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【短編】やる夫のショート・ショート【小説】
1 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/03/28(土) 20:47:49.81 ID:e6eGXqko
やる夫で、短編小説をやりたいと思います。
１回目は英国短編小説界の鬼才（と１は思う）、サキです。
本日２作投下予定です。
共に５０レス前後です。よろしくお願いします。
2 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/03/28(土) 20:49:48.29 ID:e6eGXqko
<Author: Saki Title: The Mouse>
【 作者：サキ 邦題：ハツカネズミ】
※スミマセン、かなり改変しました。
今回の話は、原作者サキ、原作レイパー１です
3 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/03/28(土) 20:50:05.06 ID:e6eGXqko
1
＿＿＿_
／ ＼
／ ─ ─ ＼ ひとつ小話をさせてください。
／ （●） （●） ＼ 私が生きてきた中でもっとも
| （__人__） | 恥をかいた出来事についてです。
＼ ｀ ⌒´ ,／
/⌒ヽ ー‐ ｨヽ
/ ,⊆ニ_ヽ、 |
/ ／ r─--⊃、 |
| ヽ,.ｲ ｀二ﾆﾆうヽ. |
4 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]：2009/03/28(土) 20:50:18.21 ID:e6eGXqko
2
＿＿＿_
／ ＼
／ ─ ─ ＼ なぜそんなことを話すのかって？
／ （●） （─） ＼
| （__人__） | なぜでしょう・・・退屈だからでしょうか。
＼ ｀ ⌒´ ,／
/⌒ヽ ー‐ ｨヽ
/ ,⊆ニ_ヽ、 |
/ ／ r─--⊃、 |
| ヽ,.ｲ ｀二ﾆﾆうヽ. |
5 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]：2009/03/28(土) 20:50:35.25 ID:e6eGXqko
3
＿＿＿_
／ ＼
／ ─ ─＼
／ （●） （●） ＼ あなたもご存知だと思いますが、
| （__人__） | 私の父は田舎の村のちょっとした名士でした。
＼ ｀ ⌒´ ,／
/⌒ヽ ー‐ ｨヽ＿
/ ､ ､ 〆ヽﾞ￣ ｀i
/ / ﾞ lヾ_ ,|ヽ─ヘ
/ /l `､´/ ヽ
/ / ヽ ,＿＿__ ｀ ,ヽ ヽ
-─ヽ ｲ_ ヽ / ￣￣￣￣`ヽ Ｙ ゝ‐-､
( _i _i＿ﾄ､__) ヽ､＿＿_⊥＿＿＿＿ﾉ 「＿＿＿ﾉ
6 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/03/28(土) 20:50:50.78 ID:e6eGXqko
4
＿＿＿_
／ ＼
／ ─ ─ ＼
／ （●） （●） ＼ 私が確か１２歳。
| （__人__） | 父の跡を継ぐために、勉強だといって、
＼ ｀ ⌒´ ,／ 汽車で数時間の隣町の叔父に預けられてすぐのことでした。
/⌒ヽ ー‐ ｨヽ＿
/ ､ ､ 〆ヽﾞ￣ ｀i …父が鬼籍に入ったという電報を受け取ったのは。
/ / ﾞ lヾ_ ,|ヽ─ヘ
/ /l `､´/ ヽ
/ / ヽ ,＿＿__ ｀ ,ヽ ヽ
-─ヽ ｲ_ ヽ / ￣￣￣￣`ヽ Ｙ ゝ‐-､
( _i _i＿ﾄ､__) ヽ､＿＿_⊥＿＿＿＿ﾉ 「＿＿＿ﾉ
7 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/03/28(土) 20:51:14.82 ID:e6eGXqko
5
＿＿＿_
／ ＼ （ ;;;;(
／ ＿ノ ヽ__＼) ;;;;)
／ （─） （─ /;;／ 吸っても平気ですか？・・・
| （__人__） l;;,´ ・・・ありがとうございます。
/ ∩ ノ)━・'／
( ＼ ／ ＿ノ´.| | そうですね、もちろん悲しいという気持ちもありました。
.＼ " ／＿＿| | でも葬式のためとはいえ、自分の家に帰れると思うと嬉しくもありました。
＼ ／＿＿＿ ／
8 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]：2009/03/28(土) 20:51:26.94 ID:e6eGXqko
6
＿＿＿_
／ ＼
／ ─ ─ ＼ 道中は一人かって？
／ （●） （●） ＼ いえ、父に買ってもらった一匹の
| （__人__） | ハツカネズミがおりました。
＼ ｀ ⌒´ ,／
/⌒ヽ ー‐ ｨヽ 籠に入れ、汽車内にも持ち込んでいました。
/ ,⊆ニ_ヽ、 |
/ ／ r─--⊃、 |
| ヽ,.ｲ ｀二ﾆﾆうヽ. |
9 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/03/28(土) 20:53:07.84 ID:e6eGXqko
7
＿＿＿_
／ ＼
／ ─ ─ ＼ 父の知らせを受けた次の週末に汽車の切符を手に入れました。
／ （─） （─） ＼ もちろん一番安い、足も満足に伸ばせないボックス席です。
| （__人__） |
＼ ｀ ⌒´ ,／ そこに私と一回りも違わない、二十歳まえでしょう、
/⌒ヽ ー‐ ｨヽ とても綺麗な女性が先客として私の向かいの席に座っていました。
/ ,⊆ニ_ヽ、 |
/ ／ r─--⊃、 |
| ヽ,.ｲ ｀二ﾆﾆうヽ. |
10 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]：2009/03/28(土) 20:53:23.22 ID:e6eGXqko
8
|-－―－ 、 ──ボックス席への扉を開けると彼女はチラッとこちらを見て、
|-－―‐- ､＼ また目線を戻しました。
|-－― -､ ヽ ヽ 子供ながらに、一目ぼれに近い感情を抱いたのを覚えています。
|/.: :: :: ::ｲ::＼. l ﾍ、 少女が大人になる、あの時期にしかない独特の幼さと、
|＿,:/.:／!:: :: | |_／ 憂いを帯びていました。
|ﾐ:ｲ／ ーl‐:|::l |:l 荷台にある荷物を見ると、ずいぶん遠い所から、
|ｿ ｲ::ﾂV:/ l::| 私の実家方面に向かっているのが伺えました──
|'' 。 ｀∠:ｲ |::l
|＞--r:: '´:: ｌ {::l
|_＼／｀ ー､| l::l
| ,小｀ヽ /' l| l::|
|/iｌ|└' / lＬ｣::l
r―ｉ:|.＿_/ |:: :: :i
T ∨::〈 r､ ｣:: :: ::i
ト､ﾉﾌ￣l寸]:: :: :: ::',
|¨´ト､__ﾉ |､:: :: :: ::ヽ
11 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/03/28(土) 20:53:40.80 ID:e6eGXqko
9
／ ｒー‐く￣￣￣ゝ-、
／ ノ ― ヽ￣＿＿_ヽ＼_
／ ／ヽ / ＿ｧー' ￣／ ⌒＼_ヽ
／ ::: : ｒ' 〆 ソ ／ ｉ ＼ ──ペコッと会釈をして、自分の座席に着きました。
／ ::: : .::::／ ／ / / ｉ ヽ 彼女の不安げな顔を数十年たった今でも
ー=ﾆﾆ>:::/ ｖ/, /:: / ./ / / ｉ. `, はっきりと覚えています──
|Ｖ "ｧ‐/::: /: .:／ .:/ｲ ./: ｉ:: ｉ ｌ
.ｌ ::） ｉ |:::: ｉ /::......:::::::／ ::／ / /: //:ｉ:: ｉ ｉ: ｌ
ｌ :（ |:::: :ｉ :ｉ Ｌ フﾆﾆ＝ｰ‐‐''ﾌ／/ / ハ:ｉ: :ｉ ｉ ｉ
ｌ :ﾉ 、ｉ , ｌ::::: ｉ | :| ヽｰｒ‐‐＝マ ´ / / >く. |: ｉ: ｉ ﾘ
.ｌ ｉ:）ﾄ‐ ‐ ヽ::::. ｉ ｌ :ｌ にんｿ ／／/ﾊｭ､_> / ﾉ
ｌ ｉ ｉ( 小 ヽ:::::ｉ ｌ ヽ ﾊヾ.ー' ／ " ノ,にｱ/:/:／
ｌ ｉ ｉ ） へ::ﾍ 〃 i. ￣{/／|
ｌ :ｉ ｉ.（ ハ ＼.__ " イｉ ｌ
ｌ:ｉ ｉ .）.ヽｉ ｨ ）::| ＼ =‐' ／/ ｉ: ｌ
ｌ :ｉ .:ｉ .:( 小 （::｣ ｀ ‐ ､_ _, イ ｲ:: ｉ: ｌ
.ｌ ｉ ::ｉ ::::｝ ハ| _. - 亠 く / ﾊ .ノ::ｉ:::. ｉ:. ｌ
ｌ:ｉ :::ｉ .::::/ ｝へ＞く _ / ./::::::::ｉ:: ｉ: ｌ
ｉ .::::レｲ / / /〉‐〈 ＼ .{ ノ ｀ヽへ ＿ ｉ:. ｌ
12 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]：2009/03/28(土) 20:53:55.42 ID:e6eGXqko
10
`ﾟ ' ` .;ﾞ
`.: ~ '､･｡
.'｡:･ ｡ '､ ､｡'`
･`, .`
.: ･` ──汽車は白い煙を上げ、悠々と
;ﾞ｡ ; 線路を進みました。
[￣￣￣] 父の知らせを聞いてから、
｜￣￣｜ もちろん私は涙しました。
／￣￣￣￣＼ 前日の夜も泣いた記憶があります。
／ [D51] ＼ 泣き疲れていたんでしょう。
｜(●), ､(●) ｜ 私は心地よい汽車の揺れに身を任せ、
｜ ,ﾉ(､_,)ヽ ｜ 眠りに落ちました──
｜ `-=ﾆ=- ' ｜
＼ ／
|＼＿＿＿＿／|
┃E＼ ／E┃
皿@皿皿皿皿皿@皿
!_! !_!
13 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]：2009/03/28(土) 20:54:55.73 ID:e6eGXqko
11
＿＿,．--_-_- ．__
_∠/ _v__｀¨´ _vv_ヽ.__ ¨' -．_
,ｨ´r_ ｲﾊ｀_,､__ ﾊﾊ _｀ヽ. ¨ ‐--ｫ
,ィ´ ´ﾊ ,ﾉ￣￣´ ￣￣ヽ､ﾌﾍ' ヽ.__ |
. /ﾍア´￣|.:.:.:.:.:.!.:.:.|.:.:.:.:.＼.:.:.:.:.｀ー､ _､＼ | ──彼女も長旅に疲れていたのでしょう…
ノi,ｨ´:/.:.:.:.:.| .:.:/!:|ヽ.:',.:.:＼.:.:ヽ..:.:.:.:.:.: ヽ.ﾊ¨ ｀ー'‐- ､ ＿__ 時折私が目を開け彼女を見ると
. |_/:!.:.:!.:.:.:.:.:ﾊ.:/ﾉ.:| .:',∧:ヽ.:ヽ.:.:ヽ.:.:.:.:.:ヽ:｀¨Tヽ._=Y= _二_Yｨ ﾝ まるで王族の子供のために作られた
. / !:!|.:.:|.:.:.:.:.:|::|'/.:.;ﾊ.:.:ﾊ:|＼:＼:＿:.ヽ.:.:.:. i.:.',:.:',.:.:＼￣¨ ‐．_￣ 人形の様でした。
ｲV|:|:!',.:l.:.:.|.:.:|::,'.:./ !.:.l |:!-‐＜_｀ヽ｀.:',.:.:. |.: |､.:i､＿.:ヽ、.:.:.:.:.:￣¨ 胸が高鳴りました──
. |'ﾍ |:|:!:ヽ',.:.|ヽ|ﾉ-,''¨｜ﾉ l:! ＿ ヽ|､.:.|.:.:/.:.:|::',:|、.:.:￣￣.:.:.:.:.:.:.:.:
. / ,!:l:ヽ.:.ヽ.i／:|/ _」' ﾘ ＿, -z' Y.:∧.:.:!ヽ!| ＼_.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
. ,'v_ 代:',､:ヽ.:.ヽ.:.:i! _,ﾉ ￣´ ,':,ｲ/ﾊ.:|:::::i|＼.:.:.¨ヽ.＿＿
{,ﾎ | ',ﾍヽ ＼:ヽト=''´ zxx /'´,'ノ:::|/￣¨ ‐-．＿_.:.:.:.ヽ.￣
ヽ ﾉ ヽ', {＼｀ヽ＼_zxx `__ ,． 人＼__::::::::::::::::::::::::::::￣￣￣
ﾄvヽ ＼ヽ.＼:｀ヾ.￣ ／| :::＼＿｀¨:::::‐-．＿＿＿＿_
ヾ｀ | ｀ｭ､`.:､｀マ'ェｧ､‐-‐''´ jヽ＿＿_｀＞､‐-．＿＿＿＿_
｀¨!｀ー- ､／.::.::`ーY｀ｧ-}｀'‐‐x― '´ ﾄ、,、,、:::::::::＼＿
ヽ、＿__ヽ-=､_,､f'/_ﾌｧ＝ァｿﾄ＝,ゝ､__} /ｲー--､:::::::::::｀¨ ‐-．__
14 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/03/28(土) 20:55:45.41 ID:e6eGXqko
12
|-－―－ 、 ──またしばらくしてからでしょうか、
|-－―‐- ､＼ ふと目を覚ますと見慣れた風景を窓の外に見ました。
|-－― -､ ヽ ヽ あと一時間もしないうちに私の田舎町でしょう。
|/.: :: :: ::ｲ::＼. l ﾍ、
|＿,:/.:／!:: :: | |_／ 彼女も目を覚まし、窓の外を見つめていました──
|ﾐ:ｲ／ ーl‐:|::l |:l
|ｿ ｲ::ﾂV:/ l::|
|'' 。 ｀∠:ｲ |::l
|＞--r:: '´:: ｌ {::l
|_＼／｀ ー､| l::l
| ,小｀ヽ /' l| l::|
|/iｌ|└' / lＬ｣::l
r―ｉ:|.＿_/ |:: :: :i
T ∨::〈 r､ ｣:: :: ::i
ト､ﾉﾌ￣l寸]:: :: :: ::',
|¨´ト､__ﾉ |､:: :: :: ::ヽ
15 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/03/28(土) 20:56:11.09 ID:e6eGXqko
13
──ただ、私は自分の背中や腹に違和感を覚えました。
まるで何かが私の体の上を這いずり回っているかのように──
16 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/03/28(土) 20:56:27.44 ID:e6eGXqko
14
／￣＼ ,／￣＼
| | .| |
＼ ／＿＿＼ ／ ──ふと、出窓に置いた籠を見ると、
/ ヽ 生前父に買ってもらったハツカネズミがいません。
| ● ● | 籠が傷んでいたんでしょうね、籠に少し隙間が開いていました──
| 三( _●_)三
人､ |∪Ш ､｀＼
/ ＿＿ ヽノ /´> )
(＿＿＿） / (_／
| /
| ／＼ ＼
| / ) )
∪ （ ＼
＼＿)
17 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/03/28(土) 20:56:48.54 ID:e6eGXqko
15
──まさかと思いましたが、襟元から服の中を除くと、真っ白い、
あのハツカネズミが私の腹の上で毛繕いをしていました──
18 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/03/28(土) 20:57:12.57 ID:e6eGXqko
16
／ .,※,...-―:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:::ｰ-.､ ＼
／ /,.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:＼※ヽ
＼ ／:.:.:.::/:.:.:.::.:.:.:.:.:.:!:.!:.:.:.:.:.＼::.:.:.:..:ヽ ',
/:.:.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:.:../.;ｲ.:ﾄ､.:.:.:.:.:.:ヽ.:.:.:.:.:ヽ ──服の中に手を入れてネズミを取ればよいのですが、
,':.:.:.:.:.:.:!.:.:.:.:.:.:.,:ｲ:/ ;:/ ヽ.:..:.:.:.:.!:.:.:.:.:.:.'※. なにしろすばしっこい。
!:.:.:.:.:.:.:|.:.:.:.:／.// // ＼:.:.:.:.|:.:.:.:..:.:i それに彼女に変な目で見られかねませんからね、
|:.!:.:.:.:.:.|;∠..－'" 〃゛` ―--＼:.!:.:..:.:.::,' } 最小限の動きでネズミを服の中から追い出そうと必死でした──
!ﾊ:.:.:.:.:.! _,, / ､_ /:.:.:./:/∧
i! ＼:.:.:＼`＝''" `ー＝''ｲ/:.ｨ／/:.:.
}ヾ､_＼ ' ／／´ /:.:.:.
ﾄ､※,.＞-―…―--＜7´※ /:.:.:.:.
!:.r(´.._'' ¨´￣￣｀¨r-┴ ､ /ユｭ_:.:.
/:.{ 〉ーｭ__...::::::::::.r―_`ヽ〈 /／ {ｊ:.:.
. /:.:/{Y´,.-<:::::::::::::::`ー､` ﾉｭ!_ｊ⌒ｰﾘ:.:.
/:.:.:! >｀ ー'､..＿＿＞-､_.ﾉｽ ,' |:.:.
/:.:.:.| {~`＾ｰｾ┘!｝{} !㍉x-イ } ,' ｜:.
. /:.:.::.,' ! ! | ｝{} ! i! ﾄ、 ｜:.
. /:.:..:./ ! ,' ｝{} ！ | | ヽ !:.:.
/:.:.／ ﾄ ｲ ｝{} ∧ ｜ 〉 ﾊ:.
19 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]：2009/03/28(土) 20:57:28.83 ID:e6eGXqko
17
', / ／, ｀ヽ ＼ ＼
i/ ／／ ＼ i:.:.:}イ´
::.{,/／ / / ｌ ＼ ', {:/ l
::l / :/ / :l::.l ﾄ､ ::.'､: V ｝ ﾄ ──それでも彼女は私の動きを不信に思ったんでしょうね。
l/ .:/ .:/ :::!.:.l ::i ＼::. _ -:',::. ﾊ }: l ', チラッと私を一瞥し、また窓に目線を戻しました──
: /! .:ｉ .::l:. .::j ::ｌ| ::l ＞'´ト、::.. }:.: ｌ| }:. i ＼
!:.. /i | l ::l:: /! :|l ::| ／ ヽ ,不}:.|: .:i:{ }', ｌ ＼
:l::. / :l | :ｌ :l.: /:イ::!:! ｉ:l /,ィし'ﾂj:ｲ: .:l｛ f:. ｉ: ', 、丶｀ ｰ- ､_
::ｌ::. l :l :! :.、:l:.ｲi ﾉ'＿!:ｌ| ￣ /} .:ｲj、 {: l: i i:. 丶 －
､:i:: ヽ | :ﾄ ヽ :{犬ﾍしﾂ{' ' /イ厶' ＼i ｌ:: ｌ l ヽ ｀ 、
:ヽ!::. ｌ :i ＼ ヽ:.､_´ _ ､ ／ / { V l:: ｌ ｌ ＼
:.l:.:. ヽ:ｌ |::｀ト､二 ィ´ － / ／'､ ＼: | l ヽ::.
. :::!::. ＼ ヽ:. ヽ ﾄ ￣ 下 ー -- ｲy' , l ヽ-|:.｜ ',:::.
. :ｌ:.:',:.: ＼::. ー ､ ＼:.:.:.:ｌ／l{ f/＼ ヽ!: |::. ',:.:.:..
:/: : :}::. ／ ／ 寸:.…､ヽ }:.:/, /ｌﾊ 〈/ ＼ l: |i:.:. ',:.:.:..
/: : :.:!:: ／ ／ , r=＞､:.ヽ V ｣//」 {ﾍ.i 「{ ＼ :|: !}:.:.:... l:.:.:.:.
': : : :.}:／ ／ !〈::. ＼:.| ハ{ﾉj {// ヽ} か :l: |:l¨ヽ:.:.. |:.:.:.:.
: : : /´ / : :＼:::. V:.:.:.T|{._/ ｲ｣ ::}｛ {: | l ｲ}:.:.:.. l:.:.:.:.
: : : ＼. / : : ヽ::. Vｫ:.|:!Tﾞ ｽj l |:.:} :|: ! l└i:.:.: l:.:.:.:
: : : :/: . : : : :ﾄ､ ﾊｲ|ｌ | ｛ｲ: | |:.｛ :|: ', ! ヽ}:.:.: |:.:.:.:
20 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]：2009/03/28(土) 20:57:45.12 ID:e6eGXqko
18
──何といいますか、顔から火が吹き出そうなくらいの
恥を覚えました。
同時に、今まで友達だと思っていた存在に裏切られた、
怒りとも悲しみとも思えない感情もありました──
21 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]：2009/03/28(土) 20:58:11.26 ID:e6eGXqko
19
|／:::::::::,::::::::::::::::::::::::':::::::::::::::::::::::::::ヾヽ ＼
|:::::::::／:::::::::::::::::::::::ﾉ!:::::::::::::::::::::::::::::|!t,! ノ
|::::::'::::::::,／::::::/:::::从ヾ,.:::::::!::::::::::::::::f!ﾘ ／
|::/::::::::/:::::::::/:::::ィl;l!::::::＼:ﾘ:::::ヾﾘ:::::ﾚ ／
|/:::::::/::::::::::､ _:/_|:!ﾊ:::::::::.,＼:::,:/:::::/／
|:::::::/:::::::::/:::, '/ l「 lT:::;/::::j::ｨﾒ､:; '
|::::/:::::,:::ｨ:／,.ｫ==lﾄ,､ヾ〃:,.::/ﾒｩ∧ ──どうしても小動物が私の肌をくすぐるのに
|::/::j／::/ ﾊ;;;;lﾘ /:::/:/zｫｲ::| 我慢できなくなり、服を脱ごうと思いました。
|'／´ j/ 辷ゝ /:::,:::/zｫ/::::!| いえ、脱ぎたいと思いました──
| ノィ'ﾚ'ﾒﾊｲ::::::::|
| ' '"´/ィ'',ﾊz/:|! :::::|
| ‐.‐ ｲ/ﾋﾒﾊ/ ,l! :::::|
i｀_ー ､ ,／ﾊｨﾋメﾊｲ ,::::l!::::: |
ﾋ ヽl､ __ ィ !::::::/ﾊｨﾋﾒﾊｲﾄl!:: l!::::: |
ﾄ｀ヽ ＼::::ノ !`!!:::iﾊｨﾋﾒ/l!:::|:::::::|! ::, |
_ ヽ ヽ Y _ノ ∨ﾊﾋﾊ!:::|::::|:::::::l!: ﾘ |
ヽ ｀ヽ ' |∠__,..lﾋﾒﾊｲ|::::|!:::|!:::::|:::,l:: |
,) | ,>|ﾋﾒﾊｲ|ﾄ､:::::ヾ::::ヽ::::::|
l , ヾ,.ﾉﾋﾒﾊﾒハzヽr-._ヾ. ::::|
| _ i_,_ lﾋﾒﾊﾒﾊﾒﾊｿ fノ:.:.:.:`r'-､
22 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/03/28(土) 20:58:59.82 ID:e6eGXqko
20
､__ー────t-_- ､__
, ':.:.:.:.:.:＼ ´ li ヽ f 「｀ｰ､
／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼ ヾヽ ＼ ──幼いころに母が亡くなっていたので、
, イ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼ l } ＼ 女性に免疫が無かったのもあるでしょう。
./.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:../:.:.:.:.:.:..:.:.:ヽ _ヽl!/_ l } ＼ その行動は自分にはどうしてもできませんでした──
/:.,ｨ :..|:.:.|:.|:.:/／ヽ:.ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:＼. l!ヽ l } ゝ ＼
'::// :.:.|::.:|:.ﾚ:/__ ヽl:.:.:.:.: .:.:.::.: l l } __ ＼
l:.| {:.:.:.:|､:.l/ｨ´￣ ´ lﾄ,:.:./ :.:.:.:..:.!, l } _ ＼
丶! ヽ :.|乂./ __ ヽV:.:.:.:.:.:.::/i l } √ .:.:￣￣ ｀ ヽヽ
へ!i.ソ ,,== ゝ /:.:.:.:.:.::./ f! / l }__ノ : .:.:.:.:| _＿＿＼!
r /ｲ:.:.:.:.:./ = .= l }ﾊ:.:.:.:.:.:.:.:.|!／
丶 _ '/:.:.:. _イ / i! ヽ /ノ:.::.:.:.:.::.:.:.:|
＼｀｀ _,ノ-‐ ' ノ/ / ）.:: l :.:.:.:.:.:.:|
ヽ. / / ):.:.:.: |:.:.:.:.:.:.: |
/ ｀ ー─┐ '!l!/_ / ﾌ:.:.:.:.: | :.:.:.:.:.:.:|
/i!ヽ ﾉ rー イ/ ヾ / 7:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.:.:.:ヽ
/ ___,イr==､/ /フ､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:.:.:ヽ
' /r‐ノヽ ,/ 7､_rｰz_､__:.:.:.:.:.:.:7:.:.:.:.:.::ヽ
/ - l::ﾚ,ノ|::l .ﾉl/_ /ア ヽ ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.:.:.:.:ヽ
f! ヽ r 7/{ /|::|//l丶 /_) l !:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:.:.:.:.:＼
|! r//}{/ | |/ /j | |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼:.:.:.:.:.:.:.:＼
23 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/03/28(土) 21:00:06.32 ID:e6eGXqko
21
,．'"´ ￣￣｀`ヽ､
／ ,． -‐ ｰｰ --‐- ､ ｀丶､
／ ／ `ヽ ＼ ──まあ考えても見てください。
〈 ム． '"´ ⌒⌒ ｀`ヽ ＼ ＼ 思春期の私が、一種の恋愛感情をもった
V/ .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ＼ ヽ ＼ 女性の前でいきなり服を脱いでネズミを取り出したら・・・
〃.::.::!.l::!.:..:.:.:.;.::/.://.::l:::::::::.`､ ヽ ﾍ 彼女は私を軽蔑するでしょう・・・
〃.:::l:::l::|:|::l:::::/:/:://:::ハ.:;.:.:::::.`, V.:l:l` 私には確信がありました。
./:::;:::::l:::l::|:|::l::/:/ //::::/ l:|:l:::::!::!::{! !:::l:| この確信は今でも持ち続けています──
l::l::l:::::|:十ナl:＜ /::∠_ 」ﾄﾄ､:l::l:::{! !:::l:|
|::l::l:::::|:|:|yﾃ〒ミ/::/´,t＝=ﾐ､:ﾄ､::{! !::::l:!
|::ﾄ:ﾄ､:|:|:| f辷ソ _f辷ｼノl:l::l:::{! !::::l:|
｀`Vハ1:ﾄ､, , , ､ , , , , l::://{! !:::l::!
i `ヽ小､ _ ﾉ//.::{! i .j!:::l::|
| ‐米 f{:.>.､ ｀ ,. イﾚﾊ.::::{! 米j!::::l::!
,/| ,f{::l::l::＞==＜__ ノ⌒ヽ:::〉 !〈:::::l::|
/ .! ! ,fﾚ'/｀`V,ｨ介入 〈 〉:::l::|
/ ! ‐米,f{ｿ ／/ﾉハ `ヽ 〉米〈ﾌ⌒フ
/ ,.ｲ! ! .{′ 〈_,ｲﾉ} iﾄ､__」 〈 !〈ﾉr'.::::.｀ヽ
./ /.:::lL＿ _」 / ,} ji! 〉 !:::::::::::::::::ヽ
/ /.:.:::::) ,1 ソ / ,} jii! L＿」:::::::::::::::::::::
./ 〈.:.:.::::（ ,1 ｿ / ,} jii! { 1〈.::::::::/:::::::::::::::
/ ハ.::::::),1 ｿ / ,} jii! { ,1 〉.::::/::::::::::::::::::
24 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]：2009/03/28(土) 21:00:09.95 ID:bqo8Idso
ほうほう
25 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/03/28(土) 21:00:38.91 ID:e6eGXqko
22
──私は作戦を考えました。
この裏切り者をどのようにして排出しようかと・・・
どの様にしてこの不快感から脱出しようかと──
26 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/03/28(土) 21:01:09.87 ID:e6eGXqko
23
/: : : : : ;/: : : : : : : |: : : |: : : : ｰ- ,, ヾヽ:::::::::::::::::::r::::::＼
/: : : : : ::/: : : : : : : : |: : : l＼: : : : : : ＼ __ゝﾘﾉ_ ヾヽ ::::::::::::::::::::::::::::＼
/:: /: : : /: : : : : : : : ::j!:::: /!:: ＼: : : : : : : ＼ / liヽ ヾヽ:::::::::::/: ,, ＿＿＿ゝ
/ / i: : : : !: : : : : : : : / !:: ∧､: : : ＼: : : : : : : ＼ ヾヽ:::::i／ : : : : : ヽ /
|/!:: |: : : : !: : : : : : : / !::/:ヽ:＼: : : l: : : !: : : : : : ＼ ヾヽ: : : : : : : : : : ＼
!l !:: |: : : : l: : : : : ::メ ./_/_j__＼::＼::::!: : ! : : : : : : :!::ヾ i i,,: : : : : ヽ : : : : :
!l !:: !!: : : :l : : : : :/ /::/ ヾ;`ゝ;;_ヽ!_..!ヽ: : : : : : !ヾ;;ﾞ! ヾヽ: : : : : ＼: : :
───試しに| ヽ ヽ|: : : : l! /∠,,＿ ＼:＼`r-ゞ:!:丶: : : :r ､j::! __ヾ!!ﾉ_ ! !: : : : : : : : : :
私はわざとらしくヾ ＼ ヽ.: : !| j/ '" !､_j"` r `"Y:: / !: : : : : : !｀!| !! / liヽ ヾヽ: : : : : : : :
体を動かし、 ヽfヽ. !´ |リi ' /: / |: : : : : / !: ::!, '' ゞゝ: : : : : : : :
少し冷えますね ソ '-‐' /:/ l: : : : / ／!ノ::＼ ＼＼ _＿＿＿
と体を暖める ヽ j/ |: : : /< ゞ＿: : : : ｰ ､,,__＿,, ==--''=＝､''´
ふりをして服の上から ＼ /: ／ ＼/' ヽ.: : : : : ヽ,, ヽ
裏切り者を排出 `r- j／ ／ `ｰ ､..: : :`ｰ-- ､＿＿＿＿
しようと試みました。 ヽ ／ `ｰ ､: : : : : : : : : : : : : :
＼ _,,. -‐ ´ `j､ ／ ,,__ ゝ- ､__,,:__ : : : : : ですが、やはり
` ´ // / ___∠_fｰ<__r'´`!_｀~ヽﾝ-､; : :この小さき
r-∠__ !/ ∠ f" ! ゝｿ `ヒ_) 裏切り者は外に
/''r/::::::ﾄ:ヽ.,, /f´｀~~ ヽ | ヽ/r-､-ﾉ,) 出るのを拒むかのように
//´fi:::r､:ヾ＼::＼,. /__j | ! |私と服の間に居続け様と
//j` !|::| !j|ヾ::ヽ ＼::ヽ /,,// i! | するのです───
/// ) !.|::| |li| ﾄ::::! |:::| ! )/ |
く::ヽ,j / !::| |j| |::ゝ:＼j:::| j/ |
/ヽ:::`´::ﾉ |ﾄ| |::::f＼:j:::| / !|
27 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/03/28(土) 21:01:34.16 ID:e6eGXqko
24
／ rｸ , --＝===＝ﾐ ＼
／ ｨ7 ≠″ `￢＼
,. ' 〃 ／ ／ ＼
,. rｸ ／ / ハ ヽ
＼ ＼ jｊ / /／ ／ / / | ゛ ───彼女は、そうですわね。
＼｀ ､ヽ {{ .′ / ／ ／ ／ ′ ﾊ と言い、私に目を向けました。
＼/ V{{ | －/―--＜. ／ イ / / ｜ 私は心の中が見透かされている
/ ∧{ | |子＝ﾐ＜￣ ／ / ｲ | ｜ と、思いました。
/ ／ }} ｉ| |├び ﾊ｀ ／ ／／ﾄ ｜ | |.// 彼女より年下の私がもぞもぞ
, ′ }}. ＼ |｀ ー ′ ／ ｧえﾒ､｀｜ | |'/ と一人、愚かな動きをしている。
／ {{ rｆ＼ ヽ lじﾝ〃ﾍ/ | |′ そんな気持ちがこもったかの様な
／ /バ {{＼ ′ ｀ / / / / 視線でした───
／ ／／ {{ }} | ＼ '｀ ー 二 イ//
／ ／／ 什ｊト′ ｀ ＿, r＜ |}} ／ }}
／ r―‐､i⌒ヽー ∨| ＿,ﾆヽ丨__ | |{{ ヾ!
／ |＿し-.＼〔_r┐ ∧∨＿／介ｰ､＼ r┐ヘ |{{ ＿_}}＿_
' ／ / ＿仁＼〔__ | ヽ / 乃ヘ ＼＼弋!ィ ￣￣ ＿＿＿_ヽ
／| ヽーミ ｀ヽ〔_ ヾ ∨ | | )ハ ヽ／ ／ ＼
／ ｜ /￣＞ 、 `ｰ- ⊥ | |（ ／ ／⌒ヽ / ＼
28 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/03/28(土) 21:02:19.31 ID:e6eGXqko
25
───私には我慢の限界でした。
裏切り者から受けるこの不快感、虚無感、そして屈辱に対して───
29 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/03/28(土) 21:02:34.55 ID:e6eGXqko
26
､__ー────t-_- ､__
, ':.:.:.:.:.:＼ ´ li ヽ f 「｀ｰ､
／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼ ヾヽ ＼
, イ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼ l } ＼
./.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:../:.:.:.:.:.:..:.:.:ヽ _ヽl!/_ l } ＼ ───私は負けたのです。
/:.,ｨ :..|:.:.|:.|:.:/／ヽ:.ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:＼. l!ヽ l } ゝ ＼ 自身の男としてのプライドは脆くも
'::// :.:.|::.:|:.ﾚ:/__ ヽl:.:.:.:.: .:.:.::.: l l } __ ＼ 崩れ去りました。
l:.| {:.:.:.:|､:.l/ｨ´￣ ´ lﾄ,:.:./ :.:.:.:..:.!, l } _ ＼ 小さき裏切り者に屈し、
丶! ヽ :.|乂./ __ ヽV:.:.:.:.:.:.::/i l } √ .:.:￣￣ ｀ ヽヽ この可憐な女性の前で服を脱ぐ事を
へ!i.ソ ,,== ゝ /:.:.:.:.:.::./ f! / l }__ノ : .:.:.:.:| _＿＿＼! 虐げられたのです。
r /ｲ:.:.:.:.:./ = .= l }ﾊ:.:.:.:.:.:.:.:.|!／ この時が原因なのでしょうか？
丶 _ '/:.:.:. _イ / i! ヽ /ノ:.::.:.:.:.::.:.:.:| 私は以降、想い人と行為に及ぶことができません
＼｀｀ _,ノ-‐ ' ノ/ / ）.:: l :.:.:.:.:.:.:| 異性の前で服を脱ぐ行為が、
ヽ. / / ):.:.:.: |:.:.:.:.:.:.: | どうしてもできないのです───
/ ｀ ー─┐ '!l!/_ / ﾌ:.:.:.:.: | :.:.:.:.:.:.:|
/i!ヽ ﾉ rー イ/ ヾ / 7:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.:.:.:ヽ
/ ___,イr==､/ /フ､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:.:.:ヽ
' /r‐ノヽ ,/ 7､_rｰz_､__:.:.:.:.:.:.:7:.:.:.:.:.::ヽ
/ - l::ﾚ,ノ|::l .ﾉl/_ /ア ヽ ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.:.:.:.:ヽ
f! ヽ r 7/{ /|::|//l丶 /_) l !:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:.:.:.:.:＼
|! r//}{/ | |/ /j | |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼:.:.:.:.:.:.:.:＼
30 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]：2009/03/28(土) 21:02:36.19 ID:bqo8Idso
何かこう
傍から見るとどーでもいいことに、必死こいてるのが
いかにも男の子って感じだなあｗｗ
31 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/03/28(土) 21:02:52.89 ID:e6eGXqko
27
───それから時間にすると１５分くらいでしょうか？
私には永遠とさえ感じられる時間がたちました───
32 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/03/28(土) 21:03:10.36 ID:e6eGXqko
28
───ネズミですか？
窓から放り投げてやろうかとも思いましたが、
これ以上彼女の前で醜態をさらすわけには行きませんから…
ハンカチで補強した籠に戻しました───
33 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/03/28(土) 21:03:30.67 ID:e6eGXqko
29
`ﾟ ' ` .;ﾞ
`.: ~ '､･｡
.'｡:･ ｡ '､ ､｡'`
･`, .`
.: ･`
;ﾞ｡ ;
[￣￣￣] ───汽車が駅のホームに着きました。
｜￣￣｜ 言っていませんでしたっけ？私の地元の駅が終点だと？
／￣￣￣￣＼ つまり、彼女と汽車を降りても少しの間、
／ [D51] ＼時間をともにしなくてはならないかもしれないのです。
｜(●), ､(●) ｜すばやく荷物を降ろして走ろうと身構えた時です。
｜ ,ﾉ(､_,)ヽ ｜彼女は私に言いました───
｜ `-=ﾆ=- ' ｜
＼ ／
|＼＿＿＿＿／|
┃E＼ ／E┃
皿@皿皿皿皿皿@皿
!_! !_!
／／ ＼＼
／／〓〓〓〓〓〓〓＼＼
34 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/03/28(土) 21:03:53.79 ID:e6eGXqko
30
/ /.:.:.:./.:.:./.:.:./!.:.:.:.|.:.:ヽ.:.:.:.:.:.ヽ.:.:.:.:.:.:.:!.:|.:ヽ._'' ｀ } ヽ
,' /.:.:.:.,'.:.:.:/ .:,ｲ.:|.:.:|.:|ヽ.:.:ヽ.:.:.:.:.:.ヽ.:.:.:.:.:|.:|.:.:.:.:|ヽ | ／
. i.:.!.:.:.:/.:.:.:/.:,ｲ ! ﾊ.:.|.:|.:.:',:､.:.ヽ.:.:.:.:.:.ヽ.:.:.:!.:|.:.:.:.:｀7 !'´ ───お手数をおかけして申し訳ないと。
. |.:|.:.:.:|.:.:.:,' 7十Ｈ-l､|.:ヽ.:.ヽ＼.:＼.:.:..:.:ヽ.:!.:!.:.:.:.| {_ | 彼女は続けました。
,|.:|.:.:.:|.:.:.:|/＿_ヽ|_ ',|、.:ヽ :|＼ゝ‐ヽ、__.:',|.:|.:.:.:.|.:{, ｜ 私は目が見えません、ご迷惑でなければ、
ハ:|､.:.ヽ.:.ﾊ'¨びこﾊ ヽ＼:| ＼ ゝ＼:|＼｀ V.:.:.:.:!: ﾊ | 荷台に乗った私の荷物を取ってくださいませんか？と
.:.{ヽ ＼.:N ヽ又__ブﾞ ＼ '´び＞ｬ､!:､!.:.:.:.,'.:,' Y
.:.（{ {＼ヽ_｀¨ 又_ブ ﾉ,ｲ.:.:.:/ / ! 私は驚きました。
／〉 ｀ヽ￣ ﾉ --‐''¨,ﾉ.:／_/ ,ｲ こんな活き活きとした人が盲人だと───
:::人 ri ,ヘ、 ､、＿ , 、,ニﾗ='´r'´, _, |:|
´.:.（iヽ;;く }〉 /＼ ￣ ,r‐r', ´ ¨ ｀Y´_V_ r‐1:!
_,ノ:;ゝ{j ｀ii）'::::::::｀ゝ、＿__/.::.::ゝ ､__,､_r‐1 .:|:|
_｀´二ヽ._ﾉ::＿r,=ﾉ_／、ノ.::.::.::.〉 ﾉ.::.::.:ヽ::|.:.:|:|
35 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]：2009/03/28(土) 21:04:22.96 ID:bqo8Idso
お約束ｗｗｗｗｗｗ
36 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/03/28(土) 21:04:43.45 ID:e6eGXqko
31
＿＿＿_
／ ＼
／ ─ ─＼ ネズミのことに対して、
／ （●） （●） ＼ 私の愚行について、それとなく聞いてみました。
| （__人__） | ネズミはお好きですか？といった具合に・・・
/ ∩ノ ⊃ ／ 彼女は、どうしてそんなことをお聞きになるんです？
( ＼ ／ ＿ノ | | と答えました。
.＼ " ／＿＿| |
＼ ／＿＿＿ ／
37 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/03/28(土) 21:05:19.16 ID:e6eGXqko
32
＿＿＿_
／ ＼
／ ─ ─ ＼ 彼女は何も気づいていなかったのです。
／ （●） （●） ＼ 私が小一時間ほど小さく、そして大きい脅威と
| （__人__） | 戦っていたことに。
＼ ｀ ⌒´ ,／
/⌒ヽ ー‐ ｨヽ
/ ,⊆ニ_ヽ、 |
/ ／ r─--⊃、 |
| ヽ,.ｲ ｀二ﾆﾆうヽ. |
38 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/03/28(土) 21:05:34.58 ID:e6eGXqko
33
＿＿＿_
／ ＼
／ ─ ─＼ 私は思いました。
／ （─） （─） ＼ 盲人の前で何と無駄なことをしたのだろうと。
| （__人__） | そして彼女を恨めしく思いました。
/ ∩ノ ⊃ ／ 盲人ならそれらしく振舞うべきだと。
( ＼ ／ ＿ノ | |
.＼ " ／＿＿| |
＼ ／＿＿＿ ／
39 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/03/28(土) 21:05:58.98 ID:e6eGXqko
34
＿＿＿_
／ ＼ （ ;;;;(
／ ＿ノ ヽ__＼) ;;;;) 数年後・・・でしょうか、彼女に対してそんな考えをしてしまった
／ （─） （─ /;;／ 自分を恥じました。
| （__人__） l;;,´
/ ∩ ノ)━・'／ 彼女は好きで目が見えなくなったわけではないと、
( ＼ ／ ＿ノ´.| | 幼いときとはいえ、こんな考えを持ってそれから生きてきた
.＼ " ／＿＿| | 事を今では恥ずかしく思います。
＼ ／＿＿＿ ／
40 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]：2009/03/28(土) 21:06:02.68 ID:bqo8Idso
こういうことって、あるよなあ……ｗｗ
41 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/03/28(土) 21:06:25.51 ID:e6eGXqko
35
＿＿＿_
／ ＼
／ ─ ─ ＼ なぜ今この話をするかって？
／ （●） （●） ＼ 言ったでしょう？
| （__人__） | 退屈したんです。
＼ ｀ ⌒´ ,／ 私でいるのに。
/⌒ヽ ー‐ ｨヽ
/ ,⊆ニ_ヽ、 | ネズミと言えども友に裏切られ、
/ ／ r─--⊃、 | 辱められたことに。
| ヽ,.ｲ ｀二ﾆﾆうヽ. |
42 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/03/28(土) 21:06:45.19 ID:e6eGXqko
36
／￣￣￣＼
／ ─ ─ ＼
／ （●） （●） ＼. これが・・・私の死刑前の私の懺悔です。
| （__人__） |
＼ ｀ ⌒´ ／
／ ＼
43 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/03/28(土) 21:07:08.79 ID:e6eGXqko
37
／￣￣￣＼
／ ─ ─ ＼
／ （●） （●） ＼. 神父さん、お付き合いいただきどうも。
| （__人__） |
＼ ｀ ⌒´ ／
／ ＼
44 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/03/28(土) 21:07:27.10 ID:e6eGXqko
38
／￣￣￣＼
／ ─ ─ ＼
／ （●） （●） ＼. 裏切る側に立ってみたかった。
| （__人__） | 友と呼べる人間を裏切って、
＼ ｀ ⌒´ ／ あの時あのネズミが何を思ったか知りたかった。
／ ＼
45 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]：2009/03/28(土) 21:07:38.95 ID:bqo8Idso
なん……だと？
46 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/03/28(土) 21:07:44.32 ID:e6eGXqko
39
───それが、友を敵国に売り、不敬罪で死刑にされる、
私の裏切り行為の理由ですよ───
47 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/03/28(土) 21:08:11.54 ID:e6eGXqko
40
＿＿＿_
／ ＼ （ ;;;;(
／ ＿ノ ヽ__＼) ;;;;)
／ （─） （─ /;;／ …ネズミの気持ちを知ることができたかって？
| （__人__） l;;,´ そうですね、あなたも誰か裏切ってみると良い。
/ ∩ ノ)━・'／ あなたのことを友と想う人を……
( ＼ ／ ＿ノ´.| |
.＼ " ／＿＿| |
＼ ／＿＿＿ ／
48 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]：2009/03/28(土) 21:09:12.22 ID:bqo8Idso
コミカルな話かと思えば……
これは、良いどんでん返し
49 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]：2009/03/28(土) 21:11:43.73 ID:e6eGXqko
<Author: Saki Title: The Mouse>
【 作者：サキ 邦題：ハツカネズミ】 終わり
宣言どおり、かなりひどいレイプです。
原作では、やる夫役は、マザコンで潔癖症の中年で、
まず、二等席という扱いを憤慨に思っていて、
さらにハツカネズミといった不潔なものにくるしめられ、
恥ずかしい姿を見られた向かいに座る女性は盲人という話です。
50 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]：2009/03/28(土) 21:14:06.86 ID:e6eGXqko
サキ（原作者）が第一次世界大戦の戦死者ということもあり、
やる夫はスパイ活動をしている友人を裏切るという設定で大幅に改編してしまいました。
申し訳なく思っています・・・
原作はもっとすっきり話が進み、読みやすいものになっています。
51 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]：2009/03/28(土) 21:16:06.68 ID:bqo8Idso
乙
まあ原作は未読なんだで、以下は的外れの可能性アリなんだけれども
女性と相対する主人公が少年になったことで
序盤の奇妙なコミカルさが強調された、という部分もあるんじゃないかな、と
で、コミカルに見えれば見えるほど、ラストの落差がガツンと来るわけで
面白かったよ
また気が向いたら、何か作ってみてくれ
52 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]：2009/03/28(土) 21:16:16.74 ID:e6eGXqko
２作目は同じく原作者サキで、【侵入者たち】です。
少し席をはずします。
投下は２１：３０にします。よろしかったらお付き合いください。
53 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]：2009/03/28(土) 21:23:42.50 ID:bqo8Idso
む、まだあるのか
了解、待ってるよ
54 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/03/28(土) 21:35:49.98 ID:e6eGXqko
お待たせしました。
それでは投下します。
55 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/03/28(土) 21:36:13.75 ID:e6eGXqko
＜Author: Saki Title: The Interlopers＞
【作者：サキ 邦題：侵入者たち】
※今回は原作重視。意訳しているので、販売されている日本語版とは詳細が違うかも・・・
56 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/03/28(土) 21:36:48.37 ID:e6eGXqko
1
───ある冬の晩、猟銃を携えた男が
一人領地内の見張り台に立ち、
獣が射程内に入らないか、真っ黒な森を見据えていた───
57 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]：2009/03/28(土) 21:37:18.52 ID:bqo8Idso
意訳……ってことは
原書で読んだのか！？
58 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/03/28(土) 21:37:37.52 ID:e6eGXqko
2
／￣￣￣＼ ───男の名はやる夫───
／ :::＼:::／:: ＼
／ <●>::::::<●> ＼.
| /// （__人__） /// |
＼＿＿＿ ＿＿／
,／ ヽ ヽ`ｰ"/:: `ヽ
/ ﾞヽ ￣､::::: ﾞl, ※猟銃です
|;/"⌒ヽ, ＼ ヽ: _l＿ ri ri
l l ヽr‐─ヽ＿|_⊂////;`ゞ--―─-r| | / |
ﾞlﾞl, l,|｀ﾞﾞﾞ''―ll＿__l,,l,|,iﾉ二二二二│｀""""""""""""|二;;二二;;二二二i≡二三三l
| ヽ ヽ _|＿ ＿ "l￣￣￣￣￣￣ |二;;二二;;二='''''''''''￣ﾉ
/"ヽ 'j＿／ヽヽ,￣ ,,,/"''''''''''''⊃r‐l'二二二T￣￣￣ ［iﾞ''''''''''''''''"ﾞﾞﾞ￣`"
／ ヽ ー──''''''""(;;) ｀ﾞ,j" | | |
59 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/03/28(土) 21:38:09.09 ID:e6eGXqko
4
───男が立つ見張り小屋は森の端に建てられた。
この森の端というのは急斜面になっており、猟の獲物になる
獣は限られていた。が、しかし領地の当主である男、
ＶＩＰ・ＤＥ・やる夫は最も厳重にこの辺りを監視していた───
∧
|| | |
|| | rt! |
__ _⊥⊥ / l!__ _＿ ＿ tirit
,_,,.. ．-‐ '''""~""'‐- ､､∧.::::::::::::::::::」 r|::::::::::::::::::::', 〔77〕
/ ',:::::::::::::::l | ：|::::::::::::::::::::::', 」___L
|i゜゜| lﾖ lﾖｌ::l | ：|.:. lﾖ lﾖ lﾖ l | ∧__ _＿.＿| | |. :. :. :. :. :. :. :. :
_ _,, . -‐::''.."." ¨¨´ .. |i王| lﾖ lﾖｌ::l | ：|.:. lﾖ lﾖ lﾖ l | | | :::: ::::::::::::| | | .,"'`',:'':'`'`',
.:.:'',, .:.:'',, .:.:'',, .:.:'',, |i王| lﾖ lﾖｌ::l | ：|.:. lﾖ lﾖ lﾖ l | | | ：：：：：： | | |.,"'`',:'':'`'`',:'':'`
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60 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]：2009/03/28(土) 21:40:32.98 ID:e6eGXqko
──チラシの裏──
>>57
はい。作品が１世紀程前なので、難しいのですが・・・
もちろん、Ｂｏｏｋ Ｏ○○ 等で翻訳されたサキの作品があります。
──チラシの裏──
61 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/03/28(土) 21:40:49.26 ID:e6eGXqko
5
───話の発端は彼の先々代、
彼の祖父が、訴訟を起こし、隣の領主が
不法占領した彼の土地を奪い返したのに起する───
＿＿＿_
／ ～～～＼
／ ～～～ ＼
／ -（◎）―（◎） ＼ わしの土地じゃ！！
| （ （ （__人__））） |
/ ∩ノ ⊃ ／
( ＼ ／ ＿ノ | |
.＼ " ／＿＿| |
. ＼ ／＿＿＿ ／
62 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/03/28(土) 21:41:23.68 ID:e6eGXqko
6
───がしかし、取られた側は判決を良しとせず、
親子三代に渡る領地争いは、領主への
個人的な憎しみとして世襲されていった───
俺の土地だろ！！
／￣￣＼
／ﾉ( ゝ 、_,ﾉヽ r'´ ﾞヽ ／｀ヽ ＿＿＿_
| ⌒(（ ●）（●） ヽ ヽ从从/ / ＼ ／＼ やる夫のだお！！
. | （__人__） /⌒l ＼ ＼／ ／て （●）liil（●） ﾉ( ＼
| ｀ ⌒´ﾉ |`'''| ∑ ヽ／ ／ そ ／ （__人__） ⌒ ＼
／ ⌒ヽ } | | ,)／ ／ ＼ く | |!!il|!|!l| |
／ へ ＼ }__/ / ／ ／＼ ＼ ＼i⌒ヽｪｪ| ／
／ ／ | ノ ノ ／ ／ YＹY＼ ＼ ＼ ＼ /⌒,/´
( _ ノ | ＼´ ／ ／ ＼ ＼ / ＼ ＼/ /ｌ
| ＼_,／ ／ ＼ ＼_／ ＼_＿ノ |＼
.| ／ ＼ |) ）
ヽ ／ ＼ ,r' ／
＼ , '´ ｀' , ／ｰ'′
＼ ( ) ／
＼ ＼ ／ ／
このち○こ頭！！ うっせー顔長！！
63 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]：2009/03/28(土) 21:42:36.99 ID:bqo8Idso
>>60
かっけぇ……
64 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/03/28(土) 21:42:58.68 ID:e6eGXqko
7
───彼らが幼いころは事あるごとに
殴り合いの喧嘩をし、
成人してからは、お互いの不幸を願って生きてきた───
／￣￣＼ おちんぽぉ
／ﾉ( _ノ ＼
| ⌒(（ ●）（●）
.| （__人__） /⌒l
| ｀ ⌒´ﾉ |`'''|
／ ⌒ヽ } | |
／ へ ＼ }__/ / ／￣￣＼ カタストロフィーー！
／ ／ | ノ ノ ／ ●)) ((●＼’, ･
( _ ノ | ＼´ ＿ （ (_人_)’∴ ）, ’
| ＼＿,, -‐ ''" ￣￣ﾞ''―---└'´￣｀ヽ て
.| ＿＿＿＿＿＿ ノ （
ヽ ＿,, -‐ ''" ﾉ ヽ ｒ'"￣
＼ , '´ し/.. | J
＼ ( / |
＼ ＼ し- '^`-J
65 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/03/28(土) 21:43:28.50 ID:e6eGXqko
8
───そして毎晩、領主自ら猟銃を手に、
互いの領地の端に建てた見張り小屋に
足を運んでいた───
_／￣￣＼
／ ノ ＼ ＼
| （●）（●） | あの馬鹿こっち入って来ないかなー・・・
| （__人__） | きたら蜂の巣にしてやるのに・・・
| ｀ ⌒´ |
＼ ´ ／
／ |＼
（ く"| ＿＿＿＿_|＿_＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ri
r‐＼ ヽノ _|||||________._|}=====fll||爪||||||l|」ｺ
＼_ 三〉))ー'￣ ｀ｰ'ミ￣~￣
'ｰ---‐'''~`ｰ'
66 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/03/28(土) 21:43:46.39 ID:e6eGXqko
9
───そう、彼らは四本足の獣ではなく、
二足歩行の"獣"を狙っていたのだ───
67 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]：2009/03/28(土) 21:43:55.94 ID:bqo8Idso
ちょｗｗｗｗｗｗ掛け声ｗｗｗｗｗｗ
ホントは仲良いんじゃねえか？ｗｗｗｗｗｗ
68 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/03/28(土) 21:44:16.17 ID:e6eGXqko
10
───今宵、嵐の夜に、やる夫は、
鹿を見た。
なにか、そう、
"二本足の獣"から逃げているかのような様子だった───
∧ /i, ／|
ヽ Y ∧ ,. | ,'／／
'i | i ! / | i ' /
i i ∧/ / / i / /
. 'i ',ヽ ' / 〈 i / /
| ' j | ヽ. V /
ヽ、 i ! 〉 .／
ヽ,,; | ／／
i:〉 ´''''''''ﾞ'r ´｀>
. i´ : :,.,.,. :. ﾍ／
!: : :,'r‐ァ : : ヽ
/: : ,',. ｀´: : : : : ゝ、
；;;;;;; : : : : : ,.;;; : : : : `‐ .,
ヽ,_ : :_, 1:;:;'' : : : : : : : :ヽ.、
i': : : : : : : : : : : : : ;`‐- .,
. |: : : : : : : : : : : : : : ,',',:',:',:ヽ、
. | : : : : : : : : : : : ,;',;',;',;',;': :, '::.ヽ
i: : : : : : : : : : ,; ; : ; : ;: ; : : : ; :
69 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/03/28(土) 21:44:40.51 ID:e6eGXqko
11
───願わくば一対一、
目撃者の誰もいない場で、
”獣”と遭遇できれば───
＿＿＿_
／ ＼
／ ─ ─＼ 絶好の機会だお！！
／ （●） （●） ＼
| （__人__） |
/ ∩ノ ⊃ ／
( ＼ ／ ＿ノ | |
.＼ " ／＿＿| |
|＼ ／＿＿＿ ／|
| ﾉ
ヽ y /
＼ / /
/ ／
（_＿＿）_）
70 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/03/28(土) 21:45:04.32 ID:e6eGXqko
12
───そして、お互い願ってもいない獲物
に出会った───
／￣￣＼
／ _ノ ＼ ＿＿＿_
| ／ﾟヽ／ﾟヽ ／ ＼
| （__人__） ／ノ ＼ ＼
| |'|｀⌒´ﾉ ／ /ﾟ＼ /ﾟ＼ ＼
|. U } | （__人__） |
ヽ } ＼ .｀ ⌒´|'| ／
ヽ ノ ノ .U ＼
/ く
71 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/03/28(土) 21:45:45.80 ID:e6eGXqko
13
───がしかし、いざ宿敵を前にしてみて
お互い、何も言わずに平然と隣人を撃つ度胸は無かった───
／￣￣＼
／ _ノ ＼ ＿＿＿_
| ○ ○ ／ ＼
| （__人__） ／ノ ＼ ＼
| ｀⌒´ﾉ ／ ○ ○ ＼
|. } | （__人__） |
ヽ } ＼ .｀ ⌒´ ／
ヽ ノ ノ . ＼
/ く
72 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/03/28(土) 21:46:10.63 ID:e6eGXqko
14
───寸分ためらった直後、二人は激しい轟音を耳にした。
彼らの頭上の木を雷が打ち、
折れた枝が二人の上に覆いかぶさった───
＼ /
/ ／
く <
:::: ,＼＼
:::::::: ',∴ /／∵･_ ::::::::::::::
;;;;;::::::∩ ';人･'∩:::::::;;;;;;;;:::::::::
;;;;;;;;;;;;|ノ ￣￣￣ ヽｸﾏｰ;;;;;::::::::::::::::
;;;;;;;;;/ ○ ○ |;;;;;;;::::::::::::::
;;;;;;;;| ( _○_) ミ;;;;;;;::::::::::
;;;;;;;;ヽ |∪| 、;;;;;;;:::::::::::
73 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/03/28(土) 21:46:28.34 ID:e6eGXqko
13
───がしかし、いざ宿敵を前にしてみて
お互い、何も言わずに平然と隣人を撃つ度胸は無かった───
／￣￣＼
／ _ノ ＼ ＿＿＿_
| ○ ○ ／ ＼
| （__人__） ／ノ ＼ ＼
| ｀⌒´ﾉ ／ ○ ○ ＼
|. } | （__人__） |
ヽ } ＼ .｀ ⌒´ ／
ヽ ノ ノ . ＼
/ く
74 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/03/28(土) 21:46:48.37 ID:e6eGXqko
15
───やる夫は気が付くと地面に倒れていた。
太く重いブナの枝がやる夫の顔面を打ち、
両足と利き腕の右腕にのしかかっていた───
＿＿＿_
／,:' /,';;;}: ＼ 血が目に入ってよく見えないお・・・
／_, ｡ｨ' li:.､ヒァ' ＼ 足はぴくりとも動かせないお・・・
／ ⌒';,ﾞi, ri:.:i .::' メ、 ＼
| u ,:' /,';;;}:.ヾ:. |
＼ ' {;!ﾞ' ／
／ ＼
75 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]：2009/03/28(土) 21:47:11.18 ID:e6eGXqko
ぬあ！！７３誤爆です・・・
76 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/03/28(土) 21:47:30.15 ID:e6eGXqko
16
───普段なら手の届く位置・・・
やる夫の宿敵もまた大木に押しつぶされていた───
／￣￣＼
／ _ノ ＼
| （ ー）（ー）
. | （__人__） ううう・・・痛いだろ常識に・・・考え・・・て
| ｀ ⌒´ﾉ
. | }
. ヽ }
ヽ ノ
/ く
| ＼
| |ヽ、二⌒)
｜ ／
━━━━━━━━━━━━━━
木 木 木 木 木 木 木
━━━━━━━━━━━━━━
77 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/03/28(土) 21:48:10.23 ID:e6eGXqko
17
───目に血が入り、はっきりとは見えないが、
やる夫は弱々しくも確かに息をし、
自分のこの不幸な状況を罵倒する宿敵の声を聞いた───
／￣￣￣＼
／ ─ ─ ＼ ふん、生き残ったらしいお・・・
／ （×） （×） ＼. すっきりくたばるべきだお
| （__人__） |
＼ ｀ ⌒´ ／
／ ＼
78 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]：2009/03/28(土) 21:48:31.69 ID:bqo8Idso
ぬう……
79 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/03/28(土) 21:48:33.18 ID:e6eGXqko
18
───彼は目が見えるのだろう、愚痴を止め、
突然わめき始めた───
／￣￣＼
／ _ノ ＼
| （ ●）（●） ふん、ざまぁないだろ
. | （__人__） 人様から横取りした土地で
| ｀ ⌒´ﾉ 死にかけてるんだからな！
. | }
. ヽ } 天罰だよ！
ヽ ノ
/ く
| `ー一⌒)
| i´￣￣￣
80 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/03/28(土) 21:48:55.93 ID:e6eGXqko
19
＿＿＿_
／-‐ ‐-＼ 何を言ってんだお！！ここは家の土地だお！！
／ （ ⌒) (× ）＼ 今に見てるお！！やる夫のとこの若い衆が来て
／::::::⌒（__人__）⌒:::::＼ ここで木につぶされてた方がましって思いをさせてやるお！！
| |
＼ ／
81 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/03/28(土) 21:49:27.49 ID:e6eGXqko
20
／￣￣＼
／ _ノ ＼
| （ ●）（●）l 何を言ってるんだ？
. | （__人__） | 俺だってうちのを連れてきてるだろ。
| ｀ ⌒´ | 何、あいつらが俺を見つけ次第俺をここから出して、
. | } お前の上にもう一本大枝を転がしてやるだろ
. ヽ }
ヽ ノ
/ く
/ ヽ
82 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/03/28(土) 21:49:48.32 ID:e6eGXqko
21
／￣￣＼
／ ＼
|:::::: ｜ なに、天災の不運な犠牲者
. |::::::::::: ｜ にはお悔やみのひとつでも
|:::::::::::::: ｜ くれてやるだろ・・・葬式でな。
. |:::::::::::::: } 隣人的に考えて。
. ヽ:::::::::::::: }
ヽ:::::::::: ノ
/:::::::::::: く
|:::::::::::::::: ＼
83 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/03/28(土) 21:50:35.42 ID:e6eGXqko
22
＿＿
.-´ ｀｀ヽ
／ ⌒ ｀ヽ
／ ｀ヽ ヽ
（（ / （×） ヽ ・・・お前にいいことを教えてやるお
|::⌒（__ （× ） | やる夫は一人でお前を探しにいく前に
ヽ 人__） ⌒:::: | 若い衆に１０分たったらやる夫を追いかけてくるように
ヽ（__ン | 言ってあるんだお。今きっと７分位たったお。
人 / | | 残りの３分でせいぜい生まれてきたことを
/ ＿ノ ノﾉ 懺悔するお！！
|
84 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/03/28(土) 21:50:57.15 ID:e6eGXqko
23
ふん、良いだろう、死ぬまでやったやるだろ、
くたばれこの糞泥野郎！！
／￣￣＼ 同じ言葉をそっくりそのまま返してやるお！
／ﾉ( ゝ 、_,ﾉヽ r'´ ﾞヽ ／｀ヽ ＿＿＿_
| ⌒(（ ●）（●） ヽ ヽ从从/ / ＼ ／＼
. | （__人__） /⌒l ＼ ＼／ ／て （●）liil（●） ﾉ( ＼
| ｀ ⌒´ﾉ |`'''| ∑ ヽ／ ／ そ ／ （__人__） ⌒ ＼
／ ⌒ヽ } | | ,)／ ／ ＼ く | |!!il|!|!l| |
／ へ ＼ }__/ / ／ ／＼ ＼ ＼i⌒ヽｪｪ| ／
／ ／ | ノ ノ ／ ／ YＹY＼ ＼ ＼ ＼ /⌒,/´
( _ ノ | ＼´ ／ ／ ＼ ＼ / ＼ ＼/ /ｌ
| ＼_,／ ／ ＼ ＼_／ ＼_＿ノ |＼
.| ／ ＼ |) ）
ヽ ／ ＼ ,r' ／
＼ , '´ ｀' , ／ｰ'′
＼ ( ) ／
＼ ＼ ／ ／
※二人は木に押しつぶされ動けません。
これは彼らの精神的な戦いです。
85 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/03/28(土) 21:51:20.89 ID:e6eGXqko
24
───互いに罵り合った・・・
がしかし、どちらの家のものが来るか、
これは運であろう。
二人はまた、彼らの上にのしかかる
大木から這い出ようともがくのをあきらめた───
86 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/03/28(土) 21:51:51.56 ID:e6eGXqko
25
───やる夫もその宿敵も口を閉じ、
ただただ助けを待った。
やる夫の宿敵はふと、
自分の胸ポケットにスコッチの入った
ボトルがあるのを思い出した───
───彼は傷ついた腕を精一杯動かし、何とか
そのボトルに手を伸ばした───
87 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]：2009/03/28(土) 21:52:24.19 ID:e6eGXqko
26
───寒空の下、気の遠くなるような作業であったが
琥珀色の液体に口をつけた時、
その作業が無駄ではないと感じた───
／￣￣＼
／ _ノ ＼
| （ ─）（─）l ・・・おい、まだ生きてるか？
. | （__人__） | もし俺が瓶をそっちに放ったら、
| ｀ ⌒´ | 手が届くか？
. | }
. ヽ }
ヽ ノ
/ く
/ ヽ
88 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]：2009/03/28(土) 21:53:01.51 ID:bqo8Idso
おや？
89 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/03/28(土) 21:55:23.87 ID:e6eGXqko
27
───彼はやる夫を見、同じ境遇にいるからであろう、
やる夫に同情の念を覚えた───
／￣￣＼
／ _ノ ＼ 上等のウィスキーがあるんだ、
| （ ─）（●）l ちょっとでも楽になるならそれに尽きることは無いからな・・・
. | （__人__） |
| ｀ ⌒´ |
. | }
. ヽ }
ヽ ノ
/ く
/ ヽ
90 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/03/28(土) 21:55:44.21 ID:e6eGXqko
28
＿＿＿_
／ ＼
・・・いや、いいお ／ ⌒ ⌒ ＼
目に血が入って ／ （×） （×） ＼
ろくに見えないんだお | （__人__） |
＼ ｀ ⌒´ _／ ・・・それに敵と
ノ ＼ 酒は飲まないお
91 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/03/28(土) 21:56:03.17 ID:e6eGXqko
29
／￣￣＼
／ _ノ ＼
| （ ─）（─）l ・・・
. | （__人__） |
| ｀ ⌒´ |
. | }
. ヽ }
ヽ ノ
/ く
/ ヽ
92 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/03/28(土) 21:56:22.35 ID:e6eGXqko
30
───・・・しばしの間、
風が木々の間を通り抜ける音だけが響いた───
／￣￣＼
／ _ノ ＼
| （ ─）（─）l ・・・
. | （__人__） | おい、お隣さんよ・・・
| ｀ ⌒´ |
. | }
. ヽ }
ヽ ノ
/ く
/ ヽ
93 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/03/28(土) 21:56:45.33 ID:e6eGXqko
31
／￣￣＼
／ _ノ ＼
| （ ●）（●）l ・・・あんたんとこの者が先に着たら俺をどうしようとかまわない。
. | （__人__） | 俺もついさっき同じことを言ったからな・・・
| ｀ ⌒´ |
. | } ただ、俺は気が変わった。
. ヽ }
ヽ ノ
/ く
/ ヽ
94 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/03/28(土) 21:57:04.75 ID:e6eGXqko
32
───彼は続けた───
／￣￣＼
／ _ノ ＼
| （ ●）（●）l もし俺んとこの奴らが着たら
. | （__人__） | 真っ先にあんたを助け出させよう・・・
| ｀ ⌒´ |
. | }
. ヽ }
ヽ ノ
/ く
/ ヽ
95 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/03/28(土) 21:58:48.64 ID:e6eGXqko
33
／￣￣＼
／ _ノ ＼
| （ ─）（●）l ・・・考えてもみろよ、
. | （__人__） | 俺たちずっと馬鹿だっただろ
| ｀ ⌒´ | こんなろくでもない大木しかないわずかな土地を
. | } 親子３代取り合ってきたんだからな・・・
. ヽ }
ヽ ノ
/ く
/ ヽ
96 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/03/28(土) 21:59:10.69 ID:e6eGXqko
34
／￣￣＼
／ _ノ ＼
| （ ─）（─）l こうやって互いに動けない状態で
. | （__人__） | 寝転がってると・・・
| ｀ ⌒´ | 争う以外に何か別のことができたんじゃないかって・・・
. | }
. ヽ } 俺はそう思うだろ・・・
ヽ ノ
/ く
/ ヽ
97 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]：2009/03/28(土) 21:59:42.07 ID:bqo8Idso
なんか目の敵にしてる相手の事って
かえって直視しないものだよなあ
だから、間近で直視せざるを得ない状況に放り込まれると……案外……
98 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/03/28(土) 21:59:42.99 ID:e6eGXqko
35
／￣￣＼
／ _ノ ＼
| （ ●）（●）l もし、もしもな・・・
. | （__人__） | あんたが良ければ、
| ｀ ⌒´ | 今までを水に流してくれるんなら
. | }
. ヽ } ・・・俺の友達になってはくれないか？
ヽ ノ
/ く
/ ヽ
99 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/03/28(土) 22:00:03.94 ID:e6eGXqko
36
─── 一寸の沈黙の後、やる夫の覇気が無い、
が喜びを帯びたかすれた笑い声が聞こえた───
100 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/03/28(土) 22:00:22.98 ID:e6eGXqko
37
───そしてまた沈黙。
やる夫は痛みで気を失ったのではないか
それほど長い沈黙であった───
＿＿＿_
／ _ノ ヽ_ ＼
／｡（×） （×） ＼ ・・・町のやつらがびっくりするだろうお
／ :::⌒（__人__） ⌒::: ＼ あのちっぽけな森をじいさんの代から
| ヽr┬-ﾉ | . 取り合ってきたあの両家の当主二人が
. ＼ `ー'′ ／ 真昼間から酒場で
／ ` ＼ 酒を飲み交わしてる所を見たら・・・
| . ＼.
|
───かすれた声だが、やる夫の言葉は妙にはっきっりと、
今しがたからやる夫の友になった男の耳に届いた───
101 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/03/28(土) 22:01:52.12 ID:e6eGXqko
38
＿＿＿_
／-‐ ‐-＼ それにやる夫達が仲良くして
／ （ ×) (× ）＼ うるさく言う連中ももういないお・・・！
／::::::⌒（__人__）⌒:::::＼
| |
＼ ／
102 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]：2009/03/28(土) 22:03:42.92 ID:e6eGXqko
39
＿＿＿_
／-‐ ‐-＼
／ （ ⌒) (× ）＼ 大晦日にはやる夫があんたを呼ぶお・・・！
／::::::⌒（__人__）⌒:::::＼ 一緒に年を越すんだお・・・！！
| |
＼ ／
＿＿＿_
／-‐ ‐-＼
／ （ ⌒) (⌒ ）＼ んで、正月はあんたんとこにお呼ばれ
／::::::⌒（__人__）⌒:::::＼ するお・・・！！
| |
＼ ／
103 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/03/28(土) 22:04:01.09 ID:e6eGXqko
40
＿＿＿_
／-‐ ‐-＼
／ （ ⌒) (⌒ ）＼ 一緒に狩りに行って、
／::::::⌒（__人__）⌒:::::＼ あんたのその上等なウィスキーと一緒に、
| | 獲ったカモでいっぱいやるお・・・！
＼ ／
104 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]：2009/03/28(土) 22:06:43.28 ID:e6eGXqko
41
／￣￣＼
／ _ノ ＼
| （ ─）（─）l ああ、もちろんだろ
. | （__人__） | 友情的に考えて・・・
| ｀ ⌒´ |
. | }
. ヽ }
ヽ ノ
/ く
/ ヽ
105 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/03/28(土) 22:09:43.66 ID:e6eGXqko
42
───二人は、今しがた打ち解けた、
先日まで予期していなかった友情を
喜ばしく思い、次の春の狩猟の季節を
今となりに寝ている新しき友と
過ごす事を心に思い描いていた───
106 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]：2009/03/28(土) 22:10:08.41 ID:bqo8Idso
お、やる夫の目が……
107 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/03/28(土) 22:10:21.02 ID:e6eGXqko
43
───沈黙を破り、やる夫の新しき友が
口を開いた───
／￣￣＼
／ _ノ ＼
| （ ●）（●）l よし、二人で助けを呼ぼう。
. | （__人__） | 二人合わせれば少しは声も通るだろ！
| ｀ ⌒´ |
. | }
. ヽ }
ヽ ノ
/ く
/ ヽ
108 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]：2009/03/28(土) 22:10:41.71 ID:e6eGXqko
44
───二人は精一杯叫んだ。
今の二人には、どちらの家の者が来ようと、
それは問題ではなかった───
109 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/03/28(土) 22:11:12.14 ID:e6eGXqko
45
／￣￣＼
／ _ノ ＼
| （ ＞）（●）l おっ！聞こえたみたいだろ！！
. | （__人__） | 今止まってこっちにくるぞ！！
| ｀ ⌒´ |
. | }
. ヽ }
ヽ ノ
/ く
/ ヽ
110 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]：2009/03/28(土) 22:12:14.06 ID:bqo8Idso
さて……どうなるか
111 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/03/28(土) 22:12:39.24 ID:e6eGXqko
46
＿＿＿_
／ ＼
／ _ノ ヽ､_ ＼ ほんとかお？
／ oﾟ(（×）) (（×）)ﾟo ＼ 助かったお・・・！！
| （__人__） | 何人いるお？
＼ ｀ ⌒´ ／
112 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/03/28(土) 22:12:56.82 ID:e6eGXqko
47
／￣￣＼
／ _ノ ＼
| （ ●）（●）l ん～暗くてはっきりとはしないが・・・
. | （__人__） | １０人くらいかな・・・
| ｀ ⌒´ |
. | } なんだ、元気のいいやつらだ。
. ヽ } 駆けてくるぞ！！
ヽ ノ
/ く
/ ヽ
113 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]：2009/03/28(土) 22:13:20.06 ID:e6eGXqko
48
＿＿＿_
／⌒ ⌒＼
／（ ×） （×）＼ そうかお！！
／::::::⌒（__人__）⌒:::::＼ じゃあ、あんたんとこのだお！
| |r┬ | | やる夫の奴らは７人だから・・・
＼ ' ＿ ／
( ^ノ ￣ ヽ
114 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]：2009/03/28(土) 22:14:08.87 ID:e6eGXqko
49
／￣￣＼
／ _ノ ＼
| （ ○）（○）l ・・・いや・・・違うだろ・・・
. | （__人__） |
| ｀ ⌒´ | ・・・HAHAHAHA
. | }
. ヽ }
ヽ ノ
/ く
/ ヽ
115 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/03/28(土) 22:14:37.11 ID:e6eGXqko
50
＿＿＿_
／ ＼
／ _ノ ヽ､_ ＼ どうしたんだお？
／ oﾟ(（×）) (（×）)ﾟo ＼ 違うってなんだお？んなら誰なんだお？
| （__人__） |
＼ ｀ ⌒´ ／
116 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]：2009/03/28(土) 22:15:05.81 ID:IByNKKIo
ｱﾚ
117 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/03/28(土) 22:16:05.40 ID:e6eGXqko
51
／￣￣＼
／ _ノ ＼
| （ ○）（○）l ・・・・・・’誰’じゃ無いだろ・・・・・・
. | （__人__） |
| ｀ ⌒´ |
. | }
. ヽ }
ヽ ノ
/ く
/ ヽ
118 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]：2009/03/28(土) 22:16:44.07 ID:bqo8Idso
なんか……予想外の、展開？
119 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/03/28(土) 22:16:48.19 ID:e6eGXqko
52
. ,r､
. l ヽ
. l ﾞ､
l ＼_
ヽ ｀` ､
ﾞ､ _ ,...、 ヽ, __ ,
ｌl ｌ l ヽ ､ ﾞ､' -- '
, - '´ `'' <､,,_ ヽi ヽ',
i ｀` -' i、
〈 ヽ､
───”４つ足の獣”の遠吠えが響いた───
120 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/03/28(土) 22:17:20.36 ID:e6eGXqko
＜Author: Saki Title: The Interlopers＞
【作者：サキ 邦題：侵入者たち】 終わり
121 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]：2009/03/28(土) 22:18:22.87 ID:IByNKKIo
おつ
序盤の''獣''がここで生きてくるとは
122 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]：2009/03/28(土) 22:20:54.76 ID:bqo8Idso
まｗｗｗｗｗｗたｗｗｗｗｗｗどｗｗｗｗｗｗんｗｗｗｗｗｗでｗｗｗｗｗｗんｗｗｗｗｗｗ返ｗｗｗｗｗｗしｗｗｗｗｗｗ
この作者の根性は、間違いなくドス汚れてるｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ最高ｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ
乙でした！
123 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/03/28(土) 22:22:32.03 ID:e6eGXqko
以上で本日の投下は終わりです。
なぜかイギリス国内でも知る人の少ないサキの短編２本をお送りしました。
次回作は、Charlie Fichの、Death By Scrabble【スクラブルから死を（仮）】
をやりたいと思います。
124 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]：2009/03/28(土) 22:24:11.36 ID:IByNKKIo
たのしみにしてま。
ショートショートはやっぱラストでどんでんがえされるのが楽しいわ。
125 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]：2009/03/28(土) 22:25:17.06 ID:WndILsYo
そうだよな、森といえば四足の獣が主だよな。弱肉強食的に考えて。
126 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/03/28(土) 22:25:49.70 ID:e6eGXqko
ちなみにサキですが、皮肉の効いたブラックジョークが売りだと思います。
起承転結も、Ｏ・ヘンリーの様な滑らかな流れで進み、
さいごにえ・・・っ？と落としてくれます。
また次回作ができましたら投下したいと思います。
やる夫系スレの連絡所で告知したいと思います。
最後に、お付き合いいただきありがとうございました。
127 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]：2009/03/28(土) 22:26:27.15 ID:IByNKKIo
(ﾟдﾟ )乙
サキ買って見ようかしらね。
128 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]：2009/03/28(土) 22:36:09.41 ID:bqo8Idso
乙
次回も楽しみにしてるよ
129 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]：2009/03/28(土) 22:37:48.99 ID:e6eGXqko
皆さん、ありがとうございます。
是非ともサキを探して買っていただきたい！
ところで、トリ？をつけようかなと思うのですが、誰かご教授くださいませんか？
スミマセン・・・
130 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]：2009/03/28(土) 22:40:22.58 ID:IByNKKIo
名前欄に #好きな文字列
これでできます。よ。
131 ：
◆1cMHYBT2Lw
2009/03/28(土) 22:41:25.82 ID:IByNKKIo
たとえば #沙希 だとこうなります。
132 ：
◆lnWmmDoCR.
[sage]：2009/03/28(土) 22:42:40.25 ID:e6eGXqko
test
133 ：
◆4pCV5yXGK.
[sage]：2009/03/28(土) 22:44:31.42 ID:e6eGXqko
おけ！！次回からこのトリでいきます！！
それでは！！
またよろしくお願いします！
134 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]：2009/03/28(土) 22:45:00.78 ID:xhHzfXYo
おつ
135 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]：2009/03/28(土) 22:45:14.75 ID:e6eGXqko
ID:IByNKKIoさん
ありがとうございます！
136 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/03/28(土) 22:55:10.95 ID:IByNKKIo
とんでもない。
次回をたのしみにしてるよー。
137 ：
◆4pCV5yXGK.
[sage]：2009/03/29(日) 02:30:51.52 ID:sC.SLXko
度々スミマセン。
現在書き溜め中です。
次回投下予定は、このスレと案内所のほうに告知したいと思います。
ではではよろしくお願いします。
138 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]：2009/03/29(日) 10:44:33.31 ID:Cx2W1tgo
りょーかい
待ってるわ
139 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/29(日) 17:12:40.47 ID:sC.SLXko
こんばんは
書き溜め終わりました。
本日投下！と言いたいところなんですが、
時間がとれません。
なので、明後日の３１日、２２時より開始したいと思います。
投下作は二作、
夫婦の心温まる愛情の物語、【スクラブルから死をあなたに】<チャーリー・フィッシュ>
年頃の女の子の友情ストーリー【毛皮】<サキ>
をお送りします。
よろしくお願いします。
140 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]：2009/03/29(日) 17:25:19.80 ID:Cx2W1tgo
心温まるとか、友情ストーリーとかｗｗｗｗｗｗ
まるで信用できねえｗｗｗｗｗｗ
でも楽しみにしてるよｗｗ
141 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/29(日) 17:39:41.67 ID:sC.SLXko
>>140
すでに原作チョイスを見破られている・・・
明後日会いましょう！！ではでは
142 ：
◆4pCV5yXGK.
[sage]：2009/03/31(火) 03:50:38.88 ID:OwAqUGYo
,. -‐'''''""¨¨¨ヽ
(.＿＿_,,,... -ｧァﾌ| あ・・ありのまま・・今起こったことを話すぜ
|i i| }! }} /／| デスクトップの整理をしていたら
|l､{ j} /,,ｨ//｜ 書き溜めておいた一編が消えた・・・
i|:!ヾ､_ﾉ／ u {:}//ﾍ
|ﾘ u' } ,ﾉ _,!V,ﾊ |
／´fト､_{ﾙ{,ィ'ｅﾗ , ﾀ人 な… 何を言ってるのか わからねーと思うが
/' ヾ|宀| {´,)⌒`/ |<ヽﾄiゝ おれも何をされたのかわからなかった…
,ﾞ ／ )ヽ iLﾚ u' | | ヾｌﾄﾊ〉
|／_／ ﾊ !ニ⊇ '／:} V:::::ヽ 頭がどうにかなりそうだった…
/／ 二二二7'T'' ／u' __ /:::::::/｀ヽ
/'´r -―一ｧ‐ﾞＴ´ '"´ ／::::／-‐ ＼
/ // 广¨´ /' ／:::::／´￣｀ヽ ⌒ヽ そんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ
ﾉ ' / ノ:::::`ー-､___／:::::／/ ヽ }
_／｀丶 /::::::::::::::::::::::::::￣`ー-{:::... ｲ
143 ：
◆4pCV5yXGK.
[sage]：2009/03/31(火) 03:51:08.44 ID:OwAqUGYo
只今再作成中。
間に合うかな・・・
144 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 22:07:11.50 ID:OwAqUGYo
昼飯を食わせてください・・・
１５分から開始します
145 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 22:18:59.67 ID:OwAqUGYo
＿
,ｨ/´ ',
､_/ / ￣｀ヽ} ・・・誰もいない気がするけど、今から投下を開始するのだわ
. 》fﾄ､|,从_从)）! 今回は二編とも、あなたの大事な人を考えさせられる
||ヽ|| ﾟ -ﾟﾉ| || お話なのだわ。私、真紅が大活躍なのだわ！
|| ({ﾐﾉ介ﾐl) ||
≦ ノ,ﾉハﾍ､ ≧
テ ` -tｯｧ-' テ
146 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 22:19:27.32 ID:OwAqUGYo
＿
,ｨ/´ ', 途中の書き込み、とてもうれしく思うのだわ。前回書き込んでくれた方々、
､_/ / ￣｀ヽ} お礼を、駄目な
>>1
に変わってさせていただくのだわ。
. 》fﾄ､|,从_从)）! ただ１つだけお願いがあるのだわ、
||ヽ|| ﾟ -ﾟﾉ| || 話のオチの先読みの書き込みは控えて欲しいのだわ・・・
|| ({ﾐﾉ介ﾐl) ||
≦ ノ,ﾉハﾍ､ ≧
テ ` -tｯｧ-' テ
＿
,ｨ/´ ', １の話展開だ駄目駄目で、オチがわかってしまうケースが
､_/ / ￣｀ヽ} 相次ぐ可能性があるのだわ・・・
. 》fﾄ､|,从_从)）!
||ヽ|| ﾟ -ﾟﾉ| || ﾍﾟﾁｯ
|| ({ﾐﾉ⊂彡☆))Д´)
>>1
≦ ノ,ﾉハﾍ､ ≧ 駄目駄目な
>>1
は、こうして私が叩いておくから、その件よろしくなのだわ！
テ ` -tｯｧ-' テ
それでは、本日もよろしくお願いします。
147 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 22:19:50.18 ID:OwAqUGYo
＿＿＿_
／ ＼
／ ─ ─ ＼ 皆さんにとって大事な人は誰ですか？
／ ━（●━━●）━＼
| （__人__） | 今回は出番が無いので、
＼ ｀ ⌒´ ,／ ストーリーテラーのタ●リ改めやる夫です
/⌒ヽ ー‐ ｨヽ
/ ,⊆ニ_ヽ、 |
/ ／ r─--⊃、 |
| ヽ,.ｲ ｀二ﾆﾆうヽ. |
148 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 22:20:10.03 ID:OwAqUGYo
＿＿＿_
／ ＼
／ ─ ─ ＼ 大事な人・・・
／ ━ ●━━● ━ ＼ あなたの家族ですか？
| （__人__） | それとも友人？
＼ ｀ ⌒´ ,／ はたまた伴侶ですか？
/⌒ヽ ー‐ ｨヽ
/ ,⊆ニ_ヽ、 |
/ ／ r─--⊃、 |
| ヽ,.ｲ ｀二ﾆﾆうヽ. |
149 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 22:20:22.03 ID:OwAqUGYo
＿＿＿_
／ ＼
／ ─ ─ ＼ 今回は、夫婦間の愛情が、
／ ━ ●━━● ━ ＼ ボードゲームによって試される・・・
| （__人__） | そんなお話です。
＼ ｀ ⌒´ ,／
/⌒ヽ ー‐ ｨヽ
/ ,⊆ニ_ヽ、 |
/ ／ r─--⊃、 |
| ヽ,.ｲ ｀二ﾆﾆうヽ. |
150 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 22:20:45.82 ID:OwAqUGYo
＜Author: Charlie Fish Title: Death By Scrabble＞
【作者：チャーリー・フィッシュ 邦題：スクラブルから死をあなたに】
※スクラブル・・・西洋の単語をつなげていくゲームです。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%83%96%E3%83%AB
151 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 22:21:32.50 ID:OwAqUGYo
1
───今日は暑い日だ。そして・・・
・・・そして俺は妻が嫌いだ───
152 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 22:23:00.85 ID:OwAqUGYo
2
───今俺と妻は、したくもないスクラブルをしている。───
153 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 22:23:38.99 ID:OwAqUGYo
3
───ひとつ気になることがある。
このスクラブルはいつものと違う。
妻に聞いた。いつものはどうした？と───
{:::.:::.:::＞.::´￣ヽ、 ,. -一 ヽ＿
,. -┘.:::.:/:.:::.:::.:::.:::ﾉ::.Y:;＿__.:.:./.:.:.:.:.ヽ
（.:::.:::.:::.:::.:::.:::.:::.:::.:;:､;:;∠二:.ヽ｀ヽ.:.:.:.:.:.:.:∟、
）:.:::.:::.:::.:::.:::.; '´ ／／〈.:.:.:.:＼ ＼.:.:.:.:.:.:.::ヽ-へ
ｒ''".:::.:::.:::.:::.:::／ / / / ハ `ｰ‐┐＼ ヽ:.:.:.:.:.:.:ﾉ=ﾆ):＼
{ ::.:::.:::.:::.:::.; ′ / | {_:.:.:.ヽ ヽ:.:.:.(二｀V/＾):､
￣つ.:::.::/ / ,′ | | ￣ヽﾊ. i.:.:.:.:.｀i!ヽ.!_/:./
（:.:::.:::.::!l! l i |l! | ノ:.:.| |:.:.:.:.:.:||:.ﾄ､;:ノ あら、私の甥がこないだ遊びに来たときに
｀７:.::|l| | ﾊ ;'| し-､| |:.:..:_ノ.|.:| | あげてしまったわ。
ヽ|H | | l__, / | / / ノ|/:.:ん. l |:.| | 古くなっていたしいいでしょう？
|ｌ!ヽ. 代「 ヽ. , / `ト､/! ,ｲ. く:.:/:.; -┘| L｣ ! 代わりのを昨日買ったのよ。
| l Ｎ.--ミ ヽ/ｿ _ﾚ'´ lメ /／ |／ | | |
| ! |l,ｨ^h.､ ´￣ ヽ 1 | | | |
| ！（ { { | | ' ＿, """ ﾉ!| | | | |
！.| |_＼ ヽ、 _,. ＜._| ! |ヽ. | | |
!/〈.:.:.Y_>､ }､￣´;:;:;:;:;:;://| |:.:.::', ｌ l |
ム-レく.:.:.:_}ﾉ:@;:ニ、;:;:;//;:;! ､|:.:.:.:.:L_ ! ! |
_,.∠=ﾆ〈:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/ﾆ V;〈〈_;/| ヽ:.:.:.:.:.:L_l ! |
`ｰﾆ二_‐ﾍ.:.:.:.:.:.:.:.:(ﾞこ /'^ﾍ V:.:＼ ＼:.:.:.:.:{! | !
＜:.:.:.￣} .:.:.:.:.:.:.:｀} ノ:.:..:.ハ V:.:_＞- ヽ.:.:.:.} | i
|_＞'７.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:Y.:.:.:.:.:.:.:.::.:>'" ／:.:r‐'´〉、 i
154 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 22:24:08.57 ID:OwAqUGYo
4
───あのスクラブルは俺が妻と結婚したときに一緒にしようと買ったものだ。
今では動でもいい話だが、
俺に何の相談もなしに勝手に、俺が買ったものを他人にあげる、
そんな妻が嫌いだ───
155 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 22:24:28.40 ID:OwAqUGYo
5
───代わりのスクラブルにしてもそうだ。
真っ黒なボードに点々と映える血の様な色の
アルファベットが書かれたピース。
このスクラブルは、俺の妻に対する
嫌悪感を増幅させる───
156 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 22:26:27.48 ID:OwAqUGYo
6
───妻と会ったのは大学の２年の時。
頭が良く、周りに気も利いて、俺もいつしか惹かれた。
３０を過ぎた今では、その利発さが鬱陶しい───
)::::::::::::::::::::, ´ ）::::::::::::::＝＝=彡::::::ﾃ
(:::::::::::::::::／/ ヽ:::_:::::::::::::::::i l::::l:::::ﾊ二))
＞:::::::,.' ′ | ):::::::::::::::l i:::i:::::(､二))
て::::/ ｌｌ ｌ | !| {::::::::::::::::| l::i:::::::::ﾊ〈
しｌ | ｌ | | | _!H‐'ﾌ|/て::::::::::彡ﾐ::::::::( !ｌ
l l l _L | |ノ rT´㍉ | (::::::::ﾐ彡::::::ｨ l|ｌ
ll ヽ ´ rｒ､ ヽ__ソ | l! {::l l::::;:::) | ﾘ
ﾊ v） l l | ﾘ /::// | |
,' ﾊ 丶 ﾘ ,| |/／´ ｜ |
| 〉 ､ ｀ lﾚ' | ｈ､ | |
l / || ＞ - ィ 〃 | | l7 | |
ﾉ' |r j / rr､ 〃 | | 〈 ＼ | |
／' ﾉｌ j/ ㍉ﾄ（ ﾉ l ( ＼ | |
ヽヽ／ヽ j! ＞ ´ ／ / ﾊ | |
───俺は妻が嫌いだ───
157 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 22:26:46.88 ID:OwAqUGYo
7
───昼もそうだが、夜も彼女に主導権を握られている───
/::/ ／ ／ ‐-､ ＼
/::'-イ ／ // l: ヽ ヽ ,ゝﾆ二ヽ rrrrr､
7７/ .: .:/ l// |:: ヽ :', /,ｲ:ﾄ､-'::ｲ /´ /
/// .:: :::// .:l | |:::. ::! ::::! ｲ://::!:::｀´ l ／ /
/〈:! / ::| ::/lﾊ ::| | |:::|:. :. :::::::::l...|:| |::|ヽ!::: ! / /
/ .:lﾊ .::l|-l十ト､:::ﾄ|:.| :lﾊ::|:::. ::..:::::::l:::!::ヾjイ |::: | ヽ __ノ´}
. / .::/∧N Yた卞N| N|:.:/_立ト､:､:::::::!:::l:::/|::::! /::: l ﾄ--'´|
/ .::://:://| 弋ツ ヽ' た卞､ll:::::l::ﾊ|:::∧/ !::::: ! ,{ !ヽ
. 〃 .::://ノr,=ァ 弋ツﾉﾉ!イく_／ l::::: l ／ | ! }
〃 .:::/／:::|| l´f､ _' _ ィ､l::::|ノ,. -､ |::::: | ／ / |-'
!! :／ｲ::::∧ ｀`丶 ｀ / }ﾉ j!:l::!｀`ヽ´＿__!:::: | ／ l l
|／／:l::::/ ﾊ＞―-､｀ト-,--‐ '|| ´ ´l::l::l _}ヽ |:::::: |｀`丶､ / l |
..::/::::::l::/r '´ ＼,.ゝ-―||＜´l:::!::!´￣ ｲ__ !::::::.l! ＼ﾆ_―--'､ !
:/ :::::::!::! ! ,＞‐-､ ／ ヾ､ ｀|::|::|-―-,=' !|:::::::|:l ＼｀ヽ､ ｀ヽ､ |
'ヽ::::::|l::トゝ' { ｧ──-ト|::!:::!ﾆ_´ / |::!:::::!:', ＼ ｀` ｀丶l
ﾆ=ヽ:!:l:!::Y´ ヽ／ |!l::!!:::! / l::l:l::::!::ﾞ､ 丶､ ｀
―--|:,ゝ' /く ノﾉ,!:!ﾞ､:', l/ ヽ l::l::',::ヽ::ヽ ｀`
ﾆ=-‐/ ／ / -=´'´/ ヾ､ヽヽ ヽ ヽ l::l::ヽ:::::::::ヽ
:::::::::::{ _, '´ / / }〉 ヽヽ 〉 ﾞ､ヽ::ヽ:::::::::ヽ
=-‐_'∧ ヽ ／/ ＼＼--‐'´ヽヽ::丶､::::::＼‐--------―‐
￣ ｀ ｰ--‐ '´￣ ヽ､＼ _,,＞ー―‐'-`-`--‐丶＼:::::::::｀丶､｀丶､
───俺が何をするんでも、それとなく
俺より優位に立とうとする。
俺は妻が嫌いだ───
158 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 22:27:01.89 ID:OwAqUGYo
8
───俺はこの女から解き放たれるべきである。
もしこの女がいなければ・・・───
159 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 22:27:25.41 ID:OwAqUGYo
9
┌─┐
│Ｂ│ ＢＥＧＩＮ/始め
└─┘ ───俺は無難にゲームを始めた───
┌─┐
│Ｉ│
└─┘
┌─┐
│Ｇ│
└─┘
┌─┐
│Ｉ│
└─┘
┌─┐
│Ｎ│
└─┘
160 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 22:27:48.00 ID:OwAqUGYo
10
───俺は、妻がパネルを手の中で音をたてるのを
聞いた。俺は妻が嫌いだ───
└-i:::::::::::::::::::::::: ,. '"´ ｀`ヽ:::::::.: : ヽ、
__...ﾉ: : : : : : :,.ィ´ ／ ', ヽ ｀丶､: : : :ト.､ ,.ィ"ヽ
. |: : : : : : : :／ ./ / ', ', 「: : : : :|:.:.:ヽ: : : : : 〉ﾆﾆ､二
ヽ.ィ: : : :/ / ,' l ', ｀丶ﾄ､:|:.:.:.:.:.|: : : : :ート､､ヽ
r‐:':::::::/ ,' ,' ! .l i'"´: : |:.:.:.:.:.:!: : : : :_:ハ ',ヽ
. ',_:､:::/ l ｌ |l ! ',: : : :.|:.:.:.:.:.:|: : : : L_ｌ::', ',r
ﾉ:,' ,'l | l | l ! ! | ｀丶; |:.:.:.:.:.::!: : : : : :ﾊ::ヽ
/:| | ,' | ! .!ｌ| ,'| ｌ ｌ | l ,' ,|. ｜!´: :.!:.:.:.:.:.,': : : :r ' ｀￢
/:::,! | ..L.',_ﾄ. |',ﾄ / !./l/├ /￢ ￢､).:: /:.:.:.:./: ::::::::| |:
/:::::ﾊ.ﾄ 、 ! ..l_ヽヽ＼､./ l/"´ l/_∠ | {: : :/:.:.:.:./::::::;:::ﾉ| !:
ヽ|l ',ヽ ＼ !,イ ｀` ﾄ '′ ,ｲ"´ lヽ ,ﾊr'＾,-ﾍ':::::::::}::!｜ .!:
. | ト､ト.`弋..ン 弋..ン ' | .|/j〈ィ'>》_ノ"!::l ! |:
| l l.|. ', ､ l ! .|:.ヾ ﾆﾌ !::l. ｜ |:
| / / | ﾄ、 ,.、 ｜ ｌ| |／ ヽ:| |l !
. | / / | |_.＞ 、 _..-.､ｌ l ! ! |.! ｜
l| /,ｲ _..ｌ l:.:.:.:.:.:.:｀丶､ __..ィ´:.:.:.:.:.,' .,'::| | | ! !
!|_ノ' r":.:.l l:.:.:.:.:.:.:.:.:.ﾊィｭﾍ:.:.:.:.:.:.:./ /:.:::! !ヽ、 .| l |
_..'"ｨ´ ﾄ､:.:.! .l:.:.:.:／｀`ヾ.ﾆﾝリ:.:.:.:.:./ ':.:.:.:.:| |:.:.:/、 ! ! !
＜._ <.| ! ∨ ,'_:.:'-:.:.:.:.:.:.:`￢´:.:｀`:./:.:.:.:.:.:.:.! !;/: : ＼ ! l |
＿.... ﾆュ`ﾆニニl:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.!:.:.:.:.:.ハ:.:.:.:.:.:.:.| |.. -‐ ァ.、 ｜l |
. | __... -‐ ＜: :ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./|:.:.:.:.:.:ヽ.ヽ. -‐'"´.. -‐ｧ‐': : ヽ |. l |
161 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 22:28:13.38 ID:OwAqUGYo
11
／ ＼
／ ＼
/ ＼ ───もしこの女が俺の側にいなかったら・・・
/ ,ﾉ ヽ、＼ ┼ 俺はもっと面白いことができただろう
/ --─'"´ ｀ｰ-ヽ キリマンジェロに登っていたかもしれないし
| ,ィぅ､ ヽ ,r｡､ ヽ ＋ ハリウッドの映画に出ていたかもしれない───
| ,'⌒ヽ⌒; l0躑o l 躓0! l
| .／ ノ 丿 ヾー° ノ ヾｰﾟ < ┼
／ _,,／ _,,/ / i ヽ
／ ／ / l ,ﾉ! l
, -──､─く ｰ／ｰ／ ヽ_＿＿_,ノ ゝ､_＿,ノ
/ 、 | | ,,／ /'⌒､ ｀`ヽ､_＿＿__/ ﾉ
,/ '-ｰ| | | （ | ｲ
｀ー＾ー′ i､_ | '" |
人、 | |
;, ,／´ "ヾ l |
i 〃 ／ ＼ /
} ／ | 丶 ／
_ｿ,,_ ＿ ,／ | ｀ ／
｀ ''⌒,"´ ／´ ,ノ′ イ´
/ _／ｰ-..,,_ |
/ ,〟'".:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼ ﾄ.､
/ ／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼ |i:.:.｀`ヽ、
/／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼ /.:.:.:.:.:.:.:.:.＼
162 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/03/31(火) 22:28:21.99 ID:psB6nI6o
ｗｗｋｔｋ
163 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 22:28:29.83 ID:OwAqUGYo
12
Ｂ
Ｅ ───ＪＩＮＸＥＤ/不幸
Ｇ 彼女はＢＥＧＩＮのＩを使って綴った
Ｊ Ｉ Ｎ Ｘ Ｅ Ｄ こんな単語を作る、妻が嫌いだ───
Ｎ
164 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 22:28:50.30 ID:OwAqUGYo
13
───もし手元にＤがあれば、
ＭＵＲＤＥＲ/殺人
ができたのに。
ＭＵＲＤＥＲ・・・
それは罪であり、
俺にとっての憩いになるだろう───
165 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 22:29:39.71 ID:OwAqUGYo
14
／￣￣＼
／ _ノ ＼ ───手持ちの「Ｕ」のピースを口に含んだ。
| （ ー）（ー） 考える時の悪い癖とはわかっている───
. | （__人__）
| ｀ ⌒´ﾉ
. | }
. ヽ }
ヽ ノ
/ く
| ＼
| |ヽ、二⌒)
166 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 22:30:18.16 ID:OwAqUGYo
15
───手元に碌なピースが無い・・・
Ｂ
Ｊ Ｉ Ｎ Ｘ Ｅ Ｄ ＢＥＥ/蜂
Ｅ
俺はＪＩＮＸＥＤのＥを使ってＢＥＥを作った───
167 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 22:30:55.04 ID:OwAqUGYo
16
───うっすら開けてある窓から蜂が入ってきた。
俺は、窓を開けた妻が嫌いだ───
_ｒ
:: :: : :: : :: /ｿ⌒
＼ .ｘュェｪ,,、 :: : :: ,ｘｭｪｪｪｘソ
´ ｀ヽ＼ :: : :: ,ｿ´ ／ ノ｀
＼ :: ＼ ､ ､,, , , 、,, / ／ /ﾊｆ´
,ｒ入 ヾ ＼ ヾ,Ｙ´､ 。, ,,: >く. /ｉ::/
ヾﾊﾄ､＿_ __ ＼､ヾY/,ト､ヾ,, . ,i/イ>ﾊヽ,,/::/
｀ ー-､ｿハ ｀:ｒ={ |::: y´｀´｀Y ::::| .|!:く
｀＜,,＼_ Ｙ| ゞ-/ ..:::ﾞY-ｲ ,! ::|
ヾ､〉V∧ ｙヾ､ ,,__ :::,人 / :::,'
Y´＼Yi :Y⌒Y´..::y' :::/
,ｲ|ﾞヾ､ :ヾ、,:ﾐ ｲ,, ノ::,rイヾ>'ﾊﾄ、
ｨト＜´＞ｪィ｀ソ､ ´くイ´_,,／／ ｀ﾄ、
|| ﾄｉ､_ ￣｀ゞソ＿人ノ_〉´,_／ |ﾊ
|ﾄヾ､ヽ＞- ' ノ ｀ー ´ Ｖ〉、
|＞イ´＿,＞'´ ヾ〉、
/ｙ´￣Ｙｉ＞' ヾ〉、
/:/ ﾄ| ヾ＞,、__
/ﾘ´ ﾄ| ｀ー‐ﾊ
/ｿト、 ﾞ｀
,〈ｿ
/ｿ
,ュｪソ''
ｒ´ｆ´
168 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 22:31:37.18 ID:OwAqUGYo
17
／￣￣＼ ───俺は、無意識に点の稼げる長い単語
／ _ノ ＼ ではなく、ＫＩＬＬ/[
ﾋﾟｰｰｰ
]やＳＴＡＢ/刺す
| （ ●）（●） といった俺の願望を表現することを考えていた───
. | （__人__）
| ｀ ⌒´ﾉ
. | }
. ヽ }
ヽ ノ
/ く
| ＼
| |ヽ、二⌒)
169 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 22:32:06.44 ID:OwAqUGYo
18
{:::.:::.:::＞.::´￣ヽ、 ,. -一 ヽ＿
,. -┘.:::.:/:.:::.:::.:::.:::ﾉ::.Y:;＿__.:.:./.:.:.:.:.ヽ
（.:::.:::.:::.:::.:::.:::.:::.:::.:;:､;:;∠二:.ヽ｀ヽ.:.:.:.:.:.:.:∟、
）:.:::.:::.:::.:::.:::.; '´ ／／〈.:.:.:.:＼ ＼.:.:.:.:.:.:.::ヽ-へ
ｒ''".:::.:::.:::.:::.:::／ / / / ハ `ｰ‐┐＼ ヽ:.:.:.:.:.:.:ﾉ=ﾆ):＼
{ ::.:::.:::.:::.:::.; ′ / | {_:.:.:.ヽ ヽ:.:.:.(二｀V/＾):､
￣つ.:::.::/ / ,′ | | ￣ヽﾊ. i.:.:.:.:.｀i!ヽ.!_/:./ あなた、紅茶は要らない？
（:.:::.:::.::!l! l i |l! | ノ:.:.| |:.:.:.:.:.:||:.ﾄ､;:ノ
｀７:.::|l| | ﾊ ;'| し-､| |:.:..:_ノ.|.:| |
ヽ|H | | l__, / | / / ノ|/:.:ん. l |:.| |
|ｌ!ヽ. 代「 ヽ. , / `ト､/! ,ｲ. く:.:/:.; -┘| L｣ !
| l Ｎ.--ミ ヽ/ｿ _ﾚ'´ lメ /／ |／ | | |
| ! |l,ｨ^h.､ ´￣ ヽ 1 | | | |
| ！（ { { | | ' ＿, """ ﾉ!| | | | |
！.| |_＼ ヽ、 _,. ＜._| ! |ヽ. | | |
!/〈.:.:.Y_>､ }､￣´;:;:;:;:;:;://| |:.:.::', ｌ l |
ム-レく.:.:.:_}ﾉ:@;:ニ、;:;:;//;:;! ､|:.:.:.:.:L_ ! ! |
_,.∠=ﾆ〈:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/ﾆ V;〈〈_;/| ヽ:.:.:.:.:.:L_l ! |
`ｰﾆ二_‐ﾍ.:.:.:.:.:.:.:.:(ﾞこ /'^ﾍ V:.:＼ ＼:.:.:.:.:{! | !
＜:.:.:.￣} .:.:.:.:.:.:.:｀} ノ:.:..:.ハ V:.:_＞- ヽ.:.:.:.} | i
|_＞'７.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:Y.:.:.:.:.:.:.:.::.:>'" ／:.:r‐'´〉、 i
───真夏の日が差すこの時間に
熱い紅茶を俺に勧める、妻が嫌いだ───
170 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 22:32:22.02 ID:OwAqUGYo
19
───彼女はＢＥＥのＥを使ってＴＥＡ/紅茶を作った───
171 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 22:32:38.93 ID:OwAqUGYo
20
───彼女が紅茶を煎れてる時にたてる騒音が、
やかんの中のお湯の暑苦しい沸騰音が
さらに俺の彼女に対する嫌悪感を引き立てた
俺は妻が本当に嫌いだ───
／￣￣＼.
／ ＼.........:::::::::::...
|::::::: : | .... .........::::::::::...r‐ ' ノ.
. |::::::::::::: | .... .........::::::::＿ ) (_
|::::::::::::: |.. ..... ......:::（⊂ﾆﾆ⊃)
. |::::::::::::::: } ..... ......: ::::｀二⊃ﾉ.
. ヽ＿＿__ } ..... ......: :::: （( ￣
r'ﾆﾆヽ._＼. ﾉ.. ..... ......: :::::: ;;.
r':ﾆニ:_`ｰ三`:く._ [l、.
／: : : : : : :｀,ニ､: :_:_;＞ ／,ｨつ
. /: : : : : : : : / : : : ヽ＼ ,∠∠Z'_つ
| : :.:.:.:.:.: . :/: : : : : : l : ヽ. / .r─-'-っ
. |:.:.:.:.:.:.:.:.:.,' ''"￣: : :l: : : :l / ）:::厂 ´
|:.:.:.:.::.:.:.:ｌ -─-: : /:_:_:_:_l /￣｀Y´
. |:.:.::.:.::.::l._＿: : : :/::: : : : :l/⌒ヽ: :〉
172 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 22:33:18.64 ID:OwAqUGYo
21
───ＡＣＥ/エース
認めよう、彼女が煎れる紅茶は旨い
それがまた俺の神経を逆なでする───
173 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 22:33:53.46 ID:OwAqUGYo
22
───彼女が作った単語、ＡＣＥのＣを使ってＣＯＯＬＥＲ/エアコン
を作った
台所で紅茶を煎れている彼女はエアコンのリモコンを手にした───
r──────────┐
| l王三王三王三王三l o==ﾆヽ
| |王三王三王三王三| .| //
ゝ 乂━━━━━━━乂＿| `-=
￣￣￣￣￣￣￣￣￣
174 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 22:34:30.28 ID:OwAqUGYo
23
───台所から、湯気を立てた紅茶を持ってきた彼女は、
ＣＯＯＬＥＲのＬを使って、ＥＸＰＬＯＤＥ/爆発を作った───
r､＿
ｉ└､:.｀ ー- ､_
|::::::::ヽ、..... ｀¨ ｰ ､_ ＿
l|::::::::::::＞:.::.:.... ｀ ｰ-､_ ＿＿ _, -､ ／r‐､| ＿
ﾉ: . . ..:.i ..:::|::::::::: ｀!ー='´ ｀>ス⌒¨ヽ.ヽ
j|:.:.:.:.:.:.:.:ヽ.:::.:. : . |:.:.:. : . | .:.:.:.:.:.:〈斗i} l:::|
`ｰ､:.:. : : :ゝー-､ li:::::.::. | ,ﾉ≒ｪ- 、 ｌ:::|
〔;;.:. :.::/ 入 |::::::::::: | ｛ ! !＼:V::/
７:.:/ / ｀ヽ__: :.: . !::::::::::: ! .:.:.:.:く |i ! ￣
ヾ// ! | |! >､:.::. ,′:::::::::| . ::r‐'´!.li !
i/ ! l| ｌ ,.|-―ﾉ |L_,.ノ:: ,ｨ企ヵ 丿 l￤ ｌ
| |:.:.:.:!. '´ ＿___, 〉〈<!似>〉 i{゛ ,′ ｜
｀ ヾﾉﾉ仆'´i叮 / /ﾍ,]ﾃゾ='厂´ / ｌi !
〉 └' ´ ,ｲ ｌ′ _ｒ'′ , ′ ｌi ｌ
く / i. 亅 / ／,' ￤ |i ｜
ヽ __ ,′| l /７ ,-´ li l. |i ｌ
＼ ｌi ! |_;..上≠ ｌi l |i |
,ｘｰ｀_‐''|ｉ ! |二ニﾆ=ｧ ｌi ! |i |
∧〈ｉ汐 |ｉ , ' /:.:.: : . ヽ. |i | |i |
r≦⌒iｿT'｀_,. '´ ／:.:.:.: : :. . ヽlｊ l. ｌｉ |
ヽ二ﾃ]ﾉ〈,ｲ ＜ ＿＿ ヽ ｊ |l ！
ノ ,}:.〈 ／,二¨￣ ,. ‐': . ∨ ⅰ ｌ
r=≠ﾆ_ノ/ .::.￣,.-‐' , -'´:::: :: :: 、 ｌ |i !
ヾ.ヽ /::ハ.:.く ＜＿__,:::: : ::::l::: :: l ｌi ｌ
ノ丿 /::/ハ ヽ ¨フ ／::: :: ::::ﾄ::: ::. ＼ ｌi |
───一瞬ゲーム盤を見ただけで容易に単語を作ることができる。
俺は妻が嫌いだ───
175 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 22:34:55.55 ID:OwAqUGYo
24
───彼女が最後の一文字を置いたとたん、
エアコンが煙を上げた───
＼ . ,, .ドーーーーーーーーン '／／ ., ／
＼＼ . -‐- . :: . -‐- 、 // . , ／ _ ヽ
＼＼( ⌒ ⌒ ´ ' .. 'ヽ.. ／ ´ )
;: （ ⌒ )=)´_ ⌒;: ⌒ .. ) ） ／／ ﾆ＝=-
（ ( nヽー‐'＿＿;: ＿,､__ ／／ ｀ヽ ）
二｀ - i l / 。 i / ﾟ ヽ ; .) ） . .─-
)（ ((.ゝ',: ヽ＿ﾉ ､__ワ ノ ） 二＝－ )
ξ ⌒, ; (, __,-､＿,,､ ￣ ) ） ） ）
ゝ／／'.. .(> >＿＿,ノ ） )) ) ＝]3 二＝‐-
lー-､. ; ゝ ., : Ｌヽ ノ, ; .: ., ) ） ノ ノ
￣, :. ,／／. , ;ー─ - - '. , ＼＼＼ -'
───エアコンの会社に連絡をいれた
修理に来るのは週明けだそうだ
これも、妻がエアコンのスイッチを入れたから
俺は妻が嫌いだ───
176 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/03/31(火) 22:35:14.39 ID:psB6nI6o
しかし本当に妻が嫌いなんだな
177 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 22:35:16.33 ID:OwAqUGYo
25
───俺はふと思った
この盤に作った単語が現実になる・・・
いや、正確には、ＪＩＮＸＥＤにつながっている言葉が・・・
ＢＥＥにしてもＣＯＯＬＥＲにしてもＥＸＰＬＯＤＥにしても・・・───
178 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 22:35:39.97 ID:OwAqUGYo
26
───ばかげている
だが、試してみる価値はある───
,, -‐ ､
/' ヽ
／￣￣＼ ./ i
／ ._ノ ヽ､＼ / ...........i
| （●）（●） | / ..:::::::::::::::|
| （__人__） | / ..::::::::::::::::::l
.| ｀ ⌒´ .} ./ ..::::::::::::::::::::!
| }/ .::::::::::::::::::::/
ヽ ./ .:::::::::::::::::::/
.ヽ . .／ .:::::::::::::::::::/
,. ‐'"´ `'‐,r''"~ .:::::::::::::::::／
..:.／,. -‐‐- ､ l′ ..:::::::::::::／|
:,' ／ !.:::::::／:i..:..l
r ､ / !::::::::::: i..:..i
l .......`:i i !:::::::::: ﾞ､:.i
! ::::::::::/ i i:::::::::: ヽ:i
.! ::::::::/ i .....i::::::::::: ヽ
.ヽ ::::::| `､ `､ .....::::::::::::l:::::::::::: `,
/ ＼:::l. `､ ヽ::::::::::::::::::::l::::::::::: /'''ー─----､
`ヽ `､ .::::＼:::::::::::::::|::::::::: /,, ,. ‐;''
───ＥＸＰＬＯＤＥのＬを使って、ＦＬＹ/飛ぶを作った
椅子の背もたれによっかかり、
目をつぶって椅子が浮くのを待った───
179 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 22:37:34.15 ID:OwAqUGYo
27
───椅子は飛ばなかった
当たり前だ・・・
俺はまるで魔法を信じる小さな女の子だ───
～～・
───ＦＬＹ/蝿の羽音が俺の耳元で
うるさく飛んでいた───
180 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 22:37:57.32 ID:OwAqUGYo
28
───彼女は、ＣＡＵＴＩＯＮ/注意 の単語を作った───
_／｀丶、
_∠ﾌ::.::.::::::}::＼
厶::.::.::.::.::.::.:ハ::.::＼
／￣｀::.::.::.::.::.:`ｰ'⌒Ｙﾊ
_/::.:__, -─－……‐-､:Ｌ_:＼
>´／ , '´ ＼}:ヽ`┐
／／ ／ ／ /了}ヽ＼
〃/ / , ′/ / ｉ ヽ＼ｿ::.:j::::｀个‐‥''＾ヽ_
/' / / / / / ' ｜ ｉ！ヽ::|::::::::l::.ｰ─－‐｛
/ ' / l |i / / / / ！ |｜〈::ﾉ::::::/::.::.::.::､::.::.::.|
/ i ′ll丁Tﾄ､ｌ| / ,/ / / , ! |{八!:::::/::.::.::.::.::.:｀辷′
|l |l |≠ﾐ､ｌ| ,/__,/ / / /r=≠へ､::人_::.＼::.::.::.::.:ﾉ
|l |l |{ {_j＾ｌ| / _､__｀メ、/ }ｲ以ｆ}ﾊ}::.::.::.::.::.::｀ｰ‐Y
| ヽi|〉! l' ´了㍉、 >､ﾊ戈ｨくソ::.::.::,小､::.::.:: ﾉ
,-､／ ﾊ ' ゝｨ斗/ｲ／／又::.::.::イ〉| |ﾄ,￣´
〈／／/ハ丶 _ 〃厶ｲ__｣_/７,ｰイ/i|｜､ヽ
､ ＼､ ＿ ／ イ:::// :;;ﾍ ___rー─／ /--‐ "´' //| l// ｌ|｜ l }
::.＼ ＼:／／ｰﾉ:〃::::ｆ抔ﾊ〉|::::::::/ , ｲ､:＼ //ハl//_///_ノ/
::.::.::.` ｰ─‐/ /::::::::ゝ/::::::::ゞﾆ｢￣｀::/ /:/::::::`く // ｌ { {─| |ー'
: ::.::.::.::.::./ /::_ - /￣⌒フ|:ﾊ:::::::/ /:〃:::::::::::::〉/ ｌｉ ヽ>｜!
:..::.::.::.::.{ ｉ{:＿／/::::::::／::.:|::::',::/ /://:::::_ -ｲ {. |l |_{
: : :｢i|| ｌ|＼r‐'::::::／::.::.::.|:::::/ /::::{ {／::.＿::.', ｌ |l
: ｜|ﾍ ＼ ＼¨´::.::.::.::.::|::::ｉ !::::::＞`´＿＿]',l ｜!
. 、 ＼ ヽｲ::.::.::.::.::.::.|::_| ｌ:／ , ィ´／ ／::., |！
r─‐ゝ＼ ⌒′: : ::.::.::.:|/:|／ ／::::／_∠--､::., |｜
＞｣￣ヽｲ : :|::〈 〃::／／／￣）ﾉ::.',｜|
. （ ( ∨ / /／∠二,｀Y-─-､
ー' ゝ-‐⌒ヽ}
181 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 22:38:20.35 ID:OwAqUGYo
29
───俺は確信した
ＪＩＮＸＥＤにつなげた言葉が現実に起こる
俺は運命を支配した
俺は神の力を手に入れた───
182 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 22:38:53.46 ID:OwAqUGYo
30
───俺が作ったのはＱＵＡＫＥ/地震の単語
手始めに地震でもおこしてやろう───
183 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 22:39:16.04 ID:OwAqUGYo
30
───・・・妻の手が珍しく止まった───
-､ヽ::::ハ ヽ::::/:.:::ｲ::.::{＿_/:::.::::〕 ＿_
/:::::::ｰﾍ:{:..:.ヽ ∨:..:..:.l:::.::|:..:./:::.::/{_ｊ＾ヽ / 厂ヽ
∠二≧ ､ __ 〕ヽ:..:..:＼:..:..:.∨ ..:..:..:.:..:..ｌ../..:..:..:..:/:::ｨﾅ___ ′ ハ／￣ヽ
￣ 「￣＼＼/::::＼.:..:..:..:..:..:..:..:., -一…ー :..:../.:..:..:/:::;ゝ| |／ イ丁|
＞┴―‐ ミｨ_〕ヽ:::＼.:..:.. '~ ｀ ＜:..:..: 人_|‐<_／ｊ ｜ | |
, ﾍ ￣￣/:::＼.:..:..:..:／ ＼:..:／:::::::}＜ ﾉ ｜|
へ. ヽ二ム..:..:..:..:..: ' ヽ::.:::｛ _ ＼'_ノ二ヽ
く ＼_r‐Ｊト:..:..:../ 、＼ ヽ ﾞ:,:::.:::.:ﾄ ＼＼＼＼
`ー/|::.::.::.::.::.::,′ ＼ ヽ V:下ヽ＼ ヽ ＼ヽ
冫ｰｲ ￣ト::.::.,′ | ｉ | ヽ ＼ ヽ ', ヽ ':┴┐ Ｙ ﾄ､ ＼
′ ;′┌┴ ::.:| | | | ﾞ, ﾄ ;. 斗-+ | ｜ｉ::r┘ '. ｉ ＼
:/| しﾍｰ::.| ｜ｉ ｜ ｜｜∥ | |メ、_从ﾊ|i | |ﾘ::￢ ￤ ｜
| r┴‐::| |｜ | ム⊥从ヽ i |lィｆ＜.ヾ ｰ|川 ;::下┘ ｜ ｜
| |::.::.::.::| ｌ｜ イ｜ 斗=ミヾ＼,ハﾉj八ゞ 'リ,.. | ｊﾉ! /::::::｝ | |
｜ |└ﾍ::.:∧ ｌ' | |/{-ィ::j } ￣゛ | lｊ,√ィｵ | ｜|
| ｜ | く::.::.:ﾍ l:､＼ ヽ ＞‐ ´ , ∧ ∨:ﾌ｛{i〉 ｌ ｜|
∥ | | ヾ勹ﾍ い ::ヽ＼ _ 仏ﾍ ＼ゞ' ｊ| |∥
八 | | ＼ｨr=ﾐl::.ﾊ ＼ ー ､ ｀ ＿_／ユ二 ＼ ＼ /ﾍ. l八
′ | ', 弋ゞｿ}7ノ /,ﾆ≧、 ヽｰ--,.ゝ- ､￣`＜￣ハ__ ＼/' λ 、 ＼
/ ∧ , ｀マ'´ /:':::.:::.:::.〉 ∨ィ/{f㍉Ｙ三ヽ ｀ ＜ｰ┐ ＼/｜ ＼ ＼
/ ヽ ＼ ／ ｲ￣ ー ' | | { ﾄゞど..二二.._ ｀弌:. ヽ l ＼
./ ＼ ＞' ／...:＼ ..:::.:| /:/＞允≠‐－‐' ___｝ﾊ＿ ＼
/ ┌一＜ ／ ...:..:::/::＞ /／ .:.:::./::卞ﾆニ -‐__,.___ ｝ヽ |!:..:ﾄ ヽ
./ ＼ ／′...:.:::.｛::.... ／..:::.:::.:／:::.:::|:::.￣匸Ａ::::::::ﾙソ.:.i:..:..:. | ヽ Ｙ
ﾍ￣￣￣＼ ∨ ..:..:..:..:..Ｖ／..:::.:::.:／ .:::.:::.∧ ::::ﾍ`ｰ辷彡::`ァ ..:..:..:..| > へ
￣`ｰ- ､ ＼ ﾏ'⌒く /..／^ｰｚ一' .:::.:::.:/::::| ヽ::>､::.::∠ . .:..:..:..:.|／ ィ ＼
―- 、 {＞、＼:::.:::｛::: .:::./ ― ､...:::.:::.:/:::::::| ｛:::.:::.:::.:::.:::/..:..:／ ／/／
184 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 22:39:33.36 ID:OwAqUGYo
31
───彼女は俺に微笑み、
手を動かした───
!:::::::::::::::::::::／::::／ l l ,l | | l ! ! l l l::
!:::::::::::::::／!:::／ | ! ! | / ! !_!-‐ァ l | | | ! !:
!:::::::::／,-､∨ _!__, --､| ! | | ! |`r'´! l ! | | ＜
|:::／／:::::::!:! | { }｀ﾞ`ト!､ ! | | !/ ! ﾊ | ! !:
-､!'／:::::::::::ﾉﾉ! !ヽ!｀T´! !| !｀ト､ ! ! ! // ! ! ! |:
ヽヽ:::,､:::／ｨ ﾄ､|_ｧ=ァ＝=ミ､ﾄl ! l ,ｲヽ!,ｲ/ l ﾊ | !
〉!:/::ヽ／| | ヾ {っr⊂かﾐヽ| ! // /メ _// ! | ! | |::
_/∧::::::::) l! ! `┴-ﾆ､ノ Ｖ /／〃 ヽ/'｀`ト､ l l l | l::
-' ヽ:/l |ヽ ! ｀ '´ /' ＿ /ｲ メｲ ! l /::
-ヽ ヽl | l | ７っ｀ヽ'´ l// j / / /ﾚイ::
ヽ l ! | | _{ r⊂∧ ,.ｲ / ,ｲ /-イ !::
＼ ヽ! | ! ! / ｀ヽン ノ／/ , ｲ／彳 ! l:::
＿｀ﾆ=| | l | ､ '´ ,ｲ l イl l |:::! ! !:::
::::::::::::::! |＼ ! l ｀ - ／ｲ / l !| !::l l l:::/
⌒l:::::::| !--ヽ! | /´ !/! ! || !::| ! ﾚ
､ ヽ´| ! | ! | _, '´ 〃 l l || l:::l! |
｀´ | ! l | !｀ ト __ .. -‐＝ﾆ´､ // ! l || !::|| !
', ', ! | ! Y´｀ヽ‐､ ＼> //| l || ,ヽ! ! l
ヽ ヽヽl l Yrゝ〉ヽ} / ＼l l ! | ||' / l ',
───Ｄ・Ｅ・・Ａ・・・───
185 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 22:39:47.85 ID:OwAqUGYo
32
───彼女はそのまま、変わらぬ笑顔で
最後の文字、Ｈを置いた───
186 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 22:40:06.10 ID:OwAqUGYo
33
───途端に、地面が揺れだした
俺の口の中にあったＵのピースが、
地震の拍子にのどの奥に詰まった───
187 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 22:40:34.42 ID:OwAqUGYo
34
───俺は息ができなくなり、
床に転げ落ちた───
!:::::::::::::::::::::／::::／ l l ,l | | l ! ! l l l::
!:::::::::::::::／!:::／ | ! ! | / ! !_!-‐ァ l | | | ! !:
!:::::::::／,-､∨ _!__, --､| ! | | ! |`r'´! l ! | | ＜
|:::／／:::::::!:! | { }｀ﾞ`ト!､ ! | | !/ ! ﾊ | ! !:
-､!'／:::::::::::ﾉﾉ! !ヽ!｀T´! !| !｀ト､ ! ! ! // ! ! ! |:
ヽヽ:::,､:::／ｨ ﾄ､|_ｧ=ァ＝=ミ､ﾄl ! l ,ｲヽ!,ｲ/ l ﾊ | !
〉!:/::ヽ／| | ヾ {っr⊂かﾐヽ| ! // /メ _// ! | ! | |::
_/∧::::::::) l! ! `┴-ﾆ､ノ Ｖ /／〃 ヽ/'｀`ト､ l l l | l::
-' ヽ:/l |ヽ ! ｀ '´ /' ＿ /ｲ メｲ ! l /::
-ヽ ヽl | l | ７っ｀ヽ'´ l// j / / /ﾚイ::
ヽ l ! | | _{ r⊂∧ ,.ｲ / ,ｲ /-イ !::
＼ ヽ! | ! ! / ｀ヽン ノ／/ , ｲ／彳 ! l:::
＿｀ﾆ=| | l | ､ '´ ,ｲ l イl l |:::! ! !:::
::::::::::::::! |＼ ! l ｀ - ／ｲ / l !| !::l l l:::/
⌒l:::::::| !--ヽ! | /´ !/! ! || !::| ! ﾚ
､ ヽ´| ! | ! | _, '´ 〃 l l || l:::l! |
｀´ | ! l | !｀ ト __ .. -‐＝ﾆ´､ // ! l || !::|| !
', ', ! | ! Y´｀ヽ‐､ ＼> //| l || ,ヽ! ! l
ヽ ヽヽl l Yrゝ〉ヽ} / ＼l l ! | ||' / l ',
───床に倒れた俺を、
Ｈの文字を、置いた時の笑顔で、
妻は俺を見ていた───
188 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 22:40:47.34 ID:OwAqUGYo
35
───ＤＥＡＴＨ/死───
189 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 22:41:05.45 ID:OwAqUGYo
36
＜Author: Charlie Fish Title: Death By Scrabble＞
【作者：チャーリー・フィッシュ 邦題：スクラブルから死をあなたに】 終わり
190 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 22:43:13.67 ID:OwAqUGYo
１作目、以上です。
原作では、ここまで夫の心理描写はなく、「嫌い」
が強調されているのですが、
それだとラストのオチの真紅の笑顔にインパクトがないかなぁ
と思い、
前半部分をグダグだびしてみました。
ちょっと読みにくかったかもしれないです・・・
191 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 22:43:50.66 ID:OwAqUGYo
２作目は、５０分より投下します。
192 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/03/31(火) 22:44:16.23 ID:psB6nI6o
夫が殺される方だったとは。
おつ！
193 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]：2009/03/31(火) 22:48:46.60 ID:WJfZ0Joo
なんというどんでん返し
乙！
194 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 22:53:38.79 ID:OwAqUGYo
＿＿＿_
／ ＼
／ ─ ─ ＼ 私の好きなことわざに、
／ ━ ●━━● ━ ＼ 海老で鯛を釣る
| （__人__） | という言葉があります
＼ ｀ ⌒´ ,／
/⌒ヽ ー‐ ｨヽ
/ ,⊆ニ_ヽ、 |
/ ／ r─--⊃、 |
| ヽ,.ｲ ｀二ﾆﾆうヽ. |
195 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 22:54:13.72 ID:OwAqUGYo
＿＿＿_
／ ＼
／ ─ ─ ＼ 鯛よりも価値の低い海老を使って、
／ ━ ●━━● ━ ＼ 海老よりも価値の高い鯛を手に入れる
| （__人__） |
＼ ｀ ⌒´ ,／ 意味は、わずかな労力で
/⌒ヽ ー‐ ｨヽ 大きな結果を得る
/ ,⊆ニ_ヽ、 | そんなところでしょうか？
/ ／ r─--⊃、 |
| ヽ,.ｲ ｀二ﾆﾆうヽ. |
196 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 22:55:04.37 ID:OwAqUGYo
＿＿＿_
／ ＼
／ ─ ─ ＼ 次の話は年頃の女の、友情の話。
／ ━ ●━━● ━ ＼
| （__人__） | 鯛を釣るために、
＼ ｀ ⌒´ ,／ どの様にして、その小さな元手の海老を
/⌒ヽ ー‐ ｨヽ 手に入れるか、
/ ,⊆ニ_ヽ、 | そんな話です。
/ ／ r─--⊃、 |
| ヽ,.ｲ ｀二ﾆﾆうヽ. |
197 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 22:56:47.36 ID:OwAqUGYo
＜Author: Saki Title: Fur＞
【作者：サキ 邦題：毛皮】
198 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 22:57:56.33 ID:OwAqUGYo
1
───冬の厳しい寒さも過ぎ去り、
新しい命の芽が
やつれた木々に現れようとしていた───
＿＿ __,.
｢｀ヽ´￣｀ﾌ.::::::::/´ ,. -‐'′{::::し'.:::::::イ
. ィ⌒ヽ /.::::::::::/ ハ:::::::::::::!::::）
{ イゝ /.::::::::::,′. . . ..x く｀ｰヘ.:.:.::::し'
Y.::::::::ノ '.::::::::::::|.:: . ---xノﾊﾉ ヽ:::）
（￣ . :.|:::::::::::::「´ _、 ）⌒Y ﾚ′
i 7ゝ.:::∠!:::::::::::::|.:.:.:.:ｊ｢ Ｙ ! }
| i::ﾊて...」::::::_.:::::! ノ｣ﾊ '. ,ﾊＬ / ′
| L! | 丁Ｙｒ刈:::|ィﾊﾊ｢ゝVｲﾑｲ//ﾊﾉ ふぅ・・・
| |＼ゞｲ::::ﾄ弋)ｿ ﾋｹｊ小
l / ! `トゝ:!ﾊ´ ' .ｲ ｊ |
ﾉ. / ｜i ゝ'' | 仆. . ´ イ ｣ ;i |
／ :/ |小./ゝ.｜ヽ＼下｀ヽ 丁ｊハ
イ , ′ ヽ:/ィ ハ. ヽ＼ﾊ.:.:.:ｊり__｣!
／ ,ノ.:/ /.:::: ` ｰ ､ーヘ〈ゝ--=ｧ
/⌒Ｙ .::::/ （::::::. 下不厂ﾞくﾞく
ｒ ' ノ.:::::/ .ｲ ）::::i |￣ｊ ） ｀ヽｿ
. ＼:::｀ヽ／／.::／.::::::i ｀ヽヽヽ （
199 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 22:59:41.83 ID:OwAqUGYo
2
＿r=ｧ=､ィfZｧ､,、
, ´fフ:´-=_:三ｰ_ｰ^ヘ
／ _r/／'_ｧ'='^ー'｀´｀ ^ｰ＼
/r＝､ｿィｰ'7´ ヽ
ﾊ L／ｲ| ヽヽ ヽ l
, ｿ/ l ﾊﾚ´イ{ { |{. ｜ | ﾊ
//:/ ﾉj ｀´i |｀ヽト ､ |:ヽ. } , ﾘ ｜!
ハ:{／ｲ: { 小7ﾃﾐﾄ､ {ヽ!: / / / l l
/ /／ |:. ヽ. { '赳ハ＼ }:/_ｵメﾘ ｲ/ あらあ、
/ -ﾍ､:.. l:... lト＼｀ /ｨ亙ﾌ'´／/′ どうしたの？何か心配事？
:＼ j:〉..:.l:... l! ,! ７´ |
..｀ヽ､..:∧:.. lﾄ_､ ｀ 丶 イ.: j|
､::＼:.ヽ:.. l::.::＞ー＜l!:..:.|:. ﾘ
／.::.:￣:.｀ヽﾄ､.V／::}:ﾊ:{ﾄヽ/!:. !:
／..::..::.::.::.::.::.:..:ヽヽヽ=l:| ト='ｲ-!: /::;
／.::.::＿.::.::.::.::.::.::.::.::.｀ﾄi｀j:|__ヽ＼ﾉ人::.::
/:.‐..´...::.......ｰ ::.::.::.::.::.::.:K/:ハ.｢jﾌス::.:.｀:くヽ
ｲ.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.{_j jｧzく::.::..::..｀ヽ、
（..:..::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.ﾄj / ヽｿﾝV...:.::.::..}
＼::.::.::.::.::.::.:＿:.::.／__::.:イ}_ j l r}::.::.::.../
:|｀＞ｫr＜ __::.::.::.::.:ヽ}､ /l j_{ﾉ::.::／:..
.|{{´/小ヽj}:r＜ヽ.ヽ:.::.::.::.::ヽ} /rｿ:}／K｀=
ﾍ:.´/ﾊ｀::.r-｀ヽ l:,､;､::.::.::.::.V'::./_;､::ﾄVﾉ/!
//:トl::.::.￣ヽ /´ 〉!:__ｧ'⌒j/´ レ‐ｭ_j
｀ヽl..::.::.::.:ｨVゝ- ' j_∠ ｰi ´ } ﾉ
〉、:〈{j:|:￣:｀:ｰ..､＿j ﾉ -‐{＿ﾉ
／::.:∧::.:l:{::.::.::.::.::.::.::.::.:｀ ┴-､ｰﾉ::.:ヽ
200 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 23:00:17.07 ID:OwAqUGYo
3
───真紅は、友人の水銀燈に聞かれ、
そうね、と答えた───
201 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 23:00:45.89 ID:OwAqUGYo
4
───真紅は続けた───
└-i:::::::::::::::::::::::: ,. '"´ ｀`ヽ:::::::.: : ヽ、
__...ﾉ: : : : : : :,.ィ´ ／ ', ヽ ｀丶､: : : :ト.､ ,.ィ"ヽ
. |: : : : : : : :／ ./ / ', ', 「: : : : :|:.:.:ヽ: : : : : 〉ﾆﾆ､二
ヽ.ィ: : : :/ / ,' l ', ｀丶ﾄ､:|:.:.:.:.:.|: : : : :ート､､ヽ
r‐:':::::::/ ,' ,' ! .l i'"´: : |:.:.:.:.:.:!: : : : :_:ハ ',ヽ
. ',_:､:::/ l ｌ |l ! ',: : : :.|:.:.:.:.:.:|: : : : L_ｌ::', ',r
ﾉ:,' ,'l | l | l ! ! | ｀丶; |:.:.:.:.:.::!: : : : : :ﾊ::ヽ
/:| | ,' | ! .!ｌ| ,'| ｌ ｌ | l ,' ,|. ｜!´: :.!:.:.:.:.:.,': : : :r ' ｀￢ 心配ってわけではないんだけれど、
/:::,! | ..L.',_ﾄ. |',ﾄ / !./l/├ /￢ ￢､).:: /:.:.:.:./: ::::::::| |: 来週私の誕生日でしょう・・・？
/:::::ﾊ.ﾄ 、 ! ..l_ヽヽ＼､./ l/"´ l/_∠ | {: : :/:.:.:.:./::::::;:::ﾉ| !:
ヽ|l ',ヽ ＼ !,イ ｀` ﾄ '′ ,ｲ"´ lヽ ,ﾊr'＾,-ﾍ':::::::::}::!｜ .!:
. | ト､ト.`弋..ン 弋..ン ' | .|/j〈ィ'>》_ノ"!::l ! |:
| l l.|. ', ､ l ! .|:.ヾ ﾆﾌ !::l. ｜ |:
| / / | ﾄ、 ,.、 ｜ ｌ| |／ ヽ:| |l !
. | / / | |_.＞ 、 _..-.､ｌ l ! ! |.! ｜
l| /,ｲ _..ｌ l:.:.:.:.:.:.:｀丶､ __..ィ´:.:.:.:.:.,' .,'::| | | ! !
!|_ノ' r":.:.l l:.:.:.:.:.:.:.:.:.ﾊィｭﾍ:.:.:.:.:.:.:./ /:.:::! !ヽ、 .| l |
_..'"ｨ´ ﾄ､:.:.! .l:.:.:.:／｀`ヾ.ﾆﾝリ:.:.:.:.:./ ':.:.:.:.:| |:.:.:/、 ! ! !
＜._ <.| ! ∨ ,'_:.:'-:.:.:.:.:.:.:`￢´:.:｀`:./:.:.:.:.:.:.:.! !;/: : ＼ ! l |
＿.... ﾆュ`ﾆニニl:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.!:.:.:.:.:.ハ:.:.:.:.:.:.:.| |.. -‐ ァ.、 ｜l |
. | __... -‐ ＜: :ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./|:.:.:.:.:.:ヽ.ヽ. -‐'"´.. -‐ｧ‐': : ヽ |. l |
202 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 23:01:01.09 ID:OwAqUGYo
5
_ｙｭ､_ -‐ 二二二 ー- ､ ｀ /.:/ -― 、
くｆ匕ノ.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.:::..＼ /.:/＼／／⌒ヽ::.､ ﾄ､
／..:: - ^⌒＾⌒＾⌒^ ｰ-､::.::. /.:/ ／∠、 }::| | lヽ
／ イ ヽ ヽ ｀⌒ｌ:::Ｋ::＜￣＼､ ﾉ::ﾉ | |::|
┌－､/／ / ﾄ | l l ヽ |:::ﾄ､ 丶二二二＜ | |::|
|::lヽ/ | | | | l | | Ｌ｣ ヽ /.:/ ＼ ､:.＼__ｊ＿|_丿} ｲ
|::∨ | ｜ | | | | | | | ∨:/ ヽ＼::::::::::::::::::ノ／./
∨ | ｜ | | ｜| | | | /.:/ '. ￣厂 ｢／..:::/
/ | | j l 川 l _厶⊥l {:::{ l '. / .:::|::::::／
;′ ｜ l /ｲ / ハ /イ / l || ヾハ ∨ /.::::|／
| ｌ | | ｌ 〃 |// イ / _」厶斗ｬﾘ / | ∨.::::::| あらぁ、良いわねぇ
| | | | ｌ＼ l / // | |/ィ弋_ソ イ/ , ′｜ ﾍ ::::ﾉ ／ 私の誕生日なんてまだまだ
| | | ､ ィ二>仁／ ＼| ￣ / ／ ∧ ＼／ 先よぉ・・・
| |∧ ＼ ∠斗ｆ‐､ミ / ／ / 、 ＼ ＼
| | 丶 ＼＼ ＞'´ /／/ / ＼ ＼ ＼
ヽ ＼ ＼＞ ヽ _,.ｨ / ∧ ＼ ＼
｜ ＼ / ＼ ＼＿_ ‐ ´_ / /＞ 二二二二 丶 ＼
| .′ ｀ ー－―＜ / ´ ...::.::.::.::.::.::.::.::.::..＼＼
|｜ l / ｀二ﾆー＜/／ ／...::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.:::..＼＼
|｜ | / /::/￣＞／ ／...::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::. ヽ ヽ
|｜ | ／二ニニニ{:::{＜_／ ／...::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::ｌ l
| | | ／/.::.::.::.::.::.::.::.:.ヽ::>/ ／...::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::| |
｜l l／ /.::.::.::.::.::.::.::.::.::／ 〈 〈::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.:| |
∧{ ｌ /.::.::.:: ィﾆニ＝イ ヽ ヽ::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::..＼＼
/, へ ∨.::.::／∠::.::.::.／ ∧ {::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.: 一＝ニニ二、 ＼
／ ＼ ヽ::.:{::{::r‐rヘ/￣廴r‐/.:/＼::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.:::..＼ ノ
203 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 23:01:49.65 ID:OwAqUGYo
6
＿_
イ孑<￣ヽ 入
_く ヽ ＼ ヽ. そ＼ ＿_
{ ＼ ゝ '―‐'‐-弋ﾍヽ ノ‐.､
／丶 、ゝ' 圦ﾐく 人
７＝-／ ヽ ヽ えこl! Y ﾉ
/ / l l ', ', j YYﾉl! ; :Xー ､ ・・・ともかくね、私のおじ様がブラジルから
∨ / / ; l! l! | l.／!ﾊ l l ｿ.ﾉ∧ / 丁度こっちに帰ってきてるのよ。
∨ ! ! l! l!! ; .ﾘｲ,ィュﾄ! l! |/:∧辷/、 母の遠縁の人なんだけれど、
|! l ', l!斗十ヽｿ ' ﾍ.ソlﾉ| l!ノ l ', とてもお金持ちでね、たまにこちらに
. へ、 ヾ. ', ｨ代㍉ , ::::::: ｲ | l ', ', 帰ってくるんだけれど、帰ってくる度に
／ . .へ ゝY ﾍ ::::: _ .ｲ | l!__ |! ', ', 私も母も、おじ様のこと、とても慕うようにしているの・・・
／ ／ ,j /`ー- ､ .._／/ :| |: ヽ! ', ',
／ ,,∠ ＿_z＜/ :/ ＿ ﾐY⌒Yﾐ:.| | ヽﾄ､ ', ',
／ 〆ヽ ,/ /〉=- ﾄ＝ｲミ;! ! | :ヽ.＿＿ ',
／ , ' ﾉ ﾊ z＝/ / |! ／ｲ￢＼| | l! 乂 ゝ,
,.' / j 彡,ゝ、 / / ヽ ＿ イ: | | ﾊミぇ' ＼ ヽ 〆ｿ ',
/ / て／ Y /z=ぇ ／| | | ＞ミﾐ〉 ,､,fゝ ' / ',
. / / ／ !仆ヽ气〆 :! !≠! ﾚく＜ !|j ／; .',
. / ,' / ｚ=ー‐.ﾚ'７彡z=ミ～|! ノ {! ＼__》ノ :|／ ;: ',
, f ´￣ ＼ ｲ /／ /_ﾐｲ く＝ー＜、 丶 、 /|! | ; ',
|て,＿＿ ＼, 《 { .,r‐.､ヽ∨ヽ _ ,.》| ヽ,! ,' ;
く ￣ 丶 、ミ ＝ー―--ﾍ,_.T´ :り'J、 :ヽ|! ヽ! ; ;
そ ／ ／ i ＼ ﾊ ﾍ ,' ,
ゝ ＿＿__ _ , , . ＿／ ／ , ; l ＼ ヽ ﾊ ﾍ ,
《 ﾍ r＝＝=､ ￣ ／ , i l ＼ 丶 ﾍ. ﾄ､ , '
ヽ' ,.ﾍヽ 冫==--､, .' ,. ! ; ヽ 》 〆 ｿ＼'＿＿＿
＼ｭﾍﾍ |!´ {! , l ; 丶 l!乂ソ~ ＼ヽ ／l!
l! l! / l , ! : ' , | ｒ‐.､ 'J 〆 ノ
. l! l! / , -==-| , ! . ,. ヽJ り~ミ ／
ヾ,V_ノ ヽ、 ｙ-=＝=,! ; . ', , ∧ .／
￣! {!. ; . ' ' , ' l!_ソ
! /. , . ' , , ／
l ／ , . ' '／
l く. , . ／
204 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 23:02:28.75 ID:OwAqUGYo
7
-､ヽ::::ハ ヽ::::/:.:::ｲ::.::{＿_/:::.::::〕 ＿_
/:::::::ｰﾍ:{:..:.ヽ ∨:..:..:.l:::.::|:..:./:::.::/{_ｊ＾ヽ / 厂ヽ
∠二≧ ､ __ 〕ヽ:..:..:＼:..:..:.∨ ..:..:..:.:..:..ｌ../..:..:..:..:/:::ｨﾅ___ ′ ハ／￣ヽ
￣ 「￣＼＼/::::＼.:..:..:..:..:..:..:..:., -一…ー :..:../.:..:..:/:::;ゝ| |／ イ丁|
＞┴―‐ ミｨ_〕ヽ:::＼.:..:.. '~ ｀ ＜:..:..: 人_|‐<_／ｊ ｜ | |
, ﾍ ￣￣/:::＼.:..:..:..:／ ＼:..:／:::::::}＜ ﾉ ｜|
へ. ヽ二ム..:..:..:..:..: ' ヽ::.:::｛ _ ＼'_ノ二ヽ
く ＼_r‐Ｊト:..:..:../ 、＼ ヽ ﾞ:,:::.:::.:ﾄ ＼＼＼＼
`ー/|::.::.::.::.::.::,′ ＼ ヽ V:下ヽ＼ ヽ ＼ヽ 今までこれといっていい思いをさせてもらった
冫ｰｲ ￣ト::.::.,′ | ｉ | ヽ ＼ ヽ ', ヽ ':┴┐ Ｙ ﾄ､ ＼ わけではないんだけれど、
′ ;′┌┴ ::.:| | | | ﾞ, ﾄ ;. 斗-+ | ｜ｉ::r┘ '. ｉ ＼ 先日おじ様が母を訪ねて家にご夕食
:/| しﾍｰ::.| ｜ｉ ｜ ｜｜∥ | |メ、_从ﾊ|i | |ﾘ::￢ ￤ ｜ を食べにいらっしゃったの。
| r┴‐::| |｜ | ム⊥从ヽ i |lィｆ＜.ヾ ｰ|川 ;::下┘ ｜ ｜
| |::.::.::.::| ｌ｜ イ｜ 斗=ミヾ＼,ハﾉj八ゞ 'リ,.. | ｊﾉ! /::::::｝ | | その時に、私の誕生日の話が出てね、
｜ |└ﾍ::.:∧ ｌ' | |/{-ィ::j } ￣゛ | lｊ,√ィｵ | ｜| プレゼントはなにが欲しいか教えてくれって
| ｜ | く::.::.:ﾍ l:､＼ ヽ ＞‐ ´ , ∧ ∨:ﾌ｛{i〉 ｌ ｜| 聞かれて・・・・・・
∥ | | ヾ勹ﾍ い ::ヽ＼ _ 仏ﾍ ＼ゞ' ｊ| |∥
八 | | ＼ｨr=ﾐl::.ﾊ ＼ ー ､ ｀ ＿_／ユ二 ＼ ＼ /ﾍ. l八
′ | ', 弋ゞｿ}7ノ /,ﾆ≧、 ヽｰ--,.ゝ- ､￣`＜￣ハ__ ＼/' λ 、 ＼
/ ∧ , ｀マ'´ /:':::.:::.:::.〉 ∨ィ/{f㍉Ｙ三ヽ ｀ ＜ｰ┐ ＼/｜ ＼ ＼
/ ヽ ＼ ／ ｲ￣ ー ' | | { ﾄゞど..二二.._ ｀弌:. ヽ l ＼
./ ＼ ＞' ／...:＼ ..:::.:| /:/＞允≠‐－‐' ___｝ﾊ＿ ＼
/ ┌一＜ ／ ...:..:::/::＞ /／ .:.:::./::卞ﾆニ -‐__,.___ ｝ヽ |!:..:ﾄ ヽ
./ ＼ ／′...:.:::.｛::.... ／..:::.:::.:／:::.:::|:::.￣匸Ａ::::::::ﾙソ.:.i:..:..:. | ヽ Ｙ
ﾍ￣￣￣＼ ∨ ..:..:..:..:..Ｖ／..:::.:::.:／ .:::.:::.∧ ::::ﾍ`ｰ辷彡::`ァ ..:..:..:..| > へ
￣`ｰ- ､ ＼ ﾏ'⌒く /..／^ｰｚ一' .:::.:::.:/::::| ヽ::>､::.::∠ . .:..:..:..:.|／ ィ ＼
―- 、 {＞、＼:::.:::｛::: .:::./ ― ､...:::.:::.:/:::::::| ｛:::.:::.:::.:::.:::/..:..:／ ／/／
205 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 23:03:47.66 ID:OwAqUGYo
8
' l | !_／ｲl |, l ', | ﾍ. l / | ;ｉ , | l
,l/,r‐'´!.| ',|ヽ | ヽ ｌ ヽ ｜ l l /ｌ l, ｌ｜
/ / ',| 十' 寸 二ﾏＴ´ ヽ.|! / ┼/-l､_,| /! !
,/ /ｌ | 丶 ＼ ＿＼ '|l ／ ‐ﾅ'´ |/lj ／ /'ﾞ ・・・なるほどねぇ、
. / |'、 ', ‐､―r┬ｬ､` i／ ‐/_‐__/ /-‐'i / あなたがなにを気にしてるか、
/ ! ヽ. ﾍ ≧=一' ´ ゝ'-彡ﾏ´ / /'ヽ だんだんわかってきたわ。
! l ＼ ヽ 〃 /! / |
l | l ＼ ＼ / ／ ／i｜ / /
ｌ l｜ | ト￣´ 、＿, ＿, - '´-‐イ ｌ|. / /
ー ､ l l | /＼＼ ´ 二´ ／ ｜ ｌ / /
:::::::::::| l |:::::: ＼ ﾞ 、 _ ィ ´｜ l , :/ , ｨ;:
::::::::::::l｜ !:::: ::::::::－＿天 ! | l / /´ |ｰ-､
:::::::::::::', l |: ::::::::/´:|:::/「l＼ ! ! l＿＿::/／ / ＼
:::::::::::::::', l ::::::/::::::l:/ l|::､ 〉＿;-:::| !::::::::::;'/ ,:' ∨ ./＼
:＼:::::::::∧ l､:::::::!:::::::l;' l!::∧>:::::::::l l::::::::::ｉ/ ｣ ヽ/ / /ヽ
::::::ヽ:::/:::::ﾄ V＼:l＿_｣| lＹ､::l>|＼::l /:::::::::/ ｜ ! ､/___/ ﾉ1
::::::::::V:::::::::ｌ＼ ヽ‐ﾄ､:::/| ヽ＼!>ーｌ| /ｌ::::::::::l 、 l!_/ー'-イ /
:::::::::::ﾍ:::::::::l/ ＼ヽＬ.V∥ ヽ / /!|:::::::::::l 丶 ﾚ´
206 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 23:08:55.42 ID:OwAqUGYo
書き込めない・・・
１０分様子見ます
207 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/03/31(火) 23:10:35.58 ID:psB6nI6o
はあく
この時間？重いのよね。
208 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 23:12:52.30 ID:OwAqUGYo
9
r..､}:.:.:.:....:..:..:..:.:.:..:.:.:.:.::.::.::.ｰr':＼
_ヽ:.:.:.:.:.:.＿.:.:.:.:.:.:.:.＼:.:.::.::.::.:ｰﾍ:..ヽ
{_:.:.:.＿:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＞ ―､― - {｀::.:.:.:.＼-..､
_ }.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:／ / l ＼ｰ ､:.:.:.:l:ヽ:くr..､ _
{:.｀:.:.:.:.:.:.:／ l Y｀:.:.:.:.|:..:l/.:.:.:}／_:.ヽ
⌒}:.:.:.:/ | l ト､:.:.:.:.l..:.l.:.:.ｲ∠⊥ﾉ、
{_:rｭ/ / / !ﾊ l l l .::l _}:..ヽ|..:.|:._:小￣ ヽ:ヽ
／ .V .l .:|: | l ﾘ:| l .::ハ_:.:.:.ﾘ:...l´.:ィﾄ＼__ﾉ:.:}
/ ...::/:{ .::| i ..:{::. ! /.::j ./ ﾉｲ:::r‐':./:../:.:_レj:.ト- ﾍ´ でも実際、何が欲しいって聞かれて
/ ...: ｲ .:ﾊ ﾄ -┬ヽ､ﾄ:.. / .:ｲ/jナ7:.不::.{__/:.:‐ｧv' |::l:. l | すっと思い浮かばないものね？
/ ／:// :/ ﾄトヽト-ｧﾃ=ﾐヽﾄ/ノ ィﾃｵく/ｲVrj､}:.:.{ｨ |:.|:. l |
, イ ´..::://／ }ヽ ﾊﾍ 赴ｿ ^ 赴ｿｲi :ﾄ{にｿ{^´ |:j:: j｜
／イ ..::j/／ ノイ /ヽ､ ′ ,ﾘ /_:/⌒´ ﾘ: .:/ !､
／´ / ..::／_ --_.ﾆイ/／, -ｧ >､ '=' ＿ ／}/´ j:..:/ l }〉
／' / :: /／／￣ /' ＜_:.ノ..: :｀:._ァｧ{、.::／/:＼ /:/ /ノ'
. // ,′ / ＞‐｀ｰ- ∠/ { :..:.:, =-Vｫ}ｿ／ :/:.:.:.:.:ヽ＿ /:/_. =イ
// l / ｀ヽr‐ __.:二 ＿＞.:´ヽ／´:. .::.＞_´三 ￣￣＿＿ ＞´‐ ´ /
!{ / / ￣ ｀ヽ:＼／_.:.:.:.:.: { :.:.:.:.:. :.ー､ァ..´:￣￣_＞ ´／/ ／／
l ! ｲ/{ __r-_―＿￣｀＞..フ´. ヽ:.:. ／}､-ヽ - 三-‐::_二:／:／／
| V /:.:l ｀ヽヽ＼::.::. {￣:.:.:.:.:＿ -‐..:´:／ :.ト 二∠´二_ -ｧ´,.イ
ヽ V :.| ﾉ::.＞､ヽ:. ヽ:.rく:..:..:..:..:.._:.ノ.: .:j /∠-_ -‐ｧ‐ ´／::.:.|
/ { :.| ヽ:.{ﾆブ__}:.:.:.:ｰ:-ヽ:..:／:.. .:／,..:＜く／ ／ヽ::.::.:..ヽ
.:ﾊ:. l ｀｀ヽ､ヽ:__ﾉ}:..／ノ..:∠、 ／ イ{ .:.:./ ／::.::.:..:.＼::.::.:.＼
.:/ ヽ. :l ト--.'／::.:⌒ヽヽ::.ソ／:.:{:. ｀フ ／::.::.::.::..:..:.r‐ヽ::.::.::.:｀ヽ、
209 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 23:13:27.09 ID:OwAqUGYo
10
,.、 .,r.、
,! ヽ ,:' ﾞ;.
. ! ﾞ, | }
ﾞ; i_i ,/
,r' `ヽ、
,i" ﾞ; それでね、表通りデパートで
!. ■■■■ ,! 前からすごく欲しかった人形を見つけたの。
ゝ_ ｘ _ｎ;:''
/`''''''''''Ｇ´｡ ,.ﾟ)
（,! ﾞ!っ(,)
ﾞ';:r--;--:''UJ
ﾞ---'ﾞ'--ﾞ'
210 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 23:13:43.03 ID:OwAqUGYo
11
､ _ｒへ､几_r┐
ｒﾍ） '^勹┐
r┘ 之
くY′ ＿ L.,
ﾋ′ _,. 二ニﾆ‐､, く_
ｌF匕｀ ,.ィ´ ,. , ｀ヽ 爿 でも値段が１ポンドもしたから私、手を出せないでいたの・・・
_||亡_ ／ / ／ ／ // / i┘ﾍ
／ 《辷′ / / / / ／// /. /! | 〕 ﾊ 、
/{ /´ }}ﾋ′ !l/ / / ./ /〃,/ l/ l| 仟 / ∨ ヽ=､、
ハ | {{ く厶 ||l /メ､/ / / /／| ll iノ / } ｔ┘ 》
',! }} とl}lｒｧ㍉ l! /／/ / //ﾑ / / ｎ]=='′
ヽ ヽ〃 〃 八.ノ! '´/ /メ､ﾉ!/Ｚ. / , ',.ィ〉ヾ＝==-
〉 〉 ／ /{ ,. rｧ‐く/>,｣ / ／ _厂ｎ ､ ヽ
. /__,.' ‐'´ ／｀ヽ ､_ '､_ノ,〉ｲ_〈,／ _方 {{ }}|l､ ＼
/.{ ｀` ＜二 ｰ-ヽ、 _,. ィ/{疱}ｎノ‐'´ハV/ |ﾄ､ヽ ＼
｀ヽ、＼＼ ￣{做}二￣_フ | | |ソ ~ || ヽ
￣｀ヽ､＼ ヽ{ ／ﾃく＼ / | l |心_ﾉ⌒)__ｒﾍ | 〉
ヽ ト､ ＼ﾄ､∨/@ﾄ､ ヽ.＼/ _| !ヽ 〉 l/
｝ ＼ ｀丶､.｢/, | ｒ'ﾆ二￣ ‐-.} ＼ V＾ヽ
｀ヽ、 ＼ /{.＠ | Ｌ_￣ 弋‐=ﾆ{ ⌒ヽ 〉
＼ ＼{ ヽ ! ｀＞､ ｀ヽ、 └勹
ｒ─ァゝ､ ヽ ＠ | ｒ＜＿__＼ 〉 ＼ ＼ r┘
211 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 23:14:01.95 ID:OwAqUGYo
12
ゝ:::::::::::::L__:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽー- ､,r ':::::::::::::::::::::: |_／rヽ
(::::::::::::::::::f:::::::::::_:::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ ヽ::::::::::::::::／_ イ二二 ﾇ
＼:::::::::::::つ:::::::. ＼::::::::::::::::::::::::::::.| |:::::::::::::::::::::::::::!ﾆﾆ´ ' ／!
(::::::::::::::::ゝl::_ _:::::::::::::::::::::::::::ー┤ |::::::::::::::::::::::::::ﾉ＼_／／
jゝ:::::::::::/`ｰj:::::::::::::::::::::::::::::::::::.| |ッ:::::::::::::::::rイヾ ー'＼
ゞ:::::: / ゝr! :::::::::::::::::::::::::::.| | ::::::::::::::::::._) | | | だからおじ様にその人形を買ってもらおうと思ったん
＼/ / ゝ__,:::::::::::::::::::: | |:::::::::::::::::_:( l! | | だけれど、お金持ちのおじ様からしたら１ポンドなんて
. Yl! | ゝつ:::::::::::::: l, ､ /:::::::::::⊂´ ﾉ!/| | ちっぽけなはした金じゃない？
| !| ,、 ﾄ, ヽr､::::::::frtｯゝ::::::::rイ / | | |
ヽヽ､!.,＼l! !li j/! ゝ_:::ゞﾆメ::rゝ′ /!! | | | そんな気がしたのだわ。
>!ﾉﾍ! ﾚ' j! ﾄ' /／´ ／ ,イ '' | | | もちろん欲張るつもりは無いんだけれど、
/ ﾄ､ /, | ,/ゝj/ _ ,. イ| | | | | せっかくの機会を無駄にするみたいで
r‐-―- ‐､ｰ j/| |/ `_j _ l!ヾ! | | | | もったいなくって。
/! /＞/│,. トｰ <_ ::: r:/ | ! | | | |
! ゝ / r,<ヽ |./│／ ﾉ`ｰ<__,j | | | |
r.. t ｀ﾆﾆ'く ゝｲヽﾉ ヽ /ヾ :::: ヽヽ. | | | |
ヾ::::Li´::｀/::/ _j/ __,∠ノ:::::::＼::::::: ヽ| | | |
√＼:::::::::::::ｲ_ 〆／ _,, -―rﾞ :::::::::: ＼:::::.ヽ. | | |
/:::::ゞ:::::::::::::＜ ／ ´! ∠_::::/ l:::::::::::::ゞ :::. ､ | | |
/:::::::::::::::::::::::::: 7`ー￣ 二ﾉ／:::/ .:::::::::::::::::::::: ヽ│ !|
/ ::::::::::/:::::::::::::/ j／ヽ :::: :::::::::::::::::::::::::::: ＼ l|!
212 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 23:14:25.47 ID:OwAqUGYo
13
＿
, ｨｬj--､ ´ ' , そうねぇ、
,.'ーｾﾘ- ､ 丶 ﾞ . 問題は そのおじ様がプレゼントを
/ / , , ＼ ヽ ' 、 , _'´ --´丶 どう考えているかねぇ・・・？
,' ! ﾊﾍ ! __', ヽ|＿ ' ｰ - '´ ￣´ 丶ヽ
l ﾊ.j､_ ﾍ.|ﾊトﾍ {_/＼'＿_, -――- ､ ´丶. ＿ , ' そういうお金持ちの人って
丶/ﾊ. , ー‐ l', ＼二 丶-- ､ , , ‐;- お金がない時からの価値観を
i |l ト ｰ__ イl '､ ヽ_ ,＞ｘ-‐ '´- ､＿ ;' , -―- ､ __ . ' そのまま持ち続けてるものよぉ・・・？
/ '; '､, -::｣ ｣::､ ＼:_ 丶￣ , '´
丶 ゝ､_.ゝzzz/::::::::'::::i―
〈::/薔 ／:::l::::::::::::::〉
/:l_／::::::::::ヽ:＿:/_, -――丶
l::i:::::::::::::::::::/ ,l::::|::::::::::::; -―'´ ＿＿_
l:X:::::::::::::イ::::::l::z:＼:／＿, -‐::'::´:::::::::::::::::::ﾞー-､＿
, --l::X::::::::::::::`ー:l:::|＼::＼::::::::::::::::::::::::::::; -‐ '¨´￣
,:'::::::::ﾊ::X::::::::::::::::::::::l:::|｣j＞､::￣´ﾞフ::::::／
/::::::::/::／l:::::::::::::::::::::::|:j_」__|_j＞-イ:::／
213 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 23:14:52.07 ID:OwAqUGYo
14
∠ ―- ＼＼
／ ＼ ヽ ＼
/ ヽ ヽ ＼ | ヽ
′ ｌ￤ ｌ | ∧|、 │ ,
| |｜{ l | | |l _ﾊ斗′ヾﾄ l ほっとくとそんな人に限って、
！ l 、＼ヽl /イﾚ厶ｲ |ﾄヽ | 元の値が１ポンドもしない’プレゼント用’
＼ 斗≧ ∨ 弋::::ﾉ| l| |ﾚﾉ | なんて書かれた札の付いた
| l ヽゞ' , | l| |l |｢ | 見てくれだけの
| | ハ j从ハﾉｋ≦ 手鏡なんて買っちゃうわよぉ
ﾉ人{ ＞ ^⌒ ／ | ｌ |才⌒ヾ
厶! l丁 ／| | | /＾ヾ
´／〃|ﾄヽ// ﾉ｜| / 〉
/ /{{_儿_}}′ﾍ人ゝ /
〈 / l｀)兀(´ | / 仆
∨<＾Y＾Y7 ∨ 厶ﾍ
く⌒_〈<＾Y＾Y7 〈 ∠、〉
{{II}} |<＾Y＾7 `ー‐{{_II_}}
|||| |〈 { j/ /ハ |||| |
〈ﾊ〉｜ヽ/ |/ | |||| |
/ | ﾉ | 〈ﾊ〉|
／＜ヽ｛ ﾄ､ ／ ＼ | |
214 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 23:15:41.29 ID:OwAqUGYo
15
| | rｨＺぃ
| | _弋二ソ_ ､､､_
| | ,. '´_, ---- ､￣ヽ｀ヽ、
| | /／ ｀ヽ ＼ ﾊ
| | ／´ l l | l ＼| ﾊ
| | / l | ! lヽ |ヽ_| |＼l／| だからはっきり、
| | ! l | ﾙ､ l ／ ｌ ! !／＼jl 何が欲しいか意思表示しなきゃ駄目よ！
__j__j__ | l l/l￣｢ 丶j ィ⌒ヽ| |l l !
!rーｫ | Ｖｌ l z:=ミ ゝ 丿l! !ｌ | i
!辷:チ| l| ト ,,,,,, 、 ,,,,,,,ノ| ｌ|｜ ',
TxxxＴ ﾊ ﾄ、 r ￢ , | | ヽ
!ｘxｘj ー―┐､｜＞ ､ ー' イ | ｌ ヽ
￣i l/＼ ー く 氷 ゝ｣ー!/ー‐ ､ ヽ
| | l ﾄ/ | _ノ / / ｌ ヽ
| l l l 薔 ／ ／￣ ）_ l
└「￣ヽ. ｣ ／ l l ／ ヽ / /￣__丿 ll
/ ノ｣ ! ゝ' ,/ '´ , ｀! ｌ|
Ｌ. ノ_ / ／ﾎ、 （￣｀ヽ ‐､ し' ） ｌi
215 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 23:16:09.20 ID:OwAqUGYo
16
' l | !_／ｲl |, l ', | ﾍ. l / | ;ｉ , | l
,l/,r‐'´!.| ',|ヽ | ヽ ｌ ヽ ｜ l l /ｌ l, ｌ｜
/ / ',| 十' 寸 二ﾏＴ´ ヽ.|! / ┼/-l､_,| /! !
,/ /ｌ | 丶 ＼ ＿＼ '|l ／ ‐ﾅ'´ |/lj ／ /'ﾞ 例えば、
. / |'、 ', ‐､―r┬ｬ､` i／ ‐/_‐__/ /-‐'i / スイスに行く予定なんです、
/ ! ヽ. ﾍ ≧=一' ´ ゝ'-彡ﾏ´ / /'ヽ 旅行関係のものならなんでも嬉しいです
! l ＼ ヽ 〃 /! / | なんて言って御覧なさい？
l | l ＼ ＼ / ／ ／i｜ / / きっとその人スキーの教本なんか
ｌ l｜ | ト￣´ 、＿, ＿, - '´-‐イ ｌ|. / / あなたにプレゼントしちゃうわよ？
ー ､ l l | /＼＼ ´ 二´ ／ ｜ ｌ / /
:::::::::::| l |:::::: ＼ ﾞ 、 _ ィ ´｜ l :/ , ｨ
::::::::::::l｜ !:::: ::::::::－＿天 ! | l / /´ |ｰ-､
:::::::::::::', l |: ::::::::/´:|:::/「l＼ ! ! l＿＿/／ / ＼
:::::::::::::::', l ::::::/::::::l:/ l|::､ 〉＿;-:::| !::::::::::;'/ ,:' ∨ ./＼
:＼:::::::::∧ l､:::::::!:::::::l;' l!::∧>:::::::::l l::::::::::ｉ/ ｣ ヽ/ / /ヽ
::::::ヽ:::/:::::ﾄ V＼:l＿_｣| lＹ､::l>|＼::l /:::::::::/ ｜ ! ､/___/ ﾉ1
::::::::::V:::::::::ｌ＼ ヽ‐ﾄ､:::/| ヽ＼!>ーｌ| /ｌ::::::::::l 、 l!_/ー'-イ /
:::::::::::ﾍ:::::::::l/ ＼ヽＬ.V∥ ヽ / /!|:::::::::::l 丶 ﾚ´
216 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 23:16:30.93 ID:OwAqUGYo
17
ｒ'冖ｒｰｲ￣¨ﾄ､-┐
ｒ ┘、 丶｣＿_ j/ /入
｣ -､ ,＞'¨´, ´`＜ -亠i
〈 ー / / / ', ､ ヽ. ｲ
｣ - / :ｉ l| l! l ! '〕
＿┐ ! , +―ｌ| lz―+ . ! イヽ
「´＿.九ﾊ l,ｨt::jヽノ ｨt::ｬ| ﾘ_,八 | それよりこう言いそうだわ
, -‐ '廴／ /乂ﾍﾊゞ┘ . └ ﾂｲ心、|ｰ'=､- ､ ダンスに行く機会が多かろう？
/ , '_／＼/ｲ /rー-､_‐_, --'‐ﾑ､ |¨ ヽ ＼ 丶扇子でもあげよう
/ , ／___ / | ／〔_ ｰfッﾘｰ 人ヽ. l丶 | ヽ ってね。
/, -'＿_´ ／| /_＿ ノ父＼＿'〕-､_!_ヽ--､丶 |l
/ l! ／z=ｯ r'ｰ ' // -i‐＼ 〉ｰ ＼┴ｉ|丶ｌ| 正直扇子なんて山の様に持っているわ
|／ ト--/彳_ノ ト-ー' -:;:'´ ヽ ,ィ Ｔ / _ |}! ｌ!ヽ
/'! ／丶/´三ﾂ´ !::....、 _,:'‐ ' !{ ＼＿ム‐ｹ'| l l|
/ ﾊ. ﾚ'／ / ト::::_:...i::::.......::::::ノ | ヽ 《ノ!ｨl |〃
|/ 丶 _/ | /-辷_ー￣´＞ｚイi| i / 〈ノﾉ !/!
l' , -┴!‐ﾍ. / ´ ＞― テ7ﾞ ﾊ ／ 〈,｢ /ｉ｜
! / ｜/ _,. - '´ ／ / / !.ﾍ.／l＼ ｣! ｲ | 丶
l | _, -j/´ _ - ' ,／ / /ｲ l ヽヽ _ l ∥
丶 ｝ ￣ ／ ／ ／´l ヽ ヽ ´ヽj /
「´ _ - ' _, -‐' / l ￣」 !
| _ '´ , '´ / ヽ 丿 ｣
丶 _ - '´ ／ ／ ｜ ／ /'
└‐ - ､ , ' ／ l┘ ;!
! / ／ /´ |
丶j / ┌'
{ / ＿ ノ
＼_＿_／辷ﾄ､＿, ィ´
_ﾉーi---ﾄ┘
, ィ」-- -|'´{jハ
〈＿__, -､｣! ｜
￣´ ¨ヽ. _丿
217 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 23:16:48.74 ID:OwAqUGYo
18
.:.:.:.:.:.:.:.:.／／:.:.:.;ﾉ ＼
.:.:.:.:.:.:. / /:.:.:.／ / , ｀､ ヽ
.:.:.:.:.:.:/ /:.:.:.く / | | l ヽ ､ ヽ、
:.:.:.:.ノ /:.:.:.:.:.∥ |ｌ ｌ | ｌ ｀､｀ヽ l ヽﾄ､
:.:.:.:{ !:.:.:.::.:;ハ |l |l ! | ＼ ヽ、＼ l| ｌ| | そうね、もしなにかどうしても
::.:.: l |:::.:.:.::) ﾄ、|ﾄ､|l } ﾄ､ヽ ヽ、 | l|ヽ ヽ |ヽ l|ﾉ って言われたら、
::..::.:ｌ |:.:.:爪,斗七|廾ﾄ-|‐1ヽ }｀ヽﾑ-l￢ ∧ﾉ/ }ﾘ 毛皮の襟巻きが欲しいわ
ヽ.:.:ヽ. ヽ::.}| ｌ ﾊ/ﾚ=ﾆミ刈 | ﾘ ,.ﾆ气 l |
）:.:rへ_}|/ l| {ｌ f伍｝` ﾉ 狄ｌ ' ハ
ヽ､!{ﾚ' /// ゞ='′ ¨´ ∧ |
／／/人 ' 八l |
／／ ／_＞ト､_r个､ r￢ ＿／| ヽ＼
/／ ／ /: ／::..::..::{::..:ヽ. ／::..l｀'┴:-:ﾍ ＼
´ ／ _工l::..::..::..::..ヾ::..::ﾄｧ=く::..::..:l::..::..::..::..::}ヽ、＼
ノ ／ : : {::..::..::..::..::..:∨{ﾘ廻ｌト､::.ｌ::..::..::..::./ ヽ、ヾｰr- ､
／: : : : : ｀ヽ､::..:;:-'´丁ヾﾆｼ::..｀T:ｰ::-:r'′ ｀ｌ / ∧
. /: : : : : : : : : : /´::..::..::.l!::..:| |::..::../::..::..::.＼ ﾚ' | / /
218 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 23:18:11.32 ID:OwAqUGYo
19
_._,-,_-,_-,_
イ /' ＿ __ ~ t_
/ /／"il li ~＼ 〈
/ / / ｉ !｜| i ｌ.} ﾄ i〈
rfi li / /! ｝ﾘﾉ |ﾉｌﾚﾚ}v とても素敵な銀ぎつねのを
ﾉ ｌ＼!!ｉ{ { ⌒ ⌒ ! ﾄ}∥ デパートで見たわ。
ｌ ∥ ゝゝ ~ {￣} ~ﾉﾉl l ﾚ 値段なんておそろしくて見れなかったけれど
iｌ ｿ ﾊ＾ﾏｧ,}＞ﾟ＜{ﾑゝヾヽ
i ｌE{ ｆ"ヾi〈.ハ〉iﾆ｝〉 il ｌ
/丿└~＼ ヽ：_：f／ i ソ
(（ く⌒ｿY´ ,.ベＺ,／ ）)
／/ ,{_〈_ヾ_ソ＼
く ,/ / ﾚ三ｿ ヽ ,>
く ,/ / ﾚ三ｿ ヽ ,>
く ,/ / ﾚ三ｿ ヽ ,>
く ,/ / ﾚ三ｿ ヽ ,>
く ,/ / ﾚ三ｿ ヽ ,>
く ,/ / ﾚ三ｿ ヽ ,>
く ,/ / ﾚ三ｿ ヽ ,>
く ,/ /_,._,.ﾚ三ｿ_,._,ヽ ,>
219 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 23:18:34.52 ID:OwAqUGYo
20
＿
, ｨｬj--､ ´ ' ,
,.'ーｾﾘ- ､ 丶 ﾞ . ならその場に立ち会わなきゃだめねぇ
/ / , , ＼ ヽ ' 、 , _'´ --´丶 男の人なんて
,' ! ﾊﾍ ! __', ヽ|＿ ' ｰ - '´ ￣´ 丶ヽ 狐とリスの区別も付かないでしょうから
l ﾊ.j､_ ﾍ.|ﾊトﾍ {_/＼'＿_, -――- ､ ´丶. ＿ , '
丶/ﾊ. , ー‐ l', ＼二 丶-- ､ , , ‐;-
i |l ト ｰ__ イl '､ ヽ_ ,＞ｘ-‐ '´- ､＿ ;' , -―- ､ __ . '
/ '; '､, -::｣ ｣::､ ＼:_ 丶￣ , '´
丶 ゝ､_.ゝzzz/::::::::'::::i―
〈::/薔 ／:::l::::::::::::::〉
/:l_／::::::::::ヽ:＿:/_, -――丶
l::i:::::::::::::::::::/ ,l::::|::::::::::::; -―'´ ＿＿_
l:X:::::::::::::イ::::::l::z:＼:／＿, -‐::'::´:::::::::::::::::::ﾞー-､＿
, --l::X::::::::::::::`ー:l:::|＼::＼::::::::::::::::::::::::::::; -‐ '¨´￣
,:'::::::::ﾊ::X::::::::::::::::::::::l:::|｣j＞､::￣´ﾞフ::::::／
/::::::::/::／l:::::::::::::::::::::::|:j_」__|_j＞-イ:::／
220 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 23:19:02.12 ID:OwAqUGYo
21
| | rｨＺぃ
| | _弋二ソ_ ､､､_
| | ,. '´_, ---- ､￣ヽ｀ヽ、
| | /／ ｀ヽ ＼ ﾊ
| | ／´ l l | l ＼| ﾊ
| | / l | ! lヽ |ヽ_| |＼l／| そうねえ・・・その人、日課か何かないの？
| | ! l | ﾙ､ l ／ ｌ ! !／＼jl
__j__j__ | l l/l￣｢ 丶j ィ⌒ヽ| |l l !
!rーｫ | Ｖｌ l z:=ミ ゝ 丿l! !ｌ | i
!辷:チ| l| ト ,,,,,, 、 ,,,,,,,ノ| ｌ|｜ ',
TxxxＴ ﾊ ﾄ、 r ￢ , | | ヽ
!ｘxｘj ー―┐､｜＞ ､ ー' イ | ｌ ヽ
￣i l/＼ ー く 氷 ゝ｣ー!/ー‐ ､ ヽ
| | l ﾄ/ | _ノ / / ｌ ヽ
| l l l 薔 ／ ／￣ ）_ l
└「￣ヽ. ｣ ／ l l ／ ヽ / /￣__丿 ll
/ ノ｣ ! ゝ' ,/ '´ , ｀! ｌ|
Ｌ. ノ_ / ／ﾎ、 （￣｀ヽ ‐､ し' ） ｌi
221 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 23:19:28.13 ID:OwAqUGYo
22
└-i:::::::::::::::::::::::: ,. '"´ ｀`ヽ:::::::.: : ヽ、
__...ﾉ: : : : : : :,.ィ´ ／ ', ヽ ｀丶､: : : :ト.､ ,.ィ"ヽ
. |: : : : : : : :／ ./ / ', ', 「: : : : :|:.:.:ヽ: : : : : 〉ﾆﾆ､二
ヽ.ィ: : : :/ / ,' l ', ｀丶ﾄ､:|:.:.:.:.:.|: : : : :ート､､ヽ
r‐:':::::::/ ,' ,' ! .l i'"´: : |:.:.:.:.:.:!: : : : :_:ハ ',ヽ
. ',_:､:::/ l ｌ |l ! ',: : : :.|:.:.:.:.:.:|: : : : L_ｌ::', ',r そうね・・・確か、毎日大体３時ごろに
ﾉ:,' ,'l | l | l ! ! | ｀丶; |:.:.:.:.:.::!: : : : : :ﾊ::ヽ パブに出向いているのだわ・・・
/:| | ,' | ! .!ｌ| ,'| ｌ ｌ | l ,' ,|. ｜!´: :.!:.:.:.:.:.,': : : :r ' ｀￢
/:::,! | ..L.',_ﾄ. |',ﾄ / !./l/├ /￢ ￢､).:: /:.:.:.:./: ::::::::| |:
/:::::ﾊ.ﾄ 、 ! ..l_ヽヽ＼､./ l/"´ l/_∠ | {: : :/:.:.:.:./::::::;:::ﾉ| !:
ヽ|l ',ヽ ＼ !,イ ｀` ﾄ '′ ,ｲ"´ lヽ ,ﾊr'＾,-ﾍ':::::::::}::!｜ .!:
. | ト､ト.`弋..ン 弋..ン ' | .|/j〈ィ'>》_ノ"!::l ! |:
| l l.|. ', ､ l ! .|:.ヾ ﾆﾌ !::l. ｜ |:
| / / | ﾄ、 ,.、 ｜ ｌ| |／ ヽ:| |l !
. | / / | |_.＞ 、 _..-.､ｌ l ! ! |.! ｜
l| /,ｲ _..ｌ l:.:.:.:.:.:.:｀丶､ __..ィ´:.:.:.:.:.,' .,'::| | | ! !
!|_ノ' r":.:.l l:.:.:.:.:.:.:.:.:.ﾊィｭﾍ:.:.:.:.:.:.:./ /:.:::! !ヽ、 .| l |
_..'"ｨ´ ﾄ､:.:.! .l:.:.:.:／｀`ヾ.ﾆﾝリ:.:.:.:.:./ ':.:.:.:.:| |:.:.:/、 ! ! !
＜._ <.| ! ∨ ,'_:.:'-:.:.:.:.:.:.:`￢´:.:｀`:./:.:.:.:.:.:.:.! !;/: : ＼ ! l |
＿.... ﾆュ`ﾆニニl:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.!:.:.:.:.:.ハ:.:.:.:.:.:.:.| |.. -‐ ァ.、 ｜l |
. | __... -‐ ＜: :ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./|:.:.:.:.:.:ヽ.ヽ. -‐'"´.. -‐ｧ‐': : ヽ |. l |
222 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 23:19:45.01 ID:OwAqUGYo
23
_ｙｭ､_ -‐ 二二二 ー- ､ ｀ /.:/ -― 、
くｆ匕ノ.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.:::..＼ /.:/＼／／⌒ヽ::.､ ﾄ､
／..:: - ^⌒＾⌒＾⌒^ ｰ-､::.::. /.:/ ／∠、 }::| | lヽ
／ イ ヽ ヽ ｀⌒ｌ:::Ｋ::＜￣＼､ ﾉ::ﾉ | |::|
┌－､/／ / ﾄ | l l ヽ |:::ﾄ､ 丶二二二＜ | |::|
|::lヽ/ | | | | l | | Ｌ｣ ヽ /.:/ ＼ ､:.＼__ｊ＿|_丿} ｲ
|::∨ | ｜ | | | | | | | ∨:/ ヽ＼::::::::::::::::::ノ／./
∨ | ｜ | | ｜| | | | /.:/ '. ￣厂 ｢／..:::/
/ | | j l 川 l _厶⊥l {:::{ l '. / .:::|::::::／
;′ ｜ l /ｲ / ハ /イ / l || ヾハ ∨ /.::::|／
| ｌ | | ｌ 〃 |// イ / _」厶斗ｬﾘ / | ∨.::::::|
| | | | ｌ＼ l / // | |/ィ弋_ソ イ/ , ′｜ ﾍ ::::ﾉ それなら明日、
| | | ､ ィ二>仁／ ＼| ￣ / ／ ∧ ＼ 二人で待ち合わせすれば良いじゃない？
| |∧ ＼ ∠斗ｆ‐､ミ / ／ / 、 ＼ ＼
| | 丶 ＼＼ ＞'´ /／/ / ＼ ＼ ＼ その人を捕まえて言うのよ
ヽ ＼ ＼＞ ヽ _,.ｨ / ∧ ＼ ＼ そういえば、ヘアネットを買わなくちゃ
｜ ＼ / ＼ ＼＿_ ‐ ´_ / /＞ 二二二二 丶 ＼ なんて具合にね。
| .′ ｀ ー－―＜ / ´ ...::.::.::.::.::.::.::.::.::..＼＼ 上手くデパートに誘い込むの
|｜ l / ｀二ﾆー＜/／ ／...::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.:::..＼＼
|｜ | / /::/￣＞／ ／...::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::. ヽ ヽ
|｜ | ／二ニニニ{:::{＜_／ ／...::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::ｌ l
| | | ／/.::.::.::.::.::.::.::.:.ヽ::>/ ／...::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::| |
｜l l／ /.::.::.::.::.::.::.::.::.::／ 〈 〈::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.:| |
∧{ ｌ /.::.::.:: ィﾆニ＝イ ヽ ヽ::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::..＼＼
/, へ ∨.::.::／∠::.::.::.／ ∧ {::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.: 一＝ニニ二、 ＼
／ ＼ ヽ::.:{::{::r‐rヘ/￣廴r‐/.:/＼::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.:::..＼ ノ
223 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 23:20:14.57 ID:OwAqUGYo
24
' l | !_／ｲl |, l ', | ﾍ. l / | ;ｉ , | l
,l/,r‐'´!.| ',|ヽ | ヽ ｌ ヽ ｜ l l /ｌ l, ｌ｜
/ / ',| 十' 寸 二ﾏＴ´ ヽ.|! / ┼/-l､_,| /! !
,/ /ｌ | 丶 ＼ ＿＼ '|l ／ ‐ﾅ'´ |/lj ／ /'ﾞ そしたらもうこっちのものよ
. / |'、 ', ‐､―r┬ｬ､` i／ ‐/_‐__/ /-‐'i / 全てはあなたの手の中じゃなくって？
/ ! ヽ. ﾍ ≧=一' ´ ゝ'-彡ﾏ´ / /'ヽ
! l ＼ ヽ 〃 /! / | お金持ちの親戚
l | l ＼ ＼ / ／ ／i｜ / / デパート
ｌ l｜ | ト￣´ 、＿, ＿, - '´-‐イ ｌ|. / / 毛皮売り場
ー ､ l l | /＼＼ ´ 二´ ／ ｜ ｌ / /
:::::::::::| l |:::::: ＼ ﾞ 、 _ ィ ´｜ l :/ , ｨ そうでしょ？
::::::::::::l｜ !:::: ::::::::－＿天 ! | l / /´ |ｰ-､
:::::::::::::', l |: ::::::::/´:|:::/「l＼ ! ! l＿＿/／ / ＼
:::::::::::::::', l ::::::/::::::l:/ l|::､ 〉＿;-:::| !::::::::::;'/ ,:' ∨ ./＼
:＼:::::::::∧ l､:::::::!:::::::l;' l!::∧>:::::::::l l::::::::::ｉ/ ｣ ヽ/ / /ヽ
::::::ヽ:::/:::::ﾄ V＼:l＿_｣| lＹ､::l>|＼::l /:::::::::/ ｜ ! ､/___/ ﾉ1
::::::::::V:::::::::ｌ＼ ヽ‐ﾄ､:::/| ヽ＼!>ーｌ| /ｌ::::::::::l 、 l!_/ー'-イ /
:::::::::::ﾍ:::::::::l/ ＼ヽＬ.V∥ ヽ / /!|:::::::::::l 丶 ﾚ´
224 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 23:20:31.54 ID:OwAqUGYo
25
l!￣ｵ |:.:.:.:.:.| と′ , 丶 .: ｒ┘
￣ﾘｺ ｌ:.:.:.:.:.| _「┘ / / l | ＼ﾉ _〕
く｣!Ｌ.|:.:.:.:.:.! Ｌ. // /, l| l l i l ﾊ:. _〕
〃l| l Ｌ.i:.:.:.:.| ｒ┘,./ /, !|｜ ｌ| l ｌ ﾊ:/└i_ すごい名案なのだわ！！
|ｉ ｌ| !└l:.:.:.:| 〕// //l l ! li l| l l |!:: と__〕 さすが水銀燈！！
li〃!｜l ﾄｚ水ﾞ/ｲ ,://l:| l |ｌ l| lｉ | ! ｌ|! とl｢´
|! | !小こｼ｣ !/ ≧:ｘｲl ! ,'! /l , / /l _.｣!|! それじゃあ明日の２時半に
,ｌ｜ ｌ |ハ:.:!|l イ iｲ:r::ﾊ｀ / '//二ﾗ// ｲ| l| ｌ! __ 時計塔の前で待ち合わせしましょう？
/!｜ l l ＼! ｌ| ｀¨ ｲrｿ/iツ行l 〃 / |
,'/ ! l|l ｢¨| llﾄ､ ｒ ｧ ¨´ｲ |ｌ i |l |! / /
,' ! i ｌ|i ＿|:.:.l:.|l:.|:.＞ .、__ イ´ !:| ! l| ｌ / /
! l , ｌ|'「 |:.:.l|:li |:.:.:.:.薔:.:.:.:.:.:.|､ハ! l::-‐ｒｚ／ '´ﾊ
./ , ｉ /l|｜ ヽ/ ｌ| l;,;,;,ノﾞﾍ;,;,;,;,;,;,Y￣|ヽ {!' / / ﾉ!
! / l , ｌ| ! / l |:.:.:.| |:.＼:.:/ i 〉 ＼{!｣､ヽ'イ丿
｜ ｌｉ / l| ／ l -＿〕:.l |:.:.:.「´ 〈 ト.､ ､＼テ¨´
,' l | //￣ , イ´.:.:.:.:.:.:! ｉ:.:.:.:ヽ ヽ | ､＿ ヽ
ｌ| ＼ ＜ー- ､＿_:.:.:| /.:.:.:.:.:.:.＼ ＼ ＼ ヽﾉ
ｌ ｌ| ￣工＞＿/-､j |, -､＿, - ゝ _|__〉､ 〉
225 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 23:20:44.91 ID:OwAqUGYo
26
───翌日の３時数分前、
二人の狩人は、獲物を狙って
街中を歩いていた───
226 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 23:21:23.81 ID:OwAqUGYo
27
| | rｨＺぃ
| | _弋二ソ_ ､､､_
| | ,. '´_, ---- ､￣ヽ｀ヽ、
| | /／ ｀ヽ ＼ ﾊ
| | ／´ l l | l ＼| ﾊ
| | / l | ! lヽ |ヽ_| |＼l／| ・・・ねえ、今夜頼みがあるんだけれど・・・
| | ! l | ﾙ､ l ／ ｌ ! !／＼jl
__j__j__ | l l/l￣｢ 丶j ィ⌒ヽ| |l l !
!rーｫ | Ｖｌ l z:=ミ ゝ 丿l! !ｌ | i
!辷:チ| l| ト ,,,,,, 、 ,,,,,,,ノ| ｌ|｜ ',
TxxxＴ ﾊ ﾄ、 r ￢ , | | ヽ
!ｘxｘj ー―┐､｜＞ ､ ー' イ | ｌ ヽ
￣i l/＼ ー く 氷 ゝ｣ー!/ー‐ ､ ヽ
| | l ﾄ/ | _ノ / / ｌ ヽ
| l l l 薔 ／ ／￣ ）_ l
└「￣ヽ. ｣ ／ l l ／ ヽ / /￣__丿 ll
/ ノ｣ ! ゝ' ,/ '´ , ｀! ｌ|
Ｌ. ノ_ / ／ﾎ、 （￣｀ヽ ‐､ し' ） ｌi
227 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 23:21:39.46 ID:OwAqUGYo
28
'┐ ＿ :::＞‐ ― ー - ､:::ｉ:...:::ｉ ::::: } ヽ
_/ ..... ／ ‐ヽ::::ｉ:. :::ｒ‐'| ｢__,.;;ぇ､
｢＿_ ／ / ; ＼::::| _∧ {ﾞ |:::|
| ./ / / ｉ ｉ ヽ::__ﾉ::ｌ ｲ.LL:|.
} / / / / :ｌ: ｌ :ｌ | ::: |:::| Ｔ"ﾞT:::}
｢ / / / ｉ :|: :ｌ :ｌ ::ｌ ｌ }.|:::|..:く /:::/
ｲ. ｌ :ｌ ｉ :ｉ :::|: :| .ｌ :| :| ｢ ] |:::| "ト＾／
.|:ｉ | ｉ ::ｌ ::ｉ ::ｉ ｉ :::| ::| :ｌ ::| :| .} |.ｌ:::ﾄ ∧:} あら、なにかしら？
. /:|:ｉ | ｉ Ｌ ｣ _ｉ__ｉ ｉ : ::::ｉ ::| :: .ｌ: :| :ｌ（: ｉｌ::/{ |::| 毛皮の恩人のあなたの頼みなら断れないわ
/:/|:ｉ | ｉいﾊL|_ﾘ`ｉ::::::::/ナ ‐ト ､Ｌ _:ｉ :| .}/::/ｲ |:::|
:/ .| いいﾊ ｨｒﾃぇﾐい／ レｨ‐ ∠レ/` :///:/ / |:::|
| | ﾄﾟ| ｉ ｉ いｨ} イﾃﾌﾊVｲ／ ﾚｒｦＬ.|. レ'
. | .| ｉ | ｉ ﾞ￣ﾞ , にクｿ "|. ｉ ﾚｲ / |. |
| ﾚ ｉ |. ヽ. .;._ ／| ｉ | | .| |
| //.| |_ ／` ､ _ ｒく ｧｉ.ハ ', | .|| |
ﾚ /ィ| |::::::. ::::::..`_- .:::'´::::::: ..ﾒ/. ', Ｖ || |
／,ハ ｌ ｌ:::::: :::ｒﾁ心ヽ::::::::: :://: ＼; Ｖ | |
"／ /./:::: :::::::い9ｿソ:::::: :::://:::: ∧ ';| |
ー-; / /＾ﾐ;ｭ'ｆ-､＾⌒'⌒～;::: ::://::::: /:: .>ー' ､ |
,＿_ 〉´ー-ぃ} ./⌒:/⌒/＾ }" ∠===⇒'´_. -－_}. |
┬' :| ￣ヽ ﾄ::Ｖ ノ .ノ 人 :::::ｒ '´- .,, -- へ |
ｲ-;:.} 个くﾞ :/ ｀'ｒ－―ｒ'::ｉ ｖ' }ｒー 'ﾞ ﾌ ,.イﾞ:: ヽ｀ー' ､
ｉ ::::{ ﾉ Ｔ::>':::ム￣ﾌ｢::::/ ::: ｢ __,／∠___ｉ､::::. ヽ /
| Ｖー'- ｲー ､/く_/ .| :::ト､ :::::: >､￣ " ー;-,〕 ヽ:::::. ＼
` ー く イ } Ｖ- ､ Ｖフ´￣ ＞＜＾"ーｚﾉ:::::::: ノフ
228 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 23:22:02.96 ID:OwAqUGYo
29
＿
-〈｛匀}-
／..::: -―‐- ＼
//.:／ ＼
|_|::| ､ ﾄ | l 今日、私の母の従姉妹が遊びにくるの。
{ﾋ{}ｺ}＼ |＼ | | | | でも私、デートの約束があって・・・
|兀ヽ l＼! ＼ ﾉ }ハﾉ
≧ﾄ ＼| | |,, {:lﾉ
寸::ｆ⌒ト ''' ノ.f⌒ヽ
￣￣￣`ー' ￣￣￣￣￣`ー' ￣
229 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 23:22:20.46 ID:OwAqUGYo
30
_ｙｭ､_ -‐ 二二二 ー- ､ ｀ /.:/ -― 、
くｆ匕ノ.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.:::..＼ /.:/＼／／⌒ヽ::.､ ﾄ､
／..:: - ^⌒＾⌒＾⌒^ ｰ-､::.::. /.:/ ／∠、 }::| | lヽ
／ イ ヽ ヽ ｀⌒ｌ:::Ｋ::＜￣＼､ ﾉ::ﾉ | |::|
┌－､/／ / ﾄ | l l ヽ |:::ﾄ､ 丶二二二＜ | |::|
|::lヽ/ | | | | l | | Ｌ｣ ヽ /.:/ ＼ ､:.＼__ｊ＿|_丿} ｲ
|::∨ | ｜ | | | | | | | ∨:/ ヽ＼::::::::::::::::::ノ／./
∨ | ｜ | | ｜| | | | /.:/ '. ￣厂 ｢／..:::/
/ | | j l 川 l _厶⊥l {:::{ l '. / .:::|::::::／
;′ ｜ l /ｲ / ハ /イ / l || ヾハ ∨ /.::::|／
| ｌ | | ｌ 〃 |// イ / _」厶斗ｬﾘ / | ∨.::::::| 毎回あの人が来ると、
| | | | ｌ＼ l / // | |/ィ弋_ソ イ/ , ′｜ ﾍ ::::ﾉ 私トランプに付き合わされるのよ
| | | ､ ィ二>仁／ ＼| ￣ / ／ ∧ ＼ あの人とてもつまらない話をするのが得意でしょう？
| |∧ ＼ ∠斗ｆ‐､ミ / ／ / 、 ＼ ＼
| | 丶 ＼＼ ＞'´ /／/ / ＼ ＼ ＼ それに何時間も付き合わされるからデートに遅れちゃうわ
ヽ ＼ ＼＞ ヽ _,.ｨ / ∧ ＼ ＼ だから、トランプをする役目貴女に変わって欲しいのよぉ
｜ ＼ / ＼ ＼＿_ ‐ ´_ / /＞ 二二二二 丶 ＼
| .′ ｀ ー－―＜ / ´ ...::.::.::.::.::.::.::.::.::..＼＼ もちろん、私の彼を家に連れてくるから
|｜ l / ｀二ﾆー＜/／ ／...::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.:::..＼＼ あなた一人にはしないわぁ
|｜ | / /::/￣＞／ ／...::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::. ヽ ヽ
|｜ | ／二ニニニ{:::{＜_／ ／...::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::ｌ l
| | | ／/.::.::.::.::.::.::.::.:.ヽ::>/ ／...::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::| |
｜l l／ /.::.::.::.::.::.::.::.::.::／ 〈 〈::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.:| |
∧{ ｌ /.::.::.:: ィﾆニ＝イ ヽ ヽ::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::..＼＼
/, へ ∨.::.::／∠::.::.::.／ ∧ {::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.: 一＝ニニ二、 ＼
／ ＼ ヽ::.:{::{::r‐rヘ/￣廴r‐/.:/＼::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.:::..＼ ノ
230 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 23:22:47.84 ID:OwAqUGYo
31
└ヽ:::::::／::::::::::::／ ヽ ＼__::::: | | :::::::::ﾉヽ
_j:::::::::::::::::: / , ﾞ'､ ヾ:ﾄ､:| |::::／､ ヽ
r::::::::::::::::::::/ / , i _ノ::::::| K_::::: | |
＼:::::::::: / / , i l |_::::_:: | |:::::::ノ; |
):::: .' ,' l l i | ｿ:::::::| l:::::L |
( .:::::i , l | | l! i/´:::::::/ /:::::丿 |
. ￣| i! | ﾄ､! | ｨ ﾍ:::::::/ /::::∧ |
| | ,j＿＿l_ | |! _/_j_ / / j:::/ /::::/ | | ・・・悪いけど
ﾚヾ !ﾄ､￣|｀ヾ|! i l! ´/￣j/￣lメヽ(_::ﾉ_ /::::/. | | それは勘弁して
| ＼i､! ヽ,＼! _ ヾ＼|ヽ／ _ ﾚ' Y !7_ヽ:ノ .| | あなたのおばさんたちとやる
| | 〉ゝj! ＝＝' ＝＝ ' | i ;lﾋ ノ | | 亀よりゆっくりとしたトランプ
' | ,' ∧ .; ｨ .| Y´ .| | なんて死ぬほど退屈なのだわ・・・
i │ ! i. | ＼ _ _ ./ | | | | | 退屈すぎてゲームの最中に
| | | |i |‐ ´､iヽ.. .. ｨj´ヽ.! | | | | 居眠りできてしまうもの・・・
/i | | || | ヾ ＞_-.,< j / ﾄ､_. | |
//| |ィ| || | {〈.Zjｨji / ./ |／ヽ |. │
j/ .!／: | || | ＼ i､ ゞt;_ソ 〃 / /| │::::::::ﾞ;､ │ .|
/ .／::::::::::::| ヽi! |! , / / .| ∧::::::::::: ヽ |. |
_ ／::´::::::::::::::::::＼_ ヽ,, _ _＿ ＿ゝ く / / /! |::::!:::::::::::::::＼! !
r '::´:::::::::::::::::ヽ￣￣￣￣_＞rj(_ ＿ __＿_＿) / / /:::ﾚ :::l!:::::::::::::::::::ヽ |
＼::::::::::::::::::::::: ´── '/ _`! / / / i/./ ─ - ､ _::/::::::::i:＼:::::::::`:ー ､!
＼:::::::::::::::::::::::::::::::/ ァヽ / / i/ ゝ ￣ ヾ::::::::＼::::::::::::::::＼
231 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 23:23:06.93 ID:OwAqUGYo
32
───真紅の目からみても、友人のための
自己犠牲は美しいものであった
ただし、犠牲になるのは自分ではない場合に
限ってのことだったが───
232 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 23:23:22.51 ID:OwAqUGYo
33
───水銀燈はもうそれ以上その話題を口にはしなかった
がしかし、彼女の唇の両端は不自然に歪んでいた───
233 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 23:23:39.12 ID:OwAqUGYo
34
. / / .' / / |
ｉ ｌ ｌ l / ′ .′|
| | | | ‐､/| ! / l
| | ﾄ . | |｀ﾄ､| .￤ 〃 / /
ヽ.|＼ l ヽﾄ .xィ士.j ﾄ.| / // / /,′ いたのだわ！！
/ ／ ヽ/ ﾊ.|ヽﾄ辻}小∨j／／./_／__,//_／__ 早く！！
// // /ヽi| ^冖^ ‐ﾃ士＜／-‐ ´
. 〃 // /|! | , ﾄ辻}小>‐ ／
/′ // / |l ハ ′ ^冖＾ ／ ／
. / // / _!ヽ ＼ r__, ／ ／|
' / | i /'｜ ', | i＼ / 厶イ|
ｌ l |,-l |‐厶-ﾍ } Ｖ ＞‐z――…/ /' !
| ｌ / N´ ,. -‐ヽﾊ |-く^Y´ ' /＼ |!
| ｌ＜⌒ ‐-'---‐'_丿 小丕}| ｜/ ＼.|l
-‐┴'´ ＼_￣ ￣ _／,小辻ﾘ l ! -――/.'
｜￣￣／ / ヽ{__ソ＼ ／!l,. -―//
234 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 23:23:53.90 ID:OwAqUGYo
35
───二人の狩人は獲物を見つけ
愛想良く挨拶した後、
上手く彼をデパートに連れて行くことに成功した───
235 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 23:24:10.85 ID:OwAqUGYo
36
───３人は、客のごった返す中、目的の
毛皮売り場に進んだ───
' l | !_／ｲl |, l ', | ﾍ. l / | ;ｉ , | l
,l/,r‐'´!.| ',|ヽ | ヽ ｌ ヽ ｜ l l /ｌ l, ｌ｜
/ / ',| 十' 寸 二ﾏＴ´ ヽ.|! / ┼/-l､_,| /! !
,/ /ｌ | 丶 ＼ ＿＼ '|l ／ ‐ﾅ'´ |/lj ／ /'ﾞ いつもこんなにこんでいるのですかな？＞
. / |'、 ', ‐､―r┬ｬ､` i／ ‐/_‐__/ /-‐'i /
/ ! ヽ. ﾍ ≧=一' ´ ゝ'-彡ﾏ´ / /'ヽ
! l ＼ ヽ 〃 /! / |
l | l ＼ ＼ / ／ ／i｜ / / そうですねえ、今はバーゲンの時期なんですわ
ｌ l｜ | ト￣´ 、＿, ＿, - '´-‐イ ｌ|. / /
ー ､ l l | /＼＼ ´ 二´ ／ ｜ ｌ / /
:::::::::::| l |:::::: ＼ ﾞ 、 _ ィ ´｜ l :/ , ｨ
::::::::::::l｜ !:::: ::::::::－＿天 ! | l / /´ |ｰ-､
:::::::::::::', l |: ::::::::/´:|:::/「l＼ ! ! l＿＿/／ / ＼
:::::::::::::::', l ::::::/::::::l:/ l|::､ 〉＿;-:::| !::::::::::;'/ ,:' ∨ ./＼
:＼:::::::::∧ l､:::::::!:::::::l;' l!::∧>:::::::::l l::::::::::ｉ/ ｣ ヽ/ / /ヽ
::::::ヽ:::/:::::ﾄ V＼:l＿_｣| lＹ､::l>|＼::l /:::::::::/ ｜ ! ､/___/ ﾉ1
::::::::::V:::::::::ｌ＼ ヽ‐ﾄ､:::/| ヽ＼!>ーｌ| /ｌ::::::::::l 、 l!_/ー'-イ /
:::::::::::ﾍ:::::::::l/ ＼ヽＬ.V∥ ヽ / /!|:::::::::::l 丶 ﾚ´
───真紅は、獲物を逃がしはしないと、ぐいぐい進み、
残りの二人が他の売り場に止まっているのを見つけては
二人の元に戻ってくる、を繰り返していた───
236 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 23:26:27.74 ID:OwAqUGYo
37
_ｙｭ､_ -‐ 二二二 ー- ､ ｀ /.:/ -― 、
くｆ匕ノ.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.:::..＼ /.:/＼／／⌒ヽ::.､ ﾄ､
／..:: - ^⌒＾⌒＾⌒^ ｰ-､::.::. /.:/ ／∠、 }::| | lヽ
／ イ ヽ ヽ ｀⌒ｌ:::Ｋ::＜￣＼､ ﾉ::ﾉ | |::|
┌－､/／ / ﾄ | l l ヽ |:::ﾄ､ 丶二二二＜ | |::|
|::lヽ/ | | | | l | | Ｌ｣ ヽ /.:/ ＼ ､:.＼__ｊ＿|_丿}
|::∨ | ｜ | | | | | | | ∨:/ ヽ＼::::::::::::::::::ノ
∨ | ｜ | | ｜| | | | /.:/ '. ￣厂 ｢ そういえばおじさま、
/ | | j l 川 l _厶⊥l {:::{ l '. / .:::| 来週は真紅の誕生日ですのよ、
;′ ｜ l /ｲ / ハ /イ / l || ヾハ ∨ /.::::| ご存知いらして？
| ｌ | | ｌ 〃 |// イ / _」厶斗ｬﾘ / | ∨.::::::| 私の誕生日は彼女の誕生日の前日ですの
| | | | ｌ＼ l / // | |/ィ弋_ソ イ/ , ′｜ ﾍ ::::ﾉ だから二人でお祝いをする予定なんですのよ
| | | ､ ィ二>仁／ ＼| ￣ / ／ ∧ ＼
| |∧ ＼ ∠斗ｆ‐､ミ / ／ / 、 ＼ ＼
| | 丶 ＼＼ ＞'´ /／/ / ＼ ＼ ＼
ヽ ＼ ＼＞ ヽ _,.ｨ / ∧ ＼ ＼
｜ ＼ / ＼ ＼＿_ ‐ ´_ / /＞ 二二二二 丶 ＼
| .′ ｀ ー－―＜ / ´ ...::.::.::.::.::.::.::.::.::..＼＼
|｜ l / ｀二ﾆー＜/／ ／...::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.:::..＼＼
|｜ | / /::/￣＞／ ／...::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::. ヽ ヽ
|｜ | ／二ニニニ{:::{＜_／ ／...::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::ｌ l
| | | ／/.::.::.::.::.::.::.::.:.ヽ::>/ ／...::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::| |
｜l l／ /.::.::.::.::.::.::.::.::.::／ 〈 〈::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.:| |
∧{ ｌ /.::.::.:: ィﾆニ＝イ ヽ ヽ::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::..＼＼
/, へ ∨.::.::／∠::.::.::.／ ∧ {::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.: 一＝ニニ二、 ＼
／ ＼ ヽ::.:{::{::r‐rヘ/￣廴r‐/.:/＼::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.:::..＼ ノ
───真紅の叔父は、そうですか、それは良い。
実は プレゼントのことで悩んでおりまして・・・何が欲しいかわからないのです
と言い、真紅の”友人”に相談した───
237 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 23:27:12.58 ID:OwAqUGYo
38
' l | !_／ｲl |, l ', | ﾍ. l / | ;ｉ , | l
,l/,r‐'´!.| ',|ヽ | ヽ ｌ ヽ ｜ l l /ｌ l, ｌ｜
/ / ',| 十' 寸 二ﾏＴ´ ヽ.|! / ┼/-l､_,| /! !
,/ /ｌ | 丶 ＼ ＿＼ '|l ／ ‐ﾅ'´ |/lj ／ /'ﾞ 真紅は・・・難しい子なんです。
. / |'、 ', ‐､―r┬ｬ､` i／ ‐/_‐__/ /-‐'i / 彼女は皆が欲しがるものを何でも持っていますから・・・
/ ! ヽ. ﾍ ≧=一' ´ ゝ'-彡ﾏ´ / /'ヽ
! l ＼ ヽ 〃 /! / | そうですわ、扇子なんていかがかしら？
l | l ＼ ＼ / ／ ／i｜ / / 彼女ダンスに良く機会が多いもの。
ｌ l｜ | ト￣´ 、＿, ＿, - '´-‐イ ｌ|. / /
ー ､ l l | /＼＼ ´ 二´ ／ ｜ ｌ / /
:::::::::::| l |:::::: ＼ ﾞ 、 _ ィ ´｜ l :/ , ｨ 私たち毎年、プレゼントの見せ合いをしますのよ。
::::::::::::l｜ !:::: ::::::::－＿天 ! | l / /´ |ｰ-､ 私に比べ彼女はとても良いものを皆からもらいますから・・・
:::::::::::::', l |: ::::::::/´:|:::/「l＼ ! ! l＿＿/／ / ＼
:::::::::::::::', l ::::::/::::::l:/ l|::､ 〉＿;-:::| !::::::::::;'/ ,:' ∨ ./＼
:＼:::::::::∧ l､:::::::!:::::::l;' l!::∧>:::::::::l l::::::::::ｉ/ ｣ ヽ/ / /ヽ
::::::ヽ:::/:::::ﾄ V＼:l＿_｣| lＹ､::l>|＼::l /:::::::::/ ｜ ! ､/___/ ﾉ1
::::::::::V:::::::::ｌ＼ ヽ‐ﾄ､:::/| ヽ＼!>ーｌ| /ｌ::::::::::l 、 l!_/ー'-イ /
:::::::::::ﾍ:::::::::l/ ＼ヽＬ.V∥ ヽ / /!|:::::::::::l 丶
238 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 23:27:37.17 ID:OwAqUGYo
39
, ｨｬj--､ ´ ' ,
,.'ーｾﾘ- ､ 丶 ﾞ .
/ / , , ＼ ヽ ' 、 , _'´ --´丶 だから私毎年肩身が狭いのです。
,' ! ﾊﾍ ! __', ヽ|＿ ' ｰ - '´ ￣´ 丶ヽ
l ﾊ.j､_ ﾍ.|ﾊトﾍ {_/＼'＿_, -――- ､ ´丶. ＿ , ' それでも一昨年、
丶/ﾊ. , ー‐ l', ＼二 丶-- ､ , , ‐;- 私の叔父がちょっとした遺産を相続いたしましの。
i |l ト ｰ__ イl '､ ヽ_ ,＞ｘ-‐ '´- ､＿ ;' , -―- ､ __ . ' そして私に、銀ぎつねのストールをあげようとおっしゃってくださいましたの。
/ '; '､, -::｣ ｣::､ ＼:_ 丶￣ , '´ 私はそれが楽しみで楽しみで・・・
丶 ゝ､_.ゝzzz/::::::::'::::i― 仲のいい子にも悪い子にも、
〈::/薔 ／:::l::::::::::::::〉 皆に見せようなんて思っていましたの。
/:l_／::::::::::ヽ:＿:/_, -――丶
l::i:::::::::::::::::::/ ,l::::|::::::::::::; -―'´ ＿＿_ ・・・でもきっと私のそんな態度に罰があたったんでしょうね、
l:X:::::::::::::イ::::::l::z:＼:／＿, -‐::'::´:::::::::::::::::::ﾞー-､＿ 私の誕生日前に叔父の奥様が亡くなって
, --l::X::::::::::::::`ー:l:::|＼::＼::::::::::::::::::::::::::::; -‐ '¨´￣ 叔父はそのまま海外に移住してしまいましたの
,:'::::::::ﾊ::X::::::::::::::::::::::l:::|｣j＞､::￣´ﾞフ::::::／
/::::::::/::／l:::::::::::::::::::::::|:j_」__|_j＞-イ:::／
239 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 23:27:45.09 ID:OwAqUGYo
40
「/.:::::::::::::／｣ l l l i
｣.:::::::::::::/」┘ l::. . l:. :. |: :. l::. |:.. l :.i
〕::::::::::/」' |:l:: :: :: l:: :: . ::.l:: ::. |:: . . li::. . l:: ::i
｣::::::::/l ￣｀ヽ!:l:: ::ｌ:: |:: :: | :: :i :: : :.l: :: :.. | : ::. l ::: :|＼
￣不＼＿__／:.|: : l: :|:: :: | :: ::! :: :: l :: : :: .l :: ::|:l :: ::l＿ 〉 もちろん、銀ぎつねの毛皮なんてないまんま。
／/l ＼ ゝ l|: :|:: ! :: :ｉ :: ::| :: :. l!:: :: : :.! : :!: :: : l＼/ヽ それからというもの、
.〃 |i ヽ/、 l| l | l ｌ｜!:::! :ｌ l|l:: l: ::! ｌ ｌ:| : l: !| / ショーウィンドウに飾られた銀ぎつねの
/| lヽ ｌ | l ＞- ､＿_l j| l ｌ ,'/ //＿, 孑l':l´!l ,:' /l, ／ 毛皮を見たり、街ですれ違う誰かが
./ l/ l | l l |ー‐r==== 乂ｲ l / / z====ﾔ/:/ / 巻いていたりするのを見る度に
': /! i:|.ﾊ l| ､ 乂ｰ::! ´ l:::ｰ乂 /／ 私涙が出てしまいますの・・・
| ｉ | ﾄ l ｀ ￣｀ ´￣ ´/l´ ｲ{'
| l ｌ i ヽ / l| l|
/｣ .:: ::| l |＼ '′ / l | ::ｌ |
:: | . :: :| i ::l |lヽ - ｰ ／! ｌ ::| |
:: :: : :ｌ｜ :: :i |｀:..、 ／.: ::lヽ ＼ :! ヽ
.: :: ｉ:|:: :: l |二二≧:.､ ＿ .ィ:二l:: :: ! | ｀ヽ ! ｣
-―-､i:| |:l |::, -ー '´ _大 ￢､:: l|: ｌ: | |
／ |!l｜ l:il:| ヽ ＿／´l l＼＿〉 lﾊ: i l-――- 、
240 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 23:27:58.74 ID:OwAqUGYo
41
‐-|.:!:l ! l | :.|
|:l::l: ｌ: l: l | l:|= ┐
|ｌ |: l ,' / i .:l＿｣|
|!:; / :/二マ/ .:/|｢_ﾘ′
| ｲ:i::;ﾊ .;/ll |｢´
| ￣/ィｼﾞl!l| l| あれが自分のものになるなんて、
| __ , ｲ´.:/ l!l| |! 思わなかったらこんな思いをしないで済みますのにね・・・
|.__ ｨ_:::. .:| ll∥
--|小､二〕 . ::!
|:|:ﾄ､￣ . .::|,
|l|:l|_｣_＿／￣｀ヽ
/´ｲ {i.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼.
{＿}ｔｒ{i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:〉
|___,ﾉ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ｲ
|¨¨.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./
|:.:.:.:.:.:.:|}.:.:.:.:.:.:.:/
-‐|:.:.:.:.:.:/'.:.:.:.:.:.:/
|:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:./
241 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 23:28:22.45 ID:OwAqUGYo
42
,､-rッニ二^' -、
,ﾍ/ ∠-ー 喜 ヽﾆヽ
７＾｀´ ｀ヽl､' .'､
天 l ﾘ , {>､<}ﾘ あら、あそこに扇子売り場がありますわね、
ハ、lﾊﾉ l__,.ノｲ/i l ,)ｲ この程度の混雑なら大丈夫、売り場まで行けますわ。
/ トｧ=､ ' l .ｲ l! l
/ ヽっ ､__ ＝､ /／ l! | 真紅の為に上等のものを選んでやってくださいね？
/ ッ^ヽ.｀.′r／ ｌ .l! l あの子、とても、とてもいい子ですから！
l /::::::}::7ﾊ>:7r:::'ァ、 |
| ーr'ｭ::l:::::::l:::トヽ{'＾ l
|ィ-'"´::ﾕ/ﾄ､::::l::ヽ_)、ｲ ﾊl
／::::／:::イ::个､ヽ::＼::::＼'′
/-‐／:::::/:::(_ﾉ::L_)ト::::ヽ:::::::＼
∠_:::::ｨ:::::::イハ:::ヽ:::::::l.-‐‐-｀
ヾ､へl-‐-､／＼l
242 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 23:28:35.34 ID:OwAqUGYo
43
───そう言って、水銀燈は、真紅の叔父を
”真紅が欲しがる”、扇子の売り場に急かした───
243 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 23:28:50.09 ID:OwAqUGYo
44
───しばらく後、真紅は道を塞ぐ
買い物客を押しのけながら
戻ってきた───
_＿
／r': : :└､
／ r┘: : : : : :乙
ｒ‐z- ､, イ ' {￣｀丶､: : : : 〕
に/ｒ' / / ／｣' l l ＼: ｣
/| 〈 '| l' ノ_ｌ l| | lY′
ｌ |ヽfこ} ｲ |ｨf ﾄﾑ ﾉ jｌ| 叔父様はどこ？
l l| ゞﾍ 〈!｜ゞ'′ {:Nﾚﾘ'
/ ,! ヽヽ| l! - , ﾉｌ|
l / 「r:ｌ |ヽ-ｒ ＜:l iヽ
/ / /ｒ‐- ､!ﾉ='｀ /:l !ﾑヽ
/ /! ＿／ ｒゝ､ソ:个 ､j .厶 ィ′
/ /|ｌ {_＿ ヽソ|: ヽ＿ゝ {ソ￣}
/ / / / 〕 r┐〉:ﾄ-- 'ヽ _ く'-､ノ
/'´ ｌ / ┴-'､_j/ヽ.ﾉ＿ｒ.｣ヽノ｀ヽ＼
／ ./ ヽ. 〈 ' _ノ ､ ｀ｽ. ＼＼
／/ l l＼_.厶ﾌ 丶 ヽ/ ハ._ｫ'´ｰ､ ＼
.／'／ / , -'´/´-'´ / ヽ / ヽ ＼､｣┘ヽ ＼
_／_／＿ ＿_/ ヽ.／'´ . : :/ l ｀ ､＼ __ ゝ_ ヽ
Ｌ.. -―ｚ-､.＞ ､-‐:/ . : : : ／ l l ＼ ､｀¨ ー‥_T´
, ‐'二 -- ､＿ノ ´. : : : ／ / | ヽ ヽ ヽ: : . ｀ ｰｬ､: :｀ヽー- 、
く‐'´ー- ､＿ |. : : _ -'´ . :/: ｌ: . ヽ ヽ: ヽ: : : : ./: : }: : :/―--'´
｀丶、 _｣ヽ:´ . . : :/: ｌ: : . ヽ ヽ: . }: : :./´｀ヾ:.ノ｀ ｰ､
───水銀燈は、随分前にはぐれた
と答えた───
244 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 23:29:18.85 ID:OwAqUGYo
45
ヽヽ｢く´r}-;. :../:::::::/.: .: .: .: .:;-┘.: .: .:j´
/ハ_/!r'.: .::!::::::::l.: .: .: .:_.:｣ ヽ.:」┘
〈,/ ｌ| l 〕.: .:}::::::/.: .:rソ´! ｌ | Y
l /| l└i::｣:;::/.: .:_｣l: | l ｌ ｜
/ ﾊ.|｣ 〈{zﾁ}:ツｌ| l外､l ｜ l ｌ|
! l ﾊ ヽ Y:::|'|: | ! }ﾄ,ﾐ ﾄヽ!ﾉjﾉｲ
/ l / ＼ ヽ l::::ｉ|: l |::::ゞ'＾ 〈 どうして腕をしっかり捕まえていてくれなかったの？
! /j _｢_￣¨ヽ:ｌ: |｣! ｒｧ／
.! |/ ﾉ:. ::::: :. :.｀ヽ､￣ ¨ﾌ、 _,.ｨ_
/| | ／.: .: .: ,:: .: .: .: .: ＼:::Ｋ } ///厶
!,' l!.: .: ./:: ,: .:l .:l .: .:ヽ.: .:ヽ!｣! ,ﾉ ｒ' Ｔ_,ヘ'´
／| :l|:. :／:. ,::::::::l.: .: .: .::|::::. :. :.￣´}.:. :._:. :.｣
￣l l |:::::: .: .; ::::::::ヽ .: .: .: ヽ::::. :. :. :j.: .: .:｀ヽ〉
:::::| ｌ |.: .: .: .|:::::::::/.: .: .:'::::.､:'´｢--‐'.: .: .:::j:┘
ー| ｌ l'´｢ ¨ーｔ:'´￣｀ヽ::＿__ソ.: .:j.: .: .:／
───水銀燈は、出会ったばかりの男性ですもの
と答えた。
口元は、こみ上げてくる笑顔を必死に堪えるかのように震えていた───
245 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 23:29:42.63 ID:OwAqUGYo
46
───数日後、真紅は水銀燈に電話をした───
246 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 23:30:23.49 ID:OwAqUGYo
47
───真紅は水銀燈くれた写真立てに
ありきたりの感謝の言葉を並べ、
彼女の叔父について言及した───
247 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 23:30:43.91 ID:OwAqUGYo
48
,.／ _／￣￣ ￣ `'' ､/ __＿＿
__ .ｨ " r' ＼f´ ／ ＼
/ ヽ. ／三| ┐ ヽ| 三 ヽ.
| V'三三. r､/ ＼/ |!
f l! |:三三| f ＼ j
`ヽ, l. |三三,| ﾉ / / | ` /
., -「 ゝ､三三 | ﾑ / / .,l! ､ V ｰ-- ､
/ ゝ┐ |三「 : | r ､ﾉ / l, | |!,| ,. | |! ヾ三三.. /
, |ﾄf.' │／:::::| L/!､ j |! ｨ ,| |!||:| | | ,.! │ , i: |三メ /
ヾ＼_ ヽ::::::::ヽ ﾉ,/! |川,メl､,/|! |:!|l|: ,' /,|l|: | !/' |＼ L
/ f'∨へ,. 〉rtヾ | !/!ヾ,,vrl/lﾚヽ! j !|! / / / !l l: , ,./ |三ﾄ､/ あの人、何をくれたとおもう？
l （. |/rヽ √|ミfr@j;}Y/, f' /､::::::`rlヾ,ﾘi! ,/i/jl j// l// ,'-､ヽ やっぱりありきたりの
Y |i ヽ!_＼ ヽﾍ`´::::〃 i | ! ゝフ ゛' ﾚ//,/__//! // fｲ | } 扇子なんかくれたわ
＼, ヾ,/ ＼ヽ. ヽ::::f !,ﾍ `'´ ' r:::'ﾒ.,j／// /:::L,j/
ヾ|l! | .f:l＼ヽ.ヾV ,ﾊl !フ,/f j/,,jｨ∧::|
iゝ､.. , ||､. |:| r- ゞ_|! │ ヾ, ., / i: | f l|/ん
＼. ヽ|| ヽ.|:l. f三三:|! ﾄ __j| - ､ ,.ﾍ ヾ| | ﾘ∧＼
ヽ. ||ヽ ﾚ､.l三三:l ` ,|.三|!､. _,..＜___ jヽ ＼ヾ.// f＼＼
| ﾚ !ヽ三. l ＼|! :rr-＜ 三三三ヽ` フ ∨/ |│ `i i
ヽ ! ∨ゞ ミ＼. ＼､fﾚｸﾘ 三三 ／l ヾ/:∧ | .| |
l: | |/ゞ jー'ゝ._ ＼＼く 三三f （ V::/ ＼,.'. ! |
| | ／` ` ー--＼三 ＼ ﾚ＼＼ ＼ ヾ
/⌒i |ﾄ, `ー-- ..ﾆﾆ._ `ヽ ヽ l !ヾ ＼
/ │ |! | | !三三三 ￣ ｀ヽ, ＼ ノヽ |! ／ ⌒i
248 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 23:31:26.25 ID:OwAqUGYo
49
_＿＿
,.. ' ´ ヽ
イ､ /
., - ' ´ ,／三三 _ /
,ｨtvt‐z＿＿_＿＿_
,＞ '´ ､ ｀丶､_｀ヽ､r―‐r､
／／ }ヽ、 ヽ /7/|｀ト､_} |
／// |l /| |l ﾄ､ } ヽﾆ∧| ヽニヽ、 あらぁ、それは残念ねえ、
/ / ｌ ｌ/ l| |l | _ﾚ1ﾄ､ ヽ |＼ ＼_ヽ＼ そうそう、今度あなたの叔父様が私にくださったものを
. / / l l | / | ,化｢ l ハl| |ハ ￣丁 ＼ヽ ＿＿＿/:: 見にきてぇ？
/ { | ﾄ､l ／| イ/ﾉ ｣厶-刋 ,′ l ヽ、 {ﾉ ,..:'´:; -‐フ7::..:
l l | |{ Ｌ斗 ｌ / 彳｣沙′/ / l| ﾄ､ ／::..／ ／／::..::..
| | ! 七´≧弍ﾍ/ / ｲ | ヽ.｀ヽ、 ／::..／_／／::..::..::..:
！ﾄ、＼ V´{沙 /／ l |ヽ ＼ ｀ ー- ､＿_／::..／￣_／::..::..::..::..::.
r､ ｌ ヽヽ、ヾ二、 ヽ ＿, | ﾄ､ ＼ ＼ ／::..∠..-‐'´::..::..::..::..::..::..::.
__ヽ:＼｢＼ ＼｀ｰ=ﾆ ｀ | | ヽ、｀ r冖､ ＼_／::..::..::..::..::..::..::..::..::..::..::..::..::..:
::.:ヽ.＞:;: -―┴―个-､ _∠］ ,ｲ＿,.. ‐'´::.::.::.:｀:＜´::..::..::..::..::..::..::..::..::..::..::..::..::..::..::..
::.＿:／ , -ﾍ_厂 ､｀ヽ ‐- イ､_::.:l , /::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.:＼ ::..::..::..::..::..::..::..::..::..::..::..::..::..:
/ヽ/ ／ /´ ､ヽ V 〉/ /ﾄ､]]/ / /::./::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.｀ヽ､ ::..::..::..::.::..::..::..::..::..::..::..:
_) ／ ,′_l } ｜_匕{｛/,ｲ | / / /,::/::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::｀ヽ、 ::..::..::..::..::..::..::..::..::
. ∧ ＿上ヘ｀__厶ノ´::.::.:://｜リ ／::.ｌ::ｌ.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.ヽ、 ::..::..::..::..::..::..::.
/ /＾Ｙ´ ｢ 丶､｣::.,::.::∠rvィ/ /::.::.::.l/:.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.} ::..::..::..::..::..::..::..
/ 入＿ -{_｀ｰ-{::.l::./,ｨ示 斤'′::.::./::.::.::.::.::::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::./ ::..::..::..::..::..::..::..:
ノ ／ く￣ ｛ ｀ヽl::.〉ｌ/ >=' /｝::.::.::.:〈::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::. / ::..::..::..:_;:-‐'⌒ヽ、
_冫 ∨￣ ヽ_ ﾚ:/} / //::.::.::.::.::.｀ヽ::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.:／ ::..::..::.＜
∧_ ／ヽ、 ） l/} / ｢/::.::.::.::.::.::.::.::.:｀ヽ､::.ー--::､::.::.::.::.::.::.::.::.:／ ::..::..::.|ヽ､::..＼
/⌒ヽ、 }＿ ＾Ｖ} ￤ {/::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.｀ﾌｰ-､::.:｀::ー;二ニ-廴 :}＼::..::ｌ ＼::..ヽ、
／｛ ﾄ､＿厂l〉 {|::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.:::＼::.::.￣了／::.::.〉介､＼ヽ ｀ヽ:＼ ＼::..l
／ ｀ヽ ｀ｰ､ ﾄ､ヽ [|::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::ヽ::.::.〈〈::.::.:: //l ﾄ､〉/::..| ＼} ヽj
｀ヽ、 ￣｀ヽ､＿ﾘ::.＼＼ l|::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::ｌ::.::.::＼ヽ//l::| ﾄ / ﾄ､j
::.::.::.ヽ､_,.. -‐'´::.::.::.:: ／＼ヽlL::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.:: ｌ::.::.::.::.｀¨1 |::| |::.∨
::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::. ／ ／只卞、::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.: ｌ::.::.::.::.::.::| |::.| |::.: |
::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::／ / /::.::| ﾄ､＼::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.:: ｌ::.::.::.::.::.:| l::.:| |::.::.l
249 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 23:31:46.09 ID:OwAqUGYo
50
｢｀ー'′／ / ヽ、 ＼ ＼ ヽl}::.:)､ ＼
l_,ｨ / / l l 、 ｌ ｀､ {:|}く＼ヽ/
ノ ,′ ! { | l| | l ):|} ﾉ|:｢´
. ヽ∧| , | | l | ｌ| | l| {:|!::）|:| あなたに？・・私の叔父さんが？
|::l| | | ｌ 、 | l | _,厶| j| ｛::|}::} |｣ どうしてなの？
l:::| ｀、!| ＼ ヽ、 |,.イ,斗予 | |{K!j |
〈:;小､ヽヽ、Ｔ,Ｚﾆミヽj ^ヾrｼ | |ァ１ |
| ＼ヽN {ヾtｸ | ﾄ |_| |
. ｜ | l ＼ ｀- ／!| |::..::.｀:┴-､
. | | | | ＞ ､ _＿ ／::..::|| |::..::..::..::..::..:ﾄ､
| j /| l/::..::..::..::..rｸﾆﾐ::../| |::..::..::..::..::./::..｀ヽ、
. l ! //l l::..::..::..::/;ﾊﾐZシ//| |::..::..::..::..:/::..::.｀ｰ┴―-ｫ
j ﾚ'∧! ,'::..::..::.〃::..::..::.ﾚ'/::| |::..::..::..::r'::..::..::..::..::..::..::/::|
/ / / /| ﾊ::..::..::..::..::..::. /l ﾄ､| |::..::..::..::{ー-::.ﾊ::..::..:: /::..|
. / / ｜{::.| ||::.＼::..::..::..::../::.| l::.| |::..::..::./::..::..::/::..＼::./:ヽ:j
250 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 23:32:15.38 ID:OwAqUGYo
51
, -―‐z=x=､- ､_
,__'´-‐: :'´: 乂三ﾂ:｀－､ヽ、
／: :_; :-―――‐- : _: : : :ヽ.＼
＿__/-‐'´ / ,ｒ' l ｀ヽ: : : ヽヽ
|＿／ / / / /! ｉ＼: : :ｉﾊ
_ 〈＿/ / / l /l / /l | l ヽ: |i l
_, -'´／ ///| /ｌ_i__ｌ_|＿ /! ,:' ｌ l l lヽ｢＼
／ -‐'´ / l/:.l / ヽﾄ､| ヽ / |ｌ. ／ /lﾄ､_ /! / /|ｌ ｌ〉
／ ／:.:.|:.:.:l' ト!ｰｔ::i:ｧ ｲ ／/_ｌ, ／メ. / | l:|／ヽ
, ' ＼-、 /:.:.:.:/ :, -- ､_ﾄ､｀ ￣` lｲ' /イｔ::i:ｘ.／ {_｣jヽ ヽ/ さあ・・どうしてかしらねぇ？
/＿_＿ ヽ: : :ヽ;:./_;'_ _ rxiヽ / ￣´/ /i | ヽ／＿,
￣ ｀＞: : :｀ヽ: : :i/ f /:::ｉ ヾ ＼ ヽー- , _＿／ .／ l| |_／´: : :＜＿_ きっとあなたのお金持ちの叔父様、変わった＿
´: :￣: : : : : : : : / ｉ ｌ…| ゞ!_ﾃヽ、ﾆ´ _ .ィ:.:.下´ /／＿___: : : : : : : :／´￣ 趣味をお持ちなのねぇ？
￣´フ: : : : : : : / /! ー' └ｲ__｣／l｣‐ : ´: : :l:.:./ /￣: : : : : i: : : : : :└:､＿
, :'´＿: : : : : : / l ､ .r‐'ﾌ:.,ｨ_｣_ノz､: : : : :/j l /: : : : : : : : ヽ: : : : : : ＿_ 丶 こんなとびきり良い物を初対面の人に
／´ /: : : : :_l i |: :､_/ /‐'_r/ﾄ､_ ヽヽ: / / ,／: : : : : : : : : : :i: : : : : :ヽ ￣ くれるなんてねえ？
／: : : ／: :Ｌ. ノ:ヽ|: // '´// ｌ｜! ヽl' /／': : : : : -:-､ : : : : ヽ: : : :ﾄ、＼
／'´l７: :ｌ : : : : : : : : : /｜ j｜ ! ｌ |,「| ｉl /'l: : : : : : : : : : : : 丶: : i/N:| ￣',
/' lﾍ|､: : : : : : : ／ i l ! lｰi_r‐i｣ｲ: : : : : : : : : : : : : : : / |丶 l
i ｜ '､ ト､＿: :_/ /ﾄ､_/ﾍ. | にソ|､|: : :_: :_:_: : : : : : : ／ ! | l !
丶 | ヽ! ／ｲ＿／ {_f┘_,ﾍ__ ｒ￢ノ1 |､l:､f: : : : : :｀:ｫ升ｒ '´lﾘ| ,' .l | |
｀| ／ /rし' r 〈 iﾂ┘ f ｣＿!｝ __'_ソ: /: : : : :／/ﾄ､!/／ j / l ! ｜
ー/ /!＿「l__ツ込＿入l 〔┐ |: /: : : : :Ｌ.ｌ_| |l_| / ／ ! /
〔_ん ヽ l う ヽ 丶ｒ1＿ノ! l1: : : : : :/ | ! ／'´ j /
/＿カﾊヽ__r｢ f九ｒ┐ソl rしｼ'|: : : : :/ ｜｜ / '´
/ゝ､ し' l l＼ノヽ ヽ ヽ Ｌl |:､: : /-､ / ｌ ／
/〔_」ヽl l |と ｰ､ ｒ ｲ__／l |: :ヽ!:＿!:ー-､,＿＿＿_＿＿
ヽﾉ__カて ｒ「了_ｒ乙ソ´ヽ l i: :l : 〕-､: : : :l: :､: : : : : . . . ｀丶
_,. -‐ '´: / ーＬ.冖＿ﾄ ､ 丶 l: :l : :ヽ:l|ヽ: : i: : 丶: : : : : : : : . ｀丶、
_, - '. : : : : /｣/: : : : : : : : : :|: :￣｀下ヽ､＿ノ: : : |｣!: :ヽ: : : : : ヽ: : : : : : : : : ｀丶、
251 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 23:32:46.23 ID:OwAqUGYo
52
.───受話器を置いた後、
真紅ははき捨てるように言った───
/ / .' / / |
ｉ ｌ ｌ l / ′ .′|
| | | | ‐､/| ! / l
| | ﾄ . | |｀ﾄ､| .￤ 〃 / /
ヽ.|＼ l ヽﾄ .xィ士.j ﾄ.| / // / /,′ どうして
/ ／ ヽ/ ﾊ.|ヽﾄ辻}小∨j／／./_／__,//_／__ 水銀燈の住所を知りたがったか
// // /ヽi| ^冖^ ‐ﾃ士＜／-‐ ´ 不思議だったんだけど・・・
. 〃 // /|! | , ﾄ辻}小>‐ ／
/′ // / |l ハ ′ ^冖＾ ／ ／
. / // / _!ヽ ＼ r__, ／ ／|
' / | i /'｜ ', | i＼ / 厶イ|
ｌ l |,-l |‐厶-ﾍ } Ｖ ＞‐z――…/ /' !
| ｌ / N´ ,. -‐ヽﾊ |-く^Y´ ' /＼ |!
| ｌ＜⌒ ‐-'---‐'_丿 小丕}| ｜/ ＼.|l
-‐┴'´ ＼_￣ ￣ _／,小辻ﾘ l ! -――/.'
｜￣￣／ / ヽ{__ソ＼ ／!l,. -―//
252 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 23:33:37.47 ID:OwAqUGYo
53
───今、草木が芽吹き始めるこの時期に、
二人の友情は冬を迎え始めた───
253 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 23:34:26.07 ID:OwAqUGYo
53
───水銀燈に関する限りでは、
その冬景色には銀ぎつねの姿が見えたが・・・───
254 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 23:34:46.14 ID:OwAqUGYo
＜Author: Saki Title: Fur＞
【作者：サキ 邦題：毛皮】終わり
255 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 23:35:01.02 ID:OwAqUGYo
／￣￣￣ ＼
／／ ＼＼ ふぃ～～
／ （ ●） （●） ＼ 今日もやる夫はがんばったお
| （___人___） |
＼＿＿ ｀ー ' ＿＿／
/ ヾ､ // ＼ ヽフ
ヽ＿⌒）ﾊ // | ﾚつ||)
i⌒l ミﾟДﾟ,,彡⌒) ヽ_ノ ￣
| | ヽ＿＿"" ヽ_ﾉ| |
ヽ ￣￣￣/ ヽ ヽ＿ノ
￣￣￣ / /ヽ＿_)
（＿_ﾉ
256 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 23:35:17.53 ID:OwAqUGYo
／￣￣＼
／ ヽ_ .＼
（ ─）（ ─） ｜
（__人__） | なにもしてないだろ・・・お前は・・・
ｌ｀ ⌒´ ｜
{ ｜
{ /
ヽ ノ
▼／￣ ￣￣）＿＿__
〃(⊥) ´/ /￣￣/ / 〃 ⌒i
＿＿＿i /⌒＼./ /∧ ∧し' ＿＿|;;;;;;;;;;i
257 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]：2009/03/31(火) 23:35:25.44 ID:nv0BOioo
乙！面白かった
258 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 23:36:05.39 ID:OwAqUGYo
／￣￣￣ ＼
／／ ＼＼ 馬鹿いってんじゃないお。
／ （ ●） （●） ＼ やる夫はストーリーテラーとしての
| （___人___） | 才能に目覚めたんだお！
＼＿＿ ｀ー ' ＿＿／
/ ヾ､ // ＼ ヽフ
ヽ＿⌒）ﾊ // | ﾚつ||)
i⌒l ミﾟДﾟ,,彡⌒) ヽ_ノ ￣
| | ヽ＿＿"" ヽ_ﾉ| |
ヽ ￣￣￣/ ヽ ヽ＿ノ
￣￣￣ / /ヽ＿_)
（＿_ﾉ
259 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/03/31(火) 23:36:33.78 ID:psB6nI6o
おつおつ
なんかイギリス人ぽさを感じた。
260 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 23:37:04.59 ID:OwAqUGYo
／￣￣＼
／ ヽ_ .＼
（ ─）（ ─） ｜ （１が短編の中でお前の口癖とキャラを
（__人__） | 上手く使いこなせないからその役なだけだろ）
ｌ｀ ⌒´ ｜
{ ｜
{ /
ヽ ノ
▼／￣ ￣￣）＿＿__
〃(⊥) ´/ /￣￣/ / 〃 ⌒i
＿＿＿i /⌒＼./ /∧ ∧し' ＿＿|;;;;;;;;;;i
261 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 23:37:38.72 ID:OwAqUGYo
l!￣ｵ |:.:.:.:.:.| と′ , 丶 .: ｒ┘
￣ﾘｺ ｌ:.:.:.:.:.| _「┘ / / l | ＼ﾉ _〕
く｣!Ｌ.|:.:.:.:.:.! Ｌ. // /, l| l l i l ﾊ:. _〕
〃l| l Ｌ.i:.:.:.:.| ｒ┘,./ /, !|｜ ｌ| l ｌ ﾊ:/└i_ ・・・まあいいわ、
|ｉ ｌ| !└l:.:.:.:| 〕// //l l ! li l| l l |!:: と__〕 次回の投下は、４日・土曜日の同じ時間、
li〃!｜l ﾄｚ水ﾞ/ｲ ,://l:| l |ｌ l| lｉ | ! ｌ|! とl｢´ 22時からの予定なのだわ。
|! | !小こｼ｣ !/ ≧:ｘｲl ! ,'! /l , / /l _.｣!|!
,ｌ｜ ｌ |ハ:.:!|l イ iｲ:r::ﾊ｀ / '//二ﾗ// ｲ| l| ｌ! __ 確定したら、またこのスレと案内所で
/!｜ l l ＼! ｌ| ｀¨ ｲrｿ/iツ行l 〃 / | 告知するのだわ。
,'/ ! l|l ｢¨| llﾄ､ ｒ ｧ ¨´ｲ |ｌ i |l |! / /
,' ! i ｌ|i ＿|:.:.l:.|l:.|:.＞ .、__ イ´ !:| ! l| ｌ / /
! l , ｌ|'「 |:.:.l|:li |:.:.:.:.薔:.:.:.:.:.:.|､ハ! l::-‐ｒｚ／ '´ﾊ
./ , ｉ /l|｜ ヽ/ ｌ| l;,;,;,ノﾞﾍ;,;,;,;,;,;,Y￣|ヽ {!' / / ﾉ!
! / l , ｌ| ! / l |:.:.:.| |:.＼:.:/ i 〉 ＼{!｣､ヽ'イ丿
｜ ｌｉ / l| ／ l -＿〕:.l |:.:.:.「´ 〈 ト.､ ､＼テ¨´
,' l | //￣ , イ´.:.:.:.:.:.:! ｉ:.:.:.:ヽ ヽ | ､＿ ヽ
ｌ| ＼ ＜ー- ､＿_:.:.:| /.:.:.:.:.:.:.＼ ＼ ＼ ヽﾉ
ｌ ｌ| ￣工＞＿/-､j |, -､＿, - ゝ _|__〉､ 〉
262 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 23:38:06.96 ID:OwAqUGYo
＿＿＿_
／ ＼
／ ─ ─ ＼ 次回も２作の予定、
／ ━ ●━━● ━ ＼ 【もっとも偉大な研究】＜マイク・クラス＞
| （__人__） | と、もう１作できれば。
＼ ｀ ⌒´ ,／
/⌒ヽ ー‐ ｨヽ ・・・お付き合いいただき・・・
/ ,⊆ニ_ヽ、 | ありがとうございました・・・
/ ／ r─--⊃、 |
| ヽ,.ｲ ｀二ﾆﾆうヽ. |
263 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/03/31(火) 23:39:27.41 ID:OwAqUGYo
以上で本日の投下おしまいです。
途中止まってしまってすみません。
おのれぇ孕ませめぇ・・・面白すぎるだろう・・・・・・
お付き合いいただきありがとうございました。
264 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]：2009/03/31(火) 23:39:45.79 ID:WJfZ0Joo
乙。
265 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/03/31(火) 23:48:50.77 ID:psB6nI6o
おつー
266 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]：2009/04/01(水) 00:10:04.97 ID:hzLDwuMo
乙！
スクランブル…の方は、真紅の気持ちが分からず怖すぎるな
267 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/01(水) 01:36:54.08 ID:90N3JAwo
>>266
書き忘れていた・・・
原作では、２６６さんが仰る様に、心理描写もないまま微笑んでおしまいです。
が、実は妻を憎んでいる夫よりも強い憎しみを持つ妻。という設定で書いてみました。
実は、黒いスクラブル盤も、原作にはなく、夫を[
ﾋﾟｰｰｰ
]ためにわざわざ手に入れた
という裏設定でした。
次回はコミカルな話を書きたいと思います。
それではまた。
重ね重ね、お付き合いありがとうございました。
268 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]：2009/04/01(水) 11:16:30.17 ID:V26pt/M0
>コミカルな話
嘘つきw
269 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/01(水) 17:56:49.00 ID:90N3JAwo
>>268
ヒント・・・日付
書きあがりました
４日の２１時から投下開始します
今回は一作のみです。
夫婦間の、コミカルな恋愛短編です
よろしくお願いします
270 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]：2009/04/01(水) 23:39:30.55 ID:hzLDwuMo
>>267
む…そうだったんか…
次回も楽しみにしてます～
…絶対次回もダークなんだろうな
271 ：
◆4pCV5yXGK.
[sage]：2009/04/02(木) 07:10:39.58 ID:JsfkSQgo
もう１作できました。
【もっとも盛大な研究】
【肉にご加護を】
の２作をお送りします。
よろしくお願いします。
では、明後日、２１時に！
272 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]：2009/04/02(木) 17:07:41.42 ID:XfnvmFEo
短編集から来ますた。
楽しみにしてるよ。
273 ：
◆4pCV5yXGK.
[sage]：2009/04/02(木) 20:03:08.40 ID:JsfkSQgo
>>272
ありがとうございます・・・って、地獄短編集に載せていただいていたのですね・・・
管理人の方、駄スレをありがとうございます。
274 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]：2009/04/03(金) 00:20:21.71 ID:GscQVZQo
俺も短編集でココを知ったよこういう雰囲気は好きだ
275 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 21:06:56.09 ID:TIP575Eo
＿＿
ヽ∠_ノ ヽ
/ ﾉ /⌒⌒ヽ 投下を始めるかしら！！
∥Ｙ ( ノ＼_＠
ヾ丿 ヾﾘﾟヮﾟﾉ 上でも書いたけど、【やる夫短編集 地獄編】に今までの４作全て載せていただいたかしら
`ー(kOi∞iﾐﾌ
http://mukankei961.blog105.fc2.com/
(_(ｨ))
じソ
ｎ
／⌒⌒⌒＼
／∽∽∽∽∽＼
∽∽∽∽∽∽∽
/⌒⌒ヽ ∥ この場を借りてお礼するかしら
(ﾘﾉヽ_卯)∥
9､ﾟヮﾟﾉﾐ∥
ﾐ([{∞}]ｼつ
ﾉ(_ｨ_)
`しﾃ´
276 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 21:07:53.54 ID:TIP575Eo
＿＿
〃r=＝ﾐ、
卯iﾘﾉ)))〉 皆、約束よぉ。オチの先読みは禁止ね。
／￣`-ﾘ}lﾟ‐ﾟﾉl／￣ヽ では、短編2作分、
"⌒~""ﾘ/i)卯つゞﾞﾞ`` 皆のお時間拝借よぉ！！
ｙ /xト､
lT/しｿT|
lﾉ ﾚ
277 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 21:08:07.21 ID:TIP575Eo
.ィ/~~~' 、
、_/ / ￣｀ヽ}
,》@ i(从_从)）
||ヽ||；ﾟ 0ﾟﾉ| || 短編集からきた方々にも楽しんでいただけたら
|| ({'ﾐ介ﾐ'}))|| うれしいのだわ
／￣￣￣＼＿_/￣￣＼
＿＿＿＿＿＿＿ ／/ ／＼ ／＼ ヽ _ ＿＿＿ ＿
(＿＿＿）＿＿＿＿_￣￣） （_人_） ）＿＿＿＿＿）＿）
＼￣￣ /
＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿／
O） ＼ ｜
＼＿/￣￣＼
ヘ￣￣/ 0） ）
| ＼／ /＼＿＿/
| 0） / /
| ＿_/ √￣//
ヽノ＿0 ）￣￣＼
（ ＿＿＿＿）
278 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 21:10:05.14 ID:TIP575Eo
＿＿＿_
／ ＼
／ ─ ─ ＼ 科学の発展
／ ━ ●━━● ━ ＼
| （__人__） | それと共に
＼ ｀ ⌒´ ,／ 人間もまた進歩してきました
/⌒ヽ ー‐ ｨヽ
/ ,⊆ニ_ヽ、 |
/ ／ r─--⊃、 |
| ヽ,.ｲ ｀二ﾆﾆうヽ. |
279 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 21:10:32.13 ID:TIP575Eo
＿＿＿_
／ ＼
／ ─ ─ ＼ 人はカビから何万人もの人を救う
／ ━ ●━━● ━ ＼ ワクチンを作り出しました
| （__人__） |
＼ ｀ ⌒´ ,／
/⌒ヽ ー‐ ｨヽ 人は０と１だけで遠くの人と
/ ,⊆ニ_ヽ、 | 瞬時に連絡をする術を作りました
/ ／ r─--⊃、 |
| ヽ,.ｲ ｀二ﾆﾆうヽ. |
280 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 21:11:10.33 ID:TIP575Eo
＿＿＿_
／ ＼
／ ─ ─ ＼ 同時に、人は何万人もの人の命を奪う
／ ━ ●━━● ━ ＼ 爆弾を作りました
| （__人__） |
＼ ｀ ⌒´ ,／ 人は利便性の追及の為に
/⌒ヽ ー‐ ｨヽ 他の種を傷つけてきました
/ ,⊆ニ_ヽ、 |
/ ／ r─--⊃、 |
| ヽ,.ｲ ｀二ﾆﾆうヽ. |
281 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 21:11:43.79 ID:TIP575Eo
＿＿＿_
／ ＼ はたしてこれは、
／ ─ ─ ＼ 「進歩」と呼べるのでしょうか
／ ━ ●━━● ━ ＼
| （__人__） | はたして人は
＼ ｀ ⌒´ ,／ この発展に人自身がついていけてるのでしょうか
/⌒ヽ ー‐ ｨヽ
/ ,⊆ニ_ヽ、 |
/ ／ r─--⊃、 |
| ヽ,.ｲ ｀二ﾆﾆうヽ. |
282 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 21:12:02.13 ID:TIP575Eo
＿＿＿_
／ ＼
／ ─ ─ ＼ 今回は、
／ ━ ●━━● ━ ＼ あまりに大きな力を手に入れため、
| （__人__） | 身近で大切なものを見失ってしまう
＼ ｀ ⌒´ ,／ 哀れな男の話です
/⌒ヽ ー‐ ｨヽ
/ ,⊆ニ_ヽ、 |
/ ／ r─--⊃、 |
| ヽ,.ｲ ｀二ﾆﾆうヽ. |
283 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 21:12:15.55 ID:TIP575Eo
＜Author: Mike Krath Title: A Most Ambitious Experiment＞
【作者：マイク・クラス 邦題：もっとも盛大な実験】
※スミマセン、またやってしまった・・・
原作レイパー、 ◆4pCV5yXGKです
284 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 21:12:31.00 ID:TIP575Eo
1
───あるところに二人の中睦ましい夫婦がいました
夫の名をやる夫、
妻の名を金糸雀といいます───
285 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 21:12:47.26 ID:TIP575Eo
2
───二人の間に子はありませんでしたが、
夫のやる夫は妻のために働き、
妻の金糸雀は夫のために家事をしました───
286 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 21:13:03.73 ID:TIP575Eo
3
--─────-- ､、
／ ＼
／ ＼
／ ,.-‐-､ ,.-‐-､ ＼
／ ＼ 今日も金糸雀の為に仕事
／ / '⌒`ヽ / '⌒`ヽ ＼ がんばるお！！
│ ヽ. ,) ヽ. ,) l
│ !/// （_＿__人_＿__）///// |
│ ヽ ＿ ノ l
＼ ／
＼ ／
／ ＼
／ ＼
γ⌒ヽーｰ- - ､. ､ ＼
γ⌒ヽヽ､_,!-ｰ - ､ ヽ ､ ヽ
γ⌒ヽヽ､_,' ｌ､ `ヽ ヽ ｌ､ ｌ
ｌ ,ヽ､_,', ｆ ' ヽ ヽ ヽ | ＼ ｌ
,ｆ ｒ ィ⌒`ー' ヽ `ｌ | （ !､
｜ ｆ`ー-‐'' ｌ | | / !､
287 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 21:13:23.53 ID:TIP575Eo
4
／:::､::::::､::::::､::::/::::jL､
/:::/::/＼:::＼:::辻-く仁､
i::::i::/__ ｀ ー ﾐ _∧ ﾆ/{ 今日も愛する旦那の為に
l::::ﾚ.ｧﾆ､ヽ ィﾆ､ﾍ_ﾉﾚ' 美味しいご飯を作るかしら！
ﾞ:｣ ´込ｿ . 込ｿ i::/
/∧ ￣ r==┐￣ ∧ヽ
, --､ {!`ｰヽ. ､___ﾉ メｰ' i}､
／￣>-､｣::_:_:_-:i＞┬＜!:-:_:_:_:」i
/ ／ / ﾄ､7∠イ::i⌒i:::iヽ:ﾆ:ﾆ:ノ＼
＿ヽ ´/､ __ﾆ｣:::! ﾟ i:::l〉=:､. .ヽ ＼
＼___＼ ﾉ/r=_ _｢i::! ﾟ i:/{!三:`ｰ' i ,, l
／z{::::＼ /::Y <<. ､ﾆr=_ノ .::i.:/ ／
__
「ヽ￣＼ ゞ_､__
／入 ＼ _jl´frｫ j}
/ / ` ーヽﾊ-メ_jヽ.
' ,' ,. - ´｀ヾヽ !
i ｲ , =､ ｫ= ､ 川!
ゞﾊ, ﾊｫ.j 辷j |ﾒ. カナの手料理で精をつけてもらって、夜は
`ﾊ :::: ' :::: ｲ_ ヾ カナがいただかれちゃうかしら！
,.,ゝゝ､ ｀ ´ イミミjノ
l!V:三} ﾞ＞＜ ゝ-'⌒丶
/ ゝﾘ! jハ! ﾚ′ l
く :.:! o 〈 - |
ゝ l:.:.|'＼ o _ .人 l 〆ノ
| :.:.| /介!V イ´
| .:.:| ` 7 /
/ヽ..:.:.| ,. ､ / , イ
/ / .: .|/ ／ |ヽ.
, イ , :. :|/ ＼＼
／,___ハ 1 ,' ,. -── - ､＼＼
ﾚ'′ ﾚvゝ＿ ｲイ .. : : : : :＼ﾄ_. ヽ
/ ゝ-ハ/ : : : : : : : : : : : : ﾉｰｧム_
' : : : : : : / : : : : : : : : : : : ::/ヽ┐::::` ､
ゝ ﾊ: : : : : : : :l! : : : : : : : : : : : :l: : ＞::::::::::）
`ｰ-､: : : : : :ノゝ.. : : : :: : : : : :ヽ : :ｲ_:_＞─‐
288 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 21:13:43.67 ID:TIP575Eo
5
───といった具合に、それはそれは
仲が良かったそうです───
───ただ、夫のやる夫には少し
変わった趣味がありました───
289 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 21:17:26.20 ID:TIP575Eo
6
| Κ 〈| ／／ [|] ／／ |〉 ;; || ||
×| 〈| ／ | ／ |〉 || ||
| ;'.: ／￣￣￣￣￣￣￣￣.／| ∠ ||[] ||
;:.,.;: |､_ ;;, |l￣￣￣￣||￣￣￣￣l| | ;;. :. || ||
|／＼＿＿＿|l [||] l| |＿＿＿＿＿＿＿||＿＿＿＿＿_||_
|／／::::... |l＿＿＿＿||＿＿＿＿l|／
#; |／::::::::.... ....
＿ |::::.... ...
／|／ ／￣￣￣￣￣￣￣ ／|
| ／ ／ ｜
／ ／ -=宀=- ／ ／
／ |＿＿,;;l ／ ／
／ ／ ／
／ ／ ／
|￣￣￣￣￣￣￣￣| ／
|＿＿＿[i￣]＿＿＿:|／
_|::|_
290 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 21:17:41.07 ID:TIP575Eo
7
───それは、自宅の地下室に
研究所があること、
そしてそこである研究をすることが
妻を愛するこの男の趣味でした───
＿＿＿_
／ ＼
／ ─ ─ ＼ 今日こそアレを完成させるお!
／ ─（◎）─（◎─ ＼
| （__人__） |
＼ ｀ ⌒´ ,／
/⌒ヽ ー‐ ｨヽ
/ ,⊆ニ_ヽ、 |
/ ／ r─--⊃、 |
| ヽ,.ｲ ｀二ﾆﾆうヽ. |
291 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 21:18:56.42 ID:TIP575Eo
8
───男がする研究とは、
現在と違った今に自分を移動させること
つまり、タイムトラベルの研究でした───
292 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 21:19:10.82 ID:TIP575Eo
9
＿＿＿＿
,. -'"´ ｀¨ー ､
／ ,,.-'" ヽ ヽ、
,,.-'"_ r‐'" ,,.-'"｀ ヽ、 金糸雀、大事な話があるお！
/ ヾ ( _,,.-='==-､ヽ ヽ、
i へ＿__ ヽゝ=-'"／ ● _,,> ヽ
./ / ● ＞ ＝'''" ￣￣￣ ヽ
/ .ヽ-‐´''" ヽ i
/ i 人 ノ l
,' ' ,_,,ノ `─-‐' ヽ /
i ｀､ _y──‐ l /
', ｉ_/ / ＿ ' ／
ヽ、 ￣￣ /
ヽ､_ ／
｀¨i ヽ
/ ヽ
/ ヽ
293 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 21:19:23.13 ID:TIP575Eo
10
───ある日、夫は妻に向かって
言いました───
294 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 21:19:40.40 ID:TIP575Eo
11
, - =､‐:.､
,.:'/ ヽ:.i
/:/ lﾘ _. .- _
!:,' _ -ーメ､ /: : : : . . ｀. .､
, !:l‐ ´ ´ ゝ― / ヽ : : : : :.ヽ
/´ ';!r=.､ ,...-;.=-/ . . ,/: : : :ヽ . : : : . . : ..',
/ .l:トｰУ' ´ l. : :.. l::ヽ : : : :｀: . ､: : : : : :l
/ . l:.r'-:.Tヽ￣:､:!. . : :';:::::ヽ_: : : : : :｀ :.７ 改まって何かしら？
, ' . ∧:!:':.:.:,ゝ:ヽ:.:ヾ: :r ' ´ ｀ヽ､＿: : : ; ｲ､ （顔が怖いかしら）
／ ,r:'´:.:';',:.:':.; へ:.ヽ:ヽ :', ,r/_,ﾉﾉ. ヽ;:': : :',.｀ヽ ､
<. ,ｲ／;:r'';',´ ｀ヽ､:.ヽ冫'´ /ｰ/.i ヽ ,' l
ヽ ＿ ノ ,':/´ ヾ:.､ ヽ,' /_:/ i _ - ' ノ ,. l
f:.;' -‐- 、｀ ヽ /:./ l-―r:':!', / l
l:l| __∨ヽヽ. l !l:.:! ∨. l
／l! >,ﾞ=､､ヽ ｀ヽ.';ヽ:ヽ' !:l:,' / !
_!.::r| l' !:::::::::i', _ｪ_, ';.:.:i ,'l:.l;'./ /
／:へ｀i ヽ:::::ノ ',.r:::::ﾐ ､ l:.;' ,':l:/ l . /
f∠三=';.l l::::::::::ﾘ l l:.l,､/:l/. ', / ところであなた、
＜:.;.:.';.:´ﾍ:', ' ヽ二 ' ./l｀ .l/. ',. ,' 夕飯は何が食べたいかしら？
/ﾄ /三:.ヽ:.:ヽヽ:.:〉ヽ -､ ／ i:.', ノ ヽ､ j
,' Ｋ｀:ヽ､:.:＞r:r--- ､｀ 、 ,...:.':.=:＝:j:.｀〉
l ノ:ヾー:.:.ヾ´. l , -- ､｀＞｀ ､―__' ´ ,':.＜:.二:.::/、
｀ヽゞ:ヽ:.てヽ l ' ´￣ ヽt , ノ- ､ ｀ヽ､:う:.:.三:.:':.:/
／';そ｀'´） う ', , ィ' ´ ,.|l, ､＼ ｀> /三:＝ヾ,' __
< . .ヽ､｀T ら ´ / ,' .,' ';、ヽ' /-:.―:.二(, イ' ',
ヽヽ、 ｀つ ｀ / ,' ,' l ヽ､／ ）:.:.／:＞ ヽ ./
<: : ヽ: （ わ ヽ ,' ,' ! と￣＞' .,rtヽノ ヽ
/: : . . .t､ _rヽ'ーz , ヽ,' ,'＿ _」 ノ ヾヽ- / : ', r ノ
/: . : : ./. : . :｀ヽノ｀tv_, ､そゝr- ､ __ j.,- ､_ ノ: : :',-'
295 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 21:27:46.02 ID:TIP575Eo
12
＿＿＿
／ ＼
／ ＼ , , ／＼ いいかお、やる夫は１０分後に戻るんだお。しなくてはならない実験があるんだお！
／ （●） （●） ＼ 金糸雀にとって、とても長い１０分かもしれないけど、
| （__人__） | 待っていて欲しいお。
＼ ` ⌒ ´ ,／
. /⌒～"￣,￣￣〆⌒,ﾆつ 晩飯のメニューはその時までに
| ,＿_＿ﾞ＿__､rヾｲｿ⊃: 決めておくお！
| ｀l￣
. | |
296 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 21:27:57.10 ID:TIP575Eo
13
───夫はそう言って、
研究室の階段に向かいました───
297 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 21:28:07.75 ID:TIP575Eo
14
───夫が研究室に入った直後、
大きな音がその研究室から聞こえました───
298 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 21:28:20.94 ID:TIP575Eo
15
_r ､＿ /ヽf ,_ _ ヾ,,
, - ',,ノ! ＼`ｰ ､ >_.∨;;r=;;､ |!
／_,メ､ ＼ _ ＼ i_ j (ヾ;(;;ｿfｰ!!
//´､ ヽ X´ ﾞ､ ﾒY. ヾ-;メソ
_j/ ○ ＼ l `iヽ.イノ な、なんなのかしら！？
ｨ-! u ○' `ｰi ! '` ' こんな爆発音は今まで聞いた事無かったかしら！！
>ｰ､ r ─ ､ iii ー､,∠, __,__ . __
/f ,._j! ヽ. | / メ`ゝ､r ノ j_/)' `i )
メ r ー' ､!_ / ( メ,> =ﾞ‐`'´ ￣//)-､`ﾉ
,_;;=/ ´￣￣￣´ //) )
,, -''´ ､ r ,r── ､._. //)ヽ_ ノ
_ ＿,.. -─ ''´ ` ''_ｲ_/ー､ヽ. ＼.. //)-､//
, -‐ ''´ ''ﾒij ヽ ＼. ソ'ﾉ) )
( ￣￣./`''ー ､_, ／ ! ! ＼,,>'､／)ー
───妻は夫の身を案じ、
音の聞こえた部屋に急ぎました───
299 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 21:28:59.14 ID:TIP575Eo
16
| Κ 〈| ／／ [|] ／／ |〉 ;; || ||
×| 〈| ／ | ／ |〉 || ||
| ;'.: ／￣￣￣￣￣￣￣￣.／| ∠ ||[] ||
;:.,.;: |､_ ;;, |l￣￣￣￣||￣￣￣￣l| | ;;. :. || ||
|／＼＿＿＿|l [||] l| |＿＿＿＿＿＿＿||＿＿＿＿＿_||_
|／／::::... |l＿＿＿＿||＿＿＿＿l|／
#; |／::::::::.... ....
＿ |::::.... ...
／|／
|
／ ■■■
■■■
■■■
───しかしそこに夫の姿はなく、
床にわずかなシミがあるばかりでした───
300 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 21:29:14.43 ID:TIP575Eo
17
───彼女は待ちました
夫を信じて───
/ ＼ `ー--ｲ | /`ｿ､__/`> ! _ !∠
. ﾉヽ. ／ /＼ フ ヽ /`!,ゞf@ノ〕`!<三三､!
// ヽ / / ＼ . -/. ゝ＼∨:三＼ ＞ｰｲ/￣＼三/
|`!/ ! / / _＞-‐' ／ | ｀￣L＼=／ `ー- ' /ヽﾉ
|`!/ ! :/ / ヽ=､─'' ノ`- _ |＼＼ ∠ソ
| ! /::. ! j ｀ ￣ ￣` `フ＼＼ ／∧ﾉ
ヽ,ソ ,::. ! / __ ヽー─-- ` <ﾉr. `´／| | ・・・やる夫・・・
j|:::::!::::::/ ／ `^| ﾚ/
ヽ|::::::!' ／ _ /,..=＝と._ | //
ヽ::::l _ゝ== -` ｲ:三三::ヽ` ﾚ/ヽ
ｲ_ゝ ﾒ' /_三三ヽ ⊃ゝﾉク _∧| | ト ､
, -‐':| //! つゝﾆ!ｸ `ー‐' / ,| ﾄ､ !＼_＼
/ ﾚ / j ゝ--‐ ' i l ! ヽ レ'/| | ＼＿_`_フ
./::::::: / /ｰヽ / l ! ヽ ! /_∠.| | ＼
!:::::::::::::| |ノ＼_ヽ , ── ､ ／ // ＼
.｀ヽ :::::l l::／ ＼ ` ── ′ _∠--､ ／´ :＼ ヽ
＼:ﾚ:::::::: ＞ ､ _ イ＼::::`￣＼＼..::::::::! |
＼ _:::::::::／_フ!/ ＼.＞- - ＜- <___ノ-- ､::::::!:::!:::::::: ! |
ヽ==＝＝''/ ／三三「三三ト三三`ヽ ＼!:::!:::::::::/ ノ
───しかし、約束の１０分が経っても、
彼女の愛する男は彼女のもとに
帰ってきませんでした───
301 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 21:29:27.75 ID:TIP575Eo
18
_, -－――－- ､
／ ' ´￣ ｀丶､
/ ´￣ , --､ , , -- ､＼
r－―‐┐ ,' ｌ {￣《《ｌ》》￣} l '´￣〉
| | ! 丶 ＿ ', ', ／∥＼ // ／|
l | l ヽ ＼＼.lｌ.／／'´ | l
l | ', ＼ /こlト----ヽ _／ / /
| i ｒｽ |ｿ/|l ＞‐- /'´
l ｜ 〈 ＼ ゝ l| ｔぅ（/ ／
| l 〈´ ＼ Y´ l} ヽ
| ｜ 〈´ ＼ ト┘ 〈! __ ／ ｒ―‐:┐
l ! ﾄ､ ／￣｀¨丶､ ＼ ´ ／ ／￣￣￣＼
| | ｣／ ＼―‐ '´ / ::: :.',
l | /| |┐ ｒ‐ｧ ,' :::: :..',
| | / ', | ｣ |￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
| l／ ', ､ /「 |
ｌ | ｝ ヽ } | |＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
| | └－､ ＼ ＼
───夫は、今まで一度も、夕食の時間に
遅れたことはありませんでした───
302 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 21:29:44.97 ID:TIP575Eo
19
───翌日、妻は隣人たちに
相談し、警察に失踪届けを出しました───
,ィ⊃ , -- ､
,r─-､ ,. ' ／ ,/ }
{ ヽ ／ ∠ ､＿__/ |
ヽ. V-─- 、 , ',_ヽ / ,' はは、旦那に
ヽ ヾ､ ヽ_/ ﾞ､ / 捨てられたんだよ
＼ l ■■■■ Y
ヽj ⊆) !
l ﾍ‐--‐ｹ }
ヽ. ﾞ<‐y′ /
(ヽ､＿_,.ゝ､＿ ～ ___,ノ ,-､
） ﾉ/｀'ー-' <
ｒ'／, _.. // ｌ、、､ヽ_)
ゝ(_/_ﾉ´ /ヽ_ノ/ __,ｌ ヽ)_)‐'
{｀ ｰﾆ[二]‐ｸ′
〉 / /＿
/ ´￣｀ヽ ）
（＿＿＿＿ノ--'
───警察は数週間で、
捜索を断念しました───
303 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 21:30:02.23 ID:TIP575Eo
20
───妻には、愛するあの夫が
自分を捨てたのが信じられませんでした───
| | | ￣ 二.._―-＜| |
| l ′ .ｨ ￣ | |
い |/ ／ 孑丕ﾊ| |
. ヽ小 ' _x≦､ いYり| | やる夫ぉ・・・
. ヽヽ }ﾄ辻小 ￣ | |
Y'ハ ゞ‐ ' ､ | |
ﾊ. い_,. -‐┐ __ ヽ.__| |
. / >'´ ヽ ｰ..' /| |
{ / , -―- 、〉＿＿.. イﾊ| |
｀ア ＼ }に二.ﾉ┐|
/ ヽ_/厶 Y_／}｜
. / Y |Y__, ｲ.｜
′ | イ| {_,. ｲ |
304 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 21:31:03.89 ID:TIP575Eo
21
───それから数年、いえ、数十年が経ちました───
305 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 21:31:44.05 ID:TIP575Eo
22
／⌒ ⌒＼
／（ ⌒） .（⌒） ＼ ふふ、
／::::::⌒（__人__）⌒:::::＼ 成功したはずだお。
| |----| | あれから２０年後の”今”だお
＼ `ー'´ ／ 金糸雀さ～ん！
306 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 21:31:56.87 ID:TIP575Eo
23
───女の目の前に、
女がかつて愛した男が突然現れました───
307 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 21:32:29.26 ID:TIP575Eo
24
, '´ 、 ｀ヽ ｀丶、
, '´ / ,'＾丶､ 丶 ヽrｖx_rｘ
. ／ / ′ ,′ ｀丶､ ＼ ｛ /了示ｋ
/ 〃 l| ｀丶、 {ﾍ（{_乂X}
. ,' / ﾘ ＿_ ＼ {／:7^ﾊ::〉
′ { ｌ , /´￣￣ 、 ｀ヽ､ヽく∨r┘う・・そ・
. l l ｜ ′／ >,ﾆ弌xヽ ィニﾝ∨彳 やる・・夫？
. { ､ | l ﾚ'´ 〃{ﾌ癶j}` /斤!Ｆﾊ / なんで今頃・・・
. ！ ヽﾚｰ､ｊ ｌ|l ｃゞ＝′ 辷j ﾙ'＿_ どう・・して？
！ {∠、 川l / ∨ /
ヽ弋／＿_ ／ ／ ＿＿_ ＼ } ﾚ'´￣ヽ
厶イ,ゝ-‐￢ に= ―-′ , ′ /
, ' ´￣￣｀ く _厶 ∠--､ヽ､＿ ／
｀く彡,二ﾌヽ ／ -‐=厶
/ ∨ ム=ﾐ＞:-r‐Fマ´イ_￣｀Ｙ ｀丶､
'/ ∨ ＿l::.:::_｣ｰﾄ､::＼ うﾆ７´ ヽ
|Ｙ乙ィ;::イ::/ o|:::∨ヽ｀了 l
, |l て（__/::/ ヽ::ヽ ､∨ / | |
ー- ､ / ヾ、｀７::/ o〉:::〉 | ∨ |l く
￣´ ／ ＼∨ 〈:_/ ｝ ｀、 ｀丶､
308 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 21:33:06.44 ID:TIP575Eo
25
／￣￣￣＼
／ ─ ─ ＼ 久しぶりだお、金糸雀。
／ （●） （●） ＼. といってもやる夫にとっては１０分ぶりだけど・・・
| （__人__） |
＼ ｀ ⌒´ ／
／ ＼
309 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 21:33:23.55 ID:TIP575Eo
26
, -イ rﾍ_rﾍ｀ヽ
／, ∧ r'´, -ｰ-ﾐヽ＼
/／ 人 ry'/ 、 ＼}-ﾍ
〃 ／ ｀、 | l ノY二ヽ
ｌ , '´ ヽ、[_,＞‐￢ (^く外ｲ〕
｜/ ー-‐ く::.::.::.／ヽ_Yくr彡
| rf夭､ヽ ｀ヽ､ヽﾍ ｀┬ﾍ いまさら・・なんなのかしら？
, } {rク小 ｀ -‐ ｀{ |＿,. -‐' _〕 ここはもうあなたの家じゃないのかしら
{ ,' ｀＝′ ｸ示ﾐxヽ ┬' ￣l
＞‐┴--､ , {Ｙ夕ル | ｜／ カナのこと捨てて黙って出て行って・・・
/ l ｀￢′ ＿/-ｰﾍl ／ 何様のつもりかしら
, ┴' ´￣｀丶 / ｀ ｰ､ ＼ ヽ、 /'´
／ ｀､ヽ、 /￣￣ﾌｰ＜ﾊ
,′ ｌ |フ ┬r＜｀ー‐'′ / l
. | |=ﾆ /:/|::ﾄ､}ﾄ､ / }
_r冖_〉 l ﾄ､ ﾄ､_/:/-勹‐┴ﾐ＝=彳 /
. r‐', -'´ ヽ、 ヽ ｌ } ノく/ ｝ -‐}二ﾆ Y^∨／／Z＿
_r‐／ } Ｙrイ｢, ｨ | ﾑ j⊂ﾆ l / Y⌒丶、
┌' ／ | レ'´ |::| / ｀Ｙ´ry'/! |＼ ｀丶
「 / | ＿／ |::l ｀￣７人｜//＼ l ヽ、
310 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 21:33:48.32 ID:TIP575Eo
27
／￣￣￣＼
／ ─ ─ ＼ い、いや、わ・・悪かったお・・
／ <○> <○> ＼. 実はやる夫はあの日タイムマシンで・・・
| （__人__） し |
＼ ｀ ⌒´ ／
／ し ＼
311 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 21:34:19.38 ID:TIP575Eo
28
───夫は妻に事の経緯を説明しました
いえ、”元妻に”───
312 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 21:34:30.40 ID:TIP575Eo
29
＿＿＿_
／ ＼
／ ─ ─ ＼ どういうことだお？
／ （○） （○） ＼ 金糸雀？
| （__人__） |
＼ ｀ ⌒´ ,／
/⌒ヽ ー‐ ｨヽ
/ ,⊆ニ_ヽ、 |
/ ／ r─--⊃、 |
| ヽ,.ｲ ｀二ﾆﾆうヽ. |
313 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 21:34:47.15 ID:TIP575Eo
30
/ | ＼ ヽ. ／ ＼三三 ／ / l
l ! ＼:::: |____／ `ー '＼ ＼ ／ |
| / ＼_:::::::＼ (_＼ ＼ _ l ! 私は今新しい旦那と
| ! __`_ ｰ､_:::ー( ＼ ／ _ゝ／ | 結婚して幸せな
l::/::/ ´￣￣ ｀ﾞ ヾｰ､(_ヾ ／ r' ＼:::ヽ j 生活を送っているかしら
Y::::! (＼＼ ／ _.,r‐ ' :＼ ヾﾇ / あなたがいなくなった3年後に結婚したかしら
. l:::::|／ ´し､rｰ/::::ヽ:::::::::::::＼ |! / / ・・・あなたにほっぽり出されて
!::::| ／ ,,..＝=-､ ＼:::::＼::::::::::::::ヽ / ／:/ 生活も苦しかったかしら
ヾ! ,.ｲ_:::::::::::::::ﾞ!ヾj ｀＼:::::＞-:::::::::| /!/:::::/
ヽ ,､ヽ ' r つ::::::ﾉ｀! j／ ＼/／:／::::::::::/ １０分後に戻ってくる？
' i:ヽ ＼ ｀´ / i! /⌒ﾞ |:／::::::::::::::/ それはあなたの基準かしら
i'V! ー‐'‐ l! ): :,/ /::::::::::::::::::/ 違うかしら？
iゝ' l! '_／ /::::::::::::::::::/
l ' / ／:::: _:::__::／ 思えばあなたはいつも自分のことばかり
j ヽ ＿＿＿ ,／_r-＜ ___／:::::/ 考えていたかしら
／'ﾍ ＼ ` ー─ -／ ＼:::! カナを愛している自分を愛したかった
〃 ＼ ､-, ＼ ／ Y だけかしら？
＼ ´ i ＿ /:::::ヾ
/＼ _.., -‐弋ﾉ::＼ /::::::::::::l
/:ヽ `r─── r '::┌'￣￣￣ ｀ー>-───- ､::／
314 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 21:34:59.76 ID:TIP575Eo
31
───２０年間、女の心のうちに溜め込んだ、
愛していた男に対する不満が爆発した───
315 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 21:35:14.86 ID:TIP575Eo
32
───男は見てみたかったのだ
自分の愛する女が、自分の離れた所で
どうなっているかを───
316 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 21:36:59.61 ID:TIP575Eo
32
───男は見てみたかったのだ
自分の愛する女が、自分の離れた所で
どうなっているかを───
───当然、どんなに長い時間離れていようが、
どんなに遠くにいようが、
愛され続ける、想われ続ける自信が男にはある
いや、１０分前の男にはあった───
※３２、修正です
317 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 21:37:14.16 ID:TIP575Eo
33
＿＿＿_
／ ＼
／ ─ ─ ＼ ・・・
／ （○） （○） ＼
| （__人__） |
＼ ｀ ⌒´ ,／
/⌒ヽ ー‐ ｨヽ
/ ,⊆ニ_ヽ、 |
/ ／ r─--⊃、 |
| ヽ,.ｲ ｀二ﾆﾆうヽ. |
───男は何も言わず、
何も言えず、
妻だった女の前から立ち去った
妻である女の元に戻るために───
318 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 21:37:29.65 ID:TIP575Eo
34
───すさまじい音が、研究室から聞こえた───
_r ､＿ /ヽf ,_ _ ヾ,,
, - ',,ノ! ＼`ｰ ､ >_.∨;;r=;;､ |!
／_,メ､ ＼ _ ＼ i_ j (ヾ;(;;ｿfｰ!!
//´､ ヽ X´ ﾞ､ ﾒY. ヾ-;メソ
_j/ ○ ＼ l `iヽ.イノ
ｨ-! u ○' `ｰi ! '` ' またかしらー
>ｰ､ r ─ ､ iii ー､,∠, __,__ . __
/f ,._j! ヽ. | / メ`ゝ､r ノ j_/)' `i )
メ r ー' ､!_ / ( メ,> =ﾞ‐`'´ ￣//)-､`ﾉ
,_;;=/ ´￣￣￣´ //) )
,, -''´ ､ r ,r── ､._. //)ヽ_ ノ
_ ＿,.. -─ ''´ ` ''_ｲ_/ー､ヽ. ＼.. //)-､//
, -‐ ''´ ''ﾒij ヽ ＼. ソ'ﾉ) )
( ￣￣./`''ー ､_, ／ ! ! ＼,,>'､／)ー ′
319 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 21:37:46.11 ID:TIP575Eo
35
───男が妻である女の元に帰った───
__
「ヽ￣＼ ゞ_､__
／入 ＼ _jl´frｫ j}
/ / ` ーヽﾊ-メ_jヽ.
' ,' ,. - ´｀ヾヽ ! 確かに１０分ぴったりかしら
i ｲ , =､ ｫ= ､ 川! どこに行ってたかしら？
ゞﾊ, ﾊｫ.j 辷j |ﾒ.
`ﾊ :::: ' :::: ｲ_ ヾ
,.,ゝゝ､ ｀ ´ イミミjノ 食べたいものは決まったかしら？
l!V:三} ﾞ＞＜ ゝ-'⌒丶
/ ゝﾘ! jハ! ﾚ′ l
く :.:! o 〈 - |
ゝ l:.:.|'＼ o _ .人 l 〆ノ
| :.:.| /介!V イ´
| .:.:| ` 7 /
/ヽ..:.:.| ,. ､ / , イ
/ / .: .|/ ／ |ヽ.
, イ , :. :|/ ＼＼
／,___ハ 1 ,' ,. -── - ､＼＼
ﾚ'′ ﾚvゝ＿ ｲイ .. : : : : :＼ﾄ_. ヽ
/ ゝ-ハ/ : : : : : : : : : : : : ﾉｰｧム_
' : : : : : : / : : : : : : : : : : : ::/ヽ┐::::` ､
ゝ ﾊ: : : : : : : :l! : : : : : : : : : : : :l: : ＞::::::::::）
`ｰ-､: : : : : :ノゝ.. : : : :: : : : : :ヽ : :ｲ_:_＞─‐ '
320 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 21:37:59.01 ID:TIP575Eo
36
／￣￣￣＼
／ ─ ─ ＼ ・・・いや、晩飯はいいお・・・
／ （○） （○） ＼ 食欲がわかないんだお・・・
. | （__人__） |
＼ ｀ ⌒´ ／
／ |
（＿ ) ・ ・ |｜
ｌ⌒ヽ ＿ﾉ |
. | r ` ）__)
（＿ノ ￣ ／ ／
（ ＿
321 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 21:38:13.88 ID:TIP575Eo
37
_r ､＿ /ヽf ,_ _ ヾ,,
, - ',,ノ! ＼`ｰ ､ >_.∨;;r=;;､ |!
／_,メ､ ＼ _ ＼ i_ j (ヾ;(;;ｿfｰ!!
//´､ ヽ X´ ﾞ､ ﾒY. ヾ-;メソ あなたが食欲が無いないなんて
_j/ ○ ＼ l `iヽ.イノ 言うなんて・・・
ｨ-! u ○' `ｰi ! '` '
>ｰ､ r ─ ､ iii ー､,∠, __,__ . __ 大変かしら！
/f ,._j! ヽ. | / メ`ゝ､r ノ j_/)' `i ) 医者を！救急車を！！
メ r ー' ､!_ / ( メ,> =ﾞ‐`'´ ￣//)-､`ﾉ
,_;;=/ ´￣￣￣´ //) )
,, -''´ ､ r ,r── ､._. //)ヽ_ ノ
_ ＿,.. -─ ''´ ` ''_ｲ_/ー､ヽ. ＼.. //)-､//
, -‐ ''´ ''ﾒij ヽ ＼. ソ'ﾉ) )
( ￣￣./`''ー ､_, ／ ! ! ＼,,>'､／)ー ′
322 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 21:38:26.48 ID:TIP575Eo
38
／￣￣￣＼
／ ─ ─ ＼ やる夫を・・・心配してくれているのかお・・・？
／ （○） （○） ＼
. | （__人__） |
＼ ｀ ⌒´ ／
／ |
（＿ ) ・ ・ |｜
ｌ⌒ヽ ＿ﾉ |
. | r ` ）__)
（＿ノ ￣ ／ ／
（ ＿）
323 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 21:38:43.10 ID:TIP575Eo
39
,ー､--―--､-､ _
rーく__ `ー-､ _r-､,-､_＼_
／ ,j＼ ＼ ノ`r'￣ ヽrク=rヽ_
i ,イ ＼ `ーr┤＿__,-riｰ､ `イi
/// ＼ ))::::::::::f { fハ!} j`}
ｿ/ `ーLヽ￣ヽ二ﾄク:＼!
V ー ' ` ―ヽﾒﾄ､ _ィノヽ:| あたりまえかしら・・・
| ,=､ , ==､ ゝrクィ"l | 本当に大丈夫？
f!イ:::::r イ:::::::iヽ _ゝ, -､ ノ 熱があるんじゃない？
γ゜ i| ゞっ' r-ク ﾘ r /ク-､
,ィ/// ､ /// _ノ/ ´ _>
/ ,∧ ､ _ _r ー'ヽ/,／_i-─､
ヽ､イ＞ ､ _ イ ` く , ―r_
/´f rー/`7ｰr....√_:./ `f´￣ _)
/ ヽ´三匕メ-ｲL./ |ヽ-ﾆ-､
/ f rj lil::|ｏ |::|入 ） `－ﾉ
ゝヽ ffﾉi |L! oL:i ＼| ノ rー､_'
`７ /ﾉﾉ ｏ ﾉﾉ | rイＶ ノ
l く ＞ == ＝‐' ,| L_-L--＜二`─--
324 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 21:38:55.04 ID:TIP575Eo
40
／￣￣￣＼
／ ─ ─ ＼
／ （○） （○） ＼ どうして・・
. | （__人__） | こんなやる夫を・・心配してくれるんだお？
＼ ｀ ⌒´ ／ 金糸雀にひどいことをしたんだお・・？
／ |
（＿ ) ・ ・ |｜
ｌ⌒ヽ ＿ﾉ |
. | r ` ）__)
（＿ノ ￣ ／ ／
（ ＿
325 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 21:39:17.30 ID:TIP575Eo
41
__＿＿__
. ´ ｀ミ=ｰ-､ ＿
／ _＿「｀ヽこ_ﾉ＾ｰ个ｰ 、
, ' , ´ -ﾍ （ f´￣｀ヽ└z
/ ／ __ -ﾍ しﾍ、 rfY代ﾄ､
/ ／ , ´／ ＼ 〔_Y三!ﾊゞ=仆 ､
′ / ／ . ／ ｀ヽ ヽく⌒`≒ﾐi川
i / ／ ／/ _＿_ ＼ｔﾍ ∧ﾉ
|. / ／ ,イ ,/'´ ｀ヽ Ⅵ､___/ソ
|:::. {∠_ ノ / ﾊ＞＝ミ､ ___ Y辷灯 ひどいこと・・・とはなんのことかしら？
ｌ::::. / '＾ヽ X_ ｉY＾Y )１} i｝ ヽ}/ /ｲ 浮気とかかしら？１回くらいなら許すかしら
. ',:::::〈 / 〃 |,ゝ込cｸ ィ≠ﾐ､_ /彡'ノ
、:::ヽ ヽ{{ !、￣ ｀ Ａrｔ' ﾊ.ｲ￣´
ヽ:::::::`ｰﾍ／ ＼ ゞﾟイ 厶=.､
＼::::／ ／ >/￣､ァ '廴__}｝ 何よりあなたを愛しているんですもの・・・
ﾞ{ ' ／:ﾉ_`ｰ‐'′ 人_ 八_ あなたを心配するのは妻として当たり前かしらっ！？
／￣ ｰ､／:∠ヽ ヽr‐r rっ≦___ 冫 ,ハ､_＿＿＿_
/ Y´￣｀∧ ' __⊥`ｰ＝≧′ __｀Y
/ Ｌ._ﾄ､/ Y´ レｰ‐┐冫 〃´ 小
′ [_√ , -‐─‐- ､ 厶'ィ ﾉー一ァ '′ i |:.',
| 弋_ /／´￣￣｀ヽ＼ 厶ｲ _／ ￤!:::.、
＼ （（＿Y ヽ ＼ ￣ﾌ¨´ l ::::::.ヽ
`ー‐r‥ ｀‐Ⅵ ヽ ヽく :::::::: ＼
ヽ. ﾍ| ｜｜ ＼ :::::: 冫、
ヽ ﾊ ｜｜ 下、 ／／ヽ
厂 ＼ ￤i} ｜｜ _入_`ｰ ._＿__ -''´イ r‐┘
｝ f＾_>、 ｜｜｀了⌒＜ ー──…'´ ト､ノ
＞''´ `-､ ＿__ ！｜､_j_ ｀ ＜入__八ノ
／ ｀ ｰ _ / .′_廴＞ ､ ｀ く
／ ＞ ､_/ / ｢::::',＾ヽ二＞ ､,_ 丶
／ ,. イ 几ﾊ 才'ト､|::::: ':::::::::::::｀:ｰ‐う丶、 ＼
' _ ＜_r‐'⌒{::::::}' :レ′ ; :::: ::::::::ゝ一卞､ ＼
. , ' ＜ _广´::::::::::::ﾄ､::. / :: :::: ::::: :::::Ⅵ_>､ ＼
/ , ＜ _ﾉ⌒´::::::: ヽ:.. / ::: :::: ::::::::V⌒Ｙヽヽ
. / . ＜ ＿f⌒´:: ::: ヽ::. : / :: .:::: :::::::::::', ｀￣}{
/ ／r一':::: | :: : ::: ﾞ､__,..ｲ .::: ::::: ::::::i /(
. / ／ ノ:::::::::::::| : :: Y::::;' .::::: ::: .::::::| / ）
/ ／ f⌒′:::::::::::::l : ';:: .:::::::;'! ハ丨
326 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 21:39:33.27 ID:TIP575Eo
42
／￣￣￣＼
／ ─ ─ ＼
／ （○） （●） ＼ 金糸雀・・・
. | （__人__） |
＼ ｀ ⌒´ ／
／ |
（＿ ) ・ ・ |｜
ｌ⌒ヽ ＿ﾉ |
. | r ` ）__)
（＿ノ ￣ ／ ／
（ ＿）
＿＿_＿_
／ ノ' ＾ヽ_＼
ﾟ ／ ｡;'⌒） （⌒ヽ＼° 金糸雀ー！！
／ o'ﾟ~（___人___）~o°＼゜
. | ﾟ |/⌒ヽ| ﾟ |
＼ ｀ ⌒ ´ ／
327 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 21:39:49.51 ID:TIP575Eo
43
_, -―― - 、/｀ '´廴_
, '´.: : : : .: .: .: .: .:_/´＿, - ､ {
＿. ／.: : : : : ｒ冖ー'´ _ /__ ／l } 〉
/, - ､＼: : : : : : ｣ r-―fﾋﾊヘjﾊ ｣/ {
!| / :.｀',:. :. . : : { 'r‐ '´{匕犬シj´ { /!
亅/ : : .＼:. :. : : . : ヽ ＼／ 寸Ｔ¨ヽ＼丿:'
,' :l :.:./ ｀ － - _:.ﾍ _｀¨ｰ| lー-ヽ ＼:l
| : l .:.,' ￣└ﾍ|__｣へﾊ/j／:|
∨ : l:.l ／ ,夫＝=＜l|〈ﾍ∨.: .::l
V: ::.{. ＿ , 〃!ﾊ:::::::::} ヾ ｊ |.: ;':/ 泣かないで、かしら
ヽ: :ﾍ ,三.. 弋Ｚ:ソ |! /.://
＼ﾑ{ﾊ::::::ﾊ .:.:.:.:.: /:´.:.' ｲ いつまでたっても、私、金糸雀は
入 ゞソ ､:. /.: :/ .: ｣ あなたを愛する妻かしら！
{.: ﾊ .:.:: ｒ_、 ／ﾉ.; ' .: .:/￣ ヽ
|:/ /:＞‐- ,.＿_. ' /f.: .: ／.:〉: : ',
,!ｰ{:. ｀:.ｰ:.l/j|＼ﾍ -－/.:, :' .::ｲ: : '.
/ 〈:｀:.ｰ:/ /}{ヽ.＼ヽV〉. : .:.イ: : ﾍ
,' 〈ヽ:ｒ'／ｲ ＼＼｀ Y: , :'.:.:ﾉ: ハ
/´ : .ヽj ' 〈 V /ﾍ ゝｒ‐_'´: : . . ,: ノ
｛ : :.ｒﾍ ', /´ ヽ {|´ lr－､_, _‐'二. ヽ
｢｀ｰ-､__ ノ しﾍ._ ムﾌ /ｆ⌒| ﾊｧ , ｒ､ヽ ＿} |
l └' / ん１ ノｰ ' } ＿_人１| l ｒー┘
.ゝ / / └‐-､ﾉ} 〈ー'´ ヽ! ヽ. |
ｌ / j . : :/-､_ ‐￢ﾍ : :. ヽ }｜
L〈:. . : :/ ｧ ,-､ ｒ┘:.ヽ : : : l T
l: . . : : -/.: ｌ |: : l｜: : :.}: . : : } .:|
＼: : :.／.: └': :└' : : :..ヽ: . . .: .:.j :/
￣/´.:::: .: : : : : :. :. :::..＼: .: .:／、
／ ￣ ´ ＼
328 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 21:40:05.14 ID:TIP575Eo
44
＿＿_＿_
／ ノ' ＾ヽ_＼
ﾟ ／ ｡;'⌒） （⌒ヽ＼°
／ o'ﾟ~（___人___）~o°＼゜ 金糸雀ー
. | ﾟ |/⌒ヽ| ﾟ |
＼ ｀ ⌒ ´ ／
329 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 21:40:51.52 ID:TIP575Eo
45
───男は泣いた
今この場に愛すべき
女が自分を想ってくれている
それだけで十分だった
過去に・・いや、未来に何があろうとも───
330 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 21:41:12.04 ID:TIP575Eo
46
-――- 、
, ヽ ＼ ＼ ヽ
/ /ﾍ ､ , _‐_-､, -_-､
,. / ﾍ { l , ｒｰ┐、!} とりあえずご飯作るかしら！！
| l´｀ ＼ く 人_人 >
l l ＼ | |ｌ |／! 食べられるものだけでも食べるべきかしら！
{!｜ Ｏ Ｏ lL!L!.ノ}
Yヽ" ､＿ " .ノ{＿.｣
｢二} r― ､/￣｣ー{＿}
〔二!└‐ ｲl￣ l {._｣
,ｨ／｀i {._/_|＿.ﾉ ｒ－､}ト、
//!_ ,ｲ / | Ｌ Y}ﾊ
{ ∟ｲ ｣} ﾊ 匕ﾉ_丿
廴＿ノ' / l ＼
／ ／ ! >
331 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 21:42:26.41 ID:TIP575Eo
47
───妻であるこの女の優しさが、
男には心地よかった───
332 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 21:42:42.15 ID:TIP575Eo
48
／⌒ ⌒＼
／（ ⌒） .（⌒） ＼ わかったお！！
／::::::⌒（__人__）⌒:::::＼
| |----| |
＼ `ー'´ ／
333 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 21:42:53.91 ID:TIP575Eo
49
───心地よかったと同時に、
男心の奥底に淡い違和感を感じた
今どんなに自分を愛してくれても
この女は自分を裏切る───
334 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 21:43:05.75 ID:TIP575Eo
50
───男は数分前に見た、
妻ではない同じ女の視線を思い返した───
335 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 21:44:43.14 ID:TIP575Eo
51
, -イ rﾍ_rﾍ｀ヽ
／, ∧ r'´, -ｰ-ﾐヽ＼
/／ 人 ry'/ 、 ＼}-ﾍ
〃 ／ ｀、 | l ノY二ヽ
ｌ , '´ ヽ、[_,＞‐￢ (^く外ｲ〕
｜/ ー-‐ く::.::.::.／ヽ_Yくr彡
| rf夭､ヽ ｀ヽ､ヽﾍ ｀┬ﾍ
, } {rク小 ｀ -‐ ｀{ |＿,. -‐' _〕
{ ,' ｀＝′ ｸ示ﾐxヽ ┬' ￣l
＞‐┴--､ , {Ｙ夕ル | ｜／
/ l ｀￢′ ＿/-ｰﾍl ／
, ┴' ´￣｀丶 / ｀ ｰ､ ＼ ヽ、 /'´
／ ｀､ヽ、 ￣￣ﾌｰ＜ﾊ
,′ ｌ |フ ┬r＜｀ー‐'′ / l
. | |=ﾆ /:/|::ﾄ､}ﾄ､ / }
_r冖_〉 l ﾄ､ ﾄ､_/:/-勹‐┴ﾐ＝=彳 /
. r‐', -'´ ヽ、 ヽ ｌ } ノく/ ｝ -‐}二ﾆ Y^∨／／Z＿
_r‐／ } Ｙrイ｢, ｨ | ﾑ j⊂ﾆ l / Y⌒丶、
┌' ／ | レ'´ |::| / ｀Ｙ´ry'/! |＼ ｀丶
「 / | ＿／ |::l ｀￣７人｜//＼ l ヽ、
───困惑・嫌悪・疑心・軽蔑・敵意
あの時のこの女の瞳には、
今目の前にいる同じ女のものとは、
真逆の”色”があった───
336 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 21:45:08.65 ID:TIP575Eo
52
／￣￣￣＼
／ ─ ─ ＼
／ （●） （●） ＼
. | （__人__） |
＼ ｀ ⌒´ ／
／ |
（＿ ) ・ ・ |｜
ｌ⌒ヽ ＿ﾉ |
. | r ` ）__)
（＿ノ ￣ ／ ／
（ ＿）
／￣￣￣＼
／ ─ ─ ＼
／ （●） （○） ＼
. | （__人__） |
＼ ｀ ⌒´ ／
／ |
（＿ ) ・ ・ |｜
ｌ⌒ヽ ＿ﾉ |
. | r ` ）__)
（＿ノ ￣ ／ ／
（ ＿）
／￣￣￣＼
／ ─ ─ ＼
／ （○） （○） ＼
. | （__人__） |
＼ ｀ ⌒´ ／
／ |
（＿ ) ・ ・ |｜
ｌ⌒ヽ ＿ﾉ |
. | r ` ）__)
（＿ノ ￣ ／ ／
（ ＿）
───男は、彼が座る椅子にかけてある
タオルを手に取った───
337 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 21:45:27.38 ID:TIP575Eo
53
───この女は俺を裏切る───
338 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 21:45:43.53 ID:TIP575Eo
54
, -v‐、
__, - ´ ￣「Y⌒ヽヽ-､_
ﾊ ー- __ﾊﾍ_,ィ我ﾊ_ Ｙ)、
/ 7rｰ- ､＿_く__ィニく `く〈:.
′// _ ー─｀ｰ＜ﾍｲ ',::.
| i /／ _ ´ 二.._ ヽ ヽ.i:::
| |{'′´ _.. ´ ￣ ｀ 〈‐ ､l|:::::.
Vﾊ, 〃´ ､ ､＿,ノ}ノﾉﾉ::::
, ＝ﾊr} ,-､ ／￣ ヽ::.
〃 /￣＼ / ィ─廴_,r‐┐
┌个卞ニﾄ-､｀ヽ >､ ,ゝ_ﾊ ／ ﾉ} ﾄ､, -､
＿! ｜｜,＞ｰ‐`‐く _≧rｔ匕⊥二〉'─＜ ！ /＾′ j
（(⌒ゝ >'´ ｀7/く:::/＾卞､〉ヽヽ ｀ く
`ｰ | // /:Y o |:::l ', ', ヽ
｜ | l,厶ｲ |::::l l！ }:
ヽ,- 、 ヽ＼ o ‐┘／ ﾍ - ､ /::.
.:::／ ,ｨｰ￢ ヽ＼＿__,／.ｲ ヽ <:::
_r‐イ ／ .:::ノ´￣ √￣}¨｢￣ ¨ ｰヘ ＼:.
_ - ´ / .:＞┴－ r┴ｰく｜| ＼ }
, ´ j ' _ - "´ 辷' 〉| | 丿
／ .ィ´ _∠ -- 、 _人二_厶ヽ＼ ／ ヽ
_, イ ／ ／ ｢ f⌒７ー｀ニニン′ } }ＬLィヽヽ ,ｲ ＼ ＼
＜_⌒ヽ_∠二､ヽ ／ ヽヽ/ '､ヽ Ｌ| l_j_ - ´ヽ＼ ヽ /
∠＿ ｀Y´ー‐ｚ__ ヽ',∠ -- ､＿＿_,メ i ,' ヽ＼レ′ ＼＼／::.
└─! ｉ ｌ ｌ l ハﾊ{￣才⌒ ー一' { i ′ ヽ＼＿_ ィ ニニ,ヽ ＼::::.
. ヽL|_リｲ-､__i}／ ', i | ゝｰ…'⌒ﾏ / ﾉ ､:::.
.:::::／ ｉ | ∨ / ヽ:::.
..::::::::{ ' ├{ Ⅵｰ- ､ ヽ::
:::::ﾊ ′ l！ ｀¨卞-､_｀ｰ- ､',:.
.:::ﾊ / ｌ| ', ｀＞､〉
::::ﾊ / j| ',_ -イr一′
:::;ﾊ ′ ' {
339 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 21:45:56.36 ID:TIP575Eo
55
───これで俺を裏切る
僕のことを愛した
俺の妻はいない───
340 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 21:46:14.31 ID:TIP575Eo
56
───そして行けば良い
そうだな、結婚するのは３年後って
あの裏切り者が言ってたな
５年後にしよう
１０年後でも良い
いつだろうと、
俺の愛した妻は待っている
私のことを
僕を裏切る妻はもういないんだから
やる夫がこの手で消したんだから
やる夫がこの手ででででｄ───
341 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 21:46:50.26 ID:TIP575Eo
57
───爆発音と共に、男は１０年後の”今”に立った
愛する妻に会うために───
342 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 21:47:06.13 ID:TIP575Eo
58
───ここで一つ、男が予期せぬ事が起こった───
343 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 21:47:16.92 ID:TIP575Eo
59
───男を迎えるはずの女の姿はなく、
銃を構えた男が地下室に続く階段に立っていた───
344 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 21:47:31.13 ID:TIP575Eo
60
.（ 'ii､ ;;
,..:: ヽ-:;;:､_ ._;:'ii; ; /
.,;::'' ,.;:i;:;:il;:;/;:/ﾉﾉii;:;'ｰ,'"ﾉ;ii /.
..;::" //;:/::':.,,,,,___'''''_,,.::;;-ｧﾉ ./
'::' ,r'''''ｰｰ----~-'ｰ''";/'/ ./
:: ;il : : : : : : : : : ヽヽ;;r' .' ./:|
' i-､_: : : : : : : : : ） ii .. /:::l
' ;-､ "''-:::;;;;;;;:::-' ﾉ;i ./:: ::l
. ~''ｰ-::;;;;;;:--ｰ''..;' |:::: : |
..,,,, _,,;;::-' i: : : :l
"'ヽ､ "" .ﾉ: : : |
: : : :`-､ _,:'､: : :/
: : ' `-,,,,______,,;;-'''" .i : : :~|
───なんだ貴様は？どこから入った？───
345 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 21:47:44.97 ID:TIP575Eo
61
＿＿＿
／ ＼
／ ＼
／ (○） （○） ＼ か・・なり・・あ・・・
| （ﾄｪｪｪｪｪｪｪｪｲ） | どこに・・やった・・・
＼ ＼ェｪｪｪェ／ ／ やる夫の・・つ・・・・ま
｜ ｜ あい・・した・・つ・・・ま
｜| / ｜ おまえ・・・が・・・か・・・・なりあ・・
346 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 21:48:04.26 ID:TIP575Eo
62
───”今”のこの家の主の質問には答えず、
焦点の定まらない目で近づいてくる”侵入者”に
主は銃の先を向け、引き金を引いた───
347 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 21:48:15.96 ID:TIP575Eo
63
───１発の銃声が、床にうっすら黒い跡が残る、地下室に響き渡った───
348 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 21:48:26.49 ID:TIP575Eo
64
───ここに、もっとも盛大で、
そしてもっとも哀れな実験が幕を閉じた───
349 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 21:48:38.12 ID:TIP575Eo
＜Author: Mike Krath Title: A Most Ambitious Experiment＞
【作者：マイク・クラス 邦題：もっとも盛大な実験】終わり
350 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 21:49:08.64 ID:TIP575Eo
22時から、２作目投下開始します。
351 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]：2009/04/04(土) 21:50:11.82 ID:MNmuDeko
乙～
ホントに自分の事しか考えてないやる夫なんだな
…そして、やはり重かったなｗｗ
352 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/04/04(土) 21:50:36.93 ID:uFm1p6ko
乙
これは滅入るなｗｗｗｗ
353 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]：2009/04/04(土) 21:52:33.49 ID:A8FbJLko
乙
タイムパラドックスは萌えるな
354 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 22:00:59.78 ID:TIP575Eo
スミマセン、あと１０分ください！！
手が離せない・・・
次回は本当にコミカルです。
人がいないかと思って少し泣きそうでした・・・ｗｗ
355 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/04/04(土) 22:03:36.13 ID:uFm1p6ko
はあく。
356 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]：2009/04/04(土) 22:07:51.49 ID:F3sIUBEo
見てるよーｗｗｗｗｗｗ
だから泣くなｗｗｗｗｗｗ
357 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 22:12:29.38 ID:TIP575Eo
うぇうぇ
乙の言葉に・・
見てるよの言葉に俺涙目・・・
再開します
358 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]：2009/04/04(土) 22:12:52.66 ID:pd9z5fo0
>>354
>コミカル またまた御冗談をw
359 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 22:12:54.00 ID:TIP575Eo
＿＿＿_
／ ＼
／ ─ ─ ＼ 人間は今、
／ ━ ●━━● ━ ＼ この星、地球で頂点に立っていると言えるでしょう
| （__人__） |
＼ ｀ ⌒´ ,／
/⌒ヽ ー‐ ｨヽ
/ ,⊆ニ_ヽ、 |
/ ／ r─--⊃、 |
| ヽ,.ｲ ｀二ﾆﾆうヽ. |
360 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]：2009/04/04(土) 22:13:07.38 ID:MNmuDeko
見てるよｗｗ
けど、合いの手入れづらいからさｗｗ
361 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 22:13:15.93 ID:TIP575Eo
＿＿＿_
／ ＼
／ ─ ─ ＼ 他の動植物を飼いならしたり、
／ ━ ●━━● ━ ＼ 見世物にしたり。
| （__人__） |
＼ ｀ ⌒´ ,／ 人間の一存で他の生き物の生死すら左右することができます。
/⌒ヽ ー‐ ｨヽ
/ ,⊆ニ_ヽ、 |
/ ／ r─--⊃、 |
| ヽ,.ｲ ｀二ﾆﾆうヽ. |
362 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]：2009/04/04(土) 22:13:24.60 ID:IdSAPCUo
見てるよー
そういうときは泣きながら投稿すれば良いさ
363 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 22:13:37.35 ID:TIP575Eo
＿＿＿_
／ ＼
／ ─ ─ ＼ がしかし、本当に我々は頂点に立っているのでしょうか？
／ ━ ●━━● ━ ＼
| （__人__） | その頂点とは、周りから見たら、
＼ ｀ ⌒´ ,／ とても小さな山なのではないでしょうか？
/⌒ヽ ー‐ ｨヽ
/ ,⊆ニ_ヽ、 |
/ ／ r─--⊃、 |
| ヽ,.ｲ ｀二ﾆﾆうヽ. |
364 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 22:13:55.36 ID:TIP575Eo
＿＿＿_
／ ＼
／ ─ ─ ＼ たまには客観的に、
／ ━ ●━━● ━ ＼ 我々人間を見てみるのもいいかもしれませんよ？
| （__人__） |
＼ ｀ ⌒´ ,／
/⌒ヽ ー‐ ｨヽ
/ ,⊆ニ_ヽ、 |
/ ／ r─--⊃、 |
| ヽ,.ｲ ｀二ﾆﾆうヽ. |
365 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 22:14:07.53 ID:TIP575Eo
＜Author: Terry Bisson Title: They're Made Out of Meat＞
【作者：テリー・バイソン 邦題：肉にご加護を】
366 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 22:14:20.75 ID:TIP575Eo
1
───？？？───
κθλρνλιβημρχΑΖ
／￣￣＼ ＿＿＿_
／ _ノ ＼ ／ ＼
| （ ●）（●） ／─ ─ ＼ νζελτΓψμθεγκξ
. | （__人__） ／ （●） （●） ＼
| ｀ ⌒´ﾉ | （__人__） |
. | } ＼ ｀⌒´ _／
ヽ } ノ ＼
ヽ ノ (⌒二 |
/ く.[ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ｀.ﾆﾆ´ﾆﾆ´ ｜ |
| ヽ、二/ 〈〉 〈〉 ヽ ｜ |
. | / 〈〉 ヽ | |
| / 〈〉 〈〉 〈〉 ヽ | |
ヽ、＿ヾ-‐‐--‐‐--‐‐--‐‐--‐‐--‐‐--‐ゞ （⌒ ノ
367 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 22:14:51.46 ID:TIP575Eo
2
εεκβαιντΚΜΕΙΛΟΔ
／￣￣＼ ＿＿＿_
／ _ノ ＼ ／ ＼
| （ ●）（●） ／─ ─ ＼ ζεζλξρχψσξκ
. | （__人__） ／ （○） （○） ＼
| ｀ ⌒´ﾉ | （__人__） |
. | } ＼ ｀⌒´ _／
ヽ } ノ ＼
ヽ ノ (⌒二 |
/ く.[ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ｀.ﾆﾆ´ﾆﾆ´ ｜ |
| ヽ、二/ 〈〉 〈〉 ヽ ｜ |
. | / 〈〉 ヽ | |
| / 〈〉 〈〉 〈〉 ヽ | |
ヽ、＿ヾ-‐‐--‐‐--‐‐--‐‐--‐‐--‐‐--‐ゞ （⌒ ノ
368 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 22:15:05.23 ID:TIP575Eo
3
───ﾆﾎﾝｺﾞ ﾋｮｳｼﾞ ﾆ ｷﾘｶｴ───
369 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 22:15:21.77 ID:TIP575Eo
4
あいつらは肉でできている
／￣￣＼ ＿＿＿_
／ _ノ ＼ ／ ＼
| （ ●）（●） ／─ ─ ＼
. | （__人__） ／ （●） （●） ＼ 肉？
| ｀ ⌒´ﾉ | （__人__） |
. | } ＼ ｀⌒´ _／
ヽ } ノ ＼
ヽ ノ (⌒二 |
/ く.[ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ｀.ﾆﾆ´ﾆﾆ´ ｜ |
| ヽ、二/ 〈〉 〈〉 ヽ ｜ |
. | / 〈〉 ヽ | |
| / 〈〉 〈〉 〈〉 ヽ | |
ヽ、＿ヾ-‐‐--‐‐--‐‐--‐‐--‐‐--‐‐--‐ゞ （⌒ ノ
370 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 22:15:37.69 ID:TIP575Eo
5
そうだ。肉だ。
いくつかサンプルをあの星から拾ってきたんだが、
検査の結果、全てが”肉”でできていた
／￣￣＼ ＿＿＿_
／ _ノ ＼ ／ ＼
| （ ●）（●） ／─ ─ ＼
. | （__人__） ／ （○） （○） ＼ そんな馬鹿な
| ｀ ⌒´ﾉ | （__人__） |
. | } ＼ ｀⌒´ _／
ヽ } ノ ＼
ヽ ノ (⌒二 |
/ く.[ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ｀.ﾆﾆ´ﾆﾆ´ ｜ |
| ヽ、二/ 〈〉 〈〉 ヽ ｜ |
. | / 〈〉 ヽ | |
| / 〈〉 〈〉 〈〉 ヽ | |
ヽ、＿ヾ-‐‐--‐‐--‐‐--‐‐--‐‐--‐‐--‐ゞ （⌒ ノ
371 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 22:16:05.85 ID:TIP575Eo
6
/ | | |
| | | |
｜ー ｜ l ー- l
/⌒ヽ | | l l ヶﾝｻ ｹｯｶ････････
l l | ｜ | | ﾀﾝﾊﾟｸｼﾂ･ﾀﾝｽｲｶﾌﾞﾂ･ｿﾉﾀ
| l | ｰ- | l - l =ﾆｸ
| -‐| | | | | /⌒ヽ
| | | | | l | ヽ
l _! | !__,! ‐ 一 | l ヽ、
/⌒ヽ l ‐ ＼ |, l 〉-‐ l
l〉 ）ヽ、 ヽノ ヽ、 | |
/ 人 ヽ、 ヽノ |
l ヽ、＼, ／ ノ/ l
ヽ ノ ＼,/ / l
＼ / ／ |
ヽ、 ／ ／ l |
ヽ、 ／ / | l
ヽ、 l /
ヽ、 | /
ヽ l /
ヽ /
＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
372 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 22:16:26.81 ID:TIP575Eo
7
, -－― - 、
,.:::´::r Ｔ ¨Y'￣トィ￢丶
,.::ｒ＜_ソ' ´_￣´￣￣¨ﾞ くＴ￢i
/.::::ゝ'´, =' -－ , -i_ _ 丶＼ｽ┐
,.::く/.:::::' ...:::::::└ イ ヽ￣ ﾄ､_ヽ Ｖ 〉
,::ｔ./.::::::::::::':::::: , i｜l , l トＬV┐
;::::::::::::::::::;::::::.／ /｜i :l ｌ| ､ ヽ└Ｌ}|
i:::::::::::::::::;::::::' / / , :l :|li ', |ﾊ ヶﾝｻ ｹｯｶ････････
l::::::::::;::::::i:::::' .:::::/ .:;' .::i! .:|ﾙ、 l｜ lハ ﾀﾝﾊﾟｸｼﾂ･ﾀﾝｽｲｶﾌﾞﾂ･ｿﾉﾀ
!:;::i::::l:::::::!:::;..::／.::/ /.:/ .::;'ム,Ｖ| l ! l| | =ﾆｸ
,i::::::::::!:::::::::::::: ／..:::/.::':: /.::: ｨ'ﾞ_ﾍ| l.:! /:l !
/:!::::::::::l::::::::::イ.:::ｚ=ミ:: ／ :::::: ゞ='/ / /| | :|
i:.l::::::::::::.',:::::.､:ヽ弋｀ソ´.:::.. /イ.:/.: l | :l
l.:l|:::::::::「::::::::::..丶::::::::..‐'.::::::::._ /ｯ----く!_|_
/.:l|:::::::〈:::::::::::::::::::::::ｒ::..丶::::.＿_／j .::::::::::::::.´ ＼
/i::::l|::::::::::::::::::::::::::::::〈 , ｰ､:::::::::::::...-‐ ' ::::::::::::::::.ｲ⌒Ｌ ﾍ
l.:l:::ｌi:::::::::::::;:::::::::::::{:::::l} 〈.::r:::::.-‐'´ ヽ:::::/＞' -┘-ム
/.:;':::ｌ|::::::::::::::l:::::::::::::::::::ﾊ | .:::::::::::::､...::-ik.:::ﾍ::// .::::::. - イ
/.::;::::l:|:::::::l::::::::l::::::::::::|ヽ::.厶へ、｀¨ト「j.::: ' _´ ヽ.::::::::::::::::{
, .:::l::::ｉ:|:::::::l:::::::::.';::::::::::ｌ ヽ::ﾊ| ￣ﾄ、 , ィ´ヾ ¨ﾄ!:::::::／ｌ｣
! ::::|:::l|':::::::j::::::::::::.ヽ:::::::', l l Y.:::l | i ｌヽ::. |
,:l::::::!::l|!::::::::|:::::::::::::::::l::::::::', 廴. イ丈ﾊ:::::lィ⌒ﾍ￢、 l::. l
373 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 22:16:43.79 ID:TIP575Eo
8
＿＿＿＿
,. -'"´ ｀¨ー ､
／ ,,.-'" ヽ ヽ、
,,.-'"_ r‐'" ,,.-'"｀ ヽ、 そんな馬鹿な！
/ ヾ ( _,,.-='==-､ヽ ヽ、 あの星から流れてくる電波信号などは
i へ＿__ ヽゝ=-'"／ ● _,,> ヽ どう説明するんだ？
./ / ● ＞ ＝'''" ￣￣￣ ヽ
/ .ヽ-‐´''" ヽ i
/ i 人 ノ l
,' ' ,_,,ノ `─-‐' ヽ /
i ｀､ _y──‐ l /
', ｉ_/ / ＿ ' ／
ヽ、 ￣￣ /
ヽ､_ ／
｀¨i ヽ
/ ヽ
/ ヽ
374 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 22:17:21.57 ID:TIP575Eo
9
／￣￣＼
／ _ノ ＼ あいつらは電波を、会話すために使うらしい
| （ ●）（●） でもその電波はあいつらから出ているんじゃない
. | （__人__） 電波信号は機械から出ている
| ｀ ⌒´ﾉ
. | }
ヽ }
ヽ ノ
375 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 22:17:44.35 ID:TIP575Eo
10
／￣￣￣＼
／ ─ ─ ＼ あいつらは電波を使用するが
／ （●） （●） ＼. あいつらから発信されない
| （__人__） | 機械から発信される
＼ ｀ ⌒´ ／
／ ＼
ﾉ Ｌ＿＿＿_
⌒ ＼ ／ ＼
／ （○） （○）＼ じゃその機械はどこから来たんだ！！
／ （__人__） ＼
| |::::::| |
＼ l;;;;;;l ／l!| !
／ `ｰ' ＼ |i
／ ヽ !l ヽi
（ 丶- 、 しＥ |そ ドンッ！！
`ー､＿ﾉ ∑ l､Ｅ ﾉ <
ﾚY^Ｖ^ヽｌ
376 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 22:17:56.36 ID:TIP575Eo
11
／￣￣＼
／ ー ‐＼
| （ ●） （ ●） おちつけ
| （__人__）
| ｀i i´ﾉ その機械だが、あいつら”肉”が作った
| . `⌒ } .
ヽ .}
ヽ ノ それを今お前に説明しているんだ
／ ヽ
/ ヽ,
/ / } |
.| .{. .| |
.| .|. .| |
377 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 22:18:13.31 ID:TIP575Eo
12
＿＿＿_
／ ＼
／ ＼ ／ ＼ 馬鹿げた話だ
／ （●） （●） ＼ あんたは知能を持つ”肉”が、
. | （__人__） | あの星に存在していると言うのか？
＼ ｀ ⌒ ´ ,／
＿＿＿_
／ ＼
／ ＼ ／ ＼ 信じられん！
／ （●） （●） ＼
. | （__人__） |
＼ ,／
378 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 22:18:26.83 ID:TIP575Eo
13
／￣￣＼
／ ＼ ／ 別に俺はお前に信じろと言ってるんじゃない
| （ ●） （ ●）
| （__人__） 事実を伝えているだけだ
| ｀i i´ﾉ
| . `⌒ } 【あの星には知能を持つ肉が無数に存在して
ヽ .} あの星での実際の支配権を持っている】
ヽ ノ
／ ヽ これが事実だ
/ ヽ,
/ / } |
.| .{. .| |
.| .|. .| |
379 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 22:19:01.74 ID:TIP575Eo
14
＿＿＿_
／ ＼
／ ＼ ,＿＼ ・・・きっとそれならあいつらは
／ （●）゛ （●） ＼ たんぱく質含有アンドロイドか何かだ
| ∪ （__人__） |
/ ∩ノ ⊃ ／ あんたも知ってるだろ？
( ＼ ／ ＿ノ | | 間接なんかに”肉”を使ってるタイプの
.＼ “ ／＿＿| | 機械を
＼ ／＿＿＿ ／
380 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 22:19:14.35 ID:TIP575Eo
15
,, -‐ ､
/' ヽ
／￣￣＼ ./ i
／ ._ノ ヽ､＼ / ...........i いいや、違うな
| （●）（●） | / ..:::::::::::::::|
| （__人__） | / ..::::::::::::::::::l あいつらは”肉”から生まれ、
.| ｀ ⌒´ .} ./ ..::::::::::::::::::::! ”肉”として生活し、
| }/ .::::::::::::::::::::/ ”肉”として死ぬ
ヽ ./ .:::::::::::::::::::/ わずかな間だけだがな・・・
.ヽ . .／ .:::::::::::::::::::/
,. ‐'"´ `'‐,r''"~ .:::::::::::::::::／
..:.／,. -‐‐- ､ l′ ..:::::::::::::／|
:,' ／ !.:::::::／:i..:..l
r ､ / !::::::::::: i..:..i
l .......`:i i !:::::::::: ﾞ､:.i
! ::::::::::/ i i:::::::::: ヽ:i
.! ::::::::/ i .....i::::::::::: ヽ
.ヽ ::::::| `､ `､ .....::::::::::::l:::::::::::: `,
/ ＼:::l. `､ ヽ::::::::::::::::::::l::::::::::: /'''ー─----､
`ヽ `､ .::::＼:::::::::::::::|::::::::: /,, ,. ‐;''
381 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 22:19:25.84 ID:TIP575Eo
16
＿＿＿_
／ ＼
／ ＼ ,＿＼ マザーコンピューター無しでか？
／ （●）゛ （●） ＼
| （__人__） |
/ ∩ノ ⊃ ／
( ＼ ／ ＿ノ | |
.＼ “ ／＿＿| |
＼ ／＿＿＿ ／
382 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 22:19:58.59 ID:TIP575Eo
17
／￣￣＼
／ ノ ⌒ ＼
| （●）（●） | ふむ、我らの制御装置に良く似た、
. | （__人__） | 電気信号を送ることのできる”肉”の部位を、
| ｀ ⌒´ ﾉ 先ほど見せたサンプルから発見した。”脳”と呼ばれている。
. | }
. ヽ } 取り出した数分後に機能しなくなったがな・・・
ヽ ノ
/ く
| ＼
| |ヽ、二⌒
383 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 22:20:14.54 ID:TIP575Eo
18
＿＿＿_
／ノ ヽ､_＼
／（ ○）}liil{（○）＼ つまり”考える肉”が存在すると・・・
／ （__人__） ＼
| ヽ |!!il|!|!l| / | そう信じろというのか！？
＼ |ｪｪｪｪ| .／l!|
／ `ｰ' .＼ |i
／ ヽ !l ヽi
（ 丶- 、 しＥ |そ
`ー､＿ﾉ ∑ l､Ｅ ﾉ <
ﾚY^Ｖ^ヽｌ)
384 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 22:20:29.85 ID:TIP575Eo
19
／￣￣＼
／ ノ ＼ ＼
| （●）（●） | ああそうだよ、
. | （__人__） | さっきからそう言ってんだろ
| ｀ ⌒´ ﾉ
. | }
. ヽ }
ヽ ノ
/ く
| ＼
| |ヽ、二⌒)
385 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 22:20:49.13 ID:TIP575Eo
20
＿＿＿_
／ ＼
／ ─ ─ ＼ なんてこった・・・
／ （○） （○） ＼ ”思考能力のある肉”・・・
| （__人__） | 冗談じゃないんだな
＼ ｀ ⌒´ ,／
/⌒ヽ ー‐ ｨヽ
/ ,⊆ニ_ヽ、 |
/ ／ r─--⊃、 |
| ヽ,.ｲ ｀二ﾆﾆうヽ. |
386 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 22:21:01.07 ID:TIP575Eo
21
／￣￣＼
／ _ノ ＼
| （ ー）（ー） やっと信じてくれたか・・・
.| （__人__）
/ ｀ ⌒´ﾉ まあ信じられないのも理解できるがな・・・
／ ヽ ⊂二二￣＼
／ ＼ ⊂、' ヽ
/ ＼＿, ｀7 /
/ へ ＼ !/ /
387 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 22:21:15.44 ID:TIP575Eo
22
＿＿＿_
／ ＼
／ ／ ＼ ＼ ・・・なんてこった
／ （○） （○） ＼
| （__人__） | それで・・その”肉”共は何がしたいんだ？
＼ ｀ ⌒´ ,／
/⌒ヽ ー‐ ｨヽ
/ ,⊆ニ_ヽ、 |
/ ／ r─--⊃、 |
| ヽ,.ｲ ｀二ﾆﾆうヽ. |
388 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 22:21:36.38 ID:TIP575Eo
23
／￣￣＼
／ _ノ ＼
| （ ー）（ー） ああ・・まず我々と話がしたいらしい
. | （__人__） 送られてくる信号がその証拠だ
| ｀ ⌒´ﾉ
. | } これは俺の推測なんだが、
. ヽ } あいつらはこの宇宙を探索しようとしているんじゃないかと思う
ヽ ノ 俺らと情報なんかの交換をしたいんじゃないかと・・・
/ く
| ＼
| |ヽ、二⌒)
389 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 22:21:53.15 ID:TIP575Eo
24
＿＿＿_
／ ＼
／ ＼ ,＿＼ ”肉”と会話をしろと・・・
／ （●）゛ （●） ＼
| ∪ （__人__） | ・・・？
/ ∩ノ ⊃ ／ つまりあの”肉”たちは会話ができると？
( ＼ ／ ＿ノ | |
.＼ " ／＿＿| |
＼ ／＿＿＿ ／
＿＿＿_
／ ＼
／ ＼ ,＿＼ ”肉”が思想や意見なんかを
／ （●）゛ （●） ＼ 交換、共有していると？
| ∪ （__人__） |
/ ∩ノ ⊃ ／
( ＼ ／ ＿ノ | |
.＼ " ／＿＿| |
＼ ／＿＿＿ ／
390 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 22:22:07.49 ID:TIP575Eo
25
／￣￣＼
／ _ノ ＼
| （ ー）（ー）
. | （__人__） ああ。
| ｀ ⌒´ﾉ ”肉”でな・・・
. | }
. ヽ }
ヽ ノ
/ く
| ＼
| |ヽ、二⌒)
391 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 22:22:20.52 ID:TIP575Eo
26
＿＿＿
／ ＼
／ ＼ , , ／＼
／ （●） （●） ＼ ”肉” で？
| （__人__） | あんたはさっきあいつらは電波を
＼ ` ⌒ ´ ,／ 使用すると言わなかったか？
. /⌒～"￣,￣￣〆⌒,ﾆつ
| ,＿_＿ﾞ＿__､rヾｲｿ⊃
| ｀l￣
. | |
392 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 22:22:35.13 ID:TIP575Eo
27
／￣￣＼
／ ー ‐＼
| （ ●） （ ●） ああ確かに使う。
| （__人__） が、会話は”肉”でする。
| ｀i i´ﾉ
| . `⌒ } ”肉”をこすったり、震わせたりして、
ヽ .} 音を作って、それで意志の疎通をする。
ヽ ノ
／ ヽ 歌すら歌うそうだ
/ ヽ,
/ / } |
.| .{. .| |
.| .|. .| |
393 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 22:23:03.82 ID:TIP575Eo
28
＿＿＿_
／:::::::::: u＼
／:::::::::⌒ 三. ⌒＼ なんてこった・・・
／:::::::::: （ ○）三（○）＼ 歌すら歌うだと・・・
|::::::::::::::::⌒（__人__）⌒ |
＼:::::::::: ｀ ⌒´ ,／
ノ::::::::::u ＼
／::::::::::::::::: u ＼
＿＿＿_
／ ＼
／ ＼ ,＿＼ ・・ところで、どうする気だ？
／ （●）゛ （●） ＼ その”肉”共について？
| ∪ （__人__） |
/ ∩ノ ⊃ ／
( ＼ ／ ＿ノ | |
.＼ " ／＿＿| |
＼ ／＿＿＿ ／
394 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 22:23:16.78 ID:TIP575Eo
29
／￣￣＼
／ ノ ⌒ ＼
| （●）（─） | それは”我々”としてか？
. | （__人__） | それとも”俺”としてか？
| ｀ ⌒´ ﾉ
. | }
. ヽ }
ヽ ノ
/ く
| ＼
| |ヽ、二⌒)
395 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 22:23:46.95 ID:TIP575Eo
30
＿＿＿_
／ ＼
／ ＼ ,＿＼
／ （●）゛ （●） ＼ ・・・どちらとしてもだ
| ∪ （__人__） |
/ ∩ノ ⊃ ／
( ＼ ／ ＿ノ | |
.＼ " ／＿＿| |
＼ ／＿＿＿ ／
396 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 22:24:01.56 ID:TIP575Eo
31
／￣￣＼
／ _ノ ＼
| （ ー）（ー） ”我々”としては、
. | （__人__） この半銀河に生息・存在する知的物質は受け入れる方針だ。
| ｀ ⌒´ﾉ 偏見や好意、形態を考慮せずに・・・だ
. | }
. ヽ }
ヽ ノ
/ く
| ＼
| |ヽ、二⌒)
／￣￣＼
／ _ノ ＼
| （ ●）（ー） ”俺”個人としては、
. | （__人__） あいつらから来た信号を秘密裏に処理、抹消して、
| ｀ ⌒´ﾉ 全て無かったことにする・・・
. | } それが俺の考えだ
. ヽ }
ヽ ノ
/ く
| ＼
| |ヽ、二⌒)
397 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 22:24:22.30 ID:TIP575Eo
32
＿＿＿_
／::＼::::／::＼
／ （●） （●） ＼
/:::///（__人__）///::::ヽ あんたがそう言ってくれると信じていた・・・
| |r┬-| |
. ＼_ `ー'´ _,／
／ ＼
＿＿
.-´ ｀｀ヽ
／ ⌒ ｀ヽ
／ ｀ヽ ヽ 少し荒っぽく聞こえるかもしれないが、
（（ / （●） ヽ あいつらと何を話すつもりだ？
|::⌒（__ （● ） |
ヽ 人__） ⌒:::: | やあ”お肉”たち、元気かい？
ヽ（__ン | 調子はどうだい・・・ってか？
人 / | |
/ ＿ノ ノﾉ
|
398 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 22:24:47.25 ID:TIP575Eo
33
／￣￣＼
／ _ノ ＼
| （ ー）（ー） ああ・・俺も１００％同意だ。
. | （__人__） 何も話すことなんか無い。
| ｀ ⌒´ﾉ この会話が機能するとも思えないしな。
. | }
. ヽ }
ヽ ノ
/ く
| ＼
| |ヽ、二⌒)
399 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 22:25:18.38 ID:TIP575Eo
34
＿＿＿
／ ＼
／ ＼ , , ／＼
／ （●） （●） ＼ つまり、今”我々”が行動を共にできる、
| （__人__） | ”知能を持つ肉”は・・・存在しなかったと・・・
＼ ` ⌒ ´ ,／
. /⌒～"￣,￣￣〆⌒,ﾆつ
| ,＿_＿ﾞ＿__､rヾｲｿ⊃
| ｀l￣
. | |
400 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 22:25:31.53 ID:TIP575Eo
35
／￣￣＼
／ _ノ ＼
| （ ー）（ー） その通り。
. | （__人__） あの”肉”共は、光の速度を超えて、
| ｀ ⌒´ﾉ この宇宙を移動できない。
. | }
. ヽ } そんな技術では我々に、なんらメリットをもたらさない。
ヽ ノ
/ く
| ＼
| |ヽ、二⌒)
401 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 22:25:42.72 ID:TIP575Eo
36
＿＿＿_
／ ＼
／ ＼ ,＿＼ フム・・・だが、サンプル取得の際に、
／ （●）゛ （●） ＼ 不特定多数の”肉”に我々は認識されただろう？
| ∪ （__人__） | 会話ができるのなら伝聞もされていよう
/ ∩ノ ⊃ ／
( ＼ ／ ＿ノ | |
.＼ “ ／＿＿| |
＼ ／＿＿＿ ／
402 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 22:25:58.01 ID:TIP575Eo
37
／￣￣＼
／ _ノ ＼
| （ ●）（ー） その点は問題ないだろう。
. | （__人__）
. | } 我々からコンタクトを取らない限り、
. ヽ } あいつらが我々を捕らえるのは不可能だ。
ヽ ノ
/ く
| ＼
| |ヽ、二⌒)
403 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 22:26:09.23 ID:TIP575Eo
38
／￣￣＼
／ ノ ⌒ ＼
| （●）（─） | ”我々”は”肉”の間で、
. | （__人__） | ”夢”として語られるだろう・・・
| ｀ ⌒´ ﾉ
. | }
. ヽ }
ヽ ノ
/ く
| ＼
| |ヽ、二⌒)
404 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 22:26:27.54 ID:TIP575Eo
39
＿＿＿_
／_ノ ヽ､_＼
oﾟ(（●）) (（●）)ﾟo
／::::::⌒（__人__）⌒::::::＼ ”肉”共の間での”夢”をして我々が・・・
| |r┬-| │
| | | | │ 愉快だな！
│ | | | │ ”肉”共にご加護をってか？
│ | | | │
| | | | │
＼ `ー' ／
405 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 22:26:46.71 ID:TIP575Eo
40
／￣￣＼
／ _ノ ＼
| （ ー）（ー） フッ・・この件は解決だな。
. | （__人__） ”我々”としても、”俺たち”としてもな。
| ｀ ⌒´ﾉ
. | }
. ヽ }
ヽ ノ
/ く
| ＼
| |ヽ、二⌒)
／￣￣＼
／ _ノ ＼
| （ ●）（●） 次の件だが、
. | （__人__） ４光年離れた＊＃＠星の、
| ｀ ⌒´ﾉ 核動型のやつらが、我々とまた協定を結びたいと言ってきた。
. | }
. ヽ }
ヽ ノ
/ く
| ＼
| |ヽ、二⌒)
406 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 22:27:08.53 ID:TIP575Eo
41
／￣￣￣＼
／ ─ ─ ＼ あいつらがまた？
／ （●） （●） ＼. 自分たちから協定を打ち切ったくせに・・・
| （__人__） | 随分と都合のいい連中だな？
＼ ｀ ⌒´ ／
／ ＼
407 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 22:27:32.46 ID:TIP575Eo
42
／￣￣＼
／ _ノ ＼
| （ ー）（ー） まあそう言うな。
.| （__人__）
/ ｀ ⌒´ﾉ 考えてもみろって、
／ ヽ ⊂二二￣＼ この広い銀河の中に、１種族だけ１つの星の中に孤立させていたら、
／ ＼ ⊂、' ヽ あいつらだって・・・可哀想だろ？
/ ＼＿, ｀7 /
/ へ ＼ !/ /
408 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 22:27:43.86 ID:TIP575Eo
43
＿＿＿_
／ ＼
／ ─ ─ ＼ まあ、それもそうだな・・・
／ （●） （●） ＼ この広い宇宙の中で、
| （__人__） | 孤立していたら、
＼ ｀ ⌒´ ,／ 可哀想だものな・・・
/⌒ヽ ー‐ ｨヽ
/ ,⊆ニ_ヽ、 |
/ ／ r─--⊃、 |
| ヽ,.ｲ ｀二ﾆﾆうヽ. |
409 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 22:27:55.07 ID:TIP575Eo
44
───A dream to meat!───
410 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 22:28:04.83 ID:TIP575Eo
＜Author: Terry Bisson Title: They're Made Out of Meat＞
【作者：テリー・バイソン 邦題：肉にご加護を】終わり
411 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 22:28:20.38 ID:TIP575Eo
いかがでしたでしょうか？今までの４作に比べ、コミカルな作品をチョイスしたつもりです。
オチにパンチが無いかな・・・というのが、作ってみての反省点です。
【研究】の方では、オチの部分を変えてみました。結果中途半端なものに・・・
【肉】は、やる夫＆やらない夫にロボットのＡＡを当てるつもりでしたが、露骨かなと思いまして・・・
訳がしにくく、原文はまさにニュアンスで捉える作品でした。
読んでみて、確かに人間て１００％”肉”で出来てるよなぁ・・・と感じ、チョイスしてみました。
毎回、私目の駄スレにお付き合い、ありがとうございます。
412 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]：2009/04/04(土) 22:34:07.67 ID:MNmuDeko
乙！
確かに肉がしゃべったり考えたりしてるなｗｗ
皮肉が効いてて好きだな、こういうの
413 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]：2009/04/04(土) 22:36:10.96 ID:5CMZRg2o
オツカレー
黙って見ててごめんよｗｗ
414 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 22:37:03.51 ID:TIP575Eo
次回なのですが、
私の年度末の試験と、旅行が連続してありまして、
パソコン自体に触れない環境下に陥ってしまいます。
帰ってくるのが４月の半ばごろなので、その時にお知らせする形でよろしいでしょうか？
まだ数作（あるいは数十作）ＡＡでやりたいなという作品がありますので、
またお付き合いいただければな。と思います。
415 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/04(土) 22:38:31.54 ID:TIP575Eo
>>413
いえいえ、見ていただきありがとうございました。
他の皆さんもありがとうございます。
416 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]：2009/04/04(土) 22:39:29.41 ID:IdSAPCUo
乙。面白かったよ
417 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]：2009/04/04(土) 22:44:31.22 ID:MNmuDeko
また出来る時に予告だけしてもらえればいいと思うよ
418 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]：2009/04/04(土) 23:05:28.24 ID:F3sIUBEo
乙！
最後のはちょびっと毛色が違ったな
こういうのも良いねえ
419 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/04/04(土) 23:44:32.31 ID:uFm1p6ko
(ﾟдﾟ )乙
( ﾟдﾟ )乙
420 ：
◆4pCV5yXGK.
[sage]：2009/04/06(月) 01:41:59.71 ID:5ol6j2co
来週の水曜日以降に時間ができますので、その時にまた次回の予告を、
このスレと連絡板でします。
またお付き合いください。
421 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]：2009/04/11(土) 01:43:08.66 ID:ETS2r/Io
>>1
このスレが見つけられなかったので、地獄篇のほうにコメントしたのですが、
最後の短篇の作者Terry Bissonは、テリー・バイソンではなく、テリー・ビッスンではないでしょうか。
そちらの名前で邦訳も何冊か出ていますので、一応お知らせしておきます。
422 ：
◆4pCV5yXGK.
[sage]：2009/04/16(木) 06:18:58.54 ID:zqHpweko
ご無沙汰しています。
やっと時間が取れるようになりました。
とりあえず元ネタの短編を読まなくてはいけないので、投下分ができたら追ってお知らせします。
>>421
バイソンか、ビッソンかブッソンか悩んでいたんですが・・・
ビッスンでしたか、わざわざありがとうございます。
423 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/21(火) 18:02:30.05 ID:ZXIXn2Qo
お久しぶりです。
明日の19時より1作投下します。
今回は１００％オリジナルをやってみました。
今までのものと違って、穴だらけですが、よろしかったらお付き合いください。
424 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]：2009/04/21(火) 20:05:02.50 ID:CbFJGwoo
>>１乙！ いい雰囲気だなあ。明日楽しみにしてます！
425 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/22(水) 18:51:58.86 ID:7B0o2HMo
スミマセン、投下時間1時間遅らせてください。
申し訳ないです。
426 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/22(水) 19:13:43.12 ID:7B0o2HMo
コロコロすみません。
都合付きましたので投下開始します。
427 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/22(水) 19:13:56.23 ID:7B0o2HMo
＿＿＿_
／ ＼
／ ─ ─ ＼ 親と子。
／ ━ ●━━● ━ ＼ 教師と生徒。
| （__人__） | そして医者と患者。
＼ ｀ ⌒´ ,／
/⌒ヽ ー‐ ｨヽ
/ ,⊆ニ_ヽ、 |
/ ／ r─--⊃、 |
| ヽ,.ｲ ｀二ﾆﾆうヽ. |
428 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/22(水) 19:14:27.83 ID:7B0o2HMo
＿＿＿_
／ ＼
／ ─ ─ ＼ 人はどこかしらで他人と繋がっています。
／ ━ ●━━● ━ ＼
| （__人__） | 時には強く、時には薄く。
＼ ｀ ⌒´ ,／
/⌒ヽ ー‐ ｨヽ
/ ,⊆ニ_ヽ、 |
/ ／ r─--⊃、 |
| ヽ,.ｲ ｀二ﾆﾆうヽ. |
429 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/22(水) 19:14:54.43 ID:7B0o2HMo
＿＿＿_
／ ＼
／ ─ ─ ＼ 本日は、その関係上の、＜ルール＞に
／ ━ ●━━● ━ ＼ スポットライトを当ててみましょう。
| （__人__） |
＼ ｀ ⌒´ ,／
/⌒ヽ ー‐ ｨヽ
/ ,⊆ニ_ヽ、 |
/ ／ r─--⊃、 |
| ヽ,.ｲ ｀二ﾆﾆうヽ. |
430 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/22(水) 19:15:13.82 ID:7B0o2HMo
【作者：１ 題：密告】
431 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/22(水) 19:16:34.74 ID:7B0o2HMo
1
,. -── -
, '´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::｀ヽ、
／.:.:.:.:.:.､.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.:.:.:.＼
, '.:..:.:./:.:.:..:|.:.:.:.:.:.:..:..:..:..:.:.､:..:.:.:.:.:.:ヽ
/:..:..:..:/:.:.:..:..:|:.:.:.:､.:.:.:...:..:...:.:l:.:.:.:.:.:.:.:.:i ・・・それで、本日はどうされましたか？
〃!.:..:.:/:.:.:.:.:.|:.:l!:.:.:.:ヽ.:.:.:.:.:.:.:.:|.:.:.:.:.:.:.:.:.| 心療内科の検診は初めてと伺っていますが？
|| |:.:.:.:l:.:.:.:.:.:.|:.ハ､:.､:､＼.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
|| |.:.:.:.|:.:.:.:.:/l7─‐ヾゝヽ＼.:.:.|.:.:.:.:.:.:.:.:.}|
ヽﾍ:.{､:!.:|,ｲ ﾉ ｧd尓７!:.:｀`.:.:.| }.:.:.:.:.:.:.:l
ヽゞＮﾊ〉. ゞ-’ |/:.:.:.:.:.:l:'.:.:.:.ﾉ/`′
ﾊ'､ /'|:.:.:.:.:.:/:.:.:!/'′
ﾉl:.:＼っ ||:.:.:.l/ ｀W
|.:.:/ﾘヽ_ ... -||:.:/|! ,..ゝ-､
∨/ __ _ _,.ノ V ''´ ,_＼__
ｎ}ｲ''"／〔!＼ r‐┘_ﾃvぅﾌ‐ｧ
/ ）{. / /|ヽ ヽｒﾍ/J´ ハ〉
432 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/22(水) 19:17:41.75 ID:7B0o2HMo
2
／￣￣＼
／ _ノ ＼
| （ ─）（─） ・・・・・・
. | （__人__）
| ｀ ⌒´ﾉ
. | }
. ヽ }
ヽ ノ ＼
/ く ＼ ＼
| ＼ ＼ ＼
| |ヽ、二⌒)､ ＼
433 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/22(水) 19:17:56.63 ID:7B0o2HMo
3
''"´ニニニニニニニﾆニﾆニニﾆニﾆニニ/
ニニニニニニニニニニニﾆ_ニニニニﾆ/
ﾆニニニニニ_,.. - ''': ´￣ : : : : : : : : : : : ＼
ヽﾆニニ: '"´: : : !:. : : : : : : : i: : : : :｀ヽ : : : : ヽ
>'´: : : : : : : : .|: : l : : i: : : '; : : : : : : ヽ.: : : : ﾍ
, : : : : : : .!: : : :ﾊ : :!: : '; : : : ＼ : : : : : '; : : ヽ : !
|: : : : : : :ｉ: : :./.ハ:.ヽ: : ヽ : :___lヽ.: : : : !: :ｉ : :|!:.| あ、大丈夫ですよ？
| : : : : : / : :/ _,.ヽ ﾄ、 .l＼: : ヽ ＼￣「: |: : l !:| 昨今はあなたの様な若い方も、
'; : ; : :./: : /￣_＿_ ヾ:.＼ヽ. >ｧ水 ｧ.｜: l: :/ ﾘ カウンセリングを受けによくいらっしゃいますから。
Ｖ : :/: ;.ｲ.ヾ'ｱｭ _ !` ｀` .ﾋ:;;'ｿ 〉! ./;/
l:／イ: ､ヽ ゞ‐ ' ,,,,,, //ノ: :!:ヽ
. |∧: ' : :ﾍ.` ''''''' i ,.ｲ ´: :|.｜:.:.＼ その、僕、他の先生に比べて経験も少ないですし、
,.ﾍ : : : : ヽ、 -‐ ／| |/!: :ﾊ |:.:.:.／ 年も近い様なので、話辛いかもしれないですが・・・
-､／. ヽ: : : :ｌ ｌ ＞ｔ- .,,＿,. イ:. ）! | / .ﾚ:／
ヽ､⌒l ＼: : | : . . ＞ｧｔ＜ヾヽ （ ﾄ'´:.:,.ｲ
＜´ﾍ.`ｰｔ ヽ:| ／／ //ﾄ､ヽ! | ）!.）.ｲ:. |
:.:.:じｒ.l :.ヽ ヾ ー'/ | | ー' .（ .ﾄ､:.:.:.: |
434 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/22(水) 19:18:19.55 ID:7B0o2HMo
4
／￣￣＼
／ _ノ ＼
| （ ─）（─） ・・・妻を・・・
. | （__人__） 妻を殺しました
| ｀ ⌒´ﾉ
. | }
. ヽ }
ヽ ノ ＼
/ く ＼ ＼
| ＼ ＼ ＼
| |ヽ、二⌒)､ ＼
435 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/22(水) 19:18:36.16 ID:7B0o2HMo
5
,､ -──‐ ─- ､
,r'"´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼
／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼.:.::.:.:.:.::ヽ
/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀ヽ.:.:.:.:l.:.:.:.:.:.:.:.:::ﾞ､
/.:.:.:.:.:.:.:.:.:､.:.:.:.:.:.:.:.:.i.:.:.:.:|.:.:.:.:.:.:.:.:.:::!
/.:.:.:.:!.:.:.:.:.:.:.:＼.:.:.:.:.:.l.:.:.:.:.!.:.:.:.:.:.:. :.::|
,/.:.:.:j.:|.::ﾄ､.:.:.:.:.:.:ヾ:i.:.:.:|.:.:.:.:.! .:.|::::::::::::| ………はい？
i.:.:/川.:.:iﾄ.＼.:.:.:.:.:.:|.:.:.:|.:.:.:.:.!:.:.l.::::::::l:::!
|.:,!|::l::ﾄ.:ヽ.:.:ｨ＝=- |.:.:.:!.:.:.:.:|.:.:i!::.:::::|/
|/ ヽ!｀ヾ:ヾ!弋tﾃﾅ !.:/!.:.:.:.:|.:/{､.:::::l
｀`ｿ l/ |.:.:.:.:l/ ＼,!
< __ |.:.:.:/ﾚ'"´￣ ＼
＼ ＿ ,ノj.:.:/ , -‐─- ､ ＼
ﾉﾇ_}7! ,/.:.:.:.::::::.:.:.:.＼ ＼
,f仄_}7 /.:.:.::::::::::::::::.:.:.:.＼ |
,f仄_}7 /.:_:_:／::::::::::::::::l:::::｀i
,f仄_}7レ'´.:.::::::::::::::::::::::::/::::::::|
436 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/22(水) 19:19:06.51 ID:7B0o2HMo
6
／￣￣＼
／ ＼
|:::::: ｜
. |::::::::::: ｜ ・・・一昨年に妻と結婚しました。
|:::::::::::::: ｜ 特に目立った喧嘩もせず、
. |:::::::::::::: } 2年目の結婚記念日・・・先週だったのですが。
. ヽ:::::::::::::: }
ヽ:::::::::: ノ
/:::::::::::: く
-―――――|:::::::::::::::: ＼ -―,――――
|:::::::::::::::|ヽ、二⌒)
437 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/22(水) 19:19:31.57 ID:7B0o2HMo
7
／￣￣＼
／ _ノ ＼
| （ ●）（●） その日に外に夕飯を、お祝いとして食べに行きました。
. | （__人__） そこで喧嘩をしてしまったんですね。
| ｀ ⌒´ﾉ
. | }
. ヽ }
ヽ ノ ＼
/ く ＼ ＼
| ＼ ＼ ＼
| |ヽ、二⌒)､ ＼
～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～
438 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/22(水) 19:19:44.33 ID:7B0o2HMo
8
） . .:.／.:.::::／ ＼ ＼.:.::| |::::::人
. （ . . .:.:.:::::::/ / ヽ 入| |／ヽ ｀ヽ
＼.:.:.:.::::/ / ′ l | l ｢:::| |:::::::ﾉ !
Y.:.:.′ ,′! l | | }ﾉ..:.| |:::::ﾉ |
. ゝ┤ | |｜ l | l （. .:://.::∧ |
l !| _|＿Lｊ､ l ｜ _／|_/ l | ）//.::/ ｌ | やっぱり紅茶はリ○プトンに限るのだわ
|八 l l l{＼|｀ヾﾄ､l､／￣l/｀刈Y北Ｌ.,′ | |
｜ ヽヽl ´=='' ==''＾ } | ﾋｼ''′ | |
. ' l / ∧ ' ｲ｜Y´ ｜ |
｜ j l |｜丶 ‐ イ｀ヽl l | |
. /| {｜ ! | ヽ ｀ ｒz=.､´ ﾉ / lト､ ｜ |
//ｊ／. :| ! |＼ l､{{ｒ勿}}〃 //| jj:::::＼ | |
. /.／. .:.::::| { ｀ﾞＴﾞ´ // l|从::::::::::ヽ.! |
ｒ‐=ﾆ´.:::ヽー=≧ト:.ｒ‐⊂ニニﾆ⊃x/ /ｊ/:::}::::::::::::::ヽ. |
＼::::::::::::::ゝ---/´ ミ}厂厂厂厂ｊｒ―‐ヘ/.:::j:::＼::::::＼_ｊ
＼::::::::::::::::::/ ア{ i/ i/ i/ i/jゞ､ヽ｀ヽ＼{:::::::::＼::::::::｀ヽ
439 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/22(水) 19:21:22.78 ID:7B0o2HMo
9
／￣￣＼
／ _ノ ＼
| （ ∧）（∧） あはは・・・真紅は冗談が上手いだろ！
. | （__人__） 紅茶は当然、日○紅茶に決まってるだろ。
| ｀ ⌒´ﾉ 常識的に考えて
. | }
. ヽ }
ヽ ノ ＼
/ く ＼ ＼
| ＼ ＼ ＼
| |ヽ、二⌒)､ ＼
440 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/22(水) 19:21:43.60 ID:7B0o2HMo
10
/ノ ﾍ、
. ／丿 しﾍ、
∧ ∠ /￣￣￣￣ ｀ヽ、 フ
ｌ ｀丶ｨイ/ ｒ' ／ ／ ＼ 〔
了 / ∧ 〕 / / 〃 | 、 ヽ ｱ
＿ =＝ニ二´￣￣￣￣￣ Y ｌ | ｒ┘｜ | ｌ| ! ', 、' . |
二ニ＝'￣￣￣￣￣｀丶、」 │ ｌ └ｧ ｌ | |ｌ ｌ| │ｌ | ', ', く
´ V V│ | | | ｌ| |ｌ |│ｌ | | ｌ ／
ﾏ Ｖ Ｌ.八斗┼l-ｌ ﾘ ﾉ ﾉﾉ | ｌ│ 〔
ヽ vﾍ、乂,ィｆﾁﾐ ＼ノ|ノﾑ斗{ │ｌ| ｌﾘ_／ あら、何を言ってるの？
ヽｆ￢ ミ ﾋュﾘ ,ィ癶ｲ ﾉ ﾉ乂 私はこれっぽっちも冗談なんか言ってないわ。
八勾 ﾊ ゞ' ムｲ
, ′{￣ヽ、ﾊ 、_ ′ ,′| ・・・紅茶は・・リ○トンでしょ？
, ′ ﾉ ヽハ、 イ |
, '／ . / ヽハ辷ｲ ﾍ ｌ
＼ ／／ / { 入ハ ﾍ|
ハ ／／ ／ V -― イ ｀､ハ ＿＿ム
∧ ﾊ . , ′/ , '′ ／ / | / ,イ￣ﾍ＾ｰ-、/ ￣/＼
. } ﾊ ／ ／ く ＾￢冖ムｲ ｌ ／ ∧ | ／ /|｀丶、
. ｌ ﾊ_/ {／ｌ ＼ しﾍ｜/ ∧_ノｒｖｒvｖ〈ム 彡≧
441 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/22(水) 19:22:33.73 ID:7B0o2HMo
11
／￣￣＼
／ _ノ ＼
| （ ●）（●） おいおい、この店で出してる、上手い紅茶も
. | （__人__） 日○紅茶だろ。
| ｀ ⌒´ﾉ リ○トンはないだろ。リ○トンは。
. | } 大体紅茶メーカーのくせにピーチとか色々やりすぎだろ。
. ヽ } それに比べて日○紅茶は・・・云々・・・
ヽ ノ ＼
/ く ＼ ＼
| ＼ ＼ ＼
| |ヽ、二⌒)､ ＼
442 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/22(水) 19:23:24.73 ID:7B0o2HMo
11 修正
／￣￣＼
／ _ノ ＼
| （ ●）（●） おいおい、この店で出してる、旨い紅茶も
. | （__人__） 日○紅茶だろ。
| ｀ ⌒´ﾉ リ○トンはないだろ。リ○トンは。
. | } 大体紅茶メーカーのくせにピーチとか色々やりすぎだろ。
. ヽ } それに比べて日○紅茶は・・・云々・・・
ヽ ノ ＼
/ く ＼ ＼
| ＼ ＼ ＼
| |ヽ、二⌒)､ ＼
443 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/22(水) 19:23:43.04 ID:7B0o2HMo
12
└-i:::::::::::::::::::::::: ,. '"´ ｀`ヽ:::::::.: : ヽ、
__...ﾉ: : : : : : :,.ィ´ ／ ', ヽ ｀丶､: : : :ト.､ ,.ィ"ヽ
. |: : : : : : : :／ ./ / ', ', 「: : : : :|:.:.:ヽ: : : : : 〉ﾆﾆ､二
ヽ.ィ: : : :/ / ,' l ', ｀丶ﾄ､:|:.:.:.:.:.|: : : : :ート､､ヽ
r‐:':::::::/ ,' ,' ! .l i'"´: : |:.:.:.:.:.:!: : : : :_:ハ ',ヽ
. ',_:､:::/ l ｌ |l ! ',: : : :.|:.:.:.:.:.:|: : : : L_ｌ::', ',r
ﾉ:,' ,'l | l | l ! ! | ｀丶; |:.:.:.:.:.::!: : : : : :ﾊ::ヽ 何を言ってるの？
/:| | ,' | ! .!ｌ| ,'| ｌ ｌ | l ,' ,|. ｜!´: :.!:.:.:.:.:.,': : : :r ' ｀￢ この店で出してる紅茶は、
/:::,! | ..L.',_ﾄ. |',ﾄ / !./l/├ /￢ ￢､).:: /:.:.:.:./: ::::::::| |: 間違いなくリ○トンのなのだわ！
/:::::ﾊ.ﾄ 、 ! ..l_ヽヽ＼､./ l/"´ l/_∠ | {: : :/:.:.:.:./::::::;:::ﾉ| !:
ヽ|l ',ヽ ＼ !,イ ｀` ﾄ '′ ,ｲ"´ lヽ ,ﾊr'＾,-ﾍ':::::::::}::!｜ .!:
. | ト､ト.`弋..ン 弋..ン ' | .|/j〈ィ'>》_ノ"!::l ! |: 大体日○紅茶だってフルーツだとか、
| l l.|. ', ､ l ! .|:.ヾ ﾆﾌ !::l. ｜ |: アロマだとか色々手を出してるのだわ！
| / / | ﾄ、 ,.、 ｜ ｌ| |／ ヽ:| |l !
. | / / | |_.＞ 、 _..-.､ｌ l ! ! |.! ｜
l| /,ｲ _..ｌ l:.:.:.:.:.:.:｀丶､ __..ィ´:.:.:.:.:.,' .,'::| | | ! !
!|_ノ' r":.:.l l:.:.:.:.:.:.:.:.:.ﾊィｭﾍ:.:.:.:.:.:.:./ /:.:::! !ヽ、 .| l |
_..'"ｨ´ ﾄ､:.:.! .l:.:.:.:／｀`ヾ.ﾆﾝリ:.:.:.:.:./ ':.:.:.:.:| |:.:.:/、 ! ! !
＜._ <.| ! ∨ ,'_:.:'-:.:.:.:.:.:.:`￢´:.:｀`:./:.:.:.:.:.:.:.! !;/: : ＼ ! l |
＿.... ﾆュ`ﾆニニl:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.!:.:.:.:.:.ハ:.:.:.:.:.:.:.| |.. -‐ ァ.、 ｜l |
. | __... -‐ ＜: :ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./|:.:.:.:.:.:ヽ.ヽ. -‐'"´.. -‐ｧ‐': : ヽ |. l |
444 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/22(水) 19:23:57.25 ID:7B0o2HMo
13
／￣￣＼
／ﾉ( _ノ ＼
| ⌒（●） （●） ああ？紅茶は日○紅茶なんだよ！
| （__人__） ごたごた言ってないで夫の俺の言うこと聞けよ！
| ｀ ⌒´ﾉ
| }
ヽ }
ヽ ノ
/ く
| ＼ ＼
| |ヽ、二⌒)
445 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/22(水) 19:24:13.07 ID:7B0o2HMo
14
::::::/r‐:i . |ﾍ::::. l:::::::::|l::::::::.:::|:::::::ﾊ::::::::::::.:: ..:::::/:/::: : .: .::/|/:::: .::/:/|
:::::{ {::::i : ヽ ヽ､::lヽ:::::l＼::::::::li::::::iﾊ:::l:::::::::: ..:::///::::/:.:: .::/l: l:::::: .::/i:/ l
:::::{ {:::i ::i | ヽ ﾇ====ﾐ,,,,,＼:::ﾊ::::i i::|:::::::::::／//i::/:::::: .::///i::::..::///
‐-ヽ`i :::ﾄ i `､`,,,ﾍ;;;;;;;;;;ｼ､＼'＼| |:::::::／=/ｲ/ﾉ/::::::/ /ﾉ/:::::/ /ｲ 紅茶はリ○トンに尽きるのだわ！
`i ::::|ﾍ i ｀‐‐‐- /::／=====ﾐ//::／ /::／ あなたこそ妻の意見を尊重すべきね！
i .:::::| ﾍ.i ''" ﾄ`=-'"`/ﾝ | ''"
.i .::::::| ヽ / i |
i .:::::::|､ ノ / .l l
i .:::::::::| ＼ r-‐-､ / l l
| .:::::::::::| ＼ ヽ ＿ ｀_ヽ イ l l
| .:::::r-､／｀ヽ,ヽヽ、 ‐‐ _,, ィ l l
| .::／／ r‐‐、ヽ｀` --‐ / r´｀ヽ_r ､ l l
446 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/22(水) 19:24:29.91 ID:7B0o2HMo
15
＜大体リ○トンは名前のセンスがないんだよ！
それをこの超高級店が客に出すかよ！
日○紅茶の方がセンスが無いわ！
まさかこの超高級店で使ってると思ってるのかしら？＞
＿＿＿＿
,.. -‐''"~....::::::::::::::::::::`ヽ,
／..::::::::::::::::::::.....:::::::::::::::::....:ヽ,
/;' '''''""' :,,;:::::::::::::.....::::::::::::::.......::i ←ウェイター
/ ";::::::::::.......::::::::::::::.....::i
i ,:::::::::::::......:,:-､:::::::::::::i
. i-‐ ,. ";::::::::...;‐;'Aヽ.i::::....:::i
| ,.／二__ ';;::::::;ﾞ i=; 〉;i::....:...:| ／ ／
. 入` ﾍ;:}.／ " ;:,ﾞ L! /:::....:::::ヽ､ /' ､. /| （一応フォト○ムン＆メイソンの紅茶なんだけどな・・・
/ ''~ ' ［三］ヽ...:::::::ヾ|!i |, | |i ;i | ／` , / カップ一杯分でリ○トンも日○紅茶も１箱買えるんだが・・・）
/ （｡ ） ）;:;::;::;iﾞ//.i. ||/|ノ ﾉ/ ,／ /
`‐=; `'" ヽ,.､// iﾞ》';/!i' '/ ~i// ,／i､／￣`
ヽ.─ ,. -;;''~:::ﾍ//|/ 〆,,.. -‐'^, -‐''"'ニ=､
ヽ, ,.. ‐;'"‐::~::;:::::::/, | ／/／_,∠／__, -‐''~
!,__ ,.〟ﾍ,,.. ‐',~‐'~:::::i|::::/(/／/ ,.='/ _'_, =三'~二,＝=､
l~;‐''~:::::／::::/ﾚ' 彡 /／ ,／,.::‐'~:::::(⌒ヽ!
./| |:::::;;::/.i::;／/／ ノﾂ //／::::::::::::::::i
～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～
447 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/22(水) 19:24:43.24 ID:7B0o2HMo
16
, - '──‐ - ､ . .:.:.:.::::::::::::＼
/ ｀丶､ .:.::::::::::::／
＼ _ ＿＿ _. . .:.:.. :.:.:.:.:::.｀ヽ､.:／
／,ｲ:.:::::.::::.:::.:｀:`丶､.:.:.::::::::::.:.＼
/.:/::j::/.:.:::::､.::::.::::::.:.:::.｀ヽ .:.:.::::::::::＼
/.:::l::::i::ﾄ､;;:､::::｀ヽ;i:::::j!:::.::i;:;;＼.:.::::::／
l/l:;|.:/N ,ィ≦二l!::/.::::!::|;:;:;;:;;:y'´ ・・・あの、すみません、その話長くなります？
`ﾄ､:fﾘ {ｶj 7 |:/:::::::|:::!;:;:;:;:,′
ｿ ´￣ ﾘi::::::::!;;,!;:;;:/
ﾄ､ __ |:::::::j/;;イ
l/'､ |::::,ｲ;:;;/
|:;ゝrｧ┐ !/ l;/
|/^l/ィｭ-─‐- ､＼
, ィフ.:.:.:.::::::::::::::::.:ヽﾄ､
448 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/22(水) 19:24:56.68 ID:7B0o2HMo
17
／￣￣＼
／ _ノ ＼
| （ ●）（●） いえ、もうすぐ終わります。
. | （__人__） （患者の話は最後まで聞けよ・・・）
| ｀ ⌒´ﾉ
. | } とにかく、帰りの車内も喧嘩したまま家に着きました。
. ヽ }
ヽ ノ ＼
/ く ＼ ＼
| ＼ ＼ ＼
| |ヽ、二⌒)､ ＼
～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～
449 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/22(水) 19:25:10.70 ID:7B0o2HMo
18
r＝..､、
rー-ﾍ::.::.r':.:＼
r‐､_)ヽ::.:.:.:.:.::.:ｰ^j_rヽ
r:j_):..:..:.:.:.:丶::.:..:..:.:.:.::.:r':ヽ
r..､}:.:.:.:....:..:..:..:.:.:..:.:.:.:.::.::.::.ｰr':＼
_ヽ:.:.:.:.:.:.＿.:.:.:.:.:.:.:.＼:.:.::.::.::.:ｰﾍ:..ヽ
{_:.:.:.＿:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＞ ―､― - {｀::.:.:.:.＼-..､
_ }.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:／ / l ＼ｰ ､:.:.:.:l:ヽ:くr..､ _
{:.｀:.:.:.:.:.:.:／ l Y｀:.:.:.:.|:..:l/.:.:.:}／_:.ヽ
⌒}:.:.:.:/ | l ト､:.:.:.:.l..:.l.:.:.ｲ∠⊥ﾉ、
{_:rｭ/ / / !ﾊ l l l .::l _}:..ヽ|..:.|:._:小￣ ヽ:ヽ
／ .V .l .:|: | l ﾘ:| l .::ハ_:.:.:.ﾘ:...l´.:ィﾄ＼__ﾉ:.:} ・・・もういいわ。
/ ...::/:{ .::| i ..:{::. ! /.::j ./ ﾉｲ:::r‐':./:../:.:_レj:.ト- ﾍ´ あなたには失望したのだわ。
/ ...: ｲ .:ﾊ ﾄ -┬ヽ､ﾄ:.. / .:ｲ/jナ7:.不::.{__/:.:‐ｧv' |::l:. l |
/ ／:// :/ ﾄトヽト-ｧﾃ=ﾐヽﾄ/ノ ィﾃｵく/ｲVrj､}:.:.{ｨ |:.|:. l | もう寝ます。
, イ ´..::://／ }ヽ ﾊﾍ 赴ｿ ^ 赴ｿｲi :ﾄ{にｿ{^´ |:j:: j｜
／イ ..::j/／ ノイ /ヽ､ ′ ,ﾘ /_:/⌒´ ﾘ: .:/ !､
／´ / ..::／_ --_.ﾆイ/／, -ｧ >､ '=' ＿ ／}/´ j:..:/ l }〉
／' / :: /／／￣ /' ＜_:.ノ..: :｀:._ァｧ{、.::／/:＼ /:/ /ノ'
. // ,′ / ＞‐｀ｰ- ∠/ { :..:.:, =-Vｫ}ｿ／ :/:.:.:.:.:ヽ＿ /:/_. =イ
// l / ｀ヽr‐ __.:二 ＿＞.:´ヽ／´:. .::.＞_´三 ￣￣＿＿ ＞´‐ ´ /
450 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/22(水) 19:25:27.54 ID:7B0o2HMo
19
／￣￣＼
／ _ノ ＼
| （ ○）（○） （この女・・・今のうちに何とかしなきゃだめだ・・・）
. | （__人__）
| ｀ ⌒´ﾉ ああ、わかっただろ。おやすみ・・・
. | }
. ヽ }
ヽ ノ ＼
/ く ＼ ＼
| ＼ ＼ ＼
| |ヽ、二⌒)､ ＼
451 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/22(水) 19:26:03.12 ID:7B0o2HMo
20
／7!
／:::/;;|
/:::::::/;;;;;!
/:::::::/;;;;;;;;|
|::::::::!;;;;;;;;;;|
|::::::::!;;;;;;;;;;|
|::::::::!;;;;;;;;;;|
|::::::::!;;;;;;;;;;|
|::::::::!;;;;;;;;;;|
|::::::::!;;;;;;;;;;|
|::::::::!;;;;;;;;;;|
|::::::::!;;;;;;;;;;|
|:::::::;!;;;;;;;;;;!
. ￣￣￣|{}|
|}{|
|{}|
|}{|
|{}|
|}{|
～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～
452 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/22(水) 19:26:21.17 ID:7B0o2HMo
21
／￣￣＼
／ _ノ ＼
| （ ●）（●） 寝ている妻の首に数回、出刃包丁を刺して妻を殺しました。
. | （__人__） そのままシーツごと血まみれの妻を車に乗せ、
| ｀ ⌒´ﾉ 山に行き、埋めてきました。
. | }
. ヽ }
ヽ ノ ＼
/ く ＼ ＼
| ＼ ＼ ＼
| |ヽ、二⌒)､ ＼
453 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/22(水) 19:26:35.80 ID:7B0o2HMo
22
／￣￣＼
／ _ノ ＼
| （ ○）（○） しかしその日から、夢にその妻が出てくるんです。
. | （__人__）
| ｀ ⌒´ﾉ
. | }
. ヽ }
ヽ ノ ＼
/ く ＼ ＼
| ＼ ＼ ＼
| |ヽ、二⌒)､ ＼
454 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/22(水) 19:26:51.20 ID:7B0o2HMo
23
＿
_r一':::::::`:ｰ-､
f´:::::::::::::::::::::::::::{:ヽ ＿_ ,､
ノ:::::／ ￣'´￣￣｀く＼:::｀ヽ〃》紅茶はリ○トン紅茶はリ○トン
{::::::/ l く::::ヽ､:::}≦､紅茶はリ○トン紅茶はリ○トン紅茶はリ○トン紅茶はリ○トン
〈::::::|l l ! l ヽL:::::||:::ヽ=く 紅茶はリ○トン紅茶はリ○トン紅茶はリ○トン紅茶はリ○トン
!::::|N|､|､ |＼l､ __|_l〉::||:::::〈 ヽ 紅茶はリ○トン紅茶はリ○トン
`ｰ|!ｨf心＼! ,.≦ミ､|/〉:＠::ノ 紅茶はリ○トン紅茶はリ○トン
,.-j{弋zﾘ ´トrﾘ} }| ヽﾘノ!_〉 紅茶はリ○トン紅茶はリ○トン紅茶はリ○トン紅茶はリ○トン
／ /{ v ｰ __ 弋zｿ /'_,.ｲ } {ヽ 紅茶はリ○トン紅茶はリ○トン
/ | 丶、 { ＼ ￣z ´ﾉ__!ノ ｽ 紅茶はリ○トン紅茶はリ○トン紅茶はリ○トン紅茶はリ○トン
| ｀ ﾄｧ=='rｧ==く 〈_j 〈__} 紅茶はリ○トン紅茶はリ○トン紅茶はリ○トン
/{ ﾆ＠二 }ヾ| ,ﾊ 紅茶はリ○トン紅茶はリ○トン紅茶はリ○トン
〈/:ヽイ |＼__'j:l:::〉 〈_ﾉ 紅茶はリ○トン紅茶はリ○トン紅茶はリ○トン
〈/＿_|_ﾊ_!」＿|:_! 〈_} 紅茶はリ○トン紅茶はリ○トン紅茶はリ○トン
/:|:::::ｲ::::::::f:::::;ﾉ:＼ / } 紅茶はリ○トン紅茶はリ○トン紅茶はリ○トン
/::::{_::::j:!:／l::::::|:!:::::::ヽ〈ィ′ 紅茶はリ○トン紅茶はリ○トン紅茶はリ○トン
/::::::::「¨l::::／Ｌ:ノ:l:::::::::::ﾄ､| 紅茶はリ○トン紅茶はリ○トン
/::::::/:::`"::::::::〈ノ::/:::::::::::::!紅茶はリ○トン紅茶はリ○トン
455 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/22(水) 19:27:11.82 ID:7B0o2HMo
24
／￣￣＼
／ _ノ ＼
| （ ○）（○） 以来、私は日○紅茶が飲めないんです。
. | （__人__）
| ｀ ⌒´ﾉ 私は幽霊といった類のものを信じませんから、
. | } 夢はきっと、リ○トンも良いんじゃないかと一時思ってしまった、
. ヽ } 自己嫌悪によるものではないかと思い、先生に診てもらいにきました。
ヽ ノ ＼
/ く ＼ ＼
| ＼ ＼ ＼
| |ヽ、二⌒)､ ＼
456 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/22(水) 19:27:26.04 ID:7B0o2HMo
25
,． - ──── - ､
／ ＼
| 〉
| /
| _ ＿ - ──-､/
_ ＿[二二 ＿ _ , -───‐- ､
(´￣ ＼
＼ , ィ´ ￣￣￣￣｀`ー-.. ､ ＿ _/
｀y'´ / /.ﾊ､.: .:.､ . :.:.::::ヽ::ヽ::::<
/ / /:/;ﾊﾄ,ヽ:､＼ . :.:.:::::::|::::|::::::| （だめだこいつ・・・色々と・・・）
i ! /.:// ＼ﾄ､ﾄ､:.＼:.:.:.::::!::::|::::::!
| l／::// _＿, ヾ! ‐ゝ-ﾄ､:_:_|::::|::::::|
| ／ .,:ィ厂_ ＿ ｀二ﾆ!::::!::::::!
ﾄ､￣.::/:!ヾﾃ｡::.ﾌ ヽ辷ﾌ 7:::,'::::/
l/|.:.:::/:::| /::/:::/
|.::/.:.:::ﾄ､ /::/:::/
l/ヽ.::::l/ﾄ ､ (⌒ヽ , ..ｲ::/l::/
＼N ｀ｺ ｰ-‐<l:::/l/ |/
＿ _／ ￣｀フ杯ﾄ､ ＿
_「ハ_ ,イ j1ﾄ､ ＼ ﾄ､
l/.:.:.:.::::)ﾄ､ // //j｡jﾄ､//.:.:!
/.:.:::::::::::::Yﾄ､l ﾄ､ // j｡ i|V/.::::::|
457 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/22(水) 19:27:47.17 ID:7B0o2HMo
26
r─────-､､
| .:.:.::::.`ヽ,
|_＿＿＿.:.::.:.:.::::::::::::::/
＿ﾉ__＿＿＿ ￣｀`丶､/
r'´ _ ＿_ _ ￣｀`丶〈_
ヽ,． .:.:.:.::::::::::::::::､::::ー- ､ ＼
/.:,.::::::ﾊ:::::ヽ::.ヽ::.＼.::ヽ:::.＼／
/::/.::::::|:::ﾄ､:::::仁ﾆーミ:::|:::::::::|
|.::|.:.::|_ﾉノ´`ヽ｀ ◯ `1::|::::::l::|
|.::|:::::K´ ◯ |//::/:/ （…………………
ヽﾄ､::::ﾍ /::/:/ とにかく何か言わないと訴えられちゃうしな・・・）
｀`1:ヘ r─っ , ｲ::/,ｲ
|/|.:::＞r‐r＜ |/ｲ´
|.::/^l/l:/＿／⌒ヽ そうですね、夢というのは、フロイドによりますと・・・・
|/ , ィ´y'´ ,r=ヘ
// /介1 ,fj.:.:.:.:::.＼
// //｡j/ ,fj.:.:.:.:::::::::::.＼
// // ｡j ,fj.:.:.:.::::::::::::::::::.＼
/ L_ ,｡j＿ノﾉ.:.:.:::::::::::::::::::::::::::.ヽ
/.:.::.::「Ⅹ「.:::::i.:.:::::::::::::::::::::::::／⌒
`こﾆﾆⅩ|:::::::|.::::::::,．'´￣丁
458 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/22(水) 19:28:09.23 ID:7B0o2HMo
27
／￣￣＼
／ _ノ ＼ ・・・・・・・・・・・
| （ ヘ）（ヘ）
. | （__人__） なるほど、わかりました。
| ｀ ⌒´ﾉ 先生は経験が少ないといってましたが、さすがです。
. | } これで今日からまた日○紅茶を飲めるようになりそうです！
. ヽ }
ヽ ノ ＼
/ く ＼ ＼
| ＼ ＼ ＼
| |ヽ、二⌒)､ ＼
459 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/22(水) 19:28:24.32 ID:7B0o2HMo
28
r─────-､､
| .:.:.::::.`ヽ,
|_＿＿＿.:.::.:.:.::::::::::::::/
＿ﾉ__＿＿＿ ￣｀`丶､/
r'´ _ ＿_ _ ￣｀`丶〈_
ヽ,． .:.:.:.::::::::::::::::､::::ー- ､ ＼
/.:,.::::::ﾊ:::::ヽ::.ヽ::.＼.::ヽ:::.＼／
/::/.::::::|:::ﾄ､:::::仁ﾆーミ:::|:::::::::|
|.::|.:.::|_ﾉノ´`ヽ｀ ◯ `1::|::::::l::|
|.::|:::::K´ ◯ |//::/:/ ・・・それは・・よかったです。
ヽﾄ､::::ﾍ /::/:/ （とりあえず、これって殺人だよね・・・？
｀`1:ヘ r─っ , ｲ::/,ｲ 警察に知らせないと・・・まずいよね？）
|/|.:::＞r‐r＜ |/ｲ´
|.::/^l/l:/＿／⌒ヽ
|/ , ィ´y'´ ,r=ヘ
// /介1 ,fj.:.:.:.:::.＼
// //｡j/ ,fj.:.:.:.:::::::::::.＼
// // ｡j ,fj.:.:.:.::::::::::::::::::.＼
/ L_ ,｡j＿ノﾉ.:.:.:::::::::::::::::::::::::::.ヽ
/.:.::.::「Ⅹ「.:::::i.:.:::::::::::::::::::::::::／⌒
`こﾆﾆⅩ|:::::::|.::::::::,．'´￣丁
～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～
460 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/22(水) 19:28:41.27 ID:7B0o2HMo
29
／::::::.:.:.:.:. |
./:::::::::::::::::.:.:., ．-────‐-､|
〈:::::::::::.:.:,r'"´ _ -─‐─‐-L＿
ヽ::::.:／ , -'"´ ＼
Vr'´.:::::::::::::.:.:., - ─‐──‐‐- ､/
／.::::::::.:.:.:.:., ィ:7::::::::::::::::::::.:.:.:.:.:.:.､:::.:.<
＼.::::::::::,ィ.:.:/:/::ヽ:::::､:::::::::::::::.､:.:.:.ヽ:.:.＼ というのが、先日診た患者のカウンセリング内容です。
＼,::ｲ::|::/:/.::::::ﾄ､:::ヽﾄ､::::::::::i::l:::::|:::.:.i::| 自首も彼に勧めたんですが、聞く耳を持たなくて・・・
i.::i:::|/ー-､/ ＼::.＼｀＞ -‐'':|:::.:.|::| 話が話しなので迷ったんですが、一応お知らせしておこうかと思いまして。
|:::|:::!/:::::''ｰ==z､ ヾ:､´,､-=ｭ!::!::::::l/ r‐ ､
l:､!::ﾄ､::〈ヾ_ﾄｯﾂ 〈じｿ7l/:::/:/ ! | あ、これが彼のカルテとその時のビデオです。
!::ヽ:::｀:､. , , , ′ , , , , /.:/:/ / !
ヽ.::ヽ:::.＼ r ┐ /:,:::ｲ / /
＼ﾄ､:::::: .､ ー′ , イ:::/l仁ﾆ7 /⌒ヽ
＼Nﾄ＞ ｰ‐<'´￣17.:.:.:ノ ,ｲ! ﾉ⌒!
_ノｲ厂 (´￣ ｀ー' ｲソ / /ヽ
／ｲ夊刄 ｀ゝ─-､ > -‐< _ノ /
,ｲ7!ノﾈ;l/;/ /ｿ.:.:.:.:〈/ 「ヽ￣｀ﾆ >､/ヽ
/ﾉj 〉;/,};;;/ /j}.:.:::::::::::i ＼｀Tにｺソ´`Y^7
/.ﾉj./;/j} |;;| ,/ｿ'.:.:.:::::::::::| ＼｡〉仁ここソ
/::ﾉj l;/ j} !」 /j}.:.:::::::::::::::::| __＿, イﾆﾆ7'´￣
,ｲ:〈/ _ｊ} , イｿ'.:.::::::::::::::::::j /.:.:::::::.:.:.|
461 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/22(水) 19:28:54.42 ID:7B0o2HMo
30
,ィ⊃ , -- ､
,r─-､ ,. ' ／ ,/ }
{ ヽ ／ ∠ ､＿__/ |
ヽ. V-─- 、 , ',_ヽ / ,'
ヽ ヾ､ ヽ_/ ﾞ､ /
＼ l ■■■■ Y ・・・なるほど。
ヽj ⊆) ! 話はわかりました。
l ﾍ‐--‐ｹ }
ヽ. ﾞ<‐y′ /
(ヽ､＿_,.ゝ､＿ ～ ___,ノ ,-､
） ﾉ/｀'ー-' <
ｒ'／, _.. // ｌ、、､ヽ_)
ゝ(_/_ﾉ´ /ヽ_ノ/ __,ｌ ヽ)_)‐'
{｀ ｰﾆ[二]‐ｸ′
〉 / /＿
/ ´￣｀ヽ ）
（＿＿＿＿ノ--'
462 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/22(水) 19:29:26.14 ID:7B0o2HMo
31
,ィ⊃ , -- ､
,r─-､ ,. ' ／ ,/ }
{ ヽ ／ ∠ ､＿__/ |
ヽ. V-─- 、 , ',_ヽ / ,'
ヽ ヾ､ ヽ_/ ﾞ､ /
＼ l ■■■■ Y 先生の言うとおり、高級レストラン数店に問い合わせたところ、
ヽj ⊆) ! たしかに先生の患者らしき人物が高らかに、日○紅茶と喚きながら、
l ﾍ‐--‐ｹ } 連れの女性と口論しているのを目撃したとの情報を入手しました。
ヽ. ﾞ<‐y′ /
(ヽ､＿_,.ゝ､＿ ～ ___,ノ ,-､
） ﾉ/｀'ー-' <
ｒ'／, _.. // ｌ、、､ヽ_)
ゝ(_/_ﾉ´ /ヽ_ノ/ __,ｌ ヽ)_)‐'
{｀ ｰﾆ[二]‐ｸ′
〉 / /＿
/ ´￣｀ヽ ）
（＿＿＿＿ノ--
463 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/22(水) 19:29:41.29 ID:7B0o2HMo
32
＿＿___ _＿
| .:.:.:.:.:::::::::::::＼
| .:.:.::::::::::::::::＼
, -┴─ ─ ─ ‐ - ､:::::::::＼
／ _ ＿＿__ .:.::.＼:::::::::〉
＼ r:::::::､::::::＼::::.:.:.＼ .:.:.:.::＼/
yｲ:::::ﾄ､::＼::::::ヽ::|:.:.:..＼ .:.:::＼
/:/i:::::|ｰ-‐'';"::::::l::|:::::::::l::.＼ .:::/ ・・・そうですか。
i::!:::ﾄ､:! ´}ｶｿ ＼::!.!::.:::i::|::.:.:.|／ やはり彼は本当に奥さんを・・・
l/|::::ソ / / / ,ｲ::::::://.:.:;:;,!
ヾ:l /::,ｨｲ;::;:;:;;/
＼「ヽ /::/从l/r'ﾆｺ‐ｭ_
｀ﾄ､＿/::/ ／fﾉ.:.:.:.:.:.:＼＼
|::/ |:/yｲ fﾉ.:::::::::::::::.:.:ﾄ､.!
l/ .//爻 V;;;,.:::::::::::.:.:.:.:|::::＼
/〈〈,小/;;/::::::::::::::::::::.:!::::::.:.＼
/.:.::V介;;/´￣＼:::::::::::::!:::::::::.:.:.＼
／.:.:.:.:::|;;// , ﾘﾄ､:::_:」::::::::::.:／
／.:／.:.:::::|;;ﾘ / |l;;;;;;;;;;;;;;;;YV´
l／＼.::::::::|;」/ i |;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;;＼
／ /￣｀7′ | |;;;;;;;;;;;;;;／.:::::.:.＼
464 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/22(水) 19:29:53.99 ID:7B0o2HMo
33
,ィ⊃ , -- ､
,r─-､ ,. ' ／ ,/ }
{ ヽ ／ ∠ ､＿__/ |
ヽ. V-─- 、 , ',_ヽ / ,'
ヽ ヾ､ ヽ_/ ﾞ､ /
＼ l ■■■■ Y
ヽj ⊆) ! 今先生の患者の証言を元に、遺体捜索しています。
l ﾍ‐--‐ｹ }
ヽ. ﾞ<‐y′ /
(ヽ､＿_,.ゝ､＿ ～ ___,ノ ,-､
） ﾉ/｀'ー-' <
ｒ'／, _.. // ｌ、、､ヽ_)
ゝ(_/_ﾉ´ /ヽ_ノ/ __,ｌ ヽ)_)‐'
{｀ ｰﾆ[二]‐ｸ′
〉 / /＿
/ ´￣｀ヽ ）
（＿＿＿＿ノ
465 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/22(水) 19:30:16.18 ID:7B0o2HMo
34
. |､ _ミミミミミミミミミミミミミ彡‐''"」＿
＿| ヽ､ミミミミミミミ彡'''"´ _,.-''彡ミﾊ
に_`ミー ..＿＿＿_,,... -.'彡´ミミ彡'<
.. /`ヽミ_ミミﾐﾐ.ミミミミミ_彡: :‐''": : : : ｉﾍ
, : : : : :l: |: : 「￣: : : :'; : : : ＼: : : : : : : ｌ: ,
|: : : : : |: !: :ﾄ、: : :ﾄ､: :ヽ:. : : :.ヽ.| : : : : |: |
|: : : : : |: l : | ﾍ: : .';.ヽ: : ヽ: : : : ｌ: : : : : |: | そうですか。
|、: : : :.|: l : | ヽ : ヽ ヾ,,..＼‐ﾃ: : : :. :.|: | ただの狂言であって欲しいんですが・・・
|:ﾊ: : : : 「|￣!` ＼: ´ _ヾ,.ﾆゞ: : : : : :| :|
′ヽ: ﾄ､ k`ｒｪ‐ｭ､ ｀`´}k. zﾘｲ : : : : : !｜
＼:.ﾍ`ゞ-`' ` "´.|: : : /:ｌ:ハ|
|｀.ﾍ'''' ` _ ```l: : :/: ./. ′
lﾙヽ｀＞ ､ ___,.. イ´.|/:/ﾙ/
__,ヽィ-イ ＞ｭ ''´ _ﾙｿ`＞､
/´:.:.:ｒ '/／ｲ/| ﾄ<"´ // ）:.:.:.ヽ
. /:.:.:.にｒ'"／/ Z! ﾄ､ヽ .// に:.:.:.:.:.:.:＼
. ,.:.:.:.:ｒ ｿ ﾊ:.ヽ'/ﾍ l:.| l:.|// ｸ､:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
466 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/22(水) 19:30:32.45 ID:7B0o2HMo
35
,ィ⊃ , -- ､
,r─-､ ,. ' ／ ,/ }
{ ヽ ／ ∠ ､＿__/ |
ヽ. V-─- 、 , ',_ヽ / ,'
ヽ ヾ､ ヽ_/ ﾞ､ /
＼ l ■■■■ Y
ヽj ⊆) ! 狂言？
l ﾍ‐--‐ｹ }
ヽ. ﾞ<‐y′ /
(ヽ､＿_,.ゝ､＿ ～ ___,ノ ,-､
） ﾉ/｀'ー-' <
ｒ'／, _.. // ｌ、、､ヽ_)
ゝ(_/_ﾉ´ /ヽ_ノ/ __,ｌ ヽ)_)‐'
{｀ ｰﾆ[二]‐ｸ′
〉 / /＿
/ ´￣｀ヽ ）
（＿＿＿＿ノ
467 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/22(水) 19:31:02.26 ID:7B0o2HMo
36
＼ ／ | ｜｜ ﾄ ＼ ',
Ｙ | / /l ヽ | ＼ ＼ |
′ ,′ / / ! |＼ ､ ＼ ,. -‐ i＼―-| | |
| / /_/＿_', 、 ＼＼ へ、 | ヽ | | |
| _, / イ/ /― ＼ヽ ＼＼ ィ＞＝ミ=ﾊ ｜ / |
| / ／/イ￣卞ﾐ ＼ 〃i _ィ:::y ｝ ∧| / | ええ。
! /／rｾ {_ ｲ:::}｣｝ ＼ ヾ ノ,. / / ｜ 仕事柄、色々な方と話しをするのですが、
i ／ ＼ ` 丈＿ノ ヽ ￣` / ／ ′ 中には妄想といいますか・・・
／ ＼ ＼"￣ i〉 ／ | ,′ 現実と空想や妄想の区別のつかない方もいまして。
'. ＼ ＼ / / /
'. ｀ ｰ一 _ ｲ / /
ヽ ＼ ´ ／ // /
＼ ＼ ＼ ／ /' / /′
＼ ＼ ＞ ,._ ,. ' |ノ ヽ / /
＼ ┌:/lヽ／ ｀ヽー ／ Уく
_＼/ノ'" / } ／ ／ ＼
∧_/＼ ｛ ／ ＼＿_f⌒ヽ
/ r‐' （ ＞' ,二.rく ―‐､ <⌒ヽ丿 └┐
| / Ｙ´ イ ／トく￣＼＼ ___） ／ｎ＿厂{
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◆4pCV5yXGK.
2009/04/22(水) 19:31:22.56 ID:7B0o2HMo
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,ィ⊃ , -- ､
,r─-､ ,. ' ／ ,/ }
{ ヽ ／ ∠ ､＿__/ |
ヽ. V-─- 、 , ',_ヽ / ,'
ヽ ヾ､ ヽ_/ ﾞ､ /
＼ l ○ ○ Y なるほどなるほど。
ヽj ⊆) !
l ﾍ‐--‐ｹ } ・・・ところで先生、個人情報保護法という法律をご存知ですかな？
ヽ. ﾞ<‐y′ /
(ヽ､＿_,.ゝ､＿ ～ ___,ノ ,-､
） ﾉ/｀'ー-' <
ｒ'／, _.. // ｌ、、､ヽ_)
ゝ(_/_ﾉ´ /ヽ_ノ/ __,ｌ ヽ)_)‐'
{｀ ｰﾆ[二]‐ｸ′
〉 / /＿
/ ´￣｀ヽ ）
（＿＿＿＿ノ
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◆4pCV5yXGK.
2009/04/22(水) 19:31:34.00 ID:7B0o2HMo
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,. -── -
, '´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::｀ヽ、
／.:.:.:.:.:.､.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.:.:.:.＼
, '.:..:.:./:.:.:..:|.:.:.:.:.:.:..:..:..:..:.:.､:..:.:.:.:.:.:ヽ
/:..:..:..:/:.:.:..:..:|:.:.:.:､.:.:.:...:..:...:.:l:.:.:.:.:.:.:.:.:i
〃!.:..:.:/:.:.:.:.:.|:.:l!:.:.:.:ヽ.:.:.:.:.:.:.:.:|.:.:.:.:.:.:.:.:.|
|| |:.:.:.:l:.:.:.:.:.:.|:.ハ､:.､:､＼.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.| 個人情報保護法ですか。
|| |.:.:.:.|:.:.:.:.:/l7─‐ヾゝヽ＼.:.:.|.:.:.:.:.:.:.:.:.}| 専門家ではないのですが、個人のプライバシーを守る法律だと？
ヽﾍ:.{､:!.:|,ｲ ﾉ ｧd尓７!:.:｀`.:.:.| }.:.:.:.:.:.:.:l
ヽゞＮﾊ〉. ゞ-' |/:.:.:.:.:.:l:'.:.:.:.ﾉ/`′
ﾊ'､ /'|:.:.:.:.:.:/:.:.:!/'′
ﾉl:.:＼っ ||:.:.:.l/ ｀W
|.:.:/ﾘヽ_ ... -||:.:/|! ,..ゝ-､
∨/ __ _ _,.ノ V ''´ ,_＼__
ｎ}ｲ''"／〔!＼ r‐┘_ﾃvぅﾌ‐ｧ
/ ）{. / /|ヽ ヽｒﾍ/J´ ハ〉-'
470 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/22(水) 19:32:06.50 ID:7B0o2HMo
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,ィ⊃ , -- ､
,r─-､ ,. ' ／ ,/ }
{ ヽ ／ ∠ ､＿__/ |
ヽ. V-─- 、 , ',_ヽ / ,'
ヽ ヾ､ ヽ_/ ﾞ､ /
＼ l ○ ○ Y ええ、その通りです。
ヽj ⊆) !
l ﾍ‐--‐ｹ }
ヽ. ﾞ<‐y′ / そしてですね、先生、その中にこんな一文があるんですよ。
(ヽ､＿_,.ゝ､＿ ～ ___,ノ ,-､ ＜一個人の情報、及びそれに順ずる情報を容易に入手、
） ﾉ/｀'ー-' < 取得できる者はその一個人に対してその情報を公開しない
ｒ'／, _.. // ｌ、、､ヽ_) 義務を持ち、これを破ることを禁止する＞
ゝ(_/_ﾉ´ /ヽ_ノ/ __,ｌ ヽ)_)‐' 確かこんな感じでしたかな。年のせいで記憶力が衰えておりまして・・・
{｀ ｰﾆ[二]‐ｸ′ 寄る年波にはかないませんな。はははｈ
〉 / /＿
/ ´￣｀ヽ ）
（＿＿＿＿ノ
471 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/22(水) 19:32:21.76 ID:7B0o2HMo
40
,. -── -
, '´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::｀ヽ、
／.:.:.:.:.:.､.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.:.:.:.＼
, '.:..:.:./:.:.:..:|.:.:.:.:.:.:..:..:..:..:.:.､:..:.:.:.:.:.:ヽ
/:..:..:..:/:.:.:..:..:|:.:.:.:､.:.:.:...:..:...:.:l:.:.:.:.:.:.:.:.:i
〃!.:..:.:/:.:.:.:.:.|:.:l!:.:.:.:ヽ.:.:.:.:.:.:.:.:|.:.:.:.:.:.:.:.:.|
|| |:.:.:.:l:.:.:.:.:.:.|:.ハ､:.､:､＼.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
|| |.:.:.:.|:.:.:.:.:/l7─‐ヾゝヽ＼.:.:.|.:.:.:.:.:.:.:.:.}| ・・・はぁ。
ヽﾍ:.{､:!.:|,ｲ ﾉ ｧd尓７!:.:｀`.:.:.| }.:.:.:.:.:.:.:l その１文がなにか？
ヽゞＮﾊ〉. ゞ-' |/:.:.:.:.:.:l:'.:.:.:.ﾉ/`′
ﾊ'､ /'|:.:.:.:.:.:/:.:.:!/'′
ﾉl:.:＼っ ||:.:.:.l/ ｀W
|.:.:/ﾘヽ_ ... -||:.:/|! ,..ゝ-､
∨/ __ _ _,.ノ V ''´ ,_＼__
ｎ}ｲ''"／〔!＼ r‐┘_ﾃvぅﾌ‐ｧ
/ ）{. / /|ヽ ヽｒﾍ/J´ ハ〉
472 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/22(水) 19:32:39.73 ID:7B0o2HMo
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,ィ⊃ , -- ､
,r─-､ ,. ' ／ ,/ }
{ ヽ ／ ∠ ､＿__/ |
ヽ. V-─- 、 , ',_ヽ / ,'
ヽ ヾ､ ヽ_/ ﾞ､ / ・・・・・・。
＼ l ○ ○ Y ＜情報を容易に入手できる者＞
ヽj ⊆) ! つまり、他人の情報を簡単に持てちゃう人は、
l ﾍ‐--‐ｹ } それを他言することによって重い罰が下されちゃいますよ。
ヽ. ﾞ<‐y′ / ってことですな。
(ヽ､＿_,.ゝ､＿ ～ ___,ノ ,-､
） ﾉ/｀'ー-' <
ｒ'／, _.. // ｌ、、､ヽ_)
ゝ(_/_ﾉ´ /ヽ_ノ/ __,ｌ ヽ)_)‐'
{｀ ｰﾆ[二]‐ｸ′
〉 / /＿
/ ´￣｀ヽ ）
（＿＿＿＿ノ-
473 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/22(水) 19:32:52.26 ID:7B0o2HMo
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＿＿___ _＿
| .:.:.:.:.:::::::::::::＼
| .:.:.::::::::::::::::＼
, -┴─ ─ ─ ‐ - ､:::::::::＼
／ _ ＿＿__ .:.::.＼:::::::::〉
＼ r:::::::､::::::＼::::.:.:.＼ .:.:.:.::＼/
yｲ:::::ﾄ､::＼::::::ヽ::|:.:.:..＼ .:.:::＼
/:/i:::::|ｰ-‐'';"::::::l::|:::::::::l::.＼ .:::/ ・・・もしかしてそれって・・・
i::!:::ﾄ､:! ´}ｶｿ ＼::!.!::.:::i::|::.:.:.|／
l/|::::ソ / / / ,ｲ::::::://.:.:;:;,!
ヾ:l /::,ｨｲ;::;:;:;;/
＼「ヽ /::/从l/r'ﾆｺ‐ｭ_
｀ﾄ､＿/::/ ／fﾉ.:.:.:.:.:.:＼＼
|::/ |:/yｲ fﾉ.:::::::::::::::.:.:ﾄ､.!
l/ .//爻 V;;;,.:::::::::::.:.:.:.:|::::＼
/〈〈,小/;;/::::::::::::::::::::.:!::::::.:.＼
/.:.::V介;;/´￣＼:::::::::::::!:::::::::.:.:.＼
／.:.:.:.:::|;;// , ﾘﾄ､:::_:」::::::::::.:／
／.:／.:.:::::|;;ﾘ / |l;;;;;;;;;;;;;;;;YV´
l／＼.::::::::|;」/ i |;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;;＼
／ /￣｀7′ | |;;;;;;;;;;;;;;／.:::::.:.＼
474 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/22(水) 19:33:10.59 ID:7B0o2HMo
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,ィ⊃ , -- ､
,r─-､ ,. ' ／ ,/ }
{ ヽ ／ ∠ ､＿__/ |
ヽ. V-─- 、 , ',_ヽ / ,'
ヽ ヾ､ ヽ_/ ﾞ､ /
＼ l ○ ○ Y 先生もその内の一人でしょうな。
ヽj ⊆) ! 個人情報なんて、病院関係者なら待ってれば向こうからやって来ますからな。
l ﾍ‐--‐ｹ }
ヽ. ﾞ<‐y′ /
(ヽ､＿_,.ゝ､＿ ～ ___,ノ ,-､
） ﾉ/｀'ー-' <
ｒ'／, _.. // ｌ、、､ヽ_)
ゝ(_/_ﾉ´ /ヽ_ノ/ __,ｌ ヽ)_)‐'
{｀ ｰﾆ[二]‐ｸ′
〉 / /＿
/ ´￣｀ヽ ）
（＿＿＿＿ノ-
475 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/22(水) 19:33:26.73 ID:7B0o2HMo
44
,． - ──── - ､
／ ＼
| 〉
| /
| _ ＿ - ──-､/
_ ＿[二二 ＿ _ , -───‐- ､
(´￣ ＼
＼ , ィ´ ￣￣￣￣｀`ー-.. ､ ＿ _/
｀y'´ / /.ﾊ､.: .:.､ . :.:.::::ヽ::ヽ::::<
/ / /:/;ﾊﾄ,ヽ:､＼ . :.:.:::::::|::::|::::::| ・・・そんな・・・
i ! /.:// ＼ﾄ､ﾄ､:.＼:.:.:.::::!::::|::::::! でも僕は殺人事件の重要な証言だと思って・・・
| l／::// _＿, ヾ! ‐ゝ-ﾄ､:_:_|::::|::::::|
| ／ .,:ィ厂_ ＿ ｀二ﾆ!::::!::::::!
ﾄ､￣.::/:!ヾﾃ｡::.ﾌ ヽ辷ﾌ 7:::,'::::/
l/|.:.:::/:::| /::/:::/
|.::/.:.:::ﾄ､ /::/:::/
l/ヽ.::::l/ﾄ ､ (⌒ヽ , ..ｲ::/l::/
＼N ｀ｺ ｰ-‐<l:::/l/ |/
＿ _／ ￣｀フ杯ﾄ､ ＿
_「ハ_ ,イ j1ﾄ､ ＼ ﾄ､
l/.:.:.:.::::)ﾄ､ // //j｡jﾄ､//.:.:!
/.:.:::::::::::::Yﾄ､l ﾄ､ // j｡ i|V/.::::::|
476 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/22(水) 19:33:52.12 ID:7B0o2HMo
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,ィ⊃ , -- ､
,r─-､ ,. ' ／ ,/ }
{ ヽ ／ ∠ ､＿__/ |
ヽ. V-─- 、 , ',_ヽ / ,'
ヽ ヾ､ ヽ_/ ﾞ､ /
＼ l ○ ○ Y まあ、それとこれとは別の話ですな。
ヽj ⊆) ! あなたはあなたの患者の情報を一個人ではなく、
l ﾍ‐--‐ｹ } 警察という大きな機関に流してしまいましたからな。
ヽ. ﾞ<‐y′ /
(ヽ､＿_,.ゝ､＿ ～ ___,ノ ,-､ これであなたは先生から、
） ﾉ/｀'ー-' < 個人情報保護法違反の容疑者になってしまったのですな。
ｒ'／, _.. // ｌ、、､ヽ_) とてつもなく濃厚な。
ゝ(_/_ﾉ´ /ヽ_ノ/ __,ｌ ヽ)_)‐'
{｀ ｰﾆ[二]‐ｸ′
〉 / /＿
/ ´￣｀ヽ ）
（＿＿＿＿ノ
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◆4pCV5yXGK.
2009/04/22(水) 19:34:05.49 ID:7B0o2HMo
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r─────-､､
| .:.:.::::.`ヽ,
|_＿＿＿.:.::.:.:.::::::::::::::/
＿ﾉ__＿＿＿ ￣｀`丶､/
r'´ _ ＿_ _ ￣｀`丶〈_
ヽ,． .:.:.:.::::::::::::::::､::::ー- ､ ＼
/.:,.::::::ﾊ:::::ヽ::.ヽ::.＼.::ヽ:::.＼／
/::/.::::::|:::ﾄ､:::::仁ﾆーミ:::|:::::::::|
|.::|.:.::|_ﾉノ´`ヽ｀ ◯ `1::|::::::l::|
|.::|:::::K´ ◯ |//::/:/ そんな・・・
ヽﾄ､::::ﾍ /::/:/
｀`1:ヘ r─っ , ｲ::/,ｲ
|/|.:::＞r‐r＜ |/ｲ´
|.::/^l/l:/＿／⌒ヽ
|/ , ィ´y'´ ,r=ヘ
// /介1 ,fj.:.:.:.:::.＼
// //｡j/ ,fj.:.:.:.:::::::::::.＼
// // ｡j ,fj.:.:.:.::::::::::::::::::.＼
/ L_ ,｡j＿ノﾉ.:.:.:::::::::::::::::::::::::::.ヽ
/.:.::.::「Ⅹ「.:::::i.:.:::::::::::::::::::::::::／⌒
`こﾆﾆⅩ|:::::::|.::::::::,．'´￣丁
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◆4pCV5yXGK.
2009/04/22(水) 19:34:17.87 ID:7B0o2HMo
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,ィ⊃ , -- ､
,r─-､ ,. ' ／ ,/ }
{ ヽ ／ ∠ ､＿__/ |
ヽ. V-─- 、 , ',_ヽ / ,'
ヽ ヾ､ ヽ_/ ﾞ､ /
＼ l ○ ○ Y まあ安心してください。
ヽj ⊆) ! ちょっと前に法改正があったでしょう？
l ﾍ‐--‐ｹ } それに伴って、先程の法律違反者にはスピード裁判の対象になっていますから。
ヽ. ﾞ<‐y′ /
(ヽ､＿_,.ゝ､＿ ～ ___,ノ ,-､
） ﾉ/｀'ー-' <
ｒ'／, _.. // ｌ、、､ヽ_)
ゝ(_/_ﾉ´ /ヽ_ノ/ __,ｌ ヽ)_)‐'
{｀ ｰﾆ[二]‐ｸ′
〉 / /＿
/ ´￣｀ヽ ）
（＿＿＿＿ノ
479 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/22(水) 19:34:31.68 ID:7B0o2HMo
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r─────-､､
| .:.:.::::.`ヽ,
|_＿＿＿.:.::.:.:.::::::::::::::/
＿ﾉ__＿＿＿ ￣｀`丶､/
r'´ _ ＿_ _ ￣｀`丶〈_
ヽ,． .:.:.:.::::::::::::::::､::::ー- ､ ＼
/.:,.::::::ﾊ:::::ヽ::.ヽ::.＼.::ヽ:::.＼／
/::/.::::::|:::ﾄ､:::::仁ﾆーミ:::|:::::::::|
|.::|.:.::|_ﾉノ´`ヽ｀ ◯ `1::|::::::l::|
|.::|:::::K´ ◯ |//::/:/ スピード裁判？
ヽﾄ､::::ﾍ /::/:/
｀`1:ヘ r─っ , ｲ::/,ｲ
|/|.:::＞r‐r＜ |/ｲ´
|.::/^l/l:/＿／⌒ヽ
|/ , ィ´y'´ ,r=ヘ
// /介1 ,fj.:.:.:.:::.＼
// //｡j/ ,fj.:.:.:.:::::::::::.＼
// // ｡j ,fj.:.:.:.::::::::::::::::::.＼
/ L_ ,｡j＿ノﾉ.:.:.:::::::::::::::::::::::::::.ヽ
/.:.::.::「Ⅹ「.:::::i.:.:::::::::::::::::::::::::／⌒
`こﾆﾆⅩ|:::::::|.::::::::,．'´￣丁-
480 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/22(水) 19:34:44.86 ID:7B0o2HMo
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,ィ⊃ , -- ､
,r─-､ ,. ' ／ ,/ }
{ ヽ ／ ∠ ､＿__/ |
ヽ. V-─- 、 , ',_ヽ / ,'
ヽ ヾ､ ヽ_/ ﾞ､ / あはは。ニュース見なきゃだめですよ？
＼ l ○ ○ Y
ヽj ⊆) ! まあ、裁判員制度の一環ですな。
l ﾍ‐--‐ｹ } ２４時間の間に無記名、自由参加のアンケートがインターネットで行われます。
ヽ. ﾞ<‐y′ / 判決がそれで決まるのですな。
(ヽ､＿_,.ゝ､＿ ～ ___,ノ ,-､
） ﾉ/｀'ー-' <
ｒ'／, _.. // ｌ、、､ヽ_) 昨日は電車内で痴漢をやらかした大学教授の裁判がありましてね、
ゝ(_/_ﾉ´ /ヽ_ノ/ __,ｌ ヽ)_)‐' 電気椅子送りでしたな。ははｈ
{｀ ｰﾆ[二]‐ｸ′
〉 / /＿
/ ´￣｀ヽ ）
（＿＿＿＿ノ
481 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/22(水) 19:34:57.74 ID:7B0o2HMo
50
,ィ⊃ , -- ､
,r─-､ ,. ' ／ ,/ }
{ ヽ ／ ∠ ､＿__/ |
ヽ. V-─- 、 , ',_ヽ / ,'
ヽ ヾ､ ヽ_/ ﾞ､ /
＼ l ○ ○ Y これには弁護士もつきませんから、
ヽj ⊆) ! あなたは高いお金を出して口先だけの擁護者を雇う必要も無いわけですな。
l ﾍ‐--‐ｹ }
ヽ. ﾞ<‐y′ /
(ヽ､＿_,.ゝ､＿ ～ ___,ノ ,-､いやー、いい世の中になりましたな。
） ﾉ/｀'ー-' <
ｒ'／, _.. // ｌ、、､ヽ_) あ、もちろんあなたへの裁判は私も参加しますので。
ゝ(_/_ﾉ´ /ヽ_ノ/ __,ｌ ヽ)_)‐' 面白い・・いや、失礼、軽い刑罰だと良いですな。はははｈｈｈｈｈ・・・
{｀ ｰﾆ[二]‐ｸ′
〉 / /＿
/ ´￣｀ヽ ）
（＿＿＿＿ノ-
482 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/22(水) 19:35:09.26 ID:7B0o2HMo
＜作者：１ 題：密告＞ 終わり
483 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/22(水) 19:37:15.11 ID:7B0o2HMo
以上で投下終わりです。
いやー、改めてみるととてつもない低クォリティーです。
次回からは自作は控えますので。スミマセン。
来週の週末に2作投下予定です。久しぶりにサキをやろうかと考えています。
484 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]：2009/04/22(水) 20:22:25.54 ID:9FTOItMo
いいねぇ
485 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]：2009/04/22(水) 21:29:18.00 ID:nrt95tAo
乙ｗｗ
ひでぇ理不尽さｗｗｗｗｗｗだがそれがいいｗｗｗｗｗｗ
486 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]：2009/04/22(水) 22:02:32.92 ID:u1KG1kwo
彼に飲まそうとして，彼をそのままにしておけ。エリヤが彼を降ろしに来るかどう
に連れて来た。人々は，その人の上に手を置いてくれるようにと懇願した。 733 イ
ま、真奈美
張る！張るわ！膨れあがる！人には――きつい。きつすぎる！
兄妹の絶叫が重なる。
してゆく。娘は常外の神的な超プレイの凄まじさを満喫していた。神を体感して
。
腰を動かしながら、妹の体を自由にしている興奮を感じる。
そ、そんな訳ないじゃない
だが手伝いの肩代わりはともかく、小遣いの方は何か違うような気がする。
487 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]：2009/04/22(水) 22:07:05.94 ID:MyztBuso
乙！！
一瞬、蒼の妄想ＥＮＤかと思ったけど違った。
おもしろいね。来週も頑張ってくださいお！
488 ：
◆4pCV5yXGK.
2009/04/22(水) 22:11:13.98 ID:7B0o2HMo
本当はoヘンリーをやろうと思ったんですが、すでにやる夫でやってらっしゃる方がいて・・・
全てできた後に気づき、酔っ払って今回の作品を書きました。
反省はしていない！
乙の書き込みありがとうございます。
レイブラッドベリーなんかもやるつもりですので、またお付き合いください。
489 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]：2009/04/22(水) 23:55:30.83 ID:p6m5ge.o
た。 628 そして，大皿に彼の首を載せて持って来て，それを乙女に与え，乙女はそ
言って，口づけした。 1446 彼らはイエスに手をかけて捕まえた。 1447 しかし，
はははっあれだけ俺を苦しめた罰だまた俺の息子を味わってもらうぜ
や水差しや銅器や寝いすを洗うことなど，他にもたくさんある。 75 ファリサイ人
490 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/07/05(日) 18:23:43.65 ID:W0N7iBgo
作者はもういない･･･みたいだな。残念。
491 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/07/06(月) 06:34:06.42 ID:qY9clTM0
保守してみるか・・
492 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]：2009/07/06(月) 20:36:00.06 ID:xGt6Ldko
ショート・ショートというから星ﾊﾞｰｰｰﾛｰｰだと思ったぜ
493 ：
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2009/10/21(水) 20:00:05.11 ID:t6Rmv2DO
俺もそう思ったｗｗ
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