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HTML化した人:
lain.
★
( ^ω^)ブーンは英雄だったようです
1 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/02/04(水) 17:58:15.24 ID:8ADECASO
静寂。
切り裂き、頭に声が入ってくる。
( )「忘れるんだ……」
視界を白が支配する。
( )「ショボン君、急ぐんだ。魔翌力暴走が始まるぞ」
新たに男の声。
誰なの?
声もなしに問い掛けても、返事はない。
( )「どんなことがあっても、強く生きるんだ。 じゃあね」
最初の男の声を最後に、全てが切れた――――
2 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/02/04(水) 18:01:19.03 ID:8ADECASO
人間と魔物が共存する世界レイドルド。
レイドルド歴504年――――
永きに渡る共存に、亀裂が走った。
突然、魔物側の王、ギコが人間に反旗を翻したのだ。
二度目の大戦の借りを返すという義の元に。
ギコは人間に不満を抱く少数の魔物を結集。
王都レイドルドを目指した。
それに反しレイドルド王も軍を進軍させ、三度目の人間、魔物間の大戦が始まると思われたその時である。
英雄は、現れた。
英雄の名はホライゾン=内藤。
突如現れた彼は、単身魔物の群れへと飛び込むと魔物の王、ギコを討ち取った。
その場にいた人物は皆、二度目の大戦時の英雄、アルフォン=ガルト=グレードとその姿を重ねたという。
そしてホライゾンは、ギコを討ち取るとアルフォンと同じく姿を消した。
彼は手を大きく広げて、こう叫びながら走り去ったという。
⊂⊂( ^ω^)⊃⊃「ブーーーン!」
今となっては彼はこう呼ばれている。
英雄《ブーン》と。
3 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/02/04(水) 18:02:19.37 ID:8ADECASO
《第一話:beast》
ざわめく。
揺れる。
落ちる。
ところ狭しと生える木々の鼓動を目前に、そう感じた。
ここはどこだ?
分からない。
何のために?
分からない。
僕は何?
分からない。
自分が何なのかさえも。
自分が獣なのか、はたまた魔物なのか。
可能な範囲自分の身体を見回しても分からない。
( ^ω^)「ふう…………」
少し、思い出せた。
今自分が吐いた物は息。
厳密にいえば溜め息。
少しすぎる記憶だが、少年にはとても大きな記憶に思えた。
4 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/02/04(水) 18:06:52.47 ID:8ADECASO
動く。
曲がる。
掴める。
これは、手だ。
立つ。
歩く。
しゃがむ。
これは、足。
見る。
嗅ぐ。
聞く。
喋る。
これは顔か。
段々と自分を理解していく。
( ^ω^)「困ったお……」
口――厳密にいえば喉――からそんな言葉が洩れた。
何に困っているのだろう?
記憶がないこと?
多分正解。
気付けば手で頭を掻いており、少年は《掻く》という使い道も知った。
5 :
8ADECASO
[sage]:2009/02/04(水) 18:08:27.61 ID:8ADECASO
( ^ω^)「おっおっおっ」
やがて少年は今いる場所が《森》だと知り、向かうべき場所を《街》と決めた。
地を踏み締めることで、思いだすように。
少年は一歩一歩を踏み締めて歩く。
――――カツン。
( ^ω^)「ッ!」
小さな、衝撃。
頭に当たった何かは、地に転がる音を残して少年の頭にたんこぶを作る。
( ^ω^)「石……かお?」
それが石だと知った時には、既にそこに《居た》。
居た。という言い方は正しくないのかもしれない。
正しくは――――
(・・)「があああ!」
――――突如としてそこに、《出現》した。
6 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/02/04(水) 18:10:22.01 ID:8ADECASO
(・・)「ぐああああ!」
岩壁のような、とかく獣のような生物。
獣が雄叫びを挙げる度に木々がざわめき、地が振動する。
( ^ω^)「な、何なんだお?」
少年が状況を認識する暇は与えられない。
獣はのしのしと大きな足を動かし、どしどしの音と共に少年の方向へ歩を進める。
(・・)「ぐああああああ!」
それは、雄叫びにして叫び。
少年の聴覚を一瞬で捉え、離さない。
――――ゴオッ!
本来なら聞き逃す筈のない岩が風を切る音も、聞き逃した。
( ´ω`)「うあっ!」
大きな、衝撃。
7 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/02/04(水) 18:11:03.93 ID:8ADECASO
( ´ω`)「う、ううう……痛いお」
岩は少年の前方から腹にぶつかったのだが、耳を塞ぐので精一杯だった。
故に、気付けなかった。
(・・)「ぐおお!ぐああああああ!」
倒れる少年を見て、実に楽しそうに胸を打ち鳴らす獣。
それを見た少年は、岩は獣の仕業だと悟る。
( ´ω`)「僕が何したってんだお……」
身体の節々が痛い。
故に、立てない。
(・・)「…………」
自分にトドメをさすためにかは知らないが、獣がこちらに向かって再び歩を進め出したというのに。
8 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/02/04(水) 18:13:08.29 ID:8ADECASO
( ´ω`)「ううう……」
視界に、少年に影が掛かる。
それは無論、獣の影。
( ´ω`)「や、止めろお……」
(・・)「…………」
無論、聞く耳は持たない。
太い腕を、振り上げた。
(・・)「ぐおおおおお!」
( ´ω`)「う、うわああああ!」
太い足よりもさらに太い腕が、少年に振り降ろされた――――
――――衝撃は、ない。
衝撃が強すぎて痛覚を越えたのか。
少年はそう、《勘違い》した。
9 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/02/04(水) 18:14:01.72 ID:8ADECASO
(;・・)「ぐ、ぐおおおおお!」
( -ω-)「お?」
目を瞑り、直後に迫る衝撃に備えていたのだが。
瞑ってはいなかった――瞑るとは言わないが――耳に、獣の悲鳴が進入してくる。
「大丈夫か?」
続いて、何者かの声。
( ´ω`)「お……?」
川゚‐゚)レ「大丈夫そうだな」
目を開けた先には、髪の長い女性が一人。
( ´ω`)「…………?」
川゚‐゚)レ「待っていろ。すぐに終わらせる」
女性は凛とした表情で言うと、その表情のままに獣へと向き直った。
10 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/02/04(水) 18:15:57.70 ID:8ADECASO
川゚‐゚)レ「人を襲うとは愚かな魔物め」
女性のよく通った声。
一文字ずつハッキリと、伝わる。
(#・・)「があ! があああ!」
それを理解したのかしていないのか、怒りに染まる獣。
肩口に短い矢が刺さっているところは、女性の仕業らしい。
川゚‐゚)レ「始末してやる」
おもむろに、掌を地に向けた。
川゚‐゚)レ「燃えろ、イグニス――ignis――」
女性の掌にどこから発生したか火が纏わりつく。
( ´ω`)「な、なんだお?」
ズキズキと痛む腹に比例して、ユラユラと歪む少年の視界。
それでも、火は見えた。
川゚‐゚)レ「…………」
目を閉じ、想像する。
魔法とはすなわち想像力にして創造力。
川゚‐゚)レ「はあっ!」
放たれるは火。
放たれるは魔法。
11 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/02/04(水) 18:30:13.12 ID:8ADECASO
火球、と呼ぶに相応しかった火は獣に向かう課程で縄のような形へと変化する。
そして縄へと変化した火は、獣の身体を蛇のように這いずり回る。
(;・・)「ぐあ!ああああああ!」
耳を塞ぎたくなる悲鳴。
――――それは断末魔。
少年が耳を塞ぐよりも早く、獣は鳴くのを止めた。
( ´ω`)「お……?」
見れば、地に伏す魔物。
溶ける魔物の身体。
(;^ω^)「と、溶けてるお?」
川゚‐゚)レ「俗に魔物、と呼ばれる生物の殆どは絶命すると共に時間を掛けることなく地に帰る。
そんなことも知らないのか?」
12 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/02/04(水) 18:37:42.43 ID:8ADECASO
( ^ω^)「……知らないお」
知らない。と言い切ってしまうことに少しためらった。
《知らない》わけではないような気がしたのだ。
川゚‐゚)レ「うん?
珍しいな。 魔物の性質は知っておくに越したことはないぞ。
襲われた時に役立つからな」
言いながら、腰に提げたボーガンを手に取り、矢を取り付ける。
先程の矢はこれで放ったらしい。
( ^ω^)「さっきのは……魔法……かお?」
魔法。どこからか出てきた単語。
何故この単語を知っていた?
分からない。
川゚‐゚)レ「そうだ」
短く答える。
同時に、ボーガンに矢を取り付け終わり腰に提げ直す。
13 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/02/04(水) 18:47:28.38 ID:8ADECASO
( ^ω^)「……イグニス――ignis」
火を表わす属性、イグニス――ignis
口から、洩れた単語が再び。
魔法に続き、何故自分はこの単語を知っていたのかは分からない。
でも何故か、自分がこの単語に深く関わっていた気がする。
川゚‐゚)レ「なんだ?
魔法が珍しいのか?
魔法なんて誰でも使えるだろうに」
( ^ω^)「誰でも使える?」
違和感。
誰でも使えることに対してではない。
誰でも使えるのなら、誰でも知ってるということだ。
なのに何故自分はうろ覚えなのか?
何故、《気がする》だけなのか?
14 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/02/04(水) 18:49:25.09 ID:8ADECASO
とりあえず一旦休憩するお
15 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/02/04(水) 20:37:22.90 ID:8ADECASO
川゚‐゚)レ「それにしても危ないところだったな。
こんな森に何の用だ?」
( ^ω^)「お?」
それすら分からない。
魔法について、イグニス――ignisについても全く分からない。
何もかもが分からない。
ワカラナイ。
(;‐ω‐)「う、うう……」
何故分からないのかを考えれば考える程に、頭痛がしてくる。
頭の痛みを覚えると共に、身体中の痛みが再度。
(;‐ω‐)「お……お……」
川゚‐゚)レ「こんなところで人間がうろうろしてれば魔物のいい餌だ。
街に戻ろ――」
頭の痛みか身体の痛みか、女性が言い切るのを待つことなく少年の意識は途切れた。
薄れゆく景色の中、少年はまた新しいことを知った。
それは――――
――――自分が人間であること。
《第二話へ続く》
16 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/02/04(水) 22:12:35.40 ID:8ADECASO
続き書くお( ^ω^)
17 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/02/04(水) 23:52:54.39 ID:8ADECASO
《第二話:lost memory》
( ^ω^)「お……?」
意識が戻ると、そこは見知らぬ天井。
少年が馴染んだ、知った天井などは記憶にはないが。
( ^ω^)「何処だお……ここは?」
少年を包み込むのは優しい弾力。
ベッドだ。
自分はベッドに寝かされているらしい。
( ^ω^)「…………」
身体を起こして辺りを見渡す。
ベッドの横にあるのは、灯の消えたランプが天板に置かれている小さな戸棚。
背後、つまりベッドの後ろ側には窓。
部屋の中にはそれだけしかない。
18 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/02/05(木) 00:03:45.99 ID:TtxnesSO
どうやら何もかもが分からないわけではないようだ。
ベッドや戸棚や窓のことだって知っていたし、そういえば森や街のことだって知っていた。
でも、一番重要な自分のことに関してや、魔法や魔物については何も分からない。
( ^ω^)「一体何なんだお……」
誰に言うわけでもなく呟き、うなだれる。
その際に、また知った物が目に入る。
部屋を出入りするための役割を担う物。
それは扉――――
――――ガチャ。
その扉が、小気味のいい音を立てて開かれた。
19 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/02/05(木) 21:09:30.22 ID:TtxnesSO
川゚‐゚)レ「おや?
目が覚めたのか」
扉を開き入ってきた者、それは森で少年を助けてくれた女性だった。
( ^ω^)「ここはどこだお?」
まず聞くこと、それは自分が今いる場所について。
ここが《部屋》なのは分かるが、《何処の》部屋なのかは分からない。
川゚‐゚)レ「港町パーソクの宿屋だ。
安宿ですまないが」
( ^ω^)「パーソク……確か帝都ヴィップの近くだったお?」
川゚‐゚)レ「そうだ」
自分のことや魔法や魔物について以外はかなり理解出来るらしい。
20 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/02/18(水) 00:19:16.56 ID:b/J93iso
続きは?
21 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/02/18(水) 04:49:37.21 ID:guzSMoSO
川゚‐゚)レ「ところで、君の名前は?」
( ^ω^)「…………」
分からない。
名前に関しては、分からない。
川゚‐゚)レ「ああ、すまない。
人に名を尋ねる前に自分が名乗るべきだな。
私はクー。しがない旅人だよ」
少年が黙っているのを違う形で捉えたらしい女性、もといクーは軽い自己紹介をすると再び少年を見据える。
が。
( ^ω^)「…………」
少年が言葉を発す気配はない。
川゚‐゚)レ「???」
喋り出さない少年を不思議そうに、かつ訝しげに見つめて首を傾げるクー。
22 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/02/25(水) 21:36:46.01 ID:aZq26iso
続きは??
23 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/03/09(月) 00:57:57.48 ID:gycs4YSO
( ^ω^)「分からないんだお……」
重々しく、少年が口を開いた。
自分の名前も分からないなんて、変な奴だと思われる。
だから余り言いたくはなかったのだ。
川゚‐゚)レ「ということは、君は記憶喪失なのか?」
( ^ω^)「え?」
二つの意味で驚いた。
一つは、記憶喪失という言葉が出てきたこと。
本でしか読んだことのないそれに、自分がなるなんて思わなかった。
( ^ω^)「変な奴だって思わないのかお?」
川゚‐゚)レ「何故だ?」
( ^ω^)「僕は自分の名前すら分からない奴だお? 変な奴だって思うのも当然だお」
川゚‐゚)レ「それは君が記憶喪失だからだろう? 全くおかしなことを言うな、君は」
そして二つ目は、クーがブーンを変な目で見なかったこと。
まあその辺はクーの性格によるものなのだろうが、ブーンは素直に感動していた。
24 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/03/09(月) 03:46:08.40 ID:zLuFHTUo
不定期すぎる
25 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2009/04/11(土) 20:24:59.61 ID:Le87ooAO
続きは?
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