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HTML化した人:kagami_2nd@verymelon▲
らき☆すたSS 〜このスレはかなたに監視されています〜
1 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/04/30(木) 01:00:23.08 ID:NFiIF.I0
ここは「らき☆すた」のSSスレです。

・どんなジャンルでもどんどん投下したまへ〜 by こなた
・でも、他所からの作品の無断転載は絶対ダメよ! by かがみ
・あとね、あんまりえっちなのはちょっと恥ずかしいから遠慮してほしいな by つかさ
・メール欄に「saga」と入力するとこの板特有のフィルターを回避できます。「sage」ではありませんよ。
 代表的な例が「高翌翌翌良」です……よろしくお願いしますね by みゆき
・長編作品はタイトルをつけてもらえるとまとめるときとかに助かります! by ゆたか
・それと、できればジャンルを明記するようにしてほしいの。
 特定のジャンルが苦手な人もいると思うから…… by あやの
・パロディとかクロスオーバーとかもおっけーだけど、
 あんまり度が過ぎると他の人に引かれっから気をつけろよなー by みさお
・シラない人へのハイリョがアればgoodネー byパティ
・初めてでもよっしゃーいっちょ書いたろかって人大歓迎するでー by ななこ
・まとめてくれる人募集中です……そして、現在のまとめ人には感謝してます…… by みなみ
・お題を出せば書いてくれる職人さんもいるっス。ネタのため……
 いや、いろんなお話を読んでみたいんで、いいお題があったら書いてみてください! by ひより
・そしてそして、SSだけじゃなくて自作の絵もOK!
 投下された絵は美術室に展示されるからジャンジャン描くべしっ! by こう
・注意! 荒らしへの反応は絶対ダメ。反応する悪い子は逮捕だ! by ゆい


(避難所)
 PCから->http://jbbs.livedoor.jp/auto/5330/
 携帯から->http://jbbs.livedoor.jp/bbs/i.cgi/auto/5330/

(まとめサイト)
 http://www34.atwiki.jp/luckystar-ss/

(SSスレ用画像掲示板)
 http://www.sweetnote.com/site/luckystar/
2 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/04/30(木) 13:41:46.85 ID:sAvbUQAO
>>1
3 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/04/30(木) 19:18:43.41 ID:L0GdGMSO
こなた「い、一乙…」
かなた(じーっ…)
そうじろう「ス、スレ立てお疲れ様…」
かなた(じーっ…)
こなた「見てる…お父さん、なんか見てるよ…グラサンかけた怪しいのが…」
かなた(じーっ…)
そうじろう「しっ、気付かないふりだ。かなたは気付かれてないと思ってるから」
かなた(じーっ…)
こなた「うぅ…なんで、監視されてるほうが気を使わないといけないんだろ…」
かなた(じーっ…)


みき「なんか怪しいのがいるから、とりあえずお祓いして下さる?」
ただお「…いいのかな」
かなた「良くないです!やめてーっ!」



スレタイの元ネタって、まさかあのSS…な訳ないか。
4 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/04/30(木) 19:51:35.76 ID:9eBsDgSO
>>1
このスレタイに似た文を見たことあるんだけどなんだっけな

前スレ>>995
やはりそうでしたかww
改めて完成度が高いと思いました!
5 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/04/30(木) 22:23:48.18 ID:NFiIF.I0

前スレの最期までまとめました

>>3
気のせいです
深く詮索するとかなたさんにのろいkおr
6 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/04/30(木) 23:31:30.76 ID:kNH4W4E0
>>1乙です


投下します。短いものです
7 :春昼の二人[saga]:2009/04/30(木) 23:33:53.20 ID:kNH4W4E0
「私は……まあお茶でいいかな」
 そんなことを呟きながら、私は自販機のボタンを押した。即座にガコン、という音とともに緑茶のペットボトルが吐き出される。それを手に持ってから、私は友人の待つ中庭へと移動した。
 私のペットボトルを持っていないほうの手には、缶の紅茶も握られている。これは、今から会いに行く友人のために買ったものだった。
「買ってきたわよー」
「あ、ありがとうございます」
 中庭に行くと、軽やかな声が私を迎えた。彼女こそ、私の新しい友人、高良みゆきだ。品行方正、文武両道、そして学年委員長を務めるなど非のつけどころがない。
 何よりその整った顔立ちに柔らかな髪、それに調和のとれた身体は、同性の私から見てもきれいで、私は内心羨ましかった。
「はい、これ紅茶」
 私はみゆきに紅茶の缶を渡した。みゆきは手を差し出して、その缶を受け取ろうとしたが、缶の熱さを想定していなかったらしく、缶を受け取るやいなや、小さな悲鳴をあげてのけぞってしまった。
 傍から見れば大変だが、その動作が子供っぽく、私は思わずくすりと笑ってしまった。
「あ、あわわ、すみません」
 当のみゆきは、姿勢を正してから、顔を真っ赤にしてしきりに頭を下げた。別に謝ることでもないのに、みゆきはすぐ謝る。謝るべきはこちらだというのに。
 それだけ純真で人がいい証拠なのだろうけど―――。
「いいのよ、別に。ほら、座りましょう?」
 私はそう言って、そばにあるベンチを指差した。
「あ、はい。失礼します……」
 私に促されるがままにみゆきはベンチに座った。それに続き、私もみゆきの隣に座る。
 座ってから私はペットボトルをあけ、緑茶に口をつけた。平凡な味だが、放課後に疲れた身体のこの私にはよく沁みる。隣を見てみれば、みゆきもおいしそうに紅茶を飲んでいる。その飲む姿も、どこか無邪気で、そして優雅だった。思わず見てるこちらがほほえましくなるくらいに。
 本当に羨ましいと、心の底からそう思う。私は昔から何かと頼りにされるタチだったから「かわいい」とかいう単語とは全く無関係な人生を送ってきた。中学校のとき、同性の後輩に「柊先輩はかっこいいですね」と言われたが、この言葉こそ真髄を衝いていると思う。
 そんなわけだから、私はこの女の子らしい、そしてどこかふわふわとした雰囲気を持つ、この高良みゆきが羨ましかった。そして、何となく好きだった。いや、何となくといったら語弊があるだろうけど―――うまく、言葉にできないのだ。でも、私が高良みゆきという人物に対し、好意を抱いていることは間違いない。ああ、勿論恋愛感情とかそういうのじゃなくてね。
 そんなことを考えてから、私はふと左肩にかかる圧力に気付いた。何だろう、と左を見てみると、その正体はすぐに分かった。みゆきが睡魔に襲われ、私に寄りかかってきていたのだ。
 その無防備な寝顔はやはり無邪気だった。
「みゆきー。みゆきー?」
 そのまま寝顔を見ていても良かったが、何となく罪悪感に襲われたので、私はみゆきを揺り起こすことにした。
 みゆきはすぐには反応を見せなかったが、暫くしてようやく反応があった。
「あ、はい……?」
 目をわずかに開けさせ、みゆきはとろんとした顔を見せた。
「大丈夫?」
 顔を覗き込みながら、私がそう問いかけてやると、ようやくみゆきも状況がわかったようで、目を急に見開かせると、
「あ、あわわ、あわわ。す、すみません!」
 顔を真っ赤にしながら弁解した。
8 :春昼の二人[saga]:2009/04/30(木) 23:34:15.21 ID:kNH4W4E0
「あー、ほらほら。いいから、いいから。気にしてないわよ?」
 顔を赤くしてうつむくみゆきに、なるたけ優しく私は声をかけた。
 私の声に、みゆきはゆっくりと顔を上げた。それでもやはり顔は赤い。
「で、でも御迷惑をおかけしたのでは……」
「だーいじょうぶよ。……でも、何だか、あんたはつかさに似てるわね」
 そう言って、私はポンポンとみゆきの頭を軽く撫でた。
 どこか間の抜けた行動や言動、それに恥じらいのあるかわいい女の子―――。そんなところが、妹であるつかさの姿と重なって見えた。そして、そんなみゆきがとても愛おしく思えた。
「本当に、面目ないです……。柊さんに御迷惑をおかけして……」
「あー。私の事はかがみでいいわよー? 私、双子だから、柊だと、なんかね」
「そ、そうなんですか? で、では……かがみさん、でよろしいんですね?」
 戦々恐々とした言い方でみゆきは言った。そんなこわごわとしなくても。
「そうよ、みゆき」
「み、みゆきですか……」
 みゆきは目を丸くして、言葉を詰まらせた。どこかその言葉をゆっくりと咀嚼しているように感じる。
「……そうですね。これからどうぞよろしくお願いします、かがみさん」
 暫くしてから、ゆっくりとした口調で、みゆきはそう言い、穏やかに笑った。
「こちらこそ」
 私も微笑んで、言葉を返した。
 さて、これからどんな話をしようか―――と思い、私は何気なく空を見上げた。空は雲ひとつない晴れ晴れとしたものだった。まるで世界中の青空を埼玉に持ってきたかのように感じる。
 だから、私はこんな友人の隣に座って、青空を眺めながらゆっくりと流れる時を楽しむのも悪くないな、と思った。それに、時間はたっぷりある。今日もある。明日もある。そして、これからも―――。
 春風が、私とみゆきの頬を撫でた。
9 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/04/30(木) 23:36:02.18 ID:kNH4W4E0
以上です。
プチ祭用に出したネタなのに、字数が全然収まらないので結局プチ祭に出さなかった作品。
10 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/05/01(金) 11:53:55.62 ID:t2tG9RQ0
>>9
これは意外と希少な組合せですね。
真面目さと穏やかさの相まった掛け合いと、
普段あまり見せない
かがみの柔らかな雰囲気などが好ましいです。GJ!
11 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/05/01(金) 17:29:16.57 ID:JrlqhgDO
いいね。何か和んだわ
12 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/05/01(金) 19:03:32.02 ID:XgSUrHk0
かがみ「こな――」

 −=・=−  −=・=−

かがみ(何かしら、危険な視線を感じるわ・・・今日はこなた弄りはやめといたほうが良さそうね・・・)


かなた(行ったわね。こなたは私が守らないと!)
13 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/05/01(金) 20:13:29.02 ID:Jo/pUus0
ー禁断ー

渡された原稿を見て、こうは身を震わせた。
(アウトだろ……完璧に)
今まで見てきたどの作品よりもヤバい。
もし自分に権限があるのなら、描き直させるか落とさせるか、いずれにしてもこのまま世に出させはしないだろう。
それ程までにこの原稿はマズいネタに溢れていた。
こうは当の作者、ひよりに顔を向け、尋ねた。
「ひよりん、本気?」
「はい」
迷いのない、力のこもった返事。
「事が大きくなったら、ただじゃ済まないんだよ?」
「敢えて茨の道を逝く、のみっス」
「……ひよりん」
「私の独断っスから、こーちゃん先輩、それに、他のみんなは、何か聞かれたら適当にしらばっくれて下さいっス。
 みんなは何も知らない、何も見ていない。これで」
「でも」
「今日が入稿日っス。これにて、ごめん」
ひよりはこうから原稿を受け取り、鞄に仕舞った。
法律に関してはまるで詳しくはないけれど、相手側の弁を聞く限り負ける事はない。
ひよりは勝利を確信していた。オリジナルのアレが身につけているモノは、スクール水着でもレオタードでもない。
何を着用しているとの回答がない以上、ボディペイントとの解釈も取れなくはない。或いは地毛である可能性も……。
そしてそれを逆手に取れば、言い訳はできる。

(うちのは黄色いスク水着ただけの、ただの創作っス。それに……禁止と書いて『やれ』と読むんスよ……お偉い様方。くくくく……)
不敵な笑みを浮かべ、ひよりは部室を後にした。

(血デ痔火×戦徒くん……マジぱねぇよ、ひよりん……)
「あ、あの、私のも……」
ひよりの身を案じているこうの目の前に、最近入った新入生がやってきた。
彼女もまた自分の作品をこうに見てもらおうと、手に原稿を持っていた。
「これなら、OKですよね?」
自信あり気に彼女は聞く。
こうはそれを受け取り、ぺらぺらと捲りながら、『マズい点』がないかを確認する。
「……うん。かなりハードだけど、大丈夫。穴炉熊はフリーだからね」
「はい。ありがとうございます。ところで、部長は何か書かれてるんですか?」
「私?まあね。個人のと知り合い用のと、色々」
「どんな作品か、聞いてもいいですか?」
「ああ、個人のは南金第逆冊の18禁パロディ、合同誌のは十軍異安不モノ、これも18禁。完成したら1冊あげるよ」
「あ、ありがとうございます」
(部長もマジぱねぇっス……)
心で呟く新入部員だった。

完全地デジ化まで、あと800余日
14 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/05/01(金) 20:46:40.98 ID:c6Gpv6SO
>>12
かがみもこのスレでは迂闊な事は出来んなww

>>13
よく分かんないけど二次創作禁止ってやつかな?
15 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/05/01(金) 21:03:26.51 ID:VId8UISO
>>13
いや、アウトセーフ云々というより、あんなもんで誰が欲情するのかと…。
16 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/05/01(金) 21:39:03.77 ID:uNU.KIIo
>>9
珍しいコンビだな。ゆったりした感じでよかったGJ
これを縮めるのは無理だ、確かにww

>>13
人のことを言えないとはこのことか

>>15
擬人化だろうjk……
17 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/05/01(金) 22:42:21.36 ID:CroTtJ60
どうも前スレで歌手永森やまとを書いた作者です。これを見てどう
思ったか感想を書いてください。
18 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/05/01(金) 23:00:07.33 ID:wv9CYBQ0
     \::::::::::::::::\\        | |::::::|
         ̄ ̄\::::\ヽ        | l::::::|
            \:< 〉        } }:::::|
               }::} :|      〈 〈:::/  / ̄ ̄ ̄ ̄\
                 }:}。|       / /:/  |  あははっ  |
         o   ,x∨´ ̄ ̄` 〈。}:/    \  ___/
       O     ,/:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.∨\    |/
          o ノ:.:.:.:.:./|:.:.:|:.:.:_|:.:.:.:.ハ  
            /:.:.:.:ィ/⌒ヘ:.:|\:.:.:.\:|:.:.:|
         . |:.:.:.|:.:.{__^ N __、:.:.:/:.:.:.!
         ハ:.:.:V'´ ̄   ´ ̄``7:.:.:.:/^!   
.             \∧'"" r== ┐ "/:.:.// ./    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
            /:.:.:小、  、 __ノ /:.:././ {__   < 感想の強要なんて呆れたわ!  
           ./:.:./:/:.:./>ー</:.:.:/    〉┐   \____________
          /:.:./>ィ'::∧   /:.:/:{ 〈 { / :ト、
         ./:.:.∧:::::::}::⌒7ー/:.:/::∧ }ヘ  ノノ }
        /:.::/:::::}::::〈::::∨ //\:::}しヘー>‐ '7
       ./:.:./::::::::|:::::ヘ:/ /::::::/}Vー――':::/
     ./:.:./:::::::::ノ:::::::::}/::::::イニニ}⌒7⌒ く
     /:.:.:.:.:|:::::::::::{:::::::::::|:o::::::::::::::::::::::::::/:.:\.:.:\
    ./:.:.:/:./::::::::::∧:::::::::|:::::::::::::::::::::::::::∧:.:.:.:.l:.:.:.:.|
   /:.:.:/:./::::::::::/: /}::::::::|:o:::::::::::::::::::::::{:.:l:.:.:.:.|:.:.:.:.|
    |:.:./:./:::::::::::::\/____、:::::::/}_:く/\:.:.: |:.:.:./
    |:.:.:.:.:\:::::::::::::::::::::::::::{ { ̄  r==ミ::::::::::::>/:.:./
19 :おし☆らせ[sage]:2009/05/02(土) 00:08:21.89 ID:0.6sIswo
☆★☆

では第14回コンクールのお題募集を終了し、投票を開始します、。しめきりは3日24時の予定です
これを読みたい、書きたい、と思うものに投票を。(無論、一人一票です)
http://vote3.ziyu.net/html/odai14.html

★☆★
20 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/05/02(土) 00:12:58.38 ID:0.6sIswo
おもっきりスルーしてたけど>>5乙です!
全然気付いてなかったぜ……orz
21 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/05/02(土) 00:54:30.67 ID:TBepn8I0
>>19
投票所管理乙です。
あと今更ながら>>1乙だ!
22 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/05/02(土) 20:26:58.67 ID:6DvvPFQ0
;`;:゛;`(;゜;ж;゜; )ブッ ていうより (゜Д゜)ポカーン って感じかもしれないのだが

今日ブックオフでぶらぶらしてたら、女子高生が三人やってきたんだ。
彼女らは脇目もふらずコミックコーナーまで来て、ある棚の前で立ち止まった。

A「私こっからここまで持つから、Bはこっからここ!Cはこっから全部持って!」

何だ?と思いそっと覗いてみたら
「パタリロ!」の全巻を三分割して両手に抱える女子高生三人!

そのまま、また脇目もふらずレジに向かい会計(勿論Aが全額払った)してたけど、店員さんの目が点になってた。

しかもその時の会話

B「すごいよねー…」
C「あれの為にバイト代地道に貯めてたんだもんね…」

パタリロの為に貯金する女子高生すげぇ。
さらに、

A「いやー重い!ごめんね付き合わせて」
B「いや、別にいいけど…」
A「次はジョジョかなー。またバイト頑張んなきゃ」
B,C「………」

意気揚々と店を出ていくAと、呆れ気味のB&C。

頑張れ女子高生!

---------------------------------------
既出だと思うけど、このコピペ、そのまま本編の1シーンとして脳内補完できそうw
23 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/05/02(土) 21:06:39.53 ID:Y.DlRcw0
日記帳にでも書いてろよ
24 :第二次泉こなた内閣──与野党の風景[saga]:2009/05/03(日) 10:56:57.23 ID:QoUZ7lk0
1.地デ○カ

総務大臣ら民放連に地デ○カの二次創作を認めるよう行政指導

 民放連が地デジ普及のために創作したキャラ「地デ○カ」関連の二次創作を認めていない問題に関して、泉そうじろう総務大臣、田村ひより法務大臣及び魔天ぱとりしあ文部科学大臣は、民放連に対し連名で二次創作を認めるよう行政指導を行なったことを明らかにした。
 泉こなた総理大臣も了承済みだという。
 泉そうじろう総務大臣は「地デジ普及は国策であり、地デ○カの二次創作を認めないことは、その妨げになる。民放連には地デジ普及のためにも、是非ともご協力いただきたい」と語った。
 田村ひより法務大臣は「今度のコミケで、地デ○カの同人誌出すっスよ」と鼻息荒く語った。「公私混同では?」という指摘には「とんでもないっス。地デジ普及のための広報活動っスよ」と反論した。
 魔天ぱとりしあ文部科学大臣は「せっかくの萌えキャラがもったいないデス。ア○ロ熊ともコラボもありデスね」とコメントした。


2.豚インフルエンザ

 首相官邸。
「かがみんや」
「なによ」
「豚インフルエンザ感染防止の広報活動用に『豚フルちゃん』なんてキャラはどうかな?」
「それはいったいどんなキャラだ」
 柊家の一斉離党に一時期は気を落としていたかがみも、もうすっかり復活していた。
 ツッコミにいつものキレが戻っている。
 泉こなた政権下の官房長官の第一の役目は、首相にツッコミを入れることだ。それがつつがなく行なわれていることは、喜ぶべきことであった。
「こう、かわいい豚さんの、美少女キャラっぽい感じ?」
「少しは真面目にやってくれ」
「私は常に大真面目だよ、かがみん。国民に強くアピールするためにはインパクトが必要なんだ。さっそく、ひよりんにキャラデザ頼もうかな。キャラソン作って、小神さんに歌ってもらうのもいいね」
「勝手にしてくれ」
 かがみは呆れた顔だった。

25 :第二次泉こなた内閣──与野党の風景[saga]:2009/05/03(日) 10:57:36.55 ID:QoUZ7lk0
3.対抗

 新星党本部、総裁室。
「防諜組織の創設ですか?」
「うむ」
 ふゆきの疑問形に、ひかるは簡潔に答えた。
 ひかるは、ふゆきが淹れた紅茶に口をつけた。本場イギリス仕込みの方法で淹れられた紅茶は、今日も至高の香りと味であった。
「裏事はあまり好きではないですね」
「この党本部だけでも、500個以上の盗聴器が見つかった。せめて、情報のただ漏れだけでも防がんと、永森機関に対抗できん」
「それも一理ありますね。ですが、その組織は誰が引き受けるのですか?」
「私がやる。汚れ役だからな。若いもんに押し付ける気はない」
「ひかるさんだってまだ若いではないですか? その歳でそんな年寄りめいたことをいっていては、柊夫人に怒られますよ」
「あの人は別格だろ。あの歳であれはありえん。あの人の生年月日は詐称じゃないだろな?」
「それはないと思いますよ。私たちもああいうふうになりたいものですね。それはともかくとして、防諜組織の創設については承認します」
「うむ」


4.引き裂かれた人たち

 新星党本部。
「かがみお姉ちゃん、大丈夫かな……」
 つかさは、ぽつりとそうつぶやいた。
「かがみなら、大丈夫でしょ」
 お気楽にそう答えたのは、まつりだ。
「でも……」
「そんなにいうなら、こっちに誘えばよかったじゃん」
「それは、ゆたかちゃんに止められちゃったから。見込みが全くないからって」
「確かにね。かがみは、こなたちゃんにべったりだからねぇ」

26 :第二次泉こなた内閣──与野党の風景[saga]:2009/05/03(日) 10:58:07.44 ID:QoUZ7lk0
 厚生労働大臣室。
 小神あきら厚生労働大臣が一枚の紙とにらめっこしてるところに、音無りんこ国土交通大臣が来訪してきた。
「きらっち、何してるん?」
「おまえ、仕事はいいのかよ?」
「ハンコ押すだけだから、すぐに終わったじぇ。あとは役人さんにまかせとけばいいし」
「そうかい」
 あきらはにらめっこしていた紙切れを、りんこに渡した。
 そこには、「豚フルちゃんの消失」と題された詩みたいなものが書かれていた。
「これはなんだにゃ?」
「泉先輩からの命令。それ歌えってさ」
「アイドルは大変だにゃ」
「どこにいたって私の役目は広告塔だから、それも仕事のうちっちゃうちなんだけどさ」
 歌詞の内容は支離滅裂だ。それでも、命令とあらば歌わねばならない。
「がんばれ、きらっち」
「ああ。それにしても、音無はなんでこっちに残ったんだ? 大原も中谷もあっちに行ったんだから、音無もあっちの方がよかったんじゃ」
「きらっち一人だと寂しいでしょ?」
「そんなことねぇよ」
「白石君がいれば私は大丈夫なの、ってか?」
「白石は関係ねぇ」


 新星党本部。
「はぁ……」
 みなみは、ゆたかの写真を眺めながら溜息をついていた。
 ここ最近、そればっかりしているような気がする。
 ゆたかは逝き、ひよりやパティとは対立関係になってしまった。姉のように慕っていたみゆきも、あっちに残っている。
 自分の拠って立つべき場所がすべて失われてしまったような喪失感が、ただ重くのしかかっていた。
「いつまでも引きずっていては精神衛生上よろしくありませんよ」
 みなみが振り返ると、そこにはふゆきがいた。
 あの日からずっと、最低一日一回はこうして様子を見に来ていた。
27 :第二次泉こなた内閣──与野党の風景[saga]:2009/05/03(日) 10:59:01.12 ID:QoUZ7lk0
「分かってます。分かってはいるんです……」
「小早川さんの最期の言葉は覚えていらっしゃいますね?」
「はい……」
「ならばよろしいです。岩崎さんには、小早川さんの期待に応える義務はありませんが、そうする権利は与えられています。その権利を行使するかどうかは岩崎さん次第ですよ」
 下手ななぐさめなどに意味はない。
 ふゆきはそれが分かっていたから、ただそれだけを告げて、その場を去った。

──みなみちゃん。私のためでなく、みんなのために生きて。

 それがゆたかの最期の言葉。
 もちろん覚えている。何があったとしても決して忘れることはないだろう。


 財務大臣室。
 みゆきは、黙々と仕事をこなしていた。
 金融担当大臣との兼務は楽ではないが、それでも官房長官時代に比べればまだマシだった。
 豪腕を轟かせたかがみの官房長官復帰は、みゆきの負担を格段に減少させていた。
 仕事がひと段落つき、席を立って窓のガラス越しに外の風景を眺める。
「みなみさんは、大丈夫でしょうか?」
 ゆたかの入院中の検査結果情報をみなみに流した件は、永森機関の察知するところとなり、こなたに報告されていた。その結果、みゆきは、こなたから厳重注意を受けることとなった。
 そのため、みなみとは気軽に連絡しあえる状態ではなくなってしまい、心配はつのるばかりだった。

28 :第二次泉こなた内閣──与野党の風景[saga]:2009/05/03(日) 10:59:42.77 ID:QoUZ7lk0
5.封緘命令書

 幸星党本部。
 やまとは、一通の封書を手にしていた。それは、ゆたかの幸星党総裁辞任の前日に、やまと宛に届いたものだった。
 差出人名は「幸星党総裁小早川ゆたか」となっている。
 そして、封書の表には、次のように書かれていた。

 Sealed Order,
 Eyes Only in the Future

 硬い感じで意訳すれば、「封緘命令、未来においてのみ開封可」といったところだろうか。
 あえて英語なのは、ゆたかの精一杯のシャレっ気だったのかもしれない。
 そのゆたかはもうこの世にはいない。よって、開封すべき「未来」がいつなのかの判断は、すべてやまとに任されているということになる。

 やまとは、いまだにそれを開封していなかった。
 今はまだそのときではないと判断していたから。あるいは、ただ単にそうすることが怖かっただけなのかもしれない。
 余命わずかしかないことを悟ったゆたかが、死後を見越して下した命令。その内容は想像もつかない。
 それでも、一度開封したらもう後戻りはできない。やまとはそう確信していた。

 やまとは、封書を開かず、金庫の中にしまった。
 そのとき電話が鳴り響いた。
「はい。永森です。……はい、かしこまりました。ただいま出頭いたします」
 こなた総裁からの呼び出しだった。
 自衛隊洗脳計画の進行状況を聞きたいとのことだった。
29 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/05/03(日) 11:00:04.43 ID:QoUZ7lk0
以上です。
30 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/05/03(日) 16:42:30.08 ID:kMrwx.20
>>17
亀レスですみませんが、
やまとが歌手になるっていう発想は奇抜で面白いと思いますよ。
ただ、きっかけになるエピソードなんかも読めれば
もっと説得力が出ると思います。

>>29
相変わらず時事ネタの使い方が上手で、
話の方はだんだん歴史ドラマのような雰囲気が出てきましたね。
続きの展開が気になると同時に、
腐女子二人が、その内ポカやらかすんじゃないかと心配になってきましたwwww
31 :命の輪に喜びを[saga]:2009/05/03(日) 18:36:32.90 ID:3QsFDIU0
投下いきます。

命の輪、旦那編の三話目です。
32 :命の輪に喜びを[saga]:2009/05/03(日) 18:37:27.87 ID:3QsFDIU0
 大学を卒業し、何とか無事に就職が出来てしばらく経った頃だった。
「出来ちゃったみたい…」
 何やら深刻っぽい声色で、こなたがそう言ってきた。
「…何が?」
 何のことかさっぱりなので、俺はそう返しておいた。
「そ、その…あの…あ…赤ちゃん…」
 俺は返事をするのも忘れて、ぽかんと口を開けたまま固まった。
「…誰の?」
 何とか絞り出した言葉は、我ながら実に間抜けな質問だった。
「もちろん、わたしとダーリンのだよ」
 こなたが照れくさそうに答えた。
 俺は混乱が収まらず、いつの種で出来たんだとか、どうでもいいことばかりが頭を回っていた。
「…産んでいいよね?」
「え?な、なにを?」
 こなたの問いに、またしても間抜けな答えを返してしまう。
 なにって決まってるだろうに、何を言ってるんだ俺は。
「赤ちゃん…産んでいいよね?」
 それでもこなたは、辛抱強く聞いてきた。
 俺は平静さを戻すために、自分の頬を二度ほど叩いた。
「…産んで悪い理由が無いだろ?」
 ある程度正気に戻った俺は、そうこなたに言った。
「だよね…えへへ、良かった。産むなって言われたらどうしようかと思ったよ」
「俺がそんなこと言うわけ無いだろ?」
 俺は余程の理不尽で無い限り、こなたの言う事は聞いてやろうと決めていた。
 多少大変なことでも、俺が支えてやればいい。
「俺たちの子供か…嬉しいな」
 それに、冷静になって考えれば、それは俺にとっても喜ばしいことだ。
「うん、嬉しいよ…とても、ね…」
 こなたが、自分のお腹を撫でながら目を細めた。
 高校を卒業する頃には、とても想像できなかった幸せな時間。
「…あんたら…わたしの前でこういうシーン展開するのはわざとか?嫌味なのか?…」
 その中でかがみさんがふてくされていた。


- 命の輪に喜びを -


33 :命の輪に喜びを[saga]:2009/05/03(日) 18:38:46.74 ID:3QsFDIU0
 こなたの妊娠が分かってから、数ヶ月が過ぎた。
 この事は、彼女の友人達にもそれなりに大きな出来事だったらしく、知れ渡ってからはみんなが家に顔を出すことが多くなった。
「こなちゃんのお腹、ホントに大きくなってきてるよ…」
「知識として知ってはいても、実際に見ると不思議な感じがしますね…」
 今日は、つかささんとみゆきさんの二人が、こなたの様子を見に来ていた。
「名前は決めたの?」
 つかささんが、こなたにそう聞いた。
「いや、まだなんだよ…そうだね、そろそろ決めないとねー」
 こなたが答えながら、俺の方をチラッと見てきた。
「そうだな。やっぱ、こなたの名前からなんか考えたいな」
 俺がそう言うと、何かツボッたらしくこなたの顔が見る見る赤くなっていった。
「わ、わたしの名前から?」
「うん、こなたみたいに可愛らしい子に育って欲しいからな」
 俺に似るとかゾッとしないしな。
「そ、そんな…まだ女の子とか分からないのに…」
 そういやそうだ。
「女の子に決まってるさ」
 言い切ってみた。何の根拠も無いが。
「…う…あ…わ、わたし、お茶のおかわり淹れてくる!」
 急に立ち上がって、居間を出て行くこなた。許容量を超えたのだろうが、お腹に赤ん坊がいるため、今まで見たいに転げまわることが出来ないのだろう。
「わたし、手伝ってくるね」
 つかささんがそう言って、こなたの後を追いかけた。こなたの身体を気遣ってくれてるのだろう。
 俺はカップに残っていた紅茶を飲み干し、ため息を一つ吐いた。
「…今のご気分はどうですか?」
 唐突にみゆきさんがそう聞いて来た。
「不思議な気分だよ」
 俺は正直な気持ちを答えていた。
「実感が湧かないって言うか…いや、こなたと出会ってからそんなことばかりなんだけど…なんつーか、ね」
 自分でも曖昧な返事だと思う。しかし、今の気分はかなり言葉にしづらい。
 なんとか的確な言葉を探そうと四苦八苦してる俺を見て、みゆきさんはクスクス笑っていた。
「な、なんだよ…」
「ふふ、すいません…なんだか、幸せそうですね。少し、羨ましいです」
「そう…かな」
 そう見えるのなら、そうなのだろう。
 本当に、こなたと合えたことを嬉しく思う。俺は今まで信じたことも無い神様というものを、少しばかり信じていいような気さえしていた。
「…こなちゃん?…こなちゃん!」
 その時、キッチンの方から只事じゃなさそうなつかささんの声が聞こえた。
34 :命の輪に喜びを[saga]:2009/05/03(日) 18:39:34.62 ID:3QsFDIU0
 俺は居間を飛び出し、キッチンに飛び込んだ。
 目に入ったのは、床に倒れているこなたと、抱き起こそうとしているつかささん。
「こなた!どうした!?…つかささん、なにが!?」
 俺はそう聞きながら、つかささんにぐったりと身体を預けているこなたの傍に座り込んで、その手を握った。
「わ、わからないよ…こなちゃん、急に倒れて…」
 つかささんが泣きそうな顔で、俺に答えた。
「…大丈夫…大丈夫だから…」
 こなたの呟きが聞こえる。顔色も真っ青で、どう見たって大丈夫じゃない。
「救急車を呼びました…泉さん、少しご辛抱を」
 いつの間にかキッチンに来ていたみゆきさんがそう言った。
「すいません、独断で…」
 そして、俺に向かってそう謝る。
「いや、助かるよ。ありがとう」
 正直、そこまで頭が回っていなかった。
「…大丈夫…大丈夫…」
 まるで、自分に言い聞かせるかのようにこなたが呟き続けている。
 救急車が来るまでの間、俺はこなたの手をずっと握り締めていた。


「…このまま出産を迎えれば、非常に危険であると言わざるをえません」
 医者のその一言は、俺を打ちのめすのに十分だった。
「危険って、どういう…」
 分かってはいるのに、聞かずにはいられなかった。
「赤ん坊の方は問題は無いでしょう…しかし、母体の方は最悪の事態もありうると…」
 俺は、それ以上は何も言えなかった。
「奥さんから聞いておられなかったのですね」
「え?」
「妊娠が分かった際に、奥さんには出産は危険であることは伝えておいたのですが…」
 俺は、後ろに立っているそうじろう養父さんの方を見る。養父さんは黙って首を横に振った。
「…なんで誰にも話さなかったんだよ…」
 静かになった部屋に、俺の呟きだけが響いた。


35 :命の輪に喜びを[saga]:2009/05/03(日) 18:40:28.63 ID:3QsFDIU0
「ごめんね」
 病室にいたこなたが、最初に言ったのは謝罪の言葉だった。
「それは、何に対してのごめんねだ?」
 俺がそう聞くと、こなたは困ったように眉根を寄せた。
「色々だよ…黙ってたこととか、色々…怒ってる?」
 こなたが、俺の顔を覗き込みながらそう聞いてきた。
「正直、怒鳴りつけたい…なんで、誰にも言わなかったんだ?」
「反対されると思ったから…それだけだよ」
 これまでの中でも、最大の我儘だと思った。俺はどう答えていいか分からなくなり、こなたの大きくなったお腹をただ見つめていた。
「…ごめんね…ほんとに…」
 黙っている俺に、こなたが優しい声で謝ってきた。
「…何か、俺に出来ることはあるか?」
 そのこなたに、俺はそう聞いていた。こなたのこのとんでもない我儘でさえ、俺は許そうとしている。つくづく甘い夫だ。
「そうだね…じゃあさ、普通でいてよ」
「…え?」
「わたしが良いって言うまでさ、いつも通りに、普通にしててよ」
「それは、俺にしか出来ないことか?」
「多分、ダーリンにしか出来ないよ」
 こなたが確信を持ったように言い切った。どこからそんな自信が来るのかわからない。
 俺は、正直自信が無かった。今のこなたを前に、普通でなんていられるだろうか。
 でも、それがこなたの望みなら、こなたの支えになるのなら、俺に選択の余地はないだろう。
「分かった…約束するよ」


 本当なら、大変だけれども心踊るような日々だったに違いない。実際、出産が危険だと分かるまではそうだったんだ。
 今は、大変なだけだ。辛いと言ってもいい。
 追い討ちをかけるように、俺の仕事が忙しくなり、こなたの見舞いに行くことが困難になってきた。
 こなたは気にしていないと…むしろ仕事の方を優先して欲しいと言ってくれてはいるが、こなたのことが気になり仕事に身が入らない。ミスも多くなり、仕事がますます増えていく。
 悪循環だ。
 こなたの病室に顔を出せた時も、傍目に普通に出来てるかわからない。
 俺は、こなたとの約束を守れるのだろうか。
 悪い感情ばかりが増えていく。
 本当に、最悪だ。


36 :命の輪に喜びを[saga]:2009/05/03(日) 18:42:17.54 ID:3QsFDIU0
 その日、仕事から帰った俺は、洗面所で今日の昼飯を戻していた。
 ここ数日は何を食べても戻すことが多い。ストレスが溜まりきってるのだろうか。
 こなたの容態があまり良くなく、養父さんが病院に詰めて、家を空けがちなのは幸いだった。
 こなたを託されておいてこんな様だ。正直、見られたくない。
「…あの、大丈夫ですか?」
「…え?」
 誰もいないはずなのに声をかけられた。俺は驚いてそっちの方を見た。
「どうしてここに?」
 そこにいたのは、高校を卒業した後、実家に戻っていたはずのゆたかちゃんだった。
「ごめんなさい。勝手に入っちゃって…インターホン鳴らしても反応が無かったから、心配になって…戻してたみたいだけど、大丈夫ですか?」
「ちょっと、仕事がきつかっただけだよ。心配ない」
 正直、大丈夫じゃないけど、俺は無理矢理笑顔を作って見せた。
 普通に見せないと。そう思って。
「いや、しっかし酷い有様だねー」
 居間の方からまた違う声が聞こえた。あの声は、成美さんか。

37 :命の輪に喜びを[saga]:2009/05/03(日) 18:42:49.74 ID:3QsFDIU0
「叔父さんもあんまり家にいてないんでしょ?疲れてるのは分かるけど、片づけくらいはちゃんとしたほうがいいよー」
 居間に入ると、成美さんに説教じみたことを言われた。確かに家のあちこちが散らかっている。
「…しょうがないですよ。俺は整理とか苦手なんです」
 それでよくこなたに怒られていた。その事を思い出すと胸が痛み、思わず顔をしかめた。
「まーそうだろうねー。こなたからそう言う事聞いてたし。だからね…ほら、ゆたか」
 成美さんが、ゆたかちゃんの背中をポンと叩いた。
「え、えと…こなたお姉ちゃんが退院するまで、わたしが住み込みで家事をしますね」
 ゆたかちゃんがそう言った。
「それは…大変じゃないのか?」
 ゆたかちゃんだって、暇じゃないはずだ。
「そうかしれません…でも、些細なことです」
「いや、でも…」
「何を心配してるか知らないけど。こういう好意は素直にうけとりなよ」
 成美さんが、今度は俺の背中を軽く叩いた。
「こなたを支えなきゃいけないんでしょ?…だったら、そのキミをわたし達が支える。そう言う事だよ」
 いつもと変わらない調子で、成美さんはそう言った。
「…どうして?」
 その成美さんに、俺はそう聞いていた。本当にどうしてか分からなかった。
「家族だもの。当たり前じゃん」
 俺は、胸の奥がキュッと締まるような感覚を覚えた。
 当たり前。この人たちは、当たり前の事を当たり前のようにしてるだけ。家族だからという、その一事だけで。
 俺は、こなたのことばかり考えていて、全く周りが見えていなかった。
 頑張ろう。そう、強く思った。
 支えてくれる人がいるなら、俺はこなたを支えていける。悪循環が、断ち切れるような気がした。
「ありがとう…ゆい姉さん。ゆーちゃん」
 俺は、無意識に二人をそう呼んでいた。
「おや、やーっとそう呼んでくれたねー」
 ゆい姉さんが嬉しそうに頷く。その様子を見ていたゆーちゃんが、クスクスと笑ってるのが見えた。
「まあ、がんばんなよ、ゆたかも旦那さんも。わたしも暇出来たらこっちに顔出すから」
「…お姉ちゃん。来るのはいいけどあまり散らかさないでね?」
 ゆーちゃんが困ったようにそう言った。
「う、何てこと言うかねこの子は…まるでわたしが何時も散らかしっぱなしみたいな…」
 その姉妹の会話を、俺は笑って聞いていた。久しぶりに、ちゃんと笑えた気がした。

 もし彼女達が支えを必要とした時は、今度は俺がしっかりと支えてあげよう。
 一人の家族として。


38 :命の輪に喜びを[saga]:2009/05/03(日) 18:44:05.84 ID:3QsFDIU0
 俺が病室に入ると、こなたは上体を起こして本を読んでいた。
「調子良さそうだな」
 俺がそう聞くと、こなたは頷いて見せてくれた。
「ダーリンも、調子良さそうだね…最初の頃はちょっと心配だったけど」
 ベッドの隣にある椅子に座った俺に、こなたがそう言ってきた。
「俺の心配なんかしてないで、自分の心配しろよ」
 そう言えるくらい、俺の調子は良くなっていた。それに釣られるように、こなたの調子も良くなっていく。
 いい傾向だ。こなたが俺に求めてたのは、こういう事だったんじゃないかとすら、思えてきた。
 ふと気がつくと、こなたは読んでいた本を置いて、俺の顔をじっと見ていた。
「な、なんだ?」
「ねえ、ダーリンはさ、かがみの事は好き?」
 こなたらしい、なんの脈絡も無い質問だ。
「それは、どういう意味での『好き』なんだ?」
 その辺りはハッキリしておかないとな。
「そりゃもちろん、異性としてだよ」
「…浮気オーケーと受け取っていいのか、それは?」
「いや、そうじゃないけど…あー、いやそうなのかな…うー」
 今度は、いきなり悩み始めた。
 俺は、いつもの調子の会話に少し嬉しくなっていた。
「ま、まあ、そこは置いといて、どうなの?」
 こなたが重ねて聞いてくる。こうやってしつこく聞いてくるときは、何らかの意図があってのことだ。それが、いい事か悪いことかは置いといて。
「まあ、魅力的ではあるな…」
 変な勘ぐりされても困るので、少し控え目な表現をしておいた。
 控え目に言わなければ、かがみさんはかなり魅力的だと思う。怒ると怖いけど。
「ふーん…まあ、好意はある、と」
 なんだか、拡大解釈されてるような気がする。
「んじゃさ、一つだけお願いしていい?」
「ん、なんだ?」
 こなたがお願いって表現を使うのは、珍しい気がする。
「わたしにもしものことがあったらさ、かがみと再婚して欲しいんだ」
 俺は、頭の奥が一気に冷えていくのを感じた。
39 :命の輪に喜びを[saga]:2009/05/03(日) 18:44:57.47 ID:3QsFDIU0
「…ふざけてるのか?」
 冷えた感覚そのままに声を出す。
「ふ、ふざけてるわけじゃないよ…」
 思ったより冷たい声が出たのだろう。こなたが少し怯えているのがわかった。
「冗談じゃないなら、なおさら止めてくれ。そんなもしもの話なんて…」
 最悪の事態なんて、考えたくもない。
「…絶対なんて無いんだよ…そうなる確率は無くならないんだよ…」
「こなた…」
「だから、そうなった時のために、なんかしておきたいんだ…この子には、母親ってのを感じさせてあげたいなって」
 理解はできる。でも、納得は出来ない。
「…なんで、かがみさんなんだ?」
 俺は答えが出せずに、話を逸らした。
 こなたと付き合い始めた時から気にはなっていた。こなたはどうしてか、友達の中でもかがみさんには特別な思い入れというか、こだわりのようなものを持っている気がしていた。
「あー…それは、その…んー…まあ、いいか。こんな事話す機会なんてもうないだろうしね…」
 こなたは、何故か頬を赤らめて頭をかいた。
「えっとね、驚かないで聞いてね…かがみと知り合ったのは高校の時なんだけど…その…その時にね、わたしはかがみの事好きだったんだ…えと…せ、性的な意味で」
「…同性愛…か?」
 それは、驚くなと言うほうが無茶だ。
「うん、まあそんな感じ…あ、でもね、わたしが完全に同性愛者だってことじゃないと思うんだ。現にこうやってあなたと結婚して、子供も作ってるし、女の子にそう言う気持ち持ったの、かがみだけだったし…」
 なんと言うか、微妙な気分だ。
「…浮気を見つけたときって、こんな気分なんかな」
 俺がそう言うと、こなたはわたわたと手を動かして、言い訳を始めた。
「ああああ、違うよ。浮気とかじゃないよ。昔のことだよ。今はそんな気持ち薄れてるし、かがみはそんな気持ち全然無かっただろうし…」
 もし、かがみさんがそんな気持ちを持ってたら、壮絶な三角関係になってたかもな…。
「だからその…かがみなら、いいかなって…わたしの全部、託してもいいかなって思って…」
 最後の方は、呟くような声になっていた。
 高校の時に好きだったという気持ち。こなたは今でも、その気持ちを持っているんじゃないだろうか。だからこそ、ここまでかがみさんを信頼することが出来るんじゃないだろうか。そう思うと、少しばかり嫉妬のような想いが湧き上がってきた。
「…飲み物でも、買ってくるよ」
「え?…あ、うん…」
 その気持ちをこなたに悟られるのが嫌で、俺は適当な理由で部屋を出ることにした。


40 :命の輪に喜びを[saga]:2009/05/03(日) 18:45:59.95 ID:3QsFDIU0
 廊下に出ようとすると、ドアの前にいたかがみさんにぶつかりそうになった。
「あれ?かがみさん、今日は早いんだね」
 いつもは、もう少し遅い時間に来るはずだ。
 かがみさんからの返事は無い。思いつめたような表情が、少し気になった。
「こなた、今日は身体の調子が良いみたいなんだ。俺は少し買出ししてくるから」
 俺はそう言って、廊下を歩き出した。
「…なんであんなに普通なのよ…」
 後ろからかがみさんの呟きが聞こえた。


 自販機で俺とこなた、それにかがみさんの分のお茶を買って、病室へ引き返す。
 その途中で俺は、かがみさんのことを思っていた。
 彼女はこなたが入院してから、ほぼ毎日見舞いに来ている。自分も仕事があるというのに、無理に時間を割いて顔を出していた。
 かなり無理をしているらしく、日に日に弱っているように見えて、こなたも大分心配をしていた。
 ふと俺は、どうしてかがみさんはそこまでしてこなたの見舞いに来るのだろうと、疑問に思った。
 こなたへの思い入れと言うか、こだわりが少し普通じゃないような気がした。
 さっきのこなたの話を思い出す。高校時代に、かがみさんのことが好きだったという話を。
「…まさかな」
 俺は声に出して呟いて、足を速めた。


「ふざけないでよ!あんた何言ってるか分かってるの!?」
 病室の前まで来たところで、中からかがみさんの怒鳴り声が聞こえた。俺は、持っていたお茶の缶をその場に放り出して、病室に飛び込んだ。
「そんなこと出来るわけ無いじゃない!あんた、わたしをからかってるの!?」
 中では、かがみさんがこなたの胸倉を掴んで怒鳴りつけていた。
「お、落ち着いてよかがみ…そんな大きな声出したら、隣の部屋の人とかに迷惑だよ」
「あんたが変な事言うからでしょうが!」
 俺はこなたとかがみさんの間に身体をねじ入れ、二人を引き離した。
「かがみさん、ホントに少し落ち着こう。それで、良かったらわけを聞かせてくれないか?」
「わけも何も、こいつが…」
 かがみさんは、そこで言葉を切った。視線はこなたの方を見ている。俺もこなたの方に視線を向けた。
「………」
 こなたが顔色を真っ青にして、ベッドの上でうずくまっていた。
「…な、なに?…どうしたの、こなた?」
「…い、いたい…」
 かがみさんの問いに、こなたがかろうじてそれだけ答える。俺はベッドの横にあるナースコールのボタンを押して、こなたの傍にいき、その身体を抱きしめた。
「…こなた、大丈夫か?」
「…大丈夫…大丈夫…だよ…」
 こなたの耳に囁きかけるように俺が聞くと、ほとんど聞き取れない声で答えが返ってきた。これは、かなり不味いかもしれない。
「陣痛だよ。始まったのかもしれない」
 何が起こっているのか分かっていないのか、その場に突っ立ったままのかがみさんに、俺はそう言った。
「な、何が…?」
 かがみさんがそう聞いて来たところで、何人かの看護士が部屋に入ってきた。苦しむこなたを担架に乗せて運び出す。俺はそれについて部屋を出た。


41 :命の輪に喜びを[saga]:2009/05/03(日) 18:47:59.61 ID:3QsFDIU0
 結果を簡単に言うと、こなたも赤ん坊も無事だった。その事が分かったときには、心の底からほっとした。


「あれ?こなた達は?」
 病室に入ってくるなり、かがみさんが挨拶もなしにそう言った。
「母娘揃って検査だよ」
 俺は読みかけの本をベッドの上に置いて、かがみさんに椅子を譲るために立ち上がろうとした。その俺を手で制して、かがみさんはベッドの上に腰掛けた。
「今日はあんまり時間無いから、こっちで良いわ。こなたの顔見たら帰るつもりだったし」
「そっか…」
 しばらく会話が途切れる。こなたを間に挟まないと、意外と喋れる事が無いんだな。
「…あの時は、ごめんね」
 唐突に、かがみさんがそう言った。
「何が?」
「子供が生まれた時の…こなたに怒鳴ったの。あんたも嫌な気分だっただろうし…」
「ああ、あの時の…」
 どうして怒鳴ってたかは見当がつく。こなたはかがみさんに、『もしものとき』のことを話したのだろう。
「あの後、かなり自己嫌悪したわ…あれが原因でって事になったら、落ち込むくらいじゃすまなかっただろうけど」
「まあ、大丈夫だったから問題ないよ」
 俺がそう言うと、かがみさんは呆れた表情をした後、盛大にため息を吐いた。
「なんだか深刻なわたしが馬鹿みたいね…」
 いや、多分深刻じゃないほうが問題だと思うけど。
「…唐突だし脈絡もないし、かなりアレなんだけどさ…変な事言っていい?」
「そう言う事は、こなたでだいぶ慣れたよ」
「そう…あのね、高校の時にわたしがこなたの事好きだったって言ったら、驚くかな」
 それは驚く。多分、かがみさんが考えてるのとは少々違う意味で。
「…どういう意味での好きなのかな?」
 念のために、聞いてみた。
「どうって…えーっと…ラブ的な意味、かな?」
 なんと言うか…俺は驚きを通り越して、呆れた気分になっていた。
「…そういうのもあったから、あの時こなたに本気で怒っちゃったのかもね…あー…やっぱ変よね。こういうの」
「いや、そうでもないんじゃないかな…こなたも同じ事言ってたし」
 思わず言ってしまった俺の言葉に、かがみさんが目を丸くする。
「こなたが?…えっとそれってもしかして、こなたが高校の時にわたしをって事?」
 俺は頷いた。
「…なんだ、そうだったんだ。相思相愛だったんだ…勿体ないことしちゃったかな?もし、告白とかしてたら上手くいってたかも」
「それは困るな」
「どうして?」
「俺がこなたと出会えなくなる」
 俺の言葉に、かがみさんがクスッと笑った。
「そうね、それは困るわね…じゃ、お邪魔な私は帰るとするわ」
 かがみさんがベッドから立ち上がり、ドアの方へと向かう。
「こなたに会っていかなくて良いのかい?」
 俺がどの背中に向かってそう言うと、かがみさんは振り向きもせずにひらひらと手を振った。
「今日はいいわ。じゃね」
 そう言って、ドアから出て行くかがみさん。
42 :命の輪に喜びを[saga]:2009/05/03(日) 18:50:01.49 ID:3QsFDIU0
「あれ、かがみ?帰るの?」
 その直後に、ドアの向こうからこなたの声が聞こえた。丁度戻ってきたところらしい。
「あ、うん。今日は時間内から。またね、こなた」
 ドアを開けてこなたが入ってきた。
「かがみ、機嫌よさそうだったけど何かあったの?」
 こなたはそう言いながら、ベッドに腰掛けた。
「ん、ああ、ちょっとな…お前だけか?」
 赤ん坊も一緒に検査に行ったはずなのに、戻ってきたのはこなただけだった。
「うん。あの子の方は、もうちょっと時間かかるって」
「そうか」
 しばらく、沈黙が続く。
「…もう、良いんだよ」
 唐突にこなたがそう言った。
「何がだ?」
 本当に何のことか分からず、俺はそう聞いていた。
「ほら、言ったじゃない『わたしが良いって言うまで、普通でいて』って」
「ああ、そう言えばそうだっけ」
 正直、忘れてた。
「だからさ、もう良いんだよ…色々溜め込まなくてもさ」
 あの時の俺なら、その言葉に甘えていたかもしれない。でも、今はもうそんな事は何一つ無い。
 俺からのリアクションが全く無いからか、こなたがムッとしていた。
「なんだよー。ここは溜め込んだものを吐き出したりとか、泣き出したりとかするところじゃないのー?」
 実に不満そうだった。
「普通なら、そうかもな」
「普通にしなくていいから、ノーリアクション?…なにが普通なのか分からなくなってきた…」
 俺もだ。
「お前は、どうなんだ?」
「ふえ?」
 こなたは振られたことが予想外だったのか、キョトンとした表情でこっちを見た。
「こなただって、色々溜め込んでたんじゃないか?」
 本当にそうなのかは知らない。こなたは達観したところがあるから、そう言う心配は無いかもしれないけど、溜め込んでるものがあるなら、吐き出させてやりたかった。
「…怖かったよ…すごく怖かった…」
 こなたは俯いて、それだけを呟いた。
「…そうか」
 俺はこなたの横に座って、その身体を抱き寄せた。
 こなたがほんの少しだけ見せた弱さ。俺はその意味を大切にしたいと思い、こなたを抱く手に力を込めた。二人の顔が自然と近づいていく。
43 :命の輪に喜びを[saga]:2009/05/03(日) 18:50:51.76 ID:3QsFDIU0
「こなちゃーん!お見舞いに来たよ!調子どう!?」
 その瞬間、時間が止まった。俺達は唇を合わせたままの格好で。つかささんはドアを開けたままの格好で。
「…つ、つかささん…だからノックはしたほうが良いと…」
 つかささんの後ろから、みゆきさんがそう言いながら顔を覗かせていた。
「え、えっと…わたし達のことは気にしないで続きを…」
「つかさ…怒ってないから、ちょっと表でようか?」
「えええ!?」
「やめい、やめい」
 つかささんの手を掴んで、病室から連れ出そうとするこなたの手を、俺が掴んで止める。
「折角、いいシーンだったのにー」
 こなたは、ベッドに上がって不貞寝してしまった。
 なんとも締まらないが、それくらいが丁度良いような気がした。



 モノクロだった世界は、いつしか憧れていた色に満ちていた。
 そのきっかけをくれた一つの出会い。
 そこから、幾重にも繋がり続ける命の輪。
 その中にいる喜びを、何よりも大事にしていきたい。
 誰よりも大事な人と、分かち合いたい。
 ゆるゆると、曖昧な答えで、俺たちらしく。


- 終わり -
44 :命の輪に喜びを[saga]:2009/05/03(日) 18:52:24.09 ID:3QsFDIU0
以上です。

微妙に歪んだトライアングラー。
45 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/05/03(日) 19:41:11.68 ID:R.7pDy2o
>>29
敵(豚フル)をかわいくしてどうする気だww
色々な思惑が見え隠れしてるな……今後どうなるやら。GJ

>>44
ルート分岐に繋がる話か、よかった。gj!
ラスト辺りワロタ。やり取りとか、各々キャラが立ってていいな
46 :おし☆らせ[saga]:2009/05/03(日) 19:47:58.18 ID:R.7pDy2o
テクテク
ペコッ
「こんばんは、高良みゆきです。本日24時、第14回コンクールのお題投票が終了します。
まだ投票なさっていない方はお早めにお願いします。URLはこちら」
http://vote3.ziyu.net/html/odai14.html
「それでは、失礼します」
ペコリ
テクテク


引っ張り出してきたいつかのテクテク
47 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/05/03(日) 23:36:59.80 ID:io22TISO
>>46

こなた「テクテク……懐かしいね」
みゆき「そうですね」

こなた「あの頃のみゆきさんは、少しばかり輝いていたよ」
みゆき「そうですか? ではまた流行らせてみましょうか♪」テクテク

みゆき「……♪」テクテク

テクテク

みゆき「……?」テク

テクテ

みゆき「……あの、泉さん? これでは以前と同じ――」
田舎っぺ「すらいしみぬらぬ」
みゆき「だ、誰ですか!?」
すらいし「にょろ〜ん」

みゆき「きゃあぁぁぁっ!!」
48 :おし☆らせ[saga]:2009/05/04(月) 00:10:29.32 ID:5BtCI9Qo
「こんばんは、再び高良みゆきです。投票の結果、第14回コンクールのお題は、『ゆたかとみなみ』に決定しました!」
http://vote3.ziyu.net/html/odai14.html
「投稿期間は、5月11日から5月24日までになっております。皆様の作品をお待ちしています」


「あ、>>47さん、あの頃の――という件について少し話し合いましょう」
49 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/05/04(月) 06:40:34.36 ID:4PSnhEAO
すらいしww
50 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/05/04(月) 20:04:55.34 ID:o34U9cc0
ひより「お題があの二人かー……」

   (舞台は寂れた屋敷の中。
     何も分からぬまま迷い込んだ二人は途方に暮れるも、ここでのサバイバルを決意。
     しかしこの屋敷には日が当たらない。
     二人の体はじわじわと熱を失っていく……。
     耐えられなくなった二人はその体を寄せ合う。
     しかしそれでは足りず、ついには身にまとう物を脱ぎ捨て、正面から密着し……)

みなみ「……田村さんの様子が変」
ゆたか「うーん、多分何も話しかけない方が幸せだと思うな、いろんな意味で」

ひより「ぬふぅ〜……」
51 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/05/04(月) 21:20:49.22 ID:FAmWvYU0
>>47
すらいしとか懐かしいなおいww

>>50
エロパロならこのお題でも結構書く人居るんだろうなぁ
52 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/05/05(火) 12:18:26.48 ID:4Lt9eYDO
みなみ「ゆたかとゆたかとゆたかと私…ゆたかとゆたかとゆたかと私…」
ゆたか「み、みなみちゃん?」
53 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/05/05(火) 16:59:39.21 ID:6u86fEAO
最近まともに作品を読めなくて、過去作品を読んでたんだけど……。

『道草』

ってスゴい作品だよな!
んまあ、ストーリーはらき☆すたの作品っぽさがあんまり感じられないんだけどね。
このストーリー、起承転結が分かりやすくて、しかもつかさがツバメの子供埋める「起」から、かがみもお祈りする「結」までの話の繋がり方は予測出来なかった。
そこを繋げてる、かがみにツバメの糞が直撃するシーン「転」が、この作品のストーリーで一番楽しいと言うかおもしろいと言うか、ワクワクしたよ(こんな表現でいいのかしら)。

あと、これが表現力と言うものか、かがみの感情の変化が手に取るようにわかるんだよ。
この変化がわかるからこそ、さっきの「転」がうまく再現出来てるんだとおもうんだ!

こんなスゴい作品を読ませてくれてありがとう!
こんな作品、俺もいつか書きたいなぁ〜。
54 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/05/06(水) 03:11:51.86 ID:s5yDYkAO
ゆたかの実家、ゆい姉さんやゆきさんが住んでる場所ってどこかわかる?
55 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/05/06(水) 05:38:41.77 ID:nd1fPHA0
>>53
感想ありがとうございました。
この感想でもう一つ作ったSSを投稿する気になりました。
投稿します。
タイトルは 祈り
みゆき目線です。

5分後に投稿します。
56 :祈り[saga]:2009/05/06(水) 05:41:02.23 ID:nd1fPHA0
祈り


 夏休みも終わり、暑さも日増しに和らいでいく。
そんなある日の放課後、
私は学級委員の書類の準備をしていた。
夏休み明けのせいか議題が沢山あったので書類が
今までの倍以上の量、
準備が遅れ気味だった。
 突然教室のドアの叩く音が聞こえた。
かなり荒っぽい、足で蹴っている感じだ。
教室には鍵はかかっていないはず。
しかし教室には今私しかいない。
私は不思議に思いながらも、
音のするドアを開けた。
みゆき「つかささん」
息が荒い、どうやら走ってきたようだ。
つかさ「ゆきちゃん丁度よかった、開けてありがとう、両手がふさがっちゃって」
肩で息をして話す。
みゆき「雀?」
両手に包まれるように、親指の隙間から顔だけ出した雀がいた。
 つかさ「帰る途中、バス停の隅っこにうずくまってるのを見つけたの」
そういいながら自分の机にむかい、脇に挟んでいた鞄を落とすように置き、席に着いた。
つかさ「近づいても逃げないからおかしいと思ったんだけど」
   「怪我はしていないみたい、また飛べるようになるかな」
   「ゆきちゃん丁度教室に居るしアドバイス聞きたくて急いで連れてきたの」
両手の中にいる雀の顔を見ながら話した。
みゆき「野生の鳥の世話をするのは難しいと聞いた事がありますね」
つかさ「そうなの?」
その話をした瞬間、以前聞いた話を思い出した。
思わずたしなめるように、
みゆき「つかささん、雀は臆病な鳥、手でつかむと」
   「捕まえられたショックで死んでしまうことがあるそうですよ」
つかさ「えっ」
驚いたのか、つかささんは両手を離した。
雀はそのまま机の上に落ちた。
立ち上がることもなくそのまま横たわってしまった。
そして激しく痙攣をおこしはじめた。
つかさ「どうしよう」
動揺しているのか硬直して何も出来ずにいる。
私は周りを見渡した。
チョークの入った箱を見つけた。
箱の中身を空にし、底にティッシュをひき詰めた。
みゆき「これの中に雀を」
私の声に反応はない、聞こえていない様子、
倒れた雀をただ見つめているだけだった。
見るに見かねて私は倒れた雀を箱の中に入れた。
みゆき「つかささん、落ち着いて」
この言葉にようやく落ち着きを取り戻した。
57 :祈り[saga]:2009/05/06(水) 05:42:31.32 ID:nd1fPHA0

 私達は箱の中の雀を見ていた。
つかさ「助かるよね」
みゆき「分かりませんね、こればかりは」
雀の痙攣は小さくなってきたが立ち上がる気配はない。
そして人形のように動かなくなってしまった。
みゆき「残念ですが・・・」
つかさ「うそ、見つけたときはちゃんと立ってたのに」
   「動いてよ、」
そういいながら箱をゆすって必死に呼びかけていた。
私はつかささん腕を押さえて顔を横に振った。
つかさ「そんな、私のせいで」
   「知らなかったばっかりに」
   「私が死なせたのと同じよね」
そう言い、泣き崩れててしまった。
みゆき「つかささん、これは不可抗力です」
   「近づいても逃げないほど衰弱していたようですし」
   「それに、この雀の寿命だったのかもしれません・・・」
私は思いつく限りの別の理由を話した。
しかし泣き止む様子はない。
今まで見たことのないつかささんの悲愴に満ちた表情だった。
つかさ「雀を見つけた時、丁度バスがきたの」
   「お姉ちゃんもこなちゃんも雀には気付いていない」
   「あのままバスに乗っても結局死んでたよね」
   「助けたい一心で雀の方を選んだけど」
   「死んじゃったね」
   「どっち選んでも雀を助けられない。」
   「私、どうればよかったかな、ゆきちゃん」
つかささんの問いに私は答えを持っていなかった。
沈黙がしばらく教室を包み込んだ。
つかささんのすすり泣く音だけが教室に響く。
みゆき「つかささん、しばらく落ち着くまでここでゆっくりしてて下さい」
   「なにもできませんが、私は当分ここに居ますので何かあったら声をかけて下さい」
つかささんは黙ってうなずいた。
今の私にはこれくらいしか言うことができなかった。

 とっさの事とは言え、とんでもないことを話してしまった。
結果的に私がつかささんを責めている形になってしまった。
それが執拗につかさんを苦しめてしまったようだ。
もっと別の言い方があったのかもしれない。
つかささんが教室に入ってきた時すぐに箱を渡していれば、
あんな事を言わずに済んだ。
いまさら後悔しても後にはもどれない。
 自分の席に戻り、書類整理を再開した。
しかし集中できるはずもない。
つかささんの最後に言った問いが頭から離れない。
私ならどうしていたか。
あの雀の状態を考えれば、いくら適切な処置をしたとしても獣医でもない私が
助けられたとは思えない。
58 :祈り[saga]:2009/05/06(水) 05:46:30.56 ID:nd1fPHA0
いや、そもそも見つけたとして助けようとしただろうか。
目の前にバスが来たのであれば、そのまま帰ってしまったかも。
それとも別の方法があったのか。
ため息がでた。
自分に置き換えて考えても答えが出るわけはない。
 
 どのくらいくらい経過しただろうか、
窓から夕日が射してして教室が夕日色に染まった。
もうこんな時間、目標の半分も書類整理は終わっていなかった。
教室に居られる時間もそんなにない。
続きは自宅でやろうと机を片付けはじめた。
すると影が夕日をさえぎった。
 振り向くと、箱を持ったつかささんが立っていた。
顔にはもう涙の跡はないが目は赤く腫れている様、
夕日がいっそう目を赤く照らしだす。
つかさ「ゆきちゃんごめんね、仕事の邪魔しちゃって」
みゆき「いいえ、おかまいなく、それより落ち着きましたか」
つかさ「ありがとう、おかげで落ち着いたみたい」
みゆき「それは何よりでした」
つかさ「ゆきちゃん、私、この雀見ながら考えたんだけど」
   「やっぱり私では何しても助けられそうになかったみたい」
   「このまま箱に入れておくのも可哀想だし」
   「死なせてしまったつぐないとして、せめて埋めてやろうと思うんだけど」
みゆき「そうですか、私もご一緒してもいいかしら」
つかさ「でも、書類整理してるんじゃ、私一人で行ってくる」
みゆき「私もさっき一段落した所で片付けようとしてたところです」
   「それに、私も雀の死に立ち会った者として手伝いたい」
つかさ「ありがとう、ゆきちゃん」
59 :祈り[saga]:2009/05/06(水) 05:47:35.07 ID:nd1fPHA0


 私たちは、スコップを借りるため、一路用務員室に向かった。
用務員室で事情を話すと感じ入ってくれて、埋めてもいい花壇を教えてくれた。
そればかりか、埋めただけだと寂しかろうと用務員室に飾ってあった花を数本
分けてくれた。
深々と頭を下げお礼をし、教えられた花壇に向かった。

 学校の敷地内に埋めるのはまずいと言われ、
すぐ隣りにある公園の隅にあるある花壇を教えてくれた。
その公園の花壇は用務員さんが管理しているらしい。
花壇は新しいのか特に植木や草花は植えられていなかった。
埋めてやるなら中央がよさそう。
私は花を足元に置き、土をスコップで掘ろうとした。
 つかさ「私にさせて」
私のスコップとつかささんの箱を交換した。
雀が入るくらいの穴を掘り終えるとつかささんは私の持ってる箱を見つめた。
箱を差し出すと、つかささんは両手で水をすくうように雀を取り上げた。
つかもうとしていない。
生きている時、こうしてやりかったと雀に訴えているのが分かる程、やさしく、
ゆっくりと、慎重な動作だった。
そしてそのまま、両手を胸元までもってくると両目を閉じた。
しばらくして左目から一筋だけ涙を流した。
教室で見せた涙とはちがう、悲しくも厳粛な気持ちにさせる涙だった。
その涙に感化され、私も両目を閉じ、雀の冥福を祈った。

 私が目を開けてもつかささんは目を閉じたままだった。
雀を埋めるをためらっている。
しばらくすると、諦めたようににそっと穴の中に雀をいれた。
そして手で少しつつ土をかけていった。
貰った花を半分にして二人同時に手向けた。
もう日は落ち暗くなり始めていた。
校庭では体育系の部活が後片付けをしている。
その後、私達は一言も交わすことなく、
教室に戻り、そして別れた。
 それからすぐにつかささんはいつもの元気を取り戻しが、私を含め、
かがみさん、泉さんとの会話でも雀の話に一切触れることはなかった。
私は、つかささん自ら話すまではこのことは伏せておこうと思った。
60 :祈り[saga]:2009/05/06(水) 05:48:54.08 ID:nd1fPHA0


 
かがみ「おっす、お昼にしましょ」
こなた「お、またきた」
かがみ「またとは何だ」
 お昼時間、いつものようにかがみさんがお弁当を持ってくると
泉さんとのやり取りが始まる。
机を並べて四人でそれを囲むように食事をする。
食事が始まり10分もしないうちに、
つかさ「ごちそうさま」
そう言うとお弁当を片付けはじめた。
こなた「早、なにそんなに急いでるの」
つかさ「ちょっとね」
こなた「言えないことなのかな」
つかさ「散歩よ、散歩、別に言えない事じゃなよ」
   「それじゃ、早いけど私、行くね」
つかささんは逃げるように教室を出て行った。
それを見送ると、
こなた「これって、フラグってない」
かがみ「またその話が始まった」
   「早食いして、席を離れただけでいちいちフラグ立ってたら」
   「つかさは何回フラグ立ってるのよ」
こなた「確かに、夏休みが終わってから席外すこと多くなったね」
   「これは・・・ よけいに怪しくなった」
かがみ「あのね」
こなた「なんか今日のつかさ、表情がいつもと違ってたし」
   「告白かも、するのか、されるのか」
   「かがみ、こんな所でもたもたしてると先越されちゃうよ」
かがみ「妄想もそこまでいくと感心するわね」
   「朝から普段通りだったわよ、ねえみゆき」
みゆき「そうですね、午前中の授業も普段と変わらなかったですね」
こなた「みゆきさん、かがみに合わせなくてもいいよ」
 私もつかさんが普段と違って見えた。
しかしつかささんはそれを隠したいらしい。
私はあえてかがみさんに合わせた。
 姉妹ならばつかさんの変化に気付いてもよさそうと思ったが、
逆に、身近な人だからこそ気が付かない事もあるのかもしれない。
それにしてもつかささんが気がかり。
丁度つかささんの事で確認したいこともあったので私も席を離れることにした。
みゆき「ごちそうさまでした」
かがみ・こなた「え」
かがみ「みゆきまで、どうしたの」
みゆき「いえ、委員会で調べなければならないことがあるので」
かがみ「こなた、あんたが変なこと言うからみゆきまで」
こなた「えー、なんで私のせいになるのさ」
かがみ・こなた「・・・・・」
話に夢中なのでそのまま教室を出た。
61 :祈り[saga]:2009/05/06(水) 05:50:20.22 ID:nd1fPHA0

 確認したいことは、つかささんがよく私達と別行動で何処で、何をしているのか。
別行動は、お昼休み、放課後、両方の日もあった。
ほぼ毎日であった。
確認と言うからには、私は予想していた。
学校の隣りの公園の隅にある花壇。
予想通りつかささんはそこに立っていた。

 近づくとつかささんは目を閉じ黙想をしていた。
そして花壇には花が数本置いてあった。
私もつかささんの隣で目を閉じた。
つかさ「ゆきちゃん」
みゆき「ごめんなさい、後をつけるつもりは無かったのですが」
つかさ「うんん、一緒に祈ってありがとう」
みゆき「花をあげたのですね」
つかさ「今日は私じゃない」
みゆき「え、他に誰が」
つかさ「たまに置いてあるの、たぶん用務員のおばさんかな、よくこの公園で掃除とかしてるし」
   「今度見かけたら、お礼言っておくよ」
みゆき「そうですね、私も気にかけておきます。 それにしても、だいぶ涼しくなりましたね」
するとつかささんは黙り込んだ。
しばらく考えたのか再び思い切ったように、
つかさ「手の中の雀、すごく暖かかった」
   「でも、埋める時、まるで氷のように冷たかった」
   「今でも、その冷たいのが手に残ってる」
両手を見ながら話し出した。
つかさ「机の上で寒いように体を震わせている姿が目に焼きついて離れない」
   「もう一ヶ月も経つのに」
   「忘れようとしても気が付くといつの間にここに居るの」
   「祈っても、祈っても、忘れられない」
   「雀、私を赦してくれない」
今にも泣き出しそうな表情。
時間がつかささんの心を癒すとおもっていた。
しかしこの様子では悲しみはより深くなってしまっている。
私は答えた。
「そんなことはありません」
「私ならば見つけても、そのまま帰っていました」
「おそらく、ほとんどの人がそうだったと思います」
「そんな中、つかささんは助ける方を選択しました」
「素晴らしいことだと思います。」 
「それに、雀を埋めるときの行いはとても優しく、厳粛で」
「最高の弔いだったと・・」
「雀はきっと喜んでいるでしょう」
遅まきながら、教室でのつかささんの問いに答える形となった。
しかしつかささんは両目を閉じているだけだった。
62 :祈り[saga]:2009/05/06(水) 05:51:59.58 ID:nd1fPHA0

 腕時計を見ると、委員会での調べ物の時間が無くなってきたことに気が付いた。
みゆき「すみませんつかさん、私、もう時間がなくて戻らないと、つかささんはどうしますか」
つかさ「私、もう少しここに居たい」
つかささんに後ろを向き歩き始めると、
つかさ「ゆきちゃん・・・さっきのとっても嬉しかったよ」
そう言ってくれた。
みゆき「それはなによりです」
一言言い、そのまま図書室に向かった。
 図書室で一通り調べ物が済み、教室に戻ると昼休みも終わりに近かった。
ががみさんはもう自分のクラスに戻ったよう、
しかしつかささんの姿が見えない。
泉さんに聞くと、教室に入ってくるなり気分が悪くなったと言い、そのまま早退してしまったの事。
   嬉しかったよ。
確かにそう言ったはず。
この言葉が私の頭の中で空しく響いた。
ではなぜ早退なんかを、
しばらく考えたが理由は思い浮かばなかった。
その代わり二つだけわかったことがあった。
 つかささんは自分の過ちを未だに責めている。
そして雀にその赦しを求めている。
土の中に居る雀に、得られるはずもないのに。
そんな切ない祈りを一ヶ月も続けていた。
 二つ目は、そんなつかささんに私はなにも
してあげる事が出来ず、解決方法さえ教えられなかった。
自分の無力さを痛感した。
 午後からの授業が始まった。
出席を確認する先生の声と返事が行き交う。
つかささんの名前を呼ぶ順番がきたが返事があるはずない。
一つだけ空いた席がとても悲しく見えた。

 それから三日が経った。
登校時に、今日もつかささんは休むとかがみさんから言われた。
それとお昼休みは必ず空けておくようにと言われた。
私もかがみさんに用があったので了解した。
つかささんに会いに行く相談がしたかった。
 
 昼休みの時間。
 泉さんは昨日、つかささんの所へお見舞いに行っていた。
私はその話を聞いていた。
熱もなく、寝ていた様子もなかった。
いつもの元気と笑顔はまったく無く、
ほんの数回言葉を交わしただけで泉さんは帰ったと。
 泉さんはこの原因を私が知っているのではないかと聞いてきた。
63 :祈り[saga]:2009/05/06(水) 05:54:23.95 ID:nd1fPHA0
さすがにもう隠せない、隠す必要もない。
私は今までのことを泉さんに話した。
そして話し終わると丁度かがみさんが教室に入ってきた。
いつになく真剣な顔で挨拶もなく話しかけてきた。
かがみ「みゆき、つかさがとんでもない事に巻き込んでしまったみたいね」
   「私からも謝りたくて、それでお昼空けてもらったわけ」
   「この前みたいに、離席されちゃったら困るからね」
   「それにしても水臭いわね、一ヶ月も黙ってるなんて」
みゆき「つかささんが話したくないようでしたので、私はなにもお役にたてませんでした、でもなぜこの事を」
かがみ「昨日、こなたが帰った後、問いただしたら泣きながら話したわよ」
   「だいたい慣れないことするからこうゆう事になるんだから」
こなた「そんなこと言ってるけど、かがみなら雀見つけたらどうしたのさ」
かがみ「可哀想だけどそのままにしてバスに乗ってるわね」
こなた「双子姉妹とは思えない差だね」
かがみ「なんだと、それなら、こなたならどうしたよの」
こなた「私? 私なら・・・」
そういうと泉さんは腕を組んで考え込んでしまった。
みゆき「即答なされましたけど、理由はあるのですか」
かがみ「そう改まって聞かれると考えちゃうけど」
   「雀って野鳥じゃない、自然に生まれて、自然に育ってきた」
   「だから、私達人間がどうこうするべきじゃないような気がして」
みゆき「そんな考え方もあるのですね」
かがみ「まあ、実際にそうなってみないとどうするかなんて分からないけどね」
   「つかさは助ける方を選んだ、つかさらしいと言えばそれまでだけど」
   「それに泣きながら訴えられちゃうと」
   「さすがになにも言えないわね」
みゆき「つかささんに何かしてあげたのですか」
かがみ「正直、お手上げ状態、家族で話し合ったけど」
   「話せば話すほど落ち込んでしまって」
みゆき「そこまでだったなんて」
かがみ「今朝は、一度も部屋から出ていないわ」
みゆき「やはり、つかささんを早退させたのは私みたいですね」
   「三日前、雀を救おうをしたのはつかささんだけ、みたいに励ましたのですが」
   「かえって、雀を死なせたことを強調させてしまったのでは」
かがみ「考えすぎよ、つかさはそこまで深く考えていないわよ」
   「今思えば、もっと早くつかさの異変に気付くべきだったわね」
   「そうゆう意味では、私が一番いけないかもしれない」
みゆき「もしよろしければ、放課後、つかささんに会いに行きたいのですが」
かがみ「私はいいとは思うけど、こなたが来てあの状態だったからね、それでもいいなら」
みゆき「買い物とかもあるので少し遅れますが」
かがみ「悪いわね、気を使わせちゃって」
   「どっちにしろ明日は引きずってでも学校にこさせるつもり」
   「ところでこなた、さっきから何黙ってるのよ、少しは会話に参加しなさいよ」
こなた「え、雀を選ぶかバスを選ぶかで考えてた」
かがみ「何、まだ決めてないの、最終バスだったらどうする、雀だって野良猫に取られちゃうわよ」
こなた「こうゆう選択肢ってセーブして両方の結果みないとさ」
かがみ「もうその台詞は聞き飽きたわ」
暗かった空気が一変して明るくなった。
しかし、答えをすぐ出さなかったのは私も同じであった。
64 :祈り[saga]:2009/05/06(水) 05:56:06.39 ID:nd1fPHA0
私はこの会話で多くを学んだ。
こなた「ところで何話してたの」
かがみ「まったく、みゆきがつかさに会いに行く話し」
みゆき「行って何をするわけではないのですが」
こなた「いや、みゆきさんが行けばつかさもきっと喜ぶよ」
   「今日、バイトだけど、帰りに私も寄っていこうかな、かがみ、いいかな」
かがみ「こうゆう時は、一人でも多いほうがいいわね、遅くなるようなら電話して」
こうして昼休みは終わった。


 放課後になると、泉さんはバイトのためすぐに帰宅した。
かがみさんも準備があると、足早に帰宅した。
しかし私はまだ教室にいる。
かがみさんには買い物があると言ったが、昨日のうちに全て済ませてある。
つかささんに会う前にしておきたいことがあった。
私一人で雀に祈る。

 今まで私は、一度も自分の意思で公園に足を向けたことがなかった。
私が公園に居るときはいつもつかささんが居た。
つかささんが拾ってきた雀、結局そんな程度の認識でしかなかったのかもしれない。
 雀の死をもう一度真剣に見つめ、それからつかささんに会おうと思った。
それで、感じたことをつかささんにそのまま話そうと思った。
かがみさんも居る、お昼での会話をそのまま話してもいい、
泉さんも来てくれれば、雰囲気を明るくしてくるはず、
それでもつかささんが、立ち直れないようであれば、
いや、まだ終わってもいない事に、出来なかった場合の詮索をするのは止めよう。
 私は鞄にしまってある花を取り出した。
そして、公園に向かった。


 公園の入り口にさしかかると
用務員さんと鉢合わせとなった。
みゆき「先日はいろいろお手数をおかけしてすみませんでした」
用務員「あら、このあいだの、久しぶりね」
「夕方、いきなり訪ねてきた時は驚いたけどね」
   「最近の子にしては、感心したことをしたわね」
   「あのリボンの子の悲しい顔が今でも印象に残ってるよ」
   「その子はどうしたの、一緒じゃないね」
みゆき「実は、風邪で三日ほど休んでいまして」
用務員「どうりで、最近、公園で見かけないと思ったら、残念ね」
みゆき「残念?」
聞き返すと、用務員さんは微笑み、雀の眠る花壇へと案内した。
 すると、目の前に花壇いっぱいに咲く花の光景が飛び込んできた。
みゆき「こんなことまでして頂けるなんて、なんてお礼を言えば」
用務員「それは私じゃないわよ」
みゆき「三日前にも花が飾ってありましたけど」
用務員「スコップを借りに来た時に渡した花が最初で最後よ」
困惑した表情をすると用務員さんは話し始めた。
65 :祈り[saga]:2009/05/06(水) 05:59:09.18 ID:nd1fPHA0
「あのリボンの子が何度も熱心に祈ってるせいなのかね」
「この公園に遊びに来ている子供達が真似しだしてね」
「この花壇に野花を置いていくようになっての」
「それを見ていた子供の父兄さんたちがこの公園の花壇に花が少ないのに気付いてね」
「町内でカンパして花の苗を寄贈されたんだよ」
「昨日、町内の人達がこの花壇に植えていったよ」
「そうそう、雀の居るところは植えないよう言っておいたから安心して」
「カンパが予想以上に集まったらしくてね、この公園全ての花壇を同じようにしてくれるって」
「学校の予算がこの公園まで回らなくて困ってたのよ、あの子には感謝するわ」
「あの子の祈りが雀に届いたのね」
「それじゃ、あの子にお大事にと伝えておいてね」
そう言うと雀に数秒手を合わせから、公園の掃除へと向かっていった。


 祈りが雀に届いた。
そう用務員さんは言った。
それならば、三日前に置かれていた花も、
そして、つかささんが最初に祈ったときに捧げた花もそう、
どれも、私とつかささん以外の人達の気持ちによってもたらされた花、
なぜもっと早くそれに気付かなかったのか、
祈りは届いている。
これでもかと花壇いっぱいに咲いている花達は、気付かない私達にそう訴えかけてるように風で揺れてる。

 つかささん、もう雀の震える姿を思い出さなくていい。
冷たい手の感触は、生きていた時の暖かさだけ感じていればいい。
雀を助けたかったやさしい心だけが残っていればそれでいい。
もうすでに貴方は赦されてる。
 私は目を閉じ、感謝の意を表し祈った。
しばらくすると左目から一筋だけ涙が流れた。
初めて私が雀のために流した涙だった。
それはつかささんが流した涙とは違う、嬉しさと喜びの涙。
 
 目を開け、雀の埋まっている真上に自分の持ってきた花を置いた。
ふと気付くと、苗と苗の間に四葉のクローバが無造作に置かれいるのに気が付いた。
用務員さんの言ってた子供が置いたものだろうか。
私は四葉のクローバを手に取り生徒手帳に挟んだ。
 
 つかささんに会ったら、かがみさん、泉さんと共に、この四葉のクローバを渡して、一言、
雀から預かってきた、とだけ言おう。
そして、この公園につかささんが立った時、
つかささんの祈りが起こした奇跡を語ろう。
四葉のクローバの意味、真実に私は全てを託した。
私は早る気持ちを抑え、柊家へと向かった。

涙を笑顔に変えるために。

終  

注意:この物語はフィクションです。実際の雀の生態と違っています。
また、野生の鳥はむやみに捕獲すると鳥獣法に触れるおそれがありますので注意してください
66 :祈り[saga]:2009/05/06(水) 05:59:12.67 ID:nd1fPHA0
「あのリボンの子が何度も熱心に祈ってるせいなのかね」
「この公園に遊びに来ている子供達が真似しだしてね」
「この花壇に野花を置いていくようになっての」
「それを見ていた子供の父兄さんたちがこの公園の花壇に花が少ないのに気付いてね」
「町内でカンパして花の苗を寄贈されたんだよ」
「昨日、町内の人達がこの花壇に植えていったよ」
「そうそう、雀の居るところは植えないよう言っておいたから安心して」
「カンパが予想以上に集まったらしくてね、この公園全ての花壇を同じようにしてくれるって」
「学校の予算がこの公園まで回らなくて困ってたのよ、あの子には感謝するわ」
「あの子の祈りが雀に届いたのね」
「それじゃ、あの子にお大事にと伝えておいてね」
そう言うと雀に数秒手を合わせから、公園の掃除へと向かっていった。


 祈りが雀に届いた。
そう用務員さんは言った。
それならば、三日前に置かれていた花も、
そして、つかささんが最初に祈ったときに捧げた花もそう、
どれも、私とつかささん以外の人達の気持ちによってもたらされた花、
なぜもっと早くそれに気付かなかったのか、
祈りは届いている。
これでもかと花壇いっぱいに咲いている花達は、気付かない私達にそう訴えかけてるように風で揺れてる。

 つかささん、もう雀の震える姿を思い出さなくていい。
冷たい手の感触は、生きていた時の暖かさだけ感じていればいい。
雀を助けたかったやさしい心だけが残っていればそれでいい。
もうすでに貴方は赦されてる。
 私は目を閉じ、感謝の意を表し祈った。
しばらくすると左目から一筋だけ涙が流れた。
初めて私が雀のために流した涙だった。
それはつかささんが流した涙とは違う、嬉しさと喜びの涙。
 
 目を開け、雀の埋まっている真上に自分の持ってきた花を置いた。
ふと気付くと、苗と苗の間に四葉のクローバが無造作に置かれいるのに気が付いた。
用務員さんの言ってた子供が置いたものだろうか。
私は四葉のクローバを手に取り生徒手帳に挟んだ。
 
 つかささんに会ったら、かがみさん、泉さんと共に、この四葉のクローバを渡して、一言、
雀から預かってきた、とだけ言おう。
そして、この公園につかささんが立った時、
つかささんの祈りが起こした奇跡を語ろう。
四葉のクローバの意味、真実に私は全てを託した。
私は早る気持ちを抑え、柊家へと向かった。

涙を笑顔に変えるために。

終  

注意:この物語はフィクションです。実際の雀の生態と違っています。
また、野生の鳥はむやみに捕獲すると鳥獣法に触れるおそれがありますので注意してください
67 :祈り[saga]:2009/05/06(水) 06:01:50.68 ID:nd1fPHA0
最後まで読んでくれてありがとうございました。
2作目の作品なのでまだまだお粗末な所もあったと思います。

ほのぼの長編の
ID:TaQYJ4Ay0氏:祈に感化されて作りました。

みゆきを主人公にするのはは難しいですね。

用務員との会話は黒澤明 夢 の水車のある村の章で、
子供達が花を石に置くシーンがヒントになりました。
この章はとても好きなので
もし気付いてくれたら嬉しいです。

すみません 最後2度押ししてしまってダブってしまいました。
削除お願いします。
68 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/05/06(水) 07:20:18.18 ID:V9i8iQAo
>>67
乙。キャラの話し方が気になったかな

で、内容は個人的にすごくよかった。各人の性格がしっかり出てるし
セリフの言い回しとか、何より心情表現がホントにいい。朝からいいもの読ませてもらった。GJ
69 :命の輪の宴[saga]:2009/05/06(水) 14:42:55.38 ID:MzLVsEA0
投下行きます。

命の輪旦那編のおまけです。
70 :命の輪の宴[saga]:2009/05/06(水) 14:43:59.97 ID:MzLVsEA0
 今日はこなたの退院祝いと言う事で、泉家でちょっとしたパーティーを開くことになった。
 参加者は俺とこなた、そうじろう養父さんにゆい姉さん、ゆーちゃんとその友人のみなみちゃん、あとはかがみさん、つかささん、みゆきさんのいつもの三人。
 二十歳過ぎた大人ばかりなので、当然お酒も出るのだが、授乳に影響が出るかもしれないこなた、終わった後にみんなを車で送らないといけない俺と養父さんとゆい姉さんは、飲まないことになっていた。
 なっていたんだが。
「ほら〜こなたも飲も〜よ〜」
「いや、わたし飲んじゃだめなんだって…ってかねーさんだって飲んじゃ駄目だったでしょー」
 ゆい姉さんは速攻で出来上がっていた。
 絡まれているこなたが助けを求めるようにこっちを見たが、俺は気付かないふりをした。


- 命の輪の宴 -


「やほー…飲んでるー?」
 俺の方にはかがみさんが絡んできた。俺の首に腕を廻して、目の前で缶ビールをぷらぷらさせてきた。
「いや、俺は車運転しなきゃいけないから、飲まないよ…」
 無理に振りほどくのもアレなので、とりあえずされるがままにしておいた。息がかなり酒くさいので、顔はかがみさんの方から背けてはいるが。
「しってるっわよー♪いったっだけー♪」
 歌うように、上機嫌にそう言うかがみさん。出来上がりの早さはゆい姉さんに匹敵するかもしれない。
「ねーそっぽ向いてないでこっち向いてよー」
 今度は甘えるような声でそう言ってくる。俺は仕方なしに、かがみさんの方を向いた。すると、もの凄い至近距離に、目を瞑って唇を突き出してるかがみさんの顔があった。
「うおわっ!?」
 俺は驚いて、かがみさんの身体を振り払って後ろに下がった。
「な、ななななな、なにしてるの!?」
「なにってキスしようとしてたのよー」
「いやいやいやいや。それは駄目だろ」
「なんでよーこなたとは毎日してるんでしょーに」
 こなたと毎日してるからこそ、駄目なんじゃないだろうか。
「もー堅いこと言わないでよーこのわたしが折角キスしてあげようとしてるんだからー」
 微妙に上から目線で迫ってくるかがみさん。いやもう、どうしようかコレ。
「かーがーみー…何してんのー」
 かがみさんの後ろから敵意のこもった声。額に青筋立てたこなたがそこに立っていた。
「いたのか、こなた…ゆい姉さんは?」
「お父さんに押し付けてきた」
 養父さんも災難な。
「なによーこなたー邪魔しないでよー」
「するよ!ってか離れてよ!」
 こなたが、俺からかがみさんを引き剥がす。助かりはしたが、妻に助けられる夫というのはなんとも情けない。
「もーケチねー」
 そう言う問題だろうか。
「わかったわよーじゃーこなたとキスするー」
 何をどう理解したらそうなるのか。
「か、かがみ…?えっえっちょっ離して…」
「お持ち帰りよー」
「うええぇっ!?ま、まってー!たーすーけーてー!」
 かがみさんに担ぎ上げられ、拉致られるこなた。俺はそれを生暖かい目で見送った。


71 :命の輪の宴[saga]:2009/05/06(水) 14:45:12.96 ID:MzLVsEA0
 あの真面目なかがみさんがここまで乱れるとは、酒の魔力恐るべしといったところか。
 こうなると、他の人たちの乱れっぷりが少し気になる。
 一番気になるのは…やはりみゆきさんか。身体が熱いとか言って、少し脱いでくれたりとかしないだろうか。俺は部屋を見渡して、みゆきさんの姿を探した。
「…くー」
 部屋の隅で寝てた。潰れるの早すぎ。
「…泉さーん…そこ、違いますよー…」
 こなた、なんか間違ってるらしいぞ。


 酒の席というモノは、飲んでないとまったくやることないなと思いつつ、つまみのピーナツを齧っていると、バンッと何かを叩く大きな音が聞こえた。
 ソッチの方を見てみると、ゆーちゃんがみなみちゃんとテーブルに座っていた。
「だーかーらーそんなんじゃダメなんだってみなみちゃん!」
 ゆーちゃんがそう言った後に、もう一度バンッと言う音。
 ………え?ゆーちゃん?
「…ご、ごめんなさい…」
 ゆーちゃんの向かいに座っているみなみちゃんは、すっかり怯えているようだ。
「そんなすぐにあやまらないの!」
 バンバンッと今度は二回。
 ゆーちゃん、迫力あるなー。ってかマジで怖い。ちょっとアレは近寄りたくない。
「………」
 なんだか涙目のみなみちゃんがこっちを見ている。
 その目が「タスケテ」と言っているが…ごめん、俺には無理。
 俺は出来るだけその二人から離れることにした。


72 :命の輪の宴[saga]:2009/05/06(水) 14:46:10.64 ID:MzLVsEA0
 すっかりぬるくなったウーロン茶を啜っていると、今度は後ろから誰かに多い被さられた。
「あー…らくちんー…」
 この声は、つかささんか。
「つ、つかささん、何か?」
「何か?…何か…ぷ…くく…あはははははっ!」
 今のどこに大爆笑の要素が!?
「何かって…あはははははっ!面白ーい!」
「いやいやいや…」
「いやいやいや?…ぷあははははははっ!お腹いたーい!」
 何を言っても背中から大爆笑が返ってくる。正直、怖い。
 ふと、背中が軽くなった。飽きたのだろうかと思って振り向くと、つかささんは部屋の隅の方から何かを引き摺ってきた。
 ………って、アレ寝てるみゆきさんじゃね?
「ゆきちゃん、どーんっ!」
 つかささんは寝てるみゆきさんを、俺の方に突き飛ばしてきた。
「って、うおわぁっ!?」
 俺はみゆきさんに押し倒される格好で、床に転がった。
 その様子を見て、つかささんがやはり大爆笑していた。
「…ふぇ…」
 みゆきさんが目を覚ました。
「…よろしく、おねがいしまふ…」
 そのまま、俺に抱きついてくる。何をお願いするのか分からないけど、みゆきさんのふくよかな部分が押し付けられてかなりうれし…もとい、やばい。
 期待は出来ないが、なんとかして貰えないだろうかとつかささんの方を見ると、笑いすぎたのか、お腹を抱えてヒクヒクと痙攣していた。
 仕方なく俺は、みゆきさんが再び寝入るまでそのままにしておくことにした。


73 :命の輪の宴[saga]:2009/05/06(水) 14:47:27.35 ID:MzLVsEA0
 部屋の中に、つかささんとみゆきさん、それとゆーちゃんの三人の寝息が聞こえる。
 俺は寝ているつかささんとみゆきさんの二人に、毛布をかけた。
 ゆーちゃんには、みなみちゃんが毛布をかけてあげている。
「みなみちゃんは、あまり飲まなかったのかい?」
 俺がそう言うと、みなみちゃんは首を横に振った。
「多分、ゆたかよりは飲んだかと…」
 そう言えば、みゆきさんに押し倒されてる間に『みなみちゃん!わたしの酒が飲めないって言うの!?』とか聞こえていたような。
 それでもみなみちゃんは頬が少し赤く染まっている程度で、他はいたって普通だ。どうやら彼女は酒には強いらしい。
「…そういえば、お子さんはどうなされて…」
 みなみちゃんがそう聞いて来た。俺やこなたも酒宴に参加してるから、赤ん坊のことが気になったのだろう。
「多分、部屋で寝てるよ」
「…え?…大丈夫なのですか?」
「…信じられないかもしれないけど、大丈夫なんだよ」
 誰に似たのか、あの赤ん坊にあるまじき肝の据わり方は、正直俺も驚いた。
「えーっと、どうしようかな…」
 俺は時計を見た。終電はとっくに出ている時間だ。
「君だけでも送ろうか?」
 俺がそう言うと、みなみちゃんは少し考え込むような仕草をした。
「みんなこんなだしさ、みなみちゃんも泊まっていきなよ」
 後ろから誰かがそう言った。振り向いてみると、こなたが居間に入ってきたところだった。
「かがみさんは?」
 俺がそう聞くと、こなたは大きくため息を吐いた。
「わたしの部屋で寝てるよー」
 そのまま俺の隣に座って、飲みかけだった俺のウーロン茶を、一気に飲み干した。
 よく見てみると、顔のあちこちにあるのは、キスマークなんじゃないだろうか…。
「なあ、こなた…」
「出来れば聞かないで…」
 何を聞こうとしているかを察したのか、俺が言い切る前にこなたに止められた。
「…貞操は守ったよ」
 そして、それだけポツリと呟いた。


74 :命の輪の宴[saga]:2009/05/06(水) 14:47:57.78 ID:MzLVsEA0
「それにしても、みんなよく飲んだねー」
 俺とこなた、そしてみなみちゃんの三人で、居間に散らばってる空き缶やらゴミやらを片付けていると、こなたが呆れたようにそう言った。
「こんなにみんながブッ潰れるまで飲んだのって初めてじゃないかなー」
 こなたのその言葉に、みなみちゃんが頷いていた。
「…ゆたかが、ここまで飲むとは思いませんでしたね…」
 そして、何かを思い出したのか、みなみちゃんがブルッと身体を震わせた。
「…酔いたい気分だったんだろうな」
 俺がそう言うと、こなたは良く分からないといった風に、首を傾げた。
「それだけ、お前が無事だったのが嬉しいかったんだよ」
 そう言いながら俺は、こなたの頭をポンポンと軽く叩いた。
「んー…ダーリンはどうなの?」
 こなたがそう聞いて来た。
「そうだな…俺もそうだよ」
「じゃ、今から飲もうか。送る必要も無くなったし。みんな起こすと悪いから、別の部屋でさ」
「いいけど…お前は飲めないだろ?」
「うん。まあ、お酌係だよ…みなみちゃんはどうする?」
 こなたがみなみちゃんにそう聞くと、みなみちゃんはゆーちゃんの方をチラッと見た。
「…わたしは、ここに居ときます…さすがに少し眠ふわぅ…す、すみません…」
 語尾に欠伸が混じって、あわてて顔を赤らめながら謝るみなみちゃん。
「オーケー。じゃ、ダーリンいこっか」
「ああ」
 俺とこなたは、頷きあって居間を出た。


- おしまい -
75 :命の輪の宴[saga]:2009/05/06(水) 14:49:04.36 ID:MzLVsEA0
以上です。

俺は酒が嫌いなので、酔いたい気分ってのは良く分かりません。
76 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/05/06(水) 18:07:54.90 ID:IaQ/e6DO
>>67
この涙腺クラッシャーめ!
しばらく鳥肉が喰えなくなるじゃねーか!!
早い話がGJだ!
77 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/05/06(水) 19:52:35.62 ID:VYV4Fws0
>>75
 GJ
 ゆーちゃんの乱れっぷりに吹いた。
 みなみが乱れたらどうなるんだろう?

 投下行きます。
78 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/05/06(水) 19:54:18.48 ID:VYV4Fws0
特別なお守り

 深夜。
 神社の奥の間。秘密の儀式を行なう際に用いる個室に、柊みきはいた。
 巫女服ではなく、正式な神職の装束をまとっている。
 これからお守りを作るための儀式を行なうのであった。
 通常なら千個単位でまとめて作るのだが、今日はたった一人のためにたった一つのお守りを作る。
 そのような特別なお守りは、普通には売られないものだった。その存在は公表もされてない。
 ただ、その御利益の高さを噂で聞いた金持ちがときたまやってきて、金を積んで頼み込んでくる。
 そういう相手に対しては、説明をした上でその説明内容を承諾した場合のみ、お守りを作ってあげていた。
 その説明内容は、次のような感じだ。


 お守りは、その人が本来持っているものを障害なく100%発揮させるものであって、100%を超える効果をもたらすものではない。
 たとえば、余命1年の人の余命を2年にすることはできない。1年ある余命を大過なくまっとうさせるだけである。
 たとえば、無謀な運転をする人に交通安全のお守りを持たせたところで効果はたかが知れている。充分に安全運転に心がけている人を、もらい事故から遠ざけてくれるのがお守りの効果である。
 たとえば、学業成就のお守りは日頃からの勉強の成果を充分に発揮させるためのものであって、何の努力もしない人をいきなり天才にしたりはしない。


 要は「天は自ら助くる者を助く」ということだ。
 絶大な呪術の力を持っていたという開祖様であれば、100%を超える効果をもたらすことも可能であったかもしれないが、子孫であるみきにはそこまでの力はないのが現実だった。
 今日作るのは、金持ちに頼まれたわけではない。
 あえていえば、依頼者はみき自身である。
 彼女は、司法試験を受ける娘かがみのために、お守りを作ろうとしていた。

 儀式が始まった。
 みきは、祈りと「力」を込めて、祝詞を朗々と読み上げる。
 その様子を後ろから見物しているのは、娘いのりだった。
 彼女は、無事に婿をとって、神社を継いでいくことが決まっている。
 四姉妹のうちこの「力」を受け継いでいるのは、いのりだけだった。そして、この「力」に関わる儀式はすべて一子相伝。見て覚えるのが基本である。
79 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/05/06(水) 19:55:09.27 ID:VYV4Fws0
 祝詞とともに「力」がお守りに注ぎ込まれていくのが、いのりにも感じられた。
 通常のお守りを作るときとは段違いの「力」だった。部屋全体の空気が圧縮され重くのしかかってくるかのように感じられた。ただ見ているだけなのに、息苦しい。
 そして、その息苦しさが唐突に消え去ったとき、すべての儀式は終了していた。
「ふう……」
 息をついたみきがふらりとよろける。
「お母さん、大丈夫!?」
 いのりは、あわてて母を支えた。
「大丈夫よ。ちょっと気合入れすぎちゃったみたい」



 翌日。
「かがみ。これ持っていきなさい」
 みきは、朝食を終えて、司法試験会場に向かうかがみに、お守りを渡した。
「ありがとう。気休めだと思ってもってくわ」
 かがみは、そういってお守りをポケットに入れると、家を出ていった。
 気負いも緊張も何もなく、いつもどおりのかがみだった。お守りを気休めだと言い切る神社の娘らしからぬ発言も、全くもっていつもどおり。
「本当だったら大金積まないともらえないお守りなのに。気休めだってさ」
 いのりが呆れたようにそういった。
「あれでいいのよ。かがみは今まで充分に努力してきたんですもの。いつもどおりにしてれば、お守りの効果は充分に発揮されるわ」



 無病息災、交通安全、学業成就。
 欲張りにも三つの効果をもったお守りはその効果を十全に発揮し、かがみは司法試験を100位以内の成績で突破した。

終わり
80 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/05/06(水) 20:16:31.66 ID:lW6gYcU0
>>79
不思議とハマるなあこのシリーズ
面白かったです、乙
81 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/05/06(水) 21:22:13.77 ID:abaDJgSO
乙です。柊家の話って面白いなぁ
82 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/05/07(木) 21:18:59.63 ID:qkgSyyI0
>>68
ご指摘ありがとうございます
自分もこの点については分かっていたのですが
どうもしっくりいかないようです。
 今後の課題とさせていただきます。
83 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/05/07(木) 21:43:44.94 ID:bowk3kSO
お題のゆたかとみなみがゆたかとこなみに見えて吹いたww
84 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/05/07(木) 22:08:17.39 ID:5q0khISO
アイシールド小早川ゆたかですねわかります
85 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/05/07(木) 23:24:33.51 ID:ClpecO.0
>>83
ゆたか「上上下下左右左右BA♪」
みなみ「ゆ…ゆたか?」
86 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/05/08(金) 00:10:45.22 ID:7K6d3Q20
>>77
みなみは多分泣き上戸ですね。
87 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/05/08(金) 12:54:22.82 ID:JPPZ7c60
黒井先生って部活の顧問とかやってましたっけ?
というかやれそうな部活とかあるんでしょうか?
88 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/05/08(金) 14:32:31.58 ID:gbdszD60
所属なしじゃなかったかな
やれるとしたら野球好きが高じてソフトボール部とか?
89 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/05/08(金) 20:01:34.60 ID:e/owE2DO
部活の顧問って案外その教師の専門外の部活にあてられることも多いよ
バスケ部顧問が入部式の挨拶で「俺はバスケが嫌いだ」と言った教師もいた
90 :こなたリフレイン2009/05/09(土) 09:33:24.30 ID:AqbYRmQ0
遅くなりましたがまとめの人ありがとうございました。
投下行きます。
前スレで投下した『こなたリフレイン』
http://www34.atwiki.jp/luckystar-ss/pages/1369.html
の更なる追加エピソードです。
91 :こなたリフレイン2009/05/09(土) 09:34:53.30 ID:AqbYRmQ0
 朝起きたら女の子になっていました。
 しかも、目覚めた部屋の壁にかかっていたカレンダーには200X年と印刷され、20年くらい経った近未来であることを示していた。
 そして現状を把握するためその部屋にあった日記やアルバムなどを見た結果、この女の子はこなたという名でオレ同様に筋金入りのオタクであることが判明した。
 素で行動してもあまりボロは出そうにない。
 こなたの家族や友人に馬鹿正直に正体明かしたら正気を疑われそう。
 というわけで、変わるところはガラリと変わっているが変わらないところはとことん現状維持である近未来の世界で、オレ……私は女子高生として生活することになってしまった。


―― こなたリフレイン 追加エピソード ――
92 :こなたリフレイン2009/05/09(土) 09:35:26.01 ID:AqbYRmQ0
 髪型の話題が出た。やはり女の子としては積極的に参加せねば。
「あんたは髪型いじらないの? せっかく長いのに。ポニーとかツインは武器とか言ってなかったか?」
 長いから面倒なんだが。
「えー、だって……そういうのって自分でやっても面白くないじゃん。人の見る分には萌えるけど」
「あ、あっそう……」
 女の子としての日常会話、こんな感じでいいのかな?
 しっかし、髪いじるのって本当に自分でやっても面白くない、ただひたすらに面倒だ。
 柊姉妹を交えてポニーテールにしたことがあったが、アレもかがみの反応を見るのが目的だったし。
 あのときはついつい武士みたいなどと茶化してしまったが……。
『いつだったかのかがみのポニーテールは、そりゃもう反則なまでに似合ってたぞ』
 とか言ったら、
『バっ……バカじゃないの?』
 などとさぞかし可愛らしく照れてくれるであろう。


 チョココロネの食べ方からシュークリームやケーキなどの話題になった。
 イチゴを食べるタイミングで、最後まで取っておいたのを家族に取られるとつかさが発言していた。
 つかさは四姉妹の末っ子ということになるから、そうなる頻度は高いのだろう。気持ち、よくわかる。
「やっぱり大好物は最初に食べないとね」

 本来の私には妹がいて、あいつに隙を突かれて好物奪われた揚句に兄なのだからと我慢させられることも多かったっけ。
 そういった経験から、後に柊姉妹の誕生日でケーキ切り分けるとき、どう切るかやイチゴやプレートのチョコの取り合いで揉めなかったかと妙に実感をこめて話してしまった。
 本来のこなたは一人っ子の上に父子家庭なのだからそういった争いとは無縁のはずであり、怪しまれるかと思ったが杞憂だった。
 あのとき咄嗟に「かがみんだと萌えない」と言ったりクレヨンしんちゃんの真似したりして茶を濁した成果だろうか。
 まさか、アレがアニメになるとは思ってもいなかった。
93 :こなたリフレイン2009/05/09(土) 09:35:59.13 ID:AqbYRmQ0
 電車に乗ると熱がこもっていた。
 あぢ〜。
 ノートで顔を扇ぐが、体全体が火照ってきた。
 ブラウスの部分を捲り上げて腹部に風送ると少し楽になってきたが、今度は下半身が熱くなってきた。
「ちょ、ちょっと」
 一緒に乗車した柊姉妹が顔赤くしてるな。何でだろ?
 ……まあいいや。
 スカートでよかった、ズボンだと社会の窓開けて風送るってわけにもいかねーからな。
 ん? 姉のかがみは赤面したまま呆れ顔でこっち見てるな。なんでだろ?
 ……。
 あ゛〜、暑くて頭回らねー。


 夏祭りに行くことになり浴衣を着ることになった。
 姿見でどんなふうに結ぶのかを見物する。ふむふむなるほど、こう折って、巻いて、また折って、結んで、広げて、返して……って、何故ゆえに父親が帯を結ぶんだろう?
 というか結べるんだろう?

 皆で集まって出店を見て歩く。
 こういうのは時代を超えてもあまり変わらないものだな。
 そう感心していたら、つかさが綿アメ食べてて鼻先についたのをかがみが取っていた。
「そういうのって女同士でやってもつまんないよね」
「言うな」
「どうして私たちってロマンスないかな」
 私は中身が男だから仕方ないが、みんなを茶化したりしてみたいんだが。
94 :こなたリフレイン2009/05/09(土) 09:36:34.14 ID:AqbYRmQ0
 皆で海行って、民宿で風呂入ることになった。
 中身は男であることによる抵抗を乗り越え皆と風呂をご一緒したわけだが……。
 ティモテのギャグでかがみ達に対しては滑る一方で、引率者であり大人であるゆい姉さんにウケたりしてるうちに、柊姉妹はムダ毛の処理について話し始めた。
 ツルツルとか何もしてないといった具合に生々しい内容。
 オレ、いやいや、私の前で自然にこういう話をしてるってことは、私は普通に同性……女と見なされてる、ということだよな。バレてないわけだ。
 などと考えていたら、かがみは「実は今日、結構危険だったんだよね」と言い出した。
 溺れかけたんだろうか? はたまた、実はナンパに遭い、しかも乱暴されそうになったとか?
 だからこそ、私がナンパの件で茶化すと必死に否定してたのか!?
 などと焦ったが、柊姉妹は、来る、終わる、タイミングといった具合に主語のない妙なやりとりを始めた。
 そして「一人で海に入れない」とか「アレを使う」という発言でようやく理解した。アレの話か。
 ううっ、生々しい。
 どうしよう、私に話振られたら少々困るぞ。
 よし、先手必勝、話をまぜっかえそう。
「なかなか平和だねお二人さん」
「そういうあんたはどうなのよ」
 とのかがみの突っ込み。あぅ、ヤブヘビだったか。
 と、焦ったら、かがみは気まずそうに口ごもった。
「何その顔」
「別に〜」
 今日着ていた水着はいわゆるスクール水着というやつで、おまけに『6−3』のゼッケンを縫いつけていたから小学生時代からこなたは成長してないとか考えたんだろうなこいつは。
 でもその学年ならもう始まっててもおかしくない、いやいや、そういうことじゃなくってだな。
 実際、海行くってことで水着を探していて発掘していたタンスの奥からコレを見つけたときは成長してないと私も思った。
 だが、よく見ると出土したコレは新品同様で、その脇にかなり小さめのスクール水着があり、そちらはところどころ伸びたりほつれたりで使用の形跡があった。
『6−3』のゼッケンは、元々はそちらについていたのだ。

 父親は男やもめで娘を育てるってことで色々と戸惑い、失敗もあったのだろう。
 注文する際にサイズを間違えたのか、伸縮性があるから多少の誤差はカバーできると考えたのか、身長がすぐ伸びてこのサイズに追いつくだろうと考えたのか。
 残念ながら体格が追いついたのは今頃になってからだった。
 ゼッケンの移植は、出番がなかったこちらのスク水の供養みたいなものである。
 ただの競技用水着ではなく、あくまでもスク水らしさを演出して少しでも本分を全うさせてやらねばなるまい。
 幸か不幸か水泳授業はなかったので、今しか機会はないのだ。
 そんなわけで小学校時代からそれなりに成長してるらしいぞ、この体。
 従って、ちゃんと私にもアレは来るぞ。来てます、来まくりやがってます、ハンドパワーです。
 ……と言ってもわからんか。

 中身が男の私としてアレは衝撃的だった。
 内科的ではあるが食当たりのソレとは異なる未知の痛みを下腹部に感じ、もしやと思ってネットで調べたりストックされていたアレの説明書き見て何とか自力で対処したが。
 私としては初めてとなるアレで動転し、「なんじゃこりゃー!」といったネタを誰かに披露したい衝動に駆られたものである。
 こういうときは父子家庭でよかったと思う。父親ではなく母親だったら私の対処の仕方で違和感を抱かれていただろう。
95 :こなたリフレイン2009/05/09(土) 09:37:26.17 ID:AqbYRmQ0
 かがみとライトのベルの絵について話す。
「やー、純文学を読む子供が減ったって嘆く人いるじゃん? 純文学に今風の絵をつけたら読まれるんじゃないかと思って」
「いや……内容硬めだしそれはどうかな……」
「いやいや、オタクの想像力はたくましいから『萌え』が足りないトコは妄想でカバーできるから平気平気」
「あんた見てると侮れないとか確かに思うわね」

 といったやりとりからしばらくして、人間失格のカバーがDEATH NOTEの作者である小畑健のイラストに変わり大ヒットになっていた。
 まさか私たちのやりとりを出版社の人が聞いてたってわけじゃないだろうけど、私の読みは正解だったか。
 時代が我々オタクに追いついたってことだな。


 新学期を迎えた。
 登校中、後ろからつかさに話しかけられ振り向く。
「あらぁ、かがみさん、つかささん、ごきげんよう」
 ううっ、自分でやってて鳥肌立ってきた。
「まあ、つかささんったら、リボンが曲がっていてよ」
「気色悪っ」
 かがみ、言うな。
「こなちゃんどうしちゃったの急に」
「はぁい、このところ少々マリ見てにはまっておりまして」
「子供かお前は」
「ほぉっほっほっほ」
 時々こうやってネタかましておけば、ボロが出ても何かの真似だと思ってもらえるだろう。


 進路の話になり、皆と同じ組になりたくて文型選んだんだとかがみに突っ込んだら顔赤くして怒ってる。
 喋ったなー! などとつかさにわめきちらし、よりにもよって私に知られたって猛烈に恥ずかしがってるし。
 否定はしないわけだ、可愛い。
「素直に言えばいいのに、さびしんぼさんなんだから、よしよし」
 かがみの背中に寄りかかり頭を撫でてやる、女同士だからこそ許されるスキンシップだな。
 女になってよかった……かも。
「う、うるさぁ〜いっ!!」
 ああ、恥ずかしがって怒って暴れて、かがみは本当に可愛い。この気持ちは私の中身が男だからだろうか? 本当に女同士でもこういう気持ちになるんだろうか?

 そうだ、機会があったらあのプリクラとかいう3分間写真をファンシーにしたアレでかがみと写真撮ってみよう。
 アレは背景などを色々と合成できるし文字も書き込めるというから、ハートマークで囲んでトドメに「I(いやいや、二人っきりだとさすがに抵抗強いだろうからダメか、集団で撮るってことでWeだな) love Kagami」などと書き込んでやったりしたらさぞかし可愛く恥ずかしがってくれるだろう。
 私が男のままだったら違う意味合いも交じってしまってできない攻撃だろうな。

 それにしても進路か。
 父親がこなたの文集とかきっちり取っていて、参考のために目を通してみたら彼女の将来の夢は毎年変わっていた。
 獣医とか弁護士とか。
 ふとあることに気づき過去に流行ったゲームや漫画と照らし合わせると、こなたが当時好きだったと思われる作品と見事に符合していた。
 なんともわかり易い子である。
96 :こなたリフレイン2009/05/09(土) 09:37:54.27 ID:AqbYRmQ0
 柊姉妹が我が家にお泊りすることになったのだが……。
「話はよく聞いてるよ、家が神社で巫女さんなんだって?」
 父親は開口一番でコレである。
 二人がそうであると話した記憶はないから私がこなたになる前に本来のこなたが話したんだろうけど、どういう説明してたんだろう?


 教室の扉を開けようとしたら、かがみが焦っていた。
「バチってしなかった? 静電気」
 つかさの問い。
「いや〜?」
 そういえば無かったな。冬になったのに何か物足りなかったのは、風物詩である静電気がなかったからか。
 体質の問題なのかな?
 そんなわけで静電気の話になる。
 手を触れただけでバチってくる人がいる。などと言ったかがみ自身がつかさの手に触れて感電していた。

 この光景にデジャブを感じ、考えを巡らせ浮上した作品はサイボーグ009だった。
 アレにはプラスとマイナスという双子のサイボーグが登場し電撃攻撃を仕掛けていた。
 近づきすぎるとショートしてしまうため、血を分けた兄弟でありながら死ななければ触れ合うことも叶わないという悲しい話だった。
 この時代では故人となってしまった作者の石ノ森先生は、さっきの柊姉妹のような光景を見て発想を得たりしてたんだろうか。

 自宅でくつろいでいると父親は頭を下敷でこすりはじめた。
「何やってるの?」
「いやぁ、もういっぺん見たくて」
 見たい?
「うぉお〜! ストロンガー!」
 との雄たけびとともにスパーク音が響き渡る。
 ううっ、私もやりたい。でもこの体は帯電しない体質だし中身が何者なのかと怪しまれるよな。
97 :こなたリフレイン2009/05/09(土) 09:38:23.97 ID:AqbYRmQ0
 コミケの時期になった。
 この時代では、その気になればネットで事前にいくらでも情報を集めることができるため、この時代でのやり方にもすんなりと順応できた。
 前回はかがみを誘い、そこそこうまくいった。
 そこで仲間を増やすため今回はみゆきさんを誘おうとしたが、実態を知ったかがみの妨害に遭ってしまった。
 というわけで今回はつかさも誘う。かがみは前回参加してるということでいい戦力になるだろう。

 そして大晦日当日の昼休憩。
 柊姉妹は完全にグロッキー。戦い方を教えたとはいえ、やはり一般人にはきついか。
「まあ初参加の人には辛すぎるメニューだと思ってたから、午後は皆でまったり見て回ろうよ」
「まだ回る気なのか」
「でもね、会場がこの有明になってからはずいぶん都会的に……」
 と、いろいろ語ると「晴海会場?」との突っ込みが入った。
 あ、やべ。つい完全に素に戻って本来の自分の時代のコミケと比較した話をしてしまった。
 確か、本来のこなただったら……。
「晴海会場の最後は12年前位だったかな」
「待て、あんたいくつだったのよ」
「ん?」
 こなたの12年前ってことは……。
「5歳くらい? お父さんに連れてってもらったんだ」
 日記などの資料を見たところ、そういうことだったようだ。改めて、凄い親子だとつくづく思う。
「ホテル浦島ってとこに毎回2泊してね、夏コミが最初だったんだけど、当時は新館2階が凄かったんだよ。大量の参加者の汗が蒸気になってね、空中にできた雲が、こうモクモクと……」
 こなたは非常に感受性の高い子だったようだ。
 相当にインパクトがあったのか、当時の絵日記に5歳児の視点でその光景が余すことなく描写されていて、まるで見てきたかのように状況がわかった。
 オタクの本質はやはり変わらない。あのイベントがエスカレートしていけば、雲が発生してもおかしくはないだろう。

「有明に会場が移って便利になった事も多いけどね、イベントが大規模化してきたせいか最近の若い参加者は自分のことをお客さんだと思ってる人が多くて悲しいよ、元々は皆で作るイベントだったのに」
 まったく嘆かわしいことだ。
「散々語っているところ悪いけど全然わからん」

 ってなことがあってから年が明け、柊姉妹の神社に初詣に行く。
 かがみが皆と一緒のクラスになりたいってお祈りしてたという。
 つかさがそう言ったときのかがみの恥らい方が最高に可愛い。
 それを茶化すと更に恥ずかしがる。ああ、堪らん。

 父親がお神酒を飲んでいた。
 ううっ、私も飲みたい。
 本来の私だったら未成年なのに父親や親戚のおっさんにそそのかされてこっそり飲んでたものである。
 でも、こなたとして飲むわけにはいかないよなー、他人の体なんだし。
98 :こなたリフレイン2009/05/09(土) 09:38:59.41 ID:AqbYRmQ0
 家族そろってニュース見る。
「最近ホント子供狙った事件増えたよねー」
 というわけでゆたかにも注意を促す。
 本来の私の時代に発生した宮崎勤のような事件が増えている模様。
 その一方で……。
「けしからん、気持ちはわからんでもないが。これだけ連日大事として取り上げられているのにいまだ見知らぬ子どもに声かける者がいるとは嘆かわしい」
 父親に同意である。このご時世ではそれだけで変質者と見なされてしまう。世知辛い話だが自重しないと。
「一言言ってやりたい、うらやましいだろう」
 またも同意である。あのやりとりができたのなら羨ましい。
 本来の私の時代だったら通りすがりの子供も大人も普通に挨拶してたし、信号待ちで隣り合わせたときに世間話ってのも日常茶飯事だった。
 子供好きだから、懐かれたときは嬉しかった。
 将来は小学校の先生になって、いじめ問題に真剣に取り組もうと考えているくらいである。

 とはいえ、過剰反応する人たちを責めるわけにもいかないか。本当に変質者だったら手遅れだもんな。
 マスコミ見てると、犯人宅を家探しして漫画などを見つけ出し、それの影響ってことにしてたりする。
 宮崎勤の事件のころから変わってない、むしろエスカレートしてるな。
 この時代、結構窮屈だ。

 とりあえず、安易に父親に同意を示すのはまずいか。
「何考えてるかわかんないけど、ゆい姉さんに捕まるようなコトだけは勘弁してネ」
 と、茶を濁しておこう。


 かがみ宅でゲームをする
「あんたさ、こういうロボットゲームやっててキャラとかわかんの?」
「うん ある程度はね」
 いや、ある程度どころかすっごくよくわかるんだけどね。リアルタイムで接していた作品も結構あるし。
 世代を超えて様々なメカが夢の競演しちゃって、堪らんね、これは。
「そっか、あんたの漫画やアニメの趣味はおじさんの影響だって言ってたもんね」
「そうそう」
 日記やアルバムなどの資料から推察するに、そういうことらしい。
「じゃあさ、小さいころは逆に女友達の話題についていけなかったんじゃない?」
「むしろそっちのが見る機会多かったから全然ついていけたけど?」
「え……? あ、そう……あれ〜!?」
 混乱してるなかがみ。無理もない、私も日記のそこらへんの記述見て混乱した。
 こなたの父親は、本来の私と同様に男向け女向けといった枠組みに囚われず様々な作品を楽しんでいたようだ。
 娘の中身が赤の他人である私になっているかりそめの親子なのに異常なまでに気が合うのもそのためだろう。

 数日後、借りてきたメカ物のアニメ見ていたら柊姉妹が来た。
「相変わらずそういうの好きね」
「んー別にメカにはあんま興味ないんだけどね」
 この時代のメカ物で主流になっているデザインはいま一つである。
 本来の私の時代は車に例えるなら戦車のような無骨なものが主流だった。
 それに対しこの時代はF1カーのような洗練されすぎた感じのデザインが多くどうも趣味に合わない。
「メカには興味ないって、じゃあ何を見てんのよ」
 そりゃあ、戦いを通したシリアスな物語である。この方面ではいい演出してる作品も沢山……などと言ったら引かれるか。
「幅広い視聴者のために最近のメカ物はほぼ確実にかわいい女の子や男の子がだね」
 と、茶を濁しておこう。
「それはメカ物と呼んでいいのか」
 正直言って微妙。
 でもまあ、これはこれでOK。こうやって割り切れば人生はかなり楽になるものである。
99 :こなたリフレイン2009/05/09(土) 09:39:33.39 ID:AqbYRmQ0
 ゲーセン行ったと話すと、つかさは行ったことがないと言い、どんなトコロなのかと聞いてきた。
「悪い仲間に入れられたりお金をまきあげられたりしちゃうトコロ」
「え……っ!?」
「あんたもう怖いモン無しだな……」
 いや、冗談じゃなく本来の私の時代だったらそんなとこだったぞ。
 この時代ではずいぶんと健全になったものである。


 新学期になる。
 黒井先生が始業間際に駆け込んできていつまでも休み気分でいないように、などと説得力のないことを言い放った。
 で、休み時間。
「先生髪の毛ぼさぼさだったね」
「でもまた黒井先生で楽しいクラスになりそうですね」
「まあノリはいいからね。クラスのカラーって結構担任で決まることあるからね〜」
 といったやり取りをしていたらかがみがこう言った。
「なるほど、わかった」
「ん?」
 あ、この話の流れだとかがみの発言は十分に予測しうるわけだが……。
 志村後ろー!!
 などと言ったらまた年幾つだと言われるかとか考えてるうちにかがみの口が滑る。
「あんたらふたりがだらしないとこって、担任のカラーに似たのか」
「聞こえてるで?」


「焼き芋の美味しい季節になったわね〜」
「いや、かがみ、あのさ〜」
「いや、わかってる、わかってるから言うな。少し食べる?」
「どうもありがとう」
 ……って、間接キスってことになるが、いいの? あ、いや、今の私は女なわけで、女同士だから特に意識することないのか。
「でも太るよ」
「結局言うし」
 すまん、変なこと言いそうになってごまかそうとしてつい口にしてしまった。
 それからかがみは焼き芋屋のおっさんと目が合ってしまったと言い訳を始めた。
 自分にも分らないでもないということでコミケにおいて同人サークルで目が合って本戻しづらいという事例を語る。
「あんた話通じないのお構いなしで喋るな」
 あう、コミケ参加したことあるんだからわかると思ったがダメか。
 自分が知ってることは相手も知ってて当然という前提で語るのはオタクの悪い癖だ、自重せねば。
100 :こなたリフレイン2009/05/09(土) 09:40:03.12 ID:AqbYRmQ0
「チビっ子はオタクなんだってなー、『萌えー』ってヤツ?」
 かがみのクラスメイト、みさおにこんなこと言われた。
 チビっ子という呼称でムッっとした。本来は他人事のはずなのに自分自身に対する挑発と感じるあたり、私は『こなた』にかなり馴染んでいるようだ。
「試しに私らを萌えーで言うとどんな感じなん?」
 とか言うんで、かがみや一緒にいた峰岸さんの萌えポイントを列挙し、みさおに対しては先ほどのチビっ子呼ばわりの仕返しで……。
「八重歯、ボーイッシュ、あと……バカキャラ?」
 更にガキっぽいっていうのもありかも? などと追い討ちをかけておく。
 みさおはかがみにフォローを求めていたが私の意見をことごとく肯定されていた。
「ちきしょー好き勝手言いやがってー」
 と言ったときの彼女の構えで閃く。
「いやいや、わかり易いのが魅力なんだって。例えば……みさきちは紅白帽で『ウルトラマン』とかやってたタイプでしょ」
 いたんだよなー、周りの期待通りにお約束を見事にやらかしてくれる奴。
「なにぃー?」
 ありゃ、通じなかったか。この時代でも新作が作られたりCMのキャラになってたから大丈夫だと思ったんだが。
「それくらい皆やるよなぁ?」
「やらねーよ」
「あれー?」
 またもフォロー求めたかがみに無下にされ凹んでいた。
 むぅ、きちんと受け継がれてる所もあれば廃れてしまった所もあるか。
101 :こなたリフレイン2009/05/09(土) 09:40:30.05 ID:AqbYRmQ0
 文化祭の準備が始まった。
 留学生でありバイト仲間でもあるパティがチアリーディングをやろうと言い出したそうだ。
 ゆたかは体弱いから大丈夫かなとか思っていたら私にも参加して欲しいという話が出てきて、イベントのチケットに釣られすんなりと同意してしまった。
 その後、なんとかかがみの参加も取り付けることに成功。
 つっけんどんな態度を取りつつも赤面しながら同意してくれる反応が可愛い。

 そしてみゆきさんにも声をかける。色々と心もとないものがあるのだ。
 同意してくれたとき、嬉しさのあまりつい本音を漏らしそうになったものである。
「ありがとう、ボイ……いや、みゆきさん!」
 本格的に練習が始まったとき、みゆきさんとみなみちゃんのコンビを見てひよりと共にマンダムの体勢で胸についての考察を述べ合ったりしたし。
 いかんいかん、本来の私が男であることが原因か。自重せねば。

 最終的な練習を終え帰宅するとき、なんとなく不思議な感じがするとかしんみりするといった話になった。
「お祭りは準備をしてるときが一番楽しいっていいますし」
 とのみゆきさんの発言で『ビューティフル・ドリーマー』を連想する。
 私はこうして時と空間と性別を超えた体験をしてるのだから、更なる奇妙な体験をしてもおかしくないよな。
 もし元の時代、元の体に戻れたとしたら、再びたどり着くことになるこの時代をどのように見ることになるんだろう?

 結局あの劇場版のように延々とループすることもなく、あっさりと迎えた翌日の本番。
「つかさ、カチコチだね」
「そういうあんたも、いつもの余裕なさそうじゃない」
 そ……そりゃさ、いつもは、ある意味では他人事で傍観者の立場だったわけで。だからこその余裕だったんだけどね。
 この衣装だって『そういう衣装のほうが見てるほうは嬉しいものなんだよ』なんて言ってたけど、まさに見てるほうとしての発言だった。
 いざ自分が身に着けて実際に大勢の前でチアやるとなれば話は別だった。まして本来の私は男なんだし。
 自分もまた当事者であるという事を今頃になって実感した。

 と、そのとき、
「ミンミンミラクル……」
102 :こなたリフレイン2009/05/09(土) 09:41:07.20 ID:AqbYRmQ0
 といった具合に女子高生としてのゆる〜い日常を謳歌していたら、ある朝、本来の自分の時代、自分の部屋、自分の体に戻っていた。
 女子高生としての体験は夢として受け止めて本来の自分としての日常に復帰し、それから結婚して娘が生まれ、妻と死別して今に至る。
 そして娘の性格や言動などを通して、今の娘の中身はかつて時代と空間を超えて女の子になっていたときのオレであるという確信を得た。
 それでもある考えのもと、夢の内容を辿って普通に娘として接し、時折かなたとの思い出を語っていた。

 そして――


「じゃあ行ってきます、お父さん」
「お〜う」
 もう一人のオレでもある娘は登校していった。
 自由登校になり、大学の願書出してから学校に行くそうだ。昨日はソレを書くため色々準備を手伝っていた。

 大学か、ずいぶんと大きくなったものだ。
 男やもめの子育てで、よくここまでやれたと我ながら感心する。
 夢の中で女子高生になっていた記憶があったからこそ、かもしれないな。
 回りを見回し、感慨にふける。
 本来は、辿りつくことのなかった未来なんだよな、この現代は。
 かなたと結婚した当初、子供は諦めていたのだから。
 あのとき、母体への負担が大きすぎると診断されていた。
 だが、かなたは強く子を望んだ。考えうるあまりにも大きなリスクを知ってもなお、願ったのだ。
 オレは悩みに悩んだ末に、その願いを叶える決断をした。
 その後押しとなったのが……。

 リビングに飾った写真を見た。
 オレとかなた、その二人に抱かれる赤ん坊。
 娘が生まれて三人で撮ったこの写真を見たとき強い既視感があったのだが、それは当然だろう。
 まったく同じ写真を、かつては時と空間を越え他人として見ていたのだから。
 こなたとして生活し、この写真を見ていた記憶がおぼろげながらもオレに残っていたからこそ、子を設ける決断ができたのだろう。

 かなたは心の底から幸せそうに笑える未来に辿りつける。
 そして生まれてくる子供もまた、幸せに育つことができるという確信を持てたのだから。

 かなた、オレの、いや、オレ達の決断、間違いなんかじゃなかったよな?
103 :こなたリフレイン2009/05/09(土) 09:41:38.22 ID:AqbYRmQ0
「うぃ〜っす、WAWAWA忘れ物〜♪ 俺の……おぅあ!?」
 娘が妙な歌を口ずさみながらリビングに乱入してきたと思ったら、サーフィンをするような妙な体勢で固まっていた。
 緩んでいた制服のリボンを珍しく神妙な顔つきで締め直し……。
「すまん……ごゆっくり!!」
 などと言って慌てて出て行く。
 何故と首を捻り、すぐ原因に気づいた。
「お〜いこなた、なに勘違いしてるんだ、花粉症だ花粉症」
 オレ、柄にもなく写真見て泣いてたか。しっかりしないとな。
「……あれ? この時期だったっけ?」
「花粉症にも色々あるんだ、それよりどうした」
「同封する書類を忘れてたの」
「やれやれ、念のため内容ももう一度見直したらどうだ?」
 との勧めで、オレの前で再確認を始めた。
 そういえば、娘がコスプレ喫茶でバイトしたとき履歴書はほとんどオレが代筆してたな。
 だから、娘の中身のオレが履歴書の家族欄を見て本来の自分と父親の名が同じだと気づくことはなかったわけだ。
 しかし今回、娘は自分でこういうのも埋めていた。
 と、いうことは……。
「ああ〜?」
「ど、どうした?」
 気づいてしまったか? タイムパラドックスになるか?
「書き忘れ書き忘れ」
 拍子抜けした。
 改めて書き直しや確認を続ける娘を観察してみると、家族欄でオレの名を見てもこれといった反応は示さなかった。
 そうか、もうシンクロは解けて、もうひとりのオレは自分の時代に帰ったか。
 目の前にいるこの女の子は正真正銘オレの娘、こなたなんだな。
 もう一人のオレには、もうこの写真のルートを辿らせるだけのことは充分に語ったり見せたりしたから大丈夫か。
 まだまだ話していない思い出があるが、これからは純粋に父と娘の語らいということになるだろう。

 とりあえず話すべきことは、そうだな……。

「こなた、大事なことを言い忘れていた」
「うん?」
「お帰り、こなた」
「……あ、ただいま、お父さん」

 ここ最近は見ることのなかった、かなたによく似た笑顔がそこにあった。


104 :こなたリフレイン2009/05/09(土) 09:42:07.88 ID:AqbYRmQ0
以上です。
不整合を見つけ、辻褄合わせるエピソードを書いてるうちに色々ネタ浮かんでこんなに長くなってしまいました。
105 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/05/09(土) 10:49:12.36 ID:AiXZdIM0
>>104
こなたの男目線で話しているのを
逆手に取って、本当に男にしてしまったところが面白かったですね
時代ネタもタイムスリップで解決しまっている。
GJでした。
106 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/05/09(土) 17:31:49.89 ID:WETwHVo0
>>104
乙!サイボーグ009のくだりで懐かしさを感じてしまったw
書き手の罠に見事にはまった気分なんだぜ
107 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/05/09(土) 18:03:18.97 ID:AiXZdIM0
>>104     >>106
サイボーグ009・・・思い出した。
地球か なにもかもみな懐かしい・・
たしかこんな感じのネタもアニメであったよね
できれば宇宙戦艦ヤマトも入れて欲しかったなw
108 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/05/09(土) 18:47:11.48 ID:1kQzd5.0
>>104
こなた中身がおやじくさいのではなく、むしろ中身は本当に男。
まさに発想の転換ですね。GJ。
109 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/05/09(土) 23:47:30.76 ID:WETwHVo0
ちょっと時間ができたので、前スレでもらったまんま放置していたお題を消化したいと思いまふ
製作時間は数時間、推敲に至っては0時間なんでクオリティは期待してくれるなってもんですよ

たぶん5〜6レスくらいにおさまるハズ
110 :母親会談[saga]:2009/05/09(土) 23:48:39.54 ID:WETwHVo0
 ある日の夕方、柊家。

「お母さん、ただいま〜」
「お帰りなさい、つかさ」
「あ、お母さん。ちょうど良かった。見て欲しいものがあるんだ〜」
「見て欲しいもの?何かしら?」
「うん。これなんだけど」

 そう言ってつかさはごそごそと鞄の中をあさり、銀色に光るコンパクトな物体を取り出した。
 こなちゃんから借りてきたんだよ〜、などと説明を加えながら、それを嬉しそうに掲げてみせる。
 
「それは……デジカメ、よね?それがどうかしたの?」
「えっとね、この写真なんだけど……あれ?ちょ、ちょっと待ってね。えっと、ここをこうやって……」

 2・3度ボタンを押すも思い通りの操作ができず、つかさは玄関先でデジカメとの格闘を始める。
 とりあえず家にあがったらどうかというみきの提案を、もう少しだからすぐだからと拒否すること20分、何とか操作を完了させるに至った。
 操作が上手くいったからか、つかさはやや誇らしげな感じでデジカメの画面をみきに見せる。

「あら、こなたちゃんとおじさんの写真ね。とっても仲がよさそうだわ」
「うん。2人とも羨ましくなるぐらいとっても仲がいいんだよ〜」
「つかさも家族で写真が撮りたいの?」
「あっ、そうじゃなくて。この写真のここのところに影みたいなのがあるでしょ?」
「あら、ホント」

 中央やや左寄りにこなたが、その右側にそうじろうが満面の笑顔で写っているツーショット写真。
 つかさが指差しているのは、その写真のこなたの左後ろあたりの空間。 
 そこには、壁の模様の具合とか、機械の調子とかでは説明がつかない、黒いもやのような何かが写りこんでいた。

「これが何かの霊とかなんじゃないかな、ってこなちゃんが悩んでて」
「う〜ん、たしかに何かしらの思念を感じるわね」
「やっぱり!それでね、怖いからお焚き上げとかして欲しい、ってこなちゃんが言ってるんだけど」
「いいわよ。それじゃあ、お母さんからお父さんに頼んでおいてあげるわ」
「ありがとう、お母さん。あっ、それとおじさんも、ちゃんとお金は払うからよろしくお願いします、って言ってたから」
「はいはい。それじゃあカメラを借りるわね……つかさ?」
111 :母親会談[saga]:2009/05/09(土) 23:49:39.68 ID:WETwHVo0
 みきは差し出されたデジカメを受け取ろうと手を伸ばすが、触れるか触れないかのところでつかさはそれを引っ込めてしまう。
 さらには、まるで誰にも奪われまいと護るかのようにしっかりと胸に抱きしめる。
 
「……あげ……ないで……願い……」
「つかさ、どうしたの?」
「焚きあげ……ないで、お願い……」
「つかさ!?しっかりしなさい、つかさ!」

 焦点の定まらない目をして呟き始めたつかさに声を掛けながら、肩をつかんでがくがくと強くゆする。
 つかさはみきの手を振り払うようにしながら声を上げた。

「お、お願いです!お願いしますから、お焚き上げだけはやめて下さい!」

 はっきりとした声をだしたつかさは、目の焦点も定まりはしたが、みきはその瞳の奥に異質なモノを感じとった。
 つかさの纏う雰囲気がいつもと違うものに変わってしまった。
 それは、家族以外の者にはわからないくらいの微妙な違和感。

「あなた、つかさじゃないわね……さっきの写真に写っていた影ね?いったい誰なのかしら?何が目的?」

 みきは鋭い視線をつかさに、つかさの中にいるであろうモノにむける。
 みきは身体を霊に支配されてしまった人間と相対した経験はあるが、だからこそ、今この状況ではこの事態に対処しきれないことがわかっていた。
 家の玄関先で、しかも何の道具も持ち合わせていない状態では、まったく何もできないのだ。   
 かといって、愛する娘の身体が好き勝手に操られるのを見ているだけという訳にはいかない。
 多少の無茶は承知で物理的な拘束を試みようとみきが身構えたその時、意外な台詞が何とも緊張感の無い感じでつかさの口からでてきた。

「あっ、す、すみません、申し送れました。えっと、泉かなたです。いつもこなたがお世話になっております」
「えっ?ええっと、泉……さん?ということは、あの、娘の友達の……こなたちゃんの、お母さん……ですか?」
「は、はい。すみません、つかさちゃんの体を突然お借りしちゃって」

 低姿勢な発言をしながらぺこぺこと頭を下げる、つかさの身体をしたかなた。
 意外な展開に緊張の糸が強制切断されてしまったみきだが、軽く溜息をつくと、再び厳しい表情に戻って話し始める。
112 :母親会談[saga]:2009/05/09(土) 23:50:38.29 ID:WETwHVo0
「はぁ、とんだ怪談だわ……かなたさん、どのような理由があるとしても、死者が生者の、しかも私の娘の体に憑く事を私は良しとはできません」
「は、はい、わかっています。本当にすみません」
「でしたら、すぐにつかさの体から出て行ってください。さもなくば、祓わせていただくことになりますよ」
「あの、ま、待って!待ってください!せめて話だけでも!」
「いいえ、待てません。残念ですけど、一時の情をもって理を曲げることはまかりなりません」
「えっと、そこをなんとか……娘さんの体をお借りする代わりといってはなんですが、柊さんの願いとかを叶えるというのではどうでしょうか」

 これは、死者が生ある者を惑わす手段としてよく用いられる裏取引のようなものだ。
 取引といっても、大抵は罠に過ぎない。
 死者の企みに気付かずこの誘惑に負けた場合、周囲をも巻き込んで不幸な末路をたどることになるのがオチだ。
 ただ、かなたの場合は特に他意は無く、純粋に話をする猶予をもらうための交換条件として今の自分に唯一できることを提案したに過ぎない。
 みきも、かなたが悪意をもって発言したのでは無いと勘付きはしたが、神職に就く者としてその発言を許すことができなかった。

「戯言を!私が自分の欲望のために、世の理を、何より愛する娘の体を――」
「あわわわ。は、肌年齢を若干若返らせるとかもできますけど、やっぱりそんなのじゃダメですよね。す、すみませんでしたっ!」

 みきの動きがぴたりと止まる。
 謝罪の意を込めて深く勢いよく頭を下げたかなたが、そっと上目遣いで様子を窺う頃には、みきはいつもの穏やかな調子に戻っていた。

「かなたさん、でしたか?とりあえずお茶にでもしましょう。さ、こちらへどうぞ」
「え?ええ?……は、はい。では、お邪魔します」


 ☆


 柊家の居間では不思議な光景が展開されていた。
 みきがつかさにお客様用の湯飲みでお茶をだし、つかさがそれに恐縮しながら敬語で応じる。
 しかし、つかさの中にかなたがいるとわかれば不思議の無い光景――いや、もっと不思議か。
 みきとかなたはお茶を飲み飲み、多少の雑談も交えながら写真の件についての話を終えた。
113 :母親会談[saga]:2009/05/09(土) 23:51:25.92 ID:WETwHVo0
「なるほど。つまり、この写真の影はかなたさんなんですね?」
「はい。さっき説明させていただいたとおり、そう君、いえ、主人とこなたと一緒の写真に写りたかったものですから」
「わかりました。そういう事でしたら、お焚き上げはやめておきます」
「すみません。本当にありがとうございます」
「こなたちゃんには、守護霊のようなものだと説明しておきます。あながち嘘でもありませんしね」
「恐れ入ります。柊さんのところには、娘ともども本当にお世話になりっぱなしで……」
「いえいえ、こちらこそ。かがみもつかさも、こなたちゃんにはお世話になりっぱなしですから。お互い様ですよ」

 お互い同じ歳の娘をもち、しかもそれが仲の良い友人同士ということもあって、死者と生者の垣根を超えてわりと話のはずむ2人。
 本来なら有無を言わさず即刻お祓いするのが筋なのだが、かなたの性格の良さも相まって滞在時間はずるずると伸びてゆく。

「そう言っていただけると嬉しいです。こなたがご迷惑をかけてるんじゃないかって心配でしたから」
「迷惑だなんて、そんな」
「こなたは、その、とても趣味が偏っていますから……かがみちゃん達に悪影響を与えているんじゃないかって心配で心配で」

 こなたのほとんど全てを把握しているかなたは、父親同様に偏った娘の趣味にはいまひとつ自信が持てなくて俯いてしまう。
 もちろん愛する娘の性格自体にはそれなりの自信を持ってはいるのだが、さすがに一部の趣味は内容が内容だ。 

「趣味については詳しく知りませんけど、私は、こなたちゃんは娘達にいい影響を与えてくれたと思っていますよ?」
「そうでしょうか。そうだといいんですけど」
「例えば、かがみはほんの少しですが素直になることを覚えましたし、つかさもお姉ちゃん離れというか、いくらか自信を持つようになりました」
「でもそれは、こなたは関係無く、かがみちゃん達自身の成長によるものではないんでしょうか?」
「そうかもしれませんね。でも、娘の会話を聞いている限りでは、私はこなたちゃんの影響は結構大きいと思うんです」
「そうであってくれたら、本当に嬉しいんですけど」

 少し困ったように、でも本当に嬉しそうにかなたは微笑む。
 みきはそれを見て、ああ、この人も娘のことを心の底から愛しているのだな、と思わざるを得なかった。
 そして、お祓いなどせず、こうしてゆっくり話をすることができて本当に良かったと思った。
114 :母親会談[saga]:2009/05/09(土) 23:52:22.14 ID:WETwHVo0
「お茶、もう一杯いかがですか?」
「いえ、あまり長居するわけにもいきませんし。気持ちだけ、いただいておきます」

 そう言いながら遠慮がちに笑うかなたを見て、みきは同じ娘を愛する親としてどうしてもある事を聞きたくなってしまう。
 その問いに対する答えによっては、みきは神罰を受けてでもかなたのために行動する覚悟すらあった。

「そうですか……かなたさん、私がこんな事を言うのもなんですけど……この機会に娘さんに、こなたちゃんに、会っていかれないのですか?」
「……会った方がいいと、柊さんはそう思われますか?」
「……でも、かなたさんご自身は会いたいのでしょう?せめて、ひと目だけでも会っていかれてはどうですか?」
「会いたくないと言えば嘘になりますけど、会えば別れが辛くなりますから。それに、柊さんの言葉を借りれば、世の理に反することになりますから」

 自分より若いはずのかなたが、とても深い輝きを湛えた瞳でふっと微笑むのを見て、みきは全てを悟った。
 この人は、どうしようもないくらいに家族を愛しているが故に――

「そうですね。ごめんなさい、変な事を聞きました」
「いいんです。写真のことだけでも、だいぶん甘えさせてもらってますから」
「お強いんですね」
「いえ、そんなことないですよ。単に今の境遇に慣れてしまっているだけなのかもしれません」

 予想外の言葉に、みきはきょとんとした面持ちで聞き返す。

「慣れ、ですか?その、今の、境遇に?」
「変ですかね?」
「ええ。とっても」

 みきはくすりと笑い、かなたは自分の感覚のズレを認識して顔をやや赤く染める。 
 もっとも、この程度の感覚のズレは生じていても無理は無い。
 死者と生者。
 2人は本来なら決して交わる事の無い線上に位置しているのだから。
 改めて通常では有り得ないこの不思議なやり取りを認識し、そしてその中でお互い何か心が通じ合った気がして、2人は顔を見合わせて微笑む。

「お茶、もう一杯だけ淹れますね」
「はい、いただきます。飲み終わったら失礼させていただきますね」
「なんのおかまいも出来ませんで」
「いえ、お話できて楽しかったです」

 ここにきて、みきはもうひとつだけどうしても聞いておきたいことがあった。

「……ところで、かなたさん。その、肌年齢の件なんですけど」
「あっ、心配しないで下さい。約束はちゃんと守りますから。こちら側の規定どおり滞在時間に応じて願いを――」
「ちょ、ちょっと待ってください。『滞在時間に応じて』ですって?」
「は、はい。滞在時間が長ければ長いほど、つまりこちらの世界にご迷惑をかければかけた分だけ、願いの効果も大きく――」
「かなたさん!もしよろしければ、いえ、よろしくなくっても是非晩ご飯を一緒に食べていっていただけませんか!?」
「え、ええっ?でも、世の理が――」
「それは大丈夫です!心配いりません!今さらそんな固いこと言わず、ゆっくりしていってください!」
「そ、そうなんですか?でも、つかさちゃんの体が――」
「それも大丈夫です!私が保証します!まだまだお話したいこともたくさんありますから、ご遠慮なく!」
「え、え〜っと、じゃあ、もう少しだけ」
115 :母親会談[saga]:2009/05/09(土) 23:53:04.40 ID:WETwHVo0

 ☆


 空に月が昇り星が輝き始める頃、かがみは友人達と帰宅途中だった。
 時刻は8時過ぎだというのに晩ご飯をまだ食べていないので、機嫌が少々どころではなく悪い。

「まったく、もう!日下部が怠けるから、すっかり遅くなっちゃったじゃないの!」
「まーまー、そんな怒んなよ。なんとか無事に終わったからいいじゃん」
「みさちゃん、今日ばっかりは少しくらい反省した方がいいと思うけど」
「なんだよ、あやのまで……お?携帯鳴ってんぞ、ひいらぎ」
「あ、ホントだ。ちょっとごめんね」

 かがみの鞄の中からマナーモード特有のブーッという振動音がしていた。
 先程まで図書館にいたので着信音を消していたのだ。
 さっと携帯をとりだして画面を確認すると、自宅からかかってきたものであるとわかる。
 まだ家に連絡していないことを思い出し、かがみはばつの悪い思いで電話にでる。

「もしもし?……ああ、お母さん?ごめんなさい、連絡もせずに遅くなって……はぁ!?つかさが家出!?こんな時間に!?……うん……うん……わかった、みんなにも聞いてみる」

 いくらか情報のやりとりをしてからかがみが電話を切ると、そのただ事ではない様子にみさお達が早速質問をする。

「おいおい。どういうことだよ、ひいらぎ?」
「妹ちゃんが家出、って聞こえたけど?」
「あ、うん。でも、たぶん大丈夫よ。どうせ、こなたかみゆきの所ぐらいしか行くあてが無いでしょうし、すぐに見つけられると思うわ」
「それならいいんだけど……あれ?柊ちゃん、また鳴ってるよ?」
「おっと。たびたび悪いわね、2人とも」

 自宅からの続報、ともすればつかさが戻ってきたという報ではないかと思い、相手も確認せずに慌ててでるかがみ。

「もしもし?……つかさ!?ちょっと、今どこにいるのよ!……えっ?こなたのお母さんが?つかさも意識があって?裏取引で肌年齢に負けた?……何言ってんのかわかんないわよ」

 しかし、電話の相手は泣きじゃくる妹だった。
 要領を得ない妹との会話にイライラしながら電話口で声を荒げるかがみの姿を、その口から時折飛び出す不可思議なキーワードを聞きながら友人達は生暖かい目で見守る。

「なぁ、あやの。よくわかんねーけど、なんか大変そーだな」
「う〜ん……柊ちゃん家にもいろいろあるのよ、きっと」



 かがみがなんとかつかさを連れて家に戻った時、玄関まで迎えに出て来たみきの肌はいつもよりつやつやしていたという。
116 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/05/09(土) 23:55:06.49 ID:WETwHVo0
以上です
今回の作品は「かなたとみきの母親会談」「←それって怪談じゃね?」あたりのお題を基にしてます
怪談な要素は無いんだけどねw
お題くれた人ありがとうでした

前レスでもらった他のお題もできるだけ消化したいと思っとりますです、はい
117 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/05/10(日) 00:01:36.04 ID:u4qVBVwo
>>116
みき必死すぎるwwめちゃくちゃワロタww投下に出くわしたから、次はまだかと食い入る様にリロってしまった
GJ! これしか言えないが、マジでGJ!

つかさ、どんまいw
118 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/05/10(日) 00:34:09.46 ID:TEBNH9I0
>>116
これを数時間で書けてしまうところが凄い
自分はお題を与えられると真っ白になってしまいますね。
GJです。
119 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/05/10(日) 01:43:34.88 ID:DF/mh3A0
これから歌手やまとを投稿します。タイトルは会話
120 :会話2009/05/10(日) 01:45:30.95 ID:DF/mh3A0
はじめまして永森やまとです。現役高校生シンガーソングライターになった私はこうや色々な人
たちに声をかけられるようになった。私学校に行くとき正体を隠して行くようになった。
でもそれでも私だと気づくことがあるが最近こうと一緒に学校に行くようになったからよってくる
ファンをなぜかよってこなくなったけど。ある日

こう「ごめんやまと、今日風邪引いちゃって。」
やまと「いいのよ今日は一人で学校へ行くから。」
こう「でもやまと一人で大丈夫?私が居なければ危ないよファンなんですと言って近づいてきて
やまとを襲いにに来るかもしれないよ?」
やまと「大げさだわ」

と言ったもののやっぱりこうがいないとやっぱり心細く、こうが言ったようにだれかに襲われるかもしれな
いとゆう恐怖感がある、襲われないか警戒してたら後ろから声が聞こえたふと後ろを見たら
泉先輩が見えてきた。 
121 :会話2009/05/10(日) 01:48:02.21 ID:DF/mh3A0
こなた「やほーやまと?」
と挨拶してこっちに来てきた
やまと「あっ泉先輩おはようございます。」
こなた「あれいつも一緒にいるこうちゃんは?」
やまと「こうは風邪で休んでいるは泉先輩大学はどうしたんですか?」
こなた「今日は大学は休みだからそういえばながもん最近歌手の仕事はどう?」
やまと「まあまあね、昨日は5時から8時近ぐらいまでレコーディングをして、そして9時から12時近く
まで勉強していましたから少し寝不足だわ。」
こなた「やまともがんばるねー私なんか11時から1時までネトゲーしてたから私も寝不足なんだ」
泉先輩が目をこすりながら答えた。


こなた「そういえばやまとってライブしたことってある?」
やまと「デビューの間もない頃にレコード会社のデビューイベントと
小さなライブハウスで1ヶ月に一度ライブをやっているくらいです。」
こなた「へー1ヶ月一度ライブをやるなんてすごいねやまとは。」
泉先輩が目をキラキラと輝いて言っているがしかし私は
やまと「そんなにすごくはないは私たちにとっては普通なことだけど。」
私がそう答えても泉先輩が
122 :会話2009/05/10(日) 01:49:00.56 ID:DF/mh3A0
こなた「そんなこともないよやまとは、曲などいいし歌も上手いしギターも弾けるってすごいし先週の出たばかりの
新曲だってすごくいい曲だっよことだよそれにいいプロモーションしているしやまとはすごいよ。」
私を色々と褒めている先輩が何故かかっこよくみえた、そして私は
やまと「ありがとうございます。先輩に勇気つけられたは本当にありがとう。」
と私は深くお辞儀をした。
こなた「いえいえどういたしまして。」
 
やまと「そういえば泉先輩今日オシャレしてどこに行くつもりですか?」
こなた「秋葉原でお買い物をするんだー今日はバイトは今日はお休みだし。」
やまと「そう、そういえばこうがこの前「格ゲーでいつも泉先輩に負ける」と言ってたわ。」
こなた「こうちゃんはまだまだ私には勝てないよーと言っといて」
と色々な会話をしているうちに時計を見たらもう電車が来る時間になるから。
やまと「泉先輩私そろそろ行くわ。」

こなた「えっそうなのせっかく会えたのにー」
泉先輩が残念な顔をした。
やまと「もうすぐ電車が来るから早めに来ないといけないから。」
こなた「そうあっやまとに言いたいことがあった。」 
やまと「なんですか泉先輩?」
こなた「やまとの曲を聴くと1日がんばれそうな気分がするからこれからも歌手の仕事
がんばってね!」
と泉先輩が大きい声で言ってきた。そして私は
やまと「ありがとう」
と返した。

 
123 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/05/10(日) 01:51:15.79 ID:DF/mh3A0
以上です。2回目だからちょっとできた。
124 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/05/10(日) 01:51:25.19 ID:DF/mh3A0
以上です。2回目だからちょっとできた。
125 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/05/10(日) 05:19:11.27 ID:1nc9hYSO
>>116
みきさんその後何をやったんですかwwww
つかさが涙目過ぎるwwww

>>124
こなたとやまとって結構珍しい組み合わせだな


ウィキの命の輪シリーズの一部が見れないんだがどうなってるんだ?
126 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/05/10(日) 05:27:02.04 ID:u4qVBVwo
>>125
廻る、の事だよな? リンク切れてるな原因不明だけど
リンクは修正しといた
127 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/05/10(日) 07:27:24.36 ID:WVDSAYSO
>>116
構成が上手い、乙。
柊みきさん17歳になっちまったなww
戯事を!にワロタwwGJ!!



さて、今日は母の日。
もっとかなたさんかみきさんのほのぼの系SS見てみたいです><
128 :命の輪に問う[saga]:2009/05/10(日) 13:09:10.79 ID:EkTkDSY0
投下行きます。

懲りもせず命の輪関連です。
129 :命の輪に問う[saga]:2009/05/10(日) 13:09:48.88 ID:EkTkDSY0
 被った帽子の位置を、鏡と隣に置いた母の写真を交互に見ながら直す。
「…ん、こんなもんかな」
 もう一度鏡の中の自分と、母の写真を見比べる。
「うん、いい感じ」
 そう言いながら、こなたは満足そうに頷いた。
 ピンク色の花があしらわれた、白くて大きな帽子。父の部屋を掃除してるときに見つけたそれは、母の形見の品だと聞かされた。『欲しいのなら、持っていっていいぞ』その父の言葉に、こなたは迷わず頷いていた。
 鏡の中の自分を確認し、クルッと一回転してみせる。帽子にあわせて買った白いワンピースがふわりと舞った。
 そのワンピースの裾がクイクイと軽く引っ張られる。こなたが見下ろすと、娘が親指を咥えながらこなたを見上げていた。
「ごめんごめん、ちょっと待たせちゃったね」
 こなたは謝りながら娘を抱き上げた。
「よし、しゅっぱーつ」
 そう宣言し、こなたは娘と散歩に出るために玄関へと向かった。


- 命の輪に問う -


 娘を乳母車に乗せ門を出たところで、こなたは見知った顔に出会った。
「おや、かがみ」
「ういす」
 片手を挙げて挨拶してくるかがみに、こなたは少し考えてからこう答えた。
「主人がいつもお世話になってます」
 言いながら丁寧に礼をする。
「…いや、別に世話してないけど…」
 かがみが呆れたようにそう言うと、こなたはまた少し考えてこう言った。
「ご主人様がいつもお世話になってます」
「いやいやいや、変な風に言い直すな…今から散歩?」
「うん、そうだよ。この辺りを少し回ってくるから、用があるなら中で待ってていいよ」
 かがみは少し考えて、答えた。
「散歩、付き合ってもいいかな?今日は特に用があって来たわけじゃないし」
 かがみの言葉に、こなたは微笑んで頷いた。


130 :命の輪に問う[saga]:2009/05/10(日) 13:10:42.94 ID:EkTkDSY0
「…なにかな?かがみんや」
 歩き始めてからしばらくの間、自分をまじまじと見つめてくるかがみに、こなたはそう聞いた。
「いや、ホント馬子にも衣装だなって…あんたそう言う格好も出来るのね」
「失礼だなぁ」
 かがみの微妙な評に、こなたが不満げな表情を見せた。
「あはは、冗談よ。よく似合ってるわよ…格好だけ見てると、どっかのお嬢さんに見えるわ」
「お嬢さんねえ…母親っぽくは見えない?」
 まだ不満そうにしているこなたが、かがみにそう聞いた。
「母親ねえ…背と体格が足りないかしら」
「そこに触れますか…」
 こなたはがっくりと肩を落として、ブツブツと何かを呟き始めた。
「…雰囲気は母親っぽくなってるわよ」
「え、そう?…えへへ、ありがとう」
 かがみのフォローに急に機嫌を直し、こなたは鼻歌など歌いだした。
「単純ねえ…」
 かがみは呆れたようにため息をついた。
「ん?どうしたの?」
 急にこなたがそう言って、乳母車を覗き込んだ。乳母車の中では、こなたの娘が何かを言いたそうにむずがっていた。
「…こっちに行きたいの?うん、じゃあ今日はこっちにしようか」
「え?今ので分かるの?」
 かがみの目から見れば、赤ん坊がただぐずってるようにしか見えなかった。
「うん、なんとなくだけどね…ほら、機嫌よさそうだよ」
 こなたに促されてかがみが乳母車を覗くと、たしかに赤ん坊は機嫌良さそうに微笑んでいた。
「はあ…大したものね」
 かがみが感心したように呟く。
「ふふふ、母親っぽい?」
 こなたがニヤニヤしながら、かがみにそう聞いた。
「こだわるわねえ…そうね、今の見てると、ちゃんと母親してるみたいね」
 かがみがそう答えると、こなたは満足気に頷いた。


131 :命の輪に問う[saga]:2009/05/10(日) 13:11:16.27 ID:EkTkDSY0
「なんでまた急にこんな格好しだしたのよ」
 かがみが、こなたの被ってる帽子をクイクイと引っ張りながら、そう聞いた。
「こらー引っ張るなー」
 こなたが文句を言いながら、帽子を押さえる。
 二人が知り合った高校の時分から、こなたは活発な服装を好んでいた。私服は全部ズボンで、スカートなど制服かアルバイト先のコスプレ喫茶での衣装くらいでしか見たことなかった。
「この帽子、お母さんのだったんだって。それで、格好も帽子に合わせてみたんだよ」
 こなたは、かがみがずらした帽子の位置を、片手で直しながらそう言った。
「家にあるお母さんの写真でね、こんな格好してるのがあったんだ。だから、ちょっと真似してみようと思ってさ」
 そう言った後、こなたは小さくため息をついた。
「わたしはさ、お母さんを写真の中でしか知らないからね。だから、格好くらいしか学べるものが無いんだよ。子育てのことはお父さんに色々教えてもらえるけど、それはやっぱりお父さんであって、お母さんじゃないんだよね」
 そこまで言ったところで、こなたは恥ずかしそうに頭をかいた。
「あー、わけわかんない事言ってるよね。最近考えること多くて、頭ん中ちょっとごちゃごちゃしてるかも…」
 そのこなたを、かがみは少し苦笑しながら見ていた。
「確かに言ってる事は分からないけど、言いたいことは分かるわよ…なんて言うか、今のこなたは頑張ってるわね」
「頑張ってる?わたしが?」
 かがみの言葉に、こなたが首を傾げる。
「うん、頑張ってる。頑張って母親やろうとしてる…それだけはちゃんと伝わってくるわよ」
 そう言ってかがみは、こなたに微笑みかけた。それを受けて、こなたはまた恥ずかしそうに頭をかいた。


132 :命の輪に問う[saga]:2009/05/10(日) 13:12:18.12 ID:EkTkDSY0
 しばらく歩いた後、二人は目に付いた公園に寄って一休みすることにした。
 ベンチに二人並んで腰掛ける。こなたは、乳母車から出した娘を抱きかかえていた。
 ワンピースの胸元にあるリボンを掴もうとして、手を伸ばす娘を目を細めて見ているこなた。その様子を見ているかがみは、自然と自分の顔が綻んでいくのを感じた。
 幸せそうだ。本当にそう思う。
 そして、不思議な感じを覚える。高校の時は色々と馬鹿なことしてた彼女が、今は一児の母だ。
 あの頃には思い描くことさえなかった光景。目の前にあるそれは、自分にとってはとても遠いものに思えた。
「…ねえ、こなた…母親ってなんなのかしらね」
「これはまた、難しい質問だね…」
 こなたの問いに、こなたが困った顔をした。
「あ、いや、深い意味は無いんだけどね。その、なんて言うか…あんたがこうやって母親やってるのが不思議な気がして…」
「んー…」
 こなたは少しの間、眼を瞑って考えていた。そして、目を開けて答える。
「分かんない」
「…そう」
「さっきさ、わたしが頑張ってるって言ってくれたよね」
「うん、言ったけど…」
「分からないから、頑張れてるんだと思う。自分なりにさ、お母さんってのがなんなのか…」
 こなたはそこで言葉を区切って、娘の頭を撫でた。
「この子にとっての、ちゃんとした母親になれるかなって…分からないところを探りながらだから、頑張れるんだと思う」
「…うん」
 高校の時と、背や顔立ちは全く変わってないのに、時折感じるこなたの大人びた雰囲気。かがみにはそれが羨ましくあり…少々、妬ましくもあった。
「…可愛いよね」
 こなたはそう言いながら、娘の頭を撫で続けている。
「この子見てるとさ、頑張りはきっと報われるって思うんだ…喋れるようになってさ、『ママ』とか言ってもらえたら…最高に萌えれると思うんだ」
 カクンとかがみの肩が落ちる。
「娘に萌えるなよ…」
「えー、普通萌えるでしょ?こんなに可愛いんだから」
 そう言うこなたの顔は、いつもの人を食ったような笑顔だった。
「いや、普通の感覚がおかしいって…」
 かがみは、心底呆れたようにため息をついた。
「ところでかがみ」
「ん?」
「そう言う事に気が向くって事は、今の彼氏と上手くいってるって事なのかな?」
 これ以上は無いというくらいニヤニヤした顔つきで、こなたがかがみにそう詰め寄る。
「そ、そんなんじゃないわよ…か、関係ないでしょ」
「三人目だもんねえ。そろそろ決めたいよねえ」
「う、うるさい!どうでもいいでしょ!ほら、もう十分休んだでしょ!行くわよ!」
 顔を真っ赤にして立ち上がり、そのままドスドスといった効果音が聞こえてきそうな足取りで歩き出すかがみ。
「…頑張れ、マイフレンド」
 こなたはそう呟きながら、娘を乳母車に乗せる。
「さ、次はどっちに行こうか?」
 そう娘に問いかけながら、こなたは乳母車を押して歩き出した。


- 終わり -
133 :命の輪に問う[saga]:2009/05/10(日) 13:12:51.78 ID:EkTkDSY0
以上です。

そういえば、母の日でしたね。
134 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/05/10(日) 15:05:30.28 ID:TEBNH9I0
>>133
短期間によくこれだけできますね 感心してしまいます。
普段何気ない生活の一場面、そんなほのぼのとした感じの作品ですね、GJでした。

135 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/05/10(日) 18:04:50.14 ID:Bg4qO8I0
>>116
面白すぐるGJ!
他のお題もwwktkして待ってますね
136 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/05/10(日) 22:59:18.74 ID:u4qVBVwo
ここまでまとめ

寝ぼけてページタイトル幾つかミスったorz
137 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/05/10(日) 23:03:06.29 ID:JTuUpsSO
−まとめ人への感謝の気持ち改−

かなた「さて、今日もしっかりとスレの監視を…」
ネチャッ
かなた「あれ、なんか踏んで…あ、あれ?足が離れない?わっわっ…」
ベチャッ
かなた「うー…痛い…な、なにこれー…ネバネバして動けないよ…」
かがみ「ふ、かかったわね…」
かなた「か、かがみちゃん!?これは一体!?」
かがみ「柊家特製の悪霊ホイホイよ!」
かなた「なにそれー!?って、誰が悪霊ですか!」
かがみ「さーて、かなたさんは感謝の気持ちと共ににまとめ人さんに捧げるとして、わたしはその間にこなたとしっぽりむふふと…」
かなた「やめてー!たすけてそうくーん!」
そうじろう「…呼んだ?」
かなた「ああ、そうくん…実はかくかくしかじかって事で助けて…」
そうじろう「ふむ、なるほど…」
かなた「って、そのカメラは何?」
そうじろう「いやまあ、せっかくだから」
かなた「何がせっかくなのー!?ってか撮らないでー!」
138 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/05/10(日) 23:03:28.40 ID:eaWFReE0
>>136
乙!
139 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/05/10(日) 23:29:08.14 ID:nRCZkJg0
>>116です。みなさんレスありがとー

>>127さんのレスに触発され、せっかくだから母の日記念ということでひとつ投下します
といっても、ネタを考えてると日付が変わるので、設定は母親会談のを使用しちゃったけど
てなわけで、スマンけど2レスほど汚すわ
140 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/05/10(日) 23:30:13.25 ID:nRCZkJg0
 またある日、柊家。

「あ、お母さん。そっちの鍋が煮えてるよ〜」
「あら、大変。つかさ、そっちのお皿をとってちょうだい」
「うん、わかっ……た……」

 母の日だし今日は私が腕によりをかけるよ、なんてつかさが張り切るので、仲良く並んで料理をしていた母と娘。
 ところが、お皿をとりに棚に向ったところで、つかさはゼンマイのきれたおもちゃのように動きを止めてしまう。

「つかさ?どうしたの?早くお皿をとってくれなきゃ、お母さん困っちゃうんだけど……」

 みきが鍋の方からつかさに視線をやると、つかさはなんだか見覚えのある輝きを瞳に宿していた。
 そして、棚を華麗にスルーして、みきに気付かれないようにそろりそろりと台所から抜け出そうとしていた。
 みきは頭に手をやり、溜息混じりに口を開く。
 
「まさかとは思いますけど……かなたさん、ですか?」
「あ、バレちゃいました?……その、お久しぶりです。すいません度々でてきちゃいまして」
「それで、今回はどういったご用件なんですか?」

 どこか後ろめたいのか、かなたは目を逸らしながら応える。

「えっと、その、特に用があるという訳ではないのですが――」
「祓いますよ?」
「よよよ、用がありますっ!しかも、とっても大事な用ですっ!」

 みきの冷たい一言に、慌てて自分の発言を一瞬で翻すかなた。
 その尋常でない慌てっぷりを見て、みきは我慢しきれずにふきだす。
 そして、くすくすと笑いながらこう言った。

「わかっていますよ。今日を特別な母の日にしたいんですよね」
「え?……ひ、ひどいです、みきさん。全部知っててからかったんですね」
「うふふ、すいません。とりあえず、お茶の用意をしますね」
「あ、いえ、今回はそんなに時間がありませんから」
「安心してください。必要そうな食材はあらかじめ買っておきましたから。こなたちゃんならご飯時までかがみと遊んでくるはずですし、時間は結構ありますよ」

 その言葉を聞いて、憮然としていたかなたの表情が一転してぱあっと明るくなる。
 と、突然に何かを思い出したように考え始めると、みきにこう聞いた。

「もしかして、今回のことは全部みきさんが……?」
「あら、何のことですか?」
「いえ、その、今日この日にこなたがこちらでご馳走になる、というのはみきさんが計画されたのではないんですか?」
「まさか。単につかさが久しぶりに腕をふるう休日ですから、かがみが遊ぶついでに友人を招待しただけのことですよ」
「本当ですか?」
「本当も何も、それ以上に何かあると思われますか?」
「うう〜……神のみぞ知る、というやつですか」


141 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/05/10(日) 23:31:18.66 ID:nRCZkJg0
 ☆


「おいしい!この卵焼きとかすごいおいしいよ、つかさ!」
「大げさねえ、あんたは」
「えー。この味の良さがわからないなんて、かがみもたいした事ないねぇ」
「いや、たしかに美味しいとは思うけどさ」
「いやー、つかさ“は”良いお嫁さんになるよー。この私が保証しよう!」
「そこでわざわざ“は”を強調して言うのはどういうことですか、こなたさん?」
「むふふー。そこに反応するって事は、自覚してるってことなのカナー?」

 みきとただおが一瞬だが真剣に裁判沙汰を覚悟したくらい、かがみはこなたを思いっきり殴った。
 ただ、こなたがかがみの拳をくらう程にテンションが上がっているのも仕方がない。
 テーブルの上には美味しい料理がこれでもか、というくらいにたくさん並んでいるのだ。
 チキンソテー和風照り焼きソース、クリームコロッケ、オニオンスープにサラダ。
 そして、出汁巻き卵、きんぴらごぼう、大根の煮物、肉じゃが、とどめにチキンカレー。
 洋と和が混ざってたり、チキンが被ったりしてるあたりがつかさにしては珍しい、と姉達は少しだけ違和感を感じた。
 ちなみに、こなたは何も不審に思わず、無条件に喜んでいる。

「あいたたた……それにしても、ホテルのバイキング並みに豪華だよネ。今日はほんとに張り切ったんだねえ、つかさ?」

 しかし、声を掛けられたつかさは非常に味のある表情で頷くだけだった。
 世の辛酸をなめ尽くした人間だけができるような、とにかく深い、つかさらしからぬ表情で。

「なんかいつもよりよく食べてるわね。そんなに美味しいかしら?」
「むー……なんというか、こっちの和のメニューの方からは不思議と懐かしさを感じてさ、自然と箸がすすんでしまうのだよ」

 楽しそうに食事を続けるこなたの髪が、何処からか吹いてきた優しい風になでられて揺れた。
 みきはそれに気付くと、ふと中空に目をやり、なんともいえない穏やかな表情で微笑んだ。

「あれ?どうかしたの、母さん?」
「なんでもないわ、まつり。さ、私達も気合をいれて残さず食べましょ」
「残さず!?この量はけっこうキツイと思うんだけど……」
「一口でも残したら、次のお小遣いは無いものと思いなさいね♪」


 ☆


「ふいーっ、食べた食べたー。どうでもいいけどさ、かがみのお母さんって若いよねー」
「あー、それなんだけどさ、不思議な事になんか最近になってだんだん若くなってるように見えるのよね……気のせいかしら?」
「漫画じゃあるまいし、常識で考えて若返るはずなんてないじゃん。エステにでも行ったんじゃないの?」
「あんたからそんな風につっこまれるなんて、なんか屈辱だわ」
「ひどいなー、かがみ様は。ほら、つかさもなんか言ってやってよ」

 こなたが話をふっても、つかさは味のある表情をしてうすく笑うだけだった。
 ちなみに、彼女は思うところあって翌日からしばらく家出を敢行することになるのだが、それはまた別の話。
142 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/05/10(日) 23:34:29.76 ID:nRCZkJg0
以上です

>>136
まとめ乙です!
143 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/05/10(日) 23:41:03.04 ID:nRCZkJg0
>>124
やまとで作品が書けるってのはうらやましいかぎり
今後の展開に期待ですな

>>133
相変わらず親とその周囲の人間の心情を綺麗に描きますなぁ
GJでした
144 :第14回コンクール主催2009/05/11(月) 00:01:22.05 ID:xthX.A6o
★☆★☆★☆★☆★☆★

それでは、これより第14回らき☆すたSSコンクールを開催いたします。
お題は『ゆたかとみなみ』、皆さんの紡ぎだす世界を楽しみにしています。

投稿期間は本日、5月11日から5月24日まで、投票期間は5月26日から6月1日までとなっております。

コンクール参加に関しての詳細はこちらで。
http://www34.atwiki.jp/luckystar-ss/pages/72.html

☆★☆★☆★☆★☆★☆
145 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/05/11(月) 00:02:53.61 ID:lxnhYNI0
 開催宣言、乙です。
 さっそく、コンクール作品投下いきます。
146 :友情から愛情へ[saga]:2009/05/11(月) 00:03:59.71 ID:lxnhYNI0
Side I−1
 ゆたかと初めて出会ったのは、受験会場だった。
 具合悪そうにしていた彼女にハンカチを渡した。
 再び会えるとは思ってなかったから、それはあげたつもりだった。
 でも、彼女は後日、律儀にハンカチを返してくれた。受験生の身内だと思っててごめん。
 でも、そう勘違いしてしまうほど、彼女の身長は同年齢の平均値よりはるかに低かった。

 そうやって始まった学園生活の日々で、彼女は常に私のそばにいた。
 病弱な彼女はしばしば体調を崩してしまい、私が病院まで連れていったこともあった。
 でも、私はそれを苦痛に思うようなことは一度もなかった。
 彼女は、私のことをよく理解してくれる友人であったから。
 私はあまり口数の多い方ではなく、そのせいで勘違いされることも多かった。
 でも、彼女は、いつも私に明るく話しかけてくれて、数少ない私の言動から真意を汲み取ってくれた。
 そうして付き合っていくうちに、ゆたかのよい部分がたくさん見えてきた。
 ひとを悪くいうことがなく、何事にも一生懸命で、表情が豊かで可愛らしい。

 そんな彼女に友情を超える感情を抱くようになるには、さして時間はかからなかった。
 でも、私は悩んだ。この気持ちを告げてしまってよいものなのかどうか。
 もし、拒絶されてしまったら、私はどうしたらよいのか。ゆたかとの今までの関係が壊れてしまったら、私は生きていけるのか。
 彼女には、私の他にも仲のよい友人がいる。私の告白がその輪を崩してしまうことになるのではないか。
 長い間、悩み続けた。
 その間にも、彼女への恋情は募るばかり。
 結局、私が告白を決意したのは、ゆたかと出会ってから三年目の春のことだった。

147 :友情から愛情へ[saga]:2009/05/11(月) 00:04:42.76 ID:lxnhYNI0
Side K−1
 みなみちゃんと初めて出会ったのは、受験会場だった。
 具合が悪くなった私にハンカチを貸してくれた。
 みなみちゃんは、私にあげたつもりでいたみたいだった。
 ハンカチを返したときに、受験生の身内だと思ってたっていわれちゃった。
 でも、そう勘違いしちゃうのも無理はないかな。私の身長は同い年の人たちの平均よりずっと低いから。

 そうやって始まった学園生活の日々で、みなみちゃんは常に私のそばにいてくれた。
 病弱な私はよく体調を崩してしまって、みなみちゃんに病院まで連れていってもらったこともあった。
 申し訳ない気持ちで一杯だったけど、嬉しくもあった。
 みなみちゃんは、私のことをよく理解してくれる友人だったから。
 私は病弱で背も小さいから、かわいそうに思われたり馬鹿にされたりばかりで、対等に付き合ってくれる友達なんていなかった。
 でも、みなみちゃんは、優しくしてくれるだけでなく、友達としての対等な立場を保ってくれる人だった。
 そうして付き合っていくうちに、みなみちゃんのよい部分がたくさん見えてきた。
 何でもそつなくこなせて、とっても優しくて、ちょっと照れ屋さんで、でもここぞというときはビシっと決めるクールでかっこいい人。

 そんなみなみちゃんに友情を超える感情を抱くようになるには、そんなに時間はかからなかった。
 でも、私は悩んだ。この気持ちを告げちゃってもいいんだろうか。
 もし、拒絶されてしまったら、私はどうしたらいいんだろう。みなみちゃんとの今までの関係が壊れてしまったら、私は生きていけるんだろうか。
 みなみちゃんには、私の他にも仲のよい友人がいる。私の告白がその輪を崩しちゃうことになるんじゃないか。
 ずっと、悩んでた。
 その間にも、彼女への恋情は募るばかりで。
 結局、私が告白を決意したのは、みなみちゃんと出会ってから三年目の春のことだった。

148 :友情から愛情へ[saga]:2009/05/11(月) 00:05:38.32 ID:lxnhYNI0
Side I−2
 実は悩んでいたのは、ゆたかも同じだったそうだ。
 お互いの告白の言葉はほとんど同時で、あまりのタイミングのよさに思わず笑い出してしまった。
 あれほど悩んでいたのがなんだったのかと思うくらいに。
 それから、ゆたかとの交際が始まった。
 周囲からは偏見の目で見られることも多かったけれども、私たちにはそんなものは気にもならなかった。
 お互いの気持ちがしっかり結びついていれば、周囲の偏見なんてどうということはない。
 お互い奥手だったため、友人たちはやきもきしてたようだけど、二人は二人のペースで関係を深めていった。
 その詳細は、恥ずかしいので、勘弁してほしい。
 とにかく、三年生のときから始まった交際は順調に進み、五年目を迎えたとき、私からプロポーズした。
 というか、プロポーズの言葉もほとんど同時だった。
 あのときは、お互いに、私の方が早かったといって譲らなかったけど。


Side K−2
 実は悩んでいたのは、みなみちゃんも同じだったみたい。
 お互いの告白の言葉はほとんど同時で、あまりのタイミングのよさに思わず笑っちゃった。
 あれほど悩んでいたのがなんだったんだろうと思っちゃうくらいに。
 それから、みなみちゃんとの交際が始まった。
 周囲からは偏見の目で見られることも多かったけど、私たちはそんなのは気にもしなかった。
 お互いの気持ちがしっかり結びついてれば、周囲の偏見なんてどうでもいいことだから。
 お互い奥手だったから、友人たちはやきもきしてたみたいだけど、二人は二人のペースで関係を深めていった。
 その詳細は、恥ずかしいので、内緒。
 とにかく、三年生のときから始まった交際は順調に進み、五年目を迎えたとき、私からプロポーズした。
 っていうか、プロポーズの言葉もほとんど同時だった。
 あのときは、お互いに、私の方が早かったといって譲らなかったけど。




149 :友情から愛情へ[saga]:2009/05/11(月) 00:06:47.20 ID:lxnhYNI0
Side Y
 最初に会ったときの印象は、もちろんよかったよ。とても優しくしてくれたし。
 なんとなく、既視感っていうのかな、そんなのがあってすぐに仲良くなっちゃった。
 それで、仲のいいお友達になったんだけど、好きになっちゃうまでにそんなに時間はかからなかったかな。
 とっても優しくてクールでかっこいい人だったから。
 でも、お友達っていう関係がうまくいってたから、それを壊したくなくて、私からは言い出せなかった。
 告白することを決意したときには、出会ってから三年がたってた。
 悩んでたのは相手も同じだったみたいで、告白は二人同時だった。あまりにもぴったり同時だったから、思わず笑っちゃった。
 そうやって交際が始まったけど、お互い奥手だったから、みんなやきもきしてたみたい。
 そんな交際が五年間続いた。
 プロポーズの言葉も同時ってことになるのかな。私の方が早かったと思うんだけど。
 みんなを驚かせてみたくて、結婚式についてはみなみちゃんといろいろ相談してみた。招待状を出すのが、今から楽しみ。


Side M
 最初に会ったときの印象は、守ってあげたいだったと思う。とても一生懸命だったから。
 なんとなく、既視感というのか、そういうのがあってすぐに仲良くなった。
 それで、仲のいい友人関係になったんだけど、好きになるまでにはそんなに時間はかからなかったと思う。
 素直で表情豊かでとても可愛らしい人だったから。
 でも、友人関係がうまくいっていたから、それを壊したくなくて、私からは言い出せなかった。
 告白することを決意したときには、出会ってから三年がたっていた。
 悩んでいたのは相手も同じだったみたいで、告白は二人同時だった。あまりにもぴったり同時だったから、思わず笑ってしまった。
 そうして交際が始まったけど、お互い奥手だったから、みんなやきもきしていたみたい。
 そんな交際が五年間続いた。
 プロポーズの言葉も同時だったということになるのだろうか。私の方が早かったと思うんだけど。
 ゆたかから相談されて、結婚式については少し趣向をこらすことになった。招待状を見たら、みんな驚くと思う。



150 :友情から愛情へ[saga]:2009/05/11(月) 00:08:28.76 ID:lxnhYNI0
Side H
 というわけで、うらやましいぐらいに王道な恋愛結婚をした二組のカップルっスよ。
 小早川さん(もう小早川じゃないっスけど)も岩崎さんの旦那さんも見た目が幼いから、両カップルとも周囲から偏見の目で見られることが多かったみたいっスけど、それを跳ね返してのゴールインっス。
 ロリやショタはステータスっスよ。世にはばかることなんてないっス。
 大学三年のときから交際を初めて、五年目で結婚っスから、あの二人にしちゃ早い方じゃないっスかね。
 おまけに結婚式まで二組一緒に同じ会場って、小早川さんと岩崎さんはホント仲いいっス。
 旦那さんがよく嫉妬しないっスね。

 それはともかくとして、披露宴の後の二次会で、二人になんで今の旦那さんを選んだのか聞いてみたっスよ。
 そしたら、二人して、顔を赤らめながら、

「ええっと、なんとなく、みなみちゃんに似てたからかな?」
「……なんとなく、ゆたかに似ていたから……」

 なんて、口をそろえていうもんだから、私はいけない妄想しちゃって、昇天しかけたっス。
 二組の新婚さんのラブラブぶりも、この二人の仲のよさも、もうお腹いっぱいって感じ。
 末永くお幸せに。


 今度のコミケに出す同人誌のネタは、百合とノーマルの愛憎入り乱れる男女四人で決まりっスね。
 えっ、自重しろって?
 いやいや、こればかりはやめられないっスよ。
151 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/05/11(月) 00:08:59.45 ID:lxnhYNI0
以上です。
152 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/05/11(月) 00:26:39.08 ID:eeAy4XI0
>>151
1番のり乙!ああー、なるほどそういうことかーって最後まで読んでうならされたw
Sideの表現の仕方なんかも洒落てていいね
ただ、個人的にはほとんど同じ文章を3レスたて続けに読むのが正直しんどかった
153 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/05/11(月) 07:11:59.75 ID:AT3BGcSO
>>142
かなたさんいつまでさ迷ってるんですかww
つかさには悪いが和ませてもらいましたGJ
154 :こなたリフレイン[sage]:2009/05/11(月) 22:05:55.78 ID:NvElK9I0
まとめの人ありがとうございました。

>105>106>107>108
感想ありがとうございます、特に罠仕掛けた覚えはありませんがw
ヤマトネタはどうも話膨らまなかったんで残念ながら没でした。

中の人が男でタイムスリップという設定、アニメ版見る前から1巻P067「これだから女ってヤツは」で思いつき、2巻P122のプロポーズがらみで暴走し某所に発表しました。
アニメ見て大幅に加筆したのをここで発表した次第です。
155 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/05/12(火) 20:56:08.21 ID:VcmA0Ow0
>>151
もう投稿ですか、早すぎです

ゆたかとみなみはぜんぜん話が浮かんでこない。
キャラは好きなんですがね

ひよりの邪念が邪魔しているせいかなw

156 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/05/12(火) 23:34:17.33 ID:8SYMaEko
>>151
最初は百合かと思ってたけどそういうオチだったか……Sideは名前のイニシャルかな。IとKが分かんないけどw
乙!
157 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/05/12(火) 23:44:09.07 ID:LuyKrHY0
>>156
「IWASAKI」と「KOBAYAKAWA」だと思う
お互いに名前で呼ぶフラグが立った後に「MINAMI」「YUTAKA」に変わったのだと勝手に想像してみるテスト
158 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/05/13(水) 04:06:11.49 ID:nnQdAo20
>>151です。
 とりあえず、トリックが狙い通りの効果をあげたようで、とりあえず一安心。


>>152
 確かに連続はきついですね。

>>155
 いっそのこと、ひよりの邪念を自分に憑依させて、邪念をそのまま文章化してみては。

>>156 >>157
 IとKは、「IWASAKI」と「KOBAYAKAWA」と思わせておいて、実は旦那さんの名前のイニシャルという設定です。
 トリックの補強ですね。
 名前は、まあ好きに想像してください。
159 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/05/13(水) 19:47:12.11 ID:aexkhQA0
投下する
160 :起きろっ![saga]:2009/05/13(水) 19:48:53.97 ID:aexkhQA0

「ふわぁ〜……」
「眠そうだね、こなちゃん」
 また夜更かししたのかなぁ? あんまり身体に良くないのに……。
「うん、キリのいい所で終わろうとしてるんだけど……続きが気にな
 ってなかなか、ふわぁ〜」
「次、黒井先生の授業だよ」
「そーいえばそーだね」
 あはは……、こなちゃんは呑気だなぁ。寝たらまた叱られちゃうの
に。
「そだ、つかさ」
「なぁに?」
 何か閃いたのかな? 眠たそうな顔なのに何処か冴えてる……あ、
目が電球になってるよ〜。
「もし私が寝ちゃったら携帯に電話してよ」
「え、携帯に?」
 うーん、確かにそれで目は覚めるとは思うけど……そんな事したら
音が出て余計に怒られちゃうんじゃあ……。
「心配しなくても大丈夫だよ」
「え?」
「マナーモードでバイブにするから。つかさはちょっと電話掛けてく
 れれば良いからさ」
 あ、そっかー。それなら直ぐに分かるしバレないよね。
 こなちゃん頭良いなぁ〜。
「うん、分かったよ。でもこなちゃんも寝ないようにしなきゃダメだ
 よ?」
「あはは、分かってるって。んじゃよろしくね」



「江戸時代後半、徳川の擬似太陽炉発明によって……」
 こなちゃん今の所は大丈夫そうだけど……目が半分寝てるよ〜。
 後ニ十分だから頑張っ――。
「…………」
 あちゃ〜、やっぱり寝ちゃったか〜。しょうがないなぁ、こなちゃ
んは……。
 バレないように、ぴぽぱっと。こなちゃんが起きたら電源押せば良
いんだよね。

「……っ!? えあ、わんっあぁんっ」
 わ、わわわわ!? 何々!? とりあえず切らなきゃ!
 ポチッとな。
「はぁ……ふぅ……」
 うわぁ、皆の視線がこなちゃんに行ってるよぉ〜。とゆーか、こな
ちゃん……。

 どこにしまってたの〜!?
161 :起きろっ![saga]:2009/05/13(水) 19:49:48.55 ID:aexkhQA0

「泉……? どうした?」
「あの、えと……シャックリが……ひっく。ほら」
「そ、そうか。念のため保健室に行っとき」
「はい……」
 シャックリで保健室ってどんだけ〜。でもあれシャックリじゃない
よね、確実に……。
「柊、一緒に行ってやれや」
「あ、はい」
 じゃあ、こなちゃん一緒に……!?
 泣いてるよ、泣いちゃってるよ〜。可愛いよぉ〜。はぅ、これから
保健室で二人きりだよ……理性保てるかなぁ?

 ん? 私、今変な事考えちゃったかな?
「ポケットに入れたはずなのに……いつの間にか」
 そ、そうなんだ。何でだろうね? 後でゆきちゃんに聞いてみよっ
と!


「ゆきちゃーん」
「ごめんなさい。それは分かりませんね」
「まだ何も言ってないのに、流石ゆきちゃんだね」
162 :起きろっ![saga]:2009/05/13(水) 19:51:35.56 ID:aexkhQA0




「へぇ、そんな事がね〜」
「うん、なんとかごまかす事は出来たんだけどね……」
 そんな恥ずかしいこと教えなくてもいいのに……相手がお姉ちゃん
だからかな?
「んで? 今日は大丈夫なの?」
 今日は流石に大丈夫だよね? 昨日あれだけの事があったんだから
……。
「それが、昨日『みゆきさんスペシャル!ポロリもあるよ』っていう
 深夜番組がやっててね……ふわぁ〜」
「おいおい……」
「こなちゃん、次の授業、また黒井先生だよ〜」
「分かってふよぉ〜ぁ」
 ダメだこりゃ。今度はどんな手段を使うのかな?
「つかさにまたお願いがあるんだけど……」
「またバイブ? こなちゃん昨日の事もう忘れちゃったの?」
「いやいや、前に黒井先生が言ってたんだけどね? 運転中、アニソ
 ンを聴いてれば事故に合ったとき恥ずかしいから運転に集中できる
 〜、みたいな事を言っててさ」
 あ、なるほど〜。じゃあ今度は寝たらアニソンが流れるようにすれ
ば良いのかぁ。
「着信音をアニソンにしといたから、つかさは私が寝たら電話を掛け
 てね?」
「授業中にアニソンね、そりゃ確かに恥ずかしいわ」
 いや、それじゃダメだよ……。
「そそ、寝たら羞恥の目に合うって分かってるから授業に集中できる
 って訳だよ」
 ううん、それじゃ集中出来っこないよ……。もっと、もっと恥ずか
しい事じゃないと!
「そうだよ、それじゃダメだよこなちゃん」
「え?」
「こなちゃんがアニソン流したくらいで恥ずかしい訳がないよ」
「つかさ?」
「もっと、そうだね、こなちゃんの恥ずかしい声を着信音にしたらど
 うかな?」
「え、恥ずかしい声……?」
「なるほど、一理あるわね」
 流石お姉ちゃん。理解力の早さはぴか一だね。
「えー……」
「携帯貸して? 録音してあげるよ」
「……」
 そんな顔しないでよ。これも全てこなちゃんの為なんだよ?
 えーと、録音モードは……あ、これだね。
「はい、いーよ。喋って?」
「え、と……」
 すっかり赤くなっちゃって……こなちゃんも女の子なんだねぇ。
「いや〜ん、エッチ〜……ダメ?」
163 :起きろっ![saga]:2009/05/13(水) 19:53:41.78 ID:aexkhQA0
「……お姉ちゃん」
「しょうがないわね、手伝ってあげるわ」
「手伝うって、かがみ?」
 録音開始っと……。良い声で鳴いてね、こなちゃん。
「ま、待って、なんでかがみそんな物持って……や、やめ……」




「千九百九十九年、地面の底から突如現れた大きな火、ラ……」
 うわぁ、こなちゃん目がギンギンだよ。まぁ、あんなの流れたら嫌
だもんね〜。眠そうなのに無理しちゃって……。

“実は先程、睡眠薬を投与しておきました”

 ゆきちゃんグッジョブ!
 ……え?
「はにゅうぅ〜……はにゅうぅ〜……」
 って、こなちゃん必死すぎ! でも眠気って少し耐えれば無くなる
んだよね。
 こなちゃんファイトっ。
「極楽浄土南無阿弥陀仏」
「ふぁ…………」
 こなちゃん撃ちーん! その前に、黒井先生、さっきからこれって
歴史の授業なのー?

“つかささん、泉さんが眠りましたよ”

 あ、そうだった。携帯電話をポチッとな。


『やぁ、どうも。ここでの泉さんの台詞があまりに激しい為、伏字役
 として呼ばれた小野大輔です。さて、彼女の恥ずかしい音声が鳴り
 響いている間、何かお話でもしましょうか。っと、もう時間なんで
 すか? 残念です。では、また……』


164 :起きろっ![saga]:2009/05/13(水) 19:54:14.61 ID:aexkhQA0
 あ、そういえば音量最大にしておいたんだった。これならすぐに目
が覚めるよね。あ、起きた。
「い、泉……? それはなんや?」
 未だ繰り返し鳴り響くこなちゃんの可愛い鳴き声。
 うーん、こなちゃんは目覚ましを止める習慣が無いのかなぁ?
 あっ、私が止めれば良いのか。ごめんごめん。
「う……うわぁぁぁぁぁん!」
「あ、おい泉っ!」
 あれぇ? まだ授業中なのにどこに行くんだろう?




 あれから、こなちゃんは学校に来なくなった。つまんないなぁ……
こなちゃんが居ないと寂しいよ。
 あ、メール。こなちゃんからだ。えーと……。
『げんこつ喰らった方がマシだった』
 あはは、そりゃそうだっと。


 完
165 :起きろっ![saga]:2009/05/13(水) 19:55:26.25 ID:aexkhQA0
異常です。超がつくほど久しぶりに投下したけど、
果たしてこの手のギャグが今も通用するか少し不安w
166 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/05/13(水) 22:23:26.80 ID:HvLRHyw0
>>165
乙、普通に可笑しかったww
167 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/05/14(木) 01:03:28.72 ID:rEJ2V2DO
>>165
普通に面白かったよ?
168 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/05/15(金) 18:50:50.13 ID:tCNrBAY0
>>166-167
ありがとうございます。そう言って貰えて安心したんだぜww
169 :「再会」[from saga frontier2]:2009/05/16(土) 05:34:10.35 ID:BB8rXpQ0
つかさ「ねー、こなちゃん。ホントに私なんかが来て良かったの?」
こなた「だいじょーぶ。ただお郷は心の広い人だから。庭でつまみ食いしてるだけなら、何も言われないよ。」
つかさ「みんなきれいなカッコしてるよ。なんか恥ずかしいな。」
こなた「つかさがそんな格好なのは、ここを聖地扱いするような人の責任。恥ずかしがる必要なんかないよ。
そんな事より、萌え要素がたくさんあるね〜。つかさも何かつまみなよ。」


こなた「(…ってアレ?あそこにいるのは…)」
こなた「みゆきさん、ごきげんよう」
みゆき「いらっしゃいませ。どうぞ、たくさんお召し上が… こなたさん?ごきげんよう」
こなた「お変わりなくて?」
みゆき「ええ、おかげさまで。こなたさんもお元気そうで何よりです」
こなた「ここで何をしておいでなのですか?」
みゆき「お恥ずかしながら、行儀作法を習ってるんです。幸い、ただお郷にはいつもお誉めの言葉をいただいてますが。」
こなた「リアルお嬢様は違いますわね、お上品だこと」
みゆき「いえ、別にそういうわけでは…」


かがみ「何で違和感なく会話出来てるのよ…」
つかさ「あ、お姉ちゃん。うん、ほんとすごいよねー」
かがみ「みゆきは名家の出だから分からなくもないけど、なんでこなたまで?ねえつかさ、こなたに何かあったの?」
つかさ「えーっと、マリみてにはまってるって言ってたけど……」
かがみ「子供かあいつは。でも、ああいうキショいこなたも新鮮よね。萌える、だっけ?」
つかさ「……最近しゃべり方がこなちゃんに似てきたよ。」
かがみ「うっ…… 今朝もそのことでお父さんに注意されたばかりなのよね……
あいつが馴れ馴れしいからこうなったのよ。私の一般人としての立場が……」


みゆき「あの、細い方を千切って、余ったチョコをつけて食べるという食べ方も…」
こなた「こうやって食べるのも需要があるんだよ。分からないかなあ」
170 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/05/17(日) 00:33:09.82 ID:1axnYis0
>>169
投稿終わりなのかな
終了を宣言しないと分からないよw


171 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/05/17(日) 10:34:12.33 ID:5/9zzU.0
流れの遅い一年間

 世間では、まもなく入学式や入社式などの新年度を告げる行事が行なわれる時期。
 柊かがみは、岩崎邸にいた。

 岩崎みなみに案内されて、テーブルの席についた。
「どうぞ」
 みなみが持ってきたお茶に口をつける。
 そして、
「話って何?」
 かがみは、そう問う。
 みなみとはそんなに接点が多いわけではない。二人だけで話すような内容に心当たりはなかった。
「柊先輩は、この一年間ほど、時の流れが妙に遅かったり、同じ日を繰り返しているような感覚に陥ったことはありませんか?」
「まあ、まったくないとはいわないけど、そんなのは気のせいってやつでしょ?」
「気のせいではありません。暦年でいうこの一年間に、実際の経過時間は三年以上を費やしています。柊先輩に分かりやすいキーワードを用いれば、『涼宮ハルヒの憂鬱』、『エンドレスエイト』といったところでしょうか」
「ちょっと待ってよ。あれはフィクションで、実際にあんなことがあるわけが……」
「エンドレスエイトとは違って、この現象は、一日を数回繰り返したあと、その翌日が来るというパターンを繰り返しています」
「つまり、4月1日を三回繰り返したあとに4月2日が来て、その4月2日も三回繰り返して、そのあとに4月3日が来てって感じ?」
「そうです、すべての日が繰り返されるわけではありませんが。この現象が観測され始めたのは6月前後からですが、最も顕著だったのが11月と12月です。この二ヶ月間については、すべての日が十二回前後繰り返されています」
「それって、二年かけても二ヶ月しかたってなかったってことじゃないの」
「そのとおりです。次に顕著だったのが、直近の3月ですね。とにかく、これなら、遅々とした歩みであっても時は進みます。そのため、我々以外の勢力がこの現象に気づいたのはごく最近のことです」
「みなみちゃんのいう我々って、何なの?」
 なんとなく予想はついていたが、かがみはあえて問うた。
「柊先輩が今思い浮かべたもので正解です。私は、情報統合思念体の主流派に属する対有機生命体コンタクト用ヒューマノイドインターフェースです」

 みなみは、例の高速呪文でちょっとした情報操作をやってみせた。
 それを見せ付けられては、かがみも信用せざるをえない。

「情報統合思念体って本当にいたんだ」
「情報統合思念体は、上位世界、下位世界、平行世界のすべてに普遍的に存在し互いに同期をとって情報を共有することが可能です」
172 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/05/17(日) 10:34:42.88 ID:5/9zzU.0
「ついでに他の勢力も教えてよ」
「未来人はみゆきさんです。ついでにいうと、超能力者は白石先輩」
「みゆきはなんとなく分かるけど、白石が古泉一樹役? あいつはせいぜい谷口役が分相応よ」
「他の勢力のことについては、私の関与するところではありません。まあ、超能力者といっても、この世界には閉鎖空間は発生してませんので、任務は観測だけです。白石先輩でも充分に務まるでしょう」
「みなみちゃんも結構いうわね。で、このエンドレスエイトもどきを引き起こしてる元凶、涼宮ハルヒ役は誰なの?」
 かがみには、これも予測がついていたが。
「泉先輩です」
 やっぱり、そうだった。
「こなたは、なんでそんなことを?」
「他の勢力とも話し合いましたが、『親しい友人たちと過ごす日々を終わらせたくない』というのが最も近いだろうという結論になりました」
「あいつ、卒業式なんてたいして感慨もないとかいっときながら、そんなこと考えてたんだ」
「問題は、この4月以降です。今まで親しくしていた友人と疎遠になるようでしたら、泉先輩は今度は時を一気に巻き戻してしまう可能性があります。高校三年生の4月まで。あるいは高校一年生の4月ということも考えられます」
「みなみちゃんはそれを阻止したいってわけね?」
「はい。情報統合思念体は、進化の可能性の観測を望んでいます。繰り返されるだけの時の流れに進化はありえません。他の勢力も、理由は異なれど大規模な時間逆行阻止という点については、意見が一致しています」
「要するに、今までどおり付き合ってやればいいんでしょ? そんなの、言われなくたってするわよ」
「それを聞いて安心しました。あなたは、泉先輩にとっての鍵ですから」
「それってなんだか危ない雰囲気を感じるセリフなんだけど……」
「心配はありません。リアルで同性趣味がないという泉先輩の言葉は本当です。泉先輩のあなたへの好意は、純粋に友人としてのものです」
「ならいいけどさ」

 それから世間話をして、岩崎邸をあとにした。
 岩崎邸の前に、高良みゆきが立っていた。
「みなみちゃんからだいたいの話は聞いたわよ」
「そうですか。これからも友人としてよろしくお願いいたします、かがみさん」
「みなみちゃんにもいったけど、言われてなくたって、私たちはずっと友人よ」
「ありがとうございます。それにしても、かがみさんはすごいですね。あんな話をされたら普通はついていけないでしょうに。あなたが泉さんの一番の理解者である理由がよく分かったような気がします」
「そんなたいしたもんじゃないわよ。それはともかくとして、みゆきが未来人ってことは、いつかは未来に帰っちゃうってこと?」
「どうでしょうね。私の任務は時間常駐員ですから、志願すればずっとこの時代にとどまっていることも可能です。父も母もこの時代が気に入っているようですし」
「なら、ずっとここにいてよ。こなただって、それを望んでるわ」
「そうですね。泉さんが望んでいるなら、否応もありませんね」
 それから、かがみは高良邸でみゆきとおしゃべりして過ごしたあと、帰途についた。



 翌日以降、かがみのこなたに対する態度は以前となんら変わることはなかった。

終わり
173 :169[sage]:2009/05/17(日) 12:41:50.42 ID:PwhGR2Q0
>>170
まとめから来て>>1を見た時にパッと思いついた単発ネタのつもりだったんだ。
申し訳ない。

投稿を見送っていた方がいるのなら、その方にもお詫び申し上げます。
174 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/05/18(月) 07:42:14.28 ID:kEiJ2ISO
避難所の管理人さんが居たら、ちょっとwikiの更新を見てほしいんだ
詳しくはそこで
175 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/05/18(月) 19:14:17.54 ID:rbWchBc0
>>174
管理人じゃないけど、それはちょっと効果が疑わしい。
業者は特定の掲示板を狙って攻撃してる場合もあるが、大抵の場合はプログラム使ってネットの至る所に無差別に投稿してる。だから場所移ったとしてもまたその標的の一つになってしまうと思う。

スパム撃退の一番簡単な方法は書き込みにパスワードを要求すること。
パスをかければ業者が意地で解析してこない限り大丈夫だし、そもそも標的なんてたくさんあるんだから避難所みたいな小さな掲示板のパスを必死こいて解析なんてしないだろうし。

したらばの掲示板ってパスワード設定できたっけ?
176 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/05/19(火) 00:14:36.22 ID:QOykr.AO
今のところコンクールが1作品しかないんだけど……みんな最後の最後に滑り込むつもりなのかな?最後の最後にある程度の数が揃えば本当は文句ないんだけど、やっぱり寂しいwwww

自分は投稿したいんだけどテスト期間中でちょっと詰まってるという……関西に住んでるから学校が休校になったら投稿しやすいんだけど……不謹慎ですみません。

特に阪神地区の方、お体に気をつけて。
177 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/05/19(火) 00:17:43.60 ID:QOykr.AO
今のところコンクールが1作品しかないんだけど……みんな最後の最後に滑り込むつもりなのかな?最後の最後にある程度の数が揃えば本当は文句ないんだけど、やっぱり寂しいwwww

自分は投稿したいんだけどテスト期間中でちょっと詰まってる……関西に住んでるから学校が休校になったら投稿しやすいんだけど……不謹慎ですみません。

特に阪神地区の方、お体に気をつけて。
178 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/05/19(火) 00:51:20.00 ID:mmI9FeQ0
コンクール作品、書いてはいるけど進まない。
水、木くらいには投下できるといいなあ。
179 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/05/19(火) 16:14:12.42 ID:XL3Ults0
>>177
俺も関西に住んでるから大学休校で昨日にかなり書き進めた。
投稿まではまだかかりそう。どうも俺はタイピングがあまり早くなくて・・・。
確かに一作品じゃ寂しいですね。

皆さんお体に気をつけて。
180 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/05/19(火) 16:51:42.04 ID:Y9Ou5DEo
俺も進んでないなー、ネタはあるがそれでいいか決めかねてる
もう一週間もないのにww
181 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/05/19(火) 18:32:10.53 ID:cJ0FSTU0
いっそ1レスで書いちゃえばww
182 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/05/19(火) 19:05:43.53 ID:BoGoFESO
こなた「じゃ、大賞取れた人には、ゆーちゃんの股ぐらに顔を突っ込む権利をプレゼント!…とか、やったらみんな必死になるかな?」
ゆたか「やだよーっ!」
かがみ「従姉妹相手でも容赦ないセクハラだな…」




みゆき「みなみさん、どちらへ?」
みなみ「…いえ、少し急用が…」
183 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/05/19(火) 19:19:57.72 ID:SpjJkMSO
ゆたかとみなみの話はありきたり過ぎて良い案が浮かばない
百合しか浮かばない
184 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/05/19(火) 22:03:45.49 ID:SjL4Zn60
>>182
wwwwww

俺も書いてるけど学校忙し過ぎで毎日疲れたまりまくり、全然手がつかない
もしかしたら間に合わないかもとも思ってる
185 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/05/19(火) 23:22:30.82 ID:.eC5BS60
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            ○ O 。
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186 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/05/19(火) 23:44:40.00 ID:QOykr.AO
でもみんなやりたいと思ってくれてるみたいだから安心した。少なくとも5作品くらいは控えてるわけだし……クオリティが低くなければ数が多少少なくても十分面白くなると思ってるから、あとは自分含めた皆さん次第ってことですな。
187 :コンクール作品「姉と妹」[saga]:2009/05/20(水) 01:30:00.84 ID:xDM9P7I0
コンクール作品の投下行きます。

今回のお題に関しては、変化球と言うよりむしろ大暴投気味。
188 :コンクール作品「姉と妹」[saga]:2009/05/20(水) 01:30:42.67 ID:xDM9P7I0
 とある日の放課後。委員会の雑事を終えた高良みゆきは、家路に着こうとしていた。
「おーい、みゆきさーん」
 校門をくぐったところで後ろから声をかけられる。振り向いてみると、友人の泉こなたが手を振りながらこっちに向かって走ってきていた。
「いま、帰り?」
「はい」
「じゃ、一緒に帰ろ」
 そう言ってこなたは、みゆきの横に並んで歩き出した。
「泉さん、今日はかがみさんと何処か寄られる予定だったのでは?」
「んー、そうなんだけど…」
 みゆきの問いに、こなたは暗い顔をしてため息を吐いた。
「帰ろうとしたところで黒井先生に捕まっちゃって」
「…最近の遅刻の件でしょうか?」
「うん、そう。それで説教されてて…」
「かがみさんが先に帰られた…と?」
「そーなんだよー」
 オイオイと泣きながら、こなたはみゆきに抱きついた。
「ひどいよねー待っててくれてもいいのにー」
「え、えと…かがみさんにも都合と言うものがありますでしょうし…」
 みゆきは困った顔をして、こなたをなだめる。そして、その最中にふと思いついたことがあった。
「あの、お二人は何処に寄られる予定だったのでしょうか?」
「いつも通り、ゲマズだけど…」
「かがみさんの代わりと言うには、少々物足りないかもしれませんが、わたしがお供してもよろしいですか?」
「え?みゆきさんが?」
「はい。泉さんたちがいつも寄り道されてる場所に、少し興味がありまして…もちろん、泉さんがよろしければですけど」
「いいよ、いいよ。全然オッケー!…そっかーみゆきさんもこういうのに興味あるんだー」
 こなたは晴々とした笑顔になると、少し早足でみゆきの前を歩き出した。
「そうと決まれば早く行こ。みゆきさん」
 その様子を見ていたみゆきはクスッと笑うと、こなたに追いつくように早足で歩き始めた。


- 姉と妹 -


189 :コンクール作品「姉と妹」[saga]:2009/05/20(水) 01:31:59.92 ID:xDM9P7I0
「そういやさ、みなみちゃんは元気?」
 駅までの道を二人で歩いている最中に、こなたが唐突にみゆきにそう聞いた。
「みなみさんですか?そういえば、最近少し落ち込んでるような素振りがありましたが…どうしてまた、急にその様な事を?」
「んーいやね、ゆーちゃんがみなみちゃんともめたらしくて、なんか怒ってたんだよね。それで、みなみちゃんの方はどうなんだろうって思ってね」
「そうでしたか…わたしの方では気付きませんでしたね。すいません」
 丁寧に頭まで下げるみゆき。こなたは慌てて手を振って見せた。
「いやいや、別にみゆきさんのせいって訳じゃ…ってか、そう言う事あまり話さないんだ?」
「そうですね。みなみさんとは、余りプライベートのことは話しませんね…一緒にいる時は大抵二人で本を読んでいて、その本についてお話をしてますね」
「ふむ、二人らしいっちゃ、二人らしいね」
「でも、一体何をもめたのでしょう?あのお二人は、そう言う事には無縁なように思えるのですが…」
 みゆきがそう言うと、こなたは腕を組んで少し考え込む仕草をした。
「その辺は、ゆーちゃんも話してくれなかったけど…まあ、些細なことだと思うよ」
「些細、ですか」
「うん。ああ見えても、ゆーちゃんって結構頑固なところあるからさ、ちょっと意地張っちゃったんじゃないかなって…」
「それで、揉めたと…」
「うん…あー、でもそれだとみなみちゃんの方が折れるか」
 こなたは腕を組んで考え込み始めた。それを見ていたみゆきは、こなたの前方にあるものに気がつき、思わずこなたの制服の袖を引っ張った。
「わわっ、何?みゆきさん…」
 みゆきに引っ張られ、数歩たたらを踏んだ後、こなたはみゆきの方を見た。
「考えている最中とはいえ、ちゃんと前を見ませんと…電柱にぶつかるところでしたよ?」
 こなたが横を見ると、すぐ傍に電柱が見えた。確かに、あのまま歩いていたらぶつかっていただろう。
「あ、ホントだ。ありがとう、みゆきさん…うーん」
 礼を言った後、こなたはなんとも言えない表情をした。
「泉さん、どうかなさいましたか?」
「んー、いや…考え事してて教室のドアにぶつかるみゆきさんに、こういう注意を受けるとは思わなかったなって」
 こなたの言葉に、みゆきの顔が赤くなる。
「あ、あれはたまたまです。そんなに何度もあることでは…」
 そう言いながら恥ずかしそうに俯くみゆきを、こなたはニヤニヤしながら見ていた。
 ふと、みゆきは何かを思いついたように顔を上げた。
「あ、もしかして…」
「ん?どうしたの、みゆきさん?」
 様子の変わったみゆきを気にかけ、こなたがその顔を覗き込む。
「あ、いえ…別にみなみさんの事と言うわけでは…」
「え、みなみちゃん?」
 みゆきの言葉に、こなたが眉をひそめる。自分が何を口走ったかに気がついたみゆきは、目の前で両手をブンブンと振って言い訳を始めた。
「い、いえその、違うんです…もめ方が酷くなった原因がみなみさんが有りそうだとかは思ってないんです」
「いや、そこまで丁寧に説明しなくても…」
 こなたがそう言うと、みゆきは更に余計なことを口走ったことに気がつき、顔を真っ赤にして身を縮ませた。
「んで、原因がみなみちゃんに有りそうって?」
「…あ、あの…わたしがこう言ったことは出来ればご内密に…」
「大丈夫、大丈夫。聞いてどうこうするつもりはないよ。わたしはこう見えても口は堅いんだから」
190 :コンクール作品「姉と妹」[saga]:2009/05/20(水) 01:32:41.26 ID:xDM9P7I0
「その…みなみさんは少し…えっと、ほんの少しですよ?…要領が悪いところがありまして…」
 みゆきが本当に言いにくそうにそう言うと、こなたは少し驚いた表情を見せた。
「そうなの?みなみちゃんって何でも器用にこなすってイメージあったけど…」
「そうですね。みなさんそう仰います…みなみさんも、そうありたいと思っているみたいなのですが…逆境と言うか、想定外のことに弱いようでして…」
「そっかー…それで、ゆーちゃん相手に下手うって怒らせちゃったとか、そんな感じかな?」
「はい、そうだと思います…あくまで、わたしの憶測ですけど」
「まあ、そんなに長引かないとは思うけどね。ゆーちゃんそう言うのはあんまり引き摺らないし」
「だと良いのですが…」
「ところで、みゆきさん」
「はい、何でしょう?」
「前、危ないよ」
「へ?…わみゅっ!?」
 こなたが指摘した直後、みゆきは改札機に腹の辺りをぶつけていた。


191 :コンクール作品「姉と妹」[saga]:2009/05/20(水) 01:34:01.40 ID:xDM9P7I0
「どうして、もっと早く言ってくれなかったんですか…」
 少し混みあった電車の中。みゆきは少しむくれた顔をして、つり革につかまっていた。
「いやー。まさかそのまま突っ込むとは思わなくて…」
 その隣にいるこなたは、申し訳なさそうに頭をかいていた。顔は、反省の色が全く見えないくらいにやけていたが。
「そういやさっきさ、わたしがみなみちゃんは器用なイメージあるって言ったら、みなみちゃんもそうありたいと思ってるって、みゆきさん言ってたよね」
「はい、言いましたが…」
「それってさ、みなみちゃんはみゆきさんを目標にしてるんじゃないかなって気がするよ」
「わ、わたしですか…?」
 みゆきは、自分を指差して何度か瞬きをした。こなたが大きく頷く。
「うん、みゆきさん達は小さい頃から一緒だったでしょ?」
「はい、家がお隣でしたから」
「側でずーっと見ててさ、こうありたいって思ってたんじゃないかな?みゆきさん、勉強もスポーツも出来るし、それに…」
 こなたはそこで言葉を止め、にやりと笑った。みゆきはその意図が分からず首を傾げる。
「おっぱい大きいしね」
 にやけながらのこなたの言葉に、みゆきの顔が一気に赤くなった。
「そ、それは関係ないでは…」
「いやいや、関係あるよー。みゆきさん知らなかった?みなみちゃん、胸が無いの凄く気にしてるんだよ」
「初めて聞きました…」
「こうなりたいんだけど、目標には一歩たりとも近づけないって事で、結構コンプレックスになってるんじゃないかなー」
「そうだったんですか…アレはアレで可愛いと思うのですが…」
「…今、なんて?」
 みゆきが思わず呟いた言葉に、こなたがジト目で突っ込む。
「え?あ、いや!何も言ってません!なんでもありません!ありませんってば!わ、忘れてください!」
「う、うん、まあ聞かなかった事にしとくよ…」
 みゆきがあまりに勢いよく否定ので、こなたは思わずそう言っていた。みゆきは顔を真っ赤にして俯いてしまった。
「…あ、あの、泉さん」
 みゆきは俯いたまま、こなたに向かって呟いた。
「ん、何?」
「車内ですし、そう言う話は止めませんか…?」
「わたしは気にしないけど」
「…わたしが気にするんです」
 流石にこれ以上はみゆきには酷だと判断したこなたは、みゆきに向かって頷いて見せた。それを見たみゆきが、ほっと安堵のため息をついた。
192 :コンクール作品「姉と妹」[saga]:2009/05/20(水) 01:35:06.01 ID:xDM9P7I0
「…小早川さんはどうなのでしょう?」
 少し気が落ち着いたところで、みゆきがこなたにそう聞いた。
「ゆーちゃん?」
「はい、小早川さんも泉さんを目標としてるようなところがあるのではないかと思いまして」
「わたしかー、どうだろうねー」
 こなたはつり革を掴んでいる手を離し、腕を組んで考え込み始めた。みゆきは少し危ないのではないかと思ったが、こなたは電車の揺れにあわせて器用に体勢を維持していた。
「わたしはゆーちゃんとお隣さんって訳じゃないしねー。ゆーちゃんはどっちかっていうと、ゆいねーさんの方が目標になってるかも」
「成美さんですか?」
「うん、一番身近な人だしね。ゆーちゃんに無いものを色々持ってる人だから」
「そうですね…でも、今の小早川さんの目標は泉さんではないですか?」
「え、それはどうだろう…?」
 再びつり革を掴んだこなたが、頬をポリポリとかく。顔には少し照れたような表情が浮かんでいた。
「泉さんと小早川さんは、小さな頃から交流はあったんですよね?」
「うん、まあ。ゆいねーさんに連れられて、ちょこちょこ遊びに来てたけど…」
「それが一緒に住むようになって、憧れが目標に変わったとか…」
「あ、憧れって前提はどうかな…?みゆきさんやかがみならともかく、わたしじゃそんな…」
「そうですか?泉さんは、憧れるに十分な魅力を持っていますよ」
 みゆきは満面の笑顔でそう言い切った。
「う…そう真正面から言われると…その…」
 こなたがしどろもどろにそう答える。先ほどのみゆきに負けないくらい、顔が真っ赤になっていた。
「あ、あのさ…なんか恥ずかしいから、話変えない?」
 こなたがそう言うと、みゆきはクスリと笑った。
「わたしは恥ずかしくありませんよ?」
「うぐ…み、みゆきさん。もしかしてさっきのお返し?」
「さて、それはどうでしょう?」
「うぅ…あ、ほら、もうすぐ降りる駅だよ!ドアの方いっとかないと、降りそびれるよ!」
 そう言ってこなたは、人の間を掻き分けてドアの方に向かった。それを追いながら、みゆきはおかしくてたまらないといった風に、クスクスと笑っていた。


193 :コンクール作品「姉と妹」[saga]:2009/05/20(水) 01:36:01.91 ID:xDM9P7I0
「みゆきさんはさ、もしかして妹萌え?」
 電車を降りて、目当ての店に向かう最中に唐突にこなたがみゆきにそう聞いた。
「萌え、ですか?」
 みゆきは良く分からないといった風に、こなたに聞き返した。
「うん、なんとなくそう思った。みなみちゃんの話してるときのみゆきさんって、なんかお姉さん目線だなって」
「…そうですね、小さな頃から一緒でしたから、妹のように思ってるところはあると思います。それが、萌えかどうかは分かりかねますが…」
「みゆきさん、一人っ子だしねー」
「そうですね。でも、それを言うなら泉さんも…」
 みゆきがそう言うと、こなたはニコリと笑った。
「まーねー…でも、ゆーちゃんは妹属性だけじゃないし、わたしは萌えに関しては守備範囲広いしね」
 何故か得意気に胸を張るこなた。
 やっぱり良く分からない。みゆきは心の中で首を傾げた。知識があっても…いや、知識で図ろうとすればするほど、こなたの感性には届かないような気がしていた。
「さーって、今日は何買おうかなー」
「目的があって、お店に行くのではないのですか?」
「んー、目的はあるよ。でも、目的以外の掘り出し物ってのも、こういった買い物の醍醐味なんだよみゆきさん」
 それでも、目の前で自分の好きなことに心躍らせてるこなたを見てると、妹萌えと言うのもありなのかなと、みゆきは思っていた。
「では、何かオススメのものがありましたら、教えていただけますか?」
「お、やる気だねみゆきさん」
 二人並んで歩く姿は、仲の良い姉妹に見えた。


- おしまい -
194 :コンクール作品「姉と妹」[saga]:2009/05/20(水) 01:37:08.45 ID:xDM9P7I0
以上です。

短いわりに時間がかかった気が…。
195 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/05/20(水) 02:39:46.96 ID:0S3K.620
GJです。
いいほのぼの感ですね。
もめた後にどうやってみなみとゆたかが仲直りしたのか気になります。
196 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/05/20(水) 03:35:19.62 ID:so5g5M2o
>>194
お互いの妹的存在ってことでお題か……GJ!
二人の掛け合いは面白いし、キャラもしっかりしてて安心して読めた。乙


そしてみゆきさんの可愛さに撃沈した
197 :新サーバーに書き込んでますFrom vs303.vip2ch.com sv2009/05/20(水) 10:21:51.14 ID:ZHopJISO
>>194
面白い切り口だな
こなたとみゆきの会話もしっかりしてて好感触
198 :コンクール作品「ゆたかがみなみでみなみがゆたか」2009/05/20(水) 10:26:02.93 ID:0S3K.620
コンクール作品の投下をします。
これで二作目です。なんだか予想していたのよりどんどん長くなってしましました。
本当に長いので暇なときに読んだほうがいいかと思います。
誤字・脱字は探しましたがたぶんまだあると思うのでそらへんは見逃していただけたらと思います。
199 :コンクール作品「ゆたかがみなみでみなみがゆたか」2009/05/20(水) 10:34:46.24 ID:0S3K.620
sideゆたか

 ジリリリリリリリリリリリリ!
 「う…ん…ふあぁ、もう朝か…」
 何だか少し眠り足らない気分で私は目覚めた。
 「もう朝よー、起きなさーい!」
 下でどこかで聞いたような女性の声が聞こえた。私は急いでベットから飛び起き、そして自分の部屋に立った…?
 「あれ?」
 ふと私に妙な違和感が襲い掛かった。私の部屋じゃないような…
 そこが私の部屋じゃなくて、私の親友みなみちゃんの部屋だと気づいて、私は驚いた。
 確かに昨日はみなみちゃんとここで遊んだけど、私は家に帰ったのに…
 「…私何でみなみちゃんの部屋に…?あれ?」
 私はそこでもう1つの違和感に気づいた。
 「何だかいつもより目線が高いような…」
 いつもなら私が見上げなければ見えないものが、今では私と同じ高さだった。身長が伸びたのかなぁ…。
 とりあえず私は部屋を出てリビングにむかってみることにした。
 「おはよう」
 リビングにはみなみちゃんのお母さんがいた。
 「あ、おはようございます」
 私は笑顔でそう返した。…あれ?みなみちゃんのお母さんが少しびっくりしたような顔つきになってるんだけど…。
 私何か変なこと言っちゃったかな…
 「どうしたの、みなみ?口調が変よ」
 え?みなみ?私はゆたかなんですけど…と言おうとたが、嫌な感じがしたのでやめておいた。私は顔を洗いに洗面所へむかい、そこで鏡を見た。
 「え…あれ…私が…み、みなみちゃんになってる!!!」
 私は驚きのあまり大きな声を出していた。


sideみなみ

 「…あれ?ここはゆたかの部屋…どうして…?」
 私の朝一番はこの奇妙な言葉から始まることになった。とりあえずベットから起き上がり周りを確認してみる。
 …やっぱりゆたかの部屋だ…。私、昨日は自分の部屋で寝たはずなのに。
 「ゆーちゃーん!ご飯できてるよー!」
 下から泉先輩の声が聞こえた。…ゆーちゃん?
 私は部屋を出て辺りを見回したがゆたかの姿はなかった。それにしてもゆたかの部屋のドアノブってあんなに高かったっけ?
 私は泉先輩の声がする方へと足を進め、リビングについた。そこには泉先輩の父親であるそうじろうさんがいた。
 …なにがおかしくてそんなにニヤニヤしてるんだろう…?
 「ゆーちゃんが寝坊なんて珍しいね〜」
 泉先輩が話しかけてきた。…え?ゆーちゃん?私はみなみなんですけど………もしかして!
 「え?ちょっとゆーちゃんどうしたの!?」
 「トイレなんじゃなのか?」
 「お父さん無神経すぎだよ」
 そんな泉家二人の会話が聞こえた。
 私は急いで洗面所に向かい、自分の姿を鏡で見てみた。
 「……え?私がゆたかに、ゆたかになってる…」
 私は茫然自失になった。
200 :コンクール作品「ゆたかがみなみでみなみがゆたか」2009/05/20(水) 10:38:51.16 ID:0S3K.620

 結局その後、私はリビングに戻らず部屋でゆたかの携帯から自分の携帯に電話をかけてみることにした。
 …まさか自分の携帯に電話することになるとは…
 ゆたかの電話帳から自分の名前を探して電話した。それにしても自分電話番号って案外覚えていないものだ。
 電話を耳に近づけて、少し待ってみる。すると
 「ただいま、電話に出ることができません」
 今の私にとってはまさに非常な通告が私の耳を貫いた。
 「ゆーちゃ−ん!大丈夫!?」
 リビングから泉先輩の声が聞こえた。とりあえず怪しまれない為にも私はリビングへと足を運んだ。


sideゆたか

 「う〜、どうしよう、やっぱり誰も出ないや」
 私がみなみちゃんの家の洗面所で大声を上げた後、みなみちゃんのお母さんが心配して来てくれた。
 私はなんとかごまかして、今みなみちゃんの部屋でみなみちゃんの携帯から私の携帯に電話してみたけど
 「電話に出ることができません」と返ってきた。
 「…どうしよう、みなみちゃん大丈夫かな」
 私は今私が使っている体の本来の持ち主であるみなみちゃんのことを思い浮かべた。みなみちゃん今頃どうしてるんだろう…。
 …もしかしたら私の体の中にいるのかも…。ううん、そうに違いないよ。
 「みなみー、もう出ないと遅刻するわよー」
 部屋の外からみなみちゃんのお母さんが呼んでいる。…今はとにかく学校に行こう、そうすればみなみちゃんにも会えるかもしれない。
 そう考えた私は急いで制服に着替えて家を飛び出した。
 …あ、朝ごはん忘れてた…


sideみなみ

 私はとにかく学校に行ってみることにした。どうして私がゆたかの体になっているのかはわからなかったが、
 学校に行けばゆたかに会えるかもしれない。そこで相談してみようと思ったからだ。
 私は急いで制服に着替えて、失礼だけどかばんの中身を確認し今日の時間割どおりに教科書を入れようとしたが、
 やっぱりゆたかは前日に用意を済ませていた。それにしてもゆたかの制服って体の大きさから考えて少し大きいような…。
 私はかばんを持って部屋を出て玄関で靴を履き替えようとした。
 「ゆーちゃん、一緒に学校行くからちょっと待って」
 泉先輩が私を呼び止めた。正直こんな状態であまり人と接したくない。
 「すみません、私今日は学校に用事があるので先に行きます…あ…」
 気づいたときにはもう遅い。泉先輩はまたしても心配そうに私に近づいてきた。…目線が一緒だ…。
 「ゆーちゃん、今日は何か変だよ、どうかしたの?」
 そう言いながら泉先輩は私のおでこに自分のおでこをくっつけた。…何だか恥ずかしい。
 それにしてもこういう風に熱を測られるのは久しぶりだった。昔はよくお母さんやみゆきさんにやってもらったりしていたが、
 今ではそんなことはしていない。さすがに恥ずかしい…。
 「ん〜、熱はないみたいだね」
 私のおでこから泉先輩のおでこが離れた。何だか寂しい…。
 私は赤くなっているであろう顔を先輩から少し背けて、ゆたかの口調で、
 「だ、大丈夫だよ、いず…お姉ちゃん…」
 危ない危ない、一瞬泉先輩って言いかけてしまった。あ…また泉先輩が何か言いかけてる。
 私はいってきますと言って急いで家を飛び出した。すると後ろから
 「ゆーちゃん、自転車乗らなきゃ!」
 私は一旦家に戻って先輩から鍵を渡してもらった。

201 :コンクール作品「ゆたかがみなみでみなみがゆたか」2009/05/20(水) 10:41:26.37 ID:0S3K.620


sideゆたか

 「まだかな…」
 私が学校に着いたのは予鈴の35分前だった。
 学校に着いた私はとりあえず正門で自分の体を待ってみることにした。
 すると「ヴヴヴヴヴヴヴヴ」
 と携帯のバイブ音が聞こえた。とっさに私は自分の…じゃなかった、えっとみなみちゃんの携帯を手にとって液晶に表示された名前を見てすぐに電話に出た。
 「もしもし」
 電話の向こうからは私の声が聞こえた。
 「もしもし」
 私は驚いたが一応私も返事をしてみた。…少しの沈黙、そして…
 「あなたはだれなんですか?」「あなたはだれなんですか?」 
 一字一句同じ言葉を同時に話してしまいまた沈黙。
 今度は私が
 「えっと、あなたは誰なんですか?私は小早川ゆたかですけど」
 私は自分の声に向かって聞いてみた。すると… 
 「ゆたか!よかった、大丈夫!?」
 「やっぱり、みなみちゃんだね。よかった」
 私は心底安心した。みなみちゃん無事だったんだ。…無事…?
 「ねえ、みなみちゃん、もしかして今私の体の中にいるの?」
 私は恐る恐る聞いてみた。返答は予想通り
 「…うん」
 やっぱり…。
 「朝起きたらゆたかの家にいて、鏡を見たらゆたかになってた」
 「私と一緒だよ。私も今みなみちゃんだもん」
 それにしてもなんでこんなことになったんだろう。
 「私もわからない。とにかくこのことはあまり人に知られない方が…あ…すみません…ブチッ、ツ−ツーツー」
 唐突に電話が切れた。私は携帯電話の電池を確かめたが、電池は満タンで電波は三本だった。 
 「みなみちゃんどうしたんだろう」
 私は正門の前で私の姿をしたみなみちゃんが来るのを待つことにした。
 
 
sideみなみ

 「すみません」
 …びっくりした、やっぱり電車の中で電話はまずかったみたい。
 私の声のゆたかと話しているといきなり横から車掌さんが来て注意された。初めてだったのでかなり驚いてあたふたしてしまった。
 …とりあえず学校に行こう、話はそれから…。
 電車は私の降りる駅にもうすぐ着くころあいだった。
 
 
sideゆたか

 「あ…えっと、おはようみなみちゃん…」
 「お、おはようゆたか」
 校門前で私達はようやく会うことができた。それにしても自分に挨拶するって何だか変な気分。でもお姉ちゃんならこういうの喜びそう。
 私は正門にある時計を確認した。予鈴まではあと25分、まだまだ時間はある。 
 私達は学校内のできるだけ人気のない所に移動して話をすることにした。
202 :コンクール作品「ゆたかがみなみでみなみがゆたか」2009/05/20(水) 10:44:25.92 ID:0S3K.620


sideみなみ

 私はゆたかの提案に乗って学校の人気のないところを探し、なんというかよくある感じだけど体育館の裏に向かうことにした。
 しかしゆたかの少し早いスピードに私の体はいとも簡単に悲鳴を上げた。
 「うっ……」
 急に吐き気がこみ上げてきた。そういえば今の私はゆたかなんだ。
 「み、みなみちゃん大丈夫?」
 ゆたかが心配して私の顔を覗き込んできた。自分の顔に覗き込まれるなんて…。
 「だ、大丈夫…だよ、ゆたか…」
 私は何とか元気なふりをしたがゆたかは「そんなことないとい」言って私を抱えた。お姫様抱っこされるなんておもわなかった。
 しかもゆたかに…。私は気分が悪いのも忘れて回りを見たが幸い人はいなかった。それでもかなり恥ずかしい。
 「ゆ、ゆたか」
 「遠慮しなくていいよ、みなみちゃん。いつもみなみちゃんには助けてもらってるしこれぐらいしないとね」
 「あ…う…」
 ゆたかが私にほほえみながらそう言った。私ってあんなにきれいに笑えるんだ。ゆたかってやっぱりすごいな。
 「ここぐらいでいいかな?」
 「…いいと思う」
 色々考えている内に私達は体育館裏に来た。ゆたかはそこで私を下ろした。何だかほっとしたようながっかりしたような…。
 「みなみちゃん、これからどうしよっか?」
 …正直なんて答えたらいいかわからない。とりあえず
 「あまり人に気づかれないようにしないといけないと思う」
 と答えておいた。
 「どうしてこうなっちゃったんだろう?」
 確かにそれが一番の謎である。予想さえすることもできない。こればっかりは博識なみゆきさんでもわからないだろう。
 ふとゆたかを見ると少し心配そうな顔をしている。…どうしてゆたかだと私の顔であんなに表情が出せるのだろう?
 
 「とにかく私はゆたかとして、ゆたかは私として今日をやり過ごすしかない」
 と、私は提案した。ゆたかもこれには納得したが依然として懸案事項は残ったままの状態にある。
 ふと携帯で時計を見ると予鈴の3分前だった。私達は急いで教室へと向かったが、
 いつも通りにロッカーを開けて上履きを履いたためにゆたかは私の体で自分の小さな上履きを履こうし、
 私はゆたかの体で自分の大きな靴を履こうとしてしまった。
 要するに私達は体が入れ替わったことを忘れていつも通りに上履きを履き替えてしまった。
 そのため二人であたふたし、結局私達は遅刻した。
 


                   こうして私達の奇妙な一日は始まった。
203 :コンクール作品「ゆたかがみなみでみなみがゆたか」2009/05/20(水) 10:51:27.80 ID:0S3K.620



一時間目 数学T

sideゆたか(inみなみ)

 どうしよう、まさか私とみなみちゃんの体が入れ替わっちゃうなんて…。
 何だか授業にも集中できないけど、ノートはしっかり書かないとね。
 ふと私はみなみちゃんの方を見た。みなみちゃんは先生の話を熱心に聞いているように見えた。私も頑張らないと!
 と思ったときいきなり先生が
 「じゃあこの練習問題の一問目を○○、二問目を××、三問目を岩崎。今呼ばれた三人は問題が出来次第、黒板に解法と解答を書きに来なさい」
 と言った。って、え〜〜〜〜〜〜〜〜〜!私先生の話全然聞いてなかったよ〜、どうしよう…。
 と、とにかくこの練習問題の上の例題の解き方を参考にして考えてみよう。
 
 …たぶんこんな感じかな。よし書きに行こうっと。
 
 私は黒板に自分の解法と答えを書いて席に座った。あ〜ドキドキした〜…
 ん〜、でも黒板に書かれた一問目と二問目の解答を見てるとなんだか違和感が…。
 私が座ったのを見計らい先生が一問目から順番に赤いチョークで添削していってる。
 一問目と二問目は丸みたい、三問目は…うわ〜なんだかまたドキドキしてきた〜。
 そして三問目…って先生なんで何も書かずに私が黒板に書いた私の解法とにらめっこしてるんですか?
 ……あ、私違う練習問題やっちゃった…。さっきの違和感はこれだったんだ。
 その後私は先生に少し怒られて、クラスメートに笑われた。
 ごめんね、みなみちゃん…。
 

sideみなみ(inゆたか)

 それにしてもどうしてこんなことになったんだろう。
 前では先生が熱心に説明をしてるけど私には届かない。私はひたすらぼうっと前を見ていた。
 ふと気になってゆたかを見てみた。
 なんだか奇妙な気分がする。私はここにいるのに私の体はそこで一緒に授業を受けてるなんて。
 それにしてもゆたかはすごいな。ずっと前を向いて熱心に授業を聞いてる。私も見習わないと。
 すると先生が練習問題を解く人を当てていった。岩崎と呼ばれたとき驚いて、体がビクッとした。危ない危ない今は私はゆたかなんだ。
 変なことをしてゆたかに迷惑はかけられない。しっかりしないと。とにかく私も練習問題解かないと。
 …どの練習問題かわからない…
   
 ゆたかは黒板にすごく可愛らしい丁寧な字で解答を書いて席に戻った。
 …あれ?なんだか他の二問と少し違うような…
 先生が問題に赤いチョークで添削を行っている。ゆたかの問題までは全て丸だった。
 そしてゆたかの書いた問題にさしかかったとき先生はチョークを止めた。
 「…岩崎、お前どこの問題をやったんだ?」
 「え、えっと86ページの練習問題12の(3)の問題です…」
 「やるのは練習問題11だ。話をしっかりと聞かないからこうなるんだ」
 「す、すいません」
 私の周りのクラスメートがクスクスと笑っているのが聞こえた。周りから見れば私が間違えた様に見えているだろう。
 ゆたかは耳まで真っ赤にしてうつむいている。
 ゆたか、大丈夫かな…
204 :コンクール作品「ゆたかがみなみでみなみがゆたか」2009/05/20(水) 10:57:09.41 ID:0S3K.620
  

sideひより

 い、岩崎さんが解く問題を間違えるとは驚きっスね。少し疲れてるのかな…?
 でも珍しいものが見れたし、ま、いっか。
 それにしても岩崎さん耳まで真っ赤にしてる。何だか小早川さんみたい。
 で、その小早川さんは心配そうに岩崎さんを見つめてる。何だか今日はふたりの立ち位置が逆な気がするような…
 
 その数分後、私達の鼓膜を予鈴という福音が振るわせた。
 あー、やっと休み時間キターーーーーーー。
 一時間目から数学って息が詰まっちゃうよ。
 あ、そうだ岩崎さんにさっきはどうしたのか聞いてみよっと。
 「岩崎さん、さっきはどうしたの岩崎さんらしくないミスっスね」
 って岩崎さん無視することないよね。聞こえてないのかな。
 「何?田村さん?」
 「いや、小早川さんじゃなくて私が呼んだのは岩崎さんなんだけど」
 「あっ!」
 何だか今日は変な日だなぁ…
 


二時間目 化学T

sideゆたか(inみなみ)

 う〜〜、まさかこんな時に解く問題を間違うなんて…。
 休み時間に田村さんにばれないようにみなみちゃんに謝っておいたけど許してくれたかな。「別にいい、大丈夫」って言ってたけど…。
 それにもしかしたら田村さんに怪しまれてしまったのかもしれないよ…。
 とにかく今度からはしっかりしないと!
 幸いにも今回の授業は当てられることもなく平和に過ぎていった。助かった〜…。
 
 
sideみなみ(inゆたか)

 ゆたか、大丈夫かな。それにしてもなんだか物凄く熱心に授業を聞いてる。さっきのことなら気にしなくてもいいのに。
 私だって違う問題をやってたんだから。
 …あ、黒板を写し前に消された…。
 自分のノートだと気にならないけどこのノートはゆたかのなんだからしっかりと書かないといけないのに…。
 どうしよう、後で誰かに見せてもらわないと。
 私は周りを見渡した、田村さんはなんだか過ぎ勢いでノートに何か書いてる。板書してるのだろうか、それとも絵を書いてるのか。
 次にパトリシアさんを見た。パトリシアさんは結構熱心に授業を受けている。パトリシアさんに見せてもらおう。
 ……でも何だか板書できなかったことゆたかに隠すみたいでなんだか嫌。ここは正直にゆたかに見せてもらおう。
205 :コンクール作品「ゆたかがみなみでみなみがゆたか」 2009/05/20(水) 11:01:28.88 ID:0S3K.620
 

sideパティ

 やっとニジカンメがオわりました。ニポンゴわかってもカガクはつらいでス!エイゴでもわからないことだらけでしょうネ…。
 あ、ユタカがミナミとハナしていまス。ナニしてるのかな?ちょっとミにイってみましょう。
 「ゆたか…じゃなくて、みなみちゃん…?」
 「な、なにかなみ…じゃなくてゆたか…?」
 ナンだかフタリともぎくしゃくしていまス。
 「さっきの授業でノートにうつしきれなかったところがあって、ゆ…みなみちゃんのノート見てもいい?」
 「う、うん…はいこれ」
 「あ、ありがとう、ごめん」
 「いいよ」
 …やっぱりヘンでス。キョウのミナミはヒョウジョウがユタカのようにユタかでス。
 でもキョウのユタカはミナミのようにアマりヒョウジョウがデてません。まるでフタリのココロがイれカワってしまったようでス。
 …ていうかフタリともヨコにワタシがいることにキづいてますカ?



三時間目 英語

sideゆたか(inみなみ)
 
 …う〜ん、やっぱりこの状況にはなれないなぁ。
 さっきだって呼び方間違いそうになっちゃったし…。
 でも朝よりかは大分なれてきたかな。
 …よく考えたら慣れることも大事だけど戻る方法を探すことのほうが大事なのかもしれない、…じゃなくて大事だね。
 本当にどうしたらいいんだろう…?そもそもどうしてこうなったんだろう?前日の晩ははいつも通りに布団に眠ったけど…。
 …寝相…かな…?
 やっぱり思い当たる物がないなぁ。
 あ、もしかしたら昨日じゃなくてもっと過去のことに原因があったのかもしれない。
 確か一昨日は…そういえば、学校で体育の時間に久しぶりに参加していつもよりかなり気分が悪くなっちゃって病院に行ったっけ。
 あの時は本当に皆に迷惑をかけたなぁ。う〜ん、でもこのこととはあまり関係なさそう。…はぁ…。
 私は小さくため息を吐いた。
 …とにかく授業に集中しようっと。
 

sideみなみ(inゆたか)
 
 …この状況にはどうにも慣れることができない。さっきもついつい呼び方を間違えたし…。
 今日はゆたかに迷惑ばかりかけてしまっているし、しっかりしないと!
 …そういえばどうしてこんな不可解な事がおこったのだろうか…。
 特に前日の行動にいつもと違うことはなかった。ゆたかと一緒に私の家でおしゃべりしたり、一緒にチェリーの散歩に行ったぐらい。
 これらのことをしてもこんな事になるとは到底思えない。
 …じゃあその前の日は……確かゆたかが体育のときに倒れちゃってとてもひどい状態だったから病院に運ばれたっけ…。
 あの時はすごく心配したな。学校を早退してゆたかのお見舞いに行ったっけ…。幸い医者とその時一対一で話して、
 心配要らないって言われてすごく安心したのを今でもよく覚えている。でも顔はこわばったままだったと思うけど…。
 確かその後に泉先輩が病室に大きな音をたてて入ってきた。でもさすがにこれらのことは関係性がなさそう。
 …一体何が原因でこんなことに…、とにかくその理由を特定できれば解決法もおのずとわかる可能性が高い。
 次は少し長い休憩時間だし、その時に二人でまた人気のないところで話すことにしよう。
206 :コンクール作品「ゆたかがみなみでみなみがゆたか」 2009/05/20(水) 11:05:39.13 ID:0S3K.620
 


休憩時間(20分.ver)

sideこなた

 ふわ〜、よく寝た〜。ほんとこの時間帯の授業って眠たくなるよね〜、ってこの前かがみに言ったら
 「あんたの場合は年中無休でそうじゃない」
 と言って頭をピシャリと叩かれたっけ。
 「こなちゃん、お弁当一緒に食べようよ」
 「私もご一緒させて下さい」
 いつも通りにつかさとみゆきさんがお弁当を持って私の席まで来てくれた。もうちょっと待てばかがみも来るだろう。
 「うん、食べよっか」
 とりあえず私は二人と近くの席を寄せ集めた。
 そうしてるとかがみがお弁当を持ってやって来た。私達は今日も四人でお弁当を食べる……はずだった。
 「ねえ、そういえば今日学校の玄関のところでゆたかちゃんとみなみちゃんが二人して急いで校舎の中に走っていったけどさ、
 しかも予鈴がなった後なんだけど。二人にしては珍しいよね?」
 え?ゆーちゃんは私よりも随分早く家を出たけど。…なんだか様子は変だったけど。
 それって人違いじゃない?
 「そんなことないわよ、確かにゆたかちゃんとみなみちゃんだったわよ。顔もちゃんと見たんだから間違いないわ」
 …どういうことだろう。私より早く出て遅刻?私だって今日は遅刻寸前だったのに。
 「みなみさんが遅刻するとは珍しいですね、今までそのようなことは一度もなかったと思いますよ」
 みゆきさんも不思議に思っているようだ。
 確かに真面目なあの二人ならそんなことはまずないと言ってもいい…あ!
 私は今日の朝に見たゆーちゃんの妙な様子を思い出しゆーちゃんのクラスに行くことにした。
 どうしたんだろう、ゆーちゃん。学校に着くまでに気分が悪くなったのかな。少し心配だ。
 かがみ達には適当に言っておいて、私は教室を出た。
 …あ!お弁当忘れるところだった…。
 

sideゆたか(inみなみ)

 三時間目が終わって、20分の休憩時間が始まった。
 とにかく今はみなみちゃんとお話したいな。色々考えたけどこのままみんなに隠しとおせる自信がない。
 もういっそみんなに話してしまったほうがいいのかもしれない。
 私はゆっくりと席を立ってみなみちゃんのいる元私の席へと足を進めた。
207 :コンクール作品「ゆたかがみなみでみなみがゆたか」2009/05/20(水) 11:11:49.80 ID:0S3K.620
 

sideひより

 さーて、いつも通りに岩崎さん達と一緒にお弁当食べようかな。
 岩崎さんの方へお弁当を持って行った。岩崎さんの席には小早川さんがいた。二人で何か話しているみたい。
 「岩崎さん、小早川さん、お弁当食べよう」
 私は二人に言ったが
 「…ごめん、今日はちょっと用事がある」
 「ごめんね、田村さん」
 そうっスか。ん?やっぱり二人の言動がおかしい気がする。なんだか二人が入れ替わってる感じなんだけど…。
 あ、二人とも「ヤバッ!」見たいな顔してるし。本当に変だなぁ。
 「イッショにおヒルタべませんカ?」
 パティがお弁当を持ってきた。私はパティに二人は用事があるから今日は無理って言ってたって言った。
 その後小早川さんと岩崎さんは二人でお弁当もってどこかに行っちゃった。
 とりあえず私達は二人でお弁当を食べることにした。
 

sideパティ

 キョウのランチはヒヨリとフタリでタべることになりましタ。
 いつもならユタカにミナミもイッショにタべるけどキョウはいません。ヨウジがあるらしいでス。
 「一体どうしたのかな、二人とも」
 「ウ〜ム、もしかしたらフタリともできてしまったのかもしれませんネ」
 とりあえずジョウダンでカエしましたがタシかにキになりまス。
 キノウとかにこんなコウドウをフタリがミせてもベツにおかしいとはオモいませんが、
 キョウはフタリともヨウスがヘンでしたからミョウにキになりまス。と、そこに
 「Yahoo!パティ、ひよりん!」 
 OH!コナタがトツゼンやってきましタ。どうしたのでしょうカ?
 

sideみゆき

 いつもなら四人で囲んで食べる昼食ですが今日は三人で食べています。
 なぜか泉さんがゆたかさんのところに行ったからです。ゆたかさんが遅刻したのが気になるのでしょうか…?
 四人で食べているのに慣れているせいか、少し寂しく感じてしまします。
 そういえば、先程かがみさんが小早川さんだけでなく岩崎さんも遅刻していたと言っていました。
 よく考えると今日、みなみさんと一緒に学校へ行こうとしてみなみさんの家を尋ねてみましたが、
みなみさんはすでに学校に行った後でした。
 無論私は遅刻はしていません。これは少々不可解ですね。後でみなみさんに聞いてみましょう。
208 :コンクール作品「ゆたかがみなみでみなみがゆたか」2009/05/20(水) 11:15:11.64 ID:0S3K.620
 

sideみなみ(inゆたか)

 いつみならお昼を食べている時間だが、今日はゆたかと一緒に学校の屋上で食べることにした。
 それにしても未だに中身がゆたかとわかっていても自分の姿と話すのは中々慣れない。
 屋上に着いた私達は二人で座ってお弁当を食べ始めた。少し経ってからゆたかが話しかけてきた。
 「みなみちゃん、これからどうしよっか?」
 …私にもわからない。原因不明だしどうしようもない。
 「わからない、でもこのままこのことを皆に隠しとおせるのは無理だと思う」
 私は考えていたことを言った。そろそろ田村さんかパトリシアさんかが気づくとはいかないとしても違和感は感じているに違いない。
 「じゃあ話すの?」
 それも正直不安だ。もし誰かに話して学校中に広まりでもしたら周りから何か言われることは間違いない。 
 私はそういうのが苦手だから話すのは避けたい。でも誰かに話したい、話して楽になりたい。
 「…みゆきさんに相談してみるのは?」
 私はゆたかにそう意見を提示した。
 ゆたかは少し考えてるそぶりを見せてから、あまり時間をかけずに
 「そうだね、私もそれでいいと思う。このまま二人だけで抱え込むのは正直辛いしやっぱり他にも相談相手がほしいからね」
 ゆたかは微笑みながらそう言った。


sideこなた

 私がゆーちゃんの教室に着くとひよりとパティがお弁当を食べてた。教室を見渡してもゆーちゃんどころかみなみちゃんもいない。
 とりあえず私は二人を呼んでみた。
 「Yahoo!パティ、ひよりん!」
 パティが私に気づいて声をあげた。
 「OH!コナタ!どうしましたカ?」
 私は二人の席まで歩いた。
 「ゆーちゃんかみなみちゃんにちょっと用事があってね。ふたりがどこに行ったか知らない?」
 「ウ〜ン、シりませんネ」
 「私もっス」
 …そっか、二人も知らないんだ。
 私は二人に今日の朝のゆーちゃんの様子が妙だったこととゆーちゃんが私よりもかなり早く出たのに遅刻したことを話した。
 「確かに妙っスね。それに今日二人ともなんだか様子が変だったっス」
 「ミナミはヒョウジョウユタかになってたり、らしくないミステイクをおかしましたし、ユタカはなんだかムヒョウジョウでした」
 ん〜、何だか二人が体か心が入れ替っちゃったみたいだね。
 「そう、それっス!私もそう思うっス!」
 「ワタシもです!でもそんなことありえないですヨ。マンガやゲームじゃないですシ…」
 何だかそう言われると本当に二人が気なってきたな〜。そうだ!
 「ねえ二人とも、ゆーちゃんとみなみちゃんを探しに行かない?」
 私がこう言うと二人は少し考えてから私の誘いを承諾した。
209 :コンクール作品「ゆたかがみなみでみなみがゆたか」2009/05/20(水) 11:19:36.70 ID:0S3K.620

 とかなんとかあって今私達三人は学校の屋上の扉の裏から、ゆーちゃんとみなみちゃんが二人でお弁当を食べているのを覗いている。
 私達が着いたころには二人は座ってお弁当を食べているようだった。
 私達は三人で耳を澄まして会話を聞いてみることにした。
 「…私達何やってんでしょうかね?」
 ひよりんが疑問を口にした。
 「シー!ヒヨリ、シズかにするでス」
 「パティも声が大きいよ。まあここはなんか出て行きにくい感じだし空気読んでここで聞いてるんだから。
 今いきなり二人に声をかけるより大分ましだよ」
 と言って私はひよりんを静かにさせた。まあひよりんもまんざら二人の会話に興味のないわけではないらしい。
 私達は集中して二人の会話を聞きにはいった。
 「みなみちゃん、これからどうしよっか?」
 みなみちゃんが自分で自分の名前呼んでるんだけど。
 「わからない、でもこのままこのことを皆に隠しとおせるのは無理だと思う」
 …え、何を?やっぱり何かあったんだ。ていうかゆーちゃんの口調がおかしいよ。朝もこんな感じだったっけ。
 「じゃあ話すの?」
 何だか今日のみなみちゃんは表情がよく出てるね。
 「わからない、でもこのままこのことを皆に隠しとおせるのは無理だと思う」
 …やっぱり私達に何か隠してるみたい。
 「…みゆきさんに相談してみるのは?」
 あれ?ゆーちゃんいつからみゆきさんのことを高翌良先輩じゃなくてみゆきさんって呼ぶようになったんだろう?
 「そうだね、私もそれでいいと思う。このまま二人だけで抱え込むのは正直辛いしやっぱり他にも相談相手がほしいからね」
 ここで二人はお弁当を食べ終えたようだ。立ち上がってこちらの方へ来ようとしていたので私達は急いでその場から離れた。
 それにしても、ゆーちゃんとみなみちゃんは私達に何を隠してるんだろう…。
 その後は廊下でパティとひよりと別れて私は教室に戻った。その時には予鈴三分前だった。
 …私、お弁当食べてないよ。



四時間目 数学A

sideゆたか(inみなみ)

 やっぱりなかなか解決策は見つからないなぁ。とりあえず高翌良先輩には相談することにしたけど他の皆には話したほうがいいかな。
 でももしかしたら信じてもらえないかもしれないし…。…はぁ…。
 そういえば五時間目は体育だったっけ。もしかしたらこの前みたいに気分が悪くなって皆に迷惑かけないで思いっきり楽しめるかも。
 でも、みなみちゃんは…、私の体じゃ参加できないよね。私も見学しようかな…。 
 「じゃあこの練習問題の一問目を○○、二問目を岩崎、三問目を××。今呼ばれた三人は問題が出来次第、黒板に解法と解答を書きに来なさい」
 はう!まさかまたなんて…、どうしようまたどこの問題か聞いてなかったよ〜。
 ふとみなみちゃんの方を見ると私に手でどこの問題か伝えてくれた。ありがとう、みなみちゃん。
 それにしても自分はここにいるのに体は違うところにあるなんてやっぱり不思議な気分だなぁ、どうにも慣れないよ。
 私は問題を手際よく解いて黒板へむかった。
210 :コンクール作品「ゆたかがみなみでみなみがゆたか」2009/05/20(水) 11:24:57.91 ID:0S3K.620
 

sideみなみ(inゆたか)

 この授業の後は確か体育だ。でも次のお昼休みに高翌良先輩に相談しようと私は思っている。授業が終わればすぐに行かないと。
 …そういえば今、私はゆたかの体だから体育は見学したほうがいいかもしれない。
 今日の朝も気分が悪くなってゆたかに抱いてもらったこともあるし…。
 確か見学の場合はジャージに着替えて先生に見学することを伝えるのだったかな。したことないからよくわからない。
 とりあえず授業に集中しておこう。一時間目に様なことがまた起こるかの知れないし。
 そして予想通り同じことが起こった。まさか同じようなことが起こるなんて。
 でも今回はしっかりと話は聞いてたし大丈夫。ゆたかは……何だか不安そうにこっちを見てる。
 私は手でゆたかにどの問題をやるのか伝えてみることにした。
 


お昼休み

sideみゆき

 予鈴がなってお昼休みの時間となりました。まわりでは外に元気に出て行く人や誰かとおしゃべりしている人などがいます。
 私も少し体を動かしたい気分です。最近は受験勉強にとられる時間が多くて…。
 一年生や二年生のときよりゆったりできる時間は減っています。
 あ、そういえばみなみさんに少々聞きたいことがありましたね。すっかり忘れていました。
 幸い次の時間は英語ですので少し遅くなっても大丈夫そうですね。
 私は席から立ち上がりみなみさんのところへむかうため教室を後にしました。
 
 一年生の廊下を歩き、みなみさんのクラスが見えてきました。
 すると私の目線の先にみなみさんとゆたかさんの姿が見えました。
 私は呼ぼうと思いましたが小早川さんとみなみさんからこちらに近づいてきたので呼ぶのはやめました。
 「少し聞きたいことがあるのですが…、お時間は大丈夫ですか?」
 私はそう二人に話しかけました。
211 :コンクール作品「ゆたかがみなみでみなみがゆたか」2009/05/20(水) 11:28:01.94 ID:0S3K.620
 

sideみなみ(ゆたか)

 ゆたかと一緒にみゆきさんのところへ行こうとするとみゆきさんが教室の近くにいたので私達は難なくみゆきさんと会うことができた。
 「少し聞きたいことがあるのですが…、お時間は大丈夫ですか?」
 「ごめんなさい、今はあまり時間はなくて……、みゆきさん、ちょっと着いてきてください」
 私はもう自分をゆたかと偽るのはやめていつも通りに話すことにした。 
 みゆきさんは少し不思議そうな顔していた。

 私達は体育館の裏の方へ行った。
 「どうしたのですか、みなみさん、小早川さん。何だか二人とも様子がいつもと違いますよ」
 「みゆきさん」
 私はみゆきさんにゆたかの体で話しかけた。
 「は、はい」
 「これから話すことをよく聞いてください。すべて本当のことです。信じられないかもしれませんがお願いします」
 みゆきさんの頭上には珍しくクエスチョンマークが浮かんでいるようだった。
 「みなみちゃん」
 ゆたかが少し心配そうに見つめている。
 「とにかく話を聞きましょう」
 みゆきさんがそう言ったので私は全て話した。今日のこの不可解な現象のこと、その全てを。
 
 
sideゆたか(inみなみ)

 みなみちゃんが高翌良先輩に全て話し終えた。高翌良先輩は驚いた顔していましたが、私とみなみちゃんの真剣な眼差しのせいか信じてくれたみたい。
 「…つまりみなみさんとゆたかさんの心が入れ替わってしまった、ということですね」
 「…はい」
 「…え〜と、今小早川さんが話したということはみなみさんが話したということですよね」
 「はい、すいません、わかりにくくて…」
 「いえ…そうようなことは…」
 みゆきさんは少し困惑顔で話している。 
 「高翌良先輩、どうしたら元に戻れますか?」
 私は単刀直入に聞いた。
 「……すみません、私には全く…わかりません…」
 「…そうですか」 
 正直やっぱりとは思ったが、小さな期待が私の中にあったのかもしれない。少しがっかりした。
 「このことを私以外に話しましたか?」
 「いえ、みゆきさんだけです。あとできれば秘密にしておいてください。他の皆さんにはまた色々考えてから伝えようかなと思っているので」
 高翌良先輩の質問にみなみちゃんが答えた。
 「わかりました……けれども一体どうすれば……原因などで心当たりなどはおありですか?」
 「それも特には…、色々考えましたがそういう事は全くなかったと思います」
 私も聞かれたが、みなみちゃん同様に答えた。本当にこれからどうしよう…。
212 :コンクール作品「ゆたかがみなみでみなみがゆたか」2009/05/20(水) 11:33:15.61 ID:0S3K.620


sideこなた

 あれ?みゆきさんがいないや。もしかしたらみなみちゃんのところかな。確か二人はみゆきさんに相談するとか言ってたっけ。
 じゃあ、今はみゆきさんはみなみちゃんやゆーちゃんと話をしてるのかな。
 それにしてもゆーちゃんどうしたんだろう、私達に内緒なんて。皆の誕生日はまだまだ先だし…。
 …私達が知らなくてみなみちゃんがだけが知ってることかぁ。何かあったっけ…。
 私は席に浅く腰掛けて上を向いて考えを巡らせた。…何だか私っぽくないね。
 あ、そういえば確か一昨日にゆーちゃんが体育で倒れて病院に運ばれたな。私が病室に行ったときみなみちゃんが先にいたっけ…。
 なんか医者から話を聞いてたみたいだけど、みなみちゃん何かすごく怖い顔してたような。
 ……まさか……そんなことないよね……でももしかしたらゆーちゃんの体に何かが……。
 ははは、まさかねー……。
 でも、さっきの二人の会話はかなり怪しい…。
 確かに病院にいたのゆーちゃんは少し苦しそうな感じはあったけど今は元気だし、
 でもじゃあ今日の朝のゆーちゃんの妙な様子はなんだろう。
 それに私より早く家を出たのにどうして私より遅い上にみなみちゃんと一緒なんだったんだろう。
 まさかもう時間がないからって遊んでた、いやどこかでおしゃべりしてたとか……。
 私はこの後つかさとかがみに話しかけられるまで上を向いて考えていた。
 あはは…そんなことないよね…。後でみゆきさんに二人と何を話したか聞いてみよう。
 …またお弁当食べるの忘れてた…



五時間目 体育

sideゆたか(inみなみ)

 結局高翌良先輩と話したけどあまり成果は上げられなかったなぁ。でも誰かに相談できて少しだけスッキリした気がする。
 今日の体育はバスッケットボール、私はいつも見学してるか、参加できてもみんなと同じように素早く走り回ることができない。
 それどころか途中で気分が悪くなって倒れそうになってチームを抜けてみんなに迷惑をかけちゃったりする。
 でも今回は違う。今はみなみちゃんなんだから。今までろくに参加できなかった分今日は張り切っていくぞ〜!!!

 ホイッスルが鳴り私の試合が始まる。私は積極的に動いてボールを受け取ってはドリブルで相手に突っ込んでいった。
 でもなかなか上手くいかない、それどころか上手にドリブルがつけない。結果相手チームにボールを何回も取られちゃった。
 あんまり授業に参加してないツケが回ってきたみたい。でもすごく楽しかった。体を動かすと気持ちいいし、何だか気分が高翌揚する。
 …確かお姉ちゃんがそういうことを「最高にハイッってやつ」って言ってたっけ。
 結局私達のチームは四試合やって一勝しかできなかった。
 でもその勝った試合で私のシュートが始めて入ったときはその場にへたり込んでしまった。
 もう泣きたいぐらいに嬉しかった。今だけ心が入れ替わったことに感謝できる、…みなみちゃんには申し訳ないけど…。
213 :コンクール作品「ゆたかがみなみでみなみがゆたか」2009/05/20(水) 11:37:58.91 ID:0S3K.620


sideみなみ(inゆたか)

 お昼休みにみゆきさんに相談したせいか、今は相談する前より少し気が楽な感じがする。
 今日の体育、私は見学せずに参加することにした。
 前回の授業でゆたかが倒れてしまったせいか担当教師は止めたが私はそれを聞き入れなかった。
 ゆたかも「無理しないほうがいいよ」って言ってくれた。
 でも、前回途中で抜けて、ただでさえ見学が多いのにこれ以上授業に参加しなでいるとゆたかの体育の成績が下がってしまいそうな気もした し、それにたまにはゆたかだって出来るところをみせたいはず、と思いできるだけ私は頑張ってみることにした。

 そして試合は始まった。私はいつもよりさらに気合を入れて臨んだ。ちなみに試合はハーフコートではなくオールコートだった。
 最初のうち私はドリブルで相手を抜き、そのままレイアップや三点シュートを連発し取れるだけ点をとった。
 この小柄な体は相手を抜いてリングの下まで向かうのにかなり好都合だった。でも数分で気分が悪くなって交代を余儀なくされてしまう。
 交代して脇で座って休んでいると、同じチームの休憩している人や他の人達が来て、
 「どうしたの小早川さん、すごいじゃない!」・「キョウのMVPはユタカですネ」・「今回は調子いいんだね、安心したよ」と言ってくれた。
 何だか私は嬉しくて、少し恥ずかしくなった。
 「小早川さん顔真っ赤だよ」・「あはは、かわい〜」・「も、萌えるっス」とも言われた。
 何だかこの体も悪くないな、と思った、…ゆたかには悪いけど…。

 そうこうしているうちに今まで最高に楽しかった体育の時間は終わった。ゆたかもすごく楽しんでいた。
 ゆたかとは敵チームだったけど、一緒に試合をした時は本当に楽しかった。
 私はゆたかのシュートを阻止したり…背が全然足りなかったけど。私のドリブルしているとボールを取られて、また取り返したり。
 私は自分の体のこととか忘れていた。
 だからその後気分が少し悪くなってしまったけど、最高に充実した授業だった。
 ちなみに一番勝った回数が多かったのは私のチームだった。その後私はみんなにMVPに選ばれて軽い胴上げまでされた。
 …明日も確か体育あったはず、心が入れた替わった状態が明日まで続いてもいい気がしてきた。

 その後私達は教室で着替えた。
 昼休みに着替えたときはみゆきさんに相談した後で時間がなかって急いでいたからあまり気にしなかったけど、
 ゆたかって胸結構あるんだ…。
 皆に、特にゆたかにばれないように気をつけて少しだけもんでみた。…やわらかい。いいな…。
 私は小さなため息をついた。それは周りの喧騒の中に消えていった。
214 :コンクール作品「ゆたかがみなみでみなみがゆたか」2009/05/20(水) 11:44:02.20 ID:0S3K.620


sideこなた

 ようやく五時間目が終わった、疲れた〜。半分眠っていたような感じだったよ。
 そんなことよりみゆきさんに何を話していたか聞いてこよっと。
 私は席を離れてみゆきさんの席へ行った。みゆきさんは何だかぼうっとしていた。
 「ねえ、みゆきさん」
 「……」
 へんじはない ただのしかばねのようだ
 …じゃなくて、どうしたんだろう。何だか考え事で頭が一杯みたい。そういえば授業中も当てられてしどろもどろで答えてた。
 四時間目まではこんなことなかったのに、やっぱり原因はゆーちゃんとみなみちゃんの話を聞いたからかな。…たぶんそうだろうね。
 そんなに大変なことになっちゃってるのかな…。本当にゆーちゃんが心配になってきたよ。
 「みゆきさん!」
 私は少し大きな声で呼んでみた、すると
 「わひゃぁ!」
 と可愛い声を出した。
 「な、ななななんんですか、泉さん?」
 「…びっくりしすぎだよ、みゆきさん」
 「す、すいません、少々考え事があって」
 「ゆーちゃんとみなみちゃんのことだよね」
 私は単刀直入に切り出した。みゆきさんは驚いたような顔をした。
 「…泉さんも知っていましたか…」
 「まあね」
 知らないけどここはわかってるフリをしておく。さっき盗み聞きした時のゆーちゃんとみなみちゃんの会話で
 「でもこのままこのことを皆に隠しとおせるのは無理だと思う」って言ってたってことは皆には隠すつもりでいるってこと。
 たぶん皆には内緒にするようにみゆきさんは言われてるだろうけど、
 ここは知っていることにして適当に話を合わせれば大体のことはわかるかもしれない。
 だてに私もバカじゃないってことだね。今まで色んなゲームをしといてよかったよ。
 「しかし大変なことになりましたね、泉さんも心配ですよね…」
 みゆきさんはとても心配そうな顔で話し始めた。やっぱり何かあったんだ…。
 「…そうだね」
 私は適当に相づちをうった。
 「あんな状態の治し方なんて医学界には存在しませんし、私もそんな症例自体聞いたこともありませんし」
 「え……?」
 私はすごく嫌な感じがした。やっぱり病気?…治らない?
 「でももしかしたらすぐにでも…泉さん?」
 私はみゆきさんの言葉を聞く前にみゆきさんの席から離れた。……すぐにでも……死ぬ……とかだったり……。
 怖い、その後を聞くのが怖い、怖くて怖くてたまらない。
 どうしよう、ゆーちゃんが死んじゃったら…どうしよう…。私お姉ちゃんなのに…何で気づいてあげられなかったんだろう。
 私は予鈴が鳴り先生に注意されるまで呆然と立っていた。この後の授業は頭に入らなかった。

 …もう何も考えられなかった…。
215 :コンクール作品「ゆたかがみなみでみなみがゆたか」2009/05/20(水) 11:48:16.39 ID:0S3K.620



六時間目 古典

sideゆたか(inみなみ)

 今日最後の授業は古典。…やっぱり難しいや。
 それにしても何だかこの体でいるのも結構なれてきたかな。まだ小早川や、ゆたかと呼ばれると反応したりしてしまうけど。
 そういえばさっきの休み時間みなみちゃん何だか体育の時間の時よりも少しだけ暗くなってた感じがしたけどどうしたのかな?
 あと田村さんとパトリシアさんが何だか私とみなみちゃんの方を見て内緒話をしてたし、どうしたんだろう。…ばれちゃったのかな…?
 私は教室にある時計を見た。授業終了まではあと15分だった。放課後に本格的に治す方法を考えたほうがいいね。
 …とりあえず、みなみちゃんと高翌良先輩と一緒にどこかに行くことにしよう。


sideみなみ(ゆたか)

 今日の授業終了まではあともう少し。今日は突然こんなことになって驚いたけど楽しいときもあったし、
 今はそれなりに落ち着いてきている。
 今日の放課後は事情知っている私とゆたかとみゆきさんで話し合って今後どうするか決めることにしよう。
 「次のところを…小早川、読んでくれ」
 …あ、今のゆたかは私なんだった。ちょっと油断してた。
 私は先生に指定されたところを読み、ホッと安心してまた考えを巡らし始めた。
 とりあえず放課後は三人で今後のことについて話し合ってみようかなと思う。

 その数分後授業終了を伝えるチャイムの音が学校中に響き渡った。



放課後

sideゆたか(inみなみ)

 今日の学校がやっと終わった。
 私はみなみちゃんを誘って二人でみゆきさんを誘って三人で、とりあえずみなみちゃんの家にむかうことにした。


sideみなみ(inゆたか)

 私はゆたかの願ってもない提案に乗り、みゆきさんと三人で私の家にむかうことにした。
 私はゆたかとみゆきさんのクラスに行き、みゆきさんを呼んで三人で帰った。
 そういえばみゆきさんのクラスを覗い時、泉先輩が自分の席でぼうっとしていた 。どうしたんだろう、授業は終わっているのに…。
 私達には全く気づいていないみたいだった。
 道中でも三人で色々話してみたが、結局解決策は見出せず、気がつくともう私の家についていた。

 みゆきさんは家に一旦荷物を置きに行った。
 ゆたかと私が庭に入るとチェリーがゆたかにじゃれついてきた。散歩に行きたいのだろうか…。
 …何だか少し寂しいな。最近チェリーは私にそっけなかったのにこういうときに限ってじゃれついている。
 ゆたかがうらやましい…。私はちょっとだけ微笑みながらチェリーをなでた。するとチェリーは尻尾を振ってじゃれついてきた。
 あれ?もしかして今のゆたかは私だって気づいたのかな、さっきまでじゃれついていたゆたかにはあまり構わなくなったし。
216 :コンクール作品「ゆたかがみなみでみなみがゆたか」2009/05/20(水) 11:52:25.90 ID:0S3K.620

 私達はチェリーと一緒に家に入った。中ではお母さんが「久しぶりね、ゆたかちゃん」と言ってくれた。
 …さすがにお母さんにこう言われると悲しい。
 ゆたかはおじゃましますと言いかけたが、途中で気づいてただいまと言った。
 「こんにちは、おじゃまします」
 「あら、みゆきちゃん、こんにちは」
 みゆきさんが入ってきた。お母さんがうれしそうにみゆきさんを迎えた。
 その後私達三人は私の部屋に入った。


sideこなた

 「こなちゃん、こなちゃん、どうしたの?」
 「何ボーっとしてるのよ、とっくに授業は終わったわよ。ていうか学校自体終わったけどな」
 私は誰かに体をゆすられて何もない思考から目覚めた。
 「よかった〜、どうしたのかと思ったよ〜」
 「ほんと何やってんだか…」
 私をゆすっていたのはつかさだった。安心した様な顔をしている。
 横にはあきれ顔をしたかがみがいた。二人を確認した後私は周りを確認した。教室には生徒が数人いるだけだった。
 窓から差し込んでくる夕焼けが私にはとてもまぶしく感じられた。
 「あっ!」
 私はがばっと起きて時計を見た。時刻は六時間目終了から15分経っていた。もちろんみゆきさんはもうクラスにはいない。
 「もう、びっくりっせないでよ、こなちゃん」
 「何驚いてんのよつかさ。ほら、こなたも変な事してないで帰るわよ」
 「みゆきさんは!?」
 私は二人に聞いた。おそらく大声だったのだろう、二人は驚いていた。
 「ど、どうしたのこなた」
 「いいからどこ行ったの!?」
 「ゆ、ゆきちゃんならもう帰ったよ、ゆたかちゃん達と帰るって言ってたけど…こ、こなちゃん!」
 私はつかさからそこまで聞くと勢いよく立ち上がり、かばんも持たずゆーちゃんのクラスへ向かった。

 ゆーちゃんのクラスを覗くとそこにはひよりんとパティが二人で話していた。他にも何人か生徒がいる。
 「い、泉先輩、どうしたんスか?」
 「コナタ、どうしたネ?イキがアがってますヨ」
 教室にはやっぱりゆーちゃんとみなみちゃんの姿はない。
 「ゆーちゃんとみなみちゃんは!?」
 私は二人に聞いた。ここでも大きな声だったのだろう、教室の中にいる人の目線が私に集まった。
 しかし今の私には気にならなかった。
 「こなた!落ち着きなさい!」
 突然後ろから声がした。
 「カガミ!」
 私が振り向いて誰か確認するよりも早くパティが答えた。
 「あんた何をそんなに焦ってるのよ。とにかく落ち着け!」
 かがみは私の肩をつかんで結構な大声で言った。私は少しずつ落ち着いきを取り戻してきた。かがみの横ではつかさが肩で息をしている。
217 :コンクール作品「ゆたかがみなみでみなみがゆたか」2009/05/20(水) 11:55:37.85 ID:0S3K.620

 「落ち着いた?」
 「う、うん、ごめんかがみ」
 「いきなり教室からでていくんだもん、びっくりしたよ。はい、かばん」
 教室に忘れてきたかばんをつかさが渡してくれた。…必死になって忘れてたんだ、今思い出したよ。
 「ありがと、つかさ」
 私はつかさにお礼を言った。
 「で、いきなりどうしたんスか?」
 ころあいを見計らってかひよりんが本題をぶつけてきた。
 「ユタカとミナミのことですカ?」
 話が早くて助かった。私はみんなに話した。


sideかがみ

 「うそ…そんな…」
 横ではつかさが顔を真っ青にしている。今にも泣きそうだ。私はつかさの手を握ってあげた。
 「ね、ねえこなた、さすがにそれはないんじゃない?」
 私もこなたの話はさすがにいきなり信じることはできなかった。ゆたかちゃんが死ぬなんて…。
 「た、確かに泉先輩の話は的をえてるっス」
 「…ワタシもそうオモいまス」
 田村さんとパトリシアさんはこなたの話を少なからず信じているようだ。
 「でも朝の様子が変で遅刻しただけでそれはいくらなんでも…」
 私はこなたに反論した。
 「でも…一昨日に病院でみなみちゃんが怖い顔をして医者と話してるのを見たし…」
 「で、でもそこでそんなゆたかちゃんの命の話なんてしないはずよ、まずは家族に話すもんでしょ」
 「…今日、ゆーちゃんとみなみちゃんが屋上で話してるのをひよりんとパティと一緒に聞いたんだ。
 そこでゆーちゃんが皆に隠してるってはっきり言ったんだよ」
 「違うことなのかもしれないじゃない」
 反論していく私にも何だか嫌な感じがしてきた。
 「それに二人はみゆきさんに相談するって言ってたんだ。だから五時間目の後の休み時間でみゆきさんに聞いてみたんだ」
 こなたの声がどんどん重くなってくる。
 「みゆきは何て言ってたの?」
 この先を聞くのが少し怖かったが、私はこなたに聞いた。
 「あんな状態の治し方なんて医学界には存在しませんし、私もそんな症例自体聞いたこともありませんって…言ってた…」
 こなたの目から一筋の涙がこぼれた。…これは本当にやばいのかもしれない。
 田村さんとパトリシアさんは無言でうつむいている。つかさはこなたの倍以上の涙を流していた。
 「…じゃあ…こなたの言うとおり…ゆたかちゃんは…」
 私の中でもこなたと同じ結論が出た。
 「みんな、ゆたかちゃんを追うわよ!」
 私達は五人でゆたかちゃんのもとに急ぐことにした。

 この言葉についてこない人は 誰もいなかった
218 :コンクール作品「ゆたかがみなみでみなみがゆたか」2009/05/20(水) 12:11:12.53 ID:0S3K.620


sideつかさ

 ゆたかちゃんが…死んじゃうなんて…信じられないよ、信じたくないよ…。
 私はお姉ちゃん達と急いで校門まで来た。
 「そ、そういえばユタカはどこにイったんでしょうカ!?」
 パトリシアさんがお姉ちゃんに聞いた。
 「よ、よく考えたらわからないわね」
 確かによく考えたらゆたかちゃんがどこにいるか私達わからないや。
 隣ではこなちゃんが電話をしていた。…あ、今切った。
 「…みんな、ゆーちゃんはみなみちゃんの家だって」
 「わかったわ、ありがとうこなた」
 「こなちゃん、誰に電話してたの?」
 私が聞いた。
 「みゆきさんの家に電話したんだよ。みゆきさんやゆーちゃん達だと言ってくれないかもしれないからね。
 みゆきさんが一緒に帰ったんならみなみちゃんかみゆきさんのどちらかの家だと思ってたし。
 さすがにみゆきさんもお母さんに口止めするのを忘れてたみたいだね。みゆきさんがかばんを置きに来たときに言ってたみたいだよ」
 「す、すごいねこなちゃん。まるで探偵みたいだね」
 私は素直に感心した。他の三人も驚いているみたい。
 「あんた案外すごいじゃない。みんな、みなみちゃんの家に急ぐわよ!」
 再びお姉ちゃんの号令に従って私達は急いでみなみちゃんの家へとむかった。
 それにしてもここまで必死なこなちゃんなんて始めて見たよ。
219 :コンクール作品「ゆたかがみなみでみなみがゆたか」2009/05/20(水) 12:12:57.15 ID:0S3K.620


sideかがみ

 私達は今、みなみちゃんの家にむかうために電車に乗っている。
 それにしてもこなたってすごいわね。こんなに頭がきれるなんてね。
 …やっぱりゆたかちゃんが大事なんだ。私にも妹がいるからその気持ちはすごくわかる。
 そういえば私が読んでる小説に、ピンチになったら急に頭のきれるって人がいたわね。正確には人だったものだけど。
 …さすがにこんなこと考えてる場合じゃないわね。…ゆたかちゃん…大丈夫かな…。
 こなたの話を聞く限りふざけているようなそぶりはなかった。それどころかこなたのマジ泣きなんて始めて見た。
 それにこなたの話には文句がつけられない。反論できるところが存在しなかった。
 電車がみなみちゃんに家の最寄り駅に近づくにつれて私の心臓の鼓動はどんどん高まっていった。


sideひより

 まさかこんなことになるなんて…小早川さん、どうして私達に教えてくれなかったんだろう。
 やっぱり日ごろの行いかな。そう言われると反論なんてできないし。
 でも今日の体育の様子から考えるとまだ信じられないよ。あんなに頑張って、すごく活躍してたのに…。
 もしかしたらもう時間がないからあんなに張り切って活躍していたのかもしれない。
 電車は私達の降りる駅の二つ手前だった。


sideパティ

 ユタカ…ダイジョウブでしょうカ…。
 すごくシンパイでス。せっかくここにキてできたシンユーなのに…それをウシナってしまうなんてたえられません…。
 …ミナミはそんなジュウヨウなことをシっていてどうしてワタシタチにオシえてくれなかったのでしょうカ?
 いくらユタカにクチドめされていたとしてもひどいでス。ワタシタチだってゆたかのシンユーなのに…。
 デンシャはワタシタチのオりるエキのヒトツテマエでしタ。


sideこなた

 心臓がバクバク鳴ってるのがすごくわかるぐらいに私は緊張してる。
 みゆきさんの「でももしかしたらすぐにでも…」って言葉を思い出すたびに私は心が壊れそうな程に締め付けられる。
 私は窓の外の景色を見てそれらの気持ちから逃避を試みた。しかし、外に走っている救急車が目に入り、私は咄嗟に目をそらした。
 ……怖いよ……。
 電車のスピードが落ち始めた。私達の降りる駅に着くようだ。
220 :コンクール作品「ゆたかがみなみでみなみがゆたか」2009/05/20(水) 12:19:27.04 ID:0S3K.620


sideゆたか(inみなみ)

 みなみちゃんの家に来てもう30分ぐらい経ったかな。
 三人で色々話したけど具体的な解決策は全くない。
 とりあえず明日にはみんなを集めてこのことを言うっていうのは決まったけど…。
 私達ずっとこのままなのかな…。部屋は静けさに満ちていた。

 すると下からインターホンが鳴り響く音が聞こえた。
 みなみちゃんのお母さんが出たみたい。
 「みなみー!田村さん達が来たわよー!」
 私達は階段を駆け降りてドアを開けた。
 「ゆーちゃん!」
 するといきなりお姉ちゃんがみなみちゃんに飛びついた。みなみちゃんは困惑顔に少しばかりの朱を添えた顔をしている。
 「み、みなさん、どうしたんですか?」
 みゆきさんの驚いた声とともにドアのほうを見てみるとそこには、かがみ先輩につかさ先輩、田村さんにパトリシアさんまでいた。
 「岩崎さんどうして言ってくれなたんスか!?」
 「そうでス!ひどいですヨ!ワタシタチシンユーなのに…」
 私はいきなり田村さんとパトリシアさんから糾弾をうけた。
 「別に隠すことなかったんじゃない」
 「…そうだよ〜」
 横では抱きつかれたままのみなみちゃんにかがみ先輩とつかさ先輩が諭すように言っている。つかさ先輩は今にも泣きそうだ。
 私はとりあえず皆にみなみちゃんの部屋へ行くように促した。


sideみなみ(ゆたか)

 私の部屋には今、私を入れて八人の人がいる。
 どうやらみんな私とゆたかを心配して来てくれたようだ。…やっぱりばれてたんだ。
 「どうして隠してたの?」
 泉先輩が口を開いた。
 「あ…えっと…余計な騒ぎを起こしたくなくて…」
 ゆたかが答えた。
 「私達すごく心配してたんだよ」
 「そうでス!」
 「別に話してもよかったんじゃない?」
 「そうだよ、ゆたかちゃんにみなみちゃん。それにゆきちゃんも」
 つかさ先輩がみゆきさんを糾弾した。
 「すいません、二人の意思を汲んだつもりでしたが私の間違いだったようですね」
 「それで…治す方法は…ないの…?」
 泉先輩がつらそうにみゆきさんに質問した。
 「すいません。三人で話したのですが私も聞いたことがない状態なので…」
 みゆきさんの声が若干しょんぼりしているように聞こえる。
 「ゆーちゃん、体は大丈夫なの?」
 泉先輩が私に向かって話した……あれ?泉先輩、ゆたかは私じゃなくてあっちなんですけど…。
 「…あの泉さん…」
 みゆきさんが怪訝な顔で泉先輩に話しかけた。
 「何?みゆきさん?」
 「泉さん達の言う私達の隠し事はどのような内容なのですか?」
221 :コンクール作品「ゆたかがみなみでみなみがゆたか」2009/05/20(水) 12:26:40.46 ID:0S3K.620


sideこなた

 みゆきさんが隠し事の内容を聞いてきた。正直ゆーちゃんを問いただしたかったけど、
 何だか今のみゆきさんは無視したらやばそうな感じだったので答えることにした。

 私が話した後、ゆーちゃんにみなみちゃん、みゆきさんは唖然としていた。…え?どうしたの?何か変なこと言った?
 「わ、私が死んじゃうの!?」
 みなみちゃんが答えた。
 「え?いや死ぬのはゆーちゃん…じゃないの?みなみちゃんじゃないでしょ」
 「そ、そういえばどうして今日は岩崎さんが小早川さんの名前で反応して、小早川さんは岩崎さんの声で反応してるの?」
 ひよりんが尋ねた。そういえば屋上での会話でそんな事あったような…。
 「皆さん、小早川さんは死にません。あなた達は大きな勘違いをしています」
 みゆきさんが立ち上がって言った。え?どういうこと?
 「実は…」
 みんながみゆきさんの声に耳を傾けた。さっきまであんなに騒がしかった部屋は静まりかえっている。

 「小早川さんとみなみさんは、今心が入れ替わった状態なんです」

 一瞬の静寂が辺りを包み込みその後
 「えーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」
 私達五人は大きな声で答えた。



その夜


sideゆたか(inみなみ)

 「じゃあね、みなみちゃん、高翌良先輩」
 「またね、ゆたか」
 「みなさんさよなら」
 日がかなり傾き、辺りは少し暗くなっていた。みなみちゃん達はみなみちゃんの家を後にした。
 今私はみなみちゃんの体なのでみなみちゃんの家に泊まることになった。高翌良先輩も一緒に泊まってくれるので安心できた。
 高翌良先輩が真実を話した後、お姉ちゃん達はすごく驚いていた。お姉ちゃんは私に泣きながら抱きついてきた。
 ちょっと恥ずかしかったけど、私は嬉しかった。だってお姉ちゃんが私のことすごく心配してくれたのが痛いほどわかったから。
 かがみ先輩はお姉ちゃんに何か言いたそうだったけど、泣いているお姉ちゃんを見て何も言わないことにしたみたい。
 つかさ先輩も安心したのか泣いていた。田村さんもパトリシアさんも目に涙を溜めていた。やっぱり皆には話したほうがよかったみたい。
 あの時のみんなの様子を見て私は思った。
 しかしこの状態を治す方法は結局思いつかなかずに、お姉ちゃんの「明日になったら治ってるよ」の一言でなぜか片付いた。
 私はみんなが帰った後、高翌良先輩とみなみちゃんのお母さんと一緒に晩御飯を食べて、その後一緒にお風呂に入った。
 二人で背中を流し合ったりしてすごく楽しかったな。
 体育で疲れたせいもあってか、お風呂はすごく気持ちよかった。
 …それにしてもみなみちゃんの家のお風呂ってすごく大きいんだね。びっくりしたよ。
222 :コンクール作品「ゆたかがみなみでみなみがゆたか」 2009/05/20(水) 12:54:56.98 ID:0S3K.620


sideみなみ(inゆたか)

 ゆたかとみゆきさんと別れて、私達は泉先輩や柊先輩達、それに田村さんやパトリシアさんと一緒に帰宅の途についた。
 「あんたねえ、本当にいい加減にしなさいよ」
 「あはは…今回はわざとじゃないし許してよ〜かがみん」
 「上目遣いしても無駄だっつの」
 泉先輩の頭上に拳骨が降り落ちた。泉先輩はうめきながら頭を抱えている。
 それを見てつかさ先輩はおろおろし、田村さんやパトリシアさんは笑っている。私もついつい笑顔になってしまう。
 「それにしてもこばや…じゃなくて、え〜と…岩崎さん…?」
 「何?」
 田村さんはまだ慣れていないようだ。
 「今日一日なかなか大変だった?」
 「…大変だったけど、すごく充実してた。いろんな人と話せたしそれに…」
 「それニ…?」
 隣からパトリシアさんが話しに入った。
 「…みんなが私達の事をすごく心配してくれているのがわかってうれしかった」
 私は言い切ると恥かしさのあまりうつむいた。
 「あはは…」
 「トウゼンですヨ!」
 田村さんは少し照れ笑い、パトリシアさんは胸をはって言った。…あんまり胸を強調しないでほしい…。
 「でも本当に安心したよ」
 泉先輩が言った。拳骨からは回復したようだ。
 「はい…本当にすいません。迷惑をかけてしまって」
 「いやいや、勘違いした私も悪いんだし別にいいよ」
 と言って泉先輩は笑った。本当に安心したような笑顔だった。…でも私とゆたかはまだ入れ替わったままなんですけど…。
 「でもまだ入れ替わった心を戻す方法はわからないまだだから安心できないよ、こなちゃん」
 つかさ先輩、ナイスです。
 「大丈夫だって、つかさ。一日経てば元に戻るよ」
 どういう理論かわからない。
 「それはあんたのギャルゲーの話だろ」
 …ギャルゲー…ですか…。
 泉先輩にかがみ先輩がつっこみを入れた。何だか面白くて私は笑った。
 「…ゆた、じゃなくてみなみちゃんも笑ってる場合じゃないでしょ」
 「まあまあかがみんや。私の持ってる漫画に、その姿で自分の望んだ事をやれば元の戻るってのが…」
 「だからそれは漫画の話でしょうが!」
 かがみ先輩の拳骨が再び快音を響かせた。こういうのを見ているとこのままでも悪くない気がしてくる。
223 :コンクール作品「ゆたかがみなみでみなみがゆたか」 2009/05/20(水) 12:56:35.34 ID:0S3K.620

 私達は駅に着くたびにバラバラになっていき、最後に柊先輩達が電車を降り、泉先輩と家にむかった。
 家に着いた私は泉先輩に続いて朝以来にこの家に入った。確か朝のときはすごく焦って大慌てだったっけ…。
 私は家に入り、泉先輩は晩御飯の準備を始めたので私も少なからず手伝った。
 その途中に泉先輩が「みなみちゃんはいいお嫁さんになるね」と言ってくれた。
 すなおに嬉しかったが父親の前ではゆーちゃんと呼んでくれないと怪しまれますよ。
 晩御飯が大体できて来た時泉先輩が何かをレンジで暖め始めた。
 「…何を暖めてるのですか…じゃなくて暖めてるの?」
 すると泉先輩はにんまり笑って「今日食べそびれたお弁当」と言った。泉先輩の晩御飯の量は二食分だった。
 そして晩御飯を無事に食べた私はお風呂に入ることにした。
 私が脱衣所に入ろうとすると泉先輩が一緒に入ろうと言っていきなり入ってきて服を脱ぎだした。
 私は遠慮したがなんだかんだで一緒に入ることになった。湯船はそれほど大きくはなかったが私達二人が入っても十分に余裕があった。
 私達は二人でずっとおしゃべりを楽しんだ。
 お風呂から上がった私は泉先輩の部屋で勧められた漫画などを読んでいた…いや読まされたと言うほうが的確な表現なのかもしれない。
 それにしてもすごい部屋だと思う。壁にはアニメのポスターが貼られ、パソコンや机の周りにはフィギュアが所狭しと並んでいる。
 しかも泉先輩はあきらかに男性が好むようなゲームし始めた。やらないか?と言われたがさすがにこれは断った。
 ただ漫画は結構楽しかった。そうしていると私…じゃなくてゆたかの携帯が鳴った。ゆたかからのメールだった。

 「こんばんわ、みなみちゃん
 そっちは大丈夫?こっちはとても楽しいよ。チェリーちゃんもなんだかすごくなついてくれてるしね。
 今日は迷惑ばかりかけてごめんね。あとありがとう。明日には元に戻ってるといいね。」

 私はそのメールに返事を送って部屋にある時計を見た。もう11時だった。いつもの眠る時間を大幅に過ぎていた。
 漫画の続きが気になったが私は泉先輩にオヤスミと言い、部屋を後にした。ていうか先輩受験生ですよね、勉強しないといけないのでは?
 そう思い、私はもう一度部屋に戻って泉先輩に言った。
 すると泉先輩はなんとか話をそらそうとしたが結局はパソコンを消して勉強し始めた。
 私はそれを確認してゆたかの部屋に戻り、ベットの上で今日一日を思い返しながら眠りについた。
 …が明日の学校の用意を忘れていたことを思い出して明日に必要な教科書をカバンに入れて、もう一度ベットに入り今度こそ眠りに落ちた。

 明日には元に戻っていることを祈りながら…
224 :コンクール作品「ゆたかがみなみでみなみがゆたか」 2009/05/20(水) 12:57:11.79 ID:0S3K.620



次の日


sideゆたか

 「う〜ん、よく寝た〜」
 私は大きくあくびをすると周りを見渡した。…あれ?ここはどこ?
 私は部屋を出ると隣の部屋からつかさ先輩が出てきた。すごく驚いたような顔をしている。
 「あ、あれどうしてかがみが…?ていうかどうして私はここに…!」
 つかさ先輩は何かに気づいて走ってどこかへむかった。私もついていった。
 つかさ先輩の向かった先は洗面所だった。そこでつかさ先輩は
 「えーーーーーー!私がつかさになってるーーーーーー!」
 私も鏡を覗くとそこには予想通り私の顔でなくかがみ先輩の顔が写っていた。
 「…昨日よりひどくなってる…」
 この私の言葉を聞いてつかさ?先輩が私の方を向いて
 「え…それって…、あの一応聞きたいんだけどあなた…誰?」
 と聞いてきた。
 「えっと…小早川…ゆたか…です…」
 「ちょっ!ゆーちゃん!?」
 朝の柊家に二人の双子?の声が響き渡った。
 

sideみなみ

 「う…うん…」
 私が目覚めるとそこは文字通り私の部屋のベットの上だった。
 「よかった…元に戻ってる」
 私は安心して横を見た…何で私が寝てるの?
 そして自分の体をよく確認してみた。長い桃色の髪、そして…大きな胸…これって…みゆきさん…。
 「う…みゅぅ……ふわ〜〜…」
 隣で寝ている自分が起きた。
 「あれ?ここどこ?…確かみなみちゃん家だっけ?」
 まさかこの人も…
 「あの、あなたは誰ですか?」
 私は尋ねた。
 「ふぇ?私はつかさだよ〜」
 外では小鳥があさから美しい音色でコーラスを奏でている。
 私は朝からため息をついた。



                      こうして私達のさらに奇妙な一日が始まった。
225 :コンクール作品「ゆたかがみなみでみなみがゆたか」 2009/05/20(水) 13:02:53.77 ID:0S3K.620
以上です。
パソコンのスペックが低すぎて20回ぐらい書き込みに失敗しました。
休校を利用して一気に書き上げました。
あと本文中では高翌良が高翌翌翌良にすべて変わってしまいます。どうしてなのでしょうか?
まとめにのせるときに高翌良と直していただけるとありがたいです。
本文でゆたかがみゆきをみゆきさんと呼んでいたりしているところがありますが、あれはミスです。
途中で私もどっちがどっちかわからなくなってしましました。今回は少しややこしくなってしましましたね…。
よんでいただきありがとうございました。
226 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv2009/05/20(水) 14:58:55.46 ID:SlxhL6SO
>>225
長すぎてまだ読んでないんだが、二作目ってどういうことだい?
227 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv[saga]:2009/05/20(水) 15:13:01.92 ID:qImzJRw0
>>226
 前回のコンクールが初参加で、今回が二回目ってことじゃない?
228 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv[saga]:2009/05/20(水) 17:27:16.09 ID:NgrFmIQ0
>>194
GJ!読んでて普通に面白かった
こなたもかわいいし、みゆきさんの雰囲気も素敵だなぁ
重ねてGJ!

>>225
長ぇwかなりの力作ですな。この長さは努力賞ものだと素直に思う
ただ、各sideで時系列的に重なる部分が多いから、個人的には前半で少し飽きたw
構想を全部文章化したかったのかな?
それともお題がみなゆただから、2人のsideをきっちり書いたのかしら?
GJでした
229 :旧バーローにサールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv2009/05/20(水) 18:59:34.74 ID:SlxhL6SO
>>227
あぁ、そういえば前回もやたらと長いSSがあったなwそれか

とりあえず、どっちもまとめられたら読みます
230 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv[saga]:2009/05/20(水) 20:28:47.68 ID:J2H5Wfw0
>>229
違う違うwそれ俺w
たぶん前回あなたならどうしますか?を書いた人じゃないか。

>>225
長いwよく書ききったな。乙。
「高良」が「高翌良」になるのはパー速の仕様、メール欄にsagaって入れてれば回避できる
>>1にも書いてあるからご参考に。
231 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv[saga]:2009/05/20(水) 21:06:10.93 ID:0S3K.620
>>230
そうだったんですか、知りませんでした。
じゃあ、今度はメール欄にsagaとと入力してコンクール作品を投稿しなおしたほうがいいですか?できればそうしたいです…。
それが無理でしたらまとめるときに誰か書き直してはいただけないでしょうか…。
232 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv[saga]:2009/05/20(水) 21:28:08.36 ID:J2H5Wfw0
>>231
さすがに投稿し直しはきついでしょ。レスも食うし。
まとめる際に書き直ししてもらうのが一番。
というか、まとめってそんな難しいことでもないから、やってみたら?
まとめ人として一仕事できるようになるよw
233 :旧バーローにキックバックしましたFrom vs330.vip2ch.com sv2009/05/20(水) 22:08:53.95 ID:SlxhL6SO
>>230
お前かww

>>231
そのSSがメモ帳などに書いてあるなら
まとめにコピペが1番手っ取り早いよ
修正もしなくて済む
234 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv2009/05/20(水) 22:10:37.56 ID:a/Q6dL20
コンクール作品行きます。
何スレかかるかってみんなどうやって計算してるんだwwww

11KBくらいです。
235 :コンクール作品 - Love was sleeping. -2009/05/20(水) 22:12:22.38 ID:a/Q6dL20
「ゆたか?」
 寝たのかな。みなみは口には出さなかったが、そう疑問に思った。

  - Love was sleeping. -

 長かったような短かったような、とにかく例年よりやや人の動きが多かったゴールデンウイークの明けた5月の半ば。陵桜学園の生徒たちは早くも、来週に控える中間試験に備えて少しずつ殺気立ってきた。一切の部活は活動を停止させ、元より部活に所属していない生徒もまた同様に、新しい学校や学年での初めての定期試験に対して可能な限りの情報網を頼りに対策を煉り始めている。
 実のところ、みなみ自身も少しだけ疲れていたのだ。ゴールデンウイークの間中ずっと学校に行かなかったせいで身体がなまったのだろうか。復帰初日の朝は、自分がこんな長時間の通学を丸1年以上こなしていたことなどまるで嘘のように全身がだるくてたまらなかった。
 それは先週の木曜日のことで、またすぐに週末はやってきた。ずいぶんと久しぶりに、まだ今ひとつ顔と名前が一致しないクラスに帰ってきたと思いきや、また少しの間は顔を合わせないことになる。


 だからだろうか、新担任との放課後面談を終えて職員室から戻ってきたみなみが、自分を待ちくたびれて眠るゆたかを見つけた時に、まだ自分が1年生であるかのような錯覚にとらわれたのも、ひょっとしたら至極当然のことなのかもしれない。
236 :コンクール作品 - Love was sleeping. -2009/05/20(水) 22:12:51.32 ID:a/Q6dL20
 陵桜学園の新2年C組。先々月までのみなみの唯一かつ最大の懸念事項――ゆたかと同じクラスになれるかどうか、は、誰の計らいによるものか、みなみの杞憂に終わってしまった。
 名簿順で各々の座席が並び、教室の窓際に置かれた自分の席の右斜め2つ後ろ――ちょうどチェスで言うところのナイトが退却する位置だ――にゆたかの姿を見つけた時の自分は、一体どれほど締まりのない表情をしていたのだろう。みなみはうっかりそれを思い出してしまって赤面せざるを得なくなる時が何度かあり、仲間内から少し不審な目で見られた。
 しかし、そうやって緩みきった表情で安堵して醜態を晒したことも、ゆたかと同じクラスになった代償にしてはあまりに小さいものだな、とみなみは考えている。或いは、さらに何らかの代価を支払わねばならないのだろうかと、何の根拠もなく不安になることもある。自分はみゆき以上に心配性なのだとは知っているのだが、人生には幸せと同じ数だけ不幸もあるのだと思えてならないのだ。


 外は五月雨が降っている。みなみは自分の教室で、机に突っ伏して眠るゆたかを眺めていた。
 起こそうか?いや、せっかく気持ち良さそうに眠っているゆたかを起こすのは気が引ける。試験前なだけでなく、今日の体育は1000メートル走だったし、少し体力を消耗しているのだろう。今はこのまま寝かせておいてあげたいが、置いていくなどもってのほかであるから、こうしてみなみは隣の座席で手持ち無沙汰なまま、ゆたかの寝顔を見つめている。
237 :コンクール作品 - Love was sleeping. -2009/05/20(水) 22:13:19.17 ID:a/Q6dL20
 心配性。それはみなみが自分自身の性格を把握する時によく使う言葉のひとつだ。何かにつけうまくいかないのではないか、失敗や過失があるのではないかと思ってしまう。未だに自分自身という人間に対して自信を持てないことも、恐らくこの言葉とつながっているのだろうとみなみは考える。
 最悪の状況を想定して動くことは必要だが、自分はいくら何でもやりすぎだということはみなみ自身にも分かっていた。しかし、だからこそ失敗したくないのだ。後悔したくないのだ。


 或いは、失敗を犯して自分が恥をかくことが怖いだけなのだろうか?失敗する姿を他の人に――ゆたかに、見られたくないのだろうか?


 初めてゆたかと出会った頃のみなみは、確かにゆたかのことが心配だった。元々の彼女の体質が虚弱だったということもあるし、ゆたかが内向的な自分に対して裏表も打算もなく無条件に友人として心を開いてくれたということもある。自分がゆたかに信頼を寄せられて、求めてもらえるように在り続けることがみなみの目標であり義務だった。
 しかし今のみなみは、実のところゆたかをあまり心配していない。いい加減に扱っているということではもちろんなく、ゆたかの身体的/精神的な限界というものが少しずつ分かってきたからである。みなみの手から離れていくとまでは言わないが、最悪自分と同じクラスでなくても何とかなる――何とでもなるはずだった。
 なのにみなみは、来年も自分とゆたかが同じクラスでありたいと強く願った。ゴールデンウイークがコマ切れにされても文句ひとつ言う気がないほど欲の薄いみなみが、珍しく強い願望を抱えることになった。


 ゆたかと、離れたくない。

 ゆたかが自分を求めているのではなく、自分がゆたかを求めているのではないのか?
238 :コンクール作品 - Love was sleeping. -2009/05/20(水) 22:14:02.89 ID:a/Q6dL20
 みなみはポケットから携帯電話を取り出した。もう5時だ……桜藤祭準備などの特別な事情のない限り滅多に学校に残ることのないみなみにはあまり馴染みのない時間である。帰りにリチャード・クレイダーマンのピアノスコアを買って帰ろうかと思っていたが、この時間だと明日に繰り越すか、或いはテストが終わってからにしよう。

 みなみがゆたかを求めている……?自覚はなかったが、ひょっとしたら自分は彼女以上に、1人では――独りでは生きて行けないのだろうか。
 以前の私は、誰に寄っかかって生きていたのだろう?孤独が似合う自分は誰にも肩を借りずに歩いていると思っていたが、実際はちゃんと一人前に自分ひとりの足で歩くことなど到底できていなかったのではないだろうか?

 高校に入るまでに出会った友人達の顔を思い出す。
 幼稚園の頃から幼なじみだった義理の姉。いつも自分よりも博学で優しくて、自分のことを本当の妹のように可愛がってくれた。大きくなってからは自分よりもずっと女性らしくなって、憧れは一層増すばかりだ。彼女の後を追って、みなみは長い通学時間にもかまわず、この陵桜学園に入学した。
 小学校で席が隣になって仲良くなった女の子。にぎやかな子で、引っ込み思案な自分に積極的に話しかけてきてくれた。彼女とは違う中学校に進学したから、今は音信不通だし年賀状のやりとりもしていない。
 中学校の頃まで習っていたピアノ教室で仲の良かった男の子。いつも演奏が荒すぎると注意されていた。よく彼の家まで遊びに行った。今思えば彼のことが好きだったのかもしれないが、恋だという自覚すらなかった“恋のようなもの”に対する未練など今のみなみには微塵もない。今頃彼は自分のことなど忘れて、新しい友人を見つけているのだろうか。
 思えば、いつも自分の近くには少なくとも1人、それなりに信頼の置ける友人がいた。一般的な“親友”よりは冷めた関係かもしれないが、みなみにとっては一番親しいと思える人たちだ。
 ならばゆたかも、みなみの人生において出会うそういった人たちのなかの1人に過ぎないのだろうか。いずれ別れの時が来て、そのまま疎遠になって、音信不通になってから時々思い出したりするような人になるのだろうか。

 ゆたかの寝顔は有り体に言えば天使のようだった。何の邪心も感じられない笑顔はゆたかの大きな魅力のひとつだが、寝顔もまた同じように清らかでかわいらしいことを、みなみは知っている。本来なら家族しか知らないようなことまで、みなみはゆたかのことをよく知っている。
 みなみはゆたかの柔らかそうな頬をつつこうとしたが、ゆたかの眠りが浅いことを思い出して手を止めた。そうしてまたみなみは、思索にふける。
239 :コンクール作品 - Love was sleeping. -2009/05/20(水) 22:16:25.42 ID:a/Q6dL20
 そういえばさっきの面談では志望校も聞かれたな、とみなみは思い出した。実のところ具体的な志望校はまだ決まっていないのだ。学部だけは、実学を修めてしっかり働きたいという思いから、経済学部に行こうと考えている。客観的に見れば、みなみは文系ならどんな学部でも行けるくらいの成績を取っているのだが。
 ゆたかは確か文学部に行きたいと言っていなかっただろうか。彼女には彼女の希望があるし、みなみはそれに口を挟むつもりなど一切ない。しかもみなみは自分の志望理由が理由だけに、あまり明確には自分の志望をゆたかに伝えていないのだ。
 面と向かって言ってしまえば、文学部を志すゆたかに対して失礼であるし、かと言って何も言わないままなのも悪いと思う。そのさじ加減も、無口なみなみにとっては意外と難しいものだった。
 ただひとつ分かっているのは、高校を卒業してしまえば、実家が離れていることもあり、恐らくもう今までのように毎日ゆたかと顔を合わせることは出来なくなってしまうだろうということだ。
 みなみはその未来を受け入れるための準備――ゆたかが常にそばにいなくても大丈夫な自分作りを始めなければならないと強く感じていた。自分がゆたかから独り立ちしなければならない日は、急速に、そしてに確実に近づいてきている。その時になって慌てて悲しみにくれていては、あまりに遅すぎるのだ。


 ゆたかは私のこんな悩みを知っているのだろうかと、みなみはまたゆたかの寝顔を覗き込む。顔と顔が触れ合いそうになって少し顔を引いた。

 いや、そういう考えを持つこと自体が、ゆたかに甘えている何よりもの証拠だとみなみは思う。本来は何事も言わなければ伝わらないし、自分の場合は言っても伝わらないことすらあるのが今までは普通のはずだった。
 しかし今は、ゆたかが自分の乏しい表情を読み取ってくれるのをいいことに、みなみは寡黙なみなみのままでいられる。表情だけで自分の意志が伝わる。
 もちろんそれは当たり前のことなどでは決してなく、ゆたかという優しくて寛大な親友がいてくれるからこそ可能なことなのだということを、みなみは忘れそうになってしまうのだ。

 ゆたかと離ればなれになったら、自分は1人の自立した人間としてちゃんとやっていけるだろうか?それとも、ゆたかのいない喪失感から自暴自棄になってしまうのだろうか?
240 :コンクール作品 - Love was sleeping. -2009/05/20(水) 22:16:55.59 ID:a/Q6dL20
 迷っているようではまだまだだ。みなみは自らを叱咤する。私は子離れできない親と同じで、ゆたかを守るという大義名分にすがっていたに違いない。ゆたかはとっくに私がいなくてもやっていけるようになっている。だからこそいつまでも親友として、対等な立場で在り続ければいいし、違う大学に進学することになっても、セメスター(学期)の間や週末の休みに会いに行けばいい。大事なのは、その時その時であるべき距離を取ることで、常にべったりとくっついて行動することではないのだ。
 それでも少しは寂しいし、ゆたかのことは心配だ。でもだからといって駄々をこねたりしないのが大人というものなのだろう、とみなみは思う。


 だから、子供でいられる今のうちは、精一杯ゆたかと同じ時間を過ごそう。何も今日明日に別れが迫っているわけではないし、高校生活の折り返し地点にさえ来ていない。
 やっぱり私は心配性だ。こんなことを考えるにはいささか時期が早過ぎたかもしれない。みなみは呆れたように小さな溜め息をついて、相変わらず何も知らないまま気持ち良さそうに眠るゆたかの額に小さくキスをした。が、すぐに恥ずかしくなって少し赤面した。

 ゆたかがそのまぶたをゆっくりと開いて目を覚ます。
「ん、みなみ、ちゃん?」
「ゆたか……起こした?」
「いや、ごめんね寝ちゃってて……今何時?え!?」
 ゆたかは教室の時計に目をやった瞬間、それまでの眠気が嘘のように脳に血液が回り始めるのが分かった。
「6時!?え、まさかみなみちゃん、ずっと私を……」
「気にしないで……」
「ごめんなさい、私思いっきり爆睡してたんだよね……帰るの遅くなっちゃって、大丈夫?」
「うん、ゆたかの寝顔かわいかったから……」
「……もうっ、みなみちゃん!」
 みなみの頬が少し赤いのに気付くと同時に、ゆたかもまた朱色に染まっていった。2人とも、今まで感じたことのない恥ずかしさに笑った。


 笑いが落ち着くと、みなみはいつもよりも少し大きな声で、帰ろ、とゆたかに告げる。ゆたかもいつもより活気のある声で、うん、と明るく返事をした。


 ああ、この1時間半ほどの間、自分のそばで眠っていたのは、私の愛そのものだったのだな。みなみを何よりも元気付けて、優しい気持ちにしてくれる極上の笑顔を目にして、みなみはそんなことを思う。
 五月雨は止んでいた。辺りは昼間より少し薄暗いけれど、明日の空は五月晴れだというように、西の空には雲ひとつない。


 五月雨も五月晴れも、なぜか同じ月の名前が付いている。だからそれらがたとえ対極にあるものであっても、生き死にや出会いと別れのように、きっと切り離して考えることは出来ないものなのだろう。人生も楽しいことばかりではない。
 でも、五月雨も五月晴れも、違った楽しみ方がある。雨だからといって悲観的になるのはもうやめよう、とみなみは思った。


 こんな寝顔が見られる雨の日だって、たまにはあるかもしれないのだから。
241 :コンクール作品 - Love was sleeping. -2009/05/20(水) 22:19:06.26 ID:a/Q6dL20
以上です。

これで4回目の参加なんですけど(4連ではない)、自分の読み返してみたらどれもやたらかったーい文体で逆に噴いたwwww
242 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv2009/05/20(水) 22:29:06.44 ID:0S3K.620
>>232
とりあえず自分でまとめてみようと思います。
…できるか自信が全くありませんが…
>>233
メモ帳に書いてあったんでそれをコピペしようと思います
助言有難うございました。書き込みとかには全くなれてなくて…
>>241
GJです。
俺のより短くまとまってて話もよくていい感じでした。
俺なんか話がだらだら長くなって55KBになりましたし…
こうして他の作品を読んでるとみんな上手すぎて自分の作品への自信がどんどんなくなっていく…
243 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv[saga]:2009/05/20(水) 23:11:07.64 ID:0S3K.620
>>242
とりあえずコンクール作品「ゆたかがみなみでみなみがゆたか」をまとめてみましたが、作品名にIDがのりません。
初めてまとめる私ではこれが限界です。編集しようにもできなくなってるますし…。
誰か何とかしていただけませんか…
力不足で申し訳ありません…
ちなみにメモ帳に書いたものをそのままコピペしたので投稿する前に手直ししたところはする前に戻っています。
余計に読みづらくなってます、重ね重ねすみません。
244 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv2009/05/20(水) 23:22:27.06 ID:so5g5M2o
まだ読めてないがみんな乙!

>>243
ページ名の変更はできないから、参加作品のリンクの方はIDを入れておいた
内容の方は、投下されたのを翌抜いて修正しなおしておく。乙
245 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv2009/05/20(水) 23:33:44.09 ID:so5g5M2o
言い忘れてたけど、一応後で確認よろしくっす
246 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv2009/05/21(木) 02:29:04.64 ID:3VUSPnE0
>>245
ありがとうございます。
ちゃんとなってて安心しました。
247 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv2009/05/21(木) 18:56:16.37 ID:LCpJSVM0
>>241
綺麗な文体だなあ。さらさらっと読めて良かった。乙。
248 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv[saga]:2009/05/21(木) 22:37:44.78 ID:hDdCqNs0
>>241
GJ。かための文体がみなみの独白とマッチしてていいですな
ちなみに俺は何レス程度かかるかは行数から予想してますよ



つかさ「ねえねえ、こなちゃん。りちゃーどくれいだーマンってどんなヒーロー?」
こなた「えーっとね。まず、必殺技はくれいだーマン・スラッシュっていってさ、燃え盛る鍵盤を――」
かがみ「嘘を教えるなよ」
249 :album[saga]:2009/05/21(木) 23:58:22.88 ID:3VUSPnE0
「そ、それは勘弁してください」
「いいじゃないの、みなみちゃん。かわいいわよ」
「そうだよみなみちゃん、恥ずかしがることないよ」
私は今大変困っている。それは10分前から始まった。

「こんにちわ、みなみちゃん」
「みなみさん、こんにちわ」
私がゆたかと部屋でおしゃべりを楽しんでいると、私の家にみゆきさんとその母ゆかりさんが遊びに来た。
ゆかりさんは母とリビングでおしゃべりを始め、私達三人はその横のソファでおしゃべりを始めた。
昔の話をしていたゆかりさんと母はあろうことか私の昔のアルバムを持ってきて広げた。そしてそれに気づいたゆたかが興味心身に覗き込み、それにつられてみゆきさんもアルバムを見始めて、私は大変恥かしい思いをしている。母とゆかりさんがまたページをめくった。
「あ、これはみなみが幼稚園に入ったときの写真ね」
「このころ、ほんとにみなみちゃんとみゆきはべったりひっついてて仲がよかったわね〜」
写真には私が幼稚園の服を着て、みゆきさんに甘えている様子が写っていた。私はさらに顔が赤くなった。
「みなみちゃんって高良先輩が大好きなんだね」
「うふふ、懐かしいですね。今ではこうして甘えてくれないのが少し寂しいですけどね」
そしてまページがめくられた。そこには泣きじゃくる私の写真があった。
「みなみちゃん、泣いてるね。何かあったんですか?」
ゆたかが母に聞いた。
「これはみなみがおもらしをしちゃって泣いちゃったときに取ったのよ」
「そ、そうなんですか」
ゆたかはそれを聞いて苦笑している。私は今すぐこの写真のように泣きたい気分になった。…もう勘弁してください。
「小さいころのみなみさんはよく泣いていましたね」
みゆきさんからさらに追い討ちがかけられた。…はぁ、もうどうにでもしてください。
私は小さなため息をついて、窓の外に目を向けた。そこには小鳥羽を伸ばし飛んでいる一面の青空が広がっていた。
私の隣ではまたページがめくられたようだ。
「あ〜、この写真、懐かしいわね〜」
あ!その写真は!これ以上はヤバイ…なんだか色々な意味で…
「その写真はですね…」
みゆきさんが写真の説明を始めた。…そ、それは本当にやめて…。
私はいつか泉先輩と一緒にみゆきさんのアルバムの鑑賞会を行おうと心に誓った。
250 :album[saga]:2009/05/22(金) 00:01:45.71 ID:O0knZtA0
以上です。
これはコンクール作品ではありません。私はもうかなり長いのを出しましたから。
しかも誤字だらけの…。
ただぱっと思いつきで書いてみただけです。…もうこっちの方がコンクール作品にふさわしいような気がします。
251 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv2009/05/22(金) 00:14:19.05 ID:PpeNuUAO
>>248
感想ありがとうございます。みなみはかなり愛してる方だからついつい力を入れてしまうwwww

行数で見てるのか……確かに確実で分かりやすいですよね。


ちょ、クレイダーマンってそんな人じゃないwwww
本物はご存知なのかな?ご存知じゃなかったら申し訳ないがサクッとググっていただきたいんだが、真っ白なタキシードと真っ白なピアノってのが意外とみなみの好みに合ってそうで。っていうか俺がみなみ自身にやって欲しい。くれぐれもスラッシュは繰り出さない方向でお願い致しますwwww
252 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv2009/05/22(金) 00:15:04.34 ID:PpeNuUAO
>>248
感想ありがとうございます。みなみはかなり愛してる方だからついつい力を入れてしまうwwww

行数で見てるのか……確かに確実で分かりやすいですよね。


ちょ、クレイダーマンってそんな人じゃないwwww
本物はご存知なのかな?ご存知じゃなかったら申し訳ないがサクッとググっていただきたいんだが、真っ白なタキシードと真っ白なピアノってのが意外とみなみの好みに合ってそうで。っていうか俺がみなみ自身にやって欲しい。くれぐれもスラッシュは繰り出さない方向でお願い致しますwwww

>>249
もう赤面したみなみちゃんしか思い浮かばないwwww
253 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv2009/05/22(金) 00:22:06.99 ID:PpeNuUAO
>>250
2つとも若さのある作品で良かったと思いますよ。俺には真似出来んぜ。GJ!!

自分の文章に自信なんてそうそう持てるもんじゃないけど、少なくとも自分が読んで楽しいとか面白いと思うモノを書けるようになってきたら勝ちかな?他人にウケるかなんて分からんし、自分の書きたいのとウケがいいのがズレることもあるしね。

一緒にコンクール出てる“敵”の立場だけど、応援してるぜ!
254 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv[saga]:2009/05/22(金) 01:01:29.97 ID:0DwdE4s0
>>250
みなみがんばれw
でも、みゆきさんは過去のアルバムを見られてもさほどダメージを受けない人のような気がするなぁ


>>251
こなた「でさ、くれいだーマン・ブレードとくれいだーマン・キャノンってのがピアノに仕込んであってだねぇ――」
かがみ「そうそう。それで真の必殺技は、2つの武器を合体させたグレート・くれいだー・キャノンXから放つ――」
つかさ「へえー、お姉ちゃんも詳しいんだねー。あとさ、ぴあのすこあって何?」
こなた「ああ、『ピアノス・コア』?これも有名だよね、かがみ?」
かがみ「まあ、そうね」
つかさ「あれ?こなちゃん、区切る場所が違わない?『ぴあの・すこあ』じゃないの?」
こなた「あー、素人はそう思っちゃうんだよねー。かがみ、教えてあげたら?」
かがみ「つかさ、ピアノス・コアはくれいだーマンが乗り込む巨大ロボの名称なのよ」
つかさ「ええー!そうだったんだー!」

みゆき(ああ、かがみさんまでもが悪ノリを……つかささん、どうか素直に信じないで下さい……)



本物は知ってるけど、こなたが嬉々としてつかさに嘘を教えるシチュの妄想が止まらないんですw
とりあえず怒られる前にこの辺でやめとく。スマンカッタ
255 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv[saga]:2009/05/22(金) 08:03:46.30 ID:prqD86SO
−走り−

かがみ「こなたって、ろくに運動してないのに、みゆきやわたしより足速いのね…なんでかしら」
こなた「ふっふっふ。わたしはね、胸とか尻に余計な脂肪が付いてないから、その分速いのだよ」
かがみ「…へー」
こなた「………自分で言ってて虚しくなったーっ!!」
かがみ「…アホだ」



ゆたか「そっかー。だからみなみちゃん、こなたお姉ちゃんとタイム一緒なんだ」
みなみ「っ!?」
256 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv2009/05/22(金) 13:04:23.77 ID:PpeNuUAO
ぴあのすコアwwww何故かネタの方が美味しくいただけたwwww
怒ることはもちろんないけど強烈にツッコませてもらいましょう。何でやねん!!

みゆきさんの七五三とか、さぞかしかわいかっただろうなぁ……その隣で男の子の礼服で写真に写るみなみも妄想してまた萌えたwwww
257 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv2009/05/22(金) 14:53:55.10 ID:8DMD1.SO
>>256
みゆきさんの子供時代のイラスト(公式)で想像したら死んだ
258 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv[saga]:2009/05/22(金) 23:30:30.95 ID:Ynd8ofc0
コンクール作品投稿します。
時間もなかったので あまり期待しないように
259 :コンクール作品  喧嘩[saga]:2009/05/22(金) 23:35:23.27 ID:Ynd8ofc0
喧嘩

 それは朝の何気ない会話から始まった。 
ゆたか「今度私が気持ち悪くなってもみなみちゃん、保健室に付き添えしなくていいから」
ひより「急にどうしたの」
ゆたか「もう、何度も迷惑かけちゃってるし、それに保健室に行くくらいなら一人でも充分かと思って」
みなみ「保健委員として当然のことをしているだけ」
ひより「そっすね、みなみちゃんの言うとおり、そんなに気兼ねしなくとも」
ゆたか「文化祭が終わってから、頻繁に調子崩すようになって・・・」
ひより「オープニングセレモニーが堪えたのかな」
みなみ「それなら尚のこと、放ってはおけない」
ゆたか「でも、迷惑じゃ、授業にも遅れちゃうし、勉強だって」
みなみ「迷惑じゃない」
ゆたか「でも、私ばかりこんなんで」
みなみ「気にすることじゃない」
ゆたか「でも・・」
みなみ「そんなに言うなら勝手にすればいい」
ひより「ちょ、みなみちゃん、ゆーちゃんもちょっと、卑下しすぎよ」
ゆたか「あ、そういうつもりじゃなかったんだけど」
みなみ「ならどういうつもりだったの」
ゆたか「・・・」
みなみ「黙ってちゃ分からない、」
ゆたか「私だって、いつまでも子供じゃない」
 田村さんはただ私達を傍観していただけだった。
その後は売り言葉に買い言葉、
何を話したのは覚えていない。
こんなことを言うつもりじゃなかった。
それでもあんな事を言ってしうとは、
成り行きだったのだろうか、
何故こんなことになったのか今でも分からない。
ゆたかと私の初めての喧嘩だった。

 私達は朝からもう一言も会話をしていない。
休み時間ごとに田村さんが仲裁しようと
話しかけてくるが、それに応じる気が起きなかった。
おそらくゆかたもそう思っているだろう。
 昼休みになっても食欲がない。
それに教室に居る気にもなれたかった。
どこに行く宛てもない、ぶらぶらしているうちに、
気が付いたら屋上にいた。
260 :コンクール作品  喧嘩[saga]:2009/05/22(金) 23:36:27.81 ID:Ynd8ofc0

 何をするわけでもなく、屋上から校庭をただ眺めていた。
腕時計を見ると昼休みが始まってから10分も経っていなかった。
こんなに長く感じる昼休みは初めてだ。
「みなみちゃんじゃない」
突然後ろから話しかけられた。
振り向くとかがみ先輩だった。
かがみ「こんな所でなにしてるの、浮かない顔をして、まさか失恋じゃないでしょうね」
冗談半分に語りかけてきた。
私は苦笑いをしてお茶を濁した。
かがみ「まあ、こんないい天気、教室にこもっているよりは気持ちいいわよね」
そういいながら私の横に立ち、私と同じように校庭の方を眺めた。
しばらくすると、
かがみ「文化祭以来ね、こうやって話すのも」
みなみ「そうですね」
かがみ「そういえば、ゆたかちゃんは大丈夫? セレモニーの後、調子悪そうだったけど」
みなみ「最近、よく保健室で休むことが多くなりました。」
かがみ「やっぱり、あのイベントはちょっと酷だったかもね」
   「でも、みなみちゃんのおかげね、練習中の時もゆたかちゃんを気遣っていたのは分かったわよ」
みなみ「そんなことは」
かがみ「謙遜しない」
みなみ「ところで先輩、どうしてチアに参加しようと思われたのですか」
ゆたかの話はしたくなかったので、私は話題を変えた。
かがみ「それはこなたの口車に・・じゃない」
   「人員が揃わないってのもあったけど、決め手になったのは」
   「ゆたかちゃんがやる気になってるってのを聞いたせいかしら」
みなみ「そうですか・・・」
かがみ「ところで、ゆたかちゃんと友達になったきっかけってなんだったの」
話題を変えたつもりが、また元に戻ってしまった。
仕方がなく私は、ゆたかと出合った頃を思い出し、先輩に話した。

かがみ「へー 入学試験の時にすでに会ってたんだ、運命的な感じよね、クラスも一緒になるなんて」
   「ゆたかちゃんとは、こなたの家で何度か話したことはあるけどそんな話は聞かなかったわ」
   「うらやましい限りね」
みなみ「羨ましい?」
かがみ「だってそうじゃない、クラスが一緒だなんて、私なんて・・・」
   「つかさやみゆきと結局一度も、同じクラスになれなかった」
みなみ「あの、泉先輩もそうじゃないのですか」
この話をした途端、かがみ先輩の表情が一変した。
かがみ「あいつはどうでもいい」
みなみ「チアの練習の時、一番親しそうにしていましたけど」
そう言うと先輩は黙ってしまった。
しばらくすると笑顔で話し始めた。
かがみ「今朝、あいつに、一発、平手打ち食らわせてやったよ」
顔は笑っているが、何か鬼気迫るものを感じた。
かがみ「あいつ、格闘技経験者のくせに素人の私の平手打ち避けられなかったんだから、経験者ってのも疑わしいわね」
   「それなら、もう一発殴っておけばよかった」
みなみ「何故、平手打なんか」
261 :コンクール作品  喧嘩[saga]:2009/05/22(金) 23:37:52.23 ID:Ynd8ofc0

思わず質問した。
「何故って・・・ つかさが教科書忘れたらしくて、こなたと一緒に来て・・・」
「つかさを注意したら、やけにつかさを庇うから、言い合いに・・」
「・・・・その後は覚えてない・・・・・」
「あいつ・・・避けなかった」
「なんで避けなかったのよ、まるで私が悪いみたいじゃない」
「あんな・・哀れむような目でこっち見て・・ばかみたい」
さっきまでの強気の表情が一変し、目に涙が溜まっていた。
そして気が付いた、かがみ先輩がここに来た理由が私と同じだったことに。
かがみ先輩はそのまましゃがみ込んでしまった。

 まるで自分を見てるよう。
もう何も話すことができない。
慰めの言葉、励ましの言葉を言おうか、
今の私は、そんな言葉をかける立場じゃないし資格もない。
このまま教室に帰るか、いや、帰ってもゆたかが居る。
私は、ただ、しゃがみ込んだ先輩を見ているだけだった。

 どのくらい時間が経っただろうか、
先輩はいきなり立ち上がり背伸びをした。
そしておもむろに口を開いた。
「恥ずかしい所みせちゃったわね、ごめんね びっくりさせちゃって」
あれほど目に溜まっていた涙が嘘のように引いていた。
「みなみちゃんと話してたら、なんだか私達のやってることがばかばかしくなっちゃってね」
「いいわね、親友って」
先輩からそんな言葉が出るとは思わなかった。
私は何も言い返すことが出来ない。
そんな私をよそに、さらに話し続ける。
「理由はどうであれ殴ったのは私が悪かったわね、あいつに謝るのはしゃくだけどね」
「わだかまりが取れたような気がするわ」
「これも、貴方とゆたかちゃんのおかげね」
「あ、この屋上の事、悪いけど内緒ね、つかさとこなたには特にね」
「折角のお昼休み邪魔したわね」
そう言うと先輩は後ろを向き、帰ろうとした。

「待ってください」

 私は先輩を引きとめた。
先輩は振り返り、不思議そうに首をかしげながら私をみつめた。
「私達、かがみ先輩が言われるような親友じゃない」
「私がここに居る理由は、かがみ先輩と同じ・・・」
「私は、ゆたかを突き放した・・・」
「もう私達は、語り合うことも、笑い合うこともない」
「私が教室に帰れば、ただの他人」
 
262 :コンクール作品  喧嘩[saga]:2009/05/22(金) 23:39:18.65 ID:Ynd8ofc0

 私は仲直りしようとしている先輩に水をさした。
妬みからくるものではない。
ただ先輩に救いを求めた。
それだけの理由で私は先輩を引きとめた。
それを察してくれたのか、先輩はしばらく目を閉じた。
そして私に話し出す。
「お互い、同じ境遇だったなんて、皮肉よね」
「悪いけど、今の私は、貴方に何か言う立場じゃないし、資格もないわ」
「だけど」
「ゆたかちゃんと出合った時の話をしてた貴方は、とても輝いていた、眩しいくらいに・・・」
「だから私は、一番見せたくない所を見せてしまった」
「ゆたかちゃんが貴方にハンカチを返した気持ちが分るわ」
「私が言えることは、それくらい」
私に微笑みかけて、屋上を後にした。

 まるで何かに急かされる様に去っていくかがみ先輩を見送った。
そして、また一人になった。
 
 また校庭を何気なく眺める。
かがみ先輩が居なくなったせいか、よけいに静かに感じる。
 かがみ先輩には、ゆたかを突き放したと言った。
でも、ゆたかが私の付き添いを拒んだのがこの喧嘩の発端。
突き放されたのは私、
何がいけなかった、子供扱いしたか、嫌がることをしたのか
自問自答しても何も思い当たらない。
こんな喧嘩で、初めての喧嘩で終わってしまうほど私達の友情は軽かったのか。
私は少なくとも出会った時からゆたかに対する態度は変えていない。
ハンカチを返してもらった時からそうだ。
ゆたかだって今朝まではそうだった、そう思えた、出合った頃と同じ。

 その時、かがみ先輩の最後の言葉がよぎった。
ハンカチを返した気持ちがわかる、と
ゆたかが今まで同じ気持ちでいたとしたら、今は何を返す・・
私はもうハンカチは返してもらった。
まさか、ゆたかはそれであんな事を。
 私はゆたかに一方的な好意を与えていた。
私は見返りなんか要らなかった、それが美徳だと、
でもそれはゆたかにとって耐え難い苦痛となっていた。
私は、一人でだた有頂天になっていただけ。
かがみ先輩の言葉は、今朝のゆたかの心の叫びそのもの・・・
半年以上もそれに耐えてきたと言うのか。
なぜか涙がでてきた。
涙は容赦なく頬をつたい落ちていく。
私はそのまましゃがみ込み泣いた。
コンクリートの床に落ちる大粒の涙は、落ちると吸い込まれるようにすぐに乾く。
何粒も落としてもすぐ消える。その程度の涙では赦さないよと言っているようだ。
263 :コンクール作品  喧嘩[saga]:2009/05/22(金) 23:40:38.24 ID:Ynd8ofc0
どのくらい時間が経っただろうか、お昼休みも、もう終わる頃だろう。
何故だろう、罪悪感は消えないのに、清々しい気持ちになっている、不思議だ。
泣きすぎたせいだろうか。
私は立ち上がり、背伸びをした。
そして、無性にゆたかに会いたくなった、声も聞きたい。
これも私の身勝手なのだろうか。
 突然、出入り口から階段を昇る足音が聞こえてきた、荒々しい。
私は慌てて涙を拭い、出入り口の方を見た。
「居た、本当に居た」
「今まで居ないと思ったらこんな所に、まったく」
体育着を着た田村さんだった。
そういえば午後の授業は体育だった。
急いで来たのか、息が荒い、そして顔が険しい。
「みなみちゃん、もういい加減にしようよ」
「ゆーちゃんね、校庭に行く途中、廊下で倒れちゃったよ」
「すごい熱だった、きっと朝からだったと思うよ」
「私が保健室に連れて行こうとしても、一人で行くって言ってね」
「立ち上がれないのに、そう言い張って」
「そこに、泉先輩と柊かがみ先輩が丁度通りかかって」
「二人で、有無言わさずに保健室に連れてってくれたわ、さすが先輩ね」
「柊かがみ先輩からみなみちゃんがここに居るって聞いて」
「来てみたら、本当に居るし、そんなにゆたかちゃんに会いたくないの」
きつい口調で私達を非難している。
私は甘んじてその非難を受けた。
そして今、私が一番したいことを田村さんの目を合わせて言った。
みなみ「私、保健室に行って来る」
ひより「二人とも、つまらない意地いつまで張るつも・・・」
田村さんは言いかけて、止めた。
しばらくして、入れ替えるように、
「いってらっしゃい、先生には私から言っておく」
やさしい口調で送ってくれた。
私が、出入り口に差し掛かると、
「あ、みなみちゃん、待って」
私を引き止めた。
振り返り田村さんを見つめた。
ひより「柊かがみ先輩から言付けを受けてたの忘れてたわ、えーと」
   「みなみちゃん次は貴方の番ね」
   「って? 何、それ、分かる?、」
みなみ「分かる、ありがとう」
私は、保健室へ向かった。

 そう、次は私達の番、そうでしょ、ゆたか。

264 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv[saga]:2009/05/22(金) 23:42:22.86 ID:Ynd8ofc0
お粗末でした。



かがみとみなみの直接会話が、原作にも、アニメにもなかったので
参考資料がなく苦労しました。
そもそも、みなみ、ゆたかが表現できたかどうか分かりません。
265 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv[sage]:2009/05/23(土) 22:36:50.10 ID:g3Z2KMDO
>>264
いいね!GJ!
266 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv[saga]:2009/05/24(日) 00:04:46.06 ID:IRl5FPQ0
>>264
ううむ、いい話だね
俺はかがみとみなみの会話に違和感は感じなかったよ
しかし、相変わらず会話文の構成が非常に独特ですなw
267 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv2009/05/24(日) 00:33:21.13 ID:g8/L9Yc0
>>264
いいお話でした。言われてみればみなみとかがみの会話ってなかったですね。

誰もレスしませんようでしたら、10分後に投稿させていただきます。
268 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv2009/05/24(日) 00:43:41.11 ID:g8/L9Yc0
誰もレスする方がいらっしゃらないようなので投稿させていただきます。

コンクール参加用作品、タイトルは「みなみとゆたかと『ゆーちゃん』と」です。
使用レス数は13レス。結構長いです。
笑い系・・・になっていると思います。

それでは、最後までお付き合いください。
269 :コンクール参加作品@2009/05/24(日) 00:44:41.08 ID:g8/L9Yc0
「う・・・んん・・・あれ?」

 岩崎みなみはベッドの上で目を覚ました。しかし、そこは自分のベッドではなかった。むしろ、自分の部屋ですらなかった。そこは自分のよく知る場所、陵桜学園の保健室であった。





                                    みなみとゆたかと『ゆーちゃん』と





「持久走ってやだよね、疲れるし汗だくになっちゃうし。」
「でも、冬だからまだいい方かな?夏だったら暑いから途中で倒れちゃうかもしれないし。」
「あぁ、なるほどね。」

 田村ひよりと小早川ゆたか、岩崎みなみはグラウンドまで歩いている間、話しをしていた。といっても、話しているのはひよりとゆたかだけであるが。

「でも、もし倒れちゃっても、岩崎さんが保健室まで連れていってくれるから大丈夫だね。」

 ここでひよりは自らが作り出した妄想世界へ飛び出した。



「あ・・・」バタンッ!!
「ゆたか、大丈夫!?」
「う、ん。大丈夫、だよ。心配しないで。」
「だめ、心配だから保健室まで連れて行く。」
「で、でも・・・わぁ!?」
「さあ、行こう。」
「ま、まって、みなみちゃん。自分で歩けるから・・・その・・・お姫様だっこはやめて。」
「この方がゆたかの体に負担が掛からない。大丈夫、私は保健委員だから。」
「・・・ありがとう、みなみちゃん。」



(ぐわぁ、自重、自重するっス、わ〜た〜し〜!!)
「う〜ん、今日は平気だと思うな。最近、体調良いし、それに、みなみちゃんに迷惑かけられないし。」
「・・・私は迷惑だなんて全然思ってない。」

 そう答えたみなみにゆたかは少し怪訝そうな顔をした。
270 :コンクール参加作品A2009/05/24(日) 00:45:16.57 ID:g8/L9Yc0

「みなみちゃん、大丈夫?なんだか気分悪そうだけど。」
「え?そうなんすか?」

 ひよりはみなみの気分が悪そうなことに全く気が付かなかった。いや、ひよりでなくとも気が付かなかっただろう。そんなみなみの微妙な表情を読み取ることができるゆかたはさすが、と言うべきだろう。

「・・・問題、ない。」
「そう?無理しちゃだめだよ。調子悪かったらちゃんと言ってね。」
「・・・ありがとう、ゆたか。」

 そんなゆたかとみなみのやり取りを見ながら、ひよりは再び自らが作り出した妄想世界へ飛び出した。



「う・・・」ドサッ
「みなみちゃん!?」
「大丈夫、ゆたか。心配、しないで。」
「大丈夫じゃないよ、みなみちゃん。すぐに保健室に行こ。」
「・・・うん、わかった。」
「さぁ、私の体に捕まって。」
「え?だ、だめ!ゆたかじゃ私の体を支えきれない。」
「でも、みなみちゃんのこと心配なの。みなみちゃんになにかあったらいやなの。」
「・・・それじゃ、失礼して。大丈夫?重くない?」
「ううん。みなみちゃん、そんなに重くないよ。それじゃ、行こうか。」
「・・・ありがとう、ゆたか。」



(ぐわぁ、だから自重しろ、自重しろっス、わ〜た〜し〜)





 体育の授業は時間を計りながらの持久走を行っていた。みなみはやはり具合が悪いようだった。みなみはゆたかと一緒に走っていた。ゆたかは決して足が遅いわけではないが、いつものみなみからしたらかなり遅いペースで走っていた。ゆたかの方も少しゆっくりと走っているようだった。

「本当に大丈夫、みなみちゃん?」
「大、丈夫。先に、行ってくれて、かまわ、ない。」
「わかった。でも、もう無理だって思ったら早めに先生に言わなきゃだめだよ?」
「・・・うん。」

 ゆたかはみなみのことを心配しながらも少し走るペースを速めた。
271 :コンクール参加作品B2009/05/24(日) 00:45:55.67 ID:g8/L9Yc0

 少し経って本当に大丈夫だろうかと後ろを振り向いた時であった。
 みなみの体が今まさに倒れようとしていたのであった。

「みなみちゃん!」

 ゆたかは思わず叫び、走っていた道を逆走していた。

「みなみちゃぁぁん!!」

 今までにないほどの大声で叫び、みなみに向かって走っていった。

 その時であった。みなみのまわりが煙で包まれたのである。
 正確にはみなみのまわりだけが煙に包まれたわけではなく、グラウンドの一部が煙に覆われている状態だった。
 だが、みなみはその煙のほぼ中心地点にいた。
 みなみは全くわけがわからない状況になっていたが、さらに状況が変わっていた。
 誰かがみなみの体を抱くように支えていたのである。

(・・・誰?この胸のふくらみはみゆきさん?)

 みなみは自らの置かれた状況を理解しようとしていた。

「大丈夫、みなみちゃん?」
(みゆきさん・・・じゃない。みゆきさんは私のことをみなみ“ちゃん”とは言わない(陵桜学園入学案内書を除く)。) 

 みなみは自分を抱き支えている人を見ようとした。しかし、煙と自らの意識が朦朧としているせいで見ることができなかった。
 みなみの意識はここで途絶えていった。





(そっか、私あのまま気を失っちゃたんだ。それにしても、あの人はいったい・・・)

 保健室で一眠りしたおかげで少し体調が良くなっていたみなみは、あの時自分を抱き支えてくれた人のことを考えていた。みなみには約1名心あたりがあった。

(私のことをみなみ“ちゃん”と呼ぶ人は多くない。それにあの声。でも、あんな大人っぽい声じゃなかったはず。)

 みなみがジッと考えていると、

「あれ?起きられたのですか?」

 保健室の奥の方から先ほどまで何者なのか考えていた人の声が聞こえてきた。みなみは急に声を掛けられたことに驚いたが次の瞬間、さらに驚かされることになる。奥から現れた人物はピンクの髪を小さなツインテールにしたタレ目の女性。そこだけ見たら小早川ゆたかに見えるが、体格が全く違っていた。自分とほとんど変わらないであろう身長、スラリと伸びた腕、白衣を着ているのでよく見えないが同じスラリと伸びているであろう足、そしてみゆきほどではないが大きな胸。どれを取ってもいつも見ているゆたかとは似て非なるものばかりだった。
272 :コンクール参加作品C2009/05/24(日) 00:46:30.72 ID:g8/L9Yc0

「あ、あの、い、いったい・・・」
「え?ああ、この白衣ですか?それが、『あの子』の服、やっぱり小さいものですから天原先生にお借りしたのですよ。あ、天原先生は会議があるそうなので今はいませんよ。」

 みなみはいったいその人が何者なのか聞きたいのに全く話がかみ合っていなかった。

「い、いえ、そうではなく、あなたはいったい、なにも・・・」

 何者かと聞こうとしたその時。

“ドタドタドタ”“ガラァァ”
「ゆーちゃん、また倒れちゃたんだっ・・・て?」

 泉こなたが扉を開けてそのまま固まった。

“トットットッ”
「ちょっとこなた、廊下を走っちゃだめだっ・・・て?」

 柊かがみがこなたの後からやってきて同じく固まってしまった。

“テトテトテト”
「みなみさん、いらしゃいます・・・か?」

 さらに、高翌良みゆきがかがみの後からやってきて(以下略)

“トタトタ ドテッ! ヒョコ トタトタ”
「みんな歩くの速い・・・よ?」

 さらに、額にバツ印のバンソーコーを貼った柊つかさが(以下略)

 見つめ合う保健室の中の2人と扉の4人。

「「「・・・誰よ?/ですか?/なの?」」」

 先に口を開いたのはかがみ、みゆき、つかさの3人だった。まぁ、目の前に見たことあるようなないような人が立っていたら、こんな反応を示すのも当然かもしれない。しかし、こなたは違っていた。

「おお、久しぶりゆたか。てか、2年ぶりだね。元気してた?」
「はい、お久しぶりです。高校の入学祝いを言いにいった以来ですね。」

 こなたはまるで久々に友達に会ったような感じに話していた。

「「ゆたかちゃん!?」」
「小早川さん・・・なのですか?」

 かがみたちは全くわけがわからなかった。

「・・・やっぱり、ゆたかだったんだ。」

 みなみはうすうすとこの人はゆたかなんじゃないか、と考えていたようだった。
273 :コンクール参加作品D2009/05/24(日) 00:47:07.12 ID:g8/L9Yc0

「ちょっと、こなた、どういうこと!?この人、本当にゆたかちゃんなの?私たちにもわかるように説明しなさいよ。」

 かがみはどうにか理解しようと、こなたに説明を求めた。こなたは少し考えて口を開いた。

「実はゆーちゃんはある魔術師が作り上げた存在の仮の姿で、今目の前にいるのが本来の姿なのだよ。」
「だれがN○K魔法少女アニメネタをやれと言った!」
「ゆーちゃんには8人の仙人の内の1人が取り付けていて、お酒を飲むとこの姿になっちゃうんだ。」
「N○Kアニメネタから離れろ!!」
「ゆーちゃんのツインテールリボンに宿った三千年前のファ○オの魂が蘇った。さぁ、かがみん、闇のゲームの始まりだ。」
「いいかげんにしろぉぉぉぉぉ!!!」

 どこまでもネタを忘れないこなたとツッコミを忘れないかがみ。この2人がコンビを組めば、夫婦(めおと)漫才でMー○の頂点を目指せるんじゃなかろうか。

「そういうネタはもういいから、さっさと説明しなさいよ。」
「う〜ん・・・」

 こなたは再びなにか考え始めた。

「あんたまた、ネタかなんかしようと、」
「ち、違うよ。いや、私も実際の所よく知らなくて。」
「はぁ!?」
「私が知ってるのは体が弱かったから術を掛けられたってことぐらいしか。」
「なによ、それ。」
「詳しいことは私の方からご説明させていただきます。」

 こなたのほとんど説明になっていない説明の補助をするために(ほとんど蚊帳の外だった)ゆたかが話しに加わった。

「概要はこなたお姉ちゃんが話された通りです。私は生まれた時から体が弱く、あまり長くは生きられないだろうと言われていたそうです。そこで、私に少しでも長く生きてほしいと願った両親がとったのが、“術”を掛けてもらうことだったのです。」
「術?」
「はい。術と言っても、ほとんど呪いのようなものですけど。肉体の成長を遅らせることで少しでも長く生きてほしいと願っていたそうです。術は成功しました。しかし、そこで問題が起きました。」
「問題・・・ですか?」
「はい、そうです、高翌良先輩。術の副作用・・・というところでしょうか、人格がもう一つできてしまったのです。」
「もしかして、そのもう一つの人格って。」
「そうです、つかさ先輩。そのもう一つの人格というのが、今まで“小早川ゆたか”としてあなた方と一緒にいた、『ゆーちゃん』なのです。両親はそのことに気が付いていませんでした。術を掛けてくれた人も気付いていなかったでしょう。両親が気が付いたのは、私が5歳のある日に表に出てきた時です。」
「表に出る・・・ってどういうことよ。」
「私は普段、『ゆーちゃん』の中にいます。ですが、『ゆーちゃん』の体の調子が良く、かつ、私が肉体を持ちたいと願った時、こうしてみなさんとお話ができる状態になるのです。私はこれを“表に出る”と呼んでいます。その時、体は私が普通に育った時のものになるようです。」
「ふ〜ん。それじゃあ、なに?今回もその“表に出たい”って願ったわけ?」

 そう聞くかがみにゆたかは首を横に振った。

「え?じゃ、」

 どうして?と聞く前にゆたかはみなみに顔を向けた。(完全に蚊帳の外にいた)みなみは不意に顔を向けられて、少し戸惑った。

「私が表に出てきたのは、みなみちゃんのおかげ・・・かな?」
「え?私?」

 みなみは特に何かした覚えがなかったので、なにを言っているのかよくわからなかった。
274 :コンクール参加作品E2009/05/24(日) 00:47:36.44 ID:g8/L9Yc0

「私は『ゆーちゃん』の中にいたのでわかるのです。『ゆーちゃん』はあなたのことをとても心配していました。そして、あなたが倒れそうになった時、『ゆーちゃん』はみなみちゃんを助けたい、という思いがありました。その思いはとても強いものでした。その強い思いは何らかの形で体に影響を与え、一時的に術が解けてしまった・・・と私は考えています。」

 ゆたかが言い終わるとみなみは少々驚いていた。

「・・・ゆたかがそこまで。」
「ええ。」

 次の瞬間、みなみは少しだけ嬉しそうな顔をしていた。ゆたかもそれをやさしい顔で見るのだった。

「えっと・・・話し終わった?」

 こなたは話しが終わったのを見計らって声をかけた。

「ええ、終わりましたよ。」

 ゆたかはこなたの方に体を向けて言った。

「じゃあさ、3つほど質問していい?」
「かまいませんよ。」
「それじゃあ、質問。ゆたか、もしかして、その下何も着てないの?」

 こなたはゆたかの着ている白衣を指差して言った。白衣はちゃんと前を閉じるように着ているが、パッと見、何も着ていないように見えた。

「な、ちゃ、ちゃんと着ていますよ、ほら。」

 ゆたかは白衣の前を開けた。その白衣の下にはちゃんと体操着が穿かれていた。しかし、それは表に出る前のゆたかが着ていたものなので、かなり小さくなっていた。結果、体操着は下着のように穿かれていた。

“ブブッ”

 こなたは鼻血を出して倒れかけた。

「こなた!」
「こなちゃん!」
「泉さん!」

 かがみとつかさは倒れそうになったこなたを支えた。みゆきはティッシュと出してそれをこなたの鼻に詰めた。

「た、体操着を下着代わり・・・GJ。」

 こなたは親指を立てて言った。その顔はいい物見た、という笑顔であった。

「うぅ・・・恥ずかしいですから、あまり言わないでください。」

 ゆたかは白衣を元に戻しながら本当に恥ずかしそうに言った。

「そ、それで、2つ目の質問はなんですか?」

 ゆたかはとりあえず話題を変えようとした。
275 :コンクール参加作品F2009/05/24(日) 00:48:10.75 ID:g8/L9Yc0

「え?ああ、そうそう。なんでひよりんがそこにいるの?」

 こなたはどうにか体を起こして、今度はみなみが使っているベッドの向こう側のベッドを指差して言った。みなみがこなたの指差した方を見てみると、今まで気づいていなかったが、ひよりがベッドで寝ていた。なぜかひよりの鼻は今のこなたと同じ状態になっていた。

「田村さんですか?うん、よくわからないのですけど、私がみなみちゃんを保健室まで運ぼうとしていたら急に鼻血を出して倒れたらしいですよ。何かあったのでしょうか?うわ言で“逆パターン”がどうとか“お姫様だっこ”がどうとかって言っていましたけど。」
「・・・ああ。」

 こなたはひよりが倒れた原因がなんとなくわかっていた。かがみもどことなくわかったようだ。しかし、つかさとみゆき、そしてみなみ、ついでにゆたかもよくわからない様子で首を傾げていた。

「えっと、最後の質問いいかな?」

 首を傾げて考え込んでいるゆたかにこなたはそう言った。

「え?あ、だ、大丈夫ですよ。」

 考え込んでいたゆたかは急に声をかけられ、現実に戻された。

「まぁ、別に大した質問じゃないんだけど。」
「はい。」
「ゆたかはいつまでその姿でいられるの?」
「こなた、それ結構、重要な質問じゃない?」

 かがみは思わずツッコミをいれてしまった。

「私が表にいつまで出ていられるか、ですか?実の所、あまり長くは出ていることはできないのですよ。『ゆーちゃん』の体にも影響してしまいますから。」
「そうなんだ。」
「はい。で、」

 ゆたかは再びみなみの方に体を向けた。みなみは今度はなんだろう、と考えながらゆたかを見ていた。

「そのあまり長くない時間を使ってあなたとお話したいのですけど、よろしいでしょうか?」

 ゆたかは笑顔でみなみに聞いた。みなみは自分の記憶の中にあるゆたかの笑顔と今のゆたかの笑顔を比べていた。その差はほとんどなかった。やっぱりこの人はゆたかなのだな、と感じたみなみであった。

「・・・はい、いいですよ。」
「ありがとう。」

 ゆたかはそう言うと近くにあった椅子をみなみのベッドの横に置き、座った。

「率直に聞きます。あなたにとって『ゆーちゃん』はどういう存在ですか?」
「はい?」

 いきなりそのようなことを聞かれてみなみは少しキョトンとした。
276 :コンクール参加作品G2009/05/24(日) 00:50:40.02 ID:g8/L9Yc0

「あの、それはいったい・・・」
「う〜ん、ちょっとわかりにくい質問でしたでしょうか。」
「は、はい。」
「『ゆーちゃん』はあなたのことを本当に信頼できる友だちだと思っているようです。なので、私は聞きたいのです。『ゆーちゃん』のことをどう思っているのか、どういう存在として見ているのか。」
「・・・」
「あなたは『ゆーちゃん』を友だちだと思っていますか?」

 少しの間、沈黙が流れた。みなみは目を閉じ、考えているようだった。こなたたちはその様子を固唾を飲んで見ていた。そして、みなみの目がゆっくりと開けられ、ゆたかの顔を見て、首を横に振った。

「え?」

 ゆたかは思わずそう言ってしまった。こなたたちも驚きの表情を隠せなかった。

「『ゆーちゃん』は友だちではないと?」

 ゆたかがそう聞くと、みなみは真剣な顔をしてこう言った。

「私は、ゆたかのことを親友だと思っています。」
「親・・・友?」
「はい。ですから、私はゆたかのことを親友以下に思うことはできません。」

 みなみの顔は真剣そのものだった。その顔からは嘘偽りなどはいっさい感じられなかった。

「そう。」

 ゆたかはどこか安心したような顔でそうつぶやいた。

「それが聞ければ十分です。ありがとうございます。」

 ゆたかは笑顔でそう言った。みなみもそれに笑顔で答えた。と言っても微妙な顔の変化であったが。

「う〜ん。」
「どうしたの、こなちゃん?」
「こういうの見てるとさ、なんかこう百合の花が咲いて」
「だまらないと殴るわよ?」
「・・・はい。」

 かがみは変なことを言おうとしたこなたに拳を見せた。

「私は」
「?」

 不意にみなみが口を開いた。

「ゆたかに出会うまで一人でした。元々社交的な性格ではありませんでしたし、友だちも必要だとは思っていませんでした。ゆたかに手をさしのべたのも何気なくでした。でも、ゆたかは理解して接してくれました。とてもうれしかったです。だから、私はゆたかのことを大切に思っていますし、親友だと思っています。」

 みなみは全く詰まることなく言った。それはみなみの本心が語られていることを示していた。ゆたかはそれを聞いてフッと笑った。
277 :コンクール参加作品H2009/05/24(日) 00:51:15.30 ID:g8/L9Yc0

「なるほど。似ているのですね、あなたと『ゆーちゃん』は。」
「え?」
「『ゆーちゃん』も一人でした。理由は体が弱くて学校を休みがちになっていたことです。そのせいで『ゆーちゃん』の心は荒んでしまいました。その時はゆいお姉ちゃんのおかげで明るい性格を取り戻すことができました。でも、そのおかげで『ゆーちゃん』は知っています。一人の寂しさを、一人の孤独さを。そして、それを知っている人は優しくなれることを。『ゆーちゃん』があなたのことを理解できるのも、自分と似ている、と感じているからかもしれません。」
「・・・そうかもしれませんね。」

 みなみは笑顔で答えた。しかし、それは先ほどの微妙な変化ではなく、はっきりとわかるほどの変化であった。

「う〜ん、やっぱり百合」
「黙れ。」
「・・・はい。」

 かがみはもはや、こなたにしゃべらすことすら許さなかった。

「それか・・・ら?」

 ゆたかは急に体が傾き始めた。

「ゆたか!」
「ゆたか!」
「「ゆたかちゃん!」」
「小早川さん!」

 ゆたかはみなみに寄り掛かるように倒れた。みなみはそんなゆたかを抱くように支えている。

「どう・・・したの?」
「ごめんなさい。ちょっと、限界、近いみたいです。」
「え?」
「術を掛けてもらっても、わたしの体が弱いことは変わりありませんから、あまり長く表に出ていることはできないのです。命を削ることになってしまいますから。」
「ゆたか・・・」

 みなみは心配そうな顔をしてゆたかを見ていた。ゆたかは少し体を起こし、みなみの顔を見てこう言った。

「みなみちゃん、『ゆーちゃん』に親友だと思っていること言ってあげてください。『ゆーちゃん』はみなみちゃんがそう思ってくれていることをとてもうれしく思いますから。」
「はい。」
「それから、『ゆーちゃん』のこと、頼ってあげてください。」
「え?」

 みなみはゆたかの言っている意味がよくわからなかった。

「『ゆーちゃん』はみなみちゃんに助けてもらってばかりですが、みなみちゃんのことを助けてあげたいと思っています。力になれることは少ないかもしれませんが、『ゆーちゃん』に頼ってあげてください。喜びますから。」
「はい。」

 ゆたかはみなみの返事を聞くと安心したような顔になるのであった。

「それでは、そろそろ変わりますね。あ、そうでした。」

 ゆたかは急に何かを思い出し、こなたたちの方に顔を向けた。
278 :コンクール参加作品I2009/05/24(日) 00:52:40.83 ID:g8/L9Yc0

「かがみ先輩、つかさ先輩。」
「ほよ?」
「何?」
「みきさんによろしくお伝え願いますでしょうか?」
「え?お母さん?」

 つかさはなぜいきなり母の名が出てくるのかわからなかった。

「もしかして、ゆたかちゃんに術を掛けた人って。」

 かがみはゆたかの言った言葉の意味を理解したようだった。ゆたかはニッコリと笑い、体をみなみに預けるように寄りかかった。そして、ゆたかが目を閉じるとゆたかの周りに煙が立ち込めた。その煙が晴れるとそこには、

“モクモク”
「・・・」

 その煙が晴れるとそこには、

“モクモク”
「・・・」

 その煙が晴れるとそこには、

“モクモク”
「・・・」

 その

「誰か、窓開けて!!」

 一向に晴れない煙を見て、こなたはそう叫んだ。その声を聞いて、つかさが保健室の奥の窓を開けようと煙の中に入っていった。

“トタトタ ドテッ! ヒョコ トタトタ ガラガラ!”

 つかさが(どうにか)窓を開けると煙は窓の外に出て行った。そして、煙が晴れるとそこには、窓のそばで額にバツ印のバンソーコーを2つ貼ったつかさと、椅子に座ってみなみに寄り掛かって寝ているいつものゆたかの姿だった。

「う・・・う〜ん・・・」
「ゆたか、大丈夫?」

 ゆたかが目を覚まし、みなみが優しく声を掛ける。ゆたかはよくわからない様子で体を起こした。
279 :コンクール参加作品J2009/05/24(日) 00:53:14.58 ID:g8/L9Yc0

「あれ、みなみちゃん?ここ、保健室?なんで私、ここに?なんで白衣着てるの?確か体育の授業で持久走やってて、それでそれで・・・あ!そうだ!みなみちゃん、倒れそうになったんだ。大丈夫なの、みなみちゃん?」
「うん、大丈夫。」
「そっか、よかった。でも、私、どうしてここに・・・」

 こんなゆたかとみなみの聞きながらかがみはこなたに囁いた。

「ゆたかちゃんって大きい時の記憶ってないの?」
「どうもそうらしいね。」
「ふ〜ん。」

 ゆたかは今の状況が全く理解できずにクエスチョンマークを大量に出していた。そんなゆたかにみなみは手をゆたかに両肩に乗せた。

「ゆたか。」
「な、なに?」

 ゆたかはいきなりのことで少し驚いていたが、みなみの真剣な顔に目をしばたたせていた。

「私はゆたかと一緒にいたいと思ってる。だから、ゆたかに何かあったら助けてあげたいし、力になりたいと思ってる。」
「う、うん。」
「でも、もし、私に何かあったらゆたかに助けてほしいと思ってるし、ゆたかの力を貸してほしい。」
「え?」
「だめ?」
「ううん、そんなことない。でも、私でいいの?」

 みなみは首を横に振った。

「ゆたか“が”いいの。ゆたかじゃないといやなの。だって私たち、親友だから。」
「親・・・友・・・」
「うん。」
「・・・そうだよね。うん、わかった。これからもよろしくね、みなみちゃん。」

 ゆたかはみなみに抱きついた。みなみも軽く手を添えて抱き返すのであった。

「ゆ」
「は?」
「いえ、なんでもありません・・・」

 かがみの少し怒ったような声に黙らざる負えないこなたであった。
280 :コンクール参加作品K2009/05/24(日) 00:53:52.74 ID:g8/L9Yc0

「う・・・ん〜ん・・・」

 ここでみなみの隣のベッドで寝ていた、ひよりが目を覚ました。

「あれ、私・・・」
「あ、田村さんも保健室にいたんだ。」

 ひよりは声のする方を向いた。するとそこには、抱き合っている2人の少女がいた。しかも、内1人はなぜか白衣を着ており、なかの体操着は少し伸びていた。ひよりは寝起きでそんな光景を目の当たりにしてしまった。その結果、

“ブブブブッ バタンッ!!”
「た、田村さん!!」
「田村さん?」

 ひよりは鼻血を出して再び夢の中に行ってしまった。その時鼻に詰められたティッシュは弧を描き、みごとにゴミ箱に入っていた。ナイスシュート。

「は、白衣の天使が・・・百合の花が・・・」

 ひよりはうわ言でそんなことを言いだすのであった。

「?」
「?」

 ゆたかとみなみはいったい何があったのか分からず、首をかしげていた。

「?」
「?」

 窓からこなたたちの所に戻ってきたつかさとみゆきも同じく首をかしげていた。

「ひよりん・・・」
「はぁ・・・」

 原因のわかるこなたとかがみは苦笑いとため息を吐くしかなかった。
 こうして、みなみとゆたかと『ゆーちゃん』との話はひよりの大量出血で幕を閉じたのであった。





「なんてお話どうっスかね?」
「あの、ひより?」
「もちろん、名前とかは変えるっス。でも、この話ならいけるっす!」
「ひよりん、あの・・・」
「この話なら壁際、いやシャッター前に行けるかもしれないっスよ、先輩!」
「いや、でも・・・」
「うおぉぉぉぉ、萌えて、いや、燃えてきたっス!!」
281 :コンクール参加作品L2009/05/24(日) 00:54:32.84 ID:g8/L9Yc0

 ここは泉家。ひよりはこなたの部屋を訪れていた。ネタに詰まっていたひよりは、先輩であるこなたに助けを求めに来たのである。しばらく二人でもんもんと考えていたが、ふとひよりは部屋に置かれていた漫画を手に取り、考えついたネタを話していた。ひよりの手にはオレンジ色の髪をした黒い衣装の主人公が身の丈ほどの大刀を振り回す漫画が握られていた。

「あのさ、ひより。」
「はい?なんすか?」
「それさ、元ネタあるわけでしょ?そういうのってさ、使ったらまずいんじゃない?私よくわかんないけど。」
「あ〜・・・そうかもしれないっスね。考え直しっスね。」

 ひよりは漫画を閉じ、元の場所に戻した。と、その時、

「お姉ちゃん、小包届いてるよ。」

 小包を手にしたゆたかがこなたの部屋の扉を開けてきた。

「お、ありがとう、ゆーちゃん。」
「あれ、田村さん、来てたんだ。」
「おじゃましてます。」
「いらっしゃい。あ、はい、お姉ちゃん。」

 ゆたかは小包を取りにきたこなたにそれを手渡した。

「ところで、二人で何話してたの?」
「え?いや・・・なんでもないっすよ、小早川さん。」
「ふ〜ん。」

 さすがにあなたをモデルに妄想してました、などと言えるはずもなく、ひよりは適当にごまかした。

「それじゃ、私部屋に行ってるね。」
「うん、ありがとう、ゆーちゃん。」

 ゆたかはそのまま部屋を出ようとした。しかし、

「あ、そうだ、田村さん。」
「は、はい?」

 不意にゆたかは立ち止まり、振り向きながらひよりの名を呼んだ。その顔はどこか、いつもと違っているように見えた。

「あんまり同人のネタにしてるようだったら、そのことみなみちゃんと『ゆーちゃん』にばらしちゃうからそのつもりでいてね。」

 ゆたかはそう言うと不敵な笑みを浮かべながら扉を閉めた。

「「・・・へ?」」

 その部屋の中には目を点にしたこなたとひよりが固まっていましたとさ。


   〜おわり〜
282 :コンクール参加作品あとがき2009/05/24(日) 00:55:05.89 ID:g8/L9Yc0
以上です。いかがでしたでしょうか?
今回のお話はラストをどうするか迷いましたが、少々非現実的な話になってしまったので作中のような形にしました。さて、これが吉と出るか、凶と出るか・・・。
ちなみに、少しホラーっぽく(?)終わらせてみましたが、実はゆたかは部屋の外で二人の話を聞いていてイタズラ心で言っただけ、という裏設定があるのですが、どうでもいいですね。
ご感想等いただけましたらうれしく思います。それではこれにて。
283 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv2009/05/24(日) 02:23:52.24 ID:8IVNlV60
一見飛躍してるけど最後は現実に戻ってきて綺麗に収まっていたと思います。裏設定も乙です。
284 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv2009/05/24(日) 02:24:52.68 ID:8IVNlV60
一見飛躍してるけど最後は現実に戻ってきて綺麗に収まっていたと思います。裏設定も乙です。
285 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv[saga]:2009/05/24(日) 03:18:39.52 ID:yG.r.Nw0
>>282
GJです。
とちゅうにひよりが持ってた漫画ってBLEACHのこと?
286 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv[saga]:2009/05/24(日) 10:09:02.40 ID:SvlZ9NU0
>>282
かがみに反攻できないこなたがかわいかった。
GJです。
287 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv2009/05/24(日) 13:31:50.92 ID:YQKywgSO
ぶっ飛んでる所はぶっ飛んでるがしっかりしてる所はしっかりしてるな
288 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv[saga]:2009/05/24(日) 16:24:00.32 ID:IRl5FPQ0
コンクール作品投下します
あんまりお題に沿えてないかもだが、推敲する時間なんて俺には無いのだ

おそらく10レスほど
289 :コンクール参加作品『みなゆた不在』[saga]:2009/05/24(日) 16:24:59.25 ID:IRl5FPQ0
 風薫る5月。こなた達一行は1泊2日の小旅行に来ていた。
 つかさが卒業後間も無く『最近みんなで会ってないね』などと、かがみの前でひどく寂しそうに言ったのが事の始まり。
 かがみはかわいい妹のために、ちょっとした同窓会をしないかとこなたとみゆきに提案。
 こなたが表立って、みゆきが裏で段取りを進めていくうち、なんやかんやいろいろあって参加予定者はどんどん増えていった。
 最終的には、チアの時のメンバー全員でゴールデンウィークを利用して宿泊旅行をするイベントにまで発展したのだった。

 こなたが作成した旅のしおりによれば、今は昼食後のちょっとした自由時間。
 各自自由に展望台からの眺めを楽しんだり、散歩したり、売店でお土産を物色したりしているところだ。
 ちなみにこの後は、今いる山頂のレストランから下山して本日宿泊予定の旅館に向うこととなっている。
 みゆきオススメの旅館で豪華な宴と広い温泉を満喫し、翌日は観光しながらゆっくり帰るというプランだ。
 天気も快晴で、早朝のこなたの軽い遅刻以外には特にトラブルもなく、ここまでの行程は順調そのものだった。

 そう、ここまでの行程は。

 自由時間が終わり、集合予定の時間を少しばかり過ぎた頃。
 集合場所には不穏な空気が漂っていた。
 かがみは何度も時計に目をやり、みゆきは心配そうに辺りを窺う。
 
「遅いわね。集合場所がわからなくなったのかしら?」
「いえ、特に迷うような場所ではないと思うのですが」
「そうよね……まあ、もうすぐ来るだろうとは思ってるんだけどさ」
「はい。心配ですよね」
 
 2人の会話からも判るように、まだ集合人数が足りていないのだ。
 しかも足りていないのは1人ではなく複数。 
 5分、10分と時間が過ぎていき、最初は苛立ちをみせていたかがみも不安の方が勝った表情へと変わる。
 時間とともに場の空気も悪くなっていく。

「ごめ〜ん、みんな!遅くなっちゃった!」
「やふー。待たせたね、皆の衆」

 そこに、顔を青くしたつかさとふわ〜っとした感じのこなたがやって来る。
 瞬間、謎の衝撃によって1mほど吹っ飛ばされるこなた。
 こなたが本来立っているべきはずの場所には、代わりにかがみが右腕を振り抜いた格好で立っていた。
290 :コンクール参加作品『みなゆた不在』[saga]:2009/05/24(日) 16:25:40.41 ID:IRl5FPQ0
「ゲホ、ゴホッ……ぜ、全体重を乗せてのラリアットはさすがにやりすぎじゃないですか、かがみ様?」
「反省の色の無いあんたが悪いのよ」
「おおおお、お姉ちゃん、ごめんなさいっ!本当にごめんなさいっ!!」
「……ま、あんたらが集合時間に遅れるのは想定の範囲内だから別にいいけどね。ね、みゆき?」

 かがみはつかさの額をコツンと小突きながら呆れたように言った。
 同意を求められたみゆきは、特に何も言わず少し困ったような顔で微笑んだ。
 こなたは憮然とした表情で立ち上がる。
 おそらく、つかさと自分との扱いの差に納得がいっていないのだろう。

「想定の範囲内でこの扱いですか、そうですか」
「あー、悪かったわよ。少しやり過ぎたとは思ってるわ」
「ふーんだ。今さら謝られても、私の心には既に深〜い傷ができてしまったのだよ」

 こなたはかがみにそう答えると、荷物を背負ってさっさと下山を開始しようとする。
 拗ねた感じを演出してかがみをからかおうという心づもりで。
 しかし、この行動は予想外の人物からの意外な台詞によって制止されてしまう。

「Waitデス、こなた!まだメンバーが全員集まってイマセンよ!?」
「ふぇ?私とつかさ以外にも遅れてた人がいるんだ?みさきちとあやのんかな?」
「おいおい、あたし達ならさっきから横にいるだろー」
「そうそう。それに、みさちゃんと私は一番最初に集合場所に着いてたんだよ」
「そうなんだ。ということは……」

 こなたはぐるりとその場の全員を見回す。
 そして、自分のよく知る人物が欠けていることにすぐに気が付いた。

「……ゆ、ゆーちゃんがいない!?」
「はい、そのとおりです。そして、みなみさんもまだ姿をみせていないんです」



 〜みなゆた不在〜



「だって、もう集合時間から30分は経ってるよ!?2人ともこういうのに遅れるような性格じゃないじゃん!」
「正確には42分よ。私達だって、あんたやつかさ以外の人間が遅れるような事態は想定してなかったんだけどね」
「そんな話は今はいいよ!2人から連絡とかはあったの、みゆきさん!?」
「そ、それが、全く無いんです。こちらからも何度か携帯にかけてはみたのですが、なしのつぶてで……」
291 :コンクール参加作品『みなゆた不在』[saga]:2009/05/24(日) 16:26:34.15 ID:IRl5FPQ0
 悪い言い方をすれば、こなたとってゆたかは不安要素の塊のような従妹。
 それが初めて来た山中で目の届く範囲にいない上に音信不通、ということで軽くパニックになるこなた。
 これを押さえるのはかがみの役目だ。

「落ち着きなさいよ、こなた」
「落ち着いてる場合じゃないよ!みんな、なんで探しに行ったりして無いのさ!」
「そういう台詞は、まずは自分の携帯の着信履歴を確かめてから言うのね」
「えっ?」
「あんたとつかさにも電話したのよ。あんた達が4人で行動してるのかもしれないって考えてね」

 その言葉に慌てて携帯を確認するこなた。
 かがみとみゆきの携帯からの不在着信が2桁ほどあった。
 パティやひよりの携帯からのものもいくらかあった。
 こなたがつかさの方を見ると、こちらもばつの悪い表情で自分の携帯とにらめっこをしていた。

「ごめん。まったく気がつかなかったよ……」

 謝るこなたに、いつものことでしょ、と軽く流して話を続けるかがみ。
 別にこなたを責めるのが目的ではなく、冷や水を浴びせてとにかく落ち着いてもらうのが目的だったのだ。

「それと、いくらか周りも探しはしたのよ。日下部と峰岸にはあっちのハイキングコースを、田村さんとパトリシアさんには売店と医療室を確認してもらったわ」
「おう。あっちには家族連れが3組くらいいただけで、ちびっこの妹達はいなかったぜ。なあ、あやの?」
「うん。途中にある見晴らし台みたいなところも確認してみたんだけど……」
「ワタシ達の方も手ガカリは無しデシタ」
「医療室は鍵がかかってて人の気配すら無かったッス。トイレものぞいてみたんスけど、そっちにもいなかったッス」

 みんなが2人を探していたのは、こなたとつかさがやって来た方向と反対側だ。
 そして、こなたとつかさはこの場所に来るまでに2人の姿を確認してはいない。
 このことが意味するのは、つまり――

「つまり、2人は行方不明、ってこと?」

 こなたは絶望的な思いでそう口にした。
 そして、すがるような瞳でみゆきの方を見る。
 少しでも反論してほしくて。

「まだ探していないところもありますし、断定はできないと思います。ただ、その可能性は否定できませんが」
 
 みゆきは相当に辛そうな表情で応える。
 みゆきも妹のような存在であるみなみの事が心配でならないのだ。 
292 :コンクール参加作品『みなゆた不在』[saga]:2009/05/24(日) 16:27:10.02 ID:IRl5FPQ0
「こなちゃん、ゆきちゃん。とりあえずもう少し探してみようよ。じっとしてても始まらないよ?」
「つかさの言うとおりだわ。あと30分だけ探してみて、それで駄目だったら警察なりなんなりに連絡すれば大丈夫よ」

 こなたとみゆきが表情を曇らせていくのが耐えられなくて、少しでも元気の足しになればと無理矢理明るい声をだす柊姉妹。
 それでも、最悪の事態をいくらかふまえた発言をしてしまうあたりが現実主義者のかがみである。

「でもさー、ひいらぎ。これ以上どこを探すってんだよ?後は下山する道くらいしか残ってねーぞ?」
「そ、それは……ねえ、こなた、みゆき。何か心当たりとかはないかしら?何でもいいんだけど?」

 みゆきは『まだ探してないところ』などと表現したが、それについてはみさおの言うとおりに下山する道以外は残っていなかった。
 もちろん、人が立ち入るように整備されていない場所を除いて、だが。
 集合を待たずに勝手に下山するようなことは、あの2人に限って9割9分9厘ありえない。
 勢いでもう少し探そうとは言ったものの、柊姉妹もこれ以上どこを探せばよいかなどわからない。

「そう言われても……今朝のゆーちゃんはいつもより元気なカンジだったし、体調には何の問題もなさそうだったし……う〜ん……」
「私にも心当たりはありません。強いて言えば、皆さんに会えるからでしょうか、今朝のみなみさんは少々高揚気味ではありましたけれど」

 2人が山の中で忽然と姿を消してしまう事態の前兆など、普通に考えて思い当たるはずが無かった。
 そもそも姿を消す理由すら思い当たらないのだから。
 何かヒントになるものでもあればと、こなたはゆたか達と同学年の2人にもダメもとで助言を求める。

「ひよりん、パティ。念のために聞くけどさ、ゆーちゃんの学校での様子とかで、最近変わった事とかあったりした?」
「変わったことッスか。うーん……2人とも相変わらずって感じッスけど。パティは何か思いつくことある?」
「ワタシも特には思いつかないデスネ。むしろ2人とも去年よりラヴラヴで、イロイロと順調だと思いマス」
「あー、そうなんスよねー。見てるとまるで初々しい恋人達のようで、私も筆がすすんで――って、そんな話してる状況じゃないッスよね、すみません」

 いつもの癖で一瞬でも『腐』の方向へと話が進みかけたことに陳謝するひより。
 しかし、状況が状況だけにこなたもこれには説教をせずにいられなかった。

「ひよりん、いくら同志といえども謝って済む状況とそうでない状況が――って、かがみ?どうしたの?」

 説教はすぐに中断される。
 いつもなら不謹慎なネタには人一倍厳しく反応するはずのかがみの様子が明らかにおかしくなったのだ。
 丁度ひよりとパティの発言の後ぐらいから妙にそわそわし始めたのだ。

「かがみさん、何か思い当たることでもあったんですか?」
「え?いやいやいや、別に何も無いわよ、何も。全然まったく100%関係ないことを思い出しただけだから。気にしないでいいわよ」
「柊ちゃん、そんなに力一杯否定しなくても……」
「隠し事が下手だよねえ。関係ないかどうかはこっちで判断するから、何を思い出したか聞かせてくれるかな、かがみんや?」

 全員の注目がかがみに集まり、言わざるを得ない空気が形成される。
 かがみは諦めたように溜息をつくと、『別にゆたかちゃん達とは関係ない話だからね、本気で』などとしつこく前置きをしてから話し始めた。
293 :コンクール参加作品『みなゆた不在』[saga]:2009/05/24(日) 16:27:54.27 ID:IRl5FPQ0
「ほら、私の家って神社だからさ、願掛けとか呪いとか、その手の話をよく聞くのよね。でね、この山にもそれ系の噂があるのを思い出したのよ。
 その噂っていうのはさ、この山であることをすれば、それをした2人は来世でもまた強い絆で結ばれる、っていうカンジのものなんだけど……
 ちなみにこの話、みゆきは知ってたりしないの?」
「いえ、初耳です」
「そ、そう。一般的にはほとんど知られてないらしいから無理ないわよね。まあ、その程度の噂ってことかしら」
「かがみ、この山でする『あること』って何さ?」
「べ、別にそこは気にしなくていいのよ。聞いて面白いところでもないし」

 こなたの発した当然の質問に、目を逸らしながら答えるかがみ。

「いや、そこは大事なところでしょ。仲の良いことには定評のあるゆーちゃんたちがその話を知ってたら、その行動をとろうとするかもしれないし」
「みゆきも知らない話を、ゆたかちゃんが知ってるとは思えないけど」
「むう。確かにそれはそうかもしれないけどさ……万が一ってこともある訳だし、それに今はどんなくだらないヒントでもいいから欲しいんだよ」
「かがみさん、泉さんの言うことも一理あります。私からもお願いしますので教えていただけませんか?」

 みゆきにまで懇願され、断ることのできなくなったかがみは、ギリギリ聞こえるか聞こえないか程度の小さな声で短く答えた。

「……自殺するのよ」

 その一言に気を失って倒れそうになったみゆきを、みさおとあやのが慌てて両側から支える。
 こなたも顔面蒼白で、今にも倒れてしまいそうな顔をしている。

「か、かがみ……今、なんて……?」
「山頂付近のとある崖から2人で一緒に投身自殺をするの。そうすれば、例え現世では結ばれることの無い運命にある2人でも来世で強く結ばれるっていう話なのよ」
「そ、そんな……自殺だなんて……」
「だ、大丈夫よ!ゆたかちゃん達がそんなことするはずがないじゃない!だいたい、この話だってゆたかちゃん達は絶対に知らない――」
「ごめんなさい、お姉ちゃん!」

 かがみの発言を遮って、目に涙をいっぱいに溜めたつかさが叫ぶようにして謝った。

「つかさ、ごめんなさいって、どういうこと?」
「わたし、わたし……その話、しゃべっちゃったんだ。先週、駅で偶然ゆたかちゃんに会った時、今回の旅行の話になって、それで……ごめんなさい……」
「じゃ、じゃあ、ゆたかちゃん達はこの話を……!?」

 今度こそみゆきが気を失って倒れ、みさおとあやのがかろうじてその体を受け止めた。


294 :コンクール参加作品『みなゆた不在』[saga]:2009/05/24(日) 16:28:48.63 ID:IRl5FPQ0


 山のひときわ高い場所、切り立った崖の上で身を寄せ合って立つ2人の少女。
 どことなく悲しげな、決意に満ちた表情で崖の下を見下ろしていた。
 やがて、小柄な少女が前を見据えて口を開く。
 その視線はどこか遠くの方へと向けられていた。
 もう一方の少女は、小柄な少女を後ろから優しく包むように抱きしめている。
 
『みなみちゃん。ここから飛べば、私達は一緒になれるんだよ』
『ゆたか、本当にやるの?』

 小柄な少女は振り返ると、上目遣いにもう一方の少女を見つめる。
 そして、真剣な瞳で相手を見つめながら尋ねる。

『みなみちゃんは……戻りたい?』

 もう一方の少女もまた、真剣な瞳で見つめ返しながら言葉を返す。

『私は……ゆたかと一緒がいい』

 その言葉に迷いの色はなかった。
 小柄な少女は悲しそうに微笑む。

『そっか。ごめんね、みなみちゃん』
『謝らないで、ゆたか』

 もう一方の少女は優しく微笑む。

『うん。ありがとう、みなみちゃん』

 小柄な少女は少し無理をして明るく微笑むと、再び前を見据えた。
 その肩は少しだけ震えている。
295 :コンクール参加作品『みなゆた不在』[saga]:2009/05/24(日) 16:29:40.90 ID:IRl5FPQ0
『ゆたか……』
『みなみちゃん。私ね、みなみちゃんのこと……』

 もう一方の少女が、小柄な少女を再び後ろから抱きしめる。
 今度はさきほどより強く、これから先2度と離すまいという意思を表すかのように。 

『大丈夫。言わなくてもわかってるから』
『うん』
『それと……私も、ゆたかと同じ気持ちだから』

 小柄な少女は、自分を包む少女の腕をぎゅっと抱きしめる。
 そして、決して絶望ではなく、希望に満ちた声で言った。

『うん。それじゃあ行こうか、みなみちゃん』

 そして2人の姿はその場所から消えた。





 ――みたいな妄想を気を失ったみゆき以外の全員が頭に思い描いていた、その時。

「こなたお姉ちゃん、お待たせー。ごめんね、思ったより遅くなっちゃった」
「すみません、遅くなりました」
「ゆゆゆ、ゆーちゃん!?みなみちゃん!?」

 みんなの妄想上では、未来を目指して飛んでしまったはずの2人が戻ってきた。

「うわあああああん!よかったよぉー!ゆーちゃん達が生きてるよぉー!」
「え?え?」
「まったくもう!本気で心配したわよ、2人共!」
「でも、2人が無事で本当に良かったよー」
「は、はあ……?」

 泣きながら抱きつくこなた。
 状況を全く把握できないゆたか。
 再開を心から喜ぶ柊姉妹。
 状況を全く把握できないみなみ。

「むー?なーんか妙な温度差を感じる光景ッスねー?」

 妄想と現実の行き来が人一倍上手なひよりだけが、この状況を客観的に捉えていた。 

296 :コンクール参加作品『みなゆた不在』[saga]:2009/05/24(日) 16:30:36.97 ID:IRl5FPQ0
 ☆


 全員がようやく落ち着きを取り戻し、みゆきの意識もなんとか戻った頃。
 みんなを代表してかがみが2人に質問を始めていた。

「とりあえず、連絡も無しに2人でどこへ行っていたのか説明してほしいんだけど?」
「え?連絡も無しに、ですか?」
「ええ。携帯にも何度か電話させてもらったんだけど、2人ともでなかったでしょ?」
「あ、すみません。携帯は荷物と一緒にこなたお姉ちゃんに預けたままにしちゃったものですから」
「私もゆたかと同じで、携帯を預けた荷物に入れたままにしていたので……すみません」
「ちょっと待って。こなたに?荷物を?」
「は、はい……あれ?こなたお姉ちゃんから何も聞いてないんですか?」

 自然とみんなの視線がこなたに集まる。
 しかも、その視線のほとんどがかなり冷たい。
 かがみは、自分の傍の地面のやたらごつごつした辺りを指差してこなたに命令する。

「……こなた。ちょっとここに正座しなさい。今すぐに」
「ちょ、ちょっと待ってよ、かがみ!わたしは何も知らないよ!?濡れ衣だよ!」
「えっ?何も知らないって……こなたお姉ちゃん、私達の荷物はどうしたの?」
「わたしは荷物なんて預かってないはずだよ、ゆーちゃん」
「ええっ!?じゃあ、私達の荷物は置きっぱなしで、ここには持ってきてないの!?ひどいよ!」
「いや、だから預かってないってば!」
「……ゆたか、とりあえず私は荷物を取りに行ってくるから」
「あ、うん。ありがとう、みなみちゃん」

「ねえ、ゆたかちゃん。こなたに荷物を預ける前くらいから、もう少し詳しく話してくれないかしら」 
「あ、はい。わかりました。えーっと、集合時間の30分くらい前に伯父さんから私に連絡があったんです」
「え?お父さんから?ゆーちゃんに?」
「うん。なんか、こなたお姉ちゃんの携帯にかけてもどうせでてくれないだろうからって」
「至極正論ね。それで?」

「仕事の合間をぬって差入れを持って行くから受け取って欲しい、ということだったんで、みなみちゃんと一緒に駐車場まで下りることにしました」
「ああ、2人が戻ってきたときに持ってた袋は差し入れだったのね。荷物は邪魔になるから予めこなたに預けてたってとこかしら?」
「はい。近くにこなたお姉ちゃんが居たので、行き先を告げて荷物を預けたはずなんですけど……」
「だから、わたしは知らないってば。だいたい、さっきの自由時間の間は誰とも会ってないんだよ?つかさも集合場所に戻る時にたまたま一緒になっただけだし」
297 :コンクール参加作品『みなゆた不在』[saga]:2009/05/24(日) 16:31:16.80 ID:IRl5FPQ0
 まったく違う2人の言い分に、腕を組み首を傾げて考え込むかがみ。
 ふっと視線をみゆきの方に向け、ヘルプを要求する。
 みゆきはコホンと小さく咳払いをすると、こなたに対して尋ねた。

「ええっと。泉さんは自由時間の間、何をされていたのですか?」
「え?私?」
「はい。例えば他人の声が聞こえにくい状況にあったとか、そういったことはありませんか?」
「んー、でも別にイヤホンとかはしてなかったしなぁ。普通にDSをしてただけでさ」
「DS?……あの携帯ゲーム機のことですか?」
「そうそう。今日は調子がよくってさ、みゆきさんの記録をもう少しで抜けそうなところまでいったんだけどねー」
「はあ、そうなんですか」
「あと一歩で新記録ってところで誰かに声をかけられてミスしちゃってさー……ん?声をかけられて?……っ!!」

 こなたが血の気の引いた真っ青な顔でダラダラと変な汗をかきはじめる。
 そして、油のきれた機械のようにぎこちなく首をまわし、ゆたかの方に顔を向ける。

「えっと、ゆーちゃん……もしかしてなんだけどさ、ゆーちゃんが私に荷物を預けたときって……」
「うん。こなたお姉ちゃん、ゲームしてたと思うよ。でも、ちゃんと返事もしてくれてたけど……」

 こなたの頭がガシッと鷲掴みにされ、強引に首が元の方向へとまわされる。
 そこには、微笑をたたえたかがみの顔があった。

「こなた。これで、誰が一番悪いのか決まったと思わない?」
「ででで、でもさ!仕方ないんだよ!だって、みゆきさんの刻んだあの記録だよ!?やっと更新できそうだったんだよ!?」
「最期の言葉がそれ?あんたにしては、少々洒落っ気が足りないわね」
「ちょ、待ってって!かがみにも私の気持ちがわかるでしょ!?他人に自分の持ってるゲームの記録を塗り替えられた日には――」

 ギリギリと増していくかがみの握力。
 こなたがなんとか理由をつけて必死になって逃れようとしていると、ゆらりと背後に誰かが近付いた気配がした。

「泉さん。先程から私の名前を頻繁に出されていますが……まさか、泉さんは私にも責任の一端があるとでも言いたいのですか?」
「みっ、みゆきさん!?いや、そういう訳じゃなくってさ、その、実際にあの記録をうちたてたのはみゆきさんだから、ほら、ね?」
「往生際が悪いわよ、こなた。あんたのせいでゆたかちゃん達に対して失礼なことを考えたりまでしちゃったんだから、素直に刑に服しなさい」
「いや、それについては別に私だけが悪いわけじゃないでしょ!?」
298 :コンクール参加作品『みなゆた不在』[saga]:2009/05/24(日) 16:31:57.35 ID:IRl5FPQ0
 自分の名前がだされたので、当然の如くそれが気になってしまうゆたか。
 取り込み中ではあるが、事態に関わっていることかもしれないので、ゆたかはそれを思い切ってこなたに聞いてみる。

「ねえ、こなたお姉ちゃん。かがみ先輩が言ってる、私達に失礼なことって何?」
「ああ、それはね、ゆーちゃんとみなみちゃんが――へぶっ!?」

 少しでも話の矛先が違う方を向けば幸いと思って、すぐにゆたかの質問に答えようとするこなた。
 しかし、瞬時に眼光鋭いかがみによってアイアンクローのように顔面を鷲掴みにされる。

「少しでもしゃべってごらんなさい、こなた……アンタヲ消スワヨ!」

 こなたとゆたかを始め、その場に居た全員が思った。
 神社生まれって怖い。
 みなみが2人分の荷物を遺失物届出所で引き取って帰ってくる頃には、こなたの顔色は燃え尽きた灰のように真っ白になっていたという。
 おまけに、こなた愛用のDSも粉々になっていたという。

 結局、無事(?)に全員揃ったものの、下山はこなたの精神が復活してから、ということになって余分な時間をくってしまう一行であった。


 ☆


「あ、そうだ。みなみちゃん、下山する前にどうしても2人きりで行きたい所があるんだけど……いいかな?」
「……ゆたかと一緒なら、どこにでも」
299 :コンクール参加作品『みなゆた不在』[saga]:2009/05/24(日) 16:42:42.92 ID:IRl5FPQ0
以上です。

今回は「みなみとゆたか」がお題だけど、敢えて2人をあまり出さずに書いてみようかと勢いで書いた
既に同じように本人たちが出ない系の作品を投稿されてる方もいるんですけどねー
時間がないから練り直す暇なんてないのさ!

昨日の深夜に書いて、今朝見直したんだが、最後の方で勢いがきれてて情けないw
そして、みなみには申し訳ないことをした気分でいっぱいだw我ながら登場率が悲惨w

ラストシーンのゆたかの発言の趣旨はみなさんのご想像におまかせというヤツで

長文失礼。
300 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv[saga]:2009/05/24(日) 17:58:08.70 ID:SvlZ9NU0
>>299
深夜からお疲れ様です
>>295の最後の方、再開は再会かな、意味は分かったからいいかw
お題の人物を敢えて出さない手法は、そのキャラ自体を余計に引き立てますよね
GJでした。
301 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv2009/05/24(日) 18:00:19.97 ID:dldVIT20
>>299
乙!お題には十分沿ってると思うぞ。
妄想の部分には思いっきり引っ掛けられたwwww
302 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv2009/05/24(日) 19:29:17.35 ID:dldVIT20
コンクール作品投下行きます。
303 :コンクール作品『場所』[saga]:2009/05/24(日) 19:30:28.02 ID:dldVIT20
2004/05/12 ブログを始めた。

いよいよ自分のブログを持つことになった。
ここには詩とかを書くつもり。
誰も見てくれなくたって、構わない。
私は"場所"が欲しいだけ。


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2004/05/13 雲の上のあなた

晴れ渡る空が私の目を貫く
とても眩しい、蜃気楼が見える様だ
精一杯覗いたその瞳には
ぼやけた影のあなたが映る

雲の上のあなた
私はあなたが恋しくて堪らないのです
今私に翼が生えたならば
あなたの傍で笑い合えるのに


 Comments(2)

 Posted by:ゆーゆー 2004/05/15
 初めまして!ゆーゆーといいます。
 詩を読みましたが、すごい詩ですね!思わず感動しました。
 恋しくてたまらないってゆうのがすごく分かります!
 またステキな詩を書いてくださいね!!

 Poted by:南(Nan) 2004/05/15
 どうも、いらっしゃいませ。南(Nan)です。
 ご感想どうもありがとうございます。
 そんなにすごい詩でしたか(笑)すみません。
 また書くと思います。では…



304 :コンクール作品『場所』[saga]:2009/05/24(日) 19:31:22.88 ID:dldVIT20
2004/05/18 夢とは雨粒

夢とは雨粒
地面に降ってはすぐ消えていく
叶わぬ夢は
未だあの青空の中に

手を伸ばしても
手を伸ばしても
指先にさえ触れられない
飄々と青空を漂う雲のように
夢は流れていく


 Comments(2)

 Posted by:ゆーゆー 2004/05/18
 また読んじゃいました(笑い)
 夢って届かないですよね・・・(泣)
 南さんの悲しい気持ちが伝わってきた気がします。
 次のも楽しみにしてまーす!

 Posted by:南(Nan) 2004/05/18
 これはどうも。
 夢と言いましたが、実は私夢とかは無いんですよ(笑)
 ただ、漠然と思いにふけるという感覚で書きました。
 こんな私の稚拙な詩を読んでくださり本当に有難うございます。



2004/05/20 私は…

私は綿
スカスカで柔らかく
ささやかな風にフワリ飛ばされていく

私は草
色とりどりに咲き乱れる花の陰
その花びらを羨んでいる

私は雲
地に群がる人の集団を
照らすことも濡らすことも能わない

私は私
何処へ行っても
私は私だ

305 :コンクール作品『場所』[saga]:2009/05/24(日) 19:32:25.18 ID:dldVIT20
 Comments(2)

 Posted by:ゆーゆー 2004/05/20
 もう新しいのが来ててうれしいです!!(涙)
 どこに行っても私は私、なんて強い言葉でしょう!
 自分は自分だ!っていう強い意志の表れですね!
 それではー。

 Posted by:南(Nan) 2004/05/20
 どうも。いつも有難うございます…
 私も強くなりたいです。この詩はそんな風な気持ちで書きました。
 お気に召されたようで何よりです。
 ではまた…



2004/06/03 たまには普通の日記。

今日は体育祭があった。
またリレーに駆り出されたが、何とかトップでゴールできたので良かった。
それにしてもピストルの音は苦手。
あの乾いた音は殺人事件を連想されて仕方がない。

私は青組だったが、二位だった。
一位は赤組。三位は緑組、最下位が黄組。
黄組の人たちはガッカリした表情で校舎へ帰ってきていた様だった。

スポーツは苦手ではないけれど、あまり好きではない。
疲れるから。

とにかくも、今日はそんな一日だった。

306 :コンクール作品『場所』[saga]:2009/05/24(日) 19:33:38.40 ID:dldVIT20
 Comments(4)

 Posted by:ゆーゆー 2004/06/03
 体育祭だったんですね。春にあるなんて珍しいですね!
 私のところは秋にあるんですよ。
 ピストルって怖いですよねー。私は笛のままでいいと思います。
 笛の方が優しいから。でもこんなこと言ったら友達に小学生かって馬鹿にされそうです。

 私の友達って私の事馬鹿にしてる感じで嫌です。
 もちろん本当に仲がいい友達もいるんですけどね。
 この前も、書道の時間に書いてたら、これ小学生の字でしょって言ってきたんですよ。
 頭に来ました。

 南さんは大人っぽいからそんなこと言われなさそうですよね。いいなあ。

 Posted by:南(Nan) 2004/06/03
 友達ですか。私から言わせてもらうと友達がいるだけで羨ましいですよ(笑)
 確かに大人っぽいとは言われますが。主に親戚の方々に。

 Posted by:ゆーゆー 2004/06/04
 そしたら、私と友達になりませんか?
 南さんいい人そうなので友達になってくれたら嬉しいです!
 お願いします!
 
 Posted by:南(Nan) 2004/06/04
 そこまで言うのなら。喜んで友達になりましょう。
 記念すべき一人目の友達ですかね(笑)
 実のところは幼稚園の時に何人か居たのですが、私だけ別の小学校で。
 あとはなるようにバラバラになってしまいましたね。



2004/06/25 居場所

私が花壇にいると目立つだろうか
他の十三の朝顔とともに茎を伸ばすけれど
その花びらは開かなくて
どことなく嘲笑が聞こえてくる

私が砂漠にいると目立つだろうか
乾ききった体を砂の塊に埋めるけれど
突風に吹かれて
初めに舞い上がり処を追われてしまうのは私

何処だ
何処へ行けば私は何かと"一つ"になれる

答えは闇
深い深い底の知れぬ暗闇に
私の唯一の居場所がある
307 :コンクール作品『場所』[saga]:2009/05/24(日) 19:35:08.32 ID:dldVIT20


 Comments(2)

 Posted by:ゆーゆー 2004/06/27
 ごめんなさい。風邪を引いちゃって全然感想が書けませんでした!
 今読んだんですけど、なんだかとっても神秘的ですね!
 今度のもすごいと思いました。
 また書いてくださいね!

 Posted by:南(Nan) 2004/06/27
 なかなか返事が来ないのでどうしたのかと思っていたのですが、風邪でしたか。
 お大事に。
 神秘的…そう取っていただければいいと思います。
 ゆーゆーさんの元気が私にも欲しいです(笑)
 それではまた。



2004/07/20 涙腺の海


誰も来ない海
誰も泳げない海

それはいつも波を荒げ
近寄る者に雷を呼び
毒のあるサンゴを飼っている

その海から
一度水が蒸発を始めたとき
とめどなく雨は降り続く

308 :コンクール作品『場所』[saga]:2009/05/24(日) 19:36:00.06 ID:dldVIT20
 Comments(4)

 Posted by:ゆーゆー 2004/07/20
 お久しぶりです!相変わらず素敵な詩ですね!
 今日から夏休みですね。南さんは宿題とかたくさん出ましたか?
 実は私の所すごく多いんですよ!
 夏休みの友があるし、国語は本を読んで読書感想文書かなきゃいけないし、
 漢字の書き取りはあるし、英語も教科書の文全部和訳とかあって、
 もうとにかく大変なんです!
 まだ二年生なのに、なんでこんなに勉強しなきゃいけないんでしょうね?

 Posted by:南(Nan) 2004/07/20
 私も今日から夏休みです。こういう日程は全国共通なんですかね。
 ちなみに今日は海の日です。だから海に因んだ詩を書いたのですが…
 勉強大変ですね。でもやっぱり、こういうことは今頑張っておかないと
 後々勉強に泣いたりすることがあるみたいですから、必要だと思います。
 私の学校も結構な量の宿題が出ていますが。毎日適当な量をこなしていくつもりです。

 Posted by:ゆーゆー 2004/07/21
 うわあ、さすが南さんですね!言うことが違います(笑)
 そうですね、勉強も必要ですよね。今苦しんで後で楽になるんですよね。
 南さんはそれをわかってるのがすごいです。

 Posted by:南(Nan) 2004/07/21
 それほどでも。
 勉強は得意な方なので宿題はそれほど苦になりませんし。
 ゆーゆーさんも頑張ってください。



2004/08/18 温度差

白く輝く太陽の下
"皆"の聞く音は
街のざわめき
海の賑わい

冷房の利いた一室
"私"の聞く音は
小鳥の囀り
ピアノの旋律

温度差
そう皮膚に伝わる熱のみならず
心の温度差

なぜ違う
なぜ一緒になれない
そして私はいつも檻の中

309 :コンクール作品『場所』[saga]:2009/05/24(日) 19:37:12.55 ID:dldVIT20
 Comments(7)

 Posted by:ゆーゆー 2004/08/19
 久し振りですね!なんかちょっと寂しい感じですけど、大丈夫ですか?
 私がいるから大丈夫ですかね?(笑)
 無理はしないでくださいね。

 Posted by:こなりんこ 2004/08/19
 やばw

 Posted by:南(Nan) 2004/08/19
 ゆーゆーさん、心配は御無用です。大丈夫です。無理のつもりはないので。
 それからこなりんこさん、いらっしゃいませ。よければ感想も…

 Posted by:こなりんこ 2004/08/19
 感想とかwwwテラワロスwww

 Posted by:南(Nan) 2004/08/20
 すみません、少し意味が分からないのは私だけでしょうか。私も無知なものですが。
 よろしければ意味を教えていただけますか。

 Posted by:こなりんこ 2004/08/20
 ググレカス

 Posted by:ゆーゆー 2004/08/20
 こなりんこさん?あなたは何をやってるんですか?
 ちゃんと答えた方がいいと思います。



2004/08/31 長い夏休みが終わった。

はい、日記です。
七月下旬から約40日間の長い夏休みが終わりました。
とりあえずよく本を読みました。
全部で二十三冊になります。
暇というのは恐ろしいですね…

明日からまた学校です。
嗚呼、学級委員としてこき働かされる日々…
というのは大袈裟ですが。

310 :コンクール作品『場所』[saga]:2009/05/24(日) 19:37:54.43 ID:dldVIT20
 Comments(2)

 Posted by:ゆーゆー 2004/08/31
 本すごいですね!二十三冊なんて、私には無理です。
 読書感想文のために一冊と、あとは二、三冊読んだだけです。
 感想文って書く前は面倒なのに、一度書き始めると止まらないんですよね!
 不思議です。
 明日から二学期、がんばりましょう!

 Posted by:南(Nan) 2004/08/31
 二、三冊でも素晴らしいと思いますよ。なんでも、最近子供が本離れしてるみたいですし。
 私から言わせてもらえば何故本が嫌いなのかよく分からないのですが。
 感想文は結構書くの好きです。まあ、こうやっていつも詩を書いてる身ですから(笑)
 それではお互い、二学期を乗り切りましょう。



2004/09/12 十四

真っ白な蝋燭が
小さな火種を灯し
四角いテーブルの上に斑に並べられている
一本、二本、全部で十三本

今日 その只中に
新たなる蝋燭が置かれた
これで十四本

賑わいはすっかり翳りを見せ
つまらぬ顔をした火種が
鬱々と灯り続けている
そのテーブルの脚はヒビが入って今にも折れそう

否、これはテーブルでは無い
私の心だ

蝋燭という重しを載せて
私の心は
今もひび割れながら苦しんでいる

311 :コンクール作品『場所』[saga]:2009/05/24(日) 19:38:19.35 ID:dldVIT20
 Comments(7)

 Posted by:ゆーゆー 2004/09/14
 遅れました、ごめんなさい!
 もしかして、今日って南さんの誕生日なんですか?おめでとうございます!
 何だか、すごく苦しんでるみたいですけど、大丈夫ですか?
 何かあったら、私に相談してくださいよ?

 Posted by:南(Nan) 2004/09/14
 ご察しの通り。本日をもって齢14となりました。どうも。
 苦しんでいるのというのは、大したことではないので…お気になさらずに。
 お言葉に甘えて、何かあったら相談はさせていただくことにします。どうも。

 Posted by:こなりんこ 2004/09/16
 うわ、まだあったんだここ

 Posted by:南(Nan) 2004/09/16
 こなりんこさん、お久しぶり(?)です。
 まだここは健在ですが、いかがなさいましたでしょうか。

 Posted by:ゆーゆー 2004/09/16
 南さん。こなりんこさんは多分荒らしなので、無視しましょう。
 2ちゃんねるっていう悪い所があって、
 そこから荒らしの人がたくさん来てるんです。
 こなりんこさんもその一員みたいです。
 ひどいですよね!?

 Posted by:こなりんこ 2004/09/16
 wwwwwwwww
 つーかよく見たら14歳てwwリア厨乙www
 しかも遺体wwwwww

 Posted by:ゆーゆー 2004/09/17
 こなりんこさん!!!いい加減にしてください!!


312 :コンクール作品『場所』[saga]:2009/05/24(日) 19:39:05.83 ID:dldVIT20
2004/09/24 おいで・やめて

柔らかいベッドの上、寝そべっている自分
静かに目を瞑ると
その暗がりの彼方から
一つの手が差し伸べられている

「おいで」
優しそうに広げられたその手は
私に呼びかける

その手を握れば
私は楽になれるだろうか
この谷底を飛び出して
雲の上に辿りつけるだろうか

「やめて」
怖気づいた私はその手をなぎ払うように
慌てて目を見開く

行くとも行かぬとも覚悟できない
そんな自分が嫌で堪らない


 Comments(15)

 Posted by:こなりんこ 2004/09/24
 自分が嫌とかwwwマジ厨二乙www

 Posted by:南(Nan) 2004/09/24
 こなりんこさん、もしかすると私の事を蔑まれていらっしゃるのでしょうか。
 それは一向に構わないのですが。

 Posted by:ゆーゆー 2004/09/25
 南さん、2ちゃんねるの人なんかに構わなくてもいいですよ。
 あんな所、犯罪者がたくさんいるんですから。
 詩の感想ですけど、相変わらずいいですね!
 なんか、ちょっと怖い気もしますけど(笑)

 Posted by:こなりんこ 2004/09/25
 (笑)とか使うなクズ

 Posted by:南(Nan) 2004/09/25
 ゆーゆーさん、ありがとうございます。
 2ちゃんねるって気になって検索してみたのですが、なんだか恐ろしそうな場所ですね。
 犯罪者がいるというのは本当でしょうか。本当だったら身の毛もよだつところです。
 あと、こなりんこさん。そのような言葉遣いは慎むべきだと思うのですが…

 Posted by:こなりんこ 2004/09/25
 wwwwwwwwwwwwww
313 :コンクール作品『場所』[saga]:2009/05/24(日) 19:39:29.00 ID:dldVIT20

 Posted by:ゆーゆー 2004/09/25
 wばっかり打って何考えてるんですか!?荒らすつもりですか!?

 Posted by:あ 2004/09/26
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 Posted by:a 2004/09/26
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 Posted by:しょjgぃ 2004/09/26
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 Posted by:ぱぱ 2004/09/26
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 Psted by:ゆーゆー 2004/09/27
 ちょっと何ですかこれ!!ふざけるのもいい加減にしてください!!
 あなたたち、たぶん2ちゃんねるから着たでしょ!?最低です!
 荒らすのはいい加減にしてください!南さんは一生懸命詩を書いてるんです!!

 Posted by:ゆーゆー 2004/10/27
 最近更新がないみたいですけどどうしたんですか?

 Posted by:ゆーゆー 2004/11/03
 南さん、大丈夫ですかー?

 Posted by:ゆーゆー 2005/01/01
 新年になりましたね。南さん、また戻ってきてくださいね!
 まだ応援してますから!
314 :コンクール作品『場所』[saga]:2009/05/24(日) 19:40:23.46 ID:dldVIT20







2005/09/12 まだ残ってた。

まだこのブログが消えてなかったのに驚き。もうとっくに消されたかと思ってた。

十五歳の誕生日を迎えた。
去年までは、何か薄暗いことを言っていたような気がするけど、今はあまりそういう感じはしない。
多分、素直に喜べてるんだと思う。
歳を重ねることの何が喜びなのかは分からないけど。

まだここを見てくれてる人はいるのかな。
まあ、誰も見ていなくてもいいか。更新はするつもり。


 Comments(0)



2005/09/23 大きなもの

道端を歩いていると
小さな三毛猫が一匹
正面からトコトコやってきた

私はその顔を窺い見る
すると子猫は目をぎょろっとさせて
ちょっぴり震えた声で鳴いた

ああ、なるほど
私は大きいから
怖いんだね

ふと思い出す、昔のこと


子猫のような背丈だった頃
私は
大きなものが怖くって
315 :コンクール作品『場所』[saga]:2009/05/24(日) 19:40:49.71 ID:dldVIT20

大仰な金属音を鳴り響かせる機械
空一面を覆い尽くす暗雲
海面を悠然と横切る巨大な鯨

みんなみんな
小さな私を脅かしているようで……


私は微笑に記憶をくるめ
未だにピクピク震えている子猫の瞳へ
心の中静かに、静かに投げかけた


……大丈夫だよ


 Comments(2)

 Posted by:ゆーゆー 2005/09/27
 久しぶりに見に来たら更新が!もう駄目かなと思ってただけにびっくりでした。
 いい詩ですね♪
 ピクピク震えてる猫って、想像したら可愛すぎてすごかったです(^ ^)

 去年までとちょっと雰囲気が変わってる感じですが、これはこれでいいですね。

 Posted by:南(Nan) 2005/09/27
 こちらこそお久しぶりです。自分でも自分が変化してるなあとは感じています。

 私ってなぜか動物に懐かれないんです(笑)
 この詩の猫も結局逃げちゃいましたし、修学旅行で行った北海道の牧場でも牛に避けられてるみたいで。
 うちは犬を一匹飼ってるんですが、最近愛想が悪いです(笑)


316 :コンクール作品『場所』[saga]:2009/05/24(日) 19:41:22.45 ID:dldVIT20
2005/11/03 鉄粉

ヒュッと北風飛んできて
肌の凍てつく寒い時期
手のひらにはホッカイロが欠かせない

きゅっと揉むだけで
体が真っ赤っ赤になるほど熱を生んで
温めてくれる
とっても有難いけど
なんでだろう?

正体は鉄の粉

あのホッカイロの紙袋の中には鉄の粉が入っていて
空気中を無数に飛び交う酸素とぶくかり化合して
発熱する
そんな化学反応を利用したものらしい

酸素を受けて燃え尽きた鉄の粉は
錆びて真っ黒になり
最早熱を生み出すことはできなくなる



がんばってるんだね
私のために頑張って熱を出して
そして真黒に錆びていくんだ

そんな小さな鉄の粉の自己犠牲に助けられ
今日も私の手のひらは温かいのである


 Comments(2)

 Posted by:ゆーゆー 2005/11/05
 お久しぶりです!
 寒くなりましたねー。早くもマフラー巻いてきてる人もいますね。
 ホッカイロは私もよく使ってますけど、そんな頑張り屋さんがいたんですね!
 確かになんか、かわいいというか、ごめんというか、そんな気分になります。
 いい詩でした!

 Posted by:南(Nan) 2005/11/05
 どうもお久しぶりです。寒いですよね。
 理科の授業中に先生がホッカイロの原理を説明しているとき、思いついた詩です。
 ありがとうございます。


317 :コンクール作品『場所』[saga]:2009/05/24(日) 19:42:16.98 ID:dldVIT20
2005/12/24 恋心とは雪のよう

聖夜と云われる夜
ふと勉強机から手を離し
窓から外を眺めると
愛し合う男女で賑わい返す街並みに
さらりと舞い落ちていく雪

その結晶の形は
一つ一つ
違うという
大自然のささやかな神秘
同じように
男女の愛し合う様も色々

恋心とは雪のようだ

ふっと空から舞い降りて
厚く、厚く積もっていき
互いを温め合っては
じわりと解けていってしまう

私が降りゆく雪ならば
どうかいつまでも解けぬよう
そっと手のひらに載せてほしい


 Comments(3)

 Posted by:南(Nan) 2005/12/24
 自分で書いといて何なんですが、これ恥ずかしい……
 好きな人がいるわけじゃないんですけどね。

 Posted by:ゆーゆー 2005/12/24
 クリスマス・イヴですねー。カップルちらほらいましたね。
 今日の詩、すごく感動しました!というかすごい!って思いました。
 見事に例えられてるんですもん。
 高校になったら彼氏作るんだっ!

 Posted by:南(Nan) 2005/12/24
 ありがとうございます。
 恋ってなんか怖そうでなかなか手が出せません。
 別れ話とかの聞き過ぎかな…(笑)


318 :コンクール作品『場所』[saga]:2009/05/24(日) 19:43:35.69 ID:dldVIT20
2006/01/01 A Happy New Year!

新年あけましておめでとうございます。
私立の試験はもうあと一ヶ月を切っていますが、いかがお過ごしでしょうか。
ちなみに私は県(都?)境またいだ某進学校を志望しています。
一応判定はAですが、最後まで気を抜かぬよう勉強を続けていきたいと思います。
まあもちろん、ゆるく休憩は入れながら。

以前は休憩と言えば小説を読むばかりだったのですが、最近は友人たちと遊びに行ったりしています。
三年生になってできた友人なんですが。趣味が結構合うんですよね。
この冬休み初めてカラオケに連れて行かれたんですが、私歌なんて知らなくて。
かろうじて知っていた曲を歌ったら結構上手いとは言われました。
次はもっと曲を覚えて来よう。

以上新年の挨拶でした。


 Comments(5)

 Posted by:ゆーゆー 2006/01/01
 おめでとうございまーす!
 やっぱり今日は更新がありましたね。絶対更新来ると思ってサイト開いたら大当たり(笑)
 おお、お友達できたんですね!私は遊びに行くのは実姉といとこのお姉さんだけだったり(^ ^ ;)
 カラオケ私はあんまり好きじゃないですねー。
 歌全然ダメなので。高い音を出そうとしたら変な絶叫みたいな感じになっちゃうんですよ(笑)

 志望校受かるといいですね!
 って私もか(笑)

 Posted by:南(Nan) 2006/01/01
 おめでとうございます。さすが、読まれてましたね(笑)
 高音は私もそんなに出ないので、裏声使ってます。裏声が綺麗とは褒められました(笑)
 でもちゃんと出したいですよね。
 ゆーゆーさんも受験勉強、頑張ってください。

 Posted by:konakona 2006/01/01
 はじめまして。実は去年からサイト見てたkonakonaです(笑)
 私も中学の時はろくに友達いなかったなあ。
 高校になって趣味が合うっていうか、なんか息ぴったりな友人ができてマシになった感じ。

 カラオケはね、もう歌えばいいの。上手い下手なんて気にしない気にしない。
 盛り上がれることが大事なんだからさ。
 私の場合はめちゃくちゃ叫びまくってるけど(笑)

 受験勉強かあ。私今高二なんだけど、よかったらアドバイス…しようと思ったけどやーめた。
 だってほとんど一夜漬けだったもん(笑)
319 :コンクール作品『場所』[saga]:2009/05/24(日) 19:44:15.33 ID:dldVIT20
 Posted by:南(Nan) 2006/01/02
 どうも初めまして。管理人の南(Nan)です。
 一夜漬けって、まさか受験勉強をですか?
 ある意味すごいですよ、それ。
 その能力があれば大学もさらっと合格したりするんでしょうか。
 二つ上の先輩なんですね。よろしくお願いします。

 Posted by:ゆーゆー 2006/01/02
 konakonaさんどうも初めまして、ゆーゆーです!
 一夜漬けで受かるって言ったら私の知り合いにもいますねー。
 すごいはすごいんですけど、なんだか(笑)



2006/01/22 入試

入試が終わった。出来はまずまず。
ちょっと難しい問題もあったりしたけど、落ちるということは無いかな。
ちょっと出来を振り返ってみようと思う。

国語……得意教科なので満点も狙っていたし、特に悩んだ設問もなかった。問題なさそう。
数学……大体大丈夫だけど、第3問の図形問題がややこしかった。一応答えは書いたけど…
    あとは、計算ミスをしていないことを祈ろう。
英語……これも得意だけど、ちょっと意味の分からない単語が出てきて焦った。
    文脈から判断して何とかなったと思う。

あとは人事尽くして天命を待つ。
結果は三日後に出るそうなので、その時にまた報告したいと思います。


 Comments(3)

 Posted by:ゆーゆー 2006/01/22
 受験お疲れ様です!っていう私も今日受験だったんですが(笑)
 私はあんまり大丈夫じゃないかも…途中体調不良で危なかったし(_ _ ;)

 そうそう、私がちょっと気分悪くなって休んでたら、ハンカチ貸してくれた人がいたんですよ。
 あんまりこういう事してくれる人っていなかったので、ちょっとびっくりしたんですけど、
 やっぱり嬉しかったです(^_^)
320 :コンクール作品『場所』[saga]:2009/05/24(日) 19:45:21.07 ID:dldVIT20
 Posted by:南(Nan) 2006/01/22
 ゆーゆーさんも受験お疲れ様です。
 体調が悪い状態で試験を受けたんですか?きつかったでしょうね。本当にお疲れ様です。

 ハンカチ貸すって、私はよくやってるので、そんな珍しいことかなと思うんですが、
 まあ今のご時世世知辛いですからね。
 その人も一緒に受かってるといいですね。

 Posted by:konakona 2006/01/22
 二人ともおっつー!
 南さんは勉強得意そうだなあ。うらやましい。合格切符は安泰ですな。
 ゆーゆーさんは大変だったねえ。まあ私もギリギリで受かったと思うし、多分なんだかんだで行けてると思うよ。
 そういやあハンカチ一枚貸すのもやり辛い世の中だよねえ。



2006/01/25 通知が来た

今日通知が届いた。結果は合格。
これでもう受験からは解放されたことになる。

いくら勉強が得意な方とはいえ、さすがに勉強一色の生活は精神的にも参った。
私は自由になったけど、周りは公立受ける人もいて全然気楽ムードではない。
暗記カードを持ち歩いてぶつぶつ単語を唱えてる人がちらほら。

そんな人にはちょっと悪い気もするけど私はまったり小説でも読ませてもらおう。


 Comments(5)

 Posted by:ゆーゆー 2006/01/25
 合格おめでとうございます!!
 受験から解放よかったですねー本当に。
 で、実は、……

 私も合格でした!!

 びっくりというかほっとしたというか、そんな感じです。
 うー、舞い上がっちゃいそう!!

 Posted by:konakona 2006/01/25
 二人ともおめでとさんっ!
 私のいとこも実は受験で、今日通知が届いたんだけど、合格だった。
 ぎりぎりだったみたいだけどねー。
 お疲れっということで、まあゆっくり羽を伸ばすといい。
321 :コンクール作品『場所』[saga]:2009/05/24(日) 19:46:10.45 ID:dldVIT20
 Posted by:ゆーゆー 2006/01/25
 konakonaさんありがとうございます!
 そうそう、受験の日にハンカチくれた人も受かってました!
 これでお揃いで高校生です。
 今日会ったとき名前聞いておけばよかったのに、忘れてた(笑)

 Posted by:konakona 2006/01/25
 どうもどうも。これでおめでたいのは三人だね。
 私のいとこ入れたら四人か。勝手に入れるなって言われそうだけど(笑)

 Posted by:南(Nan) 2006/01/25
 ゆーゆーさんおめでとうございます。これでお互い自由ですね(笑)
 ハンカチの人も受かってたようで何よりです。
 konakonaさんありがとうございます。私の友人の中にも私立で合格決めたのがいて、
 これからは友人と遊び漬けになりそうです(笑)
 とにかくおめでたいですね。



2006/02/14 ブログ存続危機?

先日ブログの管理会社からメールがあったのですが、サーバ移転のため、
一ヶ月後から今のアドレスが使えなくなることになりました。
つまり放っておくとこのブログが消えるわけです。

もちろんちゃんとブログを続行するための手続きもあるんですが、
正直どうしようかと迷っています。

なぜ迷っているかというと、まだ自分でも整理しきれてないんですが、
残す意味があるかどうかわからないんですね。
もしかしたら高校に入ったら忙しすぎて更新に手が回らなかったりするかもしれませんし。
そうしたらこのブログのためのスペースが無駄になるわけで。

どうするべきなんでしょうか。

322 :コンクール作品『場所』[saga]:2009/05/24(日) 19:47:17.76 ID:dldVIT20
 Comments(4)

 Posted by:ゆーゆー 2006/02/14
 ありゃりゃ、大変ですね゚ ゚ ;
 うーん、私はまだあった方がいいかなーと思います。
 ほとんど毎日チェックしてるので、そういうのが一個無くなると、やっぱりさびしいですし。
 もちろん、南(Nan)さんがもう続けないつもりなら、私もそれで納得しようと思いますけど。
 難しいですね…_ _ ;

 Posted by:南(Nan) 2006/02/14
 ご意見ありがとうございます。
 記事にはあんな風に書きましたが、正直今自分がどう考えてるのかわからなくなってます(笑)
 ここの更新を楽しみにされてるんですね。嬉しいですが、それだけに複雑です。
 おっしゃる通り、難しいですね。

 Posted by:konakona 2006/02/14
 私はどっちかっていうと新参者だからなあ。
 意見できる立場じゃないとは思うんだけど、やっぱ無くなるのはアレかなあ。
 何気に楽しみにしてるしね。ゆーゆーさんみたいに。

 まあ、私の意見は蔑ろにしちゃって構わないから、南さんの好きに決めてよ。

 Posted by:南(Nan) 2006/02/14
 konakonaさんご意見ありがとうございます。
 うーん。やっぱり楽しみにしてくれてるんですね…
 そしたら、続けることにしますかね。
 どうしようかな…


2006/02/23 ダメな友人K

今日友人の一人が都立の高校を受験しました。
会場から帰ってきたところにメールで出来具合を聞くと、
「不安が多すぎる」とのこと。
ああ、駄目かも。

問題用紙を見せてもらいましたが、書き込みとかほとんどされておらず、
とても綺麗なままでした。
それが社会や国語ならともかく、数学の問題用紙まで綺麗だったので、
計算とかしなかったのかと聞いたら、
「わからないから寝てた」と。
ダメじゃないですか。

合格発表は四日後だそうですが、もう結末が粗方予想できてしまって、
聞きたくないです(笑)

323 :コンクール作品『場所』[saga]:2009/05/24(日) 19:47:45.67 ID:dldVIT20
 Comments(4)

 Posted by:konakona 2006/02/23
 友人やばいねそれ(笑)
 でもなんか憎めない。私みたいで(笑)

 Posted by:南(Nan) 2006/02/23
 そういえばkonakonaさんは一夜漬けでしたね。
 その友人もそんな感じのコです(笑)
 偏差値あんまり高くない(48)のでまあ大丈夫でしょとは言ってたんですが、
 あれじゃあ。

 Posted by:ゆーゆー 2006/02/25
 コメント遅れましたっ。
 ちょっと前に家を引っ越したというか、とにかく環境が変わったので、なかなかパソコンが使えません。

 数学の問題って普通計算式でごちゃごちゃになるのに、綺麗なままって^ ^ ;
 望みもわずかしかないじゃないですか(笑)
 
 Posted by:南(Nan) 2006/02/25
 そう、全くその通りです。頭も真っ白だったんでしょうね。
 それでもあんなに呑気なのはある意味尊敬します(笑)



2006/02/28 決定

以前の連絡の続きというか決定事項です。
私はよく考えた末、このブログを消すことにしました。

元来このブログは詩を投稿するためのスペースとして作ったんですが、
実は以前からもうそういうのは必要ないんじゃないかと思い始めていて。
面倒な手続きをしてまで維持させるほどじゃないなって思ったんです。

私のわがままに付き添わせてしまって申し訳ないですが、どうかご理解を。
それでは。


 Comments(4)

 Posted by:konakona 2006/02/28
 消す方に決まったか。
 ちょい残念だけど、まあ仕方ないよね。
 お疲れさん。高校生活頑張ってね!んじゃ!

 Posted by:南(Nan) 2006/02/28
 どうも。もし偶然どこかのサイトで一緒になることがあれば、またお話しましょう。
 コメントやありがたい言葉本当にありがとうございました。
 高校でも明るく生きていけるように頑張ります。
324 :コンクール作品『場所』[saga]:2009/05/24(日) 19:48:25.15 ID:dldVIT20
 Posted by:ゆーゆー 2006/02/28
 いざお別れとなると、やっぱ悲しいですね。
 今から二年くらい前にここを知って、あのときはこれだけが日常の楽しみでした。
 それからしたら私も随分変わったなーって思います。

 南(Nan)さんも、友人ができたおかげか、なんだか大人になったような気がします。
 詩も優しい感じに変わっていって。
 もう読めないのかなーと思うと寂しいです。

 とにかくも、本当に今までお疲れ様でした!!

 Posted by:南(Nan) 2006/02/28
 私も自分自身成長して行ってるのを感じていました。
 ゆーゆーさんも落ち着いていった感じですね。
 離れ離れにはなりますが、今はお互い友人もいますからね。
 それに、またどこかで再会することもあるでしょうし。

 ゆーゆーさんには感謝しきれないほどの恩を感じています。
 私を支えてくれた人として。
 本当にありがとうございました。

 それでは。

325 :コンクール作品『場所』[saga]:2009/05/24(日) 19:49:17.93 ID:dldVIT20
2006/03/10 期待を胸に

『多数の友を持つは、ひとりの友も持たず』
恩師はそう賜った

友人をたくさん持つということは
一見華やかで素晴らしいことのように思えるが
そんな人が本当に理解し合える友は
一人もいないという意味なのだということだ

大切なのは友人が多いことではない
一人でもいいから
分かりあえる友を持つこと

『友を大事にせよ』
何度聞いた言葉か分からない
でも私にとって珠玉のごとき言葉だ

あと一か月もすれば高校生活が始まる
どんな日常が待っているのだろうか
ひとりの友と心を通わせ合える
そんな毎日だったらいい

いざ 新たな場所へ


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326 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv2009/05/24(日) 19:52:49.67 ID:dldVIT20
よし、投下終わり。
投下してる途中何度も何度も改行50行の制限に引っ掛かって
削って書き込む削って書き込むの繰り返しだったww

しかし大学忙しすぎてマジ時間なかった。
色々改善したい所があるけどもう終了間際だしいいや!って半ば投げやりww

最後まで読んでくれた方に感謝。
327 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv[sage]:2009/05/24(日) 20:24:14.90 ID:T/8w56k0
>>326


途中の荒らし辺りがいい味出してたと思う
にしてもなにがあったんだこなた;;

自分も久しぶりにコンクール作品投下
いつもぎりぎりに投稿するのは癖になってるのかww
328 :神様への終わらない言葉[sage]:2009/05/24(日) 20:26:18.52 ID:T/8w56k0
 目の前が真っ白になっていく。
 それは何かの表現じゃなくて、ただ純粋に一つの色に統一された世界が私に何もかもをわからなくさせただけ。
 その袋を開けたとき、確かに私とみなみちゃんは暖かな「何か」に触れたんだと思う。
 神様。
 居るんだとか居ないんだとか、適当なことをいってごめんなさい。
 確かにあなたはそこに居ました。
 居たからこそ、私にこの袋を持たせてくれたんだと思います。
 でも一つだけ教えてください。
 こんな風に私を助けてくれたのなら。
 
 どうして最初からこんなことにならないようにしてくれなかったのですか?


 中学までの私はなんというか……そう、単純に不幸だったのかもしれない。
 体が弱くて病気になりやすく、学校も早退することが多かった私は、単純に友達が少なかった。
 自分の体のことを恨んだことは幾らでもある。
 丈夫な体になりたいと思ったことだって幾らでもある。
 それは人として当然のことなんだろうと思いたい。
 それでも勉強してこなたお姉ちゃんの居るところに行きたかったのは、ただ「知り合いが一人でも居る高校に行きたかった」それだけでした。
 中学でそれなりに仲がよかった数少ない友達は、私とは全然違う道へ目標を持って動き出していく中、何も決まらない私はまだ皆についてこうとまでは思うことが出来なかった。
 でもそうして受けたこの陵桜で、私の学校生活は驚くほどうまくいっている。
 今まで嫌な思いをしたことはたくさんあったけれど、これは神様が私にくれたご褒美なのかもしれない。
 田村さんにパティちゃんにみなみちゃん。
 時々背が小さくて馬鹿にされることはあっても、驚くくらい体は健康。
 ……本当に、何か極端に不幸だなんて思えたことが、あったかどうかも思い出せません。

 私に「袋」が届けられたのはそんな時だった。

329 :神様への終わらない言葉[sage]:2009/05/24(日) 20:27:00.74 ID:T/8w56k0
 朝、目覚まし時計と共に起きると、いつもと変わらない光景が家の中にはある。
 朝になると日差しが入ってきて、暖められてしまう布団の誘惑から抜け出して部屋を出ると、一緒に住んでいる二人の様子を見に行く。
 私は朝が割と早いほうなんだけど……とはいってもその二人にとっては時間なんて些細なものなのかもしれない。
締め切りが近くて体を壊さないだろうかなんて思わせるほどキーボードを叩き続けるおじさん。
 平日だというのに、朝までネットゲームをプレイしてへとへとになってるこなたお姉ちゃん。
 この分だと今日の朝食担当は私になりそうだ。
「おはよう」
 とりあえず朝なので、二人に声を掛けておく。
「ああ、おはよう」
「おひゃよー」
 どうやらお姉ちゃんのほうは完全に頭がぼやけているよう。
 大学の講義中に寝ていないかどうか最近少し心配かも。
 本人はごまかすようなことを言っていたけれど、多分ちょくちょく寝ているんだろう。
 朝食は……昨日の晩に作ったお味噌汁を温めて、後は卵を使って何か適当にすればいいや。
 鍋に火をつけて適当に卵に野菜を混ぜて玉子とじを作った。
(お味噌汁は……まだちょっとかかるかな)
 火が弱すぎたのかもしれない。
(とりあえず新聞でも取りに行こう)
 玄関を出るとまだ春だからなのか、太陽があっても体にはあまり心地よくない。
 眩しさに一瞬目が眩みはしたが、顔に吹きつけてくる風が私の体を完全に起こしてくれた。
とりあえず早く新聞を取って中に入ろう。
 そう思ったときでした。
「……あれ?」
 目の前には小さなダンボール。
 普通こういうものはサインとかしてから受け取るものなのに……。
 宛先を見るとそこにはしっかり「小早川ゆたか様」と書かれている。
 お姉ちゃんやおじさんにはこういったものがよく届くけれど、私に届くことなんてほとんどない。
 懸賞だって出した覚えはないのだ。
 でもこれ凄く怪しいなあ……。
「――いけない! お味噌汁火にかけたままだった!!」
 とりあえず新聞と箱を抱えて急いで台所に向かい、その時は荷物のことなんて綺麗さっぱり薄れていく。
 箱はリビングの隅の置物になって、そのまま学校が終わって帰るまで忘れられていたのだった。

 
330 :神様への終わらない言葉[sage]:2009/05/24(日) 20:28:27.09 ID:T/8w56k0
 つまり私にとってはひじょーにどうでもいいものだったのだ。
 みなみちゃんがパティちゃん達に冗談でからかわれたり私がそれに助け船を出したらそれでまた何か話の種になったり。
 皆と楽しく喋って家に帰った跡にようやく思い出すようなもの。
 あー、そういえば何か小包があったなぁ。なんて。
 一日中家に居たおじさんが何も言わなかったのが少し不思議だったけれど、とりあえず部屋に持っていって開けてみる。
 そこに入っていたのは、薄い緑色の入った小さなお守りのような袋と、一つの手紙。
 とりあえずメモ帳のようなものに走り書きされた手紙を読むことにした。

「これはあなたの願いが一つだけ叶う袋です。今だと思ったときに開ければ、あなたがその時一番望んでいることが叶います」

 …………。
 …………。
 …………何を今更。
 確かに中学までは体が丈夫だったらいいなーなんて思っていたけれど、今では別にそんなことほとんどどうでもいいことだ。
 大体願いが一つだけ叶うなんて、確かに夢はあるけれど実際そんな便利なものがあるわけがない。
 でも本当に叶うんだったら、私は何を願っているんだろう。
 皆とずっと仲良く居られること?
 それとも、今でも体が丈夫になること?
 ……身長……も確かに願わなかったわけじゃないけれど。
「考えていても仕方ないよね」
 そう、そのとおりだ。
「うん、開けよう」
 ……今のは本当に私の言ったこと?
 考えている間に手が袋の方に延びていき、年末の宝くじを探るような感覚で口に手をかけた。

331 :神様への終わらない言葉[sage]:2009/05/24(日) 20:29:34.28 ID:T/8w56k0
 ――何かの電子音がする。
 これは何のだったっけ。
 聞いたことがあるような、ないような曖昧さが逆に不気味な音のようにも思えてしまうその音は、だんだんはっきりと聞こえてきた。
 制服のポケットからだ。
 そこにはいつも携帯しか入れていないんだから、きっと音の発信源は携帯だろう。
 ――あれ? 携帯の音……だよね?
 そう、携帯の音――なのだが。
 どうして今まで気付かなかったんだろう。
 ぼんやりしていた意識が次第にはっきりとしていく。
 袋に手をかけたまま止まっている指と、その背景には少し気に入っているもらい物の大きなぬいぐるみ。
 確かゲームセンターで六千円ほどかけて取ってきたものだっけ。
 私が手探りでポケットの中を探っていた手は、何も無かったように携帯と袋を交換した。
 こなたお姉ちゃんからか……。
 窓の外は薄めた赤を適当に塗りたくったような、そんな風にだけ見えた。
 この時間帯に掛けてくるということは、ご飯は要らないのだろうか。
「はい小早川です」
 家の電話と携帯電話のときはきっちりと使い分けている。それはこの家に来たらすぐに習慣にしたことの一つだ。
 ……トイレのドアが開いているときは最善の注意を払って進むようにするのも習慣の一つになってしまっている。
 こなたお姉ちゃんはどうやら外に居るらしい。車の音や人の声でとてもじゃないが聞き取りづらい。
「もしもし! ゆーちゃん!? 今帰りにみなみちゃんと会って話をしていたんだけれど、みなみちゃんが上から落ちてきたダンボールで頭を打って……えと、いつもゆーちゃんが行く病院に送られたんだけど! 結構やばそうで――」
 体中の熱が引いていくのを意識したくなかった。
 みなみちゃん――――。
「う、うんわかったすぐ行く!」
 制服のまま、私は家を飛び出した。
 おじさんに何かを言うのも忘れてしまった。
 ごめんなさいおじさん。悪気はなかったんです。事情は後で話しますから。
 自転車に飛び乗り、私にこんな荒っぽい運転が出来たのかというほど、速度はぐんぐん上がっていった。
 きっとそこの曲がり角を曲がるときに子供が居たら、私は大怪我をさせてしまうだろう。
 だから――どうか誰も居ないでください。
 そんなことが何度も続く。
 
 ふと、私の中を一つの言葉が駆け抜けていった。
「もしみなみちゃんが死んだら、どうする?」
 みなみちゃんが死んでいるわけがない。あんなにも私に気をかけてくれた人が、こんな簡単に死んではいけない。
「だからもしもの話。本当に死んでいたら?」
 もしも死んでいたら……?
 私は……?」
 私は、きっと神様を恨むんじゃないのかなとだけ思う。
「どうして」
 簡単だよ……こんなの不公平だ。それ以外に理由なんて何も要らない。
「神様なんてどうせ信じてないじゃない? こんな時だけ信じることの方が、不公平なんじゃないかな?」
 そんなの関係ないよ……今はそれよりみなみちゃんが。
「――覚悟、一応決めといたほうがいいんじゃない?」

332 :神様への終わらない言葉[sage]:2009/05/24(日) 20:32:20.30 ID:T/8w56k0
 誰も轢く事無く病院に着く。
 玄関を入ったそこには慣れすぎた清潔な空間。
 正直この色合いは嫌いだ。
 見ているだけで、自分が病人なんだと意味も無く思い知らされてしまうときがあるから。
 そしてそれも手伝って、ロビーに集まっているさっき別れた友達の顔をみて、なんとなくわかってしまった。
 神様なんて居ない。
 つまり、みなみちゃんは――死んでいるか、とても危ない状況なんだ。


 そこからのことはあまりよく覚えていない。
 急いでみなみちゃんの居る病室に行って、袋を開けただけ。
 みんな「奇跡だ」とかなんとか騒いでいたけれど、私は涙が流れていても心の底から流れていくような感覚はしなかった。
 看護のお姉さんが「もう大丈夫です」という声が、私の心の中に染み込まれていく。
 嬉しかった。
でもそれ以上に、何だか悲しかった。

 
 ――ソレが本当に暖かかったことが、私を戸惑わせたのだろう。


 ある日いきなりこの袋が届けられて、すると偶然みなみちゃんが事故にあって、更に偶然私がいつも行く、私がすぐに行ける範囲のところの病院で、その袋を開けたら本当にみなみちゃんが元気になっていって――――。
 何だか、私がいいように利用されていて、これはもしかしたら最初から決まっていた筋書きなのではないか――――。
「理屈なんてどうでもいい。みなみちゃんが助かったなら、それでいいじゃない」
 違う。
 そんな単純な「奇跡」じゃない気がする。
 神様は、ただ単に私に意地悪しているだけじゃないのか。
「もしかしたら、神様が守ってくれたのかもしれないよ?」
 本当に守るんなら、どうして私にこんな思いをさせるのか。
 ……もし本当にこの袋は神様から贈られたものだとしたら。

 神様なんて嫌いだ。
 
 どうしてあなたは最初からこんなことにならないようにしてくれなかったのですか?

 
333 :神様への終わらない言葉[sage]:2009/05/24(日) 20:34:08.90 ID:T/8w56k0
 私の目の前が広がっていく。
 今度は光によって染められていくのではなく、ただ純粋に暗い空間が広がっていくのだ。
 皆の居た病室が、私とみなみちゃんを残して作り変えられる。
 私は何もないはずのところに立っていた。
 ガラスの上に立つのと同じ感覚。
 しかしそのガラスは非常に薄く、そして脆く思われた。
 今たっているこの世界が何かということは簡単にわかる。
 これは私の心の世界。
 私の手足が私のものであるように、この世界も私の世界だと思うことはたやすい。
 無意識のうちに、神様を悪者なんだと決め付けている私も手に取るようにわかってしまった。
みなみちゃんは、私の目の前で同じように何もない場所の上に立っている。
 いつもだったらすぐに駆け寄って、必死で体のことを聞いていただろう。
 闇になれた私の目は、怪我をしているなんて全く感じさせない(いや、実際は既に完治
していると思われる)一人の人間を見ていた。
 
 どうしてみなみちゃんにこんなことをするの?
 どうして最初からなかったことにしてくれなかったの?
 どうして私なの?
 どうして――――私の中のみなみちゃんは、笑ってくれないの?
 
 目の前のみなみちゃんは、表情なんて何もない。ただ単に立っているだけ。
 これが私の心の中なら、この人は私に笑ってくれているはずなのだ。
 自分の思ったことをした。
 それが神様のせいだと思った。
 でもこの人は、そう思う私を認めてくれていないのか。

334 :神様への終わらない言葉[sage]:2009/05/24(日) 20:34:57.57 ID:T/8w56k0
 また世界が作り変えられて、病室に戻る。
 病室には私とみなみちゃんしか居なかった。いや、居たとしても私にはただ見えなかっただけなのかもしれない。
 私には本物のみなみちゃんしか見えていなかったのだ。
 体調を崩したとき、保健室に連れて行ってくれた。
 試験のときに、私にハンカチをくれた。
 いつも世話になりっぱなしで。
 私が助けられることなんて、何一つなくて。
 ……でも今回は、私が助けたんじゃない。これは、最初から最後までただの悪戯で、私は何をしたというわけではなく、みなみちゃんも間違ったわけではない。
 そう、これはただの事故だ。
「ゆたか」
「……みなみちゃん?」
 私を呼ぶ声がする。
 かすかに動く唇から、耳元で囁く程度の声。
 それでもその動き方で、何を言っているかははっきりとわかる。

 ごめんね。それとありがとう。
 みなみちゃんは、とてもいい笑顔をしていた。

「―――――――!」
 単純に息が止まったとはこのことを言うのだろう。
 確かに「ごめんね」と言っているように思えた。
 そして……「ありがとう」と。
 もしかしたらこの人は、私がしたことを知っているのではないだろうか。
 いつも何もかも見通しているようなその目で、今回のことも知っていたのだろうか。
 ――いや、私が今日突然荷物を送られてきたように、みなみちゃんにも何かがあったのか。
 ……ううん、そんなことはどうでもいい。
 この人は謝った。
「心配をかけてごめん」かもしれない。
「迷惑をかけてごめん」かもしれない。
「駆けつけてきてありがとう」かもしれない。
 でもきっと違うのだ。
 この人は、私が袋を開けたことにはありがとうと言ってくれた。
 そして……私が、疑った神様に謝ってくれたのだ。
 そうか。
 そうだったんだ。
 これは、悪戯なんかじゃなかった。
 今頃になって、私の頬を伝わる一筋の涙を感じ取ることが出来た。
 この袋は、この人を助けるためのものだったのだと、私は確信した。
 どうしてあの袋が来たかなんてどうでもいい。
 私の心がどこまでクリアになっていく。

335 :神様への終わらない言葉[sage]:2009/05/24(日) 20:36:18.78 ID:T/8w56k0
 神様、嫌いなんて言って、本当にごめんなさい。
 私からも謝ります。
 そして――。
「助けてくれて、本当にありがとうございました」
 私の中のみなみちゃんが、笑った。
 
 もしかしたらこの嬉しさこそが、「私の本当の願い」だったのかもしれない。

 

 あの日から数ヶ月過ぎて、みなみちゃんは無事退院してきた。
 今私は家の神棚の前に居る。
 あの袋は、神棚の横に供えて返しておいた。
 私の心の中では、私の周りに居る皆がとびっきりの笑顔をしている。
 だから、もう一度神様に言うのだ。
 そして、これからもきっと。
 わがままかもしれないけれど、もうしばらく私の言葉を聞いていてください。


 神様へ――――――――――。
336 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv[sage]:2009/05/24(日) 20:40:15.22 ID:T/8w56k0
以上です

ありがとうございました^^
337 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv[sage]:2009/05/24(日) 21:01:35.95 ID:6VBjmADO
>>336
やべ、ちょっとホロッときた
GJ…
338 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv2009/05/24(日) 21:50:25.15 ID:g8/L9Yc0
『ゆーちゃん』と、の作者です。感想ありがとうございました。

>>283
ラストをどうするか本当に迷いましたが、そう言っていただけると作中の形にしてよかったと思います。

>>285
はい、その通り、BLEACHです。その中のキャラクター、ネルを見て今回の話を思い付きました。ひよりんはその代弁です。

>>286
私の中にあるこなたとかがみのやり取りは、作中のようなイメージが強いのですが、言われてみればかわいいようにも見えますね。

>>287
えっと、私の作品の感想ですよね?ぶっ飛んでいる所はノリノリで書いてて楽しかったですが、しっかりしなければならない所は頭使って疲れました。でも、その分楽しんでいただけたと思います。


重ね重ねですが、ご感想をいただきありがとうございました。
339 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv2009/05/24(日) 21:52:11.28 ID:Azp2X6k0
またまた滑り込みコンクール作品です。

ちょっと浮世離れした作品なんで、ひょっとしたら好みに合わないこともあるかもしれないんですが……。
多分8レスです。とりあえず投稿します。
340 :妖精の国の女王2009/05/24(日) 21:53:42.09 ID:Azp2X6k0
ゆたかの実家にお邪魔させてもらえると言う事で、今私はゆいさんが運転する車の後部座席にゆたかと並んでいた。
普段住んでいる泉さん宅とは違うもう一つのゆたかの家を目指していた。
私とゆたかの座高の差が大きいものだから、ゆいさんいわく「あはは、ゆたかとみなみちゃんを見てると姉妹みたいに見えるよお!でも本当のお姉さんは私だかんね!?」だそうだ。
それを聞いたゆたかは「またお姉ちゃん、そうやって私を子ども扱いするぅッ!」と、雪見大福みたいに、ほっぺをまん丸くぷく〜っと膨らませるのだった。

高校初めての夏休み。
太陽はギラギラと輝き地面をちりちりと焼いていて、時折吹く風が何とかそれを冷まそうとするも、結局それが原因で風までもが炎のように熱を持って暴れまわっている。
それに対してこの車の中はよくエアコンが利いていて、外界の熱波など今の私たちには全然関係ない。快適そのもの!
の、はずなんだけど、どうしてだろう……。ゆいさんの車に乗ると、すごくめまいがしてくるように感じるんだ……。
そもそもはゆたかの体調を気遣った結果、涼しく快適になってるはずんだけれど、あれ?この車、タイヤがキュルキュル言いいながらカーブを曲がってるよ?。
なんだか目が回ってくるから、遠くの景色を見ようと窓の外を覗いてみた。
元気よく作物が育ちつつあるのどかな田園風景と、青々とした低い山々に囲まれた、私が住んでいる都会の住宅街とは正反対に、自然ゆたかな町並みが広がっていた。
あ、今私、ダジャレを言ったかもしれない。ふふ、「自然ゆたか」なんてね……。
ん?……うあっ、ゆたかが腐ったバナナを見るような目でこっちを見てるっ。ひょっとしたら知らず知らずのうちに声が出ていたのかも。うわ〜、やっちゃった〜……。

「みなみちゃん、顔が真っ赤だよ。もしかして暑い?」
「えっ?う、ううん、心配いらないよ。ゆたかこそ冷房が効き過ぎて寒くはない?」
「全然。大丈夫だよ。あのね、もうすぐ私の家なんだ」

少しだけ山を登り、何件かの家が並んでいる中の、外壁が薄いピンク色に塗装された少しおしゃれな家が、ゆたかの家だった。
私や泉さん宅ほど大きな建物ではないものの、庭の広さは私の家の庭よりもずっと広くて、都会の窮屈さを思い知らされた。

「ふいー、到着ー!我が家に着いたよ〜」
「ゆいさん、ありがとうございます」
「みなみちゃん、こっちだよ!」
341 :妖精の国の女王2009/05/24(日) 21:55:37.35 ID:Azp2X6k0
>>340


ゆたかの母親であるゆきさんとの挨拶も終え、私はゆたかの部屋に案内されていた。
私の殺風景な部屋とは違い、とても女の子らしい部屋だ。
デスクの上にはノートパソコンが置かれ、ぬいぐるみがいくつかベッドに並んでいた。
私の部屋にもこのくらい沢山のぬいぐるみがあったらいいのに。

「ここすごく田舎でしょ?キツネもたまに出るんだよ」
「それはすごいね、一度見てみたいな。いい所だと思うよ。私の家じゃ、あり得ない」
「えへへ。でもね、あんまりお外には遊びに行けなくて、いつも家にこもってパソコンとかしてたから……」
「そっか……」

ゆたかの趣味がパソコンと言うのは、初めは違和感があったけれど、そうなるのも無理は無いのかもしれない。
私は立ち上がり、ゆたかの部屋を一望した。
机の上には中学時代の頃の写真や、泉さんと一緒の写真などが飾られている。
幼いゆたかは今以上に幼くて、あぁ、本当にゆたかったらかわいいなあ。
本棚の中には何冊もの絵本がしまわれていた。
そのうちの、背表紙の無い奇妙な一冊。画用紙の端をひもでまとめ、本のように閉じられた手作りのものがある。

「あ、みなみちゃん。じつはそれ、私が始めて書いた絵本なんだ……」
「絵本?……本当だ、かわいいね。読んでもいい?」
「うん、読んでみて。妖精さんのお話だよ」

私は絵本を読み終え、窓の外を覗いた。
あれだけ強く輝いていた太陽も、すでに山の裏に隠れてしまい、雲を真っ赤に染めていた。
空高くに見える飛行機雲が、とても涼しそうに浮かんでいる。
まあ、飛行機雲が浮かんでる高度なら、涼しいを通り越して極寒だと思うけど。

「ねえ、みなみちゃん。ちょっと外に散歩に行かない?見せたいものがあるんだ」
「いいよ。私もここを冒険してみたい」

ゆたかはカッターナイフをポケットにしまうと、小さくやわらかい手で私の手を引っ張り、家の玄関を出た。
相変わらず外の空気は蒸し暑く、私が着ているシャツが少しべとつく。
342 :妖精の国の女王2009/05/24(日) 21:57:20.55 ID:Azp2X6k0
>>341

ゆたかと繋いだ手も同じように汗で濡れ始めて、お互いの汗が混ぜ合わさって……。
あ、これ以上なにか考えると、田村さんと同じになりそうだからやめよう。

ゆたかは山に続く道路を進んでいく。
周りの森の中だけはすでに夜みたいに暗くなっていて、人が入り込むのを拒んでいるように見えてならない。
大きな岩を目印にして、ゆたかは不気味な森の中の獣道へと私を連れて行く。ここまで来るともう、人間の来るべきところでは無い気がしてくる。

「ゆたか、どこへ連れて行くの?」
「秘密の場所。みなみちゃんだけにしか教えてあげない、私しか知らない場所だよ」

ゆたかは大きなブナの木の前で立ち止まった。樹齢はもしかしたら千年以上たつかも知れないほどの、とても巨大な大木だ。
でもなんだろう?ゆたかの見せたいものって。この木の事なんだろうか?

「みなみちゃんみなみちゃん。ここだよ。この穴をくぐって行くの」
「え?この根っこの隙間の穴?こんな所に入るの?」
「うん……。見せたいものがこの中にあるの。信じて、みなみちゃん」

もちろん。
ゆたかがこんな所にまで連れてきたのだから、よっぽどすごいなにかがここにあるはずだ。
ゆたかがそうまで言うなら、何を疑うと言うのか。
私は迷うことなく、木の根元にぽっかり口を開いた穴の中に、四つんばいになりながら頭から突っ込んだ。
暗い、前が何も見えない。土のにおいが鼻をつく。冷たい地面が、私の火照った手のひらから熱を奪う。
長いトンネルを潜り抜けると、赤く染まった夕焼けと、草原と、それから目の前には町があった。
私に続いてゆたかが愛くるしい顔をひょっこりと穴から出した。

「ようこそ!みなみちゃん、ここは妖精の国だよ!」
「妖精の国!?」

町から人が飛び出してくる?ん?人?あれは……飛んでる!?ミツバチみたいに小さな妖精たちが、こっちの方へ向かってくる!
343 :妖精の国の女王2009/05/24(日) 21:59:59.81 ID:Azp2X6k0
>>342

「お帰りなさいませ、女王様」
「ただいま、みんな」

本当に、妖精の国……。

「ゆたか、ここはどこなの?」

私は妖精たちが作ってくれたスープを飲みながら、ゆたかにたずねた。
ゆたかはサラダを食べる口を一旦とめて、うんとね、と口元に指を当てながら悩んだ。

「私もはっきりした事はわかんないんだけどね、多分、私たちが暮らしてる世界とは違うと思うんだ。ここには日本みたいな森もあるし、川も流れるし、雨も降るんだけど、やっぱりちょっと違うんだよ。
最初にここに来たのが、幼稚園年長さんのときにお母さんに連れられて来たの。
あの時は私は、どこかの遊園地だと思ったんだよ。でも、小学生になって世の中の事が少し分かってきた頃に、ここがどれだけ特別な場所なのか分かったんだ。
最近はこなたお姉ちゃんの家に暮らしてるから、なかなか来れなかったけど、その前はいつもここに来て遊んでたんだよ」
「じゃあ、女王様っていうのは?」
「女王様は、代々受け継がれてるの。私はお母さんから……。この町はね、私が作ったんだよ」

歓迎される私たちに、妖精3匹が自分の体よりも大きなビーフシチューを運んでくる。
この妖精の国のお城の中には、沢山の妖精たちがいた。
ゆたかに聞きたいことや突っ込みたい事は、百も千もあったものの、それよりまず私の心がこの異常事態に対応仕切れておらず、心臓バクバク。
でも、なんだか楽しい。ここはひとまずそれでいいか。
時間が過ぎるのを忘れて、もう真っ暗な夜になっていた。

「みなみちゃん、こっちに来て!」
「うん!」
「ほらきれいでしょ?ここからこの町が一望できるんだよ!ほら、あそこには公園があって噴水もあるんだよ!それからあそこには観覧車があって……、あっちにはね湖もあるんだよ!全部私と妖精さんたちで作ったの」
「湖まで作ったの?すごい」
344 :妖精の国の女王2009/05/24(日) 22:01:39.98 ID:Azp2X6k0
>>343

「そうだ!みなみちゃんの銅像をあの公園に立てよう?」
「え?い、いいよ。ちょっと恥ずかしいし……」
「大丈夫だよ、妖精さんたちはやさしいし、外の世界とは別々だし。それに直ぐに出来るよ」
「う、うん。じゃあ……立てて」

ゆたかの一言で作業は始まった。
手際のいい妖精たちの仕事はあっという間だった。
銅像を作るために私の体を妖精がじっと見つめている。そんなに見られると、妖精とは言え、すごく恥ずかしいよ……。
一時間後には、私がドレスを着た姿の銅像が、公園の広場に立てられた。
見ていて、顔から火が出そうなほど立派な銅像が……。うぅっ、私こんなに美人じゃないよ……。

そんな時間もあっという間に過ぎ、ゆたかがそろそろ帰ろうか、と言う一言で私は現実の世界を思い出した。
また穴をくぐって、大きなブナの木の根元から這い上がった。
しんと静まり返った森の中は、あの妖精の国の賑やかさを夢だったかのよう思わせる程不気味で、冷たい現実が私に強引にでも目を覚ませと耳元で訴えているような感覚だ。

「みなみちゃん、どうだった?」
「すごく、わくわくした。こんな所があったなんて、今でも信じられない……」
「私はお母さんにこの場所を教えてもらったの。それ以来私は、誰にもここは教えてこなかったけど、みなみちゃんだけには教えてあげたかったんだ」
「ありがとう、でもすごすぎるよ。こんなの秘密にするなんて、私、自信がないよ」
「大丈夫だよ。あのね、みなみちゃん、私はお母さんから女王様を受け継いだの、だから次は、みなみちゃんに女王様になってもらいたいの」
「え!?そんな……、私、無理だよ……。どうして?ゆたかはもう、女王様は嫌なの?」
「ううん、そうじゃないんだけど……。いつまでも私じゃあいけないと思うんだ。私はもう十分楽しんだんだよ。だから次はみなみちゃんに、なって欲しいの」
「ん……。でも、私の家からじゃ遠くて」
「ここに来るのはたまにで良いんだよ、一年に一回でもいいし、十年に一回でもいいの。だから、みなみちゃんにこの国をあげる」

ゆたかはポケットに入れていたカッターナイフを使い、ブナの木に何かを刻み始めた。
暗くてよく見えないため、途中から私の携帯で照明を照らした。
ブナの木の表面には「岩崎みなみ」と、文字が刻まれていた。
345 :妖精の国の女王2009/05/24(日) 22:03:35.50 ID:Azp2X6k0
>>344

そしてその文字が、杉の木に吸い込まれるようにすうっと消えてしまった。

「あれ?みなみちゃんここどこ?」
「ゆたか?そんな、ゆたかがここに連れて来たんだよ?」
「え?あれ?あれ?みなみちゃん、怖いよ……」

そんな、そんな。女王が受け継がれれば、先代女王は今までの事を全部忘れてしまうって言うの?
なんて悲しいんだろう。いや、本当は私の夢だったんじゃないだろうか?全部私一人の妄想だったんじゃないか?
もういい。何も考えないで帰ろう。
わたしはゆたかの肩を抱いて、ゆたかの家へと戻った。
やっぱり、家族の人は私たちが帰るのが遅い事を心配して、私とゆたかは黙って謝った。
ゆきさんに妖精の国のことをさりげなく聞いてみたが、何の事か分かっていない様子だった。

私はゆたかの部屋にひかれた布団の中で、今日の事を思い出していた。
ゆたかはどうして私に、あの国を託したんだろう?
明日また、あそこに行ってみよう。

「ここだ……」

私はまだ日が昇るか昇らないかという早朝に、ゆたかの家族に気づかれないようこっそりと家から抜け出し、大きなブナの木の前に立っていた。
やっぱり根元にはぽっかりと穴がある。私は大きく息を吸うと、柔らかな土の穴の中へと潜っていった。
穴を抜けると、広い草原があった。夢じゃない。
ただ、昨日見た町も、湖も、お城も、そして私の銅像も何も無い。ひたすら地平線の向こうまで続く野原が広がっていた。

「女王様、いらっしゃい!」

どこからか妖精たちが私のところへ集まり、私を迎え入れてくれて、ちょっとうれしい。
そうか、今度は私がここの国を建てなくちゃいけないんだ……。
でもね、ゆたか。私にはゆたかみたいな創造力や、創作意欲はないんだよ。
私にはお城や町を作れる程の意気込みはないんだ……。
346 :妖精の国の女王2009/05/24(日) 22:05:00.86 ID:Azp2X6k0
>>345

妖精たちには悪いけれど、この国はしばらく草原のままだと思う。
ごめんゆたか。本当に……。でもここは好き。
本当に一年に一回しか来れないかもしれないけど、誰か継承者が出来るまでいつまでもここの女王になり続けるからね。



〜これは昔のおはなし。
お友達がつくれない、ひとりの女の子がいました。
それは体がよわく、いつもびょうきにかかっていたので、いえのそとにでられないからです。
お友達がいないので、いえのそとに出たいとも思っていませんでした。
いえの中からそとを見ると、男の子たちが走りまわっていました。
でも女の子は、どうせ私は走れないから、と思ってそとに出ようともしませんでした。
ある日のよる、ようせいさんが女の子のいえの中にこっそりはいりこみました。

「ねえねえ、私たちの国においでよ、びょうきなんてふっとんじゃうよ」

女の子はようせいさんにつれられて、ようせいの国にやってきました。
そこではようせいさんたちがいっぱいいて、女の子をかんげいしました。
この国では、女の子は走りまわることができました。
ようせいさんたちと、のはらをかけまわりました。

「ほら、走るってたのしいでしょ?みんなとあそぶっておもしろいでしょ?」

おんなのこはようせいの国からかえっても、いえのそとで走りたくて、しかたありませんでした。
だから、いえからとびだし、ようせいの国のようには走れなくても、走りました。
するとたくさんの子供たちが、女の子にはなしかけます。

「ねえ、いっしょにあそぼうよ!」

女の子には、あっというまにお友達ができました。
女の子はしあわせでした。
ようせいさんは、森の中から、そんな女の子のようすを、いつまでもいつまでも見つづけました〜
347 :妖精の国の女王2009/05/24(日) 22:08:13.93 ID:Azp2X6k0
>>346

私は隣で眠る娘に、絵本を読み聞かせていた。
今年で5歳になる、私の大切な宝物だ。髪は緑色で、私に似ていて、本当にかわいいたっらもう、ゆたかと比べようがないくらい!
このゆたかが描いた絵本は、昔、初めてゆたかの家に行ったときに読ませてもらったものだった。
今ではこの絵本が出版されていて、多くの子供たちに夢を与えている。ゆたかの夢は叶ったのだ。

「ママ、この妖精の国、私知ってる!行ったことあるよ」
「ふふ、本当?」
「うん!あのね、ゆたかおばさんの家の近くなの」
「そう。またおばさんの所に行こうね」

この子も、ゆたかみたいに夢のある子に育ちそうだなぁ。
妖精を見たことがあるなんて、言うんだから。
あぁ、私も妖精に会ってみたいな。こんな絵本みたいにどこかに妖精の国があったら、どんなに楽しいだろうな。

「それでね、私が女王様なんだよ?覚えてないの?」
「そう、さ、そろそろ寝よう」

この絵本を読むとなんだか、とてもなつかしい感じがする。
お休みなさい、妖精の国の女王様。
348 :妖精の国の女王2009/05/24(日) 22:10:32.06 ID:Azp2X6k0
以上です。
お題が決まってから三秒で思いついたストーリーです。
読んでいただき、ありがとうございました。
349 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv[saga]:2009/05/24(日) 22:16:36.88 ID:IRl5FPQ0
>>282
ひよりの妄想オチとは思わなんだw
こなたとかがみの掛け合いがいいねぇ

>>326
書くの大変だったろうなー、これ
それにしても、こなたの豹変っぷりが素敵すぎるw
50行制限にあわせて投下するのって、わりと気ぃつかうんだよな

>>336
神秘的というか、不思議な感じの作品ですな
話に引き込まれて最後までいっきに読めてしまいました

>>348
GJ。3秒で思いついたとは思えない、いい話だなぁ
>ゆたかが腐ったバナナを見るような目でこっちを見てるっ。
って、おいおいwみなみの思考がおもしろすぎだろw



てか、俺も含めてだけど最終日すべりこみ組の多いことww
350 :第14回コンクール主催2009/05/25(月) 00:02:13.12 ID:Ar5PTkgo
★★★らき☆すた★★★

では、25日になりましたので、第14回らき☆すたSSコンクールの投稿期間を終了いたします。
作者の皆さん、お疲れ様でした!
投票は5月26日から6月1日までとなっております。投票所のURLは後ほど。

★★★らき☆すた★★★
351 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv[saga]:2009/05/25(月) 00:06:22.37 ID:nl.OyaY0
こなた「と、いうわけでコンクールお疲れ様でした」
かがみ「お疲れさま」
こなた「全10作中、なんと最終日だけで5作!なんという滑り込み率!」
かがみ「まあ、それだけ難しかったのかしら?」
こなた「ワンセットの二人とはいえ、同時にお題に入ると難しいね。油断すると百合方面に走っちゃうし」
かがみ「…ワンセットだの百合だの、自分の従姉妹とその親友をナンだと思ってるんだ」
こなた「ま、まあそれはさておき…ゆーちゃんみなみちゃん。今回お題にされてどうだった?」
ゆたか「え、えっと…色んな体験が出来て面白かったよ。思ってたより大変なことにはあわなかったし…ね、みなみちゃん」
みなみ「…うん」
かがみ「ま、この二人じゃそうそう変なことにはならないでしょうね」
こなた「まさに、愛だね」
かがみ「…いや、よくわかんないけど」
こなた「でもね二人とも、愛は優しいだけじゃダメなんだよ」
ゆたか「え、そうなの?」
みなみ「…?」
こなた「そう!愛は囁くことじゃなく、心殴りつけ始まるロマンシングヤード!!」
スパーン!
かがみ「こんな感じ?」
こなた「い、いやスリッパでひっぱたくとかそう言う事じゃなくて…てか、ただのネタ…」
かがみ「ん?まだ足りなかったかしら?」
こなた「いやいやいや!待ってかがみ!」
かがみ「遠慮しなくて良いのよ…わたしの溢れる愛を…ハァハァ…」
こなた「怖い!目とか何か色々怖いって!…い、いや、あの…わーっ!!」
かがみ「あ!待ってよこなたー!」



ゆたか「…えーっと…コ、コンクールに参加された方も、読んでくださった方も、運営に携わった方も、お疲れ様でした…」
みなみ「…ばいにー」




前回に引き続き、今回もレビューを書いてみようと思ってます。
また投票最終日にでも、ひっそりと投下しておこうと思ってます。

…いや、ちゃんと書けたら、ですけど。
352 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv[saga]:2009/05/25(月) 00:19:25.58 ID:Y5HA9C60
>>326
また新しい感じのssですね。詩がとてもよい雰囲気を出してましたよ。
あらしがまたリアルでいいですね。
>>336
いい話でした。GJです。
ゆたかの気持ちが簡潔でよく表現されてますね。
>>338
やっぱりBLEACHでしたか。私は一護と白一護のことだと思ったんですけどね、ネルでしたか・・・
ちなみに私の作品でかがみの言ってた小説は「灼眼のシャナ」です。・・・たぶんわかった人いないと思いますけど。
>>348
すごくいい話ですね。
なんだかホッコリしました。三秒でこれはすごい!めっちゃいい作品!
>>349
本当にすべりこみ多いですね。
私は結構早くに投稿したんですけどかなり誤字が多くて・・・。
三回も推敲して見直してこれとは悲しいものです。


感想書くの下手ですいません。それにしても何だか今回はハイレベルなものが出揃いましたね。
正直私のは長い上に誤字脱字の多さではかなりの自身のある作品になってしまい、もはや最後まで読んでくれる人さえほとんどいない気さえしてきます。誤字脱字って見つけるの難しいですね。
353 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv[saga]:2009/05/25(月) 00:30:04.61 ID:MLlP7Yc0
>>350
終了宣言乙です!

>>351
レビュー楽しみに待ってますんで、頑張れー
こなたも逃げるの頑張れーw

>>352
感想に上手いも下手もないんだぜ
GJの一言だろうが批判だろうが気にせずに思ったままを書いてもらえれば、投下側としてはありがたい限りだよ


ところで、今回は避難所にもコンクール作品が投下されているようなんだが、
投下時刻的に考えると、もったいないけどギリギリアウトになっちまうのか?
それともギリギリセーフなのか……?
354 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv2009/05/25(月) 00:39:15.06 ID:0ucCIsAO
>>351
おおっ!!俺が大好きな恒例行事コンクールレビューの作者さん!
今回も期待させていただきます。
盛大に笑って楽しむだけじゃなくて、他の読者の方(っていうかキャラクター?wwww)からどんな風な感想を頂けるのか、すごく貴重な機会でもありますし。

本当に、結局最後は滑り込みで10作品の大台に乗りましたね。作品数少なくて寂しいとか言い出したのどこのどいつだよ……


俺です……。
355 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv[sage]:2009/05/25(月) 00:39:17.63 ID:7iCBXEDO
>>326
なんか知らんが荒らしに吹いてしまったww


ごめんよみなみ
356 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv2009/05/25(月) 00:42:58.41 ID:Ar5PTkgo
おっと、ごめん気付いてなかった>避難所
一応時間内に投下開始されてるからokにしようと思うんだが、問題あれば避難所のほうで

>>351
今回書いてないが、楽しみにしてるぜ!
357 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv2009/05/25(月) 01:07:40.60 ID:MKvT7mI0
>>348
何故かゲームのセーブデータを他人に上書きされる悲劇を連想してしまったww
358 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv2009/05/25(月) 01:25:59.77 ID:75MUuUSO
コンクール作品が全て神作とかなんなの?僕が悶え死ぬの?

本当に神作多すぎてどれに投票するか迷うなww
359 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv2009/05/25(月) 01:53:34.79 ID:bapQeZM0
コンクール投下したみなさんお疲れ様です
最後いっきにきてて吹いたwwww
360 :ぐっじょぶですよ![sage]:2009/05/25(月) 02:10:18.54 ID:wxAU.2DO
>>299
ラストで思ったんだが

もはや二人ともこの世の人ではない、と?
361 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv[saga]:2009/05/25(月) 07:29:09.32 ID:T767xOc0
>>360
作者のコメントでも書いてあるように
それぞれ読者の思ったとおりの結末じゃないの?
いろいろ考えちゃうけどね。
362 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv[sage]:2009/05/25(月) 12:05:25.37 ID:9LkJY1QP
このスレまだあるんだ
もうけいおん!の時代らしいよ?
363 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv[saga]:2009/05/25(月) 14:10:34.68 ID:T767xOc0
>>362
今日は休みなので書いてみた。

確かに時代的はそうかもしれないが
自分がらきすたを知ったのは2008年の後半、たまたまネットで見た
アニメ1話が切欠で好きになった。
原作6巻速買った。
おそらくそれが無ければ見向きもしないジャンルの漫画・アニメだったね。
このサイト知ったのも今年になってから
まさに今が自分にとって旬、好きになってしまったものはどうしようもないw
2期を願いつつ、ssを読み書きして楽しんでいるだけす。
 




364 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv[sage]:2009/05/25(月) 14:44:00.64 ID:VMLE56o0
>>363
放送終了して結構経っても、ネットやレンタルでハマって……
っていう人が割といるもんなんだね。
リアルタイムでアニメ見た後、
原作→ゲームって流れでのめり込んだ俺としては嬉しい限りww

機会があったら、貴方のSSも読ませて下さい。
365 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv2009/05/25(月) 15:54:50.41 ID:KdJVVUAO
>>362

そう言わず、一緒にこなたに洗脳されましょう。
と、このスレに来てもうすぐ2年になる、完全に洗脳された廃人の俺が言ってみる
366 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv[sage]:2009/05/25(月) 17:17:03.42 ID:9LkJY1QP
確かに今見ればもう少し楽しめるかもな
放送当時は少なからず周りの空気に影響されてた気がする
367 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv[saga]:2009/05/25(月) 18:39:22.26 ID:IApwUsSO
ぶっちゃけると、放送当初はまったくのノーマーク。
当時嫌いだった、ハーレム系のアニメだと思ってました…。
それがDVDショップで二話のデモをやってるの見て、DVDレンタル→原作購入→足りねぇDVDも買っちまえ。

で、気が付いたらこんな所でSS書いてたり。
世の中不思議ですね。
368 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv[sage]:2009/05/25(月) 18:43:02.57 ID:ma26TMDO
>>365
原作を1話からリアルタイムで読み→アニメ化→今のスレの原型つかさ死亡スレからROM→ゲーム化
貴方が廃人なら私は…orz
369 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv2009/05/25(月) 19:14:07.83 ID:KdJVVUAO
>>368
強者ですね。
370 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv2009/05/25(月) 19:22:35.37 ID:IApwUsSO
>>368
廃神
371 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv[saga]:2009/05/25(月) 19:50:21.96 ID:T767xOc0
うを、>>363で熱く語ったらいつの間に盛り上がってしまったw
まだまだらきすたも捨てたもんじゃないよ。
連載してるかぎり、

>>364さんへ
このサイトがデビューでもう何作品か投稿してます。
いまコンクールにも投稿していますので作品名は今は言えません。
何かの機会によろしくです。
372 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv2009/05/25(月) 19:57:32.80 ID:pRoA4wSO
らきすたはまだ終わらんよ
新作ゲームの開発もあるし
美水の新連載もらきすた繋がり(?)だしな!

そして皆の心に彼女等が生きている限りこのスレは不滅さ!

と、臭い台詞を吐いてみる
373 : ◆99/tzfnSzY[sage]:2009/05/25(月) 20:26:55.24 ID:p0lmD5co
え、連載おわってたの?
374 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv2009/05/25(月) 20:42:38.41 ID:0ucCIsAO
>372

スレ違い覚悟でお聞きするけど、新作ゲームって?
今初めてそんな話聞いたけど、新作の予定があるの?
375 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv2009/05/25(月) 21:20:01.89 ID:pRoA4wSO
>>373
らきすたと同時連載だ

>>374
開発中だかそんなような言葉が宣伝用のらきすた4コマの隅に書いてあった
376 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv2009/05/25(月) 21:35:06.16 ID:KdJVVUAO
「宮河家の空腹」

今調べて初めて知った……。
いかんな、時代に後れてたわ。
377 :岩崎みなみちゃんの憂鬱[saga]:2009/05/25(月) 23:20:43.63 ID:nl.OyaY0
投下行きます。

コンクール後に軽く書いた、2レス程のキャラ崩壊ものです。
378 :岩崎みなみちゃんの憂鬱[saga]:2009/05/25(月) 23:21:48.08 ID:nl.OyaY0
「みなみちゃん。チェリーちゃんは元気?」
 ある日の昼休み、ゆたかが弁当をつつきながら、みなみにそう聞いていた。
「…うん…最近は元気すぎて少し困るくらい…」
「へーそうなんだ」
「…ゆたかの股間に鼻面突っ込んで以来、何かに目覚めたみたいに…」
 ブフッっと音がした。ゆたかの隣に座っていたひよりが、飲んでいたお茶を思い切りパティの顔面に吹いていた。
「ヒヨリ〜、ヒドいですヨ〜」
「あ、ご、ごめん…ってかそんな事あったんだ…」
 ひよりの言葉にみなみが頷く。
「…鼻面突っ込んだ挙句に、匂いまで嗅いでいた…わたしが先にやろうとしていたのに…」
「いや、犬ならまだしも、みなみちゃんがやったら、普通に変態なんじゃ…」
 ひよりがそう言うと、みなみはフッと鼻を鳴らした。
「…そういう漫画描いてるくせに…」
「いつ見たんスか!?」


- 岩崎みなみちゃんの憂鬱 -


「…お茶忘れた」
 みなみが自分の弁当を見つめながら、そう呟いた。
「いや、今頃気がついたんスか…」
 ひよりが呆れたようにそう言った。確かによく見てみると、みなみの弁当の側にだけ飲み物らしきものがなかった。
「あ、じゃあみなみちゃん。わたしのお茶でよかったら飲む?」
 ゆたかが飲んでいたペットボトルのお茶のキャップを閉めながらそう言ったが、みなみは首を横に振った。
「…ううん、いい。それだとゆたかの分が減るから…だから」
 みなみはひよりの方を向いた。
「…田村、お茶買って来い。三時間かけて」
「なんでいきなりパシリ!?しかも三時間って、授業サボれって事!?ってか今欲しいはずだよね!?意味無いよねソレ!?」
 いきなりな理不尽に憤るひより。それを見たみなみがため息をつく。
「…使えない人」
「うわーなんだこれ…ぶちキレる通り越して呆れるわー」
 もはや達観したかの様な表情になるひより。その視界でパティがなにやら一生懸命に、自分の弁当箱の中身と格闘していた。
「パティ、何してるの?」
 ひよりがそう聞くと、パティは顔を上げて額の汗を拭った。
「イヤー。ロールキャベツがなかなかほどけなくて、エキサイトしてマシタ」
「その行為に一体何の意味が…」
379 :岩崎みなみちゃんの憂鬱[saga]:2009/05/25(月) 23:22:23.88 ID:nl.OyaY0
 妙なことに情熱を燃やすパティに呆れるひよりの隣で、ゆたかが自分のお茶をみなみに差し出していた。
「飲み物無しでお弁当食べるの大変だよ?わたしはいいから、みなみちゃん飲んでよ」
 結局みなみは、差し出されたペットボトルを躊躇しながらも受け取った。そして、キャップを開け飲み口をじっと見つめた。
「みなみちゃん、どうしたの?」
 そのまま動かなくなったみなみを心配して、ゆたかが声をかける。
 次の瞬間、みなみは鼻血を噴出して後ろにぶっ倒れた。
「ええええええっ!?なんでー!?」
 ゆたかが慌ててみなみを抱きかかえる。
「…ごめん、ゆたか…わたしには刺激が強すぎる…」
 その腕の中で、みなみは無念そうに呟いた。
「え、刺激って…中身ただのお茶なんだけど…っていうかみなみちゃん口もつけてなかったんじゃ…」
 さっぱり理解していないゆたかの後ろで、ひよりはどうしようもなく呆れた顔をしていた。
「間接キスを想像して、なのかな…それでよく股間に顔突っ込もうとか考えてたッスね…」
 そんな中、パティは一人黙々と自分の弁当と格闘していた。
「で、パティは何してるの?」
「…ノリタマのゴマをハシでツブすのはムズカしいデス」
「いや、ソレ本気でわけわかんないよ…」
 ひよりとパティが話してる間に、ゆたかは気を失ったみなみを床に寝かせていた。そして、自分のペットボトルを困った顔で見つめた。
「どうしようかな…これ、もう飲めないよね?」
 ゆたかのペットボトルの中身は、みなみの鼻血で真っ赤になっていた。
「確かに、それ飲むのはやめといた方がいいかも…」
 ひよりがそう言うと、ゆたかはしばらく考える仕草をして、ひよりの方を向いた。
「ねえ、田村さん」
「ん、なに?」
「お茶買ってきて。五分以内に」
「えー」


- おしまい -
380 :岩崎みなみちゃんの憂鬱[saga]:2009/05/25(月) 23:23:30.85 ID:nl.OyaY0
以上です。

何がどう憂鬱なのか、書いてて分かりませんでした。
あと、パティに何やらせたかったのかも、さっぱり分かりません。
381 :第14回コンクール主催2009/05/26(火) 00:02:44.30 ID:7Diu7Ngo
これより、第14回らき☆すたSSコンクールの投票を開始します。
気に入った作品に、皆さまの一票をお願いします。
投票所はこちらです→http://vote3.ziyu.net/html/lkstxiv.html
382 :第14回コンクール主催2009/05/26(火) 00:02:59.83 ID:7Diu7Ngo
これより、第14回らき☆すたSSコンクールの投票を開始します。
気に入った作品に、皆さまの一票をお願いします。
投票所はこちらです→http://vote3.ziyu.net/html/lkstxiv.html
383 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv[saga]:2009/05/26(火) 00:21:30.30 ID:SaG9vNo0
トップページの
コンクール作品はこちらで第14回 にジャンプする項目がないけどいいのかな?
384 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv[saga]:2009/05/26(火) 00:37:29.35 ID:SaG9vNo0
>>383
出来ました 勘違いだったみたいです
385 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv[saga]:2009/05/26(火) 00:58:23.02 ID:lAH/SFk0
えっと、新参ですはじめまして。らきすたSSでググってきますた。ここは、
かがみさんがへんたいで、
ただおさんがアッーーー!!な人で、
みゆきさんがみゆき様で笠付いちゃう人で、
つかささんはバルサミコ酢とマヨネーズがあればサバイバれるという
そんなスレと認識してよろしいのですか?
386 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv2009/05/26(火) 06:50:13.61 ID:97mM1MAO
>>385
一年前だったらそれで正しかった。最近そういうの減ったな……。
387 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv2009/05/26(火) 17:25:31.25 ID:wS92MUDO
>>386
かがみだけは昔と変わることなく、今も安定してへんたいだよなw
388 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv[sage]:2009/05/26(火) 18:28:24.62 ID:WYJV5ADO
>>387
かがみと『このスレの住人だけ』は昔と変わらなくへn(ry
389 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv[saga]:2009/05/26(火) 21:26:15.08 ID:SaG9vNo0
>>380
鼻血で吹いたw
キャラ崩壊してるけど、基本性格は押さえている
GJ
390 :泉こなたの消失の作者2009/05/26(火) 23:42:40.47 ID:dDvKpCk0
凄く長いことスレから離れてたけど、
今日まとめwiki見て
自分の作品がまだ残ってて感動した(まぁ残ってて当然なんだけど)。
未完結のまま終わらせんのも何か嫌だから
多分大体1年ぐらいぶりに続きを投下しようと思います。
いきなり現れてごめんなさい。
待たせてた人、本当にごめんなさい。
391 :泉こなたの消失 第七章2009/05/26(火) 23:43:16.17 ID:dDvKpCk0
……さて、どうしたものか。

私は今、ベッドで横になっている。

状況がよく分からない人のため、といっても誰一人状況を理解してる人などいないだろうが、
ここまでの経緯をちょっと説明させていただこう。

「やるしかない」と意気込んで立ち上がった途端である。
私の視界は、大きく揺れた。意識も飛んだ。気付いたら、私はベッドの上に倒れていたのである。
すぐに母さんが部屋に来てくれて熱を測ってみると、なんとまぁ三十九度七分。

結論、私は風邪をこじらせてしまったのである。証明終わり。

私の体を蝕んだ風邪菌を呪いたいが、呪ってばかりもいられない。私にも非がある。
あんな時間に風呂なんか入って、寒い部屋でボーっとしてたら風邪菌が喜んで侵略を始めるなんてことがなぜ予想できなかったのか。
くそ、油断した。幸いインフルエンザじゃないからよかったけど、これじゃどうにも動くことができない。
動きたい意志を脳に送り込んでも、脳の方が拒否反応を返してくるのだ。

つかさは心配そうな顔をして遅刻ギリギリまで私のそばに居てくれたし、
いのり姉さんも早く良くなるようにアドバイスをくれたが、
まつり姉さんだけは「そーやって汗かいたほうがダイエットになるんじゃない?」と言いながら鼻で笑って立ち去っていった。
母さんがすぐに薬を持ってきてくれて、さらに氷枕を用意してくれたお陰で、11時を回った頃には自力で動けるようになっていた。
さらば、風邪菌。次はまつり姉さんに取り憑いてくれ。できれば明日に。

腹いせのためにまつり姉さんの部屋に向けて大きく咳払いをしていると、携帯電話が鳴った。

『うぉーい、風邪かよ、柊ぃ〜』

日下部からのメールだった。時計を見ると、ちょうど4時間目の真っ最中である。

『ちょっと、授業中じゃないの。しかも今世界史でしょ? 黒井先生に殴られるわよ』
『今まさに殴られた〜。痛ぇよぉ〜』
『馬鹿ね。私が黒井先生でも殴ってたわよ』
『柊が心配なんだよ〜。私の愛ってものがわからないのか?』
『お前に“愛”なんて言葉は似合わん。別に私のほうも心配するレベルじゃないわよ。次殴られる前にとっとと携帯しまっとけ』
『みゅ〜、折角ゲーセン行こうって約束したのになぁ〜。プリクラ撮ったりしたかったぜ』

そうだった。昨日の放課後、日下部と峰岸とゲーセンに行く約束をしてたんだった。
こんなときに遊びに行くのもどうかと思ったが、突然日下部への対応を変えたら怪しまれる。仕方ない。
そういえば随分前に峰岸に聞いたことだが、日下部いわく「柊を釣るならゲームかスイーツ」なんだそうだ。
何かモヤモヤしてきた。明日一発殴ることにしよう。とにかく返事をしないと。

『悪かったわね。また今度行きましょ』

この返事を最後に、日下部からメールが来なくなった。
さしずめ、痺れを切らした黒井先生が鉄拳制裁+携帯剥奪という処置を取ったのであろう。アーメン、日下部。
392 :泉こなたの消失 第七章2009/05/26(火) 23:43:50.12 ID:dDvKpCk0
それにしても、プリクラか……。修学旅行でこなた達と撮ったのが記憶に新しい。
『We love Kagami』なんて書かれてすごく恥ずかしかったけど、本当は嬉しかったんだよね。

どこにしまったっけ。確か机の一番見えやすいところに……。



――あった。

笑った4人の姿。こなた、つかさ、みゆき、私。あのときの思い出を間違いなく映し出していた。
こなたが一人で張り切って、何かの会社の本社まで行ったのよね。帰りが遅くなって、黒井先生に怒られたけど。
黒井先生に怒られる中で一人ホクホク笑っていたこなたの顔が浮かぶ。



――こなたの顔と共に、一つ疑問が浮かんだ。

何でプリクラにはこなたの姿が写ってるんだろう?

こなたが消失しているのであれば、ここに、こなたは写っていないと思う。
しかし、泣きボクロといい、アホ毛といい、写っているのはどこからどう見てもこなた。



こなたが昨日、夢の世界で私に語りかけた言葉が蘇ってくる。



勿忘草の咲く草原、ぽっかりと空いた空間。
そこに私の思い出が埋め込まれたとき、扉は開かれる。



――まさか。



鉛のように、いや、密度的にウランのように重い体を起こし、私は机に手を伸ばした。
目的は一つ、あの“しおり”である。

勿忘草とは、春に見られる植物。どこか悲しげな淡い青色をしている。
北原白秋がこの植物を詠んだ短歌を、現代文の授業で教わった記憶がある。
393 :泉こなたの消失 第七章2009/05/26(火) 23:44:51.37 ID:dDvKpCk0
そう、勿忘草色とは、いわゆる「水色」のこと。
勿忘草の咲く草原とは、きっと、あの水色のしおりなのだ。
ぽっかりと空いた空間という言葉にも当てはまる。若干薄くなっていた部分を指しているに違いない。

そして、「私の思い出」――。
これは即ち、このプリクラ。
修学旅行、それだけじゃない、私たちの高校生活という思い出を集約したあの一枚なのだ。

しおりを手に取り、プリクラと見比べる。
やはりプリクラのサイズと、「ぽっかりと空いた空間」は一致しているようだった。

体が熱い。それが風邪によるものなのか、極度の緊張によるものなのか、そんなことはどうでもよかった。
私はそっとプリクラを剥がし、しおりに貼り付けた。


一瞬、何が起こったのか把握できなかった。


目の前が真っ白になった。


遠くから、何かが聞こえた。


それはどこか聞き覚えのある声。


だけど私の知っている声じゃない。


知ってるけど、知らない声。


私の知らない、こなたの声だった。









目を覚ますと、私は何もない、真っ暗な空間にいた。
真っ暗なだけで、本当に何もない空間。果てしない闇が私の眼前に広がっている。
声を出そうと口を開くが、耳には何も届かない。
喉は震えているが、音にはならない。
394 :泉こなたの消失 第七章2009/05/26(火) 23:46:07.98 ID:dDvKpCk0
探るようにそろそろと足を踏み出すと、確かな地面の感触がした。
その感覚を頼りに一歩ずつ丁寧に歩みを進めると、何かにぶつかった。
視覚的には何か確認できないが、どうやらただの壁のようだった。

壁に沿って歩き出す。右手で壁の感触を確認しながら、一歩一歩。
どうやら熱は下がったらしく、体の気だるさは既に消えていた。
10分ほど歩いただろうか。どこからともなく、声が聞こえてきた。

「ぐすっ……。ひっぐ……」

誰かの泣き声。消えてしまいそうなほどに弱々しく、その泣き声だけで悲しみの程度が想像できた。
そして、私の左の方から、何者かが迫ってきた。

こなただった。
背丈は私の知っている者と一緒。でも、その姿はどこかみすぼらしく、もともと小さいこなたがより小さく見えた。
ふらふらと今にも倒れそうな歩みで私に近寄ると、そのこなたは私のスカートの裾を掴んで言った。

「もう、やめてよ……。お願い……お願いだから……」

私のことを涙目で見上げながら、時にしゃくり上げながら。
私はこなたに声をかけようとするが、吐息が漏れるだけで何も言えない。
それどころか、体も金縛りにあったかのように動かない。

「ねぇ、何で……? 何でこんなことするの……?」

何を言っているのかがわからない。私はこなたに何もしていない。
疑問に思う気持ちが沸く。その気持ちが徐々に不快感へと変わっていく。
そして――。





我に返ると、目の前にはうずくまるこなたが居た。
あれ? 一体何が起きたんだろう? なんでこなたはうずくまってるの?
右手に何か熱いものを感じる。見ると、手の平が赤くなっていた。
私の口が、意思に反して勝手に動き始めた。喉が震えて、声が出る。

「触らないで。二度と寄らないでちょうだい」

自分の心臓が大きく収縮するのを感じた。
何とんでもないこと言っているんだ、私は。詫びなくては。今のは私の言葉ではない。
395 :泉こなたの消失 第七章2009/05/26(火) 23:47:50.52 ID:dDvKpCk0
「何でアンタなんかと仲良くしなきゃいけないのよ」
「アンタがそこにいると目障りなのよ」
「そんなにアニメやゲームが好きなら、二次元の世界にでも行けばいいんじゃない」
「その方がお互いのためになるわよ。消えて。早く」

矢継ぎ早に出てくる侮辱の言葉に、私は口を切り落としてしまいたい衝動に駆られた。

違う。違う。こんなの私の気持ちじゃない。私の気持ちなんかじゃない。

私の足が振りあがる。そして、こなたの頭を踏みつけた。
私の意志に反して、体はこなたを傷つけ、口はこなたを罵倒し続ける。
頭を押さえて呻くこなた。こなたを攻撃しながら、言葉でも暴力を振るう私。
私の心の奥にあった、この行動に対する抵抗心は徐々に薄れていき――





いつしか、“憎悪”へすり変わってしまっていた。
396 :泉こなたの消失 第七章2009/05/26(火) 23:49:02.70 ID:dDvKpCk0
私の意志とは別に、体がこなたへの暴力をやめようとしない。
もっと蹴り飛ばして、もっと殴りつけて、その顔をもっとグジャグジャにしてやる。
そんな心が、私を支配していく。止める者など、ここには存在しない。
心の奥に住む「私」が今の「私」を制御しようとするが、叶わない。
こなたは何も言わず、ただ呻いている。私の暴力を受けても、何も抵抗しない。




私は、
心の底で、
こなたを、
鬱陶しく思い、
邪魔者に感じ、
できることなら、
消えてもらいたいと、
思っていた。




それが事実だった。




「アンタみたいな奴は、この世から消えてしまえッ!!」

右足が振りあがり、こなたの頭へ振り下ろされる。



そして――





私は――





地面を強く踏みつけた。





こなたは、私の傍から消えた。
397 :泉こなたの消失 第七章2009/05/26(火) 23:49:47.40 ID:dDvKpCk0
ごめん。
今更ごめんなさい。
鬱陶しいようでしたら消えます。
398 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv2009/05/26(火) 23:54:57.67 ID:mk.RzSo0
お久しぶりです。大丈夫ですよ。執筆頑張ってください。
399 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv2009/05/27(水) 00:11:50.32 ID:cf4P4wQ0
>>397
久しぶり 待ってたよwwww
謎も解けて終わりか?と思ったらまさかの急展開ww
続きもwktk
400 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv2009/05/27(水) 06:59:11.30 ID:PtOdAsAO
>>397
もう一年になるのか、意外に今までの内容は忘れてなかったから、スムーズに読めたよ。
まさかの急展開!なにやらホラーのかをりが……
401 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv2009/05/27(水) 07:00:24.60 ID:9oM.HoSO
>>397
消失キタ―(゚∀゚)―ッ!!
そして驚愕の展開……続きが凄く気になります
wktk
402 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv[saga]:2009/05/27(水) 20:23:03.77 ID:Vf3PYvQ0
>>397
涼宮ハルヒの消失のクロスオーバみたいですね
そっちの方はぜんぜん知らないので・・・機会があったら読んでみたいと思います。
403 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv2009/05/27(水) 21:45:11.45 ID:PtOdAsAO
>>402
涼宮ハルヒの消失の方は、確かにハルヒは消えてるけどストーリーはかなり違うよ。
クロスオーバーではないな
404 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv[saga]:2009/05/27(水) 22:59:06.40 ID:Vf3PYvQ0
>>403
それなら 1章から読んでみるかな
405 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv[sage]:2009/05/27(水) 23:48:42.13 ID:/cuBW2DO
>>397
待ってました!
つか、消えないで〜!!
406 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv2009/05/28(木) 00:02:15.36 ID:9CQEC5o0
沢山のコメ、どうもありがとうございます(T_T)

>>398
ありがとうございます。続きも頑張って書きます。
できれば早いうちに。

>>399
実は手をつけるの久しぶりだったから
当初予定してたストーリーと全然違ってきてますww

>>400
はい、大体1年です。ほんとにごめんなさい(^^;)
ちょっとネタバレになるかもしれないけど、とりあえずホラーじゃないです。

>>401
また更新遅くなるかもしれませんけど
気長に待って頂けると嬉しいです。

>>402
長々としててもはやSSじゃないかもしれませんが
読んでいただけると作者もやる気が出ますww

>>405
頑張ります。消えません。
続きはなるべく早いうちに投下します。





というかクロスオーバーってどういうものなんですかね(今更)
407 :こなたんじょうび[saga]:2009/05/28(木) 00:05:32.03 ID:nxGgx/.0
投下いきます。

こなたの誕生日SSです。
一部のキャラが若干崩壊してますので、ご注意ください。
408 :こなたんじょうび[saga]:2009/05/28(木) 00:06:05.02 ID:nxGgx/.0
 ある日の昼休み。かがみとつかさ、それにみゆきの三人は教室で昼ご飯を食べていた。
「そう言えば、もうすぐこなたの誕生日よね」
 かがみが、本来こなたがいるはずの定位置を見ながらそう呟いた。当のこなたは風邪を引いて学校を休んでいる。
「そうだねー」
 つかさがそれに答え、みゆきは黙って頷いた。
「うーん…ま、仕方ないわね。折角だし祝ってあげましょうか…」
 かがみが、めんどくさそうにそう言った。
「…心から祝ってあげようよ、お姉ちゃん」
 つかさが困ったようにそう言うと、かがみは目を閉じてため息をついた。
「そうね…じゃ、当日までこなたの前ではその話はしない事。いいわね?」
 目を開けて、かがみがそう言った。
「え、どうしてですか?」
 それを聞いたみゆきが、目を丸くして驚いた。
「サプライズよ。当日まで隠しといて、驚かすの…ま、仕方ないからコレくらいいいでしょ」
「はあ…」
 仕方なくの使い方がおかしいんじゃないかと思いながら、みゆきはとりあえず納得した。
「でも、お姉ちゃん。わたし達が隠してても、こなちゃんのお父さんとかゆたかちゃんとかが話すんじゃないかな?家でそう言う話題って出ると思うし…」
 つかさが心配そうにそう言うと、かがみは少し顔を綻ばせた。
「大丈夫よ。おじさんとかゆたかちゃんとか、こなたのバイト先の人たちとか、こなたとそういう話しそうな人は全員釘刺しといたから」
「…え?」
「…は?」
 サラッと言うかがみに、つかさとみゆきの目が点になる。こなたの関係者全てに話をつけるのは、流石に一日二日では不可能だ。つまり、かがみは何日も前からこの計画を立てて、実行していたと言う事になる。
「…お姉ちゃん…仕方なく、だよね?」
「ええ、仕方なくよ」
 恐る恐る聞くつかさに、かがみはさらっと答えた。


- こなたんじょうび -


409 :こなたんじょうび[saga]:2009/05/28(木) 00:07:32.73 ID:nxGgx/.0
「プレゼントとかどうするの?」
 つかさがそう聞くと、かがみが得意気に頷いた。
「それはもうリサーチ済みよ。こなたがどーしても買いたいエロゲがあるって言ってたから、それで」
「えろっ!?」
 サラッというかがみに、つかさが驚く。
「で、でもお姉ちゃん。どうしても欲しいっていうなら、こなちゃん先に買っちゃうんじゃ…」
「ああ、大丈夫。あいつ欲しいけど金がないから、しばらく我慢するって言ってたから。次のバイトの給料日も、お小遣いの支給日も、六月の初めだからそれまでは買えないわね」
 つかさとみゆきは絶句していた。何故この人はこなたのそんなところまで把握しているのだろうか、と。
「あの…かがみさん…仕方なく…ですよね?」
「ええ、仕方なくよ」
 恐る恐る聞くみゆきに、かがみがさらっと答える。
「で、でもお姉ちゃん。そういうゲームって、わたし達じゃ買えないんじゃ…こなちゃんみたいにお父さんに頼むわけにもいかないし…」
「それも大丈夫。みゆきにそれらしい格好させれば買えるでしょ」
「わたしですかぁ!?」
 あまりなかがみの発言に、みゆきが普段からは考えられないほどの大声を上げた。
「うん、みゆき。一番の適任でしょ」
「い、いや、無理です!無理ですってば!」
「服はそうねえ…いのり姉さんのでも借りてくるか」
「あ、あの、無理ですから…そんなの無理ですから…」
「今日中に服用意しとくから、明日にでも買いに行きましょうか」
「…か、かがみさん…話を聞いてください…」
「大丈夫よ、そんな心配しないでも、ちゃんと逃げ出さないように見張っとくから」
「…うぅ…もういいです…」
「ゆ、ゆきちゃんファイト…」
 あきらめの境地で涙を流すみゆき。つかさはそれを、苦笑いで見ているしかなかった。
「あ、あの、それでかがみさん。ゲームのタイトルとかは…」
「ああ、えーっと…」
 かがみは制服のポケットからメモ帳を取り出し、中を確認した。
「あ、あった…『巨乳委員長 眼鏡の誘惑』ね」
「なんでそんなピンポイントなタイトルなんですか!?」
「…知らないわよ。こなたに言って」


 そして、二日後。
「…つかささん…わたし、もうお嫁にいけません…」
「そ、そんな事ないと思うけど…ちゃんと買えたんだ…」
 つかさはかがみが持っているゲームのパッケージを見た。なんというか…いやらしい。パッケージだけで、もうなんていうか…いやらしい。
「つかささん…」
「な、なに?ゆきちゃん…」
「店員さんが眉一つ動かさずに対応されたという事は、わたしはそういうものを買う女性と思われたという事でしょうか…」
「い、いやそういうお店の店員さんだから、慣れてるだけなんじゃないかな…」
 そんな二人をよそに、かがみはじっとゲームのパッケージを眺めていた。そして、ポツリと呟く。
「…なんかこのヒロイン。みゆきに似てるわね」
「え、そうでしょうか…?」
 確かに言われてみると、パッケージの表面で微笑む少女は、そこはかとなくみゆきに似ていた。
 もっとも、裏面に載っているゲーム画面では、素っ裸で色んな汁にまみれているのだが。
「こなたはこのヒロインが気に入って、欲しいって思ったのかしら…ねえ、みゆき」
「そ、それは…ど、どうでしょう…」
 自分を見るかがみの視線に、敵意のようなものを感じて、みゆきは思わず目を逸らしてしまった。

410 :こなたんじょうび[saga]:2009/05/28(木) 00:08:17.75 ID:nxGgx/.0

 さらに数日後。こなたの誕生日当日のお昼休み。四人はいつも通り昼食を取っていた。
 いつもと違うところと言えば、こなたが落ち着きなく他の三人の顔色を窺っているところだろうか。
「ん?何、こなた?」
 その視線に気がついたかがみが、そう聞いた。
「え…な、なんでもないよ…」
 こなたが気まずそうに顔を背ける。その様子を見ていたつかさは、いたたまれない気持ちになった。
 こなたは誕生日を祝って欲しいのではないか。つかさはそう思っていた。
 今この瞬間にも、いやもしかしたら朝会ったときにでも、『誕生日おめでとう!』と言って欲しかったのではないかと。
「あ、あのさ、かがみ…今日はなんの日か知ってる?」
 こなたのその質問を聞いて、つかさとみゆきは思わず顔を見合わせた。しかし、こなたを止めるような行動はどちらも起こさなかった。ばれてしまえば、それはそれでいい。二人はそう考えていた。
「今日?…えーっと…あー、アレ。思い出したわ」
 かがみの言葉に、こなたの顔が一気に明るくなった。
「ゴルフ記念日ね」
 ガンっと大きな音を立てて、こなたが机に顔面をぶつけた。
「ちょ、ちょっとこなた、大丈夫?どうしたのよ…」
「い、いや…そんなんじゃなくてもっと大事な…」
「大事な?…えーっと…花火の日?それとも国際アムネスティ記念日かしら?」
「…もういいよ」
 こなたは低く呟いて、かがみから目を逸らした。そして、小さくため息をついて、手に持ったチョココロネを食べ始めた。
 モソモソと元気なくパンの部分をかじるこなたを見て、つかさは今すぐにでも謝り倒してこなたの誕生日を祝いたい気分になっていた。
 みゆきも同じような考えらしく、こなたとかがみを交互に見ながら、なにか言いたげにあうあうしていた。
 ただ一人、かがみだけがいつも通りに平然と弁当をつついていた。

「あれ、こなちゃんは?」
 お昼ご飯を食べ終わり、かがみが自分のクラスへと戻った後、つかさはこなたがいないことに気がつき、みゆきそう聞いた。
「泉さんですか?先ほどお手洗いに行くと…」
「そっか…えーっと…まさかとは思うんだけど、おトイレで泣いてたりとか…」
「え?…い、いや泉さんに限ってそんな…へ、変なこと言わないでください、つかささん…」
「ご、ごめん、そうだよね…あ、あははは…」
 結局、こなたが戻ってきたのは五時間目が始まる直前だった。その目が少し赤くなっていることに気がついたつかさは、自分たちはとんでもなく罪深いことをしているではないかと、胸がひどく痛むのを感じていた。


411 :こなたんじょうび[saga]:2009/05/28(木) 00:09:13.31 ID:nxGgx/.0
 放課後、こなたは一人で帰る準備を進めていた。
「よーっす、こなた。帰るわよ」
「…かがみ」
 そこに、いつも通りな感じでかがみがやってきた。そして、キョロキョロと周りを見渡す。
「つかさとみゆきは?」
「…用事あるって、先に帰っちゃったよ」
「え?なんで?」
 かがみは驚いて、こなたにそう聞いていた。こなたは胡散臭そうに眉をひそめた。
「…知らないよ、そんなの」
 こなたは明らかに不機嫌そうにそう答えたが、かがみは特に気にする様子もなく顎に手を当てて考え込んでいた。
「おかしいわね…うーん…まあ、いいか。じゃ、帰りましょ」
 一人で勝手に結論を出し、こなたを促して教室から出て行くかがみ。こなたはその後を覇気の無い足取りでついていった。


 学校を出て駅までの道の最中、こなたは何度もかがみの顔を見ては、かがみがそれに気付くと視線を逸らすといったことを、何度も繰り返していた。
「…さっきからなによ?」
 かがみが少し苛立った声でそう聞いても、こなたは押し黙ったまま何も答えなかった。
「ホント、今日はどうしたのよ。調子狂うわね」
 かがみはため息をつきながら、そう呟いた。
「…ねえ、ホントに今日がなんの日か知らないの?」
 こなたがたまりかねたように、かがみにそう聞いた。
「お昼に言ったのくらいしか知らないわよ…ホントなんなの?」
 かがみが困ったように答えると、こなたは泣きそうな顔を見せ、俯いてしまった。
「…知らない。もういい」
 こなたはそう低く呟いて、歩く速度を速めた。
「ちょ、ちょっとこなた…待ってよ」
 こなたに置いていかれないように、かがみは慌ててその後を追った。


 電車の中でもこなたは無言だった。かがみがいくら話しかけても、聞こえていないかのように答えず、ため息ばかりを繰り返していた。
 そして、自分の降りる駅に着き、改札をくぐったところで違和感に気がつき横を見た。
「…なんでかがみが着いてきてるんだよ」
「こなたの家に用があるからよ」
 かがみはしれっとそう言うと、こなたの家に向かって歩き出した。
「なんだよ…」
 今度は、さっきとは逆にこなたがかがみを追いかけていた。


412 :こなたんじょうび[saga]:2009/05/28(木) 00:10:33.96 ID:nxGgx/.0
 こなたの家の前に着く頃には、こなたとかがみは並んで歩いていた。
「…ねえ、一体なんなのさ」
 玄関前で、こなたはかがみにそう話しかけた。こなたの声には、少しばかり怒りの感情が篭っていた。
「何って?」
 かがみが良く分からないといった風に、首を傾げる。
「今日は、何でもない日なんでしょ?かがみにとって普通の日なんでしょ?だったら普通に帰ればいいじゃない!なんだってこんなところにまでついてくるの!?」
 感情の押さえが効かないのか、こなたは大声を上げていた。
「今日は…今日はね…わたしの…わたしの…!」
「誕生日、でしょ?」
「…え?」
 こなたの怒りを、優しい口調で遮るかがみ。その言葉に、内容に、こなたは驚いて目を見開いた。
「知って…たの?」
「うん、ごめんねこなた。ちょっと驚かそうと思って…ホントはもうちょっと後にバラそうかと思ってたんだけど、あんまり怒るからちょっとやりすぎたかなって…」
 頬をかきながら、申し訳なさそうにそう言うかがみを、こなたは惚けたように見ていた。
「…中、入る?」
 そして、かがみを家の中に招いた。


 部屋の中に入るころには、こなたはすっかり怒りを納め、嬉しさを滲み出させていた。
「それじゃこなた。改めて、誕生日おめでとう」
「…あ、ありがとう」
 かがみの祝いの言葉に、こなたは照れくさそうに頭をかきながら答えた。
「それでね、これはわたしからのプレゼント…」
 言いながらかがみは、鞄に入れてあったこなたへのプレゼントを出そうとした。
 そして、その動きがピタリと止まる。
「かがみ、どうしたの?」
「え?あ、いや…そ、それは?」
 かがみは、こなたの使用しているPCのそばに置いてある箱を指差した。未開封のソレは、かがみがみゆきに買わせたプレゼント用のエロゲと同じものだった。
「あー、これ?…いやー我慢できなくなって、買っちゃった」
「買っちゃったって…あんた、お金ないんじゃ…」
「お父さんに小遣い前借りしたんだよ」
 軽く言うこなたに、かがみは唖然とした表情を浮かべ、鞄から手を抜き蓋を閉じた。
「…えーっと…かがみ…まさかとは思うけど…プレゼントがアレだったとか…」
「ま、まさかっ!そんなことはこれっぽっちも全然無いわよ!ってかわたしがそんなもの用意するはずないじゃない!」
「え?いや、だってさっきプレゼントって…鞄から何か出そうとしてたし」
「き、気のせいよ!空耳よ!白昼夢よ!」
「…むー」
 こなたは少し考え込むと、かがみに向かってニコリと笑いかけた。
「ね、かがみ。目つぶってくれたらキスしてあげるよ」
「え、マジで?」
 かがみは一瞬の躊躇もなく目をつぶった。その隙にこなたは、かがみのかばんを開け、中からプレゼント用のエロゲを取り出していた。
「あー、ホントに同じもの買っちゃったんだ」
 こなたの言葉に、かがみが目を開いた。
「ちょ、いつの間に!?ってか騙したの!?」
「…いや、やった本人が言うのも何だけど…あれで騙されるのはどうかと…」
 怒るかがみに、こなたは呆れた表情を見せた。
「あーもー!そうよ、アンタが買ってないと思って買っちゃったのよ!バカみたいでしょ!?…それはもうあげるから、売って小遣いにでもしときなさいよ…」
 なかばやけくその様に言い放つかがみに、こなたは少し困ったような顔を見せ、PCの横においてあった自分のゲームを手に取ると、かがみに向かって差し出した。
413 :こなたんじょうび[saga]:2009/05/28(木) 00:11:10.41 ID:nxGgx/.0
「な、何?」
「交換。わたしのコレと、かがみのコレを」
 こなたの唐突な提案に、かがみは訳がわからず首を傾げた。
「意味が分からないわよ…ってかそれじゃプレゼントにならないじゃない」
「なるよ。かがみ次第だけど」
 こなたはそう言って、かがみの手にゲームの箱を押し付けた。
「かがみもこのゲームやるの。わたしと一緒に」
 押し付けられた箱を受け取ったものの、かがみはやはり納得のいかない表情をしていた。
「どういうこと…?」
「二人でこのゲームをクリアしようって事。まあ、かがみはこういうのやったことないだろうから、わたしが教えるばっかになりそうだけどねー」
「それが、プレゼントになるっての?」
 かがみの言葉に、こなたは深く頷いた。
「ネトゲでね、難しいクエストとかをさ、仲間でクリアすると凄く達成感があったりするんだ。データの向こうの名前も顔も知らない人たちとでさえそうなんだから、身近な知り合いとだともっと嬉しくなれると思うんだ」
 こなたはそこで言葉を止め、ニコリと笑った。
「ましてやそれがかがみなら、わたしにとって最高の喜びだよ。これ以上のプレゼントは無いよ」
 かがみは一瞬顔をしかめ、こなたに背中を向けた。
「どうしたの、かがみ?」
「…なんでも…ない…」
 かがみの声は震えていた。よく見ると、肩も少し震えている。
「かがみ、もしかして泣いてる?」
「泣いてない!泣くわけないでしょ…呆れてるのよ…あんたが、バカだから…」
「そっか。じゃ、呆れ終わるまで待つよ」
「…バカ…バカァ…」
 かがみはしばらくの間、こなたに背を向け続けていた。そして、服の袖で顔を拭う動作をすると、こなたに向き直った。
「落ち着いた?」
 こなたがそう聞くと、かがみは軽く頷いた。それを見たこなたは、両の手のひらを胸の前でポンッと合わせた。
「じゃ、湿っぽいの終わり。後は楽しもっか」
 そう言ってこなたはかがみの手を引き、部屋のドアへと向かった。
「え?ちょっと、どこいくの?」
「いいから、いいから」
 かがみの疑問には答えずに、こなたはかがみを部屋から連れ出した。


414 :こなたんじょうび[saga]:2009/05/28(木) 00:11:51.94 ID:nxGgx/.0
「みんなー、かがみ連れてきたよー」
 こなたがそう言いながら入ったのは、泉家の居間だった。
「…え?…ええっ!?」
 こなたの後から居間に入ったかがみは、驚きの声をあげた。
 居間のテーブルには、それなりに豪華な食事とその中央にはバースデーケーキ。そして、そのテーブルを囲っているのは、そうじろうとゆたか、それにつかさとみゆきもいた。
「こ、これって…つかさ、みゆき…あんた達、先に帰ったんじゃ…」
 訳がわからずに部屋を見渡すかがみ。こなたがその肩をポンッと叩いた。
「まあ、ぶっちゃけるとわたしがかがみのやってること、大体知ってたってこと」
「…え?」
「なんとなーくね、周りのみんなが何か隠してるような気がしたからさ、とりあえずお父さんとゆーちゃんからかがみが誕生日のこと隠しとくようにって言ってた事を聞き出しといたんだ」
 そうじろうとゆたかが、かがみに向かってすまなさそうに手を合わせた。
「つかさとみゆきさんからは、今日のお昼休みの後に聞き出したよ。散々落ち込んでる姿見せといたから、罪悪感あったんだろうね。あっさり喋ったよ」
 つかさとみゆきは揃って申し訳なさそうに俯いた。
「ま、待ってよこなた」
 かがみがこなたの腕を掴んだ。
「落ち込んでる姿見せたって…じゃあ、今日のあんたの朝からの態度って…」
「うん、演技。なかなかの名演だったでしょ?」
 こなたが悪びれる風もなくそう言うと、かがみは力なくこなたの腕から手を離した。
「…騙そうとして、逆に騙されたんだ…なんだかバカみたい…」
 かがみの顔が歪む。目の端にはうっすらと涙が浮かんでいた。
「…わたし一人でバカやってただけじゃない…演技っていったわよね?じゃあ、さっきのも…わたし、ホントに…」
「ストーップかがみ。そこは演技じゃないよ」
「…え?」
「演技だったのは、家の前に着くまで。かがみが『誕生日、でしょ?』って言ってくれたところまでだよ。そこから先は全部ホントだよ。プレゼントも嬉しかったし、かがみがわたしを祝ってくれるってのも嬉しかったよ。それは演技じゃないよ」
 言い切った後、こなたがニコリと笑う。かがみは再び溢れそうになった涙を服の袖で拭った。
「…ほんとバカね…主賓じゃないわたし泣かせてどうするのよ…」
「いやー、そこはそれ…かがみだから」
 そして、こなたはみんなの方に向き直り、両手を上げて高らかに宣言した。
「それでは今日はわたしのめでたい誕生日と言う事で、日付が変わるまで盛り上がろうではないかー!」
「ええっ!?それはダメだよこなちゃん!」
「そうだよ、こなたお姉ちゃん!明日も学校あるんだよ!?」
「…というより、泉さんが開会宣言するんですね」
 みんなからの非難やら突っ込みやらが溢れる中、かがみは目の前の親友を微笑みながら見つめていた。
「…ホント、バカね…」
 そして、こなたの腕を掴んで、テーブルの空いている席に二人で座った。
「わ、何?かがみ…」
「仕方ないから料理は全部口移しで食べさせてあげるわ」
「ちょ!?かがみ、なにそれ!?全然わけわかんないんだけど!」
「やーねー。誕生日だからに決まってるじゃない」
「そんなことする誕生日なんて聞いたこと無いんだけど!…ってお父さん、その構えてるカメラはなにかな…?」
「いや、折角だから…」
「何処の世界に変態に襲われてる娘を写そうとする親がいるかー!」
「…つかささん」
「…うん、わたしも誕生日の時にやられかけた」
「そっかー。わたしもみなみちゃんの誕生日の時に…」
「ゆたかちゃん、真似しちゃダメー!」

 色々賑やかな宴は、本当に日付が変わるまで続けられましたとさ。


- おしまい -
415 :こなたんじょうび[saga]:2009/05/28(木) 00:13:12.89 ID:nxGgx/.0
以上です。

別にキャラ崩壊にする必要は無かったんじゃないかと、思ってもみたり。

なにはともあれ、こなちゃん誕生日おめでとう!
416 :俺とこなたの誕生日/アフター[saga]:2009/05/28(木) 02:11:51.07 ID:OP.DLPIo

 諸君。

 俺は他人に誇れる特技も持たない、どうしようもなく平凡な人間だ。
 趣味はアニメとゲーム。最近は弾幕STGにお熱。昨日はナントカ地霊殿のLunaticを初めてクリアした。
 つまり俺は世間一般で言う「オタク」だ。大体のオタクがそうであるようにモテない。
 そう、どこにでもいる人間なのだ。
 ジョジョ立ちはそろそろ卒業したいと思っている。



417 :俺とこなたの誕生日/アフター[saga]:2009/05/28(木) 02:12:32.14 ID:OP.DLPIo
「あー、そうか……」

 某SNSのトップページに“Happy Birthday!!”と記されたバナーが浮かんでいる。
 俺一人だけが住まうこの部屋にはあいにく12ヶ月がまるまる1枚に収まったカレンダーしかなく、
 しかもそれがこのパソコン前という位置から見えない場所に飾られていたため、日付の確認には苦戦を強いられた。

 5月28日、木曜日。時刻は0時38分。
 昨日の回は超能力おじさん突然の再登場で大いに笑わされた――なんていうのは関係ない話だ。こっちの話。アニメの話。
 ふうっとため息をついて、俺は座椅子にもたれかかった。

「……歯がいてぇ」

 どうもこの頃、左奥歯の痛みに悩まされることが多い。
 きっと親知らずだ。そうに違いない。さっき麦茶を口に含んだら思いのほかジンとしみたが虫歯ではない、と思う。
 そうだ、寝てる時も痛みで目を覚ますことが増えてきたから明日は歯医者に行こうと考えていたのだ。

 いや、そうではなくて、先ほど俺はまたひとつ年を食ったのだった。
 19だ。まだ酒は飲めない。

418 :俺とこなたの誕生日/アフター[saga]:2009/05/28(木) 02:13:14.17 ID:OP.DLPIo
「誕生日かぁ」

 俺のオヤジが転勤族だ、って話は前にしたっけか。してないかもしれない。
 中1の夏に埼玉へ越してきて、高3の秋に我が家はまた引っ越しをした。転居先は北海道の道南、いわゆる地元だった。
 お世話になった陵桜に別れを告げて中の中くらいの公立高校に編入、そのまま札幌の大学を受験してすんなり合格。
 あれよあれよと言う間に色んな手続きが処理されていき、気がついたら俺は親元を離れて安い割にそこそこ広いアパートで一人暮らしを始めていた。

 大学生活や目の前のSNSを通じて友人もたくさんできた。
 ページを更新してみると俺の誕生日を祝うメッセージが数件入ってきていたし、さっき携帯に届いていたのもきっとそんな感じのメールだと思う。
 いまに不満なんてない。むしろ俺には過ぎた幸せってヤツだ。ごめん少しカッコ良く言ってみた。

 でも、そんな中で何かが物足りない気がしていた。
 気がしていた、なんてのはたぶん正しくない。その感覚の正体だってわかってる。


419 :俺とこなたの誕生日/アフター[saga]:2009/05/28(木) 02:13:52.86 ID:OP.DLPIo
 今からちょうど、本当にぴったり1年前のことだ。俺がまだ陵桜に通っていた時の話。
 彼女いない歴3年に終止符を打った、きっと一生忘れられないであろう大切な日だ。

 俺の、そして泉こなたの18歳の誕生日。
 その日、俺達は付き合い始めたのだった。

 ――が、神様ってのは意外に残酷なもんで、俺とこなたは同年9月下旬に引き離されてしまうこととなってしまう。

 と……ゆだんさせといて……ばかめ……もちろんそれで関係が終わったわけじゃあない!!! この時代、地球はそんなに広くないのだ。
 携帯電話にメッセンジャー、ネトゲ、そしてこのSNS。この国には何だってあるんだから、距離が離れていたところで大した問題ではない。
 俺達は頻繁に……というかもうほとんど毎日何かしら連絡を取り合っているし、遠距離恋愛も順調に続いている。
 だいたいこんなかわいい子と別れるなんてとんでもない! 誰がなんと言おうとこなたは俺の嫁だぜウェッヘッヘッヘwwwwwww

 とまあひとしきりノロケてみたが、ひとつ問題が発生している。

 昨日から彼女はネット上のあらゆる場所に顔を出していないのだ。
 メールも送ったし電話もかけてみたけれど結果は惨敗。へんじがない、ただの……いやいやいや死んでなんかないよな!?
 これではせっかくのダブル記念日を祝うこともできない。
 ネトゲにはこの日のために数百倍の競争率を誇る狩場で横殴りに耐えながら狩りを続け、
 そこで手に入るドロップ率1%未満の超レア装備を携えた俺のPCがログインを今か今かと待っているというのに。
 あぁ……こうして思い返してみると俺って廃人かもしれんね。


 違う。それすら今日この日のオマケに過ぎないじゃないか。

 心の底から愛するこなたにたった一言、「誕生日おめでとう」と言ってやることすらできない。何よりもそれが一番つらかった。


 明日は1限から講義が待っている。成績のためにも夜更かしは最低限にしておかないとまずい。
 2時が限度だな、と静かに呟く。俺は6時間は寝ないとダメな人なのだ。


 考えるのをやめて座椅子に背中を預けてぼうっとしていると、唐突に電子音が耳に届いた。
 曰く、卓球。

 とっさに時計を見ると時刻は1時を回っていた。いつの間に。
 って、1時に来客? 誰だよこんな時間に……ってこれは死亡フラグだ。

 玄関ののぞき穴から外の様子をうかがう。が、何も見えない。今は夜中なんだから当たり前か。
 イタズラなら変にゴタゴタしないからいいな――などと考えながら、俺はドアノブを回した。


420 :俺とこなたの誕生日/アフター[[saga]:2009/05/28(木) 02:14:27.22 ID:OP.DLPIo
「……え?」
「おこんばーん。久しぶり」


 これなんてエロゲ?


「いやぁ参った参った。迷いに迷ってこんな時間になっちゃったヨ」
「あ、う、え、……ええ?」
「せっかくだから来てみたんだ。泊まっていいよね?」


 あの日渡したペンダントを首にかけた突然の来訪者は、1年前と何一つ変わらない、輝くような笑顔で言った。


「19歳の誕生日、おめでとう」





421 :俺とこなたの誕生日/アフター[saga]:2009/05/28(木) 02:14:50.58 ID:OP.DLPIo
「――という夢をだな」
「嘘つけ」
「嘘です。今度ばかりは妄想です」
「これはないわ……」
「引くわー。マジで」



 諸君。

 俺は特に取り得があるわけでもない、ごくごく一般的な小市民だ。
 世間一般で言う「オタク」だ。そう、本当にどこにでもいる人間なのだ。

 だが俺にはひとつ、諸君らに胸を張って自慢できることがある。


 俺の誕生日は5月28日。
 泉こなたと同じ日に生まれたということだ。



 うぐっ、何か霊的なものに監視されてるような気配を感じる……。
 具体的には「ここ」の上の方から……いやいや俺は一体何を言っているんだ。まとめられた後に伝わらないじゃないか。



   了
422 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv[saga]:2009/05/28(木) 02:22:31.27 ID:OP.DLPIo
かっとなって1時間半で書いた
今は少し後悔している

>>415
こりゃすごい、普通に面白いし普通に騙された
素晴らしいSSだった!
423 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv2009/05/28(木) 07:47:14.32 ID:rAkn3oAO
こなた誕生日おめでとう!
連続で誕生日SSが投下されてたのか

>>415
GJ
かがみのクールな変態ぶりに微笑んだww
てかそのエロゲをみゆきさんにやっていただきたい。

>>422
これも一年ぶりだなww
そう言えば、「一年ぶりの交差点」を一年前に書いたなとか思い出した。
どうもこの主人公に感情移入しやすいんだよな。
てか結局妄想オチなのかよ!と、突っ込んじゃダメだよね〜
424 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv2009/05/28(木) 19:10:06.72 ID:7KXR0DEo
>>415
何このスマートな変態かがみ……てかこええ
後半いい話っぽいけど交換したプレゼントってあれだよなww
面白かった。GJ!

>>422
懐かしいなwwまた夢か? と思ってたら今度は妄想かよww
にしてもよくそんな短時間で……GJ!
監視って言うかすごい睨まれてるぞ


こなた誕生日おめでとう! あと、24日完全にスルーしてたけどひよりも誕生日おめでとう!
425 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv2009/05/28(木) 20:08:46.85 ID:mU5uf8c0
>>412
乙!
こなたかわいいよこなたww
にしてもみゆきさん・・・エロゲまで買えるとは
>>422
久しぶりww
羨ましい奴めwwと思ってたら妄想落ちで吹いたww

こなたん誕生日おめでとう!
426 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv[saga]:2009/05/28(木) 21:28:55.79 ID:TGELITk0
>>415
GJ!かがみが息をするかの如く自然にへんたいだww
つかさとみゆきがいい味出してるね

>>422
勝ち組のおのろけと思いきや、妄想ですかw
1時間半にしてはクオリティ高いな。GJ!

>>424
そうか、ひよりの誕生日もあったのか……コンクール中だからスルーされたんだな、きっと



俺もこなたの誕生日でなんか書いてみようかな。しかし、間に合うかな?
427 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv[saga]:2009/05/28(木) 21:53:25.15 ID:Hytig1I0
24日はひよりの誕生日か
コンクールで頭がいっぱいになってた。
そしてこなたの誕生日も、そのせいでそっちまで回らなかった。
っと言っても即興でss思いつくほど頭の回転は早くないけどねw


428 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv[saga]:2009/05/28(木) 23:15:14.89 ID:TGELITk0
うあー。どう考えても絶対に今日中に書き終わんねーw

とりあえず日付変わる前に投下させてください
続きは今月中に投下しますんで、それで許して下さい

女の子同士の仲が良すぎる系でいくつもりなので、苦手な方はご注意をば
429 :こなたの鬼退治[saga]:2009/05/28(木) 23:17:17.36 ID:TGELITk0
 〜こなたの鬼退治〜

 ゆさゆさゆさ。ゆさゆさゆさ。体が揺すられている。

「――なた。起きなさい、こなた」
「ん、う〜ん……ふわぁああぁ……あれ?お父さん?」
「おはよう。こなた」
「え?お、おはよー……?」

 あれ?何でお父さんに起こされたのだろう?今日は何かあったっけ?
 寝起きで頭がぼんやりとしているためか、起こされる理由が思い出せない。
 とりあえず、落ち着いて順番に考えていこう。
 えーと、まず、今日は日曜のはずだ。
 休日だから学校には行かなくていい。
 ってなわけで、昨日の夜はいつものように遅くまで起きていた。
 というか、今朝方、つまりついさっきまでず〜〜っとネトゲで狩りにいそしんでいた。
 結局、最後の最後までレアアイテムには出会えなかったんだよね〜。
 などと寝る直前のことを思い出しながら、PCのある方に目をやる。
 PCのある方……ある方……ありゃりゃ?おかしいね、私のPCが無いじゃん。
 って、PCが無い!!!?
 ガバッと起きる。確かにさっきまで遊んでいたはずの私のPCが無い!
 ああ、私の至高のかがみんフォルダが……!!
 一気に目が覚めてしまった私は、さらなる違和感を覚えて部屋をグルリと見回す。
 漫画が、積みゲーが、フィギュアが、ポスターが、かがみとの写真が、全部無い!!
 状況から察するに、ここは私の部屋じゃナイ!!何処なんだ、ここは!?

「こなた。今日でお前は18歳になる」
「え?……あ、そういえば」

 あまりの事態に忘れていたが、今日は私の誕生日だった。
 ハッピーバースデー、私。ありがとう、私。
 これで私も堂々と18禁のシロモノを……いやいやいや、そんなことよりも状況確認が先だから。
 そのシロモノを楽しむ為の道具すらも無い状況なんだってば。

「ねえ、お父さん!私――!!」

 この状況について質問しようとしたら、お父さんは掌をスッと突き出して私の言葉を遮った。

「うんうん、わかっているさ。こなたが何を言いたいかは、俺にはわかっているとも」

 そして、どこか遠くの方をびしっと指差してこう言った。 

「さあ、心おきなく鬼退治へと行ってくるんだ!俺ももう止めやしない!」
「ふぇ?」

 ああ、そうか。私はまだ夢を見ているのか。
430 :こなたの鬼退治[saga]:2009/05/28(木) 23:18:47.71 ID:TGELITk0

 ☆

「う〜。わたし、これでもフツーの女子高生なんだけどな。鬼退治なんて無理だヨ……」

 ほっぺたがまだヒリヒリしている。
 残念ながら夢じゃなかったようだ。
 いや、或いはとてもしつこい夢なのかもしれないけど。
 結局、私は少しばかりのお小遣いと竹槍、鬼ヶ島までの地図を渡され、家から放り出されてしまった。
 とりあえず、“鬼退治”というフレーズにピンときたので、出かける前にキビ団子を手に入れておいた。
 こんな訳の分からない状況では、これくらいの洒落っ気でも出さないとやってられないのだ。
 まあ、お弁当の代わりにもなるし、邪魔にはならないアイテムだよね。

「それにしても渡される武器が竹槍って、どうなんだろーね。貰える初期装備が貧弱なのはRPGのお約束とは言え、ツラすぎだヨ」

 ブツブツと文句を言いながらだが、地図に従い海を目指して歩いていく。
 と、見慣れた姿に出くわした。

「あ、こなちゃんだ〜。おはよ〜」
「あ、おは……えっと、つかさ?」

 笑顔で挨拶をしてきたのは、いつもと変わらぬつかさ……ではなかった。
 犬のような耳と尻尾をピョコピョコさせている。いつの間にそんな武器を。
 横にいるのは、いのりさんとまつりさん。
 こちらも耳と尻尾が生えている。うーむ。これはこれで、かなり萌える。
 ん?
 ということは、ここにはいないが、愛しのかがみんも同じような格好でいらっしゃるということか!
 或いはウサちゃんだったりしてね。くふふ。
 これは確かめる必要がありそうですなぁ!

「どうしたの、こなちゃん?なんか、いつもよりぼーっとしてるけど?」
「あ、いや……おはよ、つかさ。えっと、かがみは?」
「あ、そっか。こなちゃん今日が誕生日だっけ。忘れちゃったの?鬼ヶ島はあっちだよ〜」
「うん?だから、かがみは?」 
「え?だから鬼ヶ島はあっちだよ?」

 ふむ。
 つかさにかがみのことを尋ねると、鬼ヶ島の話がでる。
 これはつまり、かがみ=鬼ということだろうね。ちぇっ。
 かがみのウサちゃん姿、見たかったなぁ。
 いや、まてよ。鬼娘というのもなかなか――
431 :こなたの鬼退治[saga]:2009/05/28(木) 23:20:46.49 ID:TGELITk0
 果たしてかがみの鬼姿は萌えるのか、と真剣に考える私。
 長考に入った私の横で、まつりさんがつかさに声をかける。

「つかさー。あんたもこなたちゃんについて行って、鬼退治を手伝ってやんなさい」
「えっ!?でも、鬼なんてこわいよう」
「なーに言ってんのよ。あんたら友達でしょ?ついでに、鬼達に私ら戌族の強さを見せつけてきなさい!」

 つかさは助けを求めるような目でいのりさんの方をみつめた。
 しかし、つかさももうすぐ18だから丁度いいんじゃない、といのりさんからも行くように勧められる。

「ううう。わかったよう。こなちゃんについて行くよ……こなちゃん、頼り無い私だけどよろしくね?」
「よしよし。つかさ、とりあえず、お団子でも食べとく?」

 涙目のつかさを団子であやす。
 特に意図した訳じゃないけど、一緒に旅する仲間に団子を渡すなんてあの童話の世界のまんまだね。

 ☆

「こなたー。お誕生日おっめでとー」
「あ、ゆい姉さん。ありがと」

 つかさからこの世界の情報を引き出しつつ鬼ヶ島に向かう途中、ゆい姉さんにばったり出くわした。
 ゆい姉さんにも耳と尻尾。
 これは……お猿さんかな?
 ここで会ったのも何かの縁。
 とりあえず誕プレを要求すべく、ニヨニヨしながら手をつきだす。

「う。それは、まさか……」
「そう。誕生日といえばプレゼントでしょ?」
「お姉さん、今は持ち合わせがないんだよー」
「えぇー」
「そんな露骨に嫌な顔をしないでおくれよぅ」
「むー。でも、1年に1度のイベントだしさ」

 後で多少法外な要求をしてもなんとかなるように、とりあえずごねておく。
 困り果てるゆい姉さんの姿を見てかわいそうに思ったのか、つかさが私の肩をつついて言った。

「ねえ、こなちゃん。今はプレゼントとか貰ってる場合じゃないと思うよ?」
「まあネ。鬼退治しなきゃだしねー」
「ん?鬼退治?……そうだ!プレゼントの代わりに、お姉さんも鬼ヶ島まで一緒に行ってあげるよ!大人抜きだと心細いでしょ?」
「え?いいの?」
「いいの、いいの!今日はきよたかさんもいないしさー」
432 :こなたの鬼退治[saga]:2009/05/28(木) 23:22:18.98 ID:TGELITk0
 この時点で犬と猿がお供の鬼退治。
 まだ1匹足りないけど、もう完全にあの童話の世界だヨ。
 とりあえず、ゆい姉さんにも団子を渡してみる。
 喜んで食べてくれた。

「こなちゃん、なんで今日はみんなにお団子を配ってるの?」
「そういう仕様なのだヨ」

 当然であるかのように応える私。
 つかさはしばらくの間、でっかいはてなマークを浮かべていた。

 ☆

「うはー!見事なキジ発見!」
「……鷹、です……」

 もうすぐ海が見えるという頃、本当に見事な翼を備えたみなみちゃんに出会った。
 つまり、みなみちゃんを仲間に加えれば私のお供は犬、猿、キジ。いや、鷹か。
 ともあれ、お供コンプリートのチャンス!
 4人パーティーは冒険の基本だしネ!
 これはもう、仲間にせざるを得ない。

「みなみちゃんも私達と一緒に、 や ら な い か ?」
「?」
「今ね、みんなで鬼ヶ島に行く途中なの。ほら、こなちゃんは今日が誕生日だから」
「鬼ヶ島に、ですか?」
「そーなのだよ!さらに、今なら私特製の団子も、もれなくついてくるよー」
「行きます」

 あっさりと快諾。
 まさか、これがあの童話の中でも語られていた、伝説の団子効果だというのか!?
 団子ひとつで命がけの旅にすらお供するという、あの伝説。
 おお、なんということだ、この世界で団子がこれほどまでに重要なアイテムだったとはッ!
433 :こなたの鬼退治[saga]:2009/05/28(木) 23:24:51.09 ID:TGELITk0
「ゆたか……」
「ん?ゆーちゃんがどうかしたの?」

 みなみちゃんが、聞き慣れた名前を呟いた。
 そういえば、今朝は家にいなかったなぁ。

「ゆーちゃんって、ゆたかのこと?鬼ヶ島の?」
「あれ?ゆい姉さん、今、なんていった?」
「え?今?え〜っと……鬼ヶ島?」

 なるほど、かがみだけでなく、ゆーちゃんも鬼サイドということか。
 みなみちゃんが鬼ヶ島に行きたがる理由がよくわかった気がする。
 ゆーちゃんに会いたいだけなんだね。
 団子は少しも関係なかったのか。
 ちくしょう、騙された!伝説の団子効果ってなんだヨ!
 まあ、私が勝手に思っただけなんだけどネ。

 ☆

 そして私たち4人は鬼ヶ島を目指し、海へと乗り出す。
 ちなみに、船を借りに行った浜辺では、パティによく似た漁師がひよりんによく似た亀と戯れていた。

《オウ!ヨイ亀デス!!子供達にイジメさせるなんてモッタイナイ!ワタシがちゃんと虐めてあげマショウ!!》
《ちょっ!!……ああ〜、そこのみなさん、どうか可哀相な私を助けてほしいッス……って、アッー!!》

 最善の対処法として、見て見ぬフリをしておいた。
 さらば、ひよりん。
 君の事は、君の誕生日同様に華麗に忘れよう。
434 :こなたの鬼退治[saga]:2009/05/28(木) 23:27:16.01 ID:TGELITk0
ちくしょー。次回につづくぜー

無理に長いの書こうとせずに小ネタ系にしとけばよかった…
435 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv2009/05/29(金) 00:03:03.85 ID:coDHLIg0
>>434
乙!
タイトル見た時なんぞこれと思ったら某童話デスカww
わんこつかさ想像して萌え死んだ
続きも期待してるぜww

にしてもこなたはこんなに祝われているのに
ひよりんのスルーされっぷりに今更ながら笑ってしまうなww
436 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv2009/05/29(金) 10:47:04.07 ID:ZcVy4wAO
>>434
おもしろ!
現状を普通に受け入れたこなたはさすがだww
みゆきさんがまだ登場してないのが気になるな。

ごめんね、ひよりん(T_T)
437 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv2009/05/29(金) 19:42:08.71 ID:CvF1M.60
>>434
これは面白いwwww続き期待wwww
438 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv[saga]:2009/05/29(金) 20:22:13.63 ID:ly1Xbwo0
>>434
面白い。
こうゆう感じのssを作ってみたいのだが、
ギャグのセンスがないようで、頭が下がります。
439 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv[saga]:2009/05/29(金) 22:42:55.01 ID:VA4XfEM0
多数のレスありがとうございます。>>415です。

>>422
まさか騙せるとは思いませなんだ。
そういう妄想を目の前で語られたら、多分俺も引きます。

>>423
俺の中での変態かがみは、こういうキャラで定着しつつあるようです。
みゆきさんがあのゲームをやったら、エロシーンに入った直後に気絶すでしょう。

>>424
はい。交換したのは例のブツです。変なプレゼントでいい話っぽいのが出来ないかな?と思ったのが書いたきっかけですので。
このレス読むまでひよりの誕生日は素で忘れてました。すいません。

>>425
みゆきさんは万能キャラですから、何でも出来ます。
もとい、何でもやらされます。

>>426
つかさとみゆきも含めて四人いてこそ味が出るのだと思ってます。へんたいの。

>>434
この状況で普通に出来るこなたが凄い。ってかひよりん…。
結構前に小ネタで桃太郎の演劇の配役を当てたのを思い出しました。
二番煎じになるけど、アレで俺も書いてみようかな…。
440 :こなたん達が3次元に来てしまったようです2009/05/30(土) 00:41:49.12 ID:NMPtr8o0
第8話 奇妙な異変

電気街に出るまで私とつかさは無言だった。
つかさはずっと俯き加減で元気がなかった。
確かにつかさが原因かもしれないが、ちょっと言いすぎたかもしれない。
気まずい・・・今はケンカとかしてる場合じゃなかったのに・・・。
私は少し反省して、つかさに声をかけた。

「あー・・つかさ、さっきは、あの・・ごめんね。言いすぎたよ」

「・・・え?あ、ううん、いいよ。私の所為だったんだし・・・」

つかさは頭を振って、苦笑した。
それでもまたすぐに俯いてしまう。

「ちょっと頭に血が昇っちゃってさ・・・」

私は後ろに付いて歩いていたつかさに笑いかけた。
こんなときだからこそ、冷静にならなくては。
不安な気持ちもあるけれど・・・もっと前向きに考えよう。

「で、でも・・・私の所為で・・・お姉ちゃんとゆきちゃんが、き、消えちゃ」

「・・・2人がもう助からないって決まったわけじゃないよ」

まだ、きっと間に合う。2人は無事だ。
過去の失敗を咎めたってどうにもならない。
今はできることを、する。
かがみとみゆきさんだってそんな簡単にやられるタマじゃない。

「う、うん!2人ともすごいもんね!しっかりしてるし、私たちなんかより頭いいし」

「私たちなんかよりって・・・どして複数形なのかな?つかさ?」

「えっ・・・?あ、違う違う、私、私だけっ!」

慌てて訂正するつかさ。私は自然と笑みがこぼれる。
それを見てか、つかさも笑顔になる。
うん、やっぱつかさは笑顔じゃないとね。
441 :こなたん達が3次元に来てしまったようです2009/05/30(土) 00:42:35.25 ID:NMPtr8o0
電化製品店が立ち並ぶアキバ。
パソコンはすぐにみつかった。

「よし、じゃあ早く3次元に戻ろっか。2人を助ける作戦は、それから考えよう」
「うん、分かった!」

2人は顔を見合わせて、頷いた。
それからポケットからフィギュアを取り出し・・・・

異変が起こった。

意識が、飛んだ。
突然だった。
徐々に朦朧とするのではなく、急に。
まるで誰かにいきなり意識をかすめとられたかのような。
私は立っていられずに、その場に倒れ込んだ。
目を開いているのに、焦点が合わずほとんど何も見えなかった。
不思議な感覚だ。
私は恐怖した。何が怖いのか分からない。
しかし本能的に私は恐怖していた。

「・・・こなちゃん!?こなちゃんっ!!」

つかさの声が、遠くで聞こえたきがする。
何が起きているのかさっぱり分からなかった。
私の視界がフェードアウトしていく。
耳も徐々に聞こえなくなっていく。


・・・。

・・・・・。

・・・・・・・。

私は、目を覚ました。
視界には夜のアキバの街並み。
耳にはにぎやかなアキバの喧騒。
442 :こなたん達が3次元に来てしまったようです2009/05/30(土) 00:43:59.22 ID:NMPtr8o0
私は誰かに抱き起こされた。
すすり泣く声が間近で聞こえた。

「・・・つかさ?」

抱き起こしてくれたのはつかさだったらしい。
何故だか目に涙をいっぱい溜め、泣いている。

「こなちゃん・・・?」
「うん」
「良かったぁあああ!目を覚ましてくれて・・・!」

つかさは涙を溢れさせながら私を抱きしめた。
私は混乱した。

「え?何何?何が起こったの?私、どうして・・・?」
「何も覚えてないの?」
「・・・うん」

さっきまで意識が飛びそうだったのが嘘のようだ。
私の身体は私の思うように動くし、目も耳もちゃんと見えるし、聞こえる。

「3次元に帰ろうって言って、パソコンの前まで来たのは覚えてる?」
「うん、それで、フィギュアを取った瞬間に、突然意識が遠のいて・・・」
「そうなの。それでこなちゃん、倒れちゃって、私すっごく驚いたよ。突然だったし」
「私も驚いたよ。何が起こったのか分からなくて。つかさ、私の事呼んだよね?」

遠のく意識の中、つかさが私を呼びかけてくれたことを思い出した。
そう言うとつかさは表情を曇らせて、奇妙なことを言った。

「う、うん。でも、何か・・・こう言っちゃ悪いんだけど・・一瞬、こなちゃんのこと分からなくなった」
443 :こなたん達が3次元に来てしまったようです2009/05/30(土) 00:44:48.40 ID:NMPtr8o0
「は・・・?分からない・・・?何ソレ?」

「なんていうか・・・名前が浮かんでこなくて、一瞬、うん、一瞬だったけど・・・」

つかさは思案顔で言葉を選びながら言った。
私はますます意味が分からなくなった。

「どういうこと?」
「え、どうって言われても・・・うーん・・・よく分かんない・・・気が動転しちゃってたのかなぁ」

名前を呼ぼうとした、けど名前が一瞬浮かんでこなかった、と。
歳をとって、脳が老化するとそういうことがたまにあったりするらしいけど・・・。
かと言って、この状況で、つかさが・・・?
確かにパニックだったのかもしれないけれど・・・何なのだろう。
何か、嫌な予感がする。

「それで、どうしたの?」
「え、うん、それで私はこなちゃんの手を引いて、パソコンから3次元に・・・」
「あ、そっか。ここ・・・3次元なんだ」

でも普通、人が倒れたりしたら、周りの人に助けを求めるようなモンだ。
何で3次元に行くことを優先したのだろうか。
パニックしていて思考がうまくできなかったのだろうか。

「うん、こなちゃんが倒れたの、2次元の異変かと思って・・・」

「え?」

予想外の答えに私は驚いた。
444 :こなたん達が3次元に来てしまったようです2009/05/30(土) 00:45:59.78 ID:NMPtr8o0
2次元の異変。
峰岸さんの影響によりオカシくされた2次元。
それが実態を伴って、起こる異変。
現に、ゆーちゃん含め、私たちの周りの2次元のみんなは今活力を失っている。
これも2次元の異変であり、峰岸さん曰く、原作者の力を行使して存在を封印しているらしい。
そもそもその異変から私たちを遠ざけるために、原作者は私たちを3次元に飛ばしたんだっけ。

その、異変?
・・・なのだろうか。
でも、現に3次元に戻ったとたんに意識は回復している。
ということは、これは2次元の異変だったのだろうか?

でもオカシいな。
異変が起こるにしても、あんなに突然起こるものなのだろうか?
前2次元に戻ったとき、みゆきさんが異変で眠りかけていたっけ。
でも、先ほどのは眠いなんていう生易しいレベルではなかった。

「そっか・・・」

運が良かった。
つかさが隣に居て、それにパソコンの目の前だったから。
もし、あれ以上長い間2次元に留まっていたら・・・どうなっていたんだろう。

一体、2次元はどうなってしまったんだ?

うん、でも結果オーライ?
つかさが異変だと気付いて、3次元に行くことを優先してくれたので良かった。
窮地に立つとなぜか頭の回転が早くなるなぁ・・・つかさのくせに〜。

「ありがとう、つかさ。何か、助けられちゃったみたいで」
「えっ!?う、ううん、そんな大したことしてないよ・・・私だってパニックだったし・・・」

つかさは照れながらえへへと笑った。

「それに、あんなミスしちゃったんだし・・・私も、役に立たないとね」

まだ責任を感じているらしい。。
私はつかさに笑い返しながら、立ちあがった。

2次元の異変についてますます謎が深まってくる・・・
445 :こなたん達が3次元に来てしまったようです2009/05/30(土) 00:47:20.99 ID:NMPtr8o0
しかし、本来の目的を忘れてはならない。
私は2人を助けるために一旦2次元に戻り、そして再び3次元へと戻って来た。
しかし、実際に3次元に帰って来たところで、2人を助ける策があるわけではなかった。
再び廃ビルに攻め込むのもいいが、私たち2人が突撃したところで結果は目に見えている。

「・・・つかさ、何かいい案ある?」

「んぇ?」

突然話を振られてビクンと瞬きする。
こりゃ、何も考えてなかったな・・・。

「んー・・・えっと・・・」

最初は頑張って考えようとする姿勢だったものの、だんだん目がトロンとしてくる。
しばらくして、盛大に欠伸をした。

「・・・ぅー・・・」

眠そうに目を擦っている。

「ん、どしたの?眠いの?」
「ぅん、眠いー・・・」
「ちょっ、寝ないでよ・・・?これから2人を助けに行かなきゃいけないんだから」
「ぅ、うん・・・」

とりあえず、どうしよう。
再び携帯で峰岸さんとコンタクトを取るか?
それとも不意打ちを狙うか・・・不安な気持ちが何かかしらアクションを起こせと急かす。
携帯で時刻を確認すると、午後9時をまわっていた。
もうこんなに経ってたのか・・・マズいなあ、どうしよう。
どうりでつかさが眠いというわけだ・・・。
寝る場所の確保もそうだけれど、辺りはもう暗くなってきていて、危ない。

そのとき私は肩に重みが加わるのを感じた。
つかさが私の肩に寄りかかっていた。

「つかさ・・・!ちょっと!!寝ないでって言ったでしょ!?」
446 :こなたん達が3次元に来てしまったようです2009/05/30(土) 00:48:20.27 ID:NMPtr8o0
私は両手でつかさのを支えながら言った。
当のつかさは既に目を閉じている。
ていうか立ったまま寝るとか・・・大物だ。
ていうかこんな街中で寝られても困るよ。

「・・・重い」

つかさを支えているのに必死で、1歩も動けない。
どうしよう・・・。

「お、こなたんいたいたー!ww」

「え?」

見るとオタクの人たちが2人ほど私たちに近づいてくる。
見たところ、峰岸さん陣営ではなさそうだけれど・・・

「どこ行ったかと思ったぜwwwwww」

あ、そういえば。
私に協力してくれるオタクの人たちがいたっけ。
その人たちのうちの2人なのかな。

「お、つかさも一緒かwwwwみつかって良かったなwwwwwwww」
「他のみんなは一緒じゃないのか?もしかして、まだみつかってないとか?」

「え、あ・・・うん」

そっか。
かがみたちとはぐれたから探してくれるって言ってたっけ。
今は居場所まで判明しているけれど・・・・。

「悪いなー、俺たちも頑張って探してるんだけど、みつかんなくて」

「あ、あの、場所は分かるんだけど・・・」

「え?」

「えっと・・・」
447 :こなたん達が3次元に来てしまったようです2009/05/30(土) 00:49:46.09 ID:NMPtr8o0
「何だ、場所が分かってんなら話が早いぜwwwwww」
「どこにいんだ?wwww」

「えっと・・・廃ビル。峰岸さんたちに捕まっちゃってて・・・」

「ちょwwwwまじかよwwwwwwww」
「捕まってるてwwwwwwww」

私たち2人では無理かもしれない。
けど、オタクの人たちの力を借りれば、2人を助けだせる?
先ほど廃ビルにいた峰岸さん陣営の数は十人前後・・・あれで全部かは分からない。
けれど、あれで全部なのだったら、こちらとて人数に不足はないはず。

「うん・・・あの、協力、してくれるかな?」

「!!!!!!!!!」
「しますしますします全力でします」

そう言うや否や2人は携帯を取り出し、いじり始めた。
みんなを収集するのだろう。
私はその間、立ったまま寝てるつかさを揺すった。

「つかさっ・・・、起きてってば・・!」

反応なし。

「つかさ、ヤバいよ。お化けが出るよ!!」

「・・・え、お、お化け!?どこどこどこどこ!!!???」

飛び起きた。
まるで漫画のようだ。
・・・って、この世界から見ればマジに漫画のキャラだけどさ。

「むぅ、やっと起きたか。筋金入りの寝ぼすけめ」
「あ・・・れ?あ、あははは・・・」
「これからかがみたちを助けに行くからね」
「え・・あ、うん・・・。えーと・・・?」
「あ、えーとね、この人たちは私たちの味方だよ。協力してくれるんだって」

オタクの人たちを見ながら言う。
448 :こなたん達が3次元に来てしまったようです2009/05/30(土) 00:50:27.12 ID:NMPtr8o0
「そうなんだ〜。ありがとうございます〜」

お人好しなのか、怪訝な顔1つせず、全く警戒心のない笑顔でおじぎまでするつかさ。
まあ、つかさらしいと言えばつかさらしいけれど。

「いやいやいいってwwwwww当然だしwwwwwwww」
「こなたんは俺の嫁wwwwwwwwww」

数分後。オタクの人たちが10人前後くらい集まった。

「そいじゃーいきますかぃwwwwwwwwww」
「まさかあやのにファンがいたとはなwwwwwwww」
「ちょwwおまwwww失礼だぞっwwwwwwww」
「じゃあ俺たちはこなたん党員というわけでwwwwwwww」

というわけって何・・・?恥ずかしいからやめてほしいんだけどナー・・・。
んで、「こなたん党員」と称された集団+私とつかさは廃ビルの前までやって来た。
449 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv2009/05/30(土) 00:57:25.76 ID:NMPtr8o0
久しぶりの投下です。
ていうか最初ギャグ路線で、数話で完結するように書いてたつもりなのに
だらだらと路線変更しながら続いているという。終わりが見えねええ
450 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv2009/05/30(土) 12:42:19.12 ID:dHKbnrk0
wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
451 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv2009/05/30(土) 20:04:01.56 ID:XfoW1wDO
wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
452 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv2009/05/30(土) 20:36:35.66 ID:rVaM16AO
wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
453 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv2009/05/30(土) 22:47:42.96 ID:0pI0Mog0
おちけつ
454 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv2009/05/30(土) 23:16:01.39 ID:hBRWDYYo
>>449
結構大変な状況なのにつかさゆるいなwwwwどうなるやら……
もう4話でだいたい1クールか、続き待ってるぜー
乙!
455 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv2009/05/31(日) 00:09:47.39 ID:QrbyukDO
wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
456 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv[saga]:2009/05/31(日) 02:46:32.52 ID:fkk9Rj6o
>>449
乙。先の読めない展開が続いてるかんじですなー
終わりまで頑張ってくれ
しかし、長編で路線変更しながらは辛そうだなw


>>435-439
感想ありがとー。素直に嬉しい


『こなたの鬼退治』(>>429-433)の続きを投下します。たぶん10レスを少しこえるくらい
期待していただいた方には申し訳ないが、あまり時間が無いのでクオリティの方は…orz

改めて警告。女の子同士の仲が良すぎる系なので、苦手な方はご注意を
457 :こなたの鬼退治[saga]:2009/05/31(日) 02:47:34.75 ID:fkk9Rj6o
 鬼ヶ島には思った以上にあっさりとついた。
 船が着いた場所も港町として綺麗に整備されており、桟橋では気さくな鬼達が普通に出迎えてくれた。

「鬼ヶ島って、なんかおどろおどろしい城砦のようなイメージがあったんだけどネー」
「私も、鬼さんってもっといつも怒ってるのかと思ってたよ〜」

 つかさは鬼を単にイメージで怖がっていただけのようで、実際に鬼達と触れ合うことですぐにその恐怖心を克服した。
 到着間際まで目を潤ませていたのに、今はずっとニコニコしている。

 しばらく町を歩いてかがみとゆーちゃんの姿を探してみたが、見つける事はできなかった。
 見つけられるまで探したかったが、日が暮れる前に鬼退治を済ませた方がいいとゆい姉さんが言うのでやむなくそれに従う。
 観光案内所の鬼のお姉さんに『鬼退治に来た』と伝えると、町の裏手にある洞窟を紹介してくれた。
 洞窟までは歩いて5分。
 途中にもこれといった障害は無く、意外とあっさり着くことができた。
 凶暴な悪い鬼との戦闘を覚悟していただけに、これには拍子抜けだった。
 嵐の前の静けさ、というやつなのかもしれないが。

 たどり着いた洞窟の入口には“ようこそ!鬼退治へ!”と明るい色で書かれたアーチ状の看板が架かっていた。
 実に笑えない冗談だ。
 洞窟の入り口まで来たところで、みんなの足が自然と止まった。
 私のお供であるつかさ達がなんだかそわそわし始める。
 やはり、この先には凶暴な鬼共が待ち受けているのだろうか……

「ねえ、こなちゃん。本当について行ってもいいの?ここで待ってようか?」
「こなた、私達が邪魔なら、遠慮せずに言うんだよ?一緒に行かないから」

 みなみちゃんも2人と同意見のようで、コクコクと頷いている。

「ちょっ!!ここまで来といてそりゃ無いよ!お願いだから一緒に来てって!!」

 土壇場でそんな態度をとるなんて、薄情すぎやしませんか、みなさん?
 団子を食べたぢゃないですか!
 特殊能力も無い私ひとりで鬼の巣窟へ殴りこむなんて自殺行為デスヨ!?
 私の必死な態度を見てか、みんなは中までついて来ることをしぶりながらも承諾してくれた。

「それじゃあ、みんなっ!中に入るよっ!」
「こなちゃん、気合はいってるね〜。がんばってね!」

 私の武器は何の変哲もないチープな竹槍が1本のみ。
 そりゃ、気合も入れたくなりますってば。
 というか、つかさもがんばってよ?他人事みたいに応援してないでさ。

 ☆
458 :こなたの鬼退治[saga]:2009/05/31(日) 02:48:15.91 ID:fkk9Rj6o
 洞窟の中では迷わずに進むことができた。
 別につかさの嗅覚が凄かったから、とかそういう系ではない。
 中は灯りがちゃんと点っていたし、律儀にも分岐毎に案内看板が立っていたのだ。

「こなちゃん凄いね〜。初めての場所で迷わずどんどん進んでいくなんて」
「むふふ。私は、生まれついての勇者だからね。実は、この髪の毛はありとあらゆる波長をとらえるセンサーなのだヨ!」
「ええーっ!?そうだったんだー!!」
「ふっふっふ。このセンサーによるいろいろな状況判断の結果、進む道を決めているのだよ」

 実際のところ、状況判断などはしていない。
 単に看板に従って一番奥の部屋を目指しているだけ。
 最初の看板を見たとき、その部屋のところに“かがみ”と走り書きがしてあるのを私は見落とさなかった。
 それが私の知っているかがみの事を表している可能性は決して高くないが、他に頼るべき道しるべは無い。
 今はただかがみに会いたい一心で、その少ない可能性に全力を投じて進んでいるのだ。
 これは余談だが、鬼達の服装は男女共に虎柄の水着と相場が決まっているようだった。
 鬼の町の人々は老若男女問わずその格好をしていた。
 正直、老は無理をするなよ、と思った。
 まあ、それはおいといて……むふふ。かがみんの水着姿。むふふふふ。

「そういう訳で、私の目標は一番奥の部屋なのだよ!」

 ☆

 半分あたりまで進んだところで、何かの気配に気付いた。
 そっと様子を窺うと、そこには通路の真ん中に座り込んで酒を飲んでいる鬼がいた。

「……男なんて……男なんてェ……」
「あれは……黒井先生!?」

 むむぅ。こちらは竹槍を持っているとはいえ、相手は武闘派の先生。
 しかも鬼だ。
 私は鬼の能力がどれほどのものか、まだ知らない。
 戦うべきか、戦わざるべきか。どうやって切り抜けよう。
 私がウンウン言って悩んでいると、ゆい姉さんが手を挙げる。

「よっし。ここはお姉さんが引き受けてあげるよ、こなた」
「え。いいの?」
「こなたが目指してるのはもっと奥なんでしょ?ここは任せたまへ!!」
「ありがと!ゆい姉さん!!」

「さぁー、鬼よ!お姉さんが相手だー!!どっからでも、かかってこーい!!」
「なんや、騒がしいやっちゃなぁ。まぁ、ええわ。そこのアンタ、一緒に飲まへんか?」
「え?……じゃ、じゃあ、ちょっとだけ〜」

 ゆい姉さんが黒井先生を惹きつけている間に、すばやく通路の奥の扉へ向かう。

《ふおおおおぉっ!?わ、私にはダンナがいますからーーっ!!》

 数分後、何があったかは知らないが、ゆい姉さんの断末魔の叫びが聞こえてきた。合掌。

 ☆
459 :こなたの鬼退治[saga]:2009/05/31(日) 02:48:41.46 ID:fkk9Rj6o
 しばらく進むと、また何かの気配がする。
 そっと様子を窺うと、通路の真ん中でオロオロしている鬼がいた。

「ど、どうしよう。自分達の洞窟で、ま、迷っちゃったよう」
「あ、ゆーちゃんだ」

 むむぅ。こちらは竹槍を持っているとはいえ、使うわけにはいかない。
 鬼とはいえ、相手はゆーちゃんだ。軽く殴ることすら気が引けちゃうよ。
 戦うべきか、戦わざるべきか。どうやって切り抜けよう。
 私がウンウン言って悩んでいると、みなみちゃんが手を挙げる。

「私が、相手をします」
「あ、そっか。みなみちゃん、この為について来たんだしね」
「はい。みなさんは先へ……」
「それじゃあ、頼んだよ、みなみちゃん」

「……ゆたか……」
「あっ。あなたは……ええっと、この間は、助けてくれてありがとう。でも、どうしてここに?」
「……ゆたかに、会いたくて……」

 みなみちゃんがゆーちゃんの相手をしている間に、とりあえず通路の奥の扉へ向かう。

《ゆたか……///》
《みなみちゃん……///》

 事の顛末を物陰から見届け、奥へと進む。うーむ。両想いっていいなぁ、羨ましいなぁ。

 ☆
460 :こなたの鬼退治[saga]:2009/05/31(日) 02:49:12.34 ID:fkk9Rj6o
 もう少しでかがみの部屋、しかしここでも何かの気配がする。
 そっと様子を窺うと、通路の端で椅子に腰掛け優雅に読書をする鬼がいた。

「……」
「う。みゆきさんか」

 むむぅ。こちらは竹槍を持っているとはいえ、使うと後が怖い。
 普段おとなしい人ほど、キレると洒落にならないのが通説だ。
 ましてや鬼だ。みゆきさんだ。
 戦うべきか、戦わざるべきか。どうやって切り抜けよう。
 私がウンウン言って悩んでいると、つかさが手を挙げる。

「私が行くよ!こなちゃん!」
「え。いや、それはやめておいた方が……」
「大丈夫!私だって、やればできるんだよ!?」
「いや、でもネ、相手が悪すぎるよ……って、つかさぁ!?」

「が、がおぉ〜!」
「ひゃあっ!?」

 どんがらがったーん。
 つかさがみゆきさんに飛びかかっていったので、何も見ないようにして通路の奥の扉へ向かう。どんどん進む。

《たすけてぇええぇぇー!こなちゃああぁぁぁっぁあぁぁぁあんっ……!!》

 私の心の中のつかさが断末魔の叫びをあげる。実際はどうなったかなんて、恐ろしすぎて確認したくもない。

 ☆

 そうして私は、みんなの力を借りることによって無事に目的の部屋へとたどり着いた。

「とうとう会えるネ!かがみっ!!」
461 :こなたの鬼退治[saga]:2009/05/31(日) 02:49:45.37 ID:fkk9Rj6o
 目的の部屋の扉に近づくと、中から声が聞こえてきた。
 どうやら、この扉の向こうには複数の鬼がいるようだ。

「意外と臭いのよねー」
「だよなー。臭いよなー」
「うふふ。そうなんだー」

 声の主は私の嫁と、えーっと……みさきちに峰岸さんだ。
 C組のメンバーで楽しく会話しているといったところか。
 むぅ。かがみと2人っきりになれると思ってたのにな。

「ところでさ、最近あやのがなーんかつめてーんだよな。なんとかしてくれよー、かがみー」
「しょうがないわよ、みさお。あやのは彼氏いるんだから。私たちなんて背景よ、きっと?」
「もー。かがみちゃんったら」

 なんだろう、この違和感。
 なんか、いつもよりこの3人がやたら親しげな気がする。
 むー?なんなんだろ?

 ……ああっ!?
 か、かがみが、かがみがあの2人と下の名前で呼びあっているだと!?いったい、どゆこと!?

 そうか。そう言えばこの世界では、いつもの私たち4人組の構図は成り立たっていない。
 私とつかさは向こうの島にいたが、かがみとみゆきさんは鬼ヶ島にいた。
 たぶん、今まで会ったことすらない設定なのだろう。
 さっきのつかさはみゆきさんと初対面な風だったし。
 状況から察するに、この世界のみさきちと峰岸さんはかがみとずっと一緒にいた可能性が高い。
 そうであれば、この3人が本来の世界より少〜しばかり親しかったとしても何の不思議も無いのだ。

 あれ?でも、この世界のつかさはかがみのことを知っていたような気が……??
 つかさにかがみのことを尋ねたとき、“鬼ヶ島はあっち”と当然のように言っていた。
 うーん。辻褄があわない。

 まあ、考えても答えはでない。
 つかさが生きていたら聞いてみよう。生きていたら。
462 :こなたの鬼退治[saga]:2009/05/31(日) 02:50:19.94 ID:fkk9Rj6o
「なぁ、かがみー。お願いがあるんだけど」
「何よ?」
「ほら、アレだよ、アレ。アレしてくんないかな?」
「アレって言われてもわかんないわよ。はっきり言いなさいよね」
「う。い、いつものようにさ、その、ち、ちち、ちゅーしてくれよ!」

 え?ちゅー?いつものように?
 かがみとみさきちがキス?
 いやはや、幻聴が聞こえるなんて、ここにきて旅の疲れがでてきたのかなぁ。

「もう、しょうがないわね。あやの、悪いけど外してくれる?さすがに見られてると恥ずかしいのよね」
「うふふ。しょうがないなぁ、2人とも。ごゆっくりね」

 え?あれ?しょうがない?見られてると恥ずかしい?
 ……かがみ、キスしちゃうの?
 わ、わたしですら、まだ1回もしてもらってないってのに!?

「ほら、みさお……もっとこっち来なさいよ」
「……そんな風に見つめられたら、恥ずかしいってヴぁ」
「さ、目を閉じて――」
「ちょおぉーっと、待ったぁーーーーーーーっ!!」

 私は扉をぶち破った。
 そのままの勢いで部屋の中へと転がり込む。

「かがみ!かがみぃ!!私というものがありながらっ!!」

 かがみとみさきちは、ふかふかのソファーに密着状態で腰掛けていた。
 突然の乱入者に気がつくとパッと離れる。
 かがみは鬼の中でも位が高いのだろうか、他の鬼たちと違いキラキラと光る装飾品を身につけていた。
 うん、似合っている。とても綺麗だ。
 いいところを邪魔されたせいか、みさきちは憮然とした表情でこちらを見ていた。

「……なあ、かがみ。このちっこいの、知り合いか?」
「……知らないわよ、こんなやつ。今、初めて会ったわ」

 あああああ。私のかがみが冬のように冷たい。
 これは死ねる。
 それにしても鬼の格好のかがみ、想像以上に萌える。
 大盛りご飯で3杯はイケる。
 いろんな意味で悶える私。
463 :こなたの鬼退治[saga]:2009/05/31(日) 02:51:33.57 ID:fkk9Rj6o
「おい、ちびっ子。お前何者だ?何か用でもあんのか?」
「私はかがみに会いに来たんだヨ」
「え?私に?なんで?」
「だって、かがみは……私の嫁だからっ!!」

 竹槍をびしっと突き出して、高らかに宣言する。
 例え世界は違えども、かがみを他の人間に渡してなるものか!

「その竹槍……まさか、鬼退治かぁ!?」
「ちょっと、みさお。今週の警備はあんたが責任者でしょ?どうなってんのよ!?」
「う。実は、まだ何も指示してねーんだよな。誰も配置についてないハズ……」
「はあぁぁー!?何よソレ!?」
「かがみと一緒にいられるだけでソワソワワクワクしてさ、それどころじゃなかったってゆーか」
「信じらんない!あんた降格よ、降格!」

 かがみの剣幕にみゅ〜んと鳴くみさきち。ふふふ、いい気味だ。
 私がニマニマしていると、かがみが優しい笑顔を見せて私のほうへゆっくりと近づいてきた。
 いい表情だ。写メを撮りたくなるくらいに。

「警備が手薄だったとは言え、ここまで来るなんて……あんたなかなかやるじゃない」
「むふふー。かがみのためなら、たとえ火の中、水の中なのだよ」
「嬉しいこと言ってくれるわね。でも……残念だけど、鬼退治は18歳になってからじゃないとダメなのよ?ほら、今日はもう帰りなさい、ボク」
「そーだぞー、ちびっ子ー。出なおしてきなー」
「わわわ、私は18だよっ!ちっこいからって、ばかにすんなーっ!!それに“ボク”じゃないもんっ!!」
「「えええっ!?」」

 あまりの衝撃に口が開いたままになる2人。
 とりあえず、私はぷーっと膨れておいた。

「ふ〜ん……そういうことなら話は別ね」
「お、おい、かがみ。まさか、お前あのちびっ子と……だ、ダメだっ!それはダメっ!!」
「もとはといえば、みさおがサボったのが悪いのよ?そうでしょ?」
「そ、それはそうなんだけどさ」

 かがみが私の方にさらに近づいてくる。
 その顔からさっきまでの優しい笑顔は消えていた。
 かわりに実に鬼らしい妖しい笑顔を浮かべている。
 うん。これはこれでイイ。実にイイ。
 昔話盛りで5杯はイケる。
 かがみは私から3mほどのところまで来ると、構えをとり戦闘体制にはいる。
 ギラリと光る爪。

「ちょ。か、かがみん?」
「ここまで来たってことは、私が目当てなんでしょ?……ふふっ。その鬼退治、受けてあげるわ」

 どうやらかがみは本気のようだ。私はかがみと戦う気なんてこれっぽちも無いのに。
 しかし、そうも言ってはいられない。
 鬼が本気でかかってくるのだ、こちらも本気をださなければ命が危ないかもしれない。
 かと言って、本気をだして反撃してかがみに怪我なんてさせたくない。
 あああ、どうしよう。
464 :こなたの鬼退治[saga]:2009/05/31(日) 02:52:21.91 ID:fkk9Rj6o
「そういえば、まだ名前を聞いていなかったわね」
「え?あ。私は泉こなた、だよ」
「こなた、か……いい名前じゃない。よろしくね、こなた。さあ、いくわよ!」
「えっ!?ちょっ、待っ!!」

 私がまだ躊躇しているうちに、かがみは爪を振りかざして襲い掛かってきた。
 私は竹槍を構えることすらできない。
 かがみが真っ直ぐに突っ込んできての一瞬の交錯。
 次の瞬間、視界に映った真っ赤な血が、私の頬に飛び散った。

「ッ!!……あれ?痛く……ない?」

 おそるおそる自分の体を確認すると、どこからも血は出ていなかった。

「ああん。私、こなたに退治されちゃった〜♪」
「あちゃー。やっぱり、こうなっちまったか」
「ふぇ?」

 目の前の光景に理解が追いつかない。
 腕の傷から血を流しながらとても嬉しそうなかがみ。
 それを見て額に手をあてるみさきち。
 かがみの傷は私の竹槍によってできたものだ。
 といっても、私はかがみを攻撃した覚えなんてない。
 ただ単に向こうが突っ込んできただけだ。

「……あの、かがみさん?」
「なぁに、こなたぁ?」

 かがみは極度のデレ状態だった。私に擦り寄り無傷な方の腕を絡めてくる。
 何か聞こうにもこうもデレんデレんでは使いものにならない。
 かがみとの密着状態が嬉しいよりも先に、何が起こったのか不思議でならない。
 考えがまとまらずぼーっとしていると、みさきちが話し掛けてきた。

「あー、ちびっ子。その、なんだ、わたしでよければ説明してやるよ」
「……お願いするヨ。もう、なにがなんだか」

 ☆
465 :こなたの鬼退治[saga]:2009/05/31(日) 02:52:49.92 ID:fkk9Rj6o
「ちびっ子がどこまで知ってるかわかんねぇからさ、1から説明すっぞ?えーっとな。まず、かがみって鬼のお姫様じゃん?」
「お姫様!?かがみが?」
「なんだよ、そんなことも知らねーくせにここに来たのかよ?ま、それはそれとしてだ。そんな身分だからかがみには自由なんかねえんだよな、実際」
「なるほど」
「外の世界を見れるのも、わたしらと一緒にさ、壁をぶちやぶったりしてこの部屋から抜け出した時くらいなわけよ」
「それなんてア○ーナ姫?」
「誰だ、それ?どこの一族の姫だ?」
「あ。こっちの話だから気にしないで続けてくれたまへ」
「へ?そうなのか?……そんなわけでさ、かがみはこの一番奥の部屋まで鬼退治に来てくれるヤツを待ってたんだよな。そりゃもう、ずーっと前からな」

 話の流れがイマイチよくわからない。
 自由が無かったから、退治されることを望んだ?自殺願望?
 いや、そうではない。
 私の横でピンピンしているかがみは、本人いわく、既に私に退治されたことになっているようだ。
 とりあえず、退治=死では無いようだ。

「で、今日、自分の趣味にぴったりなオマエが鬼退治に来ちまったってわけだ」
「趣味にぴったり?」
「そう、ぴったり。いやな予感がしたけどさ、まさかホントに自分から退治されるとはなー。いや、まいったぜ」
「ちょっと、話が長いわよみさお!こなたが困ってるでしょ!?いいかげんにしなさい!!」
「うう。かがみがさっそく冷たいよー。あやのー、あやのー」
「ねぇ、こなたぁ。こんなヤツほっといて、さっさと行きましょ!」
「ふぇ?何処へ?」
「ん、もう。あんたの家に決まってるじゃないのよ」
「なんで?」
「忘れたとは言わせないわよ?あんた私のこと退治したでしょ?だったら、ちゃんと責任とりなさいよね!」
「いや、でも、退治って言われてもサ、あれはかがみが勝手に……って、責任ってどゆこと?」
「こういうことよ!」

 チュッ。 

「私はあんたの嫁になってやるって言ってんの」

 ああ、そうか。鬼退治ってそういうイベントのことだったのか。
 つまり、自分の力を示して嫁をゲットするイベント……って、あれ?
 私とかがみって女同士じゃね?
 かがみはそれでいいのかなぁ?
 私としてはノープロブレムだけど。
466 :こなたの鬼退治[saga]:2009/05/31(日) 02:53:15.09 ID:fkk9Rj6o
 まあ、そんなこんなで私はかがみに引きずられながら来た道を戻っていくことになった。

 これは後で知ったことだけど、“鬼ヶ島のかがみ姫、三度の飯より女娘(おなご)好き”というかなり有名な噂があったらしい。
 かがみが三度の飯が大好きだということを知っている諸君ならば、この噂の内容がどれだけおそろしいことなのかわかるだろう。
 私はむしろ望むところだけどネ。
 ちなみに、つかさがかがみのことを知っていたのも、このおそろしい噂によるところが大きかったようだ。
『母さんの言うコトを守れない悪い娘は、鬼のかがみに連れて行かれて、食べられちゃうわよ(性的な意味で)!』
 といった調子で、いのりさんやまつりさんにからかわれていたそうだ。

 ☆

「お父さん、ただいまー」
「おかえり。早かったな、こなた。ちょっと話があるんだが、いいか?」
「別にいいけど……なに?」
「今朝はあんなことを言って送り出したけど、こなたが鬼退治だなんて、お父さんやっぱり認めないからな!」
「あー、でも、もう退治してきちゃったヨ。その鬼さ、お父さんに挨拶するって言ってついて来てるんだけど?」
「何ィ!?いったいどこのどいつだ!!すぐに呼びなさい!!お父さん絶対に許さないからっ!!」
「おーい。入って来いってさー」
「このヤロウ!!よくも、よくも哀れなこなたを手篭めにしたなぁ!?」
「は、ハジメマシテ!お義父さん!かがみと申します!ふ、ふつつか者ですが――」
「許せる!!」

 なんだその立てた親指と輝かしい笑顔は。
 なにはともあれ、こうして私はかがみと仲良く一緒に暮らす事になったとサ。

 ☆

 一緒に暮らすようになってから1週間が過ぎたある日のこと。

「こなたぁ〜。早く起きなさいよぉ〜。もう昼前よぉ〜?」
「うう……元気だね、かがみん。私はかがみのせいで眠くてたまらないよ……むにゃむにゃ……」
「完全に起きるまで暫くかかりそうね。いいわ。お義父さんとの用事を済ませてくるから、その間に起きてなさいね」

 かがみは鬼だけあって体力的にもの凄い。
 帰ってきてから毎晩、何回も何回も私を襲ってきた。もちろん性的な意味で。
 いい加減にしてほしいとは思うが、しかし、拒否するわけにもいかないのだ。
 あれは4日目の晩のことだった。
 さすがに疲れたので少しつれない態度を見せたところ、かがみの姿が忽然と消えた。
 いつの間に目をつけていたのか知らないが、かがみはいのりさんとまつりさんを襲いに行ってしまったのだ。
 私の機転により事は未遂に終わり、何とか最悪の事態は防げたものの……いのりさん達が満更でもない様子だったのが気になる。
 かがみがとられてしまう可能性があるから心配だ。

 そんなことを考えながらベッドの中で睡魔と闘っていると、部屋にいる人の気配が増えた。
 かがみの気配ではない。誰かお客さんが来たようだ。
467 :こなたの鬼退治[saga]:2009/05/31(日) 02:53:44.47 ID:fkk9Rj6o
「こなちゃん、おはよ〜」
「おはようございます。こなたさん」

 あ、つかさとみゆきさんだ。相変わらず仲が良さそうだ。
 しかし、命を落とさずに済んで本当に良かったね、つかさ。

 お客が来たのではしょうがないから起きることにする。
 私が布団からもぞもぞと抜け出したところで、お父さんとの用事が終わったのか、かがみが部屋に戻ってきた。

「おー。みゆきにつかさ、いらっしゃーい」
「あ、お邪魔してます。かがみさん」
「あ、おねえちゃんだ。おはよ〜」
「……あれ?なんで、つかさがかがみのこと“お姉ちゃん”って呼んでるの?」
「ん?こなたには言ってなかったっけ?あたしとみゆきって異母姉妹なのよ。みゆきが敬語で話すから、気がつかなかったとは思うけど」
「そうなんです。ですので、つかささんはかがみさんの義理の妹になるんですよ……お恥ずかしながら、私の敬語は昔からの癖でして」

 あの日、結局みゆきさんはつかさに退治されたことになったようで、かがみと一緒にこっちについて来ていた。
 つかさは誕生日を迎えていなかったが、みゆきさんによると、数えで18歳になっていれば鬼退治は成立するのだそうだ。
 真偽の程は定かではないが。
 かがみによると、みゆきさんはつかさに惚れてるから自分に都合のいい嘘をついている、とのことだ。
 手段を選ばないなんてみゆきもみっともないことするわね、なんて言ってたけど……オマエが言うな。
 そもそも、みゆきさんが女に惚れてしまうような性格になったのは、かがみんの影響なんじゃないだろうか。
 この姉のへんたい電波に侵されて……ああ、かわいそうなこっちの世界のみゆきさん。

「だから、こなちゃんも“お義姉ちゃん”なんだよ〜。でも、恥ずかしいから、こなちゃんはこなちゃんのままで良いよね?」
「いいんじゃない?みゆきも私のこと、ずっとかがみさんって呼んでるしね。無理に変える必要も無いんじゃないかしら?」
「そうですね」
「で、とりあえず、こいつらも明日から一緒に住むことになったから。もちろん、お義父さんも了解済よ」
「ふぇ?」

 お父さんが萌え死にする日もそう遠くなさそうだ。

「ついでに言っとくと、私にはもうひとり妹がいるのよね。鬼ヶ島に残してくるの心配だから、こっちに呼んじゃったんだけど――」
「こんにちはー。お邪魔します、かがみお姉ちゃん」
「……お邪魔します……」
「ああ、噂をすればなんとやらね。私の妹、ゆたかちゃん。やっぱり異母姉妹よ」
「ゆたかです。よろしくお願いします、こなたお義姉ちゃん」
「隣にいるのはお友達ですか?」
「あ、みゆきお姉ちゃん。みなみちゃんはね、私の大事な人なんだよ。えへへ」

 ここにもかがみのへんたい電波の犠牲者がひとり。
 いや、みなみちゃんもカウントするとすれば、ふたりか。
468 :こなたの鬼退治[saga]:2009/05/31(日) 02:54:17.75 ID:fkk9Rj6o
 それにしても、何かいつもの世界と面子があまり変わらなくなってきたなぁ。
 もしかして、ゆーちゃんもそのうち一緒に暮らす事になるのだろうか。
 お父さんなら当然快諾するんだろうなぁ……そうか、萌え死にまであと2年かぁ。
 まぁ、人数が多い方が賑やかで良いよネ。
 ウチのかがみが他の娘に手をださないか、心配のタネは増えちゃうけど。
 あれ?ゆーちゃんとみなみちゃんの後ろにもまだ誰かいるような……?

「ちびっこー!私のかがみをかえしやがれー!!」
「なっ!みさお!?だ、誰があんたのものなのよ!あたしはもう、こなたのものなんだから!!」
「みさちゃん、他所の家であんまり大声出したりとか、迷惑かけちゃダメよ?」
「ゆきちゃん。あの鬼さんたちって知り合い?」
「ええ。おふたりとも、元はかがみさんの直属の護衛で、確か今はゆたかちゃんの護衛役なんですよ」
「Wow!萌え萌えガールズでいっぱいデス!怪しげな鬼娘たちを全力デ追いかけて来たカイがアリマシタ!」
「あわわわわ。どうしよう、みなみちゃん。なんか、知らない人がついてきてたよー」
「……大丈夫。ゆたかは私が護るから」
「ふおおーっ!こ、これは、たまらないシチュエーションっス!眩しすぎるっス!……ごふっ」
「わぁ!?ゆきちゃん、亀さんが血をはいて倒れちゃったよ!?」
「大丈夫です、つかささん。それは仕様ですから」
「おい、そこの鳥!ゆたかの護衛は私らの仕事だぞ!抱き合ってないで離れろー!」
「ちょっ、空気よみなさいよ!ていうか、護衛ならまずこっちの知らないやつらを何とかするべきでしょ!?また降格するわよ!?」
「みさちゃん、これ以上の降格はシャレになってないわよ。そっちの人達を早く追い出さなきゃ」
「オーウ、つれないデスネー。旅は道連れ世は情け、という言葉もアルではナイデスカ!」

 ……収拾がつきそうに無いなぁ。賑やか過ぎるのも、どうなんだろうね。
 まぁ、かがみも楽しそうだし、私もそれなりに楽しいからヨシとしますか!
 
 めでたし、めでたしっと。
469 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv[saga]:2009/05/31(日) 02:56:41.07 ID:fkk9Rj6o
以上です。なんとか今月中に投下できたw

しかし、我ながら無駄に長いなー
誕生日当日に日付が変わるまでに完成しなかったのも当然だわw
470 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv2009/05/31(日) 05:09:20.29 ID:rfcyiQSO
>>469
カオスとかそんなレベルじゃねーぞww
471 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv2009/05/31(日) 07:31:26.38 ID:WNok4dQo
>>469
なんだこれwww突っ込みどころ多すぎるw
こなた邪心に満ちすぎだろとか
主人公先に行かせるため仲間が減っていくってシチュなのに感動0だな、とか
え、何この変態かがみ? とか……いや、どっちかというと百合かがみか
親父自重しろとか

もうGJだよ! ラストがこれまたカオスww乙
472 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv2009/05/31(日) 07:32:20.63 ID:WNok4dQo
☆★☆★☆★☆★☆★☆

「今日は、第14回コンクール投票最終日!」
「おダイは『ゆたかとみなみ』デス!」
「今回もシリアス、感動モノから二人にはとても見せられないようなものまで出揃ったっス! 参加作品はこちら」
 http://www34.atwiki.jp/luckystar-ss/pages/1421.html
「goodなsituationがモりダクサン! アナタのココロをイトめたサクヒンにイッピョウを!」
「投票はここ!」
 http://vote3.ziyu.net/html/lkstxiv.html
「締め切りは6月の1日までなので気をつけて下さいっス!」
「マってるネ!」


「ヒヨリ?」
「何、パティ?」
「コンカイ、そこまでカゲキなものアりましたか?」
「ん、そこは想像力というか……」
「oh! ナルホド! さすがヒヨリね!」
「あはは……」
「……田村さん、ちょっと」
「!」
           

★☆★☆★☆★☆★☆★
473 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv2009/05/31(日) 07:35:39.18 ID:WNok4dQo
書き込み前に最終日って入れたけど、それなら6月1日っていらなかったオワタ

「締め切りは今日の23:59:59!」
474 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv2009/05/31(日) 08:02:19.85 ID:SiK5sgSO
最終日は明日では?
475 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv2009/05/31(日) 08:17:29.46 ID:WNok4dQo
すみませんそうです俺何してんのマジで……orz
476 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv[saga]:2009/05/31(日) 08:25:39.82 ID:DjI44tM0
>>469
途中から話がめちゃくちゃにw
最後はうる星やつらを思わせるような賑やかさでしたね。
GJ
477 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv[saga]:2009/05/31(日) 08:33:58.20 ID:DjI44tM0
うぬ? >>472
6/1の23:59が最終じゃないの??
478 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv2009/05/31(日) 13:01:32.92 ID:b/RkTOk0
>>469
大いに笑わさせていただきましたwwww
乙&GJ!
479 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv2009/05/31(日) 13:28:45.55 ID:QrbyukDO
wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
480 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv2009/05/31(日) 13:30:38.11 ID:PVRqY420
おwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwちwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwつwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwけwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
481 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv2009/05/31(日) 23:06:11.27 ID:DXq3u7.0
>>480
おみゃーさんがおちつけ〜
482 :第十四回コンクールレビュー[saga]:2009/06/01(月) 00:04:23.61 ID:P7ex2Hw0
投票最終日となりましたので、レビューの投下いきます。

前回よりだいぶレビューらしくなった…とか言えればカッコイイのですが、前より酷くなってるかもしれません。
483 :第十四回コンクールレビュー[saga]:2009/06/01(月) 00:05:40.11 ID:P7ex2Hw0
こなた「泉こなたです」
かがみ「柊かがみです」
そうじろう「…泉そうじろうです」
こなた「さーて、第十四回以下略のレビュー始まるよー!」
かがみ「略すな!」


- 第十四回らき☆すたSSコンクールレビュー 〜我が麗しの稜桜学園〜 -


かがみ「サブタイ意味わかんない…」
こなた「いや、ゆーちゃんとみなみちゃんをイメージしてみたけど、ダメかな?」
かがみ「まあ、いいけど…ってか、なんでわたしここにいるんだか」
こなた「ホントはお母さん呼んでたんだけどね、なんでか来ないんだよ。それで、代わりにかがみを…と言うわけ」
かがみ「…さいですか」
こなた「つー訳で今回はお父さんが落ち込んでて全く役に立たないから、かがみんしっかり頼むよ」
かがみ「あんたは?」
こなた「わたしは最初から戦力外!」
かがみ「…親指立てて爽やかに言い放つ言葉じゃないでしょ、ソレ…まあ、呼ばれたからにはちゃんとするけど」
こなた「流石かがみ。そこに痺れる憧れる。じゃ、早速いってみようか」


エントリーNO.01『友情から愛情へ』

こなた「一見、百合ものかと思いそうな叙述トリックSSだね」
かがみ「そうね、わたしも初見は見事に騙されたわ。見事と言えるんだけど、ただ一つだけ個人的な意見だけど」
こなた「何?」
かがみ「見事すぎると言うか、騙しすぎてるというか…Side IとKに違和感が無さ過ぎるのよね」
こなた「それってダメなの?」
かがみ「最後のHの部分を読んでも、IとKが旦那さんの事だって分かりづらいのよ。驚かすトリックを仕掛けたのはいいけど、カモフラージュしすぎてトリックがあった事に気付かれ難くなった、みたいなね」
こなた「なるほど」
かがみ「それを除けば、お互い似た人を旦那に選んでしまうくらい仲の良い二人を描けてると思うわ」
こなた「ふむふむ」
かがみ「ま、最後に言いたいのはアレね」
こなた「アレか…せーの」
こなかが「「お前は自重しろ」」


484 :第十四回コンクールレビュー[saga]:2009/06/01(月) 00:07:05.56 ID:P7ex2Hw0
エントリーNO.02『姉と妹』

こなた「レビューをするにしづらい、筆者自身の作品だね」
かがみ「そうね、しづらいわね…と、言うわけでけなすわ」
こなた「…は?」
かがみ「まず、台詞の比重が多すぎ頼りすぎ。地の文が苦手とか言い訳してないでちゃんと書きなさい」
こなた「…むぅ」
かがみ「そんで、話しに起伏が無さ過ぎて平坦すぎる。短めにしたから良かったものの、少し長かったらだれてくるわね。んで、オチらしいオチも無いし、あれじゃ最後投げっぱなしと取られても文句言えないわね」
こなた「…いやまあ」
かがみ「さらに、脱字がまたあったわね。投下数がそろそろ50になろうってのに、いい加減ちゃんと校正できるようになりなさいっての」
こなた「…それは仕方ない部分もあるんじゃ」
かがみ「最後に、なんでこなたの相方がわたしじゃなくてみゆきなのよ。納得いかないわ」
こなた「最後に私怨入ったよ!…ってか、かがみだったらお題に絡めないじゃん」
かがみ「それくらい何とかするのが、書き手の力量でしょうに…」
こなた「…無茶いうなー」


エントリーNO.3『ゆたかがみなみでみなみがゆたか』

こなた「王道の入れ替わりネタだね。そして、長い」
かがみ「そうね、今回最長のSSじゃないかしら」
こなた「とかく色々なキャラのsideが出てくるね」
かがみ「うん。これだけ色んなキャラの、それぞれの場面ごとの心境を書けるってのは凄いわね…で、凄いんだけど…」
こなた「だけど?」
かがみ「やっぱり、少し読みづらい部分はあるかもね。主要な人物に絞ってsideをいくつか削ったほうが良かったんじゃないかって、個人的には思うわね」
こなた「ふむう…」
かがみ「でも、どれ削るって聞かれたら、やっぱり悩むわね。全部書きたかったからこそ、書き手の人も書いたんだと思うし」
こなた「難しいねえ」


485 :第十四回コンクールレビュー[saga]:2009/06/01(月) 00:16:44.31 ID:P7ex2Hw0
エントリーNO.4『Love was sleeping』

こなた「愛だね」
かがみ「多分、あんたの思ってる愛とは違うんじゃないかな…」
こなた「え、でもキス…」
かがみ「ま、まあそう言うのは置いといて。とにかくみなみちゃんっぽいって感じの、綺麗な文章ね」
こなた「そだね。みなみちゃんあんまり喋らないけど、心の中でこんな風に色々考えてるんだって思うと、ちょっと可愛い」
かがみ「…なるほど、こういうのがいいのか…」
こなた「ん、なんか言った?」
かがみ「いや、何にも…で、ちょっと気なった箇所が一つだけ」
こなた「ふむ」
かがみ「『みなみがゆたかを求めている……?』ってところ。『私がゆたかを求めている……?』ってしたほうが自然かなって」
こなた「あー」
かがみ「その直後の文がみなみちゃんの一人称っぽいから、ちょっと気になっちゃって」
こなた「なるほどね…ところでかがみ」
かがみ「なに?」
こなた「クレイダーマンって聞くと、なんか土色のスパイダーマンを想像しちゃう…」
かがみ「ヤメレ」


エントリーNO.5『喧嘩』

こなた「これまた王道の喧嘩モノ」
かがみ「なんか、地文も台詞も改行の仕方が独特でインパクトあるわね」
こなた「そだね…うーん」
かがみ「どうかしたの?」
こなた「いやね、この文の切り方、どっかで見たなって…」
かがみ「ふーん?…ま、それはともかく、些細な意地からの喧嘩が上手く書けてるわね」
こなた「ってーか、こういう話だと使いにくいのか、パティが出てこないね」
かがみ「いやまあ…」
こなた「そういや、かがみがこういうののキーパーソンになるってのも珍しいかな?大抵、わたしだったりするのに」
かがみ「そうねえ…なんでか、こういう時にあんたが頼りになったりするのよね」
こなた「ギャルゲで稼いだ経験値は伊達じゃないってことだね」
かがみ「…微妙に頼りがいが無いなそれ」
こなた「…あぁー!そうだ!ギャルゲだよ!」
かがみ「は?どうしたの、急に」
こなた「この文、どっかで見たと思ったらギャルゲだよ。ほら、キャラのバストアップが上にあって、下のウィンドウで台詞とか出るタイプの」
かがみ「あー」
こなた「ね?台詞の前に名前が出てるとか、一行の長さとかさ」
かがみ「あー」


486 :第十四回コンクールレビュー[saga]:2009/06/01(月) 00:18:05.66 ID:P7ex2Hw0
エントリーNO.6『みなみとゆたかと『ゆーちゃん』と』

こなた「一瞬、某朝比奈みくるだと思ったのはわたしだけでいい」
かがみ「うん、たぶんあんただけだ」
こなた「なんというか、不思議体験なお話だね」
かがみ「そうね、どういう境遇であっても変わらない友情の話ね」
こなた「友情と言うより、むしろ百合…」
スパーン!
こなた「も、問答無用でスリッパっすか…てか、ソレ何処から…」
かがみ「うるさい。もう一発くらいたい?」
こなた「いえ、結構です…」
かがみ「で、まあ気になったところが一つだけ」
こなた「ふむ」
かがみ「(陵桜学園入学案内書を除く)ってのは、いらなかったんじゃないかなって思うの」
こなた「突っ込まれるのを避けるためにいれたのかな?」
かがみ「だと思うんだけどね。でも、やっぱり違和感があるって言うか、作品世界から引き戻されちゃうかなって」
こなた「なるほど…まあ、最後に言いたいのはアレかな」
かがみ「ああ、アレね…せーの」
こなかが「「またお前か」」


エントリーNO.07『みなゆた不在』

こなた「…初っ端から最後まで、わたしだけが酷い目に合っている気がしますが」
かがみ「まあ、自業自得だからね」
こなた「…ってかラリアットで吹っ飛ばすって、どんな腕力…」
かがみ「それなんだけどね」
こなた「ふえ?」
かがみ「振り抜き式のラリアットって、まともに決まると吹っ飛ぶんじゃなくて、相手が半回転して頭からマットに落ちるのよね…」
こなた「えー」
かがみ「あ、疑ってるわね。試してみる?」
こなた「ええええええんりょしときまっす!」
かがみ「まあ、ソレはソレとして、お題の二人があまりでてこないタイプね」
こなた「そだね。なんだか物騒な言い伝えが出てくるけど…こういうのって信じる人いるのかな」
かがみ「いるから…っていうか、実行した人がいるからこそ伝わるんじゃないかしらね。古い時代だとネットとかで一気に広まるわけじゃないし、なにかしらの事実はあったんでしょうね。でも、伝わる過程で誤解や虚飾がなかったとは言い切れないし、もしかしたら山頂での儀式はもっと大人しいものだったのがインパクトのある自殺ってのにすり替わっていたとも…」
こなた「…いや…あの…」
かがみ「…心中をもって来世でも結ばれるってのは一見ロマンチックだけど、その噂が出始めた時代背景を考えると、心中せざるを得なかった、やむにやまれるの結果だったかもしれなくて、それを聞いた人たちが『せめて、来世ではこうあって欲しい』と願った結果から…」
こなた「ストーップかがみ!脱線しすぎ!」
かがみ「へ?…あ、ああ、ごめん。つい熱くなっちゃって」
こなた「まったく、なんでわたしが突っ込み役になってんだか…」
かがみ「ごめんってば…まあ、そういう言い伝えがあるから、最後の台詞が考えさせるものになったわけね」
こなた「そうだね…って言いたいけど、ゆーちゃん達は大丈夫じゃないかな」
かがみ「どうして?」
こなた「来世にすがる必要がないくらい、ゆーちゃん達の今は充実してるように見えるって事」
かがみ「なるほどね。今が楽しめるってのなら、無理に断ち切らなくてもいいってことね」
こなた「そゆこと…ってそこでどうしてわたしのお尻を触ろうとするかな、かがみさんや?」
かがみ「え?いやだから、今を楽しもうと…」
こなた(…なんか変なスイッチ入ったかな)


487 :第十四回コンクールレビュー[saga]:2009/06/01(月) 00:19:14.98 ID:P7ex2Hw0
エントリーNO.08『場所』

こなた「最初に筆者からの言い訳です。筆者はブログなるものを見たことはないそうなので、雰囲気がよくわからないそうです」
かがみ「…おいおい」
こなた「あと、詩とかポエムとかにも疎いので、まともにレビュー出来るかわかりません」
かがみ「アホね」
こなた「バカだね」
かがみ「むしろ最悪ね」
こなた「いっそクズだね」
かがみ「まあ、ソレはさておき一風変わったSSね。たしか第十二回コンクールでもメールのやり取りだけのがあったわね」
こなた「そだね。それにしても、よくコレだけ詩が思いつくもんだね…」
かがみ「そうね。それだけ色んなものを、しっかり見てるって事かしら…まあ、年がら年中PCやらテレビの画面しか見てないあんたには到底無理ね」
こなた「…いいじゃん、別に」
かがみ「ってかさ、途中の荒らしってもしかして…」
こなた「え?なんのことかな?」
かがみ「いや、ハンドルネームとかさ…」
こなた「知らない!知らない!ぜんっぜんわかんない!」
かがみ「えーっと…」
こなた「わー!わー!聞こえなーい!!」
かがみ「………」
スパーン!
かがみ「…追求するつもりは無いから、少し落ち着け」
こなた「…うぐぅ…痛すぎる…そのスリッパ、なんか仕込んでるでしょ?」
かがみ(…ってか、後半のを考えると、間にあった事って…いや、まさかねえ…)
こなた「…あと誤解されてるけど、わたしの高校受験は一夜漬けじゃないよ。餌に釣られて頑張ったんだよ。やれば出来る子なんだよ」
かがみ「餌に釣られるってのも、やれば出来るってのも自分で言う台詞じゃないでしょうに…ってか普段のあんた見てると、誤解されてもしょうがないでしょ」


エントリーNO.09『神様への終わらない言葉』

こなた「世にも奇妙な感じのお話だね」
かがみ「そうね」
こなた「ふむう…しっかし、神様だって言うなら助ける前に起きないようにするくらい出来てもいいんじゃないかなって思うけどねー。ソレが起きるって分かってたっぽいし」
かがみ「神様だって万能じゃ無いのよ。神様毎に出来る範囲って決まってるからね。今回の神様がコレくらいしかできなかったって事かもね」
こなた「…神社の娘がそんなこと言っていいのか」
かがみ「神社の娘だから言えるのよ。日本の神様の現実ってヤツね。元々限定的な願いから生まれた神様が多いから、限定的な力しか持ってないのよ」
こなた「いやまあ…っていうか、この袋の神様が日本の神様じゃないかもしれないじゃない?」
かがみ「まあね」
こなた「…そこ認めちゃったら、今まで話してきたことは何なのか」
かがみ「まあ、意地悪な見方をすればアレね」
こなた「アレ?」
かがみ「全部神様が仕組んだ事かもしれないわね。ゆたかちゃんを試すためにね」
こなた「試す?ゆーちゃんを?」
かがみ「そ。ゆたかちゃんがどのタイミングで袋を使うか、ね。考えても見なさい。もしゆたかちゃんが袋が届いた時に即何かを願ってたら…みなみちゃんはどうなってた?」
こなた「そ、それは考えたくは無いかな…」
かがみ「でしょ?さらに意地悪な見方すれば、もしかしたらゆたかちゃんを試すように神様に願ったのは、みなみちゃんかも知れないっていう…」
こなた「うわー、ちょっとそれは…」


488 :第十四回コンクールレビュー[saga]:2009/06/01(月) 00:20:32.33 ID:P7ex2Hw0
エントリーNO.10『妖精の国の女王』

こなた「メルヒェンだね」
かがみ「その言い方ヤメイ」
こなた「にしても、随分とアグレッシブなみなみちゃんだね」
かがみ「そうね、みなみちゃんの印象が随分違うけど…もしかしたらこっちがみなみちゃんの素かもね」
こなた「わたし、絵本って読んだこと無いんだけど、こういうのってなんかくすぐったいね」
かがみ「…あんたは本気で筋金入りだな…ってか漫画とかいつから読んでたんだ」
こなた「よく覚えてないけど、物心つくと同時にだと思われる…いや、もしかしたら胎教からすでに?」
かがみ「…いやまあ…」
こなた「それにしても、この二人はこういう話似合うね」
かがみ「そうね。少なくともわたし達じゃ無理ね」
こなた「…わたし達じゃ漫才がせいぜいだね」
かがみ「…そうね…虚しくなるからやめよう…」
こなた「うん…あ、一つだけ」
かがみ「なに?」
こなた「アニメ版見る限り、ゆーちゃんの実家って田舎じゃなそうだし、庭とか無さ」
かがみ「余計なこというな!!」


エントリー番外『みなみとゆたかとサンバ旅行』

こなた「残念ながら、ギリギリ投下が間に合わなかった作品だね」
かがみ「本スレに書き込めなかったから避難所に投下されてたみたいなんだけど…もし、本スレに普通に書き込めてたら間に合ったかもしれないって考えると、ちょっとかわいそうよね」
こなた「と、言うわけでレビューだけでもやっときます」
かがみ「えーっと…幽体離脱?」
こなた「だねえ。ゆーちゃんだけに、ゆーたいりだつ」
かがみ「………」
こなた「…そんなやっちゃった人を見るような目をしないでよ」
かがみ「いや、実際やっちゃったんだし」
こなた「うー…あ、そうだ。一つ気になったんだけど」
かがみ「なに?」
こなた「『翌日、私達4人は〜』ってとこおかしくない?みなみちゃん達は三人で旅行に行ってたんだし」
かがみ「ああ、それね。確かにパッと見はそう思うかもしれないけど、あながち間違いでもないのよね」
こなた「え、そう?」
かがみ「みなみちゃんは、途中から『誰かもう一人いる』ってのを意識してたみたいだからね。その子も入れて四人って言ってるのかも」
こなた「あーそっかー…それにしても、パティはサンバ似合いそうだねえ」
かがみ「そうね…でも、こなただってなかなか良さそうじゃない?」
こなた「へ?わたし?…いやーわたしは無理でしょ。踊っても揺れないし」
かがみ「揺れればいいってもんじゃないわよ。あの衣装で汗滲ませてるところを想像するだけでも…ねえ?」
こなた「いや、かがみ…ねえ?って言われても…あの…目、目が怖いから…」
かがみ「それでね、丁度ここにサイズぴったりのサンバ衣装があったりするんだけど」
こなた「なんでー!?」



489 :第十四回コンクールレビュー[saga]:2009/06/01(月) 00:21:44.20 ID:P7ex2Hw0
こなた「…ご満足いただけましたか?かがみさん」
かがみ「ええ、もうバッチリ。やっぱコレくらい役得がないとね」
こなた「…もういいや…と言うわけで計十作品プラスワンのレビューをお届けしました」
かがみ「途中、不快な部分があったかもしれませんが、そこはレビュー慣れしていないと言う事でご勘弁を」
こなた「それでは次回のコンクー」
かなた「ま、間に合った!?こなた!レビューは!?」
こなた「え?あれ?お母さん?…いや、今終わっちゃったけど…」
かなた「そんなー…ってかがみちゃん!どうしてあなたがここに!?」
かがみ「…やば」
こなた「え?かがみがなに?」
かなた「こっちに降りてきたときに、かがみちゃんに変な結界に閉じ込められたのよ!」
こなた「えー」
かなた「それで抜け出すのに手間取っちゃってこんな時間に…」
かがみ「もうちょっとかかると踏んでたのに…侮ってたわ」
こなた「ってかなんでそんなことを…」
かがみ「わたしだってこなたとレビューしたかったのよ!」
こなた「えー」
そうじろう「まあ、なんだ。その話、じっくり聞かせてもらおうか」
かがみ「え?あ、おじさん…これはその…」
そうじろう「とりあえず、俺の地下コレクションルームに来てもらおう」
かがみ「ち、地下!?この家そんなのあったの!?ってか響きが凄く危険なんですけど…」
かなた「そう君。わたし、久しぶりにアレが見たいなー♪」
かがみ「ア、アレって?…いや、その…なんか危険な気が…た、助けてこなたー!!」


こなた「…え、えーっと………ば、ばいにー…」


- おしまい -
490 :第十四回コンクールレビュー[saga]:2009/06/01(月) 00:23:56.03 ID:P7ex2Hw0
以上です。このコンビはよく喋るなあ…。

それにしても、自分の作品はほんとやりづらいんで適当にお茶濁しときました。
前回みたいに、別のレビューがあれば嬉しいんですが…。
491 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv2009/06/01(月) 00:40:19.01 ID:YRy9LIU0
>>490
乙!前回よりレビューらしくなってた。
それにしても投下数50もあるのな。ベテランだわ。
こっちのレビューは多分今日中に完成するから待っててくれい。
492 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv2009/06/01(月) 01:11:51.37 ID:jA9qdqA0
>>490
乙です
このコンビでやるレビューはやっぱ自然で面白いなww
493 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv[saga]:2009/06/01(月) 02:12:10.56 ID:iOpqWSco
>>490
GJ!とても楽しませてもらいました。レビューもいろいろ参考になります
それにしても、自分の作品に容赦ないなーw
自作をレビューしていただいたお礼というわけではないが、作品No.2のレビューもどき風みたいなカンジの雰囲気がする何かをふわっと書いてみたよ


エントリーNO.02『姉と妹』

ひより「確かに台詞の比重が高いッスけど、その台詞に違和感がほとんど無いのが凄いとこッスよね。2人の会話部分が脳内再生可能なくらいに自然ッス」
パティ「ストーリーに起伏があまりナイと自分で言ってるヨウデスガ、ソコは『らき☆すた』らしいとも言えマスし……大きなオチではアリマセンが、ラストも綺麗に納まっていると思イマス」
ひより「地の文が苦手というのもなんとなくわかるんスけど……私、というかこのレビューもどき書いてる人も苦手らしいんで、なんと言ったらいいのやら……スンマセン」
パティ「Ummm……強いて言えば、情景が伝わってき辛いデスネ。コナタ達2人の挙動・感情にプラスして、風景やシチュエーション……いわゆる『背景』の部分が表現されればperfectなのではナイデショウカ?」
ひより「うーん。パティの言うことももっともなんだけど、地の文って凝り始めると際限ないからね。長くなりすぎるとくどいし、ある程度は会話と行間に頼るのもひとつの手段だと思うけどなー……そもそも、時間的変化とか情景による感情の暗喩とかを地の文で表現すると――」
パティ「Oh〜、もういいデス、ヒヨリ。『背景』って意外と難しいモノなんデスネー」

みさお「おーい、1年。あたしらのことよんだかー?なんかさっきから、『背景』って言葉が聞こえてんだけどさ?」
あやの「……ねえ、みさちゃん。私はこういう悲しい登場の仕方はそろそろ卒業したいんだけど……」
みさお「そりゃ無理だってヴぁ☆」


あ、ダメだ。俺にはレビュー書くだけの力なんてねえや、と再認識w
494 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv[saga]:2009/06/01(月) 03:33:30.66 ID:CfUGmlso
レビューおつかれさま!



こう「ネタはあったんだけど間に合わなかった……いかんせんコンクール自体に気づくのが遅すぎた」
やまと「言い訳無用ね。ここで愚痴を言っても時間は返らないし」
こう「時空ループ犯がよく言おぁっ!?」ボスッ
やまと「何のことかぜんっぜん分からないわ」ボババボボスボ
こう「痛いんだけど! っていうか何この効果音!?」

???「どうやらお困りのようっスね!」

こう「……何? ひよりん」
ひより「うぐっ! そこは『貴方はいったい……?』くらいの小芝居を打つトコっス!」
こう「出てきたタイミングからして変だし。さすがの私もそこまでアドリブ強くないから」
やまと「あ、貴方はいったい誰なの!?」
こう「!?」
ひより「幻聴っス。たぶん」
こう「あー……そもそも別に困ってないよ。諦めが肝心って言うし」
ひより「私が出てきた意味が皆無っスね」
やまと「何もかも投げっぱなしね」
こう「やまとが言えたセリフじゃない!」
495 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv2009/06/01(月) 03:35:22.32 ID:7WemAb60
なす 板
496 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv2009/06/01(月) 03:38:04.32 ID:7WemAb60
なす 板

497 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv2009/06/01(月) 05:18:54.69 ID:sKEPG6DO
なす 板



498 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv[saga]:2009/06/01(月) 13:21:43.48 ID:T6mQENEo
こなた「なすと板で何か1本ネタをやってみようと思った!」
かがみ「また妙な組み合わせね……なすと聞いて最初に浮かぶのは電波少年かしら」
こなた「つまりかがみんが全裸で懸賞生活!」
かがみ「誰がやるか! ……いや、うん、なるほど」
こなた「勝手に納得しながら私の服のボタンを外してるのはナゼナンデスカネ」
かがみ「その洗濯板みたいな胸を晒しながらあんたが懸賞生活すればいいのよ……フッフヒッ」
こなた「ちょっ」
499 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv2009/06/01(月) 14:54:03.64 ID:IS9uakSO
フッフヒッ
500 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv2009/06/01(月) 19:47:26.78 ID:sKEPG6DO
フッフヒッ
501 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv[saga]:2009/06/01(月) 22:23:17.25 ID:YRy9LIU0
よし、ひっそりと書き上げたレビューを投下だ!

※注意
・先のレビューに比べてお遊び要素が強いです。真面目なレビューを期待している方は少々不快に感じるかもしれません。
・また、先のレビューの完成前から既に書き始めていたものなので、同じ点を指摘している所があります。ご了承ください。
・微百合・微エロ注意。
502 :第十四回コンクールレビュー[saga]:2009/06/01(月) 22:24:23.40 ID:YRy9LIU0
みなみ・ゆたか「「ばいにー!」」

……

スタッフ「はい、お疲れー」
みなみ「お疲れ様です」
ゆたか「お疲れ様でーす」
スタッフ「これで収録全部終わったんで解散ッ……でーす」
みなみ「はい、どうも」
ゆたか「はーい!」

……

ゆたか「二回前の時はホント失敗しちゃったよねー」
みなみ「日付が違ったなんてね……」
ゆたか「今回は録画だから安心かな」
みなみ「そうだね」
ゆたか「後で見る?今の収録」
みなみ「うーん……どうしようか」
ゆたか「私もビミョーかなー」
みなみ「うん……」
ゆたか「まいっか。あのさ、どこか遊びに行かない?これから」
みなみ「そうだね、どうしよっか」

……

ひより「ここはやっぱコレ入れとくべきでしょー」カチカチ
こう「えーなんか台無しになんない?」
ひより「そうッスかねー?」
こう「やまとどう思うー?」
やまと「そう言われても……」
ひより「んー入れたいんスけどねー」カチカチ
こう「にしてもこれさ、どこで流すつもりなわけ?」
ひより「そーッスねー……まず絶対二人には見られちゃダメッスよねー」
こう「まあ当然ね」
やまと「……あの、やっぱこれ放送するの?」
ひより「もちろん」
こう「うん」
やまと「はあ……。ほんと何考えてるんだか」
503 :第十四回コンクールレビュー[saga]:2009/06/01(月) 22:24:59.87 ID:YRy9LIU0

……

こなた「よこそー二人とも」
かがみ「おじゃましまーす」
つかさ「おじゃまします」
やまと「これで全員ね」
ひより「よし早速見ません?」
こなた「そだね、早めに終わらせちゃお」
かがみ「あーそれ、結局何のビデオの上映なの?」
こなた「見てのお楽しみ」
ひより「お楽しみッス」
かがみ「えー事前説明ナシかー……本当に健全なのよね?」
やまと(……)
こなた「まあ大丈夫と思うよ、かがみは」
かがみ「ホントにー?っつーか引っかかるなーその言い方」
ひより「まあまあいいっしょ、じゃ試写会開始!」

ピッ



らき☆すたSSスレ 第十四回コンクールレビュー!!


みなみ『え、あの、こんにちは』
ゆたか『こ、こんにちはー!』

かがみ「なんだレビューか」
こなた「まぁね」

みなみ『コンクール……ええと、十四回目の……あの、レビューですが、そ、その』



みなみ『好きだよ……ゆたか』

かがみ・つかさ「「!?」」
やまと(出た……ここ一個目)


ゆたか『うん、実はわ私もー。結構ドキドキしてるけど、まあ何とか』

こなた「ちなみさっきのとこ元のセリフなんなの?」ヒソヒソ
ひより「『緊張してる』ッス」ヒソヒソ
504 :第十四回コンクールレビュー[saga]:2009/06/01(月) 22:25:46.90 ID:YRy9LIU0
みなみ『お題は、ええと、私達、「ゆたかとみなみ」で、です』
ゆたか『久々のキャラ題だったんだねー』
みなみ『ス、スレの活況が落ちつつあった中、意外にも十作品と多くの投稿が、ありました』
ゆたか『そうそう多かったよね!うち五作品が最終日だっけ?』
みなみ『う、う、うん。あ、あと、一作品だけ惜しくも投下が間に合わなかったのがあり、ました』
ゆたか『残念だったねー結構いい作品だったんだけど』
みなみ『というわけで……一つずつ、あの、ふ、振り返ってみようと思います……』
ゆたか『じゃ、行きまーす!!』

こなた「みなみちゃんちょっと緊張しすぎかなー」
かがみ「それも問題だけどさっきのは何なの!?」
ひより「あーOKッスあれは」
かがみ「何が!?」

やまと「……あの、トイレ借りてもいいですか」
こなた「どぞー、あーお父さんに気をつけてね」
やまと「え?あ、はい……」


◎No.01 ID:lxnhYNI0氏:友情から愛情へ

ゆたか『久々に一番手に来たねー』
みなみ『うん、えっと、じょじ、じょず、じょ、』
ゆたか『「叙述トリック」ね。はじめのSide-I、Side-Kっていうのがヒッカケだねー』
みなみ『う、うん。Iがゆ、ゆたかの旦那さんのイニシャルでKが私の旦那さんのイニシャルっていうせ設定で』
ゆたか『ああそうそう。私最初読んだとき意味が分からなくなっちゃった』
みなみ『それは……多分仕方ないと思う。あの、この叙述トリックはちょっと分かり辛かったと思います』
ゆたか『みなみちゃんも分からなかったんだ?』
みなみ『私は……』


みなみ『ゆたかと結婚するっていう解釈で疑わなかった』

かがみ(また出た……元のセリフ何よ)
ひより(ここは確か『辛うじて分かった』だっけ)

ゆたか『やっぱそんな感じかー。もうちょっとわかりやすくしてもよかったかなー』
みなみ『そう思います。文章については、書き慣れてる感じがありました』
ゆたか『読みやすかったよねー』
みなみ『タイトルもシンプルでいいですね』
ゆたか『うんうん。大学になったらこんな出会いあるのかなあ』
みなみ『あるといいね……』

ひより「もうとっくに出会ってますよねえ?」
こなた「ねーもう既に好感度100%超えてるでしょー」
かがみ(こいつらどこまで思考がぶっ飛んでんだ?)
つかさ(女の子同士で結婚ってできたっけ?)
505 :第十四回コンクールレビュー[saga]:2009/06/01(月) 22:27:19.00 ID:YRy9LIU0
◎No.02 ID:xDM9P7I0氏:姉と妹

ゆたか『ほのぼの系な話ですねー』
みなみ『和ませてもらいました』
ゆたか『何て言うのかな、何かしぜーんにかわいいよね』
みなみ『先輩方を可愛いと言うのも何か憚られますが、しかしそんな感じでした』

つかさ「こなちゃん可愛いんだってよー」
こなた「えーゆーちゃんに言われるとアレだよ何か」
かがみ「はいはい」

ゆたか『それからこれ読みやすかったよねー』
みなみ『うん、笑いが挟んであって良かったです』
ゆたか『私の感想はこんなもんだけど、みなみちゃん何かある?』
みなみ『ちょっとある。えっと……』


みなみ『付き合おうか、ゆたか』

かがみ(はいはい三個目……)

ゆたか『い、いいの私で……』

つかさ(!?)
かがみ「ゆたかちゃんの方まで!?」
ひより「先輩、そりゃ当然ッスよ」
かがみ「なんだそれ」

みなみ『うん。えっと、簡単に言うと、この作品は中途半端なところで終わってると思うんです』
ゆたか『え、そう?』
みなみ『多分、純粋に一つの作品として見ればほのぼのな感じのエンドで悪くはないんですが』
ゆたか『うん』
みなみ『ただ、お題が私達だっていうことを意識すると、
     この話の焦点は私達が喧嘩している所になるべきで』
ゆたか『あー、その収拾がついてないんだ』
みなみ『そうそう。恐らくこの作品を読んで「綺麗に終わった」と感じた人と
     「何か中途半端で煮え切らない」と感じた人といたんじゃないかと思います』
ゆたか『そういう見方もあるんだねー』
みなみ『うん。さらに言わせてもらうと、私達の事を主題にしていないだけに、
     ちょっとお題に沿っているとは言い難いかなと』
ゆたか『うーん。登場することはしてるんだけどねー』
みなみ『そうなんだけど。作者さんの気持ちは分かります』

ひより「岩崎さんちょっと辛口ッスよね」
こなた「そだねー。そんで妹萌えなんて言ったらかがみはどーなの?」
かがみ「どうなのって何がよ」
こなた「別にぃー」
506 :第十四回コンクールレビュー[saga]:2009/06/01(月) 22:28:23.39 ID:YRy9LIU0
◎No.03 ID:0S3K.620氏:ゆたかがみなみでみなみがゆたか

みなみ『ゆたかの体……胸……ハァハァ……』

かがみ(いきなり来たか)

ゆたか『うん、体が入れ替わって大変だ〜ってお話だね』
みなみ『長いよね。第十三回のときのあれよりもボリュームがあったように感じました』
ゆたか『よくあれだけ長いのを書ききれたよねーすごい』

ひより(前回の長いのってのはアレっすね、私この二人殺させられましたね、はいはい)
こなた(麻雀の悪夢がぁ〜)

ゆたか『入れ替わりネタってたまに見るけど、面白いテーマだよね』
みなみ『そうだね。そこからをどう展開させるかも人によって色々だし』
ゆたか『うんうん。あの、一個気になったこと、いい?』
みなみ『うん』
ゆたか『これってさっきも言ったけどすごく長いんだけどさ、ちょっとクドくない?』
みなみ『ああ、それは同感。描写が何度か重複してたね。授業の所とか。
     あれはわざわざ別視点で書き直す必要はないと思います』
ゆたか『あー……別視点にするのってやっぱ意味ないのかな?』
みなみ『うーん。視点を分けるっていうのがそもそもSSでは珍しいんです。
     意味がないことは無いけど、今回の場合はそれがあまり上手く働いてないと思うんです』
ゆたか『うーんそんなもんかな』
みなみ『同じ場面を別のキャラ視点で繰り返すのは、それぞれの心理描写なんかを大切にしたい時じゃないかと』
ゆたか『あー』
みなみ『あとは、展開が多少無理やりな気がしました。これは賛否両論だと思いますが』
ゆたか『んー私は特にそういう感じしなかったなー。まあそういう人もいるかもね』
みなみ『とにかくも、長い作品お疲れ様でした』

ひより「どうせ入れ替わるんだったら岩崎さんの性別が入れ替わるんで良くないスか?」
こなた「あーアリかなー」
かがみ(もう何だ、わけわからん)


◎No.04 ID:a/Q6dL20氏:Love was sleeping.

ゆたか『みなみちゃん視点の作品だね』
みなみ『私なんかを描いてくれて感謝の極みです』
ゆたか『うーん……これ、心理描写がすごいね』
みなみ『私もそれが言いたかった。細かいし、しかも正確に描けていると思う』
ゆたか『それから、なんとなく純文学チックな文章っていうか』
みなみ『綺麗ですね。流れるようでした』
ゆたか『でも何だろう、ちょっと物足りない感じがしたかなあ』
みなみ『そうかな……?』
ゆたか『あの、何ていうか……』

かがみ(あ、これタイミング的に来そう)
507 :第十四回コンクールレビュー[saga]:2009/06/01(月) 22:29:16.87 ID:YRy9LIU0
バリバリバリッ
ゆたか『情熱が足りないんだよおおおぉぉぉぉぉ!!』

つかさ「ええええ!?」
かがみ「脱いだ!テンション変わった!何これ!?」

ゆたか『熱くなれよ!!百合!!この作品には明らかに「百合」が欠けているうううぅぅぅ!!』

こなた「合ってない合ってない顔とセリフが」

シュウゥゥ……

みなみ『うーん。言われてみると……物語として盛り上がる所がないかも』
ゆたか『まあこれも、多分好みなんだろうけど、私はそう思ったかな』
みなみ『そうだね。これも賛否両論だと思う。あと、最後の締め方が私は好きですね』
ゆたか『あ、それは私もー』

ひより「さっきんとこ苦労したんッスよー夜寝る間も惜しんで」
こなた「おーがんばった!ひよりんよ!」
かがみ(ホントなんでこんなしょーもないことに全精力をつぎ込めるのか……)
つかさ(ゆたかちゃんの意外な一面を見たかも……)


◎No.05 ID:Ynd8ofc0氏:喧嘩

ゆたか『個性的な書き方だねー』
みなみ『印象に残りやすいですね』
     『なんだか、続いているはずのセリフが』
     『こま切れになって』
     『いくらか間を含んでる感じ』
ゆたか『そうだねーそんな感じそんな感じ』
みなみ『あと何となく、タイトルのつけ方とか文体を見ると、
     作者さんは純文学の出身じゃないかと思います』
ゆたか『純文学かー。芥川龍之介とか?』
みなみ『そうそう。さて、えー、私とゆたかが吹っ切れて喧嘩してしまう話ですが』
ゆたか『私がいつまでもみなみちゃんに世話焼かれてるのに頭来ちゃったんだね。
     確かにあれだけ続けられたら嫌になっちゃうかも。言いなりにされてるみたいで』
みなみ『そうだね……作品中では、結局喧嘩の始末が付いていませんね』
ゆたか『うーん、そういえばちょっと気になったかも』
みなみ『喧嘩で始まってるからにはその解決まで見たかったですね』
ゆたか『そうだねー』

ひより(ニヤリ)
こなた(ん、何か始まるね)
508 :第十四回コンクールレビュー[saga]:2009/06/01(月) 22:30:16.25 ID:YRy9LIU0
みなみ『ねえ、私達まだ仲直りしてないんだよね』
ゆたか『うん、そうだね』
みなみ『今からしよっか……?』
ゆたか『え……どうやって?』
みなみ『こうやって……』

ズルッ

かがみ(脱いだ!ここも合成!?)

ゆたか『そ、それじゃ私も……』

ズルッ

かがみ「いやいやいやいやいや!!やめんかこれ!」
こなた「かがみーあんまり必死すぎるとこーゆー趣味なのがばれるぞー」
かがみ「違うっつーの!何の趣味だ!」
つかさ(二人って、なんかすごいね……)


◎No.06 ID:g8/L9Yc0氏:みなみとゆたかと『ゆーちゃん』と

みなみ『SFものですね』
ゆたか『私が二人いる、って言えばいいのかな』
みなみ『まあそんな感じ。文章の書き方を見ていると、アニメにかなりの影響を受けているように感じました』
ゆたか『そうなのかなー』
みなみ『多分だけどね。さて、話の構成ですが、この話は起承転結をしっかり全うしていますね』
ゆたか『起承転結かーやっぱ上手く組み立てられてるんだね』
みなみ『うん。それで、一つ気になったことがあって、あの、これは絶対ではないんですけど』
ゆたか『ん?』
みなみ『この話は田村さんの妄想でオチてますね。
     妄想オチや夢オチは別に使ってはいけないわけではないんですが、
     一般的に評価が良くありません』
ゆたか『不評なんだ?』
みなみ『どうもそうみたい。ごまかすような感じが嫌なのかな』
ゆたか『んーそうなのかな』

こなた「ひよひよってそーいやこういう役割多いねえ」
ひより「まー出番があるのは嬉しいんスけどね……」
かがみ(いつもヘンなこと考えてるからだろ)
509 :第十四回コンクールレビュー[saga]:2009/06/01(月) 22:30:50.41 ID:YRy9LIU0
みなみ『それから、結構意識してギャグが散りばめられていますね』
ゆたか『そういえば多かったねー』
みなみ『それは良いんですけど、何かこう、テンポが悪くなってる所があるんです』
ゆたか『んーどういうこと?』
みなみ『例えば、あの、泉先輩が鼻血出して倒れるところ……詳細を描写してありますが、あれはパッと流しても良かったかと』
ゆたか『あー』
みなみ『そういうところを除けば、よくまとまってる作品だと思います』
ゆたか『うんうん』

かがみ「……あれ、何も入って来なかったわね」
ひより「だってこの作品はほら……元々……」ニヤニヤ
かがみ「ああね、もう既に満足しちゃったわけね」


◎No.07 ID:IRl5FPQ0氏:みなゆた不在

みなみ『よく練られたお話ですね』
ゆたか『何事もなかったと見せかけて、オチで実は……って感じだね』
みなみ『起承転結はしっかりしていて、しかしテンプレ通りには書かれてなくて、
     いい意味で予想を裏切られる感じの作品でした』
ゆたか『これはギャグかシリアスかで言えばギャグになるのかな?』
みなみ『そうじゃないかな。面白い作品だよね』
ゆたか『そうだねー。あの、私達が崖から飛び降りちゃうシーン、あれホントは皆の妄想なんだけど、
     本当に飛び降りちゃう展開なんだって思って騙されちゃったー』
みなみ『ああ、あれは私も。その後の「──みたいな妄想を」のくだりを見てあ、何だって思った』
ゆたか『うんそうそう。みなみちゃん他に何か気になったことってある?』
みなみ『うーん、この作品については特にない。強いて言えば、ギャグが暴走気味かも……
     しれないけど、それはそれほど問題じゃないと思うから』
ゆたか『そんな感じかー。私も特にないかなー』
みなみ『いい作品だね』
ゆたか『うんうん。ところでもしさ』
みなみ『うん』
ゆたか『本当にあんな、飛び降りたら来世で結ばれるっていう崖があったら、どうする?』
みなみ『え……うーん、流石に踏みとどまるかな……』
ゆたか『でも、例えばみなみちゃんが誰かと結ばれたいって強く思ってて、この崖しか手段がなかったら?』
みなみ『うーん…………』
510 :第十四回コンクールレビュー[saga]:2009/06/01(月) 22:31:34.60 ID:YRy9LIU0
ゆたか『私はね……飛び降りるよ。みなみちゃんと一緒に』

かがみ(出たか)

みなみ『ゆたか、それはでも……』
ゆたか『崖から飛び降りるしか結ばれる手段がないんだったら、現世を捨ててでもみなみちゃんとの縁をとる』
みなみ『……ありがと』

ヌッ

つかさ(ふわぁ!口近づけてる!)
かがみ(え!?うそ、え?合成よね?すげえリアル!)

ゆたか『……愛してるよ』

チュッ

つかさ「うひゃっ」
かがみ「待った待った待った!!おかしいおかしい!!何これ!?」
ひより「せんぱーい必死すぎますってー」
かがみ「だってこれいくら何でもアレじゃない!?てゆーかどうやったのこれ!?」
ひより「それは企業秘密ッスよー」
こなた(いやーひよひよの謎の技術マジ最高)


◎No.08 ID:dldVIT20氏:場所

みなみ『えっと、この作品はですね……』
ゆたか『事情によってレビューできません、というか作者自身の作品みたいなので』
みなみ『そういうことです』
ゆたか『それでちょっと作者からカンペをもらってるんですが』
みなみ『そうそう、えっと』
ゆたか『まず、この作品を思いついたのは「みなみ」→「詩」という発想、だそうです』
みなみ『私詩を書いてるイメージがあるんですかね……』
ゆたか『実際書いてるの?』
みなみ『書いたことはあるかな。一応。それで、えっと?
     主題は一応、交友関係を通じて内面的に成長する所だそうですね』
ゆたか『確かに成長してるのわかるかなー』
みなみ『最後の方ではっきり書いてるしね。それから、ブログの形式にしたらやたら書きにくかった、と』
ゆたか『まあ、普通の地の文+セリフよりはねー』
みなみ『難しいよね。すごく巧妙に、こう、暗喩的に物語を進めなきゃいけない、って言うのかな』
ゆたか『そうなんだー。んーと、あと反省点だって』
みなみ『うん』
ゆたか『・途中思いっきり時間を飛ばしたけど、あれは省かず書いた方が良かった』
みなみ『というのは……ああ。徐々に成長していく過程を書くべきだったと』
ゆたか『ん?ああ、作品中だと突然成長しちゃってるからね。あれはまずかったんだ』
みなみ『そういうことだね』
ゆたか『あとは、まだ他にも直すべき所があったかも、だって』
みなみ『まあ、書いた本人には気づけないような所もあるからね』
ゆたか『そうだね』
みなみ『うん。あ、そういえばブログで思い出した。以前先輩から教えてもらった田mピーーーーーーーーーーーー』
511 :第十四回コンクールレビュー[saga]:2009/06/01(月) 22:32:06.33 ID:YRy9LIU0
つかさ「あれ、どうしたの?」
ひより「ああこれは、その……アレッス、うん」
かがみ「何かまずいことでも言ってたわけ?」
ひより「まあご想像にお任せします、はい……」
こなた(うーん、余裕で想像出来ちゃうなあどんなこと言ったか)


◎No.09 ID:T/8w56k0氏:神様への終わらない言葉

みなみ『ゆたか視点のお話だね』
ゆたか『No.04の逆パターンって言うのかな?』
みなみ『そんな感じかな。こっちの話はファンタジーな要素もあるね』
ゆたか『なんか似てない?』
みなみ『似てるかも。No.04と同じく文章が綺麗で、心理描写が的確』
ゆたか『うんうん』
みなみ『相違点と言えばこっちの方が主題が前面に出てるかな』
ゆたか『主題かー』
みなみ『それから描写に関して好きな所があるんですが』
ゆたか『うん』
みなみ『目の前が真っ暗になる所。すごく漠然とした風景だから書くのが難しい所なんだけど、これが見事だと思います』
ゆたか『あーあそこかー。いいよねー』
みなみ『話の構成も、起承転結がしっかりしてて良いと思いました』
ゆたか『起承転結ってやっぱり大事なのかな?』
みなみ『大事。どれかが欠けるとやっぱり不満が残るから』
ゆたか『なるほどねー』
みなみ『ゆたかの心境の変化がよく伝わってくるいい作品でした』
ゆたか『私の気持ちかー……なんか、あの、気恥ずかしいかな』
みなみ『ん?あ、ああ』
ゆたか『うん、やっぱり自分の気持ちを他の人に書かれるって、なんか』
みなみ『私もNo.04読んでて赤面したから分かる……』

こなた「おー二人して顔真っ赤っ赤にしちゃってぇー」
かがみ「今回も何も入らなかったわね」
ひより「なんつーか、時間なかったんス」
かがみ「流石に妥協したのか……」
つかさ(何の時間だろ?)
512 :第十四回コンクールレビュー[saga]:2009/06/01(月) 22:32:59.24 ID:YRy9LIU0
◎N0.10 ID:Azp2X6k0氏:妖精の国の女王

ゆたか『さあラスト!』
みなみ『メルヘンチックでファンタジーなお話ですね』
ゆたか『これは私だけかもしれないんだけど、この話好きなんだよねー』
みなみ『私も好きだよ。可愛らしくて』

ひより(あっ、こんな所にもいじれそうなセリフがあったのに……ちぇ)
こなた(ひよひよビミョーに悔しそうな顔)

ゆたか『文章にさ、ふわっとギャグが入ってるよね』
みなみ『いいよねあれ。こう、ギャグを積極的に入れるか入れないかで、作品の雰囲気ってかなり変わりますからね。
     それと読み手を飽きさせない工夫でもありますし』
ゆたか『何か気になった所ってある?』
みなみ『うーん、一つ。改行が』
ゆたか『んーどんな感じだっけ』
みなみ『うん、例えば話が連続してるにも拘らず改行が二行以上入っている所がありました』
ゆたか『あー……』
みなみ『そして肝心な時間の飛ぶ所で、改行が一行しか入ってなかったり』
ゆたか『ありゃりゃ』
みなみ『読みやすさの為にも、そこはもうちょっと意識した方が良かったと思います』
ゆたか『んー難しいんだね』
みなみ『まあ、うん。でも、ストーリーが素晴らしい。ちょっと改行がおかしくても許せてしまうくらいです』
ゆたか『うんうんよく考えられてる感じ。これもいい作品だったねー』
みなみ『そう思う。それにしても、記憶が失くなっちゃうっていうのは悲しいね』
ゆたか『そうだねー……
     あ、もしかしたらみなみちゃんホントに女王様になったことがあるんじゃない?忘れてるだけで』
みなみ『それはな……うーん……』

ひより「岩崎さんが女王様ねー……女王様なんて言ったらホラ、アレしか」
こなた「うんうん、ゆーちゃんを鞭かなんかで叩いてそう」
かがみ「そっちの女王様かよ!?」
つかさ(うーん、何の話だろう……)
513 :第十四回コンクールレビュー[saga]:2009/06/01(月) 22:33:59.76 ID:YRy9LIU0
……


みなみ『そういうわけで十作品でした』
ゆたか『色々あったねーホント面白かったー』
みなみ『一つ総評として言っておくと、「友情」あるいはそれに近いことを主題にした作品が多かったですね』
ゆたか『んーそうだっけ』
みなみ『うん。それだけ仲良く見えてるってことなんですかね』
ゆたか『それほどかなーエヘ』
みなみ『ええさて、お題にしていただけただけに出番が多かったですが、
     私の拙いレビューを最後までお聞きいただきありがとうございました』
ゆたか『大丈夫大丈夫。それじゃ、次の第十五回で会いましょー!』
みなみ・ゆたか『『ばいにー!』』


ドゴーーン!!

つかさ「ほえっ!?」
かがみ「おまっおいおいおい!!スタジオぶっ壊れたぞ!!」
ひより「大丈夫大丈夫CGッスから」
かがみ「はあ、すごいなー……」
こなた(さりげなーく二人の全裸が映ってたね?今)


やまと「漸く終わったのか」
ひより「あ、永森さん遅かったッスねー」
こなた「ん?ずっとトイレに行ってたワケ?」
やまと「え、ええ、まあ……」
かがみ「大丈夫?お腹とか」
やまと「あ、それは大丈夫です」
かがみ「んーそっか」
こなた「お腹の心配なんて他人事なのカナ?」
かがみ「うるさいから」
こなた「ひぇーい」
つかさ「あ、この後どうする?」
かがみ「あーそうねえどっか遊びにでも……」
やまと「あ、今からカラオケどうです?」
こなた「おーいいじゃん」
ひより「おー行きましょーよ」
かがみ「そうねーいいかも。あ、でも今財布がちょっと……」
やまと「あ、大丈夫です、奢りですから」
ひより「え、いいんスか!?そりゃー嬉しいッスね」
やまと「……言っとくけど、田村さんの奢りよ。あとこうの」
514 :第十四回コンクールレビュー[saga]:2009/06/01(月) 22:34:46.41 ID:YRy9LIU0
ひより「……はい?」
やまと「あ、さっき小早川さん達と電話してて」
こなた「あーそれで長かったんだ」
やまと「はい。ちゃんとさっきのビデオの音声も届いてたと思います。受話器越しに」
ひより「……はい」
やまと「それで、丁度あの二人も遊びに行きたがってたみたいで、私の提案でカラオケに行くことに」
かがみ「あーはいはい、なるほど」
こなた「ひよひよドンマイ」
ひより「……あ゙ー」
やまと「まあ、あの二人も多分向かってると思うし、行きましょ」
かがみ「よーしそうしよっか」
こなた「ほーい、レッツゴゥ!」
ひより「……はーい、レッツゴーヘル……」


……


かがみ「100%満足なんーてー♪」
こなた「イェイ!」
ひより「ウェーイ……」
ゆたか「田村さん、さっきからどーしたの?」
ひより「んな白々しく言わなくてもいいッスよ……放っといてくださいな……」
こう「……」
みなみ「まあ、一応、奢っていただけるのには感謝してます」
ひより「……」
ゆたか「う、うん、そこはね、うん、ホント嬉しいなー……」
やまと「二人とも感謝してるってよ?こう。楽しまなきゃ」
こう「やまとさーあんた私達ダシにして歌いたかっただけじゃなーい?……」
やまと「そんなことはないけど、多分」
こう「多分って何さ多分って……」

つかさ「上手かったねーお姉ちゃん」パチパチ
かがみ「はーい、よーしそろそろみんな退出準備」
全員「「「はーい」」」
ゆたか「じゃあ田村さんと八坂さんお支払いよろしくねー」
みなみ「よろしくお願いします」
ひより・こう「「はーい……」」
ゆたか「あ、さっきおじさんから連絡あったんだけど、なんかうちでパーティーっぽいのやるんだって」
かがみ「おーいいわね」
つかさ「じゃあまたこなちゃん家かー」
こなた「そだね、よーし二件目行くじぇー!」
かがみ「飲み会か」

こう(どうでもいいけど、最近レビューで脇役ばっかだな私達……)
515 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv[saga]:2009/06/01(月) 22:38:12.56 ID:YRy9LIU0
ふぅーまた長くなった。
とりあえず、参加された作者さん全員お疲れ様です。

投票締切まであと1時間半だから、まだの人は急いで投票所にGOだ!
516 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv[saga]:2009/06/01(月) 22:49:19.32 ID:P7ex2Hw0
>>515
乙です。っていうかまたお前か。

すいません。最初から「ゆたかとみなみ」が主題ではなく、「ゆたかとみなみの話をする二人」を主題として書いてたのでああなりました。
喧嘩に関しても、二人がゆたかとみなみの話をするきっかけとして使っただけなので、最初から完結させるつもりはありませんでした。
517 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv2009/06/01(月) 22:56:24.77 ID:Cnfp8wk0
>>515
乙!会話とか面白くて楽しく読めたぜ
ひよりとこう涙目wwwwww
518 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv[sage]:2009/06/01(月) 23:50:38.66 ID:lREdPQAO
☆(=ω=.)
519 :第十四回コンクール主催2009/06/02(火) 00:01:59.27 ID:g9Ife0Ao
★★★らき☆すた★★★

それでは、6月2日になりましたので、投票結果を発表いたします。
今回、大賞を獲得したのは、ID:0S3K.620氏作『ゆたかがみなみでみなみがゆたか』です! おめでとうございます!
副賞はID:a/Q6dL20氏作『- Love was sleeping. -』となりました。おめでとうございます!

今回もたくさんの投下をしていただき、作者の皆さまありがとうございました。
ならびに、まとめをしていただいた方、投票をしていただいた方、ありがとうございました!
次回コンクールも、よろしくお願い致します。
これにて第14回らき☆すたSSコンクールを終了します。お疲れ様でした!

※投票結果の詳細はこちらhttp://vote3.ziyu.net/html/lkstxiv.html
520 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv[saga]:2009/06/02(火) 00:02:07.75 ID:X2ZmFYA0
結果でたねー
521 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv[saga]:2009/06/02(火) 00:13:30.27 ID:01d9zw20
こなた「大賞の人おめでとう!」
かがみ「副賞の人もおめでとう!」


こなた「…で、まあ最下位なわけですが」
かがみ「ここ最近の精彩の無さが如実に出たわね」
こなた「投票にコメントが付いてたのがせめてもの慰めかな」
かがみ「ぶっちゃけ、コンクール向きの作品が書けないのかもね…」
522 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv[saga]:2009/06/02(火) 00:19:54.09 ID:JcleaGo0
ゆたかがみなみでみなみがゆたか 
大賞おめでとうございます。
喧嘩の作者です。
流石にみんな凄いですね
コンクールに投下すること自体が無謀でしたw
これに懲りず 機会があったらまた参加したいと思います。


523 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv[sage]:2009/06/02(火) 00:22:08.56 ID:BaYKKsDO
さてさて、前に書いた時は副賞貰ったけれど、最下位になってしまった俺が通りますよっと

俺も需要に合わなかったのかな?

大賞、副賞ともにおめでとうございます!
524 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv[saga]:2009/06/02(火) 00:25:58.31 ID:mL5P8z.0
まさか前回に続いて自分の作品が大賞とるとは思いませんでした。みなみとゆたかは書きやすい気がします。
作品が長すぎたなって感じだったので最後まで読む人いるかなと思っていたのですが、まさかこうなるとは・・・。
今度書くときは短くすることを心がけます。・・・まあ今書いてるのがすでに33kb超える勢いで、まだ終わる気配ないですけど・・・。
525 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv2009/06/02(火) 00:46:43.56 ID:ocRrhwSO
>>515
松岡修造ネタの使い方がうますぎるwwww
526 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv[saga]:2009/06/02(火) 00:51:26.10 ID:DKb1Q5co
こう「投稿した人も運営の人も投票した人もみんなおつかれさま!」
やまと「さて、私たちはいつものアレなのね」
こう「ん、わかってんじゃん」


 *


こう「というわけでなんかビミョーに神聖化されちゃってるような気がした第14回コンクール作品レビュー!」
やまと「自意識過剰にも程があるわね。永森やまとです」
こう「お、私を差し置いて先に自己紹介たぁいい度胸してるじゃん! ども、八坂こうでっす!」
やまと「でもまあ、こういうのが恒例化してくれているのは嬉しいと思ってるわ。個人的にね」
こう「出た! やまとの超必ガン無視! 2141236(読:タツマキヨガ)PPK!」
やまと「横から意味不明の呪文が聞こえる……」
こう「さあさ、今回はゲストもいないことだしパパッといってみよー!」
やまと「……くっ」


 *


こう「っと思ったんだけど」
やまと「思ったんだけど?」
こう「三杯目にはそっと出し。レビューって3本もいらないんじゃない?」
やまと「え」
こう「前の人とコメントもかぶっちゃうしさ。私たちってそんなに穿った感想言ってるわけじゃないでしょ」
やまと「いや、でも」
こう「似たようなことを繰り返しってのは読む側にしてみればちょっとねぇ。変な意味じゃなくね」
やまと「……やりかけたことを放り投げるのは良くないわよ。乗りかかった船なんだし」
こう「まだ出港すらしてないと思うけど。もしかしてやまと、このポジション結構気に入ってる?」
やまと「そんなことない、けど」
こう「まー、どっちにしても今回ウチらは読者。次で仕事もらえたらいいね、ってトコ」
やまと「……冷めてるのね」
こう「それ結構言われるよ。白黒は付けたいタチだからそう取られるのかもねー」

やまと「……馬鹿みたい」
こう「へ? お……怒ってる? 嘘、なんで!? ちょっ、待ってってば!」
やまと「知らない」タタタタ



こう「……まさか、ホントに楽しみにしてた? だったら素直に言ってくれればよかったのに……」
527 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv[saga]:2009/06/02(火) 01:03:15.17 ID:X2ZmFYA0
>>526
何だ、来たかと思ったのにww
528 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv[sage]:2009/06/02(火) 01:06:09.31 ID:g9Ife0Ao
>>526
見た瞬間、お!って思った。下まで読んでorzってなったww
529 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv[saga]:2009/06/02(火) 01:07:33.33 ID:mL5P8z.0
>>526
書いてあるなら読んでみたいです。
言ってることは重複してても書いた人にとってレビューはうれしいものですので。
530 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv[saga]:2009/06/02(火) 01:09:12.63 ID:JBG1foIo
>>515
ひよりんの技術力すげぇw

>>519
主催お疲れ様でした!

>>526
ありゃ残念。次に期待するしかないのか
でも、もし書いてるんなら俺も見たいなー


大賞&副賞の投稿者さん、おめでとー
投稿者も読者もまとめ人も投票者もみんな乙でした!
531 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv[saga]:2009/06/02(火) 01:46:20.83 ID:uW5S/MU0
久々に来たらコンクール終わったトコで吹いたwww
個人的なことですが、最近違うトコのSS書いたりしてたけどあまりにふんいき(←なぜかry)が殺伐としてて・・・ここの和やかな空気が懐かしくなって。
そんなわけで舞い戻って来ちゃったぜヒャッハー!!!

というわけで、(何もしてないですがw)コンクールの投稿者さん、主催者さま、乙っした!

http://imepita.jp/20090602/051971
そんで、これは乙な皆さんへのプレゼントです!おもっきしこなたがプレゼント持って「ハッピバースディ・トゥミー」書いてありますが、ソコは気にしちゃダメ。気にしたら負けwww

自分は今からコンクール作品を楽しませていただきますw
532 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv[saga]:2009/06/02(火) 08:10:13.47 ID:9dHH52SO
−家族−

ゆたか「…うーん」
みなみ「…どうしたの?」
ゆたか「うん、たいしたことじゃ無いんだけどね…こなたお姉ちゃんの家に住むようになってから、お母さんやお父さんとあんまり会ってないなあって…」
みなみ「…寂しい?」
ゆたか「え、いやそんなこと………ちょっとあるかも」
みなみ「…それなら、泉先輩達に少し甘えてみるとか」
ゆたか「だ、ダメだよ。そんな代わりにするような事しちゃ…それに、きっと迷惑だよ…」
みなみ「…代わり…ゆたかにとって、あの二人は家族じゃ無いって事?」
ゆたか「違うよ!大事な家族だよ!」
みなみ「…うん。だったらそれでいいんじゃないかな…それに、迷惑なんて事も無い…きっと当たり前の事の様に受け止めてくれるよ」
ゆたか「そう…かな…」
みなみ「…うん」
ゆたか「わかったよ…ありがとう、みなみちゃん」








ゆたか「おじさん、こなたお姉ちゃん、一緒にお風呂入ろ!」
二人『………は?』
533 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv[sage]:2009/06/02(火) 12:16:58.36 ID:H2ASqkSO
>>406
亀レスだが
クロスオーバーってゆーのは異なる物(キャラ)同士の共演。例えば


みなみ「榊さんは、胸が大きくて羨ましい……」
榊  「いや、大きいよりも、小さい方が、その……」
みなみ「?」
榊  「強い」
みなみ「つよい?」


こんな感じ
534 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv2009/06/02(火) 18:49:23.74 ID:T10AilQ0
>>519
主催&作者のみんな乙!
そして大賞の人はおめでとう!
>>526
やまとのかわいさに死んだ
>>531
こなたんカワユスwwww
最近絵の投下ってなかったから嬉しいよGJ
>>406
あずまんがwwwwww
共演もそうだけど、パロディ全般だと思
535 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv2009/06/02(火) 19:43:57.15 ID:4ie1utk0
クロス‐オーバー【cross over】
1 異なる分野の物事を組み合わせて新しい物事を作り出すこと。「歌舞伎とミュージカルとを―させた作品」

2 ジャズ・ソウル・ロックなど、異なったジャンルの音楽の要素を交ぜて作り出した音楽。また、異なるジャンルの音楽の演奏家の共演。

パロディー【parody】
文学などで、広く知られている既成の作品を、その特徴を巧みにとらえて、滑稽(こっけい)化・風刺化の目的で作り変えたもの。日本の替え歌・狂歌などもこの一種。

辞書で調べてみたが全然別物だったんだなこの二つ
536 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv2009/06/02(火) 19:47:33.57 ID:qH5ywwAO
みんな乙〜

ところで、サラッと忘れてたけど、昨日でこのスレの2周年記念日じゃんよ!

取りあえず、杯をもて!バル酢ー!
537 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv[saga]:2009/06/02(火) 20:04:56.56 ID:JcleaGo0
>>526
残念です。
書いてあるなら私も見てみたいですね。
538 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv2009/06/02(火) 20:19:09.34 ID:4ie1utk0
>>536
な、なんだってー!!!
とりあえず・・・バッバッババババババル酢!!
539 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv[sage]:2009/06/02(火) 20:29:28.31 ID:g9Ife0Ao
>>536
おお、そういえばww

                           ヘ
                   /゙  ̄ ̄ `ヽ|: : :\ー- 、
                      /: : : : : : : : : : :|: : : : : : : : : : ヽ、
                  /: : '´ : : : : : /: :l : : : : : : : : : : : :.\
                 / : : : : : /: :/: :/: : : : : :/|: : : : : : : : :ヽ
                 / : : : : : : /: : _/:_:/ !: : : : / |: | : : : : : : : : ',
                 /: : : : : : : : /: :'´/|: / |: : : : |  l:丁`ヽ: : :ヽ: : :i
             /: //: : : : ,': : : / .|/  :l: : : : |  ヽ|: : : : : : :.∨ |
                // ,' : : : : i: : :/ ,ィ≠k ',: : : :.| z=kVヽ: : : : : ∨
                  | : : : : :|: ://代 ノハ  ヽ:..:::| f..う_ハ: : : : : :l
          | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|小 {i ::::::j} } ∨:| {i:::::::ハヾ|: : :|:: :│ バル酢です♪
          |  ━━━━━  l{ハ V廴ソ f==fヾ Vヒ ソ j: :.∧:: :|
          |  祝!二周年  |ヘ}、 _ _ ノ ' ヽ、 `¨ ノ| :/小: :|
.         /^) 〜〜∴〜〜  |: :ゝ _ ::.:.  こフ   ̄.:.:::/ :|/: : | ∨
       {/ ス          |: :.|: :.|> ,  __    </: : :|: :.│
        {/ _ノ           |: :.|少'   r|   W\ /: : : :l: :.│
        ヽ'´_フ             |: :.|    |_   |  ノ: : : :/ : :│
        V|              |: :.|    |  `7 /: : : : /: : : : l
           ト|              |: :ヘ.    |  ,/ /: : : : / \: : : l
           {.L.rー‐、(こ'ー-、__.」: : :}ヽ   |  /  { : : : / /}: : :ヽ
540 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv[saga]:2009/06/02(火) 20:51:49.38 ID:9dHH52SO
かなた「…二週年記念になんかやれって言われたけど、何をやればいいのか…」
こなた「ストリップ」
かなた「やりません!って、そう君カメラ準備しないで!」
かがみ「花〇車」
かなた「やりません!ってかできません!あなたいくつなんですか!?そう君もビデオカメラなんか用意しないで!」
つかさ「公開−自粛−ショー」
かなた「下ネタから離れなさい!!」
みゆき「コスプレ」
かなた「それくらいならまあ…それで、どんなのを…」
こなた「うちの制服」
かなた「…それだと、まんまこなたじゃない」
かがみ「ダルシム」
かなた「できないわよ!ほぼ全裸じゃない!」
つかさ「不知火舞」
かなた「嫌み!?嫌みねソレ!?」
みゆき「スク水」
かなた「それならまあ………え?」



かなた「…そう君、お願い撮らないで…」
541 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv[saga]:2009/06/02(火) 20:59:58.74 ID:ENeVM0go
やまと「このスレ、昨日で2周年なんだって」
こう「へぇ……もうそんなになるんだ」
やまと「月日が経つのは早いものよね」
こう「去年の今頃はウチらの出番もほとんどなかったよねぇ」
やまと「……昔は昔よ。今があるんだからいいじゃない」
こう「来年の今頃は王国カルテットや小4組が同じこと言ってたりして」
やまと「だといいわね」


中谷「いつか出る7巻に王国や空腹が収録されていたらの話だけどね……」
ひなた「ひかげちゃん、期待はしちゃダメよぅ? まだ連載が始まってからほとんど経ってないんだからぁ」
ひかげ「う……お肉は遠いのね……」
542 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv[saga]:2009/06/02(火) 22:40:13.30 ID:JBG1foIo
>>532
かなたさんが監視してるスレでそんな発言しちゃうなんて……ゆたか、おそろしい子w



とりあえず絵師さんひゃっほほう&2周年おめでとう小ネタSS書いてみた。2レス。

こなた「はっぴー・ばぁすでぃ・とぅー・みぃ!!【>>531】」
かがみ「……何やってんのよ、あんた。いかにもなプレゼント箱なんて持って」
こなた「あ、かがみ。これはね、いわゆる自分へのごほーびってヤツだヨ。やふー、おめでとう、私!」
かがみ「自分へのご褒美ねえ……いつもそんなコト言いながら、グッズを山ほど買ってないか?」
こなた「もー、かがみはわかってないなぁ。コレは誕生日の分だから、いつもと意味合いが違うのだよ!」
かがみ「あー、そうですか」

こなた「ところでかがみん。これからゲマズにでも行こうと思うんだけどさ、一緒にどう?」
かがみ「はぁー!?まだなんか買うのか、あんたは!?」
こなた「もちろん!だって今日も特別な日だからネ!」
かがみ「特別な日?んー、今日なんかあったっけ?」
こなた「まあ、たいしたコトじゃないからさ。気にしない、気にしない。さあ、いざ逝かん約束の地へ!」
かがみ「……まったく、いいかげんなんだから。本当は単に買い物の口実が欲しいだけなんでしょー?」
こなた「むふふー。そうかもねー」

こなた(私がかがみやみんなとこの場所で出合って丸2年の記念日だなんて……ちょっぴり恥ずかしくて言えないよネ【>>536】)

かがみ「あ、そうだ。買い物の後でいいからさ、家に寄ってくれないかしら?ダメ?」
こなた「え?別にいいけど?」

 ☆
543 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv[saga]:2009/06/02(火) 22:42:22.49 ID:JBG1foIo
かがみ「さ、あがってちょうだい」
こなた「おじゃましまーす」
かがみ「飲み物とか持ってくるから、先に私の部屋でくつろいでていいわよ」
こなた「んー。それじゃあ、お言葉に甘えますかネ」

 ガチャリ

つかさ「こなちゃん、2周年おめでとー!!」
みゆき「2周年おめでとうございます、泉さん!!」

こなた「わあぁ!?つ、つかさにみゆきさん!?……って、2周年おめでとうってどゆこと……?」
かがみ「びっくりした、こなた?今日が特別な日だってこと、私達だってちゃんと覚えてたのよ?」
つかさ「それで、こなちゃんにサプライズを仕掛けようってことになったんだ〜。えへへ」
みゆき「企画、演出、その他すべての細工を手がけたのは、こ の み ゆ き 様 さ ! ! 」
こなた(うわぁ……今回はほのぼの路線かと思ったのに、みゆきさんが懐かしいカンジで壊れてるよ……)

つかさ「今日はお祝いだから、腕によりをかけて料理をつくったんだ〜。はい、こなちゃん、これはウェルカムドリンクだよ」
こなた「ありがと、つかさ。これってコーラフロート……じゃないみたいだね……匂いが酸っぱいんだけど……?」
つかさ「バルサミコ酢にマヨネーズをトッピングしたんだよ〜」
みゆき「素晴らしいです、つかささん!これで、らき☆すたは後10年は闘えます!」
つかさ「やだなぁ〜。褒めすぎだよ、ゆきちゃん。えへへ、バル酢〜♪」
みゆき「泉さん、遠慮なくどうぞ!おかわりなら、このみゆき様が注いで差し上げますから【>>539】!」
つかさ「ミコ酢〜♪」
こなた(うわぁ……酢で攻められるのも久しぶりだからけっこうキツイね、コレ……)

かがみ「ねえ、こなた。今日を記念して私からプレゼントがあるんだけど」
こなた「あー、そうなんだ……わーい、うれしいなー(棒)」
かがみ「何よ、その態度。嬉しくないの?」
こなた「いや、ここまでの流れを踏まえた上で、すでにかがみ様が全裸であるこの状態だと、この後の展開が簡単に予想できちゃってさ」
かがみ「なーんだ。わかってるんなら話は早いわね。じゃあ、今回は前戯はなしで本番からでいいわよね」
こなた「表現はもっとオブラートに包んでよ……ってかさ、やっぱりかがみはへんたい路線なんだね……」
かがみ「今さら何を」
こなた「ですよねー」
544 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv[saga]:2009/06/02(火) 22:45:27.59 ID:JBG1foIo
以上です

スレ常駐の絵師さんとか増えるとうれしいんだけどなー
545 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv2009/06/02(火) 23:25:16.95 ID:ENeVM0go
淡々とやられるとジワジワ来るなww
546 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv2009/06/03(水) 00:28:25.16 ID:AXm5IDs0
バル酢!
http://imepita.jp/20090603/014620
547 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv[saga]:2009/06/03(水) 00:39:31.65 ID:/4d0VV6o
 * 夢の国いいとこ一度はおいで

こなた「〜♪」

かがみ「何やってんの?」
こなた「キングダムハーツだよ。こないだ出たばっかなんだ」
かがみ「へぇ、今度はDSなのね」
こなた「DSだけじゃないんだよかがみん。PSPや携帯のアプリでも新作が出るんだから」
かがみ「……プレイヤーに優しくないわね、それは」
こなた「んー、確かに。まぁ自分でプレイできない分は動画サイトでストーリー追えたりするご時世だし?」
かがみ「アンタねぇ……世の中には言わない方がいいこともあるのよ」

つかさ「あ、ドナルドとグーフィー! こなちゃん、これデ[ピーーー]ニーのゲームなんだ?」
こなた「……そーだった。大事なことを忘れてたヨ」
かがみ「大事なこと? 何よそれ」
こなた「かがみは聞いたことない? ディ[ピーーー]の話をするのは死亡フラグなん――」ドスッ
つかさ「――っ!? こなちゃん、血……!」
こなた「ぁ……は、ははっ。夢の国ってば、怖いとこだね……」ガクッ
かがみ「嘘……こなた、こなたっ!!」
つかさ「やだよ……死んじゃやだよ、こなちゃん……」
かがみ「……今の、銃? 何が起きたのよ、窓も開いてないってのに!!」
つかさ「――お、お姉ちゃん」
かがみ「え?」

つかさ「後ろ――」
548 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv2009/06/03(水) 10:51:10.57 ID:FdqRrlYo
こっちで報告するのを忘れてたんだぜ



------------------------
   ここまでまとめ完了
------------------------
549 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv[saga]:2009/06/03(水) 12:34:57.03 ID:YIhDkgSO
−忘れてた−

こなた「かーがみー。荒縄貸してー」
かがみ「んー、いいけど、何に使うの?」
こなた「いやー、コンクール中に『大賞取れた人にはゆーちゃんの股間に顔を突っ込む権利をプレゼント』って言ったのすっかり忘れててねー。逃げられないようにゆーちゃん縛っとこうかと思って」
かがみ「ふーん。じゃ、余裕みてつかさ縛るくらいの長さででいいわね…ほい、これ」
こなた「あんがとー。あとはチェリーのコスプレ用意しとかないとね」



みゆき「…みなみさん…チェリーさんの格好をして、一体なにを…」
みなみ「…大賞受賞者が来たら、闇討ちしてわたしが代わりにゆたかの股間に顔を突っ込もうと思って…」
みゆき「そ、そうですか…」
つかさ「…ゆきちゃん、止めないの?」
みゆき「…つかささん、止めれますか?」
つかさ「………」
みゆき「………」
つかみゆ「「はぁ…」」
550 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv2009/06/03(水) 12:37:07.09 ID:0JlENQSO
>>548
大量のまとめお疲れ様です!!
551 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv[saga]:2009/06/03(水) 18:37:06.37 ID:4RvQf/60
>>548
乙!めちゃくちゃ助かった
552 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv2009/06/03(水) 18:42:53.08 ID:g6HZUkoo
>>548
お疲れです!
553 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv[saga]:2009/06/03(水) 19:24:31.58 ID:PHlyVmc0
>>548 お疲れ様です

>>549
大賞受賞者さん、行くのですか?w
荒縄もってるかがみもすごいが、スタンバイしているみなみもすごいw
554 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv[saga]:2009/06/03(水) 19:30:09.53 ID:YIhDkgSO
−まとめ人への感謝の気持ちリローデッド−

こなた マラカス
かがみ タンバリン
つかさ トライアングル
みゆき 木琴

チャッチャッチャッチャッ♪
キンコンカンキン♪
シャカシャカ♪
チーン♪
チャッチャッチャッチャッ♪
キンコンカンキン♪
シャカシャカ♪
チーン♪
チャッチャッチャッチャッ♪
キンコンカンキン♪
シャカシャカ♪
チーン♪
チャッチャッチャッチャッ♪
キンコンカンキン♪
シャカシャカ♪
チーン♪
チャッチャッチャッチャッ♪
キンコンカンキン♪
シャカシャカ♪
チーン♪
チャッチャッチャッチャッ♪
キンコンカンキン♪
シャカシャカ♪
チーン♪
チャッチャッチャッチャッ♪
キンコンカンキン♪
シャカシャカ♪
チーン♪

みゆき(これはいつまで続くのでしょうか…?)

チャッチャッチャッチャッ♪
キンコンカンキン♪
シャカシャカ♪
チーン♪
チャッチャッチャッチャッ♪
キンコンカンキン♪
シャカシャカ♪
チーン♪
555 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv2009/06/03(水) 22:25:21.33 ID:YmzTukAO
>>554
オチもストーリーも、会話すらないレスに、何故かクスリと笑みがこぼれた

G・J
556 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv2009/06/03(水) 23:05:37.36 ID:0JlENQSO
かがみ「あれ? 今日はチョココロネじゃないのね」
こなた「そうだじょ」

かがみ「あ?」
こなた「タコスぢからを蓄えてるんだじぇ」
かがみ「……さては、また何かのアニメに影響されてるな」


こなたなら有り得る
557 :10C2[saga]:2009/06/04(木) 01:14:55.32 ID:X5J4Qjc0
>>553
無論行ってきます!

二周年記念とは知りませんでした。
そういうわけで前に言ってたコンクール作品並に長い作品を記念として投下したいと思います。
これで私は短いの入れて四作品目です。…あいかわらず長いです。
48KBあります。暇なときに読んでください。(ちなみにコンクール作品は55KB)
今回は読みやすさを考えて改行を多くしました。
ちなみに私はお化け屋敷には行った事がありません。そこのところは承知ください。一回お化け屋敷行ってみたいです。
タイトルの意味がわかればいいのですが・・・
558 :10C2[saga]:2009/06/04(木) 01:15:57.06 ID:X5J4Qjc0
 「…ここみたいだね」
 「こなちゃん…やっぱりやめようよ」
 「お姉ちゃん…やっぱり私も…やめたいよ」
 「つかさ、ノリノリの奴がそこにいるから覚悟したほうがいいみたいよ」
 「ゆたか…大丈夫?無理しなくていいよ」
 「ひより、目がクサッてマス」
 「…おっと」
 「みさちゃん、さっきから何もしゃべってないけど…怖いの?」
 「そ、そんなわけねーじゃん」
 「それにしても……まさにお化け屋敷という感じの建物ですね」

 学園祭でチアをやったメンバーが遊園地の中にあるお化け屋敷の前に集まっている。
 数日前にゆたかの両親がゆたかに遊園地のチケットをくれたのだ。しかも遊園地の中にある有料のお化け屋敷のチケット付きで。
 当初ゆたかはお化け屋敷のチケットは使わないでおこうと思っていたのだが、運悪くこなたの目にチケットがとまり、
 こうしてお化け屋敷の前に皆で集まっているのである。
 ちなみにこのお化け屋敷は最近できたばかりで、その上かなり怖いと評判があるお化け屋敷である。

 「にしてもよくこんなにチケットもらったものね」
 「え、ええ。お化け屋敷は苦手なんですけどね」

 皆より少し離れた場所でかがみとゆたかが話している。ゆたかの横にはみなみが心配そうにゆたかを見つめている。

 「…ひより、メがコワいデス」
 「……」
 「…マッタクキこえてないようデスネ」

 パティとひよりは相変わらずである。

 「峰岸さんは最近どのようなお菓子をお作りになるのですか?」
 「う〜ん、最近はクッキーが多いかな」
 「あやののクッキーは超うめーぜ」

 パティとひよりの後ろであやのとみさお、そしてみゆきが談笑している。
 こなたがふと横を見るとつかさが腕に抱きついている。少し震えているようだ。 
 これらの様子を見て、こなたはひらめいた。

 「みんなー、集まって!」
559 :10C2[saga]:2009/06/04(木) 01:18:07.76 ID:X5J4Qjc0


 「…くじ?」
 「そうだよ、くじ引いてペアになった人同士がお化け屋敷に入るんだよ」

 かがみが怪訝そうにこなたに尋ねた。

 「どうしてっスか?」
 「なんか面白そうじゃん」

 こなたは能天気にひよりの質問に答えた。

 「いいじゃん、いいじゃん、面白そうだし。私はちびっこに賛成だぜ」
 「私はお化け屋敷が嫌なんだけど…」

 つかさがおどおどしながら言った。

 「つかさ、いい加減覚悟を決めなさい」

 かがみの一言でつかさはうつむいたまま何も言わなくなった。どうやらあきらめたようだ。
 その横ではゆたかがつかさと同じく震えている。

 「…ゆたか…大丈夫?無理しないで」
 「だ、大丈夫だよ…、それにチケットを貰って皆を巻き込んだのは私なんだし…がんばらなくちゃ」

 みなみは心配そうにゆたかの顔を覗き込んだ。

 「じゃ、くじ引くよ〜」

 こなたは皆の前にくじを差し出した。

 「それじゃ引いて…!」
 「あの、少し待ってくれませんか?」

 みなみはこなたの号令と共に声をあげた。

 「どうしたのみなみちゃん?」

 こなたがみなみに尋ねた。

 「私…ゆたかが心配なので一緒に行ってもいいですか?」
560 :10C2[saga]:2009/06/04(木) 01:18:52.23 ID:X5J4Qjc0

 こなたは少し悩んだが

 「いいよ」

 ゆたかのためを思ってかあっさり認めた。

 「おいおいちびっこ、それはずるいだ…ろ…」

 後ろでみさおがとやかく言ったが、みなみのまさに突き刺さるような視線の前に言葉を失った。

 「ひより、よだれがデでマスヨ」
 「…あ、危ない危ない」

 今日もひよりは本能に忠実なようです。



 この後みなみとゆたか以外がくじを引き、ペアと入る順番が決定した。

 つかさ&パティ

 こなた&あやの

 みゆき&みさお

 ひより&かがみ

 ちなみにみなみとゆたかは皆がくじを引いている間に先にお化け屋敷に突入した。
 二人が入る直前にひよりがゆたかに何か話していた。
561 :10C2[saga]:2009/06/04(木) 01:19:29.24 ID:X5J4Qjc0


sideみなみ&ゆたか


 お化け屋敷内に入ったみなみはゆたかと手をつないで歩いている。これはゆたかを安心させる為か、もしくは自分が怖い為か…

 「ゆたか、大丈夫?」
 「みなみちゃんが一緒だから怖くないよ」

 暗闇の中でゆたかの笑顔がまぶしく光った。ちなみにみなみはこの質問を五回は繰り返している。
 二人はまず廊下を歩いている。周りは障子で囲まれていて明らかに何か出てきそうな雰囲気である。
 不気味ななBGMが小さな音量で流れ、お化け屋敷さをかもし出している。
 ふいにゆたかが「きゃっ」という声と共につまずいた。

 「ひゃあ!」

 可愛らしい声と共にみなみは驚いた、と同時に恥ずかしさのあまり顔が赤くなった。

 「ゆ、ゆたか、大丈夫?」

 恥ずかしさをごまかす為にみなみはゆたかに聞いた。

 「少しつまずいただけだよ」

 みなみはさっきの情けない声がゆたかに聞かれていなくて少しホッとした。

 「それにしてもみなみちゃん、さっきの声可愛らしかったよ」

 …前言撤回。
 と二人が話していたそのとき障子から目玉のような物が飛びだしてきた。
 まさに壁に耳あり障子に目ありである。

 「きゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」

 二人の大きな悲鳴が屋敷の中をほとばしった。
562 :10C2[saga]:2009/06/04(木) 01:20:58.03 ID:X5J4Qjc0


sideお化け屋敷入場口前


 「…すごい悲鳴っすね…ってかがみさん、顔色少し悪いっすよ」
 「そ、そんなことないわよ」

 かがみの声が少し上ずっていたのをこなたは聞き逃さなかった。

 「かがみ〜怖いなら怖いってはっきり言えば〜」
 「だから怖くないって言ってるでしょ」

 いつも通りにこなたがかがみをおちょくっている。

 「お〜、柊〜、びびってんのか〜?」

 こなたとかがみの会話を聞いたみさおが会話に割り込んできた。

 「びびってない!」
 「ほんとか〜、柊〜?」

 みさおが嫌みったらしく聞いてくる。かがみは完全にみさおにおちょくられている。

 「かがみ、怖くないなら足の震えなんとかしたら〜?」
 「おいおい、思いっきりびびってんじゃねえか。足が震えるってびびりすぎだろ。」

 こなたとみさおのダブルパンチにかがみの怒りが爆発した。
 こなたとみさおはお化け屋敷で悲鳴をあげる前にかがみによって悲鳴をあげさせられた。
 その向こうの方でひよりが二人に手を合わせていた。 

 「次の方どうぞ〜」

 ふいにこなた達は受付の人に声がかけられた。かがみ肩をピクッと上げた。横ではつかさが不安そうに屋敷の中を覗いている。
563 :10C2[saga]:2009/06/04(木) 01:23:14.96 ID:X5J4Qjc0


sideつかさ&パティ


 「ダイジョウブですカ?キをしっかりモつデス!」
 「う〜」

 入ったそうそうつかさはパティの後ろに顔を押し付け耳を塞ぎ、もはや何も聞かざる、見ざるの体制をとっていたが、
 最初の障子のエリアで驚いたパティに驚いて、もはや半泣き状態である。
 今もつかさはパティの後ろに顔をぴったりとつけている。まるで自分が幽霊のようである。

 二人はようやく障子の廊下のエリアを抜け、二人はエレベーターの前に来た。
 薄暗いせいか、かなり不気味な様子で二人の前にそびえたっている。

 「…これに乗るの?」
 「…そのようデスネ」

 パティはおもむろにエレベーターのボタンを押した。
 すると目の前の扉が不気味な音と共にゆっくりと開いていく、まるで二人を待っていたかのように。

 「パティちゃんは勇気があるんだね」
 「それほでもないでス」

 パティは笑顔で答えた。
 そして二人はエレベーターに乗り込んだ。エレベーターには一階と二階のボタンしかなかった。パティは二階のボタンを押した。
 エレベーターの中で何かが出てくることはないだろうと思い、つかさは安心したのかパティの背中から顔を離した。

 「ツカサもスコしナれてきたようですネ」
 「えへへ…」

 つかさが少し照れ笑いを浮かべた。
 その時だった
564 :10C2[saga]:2009/06/04(木) 01:25:14.09 ID:X5J4Qjc0

 ガタン!!

 音共にエレベーターが大きく揺れた。
 油断していたつかさは叫び声を上げ頭を抱えてその場にしゃがみこんだ。涙腺も崩壊してしまったようだ。
 一方パティは全く動揺していない。そればかりか少し楽しんでいるようにも見える。

 「うええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ」

 もはやつかさは続投不可能のようだ。恐らく立ち上がることさえも出来ないだろう。
 これにはパティも珍しく少しおどおどしている。

 「ツカサ!ツカサ!ダイジョウブデスカ?」
 「ううううううううううううううううう」
 「タてますカ?」
 「ううううううううううううううううう」
 「……」

 泣き止む様子は微塵も感じられない。
 もはやこうなってはどうしようもない。パティは係員を呼ぼうとエレベーターの非常停止ボタンを押してみた。
 するとスピーカーから声が聞こえた。

 「…出て行け…出て行け…今すぐここから…でていけええええええええええええええええええ!」
 「オオッ!」

 これにはパティも少しばかり驚いた。どうやらボタンを押すとこの声が再生されるようになっているようだ。
 つかさは耳を塞がず頭を抱えていたので、さっきの声がダイジェストに耳に入った。

 「いやあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」

 さっきのみさお並みに空気の読めないナレーションだとパティは思った。
 すると、つかさの上げた叫び声と同時にエレベーターのドアの反対側の壁に貞子の様な女性の映像が映し出された。
 パティは一瞬小さな悲鳴を口から漏らし、たじろいだ。
 しかし目を閉じていても光は感じるので、つかさの叫び声と泣き声がこれでもかと言うほど大きくなった。
 もはや何でも怖がる様な状態である。
 エレベーターの密室状態もあってか、もはやこの泣き声はパティにとっては拷問状態だった。
565 :10C2[saga]:2009/06/04(木) 01:27:12.96 ID:X5J4Qjc0


sideお化け屋敷入場口前


 「つかささん、大丈夫でしょうか…」
 「確かに心配ね」

 みゆきとかがみが心配そうに話している。
 ちなみに先程かがみから怒りの鉄拳を貰ったこなたはあやのと共にお化け屋敷に先程入って行った。
 みさおはかがみが怖いのか、かがみから少し距離をとったところでひよりと何やら話している。
 かがみはこの二人の会話が少し気なった。
 (もし日下部に変なこと吹き込んだら…容赦しないわよ田村さん…。ただでさえオタクはこなた一人で十分手を焼いてるんだから)

 「…で、そのツンデレってのが柊なのか〜」
 「そっス、さっきは柊先輩怒ってましたけど、その時はツン状態なだけで後でしっかりとデレるはずッス」

 かがみの第六感は半分的中していた。
566 :10C2[saga]:2009/06/04(木) 01:28:42.76 ID:X5J4Qjc0


sideこなた&あやの


「峰岸さんってこういうの結構平気なんだね」
「泉ちゃんもあまり驚いてなかった様に見えたけど」
「まあね〜」

 お化け屋敷内の二人は廊下を進み、突き当たりの側にあったエレベーターに乗り込んだ。
 普段からあまり話したことのない二人なのであまり会話はない。そもそも共通する話題がない。
 するといきなりエレベーターが大きく揺れ止まった。二人は少し驚いた。

 「泉ちゃん、大丈夫?」
 「一応運動神経はまだマシな方だからなんてことないよ」
 「へ〜、そうなんだ。確か50メートル走のタイム、みさちゃんといい勝負だったよね」
 「まあみさきちに負けてるのは少し悔しいけど」
 「それでもほとんど同じくらい早いじゃない。何か運動とかしてるの?」
 「別にこれといってやってな…!」

 こなたが言い終わるより前に、いきなりエレベーターのドアと反対の壁に貞子の様な女性の映像が映った。

 「きゃああああああああああああああああああああああああああああ!」

 これには二人仲良く絶叫した。

 するとエレベーターのドアが開いた。
 二人はさっきの恐怖もあってか恐る恐るエレベーターから足を踏み出した。
 どうやら再び廊下の様だ。しかも結構長いく幅もかなりあり、走っても大丈夫なぐらいだった。
 さらに暗いせいもあってか突き当りが全く見えない。

 「…結構雰囲気出てきたね」
 「泉ちゃん…少し震えてるけど…大丈夫?」
 「…峰岸さんこそ震えてるよ」

 二人とも体をくっつけて一歩一歩慎重に進んでいる。
 この状態をひよりが見れば「こな×あやか〜、そんな組み合わせも悪くはないっスね」とでも言いそうだ。
 とそこにいきなり前から物音が聞こえた。何か鈍い音…例えるなら鈍器で人を殴打した様な、不気味な音が聞こえた。
 緊張状態にあったせいかその音が聞こえたのと同時に「ひっ!」という短い悲鳴を洩らし、お互いの手を強く握った。
 こなたとあやのは今までよりもさらに慎重に前進した。
 と、前ばかり気にしていたので、二人は後ろから追ってくる恐ろしい形相の人のようなものに気づかなかった。
 何かが近づくような物音に気づいた二人が後ろを見るといきなり何かがこちらに歩いてくるのに気づいた。
 二人がこちらに気づいたと思ったゾンビ役の人は音のような声を上げだした。
 二人は即座に回れ右、そして悲鳴と共にダッシュした。二人の叫び声はつかさの泣き声並みの音量で屋敷内に響き渡った。
567 :10C2[saga]:2009/06/04(木) 01:29:48.12 ID:X5J4Qjc0


sideゆたか&みなみ


 「大丈夫?ゆたか…」
 「もう平気だよ、ごめんね迷惑かけちゃって」

 みなみとゆたかは園内の保健センターにいた。
 なんとかお化け屋敷を抜けたがゆたかが体調を崩してしまったのでみなみが連れて行ったのだった。
 しかし、ゆたかを心配するみなみもお化け屋敷から出て来た直後は足が震えてまともに立っているのがやっとの状態だった。

 「…そういえば皆に連絡したの?」
 「…あ…」
 「早くしなくちゃ、皆私達を探してるかも」
 「ご、ごめん、すぐにするから横になって」
 「あ、うん、ごめんね」

 みなみは携帯をポケットから取り出し開いた。

 「そういえばチケットって誰から貰ったの?」

 みなみはメールをうちながらゆたかに尋ねた。
 
 「私のお母さんがたくさん貰っちゃったからみんなで行ってきなさいってくれたの。そうだ、まだチケット余ってるからみなみちゃんいる?」
 「…何枚?」
 「え〜と…たぶん9か10枚かな」

 明らかに貰いすぎだろうとみなみは思った。
 とりあえずチケットの譲渡の件は断った。
 みなみ自身もうあのお化け屋敷に入りたいなどという気持ちは体のどこを探しても到底見つかることがないと思った。
 それにそのチケットを何かの拍子にみゆきの母であるゆかりに見つかり、また行くようなことになるかもしれないとも思ったからだ。

 「じゃあ、そろそろもどろっか」
 「もう少しゆっくりした方が…」
 「もう大丈夫だよ。ありがとう、みなみちゃん」

 二人は保健センターをあとにした。
568 :10C2[saga]:2009/06/04(木) 01:31:55.18 ID:X5J4Qjc0


sideお化け屋敷入場口前


 「…とうとう私達の番だな!がんばろうぜ!」
 「……」

 みさおの言葉にみゆきは無言である、そもそも耳に届いていないようだ。

 「おい眼鏡ちゃん、無視することねーだろ、お前もツン状態なのか?」
 「……」

 またしても無言。みさおはみゆきの肩をポンと叩いた。

 「ヒィ!」

 みゆきが小さな悲鳴を上げた。どうやら相当怖がっているようだ。

 「な、なな、なんですか?」
 「…いや、大分怖いみてーだな。とにかく頑張ろうぜ!」
 「…はい…宜しくお願いします」

 (日下部に心を読まれるとはね……まあ今のみゆきは誰が見ても怖がってるようにしか見えなわね)
 かがみは二人の会話を聞いてそう思った。

 「まあ、とにかく二人ともがんばれっ!?」

 かがみが言い終わるのと同時に後ろから誰かに抱きつかれた。

 「ちょ、なによいきなり!ていうか誰…ってつかさ!?何してるのよ!?」
 「おね〜ちゃ〜ん、う、うええええええええええええええええええええええええええええ」
 
 つかさがいきなりかがみ後ろから抱きついた、その上今度は大声で泣き出した。

 「つかさ、どうしたの?落ち着いて」
 「つかささん、落ち着いて下さい」

 かがみとみゆきが二人がかりでなだめるもいっこうに効果は無い。

 「おいおい、なに泣いてんだよ、妹ちゃ…ん…」

 笑いながら言った日下部に対してかがみとみゆきの二人の視線が射抜いた。どこまでもKYである。

 「そういえばパティは…?」

 ひよりはパティのことを思い出して辺りをきょろきょろ見回した。すると人ごみの中から金髪の女の子がこっちに来るのを見つけた。
 かなり慌てている様子である。
569 :10C2[saga]:2009/06/04(木) 01:33:02.51 ID:X5J4Qjc0

 「パティ、どうしたの…そんなに慌てて」

 パティは息も絶え絶えに答えた。

 「あ、あのツカサをシりませんカ?」
 「つかさ先輩ならあっちで泣いてるよ」
 「……よかったデス、てっきりマイゴになったかとオモいましタ」
 「すみませんが、何があったのか詳しく聞かせてもらえないでしょうか?」

 みゆきがつかさをかがみに頼み、パティに聞いた。

 「ジツは、トチュウでツカサがナきダしてしまって、ススめなくなったのでカカりのヒトにトチュウでソトにダしてもらったんでス。
 そしたらいきなりツカサがすごいハヤさでハシりだしてどこかにイってしまってしまってミウシナってしまったのでス」
 「…大変でしたね」

 みゆきは今の話を聞いて、鳥の帰巣本能を思い出した。

 「…YES。ユウレイよりもツカサのホウがコワかったでス」

 みゆきがパティに同情している。後ろではみさおが必死になって笑いを我慢していた。

 「…あの…早く入っていただけませんか?」

 受付の人が困った風に声をかけた。 

       ・
       ・
       ・

 「…残りは私達だけになったわね」
 「…そっすね」

 みゆきとみさおが屋敷に入った今、残るペアはかがみとひよりだけである。

 「…怖いの?」
 「…その通りっス」

 お化け屋敷の前で最後のペアであるかがみとひよりが話している。
 ちなみにつかさは落ち着きを取り戻し、パティに何度も謝っている。

 「ごめんね、パティちゃん、私のせいで途中で止めることになっちゃって」
 「ダイジョウブ、ダイジョウブ!キにするヒツヨウありませんヨ」
 「本当にごめんね」

 つかさは今度、お詫びにパティにクッキーを焼いてあげようと思った。
570 :10C2[saga]:2009/06/04(木) 01:35:28.45 ID:X5J4Qjc0

 「…あ、そうそう忘れるところだった」

 かがみがふいに言った。

 「さっきあんたと日下部が話した後、日下部がツン状態とか言ってたけど……一体…何を話してたのかな?」

 さっき日下部に睨んだ時と同じぐらい凄みのある視線でかがみはひよりを見つめている。ひよりは蛇に睨まれたカエル同様に固まった。

 「…え〜…と…」

 ひよりはその迫力に完全に降伏寸前の様子である。

 「素直に言えば許してあげなくもないわよ」

 ひより降伏。

 「あの……日下部さんが柊は凶暴って言ってたから……それは柊先輩がツンデレだからって…」
 「…なるほど。後で日下部には弁解が必要のようね」
 「…はは…そうっすね」
 「あんたにはお仕置きが必要のようだけどね…」
 「えっ!」

 かがみの右手がグーになった。ひよりは恐怖で体が震えだした。

 「お姉ちゃん、駄目だよ!落ち着いて!」
 「カガミ!おちつくでス!まずはムチをサガさないと!」

 さすがのかがみも二人?から必死に止められ鉄拳制裁を諦めた。

 「田村さーん!パトリシアさーん!」

 ふと後ろからかわいらしい声が聞こえた。みんなが一斉に声の方へ振り向いた。
571 :10C2[saga]:2009/06/04(木) 01:36:54.86 ID:X5J4Qjc0

 「ゆたかちゃん」
 「ユタカ!」
 「小早川さん」
 「みなみちゃん」

 走ってきたのはゆたかとみなみだった。少し無理をしたのかゆたかは息が切れてしまっている。

 「あんまり無理しないほうがいい」
 「平気だよ、みなみちゃん」

 みなみがゆたかを心配している。

 「あれ?出口で待ってるんじゃないの?」

 かがみが尋ねた。
 くじを引く前にこなたがお化け屋敷を抜けた後の集合場所をお化け屋敷の出口にしようと言っていたのだった。
 
 「…実はゆたかが体調を崩してしまって、さっきまで園内の保健センターにいたんです。
 それでゆたかの具合がよくなったのでとりあえず戻ってきました」
 「じゃあ何で出口じゃなくて入り口に来たのよ?」

 かがみが何か理由でもあるの?という感じで二人に聞いた。

 「あ、確かにそうしたほうが…」
 「…よかったかもしれませんね」

 かがみは小さく「やれやれ」とつぶやいた。

 「ユタカ、ダイジョウブですカ?」
 「うん、もう平気。心配してくれてありがとう」

 ふとかがみが疑問に思った。

 「じゃあ、今出口にいるのってこなたと峰岸だけなんじゃ…」
 「あ……」

 みなみとゆたかの声が重なった。
572 :10C2[saga]:2009/06/04(木) 01:39:12.18 ID:X5J4Qjc0


sideこなた&あやの


 「……誰もいないね……」
 「……そうみたいね……」

 無事お化け屋敷を切り抜けたこなたとあやのは集合場所であるお化け屋敷の出口にいた。
 絶叫のしすぎで声が少し枯れてしまっている。二人の手はお化け屋敷から出た後でもかなり汗ばんでいた。
 二人の目の前をむなしく一陣の風が吹き抜けていった。
 本来なら先にお化け屋敷に入ったみなみ、ゆたか、つかさ、パティがいるはずだが、見渡す限り四人の内の一人も見つからない。

 「…どうしよう峰岸さん」
 「そうね…、皆どこかに行ってるだけかもしれないし……とりあえずここで皆を待ちましょう」
 「入り口戻ったほうがいいんじゃない?」
 「…でも入り口に戻るにはこっちからずっと回らないと行けないし…」

 あやのは園内の地図を取り出しこなたに説明した。みゆきみたいに用意がいいなとこなたは思った。

 「確かに結構遠いね…、じゃあここで待つしかないね」
 「そうね」

 二人は側にあったベンチに座って話し始めた。

 「…峰岸さん、ツンデレって知ってる?」
573 :10C2[saga]:2009/06/04(木) 01:40:30.65 ID:X5J4Qjc0


sideみゆき&みさお


 「な、なんでもいいからしゃべってくれよう…」
 「す、すいません…えっと、え〜と…いったい何を話せば…」
 「なななんか元気の出る感じのを一つ」
 「…そ、そういわれましても…」

 みさおとみゆきがエレベーターから出てきた。二人とも今まで味わった恐怖のせいか足取りも遅く、体が恐怖で震えている。
 最初の障子の廊下のエリアまでは比較的みさおはまだ元気であったが、障子から不気味な目が出てきた時点でみさおの元気は五割になり、
 エレベーターの中で残りの五割をほぼ失った。
 元気だけがとりえのみさおだが今は全く元気が無い。元気というとりえを失った今のみさおには文字通り何のとりえも無い状態である。
 するといきなり前方から何か鈍い音が聞こえた。必然的に二人の体がピクッと反応する。
 二人は特に前を意識してゆっくりと進みだした。
 これがさっきの音の狙いであった。つまり前方を意識させ、後ろからいきなり驚かすということだ。
 今みゆきとみさおの後ろからいきなりゾンビが出現、声を上げてみゆきとみさおに向かって歩き出した。
 二人は絶叫し、ものすごい速さで廊下を走り出した。すると壁から手がうじゃうじゃ出てきて、二人の恐怖心をさらに煽った。
574 :10C2[saga]:2009/06/04(木) 01:40:52.71 ID:X5J4Qjc0


sideお化け屋敷入場口前


 「そろそろ私達の番ね」
 「あー、とうとうきてしまっったっス!」

 かがみとひよりが緊張交じりで言った。

 「よかったですネ、フタリともがんばってクダさい!わたしはもうイチドハイりたいでス」
 「よかったら私の代わりに入る?」

 かがみが即座にチケットを譲ろうとした。

 「かがみ先輩やっぱり怖いんじゃ…ひっ!」

 今日何度発動したかもわからないかがみの即死目線攻撃を浴びて、ひよりは再び震えだした。
 かがみは小さい声でひよりの耳に囁いた。

 「…後で…覚えときなさい…さっきのことも…」
 「ヒィ!」

 ひよりの体がまた震えだした。
 つかさも姉の恐怖を感じ取ったのか、少し震えている。

 「あのー、パトリシアさん」
 「どうかしましたか、ユタカ?」
 「実は今日ね、余分にチケット貰ったから二枚だけ予備として持ってきてるんだけどいるかな?」
 「OH!NICEデス、ユタカ!」

 パティは思わずゆたかを抱きしめた。つかさはみなみが少しパティ睨んだ気がしたが気にしないことにした。
 ひよりはいつもの様に妄想に浸らず、先程のかがみを思い出し恐怖していた。今の彼女に妄想する余裕は全く無い。

 「ではサンニンでレッツゴーでス!」

 パティがあきれるほど元気にお化け屋敷の中に進もうとしたその時、

 「ちょ、ちょっと待って」

 声の主はつかさだった。
575 :10C2[saga]:2009/06/04(木) 01:41:34.61 ID:X5J4Qjc0


sideみゆき&みさお


 「はあはあ…大丈夫ですか、日下部さん?」
 「…さすがにちょっときついかも…」

 みゆきとみさおは廊下全力疾走し突き当たりで止まった。二人とも目じりに涙がたまっている様である。
 後ろを見る限り、さっきのゾンビは来ていない様である。二人とも少し安心した。

 「てかどんだけ広いんだよこのお化け屋敷」
 「確かに規模としてはものすごく大きいですね」

 二人は再び進みだした。まずは突き当たりを左に進んだ、するとまたすぐに曲がり角にぶつかった。今度は右に向かった。

 「「!!」」

 曲がった瞬間二人は凍りついた。角を曲がった二人の五メートル先に後ろ向きに人が首をつっていた。
 しかし動く様子はない。

 「なんだよおどかしやがって!」

 みさおが先に進もうとしたその時、目の前にいた人は首だけこちらをむいてそして、その首がぶらんと落ちた。

 「きゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」

 二人は一目散に回れ右、その場から逃げた。
 さっき通った二つの曲がり角を曲がってさっきの廊下に出た瞬間

 「いやあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」

 目の前に先程追いかけてきたゾンビがいた。もう二人はパニック状態になった。
 二人は再び回れ右、そしてさっきの二つの曲がり角を曲がって首をつっている人の横をダッシュで通り抜けた。
 すると再び突き当たりに出た。右には再びエレベーターがあった。
 みさおより早く冷静を取り戻したみゆきはボタンを押しエレベーターのドアを開けた。

 「あー、怖かったー…」
 「さすがはお化け屋敷です…」

 二人とも声が少し嗄れていた。
 エレベーターは一階に到着した。

 「日下部さん、油断は禁物ですよ」
 「お、おう、まかしとけ」

 エレベーターの扉が開いた。その瞬間エレベーターの天井が開いて上から人間の手首が降り注いできた。
 ちなみに作り物に糸をつけたものを落としただけである。しかし今のみゆきとみさおには効果はバツグンだ!
 開いたエレベーターの扉の奥を警戒していた二人にとっては予想だにしていない方向からの奇襲だった。
 二人はまたまた大きな悲鳴を上げてエレベーターから飛び出した。
576 :10C2[saga]:2009/06/04(木) 01:43:22.95 ID:X5J4Qjc0


sideこなた&あやの


 「へ〜柊ちゃんはそのツンデレっていうタイプなのね」
 「そうだよ。最近はツンツンしてるけどそのうちデレデレしだすと思うよ」

 こなたはベンチに座ってあやのと話している。主にツンデレに関してだが。
 これを、さっきかがみがひよりを怒った理由を知る人が聞けば、確実に死亡フラグがたったと思うことだろう。

 「あ、いたいた、おねーちゃーん!」
 「!」

 遠くで自分を呼び声にこなたは反応した。

 「あ、ゆーちゃん」
 「あれは小早川ちゃんと岩崎ちゃんね」

 みなみとゆたかがようやく出口に到着した。

 「他の皆はどうしたの?」

 あやのが聞いた。

 「…今はかがみさんとひよりさんの番まできました」
 「最後の組だね」

 こなたはかがみが絶叫しているのを想像してニヤニヤしている。

 「妹ちゃんは?」
 「つかさ先輩はかがみ先輩達がお化け屋敷に入る直前に三人を呼び止めて……こう言ったんです、
577 :10C2[saga]:2009/06/04(木) 01:44:39.41 ID:X5J4Qjc0


sideお化け屋敷入場口前(回想)


 「私も一緒に入る!」
 「え、つかさも行くの!?」
 「ヤめておいたほうがいいですヨ」
 「私はどちらかというと人数が多いほうがいいっス」

 なんとつかさがもう一度お化け屋敷に入ると言い出した。

 「なんでまた行きたいの?」

 かがみが不思議そうにつかさに尋ねた。

 「えっと、あの、その……と、とにかく行きたいの」
 「……」

 妹の本気のお願いにかがみは少し悩んだ後、ゆたかにお願いし予備のチケットを譲ってもらったのだった。


sideお化け屋敷出口前


 ……ということがありまして」
 「まさか妹ちゃんが…」
 「まさかつかさが…」

 あやのもこなたも驚きを隠せない。

 「つかさ先輩、どうしたんだろう…?」

 ゆたかが不思議そうにつぶやいた。
578 :10C2[saga]:2009/06/04(木) 01:47:07.47 ID:X5J4Qjc0


sideかがみ&つかさ&ひより&パティ


 「うわっ、さすがお化け屋敷ね。不気味だわ…」
 「まさにお化け屋敷って感じっス」
 「ニカイメなのでワタシはゼンゼンヘイキでス」
 「……」

 かがみ、ひより、パティ、つかさの四人はあの最初の関門である障子のエリアに来た。
 ちなみにつかさは前回と同じく顔を背中に押し付けて何も見えないようにしている。
 異なるのは今回はパティじゃなくかがみの背中だということだ。

 「つかさ、あんたそんなに怖いんなら何で来たのよ?」
 「だって〜」
 「にしてもパティは本当に平気そうだね〜、うらやましいよ」
 「それほどでもないデスヨ」

 パティはピクニックに来たかのような軽い足取りで進んでいる。そんなパティに三人が着いて行っているような状態である。
 するといきなり左右の障子から目玉のようなものが続々と出てきた。
 かがみとひよりはまあまあの悲鳴を上げて驚いたが、パティはほとんど動じなかった。
 ちなみに何も見ていないつかさは今回は驚いたかがみに驚いた。つかさ、すでに半泣き。

 四人は最初の突き当たりにたどり着いた。パティは横にあるエレベータのスイッチを押した。
 するとエレベーターの扉が開いた。四人は中に入りかがみが二階のボタンを押した。
 エレベーターに入ってつかさのトラウマのスイッチが入ったのか体が少し震えだした。

 「一体何しにきたのやら…」

 かがみはつかさを見てそう言い放った。

 ガタン!

 エレベーターが突然大きく揺れて止まった。

 「ちょっ、何なのよ急に」
 「びっくりしたっスね」
 「やっぱりオバケヤシキたのしいでス」
 「うううううううううう」

 さっきの揺れでつかさの顔がかがみから離れた。つかさ、涙腺崩壊寸前。
 そしてエレベーターの扉と反対側の壁に貞子の様な女性の映像が浮かび上がった。
 つかさはそれをモロに見てしまった。

 「おね〜ちゃ〜ん!!!」

 つかさに抱きつかれてかがみは悲鳴を上げることができなかった。
 横ではひよりが悲鳴をあげている。それを見て面白がったパティが緊急停止ボタンを押した。
579 :10C2[saga]:2009/06/04(木) 01:47:27.96 ID:X5J4Qjc0

 「ポチットナ!」
 「…出て行け…出て行け…今すぐここから…でていけええええええええええええええええええ!」

 あのナレーションが流れた。

 「いやあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」

 つかさの悲鳴がエレベーターの中を駆けずり回った。つかさ、涙腺崩壊。
 さすがのパティも悪いことしたなぁという気分になった。
 ひよりは横で柊姉妹が抱き付き合ってるのにも関わらず、恐怖で震えていた。
 (さすがのヒヨリもイマはモウソウするヨユウはないようですネ)
 パティはそう思った。

 エレベーターの扉が開き、四人は重い足取りで(約一名はまあまあ軽い足取り)で中から出てきた。

 「…また廊下みたいね」
 「突き当たり見えないっスね」
 「ワタシはここでヌけましたからここからどうなるかはマッタくシりませんよ、ここからがホンバンですネ!」
 「うううううううううううう」

 かがみはパティの言葉を聞いてつかさを理由にここから出ようかなと考えたが妹に失礼だし、二人の後輩に対しての先輩としての威厳もあるので諦めた。
 とりあえず四人は進むことにした。
 ちいなみにつかさはまたかがみの背中に顔をこすりつけている。さっきより力が入っていた。
 ふいに前方から鈍い音が聞こえた。
 かがみとひよりは肩がピクッとした。そして足取りがさらに押遅くなった。
 つかさには聞こえていないようである。
 パティは特に変わらず、そもそも気づいているかすら怪しい。
 その数秒後、いきなり後ろから妙な音がした。四人は一斉に振り向いた。

 「な、なんスか、あれは!?」
 「あ…ああああ…」

 ひよりとかがみは目をそらせずにいた。

 「いやあああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」

 つかさまでも一緒に後ろを見てしまい絶叫した。つかさ、涙腺爆発。

 「あれは…ゾンビのようですネ…」

 するとゾンビがこちらへ向かってスピードを上げて近づいてきた。
 四人は回れ右、そしてダッシュした。すると壁の両側から手がうじゃうじゃと出てきた。
 これにはパティもかなり驚いた様子だった。
580 :10C2[saga]:2009/06/04(木) 01:48:22.42 ID:X5J4Qjc0


sideみゆき&みさお


 二回目のエレベーターから飛び出したみゆきとみさおは二人でくっつき合って少しずつ進んでいた。
 二人とも顔に涙の跡がうっすら残っていた。

 「…恐らくもうすぐ出口です、頑張りましょう」
 「お…おう、わかった…ぜ…」

 エレベーターを出た後も壁からいきなり人?が出てきたり、うめき声がきこえたりしていた。
 二人はそれらを怖がりながらも何とか先に進んでいた。
 ここまで怖がってくれたらお化け屋敷側も満足だろう。
 ちなみに今の二人には元気の欠片もない。
 すると、とうとう廊下の突き当たりにたどりついた。突き当りには襖があった。

 「これ中に入んないといけないよな」
 「そのようですね」
 「覚悟を決めるか」
 「はい、行きましょう」

 気合十分、二人は襖を開けた。
 中は七畳間の和室になっていって奥のほうに扉があった。
581 :10C2[saga]:2009/06/04(木) 01:49:00.28 ID:X5J4Qjc0

 「中に入りましょう」
 「お、おう」

 二人はゆっくりと、恐る恐る中へと一歩踏み出した。
 和室の真ん中辺りまで来たとき、和室の床の間にある掛け軸の裏からものすごくリアルなゾンビがいきなり飛び出した。

 「いやあああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」
 「うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」

 みゆきとみさおは絶叫した。
 二人は急いで奥に扉に手をかけたがドアノブがなかなか回らない。
 後ろからゾンビがせまってくる。

 「眼鏡ちゃん!早く開けて!早く!」
 「わかってますよ!」

 あせっていてもみゆきは敬語口調を止めることはなかった。
 すると横にあった棚の上から生首がごろりと落ちてきた。
 二人はさらに悲鳴を上げた。さらに後ろにはゾンビが迫っていた。

 ガチャ

 するとドアノブが回った。しかし扉はなぜか重くなかなか開かない。みゆきとみさおが力いっぱい扉を押して何とか脱出した。
 脱出する瞬間『行かないで』という不気味な声まで聞こえた。
 扉の外に出た二人はいきなり
 「おつかれさまでした」
 と係りの制服を着た係りの女性に声をかけられた。
 二人はきょとんとした。
 まさに全身の力が抜ける感触を味わったと共に一気に涙腺が崩壊、二人は抱き合って涙を流した。
 外に出た二人を太陽がこれでもかというほどに明るく照らした。

 「みゆきさん!大丈夫!?」
 「みさちゃん!大丈夫!?」
 「い、泉さん…うっ、うううううう」
 「あやの〜……ヒック、ヒック…怖かったよ〜」

 出てきた二人を出迎えたのはこなたとあやのだった。みゆきとみさおは二人を見るやいなや電光石火の早業で二人に抱きついた。
 みゆきに抱きつかれているこなたは少し苦しそうである。主に胸につぶされている。
 あやのに抱きついたみさおはただひたすらに涙を流している。
582 :10C2[saga]:2009/06/04(木) 01:50:40.13 ID:X5J4Qjc0


sideかがみ&つかさ&ひより&パティ


 「…はあ…はあ…はあ…はあ……さ、さすがに驚いたわね」

 かがみはかなり息が上がっていた。

 「ヒック、ヒック…うううううう」
 「ミ、ミナさん…ダイジョウブですカ?」

 パティはまだ余り疲れてはいないようだが、他の三人はもはやバテバテである。パティはみんなを見て、少し心配になってきた。
 つかさはさっきから泣き続けている。

 「…つかさ、大丈夫?」
 「う、うん、なんとか」
 「…そうだ、今のうちに聞いとくけど何でつかさまで一緒に来たの?こんなに怖がってるのに」
 「…え、えーと、その、お姉ちゃん怒らない?」
 「こんなとこで怒れないわよ、安心しなさい」
 「わ、わかったよ。……ここに入る前、お姉ちゃん田村さんに怒ってたよね」
 「ま、まあね」

 これを聞いたひよりはあのかがみの恐怖がフラッシュバックした。

 「すいませんでしたああああ!」
 「ヒヨリ、イロんなイミでダイジョウブですか?」

 パティが違う意味で心配そうにひよりを見つめた。

 「実は私聞こえてたんだ……その……お姉ちゃんが……田村さんに言った言葉」
 「へ?」
 「後で覚えときなさいよって言ってたのを聞いて、それでお姉ちゃんと田村さんを一緒にしちゃまずいかなって思って…それで…」
 「一緒に来たってわけね」

 かがみが呆れた様子で言った。

 「だって何か今日のお姉ちゃんいつもよりすごく怖くて……傍にいたほうがいいかなって思って…。
 パトリシアさんだけじゃちょっと心細くてね」
 「あー、あのね、つかさ……その私お化け屋敷とか苦手で……その、
 緊張してたからちょっといつもよりきつくあたってたこもしれない…かも」
 「お姉ちゃんも苦手だったんだ」
 「…まあね」
 「ごめんね、変な勘違いしちゃって」
 「ううん、いいよ。私こそ誤解を招いちゃってごめん、つかさ」

 柊姉妹は二人で見つめ合っている。
583 :10C2[saga]:2009/06/04(木) 01:52:03.29 ID:X5J4Qjc0


 「…ヒヨリ、またまたメがクサってますヨ」

 あいかわらず本能に忠実である。

 「さ、そろそろ行きましょ」

 かがみを先頭に四人は前に進みだした。


sideゆたか&みなみ


 ゆたかとみなみは自販機を探していた。

 「え〜と、自販機、自販機…あった!見つけたよみなみちゃん!」
 「…ほんとだ、ありがとう、ゆたか」

 ゆたかに呼ばれてみなみが駆け寄ってきた。
 皆がお化け屋敷から戻ってきたらのどが乾いているだろう思い、自ら買いに向かったのだった。
 もちろん買いに行くときにこなたとあやのが代わりに行こうとしたが断った。
 今回、チケットを貰ったのは私だからと言ってゆたかは遠慮した。みなみは一人では皆の分のジュースを運びきれないと思いついて来たのだ。

 「へ〜、いっぱい種類があるんだね」
 「ラーメン缶からおでん缶まで…確かにすごい…」

 この自販機はかなり大きいタイプだった。

 「どれにしたらいいかな?」
 「スポーツ飲料水がいいと思う」
 「そうだね、でもかがみ先輩はカロリーを気にしてるから…」
 「…だったら普通のお茶でいいと思う」

 この決定は吉と出るか凶と出るか
584 :10C2[saga]:2009/06/04(木) 01:52:49.21 ID:X5J4Qjc0

 「じゃあ、まずはお茶から買うことにするよ」
 「…高いけど大丈夫?」
 「お金なら大丈夫だよ」
 「……そう」
 (金額じゃなくて身長のことなんだけど…)

 みなみはあえて訂正するのを止めた。
 ゆたかは手持ちに小銭がなかったので千円札をいれてお茶のボタンに手を伸ばした…が…

 「「あ…」」

 みなみとゆたかの声が重なった。
 ゆたかの指はボタンに届いていないにもかかわらず取り出し口に缶の落ちる音がした。
 ゆたかはとりあえず出てきた缶を取り出した。

 「「……ラーメン缶……」」

 再び二人の声が重なった。
 風が虚しく二人の間を抜けていった。

 「ゆたか、かがみ先輩には渡せないよ…これは…」

 とりあえず結果は凶と出たようだ。
585 :10C2[saga]:2009/06/04(木) 01:53:33.53 ID:X5J4Qjc0


sideかがみ&つかさ&ひより&パティ


 お化け屋敷ではかがみ、つかさ、ひより、パティが前進中である。
 突き当りまでたどり着いた四人は角を左に曲がった。

 「曲がり角多いっスね」
 「こういうとこって曲がった瞬間にいきなり何か来たりするから気をつけたほうがいいわね」
 「ええええええええええ」
 「ダイジョウブでス、ツカサ。みんながツいてまス」
 「うん…ありがとうパティちゃん」

 四人は警戒しながら次の曲がり角を右の曲がった。

 「うわっ」
 「気持ち悪いっスね」
 「クビツりですネ」
 「…なんかかわいそうだね」

 曲がり角を曲がった四人が見たのは首を吊っている死体だった。
 四人は意外と冷静を保ち続けられている。つかさにいたってはもう顔をかがみの背中に隠さず、勇気を出して頑張っている。

 「…かわいそうって…さすがに作り物ですよ」
 ひよりが念のためかつかさに言っておいた。
 「さすがにそれくらいはわかるよ〜」

 つかさは少し頬を膨らませた。

 「この前、テレビの特集で最近の不景気についてやってて、それを見たから…つい…」
 「…当たらずとも遠からずっスね」
 「…微妙なところね……ていうかつかさ、ニュース見てたんだ」
 「…なんかバカにされてるような……」

 皆で話していると突然首吊り死体のほうから何か音がした。四人が一斉に死体に注目した瞬間、死体の首だけがこちらを向き、ずり落ちた。

 「ひっ!」

 「うっ!」
 「うああ……ああああ」
 「WOW!」

 これにはパティも英語の発音になるほど驚いたようだ。

 その後奥に行くと、またエレベーターがあった。パティは例によってボタンを押してドアを開いた。
 四人はエレベーターに乗り込み、それを確認したパティは扉を閉めるボタンを押した。
 つかさが前のエレベーターでの出来事を思い出し少し震えていた。
 それを見たかがみはつかさの手を握ってあげた。
586 :10C2[saga]:2009/06/04(木) 01:54:39.40 ID:X5J4Qjc0


sideお化け屋敷出口前


 「…落ち着いた、みゆきさん?」
 「…はい、ご迷惑をおかけして申し訳ございません」
 「いいよ、もともとは私のせいなんだから。まさかこのお化け屋敷がこんなに怖いとわね…知らなかったよ」
 「いえ、泉さんのせいではありません。気に病まないで下さい」
 「…ありがとう、みゆきさん」

 こなたとみゆきはベンチに座ってゆたかとみなみがジュースを買ってくるのを待っている。
 みさおは比較的早く立ち直ってあやのと共に近くをぶらつきに行った。
 今日の日差しはいつもよりきつく、耳を澄ませば周りの音がよく聞こえてくる。
 子供の笑い声からその親たちの笑い声、そして泣き声など多種多様な音が鼓膜を刺激する。
 その音の中にはお化け屋敷から漏れ出す悲鳴が少々混じっていた。

 「おねーちゃーん!」
 「あ、ゆーちゃん、どうしたの?ずいぶん遅かったね」
 「自動販売機探すのに手間取っちゃって。はいこれ」

 ゆたかはこなたにスポーツドリンクを渡した。
 こなたは受け取るやいなや蓋をあけ一気飲みの勢いで飲んだ。ゆうに四分の三は飲んだだろう。

 「咽渇いてたんだね、ごめんね遅くなっちゃって」
 「いやいや、せっかく買ってきてくれたのに文句なんて言わないよ」

 こなたは笑顔でゆたかに言った。

 「すみません、みなみさん」
 「いえ、どうぞ」

 みゆきがみなみの持ってきた飲み物を笑顔で受け取った。

 「ていうかそのラーメン缶どうしたの?」

 こなたに質問されたゆたかは少し困った顔をした。
587 :10C2[saga]:2009/06/04(木) 01:55:54.20 ID:X5J4Qjc0


sideみさお&あやの


 「結構広いんだな、ここって」
 「そうみたいね。今日は暑いけどたくさん人がいてにぎやかね」

 二人は遊園地の中を散歩している。上からは照りつける日差し、下からは地面から発せられる熱気によって板ばさみのような状態である。

 「おおー、でけー観覧車だなー」

 みさおが少々興奮気味に言った。
 どうやらみさおはお化け屋敷のことは早くも頭から消えてしまっているらしい。
 あやのはそう思い安心した。

 「そうだね、ステキだね」

 あやのが遠くを見ているような感じで言った。

 「…今うちの兄貴のこと考えてるだろ?」
 「えっ!いや、その…」
 「バレバレだな」

 あやのは耳まで真っ赤に染めて恥かしそうにしている。それを見てみさおは笑っている。

 「咽かわいたしそろそろ戻るか!」
 「そうだね、みさちゃん。たぶんもう小早川さん達が飲み物を持って来てくれてるかもしれないし」

 二人はお化け屋敷の出口の方に向かって進みだした。
588 :10C2[saga]:2009/06/04(木) 01:56:49.11 ID:X5J4Qjc0


sideかがみ&つかさ&ひより&パティ


 二台目のエレベーターに乗り、かがみ達はお化け屋敷の出口へと向かっている。

 「…何も起こらないわね」

 かがみが震えるつかさの手を握りながら言った。

 「できればその方がいいんスけど…」

 かがみの言葉にひよりが返した。するとエレベーターが止まり、扉が開き始めた……その瞬間!

 「きゃああああああああああああああああああああ!」
 「いやああああああああああああああああああああ!」
 「ぎゃああああああああああああああああああああ!」
 「キャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」

 四人はきれいに揃って絶叫した。
 エレベーターが止まり、扉が開き始めたと同時にエレベーターの天井部分が開き、上から人間の手首が降り注いできた。
 よくあるような感じであるが今の四人には効果は抜群である。
 四人は人間以上ともいえる速さでエレベーターからすばやく降りた。残像が見えてもおかしくないレベルである。

 「はあ…はあ…何よここ…怖すぎよ…」

 かがみが息も絶え絶えに言葉を発した。その横では地面に座ってつかさがまたしても泣いている。

 「ツカサ、Are you all right?」
 「うううううううううううううううううううううう」

 パティが心配してつかさに話しかけたがつかさはもはや返答できる状態ではなかった。
 このままではまたしても係員を呼ぶはめになりそうなので、つかさ以外の三人がつかさをなだめた。
 そして薄暗い廊下へと足を踏み入れた。
 
 するとまもなく不気味なうめき声がどこからともなく流れ始めた。その数秒後壁からゾンビが出てきた。
 つかさは一目散に涙をその場に残して走り出した。
 他の三人もそれに続いて悲鳴混じりに走ったが、その廊下は前回の廊下のように幅は広くなく、
 廊下自体も長いものではなかったので二秒ほどですぐに走り終えることとなった。

 そして四人は廊下のつきあたりについた。
 今四人の目の前には襖が、早く開けろ!とでもせかすようにそびえたっている。
589 :10C2[saga]:2009/06/04(木) 01:58:54.93 ID:X5J4Qjc0

 「入るわよ、みんな!」

 かがみが襖に手をかけて言った。 

 「う、うん」

 つかさが不安そうに答えた。

 「もう嫌な感じしかしないっス…」
 「いきなりナニかデてくるかもしれませんネ」

 パティの言葉につかさがピクッと肩を震わせた。それを見たかがみがつかさの手をやさしく包み込むように握った。
 一体今日何度目なのだろうか。
 そしてかがみが意を決して襖を開いた。
 中は七畳間の和室になっていって奥のほうに扉があった。
 「あそこに入ればいいみたいね」
 扉を見つけたかがみ言った。
 四人はそろって扉の前に行こうとし部屋の真ん中辺りを通ったその時、床の間の障子の裏から突然ゾンビが飛び出してきた。

 「きゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」

 四人は一斉に悲鳴をあげ扉の前まで走って、最初に着いたかがみがドアノブをひねるが回らない。
 ガチャガチャと何度も回そうとするが全然回らない。

 「おね〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ちゃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん」

 つかさがかがみの足にしがみついている。しかしかがみは必死なのでそのことに全く気づいていない。
 「かがみ先輩、早く開けて!」
 「カガミ!カガミ!」
 パティとひよりもかなりパニックになっている。
 かがみがさらにドアノブを回そうとしたその時、横の棚から生首のような物が落ちてきた。
 
 「いやあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」

 四人の悲鳴はさらに増した、その時ドアノブが回った。
 かがみは扉を開けた。思ったよりも扉は軽く開いた。しかしかがみは出ようとしたが足につかさがからみつき動けない。
 その間にパティとひよりが外へと飛び出した。
 かがみはつかさをどうにかしようと後ろを向いた時、真後ろまで迫っていたゾンビと目が合った。

 「きゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」

 扉が開いていたせいで本日最大級のかがみの悲鳴がお化け屋敷だけではなく外にまで駆け巡った。
590 :10C2[saga]:2009/06/04(木) 01:59:42.44 ID:X5J4Qjc0


sideお化け屋敷出口前


 「かがみ達遅いね」
 「そうですね。…かがみさんが心配ですか?」
 「まあね〜、このお化け屋敷すごく怖かったし、それにかがみも結構怖がりだったし」

 こなたとみゆきが二人でお化け屋敷の出口の前にあるベンチに座りおしゃべりしている。
 その横ではみなみとゆたか、さらにみさおとあやのが座っている。
 みさおは散歩から帰ってきたら、速攻でゆたかからジュースを受け取り一気に飲み干した。

 「しかしこのお化け屋敷は怖すぎます」
 「まあ、お化け屋敷なんだからこれが当たり前なのかもしれないな」

 みなみの言葉にみさおが答える。

 「でもこんなに怖かったらもう行きたくなくなっちゃうね」
 「確かにそうですね。でもそうなったらお化け屋敷の人達が困るんじゃ…」

 あやのがゆたかに言った。

 「確かにそうかもしれないね、ゆーちゃん」
 「そうですね」

 こなたとみゆきが二人して言った。その時

「きゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」

 お化け屋敷の中から悲鳴が、それもかなりの大音量で聞こえてきた。
 こなた達は全員で驚き、お化け屋敷の方へ目を向けた。
 周りにいた人たちも驚いて立ち止まってお化け屋敷の方を見ている。

 「…ねえ、今の声って…」

 ショックから一番早く回復したこなたが言った。

 「…柊…だよな…」

 するとその数分後ひよりとパティ、それに続いてかがみとつかさが出てきた。
 ひよりとパティはバテタ様子でこちらへ歩いてきた。その後ろにはさらにぐったりした様子のかがみとつかさがこちらへ向かってきた。
 つかさ目に涙を溜めながらかがみに手を引っ張られている。
 こなた達は全員ベンチを開けて四人を座らせた。
591 :10C2[saga]:2009/06/04(木) 02:00:12.49 ID:X5J4Qjc0

 「…かがみ大丈夫?」
 「…柊、お前生きてるか?」
 「妹ちゃん…大丈夫?」
 「つかささん、これで涙を拭いてください」 

 かがみはこなたとみさおの声に「まあ、なんとかね」と心細い声で返した。
 つかさの方はみゆきに借りたハンカチで目を拭って、「ありがとう」と言ってハンカチをみゆきに返した。
 
 「田村さん、大丈夫?」
 「パトリシアさんは…まあ大丈夫みたいだね」

 ゆたかがひよりに、みなみがパティに話しかけた。
 かがみ達の横ではひよりがベンチに座って頭を上に向けて息を整えている。
 パティは比較的早く回復し、つかさの横で頭をなでている。

 
 その十分後、ようやく全員回復し、遊園地の中を歩いて見て回ることにした。


side全員

 
 「それにしてもすごい悲鳴だったわよ、柊ちゃん」
 「…まあそうでしょうね、それもこれも誰かさんが私の足にへばりつくからだけどね」
 「う〜、ごめんね、お姉ちゃん」
 「ま、ツンデレも怖がるってことはよくわかったな」
 「そうね」

 歩きながらかがみとつかさ、それにみさおとあやのがおしゃべりしている。
 しかしかがみはみさおのツンデレと言う言葉を聴いた瞬間肩をピクッと動かした。

 「あのね、私はツンデレじゃないっつの!田村さんの言葉を真に受けてどうすんの!?」

 かがみが声を張り上げて言った。どうやらさっきまでの恐怖を拭いきれたらしい。

 「…その言い方もちょっとひどくないっスか?」

 ひよりが気弱そうな声でかがみ言った。

 「あんたが余計なこと言うからでしょ。自業自得よ」
 「ははは、反論しようがないっス…」

 ひよりは自虐するように笑った。 

 「ていうかなんで峰岸まで『そうね』なんて言うのよ。…まさか誰か余計なこと言ったんじゃ…」

 かがみは後ろであやのに見えるように動作で何かを伝えようとしているこなたに気づいた。
 こなたに気づかれないようによくその動作を見てみると「言わないで」と伝えてると気づいた。
592 :10C2[saga]:2009/06/04(木) 02:00:43.77 ID:X5J4Qjc0

 「…やっぱりあんたか」
 「い、いや…なんのことだか…ねえ峰岸さん」
 「え…ええっと…」
 「どうなの?峰岸?」

 かがみはあやのに顔を近づけ、笑顔で尋ねた。あやのはお化け屋敷の恐怖をも上回る恐怖とプレッシャーに押し負けた。

 「い、泉ちゃんが…」
 「ちょっ!峰岸さん!」
 「やっぱりね…、こなた、覚悟はいい?」

 かがみの笑顔はこなたの方へ向けられた。あやのはホッと胸をなでおろした。
 その横でこなたの頭に拳骨が降り落ちた。

 こなたが頭をかかえてうなっている後ろではみなみとゆたか、ひよりとパティにみゆきとつかさを加えたメンバーがお話している。

 「怖かったね、ゆきちゃん。やっぱり二回も入るんじゃなかったよ。泣いちゃったし…」
 「実は私も…そのお化け屋敷から出て泉さん達を見て安心して泣いてしまいました。だから別に恥かしがることありませんよ」
 「そうなんだ〜、ゆきちゃんも泣いちゃったんだ」
 「それは驚きっスね」
 「そうですネ。こーいうのにはケッコウダイジョウブなカンじがするのですけど」

 ひよりとパティが驚いた様子を見せている。
 
 「みなみさんはどうでしたか?」
 「えっ!」

 急に話を振られてみなみは驚いた。
 
 「そういえば岩崎さんは大丈夫だったの?」
 「ナいてしまいましたカ?」
 「え、ええっと…」

 みなみはかなり戸惑っている。それを見たゆたかがみなみに助け舟を出した。

 「み、みなみちゃんは私をサポートしてくれたり励ましてくれたりしてとっても頼りになったよ、ありがとう、みなみちゃん」
 「え、あ、うん、別にいいよ、ゆたか」
 「そういえば…」

 みなみは戸惑いながらもゆたかにお礼を言った。
 その後つかさが新しい話を切り出したのを見計らってひよりはゆたかの横に行ってなにやら小声で話し始めた。

 「…どうしたの、田村さん?」
 「え、ああまあね。約束してたことを聞こうと思ってさ」
 「えっと…何だったっけ?」
 「…忘れてましたか」

 ひよりは若干落胆気味に言った。
593 :10C2[saga]:2009/06/04(木) 02:01:49.20 ID:X5J4Qjc0

 「ご、ごめんね…その…もう一度言ってくれないかな?」
 「ほら、岩崎さんとお化け屋敷に入る直前に言ったじゃない。中で何があったか細かく教えてねってさ」
 「…あ…そういえば…」
 「頼むよ、小早川さん」
 「え、ええっとね、まず二人で入ってから…」

 ゆたかはひよりに話し始めた。

 「…て感じだったんだ」
 「へ〜、そうなんだ。ありがとう小早川さん」
 「う、うん」 
 「でも嘘はだめだよ」
 「え!どうしてわかったの!?」

 ゆたかは心底驚いたような顔をしている。

 「だって小早川さん、話し方が変だったし、何だか一字一句考えながら話してるみたいだったからね」
 「…すごいね、田村さんは…」
 「それはどうも、じゃ、今度は本当のこと教えてよ、特に岩崎さんがどれだけ驚いていたとかさ。
 さっきの岩崎さんについて言ったことも嘘なんでしょ?」
 「…す、すごいね…」
 
 この後ひよりは岩崎さんがすごく怖がっていた様子などを聞き出し、同人誌のネタが増えた。
 ちなみにみなみはお化け屋敷の中ではかなり涙目になっていた。それをゆたかに隠そうしていたがゆたかはその事を知っていた。
 みなみはお化け屋敷を出た直後泣きそうになったが、ゆたかが急に具合を悪くしたため泣くヒマも無く、
 ゆたかを園内の保健センターに運んでいた。

 「あれだけ怖いと逆にお客さんが減りそうですね」

 ひよりがゆたかに話を聞いている横でみなみはみゆき達に言った。
 
 「そうですね、私はともかく日下部さんまで泣いてしまうぐらいですからね」

 その言葉にいち早く反応したのはかがみとみさおだった。

 「ちょっ!眼鏡ちゃん、それ言うなー!」
 「うるさい!日下部!みゆき、それちょっと私に詳しく話して!」
 「やめろってヴぁ!」

 かがみとみさおがみゆきに詰め寄った。
 二人からの真逆のお願いにみゆきはかなり迷っていたが、
 かがみの威嚇によってみさおがあやのの後ろに隠れたのでかがみはみゆきからその事を聞きだすことができた。
 
 「…なるほどねぇ…あんたでも泣いたんだ」
 「う、うるさいってヴぁ!」

 みさおはかがみに一週間の間このことをネタにされた。
594 :10C2[saga]:2009/06/04(木) 02:03:26.11 ID:X5J4Qjc0

  「それにしても本当に怖かったわねー」
  「これほどとは私も驚きました」 

 かがみがみゆきの隣に来て話しかけた。

 「でも一番怖かったのは最後の和室よね。あんなところでいきなりゾンビは出てくるしドアノブは回らないし本当に焦ったわ」
 「そうですね。それにその後扉がすごく重くて開けるのが大変でした。
 それに扉に入るときの『行かないで』という声もリアルで怖かったですね」
 「…え?扉なら簡単に開いたけど?ていうかそんな声聞こえなかったし…」

 二人の間を冷たい風がひらりと割って流れていった。

 「…このこと余り話さない方がいいかもね」
 「…そうですね…」

 二人の顔は少し青くなっていた。
 
 その後、他のアトラクションに乗りまくって、日が落ちるくらいには遊園地を出た。
 電車に乗り皆と別れ、そして最後にこなたと眠そうにしているゆたかと別れて、かがみとつかさは家に着いた。
 その夜、つかさがかがみの部屋に枕を持って入ってきたのは言うまでもない。


 この後日、ゆたかの持っている残りのチケットはひよりとみゆきに渡され、ひよりはこうやアニ研の人達に、
 みゆきはゆかりにそれぞれ渡した。
 その結果みなみとみゆきはご近所同士で母達に連れられ、もう一度行くことになり、
 二度目になるお化け屋敷で泣いてしまったみなみはゆかりに写真を撮られてしまった。
 
 ちなみにチケットもらったこうは嫌がるひよりにやまとやひかる先生それにアニ研部員達と一緒にお化け屋敷に行き、
 全員二度とお化け屋敷という名詞を今後一切言わなくなった。
 ただひよりだけは『同人誌のネタが増えてラッキーっス』と喜んでいたが、後日、そのネタを使った漫画はこうに一瞬にして没にされた。

595 :10C2[saga]:2009/06/04(木) 02:17:36.83 ID:X5J4Qjc0
以上です。
相変わらず長い上に要領を得ない文体ですね…。
コンクール結果発表後に急いで仕上げたので誤字、脱字は大目に見ていただければと思います。…夜中の三時までがんばりました。
ssを書いているとひよりの、ネタがないので困るという気持ちがよくわかります。
一応今回は読みやすいように改行したつもりです。
このような、廊下で走れるようなお化け屋敷などない!と思う方もいると思いますが、スルーしておいてください。
ちなみに10C2は組み合わせです。普段あまりしゃべったりしない人達を色々と組み合わせてみようと思い書きました。難しかったです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。
コンクールニ連続優勝の方もありがとうございます。また機会があれば書こうと思います。
596 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv[sage]:2009/06/04(木) 02:27:10.75 ID:tF/vWoDO
>>595
乙&GJ!
楽しめましたよ!
つか一部マジで心霊現象が!
あ、そういや某デカい遊園地のお化け屋敷が本当に幽霊出るって話あったな
どこだっけ?
597 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv[saga]:2009/06/04(木) 11:23:49.53 ID:J7Rap7w0
>>595
長っ!
あと仕上げるの速っ!

お化け屋敷俺も行ったことないからよく分からんけど、それっぽかった!
確かに改行で読みやすくなってて良かったと思う。
598 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv2009/06/04(木) 15:15:47.49 ID:Fvs/rlMo
>>595
……GJ、マジでGJ!
この長さで、最初から最後までずっと面白かったぜ。ニヤニヤしぱなしww
シーンも想像しやすくて良かった
599 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv[saga]:2009/06/04(木) 17:17:18.77 ID:eJmigY60
>>595
長いよー!コンクールでも中々ここまでは見ない気が・・・w
沢山の人が出てくるSSは書けないからすげーと思う。せいぜい3、4人が限度だぜ・・・

あと、怖さで泣きわめいてかがみんが逆につかさにしがみつくよーな展開を期待してた俺は間違いなく変態www


ってゆーか、2周年記念ということなのでw
い、いや・・・決して>>540のかなたさんが余りにツボに入って描いてみたら、たまたま2周年だったのであてがってみた訳ではなく(ry

こんなんばっかしでサーセンw

http://imepita.jp/20090604/069480
そうじろう「うおおお!かなたのスク水!!!そうじろうフラーッシュ!!!」
こなた「・・・おとーさん」
そうじろう「ん??なんだ、こな・・・・」
こなた「ジャッジメントぉー!!!(バケツの海水をぶっかける)」
そうじろう「うおおぉ!!俺のカメラが!カメラがばぁあぁあ!!!」

かなた「・・・そうくんのバカ。」


信じられないだろ?高校生の娘をもつ一児の母なんだぜ、そいつ・・・
600 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv[saga]:2009/06/04(木) 18:00:24.55 ID:J7Rap7w0
>>599
これはかわええええ
601 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv[saga]:2009/06/04(木) 18:21:33.28 ID:s1R.2MSO
>>557

みゆき「…受賞者さんが向かわれたみたいですが、みなみさんは…」
みなみ「………」
つかさ「ゆきちゃん…なんか血の海に沈んでるんだけど…」
みゆき「…想像が妄想に発展して、鼻血を出されたようですね」


>>599

こなた「一児の娘がいることより、その娘のスク水が着れるという事に驚くわたしがいる」
かなた「…悪かったですねー、幼女体型でー」
そうじろう「だが、それがいい」
602 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv[saga]:2009/06/04(木) 19:45:37.98 ID:NOsErYIo
>>548
お疲れ様です!題名までつけていただけるなんて感動した!

>>595
相変わらず長いなぁw……けど、改行でものすごく読みやすかった
毎回よくもこう大人数を捌けるもんだと感心するわー。GJ!

>>599
犯罪級のかわいさだw
こなたの持ってるバケツは↓こういう展開なのかと一瞬思った

そうじろう「うおおお!かなたああああ!」
かなた「そんなに撮っちゃ恥ずかしいよ、そうくん」
こなた「……おとーさん」
そうじろう「ん??なんだ、こな……」
こなた「いっつ・あ・ショーたぁ〜いむ!!(バケツの海水をぶっかける)」
そうじろう「うおおぉ!!こ、これは……っ!!」

こなた「おとうさん、どう?微妙に濡れた体と湿ったスク水が通常の3倍の萌えを……って、おとーさん!?」
そうじろう「ああ……こなた、グッジョブだ……我が生涯に一片の悔い無しだ……」
こなた「ちょ、しっかりしてよ!魂でていってるよ!?」

かなた「……そうくんのバカ」
603 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv[saga]:2009/06/04(木) 19:49:17.05 ID:4Roc8USO
プチ祭もコンクールも参加せず、携帯でせっせと書き続け、
お題を貰って早2ヶ月以上……

ヤッターついに疑心暗鬼がカケタヨー(^O^)
しかも2周年だし鬱には調度いいタイミング?

というわけで投下します。
長いので前半、後半の2日に別けて投下します。
合わせると77KBです
604 :狂った世界に別れを告げて[saga]:2009/06/04(木) 19:51:22.53 ID:4Roc8USO
「お姉ちゃん」
「んー?」


「お姉ちゃーん」
「どしたー」


「お姉、ちゃん……ぐすっ」
「よしよし」


 柊家の末っ子、柊つかさはお姉ちゃん大好きッ子である。高校生にもなって、姉に頼るその甘え振りは、正に妹の称号に相応しい。
 姉のかがみも又、そんなつかさが決して嫌いでは無かった。柊家には他にも上に二人姉が居る。それなのに自分を第一に頼って来てくれることに嬉しさを感じていた。
 そんな仲の良い姉妹のある日の事、つかさは宿題でどうしても解らないところがあり、いつも通りかがみの部屋に向かった。

 部屋に入ろうとドアノブに手をかけようとするが、なにやら話し声が聞こえ、寸前で静止した。
 話し声と言っても、かがみの声しか聞こえて来ない。その事から、電話をしているのかと、つかさは解釈した。
(邪魔しちゃ悪いし、後にしよっかな)
 と、どうしようか迷っていると、
「ウザい……っていうと妹ね」扉越しにこんな台詞が聞こえた。
 その声の主は言うまでもない。
605 :狂った世界に別れを告げて[saga]:2009/06/04(木) 19:52:30.21 ID:4Roc8USO
(え?)
 とても嫌な言葉を聞いてしまった気がした。まさかそんな事あるはずがない。聞き間違いであってほしい、そう思い確かめるためにドアに耳を当てた。

「妹を殺せば良いの? まぁ確かにウザいけど」

「!?」
 聞き間違いでは無かった。それに加え、更に酷い言葉も聞き取れた。
(ウザイの? え、私?)

(殺せば良い?)

 つかさは頭が真っ白になった。そして未だドアに付けてる耳は更に台詞を拾う。

「確かにね。いつも自分勝手で、都合の良いときだけ頼って来て、何でも泣けば良いみたいに思ってるし、おまけに人の恋路も邪魔してくる始末」

「まぁ、ね。でも殺しちゃうのはちょっと気が引けるな……」

「誰がシスコンだ」

「……はぁ、分かったわ。でも今日はもう遅いし明日殺すわ」


 つかさは気付いたら自室のベッドに座って居た。目は虚ろで、先程から涙が止まらず、頬を伝って落ちる滴はベッドに染みを作っていた。
 度重なる姉からの衝撃的な台詞。たった数秒の出来事だったが、つかさの精神はズタボロに引き裂かれてしまった。
606 :狂った世界に別れを告げて[saga]:2009/06/04(木) 19:53:08.34 ID:4Roc8USO
(殺す、殺すの? 私ってウザかったの? どうして?)
「お姉ちゃん……」
 信じたくない。でもあの台詞を吐いた人間は紛れも無く、かがみだ。
 つかさは訳が分からなくなり、ただひたすら泣いた。やがて泣き疲れたのか、つかさは倒れるように眠ってしまった。



「アンタってウザいのよね」
「え?」
「いつもベタベタベタベタ引っ付いてさ、高校生にもなって自立も出来ないなんてどんだけよ」
「……」
「いい加減、面倒見きれないし」
「わ、私は……」
「ほらね、そうやって泣けば良いと思ってる。ホント邪魔」
「だから、死んで?」
「え……」
「もうアンタにはうんざりなのっ」
「いや――」



「――っ!」
 ハッと、飛び起きる。周囲を見渡すとそこは自分の部屋。
「夢?」
 嫌な、夢だった。姉に殺される夢。昨夜の事が原因だろう。
(私、いつの間にか寝ちゃってたんだ……)
 時計を見るとまだ朝の六時だ。普段のつかさならこの時間帯に起きてしまっても、二度寝をするのだが、とても寝れる気分じゃなかった。
607 :狂った世界に別れを告げて[saga]:2009/06/04(木) 19:53:47.44 ID:4Roc8USO
(凄い汗だな……)
 つかさはベッドから抜け出し、制服を持って、まだ寝てるであろう家族を起こさないよう静かに洗面所へ向かった。


 汗で汚れてしまった寝巻と下着を洗濯機にぶち込み、タオルで身体を拭き、制服に着替えた。
(お姉ちゃんと顔合わせづらいし、今のうちに学校行っちゃおうかな……)
 簡単に洗顔し、髪を整えてたとき、背後から「おはよう」と声があった。振り返ると母親のみきだった。
「お、はよう」
「珍しいわね、つかさがこんなに早く起きて、しかも着替えてるなんて……何かあるの?」
「えと、今日は早く学校に行かなくちゃいけなくて……」
 勿論、嘘。しかし姉を見たくないから早く行くなんて言うよりは全然良いだろう。
「ホントに? じゃあ、かがみも?」
「ううん、私だけ……」
「え?」
 同じ学校で早く行かなてはいけないというのに、『私だけ』と言うのは不自然だろう。
 みきも怪訝な顔で見ている。
「えーと、友達と約束しててっ」
「そうなの?」
「うん。も、もう行かなくちゃっ」
 これ以上話せばボロが出てしまうと思い、つかさはみきの脇を通り抜け、玄関へ向かう。
608 :狂った世界に別れを告げて[saga]:2009/06/04(木) 19:54:40.20 ID:4Roc8USO
「行く……って、朝ごはんは?」
「いらない」
 当然、まだ納得していないみきも追い掛けて来た。
「お弁当は?」
「向こうで買うよ」
 つかさは既に靴を履いている。
「じゃあ行ってきま、」
「つかさ」
「何?」
「鞄は?」
「あ……」
 言われて初めて気付く。そして鞄だけじゃない。靴下も穿いてないし、いつものリボンもしていないのだ。
 そんなつかさにみきは、早くこの場から離れたいというつかさの心情が読み取れた。
「ありがと、お母さん」
「……」


 つかさは自室に戻り、支度を済ませて部屋を出る。

 “今日はもう遅いし明日殺すわ”

 脳内に昨日の台詞が蘇る。
(今日、殺されちゃうのかな……)
 隣の部屋のドアを見つめるつかさ。
(何で……何で……)
 つかさの瞳に涙が出てくる。それに気付いたつかさは直ぐに涙を拭う。
(何で私はこんなに弱虫なんだろう……こんなのだからお姉ちゃんに……)


「ねぇ、つかさ。何か隠してるんじゃないの?」
 玄関に戻ると、そこにはまだみきが居た。
「か、隠し事なんか無いよ」
「嘘。目を見れば分かるわ。何か悩み事?」
「別に、ホントに何も無いよ……」
 必死にごまかそうとするつかさ。その挙動不審な仕種は、とても何も無いとは思いづらい。
609 :狂った世界に別れを告げて[saga]:2009/06/04(木) 19:55:40.88 ID:4Roc8USO
「つかさ、人の話を聞くときは目を見なさい」
「……」
 みきは決して怒っているわけでは無い。心配だからこそ言っているのだ。実の娘の様子がおかしかったら親として心配するのは当たり前である。
「……かがみと何かあったの?」
「!?」
「そうなのね?」
 流石、親と言うべきだろう。つかさの隠し事なんて御見通しだ。
 しかし、そんなみきにつかさは、
「ホントに何もないから……もう遅れるし行くね」と、話を無理矢理終わらせて逃げるように外へ出た。
 後ろで名前を呼ばれたが無視して走った。


 学校に着いたつかさは、幸にも門が閉まっているという事はなかったので、すんなり学校に入ることが出来た。運動場の方で掛け声が聞こえてくる辺り、陸上部か何かが朝練でもしているのだろう。
 つかさは上履きに履き変えて、とりあえず教室に向かう。
(どうしよう……お母さんにあんな態度取っちゃった……)
 学校に来る間も、つかさはずっとそんな事を考えていた。
 しかし、真実を話したところでどうなるというのか? 姉が私を殺そうとしている。そんな事を聞けば、みきはかがみに確かめに行くだろう。そしてかがみはそんな話は知らないと言うに違いない。昨日のかがみの会話から計画性のある反抗であると分かれば、そんな対応つかさでも想像できる。
 殺されることに感づかれた妹の存在を知ったら、殺すのも慎重になってしまう。気付いたら殺されてました、なんて誰だって嫌だろう。殺されること事態も嫌だが。
610 :狂った世界に別れを告げて[saga]:2009/06/04(木) 19:56:33.68 ID:4Roc8USO
 かがみの計画では今日つかさを殺すと言うのだから、今日何も無ければ昨日の電話の内容はつかさの勘違いで済むのだ。まだ第三者にこの事を話すべきではない。
(こんな事、考えたくないのに……もうやだよ。早く今日が終われば良いのに)
 そんな事を思っていると、もう目の前は教室だった。中に入ろうとするが、ドアは開かなかった。
(あれ? まだ開いてないのー?)
 携帯の時計を見る。時刻は七時十五分、少し来るのが早すぎたようだ。
(どうしよっかな)
 仕方なく、ドアの横に座っていると見慣れた人物が鼻歌交じりに鍵をぶら下げやってきた。
「適齢期ぃ、適齢期っと、ん? なんや柊。今日はめっちゃ早いやないか」
 それは担任の黒井ななこだった。
「おはようございます」
「おはよーさん。で? こんな早くにどうしたんや?」
「それは……」
 やはり言葉が詰まる。
「えと、その……」
「?」
 ふと、鞄に目が行った。
「宿題……そだ、宿題のプリント教室に忘れちゃって、早く学校に行けばやる時間が出来ると思って」
 嘘は言っていない。学校に忘れたという事を除けばだが。
「ほーぅ、宿題を忘れた事は感心せーへんが、わざわざホームルームが始まる前に間に合わせようとするのは立派な心掛けやな!」
 つかさのやる気溢れる発言に大変感心している様子。
 その後、黒井は教室の鍵を開け「別の教室も開けてくるわ」と気分良く立ち去って行った。
 つかさは教室に入ると自分の席に座り「ふぅ」と溜息を吐く。
(宿題、か……)
 鞄からプリントを取り出し机に広げる。まだ所々に空白がある。
 宿題……元はと言えばこの宿題を教えてもらおうとしたのが事のきっかけだった。
 こんな宿題が無ければ……と、やり場の無い怒りを一枚の紙切れにぶつける。
「……あっても同じか」
 筆を握るが、とてもやる気になれない。頭の中はこれからの事ばかりだった。
(どうしよう、いずれお姉ちゃんは来るし……どんな顔をすれば良いのかな)
 そんな事を考えているうちに、時間は刻一刻と刻まれて行く。やがて人も増えて、教室も賑やかになってきた。
611 :狂った世界に別れを告げて[saga]:2009/06/04(木) 19:58:45.05 ID:4Roc8USO
 結局、宿題は一つも手を付ける事が出来なかった。
「つかさ、おはよ」
 不意に声を掛けられる。聞き覚えのあるその声は親友のこなたの物であると分かり、少し安心して笑顔で振り向いた。
「おはよー、こなちゃん」
「つかさ」
 つかさは笑顔は一瞬で消えた。こなたの後ろにかがみが居るなんて簡単に予想できたことなのに、心のどこかでは今日は来ないかも、なんて思っていたのだ。
「ねぇ、つかさ……私、何かした?」
「え?」
 いきなり本題に入るかがみ。
「べ、別に……」
「嘘よ。お母さんに聞いたわ。つかさの様子が変だって」
「普通だ、よ」
「じゃあ、なんでそんなにぎこちないのよ」
「そんなことないよ」
 発言を否定する妹に、かがみは少なからず苛立ちを覚えていた。そしてすっかり蚊帳の外になってしまったこなたは、さてどうしたものかと辺りを見回すと、つかさの机のプリントに目がいった。
「あれ? つかさ、これって昨日の宿題?」
 こなたのその発言に、つかさは直ぐにピンと来た。
「あ、それは……」
「殆どやってないじゃん。って私もだ、やっばー」
「宿題?」
「うん。実は……」
 つかさは黒井の時と同じ様な説明をした。
612 :狂った世界に別れを告げて[saga]:2009/06/04(木) 19:59:27.59 ID:4Roc8USO
「私もそろそろ、お姉ちゃんに頼ってばかりじゃダメかな、と思って、一人で頑張ってみようとして、何でコソコソとやってるのかっていうと、見てないところで私も出来るんだよって事を知ってもらいたかったから……」
 つかさは自分でもよくこんな嘘がほいほい出てくるなぁ、と驚いていた。しかし、まとまりがない。
「……本当にそれだけ?」
「うん」
「……はぁ、余計な心配して朝から疲れちゃったわ」
「ごめん」
「ま、良いわ。宿題、頑張んなさいよ?」
 かがみはつかさの頭を撫でると、教室から出ようとする。時はそろそろホームルームが始まる時間だった。
「待ってよかがみ〜。宿題、教えてー」
「自分でやれ。あ、そうだ」
 かがみは再びつかさの元へ戻って来ると、
「はい、お弁当。購買で買うとお金掛かるでしょ」
「わ、ありがとう。作って来てくれたんだ……」
「元々、今日は私の当番だったからね。じゃあ」
「うん」
 そしてかがみは教室から出て行った。
 つかさは思う。こんなにも心配してくれる姉が本当に私を殺すのか? 今日殺す相手にこんなに優しくする必要なんて無いのではないか? と。
(やっぱり、聞き間違いだったんだよ。お姉ちゃんが私を殺す理由なんて……)

“いつもベタベタベタベタ引っ付いてさ、高校生にもなって自立も出来ないなんてどんだけよ”

(あれは夢。夢なんだ。私が聞き間違ったから見てしまった夢なんだ)
(お姉ちゃんが私を殺す訳無いもん。そうだよ)
 その時、安心して気が抜けたのか、くぅ〜、と腹の虫が鳴った。
(あぅ、そーいえば朝ご飯食べてないんだった……お腹すいたな)
 チラッと机に置かれた弁当を見る。
(だめだめ、これはお昼に食べないと。せっかくお姉ちゃんが作ってくれたんだから)
 つかさの狂気は次第に薄れていった。今は早く弁当を食べたいという気持ちが頭の中を支配している。

 そして、時はお昼休みまで進む。
613 :狂った世界に別れを告げて[saga]:2009/06/04(木) 20:00:33.01 ID:4Roc8USO


「つかさぁー、ご飯食べよー」
「ごめん、私ちょっとトイレっ」
 前の授業前に行くのを忘れ、もう限界だった。つかさは全速力でトイレに向かう。

「はぁ、危なかった」
 無事トイレを済ませたつかさは、皆が待ってるであろう教室に向かった。
 昼休みということもあって、学校中は賑やかだ。それはつかさのクラスも例外では無い。
 そんな賑やかな所では誰が何を話してるのかなんて事は普通分からない。むしろ知る必要も無い。
 だからこれは本当に偶然の出来事だった。つかさが教室に入る手前、たまたま聞こえてしまったのだ。

「どんな殺し方するの?」

(え?)
 その声は、まるでイヤホンから聞こえる音の様に、はっきりとつかさの耳に聞こえた。昨日の出来事で『殺す』と言う言葉に敏感になっているだけかも知れないが。
 つかさは教室に入る足を引っ込め、廊下の教室側の壁に隠れる。
(今、誰かが殺すって言った?)
 その言葉で、つかさに消えたはずの狂気が蘇る。
(でも、あれは私の勘違いだったはず……)
(勘違いだった……)
 それでもつかさは不安と恐怖に負け、自らの勘違いを否定する行動に出た。
 つかさは壁越しに聞き耳をたてた。

「――、――どんな――?」
「――。殺すの――殺し方の――」
「――あんまグロいのは嫌ね」

(この声って……そんな)

「かがみって以――様だね」
「悪かったな――」

(こなちゃんと……お姉ちゃん……)
614 :狂った世界に別れを告げて[saga]:2009/06/04(木) 20:01:40.43 ID:4Roc8USO
 他の人の会話が混じって、所々聞き取れないが、その声は明らかに聞き覚えのあるこなたとかがみの物だった。
(何の……話……?)
 頭の中で知らない振りをするが、何の話かなんて事はもう分かっていた。
(私を殺す方法……)

「――めった刺し――く殺やらあるけ――」
「まぁ、――嫌いなら毒殺かな」

(毒殺……?)

「ふーん、ならそれにしよっかな」

(!?)
 つかさはある事に気付いた。

“はい、お弁当。購買で買うとお金掛かるでしょ”

(まさか……あのお弁当……)
 あの弁当に毒が入っているのではないか?
(だってあんなに心配してくれた……!)

「購買の食べ物じゃ死なないからね」
「優しくした方が油断するじゃない?」

 幻聴が聞こえてくる。
(そういう……事だったの?)
 あまりにも酷い現実に、つかさは涙せずにはいられなかった。
(そんな……そんなぁ……)
(逃げなきゃ……泣いてる場合じゃない)
 つかさは立ち上がり、鞄を取りに教室に入る。このまま逃げようにも無一文じゃ帰ることが出来ないからだ。
「あ、つかさ来たよ」
 鞄がある自分の机周辺には、当たり前だが、かがみが居る。つかさは今日ほどかがみが自分のクラスで食べてれば良いのにと思ったことは無い。
「じゃあ食べましょうか」
 食べ始める皆を無視してつかさは鞄を取る。
「つかさ?」
「ごめん。ちょっと具合が悪くて早退する……」
「え? 帰っちゃうの?」
「本当に? 大丈夫なの?」
(大丈夫? よく言うよ……)
 その心配が偽物であることが分かっているため、つかさに苛立ちが生まれる。
「……ねぇ、もしかしてやっぱり私が何かしたの?」
 その質問には答えたい。答えてスッキリしたい。でもここで答えてどうなる? こなたとかがみは共犯だ。はぐらかされるに決まってる。そうでなくても、こんな所で「私を殺そうとしてる」なんて言ったらどうだ? 周囲から変な目で見られるし、かがみとこなたには警戒されてしまう。そうなったらそうなったで確信を持てるが、そんな事、死に急ぐ様なものだ。だからつかさは、
「本当に具合が悪いだけだから……お姉ちゃん気にしすぎだよ」と答えるしかなかった。
 そしてつかさは学校から出た。
615 :狂った世界に別れを告げて[saga]:2009/06/04(木) 20:04:09.06 ID:4Roc8USO




「ありがとうございましたー」
 学校から出たつかさは空腹を満たすため、駅前のコンビニでお昼を買っていた。
(今、家に帰ると面倒だな……)
 時刻は十二時二十分。この時間帯では家に母親のみきが居る確率は高い。朝の事もあるし、こんなに早く帰ったら流石に問い詰められる。せめて買い物に出掛ける夕方までは帰らない方が良いだろうと、つかさは判断した。
 鷲宮まで戻り、つかさは時間潰しに近場の公園のベンチに腰掛け、軽く食事を済ませた。
「はぁ……」
 あれはもう、聞き間違いではない。だったらどうする? 警察に通報するのか?
(でも、さっきのは本当に私の事なのかどうか分からないし、それに……)
(やっぱりあれは聞き間違いの可能性も、あるし……)
 つかさの姉を信じる心はまだ僅かに残っているようだ。そして再びあの言葉を思い出す。

 “明日殺すわ”

(そうだ、私は今日殺される予定なんだから、今日何も無ければ大丈夫って事だよね?)
 あの会話の内容では、とてもそうとは限らないが、つかさは勝手にそう信じることにした。
616 :狂った世界に別れを告げて[saga]:2009/06/04(木) 20:04:51.91 ID:4Roc8USO
(あと半日、お姉ちゃんを避けよう。それで何もなかったら明日事情を説明しよう)
(それで、大丈夫だよね?)
 つかさはパンの袋を丸めてごみ箱へ投げる、が外れてしまった。
「はぁ……」
 それを拾い、ごみ箱へ捨てる。
「毒殺か……」
 もしかしたら最期の食べ物になったかもしれないパンの入ってた袋を、じっと見つめるつかさであった。

 そして、時は夕方まで進む。


「そろそろ買い物に行ってるかな?」
 家に帰って来たつかさは、慎重に玄関に近づく。
(お姉ちゃん達も居ないと良いんだけど……)
 玄関のドアに手をかけて施錠を確認する。果たして鍵は掛かっていた。
(良かった……)
 ほっと溜め息。ふと、視線が空に向かう。
(さっきまであんなに晴れてたのに……)
 空は曇っていた。先程までは快晴とまでは言わないが、夕方独特の色で占められていたのだ。
 急に光を失い、薄暗くなった外に不吉を感じたつかさは、早々に家に入ると自室へ駆け出した。


 着替えを終え、ベッドに横になる。一応、具合が悪いという理由で帰ってきたのだから、寝てないと後々面倒だからだ。
(……後少しで皆帰ってくるかな? とりあえずお姉ちゃんとは顔を合わせないようにしよう)
 と、そんな事を思っている矢先だった。
617 :狂った世界に別れを告げて[saga]:2009/06/04(木) 20:05:46.43 ID:4Roc8USO
「ただいまー」
「!?」
 かがみが帰って来たのだ。
(そんな、今日は確か委員会があったはずなのに?)
 階段を登ってくる足音が聞こえる。
(どうしよう、まさか本当に今日……)
 コンコン、とノックの音。かがみはつかさの部屋の前に居る。
「つかさ、居るんでしょ?」
 ここからじゃ逃げることは出来ない。つかさ咄嗟に、
「居ない」と答えた。
「……はぁ、入るわよ」
 ガチャっとドアを開ける音。つかさは壁側を向いていおり、顔を合わせないようにしている。
「具合はどう?」
「別に……」
「ねぇ、こっち向いてよ」
「……」
 つかさは再び考える。
 委員会を休んでまで私の事を考えてくれてる姉が本当に今から私を殺すのか?
 それとも、家に誰も居ない今の状況を知って、これぞチャンスと思っているのか?
 姉の心理を知らないつかさは、ただ考えるしかなかった。
「ほら、つかさ。駅前でケーキ買ってきたのよ」
「?」
 ケーキという言葉に反応して、つかさは思わず振り返ってしまった。
(だって駅前のケーキ……)
「一緒に食べよ?」
 かがみは既にケーキをテーブルに並べていた。
 用意周到だ。
 つかさはケーキという甘い誘惑に負け、ベッドを抜け出した。しかし、そこであることに気付いてしまった。
618 :狂った世界に別れを告げて[saga]:2009/06/04(木) 20:06:30.41 ID:4Roc8USO
(ケーキ……?)
 つかさは思い出す。ここ数時間の間、ずっと考えていた事を。

(毒……殺……)

 よく考えてみればおかしな事だった。
 具合が悪いと言って帰った相手に何故ケーキを勧めるのか。
 あの会話のタイミングで何故ケーキが出てくるのか。
 そもそも、かがみはつかさが早退したからといって、委員会を休んでまで早く帰ってきたりなんて事はしない。
(それはそれで嬉しいけど、今日に限ってだし……)
 それに親や他の姉妹が居るという事も、かがみには想像出来る筈だ。
 それが分かっていれば、優等生である、かがみが委員会を休んでまで早く帰って来るなんて、やはり考えられない。

 では何故、早く帰って来たのか。
 本当につかさが心配だったから?
 では何故、家に誰も居ないこのタイミングで?
 電話をして確認したのか?
(でも、私が帰って来てから家の電話は鳴ってない)
 携帯という可能性もあるが、一人一人にわざわざ掛けたら後で怪しまれないか?
 ならば最初からこの時間帯に皆が居ないことを知っていた?
 つかさは朝早くに家を出てしまったため、家族との会話をしていない。もしかしたら姉達が「今日は遅くなる」等の会話があったかも知れない。
 これは偶然か、はたまた必然か。
(多分、必然なんだろうな……。全て計算された事なんだろうな……)
(何で私が殺されなきゃいけないんだろう。今まで普通に接してくれてたのに、急にウザイから殺す、なんて……)
619 :狂った世界に別れを告げて[saga]:2009/06/04(木) 20:07:09.99 ID:4Roc8USO
「つかさ? ボーッとしてどうしたの?」
(何で? 何でなの? そんなに私はいらないの? 私はお姉ちゃん好きだよ?)
(それなのに、それなのにっ!)
 つかさにとって、姉、かがみの存在はとても大きな物で、つかさの持つ世界の半分を占めていると言っても良いぐらいだった。その姉に自らの存在を否定されてしまったら、世界が終わったも同じだった。
(もうどうでも良いや)
(私の世界は終わったんだ……)
(終わるときぐらい、自分で片付けよう……)
(いつまでもお姉ちゃんに頼るのは良くないもんね)
(お姉ちゃんもその方が良いよね? 私、自立するよ)
(……でも、私だけが終わるのはやだな)
(そうだ。お姉ちゃんも一緒が良い。お姉ちゃんも一緒に終わろう? 終わって違う世界に行こう?)
(そうだよ。それが良い。今度は私、ウザくならないように頑張るよ? だから……)

「一緒に終わろうよ」

「え?」
 かがみが喋る間もなく、テーブルがひっくり返された。テーブルに乗っていたケーキは当たり前の様に床に落ちる。
620 :狂った世界に別れを告げて[saga]:2009/06/04(木) 20:07:47.20 ID:4Roc8USO
「ちょっと――」
 今まで、穏便に事を進めようとしていたかがみも、流石に声を上げた。
 が、直ぐに息を飲むことになった。
「つか……さ?」
 つかさが勉強机の椅子を持ち上げていたのだ。そして、それをかがみに投げ付ける。
「ちょっ――」
 かがみはそれを、なんとか横に避けた。
 椅子は大きな音を起てて、床に転がる。
 かがみはその椅子を呆然と見た後、
「危ないじゃない! 何するのよ!」
「何で避けるの? お姉ちゃんも、こんな私が居る世界、嫌でしょ?」
「あんた、何言って――」
 つかさは椅子を拾う。
「ちょ、つかさどうしちゃったの? 冗談はやめて!」
「……冗談? お姉ちゃんはいつまで白を切るつもりなの?」
 つかさはゆっくりとかがみに歩み寄る。
「な、何の事よ」
「しらばっくれないでよ。私、知ってるんだよ? お姉ちゃんとこなちゃんが私を殺そうとしてる事」
「殺そうとって……!? あんたまさか!?」
 かがみのその反応に、つかさの姉を信じる鎖が、完全に断ち切られた。
「やっぱり。私は正しかったんだ……」
「あんた、昨日の会話――」
「そうだよ。聞いちゃったんだよ。お姉ちゃんが私の事、ウザイから殺すって会話!」
「とても苦しかった。胸が張り裂けそうだった。それでも私の勘違いかもと思って何も言わなかった」
 つかさはかがみに喋る隙を与えない。
「それが今日のお昼休み。今度は私を殺す方法を話してた。毒殺だって。そう、お姉ちゃんが朝にくれたお弁当には毒が入ってたんだ」
「私は恐くなった。だから逃げた。それなのにさ……」
「何で帰って来ていきなりケーキなの? 私は具合が悪くて早退したんだよ? もうそれで毒殺確定だよ!」
「もう嫌になった。だから終わらせようと思った。私がもっとしっかりしてればウザイなんて言われないと思った。だからこの世界を終わらせて新しい世界に行くんだよ? でも私一人はやっぱり嫌。お姉ちゃんも一緒に行こうよ!」
 つかさは椅子を振り回す。
「今度は上手くやるから!」
「つかさ! あんた勘違――」
「先に行ってて。私も直ぐに行くから」
621 :狂った世界に別れを告げて[saga]:2009/06/04(木) 20:08:43.00 ID:4Roc8USO

 私の言葉はもう、つかさに届かない。そう悟ったかがみは覚悟を決めた。
「つかさ……」
「うあぁぁぁっ」
 椅子を振り下ろすつかさ。

「愛してるわ」

 それは、嘘偽りなの無い、優しさに満ち溢れた笑顔だった。
「え?」
 その顔を見て、つかさは正気に戻った。が、振り下ろした椅子は速度を落とせない。
 ゴンッ。
 強い衝撃と共に、かがみは崩れ落ちた。
「お姉……ちゃん?」
 返事は無く、かがみの額からは赤い血が出て来て止まらない。
「嘘、嘘だよ……愛してるなんて嘘だよ……。私を混乱させるために言ったんだ。そ、そうに決まってるよ。どうせこのケーキには毒が入ってるんでしょ?」
 つかさはぎこちない足取りで、床に散乱しているケーキの元へ向かう。
「愛してる訳無い、愛してる訳無い……」
 ケーキを拾い上げ、一口食べる。
「あれ……? あれ……?」
 何も変化を感じず、もう一口、もう一口と食べる。しかし……。
(苦しくない……)
 つかさの胸の鼓動が速くなる。
(違う。これはお姉ちゃんの分なんだ。自分のに毒を入れるわけないよね……)
 もう一つのケーキを拾い、一口食べる。
622 :狂った世界に別れを告げて[saga]:2009/06/04(木) 20:09:16.89 ID:4Roc8USO
「甘い……苦しくならない……」
 膝を付き、じっと食べかけのケーキを見つめる。
「嘘だ……。私……私の……全部……」

 “勘違い”

「うわぁぁあぁぁっ!!」
「ちょっと、何の騒ぎ――」
「!?」
 現れたのは次女のまつり。いつの間にか帰って来ていたのだろう。
「え? ちょっと、何?」
 つかさはどうして良いのか分からず、まつりを払いのけ、そこから逃げてしまった。
 下に降りると、他の家族も帰って来た所だった。
「つかさ?」
 靴も履かず、外へ飛び出す。
「つかさっ! 何処へ――」
「きゃあぁぁぁぁっ!!」
 悲鳴が聞こえた頃には、つかさは既に目の届かない所まで走っていた。

「何何? えっ……」
「か、かがみ!? いやぁぁっ! かがみぃぃぃっ!」
「つかさは!?」
「まつり! 私はつかさを探してくるから、あんたは救急車を!」
「わ、分かった! 私も後で合流する!」
「かがみぃぃぃっ!」
623 :狂った世界に別れを告げて[saga]:2009/06/04(木) 20:09:46.79 ID:4Roc8USO




 雨が降りしきる。
 つかさは走る。ひたすら走る。どこに向かってるかは分からない。ただ走り続ける。
「はぁっ、はぁっ」
 息も絶え絶えになりつつも走る。走るしかなかった。もうあの場所には戻れない。最愛だった姉を殺してしまった。自分の勘違いで殺してしまった。何であんな事になったのだろう、何で話を聞こうとしなかったのだろうと、悔しさで涙が止まらなかった。
「うぐっ、ひぐ……っ」
 何キロ走ったのだろうか。気付けばそこは見慣れない景色があった。
 体力も限界になりフラフラと歩いていると目の前が突然明るくなった。つかさはその明かりを見ると、全てから解放されるような感覚に落ちた――。




「おーい、つかさぁー」
「あ、待ってよお姉ちゃん」


「そこは違うわよ。こう」
「あ、そっか。流石だね、お姉ちゃん」


「つかさ、ちょっと料理教えて欲しいんだけど……」
「え? 料理? うん、良いよ」


「お姉ちゃん、今日で私たち十八歳だね」
「そうね」
「これからも仲良くしてくれる?」
「そんなの言わなくても分かるでしょ?」
「えへへ、お姉ちゃん」
「何?」
「大好き」
「……私もよ。つかさ」

 私も、こんな風に――




 ドンッ!
 鈍い音が、辺りに響いた……。
624 :狂った世界に別れを告げて[saga]:2009/06/04(木) 20:10:19.11 ID:4Roc8USO




 ――数日後。
 埼玉県、糟日部のとある病院。その一室には、いくつかの医療機器を取り付けられて眠っているかがみの姿があった。
 かがみはあの後、病院に運ばれ、一命を取り留めた。しかし、頭への衝撃が強かったらしく、未だに目を覚ます気配はない。
「……っ!?」
 だが突然、かがみが目を覚ました。
(ここは……病院?)
 辺りを見回していると、カラカラっと扉が開く音がした。部屋に入って来た主は、こなただった。
「か、かがみ!?」
 こなたはかがみが目覚めたのに気付くと、速足でかがみに駆け寄った。
「良かった、良かったぁ……ずっと心配してたんだよ?」
「こなた……」
 かがみはまだ頭がボーッとしている。
「かがみまで居なくなったらと思うと、私……」
 こなたは泣きじゃくってる。そんなこなたの言葉に、かがみは違和感を覚えずにはいられなかった。
 そして、あの記憶が蘇る。
625 :狂った世界に別れを告げて[saga]:2009/06/04(木) 20:11:10.81 ID:4Roc8USO
「つかさは……」
「え?」
「つかさは、どこ!?」
 急なかがみの叫びに、こなたは、たじろいでしまう。
「あの子、勘違いしてるのよ! 教えないと……助けないと! きっと今も苦しんでるわ」
 詰め寄るかがみに、こなたは、しゅんと俯く。
「どうしたの? まさか警察に捕まって……? 何をやってるのよ姉さん達――」
「かがみ」
 一人、暴走しているかがみの言葉を、こなたは意を決して遮った。
「落ち着いて、聞いてね?」
「な、何よ……早く言いなさいよ」
 二人の声は震えている。胸の鼓動も尋常じゃない。
「つかさは……」


「死んじゃった」


 窓から流れていた風は止み、雑音も消え、しばしの沈黙が訪れた。
 こなたは俯いたまま、かがみの言葉を待っていた。すると、
「今、何て言った?」
 グイッと、こなたの胸倉を掴む。こなたは小さく悲鳴をあげた。
「つかさが死んだ? 何言ってんのよ。今、冗談言うときじゃないでしょ? ふざけないで!」
「じょ、冗談でこんな事、言わないよ……」
「あんたいい加減にしなさいよ! 何でつかさが死ななきゃならないのよ! 逆でしょ? 死ぬなら私じゃない!」
「嘘じゃないよ……本当――」
「ふざけるなっ!」
 かがみはこなたを押し飛ばす。椅子に座っていたこなたは、バランスを崩して転倒してしまう。
626 :狂った世界に別れを告げて[saga]:2009/06/04(木) 20:11:47.68 ID:4Roc8USO
「何の音――」
「うぅ……」
「はぁ……はぁ……」
 まつりが騒ぎに気付いたのか、様子を見に来た。
「こなたちゃ、え? かがみ?」
 かがみが目を覚ました事に喜ぶべきなのだが、状況が状況なので混乱してしまう。
 まつりが倒れたこなたに近付こうとすると、
「ちょうど良かったわ。まつり姉さん」
「え?」
「つかさはどこ?」
 まつりは、その問いを聞き、この状況を把握した。
「ごめんなさい。まつりさん……私、ごまかす事も出来たのに……」
「良いよ。遅かれ早かれ知る事になったんだし」
 なら今更、隠す必要もないだろうと、まつりはこう言った。
「こなたちゃんから聞いたでしょ? つかさは、死んだのよ」
 とても悔しそうに言うまつり。しかし、それを聞いたかがみは余計に苛立った。
「嘘よ。何で姉さんまで嘘つくのよ……」
「嘘じゃない、って何してるのよ!」
 かがみは医療機器を自ら取り外し、ベッドから降りる。
627 :狂った世界に別れを告げて[saga]:2009/06/04(木) 20:12:22.72 ID:4Roc8USO
「つかさを探しに行く」
「待ちなさい!」
 まつりはかがみの腕を掴み、制止させる。
「離してよ!」
「よく聞いて、つかさはあの日、かがみが倒れた日に! 死んだの……事故で!」
「嘘よっ!」
「辛いけど事実なの! つかさは、もう……っ」
「……もう、何?」
 まつりはポケットから何かを取り出す。
「これ」
 そう言って、白い布で包まれた親指位の大きさの物をかがみに差し出す。
 かがみは無言でそれを受け取ると、慎重に結び目を解いた。そして、出て来た物は小さな瓶だった。中は白い粉の様な物が、瓶の半分を埋め尽くしていた。
「これ、は?」
 かがみの頭の中に、ある一つの仮定が浮かぶ。しかし、それは認めてはならないと、必死に消そうとするが、その仮定は消えることはなく、むしろ増大していった。そして……。
「それは、つかさよ」
 その仮定が現実に変わった時、かがみは酷い絶望感に襲われた。
「これが、つかさ? 何を言って、」
「あんたが寝てる間に、お通夜もお葬式も終わったの。悲しいけど、これが現実なの」
「嘘だ、嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘嘘嘘嘘嘘……」
「だからそれは、せめてかがみが持ってて――」
「私のせいだ……私の、私が……あ、あぁぁ」
「かがみ?」

「あ゙ぁぁあぁぁぁぁぁあぁぁぁっ!」

 突然、何かが切れたかの様に、かがみは狂い出した。
「ちょ、かがみ!?」
「うわあぁぁぁっ! あ゙ぁあぁぁぁっ」
「こなたちゃん! ナースコール!」
「は、はい!」
「かがみ、落ち着いて! かがみ!」
「あぁぁっ! ぁ……………………」
 その後、かがみは倒れ、深い眠りについた。




 七月某日、埼玉の柊家で三女の柊かがみが、部屋にあったと思われる椅子で殴らる事件が発生。被害者は意識不明の重体に陥り、容疑者と思われる妹の柊つかさは逃亡。
 その後、数キロ離れた路上で車に跳ねられ死亡しているのが確認された。
 被害者の柊かがみは、搬送された病院で、一度だけ目を覚ますが、その後、再び意識不明となり、現在も治療を受けている。
 この事から容疑者つかさによる、暴行の動機は不明となり、事件は不可解な謎を残したまま、幕を閉じることになった。


 狂った世界に別れを告げて……。
628 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv[saga]:2009/06/04(木) 20:15:24.09 ID:4Roc8USO
以上です。レス内容が短かったり多かったりしてすみません。これでも終われますが、まだ続きます。
もうすぐ出来るので多分、明日か明後日のこの時間帯に投下出来ると思います。

いやぁ、それにしてもらき☆すたで疑心暗鬼は難いw
文章力も無いので上手く伝わったかどうか不安で仕方がないですw
みゆきさんが出てないけど、みゆきさんは前回主役だったから良いッスよね?

それでは読んでくれた方、ありがとうございました!!
629 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv[saga]:2009/06/04(木) 20:51:28.76 ID:X5J4Qjc0
>>603
77KB…
たいがい長いものを書きますがこれには負けました。
話もシリアスめでいい感じです。けっこうこういうの好きなので。
続き楽しみにしてます
630 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv[saga]:2009/06/04(木) 20:56:08.04 ID:NOsErYIo
>>628
おおー、前スレからずっと待ってましたよー……って、すげえ展開だなオイw
続きが気になってしょうがないんだぜ
しかし、みゆきさんを出さないだなんて、恐ろしい決断をしたもんだなw

みゆき「前回主役だったとか、それで私が納得するとでもお思いですか?」ニコッ
631 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv2009/06/04(木) 20:59:24.19 ID:/FiVcV20
>>628
乙!鬱もの結構好きな俺にとってはたまらんぜww
思わずいっきに読んでしまったww
続きもwktkで全裸待機してますGJ!
632 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv[saga]:2009/06/04(木) 21:18:35.23 ID:EZRhv6c0
鬱系ですか・・・
読むのは嫌いではないが・・・作れない・・

内容ですが、サブタイトルの疑心暗鬼がよく表現されていると思います。
結末は救われたいものですが・・・鬱系だけに・・ あまり考えたくないですね

GJ 続きがんばってください。




633 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv[saga]:2009/06/04(木) 21:29:35.96 ID:J7Rap7w0
>>628
これは久々にすごいのを読んだなあ。
後半どんななるんだろ。とりあえず乙。
634 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv2009/06/04(木) 23:16:06.58 ID:D4ueJ5.0
>>595
きっとあのお化け屋敷には本物の幽霊(かなたさん)が

>>628

どう続くか見もの
635 :10C2[saga]:2009/06/05(金) 00:01:33.82 ID:.CKccyA0
>>634
あ、そのアイデアいいですね。
…そうすればよかった…。
636 :私の理由[saga]:2009/06/05(金) 01:24:53.63 ID:HGs4DHM0
投下行きます。

特に長いというわけではありませんが、構成上二話に分けた一話目です。
途中に少しだけ鬱っぽいところがあります。

正直、需要がある話かどうか怪しいのですが…。

637 :私の理由[saga]:2009/06/05(金) 01:25:22.62 ID:HGs4DHM0
 窓の外が騒がしい。雨が降ってきたみたいだ。
 鬱陶しい。
 晴れてたからって外に出ることなんて無いけど、それでも雨は鬱陶しい。
 ふと、窓の外に人影が見えた気がした。
 でも、窓の外は家の庭だ。誰かがいたのだとしたら、それは不法侵入だ。
 私は思い切って窓を開けた。強盗だったりしたら危ないのだろうけど、今の私にはどうでもいいことだ。
 でもそこにいたのは強盗とかでなく、一人の女の子だった。
 私はその子を知っている。中学に入って一年の時同じクラスだったから。二年になった今も、確か同じクラスだったはず。
 彼女の名前は泉こなたさん。どう見ても小学生にしか見えない、とても小さな女の子。その体型から、クラスの中でも目立ってたから、よく覚えてる。
 泉さんは突然開いた窓に驚き、しばらく私を見つめた後、ポリポリと頭をかいた。
「いやー、ごめんね。急に降り出したから、とっさに塀越えて雨宿りに来ちゃったんだよ」
 図々しいにも程がある。
「…あれ?キミどっかで会わなかったっけ?」
 泉さんは私の事は知らないのだろう。登校拒否を繰り返してる人間のことなど、知らなくて当たり前だ。
「傘、あげますから出て行ってください」
 私は出来るだけ冷たくそう言って、玄関の方に向かった。
 傘を持って玄関から出ると、泉さんはまだ私の部屋の軒下で考え込んでいた。
 私は彼女に近づき、黙ったまま傘を差し出した。
「あ、思い出した。確かわたしと同じクラスだよね?家、ここだったんだ。結構わたしんちと近かったんだね。知らなかったよ」
 傘を受け取りながら、泉さんはそう言った。私の事を知っていたようだ。
「でも、最近学校で見ないよね?どうかしたの?」
 知らないのなら、聞かないで欲しい。話すのは嫌だし、聞かれるのは鬱陶しい。
「…帰ってください」
 私はそれだけ言い残して、玄関に向かった。
「傘、ありがとう。学校で返すね」
 背中の方から、泉さんがそう言ってるのが聞こえた。
 それは無理だ。学校なんて私は行かないから。
 彼女に対し何も答えず、私は玄関のドアを閉めた。


- 私の理由 -


638 :私の理由[saga]:2009/06/05(金) 01:26:06.45 ID:HGs4DHM0
 実際に自分が体験するまでは、いじめなんてのは漫画やドラマの中の世界だった。
 もっとも、私が受けていじめは漫画とかのように陰惨ではなかったし、私自身がそう言う性格だったからか無視することができた。
 相手も反応のない私がつまらないのか、いじめはすぐに止まった。
 その代わり無視されるようになった。いじめていた人以外からも無視されるようになった。元々根暗だった私を鬱陶しがってた人は多かったのだろう。
 しばらく経って、私は学校に行かなくなった。行ってもつまらない。たまに行けば、鬱陶しそうな視線を向けられる。それが私には、たまらく鬱陶しかった。
「やふー。元気?」
 ベッドに寝転びながら、色々なことを考えていると、窓の外から能天気な声がした。
 私が窓を開けると、そこにいたのは泉さんだった。
「…何か用?」
「いやー、インターホン鳴らしても誰も出なかったからさ。ついつい入ってきちゃたよ」
 そんなことは聞いてない。
「玄関、鍵閉まってるみたいだから開けてくれない?」
 図々しいにも程がある。
「嫌だっていったらどうします?」
「このまま窓から入る」
 ほとんど強盗だ。いや、クラスメイトな分強盗よりたちが悪いかもしれない。
 私は仕方なく玄関を開け、泉さんを部屋に入れた。


「…で、なんの用です?」
「お、PS2だ。いいなー。居間に家族共有のはあるけど、わたし専用のはないんだよね」
 話、聞け。
「…RPGばっかだね。格ゲーは無いのかな?…コントローラーも一つしかないし」
「あの、なんなんですか?」
 私の声に苛立ちが混じる。本当になんなんだろう、この人は。
「ん?ああ、ごめんごめん。今日学校に来てなかったからさ。どうしたんだろうって思って聞いてみたら、ずっと来てないって言われてさ」
 私が引き篭もりだって事も知らなかったんだ。
「あなたには関係ないことです」
 私が出来るだけ冷たくそう言うと、泉さんはポリポリと頬をかいた。
「何で敬語?クラスメイトなのに」
「…あなたには、関係ないことです」
 誰にでも敬語を使うのは私の癖だ。人とぶつからないための私の癖だ。
「まあいいか。とりあえず、病気じゃないんなら安心かな。今度格ゲー持ってくるから、対戦でもしよっか」
 わけがわからない。この人は一体なにがしたいのだろう。


639 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv[saga]:2009/06/05(金) 01:26:22.41 ID:nNFocyU0
>>602
うおおおぉ!!!それだ!そうするべきだったぁあああぁ!!!
あー・・・最近自分の中で、こなたはむしろ常識人というか、他の変態(そうじろうとかかがみんとかかがみんとかかがみんとか)の制裁役に回ってるからなぁ・・・

スク水という好シチュエーションを最大限に生かしきれなかったようだorz
むしろソッチの設定ということにしちゃって下せえ。変態分が足りないね?w

とゆーわけで、貴方には「変態紳士」の名をやろうw

>>628
すごく・・・某セミの名前の臭いがします・・・カナカナカナ・・・

「疑心暗鬼」がテーマなので、まぁつかさは勘違いをしていたとして・・・
「世界が終わったように見える状態」なのに続きがあるということで、こっからどう展開させるのか楽しみにしてますw
640 :私の理由[saga]:2009/06/05(金) 01:27:47.71 ID:HGs4DHM0
 翌日。泉さんはホントに、格ゲーとやらとコントローラーを持ってやってきた。
「さ、やろっか」
 もうこの人には何を言っても無駄なのだろう。
 飽きるまで適当に受け流すしかない。かつてのいじめの人たちみたいに。
「…私、こういうゲームはやったことありませんけど」
「あら、そうなんだ?じゃ、基本から教えよっか」
 しばらく私は、泉さんから格ゲーの事を色々と教えてもらった。

 それから一時間ほど私達は対戦を繰り返した。
 初心者の私に遠慮して手を抜いているのか、最初は随分あっさりと泉さんに勝つことが出来た。
 しばらくして、私が慣れてきたと判断したのか、泉さんは少しずつ本気を出してきていた。
 しかし、それでも私は負けることは無かった。
 泉さんの表情に焦りの色が出ているのがはっきりと分かった。
 そして、今回もまた私が勝利していた。
「嘘だー…」
 泉さんが画面を見つめながら固まってる。私が勝ったことが信じられないらしい。
「一時間でコレ?信じられないよ…最近はお父さんとだって互角に闘えるようになったってのに…」
 どうやら泉さんは、この手のゲームにかなりの自信があったみたいだ。
「…ふ、ふふふふ…どうやらわたしは、ダイヤの原石を掘り当ててしまったみたいだね…コレほどの隠れた実力者が、こんな身近にいるなんて…」
 なんか怖い。
「さあ、もう一度勝負!こんな面白い勝負は久しぶりだよ!」
 勘弁して欲しい。

 結局その後、私は一度も負けることは無かった。
「…出直してくる…」
 泉さんは、なんだか弱りきった感じで帰っていった。不謹慎な気もするけど、少し気持ちがいい。
 私の部屋には泉さんが置いていった格ゲーが残されている。もって帰るのを忘れたようだ。
 彼女はきっとまた来るだろう。ゲームはその時にでも返せばいい。
 それにしても…彼女はホントに私とゲームをしに来ただけだったのだろうか。


 それから、ほぼ毎日泉さんは私の家にやってきて格ゲーの対戦を挑んできた。
 よく懲りないなと思いつつも、私は律儀に泉さんの相手をしていた。
 いや、正直に言うと、私に負けてへこんでいる泉さんを見るのは少し楽しかった。
 学校で無い場所。自分の家ならば、私はここまで人と関われるのかと、少し驚いていた。
 それにしても、泉さんのやりたい事が分からない。こんなことをして何の得があるというのだろう。
「…くっそー…なんで勝てないんだろう…」
 なんだか、楽しそうではあるんだけど。
 ふと、私の頭の中にある考えが浮かんだ。泉さんの目的はアレなのではないだろうか。もしそうなら…それはとても鬱陶しいことだ。
641 :私の理由[saga]:2009/06/05(金) 01:29:36.64 ID:HGs4DHM0
「ねえ、学校には来ないの?」
 対戦の休憩中に、泉さんは唐突にそう言った。
 どうやら私の懸念は的中したようだ。
「…行きません」
 私はほとんど声にならないくらいに、ボソリと呟いた。我ながら鬱陶しい態度だ。
「どうして?」
 その質問が一番鬱陶しい。
「…行く理由がありません」
 そう、理由が無い。勉強は嫌いだし、大勢の人間がいるところも嫌い。わざわざそんな所に朝早くから行くなんて、鬱陶しいことこの上ない。
「そっかー…傘、返したかったんだけどな」
 何のことか一瞬分からなかったが、あの雨の日の傘のことだと思い出した。
「あれはあげたんです…それに、返してくれるならここに持って来てくれればいいのに…」
 私がそう言うと、泉さんはポリポリと頭をかいた。
「学校で返すって決めちゃったからね。だから学校に来て貰わないと、わたしが困る」
 自分勝手にも程がある。
「よし、じゃあ準備があるから今日は帰るね」
 泉さんは立ち上がると、部屋から出て行こうとした。
「…準備?」
 私が思わずそう聞くと、泉さんは実に楽しそうににやりと笑った。
「丈夫な縄。明日、キミを縛って引き摺って学校連れてくから」
 そう言って泉さんは部屋を出て行った。
 …冗談…だよね?


642 :私の理由[saga]:2009/06/05(金) 01:30:53.51 ID:HGs4DHM0
 翌日の朝。私は酷い圧迫感に目を覚ました。そして、身体を起こそうとしたが、何故か手足が動かない。
 よく見てみると、私の身体は縄で妙に複雑な方法で縛られていた。
「おや、起きた?おはよう」
 聞こえてきた声の方に顔を向けると、泉さんが椅子に座ってベッドに寝ている私を見ていた。
「…これは…一体…」
 訳の分からない状況の中、かろうじて私はそれだけを言えた。
「昨日言ったじゃん。縛って引き摺って学校連れてくって」
「ホントにする人なんていません!」
 思わず大声を上げてしまう。泉さんは、何故かニヤニヤと笑ってこっちに向かって右手の親指を立てて見せた。
「な、なんですか…?」
「初突っ込みゲット」
 本気でもう意味が分からない。私は、とんでもない人に関わってしまったようだ。
「…わかりました…学校には行きますから、とりあえず縄を解いてください…」
 このままだと、本当に縛られたまま学校まで連れて行かれかねない。そう判断した私は、今日一日だけでも泉さんに付き合うことにした。
「おお、ようやくその気になった。良かった良かった」
「…こっちは全然良くありませんけど」
 私の縄を解く泉さんに出来るだけ冷たくそう言ったが、彼女はまったく気にも留めていないようだった。
 ベッドから降り、制服をしまってあるクローゼットに向かう。随分と長い間出していないから、虫に食われていないかが心配だ。
 出してきた制服をベッドの上に置き、パジャマのボタンに手をかけたところで、泉さんがまだ部屋にいたことに気がついた。
「あの、着替えるから出てくれませんか?」
 私がそう言うと、泉さんは露骨に嫌そうな顔をした。
「目を離したら逃げそうじゃん。それに…」
 泉さんがニヤリと笑う。
「女子中学生の生着替えなんて滅多に見れないし」
 貴女も確か女子中学生だったはず。
「いいから、出て行ってください」
 私は泉さんの体を押して、無理矢理部屋から追い出そうとした。
「少しくらい見せてくれてもいいじゃん、けちー」
「そのオヤジくさい視線を何とかしてくれたら、少し考えます」
 泉さんを廊下に押し出し、念のために鍵をかけると、私は改めて着替えを始めた。
 そして、自分の中の違和感に気付く。
 少しだけ…ほんの少しだけ、泉さんと学校に行くという行為が楽しみだと感じていた。


 学校までの道を二人並んで歩く。私から話しかけることなんてないし、泉さんも取り立てて話すことを考えてなかったのか、二人とも無言で歩いていた。
 よく考えてみたら、こうやって誰かと並んで登校するのは私は初めてじゃないだろうか。

 結局私達は一言も話すことも無く、学校に着いた。


643 :私の理由[saga]:2009/06/05(金) 01:31:33.20 ID:HGs4DHM0
「ほい、これ傘」
 泉さんは下駄箱の近くにある傘立てから私の傘を引き抜いて、こちらに持って来た。
 私は無言でそれを受け取った。
「…今から教室に行くのに、傘持って行ったら邪魔じゃないですか」
「あら、ばれた?」
 私は傘を傘立てに戻しながら、泉さんに向かってわざとらしくため息を吐いた。
「そう怒らないでよ。ちょっとしたお茶目だよ」
「怒ってません。呆れているんです」
 悪びれもせず言う泉さんに、私はもう一度ため息を吐いて見せた。この人は、こういう変なアクションを挟まないと人と話すことが出来ないのだろうか。


 私達が教室に入ると、それまで騒がしかったのが一瞬で静まり返り、ヒソヒソとささやき合う声があちこちから聞こえ始めた。
 酷く鬱陶しくはあるけど、我慢できないほどじゃない。
 教室の半ばまで来たところで、私は自分の席がどこにあるのか分からないことに気がついた。
「席、ここじゃないかな」
 そんな私の袖を引っ張り、泉さんが一つの席を指差した。
「一つだけ席空いてて、不思議におもってたんだよねー」
 泉さんはのんきにそう言いながら、机の中を勝手に覗く。つくづく図々しい人だ。
「見事に空っぽだねー。教科書とか持って来たの?」
 そう聞いて来た泉さんに、私は空っぽの鞄を開けて見せた。
「あら…それ、授業どうするの?」
「私は、傘を返して貰いに来ただけですから」
 泉さんにそう言って、私は席に着いた。
 泉さんは少し困ったような顔をして、自分の席へと向かった。

 一時間目が終わった後の休み時間。予想通り泉さんが私の席へとやってきた。
 余計なことは言わさないようにしよう、そう思って泉さんの方に顔を向けた私は、彼女の後ろにもう一人女子生徒がいることに気がついた。
 その顔を見た私は、一体どんな表情をしていただろうか。
 彼女の顔は忘れようにも忘れられない、私をいじめていたグループの中心人物だった人だ。
 こいつも同じクラスだったんだ。
「…あの」
 鬱陶しい。声を聞くだけでも不快になる。
「…えっと」
 何を言いたいのか知らないけど、はっきり言って欲しい。きっとその内容はろくでもないものだろうけど。
 そこで私は一つだけ疑問に思った。どうして彼女は泉さんと一緒に私の席に来たんだろう?
 答えはすぐに出た。同じなんだ、泉さんも。目の前で何か言いたげにしている彼女と同じなんだ。
 手の込んだことをして、私を学校に来させた理由はこれか。欲しかったんだ、私みたいなのが。
 私は席を立って、足早に教室の出口に向かった。後ろの方で誰かが何か言っていたが、無視してドアを開けた。

 靴箱まで来た私は、傍にある傘立てから自分の傘を乱暴に引き抜き抜いた。この学校に来る理由など無くしてしまいたかったからだ。
 ほとんど走るような速さで校門を抜ける。その時、頭に冷たいものが落ちてきたのを感じた。見上げると、曇った空からポツリポツリと雨が落ちてきている。
 私は何故か傘をさす気にならず、そのまま家に向かって走った。

 家に着くころには、雨は本降りになっていた。


644 :私の理由[saga]:2009/06/05(金) 01:32:29.54 ID:HGs4DHM0
 鬱陶しい雨が降る。相当ひどく降っているらしく、雨音がうるさい。
 コツコツと控えめなノックの音がした。多分母だろう。私は会う気にはなれずに、無視することにした。
 もう一度ノックの音か聞こえた。どうにもおかしい。音が聞こえるのは、ドアの方からじゃない気がする。
 私は窓の方を見た。ノックの音はそちらから聞こえてくる気がする。
 嫌な予感がした私は、窓に近づいた。外は雨のせいでひどく暗い。私は窓を開けた。
「…おー、やっと開いた。早く気付いてよ」
 そこに、泉さんがいた。雨の中を歩いてきたらしく、全身がずぶ濡れだ。
「いやほら、鞄忘れていったじゃない。もっていてあげようと思ってさ」
 私が何か言うより早く、泉さんはしっかりとビニール袋で包んである私の鞄を差し出してきた。
「ちゃんと包めてると思うけど、濡れてたらゴメンね」
 そう言って、私の手に鞄を押し付けてくる。私がそれを受け取ると、泉さんは少し満足気に頷いた。
「それにしても、急に帰っちゃったから驚いたよ。折角お昼一緒に食べようと思ってたのに」
 鬱陶しい。どうしてそう飄々としてられの。
「…楽しいですか?」
「…へ?」
「楽しいのかって聞いてるの!」
 雨音に負けない私の怒鳴り声に、泉さんの動きが止まる。
「どうして私なのよ!私みたいなのが欲しかったら、学校で代わり探せばいいじゃない!あんな手間かけて、そんなに私が嫌いなの!?嫌いなら関わらなければいいじゃない!こっちは引き篭もってるんだから!それをわざわざ引きずり出してまで、あんた達は一体何がしたいってのよ!」
 敬語を使うのも忘れて、私は怒鳴り散らした。
「…話だけでも…聞いてくれないかな?」
 泉さんは少し怯えたような表情で、そう言った。
「絶対に嫌!もう私に関わらないで!」
 そう言い放ち、思い切り窓を閉める。
 だが、窓の閉まる音はしなかった。私の目の前には泉さんの手。窓は泉さんの右腕を思い切り挟んでいた。
「…お願いだから…話聞いてよ」
 苦痛に顔を歪ませながら、泉さんはそう言った。
 私には、彼女の考えていることが何一つ分からなかった。


645 :私の理由[saga]:2009/06/05(金) 01:35:21.14 ID:HGs4DHM0
 私は、とりあえず窓から泉さんを部屋の中に入れた。床にタオルを引き、そこに座ってもらう。
 相当強く挟んだらしく、泉さんは顔をしかめながら右腕を気にしていた。
「騙した風になっちゃったのは、ごめん…ホントは最初から知ってたんだ。キミが引き篭もってたのも、その理由も」
 唐突に泉さんがそう言った。
「でも、コレだけは信じて欲しいんだ…わたしはキミと友達になりたかったんだよ」
 信用できない。私をいじめていた人間と一緒にいて、そんな事信じられるわけが無い。
「じゃあ、どうしてあいつと一緒にいたの?」
「…頼まれたんだよ…『あの子に謝りたい』って…だから、雨が降ってきたの利用してキミに傘借りて、学校に来る理由を作ったんだ」
 回りくどいことをする。
「だからさ、もう一度学校に来てよ。あの子の話もちゃんと聞いてあげてよ…学校に行きたくない理由が消えれば、来れるはずだよね?」
「どうして…そんな事を」
 本当に訳が分からない。泉さんがそこまでする理由が分からない。
「さっきいったじゃん。キミと友達になりたいんだよ…付け加えるなら、キミと学校に行きたい。出来れば一緒に卒業したい」
 友達になるならこの家でもいいのに、なぜか泉さんは私が学校に行くことにこだわる。そのこだわりが無ければ、今日みたいなことは無かったのに。
「…泉さんは、学校が好きなの?」
 だから私は、泉さんにそう聞いた。
「好きだよ」
 何の迷いも無く、泉さんはそう答えた。
「あ、でも授業と宿題とテストは嫌い」
 それらを除いて、一体学校に何しに行くのか。
「…人がね、好きなんだ。学校は色んな人がいるから好きなんだよ」
 泉さんはそう言って、私の手を握った。
「特に、キミみたいな変わった人が好き」
 そう言って、泉さんはニコリと笑った。不思議な事に、さっきまでの嫌悪感が消えていた。
「…どうして、私なの?」
「言ったじゃん。キミみたいなのが好きなんだよ」
 私は、彼女には理由が無いような気がしてきた。
 私と友達になりたいから、友達になる。ただそれだけの事のように思える。
 そして、ただそれだけのことのために、彼女はここまでやったんだ。
「…明日、学校にいくよ」
 だから、私は少しだけそれの答えようと思った。
「学校行って、あの子と話して、泉さんが嘘ついてないか確かめるよ」
 理由は、多分ない。強いて言うなら、泉さんと一緒だろう。
「…嘘ついてたら、本気で怒るよ?」
 ただ、友達になりたい。私もそう思ってたから、泉さんと一緒に学校に行ったはずなのに。
「…うおお、アレで本気じゃなかったんだー」
 泉さんが大袈裟に身を竦める。そして立ち上がり、窓の方に向かった。
「じゃ、明日は校門で待ってるよ。迎えに来なくて大丈夫だよね?」
 そう言って窓を開ける。雨は何時の間にか止んでいた。
「…手、ごめんなさい」
 泉さんの背中に、私はそう謝った。
「キミと友達になれるなら、コレくらい安いもんだよ」
 振り返りもせずにそう言うと、泉さんは窓から出て行った。


 翌日。学校の校門前に私が着くと、そこには左右にうろうろしている泉さんがいた。
 私が本当に来るのか不安だったのだろうが、はっきり言って他の生徒の通行の邪魔だ。
 私は泉さんの迷惑行為をやめさせるためにも、少しだけ足早に泉さんの方へと向かった。


- つづく -
646 :私の理由[saga]:2009/06/05(金) 01:37:16.96 ID:HGs4DHM0
以上です。

言うまでもないとは思いますが、こなたの中学時代の話です。

しかし、出てくるらきすたキャラがこなただけってのは、自分でもどうかと思った…。
647 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv[saga]:2009/06/05(金) 01:50:18.83 ID:nNFocyU0
>>646
投稿してるのに遮ってレスしてもーた・・・すまんorz
最初、オリキャラが敬語だから一瞬ピンクの眼鏡な人かと思ったじゃまいか・・・格ゲー教えたらすぐ上手くなったりする万能っぷりとかw

確かに出てくるのこなただけだが、ストーリーは普通に上手いと思う。ってゆーかここで続かれると身体がむずむずするwいいとこなのにwww
まぁそんなこんなでGJでした。
648 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv2009/06/05(金) 07:53:20.71 ID:ZwnB62SO
>>646
最初は>>647氏みたいにみゆきさんだと思ったぜww
さて話ががどうなるかがたのしみだ〜
649 :旧サーバーにロールバックしましたFrom vs302.vip2ch.com sv2009/06/05(金) 14:09:48.86 ID:7St..cw0
>>646
原作1巻30Pに出てくるこなたの友人かな
将来の夢は魔法使い
650 :6282009/06/05(金) 20:01:16.65 ID:a24COgSO
たくさんの感想ありがとうございます。・゚・(ノд`)・゚・。

続き、今日投下しようと頑張ってましたが私事が入ってしまってまだ無理みたいですorz
すみません!明日には必ず投下します!絶対です!
楽しみにしていた方、本当に申し訳ない。もう少しだけ待ってください!
でわ
651 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/06/05(金) 21:10:27.74 ID:BvMu5CQo
>>639
うわーい。素敵な称号もらっちゃったー。って、いらねぇーww
あんなすばらしい絵を描いた、あなたこそ「変態紳士」だヨ☆

>>646
ううむ。おもしろい
またしても、続きが気になる作品が投下されましたな。GJ!
652 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/06/06(土) 02:14:41.82 ID:4v22gz.o
みさお「なー、ちびっ子」
こなた「ん、何?」
みさお「口内炎ってなったことあるか?」
こなた「そりゃ誰だってあるでしょー」
みさお「食べ物噛んでるとさ、たまにやっちゃうよなー。ガブリ!って」
こなた「あるねー、それが原因で悪化して痛いのなんの」
みさお「そーそー! 私できやすい体質ぽくてさ、歯もちゃんと磨いてるし栄養だって摂ってるのになんでか悩まされんだよー」
こなた「そりゃ大変だねぇ」

こなた「……もしかして絶賛口内炎中?」
みさお「かなり久々なんだけどなー……」
653 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/06/06(土) 12:46:00.61 ID:C5Rbcvo0
>>652
そういやみさおが口内炎キャラだってこと忘れかけてたw
654 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/06/06(土) 17:00:54.87 ID:z/0TaHA0
なんという俺wwwwその気持ちはよく分かるwwww
655 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/06/06(土) 19:20:13.20 ID:8pfTdYSO
こなた「暇だねー」
かがみ「そうねー」
こなた「しりとりでもしよっかー?」
かがみ「いいわよー」
こなた「んじゃーわたしからー…レモン」
かがみ「…暇つぶしすらやる気しないのねー」
656 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/06/06(土) 20:24:11.71 ID:YLxe6ASO
遅くなりました。
狂った世界の続き投下します。
続き、一応続き物です
前回は鬱真っ盛りでしたが、今回は少し優しい……と思います
657 :狂った世界に救いに手を[saga]:2009/06/06(土) 20:26:31.99 ID:YLxe6ASO
「あー、またかぁ……」
 画面に映る『BAD END』の文字。さっきからずっとこの文字ばかり見てるわ。
 宿題を終え、ちょっとした息抜きにやり始めたこのゲーム。先日、こなたから借りた物で、タイトルは『運命の選択〜デステニーヒーロー』と言う、聞いたこともない物だ。その名の通り、このゲームは、選択肢を選んでストーリーを進めていくRPGなのだが、その選択肢の数が尋常じゃないのだ。一つのイベントにある選択肢、その数10以上。
 どれが正しいのかなんて、最低5回はやらないと分かったもんじゃないわ。それでも私は、暇な時間にこつこつとゲームを進めて行き、今は最終面っぽい所まで来た。
 その最終面が、ちょっとね……。
 私はポチポチとマウスをクリックして、さっきダメだった選択肢まで進めていく。
「ふぅ……」
 さて、さっきはあれがダメだったから、今度は……よし、これね。
 ハッピーエンドを期待しながらマウスをクリックする。ふぅん、この選択だとヒロインがこうなって……。

 そして、画面に映る文字は『BAD END』。とまぁ、さっきからこんな調子で、ちっともクリア出来ないのよね。
658 :狂った世界に救いに手を[saga]:2009/06/06(土) 20:27:18.28 ID:YLxe6ASO
「あー、もう……」
 仕方なく私は最後の手段を取ることにした。悔しいけど、あいつに聞くしかない。
 私は一旦ゲームを止め、携帯を開く。電話帳からあいつの番号を引っ張り出し、通話を押す。
 ……中々出ないわね。家電にかけ直そうかなー、なんて思ってると、ようやく繋がった。
 相変わらず携帯は手元に置いてない訳ね。
『11月26日? 5枚? 何のことです?』
「へ? あの……」
 うっそ、まさか番号間違えた? やだ、どうしよう。
「すみません、間違えちゃったみたいで――」
『いや、かがみん。私だよー』
 してやられた。
 あぁ、こいつのニヤニヤした面が容易に思い浮かべられるわ。
『で? どったのー?』
 呆気にとられ、何も言い返せない私は、用件は何なのかと急かされる。
 ったく、出鼻を挫いたのはアンタでしょうが!
「あのゲームの事なんだけどさ、あれ、どうやったら先に進めるのよ」
『あのゲーム? あー、選択肢があるでしょ? それのどれかを選択すれば、』
「その選択肢が多すぎて困ってるのよ。ざっと数えてみたけど選択肢50って何よ」
『ははは、それがそのゲームの面白さだよかがみん』
「確かに色々見れるのは面白いけどな、さっきからバッドエンドしか見れないのよ」
『ということは、もう終盤かー。早いね』
「早くはないと思うが……」
『で、そろそろハッピーエンドが見たい、と?』
「そ、だからアンタに電話したのよ。そーいう訳だから答え教えてよ」
『んー、しょうがないなぁ、じゃあヒントね』
 ヒントか、まぁ、こいつ並に楽しませようとしてるんだろう。だけど私はさっさとクリアしたい訳で……。
659 :狂った世界に救いに手を[saga]:2009/06/06(土) 20:28:11.30 ID:YLxe6ASO
『そのゲームでウザい奴が鍵だよ』
 それを聞いたとき、私の小さな悩みは一瞬で消えた。
 こなた、それヒントになってないわ。
「ウザい……っていうと妹ね」
『あ、やっぱ分かっちゃったか。そ。その妹を殺すってのがハッピーエンドの道だよ』
 で、結局、答え教えてるし。つーか殺すのかよ。
「妹を殺せば良いの? まぁ確かにウザいけど」
『かがみはそやつにヤられた事を忘れたのかっ? あれは妹キャラとして過去最低レベルの位置だよ。制作者は妹に何か恨みでもあったのかーってくらい酷い顔だし』
「確かにね。いつも自分勝手で、都合の良いときだけ頼って来て、何でも泣けば良いみたいに思ってるし、おまけに人の恋路も邪魔してくる始末」
『はは、結構色んなルート行ったんだね』
「まぁ、ね。でも殺しちゃうのはちょっと気が引けるな……」
 脳裏につかさが浮かぶ。この妹とつかさは全然似ても似つかない存在だけど……。
『あー、かがみはリアルに妹が居るからね。このシスコンめ』
「誰がシスコンだ」
『でもこれはゲームだよ? ハッピーエンドが見たかったらサクッとヤッちまいなっ』
 まぁ、こなたの言う通りね。現実とゲームの区別も出来ない歳でもないし。
「……はぁ、分かったわ。でも今日はもう遅いし、明日殺すわ」
『おー、怖。なんだかんだでそのキャラに殺意が芽生えてるかがみ怖っ』
「うるさいわね。アンタも殺されたいの?」
『ひぇー! かがみに殺されちゃうっ』
「「あっははははは」」
 と、ここで何か違和感を覚えた。勘違いかな? 前にもこんな話をしたような気が……。
「ねぇ、ちょっと変な事聞くけどさ」
『変な事?』
「うん。前にも同じような会話した気がするんだけどさ」
『うーん、してないと思うよ』
「そうよねぇ……」
 私は何を言ってるんだろう。このゲームは今回、初めて借りた物なのに……。
 って、もうこんな時間か。長引くのは流石に悪いわね。
660 :狂った世界に救いの手を[saga]:2009/06/06(土) 20:29:46.25 ID:YLxe6ASO
「じゃあね、ちょっと長くなっちゃってごめんね。また明日」
『うん明日〜。じゃ、おやすみ〜。永遠にね』
「おいおい。ふふ、お休み〜」
 通話が終わる。
 デジャヴってやつかしら? でも、確かに以前にも同じような話をした気がするんだけどな〜。
 ま、考えても仕方ないか。明日も学校だし、もう寝よ。



「やめて、お姉ちゃんやめて」
「痛い、痛いよ……」
「どうして……」



 目が覚める。嫌な夢だ。昨日、あんな会話したからかな……。ゲームのやりすぎね、早くクリアしちゃおう。
 だけど、何でつかさだったの? ホント、最悪の夢だわ。
 あー、しかも目覚まし鳴る前に起きちゃったし……たかが数分とは言え、朝は貴重なのに。今日は朝からツイてないな。
 すっかり頭が冴えて来た私は、朝の仕度をするために洗面所へ向かった。途中でお母さんに会ったので「おはよう」と挨拶をする。すると、お母さんは何やら面持ちな顔で、挨拶を仕返して来た。
「何かあったの?」と私。
「ねぇ、かがみ。つかさと何かあった?」
「え? つかさと?」
 返って来た答えは、全く予想しないものだった。
 つかさと何か? 全然、身に覚えがないんだけど。
「別に何もないけど……つかさ、何かあったの?」
「実はね――」

 そこで聞いた内容は驚くべき事だった。
661 :狂った世界に救いの手を[saga]:2009/06/06(土) 20:30:53.78 ID:YLxe6ASO
 珍しく、朝早くに起きたと思ったら、ご飯も食べないで、ここから逃げるように学校へ行ったというのだ。
 そして、どうやらそれは私絡みの事柄らしい。

「――という訳なのよ。かがみ、ホントに心当たりない?」
「そう言われても……」
 私がつかさに何かしたなんて事は、マジで心当たりなんて無いし、昨日だってつかさは普通だったし……。
 うーん、私が知らない間に傷付けちゃったのかなぁ?
「とにかく、つかさに直接会ってみないと分からないし、学校でなんとかする」
「そう、お願いね。もしかしたら私の勘違いかも知れないけど」
 そういうことで、朝のちょっとした騒ぎは一先ず終了した。
 そうこうしている内に、姉さん達も起きて来たみたい。部屋から出てくる姉さん達を尻目に、私は足早に洗面所へ向かう。
 朝のあそこは混むからね。

 そして、朝ご飯も食べ終わり、仕度を終え、つかさが何かある、という懸案事項を抱えて私は家を出た。
 そういえば、今日は皆、遅くなるって言ってたな。って、私も委員会があったんだった。


「かがみー」
 学校まで後少しという所で、こなたに会った。
「おはよう、こなた」
「おはよ。つかさは?」
 まぁ、そう来るわよね。
 うーん、こいつなら何か知ってるかも知れないし、話しても良いか。
「ねぇ、こなた」
「んにゃ?」
「私って、つかさに何かしたかな?」
 私がそう言うと、こなたは、いつものニヤニヤ顔になった。何故そこでその顔になる。
「さては、ケンカしたね〜?」
「いや、まだケンカと決まった訳じゃ、」
「良いねぇ、姉妹のケンカ……萌えるっ」
 また訳の分からない事を。
662 :狂った世界に救いの手を[saga]:2009/06/06(土) 20:31:41.49 ID:YLxe6ASO
「茶化さないで。真面目に聞いてるんだから」
「んー、私が見てる限りじゃ、二人とも何も無いように見えるけど?」
「やっぱそうよねぇ……」
 私がそう不安げに嘆いていると、こなたは笑顔でこう言った。
「大丈夫だよ。普段あれだけ仲良いんだからさ。ちょっとしたイザコザなんて直ぐに解決するよ〜」
「そうだと良いんだけどね」
 でも、こいつの言うことも一理あるかな。今までだって、ケンカがそんなに長引いた試しが無いし、ましてや、今回の件は本当に私が絡んでいるかも、あやふやなのよね。
 こなたに話して良かった。少し気が楽になったわ。
 よし、うじうじ考えるのは止めだ。つかさに直接聞いてみよう。

 それから学校までは、こなたと他愛のない会話をしながら向かった。
 ったく、こいつは話のネタが尽きないわね。ほとんどオタク染みた内容だが、と私は苦笑する。
 そして、気付けばもう教室の前だった。


 教室に入ると、直ぐにつかさを確認できた。つかさは机に向かって座っており、どこと無く、話しかけづらそうな雰囲気を漂わせていた。しかし、こなたはそんなの関係ないようで、普通に挨拶をしていた。
「おはよー、こなちゃん」
 つかさがこなたに振り向いた際は笑顔だった。
 ふむ、見た目はいつも通りね。しかし、
「つかさ」と私が声を掛けると、その笑顔は一瞬で消えてしまった。
 な、何よこの温度差は……。これじゃあ本当に私が何かしたって事じゃない。
 私は恐る恐る聞いてみることにした。
663 :狂った世界に救いの手を[saga]:2009/06/06(土) 20:32:29.26 ID:YLxe6ASO
「ねぇ、つかさ……私、何かした?」
 私がそう言うと、つかさは「え?」と生返事をした。
 明らかに動揺してるわね。うーん、何て言ったら良いのかしら。
「べ、別に……」
 何よ、聞こえてるじゃない。てか、別にって……。
「嘘よ。お母さんに聞いたわ。つかさの様子が変だって」
「普通だ、よ」
「じゃあ、なんでそんなにぎこちないのよ」
「そんなことないよ」
 ……あぁ〜、つかさの態度に思わず攻撃的になっちゃったわ。どうしよう、そんなつもりじゃなかったのに、気まずくなっちゃったわ……。
「あれ? つかさ、これって昨日の宿題?」
 と、すっかり存在を忘れていたこなたが言った。
 こなたなりに、場を和らげようとして言ったのだとしても、少し空気を読んでほしいと、私は思った。
「あ、それは……」
「殆どやってないじゃん。って私もだ、やっばー」
「宿題?」
 私がそう聞くと、つかさは「うん。実は……」と、何やら説明し始めた。

 つかさの説明によると、昨日出された宿題のプリントを教室に忘れたらしく、早く学校へ行ってやれば、なんとか間に合うかもしれない、との事。
 筋は通っているわね。しかし……。
「私もそろそろ、お姉ちゃんに頼ってばかりじゃダメかな、と思って、一人で頑張ってみようとして、何でコソコソとやってるのかっていうと、見てないところで私も出来るんだよって事を知ってもらいたかったから……」
 この慌て振り……咄嗟に思い付いた嘘にしか聞こえないが。
664 :狂った世界に救いの手を[saga]:2009/06/06(土) 20:33:43.44 ID:YLxe6ASO
「……本当にそれだけ?」
「うん」
 これ以上の詮索は今は止めておこう。もうすぐホームルームも始まることだし。ここは、
「……はぁ、余計な心配して朝から疲れちゃったわ」と、濁しておこう。
「ごめん」
「ま、良いわ。宿題、頑張んなさいよ?」
 私はつかさの頭を、そっと撫でて、教室を出ようとする。
「待ってよかがみ〜。宿題、教えてー」
 すると、案の定こなたがお決まりの台詞を吐きなら私の後をつけてきた。
「自分でやれ。あ、そうだ」
 私は鞄からお弁当を取り出す。
「かがみ、早弁にしては早過ぎ、」
「ちげぇよっ」
 からかうこなたを軽くあしらって、私はつかさの元へ踵を返す。
「はい、お弁当。購買で買うとお金掛かるでしょ」
 私がそう言って渡すと、つかさは心底驚いた感じで、
「わ、ありがとう。作って来てくれたんだ……」と、若干、嬉しさ混じりの返答をした。
「元々、今日は私の当番だったからね。じゃあ」
「うん」
 そして私は、今度こそ教室を後にした。
 それにしても……私がお弁当、作って来ないと思ったのかしら? まぁ、喜んでたから良いんだけど……なんかすっきりしないわね。
 とりあえず、これ以上は、つかさから何か言ってくれるまで手は出さない方が良いのかな? 何か言いづらそうだったしね。

 とは思ったものの、その後の授業は、つかさの事ばかり考えていて、内容が全くと言っていい程、頭に入らなかった。
 イカンな……、もうすぐ期末だというのに。こなたの言う通り、私ってシスコンなのかも。

 そんなこんなで、お昼休み。つかさの様子が気になってしょうがない私は、授業が終わると同時に、つかさが居るであろう教室に向かった。
 ……別に走ったとかじゃないからね。
665 :狂った世界に救いの手を[saga]:2009/06/06(土) 20:34:47.04 ID:YLxe6ASO


「おーっす」
「やぁ、かがみん」
 こなた達はいつも通り、机をくっつけて待機していた。ん? 待機?
「あれ? つかさは?」
「トイレだよ。我慢してたみたい。萌えるね〜」
「変態め」
 トイレということは直ぐに戻って来るわね。なら、今の内につかさの様子はどうだったか聞いておくか。
「あ、そだ、かがみ」
 先手を取られた。まぁ、いっか。聞くよりも直接見た方が良いし。
「何?」
「どんな殺し方するの?」
 しばしの沈黙。何を言ってるんだこいつは。
「え? 何よ急に」
「ほら、例のアレ」
 殺し? 例の? って事は、あのゲームの事か。
「……あぁ、アレね。どんな、って?」
「あ、言ってなかったね。『殺す』の後の選択肢に殺し方の選択肢もあるんだよ」
 どうやら、私はとんでもないゲームをやらされていたらしい。
「マジか……あんまグロいのは嫌ね」
 例えゲームでも、そーゆーのはあんまり見たくないし……何て思ってると、
「かがみって、意外とお子様だね」と言われてしまった。
 こ、こいつにだけは言われたくない台詞を……! なので私も反論し、
「悪かったな。てかそれが“普通”だろ」と、少し見下して言ってやった。
「はいはい、どーせ私は普通じゃないですよ〜」
「で? どんなのがあるのよ」
 話が脱線しそうなので、戻してやる。原因はこいつなのだが。
「ん〜、めった刺しやら撲殺やらあるけど……」
「マジかよ」
「まぁ、グロいの嫌いなら毒殺かな」
666 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/06/06(土) 20:35:35.16 ID:wLwdYOc0
>>655
暇な時は過去作品なんか読むのもいいかもね
意外と次の作品のヒントになっり、思いもよらないネタが浮かぶこともあるよ
667 :狂った世界に救いの手を[saga]:2009/06/06(土) 20:36:02.48 ID:YLxe6ASO
「毒殺?」
 毒殺といえば、食べ物に毒を盛って――ぐらいしか思い付かんな。
「そ、毒殺。数秒で逝っちゃうから」
「ふーん、ならそれにしよっかな」
 苦しむ姿はあれど、血を見るよりはマシよね?
「何やら物騒な話をしていますね」
 私とこなたの会話をずっと横で聞いていたみゆきが、ようやく口を開いた。ようやく。
「あぁ、みゆき。ちょっとこいつから変なゲーム借りちゃってさ、その話」
「そうでしたか。ですがお二人とも」
 そう前置きしたみゆきの顔は、普段のニコニコ顔でなく、あまり見ない真剣な顔だった。
「例え、ゲームの話でも女の子が軽々しく“殺す”なんて事は言わない方が良いですよ?」
「それに、何も知らない他人が聞いたら、誤解してしまう可能性もありますから」
 みゆきの言うことは尤もだ。年頃の女子が、誰かを殺すだの端から見たら危険窮まりない。ここは素直に受け止めておくか。
「そうね。以後気をつけるわ。ごめん」
「いえ、私も少しきつめな口調で言ってしまって……」
「かがみさん。野蛮な発言は控えた方がよろしくてよ?」
 こなたはいつかのお嬢様口調で私をおちょくる。そんなこなたの頬を私は軽く引っ張るのだった。
「わひー」
 そんなこんなしていると、後ろに誰かの気配を感じた。振り返るとそれはつかさだった。
「あ、つかさ来たよ」
 こなたのその合図で、お弁当を広げ始める私達。
 こなたは相変わらずのチョココロネ。みゆきは見た目も豪華な貴族弁当。それに比べ、私は至って普通なお弁当。こりゃまたこなたにからかわれるかな?
 うーん、つかさの様に上手く作りたいけど……今度教えてもらおうかしら?
668 :狂った世界に救いの手を[saga]:2009/06/06(土) 20:37:06.40 ID:YLxe6ASO
 まぁ、とりあえずはつかさも来たことだし、
「じゃあ食べましょうか」と言っておく。
 しかし、つかさは何故か座ろうとはしなかった。それどころか、食べ始める皆を無視してつかさは自分の机に掛けてある鞄を取った。
「つかさ?」
 私が疑問を含めてそう聞くと、返って来た言葉は、またしても予想だにしない言葉だった。
「ごめん。ちょっと具合が悪くて早退する……」
 そう言うつかさの顔は、具合が悪いというよりも、どこかふて腐れているように感じとれた。
「本当に? 大丈夫なの?」
 私が心配してそう言うと、つかさはチラッとこちらを見た後、そっぽを向いてしまった。
 つかさの心情に何か変化があったに違いない。とは言っても、今日は始業前以外のつかさは見てないし……あぁ〜、こなたが余計な話を持ってこなければ少しは対処出来たかも知れないのに!
 やむを得ず、私は単刀直入に言うしかなかった。
「……ねぇ、もしかして、やっぱり私が何かしたの?」
 席を立ち、立ち去るつかさの肩に触れようと手を伸ばした。
 しかしつかさに、
「本当に具合が悪いだけだから……お姉ちゃん気にしすぎだよ」と言われたあげく、目で『来ないで』と訴えられた私につかさを引き止める力は残されていなかった。
 そして、つかさは教室から出てしまった。
「つかさ……」
 私はつかさの出て行った教室のドアを、ただ茫然と見つめていた。
「つかさ、どうしちゃったんだろう?」
「何か事情がおありの様子でしたが……」
 その時、私は昨日みたいな違和感を覚えた。
 前にも似たような事があった気がする。なんだろう。スッキリしない……。
「ねぇ、前にも似たような事ってあっ――」
 っな、何!? 急に頭が……。
 頭に激痛が走った私は、床に膝を付いてしまう。
669 :狂った世界に救いの手を[saga]:2009/06/06(土) 20:37:56.91 ID:YLxe6ASO
「かがみ!?」
「かがみさん!?」
 直ぐに二人が駆け付けてくれるが、今はそれどころじゃなかった。
 何? 何か……脳裏に浮かんで……!



「危ないじゃない! 何するのよ!」
「何で避けるの? お姉ちゃんも、こんな私が居る世界、嫌でしょ?」
「あんた、何言って――」

 何? この映像?

「ちょ、つかさどうしちゃったの? 冗談はやめて!」
「……冗談? お姉ちゃんはいつまで白を切るつもりなの?」
「な、何の事よ」
「しらばっくれないでよ。私、知ってるんだよ? お姉ちゃんとこなちゃんが私を殺そうとしてる事」
「殺そうとって……!? あんたまさか!?」

 これは……この記憶は一体……?

「やっぱり。私は正しかったんだ……」
「あんた、昨日の会話――」
「そうだよ。聞いちゃったんだよ。お姉ちゃんが私の事、ウザイから殺すって会話!」

 つかさ、何を言ってるの? それは違う!

「それが今日のお昼休み。今度は私を殺す方法を話してた。毒殺だって。そう、お姉ちゃんが朝にくれたお弁当には毒が入ってたんだ」

 違う。違う! 毒なんて入れてない!

「もう嫌になった。だから終わらせようと思った。私がもっとしっかりしてればウザイなんて言われないと思った。だからこの世界を終わらせて新しい世界に行くんだよ? でも私一人はやっぱり嫌。お姉ちゃんも一緒に行こうよ!」

 待って! 話を聞いて! あれはゲームの事なのよ!

「今度は上手くやるから!」
「つかさ! あんた勘違――」
「先に行ってて。私も直ぐに行くから」


「つかさは!? つかさは何処!?」
「つかさは……」

 “死んじゃった”



670 :狂った世界に救いの手を[saga]:2009/06/06(土) 20:39:04.89 ID:YLxe6ASO
「かがみ!」
「かがみさん!」
「――ッ!?」
 い、今のは……。そうか……私は……。
「かがみ大丈夫? 辛そうだよ?」
「立てますか? 保健室へ行きましょう」
 私は、あの記憶を知っている。私にもよく分からないけど、知っている。
 なら、今私がやることは一つだ。
「みゆき、こなた、心配かけてごめん。もう大丈夫だから」
 私が自力で立ち上がると、二人はまだ心配そうにこちらを見ていた。
「本当に大丈夫なの?」
「大丈夫よ。それに、こんな事している場合じゃないの」
「かがみさん、どちらへ?」
「私も早退する。悪いけど先生に言っておいて」
「早退? なんで?」
「決まってるでしょ」
 私は一呼吸置いて、こう言い放った。
「つかさを探しに行くの」




 つかさはまだ、そう遠くへは行ってないはず。バスに乗る前に見つけないと!
 注意すべきはバスの時刻表。普段使用しているバスなんて、朝と夕方にしか使わないから、昼の時間が分からない。もし既に出発してしまっていたら、かなりの遅れをとってしまう。それだけは避けないと、お願い間に合って!
 しかし、そんな願いも虚しく、私がバス停に辿り着いたときには、バスは既に出発した後だった。前方に見える徐々に小さくなっていくバスを見て、私はその場に立ち尽くしてしまう。
 一足遅かった、つかさは恐らくあのバスに……。
 時刻表を見る。すると、次にバスが来るのは一時間後との事。遅すぎる。
「待ってなんかいられないわ」
 そう自分に言い聞かせ、私は走りだした。駅まで数十キロあるわけじゃないんだ。このくらい!

671 :狂った世界に救いの手を[saga]:2009/06/06(土) 20:39:59.42 ID:YLxe6ASO
 とは言ったものの、流石に走りっぱなしはきついわ……。
 息も絶え絶えになり、もう歩くのも限界だった。でも、つかさはもっと苦しんでるんだ! この程度でへばるな! 私の足よ、動け! 帰ったらいっぱい休んであげるから!
「くぅ……」
 ダメだ……いくら強く念ったって身体は正直ね。
 と、私が半ば諦めかけていたときだった。
「あー、やっぱりかがみちゃんだ」
 歩道沿いに一時停車してきた車から聞こえてきた、その声は……。
「こんな所でどうしたの? 学校は?」
「成実さん……」
 天は私を見放さなかった。
「成実さん、お願いします! 私を家まで乗っけてって下さい!」
 無理は承知。成実さんにも用事があるだろうし、言わばこれは最初で最後の賭け!
 もし断られたら、自力で帰ることは出来るけど、時間が掛かりすぎてしまう。
 あの記憶からして、つかさ崩壊の時間制限は無いと思う。だけどつかさは、今も悩み苦しんでいるのよ。悠長な事は言ってられないの!
「……何か訳ありみたいだね」
 私の目から、そう感じ取ったのか、成実さんはドアのロックを外した。
「さぁ、乗って! 道案内よろしくね!」
「は、はい! ありがとうございます!」


 運転中、成実さんは、道案内以外に特に聞いてこなかった。気を使ってくれたのかもしれない。私も、聞かれたらどう説明したら良いか分からなかった為、成実さんの好意はもの凄くありがたかった。
「さ、着いたよ」
 流石、交通課だけあって安全運転だ。以前、海に行くときがアレだったから少し驚く。
「普段は普通だよ〜」
「え? あっ、ごめんなさい」
 見透かされていた。読心術でも使えるのかこの人は?
「えっと、忙しい中ありがとうございました! お礼は必ず、」
「良いって良いって、ほら行きなよ。急いでるんでしょ?」
「本当にありがとうございました!」
「何があったかは知らないけど、頑張ってね〜」
 そう言い残して、成実さんを乗せた車は走り出した。
 成実ゆいさんか、良い人ね。お礼は絶対しますから。

 ……さて、追い付いたわね。つかさはもう部屋に居るのかしら?
 どう切り出すべきか……。とにかく、家に入らないと。
672 :狂った世界に救いの手を[saga]:2009/06/06(土) 20:40:31.98 ID:YLxe6ASO
 玄関に入り、先ず確認することは、つかさの靴。
 ……無い。いや、それ以前に家の鍵が開いているということは……。
「あら? かがみじゃない。どうしたの?」
 やはり、お母さんが居たか。あの記憶が正しければ、あの時、家には私とつかさしか居なかった筈。今のつかさは多分だけど、誰とも会いたくないんじゃないかしら?
 つかさは家に誰も居ないタイミングを狙ってると思う。私がつかさの立場ならそうするだろう。そうでなければ、今つかさが家に居ないのはおかしい。私より先に帰ったんだからね。でも念のため……。
「お母さん、つかさは?」
「え? 居ないけど……」
 思った通りだ。とするとつかさは、家に誰も居なくなるまで何処かで時間を潰している筈よね。この辺でつかさが行きそうな場所は……。
「かがみ、学校は? つかさに何かあったの? やっぱり朝の、」
「ごめん、後で話すから!」
「待ちなさい! かが――」
 私は外へ駆け出した。つかさが居る場所は恐らくあそこだ!
673 :狂った世界に救いの手を[saga]:2009/06/06(土) 20:41:24.27 ID:YLxe6ASO


「つかさー! つかさー!」

「つか……やっぱりここに居た」
「お姉ちゃん……」
「ほら、帰るわよ」
「……」
「もう怒ってないから」
「本当に?」
「怒ってたら来ないわよ」
「うぅ……」
「その、ごめんね? 」
「うん、私も……ごめんなさい」
「よし、じゃあ仲直りね。みんな心配してるから、早く帰りましょ」
「うんっ」

「お腹空いたでしょ? お母さんが、今日はシチューだって」
「わぁい、早く帰ろーよ」
「ふふ」


 ふと、昔の事を思い出してしまった。小さい頃、つかさは嫌な事があった時は、よくあの公園に居ることが多かったのよね。だから今回ももしかしたら……。
 信号を渡り、少し行ったところに、その公園はある。この時間帯では、交通量も人通りも少ない。
 だから直ぐに見つけられた。公園のベンチに一人ぽつんと座っているつかさを。
「やっぱりここに居たのね……つかさ!」
 私がつかさの名を叫ぶと、つかさは周りをキョロキョロし始めた。
 大声を出したのは失敗だったのかもしれない……つかさは私を見つけるや否や、後ずさっていくのが分かる。
 つかさと私の距離は僅か数メートル。ここは面倒な事になる前に距離を詰めておいた方が良い――って!?
674 :狂った世界に救いの手を[saga]:2009/06/06(土) 20:42:41.09 ID:YLxe6ASO
「ちょっと!」
 先手を取られた。そんなに慌てて逃げなくたって良いじゃない!
 でも、無理ないか。今のつかさにとって私は、つかさを殺しにやってきた姉に見えてるのよね……。うぅ、悲しい。
「待ちなさい! つかさ!」
 逃げるつかさを私も必死に追う。
「つかさ! 話を聞いて!」
 喋りながら走るのはきついわね。でも着実に距離は縮まってきている。つかさまで後2〜3メートルってとこかしら? もう少しで……!?
「つかさ! ダメ! そっちは!!」
 公園を飛び出したつかさの先に、猛スピードで走ってくる車が見えた。このままじゃ……。
「え?」
 つかさもそれに気付き、足を止めてしまった。馬鹿! 止まっちゃダメよ!


“つかさは死んだの! 事故で!”


 あんな思いは、もう……!
「うわあぁぁあぁぁっ!」
 私は最後の力を振り絞って、つかさを突き飛ばした。
「きゃっ!?」
 これでつかさが轢かれることは無くなった。私も早くここから――。
「っ!?」
 遅かったか……。身体全身に激しい衝撃が伝わった。咄嗟に腕でガードしてみたけど、意味無いわね……。ったく、今頃ブレーキ踏んでんじゃないわよ……遅いっつーの……。
「お姉ちゃん!」
675 :狂った世界に救いの手を[saga]:2009/06/06(土) 20:44:22.61 ID:YLxe6ASO
 つかさが私に駆け寄ってくる。結構飛ばされたんだ、私。運転手は……最低、轢き逃げかよ。
「お姉ちゃん! お姉ちゃん!」
 良かった、つかさは無事ね……。さっきはごめん。痛かったよね?
「嫌だよ……お姉ちゃん!」
「つかさ……」
「何?」
 意識があるうちに、これだけは言っておかないと……。
「私は……あんたを殺したりなんか……しない、よ」
「分かってた、分かってたのに……! 私は……最後まで信じることが出来なくて……うぅぅうぅっ」
 あぁ、ダメだ。もう限界みたい……意識が、遠退いて………………。




「ん……」
 気がつくと私はベッドで寝ていた。外はもう真っ暗で、周りも静かだった。微かに薬品の匂いもする。
 ここは、病院かしら? 私、生きてたんだ。
「すぅー……すぅー……」
 ふと、足の方から何やら可愛らしい寝息が聞こえてきた。上半身をなんとか起こして見ると、そこには身体半分をベッドに預けたつかさが寝ていた。
 あの記憶とは違う……そう思った私は、嬉しさのあまり目から涙が出て来ていた。
「つかさ……」
 腕を伸ばし、そっと頭を撫でる。すると「むぁ」っとこれまた可愛らしい寝起き声を吐いた。
676 :狂った世界に救いの手を[saga]:2009/06/06(土) 20:45:37.26 ID:YLxe6ASO
「え? あれ? お姉ちゃ……ん?」
「おはよ、つかさ」
「お……お……お姉ちゃぁぁん!」
「ちょ! 痛い痛い! つかさ強い」
「あ、ごめん」
 つかさが私に抱き着いてきたんだけど、まだ怪我が完治していない私にとってそれは激痛ものだった。抱き着いてきたこと事態は嬉しかったけど。
 つかさはもと居た椅子に座り直し、こう切り出した。
「お姉ちゃん、私ね、こなちゃんに聞いてみたんだ」
 私はそれを黙って聞く事にした。
「そして全部分かったの。全部、ゲームの事だったんだってね……」
「私……馬鹿だよね? お姉ちゃんが……うっ、私を……殺ず訳なんがないのに」
「最後の最後までぇ……疑うように逃げたりしてさ……お姉ちゃんにこんな、」
「――つかさ」
 見るに耐えられなくなった私は、つかさの言葉を遮る。
「おいで」
「……?」
 そして、つかさを優しく抱きしめた。つかさの温もりは、なんだか凄い久し振りのような気がした。
 終わったんだ。全部。
「ごめんね? 怖い思いをさせて……苦しかったよね?」
「私だって、わだじだって……お姉ちゃんにこんなに怪我させて」
「もう終わった事よ。気にしてないわ」
「うぅぅうぅうぅ……ごめんなさいお姉ちゃぁぁん」
「よしよし。もう泣かないの」

 こうして、私達の長い一日は終わった。一日? いや、もしかしたら二日かも知れない。突然、私の中に入り込んで来たあの記憶……あれは多分、別の世界の私が、同じ過ちを繰り返させないために送って来たものかも知れない。いや、知れないじゃなくて、そうなんだろう。
 ならば私も、向こうの私に、今やるべき事はなんなのかを伝えよう。伝わるかどうかは分からないけど、向こうの私に、これだけは伝えなくちゃいけない……。
677 :狂った世界に救いの手を[saga]:2009/06/06(土) 20:46:48.21 ID:YLxe6ASO
「? お姉ちゃんどうしたの?」
「ん、なんでもないよ。あ、そうだ。つかさ」
「なぁに?」
「愛してるわよ」
 私がそう言うと、つかさは見る見るうちに顔が赤くなってきた。
「わ、わ……」
 そして恥ずかしくなったのか、私の胸に顔をうずくめた。
 こうしてつかさが居るのも、あの記憶があったおかげよね……ありがとう。この世界に救いの手を差し延べてくれて。
 窓に映る私を見つめると、その私が少し微笑んだ気がした。




 その後の話を少しするわね。
 自分では大きな事故だと思っていたが、全治二週間という意外に軽傷で済んだ私は、退院して直ぐにこなたの元へ向かった。
 何の為にかって? そんなの決まってるじゃない。

「はい、これ」
「あ……」
 私が差し出したのは、こなたに借りていた例のゲーム。それを見たこなたは、しゅんとなってしまった。
「本当にごめんね。私のせいでさ」
「それはもう何回も病室で聞いたわよ。それに、こなたのせいだなんて思ってないから」
「ありがと。で、それはそうと……クリアした?」
 何を言い出すんだこいつは。クリアするわけないだろーが。
「あ、ごめんごめん。そうだよね。でもエンディング見たかったんじゃ……」
「もういいわよ別に。それに」
「それに?」
 例えゲームでも、妹を殺すなんてどうかしてる。私には出来ない……って言おうとしたけどやめた。またシスコンだのなんだのと言われかねんからね。
「なんでもなーい」
「えぇーっ! なんでもないのかい?」
「何だそれ」
「マスオさん」

 で、その後聞いた話なんだけど、どうやらこなたはあのゲーム売ったみたい。こなたにもゆたかちゃんという妹的存在が居るから、私の気持ちが分かったのかな? そうだったら少し嬉しい、なんて。
678 :狂った世界に救いの手を[saga]:2009/06/06(土) 20:47:39.02 ID:YLxe6ASO

 話は飛んで、今日は七月七日。そう、私達の誕生日だ。
 あの事件以来、私達姉妹の仲は、より一層深まった。特につかさは、以前よりも私にべったりだ。それは嬉しいが、つかさに私を傷付けたという心の傷が残ってなければ良いんだけど……。
「うわぁ、凄いじゃないこのケーキ」
「えへへ、今回はたっぷり時間を掛けて頑張ったんだよ。愛するお姉ちゃんのために」
「愛する、って」
「も〜、お姉ちゃんが先に告白したんだよ?」
 告白……あの時のか!
 ど、どうやら何も心配はいらないみたいね。何か変な方向へ向かってる気がするけど……。
 というか、こんな大きいケーキ、こなた達が来ても食べ切れないんじゃあ……。
「いぃっぱい食べてね」
「あったりまえじゃない。折角つかさが頑張って作ったんだからね」
 あぁ、言ってしまった。その笑顔は反則よ! ここはこなたやみゆきを上手く煽って頑張ってもらうしかないわね。
 ……しばらくダイエットの日々が続きそうだ。
「ねぇ、お姉ちゃん。今日で私たち十八歳だね」
「ん、そうね」
「これからも仲良くしてくれる?」
「そんなの言わなくても分かるでしょ?」
「えへへ、お姉ちゃん」
「んー?」
「大好き」
「……私もよ。つかさ」
「ちょ、お二人さん!?」
「なんだか微笑ましいですね」
 なんというタイミングで現れるんだ、この二人は。
 ま、今は何も考えず、この誕生日会を楽しむとしますか。つかさ特製のこのケーキで……。




679 :狂った世界に救いの手を[saga]:2009/06/06(土) 20:48:33.17 ID:YLxe6ASO




 “これから先、色々大変だとは思う。でもあなたは生きて。死んでしまったつかさの分も、あなたは生きなくちゃ!
 私だって、もしあなたの立場なら、そのまま死にたいと思うわ。けどね、あなたにまで死なれたら、こなた達やお母さん達は更に悲しむ。
 特に、こなたが真実を知ってしまったらどうなるか……あなたなら分かるでしょ? これ以上、悲しみの連鎖は作っちゃいけないの。あなたで食い止めて!
 幸せになってしまった私からの意見なんて胸糞悪いかも知れない、けど幸せになったからこそ言えるのよ。
 そしてこの幸せは、あなたのおかげで掴み取れたんだら!
 頑張れ私! 私も、この幸せを手放さないよう頑張るから! 負けちゃダメよ?”

 生きて、か……。夢の中の私は随分と辛い事を言うのね。
 でも、そうね。私の言う通りだわ。これ以上、皆が悲しむのは確かに嫌。それに、私がここで死んでしまったら、つかさに人殺しの刻印を刻んでしまう事になる。
 生きよう。つかさの分も。向こうの私に負けないくらい幸せになろう。
 その為には先ず、目を覚まさなきゃね。
 おーい、起きろー私ー。いつまでも寝てる場合じゃないだろー。

 ……。
 …………。
680 :狂った世界に救いの手を[saga]:2009/06/06(土) 20:49:12.67 ID:YLxe6ASO
「……お母さん」
「え? ……かがみ、かがみ!」
「その、ごめ――」
「かがみ!」
「わぁっ」
「ホントに……心配したんだから!」
「……ごめん」
「良いのよ、もう良いの。かがみが無事ならそれで良い……」
「お母さん、私ね? 夢を見てたの」
「夢?」
「うん。夢の中の私がね、私に生きろって言うのよ」
「……」
「だからね? 私、生きる事にした。つかさの分まで」
「そう……」
「私、負けないよ。これから先、どんな困難が待っていても」
「ふふ、その夢の中のかがみに感謝しなくちゃいけないわね」
「うん。ねぇ、お母さん」
「何?」
「つかさに会いたい。“コレ”納めに行かなくちゃ」
「……そうね。つかさもずっとかがみを待ってると思うわ」
「うん」
 もう一人の私へ、最後にこれだけは伝えておくわ。約束して。
 何があっても、つかさを守る事!
 そして、その幸せを絶対に手放さない事!
 私に出来ないことが、あなたには出来るんだから、この約束は守ってよ?
「――かがみ? ボーッとしてるけど大丈夫なの?」
「あ、うんうん。大丈夫よ」
 いかんいかん。まだ病み上がりなんだから心配かけないようにしないと……。あ、そうそう。これも言っておかないとね。

 私を救ってくれてありがとう。




 二つの世界で全く別の道を進んだ少女。
 一人は絶望から這い上がる道へ。
 一人は幸せを守り抜く道へ。
 しかし、お互いの記憶を共有した二人なら、これから先、弱音を吐くなんて事はないだろう。
 どんなに険しい道になろうとも、支えてくれる“私”が居る。彼女は一人ではないのだから。


          おわり
681 :狂った世界に救いの手を[saga]:2009/06/06(土) 20:51:50.06 ID:YLxe6ASO
以上です。何度も読み返しましたが、自分にはこれが精一杯ですw
満足してもらえたでしょうか……?

本当は前半だけで終わるつもりでしたが、やはりそこはらき☆すた。
絶望のまま終わらせることは俺には出来なかったのです。甘いんです、俺は。

SSの形式が一人称になったのは、かがみの場合、その方が書きやすかったからです(本当は良くないんですよね変えるのは)

かがみのベッド率の高さに突っ込んじゃダメです><

長くなりましたが、短い間、付き合ってくれてありがとうございました!
また、何か書くときはお題を貰いに来ますのでその時はよろしく!
682 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/06/06(土) 20:58:40.67 ID:wLwdYOc0
>>681
割り込んでしまいまいた すみませんでした。


この終わり方は気に入った。
落とすところまで落として、最後に拾うのはグっときますよ
GJでした。
683 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/06/06(土) 21:01:55.00 ID:tbpthmso
>>681
非常によくわかる>絶望のまま
ただループして、前回の失敗を取り戻して大団円。でないのがよかった
ラストの二つの世界〜の件もすごくいいな。乙&GJ!
684 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/06/06(土) 21:16:57.14 ID:PF0kAi.0
>>681
お話が上手に組み立てられていてすごく楽しめました。
途中で「ひぐらし」かなぁと少し思いました。
いい作品ですね。
685 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/06/06(土) 21:25:29.02 ID:8pfTdYSO
>>681
鬱系が大の苦手なんで読んでないんですが、なーか凄そうだ…。
これの後に投下するのは大変そうだ。



いやまあ、まだ全然出来てませんが。
686 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/06/06(土) 21:31:12.58 ID:olm.X16o
>>681
GJとしか言いようがないんだぜ!
あんたの甘さがこの作品を生んだというのなら、俺はその甘さに感謝しよう
ぜひまたお題を拾いにきてくれぃ!

こなたのマスオさんネタにやられたww
687 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/06/06(土) 23:20:04.76 ID:Y0k2pS2o
>>681
鬱系は苦手だけれど、最後まで納得できる展開でした。
とにかく夢中なって最後まで読ませていただきましたよ。

GJ!
688 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/06/06(土) 23:50:13.93 ID:wLwdYOc0
>>681
これを読んでいて 話が浮かんでききました。
鬱系にはならないかな。(欝は作れないw)
まだイメージの段階なので作品になるのは次のスレ以降になるかも。
イメージで終わってしまう場合もあるのですがw

もし、完成したらこの作品に影響されたことを告げるつもりです。


689 :681[saga]:2009/06/07(日) 15:04:53.83 ID:bNxLXoSO
たくさんの感想ありがとうございます!!
こんなに貰うのは久しぶりで本当に嬉しいです。

>>682
気にしてませんよw
ラスト気に入っていただけてなによりです

>>683
そう言ってもらえると嬉しいんだぜw
書いた甲斐があります

>>684
そうですね。あのシーンは参考にさせてもらいましたw

>>686
今は休んでますが、近いうちに必ず拾いに来ますよw
マスオさんは突然頭に入って来たから書きましたw

>>687
苦手な方に納得して頂けるなんて……
なんか凄い嬉しいです!

>>688
そうですか!
なら今度はこちらがwktkする番ですねw
楽しみです^^
690 :わたしの理由[saga]:2009/06/07(日) 15:20:38.29 ID:qYGRV120
投下行きます。

私の理由の後編です。
凄い作品の後なんで、かなり気後れしますが…まあ、見るだけ見てやってください。
691 :わたしの理由[saga]:2009/06/07(日) 15:21:44.01 ID:qYGRV120
 四時間目が終わり、生徒達がごった返す廊下を、友達の待つクラスに向かって歩く。
 三年目にして惜しくもクラスが分かれてしまったのだが、ソレは仕方のないこと。ただ、教室の位置が校舎の端と端というのはいただけない。会いに行くのも一苦労だ。
「やふー、マイハニー。待ったかい?」
 勝手知ったる他人のクラスのドアを開け、わたしはそう言い放った。
 毎度そんな感じなので、教室の中の人たちの大半は、『また泉か』といった態度だ。
 違うのは、眉間に皴を寄せてる目当てのハニーくらいだろう。

「その、ハニーっていうの止めてくれないかな…」
 お昼ご飯のチョココロネの袋を破るわたしに、ハニーがそう言ってきた。
「どして?」
「…噂になってるのよ。私と泉さんが…その…デキてるんじゃないかって…」
 なるほど。ソレは大変だ。
「誤解されるのが嫌って事?」
「うん、まあ…」
 わたしは目を瞑って少し考えた。解決策はすぐに浮かび、目を開ける。
「じゃ、誤解じゃないようにしよう」
「…はい?」
「わたしとキミが正式にお付き合いすれば、それは誤解でも何でもなくなるよ」
「………」
「む−。なんだよその『頭大丈夫か?何の解決にもなってないってか私にソッチの気は無いのよこのおバカ』って言いたそうな目はー」
 わたしがそう言うと、ハニーは思い切りため息を吐いた。
「大方当たってるけど、最後の部分は『この貧乳ドチビ』よ」
「むきー!なんだとー!ちょっと平均より大きいからってー!揉んじゃるー!」
 わたしは、有名な某怪盗三世のような気分で襲いかかろうとした。
「へ?…きゃー!!」
 が、教室に響き渡るようなゴンッと言う音と共に机に叩き伏せられた。
「おおおおお…」
 わたしは頭の上から煙が出てるかと錯覚するくらいに、強烈な拳を脳天にもらっていた。
「…泉さんって、格闘技やってたって言ってなかったっけ?」
「うん、小さい頃にだけど…」
「その割には一回も避けた事も防いだ事もないよね」
「ふ…」
 わたしは立ち上がり、腕を組んでポーズを決めた。なにか教室のあちこちから、胡散臭そうな視線を向けられてるけど気にしない。
「友の拳はあえて受けるがわたしのジャスティス!」
 うん、我ながら良い事言った。
「あ、そ」
 だが軽く流された!
 そんなこんなで、いつもの様に楽しい時間はゆったりと流れていく。
 かつて、何処に出しても恥ずかしい引き篭もりだった我が友は、今では立派に突っ込めるほどにまで更生していた。


- わたしの理由 -


692 :わたしの理由[saga]:2009/06/07(日) 15:23:26.93 ID:qYGRV120
 ある日の放課後。わたし達は学校帰りにゲーセンによって、色々なゲームを楽しんでいた。
 もっとも、色々回っているのはわたしだけで、ハニーの方は格ゲーの台に座ったまま動いていないのだが。
 とにかく負けないのだ。人気のある台に座ろうものなら、何時間でも座りっぱなしだろう。格ゲー始めてから一年くらいしかたってないのに、不敗の女王としてこの辺りの猛者たちから目を付けられてるのだから、大したものだ。
 その逸材を発掘したこのわたしは、今日最初に挑んで見事にぼてくりこかされて、憂さ晴らしにシューティングとかやってたんだけど悔しくなんかないやい、ホントだい。
「そろそろ帰る?」
 手持ちの金が尽きたので、わたしはハニーにそう声をかけた。
「うん、じゃあコレ終わったら…って言いたいんだけど、なんかしつこい人なんだよ…」
 連コインで挑まれているようだ。律儀に相手しなくてもいいのに。
「…も、もう一回…う、もう無いか…」
 台の向こうから女の子の声が聞こえる。どうやらお金が尽きたみたいだ。
「やまとお願い!五百円でいいから貸して!」
「…そんな余分なお金ないわよ」
「そんなこと言わないでさ!お願い!」
「いい加減にしてよ。前に貸したのだってまだ返して貰ってないじゃない」
 連れらしき人と揉め始めた。わたしとハニーは顔を見合わせ頷きあうと、向こうに気付かれないようにそっとゲーセンから抜け出した。

693 :わたしの理由[saga]:2009/06/07(日) 15:24:27.09 ID:qYGRV120
「そういえばさ、泉さんはどこの高校受けるか決めたの?」
 ゲーセンからの帰り道、ハニーからそう聞かれた。
「うん、まあ一応」
 三年も半ばだ、いくらわたしでもそれくらいは決めている。
「へー、どこ受けるの?」
「稜桜」
「………はぁ?」
 驚きのあまりにハニーの目が点になる。まあ、コレくらいの反応は予想してたけど。
「稜桜って、あの稜桜学園?県トップクラスの進学校の?」
「うん、その稜桜」
 絶句するハニー。恐る恐るわたしの額に手を当てたりしてきた。
「…いや、熱とかないから。わたしはいたって平常だよ」
「で、でも稜桜って…どうしたの?もしかして勉学に目覚めちゃったとか?」
「お父さんがね、稜桜に受かったらPS2とパソコン買ってくれるって言ったから」
 ハニー、再び絶句。額に指を当てて首を振り始めた。
「…ってことはなに?泉さんは餌に釣られて自分の学力も顧みずに、超難関校を選んだってわけ?」
「そゆこと」
「…はぁ」
 今度は思い切りため息。どうやらわたしの一世一代の決断は、ハニーのお気に召さなかったらしい。
「まあ、なんて言うか…私には頑張ってとしか言いようが無いけど…」
「いやいや、キミも頑張るんだよ。わたしと一緒に」
「…は?」
 わたしの言っていることが理解できなかったのか、思い切り怪訝そうな顔をされる。
「キミにも稜桜を受けて欲しいんだ。わたしと一緒に」
 それは、稜桜を受けると思い立った時から決めていたこと。
 違う高校に入っても、会うことは出来る。友達でもいられるだろう。でも、やっぱりわたしはこの子と一緒の学校に行きたい。
「…無理だよ…私の学力、知ってるでしょ?」
「わたしだって似たようなもんだよ。でも、大丈夫。一人じゃ無理でもわたし達二人なら、きっと大丈夫だよ」
 ハニーに向かって、グッと親指を立ててみせる。
「…根拠は?」
 思い切り胡散臭げな視線を向けられた。
 わたしはソレを受け、腕を組んで胸を張った。
「いい?わたし達一人一人は小さな火だとしても、二つ合わされば大きな炎になるんだよ…そして、炎となったわたし達は無敵だよ!」
 うん、我ながら良い事言った。パクリだけど。
「…うさんくさー」
 だが炎の相方は冷めていた!
「でもまあ、言いたい事は分かるよ…うーん」
 ハニーは俯いて考え込み始めた。そして、何か決意したように二、三度頷く。
「…そうだね。折角だし、私も頑張ってみるよ。私も泉さんと一緒の高校通いたいし」
 ハニーは顔を上げ、そう言った。眩しく感じるくらいにいい笑顔。
「ありがとー!心の友よー!」
 そんな彼女に、わたしは思い切り抱きついた。
「わっ!?ちょ、ちょっと泉さん…」
「いやもう、心の友なんかじゃ足りないよ!わたしの嫁になれ!今すぐに!」
 胸の辺りにグリグリと顔を押し付ける。ふくよかな感触が気持ちいい。
「そ、その気無いって私…」
「わたしだって無いよー!でもキミは特別なんだー!」
「いい加減にしてっ!」
 調子ぶっこいてたら、思い切り殴られました。

694 :わたしの理由[saga]:2009/06/07(日) 15:25:20.85 ID:qYGRV120

 それから、わたし達は稜桜学園合格に向かって一心不乱に勉強をした。
 好きなゲームやアニメも封印…は、ちょっと無理ぽいんで、気持ち少なめに…とかやってたら、相方にこっぴどく叱られたんでかなり減らして頑張った。
 わたし達の頑張りに、担任の先生が世界の終わりを心配したりした…っていうか、わたしを焚きつけたお父さんに世も末って言われた。ちょっと腹が立ったから、その日の晩御飯にとても食べれそうに無いものを提供しておいた。
 近くにある大きな神社に合格祈願のお守り買いに行ったら、美人の巫女さんに見惚れて、安産のお守りを二人分買ってたなんてベタな事もやった。
 勉強は辛かったけど、それでも楽しかった。二人で同じ目標に向かって頑張ることが、これほど楽しいなんて今まで全然知らなかった。

 そして、あっという間に時は流れて、試験の日がやってきた。



 試験会場から出てきたわたしを他の人が見たら、いったいどう表現するだろうか。
 子供なんかが見たら、容赦なく『あーゾンビだー』とか言いそうだ。
 精魂尽き果てたわたしは、校門の支柱に寄りかかってハニーが出てくるのを待った。
 しばらくして出てきたハニーも、これまた酷い面相だった。
「…どうだった?」
 わたしがそう聞くと、消え入りそうな声が返ってきた。
「…よくわかんない」
 二人して押し黙る。わたしもそうだけど、彼女も相当自信がなさそうだ。
「まあ、人事は尽くしたんだし、あとは天命を待つだけだよね」
 わたしは、出来るだけ明るい声でそう言った。ハニーも微笑んで頷いてくれる。
 そう、やるべきことはやったんだ。後は結果が出るまで、我慢してた分遊び惚けるだけだ。
「よーっし!今からゲーセンいくよ!今日はキミに勝てる気がする!」
 そう高らかに宣言するわたしに、ハニーは少し困った顔を向けてきた。
「それ、いつも言ってるけど結局負けてるじゃない…っと、ちょっと待って」
 そう言ってハニーは、制服のポケットから携帯を取り出して耳に当てた。
「もしもし?…あ、お母さん…え?うん、今終わったところだけど…うん、泉さんと一緒…え?今から?…う、うん、分かった…うん、それじゃ…」
 ハニーは携帯を畳み、ポケットに入れてこっちを見た。
「ごめん、泉さん。なんかお母さんが大事な話があるからすぐ帰れって…ゲーセンはまた明日にでも行こう?」
「うん、用事じゃ仕方ないけど…」
「どうかした?」
「ううん、なんでも」
 なぜだかわたしは、凄く嫌な予感がしていた。


695 :わたしの理由[saga]:2009/06/07(日) 15:26:58.09 ID:qYGRV120
 その日の晩。わたしは居間で格ゲーの練習をしていた。と言っても、CPU相手じゃたいした練習にはならないけど。
 ホントはお父さんに相手してもらうのが一番いいんだけど、今は〆切が近いらしく部屋に篭りっぱなしだ。
 いくらわたしでもそれを邪魔するほどバカじゃない。下手すると路頭に迷いかねないし。
「…そろそろ、部屋に戻ろっか」
 結構な時間練習を続けた後、わたしはそう呟いてゲーム機の電源を落とした。
 そして、立ち上がって居間を出ようとしたところで、電話が鳴った。
 表示を見てみるとハニーからだ。こんな時間に電話してくるなんて珍しい。わたしは受話器を取って耳に当てた。
「もしもし?」
「…泉さん…あの…」
 心臓が、何かに締め付けられるような感覚がする。彼女の沈んだ声。まるで、出会ったときのあの雨の日のような。
「ど、どうしたの?こんな時間に…」
「…ごめんなさい…話があるから…家に来て…」
「わかった。すぐ行くから待ってて」
 わたしは電話を置くと自分の部屋に戻り、寝巻きの上から厚手のコートを羽織る。これでも少し寒いだろうけど、悠長なことは言ってられない気がした。

「こなた。こんな時間にどこ行くんだ?」
 玄関で靴を履いていると、後ろからお父さんに声をかけられた。
「友達の家。多分遅くなる。っていうか下手すると泊まりになるかも」
「そうか…その時はちゃんと連絡をいれてくれよ」
 わたしの様子から尋常でないものを察してくれたのか、お父さんは特に止めるようなことは言わないでいてくれた。
「分かってるよ。行ってくる」
 変な所で物分りのいいお父さんが、こういう時はありがたかった。

 玄関を出たわたしは全力で走り出した。
 絶対におかしい。
 ちょっとした相談なら、電話で済ませられる。どうしても会って話がしたいとしても、今の彼女ならわたしの家に来るだろう。
 それが『家に来て』だ。多分、それが彼女の精一杯なんだ。あの頃と同じように、家から出られない…出たくないんだ。それでも、精一杯の勇気でわたしを呼んだんだ。
 そんな事を考えながらしばらく走ったところで、自転車を使えばよかったと、少し後悔した。


696 :わたしの理由[saga]:2009/06/07(日) 15:27:57.47 ID:qYGRV120
 彼女の家につき、乱れた呼吸を整えて、わたしはインターホンを押そうとしたが、少し思うところがあって止めた。
 玄関から少し右手に回って、塀を乗り越える。
 雨は降っていない。時間帯も違う。それでも、あの時と同じように、わたしは彼女の部屋の窓の軒下に入った。
 チラッと窓の方に視線を送った後、わたしは星空を見上げた。
 あの雨の日、わたしは彼女に理由を作るためにここに来た。
 学校で聞いた引き篭もりの女の子の話。わたしは何故かそれに興味を持ち、色々と調べて回った。
 そして、彼女が引き篭もりになった理由の女の子を見つけた。
 彼女は後悔していた。自分のやったことが、どう言う事なのか。その結果がどうなったのかを知り、どうすればいいのか凄く悩んでいた。
 だからわたしはその子に約束した。あの子を学校に連れてくると。そこで謝ればいい、と。
 そしてわたしは、あの雨に日にこの軒下に入った。彼女が学校にいく理由を作るために。なにより、わたしが彼女と会うために。
 わたしの横で、窓が静かな音を立てて開いた。


697 :わたしの理由[saga]:2009/06/07(日) 15:30:55.18 ID:qYGRV120
 わたしを部屋に入れた後、彼女は自分のベッドに座り俯いた。
「…ありがとう…来てくれて…」
 呟く声にも元気が無い。
「何があったの?」
 わたしがそう聞くと、彼女は小さく首を振った。
「…ごめんなさい…泉さん…ごめんなさい…」
「ごめんなさいじゃ分からないよ。何があったの?」
 わたしが重ねて聞くと、彼女は顔を上げた。今にも泣きだしそうな顔だ。
「…わたし…稜桜にいけなくなった…泉さんと、同じ学校に行けなくなったんだ…」
「なっ!?どうして!?」
 心底驚いた。何がどうしてそうなったんだろう。試験は今日受けたばかりで、合格発表なんかまだ先だ。
「…お父さんの仕事の都合で、急に引っ越すことになったの…ごめんなさい…」
 わたしは唖然とした。なんだよその誰得な展開。
「それ…もうどうしようもないの?」
「うん…こっちに残してくれるように頼んだけど、泉さんに会うまで私あんなだったから…心配で残して行けないって…」
「い、何時引っ越すの?」
「…明日から、もう準備しなくちゃいけないって…たぶん、合格発表も一緒にいけないよ…」
 あまりにも急すぎる。
 よく知らないけど、引越しの準備って忙しいんだろう。それがもう明日から始まる。

 つまり、わたし達に残された時間は、今日だけなんだ。

 思わずわたしは時計を見た。日付が変わるまで、もう数時間も無い。
「…泉さん…あの…」
 声をかけられわたしがそっちの方を見ると、彼女はテレビの電源を入れてPS2を起動していた。
「…最後、対戦しよ?」
「…うん」
 彼女から対戦しようなんて言い出したのは、これが初めてじゃないだろうか。


698 :わたしの理由[saga]:2009/06/07(日) 15:32:34.36 ID:qYGRV120
 もうすぐ日付が変わる。わたしは彼女に頼んで、膝枕をして貰っていた。
 嫌がったりするかと思ったけど、彼女はすんない了承してくれた。
 結局、わたしは彼女に一勝もすることは出来なかった。彼女もわたしも一切手加減してなかったから、これが実力差というものだろう。いつもながら、素直に悔しい。
 下から見上げる彼女の表情は、もう泣きそうな顔ではなく、少し微笑を浮かべている。
 そんな彼女が、わたしの髪を撫でてきた。
「くすぐったいよ」
 わたしがそう言うと、彼女はクスリと笑った。
「胸揉まれたりとかより、マシだよ」
「そだね」
 確かに、わたしがスキンシップと称して、彼女にしてきたことに比べたら、はるかに大人しい。
「泉さんは、こういうの好きだよね」
「うん、まあね…お父さんがスキンシップとか好きだから、遺伝したのかもね。まあ、対女の子限定だけど。わたしもお父さんも」
「変な親子」
 そう言って、またクスリと笑う。
 それから、しばらく二人共何も話せず黙っていた。時計の音だけが部屋に響く。
「敬語、いつのまにか使わなくなってたね」
 このまま終わりたくなくて、わたしはとにかく話をしようと思った。
「うん」
「泉さんってのは、変わらなかったね」
「うん…こなこなとか、変なあだ名ばかり提案するんだもの、恥ずかしくて使えないよ」
「別にこなたって、呼び捨てでも良かったのに」
「うん、でも私は泉さんって言った方がしっくり来るから」
「格ゲーは、結局キミに勝てなかったね」
「うん、これだけは負けたくなかった」
「どうして?」
「泉さんが私に教えてくれたから。私が自身の持てる、たった一つのことだから」
「修学旅行は楽しかったね」
「うん。でも、部屋抜け出そうとして怒られたけど」
「折角見つけた抜け道を、キミが使わなかったからじゃん」
「使わなかったじゃなくて、使えなかったの。あんな狭い所通れるの、泉さんだけだよ」
「コミケは…ちょっと自分でもひどかったと思ったよ」
「うん…あれはちょっと絶交考えた」
「わたしは、あれくらいなら平気で買えるけどね」
「それは、買うほうも売るほうも問題ある気がするよ…」
「最後にクラス分かれたのは残念だったね」
「うん…クラス発表の時、泉さん泣きそうな顔してた」
「嘘だー。それキミの方じゃん」
「泉さんの方だよ…今だって…そんなに、顔ゆがめて…」
 わたしの顔に、冷たいものが落ちた。ポタポタと彼女の顔から幾粒も。
699 :わたしの理由[saga]:2009/06/07(日) 15:33:36.49 ID:qYGRV120
「どうして…そんなことばかり話すの…泣きたくなるじゃない…」
「うん、泣いて欲しかったから」
「…どうして…」
「ありきたりの別れがしたくなったんだよ。涙で幕を降ろすような…ね」
 わたしの顔に雨が降る。冷たいけれど、温かい。
 彼女は無言で泣き続けた。わたしはそれを全部受け止めようと思った。
 全部流しきってしまえばいい。わたしも彼女も、そうやってちゃんと別れることが出来るのなら。
 時計を見る。短針と長針が重なり合った。日付が変わる。童話なら、魔法が解ける時間だ。
「…私が卒業文集の将来なりたいものに、何書いたか覚えてる?」
 彼女がそう聞いてきた。それは、はっきりと覚えている。わたしが散々からかったからだ。
「魔法使い」
「うん」
「あれ、本気なんだよね?」
「うん…私は泉さんに、お返しがしたかったんだ」
「お返し?」
「うん…泉さんは私に魔法をかけてくれた。この部屋から、学校に連れ出してくれた。私が学校にいける理由を作ってくれた。だから、私もいつか魔法使いになって、泉さんに私の魔法をかけてあげたかった」
 わたしの顔に、また一粒涙が落ちた。
「もう…無理かもしれないけど…」
「それでも、キミは魔法使いにならないと」
「…え?」
「わたしがキミにかけた魔法は、もう解けると思うからさ。だから今度はキミ自身が魔法使いになって、自分自身に魔法をかけていかないとね」
 我ながらひどい詭弁だと思う。
「…うん…ありがとう、泉さん…」
 それでも、彼女は素直に受け止めてくれた。
「見送りはいる?」
「…無理に来なくていいよ」
「連絡はとりあう?」
「…出来るだけしないほうがいいかな」
「…そっか」
 冷たい気もするけど、彼女なりの強がりなんだろう。わたしはそれを大切にしたいと思った。
「でも…いつかまた…絶対、また会おうね」
「もちろん」
 離れていく、二人の行き先。
 短かった、忘れたくない思い出と共に。




700 :わたしの理由[saga]:2009/06/07(日) 15:36:41.91 ID:qYGRV120
 気持ちのいい晴天。絶好の行楽日和なのだが、わたしの足は少し重かった。
 今日は稜桜学園の合格発表の日。
 歓喜と嘆きの渦巻く人ごみの中、大丈夫だと何度も自分に言い聞かせながら、わたしは合格者の名前が張り出されているボードの前に立った。
 自分の受験番号を確認し、ボードを見る。受験番号だけじゃなく、律儀に本人の名前まで書いてあった。
 わたしはその文字列を目で追う。
 あった。わたしの名前。良かった、合格してたんだ。
 ふと、その少し後に目が行った。

 あの子の名前だ。

 二人とも、合格してたんだ。
 でも、彼女の名前は、上から赤いペンでバツが付けられていた。
 そうだ、彼女はいないんだ。
 わたしの名前も、彼女の名前もあるのに。わたし自身もここにいるのに、ただ彼女自身だけがここにいない。
 頬に冷たいものを感じた。
「…あ…れ?」
 泣いてる。わたしが泣いている。何度拭っても、涙が止まらない。膝から力が抜けて、わたしは座り込んでしまった。
 彼女がいない。それをいまさら強く思った。
 理由だったんだ。彼女はわたしの理由だったんだ。
 学校が嫌いだったわけじゃない。でも、やっぱり強い理由が欲しかったんだ。
 彼女は、やっと見つけた理由だったんだ。
 その彼女のいない場所。理由のないこんな場所で、わたしは何をやっているんだろう。
 わたしは、声を出さずに泣き続けた。全部出し切れば、ちゃんと立ちあがれると信じて。
「あの…大丈夫ですか?」
 不意に声をかけられた。見上げてみると、一人の女性がわたしを心配そうに覗き込んでいた。
 すらりとした長身。少し癖のあるロングへアー。大人びた顔立ちに、結構度のきつそうな丸めがね。そして何より、冬服の上からでも分かるデカイ胸。
 最初はここの在校生かと思ったけど、制服が全然違う。受験生の身内のおねーさんなんだろうか。
「あ、あの…気を落とさないでください!」
 はい?
「今回はダメでも、ここで人生が終わるわけではありませんから…また来年がありますから!」
 今起こったことをありのまま話すと、『入試に合格したと思ったら、見知らぬボインねーちゃんに不合格にされていた』…何を言っているのか自分でも分からないけど以下略。
「あ、来年と言うのはおかしいですよね…え、えっと、第二志望には必ず合格していますから…その…」
「えーっとさ、わたし合格してるんだけど」
「…え?」
 なんとかポルナレフ状態から脱したわたしが過ちを指摘すると、ねーちゃんは目を点にした。
「合格してるの。名前ちゃんとあったよ」
「え?あれ?でも、今泣いてて…」
「嬉し泣き」
 説明するのは無理そうなので、そうとだけ言っておいた。
「え…あ…その…ご…ごめんなさい!ごめんなさい!すいません!わたしてっきり…あの…その…とにかくすいません!おめでとうございます!」
 謝罪と祝福が同時に飛んできて、とりあえずどうしていいか分からない。
「わ、わたしも合格しましたんで、ご学友と言う事ですね…その…お互い頑張りましょう!失礼しました!」
 わたしが何か言う間もなく、ねーちゃんはものすごい勢いで頭を下げて、もの凄い速度で走り去った。相当恥ずかしかったらしい。
 って、ちょっとまって…わたしも合格しました?ご学友?
「…同い年かよー」
 思わず自分の胸をペタペタと触る。不公平極まりない。
 わたしは目の端に残っていた涙を拭うと、立ち上がりお尻に付いた砂を払った。
 今ので気分はだいぶ楽になっていた。不合格扱いにはちょっとアレだけど、さっきの人にはちょっと感謝。

701 :わたしの理由[saga]:2009/06/07(日) 15:37:30.83 ID:qYGRV120
「うわぁぁぁぁぁん!」
 ボードを離れ、校門に向かって歩いていたわたしの耳に、もの凄い音量の泣き声が飛び込んできた。
「ほらもう、いい加減泣き止みなさいよ。みんな見てるでしょ?」
「だって…お姉ちゃん…だって…わぁぁぁぁぁぁん!」
 号泣している、大きな黄色いリボンを付けた女の子を、髪をツインテールに束ねた女の子が困りきった顔でなだめていた。
 あの制服は見覚えがある。隣町の中学のだ。
 流石にこれは不合格者なのだろう。わたしは心の中で手を合わせた。
「そんなに泣いてたら、不合格だったって思われるでしょ?ちゃんと合格したんだから、もっと堂々としなさいよ」
「だってぇぇぇ…うぇぇぇぇぇぇん!」
 合格者かよ。


 校門を出たところで、ため息を一つつく。
 レベルの高い進学校だから、バリバリのがり勉ばかり来てるのかと思ってたけど、結構面白そうな人もいそうだ。
 もう一度、ここで新しい理由を見つけられるだろうか。
 そんな都合のいい考えが頭に浮かぶ。
 さっきのリボンの子なんか引っかけやすそうだ。上手くいけばツインテの子も紹介して貰えるかもしれない。眼鏡のボインちゃんは、個人的に凄く興味がある。
 今度は、どういうきっかけを作ろうか。個人的には悪人に襲われているところを、わたしが颯爽と助けに入るってのが熱そうだ。
 わたしは気合を入れるように頬をペシペシと叩いた。
 頑張ろう。そして、楽しもう。
 新しい理由を見つけよう。友達を作ろう。
 あの子のことを忘れるわけじゃない。遠くへ行っても、いなくなるわけじゃない。理由じゃなくなるわけじゃない。
 わたしが前に進んでいけば、あの子もきっと前に進んでいける。
 離れていても、魔法はかけあえる。お互いを理由にしあえる。

 この同じ空の下。
 そんな、ありきたりのフレーズで。


- おしまい -
702 :わたしの理由[saga]:2009/06/07(日) 15:42:02.35 ID:qYGRV120
以上です。

こういう話を書くと、どうしても百合っぽくなるのはもう俺の作風なのでしょうか。

一人称がこなたになったので、いくつかネタを仕込もうかと思いましたが、あまり仕込めませんでした。
上手く仕込めてるとも思えないし。
チャゲ&アスカとか分かりづらいだろうなー。

前編と比べて結構長くなってしまいましたが、呼んでくださった方ありがとうございました。
703 :702[saga]:2009/06/07(日) 20:34:02.88 ID:Z2vlh.SO
後書きに書き忘れてましたが、稜桜の合格発表が郵送になったのはゆーちゃん達の代から、という事にしておいて下さい。
704 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/06/07(日) 22:30:34.66 ID:r/udHgDO
>>702
GJ!GJ!GJ!GJ!!!!
705 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/06/07(日) 23:33:25.98 ID:FI5eS060
>>702
不覚にもちょっと涙ぐんでしまた
かがみたちにもまだ会う前の話だっていうのに
こんなにしっかりした話が書けるなんてすごいぜ
GJ&乙でした!
706 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/06/08(月) 00:46:28.90 ID:I3/ufPIo
おおおおみなさんGJ過ぎるぅぅううぅう

どうも、前スレでみwikiさんを描いていた者です
泣いてしまった>>681のワンシーン(>>677)を描いてみた
脳内でかがみの「愛してるわよ」を再生してやってくださいな
手書きブログで描いたのであんまり綺麗じゃなくてごめんよ

http://file.boooon.blog.shinobi.jp/1244385216141663.png

707 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/06/08(月) 18:05:49.05 ID:DXrKAk6o
>>702
GJ! やはり魔法使いちゃんだったか
今のこなた達に繋がってるのもいいな

百合っぽくなって何が悪い!

>>706
これはいい
感動の、感動……百
708 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/06/08(月) 18:53:04.69 ID:k/XgUoSO
>>706
おおぉぉぉ(*´Д`)GJ
うちのサイトにupしても良いですか?
709 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/06/08(月) 20:57:23.00 ID:zOpsKRgo
>>702
GJ!こなたのネタな部分とマジな部分の配分が上手いなぁ
百合っぽいとか全然気にならなかったんだぜ

>>706
いつもながらいい雰囲気の絵をお書きになられる。GJ!
710 :わたしの理由[saga]:2009/06/08(月) 23:21:23.82 ID:ub4nP8o0
レスありがとうございます。>>702です。

正直、今回はレス無しも覚悟してたのですが、レス付いてよかったです。
次にシリアス風のもの書くときは、もうちょいマシなものが書けるように努力します。

再度、レスありがとうございました。
711 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/06/09(火) 01:22:29.06 ID:85dpwSYo
コミケうかったぁああぁ
と浮かれながら来たらレスが!!

>>707
寸止めwwwwww私の脳内ではバッチリ百rうわなにをするふじこ

>>708
おお!!
こんなのでよければ大歓迎ですがそちらのサイト見に行きたいいいいorz

>>709
ありがとうございます!

>>710
乙でした!
段々仲良くなっていく描写が自然で別れがきたときに(´;ω;`)ウッ…てなった
そして泣きまくるつかさに笑ったwwwwww
712 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/06/09(火) 12:23:19.96 ID:seYRr.SO
−つい納得してしまいました−

こなた「そういえば、ゆかりさんって稜桜でてるんですよね」
ゆかり「そうよー。こう見えても、わたし学歴あるのよー」
つかさ「…裏口かな?」
かがみ「…裏口よね」
こなた「…裏口だね」
みゆき「…そうですね」
ゆかり「ひっどーい。みゆきまで納得しないでよー」
713 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/06/09(火) 14:56:31.99 ID:IrQOTsSO
>>711
早速うpしたんだぜw
サイト名をここで言うわけには行きませんので、もし興味があるなら
「狂った世界にストーム」で検索かけてみてください。
714 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/06/09(火) 19:19:36.25 ID:6CznUXE0
久しぶりにリレーが見たいよー
715 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/06/09(火) 19:24:19.12 ID:GrTbZ0.0
コミケですか・・・
今は有明でしたっけ?、参加したことないのですが、らきすたアニメでコミケの場面が出てきますが、あんな感じなのでしょうか?

絵心があれば、自分のSSを漫画で表現できるんですけどね。
私の絵画力はこなた以下・・人前で見せられるレベルじゃない
とても羨ましいです。
716 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/06/09(火) 19:48:59.03 ID:GINdGpU0
>>714

ひより「あうー、ネタが浮かばないっス…」

こう「それじゃ、私の考えたネタ使ってくれる?」

ひより「えっ!?どんなのっスか?」

こう「○×△が■▲▽で、●□▼な…」

ひより「すんませんっス、レベル高すぎてついていけないっス」



???「…私の出番?」


ひより&こう「あ、あなたは!!??」



後は任せた
717 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/06/09(火) 20:17:13.65 ID:aDY2aRUo
みさお「なー、柊ー」
かがみ「ん?」
みさお「噛めば噛むほど大きくなるもの、なーんだ?」
かがみ「なぞなぞ? 噛めば噛むほど大きく……大きくなる? ……思いつかないわね」
みさお「ダメだなー、柊は。勉強できても頭が固いんじゃ意味ないぜー」
かがみ「余計なお世話。で、答えはなんなの?」
みさお「口内炎」
かがみ「そんなの不養生してるヤツにしかわかんないわよ!」
718 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/06/09(火) 20:47:06.50 ID:6CznUXE0
>>716

みなみ「参上・・・」
ひより「みなみちゃん!」
こう 「よくひよりんの漫画に出てくる――」
ひより「みみみみみなみちゃんどうしてこんな所へ!?」

みなみ「ネタを考えた・・・これ」
ひより「み、みなみちゃんがワタシの為にネタを・・・嬉しいッス」
こう 「ふーん、どれど`;:゙;`;・(゚ε゚ )ブッ!!」

ひより「先輩どうしたんすか? ってこのネタは!?」
719 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/06/09(火) 22:38:04.27 ID:HcA/3jE0
>>715
コミケは漫画だけとか思われてるけど普通に小説とかも出せるぜ
たくさんの人に読んでもらえる機会にもなるし、出してみるのもいいかもよ
>>717
不覚にも吹いてしまたwwwwww
720 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/06/09(火) 22:41:17.46 ID:Ubd5qoY0
>>712
ひでぇwwwwww
でもゆかりさんの学生時代か…

>>717
みさお「第2問」
かがみ「まだ続くのかよ!!」
みさお「気にすれば気にするほど増えるものなーんだ?」
かがみ「……………」
みさお「正解は柊のたいzy」
かがみ「ちょっと表出ろ」

>>718
こう「…………」
みなみ「やまと×こう、チェリー×ひより地下室監禁緊縛責め……」
ひより「み…みなみちゃん?」
みなみ「ちなみに考えたのはゆたか」
ひより「`;:゙;`;・(゚ε゚ )ブッ!!」

みなみ「さっそく実践……」
こう「こ……この子目が正気じゃないよ!?」
ひより「み、みなみちゃん落ち着いて!?その荒縄を置いて!!」

ガチャ

パティ「ハーイエブリワーン!!」

721 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/06/10(水) 02:57:35.13 ID:mEtKlik0
>>720
みなみ「あ、ありがとうパトリシアさん」
ひより「んあ!?チェリー連れてきてる!?」
パティ「ナカナカ懐カナイカラ苦労シタンデスヨ!」

チェリー「バウウゥ」
ひより(うわあこっち見ながらなんか威嚇してるように見える……)

みなみ「じゃあ行く」

ビシュッ

こう・やまと・ひより「「「うげ!!!!」」」
ひより「えーと何で三人一緒なのカナ?イワサキサン」
みなみ「面倒だからもう全員一気に絡ませる」
こう「おいおい!狭っちょっとやまともうちょっと足出してよ」
やまと「体勢変えるの無理よ……」

みなみ「じゃあ地下室へ……」
パティ「ア!ダメデス、ミナミ、コレデハマダ足リマセン!」
みなみ「……?」
722 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/06/10(水) 18:38:34.18 ID:f903l9U0
>>721
パティ「ミナミのタメにスペシャルなゲストをヨーイシマシター>ワ<」
ゆかり「みなみちゃん面白そうねーおばさんも混ぜてもらおうかしら」
みなみ「!!!」
ゆかり「断る権利なんかないわよー、もし断ったらみなみちゃんのあんな話やこんな話をみんなの前で披露しちゃうから♪」
みなみ「う…ううう……」
723 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/06/10(水) 19:18:53.32 ID:/uowJmg0
どうなるんだこれww
724 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/06/10(水) 20:38:29.61 ID:dsip/P.o
何レスで完結させるかの制限が無いと、全キャラでるまで永遠に続きそうなカオスっぷりだなw
725 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/06/10(水) 23:26:09.09 ID:gETQTISO
続きは!
726 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/06/11(木) 00:09:34.57 ID:9rQw4sSO
webで!
727 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/06/11(木) 00:50:13.38 ID:64/sVDAo
ここがwebだよ!
728 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/06/11(木) 01:03:21.94 ID:267RI020
>>725-727
wwwwwwwwww
729 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/06/11(木) 02:07:50.02 ID:4ywiz4c0
>>725-727の流れが神すぎるwww
730 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/06/11(木) 07:56:36.78 ID:0L4J4ESO
>>722



こなた「…という夢をみてたら寝坊しました」
ななこ「砂詰めたバケツ持って廊下に立っとれ」
731 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/06/11(木) 14:54:37.66 ID:xY19NUo0
無理やり終わったww
732 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/06/11(木) 15:01:04.96 ID:uYFgnOg0
>>730
まさかの夢落ち
733 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/06/11(木) 15:53:36.89 ID:RfPAPqE0
いきなりですがSS投下しちゃっていいですかね?
734 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/06/11(木) 16:37:47.90 ID:RfPAPqE0
じゃあ今からちょっとだけ出します。
また明日の昼ごろに来ようと思います。それでは

ちなみにザ・クイズショウと被せているのでご了承ください。
あと文才なくてごめん。。。
735 :ざ・くいず・しょー2009/06/11(木) 16:38:39.92 ID:RfPAPqE0
とある山の中の病院。
その病院に一つの個室がある。その部屋はベットしかない殺風景な部屋で、
天井のほうにある窓から微かな光が差し込むだけ。そしてその部屋に一人の青い髪の少女が立っていた。少女はただベットに寄りかかって天井の窓をただひたすら見ていた。
ただひたすら眺めていると、 不意に扉から音がした。少女が振り向くと、
そこには紫色の短い髪の女がいた。そしてその女はこちらのほうを見て、
「ほら、いくよ」
そう言われると少女は言われるがままにその女の後ろをついていくのであった・・・
 

「ええから金貸してくれや!なあええやろ桜庭先生!!」
「嫌ですって言ってるじゃないですか黒井先生!
大体あなたがあんなことしなければ・・・とにかくあなたはもうここの学校の教師じゃないでしょう?
あなたみたいな・・・・


起きて見ると汗をかなりかいていた。久々に嫌な夢を見たなと思っているのもつかの間、ドアの方から豪快な音が聞こえた。
「黒井さーん?いるのは分かってんですよ、今日こそ返してくれますか?」
「あなた貸してくれっていったから貸したんですよー?早く返してくれないとー」
さまざまなヤジが飛びかってくるが、黒井という人物は慣れたかのように
隣にあったビールの残りを口に含み、とっさに窓から逃げ出した。

「おい、窓から逃げたぞ、追え!」
「今日こそは捕まえてやる、逃がすなぁ!」

ーそして数分後、ようやく逃げ切った彼女は自動販売機でジュースを買おうとしていた。そのとき、

「黒井ななこさんですね?」
736 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/06/11(木) 18:34:05.58 ID:HpUVTXMo
きわすたみてえ
737 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/06/11(木) 19:52:09.78 ID:q/7N8gs0
ちょっとだけと言わず全部投下していいよ。






早く。
738 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/06/11(木) 23:17:22.10 ID:2gfk3gSO
>>730

ひより「っていうネタなんスけど……」
こう 「いやぁ、ちょっと訳分かんないよ……」
ひより「ですよね〜……だってネタが思い付かないから!」

こう 「なら実際に、そのネタを試してみようか」
ひより「え?試してって?」
みなみ「チェリーは連れて来た」
チェリー「ばうあう!」

ひより「みなみちゃんいつの間に!?え、ちょ……」


ひより「アッー!」

終!!
739 :ざ・くいず・しょー2009/06/12(金) 14:20:20.59 ID:soSJ4Fc0
すいません、今日も出させていただきます。
あと、キャラ崩壊とか後から百合ネタがあるかも知れませんのでご了承を
740 :ざ・くいず・しょー2009/06/12(金) 14:21:24.85 ID:soSJ4Fc0
「黒井ななこさんですね?」
不意に背後から声がしたので振り向くとそこに一人の黒のスーツを纏った男がいた。
「な、何やおまえはぁ!?と、取り返しに来たんか!?」
黒井はとっさに後ろへと下がる。
「いえ、私は借金取りではありません。糟日部テレビの者です。」
「テ、テレビ局の人ぉ?」
驚く黒井に黒のスーツの男は淡々と答える。
「あなたは全国の約1憶3000万人の中から抽選で見事選ばれました。
よって、あなたを、夢の叶える事の出来るざ・くいず・しょーにご招待します!」
そう言って黒スーツの男は一枚のざ・くいず・しょーと書かれた名刺を取り出した。
「じ、自分が?本当に?」
「ええ本当です」
そう言われると黒井は一瞬固まったがすぐに大声を叫んだ。
「や、やったー!!!」
「おめでとうございます」
満面の笑みを浮かべ、喜んでいると今度は遠くから叫んでいる者が来た。
「いたぞ、こっちだ!仲間がいるぞ!」
「ア、アカン逃げるでアンタ!」
「わ、私もですか!?」
こうしてまた逃走劇を始めるのであった。

ーそして時は流れ夜の糟日部テレビの廊下。
「いやー大変でしたよ色々と。」
「ふふ、ご苦労さんです。」
「で、やるのですね?本当に。」
「ええ、もちろんやりますよ。それに
すると放送室のドアから声が聞こえた。
「つかささーん、本番そろそろでーす。」
「わかったよーひかげちゃーん、じゃまた後で白石さん。」
「ええ、ではまた。」
そう断りを入れるとつかさは放送室へと歩いて行った。
放送室へ入るつかさを見送ると、白石は廊下の窓を見つめて一人呟いた。
「ついに始まるんだな。」
そう言って白石は廊下から段々と去って行った。

741 :ざ・くいず・しょー2009/06/12(金) 15:18:14.99 ID:soSJ4Fc0
「ハイ声出してー、もっとっ!」
放送室のスタジオカメラからは新人ADの八坂がギャラリーの声出しを行っていた。
「つかささん放送30秒前です。」
「こなちゃんは大丈夫?」
「はい、スタンバイ出来てます。」
「そっか。じゃあ今日からみんなよろしくー」
つかさが何げなく挨拶すると周りの者が頷きひかげがカウントをやり始めた。
「5,4,3,2,1、スタート!」
ひかげがスタートと言ったと同時に暗いスタジオから正面にスポットライトがつく、そこには青い髪の少女が立っていた。
続けて彼女はこう言いだす。
「人は誰でも夢を華やかな夢に憧れている。世界中を旅したい者、大きな家に住みたい者、はたまた大金を手にしたい者。
そんな夢の終着点、それが、ざ・くいずしょー!!!!」
彼女が叫んだと同時に明るいジャズ風の音楽が流れダンサー達が踊りだした。そしてしばらくのダンスの後、
前に出てきた彼女が再び喋り始めた。
「さあ始まりました、ざ・くいずしょー!司会は私、MC・IZUMI、そして記念すべき第1回はこの方でーす!」
凄まじい煙と共に黒井が登場する。
「ハイここで人物紹介!」
つかさがそういうと画面には黒井ななこの紹介画面が映し出される。

黒井ななこ無職、8年前まで教師が職業だったが、
生徒にテストの横流しなどが発覚し解雇処分になり無職に。
現在は多くの借金を抱え逃げまとう日々を過ごしている。

「な、なんか凄い紹介やなコレ。」
少し黒井が戸惑い気味に言うと
「そうですか?まああなたがしたことですから当然でしょう。」
そこでこなたがそう切って返すと黒井が何かを言い返そうとしたがこなたが無視してルールを言い始めた。
742 :ざ・くいず・しょー2009/06/12(金) 16:02:10.25 ID:soSJ4Fc0
「このざ・くいず・しょーは全部で7問+ドリームチャンスの全8問。
1問ごとに賞金は上がって行き7問答えた時点で自分の夢をかけたドリームチャンスへ挑戦してもらいます。
そしてそのドリームチャンスに答えることが出来ればあなたが持っていた夢を実現させることが出来ます。
では黒井さんあなたの夢は?」
「全ての借金の返済と、イケメンのお見合い相手やな!」
「ほー、借金の返済はともかくお見合い相手ですか、まだ結婚していないんですか?」
「せや、自分は今まで色々あったからなー、そろそろ身を固めたいなー思うてな。」
「分かりました、あなたが正解した暁には当局が責任を持って全ての借金の返済と、
超イケメンのお見合い相手をご用意いたしましょう!それでは黒井さん、席へ」
「おう、やったるでー!」


「では第一問、645年に行われた政治的改革は次のうち何でしょう。
A上地令B大化の改新C・・・
「Bや」
「正解でーす!」
「速いですねー、では第二問、次のうち、杉田玄白が出した代表的な本は何でしょう。
A・・・」
「あーいわんでも分かる、解体新書!」
「正解でーす!」
「回答をなくても分かるとはさすが教師ですね!」
「いや、まーこのくらい小学生でもわかるやろ。」
会場に周囲の笑い声が響く。
「ははは、では第3問!お、これはラッキー問題ですよ?」
「ホ、ホンマか!?」
「ええ、これは簡単ですよー、次のうちあなたが8年前まで教師として勤めていた学校はどこ?
A大東高、B林善高、C親切高、D陵桜高」
その時、黒井はふと疑問に思った。
743 :ざ・くいず・しょー2009/06/12(金) 16:24:31.18 ID:soSJ4Fc0
「・・・何でこんなの知ってるんや?」
「さ〜何ででしょうね〜?」
黒井の質問に笑いながら答えるこなた
「アンタ真面目に・・・・」
「さあ答えてください黒井さん!」
「・・・D陵桜高。」
「正解でーす!」
「黒井さんあなた陵桜高という所で仕事したんですねー」
「・・・・アンタなあ」
「では第4問!次のうちあなたが借金を負った理由はどれでしょう?
A連帯保証人になったためB寄付C会社の設立D賭博」
「アンタ何でこんな事知っとんや!大体さっきからの態度も!ええ加減にせえよ!」
ついに黒井の怒りが爆発し、大声で叫んだ。しかしこなたは冷静に答えた。
「そうそう黒井さん、」
「何や」
「言い忘れていたんですけどねー」
「だから何や!」


あなたの全て、知ってますよ」


その時こなたから発せられた言葉はとても冷ややかで、それかつ威圧のある言葉だった。
その言葉に黒井は黙らざるを得なかった。
そして再び黒井は喋り始めた。
そういやあ思い出したで、10年前にもあんたみたいな奴がいたなあアイツは色々あって今もみとらんのやけどな
名前を確か…」
その時こなたに急激な頭痛が襲った。

744 :ざ・くいず・しょー2009/06/12(金) 16:36:31.00 ID:soSJ4Fc0
「う・・・あああ・・・」
急に頭を抱え苦しみ始めたのだ。
「な、何や、大丈夫かアンタ!?」
黒井も驚いていたが、ひかげも驚いた。
「つかささん、泉さんが苦しみ始めました!と、止めますか?」
「大丈夫、続けて」
「で、でも・・・」
「いいから!」
急な大声に驚きつつもひかげは止めることが出来なかった。
その時こなたは訳の分からない光景を見ていた。
そこはパーティ会場?そしてそこにはあの黒井の姿が・・・とここで頭痛が治まり途端に抑えていた手を放した。
「・・・大丈夫かいな?あんた?」
「え?・・・ええ大丈夫です。私の事はいいのでさあ!答えをどうぞ!」
「あ、ああ、・・・Dや」
「正解でーす!」
745 :ざ・くいず・しょー2009/06/12(金) 16:38:19.37 ID:soSJ4Fc0
じゃあ今日はここまでで。
また後日書きたいと思います。
ではノシ
てか人が来ないなー;;
746 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/06/12(金) 22:31:22.20 ID:vl7YM/M0
みきさんお誕生日おめでとう♪
747 :桃太郎・改[saga]:2009/06/13(土) 01:08:59.70 ID:2YKLCUg0
投下いきます。

以前小ネタで書いた桃太郎を、キャスティングそのままでSSにしてみました。
いつもの人がいつも通り暴走してたり、一部のキャラがひどい目にあったりしますが、笑って許してやってください。
748 :桃太郎・改[saga]:2009/06/13(土) 01:09:40.92 ID:2YKLCUg0
 只今より、稜桜学園臨時演劇部ならびに、聖フィオリナ女学院、一般の有志による演劇『桃太郎・改』を上演いたします。
 なお、人によっては不快と思われる表現もございますが、舞台に物などを投げないように、最後までごゆっくりご観賞ください。

「…ねえ、こう。有志ってフィオ女からわたししか来てないんじゃない?」
「一般からも何人か来てるみたいなんだけど…役者以外なのかな」


- 桃太郎・改 -


 むかーしむかし、あるところにお爺さんとお婆さんが住んでいました。
 ある日、お爺さんは山へ芝刈りに、お婆さんは川へ洗濯に行きました。

 お婆さんが川で洗濯をしていると、上流の方からなにやら大きな物体が、ドンブラコドンブラコと流れてきました。
「なんだろう?」
 よく見てみると、それはとても大きな桃でした。
「あれだけ大きな桃だったら、しばらくは食べ物に困らないよね」
 桃ばかり食べるのもどうかと思うのですが、お婆さんは桃を拾って家にもって帰ることにしました。
「う、うーん…あ、あれ?うーん」
 あ、持ち上がらないんだ。すいませーん、黒子さんおねがいしまーす。


749 :桃太郎・改[saga]:2009/06/13(土) 01:10:36.68 ID:2YKLCUg0
「…ゆた…コホン…お婆さん、この桃は一体…?」
 お婆さんが持って帰ってきた桃を見て、お爺さんは大層驚きました。全然驚いてるように見えませんが、驚いてることにしてください。
「えっとね。川で洗濯してたらね、川上の方から流れてきたんだ。ホントだよ?」
 身振り手振りを交えて、お爺さんに説明するお婆さん。
 それにしても、なんとまあ男前なお爺さんとプリティなお婆さんだこと。配役間違えたんじゃないかしら。
「…とりあえず、割ってみる」
「うん、頑張ってお爺さん」
 お爺さんは桃を割るために、仕事で使う大鉈を持ってきました。ちなみに本物ですので、取り扱いにはご注意を。
「…えい」
 気合一閃。お爺さんは、桃を真っ二つにしました。すると、なんと言う事でしょう桃の中から…。
「…あ、ごめん。やり直し」
 …何したの。
「…中身まで真っ二つ」
「みなみちゃーん!?」
 だから取り扱いには注意してっていったのにー!

「中身、何だっけ?」
「わたしが徴収した、ゆーちゃんのぬいぐるみ」
「…泣かれるぞソレ」
「…うん、後で謝っとく」


 えーっと…とりあえず、桃の中から玉のように可愛い赤ん坊が出てきました。そう言う事にしといてください。
 お爺さんとお婆さんは、赤ん坊を『桃太郎』と名付け、大切に育てました。
 赤ん坊は驚くほど早く大きくなり、立派な若者へと成長しました。
 そんなある日のこと。
「え、えーっと。お爺さん、お婆さん。お願いがあります」
 桃太郎が、カンペをチラ見しながら棒読みでお爺さん達にそう言いました。
「…なに?」
「え、えっと…近頃都では鬼ヶ島から来る鬼共が、金銀財宝を強奪し人々の暮らしを脅かしていると聞きます。わたしはお爺さん、お婆さんに、立派に育てられた恩を返すために、この鬼を討ち人々に平穏を取り戻したいと思ったりなんかして…えっと…ダメかな?」
 なんで最後で自信無くすの。
「…よく言ってくれた桃太郎。その優しさと勇気に満ちた決意を、わたしが止めることは無い」
「お爺さん…」
「…ぶっちゃけ、お婆さんといちゃつきたいから、出て行ってくれると有難い」
「えー」
 ぶっちゃけないで!

 と、とりあえず、桃太郎にお爺さんは、都で兵役を勤めていた時に使っていた武具一式を与えました…こんな設定あったっけ?…え、お爺さんが武具を持ってる理由?…そんな細かいところどうでもいいのに。
「それでは、お爺さんお婆さん、行ってくるね」
「桃太郎、これを」
 旅立つ桃太郎に、お婆さんが袋を手渡します。
「きっと旅の助けになるはずだよ」
「うん、ありがとうお婆さん」
 こうして桃太郎は、謎の袋を手に鬼ヶ島へと向かいました。

 ………え?謎の袋?きびだんごじゃないの?


750 :桃太郎・改[saga]:2009/06/13(土) 01:11:40.42 ID:2YKLCUg0
 鬼ヶ島に向かって桃太郎が歩いている途中、一匹の犬に出会いました。
「桃太郎さん、桃太郎さん。鬼ヶ島に鬼退治に向かわれると言うのは本当でしょうか?」
「うん、そうだよー」
 仮にも鬼退治に向かうって英雄が、そんな気の抜けるような返事でいいのかしら。
 それにしてもこの犬。背は高いは、胸はデカイは、犬の癖に生意気な。
「…なんだかナレーションから悪意を感じるのですが」
 気のせいです。
「そ、そうですか…え、えっと、桃太郎さん、お腰のモノを頂けるのなら、鬼退治のお供をいたしましょう」
 言い方がエロいです。
「エロくないです!」
「え、えっと…こ、これかな?」
 そう言って桃太郎が謎の袋から取り出したのは………首輪?
「えー」
 まあ、いいか。仲間が下僕になったくらい、大差ないでしょう。犬だし。
「…思いっきり違うと思うんですけど」
 うだうだ言ってたら話進まないので、ちゃっちゃと首輪つけて先進みましょう。
「う、うん。ゆきちゃんつけるね」
「…うぅ、なんでこんなことに」
 と言うわけで、犬を下僕にした桃太郎は再び鬼ヶ島を目指して歩き始めました。
「それでは桃太郎さん、参りましょうか………桃太郎さん?」
 あれ、桃太郎が動きませんね。
「…えーっと、ゆきちゃん…なんで四つんばい?」
「え?何故って犬ですから…あ、そうでしたね。これが無いと変ですよね」
 そう言って犬が差し出したのは、自分の首輪につながれた鎖でした。何時の間にそんなものを。
「え、えーっと…引っ張れって事なのかな…」
「はい。少し苦しいくらいが良いです」
「そ、そうなんだ…」
 とりあえず、わたしはノーコメントで。



751 :桃太郎・改[saga]:2009/06/13(土) 01:13:04.32 ID:2YKLCUg0
「…待ちなさい」
 桃太郎と犬が旅を続けていると、どこからともなく声が聞こえてきました。
「え?ど、どこ?」
「桃太郎さん、あそこです」
 犬が指差したほうを見ると、一匹の雉が大きな岩の上に、腕を組んで立っていました。
「…はっ!」
 雉は岩の上からジャンプすると、桃太郎たちの前に軽やかに着地しました。
「あなたが桃太郎ね…鬼ヶ島に鬼退治に行くという」
「う、うん、そうだけど………お姉ちゃん、キャラ作りすぎ」
「うるさい。そんなことより、鬼ヶ島に行くならわたしも連れて行きなさい」
 何故か偉そうに雉がそう言いました。
「え、えっと、うん…それじゃあ、これを…」
「あー、いいから。あんたの腰のモノなんかいらないから。鬼ヶ島に連れて行ってくれるだけでいいわよ」
「へ?そ、そうなんだ…」
 あ、あれ?ここってこんな脚本だったっけ…。
「時間が惜しいの。とっとと行くわよ。ほら、ぐずぐずしない」
「あ、うん…」
 何故か仕切り始めた雉に、桃太郎と犬が付いていきます。
 桃太郎達の旅は更に続きます。
「ところで…なんでみゆきは四つんばいで歩いてるの?」
「犬だからです」
「なるほど」
「…納得できちゃうんだ」


 一人と二匹に増えた桃太郎一行が鬼が島を目指したいると、今度は前方から猿がやってきました。
「ハーイ!ミナサンおゲンキですカー!」
 一行はその横を通り過ぎて、鬼が島を目指します。
「ホワィ!?ムシですカ!?」
 めんどくさそうな相手だというのは分かるんですが、話が続かないので相手してあげてください。
「なんだかサベツテキなイトをカンじるのですガ!?」
「まあ、ぶっちゃけお供になりたい、と」
「イエス!おトモになるカわりに、おコシにつけた…」
「うるさい。うだうだ言わずに付いてきなさい」
「………イ、イエッサー」
 こうして猿は、雉の一睨みで仲間になりました。
「…ところで、そうしてミユキはヨつんばいなんですカ?」
「犬だからです」
「…ナルホド」
「あ、やっぱり納得しちゃうんだ」



752 :桃太郎・改[saga]:2009/06/13(土) 01:14:19.93 ID:2YKLCUg0
 そして、桃太郎一行はいよいよ鬼ヶ島に到着しました。
 都襲撃の成功を祝って宴を開いている、鬼たちが集う広間に桃太郎たちは乗り込みます。
「日本一の桃太郎見参!さあ、鬼の大将はどこ!?」
 いや、あんたは雉でしょ。
「…お姉ちゃん、台詞取らないで」
 桃太郎さん、少しは頑張って…。
「ふ、小賢しい。我らが大将が出るまでも無いわね」
 雉の名乗りを受けて、鬼Aが啖呵をきります。その後には鬼B〜Eが続きます。
「…わたしら、ドラクエの雑魚モンスター扱いッスね」
「…まあ、端役だからしょうがないんじゃない?」
「…背景とたいして変わらないよなー」
「…う、うん」
「その程度の戦力で、我らを退治しようなどと笑止千万!」
「…てか、なんか永森先輩ノリノリなんスけど」
「…うん、こういうのやりたかったのかな」
「鬼の恐ろしさを知りたいのなら、さっさとかかって」
「ほわちゃぁぁぁぁっ!!」
 紫電一閃。雉のドラゴンキックが鬼Aに炸裂。鬼Aは後方に吹っ飛び、書割の背景をぶち破っていきました。人型の穴がなんともカートゥーンチックです。
「やまとぉぉぉっ!?」
「永森先輩生きてるッスかーっ!?」
 いや、いいんでしょうかこれ。
「お、お姉ちゃん…まだ台詞の途中じゃ…」
「なんか、演劇と言うキーワードとあの顔がむかついた」
「…リフジンキワまってますネ」
「…って言うか、永森さんはなにも悪くない気がしますが」
「さあ、次は誰?」
 軽やかにジークンドーステップを踏みながら、鬼たちを手招きで挑発する雉。
「…こーちゃん先輩。お先にどうぞ」
「い、いや、ここは後輩が先輩の仇をとりに行くところでしょ?」
「ひ、柊ちゃんに運動神経で対抗できるの、この中じゃみさちゃんだけじゃないかしら…」
「あ、あれは運動神経どうこうの問題じゃねぇぞ…」
 しかし鬼たちは、すっかり腰が引けています。
「来ないのかしら?…じゃ、こっちから行くわよ!」
 その鬼たちに、雉は容赦なく襲い掛かります。
『嫌ぁぁぁぁぁっ!?』


753 :桃太郎・改[saga]:2009/06/13(土) 01:15:31.53 ID:2YKLCUg0
 獅子奮迅と言うより雉奮迅…いや、むしろ雉無双な活躍で、鬼たちは蹴散らされました。
 そして、争いの音を聞きつけて、鬼の大将が現れ…現れ…あれ?こなたー。出番よー。
「…こなちゃん、出てこないね」
「…出るに出られないと思いますが」
「まったく、しょうがないわね」
 雉は少し匂いをかぐ動作をすると、張りぼての岩の前に立ちました。
「そこっ!」
 雉は岩に手を突っ込み、鬼の大将の角というかアホ毛を引っつかんで、引きずり出しました。
「見つけたわよ。さーてどうしてくれようかしら…」
「い、いやあの…ごめんなさい…」
 思わず謝る鬼の大将。個人的には凄く逃げ出してほしいのですが。
「ゴメンで済んだら、桃太郎は要らないのよ」
 いや、今も十分にいらないと思います。
「い、命ばかりはお助け…」
「命まで奪うつもりは無いわ…命の次に大事な貞操は奪うけど」
 ちょっとー!こなたに何するつもりなのー!?
「うるさい、黙れ」
 …はい、すいません。
「う、うわーっ!」
 鬼の大将はプラバットを改造した金棒を振り回して、精一杯の抵抗を試みます。
 偶然にも、金棒の先が雉の顔にペチッと当たりました。
「あんっ」
 すると、雉は当たった頬を押さえ、変な声を出して倒れました。
 なんかハァハァしてますが、気にしないでおきましょう。
「え、えっと…えいっ、えいっ」
「あんっ、あんっ」
 鬼の大将が金棒で打ち据えるたびに、変な声をあげる雉。
 なんか恍惚の表情をしてたり、「もっと」とか聞こえてきたりしてますが、気にしないでおきましょう。
 ってかもう色々やばそうなので、桃太郎さん鬼の大将斬って終わらせちゃってください。
「えーい」
「うわー」


754 :桃太郎・改[saga]:2009/06/13(土) 01:16:06.12 ID:2YKLCUg0
 こうして、鬼たちを退治した桃太郎一行は、鬼が溜め込んでいた財宝を持ち帰り、お爺さんお婆さんと末永く幸せに暮らしましたとさ。
 めでたし、めでたし。

「…ワタシタチがおトモするヒツヨウあったのでしょうカ?」
「わたしは、つかさんに連れられて満足ですが」
「…そ、そですカ」


 個人的な業務連絡。
 色々お話がありますので、後でそう君はわたしのところに来るように。


- 終劇 -



キャスト&スタッフ

桃太郎 柊つかさ
犬 高良みゆき
雉 柊かがみ
猿 パトリシア・マーティン
お爺さん 岩崎みなみ
お婆さん 小早川ゆたか
鬼の大将 泉こなた
鬼A 永森やまと
鬼B 八坂こう
鬼C 田村ひより
鬼D 日下部みさお
鬼E 峰岸あやの

ナレーション 泉かなた(故人)

黒子 柊いのり
    柊まつり

脚本 泉そうじろう
755 :桃太郎・改[saga]:2009/06/13(土) 01:17:26.41 ID:2YKLCUg0
以上です。

一応念のため。
別にやまとが嫌いと言うわけではなく、ゲーム版のネタです。
756 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/06/13(土) 12:13:36.73 ID:uoTJe9go
>>745
元ネタがあるやつはレスがつきにくいのかもな
まだまだ話も序盤みたいだし
でも、ROMってる人は多いだろうから心配すんなw

かくいう俺も元ネタ知らないんだよなー
でも楽しませてもらってるし、続きにも期待してるんだぜ!


>>755
GJ!ナレーションのかなたさんがいい味だしてるなぁ
しかし、つかさは主役なのに見事に目立ってないなw
757 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/06/13(土) 21:43:44.30 ID:kK6tQ7A0
こなた「やっとついたねー、石川県」
かがみ「そうねー・・・。ってつかさ、その手に持ってる袋に大量に入ってるのは何なの!?」
つかさ「こっそり飼ってた蛙が大量に子をつくったんだけど、邪魔だからばら撒いていこうと思うの」
こなた「いや、せめてどこかの池にでも放してあげようよ・・・」
つかさ「ばら撒いていこうと思うの☆」
かがみ「こら!そう無責任だから動物は飼わないって・・・」
つかさ「ばら撒いていこうと思うの☆」



つかさ「バラマキマ酢〜♪」バラバラバラ
758 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/06/13(土) 23:21:51.74 ID:hlnjqTk0
>>755
ナレーションがいいね。面白かったです。
昔話のパロディ書いてみようかな。
>>757
空からおたまじゃくしが降る事件を思い出した。
759 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/06/14(日) 00:15:41.60 ID:MyHLkl6o
>>745
乙。つかさがこの役となると……

>>755
色々突っ込みどころがwwww乙
760 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/06/14(日) 02:15:03.74 ID:9wEUocSO
かがみ「…ねえ、こなた」
こなた「ん、なに?」
かがみ「…エルボーしていい?」
こなた「ええ!?」
かがみ「…タイガードライバーでもいいわ」
こなた「い、いやいやいや…ど、どうしたの?」
かがみ「…ヒーローが…わたしのヒーローが…どうすればいいの…?」
こなた「よ、よく分からないけど、泣けばいいんじないかな…」
761 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/06/14(日) 11:07:41.06 ID:NM5QWuc0
チェリー「はぁはぁ」ズボッ
ゆたか「はうっ!?」
みなみ「こらッ、チェリー!また」
ゆたか「あはは、好きなのかな〜・・・なんて」

こなた「私思ったんだけど、あれバター犬じゃない?」
みなみ「バター犬?なにそれオイシインデスカ?」
こなた「あ、いやごめんごめん」

かがみ「でもさ、バター犬ってあれでしょ?【禁則事項】にバター塗って舐めてもらうって奴でしょ?」
つかさ「ぶっ」
かがみ「そんなの気持ち良いわけないわよね〜・・・」
みなみ「そんなことはないっ!!」

みなみ「・・・ってお婆ちゃんが」
こなた「・・・」
かがみ「・・・」

こなた「良し!脱がせ!」ガシッ
みなみ「ッ!?」
ゆたか「え?良いの?」
こなた「早くッ!」
かがみ「よしきた」
みなみ「いやぁぁぁっ」

つかさ「ゆきちゃんさっきから何書いてるの?」
みゆき「いえ、別に・・・」
みゆき(さて、どうなるでしょうか・・・)

みなみ「や」バシッ
こなた「あ、くそう」
みなみ「助けてっ」タッタッタッ
こなた「待ってよみなみちゃ〜ん」タッタッタッ
かがみ「ッば! こなた危ない!!」

こなた「――え?」

―=≡⊂二二二( ^ω^)二⊃ブーン Σ(=ω=.)ウワー!?

     ゴ       ン     ッ  !!

つかさ「こなちゃん!!」
みゆき(――確定です!)

みゆき(デスノート、本物でした!!)

762 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/06/14(日) 15:04:46.84 ID:ki8JxnQ0
>>761
効果の試し方がおかしいwwww
763 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/06/15(月) 12:13:19.15 ID:LtEdbWM0
ひかげ「お姉ちゃん、誕生日おめでとう!」
764 :ざ・くいず・しょう2009/06/15(月) 15:43:07.56 ID:HPpJO0s0
「へー黒井さん賭博やって借金作っちゃったのかーやっぱ
解雇されて金が無くなったとか?」
「・・・そうや」
「では第5問!」
「まずはこの映像を見てください」
そう言ってこなたが手を挙げると、画面に一人の女性が映し出された。
するとその瞬間黒井が目に物を喰らったようにギョッとした。
「アンタ、これは・・・」
戸惑う黒井にを無視してなんなくこなたは説明する。
「この方は8年前まで黒井さんと同じく陵桜学園で教師を勤めていた桜庭ひかるさんです。
ですが8年前に何者かに殺されてしまいました・・・・そこで問題、この桜庭ひかるさんの死因は
次のうちどれ? A溺死 B落下死 C自殺 D凶器による撲殺死」
「何が言いたいんや」
「いえ、問題を言っただけですが?」
「・・・まあええわ、D」
こなたの白々しさにまたイラツキを覚えながらも黒井は答えた。
「正解でーす!」
正解のファンファーレと共にこなたが黒井にまた話しかけてくる。

「桜庭さん、誰かに殺されちゃったんですねえ。しかもまだ犯人は見つかっていない」
「そやな」
「・・・聞けば黒井さん、あなた桜庭さんとは仲が良かったそうで?」
「・・・いや、そこまでじゃあらへんけどな。まあでも桜庭せ」
「では第六問!」
黒井が桜庭に同情の言葉を言おうとした瞬間、またもこなたによって遮られる。
「あなたが借金をしたのは今年から何年前?
A1年前 B3年前 C5年前 D6年前」
「またエラく個人的な問題やな。」
「でもそうだから答えやすいんじゃないですが」
「せやけどな・・・・」
「さあお答えください!」
765 :ざ・くいず・しょう2009/06/15(月) 16:01:47.93 ID:HPpJO0s0
今日はこれだけで。
やべー全然進まんww
766 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/06/16(火) 21:25:24.39 ID:ux3GPMAO
こなた「今日も雨か・・・」
つかさ「こなちゃん元気無いね」
こなた「この時期になると、あの子を思い出すなぁ」
つかさ「・・・誰?」
こなた「昔さ、小学生の2、3年位の頃に犬を飼ってたんだよ。」
かがみ「へぇ、なんてゲームで?」
こなた「育成ゲームじゃないよ!本当に飼ってたんだって!」
かがみ「・・・・・意外ね」
こなた「私その犬をそれはもうしっかり育てたよ。学校が終わったら毎日走って帰って真っ先にその子に話しかけてあげるんだよ。ホント、かわいかったなぁ・・・」
つかさ「それで、どうなったの?」
こなた「ちょうど梅雨の時期の今日みたいな日に散歩に連れていったんだけどね、・・・・・・まぁ、その、私の不注意で、車に・・・・・・」
かがみ「そんなことがあっただなんて・・・・」
こなた「思えば、私がお父さんの影響を酷く受け始めたのもその頃からだったかなぁ」





そうじろう「で、それがこいつ、ラッキーなんだ」
ラッキー「ワン!」
こなた「私の不注意で車に愛着を感じるようになっちゃって」
つかさ「スゴーイ、カワイイー☆」
かがみ「車を運転する犬なんて世界中探しても居ないんじゃない!?」
そうじろう「カワイイー☆」
767 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/06/16(火) 22:11:00.56 ID:pRGLXxIo
そwwうwwじwwろwwうww
768 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/06/16(火) 23:05:51.60 ID:aKjJQSI0
>>756
続き楽しみにしてるよ
>>766
すげえ犬だ・・・
769 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/06/17(水) 12:23:38.39 ID:jczuS.SO
−人妻−

こなた(あれ、みきさんとゆかりさんだ。何してるんだろ?)

みき「ゆーかりん♪」
ゆかり「みーきぽん♪」

こなた「………よし、逃げよう」
ゆかり「あらー何処いくのかしらー?」
こなた「ふおあっ!?いつの間に!?」
みき「見ちゃったのね。困った子…」
こなた「み、見てません!何も見てません!」
ゆかり「お仕置きが必要かしらー」
こなた「ただ通り掛かっただけなのにー!!」
770 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/06/17(水) 18:52:45.01 ID:9V6kxNs0
こなた「アレ痛いよねー」
つかさ「分かる分かるっ。私初めてのとき泣いちゃったよ〜」
こなた「あはは、つかさらしいね」
かがみ「・・・?」

つかさ「こなちゃんは泣かなかったの?」
こなた「そりゃちょっとは、ね」
かがみ(まさか、ね・・・)

つかさ「アレってさ、入れるときも痛いけど、抜かれるときも痛くない?」
こなた「痛いね〜。入れる側はどんな気分なんだろ?」
かがみ「ちょっと、なんちゅうー話をしてんのよ!」

こなた「え・・・?」
つかさ「注射の話だけど・・・?」

かがみ「もちろん分かっていたわよ!!」

771 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/06/17(水) 20:07:59.70 ID:F59hGYSO
ちょっと変なSS投下します。
20レス以内で終わると思う
772 :かがみの人生\(^o^)/劇場[saga]:2009/06/17(水) 20:09:51.39 ID:F59hGYSO
こなた!こなた!こなた!こなたぁぁうううわぁああああああああああああああああああああああん!!!
あぁああああ…ああ…あっあっー!あぁああああああ!!!こなたこなたこなたぁああぁわぁああああ!!!
あぁクンカクンカ!クンカクンカ!スーハースーハー!スーハースーハー!いい匂いだなぁ…くんくん
んはぁっ!こなたんの蒼色サラサラストレートの髪をクンカクンカしたいお!クンカクンカ!あぁあ!!
間違えた!モフモフしたいお!モフモフ!モフモフ!髪髪モフモフ!カリカリモフモフ…きゅんきゅんきゅい!!
コミック2巻のこなたんかわいかったよぅ!!あぁぁああ…あああ…あっあぁああああ!!ふぁぁあああんんっ!!
OVA発売されて良かったねこなたん!あぁあああああ!かわいい!こなたん!かわいい!あっああぁああ!
小説2巻も発売されて嬉し…いやぁああああああ!!!にゃああああああああん!!ぎゃああああああああ!!
ぐあああああああああああ!!!小説なんて現実じゃない!!!!あ…コミックもアニメもよく考えたら…
こ な た ち ゃ ん は 現 実 じ ゃ な い ?にゃあああああああああああああん!!うああああああああああ!!
そんなぁああああああ!!いやぁぁぁあああああああああ!!はぁああああああん!!泉家ぁああああ!!
この!ちきしょー!やめてやる!!現実なんかやめ…て…え!?見…てる?表紙絵のこなたちゃんが私を見てる?
表紙絵のこなたちゃんが私を見てるわ!こなたちゃんが私を見てるわ!!挿絵のこなたちゃんが私を見てるわ!!
アニメのこなたちゃんが私に話しかけてるわ!!!よかった…世の中まだまだ捨てたモンじゃないんだねっ!
いやっほぉおおおおおおお!!!私にはこなたちゃんがいる!!やったよパティ!!ひとりでできるもん!!!
あ、コミックのこなたちゃああああああああああああああん!!いやぁあああああああああああああああ!!!!
あっあんああっああんこなた様ぁあ!!こ、こなたー!!こなたぁああああああ!!!つかさァあああ!!
ううっうっうう!!私の想いよこなたへ届け!!泉家のこなたへ届け!


かがみ「……何やってるのかしらね、私」
773 :かがみの人生\(^o^)/劇場[saga]:2009/06/17(水) 20:10:36.75 ID:F59hGYSO

ピッ

かがみ「あ! 間違えて送信押しちゃったわ!」

 送信中………………

かがみ「キャ、キャンセルキャンセル!」

 送信しました。

かがみ「何でこんな時だけ送信速度早いのよ!!」

 本当に送信されているか確認するため、送信フォルダを開くかがみ。

かがみ「や、やってしまったわ……しかも一括送信……orz」

 説明しよう。かがみは暇過ぎて携帯を色々いじっていたのだ。メールは何人まで送れるのか、文字は何文字まで入るのか、その他諸々。

かがみ「どどどど、どうしよう……これじゃあ私変態じゃないの! マジやヴぁいって!」

 どっかのピンクちび豚の如く、あわてふためく。そりゃあんなメール送ったら誰でもそうなるわな……。

かがみ「誰に送ったのかしら……?」

 送った相手も適当にアドレス帳から引っ張って来たので、更に慌てる。さっきから冷や汗が出っ放しだ。

かがみ「こなた、つかさ、みゆき……」

 ここまではまだ話せば分かるかもしれないだろう、普段から仲良くしている相手だから良かった……が。

かがみ「ゆたかちゃん……orz」

 かがみは真っ白に燃え尽きた。何故、何故にゆたかちゃんを入れてしまったのか……と、数分前の自分を悔やむばかりのかがみだった。
774 :かがみの人生\(^o^)/劇場[saga]:2009/06/17(水) 20:11:12.10 ID:F59hGYSO

携帯 「かがみぃ〜ん、メールだよぉ〜♪」

 そうこうしているうちに一着目のメールが来た。ディスプレイには“私の嫁”と表示されている。これはかがみが設定した訳ではなく、かがみがこなたをアドレス帳に登録する際にこなたが、かがみにお願いして仕方なくこのような名前になった……らしい。

かがみ「らしい、じゃなくて本当の事よ」

 因みに、先程の着信音はというと……かがみがこなたにお願いして――

かがみ「ちょっと、そんな事ここで言わないでよ! それは私とこなたの秘密なんだからっ!」

 ……そして、肝心のメール内容はというと。

差出人:私の嫁
件名 :Re:
―――――――――
ちょwwwなに改造してるのさwww
メールで笑うなんて初めてだよ^^

――了


かがみ「良かった……こなたが話の分かる相手でホントに良かった」

 とりあえず、こなたには適当に返事を送る。これで一人目は終わった。と、少し安心した矢先だった。

携帯 「かがみ……私以外の女の子からメールだよ……」

 メール着信音を相手によって違う音にするのはよくあることだが……これは無い。

775 :かがみの人生\(^o^)/劇場[saga]:2009/06/17(水) 20:11:43.88 ID:F59hGYSO

かがみ「来たわね、相手は……みゆきか」

 高良みゆき。かがみの友人の中で、一番まともな人間として認識されている。その友人からどんな返事が返って来たのか……かがみに緊張が走る。

かがみ(大丈夫、相手はみゆきよ? 私が間違えて送ったことぐらい分かるはずだわ!)

 淡い期待を胸に、今、かがみがメールを開く!! 果たして、その内容とは!!

差出人:みゆき
件名 :Re:
―――――――――
お幸せに


――了


かがみ「んなっ!?」

 “お幸せに”この短い一言は、みゆきがかがみを軽蔑したか、本当に祝っているか、どちらかに絞れるが……今のかがみにとっては恐らく前者だろう。
 かがみは直ぐさまみゆきに電話する。直接話した方が早いし、誤解も解きやすいからだ。

携帯 「ごめんね、今は電話に出ることが出来ないんだ……また後でかけ直してよ」

 既に電源を切ったか、着信拒否にしている催す。やはり軽蔑しているらしい。
 ところで、かがみの携帯はどこまでカスタマイズされているのだろうか? 非常に気になる。

かがみ「携帯がダメなら、家に電話よ!」

 三回の呼出しの後、相手が出た。かがみの言い訳は上手く行くのか!?

みゆき「はい、高良ですが」
かがみ「み、みゆき? あのね!」
みゆき「お幸せに」
かがみ「ま、待って! 誤解よ! あれは間違い!」
みゆき「間違えて送信したんですよね?」
かがみ「うん、そーなのよ! って、え――?」
みゆき「それは直ぐに分かりましたよ」
かがみ「え? ならなんで?」
みゆき「私に間違えて送信したとしても、あの文章は紛れも無くかがみさんが打ったものですよね?」
かがみ「いや、だからあれも間違いで……うわぁーん!」

 その後、かがみの必死の弁解でなんとか誤解を解かす事が出来た。
776 :かがみの人生\(^o^)/劇場[saga]:2009/06/17(水) 20:12:13.85 ID:F59hGYSO


かがみ「ったく、直ぐに理解しなさいってーの」

 通話終了ボタンを押し、携帯を閉じる。これで二人目。残るはつかさとゆたかだが、果たして……。

かがみ「って、つかさは家に居るんだから直接話せば良いじゃないの」

 今更の様に、つかさの存在を知るかがみ。そうと決まれば直ぐ行動、かがみはつかさの部屋へ向かう。

かがみ「つかさ、入るわよ?」

 入るわよ、とか言いながら既にドアを開けている。せめてノックをしなさい。

かがみ「あれ? 居ない……」

 そこにつかさの姿はなかった。しかし、これはかがみにとってチャンスだ。何故なら、つかさが居ない間に携帯からメールを削除してしまえば良いのだから。例え既読でも、消してしまえば言い訳は幾らでも効く。

かがみ「携帯、携帯はどこ〜」

 机、引きだし、服入れタンス、ベッドの下と、色々探したが見つからない。こんなに探しても見つからないのだ。ならば考えられる事は一つ……つかさが携帯を持ったままどこかに居るということだ。

かがみ「……どーせならつかさの部屋で説明したかったけど……仕方ないか」

 かがみは肩をがっくり落として、つかさを探しに行く。探すと言っても、家の中だが。
777 :かがみの人生\(^o^)/劇場[saga]:2009/06/17(水) 20:12:46.52 ID:F59hGYSO



 二階には見当たらなかったので、階段を下り、一階へ。そして、居間へ向かう途中の事だった……。

つかさ「お母さん……かがみお姉ちゃんが……」

 その言葉にかがみはピンと来た。母親に会話、自分の名前……そして携帯を持っているということは!

かがみ「ま、まさか……」

 かがみは脱兎の如く、声のする方向へ駆け出した。だが時既に遅し。

みき 「これは……」
つかさ「お姉ちゃんが変態になっちゃったよぅ><」
かがみ「つかさぁぁぁっ!!」

 何で選りにも因って母親に話したのか!! かがみは、母親であるみきが持っているつかさの携帯を奪うべく、行動する……が。

まつり「どれどれ」
かがみ「んなっ!?」

 かがみの姉である、まつりが先に携帯をみきから奪った。

まつり「な、なにこれ……」
かがみ「やめて、読まないでぇ〜///」

 まつりは携帯を奪われないよう、両手を上げて、携帯を見上げる形で見ている。かがみは顔を真っ赤にしながら、必死にジャンプして、携帯を奪おうとしている。
 すると、そこへ……。

いのり「何してるの?」
まつり「あ、姉さん」
かがみ「い、嫌な予感が……」

 柊家の長女、いのりが現れた。このさっきと似たパターン、激しく嫌な予感がするかがみ。

778 :かがみの人生\(^o^)/劇場[saga]:2009/06/17(水) 20:13:21.57 ID:F59hGYSO
まつり「姉さん、パース」
いのり「おっと」
かがみ「いやあぁぁぁぁっ!!」

 まつりが携帯をいのりに放り投げたのだ。いのりはそれを見事にキャッチ。

いのり「……なにこれ」

 いのりもまつりと同じ姿勢で見てるため、かがみは携帯を取れない。

かがみ「いっそ殺して!」
ただお「何の騒ぎかな?」

 今度は柊一家の大黒柱、父ただおが現れた。
 かがみは思った。この人に見られたら色んな意味でおしまいだ……と。

かがみ「いのり姉さん、お願いだからやめて……」

 かがみはいのりを父の元へと行かせまいと背中に両腕を回し、ふん縛る。

いのり「まつり」
まつり「よしきた」

 その一言でまつりは、必死にいのりに抱き着いているかがみの脇をくすぐり、いのりから引き離し……

かがみ「や、はは……ちょwって、キャ!?」

 そしてそのまま羽織い締めにする。たった一言、名前を呼んだだけでここまでとは……まるで前から打ち合わせでもしていたかのようだ。

かがみ「や、やだやだ! 姉さん!」
まつり「つかさ、この暴れる足をお願い」
つかさ「は〜い♪」

 つかさがかがみの足を掴み固定する。実際、そんなことされても、つかさが相手なら軽く蹴り飛ばせるだろうが、そこは姉。妹に優しいかがみがそんなこと出来るはずがない。勿論、まつりはその事を知っててつかさに頼んだのだ。

779 :かがみの人生\(^o^)/劇場[saga]:2009/06/17(水) 20:14:04.46 ID:F59hGYSO
つかさ「ごめんね? これもお姉ちゃんのためだから……」
かがみ「つかさぁ……」

 かがみは諦めたようにガックリとうなだれる。

いのり「ほら、お父さん、見てこれ」
ただお「どれどれ………………なんじゃこりゃあっ!?」

 ただおの顔が激変する。それは般若と呼ぶに相応しい顔だった。僅かにオーラの様な蒸気も揚がっていた。……この表現は少し大袈裟か。

かがみ「ひっ……」

 そしてその顔でかがみを見る。かがみは、父の見た事もない顔に恐怖し、ガクガクと震えていた。
 そして……。

ただお「ではこれから、かがみについて考える会を始めます」

 変な家族会議が始まった。この会議は一時間続いた……。




かがみ「つ、疲れた……」

 会議が終わり、部屋に戻ったかがみは倒れるようにベッドにダイブする。

かがみ「もう今日は寝る。何もしたくないわ……」

 かなりお疲れの様子。しかし、新の恐怖はこれからである。そう、まだ三人目。後一人、メールを送った相手が居ることをかがみは忘れていた……。
 そして、携帯のサブディスプレイが光っていることに気付かず、かがみは深い眠りに付いた……。
780 :かがみの人生\(^o^)/劇場[saga]:2009/06/17(水) 20:14:37.25 ID:F59hGYSO


 ――翌朝。

かがみ「……しゅーくりーむくりえーたーつかさ……」

 謎の寝言を吐きながら、とても幸せそうな寝顔で寝ているかがみ。すると間もなく。

携帯 「朝だよ〜! 起きてー、か〜がみん♪」
かがみ「んぁっ! こなた?」

 携帯の目覚ましで目を覚ました。携帯のアラームが鳴り続いているが、やがて「あやとじゅしたー」という効果音と共に静かになった。どうやら充電するのを忘れ、電池が失くなったらしい。

かがみ「やだ、私ったらこんな格好で寝てたの?」

 今のかがみの姿は部屋着。つまりパジャマに着替えず寝てしまったのだ。

かがみ「髪がボサボサね、シャワーでも浴びてさっぱりしよう」

 かがみは携帯を充電器に差し込むと、足早にお風呂場へと向かう。


みき 「あら、かがみおはよう」
かがみ「お、おはよう……ちょっとシャワー浴びてくる」

 かがみはそそくさとみきを通り抜ける。昨日の誤解は解けたものの、少し気まずい様子。無論、そんな事を感じているのはかがみだけだが。

かがみ「シャワーを浴びてリフレッシュよ。昨日の事は早めに忘れよう」

 着ている衣服を脱ぎ払い、開放感に満ち溢れたかがみが、今、風呂場への扉を開ける!
 するとそこには……。
781 :かがみの人生\(^o^)/劇場[saga]:2009/06/17(水) 20:15:08.85 ID:F59hGYSO

☆☆☆

かがみ「え"……」
つかさ「ひゃっ、お姉ちゃん?」

 つかさが身体を洗っていた。姉の存在に気付いたつかさは、即座に手で秘部を覆い隠す。
 昨日の一件の事から、危険と感じたのだろうか……。

つかさ「やっぱり、お姉ちゃんは女の子が好きなんだね」
かがみ「いや、その……」

 もじもじしている妹の仕草が可愛いからか、かがみは否定を即答出来なかった。

つかさ「でも、いくらなんでも姉妹同士は良くないんじゃないかな……」
かがみ「違うの、つかさが入ってるなんて知ら――」
つかさ「良いよ」
かがみ「へ?」
つかさ「お姉ちゃんになら身体を預けても良いよ」

 つかさはそう言うと、隠していた部分を姉の前に晒け出す。顔もほのかに萌えていて、狼が見たら「ひゃっほー」と叫んで飛び込んでしまう勢いの可愛さがそこにあった。

かがみ「つかさ、良いの? 触るよ?」
つかさ「うん……///」

☆☆☆

かがみ「何だ今のビジョンは……」

 という事が今から起きるかもしれないと、かがみは思っていた。読者サービスも忘れないとは、流石である。

かがみ「ねぇよ! だいたい、つかさはまだ寝てるっつーの」

 ガラッ、と扉を開けるとそこには誰も居なかった。



782 :かがみの人生\(^o^)/劇場[saga]:2009/06/17(水) 20:15:37.60 ID:F59hGYSO
かがみ「はぁー♪」

 シャワーを浴びて気分は最高潮。昨日の事など、どうでも良くなっていた。

かがみ(誤解は解けたし、今日はいつも通りにしてよう。いつまでも引っ張るのは良くないしね♪)
かがみ「ふんふんふーん♪」

 鼻歌まで歌って、かなりご機嫌の様子。この状態がいつまで続くか、見物である。

かがみ「ふんふんふー……」

 この状態がいつまで続くか、見物である。

かがみ「ふんふ……」

 この状態がいつまで続くか――

かがみ「あぁーっ……がぼがば」

 シャワーの水が口の中に入ったようだ。

かがみ「げふげふ……忘れてたわ……」

 そう、メールを送った相手はまだ居るのだ。かがみの様な物事をキッチリこなす性格なら、昨日の内に気付いてもおかしくないのだが……まぁ、無理もないだろう。

かがみ「こんなことしてる場合じゃないわ!」

 かがみは適当にシャワーを終わらすと、バスタオルを身体に巻いて駆け出した。

みき 「かがみ? ちゃんと着替えないとダメ――」

 廊下を歩いていたみきにバッタリと出会ってしまった。しかし……。

かがみ「ごめん、ちょって急いでるから!」

 と、母親であるみきの言葉を軽く受け流して二階へ駆け上がる。下から「ちゃんと拭かないと風邪引くわよー」と聞こえたが、それすらも行う時間が惜しい。何故なら、今は一刻も早く携帯にメールが来ているかどうかを確認するのが、かがみにとって最優先事項だからだ。

783 :かがみの人生\(^o^)/劇場[saga]:2009/06/17(水) 20:16:07.13 ID:F59hGYSO
 自室に辿り着いたかがみは直ぐさま充電器から携帯を外し、電源を入れる。すると「やっふー」という可愛らしい効果音と共に画面が明るくなった。

かがみ「あんたのその余裕が羨ましいわ」

 携帯にツッコミを入れるほど余裕があるのか、それとも焦りで頭がパニック状態なのか、真相は分からない。
 携帯はやがてディスプレイモードになると、そこには『新着メール4件』という表示が出てきた。

かがみ「四件……」

 ゴクリ、と生唾を飲み込み、恐る恐るメール受信フォルダを開く。そこには……『ゆたかちゃん』と書かれた表示が四件、つまり全部ゆたかからのメールが着ていた。

かがみ「何でこんなに……」

 かがみは身体に巻いていたバスタオルを外すと、ベッドに座り、まだ濡れている髪を拭きながらメールを確認する。

かがみ「…………」

 一件目のメールを表示する。


差出人:ゆたかちゃん
件名 :Re:
―――――――――
えーと、先輩?
どういう意味ですか?

――了


 なんだ、この程度なら直ぐにでも弁解は可能ね。一瞬、そう思ったが、まだ一件目ということを思い出す。

かがみ(次はどんな内容かしら……一件目に気付いていれば……!)

784 :かがみの人生\(^o^)/劇場[saga]:2009/06/17(水) 20:16:36.48 ID:F59hGYSO
 一件目が送られて来た時間帯は例の『かがみについて考える会』が行われていた時であったため、気付くはずも無い。あの後、直ぐに寝なければ良かったのだが。
 着信はあっても、二件目以降のメールに気付かなかったのは疲れて熟睡していたからだろう。

かがみ「…………」

 二件目のメールを表示する。


差出人:ゆたかちゃん
件名 :
―――――――――
何で何も言わないんですか?

――了


かがみ「いや、寝てたし……」

 メールというのは相手の都合が悪ければ、返したくても返せないものである。それは普通の手紙でも言えることだが、ゆたかは携帯初心者なのだろうか?

かがみ(ま、こーゆーメールが続いてるだけなら今からでも十分弁解は可能ね♪)

 緊張の糸が切れ、そのままベッドに仰向けに寝転ぶ。余裕があるなら下着くらい着てほしいものだが……。
 そして三件目のメールを表示する。


差出人:ゆたかちゃん
件名 :
―――――――――
こなたお姉ちゃんには直ぐに返事をしたそうですね。
私に返事をしないのは何でですか?
今から30分以内に返事が来なければ私にも考えがありますよ。

――了

かがみ「な……、三十分って……私寝てるのに……。というか……」

 こなたから聞いたならそれで全て理解しているのでわ? と思うかがみ。かがみの意見は最もだ。こなたから事情を聴いたのならこのメール内容はおかしい。まるで自分にも謝罪の文をよこせと言っているようなものである。
 だが、このゆたかという人物はそんな小さな事を根に持つ性格ではない事は誰が見ても分かるぐらいの無垢で汚れを知らない光り輝かんばかりの笑顔を持つ天使とも呼べる存在なのだ。その天使がこのようなメールを送って来たのには何か特別な理由がない限り有り得ない。
 一体何があったというのか? ではここで、かがみを放置して昨晩のゆたかの様子を見ていただこう。

785 :かがみの人生\(^o^)/劇場[saga]:2009/06/17(水) 20:17:18.17 ID:F59hGYSO
☆☆☆

 ここは泉家。夕食を食べ終えたここの住人は、各個、自分の部屋へ行くなり、お風呂へ入るなりする時間帯だ。
 問題のゆたかはというと、どうやらお風呂に入っているようである。では、少し失礼しよう。

ゆたか「♪♪♪」

 何やら物凄く幸せそうに湯舟に浸かっている。何だこの天使は。この映像を全世界に配信すれば、人々の心は癒され、争い事は無くなるに違いない。まさに平和の象徴だ! 敢えて言うなら彼女は“史上最強最終平和決戦兵器”!!
 そのゆたかが何故にあんなメールを? それでは、暫くゆたかを見ていただこうか。さすれば理由が分かるやも知れん。

ゆたか「こなたお姉ちゃん……」

 おっと、これは……?

ゆたか(何でだろう……いつからだろう……、一緒に暮らすようになってからかな? 気が付くと頭の中にはこなたお姉ちゃんがいっぱい……)

 水面下に映る自分の顔が、従姉であるこなたの顔になっていく。

ゆたか(お料理も出来て、スポーツも出来て、優しいお姉ちゃん……。今まで尊敬と憧れという感情と純粋に好きという感情しかなかったのに、いつの間にか“好き”という感情が大きくなっちゃった……)

 ゆたかは水面に口を近づけて息を吹いて、ぶくぶくと水面に映る像を崩す。そして顔を上げ、天井を見つめ「ふぅ」と息を吐く。

ゆたか「こなたお姉ちゃん……」
こなた「ん? 何? 呼んだ?」

 いつの間にか扉の向こうに居たこなたに「ひゃっ」と驚くゆたか。
786 :かがみの人生\(^o^)/劇場[saga]:2009/06/17(水) 20:17:50.45 ID:F59hGYSO

ゆたか「お、お姉ちゃん!? うぅん、なんでもないよ!」
こなた「そう? 着替え忘れてたみたいだから、掛けとくね」
ゆたか「うん、ありがとう♪」

 扉越しに会話を済ませ、こなたの気配が無くなったのを確認すると、ゆたかは聞こえない程度に「大好きだよ」と付け足した。
 さて、勘の良い読者諸君は何故ゆたかがあのようなメールを送ったのか、もうお気付きではないだろうか。
 では、ゆたかが例のメールを見るシーンまで行ってみよう。尚、お風呂上がりの着替えのシーンは省略させていただく。もしもそんな描写をここで見せたらどうなるか分かっているだろう? そんな描写があったら……世界が、地球が、いや宇宙が! ビッグバンを引き起こし、新たな世界を創造してしまうに違いないのだ!
 いや、何を勘違いしているんだ……新たな世界よりもその前に! ゆたかの生着替えのシーンをリアルに伝えてしまったら……全世界の人という人が……萌え死んでしまうではないか!! 先程、ゆたかを敢えて言うなら“史上最強最終平和決戦兵器”と述べたが、あれは違う、間違いだ!
 では一体ゆたかは何なのか? 答えは簡単……改めてここに宣言する! 彼女こそ“史上最強最終萌死決戦兵器”であると!!
 実に危ないところだった……。確かに人類が滅べば争いも無くなり世界は平和になるだろう。しかし、独り取り残されたゆたかはどうなる!? 寂しがり屋の彼女の事だ、生きている人を探しさ迷い、やがて世界に自分しか居ないと知り、絶望し、泣き出してしまうだろう。
 そんなのめちゃくちゃ可愛そうじゃないかぁぁぁっ!! そしてその姿を見た別次元の住人が新たに萌え死んでしまう! それだけは絶対に絶対に阻止しなければ色々とマズイ! 何故なら――

かがみ「も〜、限界! いい加減にしろ! 世界が皆ロリコンだと思うな! 早く話を進めなさいよ! いつまでも裸でいるこっちの身にもなれ!!」

 ……回想シーンくらいツッコミは控えておいてほしいものであるがそれは措いといて。
787 :かがみの人生\(^o^)/劇場[saga]:2009/06/17(水) 20:18:35.06 ID:F59hGYSO
 さて、熱く語っているうちにゆたかは着替えを終え、自室に向かっているようだ。これから例のメールを見るみたいだ。

かがみ「何であんなメール打っちゃったんだろう?」

 ……いつの間にか回想にかがみ潜り込んでいるが、ここは無視しておこう。
 ゆたかは自室に行く前に、隣の部屋に向かっていた。ノックをして「お姉ちゃん」と呼び、返事を待つ。どうやらここはこなたの部屋らしい。「どうぞー♪」と機嫌の良い返事が返って来たのでドアを開ける。

ゆたか「お姉ちゃん」
こなた「ん? ゆーちゃん、何かな〜?」

 部屋には入らず、ドアから顔だけ覗くように出している。その遠慮がちな姿に萌えてしまうのは別に恥じることじゃない。うん。

ゆたか「さっきは着替えを持って来てくれてありがとう♪」

 お礼なら先程お風呂で言ったはずだが……ちゃんと面と向かってわざわざ言い直しに来るなんて、なんて良い子なんだ!!

こなた「あぁ、それぐらい別に良いよ〜♪」
ゆたか「えへへ///」

 ゆたかはそれだけ言って満足したのか、ドアを閉めようとするが、こなたに「ちょっと待って」と呼び止められてしまう。

788 :かがみの人生\(^o^)/劇場[saga]:2009/06/17(水) 20:19:09.69 ID:F59hGYSO
ゆたか「え?」
こなた「ゆーちゃん顔が赤いよ? 逆上せちゃったの? 大丈夫?」

 こなたは心配そうにゆたかを見つめる。ゆたかはそんなこなたを見て、ますます顔が赤くなってしまう。

ゆたか「だ、大丈夫だよ。逆上せたとかじゃないから///」
こなた「そっか、なら良いけど」

 ゆたかは適当にごまかすと、ドアを閉め、テッテッテという足音を起てながら足早に自室に向かう。

かがみ「あぁ、なんかもう……全てを理解したっていうか……」

 いつ着替えたのだろうか……。いつの間にやらかがみは髪を縛って服を着ていた。まぁ回想シーンくらい、この格好でも別に良いだろう。
 さて、ゆたかは自室に入るとおもむろに服を脱ぎだしこなたを想いながら省略されました続きを読むにはジャンピング土下座をし、各自勝手に妄想してください。

かがみ「誰かこのナレーターどーにかして……」

 ゆたかは自室に入ると、ベッドにフラフラと吸い込まれるように倒れた。

ゆたか(さっきのお姉ちゃんの顔を見たらまた胸が熱くなっちゃった……限界なのかな、私……)

 どうやら、先程の逆上せた事(実際には逆上せていないが)を心配してくれたこなたを見て、ゆたかのこなたへの想いは爆発的に増加してしまったようである。

ゆたか(胸が苦しい……ダメ……何かで気を紛らわさなきゃ……)

 ゆたかは俯せになりながらキョロキョロと辺りを見回す。すると視界に入ってきたのは枕元に置いてあった携帯電話だった。
 さぁ、物語はここから一気に加速する!

かがみ「減速して……」

 そう思うなら見なければ良いと思うのだが……まぁ、無視しておこう。

789 :かがみの人生\(^o^)/劇場[saga]:2009/06/17(水) 20:19:42.19 ID:F59hGYSO
ゆたか「あ、メールが来てる」

 誰からだろう? と思いながら携帯を操作していく。メールの相手については説明するまでもない。

ゆたか「かがみ先輩? 珍しいな、何だろう……」

 ピッ、とボタンを押し内容を表示する。ここから始まるマイレボリューション。

かがみ「意味わかって言ってるのか?」

 メールの内容。

差出人:かがみ先輩
件名 :
―――――――――
こなた!こなた!こなた!こなたぁぁうううわぁああああああああああああああああああああああん!!!
あぁああああ…ああ…あっあっー!あぁあああああ――

※メール送り主が全文載せるのは勘弁してください、とのことで省略されました。

かがみ「あんなメール二度と見たくないわ」

 自分で打っておいてよく言う。
 メールを見終わった、といっても殆ど意味が分からなくて読み飛ばしたゆたかは、チンプンカンプンといった顔をしていた。

ゆたか(なんだろう、間違いメールかな? 一応返信しとかなきゃ)
ゆたか「えーと、先輩? どういう意味ですか? っと」

 メールを送信し、仰向けに寝転がる。

ゆたか(間違いでもお姉ちゃんを馬鹿にするような内容だったし、それも含めて謝ってほしいな……)

 どうやらこの時点でかがみがメールを返していても、一波乱起きていたようだ。ここのかがみも頭を抱えている。
 ゆたかはメールが返ってくるまで本を読んだりして時間を潰していた。だが、いくら待ってもメールは返って来ず、少しの苛立ちを覚えたゆたかは再びメールを送ることにした。

 “何で何も言わないんですか?”

 このメールを送った時刻には、既にかがみは夢の中である。
 ここまでの回想を読んでいただければ――殆どあんたの暴走だけどなbyかがみ――ゆたかが何故このような追撃メールを送ったか、もうお分かりだろう。
 彼女にとってこなたは尊敬、憧れ、大好き、といった三拍子で出来ているのだ。それをけなすようなあのかがみのメール……そりゃあ怒るのも無理はない。

かがみ「だからあれは、気の迷いというか……。でも傷付けちゃったのは確かよね……」
790 :かがみの人生\(^o^)/劇場[saga]:2009/06/17(水) 20:20:08.79 ID:F59hGYSO

 すっかりこなたへの熱が冷めてしまったゆたか。そういえばお風呂から上がって何も飲んでないな、と思い、喉の潤いを求め二階のリビングへと向かう。


こなた「あ〜、喉渇いた」

 冷蔵庫から麦茶を取り出し、コップに注ごうとした矢先、そこへこなたがやって来た。

ゆたか「あ、お姉ちゃんも飲む?」
こなた「うん、お願い」

 ゆたかは麦茶をコップに注ぐと、それをこなたに差し出し、また新たなコップを食器入れから取り出した。
 相手優先というところが流石だね。

こなた「ぷは〜! 生き返った!」
ゆたか「お姉ちゃん嬉しそうだね、何か面白いことでもあったのかな?」
こなた「分かる? いや〜、それがさ、かがみから変なメールが来てね〜」

 かがみから変なメール、その言葉を聞いたゆたかはピクッと麦茶を注ぐ手を止める。

ゆたか「メー……ル?」
こなた「うん、で、余りにも変なんで問い質してみたら間違いメールだったんだって♪」
ゆたか「へぇー……」

 チョロチョロと麦茶をコップに注ぐ。それを飲み干し、冷蔵庫に麦茶をしまうと、小さく「そっか」と呟いた。

こなた「かがみがあんなメール送ってくるなんて可笑しくてさ♪」
ゆたか「誰にでも間違いはあるってことだね♪」

 そういって会話を終了させると、こなたに「おやすみ」と一言告げ、足早に自室に向かった。
791 :かがみの人生\(^o^)/劇場[saga]:2009/06/17(水) 20:20:36.01 ID:F59hGYSO
すいませんちょっとタンマ。
すぐに戻ります
792 :かがみの人生\(^o^)/劇場[saga]:2009/06/17(水) 20:35:42.40 ID:F59hGYSO


 ボフン……ベッドにダイブして置いてあった携帯を見る。メールは来てない。
 ゆたかは怒っていた。その証拠に頬を膨らませている。可愛すぎる。

ゆたか(何でこなたお姉ちゃんには直ぐに弁解したのに私にはしないのかな……)

 再びあのメールを見る。何度見ても許せない内容に、ゆたかは涙した。
 そして、ある一つの結論にたどり着いた。

ゆたか(そっか、これは警告なんだ……)

 ゆたかの考えはこうだ。
 かがみがどうやって知ったのか分からないけど、ゆたかがこなたに恋心を抱いている事を知り、こなたを取られない様に先手必勝を取ったのである。“私はこれだけこなたを愛しているのよ”と。そう考えれば、こなただけに間違いメールの弁解をした理由に頷ける。このメールは初めからゆたかに送るメールだという事が分かるからだ。
 ではゆたかにメールを返さないのは何故か? 答えは簡単。待っているのだ。ゆたかがこなたをどれだけ愛しているのか、というメールを。
 しかし、そんな勝負事に今気付いても、ゆたかにとっては、もはやどうでも良かった。こなたを侮辱した。それだけが許せないのだ。
 そんな奴がこなたを愛しているなどという資格は無い。ならばと、ゆたかは三度メールを打ち込むのであった。

かがみ「そこまで考えられるなら、どうして私が寝ているという考えは思い付かなかったのよ……」

“こなたお姉ちゃんには直ぐに返事をしたそうですね。
私に返事をしないのは何でですか?
今から30分以内に返事が来なければ私にも考えがありますよ。”

793 :かがみの人生\(^o^)/劇場[saga]:2009/06/17(水) 20:36:10.85 ID:F59hGYSO
 このメールはゆたかの慈悲による最後の確認だ。これでもメールが返ってこなければ、先の考えが正しいと判断し、ゆたかは次のステップに移るだろう。

かがみ「ゆたかちゃんがこなたを愛しているのはよーく分かったから。あれは間違いメールなのよ〜……」

 そして30分後、メールはもちろん返ってこなかった……。

ゆたか「やっぱり、そういうことなんだ……」

 ゆたかは更に追撃メールを送る。このメールははかがみからメールが来なかった場合に備え、予め30分後のメールを用意していた物だ。
 それからゆたかは部屋を出て、隣の姉の部屋に向かいノックもせずドアを開ける。

こなた「ゆーちゃん?」

 パソコンに向かっていたこなたは、突然の小さな来訪者に驚く。だが、そんなことお構いなしにゆたかはズカズカとこなたに歩み寄る。こなたは何事かと席を立ち、近付いてくる従妹にどうしていいか分からず、立ち往生していると間もなくゆたかに抱き着かれた。

こなた「ゆ、ゆーちゃん?」
ゆたか「こなたお姉ちゃん……ぐすっ……うぅ……」

 さてと、大体事情も分かったことだし、回想はこのくらいにしておこう。

かがみ「えっ、終わり!? 続きが気になるんですけど」

 因みに、この回想シーンに存在する有り得ない人の記憶は消去させていただく。

かがみ「有り得ない存在って……私かよ! って、記憶は消さなくても良いでしょ!? せっかく良い案が浮かんで来た――」

 以上で回想は終わりだ。それでは本編を再開しよう。

かがみ「人の話を――」


☆☆☆


差出人:ゆたかちゃん
件名 :
―――――――――
お姉ちゃんをそんな目で見ていたんですね。正直先輩にはがっかりしました。
あなたがお姉ちゃんをどう愛していようと、私には不快で堪りません。
今後一切、お姉ちゃんには近付かないでください。
お姉ちゃんをそんな目でしか見れないあなたは最低です。
794 :かがみの人生\(^o^)/劇場[saga]:2009/06/17(水) 20:36:43.04 ID:F59hGYSO

かがみ「…………なによこれ」

 四通目のメールを見たかがみは酷く困惑していた。友達の妹からの拒絶のメール……それもかがみにとって大好きなこなたに会うなという内容なのだ。冷静でいられるはずも無い。

かがみ「ゆたかちゃん……」

 まさかゆたかにこんな一面があるとは……普段の無垢で純粋な彼女からは想像できない。ん? 似たような文章が上にあるって? 細かいことは気にしちゃいけない。
 ともかく、なんとしても誤解を解かなくてはならない。彼女だって人間だ、ちゃんと誠意をもって話せば誤解も解けるはず。と、かがみは思った。

かがみ「まだまだ先は長いな……」

 メールを見たときこそ慌てていたが、所詮相手は二個下の後輩だ。それにこなたも事情を知っているし、なんとかなるだろう、と既に僅かな勝利を確信していた。この切り返しの早さがかがみらしい。
 かがみといえば、まだちゃんと紹介していなかったな。主役を差し置いてゆたかを紹介して申し訳ないと思う。では早速――

かがみ「い、良いわよ。恥ずかしいから」

 それは残念だ。まぁ、進展が遅いと良くないし、物語を進めよう。

かがみ「あ、うん……」

795 :かがみの人生\(^o^)/劇場[saga]:2009/06/17(水) 20:37:09.71 ID:F59hGYSO
 さて、かがみがシャワーを浴びて、着替えず今に至る事には、かがみにとって最悪の結末になるとは思ってもみなっただろう。なぜなら部屋のドアが全開だったからである。そしてそこには一人の少女が顔を真っ赤にして突っ立っていた。

かがみ「え……つかさ……?」
つかさ「お姉ちゃん……裸で携帯見てゆたかちゃんって……まだ先は長いなって……恥ずかしいからって……何してたのー!?」

 そう叫んだ後、つかさは階段を全力で駆け降りて行った。

かがみ「ま、待ちなさいつかさっ///」



         おわり(^p^)アウー
796 :かがみの人生\(^o^)/劇場[saga]:2009/06/17(水) 20:38:15.20 ID:F59hGYSO


 以上です。半分ゆーちゃんに対して固有結界を発動してしまいましたが許してください。かがみも――

かがみ「何勝手に終わらせようとしてるのよ! つかさを追い掛けないと!!」

 バスタオル片手にかがみもこりゃまた全力で階段を駆け降りていく。そして母親の居るであろう台所へ向かう途中のつかさを後ろから抱くように捕まえた。

つかさ「ひゃぅっ」
かがみ「ちょっと、そんなに怯えないでよ」
つかさ「だってお姉ちゃん当たってるよぅ」
かがみ「当ててんのよ」

 シーン、と静まり返る。

かがみ(な、何を口走ってるんだ私の口はぁぁっ!!)
つかさ「あぅあぅあぅ……」

 つかさがじたばたとかがみから逃れようとするが、かがみは「ここで逃がしたら昨日の二の舞よ」と思い、抱きしめる力を強める。

まつり「朝から何の騒――っ!!」
かがみ「えっ?」

 かがみが後ろを振り返ると、口をあんぐりと開けたまつりの姿がそこにあった。

かがみ「あ、の……」
まつり「あんた何朝っぱらから妹襲ってるのよー!!」
かがみ「ちがっ、って声大きいわよ!」

 かがみの気が動転している隙に、つかさはかがみから逃れる。

797 :かがみの人生\(^o^)/劇場[saga]:2009/06/17(水) 20:39:00.64 ID:F59hGYSO
つかさ「まつりお姉ちゃぁん」
まつり「よしよし、もう大丈夫だから。何があったか話してごらん」
かがみ「言わせるかぁー!」

 凄い勢いで二人の元へ近づくかがみ。しかも全裸で……どうみても変態です。本当にありがとうございました。

つかさ「かくかくしかじか」
かがみ「ちょ、掟破りの反則技!」
まつり「なっ……」

 つかさから事情を聞いたまつりは驚きのあまり声を失う。そして……

まつり「かがみが全裸で携帯の友達の従姉妹の画像を見ながら名前を連呼してときめいてたぁぁーっ!!?」
かがみ「ちっがーう!!」

 その叫びは柊家中に響き渡った。無論、騒ぎを聞き付けた連中がぞろぞろと現れる。

かがみ「連中言うな。私の家族だ」

 現れたのはただお・みき・いのり、これで家族全員が廊下に居ることになる。かがみは持っていたバスタオルで身体を隠す。

みき 「まだそんな恰好してたの?」
ただお「一体なんの騒ぎかな?」
いのり「朝から騒々しいわね……」
まつり「姉さん、かがみがまた……」

 まつりが放った言葉で、一同の視線はかがみに移る。かがみは顔がトマトの様に真っ赤になり、自分の両肩を抱き寄せ、縮こまってしまう。

かがみ「やだぁ……見ないでぇ……」

 ぺたん、と、俗に言う女の子座りをしてしまうかがみ。何か反則的な存在になってしまったような……。だがそんなことはお構いなしだ。今朝の一件が次女から長女、長女から父へ伝えられてしまった。

798 :かがみの人生\(^o^)/劇場[saga]:2009/06/17(水) 20:39:48.18 ID:F59hGYSO
ただお「なん……だと……?」

 ナニをするとき誰を思うのは勝手の筈だが――だから何もしてないってば!――流石に友達の、しかも従姉妹となれば家族会議物だろう。

ただお「かがみ」
かがみ「は、はい」

 普段のかがみと違って、とてもしおらしく、何かやばい。弾けそうだ。
 それにしてもこのただお、にこにこである。逆に怖い。

ただお「まず服を着てきなさい」
かがみ「はい……」

 かがみは立ち上がると自室に行き着替える。今日は学校ということもあるので制服にだ。
 まず湿っている髪をタオルで適度に拭き――本当はドライヤーも使いたいみたいだが、今はそれどころじゃないようす――引き出しから下着を取り出し、身につける。今日は縞模様の――

かがみ「ちょっと、何解説してるのよ! 飛ばしなさいよ!」

 とまぁ、着替え終え、一階の居間へ行くと既に家族はテーブルを囲って座っていた。かがみは「あぁ、またなんだ……」と心の中で歎き、渋々とテーブルの上に置いてある座布団に座る。って、なんだこの光景は。

ただお「ではこれより第二回、かがみについて考える会を始める」

 その会議は長引くことはなく、かがみの豪熱マシンガン説明によって数分で終わったそうだ。
 平日の朝からやる事じゃないだろ、これ。

かがみ「まったくよ!」


 会議も無事に終わったことで、ようやく柊家にいつもの朝が訪れた。とは言っても、既に家を出ないと遅刻ぎりぎりの時間帯だったため、かがみとつかさは口にパンを加えて学校へ行く事になった。
 学校に最後の難関が待ち構えているのを知らずに……。

かがみ「ひっへるわよ!」
つかさ「わはひをへふはうっ!」

 よくもまぁパンを落とさずに喋れるものだ。てか、食べながら喋るな。
 つかさという、役に立つかどうかは分からない仲間を――ひ、ひどいよぉー byつかさ――手に入れ、物語はいよいよ終盤。学校編へと向かった。

799 :かがみの人生\(^o^)/劇場[saga]:2009/06/17(水) 20:40:20.22 ID:F59hGYSO
かがみ「でもね、つかさ。もうあまり時間が無いの」
つかさ「お姉ちゃん、まさか」
かがみ「あれをやるわよ!」
つかさ「……わかった!」

かがみ「柊家に代々伝わる」
つかさ「究極おうぎ!」

かがみ&つかさ「夢オチの舞!」

 セーラー服を脱ぎ捨て、光の速さで巫女服に着替えた二人は、お互いに背中を合わせ、すぅっと息を吸いこんだ。何事かと朝の通勤ラッシュで歩いていた人達が足を止め、やがて人だかりが出来た。
 そしてそれは始まった。

 何処からか流れてくる神妙な曲に合わせ、二人は舞う。扇子を両手に用いて舞う二人の姿は神々しく、人々を、動物を、そこに居る全てのものを魅了させた。
 夢オチの舞。
 その名の通り、夢オチにするための踊り。これを実行することで、今までの物語は全て夢ということで終わらせることが出来るのだ。また、夢オチと確定したことで、この先どんなに有り得ない事が起きても、全ては“夢だから”で片付けられてしまう究極の技なのだ。

 やがて曲も終盤に近づき、かがみ達姉妹の動きもラストスパートに向かって、激しいものへと移り変わっていった。
 二人は背中を合わせ、円を描くように舞う。汗一つ掻いていないその顔に、誰もが心を奪われ涙した。
 そして曲が止み、円舞を終えた二人に盛大な拍手喝采が送られた。そんな拍手の中、一人の少女が前へ出た。

ゆたか「美しい、踊りでした……」
かがみ「ゆたかちゃん……」
ゆたか「こんなに美しい心の持ち主が、あんなメールを打つわけが無いですよね。どうして直ぐに気付かなかったんだろう、あれが間違いメールで、先輩は寝ていたんだって……」

かがみ「ゆたかちゃん。分かってくれたならもう良いわよ。自分を責めないで」
ゆたか「かがみ、先輩……ごめんなさい」

 二人が抱き着くと、またしても盛大な拍手が送られた。

つかさ「お姉ちゃん。良い感じで終わろうとしてるけど、これ夢オチだからね」
かがみ「あ――」




☆☆☆☆

かがみ「……んん」
かがみ「…………」

かがみ「変な夢……」


        完!!
800 :かがみの人生\(^o^)/劇場[saga]:2009/06/17(水) 20:40:51.73 ID:F59hGYSO
以上です。
えー、解説しますと、この作品は2年前に途中まで書いた作品でして
先日、たまたま発掘して続きを書こうとしたのですが、
2年前のオチなんて既に忘れていて、あの時の勢いも無くしてしまい、
こんな終わり方になってしまいましたんです……

ここまで読んでくれた方には誠に申し訳ない事をしました……
許してくだしあ><

ちなみに“第二回、かがみについて考える会”までが2年前に書いた所ですw
今の俺では絶対使わない記号等ありましたが、懐かしかったのでそのまま採用しました。
801 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/06/17(水) 21:16:42.58 ID:npnzZC.o
>>800
  ○ 
ノ才   →
/>
        _| ̄|○

乙&GJ! なんという強引なオチww ナレがまた面白いなー
一レス目からめまいがしたわwwww
802 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/06/17(水) 21:26:47.37 ID:diP/LSQ0
>>800
乙!たくさん笑わせてもらたよGJwwww
ゆーちゃん怖かったww
803 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/06/17(水) 22:47:10.48 ID:KaFYgSko
>>800
なんという強引なオチww
みゆきさんは素でこわいわーw
804 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/06/18(木) 00:43:15.15 ID:0PPH4660
      | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
      |                    |
      |                    |
      /    ̄ ̄ ̄ ̄      /_____
      /   ここまでまとめた  /   //
    /                  /  / /
    /     ( ≡ω≡. )     /  /  /
   /   ____     /  /  /
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805 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/06/18(木) 01:02:49.73 ID:mIIemMSO
−まとめ人への感謝の気持ちOX−

ゆかり「せっかくだし、赤の扉を選びましょう」
岩崎母「…え?」
ゆかり「ううん、気にしないで」
みき「と、いうわけで」
ゆかり「今回は私達、魅惑の人妻ブラザーズでお贈りしまーす」
岩崎母「…ブラザーズって」
ゆかり「適当に言っただけだから気にしないでねー…ところで、かなたちゃんは?」
岩崎母「さっき、凄い勢いで逃げていったけど…」
みき「それは残念ね」
岩崎母「あの、ところで今回はなにを…」
ゆかり「人妻といったら、もちろん裸エプロンでしょー」
岩崎母「えええー」
ゆかり「あら、不満?」
岩崎母「だ、だって、それはちょっと恥ずかしすぎる気が…」
みき「ただおさんには、結構好評だったわねー」
岩崎母「…やったことあるんですね」
みき「あの頃は、私も若かったわ…」



岩崎母(…少しは喜んでくれたりするのかしら)
みなみ「…お、お母さん…その格好は…」
岩崎母「えっ?あっ…み、みなみ!違うの!これは違うのよ!引かないでーっ!」

絵が描けたらなー。
806 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/06/18(木) 02:19:28.33 ID:MoAhrhU0
>>804
超乙!

>>805
母自重wwww
807 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/06/18(木) 05:10:33.75 ID:AVn/gUSO
>>800
ちょwwwwww夜中通り過ぎて朝なのに吹いてしまったじゃないかwwwwww
すこし変態入ってるかがみがいいww

>>804
乙!
808 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/06/18(木) 06:25:57.09 ID:AdAw5tEo
>>804
大量まとめ乙です!

>>805
迂闊すぎるぞみなみ母
809 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/06/18(木) 10:25:37.72 ID:aJzclvA0
>>804
最高に乙!
810 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/06/18(木) 12:15:38.80 ID:mIIemMSO
−互いの想い−

そうじろう(…俺達ももう高校生だ。今日こそきっちり告白して、幼なじみという関係に終止符をうつんだ)
かなた「なに、そう君?大事な話って」
そうじろう「…俺がオタクでギャルゲ好きなのは知ってるな?」
かなた「ええ、痛いくらいに」
そうじろう「それはな、実はお前のせいなんだ」
かなた「…え?」
そうじろう「お前が振り向いてくれないから、俺はギャルゲ好きな男になったんだー!」
かなた「………え」
そうじろう(やば!滑ったか!?)
かなた「あ、あれ?私達って付き合ってなかったっけ?私、もう付き合ってるとばっかり…わ、私、勘違いしてた?え?あれ?」
そうじろう「…えー」



そうじろう「そんな感じで割とあっさり恋人に」
こなた「…なんだかなー」
811 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/06/18(木) 18:28:35.27 ID:bawAmNc0
>>800
ルイズwwwwwwそしてなんというオチwwwwww

>>804
乙!!
812 :8002009/06/18(木) 19:34:31.42 ID:2gkwckSO
みなさん感想ありがとうございます。・゚・(ノд`)・゚・。

正直、今回はジャンル的に自信は無かったのですが……良かったww

さて、俺のSS倉庫も今回ので在庫切れとなってしまいましたので
またお題を貰いに来ました。

もし良ければお題下さい><
813 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/06/18(木) 19:35:29.38 ID:2gkwckSO
忘れてた
>>804
大量のまとめ本当にお疲れ様です!
814 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/06/18(木) 20:24:39.89 ID:MoAhrhU0
>>810
ありそうだなwwww

>>812
『6月』とか
815 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/06/18(木) 20:39:01.92 ID:w7ZXDPMo
>>804
まとめ乙です!

>>812
『必殺』
816 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/06/18(木) 20:41:28.63 ID:aJzclvA0
>>812
久々に「殺人事件」とか
最近考えてるがトリックとかわからん。
コナンと金田一読んでても無理なものですね…。
817 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/06/18(木) 20:49:55.14 ID:2gkwckSO
うおぉ、三つもきたー!
ありがとうございます。

でも殺人事件は前に書いたけど大きく滑ったんですよね……
とりあえず、その三つで何か書いてみますww
818 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/06/18(木) 20:59:14.52 ID:IMYwIUDO
>>812
焼肉。
819 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/06/18(木) 21:07:19.78 ID:IMYwIUDO
むぅ、出遅れたか…
820 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/06/18(木) 21:37:15.23 ID:w7ZXDPMo
お題もらいっぱなしな俺が人にお題をだすなんて、こりゃいかん。

という訳で慌ててちょっと書いた。
お題『超えられない壁』で2レス。
821 :超えられない壁[saga]:2009/06/18(木) 21:37:56.64 ID:w7ZXDPMo
 6月。新学年のクラスに慣れたこともあり、生徒達が放課後の教室に滞在する時間も長くなってきていた。
 こなた達もその例に漏れることなく、隣のクラスから来たかがみを交えて放課後のおしゃべりに花を咲かせていた。
 今はこなたの出したキーワードである『超えられない壁』をお題に話をしているところだ。

「わたしにとっての超えられない壁っていったら、やっぱりみゆきさんかな。生活態度もスタイルも勝てる気がしないヨ」
「そのように言われると、恥ずかしいですね」
「生活態度でみゆきに勝てる人はそうそういないでしょうね。こなたの場合だと惨敗ってかんじかしら」
「むぅ、失礼な……と言いたいところだけど、残念ながらそのとおりなのさ!」
「胸を張っていうことじゃないだろ、それは」
「そだよね。張ったところでこの胸じゃ、みゆきさんの足元にも及ばないしね」
「ま、こなたの残念な胸の話はさておき」
「ひどっ!?」
「みゆきほど万人から尊敬されそうな人もなかなかいないんじゃないかしらね」

 崇め奉る、といった表現でもおかしくないくらいにみゆきを褒めちぎる2人。
 みゆきは頬を赤く染め、私はみなさんが思うほど立派な人間ではないですよ、などと手を振りながら謙遜する。
 そして、なおも自分を褒め続けようとするかがみに対してこう言った。

「ええっと、私にも、その、『超えられない壁』……ですか?そういう方はもちろんいますよ」
「へー、みゆきさんにもそういうのあるんだね。で、それって誰?歴史上の人物?それとも親とか?」
「かがみさんです」
「え?私?」
「はい。家族や親友に対しても毅然とした態度をとることができる本当の優しさ、愛情ゆえの厳しさとでもいいましょうか、それは私の真似できるところではありません」
「ちょ、ちょっとみゆき、それは誉めすぎよ」
「そうだよー、かがみのはただ単に凶暴で口が悪いだけなん――みぎゃあっ!?」
「か、かがみさん。さすがに今のは厳しさという表現のレベルを超えているのでは……」

 テンションのあがりきったじゃんけん大会の決勝戦でもそんな勢いでグーをだすヤツはいないんじゃないか、というくらいのフルスイングがこなたの脳天に叩き込まれた。
 かろうじて舌を噛まずに済んだのは不幸中の幸いというやつだろうか。噛んでいたら命にかかわったはずだ。 
 頭頂部を押さえて呻くこなたを他所に、かがみは少々赤くなった手をひらひらとさせながら平然と会話を続ける。

「このくらいなら大丈夫よ……で、私の場合はこいつかなぁ。ホンネをはっきり言えちゃうところとか。そういうの私には無理だから、たま〜に羨ましく思えるのよね」
「そうですね。泉さんのそういったところは、私も羨ましく思います」
「あるぇー?かがみが無条件にわたしにデレるなんて、この後の天気は豪雨か吹雪か、或いはロンギヌスでも降ってくるのかなぁ?」
「ほーう。それはさっきの一撃じゃあもの足りなっかたということですか、こなたさん?」

 かがみの眼がギラリと光り、こなたの本能が危険を叫ぶ。たいへんだ!命があぶない!
 こなたはかがみから隠れるようにみゆきの後ろへ慌てて移動しながら、会話をすすめる。

「ま、まあ、こうしてみるとサ、みんなそれぞれに相手の事を認めあってるのがよくわかるよネ!」
「そうですね。こういうのはとても素晴らしい事だと思います」
「まあ、そうね。こなたがみゆきを、みゆきが私を、私がこなたを、か……なんだか面白いわね」

 こなたをフォローするかのようにみゆきが会話を繋ぎ、それによってかがみも通常モードに戻る。
 和やかで暖かなムードが再び場に戻ってきて、こなたはほっとしながらおしゃべりの続きを始める。

「だよねー。こういうのって面白「ちっとも面白くないよ」
「あ……つかさ(さん)……」
822 :超えられない壁[saga]:2009/06/18(木) 21:38:18.61 ID:w7ZXDPMo
 和やかで暖かなムードは10秒ともたなかった。
 絶対零度でももう少し温かいんじゃないかと思わせるほど冷めきったつかさの声が、場の雰囲気をばっさり断ち切った。
 みんなの体が何か異質な寒さを感じ、ぶるりと震える。
 冗談でも錯覚でもなく、つかさの周りだけ本当に10℃くらい気温が低いのではないかと3人は思った。  

「やっぱりわたしなんて、みんなから見てとるに足らない、まったくたいしたことのない存在なのかな?いらない子なのかな?」
「そ、そんなことないって。つかさもいいところが……ほら、料理!料理がすっごく上手だよね!ねえ、かがみ?」
「そ、そうそう!それにアレよ、アレ……その、りょ、料理が本当に上手よね!でしょ、みゆき?」
「は、はい、そうです!料理がとても上手ですし、その上……ええっと、とにかく料理がすばらしく上手です!」

 寒いはずなのに大量の汗をかきながら、3人は必死でつかさを褒めちぎろうと頑張る。
 しかし、自分を標的にしている殺し屋に銃口をつきつけられてリラックスできるわけがない。
 今のつかさの前で3人が冷静でいられるはずがないのだ。
 さすがのみゆきも、いつものキレが欠片もみえない。

「料理、だけ?練習して経験を積めば誰でも上手になる可能性が十二分にある、料理、だけ?」
「そ、そんなことないヨ!もっと他にもいっぱい……笑顔とか、柔らかい雰囲気とか、えーと……料理とか……だ、だよねっ、かがみ!?」
「そうよ!つかさのいいところが料理だけな訳がないじゃない!優しいところとか、可愛いところとか、あと……料理とか……み、みゆきもそう思うわよねっ!?」
「も、もちろんです!人の痛みがわかるところとか……それに、料理とか……或いは、料理とか……他にも、料理とか……りょ、料理とか……」

 しどろもどろになる3人を見て、つかさは声をあげて笑う。
 もっとも、目は少しも笑ってないのだが。

「あははっ、やっぱり料理だけなんだね!さっきは全然面白くないなんて言ったけどさ、ここまでくると逆に面白いよ!面白くてたまらないよ!」
「怖っ!!どどど、どうしよう。つかさがまるで別人のようだよ、かがみ!」
「し、知らないわよ!もとはと言えば、あんたがこんな話題ふったのがいけないんでしょ!」
「かがみさん、この場は逃げましょう!後はこなたさんが何とかしてくれるはずです!」
「そ、そうね!名案だわ、みゆき!こなた、後はよろしくっ!」
「ああっ!2人ともずるい!待ってよ!わたしだけ置いていかないでっ!……あ、ああ〜……行っちゃった」

 みゆきの後ろに立ち位置を変更した事が災いして、元の立ち位置に戻って鞄をつかむ初動分だけ遅れたこなたひとりが逃げ遅れる。
 すぐに気を取り直し、遠ざかっていく2人の背中を追いかけようとしたこなただが、1歩目を踏み出す前につかさに腕を掴まれてしまう。
 純粋な力ではこなたの方が上のはずなのに、つかさに掴まれた方の腕はピクリとも動かせなかった。

「あはははは……ああ、笑った、笑った。さあ、覚悟してねこなちゃん。ここからが私の本気だよ」
「お、お手柔らかに頼みマス」

 つかさ>>>>>>>>>超えられない壁>>>>>>>>>こなた、なんて図式が走馬灯と一緒にこなたの頭の中に浮かんで消えた。
823 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/06/18(木) 21:41:26.37 ID:w7ZXDPMo
以上なり。だらだら書いたからあまり起伏のない話になっちまったw
こんな風に書いたけど、つかさにもいいところはちゃんとあると思ってますんで。

え?例えば?

えーっと、そうだなぁ……料理がうm
824 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/06/18(木) 22:15:16.50 ID:2gkwckSO
>>823
GJ!2レスでここまでまとめるとはww
珍しくつかさが会話に入ってないと思ったらww
つかさの良い所ねー……

良い所……

ダメだマジで料理しか(ry

>>818
よし、ついでだしこれも追加しとくよ
6月で必殺な殺人事件は焼肉か……
825 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/06/18(木) 22:24:39.25 ID:mIIemMSO
つかさの相手を和ませる才能はかなりのものだと思う。
きっとマイナスイオンかなんか、そんな感じのものがでてるに違いない。
826 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/06/18(木) 23:47:32.74 ID:IXS.xYoo
存在するだけで周囲の空気が穏やかになる
827 :小さなかなた[saga]:2009/06/18(木) 23:58:24.50 ID:NHFw2zU0
投下行きます。

さっきふと思いついた、2レス程の短いSSです。
828 :小さなかなた[saga]:2009/06/18(木) 23:59:51.12 ID:NHFw2zU0
 かなたは夢を見ていた。
 見たこともない場所を、当てもなく歩いていた。
 歩いているうちに、前方に人影が見えた。ここが何処なのか聞いてみようとするが、上手く言葉が出なかった。
 その人影が、かなたの方を向いた。姿がおぼろ気で、どういう顔をしているか分からない。
 なんとなく、お母さんに似ている。かなたはそう思った。
「こんばんは」
 人影がそう挨拶してきたから、かなたは挨拶を返そうとしたが、やはり声が出なかったので、しかたなく頷いて見せた。


- 小さなかなた -


 よく分からないが、その人影はかなたのことをじっと見ているようだった。
 お母さんに似ているなら、悪い人じゃない。かたなはそう思った。そして同時に、お母さんに似ているなら変な人かも知れないとも思った。
「小さなかなた…あなたは幸せですか?」
 人影はそう聞いて来た。かなたは迷わず頷いていた。
 お母さんもお父さんも、お爺ちゃんも、自分の周りの人たちはみんな優しい。怒られることはあるけれど、それでも最後にはみんな優しく笑ってくれる。
「そう。それは良かった…」
 人影が近づいてきた。かなたは懐かしいようなくすぐったいような、奇妙な感覚を覚えていた。
「私も、幸せだったよ…でも、私を愛してくれた人はどうだったんだろう。その人と共に愛することが出来たはずの、あの子はどうなんだろう」
 誰のことを言っているのか、かなたにはなんとなく分かる気がした。
 人影は姿勢を低くし、かなたに目線を合わせた。顔はやっぱりよく分からなかった。
「ねえ、小さなかなた…私がこう言う事を頼むのは、とてもいけない事だと思うの…でも、聞いて欲しい」
 少し悲しそうだ。かなたはそう思った。
「私が悲しみを与えてしまった人を。私が残していってしまった人たちを。あなたが幸せにしてあげて欲しいの」
 かなたは手を伸ばした。あたたかな何かに、手の先がふれた気がした。
 この人は、もしかしたら『大きなわたし』かもしれない。かなたはそう感じていた。
「小さなかなた…あの人たちの大切な、小さなかなた…」
 人影が薄れていく。かなたは少し悲しくなった。



829 :小さなかなた[saga]:2009/06/19(金) 00:00:30.27 ID:YYCDY8c0
「…うみゅー」
 こなたは身体を起こし、寝ぼけ眼で辺りを見渡した。
 自分の部屋のベッドの上。こなたは大きく伸びをした。
「あー、寝ちゃったのかー」
 時計を見ると、もう昼過ぎだった。どうやら徹夜で原稿を仕上げた後、そのまま力尽きて寝てしまったらしい。
 自分でベッドに入った記憶がないのだが、夫か父が寝ている自分を見つけて運んでくれたのだろう。
「…いい匂い」
 部屋の外から味噌汁の匂いが漂ってきて、こなたは腹が減っていることを思い出した。ラストスパートをかけ始めた、昨日の昼頃から、ろくに食べていなかったのだ。
 こなたはベッドから降り、食べ物にありつこうと部屋から出た。


「お母さん、おはよう」
「…んー、おはよー」
 リビングに入ると、娘がテーブルにお椀を置いているところだった。
 ご飯と味噌汁のみ。実にシンプルな献立だ。
「お父さんと、ダーリンは?」
「二人とも出かけちゃったよ。お父さんは休日出勤だって。お爺ちゃんはどこ行くか教えてくれなかったよ」
 また、孫にはとても見せられないようなものを買いに行ったな。こなたは呆れ顔でため息をつくと、テーブルに着いた。目の前には美味しそうな味噌汁が湯気を立てている。
「じゃ、これは朝の残り物?」
「ううん。今作ったんだよ」
 娘の言葉に、こなたは目を丸くした。
「へー、よく出来たねー…でも、またなんで急に」
「夢を見たんだ。大きなわたしの夢」
 大きなわたし。こなたは、その言葉の意味がすぐに分からなかった。
「大きなわたしがね、わたしにお母さん達を幸せにしてあげて欲しいって言ったんだ」
 ふと、こなたは自分のお母さんのことではないかと思った。自分が生まれてすぐに他界した母。その人なら、自分たちの幸せを願っても不思議ではない。
「…なるほど、大きなわたしだ」
 こなたは納得しながら、亡くなった母の名を付けた小さなかなたの作ってくれた味噌汁を啜った。
「あー、お母さん。いただきます忘れてるよー」
 味噌汁はなかなか上出来だと、こなたは思った。


- おしまい -
830 :小さなかなた[saga]:2009/06/19(金) 00:01:41.07 ID:YYCDY8c0
以上です。

こんなの書いてて、父の日SSが間に合うのか心配です。
831 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/06/19(金) 00:39:44.72 ID:RHwQ.620
>>830
GJ! ほのぼのしました
タイトルや話の前後の魅せ方なども上手いですね
父の日SSを楽しみにしてます
832 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/06/19(金) 01:41:44.26 ID:9TxSyos0
>>800
すげえカオスだ
>>823
つかさについて考えされた作品でした
>>830
叙述トリックってやつですね。
俺にはできないものです。
長いものなら書けますが…
833 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/06/19(金) 03:55:44.13 ID:S9LUt6c0
投下行きます。何レスくらいになるかなあ。
多分3レスくらい。
834 :写真2009/06/19(金) 03:56:24.02 ID:S9LUt6c0
初めてあいつと出会ったときは、お互いまだ小さな子どもだった。
あいつの家の扉の前で、ドアノブの高さほどもない俺達二人を並ばせ、俺の親父はカメラを向けた。
はにかむ俺の隣であいつはとびっきりの笑顔をしていた。
そのモノクロームの写真は我が家の食卓の真ん中に立てられた。


……


幼稚園の門の前、たまたま親父が迎えに来るのが遅くなったある日、
俺はあいつに手を合わせて写真を撮らせてもらうことにした。
レンズを通して写る、明るいながらも、少しの羞恥を含んだあいつの笑顔。
その笑顔はフィルムに焼けついた。俺の心にも焼けついた。
写真は食卓の真ん中を作り替えた。


……


小学生になり、「グループ」なる物の形成するにしたがって
クラスの中じゃ疎遠になりがちだった頃、
あいつは楽しそうに女友達ととりとめも無い話をしている最中だった。
俺はランドセルに潜めて来たカメラを静かに取り出し、隙を狙ってあいつを写した。
「パシャ」というシャッター音に気が付いたあいつは俺に目を吊り上げてきたが、もう遅かった。
あいつの、元気のいい笑顔が収められた写真は、俺の勉強机に立てられた。


……


中学生の頃、あいつはソフトボール部に入っていた。
俺の文芸部が使う部室からは、屋外の運動部が活動するグラウンドがよく見えた。
俺は地の利を使い、あいつが動き回る度にその姿をカメラで捕らえた。
そして出来上がった写真の群れは学習ノートにむら無く貼り付けていった。
ノートは五冊にまで嵩張った。

卒業時、冷やかし半分でそのノートを見せてやったら、
あいつは顔を火照らせて、文にもならぬ言葉を喚き始めた。
面白かったので、俺はぱっとカメラを取り出しその様をフィルムに収めてやった。
するとあいつはとうとう激怒して足早に逃げ出した。
835 :写真2009/06/19(金) 03:56:43.64 ID:S9LUt6c0


……


高校生のある日、俺は一つの決心を固め、
あいつを夕暮れ時の人気のない海岸へ呼び出した。
あいつが来ると、俺は丁度良いタイミングを作るべく前置きをし、
そしてあの曲がった言葉であいつを口説いた。

あいつはしばらく怪訝そうに考え込んだ後、はにかむ顔に直り、ストレートな返事を俺にくれた。
俺はすぐさまカメラを取り出しその顔を収めた。
あいつはまた少し不機嫌な顔をした。
その顔も写した。
するとあいつは呆れたように俯いた。

それからしばらく、俺はカメラを取り出すことは無くなった。
写真など無くてもそいつは俺のすぐ近くにいる。
そういう思いがあったからだ。
時々、休みを利用して二人旅に出かけたときに、記念写真を撮るぐらいだった。
そこに写ったあいつは、どれもなんてことはない、平凡な笑顔をしていた。
その写真群は、適当な文具屋に行けば買えるような、何の変哲もないアルバムの中に収められた。


……


大学での修学を果たして数年経ったある日、俺は急な報せを聞いた。
あいつの容態を聞くと既に危険だそうだった。

俺はカメラを忘れはしなかった。
病室に着くとすぐに、あいつに一枚を頼んだ。
あいつは嫌がる素振りは見せなかった。
レンズ越しにあいつの見せた表情は、滲んだ視界のせいでよくわからなかった。
あいつが表情を浮かべることができなくなったのは、シャッター音が響いてから数分後のことだった。


……


今までに撮った全ての写真を見直した。
使い物にならなくなった写真立てに五冊のノート、そして一冊の安っぽいアルバム。
全て見比べてみた。
結果、それらは意味がなかった。

俺はその中の何処にも収められていない、最も色素の鮮やかな写真を写真立てに収め、
リビングの中でよく目に映る棚の上に飾った。
その中に写るあいつは、今までで一番優しく、清らかな笑顔をしていた。


836 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/06/19(金) 03:58:58.89 ID:S9LUt6c0
saga忘れてた! けど多分影響はないはず。
意外にも2レスで済んでしまった。行数の感覚って難しいもんだね。

とっさに思いついた作品です。
とっさの割には上手くいったんじゃないかなあ。
多分。
837 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/06/21(日) 00:00:41.52 ID:O4.leIDO
>>836
すまない、一体誰の事を書いてるか今一わかんないんだ。
頭の悪い私に説明してくれないか?
838 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/06/21(日) 00:11:35.46 ID:IQexLzM0
>>873
恐らく、そうじろうとかなたの事かと
839 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/06/21(日) 00:12:36.11 ID:IQexLzM0
ミス>>837でした。
840 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/06/21(日) 02:18:04.28 ID:MlZb88I0
>>837
俺もなかなかわからなかったよ
841 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/06/21(日) 03:20:59.07 ID:nvLbL1o0
>>837
あちゃーわかりづらかったか。お察しの通りそうじろうとかなたです。
しまった、どっかに記述入れとくべきだった。
842 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/06/21(日) 12:15:34.45 ID:io/T7EAO
かがみ「そんな・・・こなたが・・・」
つかさ「どうしたのお姉ちゃん?」
かがみ「つかさぁぁぁぁぁぁ・・・わぁぁぁぁぁん!」
つかさ「お、お姉ちゃん!とりあえず落ち着いて何があったのか話して!」
かがみ「こなたが・・・こなたが・・・」
つかさ「こなちゃんが、どうかしたの?」
かがみ「・・・こなたが成長期を迎えちゃった・・・・・・」
つかさ「え?」
かがみ「大きくなったこなたなんて絶対可愛くないのよぉぉぉ!!」
つかさ「・・・・・・。」





こなた「ねぇつかさ、最近私かがみに避けられてない?」
つかさ「・・・・・・。」
843 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/06/21(日) 14:19:20.36 ID:O4.leIDO
>>841
まぁその、ドンマイケル。
>>842
かがみさん?まさか貴女…ロリ通り越しちゃってペド?
844 :こなたと父の日[saga]:2009/06/21(日) 15:12:34.89 ID:IQexLzM0
投下いきます。

なんとか間に合った、父の日SSです。
なんか、全然いいタイトルが思いつかなかった…。
845 :こなたと父の日[saga]:2009/06/21(日) 15:16:07.51 ID:IQexLzM0
「そういや、もうすぐ父の日ね」
 ある日の帰り道。かがみがポツリとそうもらした。
「そうだねー。お姉ちゃん、今年はどうするの?」
 そのかがみに、つかさがそう聞いた。
「うーん…そう言うのは、姉さん達とも相談しないとね」
 かがみはつかさにそう答え、みゆきの方を向いた。
「みゆきは、父の日になにかやるの?」
「わたしですか?…そうですね、毎年ちょっとしたプレゼントをする程度ですが。何にするかは、わたしも母と相談してからですね。こういう行事は母の方が率先してしますので」
「あー、確かにあの人は、そう言う事喜んでやりそうねー」
 かがみは笑いながらみゆきにそう答え、今度はこなたの方を向こうとした。
「わたしは何もやらないよ」
 が、向ききる前にこなたからそう言われた。
「え、いや…」
「うん、やらないやらない。今まで何にもやったことないし。今年もおんなじ。やらないからね」
「いや…まだ何も言ってないんだけど」
「先読みだよ。絶対、わたしにも振ってくるって思ったからね」
「いやまあ、そうなんだけど…」
 かがみはこなたの様子に、なんとなく違和感を覚えていた。
「なんか、意外だなー。こなちゃん、お父さんと仲いいから何かしてると思ってたのに」
 つかさの言葉に、こなたが顔をしかめる。
「つかさ、それは偏見だよ。大体父の日ってあれでしょ?父親への感謝の気持ちを表す日でしょ?あんなロリコン親父の娘やってあげてる、わたしが逆に感謝されたいよ」
「そ、それはちょっと…」
 こなたのあまりな言い草に、みゆきが困った顔をする。
 その様子を見ていたかがみが、ふと思いついた冗談を口にした。
「ねえ、こなた。あんたもしかしてホントは父の日になんかしてあげたいんだけど、恥ずかしくて今まで出来なかったとか…」
「な、なななななななに言ってるんかな!このかがみさんは!?」
 予想外のこなたの反応に、かがみは思わず唖然としてしまった。
「恥ずかしい!?わたしが!?ないないない!かがみじゃあるまいしあるわけないでしょ!?」
 凄い勢いでまくし立てながら、かがみに詰め寄るこなた。
「い、いや…あの…こなた…唾飛ばさないで」
 その口から飛んでくる唾から身を離すように、かがみは両手でこなたの身体を突っぱねる。
「とにかく!わたしにそんな気持ちはこれっぽっちもないからね!今日はもう帰る!」
 そう言ってこなたは、全力で道を走っていった。
「…いや、もう帰るって、元から帰ってる最中なんだけど」
「…さすがこなちゃん、速いねー」
「…あ、転びましたね」
 こなたが視界から消えた後、三人は誰からとも無く顔を見合わせた。
「図星、だったのでしょうか?」
「みたいね」
「うーん…」
 つかさがこなたの走り去ったほうを見ながら、少し考え込んだ。
「…でも、ホントに何かしたくて今までできなかったんだったら、ちょっとこなちゃんもおじさんも可愛そうかな」
「そうですね…」
 つかさの言葉にみゆきが同意し、かがみが頷いた。
「それじゃ、わたし達でなんとかしてみましょうか」
「え?」
 かがみの言ったことがすぐには理解できず、つかさが間抜けな声をあげる。
「こなたがちゃんと父の日を出来るように、わたし達で手伝ってあげようって事よ」
「それはいいですね」
 かがみの提案にみゆきはすぐに賛同したが、つかさは少し納得のいかない顔をしていた。
846 :こなたと父の日[saga]:2009/06/21(日) 15:16:54.48 ID:IQexLzM0
「なに、つかさ?文句でもあるの?」
「え、いやないんだけど…お姉ちゃんがそう言う事言い出すのって、珍しいかなって…」
「そうね…まあ、なんだかんだ言っても、あいつは友達だしね。それに…」
「それに?」
「…こう言う事であいつを逆にからかえるってチャンスは、滅多にないと思うのよ」
「…お姉ちゃん、悪い顔になってるよ」


- こなたと父の日 -


 次の日のお昼休み。
「と、言うわけで『第一回こなたに父の日をさせてあげましょう大会』ー!はい、拍手!」
 椅子から立ち上がりそう宣言するかがみに、つかさとみゆきがまばらな拍手をした。
「…いや…なにそれ…」
 こなたは唖然とした表情で、かがみ達三人の顔を見渡した。
「言葉どおりよ。恥ずかしがり屋のあんたのために、わたし達が手を貸してあげようってこと」
 なぜか得意気にかがみにそう言われ、こなたは頭を抱えた。
「…かがみ、それ余計なお世話…」
 呻くこなたの肩に、かがみが手を置いた。
「いやー、お父さんに感謝するのが恥ずかしいだなんて、あんたもなかなか可愛らしい一面あるじゃないの。これってアレでしょ?ツンデレっていうの」
「う、ううううるさいなあ!ってか全然違うよ!」
「あらそう?でもそうやって慌てる姿も可愛いわよー」
「うぐぐぐ…」
 ニヤニヤしながら、こなたの頬をつつくかがみ。返す言葉がいまいち見つからず、顔を赤くして押し黙るこなた。その二人を、つかさとみゆきは苦笑いで見つめていた。
「…お姉ちゃん、楽しそう」
「…いつもと対場が逆ですね」
 どう、かがみを止めて本題に戻そうか。つかさ達が考えていると、かがみはこなたの背中を軽く叩くと、腕を組んで椅子に座った。
「で、ホントのところどうなの?」
「どう…って?」
 急にテンションが普通に戻ったかがみにそう聞かれたが、こなたは質問の意味が分からず聞き返した。
「父の日をやりたいかどうかって事よ。わたし達はあくまで手伝いだからね。まず、こなたがやりたいって思わないと始まらないわよ」
「…え、えと…わたしは…その…あの…」
 なにやらゴニョゴニョ言いながら俯くこなた。それを見たかがみは少し困った顔をすると、助けを求めるようにみゆきの方を見た。みゆきは頷くと、こなたに優しく声をかけた。
「泉さん。難しく考えることはありませんよ。ただ、泉さんの素直な気持ちを表してくださればいいんです」
「わ、わたしの気持ちって…で、でも…別にお父さんがそうして欲しいと言ったわけでもなんでもないんだし…」
 ますます小さく俯くこなた。みゆきはこなたの顔を覗き込んで、ニコリと微笑んだ。
「それは違いますよ、泉さん。感謝の気持ちは、求めるものではなく表すものですから、泉さんの気持ちこそが一番大切なんです」
 しばらくこなたは、黙ってみゆきと視線を合わせていた。
「…わかったよ…やってみる…」
 そして、小さくそう呟いた。

847 :こなたと父の日[saga]:2009/06/21(日) 15:18:21.54 ID:IQexLzM0
「…で、やるのはいいんだけど、何すればいいのかわたしさっぱり分からないんだけど」
 こなたがそう言うと、かがみは顎に手を当てて考え込んだ。
「そーねー…やっぱプレゼントが無難かしら」
「そうですね。気持ちを表すには良い方法だと思います」
 かがみの提案にみゆきが同意する。
「でも、何あげたらいいんだろ?わたし、そういう事疎いからさっぱり思いつかないよ…」
「実用的なものかしらね。なんか父の日ってそう言うイメージあるけど…」
 かがみがそう言いながら、みゆきの方を見た。
「そうですね。わたしの家でも、毎年そういった感じですし」
「ふむー…ねえ、参考までにさ、みんなが今年何プレゼントするのか教えてよ」
 こなたはそう言いながら、つかさの方を向いた。
「え、えっと………お、お姉ちゃん、今年は何にしたんだっけ?」
 こなたの質問を受けて、つかさはかがみの方を向いてそう聞いた。
「あんたねー…」
 かがみは大きくため息をついた。
「園芸用品よ。お父さんの趣味の。古くなってるから新しいの買ってあげようって、昨日みんなで決めたじゃない」
「そ、そうだったよね…そう言う事はお姉ちゃんたちに任せてるから…あはは…」
 誤魔化すように頭をかきながら笑うつかさに、かがみはもう一度ため息をついてみせ、こなたはジト目で見つめていた。
「…大丈夫なのかね、つかさは」
「まあ、お父さんに渡す役はつかさだから、いいんだけどね…」
「そうなんだ」
「ああいう事を、つかさは何の躊躇もなく出来るからね。そういう所は尊敬できるわ」
「…で、かがみは恥ずかしくてそんな役回りはとても出来ない、と」
「…あんたには言われたくないわね」
 こなたはかがみ達の話を聴いた後、腕を組んで考え込んだ。
「…うーん、趣味関係か…これはちょっと無理かなあ」
「どうして?おじさんとあんたって、似たような趣味してるじゃない。欲しいのとか分かるんじゃないの?」
「それはそうなんだけど…わたしとお父さんじゃ、オタクとしての格と言うかレベルが違うからねー」
「どういうこと?」
「わたしが良いなとか、お父さんコレ欲しがりそうだなって思ったモノは、思った時にすでにお父さんが買ってる」
「…難儀な親父ね…」
848 :こなたと父の日[saga]:2009/06/21(日) 15:20:31.48 ID:IQexLzM0
 こなたは次にみゆきの方を向いた。
「わたしは、今年は傘をプレゼントしようと思っています」
 その意味を悟ったみゆきがそう答えた。
「傘かー」
「はい、一年を通してよく使うものですから…参考までにいうと、去年はネクタイでしたね」
「傘にネクタイ…うーん…」
 こなたは、また腕を組んで考え込んだ。
「なにか問題でもあるの?」
 そのこなたに、かがみがそう聞いた。
「ネクタイはあんまり使わないんだよね…傘は家に二十本くらいあるし」
「…ネクタイはともかく、なんで傘がそんなにあるのよ」
「酔ったゆい姐さんが、どこからともなく…」
「…いいのか、警察官…」
 かがみは呆れ顔でこなたを見ていたが、その時ふと思いつくことがあった。
「ねえこなた。予算はどれくらいあるの?買うものが決まっても、お金が足りないとかじゃどうしようも無いし」
 かがみに言われ、こなたは財布を取り出して中身を見た。
「…さ、三百円くらい…かな…」
「はあ!?」
 こなたの言った額のあまりの低さに、かがみがポカンと口を開けた。
「さ、三百円…ですか…」
「こなちゃん、わたしよりお金もってないよ…」
 みゆきとつかさも、かなりの呆れ顔をしている。
「で、でもこなちゃん。それってお財布の中身の話だよね?貯金とかはどうなのかな…」
 そう言うつかさに、こなたは首を振って見せた。
「…先月と今月、欲しいのが一杯あったから…使っちゃって…ってかしょうがないじゃん!わたし元々プレゼントなんて買うつもり無かったんだから!」
 言い訳をするこなたに、かがみは盛大にため息をついて見せた。
「どーすんのよ、これ…何にも買えないわね」
「でも、泉さんの言い分ももっともですから、責めるわけにも…」
 慌ててこなたのフォローにはいるみゆきを、かがみはジト目で見つめた。
「…いや、別に責めないけど」
「あ、あれ?そうですか…かがみさんの事だからてっきり…」
「てっきり…なに?」
「い、いえ、なんでもありません…失礼しました」
 二人がそんな会話をしている間、つかさはじっと何かを考えていた。そして、何かを思いついたかのように何度か頷くと、こなたの方を向いた。
「じゃあ、言葉しかないよこなちゃん」
「言葉?」
 唐突なつかさの意見に、こなたが首を傾げる。
「うん、言葉。こなちゃんのね、ありったけの感謝の気持ちを言葉にするんだよ。これならお金がなくても出来るよ」
 嬉しそうに手を合わせながらそう言うつかさを、こなたはなんとも言えない表情で眺めた。
「いや、それ滅茶苦茶恥ずかしいんじゃ…」
「恥ずかしくないよー。変な事するわけじゃないもん」
「変なことじゃないけど…変なことじゃないんだけど…うわぁぁぁぁ…」
 実際に感謝の気持ちを言葉にしている自分を想像したのか、頭を抱えて悶絶するこなた。
「…恥ずかしいですよね」
 それを見ていたみゆきがポツリと呟く。
「あ、みゆきでも恥ずかしいんだ」
「ええ、いつもはプレゼントがクッションになってくれますけど…それ無しとなると…」
 かがみの方を向きそう答えた後、みゆきはもう一度つかさの方を見た。
「つかささんは、出来るのでしょうか…」
「やるわね。つかさなら…そう言うところは本気で尊敬できるわ」
 結局こなたは、つかさに押し切られる形で、父の日に感謝の言葉を伝えることとなった。
849 :こなたと父の日[saga]:2009/06/21(日) 15:21:32.22 ID:IQexLzM0


 父の日当日。こなたは休日にも拘らず、早くに目が覚めた。
 時計を見てみると、まだ八時。休日前にしては珍しく早く寝たとはいえ、いつもではありえない起床時間だ。
 ふと、こなたは、コミケとか楽しみにしていたり、自分が大切に思う日に寝坊したことって無いな、と思った。
「…うぁぁぁぁぁ…わたし、そう思ってたのかー…」
 そして、今日が何の日かに思い至り、ベッドの上で悶絶していた。
「落ち着けー落ち着くんだ泉こなたー…何も難しいことなんか無い。ただ一言、感謝の言葉を言うだけでいいんだ…そう、意識しちゃダメだ。考えるな、感じるんだ…」
 そう言いながらも、こなたは頭の中でその場面を思い描いていた。
「らめぇぇぇぇぇぇっ!」
 何を想像したのか、こなたは今度は奇声を発しながらベッドから転げ落ち、床を転がった。
「…こ、こなたお姉ちゃん…大丈夫?」
 ドアの方から聞こえた声に、こなたの動きがピタリと止まる。声の方へとこなたが恐る恐る目をやると、ゆたかが少し怯えたような表情で立っていた。
「ゆ、ゆーちゃん…」
「な、なに?」
「イツカラミテマシタカ?」
「ベッドから転がり落ちた辺りから…な、何か凄い声が聞こえたから、どうしたのかなって…ご、ごめんなさい…」
「いや、ゆーちゃんは悪くないよ…うん、悪くない…」
 こなたは自分に言い聞かせるように、頷きながらそう言った。
「お姉ちゃん、今日のことで…だよね?そんなに思いつめなくても…」
「うん、そう思ってるんだけど、自分でも思ったより…って、ちょっと待ってゆーちゃん。今日のことって、なんか知ってるの?」
「父の日の感謝の言葉を伯父さんに送るって…」
「なんで、ゆーちゃんが知ってるの!?」
「え、えっと…さっきかがみ先輩からわたしの携帯に電話があって、お姉ちゃんがずるしないように見張って、なにやったか報告してくれって…」
「………」
 こなたは無言で自分の携帯を手に取ると、かがみに電話をかけた。
「おい、こらかがみ」
『おはよう、こなた。珍しく早起きね』
「…あんた何ゆーちゃんに仕込んどるのかね…」
『だってあんた、何もしないでもやったって言いそうじゃない。ゆたかちゃんが見てるって思えば、ずるも出来ないでしょ』
「ってーか、どうやってゆーちゃんの電話番号を…」
『みなみちゃん経由で、みゆきから』
 こなたは、もうどうしようもないといった感じで天を見上げた。
『まあ、なんだ。しっかりやりなさいよ…こなた軍曹、健闘を祈る。なんつってねー』
 そのまま電話が切れる。こなたはしばらく天を仰いだままだったが、大きくため息をつくと携帯をベッドの上に放り投げた。
「…おのれかがみ…くそー覚悟決めるしかないのかなー」
「そ、そんな悲壮なものじゃないと…思うんだけど…」


850 :こなたと父の日[saga]:2009/06/21(日) 15:23:37.30 ID:IQexLzM0
 もうこうなったら、さっさと終わらせてしまおう。そう思ったこなたは、ゆたかを伴ってそうじろうの部屋へと向かった。
「お父さん!」
 大声で父を呼びながら、ドアを開け放つ。
「な、なんだ?どうした、こなた?」
 思わず立ち上がりながら、そうじろうがそう聞いた。
「お、お父さん…あ、あの…あの…」
 そうじろうに詰め寄りながら、こなたがしどろもどろに感謝の言葉を言おうとする。
「…あ、あり…あり…」
「あり…?」
「アリキーック!!」
 こなたはそうじろうの太腿辺りに、思い切りローキックをかましていた。
「…ぐおお…」
 痛みでそうじろうがうずくまる。
「…こ、こなた…一体何を…ってか、それアリキックじゃない…ただのローキック…」
「う、うるさい、ばーか!」
 こなたはそうじろうを罵った後、全力疾走で部屋を飛び出して言った。ゆたかは、こなたを唖然とした表情で見送った後、未だにうずくまっているそうじろうの方を向いた。
「…叔父さん…大丈夫ですか?」
「あ、ああ、なんとか…ってか、俺なんかやらかしたか?」
「え、えっと…とりあえず、伯父さんは悪くないです…」
 ゆたかは苦笑いでそうじろうに答えると、こなたを追って部屋を出て行った。
 一人残されたそうじろうは、わけがわからずに痛めた太腿をさすっていた。


「お姉ちゃん、はいるよ」
 ゆたかがそう言いながら、こなたの部屋のドアをノックする。少し待ってみたが返事が無い。仕方なくゆたかは、ドアをそっと開けて、中の様子を窺った。
 部屋の中でこなたは、ベッドにうつ伏せになって寝転んでいた。時折「うーうー」と、唸り声みたいなものが聞こえる。
「お、お姉ちゃん…大丈夫?」
 ゆたかが声をかけると、こなたは仰向けに体勢を変えて、そのまま上半身だけ起こしゆたかを見た。
「…ゆーちゃん」
「な、何?」
「………家出したい」
「だ、だだだダメだよー!」
851 :こなたと父の日[saga]:2009/06/21(日) 15:24:28.70 ID:IQexLzM0
 こなたは今度は横に倒れ、壁に向かってブツブツと喋り始めた。
「感謝の言葉どころか、あれじゃ無意味にキレる変な娘だよー…わたしは父の日に、感謝の気持ちの変わりにローキックを送った娘として、歴史に名を残すんだー」
「そ、そんな大袈裟な…」
 すっかり思考がネガティブになったこなたを、ゆたかは冷や汗を垂らしながら見つめていた。
 不意にこなたが身体を起こし、ベッドから降りてドアの方に向かった。
「じゃ、そういうことでゆーちゃん。後はキミがあの人の娘として頑張ってくれたまえ…わたしはかがみんちの養子にでもなるから」
 そう言いながらこなたは、ゆたかに右手を上げて見せて部屋を出て行こうとした。
「ダメだってば、お姉ちゃーんっ!」
 ゆたかはこなたの身体に抱きつき、部屋から出て行くのを止めた。
「落ち着いてよお姉ちゃん!ほら深呼吸、深呼吸」
 ゆたかに言われるままに、深呼吸を繰り返すこなた。その身体から力が抜けたのを感じたゆたかは、手を離して少し離れた。
「お、落ち着いた?」
 ゆたかに聞かれ、こなたは小さく頷いた。
「あ、あのね、こなたお姉ちゃん。ホントに嫌だったら無理しなくていいんだよ?かがみ先輩には、わたしが適当に言っとくから…」
 こなたは今度は首を横に振った。
「違うよゆーちゃん…」
「…え?」
「嫌じゃないんだ。わたしは、お父さんにはずっと感謝してるんだ…その気持ちを知って欲しいって思ってたんだ…」
「お姉ちゃん…」
「そうやって思い立った結果がこれだよぉぉぉぉ…」
 がっくりと、両膝と両手を床について落ち込むこなた。ゆたかは少し考えた後、しゃがみ込んでこなたに視線を合わせた。
「じゃあ、もう一度頑張ろうよ」
 そうこなたに話しかけ、ニコリと微笑む。
「ゆーちゃん…でも…」
「大丈夫だよ。今わたしに話してくれたみたいに、素直に言えばいいんだから」
 微笑むゆたかから、こなたは顔を逸らした。
「そ、それは分かってるけど…その、友達とかには言えることでも、家族だと恥ずかしいっていうか…」
「わたしだって、こなたお姉ちゃんの家族だよ」
 こなたは、顔をゆたかの方に戻した。ゆたかがもう一度微笑む。
「…そっか…そうだよね…」
「…うん」
 こなたは立ち上がると、ドアを開け部屋を出て行き、ゆたかがその後に続いた。


852 :こなたと父の日[saga]:2009/06/21(日) 15:25:39.65 ID:IQexLzM0
「お父さん!」
 さっきと同じように、大声で父を呼びながら、こなたがドアを開け放った。
「な、なななんだ?今度はなんだ?」
 さっきの事があったからか、そうじろうはあからさまに怯えているようだった。
 そんな父の様子を意に介さず、こなたはそうじろうの方に詰め寄った。
「お父さん…あ、あの…あの…」
 そうじろうはさっきの事が頭を過ぎり、太腿の辺りを庇っていた。
「目!目つぶって!」
「…は?」
「いいから早く!」
 こなたがなぜそんな事を要求するのか、そうじろうにはさっぱり分からなかったが、やらないと今度は何をされるのか分かったものではないと思い、目をつぶった。
 こなたはそうじろうがしっかりと目をつぶったのを確認し、その顔に自分の顔を近づけ…頬に軽くキスをした。
 そして、次は耳元へと唇を持っていく。
「…お父さん、いつもありがとう」
 そう囁き、顔を離そうとする。
「こ、こなた…?」
 その途中でそうじろうが目を開け、かなり近い距離で二人の目が合った。
 こなたの顔が見る見ると真っ赤に染まっていく。
「…う…うわぁぁぁぁぁぁっ!!」
 こなたは大声を上げると、もの凄い速度で部屋を飛び出していった。
 残されたそうじろうは、しばらく惚けていたが、部屋にゆたかがまだ残っていること二気が付き、そちらを向いた。
「えーっと、ゆーちゃん…これは…」
「そ、そう言う事です…さっき、お姉ちゃんがやりたかった事…たぶん…」
 自信なさげにゆたかが答える。まさかこなたがここまでやるとは、ゆたか自身も思っていなかった。
「い、いや…というかなんでこなたはこんなことを?」
「…え?」
 ゆたかには、そうじろうがなぜ理解できていないのかが分からなかったが…少し考えて、その理由に思い至った。
「伯父さん…もしかして、今日が父の日だって忘れてました?」
「え?…ああ、そうか…父の日か…」
 そうじろうは、こなたがキスをした頬を指で軽くなぞった。
「そんなもの、忘れてくれても良かったのにな…」
 言葉とは裏腹に、そうじろうはとても嬉しそうな顔をしていた。
 それを見ながら、ゆたかはこれから戻る実家で、自分の父親にも同じようなことをしてみようか…そんな事を思っていた。



853 :こなたと父の日[saga]:2009/06/21(日) 15:26:32.00 ID:IQexLzM0
 次の日。登校中のつかさとみゆきは、前を歩くかがみとこなたを生暖かい笑顔で見ていた。
 こなたの肩に手を回しているかがみは、これ以上はないというくらいニヤニヤしている。一方のこなたはこれ以上は無いというくらい鬱陶しそうに、かがみから顔を逸らしていた。
「…さっきからなんだよ、かがみ…」
 たまらず、こなたがかがみにそう聞いた。
「いやー…何かいうべきことがあるでしょー?昨日のことで」
「さっき言ったじゃない…ちゃんと父の日はやったよ。ゆーちゃんからも聞いたんでしょ?」
「ええ、聞いたわよー」
 かがみはそこでニヤりと笑った。
「ホッペにキスしたんだって?」
「………」
「………」
「…ゆーちゃん…詳細までハナシテシマイマシタカ…」
「ええ、もうばっちり。あ、わたしから聞き出したわけじゃないわよ。向こうが勝手に話したのよ」
「…ゆーちゃん…その素直さはもう罪の領域だよ…」
 がっくりと落ちたこなたの肩を、かがみが何度か軽く叩いた。
「まあ、見直したわ。あんたやっぱり凄いわよ。わたしにはとても真似できないわ」
「…うるさーい…」
 言い返すこなたの言葉にも、まったく覇気がこもっていなかった。
「なんでわたし、あんなことしたんだろ…」
「人間、追い詰められると本音が出るっていうからねー。あんたら親子の仲の良さが羨ましいわよ、うん」
「…うるさーい…」
 一方的にかがみがこなたをからかう状況を見て、みゆきはつかさに小さな声で聞いた。
「…これ、いつまで続くと思いますか?」
「えーっと…お姉ちゃんの事だから、多分三日くらいは同じネタでいくんじゃないかな…」
「そうですか…とりあえず、かがみさんが行き過ぎないように注意しませんと…」
「そだね…」
 みゆきとつかさは頷きあうと、少し距離が開いた前の二人を追い始めた。


- おしまい -
854 :こなたと父の日[saga]:2009/06/21(日) 15:28:18.40 ID:IQexLzM0
以上です。

変態無しのハイテンションかがみんは結構難しいことに気が付きました。
855 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/06/21(日) 17:38:15.09 ID:icuRXXUo
>854
恥ずかしがるこなたがなんだかすごく良かったです。
856 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/06/21(日) 23:15:33.23 ID:gyPX5rE0
>>854
GJ!こんなこなたは新鮮だ!可愛すぐるwwww
857 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/06/22(月) 00:07:22.71 ID:lALlYkIo
>>854
そういや、変態なしのハイテンションはあんまり見たことないな。GJ

にしても何このこなた、可愛すぎるだろwwこれが萌えか……
858 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/06/22(月) 19:50:11.44 ID:lALlYkIo
おし☆らせ

現在第15回コンクールお題募集中
締め切りは25日、投票は26日〜28日になります
書き込みは避難所、お題雑スレにて
859 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/06/22(月) 20:47:32.41 ID:hGkEUIs0
☆ プチ祭り予告! ☆

以下の要領で、第4回プチ祭りを開催したいと思います。
今回はルールを大幅に変更、多分前回までより自由に書けるのではないかと。

■はじめに物語の冒頭が与えられます。参加者はその冒頭につなげて文章を書き、オチまでもっていってください。もちろん作風は冒頭に合わせる必要はないので、自分の書きやすい文体で書いてください。

■使用レス数は3レスまでとします。本当はいくらでも長く、としたい所ですが、容量の問題も読み手の労力の問題もあるので。

■開催期間(投稿期間)は6月24日(水)〜6月30日(火)とします。

■冒頭部分の投下は、開催宣言と同時、つまり24日深夜0時にします。つまり開催までの準備期間はありません。祭りがスタートしてからが準備期間であり投稿期間です。

■一人何作でも投稿できます。
860 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/06/22(月) 23:28:13.71 ID:y2dtqdc0
>>854
アニメ化希望(・∀・)ニヤニヤ
861 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/06/23(火) 01:02:00.87 ID:GAwHCZA0
>>854
初めてこなたがかわいいと思った。
862 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/06/23(火) 16:01:41.55 ID:nKuIl1c0

        \  ヽ     ! |     /
     \    ヽ   ヽ       /    /       /
        ここまでまとめたああああああああああぁぁぁ!!
        \          |        /   /
                        ,イ
 ̄ --  = _           / |              --'''''''
          ,,,     ,r‐、λノ  ゙i、_,、ノゝ     -  ̄
              ゙l            ゙、_
              .j´ . .ハ_, ,_ハ   (.
    ─   _  ─ {    (≡ω≡.  )   /─   _     ─
               ).  c/   ,つ   ,l~
              ´y  { ,、 {    <
               ゝ   lノ ヽ,)   ,
863 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/06/23(火) 17:17:16.39 ID:D4TJRoSO
−まとめ人への感謝の気持ちランナウェイ−

こなた「ほーれ、ほーれ!」
つかさ「きゃっ!?ちょ、ちょっとこなちゃん冷たいよー!」
こなた「はっはっはー逃げ惑えー」
つかさ「もーこなちゃんたらー…お返しだよ!」
こなた「わっ!?ちょっ!ホース使うの反則だよつかさーっ!」
つかさ「あははっ。ハンデだよー」


かがみ「………」
みゆき「かがみさん…かがみさんっ!」
かがみ「えっ!?あっ、な、なにみゆき?別に『水のかけあいで制服(夏)が透けるのがたまんないわ』とか『つかさって意外と大人っぽい下着ねー。そのギャップがまたイイ』とか『こなた、ブラの線が見えないけど…もしかしてノーブラ!?ちょっとこっち向きなさいよー!』とか『あーもう!わたしもまぜてよ!なんで監視役なのよー!』とか、思ってないからね!」
みゆき「…あそこにいるお二人なのですが」
かがみ「スルーかよ」
みゆき「今更ですから。あと、よだれ拭いて下さい…で、あのお二人なのですが」

そうじろう「…奥さん。なかなか筋がいいですな。これならすぐにでも、いい写真を撮れるようになりますよ」
ゆかり「あらー、ホントですか?やっぱりあなたに頼んで正解だったわー」

みゆき「なにか母らしき人が見えますが…」
かがみ「いや、あれゆかりさんだから…なんか写真を上手く撮れるようになりたいって、お養父さんに弟子入りしたらしいわよ」
みゆき「…そうですか」
かがみ「ま、お養父さんに教わったら盗撮術にみがきがかかりそうだけどねー」
みゆき「一体、何を撮るためなんでしょう…」
かがみ「ツッコミなしか」
みゆき「今更ですから」



みなみ「…余計なことを…余計なことを…orz」

864 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/06/23(火) 20:40:46.55 ID:1.CIVIAO
なんなの?
ちょっとスレを見てないうちにプチ祭りがおもしろい事になっとるやないかい!
しかも今晩からかい!
今日は寝られないじゃないかい!
865 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/06/23(火) 22:06:15.57 ID:9nz33.AO
ゆたか「ねぇお姉ちゃん。プチってなに?」
こなた「みゆきさん。プチってなに?」
みゆき「プチとはフランス語のputitのことで、小さい、可愛らしい、幼いなどの意味があります」
こなた「ゆーちゃんのことだね」
かがみ「プチこなた可愛いわね」
866 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/06/24(水) 00:00:19.72 ID:EsrZsAA0
☆ 開催宣言 ☆

ただいまより、第4回プチ祭りを開催します。
予告にも書きましたが、念のためもう一度ルールを確認したいと思います。

・冒頭に続けて文章を書く(冒頭はすぐ下)
・長さは3レスまで
・一人何作でも投下可

それでは、冒頭の文を投下します。

-------------------------------------------------------------------------------------------------------------------


パラリ、パラリ。
紙の捲れる音が小さな部屋にこだまする。

「ああ、あった」

私は探している物を見つけ、安堵する。そして考える。

……何をしているか説明しよう。
簡単に言うと、辞書を引いているのだ。
辞書を引き、目的の語句を見つけては、左手のシャープペンシルをすらすらと動かしている。

普段勉強などそっちのけでネトゲにのめり込んでいる私が、何故真面目にもこんなことをしているのかって?
実はこれには深ーいワケがあるのだ。
867 :プチ祭参加作品『後悔』[saga]:2009/06/24(水) 00:45:17.39 ID:LyHnAQSO
「こなたー、まだー?」
「こなちゃん早くー」
「泉さん。時間はありますから、焦らなくても大丈夫ですよー」
…責っ付かせたり、なだめたりする声が背後から聞こえる。
ようするに、賭に負けたわたしはみんなの分の宿題をやらされているのだ。
お泊り会の余興にと、変な事提案するんじゃなかった。
ってか、つかさに負けるとは思わなかった。
ついでに、みゆきさんまで乗ってくるとは思わなかった。
『後悔先に立たず』
開いた辞書に、そんな言葉が載っていた。


以上、1レスです。
868 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/06/24(水) 02:22:48.02 ID:EsrZsAA0
>>867
なんという即行ww
後悔先に立たずって本当にそうだなww
869 :プチ祭り参加作品『合成魔法』[saga]:2009/06/24(水) 18:14:54.80 ID:ZJ5JuAAO
「こなた!合成魔法まだなの!?」
「もーちょっとー!」

この魔界、いつ魔物が現れてもおかしくないというが、まさか自分の部屋に現れるとは思わなかった。
そして私は今、強力な合成魔法を作り魔物を倒すため呪文辞典で呪文を探しているのである。
合成魔法のエキスパートが倒れてしまった今この魔物を倒せるのは私しかいない。

「こなた早くしてー!」

「・・・・・あ・・・あった!」
「よし、その呪文を掛け合わせるのよ!」


・・・・・・。


こなたは硬直してしまった。


「・・・・・・ごめん、この呪文のこことここってどうやって計算するんだっけ・・・」
「は?」
「やっぱり普段から勉強しとくのって大事なんだなー・・・」

ズバッ

バタッ



『GAME OEVR』

かがみ「ちょっとこなた!あんたのせいで負けちゃったじゃない!」
こなた「ごめんごめん、合成魔法ってはじめて使うから・・・」
かがみ「え?アンタこのゲーム結構やりこんだって言ってたじゃない?」
こなた「魔法の合成だけは数学みたいでやる気にならないんだよねー」
かがみ「別に合成くらい攻略本のこの表見れば一目瞭然でしょ?」
こなた「いや、攻略本は見ない主義なんで」
かがみ「一生終わらんぞ」



おわし
870 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/06/24(水) 18:28:02.44 ID:EsrZsAA0
>>869
なるほど呪文辞典か。面白いな。
871 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/06/24(水) 20:15:56.05 ID:scbrboU0
みんな仕事速いな
872 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/06/24(水) 20:26:00.25 ID:LyHnAQSO
>>871
以前のより、かなり楽に書けましたね。
873 :プチ祭参加作品『頑張って考えたんだよ』[saga]:2009/06/24(水) 23:03:54.14 ID:Flp/hsSO
>>866

 ――翌日。

「やっほーかがみん。かがみ昨日さ、金魚の名前で悩んでたよね」
「え、うん。でm、」
「それでね私昨日かがみの為に凄い名前考えたんだ! しかも超かっこいいんだよ!」
「こな、」
「その名も『宇宙金魚の朱き龍』!」
「お、」
「宇宙金魚の朱き龍と書いて、『Space goldfish red dragon スペースゴールドフィッシュレッドドラゴン』って読むんだよーっ! カッコイイ! もうこれで決まりでしょ!?」
「……いや、もう名前決まってるから」

「え? あ、そうだよね……」


 その後、こなたは自分のアホ毛に『一点集中蒼髪海流神 ワンポイントブルーリヴァイアサンヘアー』と名付け、一人盛り上がっていたという……。


874 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/06/24(水) 23:21:42.19 ID:EsrZsAA0
>>873
何てパワフルな厨二ネーミングwwww
875 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/06/24(水) 23:48:21.51 ID:z3v7cM20
>>873
アホ毛にクソワロタwwwwwwww
876 :プチ祭参加作品『だって一緒にいたいじゃん!』2009/06/25(木) 00:20:45.85 ID:bjl35kDO
「ほな、来週までに進路調査表提出な〜」

「むぅ〜進路か〜どうしようかな〜」

と、そんな風にいかにも悩んでますという雰囲気を醸し出しながら周りの皆に進路先を聞いていた高3の春…

「私?私は弁護士が夢だから◎△大学行くわよ?」
「私はお姉ちゃんと同じ大学がいいけれどやっぱり私の学力じゃ…」
「お恥ずかしながら留学を考えておりまして…」

なんて皆しっかり将来考えてるんだなぁって思ってた
けれど夏休みが明けたあたりから皆で同じ大学に行くことになった
みゆきさんとかがみんの秀才コンビに私とつかさはスパルタで勉強した

…が

「お姉ちゃん!あった!あったよ!私も!」
「おめでとうございます、つかささん、これで残るは泉さんですね」
「どう?こなた?あった?」
「ぃ…」
「え?」
「ない…私……落ちちゃった、まぁ、普段勉強しない私が急にやったって受かるはずないよねーははっ、いやーつかさに負けたのは悔しいけどしかたないか…ごめんねみゆきさん、かがみ、あんなに教えてくれたのにダメだったや」
「泉さん…」
「こなちゃん…」
「こなた……」
「なんや?落ちたんかいな?」
「Σっ!先生!」
「まだあきらめるのは早いで泉ぃ〜後期が残ってるで、ま、さらに厳しいかもしれへんけど」
「……。」
「え?どないした?ウチなんか変なこと言うた?」
「そうよ!こなた!後期があるじゃない!」
「そうですよ!泉さん!これから私もさらに力を入れて教えますからがんばりましょう!」

……ってな理由
「あぅ〜頭が…」
「こなたーかがみちゃん達が来たぞー」
「待ってました!先生!」

受験まであと2週間…絶対受かる!
877 :プチ祭参加作品『代役』2009/06/25(木) 00:52:53.52 ID:bjl35kDO
「と言うわけで臨時の方が見えるまで明日、あさっての2日間だけどなたか…」

あの時や…あの時に視線が合うてしまったからや…
英語の担当が急に病気になったさかい、代わりがくるまで代役をゆうてウチが選ばれたんや

「つまりや、訳すとこれは…あれ?toss aboutってなんや?」

さっきから調べては訳し、訳しては調べての繰り返しや

あーもうあかん!なんでウチが生徒らの問題解かなあかんのや…

「そや!ネトゲで英語できるやつおったわ、さっそく聞いて…」

【ただいまメンテナンス中】

そやな、そううまく世の中は回らんわな…

「うだうだ言うてもダメや!よっし!やったるでぇ」

時刻は夜中の3時すぎ…
独身の淋しい夜が今日もまた更けていく
878 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/06/25(木) 00:56:59.76 ID:hSVoDPg0
>>876
シリアスっぽいのが来たな
879 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/06/25(木) 01:40:32.23 ID:hSVoDPg0
>>877
ななこ先生とはww

今のところ1レス物だけだな。意外だ。
880 :プチ祭り参加作品[saga]:2009/06/25(木) 22:33:06.63 ID:g01gamoo
>>866
話は1週間前の日曜日にさかのぼる。
 その日、ネトゲを寝落ちした私の夢の中にお母さんが降臨してこう言った。

『ゲームばっかりしてないで、勉強もしなきゃダメよ』

 今思えば、この忠告は素直に聞いておくべきだった。
 その時の私は若気の至りというやつで、母に反抗的な態度をとってしまったのだ。

「えー。だって、お父さんもしてるじゃん」
『そう君は、あれでも一応は立派な社会人だからいいの。こなたは、まだ学生でしょう?』
「そうかもしれないけどさぁ」
『やっぱり、素直に聞いてくれないのね……仕方ないわ、本当はこんなことしたくなかったけど』
「ふぇ?なに?なにするつもりなの?」
『かわいそうだけど、最後の手段をとらさせてもらいます。大変なことがおきるけど覚悟してね、こなた』
「えっ!?うそ!?最後の手段って……まだそんなに話し合って無いじゃん!!大変なことってなにさ!?」
『問答無用です!え〜いっ!』

 私はこれをただの変な夢だとしか思っていなかったのだが、そうではなかった。
 翌日、確かに大変なことが起こったのだ。 

「おはよー、かがみにつかさ」
「……誰よ、あんた?つかさ、知ってる?」
「……ううん。初めて会ったけど」
「えっ?……ちょ、ちょっと、変な冗談はやめてよ、かがみ」
「お姉ちゃん、同じクラスの人とかじゃないの?」
「自分のクラスの人間の顔くらい覚えてるわよ」

 校舎の前で会ったかがみとつかさに、私達の関係を完全否定されてしまったのだ。
 それだけではなかった。

「おはようございます、みなさん。どうかされたのですか?」
「おはよう、みゆき。ちょっとね、変なヤツにからまれちゃって」
「ゆきちゃん、おはよー。えっとね、この人が私達に挨拶してきたんだけどね……」
「み、みゆきさん!みゆきさんは、私のことわかるよね!?」
「ええ。同じクラスの泉さんですよね。こうして言葉を交わすのは初めてですが」
「そっ、そんなぁ……」
「あの、大丈夫ですか?顔色が優れないようですが?」
「あ、うん。大丈夫……です……」

 その後、かがみとつかさ、それにみゆきさんは私を置いて3人で校舎へと向かった。
 何も考えられなくなった私は、その日は学校に行くことをやめた。
 まっすぐに家へと戻り、シャワーだけ浴びると、すぐにベッドにもぐりこんだ。
 何もする気が起きなかったから。

 やがて私が眠りにつくと、前日と同じように夢の中にお母さんが降臨した。
881 :プチ祭り参加作品[saga]:2009/06/25(木) 22:33:47.30 ID:g01gamoo
『こなた、少しは反省したかしら?』
「……うん」
『そう。それじゃあ、ちゃんと勉強も頑張るって約束できる?』
「……うん、約束するよ。だからさ、かがみ達を元に戻してよ」
『わかったわ。こなた、両手を出しなさい』

 その言葉に従って差し出した手の上に、広辞苑レベルのやたら分厚い本が置かれた。
 表紙には、何故か私の名前が書かれている。

『その辞書には、あなたの記憶がその記憶を表すキーワードと一緒に刻まれているの。もちろん、かがみちゃん達との思い出も』
「それで、私はこれをどうすればいいの?」
『あなたが取り戻さなければならないすべての記憶、その記憶にまつわるキーワードをこのノートに記しなさい』

 そう言って、お母さんは3冊のノートを取り出した。
 ノートにはそれぞれ、柊かがみ、柊つかさ、高良みゆき、と名前が書かれている。

「えっとさ、こんなこと言うのアレなんだけどさ……もっと簡単に戻せないの?こう、どばーっと一気に」
『別にいらないって言うのなら、このノートはあげないし、辞書も返してくれていいのよ?』
「うう……ごめんなさい。自分で招いた結果なのに、楽をしようと考えた私がバカでした」
『よろしい。それじゃあ、これをあげるわね。猶予は明日の朝4時よ。頑張ってね、こなた』
「ええっ!?ちょ、それなんて無理ゲー!?短すぎるよっ!!」

 私は母の姿が消えた直後に目を覚ますと、慌ててベッドから飛び起き、時計だけ確認してすぐに机にむかった。
 そして、手に持っている辞書を猛スピードで捲り、最初のキーワードとなる『偶然』や『出会い』という単語をみんなのノートに描き込んだ。

 ☆

 そして、現在の時刻は深夜2時。
 辞書を引き始めてからかれこれもう14時間にもなる。
 ここにきて、ようやく最後のページを捲り終えた。

「やった……やっと、終わった……」

 半日以上にわたり集中力フルパワー状態で体と頭を酷使し続けたせいで、もうくたただ。
 すべては終わった。もう寝よう。
 そう思いベッドに向おうとしたその瞬間、私の脳裏にふとすばらしい考えがひらめいた。

 コホン。えー……諸君、心して聞いて欲しい。

 間に合ったと言う達成感。
 そして、今日経験した絶望的な寂しさから抜け出せると言う喜び。
 さらには、安堵感からくる眠たさ。

 これらのことから、今の私は正常な思考ができる状態ではないと言えよう。
 だから、これから私がやろうとしていることっていうのは、ほんの出来心な訳で。
 神のいたずら的なアレというか、小悪魔の囁き的なアレというか。

 つまり、私は悪くないし、これだけ頑張ったんだから、ご褒美くらいあってもいいし。
 私がかがみのノートに今からある言葉を書き込んじゃうのは、偶然と言う名の必然と言う名の偶然。
 誰も悪くない。もちろん、私も悪くない。オーケー? 
882 :プチ祭り参加作品[saga]:2009/06/25(木) 22:34:56.23 ID:g01gamoo
 えいやっ、と辞書に無いはずのキーワードをかがみのノートに書きなぐってから、私はベッドに飛び込んだ。
 どうか、私がこんなことしたのをお母さんが見ていませんように、と願いながら。

 ……見ててもいいから、見逃してくれますようにっ!

 ☆

 翌日、というよりは私が寝てからほんの数時間後。
 かがみとつかさは、いつもの集合場所で私のことを待ってくれていた。

「おはよー、かがみにつかさ」
「おっす。こなた」
「こなちゃん、おはよー!」

 よかった。2人が私のことを認識してくれた……んだけど、つかさの様子がおかしいような……?

「つかさ、今朝はなんだか元気――」
「こなちゃん!そんなテンションじゃ、俺より強いヤツを探してる人とか全方位において負けが無い人達に負けちゃうよ!?」
「……か、かがみ、つかさはどうしちゃったの?壊れたの?」
「え?何が?いつも通り元気でつかさらしいじゃない」
「うひゃーっ!わたし、なんだかワクワクしてきたよっ、こなちゃん!引かない!媚びない!省みない!我が生涯に一片の悔いなーしっ!」

 あああああ。つかさが頭髪を金色に輝かせて、天に向ってオーラを立ち上らせて、凄い動きをしながら「師匠ー」って叫んでる……
 漫画が違うよー。こわいよー。

「ところで、こなた。今日の放課後さ、体育館の裏に来て欲しいんだけど……ダメ?」
「え?……い、いや、別にいいけど」
「何よ、その態度。イヤなら別に断ってくれたらいいのよ?」
「べ、別にイヤじゃないよっ!むしろ、喜んで行くよっ!」

 壊れてしまったつかさはどーでもいい。
 今の私は、かがみのことが非常に気になるのだ。
 何故なら、私は昨日かがみのノートに……

「そう?そんなに乗り気なら、放課後じゃなくて今でもいっか」
「ふぇ!?い、今デスカ!?……ひ、人がいっぱいいるじゃん。恥ずかしいよ。告白はやっぱり人気の無いところのほうが……」
「ああ、大丈夫よ。私がしたいのは告白とかじゃなくて、もっと肉体的かつ直接的なスキンシップだから」
「ふわぁっ!?ぬ、脱いだ!?かがみが脱いだっ!!……た、助けてぇーっ!お母さぁーんっ!」


 かなたはノートから目をはずすと、悲鳴をあげて全裸のかがみから逃げ惑うこなたの姿を天上から覗いて、溜息をついた。

『自業自得……かしらね。もっと勉強させなきゃダメかしら』

 かなたはそう呟くと、こなたが昨晩必死で書いたノートに視線を戻し、今現在の騒動の原因となった単語を改めて見つめなおす。
 眠たさゆえか、学力のなさゆえか、はたまた凡ミスか……こなたが間違って記してしまった単語を。

 みゆき:無的
 つかさ:天然
 かがみ:変
883 :プチ祭り参加作品[saga]:2009/06/25(木) 22:39:10.52 ID:g01gamoo
間違えた。>>882のラストから2行目は

「つかさ:天燃」

でした。

ではこれにて。プチ祭り参加作品『キャラ崩壊〜ep.0〜』でした。
884 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/06/25(木) 23:12:09.38 ID:hSVoDPg0
>>883
お、初めて2レス以上のが来たな
シリアスかと思ったら変態かがみ自重wwww
885 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/06/25(木) 23:16:41.10 ID:6sN4g320
>>883
かがみが変態なのはこのスレ的には普通wwあれかなたさんうわなにをする
886 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/06/26(金) 01:01:21.75 ID:L9EmstAo
ごめん寝過ごした



第15回コンクール投票所設置
投票は一人一票まで、締め切りは28日24時となっております
http://vote3.ziyu.net/html/odai15.html

887 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/06/26(金) 01:09:40.56 ID:L9EmstAo
第15回コンクールお題投票所
でした

あと、コンクールの主催、作品投票所の管理できる人も募集中です
888 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/06/26(金) 19:48:49.98 ID:XeUEtC.0
プチ祭りのネタがおもいつかねー!
889 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/06/26(金) 20:06:59.88 ID:qNjIrFI0
既に色んなネタが出たからなあ
890 :プチ祭り参加作品[saga]:2009/06/26(金) 20:34:44.95 ID:C5N4Q2AO
かがみ「珍しいわね、アンタが辞書片手に書き取りしてるなんて」
こなた「さすがに私も何時ももれなく遊んでるわけじゃないよー」
つかさ「私手伝っていい?」
こなた「え・・・いや・・・その・・・・・・、私一人の力でやりたいんだよ!」
つかさ「え、そうなんだ・・・」
かがみ「遠慮しなくていいわよー♪」グイッ
こなた「アッー」
かがみ「ん?・・・・・『エッチ』・・・変態の意。hentaiの頭文字をとったもの。・・・陰・・・男子の生殖器の一部で、さおのように伸びたりする部分。・・・強姦・・・・・・・・・」


こなた「いやー暇な時辞書があるとついそんな単語ばっかを・・・」
かがみ「お前は思春期の中学生か」
891 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/06/26(金) 21:29:29.97 ID:qNjIrFI0
>>890
小ネタっぽいなww
892 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/06/26(金) 22:37:31.07 ID:AY0VuASO
>>890
変態かがみの流れだと思ってたww
893 :プチ祭り参加作品[sage]:2009/06/26(金) 23:30:14.01 ID:XzcPHcAO
やっと書き上げました。しかし……
すみません、プチ祭りの原文はずっと>>867だと勘違いし続けていました。

すみません!すみません!まさに後悔先に立たずです……

で、今回の作品は>>876の続きになっています。

はぁ、こんなものでプチ祭りになるのか……
894 :プチ祭参加作品『続.後悔』[saga]:2009/06/26(金) 23:39:19.24 ID:XzcPHcAO
「むーむー」
「やれやれ、あんた私のノートばっかり見てるからこうなるのよ。たまには良い薬になるわね」

くぅっ、かがみの言うことがいちいち正論だから頭が痛い。
はあぁあ、今日の深夜アニメは録画してあるけど、出来ればリアルタイムで見たいな。
こんなものそれまでに終われば良いんだけど。

「ごめんね、こなちゃん……(>_<)じゃあ、トランプやろうよ。こなちゃん抜きで!」

ガーン!
つ、つかさ!?あんた鬼だよ……。ひぐらしの*く頃にの鬼*しにでも合いそうな気がして怖いよ。

「では大富豪をいたしましょうか。ルールを確認しましょう」

くそーっ、本当にみんな私抜きでゲームしてじゃんよ。
こ、こんなもの!真面目にやってられっかてんだい!
と、そんな時、天国と地獄の対比が、非常にわかりやすく再現された私の部屋に天使が舞い降りた!

「お姉ちゃん入るよぉ〜」

そう、殺伐した部屋を照らし出したのは言わずもがな、我が妹ゆーちゃんであったあぁぁあぁっ!

「ジュースとお菓子を盛ってって欲しいって、おじさんが」

おぉっ、ゆーちゃんがジュースとお菓子をお盆を両手で抱えているではないか!
ふぅ、これでサボリ、ならね気分転換が出来るや、ヒャッホーイ……、なんて、今ふと私の頭にはブラックホールよりもずっと暗い暗〜い考えが頭によぎったのだ。
この決して実行してはならない禁断の策略を、今すぐにでも実行しなくてはならない。
今だ、今しなければ二度とチャンスは訪れないかも知れない。
でもダメだ!
895 :プチ祭参加作品『続.後悔』[saga]:2009/06/26(金) 23:45:30.70 ID:XzcPHcAO
そんな事をしてしまったら、私は鬼になってしまう!
私の頭の中では天使のみなみちゃんと悪魔のみなみちゃんが
『そんな事しちゃダメ……』『大丈夫、きっとかわいいよ。やろう……』
静かに、囁くように争っている。
そして輪っかが頭についたみなみちゃんが、『う、うん、やろう……』『ふふ、ごめんね、ゆたか』
コウモリの翼が背中についたみなみちゃんに従った。

いざ、私は行動に移る。
ゆーちゃんがお盆を持って、一歩ずつこちらに近づいてくる。
私の前を通り過ぎ、オレンジジュースがいっぱい入ったグラスを乗せたお盆を、小さな机に乗せようと、最後の一歩を踏み締めようとする。
刹那!私は駿足の早さで足を延ばし、ゆーちゃんの足の前へと張り出した。

「うわっ」

どんがらがっしゃーん

無防備に私の足につまづくゆーちゃん。
オレンジジュースが水滴が一粒ずつはじけ散り、お菓子が宙を舞う!
その光景が、まるでスローモーションのように、鮮明かつ鮮やかに私の目に映し出された。
そしてこの隙に、宿題であるノートをオレンジジュースの着地地点へと、目立たぬように素早く差し出した。
すると見事にノートは黄色く染まり、そこに書かれた文字たちが一瞬で滲み、ピカソの芸術的絵画のようになった。

そして私は、白々しくも私はゆーちゃんのもとへ。

「大丈夫?ゆーちゃん!」
「えぅっ、うっ、ごめんなさい!かがみ先輩のノートが……。こ、こんなにびしょびしょに」
「いいのよ!気にしないで!こんなの拭けばすぐに元通りよ!こ、こなた?ティッシュ取ってくれない?」
「ラジャッ」

かがみは私が渡したティッシュでノートを拭く。しかし文字はますますピカソを超えた芸術作品に化けるばかりで、明らかに文字とは呼べないものになってしまっていた。

896 :プチ祭参加作品『続.後悔』[saga]:2009/06/26(金) 23:48:38.65 ID:XzcPHcAO
「ごめんなさい!ごめんなさい!私のせいで先輩のノートが……」
「あ、あははははは……。大丈夫よぉ。このくらい平気平気……。みゆきのノートを見せてモラウシ……ネ?」
「は、はい。大丈夫ですよ!授業の内容は同じですから」
「あう……。すみません……」

こうして私が宿題をするという罰ゲームはうやむやになっていき、私は解放されたのである。

しかし、事はこれで済んだ訳ではなかった。
次の日、学校からつかさ達と帰ろうと言うとき、ゆーちゃんとみなみちゃんが私の前に立ちはだかった。
私の目線がゆーちゃんと合うと、小動物のようにビクリと怯えてみなみちゃんの背中へと隠れてしまった。

「泉先輩。ちょっといいでしょうか。お話したい事があるのですが」

嫌な予感がする。周りの空気が急に重たく感じられるようになった。
みなみちゃんから発せられるオーラは、私の知る限りの全てのアニメキャラのそれを、はるかに超えているのだ。
これが二次元と三次元の壁と言う奴なのだろうか?
私の本能は早く逃げろと訴えているのに、みなみちゃんの強い視線が私をその場に射止め、金縛りのように体が動かない。
今のみなみちゃんには、背中にコウモリの翼を付けたみなみちゃんなんて、そんなメルヘンなイメージは全くない。
そう、この世で本当に怖いのは悪魔や鬼なんかではなく人間なのだ。
つかさ達も同じ同じ空気を感じたらしい。

「こ、こなちゃん?私達、先に帰ってるね?またね」

あぁ、つかさ達の背中がなんて恨めしいんだろう。

「泉さん、昨日の事をゆたかに聞きました」
「わ、わわ私はははは、ご、ごめんなさい。つい出来心で……」



私は今、みなみちゃんとゆーちゃんの宿題をしています。はい、すみません、心の底から反省してます。

「むーむー」
「泉さん、これもわからないのですか?一年生の問題ですよ?」
「うっ……」
「お、お姉ちゃんファイトー」

ふと辞書を開くとそこには『後悔先に立たず』と書かれていた。
897 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/06/27(土) 00:36:31.03 ID:Hsxb8do0
>>896
スマン。これはプチ祭り参加作品としての資格がないと判断する。
なので普通の短編として分類します。

内容は面白かった。
898 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/06/27(土) 05:48:52.31 ID:hrenFoAO
>>897

>>893-896の者です。
やっぱりプチ祭作品としては成り立たないですね。
まあ、投票されたりするわけでもないから問題ないけど、普通の短編として独立しているとストーリーがおかしいような……?
899 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/06/27(土) 08:06:36.54 ID:2WVdvUSO
レスっぽいもの、にまとめればおk
900 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/06/27(土) 08:20:54.26 ID:E39Zayw0
プチ祭り参加作品「ネトゲのためなら」

 数日前のこと。
 ネトゲもやりつくして退屈だった私は、お母さんの部屋をたずねた。
 世間にはラノベ作家として有名なお母さんだけど、その辺のオタクたちが束になってもかなわないほどのスーパーオタ女でもある。
 そんなお母さんなら、マイナーだけど面白そうなネトゲでも知ってるかもしれないと思ったのだ。

 部屋に入ると、お母さんはちょうどパソコンに向かってネトゲ中。
 画面をのぞいてみると、そこはカオスだった。
 アルファベットや日本語、中国の漢字、ハングル文字、なんかミミズのようなよく分からない文字までがごたまぜになったチャットが、ものすごい勢いでスクロールしてる。
 お母さんは、鼻歌まじりに、そのカオスなチャットと戦闘コマンドを神速のキーパンチでこなしていた。
 モンスターを倒すと、チャットのスピードがやや落ちた。
 お母さんは、パーティメンバーとのチャットをこなしながら、
「ん? どしたの?」
「お母さん、これ、何言ってるか分かるの?」
「分かるよ。最初は苦労したけどね。基本的な会話とスラングとアスキーアートさえ分かれば、とりあえずは大丈夫」

 このネトゲは、世界でも難易度最高クラスのMMORPGで、世界中のディープなネットゲーマーたちが集っているそうだ。
 コンピューターが扱える文字なら使用言語は自由というルールのため、ゲーム上の会話は国際色豊かすぎるカオス状態。

「いやぁ、世界中の文字を表示するのに、フォント入れまくったよ。エリアごとにモデルの国があってね。NPC(ノンプレイヤーキャラクター)は、そのエリアの言葉で話すんだよね。新しいエリアに行くたびに、辞典めくりまくり」
 お母さんは、「旅先でよく使う各国語会話辞典」なる本を手に取った。
「ちなみに、このエリアはスワヒリ語だね」
 なんという凝った設定だ。

 泉こなた──我が母は、ついにこの域にまで到達してしまったのだ。

 お母さんは、朝までそのネトゲで遊び続け、私は後ろからその画面を眺めていた。
 チャットの内容はさっぱり分からないけど、雰囲気は伝わってくる。
 なんだかとても楽しそうだった。

 ネトゲからいったん落ちたお母さんが、
「やってみるかい?」
「チャットが大変そうだよね」
「大丈夫だよ。古参は初心者相手なら英語であわせてくれるし、『English OK』モードにすればNPCの会話もみんな英語になるから。初心者用の練習エリアもあるしね」
 お母さんはことなにげにそういったけど、私の英語の成績からすれば、それは最高難易度だといってもいい。



 というわけで、私は英語をマスターすべく辞典をめくっているのである。
 スラングやネトゲ用語はネットで検索するとして、基本的なところはよく使う文章を辞典を見ながら訳して覚えるしかない。
 とりあえず、流れるような英語の会話を見た瞬間に理解できるようにならないと。



 その後、私の英語の成績が急にあがって、クラス担任の黒井先生を驚愕させたというのはまた別の話。
901 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/06/27(土) 19:37:24.27 ID:Hsxb8do0
>>900
こなたすげえww
娘って発想は無かった
902 :プチ祭参加作品『意地』[saga]:2009/06/27(土) 21:48:05.06 ID:J7t352SO
「ねえ、お母さん…無理しなくていいんだよ?」
後ろから、何と言うか気遣うような声。
「…無理してないよ。いいからお母さんに任せなさいって」
その声の主が自分の娘ってのが、なんとも情けない。
「もう…変なところで意固持なんだからあ」
娘が呆れた声をあげる。
そりゃ意地にもなろうというもの。
『たまには親を頼りなさい』なんてカッコつけて娘の宿題を手伝いだしたのだから、この泉こなたの名にかけても、やり遂げなければならないのだ。
「…こんなの習ったっけ…」
名をかけても、解らない所はやっばり解らない。
こんな事なら、学生時代にもう少し真面目にやっとけばよかったよ。
「…お母さん…頭から煙りでてるよ」
「うるさい、気が散る。少し黙ってて」
「…もう…提出間に合うのかな…あ、ちゃんと読める字で書いてね」
誰に似たのか、生意気な子だ。
「…こんな無理してくれなくても、お母さんの事好きなのにね」
…ホント生意気な子だ。



以上、1レスです。

ちと、娘ネタに便乗させて貰いました。
903 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/06/28(日) 11:13:58.80 ID:N1aukoAO
>>902

こなたが母親になっても、やっぱりこなただよなぁ。うん。
904 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/06/28(日) 13:01:45.37 ID:2XtQXwAO
http://mbex.sk2w.jp/functions/regist.php?friendid=a6ade5aa93b826f8de63c663e1159bf7
β版無料モンスター育成ゲームなんだが
今のところVIP民ネバワ民モバゲ民で争っている
ランキング1位目指そうぜww

登録した後の流れ

はじめてガイド熟読

モンスター生成

酒場の奴適当に選んでバトル

わからない事があったら質問してくれww
905 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/06/28(日) 16:03:55.99 ID:O3wtBTM0
>>902
なんだかほのぼのするなぁ
906 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/06/28(日) 17:56:01.78 ID:bYx3Zzoo
おし☆らせ

第15回コンクールお題投票が、本日で締め切りです
まだ投票されていない方はお早めにお願いします
http://vote3.ziyu.net/html/odai15.html
907 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/06/28(日) 18:08:41.86 ID:8Mbf/3U0
コンクールか
前回最下位だったしな・・・
今製作中のssも詰まり気味・・・
とても新たに作る気力もない
・・・とネガティブになってしまたのでした。
908 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/06/28(日) 19:28:57.26 ID:v289SOU0
>>907
いい作品でも票が伸びなかったり最下位になることもあるからね。
まあどうでもいいか。
909 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/06/28(日) 19:44:49.50 ID:dUoXQ.SO
どうでもいいなら、わざわざ書き込まんでも…。
910 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/06/28(日) 23:42:35.85 ID:u4FpcYDO
期待しちゃうじゃないか
911 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/06/29(月) 00:14:25.34 ID:xxrSP1Eo
おし☆らせ

第15回コンクールのお題が、「星」に決定いたしました
奮って参加ください
http://vote3.ziyu.net/html/odai15.html

主催他、募集中です
912 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/06/29(月) 13:34:50.25 ID:t6KUkUAO
星か……。
自分でお題に立候補しといてなんだけど難しいなあ、絶対にあのネタはカブるよな
913 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/06/29(月) 18:05:57.63 ID:TxlUYe6o
星のカービィか
914 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/06/29(月) 18:30:17.50 ID:t6KUkUAO
>>913
星のかがーみぃ
915 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/06/29(月) 18:32:35.53 ID:t6KUkUAO
そうじゃなくて、
もうすぐつかさかがみの誕生日→7月7日→七夕→天の川→星
916 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/06/29(月) 18:49:12.92 ID:Mx7C3F.o
>>915
確かに真っ先に思いついたのはそれ系のネタなんだぜ
王道ネタなんだよなー、絶対にカブるよなーって思ったw

さて、参加も含めて今回はどうしようかしらん
917 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/06/29(月) 18:49:55.65 ID:cW4dBoSO
つかさかがみで書く予定だけど、誕生日はコンクールと関係なく書きます。



前にも同じような事を言った気がするような…。
918 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/06/29(月) 18:54:37.05 ID:cW4dBoSO
と、言うか>>915を見て「あ、そういうのもアリか」と、思ったり。

919 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/06/29(月) 19:29:23.71 ID:vyY3ZgSO
天体観測が趣味の子が居たような気がする
920 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/06/29(月) 21:09:05.31 ID:uV7nBDg0
いたっけ?
921 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/06/29(月) 21:35:37.59 ID:geDcHSU0
八坂こうの趣味に人間観察があるけどね
922 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/06/29(月) 22:05:34.91 ID:vyY3ZgSO
居なかったか。
昔そんなようなSSを読んだから勘違いしたみたいだ
923 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/06/29(月) 22:19:20.86 ID:t6KUkUAO
>>922
俺の作品だろうか?こなたが星が好きで天体観測してるって設定の話をちょうど一年前に書いたよ。


ところで、俺も天体観測が趣味のキャラなんていたっけ?と思ってWikipediaをしらべてたんだけど。
その中のこなた紹介の記述の中に……

『高校3年の新級と同時に入学したゆたかが下宿を始めてからは3人暮らし。現在ではさらにパティがホームステイしており、4人で暮らしている。』

って書いてあったんだけど、パティってこなたの家に住んでたの!?
知らなかった……。てかこの記述はリアルなのか?
924 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/06/29(月) 22:28:02.35 ID:t0pLx56o
「リアル」って言葉をどんな意味で使ってるのかわからないけど
パティが泉家にホームステイしてるのは本当だし、原作のレギュラーに昇格もしたよ
925 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/06/29(月) 22:31:33.02 ID:cW4dBoSO
>>923
パティは原作の本編には、その設定で登場してるそうです。
アニメ版やおまけ?に出てた時は一人暮らしでした。
926 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/06/29(月) 22:45:34.75 ID:vyY3ZgSO
>>923
たぶんそれだww

パティ、原作では最近ひよりたちとやっと【ネタバレ】してたな
果たしてパティは泉家のどの部屋に居るのだろうかww
927 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/06/29(月) 22:48:26.08 ID:xxrSP1Eo
>>915
それは思ったが、カービィはネタだろww

>>923
マジ。たぶん単行本のネタバレになるから言わないけど大学方面でも進展あり
調べればすぐわかると思うけど
928 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/06/29(月) 22:53:21.86 ID:4kdU5YSO
>>923
まだその設定は単行本には出てないからわからんのかもね
最新巻マダー?
929 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/06/29(月) 23:05:31.20 ID:t6KUkUAO
>>927

マジだったのかーー!
早く単行本が読みたいです……
930 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/06/29(月) 23:16:58.84 ID:ss1kgGg0
>>926
泉家の一階に、空き部屋が一つあったから多分そこかと。

でも、パティは一人暮らしの方がらしい気がする…。
931 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/06/29(月) 23:24:20.71 ID:vyY3ZgSO
>>930
そういえばあったか
俺もパティは一人暮の方が似合うと思う

しかし、そうじろうは巨乳と貧乳に囲まれてますます勝ち組だよな
932 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/06/29(月) 23:33:53.36 ID:ss1kgGg0
>>931
かがみ「つまり、そこでわたしがこなたの嫁になれば小中大と揃ってさらに完璧と言うわけね!」
みなみ「さらにわたしがゆたかの嫁になれば、無しも加わり益々完璧に」

こなた「…キミ等は我が家をどういう家にしたいのかね…ってかなんだこのハーレム」
ゆたか「…みなみちゃん…自分で言ってて虚しくない…?」
933 :白雪は染まらない[saga]:2009/06/30(火) 01:10:51.37 ID:OXkNcjw0
投下行きます。

正解率99%の暇つぶし劇場版!
舞台も推理も大きく拡大!
キミはこの謎が解けるか!?

…ごめんなさい。嘘です。いつも通りぬるいです。
あと、今回は少し長くなるので、発生編、推理編、解決編の三話になります。
934 :白雪は染まらない[saga]:2009/06/30(火) 01:12:11.49 ID:OXkNcjw0
 斧を振り上げた状態のままで、動きが止まる。
 自分が決めた事とはいえ、やはりこの行為は気が引ける。
 だが、ここまで来た以上後には引けない。
 少女は意を決して、目の前のソレに斧を振り下ろした。


- 白雪は染まらない〜発生編〜 -


 とある冬の日。こなた、かがみ、つかさ、みゆき、それにゆたかとみなみの六人は、雪山へとスキーを楽しみに来ていた。
 大学受験も無事終わり、その慰労もかねてと、みゆきがこの旅行を提案してきたのだ。


「へー、思ったより広いねー」
 こなたがゲレンデを見渡しながら、感嘆の声をあげた。
「うん、これなら気持ちよくすべれそうね」
 隣にいるかがみが、それに賛同する。
「喜んでいただけて何よりです。皆さんをお誘いしたかいがありました」
 その後ろから、みゆきがにこやかにそう話し、さらにその後ろでは、みなみがふらつくゆたかの身体を支えて付いてきていた。
「…ゆたか、大丈夫?」
「う、うん…なんとか…」
 こなたがゆたかの傍にいき、心配そうに顔を覗き込んだ。
「ゆーちゃん、あんまり無理しないでよ?」
「大丈夫だよ、お姉ちゃん。みなみちゃんも付いてくれるし、少ししたら慣れるよ」
「うん、だったらいいけど」
 そう言ってこなたは、かがみの隣に戻った。スキー板を履いているにもかかわらず、その足取りは軽快だ。
「それにしても、こう見てるとこなたがスキー初めてって信じられないわね…」
 それを見たかがみが、感心したように呟く。
「歩くくらい簡単でしょ?」
「…そうだといいんだけど」
 かがみはチラッとこなたと逆の方を見た。そこには、先ほど転んで立ち上がれずにもがいているつかさがいた。
「おねーちゃーん!助けてよー!」
 かがみは溜息をつくと、つかさに手を貸し起こしてあげた。そして、一同の顔を見渡す。
「それじゃ、スキーの経験が無いのはこなたとゆたかちゃんだけね?」
 その言葉にこなたとゆたかが頷く。
「かがみさん達はご経験がおありなのですね?」
「うん…って言っても、中学の修学旅行の時にやったことあるってだけだけどね」
 みゆきにそう答えたかがみは、再び一同を見渡した。
「じゃ、わたしはつかさ見るから、みゆきはこなたを教えてあげて。みなみちゃんはゆたかちゃんをお願いね」
「わかりました」
「…はい」
 そうして、各々が思い思いにスキーを楽しみ始めた。


935 :白雪は染まらない[saga]:2009/06/30(火) 01:13:36.31 ID:OXkNcjw0
「いやっほー!」
 こなたが歓声と共に、ゲレンデに見事なシュプールを描く。
「…いやまあ」
 それを見ながら、かがみは呆れたような声を上げた。
「アレがホントに初心者の滑りか?みゆき、どんな教え方したのよ…」
 そして、隣にいるみゆきにそう聞いた。
「いえ、わたしは基本的なことしか…泉さんは、その辺りの上手な方の滑りを真似たようでして…」
「ラーニングかよ。青魔道士かあいつは…それに比べると…」
 かがみは自分の後ろをチラッと見た。そこには、先ほど雪に顔面から突っ込んだつかさが座り込んでいた。
「…こなちゃんと一緒にしないで…」
 顔にまだ雪を残したままのつかさが呟く。
「いや、まだ何も言ってないけど…まあ、だいぶマシになってきてるからもうちょっと頑張ろ?」
 かがみは、苦笑しながらつかさの手をとろうとした。
「二人ともスキありゃー!」
 その時、こなたが猛スピードで滑ってきて、かがみ達の傍で急ブレーキをかけて雪を浴びせかけてきた。
「…あんたねえ」
 下半身を雪まみれにしながら、かがみがこなたをジト目で見る。同じく下半身が雪まみれになっているみゆきも、少し困った顔でこなたを見ていた。
「あ、あら、怒った?…ちょっとしたジョークだよー」
「いや、わたし達はいいんだけどね…」
 かがみは自分の後ろの方を指差した。こなたがそちらの方を見ると、顔面を真っ白にしたつかさが座っていた。
「…つかさ、いたんだ…」
「こなひゃん、ひほいほー」
 口に入った雪を吐き出しながら、つかさがこなたを非難する。
「いや、そのなんてーか…ごめん」
 つかさの惨状に、流石に罪悪感を覚えたこなたは素直に謝った。
「…ねえ、みゆき。なんか、雲行き怪しくなってきてない?」
 そんな中、かがみが空を見上げたままみゆきにそう聞いた。
「そうですね…山の天気は良く分かりませんが…」
 みゆきも空を見上げる。空では、色の濃い雲が不気味にうごめいていた。
「吹雪くといけませんし、早めにペンションに戻りましょうか?」
「そうね」
 かがみは頷くと、なぜか雪合戦に発展してしまっているこなた達に声をかけた。
「つかさ、こなた。なんか天気悪くなりそうだから戻るわよ」
 つかさとこなたは頷くと、雪玉をぶつけ合っている手を止め、かがみ達の方にやってきた。
「ゆたかちゃんとみなみちゃんは何処だろ。携帯の使えない場所って、こういう時不便よね…こなた、みゆき。悪いけど、二人でゆたかちゃん達探してペンションに戻ってくれる?」
「いいけど、かがみは?」
「…つかさが一人で戻れなさそうだから、連れてくわ」
「ああ、なるほど」
 納得するこなたの後ろで、つかさが不満そうに口を尖らせていたが、かがみは無視することにした。
「…あの、そう言う事でしたら、わたしがつかささんと行きますので、泉さんとかがみさんで、その…」
 かがみの後ろから、みゆきがそう言い難そうに言ってきた。
「ん、なに?なにか不都合でもあるの?」
「あ、いえ…そう言う事では…いえ、そうですね…すいません、忘れてください」
 みゆきはかがみに頭を下げると、こなたの方を向いた。
「…泉さん、参りましょう」
「あ、うん」
 こなたは何か腑に落ちないといった表情で、みゆきに付いていった。
「ゆきちゃん、何か変だったよね?」
「…そうね」
 つかさとかがみはお互い顔を見合わせて、首をひねった。
936 :白雪は染まらない[saga]:2009/06/30(火) 01:15:08.77 ID:OXkNcjw0


「遅いわね」
「…うん」
 宿泊先の、みゆきの親戚が経営するペンションについたかがみとつかさは、玄関の前で他のみんなが戻ってくるのを待っていた。
 かがみが空を見上げると、さっきよりも一層雲が濃くなっていた。
「…不味いわね。本格的に天気崩れそうよ」
「お姉ちゃん、あれじゃないかな?」
 つかさが指差した方を見ると、こなた達四人がこちらに向かい歩いてくるのが見えた。
 様子がおかしい。歩いてくる四人を見て、かがみはそう思った。
 先頭を歩いているのはみなみだが、他の三人を置いていかんとばかりに早足だ。そのみなみにゆたかが何かを言いながら、必死に食らい付いていた。みなみは人前ではあまり感情を表に出さないタイプだが、かがみにはみなみが怒っていることがはっきりと分かった。
 その後ろには、しょぼくれたように俯いて歩くみゆきと、心底困り果てた表情のこなたが続いていた。
「お姉ちゃん、なんか変だよ…」
 つかさが心配そうに呟きながら、かがみのスキーウェアの袖を引っ張った。四人が近づいてきて、つかさにも様子がおかしい事が分かったようだ。
「うん…なにかあったのかしら?」
 かがみは、とりあえず先頭を歩くみなみに話を聞こうと近づいたが、みなみはかがみの方を一瞥すらせずに横を通り抜け、ペンションへと入っていった。
「みなみちゃん!待ってってば!わたし、気にしてないから!みなみちゃんってばー!」
 更に息を切らしながら追いついてきたゆたかも、かがみ達の横と通り抜け、みなみを追ってペンションに入っていった。
「…なんなのよ、一体」
 かがみは、少し遅れてやってきたこなたに事情を聞くことにした。
「ねえ、みなみちゃんどうしたの?なんか変よ」
「んー…いや、それがね…」
 こなたが頭をかきながら語った話によれば、みなみ達を見つけたときにみゆきがスキーでゆたかにぶつかりかけたと言う事だった。
「それで、なんかみなみちゃん怒っちゃって…ゆーちゃんもわたしもなんとかなだめようとしたんだけど、なんか聞き入れてくれてくれなくて…」
「…すいません…わたしのせいで…すいません…」
 話しているこなたの後ろで、みゆきはずっとそう呟くように謝っていた。
「みゆきさんもずっと謝ってるのに、みなみちゃんなんであんな意固地になってるんだろう?」
 こなたが心底理解できないと言った風に首を捻る。それについてはかがみも同感だった。
 いくらゆたかが自分にとって大切な友人であるとはいえ、実際にぶつかった訳ではないし、わざとぶつけようとした訳でもない。みゆきも謝っているし、こなたやゆたかもなだめようとしている。そして、みゆきもまたみなみにとっては大切な人ではなかっただろうか?
 どうにも腑に落ちない。かがみが考え込んでいると、不意に袖を引っ張られた。
「かがみ、早く中に入らないと…」
 こなたの声で我に返ると、顔に冷たい雪と風が叩きつけられた。
「そうね、いきましょ」
 かがみはこなたに頷くと、ペンションの入り口に向かった。


937 :白雪は染まらない[saga]:2009/06/30(火) 01:16:33.92 ID:OXkNcjw0
 夕食を終えたこなた、つかさ、かがみは、ペンションの一階にあるリビングでそれぞれ時間を潰していた。さっきの件があるためか、くつろぐと言うには程遠いものだが。
 みゆきは夕食を覆えた後、すぐに自分の部屋に篭ってしまい、みなみにいたっては夕食に顔を出すこともしなかった。ゆたかはつい先ほどみなみの分の夕食を持って、部屋に向かった所だ。
 客室はすべて二階にあり、二階へ上がる手段は今こなた達がいる居間から見える階段のみだ。部屋は全部で四部屋。そのうちの三部屋を、こなたとかがみ。つかさとみゆき。ゆたかとみなみの組み合わせで使っている。もう一つは空き部屋だ。
 部屋はさほど広くなく、トイレも風呂も無い。それらの施設は全て一階にある共同のものしかなかった。全ての客室に一つづつある窓の外には、ベランダが設置されていたが、このペンション自体がスキーシーズンしか開かないため、外に出る客は滅多になく、こなたがペンションのオーナーに「これ、無駄じゃない?」とか言って、かがみに頭を叩かれたりしていた。

「凄い音だね…」
 つかさが隣に座っているこなたにそう呟いた。外は相当な吹雪らしく、風の音がまるで地鳴りのようだった。
「うん…あ、ゆーちゃん。みなみちゃんどうだった?」
 つかさの話を聞きながらDSに興じていたこなたが、二階から降りてきたゆたかに気がつき声をかけた。
「…ごめんなさい…なんか、みなみちゃん怖くて、部屋にいてられなくて…」
「謝ることないけど…ゆーちゃんが怖いって、みなみちゃん相当だねー」
 こなたがどうしたものかと、腕を組んで考え込む。
「まあ、少し時間おくしかないわね…今晩くらいは、みなみちゃんもみゆきもそっとして置いた方がいいかもね」
 夕飯の後からずっと考え込んでいたかがみが、顔を上げてそう言った。
「そうだね…それじゃわたしたち、何処で寝よう?」
 つかさがゆたかの方を向いてそう言った。
「オーナーさんに言って、開いてる部屋使わせてもらおうか?みゆきの親戚だって言うし、ソレくらいの融通は効くでしょ」
 かがみがそう言った後、大きく溜息をついた。
「…なんでこんなことになっちゃってるのかしらね」
 目をつぶって、もう一度溜息をつく。そのかがみの腕を、こなたがつついた。
「ん、なにこなた?」
「いや、全然関係ないんだけどさ。このペンションのちょっと向こうにある建物って、何かなって…」
「本気で関係ないな」
 かがみがジト目でこなたを見つめる。
「あ、それわたしも気になってた」
 そのこなたの隣で、つかさも手を上げてそう言った。
「あんたら、ホント変なところが似るなあ…あれは、ボイラー施設らしいわよ」
「ボイラー?お湯沸かすの?」
「そ、お湯沸かすだけだから、ボイラーって言うより大型の給湯器って感じらしいけどね。個々のお風呂とか炊事場。あと暖房に使うお湯をあそこで沸かしてるらしいわ。旧型で事故ったりすると危ないから、ペンションを改築した時にちょっと距離を離したらしいわ」
「へー、ここの暖房、お湯なんだ」
「うん。一階の床下と中二階、それに屋根にお湯を通して暖房にしてるらしいわ。屋根のは屋根自体を温めて、雪が積もり過ぎないようにする意味もあるみたい」
「ふーん」
「だけどこの暖房システム、ちょっと欠点があってね、各部屋ごとの温度調整が出来なくて、温度が全部屋一緒になっちゃうらしいの」
「なんか…お姉ちゃん詳しすぎるね」
「うん…」
 急に雄弁に語りだしたかがみを、つかさとこなたが引いた位置から眺めていた。
 それに気付いたかがみが、視線を逸らして頬を染める。
「…わ、わたしも気になったから、オーナーさんに色々聞いたのよ…悪い?」
「悪くは無いけど、ちょっと可愛い」
「う、うるさいなあ…」
 そんな三人をクスクスと笑いながら見ていたゆたかは、少し気が楽になるのを感じていた。
938 :白雪は染まらない[saga]:2009/06/30(火) 01:17:39.07 ID:OXkNcjw0
「…あれ…みなみちゃん!?」
 そして、二階から降りてくるみなみを見つけ、そちらの方へ駆け寄った。みなみの方でもゆたかに気がつき、ぎこちない笑顔を見せた。
「み、みなみちゃん…あの…その…」
 何から話していいか分からずおたおたしているゆたかを、みなみは手で制した。
「…ごめん、ゆたか…少し用事があるから、後で…」
「え?用事?」
「…うん…雪でよく見えなかったけど、ボイラー施設が少しおかしい気がしたの…それで少し見てこようと思って…」
「そうなんだ…で、でもそれってみなみちゃんが行かなくても…オーナーさんに言って見てきてもらおうよ。外、凄い吹雪で危ないよ」
「…大丈夫、こう言う事は初めてじゃないから…それに、あの人と少し離れて頭を冷やしたかったし…」
 みなみはゆたかから離れ、オーナーとその奥さんが寝泊りしている部屋へと向かった。
「みなみちゃん…」
 その背中を、ゆたかが心配そうに見送る。
「…あの人って、みゆきさんの事だよね」
「うん…これは相当ね…」
 いつの間にかゆたかの後ろにいた、こなたとかがみがそう囁き合っていた。
「ねえ…間違ってたらアレだから、言わなかったんだけど…」
 さらにその後ろから、つかさが言い難そうにそう声をかけてきた。
「ゆきちゃんとみなみちゃんって、この旅行始まってから一回も会話してないよね…?」
 つかさの言葉を受けて、かがみとこなたが顔を見合わせる。
「そういえば…そうよね」
「それじゃ、みゆきさんとみなみちゃんは旅行が始まる前から仲悪くなってたって事?」
 かがみがしばらく顎に手を当てて考え込み、そしてゆたかの方を向いた。
「みなみちゃんをこの旅行に誘ったのは、ゆたかちゃんよね?」
「はい、高良先輩からお誘いをいただいた時に、みなみちゃんも誘って欲しいって…」
「それもおかしな話よね…みゆきがみなみちゃんを誘って、そこからゆたかちゃんに…ってのが自然よね」
 かがみの隣で同じように考え込んでいたこなたが、「あっ」っと声を上げた。
「もしかしてみゆきさん、仲直りのきっかけにしたくてみなみちゃんを旅行に誘ったのかな?」
「なるほど…で、自分じゃ誘いづらいからゆたかちゃんに頼んだ…」
「そうそう」
「でも、仲直りどころか悪化してるよね…」
 ポツリと呟いたつかさに、かがみとこなたのジト目な視線が集まる。
「つかさ、あんた…」
「それはそうなんだけど、言っちゃダメでしょ…」
「…ごめんなさい」
 そんな事を話してるうちに、みなみがオーナーの部屋から出てきた。
 みなみは雪山登山に使うような、ゴツイ防寒具に身を包んでいた。見た目より動きやすいのか、みなみは普段と変わらない足取りで玄関に向かい、靴を履き始めた。
「みなみちゃん…気をつけてね」
 その背中に、ゆたかが声をかける。
 みなみは無言で片手を挙げて答え、玄関を開け吹雪の中へと入っていった。


939 :白雪は染まらない[saga]:2009/06/30(火) 01:19:20.96 ID:OXkNcjw0
 みなみが出てから十分ほどした頃、こなたが不意に天井を見上げて首を傾げた。
「こなた、どうしたの?」
 それを見たかがみがそう聞いた。
「うん…なんか変な音聞こえなかった?ドスンって感じの」
 それを聞いたかがみもこなたと同じように天井を見上げた。
「わたしは聞こえなかったわね…屋根になにか当たったのかしら?この風だと何が飛んでてもおかしくないし」
「そうだね…でも、そういう飛んでくるのって、窓に当たると危なくない?」
「…そういう対策してないっぽかったけど、大丈夫なのかしらね」
 二人はそこで会話を切り、またそれぞれ没頭していたことに戻った。

 それから二十分ほど後。

 ガシャンっと、今度ははっきりとした音がこなたの耳に飛び込んできた。
 思わずこなたはかがみの方を見た。かがみも今のは聞こえていたのか、驚いた顔でこなたの方を見ていた。
「かがみ、今の…」
「ええ、今のはわたしも聞こえたわ」
「え、何?どうしたの?」
 つかさには聞こえていなかったらしく、こなたとかがみの顔を交互に見ながらおろおろしていた。
「ガラスの割れる音!二階よ!みんな付いてきて!」
 かがみは大声でそう言うと、階段を駆け上がった。


940 :白雪は染まらない[saga]:2009/06/30(火) 01:20:09.47 ID:OXkNcjw0
「わたしは自分の部屋を見てくるわ。こなたは空き部屋。つかさとゆたかちゃんも自分の部屋を見てきて」
 二階に上がったかがみは、あとからついてきた三人にそう指示を出した。
「わかったよ」
「うん」
「わかりました」
 中央の廊下を挟んで、田の字に配置された二階の客室。上がってきた階段から見て、右手の手前がかがみとこなたの部屋。その奥が空き部屋。左手の手前がみゆきとつかさの部屋で、ゆたかとみなみの部屋がその奥だ。
 かがみは自分の部屋のドアを開けて中を覗き込んだ。鍵はかかっていない。トイレ等が全て一階にあるため、いちいち開け閉めが面倒だし、自分たち以外に客がいないので、鍵はかけないでおこうと決めていたのだ。
 かがみは自分の部屋が無事であることを確認し、外に出ようとした。
「ゆきちゃん!開けて!ゆきちゃんってば!」
 不意に聞こえたつかさの叫び声。かがみは部屋を飛び出しつかさの方を見ると、つかさは自分の部屋のドアを叩きながら、みゆきの名を呼んでいた。
「つかさ、どうしたの!?」
「お姉ちゃん!鍵が!鍵がかかってるの!おかしいよ!なんでゆきちゃん鍵を閉めてるの!?」
「つかさどいて!」
 騒ぎを聞きつけてきたこなたが、つかさとドアの間に身を滑り込ませ、耳をドアに当てる。そして、弾かれたようにかがみ達の方を向いた。
「風の音!窓割れたのこの部屋だ!」
「つかさ!鍵は!?」
「部屋の中だよ!」
「かがみ!ドア破ろう!」
「待ってこなた!下に行ってマスターキーを…」
「ど、どうしたんだね?この騒ぎは…」
 聞こえた声に、かがみ達四人が一斉にそちらを向く。そこにはペンションのオーナーが立っていた。
「オーナーさん!この部屋のマスターキーを持って来てください!」
 かがみにそう言われ、オーナーは驚いた顔を見せた。
「マスターキー?どうしてまた」
「この部屋の窓が割れたみたいなんですが、鍵がかかってて入れないんです!中にはみゆきがいてるはずなのに!」
「な…なんだって…」
「早く!」
 かがみに急かされ、オーナーは慌てて階段を駆け下りていった。
 それを見届けた後、かがみは部屋のドアの方を見た。こなたとつかさがみゆきの名を叫びながらドアを叩いている。ゆたかはどうしていいか分からないようで、泣きそうな顔でこなた達を見ていた。
「…なにが起きたっていうのよ」
 かがみの呟きは、誰にも聞こえなかった。


- つづく -
941 :白雪は染まらない[saga]:2009/06/30(火) 01:23:36.36 ID:OXkNcjw0
以上です。

どこかで見たような舞台と言うか、どこかで見たことあるような話。雪山って便利ですよね。

ぶっちゃけると、スキーなんてしたことないし、雪山にも行ったことありません。
ボイラー施設だの暖房システムだのはかなーり適当です。
フィクションだと割り切ってもらえると、ありがたいです。

あ、それとコンクールと某姉妹の誕生日を挟みますので、続きは遅くなります。
すいません。
942 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/06/30(火) 19:38:09.50 ID:QCaXDjA0
>>941
推理編に期待だなあ
GJ
943 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/06/30(火) 20:35:10.97 ID:yNypvHYo
>>941
乙。たしかに便利だなww
うーん、一体何があったのか……いいとこで切りやがって!
続き期待してるぜ、GJ!
944 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/06/30(火) 20:48:15.79 ID:6KRM6lM0
乙!
続き待ってるよ!
945 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/07/01(水) 00:18:47.92 ID:0d87a5s0
>>941
推理物久しぶりだなあww
好きだから続き楽しみだGJ
946 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/07/01(水) 00:32:14.34 ID:o3eywaQ0
☆ 閉会宣言 ☆

少々遅れましたが、
期限となりましたので、第四回プチ祭りはこれで終了となります。
投稿者の皆さんお疲れ様でした。

今回は期間序盤に勢いよく投下されて、後は寂れたような感じでした。
今までのプチ祭りの状況はもう覚えてないですが。
作品数が9っていうのは多いのか少ないのか。

今回のプチ祭りに関して何かご意見があれば、どうぞ。
947 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/07/01(水) 18:47:42.55 ID:6hDS6Ac0
スレ違いだけどちょっと嬉しいお知らせだぞ
ttp://up2.viploader.net/pic/src/viploader1069781.jpg

どうみても某アイドルゲームですww
948 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/07/01(水) 19:08:25.89 ID:qRFGswSO
−コンクールお題「星」−

こなた「星と言えば星座。星座と言えば聖闘士星矢!」
かがみ「…あんたはまたそんな」
つかさ「お姉ちゃんも熱心に見てたよね」
こなた「へー」
かがみ「なっ!?つかさ、出鱈目言わないでよ!」
つかさ「えー。でも紫龍さん今度はいつ脱ぐのかなってよく…」
こなた「………へー」
かがみ「言ってないわよー!引かないでこなたーっ!!」


みゆき「わたしは、アルデバランさんが好きでしたね」
こなた(牛か)
かがみ(牛だな)
つかさ(牛だよね)




まさか、こんなネタで書く人いませんよね…?
949 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/07/01(水) 19:23:58.47 ID:XaZupMso
星・・・星だと!?
ちょっくらファミコン漁ってくる
950 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/07/01(水) 19:56:32.25 ID:6hDS6Ac0
>>949
星でファミコンとかカービィしか思いつかないな

星のこなたん〜夢の“泉”の物語

こなた「大変大変!急に夢が見れなくなっちゃったよ!どうやら食いしん坊の
    かがみ女王が――」
かがみ「どぉーして私がそのキャラ位置なのかしらぁー?」グイグイ
こなた「やめひぇー」

つかさ「私はワドルディでいいや」
みゆき「ではナイトメア役は貰っていきますね」
つかさ「え?」
951 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/07/01(水) 20:06:07.89 ID:w8.3ZUDO
>>950
じゃあCoolなみなみんがメタナイトで剣で衣服が切られて小さな胸をあらわにされて恥ずかしくて去っていくんですね?わかります><
952 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/07/01(水) 20:07:17.59 ID:qRFGswSO
>>949
「星をみるひと」ですね
953 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/07/01(水) 20:23:53.54 ID:o3eywaQ0
ひより=アド

っていう配役を思いついた
954 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/07/01(水) 20:57:34.71 ID:XaZupMso
>>952
何故わかったし
955 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/07/01(水) 21:32:45.70 ID:9F5M7YAO
こなた=カービィ
かがみ=デデデ大王
つかさ=ワドルディ
みゆき=ダークマター
あやの=ケケ(背景で飛んでる魔女)
みさお=??
みなみ=ナイトメア
ゆたか=??
ひより=アドレーヌ

オマケ
ひなた=シャイン
ひかげ=ブライト
956 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/07/01(水) 21:41:52.74 ID:XaZupMso
そういえば星をみるひとの主人公の名前がだな
ということで書いてくる
957 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/07/01(水) 22:16:58.46 ID:uHMUrISO
>>951
ちょwwおまww

>>955
あやのひでぇwwだが普通に可愛いな
958 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/07/02(木) 01:06:01.42 ID:AzEI0aw0
>>955
設定完成させてSSでも書く気かwwww
959 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/07/02(木) 01:55:36.28 ID:LqwwXP.0
・・・それにしてもコンクールのネタ思いつかないな・・・
960 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/07/02(木) 12:17:00.99 ID:qsdawUSO
かがみ「コンクール、苦戦してる人もいるみたいね」
こなた「そだね…よし、ここは奮起を促すためにも、賞品を奮発しよう」
かがみ「ふむ…で、なにを?」
こなた「大賞の人には『好きなキャラから告白を受けられる権利』!副賞の人には『好きなキャラから投げキッスを受けられる権利』をプレゼント!」
かがみ「ちょ!おま!んな勝手に!」
こなた「まあまあ、かがみ。ご指名受けなきゃ何にもないんだから」
かがみ「それはそうなんだけど…(こいつ、自分が選ばれる事はまったく想定してないな)」
こなた「ちなみに、最下位の人はアニメ店長に問答無用で告白されます」
兄沢「うむ、任せろ」
かがみ「…いやいやいや」
961 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/07/02(木) 13:05:14.18 ID:RrzmIQAO
>>960

俺、優勝したらゆーちゃんに告白してもらうんだ…… ←死亡フラグ
962 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/07/02(木) 14:44:19.33 ID:LqwwXP.0
>>960
がんばって最下位目指します!
963 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/07/02(木) 15:00:11.19 ID:t8mxxsSO
ひかる先生とふゆき先生の通勤方法って分かる?
知ってたら誰か教えてください><
964 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/07/02(木) 19:00:04.32 ID:WBNhCyo0
>>963
通勤方法なんてどこにもなかったような?
ssに盛り込むなら自分の都合のいいようにしっちゃたら?

ただ自分の高校時代を振り返ってみると・・・(随分むかしだがw)
マイカー通勤の先生が多かったような覚えがある。
自分の高校は駅から離れてからね。
参考になれば幸いです。
965 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/07/02(木) 20:39:58.48 ID:AzEI0aw0
>>962
ちょまwwww
966 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/07/02(木) 20:42:19.44 ID:pfHiQfU0
>>963
ひかる「ふゆきー迎えにきてくれー」
967 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/07/02(木) 20:51:23.04 ID:t8mxxsSO
>>964
レスd
なるほど……じゃあ自分の都合に合わせるかな
同じ神奈川のななこ先生がアニメで歩いて帰ってるのを見た限りじゃ電車って事だろうし
ふゆき先生も電車って事にします

>>966
ひかるの方が学校近いのにどんだけww
968 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/07/02(木) 21:58:16.79 ID:AzEI0aw0
「よう、俺の名前はたかしさ☆」
「私の名前はあいこよ☆」
「かわいい子だね☆」
「ありがとう☆」
「ほら、これ君の欲しがってたイヤリングだよ☆」
「うわあ、ありがとう☆」


かがみ「……何これ?」
つかさ「えーっと、星がテーマのお話を書こうと思って……」
かがみ(微妙過ぎてわかりづれぇっ!)
969 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/07/02(木) 22:37:57.92 ID:pfHiQfU0
キラッ☆
こうですか?わかりません><
970 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/07/03(金) 01:09:02.85 ID:OZNRlUY0
きら☆す……

ゲフンゲフン、いや、何でもない
971 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/07/03(金) 10:41:01.48 ID:aKBgCoSO
−さん−

こなた(たまにはみゆきさんを呼び捨てするのも、フレンドリーで悪くないかな)

こなた「あ、いた。おーい、みゆきー」
みゆき「『さん』を付けろよこのアホ毛が」
こなた「………」






みゆき「かがみさん!かがみさーん!何処ですか!?」
こなた「…うぐっ…ひっく…」
みゆき「ネタ振ったら泉さんが喜ぶって、泣いちゃったじゃないですかー!かがみさーん!!」



かがみ「いやいや、みゆきGJよ。いい絵が撮れたわ」
つかさ「…いや…お姉ちゃん、どんだけ…」
972 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/07/03(金) 15:51:30.49 ID:aKBgCoSO
Pringls
バルサミコビネガーテイスト






バルサミコ酢は使用していません。

つかさ「…お姉ちゃん…わたし、初めて食べ物をぶん投げようとしたの…神社の娘失格だよね…」
かがみ「…いや、まあ…少し落ち着け…」



結構おいしかったです。
973 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/07/03(金) 16:21:01.19 ID:SkZ15FMo
>>971
かがみてめぇww
これはマジでフイタww

>>972
あるのかww明日買って来る。んで俺も投げそうになってくる
974 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/07/03(金) 17:04:09.49 ID:foHTBUDO
かがみ「あ、こなた〜」
こなた「ん?なにかがみさん」
かがみ「いや、さんって…」

かがみ「つかさ〜この前のさアレどうしたっけ?」
つかさ「え?アレ?あーあれならお姉さんが」
かがみ「(つかさが私をお姉さんと!)」

かがみ「すいませーん黒井先生」
ななこ「なんやかがみさんやないか、どないした?」
かがみ「……。」

そうじろう「お、かがみさんいらっしゃい」
みさお「あやの〜柊さんが〜」
あやの「柊さんがどうかした?」

かがみ「神様、ごめんなさいごめんなさいごめんなさい…」




こなた「フッ」
975 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/07/03(金) 17:14:31.78 ID:OZNRlUY0
>>974
こなたの逆襲ハジマタww
976 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/07/03(金) 17:40:41.57 ID:OZNRlUY0
ななこ「えーそんで1853年、この4国の間でクリミア戦争が起き……」

こなた(もーすぐ七夕だよなー……

     そういえばなんで『七夕』って書いて『たなばた』って読むんだろ
     うーん……

     そっか! 『夕』ってカタカナの『た』じゃん!
     だからかーなるほどー……
     そしたらなんで『七』が『たなば』って読むんだろ……
     んー……)

ななこ「泉ー! クリミア戦争を起こした国はどこや?」
こなた「え、はい! えー、中国、オランダ……」
ななこ「全然ちゃうわ! 落書きなんてしとらんでもうちょい授業を真面目に聞き」ガツン!
こなた「あい゙たー」

キーンコーンカーンコーン

つかさ「こなちゃんさ、あの時どんなこと考えてたの?」
こなた「あー、なんで七って『たなば』って読むのかなーって……」
つかさ「えっ?」
みゆき「えー……ああ、『七夕』の語源ですか?」
こなた「あ、それそれ!」
みゆき「大雑把ですが、日本の習慣である『棚機つ女』が由来と言われているので、
     『夕』の字を『た』と読むわけではないですよ?」
こなた「なーんだ……」
977 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/07/03(金) 17:49:31.63 ID:iVt5BYSO
>>972
今セブンで発見して吹いたww買わないけどww

>>976
久しぶりに原作っぽいネタで和んだ
978 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/07/04(土) 02:36:08.65 ID:n6g2Yn6o
コンクールが近づいてくると、ひよりの気持ちが少しだけわかるぜ……
979 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/07/04(土) 11:35:02.02 ID:Ea3Wt6SO
>>978
こなた「ま、始まってからも二週間あるんだし、あせらないあせらない」
かがみ「…そんな事言ってるから、前みたいに最終日に固まるんじゃない?」
こなた「………来週、DQが」
かがみ「知るか。書け」
980 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/07/04(土) 12:27:36.05 ID:0w5Ip2s0
つかさ「ねぇ、こなちゃん」
こなた「・・・」ビクッ

つかさ「こなちゃんが面白いから見てみてねって言うから、
    涼宮ハルヒの憂鬱(アニメ)を最近見始めたんだけどさ」
こなた「・・・」ビクビクッ

つかさ「あれ、何処が面白いのか私には分からないんだけど」
こなた「そ、それは・・・」

つかさ「同じ話を何回もやってるよ?」
こなた「あ、あれは・・・ループしてるから、視聴者にも同じような体験をして・・・
    欲しいんじゃないかなぁ? うん、そうだよ! 凄いよね京アニってさ!」

つかさ「ふーん。でも私はもう見ないかな」あはは・・・
こなた「・・・」


こなた「京アニ、どうしちゃったのさ・・・(´=ω=`)ハァ」
981 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/07/04(土) 14:05:38.64 ID:/598Yic0
次スレを立ててみた
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1246683890/
982 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/07/04(土) 14:09:33.88 ID:/598Yic0
>>980
エンドレスエイトですね。わかります

次スレ、>>1をコピーしたら高翌良がとんでもないことにorz
983 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/07/04(土) 14:24:52.75 ID:Ea3Wt6SO
>>982
ゆかり「文字数増えると、ちょっと得した気分にならない?」
みゆき「え、いや、なりませんけど…多分…」
こなた(そういや、この人も高良だった)
984 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/07/04(土) 14:52:27.22 ID:0w5Ip2s0
>>982
乙&ナイススレタイ!saga機能は知ってるよね?
985 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/07/04(土) 15:17:07.57 ID:4yXl9gAO
今回のコンクールはとにかくネタ被りが怖い………
986 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/07/04(土) 16:00:14.92 ID:mkmpPqQ0
今回のコンクールに参加できるかすらわからない。
987 :なすーん[なすーん]:なすーん
                     __        、]l./⌒ヽ、 `ヽ、     ,r'7'"´Z__
                      `ヽ `ヽ、-v‐'`ヾミ| |/三ミヽ   `iーr=<    ─フ
                     <   /´  r'´   `   ` \  `| ノ     ∠_
                     `ヽ、__//  /   |/| ヽ __\ \ヽ  |く   ___彡'′
                      ``ー//   |_i,|-‐| l ゙、ヽ `ヽ-、|!  | `ヽ=='´
                        l/| | '| |!|,==| ヽヽr'⌒ヽ|ヽ|   |   |
  ┏┓  ┏━━━┓              | || `Y ,r‐、  ヽl,_)ヽ ゙、_ |   |   |.         ┏━┓
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┗┓┏┛     ┃┃┏━━━━━━━.j | l|.! l::::::ノ ,  ヽ-' '´ i/|  !|/ | |リ ━━━━┓┃  ┃
  ┃┃    ┏━┛┃┃       ┌┐   | l| { //` iー‐‐ 'i    〃/ j|| ||. |ノ        ┃┃  ┃
  ┃┃   ┃┏┓┃┗━━━.んvヘvヘゝ | l| ヽ  ヽ   /   _,.ィ ノ/川l/.━━━━━┛┗━┛
  ┃┃  ┏┛┃┃┗┓     i     .i  ゙i\ゝ`` ‐゙='=''"´|二レ'l/″           ┏━┓
  ┗┛  ┗━┛┗━┛    ノ      ! --─‐''''"メ」_,、-‐''´ ̄ヽ、              ┗━┛
                   r|__     ト、,-<"´´          /ト、
                  |  {    r'´  `l l         /|| ヽ
                  ゙、   }   }    | _|___,,、-─‐'´ |   ゙、
                    `‐r'.,_,.ノヽ、__ノ/  |  |      |、__r'`゙′
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988 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/07/04(土) 21:01:35.36 ID:pT0sI.U0
かなた「ふう……長かった……長いこと見てきたけど、このスレもそろそろ埋められるようね」
989 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/07/04(土) 21:29:16.15 ID:2iiYUpUP
http://blogs.yahoo.co.jp/simba_240
990 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/07/04(土) 21:35:51.26 ID:C14ft6SO
>>988

こなた「お疲れお母さん! 次は私達、ネットアイドルに任せてよ! さぁ、皆、埋めるよっ!」
かがみ「っつっても、まだまだ先の事だけどな。聖夜だし」

こなた「も〜、ノリが悪いよかがみ〜」
991 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/07/04(土) 21:45:29.18 ID:Ea3Wt6SO
チェリー「つまり、わたくしの出番ということですな」
みなみ「…え」
992 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/07/04(土) 21:49:02.80 ID:Ea3Wt6SO
チェリー「なにを驚かれるか。アイドルと言えば犬。犬と言えばアイドル。常識ですぞ」
みなみ「そ、そうなんだ…」
993 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/07/04(土) 21:51:17.20 ID:Ea3Wt6SO
チェリー「古今東西うんぬんかんぬん…」
みなみ(…長くなりそう)
994 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/07/04(土) 21:53:04.77 ID:C14ft6SO
にゃもー「黙ってろよ犬。アイドルは猫に限る」
995 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/07/04(土) 21:54:04.10 ID:Ea3Wt6SO
チェリー「色々な話の中でなんちゃらかんちゃら…」
みなみ(…ゆたかも育成できたりするのかな)
996 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/07/04(土) 21:57:18.66 ID:Ea3Wt6SO
チェリー「ホーキンスの宇宙論においてもうんたらかんたら…」
みなみ(…棚のクッキーまだ残ってるかな)
997 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/07/04(土) 21:59:57.84 ID:C14ft6SO
あきら「私を差し置いて喋ってんじゃねぇぇぇ! アイドルっつったら私だろーが!」
みのる「あきら様、落ち着いぶへぁ!」
998 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/07/04(土) 22:00:34.40 ID:Ea3Wt6SO
チェリー「千夜一夜のなんでんかんでん…」
みなみ(…あ、そういえば数学の宿題まだやってない)
999 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2009/07/04(土) 22:02:28.97 ID:Ea3Wt6SO
チェリー「聞いていましたかな?」
みなみ「え、あ、うん…」
1000 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/07/04(土) 22:02:44.57 ID:C14ft6SO
こなた「なんか盛り上がってるねー」
かがみ「いやもう訳分からんわ」



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