以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<><>2010/12/05(日) 06:07:46.91 ID:R5VOdss0<>ゴーレム作っても良し、ドラゴンで通学しても良し。

各々魔法学園生活を楽しんでって下さい。<>【先生】ここだけ異世界魔法学園【生徒】 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<><>2010/12/07(火) 17:18:09.45 ID:z2C3bJAo<>【教室棟 2F】
【授業が終わり、帰路に着く生徒、部活に行く生徒、友人を待つ生徒等々】
【様々な人でごったがえしている廊下を歩いている一人の女性がいた】
【身長は平均的な人間の半分程度、制服ですらなく、粗末な外套を着ている】

「…困ったな、こんなに多くては探してられん」

【廊下の真ん中で立ち止まり、腕を組んで軽く息を吐き】

「……誰か捕まえて聞くか」

【周りを仰々しく見回す、タイミング的にかなり迷惑になっているかもしれない】<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>sage<>2010/12/07(火) 17:21:34.11 ID:sRZOgW6o<>>>2
【人ごみをかき分けながら走り抜ける赤毛の少年】
【背は低いものの引き締まった体躯と、元気さの溢れるその表情は目立つ物である】
【制服は学ランを崩して着ており、学ランの中は真紅のTシャツで、無駄に紅い】

腹がへったぞ!飯だ飯だどけどけテメエら道を開けろー!

【一歩踏み出すごとに衝撃波が発生し、周囲の人ごみが吹き飛ばされている】
【迷惑此の上無いだろう】<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>sage<>2010/12/07(火) 17:22:58.09 ID:cObZPbko<>/入れる雰囲気なら乱入しようと思ったけど入れる雰囲気じゃ無かったというね(´・ω・`)<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>sage<>2010/12/07(火) 17:32:57.85 ID:z2C3bJAo<>>>3
「……ん?」

【たまたま反対方向を見ていて気付くのが遅れる】
【この時点で少年の放つ衝撃波は女性を射程に捉え】

「な、と、とま――――!」

【振り向いた女性は、他の人間と別け隔てなく吹き飛ばされ天井と正面衝突する】
【と思いきや】

「いきなりなんだこれは……」

【飛ばされている間猫の様に一回転し、天井を蹴り、着地する】
【暴走機関車の如く走っていく少年を目で追い】

「……面白そうだな、あれに聞こう」

【フッと笑みを浮かべ、彼が通り過ぎた後をモーゼの様に歩いて後を追う】
【若干こめかみの辺りに血管が浮かび上がっているのは何故だろう、何故でしょう】<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>sage<>2010/12/07(火) 17:40:15.76 ID:sRZOgW6o<>>>4
//スマンね……。

>>5
【衝撃波の威力は、人を退けるためだけにエネルギーが使われている為、ダメージはなく、純粋に吹き飛ばされるだけだ】

はははは!

【爆走しながら1Fまで走り抜けていく】
【その間も周りの人々が衝撃波で飛ばされている】
【しかしながら、ここらへんではよくある光景のようで一部のキレた人が後ろから火炎弾とかを撃ち出す程度でしかない】
【そして、暫くの爆走の後、たどり着いたのは購買である】
【ズザザザザザザァッ!とすさまじい勢いで急ブレーキをすると同時、口を開く】

おばちゃん!かつサンドとエビカツサンドと焼きそばパンと蒸しパンとコーラ!

【一瞬で購買に残っている商品を確認し、注文】
【到着、注文、支払い――締めて所要時間7秒成り】
【商品を手に入れ、直ぐ近くのベンチに座ると其れを食べ用としている】<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>sage<>2010/12/07(火) 17:49:55.17 ID:z2C3bJAo<>>>6
「…のんびり歩いても行き先がわかるというのは楽だな」

【火炎弾や吹き飛んだ後落下する人々を避けながら歩いていく】
【未だ二階にいたが、少年がベンチに座るのを窓から発見】

「めんどくさい、ちゃちゃっと行くか………よっ」

【窓ガラスを開放し、寒風が廊下へ吹き込む】
【サッシに手をかけて窓から身を乗り出し、そこから跳ねる】

【くるくると回転しながら少年の所に落下するだろう】
【的確に言うならば少年の買った焼きそばパンが落下予測地点だ】

>>4
/私は乱入して下さって構わないのですが、入りにくいなら仕方ないですね
/入れると思ったらいつでも来て下さいな<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>sage<>2010/12/07(火) 17:53:24.05 ID:sRZOgW6o<>>>7
ふへへ!頂きま――

【大口を開けて焼きそばパンを頬張ろうとする少年】
【その表情は至福そのもので有ったが……】
【しかし、其の焼きそばパンが少年の口に入ることはなかった】
【足、焼きそばパンに着弾。ついでに顔にも】

おぶろわぁっ!

【なんとも形容しがたい叫び声を受け、後頭部からベンチから転げ落ちた】
【焼きそばパンは宙に舞い、其の行き先は恐らく相手の顔面へ】<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>sage<>2010/12/07(火) 18:04:42.30 ID:z2C3bJAo<>>>8
「おい、お前、ちょっと聞きたい事がへぶわっ!」

【大きくバランスを崩した着地地点(頭)をもう一回踏みつけて地面に降り立つ】
【しかし、空中で分離した焼きそばパンが顔面にふりかかる】

「なんだこれは?ベタベタとして気持ちが悪い、まるで主人の様だ」

【焼きそばを手で払いながらそんな事を言って】
【ベンチの向こう側に倒れている男に対して話しかける】

「おい、聞きたい事がある、答えろ」
「妙ちきりんな細いのをかけてくれたんだ、その位してもよかろう」

【遠慮の欠片もなく、一方的な質問だ】<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>sage<>2010/12/07(火) 18:09:05.03 ID:sRZOgW6o<>>>9
へぶぅっ!

【頭を足蹴にされて、更に声を漏らす】
【逆さまになったままぴくぴくと震えていた】

……。
…………。
ぬおっ!

【勢い良く起き上がると、辺りを見まわし】

あれ、俺の焼きそばパン……?

【顔踏まれたことより焼きそばパンが大切なようだ】
【そして、視界に収まる相手、そしてその行動と、犠牲になった焼きそばパン】

あぁ……ああぁぁぁぁああ……。

【俯いて悲しげな声を漏らしながら、仕方なくかつサンドを二口で食べ終える】

なんだよ……、俺のガラスのハートはもうボロボロだよ……。

【涙目でパンをやけ食いしてコーラを飲みまくっている】<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>sage<>2010/12/07(火) 18:17:45.03 ID:z2C3bJAo<>>>10
「私の主人を知らないか?」

【悲哀に満ちた少年に問いかける】

「このベタベタしたみたいな奴なのだが…」
「特徴といえば常に闘気の様な物が浮き出ていて近寄り難い雰囲気を持っているな」

【と言いつつ地面に落ちてる焼きそばを踏みつけて足で蹂躙する】

「後、これはどうでもいいが何故泣いている?」<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>sage<>2010/12/07(火) 18:21:09.36 ID:sRZOgW6o<>>>11
シラネーヨ……。
つーかそんなん見つけたら絶対喧嘩挑むし俺……。
俺の焼きそばパン……。

【砕け散ったガラスのハートモード終了】

つか!何で人間の上に着地しやがったんだよテメェ!

【全て食べ終わり、突如立ち上がり絶叫】

もう少し人の迷惑ってもんをなぁ……!

【人の事を言えない】<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>sage<>2010/12/07(火) 18:29:12.98 ID:z2C3bJAo<>>>12
「手頃な所にお前の頭があっただけだ、私は悪くない」
「恨むなら危機管理意識がなかった自分を恨め」
「その上主人の事を知らないときたもんだ、まったく使えん奴だ」

【唾の一つや二つは飛ばしそうな位侮蔑した表情で】
【傲慢すぎる女性、立ち上がったなら彼女の身長が著しく低い事を再認識するかもしれない】

【ついでに食堂からいい匂いがたちこめてこちらに近づいてくる】
【鼻がいいならカツ丼の物だとわかるかもしれない、ついでに鼻の捻じれるような悪臭も感じ取れるかもしれない】<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>sage<>2010/12/07(火) 18:31:40.35 ID:sRZOgW6o<>>>13
【その言葉を聞き、こめかみがひくつく】
【立ち上がり、腕を組み少女を見下ろす少年の姿は大人げないとしか思えない程だ】

だああああああっ!
小難しい喋り方しやがってこのチビガキ!
オマエの主人なんか知らねーし!
つか、カツ丼食いたいし、俺の腹はコンナもんじゃ収まらねーぞ!
って、何うわクサっ!なに、クサっ!

【花を摘み、悪臭のもとへと目線をやった】<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>sage<>2010/12/07(火) 18:46:34.35 ID:z2C3bJAo<>>>14
「……ヘッ」

【青年が見下ろしてきたのを同じ表情で見ていたが】

「……この臭いは」

【臭いが近づいてきた途端心底嫌そうな顔になる】

まったくなんでカツ丼一つしかないんだよ僕はちゃんとカツ丼三つセットにして頼んでたのにこれじゃ一口で終わっちゃうよ
カツ丼美味しいからいいけど一つじゃごはんとおかずとデザートのうちご飯しかない状態じゃない
ちゃんとご飯の丼、おかずの丼、デザートの丼がないと健康的に過ごせないじゃないか、ぶひ

【陽炎を背負って一人の男が姿を現す】
【まるで初場所から立会いが嫌になり稽古場をちゃんこ鍋を食う場所と認識した小結の様な鍛えあげられた肉体、要するにたるんでる】
【陽炎に見えたのは実は男から常に発せられる湯気、陽炎が出来るのは夏だ、汗がたるんだ顔から滴り落ちる】
【ヒキガエルと肉牛とヤドクガエルとブタゴリラをかけ合わせたらきっとこうなってかけ合わせた人間が頭を抱えるであろう顔を丼につけながらカツ丼を食している】
【いわゆる犬食いである、近寄り難い】
【制服のボタンは何を怒っているのか常に震えている】
【有り得ない語尾のは多分何かの間違いだろう、呼吸音とか】

んぅぅん?ぼ、僕のベンチが先に取られちゃってるや
仕方ない、よっこいしょと

【少年を見てから地面に腰を降ろす、第一ボタンが吹き飛んで少年の方へ飛んでいく】
【よく見れば男の周りだけ植物がしなっている】
<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>sage<>2010/12/07(火) 18:54:09.82 ID:sRZOgW6o<>>>15
……。

ちりっ

【男の周囲に火の粉がチラつく】
【こめかみは更にひくつき】
【男の周囲の温度が無駄に急上昇していく】
【ブタ男と、この少年により、かなり居心地が悪いだろう】
【そして、飛んでくる第壱ボタン】

……い。

【飛んでくるボタンを右手で受け止める】
【指の隙間からは"溶けた"ボタンがこぼれ落ちる】

ウザイんだよ、テメエら!
特にそこの豚野郎ッ!

【怒り心頭、燃え上がるような怒気を発散し始める少年】
【それに呼応するかのように、髪が赤毛から真紅に染まり、そして炎へと作り変わった】
【上昇する体温により服が燃え落ち、パンツ一丁に】

[ピーーー]ええええええええっ!

【パンツ一丁半裸少年は、赤熱する肉体で男の頭部目がけて飛び蹴りを放とうとした】
【頭の炎がジェットのように燃え盛り、勢いを強くしている】<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>saga<>2010/12/07(火) 19:06:29.91 ID:z2C3bJAo<>>>16
ぶぴぃ!?

【飛び蹴りは脂肪が豊富な男の頭にめり込み、男は情けない悲鳴をあげながら地面に転がっていく】
【男の転がった所は汗で濡れているためすごくわかりやすい】

「よし!なんだ役に立つじゃないかもっとやれ!」
「………っと、だいじょーぶかごしゅじんー」

【ガッツポーズを取る女性】
【すぐさまガッツポーズを解いて棒読みで台詞を言う】

い、いきなり何をするんだ君はぁ
ぼ、ぼくがな、なにかひたってぷぎぃぃぃ!あついよおおぉぉ!!!

【男に蹴られた時に吹き飛んだカツ丼のカツが男の背中に運悪く入る】
【熱々のため、男は地面をでぶでぶと転がっている】

あついよおぉぉぉおおお!誰かぼくを助けてぇぇぇぇ!
ほぎゃあああああ!ごめんなさいごめんなさいお金あげるから許してえええぇっぇぇぇえぇぇえええ!
うわあああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁああん、ママぁあぁぁあぁぁぁぁぁぁあああぁあ!
ぶひぃぃぃぃいいいいいいい!ぷぎぃぃぃぃいいいいいい!!
誰か助けてえええぇぇぇぇえええ!ぶひぃぃいいいいいいいいいい!

【誇りとかそういう物がどうでもよくなる位清々しく命乞いらしき事をしている】
【糞尿を撒き散らさず涙と鼻水と汗だけで済ませている事を褒めてやろう】

「………こんなのに創られたと思うと死にたくなるな」<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>sage<>2010/12/07(火) 19:10:27.61 ID:sRZOgW6o<>>>17
【いらいらいらいらと、髪が逆立ち燃え上がり、周囲の空間には蜃気楼が起きる】
【砂漠の真昼の如き灼熱に周囲は見舞われている】

……。
…………。
………………。
お と こ な ら ッ !

【その光景を見て一喝】

泣 く ん じ ゃ ね ぇ ッ ! !

【ビリビリと空気を震わせる声で、相手に向かい叫ぶ】
【しかし、殴った側が泣くなと切れているのは理不尽この上ない】
【そして、パンツ一丁の男がブタ男を見下ろして切れている異常な光景にギャラリーが集まってきた】<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>sage<>2010/12/07(火) 19:23:13.17 ID:z2C3bJAo<>>>18
ご、ごめんなさいでぶしゅうううぅぅ!

【カツが背中から転がり落ち、土下座し始める】

〈えー何あれー、キモーイ〉
《ちょっとー、ブサイクの方あれじゃない?よく女子トイレに入ってるって噂の……》
〈えー何それー、キモーイ〉
《もう片方は………誰あれ?》
〈えー何これー、キモーイ〉


【ギャラリーの中で噂話が始まる】

ゆるちでくださいぃぃ!ぼきゅにできる事ならなんでもしますでぶひからぁぁ!

【頭を下げる度に巨体が揺れる】

「………死にたい」

【左手で目頭を抑えて一言呟き】
【外套のポケットから小さな革手袋を取り出し、自身に装着する】
【指の分かれ目に当たる位置には小さな金属片が付着している】<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>sage<>2010/12/07(火) 19:27:04.48 ID:sRZOgW6o<>>>19
【パンツ一丁の少年は、ここらへんではそこそこ目立つタイプであり、良く喧嘩を繰り広げ半裸で廊下を歩いていたりする】
【心底謝る男の姿が嫌そうである】

謝るなァッ!
男なら!ドンと構えろ男なら!
……お、5・7・5だ。
まあ、アレだ。
許してやるから謝るのを止めろ、な?

【男らしくない男は嫌いだと言う挟持を持つ少年】
【まあ、この少年は男らしいというよりは、ガキであるのだが】<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>sage<>2010/12/07(火) 19:36:40.09 ID:z2C3bJAo<>>>20
ぶひぃぃ……ゆ、許してくれるのかい?

【土下座をやめ、這い蹲りながら見上げる】<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>sage<>2010/12/07(火) 19:38:11.20 ID:sRZOgW6o<>>>21
許す、許してやるから無様な土下座を止めろ。

【傲然と見下ろしながら言う】
【ある意味ここまで自己中心的かつ上から目線だと清々しいほどかも知れない】<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>sage<>2010/12/07(火) 19:49:32.73 ID:z2C3bJAo<>>>22
わ、わかったよ……

【たぷたぷと肉を揺らしながら立ち上がる】

「………」

【手袋をはめた女性がツカツカと男と少年に歩み寄り】

「オラァ!」
ぶひぃ!?

【男の顎にアッパーカットを叩き込む】
【折角立ち上がったのに再び地面に転がる羽目になる男】

「ご主人、さっさと私の再調整をしろ、このウスノロ、とんま、一生童貞」

ぶ、ぶぴぃ……

【男の襟を掴みそのまま引きずってどこかへと行こうとする】<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>sage<>2010/12/07(火) 19:51:32.85 ID:sRZOgW6o<>>>23
ん……?
ああ、成程。

【この学校では人工生命と言うものはそれ程珍しくもない】

まあ、コレにて一件落着って所かね。

【引きずられる男を見おくりながら清々しい顔で言う】
【そして、パンツ一丁のまま少年は食堂の方へ歩いて行った】<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>sage<>2010/12/07(火) 19:58:07.23 ID:z2C3bJAo<>>>24
/乙でした<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>sage<>2010/12/07(火) 20:01:28.60 ID:sRZOgW6o<>>>25
/乙でしたーッ!<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>sage<>2010/12/07(火) 21:34:57.35 ID:eHoB9MSO<>「ああ、困った……」

 冒頭から弱音を吐くのは、皺の着いたスーツに身を包む男

「ここに赴任して三ヶ月になるのに、また」

 脇には長方形をした帳簿のようなものを抱え
服とは裏腹に真新しい革靴の爪先は、節操なしに右へ左へ
冴えない面は困惑からかより個性が薄れ、地味と形容するに値する

 そんな、胸に刺した名札に書かれた“新米”の二文字が眩しい彼はいま

「また────迷った……」

 授業と授業の節目、準備と休憩を兼ねた余白の時間の最中
自身に割当てられた授業を待つ教室へと向かうはずの彼は
様々な各種教室の集まる教室棟で、迷子になっていた

 三ヶ月前に越してきた新米教師たる彼は、自他共に認める極度の方向音痴
日数にして九十もの月日を重ねた今でもそれは変わらず
請け負った仕事を果たすため教員室を出たはいいが、当たり前のように迷っていた

 授業開始にはまだ余裕はあるが、この分だと間に合うかどうか
いや、辿り着けるかすら怪しく

 誰か道案内を頼める者はいないものかと
落ち窪んだ眼を辺りへ向けるのであった<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>sage<>2010/12/07(火) 21:55:42.19 ID:v8LmDEco<>>>27
こつ、……こつ、こ……こつ、

響くそれは明らかに足音、それも相当軽い。
壊れてしまったメトロノームのように不安定なリズムで、いち・に・さん。

こつ、つっ、――こっ。

「……何、してるの、先生」

風が吹けば途切れてしまいそうな、小さな小さな少女の声。
男がそちらへ顔を向けたなら。白髪黒眼の、輪郭が不安定な少女――「幽霊」の渾名の付いたその生徒が、ぼうっと。立っているのが見えるはず。

//まーだ いらっしゃい ますか<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>sage<>2010/12/07(火) 22:06:39.83 ID:eHoB9MSO<>>>28
 抱えた帳簿を落とさぬように脇に力を込め、肩を落とすと
進退窮まったと呻き項垂れ、頭を抱える彼が顔をあげる

「…………うん? 君は確か……」

 自由気ままな音色に誘われ、顔を上げてみれば女生徒の影が
ぼやけた輪郭がある意味特徴的な、しかし一向に思い出せぬ少女の名を懸命に
それこそ、少女の問い掛けに答えるのも忘れ、首を傾げ唸り、じっと目を見る

/いまーすよ<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>sage<>2010/12/07(火) 22:17:01.36 ID:v8LmDEco<>>>29
「……、ノエル」

それだけ答える、多分それが少女の名前なのだろう。
ぼんやりと半分だけ開いた瞳で、やはりぼんやりと。男の頭から足元まで、じいっと眺めて、

「もういっかい。何してるの、先生」

もう一度、同じ質問。<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>sage<>2010/12/07(火) 22:29:39.09 ID:eHoB9MSO<>>>30
 「ノエル」その響きを頼りに記憶を探りはじめ
それから少しして、合点がいったと、眉間に寄せた皺を手放すと

「あ、ああ、ノエル君だったね。ちょっとうっかりしてたよ」

 と、体裁を取り繕うためか、誤魔化すように乾いた笑いをあげ
その際に左手を後頭部へと回し、危うく帳簿を落としそうになり

「ととと……」

 脇に感じた軽さでそれに気付くと、腰を落とし慌てて回した左手を差しだし事なきを得る

「……ん? ああ、ちょっと持病がね……」

 手にした帳簿を胸に抱き寄せ、安堵の表情を浮かべ身体をあげ
そこでようやく向けられた視線に気付くと、持病と誤魔化しまた笑う

 その瞳にハイライトはなく、顔を背け濁った眼で笑う<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>sage<>2010/12/07(火) 22:35:39.92 ID:v8LmDEco<>>>31
「……ノエル・ベランジェール・リリト・ドビュッシー。フルネームだと、こう」

長ぇ。

「病気、」

ぴくり、
仮面のように徹底したポーカーフェイスに、ささやかな罅が一筋。
柳眉を僅かに持ち上げて、青白い手をそちらに伸ばす。

「……よくない。保健室、行かなきゃ」

どうやら男の言葉を真に受けたようで、少女は彼の袖を掴んで、くいくい引っ張ろうとする。<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>sage<>2010/12/07(火) 22:56:27.41 ID:eHoB9MSO<>>>32
 現実逃避を始め、十代の記憶を走馬灯のように眺めていると

「──へっ? 保健……室?」

 袖を引かれる感触で意識がこちら側へと戻り
すっとんきょうな、おおよそ教師らしくない声を漏らし

「え、えぇと…………あぁ、いや、そんなたいしたことじゃ無いんだ」

 何事かと、袖引く人物へと暗い顔を向ければ僅かに表情が生まれた少女の顔が
職業柄か数多の顔を見てきた記憶と勘が、その顔は先程の言葉を本気にした顔であると囁き
しどろもどろながらも、空いた手を少女の前へと突きだし
否定の意を伝えるために、拝むような形から左右に振るう

「そ、それよりノエル・ベランじぇー…………君、次の授業はいいのかい?」

 なんとかその場を逃れるための口実を探し、長い彼女の名前を途中で放棄
ふと、振るう手首に巻かれた時計が目に入り、これ幸いと言い訳を始める

 流石に女生徒に道を訪ねるのは気が引けるのか、何とか道を思い出そうとしながら


/すいません、遅れやした……<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>sage<>2010/12/07(火) 23:00:35.21 ID:v8LmDEco<>>>33
「無くても、行くべき。大したことが無いと言う人は、決まって無理をしている。
 ……「四番目の姉様」が、そうだった」

くいくいくいくいくいくいくいくい
ノンストップで彼を保健室まで引っ張っていこうとするものの、細くて小さい少女にそんな力があるはずもなく。
苛立ちと焦燥と不安をまぜこぜにした瞳を、彼に向ける。

「……いい。次は詠唱学、私はあの程度の授業受けなくたって、平気」

余程の自信があるのだろうか、ほぼ強制的に会話を打ち切ろうとして、引っ張るのを再開。

/のーぷれー<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>sage<>2010/12/07(火) 23:05:26.59 ID:P0nn4ggo<>>>33-34
保健室へ向かおうとする2人の少し前
なにやらぼんやり空を眺める少年が居る
窓の下枠に腰をかけ外に足を投げ出し、気だるそうに足をばたつかせた

「………」

口に咥えられた煙草と身に着けている学生服がひどくアンバランスな印象を受ける<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>sage<>2010/12/07(火) 23:12:22.14 ID:0qf9Qqgo<>「フフッ、フハハハハ!!」
不気味な笑い声を上げながら廊下を歩いているのは悪魔を連想させる白塗りの派手な化粧と長い銀髪を持った筋肉質な男。
服装は黒いレザーパンツしか履いておらず、上半身は何も着ていない。
手にはワイングラスを手に持っている。グラスには酒が入っている。
この男、教師である。音楽を使った魔法と魔術塗料や魔法陣を使った専門的な魔法教えている。
要するに音楽と美術を兼任している教師である。

>>35
「そこの少年。その手に持っている物、貴様には未だ早すぎる!!」
手にワイングラスを持ちながら少年に注意している。
「私の持っている物も、此処には相応しく無いがな!!フハハハハッ!!」
笑っている。<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<><>2010/12/07(火) 23:17:42.68 ID:0qf9Qqgo<>//このスレ始まったばかりなのにsage進行かよ・・・<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<><>2010/12/07(火) 23:20:23.14 ID:P0nn4ggo<>>>36
「……良いんだよ、俺ァ不良だから」

皮製のフィンガーレスグローブを嵌めた右手で煙草を掴むと
紫煙を深く深く吐く、嘆息

「センセーは、真面目にやっといた方がいいんじゃねぇの?」<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>sage<>2010/12/07(火) 23:21:08.43 ID:eHoB9MSO<>>>34
 儚げな風貌に似合わず、意外と強情な性格の少女に根負けしたのか
これ以上は無意味と悟り、振るった手で目を押し隠し、溜め息を一つ

「……うん、生徒の好意を教師が無下にしていい訳ないし」

 女生徒の腕力で大の大人を引き摺ることは出来ずとも、絶え間無く揺するくらいは出来るのか
引かれる袖に合わせ、揺りかごのように身体は激しく揺れ動き

「それに、ここで押し問答してノエル君を遅刻させる訳にも……」

 むしろ張り子の虎状態の彼は、首に痛みを覚えながら、自己正当化を始め

「…………よし、それじゃ悪いけど保健室までお願────」

 目を塞ぐのを止め、尚も揺れる視界に多彩な色を視せる少女の瞳を捉え
意を決し、困った風に眉を落として自らも頼もうとし

「────詠唱学?」

 少女の言った一単語を口にすると

「…………もしかして、弐の四組の生徒だったり……する?」

 詠唱学、それ即ち自身が担当する教科であり
弐の四組とは彼の目的地であり、一縷の望みに賭け、物腰低く訊ねてみる<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>sage<>2010/12/07(火) 23:25:59.90 ID:v8LmDEco<>>>39
「それでよし、さあ早く――――」

そこでぴたりと止まる、少女の挙動。
弐の四、それは確かに少女のクラスであって、ということは、即ち、

「……あれ……先生、詠唱学の、教授だっけ……?」

少女は思考する、「あ、これやべぇ」と。
だって、少女は今まで詠唱学の授業をほぼサボっていたのだから。
堂々とサボっていたことが――――バレるッ! ――――

――――――硬直。

/携帯移動するよー(^o^)ノ<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<><>2010/12/07(火) 23:28:06.19 ID:0qf9Qqgo<>>>38
「私は派手好きだからな。仕方ない。フハハハハッ!!」
笑っている。

「少年は此処へ魔法を学びにきたのだろう?」
酒を飲みながら問う。<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<><>2010/12/07(火) 23:31:58.31 ID:P0nn4ggo<>>>41
「・・・・まあな、そりゃそうだろ
 学ぶ気がなきゃこんな所にゃ来ない」

人差し指と中指で摘んでいた煙草が一気に燃え上がり灰に変わる

「でも、落ちこぼれた
 才能がなかった、って奴か
 入るのは楽でも卒業は難しい、ってか」<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>sage<>2010/12/07(火) 23:32:15.67 ID:FUrEnt.o<>ふぁぅわ……
【3階 2年7組 教室】
【その教室の中央に位置する机にその女は居た】
【だらしない顔で机に寝そべる少女 髪は淡い蒼をしている】

はぅ……?!今何時?!
【11時30分を回ろうとしている】
【もちろん周囲には誰も居ない】

寝過ごしちゃった……
【重い腰をあげながら帰りの支度をする】<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<><>2010/12/07(火) 23:42:25.21 ID:0qf9Qqgo<>>>42
「才能か・・・貴様が自分の才能に気づいていないだけかも知れんぞ。」
酒を掲げ、それを眺めながら応える。

「だが、本当に才能が無いだけかも知れんがな!!フハハハハッ!!」
笑いながら語っている。

「真相は、貴様にしか解らぬ。努力はしたのか?
 魔術師には、自らの生命と引き換えに魔法を創りあげた者も居る。
 努力とは自分を苦しめるものだ。故に、見返りも大きい。」
男は酒を飲み・・・

「しかし・・・その努力が実らず、何も結果を出せずに地獄に落ちた魔術師も居るがな。フハハハハッ!!」
男は笑いながら語る。

「だが、貴様は未だ生きている。貴様は、何か努力をしたのか?身を削る様な努力を・・・」<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>sage<>2010/12/07(火) 23:45:43.09 ID:eHoB9MSO<>>>40
 確認の意と、一縷の望みを合わせた言葉は、石化の魔法をかけたように少女を固め

「え、おーい……ノエルくーん?」

 無論、無自覚にそんな危険極まりない魔法を行使した覚えのない彼は
狐につままれたように、突然動かなくなった少女を前にし困惑を露に

「…………まてよ、ノエル・ベランジェール・リリト・ドビンムシ……?」

 ファミリーネームに当たるであろう箇所のみをご丁寧に間違える彼の顔は、何かを思い出そうとしていて
小脇に挟んだ帳簿──もとい名簿を抜き、その固い表紙を開き探すのは────

「────ノエル・ベランジェール・リリト・ドビュッシー……弐の四組在籍──」

 まるで罪名を読み上げるかのように、一語一語丁寧に、かつ感情の込もっていない声で、あるページを読む

「──詠唱学の授業を度々脱け出すなど、通り名に違わぬ非行を行うことも──」

 それは彼が今から向かう教室に組分けされた生徒の基礎情報が書かれた教師用名簿
それに目を通す彼の瞳は、ただ、そこに書かれた事実のみを映し出す

 どうやら読むのに気を取られ、硬直状態の少女は意識外にあるらしく
ぶつぶつと、危ない人のように独り呟いていた<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<><>2010/12/07(火) 23:47:42.08 ID:9YnvdlY0<>>>43
ガラッ。
音を立てて教卓側のドアが開くと何の面白味も無いステンレスのマグカップを手に持った
無精髭を生やした人物が現れる。髭と草臥れた外套を着込んだ姿から歳は二十台後半程度に見える。

「……異常なーs……うおぉぉぉ何かいる!?」

男は女生徒の姿を見るや否や悲鳴をあげ
びたっと壁に背中を張り付けガタガタ震えている。

「ぼぼぼぼっ……ぼぼ亡霊さんですか?」<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<><>2010/12/07(火) 23:51:44.94 ID:P0nn4ggo<>>>44
「…左様か」

男に向けひらひら、と手を軽く振る

「アンタさ、自分の指が何処まで曲がるかって試した事あるか?
 途中でさ、曲がらねぇ訳じゃねぇけど痛くて進まなくなる
 それと一緒だろ?
 痛みを伴うまででもねぇんだよ、そこまでの価値が見出せねぇ」<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>sage<>2010/12/07(火) 23:52:19.00 ID:Azr57kSO<>>>45
――つか、か……つか。
少女が歩み寄った時と似たような、不安定なリズムを刻んで、

(……ああ、駄目だ)
(きっと彼が次に顔を上げたら、)

いち・に・さん。と、

(――――――説教が、始まる!)

後ろへ、後ろへ。
じりじり後退、瞳に浮かぶは焦燥一色。<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<><>2010/12/07(火) 23:57:25.05 ID:0qf9Qqgo<>>>47
「フフッ、フハハハハハッ!!」
男は急に笑い出し・・・

「それもそうか。価値を見出せないなら仕方ない。
 だが・・・その無力を認め、貴様はどうするのだ?
 此処へ来て、何も得ぬまま終わるのか?」<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<><>2010/12/08(水) 00:04:07.51 ID:n2M4Vsko<>>>49
「…別に魔法が使えねぇから死ぬ訳でもねぇよ
 別の何かを探す、つもりだけど」

座り込んでいた窓の下枠からひょい、と飛び降りる

「俺ァ不良だからな
 無力だと言われりゃ、そうじゃねぇと叫びたくなるンさ」

そのまま、地面に着地し煙草を咥えるとにやりと微笑むとその場から去っていった

//落ちます、お疲れ様です<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<><>2010/12/08(水) 00:07:28.86 ID:xEKe1TIo<>>>50
「フハハハハッ!!探すのなら、それで構わぬ。
 この学園へ来ているんだ。何かを得て此処を出てもらわなければ困る。」
男は笑いながら男を見送る。

//乙でした。<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>sage<>2010/12/08(水) 00:07:37.89 ID:/ica1.SO<>>>48
 少女の奏でる逃走の序曲と、彼の謳う言及の鎮魂歌の波長は徐々に重なりを見せ

「──以上をもって、ノエル・ベランジェール・リリト・ドビュッシーに関する守秘義務に基づいた個人情報の開示を終える」

 異なる二紋の位相の終わりを訃げるのは、名簿を閉じる単調な音

「……さて、新米とは言え私も一教師、言いたいことは山程あるが──」

 そう語る彼の声は重く、先程までの情けなさは払拭され

「──お互い、今は授業を優先し、その後オハナシをしようじゃないか、なぁ、ノエル君?」

 感情を圧し殺したような冷淡な圧力を込めた声を発し、その顔を少女へと焦らすように向ける

 果たして、少女の運命(ついでに彼の運命)や如何に<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>sage<>2010/12/08(水) 00:09:17.53 ID:n2aZ..SO<>………校舎の、屋上。
日中はサボったり弁当を拡げたり、時には喧嘩に愛の告白と、
人でごった返すまでは行かずとも数多の生徒が利用する此処も、夜中となれば静かな物だ。

「zz、zzZ………うぅ、ん」

そんな場所――本来ならば誰も居る筈の無い場所に、しかし今宵は人影が在る。
クセの強い白金の髪に長身、反して幼さの残る顔立ち、指定の制服とマフラー。
ふわふわした耳当てを付けて寝息を立てる青年の傍らには、彼のお手製であろうタリズマンが月光を吸って輝いていた。<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<><>2010/12/08(水) 00:15:39.47 ID:/S3OWa60<>>>53
「ぜぇ……ぜぇ……こんなところにも生徒が……勘弁してよ」

湯気立つステンレスのマグカップを手にした教師らしき男が現れる

「そこの寝てる生徒、起きて、起きてくれー」

マグカップの取っ手を握っていない方の手で寝ている生徒の肩を揺らす。
揺らしている男の顔は何故か焦燥しており体は汗ばんでいる<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>sage<>2010/12/08(水) 00:17:19.70 ID:jEQLgwSO<>>>52
「ぅ……」

眉をきゅっと寄せて彼を見――ああやっぱり駄目、と。直感的にそう思う。
「先生」とは、何時の時代だって「生徒」の畏怖の対象なのだ。

「ふ、ぁう……」

青白い肌に一滴、甘ったるい紅酒を垂らしたような。
そんな僅かな頬の紅潮、辛うじて涙は抑えたけれど。

「…………、っ!」

くるり、軽いターンは焦りが混じってお世辞にも優雅とは言えず。
たたたっと、走り始める。要は「逃げた」。
ただしこの少女、運動音痴――その速度は推して知るべし。<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>sage<>2010/12/08(水) 00:28:41.86 ID:/ica1.SO<>>>55
 二人の間に言葉はなく、少女の逃げる背中と彼の若き青春の情景とを重ね
されど、その甘き過去に酔いしれること無く、脱兎の如く走る少女を追い掛ける





「ぜはぁ…………ぜはぁ……」

 彼自身、その場の勢いに突き動かされた道化に過ぎず
極度の方向音痴であることすら忘れ、ひたすらに走った挙げ句

「…………どうしてこうなった」

 自問自答のような言葉は、直ぐ傍で高らかに鳴る始業の鐘に打ち消された

 途中から出口を求め奔走した喜劇の果て、疲れきった彼の意識は、名も分からぬ校舎の中へ溶けて沈んだ

 果たして、彼は無事に生還出来るのか、それはまだ、誰も知らない<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>sage<>2010/12/08(水) 00:32:36.20 ID:n2aZ..SO<>>>54
「んー、う………ヒナちゃん、もう少しだけ…あと三十分で良いから、寝かせて……」

ぱたん、扉の開いた音にも教師の足音にも、依然として起きる様子は無く。
青年はむにゃむにゃと唸りつつテンプレートな寝言を並べて、がくがくと揺さぶられるがままに。

……肝が据わっているというか何と言うか、ある意味大物では有る。
三分ならまだしも三十分とか、正直遅刻も良いとこだ。

「……………あれ、れ?」

それから暫くして、青年はぱちりと目を開き。
視線を教師に合わせれば、きょとんとした様子で首を傾げた。<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>sage<>2010/12/08(水) 00:40:09.38 ID:jEQLgwSO<>>>56
「は……っ、は……」

何処か、人気のない場所で少女はようやく立ち止まる。
息を整えて後ろを確認、ほぅと胸を撫で下ろし。

「……今度、気が向いたとき、にでも。
 授業、出てあげたほうが、いい、かな……」

なんとなく、申し訳ない気分に襲われて。
それでも少女はしれっとサボタージュを決め込むことにして、校舎の何処かへ消え失せた。

/ここら辺が区切りよかろうか ありがとうございましたー<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<><>2010/12/08(水) 00:43:24.92 ID:/S3OWa60<>>>57
「30分も寝かせるわけ無いだろ!僕の寝る時間が減る!」

相変わらず焦燥した顔で青年の目が覚めるまでひたすら青年の肩を揺さぶり続ける。
唸る青年を起こそうとするのは可愛らしい幼馴染などと言うテンプレートとは程遠い
無精髭を生やした20代後半に見える教師風の男だ。

「……やっと起きた。君、もう生徒は寮か家に帰って布団で寝てる時間だ。
 ついでに先生も宿直室の布団をひいて歯を磨いてる時間なんだ。首傾げてないで早く立ってくれ」

盛大に溜息をついて、湯気立つマグカップに口を付ける。
その姿はまさに冴えないサラリーマン。<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>sage<>2010/12/08(水) 00:45:50.37 ID:/ica1.SO<>>>58
/こっちこそ、ありがとうございましたー
/長考で待たせてごめんなさい、ではまたいつか<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>sage<>2010/12/08(水) 00:59:48.65 ID:n2aZ..SO<>>>59
「じゃあ、先生も、寝れば良いじゃないですか………。」

薄く目を開けて、間延びした調子でのほほんと宣う青年。間違ってはいない、いないのだが、何か一本足りない意見である。
まだ寝惚けているのだろう、眼を擦り擦りちいさく欠伸など零して、そのままふらりと意識を手放しかけて。

「―――あれ。おっかしいなぁ、外出許可は出したし、使用届けは……ああ、忘れてた。
 そういう訳で先生、魔具の加工を此処で行いたいんですが、許可して貰えませんか?」

あははー、と困ったように気の抜けた笑い声を上げつつ、暫くの思案。
口に出して自らの行動を遡ってゆくと、一つの手抜かりに思い当たり――まあ、直接許可貰えば良いやって事で、傍らのタリズマンを示して一言。<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<><>2010/12/08(水) 01:11:01.15 ID:/S3OWa60<>>>59
「そうだね、寝たい。とても寝たいんだ。ぶっちゃけ生徒の安全とか
 僕すごいどうでも良いからさっさと此処の鍵を閉めて暖かい宿直室で寝たいんだ」

公に公開されれば即効教師を止めさせられそうな言葉を平然と言い放ち
再びマグカップに口をつけ暖かい飲み物を啜る。

「……とにかk」

再び眠りに落ちそうになった生徒に焦りながらも早々に屋上から追い払ってやろうと
都合よくさっさと家ないしは寮に返す言葉を選んでいると、生徒の言葉に教師の表情が固まる。

「ダメ……って、言っていい?」

もし仮に音が響く加工を行うなら自分が安眠できなくなるうえ何かトラブルがあれば
自分の睡眠時間を削らなければいけないのだ。
教師はあからさまに嫌そうな顔を生徒に向ける。<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>sage<>2010/12/08(水) 01:37:15.06 ID:n2aZ..SO<>>>62
「自分に素直になりましょうよ、先生。明日に備えて早く布団に入らないと。
 鍵さえ預けてくれれば施錠はこっちでしておきますから、何も問題は有りませんし」

対して、生徒は呑気なものだ。物腰も穏やかにそう告げると、
くぁ、とまたもや欠伸を噛み殺しつつ平然とした様子で。

「……それは、困るなぁ」

等と小さく呟いて、そうしたら何処で加工をしようと起きぬけの胡乱な思考を回転させる。
月明かりの当たる場所。パワースポット。出来れば性質の悪い魔物及びにそれに準ずる存在が来ない場所……はて。

「睡眠妨害にはなりませんよ?五月蝿い工程はあらかた済ませちゃいましたから」

結局のところは此の学校を置いて他に無かったらしく、何とかして使わせてもらおうと交渉に移る。
大規模な霊脈やら風水やらその他諸々の要素やら、そういった物を兼ね備えた場所に建つ魔法学園。
であるからして、まあ条件としては確かに最高だ。……使わせて貰えたなら、それに越した事もなし。<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<><>2010/12/08(水) 01:51:57.42 ID:/S3OWa60<>>>63
「そうだね、寝かせてくれ、だから寝てくれ」

施錠を生徒に任せてしまったことが他の教員にばれてしまえば職員室窓側の
自分の席すらを失ってしまうかもしれない。
座って愛用のマグカップに入れた飲み物を飲めないのは困る。

「うーん……」

教師の男の頭にふたつの選択肢が浮かび上がる。
このまま許可して許可証を書いてやるか、聞く耳持たずに返してしまうか。
個人的にはさっさと返して何の心配もなく眠りたいのだがこのような得意な学校故
学生の性格も非常に個性豊かで中には一度決めたら全く引かない頑固者も居る。
彼もそんな”頑固者”であれば寝るための交渉で徹宵してしまい結果一睡も出来ないかもしれない。
ここはさっさと許可して震えながら眠った方がいいと教師は判断した

「仕方ない、許可してあげよう。許可証も書いてあげるよ」

メモ帳とボールペンを取り出す。

「学年クラス出席番号と名前教えて。日本名なら漢字も。
 一々職員室まで戻って屋上にまた上がったら宿直室まで体力持たないから
 明日の朝1の8の教室に許可証もらいに来てね」
<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>sage<>2010/12/08(水) 02:22:46.45 ID:n2aZ..SO<>>>64
「ええ、儀式を終えたらそうさせて貰います」

そうした例に漏れず、彼も大概こうと決めたら梃子でも考えを曲げない性質のようで。
眼を細めたまま、にっこりと良い笑顔を浮かべて――曰く、そういう事らしかった。

「良かったー、いや。頼んでみるものですね」

教師の判断に、ほっと胸を撫で下ろし。薄く覗く琥珀の瞳が、目に見えて喜色を湛えた。
放っておけば小躍りでも始めそうな印象すら有るだろうか。いや、実際にはそんな事は全くないのだが。

「二年の七組、出席番号は……えーっと、多分始めの方ですね」

「名前は、リオ=アカツキ=フィルクライト。
リオは原理の理に鼻緒の緒、アカツキはそのまま曉……
 曉 理緒だと、出席番号は多分1番……あれ、どうだったかなぁ」

曉 理緒。眠れる獅子≠フ通り名を冠した、居眠りの常習犯。
素行不良とはまた別の意味で、問題児である。ナルコレプシーと夢遊病のケ有り。
上記の異名は一見して凄みが有るが、その実は名前をもじって普段の姿とくっつけたのみ、らしい。

……尤も、個性的な面子揃いのこの学園では、飛び抜けた有名人という事は全くない。
受け持つ学年が離れているなら、尚の事。<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<><>2010/12/08(水) 18:53:27.87 ID:0VMQAM6o<>学園の正門に制服を着た一人の男が立っていた
学園に残っている生徒はかなり少ないだろうこの時間に何をしに来たのだろうか

「でゅふふ、楽しみだなあ、ぶひゅひゅ」
「後もう少し立てば噂の時間だ、うふ、うふふふ」

脂肪に包まれたその肉体は湯気を発し、周囲の景色を揺らめかせ
でっぷりとした手を門にかけて門を乗り越えんと力を込めた

「ん〜しょ!ん〜しょ!………うう、登れないよ」

門にへばりつき身を揺さぶるその姿は往年のホラー映画に出てくるゾンビを思わせる
映画とは違うのは滴る液体が血ではない位か

『…………はぁ、懲りる事を知らないな、うちの主人は』

正門からちょっとだけ離れた所
校内に植えられている木が揺れ、そこから一人の女性が降りたった
粗末な外套のみを見に纏い、後ろで乱雑に束ねられた髪が揺れている
その女性は門を鳴らしている男を見て疲れた様な顔を見せた<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<><>2010/12/08(水) 21:58:01.12 ID:/ica1.SO<>誰か暇な奴いたらロールしない?<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>sage<>2010/12/08(水) 21:59:09.61 ID:0VMQAM6o<>>>67
>>66でよければ<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>sage<>2010/12/08(水) 22:08:17.95 ID:/ica1.SO<>>>68
おk、キャラ用意するからちょっと待ってて<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>sage<>2010/12/08(水) 22:21:56.87 ID:/ica1.SO<>>>66
 運動音痴の生徒が懸垂を行おうと鉄棒にぶら下がり
上がるも降りるも出来ずにいるような行為をする男へ

「―――君、そこの君」

 男の纏う不快指数最高値の闘気を、懐中電灯の光が照らし
その行為を目撃した懐中電灯の持ち主が、男へと言葉をかける

「そこで何をしているのかな、ダイエットなら運動部に入ることを勧めるが」

 群青色の制服を着込み、硬質のつばの向こうには銀十字
その格好はこの学園における警備員の正装の一つであり
それ即ち彼が警備員であるという証明でもあった

 その彼が怪訝そうな面持ちで問う、それは職務質問以外の何物でもない<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>sage<>2010/12/08(水) 22:38:42.91 ID:0VMQAM6o<>>>70
「ぼ、ぼ、ぼ、僕の事、ですか?コポォ」

光の中で三段腹ならぬ三段顔が驚きに歪む
表情が変わるだけで汗の雫が飛んでいくのが反射して見えるだろう

「ぼ、ぼ、僕はえと、その、わ、忘れ物をぶひぃ、じゃなかった忘れ物を取りに来たんです」
「よ、夜中じゃやっぱり駄目ですよね、ごめんなさい、えへ、えへへへ」

目は宇宙遊泳を始め体は門の上でそわそわとうごき卑屈に笑う
逆に演技ではないかと疑える位の動揺している
どうやら何かを隠しているようだ

「で、でも課題なんですぅ、しかも明日提出の」
「や、やってはいたんですけど、あの、見直したいなって、ぷぴっ」
「み、み、み、見逃して下さい、フヒッ」
「絶対に、絶対に最近噂になってる旧校舎の女子トイレになんて忍び込みませんからぁ」
「ほ、本当ですよ、幽霊なら二次元だからきっと僕にも優しくしてくれてあわよくばなんて事一切絶対考えてませんからぁ」
「お、お願いします………あれ、動けないよぉ?」

鼻水が鼻から垂れながら墓穴を掘っているこの男
努力が実を結び腹が門に食い込んで動けなくなっている

『うげっ、警備員まで来た』
『主人が退学とか停学にされたらまずいな、私が困る』
『(不本意だが、万一の時は強行的に逃げるしか……)』

素早い身のこなしで一番近い木の影に隠れて様子を伺う女性
その手には革手袋が装着され、幾度か握ったり開いたりしている
背丈が普通の人間の半分、約80cm程度のため、隠れるのは得意な様だ<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>sage<>2010/12/08(水) 22:56:39.50 ID:/ica1.SO<>>>71
 爽やかな汗とは真逆に位置するそれが散り、嫌そうな顔で一歩下がる

「そうか、忘れ物ね、忘れ物」

 誰の目にも明らかな虚言を吐き、その上隠せていない本心という名の下心
瞬きする度に酷い有り様に変わる男に対し、照らしたままに腕を組み

「忘れ物なら仕方ないね、仕方ない」

「その途中で用をたそうと偶々、女子トイレに入っても仕方ない」

 辿々しい弁解を聞き、納得したように数回小さく頷くも
その目は全く信用しておらず、あまつさえ誘導尋問を行おうと柔らかく言葉を紡ぐ

「―――おや?」

 次から次へ、聞いてもいないことを喋る生物をどう扱うか考えていると
その場から幾らか離れた地点から葉の揺れる音を長い耳が拾い
生物の仲間かと考えると、懐中電灯の頭をそちらへと移す<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>saga<>2010/12/08(水) 23:12:12.16 ID:0VMQAM6o<>>>72
男は納得してくれたと誤解し、気をよくして会話を続ける
その間校門に宙ぶらりんの巨体という都市伝説になりそうな絵面だ

「そ、そうだよ、一回だけならノーカウントだよね、えへへ、えへ」
「まだ僕は一回しか入ってないし盗んだ物は汚物入れのなかn」

『この白痴主人!脂肪に脳を占拠されたのか!』

電灯の光には何も映し出されなかったが
突然小さな女性が飛び出し警備員に向かって光を辿る様に駆けてくる
拳は固く握られており、射程距離に入ったらすぐさま放てる姿勢だ

『恨みはないが、私のために少し眠れ!』

もし警備員が何の対応も取らなかった場合
彼女は飛び上がって警備員の顎に向けてアッパーを放つだろう<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>sage<>2010/12/08(水) 23:27:24.34 ID:/ica1.SO<>>>73
 気が滅入るような痴態を恥ずかしげもなく語る生物(なまもの)を尻目に無視し
懐中電灯を向けた先、確かに何かの音を拾ったその場所へと目を滑らすも

「? 誰もいな―――」

 人影はおろか妖魔一匹いない無人の木々を見て、空耳かと納得し
そのことを確認するように開いた口は、強引にも強かに打ち上げる拳により閉じ
硬質な、歯と歯が噛み合う音を響かせ、その音を子守唄に彼の意識は落ちた

 そして


[ジリリリリリリィィィィィィィィィィィッッッ!!!!]

 彼の職務を引き継ぎ、有事の際に危険を報せる警鐘がけたたましく鳴り響く
警備員という職業上、彼等の身になにか起きた場合発動する条件式魔術が発動したのだ

 もたもたしていればものの数分で屈強な教師陣が飛んでくるやも知れない
所謂、いたちの最後っぺ、というやつだ<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>sage<>2010/12/08(水) 23:36:42.78 ID:0VMQAM6o<>>>74
「ほげぇ!?何!?何!?」
『チィっ!厄介な事を!』

門がガタガタと揺れ、巨体をよじらせる男と拳を合わせる女性
女性が警備員から男に視線を移し

『逃げるぞ主人、このままじゃただでさえ低いお前の評判が虚数になる』
「え、ええ?ぼ、ぼ、僕はトイレに行かなきゃ」
『やかましい、以前嘗め回してブームが過ぎ去ったノロウイルスに感染したのを忘れたか!』

門を蹴って巨体を叩き落とそうとしているが、衝撃でより男の腹が食い込むという悪循環が始まってしまう

「いたい!痛いよ!もう少し優しくしてくれてもいいじゃないかぁ!コペッ!」
『今の私の気分がわかるか?「貴様の身体に蹴りをぶちこみたい」だ』
「ホゲっ、プギっ、痛い!トイレ!トイレが近くなっちゃった!」

教師陣が来た時にエチケット袋が必要になりかねない状況に陥っている二人
門扉は固く、男がずり落ちる事が無い限り救助は無理だろう<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>sage<>2010/12/08(水) 23:49:00.63 ID:/ica1.SO<>>>75
 夫婦漫才を始める生物(なまもの)と背丈の足りない少女
救助とも調教とも呼べるやり取りは、悲しくも時の女神の好みでないのか
止まることも、巻き戻ることもなく、ただ無情に砂時計は時を刻む

 少女の一撃のもとに沈んだ彼はいま、冷たい敷地に大の字に伸び
彼の友たる懐中電灯は、喧騒舞台の二人を、門扉に染み込んだ脂でぬらぬらと照らす

 足音が近くなった気もする<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>sage<>2010/12/09(木) 00:05:52.62 ID:ydAIEM6o<>>>76
『ええいめんどっちい…………ハァァ………』
「と、トイレ、行かせて……・…」

女性が息を吐き、腕を伸ばし構え始める
男は身体を震わせ、まるで芋虫か何かの様だ

『……空の彼方へ吹き飛べ!』

動きが一瞬完全に止まり、そこから拳が男の顔面に飛んでいく
顔にめりこみ、たるんだ脂肪が何度かはためき、男は門から引き剥がされ宣言通り飛んでいく

『………何故私がこんな苦労をするんだ、理不尽だなまったく……っとと、うわっ!?』

自分も門の上へ飛び移り、そのまま逃げようとするが着地に失敗して転んでしまう

『った〜……くそっ、皆あいつのせいだ!』

そう言って逃げ去ろうとする女性<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>sage<>2010/12/09(木) 00:20:09.24 ID:i8PO9.SO<>>>77
 少女改め女性の遁走を呼び止める者は此処にはおらず
その背へ手向けるように、何事かと口々に言い合う教師陣が夜空へと昇る流星を眺めている

 閃光、爆炎、疾風、熱線、氷河

 それこそが此度の騒ぎの首謀者かと見た気の短い教師達は、各々の得意とする術を放つ
流星群と成った煌めきは互いに干渉しあい、夜空をきらびやかに彩る花火

 空へ飛んだ生物が本当のお星様になったのかは誰も知らず
其処から離れた女性のことなど、誰も気にも止めなかった<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>sage<>2010/12/09(木) 00:31:40.61 ID:ydAIEM6o<>>>78
/お疲れさまでした<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>sage<>2010/12/09(木) 00:40:27.26 ID:i8PO9.SO<>>>79
/お疲れ様でしたー
/最後のはギャグパートということで……誰も死んでません、多分<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<><>2010/12/10(金) 22:15:34.99 ID:8ylsICU0<>「……ふぅ、面倒な仕事押し付けてきやがってあのハゲ、やっと終わった」

職員室の窓際の席にて大きく伸びをする男が一人。
湯気だった飲み物が注がれている装飾の無いステンレスのマグカップを
口につけ、大きく溜息をつき立ち上がる。
無精髭や疲れ切った表情と動作から寂れたサラリーマンを髣髴とさせるこの男は
この学園の教師と見て間違いなさそうだ。

「窓際族ってのも大変だ。まぁいいやさっさと帰ってゲームでもしよう。
 何かクリアしてないソフトあったっけ……あぁ、あのギャルゲやってなかったな」

マグカップの中身を飲み干し、椅子にかけていたジャケットをタートルネックのセーターの上から羽織る。<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>sage<>2010/12/12(日) 10:00:11.05 ID:L7nqIYDO<>放課後の体育館。
部活も終了し、閑散とした其の場所―――中央に、人影が在った。

オーキッド・パープルの、老婆の様な紫髪。それを後ろで纏め、三つ編みにして。
スカートの下には指定ジャージを履いており、色気なんて無い。
制服には魔法陣や文章の羅列を書き込んでおり、非常に不気味だ。
髪と同じ色の太い眉に、深海の様な色合いの目をしている、そんな女生徒が。

「……うーん」

何やら、一言唸ると。

「喧嘩とか、したいな、と思う所存」
「最近部活ばっかやってたから、体が鈍ってそうだし」

軽く伸びをして、何やら危ない事を呟いている。
息を吐き、「校舎裏とかに行けば、誰かと暴れられるかな」と言葉を続けた。
<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>sage<>2010/12/12(日) 12:50:24.01 ID:oVrMMLko<>>>82
/まだいらっしゃいますか?<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>sage<>2010/12/12(日) 15:07:35.24 ID:L7nqIYDO<>>>83
呼びかけがありましたか…
席を外していました…すみません<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<><>2010/12/12(日) 21:16:40.74 ID:q2Riceo0<>だれか絡める人ー<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>sage<>2010/12/12(日) 21:23:09.06 ID:0kve2AAO<>自分でよければ<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<><>2010/12/12(日) 21:26:14.79 ID:q2Riceo0<>それじゃあでましょうか
どちらが先に出ましょう?<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<><>2010/12/12(日) 21:31:11.28 ID:0kve2AAO<>先に出てもらっても大丈夫ですか?<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<><>2010/12/12(日) 21:34:39.83 ID:q2Riceo0<>了解ですー<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<><>2010/12/12(日) 21:45:55.53 ID:q2Riceo0<>「はぁ……二本だけか、成功するかなぁ」

校舎裏。普段から日光が校舎に遮られており人気も無いこの場所は
夜になるとさらに不気味さを増している。
その隅で一人校舎の壁に背を預け座り何かを弄っている少年が一人。

「うぅ寒、しかも怖ぇ……いつ見つかるかもわからないし、さっさと済ませてしまおう」

震える両手に息を吐いて
二本ある短くて白い棒の内一本を手に取り、ライターで火をつける。
もくもくと煙を上げ小さな赤い光を灯すそれはどうやら煙草のようである。

「ええっとこれを……」

煙草に火をつけ座り込む姿は、一見不良生徒が隠れて煙草を吸っているようにも見える。<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>sage<>2010/12/12(日) 22:04:34.94 ID:0kve2AAO<>>>90
「寒……マフラー持ってきて正解だったかな」

制服を校則通りに着こなした女生徒が、夜の学内を歩く

「ん…?」

ふと、校舎裏に差し掛かった時、見えた火に気づき、そのまま早足通りすぎようとする

「やば、あれ、人魂?初めて見るけど……」

が、漂う煙の匂いに気づき、踵を返し、校舎裏の影に問いかける

「……そこの、人?何やってるの?」<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<><>2010/12/12(日) 22:13:41.30 ID:CxUzY.M0<>解<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<><>2010/12/12(日) 22:13:48.60 ID:q2Riceo0<>>>91
「……わっ!?」

よっぽど慎重に計画していたのか、はたまたこの時間この場所に人なんて来るはずが無いと油断していたのか
大きく体を震わせて手に持っていた煙草と何かを落としてしまう。

「あっ……貴重な光と熱源が……」

煙草は柔らかい土の上に落ちて火が消えてしまったようだ。
隣にあるのは折れた小さな……杖?

「……っていうのは嘘であれは防寒用の魔法の棒でして」

女生徒と煙草の残骸の間に座って、引き攣った愛想笑いを浮かべている。<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>sage<>2010/12/12(日) 22:31:58.46 ID:0kve2AAO<>>>93
「……ああ、ごめんなさい、いきなり声かけちゃって」

想像していた以上の慌てた様子に、驚いたのか一瞬固まった後に謝罪する

「良かった、幽霊じゃなくて…」

これは、小さく呟く
「防寒って、ライターじゃ駄目だったの?それと、何か落ちたけど……」

引きつった笑いをする生徒の目線と同じになるようにしゃがみこむ
煙草については咎める気はないらしい<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<><>2010/12/12(日) 22:45:15.21 ID:q2Riceo0<>>>94
「びっくりしたぁ……僕の方こそ幽霊かと思いましたよ」
「幽霊の方が風紀委員や先生よりも大分マシですけどね。僕、生真面目で通ってるから」

胸に手を当て大きく溜息をつく。
因みにこの少年別に生真面目で通ってはいない。
と、言うより地味な生徒その1と言った感じで風紀委員等から好ましくも疎ましくも思われて居ないような生徒だ。

「ライターは科学の火だからちょっと……まぁ、煙草でも似たようなものだと思うんですけど」
「それは僕の杖です」
「杖も変えられない位貧乏だからせめて一回の補修で長く使えるように魔翌力の集まりやすい
 土地のこの学校で修理をしてるんですよ」

よく見れば彼の服は上から下までボロボロでローファーに至っては黒いテープで
穴をふさいでいるといった酷い有様だった。<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>sage<>2010/12/12(日) 23:06:28.45 ID:0kve2AAO<>>>95
「へぇ……」

少年の話を聞きながら、感嘆の声を上げる
少なくとも彼女の知識では杖の修理には相応の技術が必要と記憶している

「そっか、大事に使ってるんだね……でも、夜中だと先生とかに見つかったらまずいんじゃない?それに、ほら、寒いし」

そして、記憶はしているが、実際どんな手順が必要なのかは知識にない
寒さに体を縮こまらせると、腕に抱えていた本も、ぎゅと抱き締める形になる<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>saga<>2010/12/12(日) 23:18:33.79 ID:q2Riceo0<>>>96
「あ、そんなに大したことじゃないですよ。杖の修理ばっかりしてるお陰で他が落第スレスレだし」
「その修理だって大したレベルじゃないですからね。劣等生なんですよ僕」

お金ないし、と付け加える。

「でも昼だと余計拙くないですか?先生だって沢山居るし……」
「煙草なんて朝昼晩いつ見つかったって謹慎食らっちゃいますよ」

そう言って笑った後に女生徒の抱えている本に目が行く

「あれ、夜遅くまで勉強ですか?女の子なのに大変ですね」

と、如何にも他人事のように呟く。
生真面目は何処へ行ったのだろうか。<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>sage<>2010/12/12(日) 23:36:06.90 ID:0kve2AAO<>>>97
「なるほど…それもそうか、それに見つかっても、夜の校舎ガラス叩き割ってるとかでもない限り先生も見逃してくれるだろうし」

根拠があるのかないのかわからないことを言う

「まあ、勉強と言えば勉強かな」

背表紙には天文学とかかれている

「授業夜しかないから、と言ってもあんまり役立つ物じゃないから受ける人も少ないんだけど」

といい終えたところで、思考がふと原点にたち戻る

「……私、完全に修理の邪魔しちゃった、よね……何か……弁償、は出来ないけど……」<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>saga<>2010/12/12(日) 23:51:52.62 ID:q2Riceo0<>>>98
「まぁそうですよね、そんなことしてたら先生に捕まる前にあの怖い警備員さんに
 ボコボコにされそうですけど。あの服装は警備員っていうより軍人ですよね」

腕を組んでうんうんと一人頷いている

「天文学ですか……夏の大三角形くらいなら僕も知ってますよ」

要は小学校レベルの知識しか無いといいたいのだろう

「あ、いいですよそんなの。煙草はもう一本あるし」
「って言うか二本だろうが一本だろうが僕の腕じゃ成功率は変わりませんしね」
「……ああ、やっぱりあれです、暖めてください」

腕を広げる。抱きしめさせろという事だろうか。
何も考えて居ないようなボケっとした顔なので下心があるのか無いのかわからないが
やっぱり多少はあるのだろう<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>sage<>2010/12/13(月) 00:08:01.34 ID:RloOMYAO<>>>99
「ああ、あの警備員さん。本当ね、遠巻きに見てる分にはかっこいいんだけど」
気持ち半分といった感じで笑う

「わかった、それでいいんなら……」

近寄る、と言うよりにじりよるに近いが、じりじりと距離が縮まり…真っ直ぐ伸ばされた腕が肩の上を通りすぎ、するりと首に絡み、自然顔が肩口に当たる
そして……

「はい、あったかい?」

先程まで彼女がしていた紺色のマフラーが首に巻かれていた
「あ、今日卸したばっかりだから汚くはないと思うよ……登校するのに使ったけど」<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>saga<>2010/12/13(月) 00:22:10.86 ID:F1r4JpI0<>>>100
「……はい」

依然表情が変わらないので何を考えているのかわからないがちょっと残念そうである。

「あ、そろそろ杖の修理始めないと……ダメ元ですけどね」

立ち上がって尻に付いた土を払い、杖のところまで歩き胡坐をかいてまた座る

「そういやもう夜も遅いですけどあなたは帰らなくても良いんですか?」
「もしかして寮の人です?」<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>sage<>2010/12/13(月) 00:37:06.35 ID:RloOMYAO<>>>101
「あ、黒が良かった?」

自分もその場に立ち上がり、「時間」と言う言葉に、校舎にかかっている時計を見上げる

「…………あ、そうだ、寮長に届け出だした時間過ぎてる……」

真っ青になった顔のまま、駆け出す

数十メートル走ったところで、ふと、立ち止まり、

「杖、直るよ、きっと!」

そう言いきると、再び寮に向かって走り出した<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>saga<>2010/12/13(月) 00:42:05.84 ID:F1r4JpI0<>>>102
「いやそういう事ではなく……あら」

上手く言葉にしようとするうちに女生徒は走り出してしまった。
引き止めるのもどうかと思い、振り返って自分の折れた杖を見る

「……一発で直るかな。素直に直ってくれよ本当」

残ったもう一本の煙草に祈るように火をつけた。
<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>sage<>2010/12/13(月) 00:52:06.80 ID:RloOMYAO<>/お疲れ様でした
/遅レスで申し訳ないです<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<><>2010/12/13(月) 13:40:19.45 ID:h66Kgswo<>誰か絡める人います?<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<><>2010/12/13(月) 16:59:57.02 ID:h66Kgswo<>誰かいませんかー<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<><>2010/12/13(月) 21:00:38.48 ID:h66Kgswo<>誰か……いないか………<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<><>2010/12/13(月) 22:32:02.13 ID:qP088jQo<>来てみた<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>saga<>2010/12/14(火) 19:13:46.38 ID:IMRtstIo<>なりきり系スレッドの宣伝に関するお願い

あなたのスレッドを、コミケで宣伝しませんか?
なりきり系スレッド合同で、スレ紹介文をまとめてコミケでの頒布をお願いしようかと思っています

c.f.) ■ 三日目金曜 東Rブロック59A について (コミケ)
   http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1291999569/l50

つきましては、12/15中に下記スレッドに、テンプレ項目を埋めて投下お願いします

邪気眼や厨二系なりきりスレの利点や欠点&交流雑談スレ6
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1289144737/l50

【スレッド名】
【活動板(板名、URL)】
【スレタイ検索用キーワード】
【簡単説明(40〜50字×3〜5行程度)】
【詳細説明】
【板以外の関連サイト(Wiki等)】
【住民間で、本企画への参加合意を得た場所
 (独断での応募でないことを証明するため)】

なお、十分な参加数がない場合、企画が中止することもありますので、予めご容赦下さい
急な話で申し訳ありませんが、よろしくお願いします<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>sage<>2010/12/14(火) 20:46:42.68 ID:YoqiiIDO<>絡みたいのですぜ
誰か居る?
<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>saga<>2010/12/14(火) 21:35:52.16 ID:Qmtp7FE0<>>>110
今からでよければ自分が<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<><>2010/12/14(火) 21:40:56.90 ID:YoqiiIDO<>>>111
こんばんはー、そしてありがとうございます
では、宜しくお願いします 投下はどちらからにしますか?<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>saga<>2010/12/14(火) 21:43:42.59 ID:Qmtp7FE0<>>>112
どちらでも構いませんよ
ネタが無ければ自分がひり出します<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>sage<>2010/12/14(火) 21:48:21.87 ID:YoqiiIDO<>>>113
ひり出す…だと…!
すみません…では、お願いしても宜しいでしょうか<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>saga<>2010/12/14(火) 21:51:01.24 ID:Qmtp7FE0<>>>114
わかりましたー<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>saga<>2010/12/14(火) 22:06:14.00 ID:Qmtp7FE0<>「機械化学科に作ってもらった人体以外が透けて見える双眼鏡、学校内のセキュリティーでは看破できない透明マント
 そしてこの腕章……抜かりは、無い」

学校の敷地内の寮へと続く道で腕を組んで仁王立ちする男子生徒。
目にかからない程度の長さの柔らかそうな黒髪と同じ色の大きな瞳は女子寮へと向かっている。
首には紐の付いた双眼鏡が、腰には大きな布が巻かれており、これらもまた夜風で怪しげに揺れている。
しかし何よりも特筆すべきなのは歪な笑顔とはかけ離れた存在である風紀委員の腕章だろうか。

「下心も満たされて金も儲かるし仲間のリベンジも達成できる……待ってろよ女子寮、俺が覗き尽くしてやるよ」

ハン、と鼻で笑ってから少年は歩を進め始める。<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>sage<>2010/12/14(火) 22:25:32.29 ID:YoqiiIDO<>>>116
―――彼が、女子寮近くまで進んだ道の先に。
懐中電灯を手にした、小柄な人影が在るかもしれない。

良く目を懲らせば。オーキッド・パープルの、老婆の様な紫髪。
それを後ろで纏め、三つ編みにしている女生徒が、じっと立っているのが見えるだろう。
彼女の制服には、魔法陣や文章の羅列を書き込んでおり。
スカートの下には、地味なジャージを履いている。

髪と同じ色の太い眉をぴくりと動かし、深海の様な色合いの瞳を細めながら。

「…あ、こんばんは。いえ、初めまして。」

「もう夜だけど…女子寮へ、何の用事で来たの?風紀委員さん。」

腕章を目にしてから、微笑を浮かべて。語り掛ける。
―――彼が、覗きに来た不届き者と知らずに。<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>saga<>2010/12/14(火) 22:48:59.63 ID:Qmtp7FE0<>>>117
(さっさと侵入していい写真を出来るだけ撮りたいからな)
(地味そうな子だし無視……は、さすがに出来ないか。適当に答えてやり過ごそう)

「あぁ、同じクラスの風紀委員の子と打ち合わせする約束なんですが……」
「彼女準備するって寮に帰ってったきり戻ってこないから」

女生徒の近くで立ち止まり、困ったように笑う。
勿論打ち合わせと言うのは嘘だがこの風紀委員の皮を被った獣は
何よりハンサムだった。眉も細く整えられ鼻は低いがすらっとしており印象に残らない。
薄い唇と真っ黒な髪色から連想される邪悪さ薄情さは大きな瞳によって中性的な魅力へと昇華している。
勿論万人が高い第一印象を抱くわけではないが更に風紀委員の腕章を付けていればその嘘にも真実味が増してくる。


「貴方は何をしているんです?何か探し物ですか?」
(近くで見ないと気づかなかったが、なんて格好してんだ……制服に魔方陣を描いてる奴なんて見たこと無いぞ……)

<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>sage<>2010/12/14(火) 23:16:24.55 ID:YoqiiIDO<>>>118
彼の返答を聞き、更に瞳を細めて。電灯を片手で弄びながら。

「まあ、そうでしたか。女子の方と打ち合わせを…」
「でしたら、私がその方を呼びに行きましょうか?」

―――随分と、面倒な事を言い出す少女だ。
ゆったりとした口調で、老人の様に、ぽつぽつと返答していたが―――。
彼の問い掛けに、一度瞼を閉じて。

「そうですね。―――探しモノと言えば、探しモノでしょう。」


「最近、女子寮を覗こうとする人が多いから。当番を決めて、こうして監視しているんです。」


穏やかな目許を瞬きさせながら、明るい声音で―――然し、何処か疑う様な響きを持つ声音で、答えた。
彼の整った容姿、そして風紀の証から、若干安堵はしている様だが―――それでも彼女は、疑っていた。

深遠の色彩の瞳を歪め。首を傾げながら―――薄く、桜色の唇を開くと。
声を、最小限に抑えて。唇だけを動かす様に、彼に問い掛ける。



もしかして。貴方も、ですか?<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>saga<>2010/12/14(火) 23:39:10.51 ID:Qmtp7FE0<>>>119
「ああ、良いですよ。すぐに終わりますし」
「それに見回りをなさってるんでしょう?もし呼んでいる時に誰かが入ってきては大変です」
「まぁ、警備員さんが居るから大丈夫だとは思いますが」

自分もか、と言う問いに言葉を返す代わりにまるで自分は全く覗きとは関係ないと
言うような態度と口調で話す。

(二週間じゃ間隔が狭すぎたか……)
(逃げても気絶させてもいいが、こいつが自動発動の保存魔法なんて覚えていたら…)
(映像が公に公開されてしまう。そして俺がこいつより強いと言う保障は無い)
(風紀委員を勤めれるだけあって俺もそれなりの実力があるつもりだが……)
(何より怖いのが制服の魔方陣だ……ただのファッションなのか?)
(眉毛も弄ってないような純朴そうな子がか?)

笑顔とは裏腹に男子生徒の心中は穏やかではなかった。
自分の取れるもっとも愚かな行動から潰して行き最善の策を練ろうとするが
少女の奇妙な格好に惑わされてしまう

「あ、もし僕でよければ後で警備員さんに声をかけておきましょうか?」
「覗きを働く男子が居ると」

(とりあえず会話をつないでこいつの力を調べてからだな……)
(クソ、もう風呂の時間は終わってるんじゃないのか?)

心の中で舌打ちする<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>sage<>2010/12/15(水) 00:17:52.45 ID:0a9wN.DO<>>>120
「…そうですね。警備員さんも居るし、安心だとは思います。」
「ですが。他人の警備員より、覗かれる本人達が直接監視した方が、余程信頼出来る…と。」

他人に頼むより、身内で行動した方が良い、と。
「皆で考えたらしいですから」、と言葉を終えて。
何処か老いた雰囲気を持つ少女は、童女の様に、じ、と彼の瞳を見詰めながら。
数秒間、思考した。

―――彼は果たして、助平、基覗き魔なのか。
温厚で、風紀委員の腕章もしている。格好は微妙に怪しいが。
然し、簡単に信用は出来ない。自分は少女達の清純を守る身なのだと、引き締めて。

「なので、警備員さんに言わなくとも、大丈夫です。彼等も、一応巡回してますが。」

(…質問に、答え無かった。)
(…だったら、この言葉に反応するか、試してみよう。)

―――そんな事を考えながら、聞こえる様に呟いた。

「…あと三十分ほどで、女子浴場が締め切られる最終時刻。」
「まだ、お風呂に入っている子も居ますから。」

/遅れてすみません…<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<><>2010/12/15(水) 23:35:55.40 ID:2GxRgkSO<>おーい、パー速の企画に試しで投下しようと思うんだが、構わねぇか?<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>saga<>2010/12/15(水) 23:42:31.88 ID:9/asToY0<>>>122
他のスレで充分でしょ
2,3は参加しないところが無いと失敗した後取り返しつかなくなるよ<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>sage<>2010/12/16(木) 00:05:44.76 ID:sOqwcwSO<>>>123
りょーかい<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>sage<>2010/12/16(木) 01:23:52.00 ID:wcAO.Fwo<>一丸となって参加した方がイメージはいいと思うけどね
そもそも存在も認識してる人少なそうだし

失敗を前提にして話しちゃうのもなんか相手に失礼の様な気が……<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>saga<>2010/12/18(土) 22:34:21.18 ID:URpPdYs0<>はろー<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<><>2010/12/28(火) 22:01:17.91 ID:.cNLQ/Y0<>地の文が無駄に長いと読むのがうざったい上に自分もそう書かなきゃだめなのかと思ってめんどいんだよね
まぁここが過疎ってる理由の一つとして<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<><>2010/12/30(木) 21:55:58.98 ID:oLSHYQSO<>Hey、誰かやらないかい?<> 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします<>sage<>2010/12/30(木) 22:38:26.40 ID:zK5iP3ko<>まだいたらいいな<>