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【らき☆すた】新ジャンル?「ヤンデレこなた」Part11【(=ω=.)】
1 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2008/09/23(火) 20:05:32.91 ID:1xAZaPg0
新ジャンル「ヤンデレこなた」過去スレ
PART1
http://yutori.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1196017805/
PART2
http://yutori.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1196196082/
PART3
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1196402758/
PART4
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1196781557/
PART5
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1197378512/
PART6
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1198770288/
PART7
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1201107073/
PART8
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1204027544/
PART9
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1211801086/
PART10
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1214751526/
まとめwiki
http://www33.atwiki.jp/kyoronosuke/
投下に制限はありません。こなた以外のキャラも全然おk。
次スレは
>>980
の人が立ててください。
荒らしは放置。反応しないように。
2 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2008/09/23(火) 20:59:25.95 ID:Tw3S2nAo
>>1
乙
_,-,ニ二ニ=、
//
/:/
ヾ`、
>+:‐: ´: ̄:  ̄: :`:' ̄:l.、___,/
/: : : : /: : : : : : : : :/ : : l: : : :く‐´´
/: : : /: : : : : : : :/: :/: : : : l: : : : 、:\
l: : : /: : : : : : : : :/: /l: : : : ∧ l: : : :ヽ: :ヽ
/: :/: :/: : : _,:_∠L、:::/: : : /::::l l: : : : :ヽ: : ヽ
l: /://: : : : :/::/':::::/: : : /::::-H、: : : : : lト、: ヽ
l://://: : : イミ土=、_/: : :/:::::::::l∧: : :l: : :l `ヾ、
l/: :l l: : : イ:llo:::::::/:::/://:::テテヵl: : :ハ: : l ……ここは
l: : :l: l: :/.:l.:l し: 」:::::l/:'::::::P::::/'/l: : :l:N: :l
. l: : : W/: : N 、 `‐':::l::l: : lN V 11番目ザマスよ……
. l: : : : :ハ: : : ト、 ー= ノlハ: :ハl
l: : : : : :、: : : 「フ`‐- ,、-┬:T´: :l l/
. l: : : : :,レ、: : :ヾ、 /、`Y/:l:l: : l
/: : :rニミミヽ: : ヾ、-─┤ `┤: : l
/: : / ̄\ヾヽ: : :ヾ、 l ll: : l
/: : / ヽヾヽ: : lヽ l /l: : l
/: : / l \ヾ、: l ヽ l //l: :/
/: : :l l ハ ヾ、l、、l l////l
3 :
病み猫
2008/09/24(水) 17:03:44.83 ID:8CtRURk0
>>1
乙です
では続きを投下します
4 :
病み猫
[saga]:2008/09/24(水) 17:11:50.82 ID:8CtRURk0
ピンポーン
こなた「こんにちはー」
男母「はいはい、あらこなたちゃん。男は今ちょっと図書館に行ってるわよ。」
こなた「あ、そうですか…うーむ」
男母「…せっかく来てくれたんだし、うちで待ってる?アイスあるわよ?」
こなた「やった!」
図書館。
男の座っている席には『薬理学』や『抗生物質』といった文字が書かれた本が積まれていた。
男『やっと分かってきたよ…』
男『前の世界で父さんが殺された理由が…』
男『あとはこなたが引っ越すのを阻止するだけ…』
男『大丈夫、まだ時間はある。まだ一年以上…』
男はマクスウェルの告げた『ある一地点』を回避するため、図書館で情報収集していた。
こっそりと父と母のアルバムを見てこなたの両親との関係を知った。
また、こなたの母の死が不審であることを綴った父のノートを見つけ戦うべき相手を理解した。
男は一度はあの惨劇は夢なんじゃないかと思った。
しかし男の脳裏に焼きついた、あの雨の日の屋上の光景は、それが夢じゃないことを男に教えた。
男はこの夏休みを、自身の知識を伸ばす事に費やすことにした。
『見た目は子供!頭脳は大人!!』をそのままで体現している状態となった男だが、まだ知識が足りないと感じた。
敵はおそらくみゆきさん…と言うより高良総合病院。
みゆきさんは俺やこなたを庇って死んでしまった。
たぶんみゆきさんは知っていた。
知っていて、それでも尚俺たちの味方になってくれたんだ。
多少は罪の意識があったのかもしれないが…。
こうやって戻ってくるまで、みゆきさんの実家が近くにあったなんて気づかなかった。
もしかしたら、俺やこなたは幼い頃みゆきさんに会っていたのかもしれない。
5 :
病み猫
[saga]:2008/09/24(水) 17:12:28.98 ID:8CtRURk0
『そろそろ帰るか…』
男がそう思って本を閉じると、目の前に顔を真っ赤にした女の子が立っていた。
女の子「あっ…あの……難しい本…読んでるんですね……。」
男「………」
女の子「あの…男さんですよね…?私…隣のクラスの…高良…みゆきです。」
俺の目の前に現れた女の子…
ピンクの髪…
眼鏡をかけていなかったし、口調も若干幼くて違和感を感じた。
でも、その女の子は間違いなく高良みゆきだった。
俺はとっさに本を隠した。
みゆき「あのっ…いっつもすごく難しい本読んでますね…その…私も本を読むのは好きなんです………尊敬しちゃいます///」
『…そうだよな。この頃のみゆきさんが…こなたの親の事なんて知ってるはずないよな…』
少し顔を赤くして喋るみゆきさんからは、俺が前に体験してきた凄惨な結末を感じさせるものはなかった。
男「あ…うん。俺の父さんがしてる仕事の本読んでたんだ。実は俺もよく分からないんだけどね。」
みゆき「そ…そうなんですか…」
男「……」
みゆき「あのっ…!」
男「え?」
みゆき「私と……お友達になってください…!」
再び、少しずつ、歯車が狂いだす…。
6 :
病み猫
[saga]:2008/09/24(水) 17:13:01.64 ID:8CtRURk0
みゆき「実は私もこの図書館でよく本を読むんです。」
男「そうなんだ。」
みゆき「だからずっと気になってたんです…その…隣のクラスの男さんがいつも同じ図書館で本を読んでることが。」
みゆき「…やっと、声をかけられました///」
男「あ…うん…。みゆきさんは…『高良』って言うんだよね?もしかして高良総合病院と関係あるの?」
みゆき「えっ?!…はい…実家です。…その…よく分かりましたね。」
男「うん、結構珍しい名字だからもしかしてって思ったんだ。」
みゆき「男さんは…洞察力もすごいんですね…///」
実際は精神年齢に大きな差がある。
俺はこの時期のみゆきさんと仲良くなっておけば、いざという時味方になってくれるんじゃないかと考えた。
向こう側のように悲劇的でなく、みんなが、少なくともこなたとみゆきさんが納得できるゴールが見えるんじゃないかと思った。
男「みゆきさん。」
みゆき「は…はい!」
男「二学期からよろしくね。」
みゆき「…はい!」
俺は気づくべきだったのかも知れない。
少し顔を赤くして、今まで見たことないくらい嬉しそうに微笑むみゆきさんの、本当の気持ちに。
7 :
病み猫
[saga]:2008/09/24(水) 17:13:44.99 ID:8CtRURk0
男「ただいまー」
こなた「お帰りなさいませご主人様。」
男「…」
こなた「…」
男「母さーん」
こなた「ちょwww無視wwww」
男「なんでいるんだ…?」
男母「男が帰ってくるの待ってたんじゃない。ねえ?」
こなた「ニヤマリ」
男「…そうか。」
こなた「え?」
男「宿題だろ?」
こなた「……えっとぉ…何のことやら…?」
男「…(さすがに小4じゃ切り返しが洗練されてないな)」
こなた「お…おとこぉ…」
男「ま、とにかくお互いの進行状況を見て決めようじゃないか。」
俺はちょっと悪い顔で笑うとこなたと共に自室に戻った。
…それにしてもなんか調子が狂う。
俺の記憶の中のこなたは、俺を守ってくれる強い存在だった。
だけど今の俺とこなたの関係はそれとは違う気がする。
…まあ全面的にこなたに勝ってるってのも気分悪くはないけど、高校生の知識の俺が相手でしかも前の記憶がある俺じゃフェアじゃない。
…そしてそれ以上に未来が変わるのが怖い。もちろん俺は未来を変えるために今ここにいるんだと思う。でも変えるべきなのはあの惨劇で、出来る事ならそれ以外はあのままでいたい。
もうすでに柊姉妹との友情は許されないだろう…もちろんこなたの引っ越しを止められればだが。しかしその事が既に俺を追い詰める。
つかさと…かがみにはもう会えない、会ってはならない。
…でもその未来は俺だけでなくこなたにも強要しているのだ。
…本当に正しかったのか…
8 :
病み猫
[saga]:2008/09/24(水) 17:14:55.29 ID:8CtRURk0
こなた「お…男………怒ってる?」
怪訝な表情を浮かべていた俺の思考をこなたがぶった切った。
男「あ…い…いや、それはお前のノートを見てからだな!」
こなた「う…男ー私を見捨てないでーーー!」
稜桜の制服を着ている時と比べ、髪が短いこなたがちょっとおどけて言う。
いや、たぶん5%くらいは本気なんじゃないか。
『俺はお前を見捨てないよ…だからココに居るんだ』
“小学生らしく”それをこなたに伝えることは、今の俺には難しすぎた。
一通り宿題を一緒にやって(ほぼ俺のレクチャーだったが)、麦茶を飲みながらこなたとしゃべる。
男「なあ…『高良さん』って知ってる?」
こなた「ん…?誰?聞いたことあるような…」
男「隣のクラスの『高良みゆき』って人。」
こなた「…知らない。なんで?」
男「今日さ、図書館で勉強してたら話しかけられたんだ。」
こなた「ふーん…。」
男「『高良総合病院』って知ってる?」
こなた「あーあのでっかい病院だよね。」
男「うん。高良さん、あそこの子なんだって。」
こなた「ふーん。」
男「家近いみたいだし、今度三人で一緒に勉強とかしない?」
こなた「………」
俺は『しまった』と思った。ここは『遊びに行かない?』だろ…小学生的には。
でも、どうやら俺の予想と違うところで、こなたの表情は不機嫌になった。
9 :
病み猫
[saga]:2008/09/24(水) 17:15:29.22 ID:8CtRURk0
こなた「なんかさー…」
男「うん。」
こなた「あんまり知らない人と急に一緒にはなー」
俺は直感で分かった。こなたは嫉妬してるんだ。前に高校生だった時の様な激しいものではないが、幼い恋の障害となると直感的に感じる嫉妬。
こなたの気持ちはちょっと嬉しかったが、あの惨劇はみんなのこういう気持ちから生まれたはず。
…でも、俺は『この世界』でただこなたと一緒にいるだけではダメだ!
こなたの引っ越しを防がなければならない。少なくとも前の世界でみゆきさんとのフラグは立っていなかったはず。みゆきさんは文字通り最後まで俺たちのことを心配してくれた。
…きっとみゆきさんなら、また俺たちの味方になってくれるはず。
少なくとも俺が描くシナリオでは、みゆきさんがこちら側にいてくれた方が『高良』と戦うのに有利だと思う。
そのためにはこなたとみゆきさんが親友でなければならない。
…あちら側と同じように。
俺はちょっとむくれっ面のこなたの頬をつついた後、俺の中で『俺たち三人』が一緒に遊べる算段を立てることにした。
夏休みも終わりに近付いていた。
10 :
病み猫
[saga]:2008/09/24(水) 17:17:24.54 ID:8CtRURk0
今回はここまでです。
11 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2008/09/24(水) 17:22:57.93 ID:Q6ELUnIo
おちゅー
>>1
乙でがんす
12 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2008/09/25(木) 17:48:27.99 ID:Z.B99hM0
乙
13 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2008/09/25(木) 19:14:19.79 ID:yC6ccxU0
乙
ノベルゲーム風が待ち遠しいのは俺だけではないはず
14 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2008/09/27(土) 02:49:50.37 ID:GFTHUMg0
>>13
その言葉が糧になって頑張ってくれるはず。
な?俺。
orz
15 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2008/09/29(月) 17:45:52.78 ID:ggiZzQDO
みさお 「過疎だってヴァ!」
あやの 「そうねー」
みさお 「てか柊もチビッ子も居ねーけど、どうしたんだってヴァ!?」
あやの 「……」
みさお 「んー?どうした、あやの?」
あやの 「うふふふふふふ」ニタリ
みさお 「あ、あやの?」 あやの 「もう背景は懲り懲りなの、みさちゃんは私と背景コンビだとか言いながら私より人気あるし!」スラリ
みさお 「ま、待てってヴァ!いきなり何なんだよあやのぅ!?」
あやの 「みんな死んじゃえば私が主役だもの、後はみさちゃんだけだから…死んで♪」ドスッ
みさお 「ヴアアァァァ!」
あやの 「ふぅ…これで全員コロしたね♪」
ゆい 「コロしたところで悪いけど、君を逮捕しちゃうぞ」
あやの 「まだ居たのネ?コロシテアゲルッ!!」ダッ
ズキューン
ゆい 「銃に対して刃物でくるなんて、おねーさんビックリだ。」
16 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2008/09/29(月) 21:24:37.73 ID:U62.3.Y0
>>15
まさかの展開wwwwwwwwwwwwww
17 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2008/09/30(火) 04:39:48.11 ID:.eVh42.o
もうとにかく殺せばいいと思ってるだろww
18 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2008/09/30(火) 17:21:24.27 ID:gkr6cIDO
>>16
>>17
正直すまんかった
本当はこの後あやのがみさおを拉致監禁してみさおの精神崩壊させてから
ゆい姉さんで行こうと思ったが長いから止めた
19 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2008/09/30(火) 23:06:19.73 ID:ek/5qo60
どうも、ノベルゲームの人です。
久々にNScripterいじってたら頭痛く(ry
誰かわんこタウンにふさわしい背景画像をお持ちで無いでしょうか?
できれば640×480のサイズが良いです。ありましたらよろしくお願いします〜
20 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2008/10/04(土) 23:07:28.09 ID:YKj9BoDO
こなた 「な、何故だ…何故股過疎るのだああ!」
つかさ 「だねー」
かがみ 「そりゃあんた、書き手さんはアンタみたいに暇じゃないし、てか[股]って変換すんな!」
こなた 「ふふん、そこに反応するとはやっぱりかがみんはスケベだねえ〜ww」
つかさ 「どんだけー」
かがみ 「うるっさい!!///」
みwiki 「私抜きで随分楽しそうですねえ…壊しちゃいましょうか?ウフフフッ」
21 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2008/10/05(日) 21:48:17.69 ID:pSQHPxM0
>>20
ーデレが無いぞー
というか雑談でもしないとROMもいなくなるな
22 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2008/10/05(日) 21:53:24.81 ID:EeZB4MDO
>>21
ああ、スマンスマン
このスレこんなに寂しかったか?
23 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2008/10/05(日) 22:19:07.50 ID:sOOLyNQ0
もうちょっと盛り上がっていきたいのは俺だけじゃないはず
24 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2008/10/05(日) 22:19:32.27 ID:sOOLyNQ0
また下げ忘れた・・・('A`)ごめんなさい
25 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2008/10/05(日) 22:34:44.53 ID:r.qigkAO
寂しいな
26 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2008/10/05(日) 23:08:47.93 ID:r.qigkAO
まとめさん仕事早!
27 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2008/10/05(日) 23:19:16.65 ID:EeZB4MDO
は
28 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2008/10/06(月) 10:06:59.27 ID:/NUbH6DO
ん
29 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2008/10/06(月) 16:23:49.58 ID:cDe0m.AO
し
30 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2008/10/06(月) 20:18:48.59 ID:ZxmXfPs0
ゃ
31 :
病み猫
2008/10/08(水) 18:28:01.85 ID:UWEhG9w0
すみませんです…
私の方も怒涛の実習ラッシュが終わったら再開します
32 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2008/10/10(金) 01:19:02.39 ID:PcjVd/so
保守
33 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2008/10/10(金) 19:09:55.22 ID:lT8NU2AO
野手
34 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2008/10/10(金) 20:18:11.28 ID:1X6HSwDO
投手
35 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2008/10/11(土) 02:09:55.62 ID:GE5BEu2o
外野手
36 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2008/10/11(土) 07:11:21.11 ID:S7ZUFEAO
遊撃手
37 :
病み猫
2008/10/12(日) 02:08:11.55 ID:aTBoqBQ0
空気読めてないでしょうか…?
それでは続きです。
38 :
病み猫
2008/10/12(日) 02:09:09.45 ID:aTBoqBQ0
男母「あら男、おはよう。」
男「おはよ、かあさん。」
男母「相変わらず早いのね。規則正しい生活できててえらいぞ。」
男「いや、せっかくの夏休みなのに遅くまで寝てたらもったいないじゃん。」
男母「フフ…そうね。朝ごはん出来てるわよ。」
男「あ、ありがと。」
…そう。勿体無い。
時間は無限ではないのだ。
あと二年弱で決着がつく。
その先も、こなたと一緒に過ごせるかどうかが。
朝食を食べて少し時間が経つと、俺はいつものように家を出る。
男「じゃあ遊び行ってくるね。」
男母「ちゃんと水筒持った?今日も暑くなるから気をつけてね。」
男「うん、行ってきます。」
見送る母さんの姿が小さくなると、自転車を一気に加速して図書館までの道を急ぐ。
俺は夏休みの殆ど全ての日を図書館で過ごしてきた。
さすが日本の首都の図書館。
俺が見たいと思っていた本は、嫌になるくらい所蔵されている。
高校生の頭を持っている俺にとって、『薬学』のコーナーに並ぶ本たちを読むのに苦労は無かったが、それは『漢字が読める』と言う意味を逸脱しておらず、初めは薬学辞典や百科事典と共にそれらを読んでいた。
しかし夏休みが半分を過ぎていた頃、それらの本を読むのに辞書は要らなくなっていた。
さながら大学受験を控えた高校生のように、ひたすら知識を得、それを反芻した。
そうやって培われた知識は又、膨大な本の中から読むに値する本を選ぶ能力をつけ、更なる時間の短縮を助けた。
併せて、古典文学、歴史、時事に至るまで―もちろん受験生や大学生が学ぶであろうそれと比べれば量は少なかったが―『一般教養』と言われるものを身につけた。
もしかしたら何かの折に役立つかもしれないからだ。
何せ相手はあの『高翌良総合病院』。
知識はあった方がいい。
39 :
病み猫
2008/10/12(日) 02:10:03.14 ID:aTBoqBQ0
夏休みが終わるまであと10日程。
正直、得るべき知識は飽和状態に近付いていた。
だから夏休みが終わる直前に、父さんに日記を見たことや、それによって今まで『高翌良』と闘ってきた事を知ったという事を打ち明けようと思っていた。
俺がうまく立ち回れば、父さんたちは『高翌良』に対して危険なアクションは起こさないかもしれないし、さらにうまくいけば、こなたの父親にも自然な形でコンタクトをとれるかもしれない。
そうすれば、こなたの引っ越しを止められる可能性は一気に上がる。
―おそらく、こなたの父親は何らかの『高翌良』の弱点を掴んだ。そして『高翌良』に挑んだ。結果は芳しくなく、そのため泉家は逃げることを余儀なくされた。
…それが俺の予想であり、おそらくそれは当たっているだろう。
『高翌良』に挑むのは、その時ではない。
もっと情報を得て、逃げ場をなくす。
少なくとも今彼等がやった作戦は失敗に終わった。なぜなら泉家は『未来』に引っ越したのだから。
俺が『未来』を知っている分、そこにアドバンテージがある。
…そして、無理なら諦めてもらう。
それは親たちにとってつらい決断だろうが、そうする事で誰も死なないならその方がいいに決まってる。
凡そ小学生らしくない事を考えながら自転車を図書館の駐輪場に滑り込ませた。
知識の吸収が飽和状態であっても、今の俺にはここに来る理由があった。
俺は本棚からティーン向けの文庫本をとった。
理由は二つ。
今日は読書感想文を書くこと。
…そしてもうひとつの理由が、読書コーナーで同じく文庫本を読んでいた。
40 :
病み猫
2008/10/12(日) 02:10:59.77 ID:aTBoqBQ0
男「みゆきさん。」
みゆき「ひゃっ!」
みゆきさんは、図書館の中と言う事でか、抑えた声で驚いた。
みゆき「お…おとこ…くん…。」
みゆきさんの呼び方に若干違和感を覚えたが、みゆきさんの表情を見るとそれは、早く仲良くなろうとする努力の表れだという事を理解した。
俺にとってもそれは嬉しい。
早く向こう側みたいに仲良くならなければならない。
男「早いね、いつもこんなに早くからいるの?」
みゆき「う…うん。私、本好きなんです…。おとこ君もいつも早くからいますよね。」
男「うん。知ってたんだ。」
みゆき「あ…!あの…!その…!そうじゃなくて…ぐ…偶然見てたんです!……あっあのっ!おとこくんは今日はどんな本読んでるんですかっ?!」
男「あ…うん。読書感想文のために、コレ。」
そう言って手にある文庫本を見せる。
慌てるみゆきさんの行動に多少の違和感を覚えたが、今日もみゆきさんが図書館にいた幸運をチャンスに変えるため、ごく普通に振舞った。
ごく普通の会話の後、俺はみゆきさんの隣で文庫本を読み始めた。
みゆきさんは時々チラチラとこちらを見る。
いつもと毛色の違う本を読んでいることが珍しいんだろうか。
もし聞かれたら、ごく自然に返す返事を考えていたが、その類の質問は出なかった。
41 :
病み猫
2008/10/12(日) 02:11:43.57 ID:aTBoqBQ0
読み終わり、原稿用紙に感想を書く。
あくまで『小学生』らしく。
こういう作業は、俺にバーローの気持ちを理解させた。
原稿用紙を三枚ほど埋めると俺は伸びをしてみゆきさんの方を見た。
みゆきさんもちょうどこちらを見て、目が合った。
男「みゆきさん。」
みゆき「はいっ!」
男「あ…ごめん、驚かせた?」
みゆき「大丈夫です!気にしないでください!」
男「あのさ、いつもずっと図書館いるの?」
みゆき「えっ?!…あの…そういう日もあります…その…夢中になると時間がどんどん過ぎて行ってしまうので…。」
男「うん、そうだよね。」
みゆき「はい…。」
男「昼ごはんは家に帰って食べるんでしょ?」
みゆき「はい、いつもは昼ごはん食べてから来るんですけど、今日は午前中から来てしまいました。…その……なんとなく、おとこ君に会えるような気がして…。」
そう言ってみゆきさんは少し顔を赤くした。
…どうやら俺はみゆきさんに、第一印象で嫌われてはいないようだ。
これからの事を考えるとそれはとてもいい事に思えた。
男「あのさ。」
みゆき「は…はい。」
男「良かったら今度一緒に夏休みの宿題見せっこしない?…いつもは幼馴染の友達とやってるんだけど、三人いた方がいい気がするし。」
みゆき「いいんですか?」
男「みゆきさん頭良さそうだし、一緒にやってくれたら助かるなーって…。ダメ?」
みゆき「は…はい!是非一緒にやりましょう。」
42 :
病み猫
2008/10/12(日) 02:12:53.09 ID:aTBoqBQ0
明日図書館で一緒にやる約束をした後、俺とみゆきさんはそれぞれの家に昼食を食べに戻った。
昨日の昼と同じそうめんを食べると、俺はこなたの家に電話した。
トゥルルルル…
トゥルルルル…
トゥルルルル…
ガチャ
こなた「もしもしー、泉ですー。」
男「あ、こなた?」
こなた「おとこー?うん、そうだよ?どしたの?」
男「あのさー午後一緒に遊ばない?」
こなた「おけー。どこで?」
男「こなたはどこがいい?」
こなた「うーん、うちでゲームしない?」
男「いいよ。じゃあ何時に行けばいい?」
こなた「何時でもー。」
男「じゃあ30分位したら行くね。」
こなた「おけー!待ってるー。」
少し経って、俺は家を出た。
ピンポーン
こなた「はーい」
こなたが顔を出した。
男「よっ。」
こなた「男、ヤフー。」
男「あれ、おじさんは?」
こなた「うーん、朝原稿を出しに行ったまま帰ってこない。たぶん電車で寝て乗り過ごしてるね。」
男「そ…そうか。」
二人で格ゲーを始めた。
43 :
病み猫
2008/10/12(日) 02:13:43.41 ID:aTBoqBQ0
今日はここまでです。
おやすみなさい。
44 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2008/10/12(日) 08:28:52.62 ID:GBlrqhU0
スレの救世主と呼ばざるを得ない。乙。
45 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2008/10/12(日) 15:42:16.88 ID:iuSw.AAO
よく書いてくれた
乙
46 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2008/10/12(日) 23:00:09.15 ID:RCZS4jIo
乙
47 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2008/10/18(土) 13:18:54.46 ID:kZWJa3Y0
酸素補給
48 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2008/10/18(土) 22:14:25.14 ID:iQXdLAAO
OPスタート
49 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2008/10/19(日) 03:10:19.48 ID:j31BYIc0
あーいまーい
50 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2008/10/19(日) 08:36:41.57 ID:B0oq0wAO
3cm
51 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2008/10/19(日) 10:04:37.84 ID:w1q7toSO
そりゃぷにってコトかい?
52 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[ちょっ!]:2008/10/19(日) 22:32:18.55 ID:evyw3sDO
こなた 「毎度同じみぃ〜過疎上げ」
かがみ 「お馴染み、ね」
こなた 「降臨の儀式である、OPすら止まる始末」
かがみ 「ハイハイ、それよりこれが要るんでしょ」つ[宿題ノート]
こなた 「おおう流石かがみん!」(((=ω=.))))テンション上がってきた!
かがみ 「でも貸さない」
こなた 「あれ?な、何で!?」
かがみ 「昨日話してた男子だれ?男子とは話したら悪い虫が付くから駄目って言ってるのに…」
こなた 「いやー、あの、ごめんそれh」
かがみ 「いーや!今日も話してたわよね?これは渡す前にお仕置きが必要ねえ?」ジャラララ
こなた 「UGYAAAAAAAA!!鎖らめえぇぇぇぇ!」
つかさ 「メタミド保守ぅ」
53 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2008/10/21(火) 08:10:28.72 ID:NcrEV2AO
テスト
54 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2008/10/21(火) 18:38:37.62 ID:v26vUUAO
カラオケにて
みゆき「えっと、それでは…コホン。私の歌を聞けぇ!!!」
爆発的なイントロ。
こなた・男「ヤックデカルチャー!!!」
みゆきの歌う姿が、○○○○とオーバーラップする。
男(や、やはり見込んでいた通りだ!声といい、髪といい、乳…)
かがみは隣に座る男のニヤけ顔に気付き、
かがみ「おーとーこー?ど〜こ見てるのかなァ?」
男「いえいえ、やましいことなど何も…や、やめっ、つねらないで!痛ぁッ」
男の頬を抓るかがみ。
かがみ「ね、男、ゴメンナサイは?」
手を緩める。
男「いやいや、だからね、見てな」
かがみ「…」
“爪を立て”抓る。
男「ぎょあああ、ご、ごねんにゃさいぃ」
かがみ「たく…」
かがみが溜め息とともに手を離すと、男は念入りに頬をさする。
今の行為の意味を気にも止めない男の視線は、人が変わったかのように跳ね動きまわり熱唱するみゆき(の乳)に戻る。
ニヤけだす男。フヒヒ…
男を見ていたかがみは顔を俯かせ、男の袖を引っ張る。
かがみ「ねぇ」
男「な、なんだよ」警戒し、頬に手をかざす男。
かがみ「あのさ…そ、そんなに、お、おっぱ、おっぱい見たいなら、わ、私の、見ればいいのに」
男「え゛」
55 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2008/10/21(火) 19:22:54.26 ID:v26vUUAO
かがみ「ほら」
かがみはフリルで縁取られた黒いキャミソールをゆっくり捲り上げていく。
キャミソールの下から、火照った白い肌と小さなおへそが…
男「うわぁぁぁ」
全力でかがみの手を引き戻す男。
男はかがみにだけ聞こえるように囁きかける。
男「ちょ、おま、こんなとこで…みんないるのに」
かがみ「だって」
言葉を切る。
かがみは俯いたままで男に顔を見せない。
かがみ「だって…さ、男がみゆきばかり見て嫌だったんだもん。だから振り向かせたくて…男に見てもらえるなら私、誰にどう思われたって平気だから」
その言葉を聞いて男はかがみを抱き寄せる。
かがみ「え!?」
男「ごめんな、かがみ、心配させて」
かがみは俯いていた顔を上げ、男と見つめ合う。
かがみ「おとこ…」男「かがみ…」
こなた(あー早く終わらないかなぁ…バレバレなんだよ、かがみん…)
みゆき(い、いつまで歌い続ければ…え?そ、そんなことするんですか、かがみさん!?)
つかさ(ZZZ…)
アンアンアアン
アンアンアン
なーいてばかりいるかg(ry
56 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2008/10/21(火) 20:11:58.42 ID:v26vUUAO
4時間後
みゆき「………」
虚ろな表情で歌い続けるみゆき。もう声などでていない。
こなた(もう安らかに眠って…あと3時間ワタシ頑張るよ、みゆきさん… 〒ω〒 )
よくやった!(〒ω〒)bとこなた。
そのサインを見たみゆきは最後に優しい笑みを浮かべ、誰もいない椅子に倒れ込んでいく。
こなた(悲しいけどこれ戦争なのよね〒ω〒)
哀戦士が流れ始める…
5分後みゆきキレる。
『終わらない ぢごくの フリータイム』
糸冬
57 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2008/10/21(火) 22:32:29.62 ID:v26vUUAO
おまけ
この日、この小さな店で一人の少女が息を引き取りました。
柊つかささんです。
何故彼女は死んだのでしょうか?
自然死?
二股の事実を消すため?
嫉妬に巻き込まれて?
親友を幸せにするため?
本当の事は…いつか分かることになるのでしょう。そして、その事実を知ってしまった時、私達はどうなってしまうのでしょうか…
このお話はこれで終わりです。
けれど、ひとつだけ、本当にひとつだけ覚えていて欲しいことがあります。
つかささんは、息を引き取った後も優しい顔をしていました。苦しみもなく、誰も恨むでもなく、まるで全てを許すような表情…
いつか、あなたにも死が訪れます。それがどういう形になるかは分かりません。けれど、そんなとき、
あなたは彼女のような顔で[
ピーーー
]ますか?
fin.
58 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2008/10/22(水) 01:12:01.76 ID:aZdd7LIo
バーーーローー「バーロー」
59 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[saga]:2008/10/22(水) 01:12:30.98 ID:aZdd7LIo
新一「バーロー」
60 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[saga]:2008/10/22(水) 01:13:08.42 ID:aZdd7LIo
誤爆
61 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2008/10/22(水) 13:21:08.20 ID:9cv5VMAO
>>60
バーロー
62 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[saga sage]:2008/10/22(水) 23:38:45.93 ID:oRHIM1k0
バーロー物理化学
63 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2008/10/24(金) 19:34:32.39 ID:yXXdnUDO
何だこれ
しばらく来ない間にwikiめちゃくちゃ見辛くなってね?
八月蝉とか
64 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2008/10/24(金) 20:56:05.52 ID:UF7Pk8U0
>>63
いきなり来て文句言うな。ゴチャゴチャ言うなら自分でなんとかしろ。
65 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2008/10/25(土) 00:51:44.87 ID:FeX7oYDO
>>64
管理人ですね、わかります
どうしてあんな見辛くなってるんですか?それくらい教えて下さいよww
66 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2008/10/25(土) 01:23:32.17 ID:MtC3PGwo
ヒント:wikiは誰でも編集できる
67 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2008/10/26(日) 06:56:54.68 ID:ra/XrH20
カリカリカリ・・・
「ふぅ・・・」
私はため息を一つ付くと走らせていたペンを止めた
そしいすの背もたれにもたれながら空を見上げるともう一度今度はさっきよりも深くため息を落とした。
ため息を一つつくと幸せが逃げるというがそうするとここ最近で私は将来にわたって幸せを逃がしてしまったかもしれません。
けれど言い訳を一つするのならそれは決してマイナスな感情からのものではなく、なんといいましょうか・・・幸せがあふれてしまったようなそんなため息なんです。
いったい誰に言い訳してるんだろう、ふと自分で自分に突っ込んでみる、答えは決まってる。
最近私の頭から離れない『彼に』対してだ
「早く明日にならないかなー」
私は両手を上にあげばたばたと動かす
バタバタ
背もたれにもどんどん後ろに付加をかけのけぞってみる
バタバタ
ギシギシ
バタバタ
ギシギシ
・・・
ガシャーーーン
「み、みゆき!?大丈夫!?」
下からお母さんの声が聞こえる
「は、はい大丈夫です・・・」
私はお母さんに向かって力なく返事をした
強打した腰をさすりながら・・
68 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2008/10/26(日) 07:11:23.70 ID:ra/XrH20
次の日私は教室の席に着くと自然と彼を探したていた
彼の姿はは教室にはなかった、今日も遅刻でしょうか・・
キーンコーンカーンコーン
それからチャイムがなるまで結局彼は教室に姿を表さなかった
ホームルームで先生に注意をうける彼なんとなく見慣れた始めた光景
「迷惑じゃなければ毎朝お迎えにいってよろしいですか?」
・・・なんて言えたらどんなにいいでしょうか、
私はその言葉を胸にしまうと教壇の前で注意をうける彼を見つめた
ん?一瞬彼と目が合った気がした。
・・・今日はいい日になりそうです
69 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2008/10/26(日) 07:28:14.39 ID:ra/XrH20
放課後なんとなく帰り自宅を終えると私は心の中で彼に挨拶をすると教室を後にした。
「ねぇねぇみゆきさん?」
「はいなんでしょう?」
私に声をかけたのは泉さんで長く青い髪とピンと一本だけ伸びた毛が特徴のクラスメイトの方で私は放課後は彼女とかがみさんつかささんの姉妹四人で家路に着きます。
「みゆきさんさぁ最近私たちに隠し事してない?」
「隠し・・事ですか?」
泉さんの顔をはどこかにやりとしていて、つかささん、かがみさんのお二人も含み笑いを浮かべています
隠し事?何のことでしょうか私はしばらく考えて見ましたがこれといって思い当たる節がみあたらず、なにかあるかと首をかしげて真剣に考えてみました
70 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2008/10/26(日) 07:41:14.19 ID:ra/XrH20
隠し事・・・
他人に知られないようにしている事柄。秘事。
類義語としてひみつ【秘密】がよういられる事もある。
つまり自分が他人に対して言えないような事をさしており
この場合私つまり高翌良みゆきが泉こなた柊かがみつかさ三名に対して何らかの―――
「例えば好きな人ができた、とかさ」
私が考えを馳せていると泉さんが痺れを切らした用に私に問いかけた
好きな人・・・はっとした、そういえば彼に対する気持ちはまだ誰にも打ち明けていなかった
その瞬間私の体が一気に火照りだした
71 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2008/10/26(日) 07:49:20.65 ID:ra/XrH20
「あーゆきちゃん顔真っ赤ぁ」
「やっぱりねぇここ最近のみゆきの抜け具合は尋常じゃなかったもんねぇ」
「ほっほっほまさかみゆきさんが一番最初に抜け駆けするとはねぇ」
つかささんかがみさんこなたさんが思い思いに私に言葉を投げかけ私の体はさらに熱くなった
「抜け駆けなんて、あのその彼とはそんな関係ではなくてですね」
「聞いた?彼だってーひゅうひゅう熱いねー」
「あんたは親父かっ!!」
「えーどんなひとー?」
「あの・・そのですね」
私がもはや何を言おうとどうやら聞き入れてはもらえないようです・・
私は観念すると
「誰にも言わないでくださいね」
と念頭に置き彼について話始めた
72 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2008/10/26(日) 08:09:23.93 ID:ra/XrH20
「「「えーーーー」」」
話を聞きをえると三人は申し合わせたかのように言葉をそろえて驚いた
「なんとなくそんな気はしてたけどまさか本当にあいつとは・・・」
かがみさんが驚きとも懸念とも取れるようななんともいえない表情を浮かべた
「うーんあいつ結構無口だよねーたまーに一緒に遅刻するんだけど私が話しかけても無視してサー取り付く島もないよ」
「こなちゃんは『よく』一緒に登校してるもんねー」
「ごめんつかさ何だって?」
「こなちゃん目が怖いよー」
「あんたら・・・」
「あの・・・そんなに悪い人ではないと思うんです」
私の言葉に三人は考え込むと
73 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2008/10/26(日) 08:09:37.79 ID:ra/XrH20
「よしここは私にまかせたまへー」
と突然泉さんはどんっと胸をたたいた
「あんた大丈夫なの?」
かがみさんが心配そうに泉さんを見つめると
「まぁみゆきさんににはいつも宿題とかでお世話になってるからねー」
「話したことないわけでもないしこの中だと私が一番適任かなっと」
「あの泉さんそんなことまでしていただかなくても・・・」
「わーこなちゃんキューピッドになるかもしれないんだねー」
「やるからにはふざけないでちゃんとやんのよ?」
「あのですから・・」
「任せといてってば三択には自信あんだから!」
「またゲームかっ!!」
「あの・・・」
「そういうことだからみゆきさん任せといてよ!!んじゃまた明日ねー」
「またねーゆきちゃん」
「じゃあね」
「・・・・」
私の言葉はどこえやら・・三人はなにやらとても楽しそうに私とは逆の電車に乗り込みました。
うぅ大丈夫なんでしょうか・・
私は期待とも恐怖が交じり合った不思議な感情を持って帰りの電車に乗り込みました。
74 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2008/10/26(日) 08:18:16.59 ID:ra/XrH20
それからいつもと変わりない毎日が一週間ほど続きました
四人でいても彼の話題はでてこず、なんとなく自分からも聞けずになんともやりきれない気持ちですごしていました。
「ねぇみゆきさん?今日寄り道して帰らない?」
「寄り道ですか?」
「そうそうたまには二人でゲーマーズにでも行こうよ」
「はぁ・・・そうですね」
突然の泉さんからのお誘いに私は少し戸惑いましたが今日は特に予定があるわけでもないのでお誘いに応じることにしました。
「んじゃ放課後屋上で待っててー」
「ええ、では放課後」
そのときの私はなぜ技わざわざ屋上に待ち合わせるのかといことにもっと疑問をもつべきだったと思います・・・。
75 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2008/10/26(日) 08:21:43.48 ID:ra/XrH20
――――ブレイクタイム――――
76 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2008/10/26(日) 09:52:38.94 ID:rwvtr.AO
>>75
懐かしき響きだ
77 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2008/10/26(日) 10:30:00.26 ID:W7nu9aso
wwktk
78 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2008/10/26(日) 10:59:00.92 ID:h1QLDo20
新連載キター!!!!!(゚∀゚)
>>65
前のまとめwikiは心無い人に消されちゃったんだよ。
確かに八月蝉氏のは見にくいが、修復してくれただけ新管理人さんには感謝。
79 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2008/10/26(日) 13:17:05.71 ID:ra/XrH20
放課後
「んじゃ先行ってるねー」
こなたさんはそういうと教室を後にしました
私は荷物をまとめるとそそくさとこなたさんを追い屋上に向かいました
がちゃ
扉を開け周りを見渡す
けれど先に向かったはずのこなたさんの姿はそこにはありませんでした
・・・?
私は不思議に感じながらベンチに腰掛けこなたさんの到着を待つことにしました
・・・
・・・
・・・
・・・遅いですね
ふと腕時計に目をやろうとしたその時
がちゃ・・ぎぃぃ
ゆっくりと扉が開き
そして
「あ・・・」
「・・・・」
そこからあらわれたのはこなたさんではなく
『彼』でした。
80 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2008/10/26(日) 13:29:30.22 ID:ra/XrH20
私はとっさに目を伏せうつむきひざの上に乗せた手でスカートの先をつかむとぎゅっと握りしめ今この現状を必死に理解しようと頭を働かせていました
「あの・・・」
「はっはい!?」
当然の彼からの呼びかけに私の頭は一気に真っ白になりただただ彼を見つめることしかできませんでした・・・
「・・・泉に言われてきたんだけど」
「・・・」
「なんかとにかくここに行けって」
「・・・」
「ここ一週間毎日のように付きまとわれてさ」
「・・・」
「行かないと一生恨むとかいいだしやがってさ」
「・・・」
「なんか知らないか?」
「・・・」
「・・・つか話聞いてる?」
81 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2008/10/26(日) 13:41:11.21 ID:ra/XrH20
「え?あっはい!!えっと・・・あの・・そ、そうですね」
「・・・まぁいいやなんもないみたいだし俺帰るな」
「え?」
私は彼が背を向け来た道を戻り始めるのを見て私はふとわれに帰り
「あ、あの・・」
考えるよりも先に彼を引きとめ
「聞いてほしいことがあるんです」
頭の中とは反対に言葉が溢れ
「泉さんはきっと私のためにおよびたてなさったんだと思います」
そして
「そ、それはですねその私が相談してましてその・・・私――――」
82 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2008/10/26(日) 14:00:19.91 ID:ra/XrH20
「ほらいそげみゆき!!」
「は、はい」
タッタッタッタ
「ふぅ・・ここまでくればなんとかぎりぎり間に合うな」
「そ、そうですね」
「ったくこれくらいで息が上がるなんてまだまだ運動不足だな」
「すいません・・・でもできれば後10分でいいので早く起きていただけると助かるのですが・・・」
「だから先に行けっていつもいってるだろ?」
「そ、それはそうですけど」
「俺一人ならもう少し早く着くし」
「・・・電話で起きてくだされば苦労はないんですが」
「なんか言ったかー?」
「い、いえなんでもありません」
83 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2008/10/26(日) 14:08:38.75 ID:ra/XrH20
「おお、お二人さんって事は事はまさかここぎりぎりアウトライン・・??」
「あら、おはようございます泉さん」
「おい、なんだよいその言い方は?」
「みゆきさんおはよー」
「こらシカトすんなよ」
「おぉおぉ今日もお供は元気だねー」
「だれがお供だ!!だいたい最近は俺遅刻してねーぞ」
「それはみゆきさんのおかげでしょ?」
「う・・・」
「はっはっはっ感謝したまえー」
「なんでお前が偉そうなんだよ!!」
「はっはっは良いではないか、さあ行くぞ姫〜」
「こ、こらおいてくな」
84 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2008/10/26(日) 14:24:59.05 ID:ra/XrH20
「みゆきさーん宿題みせてーー」
「こらチビタ宿題は一人でやるもんだ」
「そーいうお供はやったの?」
「もっちろん」
「本当?」
「え、えぇっとですね」
「こらこらそこでみゆきに聞かない」
「みゆきさん・・本当・・?宿題もできないだめな生徒は私だけなの?」
「えっとこなたさん?」
「そうなんだ・・私はだめな子なんだね・・・」
「そんなことはありませんよ!!その・・・少し彼のをお手伝いしただけですから」
「少し?」
「はい」
「ほんとにほんとに少し?」
「えっと・・あの」
「・・・だまされやすい上に嘘が下手すぎるぞみゆき」
85 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2008/10/26(日) 14:39:48.67 ID:ra/XrH20
「ほらーーみゆきさんに頼ってんじゃん」
「まぁたまにはな」
「みゆきさーんちょっと甘すぎだよー躾はしっかいしないとー」
「俺はペットかっ!」
「いえ、私は彼がわからない所を教えてただけですから」
「そういえって言われたの?このぺットに」
「ペット言っちゃったよ!」
「いえそういうわけでは・・」
「あーこんな事ならみゆきさんにあわせるんじゃなかったなあー、もー少ししっかりしたやつだと思ってたのにぃ」
86 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2008/10/26(日) 15:16:20.10 ID:ra/XrH20
――――ブレイクタイム――――
87 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2008/10/26(日) 16:12:44.47 ID:W7nu9aso
勃起してきた
88 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2008/10/26(日) 18:53:12.83 ID:rwvtr.AO
>>87
なんでだよ
89 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2008/10/28(火) 13:55:07.05 ID:pwpgNtg0
「もう少ししっかりしなよー?」
「はいはいお前もなー」
「むー反省の色なしとは・・・」
「そんな簡単には性格は変わらん」
「あ、あのそろそろ授業始まりますよ?」
「あぁ!!みゆきさん宿題を〜」
「諦めろ間に合わん」
「く、もはやここまでか・・・」
「俺のでよかったらみるか?どうせ席近いし」
「いいの!?」
「まぁみゆきのノートよりは見づらいが問題ないだろ?」
「中身はみゆきさんと一緒だしね」
「やっぱり見せるのやめようかな」
「あぅ冗談だよー」
90 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2008/10/28(火) 14:05:25.13 ID:pwpgNtg0
ごめんID:ra/XrH20なんだけどちょっとたてこんで遅くなりそう
もともとなんとなくやったからノープランすぎたからすこしまとめてから投下するよー
91 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2008/10/28(火) 14:06:22.64 ID:PL1t.0Yo
( 0M0)よし、頑張れ
92 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2008/10/28(火) 15:25:40.02 ID:1x6ey2AO
>>90
頑張って
93 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2008/10/28(火) 23:06:09.46 ID:DZX/.XE0
まってるぜ
94 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2008/10/29(水) 00:09:57.35 ID:fiBMdnwo
おいおい、俺はいつになったら写生できるんだよ…
>>88
こんなに惨劇フラグばビンビンに立ってるんだからちんこも立って当然
95 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2008/11/02(日) 22:01:00.70 ID:oaVWv3Q0
|ω・)ダレモイナイ…ユーチャン ノ ヒトデス。ツヅキガ カケテナクテ ゴメンネ
|ω・;)オヤ、ダレカノケハイガ… (=ω=.)
96 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[saga]:2008/11/03(月) 01:17:54.97 ID:3PDOszco
ヌルポ
97 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2008/11/03(月) 01:19:26.80 ID:l8.RFFA0
ガッ
98 :
病み猫
[saga]:2008/11/03(月) 01:53:26.35 ID:tcCOBos0
三連休…やっと実験が一段落しました…
皆さんが私の事覚えているのか?不安ではありますが投下させていただきます
99 :
病み猫
[saga]:2008/11/03(月) 01:55:32.86 ID:tcCOBos0
プレステのでかいハードに違和感を覚えながら画面のキャラを操作する。
男「くそッ…相変わらず上手過ぎる…」
こなた「…ほんとはナコ●ル使いなんだけど今作では操作キャラじゃないからなー…」
男「あ、こなた。」
こなた「んー?」
男「こないだ言ってた『高良さん』なんだけど…。」
こなた「…ん?」
男「今日午前中図書館で勉強してたんだけどさ、また高良さんに会ったんだ。」
こなた「…ふーん。」
男「それでさ、明日辺り一緒に勉強しようかって事になったんだけどこなたも来ない?」
こなた「うーん…」
男「…高良さんってさ、すごい頭いいみたいだよ。宿題の答え合わせも兼ねてさ。」
こなた「…でもさ、男はいいけど私は初対面だし突然行ったら迷惑じゃないかな?」
俺はこなたの意外な反応に驚いた。こなたは自分が“迷惑”なんじゃないかと言っている。
フツーの小学四年生はそんなこと考えない――俺の常識はそう言っている。
何となくこなたの事を尊敬できた気がした。
こなたは自分勝手な様で、意外にも空気を読んでいる風な事があった。
『母親を早くに亡くした』その事がこなたを早く大人にしたのかも知れない。
男「…そんな事ないよ。ちゃんとこなたの事は高良さんに言った。」
こなた「えっ?!そーなの?」
男「うん…こなたがいた方が楽しいし。」
こなた「……!!!?なっ!!何言ってるんだよー!!」
いかんいかん…つい本音が出てしまった…
こなたはまだ小四だぞ…
男「まっ…まあ、みんなでやった方が楽しいしさ!」
こなた「うー…」
男「じゃあ、明日来てくれるかなー?」
こなた「いいともー」
100 :
病み猫
[saga]:2008/11/03(月) 01:56:17.67 ID:tcCOBos0
翌日。
俺とこなたは自転車で図書館に向かった。
“こなたにしては”早い時間に図書館に着いた。
一時を過ぎて、今日はみゆきさんももう帰ってるかもしれないと思ったが、果たして、みゆきさんはそこに居た。
男「あ…こんにちは。」
みゆき「あ…お、おはようございます!」
男「こ…声大きいよ?」
図書館の読書室にいた人はみんなこっちを見ていた。
みゆき「あっ…!ご……ごめんなさい…。」
男「う…うん大丈夫。」
みゆき「あの…隣の方は…前言っていた幼馴染の方ですか?」
男「…うん。幼馴染の『泉こなた』だよ。」
こなた「ふおッ!」
こなたは突然自分に話が振られたので驚いた様だった。
みゆき「よろしくお願いします、泉さん。」
こなた「あ…よろしく…えと…」
男「あ……『高良みゆき』さんだよ。」
こなた「う、うん。よろしく、みゆきさん。」
みゆき「よろしくお願いしますね。」
みゆきさんは、にっこり笑ってこなたに挨拶した。
俺はその様子を見て少し安心した。
こっちのみゆきさんも、“向こう”と変わらず優しい。
こなたもそうだ。
きっとうまくいく…きっと。
俺の思い描いていたストーリーはゆっくりと進んでいく。
多少のノイズはものともしない。
なぜなら俺の強い意志が“みんなの幸せ”を願ってるはずだから。
出来る事なら誰も不幸にはしたくない。
“向こう側”から戻ってきて、何となく感じる。
誰も悪くはなかったんじゃないか。
みゆきさんの両親だって、怖かっただけなんじゃないか。
…そう思うようになってしまった俺は甘いのかも知れない。
101 :
病み猫
[saga]:2008/11/03(月) 01:57:00.37 ID:tcCOBos0
それから何日か経った。
俺とこなたとみゆきさんの“図書館デート”はあれから続いていて、こなたとみゆきさんの仲もそれなりに仲良くなった。
無論俺とみゆきさんも仲良くなった…と思う。
夏休みもあと一週間で終わりとなった日、俺は“準備”の第一段階が終わった事を感じた。
そして“準備”を第二段階にすべく、俺は次の作戦を開始した。
男「父さん、母さん、話があるんだけど。」
男父「ん?どうした?」
男「ちょっと真面目な話なんだ…。」
男母「…?」
その日の夕食の後、俺は両親に『核心』を突いた。
こなたの母親のこと。
俺が父さんの日記を見て、その事を知ったこと。
“いつか”のために俺が勉強したこと。
俺が『未来から来た』なんて言ったって親たちは信じないだろう。
でも『高良』と戦うためには、俺が舞台に上がらなければならないのだから。
舞台に上がらなかった未来で、俺たちは『悲劇』を迎えた。
俺が話し終わったとこで、父さんは神妙な面持ちになった。
母さんも不安そうな顔つきをしている。
男父「………知ってしまったか……。」
男母「あなた…」
男父「いや…最近男の様子がおかしいと思ってたんだ…妙に落ち着いてるというか…」
男「父さん、母さん、…しようとしてる事は大体想像がつく。何年か掛けて証拠を探す、そしてマスコミなんかに発表する、ちょうどこなたの父親は作家だ。ノンフィクションとして…」
男父「男…分かった。全てを話す…。」
男母「あなた…!」
男父「大丈夫だ。男は…私達が思ってる以上に賢い。」
102 :
病み猫
[saga]:2008/11/03(月) 01:57:50.36 ID:tcCOBos0
父さんは喋った。
俺の知ってる“未来”を。
でもそれじゃだめだ…。
男父「…と言う訳だ。…できればお前や、こなたちゃんは巻き込みたくない。」
男「父さん…父さんがそう思っててもきっと俺やこなたは巻き込まれるよ。」
男父「……そう、思うか?」
男「うん。」
男父「…そうか…そうだよな…。」
男「…なあ…俺に作戦があるんだ。」
男父「…?何だって?」
男「実は最近友達になったんだ。」
男母「誰と?」
男「……高良…みゆきさんと。」
男父・男母「…!!」
俺が話し始めてから一時間ほどが経った。
男「…と言う訳で、俺がみゆきさんを説得する。だから、危険を冒す様な作戦は止めない?」
男父・男母「…」
男「父さん、母さん…」
男父「…正直お前の話がうまくいくなら、マスコミに発表するよりも確実だと思う。…マスコミに言う事はある意味でケンカを売ることだからな…。」
男「…どちらにしろ、まだ十分な証拠とかはないんでしょ?…せめてそれまで俺の作戦に賛同してくれない?」
103 :
病み猫
[saga]:2008/11/03(月) 01:58:36.75 ID:tcCOBos0
長い沈黙の後、父さんと母さんは首を縦に振った。
その後俺は付け加えた。
出来る事なら、誰も傷つく結末は迎えたくないと。
『家族会議』が終わるころ、時計の針は11時を指していた。
男父「…さて、もう遅いから男はもう寝なさい。」
男「うん。…父さん、母さん…俺の言う事賛同してくれてありがと。」
男父「…信じるさ、自分の息子のことだからな。」
そう言う父さんの言葉を聞いて、母さんは少し伏し目がちになった気がした。
そして母さんは何か言いかけたが、おそらくそれを止めて言った。
男母「…お休み、男。」
第二段階に入った。
男はそう思った。
未来を見てきた男にとっては大きなアドバンテージがあり、それを男はうまく使った。
おそらく、時間は可能な限りうまく進んでる。
しかし、新しい選択は、さらに新しい選択肢を産む。
男が寝静まった夜に男の両親が話していた。
男母「…あなた。」
男父「…分かってる。」
男母「でも…まだ危険じゃないかしら…」
男父「俺もそう思ってた…でも男の言う事が本当なら…」
男母「でもあの子は…何も知らない…」
男父「だからこそだ。…いつか男の言うように、俺たちの作戦が失敗して、俺も、お前も、そうじろうさんも、男も、こなたちゃんも死んで…あの子だけ残されたらどうなる?」
男母「…それは……」
男父「あの子にもちゃんと話そう。あの子はもう大人だ。…きっと分かってくれる。」
男母「…わかりました。あなたと…男の考えに、私も賛成します。」
男父「…うん…ありがとう…かなたさんの無念はきっと晴らすよ。」
男母「…うん。」
男父はそう言うと、立ち上がりどこかに電話をかけ始めた。
男父「……もしもし、夜分にすいません、黒井伯父さんのお宅ですか?」
104 :
病み猫
[saga]:2008/11/03(月) 01:59:10.50 ID:tcCOBos0
夏休みが終わる三日前のこと。
俺とこなたとみゆきさんは宿題を終え、3人で市民プールで遊ぶため一旦みゆきさんの家に集合していた。
こなた「あー…」
男「どうした?」
こなた「夏休みも終わりだなーって。」
男「おまえは人一倍遊んだろうが。」
こなた「いやいや、今回は人生で最も勉強した夏休みだよ?!」
男「おま…」
みゆき「うふふ…」
こなた「うおっ?…みゆきさんに笑われた!」
男「当たり前だ!」
みゆき「ふふ…すみません。ただ…二人とも…本当に仲が良いんですね。」
こなた「ふぇ?!」
男「…」
ちょっと赤くなるこなたと、うふふと笑うみゆきさん。
俺は不思議なデジャヴュを感じた。
それを感じる程、俺は頑張らなければならないと思った。
みゆき「あ…そう言えば。」
男「ん?」
みゆき「実は向かいのうちに住んでる子がいるんですが、今日のプール一緒に連れて行ってもいいでしょうか?」
男「うちの学校の子?」
みゆき「はい。学年は二つ下ですが。私にとっては妹みたいな子です。」
男「ふーん…俺は別にいいけど。」
こなた「私も構わないよー。」
みゆき「良かった!じゃあ電話してきますね。」
そう言うとみゆきさんは部屋を出て電話をしに行った。
105 :
病み猫
[saga]:2008/11/03(月) 02:00:01.98 ID:tcCOBos0
30分程して一人の女の子がみゆきさんに隠れるようにして、俺たちの前に現れた。
みゆき「みなみさん、男君と泉さんよ。」
みなみ「……こ…こんにちは。」
プールではみゆきさんが連れてきた『岩崎みなみ』ちゃんへの質問攻めだった。
…主にこなたが。
こなたに何を和聞かれるたびに、みなみちゃんは少し恥ずかしそうに俯きながら小さく頷いたり、相槌を打つように返事をしていた。
たぶん元々自分から話すような子じゃないんだろう。
みゆきさんがみなみちゃんと子供プールで遊び始めると、俺はこなたをちょっと窘めた。
男「おい、こなた…たぶんみなみちゃん怯えてるぞ。」
こなた「いやー小さい子は可愛いねぇ。私にもさー従妹に二つ下の子がいるんだけど、何て言うか妹キャラって言うのかな?守ってあげたくなるんだよねー」
男「たぶんお前が男で後5年時間が過ぎれば、犯罪者予備軍だぞ。」
こなた「奇遇だな、男もそう思うか。」
男「…」
こなた「そんなことより、せっかくだから泳ごうよ。」
こなたはそう言うと、体をくるっと回して潜水し、とんでもないスピードで突き進んでいく。
アウトドア発言には今も少し違和感を覚えるが、相変わらず運動神経は抜群だ。
夕方まで四人で遊び、みんな少し疲れたのか帰り道は皆口数が少なかった。
みゆきさんとみなみちゃんの家の前まで来た。
みゆき「今日は楽しかったです。また…学校が始まっても一緒に遊びましょうね。」
男「うん」
こなた「おけー!」
少し沈黙の後、みなみちゃんが小さい声で言った。
みなみ「お…お姉ちゃん、お兄ちゃん…今日は…ありがとうございゴニョゴニョ…」
後半は声が小さくなってよく聞こえなかったが、最後にみなみちゃんは俺とこなたの手をぎゅーって握って自分の家に走って行った。
みゆきさんはニコニコ笑って、こなたはほわーんとしていた。
…きっとみなみちゃんは、すごくいい子なんだろうな…そう思った。
106 :
病み猫
[saga]:2008/11/03(月) 02:00:49.35 ID:tcCOBos0
俺はこなたとも別れ、自分の家の玄関を開けた。
――もしその日、おみくじを引いていたら間違いなく『新しい出会い』という一節があっただろう。
正直みなみちゃんとの出会いは“向こう側”では無い物であったが、俺の中でそれほど焦るズレでは無かった。
しかし、玄関を開けて俺の目の前に立っていた人の登場は、間違いなく俺の予想の範疇を超えていた。
玄関を開けてそこに立っていたのは、俺が知るよりも若くて、きれいな……黒井先生だった。
ななこ「…男?」
男「……?!!!」
ななこ「あ…あのね…私は怪しい人じゃ無いんや…その…何から説明していいか…」
俺の心臓が速くなるのを無視して、黒井先生は不完全な関西弁でしどろもどろに説明をした。
気がつくと俺は、リビングで黒井先生とお茶を飲みながら話していた。
ななこ「…でね、私はお前が生まれてすぐに黒井伯父さんの家に引き取られたらしいんや。」
男「…じゃあ…その……あなたは…お…お姉ちゃん?」
ななこ「……うん…。」
男「…いつ帰ってきたの?」
ななこ「今日。お前が、外で遊んでるとき。」
男「父さんと母さんは?」
ななこ「たぶん買い物。」
男「…」
俺はこの事実に初めは衝撃を受けたものの、冷静になって考えると違和感が極めて少ない事に気づいた。
“向こう側”での黒井先生の失踪やあの大量のお金、こなた父と話していたのも納得が出来る。
たぶん、“向こう側”では、黒井先生は情報を収集していたんだ。そして何かの核心をついて…消された。
予感を感じた黒井先生は、弟の俺に父から渡されたお金を託した。
…そう考えるとピースは面白いようにはまった。
107 :
病み猫
[saga]:2008/11/03(月) 02:01:26.03 ID:tcCOBos0
ななこ「お…男?」
男「ん?…ああ!ごめん」
ななこ「あんなぁ…信じられないのは分かるけどな…」
男「…信じるよ。」
ななこ「え?」
男「信じる。何となくだけどお姉ちゃんの事覚えてる気がするもん。」
ななこ「…おとこ…」
男「…たぶん父さんたちは姉ちゃんに危険が及ばないように伯父さんに預けたんだよ。」
ななこ「…うん」
男「この前、俺が父さんたちと話したこと、聞いたんでしょ?こなたの家の事。」
ななこ「うん。」
男「たぶん俺の話で父さんたちは、お姉ちゃんを呼び戻したんだよね?…なんだかごめんね。」
ななこ「おっ!…男が謝ることはないんやで…むしろホントの事が分かってよかったなーって思うもの。」
そう言って黒井先生――お姉ちゃんは俺の頭に手をのばして撫でた。
男「…やっぱり黒井先生は…優しかったんだな…」
ななこ「えっ?!」
男「何でもないよ!…お姉ちゃん、お腹すいたね。」
お姉ちゃんは一瞬キョトンとしたが、すぐに笑顔になって「そやなー」とか「父さんと母さんは何してるんやー」とか言いながら悪戯っぽく笑った。
……たぶん、そんなに時間はかからない。
俺と、お姉ちゃんの溝が埋まるまでは。
だって、俺は知ってるから。
『黒井ななこ』は母さんと同じ優しさがあって、“向こう側”でも見えないとこから俺を守ってくれてたんだから。
それからまたしばらくして、親達が帰ってきたとき、何も説明していないはずなのに俺とお姉ちゃんが仲良くしている様子を見て、母さんは目を丸くしていた。
そんな様子を見て、俺はお姉ちゃんと目を合わせ、笑いあう。
……ほら、もう溝なんてない。
俺はこなた達の他にもう一人、守らなければいけない人がいたんだという事を実感した。
108 :
病み猫
[saga]:2008/11/03(月) 02:01:49.76 ID:tcCOBos0
家族そろっての夕食の後、俺が風呂に入ろうとするとお姉ちゃんが後ろから抱きついてきた。
ななこ「一緒にはいろーや」
男「なっ!」
待て待て、よく考えたら俺は小学四年生、黒井先生はお姉ちゃん…
俺は出来るだけお姉ちゃんを見ないように一緒に風呂に入った。
そして夜は当然ぬいぐるみにされて眠る。
電気を消したあと、お姉ちゃんは色々と教えてくれた。
今までの人生の事。
そして俺も答えるように自分の事を話した。
記憶は希薄だったが、必死に幼い頃の事を手繰り寄せた。
たぶん話すうちに、俺とお姉ちゃんの距離は、本当の意味での姉弟になったんだと思う。
お姉ちゃんの匂いを感じながら眠りについた。
ラプラスが笑う。
メンバーが揃ったと。
マクスウェルには見守るしかできない。
ラプラス「あはは☆今回はこの四人。誰を選ぶ?」
ラプラス「もう少し先。みんなのフラグが確定したら、安価出すから☆」
109 :
病み猫
[saga]:2008/11/03(月) 02:03:32.73 ID:tcCOBos0
今回は…ここまでです…ハアハア…眠い…
ID:ra/XrH20さん、ゆーちゃんの人に期待です!
110 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2008/11/03(月) 15:28:47.86 ID:l8.RFFA0
O2なんだぜ!
111 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2008/11/03(月) 15:57:52.57 ID:CRHCNAUo
乙
112 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2008/11/03(月) 18:52:27.70 ID:pYhHGsAO
乙です!
続きwktk
113 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2008/11/03(月) 22:44:26.84 ID:ToqkUcM0
おつ!忘れてなんか無いさ!
114 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2008/11/04(火) 22:37:43.91 ID:6rEAeVs0
乙!
115 :
病み猫
[saga]:2008/11/09(日) 02:58:54.08 ID:7ns2DVU0
では、行きます。
116 :
病み猫
[saga]:2008/11/09(日) 03:00:09.84 ID:7ns2DVU0
桜の花が舞う季節になった。
2004年の春。
“向こう側”ではこなたが引っ越して行った年だ。
俺はこの一年半、充分過ぎる位準備をしてきたと思う。
四年生のクリスマスイブの日、俺は家族と共にこなたの家で過ごした。
その時、“初めて”こなたの父親と(正確には俺の両親とこなたの父親が)話をした。
こなたの父親は―――当然最初は渋っていたが―――俺とこなたの友達のみゆきさんが、『高良』の娘で、俺が父親たちの思惑を知っていて協力するという事を聞くと、首を縦に振った。
こなたは奥の部屋でずっとゲームをしていた。
こなたの父親が首を縦に振るのを確認したのち、俺とお姉ちゃんはこなたと一緒にゲームを始めた。
…相変わらずこなたは格ゲー強いな…
この場にいて、何も知らないのはこなただけ。
なんだか後ろめたかった。
でも、こなたにはまだ知らせない方がいい―――お姉ちゃんの提案だった。
俺もそう思った。
五年生のクリスマスイブの日、俺とこなたはみゆきさんの家に招かれて一緒にクリスマスパーティーをした。
家にはみなみちゃんもいた。
みなみちゃんは相変わらず無口だけど、あれから何度も遊び(もちろんみゆきさんも交えて)、最初よりは随分と懐いてくれた。
みゆきさんのお母さんにも会った。
優しい人だった。
家に帰るとお姉ちゃんがむくれてた。
「なんで私だけ仲間はずれなのよー!」
仕方ないじゃん、お姉ちゃんとみゆきさんはあんまり面識ないんだから。
それに授業あったんでしょ?大学生。
『黒井先生』はもうすっかり『お姉ちゃん』だ。
お姉ちゃんは、俺と話す時だけは素になって標準語だ。
外でも普通にしゃべればいいじゃん?
「ウチは今までずっと『黒井』だったんや。外ではこれがウチなんやで。」
二人で並んで外を歩いたとき、お姉ちゃんはそう言っていた。
117 :
病み猫
[saga]:2008/11/09(日) 03:01:16.50 ID:7ns2DVU0
たぶん、すべては順調だった。
ひとまずはこなたの父親も、俺の親たちも派手な動きはしていない。
こなたの引っ越しは回避できているはずだ…
明後日は六年生としての初めての登校と言う日、父さんが俺に話しかけてきた。
男父「なあ、男。」
男「ん、何父さん。」
男父「…二年前だったか、お前があの子と友達だって言ってきたのは。」
『あの子』とは当然みゆきさんの事だ。
男「そうだね。」
男父「正直あのときは驚いたな。」
男「…俺だって驚いたよ。父さんの日記見た時は。」
男父「…そうか。………お前には感謝しなきゃな。お前のおかげで、より安全な道を歩ける…そして家族みんな一緒で暮らせる…。」
父さんの口調は、凡そ小学生に語る口調じゃない。
俺の言動はたぶん、大人び過ぎているのだろう。
父さんは大学出た後も、普通の会社ではなくずっと研究員として生活している。
そういった人生が父さんを一般的な社会常識から引き離しているんだろう。
でもだからこそ、俺は父さんには、自分が高校生あるいはそれ以上の感覚で接せる。
男「何言ってるの、父さん。まだいろいろ解決した訳じゃないんでしょ?」
男父「まあな…実はここだけの話だが、父さんは……このまま平和にみんなが暮らせるんなら復讐なんてしなくていいんじゃないかって思うんだ。…そうじろうさんには悪いが。」
男「…」
父さんはこなたの母親―――かなたさんとは高校からの友達らしい。
他の三人(母さん、こなたの両親)はもっと昔からの幼馴染だという。
父さんが、『復讐』を止めたいと言ったのはちょっと意外だったが、それを考えると、三人(こなたの父親と俺の両親)の中ではそう言う可能性が一番あり得る人だ。
男父「お前も、高良さんのとこの子と仲良くなったみたいだしな…」
男「…父さん、本当は俺もそう思うよ。…いつかみんながそう思えたらいいね。」
118 :
病み猫
[saga]:2008/11/09(日) 03:01:49.76 ID:7ns2DVU0
次の日、うちにこなたとみゆきさん、そしてみなみちゃんが来て四人で遊んだ。
こなたがいると相変わらずゲーム。
かわりばんこで対戦をする。
こなた「はっはっはー!無駄無駄無駄ァァァーー!!」
男「お前なんで俺ん家のゲーム俺よりうまいんだ!!」
こなた「それは男に愛が足りないからだよ。」
みゆき「あ…愛…ですか…?!」
男「みゆきさん…こいつの言う事は気にしないでいいよ…」
こなた「そして時は動き出す…」
男「お前だけ設定下げるから。」
こなた「望むところだよ…!」
男「じゃあ次みなみちゃんやってみる?」
みなみ「あ……うん…やってみる。」
男「はい。」
コントローラーを渡す俺。受け取るみなみちゃん。
…固まるみなみちゃん。
男「えと…操作説明する?」
みなみ「………うん。」
男「えっとね…」
…
119 :
病み猫
[saga]:2008/11/09(日) 03:02:30.96 ID:7ns2DVU0
みなみちゃんはペット●ョップを選択する。
それを見て俺はみなみちゃんの耳元に小さな声でアドバイスをする。
男「………。」
みなみ「………うん。」
こなた「ふふふ…ちょっと設定いじった位じゃあ私には勝てないよー!!」
FIGHT!!
始まった瞬間画面の左上に寄るペット●ョップ。
こなたの表情から笑顔が消えた。
こなた「ま…まさか…。」
こなたの攻撃はすべて当たらない。
こなた「しまった!!」
こなたがそう気づいた時はもう遅い!みなみちゃんは遠隔操作の氷トラップで地道にこなたの体力を削っていく!!
そしてこなたは一撃も与えられないまま時間切れとなった。
みなみ「……勝った。」
こなた「おーとーこー」
男「ふっふっふ…自慢のナイフも当たらないだろう!」
こなた「うー!今後はそのハメ禁止だー!!」
男「攻略法はあるんだけどなー」
こなた「くっ!……男、このゲーム貸して。」
男「えー」
こなた「かーせー!!!」
120 :
病み猫
[saga]:2008/11/09(日) 03:04:38.31 ID:7ns2DVU0
夕方になってみんなは家に帰る時間になった。
こなた「じゃ明日は起こしてねー!」
男「自分で起きろ!」
みゆき「ふふふ…じゃあ私が起こしてあげましょうか?」
こなた「うっ…それは悪いので結構デス。」
こなたは俺のゲームを小脇に抱えながら言った。
みなみ「あの……」
みなみちゃんが俺の服の裾を少し引っ張った。
男「ん?どうしたの?」
みなみ「……て………と」
男「え?」
俺はみなみちゃんに耳を近付けた。
みなみ「勝たせてくれて…ありがと…。」
男「うん。」
俺がみなみちゃんの頭を撫でるとみなみちゃんはちょっと俯いて赤くなった。
みゆき「みなみさん、一緒に帰ろう?」
みなみ「あ……………うん。」
三人はそれぞれの家に帰って行った。
それと入れ違いにお姉ちゃんが玄関に滑り込んでくる。
ななこ「ただいまー!おー友達来てたんかー?」
男「うん、おかえり。」
男母「お帰りーななこ。」
俺が自分の部屋に入ると、お姉ちゃんが続いて入ってくる。
…まあ、お姉ちゃんと一緒の部屋だから当然なんだけど。
ななこ「なあ、男?」
男「ん?」
ななこ「モテるのね。」
男「…え?」
121 :
病み猫
[saga]:2008/11/09(日) 03:05:41.73 ID:7ns2DVU0
お姉ちゃんの言葉はいつの間にか二人でいる時のだけの『お姉ちゃんモード』になっていたので驚いた。
そしてその言葉は俺をからかってるのかと思ってが、お姉ちゃんの顔は真顔で、なんだかちょっと怖かった。
男「…お姉ちゃん?」
ななこ「もうお風呂入った?」
男「……まだだよ。」
ななこ「じゃあ入ろ?」
男「……うん。」
お姉ちゃんは着替えを出して部屋を出て行った。
リビングの方から声が聞こえる。
ななこ「先お風呂入るわー!男ーおいでー!」
一緒にお風呂入って、母さんと三人でごはん。
父さんは今日も遅いらしい。
いつもの日曜日。
お姉ちゃんはその後はいたって普通。
いつもの明るい、関西弁もどき。
寝る時間が近づいて、お姉ちゃんが俺の腕を少し強く引っ張った。
ななこ「ねよ。」
男「…うん。」
少しだけ感じた違和感。
この感じ、どこかで感じた様な気がする。
どこだっけ?
いつだっけ?
お姉ちゃんは俺のほっぺたに軽くキスをすると俺を抱き枕にして寝息を立て始めた。
…あぁ…思い出した…
…でも…
…お姉ちゃんはお姉ちゃん…
…そんなはずは…
…無い。
眠れない夜は、目を閉じて、明日が来るのを待った。
明日は学校。
122 :
病み猫
[saga]:2008/11/09(日) 03:06:14.20 ID:7ns2DVU0
今日はここまでです。
おやすみなさい。
123 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2008/11/09(日) 09:28:37.90 ID:gXpo1bA0
乙
マライアのコンセント攻撃でハメてたのを思い出したよww
124 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2008/11/10(月) 19:47:26.42 ID:ZICjyADO
一日遅れで乙
アレッシーとデーボは準チート
125 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2008/11/14(金) 21:14:39.51 ID:tY2wi6AO
過疎ってるな
126 :
病み猫
[saga]:2008/11/15(土) 02:11:16.68 ID:c6GURE.0
今、書いてます。
明日くらいには投稿できるかと…
また例によって闇化はゆっくりですが
127 :
病み猫
[saga]:2008/11/16(日) 00:15:04.99 ID:tj9pXCA0
今晩は。
投下します。
128 :
病み猫
[saga]:2008/11/16(日) 00:17:02.38 ID:tj9pXCA0
「どっか行ったー?」
「あっ宿題持ってくるの忘れた!」
教室内にはクラスメートたちの言葉が響く。
俺たちは六年生になった。
みゆき「おはようございます。」
男「あ、おはよ。」
こなた「おはよーみゆきさん、昨日ぶりー。」
五年生のクラス替えのとき、俺とこなたとみゆきさんは同じクラスになった。
俺の記憶の中の“向こう側”では、クラスにこなたが居たのは覚えてる。
だけどみゆきさんは居ただろうか?
俺の記憶があいまいなのか…それとも“こちら側”の事実がもう変わり始めているのか?
当然アルバムなんて手元にはなく、確かめることはできない。
先生が入ってきて、六年生最初の授業が始まった。
六年生の授業は、毎日六時間目までびっしりだ。
とは言っても終わるのは三時半で高校生に比べれば当然時間がある。
それでもこなたには午後の授業は苦痛な様で、春眠暁がなんとやらを貪っていた。
先生「誰か泉を起こしてくれ。」
その声を聞いたこなたの隣の席のみゆきさんが、こなたの肩をぽんぽんとたたく。
こなた「シィィィィィィザァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!………ん?」
寝ぼけたこなたの叫び声にクラスが笑いの渦に包まれる。
みゆきさんも口元を押さえて少し笑っている。
先生は少し困った顔。
………………やれやれだぜ。
放課後になると突然元気になるこなた。
こなた「おっし!!今日はこの間のリベンジだよ!!!」
男「夢に出る程ゲームすんな!!」
みゆき「うふふふふ…」
こなた「とりあえず男には確実に………勝つ!!」
みゆき「あ」
129 :
病み猫
[saga]:2008/11/16(日) 00:18:11.78 ID:tj9pXCA0
みゆきさんが少し変な声を出したので俺とこなたはみゆきさんの方を向いた。
みゆき「あの…今日はゲームをするんですか?」
男「俺はする気無いよ?」
こなた「しょ…しょんな…」
みゆき「あっ…あの予定があるのでしたら別にいいんですけど…」
男「ないない。」
こなた「うー。」
みゆき「今日はうちで遊びません?」
男「うんそうしよう。」
こなた「おーとーこー」
みゆき「あの…別に無理しないでいいですよ…?」
男「大丈夫、てか何かあるんでしょ?みゆきさんがそういう風に言うってことは。」
みゆき「え…ええ実は。」
男「ほらこなた、ゲームは逃げないんだから今日はみゆきさん家行こうぜ?」
こなた「うーん…しょうがないなぁ。」
みゆき「す…すいません…」
男・こなた「い…いや、みゆきさんは悪くないから!!」
男「でも、何があるの?」
みゆき「えと…お二人はケーキ、好きですか?」
男「うん。」
こなた「うむ。」
みゆき「じ…実は…」
130 :
病み猫
[saga]:2008/11/16(日) 00:19:15.19 ID:tj9pXCA0
―――昨日。
「みゆきちゃん、お母さん突然ケーキ食べたくなっちゃったな。」
みゆき「いいですね。週末でも一緒に買いに行きますか?」
「ううん、お母さん今食べたいの。」
みゆき「えと…もう遅いですけど、コンビニエンスストアに行けば売ってますよ。」
「えーと…あ、あったわ〜」
みゆき「?」
「ここに注文しましょう!」
みゆき「…こんな時間にお店空いてるんですか?」
「大丈夫よーお得意様だし〜」
みゆき「めっ…迷惑ですよ!!」
「ピッポッパっと♪」
みゆき「はぁ…」
「…みゆきちゃんは何ケーキが良い?」
みゆき「…えっと…チョコレートで…」
「了解♪…じゃあフルーツとチョコをお願いしまーす!」
みゆき「…」
一時間後。
「うーん!おいしいわぁ!!」
みゆき「…」
「みゆきちゃん…さっきから黙って…おいしくないの?」
みゆき「お母さん………なんでホールのケーキが二つもあるんですか…?」
「だってーホールじゃないとお届けしてくれないって言うんだもん。」
みゆき「………」
131 :
病み猫
[saga]:2008/11/16(日) 00:20:26.34 ID:tj9pXCA0
みゆき「と言う事がありまして…うちには1ホール半のケーキがありまして…」
男・こなた「………」
俺とこなたがみゆきさんの家に着いてしばらくすると、みなみちゃんもやってきた。
みなみ「あ………こんにちは…。」
俺たちに気づいてちょっと伏し目がちに挨拶するみなみちゃん。
4人で1ホール半のケーキを食べる。
と言ってもみゆきさんは流石に食べ飽きてしまったのか、一切れが限界のようだ。
みゆきさんはみんなの分の紅茶を淹れてくれたり、お母さんの面白話を聞かせてくれたりした。
こなた「いやーみゆきさん最高だよ!」
みゆき「良かったです。」
みゆきさんはにっこり笑って言う。
たぶん本当に良かったんだろう。いろんな意味で。
男「みなみちゃんはチョコのが好きなんだね。」
みなみ「!!!………うん…。」
突然話しかけられてちょっとびっくりさせてしまったみたいだ。
男「おいしい?」
みなみ「……うん………おいしい……ありがとう…みゆきお姉ちゃん。」
みゆき「どういたしまして。」
団欒の中、みゆきさんのお母さんが帰ってきた。
「あらー皆さんこんにちはーゆっくりしていってね。」
皆「おじゃましてます。」
「あら…みゆきちゃん、おいしそうなケーキねー私も食べたいなー」
みゆき「じゃあいっしょに食べますか?お母さんの分も紅茶入れますね。」
みゆきさんのお母さんも交えて豪華なおやつの時間が過ぎて行った。
132 :
病み猫
[saga]:2008/11/16(日) 00:21:51.74 ID:tj9pXCA0
みゆきさんが片付けをして、こなたはみゆきさんの部屋の本を物色し始めた…読む気はないようだが…。
必然的に俺とみなみちゃんが、そのままの位置で取り残される。
みなみちゃんは何か言いたげに、こっちをチラチラ見る。
たぶん、気まずいから何か話そうとしてるけど、うまくきっかけになる言葉が見つからないのだろう。
何となくそんな空気を感じたので俺はごく自然に話しかける事にした。
男「おいしかったねー?」
みなみ「あ……………うん。」
男「みゆきさんのお母さんて面白い人だね。昔からああなのかな?」
みなみ「うん………そう。」
男「そうなんだ。でもこんな失敗だったらまたやってほしいよね。みゆきさんには悪いけど。」
みなみ「………お兄ちゃんは………ケーキ好きなの……?」
男「うん、甘いものは普通に好きだよ。」
そこで飛び込んできたこなたによって、みなみちゃんとの会話は遮られた。
こなた「なー男!みゆきさんの本棚にはマンガがないよ!!」
男「そんな世界の終りみたいな顔すんな!」
みゆき「どうしました?」
片付けの終わったみゆきさんが入ってきて、四人で少し話した後、もう夕方が近くなっていたのでそれぞれの家に帰ることになった。
男「じゃあ、今日はごちそうさまでした。」
こなた「でしたー!」
みゆき「いえいえ、こちらも助かりました…本当に。」
男「ははは…。」
みなみ「………ごちそうさまでした。」
みゆき「いえいえ、また遊びに来てね?みなみさん。」
みなみ「………うん。」
みゆきさんとみなみちゃんと別れて、こなたと一緒に家に向かった。
みゆきさんとみなみちゃんは、見えなくなるまで手を振っていた。
133 :
病み猫
[saga]:2008/11/16(日) 00:23:21.68 ID:tj9pXCA0
授業が始まって最初の土曜日。
俺は家でゆっくりしていた。
前の日の放課後、こなたにアキバに誘われた。
なんでも東●国際アニメフェアで買い逃したグッズを買いに行くんだとか。
発案者(と言うより買い逃した張本人)はこなたの父親らしい。
……成程、こうやってこなたは“その手の”エリートへと成長していったのか…
男「俺は遠慮します。」
こなた「せっかく私が男を一流の傭兵にしてあげようと思ったのに…」
男「おじさんと行くんだろ?たまには家でゴロゴロしたいよ。」
こなた「んーそっか。じゃあまた今度と言う事で。」
男「その今度は出来るだけ遠くにしてくれ。」
“向こう側”でこなたとアキバに行った事を思い出す。
…そう言えばあれがあったから、俺は今“こっち側”に居るのかもな…
そんな事を考えていると玄関の方でチャイムが鳴った。
慌てて出ようとすると、母さんの「はーい!」と言う声が階下から聞こえた。
………そっか…今は“こっち側”だったんだ……母さんは…生きてるんだ………。
俺はちょっとだけこなたに着いて行かなかった事を後悔した。
着いて行けば、帰りに変なカード渡されて…
…
…
いや!それは無い!!
俺は一瞬だけよぎった甘えを振り払った。
『次』なんて無い!
これが最後なんだ!!
“ここ”でこなたを幸せにしなければいけないんだ!!!
俺はあの薄暗い部屋でのマクスウェルの言葉を思い出した。
男母「男ー!お客さんよー!!」
俺の考えを遮るように母さんの言葉が耳に届いた。
男「はーい!」
…誰だ?
134 :
病み猫
[saga]:2008/11/16(日) 00:24:21.48 ID:tj9pXCA0
玄関に立っていたのは、年齢の割には背の高い女の子だった。
男「みなみちゃん!どうしたの?」
みなみ「あの………」
男「とりあえず上がりなよ。」
みなみ「………うん。」
みなみちゃんは小さく頷くと俺の後に着いて家に上がってきた。
俺の部屋に着いて、クッションに座るとモジモジしながら言った。
みなみ「お菓子……作ってきたの……上手じゃないけど……。」
みなみちゃんはそう言うと机の上に小さな包みを置いた。
開くとチョコブラウニーが入っていた。
…………そっか……この間『ケーキ好きなの?』って聞いてきたもんな……。
俺はなんだか本当に妹ができたみたいで嬉しかった。
男「ありがとう!今お茶淹れてくるから、一緒に食べよう?」
みなみ「うん……!」
いつもクールで…悪く言えば無表情なみなみちゃんが、本当に心から笑った顔を見たのはこの時が最初だった気がした。
その時は素直に、みなみちゃんの笑顔を『可愛い』と思った。
135 :
病み猫
[saga]:2008/11/16(日) 00:26:18.78 ID:tj9pXCA0
俺がリビングに行くと母さんが余所行きの服に着替えていた。
男「ん?母さんどっか行くの?」
男母「うん。父さん今日はもう仕事終わりみたいでちょっとデートしてくるの。」
男「ふーん。」
男母「確かみなみちゃんだっけ?ちゃんとお茶くらい出しなさいよ?」
男「うん、今出すよ。」
男母「よろしい。」
男「お姉ちゃんは?」
男母「さあ?今日は友達とご飯食べに行くって言ってたけど…?」
男「そっか。」
男母「それじゃ行ってくるからね。六時には帰るから。」
男「うん、行ってらっしゃい。」
母さんが玄関から出て行ってすぐに、やかんが沸湯を告げた。
ティーパックを入れた二つのコップにお湯を注ぐとそれを持って二階に上がっていった。
男「みなみちゃん、砂糖とかミルクは?」
みなみ「あ……ミルクが…欲しいです。」
男「了解。」
もう一度一階に戻りミルクを持つと再び二階に舞い戻った。
みなみちゃんが焼いたブラウニーはちょうどよい焼き加減で、しっとりとしておいしかった。
男「自分で焼いたんだよね?みなみちゃんはお菓子作り上手なんだね。」
みなみ「あ…///……お母さんに教えてもらって…練習したの…。」
男「そうなんだ。でもきっと才能あるんだよ。」
みなみ「………///」
136 :
病み猫
[saga]:2008/11/16(日) 00:28:20.26 ID:tj9pXCA0
しばらくみなみちゃんと話をした。
…と言ってもみなみちゃんの言葉は1〜2小節で終わってしまうのだが。
でも、みなみちゃんはペラペラしゃべるのが苦手なだけで、すごく優しくて、いい子だ。
きっと口下手なせいで、周りの人には“怖い”とか“暗い”とか勘違いされてしまう事もあったかもしれないし、これからあるだろう。
でも、ゆっくり話しかけて、じっくり話しを聞いてあげれば、みなみちゃんはちゃんと言いたいことが言えるし、たくさんの表情を見せてくれるのだ。
みなみ「………お兄ちゃん。」
男「ん?何?」
みなみ「今度………私の家にも………遊びに来て。」
男「……うん!みなみちゃんがそう言ってくれるなら今度おじゃまさせてね。」
みなみ「……うん!」
男「みゆきさんは行った事あるんだよね?こなたは行った事ないからきっと喜ぶよ。」
みなみ「………………………………………………………………………………いや。」
男「え?」
みなみ「……………お兄ちゃんと……二人で遊びたい……。」
男「………みなみちゃん…?」
一度も味わったことがないような、いや、何度も味わったことがあるような、不思議な空気が流れた。
俺は何となく笑う事しかできなかった。
…そうだよ、みゆきさんはきっと何度もみなみちゃんの家に行った事があるんだろうし、こなたは第一印象悪かったからなーははは………。
みなみちゃんの顔を見ると、いつものクールな無表情になっていた。
その顔は、まだ小学生とはいえ、整った顔立ちで、まるで丁寧に作られた人形のようだった。
きっと将来はかなりの美人になるだろう…
その整った顔の真ん中の大きく切れ長な目は、じっと俺の顔を見つめていた。
***
友達と昼食を終えたななこは買ったばかりのバイクで最も安心できる場所に向かっていた。
我が家だから?
ううん、可愛くてしょうがない弟がいるから。
再開した日、十年も会ってなかったのに、まるでつい最近まで一緒に居たような感覚があった。
ずっと会えなかった。
でも今はそばに居る。
失った時間を取り戻すため―――あるいは別の理由のため?
ななこはバイクに鍵をかけると最愛の弟が待つ家の玄関を開けた。
137 :
病み猫
[saga]:2008/11/16(日) 00:31:10.77 ID:tj9pXCA0
今日はここまでです。
申し訳ないのですが、私の方はどうしても今のペースが限界です。
私も、新連載、ゆーちゃんの人、その他大勢の書き手さんの投稿をwktkしながら待っています。
それではおやすみなさい。
138 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2008/11/16(日) 10:16:04.16 ID:BbBzqloo
乙です。
少し病みの前兆が見え始めてきましたね
ご自身の無理の無いペースでのびのび書ける事を願っています
139 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2008/11/16(日) 11:11:37.02 ID:JJEQyJw0
乙です。
俺の嫁の時代が来たぜ!
140 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2008/11/16(日) 14:03:10.46 ID:QBV27RU0
他の書き手も帰ってこねーもんかな〜
141 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2008/11/16(日) 17:19:24.95 ID:wv7khMAO
>>139
渡さない、渡しはせんぞ!
142 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2008/11/17(月) 00:40:51.80 ID:4tVZjmk0
>>141
同志がいて嬉しいぜ。
ま、渡す気はないがね。
143 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2008/11/17(月) 00:45:03.40 ID:4tVZjmk0
寂しいからOPスタート!
144 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2008/11/17(月) 22:32:01.66 ID:/KJzg.k0
あーいまーい
145 :
op男
2008/11/20(木) 08:06:17.36 ID:OTGbMIAO
3cm
146 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2008/11/23(日) 16:28:22.77 ID:4oW.fgDO
そりゃぷにってコトかい?
147 :
病み猫
[sage]:2008/11/26(水) 21:47:07.16 ID:T4LnidQ0
ちょっと忙しくて先週は書けませんでした。
今週末、時間が出来たら投下したいと思います。
148 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2008/11/26(水) 22:27:56.24 ID:34lTVJEo
気長に待つぜ
149 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2008/11/27(木) 01:21:58.09 ID:RNf.mTY0
病み猫氏が何気にop続けててワロタww
150 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2008/11/27(木) 08:39:38.57 ID:vYwSg.SO
祝一周年
151 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2008/11/28(金) 01:04:30.22 ID:dnSVKQI0
ここ最近病み猫の投稿以外がほとんどないな
こうなったらみんなで筆を取るしか・・・
って言ったら絶対まずお前がやれって言われるんだぜ
152 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2008/11/28(金) 12:28:15.23 ID:irGnjkUo
>>151
期待している
原作読んでないから俺は無理だけどNE!
153 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2008/11/28(金) 15:37:57.41 ID:ujsSnwAO
>>151
頑張ってね
154 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2008/11/28(金) 20:51:00.82 ID:vwj6YIEo
>>151
よしお前やれ
155 :
病み猫
[saga]:2008/11/30(日) 02:37:42.52 ID:GjuZNSk0
では、書いたとこまで行きます。
156 :
病み猫
[saga]:2008/11/30(日) 02:38:24.92 ID:GjuZNSk0
ななこは鼻歌交じりに玄関を抜けた。
右手にはシュークリーム。
弟と一緒におやつを食べようと思ったのだ。
ななこ「ん?」
ななこの目に留まったのは玄関の小さな靴。
…小さな、女の子の靴。
ななこ「…………二階か。」
ななこは足音を消して二階の、ななこと男の部屋に向かう。
中からは確かに二人分の声が聞こえた。
男「………ちゃん……だよ…。」
女の子の声「………うん。」
声はこなたの声では無い。
ななこはそれはすぐに分かった。
こなたの家と自分の家の事は知っている。
こなたはきっと、自分がいない間男の支えになっていてくれたんだろう。
男は……こなたの事が好きだ。
それは男を――こなたよりも見ている自分だからこそ分かる。
こなたはどうか。
今はまだ薄ぼんやりした『好き』程度の気持ちかもしれない。
でもこのまま二人が一緒に成長していったら、それは『愛』に変わるだろう。
男だってきっとそう。
オトコは幼なじみに弱いって言うし。
だからこそこなたの事は男の次くらいによく見ている。
こなたなら許すわ。
だってしょうがないじゃない。
私が居ない間男と一緒に居たのはこなたで、お父さんとお母さんの世代からの知り合いで、男もこなたとその親を救うために頑張った。
その結果私は帰ってこれたんだし、控えめに見ても男とこなたの関係はすごく強いもの。
157 :
病み猫
[saga]:2008/11/30(日) 02:39:46.65 ID:GjuZNSk0
でも
ダメよ。
こなた以外なんて。
こなたなら許せるんじゃない。
こなたなら、私だって我慢してあげられるって事。
それ以外の奴が男と一緒になるなんてダメに決まってるじゃない。
ああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!
ななこは煮えたぎるような感情とは反比例するように、静かにドアの隙間から中を覗いた。
中に居るのは男と――――切れ長の目の、おとなしそうな女の子。
こともあろうか、その女の子は男の事をじっと見つめて“イイフインキ”だ。
『ふーん・・・あいつかぁ・・・あいつかァァァァ!!!!』
158 :
病み猫
[saga]:2008/11/30(日) 02:40:02.21 ID:GjuZNSk0
――――――ななこは一度はおかしいと思った。
可愛いとは言え、弟はまだ小学生。
自分とは一回りも違う。
なのに何?
この感情は。
まあ、一回り離れていてもいい。そんなカップル世の中探せば結構いる。
でもそれは、たとえばお互いがせめてもう少し大人じゃないといけないはず。
………たとえば男が高校生くらいならあるいは。
男は22の自分が見ても十分魅力的なのだ。
もちろん男が弟だからってのもある。
………自分はちょっとだけブラコンなのかもしれない。
でもそれを差し引いても、男はきっと成長すればもっと魅力的になる。
それを他の女に………ああああああああああ!!!!!!!
私はね、お姉ちゃんなの!男のお姉ちゃんなの!!!
今までずっと会えなかったんだよ?!もっと私に甘えていいんだよッッッ!!!!
一緒にいろんなとこ遊び行こうよ!!!一緒にご飯食べたりお風呂入ったり眠ったりするのは私だけの権利なの!!!!!!
………………………ヘンかな?私ヘンかな??
『ヘンじゃないよ。』
え?
『大切な弟だもん、ヘンじゃないよ。』
そう……そうよね…??
『弟を守るのは、姉の仕事だよ。』
あ…はは…は……そうだよ!私間違ってなんかいないんだから!!
あははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは!!!!!!!!!!!!!
ななこは自分の頭の中の問いかけに、一番心地よい『答え』をもらった。
その声が、誰の声かなんてどうでもいい。
私は間違ってないんだから!
弟は私が守って、私が幸せにしてあげるんだからあ!!
159 :
病み猫
[saga]:2008/11/30(日) 02:40:37.46 ID:GjuZNSk0
みなみ「おにい…ちゃん…。」
男「えっ…あっうん!何?」
みなみ「…私……帰る。」
男「え…ああうん。今日はありがとう。」
みなみ「どっ…どういたしま…ゴニョゴニョ…///」
みなみちゃんの、ちょっと意外な積極性を見てしまったせいで俺はちょっと畏縮していた。
みなみちゃんのさっきの感じ…“向こう側”でつかさの見せたそれによく似ていた。
でもまだ小学四年生のみなみちゃんはあんな事はしないはず。
さすがにそれは考え過ぎだと自分でも思った。
『今まで男の子と遊んだ事無かったのかもな…』
みなみちゃんにとって俺は初めての『お兄さん』なのかもしれない。
そう考えるとさっきの反応もちょっとはうなずける。
『まあでも用心に越したことはないからな…』
俺は今後は、みなみちゃんとは少しだけ距離を置こうと思った。
男「…わっ!」
気づくとみなみちゃんが俺の袖をぎゅっと引っ張っていた。
みなみ「……また来ても………いい?」
男「………うん。」
そう言うと、ニッコリ笑うみなみちゃんを見ると、その後の言葉が出てこなかった。
『今度はみんなで遊ぼうよ』
みなみちゃんを玄関まで見送り、当座かる後ろ姿を見ながら、八方美人な自分にちょっとだけ嫌気がした。
160 :
病み猫
[saga]:2008/11/30(日) 02:45:48.12 ID:GjuZNSk0
男「はぁ……」
俺はため息交じりに玄関を閉めた。
鍵に手をかけようとした瞬間
ドーーーーーン!!!!!!!!!!!!!!
巨大な音と共に、今閉めたばかりのドアが開いた。
俺は心臓が一瞬止まった気がした。
開いたドアの先には・・・お姉ちゃんが立っていた。
男「お…おねえ……ちゃ……」
ななこ「ただいまっ!!ねえ、シュークリーム買ってきたんだけど一緒に食べよ?!」
男「あ…あ…」
俺は心臓が、今度はすごいスピードで動き出しているのが分かった。
息苦しくて、うまくしゃべれない。
ななこ「ね?一緒に食べよ?」
俺のお腹は、みなみちゃんの作ってくれたブラウニーで一杯だった。
ななこ「たべよ」
男「た………………食べる。」
ななこ「良かった[ハート]じゃあお茶でも入れよっかな!」
お姉ちゃんがリビングに消えると、俺はその場にへたり込んだ。
161 :
病み猫
[saga]:2008/11/30(日) 02:47:05.66 ID:GjuZNSk0
今日はここまでです。
おやすみなさい。
それと
>>151
さん、がんばってください。
162 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2008/11/30(日) 09:48:49.81 ID:mLGWMMDO
病み猫さん乙彼さまです
163 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2008/12/04(木) 21:20:23.22 ID:/g2iNYDO
いつものやつしますか…
あーいまーい
164 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2008/12/04(木) 23:53:29.07 ID:viSkDQDO
こなた 「過疎ってますな〜」
かがみ 「……」
こなた 「だよねえだよねえ」
かがみ 「……」
こなた 「相変わらず厳しいねえ、かがみんは。」
かがみ 「……」
こなた 「フフン、まあかがみんのそこに惚れたんだけどね!」
かがみ 「……」
こなた 「……クサッ」
こなた 「おっかしいなあ、ちゃんと防腐加工したのに…」
こなた 「しょーがない!さっさと諦めて次いきますか!」ポイッ
かがみ 「……」ベチャッ
こなた 「よし、次はみゆきさんにきーめたっと!」ガサガサ
こなた 「待っててね、みゆきさん♪」スラリ
つかさ 「保守タミン酸〜」
165 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage ゆーちゃんの人]:2008/12/06(土) 00:08:38.35 ID:DXP900g0
ネタは最後まで上がっている…が書き出せてない。
途中でやめるのは自分も嫌なので今月中には投下します。
とあてにならない宣言しつつ保守(=ω=.)
166 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2008/12/06(土) 00:48:28.46 ID:lkHDOgwo
がんばれーまけんなーちからのかぎりいきてやれー
167 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2008/12/12(金) 00:40:30.65 ID:7K3KQe6o
あげ
168 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2008/12/15(月) 23:13:42.57 ID:48WXteg0
病み猫さんとゆーちゃんの人には期待してます、がんばれ!
あと
>>151
も
169 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2008/12/24(水) 02:15:25.31 ID:n6nFRdIo
過疎にもほどがあるだろwwwwwwwwwwメリークリスマス!!
170 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2008/12/24(水) 20:01:20.25 ID:Z51BvfU0
メリークリトリス!
どうか年明けるまでに新たな書き手と今までの書き手が奮起してくれますように
171 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2008/12/25(木) 10:07:12.43 ID:gGl5goAO
そこは知らない暗い部屋。
「祈ります。貴方が幸せになるように」
彼女は告げる。
幸福の祈りを。
「祈ります。貴方が孤独にならないように」
彼女は告げる。
共に居る、と。
「祈ります。貴方がわたしを愛してくれるように」
彼女は告げる。
永遠の愛を―――
「―――祈ります。
わたしが、貴方と決して別れないように」
それは聖なる夜のこと。
彼女の瞳は、愛と、純情と、誠実と、哀しみと、苦しみと、この世全ての感情と―――溢れんばかりの狂気を、秘めていた。
「お願いします、神様」
俺は身動きを取れない。
手足は丈夫な縄で拘束され、口はガムテープで塞がれていた。
それは一方通行の愛。
確かに、俺は彼女―――みゆきを愛していたが、それは過去の話だ。
五年も前の、話だ。
172 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2008/12/25(木) 10:08:27.59 ID:gGl5goAO
「―――っ、―――っっ」
俺は出せない声を振り絞り、必死に首を横に振る。
拒否する。
俺は今、別の愛する人がいる。
クリスマスの今日、家で待っていてくれているはずの、彼女が―――っ。
「…………まだ、わからないんですか?」
ビクリと、身体が震え上がる。
俺は先程までの祝詞とは違う、暗い声。
身を引き裂くような、闇の声。
「―――っ、」
何が、と咄嗟に言おうとして、
「…………?」
ガムテープの事を思い出して、
「…………! ―――ッッ」
みゆきの後ろに転がるソレに、ようやく気が付いた。
173 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2008/12/25(木) 10:09:20.09 ID:gGl5goAO
それは人のカタチをしていて。
それは見知った彼女の髪の色で。
それは見知った彼女の勝負服で。
それは見知った彼女の白い肌で。
それは見知った彼女の顔で。
それは見知った彼女の―――表情では、無かった。
固まったように、固められたように動かない恐怖の貌。
それは、死の証。
「―――――――――ッッ!!!!!!!!」
彼女が倒れているのに、手も伸ばせない。
彼女が倒れているのに、駆け寄ることも出来ない。
彼女が倒れているのに―――その名前を、呼ぶことすら叶わない。
非力さに絶望した。
己の弱さに失望した。
嫌だ。嫌だ嫌だ。
こんな。
こんなの……!
「――――――――――――」
声に成らない慟哭。
無力な一人の男に出来る、それが唯一の行動だった。
174 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2008/12/25(木) 10:09:36.00 ID:gGl5goAO
「……泣かないで下さい」
彼女を殺した腕で抱き締められる。
それには、人並みの暖かさがあった。
「―――、―――」
最早叫ぶ気力すらない。
生きることさえ億劫だ。
死にたい。
殺して。
「大丈夫です。
貴方には、わたしがいますよ」
それは最高に優しい言葉だった。
―――ああ、もうどうでもいい。
「わたしが、います」
愛する人を亡くした聖夜だ。
「ずっと、永遠に―――一緒に、いましょう?」
意味のない、聖夜だ。
俺は。
ただ。
人形のように。
魂の亡い。
カラクリのように。
その言葉に。
頷いた。
175 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2008/12/25(木) 10:13:16.33 ID:gGl5goAO
以上、続きをいつまでも書きやがらねぇどっかの誰かの御目汚しですた
みんな! メリクリっ。
176 :
病み猫
[saga]:2008/12/25(木) 14:08:22.61 ID:J.g/hVQ0
/ ハ
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メリークリスマス!
ゆーちゃんの人ですか??乙です!
私の方は教授の気まぐれで論文を書くハメになり今やっと終わりました…
年末のどこかで再開できると思います
年明けは神社でバイトなので無理ですが…
ハルヒみたく第二期やらないかなー
ではー
177 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2008/12/25(木) 14:17:25.94 ID:gGl5goAO
>>176
ゆーちゃんの人ではないですー
論文お疲れ様です。再開楽しみに待ってます
178 :
病み猫
[saga]:2008/12/25(木) 19:12:11.39 ID:J.g/hVQ0
ちょっと時間があったので書きました。
では、続きです。
179 :
病み猫
[saga]:2008/12/25(木) 19:13:05.93 ID:J.g/hVQ0
こなた「なーおとこー」
男「………」
こなた「……?…おとこ?」
男「………」
こなた「………」
男「………」
こなた「わっ!!!!!!」
男「うひゃあああああああ!!!!」
こなた「うおっ!でっかい声」
男「なっ…なんだよこなたいきなり!」
こなた「なんだよって…私が話しかけてもずっと上の空だったじゃないかー。」
男「え……?……そっか…ごめん。」
俺はずっと考えていた。
土曜の事、お姉ちゃんが怖かったこと。
あの感じは…まるで……。
俺はいつか感じた嫌な感覚を感じ取った。
そしてその事ばかり考えていて、月曜の授業は全然聞いていなかった。
休み時間に入っていたことも忘れてしまうくらいに。
こなた「お…おとこ…」
男「ん…?」
見るとこなたは少し赤い顔をして伏し目がちに顔を背けながら、俺の手を引っ張った。
こなた「いこ。」
男「え?」
一瞬こなたがなぜそうしているのか分からなかったが、自分の周りを360°見渡して気付いた。
なるほど、こなたの大声と俺の大声がみんなの視線を釘付けにしたみたいだ。
俺はこなたに手をひっぱられながら、みんなの囃し立てる様な声を背に教室を出た。
瞬間、窓際の席のみゆきさんが目に飛び込んだ。
みゆきさんは窓の方を向いて、こっちを見てはいなかった。
180 :
病み猫
[saga]:2008/12/25(木) 19:13:41.76 ID:J.g/hVQ0
こなた「お…男が悪いんだぞ…」
男「大声で最初に注目を集めたのはお前のせいだろうが。」
こなた「うるさいうるさいうるさい!このバカ犬が!」
男「へ?」
こなた「いや、何でもない。」
男「おまえにそう言うのは似合わない。」
こなた「…やっぱり?」
男「まぁそういう友達作って、思う存分いじってやれよ。」
こなた「現実にはいないよ、そんな人。」
男「……………いや…そんな事無いと思うぞ………。」
こなた「あーそう言えば、今日放課後行きたいとこあるんだけど一緒に行こうよ。」
男「………どれ?」
こなた「ゲマズ。」
男「なんて言うかさ、ランドセルしょったまま行くのは止めような。」
こなた「なんで?」
男「視線が痛い。あと、身の危険を感じる。」
こなた「あーそう言うのはヘンケンって言うんだぞー」
男「いや、みんながみんなそうじゃないけどさ、きっと中には二次と三次の区別つかない人もいると思うんだ。」
こなた「だからそれがヘンケンなんだって!ヲタクばっかり事件起こすみたいな言い方はよくないよ!きっとそのうち国民の大部分がヲタクの重要性に気づいて、ヲタクが総理大臣になる日がやってくるよ!!」
男「それはねーよ。」
181 :
病み猫
[saga]:2008/12/25(木) 19:14:15.28 ID:J.g/hVQ0
くだらない話をしながら歩いてしばらくすると俺たちは家に着いた。
それぞれの――と言ってもすぐ目の前なんだが――家に入ってランドセルを置くと俺たちは再び集合した。
こなた「さて、行きますか〜」
男「あれ?おじさんは?」
こなた「いなかった。病院かな?」
男「おじさん具合悪いのか?」
こなた「んーお父さんは別に元気だけど、親戚の子がねー。」
男「ふーん…そうなんだ…お前は行かないでいいのか?」
こなた「……ゲマズの後寄ってもいい?」
男「いいけど、俺も行っていいのか?」
こなた「確かに…ちょっと遠いからなぁ…」
男「どこの病院?」
こなた「▲×大学病院。」
男「大学病院かぁ…もしあれなら外で待ってるよ?」
こなた「それは悪いよ。」
男「いいよ、別に。」
こなた「うーん…とりあえずゲマズ行ってから考えよう!」
男「了解。」
182 :
病み猫
[saga]:2008/12/25(木) 19:14:45.92 ID:J.g/hVQ0
男「…おい…」
こなた「んー?」
男「何も買わないのかよ!!」
こなた「まあそう言う事もあるのだよ。」
男「何か買う目的があってきたんじゃないのか?」
こなた「いやチェックしたいだけ。それに今は『買い』ではない…そう囁くのよ私のゴーストが。」
男「お前DNAが何なのか分からずに見てるだろ。」
こなた「しゃ…シャラップ!」
男「まあいいや…で、病院はどうする?」
こなた「んー…行ってもいい?」
男「いいよ。外で待ってるから。」
こなた「ん…急ぐね。」
男「別に急がなくても大丈夫だよ。」
こなた「うん。…ありがと。いてくる。」
こなたと一緒に大学病院の門をくぐると、こなたはその俊足で入口の方に走って行った。
病院内は禁煙なんだろう。入口の付近に喫煙スペースがあってそこから煙が漂ってきていた。
俺はその匂いが届かないベンチに腰かけてこなたを待つことにした。
『それにしてもこなたの親戚が病気とか知らなかったな…大学病院てことは結構重病なのかな?』
以前こなたの母親は、こなたが小さい頃に亡くなったと聞いた。
『…もしかしてこなたの家系は何か遺伝病とかあるのか?』
でももしこなたの母親と、今ここに入院している親戚の人が同じ病気だとしたら、こなたの父親が見舞いに来るのはちょっとだけ不自然な気もする。
て言うかあの(インドアだが)元気なこなたが遺伝病を持ってるとは思えないし…思いたくない。
183 :
病み猫
[saga]:2008/12/25(木) 19:15:16.02 ID:J.g/hVQ0
“こちら側”に来てからの悪い癖だ。
なんでも深く考えてしまう。
よく考えてみろ。別にこなたが戻ってきたら聞けばいいじゃないか。
俺は自分にそう納得させて、自分周りの世界を見渡してみた。
…と、その瞬間目の前が真っ暗になった。
こなた「…。」
男「…。」
こなた「…。」
男「…そこは『だーれだ?』なんじゃないのか?」
こなた「…うん。ベタ過ぎるから色々考えたけど思いつかなかった。」
男「見切り発車かよ。」
こなた「それになんか…」
男「…?」
こなた「何でもない。」
男「…?…で、終わったのか?」
こなた「うん、待たせてごめんね☆」
男「なんだその星は…」
こなた「おぉ男ってばニュータイプ?」
男「ニュータイプはお前だ、いろんな意味で。」
184 :
病み猫
[saga]:2008/12/25(木) 19:15:48.49 ID:J.g/hVQ0
電車のアナウンスが最寄り駅に着いた事を告げた。
俺たちは並んで歩き出した。
男「そう言えばおじさんはいなかったのか?」
こなた「うん、先帰ったのかもしれない。」
男「かもしれないって…親戚の人に聞けば分かるんじゃないのか?」
こなた「あー……」
男「ん?」
こなた「…………意識、無いから。」
男「え?」
こなた「あのね…私の従妹なんだけどね、意識ないんだ。」
男「…ごめん。」
こなた「いや、別に謝る事無いよ。」
男「でも…ごめん。」
こなた「大丈夫。…そのうち起きるよ。別にね病気のせいじゃないんだ。手術の後、目が覚めないだけ。」
男「…」
こなた「医者の人もさー何かのきっかけで起きるって言ってるし。病気そのものは治ってるらしいから。大丈夫。」
男「こなた」
こなた「んー?」
185 :
病み猫
[saga]:2008/12/25(木) 19:16:11.97 ID:J.g/hVQ0
男「こなたって強いな。」
こなた「へ?」
男「家族がさ…そういふうになって、普通小学生がそんなに強いこと言えないぞ。」
こなた「私はさーもともとお母さんいないし。…って男も小学生だろが。」
男「俺、お前のこと尊敬してるよ。方法はどうであれ、お前は自分の気持ち貫くためならどんなことでもしたし、何でも我慢できるよな。」
こなた「え…いやその…なんか良く分かんないけど誉められてる?てか男に何かしたっけ、私?」
男「…うん…まぁお前の知らない世界の話だよ。」
こなた「うわー男ってば意外と中二病ー」
男「…でもさ…」
こなた「?」
男「俺には無理したり、我慢したりしなくていいぞ?思った事言っていいからな?」
俺はそう言うと無意識にこなたの頭をなでていた。
こなた「…………………うん」
男「あ…もう家だな。」
こなた「…うん。」
お互いの家はもう目の前だった。
男「じゃあまた明日な。」
こなた「あ………うん。」
男「おやすみー」
こなた「……うん。」
186 :
病み猫
[saga]:2008/12/25(木) 19:16:40.45 ID:J.g/hVQ0
今日はここまでです
187 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2008/12/25(木) 22:47:28.34 ID:xRGNS6so
乙
188 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2008/12/26(金) 17:37:45.42 ID:2OU5mcAO
乙!
189 :
伝わる想い、届かぬ想い 第八話-1
[sage]:2008/12/30(火) 17:12:33.33 ID:uNK9wb60
まだ朝日も昇らない時間に、私は台所に立っていた。
別に料理の順番ではない。今朝はゆーちゃんが朝ご飯を作る番になっている。
それにも関わらずどうして私はここにいるのだろう。
「……」
お父さん達に気付かれないよう、できるだけ音を立てずに材料を切っていく。
今の私の心にあるのは男のことだけ。
いつだっけか、私が料理ができると聞いた時に大げさなくらいびっくりして
ほんとか?と訝しげに聞かれたことがあって。
ゆーちゃんがほんとだよって言ってもなかなか信じなかった。
「………」
それなら今度弁当でも作って持ってくるよと言い返すと、男も私の言葉に乗ってくれて、
じゃあうまかったらひとつだけ何でも言うこと聞くぜって言ってたっけ。
「…………」
とびきりの弁当を作って男を驚かせてやろうと決めたんだ。
でもあれっていつの話だったっけ。
昨日?一昨日?それとも数日前?それとも…ずっと前?
「……………」
最近、日付の感覚がない。
私自身で自分が何をしているのかよくわからなくなっている。
男やかがみ達にはいつも会っている記憶がおぼろげながらあるし、どうやら学校には
毎日行っているらしい。
190 :
伝わる想い、届かぬ想い 第八話-2
[sage]:2008/12/30(火) 17:13:06.77 ID:uNK9wb60
「………………」
だけど何かを言われてもどう返したのか、全く覚えていない。
私の頭の中には男のことだけがぐるぐると渦を巻いていて他のことは頭にない。
あるのはいつまでも気持ちを伝えることのない、私がひそかに恋する人のことだけ。
「…………………」
できあがった弁当をハンカチで包む。
渡すその時まで誰にもばれないようにカバンに入れておこう。
ああ、包丁とか洗っておかないと…このままにはしておけないよね。
「…ふう」
誰かに恋をするというのはこういうものなのだろうか。
他のことは何も目に入らなくて、親友のかがみ達のことでさえもおざなりになる。
あの子も…ゆーちゃんもそうなのだろうか。いつも男のことを考えているんだろうか。
「……」
きっと楽しくて、幸せで仕方ないのだろう。
最近のあの子は笑顔が絶えない。男と一緒にいる時なんて特にそうだ。
そして男もゆーちゃんといる時はいつも以上に柔らかい印象を受ける。
恋するとああも変わるものなんだなと思ったことがあった。
「………」
じゃ、私は?
「…………」
私も…私も。
私も、恋をしている。男に恋しているのに。
「……………」
どうして、こんなにも辛いの?
191 :
伝わる想い、届かぬ想い 第八話-3
[sage]:2008/12/30(火) 17:13:39.72 ID:uNK9wb60
夜が明けて、いかにも今起きたかのようにあくびをするふりをしながら
私は台所に入る。ゆーちゃんはもう朝ご飯の支度を始めていた。
……つい二時間前まで私がここで料理をしていたことなど気付かないだろう。
「お姉ちゃん、おはよう」
「こなたおはよう。眠そうだな」
「ん?眠そうな顔してるのはいつものことさ〜」
男やかがみにも言われたことなんだけど、こうなれば開き直ってやると思い、
笑いながらお父さんに言い返す。
「いただきま〜す」
「…うん?ゆーちゃん、作りすぎた?」
お父さんがフライパンに残ったおかずに目をやりながら訊ねる。
確かに三人分作ったにしては余りが多い。分量を間違えるような子ではないはずだけど。
「あ…えへへ、ちょっと」
「ははは、ゆーちゃんも間違えることがあるんだな」
笑って流す二人。
もう一度、フライパンに視線を移す――本当に間違えたの?
(何を勘繰ってるんだか…)
ばかばかしい。
ゆーちゃんだってたまには材料の使う量を間違えることもあるさ。
二人のキスを目撃したあの一件以来、私の思考はどうも悪いことばかりに行きがちだから。
…そう考えて、私の心にわずかな黒い染みが広がるのを感じた。
192 :
伝わる想い、届かぬ想い 第八話-4
[sage]:2008/12/30(火) 17:14:38.10 ID:uNK9wb60
昼休みの開始を知らせるチャイムが鳴り、先生が教室を出て行く。
まだ教室内は人が多い。渡す物が物なのであまり目立ちたくはないから
男を廊下にでも呼び出し――
「おーい男、下級生の子が来てるぞー」
「あいよー」
クラスメイトに呼ばれて教室を出て行く男。
下級生の子と言えば私は一人しか思い浮かばない。
「こなちゃん、どうしたの?」
「うん?ああいやなんでもないよ。ちょっと手を洗ってくるから、かがみん来たら
言っておいてくれるかな」
「わかったよ〜」
弁当を広げるつかさに伝言を頼み、手洗い場からは全然離れたその方向に歩く。
男が歩いていったであろう方向だ。
「……」
ふと――ストーカーみたいだな、って思った。
男の行き先をばれないようについていくなんて。
「あの、男さん…」
階段の踊り場の陰からゆーちゃんの声がした。
上からわずかに頭を出して二人の様子を覗き込むと――
「これ…いいの?」
「あ、朝ご飯の余り物ですけど、よかったら食べてください」
「…あ、ありがとう」
193 :
伝わる想い、届かぬ想い 第八話-5
[sage]:2008/12/30(火) 17:15:14.02 ID:uNK9wb60
照れながら白い包みを受け取る男。
ちょうど一人分余った朝食のおかず…ちょっと考えればわかったことだ。
私の思ったことは何も間違っていなかったのか。
二人はそのまま階段を降りてどこかへと去っていく。
「……っ!」
叫びを上げたい衝動を抑えて歯を食いしばり、その場を静かに離れる。
そしてふと気付く。いつの間にか右手には今朝作った弁当があった。
男の後をついていくだけのつもりだったけど、無意識に持ってきていたのだろう。
「…はは、は」
情けない笑い声が漏れる。
もう完璧に恋人同士じゃないか。何を期待して私は弁当なんか作ったんだろう。
男がどちらを取るかなんてわかりきっている。
わざわざ早起きしてまで作っちゃって…ばかみたいだ。
「はは…は…うっ…」
おかしいな、視界がにじんでる。
「う…うう…」
カタンと弁当箱をその場に落とし、通りがかる人に気付かれないように。
私はうずくまってひとり…枯れるまで涙を流した。
194 :
ゆーちゃんの人
[sage]:2008/12/30(火) 17:17:28.43 ID:uNK9wb60
あ…ありのままに今起こったことを話すぜ!
今年中に投下って宣言したことを思い出したと思ったら
一時間弱で書き上げていた…な、何を(ry
皆様良いお年を|ω・)ノシ
195 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2008/12/30(火) 22:50:27.31 ID:TH3evwAO
よいお年を〜
196 :
病み猫
[saga]:2008/12/31(水) 18:30:12.18 ID:w1jBTaY0
ゆーちゃんの人乙です!!
私は年内は間に合いませんでした・・・ゴメンナサイ・・
今から神社へバイト打ち合わせに行ってきます!
三が日が過ぎれば書けると・・思・・・
みなさんよいお年をー!!!
197 :
以下、2009年まであと7480秒。。。
[sage]:2008/12/31(水) 21:55:21.30 ID:VxbKr4Ao
乙
よいお年を
198 :
A HAPPY NEW YEAR 2 0 0 9 !
[sage]:2009/01/01(木) 05:35:15.89 ID:lOt5kqoo
あはぴにゅやー
ことしもよろしくおねがいします
199 :
A HAPPY NEW YEAR 2 0 0 9 !
2009/01/02(金) 23:59:13.71 ID:3LeB72AO
あけおめことよろ
200 :
A HAPPY NEW YEAR 2 0 0 9 !
2009/01/06(火) 18:41:57.55 ID:Mrej4oc0
新年初めてのアレ行きますか
あ〜いま〜い↓
201 :
A HAPPY NEW YEAR 2 0 0 9 !
[sage]:2009/01/06(火) 19:30:21.39 ID:rVeXkVw0
3cm↓
202 :
A HAPPY NEW YEAR 2 0 0 9 !
[sage]:2009/01/07(水) 00:36:15.07 ID:1td5wb2o
そりゃぷにってコトかい?↓
203 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/01/07(水) 22:21:29.72 ID:JiNX/gAO
なのです☆
204 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/01/09(金) 07:34:12.05 ID:B8/2jcAO
>>203
ちょっ!
205 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/01/23(金) 16:07:31.22 ID:ZuBRYsAO
みんな生きてる?
206 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/01/23(金) 23:37:35.35 ID:cxDLvEDO
ノ
207 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/01/25(日) 18:37:33.62 ID:EYVqLrw0
俺もいるぜ!
208 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/01/25(日) 22:19:32.90 ID:LqlpR5Y0
そろそろ投下が欲しいな
209 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/01/25(日) 23:26:44.36 ID:AgCw8eAo
Yes,We can
210 :
op男
2009/01/28(水) 07:55:57.15 ID:itlGscAO
駄作でも良いなら書こうか?
211 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/01/28(水) 14:03:48.34 ID:PZ5Cm/Uo
wwktk
212 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/01/28(水) 16:36:35.83 ID:itlGscAO
おけ
明日から書く
ソレまでに誰がヒロインがいいかアンケートをとろうか
213 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/01/28(水) 20:33:19.20 ID:Yolieyk0
是非ななこ先生で
214 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/01/29(木) 00:15:32.58 ID:Aw/nXFs0
黒井先生でお願いします
215 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/01/29(木) 00:51:30.23 ID:tGxwd1Io
>>213-214
ネットばっかりしてないでたまにはデートでもしてきてくださいよ先生
空気読まずにみゆk・・・いや、俺みんな好きだし
>>210
に任せる
とにかくwwktk
216 :
op男
2009/01/29(木) 07:29:36.57 ID:CBjZYIAO
黒井先生だな?
把握した
217 :
SS@蟹
2009/01/29(木) 08:16:38.15 ID:CBjZYIAO
さて、書くか
――――――――――――
俺の名前は男、それ以上でも以下でもない
趣味はネトゲー……あ、別に廃人プレーヤーって訳じゃないぜ
学校にも遅刻せず毎日いってる
………今のところは
でも最近は1ヶ月前に比べてプレイ時間が格段に跳ね上がってる
原因はコイツの存在だ…
コナーク『やあ、今日は何処で狩る?』
そう、こいつだ このゴッツイ戦士と出会ってから楽しくてしょうがない
コイツとの出会いは、1ヶ月前に早くレベルを上げたくて
適正レベルが5も高い所に特攻して死にかけた時に助けてもらってから
オトーコ『ん〜、とりあえず新しく出来たダンジョン行ってみようぜww』
なんだかんだ、こんな感じて一緒につるでんる。
218 :
SS@蟹
2009/01/29(木) 08:17:05.17 ID:CBjZYIAO
コナーク『オッケーww、どうするPT追加する?』
確かに戦力不足かもしれないな……でも
オトーコ『要らないだろ
まあ、行ってみて駄目なら増やそうぜ』
コナーク『了解しますた(=ω=.)ゞ』
……たまにコイツは変なことばを使う、ミスなんだろうか?
・
・
・
・
コナーク『いや〜、アレは反則でしょう』
オトーコ『確かに、攻撃が効かないし…何だよあの赤い十字架みたいな武器は?』
コナーク『なんか、特殊な倒しかたするのかな?』
オトーコ『あとで、BBSで調べてみるか』
219 :
SS@蟹
2009/01/29(木) 08:17:15.52 ID:CBjZYIAO
コナーク『ん〜、任した。今日はもう落ちるね』
オトーコ『珍しいな、こんなに早く落ちるなんて』
コナーク『いや〜、お恥ずかしながら今日、担任先生から「遅刻せずに毎日来い!」って怒られてね〜ww』
オトーコ『お前学生なのか?』
コナーク『ん?言ってなかったけ?
リアルでは高校生やってるよ』
オトーコ『へぇー、俺と同じか』
コイツとリアルで遊んだら楽しそうだな
良い男友達に成りそうだ
コナーク『な、なん…だと……
いや〜もっと、年老い……いや、大人びたイメージがあったから驚いちゃったよww』
………コイツ(^-^;)
コナーク『いったい何処で学生やってるの?』
オトーコ『新潟』
コナーク『雪の名産地?』
オトーコ『いや、その考えはオカシイ』
確かに雪は降るけどさ…
・
・
・
・
男「ふう、俺も寝るか学校あるし」
……zzZZz…
220 :
SS@蟹
2009/01/29(木) 08:19:49.02 ID:CBjZYIAO
とりあえずここまで
誤字脱字はやんわりと指摘して下さい
感想、中傷、リクエストなどお待ちしています
要約するとコメント何かかいてくれってこと
寂しくて死んじゃう
221 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/01/29(木) 10:40:43.72 ID:C5K9juMo
乙
222 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/01/29(木) 20:50:59.36 ID:FKmuSmE0
乙カレー
さて、次の投下まで全裸待機だな
223 :
SS@蟹
2009/01/30(金) 08:10:30.88 ID:OcXVr.AO
さて、全裸男が出だし風邪ひかないように投下
224 :
SS@蟹
2009/01/30(金) 08:10:39.80 ID:OcXVr.AO
さて、清々しい朝だ!
………死にたい
でも学校、行かずにはいられない!
男「だって学校休むと小遣い減るんだもん」
具体的には1日休むと一割減る
すなわち10日で、お小遣い全額からお別れをしなくちゃいけない
そんなことになったら嫌なので
男「…行くか」
・
・
・
…ガチャ
ドアを開けると…そこは……地獄だった
男「眩しい、陽射しが俺を溶かす〜」
某小説の真似をしてみたが暑いもの熱いのです
べ、べつに雪国だからって一年中涼しい訳じゃないんだからね!
暑いときもあるんだからね!
勘違いしないでよね!
………はいはい、ツンデレツンデレ
男「う゛〜、テンションがいきなり下がりまくり〜」
225 :
SS@蟹
2009/01/30(金) 08:10:49.67 ID:OcXVr.AO
学校に着く前に死ぬんじゃないだろうか?
そんな戯言を本気で考えていると…
友A「ウイース、男」
男「おー、Aか御早うございます。…じゃ」
友A「まてまて、何事もなかったかのように無視するな」
男「やだ、俺はいま陽射しでダメージを喰らってるんだ。クーラードリンクをくれるなら考えよう」
友A「あったか〜いお汁粉なら奢るが?」
男「ok、お前を敵性と判定」
友A「残念、この空間では私の方が有利」
男「…なにをいってんの?いきなり」
友A「いや、せっかくノってやったのに」
男「正直メンドイ」
友A「そっか…」
学校までパッと行く?
→はい
いいえ
・
・
・
・
226 :
SS@蟹
2009/01/30(金) 08:10:57.76 ID:OcXVr.AO
学校に着いた、素晴らしきご都合システム
ついでに昼休みまで飛ばすぜ
・
・
・
・
男「よく寝た〜」
友A「いや、寝るなよ受験生だろ?」
男「気にしたら負けだよ、負け犬だよ」
友A「じゃあ、いいや」
嗚呼、よく寝た。
まあ、寝にくかったんだけどね
理由はこちら↓
モブ女「ソレでね、車が後ろからゆっくり近づいてきてね!」
ウザ女「恐〜〜〜い!なにそれ!恐くない!」
モブ女「うん怖かった。襲われるかと思った!」
…ネーヨ、だれもお前なんて襲わないよ
どうせ、豚が歩いてるのかと思われたんだろ
運転手もびっくりしただろうな
夜道に豚が居るなんて、そりゃ速度も落ちるわ
てか、ウルセーよ
放課後までスキップしますか?
→yes
no
・
・
・
227 :
SS@蟹
2009/01/30(金) 08:11:06.43 ID:OcXVr.AO
終わった〜!
さて、帰ろう
男「サラバだ明智君!」
友's「おう、じゃーな」
・
・
・
ただ今〜
男「まあ、誰もいないんだろうが」
父「お帰り〜」
あれ?珍しく家に居るなんて
父「来月から、転勤で埼玉に引っ越す事に成ったから」
男「了解〜」
どうせ冗談だと聞き流したが、……マジだったんだ
228 :
SS@蟹
2009/01/30(金) 08:12:04.81 ID:OcXVr.AO
とりあえず、ここまで
何かしらのコメントが無いとこの書き手はモチベーションが下がります
229 :
op男
2009/01/30(金) 08:18:17.26 ID:OcXVr.AO
体は蛋白質でできて居る
血潮はポーションで
心は投げやり
幾度の書き手を召喚して未書き
只の一度も完成はなく
只の一度も理解出来ない
ならば、歌詞の内容に意味は不要
このスレはラキスタの歌詞で出来ていた
230 :
☆の人
[sage]:2009/01/30(金) 08:48:07.14 ID:3pdY62AO
召喚に応じて参上した
どーも、☆の人です
最近忙しくてこれませんが、まああの作品はある意味完結したからいいじゃ(ry
まあ、続きを中々書きやがらねぇ俺は引っ込んで投下をワクテカしてますわ
ノシ
231 :
蟹の人
2009/01/30(金) 10:44:29.45 ID:OcXVr.AO
>>230
wwktkするのは良いけど
引っ込むな書け!
俺は楽しみにしてるんだ
232 :
☆の人
[sage]:2009/01/30(金) 12:28:13.87 ID:3pdY62AO
この前書いたじゃない…
233 :
蟹の人
2009/02/02(月) 07:31:25.76 ID:jVTxWYAO
卒業試験なんで来週から再開
ソレまでにこんな風にしたい、などリクエストを受け付けます
見切り発車なのでストーリーが穴だらけ…
234 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/02/04(水) 23:33:09.89 ID:EORYTwso
病弱なみゆきさんが窓から見た男に恋する小説ってここにあった気がするんだが……
どうなってるんだ?
235 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/02/05(木) 00:39:28.67 ID:m8nPaYI0
>>234
懐かしいwwwwそれの作者ですwwww
あんなぐだぐだなやつ覚えてくれてる人がいるとは思わなかったwwww
wiki更新の時に他の作品と一緒に消えちゃったみたいですね
その時いつか書き直そうと思ってたけど今まで忘れてたwwww
236 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/02/05(木) 01:41:26.10 ID:fXVoG1.o
そういや何気に今のまとめwikiも最近更新されてないな
もう放置なんだろうか
237 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/02/05(木) 13:12:54.27 ID:28MhxAAO
更新は各自になりましたよ
管理人が多忙につき
238 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/02/06(金) 00:14:17.06 ID:Ner3B120
蟹の人乙
できればハッピーとバッドの両方のEDをお願いしたい
>>235
ぐだぐだとか言うなよ
あの話大好きなんだぜ
239 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/02/06(金) 03:35:18.17 ID:9sQzv1oo
>>235
あー、そうだったんだ
ここの作品の中じゃ一番好きな作品だったぜ
240 :
蟹の人
2009/02/06(金) 08:29:39.91 ID:oXY3SgAO
>>235
まじか!?
あの作者さまですか?
まだ、スレに居てくれてありがとうございます
>>237
各自で更新か、出来るかな?
241 :
蟹の花
2009/02/06(金) 09:10:40.04 ID:oXY3SgAO
ハピand、BADを作るのは良いけどどこら辺までのbadならセーフ
何処までも逝ってよし?
242 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/02/06(金) 18:20:23.62 ID:51Hhd3Y0
>>241
いいんじゃね
つかまとめからいろんな作品消えてるのな……
243 :
蟹の舞
2009/02/10(火) 17:59:05.53 ID:FfnsmgAO
明日から本気だす
244 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/02/11(水) 18:31:29.61 ID:gAidckDO
wktk
245 :
蟹の足
2009/02/11(水) 18:47:14.08 ID:x6yJA2AO
wktkを確認
これより執筆に移る
246 :
☆
[sage]:2009/02/11(水) 18:49:55.71 ID:EB9MrsAO
wwktk
247 :
蟹の限界
2009/02/11(水) 19:16:28.97 ID:x6yJA2AO
次の日、学校から帰るとそこには
…変わり果てた家があった
家中が段ボールだらけ…
中国製の肉マンが大量に作れそうだ…
男「これは…いったい……
落ち着け、新手のスタンド攻撃かもしれない…
ここは慎重に行動するべきだ…」
父「お〜い、帰って来たなら引っ越しの準備を手伝ってくれ〜」
男「な…なんだと……」
え?引っ越し?初耳ですけど?
父「昨日、行ったぞ埼玉に引っ越すって」
男「まったく記憶にございません」
まるで不祥事の会見みたいだ…
父「いいから荷物をまとめろ」
・
・
・
248 :
蟹の限界
2009/02/11(水) 19:16:38.66 ID:x6yJA2AO
引っ越しの準備をあらかた終わらしていつものゲームを始める
コナーク『あれ?今日はずいぶんinするのが遅いね』
オトーコ『ああ、引っ越しの準備をしてた』
コナーク『引っ越し?』
オトーコ『なんでも埼玉に引っ越すらしい…』
コナーク『埼玉だったら、いま住んでる所だよww』
オトーコ『まじか、じゃあこんどリアルで会おうぜww』
コナーク『オッケー、ドコに転校することになったんだい?』
オトーコ『えっと……読めないけど陵桜学園って場所に行く予定
………受かればな』
コナーク『』
オトーコ『?』
コナーク『ゴメンゴメン、〔なんだってーーー!!!〕って書き込もうとしてリアルで叫んじゃったよ、いや〜失敗失敗』
オトーコ『なるほど、なんでそんなに驚いたんだ?』
コナーク『いや〜、自分が通ってる学校の名前が出たらびびるでしょ〜』
オトーコ『え、まじ?』
コナーク『マジもマジ大マジだよww』
オトーコ『……今から行く場所帰るわ』
コナーク『…ソレはひどくないかい?(=ω=.)』
オトーコ『冗談だ冗談ww』・
・
・
249 :
蟹の限界
2009/02/11(水) 19:17:29.57 ID:x6yJA2AO
本気なんてこの程度だよ
あとは☆に任せた
250 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/02/11(水) 19:18:39.67 ID:EB9MrsAO
よし
任せたぜ☆!
251 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/02/11(水) 19:40:57.11 ID:x6yJA2AO
>>250
……
252 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/02/11(水) 19:45:59.26 ID:EB9MrsAO
>>251
そ、そんな目で俺を見るなぁーっ ビクビク
253 :
蟹の会見
2009/02/11(水) 19:49:39.24 ID:x6yJA2AO
………(=ω=.)
254 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/02/11(水) 19:56:54.53 ID:EB9MrsAO
あ、こなただー
かわえぇ
255 :
蟹の妹
2009/02/11(水) 20:28:51.02 ID:x6yJA2AO
俺はここまでみたいだ…
後は任せたぜ
256 :
蟹の話
2009/02/14(土) 23:06:41.26 ID:BDDdXMAO
畜生ー!
追試に引っかかった
しばらく投下は無理だ
英語と日本史Bと受験日本史なんて要らねーーー!!!
50点以下は、追試なんてふざけるなー
257 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/02/15(日) 03:03:34.98 ID:aspxIPg0
つけっぱなしのTVから流れる
砂嵐の音をBGMに
目を覚ました私は
最近吸い始めたブラックメンソールを手に取り火をつけ
煙を深くゆっくり吸い込んだ
煙を肺にまで入れ
それをゆっくりと吐ききる
強めのメンソールが喉を爽快感で包み
そしてTVの明かりだけが照らす部屋に口からでる真っ白な煙が
TV の明かりで幻想的に浮かび私の目の前を覆いそして形を整えぬまま消えていく
少しだけ頭がくらっとする
寝起きに吸うタバコはそうやって私の
けだるさを一層加速させながら
そして少しずつ
私の意識を呼び覚ましていく
258 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/02/15(日) 03:16:46.04 ID:aspxIPg0
一本を吸い終わると、私はすぐにもう一本に火をつけた
最近の私のお決まりの行動だ
まだはっきりとしない意識のまま、昨日タバコと一緒にコンビニで買った缶コーヒーを袋から取り出すと、蓋を開け一口飲んだ
・・・・・・ぬるい
今は何時なんだろう
一日中閉めきった遮光性のカーテンからは外の光は入らず
砂嵐のTVだけが深夜であるんだろうという推測を、私に与えてくれた
259 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/02/15(日) 03:26:48.02 ID:aspxIPg0
眠たい
どれだけ寝ても、私は睡魔から完全に解放されることはなかった
気だるさが起きている間私に付きまとう
いつからだろう、いつからこうなったんだろう
高校を卒業すると私はそのまま大学に進学した
将来は弁護士か検事か裁判官、どれにしても険しい道だけど、私にはそんな夢があった
大学入学と同時に私は目標をたてた
実力をつけるためにも勉強がてら資格を取ろうと
一年のうちに行政書士を
二十歳になったら社労士
そして司法書士の資格を取るんだと
・・・・・・
今でも部屋にはたくさんの法律関係の本がそこかしこに乱雑に置かれている
今では開からる事すらないその本たちはさぞかし私を恨んでいるだろう
260 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/02/15(日) 03:42:30.23 ID:aspxIPg0
なんでこうなったのかな
私は大学で友達がいなかった訳じゃない
サークルに入って積極的に交流して
授業だって計画を立ててしっかり組んで
夕方からは短めのバイトを入れて
勉強時間だってちゃんと確保して・・・・・・
完璧だった
これでいいはずだった
これで・・・・・・
一年生の始めての夏休みを終え
後期の授業がはじまり少し経った頃
私はいつものように大学へ向かった
いや、向かおうとしたのだ
けれど足は私の言う事を聞かなかった
一歩も進めない
心臓がはちきれんばかりに高鳴って
汗が噴出し目はしっかりと焦点を捉えることができなくなった
私は怖くなって急いで家に帰った
玄関の鍵を閉めるとその場でうずくまり
両耳を抑えるように抱えこむと
ガタガタと震えた
261 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/02/15(日) 04:03:13.25 ID:aspxIPg0
その日から大学に行く事をやめた
バイトもやめた
やめたんじゃないいけなかった
携帯の電源も切り
ただただ布団に包まって毎日を過ごした
それからは外に出るのは極力減らし
誰とも交流を撮らなくなった
それからどれだけたっただろう
私にはもう何年もこうしてる気がする
けど実際はまだ二ヶ月くらいだろう
このまま年が明ければ私の留年は確定し
そして春には通知が両親の元に行き
私は連れて帰られるだろう
その日がくるのが怖い
怖くてしかたない
なんていえばいいのだろう
どう説明したらいいのだろう
考えただけでも怖い
だから私は考えるのをやめる
けれどそれでもあらゆる不安が私の脳裏を掠める
262 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/02/15(日) 04:08:27.02 ID:aspxIPg0
不安に震えながら私は不安からの解放を求めて眠りにつく
眠っている時だけが幸せだった
いや幸せかどうかすら眠っている間はわからない
何もわかわないからそれが今の私にはきっと幸せなんだ
死ぬ事を何度考えただろう
死にたいと思うたびに
私は何度も何度も包丁を首元にあてた
そして、後は思いっきり引くだけだ
そうすれば楽になれる
冷たいひんやりとした金属の感触を首元に感じながら
私は必死で自分に言い聞かせた
けれどその度に私は金縛りにあったように動けない
いや、違う・・・・・・
本当は死ぬのが怖いんだ
263 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/02/15(日) 04:16:38.70 ID:aspxIPg0
そんなこと気づいているのに
私は何度も死ぬ事をあきらめなかった
死にたいのに
消えてなくなりたいのに
私は、死ぬのが怖いんだ
消え去りたい
消えてなくなりたい
ここじゃないどこかに行きたい
やり直したい
全部
全部
もう一度
もう一度・・・・・・
そんなことを考えているうちに私は、いつの間にか泣いていた
264 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/02/15(日) 04:27:45.97 ID:aspxIPg0
みゆき・・・・・・
こなた・・・・・・
つかさ・・・・・・
会いたい・・・・・・・・・・
朝起きたら私は実家にいて制服に着替えて眠気眼のつかさと一緒に学校に行くんだ
教室につくと日下部が昨日あったどうでもいい話を私に聞かせてきて私と峰岸は飽きれ顔でその話しを聞くんだ
休み時間には隣の教室に行ってつかさたちとたわいもない話をして
放課後にはこなたにつきあわされてみんなでゲーマーズに行くんだ
その後は家に帰って家族で夕飯を食べて私は部屋に帰って勉強する
そしてまた朝が来る
265 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/02/15(日) 04:40:26.69 ID:aspxIPg0
あぁ神様・・・・・・ほんとにいるのなら
私をあの時に帰してください
ほんのほんの一、二年前に戻してください
なんでもします
なんでもします
なんでもします
なんでもします
なんでもします
だから
お願い、お願いだから・・・・・・
私を・・・・・・私を
あの時間に帰してください
何にもいりません
他には何にもいりませんから・・・・・・
帰して・・・・・・
私をあの頃に帰してよ!!!!!!!
266 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/02/15(日) 04:46:20.24 ID:aspxIPg0
・・・・・・けれど私の思いとは裏腹に私の周りは時間軸がゆがむ様子も次元が裂ける様子もない
ようするになんの変化もない
・・・当たり前か
駄目だ・・・・・・涙が止まらない
寝よう・・・・・・
起きていてもいい事なんて何にもない
寝て起きたら
がんばろう
明日になれば
明日になればきっと
何かが変わってるかもしれない
今日はきっと日がわるかったんだ
そうだ
そうに違いない
寝よう・・・
寝てしまおう・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
267 :
蟹の電源
2009/02/15(日) 08:02:41.33 ID:mGxZlcAO
新タイプ来たーーーー!!!
wwktk!
268 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/02/15(日) 11:26:29.51 ID:eMiydZMo
乙
269 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/02/15(日) 12:15:49.70 ID:aspxIPg0
寝てた、一応ここで終わっても続けてもどっちでもいいところで区切った
続きいいのが書けたら投下するわ
270 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/02/16(月) 11:48:26.81 ID:Oi4Bv4o0
燃え尽きるほど乙!
wktkしながら待ってるぜ
271 :
蟹の使い魔
2009/02/19(木) 18:38:48.75 ID:d67ZZsAO
帰ってから
続き書く…………たぶん
272 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/02/19(木) 20:13:12.15 ID:75AJr2DO
wwktk
273 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/02/19(木) 23:29:21.12 ID:tNLqlV.o
蟹さんの邪魔をするはめにならない事を祈りつつ投下いきます
捏造設定で主人公が柊姉妹と幼馴染です
病むまでに多少時間かかります
みゆきさんの出番が恐らくほとんどない感じになると思います、ファンの人すみません
274 :
初恋クレイジー そのいち
[sage]:2009/02/19(木) 23:32:35.73 ID:tNLqlV.o
「お帰り、男」
「なんだ来てたのか、ただいま」
高校野球最後の試合とその打ち上げを終え帰宅したら、
かがみが我が家のリビングでくつろいでいた。
どおりで閉めたはずの玄関の鍵が開いていたわけだ。
時刻は夜10時になろうかというところ、学校は夏休みで時間に融通がきく時期ではあるが、
連絡もなしにこんな時間にうちに来ているのは珍しい。
「どうした? こんな時間に。おじさん達心配してるんじゃないか?」
「男の家行くって言ってきたから大丈夫よ。帰り遅くなるかもとも言っておいたし」
「ならいいけど。そういえばつかさは一緒じゃないのか」
「今日は私一人よ」
「そうか、珍しいな。…ところで鍵閉まってなかったぞ、夜、女の子が一人でいるのに無用心だろ」
かがみ、というか柊家にはうちの合鍵を渡してある。
なのでこうして俺がいない間に勝手にあがってることは問題ない、
だが夜も深まるこの時間は施錠はきちんとしてほしい。
この辺りは特に犯罪などがあるわけでもなく平和そのものだが、用心するに越したことはない。
「あ、ごめん。でも大丈夫よ、鍵開けっ放しでどこか行ったりはしてないから。
私がいる時に泥棒とか来たら責任持って追っ払ってやるわよ」
「バカ、おまえの心配をしてるんだ。
泥棒なんか入ってきたら、うちの物なんかいいからまずおまえが逃げてくれ、頼むから。」
「はいはい、そうするわ。まあ次からは鍵かけ忘れたりはしないから大丈夫よ」
言葉の調子はちゃんと話を聞いてるんだかわからないような軽いものだったが、
実際かがみなら鍵の閉め忘れなんてもうないだろう、しっかりしてる奴だし
「ところであんたさ、夕飯…はもう食べてきたわよね。この時間だし」
「そりゃな、もしかしてかがみはまだ食べてないとか? よかったら何かつくるぞ」
今日は食材を買ってきてはいないが冷蔵庫の残り物でチャーハンくらいはつくれるだろう。
明日の朝が心許なくなるが、まあ俺は最悪白むすびでいいわけだし
「いや、私がさ、一応つくっておいたから、あんたの夕食。
食べないで帰ってきたらと思って」
275 :
初恋クレイジー そのいち
[sage]:2009/02/19(木) 23:34:26.99 ID:tNLqlV.o
「なんだ、それなら連絡してくれればよかったのに」
「サプライズよ、サプライズ。
…じゃあ作ったの冷蔵庫に入れてあるから、明日の朝にでも食べてよ」
「いや、せっかくだから今いただくよ、まだ食べられるしな」
「相変わらずよく食うわね…」
「で、結局かがみは夕飯食べたのか?」
「食べてないけど、私はいいわよ。あんたがもっと早く帰ってきたら一緒に食べようかと思ってたんだけど、この時間じゃね。
まあ外で食事済ましてくるんだろうな〜とは思ってたから、最初から夕飯は抜くつもりでいたし」
「む…健康によくないぞ、そういうの。ちゃんと三食とらなきゃ駄目だ」
「……あんたと違って私は色々気にしなきゃいけない事があるのよ。
こんな時間にご飯なんか食べられますかっての。
ていうかあんた、いつもたくさん食べてるくせに太らないってなんなのよほんとにっ」
なにやら理不尽な怒りをぶつけられる。かがみが体重を気にしているのは知ってるが…。
「いやほら。運動部だし、その分消費してるんだって」
「なんで背はしっかり伸びて脂肪はつかないのよ、私は余計なとこばっか肉がつくってのに…」
よくこんな事を言うかがみだが、実際全く太ってなんかいない。
むしろ細身でいわゆるスタイルがいい、と言えるぐらいじゃないかと俺は思っている。
女の子のスタイルの良し悪しってのには正直詳しくないので全くの個人的見解だが。
まあそれは置いといても最低でも太ってなどはいないというのに、
そもそも俺と比べたらそれこそどこをとっても俺より全然細くて女の子らしい体型なのに、なぜか体重に妙に拘るかがみは俺を羨ましいという。
正確には羨ましいというか「こんなに我慢してる私を尻目にガンガン食べてるあんたが[
ピザ
]にならないのがムカツク」ということらしい。
だったらかがみも遠慮しないで食べればいいだろと言ったらグーで殴られた
「だからな、何度も言うけどかがみは全然太ってないだろ。気にしすぎだぞ」
「気にもするわよ、体重の数字っていうのは女のプライドを具現化した物なの」
うお…目が本気だ。男にはわからない世界ということだろうか
「そ、そうか…」
注意しても聞いてくれないのはいつもの事だ、
まあ体調崩すようなことでもない限りかがみのする努力は俺としても応援したくはある。
……それにかがみのことだから本当に腹が減ったら何かつまむだろう。
ダイエット中だと言いながら間食をしてる姿を何度見た事か。
こっちとしてはその方が安心だが、正直ちょっとつっこみたくもある。
つっこんだら多分殴られるけど
276 :
初恋クレイジー そのいち
[sage]:2009/02/19(木) 23:35:31.03 ID:tNLqlV.o
「ほら、いいから食べるなら食べなさいよ、料理温めてあげるから。そして肥えるがいいわ」
「ああ、かがみは座ってていいぞ、自分で用意するから」
「試合して疲れてるでしょ、たまには頼れっての」
言いながら冷蔵庫から取り出した皿をレンジに入れ、スイッチを押すかがみ。
「そういえば、今日の試合、惜しかったわね」
「なんだ、見に来てたのか」
「つかさと友達とね、若干一名しぶってたけど」
「……今日で高校野球も終わりだ。結局甲子園には届かなかったけど、…悔いはないよ」
最後の試合は2−1で敗戦。我が陵桜野球部は準決勝で夏を終えた。
正直に言って悔いはないと言ったら嘘になる、
試合後にチームメイトが涙を流すところを見たら、
俺がもっと頑張れていれば勝てたのに、という思いにかられた。
団体競技でそんな事を考えるのはおこがましいとはわかっているが、
友人の涙を見るとそんな事も思ってしまう。
「ほら、そこどかして。料理並べるわよ」
「おう」
皿にかけられていたサランラップがとられ、食欲を誘う香りが漂う
「豚の生姜焼きか、旨そうだな」
「…まあ味はあまり期待しないでよ」
「いただきます、……んぐ………うん、美味しいよ。かがみの料理食べるの久しぶりだけど、上手くなったな」
そういえば高校に入ってからはつかさと交代で学校の弁当をつくっているとか言ってたな。
前に食べた時より格段に腕があがってる
「……っそ。ならよかった。で、結局あんたはヒット二本と、盗塁一つだっけ。
あれって成績としてはいいの?」
「まあ悪くはないって感じ、なんとか最低限の仕事はこなせたってとこだ」
食べながら答える。
仮にも野球推薦で陵桜に入り、レギュラーに選んでもらえた身としては
自分の不出来でチームに迷惑をかけるわけにはいかない。
「……むぐ……。……ふう、ご馳走様。美味しかったよ、ありがとうな」
277 :
☆(ヒトデマン)
[sage]:2009/02/19(木) 23:35:42.79 ID:osaZNcAO
wwktk
278 :
初恋クレイジー そのいち
[sage]:2009/02/19(木) 23:37:07.51 ID:tNLqlV.o
「お粗末様。……それでさ、あんた進路どうするか決めた?
就職も考えてるとか言ってたけど…。部活引退してから決めるって言ってたわよね」
かがみの雰囲気が幾分真面目な物になる、どうやら今日はこの話をしにきたらしいな。
俺の中ではもう決めていた話なのだが、そういえばまだかがみやつかさには話していなかったか。
ここ最近はあまり会っていなかったし。
元々俺は推薦での進学狙いだったがとある事情からそれは不可能になった。
部活とバイトの合間をぬって、勉強にもできうる限りの時間を割いてはいたので、
一般入試でも特に問題はないのだが、事情がありいっそさっさと就職するのも手かと少し前まで考えていた。
「それで今日ききに来たってわけか、せっかちだな」
「い、いいじゃない。あんたがもたもたしてるから気になるのよ。
……で、どうすんの? まだ決めてない?」
「もう決まってるよ」
「へ、そうなの? …わざわざ来といてなんだけど、本当に決めてるとは思わなかったな」
「まあ以前から決めてたんだ。そういえばまだおまえには言ってなかったよな。
最近ゆっくり会う時間もなかったし」
「…どっち? 就職? 進学?」
どことなく緊張した面持ちのかがみ、わざわざこんな時間に聞きにくるぐらいだし、それなりに気になっているようだ
「ああ、進学することに決めたよ。祖父ちゃん達にも進学して将来の選択の幅を広めるように言われてたし。
…正直推薦がおじゃんになった時点では就職に傾いてたんだけどな」
高校に上がるまで面倒を見てくれた祖父ちゃんと祖母ちゃんには以前から進学するよう勧められていたが、
俺としては就職して早く祖父ちゃん達に恩返ししたいという意思があったので、
推薦入試の道が断たれたことで改めて就職を考えもした。
だが結局は好意に甘えさせてもらうことに決めた。
「そっかぁ……そっかそっか、進学ね! じゃあ受験勉強頑張らなきゃね、私も手伝うからさ! 志望校はどこにすんの?」
「第一志望は、……その、○○大だ。…おまえと同じとこ」
「○○大!? …正直今からじゃ結構厳しいわよ?
…ああ、でもあんたの場合時間の許す限り集中力きらさず勉強できるし、無理でもないか…。
それにしてもなんでわざわざ○○大? なんかあそこに行きたい理由でもあんの?
…あ、も、もしかして、私と同じとこがいいから〜……とかだったりして」
からかうような声色でそんなことを言ってくるかがみ
…事実そのとおりだったりするから困る
「いやまあ……そういうことだ」
「ふえ……?」
279 :
初恋クレイジー そのいち
[sage]:2009/02/19(木) 23:39:20.54 ID:tNLqlV.o
「も、もちろんそれだけってわけじゃないぞ。
どうせ進学するなら妥協せず少しでも上の大学を目指したいって気持ちや就職に有利だってことも理由のうちだ。
でも……一番の理由は何かって言うと、おまえと同じ大学に行きたいから……だったりするわけだ」
「え、えと……。それほんと……? …冗談とかなら本気で怒るわよ…?」
「本当だ、冗談なんかじゃない」
「そ、そう……」
かがみが俯いて俺の顔を見ようとしない。
どうせなら本人を前に決意表明しておこうかと思い話してしまったが、
もしかしなくてもエラく恥ずかしいこと言ってないか? 俺。なんか顔が熱い。
……というかだ、今気付いたけどかがみとしては迷惑だったりするかもしれないじゃないか。
高校入学後は俺の部活が本格的に忙しくなり、
以前より顔を合わせる時間は大分減ったとは言え、なにせすでに10年来の付き合いなのだ。
かがみの双子の妹のつかさも含めて小学校からずっと同じ学校。
このうえ仮にかがみと俺が二人共○○大に受かったら更にまた四年同じ学び舎に通うわけだ。
ただの幼馴染でしかない俺の顔などかがみは内心もう見飽きているのではないだろうか?
「あー、その……もしおまえが迷惑だっていうなら、他のところにするけど…」
幼馴染が行くから目指す、その幼馴染が迷惑がっているからやっぱりやめる、など
他の○○大を目指している受験生の人達に知られたらふざけんなと言われそうだが、
かがみに迷惑はかけられない。
「え、な、なに…?」
顔をあげたかがみは、なんか物凄く頬が緩んでいた。
心なしか赤くなっているような気もする
「だからさ、かがみが嫌だって言うなら、志望校変えようかと……」
「へ!? ちょ……嫌なわけないでしょ! てかなんでそんな話になる!」
「そ、そうか、ならよかった。いやさ、もう随分長い付き合いになるからな、
おまえもいい加減俺の相手するのが嫌になったりしてるかもってちょっと思っただけだ」
「わ、私があんたのこと嫌になんて!……なるわけ、ないでしょっ。
…もう、何回言わせるのよ。……私には、遠慮なんかしないで」
昔からかがみに何度も言われてきた言葉。
そうか、まだ俺はかがみの傍にいていいのか。
「……ああ、ありがとな」
「べ、別にお礼言う様なことじゃないわよ。あんたの事はまだまだ面倒見てあげるつもりなんだから。
……男ちゃんってばぁ、要は私と離れるの嫌なんでしょ?」
280 :
初恋クレイジー そのいち
[sage]:2009/02/19(木) 23:41:22.69 ID:tNLqlV.o
一転ニヤニヤしながらいじる気満々な顔で言ってくるかがみ。
ううむ、やっぱり早まったか、事実俺の気持ちとしてはかがみが今言ったとおりなのだが。
今更ながらバカ正直に本人に言うこともなかった気がしてくる。
「そ、そこまで言ってないだろ、ていうか男ちゃんはやめてくれっ」
小学校の時分、一時だがかがみとつかさに身長で追い抜かれ、かがみに「男ちゃん」呼ばわりされた時期がある。
あの時はなけなしの男のプライドが傷ついたものだ。
妹分だと思っていたつかさにまで同じようにちゃん付けで呼ばれたことで止めを刺された
「照れるな照れるな、図体ばっかでっかくなっちゃって最近可愛げなくなってきたって思ってたけど、
まだまだかわいいとこあるじゃな〜い」
何がそんなに嬉しいんだか、かがみは満面の笑顔。
かわいいっていうのは今のおまえみたいなのを言うんだ、とか思ったり。
うう、また自分の頬が赤くなっていくのを感じる、かがみのその顔には弱いんだ
「だ、誰がかわいいんだよ。……ほら、いい加減時間も遅いし、もう帰った方がいいぞ。送るから」
時計を見れば11時をまわるところだ、日付が変わる前にはかえさなければ。
つかさと一緒(時にはまつりさんとかまで加わり)にうちに泊まることは今までもあったが、今日はかがみ一人。
…俺も男なわけで、かがみと二人きりで一晩っていうのは正直色々と困る。
万一理性が持たなくなるようなことがあったりしたら首を括るしかない。
いやそんなかがみを悲しませるような事なんて万に一つもするつもりないが。
「今日は泊ってくわ、夏休みだし問題ないでしょ。勉強みてあげるわ。
センターまで時間少ないんだから気合入れてくわよ!」
「お、おい。そりゃこの後勉強はするつもりでいたし、一緒にやってくれるってんならありがたいけど……」
「ならさっさと勉強道具用意する! どうせ私も今帰ったって寝れそうにないからいくらでも付き合うわよ。
なんなら徹夜でもかまわないわ!」
確かに、なぜか眠れそうもなさそうなくらいハイテンションなかがみだった。
「…それにあんた、今日一人にしておくと試合に負けた後みんなが泣いてたとこ思い出したりして
色々悩んじゃいそうだしさ。…一緒にいてあげる」
「かがみ……」
お見通しか、さすがかがみだ。
試合に負けた事は仕方ない、相手チームと互いに力を出しきった結果がそうなったのだから。
だが三年間(正確には二年と数ヶ月だが)苦楽を共にしてきたチームメイトの涙は
仕方ないで済ませられるような軽いものじゃなかった。
打ち上げの席ではみんな気持ちを切り替えて楽しんでいたのでまだ救われるが。
281 :
初恋クレイジー そのいち
[sage]:2009/02/19(木) 23:42:31.08 ID:tNLqlV.o
「……ありがとな」
うん、やっぱりこいつの幼馴染でいられてよかった
「でも泊まるのは駄目だぞ、今日はつかさもいないんだし。
女の子が若い男の家に二人きりで朝まで、なんて誤解してくれと言ってるようなもんだ」
「……相変わらずカタい奴。はいはい、適当に時間見て帰りますよ。
じゃあ早速勉強開始! もたもたすんな!」
「おう」
「あ、あとさ。あんたがよかったら明日から一緒に勉強しない?
夏休みの間、つかさと他の友達も集まって、一緒に勉強する予定いっぱいたててるんだけど」
「それはありがたいけど、いいのか? 友達同士で集まるのに俺なんかが混ざっちゃって」
「いいのよ、ちゃんとみんなには説明しとくから。遠慮しないの」
「じゃあ、ありがたく参加させてもらおうかな」
「よしよし、それでいい」
―――――結局この後は、勉強ももちろんしたが、
どちらかというと他愛もない昔話で盛り上がる時間の方が長くなってしまった。
楽しそうに話すかがみを見ると、ついついこちらも付き合ってしまう。
途中何度かいい加減帰るように言ったのだが、結局かがみが応じたのは午前二時をまわった頃。
柊家まで送り届けはしたが、
さすがに時間が時間なので、おじさん達にかがみを帰らすのが遅くなりすぎた事の謝罪はできなかった。
今度会った時に謝っておかなければ。
282 :
初恋クレイジー そのいち
[sage]:2009/02/19(木) 23:47:49.80 ID:tNLqlV.o
今日は以上です、続きます。
主人公が高校球児ですけど、本編で影も形もない(当然ですがww)かがみ&つかさの
幼馴染なんて飛び道具キャラを使うに当たって、らき☆すた世界に強引にねじ込むための
こじつけ舞台設定(部活とバイトで忙しくてかがみ達と会う暇がなかった)でしかないので
話が野球関連の方向に行くことはありません。
てかつい昨日知ったんですが陵桜のモデルって春日部共栄なんですね、驚きました。
最初、陵桜野球部は適当に初戦で負けるようなチームのつもりで書いてたんですが、
モデルが春日部共栄じゃあなって事でちょこちょこっと修正して
ガチで甲子園狙ってたチームって事にしちゃってますww
ついでに国府田マリ子さんが春日部共栄出身てのも昨日初めて知って驚きましたww
月天とCCさくらで二次元戦士になった身なので
283 :
☆(ヒトデ星)
[sage]:2009/02/19(木) 23:50:46.35 ID:osaZNcAO
乙です
二人の関係がニヤニヤですた!
続きをまったりのったり待ってます
投稿はageてもいいと思いますよ?
わざとならいいですけど
284 :
蟹の性格が悔やまれる
2009/02/19(木) 23:55:28.39 ID:d67ZZsAO
新作ラッシュwwktk
ちょっとだけ投下
――――――――――――
285 :
蟹の性格が悔やまれる
2009/02/19(木) 23:55:59.65 ID:d67ZZsAO
あま、なんだかんだで埼玉にひっこして来たわけだが……
男「なんで転校初日から走らなきゃならないんだよー!」
くそったれめ、目覚ましのやろうなんでならなかったんだよ!
………まあ、壁際で大破してたし無理なはなしだが
なんで大破してたんだろ?不思議だな〜
男「くそ、間に合え!」
遅刻は不味い、初日から遅刻は不味い!
・
・
・
286 :
蟹の性格が悔やまれる
2009/02/19(木) 23:56:14.68 ID:d67ZZsAO
キ〜ン コ〜ン カ〜ン コ〜ン
黒井「みんなー、席につきー」
黒井「今日は、転校生が来るでー」
生徒達「ザワザワ…」
つかさ「転校生か、どんな人だろうね?」
みゆき「優しい、親しみやすい方だどいいですね」
黒井「ほい、みな黙りや」
黒井「ほな、入って来な」
男「……ども、男です」
黒井「しけとるな〜、挨拶それで終わりかいな?」
男「はあ…」
黒井「まあ、ええわ
なにか質問あるやつおるか?」
白石「何処から来たんですか?」
男「新潟から…」
つかさ「あの〜、なんでそんなに汗だくなんですか?」
男「走ったから…」
みゆき「御趣味はなんですか?」
男「読書です」
くそ、人見知りの性格が悔やまれる……
なんだこれ、エリカさまじゃないんだぞ……
黒井「ほな、とりあえず後の席に着き〜
出席をとるで〜」
・
・
・
287 :
蟹の性格が悔やまれる
2009/02/19(木) 23:57:46.52 ID:d67ZZsAO
黒井「泉〜、…泉〜
……遅刻っと」
ガラッ
こなた「ギリギリセーフ!」
黒井「アウトや」
こなた「そんな殺生な…」
黒井「今日は、なんで遅れたんや?」
こなた「実は、目覚ましがなぜか壁際で大破していて…」
・
・
・
288 :
蟹の性格が悔やまれる
2009/02/19(木) 23:57:58.39 ID:d67ZZsAO
お休み
289 :
ヒトデ☆スター
[sage]:2009/02/19(木) 23:59:56.74 ID:osaZNcAO
乙です
なんか創作意欲わいてきた…
290 :
初恋クレイジー そのいち
[sage]:2009/02/20(金) 00:00:06.06 ID:i11eDrAo
蟹の人乙です!
291 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/02/20(金) 00:01:12.21 ID:i11eDrAo
すいません
>>290
名前欄消し忘れました
292 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/02/21(土) 00:53:36.52 ID:2rqOcyYo
初恋クレイジーのかがみが可愛い
本当にいい子なんだなぁ
これからの展開に超期待
293 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/03/01(日) 01:29:27.36 ID:KSo8.pw0
保守
294 :
蟹は鳶に襲われる
2009/03/02(月) 21:10:43.88 ID:OERGrsAO
最近、忙しいんですが
今から書きます
投下は明日に成るかもしれない
295 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/03/02(月) 21:56:32.38 ID:SSTGoJYo
wwktk
296 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[saga]:2009/03/02(月) 23:53:44.38 ID:78Mu8g6o
蟹は鳶に喰われる Ω\ζ°)チーン
297 :
蟹は鳶に襲われる
2009/03/03(火) 00:24:32.23 ID:a0Qp2kAO
朝のHRが終わり一時限目の授業が始まった。
男「暇だな〜」ボケ〜
授業中に暇と言うのはオカシイかもしれないが、自分が大嫌いな教科だと皆こうなるものだと思う
教師「え〜と、訳は……ソレは車ですか?
いいえ、ソレはトムです…となる」
…英語の問題は変なのがたまに混じってる気がする
教師「じゃあ次のもんだいを……高翌良、答えてみろ」
みゆき「その飲み物を飲むと貴方は体調が悪くなるでしょう」
教師「正解だ。この問題はテストに出るぞ」
テストに出るのは解ったがどんな飲み物なのかが気になる…
298 :
蟹は鳶に襲われる
2009/03/03(火) 00:24:40.84 ID:a0Qp2kAO
教師「じゃあ次は…柊、答えてみろ」
つかさ「え!?……えと、えと………」
男「…マリーは、血のように赤いドレスを着ている」ボソッ
つかさ「えっと、マリーは血のような赤いドレスを着ている?」
教師「正解。珍しいな」
つかさ「えへへww」
柊とやら、然り気無く馬鹿にされてるぞ
教師「じゃあ次は」……
こなた「(-ω-.)Zzz」
・
・
・
299 :
蟹は鳶に襲われる
2009/03/03(火) 00:24:53.70 ID:a0Qp2kAO
そんなこんなで昼休み、なんだが……
男「飯が無い…」
しまった!朝急いでたせいで弁当を忘れた!ガッテム!!
売店か学食は何処だ!
つかさ「あのさ、男くん」
男「…ナニ?」
つかさ「英語の時間、助けてくれてアリガトね」
男「ああ、俺も英語苦手だから答えが合っててよかったよ」
つかさ「それでさ、お礼と言ったらなんだけどさ一緒にお昼ご飯食べないかな?」
300 :
蟹は鳶に襲われる
2009/03/03(火) 00:25:02.60 ID:a0Qp2kAO
………え?ナニこれいつフラグ立てたっけ
…は!夢か!?
頬をつねれば解るぞ……
痛い…
つかさ「ダメかな?」
ダメだよ☆ って違うコレは違うヤツだ
落ち着け素数を数えるんだ
2、3、5、7、11、13、17…
男「あ〜、申し出は嬉しいんだが。残念ながら飯が無い」
男「売店が何処にあるのか教えてくれないか」
つかさ「売店なら……」
・
・
・
301 :
蟹は鳶に襲われる
2009/03/03(火) 00:27:15.55 ID:a0Qp2kAO
昼ぐらいにまた投下するよていです
それと、長崎に旅行中に山でマンゴーアイスを鳶?に奪われた俺に一言……
302 :
蟹と有名な
2009/03/03(火) 14:23:47.97 ID:a0Qp2kAO
また、投下は夜に成りそうだ
303 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/03/03(火) 23:20:30.97 ID:2gF0Tek0
よろしい、ならば全裸待機だ
304 :
蟹はエロスが書けない
2009/03/04(水) 00:57:11.24 ID:1Yr8/IAO
柊に位置を教えてもらい、売店目指してレッツゴー!
男「二足イニシャルドリフトーーー!」ズザー
この叫びに別に意味は無い
只、言いたかっただけだ…
・
・
・
305 :
蟹はエロスが書けない
2009/03/04(水) 00:57:30.80 ID:1Yr8/IAO
売店に着いたのは良いが…
男「…ココは戦場か?」
売店に群がる人の群れ
皆に踏み潰される細目の男子生徒
……たしか同じクラス…だったよな?
…無視しよう、昼飯の方が大事だ
男「特攻!」
くっ、人の壁が厚い―――
こなた「こちらコナーク、コレよりこの戦争に武力介入を開始する!」
―――!―――
こいつは、朝の遅刻したやつ!
たしかコイツの今、コナークって言わなかったか?
こなた「おばちゃん、チョココロネちょうだい」
―――早!
もう到達しやがった!
こなた「ふっはは、楽勝だね☆」
羨ましい
306 :
蟹はエロスが書けない
2009/03/04(水) 00:58:10.90 ID:1Yr8/IAO
男「なあ…」
こなた「なに?」
男「随分人の壁を突破するのが美味いな」
こなた「甘いね、この私を止めたくばあと三倍は持ってこい!」
…どこぞの金ピカみたいなセリフを吐きやがった
男「ところでさっきコナークって名乗ってたけどもしかして、オンゲーでその名前使って剣士やってない?」
こなた「いかにも、やってるけど……それがなにか?」
男「オトーコって名乗れば解るか?」
・
・
・
307 :
蟹と小児科と精神科
2009/03/04(水) 01:01:02.70 ID:1Yr8/IAO
終了
就寝
閉幕
服を着ろ
308 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/03/04(水) 23:47:42.07 ID:QXgSLsk0
>>蟹の人
これは乙じゃなくてなんたらかんたら
309 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/03/05(木) 21:15:04.56 ID:k0Sl0Cco
乙
310 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/03/05(木) 23:42:02.58 ID:vePlczoo
こないだ初恋クレイジーっていうの投下した者です
続きいきます
311 :
初恋クレイジー そのに
[sage]:2009/03/05(木) 23:43:11.67 ID:vePlczoo
先日かがみに誘われて以来、かがみ、つかさとその友人達の勉強会に参加させてもらっている。
その縁で二人の友人であるという泉さん、高翌良さんという人達と知り合いになった。
二人共かがみとつかさの話によく出てきていたので、名前だけは以前から知っていた人達だ。
高翌良さんはかがみ達から聞いた話以外にも、容姿端麗文武両道、
おまけに品行方正という絵に描いたような完璧な人物という噂は聞いたことがあったが、実際にそのとおりの人だった。
丁寧な言葉遣いに常に人をたてる穏やかで気配りのできる性格、そして進路希望は全て医学部だとか。
いるところにはいるんだな、こんな凄い人。
泉さんは体が小さく足元まで届くような長い髪が印象的な、飄々とした、猫のような人だ。
初めて会った時、かがみとつかさとの関係を物凄い勢いで問い質されて困った。
どうやら俺が二人のどちらかと、
もしくは両方と(…それは人として駄目だろう)恋人関係である事を期待していたらしい。
残念な事にそんな事実は全くないのできっぱり否定しておいたが。
ちなみに泉さんは民放の野球中継の延長に困っているらしいので、野球に関わる者の端くれとして一応謝っておいた。
いやもちろん俺が謝ったところで意味なんて全くないわけだが。
そんなわけで高翌良さん、泉さんにかがみ、つかさの仲良し四人組に、俺が加わらせてもらい、
最近はもっぱらこの五人で図書館なり柊家なりに集まって勉強会を開いている。
――――――――――――
ということで今日は五人集まり図書館にて勉強会、午前一杯勉強を続け昼飯時を迎えた。
「はい、泉さん。お弁当」
昨夜電話で頼まれたとおり、泉さんに弁当を渡す。
午前中から図書館で勉強する場合は、昼食は各々弁当持参の形をとる事が多いのだが、
泉さんはほとんどの場合コンビニで買った適当な物で済ませているので、
部外者が参加させてもらっているお礼を兼ねて俺が弁当をつくる事を申し出たのだ。
泉さんは家で昼食をとり昼過ぎからの参加というケースも多いので、
必要な時は前日に電話で連絡してもらっている
「おおー、ありがとうね男君」
「あー、こなちゃんまた男君にお弁当頼んだんだ。いいなぁ」
「もう、こなたってば……こいつにそういう事あまり頼まないでって言ってるでしょ」
「言ってくれれば二人の分もつくるぞ? 高翌良さんも、必要なら遠慮なく言ってください」
312 :
初恋クレイジー そのに
[sage]:2009/03/05(木) 23:44:17.56 ID:vePlczoo
「いえ、お気持ちは嬉しいですが、ご迷惑でしょうし。
初めてお会いした日にお弁当を用意していただいただけでも十分ですよ」
「初対面でいきなり、弁当つくってきたから遠慮なく食べてくれ、だもんね。
正直ちょっと驚いたよあの時は」
「う……やっぱりあれおかしかったな?」
初めてこのメンバーの勉強会に参加させてもらった日、
挨拶とお礼の意味を込めて俺は全員分の弁当を用意していった。
かがみとつかさはともかく、泉さんと高翌良さんからしたら見ず知らずの得体の知れない男の手料理をいきなり、
さあ食べてくれ、なんて差し出されたわけで。
大多数の女の子は見知らぬ男にいきなりそんなことされたら普通ありがた迷惑と感じるだろう。
結果的に快く食べてもらえたからいいが、今思うとあれは失敗だった。
食事を振舞うにしても、いきなり自分で作ったりせずに
コンビニなりファミレスなりで奢るという形にした方がよかったんだろうな。
かがみやつかさに女心がわかってない、とよく言われるが、
俺のこういう辺りがそう言われる由縁なんだろう。
自分でも直したくはあるけど、結局後になって初めて気付くようなことばかりだ。
嫌がらず弁当を食べてくれた泉さんと高翌良さんの懐の深さに感謝するしかない。
「い、いえ。確かに驚きはしましたけど、おかしくはないと思いますよ?
お弁当、美味しかったですし。」
「お手製弁当くらいギャルゲーではよくある事だよ。
まあ男の子がやってもそこに萌えが生まれるかは微妙だけど」
フォローしてくれる泉さんと高翌良さん、いい人達だ。
泉さんの言ってる内容は正直よくわからなかったけど。
かがみとつかさはいい友人に恵まれたな。
「そっか、そう言ってもらえると助かるよ。
で、つかさとかがみはいいのか? 弁当」
「うう……男君のお弁当……欲しいなあ……。
で、でも駄目だよ、男君も忙しいでしょ?」
「ていうかあんたは人の世話してる暇があったら自分の事に時間使いなさいよね。
こなたもあんまり男に頼み事しないでよ、こいつそういうの断るって事を知らないんだから」
「いやあ、正直自分でもちょっと図々しいかな〜と思わなくもないんだけど、
自分で弁当つくるのは面倒だし、外で買うにしてもコミケに向けて節約しなきゃならないし、
それに男君の弁当ってつくってもらう度に上手くなってくから楽しみでさ」
「ほ、ほんとか? 泉さん。質上がってるかな?」
「うん、最初の時も十分美味しかったけど、最近は更に味付けから盛り付けまで洗練されてる感じ。
って作ってもらってる立場で偉そうに品評するのもなんだけどね」
313 :
初恋クレイジー そのに
[sage]:2009/03/05(木) 23:46:03.72 ID:vePlczoo
よし、と見えない所で小さくガッツポーズをとる
「いや、こっちとしても忌憚ない意見をもらえるとありがたい」
泉さんはこう見えて……なんて言っては失礼だが、家事万能らしく、料理の腕も相当なものだ。
一度泉さんが自作の弁当を持ってきたことがあったが素晴らしい出来だった。
つかさも、元々料理上手なのは知っていたが少し見ない間に更に上達していて、二人共明らかに俺より数段上手い。
ここ数年忙しさにかまけて適当料理ばかり作っていた俺は、そんな二人に対抗心が湧いてしまったわけだ。
一人暮らしになると食事の用意が自分の分だけで済むのでついつい手を抜きがちになってしまうが、
人のために作る場合は気合の入り方からして変わってくる。
泉さんの弁当を作る事で大分勘が戻ってきた。
食べてる本人であり、さらに目下の目標でもある泉さんのお墨付きをもらえたのは嬉しい。
いやまあ受験生がそんな事に熱を上げてどうするって話ではあるが、料理人目指してるわけでもないし。
でも人に食べてもらう以上なるべく旨い物を作りたいと思うのは自然なことだろう、うん。
「あんたそんな事してる場合じゃないでしょうに……」
「あ、じゃあさ、男君のお弁当は私がつくるっていうのはどうかな?」
「つかさが?」
そりゃつかさの料理は美味しいし、食べたいとは思うけど
「いや、いいよ。部活があった時ならまだしも今は時間にもそれなりに余裕があるしな。
つかさに迷惑はかけられない、気持ちだけありがたく受け取っておくよ」
「も〜……迷惑なんかじゃないのに……」
「迷惑はかけられないって、そう言われると男君に弁当作ってもらってる私めの立場がないんですが……」
「い、いや、俺が泉さんの分作るのが迷惑ってわけじゃなくてっ」
いかん、誤解させてしまったか。
「社交辞令で言ってるだけよ、わざわざ人の弁当まで作るなんて面倒に決まってるんだからこなたは自重しなさい、
……って言いたいとこだけど男の場合はその限りじゃないからなぁ……」
「とにかく遠慮せずに必要ならどんどん申し付けてくれてかまわないよ、泉さん。
本当に迷惑なんかじゃないし、こっちもいい練習になるからさ」
「じゃあ私も何かお礼考えとこうかね、さすがに作ってもらってばかりじゃ悪いしさ」
「そんな気を遣わなくてもいいぞ?」
こっちも好きでやってる事なんだし、それでお礼をもらうというのも心苦しい。
314 :
初恋クレイジー そのに
[sage]:2009/03/05(木) 23:47:43.56 ID:vePlczoo
「いやいや、毎回手の込んだ物作ってもらっちゃってるしお礼の一つもしないと。
どれ今日のは……ミニサイズのエビフライに
牛肉と野菜の炒め物、そしてシイタケと茄子の煮物に、しっかり生サラダもついてる、と。
揚げ物焼き物煮物と揃ってるとは、手間かかってるなぁ。
時間かかるだろうに朝からこんな物作ってくれるなんて、ありがたやありがたや」
「仕込みは昨日の夜に済ましておいたからそんなに大変でもないよ」
今日のメニューは女の子には少々重い物が並んだが、その分一つ一つの量を少なめにしてある。
ただ見た目的にあまり女の子向きじゃないと言うか、色合いが地味な感じになってしまった。
つかさはもっと上手く華やかな彩りに仕上げられるんだが、
この辺りが生まれ持った美的感覚の差なんだろうか。
「男君お料理上手だもんね、わたしも教えてもらったことあるもん」
「うーむ、こりゃ私も負けてられないねえ。また自分でお弁当つくってこようかな。
今度は本気出しちゃうよ!」
「いや別に勝負してるわけじゃないんだし」
前に見た泉さんの弁当を見る限り本気でこられたらそれこそ勝ち目なさそうだ。
つかさも俺が教えたのなんて遥か昔の事、あっというまに追いつかれ今は俺より大分上手くなっている。
いや、俺だって最近は忙しさにかまけて栄養だけ気遣った安さ速さ重視の手抜き料理ばかりつくっていたが、泉さんのおかげもあり最近勘が戻ってきた。
今までつくった事のない料理にも挑戦しているし、勝負となればただで負けはしない……って何本気で張り合おうとしてんだ俺は
「そだね、ていうか料理勝負なんてしたらかがみんに悪いしねぇ」
からかうような笑顔でかがみに話をふる泉さん
「な、なによ。私だって少しはできるわよ」
「ああ、かがみも上手くなったよな、昔は全くだめだったけど」
「全くってどのくらい?」
「えっと…インスタントの生ラーメンあるじゃないか。
生めん茹でてスープつくって――ってやつ。
あれを作る時に、本当なら麺を沸騰した湯に五分つけるところを
水に火をかけた時点で麺を入れて、そこから五分数えてたりってことがあったな」
「いやいやかがみん、それはさすがにひどいよ……」
「あー、あったよねえ、そんなこと」
「う、うるさい! ちょっと作り方勘違いしちゃっただけだってば! お、男も変な話すんな!」
「もちろん出来上がったラーメンは生煮えでとても食べられたもんじゃなかったな。
結局俺がその後また煮なおしたけど。だから最初から俺がやるって言ったのに、あの時」
315 :
初恋クレイジー そのに
[sage]:2009/03/05(木) 23:48:43.71 ID:vePlczoo
しっかりしてて基本的に苦手なものがなくなんでもそつなくこなすかがみだが、
長く付き合ってると意外に抜けたところが見えてきたりもするのだ。
「あーそっかあ、それから考えれば今のかがみんは大層進歩したんだねぇ……
がんばったんだね、かがみん☆」
「その生暖かい目はやめて……今はもうそんな失敗しないわよ。
あんた達程うまくはないけど、簡単な料理ならつくれるし…」
「かがみさんのお料理もお上手ですし、気になさることではないと思いますよ」
「それにかがみは他にいいところたくさんあるんだから問題ないだろ」
「たとえばどんなとこよ」
「む、そう改めて聞かれても困るが…」
たとえば、と言われてもな。かがみの良い所なんてそれこそいくらでもあるだろう。
一つ一つ上げていっても後から後から出てきてキリがないくらいに。
少なくとも俺にとっては本当にいい幼馴染だ
「人の良い部分しか見ないあんたに言われてもなあ…」
「そんなことないって」
かがみはよくこんな事を言う。
そんなんじゃいつか騙されたり、俺が損する事になるだろうから直せ、とも。
そう言われても自分じゃそういう見方をしているつもりはないので直しようがない。
というか騙されそうってことなら俺よりつかさの方が心配だと思うぞ
「いいじゃないお姉ちゃん、そこが男君の良い所だよ。
あ、もちろんそれだけじゃなくて他にも良い所いっぱいいっぱいあるよね、男君は」
「そ、そうか。ありがとな、つかさ」
俺はそんなふうに言ってもらえるような大した人間ではないが、つかさの裏表のない純粋な笑顔でそう言われると、
分不相応だとわかっていても嬉しくなってしまう
「えへへ、どういたしまして。ねえねえ、男君のエビフライ一つもらっていいかな?」
泉さんの分も作る時はその余り物を自分の弁当に詰めるので
大体メニューは泉さんの物と同じになる
「ああ。いいぞ」
「ありがと、あーん」
316 :
初恋クレイジー そのに
[sage]:2009/03/05(木) 23:50:17.64 ID:vePlczoo
「ん、あーん…」
「って待てこらー!!」
いきなり顔を赤くして叫ぶかがみ、
つかさがあーんと開けた口にエビフライを持っていこうとした俺の手も驚いて止まってしまい……って何やってんだ俺は!?
「いやいやつかさ! あーんは駄目だろ! 俺もつられそうになったけど!」
「え? え? だ、駄目かな?」
「駄目よ!」
「いやあ、流れが自然すぎておかしい事だと思えなかったよわたしゃ。さーすがかがみん、よくぞ流されずに突っ込んだ!」
「こ、ここは周りに他のお客さんもいますし、少々問題があるのでは…」
ちなみに今みんなで弁当をつついているこの場所は図書館の裏口付近にある休憩スペースだ。
ベンチがいくつか用意されてあり、高翌良さんが言ったように他のお客さんの姿もちらほある。
別にその人達がこちらを見てたりするわけではないが……やっぱりあーんは問題あるだろ。
そもそも泉さんと高翌良さんが目の前にいるわけだし
「むー……男君昔はよくやってくれたのにぃ……」
いや確かにそういう事したこともあるけどさ……
「……あのな、つかさ。つかさももうお年頃なんだから、男相手に気軽にそういう事させちゃいけません。
相手に変なふうに勘違いされて困ることになるかもしれないんだからな。
やるならおじさんとか、あとつかさに好きな人ができたらそいつにしてもらうといい。きっと相手も喜ぶから。
それ以外の男、特に若いやつ相手に軽々しくそういう事せがんじゃ駄目だ」
全く、昔からそうだったがつかさは少し無防備にすぎる所がある。
子供の頃はただ微笑ましいだけで済んでいたが、この年になると相手次第じゃよくない事態を招きかねない。
今のところそういう気配はないようだが、顔立ちも纏う雰囲気もかわいいつかさには、いずれ好意を持った男が近づいてくることがあるだろう。
それがいい男なら喜ばしい事だが、その中に悪いやつがいないとも限らない。
そういう時のために少しは警戒心という物を持って欲しいものだ。
「え……う、うん」
「うわー、男君てばお父さんっぽいっていうか……保護者みたいなこと言うね」
「もう子供じゃないんだから、気をつけなきゃ駄目よ、つかさ」
「かがみも普段からその辺ちゃんと注意してやんなきゃ駄目だぞ」
「つられてやりそうになったあんたが言うなっ」
「う……すまん、気をつけます」
317 :
初恋クレイジー そのに
[sage]:2009/03/05(木) 23:51:59.06 ID:vePlczoo
「よろしい」
「おおぅ、なんか娘の教育について揉める父母の図って感じ?」
「「そ、そんなんじゃない!」」
せめて長男長女が次女の心配を、ぐらいにしてくれ泉さん
「息がピッタリですね、羨ましいです」
「もう、みゆきまで……」
「ね、ねえ男君……」
「ん?」
「あのね、す、好きな人が相手ならいいんでしょ? ……だったら……。
………ううん、なんでもない。ごめんね」
「? ああ」
「じゃ、じゃあエビフライもらうね、はむっ……おいし〜い!
やっぱり男君料理上手だね、時間たっても衣がサクサクしてるよぉ」
「あ、私ももらうわよ。ラーメンの事ばらした罰ね。……ん、まあさすがね、いい出来だわ」
「そうか、よかった」
自分のつくった料理を美味しいと言ってもらえると嬉しいものだ。
泉さんや高翌良さんも食べ始めてるし、俺も食うか。
……って、もうないじゃん、エビフライ。かがみのやつ何気に三つも食べてやんの。
しゅ、主菜だったのに……
318 :
初恋クレイジー そのに
[sage]:2009/03/05(木) 23:53:06.94 ID:vePlczoo
「……太るぞ」
「う、うるさい!ほらっ」
「むぐっ!」
いきなり俺の口に自分のおかずの唐翌揚げを突っ込んでくるかがみ、これがお返しってことか。全く乱暴な。
「ん……旨い」
「そ」
突っ込まれた時箸が軽く刺さって口の中が痛いんだが……まあそれはいいか
「お、お姉ちゃん……ずるい……」
「……どうした?つかさ」
「……別に……」
319 :
初恋クレイジー そのに
[sage]:2009/03/05(木) 23:55:26.40 ID:vePlczoo
以上です、続きます。
話進んでないですが、後何回かはこんな感じで男周りの状況説明兼ねた
日常的な交流の話になりますので、本格的に病みだすのはもう少し先になっちゃいます、すいません
320 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/03/06(金) 00:10:04.98 ID:Oxpu5Awo
乙
楽しませてもらってます
321 :
蟹は羨ましがってます
2009/03/06(金) 01:39:34.66 ID:NbhgYcAO
乙なんだぜ☆
322 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/03/06(金) 12:08:03.99 ID:6/iNNCQ0
乙だってヴぁ
323 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/03/10(火) 00:50:26.95 ID:XVtIcbo0
活気が無くて寂しいから
久しぶりにやるか
あーいまーい↓
324 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/03/10(火) 06:52:21.39 ID:WRU9IgAO
3cm
325 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/03/10(火) 20:38:16.71 ID:4N/KLXMo
そりゃぷにってコトかい?
326 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/03/11(水) 16:52:24.64 ID:S724ODA0
ちょっ!
327 :
なすーん
[なすーん]:なすーん
__ 、]l./⌒ヽ、 `ヽ、 ,r'7'"´Z__
`ヽ `ヽ、-v‐'`ヾミ| |/三ミヽ `iーr=< ─フ
< /´ r'´ ` ` \ `| ノ ∠_
`ヽ、__// / |/| ヽ __\ \ヽ |く ___彡'′
``ー// |_i,|-‐| l ゙、ヽ `ヽ-、|! | `ヽ=='´
l/| | '| |!|,==| ヽヽr'⌒ヽ|ヽ| | |
┏┓ ┏━━━┓ | || `Y ,r‐、 ヽl,_)ヽ ゙、_ | | |. ┏━┓
┏┛┗┓┗━━┓┃ ...ヽリ゙! | l::ー':| |:::::::} |. | / l|`! |i |. ┃ ┃
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┃┃ ┃┏┓┃┗━━━.んvヘvヘゝ | l| ヽ ヽ / _,.ィ ノ/川l/.━━━━━┛┗━┛
┃┃ ┏┛┃┃┗┓ i .i ゙i\ゝ`` ‐゙='=''"´|二レ'l/″ ┏━┓
┗┛ ┗━┛┗━┛ ノ ! --─‐''''"メ」_,、-‐''´ ̄ヽ、 ┗━┛
r|__ ト、,-<"´´ /ト、
| { r'´ `l l /|| ヽ
゙、 } } | _|___,,、-─‐'´ | ゙、
`‐r'.,_,.ノヽ、__ノ/ | | |、__r'`゙′
| |/ i |
| | |
328 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/03/11(水) 23:15:29.95 ID:pnPc54Uo
初恋クレイジーの続きいきます
今回からSide○○という表現が出ますが、
ここから○○に入るキャラの一人称で進むという視点変更の意味です
329 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/03/11(水) 23:16:30.12 ID:pnPc54Uo
Side かがみ
「ちょっとゲーセン寄ってかない?」
図書館からの帰り道、こなたのその一言で私達は駅前のゲームセンターに来ている。
今日は館内整理だとかで図書館が2時に閉館してしまい時間には余裕がある。
みゆきは用事があるらしく帰ってしまい、男、私、こなた、つかさの四人だ。
今は男とこなたが格ゲーで対戦してるんだけど――
「い、泉さん強すぎ……」
男ボロ負け。まあそうなるわな。
男のゲームの腕は部活の友達や私に付き合って覚えたってぐらいのもので、私ととんとん程度だ。
全くの素人ってわけではないけど、さすがにこなたに勝てるわけはない
「むっふっふ〜、まだまだ修行が足りないねえ」
「男じゃ無理だって、私結構こなたに付き合ってゲーセン来てるけど、
この子が負けたとこ見た事ないもん」
「こなちゃんいつも勝ってるもんね」
「むむ……」
あ、なんか悔しそう。
特にやり込んでるわけでもなし、上級者相手じゃ負けて当然ってのは本人もわかってるだろうに、
勝負事には熱くなるというか…結構負けず嫌いなとこがあるのだ、こいつは。
体はすくすく大きくなり、精神的にも同年代の男の子に比べるとしっかりしてて、
どんどん大人に近づいていってように見えるけど、まだまだ子供っぽいところも残ってたりする。
「も、もう一回いいかな泉さん」
「いいよ〜、どんどんかかってきたまへ!
誰に喧嘩売ったか教えてあげる! byヨーコ・Y!」
「もうやめときなって…」
330 :
初恋クレイジー そのさん 前編
[sage]:2009/03/11(水) 23:20:11.18 ID:pnPc54Uo
「男君ファイト!」
つかさ、いくら応援しても無理なもんは無理だと思うよ
――やっぱり勝てるわけもなく、連敗数が10を越えたところで男はギブアップしましたとさ
――――――――
「そういやこないだ久しぶりに対戦した時かがみが妙に強くなってたけど、
あれ泉さんのおかげだったのか」
「あー、まあそうね」
こなたと友達になってから、あいつに付き合ってゲームをする機会が増えたので
私の腕も多少は上がっている。
こなたには何度やっても勝てないけど。
「通りで勝った方が何か奢る、なんて賭けを自信満々で持ちかけてきたわけだ。
ハーゲンダッツだったっけ? 普通のアイスより高いんだなあれ。あの時はじめて知ったよ」
「高い分おいしいのよ、あんたにも一口あげたじゃない。おいしかったでしょ?」
「む……ああ、まあ」
? 何やら男の顔が赤くなった……。
ああ、あの時私が自分の使ってたスプーンでそのまま食べさせたの思い出したのか。
昔はお互い普通にやってたことなのに、最近こいつもそういうの意識するようになったらしい。
……まあよく考えたらあれって、こないだ私と男が二人してつかさに
やっちゃ駄目、なんて注意した「あーん」そのものだったわけで、男女の役割こそ逆転してたけど。
そりゃ意識もするか。
私はその程度で赤くなったりなんかしないけどね。
十年以上気持ちを隠し続け幼馴染のポジションに甘んじているんだ。
男の前でのポーカーフェイスには慣れっこなのである。
……つかさにはダメと言っておきながら自分はやってるなんてのはダブルスタンダードにも程があるとは思う。
でもあの時、男がつかさに言われるまま「あーん」をしそうになったのを、私は黙って見てはいられなかった。
少し前までなら内心はともかく止めようとまではしなかったのに。
もう子供じゃない、あの時つかさに言った言葉。まさにそのとおりだ。
胸に秘め続けた男への想いは年を重ねるごとにどんどん大きくなり、
思春期真っ只中を迎えた今の私は、つかさと男のふれ合いにすら嫉妬するようになってしまっている。
「……どうした? かがみ」
331 :
初恋クレイジー そのさん 前編
[sage]:2009/03/11(水) 23:21:58.43 ID:pnPc54Uo
怪訝な顔でたずねてくる男。
いけない、男の顔を見つめながら考えに没頭しちゃってた。
「あ、ううん、何でもない」
慌てて視線を逸らす。
……男は私の事、どう思ってるんだろう。
さっきの話で赤くなるくらいなんだから、私の事を女として全く意識してないってことはないはずだけど。
こいつのクソ真面目な性格を考えると、意識しているとは言っても
単に年頃の男女として親しき仲にも礼儀あり程度に考えてるというのも十分以上にあり得る。
私はそれだけじゃ嫌だ。
特別な相手として意識してほしい、男にとっての一番になりたい、それ以外じゃ意味がない。
考えたくもないけど、男がこの先私以外の女の子と付き合うようになり、やがて家庭を持つようになったとする。
そうなっても私はきっと男にとっての二番ではいられると思う。
男にとってまず家族のみんなが一番、そして私やつかさが同率で二番。
男が他の誰かを愛するようになっても、最悪二番手の位置だけはキープできるはず。
今までの男との付き合いはそれだけの自信を持つに値するものだ。
きっと男は私じゃない誰かを愛しながらも、幼馴染の親友として私の事も大切に思い続けてくれるだろう。
――でも、そんなんじゃ足りない。幼馴染のまま終わるなんて絶対嫌だ。
子供の頃は、ただ一緒にいられるだけで無邪気な幸せに浸っていられた。
少し成長して、男が幸せなら私が男と結ばれない未来も受け入れられると思えた時期もあった。
――――更に成長した今、もうそんな我慢はできないであろう自分がいる。
男が私以外の女と結ばれるなんて耐えられない。
他の子なんか見ないで、私だけを見て、と、心の底からそう思う。
……これじゃ成長なのか退化なのかわかんないや。
純粋に男の幸せだけを願うなら、私じゃない誰かが相手でも、男がその人を好きになったなら祝福すべきなんだろう。
でも今の私にはそれができない、絶対に。
――ごめんね、男。私、凄い我侭な女だ――
「男くーん、道こっちで言いの?」
私達の少し前をこなたと並んで歩いているつかさが訊ねてくる
「ああ、そこを左だ」
「は〜い、バッティングセンターなんて初めてだよ私」
「私も初めてだよ、お金払ってまでスポーツするなんて考えた事もなかったし。
それでねつかさ、その漫画の主人公が手をこうパンって合わせて魔法みたいな錬金術を……」
つかさとこなたは何かの漫画の話で盛り上がっているみたい。
ゲームセンターで一通り遊んだあと、男がバッティングセンターに寄るというので
みんなでついていく事にしたのだ
332 :
初恋クレイジー そのさん 前編
[sage]:2009/03/11(水) 23:23:03.51 ID:pnPc54Uo
「でもいいのか?バッティングセンターなんか女の子が行ってもあまり面白くないんじゃ……」
今更何を言うかこいつは、ついてくって言ったのは私達の方だってのに
「たまにはいいわよ、私はあんたが打つとこ見てるだけでいいから遠慮なく楽しんできなさいって」
男は今のところ大学で野球をするつもりはないらしい。私はもったいないと思うけど。
それなのにバッティングセンターに行くっていうのは、純粋に楽しむためなんだろう。
基本的に人に誘われなきゃ「遊び」というものをしないこいつが自分から
そういう事をするのは珍しい。
私はそれを見るだけでも楽しい、というか男が遊びにしろなんにしろ楽しんでると私も嬉しい。
それに、男が一番かっこいいのは野球をしてる時なのだ。
――――――――――
バッティングセンターにつくと、男は早速打ちだした。
まあ軽々と打つ事、140kって相当速いはずなのに。さすがに野球推薦で陵桜にきただけのことはある。
「おー、景気よく飛ばすねぇ。
私は野球よくわかんないけど、ウチでレギュラーになるくらいだしやっぱ上手いみたいだね、男君」
「ふふん、あったりまえじゃない。
あいつ元々の運動神経もいいけど、何より誰にも負けないくらい努力してきたからね」
「男君中学の時はピッチャーもやってたんだよ。
球がすぱあん!って速くて凄かったんだから!」
「いやなんでかがみんとつかさが自慢げ?」
中学に上がった時に友達に誘われて始めた野球。
あいつ自身は元々特に野球が好きだったわけじゃない、友達に一緒に野球部に入ってくれと頼まれたから始めただけ。
多分最初に誘われたのがサッカー部ならサッカー部に、茶道部なら茶道部に入っていただろう。
うちの中学に茶道部なんてなかったけど。
そんなふうにただ誘われるままに始めた野球だけど、その野球に男は誰より真剣に取り組んだ。
団体競技だから自分が下手なことでチームメイトに迷惑かけられない、とか言って。
ほんっと真面目なんだから、まあ男のこういう部分はただ真面目なだけってのとも違うんだけど。
男が野球を始めてからは一緒にいられる時間が激減して、正直不満に思った事もある。
でも今思うとあいつが野球始めたのはやっぱりいい事だったんだなって思える。
野球してる時や、野球の話をしてる時、男は凄く楽しそうだから。
……などと考えてるうちに、とりあえず一回分を打ち終え男がケージから出てくる
「お疲れ、さすがじゃない。ゲームセンターでの汚名挽回ってとこね」
「やっぱり男君凄いね! 私なんか外で見てるだけでも球の速さにびっくりしちゃったよ」
333 :
初恋クレイジー そのさん 前編
[sage]:2009/03/11(水) 23:24:50.33 ID:pnPc54Uo
「さすが野球部って感じだね」
「い、いや。ここは変化球も球速ミックスもないからな、当然全部ストライクでくるし。
高校で野球やってたら誰でもあれくらい打てるよ。別に凄くはないって」
三人揃って褒められて照れてるな男。
確かに他の人も男と同じスピードのとこで結構打ってるみたいだけど……
男は自己評価が常にマイナスな奴なので事実なのか謙遜で言ってるだけなのか
野球にそこまで詳しくない私じゃ判断がつかない。
「私は野球やっててもあんな速いの絶対打てないと思うなぁ。
あ、こなちゃんだったらもしかしたら打てるかな?」
「へ? 私?」
「うん、こなちゃん運動凄い得意だし」
うーん、確かにこなたなら打てるかもしんないけど。
でもあんな小さい球を棒で打ち返すなんて、
ちゃんと練習したならともかくいきなりやってできることじゃないと思う
「じゃあ泉さんやってみる? 野球とかやったことは?」
「授業でソフトやったから一応やり方はわかるよ」
「いくらこなたでもいきなり速いとこでってのはきついでしょ、やるにしてもまずは一番遅いとこにしたら?」
「ん〜、じゃあちょっとやってみようかな。
サンデーの某野球漫画もアニメ化に続いて映画化ゲーム化と頑張ってるしねー」
―――――とかいう感じでこなたが打席に立つ事になったわけなんだけど―――――
「す、凄いじゃないか泉さん!」
「こなちゃんすっごーい!」
「うっそ…」
まず90kmのケージではじめたこなたは初球から難なくジャストミート。
その後ほとんどの球を軽々とはじき返し、なんとホームラン賞の的にまで当ててしまった。
それどころかその後入ったさっき男がやっていた140kmのケージでも、
さすがに男がやった時程ではないが見た感じいいっぽい打球を何度か飛ばし、結局空振りは一度もなし。
フォームも素人目にみてもわかるほど綺麗だ。
……こなたの運動神経の良さは知ってたけどここまでとは……。
これで本人の志向は完全にインドアなんだから持ち腐れにもほどがある。
334 :
初恋クレイジー そのさん 前編
[sage]:2009/03/11(水) 23:26:40.41 ID:pnPc54Uo
「うーん、さすがに140kmはあんま打てなかったね、男君はポンポン打ってたのに」
「な、なに言ってるのさ! いい打球多かったし、
ソフト部でもない女の子が140kmで空振りなしなんて時点で凄すぎだよ!
しかも90でやったあとすぐに140でなんて、目が遅い方に慣れちゃうから
経験者でも球速の差に初球から対応するのは結構難しいってのに……
いやそもそも90kmだろうと普通未経験者の女の子があんな簡単に打てるもんじゃないっていうか……!
ああもうなんか凄すぎてどこから褒めたらいいかわからない!」
「あうう、男君や、そこまで褒められるとさすがの私も照れちゃうんだぜ」
「いや本当に凄いよ泉さん! なんで運動部に入ってないのさ!?」
「部活なんてやったらアニメ見れなくなるもん、そもそも運動自体好きってわけじゃないんだよねぇ」
「もったいなさすぎだよ!」
……男のテンションがえらいことになってる
「男君凄い興奮してるね、あんなとこ見たの久しぶり」
「……そうね」
本当に久しぶりだ、特にあいつどっちかというと人見知り……とは違うけど、
基本的に人に対して踏み込もうとしない奴だし。
こんなに感情を露わにして接するのは、最近じゃ私達柊家の面々以外だと野球部仲間くらいのものだ。
まして知り合って間もない女の子が相手でこんなふうになるなんて、それこそ初めてと言ってもいいかもしれない。
「ちょっと男、いい加減落ち着きなさいよ」
「落ち着いてらんないだろ! 極上の才能が磨かれもせず埋もれてるんだぞ!」
む……な、なによ。こなたばっかり褒めちゃって。
大体あんた最近こなたにお弁当作ったりしちゃってさ……
野球部の男友達にも似たような感じで世話焼いてたのは知ってるし、
あんたはそういう奴だって、こなたに対して何か思う所があってやってるわけじゃないって、
頭ではわかってる。
わかってるけど……感情まで納得させられるほど私は大人じゃないんだ。
それを見てる私がどういう思いでいるかわかってんの……!?
ってこいつがわかってるわけなんかないんだけど。
私だって、こなた程じゃないけどスポーツは得意な方だし……私だって……!
「……私もやる」
「え?」
「私も、そこでやる」
335 :
初恋クレイジー そのさん 前編
[sage]:2009/03/11(水) 23:29:03.52 ID:pnPc54Uo
「そこって140でか? ……正直厳しいと思うぞ。かがみ、前やった時90のとこでもろくに当たらなかったじゃないか」
「え、お姉ちゃんバッティングセンター来たことあるの? ……男君と?」
「ああ、前たまたま帰りが一緒になった時にな……ってかがみ、だから待てって」
「いいから、あんたはそこで見てなさい! やってやるわよ! 私だって…!」
「ど、どったの? かがみん。目が怖いよ……?」
見てなさいよ男!
――――まあ、どれだけ意気込んだところで無理なものは無理なわけで
結局私の挑戦は一球もバットにかすることすらなく終わったのだった。
まぐれでもいいから一回くらい当たれっての!
「しょ、しょうがないよお姉ちゃん、こんな速いの打てない方が普通だって」
「そ、そうそうかがみん。私が打てたのはたまたまだよ」
「いいよ……慰めてくれなくても……」
つかさに続きこなたまでもが、らしくもなく本気で心配した様子でフォローしてくる。
そんな落ち込んでるように見えるんだろうか私……見えるんだろうな。
都合20球、一度も当たることなく延々と空振りを繰り返し続けたのだ。
外から見た私はどれだけ哀れに映ったことか。
最初は茶化してたこなたや、応援してくれてたつかさも段々静かになって
徐々に空気がなんとも言えない微妙なものになってくし……。
そしてその空気の中扇風機の真似事を続ける私、途中でちょっと泣きそうになったわよ。
――まあ、それでもなんで最後まで続けたかって言うと――
「残念だったな、でもいいセンいってたよ。かがみ昔から運動も得意だもんな」
微妙な空気をものともせずこいつが色々アドバイスとばしてきたからで。
最初はやめとけなんて言っておきながら、
いざ私が打席に入ったらなんとか打たせようと男は頑張ってくれて。
後ろからとんでくる男の声を聴いてると
なんか男の意識の全てが私に向いてるって感じられて、やめるにやめられなかった。
というかやめたくなかった。
「しかしかがみが野球に興味あったとは驚いたな、上手くなりたいならいつでも教えるぞ」
んー……それはちょっと違うかな、まああんたの野球話に付き合うために少しは勉強してるけど。
「いいって、そういうわけじゃないから」
336 :
初恋クレイジー そのさん 前編
[sage]:2009/03/11(水) 23:30:30.80 ID:pnPc54Uo
野球自体に特別興味があるわけじゃない、あんたがやってる時は別だけど。
今だって上手くなりたくてやったわけじゃない、
ただあんたに褒められてるこなたが羨ましくて、黙ってられなかっただけ
……とか言ったら、こいつはどんな顔するんだろう
「そうか、残念。…じゃあそろそろ帰るか」
ぽん、と頭に手を乗せてくる男。
む……こいつ最近これよくやるのよね。高さがちょうどいいとか言って。
ちょっと大きくなったからって生意気な、昔は私のほうがしてたことなのに。
……まあ嬉しいからいいんだけどさ
「ん、行きますか。こなたもつかさも、もういいでしょ?」
「う、うん。私はいいよ」
「私も。……かがみんも機嫌直ったみたいだしねぇ〜」
……なにか含みのありそうな顔で言ってくるこなたはスルースルー
「ああそうだ、泉さん、さっきホームラン賞の的に当てただろ。景品もらえるよ」
「へ、そうなの?」
「ああ、前来た時男も当ててもらってたわね。あまり期待しないほうがいいわよこなた。
景品っていってもそんなにいい物ないから」
ちなみに男はどこにでもあるようなキーホルダーをもらって、……それを私にくれてたりする。
男がくれたっていうだけで「どこにでもあるようなキーホルダー」が
輝いて見えてしまう辺り、私も単純というかなんというか。
私やつかさは、そういう突発的な物にしろきちんとした物にしろ、
割と頻繁に男から贈り物をもらっていて、部屋にはそれらの物が溢れている。
まあプレゼントをくれるっていっても、男の場合色めいた意図なんかなく
純然たる感謝の気持ちしか込められてないんだろうけどさ……。
わかってるけど、ちょっとぐらいは期待してもいいよね、男――
337 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/03/11(水) 23:36:48.75 ID:NoBx1tco
>>332
の汚名挽回ってとこ、名誉挽回か汚名返上の誤植かな
とりあえず投下乙
338 :
初恋クレイジー そのさん 前編
[sage]:2009/03/11(水) 23:44:31.62 ID:pnPc54Uo
以上です、続きます。
今回の話は同じ日の中でこの後跨って続くので一応前編としました。
あと今後視点変更が多くなります。
かがみんの一人称での語りに違和感感じられた方おりましたらすいませんです。
>>337
感想どもです。
終了宣言遅れて申し訳ないです。
汚名挽回は素でミスりましたww
マジ恥ずかしいです、顔真っ赤です。二度とやらんように気をつけます
339 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/03/12(木) 00:20:08.55 ID:on5UjeM0
乙カレー
既に少し病んでる感じが堪らない
かがみんかわいいよかがみん
340 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/03/12(木) 07:54:53.25 ID:4aD59IEo
乙です
前半読んでると病むのはつかさかと思ってたけど
かがみが怪しくなってきてるな・・
341 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/03/12(木) 16:38:52.46 ID:xaSHyos0
乙
二人とも病んだりしてww
342 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/03/12(木) 22:13:09.48 ID:Q29sX2Uo
乙!
かがみんいじらしい
それと、つかさが静かなのがとても怖いww
楽しみにしてます
343 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/03/21(土) 00:28:54.92 ID:OtKS5kco
初恋クレイジー続きいきます。
344 :
初恋クレイジーそのさん 中篇
[sage]:2009/03/21(土) 00:30:28.17 ID:OtKS5kco
Side男
バッティングセンターを出た俺達はそのまま帰路につき、今は電車の中だ。
今日は結構遊んじゃったし、この後は気合入れて勉強しないとな。
「ねえねえ男君、今日はどうするの? うちくる?
お母さん達には今日男君くるかもって言ってあるから大丈夫だよ」
最近バイトのない日は、図書館が閉まったあとも、
柊家にお邪魔してかがみとつかさと一緒に遅くまで勉強をしている。
ただ、勉強するだけならまだしもその度なんだかんだで夕飯までご馳走になってしまっているのだ。
正直それはいい加減どうかと思う。
いくら付き合いが長くおじさん達とも仲良くさせてもらっているとはいえ、
あまり頻繁に夕飯の席にお邪魔するのはさすがに迷惑だろう。
一人分の食費というのも長く続けば馬鹿にならないし
「あ、ああ。お邪魔しようと思ってるけど。一度帰って夕飯食べてから―――」
「晩御飯はうちで食べるよね、私つくるから!」
輝くような笑顔で言うつかさ。まずい、このままだといつもみたいに押し切られる
「あー、つかさ? いいって、迷惑だろうし夕飯は自分で……」
「何がいい? こないだはお魚だったから今日はお肉にしようと思ってるんだけど。
ひき肉あるからハンバーグとかどうかな?」
「いやだからつかさ……」
「もう、今更遠慮なんかすんな。うちの誰も男がきて迷惑だなんて思ってないから。
ていうかあんた、高校入ってからあんまうちに顔出さなくなってたから心配してたのよ、お父さんたち。
最近またよく来るようになったんで元気なとこ見れて安心したって言ってたわ」
「そっか、それは嬉しいな。
でも甘えすぎるのはやっぱよくないような…」
「男君…うちでご飯食べるの嫌なのかな…?」
う、つかさが悲しげな表情で見上げてくる。
……つかさにそんな顔をされてしまうと断るに断れない。
はぁ…意思弱いな、俺
「…じゃあ、悪いが頼む、面倒かけてごめんな」
「うん、任せて!」
345 :
初恋クレイジーそのさん 中篇
[sage]:2009/03/21(土) 00:31:53.01 ID:OtKS5kco
「なになに男君。これからかがみ達の家いくの?」
「ああ、勉強しにね。教えてもらえる相手がいると効率が違うし」
「はー、遊んだあとなのに元気だねぇ。さすが受験生」
「遊んじゃったからこそ、な。進学希望の身としては頑張らないとさ」
「ていうかなにがさすが受験生、よ。あんたも同じでしょーに。
こなたもいい加減進路どうするのか決めといた方がいいわよ、進学するつもりあるなら私も勉強手伝うからさ。
せっかくみんなで集まって勉強してるんだから、宿題だけじゃなく受験勉強もやっときなさいよ」
「むぅ、進路についてはまだなんともねぇ」
「いやさすがにまだとか言ってられる時期じゃないわよ……?」
「泉さんなら今からでもスポーツ系の道に進めるんじゃないか?
専門的にやるならさすがに種目は限られそうだけど、体格的に」
「ほほぅ、男君。それはサイズのミニマムさを気にしている私への挑戦かな…?」
「いっ!? あ、いや、そういうんじゃなくてさ……。ごめん、無神経だった」
しまった、傷つけてしまったか、
俺は人の心中を察するのがどうも苦手なので
発言にはなるべく気をつけているのだが…悪いことをしてしまった。
「あっはっは、冗談だからそんなマジになって謝んなくてもいいよ〜。
悪気ないのはわかってるし、そもそも体小さいことそんな深刻に悩んでるわけでもないからさ。
むしろ今の世の中こういうニーズが急速拡大中なんだZE!」
ビシっと親指立てて誇らしげに言う泉さん、こういうニーズってなんだろう
「しかしあれだね、妙に生真面目だったり、かと思えばバッティングセンターでの意外なはしゃぎっぷりといい、
男君てば体大きくて顔もいかにも体育会系って感じなのに、
見かけによらずイジリ甲斐があるというか、意外にかわいいとこもあるんだねぇ、」
「ぶっ……か、かわいい? そ、そうかな」
柊家の面々にはたまにそう言われるが、知り合って間もない相手、しかも女の子に言われるとは…。
俺みたいなうすらでかい若い男がかわいいってのは、正直気持ち悪いだけじゃないだろうか
「でしょーこなちゃん。男君ってばこう見えて結構かわいいとこあるんだよ」
正直つかさにそう言われると複雑極まりないわけだが、色んな意味で…。
というか、かわいいと言うならつかさにかがみに泉さん、高翌良さんと、
みんなの方が余程かわいいだろうに、真っ当な意味で。
346 :
初恋クレイジーそのさん 中篇
[sage]:2009/03/21(土) 00:32:36.31 ID:OtKS5kco
「うむ、男君が女の子なら外見と中身のギャップ萌えとして十分成立するかも。
あ、今のままでもアブノーマルな性癖の漢(おとこ)達にはウケたりして。
男君後ろには気をつけた方がいいかもね」
「男に萌えって言葉は似あわなすぎると思うわよー」
「なんかよくわかんないけど、つかさも泉さんもかわいいってのは勘弁してくれ……」
「あ、そだ。その泉さん、ってのさ、いい加減やめない?」
「……? やめるって?」
「そろそろそんなよそよそしい呼び方やめよう、って事。こなた、でいいよ
私も男って呼び捨てにさせてもらうし」
「え、そ、そうか?」
こなた、って名前を呼び捨てか。
今までかがみとつかさ以外の女の子をそう呼んだことないからな。
少し躊躇してしまうというか……
「えっと…どう思う? かがみ」
「…なんで私にふる」
「…確かに」
なんでかがみにきいてんだ俺は。
なぜかとっさにかがみの許可を得なければ、という考えが頭に浮かんだ
「やっぱマジメくんだねえ、男ってば。
そんな深く考えることじゃないって、ほれほれ、こ・な・た。復唱要求!」
「こ、こなた」
「よしよし、よくできました男!」
慣れない事なので少し恥ずかしさはあるが、
泉さん…じゃなくてこなたがそうするよう言ってるんだし、これでいいか
「お、駅ついた。んじゃーね、かがみ、つかさ、男、また明日―!」
「……ん、じゃあね」
「ま、またね。こなちゃん」
「気をつけてな」
347 :
初恋クレイジーそのさん 中篇
[sage]:2009/03/21(土) 00:33:32.73 ID:OtKS5kco
挨拶を残し軽やかな足取りで去っていくこなた。
俺は人付き合いを上手くこなせる方ではないので、
ああやって向こうから踏み込んできてくれる人はありがたいな。
「……と、そうだ、つかさ。結局夕飯何にするんだ?」
「――――え? あ、えと。
ハ、ハンバーグにしようかなって。男君もいいかな?」
「もちろん文句なんてないよ、ハンバーグなら俺も全工程手伝えるしな」
柊家で夕飯を頂く時は支度の手伝いをしている。
しかし俺とつかさだと腕に差があるので
俺が得意じゃないメニューだとあまり出番がなかったりもするのだ。
つかさの方が美味しい物を作れるのに、俺が出しゃばる事で
ランクの落ちる物をおじさん達に食べさせるような事になっちゃ本末転倒なのである。
俺が作り慣れてる料理なら一応おじさん達に出しても恥ずかしくない程度には仕上げられるのだが。
その点ハンバーグなら問題なしだ。
肉料理は特に好きなので、自分でもよく作るから十分な慣れがある。
「あ、今日は私一人に任せてくれないかな?
男君はゆっくりしてて」
「え? いやでも」
「いいからいいから」
む、これは譲ってくれない時の目だな。
「う…ん、でもなぁ、よそ様の夕食にお邪魔するというのに何も手伝わないってわけにも――。
あたっ」
いきなり脳天にチョップをかましてくるかがみ、わざわざ背伸びしてまで何してくれてんだ
「こーら、誰がよそ様かっ、よりによって私達に対して。
水臭いこと言ってんじゃないの、殴るわよ」
「な、殴ってから言うな」
一応突っ込んでみるけど―――。
うん、今のは俺が悪かったか。
「お姉ちゃんの言う通りだよ、男君。お願いだからそんな寂しいこと言わないでほしいな」
つかさも、穏やかで優しい彼女にしては珍しい、厳しさを含んだ表情でそう言ってくる。
―――二人の言う通りだな、こんな俺に何年も付き合ってくれる柊家をよそ様扱いなんて失礼だった。
348 :
初恋クレイジーそのさん 中篇
[sage]:2009/03/21(土) 00:35:05.65 ID:OtKS5kco
「……うん、俺が悪かった。ごめんな。あと、ありがとう。二人共」
「ん、わかればよろしい」
「ふふ、反省してね、男君」
一転まばゆい笑顔でそう言ってくれるかがみとつかさ。
―――本当に眩しいな。
いつだってそうだった。
かがみとつかさは、こんな俺を本当の家族のように扱ってくれる。
物心ついた頃からずっと傍にいてくれた二人にどれだけ助けられたことか。
二人がいなかったら俺はどうなってたんだろう、と思う。
「じゃあお詫びに今日は私一人に任せてね、
期待しててね男君、すっごく美味しいハンバーグ作っちゃうんだから!」
「お詫びに手伝いをやめるってのもおかしい話だな」
思わず苦笑する、まあつかさが任せてほしいと言ってるんだから何か理由があるのだろう。
……あ、もしかして手伝いながらつかさの技術盗もうとしてるのバレたかな。
349 :
初恋クレイジーそのさん 中篇
[sage]:2009/03/21(土) 00:36:31.77 ID:OtKS5kco
Side つかさ
家についた私はさっそく晩御飯の支度に取り掛かった。
男君がうちに来る日は、私が夕食当番。
いつもは男君も手伝ってくれて、二人並んで台所に立つんだけど、
今日は私一人に任せてもらった。
肩が触れ合うような距離で男君と一緒に料理を作る時間はとてもとても幸せで、
そっちも捨てがたいんだけど……。
今日は久しぶりに、最初から最後まで私が一人で作る、私の料理を男君に食べてもらいたくなった。
手伝ってもらうと、男君てば「自分の分は自分で作るよ」なんて言ってぱぱっと作っちゃうから
私の料理を食べてもらえない事も多いんだよね。
しかも男君遠慮して自分の分は少なめにつくるし。
今日は私が男君の分も作るんだからたくさん用意してあげなきゃ。
男君ほんとはいっぱい食べるんだから。
いっぱい食べていっぱい運動してるからあんなに大きくなったのかな?
――――こなちゃん、今日はとうとう男君と名前で呼び合うようになってたなぁ。
まだ会って一月も経ってないのに。
今まで男君に名前を呼び捨てにされる女の子は、私とお姉ちゃんだけだったんだけどな。
それにこなちゃん、最近よく男君にお弁当作ってもらってもいるし……。
――――でも、こなちゃんに関しては大丈夫かな。
こなちゃんが男の子を好きになるっていうのも正直想像つかないし、
なにより、お弁当作ったりしてるとはいえ男君にそういう気はないはず。
男君は誰にでもあれくらい親切にする、下心とか一切なく。
男君の場合親切っていうのももしかしたらちょっと違うのかもしれない。
そうするのが当然、むしろそうしなきゃいけないって思ってるから。
やっぱり、気になるのはこなちゃんとの事よりお姉ちゃんとの事だ。
夕食作りの手伝いを遠慮してもらったので、今男君は料理ができるまでの間
お姉ちゃんの部屋で勉強してる―――お姉ちゃんと、二人っきりで。
そんな状況が生まれたのは私が男君の手伝いを断ったからで、自業自得。
わかってはいるけど、お姉ちゃんを羨ましく思う。
私もお姉ちゃんも、男君が好き。
でも私もお姉ちゃんも、暗黙の了解でそのことにはお互い一切触れずに今まで過ごしてきた。
私とお姉ちゃんに男君を加えた、三つ子の兄妹みたいに、三人仲良く。
男君への、ただの兄妹に対するものをとっくに越えた気持ちを抱えながら、
男君を、独り占めしたいという想いを隠しながら。
私はそのままでもいいと思っていた、たとえいつかお姉ちゃんが気持ちを打ち明けて、
……男君がそれを受け入れることがあっても……私は、自分の気持ちは胸にしまったままでいようって、
それでいいんだって、思おうとし続けてきた。
だって私は、自慢できるものなんて何も持ってないから。せいぜいお料理が人よりできるくらい。
比べてお姉ちゃんは運動もお勉強も得意で、そのうえ真面目でしっかりしてる。
どっちが男君に相応しいかなんて、考えるまでもないこと。
350 :
初恋クレイジーそのさん 中篇
[sage]:2009/03/21(土) 00:37:40.76 ID:OtKS5kco
……それに、まだ小さかった時、一度だけお姉ちゃんの気持ちを垣間見た事がある。
あれは確か小学校にあがったばかりの頃、当時私はお兄ちゃんのような存在である男君が、
本当のお兄ちゃんになってくれたらな、と思っていて、
そのことをよくお姉ちゃんに話してた。
そんな時、ある日お姉ちゃんは
「私と男が結婚したら、つかさは正式に男の妹になれるわよ」
って言った。
―――その言葉を無邪気に喜んだ私に「つかさは……それでいいの?」とも。
その後お姉ちゃんはすぐに、冗談よ、って付け足したけど、
その時は、お姉ちゃんがなんで「それでいいの?」なんてきいてきたのかわからなかった。
男の子を好きになる事の意味を知らなかった私は、
大好きなお姉ちゃんと大好きな男君が結婚して、私は二人の妹になる、
それは私にとっても幸せなことなんだって、ただ素直にそう思ってた。
私が男君のことを、男の子として好きになっているということにはっきり気付いたのは
もう少しあとのこと。
そしてその時初めて、お姉ちゃんの男君への想いも正確に理解できた。
―――でも、お姉ちゃんはあの頃から、私の「好き」が幼すぎた頃から
男君のことが「好き」だった。
……他の何でも勝てないのに、男君への気持ちでまで負けてる私が、お姉ちゃんに勝てるはずがない。
だから私は今のままでいい。少なくともお姉ちゃんが男君を好きでい続ける限りは、私は妹のままでいい。
そう自分に言い聞かせ続けてきた、
―――はずだったのに。
年を重ねるごとに、体と共に心も成長していく。
私の「好き」も、どんどん大きくなっていく。
大きくなりすぎた「好き」は、私に我慢を許さない。
今だって男君とお姉ちゃんが二人きりでいることを考えるだけで、胸が痛い。
―――そういえば、男君こなちゃんを名前で呼ぶかどうかについて、お姉ちゃんに意見を求めてた。
なんでお姉ちゃんに聞いたんだろう。
男君本人も理由はわかってない様子で、ふと出ただけの言葉だったみたいだけど。
――――もしかして、もしかしてだけど、
好きな女の子の前で、他の女の子と必要以上に親しくする事に対する抵抗、
そんなものを、あの時無意識のうちに男君は感じたのかもしれない。
今の時点で男君がお姉ちゃんの事を異性として明確に好きになっているとは思わない。
長い付き合いだもん、そうじゃないことくらい見ていればわかる。
でも、完全に自覚してるわけじゃなくても、男君の心のどこかにお姉ちゃんへの「好き」が、
とうとう生まれだしてるのかも……。
351 :
初恋クレイジーそのさん 中篇
[sage]:2009/03/21(土) 00:39:33.07 ID:OtKS5kco
それに、お姉ちゃんは、最近一歩踏み出そうとしてるみたい。
私が迷い続けてる一歩を。
このままだと、そう遠くない未来、二人は本当に結ばれるかもしれない。
そうなった時、私は耐えられるのかな。
――――そもそも、今男君がお姉ちゃんを「好き」になってない保証なんてどこにもないんだ。
私の目にはそう映ってるだけで、
そんな現実を否定したい私が勝手に見てるだけの虚像かもしれない。
もしかしたら、男君はもうとっくにお姉ちゃんを「好き」になってて
もう私の入り込める隙なんかどこにもなくて―――!
……いけない。こんなこと考えてちゃ、いけない。
とにかく今は晩御飯をつくることに専念しよう。
男君に「おいしいよ」って言ってもらえれば、こんな嫌な気持ちも全部吹き飛んじゃうはずだから。
今日のメインディッシュは煮込みハンバーグ。
男君は好き嫌いがなくて何を作っても美味しそうに食べてくれるけど、特に肉料理が好きなんだ。
男君の分は大きく作ろう、いっぱい食べてもらいたいもん。
ハンバーグは、大きく、且つ綺麗に仕上げるのは火加減が難しいけど、そこは腕の見せ所。
お料理しか自慢できる物がない私はここでこそ頑張らなきゃ。
男君。私、頑張るからね。頑張ってすっごく美味しいハンバーグ作るから。
――――だから、私を見て。
もう「妹」じゃない、男君の事が大好きな一人の女の子として
私を見て
352 :
初恋クレイジーそのさん 中篇
[sage]:2009/03/21(土) 00:40:28.40 ID:OtKS5kco
Side かがみ
「かがみ、ここ教えてくれ、解説見てもよく理解できない」
「んー?どれどれ」
つかさが夕飯を作っている間、私と男は勉強タイム。
「ああ、これはね…、―――ってこと」
「……なるほど、わかった。サンキュ、やっぱかがみは教えるの上手いな。
お前と一緒に勉強できるのは凄い助かるよ」
「どういたしまして」
今は私が教える立場だったけど、最近じゃ教科によっては立場が逆転する事もあったり。
一緒に勉強するようになってから、男の学力はどんどん上がってる。
自分で言うのもなんだけど、男が言う様に私がこうしてわからないところがあっても
その都度教えてやれているからってのも確かにあるんだろう。
でも、成長の要因として何より大きいのは、やっぱり男の努力だ。
部活とバイトをこなしながら更に勉強も手を抜かなかったこいつは、元々テストの順位もそれなりのものをキープしていた。
今は部活も引退し、バイトも受験に専念するため減らしてほぼ勉強一本に集中できる環境なので、
その伸び率は凄いものがある。
でもこいつの場合頑張りすぎるのも心配というか―――
「ところでさ……あんたちゃんと寝てる?
頑張るのはいいけど、体壊したら元も子もないわよ?」
「大丈夫だって、今のとこ別に体調崩したりもしてないし。俺は頑丈なのだけが取り柄だからな」
……おい、それつまりあまり寝てないってことか?
こいつブレーキ壊れてるから何をするにしてもほっとくと無理し続けるんだもんなぁ…。
苦痛を苦痛と感じない、男はそういうふうにできている、というかそうなってしまった。
そんなこいつだからこそ勉強も運動も呆れるほど努力する事ができ、
三年の夏の大会まで野球をやり通してから一般受験で○○大を目指す、なんて真似もできるわけだけど。
でもいくら男が頑丈でも、人間限界はあるのだ、
だからこいつに代わって周りが……私がブレーキかけてやらないといけない。
「まあ……今までのあんたの生活考えると勉強だけに集中できてる今はむしろ楽になってるのかもしんないけど…、
それでも無理しすぎちゃ駄目だからね」
あまり時間もないんだから、今体調崩して寝込むようなことがあったら男にとっては致命的だ。
ていうかそれ以前に男が寝込むとこなんて見たくない、こっちの心臓に悪すぎる。
まあこいつが寝込むとこなんて久しく見てないけど、散々無理してきたくせに。
言うだけあってほんと頑丈なやつ。
353 :
初恋クレイジーそのさん 中篇
[sage]:2009/03/21(土) 00:42:32.13 ID:OtKS5kco
「しすぎない程度に無理するよ、のんびりやってたんじゃかがみと同じとこ行けないしな」
む……そう言われるとこっちも手を抜けとは言いづらいじゃないか。
「――なら私も是が非でも受からなきゃね、
これで男が受かって私が落ちるなんてことになったらシャレにならないわ」
「おまえなら大丈夫だよ」
「落ちるつもりはさらさらないけど、そんな楽観視できるような余裕はないわよ」
「まあそうかもしんないけど。でもかがみなら大丈夫、俺はそう信じてる」
「根拠はなんだ根拠は……」
「かがみだから」
全く根拠になってないっつーの、でも適当に言ってるわけでもないんだろなこいつの場合。
男の中の私は、本当にそれだけ「できる」奴になっているんだろう。
――それは買いかぶりってものだ。
実際の私は、今日のこなたと男のことが気になって今一集中できないでいるような小さい人間だっていうのに
「ねえ…」
「ん?」
「こなたとあんたってさ、意外に相性いいみたいね。結構仲良くなっちゃって。びっくりしたわ」
「ああ…まあ言われてみればそうかもな、
向こうがどう思ってるかはわかんないけど、こっちとしてはあんな話しやすい同い年の女子ってのも初めてかも。
かがみとつかさは別にして」
ノートに目を落とし手を休めずにそう返してくる男
そりゃ別にしてもらわなきゃ困る、こちとら物心ついた頃からの付き合いなのだ。
いくらこなたでも一ヶ月足らずで私達と同じ扱いになられては納得できない。
「あー……でさぁ、……こなたの事さ、やっぱ名前で呼ぶわけ?」
「ん……ああ。彼女、かがみとつかさの親友だしな、
俺もこれからも仲良くさせてもらえたら嬉しいと思ってるし……。
向こうがそうしていいって言ってくれるなら断る理由はないよ」
「ん……そうだよね……」
いやそもそもこんな所にまで噛み付いてどうするんだ、私。
こなたは私の親友で、私とつかさを通じて最近男と一緒にいる事も多いんだから、別にいいじゃないか。
嫉妬心にかられて男の友人が増えるのを、
しかも相手は自分の親友だってのに、それを喜べないなんていうのはいけない。
354 :
初恋クレイジーそのさん 中篇
[sage]:2009/03/21(土) 00:44:03.21 ID:OtKS5kco
いけないとは思うけど――それでも気になってしまうのは、私の度量が小さいからなんだろうか。
でも男が私以外の女の子と親しくしてるところは、なるべく見たくないんだ。
それが親友であるこなたでも、……大切な妹であるつかさでも。
―――男をとられるのは、絶対にいや―――
「…おい、どうした?かがみ」
「―――え?」
気付けば男が手を止めて心配そうな目で私を見ていた。
やば、そんな様子おかしかったかな私
「な、なに?」
「何か心配事でもあるんじゃないか?」
「べ、別になんでもないって」
「嘘付け、そうは見えない。
受験のことか? だったらおまえなら大丈夫だって
いや俺の言葉なんかじゃ安心できないかもしれないけど…、今までおまえのしてきた努力を信じろ。
おまえなら、なんとかなる。絶対大丈夫だっ」
「いやだから……」
「……あ。もしかして……た、体重のことか?
だったら何度も言ってるがおまえは全然太ってなんかいないんだから気にする必要なんかないぞ?
それでも気になるなら俺が低カロリーのダイエットメニュー考えるし、運動するなら付き合うから―――」
その後も続けてなんか必死な感じであれやこれやとまくし立て続ける男。
いやいやそこまであんたが慌てなくても、そんなに私が心配?
……そんなに私を心配、してくれるんだ。
「―――って、……おい、聞いてるか?」
「ふふっ…、へ? ああ、聞いてる聞いてる…、えへ……えへへ。あっははは」
「お、おいかがみ…?」
「い、いやね、あんたのテンパり具合がおもしろくて…、くくっ…!」
「お、おもしろいって…」
うそ、ほんとはね、嬉しくてしょうがないんだ。だから笑いが止まらないの。
あんたがそんなに取り乱すほど私を気遣ってくれることがさ。
まあ珍しく慌てふためいてる男がおもしろいってのも実際少しはあるけどね。
355 :
初恋クレイジーそのさん 中篇
[sage]:2009/03/21(土) 00:45:30.68 ID:OtKS5kco
「…心配して損した」
むっつりした顔で睨んでくる男。おお、こういう拗ねたような表情はわりとレアだ。
しかしこいつ色々私の「悩み事」を想像したみたいだけどかすりもしないでやんの。
さっきまでの話の流れでわかってもよさそうなもんだけど。
まあこいつ自分に向けられる好意とか、そういうのが絡む事にはとことん鈍いからなぁ。
男のヤツ自分が人に好かれるとかあまり思えないタチだし、しょうがないっちゃしょうがないんだけど。
「で、結局なんだったんだよ。さっきの顔見るとなんでもないとは思えないぞ」
う……。…正直には言えないなぁ。
…というかそんなにひどい顔してたのか私。
男への気持ちが絡む悩みは特に悟らせないように気をつけてるつもりなんだけど
「まあ大丈夫よ、確かにちょっと気にかかる事あったけど、とりあえずは解消したから」
「――気が晴れたらしいってのは顔見ればわかるけど、どこに解決ポイントがあったのかさっぱりだ……」
内心を探るように私の顔をじっと見つめて、一応は安心したらしい男。
「まあまあ、女心ってのは複雑怪奇にできてるのよ」
ある面ではむしろ単純明快とも言えるけど、
男が私のことを、あんなに必死になって心配してくれた。
ただそれだけで、さっきまでの濁った気持ちが消えうせて、かわりに暖かい想いが胸を満たしていく。
「いや全くだ、俺には難しすぎる……」
「男、ありがとね。心配してくれて嬉しかった」
「ん……いやまあ、俺がおまえの心配するのなんて当然で。
べ、別に礼言われるようなことじゃない」
あらら、赤くなっちゃった。照れてやんの。
…まあ私もちょっと赤くなってるかもしれないけど、
いくら私と男の間柄でもこんな素直にお礼を言うってのはちょっと気恥ずかしい。
356 :
初恋クレイジーそのさん 中篇
[sage]:2009/03/21(土) 00:46:43.70 ID:OtKS5kco
――よっし、とりあえずモヤモヤも吹っ飛んだし、男分も充電しまくれたし、
夕飯までもう一頑張りといきますか。
――でもその前に
「……ところでさ、私の体重がなんだって……?」
「あ、いやあれはだな……」
「次言ったらベランダから吊るすからね」
「……はい」
いくら男でも、いや男だからこそ言われたくないことってのもある。
体重気にしてる女の子に対して自分からその話題ふるなんて、デリカシーないわよあんた
357 :
初恋クレイジーそのさん 中篇
[sage]:2009/03/21(土) 00:48:03.05 ID:OtKS5kco
以上です、続きます。
つかさの一人称難しいですww
つかさのキャラ維持しながらシリアスな語りさせるのは俺の力量的に無理だったんで
ちょっと真面目くさりすぎというか、つかさっぽくない感じになっちゃいました。すいません。
358 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/03/21(土) 01:39:59.68 ID:fNdyVdMo
乙かれー
この作品は複数のキャラに病む可能性もありときたか・・・・
359 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/03/23(月) 01:23:51.88 ID:YQzYYu20
乙〜
つかさがハンバーグに血とか入れるんじゃないかとヒヤヒヤしたww
続きを楽しみにしてるぜ
360 :
短編
2009/03/23(月) 07:16:52.11 ID:1uTJA6AO
わたしは手を伸ばす。
貴方に触れる為に。
でもその手は、弾かれた。
親友だと思っていた人の手で。
お願い。置いていかないで。
わたしは走る。二人を追いかける。
でも、もう駄目だ。
わかってる。わたしはもう、一人になったんだ。
それでもわたしは追いかける。
「しつこいよ―――みなみちゃん」
追い付いた。
彼は気まずそうな、少し、苦しそうな。そしてぼろぼろになったわたしを心配するような目で、わたしを見ていた。
「ゆ、たか……」
彼女の名を呼ぶ。
わたしの友達。
この学校で初めての、友達。
わたしは再び手を伸ばす。
今度はさっきより強く弾かれた。
わたしは地面に転がる。
「みなみ!」
彼がわたしを呼ぶ。ゆたかが彼を無理矢理連れていく。
……ああ、わたしは何故願ってしまったのだろう。
ゆたかが彼を好きだと知っていたのに。
彼に想いを伝えたいと、願ってしまった。
ああ、愚かだ。
もう、わたしは一人だ。
ずっと、ずっと。
一人。
嫌だ。
一人は、嫌だ。
……何で、こんな。
わたしとゆたかは、上手く付き合えていた、はずだったのに。
361 :
短編というか単発か? これ
2009/03/23(月) 07:17:35.92 ID:1uTJA6AO
原因は簡単。
彼だ。
彼がいたから。
彼を、二人が好きになったから。
…………ああ、じゃあ、例えば。
―――彼が死んだら、元通りに、なるかな?
わたしは立ち上がる。
足はがたがた。
心はずたずた。
でも、歩き出す。
しばらくして、走り出す。
やがて、二人が見えた。
信号待ちをしている。
わたしは足音をたてないように慎重に、しかし素早く背後に迫る。
わたしは三度手を伸ばす。
でも、今度は触れる為じゃない。
押し出す、為だ。
彼をこの世から消す、為だ―――
「消えて、しまえ……!」
そうしてわたしは、一人にならない為に。
好きだった人を、死神に、差し出した。
これで、元通りだね。
ゆたか。
ずっと、一緒にいようね。
ずっと、ずっと。
わたしとあなたは、しんゆう。
362 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/03/23(月) 07:19:48.67 ID:1uTJA6AO
以上、いつまでも続きを(ry でした
…眠い
363 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/03/24(火) 20:53:27.34 ID:OsxU/yc0
乙
なんか新鮮な感じがしたぜ
みなみが病むのは初めてだっけ?
364 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/03/24(火) 22:20:08.63 ID:YnPiCP2o
一応確認しとくけど、『男の位置のキャラは名前付けていいんだったよね
365 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/03/24(火) 22:42:08.37 ID:YnPiCP2o
いない、だと……
ならば20分レスがなかったらゆたかは貰っていく
366 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/03/24(火) 22:52:30.13 ID:OsxU/yc0
別にいいんじゃね?
367 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/03/24(火) 23:33:38.49 ID:YnPiCP2o
よし、わかった。
ならば存分に書いてくる
368 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/03/24(火) 23:52:39.56 ID:8fUrqYAO
wwktk
369 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/03/25(水) 22:58:16.64 ID:Mn3XkIAO
頑張れ〜
370 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/03/26(木) 00:55:38.93 ID:v.SaC4Uo
初の長編を試みようと思ったけど難しいな……
第一話はできたから投下するけど
371 :
とある生徒の恋愛事情
◆lelouchIZM
[sage]:2009/03/26(木) 01:05:49.66 ID:v.SaC4Uo
始業式。それは、日本だと桜が咲き、散り始めるころに行われる学校の行事だ。
ほとんどの生徒は、長くかったるい、誰もが早く帰りたいと思う。翌日には入学式もあるので、面倒なことこの上ない。
この陵桜学園に通う生徒の一人、泉こなたの考えだ。
できたら、明日転入生とかが来ないかななどと考えながら家路に着いた。
のはいいが、どうやら不幸にもサザエさんのような髪型をした不良集団に絡まれてしまった。
本来は不良どもの早とちりだった。こなたがあの時代遅れな髪型を見ていたのを、バカにされていると
思ったらしく、不良が因縁をつけてこなたに絡んできた、というわけだ。
こなたは、ある程度格闘技を身につけてはいるのだが、大抵は一対一の時にしか使えない。
集団、それも喧嘩の得意な不良ともなると、三人以上に同時に絡まれたら確実に負ける。
不良の数は、七人。これだけの数の不良に絡まれたら、手出しもできないだろう。
こなたが取った戦法は、逃げる。三十六計逃げるにしかず、ということわざがある。
下手に戦うより、逃げたほうがよい、ということだ。狭い路地にでも逃げ込めば、一対一で戦える。
そういうわけで逃げたのだが、逃げる途中、前を見ていなかったせいで立っていた男にぶつかり、尻餅をついた。
「ちゃんと前見て走ってくれよ。ぼーっとしてたこっちも悪いっちゃあ悪いけどな!」
「あ、す、すみません、いそいでますんで〜!」
こなたはとにかく走って逃げようとした。
しかし、その時すでに遅し、後ろにも不良が回りこんでいた。
「……どういうこと?」
「え〜と、話すと長くなるのですが〜」
二人の会話に、一人の不良が割り込んできた。何を言っているのか、こなたにも彼にも、
ただの雑音にしか聞こえなかった。何を思ったのか、不良は殴りかかろうとした。
「まあ、落ち着け。そして黙れ」
彼がそう呟くと、足が不良の顎にヒットしていた。
おそらく、酷い脳震盪を起こしたのだろう。脳震盪だけでなく、もしかしたら首の骨が
折れているんじゃないか、と錯覚するくらい、鈍く痛々しい音も聞こえた。
「ま、とにかく、話を聞かせてくれよ。変なことはすんなよ。こいつより酷くなりたければ話は別だけどさ」
男は何もなかったかのように振舞う。
372 :
とある生徒の恋愛事情
◆lelouchIZM
[sage]:2009/03/26(木) 01:09:41.32 ID:v.SaC4Uo
不良のうちの一人が、冷静に話しだす。さっきみたいな雑音ではないので聞き取りやすかった。
「なるほど。髪型を馬鹿にされた程度でキレて追いかけた、と。それは事実なのか?」
彼は、こなたのほうを向いて話しかけた。こなたは何も言わずに、首を縦に振った。
「あちゃー、そりゃ、お前が悪い。けど……」
彼は不良のほうを見た。
「多勢に無勢は、あまり好きじゃないんだよなあ」
怖気づいたのか、と一人の不良が挑発する。
「おまえらみたいに多人数のやつのほうが負けたときに惨めになるからさ」
彼は、不良たちに中指を立てて見せた。分数の掛け算割り算の仕方がわからないような不良でも、
これが何を意味するのかぐらいは、当然わかっている。
不良たちは、再び耳に障る音を発しながらこっちに向かう。そいつらをのらりくらりと避けながら、一気に片をつけた。
気付いたときには、すべての不良がその場に倒れていた。
「大丈夫そうだけど、怪我はあるか?」
彼はこなたに話しかけた
「いや、それはこっちのセリフ……と、とにかく、ありがと。大丈夫だよ」
「なに、気にすんな」
彼は誇らしげな顔で答えた。一種の満足感らしきものが漂っている。
こなたは、彼の姿格好をまじまじと見た。金髪に、碧眼。それに加えて背が高いので、一見外人に見えるが、
日本語が流暢なので、日本で育っただろうことは容易に想像できる。また、彼が着ているのは陵桜の制服だが、
少なくとも彼の様な人を学校で一度も見かけたことはない。勿論、学校の生徒をすべて知っているわけではないし、
ましてやクラスの男子の一部も覚えていないこなたのことだ。見逃してる可能性を完全に否定はできない。
だが、仮に彼のような人明らかに変わった人がいたならば、こなたであっても間違いなく忘れないだろう。
しかし、今日は始業式だ。転校生なら、明後日に来るはず。
「その制服、陵桜だよね? ってことは、君はもしかして転校生?」
「陵桜……そんな名前だったかな。 てか、なんで知ってんだ?」
「制服が、うちの学校のだからだよ」
「ほう。ということは、お前と同じ学校なわけだ」
「言わなくてもわかるよ……ところで、キミは何年生なのかな」
「たぶん三年生だぜ。高校のな」
そのべつに、高校であることを強調する必要はないのに、なんでわざわざ言うんだ。こなたは心の中で突っ込む。
「ってことは同級生だね。よろしく」
「学年違うだろうけど、よろしくな!」
「……私、一応三年だよ。というか、人の話はちゃんと聞こうよ」
「なん……だと……」
「嘘の様で、本当のこと。それより、こんなところでいったい何をしているのさ」
こなたの問いに、彼は普通の人ならありえない答えを出した。
「陵桜学園を探してたんだけどさ、地図見てもさっぱりなんだよ」
「ゑ?」
こなたは、持っていたかばんを落とした。落ちた時の音が、こなたの耳に響いた。
373 :
とある生徒の恋愛事情
◆lelouchIZM
[sage]:2009/03/26(木) 01:14:20.18 ID:v.SaC4Uo
「……なるほど、転入の一週間前に来たのはいいけど、家が近いから遊んでたので全く来てなかった、と」
「その言い方にはなんか違和感があるけど、そんなところだ」
「編入試験の時には来たんじゃないの?」
「だからといって覚えているわけでもないだろう」
意味がわからない。こなたは内心、呟いた。
「ま、わからないようだから、案内してあげるよ」
「まじで!?」
「一応、恩があるからね」
「サンキュー。じゃあ、頼むぜ」
「うん。あ、自己紹介がまだだったね。私は、泉こなた。よろしく」
「おうよ。俺は、天地(あまち) あずま! よろしくな!」
双方が自己紹介をし終えると、こなたはあずまの手をつかんだ。
「じゃ、いくよ! 全速力で行くから、ちゃんとついてきてね、あまちー!」
「あまちー?」
「うん。天地だから、あまちー。ダメかな?」
「ディ・モールト・ベネ(すごくいい)! いいね! いいネーミングセンスだ! なら、俺はお前をこなたんと呼ばせてもらおう!」
「んふっふっふっふ。安直すぎなんじゃあないかな?」
「おいおい、何言ってんだよ。DQ4でも、ホイミスライムはホイミンだったろ? だからだぜ!」
「説得力がありそうで全く説得力のない力説ありがとう。とりあえず、行くよ!」
こなたは、あずまの手を握って走り出した。
このあたりはあまり見覚えのない場所だったが、それでも、陵桜学園からはそう遠くはなかったから、すぐに着けた。
「着いたよー」
「おお、ここが陵桜か。やっと見れてよかったぜ」
「それで、これからどうするの? 中見てく? まだ開いてるみたいだからさ」
「ん、いいや。後はこのまま帰る」
そっか、とこなたは少し寂しげに言った。
「ありがとな、こなたん。これで俺は帰るぜ。明日、また学校でな」
「うん。じゃあね」
そう言って、二人とも同じ方向に歩き出した。
「「……ゑ?」」
374 :
とある生徒の恋愛事情
◆lelouchIZM
[sage]:2009/03/26(木) 01:17:19.39 ID:v.SaC4Uo
二人が同じ方向に歩き出したのは、こなたの向かっている駅の方向と、あずまの家の方向ほぼが同じだったからだ。
「いや、何たる偶然。まさか、向かう方向が同じとは……」
「別にいいじゃないか。なんなら、何か聞いてもいいんだぜ? 個人情報とか、性癖や嗜好はダメだけどな」
確かに、聞きたいことはいろいろある。性癖は、聞けといわれても聞きたかないけれど。
「その目と髪は、遺伝なのか、かな」
やはり、あずまを見た時、もっとも目に付くのは金髪と碧眼、その高い身長だろう。
その二つについて、あずまは説明をした。
「親父がアメリカ人でさ、俺と同じ金髪に碧眼なんだよ。まあ、母さんは日本人だけどさ。
それに、母さんのほうの爺さんがアメリカ人で、これまたアメリカ人なわけよ。要するに、俺は四分の三がアメリカ人ってことだ」
「ふむむ、難しいなあ。まぁ、遺伝であることは間違いないんだよね?」
「まあ、そういうことだな。最初からこう答えればよかった気がするけどさ」
「ちょっとあまちーのことを知ることができたから、結果オーライさ」
「こなたんは優しいんだな」
「ん、ありがと。褒め言葉として受け取っておくよ」
「まあ、こなたんの髪の色のほうがよっぽど不思」
ヘブンズドアーッ!
あずまは、今後らき☆すたキャラの髪の色を気にしないッ!
「あれ、なに言おうとしてたんだっけ?」
「さあ? あまちーにわからないのに、私に聞かれてもわからないよ」
「そうだな。あ、多分俺の家はこっちだ」
あずまは十字路を左に曲がった。こなたも、それに合わせて曲がった。
「あれ、こなたん、駅もこっちなのか?」
「ちょっと寄り道するだけだよ。どんな家か見てみたいしね」
「ん、わかった」
その後あずまは二、三分歩いた後、周りの家より一回りも二回りも大きいな家の前で立ち止まった。
家の外観はとても綺麗で、見るからに高級な家だと察せる。
「でかっ! もしかして、あまちーってお金持ち?」
「まぁ、どちらかというとそうかな。毎月、50万くらい仕送りが来るし」
「す、すごい……」
「つっても、仕送りはほとんど生活費に当ててるけどな。食費、水道代、光熱費、ガス代、学費とか、いろいろと。
家は、一括だからローンとかは無い。そういうことで、自由に使える金額は15万くらいしか残らない」
正直、こなたには雲の上の話のように思えた。……15万『しか』?
「……あまちー、もしかして死にたい?」
「いーや、死にたくない」
「今の君の発言は、死刑執行レベルだよ」
「気分を害したのなら、謝るぜ」
「まあ、ちょっとムカッと来たけど、それで因縁をつけるこなたんではないのだよ」
「ん、そうか。んじゃ」
それだけ言って、あずまは家の中に入った。
この家は、駅と学校のほぼ中間地点だ。学校へはそんなに遠くない。それに、彼と会った場所はどう考えても
陵桜と関係ない場所だ。その上、地図も持ってたのに、どうしてあずまはあそこで迷ってたんだ。
375 :
とある生徒の恋愛事情
◆lelouchIZM
[sage]:2009/03/26(木) 01:19:32.68 ID:v.SaC4Uo
第一話、終わり。
長編書くのって、酷く面倒だ。
恋愛事情は、「れんあいじじょう」と読みません。
予想して下さい。
376 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/03/26(木) 21:39:50.00 ID:BqEhDjY0
乙!
最近投下が多くて嬉しい限りだ
恋愛事情と書いて「ヤンデレ事情」
んなわけないか
377 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/03/26(木) 23:40:51.15 ID:4vH2ewAO
恋愛事情(ヤンデレールガン)…いや、なんでもない
まことに乙
続きを楽しみにしてるぜっ
378 :
ageネタ
2009/03/27(金) 14:31:41.54 ID:Kf4fsYAO
こなた「さあ、始まるザマスよ」
つさか「行くでガンス」
みゆき「ふんがー」
ゆたか「ま、まともに始めようよっ!?」
………
……
…
こなた「ふぃー、乙ー」
つさか「お疲れさまー」
みゆき「お疲れ様です」
こなた「ゆーちゃん、突然の代役、ゴメンね。かがみったら急にいなくなっちゃってさぁ」
ゆたか「うーうん、大丈夫だよ」
つさか「でもおねえちゃん、どうしたんだろうね? わたしも連絡とれないんだ」
みゆき「つさかさんもですか? 心配ですね……」
こなた「まあかがみんならダイジョブだよ〜」
ゆたか「…………」
………
……
…
ゆたか「これでわたしも…主役の仲間入り、だね。
ふふ、ふふふ」
379 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/04/03(金) 14:02:34.81 ID:CtfrGFg0
つかさのネタ少なすぎだろjk
と言うわけで、練習ついでに短編書いてみる。
ちょっと待っとけ。
380 :
つかさは無慈悲な変態の女王
2009/04/03(金) 18:09:07.54 ID:CtfrGFg0
放課後の自習室でうたた寝をしていると、目を覚ました時に体育館の倉庫にいる確率とはどれくらいなのだろうか?
きっとザクがガンダムに白兵戦で勝つよりも低いだろう。
埃を被ったマット寝かされ、手と足には縄跳びがぐるぐる巻きにされている。芋虫ってけっこう大変だな。
俺は男。
十七の高校生。
友達は.....多分、多い方。
趣味はアニメ鑑賞とガンプラ作り。
大丈夫、頭と記憶に異常はない。
問題は明らかに拉致されているこの状況だ。
腕は後ろに回され肘から拘束されていて、足も同様に膝から先の自由が利かない。
「てか、もしかしてこれは放置プレイなのか!?おい、誰もいないのか!!?」
声の出る限り、精一杯の大きさで叫ぶ。
...返事はない、だれもいないようだ。
「嘘だと言ってよ!バーニィィィィイイイ!!」
そんな断末魔が功を奏したのか、倉庫の重いドアがゆっくりスライドした。
「ご、ごめんね。ジュース買いに行ってたら遅くなっちゃった」
控えめな謝辞を告げ、俺の横に立ったのは、よく教室で見掛ける女子だった。
______
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________
381 :
つかさは無慈悲な変態の女王
2009/04/03(金) 18:11:02.54 ID:CtfrGFg0
「なんで、こんな事.....したんだ?」
芋虫宜しく俺は何とか顔を見ようともぞもぞと不細工に動き回った。
「えっと、ごめんね。私もここまでしたくないんだけど.....」
ジュースを跳び箱の上に置くと柊は寂しそうに俺の方を向いた。
「こうでもしないと、男君わたしと話してくれないと思ったから。私.....地味で、奥手だから」
奥手っていうけど、すごいアグレッシブな行動に出たな今回は。
「.....早く解け、誰にも言わないでやるから」
「ごめんね.....ごめんね」
何回もごめんごめんと言わなくてもいいんだ、早く解け。
柊は芋虫状態の俺を少し引きずって、背中から抱きしめる。
「お、おい!」
「ごめんね.....、んっ、すぐ、終わるからっ!」
いきなり抱きしめやがって、びびったぜ。
ん?なんか背中辺りが湿って.....こ、コイツ!まさか【検閲により削除】してやがるのか!?
「んっ!」
一度身体を震わして、柊はぎゅっとさっきよりも強く抱きしめる。
「えへへ、スゴイやぁ〜、んっ」
へ、変態だー!!
おれをおかずにしやがった!すごい、全然嬉しくない!不思議!
「も、もう一回」
ここからが本当の地獄だ。
____
_____
______
382 :
つかさは無慈悲な変態の女王
2009/04/03(金) 18:11:59.06 ID:CtfrGFg0
「んっ」
「.....おい」
「ふぅ.....な、何?」
「な、何?じゃねぇよ、何回してんだよ」
「ご、ごめん」
なんか、色々と大事なものを汚された気がする。
「.....もういいから、解いて。お願い」
「あ、あのね」
涎を垂らしながら顔を近づけるな、弄ってた手で触んな。
「あ、汗舐めてもい、いいかな」
「.....」
「.....ダメかな?」
「は?汗って?」
「あの、運動した後とかに出る」
へ、へ、変態だーーー!!
地獄ってレベルじゃねぇぞ!
「お、お願い!最後だから!!」
懇願すんなよ、そんなことを。
「.....終わったら絶対、解けよ」
どうせ、拒否ってもするんだから、おとなしく承諾しておく。
「あ、ありがとう!じ、じゃあ、いたたきます」
そう言って柊は俺の前髪を押し上げ、額を舐め始めた。
これって、愛撫だよな.....、多分。
一応さっきの柊の【検閲により削除】の時から愚息は反応していたけど、これには、ちょっとおじさん困っちゃうなあ。
「んっ!」
また昇天しやがった。どんだけだよ。
「もう....いいだろ、ほどけよ」
「ペロペロ.....」
む、無視された。
それから俺の顔が少しふやけるまで柊は俺の顔を舐め続けた。
アンパンマン、確かに力が出ないな。
____
_____
______
383 :
つかさは無慈悲な変態の女王
2009/04/03(金) 18:13:17.27 ID:CtfrGFg0
「んっ!ふぅ.....ご馳走様でしたぁ」
夕日がぼやけて見える。これは涙か?それとも涎か?
「は、やく解け、力が、出ない」
父さん、レイプされました。しかも
「ごめんね、でもすごく美味しかったよ、男君の汗」
涎を垂らしまくる変態に。
「私ばっかじゃ悪いから男君も気持ちよくしてあげるね」
「お願い.....、もう勘弁して」
俺の願いは届かなかった。ズボンはずらされ、太ももまで下げられた。
愚息は変態の愛撫で宿主と逆にビンビンのカチコチ。
スカラを五回唱えた後、バイキルト、アストロンを唱えた状態になっていた。
「んっ!」
見ただけ昇天するとか、どんだけだよ。
「えへへ、えっと、ココかな?」
「ふぇ!?」
柊のベチョベチョに濡れた手が俺の菊の門の辺りを探っている。
「おい!なにを!!??」
「あ、ここ.....かな?」
柊の濡れた指が俺の菊の門に突っ込んできた。
「アッーーー!」
「キツイよ、男君力抜いて」
ベチョベチョが潤滑油になり、俺の城内を暴れまわった。
「らめぇ、らめなのぉ!」
ガンガンと突き上げる痛みと衝撃に愚息はなにを勘違いをしたか、脱出命令を下した。
「もぅぅぅうううううおおおおおお!!」
「うわっ!」
柊の驚きの声を最後に、俺は本日二度目の眠りに落ちた。
__
___
____
384 :
つかさは無慈悲な変態の女王
2009/04/03(金) 18:14:04.93 ID:CtfrGFg0
「ん?」
起きた時には、縄跳びは解かれていた。
柊は俺を膝枕しながら安らかに眠っていた。
結構かわいいな、こいつ。
「おい」
「ん?あと五分だけーほんとにー」
「起きろ」
頬を抓ってやる。ちょっとした仕返しだ。
「イタタタ!あ、男君おはよう」
身体を起こすとケツが痛かった。切れてないよな?
「寝てる男君可愛かったよー、写真取っちゃた」
「誰にも言うなよ、俺も.....頑張って忘れるから。ん?写真?」
「うん、ほら!」
携帯の画像フォルダには男君と名付けられていて、何十枚も俺を柊が陵辱している写真が並んでいた。
「待ち受けどれがいい?」
「な、なにこれ?」
「男君フォルダ、えへへ」
ザ・ワールド!!
_
__
___
385 :
つかさは無慈悲な変態の女王
2009/04/03(金) 18:14:53.10 ID:CtfrGFg0
俺とつかさは結局付き合うことになった。
ヒリヒリするケツを摩る俺に、柊.....つかさはやっと告白したのだ。
順序と方法はめちゃくちゃだが、携帯の待ち受けをつかさが俺の【検閲により削除】を舐めている画像や俺の顔面に【検閲により削除】をぶっかけている画像になるのを防ぐにはそれしかなかった。
「えへへ、男君」
「なんで小刻みに震えてるんだ?」
「ちょっと、今日は飛ばし過ぎちゃった」
「.....立てるか?」
「ごめん、先帰っていいよ」
「バカ、置いてけるか。ほら途中までおぶってやる」
「あ、ありがとう」
つかさをおぶり、立ち上がるとまた背中が濡れた。またか?
「ご、ごめんなっ、ヒク、さい、ごめんなさっ、ヒク、い」
こういうのを、ストックホルム症候群と言うのだろうか。俺は尻の痛みを我慢しておぶっていたつかさを赤ん坊をあやす様に少し揺らした。
腰が濡れた。
この変態め。
ごめん、やっぱ俺あんま書けんわ。
あと出来ればsageの仕方教えて
386 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/04/03(金) 20:37:14.23 ID:jD8hFMo0
期待の新人乙!
それだけ書ければ十分だろう
それに…なんていうか……その…下品なんですが…
フフ………… 勃起……しちゃいましてね…
あとsageの仕方って普通にメール欄に入れるだけじゃないのか?
387 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/04/03(金) 21:08:19.61 ID:CtfrGFg0
386>>サンクス!また暇になったら投下するわwww
388 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/04/04(土) 19:58:31.78 ID:yjjMsAAO
乙
可愛い
389 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/04/06(月) 13:27:09.26 ID:5ljhYis0
実はゆたかも結構かわいいんだぜww
というわけで暇になったからゆたかの短編うpする。
ちょっと待ってろ
390 :
ゆたかは慈悲ある依存の女王
2009/04/06(月) 17:46:20.91 ID:5ljhYis0
「おい、大丈夫か?」
「は、はい」
消毒液臭い保健室に年頃の男女が二人。なんてことは無い。
俺は保健委員で彼女は貧血。たったそれだけだ。
「私、もう大丈夫ですから」
小柄な背、幼い声。
初日の自己紹介の後に飛び級小学生説が飛び交ってた理由にも頷ける。
「先生帰ってこないな」
「そ、そうですね」
「横になってろよ、そっちの方が楽だろ」
「は、はい」
少し顔が赤いな。
「ごめんな、デコ触るぞ」
「へ?」
熱い。三十八度二分くらいか?勘だけど。
「お前.....熱あるのか?」
「ご、ごめんなさい」
俺は何も言わないまま、ペン立てに突っ込まれていた体温計を渡してやる。
「ポカリ買ってくるから、その間に熱計っとけ」
「はい.....」
-2
「ほら、体温計見せてみ」
ポカリと体温計を交換する。
液晶の表示は三十八度六分。外れたな。
「お前、朝から気付いてただろ」
「.....はい」
溜息が出る。今どきこんな生真面目な奴が高校生してるのか。
「皆勤でも狙ってたのか?」
首を横に振る。
「.....学校が楽しいから」
「そうか」
なんで寂しそうなんだろう?
もう七月を迎えて、皆が倦怠期に突入した高校生活。
俺だってズル休みを一週間前にしたぐらいだ。今日だって同じクラスで女子の方の保健委員が休んでた。えっと、なんて名前だったけ?
「お前、名前は?」
俺は保健室来客通知表を取り、名前を聞く。
「小早川.....ゆたか、です」
391 :
ゆたかは慈悲ある依存の女王
2009/04/06(月) 17:48:05.60 ID:5ljhYis0
--3
四時間目もあと二十分で終わる。時計を横目で見て、俺は口元だけで笑う。
「氷枕、作ってきたぞ」
「ありがとう。お、男君」
身体を起こすのも辛そうだから、頭浮かした時に枕を換えてやる。
「どこまで話したっけ?」
「バイト先の人が全員中国人だったとこまで」
「ああ、そうだったな。それでなそいつ等出荷する大根を切る作業のとき、捨てる先っぽ食うんだよ。どんだけ飢えてるんだよwwwwwwって見てたらチーフにチクられて玉葱係りに変えられてちゃったんだ」
辛そうな小早川を少しでも楽にしようと、俺は高校生活であった面白い話を聞かせてやった。
最初はくすくす程度にしか笑わなかった小早川も段々表情から凝りが取れていって、話を真剣に聞くようになっていた。
「それ、ホントなの」
「ああ、マジだ。だから俺はそれからユニバ○サルのオニオンリングは絶対食わないって誓ったんだ」
小さな肩を揺らし、小早川は笑う。
なんか、嬉しいなこういうの。
横目で時計を見る。あと十分か。
俺はパイプ椅子を立ち、小早川の少しはだけた布団を掛け直してやる。
「.....んじゃ、そろそろ行くわ」
「え、でも.....」
「購買混んじまうからさ。あ、小早川今日弁当か?」
「うん」
「あとで誰かに持って行かせるよ。うーん、あの留学生でもいいよな?」
「.....男君がいい」
「ん?悪い。聞こえなかった」
「ううん、なんでも、ない」
さて、どうすっかな。
「あんぱんでも買ってきてやる。もちろん奢りだからな」
「え、でも」
「あんま、食えないだろ。それにあんぱんなんてどうせ百円程度だしな」
「あ、ありがとう」
392 :
ゆたかは慈悲ある依存の女王
2009/04/06(月) 17:49:05.12 ID:5ljhYis0
---4
「ごめんな」
「ううん、それにおいしいよ。このカレーパン」
病人にカレーパンとか、キツ過ぎだろjk.....
ってか、授業中に行ったのになんで混んでるんだよ。
「ねぇ、男君」
「ん?」
「面白い話、まだ.....ある?」
「あ?ああ、あるよ。聞きたい?」
「うん!」
「うん、そうだな。ドナル○にドロップキックした話なんてどうだ?」
それから昼休みが終わるまで俺は中学時代の悪ガキっぷりを小早川に話した。
こうやって話してたら、いかに自分が糞ガキだったのか思い出す。ごめんよ生徒指導部で三年間担任だったアイアン向井。
夢の国で頭下げさせてごめんよ。
「ウソ、絶対ウソだよww」
「いや、ほんとに。あの時ドナルドは同じ場所に二人いたwwww」
ごめんよ、ドナルド。
時計を見る。予鈴がそろそろ鳴るな。
「そろそろ戻るわ。五時間目始まっちまう」
パイプ椅子を立った、直後小早川が俺の袖を握った。
「どした?」
「あの.....、よかったら、またお話聞かせてくれる?」
「ああ、まだたくさんあるからな。小学生編もあるww」
「ありがとう」
そのときの小早川の笑顔はなんというか、とても素敵だった。
----5
あれから一週間経って、俺たちは携帯の番号を交換して日に十通は交換するようになっていた。
大体は俺のバカ話なのだが、時折小早川の中学時代の話も聞いた。
病弱で休みガチだったために、卒業アルバムにすら四枚しか写っていない事。行事にも参加出来なかった事。
「.....学校が楽しいから」
あの言葉が、耳の中で反芻する。
ゆたかは、俺の馬鹿な話聞いて何を思ってるんだろう?
目を輝かせて、小さな肩を揺らして。本当に笑ってくれてるのか?ゆたか。
393 :
ゆたかは慈悲ある依存の女王
2009/04/06(月) 17:49:57.67 ID:5ljhYis0
-----6
「あ、リコーダー忘れた」
「は?別にいいだろ、リコーダーくらい」
「バカ、俺アルト選んだから練習しとかなきゃヤバイんだよ。先帰っとけ、追いつくから」
畜生、なんでアルトなんて選んだんだろ。ムズイだけなのに。
「WAWAWA〜っと♪ん?」
教室の前で立ち止まる。
「誰かいるのか?」
ちいさな笛を吹く音。誰だよ?家で練習しろよ。
教室のドアを勢いよくスライドさせる。
「おいっすー!リコーダー取りに来ましたー!」
「ふぇ!?」
「え、小早川?あ、それ」
ネタになると思って買ったクラスでたった一本しかない俺のスケルトンのリコーダーが小早川の手に、握られていた。
「あ、お、男君!ご、ごめんなさい!」
それからすごい勢いで小早川は教室を出て行った。
「お、おい.....なんなんだよ一体?」
転がって、夕日浴びて綺麗な色に染まっているリコーダーを拾う。
「っうわ!なんだこれ!?」
リコーダーはベチョベチョに濡れていた。指と指の間に糸が引く。
「.....小早川、お前」
------7
俺は小早川と全く口を利かなくなっていた。
あれだけ交換していたメールもしなくなっていた。いや、無視するようになった。
あの翌日から俺は.....、小早川を無視している。
「お、男君.....ごめんね」
話しかけてきた小早川はいつもこう言って去っていく。
メールの数は日に日に増え、先日にはついに五十通を越えた。
ついに俺は友に相談した。
「ちょ、お前ガチじゃん」
「どうしよう、アドレス変えようかな」
「うん、そっちの方がいいと思うぜ。でもまさか小早川さんがこれ程とは」
「だよな、正直きついわ」
でもアドレスを変えても、小早川からのメールは拒めなかった。
『本当にごめん』
題名が同じメールは溜まる一方だった。
我慢の限界だった。
しかたない、ここは一言キツく言ってやるか。
俺は久しぶりに小早川のメールに返信した。
『明日の放課後、視聴覚室に来てくれ』
394 :
ゆたかは慈悲ある依存の女王
[sage]:2009/04/06(月) 17:51:19.80 ID:5ljhYis0
-------8
「あ!男君!」
「悪い、待ったか?」
先に来てるとはな。
「あの、ごめんなさい」
「いや、リコーダーの事はもういい。それより」
「うん」
「もうやめてくれないか?」
「なにを?」
「メールだよ、もう送ってくんな」
「え.....」
「はっきりいって、迷惑してるんだよ。話はそれだけだ。じゃあな」
そう言って、後ろを向くと首筋がいきなり衝撃と熱が来た。
そして直後、もう一度衝撃。
なんなんだこれは。
ああ、気絶か。
---------9
目覚めたときに大の字で拘束されていると実は目覚めがいい。
こんな事に気付いた夏休み前の十六歳の放課後。
「あ、男君おはよう」
「ー?」
おまけに猿轡。
「ごめん、すぐ外すね」
「ッぷは!おいなにしてんだよ!って首痛!」
「ごめんね、痛かったよね?でも男君も悪いんだよ、喋ってくれないし、メールも無視しちゃうから」
「.....どうする気だ?」
小早川はゆっくりと制服を脱ぎ始める。華奢な背丈。なにもかもが可憐で、幼い。
「だったら、無視できなくすればいいんだよね?」
スカートのホックを下し、スカートも脱ぐ。
純白の下着から伸びるふっくらした太股に、艶のある脛。まだ履いたままの靴下が妙にいやらしい。
「大丈夫だよ、男君。お姉ちゃんのエッチな本で勉強したから.....」
気付けばマーラ様は精神を集中させていた。
「うわぁ、男君もすごいね」
「やめろ小早川、お前はそんな奴じゃなかっただろ」
「でも!でもこうでもしないと、男君がぁ、男君が!」
「小早川.....」
ごめんね。そう聞こえた。
「うp!??」
いきなりタオルの玉を口に突っ込まれた。
「ぜったい気持ちよくしてあげるから!」
それから俺のマーラ様は食われた。
ぬるりとあたたかい感覚に、包まれ、マーラ様はさらに精神を集中した。
そして、
「ぅん!?!?」
特大のメギドラオンが炸裂した。
395 :
ゆたかは慈悲ある依存の女王
[sage]:2009/04/06(月) 17:53:48.74 ID:5ljhYis0
-----------10
「んっぐ.....」
小早川は見事にそれを飲み下す。なんかエロイよ、それ。
「だ、大丈夫。男君のなら私いくらでも!」
小早川はそう言って立ち上がると、ショーツを脱ぎ捨てた。まだ、毛が生え揃っていないアソコは、太股まで蜜を垂らしていた。
「私無しじゃ生きていけない身体にしてあげる」
いきなり棒読みの台詞。多分さっき言ってたエッチな本から抜粋してきたんだろう。
小早川の息が少し荒れている。
「男君.....」
保健室で見た、寂しそうな顔。
「好きです」
そして、何とも言えない素敵な笑顔を見せて。
「んっ!」
小早川の純潔は砕け散った。
「いっ、ふ、っ!」
多分すごく痛いだろう。
接合部からは血が伝い、小早川は目を赤くして泣いている。
それでも.....。
「お、とこ、くぅん!」
俺の名を、呼んでいた。そして、無理な笑顔を作っていた。
ああ、いつかの答えなんて出てたんじゃないか。俺はコイツをほっとけなくて、コイツは俺から離れなくて。二人は抱きしめあっていた筈なのにな。
俺はただ、泣く事しか出来なかった。手を伸ばそうとしても、声を掛けようとしても。コイツの孤独を埋めるにはまだ足りない。
「ほっ、とうに、ごめっ、ん!」
特大のメギドラオンを放ってやる。後悔すんなよ、俺。
------------11
「大丈夫か?」
「.....う、うん」
あの後抜かずのメギドラオン三連射にSPを使い果たした俺はおとなしく小早川の、ゆたかの軍門に降った。ゆたかも、ゆたかで情事の一部始終をカメラ四機で撮っていたらしく、俺が逃げるならそれをPTAに差出し、無理心中する気だったらしい。
「男君」
「なんだ?」
「もうメール無視しないでね」
「ああ、すぐに一通に二通で返してやる」
冷たい壁に寄り添って俺はゆたかを抱く。
「本当?」
「冗談だ、笑えよ」
「えへへ、また面白い話してね」
「ああ、腹筋が割れるくらい笑わせてやる」
「うん。あ、でも.....、腹筋が割れるのはヤだな」
「あははww俺も嫌だよ」
「うん.....、っくし」
「ああ悪い、寒いか?」
「ううん、もう少しこのままがいい」
ゆたかは俺の胸に耳を当てる。
「大きいね、音」
ゆたかは気持ちよさそうに耳を澄ませる。俺の話に、俺の声に、俺の鼓動に。
頑張って長いの書いたんだぜ
あと俺、こなたとひよりん実はあんまり好きじゃないんだ。
どうでもいいかww
396 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/04/06(月) 22:56:22.55 ID:FBaMbgAo
乙です。
拘束逆レイプ展開にマジ興奮してるMな俺ww
なんだかんだで本人たちが幸せでいるのならそれもありかなww
また時間があれば同じシチュでの投下を期待してます
397 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/04/07(火) 10:58:43.43 ID:JM.HQIIo
八月蝉とかもういないの?
398 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/04/07(火) 16:35:19.46 ID:z24q9IE0
>>396
俺もこういうの好きなんだwwでもあれだマンネリみたいになるのイヤだろwwww
>>397
wikiの管理人が頑張って携帯でも見やすくしようとして中途半端になってしまっている現状。
頑張って欲しいなwwあれ面白かったし
今回はみなみちゃんネタな訳だが、俺的に言うと無口形って見てる分には可愛いよねwwww
というわけで暇になったからみなみちゃん投下だ。
ちょっと待っとけ
399 :
みなみは一途で無口な女王
[sage]:2009/04/07(火) 19:52:48.59 ID:z24q9IE0
すまん、集中力切れた。
明日うpする
400 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/04/07(火) 20:37:08.30 ID:s3eh6xEo
全裸大気
401 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/04/08(水) 00:21:06.34 ID:1eXw9b20
超乙!
惨劇の無いヤンデレもいいよな
402 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/04/08(水) 18:19:37.89 ID:G/PvobA0
>>400
風引くなよ、もう少しで投下できるからな。
>>401
俺的には[
ピーーー
]とかそういう落ちはあんま好きじゃないんだWなんというか頑張って乗り切ってほしんだよね、うん。まぁ惨劇じゃなきゃヤンデレじゃなぇよ!!っていう人もいるし。
というわけで結構長い短編うPします。ちょっと待っとけ
403 :
みなみは一途で無口な女王
[sage]:2009/04/08(水) 18:27:26.79 ID:G/PvobA0
お、これくれるのか?」
幼馴染の家にいるシベリアンハスキーは俺がじゃれてやる度に何処かから掘り起こしてきた物を俺の目の前に置く。
年々大きくなっていくシベリアンハスキー、『チェリー』。立ったら俺よりデカイな.....、多分。
「男君.....」
「おお、みなみ」
「お茶、入ったよ」
そう言ってみなみは俺のすぐ横に来てしゃがむ。
「チェリーと遊んでたよ」
「.....それ」
みなみは不思議そうに泥まみれになったチェリースペシャルコレクションを見つめる。
「チェリーがくれたんだ」
「.....」
「いいだろ?欲しいか?」
みなみはフッと笑ってチェリーの頭を撫でる。
「チェリー、私にはくれないの?」
チェリーは擽ったそうに唸るだけで、しばらく撫でられた後、すぐ横になった。
「はぁ.....」
「ははww相変わらずだなチェリーは」
太股に力を込めて立ち上がる。血流が循環して行くのを感じる。
「行こうぜ、みなみ」
「うん」
みなみも立ち上がる。
頭の位置がが俺よりも高い。
「.....はぁ」
「?どうしたの?」
みなみは少し傾いで聞く。
「お前、身長いくつだっけ?」
「163かな.....」
「.....あと、八センチか」
「気にしてるの?身長」
「俺は大器晩成型なんだ、きっと。それよか、家入ろうぜ」
「うん」
404 :
みなみは一途で無口な女王
2009/04/08(水) 18:28:14.55 ID:G/PvobA0
壱=
「アップルティーか、みなみが淹れたのか?」
みなみは頷いて、持っていたカップに口を付ける。
「美味いよ」
「.....うん」
みなみは普段からこんなに無口だけど、結構長い付き合いだから大抵の事は分かる。
静かな場所が好きで、意外と蕎麦好きで、炭酸飲料が苦手。
それから結構イイやつ。
話はちゃんと聞くし、自分の答えもくれる。良い友達ってヤツだ。
それに俺よりも頭がいいし、身長も.....高い。
二人っきりの時は大抵俺が話して、みなみが聞く側に回る。
小学校の頃からそうだった。俺は今日あった嬉しかった事、面白かった事を話して明日の希望を語る。みなみは静かな眼で俺を見て笑ったり、一緒に考えてくれたり、俺たちはずっとそうしてきた。
「えっと、パトリシアさんだっけ?あの人俺よりアニメに詳しいだぜ、今期アニメは喰霊がオススメDEATH!とか言ってたし」
「アニメなら田村さんも詳しいよ」
「ああ、あの眼鏡かけた子か。えっと、小早川さんだっけ?みなみが仲良いの」
みなみは薄ら笑みを浮かべて頷く。
「どんな子なんだ?」
「とっても優しい」
「そうか、よかったな良い友達が出来て。俺なんてどう見ても三十代の先輩がいるぜ」
「ふふww本当?」
みなみの笑顔はとっても儚い。
すぐに消えてしまうし、人前では無表情が多い。
だからこうやってみなみが笑ってる間はとても嬉しい。みなみが落ち着いてくれる。
そんな些細な事が、小さい頃から俺は嬉しかった。
405 :
みなみは一途で無口な女王
[sage]:2009/04/08(水) 18:29:49.33 ID:G/PvobA0
=弐=
「チェリーも七歳になるんだな」
「うん、でも.....」
みなみは寂しそうに笑って、俯く。
「.....男君と、ゆたかにしか懐かないね」
最近、みなみはチェリーとの関係を悩んでいる。七年間も愛情を注いでも、そっけない仕草しか見ないらしい。
「そうか?俺はみなみは好かれてると思うけど」
「でも、私が呼んでも.....チェリーは起きてくれないもの」
「みなみは、いちいち反応しなくても傍にいてくれるって安心してるからだろ?俺はそう思うよ」
「.....そう、かな?」
「優しい人が嫌いな奴なんていないよ」
みなみは顔を赤らめて、また俯く。
「.....男君も?」
「ああ、だからチェリーの事はそんなに気にすんな」
「うん.....ぁりがとう」
みなみは耳を真っ赤にして微笑む。
「うん.....そろそろ帰るよ、親が心配する」
俺はクッションから腰を上げ、部屋を後にする。みなみは玄関まで見送りに出てくれた。
「また、明日な」
「うん、また明日」
玄関を開けると、チェリーが待っていた。
「出迎えか?チェリー」
頭を乱暴に撫でてやる。チェリーは気持ちよさそうに唸ってから、一鳴き。
「じゃな、チェリー」
門を開けて、もう一度振り返りみなみに手を振る。
みなみも振り返してくれる。ついでにチェリーも吠える。
また明日な、みなみ。
==参=
みなみとは小さい頃から同じ組、同じクラスになることが多かった。
小学校から、中学までみなみがいつも同じクラスにいた。
小学校の高学年の頃からよくそれでからかわれたけど、みなみは別に何とも思ってなさそうだったし、俺も俺で気にしてはいなかった。
中学に上がってから、みなみは少し周りと距離を取るようになっていった。
休み時間は教室の隅で一人、読書に没頭していた。
中三に上がった時、みなみが何も文句を言わないのをいい事に、学級委員に推薦された。
勿論みなみの意思なんて無い。みなみは優しいから、そんな無茶な推薦でも受けてしまう。それに、何も言えないだろう。
俺はそんな人の優しさを無碍にするクラスに腹が立って、決まっていた保健委員を蹴って男子学級委員に志願した。
「おい、みなみ」
「.....何?」
「嫌だったら、言ってもいいんだぞ」
初めての委員会集会に行く前に、俺はやっと声を掛けた。学校で話すのは久しぶりだった。
みなみは少し驚いた顔をしてから、目を覆った。
「.....あ、りがとう」
「いや、俺もごめん。何も言えなかった」
「.....、うん」
みなみはその後少し泣いて、前髪で上手く眼を隠していた。
406 :
みなみは一途で無口な女王
[sage]:2009/04/08(水) 18:30:42.33 ID:G/PvobA0
==4==
それから俺たちは委員会関係でよく帰り道を一緒に帰った。
学校、帰り道、たまに遊びながら俺たちはいつもの関係に戻っていった。
そして、秋が来て委員会最後の集会の帰り道。俺たちは初めて自分たちの進路について話し合った。
「みなみ、俺凌桜受けるわ」
「.....本当?」
「ああ、みなみも受けるんだろ?」
みなみは小さく頷く。
「頑張ろうな、みなみ」
「.....うん」
みなみはそう言って笑ったのは覚えている。
嬉しそうな、楽しそうな。それでも不安そうに笑って、頷いてくれた。
===伍==
凌桜に入学してよかったと思うことは上げたらキリがないけど、最初に思う事はみなみにいい友達が出来た事だ。
休み時間にみなみの席を見てもみなみの姿が無い。
席を立って、友達のグループと笑いながら話してるのを見ると少し寂しい気持ちになるけど、それでも嬉しい方が強い。これからみなみにはどんどん友達が増えていくだろう。きっと。
高校に入って俺は友達がいるみなみが極力近寄らない事にした。
みなみの方から遊びに誘ってきた時以外は遊ばなくなったし、一緒にも帰らなくなった。
こういうのを『巣立つ雛を見送る親鳥の心境』というのだろうか。
きっとこれから先、みなみにはもっと友達が出来る。
俺よりもきっとみなみの事を理解できる奴も。
俺よりもみなみの事考えてくれる奴が。
一学期に入る頃には俺はみなみよりも他の友達を優先するようになっていった。去年一緒に行った夏祭りも断ったし、花火の誘いも断った。
受話器越しのみなみの声は寂しそうだったけれど、みなみには俺と行く事よりも、新しい友達を優先して欲しかったからだ。
二学期の始業式の時以外は登校も先輩の高翌良さんに譲っている。
どんどん、俺はみなみと距離をとって行く。
このほうが良いと何度も心の中で唱えながら。
407 :
みなみは一途で無口な女王
[sage]:2009/04/08(水) 18:31:41.93 ID:G/PvobA0
===碌===
二学期の文化祭も終わり、みなみの文化祭での活躍を称えてやるために久しぶりに遊ぶことにした。
「なんか、緊張するなぁ」
インターホンを鳴らすと庭の端で丸くなっていた白い塊とと玄関のドアが同時に動いた。
「おお、チェリー久しぶりだなぁ!ってか、またでかくなったのか?お前」
必死に俺にしがみ付き、状態を起こしたチェリーの大きさに俺は度肝を抜かれる。
「.....いらっしゃい」
「おお、お邪魔します」
このやり取りも久しぶりだな。
「上がって.....」
「おう、またなチェリー」
見ないうちに、みなみの表情は豊かになっていった。
笑顔にはいくつもの彩が付いて、仕草一つ取っても前とは違っていた。もう俺はみなみにしてやれる事は無いだろう。一ヶ月も遅れた誕生日プレゼントを渡して。
====七===
「.....これ」
「誕生日プレゼント、今年はパーティ断ったろ?だから」
「ありがとう、大切に使う」
たかが栞に大げさだな。
コップに注がれた紅茶、懐かしい整理された部屋に、初めて見る可愛らしいキャラクターのクッション。その全部がみなみの変化を意識させる。
「最近.....」
「ん?」
「.....なんで避けてるの?」
気付いてるよな、そりゃ。
「そうか?普通だと思うけど」
みなみは這って俺のすぐ横に詰め寄る。
「.....惚けないで」
「俺も友達と遊んだりしてるんだよ、お前もだろ?」
嘘は付いていない、そうなるようにしたんだから。
みなみは俺が見た事もない表情で問い続ける。
「私は.....あ、あなたの方を優先する」
「は?」
「証明.....しようか?」
みなみはセーターを脱ぎ捨てて、胸元のボタンを外す。
「お!おい!もう分かったって!」
「.....まだだよ」
みなみがそう呟いた直後、唇が塞がった。
408 :
みなみは一途で無口な女王
[sage]:2009/04/08(水) 18:34:55.08 ID:G/PvobA0
====八====
「んっ!」
思わず後ろに倒れこむ。みなみは俺の両手を握りながら、一緒にそのまま倒れる。
俺は何も抵抗が出来なかった。昔から身長どころか体力も敵わなかったからな。次に舌が入ってきた、俺はせめてもの抵抗に思い切り歯を食いしばった。みなみの舌はそんなのお構い無しに歯の隅々を舐めていった。
どのくらいキスしていたんだろう?窒息か、それともファーストキスの魔翌力か、脳髄はマヒ状態。不本意にも下半身は魔翌力のお陰で今までになく元気だ。
「お、おい、みなみ?」
「本気、私は」
みなみは乱暴にスカートを下して、それから俺のベルトを解く。
「おい!いい加減にしろ!」
俺は空いた左手でみなみを押す。
「.....大声出すよ」
「は?お前、なに言って.....」
部屋を見渡すと、みなみがさっき脱ぎ捨てた服が散乱していた。
「お前.....!」
「これが、その証明」
みなみは見た事も無い色の炎を瞳に灯したまま俺をベットに押し倒した。
「お、おい!」
ガチャと金属音。頭上で無理やり手錠を掛けられて、その手錠もまた別の手錠でベットの金具に繋げられる。そして、ものの五分の間に四肢の自由は削がれ、口にはみなみの下着が突っ込まれた。
「私、何かした?」
みなみは何度もそう聞いてきた。
「私が暗いから?私といるとつまらないから?」
いつもより饒舌なみなみにあっけに取られてしまう。
「それとも、身長が高いから?胸が無いから?」
みなみは泣きながら俺の息子を舐める。
俺は間違ってたのか?ただみなみのために思ってきた事が。
「私が嫌い?男君」
バカ野郎、大間違いじゃないか!何がみなみのためだ、コイツをここまで傷つけて、何してたんだ俺は.....
「ん!!」
いつの間にか俺は射精していた。みなみはそれすらも舐めとる。
「気持ち.....良かった?」
布団を汚した最後の雫を指で掬い、それも舐めとる。
みなみは身に纏っていた服を全て脱ぎ捨てる。ブラも、ショーツも。露になった細い体。凹凸の少ない身体だが、筋肉は引き締まり、肌は美しい色を保ったまま。
「もっと、気持ちよくできるから.....、だから」
そう言ってみなみは俺の体を抱きしめる。
それから俺の首筋を舐め始めた。首から、胸に降りる頃には息子は完全復帰。みなみは時折目を堅く閉じて身体を震わして甘い吐息を漏らしていた。
「男君.....、見てて」
みなみは俺の息子に優しく触れたあと、自らの性器をあてがった。
「これで、ずっと...一緒に.....いてくれるよね?」
みなみはためらいも見せずに一気に腰を下す。
「ぅっ!」
短い悲鳴。血は流れて、俺へと伝う。
「男君は.....動かなくても...、いいから」
嫌だったら言えよみなみ。頼むから。
「私は...、気持ちいい?.....、男君?」
我慢して笑わないでくれよ、頼むから。
「泣かないで.....、すぐ、気持ち良くなるから、んっ.....」
俺は、みなみの中に全部を吐き出した。みなみは全てを受け止めた後、俺の方に倒れる。
「気持ちよかった?男君.....」
初めて聞いたみなみの満足そうな声に、俺は応える事も出来ずに強烈な眠気に呑まれていった。
409 :
みなみは一途で無口な女王
[sage]:2009/04/08(水) 18:35:54.30 ID:G/PvobA0
====急=====
目を覚まして、飛び起きると。
そこはいつかのみなみの部屋だった。
「おはよう」
みなみは俺の腕を大げさに掴みながら嬉しそうに呟く。
「みなみ.....」
俺たちは服もしっかり着直していたが、さすがにシーツと布団は変わっていた。あとみなみの態度も。
俺の右腕を抱きしめながらみなみは俺にもたれ掛かる。
「みなみ.....おれは」
言おうとした俺の口をみなみの唇が塞ぐ。
「ごめんなさい、でも私頑張って好きになってもらえる様になるから。.....だから」
「.....みなみ」
「だから、もう.....離れないで」
みなみはもっと強く俺の腕を抱く。縛るように、刻むように。
俺はみなみの頭を撫でる。諭すように、語りかけるように。
傍にいるためにみなみが安心できるように。
とりあえず、ここまで。
次はリクでも受けます。じゃあ、暇になったらまた会いましょうノシ
410 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/04/08(水) 19:48:50.29 ID:FyMxi5go
乙でした!
これだけの作品を短い期間で書き上げれるのは尊敬しますww
次回作あるなら、私的に対象キャラは書きたい人でいいけど
シチュは今までどおり拘束逆レイプがいいな・・
411 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/04/08(水) 22:03:56.14 ID:G/PvobA0
悪い、読み返したら誤字脱字くそ多いわww今回の
>>410
別にそれはいいけどキャラ指定も欲しい。もう俺が書きたい奴は書けたからww
412 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/04/08(水) 23:13:26.50 ID:ZZsFqxo0
素晴らしき連続投下乙!
短期間によくこれだけ書けるな
リクはできればパティで
彼女のssが全くといっていいほど無いので
それにしても最近新しい書き手さんが増えて嬉しい限りだ
413 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/04/09(木) 06:32:41.06 ID:gYf9yAEo
こなたやかがみは他の作者ので十分病んでるからな……
一番縁がなさそうなみさおとか
ゲームキャラで出番余りないやまととか見たいかも
414 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/04/10(金) 12:53:20.48 ID:DW55dEA0
>>412
おk、把握
でも自信ねぇからあんま期待すんなよwwwwww
>>413
すまん、やまとって誰だ?アニメ版しかしらないにわかオタクには分からん
というわけで今回はパティを投下予定だ。楽しみにしてくれたら助かる。
あとままとめwiki見て思ったんだが、つかさの長編ないよね?おじさんそういうのエコヒイキだと思うな。うん。だからちょっと長編も考えてるんだ、うん。
あと放送が始まった「け○おん!」ってアニメの主人公って完璧につかさの二番煎じだよね?
まぁ愚痴はこの辺にしといて、ちょっと待ってろ
415 :
拉致って!オーマイハニー
[sage]:2009/04/10(金) 16:31:11.79 ID:DW55dEA0
「どぅですかー、男さん?」
「ああ、似合ってると思うよ.....うん」
壁に貼りまくられたアニメの特定のキャラクターポスター。
うん、これは俺が声優を当てさせてもらったキャラクターだ。
最終話の収録も終わって、俺はここに拉致られていたんだ。
この可愛らしい女子高校生に。
さっき目を覚ましてからずっとコスプレ自慢されてる気がする。
はぁ、ここは日本だよな?
----1
「貴方、まさか男さんdeathか!?」
「ああ、うん。そうだよ」
最終話の収録は三時間にも及んだ。正直とても疲れた。
その帰り道に後ろから声を掛けられ、質問に答えると、
「んっもっふ!」
いきなり下顎に星砕きと彫られた木刀でどつかれた。
三半規管が麻痺したとか、脳が揺れる前に俺は気絶して。
気付いたらココに連れて来られてた訳だ。
世紀末にもほどがあるな、ペリー。
「男さん」
「はい?」
「呼んでみてください!」
「は?」
「call my name!私の名前を呼んでみて下さい!」
は?さっきからなんなんだ?この子?名前なんか知らないぞ。
「あ、名前まだ教えてなかったね!私、パトリシア・マーティン、皆からはパティって呼ばれてるNE!」
自己紹介しちゃったよ、この人。
「えっと、パティ.....さん?」
パティは嬉しそうに悶えながら、俺に抱きつく。
.....結構胸大きいな。
「うん!声優の時の声もgoodだったけど、やっぱり地声もいいNE!男!」
「はぁ。どうも、ありがとうございます」
いきなり過ぎて頭が痛いな。顎もなんか腫れてるし。
「パティさん」
「ん?どうしたか?男?」
「これ解いてよ、顎も痛いし」
「oh-!sorryでもそれは出来ないね」
「なんで?」
「これから、私が男の面倒をみるからだYO!」
なん...だと..?
416 :
拉致って!オーマイハニー
[sage]:2009/04/10(金) 16:34:12.11 ID:DW55dEA0
----2
「あの、それは困るんですけど.....」
「お願いします、前からずっとファンだったです!」
そんな顔で言われても.....。
「あ、事務所にはcallしときましたから、ダイジョウブね!」
「え!ええ!?」
「二週間も休みくれるなんてイイ事務所ね!」
それは俺の春休みだ.....
「さて、食わねば戦も何とやら、さっそくファーストブレイクNE!」
以外にもパティさんが作る飯は美味かった。
朝食はバタートースト、昼食は作りオムライス。晩飯はビーフシチューとサラダ。
それにパティさんは家事も全部そつなくこなす、以外にしっかりした娘だった。
俺が監禁されて三日目、俺はそろそろ縄を解くために説得を開始した。
「パティさん、学校は行かなくて平気なの?」
「もーまんたいNE、男!あと一週間は一緒にいられるね!」
タオルを畳みながらパティさんは嬉しそうに笑う。
なんか言いづらいな。
「男!」
「うわっ!」
タオルを畳み終えたパティさんがいきなり抱きついてくる。
「うー、男の匂いだー!」
「ごめんなさい、臭いでしょ?」
「そろそろ、お風呂にも入らないとNE!」
「は?」
417 :
拉致って!オーマイハニー
[sage]:2009/04/10(金) 16:37:12.64 ID:DW55dEA0
----3
背中をスクール水着を着た外国人が洗ってくれてる。
正直、My sunが半立ちです。
「湯加減はいかがですかー」
「それはお風呂に入ってから言うんですよww」
「realy!?本当ですか!?」
「はい」
「うーん、さすがジャパンは奥が不快ね」
「そのイントネーションおかしいです”不快”じゃなくて”深い”ですよww」
「oh-、私としたことが、やっちゃたね」
パティは頭をコツンと叩くと、今度は俺のフロントを洗う。
嗚呼、スク水を考えた偉大な奴ちょっと来い。褒めてやるから。
「OH-男、元気だね!ダイジョウブじっとしててー」
パティはそう言ってウィンクすると俺の股間にしゃがみ込んで俺の息子を食らう。
つまり【検閲により削除】されている。
「お、おい!パティさん!?」
パティさんの上目遣い+ウィンクにもう息子はバキバキ。
「ちょっ、もう!」
「んふ、おーとこ」
逝く寸前に口から離される。
「ピンポンパンポーン!」
「なに!?」
「今日、四月十日は何の日でしょう?」
「は?」
そのまま、いきなり後ろに倒される。
パティさんは上に跨り、笑っていた。
「時間切れですー!」
パティさんは一気に腰を下した。
一番奥まで入ると同時に思い切り射精してしまった。
「アンサーは、私の危険日でしたー」
パティさんの中に納まりきらなかった精液が流れ出てくる。
「まだまだ、一週間絞りに絞ってあげますよー、男」
そう言うとパティさんは慣れない様子で腰を振り始めた。
「ダイジョウブですよ、男さん。ご飯の中にバイアグラをINしときましたから今夜はずっと二人でschool days出来ますよ!」
チクショウ、こうなったら言う言葉はたった一言しかない。
nice boat.
ごめん、パティむずいわ。いやマジで。
次はつかさの長編でも書こうと思うけど、おらの春休みが後一週間で終わるんだよな。
書こうか悩む。
418 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/04/10(金) 17:26:58.55 ID:drzUEk.o
いそがなくていいからつかさ期待ww
419 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/04/10(金) 20:58:23.78 ID:Vy2mchQ0
GJ!パティかわいいよパティ
しかしパティは難しいよな・・・
無理言ってすまんかった
つかさの長編に期待!
420 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/04/11(土) 03:00:39.57 ID:/kU9pRIo
百合でヤンデレとかいいかもしれない
421 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/04/11(土) 09:26:31.88 ID:vaympoDO
>>420
それなんて神無月の(ry
422 :
病み☆すた
[sage]:2009/04/12(日) 23:27:46.69 ID:zQgc5Ko0
ROM専に徹していたが新作投下が多くて無意味にテンション上がった。
と言うわけで昔書いたのを改良して今更ながらのヤンデレこなたSSにしてみた。
卑屈なこなたんが段々と病んでいきます。
もはや誰テメェ!? ってレベルだけど気にしないでください。
423 :
病み☆すた
[sage]:2009/04/12(日) 23:29:29.13 ID:zQgc5Ko0
病み☆すた こなた編 前編
「今日から高校生、か………」
お世辞にも楽しかったとは言えない中学生生活。
思い出したくもない記憶から逃げるように、私は地元から少し遠い高校に入学した。
周りにいる誰もが自分の事を知らないという新天地。
でも、最終的にはきっと中学生時代の繰り返しになってしまうだろう。
同年代の人間とは明らかに立ち位置の違う私。
そんな私が普通の高校生活を送れるはずなどないのだから………
しかし、私の予想は良い意味で裏切られることとなる。
それは最初のホームルームで行われた席決めの時の事。
「隣の席だな、よろしく」
「………え? あ、うん、よろしく」
誰かに話しかけられるなど夢にも思っていなかった私は突然の言葉に対し無意味に動揺。
反射的に口を開くことは出来たものの、そっけない言葉を返すだけで精一杯だった。
しかし相手は時に気にした様子もなく、もう一度よろしくと言ってニッコリ笑う。
その笑顔を見た瞬間、私は胸の奥で何かが大きく脈打ったのを感じた。
424 :
病み☆すた
[sage]:2009/04/12(日) 23:33:24.86 ID:zQgc5Ko0
隣の席という事もあってか、私と男は自然と仲良くなっていく。
席決めから一ヶ月も経った頃には互いに呼び捨てで呼び合うまでになっていた。
だけど、そうやって男と親しくなっていくのを嬉しく思う反面、私はある不安を抱えていた。
そしてその日、男は何の前触れもなくソレに触れてきたのだ。
「こなたってさ、実は結構オタクだよな?」
男にそう言われた瞬間、私は自分の頭の中が真っ白になっていくのを感じていた。
それは男と隣の席になって以来ずっと隠してきた私の本性。
私の中学生時代を決定付けた最大の要因。
「あー……やっぱり解っちゃう? これでも普段は結構抑えてるつもりなんだけどね〜」
そんな風に軽口を叩いてはいるが、内心は恐怖でいっぱいだった。
半ば諦めていた所で偶然掴むことのできた小さな希望。
せっかく出来た友達という存在が今まさに消えようとしている。
このままじゃまた中学時代に逆戻り……そんなの嫌。
こんなに楽しいのがなくなるなんて絶対に嫌だ!
嫌だ、嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だイヤだイヤだイヤだイヤだイヤイヤイヤイヤイヤ……
「隠すことないだろ? 好きなものなんて人それぞれなんだし」
「………………え?」
私は自分の耳を疑った。
それは今まで私と関わった人間の誰とも違う反応だったから。
私は思わず聞き返す。
「………おかしい、とか思わないの? 女なのにオタクだなんてさ」
「ん? まぁ、あんまりいないとは思うけど、別におかしくはないだろ」
「ホントに?」
「こんな事で嘘ついてどうするんだよ。少なくとも俺は全然気にしないぞ」
私がオタクであると知ってなお、今までと同じように笑っている男。
本当に私がオタクでも気にしないの?
いや、男は優しいから私に気を遣ってくれてるに違いない。
中学の時だって最初はそんな風に言ってくれる人も居たけど、結局は他の皆と一緒だった。
でも、目の前で笑ってる男はそんな風にはとても見えなくて……
「男ってさ、結構変わってるよね」
……信じて、いいのかな?
425 :
病み☆すた
[sage]:2009/04/12(日) 23:36:01.33 ID:zQgc5Ko0
オタクであることを男に知られて一ヶ月が過ぎた。
当初はいつ男に距離を取られるのだろうと戦々恐々していた私だが、
いつの間にかそんな不安は跡形もなく消え去っていた。
私がオタクだと知っても何一つ変わらない男の態度。
むしろ、前よりもさらに親しくなった気さえする。
男はいつまで経っても優しい男のままだったのだ。
「男。今日の帰りなんだけどちょっと付き合ってくれない?」
「またゲー○ーズかアニ○イトに行くのか?」
「うん。予約してた新作ゲームの発売日なの。予約特典が豪華でね〜」
そんな男に影響されたのか、私は徐々に学校でも地を出すようになっていった。
もちろん家でチャットやネトゲしている時ほどのディープさはないけど、
自分の好きな事をこうして遠慮なく喋れるのはとても楽しかった。
でも、その楽しさがいつも続くわけではない。
「悪いけど、今日は用事があるからパスするわ」
「用事?」
「ああ。白石達とカラオケに行く約束があるんだ」
私にとって友達は今のところ男だけだけど、男にとって友達は私だけではない。
私と違って男は既に大勢の友達を作っている。
それは同姓だけではなく、私と同じ女子の友達も……
「なんなら、こなたも一緒に来るか?」
「………ううん、私はいいよ。それじゃあね!」
私は男の誘いを断り、逃げるように教室から出た。
本当は一緒に行きたいけど、私が行けば必ず男に迷惑を掛けることになってしまう。
自分の事なら我慢出来ても男にまで被害が及ぶのは我慢できない。
私なんかのために男が辛い思いをする必要なんてない。
でも、やっぱりもっと男と一緒にいたい。
426 :
病み☆すた
[sage]:2009/04/12(日) 23:39:37.57 ID:zQgc5Ko0
夏休みも目前に迫ったある日、ひょんな事から私に新しい友達が出来た。
「男君、こなちゃん、一緒にお昼御飯食べよう」
まさしく満面の笑みを浮かべて私達の机にやって来るのは柊 つかさ。
先日外国人に絡まれて困っていたのを助けて以来、すっかり仲良くなった。
もっとも助けたのは私じゃなくて男だけどね。
男があんなに英会話上手だったなんて知らなかったよ。
「お〜っす、きたわよ」
そしてつかさ繋がりで親しくなった彼女の姉の柊 かがみ。
生きたツンデレの教科書と呼べるほどに次々とテンプレを繰り出してくるから侮れない。
ちなみに本人は否定しているが、結構なオタク要素がある。
「私もご一緒させていただいてよろしいでしょうか?」
さらにかがみ繋がりで親しくなったクラス委員の高翌良 みゆきさん。
容姿端麗にして頭脳明晰、さらに数多くの萌え要素まで備えている完璧超人だ。
ここ最近はこの5人で一緒にいることが多かった。
427 :
病み☆すた
[sage]:2009/04/12(日) 23:44:48.11 ID:zQgc5Ko0
「良かったね、男。今日もこんな美少女達に囲まれて御飯が食べれるんだから」
「そうだな。美少女3人+出涸らし1に囲まれてる俺は一部を除いて幸せだ」
「……それは誰の事を言ってるのかな? かな?」
「……自覚がないとは可哀想な奴だ」
物凄い哀れみを込めた目で私を見つめ、慰めるかのようにして頭を撫でてくる男。
私は文句なしに怒っていいと思うんだけど、
男の手がとても気持ち良いので上目遣いに睨みながら唸るだけにしておいた。
もちろん撫でるのを邪魔したりはしない。
「毎度のことだけど、男もこなたも飽きないわね」
「…かがみん、もしかして私と男の仲の良さに嫉妬してるのかな?」
「なっ!? いきなり何言い出すのよ、アンタは! それとかがみん言うな!」
「お姉ちゃん、顔真っ赤になってるよ」
「つかさは黙ってる!」
「ふぇ〜ん…」
「うふふっ、今日も賑やかですね」
ワイワイと騒ぎながら友達同士楽しくお昼ご飯を食べる。
それは私が憧れていた学生生活の一コマ。
多くの人からすれば当たり前の日常も、私にとってはこれ以上ないくらいの幸福。
それを与えてくれたのは間違いなく男だった。
恥ずかしいから面と向かっては絶対言えないけど、私は男にとても感謝している。
でも、そんな恩人とも言える男に対して私は最近ある不満を持っていた。
「それでつかさッたら、電車の中で『あと5分だけ〜』って大声で寝言言っちゃってさ」
「や、やめてよお姉ちゃん〜」
「あはは、つかさらしいな」
「男君まで笑わないでよ〜」
どうして私以外の女にも笑いかけるんだろう………って。
とりあえずここまで。後編は明日の夜に投下するかもしれないと言い切れなくもない。
ちなみに都合上、各種設定を多少いじってますのでご了承ください。
主に皆が出会ったり仲良くなった時期的な意味で。
428 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/04/13(月) 02:03:05.95 ID:2tY7K2DO
投稿乙!
こなたかわいいよ、こなたハァハァ
こうやって見たら何とかの女王って一日おきの連投なんだな、素直に感心したわ
つかさの長編も頼む!
取りあえず両者乙!
429 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/04/13(月) 13:41:14.00 ID:dSuKzr60
これは乙じゃなくてポニーテール(ry
後編に期待!wktkしながら待ってるぜ
あとオーマイハニーがハーマイオニーに見えた
430 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/04/14(火) 17:52:00.67 ID:peSc7Kg0
>>429
だまるフォイ!!
とりあえず前に言ってたつかさの長編書かせてもらうぜ。
ちょっと待っとけ
431 :
寿司
[sage]:2009/04/14(火) 18:05:38.55 ID:peSc7Kg0
今年度最後の学級委員集会も終わり俺は部費の最終決算を終えた。電卓を打つのも意外に疲れるもんだ。
「はい、お疲れさん」
長い髪をツインで纏めているのが印象的な同じクラスの学級委員の柊かがみが俺に湯気が僅かに見える湯飲みを持ってきてくれる。
「サンキュ、柊」
もう外は暗い。部活動の掛け声ももう聞こえない。
時計を見ると六時手前。
「バス、まだ出てるか?」
「さぁ?でも五時半のもとっくに出ちゃったし、しばらくは無いでしょ」
柊は既に諦めたらしく、自分の湯飲みをゆっくり冷ましながら飲み始めた。
「はぁ、これで高校生活の一年目終了かー、なんか呆気ないなぁ」
「確かに、もう一年か」
「早いよね、入学式が昨日みたい」
柊は溜息混じりに苦笑する。
「失礼します」と、声と共にドアがスライドする。
「お、みゆき。そっちも終わったの?」
「高翌良さんお疲れ」
「はい、男さんもかがみさんもお疲れ様です」
やんわりとした物腰の謝辞を告げ、ニッコリといつもの可愛らしい笑顔を浮かべるこの人は他クラスの学級委員の高翌良みゆきさん。その人だ。
「予算表、出来上がってたんですね?スゴイです」
両手の平を合わせてみゆきさんは嬉しそうに目を輝かせる。宇宙の歌姫も銀河の果てまで抱きしめちゃう可愛さだ。
「いや、ただの計算だけだから。そんなに褒められても.....///」
「お、男?」
「べ、別に照れて訳じゃないんだからね!?」
柊は呆れたような目で俺を見てまた溜息を吐く。
「はぁ、結局類友かよ.....」
ん?なんだ類友って?
「あの、何を話されていたんですか?」
「え、ああ。もう入学して一年経つんだなとか、そんな話だよ」
「まぁ、本当ですね!」
みゆきさんは和やかな笑みを浮かべて上品に笑う。
そうか、もう一年か。早いな。
432 :
寿司
[sage]:2009/04/14(火) 18:06:27.12 ID:peSc7Kg0
「じゃあね、みゆき!」
「はい、かがみさんも男さんもお気を付けて」
高翌良さんに丁寧に見送られて、俺たちの乗った電車は走り始めた。
「それじゃあ、アンタバイトの間全部寝てんじゃないwwwwww」
「あww確かにwwww」
柊が座席に座り、俺が吊革に掴まるという形で俺たちは道中話していた。
「ところで、柊ってさ」
「ん、なによ?」
「ズバリ、一人っ子だろ?」
「何よ藪から棒に?」
「当たりだろ?スバリ」
「どこの学級委員長よwwそれに私三女だしww」
柊はしてやったりな笑みを見せる。
「な!なんだってーーー!」
「社会人が一人に、大学生が一人。あと隣のクラスに双子の妹が一人」
「え?柊の、双子?」
「あ、双子って言っても二卵性だからクリソツってレベルじゃないわよ?」
「そっか、なんて子なんだ?」
柊はいままで俺の前では見せなかった遠い昔を懐かしむような、愛でるような表情で言った。
「つかさ。柊つかさよ」
433 :
寿司
[sage]:2009/04/14(火) 18:08:37.16 ID:peSc7Kg0
春休みもバイトに相殺されて、俺は妙な疲れを覚えたまま新二年生になった。
クラス分けの紙が張り出された掲示板の前には人だかりが出来ていた。
「二の.....Eか」
やや遠くからそれを確認するとすぐに新クラスに向かうことにした。
「あ、男じゃん」
「お、みのる」
「お前、クラスどこになった?」
「E。お前は?」
「俺もだ、また一年よろしくな」
へらへらと笑っているとみのるの携帯が鳴った。
「あ!スタジオからだ!男、先行っといてくれ!はい!もしもし、えっ!番組のレギュラーを!?はい、よろこんで!」
嬉しそうだな、白石。先輩とかに虐められんなよ。
クラスには既に結構な数の生徒が集まっていた。
「ねぇねぇ、こなちゃん」
あ、あのショートカットの娘.....可愛いな。というかあの髪の長い子は飛び級か?バーロー?小さすぎるだろJK
「ほら、さっさと席付けー」
はっ!見惚れてしまっていた!?
教師の登場で全員席に着く。
ありがちな教師の自己紹介と初心表明が終わり、この後の予定を述べられる。
「よっしゃ、ほいじゃお前らの自己紹介始めよか」
来たよ、来ちゃったよ。
ここでこれからの生活が決まるからな。明るく行かなきゃな!!
自己紹介は教壇に一人ずつ立ち発表する事になっていた。
趣味、出身中学、生年月日.....。
なんでもいいが、ここで目立ち過ぎるのは不味いよなjk
「泉こなた。趣味はネトゲです」
なん...だと..?
ネトゲが趣味とか言っちゃたらヤバいだろjkそこは隠れてフヒヒとか言っとくだろ。
俺が王子ならバカヤロー!どうなっても知らんぞ!!とか叫んじゃうね。
「ねぇ、こなちゃんネトゲって何?」
そうか、パンピーには分からんよな。助かったな、バーロー。
「ん?ネットゲームの事だよ」
「んー分かんないや。ごめんね、こなちゃん」
嗚呼、笑顔もかわいいなあの子。
「ほな、つぎ男」
ふ、見てろバーロー。隠れオタの自己紹介特と心に刻むがいい!!
教壇に立つと分かるが、教室の隅々まで見渡せる。緊張するな。
しかもさっきの可愛い子が見ているジャマイカ!!ここで噛む訳にはいかない!!
最初からクライマックスだぜ!!
肺に一気に空気を溜めて、少し大きめの声を出す。
「東ちぃうからくぁwwせdrftgyふじこlp!!!」
あ、噛んだ。
434 :
寿司
[sage]:2009/04/14(火) 18:10:05.59 ID:peSc7Kg0
クラスに小さな笑いが起きただけでまともな自己紹介も出来なかった俺は意気消沈していた。
何より凹んだのは笑ってるバーローに「男君が可哀相だから笑っちゃ駄目だよこなちゃん」って庇ってくれた彼女の堪えきれずに出ていた笑顔だった。
はぁ、欝だ氏のう。
うな垂れる俺の耳に次に響いたのは。
可愛らしいあの子の可愛い声だった。おのずと伏せていた顔を上げてしまう。
教壇にはスカートの端を握って恥ずかしそうに躊躇っていたあの子がいた。
「柊つかさです」
あの時、柊が見せた笑顔を思い出す。可愛らしいボブカットに小動物のような可愛さ。
垂れ目がちなその目はさながら子犬を思い出す。
緊張していたのか、喋りながら目がグラブロ並みに泳いでいた。
「えっと、趣味は」
その瞬間、目が合った。
「お菓子ずくぁwwせdrftgyふじこlp!!!」
あ、噛んだ。
続く。
435 :
寿司
2009/04/14(火) 18:18:23.85 ID:peSc7Kg0
勝手に長編を始めてしまったが、許してくれ多分長くなるしな、これからもよろしく頼んます。
あとsageの利点を教えてエッチな人!!
436 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/04/14(火) 21:13:01.91 ID:5/kFfZMo
委員長やってたのにあがり症な主人公に吹いたww
続きwwktkしながら待たせて頂きます。
437 :
寿司
[sage]:2009/04/15(水) 17:14:54.87 ID:SK3Ugt20
スラダン全巻買ってきた俺が通りますよっと
実は全巻揃えるのは三回目っていうwwwwww
さぁ、つかさの長編二回目行ってみよう!
というわけで、ちょっと待っとけ
438 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/04/15(水) 17:39:48.80 ID:4o5IzZg0
wktkwktk
439 :
寿司 第一貫「ずっこける男」
[sage]:2009/04/15(水) 18:17:59.64 ID:SK3Ugt20
新高校一年生を迎え、前学級委員長やら校長やらの、いかにもなスピーチ。
これでこそ新学期。
長い校長のスピーチが終わると、すぐさま教室にとんぼ返り。
「今日から新学期や。来週の頭には委員会決めるさかい、各自希望を決めとくように!ほな解散!」
これからの行事の予定のプリントや保健だよりなど数枚のプリントをすかすかの鞄に突っ込みすぐに席を立った。
さっきから携帯にバイト先から電話が掛かりっぱなしだ。シフト表今日出すって言ってたのに。
学校を出てすぐにリダイヤルで掛け直す。
「もしもし」
「ああ、男君ゴメンネ今空いてるかな?」
「えっと、今学校終わったんで四十分くらい待ってくれるなら行けます」
携帯の向こうから店長が困った顔を浮かべてるのが分かる。
「近藤さんがさ、二時間経っても来ないんだよ。悪いけど入ってくれるかな?」
あのチャラ男今度絶対殴る。何が愛のバイブスだ。何が「チカは今まで会った女の中でも極上の女」だ。あの腐れ童貞め。
「分かりました。店長シフト表は明日でも大丈夫ですか?」
「うん。構わないよ」
「はい、では失礼します」
近藤への怒り堪え、バスに揺られ、電車に揺られ、駅から十分歩いた所のコンビニの裏口から入る。
「あ」
「あ」
白い顔面にこけた頬。似合わない金髪にヒョロ長の背丈。極め付けにこのムカつく細目。
腐れ童貞の近藤だ。
「おお、男今日お前も入ってたっけwwwwww」
無駄に草生やすな、鞭打してやろうか?
「.....近藤さんが来てないから入ってくれって言われて来たんです」
「マジでwwwwwwサーセンwwwwwwwwww」
ウゼェwwwwwwマジウゼェwwwwwwwwww
次の給料日に辞めよう。俺はそう心に決めた。
義理分は働いて、すぐに家路に着いた。
今日だけで脳内で十二回も近藤のしりこ玉を抜いてしまった。
自重、自重。
家に戻ると、親父からの留守電が待っていた。
「男、俺だ。今日も帰れそうに無い。必要な資料はまとめて冷蔵庫に貼り出しといてくれ」
親父。アンタはあんな糞ビッチのせいで完全な社畜になってしまった。
440 :
寿司 第一貫「ずっこける男」
[sage]:2009/04/15(水) 18:18:50.34 ID:SK3Ugt20
少し前の話になる。頼むからゆとり乙とか厨二設定ワロスとか言わないで欲しい。
本当にいきなりだが、俺には消してやりたいと本気で悩んだ人間が三人いる。
一人はさっきの近藤。もう一人は近藤の側近、チカちゃん。
そして最後の一人であり、ぶっちぎりの一位に輝いているのが俺の母親だ。
アイツに関して言えば、いい思い出どころかトラウマしかない。
タバコの煙も甲高い笑い声もケバイ化粧もあいつのせいで見るだけで拳を作ってしまう。
親父は昔から仕事一筋でたまに日曜にも出勤していた。
俺はそれでも親父の事は好きだった。
玄関で革靴を履いて俺に預けていた鞄を受け取ると、くしゃくしゃに頭を撫でて家では見せない笑顔を見せて出勤する。
俺は親父のデカくて暖かい手が、その後ろ姿が大好きだった。
それとは逆に俺はあいつが嫌いだった。
癇癪持ちで、小学生の俺にブチ切れ、気絶するまで殴られた時は本当に死ぬかと思った。
多分何回か秘孔を押されたのだろう、やっと解放された俺が血を拭うためシャワーを浴びると高熱が出て寝込んだ。
そんな事が中学まで続き、ある朝事件が起きた。
忘れもしない中一の七月の朝。
俺はアイツの甲高い声で飛び起きた。急いで玄関に出るとそこには血溜まりの中で蹲る親父と、震える手で包丁を握る糞ババァがいた。
僅か一秒で俺は状況を把握した俺は速攻で糞ババァに殴りかかった。
今まで溜め込んでいた鬱憤、怒り、憎しみ、その他諸々を込めた拳を、多分鷹村さんもビックリなラッキーパンチを、俺は糞ッたれの顔面に叩き込んだ。
アイツはすぐ後ろのドアに叩きつけられた後、すぐその場に倒れこんで気絶した。
俺はすぐさま救急に電話を掛けて、親父の傷口にタオルを何枚も必死に押さえつけた。
救急が来て、警察も来ても頭の中は親父の事と、あの糞ッたれをどう懲らしめてやるかでいっぱいだった。
傷は肝臓まで届いていて、長い手術になった。
その間俺は駆けつけた親戚に励まされがら今頃別の病院でのうのうと治療を受けているアイツを、想像して何度も何度も頭の中でくしゃくしゃに丸めていた。
結論から言うと親父は助かったし、あの糞ババァも顎の骨を折っただけだった。
だけど親父は仕事を追われたし、あの家も売り払った。
俺も中二の夏まで家に引き篭っていた。
一日中ネットゲーム。
いつの間にか俺はネットの世界で神様になっていた。
レベルはカンストし、武器も防具もピカピカ仕様になっていた。
そんな、少し前の話。
441 :
寿司 第一貫「ずっこける男」
[sage]:2009/04/15(水) 18:19:48.19 ID:SK3Ugt20
休日が明けて、学校に登校するとすぐに白石に声を掛けた。
「おう、白石!レギュラー番組の収録どうだった?」
白石は溜息を吐いてから、「ハズレ引いちまった」と落ち込んで自分の席に塞ぎこんでしまった。
「一体どうしたんだ?あいつ」
「なんでも、もう片方の司会の性格が凄まじかったらしい」
「mjd」
「それもすぱすぱタバコを吸うらしい」
「うはwwwwwwビッチktkrwwwwwwww」
「おらー席付け!!」
今日も四時限授業だ。しかもシフト表を見ると近藤と今日も一緒だ。
今日の運勢オワタ\(^o^)/
「はい、おはよう。今日は委員会とか決めるで」
黒井が黒板に委員会を書き込んでいく。
「おし、まずは学級委員やりたい奴おらんかー?」
いるわけ無いだろ、ゆとりなめんなwwwwww
「しゃーない男、高翌良。前もやっとたし、今回も頼めるか?」
うはwwヤバすwwwwww高翌良さん上手く断ってくれ。
俺はそんな意味を込めた視線を高翌良さんに送る。
よし、目が合った。
(高翌良さん頼んだ!!)
(!男さん!分かりました!!)
高翌良さんが頷く。ふん、二回も同じ委員会をやるか、マヌケめ!
さぁ!高翌良さんやってやれ!
「分かりました」
ΩΩΩ<な、なんだってーーー!!?
「よっしゃ、男もええな?」
「.....」
うわ、高翌良さんがめちゃコッチ見てるよ。
「あ」
また、柊つかさと目があった。そんな目で見つめんなよ、照れるじゃん///
「はい、俺やります」
はい、今氏んだよ、一回おれ氏んだ。
俺は委員会の空きが全部埋まるまでずっと柊つかさの可愛らしいリボンを眺めていた。
442 :
寿司 第一貫「ずっこける男」
[sage]:2009/04/15(水) 18:22:03.17 ID:SK3Ugt20
「はい、じゃあ第一回集会を終わります」
手元の二枚の紙を二回折って鞄に突っ込む。
「おーい、みゆき、男」
「おう、柊」
「みゆきはともかく、男もまた学級委員になるなんてね」
「いえ、男さんがもう一回やろうって誘ってくれたんです」
くそ、違うって言いたい!言いたいのに!!
「いや、実は.....」
「おねーちゃん!」
はう!!この声は!!!
「おっ、つかさ!」
柊つかさタンキター!!!!11
「あ、男君」
「は、はじめまして!!ひ、柊さん!ぼくぁwwせdrftgyふじこlp!!!」
思いっきり噛んだ。唾も結構飛んだ。
「ヒッ!!」
ドン引きの柊姉妹。苦笑いの高翌良さん
俺の第一印象\(^o^)/オワタ
男の第一印象は唾と一緒に散ったが話はまだまだ続く。
続くったら続く。
明日も投稿するから!別に暇だからとか関係ないんだからね!!///
443 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/04/15(水) 21:41:01.57 ID:3yoJ4UUo
よく暇でいてくれたww
444 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/04/16(木) 14:02:52.59 ID:POfnt2DO
投稿乙!そしてwktkで全裸待機
445 :
寿司
[sage]:2009/04/16(木) 15:53:01.13 ID:VHremSI0
山王戦が熱すぎる件について
ミッチーカッコよ過ぎるだろjk
というわけでもうチョイで第二話投稿の予定.....
待て、しかして希望せよ!
ちょっと待っとけ
446 :
寿司 第二貫「努力と結果」
[sage]:2009/04/16(木) 17:18:31.79 ID:VHremSI0
「ははwwww何よそれww」
「だから、俺が中学最後に作曲した曲なんだって!」
「あははwwでもコンクリートロードは無いよーwwwwww」
さっきの悲劇から十分程で俺と柊(妹)はすっかり打ち解けていた。
これも俺のトーク技術だな。
「ははwwあ!こなたー!」
「オッス、かがみん」
こ、こいつは!!
いつかのバーロージャマイカ!?
「オッス、男くん」
「え?あ、えーと?」
「同じクラスの泉だよ」
「よろしく.....泉さん」
ま、不味い。やっと打ち解けてきたこのムードで同じ穴のムジナが来てしまった。
ここまできて『実は俺中二の夏までヒッキーでしたwwwwwwサーセンwwwwwwwwww』がバレてしまう。そんな事になったら俺の今までの一年が、終わる。
「ふーん」
「なんですか?泉さん?」
「ねぇ、男君?」
泉は不敵な笑みを浮かべたまま俺の目を覗き込む。不味いバレたか?同じ臭いでも嗅ぎ付けたか?だがな、こちとら中三からそれを隠し通して来たんだ、そう簡単にはバレない自信がある!!
「ぬるぽ」
「がっ!」
.....空気が、死んだ。
「し、しまった」
「やっぱお仲間だったかー、いやそんな気はしてたけどさー」
勝ち誇った笑みを浮かべる泉に、完全に置いてけぼりを食らっている三人。
「.....お、男?何今の?」
柊は戸惑った様子で俺に答えを聞く。
「ああ、かがみん。あれはね専門用語なんだー。ぬるぽって言うと.....」「がっ!」
「すぐにこう返さないといけないんだ」
に、二度までも.....。
「へー、すごいねこなちゃん。ねえねえ男君!」
ああ、バレちまった。完全にバレちまった。少なくても泉には完全にバレた。
「ん?」
はにかむ柊(妹)が嬉しそうに口を開いた。
「ぬるぽ!」
「がっ!」
「がっ!」
ハハッ、ワロスww
泉と一緒に「がっ!」とか、受けるwwwwww
俺の目の前で嬉しそうに柊(妹)が「ぬるぽ!」って叫んで笑っている。
俺の中では既に、もうどうにでもなーれー(AA略)がたくさん浮かんでは消えてを繰り返していた。
447 :
寿司 第二貫「努力と結果」
[sage]:2009/04/16(木) 17:19:28.43 ID:VHremSI0
「だから、ラン○はビッチ確定なんだよ!途中でどっか消えちゃうしさ!どっかの板でもマク○ス厨がディスク割ってたじゃん!!」
「いや、でもね男。黒幕だったマネージャーに手を出すのはどうかと思うよ?」
「柊ですが、友人の会話についていけません」
「わたしもー」
俺たちは電車の中で熱い議論を飛ばしていた。
思えば、友達とこういう手の話題をするのは初めてだ。
なんだか、とっても楽しい。
「なんでさ!?」
「だから、ギルガメは油断さえなかったらセイ○ーに勝ってたでしょ?」
「慢心せずして何が王か!?あとギルガメ言うな!某ザコキャラを思い出してしまう!」
俺たちの会話のちょっと離れたところで柊姉妹は引き気味に笑っている。
「男、あんた結構ディープだったのね?」
「あははwwこなちゃんと楽しそうww」
.....柊(妹)はよく分かってないな、多分。
「男、結構いける口じゃん。どう?これから家に遊びに来ない?」
「は?嫌だし」
「なんでー?」
「だって、友達に噂とかされたくないし.....」
「男、ここで詩織とか正直どうかと思う」
なぜか泉にすら引かれている。
ははっwwワロスwwwwww
「男、アンタ携帯持ってたよね?」
ここで柊がやっと会話に入ってきた。
「あ?うん、持ってるけど」
「アド交換しようよ」
女子とアド交換キターーーー!!
ついに俺のアドレス帳に年頃の娘のアドレスが記憶されるぜ!ぐへへww
正直wwktkが止まりませんwwwwww
「あ、ああ、あああ。い、いいぜ」
「男ドモりすぎwwwwww」
「フヒヒ、サーセンww」
「.....やっぱ、やめようかな」
「ほら、柊早く!早く!!」
「はいはい」
448 :
寿司 第二貫「努力と結果」
[sage]:2009/04/16(木) 17:20:38.62 ID:VHremSI0
赤外線で柊のアドレスを受信する。
嗚呼、学級委員になってよかった。
受信してすぐに柊に電話番号も添えたメールを送る。
「よし、登録終わり!」
そこまでの経緯を指を咥えながら見ていた柊もやっと口を開いた。
「いいなぁ、携帯」
「えっ?」
柊(妹)は羨ましそうに言う。
「あ、私ね、携帯持ってないんだ。すぐに無くしそうだから.....」
「そっか。買ったら番号教えてくれな?」
「うん!いいよ!」
YES!yes!YESYESYSESS!!
ついにアドレスまで扱ぎ付けたよ!やったよ親父!おれ今輝いてる!!
「男ー、あたしにも番号教えてよ」
「ああ、いいぜ!どんと来い!超常現象!!」
泉の番号も交換する。バーローで登録しとくか。
それにしても、俺始まったな!
たった一日でココまで上手く行くとなんか怖いね!
今日なら近藤のリア充(笑)話にも気持ちよく相槌が出来る気がする!!!
「次は○駅ー○駅ー」
「次で俺降りるわ」
「ええ!寄り道してこうよー。ねー男いいでしょー?」
「バイトが入ってんだよ、また今度にしてくれ」
「え!男君バイトしてるんだー!すごーい!」
「高校なんだし、親からお金が貰えないとなると必然的にこうなるよwwwwww柊はしたこと無いのか?」
「「え、私は無い(わ)よ」」
「あ!え?」
そっか、二人共「柊」なんだよな.....。
でも、名前呼びとか彼女いない歴=年齢の元ヒッキー童貞には恥ずかしくて[
ピーーー
]るだろjk
「あ?えっと.....」
「そっか、男ずっと柊で呼んでたもんね。私はかがみでいいわよ」
「私もつかさって呼んでくれていいよ!」
449 :
寿司 第二貫「努力と結果」
[sage]:2009/04/16(木) 17:22:13.57 ID:VHremSI0
泉が視界の端で妙に腹が立つ笑みをこぼしているが、この際それはどうでもいい。問題は出来れば妹さんの方を下の名前で呼びたいという所だ。
だが、だがしかしだ!柊との方が交友関係は長い!!だから通常では柊の方を「かがみ」と呼ぶべきなんだ!!
でも、でも、でもっ!!!
俺としては!男としては!!!
「ははっ!バカだな、つかさはwwwwww」←こういう感じで行きたい!!!!
どうする!?どうする!俺!?
「ほら、呼んでみなさいよ?って、なに悶えてんのよ?」
「むふふwwかがみんや、それはあの歳のインドア派の男子には少し酷ってもんだよww」
「恥ずかしがらなくてもいいのにー」
「結構、難しいもんだね。男心ってのもさ」
ど、ど、ど、どどうする!?どうすればいいんだ!!
なんかイミフだけどテンション上がってきたーーーーー!
「ほら、男呼んでみなよ?」
泉、見とけよ!俺は明るい世界に旅立ってやる!!!!!
「つ、つ、」
「あ!」
嬉しそうに笑う妹さん。いや、ここはあえて!!!
つかさと呼ばせてもらう!!!
「つ、つ、」
「うん、うん!」
「つくぁwwせdrftgyふじこlp!!!!!」
あ、やっちまった。
「ひっ!!!」
「また、やりやがったwwwwww」
「ちょwwwwww男wwwwwwイミフwwwwww」
ドン引きのつかささんに、俺の失態を笑う泉と柊。
俺は立ち尽くしたままvipでよく見たAAを思い出していた。
/(^o^)\ナンテコッタイ
「じゃあねー、男くん」
「バイト頑張んなさいよ」
「good!luck!baby!!」
チクショウ、泉のネタが秀逸すぎてちょっと笑ってしまったww
「ああwwじゃな、泉、柊、それと.....つかさ」
ああ!チクショウ!!相変わらず泉のあの顔が腹立つ!!!
俺は手を振ってホームに降りた。
しばらくして笛が鳴って、後ろから電車が追い越して行った。
「あ!!!」
さっき居た車両からつかささんが手を振ってくれていた。
俺も肩が外れるくらい大きく手を振って返した。
電車が見えなくなって、俺は歩を再び開始した。
いやスキップだな。こりゃ
450 :
寿司
[sage]:2009/04/16(木) 17:27:09.54 ID:VHremSI0
なぜかニヤついて書いてたぜwwwwww
明日も用事が三時までに片付いて家にいたら更新予定だ。
は?黙れよ浪人生がwwって言われてもやるからな、俺は。
じゃあ、GOOD!LUCK!BABY!1
451 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/04/16(木) 18:50:16.64 ID:c5T6itw0
乙!期待してるぜ
しかし無理するなよ浪人生
GOOD!LUCK!BABY!
452 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/04/17(金) 12:57:42.31 ID:Lm6ES6DO
はたして今日寿司は来るんだろうか
取りあえずwktk
453 :
寿司
[sage]:2009/04/17(金) 15:38:52.88 ID:miKNMvw0
>>451
GOODLUCK!BABY!らしいorz
ははっww予備校に意外と馴染めないぜwwワロスwwwwww
よし、寿司握ってくる
ちょっと待っとけ
454 :
寿司 第三貫「願望」
[sage]:2009/04/17(金) 17:49:38.22 ID:miKNMvw0
以下、男と柊かがみのメールをダイジェストで御贈りします。
「泉って話題的に考えてゲームとかオタクな会話になりがちだと思うんだけど、柊とかはどんな話題で盛り上がるんだ?」
「うーん、アイツは結構お構いなしに振ってくるよ(笑)それにゲームの話題なら私も分かるしね」
「へー、柊もゲームするんだ。なんか親近感沸いた」
「ま、シューティングゲームだけどね。なんか今の男に親近感沸いたとか言われるとイヤだな(笑)」
「失礼な!シューティングっていうと怒首領○とか○姫とか斑○とかか?」
「○鳩と○首領蜂は途中で諦めたな(笑)グラ○ィウスXは二週目の三面までノーミス自信あるよ」
「俺255週出来るよ」
「無駄に凄いわね」
以下、男と泉こなたのメールをダイジェストで御贈りします。
「だよな!やっぱりエメラダは大きくせずにクリアだよな!!」
「うむ。して男の最強パーティーは?」
「フェイ、先生、エメラダかな?主は?」
「んー、フェイ、先生、若かな?」
「うはwwバランスブレイカーktkr」
「ビリーとかも結構チートな気がするけどねー、ところで男はサーガやったの?」
「エピソードUは未だにトラウマ。邪神モッコ.....いや、何でもない」
「邪wwwwww神wwwwwwあれは暗黒ヤング伝説に匹敵する威力だったwwwwww」
新学期開始から一ヶ月経っても俺は結局バイトも辞めずに馬鹿ばっかしてる。
アーカイブスでゼ○ギアスを購入して休日潰して二日でクリアしたし、みのると再放送を祝って一緒にハルヒの一期全巻も見た。
あー、超おなか減ったしwwwwwwとか言ってるスイーツ(笑)と互角に渡り合えるリア充だ。ついでに言うと俺のC○さくらのフォルダもアツアツのホクホクになった。
「オッス、オラ泉!」
「うはww広がるパノラマ」
「おねぇーちゃん、ゆきちゃん、男くん帰ろー」
それと、委員会の帰りのメンバーが決まりつつあった。
「だから、Z.O.Eはアヌビスが名作なだけで、一作目しなくてもいいんだよ。蛇足も良いトコ」
俺と、
「でも、やっぱり一作目のサブウエポンの使いにくさは異常」
泉と、
「あっちは相変わらずゲームか。なんか私達が話題に困るのは何でかねー?」
柊と、
「集団心理的には大勢の方が少数の方の話に興味を示す事が多いらしいですよ?」
高翌良さんと、
「私も混ざりたいなー」
つかさだ。
俺は大概こなたとコアなネタで喋りまくってるだけだが、時たまつかさとも喋るようにもなった。
もちろん、噛んでないぞ!
「男君は歯医者好きなの?」
「は?なんで?」
「だって、ど、ドリルとか好きなんでしょ?男の子って」
「一体どんな先入観だよww男でも歯は削られるの嫌だよ?」
「そ、そうだよねー!よかったー」
なんか本当に天然だな。この子。癒し系っていうのかな、こういうの。
「男ー、今日もバイトなのー?」
「今日は入ってないよ、なんだ?なんか様か?」
「うむ、二人で秋葉出ようよ」
「いやだよ、柊と行けよ」
秋葉で幼女と一緒とか私服警官に確実に声掛けられるよ。
「えーいいじゃん。ギャルゲー買いたいからさ、かがみん達とだとかがみん達がかわいそうじゃん」
「俺はいいのか、俺は
455 :
寿司 第三貫「願望」
[sage]:2009/04/17(金) 17:51:15.87 ID:miKNMvw0
あ・・・ありのまま今起こった事を話すぜ!
『俺は誘いを断ったと思ってたらいつのまにかメイド喫茶にいた』
な・・・何を言ってるのかわからねーと思うが俺も何をされたのかわからなかった。
頭がどうにかなりそうだった・・・
埼京線だとか環状線だとかそんなチャチなもんじゃあ断じてねえ。
もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ・・・。
「おい、なんだここは?」
「メイド喫茶。知らないとは言わさないよー」
「いや、ギャルゲー買いに来たんじゃねえのか?」
こなたはウェイターのメイドを捕まえて、メロンソーダを二個注文する。
「ここは無理言って付いて来てもらったし、あたしが奢ってあげるよー」
「あ?ああ、悪いな」
ま、いいさ奢りならな。
「男さー」
「うん?」
「つかさのこと好きだよね?」
ΩΩΩ<what happen!!!?
い!いや、落ちつくんだ…『素数』を数えて落ちつくんだ1…2…3…5…7…11…13…17…19
「ば、馬鹿言えよww俺がいつ、つかさのぱっちりたれ目がいいよなーとか、リコーダー吹いてるとこ見て不覚にもおっきしたなんて言ったよ?」
「つかさ、結構男の事気に入ってるよー」
「mjd!!?」
こなたは首だけで肯定する。
グリーングリー○を予約した夜並みに興奮してきた!!!11
「やっぱ、好きなんだ?」
「あったりまえやろーがい!!!」
「ちょwwwwwwさっきまでの否定はどうしたww」
「うわー!どうしよ?どうすればいい!!?これはあれか?野望か?信長公の野望なのか!!?なに?草履温めましょうか!?いやいや舐めさせてもらいましょうか!??お願いします神様このままこの気まぐれを続けて!何でもすっから!いやマジで!!うーーーん、俺のこの思い神様に!!いやっっっっ!!!つかさたんに届けーーー!!!111」
「うはww男テラキモすwwwwww」
「あ、あのメロンソーダ.....」
長門に扮したメイドが引き気味にメロンソーダを二つテーブルに置くと、まるで腐ったドリアンを見るような眼で俺を見てきた。
「あ、あのじ、ジャンケンでもし、します?」
引きつった笑顔に俺が微笑み返すと、長門は半泣きで厨房に駆けて行った。
「男、ちょっと落ち着けww」
「あ、悪いwwwwwwついな?フヒヒwwwwサーセンwwwwww」
「で、付き合いたいとか思ってんの?」
「なにこのスイーツ(笑)な会話」
「あははwwたしかにそだねーwwww」
こなたはストローでソーダの氷をカラカラと回す。
「あーでも、男ーかがみんも気付いてるよ?」
「質問だ・・・・・・・・・泉が先に気付いたのか?柊が先か?教えてくれ」
ひ・・・ひと思いに泉で・・・であってくれ
「どっちだと思う?」
「ひ・・・柊?」
「NO!NO!NO!NO!NO!」
「り・・・りょうほーですかああーー!?」
「YES!YES!YES!YES!YES!」
「もしかしてオラオラですかーッ!?」
「YES!YES!YES!‘OH MY GOD’!!」
オラオラオラオラオラオラオラオラ!!!
456 :
寿司 第三貫「願望」
[sage]:2009/04/17(金) 17:53:59.97 ID:miKNMvw0
「ところで、なんで今日はここに来たんだ?」
「ん?いや私もそろそろ労働貢献しようかと思ってね、雰囲気良いしココにしよっかな?」
「はー、初めてのアルバイトがメイド喫茶とか、黒歴史可能性大じゃん」
「いや、時給見てから言いなよww」
こなたはエレベーターの扉に貼ってあった黄色いチラシを指さす。
「ん?どらどら?.....な!なんじゃこりゃー!!」
「ね?いいでしょ?」
「高校でこの値段は良すぎだろ?なんだよこのチート!ふざけんなよ!」
「女ってさ、妙なトコで役得だよねwwwwww」
「全くだ」
そのままへらへらグダグダと駅まで歩いて帰った。
「男さ、つかさの誕生日とか知ってんの?」
「知らん!!」
「教えてあげようか?」
「いや、教えてもらってもさ、どうすればいいかワカンネェよ」
こなたは馬鹿にしたようにニヤける。
「プレゼントとか普通に喜ぶと思うけど.....」
「は?それが出来たらとっくに両手に花だぜ?彼女いない歴=年齢を舐めんなよ?」
「なんなら、誕生日パーティー来たら?言っといてあげようか?」
「さすがこなた!俺に出来ない事を平然とやってのける!そこに痺れる!憧れるゥ! 」
浮かれる男、だが果たして誕生日パーティーどうなるのか!!
次回に続く!!!!
457 :
寿司
[sage]:2009/04/17(金) 17:57:35.91 ID:miKNMvw0
ははwwもう六時じゃん。
とりあえず次は未定だな。
ま、間違いなく来週にはまた投下してるんだろうな
とりあえず、また暇なときにノシ
458 :
蟹のメールは世界一!!
2009/04/18(土) 11:56:22.79 ID:z0OMO6AO
寿司の話、読んでたら腹減ってきた
…寿司買って来る
459 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/04/18(土) 21:38:32.30 ID:Lj5cY3I0
いいから続きかk…書いてください
460 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/04/19(日) 22:29:22.19 ID:d0gkp5.0
そろそろゆーちゃんの人や初恋クレイジー、それと恋愛事情の続き来ないかね
461 :
寿司
[sage]:2009/04/20(月) 16:51:33.49 ID:1JaMS7.0
>>458
前回食べ物らしい食べ物メロンソーダしか出てないんだが.....
イヤホンの片方のクッション無くしたorz
さぁ、まだ今週のジャンプ読んでないけど、行くぜ。
ちょっと待ってろ
462 :
寿司 第四貫「おいしい日」
[sage]:2009/04/20(月) 20:25:25.27 ID:1JaMS7.0
今、俺はバイトの始めての面接くらい緊張していた。
「男くんは、サボテン好きなのかな?」
「あ、いや好きって言うほどじゃ.....、ただ面倒が掛からないって聞いて買ってみたらどうしても花が咲くとこ見たくて.....」
「そうだねぇ、シャコバサボテンの花は綺麗だからねぇ」
おっとりとした口調で、『優しい』と人目で分かってしまうこの人と俺は一時間前からずっと観葉植物の話題で妙に盛り上がっていた。
子守唄みたいなゆっくり口調、やんわりさがった垂れ目、のんびりとした性格、ニコニコと穏やかな笑顔。
「男くんは、今時珍しいね趣味が観葉植物だなんて」
「いえ、中学のときは大概家に篭もりっきりでしたから.....」
「そうかい、うちはつかさと家内しか分かってくれなくてね。男君みたいな子が来てくれて嬉しいよ」
そう、この穏和な男性こそ柊家の大黒柱なのだ
◇◇◇
こなたと柊の協力もあってか、俺は人生初の『お誕生日パーティー』に参加する事が決定した。
しかも『異性』のだ。俺は柊姉妹から許可を貰った直後、はしゃぎ過ぎてその拍子に線路に落ちてしまった。
今日が七月七日とか織姫と彦星とかどうでも良い、今日が柊姉妹の誕生日であることに俺は感謝した。
誕生日プレゼントをこなた共に吟味し、一か月分丸々のバイト代を始めて私事に注ぎこんだ。
昨日は一睡もしてないのは言うまでもないが、約束の二時間前に着いたのは痛かった。
玄関の掃き掃除に出てきた柊の母親にまんまと見つかり、家の中に招かれてしまった。
早すぎる来訪に柊は呆れ、つかさは苦笑い。
やっちまったよ、親父。
つかさに応接間(?)みたいな部屋に招かれ、時間を待つこと十分。
縁側から中年の男性が汗を拭いながら入ってきた。
「あれ、つかさのお友達かな?」
「お、お、おおお邪魔しています!」
「どうぞ、ゆっくりしていきなさい」
驚かなくてもいいよ。と諭すように言う父親に、俺はいつかの誰かの背中を思い出してしまう。
「いつも、かがみとつかさをありがとう。すまないけど、君の名前を教えてくれるかな?」
「お、お、おお男です!!」
「そうかい、男君。私も高校生の男の子と話すのは久しぶりでね、つかさ達が取り込んでいる間だけ話し相手になってもらってもいいかな?」
えっ?まじっすか?
463 :
寿司 第四貫「おいしい日」
[sage]:2009/04/20(月) 20:26:34.40 ID:1JaMS7.0
最初の内は俺の方が緊張しすぎて最初の方何を喋っていたか覚えていないが、喋っていく中で落ち着きを取り戻していった。
柊のおじさんはものすごく落ち着いていて、どちらかと言うと聞き手に回るほうだった。
適当な所で相槌を打ち、ちゃんと受け答えもしてくれる。
話している相手には安心感すら感じさせるほど穏やかな笑みを浮かべて、話を聞いている。
どのくらい喋っていたのか、いつの間にかケーキとクッキーが焼き上がったらしくつかさが声を掛けに来てくれた。
「男くーん、ってあれ、お父さん?」
「お疲れ様、つかさ。少し男君と話していたよ」
「えっと、あははww」
どうすればいいのか分からずに笑っていると、インターホンが鳴る。
「あっ、きっとこなちゃんだ。男くんいこ!」
つかさはすぐに玄関に迎えに行ったが、俺は立ち上がって少し戸惑っていた。
おじさんはどうするのだろうか。
そんな俺の困った顔を見上げ、おじさんは嬉しそうな笑みを浮かべる。
「大丈夫、行っておいで」
その言葉に胸を突かれる。
俺は一度頭を下げて、すぐに玄関に向かった。
◇◇
「うわっ、本当に男来てた!!」
すでに玄関の方にはいつもの四人が揃っていた。
「男君、二時間前に来たもんね」
「ちょww二時間前とかwwwwwwどんだけwwwwww」
「フヒヒwwサーセンwwwwww」
「パネェwwwwww」
ほらほら、と柊は急かす様に高翌良さんといずみに靴を脱がせ、二階に上がる様に指示する。
「ハリッキってんなぁ」
「男さんは、」
高翌良さんは階段を先に登りきった俺に声を掛ける。
「男さんは何を上げるんですか?」
「ん?おれ?」
俺は紙袋を開けて、中身を高翌良さんに見せる。
手のひらに収まるほどの布張りの小箱を二つ。
「まぁ、ペアですか?」
「うん。ペアの指輪」
高翌良さんは私もペアなんですよと上品に笑う。
「えっ!ダブった?」
「いえ、私のはイヤリングです」
「へぁ、びっくりしたww」
うふふとまた高翌良さんが上品に笑う。
464 :
寿司 第四貫「おいしい日」
[sage]:2009/04/20(月) 20:28:17.15 ID:1JaMS7.0
プレゼントを渡し、ケーキを食べ終えてゆるゆるとおしゃべりタイムに入っていった。
苦労と俺の一ヶ月が幸いしてか、二人。特につかさはプレゼントを喜んでくれた。
藍色と桃色の石をはめ込んだ二つの指輪。桃色はつかさに、藍色はかがみに。
「へー男にしては、なかなかね」
「ありがとう男君!大切にするね!!」
嬉しそうに指輪を嵌めたり取ったりするつかさを見て、頑張ってよかったなぁとしみじみ思う。
ああ、今なんとなくキャバ嬢に年甲斐もなく貢ぎ続ける中年親父の気持ちが分かった気がする。
やっぱりこちら側が相手を喜ばそうとして言葉や物を贈って予想以上に喜んでもらえるとなると、もっとその表情が見たいってなるもんなぁ。
つかさにはそういう才能もあるんじゃないかと思ってしまう。失礼だな、全く。
逆に柊は二、三度空けて見るだけで、それっきり小箱を勉強机の上に置いて触らなかった。
ああ、こういう所にも違いが出るんだ。
流石にいつもの委員会帰宅メンバーとはいえ、緊張すると思ったが案外拍子抜け。
俺達はいつものようにグダグダだらだらと話し続け、余韻に浸って、ただいつもより柊とつかさのネタが多くなった。それだけだった。
「おわっ!もう六時じゃん、俺そろそろ帰るわww」
俺は少し痺れた足を引き摺りつつ、ドアノブを回して部屋を出る。
「あ、まって!」
ドアを閉める直前、つかさがドアの僅かな隙間から出てきた。
「送るよ、男君」
確かに嬉しいけど、泉たちもいるしここは残ったほうがいいんじゃないのか?
「いや、悪いよ」
「んー、じゃあ玄関まで、ね!」
うーん、アムロも『人の善意を無視する奴は一生苦しむぞ!』って言ってたしな。
別にいいか。
玄関をくぐり、柊家の門まで来てもつかさは着いてきた。
「もうここまでで良いから、ありがとう。つかさ」
つかさはもじもじと指先を合わせ、何か言いたそうにしている。
「あ、あのね、男くん.....」
どこからか、あの小箱を取り出してつかさはあの指輪を嵌める。
キラキラと反射する小石がいつもよりつかさの笑顔を輝かせる。
ときめきってのが何だか分かった気がする。
これは確かにメモリアルだわ、うんスターダスト。
正直に言ってトキメキが一週して、逆に冷静だ。
「えへへ、本当にありがとう!」
嗚呼、女の子って可愛い。
「あ、あのね!なんて言っていいのか分からないんだけど、あっ、でもね、あの、また男君と遊びたいな.........んて」
こ、これって.........。
フラグ立ってる?父さん。
続く
465 :
寿司
[sage]:2009/04/20(月) 20:32:20.42 ID:1JaMS7.0
やべぇ、短ぇwwwwww
ごめん、都合の良いトコで切ったよ!
完璧に私事だよ!!予備校予想以上に疲れるよ!
じゃ、また暇なときにノシ
466 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/04/22(水) 00:23:34.10 ID:ZjHuOcDO
寿司乙
早く暇になってくれw
467 :
寿司
[sage]:2009/04/22(水) 20:34:00.47 ID:HjQvRlI0
暇だ、投下いくぜ
468 :
寿司 第五貫
[sage]:2009/04/22(水) 20:35:06.02 ID:HjQvRlI0
小学校の頃、誰しも恋を知る。
俺もそんな中の一人で、いつも影からその子を見てるだけで嬉しかった。
話しかけてもらっただけで声は裏返ったし、眼を合わせるなんて出来るわけも無く、ただその子を贔屓するだけしか好きだと伝えられなかった。
ある日の放課後、俺は彼女から呼び出しを受けた。
これはなんかあると思わない方が可笑しいだろ?
勿論俺はきっと告白に違いない、あの子も俺の事好きだったんだ!
そう考えるだけで足は軽くなり、気分は薬無しに完全にハイの状態に至った。
教室のドアを開けて、窓際で溜息を吐く彼女を見つける。
彼女もドアがスライドした音で俺に気付き、すぐに笑顔を作って俺を迎える。
「は、話って?」
「あ、あのね?男くん、男君って近藤君と仲良いよね?」
嗚呼、俺多分こん時から『近藤』って苗字が嫌いになったんだ。
「えっ?うん、まぁたまに話すくらいかな?」
「あのね、男君にだけ言うね、私ね.....実は」
この後は言わなくてもいいよね、分かってくれるよね?
ねぇ・・・ビュウ。大人になるってかなしい事なの・・・
当時俺はこの台詞を言ったゲームのヒロインの名前もその子と一緒にしていました^^
◇◇◇
「はぁ」
「おっす、男!」
「メッス、柊」
「どうした?元気ないじゃん」
委員会に向かう途中で柊にあった。やっぱ今顔色に出てるのか。
「いや、お前の誕生日の帰りに嫌な事を思い出してな。鬱々真っ盛りなんだ」
「なに?つかさにオタ趣味でも引かれたの?」
「馬鹿、誤魔化す事に長けた俺のスキルを舐めるな、小学校の頃の黒歴史を思い出したんだよ」
「ははーん、どうせ気色の悪い自分の考えた設定が書いてた自由帳でも出てきたんでしょ?」
「それは去年の大掃除の頃に終えた、血の紅よりも紅きもの・・・」
はっ!今何だか胸騒ぎが!
「何よ、今のは?」
「いや、スレイヤーなんちゃら、なんてもう昔の話だ」
「ふーん、まぁ悩みなら少しぐらい聞いてあげるわよ?」
話してもいいかな、と一瞬迷ったがコイツ女だもんな。
「いや、お前には言っても分からんよ。どうせお前も結婚するならフローラなんだろ?」
「あんた、だんだんこなたに似てきたわね。っていうか私は断然ビアンカ派だし」
「へぇー意外と純粋じゃん。柊」
ん?なんかデジャブが・・・。
「ともかく、今日はみんなで帰るんだし元気出しなさいよ!つかさに気付かれるわよ」
柊はそう言って俺の肩を叩き、笑う。
今日、つかさと話せるかな。
469 :
寿司 第五貫 「お祭りの行こう」
[sage]:2009/04/22(水) 20:37:52.52 ID:HjQvRlI0
ゴメン、↑「お祭りに行こう」で
無事に一学期最後の委員会を終えて、手元に配られた資料を鞄に突っ込む。
「男、お疲れ」
「お疲れ様です、男さん」
二人が満面の笑みを浮かべながら俺に労いの言葉を掛けてくれた。
「おう、二人もお疲れ」
俺がそう返した直後、勢い良くドアが開いた。
「かがみーん、みゆきさーん!あと金魚のフン帰ろー!」
いつの間に俺は糞になったのか小一時間説教したくなったが、今日は出来そうにない。
「三人ともお疲れ様ー」
あれ、なんだか・・・・・。
「男君も帰ろ!」
つかさがいつもより可愛く見える・・・・・。
意識しちゃうな、こんなの・・・。
「でね、男。明後日空いてるかい?」
「明後日?あー、うん空いてるな残念なことに」
「残念とか、どんだけ」
「で、なんだよ」
俺が泉を急かすと、泉の後ろにいたつかさがひょっこり現れた。
「あのね、明後日うちの神社でお祭りがあるの・・・、だから男君もどうかなって」
ktkr!
俺の心の中でその四文字が浮かんだ直後、泉が耳打ちする。
(つかさの浴衣見たくない?)
「よろしい、ならばお祭りだ」
「うはww」
「やったー!」
嬉しさを体現するつかさはいつもより二・五倍(男比)可愛かった。
それをずっと眺めていた俺を泉が茶化したのは言うまでもない。
◇◇◇
夏独特の夕焼けが眩しい。
「遅ぇ・・・。」
確かに俺は約束の三十分前に来たけど、泉の奴遅すぎだろ。みのるとかなら今すぐにお祭りに直行するんだが、泉だとなんだかなぁ。
「アイガー!」
どこかの格ゲーで聞いたことのある空耳とともに腹部に痛みが走る
「い、泉」
「ありゃ、ゴメン入っちゃった?」
「そりゃ、もうバスターコレダーぐらい」
「ジャコビニ流星アタック?」
むぅ、泉意外と浴衣似合ってんな。これはこれで・・・・・。
「・・・・・スケベ」
「うっせえ///」
「ちっちゃい子が浴衣着てるのまじまじ見てるとか、引くわ」
「実はさ、実は…俺、ロリコンなんだ。だからといって、どうって事はないんだよ?俺は俺のままさ」
「・・・・・」
「・・・・・」
「いこっか」
「ああ、うん。なんかゴメンな」
「いや、別にいいけどさ。あんまり近づかないでね、ロリコン様」
470 :
寿司 第五貫 「お祭りに行こう」
[sage]:2009/04/22(水) 20:39:30.74 ID:HjQvRlI0
◇◇◇
行く途中人が続々と増えていった。泉が俺を誘ったのは理由はやはりつかさの事でだった。
「だからさ、つかさだって男の事気になってるよ。いっそヤっちゃいなよ雑木林辺りで」
「それなんてスクイズ?」
泉は苛立つように俺の肩を叩き、言う。
「なんでそんなに尻ごむかなぁ」
「そんなこと俺が知るか!!」
ストロンガー、いや分かってんだけどね、実は。
「つかさが男も誘おうって言ったんだよ?」
「mjk」
「ガチ」
「はぁ、なぁ泉大事な話がある。聞いてくれるか?」
泉は見たことも無い似合わない真剣な顔で俺の黒歴史を聞いてくれた。
あぁ、泉に話すなんて。俺もそろそろ不味いかなぁ。
「って、ことで俺は近藤とリアルファイトしてしまった訳だ」
「・・・・・、何と言うか、近藤くん可哀相だね」
「ああ、いまお前に話しながら整理してみると完全に蚊帳の外だな、近藤」
泉は溜息を吐いて、俺の肩を叩く。
「ま、つかさに限ってそれは無いよ。絶対に。それよかなんで男なのかってのが不思議すぐる」
「は?」
「・・・・・あっ!」
「・・・・・」
「・・・・・」
あっ!って何だよ!も、も、もしかして、おいおいおいおい!!!!!マジか、今のマジなのか!?おい!泉!!!
「男、口動かしても声出さなきゃ分かんないよ」
「しまった、声に乗せるのを忘れてた!それよか!!今のは!?」
泉は困ったような誤魔化す様に笑いながら、「今の内緒だかんね」と俺に念を押して話始めた。
「この間さ、かがみんとつかさと三人で遊んだ時にね、お祭りの話になった訳ですよ」
俺はすごい勢いで相槌をする。
「そしたら、いきなりつかさが恥かしがりながら『お、男君も誘わない?』って言ったんだ、私もかがみんも茶化すつもりでね男の事どう思ってるか聞いたんだ。そしたら顔赤くしてさ、一回頷いてそれっきりでね、あれ?男?」
おれ、もう明日死ぬかも。
何これ?なにスレ立てた方がいいのか?
安価すっか?おお?
「さて、男よ。どうすんの?」
「行くきゃないだろ、jk」
「せっかくだから俺は赤い扉を選ぶぜ!」
「それはねぇよ」
◇◇◇
「あ!こなちゃんと男君!こっちこっち!」
嗚呼、俺もう死んでもいい・・・・・。
つかさかわいいよ、つかさハァハァ
正直首ったけです。本当にありがとうございました。
「それじゃ行こっか」
「あ!ああ!!」
(かがみんや)
(あいよ)
(それじゃ、作戦通りに・・・・・)
(男さん・・・・・ファイトです!)
471 :
寿司 第五貫 「お祭りに行こう」
[sage]:2009/04/22(水) 20:40:22.83 ID:HjQvRlI0
◇◇◇
おいおい、どういう事だ?
「ごめんね、男君。私がはしゃぎ過ぎちゃったから」
「いや、俺も一緒にはしゃいでたし、俺も悪いよ」
「みんなどこ行ったのかな?」
二人っきりってどういう事だ!?
二度目だが、あ・・・ありのまま今起こった事を話すぜ!
『五人いたはずなのにいつの間にか気になってた子と二人っきりになってた』
な・・・何を言ってるのかわからねーと思うが俺も何をされたのかわからなかった。
頭がどうにかなりそうだった・・・
サービスコーナーだとか保護者の呼び出しだとかそんなチャチなもんじゃあ断じてねえ。
もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ・・・。
どうしよう、マジでどうしよう。
不味いここは俺が!俺がっ!俺がっっ!!!しっかりしなければ!!
「お、男くん?」
「い、いや任せろ!ここは俺たちも泉達を探しつつお祭りを楽しむしかないだろ!」
「う、うん!そうだね!がんばろ!!」
なぜか二人で妙な団結をはかり、俺たちは祭りを楽しむことにした。
行くぜ!俺今日こそつかさに思いを伝えてみせる!!そりゃもうキングオブハートもびっくりのな!
「男君、どうしたの?」
「いや、何でも無いです。はい行きましょう」
続く
472 :
寿司
[sage]:2009/04/22(水) 20:42:00.13 ID:HjQvRlI0
疲れた、また暇な時にねノシ
473 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/04/22(水) 22:40:43.20 ID:u1KG1kwo
>>443
て行った。
と一緒にいました!
同時にゾクリとした興奮も覚えた。
474 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/04/23(木) 17:24:23.70 ID:EsoOiRs0
乙!
つかさかわいいよつかさ
475 :
寿司
2009/04/23(木) 21:22:52.92 ID:9QzzGFY0
暇だ、投下行くぜ
476 :
寿司 第六貫 「不思議な感覚」
[sage]:2009/04/23(木) 21:41:38.57 ID:9QzzGFY0
俺はつかさと二人っきりで祭りを見て回った。射的でつかさの欲しがった奴にあった隣のケロ○のキーホルダーも取ったし、かき氷も一緒に食べた。ブルーハワイのうんちくを語ってくれたつかさに妙な違和感も感じたけど、カキ氷を食べて頭に響いているつかさも可愛かった。
「男君ー、見て見て!」
「お!」
「えへへ、綿飴ー!」
つかさは綿飴を一つ、俺に差し出す。
「えっ?いいのか?」
「うん!出店のおじさんと知り合いで二つも貰っちゃったから!それに、キーホルダーのお礼に!」
つかさの指差す方をみると何処かの河川敷で流れる川でもずっと見てそうな爺さんが手を振っていた。一応頭を下げた。俺は桃色の綿飴を貰い一齧り。
「甘いな、久しぶりに食ったけど美味いや」
「うん!私も綿飴大好き!」
嗚呼、可愛い子が浴衣で、綿飴。正直、堪りません。
「あっ!男君」
「ん?」
つかさは俺の鼻に手を伸ばし、何かを掬う。
「えへへ、綿飴」
ああっ!もう一回鼻に綿飴付けようかな。
「次、どうしよっか?」
「うーん?とりあえず泉たちを見つけないとな」
「あ!そうだった、おねぇちゃんの事忘れてた!」
つかさはうっかりしていましたみたいな笑顔を見せる。もうね、オジサンね、辛抱堪りません!!なに!誘ってんの!?俺誘ってんの!!?
「男君?大丈夫?」
「えっ?うん!大丈夫大丈夫!」
「今日何かおかしいよ?ちょっと休む?」
「いやいや、無問題だから!それよか奥まで行ってみようぜ!そうすりゃいつか会うだろ?」
「あっ!うん、そだね!」
俺が歩き始めると、服が少し、申し訳程度に掴まれた。俺は、振り返ってつかさの表情も確認せずに歩き始めた。だって、振り返ったら多分俺は正気じゃいられなかったから。
◇◇◇
男達の少し後ろ______
「二人共いい感じだねー(=ω=.)ウマウマ」
こなた達はいた!
「つかささん、ファイトです!」
「どう?かがみん、可愛い妹が元ヒッキーとデートしてる所は?(=ω=.)ムフフ」
「あんたは・・・・・男には相変わらず辛口ね」
「あ!つかさが男の顔に付いてた綿取って食べた!!Σ(=ω=.)!!」
「つ!つかささん、意外と大胆です///」
「いや、つかさの場合、気付かずにやってるかも(=ω=.)シレッ」
「・・・・・あり得る」
「あっ!今頃それに気付いて顔真っ赤にしてる!(=ω=.)フヒヒ」
「男さんもお顔が」
「まるで茹でた海老ね」
「てかさ、今更かもしんないけど(=ω=.)ムーン」
「何よ?」
「男ってさ、つかさの事しか名前で呼ばないよね?(=ω=.)ツーン」
「あー、たしかに」
「そうですね」
「「「あっ」」煤i=ω=.)ハッ!」
「つかさが」
「男さんの」
「服を掴んだ(=ω=.)」
/(=ω=.)\ナンテコッタイ
477 :
寿司 第六貫 「不思議な感覚」
[sage]:2009/04/23(木) 21:42:43.93 ID:9QzzGFY0
◇◇◇
________
その後、俺たちは一切何も喋らずに出店を見ずに奥まで進んでいった。
奥に進むにつれて、参拝客も少なくなっていった。
「「あっ」」
気付けば、いつの間にか賽銭箱の前。
俺は不意に振り向く。
そして、つかさと目が合った。
吸い込まれそうな、綺麗で穏やかな目。
「どうしよっか?」
「え?ああ、結構歩いたしつかさも疲れただろ?座れるトコ探そうぜ」
「・・・・・うん」
俺の服を啄ばむつかさの左手には俺がプレゼントした桃色の石が装飾されてる指輪が光っていた。
何とも言えない。
やはり行くべきなのだろうか?
でも・・・・・妙なセンチメンタルが絶妙に作用してて何も言えねぇ。
「お、男君」
「ん?」
つかさは俯いたまま、どこかを指差していた。
「あっ、あのね・・・・・」
「えっ?」
「あ、あのね、あっちにベンチあるから、その、あっちに行こうよ///」
つかさの顔が赤い。
無理させてるんだろうか?俺は。
「そ、そうなのか?」
「・・・・・うん///」
「じ、じゃあ、そっちに行こうか?な?」
もうつかさは何も言わなかった。
歯を食いしばって耐えるような表情で、顔を真っ赤にしながら。
たった一回、頷いた。それから俺の服を少し前より大きく掴んだ。
478 :
寿司 第六貫 「不思議な感覚」
[sage]:2009/04/23(木) 21:43:47.68 ID:9QzzGFY0
◇◇◇
________
その頃、泉たち
「つかさと男、ピンクな雰囲気全開だね(=ω=.)ウワァ」
「さっきから何も喋って無いみたいですし」
「ああ!?もう!本殿に着いちゃったじゃない!」
「あっ、やっと喋った(=ω=.)wktk」
「ん?」
「あれ?」
「つかさ、どこ指差してんの(=ω=.)???」
「多分、本殿の裏」
「何があるんですか?」
「ベンチぐらいかな?」
「超展開ですなー(=ω=.)ウッハー」
「おっ!」
「動いた(=ω=.)ドキガムネムネ」
479 :
寿司 第六貫 「不思議な感覚」
[sage]:2009/04/23(木) 21:45:26.85 ID:9QzzGFY0
◇◇◇
________
賽銭箱を素通りして、裏に回る。そこから少し歩くと、少しモダンな二組ベンチが設置されていた。
って、そんな事よりさっきから鼓動と汗がヤバイ。どんくらいヤバイというと、「風来のシ○ン」で鍛えに鍛えた秘剣カブラステギが弾かれて端っこにいたモンスターに当った位ヤバい。
「ベンチだ」
つかさはさっきから何も言わない。
なんか怖くて振り返ることも出来ない。
「よし、つくぁwwせdrftgyふじこlp!!!!!??」
突然背中に何かがくっ付いてきた。
振り返ると、肩にはあの可愛らしいリボンが!が!!
つかさは全身を俺の背中に預けて、動かない。前に体重が傾く。
っというか、心臓がヤバイ。ば、爆発しそう!!
・・・・・うわぁ、つかさあったかいなりぃ。
って何を考えてるんだ、俺は!!?
落ち着け!冷静になれ!!!!
俺は俺で、つかさはヒーロー!!
おk、あんだーすとぅっどっっっ!!!!11
よいしょし!お、落ち着いた。
係長に昇進して奥さん貰ったぐらい落ち着いた!!!1
「つ、つかさ?」
「・・・・・うん」
不味い!つかさの胸が!あたたたた当たってててて!!!
「お、およこ君!!」
誰だよ!!およこ君って!?
いやっ、ここはそんなトコ突っ込む場所じゃない!
「わ、わたし!私、男君のこちょ!」
「まっ、まて、つかさ!俺も言わなきゃいけない事があゃる!!」
互いに噛み噛みの中、俺は呼吸を落ち着け、深く息を吸う。
「こ、こういう事は!本当は面と向かってちゃんと言わなきゃいけないんだけど!い、今は勘弁してきゅれ!!」
「う、うん!うん!!!」
つかさはギュッと俺の服をさっきよりも強く握る。
あぁ、ゴメンとありがとうしか言えないよ。
ヘタレで、こんなにビビリでゴメン。
だから、せめてこれだけは俺から言わせて貰う!
「つ、つ、つかさ!!好きだ!!!!付き合ってくれ!」
「私も!私も好きでした!男君!!!」
俺は振り返り、つかさを抱きしめる。
俺の行動が急すぎてつかさはされるがままだったが、すぐに抱きしめてくれた。
小柄で、温かくて、いい匂いがする。
これが、この子が柊つかさなんだ。
「うおおぉぉぉおおお!つくぁwwせdrftgyふじこlp!!!」
「ウッ!ヒクッ!!男くぁwwせdrftgyふじこlp!!!!」
抱き合って泣く高校生の男女、二人。
俺は泉たちの事、お祭りの事、近藤の事、近藤(小学校の)事、ヒッキーだった事、親父の事、あの糞ババァの事、全部抱えてきた十七年間分全部吐き出すみたいに泣いた。
「お、男君、ヒクッ!」
いつの間にかつかさは俺の心情でも察してくれたのか、俺は膝から崩れ落ち、つかさは俺の頭を抱きかかえるみたいにしゃがんで頭を撫でてくれる。
俺はそれが嬉しいのか、安心したのか、涙が止まらない。止まらないんだ。チクショウ、涙が止まらねぇええよ。スゲーよ、みっちゃん!!!
グヒン。
続く
480 :
寿司
[sage]:2009/04/23(木) 21:49:13.74 ID:9QzzGFY0
なんか書いてて腹立ってきた
男視ね、氏ねじゃなくて視ね
481 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/04/24(金) 07:42:08.85 ID:AKTF9Eso
分かるww
482 :
蟹は羨ましいオーラを発してます
2009/04/24(金) 16:07:28.37 ID:Pllt5.AO
さて、明日暇だったら続きをパソコンで書いてみるかね…
学校が楽しくて来れなかった……サーセンw
>>寿司
後の三人にニヤニヤしてた俺は異端ですか?
483 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/04/25(土) 22:18:09.43 ID:RptjTMo0
>>寿司
乙!
かみまくりな二人にニヤニヤしたww
>>蟹
期待して待ってるぜ
484 :
蟹はバイトに奔走したらしい
2009/04/26(日) 23:05:47.38 ID:WvSw6MAO
>>483
ごめんなさい、pcに指一本触れられなかった
バイトのヘルプなんて無視すりゃよかった…
485 :
寿司
2009/04/27(月) 15:22:15.88 ID:jXXn4fw0
抜いたら暇になった
続投行くからちょっと待ってろ
486 :
寿司 「つかさだから旺盛」
[sage]:2009/04/27(月) 19:35:20.95 ID:jXXn4fw0
蝉も五月蝿い八月上旬。我が家では信じられない珍事が発生した。
「わー、男君の部屋ー!」
生まれて初めて我が家に友達が来た。しかも
「えっと、お茶でも淹れて来るから。座っててください」
「うん!ありがとう!」
とっても可愛い彼女が、
◇◇◇
初めは学生の足枷、夏休みの宿題だった。
あの夏祭り以来、俺はつかさと三日に一度は電話で話していた。
受話器の向こうにいるつかさの行動を想像するたびに俺の分身は硬くなった。
思わず表情が緩んでしまう可愛らしい声、はにかむ時の擽られた様な笑い声、ちょっと茶化して怒った様な困った様な声。
一つずつ数えていったらキリが無い。”テレフォンセックス”なんてふざけた事が実在する理由もちょっと分かった。
「あのね、男君」
「うん?」
「夏休みの宿題どこまでしたのー?」
「自慢じゃないが、俺はその教科の宿題が出た日に徹夜で終わらせてるからもう全部終わってる」
受話器の向こうでたった一人の歓声が沸く。
「男くんすごいね!私、まだ国語が終わっただけなのに・・・」
「よかったら見てやろうか?」
「え!いいの!?」
嬉しそうなつかさの驚きの声。
「ああ、じゃあ来週あたり図書館でも行くか?」
「・・・・・、あ、あのね」
衣が擦れる音がする。
「お、男君の家に行っても・・・いいかな?」
「・・・・・」
「・・・・・ダメかな?」
夏の椿事だ。
今なら2ちゃんで住所うpされても笑顔で受け入れる自信がある。
「いや、別にいいけですけど」
「やったー!」
そんなこんなで、本日この日柊つかささんは我が男宅に参られたのだ。
先週から今日まで睡眠時間は二桁を越えていない。
バイトに至っては近藤にすら「男wwしっかりwwwwww」とか注意されるレベル。
何にも手につかない。
付き合い始めてまだ三週目。
お互いに出来たのはこの前三度目のデートでやっと手をつなぐ程度、正直ビビリ過ぎて何にも出来ない。
俺の馬鹿話に笑ってくれるだけで正直、お腹いっぱいです。
487 :
寿司 「つかさだから旺盛」
[sage]:2009/04/27(月) 19:36:02.16 ID:jXXn4fw0
ちなみに、手を繋いだ時も手汗がヤバかった。
水族館からの帰り。何がすごかったとか、ペンギンの前から三番目の奴が俺を「[
ピーーー
]ぞ糞が」って目で俺を見てたとかそんな馬鹿な事ばかりを帰り道で話していた。
その日のつかさの服装はワンピースに上着のシャツを羽織るという、いかにも可愛らしい子専用のファッションで何度か息子が硬くなりかけたのを覚えている。
「カイ君、可愛かったね」
「そうか?俺はジュゴンの方が可愛かったな」
つかさが可愛らしく笑う。
ここまで何度「可愛い」という形容詞を使ったんだろう?もうつかさのための単語にして欲しい。
そんな馬鹿なこと考えていると、俺の手に軽く何かが当たった。
「「あ・・・・」」
ふと、向き合って見つめ合う。
俯くつかさ。固まる俺。
逡巡。
それから、ゆっくりつかさが手を出す。俺は少し躊躇ってから手を握った。
小さくて、この夏の暑さとは違う温かさ、僅かに波を打っている。強く握ると折れてしまいそうな、脆さが少し怖かった。
壊れないように優しく握ると、つかさも握り返してくれた。
それからの帰り道は何も喋らなかったが、つかさは終始笑顔だった。
俺はつかさの表情に笑顔で返すのがやっとで、緊張しまくりだった。
家まで送り届けて、一人になった帰り道でやっと驚異的な発汗と息子のトランスフォームに気付いた。
それから近くの公園で息子をクールダウンし、ニヤニヤしながら家に帰った。
案の定、職質された。
488 :
寿司 「つかさだから旺盛」
[sage]:2009/04/27(月) 19:39:45.70 ID:jXXn4fw0
◇◇◇
「お待たせ致しました」
何度見ても信じられない光景だ。俺の部屋に可愛い女の子がいる。
「うん!ありがとう、男君」
両手でコップを持って、カフェオレを飲むつかさを見て、また息子の硬直が始めたのを感じる。
「とっても、美味しいよ!」
「そうか、よかった」
つかさの笑顔で俺も勝手に口元が綻ぶ。
「男くん」
「あ?なに?」
思わず虚を衝かれてしまった。つかさは照れたような笑みを浮かべる
「えへへ、じつは呼んでみただけだったりww」
「なんだよ、それww」
ふと、つかさの笑顔を見ていると、俺は変な疑問を考えてしまう。
つかさは、俺の過去や母親の事を知ったらどう思うんだろう?
両親と姉妹からも愛を注がれて育ってきたつかさと、生んでくれた母親を憎み、父親とはろくに話さなくなった俺。対照的な俺とつかさ。
話せないよなぁ、と吐き気に似た呆けてきた感覚と諦め。
「・・・・・宿題すっか」
「うん。お、男君」
「うん?」
「よろしくお願いします!」
「なんだよ、それww」
「い、意気込み!」
眉をキリっと締めて、ペンを握ったつかさは意気込んだ様子を見せる。可愛いな、本当に。
_________
__________
意外なことに、ちゃんと教えればつかさは勉強が出来た。頑張って集中しながら続けたら良い所まで行けると思う。
数学を終えたつかさは、「終わったー!」と嬉しそうに両手を上げる。俺は記入漏れが無いかノートを確認する。
「お疲れさん、つかさ」
「うん」とつかさはテーブルに突っ伏しながら嬉しそうに笑う。
「どうする?ゲームでもするか?」
「わ、私ゲーム下手だから違う事がいいな」
申し訳なさそうにつかさは言う。
「あ・・・あのね」
「ん?」
つかさは顔を僅かに赤らめ、両手の指先を合わせる。上目遣いで俺を見るつかさに思わずマーラ様も反応してしまう。
「あのね、男君とお話したいな」
神様、この子は天使ですか?
「あ?ああ、いいぜ。その前にお菓子でも持ってくるわ」
「うん!」
◇◇◇
「それでね、私が外国人の人に道を聞かれて困ってた所にこなちゃんが来てくれたんだよー」
「いや、それ泉ダメじゃね?だって、二人でいきなり逃げちゃダメだろww」
机の真ん中にポテチとポッキーを広げ、俺たちはグダグダとクッチャベってつかさの笑顔を見るために面白かった話題を振る。
「ふふwwwwそれ本当?」
「ああwwマジだぞwwwwww」
笑いが静まって、俺は何故かそれを聞いてしまった。多分そんな事は桜の花びらが落ちるスピードぐらいどうでもいい事なのだろうが、俺は聞かずにはいられなかった。
「なぁ、つかさ」
「うん?なに?」
「本当に、俺で良かったのか?」
489 :
寿司 「つかさだから旺盛」
[sage]:2009/04/27(月) 19:41:40.02 ID:jXXn4fw0
「えっ?」
多分この質問は最低の質問だろう。自分でもそう思う。
「いや、あのさ俺なんかといて・・・その、つかさは楽しいのかな?と思って」
「そんな事無いよ!男君と一緒だとすっごく楽しいよ?」
「そうか・・・・・ならいいんだ。ゴメン、いや気にしないでくれ」
そんなことを言っても、つかさはまだ心配している様で俺の顔を覗き込んできた。
そりゃ、心配するよな。
「あ、あのね」
つかさはいきなり話始める。
「私の自己紹介の時にね、男君と目が合ったよね?」
俺は首だけでそれを肯定する。
「あ、あの時からね、男君の事ちょっと気になっててね、それでね話してみたら面白かったし、そ、それに、この間のデ、デートも、えっとえっとね、その、嬉しかったし、だから今はとっても楽しいよ?」
必死に取り繕うつかさを見て、物凄い罪悪感が湧き上がってきた。
「いや、そこまで言わなくても・・・、たださ、その初めてばっかだからさ、俺緊張しっぱなしでさ、つかさの方に気を配れてなかったから、そのー、心配で、な?」
「わ、私も、男君が始めてだから・・・その、えっとね、男君も気にしなくてもいいよ///」
「そ、そうなのか?」
「う、うん」
これまた意外だ。
というかあの柊にも高翌良さんにも異性との関わりが無いのが不思議だ。
「だ、だからね」
「え?」
「この前、手を繋いだのも、その、男君が初めてなんだよ?すっごくドキドキしてたの」
恥かしそうに照れ笑いをするつかさにちょっと勃ってしまった。
「男君が、好きだって言ってくれて嬉しかったの、ねえ男君あのね?」
「男君の手って、すっごく大きくて、ちょっぴり暖かいの」
そう言ってつかさはコップの取っ手を握っていた俺の手を握る。
落としていた視線をつかさに合わせる。
それから見つめ合う。
何秒かして、つかさはとても穏やかな笑みを浮かべる。
今までの後悔を忘れてしまうぐらいの可憐さを見た俺は思わず息を呑んだ。
こういう時、どういう事を言えばいいのだろうか?
つかさは僅かに前のめりになり、目を閉じる。
きっと俺はこれで解き放たれる。
つかさとの距離も一気に近づく。
俺は、つかさの手を握り返し、近づく。
唇を近づける。触れるか、どうかの寸前、俺は頭の中を真っ白にした。
そうでもしないとつかさの顔を見れなかったから。
目を閉じて、触れる。
少し、湿った感触。つかさの全ては柔らかいのだと思った。
思っていた通り、それは俺を全てから蹴り飛ばす。
初めて「愛」に触れた音がした。
それから俺のリアクターの本当の躍動を始めた音が響き始める。
離れると開いたつかさの目と合った。
くすぐったそうに笑うつかさは本当に可愛かった。
続く
490 :
寿司
[sage]:2009/04/27(月) 19:43:36.48 ID:jXXn4fw0
あーもう、男視ね
491 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/04/28(火) 17:01:02.02 ID:H3ZRJXco
wwwwwwwwww
492 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/04/29(水) 15:28:08.89 ID:EKvK32DO
乙!
投下の度に主の嫉妬がwww
493 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/04/29(水) 18:11:50.30 ID:4K/uzJY0
乙カレー
2828が止まらんよww
494 :
寿司
2009/05/01(金) 14:50:49.83 ID:laBbieY0
暇になった。
初めてOVA見たよ、やっぱりつかさかわいいよつかさ。
もう一回OVA見ながら書いてくっから待ってろ。
495 :
寿司 「ヤル気の問題」
[sage]:2009/05/01(金) 16:44:48.43 ID:laBbieY0
夏休みもあと一週間で終わる。
今日からすごいスケジュールを組まなければ第二次αがクリアできない。
まだキミ○スの星野さんルートも攻略してないし、てか第一図書委員設定とか愛佳とかぶるんだよな。
それと夏休み前に回ってきた対魔忍は誰に返せばいいんだ?
「男ー、夏休みの宿題終わった?(=ω=.)オヒサー」
「終わったぜ、歴史と現文と古文は問題文ほぼ読まずにだけど」
「それでいいから見せてよ、なんなら今から行くし(=ω=.)」
「いいけど、俺にストUで勝てたらな。ってかお前、家知ってるのか?」
メールを返して二分後、すぐにインターフォンが響く。
窓から玄関を見る。
(=ω=.)ノシ
マジかよ。
◇◇◇
「いやー快適ですなー(=ω=.)ウヒョ」
「本当にいきなり来るとはな」
「いやー、男客が来たって言うのにまさか玄関で十分も待たされるとは思いませんでしたよ(=ω=.)ニマニマ」
「男性には男性の準備がいるのだよ」
「ほほう(=ω=.)ニマニマ」
「ほら、早くキャラ選べよ」
「じゃあガイルで(=ω=.)ムフフ」
ふん、馬鹿め。初心者丸出しじゃないか。
ここはヴァルログだろ常考。
_____
______
You win! perfect!!
俺のバルログが三連敗だと?
しかも、階段、壁はめ、締めは本気勝負でだと・・・・・?
認めん!断じて認めん!!
「男、弱すぎ(=ω=.)ペッ」
「もう・・生きて・・・おれの・・・・・塵・・・」
「おーい、男?燃え尽きちゃってるよ、仕方ない宿題勝手に写させてもらうか(=ω=.)ヤレヤレ」
496 :
寿司 「ヤル気の問題」
[sage]:2009/05/01(金) 16:45:28.43 ID:laBbieY0
◇◇◇
「男さー(=ω=.)カキカキ」
「んー?」
「つかさとどこまでしたのー?(=ω=.)カリカリ」
コマンド入力を止め、問題を書き写している泉の方を見る。
泉も俺の視線に気付いたのか、手を止めて俺の方を見る。
「ど、ど、どういう意味だよ?」
「いや、ほら二人とは友達だし、私も気になるって(=ω=.)ムフー」
泉は俺が持ってきた麦茶を飲みながら、俺の方をジト目で捕らえ続けている。
「いやぁ?ほらまだ手を繋いだだけだよ?ほら、俺ケンタッキーフライドチキンだし?」
「かがみからの情報によると、夏休みにもう十回以上男とお出かけしてるって聞いたけど?(=ω=.)ニヤニヤ」
「・・・・・」
「・・・・・(=ω=.)」
空気が・・・死んだ・・。
「うわぁ、ケダモノだ(=ω=.)ヒクワァ」
「は!?ちょ、ちょっ、ちょっと待てよ!!」
「つかさの純潔を奪いやがった!お前は既に人間としての道を踏み外した(=ω=.)!!」
「いや!待てよ泉!!話し聞けって!」
「ああー、ゴメンよつかさーきっとコイツに無理やり・・・(=ω=.)オイタワシヤ」
「俺とつかさは彼氏彼女の事情なんだよ?有馬総一郎もビックリのラブラブなんだよ!!?だからお前やゆきのんが何を言おうとつかさと俺は彼氏彼女で!あって!」
「で、結局(=ω=.)?」
「俺はまだセックルはしていない!!」
「・・・・・(=ω=.)ウワァ」
「・・・・・」
・・・・・あっ、やっちまった。
「・・・・・男(=ω=.)タジタジ」
「泉、今の内緒な?」
「・・・・・(=ω=.)」
「な?」
「・・・・・うん、あの、さ、なんかゴメンネ(=ω=.)ソーリー」
「いや、うん、いいよ」
「・・・・・でもさ、もう付き合い始めて一ヶ月でしょ?(=ω=.)タシカ」
「ああ」
「普通ならさ。いや、私はスイーツ(笑)じゃないからよく知らないけどさ、そろそろ逝ってもいいんじゃね(=ω=.)ドーナノ?」
「・・・・・」
泉が最後に麦茶を一息に飲む。
俺はプレステの電源を切り、泉の方に向き直す。
「・・・・・なぁ、泉」
「ん(=ω=.)ドッタノ?」
「俺いつも思うんだ。つかさって、チョメチョメの事よく分かってんのかなぁ?」
「は?(=ω=.)what?」
「いや、だからさ。まだコウノトリが赤ちゃんを連れてくるとか思ってそうなんだよなぁ」
泉はそれを聞いて苦笑する。
「俺、馬鹿なこと言ってるよな」
「いや、その心配も分かるけどね(=ω=.)ウンウン」
497 :
寿司 「ヤル気の問題」
[sage]:2009/05/01(金) 16:47:10.71 ID:laBbieY0
◇◇◇
「というか、俺みたいな奴がつかさとやってもいいのかって話になる訳ですよ」
「いや、それこそ意味分かんないよ(=ω=.)」
「だってさ、もしもつかさが俺とは違う人を好きになったとしてだ、」
「だから、そこが間違ってるって(=ω=.)モー」
「は?」
「なんで男意外とか考えちゃうの?つかさはそんな薄情じゃないし、それに今は二人共両思いなんでしょ?(=ω=.)ヤレヤレ」
「そうだけどさ・・・・・」
「それともあの絶叫告白は嘘だったのかな?かな?(=ω=.)」
「嘘じゃない、嘘な訳がないだろ」
泉はシャーペンを器用に回しながら言う。
「その時だけは、じゃないよね?」
「ああ、今も変わらない。変わるわけが無い」
「じゃ、それでいいじゃん。ってかなにこのスイーツ(笑)な会話(=ω=.)ヤダヤダ」
「確かにwwww」
泉は回していたシャーペンをテーブルの上に放り、後ろに倒れた。
「あー、男が惚気話とか、引くわぁ。大体アタシとかそういうタイプじゃねーよ糞が(=ω=.)ペッ」
「うっせーwwww・・・・・ん?」
「マジで洒落になんないよ(=ω=.)ケッ」
「おい、泉」
「あん?んだよ(=ω=.)ヤンノカ?」
「なんでお前が俺の告白の内容知ってんだよ?」
「・・・・・」
「・・・・・アハッ(=ω=.)☆」
498 :
寿司 「ヤル気の問題」
[sage]:2009/05/01(金) 16:48:57.10 ID:laBbieY0
______
_______
「マジかよ」
「うむ、大マジである(=ω=.)」
聞くところによると、俺の告白の内容を全て聞かれていた様だ。
それも泉たちとはぐれたと思った、あの時から。
もうプライバシーとかの問題じゃない。
カーセックスぐらい丸見えだ。
「つ、つ、つかさ!!好きだ!!!!付き合ってくれ!(=ω=.)ウッハー」
「や、やめろー!!やめてくれ!!」
「うおおぉぉぉおおお!つくぁwwwwせdrftgyふじこlp!!!(=ω=.)」
「た、頼む、もうこれいじょうは!!」
「いやぁ、聞いてるほうが恥かしかったよ。っていうかどこのキングオブハート?(=ω=.)フィー」
「もう・・生きて・・・おれの・・・・・塵・・・」
「しまった、やりすぎた。男がまた廃人に(=ω=.)」
「あれ・・・こっちが彗星だっけか・・・?イヤ、違う、違うな。彗星はもっと、パァーって感じだもんな・・・」
俺が意気消沈する中、ベットの上にあった子機が鳴った。
「・・・・・熱いな、おーい誰かいませんかー?」
『あっ!男君』
このっ甘甘の声は!!
「つかさか!?」
『うん!男くんとちょっとお話したいなーって思って』
「HAHAHA!なんだよ改まって!」
『うん!あのね、私も宿題終わったから今度遊びに行こうと思って・・・・・、あれ?』
「うん?どした?」
『男君、今一人?』
いきなり子機の向こうのつかさの声が暗くなる。
「いや、泉が宿題写しに来てるけど?ってかよく分かったなつかさ」
『・・・・・』
「ん?おーい、もしもし?つかさ?」
『男君・・・・・今から行ってもいい?』
「えっ?あ?うん、別にいいけど」
「うん、すぐ行くから・・・・・」
そこで切れる。
「つかさなんて?」
「今から来るって」
「え?いま四時だよ?」
「だよなぁ」
俺は分からない理由を探りながら、子機を充電器に戻した。
続く
499 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/05/03(日) 11:20:07.22 ID:1IbNzwDO
ついに病みが来るかwktk
500 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[saga]:2009/05/03(日) 11:33:21.84 ID:G7c9ZEco
ヽ|/
/ ̄ ̄ ̄`ヽ、
/ ヽ
/ \,, ,,/ |
| (●) (●)||| |
| / ̄⌒ ̄ヽ U.| ・・・・・・・・ゴクリ。
| | .l~ ̄~ヽ | |
|U ヽ  ̄~ ̄ ノ |
|  ̄ ̄ ̄ |
501 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/05/04(月) 08:27:47.10 ID:15kd.Us0
いよいよか・・・・・・wktk
502 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/05/08(金) 21:31:20.44 ID:tZPaFvw0
保守
503 :
寿司
2009/05/08(金) 21:51:23.20 ID:ibWOjGM0
おまいら、予備校ってゴールデンウィーク無いんだぜ。知ってた?
ちょっと、疲れたけどつかさのデレを早く考えてニヤニヤしたいから頑張るぜ。
書き始めたばっかだから、もうチョイ待ってくれろ。
504 :
寿司 「ヤル気の問題」
[sage]:2009/05/08(金) 23:09:47.41 ID:ibWOjGM0
走る必要なんか無いのに、私は走ります。
ううん、もしかしたら今そこに行く事自体が意味なんて無いのかも知れない。
でも・・・・・。
「いや、泉が宿題写しに来てるけど?」
何故かそれを聞いたら居ても立ってもいられなくって。
私は電話を切ってすぐに家を飛び出した。
だって、今男君は私以外の女の子と一緒にいる。
私はドジだから・・・・・、足手まといだから。
いつか男君はは私に飽きられちゃうかも、邪魔だと思ってしまうかも。
そう思うと、怖くなった。
私は、ゆきちゃんみたいに可愛くないし、お姉ちゃんみたいにしっかりしているわけでも無い。こなちゃんみたいに男君の好きなゲームとかアニメのお話も・・・・・出来ない。
でも、それでも。私は誰より男君が好きで、誰にも渡したくなくって。
こういうのを独占欲っていうのかな。
男君は優しくて、男君の手は大きくて、男君は暖かい。
私はそんな素敵な男君に惹かれていく。
自分でも分かる。
だから、怖い。
男君が私から離れて行っちゃうのが。
絶対に、それだけは・・・・・嫌だ。
505 :
寿司 「ヤル気の問題」2
[sage]:2009/05/08(金) 23:10:44.56 ID:ibWOjGM0
◇◇◇
「いいか!絶対コイツを倒してもSELECTボタンは押すなよ!絶対だぞ!」
「分かってるってー(=ω=.)ポポイ」
ボスとの一触即発の会話イベントの終盤にインターフォンが鳴る。
時計を見ると四時十五分。
「は?」
泉がコントローラーを持ったまま窓から玄関を見る。
「あっ!煤i=ω=.)!」
「誰だ?郵便か?」
泉はこっちを見て不適に笑う。
「つかさが来てるよ(=ω=.)ニマニマ」
俺はそれを聞いてすぐに一階に滑るような速さで下りた。
◇◇
「つかさ!?」
玄関を出ると、可愛らしいワンピースのつかさがいつもみたく可愛らしい笑顔を浮かべて待ち受けていた。
「えへへ」
「めちゃくちゃ早かったな、もうちょい掛かると思ってたんだけど」
「うん、急いで来ちゃった」
つかさの額に汗が光っていた。走ってきたのか?
「ごめんね、迷惑だったかな?」
つかさ、上目遣いは反則だろ?
「何言ってんだよ、つかさならいつでも大歓迎だぜ?」
そう言ってつかさを家に上げてやる。
俺の後をちょこちょこ付いて来てるのを考えると、息子が少し硬くなった。
「ねえ、男君」
つかさが階段を上がる直前に俺の袖を摘む。
「ん?」
「・・・・・、こなちゃん」
「どうした?」
「こなちゃん、まだいるの?」
「え?ああ、上でゲームしてるぜ」
俺がそう言うと、つかさの摘んでいた手が今度は俺の手を掴んだ。
「つかさ?」
「ううん、ゴメン」
つかさはすぐに笑顔を浮かべて、手を離した。
「なんでも無いよ」
「そか。先に二回に上がっててくれ、お茶淹れてくっから」
「うん・・・・・」
506 :
寿司 「ヤル気の問題」2
[sage]:2009/05/08(金) 23:11:33.04 ID:ibWOjGM0
◇◇◇
愛の戦士、こなた・イズミ。参上!!
ポポイを颯爽と葬った私は当然の様にSELECTボタンを押した。
やっぱダークラピの方が強いかな。
階段を上がってくる音がする。
可愛らしい軽やかな足音。
ドアが開く。
「うぃーす、つかさ(=ω=.)ノ」
「・・・・・」
ありゃ?
「あれー?つかさ?(=ω=.)ドッタノ?」
いつものノリじゃない?
っというか、つかさは無表情のまま私を睨みつけている。
こんなつかさは始めてだ。なんというか、怖い。
少し経って、つかさが口を開いた。
「・・・・・こなちゃん、宿題は?」
「へ?(=ω=.)what?」
「宿題は?終わったの?」
咎めるような口調。
どうしたんだろう?
「いや、終わったよ(=ω=.)ホラ」
私は机の上に置いていたノートに視線をやる。
「そっか、良かったね」
男がまずい事でも言ってしまったのか?
今日のつかさはなんか怖い。
私が何か言おうとして口を開こうとした直前、「おはラッキー☆」
スク○ェアオタクがやって来た。
507 :
寿司 「ヤル気の問題」2
[sage]:2009/05/08(金) 23:12:08.19 ID:ibWOjGM0
◇◇◇
お茶を持って上がると、俺の部屋は静まり返っていた。
よし、ここは俺の空気ブレイカーで!
「おはラッキー☆」
部屋にいた二人の視線が一気に俺に集中する。
「・・・・・」
「・・・・・(=ω=.)」
なんだこの空気は?
いや、俺はこの雰囲気を知っている!知っているぞッッ!!まるで期待してなかった奴がドッチボールで最後まで偶然生き残って、女子が応援し始めた途端当たってしまったあの感じの!!そうだ、あの時の雰囲気だッッ!!
それでも、俺のmy angelつかさはまたあの可愛らしい笑顔を浮かべてくれた。
泉は・・・・・、なぜか俺を見つめているだけ。
「おい、なんか言えよ。スベったみたいじゃねぇか」
「・・・・・、男(=ω=.)」
「わー、サイダー!」
泉が何か言おうとした瞬間、つかさが割って入った。
俺はお盆を机の上に置いて座る。そしてすぐ横につかさが座る。
「・・・・・あの、つかささん?」
「ん?」
近い、もんすごく近い。肘と肘が触れ合うくらい近い。
「見せ付けるねー(=ω=.)ムフフ」
「フヒヒ、サーセンwwwwww」
泉はそう言うと立ち上がる。
「そろそろ帰る(=ω=.)」
「おう、お疲れさん」
つかさは何も言わずに泉を見つめている。
泉はノートを片付けて、さっさと出て行く。
「さいならー(=ω=.)ノシ」
泉が出て行った直後、つかさが腕を絡ましてくる。
「男君」
頬を俺の二の腕に寄せ、つかさは俺に凭れ掛かる。
「つかさ?」
「男君・・・・・」
つかさはギュッと絡ませた腕に力を込めて、俺の顔を見上げる。
「どうした?」
「・・・・・明後日、一緒に出掛けようよ」
思わず俺を仰ぐ瞳に吸い込まれそうになる。
「えっと、いいけど・・・・・、どこ行くんだ?」
「海がいいな。あ、男君が嫌だったら別のとこでもいいよ?」
海・・・だと・・?
待てよ、待ってくれよ。
夏+海美×少女=sneg?
「つかささん、それマジすっか?」
「う、うん」
照れたような、困ったような、そんな表情を浮かべるつかさ。
俺は少し考えるフリをしながらつかさを焦らして表情の変化を俺の答えを待っているつかさの表情を楽しんでいた。
508 :
寿司 「ヤル気の問題」2
[sage]:2009/05/08(金) 23:14:12.20 ID:ibWOjGM0
◇◇◇
私は携帯の履歴から柊かがみの欄を開き、電話をかける。
お決まりの呼び出し音。少しそれを聞いたから、かがみんの「もしもし柊ですけど」と別に言わなくてもいい応答が来た。
「かがみん、今日つかさとなんかあった?(=ω=.)?」
「いきなりだな、あんた」とちょっと呆れたような声。
「いやー、ちょいと気になったんでね(=ω=.)フヒヒ」
少しばかり冗談ぽく言う。
「ってか、そこにつかさいるの?」
「んや、いないよ(=ω=.)」
スピーカーの向こうでかがみんが悩んでいるような、考えているような声が聞こえる。
「どったの(=ω=.)センセイ?」
「こなた、どこでつかさ見たの?」
「うぇ?男の家に居るよ?聞いてるんじゃないの(=ω=.)?」
「また、男か」
かがみんの溜息。
「なんかあったの(=ω=.)?」
「いや、なんでも」
なにか在るんだろう、かがみんの声の調子で分かる。
「ねぇ、かがみん(=ω=.)」
「うん?」
「男とつかさの事でしょ(=ω=.)」
「・・・・・、うん」
かがみんは少し躊躇ってから答えた。
「最近、つかさがさ、暇があったら男に電話を、ね」
なるほど。
私はかがみんから話を聞いている間、つかさのあの奇妙な雰囲気を思い出していた。
◇◇◇
男君と一緒に歩く。
それだけの事なのに、私の胸はドキドキしている。
左を向けば男君が私に笑いかけてくれる。
私はそれが嬉しくて、勝手に笑顔になってしまう。
私は繋いでいる男君の右手を少し強く握ってみた。
肩が触れ合うぐらい近づく。
時間が止まってしまえばいいのに。
私は心の底からそう思った。
続く
509 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[saga]:2009/05/08(金) 23:27:59.95 ID:fRAV1rIo
【ゆっくりしていってね!!】
∧,,∧ ∧,,∧ ∧,,∧
∧,,∧(´・ω・`)(´・ω・`)∧,,_∧・ω・` )
( ´・ω・`)(つ⌒と つ⌒と)´・ω・`) ∧,,∧
(つ∧( ´・ω・`)(´・ω・`)(´・ω・` ∧,,∧・ω・` )
∧,,( ´・ω(_.__つと_(_.__つと_) ∧,,∧ ∧,,∧
(´・( つ ∧,,∧ __ _(´・ω・` )・ω・` )
( ∧,,∧・ω・`)_____|i\__\ と )∧,,∧と)
( ´・ω・`)と_※ ※ |i i|.====B|ヽノ(・ω・` )
(つとノ`--∧,,∧|\\|_____◎_|_i∧,,∧ ∧,,∧
 ̄( ´・ω・| | ̄ ̄ ̄ ̄ |(・ω・` )(・ω・` )
(つとノ.\|_____|(つとノ (つとノ
510 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/05/09(土) 11:36:28.57 ID:6ZLKz2g0
乙!
いい感じに病んできたww
511 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/05/11(月) 20:09:47.00 ID:YAnOVtoP
続きwwktk
512 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/05/12(火) 21:15:26.16 ID:BmykZu60
乙カレー
ヤンでもつかさはかわいいな
513 :
寿司
2009/05/15(金) 16:00:32.60 ID:gxou/eQ0
続き書き始めました。
切れ切れですいませんが、お付き合いくださいませ。
それでは、しばしお待ちを
514 :
寿司 「ピクニックの定番」
[sage]:2009/05/15(金) 18:20:36.02 ID:gxou/eQ0
揺れる電車に俺とつかさだけが乗っていた。
嬉しそうにバスケットを膝に抱えたつかさに胸をときめかせる俺。
楽しそうだな、つかさ。
夏休みもあと五日と言うだけに平日の十時ごろの電車にはあまり人は乗っていなかった。
というより、この線自体がかなり過疎なのだ。
「頑張って早起きして作ったんだよ!」
「おお!マジか!?期待していいよな!」
うん、とつかさは嬉しそうに笑う。
先日の約束通り、俺はつかさと一緒に海に行くことにした。
今朝早くに待ち合わせをしたから不安だったけど、つかさは自分が思ってるより朝に強いみたいだ。
しかも弁当まで作ってきてくれている。
適当にその辺のファミレスで済ませようと財布にいつもよりゆとりを持たせてきたけど、それも徒労に終わったみたいだ。
「でも今時の海に行ってもなぁ、俺泳げないし・・・・・」
「ううん、泳ぎに行くんじゃなくて、男君と二人で遠くに行きたいなぁって思って」
つかさは握っていた俺の手に舐めるみたいに指を優しく絡ませる。
最近、何かとつかさは積極的だ。
腕を絡ませたり、いきなり抱きついたり。
一昨日だって、家に送ってやると最後にはキスまでした。
この前まで手を繋ぐのだってドキドキしていたのに。
ホント、慣れって怖い。
「あ、海だよ!男君!」
キラキラした目でつかさは窓の向こうに広がる海を見る。
「海なんか久しぶりだな」
「え?」
「いや、もうかれこれ十年行ってないな」
俺はつかさと海を見ながら、昨晩の柊からの電話を思い出していた。
515 :
寿司 「ピクニックの定番」
[sage]:2009/05/15(金) 18:22:36.30 ID:gxou/eQ0
◇◇◇
昨晩の話だ。つかさとのいつもの電話を終え、風呂から上がった時に柊から携帯に掛かってきた。
「おぅ、柊か」
『おぃっす、ちょっといい?』
少し引き気味の柊の声の調子が少し気になった。
「別に構わんよ、でも明日はつかさと出掛けるから早めに頼むぜ」
『うん。あの・・・、話ってのはね、その、つかさについてなんだけど・・・・・』
柊は言い辛そうにさらに声の調子を落とす。
『お、男?』
「ん?いや聞いてるぜ。つかさの事だろ?続けてくれ」
スピーカーの向こうで深く息を吸う音が聞こえた。
『今月に入って、男がつかさとどれだけ外出したか覚えてる?』
落ち着いて様子で、柊はそう言ってふぅ、と息を吐いた。
「え?うーん?言われてみたら結構外出してるな」
『うん、だろうね。その内男が誘ったのって何回くらい?覚えてないなら別にいいけど・・・・・』
思い出してみる。水族館に遊びに行った時、バイト上がりの土曜日、宿題に誘った時と、・・・・・多分五、六回くらいか?
「五、六回くらいかな?でもどうして?」
『うん。実はね、この前からつかさが独りで出掛けるのが多いからさ、ちょっとお父さんが心配しちゃってね・・・・・』
大袈裟だけどね、と柊は付け足す。
柊の話によると、つかさは俺と付き合っている事を柊にしか打ち明けていないらしい。
だから柊を残して一人出掛けるつかさを家族が心配し始めたらしい。まぁ、普通そうだよな。今まで出掛けるのにも姉の柊が同伴が当然みたいになっていたのに、今月に入って一人で出掛けるのが急増するなんてそりゃ心配するよな。つかさなら尚更だ。
「そっか、分かった。つかさには迷惑掛けたくないからな、自重するようにはするよ。それよか・・・」
『ん?』
「なんで俺が誘った回数なんか聞いたんだ?」
『いや、男がつかさを連れ回してたらその口に拳を捻じ込んでやろうかと思ってね』
「どこのブライアン・ホー○だよ」
それから少し談笑を挿み、三十分ほど経ってから互いに寝ることにした。
◇◇◇
「ん、おやすみ」
私は携帯の電源ボタンを押して、通話を切る。
携帯を充電用のコンセントに繋いでベットに放ると、私は勉強机に座り、頬杖をついて溜息を一つ。
「五、六回か・・・・・」
私は最近、つかさと外出をしなくなった。
今まで引っ張って来たからか、頼りにされてきたからか、少し男に嫉妬してる。
でも、つかさの嬉しそうな顔を見てると、まぁ仕方ないかと思える。
出掛けるときのつかさを見てると、ああ、つかさは本当に男が好きなんだろうなぁ、と思う。
私のおせっかいの始まりは、お父さんのちょっとした小言だった。
「つかさは最近どこに行ってるんだ?」
つかさは少し抜けているから、家族から心配されている。
勿論、皆『愛情』って名前の心配だ。
つかさはどこか抜けているけど、それでも嘘はつかないし、姉の私が言うのも何だけど、とっても良い子だ。
でも最近、つかさは何だか様子がおかしい。
暇があれば男に電話するか、どこかに出掛ける。まぁ、多分男の所だろう。
「どうしたもんか・・・・・」
つかさは男に夢中になってる。
このままにしておくべきか、それとも何か一言掛けてやるべきか、私はそんな出過ぎた事を考えながら、ベットに横になった。
516 :
寿司 「ピクニックの定番」
[sage]:2009/05/15(金) 18:23:55.60 ID:gxou/eQ0
◇◇◇
ホームに降りると潮の香りがした。
「つかさ」
「ん?」
キョトンとするつかさに俺は感嘆を洩らす。
「海だ」
俺はつかさと手を繋いで、海に向かって歩き始めた。
十年前も、親父とこうやって手を繋いで行ったっけな。
あれはあの糞ババァが田舎に帰省した時に珍しく休暇を取っていた親父にせっついて連れって行って貰ったんだっけ。
でも、海に着いたときはもう陽も落ち始めていたんだよな。
親父は俺にソフトクリームを渡して、一緒に夕日の海を眺めたのを覚えてる。
今思えば、あれが親父の唯一取った有給なんだよな。
ゴメンな、親父。
「ねえ、男君」
「どうした?」
つかさはもじもじしながら何かを待っている。
「どうした?」
「あ、あのね、手繋いでもいい?」
別にそんな事聞かなくてもいいのに。
俺は、笑顔を左手を差し出す。つかさは嬉しそうにはにかんでから、俺と手を繋いだ。
「こんなつまらない事聞かなくても、いつでも繋いでいいんだぞ?」
「だって暑くって、男君嫌がったら嫌だし・・・・・」
困ったような顔でつかさは言う。
「嫌がるかよ」
畜生、可愛い。
俺はだらしなく緩んでしまった表情を隠すために、少し遠くに見える海に視線を逃がした。
◇◇◇
男君が、隣にいる。
そんな事が当たり前になってきている夏休み。
そんな事が嬉しくて、私はついつい嬉しくなってしまう。
初めてキスした時も、一昨日の帰りにしてくれたキスも私にとっては宝物。
それは何度しても同じ事。
だって、男君だから。
私の大好きな男君だから。
ずっと隣にいたいし、隣にいて欲しい。
だから今年の夏休みが終わってしまうのがちょっぴり寂しい。
でも大丈夫。男君は優しいから、学校が始まってもずっと一緒にいてくれる。
きっとそうだ。そうだよね?男君?
517 :
寿司 「ピクニックの定番」
[sage]:2009/05/15(金) 18:25:39.86 ID:gxou/eQ0
◇◇◇
海に着いて、俺たちはすぐにシートを広げ、パラソルを開いた。
八月の下旬、少し風が涼しくなっている気がする。
「ちょっと早いけど食っちまおうか?」
つかさは抱えていたバスケットを開き、中身を広げる。
「ちょっと頑張り過ぎじゃないか?」
「えへへ、ちょっと張り切ったから・・・」
広げられた料理はどれも丁寧に作りこまれていて、何だかここまで用意されていたのにファミレスで済ませようなどと考えていた自分が恥かしくなってきた。
「いたがきまーす」
しょうも無い事を言って手近にあったサンドイッチに手を付けた。
一かじりするとつかさがこっちを見ているのに気付いた。
「大丈夫、美味いよ」
つかさの顔が明るくなる。
「よかった、ずっと心配でドキドキしてたの」
つかさはえへへ、とくすぐったそうに笑う。
しかしこのサンドイッチはどこぞのゲームの『みそおでん』より美味いな。うん。
518 :
寿司 「ピクニックの定番」
[sage]:2009/05/15(金) 18:26:14.99 ID:gxou/eQ0
◇◇◇
熱さも三時を過ぎると優しくなった。
涼しい風が目立つ。
陽は傾き、携帯の表示されているデジタル時計は四時半を表示していた。
「ね、男君」
「ん?」
つかさは相変わらず可愛い笑顔で俺に聞く。
「海ってなんでしょっぱいんだろう?」
「どっかにある岩の塩分が溶け出してるとかなんとか、まぁ多分他にも原因はあるんだろうけど・・・」
「岩の、塩分?あ、岩塩のことかな?」
つかさは違うかなぁと一人で思考の迷路にはまって行く。
「あ、でも三十億年前と味は変わってないらしいし、そんなに心配することでも」
「三十億かぁ、すごいなぁ」
「ああ、俺たちの夏休みもあと少しなのになぁ」
「夏休み・・・・・、男君」
「ん?」
「明日も・・・・・遊ぼう?」
つかさは俺の目を見て言う。
流石に柊に言った手前、ここは断っとかないとな。
確かに今月はつかさと出かけまくったから。
「悪い、明日は白石と約束がある」
「え?」
つかさは間の抜けた様な声を出す。
「じ、じゃあ明後日は?あ、別に私は、えと、その、男君の友達と一緒でもいいよ?だから遊ぼうよ」
つかさは必死に言葉を繋いでいく。
「つかさと一緒だったら白石に悪いだろ?」
「で、でも・・・」
つかさは慌てながら言葉を必死に探していた。
「うーん、じゃあ始業式終わったら家で映画でも見よう」
中々食い下がらないつかさに俺は少し驚いていた。
ここまでするか?普通?
「最近つかさと遊びっぱなしだったからさ、そろそろクラスメート遊んどかないとさ。学校始まったらハブられちゃうし、な?」
「うーん」
まだ食い下がるか。
「それにつかさも泉たちとあんま遊んでないんじゃないか?」
そこまで言って、渋々といった感じでつかさはやっと頷いた。
「で、でも絶対始業式の後は遊ぼうね?」
「ああ、約束する」
俺がそう言うとつかさが小指を立てた。
「指きり」
何と言うか、この発想は本当に高校生なんだろうか?
519 :
寿司 「ピクニックの定番」
[sage]:2009/05/15(金) 18:28:50.79 ID:gxou/eQ0
◇◇◇
男君との夏休みがもう終わっちゃう。
男君は明日友達と遊んで、明後日も友達と遊んで、それからはずっとアルバイトで夜中まで働くらしい。
『最近つかさと遊びっぱなしだったからさ、そろそろクラスメート遊んどかないとさ。学校始まったら話しづらいし、な?』
私は男君の友達に腹を立てている。
私は男君のアルバイトに腹を立てている。
私がずっと傍にいるのに。男君だってずっと私の傍にいたいに決まってる。
なのに、皆が男君を取ってしまう。
どうすればいいんだろう?
どうすればいいんだろう?
どうすればいいんだろう・・・・・?
そんな事が頭の中をいっぱいにして片付けようとしていた手が止まってしまう。
「つかさ、行こう」
片付けをほぼ一人終えた男君が私の手のひらを包んでくれる。
そうしてもらうとなんだか心がポカポカしてきた。
不思議とさっきの暗い気持ちはどこかに消えていて、私は男君と繋いだ手を見た。
おっきくって安心する。
・・・・・、ずっと一緒にいようね。
そんなことを願いながら、私は繋いだ手のひらに力を込めた。
続く
520 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/05/16(土) 11:05:59.45 ID:AVGqE3co
いい感じに病んできてるな。
これから目が離せなくなりそうだww
521 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/05/17(日) 15:15:53.07 ID:UYISxYDO
携帯からだが、寿司乙
522 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/05/19(火) 12:01:24.03 ID:2OWT6MDO
保守
523 :
寿司
[sage]:2009/05/22(金) 16:46:46.87 ID:yqWxhWY0
書き始めました。
もう少しお待ちを
524 :
寿司 「ここにいるHENTAI」
[sage]:2009/05/22(金) 18:04:36.98 ID:yqWxhWY0
「なぁ、お前らなんでここに呼ばれたか分かってるか?」
関西の奇妙なイントネーションで我らが担任黒井ななこ氏は俺と泉に冷ややかな視線を向けている。
「いやぁ、その、ねぇ男?(=ω=.)」
「・・・・・全く心当たりが」
「そうか」と、黒井先生はノートの山の頂上に積まれていた二冊のノートを机の上に放る。
「お前ら、世界史舐めてんのか?それとも私を舐めてんのか?どっちや?」
言葉とは逆に、ニコニコと表すべき表情で黒井氏はすごむ。
「男、」
「はっ、はいぃいいい!」
「世界で一番格好良い男はだれや?」
「く、クーガー?」
「ハイ、不正解」
そう言った直後、メリッとインステップが踏んで捻られていた。
「ひぎぃぃいい!」
「次、泉」
「はっ、(=ω=.)」
「これ誰の写したんや?」
「えっ、やだな先生、私が丸写しなんかするわけ無いじゃないですか(=ω=.)ヤダナァ」
「じゃ、さっきと同じ質問や。泉、答えは?」
泉は涙目になっている俺の方にに目線をそらす。
「ア、アナベル(=ω=.)?」
「不正解」
「らっ、らめぇぇええ(=ω=.)!!」
525 :
寿司 「ここにいるHENTAI」
[sage]:2009/05/22(金) 18:05:43.23 ID:yqWxhWY0
「というわけで、二人で教室に放課後仲良く机を並べて宿題の再提出を頑張っている訳だが・・・」
「いやぁ、もう四時ですねぇ(=ω=.)ナハハ」
「ってか、泉さぁ少しは答え間違えようよ常識的に考えて」
夏休みが明けて一週間経った今、夏休みの再提出なんてヤル気なんか起こるはずもない。
畜生、文部省の狗め。
「ねぇ、男(=ω=.)カキカキ」
「ん?」
途切れ途切れだったシャーペンの音が完全に途切れる。
「つかさは(=ω=.)ドコニ?」
「携帯買うんだってさ、だから今日は早めに帰った」
「へー(=ω=.)」
婀娜っぽい相槌に俺は姿勢を直した。
「なぁ、泉」
「ん?(=ω=.)ナンダヨ」
「少し愚痴ってもいいか?」
俺はそう言いながら一週間前の始業式から少しおかしいつかさの事ばかり考えていた。
「え(=ω=.)」
「いや、だからさ俺のお気に入りの秘蔵DVDが見られたかもしれん」
泉に一週間も前の俺とつかさの二人だけの上映会の出来事を話した。
俺達は純愛系で最近有名な「濃い空」とか言う映画を見て、それからグダグダ喋りながら解散した。それだけだった。
ただ、つかさが帰ってから可愛いコレクション達で抜こうと思った時、俺は異変に気付いた。
「えっと、なんでそう思うの(=ω=.)」
「順番がな、変わってたんだ」
「は?(=ω=.)」
「俺は自分で言うのも何だが紳士なんだ。そういうのはしっかり整理していると自負しているつもりだ」
「ちょっと間違ってただけじゃない(=ω=.)キニスンナ」
「あのな、俺は対魔忍の1〜4まではしっかり整理してるんだ。一ヶ月ごとに裏面を吹いているぐらいだからな」
「えっ、なにそれこわい(=ω=.)」
「えっ」
「・・・」
「・・・。ともかく、つかさに見られたかもしれんのだ」
泉は引いた様子のまま、机を少し離す。
「いや、引くな、机を少し離すな」
「HENTAIですね、分かります^^」
「泣いていいのか?俺は今泣いていいのか?」
「まぁ、それはそれとして、それがなんかあんの(=ω=.)?」
「いや、だって女の子にコレクション見られたんだぜ?普通戸惑うだろう?」
泉は呆れたように溜息を吐いて俺に言う。
「いや、女の子からしてもそこまで気にしてる人は少ないと思うけど(=ω=.)タブン」
「じゃ、お前の彼氏が対魔忍全巻持ってても引かないんだな?」
「・・・・・ゴメン、やっぱちょっとキツイわ(=ω=.)」
526 :
寿司 「ここにいるHENTAI」
[sage]:2009/05/22(金) 18:07:50.46 ID:yqWxhWY0
「だよなあ、絶対そうだよな。触手レイプ物だもんな、絶対ドン引きだよな」
「・・・・・しかも、つかさだもんね(=ω=.)ハァー」
俺は肩を落とし、珍しく泉も同情したのか俺の肩を叩いた。
「どうしよう、聞いてみようかな?、でもなー、俺のエロDVD見た?なんて聞けないよな。はぁ」
「あ、でも嫌いにはなってないと思うよ?男のこと(=ω=.)」
「なんでそう思うよ?」
泉はムフフといった感じで顎を摩り、ニヤける。
「いやですな旦那、最近よくつかさのお手製弁当を中庭で二人仲良く食べてますね?(=ω=.)ニマニマ」
「なっ!知ってたのか?」
「うむ、一昨日なんて”あーん”なんてさ、いやー妬けるね、コイツ(=ω=.)コノコノ」
俺はそれを思い出して思わず表情を緩めてしまう。
「まぁ、恋人同士だし。そんぐらいはな」
「なにこの惚気(=ω=.♯)ウハー」
泉は呆れたみたいに溜息を吐く。
「それにさ、最近男つかさ独占しすぎだよ。なぜ帰り道のメンバーが寂しい思いをしなければならない(=ω=.♯)ムカムカ」
言われてみたら、確かに最近の帰り道はずっとつかさと一緒だ。
昼もこの一週間ずっとつかさと。
それが俺の頭に引っ掛かっていた。
「そうだな、確かにちょっとつかさに悪いかも」
「そうだ、やっと分かったかこのグズ(=ω=.♯)ペッ」
酷い言われ様だな。
「それで、今週はなんか進展あったの(=ω=.♯)」
「言うかよ、ぜってー教えねぇ」
「おいおい、男勘違いしちゃいけねぇな(=ω=.)フフフ」
「ふん、言ってろ」
「お前が気持ち悪いアダルトDVD持ってること、私がかがみんや、みwikiさんに言っちゃってもいいんだぜ(=ω=.)ヒャッハー」
「!?」
527 :
寿司 「ここにいるHENTAI」
[sage]:2009/05/22(金) 18:08:32.01 ID:yqWxhWY0
「さぁ、どうすんだよ(=ω=.)ニヒヒ」
「くっ、卑怯な!」
「褒め言葉なら後にしてくれるかな?かな?(=ω=.)」
「・・・まぁいい、聞かせてやる。今週俺は!!」
(=ω=.)ドキドキ
「ついに!つかさの胸を揉んだ!!!!11」
ΩωΩ<な、なんだってー!!1
「ふふっ、驚くのも無理は無い!だって三日前の事だからな!!フハハハハ!!」
「そうか、ついに汚されたのかつかさ(=ω=.)カワイソウニ」
「ちょ、おまっ、汚されたとか言うなよ」
「で、どうだった?つかさの胸は(=ω=.)」
「なんていうか、こう、そうだな、エクスプロードっていうか、あえて日本語で表すなら『むしゃぶりつきたい』だな」
「・・・うわぁ((((=ω=.)ススス」
「えっ、ちょ、引くなよ」
「いや、近づくな、っていうか、お願い傍に来ないで(=ω=.)ドンビキデス」
俺は少し涙目になりながらも泉に釈明した。
エロス=儚さ(繊細さ)×破壊のカタルシスなのだ。
つまり、可愛かったり、美しくあるものを自分の手で汚してこそ、人はリビドーの根源に至るのだと。
しからば『むしゃぶりつきたい』とは美や儚さという層を浄化そして昇華させる行為であって、神聖な衝動なのだと。
そもそも、人間と言うものは理性を持ったため常に『生と死』という概念の中に生きるものであって、常に恐怖と戦う破目になった。
ある学者はこう言った、『性欲って生きるためのエネルギーなんだよ^^』
そのエネルギーを我々はリビドーという。
近年その学説はおかしい。などと糞ッたれ達は言うが『俺の中』ではその通りなのだ。
生とは性である、そして正義なのだ。
分かっていただけたかな?泉君?
「男、よく友達が出来たね(=ω=.)キンモー」
「泉、覚えておけ男はな生まれながらにHENTAIなんだってことを」
俺が流し目で泉にそう言ってやると、ポケットに入れていた携帯が鳴った。
「・・・・・、つかさから来た」
「おっ、マジですか(=ω=.)」
文面を見ると敬語が並んでいる。初心者ってまる分かりだな。
「”明日のお弁当に鮭入れておきます”だってさ。つかさ・・・、いい子や」
「対して、男の方は(=ω=.)ハァ」
横で泉が溜息を吐く。
俺は泉の嫌味にも聞く耳を持たずに必死に返信の内容を綴っていった。
続く
528 :
寿司
[sage]:2009/05/22(金) 18:10:37.25 ID:yqWxhWY0
書いてて鬱になった、氏のう
529 :
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[saga]:2009/05/23(土) 00:57:34.30 ID:DspYExIo
(Д´≡`Д) だめだあああああああ!!!!!!
530 :
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[sage]:2009/05/24(日) 23:23:13.85 ID:ygO7eLM0
乙!
なんか濃い空にワロタ
531 :
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2009/05/25(月) 21:57:17.47 ID:4PR8ilI0
乙
男の釈明が釈明になっていない件
532 :
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[sage]:2009/05/28(木) 00:33:49.15 ID:Txp9BT60
そろそろ蟹の人やらゆーちゃんの人やら初恋の人やら
恋愛事情の人やら病みスタの人来てくれないかね
533 :
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[sage]:2009/05/31(日) 03:24:53.24 ID:Z7h8QoDO
携帯からだが保守だよ
534 :
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[sage]:2009/05/31(日) 21:02:26.70 ID:2dezWXg0
こ
535 :
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[sage]:2009/05/31(日) 22:11:15.46 ID:LtFnvFUo
ここって18禁絵ダメだよね
536 :
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[sage]:2009/05/31(日) 23:50:24.88 ID:2dezWXg0
どうなんだろな
537 :
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[sage]:2009/06/01(月) 15:14:38.02 ID:G8gpMkDO
注意書きしとけばいいんじゃね?
538 :
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[sage]:2009/06/01(月) 19:04:41.30 ID:LLd8EtA0
確かに注意書きは必要だと思う
見る見ないは個人の自由だが
539 :
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[sage]:2009/06/05(金) 02:08:16.12 ID:Eg6dCgDO
携帯からだが、保守!
540 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/06/06(土) 16:57:00.61 ID:Lfn91vU0
ほ
541 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/06/06(土) 18:38:49.35 ID:eWPoeEs0
し
542 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/06/06(土) 22:57:34.11 ID:lCy7eUAO
ゅ
543 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/06/06(土) 23:44:29.23 ID:E0E6SpIo
もう少し
544 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/06/07(日) 12:31:42.48 ID:0urqnuY0
|\_ / `ヽ _/|
\_/ 〔お金命〕 ヽ.. /
/----------┌─────┐---ヽ
ヽ:::::::::::::::/ヽ::::/│ ■ ■.│ l:ノリ'
ヾ,、:::::::l ヘ,l:::l \_/\_/ l/
`ー--;:ヾリ:::::`;;イ 、_ ,) !ーノ テスト!
ヽ:`'::::::_;イ ,___ /シ´
/::::rニ-‐' 丶---' /-'´
、_i'ソ:::::| 、ヽ、  ̄ ,.イ;`i
ー-'イ:| ヽ `丶 --' |ノ '
,. - ' ´ ' \ ヽ. / ト、
_,. ‐'´ヽ `ヽ、
ー----- 、. _ _,,. `ヽ、
``丶― . '" `ヽ 、
; (漢) 、 ヽ
545 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/06/08(月) 23:26:02.35 ID:i.8nOvA0
ひさびさにきたじぇ
546 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/06/09(火) 15:38:05.57 ID:aEaTV6DO
>>545
sage
547 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/06/09(火) 22:47:20.29 ID:3jsSVogo
∧_∧ ∧_∧ age
(・∀・∩)(∩・∀・) age
(つ 丿 ( ⊂) age
( ヽノ ヽ/ ) age
し(_) (_)J
548 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/06/09(火) 23:25:16.58 ID:HKpkeHk0
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;、;;;;;;;;; lヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/ !;;;;/ /;//;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;\ ヽ
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|ヽ;;;;;;ヽ'、;;;;;ヽ`ヽ:;;;;;;;;/ // /´ /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;: -‐'''''''''''ヾ、
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;、;;;;ヽ\;;;;;ヽ\;;;;ヽ, _`' /、i、___,,./;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/ ,,,.-''
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;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;i, ,...-─‐--,,,,,,;;'i l, ヽヾヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/フ;;;;;ノ /
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヾ;ヽ ヾヽヽ:::;;;;;;:-''" `ー''"-‐''"
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヾ;、 `゙''''ミ ` ー''"
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l l;;;/` - 、;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ンヾ; } `ー- --- ト、__
;;;;;;;;/|;;;;;;;;;、;;;;;;;;;lレ′ ,. 、イラ;;ノ ゝ/ l ヽ:;;;
;;;;;;;| !;;;;;;;|'i;;;;;;;;;;トヽ ー''、 ゝ-‐´-''"/ | ヽ、 `
;;;;;;;| ヽ;;;;| ヽ;;;;;| ,l `ー''" / | ヾ`;;
ヽ;;;;l, \!、 ヾ! 'l -‐´ | `''
\;ヽ、 `ー ヽ,ヽ | _, く
、 `ヾ、 \ヽ ヽ、 _,. -''´
ヽ'、 i| `|ヽ ` 'ヾ(
ヾ;、___ノ;;;ヽ ー、
\;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ __,. -‐''''''' "" ゙̄i
ヽ;--==';;;;;;;;;;ヽ 、,/
ヽ、;;;;;;;;;ィ;;;;;;;;ヽ ` _,,..-;─-
sage!sage!
549 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/06/09(火) 23:41:29.35 ID:3jsSVogo
∧_∧ ∧_∧ age
(・∀・∩)(∩・∀・) age
(つ 丿 ( ⊂) age
( ヽノ ヽ/ ) age
し(_) (_)J
550 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/06/11(木) 20:11:23.71 ID:GTBf.Fso
あとちょっと
551 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/06/14(日) 00:54:25.06 ID:0s/AAzQo
もう忘れられてそうですが今更初恋クレイジー続きいきます。
間あきまくっておきながらなんですが、今回からちょっとサブタイつけてみます
552 :
初恋クレイジーそのさん 後編
[sage]:2009/06/14(日) 00:57:05.95 ID:0s/AAzQo
『憩いの夜』
Side 男
夕食はつかさが予告した通りのハンバーグ、に一手間加えた煮込みハンバーグだった。
ハンバーグはもちろん煮込みのソースまで手作りだというのだから頭が下がる。
味ももちろん最高だった
「ごちそうさまでした。つかさ、本当に美味しかったよ、ありがとうな」
「えへへぇ……。お粗末様です」
はにかんだ笑顔が可愛い。
俺も自分の料理を美味しいと言ってもらえると嬉しくなるが、
こんなに幸せそうな表情は多分浮かべられていない。
これだけ「いい笑顔」ができるのはつかさの人徳のなせる業なのだろう、本当にいい子だ。
料理が上手く、誰より優しい心根に、
傍にいるだけでこっちまで穏やかな気持ちになれるような暖かい雰囲気を持っている。
つかさはいいお嫁さんになれるだろうな。
「あの、味付けとかで、どこか直した方がいいとこあった?」
「特に思いつかないな。
というか、もしあっても今のつかさの料理に文句つけるなんて恐れ多くてできないよ」
冗談めかして言ってみるが、文句のつけようのない美味しさだったのはもちろん冗談ではない。
「そ、そんな大した物じゃないよ。少しでも気になるとこあったら遠慮なく言ってほしいな」
「遠慮とかしてるわけじゃなくて本当に文句のつけようがないんだ。
まあ個人の好みもあるからあまり無責任な事は言えないけど、少なくとも俺にとってはつかさの料理は最高だよ」
「は、はぅぅ……。そ、そこまで言ってもらえると……。もう……照れちゃうよぉ……」
耳まで真っ赤にしながらぺしぺし叩いてくるつかさ。
反応がつかさらしく可愛い、しかし照れ屋のつかさにしてもちょっと赤すぎる気が……
「なあ、顔赤いぞ、もしかして熱でもあるんじゃ……」
「だ、だいじょぶだよ。熱とかじゃないから」
「ならいいけど、辛かったら無理しちゃ駄目だぞ?」
「う、うん。……もう、鈍いよぉ……。男君……。
で、でも心配してくれたのは嬉しいなぁ……。えへへ……」
今度は小声で何やら呟きながらの百面相が始まった
553 :
初恋クレイジーそのさん 中篇
[sage]:2009/06/14(日) 00:58:06.48 ID:0s/AAzQo
「えーっと、つかさ? ほんとに大丈夫かー?」
「は、はいっ。うん、だいじょぶだいじょぶ。
じゃ、じゃあお皿運んじゃおうか。……え、えと、洗うの一緒にお願いしてもいいかな?」
「いや、俺がやるから一緒にと言わず任せてくれていいぞ」
「いやいや男君、そんな気をつかわなくていいんだよ。勉強もあるんだろう?」
つかさの後ろからそう声をかけてきたのは柊ただおおじさんだ。
柊家の大黒柱であるおじさんはつかさに似て……
いやつかさがおじさんに似たと言うべきか。
とにかくつかさと同じように、優しげで、一緒にいると安心できる空気を常時纏った温かい人だ。
俺の事もよく気に掛けてくれて、何かと面倒をみてくれる
「いえ、やらせてください。最近よく夜御馳走になっちゃってますし」
「といってもこっちも普段からなにかと手伝ってもらってるからねぇ…」
「まあ男君の場合は何かお手伝いしないとむしろ気に病んじゃうものねぇ。
断ると勉強に集中できなくなっちゃいそう」
こちらはおじさんの奥さんであり、つかさ達のお母さんでもある柊みきさん。
みきさんは四人も娘がいるとは思えないほど若々しい人で、おじさんとは今でも二人で旅行に行くほど仲がいい。
俺にとっておじさんとみきさんは密かに理想の夫婦像だったりする。
「そういう事です」
「ん……、じゃあお願いしていいかな?男君」
「はい、おじさんもみきさんもゆっくりしててください」
おじさんを「おじさん」と呼ぶなら普通みきさんのことも「おばさん」と呼ぶところなのだろうが、
みきさんの場合外見があまりにも若すぎて「おばさん」とは呼びにくいのである。
俺が幼い頃も、子供心に他のお母さん達に比べて若い人だと思っていた記憶があるが、
その後今に至るまでも外見的にはほとんど年をとってないんじゃないだろうか。みきさん恐るべし。
家庭に入って体型が崩れた事を嘆くお母様方が多いと聞くが、
みきさんは顔が若々しいだけではなく、四人も子供を産んだうえで尚体型も維持している。
こんな凄い人が母親なのだから、かがみもそこまで体重を気にする必要なんかないだろうにと思うのである。
……「次言ったら吊るす」だそうなので本人には言わないが。
「じゃあ一緒にやろ? 男君」
「いや、任せてくれていいって、今日は支度の手伝いもしてないしな。
つかさは歯磨きして先に勉強始めちゃってていいからさ。かがみにもそう伝えておいてくれ」
「で、でもぉ。作るの一緒にできなかったからこそ、お皿洗いくらいは一緒に……」
「せっかく男君がいいって言ってくれてるんだからつかさは早く歯磨きしちゃいなさい」
「えー……」
554 :
なすーん
[なすーん]:なすーん
__ 、]l./⌒ヽ、 `ヽ、 ,r'7'"´Z__
`ヽ `ヽ、-v‐'`ヾミ| |/三ミヽ `iーr=< ─フ
< /´ r'´ ` ` \ `| ノ ∠_
`ヽ、__// / |/| ヽ __\ \ヽ |く ___彡'′
``ー// |_i,|-‐| l ゙、ヽ `ヽ-、|! | `ヽ=='´
l/| | '| |!|,==| ヽヽr'⌒ヽ|ヽ| | |
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r|__ ト、,-<"´´ /ト、
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`‐r'.,_,.ノヽ、__ノ/ | | |、__r'`゙′
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555 :
初恋クレイジーそのさん 中篇
[sage]:2009/06/14(日) 00:59:25.99 ID:0s/AAzQo
「えー、じゃありません、男君も虫歯がある女の子なんて嫌よね?」
「? いえ別に―――」
「ふえっ!? お、男君! 私虫歯なんてないからねっ!?」
「あ、ああ。それは知ってるけど―――」
「ほらほら早くする、歯磨きは食後三分以内にやらないと効果半減よ」
「う、うんっ。ピカピカにしてくる!」
なぜか妙に焦った様子で洗面所に駆けていくつかさ、どうしたんだろうか
「なんか様子おかしかったですけど、どうかしたんですかね」
「ふふ、男君の名前出すと一発で言う事聞くのよ。かわいいんだから」
「はあ……」
「じゃあ悪いけど後はお願いね、男君が来てくれると色々助かるわ」
「いえそんな、俺の方がずっと助けてもらってますから」
あんな美味しい晩御飯をご馳走になって何もしないようじゃバチが当たるというものだ。よし、始めるか
洗剤をつけたスポンジで丁寧に皿を磨いていく。ソースは油物だからしっかり落とさなくては。
もちろんゆすぐ時も洗剤を残さないようにしっかりゆすぐ。
最後に指でこすってキュキュっと音がしないようでは不合格である。
なんせ食器や調理器具は、犠牲になった食材や調理してくれたつかさ達に次ぐ、今日の美味しいハンバーグの功労者。
彼らの存在なくしてあの素晴らしい料理は生まれ得ない。
旨い料理は芸術だ、食という生きるうえで必要最低限の行為に娯楽のような楽しみを与えてくれる。
だから料理人、食材は元より、食器や調理器具にも感謝の意を示し、こうしてピカピカに磨き上げなければならない。
……この辺りの考えに俺が食べる事が好きで大食らいである事は関係ない。
ただ食というものに対して真摯であるべきと思ってるだけだ、うん。
しかしそう言いつつ最近まで長いこと自炊の手を抜いてたんだよな、俺……。
ううむ、つかさがこれ程腕を上げているというのにあんな事でよかったのか?
食わせる相手が自分とはいえ、あれじゃとても食に対して真摯とは言えなかったのでは―――
「あれ、男君が洗ってるんだ」
などとグダグダ悩んでいた俺に、はい追加、とスプーンを渡してくる(顔は)綺麗なお姉さん。
柊家次女まつりさん登場、どうやらデザートにアイスを食べていたらしい。
まつりさんはかがみとつかさの姉で、現在大学生である。
ちなみに更に上の姉である長女のいのりさんは会社勤めをしていて、今日はまだ帰宅していない。
556 :
初恋クレイジーそのさん 後編
[sage]:2009/06/14(日) 01:01:59.18 ID:0s/AAzQo
「またお手伝いしてんだ、相変わらず真面目だこと。
男君忙しい職場に就職したら過労死しちゃうんじゃない?」
「勝手に人の未来予想図を真っ暗にしないでくださいよ」
まつりさんには昔から何かとからかわれまくっている。
ついさっきの夕飯の席でも色々弄ばれたばかりだ。
いわく俺はいじりやすいうえに反応が面白い、とのこと。
…自分としてはそんな面白い反応返してる覚えはないんだが。
「そだ、ねえねえ男君」
「はい?」
ずぷ
………………
呼びかけに振り向いたら、まつりさんの人差し指が俺の頬にずっぷりと刺さったわけで。
肩を叩き、相手が振り向いたところに人差し指を伸ばしておくアレである、
未だにやる人いるんだな…
「……楽しいですか?」
「楽しいですよ?」
ひーかかったーひっかっかったーと喜ぶまつりさん。
…まあまつりさんが楽しいならいいですけどね。
「くだらない事しないでくださいよ……」
「くだらなくなんかないよー。後姿があまりに無防備だったからここは一つ油断は大敵なのだという事を教えてやらねば!と思ってさ。
私が敵なら男君死んでるよ?」
「まつりさんは敵じゃないでしょ」
「そだね、私はいつでも君の味方だよ」
「え……。そ、それは、どうも……」
「あは、赤くなった。照れたか? 照れたな?」
「む………」
「まあまあ、拗ねない拗ねない」
「拗ねてないですよ」
「ところでさ、男君的につかさのハンバーグどうだった?」
557 :
初恋クレイジーそのさん 後編
[sage]:2009/06/14(日) 01:03:21.21 ID:0s/AAzQo
「美味しかったですよ、つかさの料理はいつでも美味しいですし。
まつりさんも意外に料理得意なんだから、
たまにはおじさんとみきさんに振舞ってみたりするのもいいんじゃないですか?」
「こらこら意外にってなにさ。
それはともかくやっぱ男の子からしたらお嫁にするなら料理上手い方がいいのかね?」
「それは……、まあ人によるんじゃないですか」
「男君的にはどうなのよ、
例えば、料理が得意なつかさと、料理は微妙だけど他はそつなくこなすかがみだったらどっちを嫁にしたい?」
「いやどっちをって……てか嫁にするってなんですかっ」
「まんまの意味ですよ、
男君の心さえ決まれば、我が柊家はいつでもあの二人を嫁に出す準備はできてるよ。
さあ選べ選べ!」
こ、この人は……何を言い出すかと思えば
「そ、そんなの俺に選択権がある話じゃないでしょう、ていうかかがみ達の気持ちは無視ですか!」
「いやあ、あの子達って基本的に男っ気ないしさー、売れ残る前に手近なとこに押し付けちゃえと」
「いやまだ高校生ですよかがみ達…」
何が悲しくて十代の身で売れ残るなんて事を心配されてるんだあの二人は。
ただかがみ達が未だに彼氏の一人も持った事がないというのは、俺としても不思議な話だ。
二人共顔も可愛くて性格も申し分ないというのに。
まあその辺りはまずきっかけがあるかどうかの問題でもあるか。
昔からかがみとつかさの事を可愛いと思うなどと言う声は男友達の間でチラホラ聞いていたし、
その中に一人でも、ちゃんと告白する気になるまで想いを昇華する奴がいれば、色々違っていたんだろう。
…そう想像するとなんとなく嫌な気分になるのはなぜだろう
「これからいい男に出会えるチャンスなんていくらでもありますよ、あいつらなら。
というかですね、妹の事よりもまつりさんは自分の心配を―――」
……やばい、口が滑った
「……吊るすよ? うちのでっかい御神木から吊るすよ?」
「すいませんでした」
口は笑ったままだが眼が違う、殺気全開である。本当に吊るされそうだ。
神社の娘が御神木から吊るすなんて冗談にしても不謹慎極まりないのでは、
なんてツッコミもさせてもらえない怖さ。
さすが姉妹、怒った時の発想がかがみと似通っているのであった。
558 :
初恋クレイジーそのさん 後編
[sage]:2009/06/14(日) 01:04:13.07 ID:0s/AAzQo
「え、えと、まあですね、とにかくあの二人ならいずれいい相手捕まえますよ。
焦って俺なんかをあてがうのは駄目ですって」
「なんだい、うちの妹達じゃ不満だってかー?
男君の気持ちとしてはどうなのよ」
「そりゃ不満なんて……あるわけ、ないじゃないですか」
俺の方に二人に対しての不満なんてこれっぽっちもあるわけない。
正直に言えば、かがみかつかさと生涯を共にできるとしたら、それはなんて幸せなことかと思う。
だが、今までもずっと支えてもらっているのだ。
それだけでも十分過ぎるほどなのに、この上何を望む事ができるのか。
第一……俺じゃ二人を幸せにしてやれないだろう。
いやそもそもそれ以前の問題で
「ていうか、だからまずかがみ達の気持ち無視してこんな話成立するわけないでしょう」
「そこはほら、今のかがみ達の気持ちがどうだろうと、俺の魅力で振り向かせてみせる!ぐらいの気概でさ。
少なくとも嫌われちゃいない事くらいは愚鈍レベルマックスの男君にもわかるでしょ?」
ぐ、愚鈍って……
「そりゃまあさすがに嫌われてるとは思ってませんけど、
…というかあいつらに実は嫌われてるとかだったらもう死ぬしかないですよ、俺。
でもそれと生涯の伴侶に選べるかってのはまた別でしょ。
俺じゃあいつらにとって幼馴染以上にはなれませんよ、魅力なんてそれこそ欠片もないですし」
「…相変わらずというか、まーだそんなふうに思ってんだ。魅力、あると思うけどね、私は。
まあ私があの子らの気持ち勝手に言うわけにはいかないし、後は二人の頑張り次第か」
「なにがですか?」
「こんだけ際どい言い方しても一向に気付かない君にさすがのまつりさんもお手上げって話。
図体は無駄にでかくなったくせに、そういうとこは全然成長しないよね。
そういや今身長いくつよ?」
こつこつと俺の頭を小突きながら言うまつりさん。
「今年の身体測定で184でした」
「育ってるねえ。その分心の方も成長させなって。少しは気持ち察してやってくれないと妹達がかわいそうになってくるよ。
それとも、あの子達じゃなくて―――私にしとく?」
「え?」
559 :
初恋クレイジーそのさん 後編
[sage]:2009/06/14(日) 01:05:26.12 ID:0s/AAzQo
不意にまつりさんの声色が優しくなったと思ったら、ぽすっと額を背中に押し付けられる
「大体何よ、つかさ達に嫌われてるんだとしたら死ぬしかない、とか。
万一そんな事になったとしてもさ……」
突然の事にとまどっていると、まつりさんの腕が前に回ってきて、ほとんど背中から抱きつかれてるような格好になってしまう。
あ、あれ? なんでこんな状況になってるんだ?
シャツ越しに感じる体温と背中に感じる柔らかさに混乱が加速していく。
「ちょ、ちょっとっ。 ま、まつりさん?」
「私がさ、いるじゃんか」
耳元で囁かれた言葉に思わず心臓が高鳴る、な、なんだこの雰囲気!?
「あ、あの……! えと……!」
「なんちゃって」
「…………は?」
さっきまでの優しげで甘やかな響きはどこへやら、
今聞こえた声にはいつも通りのいたずらっ気しか感じられないと思った次の瞬間――――
ぶーーーーーーー!!!!!
「ぬおおっっっ!!」
いきなり物凄い勢いで耳の穴に息を吹きかけられた。
み、耳が! というか鼓膜が痛い!
「きゃーはっはっはっは! びびった? びびった? ぬおお、だって!」
「ま、まつりちゃん!なんてことすんのさ! これマジで痛いって! 耳がキーンっていってるよ!」
「あ、あれ、そんな痛かった? ごめんごめん、ちょっとやりすぎたかな。悪気はなかったのよ」
「ていうか、俺の耳が痛いのはまあいいとして!」
「いいんだ」
「洗い物してる時にふざけちゃだめ! 食器割れてまつりちゃんが怪我したらどうすんのさ!?」
「は、はい、すんません。てか自分でやっといてなんだけど、私が怪我したらって。
まず自分の心配しなよそこは。
……まあそれよかさ、やっぱその口調のがいいな、私は」
560 :
初恋クレイジーそのさん 後編
[sage]:2009/06/14(日) 01:06:39.61 ID:0s/AAzQo
あ……、突然の暴挙に驚いてつい子供の頃のようにまつりちゃん、なんて呼んでしまい
敬語も忘れてしまった。
「いつのまにかお父さん達だけじゃなくて私にまでさん付けのうえ敬語まで使うようになっちゃってさ、
おねーさんは寂しいよ、うりうり〜」
「あたっ、たっ」
今度はわき腹を突つかれる
「いや、そこはまつりちゃ……まつりさんは年上ですし。
いくら付き合い長くとも最低限の礼儀は必要かなと……。だから痛いですってっ」
「なーに大人ぶってんだ、このこの。もっかいまつりブレス食らわせてやる」
俺の耳をつまんで再び自分の口元に寄せようと引っ張ってくるまつりさん
「ちょっ、やめてってばまつりちゃん!」
うお、またやってしまった。
未だにまつりさんにはペースを乱されるというか、
ちゃんと弁えた接し方をしようと意識していても、ちょっと弄くられるとそれが崩れてしまう。
「何じゃれてんのよ……」
俺の耳を離そうとしないまつりさんとしばらく組んず解れつしていると、
いつの間に傍に来ていたのか、かがみが呆れたような不機嫌なような仏頂面で俺達を見ていた。
「おっと。いやいや、いつも通り男君で遊んでただけだから気にしなさんな」
や、やっと耳が解放された、うう、伸びてないだろな
「あたた……。かがみ、助かった。ていうかまつりさん、遊ぶって俺『で』ですか……。」
「うん、男君『で』」
それが「いつも通り」と……。まあ事実だし、今更何も言うまい
「はあ……もういいです。えっと、かがみ。俺はこの通り洗い物してるから先に勉強始めててくれ」
「あ、うん。つかさから聞いた」
「つかさはもう部屋行ってるのか?」
「なんかあの子すっごい勢いで歯磨いてたわよ、なんかあったのかしらね? あの様子だともう少しかかりそう。
……それよりまつり姉さん、あまり男にちょっかい出さないでってば」
「いいじゃん少しくらい、私はこうしてイジるだけでいいんだからさ。
これくらいは笑って流せる度量がないとこの先も苦労するよー?」
「……まあいいけど。男、先行ってるから早くしてね。まつり姉さんの事は無視しちゃっていいから」
561 :
初恋クレイジーそのさん 後編
[sage]:2009/06/14(日) 01:07:36.70 ID:0s/AAzQo
「ちょ、かがみー、ひどいよー」
「……ふんだ」
仏頂面のまま、かがみは二階は上がっていった
「……なんか機嫌悪かったですね。まつりさんまた何か怒らせるような事したんじゃないですか?」
「この状況でもやっぱり全然気付かないんだね、君って奴は……。
まああの程度で不機嫌を顔に出しちゃうかがみも、全く状況を理解できてない君も、
しっかりしてるようでまだまだ子供ってことよ」
「む……。子供って、まつりさんもほとんど変わんないでしょ」
「お、生意気言うじゃん。さっきは年上だから〜とか言ってたくせに。
まあとにかく私は事実君らより年上で、それはこれから先もずっと変わらないんだし、
私から見ればいつまでも子供なのよ」
確かにその通りではあるんだけど、まつりさんにはっきりと言われると悔しさを感じなくもない。
……子供の頃から散々いじくられてきたせいか、思えば、
まつりさんに認められたいって思いが俺の中には常にあった気がする。
「だからさ」
不意にまつりさんがついっと背伸びをする、また俺の耳をつまむ気かと警戒したら
「変に大人ぶろうとしないで、いつでも甘えていいからね? 男君」
優しく、頭を撫でられた。懐かしい感触に心が揺れる。
……昔からそうだったな、普段俺をおもちゃにしながらも、結局優しい人なのだ、まつりさんは。
「……ありがと、なんだかんだ言って優しいよね、まつりちゃんって」
「へ!? や、べ、別に優しいとかじゃ……」
「でも、駄目だよ。そう言ってくれるのは嬉しいけど、そんな優しい人に俺なんかが甘えていいわけないんだからさ」
「は……?」
まつりさんも、かがみも、つかさも、いのりさんも、おじさんも、みきさんも、
みんなみんなとても優しい人達だ。
だからこそ必要以上に甘えちゃいけない、俺なんかがそんな事していいわけがない。
……まあそもそもこんなに仲良くさせてもらってる時点で相当甘えちゃってるか、うーむ。
「……ばか、ばーかばーか」
あ、あれ? なんかまつりさんの表情がかなりヤバイ感じに。
経験上これはかなりキレてる時の顔だ
562 :
初恋クレイジーそのさん 後編
[sage]:2009/06/14(日) 01:09:26.90 ID:0s/AAzQo
「え、えと、まつりさん、……怒ってます?」
「べーつーにー? 怒ってなんかないですよー? ただ君はやっぱり一生治らないクソ馬鹿だと思ってるだけ」
「は、はあ……」
ど、どうしよう。俺なんかしちゃったんだろうか
「……ま、いいけど。そう簡単には人間変われないよね。
うんうんわかってるわかってる」
そう言いつつも顔は未だに怒ったままだ、うっすら笑ってるのが余計に怖い
「あ、あの、すいません、まつりさん」
「う……、そんな申し訳なさそうな顔で謝らないでよ。どうせ理由もわかってない癖に。
もう、怒りにくいなぁ……」
「やっぱ怒ってたんじゃないですか」
「うっさい、……もういいよ。私の事はいいから、ちゃっちゃと皿洗い終わらせてかがみ達のとこ行ってあげなね」
そんじゃね、と去っていくまつりさん。
まつりさんの事も気になるが、あまりかがみ達を待たせるわけにもいかないし、急いで終わらせるか。
話しながら手も動かし続けていたので、そろそろ洗い物も終わりそうだ。
よし、あとはキッチン周りの掃除か。
「うわっ、つかさ、アンタまだ歯磨きしてたの!?」
あ、まだやってたんだつかさ……
―――――――――――――
「あれ?つかさ寝ちゃってる?」
「そうみたいだな」
皿洗いのあと再び、
今度はつかさも加わって勉強に勤しんでいたわけだが、どうやらつかさがギブアップらしい。
気付けばテーブルに突っ伏して寝息をたてている。
「もう、しょうがないなぁ。ほらつかさ、寝るならちゃんと部屋で寝なさい」
かがみがつかさを揺すって起こそうとする
563 :
初恋クレイジーそのさん 後編
[sage]:2009/06/14(日) 01:11:01.67 ID:0s/AAzQo
「起こすのもかわいそうだろ、俺が部屋まで運ぶよ」
「運ぶ?」
そーっとそーっと、起こさないように細心の注意をはらいながらつかさを抱え上げる。
軽いなつかさは、やっぱり女の子だ。って当たり前なんだが。
「…………!!」
「じゃあつかさをベッドに寝かせてくるから、悪いがドア開けてくれないか? ……かがみ?」
「……え? あ、うん…」
ぷいっと顔をそむけドアを開け、足早につかさの部屋の襖も開けに行くかがみ。
「じゃ、じゃあよろしく、ちゃんと布団かけてあげてね」
「ああ」
戻ってきたかがみとすれ違うが、なぜか表情を隠すように俯いていた。
相変わらず綺麗に片付いているつかさの部屋に入り、起こさないように慎重にベッドに寝かせる。
安らかな寝顔だ、見てるこっちまで穏やかな気分になれる。
布団をちゃんと肩口までかけて……と。
よし、女の子の寝顔をあまり眺めるのも失礼だし、早く出よう
「ん……あれ……?」
「あ、悪い。起こしちゃったか」
目を覚ましたつかさが寝ぼけ眼で見上げてくる。
「ぁ…、ごめんね。寝ちゃったんだ、私」
「気にするな、もう11時近いしな。そのまま寝ちゃっていいぞ」
俺もそろそろ帰らなきゃな、さすがに時間が時間だ。
「……ねぇ、男君」
「ん?」
部屋を出ようとした俺につかさが声をかけてくる、目がさえてしまったのだろうか
「……男君は、大学行くんだよね」
「ああ、希望通りのとこに行けるかはわかんないけどな」
564 :
初恋クレイジーそのさん 後編
[sage]:2009/06/14(日) 01:12:00.45 ID:0s/AAzQo
「男君なら大丈夫だよ…、それでさ、志望校……お姉ちゃんと同じとこなんだよね……」
「ああ」
「……」
「……つかさ?」
「……………なんで……………」
「……どうした?」
「……ううん、なんでもない。おやすみ、男君。
……あれ? そういえばなんで私ベッドにいるのかな」
「ああ、俺が運んだんだ」
「あ、そうなんだ……、って……!!ど、どうやって…?」
「どうやってって……あの、いわゆるお姫様だっこってやつで」
……口に出して言うと恥ずかしいなこの言葉
「あ、あううう……」
真っ赤になって呻きだすつかさ、
……あ、も、もしかして寝ているつかさに俺がよからぬ事をしたとでも思われたかっ?
「いや待てっ。へ、変なとこ触ったりはしてないから安心してくれ!」
「へ、変なとこってなに!? そ、それに違うよ。男君を疑ってるわけじゃなくて、
その……寝てたのがもったいないっていうか……あの……」
「も、もったいないってなにがだ?」
なにがどうもったいないというのか。
いかに気心知れた幼馴染と言えど、つかさも女の子。
こんなふうに考えが読めないことが最近増えてきた
「な、なにが、って……い、言えるわけないよぉっ!
うぅ……な、なんでもないからっ。おやすみっ!」
強い口調で言ってガバっと布団を被るつかさ。怒らせてしまったらしい。
「あ、ああ。……よくわかんないけど、その、悪かった」
「あ……ち、違うの! 怒ってるとかじゃないし、男君が悪いんじゃないから!
……き、気にしないで」
565 :
初恋クレイジーそのさん 後編
[sage]:2009/06/14(日) 01:12:39.86 ID:0s/AAzQo
「そ、そうか。……じゃあ、おやすみな。いい夢、見るんだぞ」
「お、おやすみ……。……うん、今なら、きっととってもいい夢、見れると思う……」
「そうか、何よりだ」
ドアを閉めてつかさの部屋をあとにする。
かがみの部屋に戻ると、何やらかがみが難しい顔をしていた。
「ただいま」
「お帰り、……なんか妙に時間かかってない?」
「つかさが目を覚ましちゃってな、少し話してた」
「……あっそ」
「……もしかして機嫌悪いか?」
「……べっつにー、ちょっと問題わかんないのがあって悩んでただけ」
「そ、そうか。…じゃあ俺もそろそろ帰るな」
「え、帰るの?」
「時計見てみろ、もう11時まわってる」
勉強道具をしまいながら時計を指差す
「ほんとだ」
「じゃあ、明日も図書館で勉強ってことでいいか?」
「う、うん。……ちょ、ちょーっと待った」
「どうした?」
「あー、えっと……。疲れてるでしょ? 手とか腕とかマッサージしてあげる」
「? いや別に―――」
566 :
初恋クレイジーそのさん 後編
[sage]:2009/06/14(日) 01:14:20.46 ID:0s/AAzQo
「いいから手、貸せってーの」
有無を言わさぬ迫力で手をとり、さすりだすかがみ、いきなりなんなんだ。
手から腕へ、柔らかなかがみの指先が肌をすべっていく。正直かなりこそばゆい。
「………っておい、ど、どこ触ってんだよ」
何のつもりか、かがみは腹の辺りまでさすりだした。
「……だって、さっき、この辺りも思いっきり密着してた」
「な、なにがだ?」
「なんでもいいからじっとしてて。
……うわっ、腹筋形でてる。いつもあんなに食べてるくせに、なんで脂肪つかないのかしらねあんたは……」
すでにとてもマッサージとは思えないが、かがみにじっとしてろと言われれば逆らうわけにもいかない。
「あとは……耳と……」
「お、おい」
今度は耳を触られる、一体何がしたいんだ
「な、なあ、これなんなのさ?」
「……上書きよ」
「は?」
「……まあ私の自己満足で、特に深い意味はないから気にしないの。
別にいーじゃん、痛くしてるわけじゃないんだし」
「い、痛くはないけど……。むしろ気持ちよくて困―――じゃなくてだな」
「なに、気持ちいいの? 女の子に耳たぶ触られて喜ぶなんて、男、変態っぽーい」
「さ、触ってきたのはお前だろ!?」
だ、大体やってるのがお前じゃなきゃこんな気持ちには―――って
いやいや何考えてるんだ俺
「よし、仕上げ」
最後に頭をゆっくりと撫でてかがみの謎行動は終わった。
今日はなんだかよく頭を撫でられる日だな。
まつりさんの時も思ったが、かがみに撫でられるのは殊更久しぶりな気がする。
懐かしくも心地いいかがみの手の感触がまだ頭に――て、これじゃ本当に変態っぽいじゃないかっ。
567 :
初恋クレイジーそのさん 後編
[sage]:2009/06/14(日) 01:16:07.66 ID:0s/AAzQo
「な、なんだったんだ? 一体。途中から明らかにマッサージ関係なかったと思うけど」
「言ったでしょ、上書き。あと充電も兼ねてるかな」
「いや意味わかんないんだが」
「意味、ちょっとは考えてみたら……?」
どこか緊張した面持ちで見上げてくるかがみ、考えてみたらと言われてもな……。
突拍子もなさすぎて想像もつかない。
「……俺とかがみは実はロボットで、こうする事で充電したりデータやらなんやらの上書きしたり……とか?」
「……あんた、バカだ」
心底の呆れ顔のうえ、断定系で言われてしまった
「い、いや、自分でも馬鹿な事言ったとは思うけど、上書きだの充電だのから連想できるのがそれしかなくて」
「まあお馬鹿なあんたでもこれくらいはわかってるでしょ?
男、あんたの手も、腕も、お腹も、耳も、頭も、今日最後に触れたのは誰?」
「……? かがみだけど」
今のところは、だが。
まあ後は誰もいない家に帰るだけだし、帰宅途中で変質者に襲われでもしない限り変わりはしないだろう。
「へへん、よろしい」
子供のように無邪気な笑顔で満足気に頷くかがみ、
結局なんのつもりだったのか全くわからないけど、かがみが嬉しそうにしてるなら理由なんてどうでもいいか。
「じゃあ、終わったんなら今度こそ行くな」
そろそろ本当に帰らなければ。
つかさが寝てるのに気付いた時からなんだかんだで三十分は経ってしまった。
かがみやつかさと話していると、楽しさにかまけてしまい油断するとあっという間に時間が経つ。
女の子の部屋にいる時間としても適切じゃないし、早く帰ってまた勉強しなくては。
今日は昼遊んでしまったし、時間はいくらあっても足りない。
「送ってあげようか?」
「バカ言わない、そしたらお前が帰り一人になるじゃないか。
近所だからって、こんな時間にあまり女の子が一人で出歩くもんじゃない」
「はいはい、言うと思った。この辺じゃそんなに心配する必要なんてないってのに」
568 :
初恋クレイジーそのさん 後編
[sage]:2009/06/14(日) 01:16:56.77 ID:0s/AAzQo
玄関口で今までも何度か繰り返してきたやり取りをする。
俺が帰る時、かがみはこうやって毎回玄関まで見送りにきてくれる。
今は寝ているが、つかさも起きている時は同じようにしてくれる。
こういう些細な所でも、かがみ達は優しさを感じさせてくれる
「じゃあおやすみ、気をつけて帰るのよ」
「ああ、おやすみ。また明日な」
挨拶を交わして柊家をあとにする、
家についてから……まだ三時間以上は勉強できるな。
よし、帰ってもう一頑張りするとしよう
569 :
初恋クレイジーそのさん 後編
[sage]:2009/06/14(日) 01:20:19.97 ID:0s/AAzQo
以上です、続きます。
まつりはキャラ掴みきれなかったんで半ばオリキャラと化しちゃってるかもしれないです。
すみませんです。
あと、まとめサイトの更新してくれてる方、
そのさん前編の汚名挽回というありえない誤字を修正したうえで載せていただけたみたいで、
今更ながら本当にありがとうございます。
元々自分の書いたものってあまり読み返したくないタチなんですが、
あの回は特にあの誤字が恥ずかしくてww、触る気が全く起きず気付くのが遅れました。
お礼言うのがあまりに遅くなって申し訳ないです
570 :
なすーん
[なすーん]:なすーん
__ 、]l./⌒ヽ、 `ヽ、 ,r'7'"´Z__
`ヽ `ヽ、-v‐'`ヾミ| |/三ミヽ `iーr=< ─フ
< /´ r'´ ` ` \ `| ノ ∠_
`ヽ、__// / |/| ヽ __\ \ヽ |く ___彡'′
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571 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/06/15(月) 14:02:48.96 ID:Z.g3wCE0
いよっしゃぁぁぁっぁあっぁ!
キタァァァァァァァァァァァ!
乙ぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!
572 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/06/16(火) 23:36:26.45 ID:oXRm1UAO
初めてこのスレに来たものだが何故にまとめにあるSSはこんなに少ないんだ('A`)
573 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/06/17(水) 17:24:29.20 ID:MKlW/D60
かがみがいい具合に病んできてるな
このゾクゾクする感じが最高だ
あとまつりは俺の嫁
>572
一回Wikiが誰かに削除されてしまって・・・
旧Wikiではもう少し多かった気がするが
574 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/06/18(木) 19:40:19.34 ID:aHkctuk0
だれか心やさしい人 八月蝉さんの作品をwikiにまとめてほしい…
575 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/06/20(土) 18:51:53.51 ID:9j7KHA20
八月蝉さんの作品まとめてくれてる方ほんとにありがとう!
マジで感謝!
576 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/06/20(土) 20:18:56.96 ID:.Fsjlt20
すごい勢いでまとめてるな
577 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/06/25(木) 11:13:34.94 ID:KqK84sAO
投下!投下!
_ ∩
( ゚∀゚)彡
( ⊂彡
| |
し⌒J
578 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/06/28(日) 23:57:38.29 ID:Ax.hlvo0
ヤンデレ!ヤンデレ!
_ ∩
( ゚∀゚)彡
( ⊂彡
| |
し⌒J
579 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/07/02(木) 13:17:05.32 ID:IqmZk.DO
寿司はまだかぁ
580 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/07/02(木) 22:35:21.48 ID:ph.S2eQ0
蟹もまだかぁ
581 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/07/03(金) 20:33:10.53 ID:TWmLHDA0
ゆーちゃんの人もまだかぁ
582 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/07/10(金) 20:49:21.66 ID:ERc6CEE0
ヤ
583 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/07/11(土) 15:26:25.45 ID:CIcXvOE0
ン
584 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/07/11(土) 23:19:46.92 ID:2mrSr/co
ダ
585 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/07/11(土) 23:57:55.85 ID:2mrSr/co
七夕(つか七月七日)ネタ思いついて当日書き込もうかとか思ってた事今頃思い出したww
586 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/07/12(日) 01:12:24.23 ID:j7x24.U0
>>585
今からでも遅くない。
俺が夏風邪引かない内に投下求む
587 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/07/12(日) 14:32:25.60 ID:7Qweo7k0
>>585
まだ間に合うはずさ
588 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/07/14(火) 23:42:53.91 ID:4i7Np8Mo
>>587
まだ今ならー遅くないー、な曲のネタだったりしますか?ww
違ったらすみません。
一週間遅れの七夕ネタ行きます、初恋クレイジーの短編です
小ネタで夏風邪ひくような格好で待ってもらうに値する内容じゃなく申し訳ないっす
589 :
初恋クレイジーショートショート
[sage]:2009/07/14(火) 23:44:35.53 ID:4i7Np8Mo
『7月7日』
(=ω=.) 「男って何か好きな季節のイベントある? 節分とかクリスマスとか」
かがみ 「突然何言い出すのよあんたは」
(=ω=.) 「いやさ、バイト先で結構そういうイベントに合わせた企画やるから、
男の子からするとどのイベントのどういう部分に特に惹かれるのかってのをリサーチしとこうかなと」
つかさ 「男君、クリスマスの時とかは、部活とかバイトで忙しい時でも空いた時間ぬって
当日中にプレゼント渡しに来てくれるんだよ」
かがみ 「無理しなくていいって言ってるのにね。…まあおかげでこっちもその日のうちに渡せるからいいけどさ」
みゆき 「わぁ、なんだか素敵なお話ですね」
(=ω=.)「青春のかほりがプンプンするねぇ」ニヨニヨ
男 「そ、そんな素敵だなんて話じゃないって。女の子がどういうの喜ぶかとかよくわかんないから、
プレゼントなんていってもロクな物用意できないし、
ならせめて当日中に手渡しってのくらいは厳守しなきゃなってだけで。
…とりあえずこなた、その冷やかすような笑みはやめてくれ」
(=ω=.) 「いやいや、私らの年頃で男女の幼馴染が毎年クリスマスプレゼント交換してるってだけでも十分でしょ。
誰でも冷やかしたくなるよ。かがみとつかさもその話知ってる人には結構からかわれたりしてるんじゃないの?」ニヨニヨ
男 「え!? そ、そうなのか? 二人共。もし迷惑かけちゃってたのなら今後は控えるけど…」
かがみ 「は!? ちょ、ちょっと…」
(=ω=.) 「お、じゃあ今年のクリスマスはかがみ達じゃなくて私にプレゼント届けにきてよ」
かがみ ピクッ
つかさ ピクッ
(=ω=.) 「今年もバイト先でクリスマスイベントやるだろうからご招待。サービスするよー」
かがみ 「バカ言ってんじゃないわよこなた。そのギャグ全然笑えない」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
つかさ 「男君、そんな与太話は気にしないで、今年もいつも通りでいいからね?
私も男君に喜んでもらえるように凄いプレゼント用意しておくから」
ドドドドドドドドドドド
みゆき 「あの…お二人とも、ちょっと…というか凄く怖いです…」
590 :
初恋クレイジーそのさん 後編
[sage]:2009/07/14(火) 23:45:41.50 ID:4i7Np8Mo
(=ω=.;)「ジョ、ジョークジョーク、そんな怒んないでよ」
男 「ど、どうしたんだよ二人共、落ち着けって。えっと、元々季節のイベントの話だったよな!」
(=ω=.;)「そ、そうそう。男がどういうの好きかって話!
…クリスマスにはもう触れない方向で進めていきましょう」
男 「えっと…まあそのてのイベントは大体好きだよ。みんな笑顔になれるしさ」
(=ω=.) 「模範解答って感じだねぇ。特にこれは、みたいなのないの?」
男 「ん…まあ特に好きなのは七夕かな」
(=ω=.) 「おお、なんか意外なのが出てきたね」
かがみ 「何それ、そんな話聞いてないわよ」
ズイッ
男 「話したことなかったっけか」
つかさ 「うん、知らなかった。男君の事で知らない事があるのってやだな。なんで七夕なの?」
ズズイッ
男 「や、極個人的な理由だよ。だからこなたの参考にはならないと思う」
(=ω=.) 「個人的ってどんな?」
男 「正確には七夕というイベントが特別に好き、ってわけじゃないんだ。
七夕は7月7日で、かがみとつかさの誕生日だろ。だから俺にとっては特別なんだよ」
かがみ 「ちょ…あ、あんたね………………///」
つかさ 「も、もぉ…男君てば…………///」
(=ω=.) 「目の前できなりこんなラブコメなやり取り見せられると、どんな顔すればいいかわからなくなる」
みゆき 「わ、笑えばいいんじゃないでしょうか」
591 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/07/14(火) 23:50:21.31 ID:4i7Np8Mo
以上です、一発ネタなので続きません
二つめの名前欄はミスです、未だにjaneの名前欄の仕様がどうなってるのかよくわからない…
遅すぎですけどかがみん&つかさ誕生日おめでとうございますです
592 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/07/15(水) 18:58:49.58 ID:oAx/Q8w0
乙!
十分楽しませてもらったぜ
593 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/07/15(水) 19:38:26.58 ID:UyMO3i20
乙カレー
最後のこなたとみゆきのやり取りにワロタww
>>588
その通りですww
よくわかったな
594 :
蟹は火星に飛ばされたようです
2009/07/20(月) 00:39:14.00 ID:0oGiHkAO
-−_─ - ─ _−_─ -
─− ̄─ - ─_−_-
- - _−- -  ̄─
_-- ─_─ ̄─ -
─-- =─ -- =
─− ̄-
─ -=-
∧∧ やあ
/⌒丶) また、あったね
三三三
三三三 ザブザブ
595 :
☆は受験生のようです
[sage]:2009/07/20(月) 00:58:26.77 ID:N9FMEMAO
まあ、俺のは誰も待ってないだろうけど
596 :
蟹は去年、受験生だったらしい
2009/07/20(月) 01:04:58.01 ID:0oGiHkAO
>>595
☆の人だ、久々〜
受験なんて適当でも大丈夫! ………と、言ってみる
597 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/07/20(月) 01:06:46.07 ID:N9FMEMAO
>>596
久々です蟹の人
そんな無責任なこと言ってくれると喰っちゃうぞ☆
598 :
蟹は少し投下するようです
2009/07/20(月) 01:07:19.88 ID:0oGiHkAO
読みにくい所は愛でカバー、オッケー?
――――――――――――――――――
さてさて、この状況はナンナンダロウカ?
こなた「つかさ〜、玉子焼きちょうだい」
つかさ「いいよ〜 はい こなちゃん」
こなた「いや〜、流石つかさ美味しいね〜(=ω=.)」
かがみ「ホントに?!それ私が作ったんだ」
こなた「…………(=ω=.)」
かがみ「……なによ」
こなた「なんでだろ、そんなに美味しくなかったような気がする」
かがみ「なんですって〜!」
みwiki「関西の人は、食べ物の値段で味の感じ方が違うといいますし、それと同じでは無いでしょうか?」
つかさ「男君、さっきからずっと黙ってるけどどうしたの?」
―――――――どうもしてないけどドウシロト?
ナニ、この状況は?チキンハートの俺を[
ピーーー
]きカ?
ヘルorヘブン?むしろ、ヘルandヘブン!
どこぞの勇者王もびっくりの破壊力だ、更に精神コマンドで熱血、必中、貫通の三段積みだ! (^0^)ノシ
さて 次回は、お決まりの回想シーンだ!
―――しばしお待ちを…
・
・
・
599 :
蟹は身の危険を感じている
2009/07/20(月) 01:11:42.32 ID:0oGiHkAO
>>597
大丈夫!オレの友達、浪人してひきこもったけど元気に生きてるから☆彡
このあいだも「コミケ行こうゼ」って言ってたしww
600 :
蟹はキングゲイナーの一気見に挑戦中
2009/07/20(月) 01:14:09.61 ID:0oGiHkAO
投下はここまで、明日…いや、今日余裕があったら続き書く
(明後日から本気出す)
601 :
スター
[sage]:2009/07/20(月) 01:16:09.36 ID:N9FMEMAO
>>599
……俺、蟹は刺身が好きなんだよね
602 :
ほしに見えるだろ……? これ、ひとでなんだぜ……(嘘)
[sage]:2009/07/20(月) 01:17:50.33 ID:N9FMEMAO
あ、乙です
603 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/07/22(水) 22:37:10.66 ID:wX8i.Y.0
乙ってか短いww
>>☆の人
ずっと待ってんだぜ
蟹の人も☆の人も無理はするなよ
604 :
伝わる想い、届かぬ想い 第9話-1
[sage ネトゲから一時帰還しますた]:2009/07/24(金) 11:37:13.50 ID:N6XLQfI0
無表情、無感情。
ただの一言も発することなく、私は広がる青空を眺めながら弁当を食べていた。
そんな私の横でかがみが弁当を広げながら話しかけてくる。
「なにがあったのかは知らないけど」
「……」
「私は何も聞かない」
かがみの言葉を右から左に聞き流しながら冷めたおかずを口に運ぶ。
男のために朝早く起きて、頑張って作ったはずのおかずのどれもが…なんだか味気ない。
「でも、あんたがあんなに泣くなんて見たことなかったから」
「……」
「さすがにほっとけなくてね」
本当に嫌なところを見られた。
でも、からかうでもなくただ黙って私をここに連れてきてくれたことに
心の中で感謝した。口に出すと…言いたくないことまで言ってしまいそうで。
「…さて、つかさ達が心配するから先に戻るわ」
中身を半分ほど残し、かがみは弁当を包み直して立ち上がった。
視線だけで周りに誰もいないかを確認するともう一度私に顔を向ける。
「まだ時間あるから、顔洗って戻ってきなさいね」
「……」
「…もう空よ、その弁当箱」
かがみに言われて、空っぽの弁当箱の中で箸だけをスカスカと動かしていたことに
ようやく気付く――自分でも重症だな、と思った。
605 :
伝わる想い、届かぬ想い 第9話-2
[sage]:2009/07/24(金) 11:38:12.90 ID:N6XLQfI0
辛いよ…苦しいよ…
誰かを好きになるのってこんなに辛いこと?
『辛いなら、苦しいなら、それを取り除かなきゃ』
取り除く…?
『そうしないと、いつか壊れてしまう』
どうやって?
『難しく考えることないと思う』
…わかんないよ。
『彼のこと、好きなんでしょ?』
……。
『邪魔なのがいるなら排除すればいいだけの話』
え?
『そうすれば障害なんてなくなる。あとは自分が勇気を出せばいい』
排除、って…そんなことできるわけが…
『大丈夫。手伝ってあげるから』
やめてよ…そんな…こと…
『素直になって。その衝動に素直に従えば――』
したく……な…い…
606 :
伝わる想い、届かぬ想い 第9話-3
[sage]:2009/07/24(金) 11:39:20.82 ID:N6XLQfI0
「――っ!?」
跳ね起きて辺りを見渡す。
そこにあるのはいつもの見慣れたクラスの風景。賑やかなみんなの話し声や笑い声が
悪夢から覚めた私の耳に響く。
「こなちゃん、どうしたの?」
「すごい汗ですよ」
すぐ近くで話していたつかさとみゆきさんが心配そうに私の様子を見てくれる。
どうやらぼーっとしているうちに居眠りしてしまっていたらしい。
「ん〜、大丈夫。階段から転げ落ちた夢でも見たんだよ、きっと」
「あるよねー、そういうの」
「顔を洗ってきては?額も汗だくです」
「うん、そうする…あれ、かがみんは?」
つかさと一緒にいたはずのかがみの姿がない。
「今さっき教室に戻っていきましたよ」
「もう予鈴鳴っちゃうからね。こなちゃんがなんかうなされてたから、さっきまで
心配してここで様子見てたけど」
「そっか…」
カバンからタオルを取り出し、教室を出る。
…よく思い出せないけど。ものすごい悪夢を見たような気がしていた。
見てはいけないものを見たような、聞いてはいけないことを聞いたような。
『大丈夫。手伝ってあげるから』
その言葉だけが頭の中に残っている。
私の中にある、黒い何かが恐ろしいことを語りかけてきた――それだけは理解できた。
607 :
ゆーちゃんの人
[sage ついネトゲやっちゃった結果が長期放置だよ!]:2009/07/24(金) 11:47:03.05 ID:N6XLQfI0
シナリオ練り込める頭脳がほしいです。ゆーちゃんの人です。
描写し忘れたけど作中ではもう夏です。
みんな凄いなあ…自分の創作能力の低さが悲しい。
どうでもいいですが蟹を食べる時、人は無言になりますね…ゴクリ
608 :
ネトゲは嵌るとガチで怖い
[sage]:2009/07/26(日) 00:01:54.98 ID:aT8x.oc0
乙!
こなたが本格的に壊れてきたな
俺の中でハッピーエンドを迎えてほしい気持ちと
バッドエンドを迎えてほしい気持ちが入り乱れてるよ
wktkしながら待ってるぜ
609 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/07/28(火) 17:53:21.58 ID:C8sBnxU0
切ないなぁ
610 :
蟹はノロウイルスに感染しました
2009/07/28(火) 21:24:49.23 ID:0iLJcQAO
うん、またなんだすまない
投下は延期に成りそうだ
食中毒キツいネ
611 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/07/30(木) 20:31:12.51 ID:0UEzn920
気長にまってるぜ
612 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/08/06(木) 15:38:54.09 ID:iXSZyFo0
age
613 :
伝わる想い、届かぬ想い 第10話-1
[sage]:2009/08/07(金) 22:41:18.04 ID:/Frxqzc0
朝起きて、みんなと合流してはしゃぎながら一緒に学校に行って。
とっても賑やかで楽しい一日を送った後は、男さんと並んでお喋りしながら歩く。
「ほほー、それってそういうことだったのか」
「らしいですよ。だからあの話も…」
「あはは。やっと理解した」
彼に、この日常に、何か特別なことを望んでいるわけじゃない。
いつかは男さんも卒業してしまうし、この日々がずっと続くわけじゃないと
わかっているけれど。
こんな穏やかな気持ちで過ごせる時間が、今はとても大切でかけがえのないもの。
本当に私は幸せなんだなって思う。
「ん、あれは」
「…あ」
だけど、そんな幸せなはずの日々にひとつの不安がある。
「お姉ちゃん…?」
「おーい、こなたー」
614 :
伝わる想い、届かぬ想い 第10話-2
[sage]:2009/08/07(金) 22:42:42.85 ID:/Frxqzc0
いつも通りに過ぎ行く日常。
その日常を共に過ごす賑やかなメンバーの一人であるはずのこなたお姉ちゃんが…
私達の前でも、かがみ先輩達の前でも笑顔を見せなくなっていったこと。
「…行っちゃった」
「最近おかしいな、あいつ…」
時折、何か呟いているようだけど何を言っているのかまではわからない。
ついこの間まで一緒にやっていたネットゲームにもログインしなくなってしまって。
帰ってからはずっと、部屋にこもってしまっている。
「ゆたかは何か知ってるか?」
「様子がおかしいのは気付いていたけど…聞いてもとぼけて教えてくれないんです」
とぼける、と言うのは正確ではない。
「ん、なんでもないから。大丈夫だよ」とは返してくれるけど…あまりにも無表情で、
目もすぐそこにいる私ではなくどこか遠くを見ているようで、私に返す言葉さえも
お姉ちゃんじゃない『誰か』が代わりに答えているような錯覚すら覚える。
「……」
どうしてそう思うのかは私にもわからない。
ただ、とても怖い。根拠も理由もなく漠然と…今のお姉ちゃんを怖いと思っている私がいた。
615 :
伝わる想い、届かぬ想い 第10話-3
[sage]:2009/08/07(金) 22:44:13.45 ID:/Frxqzc0
――ねぇ、お姉ちゃん。
「……」
どこに行くの?そっちは真っ暗だよ?
「……」
え…なに、その手に持ってるもの…?
「…もうすぐ終わるから。そうすればもう大丈夫」
しっかりと握られている銀色の何かが怪しく光る。
「やめて…その先に行っちゃダメ」
お姉ちゃんの姿が暗闇の先に消えていく。そして…そして。
「いやああああああっ!」
最後にはあまりにも鮮やかな赤の世界が広がった。
616 :
伝わる想い、届かぬ想い 第10話-4
[sage]:2009/08/07(金) 22:46:24.03 ID:/Frxqzc0
「――ッ…!」
心臓がバクバク言っている。
呼吸が乱れて落ち着かない。目を閉じて必死に息を整え、額から流れ落ちた汗を拭う。
「は…っ」
銀色の光が、赤い世界がしっかりと脳裏に焼き付いている。
なんだろう。この…不安と恐怖と、いろんな気持ちが入り混じったものは。
「おねえ…ちゃん――」
…日常が壊れる。
それはあいまいな夢の記憶から導き出された、たった一言だけの答え。
617 :
伝わる想い、届かぬ想い 第10話-5
[sage]:2009/08/07(金) 22:49:12.59 ID:/Frxqzc0
やかましいはずのセミの声も今の私には何も気にならず、すっと耳を通り抜ける。
近くでは男やかがみ達がいつものように楽しそうに喋っていた。
「えー。男くんって入学した頃からそんなだったんだ〜」
「ちょ、ちょっと待てこら!そんな誤解を招くようなことは…」
「年下好きは間違いないでしょ?」
「う…いや、まあそうだが」
からかい口調で話すかがみと、それにうろたえる男。
くすくす笑っているつかさ。
「だからって別にロリコンとかいうわけではなあああい!」
「まあ私もフォローしてあげたいけどね。というか大声上げると余計危険よ?」
「…げふんげふん」
「人の噂も七十五年と申します〜」
「そうそう、七十五年…ってなげえよ!」
以前ならその輪の中に私も入っていたはず、なのに。
「お前が広めたんじゃないだろうな?」
「失礼ね。いくら当時同じクラスだったからって発信源になりうるとは限らないわよ」
「元々そんな噂あったみたいだよね〜」
私だけが――ひとりぼっち。
「マジか…そりゃあ、ゆたかと付き合っちゃいるけど…別にそういう趣味は」
「ゆたかちゃんは確かに可愛いよね…うんうん」
「つかさも意味深な発言をするな」
ゆーちゃん…ゆたか…
小早川…ゆたか。私の従妹。私の可愛い…可愛かった、可愛かったはずの従妹。
『邪魔者は、消しちゃわないと』
そしてまた――『私』の声が聞こえた。
618 :
ゆーちゃんの人
[sage]:2009/08/07(金) 22:59:59.74 ID:/Frxqzc0
記念すべき?10話目ですがさらに鬱になっていくような。
キャラ視点が一話の中で何度も変わるのは読む方からすると
多少混乱するかもしれません。申し訳ない。
619 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/08/12(水) 13:28:05.46 ID:JHP013k0
乙!
最初のほのぼのとしたふいんき(ryが恋しいよママン
620 :
伝わる想い、届かぬ想い 第11話-1
[sage]:2009/08/15(土) 19:08:15.36 ID:xYBxETE0
教室の喧騒の中でも、その声はうつぶせになって眠る私の耳から入ってくる。
あるいは頭の中に直接響いているのか。
憂鬱な考え事ばかりですっかり疲れきった私は、休み時間にはずっと机にうつ伏せて
寝てばかりいるようになっていた。
『そろそろ覚悟が決まった頃かな?』
ほら、また囁きかけてくる。
『…大丈夫。もうすぐ思い悩むこともなくなるから』
甘い誘惑。
『好きな人を奪うような悪い魔女は滅ぼされる運命』
魔女…滅ぼす…
『笑顔を振りまいてごまかしても通用しないんだから』
ごまかし…そうなのかな。
違うよ、あの子は…そんな子じゃないよ…そう信じたい、けど。
『もう彼のことで悩まなくなるたった一つの冴えたやり方』
甘い囁きがさらに近づき、細い手が何かを差し出してくる。
『悩まなくなるにはこれが一番…』
もう限界が近い。これ以上いろんなことを考え、悩み続けていればいずれは壊れてしまう。
『そうそう』
だから、考えないようになればいい。
『そう…しっかり握って。誰にも見つからないように』
考えないようにするには。
『いい子ね――』
…その悩みの元を断ってしまえばいい。
621 :
伝わる想い、届かぬ想い 第11話-2
[sage]:2009/08/15(土) 19:10:38.02 ID:xYBxETE0
今週は期末テスト期間のため、今日も午前中で終わり。
部活も期末テストが終わるまでは休みなので、ホームルームが終わるとみんなは
テストどうだった?などと騒ぎながら教室を次々と出て行く。
「うげっ、そっちかよ!」
「あたしBにしちゃった…」
「赤点決定だなこりゃ」
割と悲惨な状況の人が多いように見えるのは気のせいだろうか。
私は…まあ、悪くはないと思う。
「ゆたか、帰ろ…」
すぐそこにいたはずのゆたかはすでに教室にいなかった。
ここしばらく様子がおかしかったけど、昨日と今日は特に変だ。
(挨拶もしないなんてことは以前ならなかったのに)
一緒に帰れないのが寂しいというのもある。
でもそれ以上にゆたかや男先輩の最近の様子がどうしても気になっていて、
何かあったのだろうかと心配になっていた。
本人達は何も話してくれないし余計に心配だ。
「……」
廊下に出ると、階段の前でゆたかはカバンを抱えたままきょろきょろしている。
誰かを…探してる?
「ゆたか」
「あ、みなみちゃん。ごめんね、一緒に帰ろうと思ってたんだけど」
「なにかあったの?」
「うん…こなたお姉ちゃんが放課後話があるからって」
なるほど、探しているのは泉先輩か。
622 :
伝わる想い、届かぬ想い 第11話-3
[sage]:2009/08/15(土) 19:11:44.40 ID:xYBxETE0
――この二人の様子がおかしい原因なのかはわからないけど、数ヶ月前から
あの人もどこか変な気がする。
目はうつろで、時折ひとりで何かを呟いていることがあって。
今では同一人物とはとても思えないくらいに変わってしまっていた。
「先輩は?」
「それが、お姉ちゃんが『二人だけで話したい』っていうから何も言ってないの」
「…そう」
答えながら視線を移すと、廊下の奥の方を泉先輩が歩いているのが見えた。
私達に気付いたのか先輩はちらりとこちらを向く。
――その目を見た瞬間、何とも言えない恐怖が背筋を走った。
(なに…あれは…)
無意識に一歩後ずさる。
だけどゆたかは何も感じなかったのか、泉先輩を見つけると向こうに駆け出していく。
「ゆたかっ!」
半ば叫びのような呼びかけにゆたかは足を止め、私の方を見る。
「ど、どうしたの?」
「…気を、つけて」
「?…うん」
そしてまた走っていく。
たぶん、私の言葉の意味には気付いていない。
「……」
廊下の喧騒の中で私は考える。
今のあの人は普通じゃないと直感でわかる。
「…どうすれば」
二人だけで話をすると言った。
本当に話で済めばいいけど――あの目を見てしまった今ではそうは思えない。
あの方向からすると、行き先は。
「考えてる時間はないか」
踵を返すと、私は唇をかんで走り出した。
623 :
伝わる想い、届かぬ想い 第11話-4
[sage]:2009/08/15(土) 19:14:21.27 ID:xYBxETE0
雷の音が遠くで聞こえる。
空は灰色の雲に覆われてしまっていて、太陽の光など一筋も射しては来ない。
「お姉ちゃん?」
中央に立ち尽くしているお姉ちゃんはこちらを向いてはくれない。
「…ずっと、悩んでたんだ」
「え?」
吹き付ける風に、長く青い髪が流れるようにたなびく。
「あの光景を見てしまったあの日から、ずっと悩んでた」
あの日、って…?
「諦めたくても諦めきれなくて。ずーっと男のことばっかり考え続けて」
「……それって」
空にゴロゴロゴロゴロ…と雷の音が響いている。
それは時間と共にこちらに近づいているような気さえしてくる。
「それでさ、もう悩むのはやめようって」
「おねえ…ちゃん?」
「考えるのはやめようって思った」
624 :
伝わる想い、届かぬ想い 第11話-5
[sage]:2009/08/15(土) 19:16:33.19 ID:xYBxETE0
その声からだんだん感情がなくなってきているのが私にはわかる。
今のお姉ちゃんはとても冷たくて…黒くて、怖い。
気が付かないうちに私の足は後ろへと向かいそうになっていた。
「無理やり考えないようにするのは無理だってわかったから」
ジャリ、と右足を動かす。
「悩まなくなるようにするには、その元を断てばいい」
「――っ!」
くるりとこっちを向いたお姉ちゃんの右手には…銀色の、刃。
「うそ、だよね…」
「もう疲れちゃったんだ。悩みすぎて壊れちゃいそうでさ」
あるいは、もう壊れてしまったのか。
「もう一人の『私』が言うんだよ。邪魔者は消しちゃえって」
「うそ、うそだよ…そんなこと…」
首を振りながら必死に今この場にある現実を否定しようとする。
でも…銀色のサバイバルナイフがそれをさせまいと鈍い輝きを放つ。
こんな、こんな暗い時だというのにあれは…自分という存在を主張している。
――お姉ちゃんが恋する人。
男さんの隣にいる私を、この世界から消すために。
625 :
ゆーちゃんの人
[sage]:2009/08/15(土) 19:24:14.29 ID:xYBxETE0
お盆休みも終わりそうですがいかがお過ごしでしょうか。
今更ですが、抜けていた話の補完ありがとうございます>Wiki編集の方
あと数話ですので、よければお付き合いください。
626 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/08/16(日) 13:20:41.80 ID:3UkOCss0
これは乙じゃなくて(ry
いよいよラストスパートか・・・
wktkが止まらないんだぜ
627 :
伝わる想い、届かぬ想い 第12話-1
[sage]:2009/08/23(日) 10:40:43.39 ID:GKC9u0A0
あの日、二人で樹に登って一緒に見た青空はとても澄んでいた。
できたら…また男さんと並んで見られたらいいなって思った。
「そっか」
だけど、もしかしたらそれは叶わないのかもしれない。
「お姉ちゃん、男さんのこと…」
雨がぽつぽつと降り出して、それはすぐに本降りになり私達の制服を濡らす。
雷鳴が轟き、その強い光が暗い世界に立つ私たちを一瞬だけ照らした。
でもそんなこと今は気にならない。気にするような状況じゃない。
「――二人とも、とっても楽しそうで、幸せそうで」
ナイフを持ったままうつむき、お姉ちゃんは呟く。
「なんで私だけがこんな悲しい思いをしてるんだろうって思った」
いつからだったのだろう。
もしかすると…私と男さんが出会った頃には、すでに好きだったのかも知れない。
「辛くて、夜も眠れなくなって、やがて…」
声が聞こえるようになった。
好きな人を手に入れろと。そのためには手段も選ばない強い意志も必要だと。
「これで…これで…」
ここで私を刺して、私がこの世界からいなくなれば。
男さんは自分を見てくれるようになるんだと。
「やっと、手に入るんだよ」
ヒュッと空を斬る音。
私の制服の左袖がわずかに切れる。狂ったように振るわれるサバイバルナイフが
頬に、腕に、わずかな傷を残していく。
「――」
私は…動けない。
628 :
伝わる想い、届かぬ想い 第12話-2
[sage]:2009/08/23(日) 10:44:12.65 ID:GKC9u0A0
ううん、違う。動けないんじゃなくて動かないだけ。
「ふ、ふふふ…怖いのかな」
聞いたことのないような狂気のこもった笑い。
それほどまでにこなたお姉ちゃんは…男さんを好きだったのだろう。ここまで、おかしくなってしまうほどに。
「怖いよねえ。これから死んじゃうんだから」
まだ本気で殺しにはかかっていない。その気ならとっくに終わっている。
私に思う存分恐怖を味あわせてからなんていうつもりなのか。
「…そうだね、怖いよ。だけど」
私がお姉ちゃんに敵う道理はない。
元々の身体能力が高い上に一時期とはいえ武術を習っていた人なのだから。
対して私はお姉ちゃんのような身体能力がない上に病気持ち。こんな状況では勝機なんかない。
「私は退かないよ」
そう…身体的な意味では。
「…っ!?」
「男さんが真剣に私のことを想ってくれる。私も真剣に男さんのことが好きだから」
だから決して退かない。逆に前へ一歩踏み出す。
「だから、絶対退かない」
「――!!」
そして目の前の人は…私とは反対に一歩後ずさる。
「お姉ちゃんが私を殺したら」
こみあげてくる恐怖を精一杯の勇気で。
男さんからもらった、たくさんの想いから生まれた勇気で消し飛ばす。
「男さんはきっと今以上にお姉ちゃんを見てくれなくなるよ」
――逃げない。絶対逃げないから。
まっすぐに目の前の家族を。狂ってしまっても大切な家族に変わりないこの人をまっすぐに見つめる。
「…あああああああっ!」
ぎりっと歯軋りをすると、お姉ちゃんはナイフを振り上げて私に襲い掛かる。
いつか夢に見た銀色の刃と赤い光景が脳裏に浮かぶ。
ああ、もしかしてこのことだったのかも知れないなあ…と、何故か冷静に考えていた。
「――え…」
掴まれた腕。驚愕と恐怖に満ちたお姉ちゃんの顔が、その腕を掴んだ人の顔を見上げる。
629 :
伝わる想い、届かぬ想い 第12話-3(こなた視点)
[sage]:2009/08/23(日) 10:46:14.65 ID:GKC9u0A0
この子はいつの間にこんなに強くなったんだろう。
好きな人ができるとこうも強くなるんだろうか。最初の頃はおどおどしてた印象があった
あの子が…凶器を振るう相手を前にして震えてもいないなんて。
「だから、絶対退かない」
ただ、うらやましかった。男の想いを独り占めできるのがうらやましくて仕方がなかった。
「お姉ちゃんが私を殺したら」
でも…この子はそれだけじゃなかった。
勇気までも、男から受け取っている。恐怖と狂気に立ち向かう勇気を。
「男さんはきっと今以上にお姉ちゃんを見てくれなくなるよ」
嘘だ。嘘だ。
だって言ったじゃないか。この子さえ消せば男は私のものになるんだって。
もう一人の私が、もう一人の――
「――なにやってんだ、お前は!」
サバイバルナイフを振り上げた私の腕を掴んで止めに入ったのは…男。
その後ろには、みなみ…ちゃん。
「間に合いましたね」
「み、みなみちゃん!」
まさか男を連れてくるなんて。
「説明しろ、こなた」
「あ…え……」
声が出ない。身体が動かない。
来ないはずの人が、いてはいけないはずの人がここにいるから。
「なんて目をしてんだよ」
「…どいて、よ」
「ああ?」
顔を上げ、腕を振り解いて男をにらみつける。
「どいてよ。邪魔しないで」
「どいたらゆたかを[
ピーーー
]のか。なら絶対どかない」
「う…っ」
まっすぐな、あまりにもまっすぐな瞳。
あの子のような…恐怖なんか微塵も感じてないような、勇気を秘めた瞳。
私はそれを正面から見ることが出来ない。
「おかしいのはわかってた。でも、まさかゆたかを刺そうとするなんてな」
「……」
630 :
伝わる想い、届かぬ想い 第12話-4(こなた視点)
[sage]:2009/08/23(日) 10:48:03.80 ID:GKC9u0A0
「理由は何だ」
「お姉ちゃんは…男さんのこと…」
い…言わないで…そんなこと、ここで言わないでよ――
「そうか」
「うう……」
「なら、殺せよ。俺を」
一度は振り解いた腕を掴むと、今度は自分自身の喉下に向けた。
切っ先がわずかに触れ、そこからツツー…と細い血の筋が走る。
「な、何を…」
「ここで俺の首をかっさばいてお持ち帰りすれば万事解決だ」
「お、男さんっ!」
「お前だけのモノだぞ。ゆたかを死なせる必要なんかない」
愛する者の生首を抱きしめる女。
どっかで見たなそんなの、と言って苦笑いしてみせる男。
「…そんな度胸ねえんだろ?」
「え」
「あればゆたかはもうこの世にいない。間に合ってない」
「そ……そんなこと」
思考が働かない。
「やれるってんなら今この場でやれ。ただし、ゆたかとみなみちゃんには手を出すな」
「う…ああ…」
――なんで…
「やってみろ、こなたああああああああ!!」
――なんで私は、こんなことをしてるんだろう。
「うああああああああああああああああああああ!!」
今までで一番大きな雷鳴が轟く。
叫びを上げながら私はサバイバルナイフを振り上げ、一気に振り下ろした。
631 :
ゆーちゃんの人
[sage]:2009/08/23(日) 10:51:36.52 ID:GKC9u0A0
体調最悪だけど休めない+残業三昧\(^o^)/
そんな感じで死にかけておりますが熱中症などにはご注意を…
俺、この繁忙期を抜けたら(ry
632 :
伝わる想い、届かぬ想い 第13話-1(ゆたか視点)
[sage]:2009/08/24(月) 20:17:46.49 ID:r0X9RUY0
あの人に話し掛けるたびにどきどきした。
緊張しているのを隠しながら思い切って呼びかければ、彼は笑顔で応えてくれた。
あんな高い樹に登ったのは初めてだった。
こんな身体だし、木登りなんてしたことないからもちろん怖かった。
でも、私の手を掴んで引き上げてくれて、見たこともない世界を見せてくれた。
朝ご飯のおかずの材料を少し多めに用意して、お弁当を作ってみた。
あの人は驚いて、だけどすごく嬉しそうに美味しそうに食べてくれた。
それが私も本当に嬉しくて、また作って来たいと思った。
少しずつ、少しずつ。
男さんは私に勇気をくれた。積み重なっていくひとつひとつの小さな勇気が
それまでできなかったことに挑戦する気持ちを生み出した。
「ふ、ふふふ…怖いのかな」
狂気の視線が私を射抜こうとする。
ああ、きっと以前の私なら泣きながらその場に座りこんで震えていたのだろう。
さらに私の命を狙っているのは家族であるこなたお姉ちゃんだ。
なんで、どうして?ってパニックになりながら尋ねていたに違いない。
「怖いよねえ。これから死んじゃうんだから」
「…そうだね。怖いよ」
怖くないはずはない。
でも、それ以上に…哀しかった。目の前にいる人が狂ってしまったことが。
「だけど」
私がいたばかりに、お姉ちゃんは気持ちを伝えられずに。
悩み苦しむうちにいつしか壊れてしまったのだろう――でも。
「私は退かないよ」
でも、この気持ちはかけらの偽りもない本物だから。
間違った方法で男さんの気持ちを引こうとするお姉ちゃんから逃げるわけにはいかない。
「お姉ちゃんが私を殺したら」
だから、絶対に退かない。
「男さんはきっと今以上にお姉ちゃんを見てくれなくなるよ」
仮に…私の命が絶たれてしまっても、どうか自分のしていることが過ちであることに
気が付いてくれますように。
633 :
伝わる想い、届かぬ想い 第13話-2(ゆたか視点)
[sage]:2009/08/24(月) 20:23:32.69 ID:r0X9RUY0
「やってみろ、こなたああああああああ!!」」
男さんがお姉ちゃんをまっすぐににらみつけながら声を上げる。
雷が近くに落ちるのと同時に、お姉ちゃんの叫びと共にナイフが一気に振り下ろされた。
「うああああああああああああああああああああ!!」
肉を突き刺す嫌な音。降り始めてわずか五分で出来た大きな水溜りに赤い血が滴り落ちる。
「――」
土砂降りの雨の世界で、私達だけが止まっていた。
銀の刃は…私を刺すこともなく、男さんの喉元を突き刺すこともなく。
こなたお姉ちゃんの腹部に、三分の二以上刺さっていた。
「お姉ちゃんっ!!」
駆け出そうとした私を、うつむいたまま手を突き出して止める。
「…来ちゃ、だめ」
「え…」
「まだ、私の中の『影』が消えない。来たら…刺しちゃうかも知れない」
言い終えると、身体がぐらりとそのまま水溜りに向かって倒れこむのを男さんが慌てて支えてくれた。
「こ…このバカっ!刺すなら手とか別のトコがあっただろうが!」
「だめだよ…バカは死ななきゃ治らないって…言う…じゃん――」
言葉が途切れ、お姉ちゃんの身体がぐったりとなる。
「ふざけんな!お前みたいなバカはな…死んでも治らねえんだよ!!」
男さんがお姉ちゃんを抱え上げる。同時に、校舎に続くドアが勢いよく開かれて――え?
「少年、走れ!」
「あ…」
「ゆ――ゆい…おねえ…ちゃん?なんで、ここに…」
「早く!間に合わなくなるよ!」
「は…はい!」
いつの間にか人気のなくなっていた校舎を、男さんはこなたお姉ちゃんを
抱えたままで信じられない速度で走っていく。
「ゆたかは先に保健室!みなみちゃんはゆたかをお願い!」
「はい。ゆたか、先に応急処置」
「え?ちょ、ちょっと?」
遠くなっていく二人の背中を見ながら私は保健室に引っ張られていった。
かすり傷とはいえ、いくつも傷ができていることを思い出したのは消毒薬を
あちこちに塗られてその痛みに声を上げた時だった。
634 :
伝わる想い、届かぬ想い 第13話-3(男視点)
[sage]:2009/08/24(月) 20:25:42.15 ID:r0X9RUY0
病室のドアをノックするも返事がない。
鍵はかかっていないようだったのでノブをひねって病室に入ってみた。
「生きてるか?」
「……」
窓の方を向いたまま、こなたは答えない。
外の景色を見ているのかあるいは…何か別のものを見ているのか。
「こなたお姉ちゃん」
「…もう、お姉ちゃんって呼ばれる資格はないよ」
ゆたかの呼びかけにかすれた声で返す。
生気をなくしてしまったかのようで、数日しか経っていないのにやつれてしまったようにも見える。
「それはこなたじゃなくてゆたかが決めることではないかな」
俺たちの後ろからゆいさんが静かに入って来た。
――何故あの場に現れたのか。それは事情を知っているからに他ならない。
「ゆい姉さん…お父さんはどう?」
「なんとか落ち着いたかな。病院に運んだって連絡した時は泣きそうになってたけど」
「そっか…」
ゆいさん曰く、おじさんも溺愛する娘の異変に気付かない父親ではない。
直接口出しはしなかったけど、もし自分がいない時に何かあった場合はこなた達を頼むと言われていたそうだ。
あの時ちょうど近くで見張っていて、俺とこなたの叫びを聞いて全速力で走ってきたらしい。
「まだ…生きてるんだね」
「そうだね。こなたは死ぬつもりだったのかも知れないけど、生きてる」
ゆたかが静かにベッドに歩み寄ると、こなたはびくっと肩を震わせてこちらを向いた。
あの日とは全く違い、まるで小動物のようにおびえている。
「ゆーちゃん…だめだよ。私なんかに近づいたら」
その小さな手で、こなたの細くなった手を包み込み、泣きそうな声でゆたかは謝罪の言葉をかける。
「ごめんね、お姉ちゃん。私のせいだよね」
「謝ることなんか…ないんだよ。ゆーちゃんはなんにも悪くないんだから」
「でも…」
「私はさ、もうお姉ちゃんには戻れないんだ。可愛い従妹を手にかけようとした
悪い魔女なんだよ」
訪れる沈黙。
それを破り、俺は壁に寄りかかりながら口を開いた。
635 :
伝わる想い、届かぬ想い 第13話-4(男視点)
[sage]:2009/08/24(月) 20:27:54.92 ID:r0X9RUY0
「そうだな。もう戻ることは出来ない」
「男さん…」
「お前は以前の泉こなたでも魔女でもない」
「え?」
だって、もうお前からは…狂気なんて消え去っているから。
目を見れば俺にだってわかる。あの日までのこなたじゃないんだと。
「お前は死ななかった。ってことはまだチャンスがあるんだ」
「チャンス?」
「ゆたかを傷つけた罪を背負ってそうやって暗い気持ちのままで生きるのか、
それとも前向きに生きて償う道を探すのか」
しばし目を閉じて考えるこなた。
「私に、何かできるのかな」
「死んだら何もできなくなる。でも、生きている今ならしようと思えば何でもできる」
「時間はあるからね。ゆっくり考えてみるといいんじゃないかとお姉さんは思うけど」
生きていることには何らかの意味がある。
生きていることには…そのものに価値がある。
「私はね…償いとか、そんなの望んでないよ」
それまで無言だったゆたかが静かに、優しい声で語りかける。
「お姉ちゃんに…また笑ってほしいな」
「ゆーちゃん…」
「私は男さんのおかげで勇気を持てるようになって変われたの。こんなこと言う
資格なんてないのかも知れないけど、もしできるのなら――今すぐじゃなくていいから、
いつか…笑顔でいられる人になってほしい」
あふれる涙をこらえることができず、こなたはうなずきながらゆたかを抱きしめた。
ありがとう…何度も何度も呟きながら。
澄み渡った空から夏風が部屋の中を通り抜けていった。
もう――大丈夫だ。
636 :
ゆーちゃんの人
[sage]:2009/08/24(月) 20:29:30.72 ID:r0X9RUY0
以上。続きは考えてあるけど蛇足じゃね?と思う人がいればこれにて締めます。
637 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/08/24(月) 23:18:47.82 ID:2TMU6Uo0
wikiまとめてくれた人本当にありがとう!!!
それで思ったけど八月蝉さんは今頃どうしてるのかな…
638 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/08/25(火) 06:51:51.78 ID:L090nz2o
>>636
続きよろ!
639 :
ゆーちゃんの人
[sage]:2009/08/25(火) 18:13:21.21 ID:EwYWSOQ0
書き手のみんな帰っておいでー…投下一人だけってのは寂しい|ω・`)
>>638
そんなには長くならないと思うのでいずれ投下しようかと思います。
一応、ここまででも終わりということにできるよう書いたつもりですので
この先は読んだら本当に蛇足に感じる人がいるかも知れません。
その人にはごめんなさい。
640 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/08/25(火) 20:16:26.72 ID:P4tvYKk0
乙!
いよいよ終わりか・・・。
ゆーちゃん強くなったな。
こなたも死なないようだし、ハッピーエンドでよかった。。・゚・(ノД`)・゚・。
続きが気になる作品もあるし、書き手さん帰ってこないかな。
641 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/08/26(水) 23:01:59.14 ID:773XqoAO
|ω☆)乙でした
http://imepita.jp/20090826/822520
ラストシーンのこなた描いてみたけどこなたに見えないんだ
あ、恥ずいのでWikiは勘弁してつかーさい
もー誰か簡易でいーから☆まとめてけれー
俺受験終わるまで無理やー
642 :
伝わる想い、届かぬ想い 第14話-1
[sage 伝わる想い、届かぬ想い・解]:2009/08/27(木) 20:36:43.94 ID:McONl360
期末テストも終わり、夏休みを前にして入院中のこなたの見舞いに来た俺達。
最初は黙っていることが多かったこいつも、だんだんといつもの調子を取り戻しつつ
あるように見えた。
「あー、ひ〜ま〜だ〜」
「はいはい。怪我人は大人しくしとく」
頭をぽんぽんと叩いてだだをこねるこなたを寝かせる。
俺は入院したことはないが、ずっとベッドの上というのも暇だろう。
「んー、男に頭触られるとなんか落ち着くなー」
「お姉ちゃんも?」
「ということはゆーちゃんもなんだ?」
「うん。なんかね、ほわーっとするの」
幸せそうな表情で語るゆたかが非常に可愛い。
…ここ最近、ゆたかもこなたのことを気にしていたせいかあまり笑ってくれなかったから、
この笑顔をまた見られるようになったのは本当に嬉しい。
「そしてゆーちゃんの笑顔に癒される男…癒し要員同士のカップルですな」
「ぶほっ、なんでバレ…いやいや」
「癒し要員?」
「ゆーちゃんもそのうちわかるよ、自分の存在の偉大さが(歩く萌え要素的な意味で)」
「いや、ゆたかにそっち方面の知識を植え付けるのはぜひご遠慮いただきたく…」
すでに染まり始めている気がしなくもないが。
俺がまっとうな道を歩ませたくても、周りにいろんな方面に詳しい面子が揃いすぎている。
まあ主犯格は目の前のこなたとかこなたとか。
「何か言いたいことがあるのかな、男くん?」
「HAHAHA、ナンデモアリマセンヨ」
いろいろあったけど…元気を取り戻しつつあるのはいいことだろう。
こなたにしても、ゆたかにしても。
643 :
伝わる想い、届かぬ想い 第14話-2
[sage]:2009/08/27(木) 20:38:57.32 ID:McONl360
「泉さん、起きてますか?」
だらだらと雑談しているところにノックと共にみゆきさんの声。
「どうぞー」
「…失礼します。あら、男さんと小早川さんも」
「「こんにちは」」
俺達の挨拶が見事に被る。
後ろでシンクロ率400%とか意味不明なことを抜かしてるこなたはとりあえず無視。
「具合はどうですか?」
「まだ痛いことは痛いけど、退院まではそうかからないんじゃないかな…って」
みゆきさんの問いに答えつつ、こなたは彼女の後ろにいる誰かに気付く。
つかさ…?なんでお前は隠れてるんだ。
「……」
「つかさ、入っておいでよ」
「…ここに来る前からあんな感じなんです」
何も遠慮することもないだろうに。
こなたの手招きにようやく応じて、つかさはそれでも遠慮がちに病室に入ってきた。
いや、遠慮しているというよりは…なんか。
「こなちゃん…男くん、ゆたかちゃん」
こなたに、そして俺達に視線をめぐらせて。
つかさは――どうしてなのか、申し訳なさそうに深く頭を下げた。
「――本当に、ごめんなさい」
何を謝ることがあるのだろう。
別につかさが俺達に悪いことをしたような記憶はない。なのに、彼女は今にも
泣きそうな顔でごめんなさいを繰り返している。
「ねえ、つかさ」
「どうして…謝るんですか?」
こなたも、そしてゆたかも戸惑いながら頭を下げるのを止めさせようとする。
二十何度目かのごめんなさいのあと、つかさはようやく頭を上げてくれた。
「理由、話してくれないか」
「――」
644 :
伝わる想い、届かぬ想い 第14話-3
[sage]:2009/08/27(木) 20:40:34.63 ID:McONl360
目じりに涙を浮かべるその顔を見て今になって俺は気付いた。
つかさも…少し前のゆたか達のようにこの一週間ほどずっと笑顔を見せていなかったことに。
そう、ちょうどこなたがここに運ばれたあの日以来。
「こなちゃんがこうなっちゃったのは…私のせいなの」
「…え?」
思わず顔を見合わせる俺達。
「ちょ、え?」
「私が…私が止めなきゃいけなかったのに。止められたら…こなちゃんも、
男くんも、ゆたかちゃんもこんな目に遭わなかった、のに」
声が震えて、その後はもう言葉にならなかった。
私のせい――って、こなたがおかしくなった原因がつかさにあるってことなのか?
「…先輩のせいではありませんよ」
つかさの言葉に答えながら静かに入ってくるみなみちゃん。
なにがどうなってるのか俺には、わからない。
「みなみちゃんは…わかるの?」
「…推測でしかないけど。泉先輩」
「うん?」
少しためらう仕草を見せた後、みなみちゃんはこなたにこう頼んだ。
「辛いかも知れませんが…これまでのこと、思い出せるだけでいいので話してもらえませんか」
これまでのこと、とは。
ああなってしまうまでのことを話してほしい…ってことか。こなたが悩み苦しみ、
ゆたかに刃を向けるようになってしまうまでの経緯を。
「なかなかキツイこと頼むね」
「すみません」
「でも、なにか掴んでるみたいだから。言っとくけど、聞くの辛いかもよ」
それはみなみちゃんだけでなく、今からの話を聞くことになる俺やゆたか、みゆきさん、
そしてつかさへの確認を意味する言葉。
俺達は――全てを聞く覚悟を持って無言でうなずいた。
「そうだねえ。当時は結構記憶がぼやけてたんだけど…今になってさ、寝転がりながら
考えてみるとだんだん思い出してくるんだ」
「…大丈夫か?」
「大丈夫。ゆーちゃんがあれだけの勇気を見せたのに私が見せないわけにはいかないよ」
「お姉ちゃん…」
優しい微笑みをゆたかに向けると、こなたはどこから話すか迷った末に
『あの日』のことから話し始めた。
「そうだね、たぶんあそこからかな…本格的におかしくなってきたのは」
645 :
伝わる想い、届かぬ想い 第14話-4
[sage]:2009/08/27(木) 20:42:19.69 ID:McONl360
――雲の流れが速い。
晴れていた空はいつの間にかどんよりと曇り、いつ雨が降り出してもおかしくない。
遠くで雷鳴が聞こえ、まるであの日を再現しているようだ。
「……」
静かな校舎にコツコツと響く足音。
夏休みに入り、部活もとうに終了したこの時間にいる生徒などまずいない。
その校舎の廊下をただ一人歩いている。
(ここ、か…)
階段を昇り、開け放たれる屋上への扉。
果たしてそこには青い髪の少女が不敵な笑みをたたえて来訪者を待っていた。
「遅かったね」
「――」
「何の用事かって?決まってるじゃない」
彼女――泉こなたの後ろには男と小早川ゆたか。
そして岩崎みなみ、高 良みゆき、その横に…つかさが静かにこちらを見つめていた。
「私がゆーちゃんを刺そうとしたあの日みたいだねえ。まあ、こういう場面には
おあつらえ向きかもね」
あの日と同じようにだんだん近づいてくる雷鳴。
目をすっと細め、こなたは『私』に向かって宣言するように言い放つ。
「それじゃ始めようか、かがみ。真相の解明を…さ」
646 :
ゆーちゃんの人
[sage]:2009/08/27(木) 20:54:58.88 ID:McONl360
>>641
に全俺が感動した。
自分のSSで絵描いてくれる人が現れるなんて思いもせんかったとですばい(動揺中)。
こなた「バーロー、犯人はヤスだってんのはとっくにわかってんだよ」
(BGM:コナンの次回予告)
647 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/08/28(金) 15:49:50.10 ID:PYGYjjU0
>>641
、ゆーちゃんの人共に乙
絵の投下なんて随分久しぶりな気がするな
かがみんがキーマンなのか・・・
続き楽しみに待ってるぜ
648 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/08/28(金) 16:29:14.30 ID:zWJRzMAO
乙!
しかしこのssのみなみちゃんは逞しいなw
649 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/08/29(土) 00:31:31.82 ID:AXBTrtoo
乙〜面白かった〜
650 :
伝わる想い、届かぬ想い 第15話-1
[sage]:2009/08/31(月) 19:43:47.50 ID:684QZOM0
「真相ってなによ…それよりあんた、抜け出してきて大丈夫なの?」
「はっはっは、こなたさんの回復力をあなどっちゃいけないよ」
顔を引きつらせながら言っても説得力ないぞ。
「ま、ちょっと付き合いなよ」
「……」
こなたはかがみに一番近い位置に立ち、その後ろに立つゆたか達はみな一様に
真剣なまなざしをかがみに向けていた。
「私がおかしくなってきたのは、公園で男とゆーちゃんがキスしてる現場を見た日から」
他人にそういうことを言われると照れくさいが、事実だしごまかす場面でもない。
それにこれは全てを明かすために話すべきことのひとつ。
「本当ならあの公園を通る用事なんかなかったんだ。だけど散歩に付き合わない?って
言われて、私もちょうど暇だったから一緒にぼーっと歩いてたわけさ」
特に話題があったわけでもない。
何かを話すわけでもなく、二人でぶらぶらと歩いて過ぎるだけのはずだったその散歩道は、
こなたが壊れる最初のきっかけを作った。
「あの時点で気付くべきだったかなあ。その人、ただ散歩したいだけの割には落ち着きなく
その辺りをうろうろしてたっけ」
視線を向けた相手――かがみは答えない。
ただただ無表情で、無言でこなたの話を聞き続けている。
651 :
伝わる想い、届かぬ想い 第15話-2
[sage]:2009/08/31(月) 19:46:00.55 ID:684QZOM0
「――次がさ、お弁当の話」
ゆたかが俺に弁当を作ってきてくれた日。
前の日には何も言わなかったから、驚きと喜びがいっぺんに襲ってきたのを覚えている。
「俺、びっくりしたよ。すっごく嬉しくて、おかずもご飯も本当に美味くて」
「男さんの笑顔を見て、ああ作ってきてよかったって心から思いました」
俺の言葉にゆたかも笑顔で続けてそう言ってくれた。
だけど、あの幸せな出来事すらも悲劇へ続く扉の錠前をまた一つ壊す道具にされていたなんて。
「普通ならカップルの仲が進展するおいしいイベントなんだけどね」
「その夜、こなたお姉ちゃんが空の弁当箱を流し台に置きっ放しにしてるのに気付いたんです」
当時、ゆたかにはこなたに訊ねる勇気が持てなかった。
全然元気がなくて、今にも泣き出しそうだったから聞くに聞けなかったんだ。
「ゆーちゃんにはバレないって思ってたんだけどさ」
「その日は私が家事の当番でしたから…弁当箱に気付いてしまいました」
あの時点ではその意味まではわからなかったけれど、お互いの話を聞いた今なら
全てがかみ合うのだ。
「私とゆーちゃんが同じ日に同じ目的…男に食べてもらうために弁当を作った。
さて、これって偶然かな?」
偶然でそんなことがありうるのか。
もしかするとそんなこともあるかも知れない、が。
「こなたが料理ができるって話はゆたかから聞いていたけど、その証拠に弁当を作ってくると
いう話をこなたがした時はゆたかはいなかったからな」
「そう。そして男も私もゆーちゃんには話さなかったからこのことは知らないんだよ」
なのに、翌日二人とも弁当を作ってきた。
結果として男が受け取ったのはゆたかの弁当で、一方のこなたは…
「あの時は本気で泣いたね。あんなに泣いたのはコミケで自分の目の前でその日だけ
限定販売のグッズが売り切れた時以来かもね」
「コミケのレアグッズと同レベルなのか…」
「眠い目をこすって早朝から並んで、目の前というところになって売り切れたあの悔しさ!」
いや、拳を握り締めながら熱く語られても。
652 :
伝わる想い、届かぬ想い 第15話-3
[sage]:2009/08/31(月) 19:48:15.86 ID:684QZOM0
「まあそれはさておき…ここで疑問が二つ起きるんだ」
「――二つ?」
かがみが訝しげに訊ねる。そう、二つだ。
「一つ目はもちろん、私達の約束を知らないゆーちゃんが偶然とは思えないタイミングで
弁当を作ったこと」
「…偶然でもありえるでしょ?お弁当作ってあげたら喜ぶかな、とか思いつきで」
「そうだねえ。思いつきで作るってこともあるかもね」
不思議な笑みを浮かべながらこなたが返す。
「でもさ、違うんだよね」
「違うって…何が?」
「偶然じゃないんだよ。ゆたかが弁当をあの日に作ってきたのはな」
違うのだ。ゆたかとこなたが同じ日に俺のために弁当を作ってくれたのは
偶然なんかじゃなかった。
そう…これは、ゆたかに聞いてわかったことなのだが。
「あの日の前日、私に勧めて来た人がいるんですよ」
『――もし、お弁当でも作ってあげたら喜ぶんじゃないかな?』
『わ、私がですか?』
『うんうん。きっと喜ぶわよ』
『そ…そうでしょうか…あんまりたいしたもの作れないですけど』
『大丈夫。相手への気持ちがこもっていれば受け取る方は嬉しいものよ』
「…勧めたにしても、それが故意とは限らないじゃない」
「じゃあどうして私の行き先まで把握してたのかな?」
「――」
屋上への階段の踊り場。
コトリとその場に弁当箱を落とし、ひとり泣き崩れている私の元に現れた人影。
それは静かに、呆然としながら弁当を食べるこなたの隣で見守るように座っていた。
「書かれたシナリオ通りに進められた昼休みの出来事は、また一つ、私の心を
崩壊に導いていった」
653 :
伝わる想い、届かぬ想い 第15話-4
[sage]:2009/08/31(月) 19:49:48.84 ID:684QZOM0
やがて聞こえ出す幻聴でない幻聴。
苦悩するこなたに、ゆたかを邪魔者と定め、この世から消させようと囁きかける。
心が荒み、疲れきったこなたにはそれに抗う気持ちがだんだん薄れていった。
『大丈夫。手伝ってあげるから』
ゆたかは自分の敵であり、この世界から消してしまわなくてはならない。
そうすればもう悩み苦しむことはない。俺もこなたを見てくれるようになる。
そう囁き続けて――こなたは、とうとうその声に心を委ねてしまった。
「この声なんだけどさ。聞き覚えがあるんだ」
「…へえ?」
「囁きだから普通に喋るのとは違うんだけどね。あの時とは違って、今の私なら
あの声の正体がわかる」
「あら、そうなの…」
平然と話しているように見えるが、かがみの表情に少しずつ歪みが出始めている。
…ここで、みゆきさんとつかさが俺の前に歩み出た。二人ともかがみをまっすぐに見据えながら。
「ここ数週間、泉さんはいつもうなされるように眠っていました」
「そんなこなちゃんを…いつもすぐ近くで見てたよね」
どれくらい壊れてきているのか。
果たして自分の思い通りに動いて、ゆたかを抹殺してくれるのか。そう思いながら。
「うなされるこなちゃんを見てる時の顔、自分でわかってたかな?」
「…つかさ」
「とても怖かった。うなされるこなちゃんを見ながら不気味に微笑んでた」
「あんた、何を――」
「あの頃…夢を見たんだよ。何度も」
654 :
伝わる想い、届かぬ想い 第15話-5
[sage]:2009/08/31(月) 19:53:41.47 ID:684QZOM0
ねぇ――どこへ行くの?そっちは真っ暗だよ。
『……』
え…なに、その手に持ってるもの…?
『…もうすぐ終わるから。そうすればもう大丈夫』
しっかりと握られている銀色の何かが怪しく光る。
『やめて…その先に行っちゃダメ』
姉の姿が暗闇の先に消えていく。そして…そして。
『いやああああああっ!』
最後にはあまりにも鮮やかな赤の世界が広がった。
「…ゆーちゃんも同じような夢を見たそうだよ」
「夢の内容があまりにも似てて…他人事だとは思えませんでした」
そしてそれからそう経たないうちに。こなたの洗脳は完了し…もう囁きかけなくても
こなたの頭の中で勝手に『声』が聞こえるようになっていた。
『邪魔者は、消しちゃわないと』
そして当日…事件は起こった。
655 :
ゆーちゃんの人
[sage お詫びにかがみに踏まれてきました]:2009/08/31(月) 19:59:05.13 ID:684QZOM0
かがみんファンの皆様へ先に謝っておきます。
正 直 す ま ん か っ た orz
続きます…|ω・0)ツヤツヤ
656 :
641
[sage]:2009/09/01(火) 09:39:28.05 ID:NfOqIcAO
|ω☆)コソコソ乙
あんなもので喜んでもらえるなんて恐縮ですヨ
ダークなかがみんに踏まれてる
>>655
でも描こうと思ったけれど、時間がなくて断念したぜゴメンネゴメンネー
ゆーちゃんの人、頑張って
楽しんで読んでるぜ
あと、ホント時間があったらでいいんで誰か☆まとめてください
いやもうマジで
657 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/09/02(水) 20:37:10.18 ID:k1gkUR.0
黒かがみとかふざけんな!
大好物です!乙!
658 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/09/03(木) 03:44:39.24 ID:zq1rGmI0
まだあったのかwwwwwwww全力で支援するぜ
659 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/09/03(木) 19:03:07.11 ID:lW/yeMo0
踏まれるのは趣味ではないですが何故か周囲からはM認定されている謎の現実。
>>656
自分でよければ編集試みますが、wikiは知識なくてよくわからないので
時間かかるかも知れませぬ。
12話以降がどの辺りに投下されてるかわかればやってみます。
ざっと見返しても見当たらないんだけども、もしや前スレ…?
660 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage 慣れない事はするもんじゃないbyゆーちゃんの人]:2009/09/03(木) 20:54:23.83 ID:lW/yeMo0
辿っていったらPart6のスレだった…な、何を(ry
片方の選択肢〜エンド1まで編集…というかエンドまで長くなりすぎた。
ページ名編集できる方、問題あれば名前内容共に変更してしまってください。
(権限が必要らしいので私には変更不可)すみません…
661 :
☆
[sage]:2009/09/03(木) 21:19:52.03 ID:qhfLv2AO
>>660
|ω☆)サンキューベリマッチョ
タイトルはノリと勢いでおk
でも出来れば漢字のみの熟語でね
エンディングは例外だけど
俺……まとめてもらえたら……続き書くんだ……
662 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/09/04(金) 20:48:02.57 ID:5P9Lg0Q0
>>661
ある程度話を区切りながら編集してみました。
しかしこういう他人の書いてくれた話の編集とか
下手やなあ、自分は…orz
20話目がサブタイかぶってることに保存後気付いt
(=ω=.)「ちょっと頭冷やそうか…」
663 :
☆
[sage]:2009/09/04(金) 21:36:43.51 ID:u/VL8QAO
>>662
|ω☆)アリガトサンカクマタキテシカク
気にしない、気にしない
見事にノリと勢いだぜ!
あと少しもお願いしますー
それで最後ですので
664 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/09/05(土) 08:03:23.83 ID:PMKy31k0
トゥルーエンドまで編集しました…が今度は話数をミスしてグダグダ。
仕事行く前に焦ってやるもんじゃない。
自分で修正したいところですが、管理者の方が今も見てるかがわからない
(=ページ名変更などの権限付与をしてもらえるかわからない)
のでユーザ登録は据え置いてます。
665 :
伝わる想い、届かぬ想い 第16話-1
[sage]:2009/09/05(土) 22:54:45.00 ID:PMKy31k0
心の中にぽつんとあったその黒い染みは。
『ほんのちょっと勇気を出せば…』
どんどん大きくなって、こなたの心の中を支配していった。
『大丈夫。手伝ってあげるから』
暗闇が心を完全に支配した頃、その手に銀の刃が渡された。
『あの子を……消しちゃえ』
好きな人を、自分のものにするために。
666 :
伝わる想い、届かぬ想い 第16話-2
[sage]:2009/09/05(土) 22:56:02.98 ID:PMKy31k0
「黒幕のシナリオ通りに事は進んでいった」
こなたは『声』の誘惑に負け、いつの間にかその手にあったサバイバルナイフで
ゆたかを殺してしまおうと屋上に呼び出した。
そしてこなたがゆたかを刺し、ゆたかは死ぬ。
「私は正気に戻り、ゆーちゃんを刺してしまった罪悪感にさいなまれる」
「お姉ちゃんは完全に壊れたわけじゃなかった。おそらくはそこまで計算していたはず」
ゆたかを刺し殺したこなたはその事実を認識することで正気に戻る。
ゆたかを刺し[
ピーーー
]ことで正気を取り戻す程度に狂わせる。
言葉にすると簡単だが、実行するのは非常に難しいだろう…やりたくなんかないが。
「泉さんは小早川さんを本当の妹のように可愛がっています。そんな子を自らの手で
殺してしまったというショックで…」
「こなちゃんも、自分を刺して死んでしまう。そういうシナリオ」
これでゆたかもこなたも死に、黒幕には障害がなくなる。
自分が手を下すことなく邪魔者がいっぺんに消えるのだ。
「そのはずだったけど…ここで最大の誤算が起きた」
「だよね、みなみちゃん」
こなたの言葉に彼女がうなずく。
「最大の誤算。それは私が男先輩を呼んで来たこと」
このシナリオはゆたかとこなたの二人だけで屋上に上がることが達成条件。
だが、みなみちゃんがこなたの異常に気付き、俺を呼びに来た。
危ういところで俺達は間に合い、ゆたかは無傷というわけにはいかなかったが
最悪の結末を迎えずに済んだ。
「ゆたか以外の人物があの場にいると目的を達する障害になる。例え俺でなくても
止めに入るだろう。壊れきったわけではないこなたは説得に応じる可能性もある」
だから部活のないテスト期間中でしかも放課後というタイミングを選んだ。
思ったよりも二人が屋上に来た時間が早かったのも誤算といえば誤算なのだろうが、
あの時間に屋上に上がろうという人間はまずいないだろうから大したことではなかった。
「結果的に一番こなたを止められる人間…俺が来てしまったことでシナリオの最終章は
エンディングを迎えられないまま打ち切りとなったわけだ」
「正確にはエンディングが変わった、ということになりますが」
「だねえ。みなみちゃんは今年のMVPだよ」
「…そんな大それたことをしたわけでも」
ポツポツと小雨が降り出した。
かがみは何も答えない。立ち尽くし、黙ってこちらを見ているだけだ。
…黒幕だなんて言ったが、俺達はかがみが真犯人である確信を持っている。
667 :
伝わる想い、届かぬ想い 第16話-3
[sage]:2009/09/05(土) 22:58:45.30 ID:PMKy31k0
「潮時だ、かがみ」
「カツ丼注文するなら今のうちだよ」
生暖かい風が吹く。
かがみのツインテールが流れるように風になびいている。
「証拠は?」
「ん?」
「証拠はあるの?私がこなたを操り、ゆたかちゃんを殺させようとした犯人という証拠が」
鋭い目。俺達を射抜くような…狩人の眼。
「今までの話は一つの推理に過ぎない。証明できるの?私が犯人だということを」
確かに今の話は、かがみを黒幕…真犯人とした説を話したに過ぎない。
証拠もないのにお前が犯人だなんて話をすれば誰だって怒るだろう。しかし。
「――証拠もないのにお前を呼び出すと思ったか?」
「…!」
俺はビニール袋に入れたサバイバルナイフをぶら下げて見せる。
そう、こなたがゆたかを刺すために持っていたあの凶器だ。
「こいつが何かわかるよな?」
「サバイバルナイフ…でしょ」
「ああ。こなたが持っていたんだ」
それがどうしたのよと言わんばかりの顔。
「成実ゆいさん、知ってるよな?こなたの従姉だ。警官ってことも」
「…ええ」
「このナイフからはもちろんこなたの指紋が検出された。持っていたんだから当然だな」
「そりゃね」
「ところが、だ。もう一人の指紋が検出されてな」
…かがみの肩がぴくりと動いた。
「ゆたかじゃない。俺はこなたの腕をつかんだのだからナイフには触っていない。
みなみちゃんも当然触っていない」
「……嘘」
「嘘だと思うか?」
拳を握り締めながら否定しようとするかがみにさらに言葉をぶつける。
「あの場にいなかったみゆきさんやつかさの指紋があるはずもない」
「嘘よ…」
「では誰か?答えはもう出ているよな」
「…嘘よっ!出るはずはないわ!だって――」
「ああ、ウソだぜ」
668 :
伝わる想い、届かぬ想い 第16話-4
[sage]:2009/09/05(土) 23:01:37.01 ID:PMKy31k0
「――な…っ!?」
俺はニヤリと笑ってみせる。
警察に指紋鑑定なんてしてもらってない。今のは全部フェイクだ。
「だが…マヌケは見つかったようだな」
かがみをにらみつける。
今、決定的な一言をこの耳で確かに聞いた。
「自分の指紋が出るはずがない。だって…指紋がつかないようにハンカチか何かで
包んで渡したから、か?」
「―――ッ!!」
「チェックメイトだ、かがみ」
全員の視線が、かがみに注がれる。
今までで一番大きな雷鳴がして辺りが白く光った。
「……う…」
「こなたの心をコントロールして、ゆたかを刺そうと仕向けた」
「…く…うう…」
「見事だったよ。こんなこと褒めるなんて嫌だけどな」
「…っ――ふ…」
「でも、これで終わりだ」
「ふ――あ…は…」
「あっはははははははははははははははははははははははははははははははははははは
ははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは
ははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは
ははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは
ははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは
ははははははははははははははははははははははははははははははははははははは!!」
669 :
ゆーちゃんの人
[sage]:2009/09/05(土) 23:03:47.57 ID:PMKy31k0
以上。二週間ぶりに休みが…
670 :
伝わる想い、届かぬ想い 第17話-1
[sage]:2009/09/06(日) 21:19:59.05 ID:t.c4OyE0
「推理としては粗いけど…さすがね、男」
ひとしきり笑った後、顔を上げそう言ったかがみの目を見て俺は思う。
ああ、お前は…こなたよりも『先』に行ってしまったんだな。
「むしろ評価すべきは推理よりもフェイクを通すその度胸かしら」
「そりゃどうも」
「その度胸も父親譲り、か」
「そういうことは冗談でも言うな」
「…そうね。悪かったわ」
何故、こなたをあんなにしてしまったのか。
こなたにゆたかを殺させようとしたのか。それを聞き出すつもりだったが…
おそらくは俺も無意識に気付いていたのかも知れない。
その理由が俺であることに他ならないことに。
「いつ気付いたの?私が男を好きだってこと」
「今年の初め頃にはとっくに気が付いてた」
実際にこなたが俺を好きになったという時期はまだ前なのだろう。
きっかけが何なのかは自分じゃよくわからない。正直心当たりがなかった。
「…ずっと見てたの。出会った時から、ずっと」
高校じゃない…それよりも前から。
そう、中学の時から。かがみは俺のことを見ていたんだ。
671 :
伝わる想い、届かぬ想い 第17話-2
[sage]:2009/09/06(日) 21:21:57.98 ID:t.c4OyE0
「だから知ってる。男の好きな色も、ゲームも、公園の桜の樹が自分の場所なことも
「……」
「男は本当は部活に入りたかったけど、一人で働くお母さんのためにせめて家事を
手伝おうと帰宅部で通してきたことも」
「かがみ、やめろ」
「死んだ父親があんなだったから学校じゃずっと一人だったことも」
「…言うな、それ以上――っ」
「全部知っても、私は…男が好きだった」
呟くように言って、目を閉じる。
一人ぼっちでいた俺に最初に声をかけてきたのが…彼女だったことを今も覚えている。
だけどそれが、かがみが俺に一目惚れしたからなんてわかるはずもなかった。
「さっきのお弁当の話で二つ目の疑問、言ってないわよね」
「……」
「当てて見せよっか。なんでゆたかちゃんが自分の好みのおかずばかり作れたか…そうでしょう?」
「――っ」
「二人の仲を引き裂けないのはわかってたから。男の好みを教えることでもっと
仲良くなるならいいと思ったの」
それが、純粋に応援する思いから来ていたのならよかったが。
『今の』かがみはそんな動機じゃ動いていない。
「大好き人を失った男は悲しみにくれる。そこに手を差し伸べる女の子がいたら…」
いつかその心は『彼女』に傾くかもしれない」
こなたの震えるような声。
「さすがこなた…わかってるのね」
「仲が良ければ良いほど、悲しみが深ければ深いほどその効果は大きい、ということですか」
そのシナリオに利用されそうになったゆたか。心なしか声も強張っているように思える。
――効果は大きいだろう。好きな人のことを簡単に忘れることなどできはしないが、
優しく手を差し伸べてくれる人がいたならば…その心が揺らぐことは十分にありえた。
672 :
伝わる想い、届かぬ想い 第17話-3
[sage]:2009/09/06(日) 21:23:29.75 ID:t.c4OyE0
「男とくっついてしまうようなことさえなければ、こんな目に遭わなかったのに」
「悪いのはお姉ちゃんじゃない!」
かすれ気味の声を上げるつかさ。
…つかさが声を荒げたことなんてなかった。自分の姉だからなおさらなのだろう。
臆病故に止められなかったという自分への怒りも含まれているように思える。
「こなちゃんは大切な友達なのに、ゆたかちゃんも大事な後輩なのに…なんで、
なんでこんなこと…!」
「つかさ…」
「私が何を言ってもお姉ちゃんの耳には届かなくて、こなちゃんがおかしくなって、
こなちゃんにも届かなくなって…私じゃどうにもできなくなっちゃって」
こなたの病室に来たあの日まで、ずっと自責の念に駆られていたつかさ。
あまりにも強く、黒い闇に囚われた二人には彼女の小さな声など届かなかったのだろう。
こなたの心の闇が晴れたあの日になってようやく、つかさは償う機会を得たのだ。
「つかさ。男はね、私を見てくれなかった」
「え?」
「反応はしてくれるけど、私がどんなアクションをとってもそれは心には残らない」
それは…一言で言えば、時期が悪すぎたんだ。
あの頃の俺の心は空虚になっていたから。
「ずっと悩んだ。どうしたら男は私を見てくれるだろう。気にかけてくれるだろう。
だから勉強も頑張ったし男の好みも調べて私なりに頑張ったつもりだった」
それでも、俺の心にかがみが住み着くことはなかった。
高校に上がってもただなんとなく日々を過ごしていた俺の目を覚ましたのは…
「でもだめだった。私にはだめだった。男の心を最初に揺り起こしたのは――
こなただったから」
「こなた…お姉ちゃんが?」
きっかけは憶えてない。
ただ、出会った当初は強引にあちこち連れ回されたという記憶がある。
そのうちにつかさやみゆきさんも加わって、かがみもその輪の中に入ってきて。
少しずつ俺は元気が出てた気がする。
673 :
伝わる想い、届かぬ想い 第17話-4
[sage]:2009/09/06(日) 21:25:27.02 ID:t.c4OyE0
「でも私の役目はそこまでだったね。男を本当に支えてくれる子が現れたから」
「それが…ゆたかちゃん…」
一緒にいると不思議と穏やかな気持ちになれる女の子。
こなた曰くゆたかは『歩く萌え要素』だけど、そういうのとはきっと違ったんだと思う。
その笑顔でどんな嫌なことも全部吹き飛ばしてくれる。
「ゆたかちゃん。あなたは知ってるの?」
「…何をですか」
「男がどんな人間なのか、よ」
おいおい…ここで『それ』を言うつもりか。
二人の仲は引き裂けないとか言っておきながらえぐいことをしようとしやがる。
もっとも――ゆたかがそれを知らないならの話だが。
「知ってます」
「そうよね、知るわけが…え?」
「男さんは全部話してくれましたから」
「う、うそ…」
「残念ながら今度は嘘じゃない」
それでも、ゆたかが今でも俺の隣にいてくれるということは…
つまりはそういうことだ。
「そっかあ…全部受け入れたんだ」
「…はい」
「それでも、好きなのね」
「はい。それは変わりません」
かがみにまっすぐな視線を向け、はっきりと言い切ったゆたか。
ああ、不覚にもかっこいいと思っちまった。ほんとに…成長したな、ゆたか。
「そっか…じゃあ」
かがみは答えながら不気味にニヤリと笑い、スカートのポケットに手を入れる。
「ゆたかっ…離れろ!!」
「えっ…」
「――死んじゃえ」
白い電撃が、悪魔の笑みを浮かべるかがみの右手からゆたかに向けて放たれた。
674 :
ゆーちゃんの人
[sage]:2009/09/06(日) 21:30:23.08 ID:t.c4OyE0
16話ですが、見直しもろくにせず出来が粗すぎたので
Wiki版では多少修正しています(こういうことは反則かもしれませんが…)。
|ω・`)どなたか時間とネタのある方、何か投下よろしくお願いします…
675 :
☆
[sage]:2009/09/07(月) 08:41:27.29 ID:EYkYi2AO
>>674
(☆ω☆)乙とありがとうを
かがみん黒いよかがみん
さーて……これで再開出来る状態になったわけですが……
676 :
☆
[sage]:2009/09/07(月) 08:47:37.28 ID:EYkYi2AO
☆14【嘘】
より
隠し選択肢
出☆現
「お、おはよ……男くん」
そう言って、彼女ははにかむ。
……少し、前の状態に戻ったみたいだ。
「あ、あのね、昨日のことなんだけ―――あれ? お姉ちゃん?」
「おはよ、つかさ」
驚いた貌を作るつかさの顔。
「……何だ、かがみはここに来ることをつかさに伝えてなかったのか?」
「う、うん。まあね。今日は学校休むのかと思ってたから……」
「え、えと」
「かがみは今日はお前が来られないことを伝えに来てくれたんだ。
まあでもつかさは無事来た、と」
未だに戸惑ってるつかさに、俺は説明する。
「あ、そうなんだ……。
ありがとう、お姉ちゃん」
「ううん、いいわよ。
それよりも男に感謝しなさい。こいつがつかさを待たせてくれって頼んでたんだから」
「う、うん。男くんも、ありがとう」
「はは、どういたしまして」
677 :
☆
[sage]:2009/09/07(月) 08:48:28.82 ID:EYkYi2AO
―――
家を出る。
「はあーあ、俺、こんな時間に学校に行くの久しぶりだ」
一年位ぶりじゃなかろーか。
「え、あんた昔からあんなに早いの?」
驚いた風のかがみ。……別に、そんなに驚くことでもないだろうに。
「昔からっつーか。ここに来るちょっと前からだな」
「へえー、そうなんだあ。
……あ、そういえば男くんって何で早起きするの?」
…………。
それは。
『キモチワルイ』
「……っ!!」
―――く、そ。
嫌な、思い出だ。
「ん? どうかしたの、男」
「い、いや、何でも……」
「ふーん……。で? なんでなの?」
「それは……」
「「それは……?」」
「…………ひ・み・つ♪」
「…………」
「…………」
ああ、ドン引きですか。そうですか。
678 :
☆
[sage]:2009/09/07(月) 08:50:13.98 ID:EYkYi2AO
―――
場面変わって学校。
の、昼休み。
「でさ、今日こなたのお見舞いに皆で行く話だけどさ」
四人でそれぞれの弁当をつつく中(話があると言ってつかさを含めた四人)、俺は話を切り出した。
「ああ、私は大丈夫よ。つかさとみゆきは?」
「えと、わたしも大丈夫かな」
「私もです。今日のいつ頃ですか?」
「そうだな……今日は短縮授業で、俺も取りに行きたいものとかあるからな……一時頃で、どうだろう?」
全員、首肯で返してきた。―――
で、またまた場面変わって病院前。
「…………早く、来すぎたか」
まだ誰もいない。
病院前は土曜日ということもあって人で賑わっていた。
病院とは本来負の気持ちで溢れているものだ。
それに、こういう明るい気持ちが入ってくるのは、いいことだと思う。
……そう、暗い気持ちを、少しでも弱めてくれるなら……。
「あら、男くん?」
「……あ」
「……どうも、先生」
彼女は、俺の現在の主治医だ。ここしばらく、診察には来ていなかったから、数ヶ月ぶりの再開というところか。
「ああ、久しぶりだね、男くん。
その後はどうだい?」
選択肢α
「……ええ、比較的良好、といったところです」
or
選択肢β
「実は……」
679 :
☆<ミスった
[sage]:2009/09/07(月) 08:52:09.70 ID:EYkYi2AO
―――
場面変わって学校。
の、昼休み。
「でさ、今日こなたのお見舞いに皆で行く話だけどさ」
四人でそれぞれの弁当をつつく中(話があると言ってつかさを含めた四人)、俺は話を切り出した。
「ああ、私は大丈夫よ。つかさとみゆきは?」
「えと、わたしも大丈夫かな」
「私もです。今日のいつ頃ですか?」
「そうだな……今日は短縮授業で、俺も取りに行きたいものとかあるからな……一時頃で、どうだろう?」
全員、首肯で返してきた。
―――
で、またまた場面変わって病院前。
「…………早く、来すぎたか」
まだ誰もいない。
病院前は土曜日ということもあって人で賑わっていた。
病院とは本来負の気持ちで溢れているものだ。
それに、こういう明るい気持ちが入ってくるのは、いいことだと思う。
……そう、暗い気持ちを、少しでも弱めてくれるなら……。
「あら、男くん?」
「……あ」
「……どうも、先生」
彼女は、俺の現在の主治医だ。ここしばらく、診察には来ていなかったから、数ヶ月ぶりの再開というところか。
「ああ、久しぶりだね、男くん。
その後はどうだい?」
選択肢α
「……ええ、比較的良好、といったところです」
or
選択肢β
「実は……」
680 :
☆
2009/09/07(月) 08:58:00.60 ID:EYkYi2AO
つ づ く
……いやごめん、やめて! ダンベルはやめて! 脳味噌シェイクしちゃうっ
いやあ、はい
取り合えず土台だけです
ある程度書き溜めたらまた来ます
ではでは
681 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/09/07(月) 23:05:03.16 ID:0Ss1umU0
ゆーちゃんの人乙!
かがみんは病むと魅力がグッと上がるような気がするが何故だろう
そして
☆の人復活!☆の人復活!☆の人復活!
なんか活気が戻ってきているような気がしてうれしいなぁ
ここを去っていった書き手さん達も帰ってきてほしい
しかし久しぶりすぎて☆の話忘れたから読んでくる
682 :
☆
2009/09/09(水) 16:17:07.47 ID:I1cBCQAO
さあ、始まるザマスよ
683 :
☆
[sage]:2009/09/09(水) 17:29:03.69 ID:I1cBCQAO
いくでガンス
フンガー
まともに始めなさいよっ
……(´・ω・`)
始めます
684 :
☆
[sage]:2009/09/09(水) 17:31:59.02 ID:I1cBCQAO
注意書き
ここからは超展開アリアリになると思われます
あと終点が自分の中で見えてないのでカオスになる可能性大です
しかも男がでばってきてこんなんらきすたじゃねーよ! てなるかもしれません
以上のことを承知でお読みください
685 :
☆1【男】
[sage]:2009/09/09(水) 17:35:27.81 ID:I1cBCQAO
―――…………その後?
その後……何も、無い?
何も無い……?
いや―――
「実は……」
頭に、引っかかる。
時に密かに、時に露骨に。
それはあったはずだ。
思い出せ―――
『……おっかしいなあ……こんなもん買ったっけ……?』
知らない、桃缶。
『―――あ、お前、は……あの時の……』
知らない、不良。
……いや、何よりも、
『男くん、好きです! もしよかったら付き合ってください!』
知らない、知らなかった子から、俺は告白されていた―――
686 :
☆1【男】
[sage]:2009/09/09(水) 17:36:32.45 ID:I1cBCQAO
「実は……なんだい?」
「あ―――……はい、実は―――」
―――
「……成る程ね」
説明―――今俺が感じた違和感を話し終える。
「……どうですかね?」
「…………。
まず間違いないね」
687 :
☆1【男】
[sage]:2009/09/09(水) 17:37:50.87 ID:I1cBCQAO
「! そう……ですか……」
それは……つまり。
「先生」
「……なんだい」
「俺……また、眠れない日々が、始まるんですか?」
「そうだね」
「俺は……また、知らず知らずの内に、誰かを傷つけるんですか?」
「……そうだね」
「…………」
「すまない…………情けないよ。早寝早起き……そんな苦し紛れの措置しか出来ない、自分がね」
688 :
☆1【男】
[sage]:2009/09/09(水) 17:40:40.97 ID:I1cBCQAO
「いえ……先生は、悪くないです」
悪いのは―――全部。
俺達なのだから。
「……ありがとう、男くん」
「……いえ」
「私も出来る限りの協力をするわ。
……君の、二重人格……その解消の、ね」
……二重人格。
解離性同一性障害。
しかし、俺のは少し特殊だった。
一、もう一つの人格が出ている時の記憶は一切無い。
二、もう一つの人格は俺の記憶を持っている。
三、男という人間は、特に精神的問題を持ってはいない。
四、これは先天性であり、産まれ付きの異常。
五、人格の交代は、睡眠時にしか起こらない―――
それが、俺の病気。
この町に来た理由。
繋がりを、持てなくなった、理由―――
689 :
☆1【男】
[sage]:2009/09/09(水) 17:42:25.42 ID:I1cBCQAO
ガサッ。
「「!」」
不自然な音に振り返る。
まさか、聞かれた―――?
「……あ」
あの制服。
あの髪―――間違いない。
少女は逃げていってしまった。
……聞かれた。知られた。知られてしまった。
「……みゆき」
ある意味、最悪だ。
恐らく知り合いの中で一番、頭が働く。
無闇に広めることはないだろうが―――恐らくは、最後しか聞かれていなかったであろう会話でも、思い当たってしまうだろう。
俺の、引越しの、理由に。
「……くそっ」
…………最悪だ。
―――
俺はつかさに行けなくなったとメールをして、先生と別れた。
みゆきと、顔を会わせたくなかった。
こなたの見舞いは、時間を置いて一人で行こう。
690 :
☆
[sage]:2009/09/09(水) 17:44:20.73 ID:I1cBCQAO
以上です
ううん、オリキャラしか出ていないという酷さ
あとやっとみゆきさんにスポットが当たった
裏ルート、★1【男】でしたー
691 :
☆
[sage]:2009/09/09(水) 21:46:49.53 ID:I1cBCQAO
ちょっと時間が出来たからリアルタイムで書いていこうかな、な
692 :
☆2【変化】
2009/09/09(水) 21:53:57.80 ID:I1cBCQAO
☆―――
「……遅いわね」
ここはこなちゃんの入院している病院の前。
わたし、お姉ちゃん、ゆきちゃん、そして男くんの四人で、お見舞いしようって、待ち合わせていたんだけど……。
「来ないねー」
男くんが来ない。
もしかして待ち合わせ場所を間違えたのかもと、ゆきちゃんが探しに行ったけど……どうなるかなぁ?
バレンタインディキィース バレンタインディキィース
「……あ、男くんからだ」
この音……メールだ。
「! なんて?」
「ええっとね……都合が悪くなったから、今日は行けない……だって……そんなぁ」
しかも、妙にそっけない文章。……不機嫌なのかな? 大丈夫かな?
わたしは変な、不安を覚えた。
693 :
☆
2009/09/09(水) 22:10:30.84 ID:I1cBCQAO
―――
じゃあしょうがないと言うことで、わたしたち三人でお見舞いすることになった。
男くん探しから戻ってきたゆきちゃんは、それを聞いたら少しだけ考えるそぶりを見せたけど、「……いえ、じゃあ行きましょうか」と言って笑った。
……そして、受付。
「あの……」
「はい?」
「お見舞いしたいんですけど……」
「あ、はい。お名前は?」
「こなちゃ……あ、いや泉こなたさんです」
「面会謝絶です」
「…………」
え?
「ちょ、ちょっと」
お姉ちゃんが反応するも。
「面会謝絶です」
「……あの、出来ればどうした面会謝絶になったのか教えていただけませんか?」
そこにゆきちゃんが丁寧に受付のお姉さんに訊く。……すごいなぁ、ゆきちゃん。
「警察の方の指示ですので。
本日はお引き取り願います」
そのあまりに強い口調に、わたしたちは諦めるしかなかった。
694 :
☆
2009/09/09(水) 22:19:14.51 ID:I1cBCQAO
☆―――
解散した後、私はこっそりと一人でもう一度病院に来ていた。
そしてナースさんに文句を言われる前に、自分の名前を提示する。
……思った通り。
病室に案内された。
……病室のドアを開けると、まるで私が来るのを分かっていたかのように、あいつは上半身を起き上がらせていた。
「……や、かがみん」
「……あんた、これ」
「そ、私が誰にもかがみんのことを喋らないよっていう証明」
「……なんで、わざわざこんなことをするのよ」
無意味だ。
こんなこと。
「一つは、やっぱりもう刺されたくないから、かな」
嘘だ。
どうせ病院なんかじゃそんなことは出来ない。
「それともう一つは、やっぱりかがみんは友達だから、かな」
……嘘。
「嘘よ。
あんたがまだ、私のことを友達と思ってるはず……ない」
「そこは『嘘だっっっ!!』って言わないとだめだよかがみん」
「……あんたね」
「―――嘘じゃないよ」
「……っ」
「嘘なんかじゃない」
「…………」
嘘だ。
嘘だ嘘だ嘘だ。
だって、だって私は……っ。
「ね、かがみん。
苦しいなら、もうやめなよ。
私はかがみんを許すよ? それで、もう誰も、悪くなんかない。
みんなでまた、元通りに、なろうよ」
695 :
☆
2009/09/09(水) 22:24:48.06 ID:I1cBCQAO
……何を、言っているの。
「もう……遅いのよ」
この手には今でも感触が残っている。
「そんなことないよ」
目の前にいる少女を刺した感触が。
「……手遅れなのっ……!」
それは確かな、罪の証だ。
「―――手遅れなんてこと、ないよ」
―――なのに、なんでこいつは。
「……っ。
あんたは、自分が何を言ってるのか、解ってるの……! 何で、何でそんな……!」
「―――そりゃあ、さっきも言ったじゃん。
かがみんは、私の友達だからだよ」
696 :
☆
2009/09/09(水) 22:27:08.40 ID:I1cBCQAO
「―――っ」
……ああ、そうだ。
こなたはいつもそうだったじゃないか。
つかさを通して知り合った、今最も近しい友達。
いつもいつも、こいつは私をからかってきて。
ツンデレだー、とか。かがみーん、だとか。訳の解らないことばっかり言って。 ……でも、不思議と嫌いにはならなかった。
なんだかんだでいつも楽しい。
いつもいつもバカ言って。
いつもいつも笑ってる。
―――心地よかった。私の居場所。
男に言わせればそう、『繋がり』と言うだろう。
……そして私は、男との『繋がり』を創るために、こなたやつかさとの『繋がり』を断ち切ろうとした。
それなのに。
私は、そんなことをしたのに。
こなたは私をまだ、『友達』と呼ぶ。
……ああ、そうだ。
私はこいつがこんな奴だから、殺しきれなかったんだ。
全力でなんて、殺せるはずがない。
―――なんて、中途半端なんだろ、私は。
『友達』として、『姉』として、男とつかさの仲を応援しようとした。
……でも、やがて私の気持ちは私の胸を激しく突いてきていて。
一人の『女』として、我慢が効かなくなってしまった。
挙げ句、暴走。
つかさに罪を着せようとした。
あの日、つかさとこなたと男のやり取りを見ていた私は、チャンスだ、と思った。
つかさがこなたを刺す動機が出来たから。
……でも、予想外の事が起こった。
男はつかさを追いかけていた。 結果、つかさにはアリバイが出来てしまった。
そして、このままでは、やがて犯人は突き止められるだろう。
こなたが秘密にしようがしまいが、結局は彼にバレてしまう。
……嫌われるんだろうなあ。
……友達を殺そうとして、好きな人には嫌われて。
―――そんな未来に、私は絶望した。
「―――ごめんね、こなた」
そして私の『女』としての欲望からくる勢いみたいなものは消え去ってしまった。
697 :
☆
2009/09/09(水) 22:29:37.72 ID:I1cBCQAO
「かがみん……」
後悔。自分がやってしまったことへの自覚が私を呑み込んでゆく。
「私、間違ってた。こんな卑怯な方法。私らしくない」
全く、こなたにツンデレだと言われてもしょうがない。
……ホントに素直じゃない、私。
「じ、じゃあ……!」
「……ごめん」
ごめん。私はもう、未来への恐怖と罰に、耐えられない。
……私はやっぱり手遅れだ。そう、自覚してしまった。
「え……?」
「―――サヨナラ」
そして未来に絶望した私は、服に潜ませていた、こなたを刺した小さな、それでいて強靭なナイフを、たとえここ病院であっても即死する勢いと力を込めて、自分の喉元に、降り下ろした。
698 :
☆
2009/09/09(水) 22:34:33.40 ID:I1cBCQAO
―――
「――――――――――――え?」
刺さらない。
思い切り、首を貫通する覚悟で降り下ろしたナイフが、私の肌を穿たない。
何故?
何故?
何故……?
ボタタッ。
何の音だろう。
私にナイフは刺さっていない。
なら、私の血が流れる音じゃない。
じゃあ。
じゃあこれは―――
「……よう、かがみん
随分物騒なモン持ってるなぁ、オイ」
「おと、こ―――」
ここにいない筈の、私の好きな人が、そこにいた。
699 :
☆
2009/09/09(水) 22:35:25.00 ID:I1cBCQAO
つ づ く
(☆ω☆)またねっ
700 :
伝わる想い、届かぬ想い 第18話-1
[sage]:2009/09/11(金) 20:01:29.75 ID:CIwOSL60
『自分の子供が間違ったことをしたならば、叱り、時には手を上げることもある。
痛みをもって知ることもあるからな』
つかさが胸の内を明かしてくれて、みんなの話を合わせた結果ちぐはぐなピースが繋がり、
この一連の真相の全てを理解したあの日の夕方…お父さんがやってきた。
『だけど、ずっと悩んでいたよ。こなたが悪い方向に向かっているのだとわかっていても、
私がでしゃばっていいのかどうか』
『……』
『自分達で解決すべきことであれば、それは本人達で理解して解決してほしいから』
最悪の事態を想定し、ゆい姉さんにも私がおかしくなっているという話をした。
自分の目の届かない時に何かあったら頼む、と。
『こなた』
『…はい』
『たぶんそのお腹の傷の痛みがお前に全部理解させてくれただろうから、私は改めて
説教とかする気はない』
『……』
『とある人が言っていた。"本気で反省している人間を叱るのは無意味"と。むしろ
逆効果になるかも知れないしな』
どこかで聞いたような言葉だ…でも、恐らくその通りなのだろう。
『こなた。お前には、これからするべきことがわかっているかい?』
『――うん』
『いい返事だ。ならお父さんはもう何も言わないよ』
それからお父さんは男の方に向き直って頭を下げた。
大事な二人の娘を助けてくれてありがとう、と。
『君がいなければ二人とも今ごろこの世にいなかったかも知れない』
『…俺は二度、親を亡くしていますから。誰かが死ぬのはできれば見たくなかったんです』
親を二度亡くした。
この言葉の意味が当時はわからなかったけど、少し後になって教えてくれたっけ。
それを聞いて、男が強くて優しい理由が分かった気がする。
『ゆーちゃん』
『なに?』
『…もう、二度と間違わない。ゆーちゃんの出してくれた勇気に私も応えるから』
『お姉ちゃん…』
守る…私の大事な妹を。
傷を負った身体だけど、この子を絶対に失うわけにはいかない。
701 :
伝わる想い、届かぬ想い 第18話-2
[sage]:2009/09/11(金) 20:03:00.05 ID:CIwOSL60
「は…っ」
「お、お姉ちゃん」
「だいじょうぶ?」
「うん…」
ゆーちゃんを抱えて飛び退くのが一瞬でも遅ければ、間違いなくあの電撃の
餌食になっていた。たまには私の運動神経も仕事するんだなー。
「普通の女子高生が持つアイテムじゃねえな」
男が冷や汗をかきながら苦笑いする。
かがみの右手に握られているのは、間違いなく護身武器スタンガン。
「そうね…もう、普通じゃないもの」
自覚があるのがまた恐ろしい。
そしてそんなことを言い合っているうちに、気が付けばかがみの後ろに回りこんでいる
みなみちゃんも恐ろしい。
「お喋りはそこまでです」
鋭い眼光。男がゆーちゃんのナイトであるなら、彼女もまたそうなのだろう。
勇気ある姫の命を守るためならば、凶悪な敵を前にして自らが傷つくことも厭わない。
「ふふ…とんでもない伏兵がいたものね」
「驚いてるようには見えませんが」
「まさか。おかげで今までの段取りが全部台無しよ」
みなみちゃんは素手。
かがみの背後に回りこんだということは気絶させる術があるんだろう。
なのに、かがみは未だに余裕の表情。それはこの状況を覆す手段を持っているからに
他ならない。
「かがみん、本気出してないね」
「どういう意味かしら?」
「右手でスタンガン使ってるじゃん」
かがみの利き腕は右じゃない、左だ。
今の私の言葉でそれを理解したみなみちゃんはとっさに後ろへ飛び退く。
直後――銀色の左腕が彼女の喉があった位置の空気を切り裂いた。
「こなたに負けない反射神経、さすがね」
「…泉先輩の言葉がなかったら私の喉は血を噴いてました」
血を見るのはこの前の自分のだけでこりごりだ。
702 :
伝わる想い、届かぬ想い 第18話-3
[sage]:2009/09/11(金) 20:04:46.30 ID:CIwOSL60
「かがみ」
ゆーちゃんと私を背にかばいながら前に出て行く男。
出ちゃだめだって!今のかがみは何をするか分からないんだから。
「その物騒な物を収める気はないか」
「何をいまさら」
「ゆたかには何の罪もない。それでも…それをわかっていてもお前はやめないのか」
やめられたなら、自分を抑えられたのならきっと、とっくにそうしていたはず。
それができないほどにかがみは病みきっていた。
「お前が本当に憎んでいるのは俺じゃないのか」
「そ…れは」
「お前のことをきちんと見てやることもできなくて、気持ちを理解してやることも
できなかった俺を殺したいのが本当のところじゃないのか」
それはつまり、男に全ての責任があるということで。
だからゆーちゃんじゃなくて自分を殺せと。そんなことを言っているの?
「ゆたかを、こなたを…そして仮にこの場でここのみんなを殺してもお前に気持ちは傾かない。
余計に離れていくだけだ」
「余計に…はなれて…」
誰よりも男の言葉が、今のかがみには一番効く。
「死ぬのは俺だけでいい。だからもうやめろ」
「あんたを…殺せって言うの?」
「ゆたかやこなたを殺そうとする度胸があるなら俺にも同じ事ができるはずだ」
無茶を言う。
でも今の男は冗談なんか言っているようには見えない。
「――なんで」
スタンガンを落とし、よろめくかがみ。
「なんで、私じゃなかったの…?」
左手に握られていた何一つ汚れのない銀のナイフがカランと乾いた音を立てて落ちる。
「なんでその子なの…なんで私じゃダメなの…」
「かがみ、聞いてくれ」
「やだ…もう、やだ…」
「お前でさえも知らないこと、きちんとお前に話さないといけない」
「聞きたくない。話なんか…聞きたくない!」
土砂降りの中、かがみの頬を流れているのは雨水かあるいは涙か。
703 :
伝わる想い、届かぬ想い 第18話-4
[sage]:2009/09/11(金) 20:06:11.65 ID:CIwOSL60
「俺はゆたかを選んだ。年下だとかそんなの関係なく、ゆたかだから好きになったんだ」
「……関係、ない?」
「だけど俺があの頃、お前のことをきちんと見てやれてたら…もしかしたら俺の隣にいたのは
ゆたかじゃなくてお前だったかもしれない」
「今になってそんなこと言われたって…」
「わかってる、今更遅いってことは。それでも…お前はあの時の俺の心までは
知らなかっただろ?」
いつもはあんなにも明るくて、優しい男が一人で殻に閉じこもっていた時期があった。
全てを遮断して、何も受け入れようともしなくて。
男の本当の心の内まではわからなかったかがみはそこまで理解できなかった。
どんなに想っても自分には興味さえ持ってくれないんだと思ったんだ。
「私は…」
ただ、好きだから。自分を見てほしくて、話をしたくて。いつかは想いを伝えたくて。
そんな気持ちから男のそばにいようとしただけだった。
「届かないってわかったから。だからせめて、他の誰も近づかないようにって」
男に決して届かぬ想いはいつかその方向と性質を変えて暴走するようになった。
自分以外の誰も男に近づかないように、悪い噂を流して、時には誰かを傷つけて。
「全部…最初から…間違ってたの?」
「かがみん…」
「つかさを泣かせて、こなたを壊して、ゆたかちゃんを傷つけて、男を苦しめて。
そしてみんなを裏切って」
もう決して戻ることの出来ない最後まで辿り着いて、かがみの中で後悔が生まれた。
こんなこと…してはいけなかったと。
「あは…あははは」
「おねえ、ちゃん?」
「つかさ…ごめん。みんな、ほんと――ごめん」
重い身体を引きずりながらふらふらと歩く。
引きずるのは、これまでに犯した罪と後悔とみんなへの罪悪感。
みんな引きずって、かがみはどこへ向かう気なのか。
「真っ暗だあ…」
「かがみ、何を…」
「ここさ…晴れてたら景色いいわよね」
一度だけ振り返り、哀しい笑顔を私達に向けた後。
「――ごめんなさい。そして、さよなら」
かがみの身体はフェンスを越えて何もない空に飛び込んだ。
704 :
ゆーちゃんの人
[sage]:2009/09/11(金) 20:09:17.09 ID:CIwOSL60
予想以上に長くなった終盤編の18話です。
あと2〜3話。私の方もそろそろさよならが近づいてますね(完結の意味で)。
705 :
伝わる想い、届かぬ想い 第19話-1
[sage]:2009/09/13(日) 20:01:52.40 ID:te4/bPU0
『――こなた、ゆたか。ごめんな』
私達に向かって頭を下げる男。
『男さん…?』
『なんで謝るの?』
『この状況を作ったのは俺だから』
自分のせいでこうなってしまったって。
男はそう思ってるんだろうな。私が病んでしまって、ゆーちゃんが傷ついてしまったこと。
『それは…仕方ないんじゃないのかな。男が望んでこうなったわけじゃない』
『そうですよ。それにほら、私のことなら大丈夫。かすり傷だけだから』
ゆーちゃんの明るい言葉にも男は少し悲しげにうなずく。
男が自分の意志でこの結果を招いたわけじゃないのに、私が勝手に暴走しただけなのに。
それでも男はあまりにも優しいから…これからも自分を責め続けるのだろうか。
『男の推測通り、かがみんが犯人だったらどうするの?』
『止めるさ。誰かが死ぬのはごめんだからな』
私が腹を刺して気を失った後、男は信じられない走りの速さで私を運んでいったらしい。
大事な人を…本当の両親、そして育ての親を失ったから、命を守ろうとここまで必死になるんだと
いうことは後になって本人の口から聞かされることになった。
706 :
伝わる想い、届かぬ想い 第19話-2
[sage]:2009/09/13(日) 20:03:19.38 ID:te4/bPU0
フェンスに向かって歩くかがみ。
自分に、この世界に絶望したあいつが何をするかなんて考えるまでもない。
「――ごめんなさい。そして、さよなら」
なんて…哀しい笑顔をしてるんだよ。
まるであの時と――『二人目』の父親を失った時のような感覚が蘇る。
「男さんっ!」
「ちょっ、死ぬ気!?」
フェンスを蹴飛ばし、ふわりと空中に浮き上がるかがみの身体。
ゆたかやこなたの声を背に聞きながら俺は躊躇なくフェンスを飛び越えた。
「ふざけんなよ」
全てに別れを告げるように目を閉じ、落下していくかがみに手を伸ばす。
死なせるかよ、誰一人…っ!
「どいつもこいつも…」
歯を食いしばり、かがみの腕をつかんで俺の方に引き寄せる。
この高度から地上に落ちるまでわずか数秒。下手すれば死ぬ…それでも俺に恐怖はない。
「俺を置いて勝手に死ぬんじゃねえよ!!」
かがみの身体を守るように抱きかかえて落下位置を探す。
なるほど…転落死という名の死神がすぐそこにいるのに、怖がるどころか冷静に
落ちる場所を考えてる俺の度胸は確かに父親譲りなんだろう。
「うおおおおおおおおっ!」
近くにあった樹に目掛けて落下。
ガサガサガサと葉や枝を散らしながら俺の身体は地上に落ちていく。
――ボスン!
707 :
伝わる想い、届かぬ想い 第19話-3
[sage]:2009/09/13(日) 20:05:08.83 ID:te4/bPU0
「うおっ!?」
固い地面に思い切り打ち付けることを覚悟していたが、柔らかいものにぼよんと
跳ね返されて俺の身体はもう一度宙を跳ねた。
「ふいー、位置ピッタリだったね」
「ゆいさん?」
「やあ。見てる方がヒヤヒヤしたよ」
一応今日のことは話をしてあったけど、まさかこういうことまで予測してマットを
用意してくれていたとは。
「こなたの時もだったようだけど、君も無茶をするな」
「おじさん…」
こなたの親父さんがそう言いながら隣で苦笑いしている。
俺の無茶も予測済みだったってわけか…さすがだ。
「おと…こ?」
かがみが目を開ける。
「よっ」
「え?あれ…私…いきて、る?」
死んだと思っていたのに、こうして俺に抱きかかえられて生きているものだから
ちょっと混乱しているようだ。
「残念ながらお迎えはまだまだ先らしい。俺もお前もな」
「なんで……」
「俺、まだ謝ってないのに先に死なないでくれよ」
かがみが病むように仕向けたわけじゃない。望んだわけでもない。
でも、俺はかがみの気持ちに気付くことも辛さを知ることもできなくて、こんなになるまで
救ってやることも出来なかった。
「悪いのはわたし…なのに…」
「原因を作ったのは俺だ」
「でも…でも、男は辛いことがあったんだよね。男は辛いことって自分で抱え込んで
絶対何も話さないし、私、そこまで知らなくて…」
あの頃、ちょうど俺は二人目の父親を亡くした。
血の繋がりはないけど厳しく優しく接して俺を育ててくれた人で、確かにあの人は
俺の親父だったんだ。
「俺が三日間休んだ日…覚えてるか?」
「うん」
「あれさ、周りには言わなかったけど親父の葬儀だったんだ。親父っていっても
血は繋がってないし、お前が知ってる通り『普通の人』じゃなかったから」
「……」
708 :
伝わる想い、届かぬ想い 第19話-4
[sage]:2009/09/13(日) 20:07:21.66 ID:te4/bPU0
おおっぴらには言えないことだが、育ての親はいわゆる『裏の世界の人』だった。
それは周りも知っていて、だから俺は避けられてていつも一人。
父親のことをネタに不良に絡まれることもあったな。
それでも、親父は親父だった。周りが何を言おうと。
親父と母さんは身寄りのない俺を引き取って育ててくれたんだ。
恐れられてるけど義理堅い父親と、いつも笑顔を絶やさない子供好きの母親。
世間からどう思われていたって俺にとっては親には違いなかった。
『元気…ないわね』
かがみが俺に話し掛けるようになったのは親父が死んだ頃のこと。
母さんは笑えなくなって、俺もショックでふさぎこんでいた。
『私のこと、知ってる?』
『……』
かがみは…彼女なりに俺を気遣ってくれていたのに。
俺には何も見えていなかった。何も聞こえていなかった。自分に関わった人が
また自分の前からいなくなって、辛かったから。
俺に正気を取り戻させるきっかけになったのは、高校に入った頃のこなたの言葉。
今にして思えば、こなたも俺から同じものを感じたのだろう。
『私さ、お母さん死んじゃったんだけど』
『……』
『辛いからってそのままでいることは望んでないんだと思う』
ああ、思い出した。
俺が俺の意志を取り戻したその言葉。
『戻ることは出来ないけど、その人の想いを力に換えて前に進むことはできる』
『…前に』
――あの頃に戻りたいなんて思うな。辛くても前に進め、男。
親父が死の間際に力強い笑顔で俺に向けた遺言。
…こなたに言われるまで思い出せなかった、親父の願い。
血は繋がってなくても本当の息子のように育ててくれたあの人の、親としての想い。
709 :
伝わる想い、届かぬ想い 第19話-5
[sage]:2009/09/13(日) 20:09:08.74 ID:te4/bPU0
「後悔してるんだ。お前をきちんと見てやれなかったこと」
「男…」
「でも、後悔してるだけじゃダメだから」
だから、身を投げたかがみをこの命を懸けて救った。
俺にはもうゆたかがいるから、かがみの恋人にはなってやれないけど…
「許してくれなんて言わない。お前をこんなにしてしまったのは俺だ」
「……」
「かがみの彼氏にはなってやれないけど、何かできることを探そうと思うんだ」
透明なしずくが、かがみの瞳からすーっと流れていく。
「ねえ、男」
「ん?」
「私にも…何か、できるかな?」
できる――まだ、生きているから。
考える時間もチャンスもいくらでもある。
「こなたに、ゆたかちゃんに、男に…みんなに、償えること…あるかな」
「あるさ。絶対」
「――うん」
涙を浮かべながら、それでもかがみは笑顔でうなずいてくれる。
いつの間にか雨は上がり、切れた雨雲の隙間から漏れた光が俺たちを照らした。
710 :
ゆーちゃんの人
[sage 最終話の内容に悩んでいる今日この頃]:2009/09/13(日) 20:13:01.01 ID:te4/bPU0
以上。次で最後です。
男の過去については書こうと思えば書けますが
本編においては語る必要性があまりないので端折っています。
711 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/09/13(日) 22:19:47.50 ID:mszg6sI0
乙!
終わるのかー、いよいよ終わるのかー
嬉しいような悲しいような複雑な気分だ
712 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/09/13(日) 23:01:52.50 ID:elrHAQDO
>>711
そうだな
713 :
伝わる想い、届かぬ想い 最終話-1
[sage]:2009/09/21(月) 12:32:20.81 ID:3NQr45s0
墓石に花束を供えて手を合わせる俺の両隣には母さんとゆたかがいる。
親父が亡くなって数年。『俺達が表を堂々と歩けるようにしたい』と裏の世界を
抜けてからも、親父を尊敬していた人達はたまに会いに来ていたっけ。
やってきたことは褒められることではなかっただろうけど、人望のある人だったから。
「ゆたかちゃん、ありがとうね」
「いえ。私が男さんにお願いしたんですから」
「男にこんな素敵な恋人ができるなんて、この人は予想していたのかしらね」
「す、素敵とかそんなことないですよっ」
くすくす笑う母さんとあたふたするゆたか。
『好きな子ができたら力の限り守ってやりなよ』って親父は言ってたっけ。
…怖い目にあわせちゃったからな。もう二度と危険には晒したくない。
だから俺はゆたかをこれからも全力で守り抜きたいと思う。
「――おや、久しいのう」
「じいちゃん」
「あらあら、お久しぶりですね」
俺のじいちゃん…周りからは会長なんて呼ばれている人。
老いてはいても、その目は今も若さを失っていない。裏の世界を抜けると宣言した
親父にその試練として一対一でチャンバラごっこをやりあったなんて話を聞いた。
なんともまあ、俺の親族にはとんでもない人達が揃っている。
714 :
伝わる想い、届かぬ想い 最終話-2
[sage]:2009/09/21(月) 12:33:18.82 ID:3NQr45s0
「ほっほ、男にも奥さん候補ができたと聞いてな」
「話が早いって」
「そうか?ウチの連中からも仲睦まじい場面を見たなんて話を聞いておるぞ」
面識ないけど俺を知っているって人も多いしな…
知らないうちにあちこちで見られているらしい。勘弁してくれ。
「男をよろしく頼むよ。両方の父親に似て無茶するからのう」
「はい。無茶してますからね」
「ゆ、ゆたかまで…」
本当の親父も無茶する人だったという。
小さい頃に両親が命を落としたトレーラー事故の際、大怪我をした俺を抱えて
炎の中から這い出したなんてことを聞いた。
…そりゃあ度胸もあるはずだな。二人の心を受け継いでるわけだから。
「男、そろそろ時間じゃないの?」
「ああ。ちょっと余裕あるうちに行くかな」
「そうですね」
腕時計は9時45分を指している。今からなら少し早めに着くだろう。
「待ち合わせかね?」
「友達が帰ってくるから迎えにね」
「そうか。今度遊びに来なさい、ばあさんもたまには顔を見たいと言っていたからな」
「わかった。来週でよければ」
「うむ。それじゃの」
去り際、親父の墓に目を向ける。
――みんな前に進み始めたから、もう大丈夫。心配しないでくれ。
715 :
伝わる想い、届かぬ想い 最終話-3
[sage]:2009/09/21(月) 12:34:56.36 ID:3NQr45s0
「…遅いですね」
「うん。電車が遅れたのかなあ」
駅に着くと先に来ていたのはみなみちゃんとつかさの二人。
こなたとみゆきさんはまだ来てないな…みゆきさんはともかくこなたは
まだ寝てないか心配ではある。
「みなさん、おはようございます」
みゆきさん登場。久々に会うな…旅行に行っていたらしいし。
今回の件でいろいろと考えさせられることがあったって話していたっけ。
二人にあれこれ言う気はないらしい。また仲のいい二人に戻れるなら…と。
「おはよう」
「おはようございます」
「ゆきちゃんおはよ〜。こなちゃん見なかった?」
「あら、まだなのですね。もしかして寝坊されたのでしょうか…」
俺と同じことを考えてらっしゃる。
「起こせばよかったかなあ…」
「家に電話してみるか?おじさんは起きてるだろうし」
「そうですね」
墓参りのために朝早く出てきたから、ゆたかも起こすのはためらったのだ。
まあ、親友を出迎える日に遅刻するとは思えないのだが…あいつだからな。
「失礼だな〜。私もしっかりする時はあるよ」
「心を読むな。そしておはよう」
「あはは、おはよう」
そしてこなたは今日も元気だった。
もうあの頃のような陰は微塵も感じられないくらいに。
「お姉ちゃん、髪はねてるよ」
「ん?おー、これは失礼」
さりげなく取り出した櫛でこなたの寝癖を直してあげるゆたか。
どちらが姉かたまにわからない時がある。ゆたかがしっかりしてるのか
こなたがだらしないのか。
716 :
伝わる想い、届かぬ想い 最終話-4
[sage]:2009/09/21(月) 12:38:36.18 ID:3NQr45s0
「あ…電車、着きましたね」
こなた達を微笑ましそうに見ていたみなみちゃんが奥に視線を向ける。
改札からぞろぞろと出てくる人達に混じって、一人の女の子が歩いてきた。
「おねーちゃーん、こっち〜」
手を上げるつかさに気付き、人ごみを掻き分けてこちらにやってきた。
何かの決意の証か、その髪はツインテールではなくなっていて短くなっている。
「よっ…久しぶり」
俺の挨拶に笑顔で答えるかがみ。
――時間をかけて頭の中を整理したい。そう言ってかがみはこの街を去った。
「か〜が〜み〜ん!」
「なっ、なに!?」
なんか危ない目でかがみに抱きつくこなた。
「はう〜、ショートもかあいい〜!お持ち帰り〜」
「だー、まとわりつくなああああ!」
「こなちゃんが壊れたー!」
「かあいいモードが発動したようだな…」
ひとしきりスリスリした後、ようやくこなたはかがみから離れた。
解放されたかがみは暑さからではない変な汗をハンカチで拭っている。
「何か答えは出ましたか?」
「…そうね」
みゆきさんの問いに、かがみは少し間を置く。
「私は男が好きです。これは今でも変わりません」
「かがみん…」
「でも、もう絶対に間違ったことはしないから」
言いながらゆたかの手をそっと握る。
「勝手に暴走して誰かを傷つけるようなことは、二度としない」
「先輩…」
「男は『戻ることはできない』って言ったからさ」
「うん」
「自分のしてしまったことは忘れないで、その上で新しい私達の関係を作っていきたいと思う」
強い決意がその瞳に込められていた。
ああ、お前ならやれるさ…今のお前――いや、俺達ならきっと。
717 :
伝わる想い、届かぬ想い 最終話-5
[sage]:2009/09/21(月) 12:40:30.29 ID:3NQr45s0
「ゆたかちゃん」
「はい」
「男を、よろしくお願いします」
「――はい」
ゆたかもまた、強い決意を持っている。
辛く悲しかったいろんなことを乗り越えて、俺と一緒に生きていく決意。
そして俺もそれに応えたい。
「こなたは何か決めたことがあるの?」
「私?そだね〜」
意味深な笑顔を浮かべながらまたもやかがみに抱きつく。
「ゆーちゃんが男の嫁ならかがみんは私の嫁にするってとこかな」
「ちょっ、意味わからん!」
「…親友を、大事な人を絶対に裏切らない。そういうこと」
「――そか。ってどこ触ってんのあんたっ!」
言ってることは真面目なのにかがみにスリスリするのはやめれ。
「それじゃ行きましょうか」
「どこに?」
「お姉ちゃんがせっかく帰ってきたんだから、ぱーっとお祝いにでも」
「だな。おーいそこの二人、いちゃついてないで行くぞー」
「ちょ、違…助けてー!!」
「かがみんは私の嫁〜。すりすり」
「ぎゃー!」
ああ、変わったようで変わってないな。
ま、それが二人らしいと言えばらしいのかも知れない。
「綺麗な空ですね」
「――ああ」
どこまでも続くような真っ青な夏空をゆたかと並んで見上げる。
新しい俺達の日常はここから始まり、そしてどこまでも続いていく。
――行こう。過去を乗り越えて、希望ある未来へ。
−Fin−
718 :
ゆーちゃんの人
[sage ねんがんの ゆーちゃんを よめにできたぞ!]:2009/09/21(月) 12:48:00.81 ID:3NQr45s0
途中で長らく止まっていましたが最後まで書き上げることが出来ました。
読んでくれた方、またレスしてくれた方、本当にありがとうございました。
クオリティの面では他の書き手さんには全然敵いませんが…緻密な構成考えると頭痛g(ry
☆の人、また他の書き手さんの帰還を願いつつ…|ω・)ノシ
719 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage ころしてでもうばいとる]:2009/09/22(火) 07:40:54.35 ID:jlK.B8E0
乙!
完結しちゃったよぉぉぉぉぉぉおおお!
嬉しいくて悲しいという訳分からん心情だ。
ハッピーエンドでよかったよマジで!
ショートカットのかがみんかわいいよかがみん!
本当にお疲れ様でした
最後に、かがみんは俺の嫁
720 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/09/23(水) 23:42:20.34 ID:lsS3bbQ0
久しぶりに来たら完結してて驚いたぜ
とりあえず未読な分をウィキでまとめて読んでくる
何はともあれ完結させた書き手さん、お疲れ様でした
721 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/09/28(月) 22:53:45.06 ID:d9dzsdIo
ゆーちゃんの人お疲れ様です、今まで作品楽しませてもらいました!
☆の人も復帰オメです、続き読みたいです!
他の書き手さん達も帰ってきてください!
勢いにのってそろそろ忘れられてそうな初恋クレイジー続き行きます!
722 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/09/28(月) 22:54:51.64 ID:d9dzsdIo
『見慣れたはずの町並みも、ド派手に映す愚か者』
Side 男
「バイト急に辞めちゃった子がいてさぁ、シフト調整で私も結構遅い時間までやる事になっちゃったよ」
「遅い時間って、何時頃だ?」
「店閉める10時まで、まあとりあえず新しいバイトが見つかるか、
最悪でも新学期始まるまで、って事なんだけどね。
私もネトゲのレベル上げとか積みゲー崩しとかで忙しいのに困ったもんですよ。
まあバイト終わってからやるからいいけどさ、私休み中は基本的に夜行性だし」
「む、いくら夏休みだからってあまり夜更かしがすぎるのはどうかと思うぞ。健康によくない。
まあそれはともかく、よかったら帰り駅まで送ろうか?
時間が時間だし、繁華街の一人歩きは心配なんだが」
「へ? でも駅まではバイトの友達と行くしそんな心配しなくても―――。
…いや、やっぱお願いしよっかな」
――――――――――
というわけで、俺はこなたのバイト先(喫茶店らしい)に向かっている。
奇遇な事に元々互いのバイト先が近く、
部活を引退して以来俺がバイトの時間を以前より早めにずらしていた事に、
今回のこなたのシフト変更が加わり曜日も時間もほぼ重なったのだ。
偶然ってあるんだな。
俺の方は9時30分あがりで、こなたがあがるまでは少し余裕がある。
こなたのバイト先は……あった、協栄ビル。ここの二階とのことだ。
仕事してるところ見られるの嫌がるかもしれないし、とりあえず外で待つことにする。
今到着を知らせて急かす事になっても悪い、
連絡は、仕事を終え帰り支度をする時間を考えて……まあ十時十分頃にでもすればいいだろう。
こういう中途半端に空いた時間のために、単語帳は常備している。
今のうちに少しでも暗記しておくとしよう
―――それから30分ほど経った頃、そろそろ頃合かと携帯を取り出すと、
いいタイミングでこなたから
「今どこ? 私はもう帰り支度できたよ」
723 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/09/28(月) 22:56:11.66 ID:d9dzsdIo
とのメールがきた。
ビルの入り口にいる、とメールを返すと、すぐにこなたから電話がかかってきた
「あ、男? 今下にいるの? だったら上がってくればよかったのに」
「いや仕事中だし悪いかと思ってな」
「気にすることないのに、まあいいや、すぐ行くね」
電話をきってしばし待つとこなたが降りてくる。
「おっまたせー、もしかしてここで結構待ってたりした?」
「いや、来たばかりだよ。お疲れ様、よかったらこれどうぞ」
買っておいた缶コーヒーとチョココロネを渡す
「お、こりゃどうも。私がチョココロネ好きなの知ってたんだ」
「つかさに聞いてな、こんな時間だし腹へってるかと思って」
「ありがたやー、いくらだった?」
「いいよ、おごり。バイトお疲れ様ってことで」
「重ね重ねありがたやー、せっかくだからちょっとその辺座って食べちゃおっかな」
「もう遅いし早く帰ろう、親御さんも心配するぞ」
「あー、うちのお父さん特に心配性なんだよねぇ、
今回のシフト変更も許してもらうの大変だったのさ」
「いいお父さんじゃないか、なら尚更早く帰らなきゃだ」
「まあちょっとくらい大丈夫だって、少し話そうよ」
「うーん……」
「バイトでお疲れなんだよー、ちょっと休憩しなきゃ歩けないー」
「……じゃあちょっとだけな」
「やたっ」
適当なベンチを見つけ、こなたと二人腰を下ろす。
せっかくだから俺もまかないで作って持ってきたおにぎりを食べてしまうか。
こなたと別れた後にでも食べようと思ってたんだが。
「うわ、でっかいおにぎり、手作りみたいだけどどしたのそれ、晩御飯?」
「まかないで作った、これは間食扱いで夕飯は帰ってからまた食べる予定」
724 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/09/28(月) 22:57:10.69 ID:d9dzsdIo
「はー、よく食べるねえ。大きくなるわけだ」
「燃費悪いんだよ、俺」
「ていうかいくら運動部とはいえそんな食べててよく太らないよね、かがみが羨ましがりそう」
「実際かがみによく言われるよ、納得いかないって」
うちの野球部なんか身長ごとに決められた一定のラインより体重を落とさないように
しっかり食べるよう指導されていて、厳しい練習で自然と体重が落ちてしまうものだから
食が細い部員なんかは無理して詰め込んでたりしたもんだが、
その一方でかがみみたいに逆に無理して食を減らすような女の子や、
俺みたいにしっかり食べても気付けば勝手に小腹がすいてしまうような奴もいる。
世の中ままならないものだ。
「俺としてはかがみには無理なダイエットとかしてほしくないんだけどな、言うと怒るんだよあいつ。
こないだなんか、誰のためだと思ってんだ!とか意味のわからないキレ方されたし」
「あー、意味わからないんだ……。かがみも苦労してんだね。
ていうかお腹すいてたなら言ってくれればよかったのに。
うちのお店でちょっとした料理くらいサービスしたよ?」
「いやさすがにそれは悪いよ。
ああ、そういえば喫茶店でのバイトって、どういう仕事するんだ?
俺喫茶店ってほとんど入ったことなくてさ」
「私がやってるのは、基本的にはいわゆるウェイトレスの仕事だね、それをコスプレしてやる感じ。
あとたまに歌ったり踊ったり。」
「コスプレ?」
「漫画やアニメのキャラのかっこする事だよ、そういえば男って漫画とかだとどういうの好き?」
「子供の頃はドラゴンボールとか好きで見てたけど、最近はさっぱりだ。
しかし歌ったり踊ったりか…最近の喫茶店って凄いんだな。
それ仕事でやるっていうからにはお客さんに見せてるんだろ?
俺には到底無理だよ、そういうの」
俺は基本的に娯楽全般に疎い。
部活仲間に付き合って格闘ゲームを覚えたがそれくらいだ。
テレビや音楽もほとんど見ない聞かないなので、芸能人の話題やら流行の音楽やらもほとんどわからない。
かがみやまつりさんに強引にカラオケに連れ出されては、流行からかけ離れた選曲と
持ち前の音痴っぷりを散々笑われたものだ。
そんな俺からすると人前、しかも見ず知らずのお客さんの前で歌ったり踊ったりできるなど信じられない。
テレビに出ることこそないもののやってることはアイドルとかと変わらないじゃないか、
いや俺が知らないだけで本物のアイドルには歌って踊る以外にも色々できなきゃいけないことがあったりするのかもしれないけど。
725 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/09/28(月) 22:58:13.15 ID:d9dzsdIo
どちらにしろ俺には全くできる気がしない仕事だ、喫茶店でバイトしなくてよかった。
まあそもそもこなたのような可愛い女の子や、ジャニーズ?のアイドルのような爽やかな美男子ならともかく、
俺みたいなムサい男の歌や踊りを見たがる人はまずいないだろうが。
「や、一応言っておくと普通の喫茶店じゃそういうのはやらないからね。
うちの店は大分特殊な部類だからさ、でも歌って踊る男って……ちょっと見てみたいかも」
うお、ムサい男の歌や踊りを見たがる人が目の前に。
……いやこれは俺が向いてないのを見越したうえでどれ程似合わぬさまになるのかを見たいって腹だろうな。
なんせ笑みを浮かべながら言うこなたの顔が、
嫌がる俺を無理やりカラオケに連れ出す時のまつりさんの笑顔にそっくりだし。
「勘弁してくれ、俺はそういうの全く向いてないんだって」
「いやいや。男、運動神経いいから踊りはいけるでしょ。
ノリノリで踊る男ってのもぜんっぜん想像つかないけど、……やば、想像したら面白すぎる」
ぷくくと笑いを堪えるこなた
「想像しないでくれ、絶対おかしなことになるだろ」
俺の乏しい芸能関係のイメージだと、踊りといえば男性アイドルなどが整った顔に綺麗な笑顔をのせ
このうえない爽やかさを演出しながらするもの、となっている。
俺がそれをしているところを想像してみる……うん、だめだ。俺に爽やか系は無理。
「歌の方はどんなもん? はやりの歌を唄う男って踊るのより想像できないけど」
「……まあ人様に聞かせられるレベルとはかけはなれてる、とだけ。そもそも曲とか全く知らないしな」
初めてかがみ達にカラオケに連れていかれた時、何を歌っていいやら全くわからず、
当時通っていた中学校の校歌を探してしまった愉快な思い出があったり、
まつりさんには指差して爆笑された。
歌う以前の段階で笑われるような真似してしまうとは思わなかったぞさすがに。
まあ笑っておきながら自分の番では誰しもが聞き覚えのあるような、
つまり俺でも知っているような曲を選び、一緒に歌えるよう誘ってくれたりする辺り、まつりさんも何気に優しい人なのだが。
バイト先が居酒屋で、有線で流れてくる曲を日頃耳にしているため俺もある程度ならはやりの歌もわかるのだ。
まともに聴いているわけではないのでサビ?とかいう一番耳馴染む部分しかわからないのが難点だが。
「だろうねー、超納得」
「超納得されても悲しくなるんだが。
ほ、ほら、部活なんかやってるとそういうのどうしても疎くなっちゃうんだよ」
「そうとも限らないでしょ、みさきちなんか陸上やりながら音楽とかも人並みには詳しいよ?」
「……だろうねー」
日下部とは中学時代かがみと、もう一人今陵桜に通っている峰岸さんという人とともに同じクラスだったことがあるが、
彼女は確かに陸上に打ち込みながらも、俺のように「流行」に乗り遅れたりはしていなかった。
まあそもそも同じ陵桜野球部の仲間内でも俺ぐらい流行に疎い奴は少ないんだよな。
726 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/09/28(月) 22:59:14.08 ID:d9dzsdIo
わかってはいたが、やはりいわゆる「つまらない男」なんだろうか、俺。
いい若いもんが無趣味ってのはやっぱり問題なのかなぁ……。
でも実際興味持てないものはしょうがないよな、
そもそも漫画を読んだりテレビや音楽を楽しもうって気そのものが起きないんだから。
無趣味も時代遅れも一つの個性ってことでいいだろう、うん。
「ねえねえところでさ、男っていつ頃からかがみ達と知り合いなの? 馴れ初め話聞かせてよ」
「いや馴れ初めっていうのはおかしいだろ」
「いいからいいから」
「まあいいけどさ…、別に面白い話なんかないぞ?
元々親同士が知り合いで、初対面は物心つくかどうかの頃、
家も近いからそのまま小、中と同じ学校に通い、
俺はスポーツ推薦、かがみとつかさはちゃんと一般入試で陵桜に合格して今に至る、と」
つかさは最初、正直陵桜は厳しいんじゃないかと言われていたが、
傍で見てるこちらが体調を心配するほどの頑張りをみせ、見事合格した。
合格発表の日、感動のあまりつかさと猛烈に抱き合ってしまい、
ふと我に返って二人揃って真っ赤になったり、
なぜかやたら不機嫌なかがみに説教されたり(俺だけ)したのはいい思い出だ。
「そして男は大学もかがみんと同じとこに行きたくて猛勉強中、と」
「い、いや、かがみと同じとこだからってのじゃなくてな。
どうせなら高いとこ狙って頑張ろうと――」
「またまた〜、かがみから聞いたよ。
男が第一志望を○○大に決めたのは、かがみと一緒のとこがいいからだって言ってたって」
「あ、あいつ喋ったのか!?」
恥ずかしいから誰かに話したりしないでくれって頼んだのに!
「なんだ、やっぱそうなんじゃん。ちなみに今の嘘ね。かがみからは何も聞いてないよ」
「へ?」
「カマかけただけ、いや見事にかかったね」
おう……
「……あの、できればそれ秘密にしてくれないか? 触れ回られると正直恥ずかしい」
「えーなんで? いいじゃん甘酸っぱくて。
てかさ、実際んとこ男ってかがみとつかさのことどう思ってるの?
もちろん女の子として好きかどうかって意味で」
727 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/09/28(月) 23:00:07.10 ID:d9dzsdIo
似たような話をこの間まつりさんにされたばかりだ、女の子はやっぱり恋愛話が好きなのだろうか。
かがみとつかさはほとんどそういう話をしないのだが
「俺はあいつらの幼馴染で、それ以上のものはないよ、
長く付き合ってもらってる友達、それだけだ」
「ほんとにぃ? リアルでツンデレしてたらそのうち鳶にかっさらわれちゃうかもよ?」
「ツンデレ? …まあ誰かいい男と結ばれるならそれが一番だろ」
……結ばれる相手が「いい男」でなければ一言申したい気持ちになるかもしれんが、
それは幼馴染としての、長年の友人としての心配、それだけだ。…そうであるはずだ。
「そう? ちょっと想像してみなよ。
例えば、かがみんが見知らぬ男といちゃいちゃしてたりしたらどう思う?」
「かがみが――」
かがみと、顔も知らない誰かが…
想像しただけなのに、堪えられない不快感が胸を支配する。
かがみが見知らぬ誰かと愛し合う、それを俺は嫌だと感じている。そうなってほしくないと思っている。
――――頭を振ってその思いを振り払う。
なぜそんな思いを抱いたのか、その思いを生む元となる想い、その正体も考えないことにする。
それはきっと、俺には想う権利も資格もないことだから。
「……問題、ないだろ。
いつか一番好きな相手を見つけてそいつと結ばれるってのは、女の子にとって幸せな事だろうし、
かがみがそうなったら……俺も、嬉しいよ」
「嬉しいって顔にはとても見えないよー男。
まあ例え男がかがみの事好きだとしても、かがみは私の嫁だから男にチャンスなんかないんだけどね。
かがみんが欲しくば、まずこの泉こなたを倒すがいい!」
おどけたふうに言いながらシュッシュッと拳をふるこなた。
……こなたの運動神経のよさは知ってるが、それにしても異様にキレがいいうえに型もサマになってるな。
素人とは思えないレベルだ。
「遠慮しとく、痛い目に合わされそうだ」
手を上げて降参のポーズ。
もしかしたらこなたは、俺がおかしな感情に囚われそうになったのを察して
空気を変えようとしてくれたのかもしれないな。
「ありがとな、こなた」
「どったのいきなり?」
「いや、こなたってやっぱりいい奴だなって」
728 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/09/28(月) 23:01:16.83 ID:d9dzsdIo
「ほう、じゃあそんないい奴なこなたさんの頼みを聞いてもらおうか。ゲーセン付き合って」
「いやなぜそうなる」
「格ゲーのガー不バグ見つけてさ、
まあガチ対戦で使うのは遠慮するつもりだけど一応は対人戦でも使えるようにしておきたいんだー。
男、実験台になってよ」
「時間ある時なら付き合うけど、もう遅いから今日は駄目。
女の子がこんな時間にゲーセンなんて行っちゃいけません」
「むむぅ……この真面目さんめ」
「昼なら付き合うからさ、今日はこのまま帰ろう。親父さんも心配するだろうし。
それにこなたも進学希望だよな? 勉強もしといたほうがいいぞ」
「いいよぉ勉強なんて。頭からっぽの方が夢詰め込めるって言うじゃん?」
いや夢がつまってりゃ頭空っぽでもヘッチャラ、てなわけにもいくまい。
まあこなたの頭が本当に空っぽだとは思わないが。
勉強にはあまり興味がないようだが、人の心の機微に聡いというか、
対人関係で活きる頭のよさを持っているように思う。
その辺り鈍いと自覚している俺にとっては羨ましいところだ
「そんな事言って。
かがみとつかさが言ってたぞ、一夜漬けでテスト乗り切ったりするくらいだから、こなたはやればできるって。
俺と違って陵桜にちゃんと一般入試で受かってるくらいだし、
ちゃんと取り組めば今からでも受験なんとかなるだろ。
できるのにやらないっていうのはもったいないぞ」
まあこなたはただ無為に日々を過ごしているわけじゃなく、
バイトや趣味に時間を割いているらしいが。
「む〜……。かがみんが男は仲良くなった相手には小言が多くなる、って言ってたけどその通りだね」
「こ、小言っ?」
う……自覚はなかったが言われてみれば確かにそうかも。
部活でもなんか母親っぽいとか言われたことあるし。
無趣味で流行に疎くて小言の多い男子高校生ってどうなんだろう……。
いやそれも一つの個性ってことでいいだろう、うん。……いいよな?
「てことは私も結構男と仲良くなれてると思っていいのかなー?」
「そりゃもちろん俺の方はこなたと仲良くしたいと思ってるよ、こなたにしたら迷惑かもだけど」
「む、迷惑なわけないっしょ、男のこと嫌なら送ってもらったりしないって」
「そか、よかった」
「ていうかさ、この期に及んでそれって、ちょっと水臭いにも程があるんじゃない?」
729 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/09/28(月) 23:02:21.43 ID:d9dzsdIo
少しムっときた顔でこなたが言う。
こんな表情をさせてしまっておいてなんだが、今のは嬉しいな
「―――うん、ごめんな。あと、ありがとう。
はは、さっきも言ったばかりだけど、今改めてこなたはいいやつだなって思ったよ。
話してて楽しいし、これからもずっと仲良くさせてほしい」
「……おー……」
「どした?」
「いや、男って笑うと結構イメージ変わるんだなって、今いい意味で子供みたいな笑顔だったからさ。
普段どっちかというと厳めしい感じだからギャップがいいね、10萌えポイント獲得です」
「え、普段厳めしく見えてるのか俺」
ちょっとショックだ
「ちなみにあと90ポイントで私ルートが開放!」
「? それどういう意味だ?」
「や、そう真っ直ぐ聞かれると困るものが……。なんというボケ殺し」
「じゃあそろそろ帰ろうか、いい加減時間も遅いし」
「そだね、ついつい話し込んじゃったよ」
「それでさ、よかったらこれからも帰り送ろうか? バイトの曜日も時間も近いことだし」
やはり外見上こなたがこの時間にこういう場所を歩くのは心配になる。
外見上とか言って怒らせたくはないから口には出さないが
「あ、あれあれ〜? もしかして私のフラグ立てようとしてる?
リアルでハーレムルート狙いは素人にはオススメできない」
「いやもう何言ってんのさ。
とにかくこなたさえよければこうして送りたいんだが」
制服着てないと下手すれば小学生にすら見られそうな体格に、整った顔立ち。
そんなこなたがこういう時間にこういう場所をうろついていると
警官に注意されるとか、それならまだしも、悪くするとよからぬ輩に絡まれるとか、
よくない事態に巻き込まれそうでこっちが怖いのだ
「うー、ボケがとことん殺されるよー。かがみんならちゃんと突っ込んでくれるのにぃ。
まあそれはそれとして、じゃあ頼んでいいかな」
「おう、任された」
実は一日俺とこなたのバイトの曜日が被ってない日があるのだが、それはこなたに言う必要もないだろう。
730 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/09/28(月) 23:03:18.34 ID:d9dzsdIo
その日は家から直接向かえに来ればいい。
集中して勉強できる時間が削られるが、こなたのシフトがこの時間になるのもそう長く続くわけではないらしいし、
その間だけ睡眠時間を削ればいいだけのことだ。
「でもさ、あれだよね」
「ん?」
「こんな時間に男みたいな大柄な男の子と私みたいな小さい女の子が一緒にいたら、
警察の人とかが見たら怪しんじゃうかもネ」
「え…? そ、そうか?」
「だーって一見して同級生には見えないだろうし?
夏休みだけに男が家出少女をかどわかしてよからぬ事を企んでるように思われちゃったりして」
「そ、そんなふうに見られるのは困るな」
「まあ大丈夫だよ。
揃って夜の繁華街を徘徊する仲睦まじい兄妹って見られるかもしれないし」
「それはそれで問題あるな」
「万一警察の人とかに声かけられても、やましい事なんか何もないんだからちゃんと説明すればおkおk」
「そ、そうだよな」
「おまわりさーん! この人が猥褻な行為を迫ってきまーす!!」
「って待てー!!!」
「あっははは!」
何がそんなに楽しいのか笑顔全開で笑いながら駆けていくこなたを追いかけるはめに、ああ俺をからかうのが楽しいのか。
まつりさんにさんざイジり倒されて育ってきた俺でも、
さすがに今回みたいなネタは肝が冷えるので勘弁してほしいところだ。
外見年齢小学生でも通りそうな女の子に猥褻行為を迫る、そんな変態に誤解されたら泣くしかない。
まあ普段ニヤニヤという表現が似合うような笑顔が多いこなたが、
珍しく大口開けて心底楽しいという風に笑ってるところを見れたからいいけどさ
731 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/09/28(月) 23:07:34.30 ID:d9dzsdIo
以上です、続きます。
こなたのバイト先はアニメ設定だとアキバみたいですが、原作だと不明みたいなので
初恋クレイジーでは春日部(糟日部)周辺のどこか、ということで。
とか言いつつバイトの内容は歌あり踊りありのアニメ設定採用してる辺りアレですが
目をつぶっていただければ幸いですww
次は短編投下させてもらうことになると思います。
今回でフラグ立てやら何やらの下準備終わりましたんで次の次からはようやく中盤戦に入ります、
ペース遅すぎで申し訳ないです、次からは今までよりかは早く出せる…はず
あとあつかましいお願いになりますがゆーたんの人さん次回作書く予定とかあったら教えて頂きたいです、読みたいのでww
732 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage 719 な なにをする きさまー]:2009/10/01(木) 22:10:49.89 ID:An/n8Zk0
>>731
初恋クレイジーの人ktkr!
若いって、いいよね…(遠い目
読みながらそんなことを思った自分はもういい歳なのかも知れません。
>次回作
一度は書き手(底辺ですが)を引退した身なので、多分最初で最後かなと。
でも書くのはやっぱり楽しかったです。
733 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/10/03(土) 20:35:32.71 ID:GoUQkdko
>>732
ゆーちゃんの人さんレスありがとうございます初恋クレイジー書いてるものです
>多分最初で最後かなと
マジすか、残念です…気が変わって書く予定できたりしたらその時はお願いします!
>若いって、いいよね
それ自分も書いてて思いましたww
734 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage ころしてでもうばいとる]:2009/10/10(土) 20:29:21.82 ID:V7DPPgc0
乙!
初恋クレイジー待ってました
ああああああああああ学生時代に戻りたいよぉぉぉぉぉぉぉぉぉ
735 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/10/10(土) 23:27:06.75 ID:3VR7G8o0
おお、のぞいてみたら初恋クレイジーきてらww超乙!
つかさと抱き合ったとかいうくだりが気になるお年頃だぜ
736 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/10/21(水) 21:06:06.50 ID:tjqDiUDO
>>735
そうか
737 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/10/28(水) 19:54:42.43 ID:8E20lwDO
乙!
738 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/10/29(木) 15:16:39.76 ID:/wxFHEDO
乙!
739 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/10/30(金) 14:45:43.33 ID:mTf6R6DO
乙!
740 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/10/31(土) 12:26:45.15 ID:XMdiWUDO
乙!
741 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/11/01(日) 17:18:15.06 ID:9LT8qcDO
[
らめぇぇっ!
]
742 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/11/03(火) 09:29:49.90 ID:gShv2.DO
743 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/11/04(水) 16:05:59.38 ID:A.IH7.DO
[
ピーーー
]
744 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/11/05(木) 15:46:47.54 ID:yVhghQDO
乙!
745 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/11/06(金) 15:48:03.63 ID:AlaWeEDO
乙!
746 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/11/07(土) 08:49:11.57 ID:rxUKekDO
乙!
747 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/11/07(土) 16:09:36.50 ID:rxUKekDO
乙!
748 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/11/08(日) 11:09:28.56 ID:oWwDnEDO
乙!
749 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/11/08(日) 11:22:33.96 ID:SDTL4a.o
いい加減ドコモ携帯の連投うぜえ
750 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/11/08(日) 17:05:39.11 ID:oWwDnEDO
>>749
確かに
751 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/11/09(月) 16:28:43.97 ID:777uLsDO
うざい
752 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/11/14(土) 09:06:39.32 ID:3EFOJcDO
乙!
753 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/11/15(日) 09:34:29.58 ID:Jj38LkDO
名護さんは最高です!
754 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/11/15(日) 17:29:39.63 ID:Jj38LkDO
すぺぺっ
755 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/11/16(月) 19:04:14.39 ID:DhWuHsDO
>>753
黙れ!
756 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/11/22(日) 09:41:19.57 ID:5N7h0sDO
乙!
757 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/11/22(日) 15:03:57.18 ID:5N7h0sDO
乙!
758 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/11/23(月) 09:30:34.46 ID:hSOkZQDO
乙!
759 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/11/23(月) 12:30:22.96 ID:hSOkZQDO
乙!
760 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/11/23(月) 16:34:46.90 ID:hSOkZQDO
乙!
761 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/11/25(水) 15:47:15.20 ID:uhUmIADO
雷ドーン
762 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/11/26(木) 20:17:42.57 ID:ht4zRYDO
ホモホモライン
763 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/11/28(土) 09:11:53.85 ID:kCO/mADO
乙!
764 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/11/28(土) 19:37:42.03 ID:kCO/mADO
乙!
765 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/11/29(日) 14:06:02.86 ID:rdQo7YDO
乙!
766 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/12/01(火) 16:36:06.38 ID:991262DO
767 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/12/02(水) 15:42:43.29 ID:Z6CIe.DO
こなあああああああああああああああゆきいいいいいいいいいいいいいいいいい
768 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/12/03(木) 16:03:25.81 ID:IXVqGIDO
乙!
769 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/12/04(金) 15:28:33.39 ID:KgEzNYDO
乙!
770 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/12/05(土) 09:45:25.43 ID:.ofwwcDO
乙!
771 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/12/09(水) 13:37:17.74 ID:/w96igDO
おつんさ
772 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/12/09(水) 15:18:31.40 ID:XMxUbcAO
乙
773 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/12/10(木) 14:45:57.69 ID:rbq95oDO
こなあああああああああああああああゆきいいいいいいいいいいいいいいいいい
774 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/12/11(金) 12:43:33.61 ID:lsYAEoDO
乙!
775 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/12/12(土) 09:16:25.99 ID:quVsAADO
乙!
776 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/12/13(日) 10:13:17.90 ID:T3xpi.DO
乙!
777 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/12/14(月) 16:03:07.90 ID:oXT0IoDO
乙!
778 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/12/16(水) 15:49:09.73 ID:JND6DYDO
こなあああああああああああああああゆきいいいいいいいいいいいいいいいいい
779 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/12/17(木) 15:53:16.55 ID:331k7IDO
乙!
780 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/12/18(金) 18:30:58.88 ID:WlwsCQDO
こなあああああああああああああああゆきいいいいいいいいいいいいいいいいい
781 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/12/27(日) 23:34:16.89 ID:IsBCmaIo
ほ
782 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/12/28(月) 15:53:35.19 ID:46qUa2DO
へ
783 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/12/29(火) 22:34:05.09 ID:OcCJb.DO
こなあああああああああああああああゆきいいいいいいいいいいいいいいいいい
784 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/12/30(水) 16:39:39.99 ID:uYnBQoDO
保守!
785 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/12/31(木) 10:03:48.72 ID:/MrcUEDO
支援!
786 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/12/31(木) 13:57:07.97 ID:hJjD.nU0
ヒマだから俺書いていい?
かなり下手だけど……
厨二になるかも
787 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/12/31(木) 18:37:53.23 ID:AwZVZcA0
>>786
さあ思う存分やってくれ
ネクタイソックスだと冬場は堪えるんだ
788 :
以下、2010年まであと13173秒。。。
2009/12/31(木) 20:20:28.50 ID:Ll7WC.AO
>>786
ばちこい
>>787
ハイソックスにすればいいと思うぜ
789 :
A HAPPY NEW YEAR 2 0 1 0 !
[sage]:2010/01/01(金) 16:14:48.30 ID:8C8v62DO
あけおめ
790 :
A HAPPY NEW YEAR 2 0 1 0 !
[sage]:2010/01/03(日) 18:42:11.67 ID:QhbERsDO
乙!
791 :
A HAPPY NEW YEAR 2 0 1 0 !
2010/01/04(月) 10:46:57.08 ID:kO2I7fE0
まだここあったのか
792 :
A HAPPY NEW YEAR 2 0 1 0 !
[sage]:2010/01/04(月) 17:43:39.69 ID:zMZStMDO
>>791
うん
793 :
A HAPPY NEW YEAR 2 0 1 0 !
[sage]:2010/01/05(火) 12:43:10.96 ID:OGQIBUDO
支援!
794 :
A HAPPY NEW YEAR 2 0 1 0 !
[sage]:2010/01/06(水) 09:41:52.33 ID:kMT/ggDO
保守
795 :
A HAPPY NEW YEAR 2 0 1 0 !
[sage]:2010/01/07(木) 20:29:20.95 ID:1OuJn.DO
支援!
796 :
A HAPPY NEW YEAR 2 0 1 0 !
[sage]:2010/01/08(金) 16:00:24.77 ID:oXkaXcDO
こなあああああああああああああああゆきいいいいいいいいいいいいいいいいい
797 :
A HAPPY NEW YEAR 2 0 1 0 !
[sage]:2010/01/09(土) 09:14:55.09 ID:jrjG2cDO
こなあああああああああああああああゆきいいいいいいいいいいいいいいいいい
798 :
A HAPPY NEW YEAR 2 0 1 0 !
[sage]:2010/01/10(日) 09:40:19.35 ID:q66auwDO
支援!
799 :
A HAPPY NEW YEAR 2 0 1 0 !
[sage]:2010/01/11(月) 09:54:35.19 ID:60XvQYDO
保守
800 :
A HAPPY NEW YEAR 2 0 1 0 !
[sage]:2010/01/12(火) 16:28:24.77 ID:hssKEgDO
こなあああああああああああああああゆきいいいいいいいいいいいいいいいいい
801 :
A HAPPY NEW YEAR 2 0 1 0 !
2010/01/16(土) 00:06:34.94 ID:SJPIRIAO
俺こなクリスマスマダー?
802 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2010/01/16(土) 09:25:21.53 ID:JpEk6MDO
まだ
803 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2010/01/17(日) 08:36:02.94 ID:yTnXngDO
こなあああああああああああああああゆきいいいいいいいいいいいいいいいいい
804 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2010/01/17(日) 23:03:56.56 ID:s/I54sAO
保守
805 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2010/01/18(月) 21:37:12.00 ID:drJDqIDO
保守
806 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2010/01/22(金) 02:30:51.19 ID:hHkAC6AO
だれか…このスレ助けて…………
807 :
パー速のローカルルールが変わりました
[sage]:2010/02/02(火) 10:47:15.99 ID:Vs0JDJwo
ほす
808 :
パー速のローカルルールが変わりました
[sage]:2010/02/07(日) 23:37:15.89 ID:dboIYRMP
何・故・流・行・ら・な・い・?
809 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2010/02/14(日) 00:55:05.26 ID:0bYAfQAO
もう限界なのかな・・・
810 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2010/02/14(日) 23:18:49.93 ID:FLrxqgY0
11も続いたしね…
811 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2010/02/15(月) 00:07:44.61 ID:VHeUJlQ0
20も30も続く所もあるにはあるが二次創作だと限界はでるわな
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