ」
「あのね…ミヒロちゃん」
ちょっと困ったような笑顔を浮かべるマルさん。



「それじゃ…戻るだけなんだよね」

一連のやり取りが終わり、一息ついた俺はあらためて呟く。
「ん? どうしたの、ミヒロちゃん?」
俺の一瞬の暗い表情に首を傾げるマルさん。
「戻るのはいいんだけど…ちょっと、ね?」

戻ると分かった瞬間、俺の脳裏にサトシの顔が浮かぶ。

俺はまだ奴との話が完結してなかった事を思い出す。
確かにサトシは俺の正体に気付いたのかも知れない。
…だけど気付いた後、俺とサトシの関係はどうなるんだろう?

考えてみれば俺だってマルさんと同様、サトシを欺いてきた。
俺とマルさんは気持ちをシンクロしていたからこそお互いに分かりあうことが出来た。

だけど、俺とサトシは分かり合えるのだろうか?
…いや、それ以前に俺は勇気を持ってサトシの前で真実を話せるのだろうか?
503 :vqzqQCI02009/03/26(木) 15:37:58.61 ID:ldFBRS60
「ミヒロちゃんww」
マルさんは背後から俺のプニプニする部分を触ってくる。
「きゃ!?」
驚く俺。
「お返しww 『きゃ』なんて、すっかり女の子だよねww」
「ちょっとぉ? マルさん?」
俺の反応に嬉しそうなマルさんと恥ずかしそうに顔を赤くする俺。
「大丈夫だよww サトシ君は分かってくれるよ? 晴子さんもそう言っているし。
それはミヒロちゃんの方が良く分かっているでしょ?」
「…まあ、ね」
「私、ミヒロちゃんはきっと上手く行くと信じている。…ミヒロちゃんの願いは私の願い。
私はサトシ君とミヒロちゃんが昔の様に仲良くやっていける事を願っているよww」
「…うん、そうだね、俺の心配なんて多分杞憂に終わると思う。…ありがとう、マルさん」
俺は改めて笑顔でマルさんにお礼を言う。
「どういたしましてww …さあ、戻ろ」
マルさんは俺に笑いかける。
504 :vqzqQCI02009/03/26(木) 15:40:19.25 ID:ldFBRS60
                ◇
   
「さぁ、ミヒロちゃん、立ってくれる?」
マルさんは立ち上がると俺にも立つように促す。

「えーと、これでいい? …で、次はどうするの?」
俺は言われるままに立ち上がるとマルさんの次の指示を待つ。
「…別にミヒロちゃんは特別する事は無いの。じっと、目を閉じてさえ居てくれれば。」
「ふうん? そう、分かった」
俺は目を閉じる。
当然の事だが俺の視界は何も見えなくなる。

「変に緊張しなくていいからねww リラックスしてくれればいいの」
マルさんの声だけが俺の耳に届くのみである。

「…」
俺は何も言わずじっとしている。
これで目を開いた時には俺は現実世界に戻っているのかな?
ふと俺は考えてみる。



…あれ?

俺は何か重要な事を忘れているような…。

「…さあ、行くよ、…ミヒロちゃん」
マルさんの声が聞こえる。

…何だろう? マルさんの声が何だか寂しげな感じがする。

…。

…そう言えば、そもそもマルさんは俺の身体を乗っ取る予定だったはずだ。
その話はどうなったんだろう? 俺はマルさんから聞いていない。

「あの…、マルさん…」
俺は恐る恐るマルさんに聞こうとする、その時。

「…さよなら、ミヒロちゃん、…いえ、ヒロアキ君…」
悲しげなマルさんの声。
505 :vqzqQCI02009/03/26(木) 15:42:07.82 ID:ldFBRS60
…え?

俺は思わず目を開ける。目の前にはマルさん。
マルさんの周りは相変わらず暗い。しかし、俺の身体は不思議な光に包まれていた。
何だか分からないけど暖かい光。安心できる心地良い光。

「さよなら…って、マルさん?」
俺はマルさんの言葉が気になってマルさんに問いかける。
「…」
マルさんは俺をじっと見つめている。
…涙を流しながら。

「ど、どういう事だよ? 何で俺だけが光に包まれているの?
そ、それに…さよならって…」

「…最後の最後までゴメンね。今の私は"力"の使いすぎで存在が消えかかっているの。
だけどミヒロちゃんだけはちゃんと元の世界に戻してあげるからね。
…私の残された力を使えば確実だから、安心してねww」
涙を零しつつもマルさんは笑顔を浮かべようとする。
「ちょ、ちょっと、待ってよ! マルさんは生きる為に俺に寄生したんだろ?
ようやくここまで、あと一歩のところまで来たんだろ? それなのに、何で…」

そうだ。ここまでマルさんは目的を持って俺のところまできたんだ。
それなのに今更なんで俺だけを助けようとするんだ? 意味が分かんないよ。

「…どの道、ミヒロちゃんの身体は一人の意識しか入れる容量は無いのよ。
それ以上だといずれは身体が崩壊するわ。"共存"は有り得ないのよ。」
マルさんは堪えるように俯くと淡々と語る。
「だからって、何で…」
納得できない俺はマルさんに食い下がろうとするが、光に包まれている俺は
何故か身動きが取れない。
「…私という"種"の中では、きっと私って落ちこぼれなのかな?
これまで私が宿主を得られなくって失敗したのは他の仲間と比べて
たぶん何かが足りないのかも知れないねww
…だけど、私は自分の生き方に後悔はしてないよ?
ヒロアキ君と出会ってからの私は短いながらも毎日が楽しくて充実していたと思うの。
だからかな? 私は今、こんなにも嬉しい気持ちで一杯なんだもんww」
506 :vqzqQCI02009/03/26(木) 15:43:39.95 ID:ldFBRS60
「マルさん…?」
彼女の言っている事が分からず首を傾げる俺。
「…やっぱり身体は本来の持ち主が持つべきだよねww 晴子さんや、実由ちゃん、サトシ君が
心配しちゃうといけないからねww」
すっと涙を拭うとマルさんはいつも通りの明るい声で微笑む。
「俺は、俺は嫌だよっ! どうしてだよ? もう一度やり直そうと言っただろ?
もっとお互いの事を知り合っていい関係になろうって言っただろ? 何でだよ!?」
マルさんの言っている事が次第に分かってきた俺は顔色を変えるとマルさんに声を張り上げる。

「…こんなに非道い事をした私の事をそこまで想ってくれて、ありがとう。
"マル"って名前を私に与えてくれて、…ありがとう。…ミヒロちゃん、いえ、ヒロアキ君に
会えて良かったww …私、ホントに幸せww」
マルさんはニッコリ笑う。
「やだやだやだよっ!! マルさん! 嫌だよ!! 居なくなっちゃ嫌だよっ!!
…こんなに、こんなにマルさんの事、好きなのに…!!」
俺は必死になりながら叫ぶ。どうしょうもなく涙がポロポロと零れる。

「…ありがとう、私もミヒロちゃんの事…好きっww」
最後にとびっきりの笑顔を俺に見せる彼女。
「マルさんっ! 駄目だよっ!」
必死に声をかける俺。 …そして。
「…さよなら、ミヒロちゃん」

「マルさーーーーーーーーんっ!!!!」

彼女に最後の言葉に思わず叫んだと同時に俺の身体がさらに強い光に包まれる。
そして身体が浮かんだかと思うと一気に上昇する感覚に襲われる。

「…う、…うっ」
思わず声が出る俺。
凄い勢いで俺の身体は上昇している。

目の前は光の束に包まれてもはやそれ以外は何も見えない。

「…」
そして、どこまで昇っていくのか分からない内に俺は意識を失っていった。
507 :vqzqQCI02009/03/26(木) 15:44:57.30 ID:ldFBRS60

                 ◇





「ミヒロちゃん!!」





「お姉ちゃんっ!!」



…。

…ん?

「…あれ…?、ここは…」

気が付くと俺はベッドに寝ていた。
…病院のベッド。多分、搬送先の病院かな。

「…ん、眩しっ、…ライト?」

部屋の上に取り付けられた幾つもの電灯が眩しい。
治療室か何かかな? ここは?
辺りには色々な機械が置いてある。

…多分、意識不明だった俺はここで色々診て貰っていたに違いない。

「やったーっ!! 気が付いたよっ!! お姉ちゃん!!」
「ミヒロちゃん! 良かったわ〜!!」
「うぷっ? な、何!?」
俺が目が覚めると同時に実由と母さんに抱きつかれる。
二人とも涙を浮かべながら嬉しそうにしている。

…ん。

…ああ、そうか。
俺はあの時、トラックに跳ねられて病院に運ばれたんだっけ。

…心配かけちゃったな。二人には。
508 :vqzqQCI02009/03/26(木) 15:48:16.17 ID:ldFBRS60
「お母様方、困ります! まだ安静なんですよ、ミヒロさんは!」
看護婦さんが母さんと実由を窘める。
「えへへっ☆ ゴメンなさい、ついつい嬉しくって♪」
「そうよね〜仕方ないのよねぇ〜」
二人は注意されたにも関わらず全然嬉しそうである。

「ミヒロさん、身体の状態はどうですか?
外傷は全然無いですし、一応、レントゲンで確認できる部分は診てみました。
とりあえずは打撲等の内出血も無いようですが…」
看護婦さんは俺に色々と質問と確認作業を滞りなく行っていく。

「…え〜と、不思議と身体は絶好調だと思います。
むしろ寝不足だったので良く寝れたかな…って」
俺は身体を起こすと頭を掻きながら身体の節々を動かしてみる。

意識がハッキリしたところで気が付いたが、
知らない間に俺は白い浴衣のような服を着せられていた。
何かスースーするな、と思ったら下着も何も着けてないようで何とも心もとない。
でも相変わらず俺の身体は女の子のままである事はすぐ認識できた。
まぁ、身体が無事で有る事に関しては喜ばしい事なんだけどね。

「そうですか…。まぁ、何事も無いのが一番ですけどね。とりあえず今日は
この後もう一度検査をしてもらった後、安静にしてもらって一晩泊まってもらいます。
問題ないようでしたらすぐ退院できると思いますけどね。」
看護婦さんの報告を受けてやって来たお医者さんが俺の様子を見ながらそう言うと
治療室を後にする。

そしてそのまま俺達は入院病棟の一室に移動させられた。

「それじゃ、私達は一旦家に帰るからね〜、大人しくしているのよ〜」
母さんと実由は病室に荷物を運ぶと俺を残して部屋を出る。

「ふう、やれやれ…」
俺は母さん達が持ってきたパジャマをバッグから引っ張り出すとそれに着替える。
一応お出かけ用なので意外にまともなピンク色のスタンダードなタイプのパジャマだ。
家の中ならともかく、一応外出先だもんな。人の目も気になるから
変にコスプレっぽいデザインのパジャマで無いのはありがたい。
下着も白のショーツとブラジャーだし、母さんもそれなりに考えているようだな。
母さんが気を遣ってくれたのかどうか分からないけどここの部屋は個室だし、
大人しく寝るにはなかなかいい環境だ。
509 :vqzqQCI02009/03/26(木) 15:50:11.57 ID:ldFBRS60

コンコン。

―ん?

コンコン。

―え?
俺の部屋のドアをノックする音。
母さんや実由は出かけているからあの二人では無いはず。

…誰だろ?

「…サトシだけど、入っていいかな?」

―え? サトシ!?
思わず慌てる俺。顔を会わせるのに躊躇われる一番の人物。

…。

…でも、このまま黙っているわけにもいかないよね。
俺にはやらなければならない事がある訳だし。

「…どうぞ」
俺はドアの向こうの相手に返事をする。
少々声が小さいのは心にまだ若干の迷いがあるせいか。

「うん、…開けるよ」
…ガチャ。部屋のドアが開く。

俺はベッドに寝た状態でサトシの姿を見る。
サトシは俺と外出した時と同じ格好でお見舞い用に花を用意していた。

「起きてたんだ? 返事が無いから寝ているものと思ってたよ」
サトシはちょっと笑みを浮かべると花瓶に持参した花を入れる。

「…」
俺は何も言わずサトシの様子をじっと眺めていた。

花を花瓶に入れるサトシ。

俺はその様子をじっと見つめていた。
ここまで来て誤魔化す心算は俺には毛頭無いが何を話すべきか考えあぐねる。
510 :vqzqQCI02009/03/26(木) 15:53:53.62 ID:ldFBRS60

どうやって話そうか、話すきっかけはどうしよう、とか
俺は色々考え過ぎて話しかける事すら思いつかないので
さっきからずっと黙り込んでいる。

「さて…」
サトシは俺のベッドの横に病室に備え付けの丸椅子を横付けすると
そこに座り込む。

「…」
俺はそれをじっと見つめる。

「お医者さんから身体は大丈夫って聞いたけど本当に平気なのかい?」
サトシはそう言うと俺の身体のあちこちを眺める。
思いのほかサトシは俺に普通に話しかけてきた。
口調はこれまでと同様、ミヒロに対するやんわりとした感じだ。

「…うん、まぁ、何となく…ね」
俺はかすれ気味の声で小さく話す。
「…そう、良かった」
ホッとした様子のサトシ。

「…」
俺はまた黙り込んでしまう。
言わなければならない事が有るにも関わらず。何してんだろう、俺。

「…ゴメン」
サトシは急に頭を下げて謝りだす。
「え?」
サトシの態度に戸惑う俺。
「俺のせいで事故を起こしてしまったよね、…だからゴメン。」
サトシは済まなそうに俺に謝る。
「な、何で謝るんだよ? サトシが悪いわけじゃないのに!
俺がハッキリさせなかったからこんな事になったんだ、自業自得だよ、
だから謝らなくていいんだ!」
頭を下げているサトシの頭を起こそうとベッドから身を起こす俺。

「…だからだよ」
「え?」
「俺がお前の事に早く気付いていればこんな事にならなかった。
…お前がどれだけ苦しんでいたのかを理解していれば
ここまでお前を追い詰める事なんて無かったんだ。…だからゴメン、ヒロアキ」
サトシは自分の両手をベッドの上に乗せ、深々と頭を下げた。
511 :vqzqQCI02009/03/26(木) 15:55:57.32 ID:ldFBRS60
「サトシ…!」
俺はサトシの言葉に絶句する。

このミヒロの姿であるにも関わらず、俺の本当の名前を呼んでくれたサトシ。
それは俺にとっては驚きであり、戸惑いであり、何よりも…嬉しさであった。

…何だろう? この感覚は?
懐かしい…いや、失われたものが戻ってきた、…いやそれだけじゃない。
理解されるとは思われなかった、理解してくれるとは考えてなかった。
…そんな期待なんかしてなかったのに。
全ては俺が本当の事を話していれば済んだだけなのに。
ここまで俺の事を考えていてくれるなんて。

俺の中でこれまで抑えてきた"想い"が勢いを増して溢れてくる。
目の前がどんどんぼやけてくる。

「…ぐすっ」

「…」

「…ぐすっ、ぐすっ」
「…ん?」
サトシは俺の様子の変化に下げていた顔をそっと上げる。

「…ヒロアキ?」
俺の様子を見て驚いた表情をするサトシ。
「ぐすっ、ぐすっ」
「泣いて…いるのか?」
512 :vqzqQCI02009/03/26(木) 15:57:57.28 ID:ldFBRS60
「ぐすっ…、うん…」
俺は流れる涙を拭う事もせずじっとサトシを見つめる。
「どこか痛いのか? それとも俺、変な事言っちゃった?」
泣いている俺の様子を見て妙にあたふたするサトシ。
「ううん、…サトシは全然悪くないよ…、むしろ…」
「むしろ?」
「ぐすっ…俺の方こそ、ゴメン…、あれだけ俺の事を心配してくれていたのに、
本当の事を伝えられなくて…」
「それは仕方無いだろ? もしも俺がヒロアキの立場で急に自分の姿が変わったら
どうしたらいいか俺だって分かんないよ」
涙を流す俺にハンカチを手渡しつつ、サトシは優しげに話す。
「…ううん、それだけじゃ無いよ、俺は…ミヒロになってお前と会ってからずっと
お前の事をを欺いてきて…、お前の気持ちを台無しにして…しまった。
謝ってどうにかなるわけじゃ無いけど…ホントにゴメン、ゴメン…サトシ、うっ…ううっ」
俺は零れる涙をどうすることも出来ずにひたすらサトシに謝る。
最後の方になってくると話す事も出来ずに嗚咽ばかりになってしまう。

「…いいんだよ、俺はそんな事気にしないから。
…俺がミヒロちゃんに惹かれたのはきっとミヒロちゃんがヒロアキだったからだと思うんだ。
だからそれは俺にとっては…きっと成るべくして成った気持ち。…だから別にいいんだ。
こう言うとまるで俺がヒロアキの事を変な風に想っているように聞こえちゃうけど…ハハ」
最後の方の言葉で若干苦笑しつつも話すサトシの言葉は俺の心に優しく響く。

「…だけど、だけどっ!」
思わず声を出す俺。
「…だけどそれだと俺の気持ちが治まらないんだよっ!
…だってこれだけの事を俺はサトシにしたんだよ?
お前は俺をもっと責めていいのに…、もっと罵倒してもいいはずなのに…
…なんでそこまでお前は俺に優しくしてくれるんだよ?」
掴みかからんという位の勢いでサトシに詰め寄る俺。
「もういいんだよ、ヒロアキ。…もう、いいんだ。
とにかく…どんな姿になってもお前はお前だろ? 俺はヒロアキが無事であればそれで充分だよ」
サトシは俺の頭を撫でる。それは俺をなだめようとする感じもあった。
513 :vqzqQCI02009/03/26(木) 16:00:25.69 ID:ldFBRS60
しかし俺は泣き続けた。
これまでの事をサトシに話してこれなかった自分自身の不甲斐無さもあったが、
俺の無く理由のほとんどはサトシがあまりにも俺に優しくて…
その嬉しさのあまり感激していた部分が大きかった。
「おい…泣くのを止めてくれよ…俺はどうしたらいいのか」
困った表情で俺に話しかけるサトシ。

「…じゃあ」
俺はそう言うとサトシに抱きついた。

「え? ええっ!? ヒロアキ?」
俺のいきなりの行動に焦りまくるサトシ。

「…ゴメン…ゴメンね、でもこうしていれば、…きっと気持ちが落ち着くから…」
サトシの胸元に顔を押し付けたまま呟く。
俺はそれ以上の言葉を話す事は出来なかった。

…後はもう泣く事しか出来なかったから。

「…」
サトシは何も言わず俺の身体をそっと抱きしめると
俺の気持ちが落ち着くまでずっとそのままで居てくれた。

サトシは俺を受け止めてくれた。こんな俺を。
そう思うと次第に俺の気持ちは落ち着いてくる。

「…」
俺はサトシの胸の中で思う。

…結局、俺は自分からサトシに言えなかった。

だけど結果的にはサトシは俺の事を理解してくれた。
サトシから話を振ってきてくれたお陰で何とか出来たって感じ。

でも…とにかく良かった。
過程はどうあれ、俺の望む形の結末を迎える事が出来たのだから。
514 :vqzqQCI02009/03/26(木) 16:02:13.99 ID:ldFBRS60


…だけど。

「マルさん…」
俺は一人の少女の姿を思い浮かべる。

―マルさん、俺はサトシと元の関係に戻る事が出来たよ。
俺は心の中でマルさんに話しかける。

だけど、サトシとの関係回復を俺と同じ位に望んでいてくれた彼女はもう
俺の中には居ない。

ホントは二人で喜び合いたかった。
また二人で色々おしゃべりしたりしたかった。
マルさんと楽しく毎日を過ごしたかった。

…でもそれはもう叶わない事。

「…」
彼女の事を想い、俺はさらに涙を流した。
515 :vqzqQCI02009/03/26(木) 16:03:59.24 ID:ldFBRS60
                ◇

「お待たせ、サトシ」

「…遅いよ、今日が最初の登校日なのに…って、…へえ」

俺が玄関から外に出るなり何かぼやいていたサトシであったが
ちょっと戸惑った表情をして俺を見る。

「ん? どうしたの? 何か変?」
サトシの様子を見て俺は自分の姿を再確認する。

今の俺の格好は母さんのお下がりのセーラー服では無く
学校指定のブレザー服。

千絵先生のお陰で学校の制服は登校日までに間に合ったので
早速着たのだけど…変なのかな?

それとも実由が俺のスカートの丈をまた短くしたのがいけなかった?
とりあえず膝上15センチ位だから問題は無いレベルだと思うんだけど。

「…いや、その…似合っている、か、可愛いな…って」
サトシは顔を赤くして呟く。照れのせいか俺から目をちょっとそらしつつ。

「え、そ、そう? …あ、ありがと」
俺はサトシの言葉に顔が熱くなっていくのを感じる。
たぶん今の俺の顔は真っ赤になっているんだろうなと思いつつ。
でもサトシに「可愛い」って言われてすっごく嬉しく思うのは何だろ?
胸がドキドキしてくるのを感じる。

「さ、さぁ行くか。初登校日に遅刻なんて有り得ないだろ」
「うん」
サトシの言葉に頷くと俺はサトシの後について歩く。

そう、今日から俺は転入生のミヒロとして
これまでヒロアキとして通っていた高校に通うのだ。

俺がまだヒロアキだった頃と同じところを通って学校に向かう。
それまでは当たり前で別に何とも思わなかった風景が新鮮に感じる。
516 :vqzqQCI02009/03/26(木) 16:05:13.18 ID:ldFBRS60
すっかり晴れ渡った青い空。
青々と茂る草木の香りが爽やかだ。

もうそろそろ衣替えの季節。新品のブレザーともしばしのお別れかな。
暖かい初夏の雰囲気がちょっと緊張気味の俺の心を浮き上がらせる。

「…うん」
何となく頷く俺。

ここまでの状況になるのに色々あったけど、…もう大丈夫。
自分の為というのもあるけど、俺の事を考えてくれたサトシの為にも、…そして。

「よーし、頑張るぞっ!」
俺は思わず声を張り上げると横に居るサトシの手を掴む。
「え? どうしたの? 急に?」
俺のいきなりの行動に戸惑うサトシ。
「頑張るぞって、言ったの! 行くよ、サトシ!!」

俺…、いや私はサトシの手を引くとそのまま学校に向かって走っていく。

「ちょっと、ミヒロちゃん! 早い早いって!」
「ホラ、早く走らないと遅刻しちゃうよ!」
顔を赤くしながら慌て気味のサトシに向かって私はニッコリと微笑む。


ミヒロとしての新しい私の生活が今、始まろうとしている。






     どんだけ☆エモーション 完
517 :vqzqQCI02009/03/26(木) 16:16:12.54 ID:ldFBRS60
そんな訳で終了です。遅くなりましてすいませんでした。

最初の投下から良くもまぁ、ここまで最後まで続いたものだと思いますが
これも投下の度に皆様からのコメがあっての事だと思います。
ホントにありがとうございます。

この話の続きの構想もあるにはあるのですが
それはまた別の機会があればという事で。




518 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/03/26(木) 16:26:40.19 ID:pLhfJwAO
>>517
乙です〜
最後どうなるかと思ってたら…良かったです

続きwktkして待ってます
519 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/03/26(木) 16:58:04.56 ID:VxHZAkAO
激しくGJ!
後、長い間乙です!!俺も続編あるなら期待してますぜ!
520 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/03/26(木) 16:58:11.95 ID:b.v3T/Y0
521 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/03/26(木) 21:24:12.71 ID:1CGmlico
>>517
乙〜ついに終わっちゃったかー。

まだ続いてる話って他にあるのかな?
522 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2009/03/27(金) 02:01:12.46 ID:0efxOTU0
GJ!
とうとう終わってしまったか…。少し寂しいな。
だが、番外編(?)に期待しよう!待ってるぜ。
523 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/03/27(金) 07:24:13.43 ID:YZ1QD6wo
ものすごく乙
予想外のエンドだった
524 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/04/05(日) 18:36:14.49 ID:GR5pKEAO
投下する人がいなくなったら廃れそうな悪寒。
525 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/04/05(日) 19:53:10.75 ID:6nWjYDwo
もう十分廃れてるだろ
みんな他のTSスレとか見てるだろうしな
526 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/04/05(日) 20:48:55.63 ID:GpNL/lYo
それでも集まるおまいらに萌えた
527 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/04/14(火) 09:32:06.49 ID:saVvcw.0
>>525
>>他のTSスレとか
見落としがあるかもしれんので教えて
528 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/04/26(日) 22:32:14.90 ID:VfaM/IAO
他のTSスレといってもこのスレよりフリーダムに投下できる設定のスレは無いと思うが。すっかり過疎ってしまっているのが残念な気がするので再び盛り上って欲しいぜ。
529 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/04/27(月) 07:02:49.25 ID:O1RO8OUo
>>528
なんか投下しようか?
不定期になると思うが
530 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/04/27(月) 20:03:27.38 ID:XF6K3VU0
>>529
wktk
531 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/04/28(火) 06:30:03.86 ID:jozSTwgo
>>530
おk
大体考えたら書き始める
きっと下手だがそこは勘弁
532 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/04/29(水) 22:01:15.86 ID:ZRNXwsAO
全然OK。
というか、投下おながいしまつ。(・ω・)
533 : ◆VaiOM4oLyA2009/05/01(金) 06:30:36.64 ID:AF8WD56o
投下します、一応酉つけとく
534 : ◆VaiOM4oLyA2009/05/01(金) 06:32:20.32 ID:AF8WD56o
――ある日の朝


ジリリリリリ「うるせぇんだよ!11!」バキッ ジリ・・リ・・

男「あ、やっちまった」

男「・・・ん?」

・・・自分の声が高くなっている?

男「昨日叫びすぎて声がおかしくなったかな」

体が重い。ダルい。倦怠感がある。

男「・・・風邪引いたかな」

今日は学校休むか。
535 : ◆VaiOM4oLyA2009/05/01(金) 06:34:05.70 ID:AF8WD56o
男「おはよう」

父「ぶはぁっ」
兄「ぶはぁっ」
妹「・・・痴女」ボソッ

母「・・・どちら様ですか?」

男「・・・は?」

母「ですから、どちら様ですか?と、聞いているんですが」

男「な、何言ってんだよ。男だよ。忘れたのか?」

母「冗談はやめてください。息子の名前を騙っているんでしょう?」

男「え?ちょ、え?」

母「この上着でも羽織って、早く出て行ってください」サッ

 上着? 昨日は確かに、上を着ないで寝たが。
 自分の身体を確認してみると、少し大きめの、胸が、出て、い、る・・?

男(どういうことだ!?これじゃあ、まるで・・・)
536 : ◆VaiOM4oLyA2009/05/01(金) 06:34:56.89 ID:AF8WD56o
母「早く出て行ってくださいと言っているでしょう」キラリ

男(包丁?やばい!)
 「待て!だから男だって言ってんだろ!」

母「冗談もほどほどにしてくれないと困るんですよね」スウッ・・

男(包丁突きつけてくんなよ!)
 「いっ、いま証明するから待ってくれ!」

男(なにか、何かないか?・・・そうだ、昨日の晩飯!これなら!)
 「昨日の晩御飯はスーパーで安売りしてたコロッケとご飯だった!」

母「・・・他には?」

男「山盛りサラダ(ドレッシングなし)!」

母「・・・本当に男なんですか?」

男「そうだっての!」

母「・・・そのように仮定するとして話を聞きましょう。
  あとそこの二人」

兄&父「はいぃ?!」

母「その顔と鼻血を止めなさい」

兄&父「スイマセン!」
537 : ◆VaiOM4oLyA2009/05/01(金) 06:35:51.86 ID:AF8WD56o
母「それで、朝起きたら女になっていたと。」

男「・・・はい。」

母「なにか他には?」

男「・・・ありません。」

母「今後の対策だけど。・・・兄!」

兄「はい!」

母「見つかった?」

兄「いくつかあった。遺伝子の変異とか、憑依とか。
  現実的とは思えないけど。」

母「そう。じゃあ男が女になった原因は、定かではないってことね。
  なにか手がかりが見つかればいいんだけど」

男「これからどうすればいいんだ?」

母「着替えとか、生理用品を一応買っておきなさい。
  化粧とかしたいなら買いにいく?」

男「化粧はいらねぇな。」

母「ん。妹が帰ってきたら買い物につき合ってもらうといいわ。
  私は学校に連絡しておくから。」

男「そうか。」

母「そうかじゃない。少しはこれからの事、考えたりしなよ」

男「スイマセン!」
538 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/05/01(金) 09:15:54.43 ID:hfz9NAw0
乙です〜
続き期待!
539 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/05/01(金) 19:07:00.87 ID:MizGaw2o
wktk
540 : ◆VaiOM4oLyA2009/05/04(月) 07:14:57.87 ID:kioRHSUo

――郊外のデパート

とりあえず上着、スウェットを着てきた。
いくらかサイズが合わないが気にするほどのものではない。
髪留めとかも買うんだろうか。俺だけ髪が長いからなぁ。

妹「下着」

男「わかった」


妹「この辺りでどうだ」

男「いいんじゃね?お前に任せるよ」

妹「ブラは」

男「測ってDだった。俺としてはサラシを巻きたい、学ランだから」

妹「好きにしろ」

男「いいのかよ」

妹「構わない、だけど一応買っとけ」

男「ああ」
541 : ◆VaiOM4oLyA2009/05/04(月) 07:15:25.10 ID:kioRHSUo

妹「普段着」

男「おう」


妹(じーー)

妹がこちらを見つめてくる。いったいなんなんだ。

妹(じーー)

今度は服を眺めている。何がしたいのか。

妹「これ」ホイ

男「おっと」

妹「これ、これ、これ、これ」ホイホイホイホイ

男「おっとっとっと」

兄「ここで兄登場!wwwwwwww服のチョイスに北wwwwwwww」

姉妹「何の脈絡もなく出てくんじゃねぇ、帰れ」

兄「いいから服選びは任せろwwwwwwwwwwww」

姉妹「ロクでもないもん買ったらあとで[ピーーー]」

兄「うはwwwwwwwwテラコワスwwwwwwww」
542 : ◆VaiOM4oLyA[sage]:2009/05/04(月) 07:16:22.89 ID:kioRHSUo
saga忘れたスマン
脳内変換で
543 : ◆VaiOM4oLyA2009/05/04(月) 07:17:44.18 ID:kioRHSUo
――しばらくして

男「おお!こりゃすげぇ」

試着室の鏡に映った自分を見て驚く。

もともとモデル体型だったのと、つり目のキリッとした顔立ち。自分でいうのもなんだが。
それに合ったジャケット、シャツ、ジーンズ。
兄貴に言わせると基本中の基本らしいが、これではマンガの登場人物のようだ。つかマンガから引っ張ってきてるだろ。
元々服装に興味はなかったから、驚くのも当然だが。

兄「どうだwwwwww見直したかwwwwwwwwww」

姉妹「全然」

兄 (´・ω・`)ショボーン
  「他にも選んでおいたお。いろいろ考えて着てくれお。」トボトボ

相変わらず訳のわからない兄だ。
あれさえなければ完璧な人間だろうに。
544 : ◆VaiOM4oLyA2009/05/04(月) 07:20:03.43 ID:kioRHSUo

妹「靴」

男「はいはい」


妹「どうせ喧嘩するんだから丈夫な靴買っとけ」

男「ああ」
  (服は丈夫じゃなくて良いのかよ)

男「普通の靴もな。これなんかどうだ」

白と水色のツートンカラーの靴を差し出す。
女になって少し好みが変わった気がする。

妹「好きにしろ」

男「お前と来た意味がない気がしてきた」
545 : ◆VaiOM4oLyA2009/05/04(月) 07:20:55.33 ID:kioRHSUo

妹「他には」

男「髪留めとかは?」

妹「私のをやる」

男「サンキュ、ってかなんで髪留めなんか持ってんだ?
  結ぶだけの量無いのに」

妹「持ってんだから持ってんだよ。いちいち聞くな。」

男「納得。ところで生rムグッ「迂闊に口走ったりすんな」

男「サーセン・・・」

妹「行くぞ」

その後は必要なものをいくらか買い、ついでだからとゲーセンに寄って帰った。
てめーは美人だし、体つきも変わってるだろうから用心の為に、と、スタンガンも買わされた。
いらない気はするけどな。スタンガン。

546 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/05/04(月) 09:55:37.55 ID:ChcJ0ego
続きキテター
547 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/05/04(月) 13:43:58.12 ID:fegiPEQo
お、
548 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/05/04(月) 22:32:02.43 ID:N91ucVc0
待ってたお
wwktk
549 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/05/04(月) 22:40:40.01 ID:Rk7HgnUo
意外とこのスレ見てる人いるんだなww
550 : ◆VaiOM4oLyA2009/05/06(水) 07:21:03.25 ID:4o7XtL6o

―――その晩、家族会議

母「早速本題に入ろう。男の性別が変わった事については原因不明。
  原因がわからない以上、元に戻る見込みはないわ」

父「明日の朝早く、病院に行って精密検査をするのが一番いいかな?」

母「ま、そうかな。もし元に戻るかわからない場合、男には女性として生活してもらう事になるね。
  そうなった場合の覚悟はしておきなさい」

男「おう」

兄「俺はこのままでいいと思うけどなwwwwwwwwwwwwww」

母「それは本人が決める事。私たちが口を出すことじゃない。
  女性として生活するうち、『戻りにくい・戻りたくない』って考える事もあるかもしれない」

父「妹はどう思う?」

妹「どうでもいい」

兄「ツンデレ乙wwwwwwwwwwwwww」

妹「あんな恥ずかしいのと同一視すんじゃねぇ」

兄「ツンギレ乙wwwwwwwwwwww」

妹「・・・[ピーーー]」ドゴォッ!

兄「\(^o^)/」
551 : ◆VaiOM4oLyA2009/05/06(水) 07:23:02.65 ID:4o7XtL6o

父「しかしお前たち、ほんと顔つきとかそっくりだなwwさすが姉妹wwww」

姉妹「だから空気読めよ、話題をコロコロ変えるんじゃねぇ」

父「ほらハモってるs「「黙れ」」  

父 (´・ω・`)ショボーン
552 : ◆VaiOM4oLyA2009/05/06(水) 07:24:01.41 ID:4o7XtL6o

母(無視)「男、これから学校、どうするの?」

男「ん?ああ・・・」

母「学校に行けなくなった事にして、転校生として入るとか、
  他の学校に転校するとか、いろいろな手段があるけど、やっぱり決定権は男にあるから。」

男「・・・俺は、このままでも良いから、今の学校に通いたい。
  こんな俺が、他の学校に行って馴染めるなんて、全然思わねぇし。
  それに、俺が突然いなくなったら、あいつら心配するだろうから。」

母「・・・」

男「だから、何らがの原因があって女になったって事と、続けて学校に行く事だけは、
  学校に連絡しておいて欲しい。女になったなんて、信じちゃくれないだろうけどww」

母「そう。分かった。
  そういえば、聞いてなかったね。さっきのは私の考えだったから。
  ・・・もしも、元には戻らなかったら?」

男「もしもも何も、このまま女として生活するしかねーだろ。
  性別が変わるなんて大イベント、普通は体験できないからな。十分に満喫するよ」

母「ふーん。随分と楽観的ね。まあ、男は昔からそうだったから、こんな時でも
  そうなのは仕方ないんだろうけど、たまには深く考える事も大事だからね?」

男「分かってるよww」

母「どうだか。」
553 : ◆VaiOM4oLyA2009/05/06(水) 07:25:30.10 ID:4o7XtL6o


――深夜一時ごろ

男「さて、何しようか。」

兄「男ぉー――っ!」

男「なんだ兄貴か」

兄「なんだとはなんだ!このDQNが!」

男「な・・うるせぇ引きこもり大学生!」

兄「引きこもってね―よ!」

男「大学すら行かねぇクセになに言ってやがる!」

兄「そんな事言えんのかDQNが!どうせ学校サボったりしてんだろ!」

男「サボった事ね―よ!」

兄「嘘だッ!!」

男「嘘じゃねーよ!」

父「ねーよ合戦かwwww面白いなwwww」

兄妹「KYはすっこんでろ!」

父「父さんはKYじゃねーよ!ww」

母「充分KYですよ。」

兄「あ。」

男「・・・あ。」

父「ああ・・・。」

母「真夜中に騒ぐとは、いい度胸してますよね? ねぇ?」

兄「\(^o^)/オワタ」

男「(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル」

父「( ゚∀゚)アハハ八八ノヽノヽノヽノ \ / \/ \」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜しばらくおまちください〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

554 : ◆VaiOM4oLyA2009/05/06(水) 07:26:35.39 ID:4o7XtL6o

――十分後

母「もうこれっきりにしてくださいね。」

兄「分かりましたごめんなさい」

母「また騒ぐような事があったら」

男「わかってますごめんなさい」

母「お父さんは?」

父「わかりません!」

母「そうですかわかりませんかしにたいんですねわかります」

父「何で全部敬語でひらがなアッーー

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜しばらくおまちください〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
555 : ◆VaiOM4oLyA2009/05/06(水) 07:28:04.59 ID:4o7XtL6o

――さらに十分後

母「これに懲りて騒ぐような事はもうしないで下さいね。」

父「わかりまひは・・・」

母「謝罪は?」

父「すいまへんへひた。」

母「よろしい。」


男「――で、兄貴は何しに来たんだ?
  おっぱい揉ませろとか言うんじゃないだろうな?」

兄「その通り!前、妹にも頼んだんだが揉ませてくれなくてぎゃあっ!?」ドゴッ

男「そんな下らない事の為に俺たちはお袋にボコられたと?」ゴゴゴゴ・・・・

兄「く・・っ!?下らない事とはなんだ!きょぬーを揉んでみたい気持ちが分からんのか!
  妹のは貧しいし!」

妹「貧乳で悪かったな。」

兄「貧乳は黙ってろ・・・・!?」

妹「ほう。引きこもり風情が私に歯向かうとは、いい度胸してますね?」
556 : ◆VaiOM4oLyA2009/05/06(水) 07:28:26.40 ID:4o7XtL6o

男「・・・ハァ。いつから起きてた?」

妹「『男ぉー――っ!』、の辺りから」

男「そんな所から・・・。」

兄「だっ、大丈夫!貧乳だって価値あるから!貧乳はステータスだから!」

妹「そうかそうか関係ねぇよ黙れ。大体てめーは何だそのふざけた口調は。普段からやかましいんだよこのクズ野郎。
  オタクネタ引っ張ってくるとか気持ち悪いんだよてめーは。いますぐ死にてーのかコラ。はいかYesで答えろこの野郎。」

兄「ちょ、それ意味同じアッーーーー

男(珍しく沢山喋ってる・・・よっぽど頭に来たんだな、妹)

母「兄、また騒いで・・・そんなにストレス溜まってるんですか、ねっ!」グシャ

兄「ぎゃああああああああああああああああああああ(ry

男(すげー。お袋と妹がタッグ組んだら最強だな。)

父「何してるんだ?楽しそうだなww」

妹「父さんも加わりたいと、

母 そう言ってるんですね。」

父「ちっ、違アッーーーー


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜しばらくおまちください〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
557 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/05/07(木) 02:10:33.70 ID:/ErBsMDO
乙!

あー…俺も序章で投げ出した駄文にもっかいトライしてみようかな
558 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/05/07(木) 02:19:47.47 ID:weyA1cAo
>>557
同士よ!俺も女装…じゃなかった序章で止まってるww
書き直そうとは思ってるが、なかなかなww
559 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/05/07(木) 18:09:44.03 ID:/T55uBY0
>>533乙!

>>556>>557このスレを誰も見てなくても
俺はwktkして待ってるぜw
投下最近少ないし、また盛り上げて行ってくれぃ!

俺も書いてみようかな…不定期になると思うけど。
560 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/05/07(木) 18:10:11.58 ID:/T55uBY0
>>533乙!

>>556>>557このスレを誰も見てなくても
俺はwktkして待ってるぜw
投下最近少ないし、また盛り上げて行ってくれぃ!

俺も書いてみようかな…不定期になると思うけど。
561 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/05/07(木) 18:13:58.90 ID:/T55uBY0
二重レスになてしもた…ごめん。
562 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/05/07(木) 19:44:28.75 ID:vi9imESO
俺も書きてえええ
しかし日本史やらんとな
563 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/05/07(木) 23:06:48.61 ID:weyA1cAo
おお書きたい人いぱーい居るじゃまいかww
というか、こういう系のスレは基本書きたい人が集まるのかww
564 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/05/08(金) 02:42:54.60 ID:AtTOGIA0
まー、アレだな。
自分の思いつくままに書く人間が増えればスレも盛り上がるし、
その中から良質の話も生まれてくるってもんだよな。
久々にwktkしてきたゾ
565 : ◆VaiOM4oLyA[sage]:2009/05/08(金) 03:48:35.22 ID:R9ZhA.Mo
書きたい人がいっぱいいていい傾向だwwww
皆さんがんばってwwww俺もwwktkwwww

しかしこれから三日間旅行のため更新停止します
ご了承ください
ネタはためてこようと思う

あとSSはsage進行で無くていいのかな?
566 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/05/11(月) 22:19:09.64 ID:jxlMpic0
投下しようかと思ってるんだが見てる奴いるのか?
不安になってきたよぉ…
567 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/05/11(月) 22:27:00.69 ID:uZAB6Iso
俺がいるよ!
568 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/05/11(月) 22:37:13.78 ID:jxlMpic0
駄文に付き合ってくれるのなら投下するお。
とゆうか人いてくれて良かった…
569 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/05/11(月) 22:44:37.50 ID:jxlMpic0
人いたら挙手yr
5ふん以内にきたら投下するお。
570 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/05/11(月) 22:45:25.04 ID:.pq7.wUo
意外といるんだぜwwww
571 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/05/11(月) 22:50:10.27 ID:XJ7Xd0Qo
一分以内とか速すぎだろ
572 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/05/11(月) 22:51:14.17 ID:uZAB6Iso
というかここカキコにかかる時間遅くて、カキコしようとする気になれないけど。
573 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/05/11(月) 23:22:30.16 ID:jxlMpic0
投下しまつ。

あと5分…あと5分…
というか今何時だ?…9時。
俺「寝過ごしたあああぁぁ!!」
あれ?声高いな。
俺「あー」
やっぱり。俺なんか嫌な予感がする…
恐る恐る下を見た。
俺「胸あるね…」
俺「……女になっとる…」

574 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/05/11(月) 23:41:16.28 ID:jxlMpic0
とりあえずどうするか。そういや友と約束してたな。
この体じゃ無理だな…
メールでおくるか。
「すまん友、風邪を引いてしもた…悪いけど今日キャンセル…」
これでいいだろう。
俺「さて…風呂入って色々調べるってのもありだがその前にどうしてこうなったか考えてみるか」
昨日はふつーに学校行ってふつーに家帰って2ch見て寝た…
俺「うはwwwwwわっかんねwww」
俺「叫んでも意味ないな…」
ふぅ…この後どうすりゃいいんだ?誤魔化せたとしても3日が限度だしなぁ…
息詰まっちゃったな…
「バターン!!!」
友「俺!!大丈夫かぁ!?見舞いにきてやったぞぉ!!!」
俺「ちょwwwww」
575 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/05/11(月) 23:52:17.56 ID:jxlMpic0
諦めるか。うん。諦めよう。
がちゃり
友「 おーい俺…俺?」
開き直ろう…俺
俺「女になっちまった…どうしよ…」
友「…mjd?」
俺「…mjd。」
576 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/05/12(火) 00:18:34.91 ID:acI5B4.0
途中で書き込んでしもた。

友「把握したw」
コイツ疑わないのかよ…この後どうすりゃいいか悩んでたのがアホらしいな。
俺「なんで疑わないんだ?」
友「オーラ的な?w」
俺「凄いなお前。」
友「で、なんでそうなったんだ?分かりやすく説明してくれ。」
俺「朝か…ておぉ!?女になってるー)て感じ。」
友「簡潔だな…まぁいいや。つまり朝起きたら女になったってことね。」
俺「ズバリそうーゆーこと。」
友「ところでこれからどうすんの?背低くなってるし、今の服じゃダメだろ。」
俺「……だな…」
俺「ついてってくれるか?不安だし、」
友「いいけどランジェリーしょっぷは無理だぞ?」
友「あとついてくから胸もまs…(ry
ばきばきっ
友「qあwせdrftgyふじこlp」
俺「調子のんなよ。」
友「すいませんれした…」
577 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/05/12(火) 00:25:16.39 ID:acI5B4.0
サーセン。今日はここまでです…睡魔が…
SSって難しいですね…
あ、あとエロに走る気はないです。そこはご了承を。(汗)
どこまで続くか分からないですけどとりあえずやれるだけ
やりたいと思います。おやすみなさい。
578 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/05/12(火) 15:40:50.27 ID:jc3sykDO
乙〜。
何だか懐かしい感じの展開にじわっときた
579 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/05/17(日) 23:11:19.81 ID:i64pbgo0
>>577続き投下。
ところで名前このままでいいのか?

友「さーて出発しましょー」
俺「…やっぱ街でると恥ずかしいなw」
友「じろじろ見られても仕方の無い格好だよな…だぼだぼTシャツにぶかぶかGパンだしな…」
俺「うん…」

………

ランジェリー店前。
俺「さて、第一の関門についたわけだが。」
友「なにしれぬ威圧感だな…俺よ頑張れ!」
俺「無理無理無理。友もついてきてくれ。」
友「外でコーラ飲んでるからいっておいで〜。」
俺「ぐすっ…私一人じゃ無理だよぉ…」涙目+上目遣い=友の入店フラグ
友「はぐふぉう!!わわわわかったついてくからついてくから!」
俺「(友おもしれーなwwwww)よし、いくか。」
にゅいーん←自動ドア
店員「いっらしませー。何をお探しでしょうか?」
俺「あ…えっと下着を欲しいんですけどサイズわからないんで測っていただけますか?」
店員「かしこまりましたー。」
友「これは夢のような光景だわぁ///」きょろきょろ
俺「友、店員が引いてるぞ。」
友「………」

…見てる人いんの?心配になってきた




580 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/05/17(日) 23:25:31.39 ID:XkLp7.go
wkwk
581 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/05/17(日) 23:45:34.71 ID:i64pbgo0
俺「ふぅ…無事に第一の関門突破できて良かった良かった。」
友「俺はあんまり良くないけどな…」
俺「さて次は服装か。予算30000円で足りるんかな?」
友「ところで胸どのくんあんの?」
俺「Eだとさ。なんか聞いても興奮出来なくなった…やばいな俺…」
友「うはwwwww巨乳wktkwwwww」
俺「叫ぶんですねさっきの様に攻撃して欲しんですね分かります」
友「…誠心誠意謝りますごめんなさい」
俺「んでなんやかんやで洋服売り場に着いたんだが。」
友「誠心誠意謝り続ける俺の勇士は省略か。」
俺「糞つまんねから省略。異論ある?」
友「はい…」
俺「どんな洋服がいいんだろ?」
友「うっしゃwwwwww俺のちょいす見てビビるなよwwwww」
俺「…意外にもセンスあるのなおまいは。 でも4時間前は男だった奴がミニスカなんて
無理でつw」
友「それは残念…チッ」
俺「舌打ちwwwおまいのも一着買うから気にすんな。」
友「早くミニスカ姿みてぇ……はぁはぁ」
俺「公然ではぁはぁするなおぃ」

582 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/05/18(月) 00:06:41.33 ID:1G80h.k0
俺「んじゃ着替えてくるから。」
友「おう。それにしてもピッタリ30000円会計とかすげーなw」
俺「おだてても着替えなんぞ覗かせないけど何か?」
友「(´・ω・`)」
俺「着替え終わった〜」
友「うほっwwwテラカワユスwwwwwwww」
俺「へ…へんなことゆうな!め、めし食い行くぞ!///」
友「そうだな。そろそろ飯にしようぜ。」
俺「どこ行く?選択肢は2つある。吉◯家かす◯家だ。」
友「要するに牛丼だな。」
俺「そうゆことだ。」
583 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/05/18(月) 00:17:35.05 ID:gxQit0M0
続きwktk
584 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/05/18(月) 23:40:57.17 ID:g6L2LVko
初期の作品の雰囲気と似ててちょい懐かしく感じる
期待してるわww
585 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv[sage]:2009/05/22(金) 00:46:50.90 ID:2A.vJVoo
まだだろうか・・・
586 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv[sage]:2009/05/23(土) 19:03:48.77 ID:RjVVlcAO
まあまあ、もちつけ。投下するのも大変なんだし、
ここはマターリ待とうぜ(´・ω・`)
587 :◇rtQgin37x[sage]:2009/05/23(土) 22:26:57.60 ID:0M7O.to0
>>582続き。不定期になっちまった…
2日にいっぺんぐらいは投下したいと思うんだけどね…
ほんとすまん。

で、なにゃかんやで吉◯家になりますた。
俺「大盛り一つと普通1つ。」
友「お前大盛りなんか食えんの?」
俺「昔普通にくってたろ。」
友「身長とか低くなってるんだぜ?胃も小さくなってるんじゃね?」
俺「食って見なきゃ分からないぜ?それが飯だ。」
友「そのなんか名言をパクったような気がするなぁ…」
俺「え?なに?俺元から偉人ですがなにか」
友「はいはい分かった分かった。それよりも午後どする?
学校でも行って見る?」
俺「あの担任大丈夫か?嫌な悪寒がwww」
友「行動してみないとダメじゃねぇ?」
俺「まぁそうだけどな…」
友「ツー訳で決定〜」
俺「おk。おお、丁度飯もきたお」
友「ナイスタイミングぅ〜」
俺「れは。たんひんのほほいっはあほほうほいふ
ほへいはっはへーへんへもいはへぇ?」もぐもぐ
(翻訳:でさ。担任のとこ行った後当初行く予定だったゲーセンでもいかねぇ?)
友「ほ。ひいへいふは。いひぬひひほじゃひはったはし、
いひふひほひふよほはほんえ。」ぱくぱく
(翻訳:お。いいね行くか。一日忙しかったし息抜きも必要だもんね。)
俺「わーひ」(翻訳:わーい)
店員「両方とも理解出来てるんだ…」

友「よし。食い終わったしいくか。」
俺「もっと食べたい…」
友「胃袋は変わって無いのな。」
588 :rtQgin37x[sage]:2009/05/23(土) 22:41:30.11 ID:0M7O.to0
俺「もぐもぐ。」
友「大盛り3杯目だぞ…おいおい」
俺「…」
友「流石に食えないか。」
俺「んぐー!」
友「喉つまっとるwwwおっと笑い事じゃなかった水飲め水」
俺「ごきゅごきゅ」
俺「もぐもぐ。」
友「(すげー)」
俺「ご馳走様〜」
友「さて行くか。あ、金は俺払うからおk」
俺「さっすがぁーさんきゅ!」
友「よーしおじさんパフェもおごっちゃうぞー」
俺「いや、もう食えない。」
友「ノリで言ってみただけだお」
俺「(^ω^)おっおっお」
友「(^ω^)おっおっお」
店員「早くどいてくださいー」
589 :rtQgin37x[sage]:2009/05/23(土) 22:52:50.73 ID:0M7O.to0
で、学校前。
友「休日になんか行きたくもないけど今回は入るぞ。」
俺「いざ来ると信じてもらえるか怖くなってき…」がしっ
友「こーゆーときは勢いだ勢い!」ずどどど
俺「おおぉおぉぉおおおぉぉぉぉ!?」
俺「速い速い速いスピード緩めろー!」
友「すまんすまん。緊張ほぐせるかなーと思ってさ。」
俺「…ありがとな。」
友「よし入るぞ。失礼しまーす。」
担任「チッスwwwwwwwwww」
俺・友「(いつもと変わらなかった…)」
590 :rtQgin37x[sage]:2009/05/23(土) 23:13:39.21 ID:0M7O.to0
担任「おうおう友かwwwwwwwなんだwwwww彼女自慢でもしにきたかww
wwwwwだったら悲しくなるからけえれwwwww」
校長「毎日テンション高いねぇ。良いことだよ。ふぇっふぇっふぇ。」
教頭・俺・友「(こんな教師いていいのか…?校長は校長でマイペースだし)」
友「彼女じゃねーよ。で、担任よ、相談したいことがあるんだ。」
担任「おうおうwwwwwwどwwwwwうwwwしたwwww」
友「コイツなんだけど、{俺}なんだ。」
担任「把握したwwwwwwww(^ω^)おっおっお」
担任「最近ひょんなの子スレにはまっててなwwwwww」
担任「来るっておもてたらwwwwwwガチで起きたwwwww」
担任「ちょっと一緒に校長のとこいくぞwwwww」
友・俺「おいおいおい…なにこの教師(でもいい教師なんだな子供のこと分かってくれるし)」
担任「うるせえwwwwwwwいくぞよwwwww」
校長「ほっほっほ。話は大体聞かせてもらったよ。
君を見た感じ私もそんな気がしてたしのぅ」
教頭「…いいんですか?そんな簡単に受け入れてしまって。」
591 :rtQgin37x[sage]:2009/05/23(土) 23:28:55.45 ID:0M7O.to0
校長「教頭先生もまだ頭が硬いですの。こう長いこと教師をやっていると
なんとなく分かったりするもんじゃ。」
教頭「はぁ…」
校長「えーと数学教師先生。制服の採寸おねがいできるかな。
お金はこちら受け持つからの俺君。」
俺「あ、ありがとございます。」
数学教師「こっちおいでー」
俺「はーい」
すたすたすた

校長「友君。君が一番の友達だからの。俺君これからが大変だと思う
からしっかり見てあげるんだよ。」
友「…はい。(流石ベテラン先生。包容力がすごいわ…)」
592 :rtQgin37x[sage]:2009/05/24(日) 00:01:21.36 ID:ZTZ7NXM0
数学教師「ところでどーしてそんな体になっちゃったのー?」
俺「なんか、朝起きたらこうなってて…」
数学教師「そっかぁー。大変だね。よし、採寸終わりっ♪」
俺「ありがとーございましたー」
数学教師「お安い御用だょぅ。土曜日曜とまだ休みあるから
多分日曜には届くと思うからしっかり準備してね。」
俺「はいー」

担任「おかえりんこ。」
俺「ただいまn…」ぎゅー
担任「ちょwwwww足踏むなwwwwwwいってぇwwwww」
教頭「少し黙ってください。」
担任「正直スマンカッタ。…wwwwwwww」
教頭「反省してませんね。クビになってもしりませんよ。」
担任「おうふwwwwwwwやめてwwwww」
教頭「い・い・ん・で・す・ね?」
担任「…ごめんなさい」
数学教師「あらあらうふふ」
校長「ふぉっふぉっふぉ」
俺・友「みんなユニーク…」
校長「では気おつけて帰るんじゃぞ。」
担任「その前に胸もませろwwwww」
俺「…教頭先生あの人殴っていいですか?」
教頭「私も頭に来てるのでどうぞ。」
担任「ちょwwwwwwおまwwwww」
担任「くぁwせdrftgyふじこlp」
俺「ふう。じゃ皆さん有難うございました。」ぺこり
友「さて行くか。」
俺「…やっぱり妙な学校だけどいい学校だよな。」
友「だったな。」
俺「さあゲーセンへ行こう!」

ちなみに数学教師18♀ 教頭23♀で。18では教師にはなれませんがSSなので常識は折り曲げますwww
593 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv2009/05/24(日) 00:05:14.21 ID:BbRphwQo
年齢より展開がwwwwwwだがそれがいい
594 :rtQgin37x[sage]:2009/05/24(日) 00:29:11.00 ID:ZTZ7NXM0
ゲーセン到着。
友「なにやるかぁ」
俺「太鼓の達人やりたい。」
友「だったらうちでビーマニやり…」
友「分かった分かった太鼓の達人やるからうるうるしないでぇ」
俺「いやっほう」
友「だけどやるとなったら本気だすよwwwww手加減なしwwwww」
俺「臨むところよ!」
友「最初何行く?EkiBEN2000あたりから行くか。」
俺「おk」

友「〜ふふ〜ん」
俺「〜るー」

俺「これぐらいだったら楽勝楽勝!」
友「ほう?では十露盤2000でいくけど?」
俺「やったる」

俺「流石AC最強クラスだわ結構来るね。」
友「ギャラリーwktkwwwww」
俺「無視無視」
友「んじゃぁきたさいたま2000いきまwwwww」
俺「ちょwwwwwやばいってwwwwww」

友「…やり過ぎた」
俺「…おう」
友「クリアギリギリ…だったな」
俺「…おう」
俺「もう一回いきまwwwww200円投下wwwww」
友「立ち直りはえぇぇぇwwwwしかも裏譜面コマンドwwwまwさwかwww」
俺「裏rotter行くぞwwwww」
友「無謀DAAAAAAAAAAA!!」

俺「ク…クリア出来た…」
友「腕痛い…」

俺「結構楽しかったな。」
友「裏rotterは勘弁してくれな…でもなんか燃えてきたwぱわーあっぷして帰ってきてやるw」
俺「俺も頑張ろ。」
595 :rtQgin37x[sage]:2009/05/24(日) 00:45:13.38 ID:ZTZ7NXM0
帰宅。
俺「で、どうする?今日泊まってくか?」
友「nーとそうしてもらうわ。…母へ俺の家泊まっていくんでよろしくっとよしおk」
俺「つかもう6時半だな。飯作るか。」
友「PC使ってていい?」
俺「いいけどエロ動画とか見てその後に血迷って俺襲ったらフライパンクラッシュの後
ストレート、フック、アッパーそれぞれ30発打つんで覚悟。」
友「ひゃい…」
俺「さてフライパンっと」
トントン
友「ハァハァ…」
ジュー
友「ハァハァ…」
チャッチャッチャ
友「ハァハァ…」
俺「…ハァハァがこんなにうるさい人初めて会ったわ」
596 :rtQgin37x[sage]:2009/05/24(日) 00:49:45.10 ID:ZTZ7NXM0
今日はここまでっす。初SSなのにめちゃくちゃしすぎたわ…
担任のインパクトつえぇよ…吊ってくるorz
ちなみにいい年して未だに太鼓の達人ハマってる俺でつ…

597 :rtQgin37x[sage]:2009/05/24(日) 01:48:32.88 ID:ZTZ7NXM0
ちょwwwww眠れねぇwから続き投下島。

俺「よっしゃ出来た。今いくから。」
友「(やべぇ…抜く直前…)と、ttttといれぇー!!」どたばた
俺「?変な奴。」
俺「ってPC見れば分かるわな…抜く直前で俺競うだったからやべぇってなたんだな。
まあ血迷って俺にぶっかけなかっただけよしとするか。」
友「ふぅ…ただいま。ほうオムライスかぁいいねぇw」
俺「だろ?ところで気になるからブラウザ消そうか。」
友「!!のわわ!」
俺「気を取り直して頂きます。」
友「…頂きます。」
友「俺って料理うまいよな。」
俺「ん。そうか?」
友「嫁に欲しいわw」
俺「…」
友「ちょっとなんでPCにむかっってる?」
俺「『友はホモだったようです』っとスレ作成っと。」
友「やめつぇww頼むwww」
俺「冗談だ冗談。」
友「寿命が縮まったわ…」
598 :rtQgin37x[sage]:2009/05/24(日) 02:07:41.27 ID:ZTZ7NXM0
___夜。

俺「今日はなんだかんだで世話になったわ。さんきゅ。」
友「気にすんなよ。こんな事想像もつかないしな。」
俺「寝るか。一緒に寝る?布団一つしかないし。」
友「いよっしいやぁああぁ!!!!!」
就寝。
俺「ほんとさんきゅー。」
友「助け合いはいつでも必要SA。兄弟よ。」
俺「今は兄妹か姉弟だけどな。」
友「まあそうだけどな…」
俺「まあいいさ。戻らないんなら戻らないで生活する事だってできるさ。」
友「…頑張れよ」
俺「おうよ!それより今日だけサービスだぜ」ぎゅっ
友「っつぉい!」
俺「おやすみー」
友「こりゃしばらく柔らかいのを楽しんどかなきゃな…」
599 :rtQgin37x[sage]:2009/05/24(日) 02:29:30.05 ID:ZTZ7NXM0
朝。
時計「ちゃっちゃかちゃかちゃかずんちゃかちゃかちゃかずんちゃかちゃかちゃー!!」
俺「ん、んああぁぁ」
時計「ちゃんちゃかちゃかちゃかちゃんちゃかちゃちゃんちゃかちゃんちゃかちゃー!」
俺「暫く鑑賞するかな。」
時計「ちゃっちゃかちゃかちゃかずんちゃかちゃかちゃかずんちゃかちゃかちゃー!!」
時計「ずんちゃかちゃかちゃかちゃかちゃかちゃかちゃん!ちゃかちゃっちゃちゃーちゃ」
俺「…」
時計「ちゃっ ちゃっ ちゃっ ちゃったーらーららーらー…」
友「うるへぇ!」がばっ
俺「おはよう。」かちっ←時計止めた
友「おう…」
俺「朝飯市販のサンドイッチだけど気にすんな。」
友「おう…」
俺「寝不足?大丈夫か?
友「(絶対に言えない…10時には布団に入ったのに胸の感触味わってたらいつの間にか3時だったな
んて…自我抑える+ムッハーなんて寝れない…)だ…大丈夫だ。」
俺「無理してる感がするけど…」
友「おkだから把握してくれ」
俺「把握した」

時計の音楽分かったらマジ尊敬したいわ…つかこの時間帯見てる人いなくね?
600 :rtQgin37x[sage]:2009/05/24(日) 02:43:45.49 ID:ZTZ7NXM0
俺「まだ学校まで2日もあるな〜」
友「ま、気長に過ごそうぜ。」
俺「…信じてもらえるか。それだけが気がかりだわ。」
友「担任どう言う風に言うのかな?」
俺「ふつーにいいそうだわ性格からして」
友「別人として学校に行くって手もありだな。」
俺「それは嫌だな。よく知ってる人とまた初めてあった人のように接するなんて無理。絶対ボロがでる。第一騙してた状態はあれだよな…」
友「まだ時間あるしゆっくり決めよう。」
俺「そうだよな…うん。


601 :rtQgin37x[sage]:2009/05/24(日) 02:47:41.30 ID:ZTZ7NXM0
」←忘れてた。すまない。
今度こそ一旦終了。投下が糞遅いのは即興で書いてるんで勘弁。


602 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv[sage]:2009/05/24(日) 11:00:57.26 ID:c81G13wo
今回もおつおつ自分のペースで投下すればおkなんだぜ
それと友は友人の家で抜くなんて兵過ぎるwwwwww
603 :rtQgin37x[sage]:2009/05/24(日) 21:48:25.00 ID:ZTZ7NXM0
やあ(´・ω・`)…じゃなくてこんばんわ。
続き投下しようと思うんだけどいい?
なんつーか人いないねこのスレ…
604 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv[sage]:2009/05/24(日) 22:13:40.41 ID:c81G13wo
続きは何時でも良いよ投下してれば人は来るさww
605 :rtQgin37x[sage]:2009/05/24(日) 22:18:26.86 ID:ZTZ7NXM0
カァカァ
友「…1日って早いな。」
俺「…早いよな。」
友「輪ゴム飛ばし大会やって一日終わるとわ。」
俺「…たまには…いいんじゃね?」
友「ま、昨日密度濃かったしこんな日過ごしてもいいさ。」
俺「ポジティブに考えるとするかぁ。」
友「長居してごめんな。俺一旦家帰らないと親にぶち殺(ry」
俺「気をつけろ。こっちまで怖いだろwwwwwwww」
友「おう…じゃ日曜もいていい?」
俺「あーおk俺も暇だし」
友「分かった。てけとーな時間にいくわ。

ピンポーン
ん?誰だろ?
俺「はーい今出まーす。」
数学教師「どう?二日目だけど。」
俺「普通…ですっかねw」
数学教師「そうーあ、制服出来たんだってさ。はい。」
606 :rtQgin37x[sage]:2009/05/24(日) 22:34:22.56 ID:ZTZ7NXM0
あぁああ… 」←忘れ杉俺涙目wwwww

数学教師「はいどうぞ。」
俺「(うおっなんだこのなんとも言えない威圧感…
それなのにこの輝かしい感じはっ…)」
数学教師「?」
俺「これを着るんだな…て思って…」
数学教師「やっぱ慣れじゃないのかなぁー?」
俺「心が男ですから…やっぱり…」
数学教師「少しでもひつようだから…ね?」
俺「はい」
ゴメン。ガチで眠いから寝る

607 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv2009/05/24(日) 22:40:06.96 ID:Fkt8Gs20
GJ!
続き楽しみにしてます
608 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv[sage]:2009/05/25(月) 00:23:07.33 ID:d2AmlB60
よっしゃー、GJ!!
続きwwktk
609 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv[sage]:2009/05/25(月) 00:57:34.18 ID:.oPopt.o
お、続き来てたのか
610 :rtQgin37x[sage]:2009/05/28(木) 17:03:35.60 ID:eQG9jFY0
ニュー速行ったら規制食らってたよ…ちょっと落ち込んでくる(´・ω・`)
続きの構想が出来たので、夜投下したいと思います。
でも即興は即興なので投下間隔が長いです。そこは勘弁。
611 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv2009/05/28(木) 20:15:03.95 ID:bFmUwSso
おk
612 :rtQgin37x[sage]:2009/05/28(木) 21:47:34.49 ID:eQG9jFY0
数学教師「じゃあ私も忙しいんで帰ります〜」
俺「ありがとうございました。」
数学教師「あ、それとわからないことあったら相談してね〜」
俺「できる限りは頑張って見ます。」
数学教師「我慢しちゃ駄目だよ?じゃあね〜」
俺「はいー」
バタン
俺「ふぅ…」
俺「2chでもみよっかな。」
俺「おお!このエロ画像スレまだ残ってたのか。」
かたかた
俺「色々うpされてるな〜」
俺「………」
あれ?全く興味が湧かない。おかしいな。
画像が悪いんだな。きっと。
俺「ならばPCに保存されてる秘蔵画像集を〜♪」
俺「………」
こりゃヤバイな…性格まで変わってきてるのか?
俺「いやいやいやそんなことはなあ〜〜〜〜い!!!!!」
俺「色々いざこざがあったから脳が疲れてるんだ。そうだそうだ。」
俺「TVでもつけよ…」
prrrrrrrrrrrr
俺「ん?」
613 :rtQgin37x[sage]:2009/05/28(木) 22:01:24.81 ID:eQG9jFY0
俺「はい?もしもし〜?」
友「その声で出られると無性に悔しいんだけど。」
俺「おお友か。どうした?」
友「いやなんか数学教師から電話あってさ。おまいがだいぶ滅入ってる見たいだからって。」
友「大丈夫か?」
俺「やべえよ…滅入ってはないけどエロに興味が湧かないんだけど…」
友「俺が湧くようにしてやろうか?」
俺「…」ごおぉおぉぉおお
友「(殺気が伝わってくる…)じょ、冗談だ冗談。」
俺「そうですか。ならいいんですが。」

某サイヤ人「戦闘力34000000だと…?馬鹿な…」
614 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv2009/05/28(木) 22:13:53.93 ID:TIMQUx60
GJ!
615 :rtQgin37x[sage]:2009/05/28(木) 22:14:59.18 ID:eQG9jFY0

友「思ったより長く話してたな。」
俺「ちょwwwww電話代ヤバスwww」
友「え、おまいもしかして携帯?」
俺「そうだけど。」
友「悪い事した!すまん!!」
俺「気にすんな。話出来て楽しかったぜ。」
友「礼には及ばんよ。ちーと胸を揉ませてくれれ(ry」
俺「やっぱりしにたいんですよねわかります」
友「ひゃぅ…」
俺「じゃーな。」
ぷちっ
俺「さて飯食って寝ようかな」

616 :rtQgin37x[sage]:2009/05/28(木) 22:34:20.28 ID:eQG9jFY0
翌日。
俺「ふあぁ…」
俺「休みも今日で終わりか…」
俺「勿体ないし今日は昼まで寝るか。」
ばたり
俺「ほぉぉぉお…」
俺「何時だあ?」
俺「げ。18時って…」
俺「寝過ごしTAAAAAAAA!!!!!」
俺「お?着信履歴になんかきてる。」
かちかち
俺「…留守電入ってる。再生するか。」
ぽちっ
担任(録)「よおwwwwwww真昼間なのに寝てんのかwwwwwおいおいwwwwww」
俺「寝起きに一番聞きたくない声だわ…」
担任(録)「でwww学校の件なんだけどwwww」
俺「…UZEEEEEEEEEEEEE!」
担任(録)「悪いけどwww転校生ということで受理されてるからwwwww」
俺「悪いと思ってませんね。分かります。」
担任(録)「じゃwwwww冥福を祈るwwwww」
俺「切れた…おいおい…」
617 :rtQgin37x[sage]:2009/05/28(木) 22:52:17.43 ID:eQG9jFY0
俺「なんなんだ一体…」
prrrrrrr
俺「こんどはなんだ…?」
俺「もしもし…」
友「おー、午後電話したんだけど出なかったからどーしたかと思ったわ。」
俺「(あ…そうだった…)すまん午前中に起きる予定だったんだけど寝過ごしちまった…」
友「稀にだがよくある事だ。」
俺「どっかで聞いたなそれ。」
友「まあな。」
友「明日はいよいよ学校だな。どうなるんだろうな。」
俺「今までほど上手くはいかないな。」
友「ああ。用心してこうぜ。」
俺「おk。んじゃあ切るわ。」
ぷちっ
俺「_大丈夫かな。大丈夫だなきっと。」
こういうときは自己満足が重要だな。
とはいったもののこんな突飛な話なんか…
考えずに寝よう。明日なんて分からないさ。
618 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv[sage]:2009/05/28(木) 22:54:28.01 ID:OXk.R2Yo
担任wwwwww草wwwwww生やしすぎwwwwww
619 :rtQgin37x[sage]:2009/05/28(木) 23:03:12.57 ID:eQG9jFY0
PCの前で寝そうになってた…
というわけで今日はここで打ち切りです。
ちなみに俺は担任みたいなきゃら好きだwww
620 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2009/05/29(金) 02:39:33.91 ID:nbknllI0
GJ!!
新作のおかげで最近毎日覗いてる
621 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv2009/05/31(日) 18:22:01.38 ID:qdqo7c60
おお、新作来ている。まじでありがたいありがたい
622 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/06/30(火) 01:30:43.64 ID:a7VTvcAO
止まってしまった。
623 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/06/30(火) 01:36:20.64 ID:bpLTRCYo
なんか書こうか











いや書けるわけがなかったすまん
624 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/07/05(日) 04:34:25.44 ID:p6pbXpYo
妄想してみる→書く→寝る→書いた奴見る→なんだこれ(´・ω・`)
だから俺にも無理だ

文章読んでるとこれくらい俺にも、って気になるけど実際は大変だよな
625 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2009/07/07(火) 02:54:47.97 ID:eFGtCl.0
七夕に投下……なんてことはないのか( ̄△ ̄||)
626 :rtQgin37x[sage]:2009/07/09(木) 21:29:20.93 ID:ThgU0DE0
超久し振りの更新となってしまったorz
まじ死にたい…ほんとすまんかった
正直言うと結構ノリで書いたんで続き考えてなかったり…
期末試験も終わったんで更新再開します。
627 :rtQgin37x[sage]:2009/07/09(木) 21:58:26.49 ID:ThgU0DE0
目覚まし時計「ずっちゃかちゃかちゃか」ピッ
俺「朝か…朝だな」
俺「くそ…声には慣れたつもりだったけど軽く凹むな…」
俺「これから一人暮らし辛いなあ…」
俺「もう一眠りしたい…」
俺「もう一回ぐらいならいいよな…」
と、布団に逆戻りしようとした途端に
戸棚「がらがらがらどどーん!」
俺「OH」
俺「カップ麺も角あたるといてぇよ…」
628 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/07/09(木) 21:59:15.32 ID:j21vn06o
wwktk
629 :rtQgin37x[sage]:2009/07/09(木) 22:33:41.12 ID:ThgU0DE0
俺「制服、か…」
俺「着るのか…」

友「なに制服と睨み合いしてんだ」
俺「おお!?…なんだ友か…勝手に入るなよ…」
友「すまんすまん。あんま気にすんな。」
俺「まあいいけどさ…」
友「つか早く着替えろ。遅刻すんぞ」
俺「分かった早く着替ええるからあっちいってれ。」
友「へいへい」
俺「あっさりいったな…だがカメラを仕掛けられたのを俺が気づかないとも?」
ばらばら
俺「へーカメラってこんなんなってんだ…」

俺「さて行くか。」
友「おう!」
俺「なんかいいことでもあったか?」
友「別にー!」
俺「(気づいてねぇwww笑いを抑えるんだ俺wwwww)」
630 :rtQgin37x[sage]:2009/07/09(木) 22:47:12.48 ID:ThgU0DE0
学校到着。
友「じゃ俺は先行くわ。健闘を祈る!」
俺「他人事だな畜生。」

俺「あ、喋り方どーすっか。一応転校生って設定だしなあ…」
俺「いーか現場についてからでも…」
がらがら
俺「担任先生いますか〜。」
担任「俺はいつでも君の側にwwwwwwwwとかいってwみたりwww
かっけえwwwww俺wwwwwww」
俺「(やばいまじ椅子蹴り飛ばしたい…)」
俺「(動きたいのに動けねえ…)」
教頭「 黙 れ 」
俺「(こえええええよなにあのギャップ)」
担任「はい……」

631 :rtQgin37x[sage]:2009/07/09(木) 23:02:05.75 ID:ThgU0DE0
今日はここまでです。
眠くてだめだわ…
632 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/07/10(金) 01:04:00.91 ID:ZeqyzvA0
GJ!
633 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/07/22(水) 15:31:11.50 ID:QrH58IAO
そろそろ投下しようか考えてます。
書きためたものが少ないのですぐ止まってしまいそうですが。
634 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/07/22(水) 18:14:11.47 ID:QLCt5oko
すぐ止まってでもwwktkして待ってます。
こっちも書いてるけれど、投下しようか迷っていたり。
635 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/07/22(水) 21:50:23.58 ID:N5yjD7M0
両方ともにwwktkしてる俺。
636 : ◆SaEKLUFt0w[sage]:2009/07/23(木) 00:33:57.89 ID:.SEOaX2o
それでは少しだけ投下。
下手な文章しか書けないですが、このスレも勢いついて欲しいということで。
637 : ◆SaEKLUFt0w[sage]:2009/07/23(木) 00:35:17.19 ID:.SEOaX2o
プロローグっぽいもの


 「そんじゃ、また来週な。」

「あいよー。」

男友達が電車を降り、適当に挨拶をして別れる。
今は帰り。学校が終わっての帰りの電車。

ここから先はどんどん田舎へ入るため、車内はだんだんと空いてくる。

「ふぁ。疲れたなー。」

さて、ただいま金曜日。試験期間の真っ最中。
人目が少なくなることを生かして、電車内で単語帳にでも目を通そうかと思ったが、
どうにも頭が考えることを拒否していた。

疲れた…前日から睡眠を削って勉強に励んでいたせいか、すごい眠い。

「寝るか…。ちょっとだけ…。」

電車に揺られながら、そのまま深い睡眠へと誘われる。

ねむ…い……。


…睡眠。睡眠。
638 : ◆SaEKLUFt0w[sage]:2009/07/23(木) 00:37:21.40 ID:.SEOaX2o
…。

……。

…………。

何かがおかしい。

……………。

何か、夢の中で声が聞こえる…。


[ HKOJ ]
639 : ◆SaEKLUFt0w[sage]:2009/07/23(木) 00:38:23.86 ID:.SEOaX2o
混濁していた意識が戻ってくる。

意識が戻ってくると同時に、眠る前に置いてきた記憶が湧き上がってくる。

起きる前、何をしていたっけ…。
起きる前…。そうそう、たしか電車…電車っ!?

「…しまったっ、寝過ごした!?」

………あれ?

確かに眠る前には電車に居たはず。
電車に居たはず…。

電車に居たはずが、今はなぜか乗用車の中に居る。
何かがおかしい…。きょろきょろと辺りを見回すが、今の状況を掴めない。

 「どうかなさいました?」

中年か、それより少し年食ったくらいだろうか。
優しそうな男性のドライバーの声が聞こえる。

「いえ……えーっと…」

そうだ。そう、声がおかしいんだ。自分の声とは思えない高い声。
640 : ◆SaEKLUFt0w[sage]:2009/07/23(木) 00:40:01.32 ID:.SEOaX2o
声だけじゃない。いつの間にか着ている服が変わっている。
長袖のセーラーブラウスに、スカート丈の長いジャンパースカート。
胸元には綺麗な色のリボンタイがつけられている。

どう考えても女の子の制服です、本当にありがとうございました。

いやいや、ありがとうじゃない!

なんだこの状況は!?
拉致られて女装させられた!?
いやいやそんな訳はない。
状況がおかしすぎる…そういえば髪も長くなっているし。

 「着きましたよ、お嬢様。」

「……へ?」

先ほどまで運転していたドライバーが車の後部座席のドアを開き、こちらに手を差し伸ばしている。
え?お嬢様…?え…?
何を言っているんだ。

よく分からないままその手を受け、車の外へと出ると、そこに広がる光景に絶句した。
641 : ◆SaEKLUFt0w[sage]:2009/07/23(木) 00:43:00.27 ID:.SEOaX2o
 『『お帰りなさいませ、お嬢様!』』

そこは綺麗な庭が広がる大きなお屋敷の敷地内。
エプロンドレスを着た女性たち、いわゆるメイドさん…がひぃ、ふぅ、みぃ…沢山…お出迎え…。

そしてお約束の、このご挨拶。

いやいやいや!ちょっと待て!
お嬢様なんてどこにも居ないじゃないか。
誰に言ってるんだよ、一体。そうだ、後ろ…後ろに居るんじゃないか…とそんなことを思い振り向いてみる。

お嬢様。お嬢様、あぁ…いた!

「な、な…な……。」

綺麗な長い髪をした可愛らしいお嬢様。
それは紛れもなく先ほどまで乗っていた車のボディに映った自分の姿だった。

「な、何だこれ…夢…?夢…だよな…」

これまでの意味不明な事象が頭の容量を越え、ぐわーりと視界が霞み。
地面の角度が傾いていく。

 『『お嬢様!?お嬢様、しっかり!』』

倒れそうになっていた体は誰かが支えてくれているようだ。
心配そうに騒ぐメイドさんたちの声とともに、意識がだんだん遠くなっていく…。
642 : ◆SaEKLUFt0w[sage]:2009/07/23(木) 00:45:40.96 ID:.SEOaX2o
「…………んん……。」

…あれ、いつの間に…寝てたっけ…?
ああ、そうだ…電車で眠ってしまって…そこで変な夢を見て…。
僕はお嬢様になってて、メイドさんがたくさんいて…。

 「………あ。お嬢様。」

………ぱちぱちと瞬きを繰り返す。
おい、メイドさん、まだ居るじゃないか。

「………………。」

 「…おはようございます。お嬢様、よく眠られましたか?」

「おはよう…ございます…。」

そう、お嬢様。お嬢様。僕はお嬢様。
優しそうなメイドさんの声を聞くと、先程までの記憶が蘇ってきた。

これは夢だと思っていたけど。
夢じゃなかったんですかそうですか。
というかあまりにも現実味を帯びていないものだから、まだ夢じゃないかと疑ってはいるけど。
643 : ◆SaEKLUFt0w[sage]:2009/07/23(木) 00:48:15.32 ID:.SEOaX2o
 「心配しましたよ。どこかお体が優れなかったんでしょうか?無理をされていたとか…」

「あー。えっと…!少し考え事をしたら眩暈がしただけで。寝たらもう元気になったから…!」

 「そうですか…よかった。」

うわぁ。心底"よかった"って顔してる。
適当に誤魔化したこっちが申し訳なくなるというか何というか。

「あ、ありがとう…。」

何か恥ずかしくなって、礼を言わないといけない気がした。

 「ふふっ、いいえ。では、私は仕事へ戻りますので…もし何かございましたら、内線でお申し付け下さいね。」

そのまま、「失礼いたしました。」と挨拶を残してメイドさんは出て行った。

ここでようやく落ち着いて、今居る部屋の造りを眺めることが出来た。

天蓋にレースのカーテンがついた、広いベッド。いわゆるお姫様ベッド。
綺麗な絵画や、奇抜なデザインの壁時計。
高級そうなインテリアの中に、ミスマッチなぬいぐるみたちがあちこちに置かれている。
窓の奥は、綺麗に整えられた鉢植えが飾られた、夕陽の射し込む庭園。バルコニー。

さて、そうだな。
ベッドに腰掛けながら、よく分からない今の状況を考える振りをしてみる。
644 : ◆SaEKLUFt0w[sage]:2009/07/23(木) 00:49:58.22 ID:.SEOaX2o
なんでいきなり。
いきなり女の子になったんだろう。しかもお嬢様。
そんな急激な変化は、平々凡々な田舎暮らしの男子高校生には荷が重いんじゃないだろうか。

「でも…。」

自分の両手の平を鼻にかぶせて、すうっと息を吸い込む。
女の子の、いい匂い。

「って!元は男だとはいえ、いくらなんでも自分の匂いにうっとりするのはマズイんじゃなかろうか…!」

あわてて首を振って煩悩を掻き消す。
匂いフェチじゃない!決して匂いフェチじゃないぞ!
と、首を振っていたところで気付く。

「そういえば髪もちょっと邪魔だよなー…。」

前髪を手で掻き分けるも、俯いたりするとすぐにストンと下りてきてしまう。

「な、なんか髪を留める物……。」

ふと部屋の一方の壁に小さな鏡台があるのが見えた。白い色の三面鏡台。
そういえばこの自分の顔もよく見たことなかったな。と思い足を踏み出していく。
台の隅には、なんとも親切にヘアピンが入っている小箱が置いてあった。
645 : ◆SaEKLUFt0w[sage]:2009/07/23(木) 00:53:37.75 ID:.SEOaX2o
鏡を覗き、まじまじと自分の顔を見つめる。正面顔。横顔。長ーい髪。中学生くらいかな…。
今さら気付いたけど、服も、制服から過ごしやすいワンピースのルームウェアへと着替えさせられている。
…なんという肌ざわり。お値段いくら?

と、顔の方へ視線を戻す。
元気っ子、というよりは、落ち着いた雰囲気だな。

お嬢様というには少し気弱そうな…。長い睫毛、大きな目。
……かわいい。かわいいよな。

「と、待て待て待て!落ち着け落ち着け落ち着けよ…!そう、ヘアピンだヘアピン…」

ヘアピンも可愛すぎるものは流石に抵抗がある。
いや、この顔なら多少子供っぽくても似合いそうだけど。
かちゃかちゃと小箱の中を探索していると、暗い赤色のシンプルなヘアピンを発見した。

これでいいかな。
前髪が邪魔にならないようにそれで髪を留める。


――コン、コン
満足したところにタイミングよく、ドアをノックされる音が聞こえた。

 『お嬢様ー。お夕飯の支度が出来ましたよ。』

メイドさんの声かな。
ふと壁に掛けられた変な形の時計に目を向けると、丁度そんな時間。

「はーい。今行きます。」

腹減った!腹減った!きっと旨いもんが出てくるはず!
って…そういえばテーブルマナーとか…平気だよな、うん。

ひょんなことから、お嬢様としての生活が始まった…ようです。
646 : ◆SaEKLUFt0w[sage]:2009/07/23(木) 01:02:12.22 ID:.SEOaX2o
今日のところはこの辺りまでです。
夏休みに入れば暇な日が続きそうなので、まとめられたら早いうちに投下したいが、
何分文章書くの下手なんで時間かかるかも。
647 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/07/23(木) 01:03:36.17 ID:CuKhxhIo
乙wwwwww
HKOJタイプミスかと思いきや、ひょんなことからお嬢様かwwwwww
648 : ◆SaEKLUFt0w[sage]:2009/07/23(木) 01:11:55.43 ID:.SEOaX2o
人居ないと思ったら潜んでいるという恐怖wwwwww
なんかお嬢様に変化するのがやりたいな→HKOJ
という短絡的な感じでございました。
649 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/07/23(木) 05:24:47.70 ID:sVOXZNw0
GJ!! まじで期待。
650 :rtQgin37x[sage]:2009/07/24(金) 23:58:19.64 ID:PW9Iuik0
おお、新作来てる
近日投下予定です。もうだらだら続けてすいませんorz
>>646さんのSSには劣ると思いますが、
とりあえず完結まで見ていただければ…
とか考えてる漏れでございますwww

651 :rtQgin37x[sage]:2009/08/09(日) 00:19:28.56 ID:oqPObh20
深夜に失礼します。つっても深夜が皆さん活動時間だと思いますがwww
今まで改行なしで書いてきたんですが改行とかあった方が良ければいってくらはい

担任「いつの間にかwwwwwwHRの時間wwwやばうぇwwwwwwww」
俺「(お前のせいだろ…)」
教頭「(お前のせいだろ…)」
担任「行くぞwwwwwwwww俺よwwwwwww」

教師「あれ?俺君転校しませんでしたっけ?」
教頭「いつも異常なテンションだから思考回路がおかしいだけですよ」
教師「あの人なら考えられますね…」

俺「(実名いうなよ…)」
教頭「(馬鹿だ馬鹿)」




652 :rtQgin37x[sage]:2009/08/09(日) 00:46:07.61 ID:oqPObh20
担任「おはようwwwwwww諸君wwwwwww」
担任「いきなりだが新入生紹介するわwwwwwwwwwww」
ざわざわ
俺「女です。これからよろしくお願いします。」
担任「仲良くしてやれwwwwww諸君wwwwwww」
担任「あっちの空いてるとこ座れwwwww」
俺「あ、はい」
窓際の席か。友と離れてるけど睡眠にはもってこいだしいいか…
HRが終わり、ベタだと言ってしまえばそれだけだけど恒例の質問責め。
というか、知ってるやつに改めて聞かれるのは気味が悪い。
女2「ねーねーどこから来たのー?」
女3「好きな教科とかは?」
男「あ、あのっ好きなタイプは?」
友「ニヤリ」
俺「(俺の家だよ睡眠してるからどの教科何やってるか知らん一応初対面って
ことになってる奴に聞くか馬鹿ついでに友は妙な笑み浮かべるな)」
俺「えっとねー…」
俺は適当に答えておいた。
友「ニヤリ」
俺「(何なんだおまいは)」


653 :rtQgin37x[sage]:2009/08/09(日) 01:00:59.44 ID:oqPObh20
やっと質問責めも鎮静していき、睡眠とれそうだ。
メールでも打っとくか。

友へ:寝るから昼に起こしてくれ。
Re友へ:マテ。初日から寝たらマズイだろ…
Re友へ:気にすんなよ。な?
Re友へ:俺が見ず知らずの転校してきた子起こすってこと自体無理があるだろ…
Re友へ:知るか。じゃノシ

友「(着信拒否しやがった…あとノシは半角だろ…)」
俺「すぅすぅ」


654 :rtQgin37x[sage]:2009/08/09(日) 01:34:19.52 ID:oqPObh20
今日もうちょい投下したかったんですがやたらと重いんで
ここまでにします。すいませんorz

655 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/08/09(日) 07:53:30.99 ID:iumujqMo
乙〜パー速は重くなるから困るばいwwww
656 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/08/13(木) 22:13:20.22 ID:6QKZNP2o
はいはい誘導誘導

男「う、ぁ?…マジかよ…ホントに女の子になってやがる…」
http://yutori7.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1250062560/
657 :駄文文! ◆dJNUgCnIng2009/08/16(日) 00:36:29.05 ID:l1wMs3co
急に書きたくなったので勝手に書きます

=プロローグ(?)=
夏休み
そう、夏厨やら虫やら色々とお盛んな時期だ。
そして俺たち大学生が何よりも楽しい時期である。

俺 超 風 邪

俺「うげぇ・・・」

女「ちょっと、俺君・・・大丈夫?」

俺「先輩、本当にすみません・・・ちょっと総合病院に兄貴が勤めてるんで、行ってきます・・・」

そう、夏だから。
きっと俺の頭も沸いたんだろう。

俺「・・・女に・・・なった・・・?」

兄「不思議な事にな、間違いない」

どうか、これが夢か、被害妄想か、その類であることを願う。
658 :駄文文! ◆dJNUgCnIng2009/08/16(日) 00:50:19.11 ID:l1wMs3co
俺「ちょっとまて、意味が解らない
  三行で説明してくれ」

兄「異常な女性ホルモンの分泌
  骨格の修正
  肉体の内部的変化
  ・・・まだ、女性として完成してはいないがな」

俺「・・・ど、どんな状況なんだ、俺は」

兄「なんとかかんとか(あの内臓診る機械)の結果を見る限り
  子宮が完成、精巣の消滅、卵巣が作られている途中、男性器もいずれ消えるだろう
  あと全体的に体力と筋肉が落ちたようだ、声帯も変わってるな他には・・・」

俺「どうしてこうなったんだ!」
 (・・・!?何だ、今の声)

兄「・・・身体が女性として変化しているな
  それも急激な速度で、声帯だけなら明日には女性として完成しそうだ
  栄養面が身体の変化に追いつかなくて体調不良を巻き起こしたんだろう
  栄養剤を処方しておく」

俺「ちょっとまてよ・・・、何とかしてくれよ!」

兄「・・・お前のような事例は聞いた事が無い
  表沙汰にすればマスコミの的になる
  夏休み中に学校のことは考えておく・・・もう帰れ」
659 :駄文文! ◆dJNUgCnIng2009/08/16(日) 00:56:26.06 ID:l1wMs3co
俺(そういえば・・・たしかに腕が細くなった気がするな・・・
  身長も縮んだか・・・?)

肉体的観察をしながら借りているアパートに戻る。
「遅いからもう帰るね」と書かれた置手紙を見つけ、ため息。

俺「・・・って悠長にため息ついてる場合じゃNEEEEEEEEEEEE!!!!!!
  なんだ!?ああ!?俺は一歩進んだ人類か!?
  そんなの鉄腕アトムにでもやらせておけばいいんだ!
  ちょっとまて!鉄腕アトムはロボットだ!こん畜生!」

お隣さん「うるせえ!」

俺「ひぃ!すみません!」
 (・・・はぁ、寝よう)
660 :駄文文! ◆dJNUgCnIng2009/08/16(日) 01:04:18.83 ID:l1wMs3co
=翌日=
ヴー、ヴー、ヴー、ピッ。
俺「・・・もしもし」

女「・・・あれ?俺君の妹さん・・・かな?」

俺「え?いやいや、俺ですよ・・・?」
 (・・・声が完全に女になってる)

女「あっれー?俺君って普段声低くしたりしてた?」

俺(表沙汰にするなって言われてもな・・・)
  「あ、あの、先輩・・・俺女性になったっぽいです」


女「・・・はひ!?」

俺「今噛みましたよね」

女「いやいやいやいやいあいyすあhさうhbh
  そんな私が噛んだとかそんな話はどうであさklpか」

俺「文字に出来ない言葉を発さないでください」

女「と、とにかく!今から行くから!」
661 :駄文文! ◆dJNUgCnIng2009/08/16(日) 01:15:58.84 ID:l1wMs3co
俺「・・・先輩来るし、とりあえず髭そらないと・・・」

ペタペタ
俺(何か頭いたいな・・・、そういえば処方された栄養剤飲んでない・・・
  昨日より大分背が縮んだ気がするし・・・)

鏡の前に立つととりあえずは顔を洗い、鏡を見る

俺「・・・のわあああ!!?
  なんだこの美少女!?夢か!?末期症状なのか!?
  このTシャツ1枚姿に萌える・・・萌えるぞぉ!
  まてまて!落ち着いて考えればこいつは俺じゃないか・・・
  ・・・か、可愛いよなぁ・・・?」
ピンポーン
俺「やべ・・・Gパンどこだっけ・・・あったあった」
ガチャリ

俺「おはようございm」

女「すみません、お部屋、間違えました」
バタン

女「・・・あれ?部屋あってる」
ピンポーン

ガチャ
俺「おh・・・」

女「ごごご、強盗!?殺人犯!?」

俺「ちょ、ちょっと落ち着いてくださいい!」

すみません、レポート終わらないんで今日の投下はここまで!
662 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/08/16(日) 05:59:14.94 ID:TofqbE60
待ってるぞ
663 :駄文文! ◆dJNUgCnIng2009/08/16(日) 08:15:33.26 ID:l1wMs3co
女「ご、ごめんなさい・・・取り乱しちゃって」

俺「大丈夫です、俺も1日でこんなに変わるとは思わなくって・・・」

女「でも、可愛いじゃない?」

俺「!?」

女「照れちゃってww可愛いなぁもう」

俺「馬鹿言わないでください、朝は食べたんですか?」

女「んー、まだ」

俺「んじゃ今用意しますから」

女「んー・・・」

俺「・・・どうかしたんですか?」

女「少し気になるんだけどさ
  俺君って今後好きになるのは男?女?」
ガタン!
俺「アッツ!熱っつ!」

女「・・・動揺してる?ww」

俺「ななななな何馬鹿な事言ってるんですか!
  そんなの・・・、・・・どっちだろ」
664 :駄文文! ◆dJNUgCnIng2009/08/16(日) 08:26:51.64 ID:l1wMs3co
女「さっきから馬鹿馬鹿って、一応先輩なのに・・・」

俺「先輩が変なこと言うからです!
  ・・・それに、多分もう男も女も好きになれないですから」

女「・・・大丈夫、いざとなれば私が嫁に貰ってあげるよ!」

俺「はいはい、ありがとうございますね
  ほら、チャーハンできましたよ」

女「あれ、やっぱり背が結構縮んだねー
  顔立ちも、体格も完璧に女の子になってるよ」

俺「あんま触らないでください」

女「いいじゃーん
  ・・・そういえばどうなったの、ここ」

俺「・・・ばk」

女「馬鹿はもう禁止〜
  引っぺがしちゃうぞ!」

俺「もうやってるじゃないですか!」
665 :駄文文! ◆dJNUgCnIng2009/08/16(日) 08:34:59.66 ID:l1wMs3co
女「よいではないか!共に一晩を過ごした仲!」

俺「夜通し酒飲んだだけじゃないですか!先輩一人で!」

女「その後俺君と同じベッドで寝たもん!」

俺「何勝手に入って来てるんですか!?」

隣人「うるせえぞタコ!!」

俺「ひぃ!すいません・・・てばかばかばか離せ・・・!」
ズル
女「トランクス・・・!女の子が履くと妙にエロい!
  しかしこれも!」

ペカー!ふたなり!
女「・・・女の子が出来てる!」

俺「返してください!」

女「ははは、ごめんごめんww」

俺「笑い事じゃないです、あそこがまだ男のままだったら最悪です!」

女「怒らないでよー、チャーハンおいしいよ?」
666 :駄文文! ◆dJNUgCnIng2009/08/16(日) 08:44:03.31 ID:l1wMs3co
女「そういえばさ、大学の方はどうするの?」

俺「多分辞める事になるとは思います」

女「そっか、残念だなー
  まあ、どうしようもないもんね」

俺「まあ夏休みは遊び通せますから」

女「そうだ、お買い物行こう!」

俺「いいですけど、どこに?」

女「俺君・・・俺ちゃんの下着を買いに」

俺「結構です」

女「なんでよー!一緒にいこうよー!」

俺「胸もないし、トランクスで充分です」

女「夏休み終わったらー?」

俺「・・・それは・・・その・・・」

女「決定!」
667 :駄文文! ◆dJNUgCnIng2009/08/16(日) 08:48:35.58 ID:l1wMs3co
俺「恥ずかしかった・・・」

女「服も買っちゃおうねー」

俺(着せ替え人形状態・・・!?)

女「ここ安いんだー」

俺「うわ、本当にめっちゃ安い!」

女「品揃えは微妙だけどねー」

俺「・・・あの、一応聞きますけど
  買うのってまさか・・・」

女「うん!スカート!」

俺「帰ります」

今はこんぐらいで
668 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/08/16(日) 21:53:58.72 ID:EBUYZico
いい!
669 :駄文文! ◆dJNUgCnIng2009/08/16(日) 22:11:50.13 ID:l1wMs3co
なんかレスないから俺の文そんなしょぼいか
って落ち込んでたらレス来たので再開

俺「何の公開処刑ですかこれは・・・」

女「うん、俺ちゃん可愛いから皆注目するね!」

俺「だあ!うるさいですよ!余計なお世話です!」

女「あれー?可愛いって言われて照れちゃってるwwwwww」

俺「先輩!怒りますよ!」

女「もう怒ってるー!」

俺「あ、こら・・・!この!」
ギュ!
女「俺ちゃん力弱いなー、えい!」

俺「いだだだ!」

女「はい、お家に帰りましょう」

俺「むー」
670 :駄文文! ◆dJNUgCnIng2009/08/16(日) 22:15:28.17 ID:l1wMs3co
俺「それよりいいんですか?」

女「なにがー?」

俺「最近俺の家にずっといるじゃないですか
  たまには自宅で飯食べたらどうですか」

女「なに、邪魔なのー?」

俺「ええ、食費のかさばるお邪魔虫です」

女「ひどいなぁ、いいじゃーん居心地いいし」

俺「勝手な都合ですね、まあ追い出しはしませんよ」

女「俺ちゃんツンデレだもんねー」

俺「出て行って下さい」
671 :駄文文! ◆dJNUgCnIng2009/08/16(日) 22:24:16.89 ID:l1wMs3co
女「今日泊っていいー?」

俺「あ、どうぞ・・・って駄目に決まってるじゃないですか!」

女「だってもう俺ちゃん女の子じゃん?」

俺「駄目なものは駄目なんです
  倫理的にも色々と問題がありすぎです!」

女「私は別にいいけどなー
  ね?」

俺「いや、ね?って言われても」

女「いいじゃん、泊めてよー!」

俺「駄目です」

女「泊めてよー!後輩のクセにー!」

隣人「うるせぇ!」

俺「ヒィ!・・・ほら、もう静かにしてください・・・」

女「泊めてくれたらいいよ?」

俺「・・・しょうがないですね、今晩だけですよ?」
672 :駄文文! ◆dJNUgCnIng2009/08/16(日) 22:37:40.73 ID:l1wMs3co
女「シャワー借りちゃっていいー?」

俺「は、はい!」

女「・・・ニヤニヤ
  あ、やっぱり先いいよ」

俺「・・・?
  そうですか?じゃあお先、失礼しますね」

=風呂場=
カポーン
俺「・・・はぁ
  色々あって疲れたな・・・」
 (・・・俺の肌ってこんなに白かったけか
  ・・・胸もあるな、小さいけど
  今のところは見ないで服は脱げたけど・・・
  ココとか洗わないと駄目だよな・・・)

ガラ!
女「背中ちっさ!?
  細!?うらやましい!」

俺「うわわ!いきなり入って来ないでください!」

女「ふふーん、とっさに胸は隠せる、上出来ね!
  女の子の身体の洗い方・・・教えてあげる!」

アッー!(ご想像にお任せします)


今日はここまでー
673 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/08/17(月) 00:01:30.03 ID:hINkSSco
>>669
過疎スレだからレスくるかどうかは気にすんなww
乙ww
674 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/08/17(月) 11:05:16.45 ID:UtQbKVA0
俺はちゃんと毎日このスレを開いている

675 :駄文文! ◆dJNUgCnIng2009/08/17(月) 11:31:20.27 ID:YUdaN/go
俺「・・・ふぁ」

俺「よく寝た・・・!?」

女「むにゃ・・・」

俺「何で俺の布団で寝てるんですか!」

女「ふぇ・・・?」

俺「わざわざベッド空けたのに・・・
  今朝食つくりますから、着替えておいてください」

女「ありがと〜」

俺「軽いものでいいですよね」

女「うん、へーきだよ」

=10分後=

俺「出来ましたよ、俺は着替えるんで、先食べててください」

女「別に一緒に着替えちゃってもいいのにー」

俺「駄目ですよ、一応この前まで俺は男だったんですから」

女「ぶー」
676 :駄文文! ◆dJNUgCnIng[sage]:2009/08/19(水) 17:12:16.13 ID:VPGkxWAo
放置しちゃったんですけど
まあ見てる人もあんまりいないようなので問題ないですよねww
続けます

=夜=
男「ちょっとホームセンター行ってきます」

女「んー?どこ行くのー?」

男「日用品を買いに」

女「こんな時間にー?」

男「今思い出したんですよ、もうトイレットペーパーのストがないんです」

女「男ちゃん、痴漢に遭わないようにねー」

男「からかわないでください」

女「いやいや、本当に」

男「・・・ありがとうございます、大丈夫ですよ、行ってきます」

女「いってらっしゃーい」

ガチャ
677 :駄文文! ◆dJNUgCnIng[sage]:2009/08/19(水) 18:07:37.53 ID:VPGkxWAo
男「・・・買いすぎた
  まさかホームセンターであんな特売やってるなんて・・・
  こんな量もって帰れるかな・・・先輩呼ぼうかな、でも一人で行くって言っちゃったからし・・・」

チャラ夫「ねえwwwwwwww荷物もってあげようかwwwwwwwwwwww」

男「・・・」

チャラ「そんな邪険にしなくてもいいっしょwwwwwwwwww下心なんてないっすよwwwwwwwwww」

男「結構でs」
ガシ

チャr「・・・いいじゃん?そういう反抗的態度、そそるねぇ」

男「・・・それじゃあ、お手伝いをお願いします」
678 :駄文文! ◆dJNUgCnIng[sage]:2009/08/19(水) 18:59:12.28 ID:VPGkxWAo
あれ、違和感なかったけど誤字、男→俺。です、すみません

チャラ夫「そういや名前聞いてないわwwwwwwwwなんつーのwwwwwwww」

俺「・・・俺です」

チャラ「なんか変わった感じの名前だなwwwwwwww」

俺「あんたには関係ない」

チャr「・・・乗せてやってるのに、ツレないな」

俺「頼んでない」

ダン!
チャ「・・・あんま嘗めないでくれっかなwwwwwwwwwwwwww」

俺「ナイフを仕舞ったらどう?」

チ「調子にのんないでタクシー代金払ってもらおうかなwwwwwwwwww」

俺「・・・聞いてない」

チ「・・・もちろん身体で」

俺「・・・今何て?」

チ「いや、なんでもwwwwwwwwww後で払ってもらうよ」

俺「・・・ッチ、わかったよ」
679 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/08/19(水) 19:31:59.43 ID:ib6KVp.0
今日投下終了?
見てるよ
680 :駄文文! ◆dJNUgCnIng[sage]:2009/08/19(水) 19:56:01.84 ID:VPGkxWAo
俺「・・・ここまででいい」

チャラ「・・・公園で生活してるの?wwwwwwwwww」

俺「ここからは歩く、代金は?」(お前に自宅を教えたくないんだよ・・・)

チャラ「・・・ニヤリ」

俺「・・・離せ!」

チャラ「こんな弱っちそうな身体で強がるなよwwwwwwww」

吐息が届く位置まで、顔が近づいてくる

チャラ「わざわざこんな人気のない場所に案内してくれてあんがとよwwwwww」

俺「こ、この・・・やろ・・・」
681 :駄文文! ◆dJNUgCnIng[sage]:2009/08/19(水) 19:57:24.42 ID:VPGkxWAo
>>679
あ、のんびり動画見ながら書いてるので遅いですが、一応しばらく続ける予定です
レス消費すいません
682 :駄文文! ◆dJNUgCnIng[sage]:2009/08/19(水) 20:32:12.81 ID:VPGkxWAo
俺「だ、誰か・・・ムグ」

チャラ「ほらほら、騒がない」

するといきなり車のドアが開く

女「お取り込み中失礼」

俺「せ、先輩・・・!?」

女「私の後輩が世話になったようで?」

チャラ「何だよ!人が・・・」

女「もう、警察呼んでますから、それじゃ行こっか」

俺「あ、はい!」
683 :駄文文! ◆dJNUgCnIng[sage]:2009/08/20(木) 12:24:38.46 ID:HXaXd/Io
俺「あの・・・」

女「宿泊代、今後は請求しないでよね!ww」

俺「はいはいwwいつでも歓迎しますよ」

女「それにしてもよくこんなに買ったね」

俺「セールだったもので」
684 :駄文文! ◆dJNUgCnIng[sage]:2009/08/20(木) 12:41:47.46 ID:HXaXd/Io
・・・すいません、ネタがまったく浮かばないのでしばらく更新できないかもです
685 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/08/20(木) 13:06:08.72 ID:A.gqPJAo
乙wwww
686 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2009/08/21(金) 14:11:45.46 ID:jsQga6E0
最近いっぱい投下されてて嬉しいです(//▽//)
687 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/08/21(金) 14:22:40.09 ID:a.nmP8wo
俺も書きたいんだけどな。ここのところ何も書いてない…
688 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/08/28(金) 00:55:05.16 ID:ksGrpm20
そこそこ書けたので投下しようか迷っています。
前作の続編になるのですが…HKOKになった後の話なので
お約束の話が無いと言うか、期待感が薄れてしまっている
というか…。微妙です。
689 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/08/28(金) 01:48:55.01 ID:y4cP.4Mo
>>688
お約束もいいけど新しい話もみたいんだぜww
690 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/08/28(金) 07:21:24.04 ID:fVdzAYAO
続編だと…!?
このスレでまともに終わっている話なんてあったか?
でもwwktk
691 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/08/28(金) 20:43:57.90 ID:QklmjSEo
とりあえず「前作」ってのがどの話なのかkwwsk
692 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/08/29(土) 00:16:39.99 ID:cH4fHxc0
>>688
書いてるなら投下してほしいです
693 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/08/29(土) 00:20:18.54 ID:O64dZeMo
なんだかんだで見てる人結構居るっていう
694 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/08/29(土) 00:22:24.15 ID:O64dZeMo
>>688は ◆wjOmYNm0Aw と見た。
695 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/08/29(土) 01:19:51.89 ID:YYpX5iIo
さりげに見てるよ
投下にwktkしてる
696 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/08/29(土) 08:43:07.45 ID:0MvuHcs0
>>689 了解です。
>>690 一応完結しております。で、続編なんですww
>>691 kwwsk説明するほどのものでも無いです。
>>692 わかりました。
>>694 残念ながら違いますww

ただ今リアルに忙しいので数日中に投下できればと思います。
697 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/08/29(土) 10:36:56.91 ID:PkRUF6DO
俺が知ってる完結した話は、どんだけエモーションしか思いつかん
698 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/08/29(土) 17:34:28.13 ID:AM77YsAO
まとめサイト見ても
完結してる話は少ないね。
いかに皆さん投げているのかがうかがえますww
699 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/08/30(日) 00:44:52.16 ID:43eZuBYo
確かに投げっぱなしは多いが
完結作が>>697だけってこたないぞ
◆iqP3HuSAqUや◆KjoXDJ3iYIは結構な数を完結させてる
700 : ◆VaiOM4oLyA[sage]:2009/09/01(火) 21:17:00.73 ID:hqCTywso
>>698
ごめんなさい・・・

この流れで言うのはよくないとは思いますが、
受験というものがやべーやべーなことになってるので
4〜5月くらいまでお休みします。投げっぱですいません。

もしかしたら別トリで別の話書くかも
701 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/09/02(水) 11:21:07.63 ID:hlqnsQAO
>>700
それは仕方無い。
また投下してくれるのをwktkしながら待ってるぜ!!
702 :駄文文! ◆dJNUgCnIng[sage]:2009/09/02(水) 17:27:38.70 ID:u92729Eo
そんな事言われたら書くしかない
703 :駄文文! ◆dJNUgCnIng[sage]:2009/09/02(水) 17:33:55.93 ID:u92729Eo
女「夏も終わるねぇ・・・」

俺「まあ、一応俺たちの大学の夏期休暇は9月20日までなんで、まだ平気ですね」

女「あー、課題終わってない・・・」

俺「コピペなんかしないで下さいよ、仲良く退学なんて嬉しかないですからね」

女「はいはーい、今日は暑いね・・・」

俺「先輩は今日もだらけてますね」

女「もー、さっきっから何さー」

俺「いえ、別に
  それよりアイス買ってきましたよ」

女「うおー、まじかーい!私イチゴ味ね!」

俺「はいはい・・・」
704 :駄文文! ◆dJNUgCnIng[sage]:2009/09/02(水) 17:36:06.71 ID:u92729Eo
女「うめぇ!」

俺「うめぇって
  もう少し言葉遣いどうにかした方がいいんじゃないですか」

女「いやいや、アイスはガツガツ食べるものだよ」

俺「先輩の微妙なこだわりは俺には理解できませんね」

女「・・・そうだ」

俺「自分の変人さを今やっと理解できましたか」

女「プールに行こう」

俺「・・・・はい?」
705 :駄文文! ◆dJNUgCnIng[sage]:2009/09/02(水) 17:40:18.29 ID:u92729Eo
女「よし、プールに行こう」

俺「ちょちょちょちょ
  何の因果でどういう脈絡からそういった流れになったのか
  この俺に3文字で説明してください。」

女「い・や・だ」

俺「うめぇwwwwwwww
  ってそういう話じゃないですよ、なんですかいきなり
  そもそも俺まだ男ものの水着しかもってないですし」

女「買えば良いじゃん」

俺「・・・(^ω^;)」

女「水着がないなら買えばいいじゃないbyゴッホ」

俺「ゴッホって」
706 :駄文文! ◆dJNUgCnIng[sage]:2009/09/02(水) 17:46:28.73 ID:u92729Eo
女「そうと決まれば買いに行こう」

俺「いや、まだ何一つ決まってないですから」

女「異論はないんでしょ?」

俺「ありますが」

女「うん、ないっぽいからいいよね」

俺「ちょちょちょい!
  こんな所でスルースキル発動しないでくださいよ!」

女「えー、異論って何さ」

俺「・・・いや、その・・・
  まだ女になってそんな日も浅いですから、恥ずかしいというか・・・」

女「うん、じゃあ行こう」

俺「うおーい!?」

女「恥ずかしいならこういう所でなれないとね!行くよ!」

俺「・・・行っちゃった
  うわー、あの人放っておくと、とんでもない水着買いそうで嫌だな
  ・・・しょうがない、ついて行くか・・・」

とほんの少し更新してみた
707 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/09/03(木) 00:14:14.96 ID:SSBiKkg0
続きwktk
708 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/09/04(金) 23:49:56.56 ID:JMfORXQ0
どうにもお待たせしました。
そうでも無い方もいるかも知れませんが、とりあえず続編を投下します。
709 :vqzqQCI0[sage]:2009/09/04(金) 23:55:26.39 ID:JMfORXQ0
すいません、トリ忘れてました。
付けますねww
710 :vqzqQCI0[sage]:2009/09/04(金) 23:59:30.77 ID:JMfORXQ0
    どんだけ☆エモーション セカンドシーズン(以下SSと略しますww)(その1)

「今日からうちの学校に転入してきたから仲良くしてあげてね」

「よろしくお願いします」
千絵先生に促されて私は簡単に挨拶する。

ざわつくクラス内。クラスメイトの全視線が私に集中してくる。

「…うっ」
思わず教壇で思わず後ずさる私。
う〜ん、考えてみればこれまで私がこのクラスでこんなに
注目される事なんてあまり無かったような気がする。

私の名前は「ミヒロ」。
以前はこの高校に通う男子高校生で、その時の名前は「ヒロアキ」であった。
まあ、色々ありまして…「ひょんなことから女の子」なってしまいまして、
姿形はもとより母さん達の特訓により言葉遣いも女の子になってしまいました。
脳内のナレーションもすっかり女の子らしくなっちゃって。

そんな訳で今は女子高生の「ミヒロ」として気持ち新たに通う事になったのです。
詳しい事は前作を読んでねww

…それはともかく。

「それじゃ、ミヒロちゃんの席は分かっているわよね〜」
私の耳元で千絵先生がささやく。
「…そりゃもう、勝手知ったる元・自分のクラスですから」
私はため息をついて窓際に位置する一つの空席をじっと見る。
そこは以前自分がヒロアキだった時に使っていた自分の席だ。

…確かに今後の生活においてサポートは必要かも知れないけど、
まさかヒロアキ時代と同じクラスに転入する事になろうとは。
私がボロを出して正体がバレたりするのを考えたりはしなかったのだろうか?
普通に別のクラスにしてくれれば良いのになぁ。

「よろしくね」
私はとりあえず自分の周囲のクラスの方々に簡単に挨拶しながら
自分の席に向かう。皆興味深そうな顔で私を見て挨拶してくれる。
向こうからしてみれば、私は初めて見る転校生という存在かも知れないけど
私にしてみれば元々このクラスに居たからそれなりに見覚えのある顔ばかりかな?

…とは言っても2年に進級した際にクラス替えがあってまだ2、3ヶ月。

仲の良い男連中はともかく、女子達とはあまり接点らしきものが無く
未だに顔と名前が一致しないクラスメイトもいたりするんだよなぁ。
711 :vqzqQCI0[sage]:2009/09/05(土) 00:01:29.36 ID:QZvDu060


席に向かうまでの間、歩きながら私はサトシの姿を目で探す。
学校に着いてから私は職員室に向かうのでサトシとは別行動を取ることになった。
そんなわけでサトシは先に教室に行っていたのだ。
サトシは私と同じクラスであり、私とは反対側の廊下側の席に座っている。

…あ。

サトシと目が合った。
思わず笑みを浮かべる私。
ところがサトシは私の視線をすっとかわす。

あれれ?どうして?

…なんだよ、もう。
ちょっとむくれる私。
そりゃさ、あんまり目立った事は出来ないけど少し位のリアクションは
あってもいいよね。

「ふう」
とりあえず自分の席に座ると一息つく私。
クラスメイトの視線から離れ、馴染みのある自分の席に着席すると
何となく気持ちが落ち着く。

「よろしくね、ミヒロさん」
私の横の席に座る女子生徒が声を掛けてきた。
「よろしく、え〜と…」
あまり女子の方から声を掛けられた事のない私は戸惑いつつ応える。
「わたし、仲林園生、よろしくね」
「よろしくね、仲林さん」

そうそう、確かこの娘は仲林さんだった。

私はヒロアキ時代の頃を思い出す。席が隣だったにも関わらずあまり会話した事が
無かったので名前すらうろ覚えだったりする。
…まあ裏を返せばその位、私は女子との接点が無かったわけで。
何気に寂しい高校生活を送っていたんだな、自分って。

「ミヒロさんって、すごくキレイだよね? 羨ましいなぁ」
「ええっ!? そ、そうかな…、あ、ありがとう」
彼女のいきなりの言葉に苦笑しつつ答える私。
しかも彼女はその後も色々私に気さくに話しかけてくる。

艶のあるセミロングの黒髪をサラっと流し、見た感じは
ちょっと清楚で大人しめな印象を与えるが話してみると意外にハキハキして
明るい雰囲気が仲林さんから伝ってくる。

しかも申し訳の無い話ではあるがじっくり見たこともなかったので
今更ではあるが結構可愛い部類に入るんじゃないかな、と
この娘を見てその事に気付く私。…まぁ、今更だよね、ホントに。
712 :vqzqQCI0[sage]:2009/09/05(土) 00:04:50.87 ID:QZvDu060
始業前のホームルームが終わると数人の生徒が俺のところにやってきた。
しかもみんな女子。今まで女の子に囲まれたことの無い私にとっては
ハーレム状態(?)だ。

「どこから来たの?」
「今はどこに住んでいるの?」
「前の学校では何か部活やっていた?」
様々な質問が矢継ぎ早に私に浴びせられてゆく。

「え、え〜と、ね」
私は多少しどろもどろになりつつも彼女らからの質問に答えていく。

何事も初めが肝心だ。ボロを出さぬよう事前に質問に関する受け答えは
妹の実由と一緒に練習してきたのだ。だからこの位は大丈夫。
「…ふう」
そして一通り質問に関する受け答えが終わって一息つく私。

「ところで…ねえ、ヒロアキ君とはどういう関係?」
「え?」
私は予期してなかったいきなりの質問に硬直する。
「だって、苗字も同じだし、何かミヒロさんの容姿がヒロアキ君のお母さんに
そっくりなんだもん。私、びっくりしちゃったよ」
驚いた様子を軽くジェスチャーしながら話す一人の女生徒。

「ど、どうして…そのような話題が?」
動揺しつつある私。
しかも何故そこでうちの母さんの話が出てくる?

「えー? だってヒロアキ君って何気に女の子に人気あったんだよね?
実はこのクラスにも彼の事を気にしている子も居たんだよ。
それでね、ヒロアキ君のお母さんって千絵先生と親友らしくて頻繁にうちの高校に
顔を出していたんだけど、ミヒロさんはそのお母さんに似ているんだよね」
「へ、へぇ…」
そりゃ親子だもん、似ていて当然なんだけど。

「あ、そうそう、誰彼のお母さんに似ていると言われて、嬉しくないかもしれないけど大丈夫よ。
だってヒロアキ君のお母さんって、すごく若く見えてすごく綺麗で可愛いんだから。」
「むしろそれはいい意味で受け取って欲しいよね」
「ふ、ふぅ〜ん、そうなんだ…」
思わず苦笑いを浮かべる私。

考えて見ればうちの母さんって頻繁に千絵先生に会いに学校に来ていたな。
しかも必ず私の様子を見に教室まで来ていた。
変に注目を浴びるし、クラスの男連中は母さんがあまりに可愛いので
「あの可愛いお姉さんは誰だ!?」
などと妙に盛り上がっていたような気がする。
…ハッキリ言って、私は恥ずかしいんだけど。
713 :vqzqQCI0[sage]:2009/09/05(土) 00:06:26.84 ID:QZvDu060
「で、どうなの?」
さらに確認を迫るように訊ねてくる別の女生徒。
「そ、それは…」
答えに詰まる私。ここはどう答えた方が得策なんだろうか?

「勿論、関係はあるでしょ、だってヒロアキ君の従兄妹なんだから、この子は」
「え?」
私は突然の声にその相手を見る。
「あれー? 千絵先生」
一人の女生徒が驚いた声をあげた。
「色々聞かれても困るでしょ? ね? ミヒロちゃん」
私を囲む女生徒達のすぐ近くに千絵先生が立っていた。

               ◇

「…でね、ミヒロちゃんは親の事情により親元を離れて
ヒロアキ君の家に居候する事になったのね」

「そうだったんですか、なんだ〜、親戚なら似ていて当然か〜」
千絵先生の説明で妙に納得する生徒達。
「何だかタネが分かってしまったらそれほど騒ぐような事でも無いか。
ゴメンね、あたし達で勝手に盛り上がっちゃって。」
「いえ、…別にいいんですけど」
タネって、私は手品か何かか? などと思ってしまうが何事も無く振舞う。

「さあさあ、もうすぐ一時間目の授業でしょ? 早く自分の席に着きなさいね」
千絵先生は生徒達を促す。みんなそれぞれの席へと向かいだした。
「ありがとう千絵先生。お陰で変に詮索されずに済んだよ」
私はそっと千絵先生の耳元に囁く。
「どういたしまして、だって、晴子ちゃんの大事なミヒロちゃんだもの。
私だってミヒロちゃんの事、大事なんだからね」
千絵先生はニッコリと笑って返す。
「さて、私も他のクラスで授業があるのでもう行くね、勉強がんばるのよ」
そう言うと千絵先生は教室を出て行った。

「…ふう、なんとかなったかな?」
私は小声で呟く。
一時はどうなるかと思ったがピンチは千絵先生のお陰で凌ぐ事ができた。
714 :vqzqQCI0[sage]:2009/09/05(土) 00:08:36.82 ID:QZvDu060
とりあえず千絵先生がみんなに話した説明の内容はこうだ。

ミヒロの父親が急に海外に転勤することになった。
海外での滞在期間が長くなるとの事から親子揃って海外の移住を考えていた両親であったが、
ミヒロは日本に残る事を希望した。

さすがに一人で残す事に抵抗を感じたミヒロの両親は親戚の晴子(うちの母さん)に相談する。
色々なところに顔の利く晴子なので真っ先に彼女に相談したわけだが、
晴子は「それならうちで預かる」とミヒロの両親に返事をしたわけである。

晴子の息子のヒロアキが海外に留学して居ない事もあって部屋も空いているし、
通う学校にしてもヒロアキと入れ替わりにするとタイミング的にも丁度いいのではないか、
というのが千絵先生の話の内容だ。

…もちろん、この話は嘘なんですけど、って以前もこんな事あったような…。

それにしても。
さっき一人の女生徒が言っていた事が気になる。

―『だってヒロアキ君って何気に女の子に人気あったんだよね?
実はこのクラスにも彼の事を気にしている子も居たんだよ』

当の本人が居なくなってから(実は居るんだけど)気付く、驚きの事実。
実はヒロアキは女の子からモテていた!

自分の知らないところであまり面識の無い(本人がそう思っているだけかも知れないけど)
クラスの女の子達から私(ヒロアキ)の事について話題になっているなんて
初めて知ったよ。…でもこれは私が女の子になってこうして女の子の輪の中に入って
いるからこそ知る事が出来たわけで、きっと私がヒロアキのままであったら
知る事は無かったんだろうなぁと実感する。

「…ふぅ」
と、そこで私はため息をつく。
だから何なんだろう? …今更言われてもなぁ。 

男の時ならともかく、女の子になってしまった今
そんな事実を知ってもあまり嬉しいと思えないのは何でだろう。

自分が女の子になってしまったという心境の変化からか
男の時のような変な盛り上がりが私の中から湧いてこないんだよね。
今の状況をすんなりと受け入れてしまっている自分がいるのも
不思議と言えば不思議なんだけど。

まぁ、人から好かれることは決して悪い事ではないんだけどね。
…でも誰なんだろ? 私(ヒロアキ)の事を気にしていた娘って?
715 :vqzqQCI0[sage]:2009/09/05(土) 00:10:52.52 ID:QZvDu060
「どうしたの? ぼんやりしちゃって、ミヒロさん?」
「え?」
授業が始まるのを待ちつつ私が考え事をしていると横から声をかけられる。
声の主は仲林さんだった。

「えーと、仲林さん?」
「園生(そのお)でいいよ。苗字でしかも敬語だと何だか落ち着かないから」
「うん、分かった、園生ちゃん。私もミヒロでいいよ」
「じゃ、わたし、ミヒロちゃんって、呼ぶね」
そう言うとニコッて笑顔を浮かべる仲林さん、…じゃなくって、園生ちゃんだったよね。

「ところで、なんとかなったって、何?」
さっきの私の呟きを聞いていたらしく興味津々に私の様子を見る園生ちゃん。
「え?」
まさか聞かれているとは思わず戸惑う私。
え、え〜と…。頭をフル回転させる。
「いえその、急にあれだけ沢山質問されるんだもん、ちゃんと上手に
答えられたかなって、ね」
「あはは、そうかぁ、そうだよね。でも転校してくるのも大変だよね。
知らない人ばかりだし、一から友達を作っていかなければならないし、ね?」
園生ちゃんは私の言葉に頷きつつ笑う。
「うん、確かに人間関係を最初から作っていくのって大変だよね。
最初の友達を作るまでが緊張するっていうか。でも私は大丈夫かな?」

「え? 何で?」
私の言葉に怪訝な表情を浮かべる園生ちゃん。
「園生ちゃんはこの学校で最初の私の友達になってくれるんだよね?」
「むむ? どうしてそういう事が言えるの?」
真顔で私に問いかける彼女に対し、私はその言葉を笑顔で返す。
「だって、私に興味を持ってくれたんだよね? そうでもしてくれなければ
園生ちゃんの方から話しかけてくれないでしょ?」
「…! あははっ、ミヒロちゃんって、面白いね」
私の答えに驚きの顔をした後、彼女は笑う。

考えてみると母さんや実由以外の異性とこんなに気さくに話をする事なんて
無かったように思える。…いや、寧ろこれまでの私であったら意識して
話す事なんて出来なかったように思える。
これも自分が女の子になってしまったせいなのかも知れないな、と考える。

「さあ、転入生の紹介も終わったところで早速だけど私の授業を始めるよ」
千絵先生はざわついた教室を静めると黒板に向かい始める。
716 :vqzqQCI0[sage]:2009/09/05(土) 00:13:17.94 ID:QZvDu060
1時限目はタイミング良く千絵先生の数学の授業だったりする。

「ねぇ…」
隣から私に向かって声が聞こえる。
「ん?」
声の主は園生ちゃんだった。

「どうしたの?」
真新しい教科書とノートを広げ、授業を受ける用意をしつつ園生ちゃんを見る私。
「さっきの千絵先生の話って、ホント?」
真顔で聞いてくる園生ちゃん
「え? どうしてそんな事を聞くの?」
「何だか話が出来すぎているような気がして…気になったから」
「そうかな? でも当事者の私が言うのも何だけど嘘では無いよ」
彼女の言葉にギクッとしながらも何事も無いように振舞う私。

…どうしてこう、私の周りには勘の鋭い人間が多いのだろうか?

「それならいいんだけど、実は今、ミヒロちゃんが座っている席ってね、
転校したヒロアキ君の席だったんだよね」
「へ〜、そうなの? 従兄妹で席の入れ替わりなんだ?」
そんなのは本人だから知っているところではあるが初めて知ったような
驚きの表情を浮かべてみる。

「うん、偶然なんだよね。何だか不思議だなって」
考えこむような仕草で私の顔をじっと見つめる園生ちゃん。
「園生ちゃんはヒロアキ兄とは仲が良かったの?」
実際のところは知っているものの何となく意地が悪い質問をしてみる。
席が隣同士というだけで後は何も接点の無かったわけだから仲が良いの
悪いのという話では無いんですけど、ね。

「…そうだね、その」
「授業始めるぞー、皆席に着いてー」
園生ちゃんが一瞬考え込んだ後、話そうとした矢先に授業の担当教師が教室に
やってきてその話は中断された。

「…」
話もそこそこに私たちは授業の準備を始める。

でも。

私の質問に一瞬複雑な表情を浮かべた園生ちゃん。
彼女のあの表情は…何だったんだろう?
717 :vqzqQCI0[sage]:2009/09/05(土) 00:21:36.42 ID:QZvDu060
投下完了です。

できれば早めに投下できるようにしたいですが、書き溜めたものが
無くなる前に話を完結させなければならないので投下のペースは微妙です。
週に1回か2回位ですかね…。

長くなりそうなのでスレまたぐかも知れません。
飽きずにお付き合い頂ければ幸いです。
718 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/09/05(土) 01:09:13.49 ID:5FPOO4o0
wktk
719 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/09/05(土) 01:46:53.89 ID:5wgxOcAO
GJすぎる!
続編を待っていたのは俺だけでは無いはず。
720 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/09/05(土) 12:26:48.15 ID:r9VlBVUo
乙wwwwww俺もそろそろ書こうかな。
721 : ◆/ShBG.hvjg2009/09/05(土) 15:47:17.34 ID:r9VlBVUo
新しいトリで新しい話書くよー
こんどこそは最後まで書くよー
お話の長さは未定だよー
どうなるだろーww
722 : ◆/ShBG.hvjg2009/09/05(土) 15:49:09.62 ID:r9VlBVUo
…ピ…ピピ…ピピピピピピピピピ

「ヤバいっ!」
ベッドから飛び上がるなりそう叫んだ俺は、
そのまま10秒くらい固まってしまった。
妙な違和感があった。見渡してハッキリした。
目に映る全てを俺は知らないのだ。

「美恵〜。そろそろ起きなさい」
不意に部屋の外から声がかかる。
美恵という名前に聞き覚えは無かった。
ここは美恵という人の部屋なのだろうか。
いや、その家族の部屋かもしれない。

時計を見ると、たぶんこれは俺の時計だ。
メインの時計で起きられなかった時の保険に使っているから、
本来これが鳴ると登校時間ギリギリになってしまう。
それでヤバいと思って起きたのだが、
誰かが設定を変えたのか、まだ時間に余裕があった。

それ以外、俺の持ち物と思われる物は無かった。
ただ、机の上にある生徒手帳はうちの学校の物だ。
持ち主の名前は高原美恵。さっき呼ばれた名前だな。
俺を泊めるためにわざわざ別の部屋で寝たのだろうか。
高原…やっぱり聞き覚えがないよな。
723 : ◆/ShBG.hvjg2009/09/05(土) 15:50:22.06 ID:r9VlBVUo
昨日のことを思い出そうとしても、
なんでここに泊めてもらうことになったのかさっぱり分からない。
自分の荷物もないから着の身着のままで来たのだろう。
今来ているパジャマも俺の物ではなく女物のように見える。

あれ?

まるで自分の体じゃないみたいだ。
腕も足も細くて白い。そういえばいつもの体力が無い。
たとえば長期間意識を失って筋肉が衰えたとか。
しかし時計の日付表示は昨日から一日分しか変わっていない。

目が覚めたときに感じた違和感はこれだったのか。
視界の違和感だけじゃなかったのだ。
体がどう考えても自分じゃない。
まさかと思って股を触ると、あるべきものが付いてなかった。

女。

俺は男だ。俺が一人称の女では断じてない、と思いたい。
それなのに、何故か女の姿で知らない部屋に居る哀れな男なのだ。
724 : ◆/ShBG.hvjg2009/09/05(土) 15:51:43.20 ID:r9VlBVUo
部屋を出て階段を下りるとそこがリビングだった。
「美恵おはよう。転校初日なんだから早く準備しなさい」
「はい…」
いきなり自分は何者だと問わずに済んだのは助かった。
俺は美恵という女の子だと思われているらしい。

そして美恵は転校生。どおりで俺が知らない名前なわけだ。
知らない家になぜ泊まっていたのかと考えかけたが、
どうやら俺が美恵の部屋に寝ていたのではなく、
美恵が美恵の部屋に寝ていたというのが正解らしい。
そして美恵が俺なのである。…と、いうことか。

この事実を目の前にいる母親らしき女性が知ったらどうなるだろう。
喋り方で異変に感づかれる事もあるかもしれない。

あまり会話をしないほうが良いと結論づけた俺は、
すぐにリビングを出て洗面所を探した。案外すぐ見つかるものだ。
俺が知るはずもないが体が覚えていたのかもしれない。
洗面台の鏡を見ると、可憐な少女がそこにいた。
高原美恵。生徒手帳にあった顔がそこにいた。
725 : ◆/ShBG.hvjg2009/09/05(土) 15:55:02.66 ID:r9VlBVUo
顔を洗った後リビングに戻って一気に階段を駆け上がる。
学校の準備は昨日のうちにしてあったと見える。
部屋を入った目の前には、ハンガーにつるされた制服。

楽しみにしていたかどうかは定かではないが、
僅かながらにも新しい生活に期待を持っていた事だろう。
だが、結局これに袖を通すのは美恵であって美恵ではなかった。

しかしそんな風に美恵を哀れむことはできるのだろうか。
すなわち自分の体がどうなっているのかという事だ。
美恵の体に俺が居るなら、俺の体に美恵が居ると考えるのが自然だ。
曲がり角でぶつかった衝撃で、なんて物語があったような気がするが、
昨日はずっと家に居たはずだからそうなったとは考えにくい…。
幾ら考えても無駄か。学校で俺の体に会えれば良いな。

女子用制服の構造を確認しながらなんとか着替え、
髪も一応といておいた。ヘアピンとか付けたほうがいいのかな。
クラスの女子の髪型を頭に浮かべてみたが、よくわからない。
きれいなストレートヘアーだしこのままでいいだろう。
726 : ◆/ShBG.hvjg2009/09/05(土) 15:57:08.61 ID:r9VlBVUo
「うふふ、似合ってるわ」
リビングに降りた俺にかけられた一言である。
美恵の母親から色々と話しかけられたがすべて生返事にしておいた。
それがベストだと思ったのだが、「初登校緊張する?」と心配されてしまった。
普段の美恵はここまで無口ではないようだ。これからどうしよう。

朝ご飯を食べ終えたら丁度良い時間になっていた。
普段はしない事だが、食器を片付けキッチンに運んでみる。
母親の反応は無かった。よし、これは正解のようだ。

鞄を持って玄関に行くと、綺麗にそろえられた革靴にそっと足を入れる。
「いってきまーす」
「がんばるのよー」
そんな風に母親は励ましてくれた。
転校当日は確かに骨が折れそうだ。
それに俺の場合もっとやるべき事がある。がんばろう。

扉を開けた先が知っている景色で助かった。
とりあえず迷わず学校まで行けそうだ。

第一話END
727 : ◆/ShBG.hvjg2009/09/06(日) 00:56:21.41 ID:dNmEvlEo
はっ…、どん☆エモさんも転校話だwwww
読んでから投下すれば良かったwwサーセンww
728 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/09/06(日) 02:09:16.66 ID:9hHIfcAO
GJ!!
同じ時期に良さげな投下が二つもあるとは。
wwktkしまくりです!
729 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/09/06(日) 15:06:32.68 ID:dNmEvlEo
☆〜 6月以降更新のあった物語まとめ 〜☆
◆SaEKLUFt0w 「」
 1[09/07/23] >>637-645

rtQgin37x 「」
 1[09/05/12] >>573-576
 2[09/05/18] >>579-582
 3[09/05/23-24] >>587-600
 4[09/05/24] >>605-606
 5[09/05/28] >>612-617
 6[09/07/09] >>627-630
 7[09/08/09] >>651-653

駄文文! ◆dJNUgCnIng 「」
 1[09/08/16] >>657-672
 2[09/08/17-20] >>675-683
 3[09/09/02] >>703-706

vqzqQCI0 「どんだけ☆エモーション セカンドシーズン」
 1[09/09/04] >>710-716

◆/ShBG.hvjg 「」
 1[09/09/04] >>722-726
730 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/09/07(月) 15:29:22.64 ID:cbi...AO
乙です。
まとめサイトもやってくれると嬉しいです。
731 : ◆/ShBG.hvjg2009/09/08(火) 00:18:38.95 ID:GPTXm.ko
ぼちぼち投下しますー
前回のおはなし >>722-726
732 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/09/08(火) 00:21:10.33 ID:GPTXm.ko
ここから本来の自宅まで数百メートルは離れているだろうか。
普段の通学路とは違う道で学校に向かうのは、
一度だけ親友の家に泊まったとき以来である。

その親友の家の近くという事もあって、
突如住む事になった知らない家からの登校にも不安はない。

道に不安はないのだが……、
女子の格好でいる事についての不安が拭い去れずにいる。
端から見たら普通の女の子、であるはずなのだが、
昨日まで男だった自分の感覚が抜けきれず、
珍妙な格好で歩いているという錯覚に陥ってしまうのだ。

路上に停めてある車のガラスに自分を映してみるが、
そこには自分で惚れてしまうほどの女の子が居るだけだった。
俺は自分の目にその姿を刷り込むように、しばらくじっと見ることにした。
733 : ◆/ShBG.hvjg2009/09/08(火) 00:22:44.43 ID:GPTXm.ko
ふとそのガラスの反射越しに見知った顔が通った。
親友の雅人だ。

奴の後ろ姿を見ながら登校を再開する。
声をかけて自分の正体を明らかにする事も考えたが、
信じて貰うのは容易ではないだろう。俺だって信じたくない。
頭の痛い転校生が来たと思われるのがオチだ。

まずは俺の体にいるはずの美恵と、
今後について対策を練る必要がありそうだ。
喋り方についてもお互い教え合えば誤魔化すのも楽になる。

そんなことを考えながらぼんやり歩いていると、
突然視界が塞がり、何かにぶつかって尻餅をついてしまった。
734 : ◆/ShBG.hvjg2009/09/08(火) 00:24:22.92 ID:GPTXm.ko
「いってぇー」
聞き覚えのある声に視線を向けると、
そこには男子生徒がうつ伏せに倒れていた。
路上にはジャムトースト。食べながら走ってきたのか。

俺は手についた砂を払うと、立ち上がって話しかけた。
「大丈夫ですか?お怪我は?」
なるべく違和感の無いように女性っぽく。

男子生徒はゆっくりと立ち上がって振り返った。
「いや、まあ大丈夫だ。すまん。君こそ大丈夫か?」
目の前に現れたのは、見飽きた「俺」の顔だった。

自分に話しかけられるというのは奇妙なものだ。
俺は普段こんな感じで話しているのかと面白くなり、
鏡を見るようにじっと「俺」の顔を見つめてしまった。
そんな状況に「俺」は少し慌てたようだ。
「ど、どうした?」
「あ、いえ。大丈夫…」
そう言って視線をずらすと「俺」の向こうに雅人が立っていた。
少し先に行っていたはずだが、わざわざ戻ってきたようだ。
735 : ◆/ShBG.hvjg2009/09/08(火) 00:26:01.62 ID:GPTXm.ko
「おい馬鹿、何やってんだ」
雅人から名前を呼ばれることはあまりない。今日は馬鹿呼ばわりか。
「また寝坊しちまったんだよ。いやほんとすまなかった。」
「俺」は雅人にそう答えて俺に再び謝った。

「ちょっと、手みせてみ」
雅人はそういうと俺の手首を掴んで指を広げさせた。
「あちゃー擦り剥いてるな。保健室寄るから急ぐぜ、ほらお前もだ」
俺の腕を引っ張り、「俺」をせかして、雅人は小走りになった。
「ちょ、ちょっと」
よろけそうになりながらついていく。

「おい、まて」
そんな風に叫びながら「俺」はトーストを拾い、慌ててついてきた。
見ていると俺の動きそのものだ。
736 : ◆/ShBG.hvjg2009/09/08(火) 00:28:58.14 ID:GPTXm.ko
さっきからずっと「俺」は俺のようだった。
よく寝坊するのもそう。
遅刻しそうになると食べながら登校するのもそう。
急ぐとあまり周りが見えなくなるのもそう。って危ないな。

そう考えると「俺」の中に別の人格が入っているようには見えない。
しかし「俺」が俺そのものだとすると、
俺の人格が二人分存在する事になってしまう。
そんな事ってあるのか?
だとしても美恵の人格は何処に行ったのだ。

雅人がいる前では問い詰めることも出来ない。
ひとまず学校に着いてから考えよう。


学校はもう、すぐそこだ。


第二話END
737 : ◆/ShBG.hvjg2009/09/08(火) 00:31:33.58 ID:GPTXm.ko
今日はここまでー
1回5レスのペースで書いていきますー
期待していただけるよう精進しますー
ではまたー
738 : ◆/ShBG.hvjg[sage]:2009/09/08(火) 00:45:31.80 ID:GPTXm.ko
あ、>>733書き漏れorz 脳内補完してくだしあ><

>そんなことを考えながらぼんやり歩いていると、
>突然視界が塞がり、何かにぶつかって尻餅をついてしまった。

そんなことを考えながらぼんやり歩いていると、
交差点にさしかかったところで突然視界が塞がり、
何かにぶつかって尻餅をついてしまった。
739 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/09/08(火) 11:47:48.83 ID:v8M8FMAO
乙です。
展開にwwktkですが、俺と「俺」の使い分けで読みづらいような…?
740 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/09/08(火) 17:13:56.46 ID:lJkw9xQo
投下乙
がんばれー
741 : ◆/ShBG.hvjg2009/09/09(水) 00:09:51.17 ID:DKUDGOwo
今日もちょこちょこ投下するですー

>>739
把握したよーもうすぐ名前が出てくるですー
ややこしい話をわかりやすく書くのって難しいー

前回までのお話
 1[09/09/04] >>722-726
 2[09/09/08] >>732-736
742 : ◆/ShBG.hvjg2009/09/09(水) 00:13:13.03 ID:DKUDGOwo
「転校生?」
雅人が素っ頓狂な声を上げた。
「するとあれか?曲がり角でぶつかった女の子が
 実は転校生でしたってアレを地でいったのか。あはは」
そう言って「俺」を茶化す。

朝の保健室には、
お腹が痛いとか風邪っぽいとかいう生徒が結構集まっていた。

手のひらの擦り傷の消毒を終えた俺は、
さっき仰向けに転けた「俺」のたくさんの傷の消毒を待つ間、
雅人と少し話す事となったのだ。

「そういや名前も教えてなかったな」
俺が知っていると気づくはずもなく、雅人は自己紹介を始めた。
「俺は上田雅人。こいつが岩崎悠介。下の名前で呼び捨てていいよ」
雅人はともかく、悠介…か。
俺の体の中身が誰であれ、それに対して「俺」というのも変だし、
結局名字か名前で呼ばないといけないんだよな。悠介…か。
743 : ◆/ShBG.hvjg2009/09/09(水) 00:15:02.78 ID:DKUDGOwo
「雅人、ゆ…悠介、あの、よろしく」
元・自分の名前を呼ぶのは妙にこっぱずかしい。
「おおう…」
おい悠介顔を赤くしてんじゃねえ。
雅人も自分で言っておきながらどうした。

ただ、俺も女である自覚を持つべきなのかもしれない。
俺だって可愛い女の子に名前を呼ばれたら舞い上がるだろう。
いや考えるまでもなく目の前の悠介をみたらわかる。
雅人の言うとおりにせず、名字で呼べばよかったな。


「――それで、美恵ちゃんは教員室いくんだっけ。場所わかる?」
保健室を出て教室に向かう廊下で雅人が聞いた。
ていうか俺のことも下の名前で呼ぶのか。
まあ初対面なのにすぐ馴れ馴れしくするのは雅人らしい。
「一度来たから大丈夫。ありがとう」
そう言って雅人と悠介の二人組に別れを告げた。
744 : ◆/ShBG.hvjg2009/09/09(水) 00:15:58.53 ID:DKUDGOwo
教員室へと向かう廊下を歩きながら、俺は考えを巡らせた。

悠介の中身が俺自身なのではないかという疑念は、
早くも確信へと変わりつつある。
だがそうなると、何の変化もない悠介がオリジナルの俺であり、
美恵の体に入った俺は、そのコピーだという事になってしまう。

もし美恵の魂が何処かに生きていて、この体に戻ることがあれば、
コピーに過ぎない俺の居場所は無くなり、最悪の場合消滅……

それならばこの異常事態を解決しようと思わず、
このまま美恵として生きた方が良さそうに思えてくる。

もっとも、まだ想像の域を出ていないのだが。
745 : ◆/ShBG.hvjg2009/09/09(水) 00:17:52.89 ID:DKUDGOwo
教員室の前に到着したところで、俺は思考を中断せざるをえなかった。
着いたは良いが、どの教師に会えば良いのかわからなかったのだ。

扉の前で悩んでいると、中から悠介の担任教師が出てきた。
「やあ高原さんおはよう。それじゃ教室に行こうか」
「えっ、はい」

と言うことは、悠介や雅人と同じクラスになるのか。
助かった。クラスメイトの顔を覚える手間は省けるし、
なにより悠介の正体をはっきりさせるのにも都合がいい。

教室に着くまでの間、
担任教師は俺の緊張を解そうと色んな事を話した。
どんなに仲の良いクラスか。どういう面白いクラスメイトがいるか。
しかし俺は実際そんなに良いクラスとは思っていなかった。
前評判を良くしすぎると実際見てがっかりするんじゃないかな?
そんな俺の冷たい評価に気づく事もなく、クラス自慢は到着まで続いた。
746 : ◆/ShBG.hvjg2009/09/09(水) 00:20:20.88 ID:DKUDGOwo
「じゃあ、ちょっとここで待ってて。あとで呼ぶから」
そう言い残して担任は教室に入り、ショートホームルームが始まった。
いつものハイテンションで出席をとっている声が聞こえる。

出席番号1番が悠介で、2番が雅人だ。
その縁があって友達になった、わかりやすい関係。
美恵になった俺は、また最初から友達に…?
うん。あれだけ話したんだから、きっと友達になるだろう。

でも、悠介はどうなるんだ?(たぶん)昨日までの自分自身だ。
今日ぶつかった事で知り合いという形にはなったが、
どう接していいのか、さっぱりわからない。
もし中身が別人だったら他人として話せるのだが。

「じゃあ高原さん、どうぞ!」
まるでテレビ番組のゲストのように呼ばれた俺は、
いつもの教室に、違う人として足を踏み入れたのだった。

第三話END
747 : ◆/ShBG.hvjg2009/09/09(水) 00:22:21.75 ID:DKUDGOwo
今日はここまでー
なんとなく連載の感覚がつかめてきたー

ちなみに某VIPスレで、
>朝飯のパンを咥えながら走ってると曲がり角で女の子と衝突してしまう。
>その後、教室で転校生は衝突した女の子と判明する。
というネタで斬新な話を作りたいってレスを見て書き始めましたー
斬新…?どうだろーww
748 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/09/11(金) 00:38:27.57 ID:ODxY23c0
続きwktk
749 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/09/12(土) 00:08:08.93 ID:7wi2esUo
vqzqQCI0さんにもwktk
週一ならもしかすると今日来る?ww
750 :vqzqQCI0[sage]:2009/09/12(土) 01:15:41.94 ID:M6Tvj5A0
すいません、遅くなりました。
週2回位とか言いつつも投下できてませんねorz

>>727 転校話はお約束ですねww あのシチュエーションがwwktkするんですよww
ShBG.hvjgさんの投下ペース早いですね、これでスレが盛り上がるといいですね。

では2話を投下します。
751 :vqzqQCI0[sage]:2009/09/12(土) 01:17:19.22 ID:M6Tvj5A0
どんだけ☆エモーションSS(その2)

2時限目の終了のチャイムが鳴る。

「…むう」
私は多少は緊張から解放されて落ち着いてきたせいか、トイレに行きたくなっていた。

男の時と違って我慢するのは身体に良くないと母さんに教えられているので
私はすっと立ち上がると教室を出る。

元々自分の通っている学校なのでトイレが何処にあるのかは聞くまでもない。
トイレに到着すると私は迷わず入ろうとした、その時。

「ちょっと! ヒロ…じゃなかった、ミヒロちゃん!」
慌てた様子でそれは私の腕を掴む。

「えっ?」
急な状況に思わず動きの固まる私。
振り向くとそこにはサトシが居て焦った表情で私を見ている。

「…サトシ?」
「サトシ、じゃないよ? 入るところが間違っているから!」
呆然としている私にサトシは今私が入ろうとしていたトイレのドアを指し示す。
「あれ? …男子トイレ?」
ドアのガラス戸には黒色の男性を象ったマークが。
…そう、私はついついこれまでの習慣で男子トイレに入ろうとしていたのだ。

「何だかすごい勢いで教室に出たから心配して追ってみたら…、ホント危なかったよ」
ホッとした表情のサトシ。
サトシの言う通り、確かにこのまま入ってしまったら"ミヒロ"に転校初日から
変な噂が立ってしまう可能性がある。
何と言うか…サトシに助けられたのかも知れない。

「あ、ありがと、サトシ」
ちょっと顔を赤らめて礼を言う私。何となく気恥ずかしい。

「まだまだ"ヒロアキから"抜けきってないんじゃないのか?
頼むぜ? しっかり気を引き締めて行動してくれないと」
サトシはちょっと困ったような表情を浮かる。
「…うん、気をつけるよ。でもサトシも私を呼ぶとき"ヒロアキ"って呼びそうになったよね?」
「う」
私の指摘にサトシは反応する。
「そういうのも困るのよね〜ww しっかりしてよ、サトシww」
お返しとばかりに言う私。何だか顔がニヤニヤしてしまうのは何でかな?
752 :vqzqQCI0[sage]:2009/09/12(土) 01:20:06.23 ID:M6Tvj5A0
「わ、分かった。俺も気をつけるよ」
素直に答えるサトシ。
「…あと、それに」
「それに?」
「…腕、離して欲しいんだけど」
「うわわっ、ご、ごめん! 忘れていた!」
さらなる私の指摘に慌てるサトシ。さっきからずっとサトシは私の腕を掴んでいたのだ。

「…」
私はサトシに掴まれていた部分を何度かさする。
「ひょっとして痛かった? ゴメン…」
顔を赤くしながら私の様子を窺うサトシ。
「ううん、大丈夫だよ。でも男の力ってやっぱり強いよね?
掴まれた時につくづく男女の腕力の違いみたいなものを感じちゃった」
「…」
私の話を聞きつつも済まなそうに俯くサトシ。
「ああ、もう! そんな深刻そうな顔しない! 私は大丈夫だって言っているんだから!」
「うん、わかったけど…ごめん」
「サトシねぇ…。ま、そこがサトシのいいとこなんだけど…、あ、そうだ!」
私は"ある事"を思い出し、声のトーンを上げる。
「どうしたの? 急に」
「どうしたもこうも無いよっ! 朝のホームルームの時! 私の事を無視した!」
ちょっと憤慨気味にサトシに突っかかる私。

サトシを見ていたら今朝のシーンを思い出してしまった。
せっかく目が合って、笑顔で返したのにそれを無視したサトシ。

一体あれは何なんだったの? 一気に私の中で苛立ちがわいてくるんですけどっ!!

「ええっ!? それはでも」
「でも、何?」
ジト目でサトシを睨みつける私。
「だって、まずいだろ? いくら"ヒロアキの従兄妹"の触れ込みで転入してきて
ヒロアキのダチである俺との接点があったとしてもさ、目立った事は避けた方が
無難だと俺は思ったんだよ」
何だか狼狽しつつ、言い訳をするサトシ。

「サトシの言いたい事は分かるけどさ、 私はちゃんと返して欲しかったな」
「ゴメン…ミヒロちゃん」
私の言葉にサトシは申し訳なさそうに謝る。
753 :vqzqQCI0[sage]:2009/09/12(土) 01:22:28.75 ID:M6Tvj5A0
「いいよ、仕方ないと言えば仕方が無い状況なわけだし。
あ〜あ、折角これまで通りサトシと一緒に学校に通えると思ったのに…。
異性同士になってしまうと妙なところで気を遣うからホント、つまんない」
「アハハ、仕方無いよ、でも俺は嬉しいよ、だってお前とまたこうして一緒に学校に
通えるのだから」
俺の不満そうな表情をなだめるようにサトシは笑いかける。
「嬉しい? そ、そうなんだ…じゃ、いいかな…」
そんなサトシの言葉を聞いてちょっと顔を赤くする私。
私と一緒で嬉しいと言われ、妙にドキドキしてしまうのはどうしてなのかな?

「それに学校では俺とコミュニケするのは厳しいかもしれないけど
お互い携帯を持っているんだし、外では普通にやり取りだって出来るから
そんなに不便じゃ無いと思うけど?」
「うん…そうだね、サトシ」
サトシの言葉に大人しくうなずく私。
色々不満ではあるがこれも私の事を考えての事なので納得はしてみる私。
まあ、外では気兼ね無く会う事はできるので別にいいんだけどね。

「さてと、俺は教室に戻るかな。ミヒロちゃんも大変だけどバレ無いように
気をつけて」
「分かっているよ。私だって転校初日からボロを出したくないもんね」
お互いに笑い返しつつその場は別れる私とサトシ。

気を取り直した後、あらためて私はトイレに向った。
…今度は間違えないようにしないとね。
754 :vqzqQCI0[sage]:2009/09/12(土) 01:26:17.90 ID:M6Tvj5A0
                 ◇
その後、授業は滞りなくというか普通に進み、気が付くと昼休みになっていた。

「さて、お昼か…」
私は教科書の類を片付けつつ、辺りを見回す。
これまでの私であれば普通にサトシ達と学食に向うのだけど、さっきの
サトシとのやり取りを考えるとあまりサトシのところに行くのはまずいのかも
知れないかな、と考える。

…それに。

私はカバンの中からお弁当を取り出す。
何故か母さんが私の為にお弁当を作ってくれたんだ。
どうした気の回しようだろうか? 男の時は全然作ってくれなかったのに。
これでは学食に行く事ができないでは無いか、と考え込む私。
私のお気に入りのカレーうどん定食を久々に食べようかなと思っていたのだけど。

「あー、居た居た。ミヒロちゃん」
私がぼんやりと考え込んでいると不意に私を呼ぶ声が。

「あれ? 園生ちゃん? …と」
そこには園生ちゃんともう一人の女生徒がお弁当を持って立っていた。
見覚えの無い女生徒。園生ちゃんと一緒だから多分うちのクラスの子なんだろうけど。

「…あれ? さっき自己紹介したよね? 井伊坂 類なんだけど?」
長い髪をツインテールにしているこの少女。
私よりもちょっと小柄ではあるが目がクリッとして大きく、結構可愛い。
私が不思議そうな目で見ている事に気付いたのか少々困ったような表情を浮かべている。

「そう言えば休み時間に自己紹介されたような気がするけど…ごめんなさい。
色んな人が矢継ぎ早に挨拶していたから全然把握出来なかったの」
とりあえず彼女に謝る事にする私。

休み時間ごとにクラスメイトの女子生徒達から次々と声を掛けられていたので
元々知っている子ならともかく、これまであまり接点の無かったクラスメイト
については覚えきれないんだよね。
特に私の場合は仲の良い女の子のクラスメイトがほとんどいなかったので
これはこれで大変だったりする…というか、ホントに"ヒロアキ"の頃の私って
異性に縁が無かったんだなぁ…。今更ながらに実感するよ…(T_T)。
755 :vqzqQCI0[sage]:2009/09/12(土) 01:29:25.85 ID:M6Tvj5A0
「う〜、あたしの事を覚えていないなんて…」
結構不満そうな表情で私をじーっと睨みつけるように見る井伊坂さん。
そんな目で睨みつけられると困ってしまうなぁ…。

「まあまあ、ミヒロちゃんも初日からみんなの名前と顔を憶えるのも大変だよね?
類もその位分かってあげてよ」
園生ちゃんは井伊坂さんをなだめるように話しかける。
「う〜、わかっちゃいるけどさぁ…」
憮然とした表情を崩さない彼女。

「井伊坂さんの事、私、しっかり憶えたからもう大丈夫だよ。ホントにゴメンね。
後、ありがとうね、園生ちゃん。私の事を色々考えてくれて嬉しいよ」
私の事を考えて気を遣ってくれる園生ちゃんに思わずお礼をいう私。
「ふふっ、どういたしまして。わたしとミヒロちゃんの仲じゃない?
困った事があったらわたしに聞いてね」
気さくに笑いかける園生ちゃん。
仲良くなってからそんなに時間が経っていないにも関わらず、何だかすっかり
気の会う昔からの友達みたいな感じの園生ちゃん。
私も思わず彼女に微笑みかける。

「ちょ、ちょっと、待ってよ!」
そんな私と園生ちゃんのやり取りを目の当たりにして声を荒げるのが一人。
「あたしを差し置いてどうしてそんなに仲良くなっているの!? 信じられないんだけど!」
言うまでも無い、井伊坂さんである。
「どうしたの、類? 急にムキになっちゃって」
彼女の事を熟知しているのか面白そうに笑みを浮かべる園生ちゃん。
「うう〜、有り得ないよっ! それに今気付いたんだけど、ミヒロちゃん?
どうして"園生"の事は"園生ちゃん"って呼ぶのに"類"の事は"井伊坂さん"なの?
それって差別じゃない?」
「ええっ? 差別って? 私は別にそんなつもりは…」
何だか妙な事で怒り出す井伊坂さんに私はうろたえる。

「言い訳無用っ!! これはミヒロちゃんに罰を与えないといけないようね〜!」
「ば、罰? そ、そんな井伊坂さ…」
「(ギロッ)井伊坂〜?」
「え〜と…、る、類ちゃん…」
いきなりの展開で面食らう私。
…しかも"井伊坂さん"の呼び方も"類ちゃん"って、変えられてしまったし。
「もう、類ったら…」
やれやれ、といった様子で二人の様子を眺める園生ちゃん。
756 :vqzqQCI0[sage]:2009/09/12(土) 01:31:36.70 ID:M6Tvj5A0


…で、私たちは今、学校の中庭に座り込んでお弁当を広げている。

「で、その罰というのが中庭でお弁当を食べる事なんだ」
拍子抜けした感じで私は持参したお弁当を広げる。
「ふふっ、類の"罰"はカワイイものしか無いから心配しなくてもいいよ、ミヒロちゃん」
笑いながら園生ちゃんも私の横でお弁当を広げている。

それにしても今日はホントにいい天気でお弁当を外で食べるのには絶好の日和だ。
二人が私をお弁当を食べる為に中庭へ誘ったのが良く分かる。
それにしてもこうなる事を予想して母さんは私にお弁当を作ってくれたのかな…、と
ふと思う。

「さぁさぁ、おべんとチェックだよ〜!」
園生ちゃんと私の横で類ちゃんが嬉しそうにはしゃぐ。

「え〜と、ミヒロちゃんは…カニさんウィンナーとアスパラのベーコン巻き、
ほうれん草の玉子焼きにポテトサラダとフルーツって、すっごく美味しそうだし
結構バラエティ豊かだね〜」
「そ、そうかな?」
楽しげに私のお弁当をチェックする類ちゃんの様子に戸惑いつつも
笑顔で返す私。
「園生は鳥の唐翌揚げにミニオムレツ、鮭のチーズ焼きとトマトとブロッコリーの
サラダかぁ、さすが園生はおべんと作りも達人の域に達しているよね」
「え? これって園生ちゃんの手作りなの?」
類ちゃんのコメントに思わず身を乗り出して園生ちゃんのお弁当を覗き込む私。
「あはは、あまり見られると困っちゃうけど自作のお弁当なんだ」
照れ笑いを浮かべつつ自分のお弁当をつまむ園生ちゃん。
「すごいなぁ、私も最近料理を教えてもらっているけどお弁当までは
作れてないよ」
「園生はお料理の達人なんだよ? あたしも初めて食べた時、その美味しさに
ビックリしちゃったもん」
私が園生ちゃんのお弁当を見てその出来に驚いていると何故か本人では無いのに
自慢げに語る類ちゃんが居たりする。

「そういう類も最近はお弁当作りに凝っているよね、え〜と、
今日の類のお弁当はサンドウィッチとポテトのミニグラタンにフルーツ盛り合わせかぁ。
サンドウィッチなんて3種類のサンドになっていてとっても美味しそうだよね。
類もすっかり料理の腕が上がって大したもんじゃない?」
「えへへ〜、そうかなぁ? でも園生にそう言ってもらえると嬉しいっ!!」
園生ちゃんのコメントがよっぽど嬉しかったのか、楽しそうにその場を
ぴょんぴょん跳ね回る類ちゃん。
757 :vqzqQCI0[sage]:2009/09/12(土) 01:34:56.65 ID:M6Tvj5A0
「…」
…え〜と、そんなに跳ね回ると、その…。

類ちゃんは私たちよりもスカートの丈を短くしているせいか普段でも太ももの部分まで
露出している。
そんな状況なのでそんなに跳ね回られると…パンツ丸見えなんですけど。

「…」
何も言わず私は類ちゃんの白いパンツを見ながらお弁当を食べる。
一応私も女の子なので今更他の女の子のパンツ云々で大騒ぎするほどじゃ
無いけど…やっぱり類ちゃんのような可愛い子の場合だとドキドキしてしまう。

もしこれが"ヒロアキ"だったら弁当のおかずよろしく、夜のおかずになりそうな…
って、何を言ってるんだろうか?

「類、見えてるよ? 大人しく食べなさいよ」
園生ちゃんは慣れているらしく全然気にしてないようだ。

「え〜? ヤダ、見えてる? 園生ったらえっちなんだから〜」
「別に見たくも無いわよ、ねー、ミヒロちゃん」
「え? そ、そうだね…」
少々顔を赤らめながら答える私。

しかし、一連の様子で分かったけど類ちゃんってかなりのハイテンションだ。

喜怒哀楽がハッキリしていて、感情に合わせて身体も動くという
ある意味分かりやすい子だな、と感じる。
なんだか私の身近にいる誰かに似ているような…。
髪型も両側で留めるところが似ているし…同類なのかも?

お弁当を食べ終わると私と園生ちゃん、類ちゃんの3人でおしゃべりが始まる。
内容はクラスの話題に始まり、それぞれの家庭の事とかテレビの話題とか
話題は縦横無尽に展開する。…ホント、女の子って話すのが好きなんだなって思う。
あっという間に昼休みが終わってしまった。

ヒロアキ時代の私は昼食をとったらほとんど昼寝していたような気がする。
あれはあれで良かったけど、こういうのも悪くないかも。
758 :vqzqQCI0[sage]:2009/09/12(土) 01:45:08.70 ID:M6Tvj5A0
とりあえず今回はここまでです。
次回の投下はもう少し早めにしたいですが…、微妙です。
759 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/09/12(土) 19:18:57.73 ID:50pOsYAO
GJ!!
続きwwktk
760 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/09/12(土) 23:06:15.25 ID:cEMbCIUo
ktkr!
761 : ◆/ShBG.hvjg2009/09/13(日) 00:31:58.25 ID:Fy.uinYo
やたーvqzqQCI0さん来てるー乙ですー
私は内容に自信が無い分、高頻度に投下して盛り上げたいですーwwww

と言いながら3日あいてしまったーww
てなわけで投下しますーww

前回までのお話
 1[09/09/05] >>722-726
 2[09/09/08] >>732-736
 3[09/09/09] >>742-746
762 : ◆/ShBG.hvjg2009/09/13(日) 00:32:56.43 ID:Fy.uinYo
教室に入ると黒板に記された名前の横に立たされ、
定番の自己紹介をする羽目になった。

自分の自己紹介ならどうってことないのだが、
今朝から転校生・高原美恵になったばかりの俺が、
その美恵の事を知るはずもない。

あたりさわりのない話でお茶を濁し、
その場はなんとか収まったのである。

しかし――
「前の学校ってどんなだったの?」
「部活は何に入るか決めてる?前は何やってたの?」
「お父さんの転勤で転校?どんなお仕事?」
ショートホームルームが終わるとすぐ、
クラスの中でも活発な女子達に囲まれる事となった。

担任から既に略歴が伝えられていただけに、
詳しい話を聞こうと突っ込んだ質問が来るから参ってしまう。
それぞれ創作しながら回答する羽目になった俺は、
彼女たちの目をうまく誤魔化せたかどうか自信がない。
763 : ◆/ShBG.hvjg2009/09/13(日) 00:34:08.45 ID:Fy.uinYo
人垣になった女子達に混じって雅人の姿もあった。
雅人の後ろの席になったから、ある意味では居て当然なのだが、
にやけながら椅子に後ろ向きに座って積極的に参加していたのだ。

「――でさ、悠介が高原さんにぶつかって。それであのザマだよ」
雅人が指差すと、全員の視線が悠介に注がれる。
突然注目の的となった悠介は少し驚いた素振りをしたが、
その集団に俺を見つけると「スマン」と言って片手で拝むポーズをした。
俺も悪かったんだけどな。ボーっとしてたから。

「えーっ、高原さん大丈夫だった?」
登校前に起こった事件に女子達は興味津々であった。
「うん、まあ、ちょっと擦り剥いただけで」
大した事は無い、という主張のつもりだったが、
傷に当てられたガーゼを見て逆に心配されてしまった。

その後、悠介の話からクラスの男子の話へと移ったおかげで、
プロフィールを創作する作業はようやく終了する事ができた。
あとで言ったことをメモしておいたほうがいいな。
矛盾してしまうと後々面倒だ。
764 : ◆/ShBG.hvjg2009/09/13(日) 00:36:53.27 ID:Fy.uinYo
休み時間が終わり授業が始まると、
昨日までと変わらない日常がようやく戻ってきた。
しかし、転校初日というシチュエーションなだけに、
居眠りをするわけにもいかず妙な緊張感が続いた。

ただ、いつも面倒になって居眠りするはずの数学の授業を、
ずっと聞き続けられたのは自分でも驚いた。
やはり脳の出来というのは人によって異なるのだろう。
授業の内容が何の滞りもなく脳に流れ込んでくるのだ。
きっとこの脳はこれまで真面目に勉強してきたに違いない。

この賢い脳を活用してしっかり勉強しようとまで思ってしまった。
突然成績を悪くするのは美恵本人にもその両親にも悪い気がする。
昨日までの範囲も追いつけるだろうか。これから忙しくなるな。

授業時間は順調に過ぎて行き、あっという間に昼休みとなった。
昼休みになった途端、再び女子達に囲まれることになったが、
質問されることも意見を求められることも無かった。
ただいつの間にか、真っ先に来た吉里優衣のグループで
お弁当を食べる事が決定していたのだった。
765 : ◆/ShBG.hvjg2009/09/13(日) 00:38:42.50 ID:Fy.uinYo
吉里優衣は生徒会幹部メンバーでありクラス委員長。
肩書きだけ並べると賢そうな人に思えてくるが、どこか抜けた子だ。

俺の授業態度を後ろの方から見ていた感想として優衣は、
「オーラが違うよねオーラが。絶対頭良いよ高原さん」
と言い切った。箸を振りながら変なプレッシャーをかけないでほしい。

いやそこ同意しないで。テストの点は競えません無理です。
勉強教えるなんてもっと無理ですごめんなさい。
一々反応したのが面白かったのか、みんな調子に乗って盛り上がる。

転校生弄りが一段落したところで、一人の女子が優衣に質問した。
「そういえばさ、学園祭の出し物っていつまでに決めるんだっけ?」
今は9月中旬。本来なら夏休み前に決めておくものなのだが、
クラスがまとまらず、今までずるずると延ばしていたのだ。
「ホール使って演劇やるなら今週までね。もうすぐだなあ、どうしよ?」
優衣は突然俺に振ってきた。
「えっ、とー…。あ、ほら、私何処まで決まってるかも知らないし」
危ない危ない。俺は何も知らない転校生だった。
優衣は「あ、そっか」と言って、これまでの経緯を話し始めた。
766 : ◆/ShBG.hvjg2009/09/13(日) 00:42:49.70 ID:Fy.uinYo
「演劇やらない?って話にはなったんだけど、まだ何も決まってないのよ。
 そもそも、このクラスってヒロイン役が居ないのよね」
優衣以外に目立つ女子は居ない。優衣も最初からヒロインになるのを嫌がった。
まあこれも知らない事になっているので、一応俺は優衣を持ち上げる事にした。
「吉里さん良さそうなのに」
「「優衣」でいいよ。でも私は無理だよー。ヒロインって柄じゃないし」
「でも高原さんのお眼鏡に適ったんだよっ!?ヒロインやりなよっ!」
最初に質問をした女子が俺を出汁に優衣を囃し立てる。

「お眼鏡に適った」だなんて、まだ「オーラが違う」賢いキャラにされているようだ。
「さん」付けで呼ばれているのも、そうなってしまう原因の一つかもしれない。
「あ、私も「美恵」って呼んでくれたら…」
そう提案した俺の声にかぶせるように優衣は立ち上がって言い放った。
「そうだっ!高原さん、じゃなかった、美恵さんがヒロイン、良いんじゃない!?」

突然のヒロイン指名に俺は絶句した。
立場の弱い転校生に面倒事を押しつけるのもどうかと思うが、
そもそも転校したての生徒がヒロインなんてみんなは納得するのだろうか?

それに、まだ「さん」付けするの?

第四話END
767 : ◆/ShBG.hvjg2009/09/13(日) 00:43:41.87 ID:Fy.uinYo
今日はここまでですー
ようやく頭の中で話の流れが固まってきましたー
でも書きためて無いから、次回の展開もどうなるやらーww
768 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/09/13(日) 18:06:01.95 ID:s8uJMYAO
乙!
続きも期待!!
769 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/09/13(日) 23:14:50.58 ID:hLdNUmE0
続きwktk
770 :vqzqQCI0[sage]:2009/09/16(水) 01:01:44.42 ID:ldRaUJM0
どんだけ☆エモーションSS(その3)

午後の授業は滞りなく進み、気が付いたら終業のベルが鳴る。

「んー、終わった…」
ざわつくクラスの中、私はちょっと伸びをする。

私にしては珍しく居眠りする事も無く本日の授業を全て受けきった。
ヒロアキの頃は受ける授業の8割位は寝ていたのに。

…これも女の子になってから夜更かしする事が無くなったせいか。

母さんが「寝不足、夜更かしは美容の大敵だから絶対しちゃだめよ〜」などと
言うのと、大体夜の10時頃には実由が私の部屋に必ずやって来て
「一緒に寝ようよ〜」と言ってネット中の私を無理矢理ベッドに連れていくせいかな。

おかげ様で私はすっかり早寝早起きの体質になってしまい、昼間は全然眠く
ならないんだよね…いいのか悪いのか。
まぁ、でも真面目に授業を受けきったので何だか不思議にやりきった感があるよ。

さて、この後どうするかな。
私はふと考える。

一応は転校初日だから流石にいつもより緊張したせいか、それなりに疲労感は
あるんだよね。…別にやる事も無いし帰ろうかな。
私は考えつつサトシの方をちらりと見る。

そう言えばトイレでの一件の後、サトシと接触する場面は全然無かった。
休み時間になると私の周りをクラスの女の子達が囲んでくるせいもあったけど、
ちょっと物足りなさみたいなものを感じるのは何でだろ?

サトシはサッカー部の活動があるので準備をした後、部活動に行くようだ。
同じクラスのサッカー部仲間の木戸と楽しそうに会話をしている。

「…」
さっきから私がサトシの事を見ているのに気が付きもしないんだよ。
何なんだよ、もう。
771 :vqzqQCI0[sage]:2009/09/16(水) 01:03:20.63 ID:ldRaUJM0
…あ、でも。

ついこの間まで私も"あっち側"に居たんだよね。

サトシ達の様子を見ているとふとそんな気持ちが浮かんでくる私。

かったるい授業から開放され、妙にテンションが上がって友人達と
馬鹿みたいな話をしながら放課後の学校で盛り上がったりして。



サッカー部に居た頃は部活に専念したりして、
あるいは他のクラブ活動の女子達、特に体操部とか水泳部とかを覗きに行ったりして。

購買横の自販機の前で数人の友人達とパックジュース片手に野球の真似事をしてみたり。
あるいは誰かが持ってきた雑誌の内容を見ながら大騒ぎして。

結構馬鹿馬鹿しいこともやっていたけど、それはそれで充実して楽しかった。
サトシ達が楽しそうにしている姿を見ているとそんな記憶が私の中でどんどん浮かんでくる。

…何だか懐かしい、ほんのつい最近の事なのに。

今の私にはあの頃には戻れないのは分かっているんだけど、何だろうな。
この切ない気持ちって。



何だか私の視界がぼやけてくるのを感じる。

「ミヒロちゃん、どうしたの?」
誰かが私の肩をポンとたたく。

「え?」
私は思わず振り返って声の主を確認する。

…園生ちゃん、だった。

「ど、どうしたの? ミヒロちゃん? 涙なんか浮かべちゃって!?」
私の様子に気付いた園生ちゃんは慌ててハンカチを取り出すと私の
涙を拭ってくれた。
772 :vqzqQCI0[sage]:2009/09/16(水) 01:05:08.40 ID:ldRaUJM0
「あ…うん…、何でも無いの…ちょっとね」
「ミヒロちゃん…」
何事も無いように振舞う私。
「でもありがとう、私の事心配してくれて。でも大丈夫だよ? もう平気だから…」
「…そうだ! 今日このあと、時間空いているかな?」
一瞬表情の曇った園生ちゃんだったけどすぐに明るい顔をして私に聞いてくる。

「え? まあ、この後は普通に帰るだけだから空いていると言えば
空いているけど…?」
「そうなんだ、良かった! それじゃ、わたしの居るクラブに見学しに来ない?」
「園生ちゃんの所属するクラブ?」
「うん、わたし、お料理研究会にいるんだよね、ミヒロちゃんも最近お料理に
目覚めたって聞いたし、良かったら見学しに来てくれないかな!」
突然の園生ちゃんの提案に戸惑う私。
園生ちゃんの居るクラブかぁ。興味が無いわけでは無いけど…
ちょっと考え込む私。

「ありがとう、でも私なんかが行ってもいいのかな? お邪魔にならなければ
いいのだけれど」
「何言っているの? ミヒロちゃんなら大歓迎だよ? 遠慮なんかしなくていいんだからね」
私の気持ちが沈みかかっている事に気が付いた園生ちゃんは私の気を紛らわす為に
気を遣ってくれているようで、何だかすごく嬉しくなる。

「あれあれ〜? またあたしを差し置いて2人だけで! あたしも行くからね!!」
私と園生ちゃんの様子を見て類ちゃんがひょこっと顔を出してきた。
「類は今日は駄目でしょ? この後生徒会の活動があるんだから」
「え? 生徒会?」
園生ちゃんの言葉に反応する私。
「うん、意外なんだけど類って生徒会の書記やっているんだよね、ホント意外なんだけど」
意外そうな眼差しで類ちゃんを見つめる園生ちゃん。
…何だかこれまでのやりとりで園生ちゃんと類ちゃんの友達関係というものが
分かってきた気がする私。

「意外意外って言うなっ! これでもあたし学年の試験順位のトップ10に入るんだから!」
「ふ〜ん、わたしはトップ5に入るけど、ホント意外よね」
ムキになって言い返す類ちゃんにさらりと返す園生ちゃん。
そうなんだ。二人とも頭良いのね…トップ10どころか100位にも入れない私には
立ち入る余地が無いので完全に蚊帳の外ですけど…。
773 :vqzqQCI0[sage]:2009/09/16(水) 01:07:01.52 ID:ldRaUJM0
「だーかーらー!! 意外っていうな!! それになんで活動がある事知っているのさ!!」
「知っているも何も、けさ類が言っていたでしょうが」
あきれた様子で類ちゃんを見つめる園生ちゃん。
「いいよ、活動なんて、今日はサボる!」
「あんたねぇ…そんな事言っていると怒られるんだからね? 怖い人に」
園生ちゃんの言葉に一瞬、顔が強張る類ちゃん。…ん? 怖い人?

「うう〜っ! 残念無念だよ〜っ!! ミヒロちゃ〜ん!!」

がばっ。

「ほえ? …って、る、類ちゃん!?」
いきなり私に抱きついてくる類ちゃん。
私より背の低い類ちゃんではあったが(多分150ちょっとかな? 私は160くらいで
園生ちゃんは157か8くらいで私より若干低いかな?)
体つきは良いようで明らかに胸は私よりも大きく、その感触が思いっきり
私のささやかな胸を押しつぶしてくる。
「このミヒロちゃんの身体の感触! たまんないよぉ〜! 細身ながらこの柔らかい感触!
いい香り! ハァハァしちゃうよぉぉぉっ!!」
「類ちゃん…ちょ、ちょっとぉ!?」
思わず声が裏返る私。思いっきり動揺する。
類ちゃんのセリフでは無いけど私にしても類ちゃんの柔らかい体の感触や
甘い香り、そして可愛らしい彼女の仕草で頭がクラクラする。

きっと今の私の顔はすっごく真っ赤になっているに違いない。

類ちゃんにしてみればスキンシップなんだろうけど、元"男"の私にしてみれば
どうしょうも無いくらいの状況に陥ってしまっているんですけどっ!!



ゴスッ。



鈍い音の後に力無くその場に崩れ落ちていく類ちゃん。

「…ほえ?」
類ちゃんのスキンシップから解放されたのは良い事ではあるんだけど
何が起こったのか分からず呆然とする私。

下を見るとそこには気絶して伸びている類ちゃん。

…何があったんだろうか?
774 :vqzqQCI0[sage]:2009/09/16(水) 01:09:37.85 ID:ldRaUJM0
「もう、類はどうしょうも無いんだから…大丈夫だった? ミヒロちゃん?」
「う、うん…。なんか鈍い音がしたんだけど」
「うん? 何かあった? 類はいつも変なところで寝るんだから」
私の問いには答えずニッコリと笑って気絶している類ちゃんを起こす園生ちゃん。

これは聞かないのが無難なのかな…。

                ◇

類ちゃんを生徒会室に放り込んだ後、私と園生ちゃんはお料理研究会の部室へと向う。

部室と言っても何のことはない、家庭科室を部室代わりに利用しているとの事で
他のクラブと共用しているため週2回の活動になっていると園生ちゃんは言う。

今日は活動日だったので私を誘ってくれたんだけど…ホント、いいのかなぁ…。
私なんかが参加して。

「こんにちわー」
園生ちゃんは家庭科室の戸を開けるとそう言って中に入る。
「こ、こんにちわ…お邪魔します」
私も若干緊張しつつ、中に入る。

家庭科室の中には既に数人の女子生徒達が集まっていて、何やらそれぞれ持ち寄った
お料理の材料をチェックしているようであった。

「あら、園生、遅かったわね」
「先輩、ごめんなさい。ちょっと連れてきたい子が居たものですから」
園生ちゃんに先輩と呼ばれた人物は園生ちゃんの横に居る私の姿をじっと見る。
「は、はじめまして。私、仲林さんに連れられて見学しにきました
ミヒロと言います」
ちょっと上ずった声でその人物に挨拶をする私。
775 :vqzqQCI0[sage]:2009/09/16(水) 01:14:07.10 ID:ldRaUJM0
見たところブレザーのネクタイの色が青色で3年生だと分かる。
ちなみにこの学校の女子の制服はネクタイの色で学年を識別しており、
一年は赤色、2年は白色となっている。
私や園生ちゃんは2年だから当然、白。

「はじめまして、ミヒロちゃん。私は白崎 智世。
一応この研究会の部長です。よろしくね。
後、そんなに緊張しないでいいのよ。別に運動部じゃ無いんだから
もっと気楽にしててよ、ね?」
にこやかに私に笑いかける智世先輩。
何だか大人っぽい感じの人で落ち着いた雰囲気のある人だ。
それに結構な美人でもある。
長い髪を丁寧に結い上げてシニオンにしているのも
何だか上品というか、清楚というか。

「それにしてもいいタイミングで来たわよね、ミヒロちゃん」
「どういう事ですか?」
「今日の活動はお菓子作りという事でみんなでガトーショコラ(チョコケーキ)
を作る予定だったのよ」
ニッコリと私に笑って話す智世先輩。

「へぇ…それは楽しみというか、私も作ってみたいです」
お菓子作りと聞いて目を輝かす私。
女の子になってからお料理とかお菓子とかを作る事に興味津々なんだ。

「先輩、ミヒロちゃんも是非参加させて欲しいんですけど、いいですか?」
「いいに決まっているじゃない、大歓迎よ」
園生ちゃんの問いかけに快く答えると智世先輩は私のところに来ると
私の手を取って他のメンバーの居る所へと連れていく。

「お料理研究会は今のところ智世先輩とわたしと類、
後は今年入った一年生の2人の計5人なの」
「クラブとして認められる必要人数は5人だからギリギリなのよね。
まあ、この研究会自体結構趣味のような感じでやっているから
それ程深刻なものでも無いけどね」
園生ちゃんと智世先輩は研究会について簡単に説明する。
776 :vqzqQCI0[sage]:2009/09/16(水) 01:17:01.05 ID:ldRaUJM0
「研究会の活動自体は週2日だからここにいるみんなは他のクラブと
掛け持ちでやっていたり、類のような生徒会と掛け持ちだったりと
割と堅苦しく無くやっているのよね」
「掛け持ち? それじゃ、園生ちゃんや智世先輩も他のところと掛け持ちしているの?」

「うん、智世先輩は茶道部の部長をやっているし、わたしも運動部のマネージャーを
しているし、そこの一年生2人も学内イベントの運営委員をしているんだよね?」
園生ちゃんは私の質問に答えつつ、側にいる2人の1年生をちらりと見る。

「はい、あたし達、生徒会主催のイベントの運営委員に選ばれまして
今ここの活動と掛け持ちしているんです」
「えーと、紹介が遅れましたけど自分は森野 亜季羽で、最初に喋っていたのが
及川 由加里です。それで運営委員と掛け持ちのためにまともにクラブ活動が
出来ないものでここの研究会なら週2回の活動しかないから丁度良いかな、
と思って入部したんです。2人とも料理作りには興味がありましたので」
初々しい感じで話しかけてきた幼い感じが残る及川さんと淡々とした説明口調で
感情の起伏があまり感じられない森野さんという2人の1年生は
それそれ私に自己紹介も兼ねて話しかけてきた。
「そうなんだ、みんな結構忙しい毎日を送っているんだね」
会話を続けつつも皆それぞれ作業を行っている。

チョコの甘い香りが漂う教室内。
時折笑い声も起こりつつ和やかにお菓子作りが進んでいく。
私もみんなのお手伝いをする。

…うん、こういうのもいいな。
私は何となく頷く。

これまでの"ヒロアキ"としての学校生活は確かに出来なくなってしまったけど、
それに悲観していても仕方ないんだって。
これからの"ミヒロ"としての学校生活も決して悪くないって事を
園生ちゃんを始めとした女の子達が私に教えてくれたような気がする。
だって、まだそんなに日が経っていないにも関わらず
こんなに女の子としての生活が楽しいんだもん。
きっとまだまだ楽しい事が私の前に待っているに決まっているよ。

もう昔を思い出して悲観するのは止めよう。
私はミヒロなんだからね。
777 :vqzqQCI0[sage]:2009/09/16(水) 01:19:23.35 ID:ldRaUJM0
「どう? こういう活動も楽しいでしょ?」
私の表情がどんどん明るくなっていくのに気付いたのか、園生ちゃんは
笑顔で私に話しかけてくる。
「うん、いいよね、こういうのって。私も色々チャレンジしてみようかな」
「ふふっ、そうこなくっちゃ」

焼きあがったケーキをオーブンから取り出す。
美味しそうに出来たガトーショコラの出来映えにみんな軽く歓声をあげる。
最後の仕上げをした後、みんなで試食する事になった。
智世先輩が用意してきた紅茶を1年生の森野さんと及川さんの2人で
人数分淹れて持って来てくれた。

「さぁ、早速試食しましょうね」
「わぁっ! 美味しいっ!」
「うん、よく出来ている」
皆それぞれ感想を述べつつケーキに舌鼓を打つ。
「ホント、美味しい…」
私も口にして思わず言葉が出る。何だか幸せな気持ちになる。
最近甘いものがすごく好きになっている私なのでホント嬉しいなぁ。

それにしてもお料理研究会に入ると毎回こんな幸せな思いができるのかな?、と
ちょっと不謹慎にも考えてしまう私。

「ミヒロちゃん、あなたさえ良ければ今日だけじゃなくってこれからも
うちの研究会に参加してくれないかしら?」
私が嬉しそうにケーキを食べている姿を見て智世先輩は聞いてくる。
「そうですよ、ミヒロ先輩も是非入会して欲しいですよ!」
「自分もミヒロ先輩の入会は賛成です。先程のお菓子作りの手際の良さは
まだまだ拙い自分にとっては見習う所がありますので」
智世先輩の提案に及川・森野の両コンビも賛同する。

「ええ?」
3人の話の展開の早さに戸惑う私。

「ふふっ、すっかりみんなに気に入られちゃったよね? ミヒロちゃん」
「でもでも? 私なんか手伝いをしただけでそんなに役立っていないし」
周りの盛り上がりとは対照的にどうしたら良いのか判断に迷う私。

「何言ってるの? 大したものだったわ、ミヒロちゃんの腕前」
「ホラね、智世先輩が褒めるくらいだからね、いいじゃない?」

もうこれは入会決定だよね、といった表情を浮かべる園生ちゃんでした。
778 :vqzqQCI0[sage]:2009/09/16(水) 01:32:25.04 ID:ldRaUJM0
三話投下完了です。
現在進行形の話が完成するのが先か、書き溜めたものが無くなるのが先か。
微妙な追いかけっこのようなペースで進んでいる状況ですね。

とりあえず続きはゆっくりと制作中です。
779 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/09/16(水) 01:52:42.79 ID:xhjLPNgo
乙〜
780 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/09/16(水) 17:36:56.70 ID:5ABj1QAO
wwktk
781 :駄文文! ◆dJNUgCnIng[sage]:2009/09/16(水) 21:28:26.12 ID:DHFva72o
そしてこの流れで続きを落とすっていう。

俺「先輩、歩くの早いですよ、誰の水着買うつもりですか」

女「もちろん!俺君のだけど?」

俺「だったら俺を置いてそそくさといかないでください・・・」

女「かんけーね!」
だっ!

俺「ちょっと!?」

女「はやく来ないとスク水にするよー!」

俺「スク・・・・待てコラァ!!」
782 :駄文文! ◆dJNUgCnIng[sage]:2009/09/16(水) 21:37:09.01 ID:DHFva72o
そんなこんなで

女「着いたね!」

俺「厄処へね」

女「だいじょーブイ!」

俺「古いですよ、もう・・・買うなら買うでさっさとしましょうよ」

女「お?youノってきたねぇ!」

俺「先輩こそどうしたんですか・・・さっきからテンション高すぎですよ」

女「そんなことナイヨ♪ささ、はやくはやく〜」

俺「最初に急かされたのは誰ですか・・・」

店員「いらっしゃいませー」

俺(うお、店員さん美人・・・!)

女「この子の水着買いにきたんですけど」

店員「はい、こちらのお客様でございますか?」

俺「あ、はい」

店員「それでは、こちらへどうぞー」


購入シーン省略します。
え?だって水着なんて中学生の時以降買ってないから判らないんだものwwwwww
783 :駄文文! ◆dJNUgCnIng[sage]:2009/09/16(水) 21:43:50.45 ID:DHFva72o
訂正、購入シーン→試着シーン。
なんか面白そうだから想像で書きます。

店員「はい!とってもお似合いですよ!」

俺「ははは・・・ふ、服は・・・?」

店員「へ?お連れのお客様にはお見せならないのですか?」

俺「けけけ結構です!!!!

女「「えー?試着できたー?」」

店員「ええ、よくお似合いですよ♪」

女「どれどれ・・・」
ガッ!

俺「バカバカバカバカ!まじまじまじちょっと開かないでまじお願い
  チョットカーテン破けるから、まじホントやめてえええええ!!!」

女「よいではないかwwよいではないかww」

俺「まじショック失神しちゃいますからまじで本当におねg・・・アッー!」
バッ!

女「・・・可愛いなチクショウ!!!」
784 :駄文文! ◆dJNUgCnIng[sage]:2009/09/16(水) 21:47:57.12 ID:DHFva72o
俺「・・・あんまジロジロ見んでください」

女「何ふてくされちゃってんのさー、ほーら顔真っ赤だぞー?」

俺「カーテン閉めてください!まったく・・・」

女「照れちゃってぇ」

俺「怒りますよ!」

女「はーい♪じゃ、これ買います」

こうして水着の購入を終えたのだった・・・。
続きはまたいつか
785 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/09/16(水) 22:23:37.05 ID:HS8tBHk0
どっちも続きwktk
786 : ◆/ShBG.hvjg2009/09/17(木) 02:18:21.24 ID:lO05ZY6o
投下しまうー

前回までのお話
 1[09/09/05] >>722-726
 2[09/09/08] >>732-736
 3[09/09/09] >>742-746
 4[09/09/13] >>762-766
787 : ◆/ShBG.hvjg2009/09/17(木) 02:19:36.21 ID:lO05ZY6o
教室は、にわかにざわついた。

「ちょ、ちょっと私がヒロインってそんな無茶な」
慌てて阻止しようとする俺に、
優衣は獲物を見つけたような目で見下ろしながら言った。
「あなた、自分の立場わかってる?」
「えっ!?」
「美恵さんは転校生なのよ」
そんなことは言われなくても知っている。
「いや、だからこそ、いきなりそんなこと」
「だからこそよ。今クラスであなた、美恵さんが一番目立つ存在よ。
 転校生だからってだけじゃなく…」
だけじゃない?何か目立つ事をしただろうか。

「とにかく」と呟いて優衣は立ち上がったままクラスを見渡すと、
「高原美恵さんが学園祭の劇のヒロインにふさわしいと思う人は拍手を!」
と、クラス中に響き渡る美声で賛同を求めた。
まったく、どっちが適役なんだか。
788 : ◆/ShBG.hvjg2009/09/17(木) 02:20:40.35 ID:lO05ZY6o
パチ…
パチパチ…パチパチ…

やっぱり少ないなと安堵したのも束の間、
突然投げかけられた議題の意味を理解した人から徐々に広がっていき、
最終的には教室を震わせるほどの拍手に包まれた。

本日何度目かの絶句をしてしまった俺に、
「ねっ!」と、優衣は勝ち誇った笑顔で残り一人の同意を求めたのだった。
「おめでとう」や「がんばれ」の声がかかる中、
俺は愛想笑いの裏で、面倒な事になったなと溜息をついた。

「でもさー、何やるの?」とグループにいた一人が聞いた。
「今日すぐにってのもアレだから、みんな家で考えてきて。
 まだ美恵さんの事あんまり知らないけど、第一印象でいいわ。
 似合いそうなの考えてね。明日の放課後決めましょ。」
そんな風にクラス長らしい事を話した優衣は、
ようやく席に座って、「何が似合うかなー」とにやけ顔で俺を見た。
789 : ◆/ShBG.hvjg2009/09/17(木) 02:21:38.45 ID:lO05ZY6o
それからというもの、俺は注目されっぱなしだった。
初日から目立ちすぎな転校生が気になるのか、
或いは真剣に演目を考えてくれているのか。

放課後になると、帰る方向が同じらしい優衣と帰ることになり、
今日の所は悠介の正体をはっきりさせる事は困難になった。
これだけ注目されているとしばらく無理かもしれない。

ただ、見るたびに悠介の中身が元の自分のままのような気がして、
確かめる必要が無いのではないかという思いが強まってきた。

「…さん、美恵さんっ!」
優衣が困ったような顔で俺の名前を呼んでいた。
気づけば自分の世界に入り込んでいたみたいだ。
「へっ、何?」
「またボーっとしてた。今日は色々あってお疲れ?」
「そうだね、優衣ちゃんのせいでもあるかな」
そう言って俺は優衣に向けてにやけた顔を作る。
「良い、その顔良いよ。さすがヒロインの演技力だね」
優衣も負けじと言い返す。
790 : ◆/ShBG.hvjg2009/09/17(木) 02:23:38.20 ID:lO05ZY6o
「イジワルな顔なら脇役で良いのに」
そっちのほうが俺にはお似合いだ。
「だめだめ、あなたはヒロインなの。名脇役は私が戴くわ」
透き通った良い声で優衣が答える。脇役にしておくには本当に勿体ない。

思い出したように優衣が再び口を開いた。
「それは良いとして演目よ。さっきから考えてるんだけど、
 美恵さんのイメージが全然固まらないのよね。
 見た目と中身のギャップが大きくて。んー、それも個性かあ」

ギャップ。

初めて会った人でも、やっぱり気付くんだな。
本当に中身が別人なのだからその溝を埋めるのは困難だ。
だってそりゃ元の美恵を知らないから。

美恵って、どんな人だったんだろう。
少なくとも脳の働きから頭は良いのだろうと予想はついた。
あとは…。
791 : ◆/ShBG.hvjg2009/09/17(木) 02:24:41.24 ID:lO05ZY6o
「あ、ここ真っ直ぐ?じゃ、お別れだね。また明日!
 美恵さんも、演目考えといてね!」
そう言って去って行く優衣の背中を見送る。

俺が悠介だった時はどこか抜けてそうなキャラだと思っていたが、
美恵になって実際よく話してみると、結構しっかりした人だった。
抜けている所なんて一つも見あたらない。どちらかというと計算高い人。

ギャップ。まんまと作られたキャラに騙されていたようだ。

そうか、優衣はずっとクラスのヒロイン役を演じていたのだ。
だから演劇では別の役をやりたがった。

そして俺は演劇でヒロイン役を演ることになり、

現実では女役を演じることになるのだ。

第五話END
792 : ◆/ShBG.hvjg2009/09/17(木) 02:26:53.38 ID:lO05ZY6o
なるべく三日に一回くらい投下したいところですー
が、なかなか思うように進みませんねーww

ではまたー
793 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/09/17(木) 06:24:18.14 ID:A8eofjY0
GJ!
最近の投下ラッシュに脱帽。
794 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/09/17(木) 22:24:37.36 ID:XjBBR6.0
続きwktk
795 :駄文文! ◆dJNUgCnIng2009/09/20(日) 23:24:07.69 ID:fLTqF6wo
少し更新しますねー。

俺「・・・この水着、やっぱり派手じゃないですかね」

女「そう?女の子としては控えめだと思うよ?」

俺「そうですか・・・それで?プールはいつ行くんですか」

女「うん、ちょうどいいし、今日行こう」

俺「はぁ・・・わかりましたよ、もう諦めました」

女「そりゃいいやww」

俺「こら」

女「へいへーい、俺くん、否ちゃんは」

俺「訂正しなくていいですから」

女「可愛いからナンパされちゃうかもねww」

俺「海じゃないんですから、どうせ市民プールでしょうに」

女「まあそうなんだけどね、お昼食べたら行こ!」

俺「お昼も家で食べる気ですか、相変わらず図々しいですね」

クレしん;;
796 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/09/23(水) 22:49:41.75 ID:Sq3A8UAO
乙です。
797 :vqzqQCI0[sage]:2009/09/25(金) 10:01:55.56 ID:QrkjV9s0
どんだけ☆エモーションSS(その4)

後片付けを済ました後、私たちは家庭科室を後にする。

「次回も必ず来てね」
智世先輩は私の肩をポンとたたく。
2人の1年生も別れ際に私の手を取って「待ってます」と言ってくる。

「はい、今後ともお願いします」
照れ笑いを浮かべて返事をする私。結局入会の運びになってしまったようです。

私は園生ちゃんと一緒に生徒玄関で外靴に履き替えて外に出る。
外はすっかり夕暮れ時になっていた。

「もうこんな時間。夕飯の準備の手伝いが待っているなぁ」
私は赤く暮れかかった空を眺めつつ、ポツリと呟く。
「ミヒロちゃんは家の手伝いをしているんだ? エライね」
私の言葉に感心したように話す園生ちゃん。

「まぁ、これも花嫁修業の一環だって母さんが言っているからね。だから何となくかな」
「…お母さんが? ふ〜ん…今から花嫁修業なんて気が早いんだね、でも悪くないかもね」
ちょっと驚いた顔をする園生ちゃん。そんなに意外だったかな?

園生ちゃんの家は私とは逆方向との事でとりあえず校門まで一緒に帰る事になった。

「…」
私の横を歩く園生ちゃんをじっと見る私。

夕日に照らされ、淡く金色に染まっている園生ちゃんの姿は不思議に幻想的というか、
可愛さ倍増って感じに見える。
彼女は元々可愛いんだけどね、って今日初めて認識した次第なんですけど。
798 :vqzqQCI0[sage]:2009/09/25(金) 10:05:27.30 ID:QrkjV9s0
…これまでずっと隣の席だったにも関わらず、私こと"ヒロアキ"は園生ちゃんと
ほとんど会話を交わす事すら無かったんだよね。…今更ながら勿体無さ過ぎる話だよ。

「ん? どうしたの? 何かわたしに付いている?」
私の視線に気付く園生ちゃん。
「今日はありがとうね。園生ちゃんのお陰で不安だった転校初日が
こんなにも楽しく過ごす事が出来たよ」
笑顔で園生ちゃんにお礼をいう私。
まさかこんなにすんなりと学校生活に溶け込めるとは思っていなかったんだよね。
だからそういう流れに持っていってくれた彼女にはホントに感謝だよ。

「うふふ、そう言ってくれるとわたしも何だか嬉しいな。…別にそんなつもりは
無かったんだけどね」
「そんなつもりって?」
彼女の言葉に首を傾げる私。
「うん、実はミヒロちゃんの転入前に千絵先生がクラスの女の子達を集めてね、
『今度転入生の女の子が入ってくるけどみんなで仲良くしてあげてね』って言ったの」
「ええ? 先生が?」
「うん、何でも女子高からの転入であまり男の子の免疫が無いって。だから
慣れるまでは女の子達で上手くフォローしてあげて欲しいって言われたんだ」
「そ、そうなんだ…」
目を大きくして驚く私。そんな話初耳だよ。千絵先生も色々考えていたんだ。

…だからか。妙に私は納得する。

休み時間になると必ず女の子達が私の周りにやって来て色々話かけてきた。
その外側で男子達が私の様子をずっと窺っているような感じ。
考えてみれば今日はほとんど男子生徒達との接触が無かった。
それってそういう事だったんだ。

う〜む、教室でサトシと話そうにも話せない状況だったのはそれも原因だったのかな?
799 :vqzqQCI0[sage]:2009/09/25(金) 10:08:13.45 ID:QrkjV9s0
「でも誤解しないでね? わたしは千絵先生に言われたからミヒロちゃんと仲良く
なったわけじゃないからね?」
「え?」
「わたしはミヒロちゃんと話して、"友達になりたい"って思ったからこうして
一緒になったんだからね。…類の場合はカワイイものが好きだからミヒロちゃんに
懐いてきたフシがあるけどね」
類ちゃんの冗談のような話題をはさみつつ、照れ臭そうに自分の想いを私に伝える
園生ちゃん。何だか彼女の話が私の中ですごく暖かく感じる。

「うん、私も園生ちゃんと仲良くなって良かった。だってすごく嬉しい気持ちで
一杯なんだもん」
私はそう言って園生ちゃんに笑いかける。
「あはは」
園生ちゃんも嬉しそうに笑う。

「それ! 行ったぞ!! 走れ!」

「ん?」
私達が会話している横からかけ声が上がる。
声の上がった方向を園生ちゃんと私はじっと見る。

生徒玄関から校門までの道程の間、グラウンドの一部を見ることが出来るのだが
丁度そこでサッカー部の練習が行われていた。
サトシが中心になってミニゲームをしているようだが…。

「…」
やっぱりサトシは他の部員とは全然動きが違う。
この間一緒に1対1のゲームをした時に感じたんだけど、あいつはホントに凄いよ。
私なんか話しにならない位上達しているもん。…何だかカッコいいなぁ。

気が付いたら私はサトシの姿をウットリと眺めていた。

「スゴイよね、サトシ君って」
そんな私の様子を見ていたのか、園生ちゃんは私に向って話しかける。

「え? さ、サトシが? わ、私は別にサトシを見ていたわけじゃないんだよ!?」
妙にうろたえて答える私。

他人が見たら今の私はサトシの姿を一生懸命に目で追いかけているように見えたのだろうか?

私とサトシの関係について周囲に誤解を与えるのは得策ではないと考えているものの、
咄嗟に話を振られるとぎこちない反応をしてしまうのは何でだろ?
800 :vqzqQCI0[sage]:2009/09/25(金) 10:11:18.30 ID:QrkjV9s0
「ふ〜ん、そうなの? サトシ君とミヒロちゃんって、ヒロアキ君繋がりで
顔見知りだと思って聞いたんだけど?」
「あ…。まぁ、顔馴染みと言えばそうなんだけど…」
園生ちゃんの突っ込みで余計に意識してしまったのか、それとも私自身の滑稽な
様子を想像して恥ずかしくなってしまったのかは不明だけど何だか顔が熱くなっていく私。
夕暮れのお陰で私の顔が赤くなっているのを園生ちゃんに気付かれないのはありがたいかも。

「うちのサッカー部のポイントゲッターだもんね、サトシ君って。
頭良し、ルックス良し、性格良しと良い所づくめの彼だから女の子には人気あるんだよね」
園生ちゃんも私の横でじっとサッカー部の活動の様子を眺めている。

「ふ〜ん、そ、そうなんだ? 園生ちゃんもひょっとしてサトシ…君の事、気になるの?」
陽の影に隠れて園生ちゃんの表情が良く分からない。だけど何だか彼女の口調が
普段と違って何か意味深に聞こえたのでついつい聞いて見る。

「え? わたしがサトシ君を? あはは、無い無い。あんな完璧超人みたいな人だと
わたしの方が釣り合わないから」
私の問いにあっけらかんとして笑う園生ちゃん。
「そ、そうなの?」
こんなに可愛くて頭が良くって、尚且ついい子な園生ちゃんがサトシと釣り合わないなんて?
一体どんな奴が彼女にお似合いだと言うんだろうか、と私は理解に苦しみつつ間の抜けた返事をする。

「わたしはもっと心が許せるような感じの人かな? …そんな人がいいな。
別に格好良く無くてもいいんだ。いつもわたしを楽しくしてくれる雰囲気を持った人、
…そんなヒトがいいな」
すっとグラウンドから目をそらし、再び私の方に顔の向きを変えてくる園生ちゃん。
その瞳は何かを私に訴えかけるような、切なげな、そんな"何か"を私に感じさせる気がした。

「…園生ちゃん? 何かあったの?」
"女の勘"かどうかは知らないけど、彼女の様子に何かを感じとった私はついつい聞いてしまう。
友達になったばかりの私がここまで彼女の中に踏み込むべきかどうかは一瞬悩んだけど。

「…ううん、何も無いよ。何も無かったんだよね、悲しい事に」
愁いの様子からすぐにさばさばした表情に戻って答える園生ちゃん。
「悲しい事に?」
「…悲しい事に何も無いままになっちゃったんだ。機会を失ってしまったって
言うのかな? ホント、馬鹿だよね」
「?」
園生ちゃんの話の流れが掴めず首を傾げる私。
801 :vqzqQCI0[sage]:2009/09/25(金) 10:13:04.15 ID:QrkjV9s0
「…さて、門のところに着いちゃったし、今日はここでお別れだね? ミヒロちゃん」
話をしている間に校門まで着いてしまった。そもそも生徒玄関から校門までなんて
大した距離があるわけないし。
「うん、それじゃ…また、明日だね」
手を振る園生ちゃんに手を振って返す私。
園生ちゃんと私の帰る方向は正反対なのでここで別れるのは仕方無い。

「…」
一人で夕暮れの帰り道を歩く私。

私はさっきまで一緒だった園生ちゃんの事をふと考える。

サラリとしたセミロングの髪を軽くなびかせ、ニッコリと笑いかける彼女。
そんな彼女の仕草の一つ一つがとっても可愛らしく感じる。

ヒロアキ時代の頃は席が隣同士だったのに全然彼女の事なんて知らなかった。
だけどミヒロになって再び彼女と隣同士の席になってまだ初日なのに
こんなに仲良くなるなんて、…ホントに不思議。

…不思議と言えば。

「…悲しい事に何も無いままになっちゃったんだ。機会を失ってしまったって
言うのかな? ホント、馬鹿だよね」

園生ちゃんのあの言葉は何だったんだろう?
そんな彼女の意味深なセリフをぼんやりと考えつつ家路へと向う私であった。
802 :vqzqQCI0[sage]:2009/09/25(金) 10:21:30.64 ID:QrkjV9s0
今回の投下完了です。
流石に朝はサクサクと快適に投下できますね。
803 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/09/25(金) 16:57:41.17 ID:rhH0ooAO
乙〜
続きwwktk
804 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/09/25(金) 17:13:46.01 ID:Gvf206wo
投下乙

気が向いたら短編書く
805 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/09/28(月) 13:46:15.53 ID:YrewVQAO
wwktk
806 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/09/29(火) 17:49:27.02 ID:wI7Oo0Uo
>>805
ファンタジーが混じってるのと
いたずらっこのストーリーの構想作った
どっちがいいかな。 混ぜる?
807 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/09/29(火) 18:36:17.31 ID:KItebwko
ファンタジーが混じってるのといたずらっこのストーリーとそれを混ぜたの全部投下すればいいじゃない
808 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/09/30(水) 02:28:52.20 ID:PPGxA720
萌えればおk
809 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/09/30(水) 18:29:10.45 ID:LMhlcL2o
>>807
むwwりwwww
今は書くものが結構溜まってるからwwww全部とかはきついwwww
810 :vqzqQCI0 [sage]:2009/10/02(金) 09:51:48.87 ID:JJ0hO3g0
どんだけ☆エモーションSS(その5)

「ただいま」

「おかえりー! お姉ちゃん!!」

家に帰ると私の帰りを待っていたのか実由がパタパタと嬉しそうに
玄関にやってくる。

私よりも少し小柄で(多分類ちゃんと同じ位?)多少長めの髪をツーサイドアップにした
実由は中学2年のとっても可愛い私の妹。

「ちょっと遅かったよね? あたし待って居たんだよ? お姉ちゃんの帰りを」
私に抱きつきながら、多少不満げな声をあげる実由。
「ごめんねー、色々有ってさ、帰りが遅くなっちゃったんだ」
実由のジト目に苦笑しつつも謝る私。

妹の実由はすっごく私に懐いていて家ではいっつも一緒なんだ。
仲が良すぎて危険な雰囲気を醸し出す事もあるけど…実由ならいいやww って、
何を言ってるんだろ私?

それにしても実由ったら、こんなに頬を膨らましちゃって。
もー、可愛すぎるよ!!
もう、こんなに可愛いとハグして、キスして、姉妹だけに終いには
あんなことやこんなこと…ハァハァ(;´Д`)
「お、お姉ちゃん!? もーヤダ!! えっちすぎるよ(////)!!!」
頬を赤く染めて実由はすっごく恥ずかしそうにしている。

あらら。しっかり私の頭の中の妄想が実由に筒抜けなんですけど。

「仕草や言葉遣いがすっかり"女の子"らしくなったけど
やっぱり何処かで"男の子"なんだよね、お姉ちゃんって。
…まぁ、そういうところもあたしは好きなんだけどね♪」
実由は抱きつきながらも私の口のヨダレをハンカチでふきふきしてくれる。
いけない、いけない。変な妄想をしたせいで思わずヨダレが…って、
何てはしたないんだろ? 私ってww

「ところでこの匂いは…」
「どうしたの? お姉ちゃん?」
クンクンと玄関の周囲の匂いを嗅ぐ私の様子にキョトンとする実由。

夕食の準備中でキッチンから直通で飛んできたのか実由の身体は
今日の夕食のおかずとなるお料理の匂いに包まれているような。

…う〜ん、この匂いはロールキャベツかな?
811 :vqzqQCI0 [sage]:2009/10/02(金) 09:54:23.81 ID:JJ0hO3g0
「あらあら〜、ミヒロちゃん待っていたのよ〜」
続いて母さんも嬉しそうに私を迎えにやってきた。

私の母さん、晴子。年齢は本人の希望により秘密ww

私や実由がもう少し成長したらこんな感じかな?
そんな雰囲気の母さんは見た目がかなり若く見える。

うちのクラスの人間が母さんを見て大騒ぎしているのも分かる気がするのだが、
冗談抜きで二十歳そこそこにしか見えないのが恐ろしいんですけど。
3人並んだら三姉妹といっても誰も疑わないかな? これって。

でも見た目はともかく"母さん"としてすごく頼れるし、"大人"として
すごく落ち着いていて、今回の件も含めて母さんには色々助けられた。
やっぱり私の母さんはホントにスゴイなって思うよ。

「うふふ〜、そんなに褒めても何にも出ないわよ〜ww も〜ミヒロちゃんったら〜」
母さんはそう言うと嬉しそうに実由ごと私に抱きついてくる。

「ちょ、ちょっと? 母さん!?」
「エヘヘッ、みんな仲良しだよね♪」
抱きつかれて慌てる私とは対照的に嬉しそうにしている実由。
「そうよ〜、私たちは仲良し家族だもんね〜」
実由の言葉に乗って母さんも楽しそうに実由と私に交互に頬擦りしてきた。
母さんと実由の柔らかい頬の感触と二人の身体から漂うロールキャベツの香りが
私の身体の周りをぐるぐると包み込む。

なんなんだ、この家族…、って、実のところ私もすっごく嬉しいんですけど。
エヘヘッ。

                ◇
812 :vqzqQCI0 [sage]:2009/10/02(金) 09:57:35.24 ID:JJ0hO3g0

私は着替えを済ませ、既に出来上がっている夕食を皆で囲んで食べる事にする。

例の如くと言うか、父さんは仕事で今日も帰ってきていない。
一応は毎日帰って来ているが残念な事にここ(本編)では登場する機会は無いかも。
…何と言うかww

あ、でも、私はそこそこ父さんと顔は会わせているんだよね。
当初女の子になってしまった私の姿を見て、さすがの父さんも困惑していたけど
今は「可愛い娘が二人になって嬉しい」って言ってくれたんだよね♪
色々とご迷惑かけてしまってゴメンね、父さん。

「で、登校初日はどうだったの?」
おかずのロールキャベツを食べていると実由が私に訊ねてきた。

「うん、思ったよりも順調だったかな。女の子の友達も出来たし」
「あらあら〜良かったわね〜、お友達は大事だからね〜」
「お姉ちゃん、良かった! あたし心配していたんだよ!!」

二人とも私の話を聞いてまるで自分の事のように喜んでくれる。
普段はお気楽な感じであるが私の事をいつも気にかけているんだよね。
私も二人に負けない位、実由や母さんの事を大事に思っているけど
(あれ、父さんは?)。

「まあ、もともと私の居たクラスだったからね。でもホント、良かったよ」
私も笑顔で二人に返す。
「うふふ〜、学校には千絵ちゃんとサトシちゃんが居るから大丈夫だとは
思っているけどね〜。でも万が一、ミヒロちゃんに何かあったら私は学校に乗り込むわよ〜!!」
「あたしも!! お姉ちゃんをいじめる奴は許さないんだから!!」
「ちょっと、二人とも、私は大丈夫だから。だから落ち着いて、ね?」
いきなり発想がエスカレートする二人をなだめつつ、私は食事の続きをする。
…ホント、素敵な家族ですww
813 :vqzqQCI0 [sage]:2009/10/02(金) 10:01:03.12 ID:JJ0hO3g0
夕食の片付けをした後、私は自分の部屋に行く。

自分の携帯電話を学生鞄から引っ張り出すと何となくそれを弄り始める私。
「ん?」
メールが3件入っている。早速内容を確認する私。

1件は園生ちゃん、もう一件は類ちゃんだ。
「仲良くなった証(あかし)としてアドレス交換したんだよね。…えーと」

『早速、メールしました。今日はミヒロちゃんと仲良くなれて良かったよ!
明日の天気は晴れだってTVの天気予報でやってたから、明日も中庭でお弁当だねww
今日のお弁当はミヒロちゃんのお母さんが作ったのかな? お料理研究会に入会した
ミヒロちゃんに早速の宿題! 明日は自分でお弁当作りに挑戦だよ?楽しみにしているからね!』

アハハ、園生ちゃんらしいなぁ。よーし、お弁当作りに挑戦してみようかな?

次は類ちゃんかぁ。
『あたしとミヒロちゃんは大親友!! 園生になんか負けないから!!!
あー、ミヒロちゃんに抱きついた時のあの感触、たまんないっス!! 明日も抱きついちゃうから!!』

…え〜と。私はどうすれば。
とりあえず私は二人にメールの返信をする。

「さて…」
私は最後のメールを確認する。

…サトシからだ。
814 :vqzqQCI0 [sage]:2009/10/02(金) 10:03:08.22 ID:JJ0hO3g0
不思議なんだけどドキドキする私。

これまで私とサトシは親友同士ということもあり
メールにおいても普段と変わらないやり取りをやっていたけど、
ミヒロになってからは妙にサトシからのメールが嬉しく感じるのは何でだろう?

『今日はお疲れ様。友人も出来たみたいだし出だしは順調かな?
慣れるまでは大変だけど俺の出来る限りでサポートするから今後ともよろしく』





…あれ? これだけ?

何だか肩透かしを食らった感じがする。

事務的とまでは言わないけど、もっと私の心の琴線に触れるような
ドキドキして甘酸っぱい感じの内容を期待していたんだけど。

「ふ〜ん? お姉ちゃんはそういう展開を期待していたんだ?
サトシお兄ちゃんももう少し気の利いた内容を送ってくれれば良いのにね〜」
「あれれ? 実由? 何時の間に入ってきたの?」
私の横に実由が居たので思わず驚く。

「あたし、ちゃんとノックしたよ? 一緒にお風呂入ろうと思って誘いに来たの♪」
この子、私の考えている内容が読めているせいか何だかニヤニヤしているよ。
「そ、そうなの? 気が付かなかった…」
「もー☆ サトシお兄ちゃんの事ばかり考えているからじゃないの? エヘヘッ」
私が顔を赤らめているのを見て面白そうにしている実由。

「実由ちゃん、あなたね…」
そんな風に私を困らすと…仕返しはお風呂で返してあげるんだからね?
私はお風呂場で実由をあんな風にしたりこんな風にしたりする妄想を
頭の中で展開してみたりする。

「ええっ!? ヤダもーっ!! お姉ちゃん、えっち過ぎだよー(///)!!!」
私の心の中の妄想を見て顔を真っ赤にする実由。
いやぁ、あまりの激しい内容に流石の実由ちゃんも両手で顔を覆っていますねぇ。

…でも何だか嬉しそうにしているのは私の気のせいかな?
815 :vqzqQCI0 [sage]:2009/10/02(金) 10:05:03.90 ID:JJ0hO3g0
              ◇

お風呂に入った後、再び私と実由は私の部屋に居る。

「ふぇぇ…えっちどころじゃないよぉ…もぉ、ヤダよぉぉぉ…(////)」

実由は私の有言実行によって私のベッドの上でパジャマ姿でのぼせた感じで
横たわっている。顔を赤らめて目がとろんとしているのは…私のせいだよね?
うふふ、実由は可愛すぎww

私は園生ちゃんと類ちゃんとメールのやり取りをしながら明日の授業の準備を
ちょこちょこする。
いきなりたくさんは無理だけど、あまりサトシとかにも迷惑をかけられないので
少しずつ勉強らしきものをするようになった。

「お姉ちゃ〜ん! 早く寝ようよ〜!」
実由が急かして来る。
まだ時間は夜の22時なんですけど、美容と健康の為に私は早々に作業を切り上げる。
「はいはい、実由ちゃんは今日も私と一緒に寝るんだ?」
実由と同様に既にパジャマ姿の私は実由の居るベッドの中に潜り込む。

シングルタイプのベッドに女の子二人寝るのって、幾ら身体が小柄と言っても
結構窮屈だと思うんですけど?

「そうでも無いよ? こうして寝れば全然問題ないし♪」
実由はそう言うと私に抱きついてくる。
「もう、実由は仕方無いなあ」
そういう私も実由をギュッと抱きしめる。

…何気に抱き枕と化している実由ちゃんであったりする。
816 :vqzqQCI0 [sage]:2009/10/02(金) 10:08:01.36 ID:JJ0hO3g0




すうすう…



程なく実由の寝息が聞こえてくる。
寝つきがとてもいいんだよね、この子。

「…」
薄暗い部屋の天井をぼんやりと見つめる私。

実由の暖かくて柔らかな感触を感じながら私は様々な想いをめぐらせる。

今日の"ミヒロ"としての初登校。

新たに仲良くなった園生ちゃん、類ちゃん。
初日にも関わらずすっかり仲良くなり、さらにはサークルにまで入会してしまった。
そこでさらに色々な人たちと出会ったりして。
本日起こった出来事を私は色々と振り返ってみたりする。

ホント、自分でも考えられない位にいいスタートが切れた。
明日もいい日になればいいなぁ。

…私はさらに色々と思考をめぐらす。





"あれ"からまだ2〜3日しか経っていないんだ。

私はもう一人の"私"になるはずだった"存在"を思い起こす。
それは意識の中でのイメージに過ぎないけど、でもあの姿は間違いなく
"彼女"の具現化した姿なんだ。

私が"ミヒロ"になる原因となった存在、そして私にとってかけがいの無い存在。

多分と言うか、今こうして違和感無く"女の子"として生活できているのは
彼女の影響、彼女の意識が私の中に今もなお存在しているに違いない、と私は思っている。

だってついこの間まで"男"として17年間も生きてきた私だよ?
"女"になってそんな急に"女の子"の生活に馴染めるほど人間は単純じゃないよね。

そう、人間はそんなに単純じゃないんだよ。



単純では無いからこそ、すぐに忘れて何事も無いように振舞う事が出来ないんだよ。
817 :vqzqQCI0 [sage]:2009/10/02(金) 10:11:47.57 ID:JJ0hO3g0




…う、うっ、ぐすっ…

何だか"彼女"の事を思い起こすと涙が出てくる。

期間的には1週間にも満たないけれど、それでも一緒に意識を共有してきたんだもの。
…急にぽっかりと空いた私の心はどう埋めればいいのか分かんないよ。

…会いたい。

…会いたいよぉ…

…グスッ

…グス、グスッ

何度もハンカチで涙を拭おうにも
私の気持ちがすっかり沈んでしまったせいか
涙が溢れて止まらずどうしようも無くなったその時、

「う〜ん…、おねえちゃん…」

「…!」

実由の寝言で私は我に返る。

「…実由?」



すうすう…

私の問いには答えず、
実由は安らかに寝息を立て続けている。

「…寝言かな…?」



思えば"彼女"が私の中から居なくなってからこの子は毎晩
私のベッドに来るようになった。
恐らく私が独りで淋しくなるのを気遣って実由はわざわざ一緒に
寝てくれているに違いない。
勿論、この子も淋しがっている部分はあるとは思うけど。
818 :vqzqQCI0 [sage]:2009/10/02(金) 10:13:50.69 ID:JJ0hO3g0
実由だって"もう一人の私"にあれだけ懐いていたんだ。
淋しく無いなんて訳がないよね。

私が退院したその日、事情を知った母さんと実由は私の中から
"居なくなった"彼女の事をひどく悲しんだ。
実由なんて大泣きしてなだめるのが本当に大変だった。

だけど今はそんな素振りなど見せずに私の側に居てくれているんだ。

…この子はホントに私の事を考えてくれているんだなぁ。
ごめんね、泣き虫で駄目なお姉ちゃんで。
"女の子"になってからホントによく泣くようになった私。
まだ気持ちのコントロールが上手くいかないんだ。
ちょっとした事ですぐ泣いてしまう。厄介だよ、ホント。

でもそんな私をフォローしてくれる実由。
ありがとうね、実由。
私も負けない位、実由の事を可愛がってあげるからね。

実由の髪を何度も優しく撫で付けたのち、私は目を閉じた。
819 :vqzqQCI0 [sage]:2009/10/02(金) 10:17:49.83 ID:JJ0hO3g0
今回の投下完了です。
今のところ週一のペースで投下できている感じですか。
続きも作成中です。
820 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/10/02(金) 12:57:45.99 ID:Yam3vY.o
ワッフルワッフル
821 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/10/02(金) 20:37:20.06 ID:6.mxgIAO
乙!
週1でもよく続くな〜
822 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/10/04(日) 00:22:19.09 ID:PX3YaIAo
☆〜 7月以降更新のあった物語まとめ 〜☆
◆SaEKLUFt0w 「」
 1[09/07/23] >>637-645

rtQgin37x 「」
 1[09/05/12] >>573-576
 2[09/05/18] >>579-582
 3[09/05/23-24] >>587-600
 4[09/05/24] >>605-606
 5[09/05/28] >>612-617
 6[09/07/09] >>627-630
 7[09/08/09] >>651-653

駄文文! ◆dJNUgCnIng 「」
 1[09/08/16] >>657-672
 2[09/08/17-20] >>675-683
 3[09/09/02] >>703-706
 4[09/09/16] >>781-784
5[09/09/20] >>795

vqzqQCI0 「どんだけ☆エモーション セカンドシーズン」
 1[09/09/04] >>710-716
 2[09/09/12] >>751-757
 3[09/09/16] >>770-777
 4[09/09/25] >>797-801
 5[09/10/02] >>810-818

◆/ShBG.hvjg 「」
 1[09/09/05] >>722-726
 2[09/09/08] >>732-736
 3[09/09/09] >>742-746
 4[09/09/13] >>762-766
 5[09/09/17] >>787-791
823 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/10/04(日) 07:30:28.30 ID:NptaI1Yo
投下乙
824 :vqzqQCI0 [sage]:2009/10/10(土) 00:15:04.92 ID:gBl/7yI0
どんだけ☆エモーションSS(その6)

翌日も変わらずサトシが迎えにやってきてくれた。

「おはよう、サトシ」
「お、今日は出てくるのが早いな? 昨日は結構待たされたんだけど」
意外そうな表情で私の事を見るサトシ。

「まあね。今日は早起きしたんだ」
家を出て学校までの道程を並んで歩くサトシと私。
「早起き? 遅寝、遅起きがデフォだったよな? 俺の知っているダチは?」
これまた意外そうな様子のサトシ。

「まあ、色々変わると生活のリズムも変わるもんだよ、不思議なんだけど」
「ふ〜ん、確かに変れば変わるもんなのかな…」
サトシはそう言うとまじまじと私を見る。
「ど、どうしたの? そんなに見て?」
じっとサトシに見つめられ、妙に焦る私。
「いや…なんと言えばいいのか、女の子になると行動パターンも
変わるものなのかと色々観察しているところなんだけど」
「やだな〜、なんだか目つきがイヤラシイ」
ジト目でサトシを見る私。
「ええっ? ちょ、ちょっと待ってくれよ? 俺はそんなつもりでお前を
見ていたわけじゃなくって」
私のセリフに慌てて弁解しようとするサトシ。何だか顔を赤くしている。

「ふ〜ん? そうなの〜? でも、私の正体を知る前のサトシって結構ジェントルな
感じだったけど、今はイヤラシイ感じがするんだよね〜ww」
「そ、それは誤解だって! 俺はいつもと変わらず接しているのであって、
その…! やましい気持ちは無いから!」
私の突っ込みにもはやしどろもどろな状況のサトシ。
そんなつもりは無かったんだけど…苛めてしまったかな?
825 :vqzqQCI0 [sage]:2009/10/10(土) 00:18:20.32 ID:gBl/7yI0
「まあ、いいや。話は変わるけどそろそろサッカーの試合があるんだよね?
昨日練習風景を見たけど調子良さそうだし、いい結果が期待できそうかな」
さっきまでの話題を変えてサッカーの話を振ってみたりする私。
こんな姿になって自分の嗜好が変わってもサッカーの話題については
興味津々であったりする。まあ、サトシが活躍しているのが大きな要因とも言えるけど。

「う〜ん、みんなそれなりにいい動きをしているかな。課題が無いわけでは無いけどね」
「ポイントゲッターが調子良ければ問題無いって。負けたら承知しないからww」
考え込むように答えるサトシに対し、すぐさま突っ込みを入れる私。
「ええっ!? いきなりそれかい! そういうプレッシャーがあると何とも…」
何気に会話が私のペースで進む。
以前はそうでも無かったけど、女の子になってから力関係が私寄りになったような気がする。
まあ、元々サトシはそんなに話す方では無かったというのもあるけど。

そうこうしているうちに学校の近くまでやってきた。
私達と同じく学校へ向う生徒達の数が道路に増えてきている。

「そろそろ…」
何だか気まずそうな雰囲気で私に話しかけるサトシ。
「うん」
私もサトシに向って頷くとサトシから離れる。
826 :vqzqQCI0 [sage]:2009/10/10(土) 00:20:04.36 ID:gBl/7yI0
一応、サトシの親友のヒロアキの従兄妹という位置付けの私、ミヒロでは
あるけれど必要以上に仲良くするのは今後の学校生活において
良くないのではないかというサトシの提案によって、私たちは
学校においてはあまり一緒に居ないようにする事になった。

サトシの提案に当然ながら難色を示した私ではあったけど、
後々母さんや、千絵先生に相談してみたところ
「女の子社会において平穏に過ごす為にはそれが無難じゃないの」
という結論に至ったわけで。

学校において女の子から人気の高いサトシ。
実際にクラスの女の子から聞いた話だとサトシのファンクラブが存在するとの事で
互いに抜け駆けしないように女の子同士で牽制し合っている話もあるそうだ。

そんな最中にひょっこりと現れた私がサトシと仲良くする。
サトシはともかく、これから女の子として学校生活を送らなければならない
私にとって平穏に過ごす為には余計な揉め事は避けた方が無難だというのが
母さんを始めとした他の方々の意見であるわけで。

…なるほど。

私の考えの及ばないところで結構皆、私の事を考えてくれているんだなぁ…と
しみじみ考えてしまう。
別に学校以外でもサトシに会う機会はあるし、予定さえ合えば私の家にも来てくれるので
そんなに困る事も無い。

とりあえずサトシの提案に素直に従う事にする私であった。

…でも私は思う。
女って面倒なもんだなぁ。特に異性が絡むと何とも。
827 :vqzqQCI0 [sage]:2009/10/10(土) 00:22:25.51 ID:gBl/7yI0
「おはよう」

「オハヨー!! ミヒロちゃん!!」
「むぎゅ」
教室に入るなりいきなり類ちゃんのスキンシップの洗礼を受ける私。
彼女は抱きついて来たかと思うと私に頬擦りをしてきた。
「はぁぁぁ…、やっぱりミヒロちゃんは気持ちいいよぉぉぉ〜」
類ちゃんの柔らかい身体の感触といい香りが私にやって来る。

「ちょ、ちょっと、類ちゃんったら…」
朝からハイテンションな彼女の勢いと昔の"男だった頃の名残り"もあって
ドキドキしっ放しの私。
「こらこら、類? いい加減にしなさいよ」
類ちゃんをたしなめるように彼女の背後から園生ちゃんがやって来る。

「園生ちゃん、おはよう」
「おはよう、ミヒロちゃん」
私の挨拶にニッコリと笑顔で返す園生ちゃん。
「類はもう離れなさい、ミヒロちゃんが困っているでしょ」
園生ちゃんは類ちゃんの首筋をつんつんと突っつく。
「うひゃん!? 園生?」
ビクッと反応し、慌てて私から離れる類ちゃん。

「園生…うっぅ〜」
昨日の謎の類ちゃん気絶事件があってか、園生ちゃんに背後を取られまいと
妙に警戒している様子だ。

とりあえず開放された私は自分の席へと向う。
隣の席の園生ちゃんも私の後に続く。

「昨日はありがとうね、クラブ活動とか結構楽しかったよ」
「うふふ、どういたしまして。わたしもとっても楽しかったよ」
園生ちゃんは私の言葉にニッコリと笑顔で返し、自分の席に座る。
828 :vqzqQCI0 [sage]:2009/10/10(土) 00:24:48.31 ID:gBl/7yI0
「今日もいい天気だよね? 昨日のメール見てくれた?」
窓の向こう側から見える青い空を眺めた後、私を見る園生ちゃん。
「うん、勿論…って、ちゃんと返事返したでしょ? やだなぁ」
「アハハ、そうだよね。それじゃあ、わたしからの"宿題"はやってくれた?」
「勿論。今日のお弁当は私が作ったんだ、早起きして頑張ってみたよ」
「ホント? それじゃ、今日のお昼のチェックは楽しみ〜!」
気が付くと類ちゃんが私たちの側にやって来ていた。

転入2日目ではあるがそれなりに馴染み始めている自分が居る事に気付く私。

「…」
ふと私は自分の反対側の席を見る。
今朝も一緒に登校したサトシは何事も無いように複数の友人達と
談笑している。

男の時と同じクラスではあるけれど私と付き合う友人達は
すっかり様変わりしてしまった。
サトシを始めとした男友達とはあまり接する機会が無くなってしまい、
今や学校での日常において接するのは女子ばかりになって
人付き合いの状況は完全に逆転してしまった。

だけどあまり違和感は感じないのは何でだろうか?
昨日はちょっと感傷的になっちゃったけど、別に悲観はしないんだ。
過去は過去、現在は現在だから、ね。
829 :vqzqQCI0 [sage]:2009/10/10(土) 00:27:38.03 ID:gBl/7yI0
「さぁ、行くよ」
「え?」
ぼんやりと考え事をしていると園生ちゃんが声をかけて来た。
「今日の一時限は体育だよ? 早く着替えないと遅れちゃう」
「へ、体育?」
園生ちゃんの言葉にキョトンとする私。
「おいっしゃー! ミヒロちゃーん!! 早く行くよっ!!」
「むぎゅ」
類ちゃんが抱きついてきた。何かある毎に抱きついてくるのは何なのかな?

「そういえば運動着は持っている? まだ準備していなかったとか?」
体育と聞いてぼんやりとしている私の様子を見て「もしや…」といった表情で
聞いてくる園生ちゃん。
「え? いや、大丈夫。用意はしてあるから」
「良かった、それじゃ行こう?」
「う、うん、そうだね」
園生ちゃんに促される私。

そんなこんなで私は園生ちゃんや類ちゃん、あと数人のクラスメイト達と
一緒に更衣室へと向う事になったのですが。

           ◇
830 :vqzqQCI0 [sage]:2009/10/10(土) 00:30:32.26 ID:gBl/7yI0
体育館横の女子更衣室ではうちのクラスの女の子たちが運動着に着替えている。

「…」
私は隅の方でその様子をチラチラと見つつ、自分の着替えをする。

…そう言えば異性(今は同性だけど)の女の子と一緒に着替えをするのって
妹の実由はともかくとして初めてじゃないかな、と気付く私。

女の子になってそんなにドキドキする事は無くなったけど多少の"名残り"のせいか
女の子の着替えシーンに妙な期待感が湧いてくる。
やっぱり心の何処かで"ヒロアキ"だった頃の自分というのが残っているようで、
実由じゃないけどそのあたりは自覚している私であったりする。

しかし女の子達はどこかの漫画で良くあるような着替えの光景はせず、
若干お喋りをしつつも手早く自分の着替えをしていくような感じであった。
「…」
友人の下着チェックとか体の発育具合の比較とか、そんなシュチュエーションを
若干期待していた私なんですけど拍子抜けな展開だなぁ…。

「…もう」
ポン。
「え?」
不意に私の肩に手が置かれる。

「…ミヒロちゃん、着替えるの遅いよ? それに緩んでいるから、顔が」
呆れた表情で私を見る園生ちゃん。私の肩に手を置いたのは彼女だった。
彼女はいつの間にか着替えが終わっていて自分のバッグをロッカーに入れている。
「…あれ? 園生ちゃん終わったの? 早いね」
私はまだ半袖の上着しか替えてない状態であった。
「何言っているのかな? 急がないと授業始まっちゃうよ?」
何だか怒っているような感じの園生ちゃん。どうしたんだろう?
831 :vqzqQCI0 [sage]:2009/10/10(土) 00:31:59.14 ID:gBl/7yI0
「ご、ごめんね、すぐ着替えるから待っててね」
彼女の雰囲気に圧され、急いで着替えをする私。
「他の子達の着替えを見ているからだよ、…ホントにもう」
「園生ちゃん、…まさか怒っちゃった?」
園生ちゃんの様子におそるおそる聞いてみる私。

「…あれ? そう言えば何でだろう? ミヒロちゃんが他の女の子の着替えを
眺めているのを見ていたら…何だか嫌な気持ちになっちゃって」
私の質問に急にハッとして考え込む園生ちゃん。

「嫌な気持ち?」
「うん、分からないけど…ごめんね、勝手な事言っちゃって。
あんまり他の子を見ないで欲しいなって、…ヤキモチみたいな、そんな気持ちに
なっちゃって。変だよね? …女の子同士なのに」
私に自分の気持ちを話しているうちに表情が曇ってくる園生ちゃん。
その姿を見ていると私は居ても立ってもいられない感情に捉われる。

「園生ちゃんごめんね、私のせいで嫌な気持ちにさせちゃって。
まだ知り合って日が浅いけど、私は園生ちゃんを大事に思っているから。
他の子より、誰よりも」
そう言って彼女の両手を取る私。抱き締めそうになるのを堪えるのは
一応私にもそれなりの理性が働いているわけで。
「! …ホント? …嬉しい。何だかすごく…嬉しいかも」
私の言葉に頬を赤らめる園生ちゃん。はにかんだ笑顔が…可愛い。

「じゃーん! 戦闘準備完了!!」
「うわ」
着替えの終わった類ちゃんがじゃれるように私に抱きついてきた。
「あれれ? ミヒロちゃんはまだ着替え終わんないの? 遅いなぁ」
「いや、今、着替え終わるからね? だから離れてもらえると嬉しいけど」
制服の時と違い、やわらか素材かつ薄着の運動着なので類ちゃんの身体の感触が
よりずっと感じる事が出来るんですけど。
言葉とは裏腹に私の顔の表情が緩んでくるのが…。

「…」
ジト目で私の顔を見る園生ちゃん。

…! やば。

彼女の視線に気付いた私はすぐさま表情を引き締めると動きづらい状況のまま
着替えを急ぐのであった。
832 :vqzqQCI0 [sage]:2009/10/10(土) 00:35:33.71 ID:gBl/7yI0
       ◇

体育は何故かサッカーだった。

男子は男子でサッカーをしていて女子は女子でサッカー。
別に合同でも構わないんだけどなぁ、などと思う私。
そうすればサトシとも何らかの絡みがあるのに。

「わたし、サッカーなんてあまり経験ないから楽しみ」
サッカーボールを手にしながら園生ちゃんは嬉しそうに言う。
「ふーん、私も楽しみと言えば楽しみかな」
とは言うものの、かなりワクワクしている私。
やっぱり女の子になってもサッカーが好きなのは変わらないようです。
「さぁさぁ、準備体操するよ! 園生もミヒロちゃんも早く!」
みんなの準備体操を眺めつつ急かして来る類ちゃん。

バタバタとしながらも準備運動を済ます私たち。
担当の先生がやって来て簡単に説明をした後、2つに別れてチームを作る。

早速試合形式のゲームが始まった。

「ホラ、そっちにボールが言ったよ!」
「パスパス!」
女の子のサッカーなのでゲームとして成立するのかな、と思ったけど
みんな拙いながらも真剣にやっているので白熱した状況になっている。

「とぉぉぉぉっ!!」
類ちゃんがボールをキープしつつゴールへと向う。
他の女子がそれを止めようと類ちゃんの前に立ち向かうが
彼女はそれをかわしていく。
うーむ、類ちゃんって結構運動神経が良いようです。

「そうはさせない!」
園生ちゃんが類ちゃんの前に立ちふさがる。
チーム分けで類ちゃんと園生ちゃんは分かれたので敵同士。
ちなみに私は園生ちゃんと同じチームであったりする。
チーム分けの際、類ちゃんが私と園生ちゃんとは別のチームになった事を
不満に思ってやり直しを先生に要求するといったちょっとした騒動もあったりしたけど。
833 :vqzqQCI0 [sage]:2009/10/10(土) 00:39:17.49 ID:gBl/7yI0
「ふふん、運動オンチの園生になんか負けないよっ!」
余裕綽々の表情で園生ちゃんを翻弄する類ちゃん。
「えいっ、えいっ…! きゃ!」
確かに園生ちゃんは運動は得意ではないらしく、
類ちゃんの巧みな動きに戸惑いつつ、尻餅をつく。
「よっしゃ! 勝ち〜ぃ!」
「むむむ…」
喜ぶ類ちゃんとは対照的に口惜しそうな表情を浮かべる園生ちゃん。
座りながらもグラウンドに付けている両手をぎゅっと握り締める姿を見ていると
彼女は結構負けず嫌いなのかも知れないな、と思ってしまう。

「ミヒロちゃん! 類が行ったよ!」
ぼんやりとそのような事を考えていると不意に園生ちゃんの声が。
気が付くと類ちゃんが私の方に向ってドリブルをしながらやって来る。

私のサッカーの実力を考えると女子の中ではかなり目立ってしまう、と考えて
あえてディフェンス側で控えていたのだが、この状況ではそうもいかないようです。

「ふっふー♪ ミヒロちゃん、類からボールを奪えるかな〜!」
類ちゃんは私を挑発するようにサッカーボールを操ってみせる。
「…ふぅん」
動き自体は大したものでは無いけど、女の子にしては結構なものなのかも知れないなぁ。
女の子になって運動能力が落ちたとはいえ、それでもサトシと互角にやり合える
実力の私。
止めようと向ってくる女子達を類ちゃんは一応フェイントを入れつつかわして行く。
そうこうしつつもゴールに向って進んでいく類ちゃんの前に出て行く私。

「来たわねっ! ミヒロちゃん!」
「お手柔らかにね」
類ちゃんはスピードを上げて私をかわしに行く。
それを遮ろうとする私。
「行かないよ!」
類ちゃんは声を発してフェイントをかけつつ、ボールを取られまいとする。
しかし、動きが単調かな。
834 :vqzqQCI0 [sage]:2009/10/10(土) 00:40:47.74 ID:gBl/7yI0
ポン。

「あ、あれれ?」
一瞬の私の動きによって、類ちゃんがキープしていたボールは
私の足元に来ていた。何が起きたか解らずビックリした表情の類ちゃん。

その様子を見ていた周りの女子たちもざわついている。
恐らく類ちゃんからボールを取った事が結構な状況であったのかもしれない。

「すごい! 類からボールを取るなんて!」
園生ちゃんは驚いた様子で私を見ている。
「うーん…」
そんなに驚かれても、といった感じの私。
一瞬とは言っても私自身はそんな大した動きはしていない。
類ちゃんの動き自体は早いけど一つ一つの動作に無駄が多く、間が発生している。
私はその隙をついてボールを取っただけ。

「そ、そんな訳有るはず無いっ!」
ボールを取り返すべく類ちゃんが私に向って来る。
私は類ちゃんの攻めをひらりひらりとかわしていく。
その都度女子のギャラリーから歓声が上がる。
「えーと…」
そんな大した事してないんだけどな、と思いつつ
周りの盛り上がりにつられ、ついつい調子に乗ってみようかなと
ボールを相手ゴールに向けて蹴りだす。

類ちゃん頼みの相手チームはハッキリ言って私の敵では無かった。

「「「キャー!! ミヒロちゃーんっ!!!」」」

味方、敵チーム共に大きな歓声が上がる。

誰も私の動きを止められる事が出来ず、ひたすらに得点を重ねる私。
気が付くと私のワンサイドゲームのような状況になっていた。
835 :vqzqQCI0 [sage]:2009/10/10(土) 00:45:16.80 ID:gBl/7yI0
「ミヒロちゃん! すごい! 凄過ぎるよっ!!」
園生ちゃんは私の活躍に大はしゃぎして抱きついてくる。
「そ、そうかな? マグレだよ、きっと」
私もそんなに悪い気がせず、笑顔で応える。

「うぬぬ〜っ!! 在り得ないほど凄いよ!! ミヒロちゃん!!」
口惜しそうな素振りを見せつつも園生ちゃんに負けじと私に抱きつく類ちゃん。
「ちょ、ちょっとぉ!? 類ちゃん?」
「類! ここでは敵同士なのに何でミヒロちゃんに抱きついてるのよ! しかも!!」
類ちゃんがドサクサに紛れて私の頬に何度もキスしてくるのを見て憤る園生ちゃん。
私もどうしたら良いのか分からず困惑の表情を浮かべる。

「だって! だって、カッコいいんだもん!! ミヒロちゃん!!
こんなにカワイイのに、こんなにサッカーが凄いなんて!! 本気で惚れちゃったよ!!
凄い!! カッコいい!! 類の嫁になって!!」
「何、変な事言ってるのよ!」
二人のやり取りに巻き込まれつつも私は周囲を見てみると気になる光景を目にする。

「へー、凄いな、あの子」
「あれは女子の動きじゃないぜ、どうなっているんだ」
口々に色んな事を言いながら男子達がぞろぞろと女子の方にやってきていた。

女子サッカーがあまりにも盛り上がっていた為、同じくサッカーのゲームをしていた
男子達が様子を見にきたのだ。

勿論、その中にはサトシの姿もあったりして。

「…!」
私と目が合ったサトシはちょっと困ったような表情を浮かべる。
そこで私はハッと気付く。

いけねっ、まさかここまでの騒ぎになるとは。
836 :vqzqQCI0 [sage]:2009/10/10(土) 00:48:42.21 ID:gBl/7yI0
…やり過ぎた感も無くは無いけど。
私は私でどうしたらよいものか呆然としていた。

「おい、サトシ、ミヒロさんと1対1でやってみろよ。
かなりいい勝負になるんじゃないか?」
サトシと同じサッカー部の木戸がサトシに話しかける。
「う〜ん…、俺は遠慮しておくよ。木戸、お前がやってみたらどうだ?
もちろん、ミヒロちゃ…、ミヒロさんが受けてくれればの話だけど」
相変わらず困ったような様子で木戸と会話を続けるサトシ。

「そうだ、そうだ、それは面白いな」
「おーい、女子! エキビションマッチといこうぜ! スーパーサッカー美少女、
ミヒロさんとサッカー部&男子代表の木戸との一騎打ち!!」
サトシと木戸の会話を聞いていた一部の男子達が皆に向って言い出す。

数人の男子の呼びかけに応じて女子達も
「いいわね、それ」
「木戸君でも敵わないような気がするけど、大丈夫?」
「受けて立つわよ」
本人の意思とは関係なく勝手に承諾して盛り上がりだす。

「ええ?」
思わず驚きの声を上げる私。

おいおい、何でそんな展開になるの?
しかも本人抜きで勝手に対決を決定しないでくれる?
837 :vqzqQCI0 [sage]:2009/10/10(土) 00:57:33.52 ID:gBl/7yI0
今回の投下完了です。
今週はほとんど話が作れなかったのでストックが無くなりそうな予感。
838 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/10/10(土) 01:12:40.92 ID:.bbqoGUo
>>837
乙です〜
839 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/10/10(土) 01:35:34.16 ID:3g6lXqo0
GJ!
840 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/10/10(土) 02:20:07.49 ID:eLEreAEo
初代スレのころは見てたけど、いまでもこのスレ続いてるんだね。凄いね。
wikiに俺の作品まとめられてたけど、恥ずかしくて見れないや。
841 : ◆/ShBG.hvjg2009/10/11(日) 02:00:20.32 ID:7/nPBAIo
お久しぶりですーorz
最初の勢いは何処へやらーww

前回までのお話
 1[09/09/05] >>722-726
 2[09/09/08] >>732-736
 3[09/09/09] >>742-746
 4[09/09/13] >>762-766
 5[09/09/17] >>787-791
842 : ◆/ShBG.hvjg2009/10/11(日) 02:01:39.47 ID:7/nPBAIo
家に着いた美恵は「ただいま」とリビングの扉を開けた。
明るい「おかえり」の声が返ってくると予想していたが、
美恵の母親は寂しそうな顔でダイニングテーブルに座っていた。

リビングに入ってきた美恵に気付いた母親は、
笑顔を作って「おかえり」と言い、更に言葉を続けた。
「パパね、今日も帰ってこれないんだって。
 転勤してすぐなのにあんまりだわ」

そういえば俺はまだ美恵の父親に会っていない。
どんな人なのか知らないものだから、
父親に関するプロフィールの創作には苦労した。

一応、美恵の父親の転勤で美恵も転校することになった、
という所までは知っているが、仕事内容や転勤の理由までは知らない。
ここは心配するふりをして情報を聞き出せないだろうか。
843 : ◆/ShBG.hvjg2009/10/11(日) 02:05:01.98 ID:7/nPBAIo
「パパ、仕事大変なの?」
こんな風に聞けば大丈夫だろう。
何の疑いもなく美恵の母親は答えた。
「ほら、今朝の新聞のトップ記事。
 このあたりで続出してる「変死」が、また出たんだって。
 調査団のトップとしてやることがたくさんあるのよ。
 でも、これじゃパパの過労死のほうが心配だわ」

変死のニュースは聞いたことがある。
おそらく新型の伝染病ではないかと言われているが、
それらしい症状が出ている人は全く居らず、
ただ少しずつ、突然死する人がでてくるのだという。

誰が感染しているかわからないし、死亡者に共通点もない。
そんな得体の知れないものを調査するなんて、危険な上に雲を掴むような話だ。

ただ、その「変死」事件を知った上で、よくこんな地域に家族で引っ越してきたものだ。
単身赴任という選択肢はあったはずだし、隣町に住むこともできたはずだ。
844 : ◆/ShBG.hvjg2009/10/11(日) 02:06:04.88 ID:7/nPBAIo
あまり質問し過ぎるのも変だと思った俺は簡単に話を切り上げ、
宿題をすると言って二階に上がると、こんどは部屋の物色をはじめた。

俺自身の事すらわからない事だらけだが、
まず生活をする上で、何処に何があるのかがわからないのでは不便だ。
それとついでに日記が有ればと期待していたが、
残念ながらそれらしき物は見あたらなかった。

タンスを上から順番に開けていると、その一つに下着が見えて躊躇した。
しかしこれから、少なくともしばらくは女として生きていくのだから、
避けて通れないことだ。よし。

開き直ってタンスを最後まで引っ張り出すと、
そこには色とりどりの下着が収められていた。
シンプルな綿のものや、レース地の装飾が付いた物。形も色々ある。
男の時は黒かグレーの地味な下着だったから、種類が豊富で何だか楽しい。

む、なんだか、変態みたいだ。いや、違う。今の俺は女なんだ。女、なんだ…
845 : ◆/ShBG.hvjg2009/10/11(日) 02:08:27.38 ID:7/nPBAIo
妙な気分になった俺は、さっさとタンスを閉めてベッドに体を投げ出した。

思えば今日は色々と有りすぎた。
朝起きると俺は俺ではなくなっていて、
転校生「美恵」として、学校で転校生としての行事を終え、
昼休みには突如学園祭の劇のヒロインに抜擢。

とてつもない運命に翻弄されている。
神様がいるのなら恨みたいところだ。

なんで俺はこんな大変な事になってしまったのだろう……か………

横になると一気に疲れが出て、すぐに眠ってしまった。
夕食の時間になっても降りてこない俺を心配して見に来た
美恵の母親が言うには、起こすのを躊躇ったくらいの熟睡っぷりだったそうな。
846 : ◆/ShBG.hvjg2009/10/11(日) 02:11:40.34 ID:7/nPBAIo
さて次の日である。

目を覚ますと状況の認識から始めないといけなかった。
今の俺は美恵だったのだと理解し終えるのに要した時間は一分。
その割に、余分に寝たせいか頭はスッキリとしていた。

「昨日の夕食あんまり食べなかったんだから。
 しっかり食べなさい。体力つけないとっ!」
そう言われ多量の朝食を食べた俺は、
胃がスッキリしないまま、学校に行く羽目になった。

二日目になると女子の制服で外を歩くのも慣れたものだ。
順調な足取りで学校へ向かうと、昨日優衣と別れた交差点に人影を見つけた。

「やっ!美恵さんおはよう」
もちろんこの声の主は優衣だった。

俺は挨拶を返しながら小走りで近づくと、優衣も並んで歩き出す。
そのとき優衣が一瞬見せた表情は、
何やら学校で面倒な事が起きそうな事を予感させた。

第六話END
847 : ◆/ShBG.hvjg2009/10/11(日) 02:12:34.11 ID:7/nPBAIo
>>792であんな事を言ったのにーwwww
い、一週間にせめて一度はー…

ではまたー
848 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/10/11(日) 06:46:50.71 ID:gsus2cAO
投下来てるー、GJ!!
849 :vqzqQCI0 [sage]:2009/10/17(土) 22:48:10.21 ID:TwpGMvg0
どんだけ☆エモーションSS(その7)
  
「なんでこうなっちゃうんだろうか…」
軽く溜め息をつく私。

今、私はグラウンドの真ん中でセンターラインを挟んで木戸をはじめとした
数人の男女と向かい合っている。
1対1だと盛り上がりに欠けるとの事で男子代表と女子代表とで各4人ずつ選抜して
混合のチーム構成にした後、4対4のフットサルを行うことになってしまった。

勿論、新たにラインを引き直したりフットサル用のゴールも用意したりと
わざわざそこまで準備しなくても…といった気がしないでもないが、
私の気持ちとは裏腹にどんどんとゲームの準備が進められたのであった。

私のチームは私の他に園生ちゃんとサトシ、キーパー役の中本の4人。
木戸チームはサッカー部の木戸と吉岡、そして類ちゃんと川上さんの4人。

チームのバランスとしては私とサトシのチームの方が突出した能力の2人で強い気がするが
申し訳無いけど園生ちゃんと中本がそれをスポイルしている気がする。
それに対して木戸チームはサッカー部のレギュラーの2人と
類ちゃんと陸上部の川上さんという運動神経抜群の女子2人のかなりのチーム。
構図としては2.5…いや、3かな?対4と言う中々の状況に思える。

「うう〜っ、どうしてまたミヒロちゃんと敵同士なの〜!?
しかも!! また園生がミヒロちゃんと一緒だし!!」
恨めしそうな表情で私たちの方をじっと見る類ちゃん。
…何だか可哀想に思えてくるのは私の気のせい?

「まあ決まってしまったことは仕方ないよね、でもやるからには
本気で勝ちに行かないとね」
サトシは私の横に来て話しかける。
「まあね、でも選抜チームとはいえ、ハンデがあるよ? サトシは大丈夫なの?」
他の2人に聞こえないようにこそっと話す私。
「俺にそういう事を聞くかい? それはこっちのセリフだよ?
ミヒロちゃんこそブランクがあるけど大丈夫?」
サトシはニヤリと笑って私を見る。
「言ったね? 大丈夫に決まっているじゃない!」
私も負けずに返す。
850 :vqzqQCI0 [sage]:2009/10/17(土) 22:49:55.81 ID:TwpGMvg0
…あ。 なんだろ。
何か久々の感覚。

試合前のこんなやりとりはサッカー部に居た頃以来のような気がする。

こうして授業形式ではあるけどサトシと同じチームでサッカー(この場合はフットサルだけど)
できるなんて。
なんだか凄くワクワクしてくる。

「何だかドキドキしてきちゃった。足手まといにならないように頑張るね」
園生ちゃんは緊張した面持ちで私のところにやってくる。
「ふふ、大丈夫だよww 園生ちゃん。こっちにはサトシ君が居るんだから。
私たちは伸び伸びと試合を楽しもうよww」
「…うん、それにミヒロちゃんも居るしね。だけどわたしも精一杯やるよ!」
園生ちゃんは私の言葉にホッとしたのか表情を和らげつつもやる気を見せる。
ホント、園生ちゃんっていい子だよなぁ。

ピーッ!!

そうこうしている間に試合開始のホイッスルが鳴る。

先行は木戸チーム。
木戸と類ちゃんがパスを繰り広げつつ向ってくる。

類ちゃんはともかくとして木戸の動きはサッカー部のレギュラーだけあって
いい動きをしている。サトシほどじゃないけどね。

「ミヒロちゃん、行ったよ!」
サトシの声がする。
「うん!」
私は木戸に向って行く。
木戸はサッカー部の中でかなり出来る奴だから今の私といい勝負できるんじゃないかな、
と思いつつ立ちはだかる私。

木戸も流石に女の子に負けるのはプライドが許さないので最初から本気モードだ。
「はっ、ほっ」
「すごいね、木戸…君」
私にボールを取らせまいとする木戸。
久しぶりの木戸との一騎打ちは以前よりもすっかりサッカーの技術が上達した木戸の姿を
確認する事ができる。…けど。

「まだかな?」
私はそう言うとスッとボールを木戸から奪い取る。
素早い動きとボールさばきは上々なんだけど、フェイントからの動きが読みやすいんだよね。
だから奴の速い動きについてこれれば何て事無いかなww
851 :vqzqQCI0 [sage]:2009/10/17(土) 22:51:54.10 ID:TwpGMvg0
どよっ、と歓声が上がる。

ギャラリーの生徒達が私と木戸とのやり取りで盛り上がる。
「ミヒロちゃん!! 最高!!」
「おいおい! 木戸は何やってんの!! 現役だろ!!」
女子達の(私への)黄色い声と男子達の(木戸への)野次が激しく飛び交う。

「キャー!! ミヒロちゃん、最高!!」
「むぎゅ」
試合中であるにも関わらず私と木戸の対決を見て感激したのかは不明だけど
何故か敵チームの類ちゃんが私に抱きついてきた。
「ちょっと!? 類!!」
そしてそれを見た園生ちゃんが怒って類ちゃんに突っかかる。

そんなやりとりで折角取ったボールが転々と相手チームへ転がる。

「チャンス」
吉岡がボールを取ると素早く私のチームのゴールへと向う。

「何やっているんだかな」
サトシは吉岡を止めるべく自陣へと戻るが木戸へとパスしたボールは
あっさりと私のチームのゴールを奪ってしまった。

「あれれ?」
「もう! 類のせいよ!って言うか、これは普通にファウルでしょ!!」
「知らないもーん、結果的にそうなっただけであたしは狙ってないもーん」
類ちゃんと園生ちゃんのやり取りを見つつ私はやれやれ、と頭を軽く掻く。

「先制されたよ、参ったな」
サトシは苦笑しつつ私のところにやってくる。
「サトシ、手を抜かないでよ。あっさり点取られちゃってさ」
「あのなぁ…ミヒロちゃんだろ? せっかく取ったボールをこぼすなんてさ」
私の突っ込みに困った表情で返すサトシ。
「まぁ、不可抗力と言いますか、何と言いますかww」
そもそもの原因が自分なので私も苦笑する。
852 :vqzqQCI0 [sage]:2009/10/17(土) 22:53:27.03 ID:TwpGMvg0
「まあ、いいや。次、速攻で行くよ」
「分かってる」
気を引き締めた様子のサトシとそれに応える私。
このあたりのやりとりは元々サッカー部では攻撃の最強コンビだった私たち。
作戦の確認をするまでも無い。

今度の攻撃は私たちから。
サトシからパスを受けると私は迷わず前へと突っ走る。
いきなりの速攻に慌てて動きを止めようと木戸と吉岡が動くが2人とも
私の動きについて来れない。

「させないんだからっ!」
敵チームの先制ゴールの元凶の類ちゃんが私に飛び掛ってくる。

「サトシ!」
すかさず私はサトシにパスを送る。
既に所定の位置に居たサトシは私からのセンタリングされたボールを
すかさずノートラップでゴールへと叩き込む。

開始わずか10秒。
一瞬の出来事に私たち以外の人間は呆然としていたが
ワンテンポ置いた後、大きな歓声が沸き起こった。

「…すごい」
園生ちゃんも例に漏れずその場に立ち尽くしたままで私たちの様子を見つめている。
「園生ちゃん、やったよ!」
私は思いの外攻撃が上手くいったのが嬉しくてちょっとはしゃぎ気味で
園生ちゃんに駆け寄る。
「う、うん、やったね、ミヒロちゃん、すごいよ…!」
園生ちゃんは戸惑いながらも私の手を取って笑顔で返す。
853 :vqzqQCI0 [sage]:2009/10/17(土) 22:57:35.81 ID:TwpGMvg0
「上手くいったな、ミヒロちゃん」
「アハハッ、当然でしょ!」
サトシも嬉しそうに私のところにやって来て掌を私に向ける。
私は躊躇いも無くその手にパンチをすると今度は私が掌をサトシに向ける。
サトシも迷わずパンチ。でも女の子な私なので軽くポン、と。

何気無いやり取りではあったけど、これは私たちがサッカー部でコンビを
組んでいた頃、得点をあげた時に二人でよくやっていた行為。
懐かしくてついやってしまったけど、久々なのでサトシも私も満足げだ。

「それじゃ、次行くよ」
「分かっている」
私とサトシはそう言うと所定の位置に戻る。

「あんなの無理だよー、木戸君達も全然動けないんだもん! でもスゴイ!!
やっぱり類の嫁になって欲しい!!」
類ちゃんは興奮気味で園生ちゃんのところにやってくる。

「…類は一年の頃、サッカー部に物凄く興味を持っていたよね」
類ちゃんとは対照的に淡々と呟くように話す園生ちゃん。
「? いきなり何言っているの? 昔の話を今ごろ」
「わたしは類に誘われてサッカー部の練習風景を観に行ったり、
試合を応援しに行って、さ」
「そうだねー、そのうちにすっかり園生が類よりもサッカー部に
のめり込んじゃったんだよね? お目当てのヒトが居たんだよね、確か…」

ピーッ。
ホイッスルの音がする。

「ごめん、戻るね」
園生ちゃんはそう言うと自分のポジションに向う。

その後も私とサトシの絶妙なコンビプレーが相手チームを圧倒し続ける。

…そして。

10分というゲーム時間があっという間に終わった時、
15対1と言う一方的展開で私たちのチームは
勝利していたのであった。
854 :vqzqQCI0 [sage]:2009/10/17(土) 23:00:15.31 ID:TwpGMvg0
               ◇

「ミヒロちゃん、スゴイね」
授業が終わって更衣室へ向おうとしていると園生ちゃんが私に声をかけてくる。

「え? 何?」
「さっきのフットサル。ミヒロちゃんの動きすごかった。わたし…全然動けなくて
ただずっとミヒロちゃんの動きに見惚れてしまっていたの」
そう言ってじっと私の顔を見つめてくる園生ちゃん。

「そ、そうなんだ、何だかそう言われると照れちゃうというか、恥ずかしいなぁ」
私は素直に感動している様子の園生ちゃんに照れ笑いを浮かべる。
「あ、でも、私があれだけの活躍が出来たのはサトシ‥君が居たからだよ?」
すかさずサトシを持ち上げる私。私の活躍の半分はあいつのおかげでもあるからね。

「…うん、分かっている。サトシ君は言うまでも無く凄いよね。
だけどわたしに言わせればミヒロちゃんが居たからこそ、サトシ君はあれだけの動きが
出来たんじゃないかなって、わたしは思うんだ」
「…それは言い過ぎだよ? そんなに私はスゴクないから」
何だか園生ちゃんの私を見る目が変わりつつある事に気付く私。

彼女は今の私をすごく持ち上げようとしているというか、
不思議と熱い視線で見つめているような気がする。

「ううん、わたしサトシ君があれだけ楽しい表情で、尚且つあれだけの良い動きを
していたのを久しぶりに見たよ」
「…久しぶり?」
「うん、多分一年ぶり位かな。今のサッカー部にはあれだけ彼と息の合った
コンビプレーが出来る人居ないんじゃ無いかなって、だから最近はサトシ君の
持ち味が生かされてないと思う」

「…」

園生ちゃんは何が言いたいのだろうか?
思わず怪訝な表情を浮かべて彼女を見る私。
855 :vqzqQCI0 [sage]:2009/10/17(土) 23:04:07.81 ID:TwpGMvg0
「じゃーん! 類も着替えるよ!!」
嬉しそうな顔をして颯爽と私たちのもとに現れる類ちゃん。

「類、体育の先生がさっき呼んでたよ、早く行かないとマズイと思うけど?」
「ええっ!? そんなぁ、折角、本日のスーパーヒロイン、ミヒロちゃんと
ラブラブ着替えができると思っていたのに〜!!」
類ちゃんが私を目指して登場するも、園生ちゃんの言葉に落胆し
残念そうに去っていく。

…何だか今日の類ちゃんは私に縁が無いというか、何と言うかww

「…さて、さっきの続きをしてもいい?」
「え? う、うん…」
類ちゃんが居なくなるのを確認した後、園生ちゃんは改めて私に話しかける。

「わたし、最近はそうでも無いんだけど1年の時はよくサッカー部の試合とか
応援に行ってたんだ」
「へーっ、そうなんだ? 園生ちゃんはサッカー好きなの?」
「ううん。別に興味は無かったかなww」

「え? 何それ?」
予想を覆す彼女の答えにちょっと戸惑う私。
「それって、おかしくない? 興味があるから応援に行っているんじゃないの?」
「ふふっ、そうだよね、ミヒロちゃんの言うとおりだよ」
私の指摘にニッコリと答える園生ちゃん。
「でもね、別にサッカーに興味は無くても応援は行けるものなんだよ」
「ふーん、そうなの?」
彼女の意味深な言葉に首を傾げる。

「でも園生ちゃんって良く見ているんだね。サトシ君の動きが違うとか、
そんな一年前の様子とかを覚えていたりするなんてさ。やっぱり園生ちゃんは
サトシ君の事、気になっているんじゃないの?」
「! ミヒロちゃん、何言っているの? 昨日も言った通りわたしはサトシ君には
興味が無いって言ったでしょ? わたしが気になっていたのは…」
私の言葉に反応した園生ちゃんは何かを言おうとして口をつむんだ。
ちょっと顔を赤らめている。
856 :vqzqQCI0 [sage]:2009/10/17(土) 23:05:58.41 ID:TwpGMvg0
「どうしたの、園生ちゃん?」
彼女の様子が気になる私。

昨日から意味深な発言を私にしてきている園生ちゃん。
今日の体育の授業においても気になる発言をしてきている。

私はじっと園生ちゃんの顔をじっと見つめる。

「あはは、あんまり見ないで。恥ずかしいから」
私の視線を遮るように自分の顔を両手で隠そうとする園生ちゃん。
「…でも気になるんだ、園生ちゃんが思っている事」
「…」

こんなやり取りの後、ちょっと沈黙が続く。
私と園生ちゃんは着替えが終わった後、黙り込んだままで
教室に向うべく廊下を歩く。

「…ねぇ、ミヒロちゃん」
「え?」
人通りの少ない渡り廊下に差し掛かった時、園生ちゃんは私に声をかける。
私は横に居る彼女を見ると神妙な面持ちで私の顔を見つめている。

「どうしたの?」
「…やっぱり、聞いて欲しいんだ。理由は分からないけど…
ミヒロちゃんに話しておきたいな、さっきの話」

「…うん」
私は彼女の言葉にうなずく。

857 :vqzqQCI0 [sage]:2009/10/17(土) 23:08:41.30 ID:TwpGMvg0
…何だろう? このドキドキする感覚は。
まだ何も言われてないのに妙に緊張するんですけど。

「どうしてわたしがそれ程サッカーに興味が無いのに応援しに行ったり、
一年前のサトシ君のプレーしている表情と今日のフットサルの表情と同じだとか
言ったりして不思議だと思うでしょ?」
「…うん」
「実はね、わたしが見ていたのはサトシ君では無いんだ」
「…」

園生ちゃんはどんどん顔が赤くなっている。
私も不思議にも顔が熱くなっていくのを感じる。
…胸の鼓動も早くなっているような気がする。

「一年前、サトシ君には彼の能力を120%生かすことの出来る最高のパートナーが居たんだ。
…わたしはその人を見るためにサッカー部の応援に行ったりしてたの」
「…そ、園生ちゃん、それって」

園生ちゃんのそのセリフは私を驚かせるに十分ではあったけど、
次の一言はさらに私を驚かせた。

「ヒロアキ君っていう、すごい人。わたしの憧れの人。
…そして今でもわたしの好きな人」
858 :vqzqQCI0 [sage]:2009/10/17(土) 23:12:29.06 ID:TwpGMvg0
今回の投下は完了です。
続きも進行中です。
859 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/10/17(土) 23:56:12.45 ID:xeEslcQo
乙〜
園生ちゃんついに言っちゃったww
860 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2009/10/18(日) 04:25:48.74 ID:yhLv38c0
投下の連続で幸せ死にしてしまう
861 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/10/18(日) 09:46:33.59 ID:vVSe.gAO
GJ!!
この後の展開が気になる〜。
862 : ◆/ShBG.hvjg2009/10/18(日) 19:47:58.75 ID:0/jEuDwo
一週間以内に書けたおーww
投下しますー

前回までのお話
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863 : ◆/ShBG.hvjg2009/10/18(日) 19:49:03.77 ID:0/jEuDwo
女の子と二人で並んで登校するのは、端から見ると普通なのだが、
一昨日まで男だった俺にとっては有り難いシチュエーションである。
昨日すでに優衣との下校を体験してはいるのだが、
心の余裕というものが全く無かったため楽しめる状況では無かった。

しかし何という事か。今回もまた楽しめる状況では無いらしい。
優衣が合流したときに見せた表情が脳裏から離れないのだ。
昨日も見た、なにか企んでそうな獲物を見る目。
今はいつも通りの顔をしているのだが……

ふと優衣が足を止めて振り向いた。
「ん?私の顔になんかついてる?」
「あ、いや。その。みれば見るほどヒロイン顔だなって」
「その顔で言うかなー。美恵さんも自覚したほうがいいよ」
確かに美恵も可愛いのだ。今はそれが自分の顔なんだな…
少し違う意味で言ったのだろうけど、この忠告は胸に刻んでおこう。

「ま、いいや。何を言ったってヒロインは美恵さんで決まりなんだからね」
優衣はそう釘を刺してから歩き出した。
864 : ◆/ShBG.hvjg2009/10/18(日) 19:50:20.60 ID:0/jEuDwo
教室に到着すると、さっとクラス中の視線が集まったため、
戸惑いながらも「お、おはよー」と教室に声をかけた。
今や注目の人である。

俺の挨拶を聞いて満足した人、席に着くまで目で追っていた人、
興味の度合いは様々だが、それで満足しなかった人が約一名。

「美恵ちゃんおはよう。今日は怪我無く来れた?」
前の席にいる雅人はそんな軽口を叩いた。
「そう何度もぶつかってたら体がもちませんっ」
そう言い返すと、雅人は「おや?」と驚いた顔をして言った。
「面白いな、悠介も全く同じ事言ってたよ」

悠介が元の俺のままなら、思考回路はほぼ同じという事になる。
まいったな。ちょっと外れた事でも言っておこうか。
「えーっ、悠介…君はちょっとやそっとじゃ大丈夫そうだけれど」
「見た目はアレでもな、運痴だし体力もそんなにないぞアイツ」
耳打ちするような仕草をしながらも、雅人は悠介にわざと聞こえるように言った。

悠介はガタイが大きいためスポーツマンと思われがちだが、
運動音痴なインドア派、帰宅部所属という中途半端な人間なのだ。
だから俺が悠介だった頃は、雅人によくからかわれてたものだ。
865 : ◆/ShBG.hvjg2009/10/18(日) 19:51:20.08 ID:0/jEuDwo
「なになに、もう友達になったの?」
自分の席にカバンを置いた優衣が興味津々に戻ってきた。
「お前もな」と雅人。
「女の子同士なんだからいいでしょー
 男子が転校生の女の子に急接近だなんて…きゃー!」

両手で顔を隠すようにして勝手に盛り上がる優衣に雅人は、
「そんなんじゃねーよ」とだけ答えた。

そんな子供みたいな否定の仕方では照れ隠しに見えるじゃないか。
まったくどうかしてるよと思いながらも、
今朝の『美恵さんも自覚したほうがいいよ』という言葉が頭にリピートする。

元々雅人とは友達だったからつい気軽に話してしまうが、
雅人からしたら昨日初めてあったばかりの転校生なのだ。
あんまりこっちが馴れ馴れしいと勘違いさせかねない。

何かフォローをしておこうか思ったが、
丁度教師が教室に入ってきて、そのまま会話は終わってしまった。
866 : ◆/ShBG.hvjg2009/10/18(日) 19:52:11.52 ID:0/jEuDwo
昼休みになると、
予め優衣が「五分だけ時間ちょうだい」とクラス全員の了承をとった上で、
臨時クラス会議が始まった。議題は文化祭の劇について。

教壇に立った優衣は開口一番
「劇の演目を考えてきてくれた人!」と問いかけた。
静まりかえる教室に「そうだよねー」とフォローをし、
「では。演目と主な配役を考えてきたので賛否を問いたいと思います」
と言って黒板に向かうと、チョークを取り出して書き始めた。
たまにチョークを折るというミスを交えながら。

 題名『カレシはトモダチ』

 祐樹役:岩崎悠介
 ユウカ役:高原美恵
 彰彦役:上田雅人
 麻衣役:吉里優衣

やはり優衣はヒロインにならないまでも自ら主要キャストを選んだ。
しかし聞いたことのないタイトルだ。どんな劇をするつもりだろう。
867 : ◆/ShBG.hvjg2009/10/18(日) 19:53:04.33 ID:0/jEuDwo
「みなさん聞いたことのない題名だと思います。
 昨日、美恵さんがヒロインに決まった後、色々考えました。
 そのイメージを叔父に伝え、一晩で書いてもらったのがこれです」

唖然とした。演目を探すのでなく、作って来たのかこの人は。
それにその叔父さん、何者なんだ。

「あ、先に美恵さんに謝っておくと、叔父にはギャップの話しかしてないし、
 その先は叔父の創作だから、変な話だけど気にしないでね!」

了承を求められた俺は壇上の優衣に軽くOKを出す。
タイトルから想像するに恋愛話なのかとは思うが、変な話って…

「では、あらすじを読み上げます。
 『主人公の祐樹は、ある朝目覚めると女の子になっていました――』」

えっ!?

第七話END
868 : ◆/ShBG.hvjg2009/10/18(日) 19:54:48.38 ID:0/jEuDwo
今日はここまでですー
平行して劇中劇を書いてるからまた次も遅いかもーww

ではまたー
869 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/10/18(日) 22:52:56.54 ID:5SPsigk0
続きwktk
870 :vqzqQCI0 [sage]:2009/10/24(土) 07:59:26.48 ID:79mPfX.0
どんだけ☆エモーションSS(その8)

(サトシ視点)

朝になった。

「行って来ます」

いつものように学校へ行く準備を済ますと俺は自宅を出る。
足早に向う場所は親友のヒロアキ、もといミヒロちゃんの自宅。

晴子さんや実由ちゃん、千絵先生にお願いされた事もあって
俺は彼女を朝迎えに行くのである。

だけど別に頼まれるまでも無く、俺がミヒロちゃんを迎えに行く事は
自ら望んでやっている。

それはヒロアキが女の子になってしまった時、どうすることも出来ずに
悩んでいたあいつをフォローしてやれなかった俺自身の親友への償いでもある。

「…」
俺は彼女の家に向うまでの間、先日ミヒロちゃん宅に行った時の事を思い出す。



病院での場面(前作最終話)の翌日、俺はミヒロちゃんの家に呼ばれた。

家にはすぐに退院する事のできたミヒロちゃん本人と晴子さん、実由ちゃんの3人が
俺を待っていた。
用件は当然、彼女の今後についてである。

「特に構える必要は無いのよ〜、今まで通りミヒロちゃんと仲良くしてくれれば
いいだけだからね〜」
「でも秘密を知ってしまった以上、サトシ君にはお姉ちゃんを
サポートしてもらう必要があるよねっ」
晴子さんと実由ちゃんの二人は相変わらずのペースで俺に色々言ってくる。
871 :vqzqQCI0 [sage]:2009/10/24(土) 08:01:07.12 ID:79mPfX.0
「確かに俺はヒロアキが学校生活で苦労しないようにサポートするつもりですけど
具体的に何をすればいいか…」
「その辺は大丈夫よ〜、千絵ちゃんが学校ではミヒロちゃんの事を見てくれるって
言ってたからね〜」
若干困った表情をする俺に対し、晴子さんは事も無げに答える。

…やっぱり千絵先生は事情を知っていたんだ。

俺はヒロアキが急に海外に転校するという話が出てきた際に
千絵先生に問い質した事があったが、その時千絵先生は謎かけめいた事を
言っていたもんな。

「ゴメン、色々と私のせいで面倒な事を押し付けちゃって…」
俺の横に座るミヒロちゃんが俯き加減で俺に話しかける。
すっかり姿かたちがすっかり"女の子"になってしまっているヒロアキ。
所々にフリルをあしらった可愛らしい水色のワンピースを当たり前のように
着こなしているその姿はどこから見ても女の子にしか見えない。
しかもすごく可愛いときたものだ。

俺も初めの頃は全然気が付かなかったのでその変わりようはかなりのものだと思う。
ヒロアキの時の面影は残っているには残ってはいるのだが、
奴の妹の実由ちゃんが高校生になってちょっと大人びた感じっていう
印象しかその姿には思いつかない。
雰囲気や仕草が以前のヒロアキと同じであっても普通に"ミヒロ"という女の子。だよな。

ちなみに俺が"ミヒロちゃん"のことを"ヒロアキ"と知りつつも、
いまだに"ちゃん"付けしているのは彼女の正体を知る前からの名残りと
あと、女の子を呼び捨てにする事に抵抗を感じるからか。
彼女は俺が"ちゃん"付けしている事に関しては
「…別に初めの頃からサトシがそう呼んでくれてたから、私は気にしないよ?
…でも、呼び捨てでも割と嬉しいかもww」などと言っている。

「何言ってんだよ、お前が困っているのを見て黙って見ているような俺じゃないよ」
「ホントに? …ありがと」
ミヒロちゃんを元気付けようと明るく振舞う俺に対し、嬉しそうに笑う彼女。
ちょっと上目遣いで俺を見つめるその姿に不覚にもドキドキしてしまう。
正体はあの"ヒロアキ"なのはわかっちゃいるんだけど…。

「流石〜、将来の候補だよね〜♪ 将来と言わず、すぐ今にでも頂いて構わないよっ♪」
「ちょ? ちょっと、何言ってるの!? 実由は!」
実由ちゃんの言葉に顔を真っ赤にしながら慌てふためくミヒロちゃん。
872 :vqzqQCI0 [sage]:2009/10/24(土) 08:02:34.93 ID:79mPfX.0
「まぁ、とにかくよろしくお願いね〜」
「はい、わかりました」
相変わらずマイペースの晴子さんの言葉に俺は快く応じる。

晴子さんや実由ちゃんにお願いされたからという理由だけでは無いけど
あの時、病院のベッドで自分の正体を告げようと悩み苦しんでいたあいつの姿、
そして俺を欺いて自責の念に駆られていたあいつの様子、理解されて
嬉しさのあまり泣きじゃくっていたあいつの表情…。

俺はそんな親友のありのままの姿を見て密かに決めた。
絶対俺はヒロアキ、ミヒロちゃんを守ってみせると。…これ以上、泣かせないと。

「…」

それにしても転校初日はすごかった。
吉田を始めとした男のクラスメイトの盛り上がりが。

まぁ、数日前の編入試験の時もわざわざ皆でミヒロちゃんを
見に行った位だから初日の騒ぎも大体予想はついていたけれども。
すごいと言えば女子達のガードも中々の状況だった。
恐らく千絵先生が女子達に何か頼んでのかも知れないけど
男達が全然ミヒロちゃんに近づく事が出来なかったもんな。
俺も例外に漏れず彼女に近づけなかったけど。

あの日、学校で唯一話す事が出来たのはトイレの一件くらいのもので。
それ以降もあまり話せる機会の無い状況が続いていたりする。

でも別に学校で話すことが出来なくても今のところ困る事は無い。
朝の登校時は二人で色々話をすることができるし。
ミヒロちゃんは不満そうではあったけど。

しかし吉田達が見たらきっと羨ましがるかもしれないな。
なんだか妙な優越感に浸りそうになる。

でもミヒロちゃんはヒロアキであって、姿形が変われども俺の親友だ。

色々あったけど今の俺に出来るのはあいつを支える事だ。
わきまえるところはしっかりとしておかないといけないよな…。
873 :vqzqQCI0 [sage]:2009/10/24(土) 08:04:33.74 ID:79mPfX.0
ピンポーン。

ミヒロちゃんの自宅前に到着し、インターホンを鳴らす。

「はーい、今行くからね」

ミヒロちゃんの声。
彼女の弾んだ明るい声が聞こえると不思議と俺の心は高鳴る。

バタバタ、バタンッ。

ちょっと慌ただしい音がしたかと思うと入り口の扉が開いて
颯爽とミヒロちゃんが現れた。

「おはよー! サトシ!」
栗色のボブショートヘアーをした制服姿の女の子が俺に声をかける。
「ああ、おはよう」
俺はとりあえず返事をする、というか平然を装ってぶっきらぼうに返すのが
精一杯の状況だ。
俺を見るなり嬉しそうに笑顔を浮かべる彼女を見ると
自分でも信じられないくらい胸がドキドキする。

「さあ、何してるの? 行くよ」
彼女は俺の手を取るとサクサクと歩き出す。
「あ、ああ…」
俺は引っ張られるままに歩く。
彼女の小さく柔らかい手の感触が俺の手の中にある。
俺の胸の鼓動がさらに加速しているような気がする。

「部活の朝練は大丈夫なの? 毎日迎えに来てくれるのはありがたいけど」
俺の顔をちらりと上目遣いで見るミヒロちゃん。
サラっとした髪をなびかせ微かな笑みを見せる彼女。
彼女からほんのりと良い香りがする。

「あ、ああ、俺は大丈夫だよ」
どうしてそんなに可愛い仕草をするんだ? 本当に元・男で、俺の親友なのか?
などと考えてしまいつつ、何とか理性を奮い起こして何事も無く答える。
874 :vqzqQCI0 [sage]:2009/10/24(土) 08:08:23.98 ID:79mPfX.0
「サトシは、でしょ? 他のメンバーはそうは行かないんじゃない?」
「朝練のメニューは各自の現状の課題を決めてやっているんだ。
だから課題のある人だけやってもらうって感じなんだ」
「それじゃ課題の無い完璧超人のサトシ君は朝練は不要なんだ?」
「何か言い方に棘があるような気がするなぁ」
いつもと変わらないありきたりの会話をしながら俺とミヒロちゃんは
学校に向う。

「…」
俺は歩きながらじっとミヒロちゃんの姿を見る。

背丈が俺より頭一つ分ほど低くなっただけでなく、細く女の子らしい身体つき、
昔の面影を残しつつもやっぱり女の子っぽい顔、しかも美少女と言っても
差支え無い。
…こんなに可愛いくなるなんて。本当に反則すぎる。

そう言えば俺がまだミヒロちゃんの正体がヒロアキだと知る前に
何気にミヒロちゃんに惹かれていた。
容姿の可愛らしさも然る事ながら俺は彼女から感じる雰囲気と仕草に
不思議と心動かされていた。
ミヒロちゃんがヒロアキであったからこそ初対面にも関わらず
親近感を持てたり、それ以上の気持ちまで発展した事を彼女には話した。

事情を知った今でも俺はミヒロちゃんに心の何処かで惹かれているのは
否定できない。だけどあいつは俺の事をそう思っていないのかも知れない。

実のところ、あの時の俺の告白について彼女から俺に何の返事もしてこない。

むしろ俺がミヒロちゃんに好意を抱いた事について、
彼女は自分の正体を隠していたが為に
俺にそんな風に思わせてしまった事を詫びただけである。

考えて見ればこういう結果になるのが目に見えているのは
分かっていた事だ。
何て言ったって俺とあいつは男同士で親友同士であるわけだから。
875 :vqzqQCI0 [sage]:2009/10/24(土) 08:10:46.58 ID:79mPfX.0
俺にしても以前よりは冷静にミヒロちゃんに接する事が出来ているように思える。

とりわけ、あんな状況になったミヒロちゃん当人においては
俺云々どころじゃないのは容易に想像できるけど。

「…」
あれから俺は色々と考えてきた。

…これ以上こいつを混乱させるわけにはいかないもんな。
俺は親友として出来る限りの事を精一杯するという結論に達する。

「ねぇ、聞いている?」
「え?」
俺が自身の頭の中で色々と思考をめぐらせているとミヒロちゃんが聞いてくる。
「…もう、何も聞いて無かったね? 私が話していた事」
「えーと、…ごめん」
俺の様子にぷくっと頬をふくらませるミヒロちゃん。

「…こんな状況だから私たち、学校でほとんど話す事が出来ないんだよ…
私は今の状況を望んでこの学校に戻って来たわけじゃ無いのにさ」
何だか不満そうな表情をする彼女。
「でもそれは仕方ない事だろ? とりあえず我慢するところは」
「それは分かっている。サトシや皆の話は何度も聞いた」
「なら」
「だから、私はサトシに何かいい方法は無いかなって聞いたのに。
…何も聞いて無いんだもんなぁ」
ふぅ、と軽く溜息をつくミヒロちゃん。

「でもそれは」
「いいよ、もう、サトシが私の事をあまり興味持ってくれて無いんだなって、
分かったから」
俺の言葉を遮るように彼女は投げやりな口調で言葉を投げる。

「え? ちょ、ちょっと待ってくれよ!」
俺は慌てて言葉を返そうとする。
876 :vqzqQCI0 [sage]:2009/10/24(土) 08:13:25.75 ID:79mPfX.0
「何なのさ?」
ミヒロちゃんは俺をじっと見て俺の次の言葉を待っている。

「そ、それは、…その」
「その?」
ミヒロちゃんのちょっと冷めた感じのツンとした表情。
しかしそんな表情は彼女だからこそ萌えたりするのであろうか。

―俺はさっきからずっと(回想を始めとして)お前の事ばかり考えていたんだけどな。

などと言いたいのだが本人を前にして思わず口ごもる。
相手は元々親友のヒロアキだった人間だ。
さすがに恋愛感情の入った会話をするのは俺もそうだけど、向こうにしてみても
かなり気持ちの悪い話になってしまうんじゃないか、と思ってしまう。

だけど今の俺の想いをあいつにどう伝えればいいのだろうか?
これまでと全然勝手が違うものだから正直な話、俺はかなり困惑している。

「クスッ、どうしたの? サトシ? そんな妙な表情しちゃって?」
言おうか言わないか葛藤の最中で迷う俺の表情が可笑しく見えたのか笑うミヒロちゃん。

「笑うなって!! と、とにかくだな、親友の俺がお前に興味が無いわけ無いだろう!!」
…今の俺にはこれが精一杯だったりする。

「はいはい、分かった、分かったから」
「ホントに分かっているのか? 興味が無いわけじゃないんだからな!」
さらりと返す彼女に念押しする俺。
「ホントだぞ! ホントだからな!!」
さらに念押し。ちょっとしつこかったか?
877 :vqzqQCI0 [sage]:2009/10/24(土) 08:14:48.79 ID:79mPfX.0
「アハハッ、分かったからいいよww そろそろ"リミット"だよね?」
俺の様子を可笑しそうに見つめつつも辺りを気にするミヒロちゃん。
…とりあえず機嫌は直ってくれたらしい。…良かった。

「さて」
ミヒロちゃんはそう言って一呼吸つくと、
テヘヘ、と俺の手を軽くきゅっ、と握ってから離れる。

「そうか、興味が無いわけじゃないんだ? 私のこと…アハハッ」
じんわりと笑みをこぼすミヒロちゃん。

「…やば」
そんな彼女の仕草を見る俺は不覚にも萌えてしまっているのであった。

           ◇

「よう、サトシ」

いつものようにミヒロちゃんと別行動を取り、教室に入ると吉田が居た。
「おう、珍しく早いな。何かあったか?」
俺は鞄を自分の席に置いて吉田の方を見る。
「まあな。この時間ならまだ女子のガードが甘いからな」
教室の窓際をチラチラと見つつ、ニヤニヤしている吉田。

…ん? ガードが甘い?
俺は吉田の気にしている方向を見る。

…なるほど。

奴の視線の先には先程一緒に登校していたミヒロちゃんが居る。
まだクラスの女子が充分に揃っていないので彼女は今のところ独りきり。
どうやら奴はミヒロちゃんとお知り合いになりたいが為にこの時間を狙って
早く来たってわけか。

…登校の時間を遅らせようかな。
878 :vqzqQCI0 [sage]:2009/10/24(土) 08:16:08.93 ID:79mPfX.0
「せっかくのチャンスだ、俺はあの子に声を掛けに行くぜ。
サトシはどうする? お前はあの子と知り合いだから行かないか?
ヒロアキ繋がりだったよな?」
「まあ、知り合いと言えば知り合いだな」
「知り合いなんだったら早い段階で俺に紹介してくれれば良かったのによ、
頼むぜ、本当に」
「いや、知り合いっていってもこの学校に来ることも知らなかったし、
そもそもそんなに話した事も無いし」
矢継ぎ早に話してくる吉田とは対照的に淡々と答える俺。
あまり面倒な事にならぬようにミヒロちゃんとはそんなに親しい間では無い
顔見知り程度の設定になっている。
「そうなのか? まあそれなら仕方無いな。とりあえず俺は行くぜ」
「そうか。それじゃ折角だし、俺も行くよ」
吉田がミヒロちゃんに変な事をしないか不安なので俺もついて行く事にする。

「初めまして、ミヒロさん」
「…? はい?」
いきなりの吉田の登場に若干驚いた表情を浮かべるミヒロちゃん。
しかし吉田の後ろに俺が居るのを見て笑顔を浮かべる。
俺も笑みを返す。

「俺、吉田って言うんだ、まだ他の男子達と全然話して無かったよね?よろしく」
「えーと、吉田君ね。よろしくね。確かに男の子たちと話す機会が無かったね」
まるで初めての人間に接するように若干控え気味の様子で話す彼女。
考えてみれば知っている人間が多いこのクラスにおいて初対面のように
振舞うミヒロちゃんは結構な役者かも知れない。
俺だってそうだったしな。
879 :vqzqQCI0 [sage]:2009/10/24(土) 08:17:18.49 ID:79mPfX.0
「それじゃ、俺がこのクラスで最初に知り合った男って事だよね」
嬉しそうにミヒロちゃんに話しかける吉田。
「う〜ん、最初と言えば最初かな? サトシ君は元々知り合いだったから」
そう言うとチラリと俺に目配せをするミヒロちゃん。
「まあ、そういう事かな。一応面識はあるんだよね、俺とミヒロちゃんとは」
「そうなんだよな〜、サトシはヒロアキ繋がりで既に知り合いなんだもんな〜
羨ましいぜ、俺よりもこんなに可愛い子と知り合いなんてよ〜」
本当に口惜しそうな様子で俺を睨みつける吉田。

「アハハ、それは仕方無いよ? でもこれから仲良くなればいいよね。
だってこれで吉田君と"お友達"になることが出来たんだもの」
「そうだよね! "お友達"か! よっしゃー、頑張るぞ!! ホントによろしくね!!」
ミヒロちゃんの言葉に妙に盛り上げる吉田。
彼女が話した言葉で"お友達"の意味が吉田には分かっているのかな、
とフト思ってしまう。

吉田の事を良くも悪くも知ってしまっている彼女だからこそこのような言葉が
出てきたものと考えられるが、奴の気合とは裏腹にミヒロちゃんは
"お友達"以上の関係は考えていないようだ。

…それを考えると俺も例外に漏れないな。
吉田以上に俺はミヒロちゃんには色々知られている。

…あ。だから俺は"親友"なのか。妙に納得したりする。
880 :vqzqQCI0 [sage]:2009/10/24(土) 08:18:45.97 ID:79mPfX.0
              ◇

「いやー、やっぱりサイコーだな!あの子! 俺が思った通りだぜ!」

その後女子達が続々と登校してきていつものようにミヒロちゃんを囲みだしたので
早々に退散して自分達の席に戻る俺達。

吉田は念願のミヒロちゃんと初会話できたからか妙に興奮している。
奴の中ではすっかり彼女に夢中のようだ。

…でもお前が喜んで話をしているのは元・ダチのヒロアキなんだぜ、と言いたくなるが
その言葉は飲み込む。俺も人の事は言えない経緯があったしな。

その後淡々と授業が進み、特に大きなイベントも無いまま昼休みを迎えた。

「さて、学食にでも行くかな」
俺は教科書類をまとめて机に入れると立ち上がる。
いつものように吉田や木戸達とつるんで学食へ行くのが日課となっている。

チラリとミヒロちゃんを見る。
だいたい休み時間はクラスの女子が彼女を取り巻いていて近づく事が
出来なかった。とは言え、大体のメンバーは決まってきているようで
仲林さんと井伊坂さんがメインとなっているようだ。

うちのクラスの女子の中でとりわけ男連中から人気の高いこの2人。
確かに中々の可愛さでミヒロちゃんにも引けを取らない。

彼女達はお弁当を持って中庭にでも行くのかな?
まあ何にせよクラスの女子生徒達の中に馴染んでいる証拠なので
俺はホッとしている。

…でもついこの間までミヒロちゃん、いやヒロアキは俺と吉田達とつるんで
一緒に学食に行っていたんだけどな。
881 :vqzqQCI0 [sage]:2009/10/24(土) 08:20:02.95 ID:79mPfX.0
確かに俺の親友は戻ってきて、こうしてまた同じクラスで
以前のようには行かないまでもやり取りできるようになった。

…だけど何でだろうか。
この複雑な感情は。

「何してんだ? 行くぞ、サトシ」
吉田が俺に声をかけてくる。

「ん、ああ」
俺は軽く返事をして奴の後を追う。



…不思議な空虚さが俺の心に浮かぶ。

だけど…理由は分からない。
882 :vqzqQCI0 [sage]:2009/10/24(土) 08:26:11.69 ID:79mPfX.0
今回の投下完了です。
また来週投下予定です。
883 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/10/24(土) 22:40:18.58 ID:cIDFmEAO
乙です。
続きwwktk
884 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/10/24(土) 22:49:28.69 ID:ZUV45TQ0
GJ!
続きwktk
885 :駄文文! ◆dJNUgCnIng2009/10/26(月) 19:58:03.01 ID:3mYM006o
待ってる人がいるのかはわかりませんが
久しぶりに投下しまつ
ちょっと書く形式を変えるので、もし宜しければ
今までのとどっちがいいか教えてくれると嬉しさのあまり発狂します。

駄文文! ◆dJNUgCnIng 「」
 1[09/08/16] >>657-672
 2[09/08/17-20] >>675-683
 3[09/09/02] >>703-706
毎回まとめありがとうございます。

「・・・忘れてた」
目の前に広がるのは女性の楽園。
先輩の笑顔は自分がいか愚かか物語っていた。
「それじゃ、僕はトイレで・・・」
ぐっと、肩を掴まれる。
「あれれ、俺ちゃんどうしたの?
 おなかでも痛いのかな?」
「ええ、少し下しそうなので」
「そっか、それじゃあここで着替えようか」

「いやだ!俺はもう帰る!」
(俺ちゃん、こういう所で俺とか言わないの・・・!)
先輩が慌てて耳打ちする。
ため息をついて、俯いたまま言葉を返す。
周りの人が一瞬こちらに注目していたのが恥ずかしくなってきた。
・・・冷静に、顔を上げないで。
「・・・わかりましたよ、諦めてここで着替えますから
 あんまジロジロ見ないでください。」
886 :駄文文! ◆dJNUgCnIng2009/10/26(月) 20:14:11.08 ID:3mYM006o
「まったくーシャイなんだからー」
プールサイドを歩きながら先輩がつぶやく。
自分でも思っている事を指摘されたので、皮肉の一つでも返す。
「すいませんね、先輩と違って異性との交友があまりないもんで」
「ばっか、私も俺ちゃん以外の男の子と会話する事なんてほとんどないって」
プールに入ると、妙に冷たく、日差しとの組み合わせは幸せを感じられた。
「意外ですね、先輩は彼氏が沢山いるとまで思ってました。」
「二股!?」
こんな他愛も無い会話をしていると、視界に見知った人物が写る。
・・・男その2(今後登場する予定はない)、大学での数少ない友人といえる人物だ。
面倒だな、こんな時に見られたら・・・。
どう思い、先輩に奥へ行こうと促そうとした時。
「あれ!?女先輩じゃないっすか!」

・・・ああ、男その2よ、お前は最高に面倒な奴だ。
887 :駄文文! ◆dJNUgCnIng[sage]:2009/10/26(月) 20:31:31.50 ID:3mYM006o
誤字、どう思い→そう思い

「あ、男その2君じゃない!」
先輩が手を振りながら、咄嗟に俺を背中側へと隠した。
その2がザバザバと近づいてきて、背中の俺を凝視する。
「あれ?後ろの子誰っすか?」
感も鋭い・・・・!
「は、初めまして、女先輩の高校の後輩で・・・新俺って言います。」
「へぇ、可愛いね、彼氏とかいるの?」
妙に食いつく、こいつはやたら女が好きだったな・・・。
「はいはい、ストーップ、私の後輩いじめたら、耳たぶに爪楊枝刺すわよー」
「こわ!?ってか俺何もしてないっすよ!」
「この子シャイなんだから、半径20km以内に近づいたら死刑よ」
「広過ぎじゃないっすか!?」
「冗談はともかく、この子襲ったら家に放火するから」
「先輩さっきから怖いっす!」

そんな2人のやり取りを、俺はただ眺めていた。
先輩の背中に隠れながら、ただ声を聞いていた。
俺が女になっても、この2人は変わらない事が、妙に俺を安心させた。

今日は短いけどここまでー
・・・あれ、そういえばこのスレってsageた方が良かった・・・?
888 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/10/26(月) 20:49:45.82 ID:PZtB0Co0
ageでもsageでも問題ないと思います
続きwktk
889 : ◆/ShBG.hvjg2009/10/27(火) 23:07:38.33 ID:QgW3x82o
また遅くなったけど投下しますー

前回までのお話
 1[09/09/05] >>722-726 2[09/09/08] >>732-736
 3[09/09/09] >>742-746 4[09/09/13] >>762-766
 5[09/09/17] >>787-791 6[09/10/11] >>842-846
 7[09/10/18] >>863-867
890 : ◆/ShBG.hvjg2009/10/27(火) 23:08:35.77 ID:QgW3x82o
「『主人公の祐樹は、ある朝目覚めると女の子になっていました。
 原因は分からず、病院に行くのも友人に相談するのもためらい、
 とりあえずは「ユウカ」と名乗って生きることにしました。

 久しぶりに大学に行くと、友人の彰彦と麻衣が仲良く話しています。
 小さい頃からいつも三人で行動していたので、
 そこに自分が居ないことが寂しくなって声をかけてしまいました。
 勘の良い麻衣は、ユウカの正体が祐樹だと気付きます。
 でも彰彦には気付かれないまま改めて友達になり、
 次第に彰彦はユウカに惹かれ、二人は付き合うことになりました。

 ユウカは最初は冗談のつもりだったけれど、
 次第に本気になっていく自分に戸惑います。
 一方嫉妬した麻衣はユウカの正体を彰彦にバラしてしまいました。』

 さてその後の結末は…台本ができてからのお楽しみです!」

あらすじを一気に語ると、優衣は満足げな顔になっていた。

最初のほうは自分の境遇に似ていて驚いたけど、
結局優衣は、雅人を俺と取り合う役をやりたいみたいだ。

悠介を主人公にしたのはただ雅人と友達だからだろう。
俺と悠介の本当の関係には気付いていないはずだと思いたい。
891 : ◆/ShBG.hvjg2009/10/27(火) 23:09:26.14 ID:QgW3x82o
優衣があらすじを読み上げている間に、
臨時クラス会議として予定していた五分はとうに過ぎていた。

みんな早く昼休みにしたいからわざわざ反対意見を出す人は現れず、
優衣の提案した演目とキャストがそのまま可決された。

もしも予定時間を長く設定して呼びかけていたら、
みんな嫌がって臨時会議を開けなかったかもしれないし、
逆に、みんなの学園祭への意識が高くて会議を開けたとしたら、
活発な意見交換の末に、優衣の案そのままとはいかなかっただろう。

やはり優衣は頭が良い。
今のところすべて優衣の思うがままになっている。

ただ俺は、少しは驚いたけど特に損な役回りではなかった。
大変そうなのはヒロインに決まった時点で解っていた事だ。
今朝の不安は、勝手な思い過ごしだったのだろうか…。
892 : ◆/ShBG.hvjg2009/10/27(火) 23:12:03.24 ID:QgW3x82o
優衣が会議の終了を宣言してようやく昼休みになると、
教室は急速に活気を取り戻して騒がしくなった。

俺もご飯を食べようと弁当箱を取り出していると、
壇上から降りてきた優依が「ちょっと待ってて」と俺に声をかけてから、
雅人も居る悠介の席に行ってなにやら相談をはじめた。

しばらくして優依は戻ってくるなり「良いって」と報告をした。
それだけでは分からないから「何が良いって?」と聞き返すと、
「上田君たちと食べるの。ほら、行くよっ!」
と言って優衣は俺の腕を引っ張った。

劇のメインキャストで集まって話をするという建前で、
俺たちは中庭に集まって弁当を食べることになった。
一見男女二人ずつの均衡のとれたグループなのだが、
中身が男の女が一人混じっているとは誰も想像もできないだろう。

しかしそんな「中身が男の女」という設定の劇をやるというのだ。
それも、元の俺である悠介を変身前の主人公に選ぶとは。
893 : ◆/ShBG.hvjg2009/10/27(火) 23:13:15.33 ID:QgW3x82o
その悠介も自分が主人公である事に驚いているらしい。
「なんで俺が主人公になっちゃってるの?別に良いんだけどさ」
ずばりストレートに優衣に質問していた。
「だって、美恵さんと普通に話してる男子って、上田君と岩崎君ぐらいでしょ。
 それでどっちが美恵さんの変身前に良いかなって考えたら、
 上田君というより岩崎君のほうがイメージが合うのよ」
優衣は当然のように語るが、観察眼はなかなかのようだ。
「そういうもんかあ」と、悠介はすぐに納得した。
俺も同じタイミングで同じコメントを発しそうになって慌てて口をつぐむ。

「結局、結末ってどうなるんだよ?」
とこんどは雅人が質問をした。
「実はまだ私も知らないのよ。色々相談しながら書いてもらってたんだけど、
 最後をシリアスにするかギャグにするか決めかねてるんだって」
「ふーん、でもすごいんだな叔父さん。脚本家なの?」
「ううん趣味だって。でも祖父も父も作家だから、そういう血なんだと思うよ」
なんと叔父の本職は公務員なのだという。
894 : ◆/ShBG.hvjg2009/10/27(火) 23:16:52.42 ID:QgW3x82o
「血、かあ。雅人さ、神主の息子ってなんかあるのか?」
悠介が冗談めかして雅人に聞いた。
雅人の家は比古女神社という、この地域の産土神を奉る神社である。
「霊能力とか期待してる?」
雅人は笑いながらそう聞き返したのだが、
その後ちらっと俺を見たときの目はあまり笑っていなかった。

何だろうと思っていると雅人は再び俺に向かって
「な、ちょっとスプーン貸してくんない?スプーン曲げ見せてあげる」
と笑いながら言い、俺が手に持っていたスプーンを指差した。
「ちょ、それ霊能力じゃなくて超能力だ」と悠介も笑う。

そんな楽しい勢いに任せて、優衣は突然こんな提案をしたのだった。
「あそうだ。上田君ち大きいでしょ。台本できたら土日使って合宿練習できない?」

第八話END
895 : ◆/ShBG.hvjg2009/10/27(火) 23:17:45.55 ID:QgW3x82o
神社は『「ひ」ょんな「こ」とから「女」の子』から名前を作ったのですが、
男性を表す「比古」と「女」で、なんともこのスレらしい神社になってますー
名前に凝ったというだけで、設定上の意味はあまりないのだけどww
ちなみに「ヒコメ」と読みますー

ではまたー
896 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/10/28(水) 22:42:25.73 ID:EKbDrb20
続きwktk
897 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/10/31(土) 14:39:40.58 ID:93z5jUAO
そろそろ投下あるかなー、wwktk
898 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/10/31(土) 23:00:54.14 ID:XMdiWUDO
爆発発生
全員「ハマグリボンバー」
全員 死亡
終わりだ!
899 :vqzqQCI0 [sage]:2009/11/01(日) 07:14:57.71 ID:4P/3Es20
どんだけ☆エモーションSS(その9)

(サトシ視線)

キーンコーン。

終業のベルが鳴り、本日の授業は全て終了した。

「さてと」
俺は荷物をまとめ、サッカー部の活動へと向う。
サッカーの試合も近いしな。
そろそろ本格的な練習メニューもこなさないとならない。

〜♪

…ん?

俺のケータイから音楽が鳴る。メールの着信音だ。
俺は作業の手を止め、ケータイを弄る。

それはミヒロちゃんからのメールだった。

学校に居ても自宅に帰っても割合頻繁にミヒロちゃんとはメールのやりとりをしている。
お陰で最初の頃は俺との接点が無いとぼやいていた彼女の不満はそれなりに減った気がする。

…それでも今朝のように不満が爆発することもあるけど。

「でもそれは仕方ないよな」
思わず呟く俺。
ミヒロちゃんの不満はもっともかもしれない。

実際のところ、朝の登校以外はほとんど接点は無い。
同じクラスであるにも関わらず会話は全く無い。放課後も俺は部活で居ないし、
ミヒロちゃんの家に行く事も部活の終了時間を考えると遅くなるので
実際誘われても行けない。

そう考えると今朝のミヒロちゃんの気持ちは良く分かる気がする。
俺は自分の事ばかりで彼女の事なんて考えて無かったのかもしれないな。
900 :vqzqQCI0 [sage]:2009/11/01(日) 07:16:55.90 ID:4P/3Es20
俺は携帯の画面に目を通す。

内容は…『部活行く前に話がしたいんだけど、大丈夫?
場所は第二会議室。千絵先生から鍵借りてるから開いているよww』

…話? 何だろうか?
一瞬考え込むが迷わず俺は返信する。

「…」
俺はチラっとミヒロちゃんの方を見る。
彼女は仲林さんと井伊坂さんと一緒にいて楽しそうに話をしていたが
俺の視線に気付きニッコリと笑う。

う〜む。あいつはヒロアキなんだと分かりつつも…可愛過ぎる。
俺も簡単に目で返す。

「さー、行こうぜ」
木戸が俺と活動に向う為、声をかけてくる。

「悪い、先に行ってくれ。ちょっと用事ができた」
「用事? ひょっとして女か?」
俺の言葉にニヤリと笑みを浮かべる木戸。

こんな時に限って妙に勘の鋭い奴だと思いつつも表情には出さず、
「いや、千絵先生に課題の件で呼び出された」
「マジかよ? 秀才のお前が?」
「だから頼み事があるんだろ」
そう答えつつ、チラリとミヒロちゃんの方を見ると既に教室を出た様子であった。

「とにかく俺は行くから。先に練習メニューをこなすように皆に言ってくれ」
「ああ、分かった」
俺は荷物をまとめ終わると指定の場所へ向う。
901 :vqzqQCI0 [sage]:2009/11/01(日) 07:18:24.35 ID:4P/3Es20
―第2会議室。

生徒のクラス教室から離れた位置にあるこの部屋。

ほとんど使用される事は無く、実質千絵先生の個人部屋のようになっているらしい。
部屋の戸棚は殆ど千絵先生の私物が置かれていて、テーブルには洒落たティーセットが
配置されていたりする。

コンコン。

俺は軽くノックする。
はーい、と部屋の中から声がする。
当然の事ながら中に入るとミヒロちゃんが居た。

「さあさあ、待ってたよ、早くこっちに座って」
嬉しそうな表情を浮かべて俺をテーブル前の椅子に座らせる。
妙にはしゃいでいるような感じがするのは俺の気のせいかな?

「…ん?」
部屋の中に入ると何とも言えない紅茶の良い香りがする。

「気が付いた? 千絵先生にお借りしたんだよ、紅茶セットww」
それは事前に用意していたらしく、ミヒロちゃんは俺を招き入れるとすかさず
紅茶を俺に振舞う。

「そ、そうなんだ…」
俺は差し出されたティーカップを手にしてふと動きが止まる。
学校でこんな事をしても良いのだろうかと若干不安になる。
「一応言っておくけど、千絵先生には許可もらっているから大丈夫だよ」
そんな俺の心境に気付いたのかフォローを入れるミヒロちゃん。
902 :vqzqQCI0 [sage]:2009/11/01(日) 07:22:01.06 ID:4P/3Es20
「それにしても会議室とは…」
「うん、千絵先生に相談したんだ。そうしたら第2会議室を使っていいって」
俺の呟きに嬉しそうに答える彼女。

確かに周りの目を気にして学校ではミヒロちゃんと接することが無かったわけだが、
第2会議室というスペースを手に入れて何だか嬉しそうにしている様子だ。

「何だか楽しそうだな」
「そうかな? そうでも無いよ♪」
言葉とは裏腹に生き生きしていると言うか、楽しそうにしているというか…。

「呼び出すなんて何かあった? 見ている限りでは割と上手くやっているようだけど」
俺は紅茶の種類なんて良く分からないけど差しだされた紅茶を口にする。
口の中でよい香りが広がり、不思議と心がリラックスしてくる。

彼女も俺と向かい合わせで座り紅茶を口にする。

「…」
本当にこうして見ると何処にでもいる女子生徒と変わりないな。
俺はあらためてミヒロちゃんをじっと見る。
面影や仕草の節々で"ヒロアキ"を彷彿させるものはあるけど
見た感じの可愛さぶりにこれまで付き合いのあった男友達が気付く事は無いだろう。

「どうしたの? そんなにじっと見て?」
「いや、別に」
俺の視線に気付いた彼女も俺を上目遣いで見つめてくる。
…やべ。
903 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/11/01(日) 07:25:04.74 ID:4P/3Es20
「まぁ、そんな事は兎も角として。まあ園…、仲林さん達と仲良くなって
女の子としての生活は非常に順調なんだけど、…何だか微妙かな。
…やっぱり大事なところを外しているからかな」
そう言うとなんだか困った表情を浮かべるミヒロちゃん。
「大事なところ? 何かあったかな? これまで通りの生活とまでは行かないまでも
俺が見る限りでは問題は無いようだけどな」
「…もう、分かってないなぁ? 私が何の為にここに戻ってきたのかさ」
俺の間の抜けた言葉にちょっとムッとした様子の彼女。

「何の為って…、何だろう?」

「私は別に他の学校でも良かった。だけど他の学校じゃ居ないでしょ、…サトシが」
ミヒロちゃんは何だか顔を赤くしている。

「え? 俺?」
ミヒロちゃんの言葉に困惑する俺。

「サトシは私の事、すっごく心配してくれたよね?
私と一緒に学校を通う事を望んでいたよね? …だから私は帰ってきたんだ」
顔を赤らめつつ、はにかんだ表情でチラチラと俺の顔を見る彼女。

「…」

「だけど実際は? 朝の登校時以外は全然やり取りが無いよね?
かと言って学校以外で顔を会わす機会も元々無いし。何だか納得行かないよ」
最初の表情からどんどん暗くなっていく彼女。

「でもそれはミヒロちゃんが学校で上手くやっていく為の…」
「うん、分かっている。だけど今の状況は嫌だよ。これじゃ何の為の
今の状況か意味が分かんないよ」
何だか泣きそうな感じになっている。
904 :vqzqQCI0 [sage]:2009/11/01(日) 07:27:18.36 ID:4P/3Es20
「…」
俺は改めて彼女がそこまで思い詰めていた事に初めて気付き、何も言えなかった。

そこまでミヒロちゃんは俺との学校生活を楽しみにしていたんだ。
なのに俺は自分の忙しさに流されて彼女の気持ちに全然応えてやれてなかった。
ホント何してるんだろ、俺。

「ごめん…。俺、周りの目ばかり気にしていて肝心のお前の気持ちを
考えて無かったよ」
思わず謝罪の言葉が口から出る。

「ううん。私も人の事言えないよ。だって色々気を遣ってくれているにも関わらず
自分のワガママばかり言ってサトシを困らせてばかりだもんね」
ミヒロちゃんはミヒロちゃんで俺に謝ってくる。

悲しげな表情を浮かべるミヒロちゃんの姿を見て俺はこれまで彼女に対して
行ってきた事を激しく後悔した。

「ホントにゴメン。やっぱり悪いのは俺の方だよ。俺はお前を全力でサポートしようと
心に決めていたのに結局やっている事があやふやで、結果として
こんなに悲しませてしまった。俺はお前の親友失格だよ」
俺はそう言うと彼女に思いっきり頭を下げる。

「ちょ、ちょっと? サトシ!? 何もそこまでしなくてもいいんだよ?」
俺の行動に逆に困惑するミヒロちゃん。
「でも、こうまでしないと俺の気持ちが治まらないというか」
「もう、サトシの気持ちは分かったから、頭を上げてよ…ホント、
サトシは…」
俺がミヒロちゃんに促されて顔を上げると困りながらも
笑みを浮かべている彼女の姿が見えた。

「こんなにいい奴だから…だから私はサトシが…」
ミヒロちゃんは何かを言おうとして、その口をつぐむ。

「ん? 何?」
俺は言葉の続きが気になる。

「ううん、何でも無い。アハハハ…」
何だかすごく顔を赤くして俯いているミヒロちゃん。
…結局、何が言いたかったんだろうか?
905 :vqzqQCI0 [sage]:2009/11/01(日) 07:30:45.36 ID:4P/3Es20
「でね、本題」
「本題?」
彼女の切り返しに俺は彼女の顔をじっと見る。

「うん、どうすれば私がサトシと昔のように一緒に居られるか」
「何か解決策でも見つかったの?」
「エヘヘ、そうなんだ」
俺の問いにニッコリと頷くミヒロちゃん。
だから可愛過ぎだって、と思わず突っ込みを入れたくなる俺。

「ヒントは身近な所にあったんだよね。私の友達の仲林さん」
「あの子がヒント?」
俺はミヒロちゃんとすっかり仲良くなっている仲林さんを思い浮かべる。

「うん、仲林さんはお料理同好会と運動部のマネージャーを
掛け持ちでやっているんだって。私もそれに真似てみようかなって。
…サッカー部のマネージャーをしようかな、って」

「! マネージャー!?」
俺の言葉にミヒロちゃんは嬉しそうに笑みを浮かべる。

「いい考えでしょ? これならマネージャーという特権を使ってサトシにも
普通に接する事ができるし、この学校に戻ってきた意味があるし」

「確かにそれは考えもつかなかったけど…」
俺は不安げな表情を浮かべる。
「ん? そんな浮かない顔してどうしたの?」
そんな俺の様子を見たミヒロちゃんも不安そうな表情をする。

「悪くはないけど…でも、俺はちょっと…」
「何? このアイディアに何か問題でも?」
「悪くはないけど…男ばかりのサッカー部にお前が入部するなんて
俺はあまり気乗りしないというか、さ」
「え? …アハハっ、やだなぁ、サトシは何言っているの?
だからマネージャーだって言うんでしょ?」
俺のセリフに可笑しげに反応する彼女。
906 :vqzqQCI0 [sage]:2009/11/01(日) 07:33:05.01 ID:4P/3Es20
「だからだよ。お前だってサッカー部の連中の事は良く知っているだろ。
この前のフットサルもそうだったけど、あまり目立った事をしてバレやしないか
俺は心配なんだよ。他の部のマネージャーならまだしも、サッカー部なんて」

「私はサッカー部だからマネージャーになりたいの! 他の部? それじゃ
意味がないじゃない?」
俺の否定的なコメントに声を上げる彼女。
ミヒロちゃんにしてみれば色々考えた末のいいアイディアだったのかも知れないが
俺の予想外の反応に思わず感情的になってしまったようだ。

「さっきから言っている、意味だの何だのって…」
「…分からないかな?」
「え?」
「…もう、いいよ。…でもね、約束は忘れてはいないよね?」
俺の反応に落胆しつつもジト目で俺を睨みつけるミヒロちゃん。

「え? 約束?」
いきなり振られた話題について行けず目を白黒させる俺。
「まさか忘れたとか?」
すっと目を細める彼女。

―まずい。

もしここで"答え"をミヒロちゃんに出す事が出来なければ
さらに俺は彼女の気持ちを台無しにしてしまうのでは無いだろうか?

これが"ヒロアキ"ならともかく、"ミヒロちゃん"だからこそ
彼女の反応は俺にとって重く感じるのは何でだろうか。

「忘れるわけないだろ、俺を見くびるなよ」
俺はそう言うなり、必死に頭を回転させて思い起こそうとする。

「ホントに? 大丈夫なのかな?」
疑いの眼差し俺にを向ける彼女。
さっきから自分の期待外れの反応ばかりしている俺を彼女は試しているに違いない。

でも彼女の真意を掴めていない俺は何を答えればいいのか分からない。
…思い浮かばない。
907 :vqzqQCI0 [sage]:2009/11/01(日) 07:35:12.37 ID:4P/3Es20
「…」
色々あってようやく学校に戻ってきたミヒロちゃん。
そしてサッカー部のマネージャーを名乗り出た彼女。
しかもその理由は俺と学校で合法的に接する為であるとの事。

確かにミヒロちゃんがマネージャーになれば部活だけでなく、
クラスにおいてもその"権限"で俺と気兼ねなく接する事ができる。
アイディアとしてはいいと思う。

…だけど、どうしてミヒロちゃんはそこまでするんだろう?
女の子になったわけだから俺なんかに拘らず新たに"女の子"の生活に
切り替えれば良いと思うんだけどな、と俺は考える。

…サッカー部か。

俺は以前"ヒロアキ"とよく語り合ったサッカーの夢について思い出す。
あれはまだ"ヒロアキ"がサッカー部に所属していた頃の話だ。

まだ一年生でありながら俺達2人はレギュラーに抜擢されて地方選抜、インターハイと
チームとして快進撃を続けていた。
そうなってくると当然目標は大きくなってくるに決まっている。

そう言えば良く二人で合言葉のように交わしていた言葉が…確か、
「…目指せ、全国大会」

思わずそのフレーズが俺の口からこぼれる。

「!」
その瞬間、ミヒロちゃんの顔がパアッと明るくなる。

「そうだよっ! サトシ! 忘れたのかと思ったよ!良かった〜!!」
嬉しさのあまり彼女は立ち上がると俺のもとにやってきて手を取る。
908 :vqzqQCI0 [sage]:2009/11/01(日) 07:37:45.61 ID:4P/3Es20
「え? え?」
ミヒロちゃんの喜びようとは対照的に彼女の反応に戸惑う俺。
確かに"ヒロアキ"が部から居なくなった今でも「全国大会」を
目指して日々練習に明け暮れているのだけれども。

「サトシがサッカーを続けているのは目標として『全国大会』で
あることは分かっていたけど、私との『約束』でもある事を今でも憶えていて
くれていたのが嬉しいんだよね〜ww」

「…」
俺は彼女の喜んでいる姿を見る。

とりあえずは俺は彼女にとって良い答えを出す事ができたようだ。
確かに"ヒロアキ"と俺はサッカーで全国へ行こうと約束した。
そして"ミヒロちゃん"にもその話をした。



…でも、「全国大会」が何故?

俺は彼女がどのような事を考えているのかが理解できずにいると
ミヒロちゃんは俺の手を離さないまま、熱を持った瞳で俺の目ををじっと見つめる。

「私もサトシとの約束は忘れてないし、どういう形であれ全国大会に向けて私も
サッカー部に携わっていきたいんだよね…だから」

「…お願い。私のマネージャー入りを受け入れてくれるかな?」












909 :vqzqQCI0 [sage]:2009/11/01(日) 07:39:31.83 ID:4P/3Es20
「えー、本日からサッカー部にマネージャーとして入部する事になりました。
よろしくお願いしますww」

「キター!!」
「ヤッター!! 噂の美少女転校生がまさかのサッカー部マネージャーとは!!」
「うおぉぉぉぉぉ!!!」

ペコリとミヒロちゃんが軽く頭を下げて挨拶をすると
グラウンドに集まっていた他のサッカー部員達は喜びのあまり大騒ぎで彼女を迎える。

考えてみるとサッカー部にはこれまでマネージャーが居なかったので
ある意味、新鮮というか心強い存在というか、これはこれで嬉しいものである。
しかもこれだけの美少女が自分達のマネージャーだというのだからその喜びは
どれだけ計り知れないか。

「その気持ちは分かるけど…お前らなぁ、喜びすぎだろ」
…頭を抱えながらその様子を眺める俺。

俺はミヒロちゃんの「お願い」に首を横に振ることが出来なかった。

あのシチュエーションで「駄目」なんて言える奴なんていないだろう。
ミヒロちゃんの正体があの"ヒロアキ"だと知っていたしても。

しかしあの流れの中でこのような展開になるとは思いもつかなかった。
…ひょっとして、俺は彼女に嵌められたのだろうか?

で、ミヒロちゃんの入部手続きがサクサクと進み
晴れて彼女はサッカー部のマネージャーとなった。

当然この件について反対するものは無く、千絵先生に至っては
「さすがミヒロちゃんよね〜! 自分の好きなスポーツに関われるだけでなく、
サトシ君とも一緒に行動できる場を作っちゃうなんてね〜!!」
などと大喜びである。

一応、お料理同好会と掛け持ちとの事なので週2回は休みとなっているが
実際マネージャーと言っても大した事をするわけでもないので
それはそれでいいのかも知れない。

しかし、…俺は別の意味で心配事を抱える事になりそうだ。
とは言いつつも気持ちが高鳴るのを感じる俺だったりする。
910 :vqzqQCI0 [sage]:2009/11/01(日) 07:43:41.19 ID:4P/3Es20
今回の投下は以上です。
今週はリアルに忙しくてほとんど話作りが進んでなかったりするので
そろそろ週一の投下が厳しくなりつつある今日この頃です。
911 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/11/01(日) 11:33:10.83 ID:dPPVy6AO
GJ!!
続きwwktk
912 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/11/01(日) 17:58:51.15 ID:VSNLPQgo
☆〜 8月以降更新のあった物語まとめ 〜☆
rtQgin37x 「」
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 7[09/08/09] >>651-653

駄文文! ◆dJNUgCnIng 「」
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 5[09/09/20] >>795    6[09/10/26] >>885-887

vqzqQCI0 「どんだけ☆エモーション セカンドシーズン」
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 9[09/11/01] >>899-909

◆/ShBG.hvjg 「」
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913 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/11/01(日) 22:51:00.91 ID:tKhsxM60
GJ!
914 :駄文文!の更新じゃないよ ◆dJNUgCnIng[sage]:2009/11/09(月) 00:59:41.18 ID:knnNN0so
エモーションSS読んでて思い出したのですが
「兎に角」って言葉はあっても「兎も角」って言葉はないんですよね
915 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/11/09(月) 08:06:31.72 ID:tiQgV.Mo
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=%E5%85%8E&dtype=5&stype=0&dname=5ss&pagenum=1&index=010450
http://gogen-allguide.com/to/tonikaku.html
916 :駄文文!の更新じゃないよ ◆dJNUgCnIng[sage]:2009/11/09(月) 18:16:56.09 ID:knnNN0so
あやや、失礼しましたww
家族内で「兎も角」という言葉は存在するのか、という議論が起きた際に辞書を引いたところ載ってなかったもので・・・
917 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/11/09(月) 18:57:18.81 ID:Q3va4.DO
辞書によっては、のってない言葉もあるよね
広辞苑はしらんけど
918 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/11/11(水) 22:48:31.75 ID:u4ZPDzk0
先達の投下をwktkしてる間にこっそり投下してみようと思います。
お口に合うかどうかわかりませんが…
919 :u4ZPDzk0[sage]:2009/11/11(水) 22:50:20.16 ID:u4ZPDzk0
「ねみぃ…」

眠い、ふらふらする。
今何時だろう…
時計を一瞥すると針はちょうどLの形。
昨晩、いや今朝になるか、朝4時くらいまでフレンドとダンジョンを周回して…それから恒例の雑談タイム……
毎度の事ながらこれが長いので、結局寝たのは日が昇りかけていた6時ごろだったと思う。
7、8、9…12、1、2、3…

「9時間……くらい?」

大体いつも日が昇る直前に寝て、日が傾き始めるころに起きる。
今朝はいつもより寝る時間が少し遅かったから、起きる時間も少し遅いだろうと思っていた。
想定通りに起きれたので、少し優越感を覚える、何に対しての優越なのかはよく分からないけれど。
昼夜逆転生活ではあるが、一応一定のリズムに基づいている。
夜行性な生き物というだけで、決して不規則な生活はしていない。
語弊を承知で言うと、規則正しいネトゲ廃人なのだ。

「うー…」

ベットから起き上がり、向い側の机下にあるPCの電源ボタンを押す。
自分の意識よりPCのほうが早く立ち上がるのが習慣になってしまった。
PCが立ち上がって安定するまでの間に、のそのそと洗面所へ行って顔を洗う。
歯は朝に磨くことはない、面倒くさい。
じゃぶじゃぶと顔を洗い、相変わらず可もなく不可もないところが割と気に入っている自分の顔と鏡越しに対面する。

「……?」

見た目にすこし違和感があった

「……!」

体のところどころにも違和感があった

「うーん…?」
920 :駄文文!の更新じゃないよ ◆dJNUgCnIng[sage]:2009/11/11(水) 22:53:05.88 ID:IFvjwIIo
wktk
921 :u4ZPDzk0[sage]:2009/11/11(水) 22:53:30.63 ID:u4ZPDzk0
大体事態は把握した。
自分の引き出しに収まっていたネタだし、これからどういう反応を取れば、
例によってベタな展開を繰り広げられるのかも知っている。
だがそれほど自分は暇じゃない、まずはPCの前に座らなければならないのだ。
それが一日を始める儀式である。
儀式を済ませて初めて、他の作業に優先度が振り分けられる。
だからそそくさと洗顔を終えて、PCのある部屋へのそのそ戻ってきた。
しかしながら、他の作業を後からやろうと思いつつ、そのままネトゲにログインする。
そして結局、思っていた作業は何ひとつ消化せずに一日が終わるのだ。
そんな展開は、諸君もお馴染みだろう?
そうでもないのだろうか……?
まあ、自分はそんな生活が気に入っている。
なんというか、大事なものを少しずつ失っていくような…この、"後ろめたさ"が好きなのだ。

「こういう人生も悪くない、そうだろお前ら」

そんなことを言いながら、アイコンをダブルクリックする。
いつものログイン画面、いつもの指の動き。
ひょっとしたら目をつぶったままでもログインできるのではないかなんて思う。
きっと、できるだろうな。

「今日は――
ああクレアのクエスト進めるんだっけ?……もうインしてっかな」

今日はフレンドのクエストを手伝う約束だった。
ボランティア作業みたいなもんだ。

「LV上げには効率悪いし、レアも大して期待できないし……とっとと終わらせよ」

作業的なクエストは力任せに押し流すに限る。
だから1stのメインキャラを選んだ。
内心、プレイ自体が作業みたいなってきた今頃が、ちょうど辞め時なのだろうなと思ってはいるのだが、
如何せんネトゲを辞めると暇をつぶす手段がないからやめずに続けている。
922 :u4ZPDzk0[sage]:2009/11/11(水) 22:55:41.51 ID:u4ZPDzk0

「もう大分、惰性で続けてるよなぁ…でもまあフレがインしてるうちはまだましか…」

ぶつくさ言ってる間に、自キャラの状況、フレンドリストの状況のチェックを終える。

『おはよ』

キーボードを叩く。挨拶、一応フレンド全員に、返してこない疎遠な奴もいるけど、
まあこれもいつもの作業だ。

『やっほー☆』
『ノ』
『おはー』
『あいくんキター』
『昨日は乙ー』

いろいろ立て続けに反応が返ってくる。
しかし、その中に目当てのキャラの反応が無いのはフレンドリストを確認して既にわかっているので、
とりあえず自分が居ない間の動向だけ尋ねる。

『クレアは?クエスト進める約束してたんだけど』
『さっきまで居たんですけどねー、急用とかで夕方戻ってくるそうですよー』
『入れ違いか…しゃーねーな、まあクレア戻ってきたらクエスト行くけど来る奴いる?』
『夕方は無理』
『俺もー』
『他のフレと約束あるから…ごめん』

ほぼ全滅だった。
しかし困った、あのクエストは最低3人のPTじゃないとクリアできない。

『こりゃ明日に延期かね…』
『あっ……あいくん、あいくん』
『ん?』
『ちょっと今やってるクエスト手伝ってくれないかな?
これ終わったら暇になるのでクレアちゃんのクエスト付き合いますよ。』

『あー、昨日言ってたやつか、おーけー手伝う。
さっさと終わらせて、あのドジっ子を調教してくれ。』
『ありがと、あいくんが居れば私サボれるのでとっても助かりますっww』
『さぼんなよ』
『あははwwww』
923 :u4ZPDzk0[sage]:2009/11/11(水) 23:00:18.60 ID:u4ZPDzk0

彼女のいうクエストは、存外簡単に終わってしまった、あっという間だった。
いや本当はとても難しいのだ、かなり難しいのだ。
何せ、小数点の下にゼロがいくつも並ぶのではなかろうかと思われる
極低出現率のアイテムを納品しなければいけないのだから。
しかし、彼女の場合に限りあっという間に終わってしまった。

『なぜだ……なぜでるんだ……狩り始めてまだ1時間だぞ……』

世には物欲センサーなるものの存在が実しやかに囁かれるが、
彼女にはおそらくそんなものは通用しない。
確立が全ての世界で、しかしたった一人違う時空に居るかのごとき彼女。
そんな彼女には様々な通り名が付いている。

『リアル激運…』
『そんなー、たまたまですよ』
『確変人妻…』
『ちょwwwwあいくん、リアル情報を洩らさないでww』
『幸運の女神(35)』
『あーいーくーんww?そのかっこさんじゅーごはなんだろうねーww?』

年齢だというのは、既に周知の事実であるのだが…。

『個人的に一番好きなのは、"神に愛された永遠の腐主婦"とかいうやつだな』
『あいくん、私、急に貴方に会いたくなったわ、もちろんリアルで』
『丁重にお断りします。煮えたぎる鍋に葱を背負って飛び込んでいく趣味は無い。』
『あら、そう…とても残念^^』

背筋がぞくりとした、これはリアルに殺気が飛んできている…。

『まあ、主婦だろうが、ネカマだろうが、おばさんだろうが気にしねーけどな。
ネトゲでは皆平等、大切な友達だ』
『あはは、あいくんのそういうとこ好きだなぁ、ほんと、我が家の息子に欲しいくらいww
でも出来れば娘、女の子がいいんだよね、あいくんほんとにネカマじゃないの?』
『ちょっとまて最後の一言は関係ないだろう、しかも俺は♂キャラしかつくってねーぞ』

まずネカマがどうしたら娘になれるんだよ、論理がおかしいだろ。
娘にするなら、この場合ネナベ…といっていいのだろうか…?
とにかく、♂キャラを動かすリアル♀を指すべきであって、ネカマは違う。
ていうか、俺はネカマじゃない。
ネカマを嫌悪してるわけじゃない、見てるぶんには面白いし。
あそこまで女性を演じきる、という行為には尊敬を覚える。
でも、さすがに自分自身がやろうとは思わない、面倒そうだし、疲れそうだ。

でも――
924 :u4ZPDzk0[sage]:2009/11/11(水) 23:05:58.06 ID:u4ZPDzk0

『あれ、あいくん、♀キャラつくってないっけ?すっごい意外だよww』
『そうなんだよ…でも、あれ、いわれてみれば今朝寝る前に――』

そうだ、確かにそうだった、はずなのだ。

『……?』
『キャラを転生させるときに今度のイベント用に♀選んだ筈、なんだけど…』
『kwwsk!!』
『黙れ腐主婦、でも選んだような気がしただけだ、現時点で♀キャラは一人も居ないし――』

昨日♀に転生させたのは今使ってる1stキャラだった、そんな気がする。
なのに今画面に映ってるのは、作ってから一切姿を変えていない♂な1stキャラ。

え――?
ネトゲによって記憶の片隅に追いやられていた朝の出来事が思い出される。

「――」

ちらと下を見る。
今までと確実に違う、膨らんだ自分の胸がそこにあった。

「……」

ああそうか、代わりに姿が変わったのは……
ありえないけど、ありえるのかもしれない。
いや、正直に認めよう、絶対にあり得る、あり得た。
"どうして"という疑問の結論にまでは今のところたどり着けないけれど、
"こうなった”という結果は漫然として存在するのだから、受け入れるしかない。
別に死ぬわけじゃないので、そんなにひどい問題でもない気がする。

「どうしたものかね…」

925 :u4ZPDzk0[sage]:2009/11/11(水) 23:15:27.21 ID:u4ZPDzk0

焦っていないわけではないが、ネトゲをしていると、ほかの事に対する関心が薄れる。
ネトゲ>リアルの生活を長く送ると、リアルの自分すら、キーボードとマウスで操作する感覚になってくる。
リアルでの自身にまつわる出来事ですら、ひどく客観的に感じるのだ。
心のどこかで自分のことじゃないと思っているのかもしれない。
それは、今朝の出来事も同じだった。

「まぁ、ネトゲするのに困るわけじゃないし…」

そうはいうものの、この姿での日常生活には障りが多いことは容易に想像できる。
自分だって馬鹿じゃない、いやむしろ意外と良いほうだと自惚れている
その自分が思うのは、こういう面倒事はできるだけ早く排除すべきだということだ。
それが一番、後々面倒にならず、楽をできる方法だから。
"元の姿に戻る"それが最良だろう、でも戻る手段なんぞ見当につかないので、対策は保留。
今後、楽な生活を送るには……素敵なネトゲライフを安定させるにはどうすればいいのか……
とりあえず、できるだけ早く、この姿でのリアルライフを面倒にならないくらいに流れ作業化したい。
しかしこの姿を見れば、生理的な行動のレベルでどん詰まりなのは分かりきっている。
女の子の生活ノウハウなんぞ、さすがの自分にもわかるわけが無い。
こういうふうに困った場合にまず頼る相手といえば、セオリー通りなら、友人とか、
幼馴染とかになるのだろうけれど……
引きこもりの自分には、うまい事シナリオに絡められる人物に心当たりが、無い。

『なあレン姉…』

頼るとすれば、自分の私生活を少なからず把握している、この"神に愛された永遠の腐主婦"くらいだろうか…。
926 :u4ZPDzk0[sage]:2009/11/11(水) 23:18:34.50 ID:u4ZPDzk0

『ん?』

キャラクターネーム"レンズ"
リアルでも"彼女”なので彼女と呼んで一切問題はない。
彼女は主婦にして腐女子、天性の幸運の持ち主、人生経験豊富、才色兼備(自称)。
名前に漢字をあてると絶対"恋厨"だろうと自分は信じているが、しかし真相は不明。
自分とのゲーム内での付き合いは、数居るフレの中でも最長。
リアルの話(といってもほとんど一方的に彼女がしゃべる)も割とするので、
リアフレ皆無の自分にとっては唯一、リアル事情の理解者であり、
母が他界して海外出張中の父と別居してる一人暮らしの自分にとっては、
親みたいな人…なのかもしれない。
もちろん、リアルで会ったことは無いのだけれど。

『ちょっと頼みごとなんだけど…』

『あら、珍しい!天涯自力本願、ネトゲ神童とまで呼ばれた、
あのあいくんが頼み事なんて!』

キャラクターネーム"I"
面倒なのでと、"I”だけ入れたらそのまま登録できてしまったという曰くつき、
サービス初日から現在までを全力で駆け抜けている、自他共に認める当ネトゲの廃人。
それが一応、自分の自分自身に対する評価だ。
ちなみに俺も、ゲームでもリアルでも"彼"で問題ない。
いや、厳密に言うと、問題なかった、今朝までは。

『確か車で1時間くらいだろ、俺の家から、あんたの家まで』

『うん、そっち都会だからねー、買い物よく行くし土地勘も割りとあるから、間違いないよ』

そう、無駄に広いリアル世界で、
このネトゲを始める物好きのなかで、
しかもサービス初日に出会った2人が、
なんと隣町に住んでいることに気が付いたのは、実はつい最近のことだった。
それでも、オフ会なんてものは考えたこと無かった、リアルなんてどうでも良かったし、
面倒なので考えたことも無かった。
ただ、今回は生活がかかっている。
これ以上の面倒ごとに発展するくらいなら、素直にこの人を頼るべきだろうと思った。
927 :u4ZPDzk0[sage]:2009/11/11(水) 23:37:16.11 ID:u4ZPDzk0

『明日さ、ちょっと会えないか?』

『ふぇ……?えええええええ!?どどどどどどどーしたの!?あいくん!?
たしか一人暮らしだよね?風邪引いた?具合悪い?それだったら今すぐ飛んでくよ!?』

『いや、そういうわけじゃない…それにクレアのクエがあるから今日は駄目だって』

『でも、おかーさん心配です!あいくんが会いたいなんてよっぽどのことでしょう。
日本が沈没してもあいくん一人でサバイバルできるもん!』

『できねーよ!
でも、確かに自分じゃちょっと対応できない事態なんだ。
大抵のことは大丈夫だけどさすがにこれはちょっと無理、生理的に無理』

『いったい、どうしたというの!』

『言っても多分信じてもらえない』

『なにいってるのー、信じるわよ。
あいくん今までずっと悪口は言っても嘘は絶対につかなかったし、他人は決して裏切らない。
おかーさんちゃんと知ってるのよ、だからさあゲロっちゃいなさい…?』

『レン姉……』

『うん、何?』

『やっぱ、なんでもない、全部忘れて』

冷静に考えると、レン姉を頼っても仕方のないことだ。
面識がないので、会ったところで、自分が困っていることを証明する手段が無い。
下手をすると、ただの頭のおかしい人だと思われてしまう。
というか、なんか、考えれば考えるほど、行動するのが面倒くさくなってきた。

『いっくんお待たせー!!クエいこうっ!』
『クレアてめぇ遅い、とっとと行くぞ』
『ちょ…あいくん!話はまだ終わってないわよ!その話、おかーさん信じる!だからkwsk!kwsk!』
『うるせぇ、忘れろ』
928 :u4ZPDzk0[sage]:2009/11/11(水) 23:38:56.76 ID:u4ZPDzk0

『うわー…レンちゃん久しぶりに腐ってる?いっくんいったい何したんですか?』
『転生しただけ、ほらさっさと行くぞ…ってやば…今夜学校だ…』
『えぇ!?クエストは!?』
『んなもん10分で終わるわっ!一体どうして、なぜあれがクリアできんのだ!』
『えぇ!?10分?はやっ…神が、神がいます…』
『まずお前のHPが紙だということに気づけ、つべこべ言わずにLVを上げろ』
『そんなことより、あいくん、さっきの話…』
『ええいうるさい、雑談はクエスト終わってからにしやがれ』
『がんばりますっ!』
『いやクレア、お前は突っ立ってろ、何もするな、お前の1アクションは、1ディスアドバンテージと同義だ』
『え?え?どういうことなの?』
『まぁまぁ、クレアちゃん、無敵のあいくんに任せとけばいいのよ』
『そこの主婦、てめえは働け』
『ぇー…』

929 :u4ZPDzk0[sage]:2009/11/11(水) 23:56:55.77 ID:u4ZPDzk0
とかなんとかいいつつ、10分かからずに終わってしまった。

『はやい…はやすぎるの…』
『確かに…ここまでとは…』
『頑張ればTAランクインできそうだねーww』

頑張らなくても、そのドジっ子を中堅プレイヤーくらいに入替えれば余裕だと思う。
目の前の主婦の力は、多分そんじょそこらの升より性質が悪い存在だ。
いやリアル激運の事ではない、紛れも無い彼女の才能の話。
ノリツッコミを繰り広げながらも、サポートの手際の良さといったらありはしない。
レン姉の補助は一級品だ、的確な指示を出す司令塔なんてレベルじゃない。
無限遠と揶揄される、天上から見下ろしてるかの如き戦術眼。
そこに橋が必要であれば橋を作る、バトルメイキング。
山が邪魔ならば山を削りとる、パワーサポート。
ピントレンズ標準装備の、クリティカルフォロー。
"補助の神"と目される実力者であることはずいぶんと前から、
彼女の年齢と共に世間に広まっていた、というか自分が広めた。
彼女の補助があるとき、自分のような前衛職は純粋に剣としての役目だけをこなせる。
敵の喉下に喰らい付くだけの存在になれる。
だから、PvPでは彼女を絶対に敵に回してはいけない。

「剣を振るうは前衛にあらず」

この格言の真意を、骨の髄まで味合わうことになる。
というか下手するとこのネトゲが嫌いになる。
しかし何度見ても彼女の立ち回りは人間業ではない。
勿論非常に助かるのだが、自分の考えが筒抜けになっている気がしてとても気持ちが悪い。
やはり、これも主婦のなせる業なのだろうか。
だとしたら主婦とは人外の輩に違いない。

930 :u4ZPDzk0[sage]:2009/11/12(木) 00:21:48.70 ID:hWCBkFA0

『さあさあ、雑談たあーいむっ☆』
『わーぱちぱち』
『……テンションたけえなお前ら』
『さて、あいくん!』
『あん?』
『あいくん、最初に出会ってから今日までで、初めて私に嘘ついたね』
『え…』
『"やっぱ、なんでもない"って、あれ嘘でしょ』
『嘘じゃないよ、なんでもない』
『んー、今のは半分嘘だね』
『う……』

クレアはドジでバカだけど、空気だけは凄まじく読める奴だ。
普通なら戸惑う展開だろうに、水を差さず、ただただ黙って見守っている。

『あいくんともあろう子が、リアルで私と接触を求めるくらいトラブってるわけよね』

そのとおりだ、正直自分じゃどうしようもない、頼れる人の心当たりもほとんど無い。

『だけど私に事態を理解してもらうのは困難である公算が高い。
もしくは直接面識が無いから信用を得られない可能性もあるわけね。』

まず自分が元々どんな人間なのかを証明した上で、このトラブルを説明しないといけない。
それはとても大変なことだ、しかも顔も知らない相手に、ネット上でしか付き合いの
無い人間に、これほど込み入った用件に関ることを要求してよいのだろうか。

『最初の"なんでもない"は嘘。』

たしかに嘘だった。
なんでもないことは無かった。
ただ面倒だった。面倒事を押し付けられたレン姉が
自分を嫌いになってしまうかもしれないのも面倒だった。
あとくされが残るのは、とても面倒だった。
931 :u4ZPDzk0[sage]:2009/11/12(木) 00:26:16.11 ID:hWCBkFA0

『さっきの"なんでもない"は半分嘘。』

さっきの"なんでもない”は”どうでもいい”と同じだった。
面倒だから、考えないのが一番いいと思った。

『あいくんは、自分に暗示かけてむりやり納得する癖があるよ。
最初の嘘を、今無理やり本当にしようとしてるよね、
なんでもないって自分に言い聞かせてるでしょ?』

そう、面倒だからごまかすつもりだった、自分を。

『ネトゲのほうが今やらないといけない大事なことだから、
件の問題はなんでもないことだ、後回しだって、
いつものように考えてるでしょ?』

暇だからネトゲをやるんじゃなくて、面倒事をすべて見て見ぬ振りして、
ネトゲに逃避しているのは自分でも分かっている。
でも、だから何だというのだろう、それで別に死ぬわけじゃない。
いいじゃないか、面倒なことを全て放り出して、楽しいことだけやるのは悪いことなのか。
誰にも迷惑はかけていないし、それでいいじゃないか。

『とまぁ、今あなたの言葉から、私が推測しているのはここまで。』

まったく、この主婦は読心術かなにかを使えるのではないかと本気で思ってしまう。
932 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/11/12(木) 00:40:04.93 ID:bHTUxFo0
続きwktk
933 :u4ZPDzk0[sage]:2009/11/12(木) 01:08:41.70 ID:hWCBkFA0

『認める、全部あたってる』
『今のは本音だね。
あいくん、私があなたの話を信じるとか信じないとかそんなのは私が決めることよ。
あいくんが苦しくて困っていて、誰かの助けが必要だと思うなら、素直に助けを求めなさい。
そして私があなたに差し伸べた手を、私を信じるか信じないかを、あなた自身が決めなさい。
もちろん、顔も見えない相手の言葉を信じて裏切られる事だってある。
私の手ではあなたの助けにならないかもしれない。
だから、あなた自身が、自分の責任で決めなさい。
もちろん逃げても構わないけれど、それ以上の面倒事が起きて、また逃げられるとは限らない。
そのことは、あいくん賢いから分かってるはず。』
『レン姉…』
『私はあなたの、おかーさんにはなれないからね。
近所のお姉さんとしての助言しかできないの。
それでもあいくんが頼ってくれるというなら、私はあなたを全力でサポートしてあげたい。
私の補助の実力、知ってるでしょww?
ゲームのクエストだと思って、ちゃっちゃと解決しちゃいましょ』

そうだった、レン姉ほど信頼できる味方はいなかったのに……
これだけ付き合ってきて、ネトゲ>リアルとか言ってたくせに、
全然レン姉を信頼してなかった。

『ごめん、レン姉…』
『よきかなよきかな、皆まで言わないのww
あいくんの心は、おかーさんにはお見通しよww』
『あの…あの…私も力になりたいです!』
『クレア…そうだな…お前も、ドジでバカだけど、すげーやさしい奴だったな』
『ドジでバカは余計ですっ』
『二人とも…ありがとう』
934 :u4ZPDzk0[sage]:2009/11/12(木) 01:10:25.69 ID:hWCBkFA0
『よしよし、それじゃあ、とりあえず状況を3行で簡潔に説明しなさい』
『わかった、信じてくれなくてもいいけど、できれば信じて欲しい』
『うん』
『はい』
『壱、俺は男です』
『がーん…orz』
『おい腐主婦、露骨に落ち込んでんじゃねえっ!』
『だ、だって最後の希望が…orz』
『レンさん…ww
ま、まあ、いっくん、続けてください』
『弐、でも今日起きたら』
『はい』
『参、女になってました』
『あいくん…』
『やっぱ信じられないよな、絶対俺の頭のほうがおかしいよな』
『何言ってるの、信じるに決まってるじゃない!』
『レ、レン姉…』
『あなたの住所を教えなさいっ!そして我が家に養子にきなさいっ!というか今すぐ迎えにいくから^^』
『……ごめん、そろそろ学校行く時間だから落ちるわ』
『あ…ちょ…ごめん!ごめん!謝るからまって!落ちないでっ;;』
『笑い事じゃないんだよ、ほんとどうしていいのか分かんないんだよ』

あーもう、まじめに考えると泣きたくなってきた、これからどうやって生活すりゃいいんだろう。
マンガじゃあるまいし、こういう時、現実問題、何から対処していきゃいいのか分からない。
俺はネトゲ廃人として生きていきたいだけなのに、なんでこんなことになったのだろう。

『あいくん、とりあえず落ち着いて、それが本当ならやっぱり明日会いましょう。
リアルで男から女になったときにどうすればいいのかなんて私も分からないけど、
少なくともあいくん一人で解決できる問題じゃないことだけは確かだわ』
『そうだな、うん会おう。いろいろと教えてもらいたいことが山ほどある。』
『あははwwでもまさかこんな形でオフ会することになるとはねぇ…』
『いいなぁ…私も行きたいです』
『クレア…お前が、どこに住んでるのかはおろか、男なのか女なのか、
リアルの何もかも謎なんだが…』
『秘密ですよ♪』
『あっそ…げ…やば…家出なきゃ間に合わないや』
『あいくん今日学校だっけ』
『うん、今日は顔出さないといけない日だから』
『了解、私ももう落ちるから、じゃあ明日の詳しいことは後でメールでね』
『わかった、明日よろしくな』
『まかせなさいww』
『いっくん、おやすみなさい!』
『おやすみ!』
『ノシ』
935 :u4ZPDzk0[sage]:2009/11/12(木) 01:13:20.45 ID:hWCBkFA0

「ふぅ…」

ログアウトして大急ぎで支度をする

「明日…面倒だな…」

かばんに必要なものを詰め込む。
授業は通信制なので教科書の類が必要なわけじゃない。
単に学校に顔を出して、教師に生存確認をしてもらうだけ。

「財布、ペンケース…よし」

準備完了、遅刻限界5分前、何とか間に合いそうだ。
玄関で、靴を履く…その瞬間、自分の胸に気づいて、思わず固まった。

「……」

さすがに、気づかれる…よね?
というか、思った以上に大きい…のか。

「やばい、どうしたら……やばい遅刻…する」

制限時間は、後3分を切っていた。




-----------------------つづく…?

実はSS投下初めてで、かなりガクブルしてますww
なにか不備があったら教えていただけるととても嬉しいです。
次回は未定です、なるはやでがんばりたいと思います。



936 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/11/12(木) 01:57:27.99 ID:LO1ww1oo
続き待ってるぜww
937 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/11/12(木) 13:01:13.73 ID:EF3ajJQ0
HKOKした者があまり気にせず学校とか行こうとする展開今まで無かった気がするなぁ

新しい、惹かれるな。期待して待ってる!
938 :駄文文! ◆dJNUgCnIng[sage]:2009/11/12(木) 17:38:29.53 ID:0bhkX0Io
何年かぶりのプールだと言うのに
なんでこんなに疲れなければならないんだ

「元気出してよww」
先輩に肩を叩かれながら着いた家を見上げる
大学辞めたら・・・・どうすっかな・・・
家にあがると、先輩が脱力感に満ちた顔でベットに寝転がる
「今更言っておきますけど、それ俺が何年も寝てたベットですからね」
「別にいーじゃん」
その時、俺は思わず目を見開いた
ゆっくりと、部屋の奥からその2が現れた
「まさかな・・・まさかこの俺に再び出番が来るとは思ってもいなかったさ
 それがこんな形になるなんて・・・・」
「その2君・・・・違うの、これh」
「先輩」
何か苦しい言い訳をしようとした先輩を止める
目を逸らさず、その2と見詰め合う
「その2・・・いつ、気づいたんだ」
「ああ、お前を見た瞬間こう思ったね
 彼女にしようってな、帰宅するお前を追いかけてみれば男の家に入ったもんだから、そこでモシヤと思った訳だ」
「ふむ・・・なるほど、つまり最初から気がついてなかった訳か」
「ああ、全くな」
「・・・口止め料金はいくらだ」
「その胸をもまs」

セリフが途中から聞こえなかった
無論、先輩が裏拳を顔面に叩き込んだからだ
「え?ごめん聞こえなかったわ
 私にも聞こえるようにもっかい言って?」
「なんでm」
腹に蹴りが入る・・・今否定しようとしてなかったか・・・?
「遺言は?」
「・・・水色」
その瞬間、先輩が顔を真っ赤にしながら跨ってビンタを入れる
・・・水色か、意外と可愛い色履いてるんだな
939 :u4ZPDzk0[sage]:2009/11/13(金) 01:39:54.87 ID:xa7diPc0
こんばんは。
投下があってると、とても幸せになります。
ということで便乗、少ないですが投下します。
940 :u4ZPDzk0[sage]:2009/11/13(金) 01:41:35.90 ID:xa7diPc0
「あふ…ぅぅ……」

結局、包帯をつかってグルグルと押さえ込んだのだが、そのせいでひどいことになっている。
息が、息ができない。

「はっ…はっ…はぁっ…」

これだけ雁字搦めにして抑えこんても、Tシャツのままだと、目敏い人は
違和感を感じるかもしれない。
しかし、登校するときは上下ウインドブレーカーを羽織っているため
良い具合に胸のことはごまかせる。
初夏とはいえ夜は肌寒いのだ。
家で鏡を見ながら包帯を巻いているときに思い出した、すこし可愛く
なってしまった気がする顔つき。
これも顔見知りには、もしかしたら変に思われるかもしれない。
それは面倒なので、とりあえずいつものニット帽に加えて念のためマスクを着用する。
風邪を引いたことにすれば、声もごまかせる、一石二鳥だ。
これで完璧だろう、ということで結局、遅刻限界を2分突破して家を出た。
そしてこの完璧な対応が全て、別の形で裏目に出ることになった。

「ぜぇ、はぁ、は、ぁ、くぅぅ……」

胸がくるしい…
俺は2分のロスを取り戻すために、自身の駆る自転車の速度限界を
突破しなければならなかった。
しかし、スタミナがいつもより持たないのだ。
941 :u4ZPDzk0[sage]:2009/11/13(金) 01:43:07.55 ID:xa7diPc0


「う、ぅー……」

吐きそうだ…
どうやら俺の身体能力は今の性別に準じて低下しているみたいだった。
さらに悪いことに、サドルが心なしか高い。
いや、サドルは高くない、ペダルから足が離れそうになるのは、つまり、悲しいことに
そういうことだ。

「ぇぅ…し、死ぬ…」

これだけの悪条件に重ねて、自分で駄目を押すように胸を包帯でがんじがらめにして、
口はマスクで蓋をしている。
だから今現在こういう状況になっていた。
だけど、ここで力尽きるわけには行かない。

「…ぎりぎり…セーフっ!」

ゴール、校門にたどり着いた。

「勝った……」

何に勝ったのか。

「自分の…限界に勝った」

優勝したレーサーのように天を仰ぎながら、カッコよく、そんな台詞を言ってみた。

「…ぅぇ…ぅ」

まずい…トイレに…トイレに行きたい…。
まだ時間はある。
トイレの前で例によってまた固まることになるのだが、ベタな展開なのでここも割愛しよう。
早くしないと遅刻してしまう、それだけはごめんだ。
942 :u4ZPDzk0[sage]:2009/11/13(金) 01:45:13.49 ID:xa7diPc0

「おあよう…ございます」
「ろれつ回ってねーぞ、それにそれは朝の挨拶」
「こんばんは……失礼します」
「はい、こんばんは、どうぞお構いなく」

職員室でノートパソコンに向かって淡々と仕事をしている、かのように見える我が担任が、
こちらを振り向かずに手を振って答応える。

「構えよ」
「今忙しい」
「どこがですか、レポートもって来ました」
「10時00分02秒、ギリギリアウト」
「いやそれはちょっとトイレで問題があって…」
「問答無用」

ゴンッっと拳骨が振り下ろされる。

「ぎゃふんっ」
「遅刻は遅刻だ、余裕を持ってトイレにいける時間に来い
大体、家を出る10分前までログインしてるアホがいるか」
「学校からログインしてるアホはいいのk、ぎゃふんっ」
「お前を含めた、ネトゲ厨な教え子の監視のためだ」
「その割にはやたらレベルたk、ぎゃふんっ、ぎゃふんっ」

痛い、これだけ苦労して来たのに……
この拳骨だけは絶対嫌で、だから急いできたのに……
なんて理不尽、涙がぼろぼろ出てくる。
それにしても痛い…痛い…。

「ほら、姫、レポートよこせ」
「う…うぅー…」

三白眼で睨みながら、渋々渡す。

「ほい」

2秒で返ってきた、もちろん検印つきで。

「うー…仕事しろよ…アホ教師…」
「してるよ、アンタのレポートは可もなく不可もなくだ。
もう見なくても分かるっつの」
「……」
「大事な所分かってる手の抜き方だから、まあ、可もなく不可もなくのお手本って感じかね。
ったく、まじめにやりゃいい線行くのに……」
「やだ、めんどい」
「そう言うと思った、ま…いいさ、そのまま卒業しても大丈夫だろ。
帰っていいよ、お疲れ。」
「どうも」
943 :u4ZPDzk0[sage]:2009/11/13(金) 01:47:10.39 ID:xa7diPc0

結局こちらを一度も見ずに、今日の面接も終わった。
でも面を接していない面接ってありなのだろうか。
職員室を出ようとした、そのとき、相変わらずPCにかじりついたままの担任に
呼び止められた。

「姫」

「ん…?」

「風邪かい?」
「うん」

そういえば、そういう設定だった。

「ふうん……お大事に」
「ありがと……失礼しました」
「ノシノシ」

職員室でノートパソコンに向かって淡々と仕事をしている、かのように見える我が担任が、
こちらを振り向かずに手を振って応える。

「あー、そうだ姫野」
「んぁ?」
「ちょっといいか?」
「なんだよ、珍しくきちんと呼んd…って、え?……え!?」
職員室のドアを一歩だけ外に出たところで呼び止められて、
まるで瞬間移動したかのように先生が背後に立っていて、
気づいたら、先生に絡みつかれて、
そこで思考がぶっ飛んだ。

「え…ちょ…」
「最近の風邪って、変わってるな」
「ちょ…せんせっ、え…?あっ…ちょ…」

944 :u4ZPDzk0[sage]:2009/11/13(金) 01:48:44.48 ID:xa7diPc0
以上。

急展開。
そして寸止め。
お風呂に入るので、今日はこの辺で。
945 :u4ZPDzk02009/11/13(金) 13:32:37.86 ID:Lm4rmNM0
「ふうん…へぇ…」
「――!?」
やばい…頭が…なにこれ…変だ。
「お…やっぱ気持ちよくなるのか」
「――!!」
なにをされてる…?
「ここも…?」
「――!!?」
手が、胸と…股と…それから…それから…ええと…ええと…
「なるほどねぇ…」
「――!!――!!」
「不思議なこともあるもんだね」
なんかよく分からないけど、ああ…もうだめ許して。
「ふうん…ま、いいや」

ふっと、おもちゃに飽きた子供みたいな顔をして、自分の部屋に戻っていく先生。

「とりあえず夜道に気をつけてな、最近変質者出るらしいから。
それに風邪引いて体の調子も悪いんだろ?
なんか顔赤いし、熱っぽいぞ、早く帰って寝な。」

「はぁ…はぁ…馬木…いま…なにを…」
「馬木、せ、ん、せ、い。
じゃあ今から私忙しいから、とっとと帰れな。
あまりネトゲで夜更かしすんなよー」
「あ…ちょっ…」
「ノシノシ」

再び職員室でノートパソコンに向かって淡々とネトゲをはじめる我が担任が、
こちらを振り向かずに手を振って応える。
一方俺は、力なく地面にへたり込んでしまっていた。
それに熱っぽい、確かに、本当に風邪引いたみたいだ。

「って…そんなわけあるか!なにすんだ!このばかまぎっ!」

若干涙目になりながらの一人さびしい突っ込み。
ネトゲに熱中しだした先生には、決して届くことはないのだろう。
それは、同じものに熱中する自分だからよく分かる。

「はぁ…帰ろ……」

いつもに増して理不尽だった今日の面接。
これ以上の騒ぐのも面倒になってしまったので、
言われたとおり、とっとと帰宅の途につくことにした。
半べそをかきながら、帰ることにした。

------------------------------つづく?
週末と土日で残弾が増えればいいのですが…
946 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/11/13(金) 22:57:47.60 ID:weM4YADO
wktk
947 : ◆/ShBG.hvjg2009/11/14(土) 00:19:11.13 ID:HHJ.B1Eo
やったっ!書く人増えてるー
投下しますー

前回までのお話
 1[09/09/05] >>722-726 2[09/09/08] >>732-736
 3[09/09/09] >>742-746 4[09/09/13] >>762-766
 5[09/09/17] >>787-791 6[09/10/11] >>842-846
 7[09/10/18] >>863-867 8[09/10/26] >>890-894
948 : ◆/ShBG.hvjg2009/11/14(土) 00:20:04.89 ID:HHJ.B1Eo
劇の練習が始まって約一週間が経過した。

演目が決まった日の放課後に
他の出演者や裏方の割り振りもトントン拍子で決まり、
その二日後の木曜日にはもう台本が配布され、練習がはじまった。

未定だった物語のラストは悠介の女装で笑いを取る事に決まり、
出番が少ないから楽だろうと高を括っていた悠介は
すぐに変更を提案したものの受け入れられず、
逆にクラス総員のブーイングを浴びる羽目になった。

問題があったとすればそれくらいで、
あとは昼休みや放課後を使った練習も順調そのもの。
役にも慣れてきたので、かねてから優衣が希望していた
メインキャストの強化合宿を開く事となり、土曜日の今日、
俺たち四人は雅人の家がある比古女神社に集まることになった。
949 : ◆/ShBG.hvjg2009/11/14(土) 00:20:56.15 ID:HHJ.B1Eo
朝、鞄を持って家を出ると急に雨が降り出した。
急いで玄関に戻って傘を持ち出そうとするが、
俺は迷いもなく女物の傘を掴んだ自分に驚いた。

先週の月曜日に俺が女の子、美恵になって今日でもう13日目。
だけどまだ何も分かってないままだ。
これではもし元の自分に戻れるとしてもいつになるやら。
しばらくは女としての生活を続けなければならない。

長期化するほど俺は少しずつ女になっていく。
気付いてはいるけれど、どうしようもない。
むしろ女の体に男の自分がいる違和感をなくしたいという思いが、
自分の内面をじわじわと女性化させる。

ただ、自分を俺と言ってしまいそうになる事もまだある。
今日は余所の家に泊まるのだから、気が抜けない。
私は、私。気をつけよう。
950 : ◆/ShBG.hvjg2009/11/14(土) 00:21:57.97 ID:HHJ.B1Eo
神社に向かって歩いていると後ろから「美恵さーん」と呼ぶ声がした。
振り返ると、雨に濡れた悠介が走って来た。
「ごめん、傘に入れて」と断ってから並んで歩き出した悠介は、
「助かった。家を出たときは降るとは思わなかったよ」
と言って手で顔を拭った。
空にはまだ太陽が顔を見せている。いわゆる狐の嫁入りだ。

しばらく私と悠介は同じ傘の下、黙って歩いた。
私は元の自分に遠慮することも無いから良いのだが、
悠介は、女の子である私に気を遣ってか気まずそうにしている。
でも元々あまり喋らない人だから、会話が生まれない。

私から何か話そうと思っても、喋れないのは悠介と同じ。
元の自分なんだから、性格は当然同じなのだ。

「「あ、」」
同じタイミングで話し始めようとする。
でも「先にどうぞ」の言葉も出ずに二人で黙り込んでしまう。
悠介の泳ぐ目と、私の見上げる目が合うと、
滑稽な自分たちが可笑しくてつい二人して笑ってしまった。

「あ、あのさ」
こんどこそはと私から話しかけると、
悠介は前を向きながら「なに?」と言った。
951 : ◆/ShBG.hvjg2009/11/14(土) 00:22:53.10 ID:HHJ.B1Eo
「変なこと聞くけど、私って何か変じゃない?
 優衣ちゃんにもギャップがあるって言われて。
 見た目と中身が違うって言われて」
悠介と二人きりじゃないと聞けない話。
私の奇妙な状況について、悠介が知っていることはあるのか。
何か知っていたら「見た目と中身が違う」という言葉に反応するはず。
「実は俺も」なんて言葉を期待して答えを待つ。

でも、悠介は少し考えたあと「ギャップかあ…」と言って黙ってしまった。

「ごめんね、突然こんな事聞いて」と私がフォローしようとすると、
悠介はようやく少し照れながら話し出した。
「いや、俺さ、会って初日から「美恵さん」って名前で呼ぶようになったけど、
 雅人がそうさせたからだけじゃなく、俺も親近感みたいなのがあったんだ。
 どこか俺と似てるところがある気がしてさ。
 だから男子に似てる女子という事なら、
 吉里さんがギャップを感じる部分があるのかもしれない。
 でも逆に俺が女子である美恵さんに似てるだけ、って事もあるだろ。
 あんまり俺、男らしくないから。俺のギャップの方が酷いんじゃないかな」
そう言って悠介は頭をかいた。何も知らない口ぶりだ。

大きな図体だけど、運動音痴なインドア派。
性格もあまり男らしいとは言えない。
だからこそ、突然はじまった美恵としての生活も、
大きな障害なくできているのかもしれない。
952 : ◆/ShBG.hvjg2009/11/14(土) 00:24:13.92 ID:HHJ.B1Eo
でも男として生きてきたから、根本的に女とは違う部分もある。
そういうところが、優衣の目にはギャップとして映ったのだろうか。
男である悠介も自分も気づけない、些細な違い。

「ごめん、気に障ること言ったかな」
悠介にそう言われて、こんどは私が黙り込んでいた事に気付いた。
「あ、違うの。これまでのこと、ちょっと思い返しちゃって」

そう、思い返している場合ではない。
以前にも可能性を考えたが、悠介が何も知らないと言うことは、
二週間前に何の変化も現れなかったオリジナルの自分だという事。
そして美恵として生活している自分はコピーということになる。
コピーとして作られた意識体なら戻る場所なんて無い。
このまま美恵として生きるしかないのだ。それがほぼ確定的になった。

「まあ気にすること無いって、美恵さんは全然変じゃない」
何も知らない悠介がフォローをしてくれたが、実際に私は変なのだ。
だから、気持ちの整理のつけようがなかった。

いつの間にか雨が止み虹が出てる事にも気付かず、
二人同じ傘の下、黙って歩き続けた。

第九話END
953 : ◆/ShBG.hvjg2009/11/14(土) 00:26:10.28 ID:HHJ.B1Eo
書くのどんどん難しくなってきたーww
次も再来週くらいになりそうな予感ですー
ではまたー
954 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/11/14(土) 23:52:59.83 ID:6QdQFtk0
GJ!
投下が増えてきていいかんじー
955 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/11/20(金) 17:35:13.79 ID:.exmycDO
乙!
956 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/11/21(土) 04:24:25.14 ID:2rNzbADO
そろそろ1000に近づいてきましたね
957 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/11/21(土) 09:33:45.53 ID:WjJZUUDO
バカッえっちもう知らないっ!
958 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/11/21(土) 13:16:50.69 ID:H1ZGHrso
次スレの季節か
959 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/11/21(土) 13:59:03.28 ID:WjJZUUDO
バカッ
960 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/11/21(土) 16:52:36.09 ID:WjJZUUDO
ふじゃちぇんにゃよ!
961 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/11/22(日) 09:35:32.75 ID:5N7h0sDO
乙!
962 :駄文文!の更新じゃないよ ◆dJNUgCnIng[sage]:2009/11/22(日) 10:03:33.31 ID:OFBSlfgo
わざわざ埋めなくても良いのでは?
963 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/11/22(日) 17:50:48.86 ID:5N7h0sDO
乙!
964 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/11/23(月) 09:23:23.33 ID:hSOkZQDO
ハマグリボンバー!
965 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/11/23(月) 09:55:40.30 ID:ls85j1go
あの ひょんなのこ氷河期からしたら信じられないほど投下が多いな
俺のお陰? んなわけないか。
966 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/11/23(月) 14:38:02.26 ID:MqQ7Bhoo
偶然?同じ日に始まった二つの話がしっかり続いてるから、
ROMもそこそこいて他の人も投下しやすいんじゃないかな
どっちかが終わるとまた過疎期に入りそうな
967 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/11/23(月) 16:47:30.45 ID:hSOkZQDO
おみぃんこ
968 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/11/24(火) 16:04:53.75 ID:4/LOIEDO
乙!
969 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/11/25(水) 15:45:12.12 ID:uhUmIADO
破壊!
970 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/11/25(水) 18:56:24.21 ID:uhUmIADO
おむモガッ
971 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/11/26(木) 01:58:37.77 ID:d/.ZIi20
てす
972 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/11/26(木) 20:16:27.36 ID:ht4zRYDO

973 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/11/27(金) 00:13:09.32 ID:kDULDg6o
投下無しにスレが進むのも珍しいな
974 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/11/27(金) 01:54:01.40 ID:JHLq2Jco
このまえ寝ながらいいアイデアが浮かんだのを思い出したけど、
何を思い浮かんだのかが思い出せなくてもどかしい。
975 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/11/27(金) 03:25:32.36 ID:iM7Ky2AO
974>> あるあるww
で、思い出してみると大して面白い話で無かったりして。
976 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sagasage]:2009/11/27(金) 15:58:59.82 ID:sPUrJIDO
蛇が出てきた
蛇「死ね!」
ガブッ
数時間後
全員「ゴフッ」
全員 死亡
終わった
977 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/11/28(土) 09:12:46.80 ID:kCO/mADO
乙!
978 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/11/28(土) 16:00:36.10 ID:kCO/mADO

979 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/11/28(土) 16:02:05.22 ID:kCO/mADO

980 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/11/28(土) 16:03:25.92 ID:kCO/mADO

981 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/11/28(土) 16:04:22.54 ID:kCO/mADO

982 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/11/28(土) 18:57:23.48 ID:K6tXLUAO
次スレ立ってるのか?
983 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/11/28(土) 19:34:34.43 ID:kCO/mADO

984 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/11/28(土) 19:36:14.86 ID:kCO/mADO

985 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/11/28(土) 19:38:28.67 ID:kCO/mADO

986 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/11/28(土) 19:40:18.56 ID:kCO/mADO
女「バカッえっちもう知らないっ!」
987 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/11/28(土) 20:02:57.27 ID:9vJP2AEo
次スレ

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1259406114/
988 :駄文文!の更新じゃないよ ◆dJNUgCnIng[sage]:2009/11/28(土) 20:04:22.77 ID:H3uKSfgo
   ||    こうして>>987は神の子として称えられたのです      
   ||     ̄ ̄ ̄)/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
   ||      (~)    
   ||    γ´⌒`ヽ  けんきうはっぴょう
   ||     {i:i:i:i:i:i:i:i:} 「英雄>>987、その栄光と、陰に咲いた女達」
   ||    (´・ω・`) 
   ||     (::::::::::::)
   ||__| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|__E[]ヨ_______________  
  .└──|          |──────────────────  
  | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
989 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/11/28(土) 20:37:30.75 ID:kCO/mADO

990 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/11/28(土) 20:40:38.12 ID:kCO/mADO

991 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/11/28(土) 20:41:30.88 ID:kCO/mADO
乙!
992 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/11/28(土) 20:44:37.62 ID:kCO/mADO
雷ドーン
全員「えっち」
全員 死亡
今度こそ本当の本当の本当の本当に終わりだ!
993 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/11/28(土) 20:46:14.45 ID:kCO/mADO

994 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/11/28(土) 20:47:13.77 ID:kCO/mADO
おむつ
995 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sagasage]:2009/11/28(土) 20:49:28.40 ID:kCO/mADO
>>899
やる夫「死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね」
996 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/11/28(土) 20:50:30.31 ID:kCO/mADO
乙!
997 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/11/28(土) 20:51:21.28 ID:kCO/mADO
乙!
998 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/11/28(土) 20:52:18.59 ID:kCO/mADO
乙!
999 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[age]:2009/11/28(土) 20:53:11.11 ID:kCO/mADO
乙!
1000 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/11/28(土) 20:54:08.08 ID:kCO/mADO
乙!
1001 :1001Over 1000 Thread

 ,.――――-、
 ヽ / ̄ ̄ ̄`ヽ、   【呪いのパーマン Ver2.0】
  | |  (・)。(・);    このスレッドは1000を超えました。|
  | |@_,.--、_,>    このレスを見たら10秒以内に次スレを建てないと死にます。
  ヽヽ___ノ    次スレを10秒以内に建てても死にます。

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1000超えたのでHTML化の依頼をするでござるの巻
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1002 :最近建ったスレッドのご案内★Powered By VIP Service
こんな過疎板でコテデビュー @ 2009/11/28(土) 20:47:11.66
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【数日後には】漢方薬が危機【値段が数倍】 @ 2009/11/28(土) 20:39:58.81 ID:Ft75FzQ0
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男「なんだお前。ホームレスか?」 @ 2009/11/28(土) 20:24:41.91 ID:n/oPt2SO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1259407481/

当店の商品の品質は他店より高い @ 2009/11/28(土) 20:21:11.64 ID:yw1JIrY0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1259407266/

別に新ジャンルじゃない「ひょんなことから女の子」Part3 @ 2009/11/28(土) 20:01:54.12 ID:9vJP2AEo
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