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lain.
★
【妖怪と人間】ここだけ妖怪世界part3【新規歓迎】
1 :
以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします
2010/12/30(木) 22:37:03.33 ID:txjSwgAO
科学の発展と共に忘れ去られた同胞達よ!
妖怪、変化、退魔の狩人
人の間に暮らす者、人知れぬ山奥に隠れし者
人を喰らいて生きる者、彼らより人を護る者、そして、人と共に歩む者
草木も眠る丑三つ時、忍ぶ人目もありゃしない
今宵こそ、失われた力を思う存分振るうがいい!
避難所(雑談、設定投下などはこちら)
jbbs.livedoor.jp
次スレは
>>980
が立ててください
2 :
以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします
[sage]:2010/12/30(木) 22:45:11.42 ID:o35epEMP
乙でーす!!
3 :
以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします
2010/12/30(木) 22:51:37.29 ID:txjSwgAO
URL修正
http://jbbs.m.livedoor.jp/b/i.cgi/internet/10398/
これで大丈夫な筈です。すみません。
4 :
四十萬陀 七生
2010/12/30(木) 23:33:54.72 ID:T8YWDmUo
>>1
乙です
>>999
「あ、あはは、わかってるわかってる!」
(もー二度と会いたくないじゃん……あ、でも顔わかんないじゃん……)
何度も頷き、深いため息をつく。
>>1000
(君にはもっと会いたくないじゃん――!!!)
頭の中で叫び、去っていく江口の声のする方、とは真逆の方を向いた。
5 :
妖怪仮面(天橋 弥城)
2010/12/30(木) 23:41:35.97 ID:txjSwgAO
前
>>1000
「じゃ…じゃあな…」
呆れ顔で見送る
「警察か夜なのに騒ぎすぎたからな…見つからない方がいいだろうな…」
弥城の恰好も怪しいので、警察に見つかると面倒なことになりそうだ
もっとも、本人はそう思っていないが
>>4
「じゃあな、これに懲りたら、人を喰うのはやめろよ」
軽く手を振り、去って行った
6 :
四十萬陀 七生
2010/12/30(木) 23:46:53.52 ID:T8YWDmUo
>>5
「はは…じゃあね〜……」
(人間喰べるのやめたら、なにを喰べろっていうんじゃん……)
ひきつった笑顔を浮かべ、天橋に手を振る。
そして足音が消えたことを確認すると、ふう、と軽く息をついて、夜雀の姿に変化した。
『さ、家に帰るとするじゃん』
ぱたぱたと翼をはばたかせて、夜雀は山に帰って行った。
7 :
四十萬陀 七生
2011/01/01(正月) 21:32:49.15 ID:aUFQjxQo
昼を少し過ぎた頃。
皆どこかに出掛けているのだろう、人の気配がない住宅街の一角を、セーラー服を着た少女が歩いていた。
「ふわぁ〜あ、暇じゃん…」
短い黒髪を掻き揚げ、あくびをしている。
8 :
黒蔵
[sage]:2011/01/01(正月) 21:38:41.39 ID:6IKM2BMo
>>7
「あれ〜?この近くの筈なんだけどな」
片手に大きな風呂敷包みを、もう片手には紙切れを持ち、きょときょとと落ち着かない様子で
黒い和服姿の少年が歩いてくる。
「水沢城址公園ってどこだよおい?」
…やばい、完全に道に迷った。
9 :
四十萬陀 七生
[sage]:2011/01/01(正月) 21:45:28.80 ID:aUFQjxQo
>>8
「おろ?」
すんすん、と鼻をきかせる。風に乗ってきた、普通とは別のニオイ。
そちらを見ると、現代ではあまり見かけないような恰好をした少年を見つけた。
四十萬陀はその姿を見ると、にた〜と笑って、小さな夜雀に変化した。
そして少年の上を飛び、後ろで人間に変化し、そーっとそーっ…
「わっ!!」
驚かそうと声を出した。ちょっとしたお茶目である。
10 :
黒蔵
[sage]:2011/01/01(正月) 21:51:58.60 ID:6IKM2BMo
>>9
「うわっ!」
驚かされて少年が振り向くと、そこには少年よりほんの少し背の高い少女。
「鳥の気配と思ったら女っ!?」
いきなり背後に立つ女にはもうこりごりである。
ましてや、あちらから声をかけてくるタイプの女なら、なおさら。
無意識に首を押さえながら、黒い服の少年は及び腰で逃げ出す隙を伺い始めた。
11 :
四十萬陀 七生
[sage]:2011/01/01(正月) 21:59:53.01 ID:aUFQjxQo
>>10
「にゃははは! 驚いた驚いた〜?」
愉快そうに声を上げて笑う。
少年が逃げ出そうとしているのも気にしていない様子だ。
「ちょうど暇だったじゃん! 君、こんなとこで何してるじゃん?」
12 :
黒蔵
[sage]:2011/01/01(正月) 22:09:17.96 ID:6IKM2BMo
>>11
(暇?女が暇?それって良くない事の起こる前ぶれだって、蟹が言ってたじゃん!)
なぜかすごく嫌な想像しかできない。
引きつった表情で回れ右、ここはさっさと逃げるに限ると、少年は駆け出した。
その行動が実は災厄を持ち込む一番の元である事の自覚は無い。
(どっかに!あの!丸い蓋!落ちてないかっ)
少年はマンホールを探しながらひたすら道を走る。
しかし今回は、相手が悪かった。
翼のある相手では、逃げたところで逃げ切れるものではない。
13 :
四十萬陀 七生
2011/01/01(正月) 22:16:51.51 ID:aUFQjxQo
>>12
「あり? 逃げちゃったじゃん…」
しかしここで追いかけない夜雀ではない。
いや〜な笑みを浮かべると、小さな雀に変化した。――小さいといってもそこは妖怪。闇色の翼が風を切り、びゅんびゅん加速する。
「逃がさないじゃん!」
少年を追い越し、空中で変化。
くるくるっと身軽に回転し、無情にも、華麗に、マンホールの上に着地した。
14 :
黒蔵
[sage]:2011/01/01(正月) 22:23:33.54 ID:6IKM2BMo
>>13
「いや〜〜っ!」
目の前に降り立った少女に、鬼でも見たかのような反応を示して
少年は慌てて方向を変えてまた逃げ出そうとする。
いくら恐慌状態でも、いつもならこの位は容易にできる筈なのだが、
今回は邪魔な重たい荷物があった。
静かな昼下がりの住宅地。
荷物の重みに振り回されて、すっころんだ少年は地べたとキスをした。
15 :
四十萬陀 七生
[sage]:2011/01/01(正月) 22:32:08.02 ID:aUFQjxQo
>>14
「あ〜りゃりゃ」
さすがの四十萬陀も、ちょっとばかし悪いことをしたような気になってきた。
頭をかいて、ツンツン少年の荷物を突く。
「大丈夫? 追っかけて悪かったじゃん。ていうか、なんでそんなに怯えてるじゃん…」
16 :
黒蔵
[sage]:2011/01/01(正月) 22:39:04.76 ID:6IKM2BMo
>>15
打ち付けた鼻が痛い。腹も痛い。
すっころんだのは自業自得の筈なのに、どこか恨めしげな表情で
少年はその場に伸びたまま地べたからセーラー服の少女を見上げた。
「何でって…」
言いかけて慌ててまた顔を伏せる。
今時の女子高生ってのは、なぜかやたらスカートを短く改造する傾向がある生き物、である。
(まっ白い、ふともも、ふともも、ふともも…)
妄想が白く埋まるのと比例して、黒蔵の耳は赤く染まっていった。
17 :
四十萬陀 七生
2011/01/01(正月) 22:44:15.92 ID:aUFQjxQo
>>16
「??」
なぜか黙ってしまった少年を見て、四十萬陀は不思議そうに首を傾げる。
が、特に気にするわけでもなく、少年の視線に合わせて腰を屈めた。
「まあどーでもいいじゃん! それより、こんな大荷物抱えて何してるじゃん? どっか行くの?」
相変わらずマイペースに話を進めるやつである。
18 :
黒蔵
[sage]:2011/01/01(正月) 22:52:57.86 ID:6IKM2BMo
>>17
はぁ〜〜〜っ、と長いため息をついて、黒蔵は立ち上がった。
「この前、似たような感じで現れた奴に攫われて半殺しにされたばっかでさ。
つい逃げた。すまん」
ぎこちなく説明しながら、ぱたぱたと服の埃を叩き、さりげなく鼻血を拭く。
投げ出されていた風呂敷包みは、手元に回収する。
「うん、俺達、引っ越すんだって。でも、道に迷った」
袖の中から、くしゃくしゃになった紙切れを引っ張り出した。
墨書きされた地図のようである。
「水沢城址公園ってとこらしい」
19 :
四十萬陀 七生
2011/01/01(正月) 22:59:21.50 ID:aUFQjxQo
>>18
「へっ〜、それは大変だったみたいじゃん」
立ち上がった少年を見上げながら、けらけらと笑う。
「名前は知らないけど、公園なら君が行こうとした反対側あるじゃん! 方向音痴だねぇ」
20 :
黒蔵
[sage]:2011/01/01(正月) 23:05:56.85 ID:6IKM2BMo
>>19
「なーにー?あっちだったのかー!」
ああ、この大荷物を持ってまた戻らねばならない。
黒蔵はため息をついて荷物を背負う。
そこではた、と気付いて、四十萬陀を振り返る。
「教えてくれてありがとな。助かった。
俺、黒蔵。この近くにいるなら多分、また会うよな?」
21 :
四十萬陀 七生
2011/01/01(正月) 23:13:04.22 ID:aUFQjxQo
>>20
「きひひ、気にしなくていーじゃん」
いたずらっぽい笑い方で、小首を傾げる。
「私は四十萬陀七生じゃん。また会えるといーじゃん♪」
そう言うと、ひょんと飛び上がり、夜雀に変化する。
そしてヂヂヂッ、と鳴くと、くるりと宙を待って飛んでいった。
22 :
黒蔵
[sage]:2011/01/01(正月) 23:26:11.46 ID:6IKM2BMo
>>21
「またなー」
夜雀を見送ったしばらく後。
黒蔵はたどり着いた目的地で驚愕していた。
「まじで!?ここ?屋根もねーじゃん!!」
住宅地の中、緑地公園になった小高い丘の麓に、その古びた石塚と泉とはあった。
ぼろぼろの注連縄は張られているものの、何時掃除したのやら落ち葉は積もり放題である。
「嘘だろーー!」
暮れ行く寒さの中、黒蔵の叫びは木々の間に虚しく響く。
正月早々の人事、いや、神事異動。
竜の落とし子との一件により、蛇神ミナクチ左遷される。
そのお供の黒蔵もまた、左遷先についてゆかねばならなかったのであった。
23 :
四十萬陀 七生
[sage]:2011/01/02(日) 21:19:03.48 ID:iOLhweMo
すうすうと、小さな寝息が、どこからか風に乗って聞こえてくる。
人の気配の少ない住宅地の、屋根の上。セーラー服のあどけない少女が、昼寝をしていた。
「むにゃむにゃ…」
どうやら爆睡しているようだ。
プリーツスカートが危なっかしく揺れているが、全く気持ちよさそうに眠っていた。
24 :
あはっぴぃにゅうにゃぁ2011!
[sage]:2011/01/02(日) 21:26:04.74 ID:kg0Eqnco
>>23
人気の少ない住宅街。
屋根の上を失踪する大きな黒い影が見える。
(ふっふっふ、人には今の俺の姿は捉えられまい・・・。)
その正体は人間大の袈裟を着た狸だった。
また修行と称し屋根の上を全力疾走などと変なことをしているらしい。
(ん?学生姿の嬢ちゃんがなんで屋根の上に?)
どうやら少女に気付いたらしく近寄っていった。
(寝てるし・・・・・。ん?この感じは・・・・人じゃないのか、この子も?)
少女の顔を上からまじまじと覗き込む。
「お〜い、嬢ちゃん。こんな所で寝ると風邪ひくぜ?」
25 :
四十萬陀 七生
[sage]:2011/01/02(日) 21:31:30.91 ID:iOLhweMo
>>24
「…うーん……?」
声を掛けられ、四十萬陀は気だるそうに重たい瞼を上げた。
むっくと起き上がり、ぐいっと伸びをする。ごしごしこすった目を、狸に向ける。
「ふわああ〜…。誰じゃん、せっかく気持ちよく寝てたのに」
26 :
あはっぴぃにゅうにゃぁ2011!
[sage]:2011/01/02(日) 21:38:13.68 ID:kg0Eqnco
>>25
「ん、ああ、すまんすまん。通りすがりの狸がちょっと注意しようと思ってな。流石に外で寝ると風邪を引きかねないからなぁ。」
少女に言われ余計なことをしたと狸はばつが悪そうに頭を掻いた。
「余計なことをしちまったかな。まぁ許してくれや。」
そういってぺこりと頭を下げた。
27 :
四十萬陀 七生
[sage]:2011/01/02(日) 21:44:18.33 ID:iOLhweMo
>>26
「ん〜……別に気にしなくていいじゃん」
自分で頬をぺちぺちと叩いて、眠気を覚まそうとしているようだ。
まだぼーっとして眠たそうな声で、四十萬陀がふと尋ねた。
「そういえば、狸がこんなところで何してるじゃん。人間に化けなくていいの?」
28 :
平次郎狸
[sage]:2011/01/02(日) 21:52:10.17 ID:kg0Eqnco
>>27
頬を叩く少女の見掛け相応な仕草に心が和む狸。軽く相貌を崩し答えた。
「ちょっと修行と言うかなんというか・・・。まぁ色々あるんだよ。って、あぁこのままじゃ人に見つかるなぁ。」
少女に指摘され気付いた狸はポンッという音と煙と共に赤ジャージの青年の姿に化けた。
「いや、指摘ありがとう。助かったよ。」
29 :
四十萬陀 七生
[sage]:2011/01/02(日) 21:57:58.60 ID:iOLhweMo
>>28
「修行?」
ぴく、と四十萬陀が反応する。
そして目をきらきら輝かせ、人間に化けた狸にぐいっと顔を近づけた。
「それ、面白そうじゃん!! どんなことするじゃん!?」
眠気は一気に吹き飛んだらしい。
元気でマイペースな調子に戻り、青年に詰め寄った。
30 :
平次郎狸
[sage]:2011/01/02(日) 22:04:26.68 ID:kg0Eqnco
>>29
「おおう、近い近い近い。」
そういって少女から一歩下がり距離を取る。
「え〜と、例えば熊と相撲を取ったり滝に打たれたり全速力で屋根の上を走り回るとか・・・・かな?」
最近やった修行の例を挙げる。
(修行というワードに喰い付くとは・・・・。思いもせなんだ・・・・。珍しい嬢ちゃんだなぁ。)
31 :
四十萬陀 七生
2011/01/02(日) 22:11:20.78 ID:iOLhweMo
>>30
「相撲に滝に…走り回る!」
ははあ――!! 息を吐く勢いで、四十萬陀は話を聞いている。
そしておもむろに立ち上がると、ぴょんぴょんと屋根の上で身軽に飛び回った。
「走るのは私も大好きじゃん! 私もやってみたいじゃんっ!」
32 :
平次郎狸
[sage]:2011/01/02(日) 22:19:42.34 ID:kg0Eqnco
>>31
「ぬお!本気か嬢ちゃん!?」
まさか自分でも効果を疑っている走る修行に反応を示すとは夢にも思わなかったらしい。だいぶ慌てている。
しかしそれでも言われたからにはやらなければなるまい。
「よっしゃ、そうだなぁ。それじゃここからでかい鉄塔が見えるだろう。そこまで屋根の上を全力疾走だな。」
そう言って遠いにある巨大な鉄塔を指差した。ざっと5kmの距離はありそうだ。
「そうだなぁ。嬢ちゃんが勝ったら取って置きの菓子でもやろう。」
もう既に少女のやる気は十分そうだが更にやる気を引き出させる為褒美をちらつかせる。
33 :
四十萬陀 七生
[sage]:2011/01/02(日) 22:25:34.80 ID:iOLhweMo
>>32
「ホント!?」
ご褒美と聞いて、さらに目が輝く。全く扱いやすいやつである。
そしてキリッとした顔で鉄塔に目くばせし、青年をびしっと指さした。
「よおぉし、絶対負けないからね! 覚悟するじゃん!」
そういうと、ストレッチを始めた。
スタートの合図を待っているようだ。
34 :
平次郎狸
[sage]:2011/01/02(日) 22:32:37.10 ID:kg0Eqnco
>>33
「おう!本当さぁ!」
威勢良く返答をする。
そしてストレッチをする少女を横目にクラウチングスタートで構える。
既に体は温まっているのだ。後は全力を出して走るのみ。
生憎この狸は勝負を意識すると熱くなりやすい。今回もその例に漏れず燃えていた。
「よぉーし!行くぞ嬢ちゃん!」
意識を全て遠くにある鉄塔に向ける集中力を高める。
「位置についてぇ!よぉ〜い!どん!」
35 :
四十萬陀 七生
[sage]:2011/01/02(日) 22:39:27.88 ID:iOLhweMo
>>34
平次郎の声を合図に、四十萬陀は思い切り屋根を蹴った。
「った――――!!」
ひゅんっ!! と風切り音がなる。さすがに、翼を持つ鳥の妖怪。人間の姿とはいえ、スピードはある方に属していた。
身軽に屋根と屋根を飛び交い、四十萬陀は順調に鉄塔を目指す。
36 :
平次郎狸
[sage]:2011/01/02(日) 22:46:00.42 ID:kg0Eqnco
>>35
合図をしながらも渾身の力を溜めていた平次郎狸。
怪力の力で屋根を蹴る。
無残にも崩れる屋根を尻目に驚異的な勢いで飛び出した。
人の動体視力からはただ赤い何かが通り過ぎたとしか認識できないだろう。
「ひゃっほ〜う!俺が一番乗りだぁあああぁぁぁあ!!」
年甲斐もなく走りながらはしゃぎ叫ぶ男。人には見えないがとても見苦しい。
37 :
四十萬陀 七生
[sage]:2011/01/02(日) 22:54:44.47 ID:iOLhweMo
>>36
「負っけないじゃーん!!」
細足にぐっと力を込めて、屋根を蹴り飛ばす。
さすがに屋根を吹き飛ばすような力はないが、まるでバネのように跳ね飛んで移動する。
しかし――
「じゃん!?」
屋根が崩れるほどの勢いで飛び出してきた平次郎が、風音を残し四十萬陀を追い越す。
体をバネにして移動するのは同じ。つまり、地力で負けているのだ。
「くぅぅ〜〜!! やるじゃん!」
にゃははは、と楽しそうに笑い、さらにスピードを上げる。
走るのに夢中で腕の変化が解けかけ、スピードに追い付けない羽が空を舞う。
鉄塔は、もうすぐそこだ。
38 :
平次郎狸
[sage]:2011/01/02(日) 23:04:51.44 ID:kg0Eqnco
>>37
「フハハハハハ、勝てる勝てるぞぉおおおぉ!」
鉄塔を目前にしテンションが上がりまくる。
もはや家へのダメージなど考えずに突っ走っていた。
が、横から少女が追い上げてくるのに気付く。
「なに!?羽だと?」
少女が羽により加速したのだ。
「負けるかぁああああぁあ!」
そう叫び最後の跳躍。屋根を踏みしめ鉄塔の下に飛ぶ。
が、少女の速度の方が速かった。
平次郎の目に映ったのは自分の前を行く翼を広げた少女だった。
39 :
四十萬陀 七生
[sage]:2011/01/02(日) 23:12:36.08 ID:iOLhweMo
>>38
「たあああっ――!!」
もう、競争だとかご褒美だとかも忘れて、四十萬陀はとにかく鉄塔を目指した。
あそこへ辿り着く。早く、速くっ。
風を翼が切る。走りぬける。ああ、気持ちい
がんっ!!
「…………じゃんっ」
鉄塔に辿り着く直前だった。
四十萬陀は電線に足を引っ掛け、そのまま顔から電柱に激突したのだった。
しかし、鼻血を出して屋根に崩れ落ちる少女の顔は、なんとも幸せそうだったという――
40 :
平次郎狸
[sage]:2011/01/02(日) 23:20:52.41 ID:kg0Eqnco
>>39
鉄塔を目前にし電柱に追突した少女に跳躍しながらも唖然とする。
少女が電柱に当たるというハプニングに相当動揺しているようだ。
とりあえず鉄塔の下に着地すると落下する少女の下に走りこみ抱きとめた。
「おい!大丈夫か!女の子が顔を打つようなことあったらまずいだろうが!」
そう言って袈裟を丸め地面に置いて枕とし少女をそこに横たえた。
41 :
平次郎狸
[sage]:2011/01/02(日) 23:26:40.72 ID:kg0Eqnco
>>40
/すいません。一つ修正 袈裟→赤ジャージ
42 :
四十萬陀 七生
[sage]:2011/01/02(日) 23:29:44.65 ID:iOLhweMo
>>40
漫画でよくある、目をぐるぐるにしたようなあの感じで完全にダウンしている。
――が、
「じゃ……じゃーーんっ!!」
カッ、と突然開眼。
がばっと起き上がると、流れ出る鼻血と額の血もそのままに、四十萬陀は真っ先に鉄塔に走った。
もう、前しか見えていない。――四十萬陀は、鉄塔に手を伸ばした。
43 :
平次郎狸
[sage]:2011/01/02(日) 23:37:15.73 ID:kg0Eqnco
>>42
「うおっ!?」
いきなり起き上がる少女に驚き硬直してしまい鉄塔に走る少女を見送る形になった。
が手を伸ばす少女の姿にまだ勝負が続いていることに気付く。
「負 け る か !!」
思いっきり大地を踏み込み飛び出す。
咄嗟のことで十分な力が篭っていない。その速度は十分なものとは言えなかった。
44 :
四十萬陀 七生
[sage]:2011/01/02(日) 23:43:45.97 ID:iOLhweMo
>>43
「――っ」
ぴた、と、冷たい鉄塔に、四十萬陀の指先が触れた。
そしてその直後、ほんの僅か後に、平次郎が鉄塔に触れた。
「はっ、はっ、はっ……や、やったじゃん! 着いたじゃーん!!」
かくりと鉄塔に背中を付けながら、四十萬陀は両腕を上げた。
達成感に満たされた笑顔は、鼻血と額から出た血で、とても気味悪いものとなっていた。
(…………あれ? そーいえば私、なんで走ってたじゃん?)
45 :
平次郎狸
[sage]:2011/01/02(日) 23:51:00.97 ID:kg0Eqnco
>>44
「負けた・・・・・か・・・・・・・。」
勝負に負けたことに落胆を隠せない。が、いきなり笑い出した。
「ハハハハハハ!それにしても嬢ちゃん良い根性してるなぁおい!これじゃ負けても仕方ないさ!」
カラカラと気持ちのよい大きな笑い声だった。
「勝負に負けたし約束は守らないとなぁ。」
そういって懐をごそごそと漁る。
「これだこれだ。俺の力作であり新作のクッキーだ!あとハンカチ。これでちゃんと血拭いとけ。」
そういってクッキーとハンカチを取り出し血まみれ笑顔の少女に手渡した。
46 :
四十萬陀 七生
[sage]:2011/01/02(日) 23:58:08.84 ID:iOLhweMo
>>45
「?? …クッキー……あ、」
ご褒美を受け取ったことで、やっとこさ競争であることを思い出したらしい。
「わっー、ありがと!!」と、はしゃぎながら、ぴょんっぴょん飛び跳ねる。相変わらずスカートが危なっかしい。
ひとしきり喜んだところで、さっとハンカチで血を拭き、ぱっと平次郎に向き直った。
「修行、楽しかったじゃん! 君、名前なんていうじゃん?」
47 :
平次郎狸
[sage]:2011/01/03(月) 00:04:43.71 ID:AN3KoaEo
>>46
やはり少女の仕草に和む平次郎狸。相貌を崩す。
「そうか、楽しかったかぁ。それはなにより。俺の名前は平次郎狸だ。よろしくな。」
(やばい。何がやばいってスカートがやばい。注意するべきかせざるべきか・・・・・。)
気付いてしまった狸。自分の欲望と良心の狭間で心が揺れ動くがそこはやはり良心をとる。
「嬢ちゃん、跳ねるのは良いが自分がスカートだと言うことを忘れるなよ?」
48 :
四十萬陀 七生
[sage]:2011/01/03(月) 00:13:06.25 ID:1pb1JvAo
>>47
「私は四十萬陀七生っていうじゃん! よろしく!」
にゃは、と笑顔をこぼす。
――が、平次郎の指摘を聞いて、その笑顔は「にひ」と、いたずらな笑みに姿を変えた。
悪い前触れである。
四十萬陀はスカートの端を摘まむと、わずかに引き上げた。白いふとももがちらりと見える。
「……見たいじゃん?」
49 :
平次郎狸
[sage]:2011/01/03(月) 00:20:46.03 ID:AN3KoaEo
>>48
「ふむ、興味が無いと言えば嘘になるが修行僧の身ゆえ俺は色欲を絶っている。」
修行僧らしく合唱しながら表面上全く動じず答える。
(うわぁああああ!あの白い太もも!たまんねぇなおい!畜生見たいなんて言える訳ねぇじゃねぇかあぁぁぁああ!)
これだけ内心動揺しているがそれを全くもって外に出さないのは流石と言えるだろう。
50 :
四十萬陀 七生
[sage]:2011/01/03(月) 00:27:02.19 ID:1pb1JvAo
>>49
「むー……つまんないじゃん」
動じない反応が満足いかなかったのか、四十萬陀はスカートから指を離す。
ぶぅ、と文句をたらしながらも、平次郎に向き合うと、いつもの愛らしい笑顔に戻って、
「でもほんとに楽しかったじゃん、今日はありがとうじゃんっ」
ぺこっと頭を下げた。
51 :
平次郎狸
[sage]:2011/01/03(月) 00:31:27.30 ID:AN3KoaEo
>>50
「つまらなくて結構。」
そういい放つ。
(うわぁぁぁぁああぁ!勿体ねェェェ!)
内心はやはり正直なようだ。が、少女の素直な笑顔に毒気を抜かれる。
「おう、俺も楽しかったぜ!こちらこそありがとうだ!」
そういって豪快に笑った。
52 :
四十萬陀 七生
[sage]:2011/01/03(月) 00:38:59.68 ID:1pb1JvAo
>>51
「にゃはっ、それじゃ、私は行くじゃん」
そろそろ――『ご飯』の時間なのだ。
四十萬陀はくるっと回転して、平次郎に背中を向けた。
「また一緒に修行したいじゃん!」
そういって、ぴょんと飛び上がり、屋根に飛び移ろうとしたとき――
スカートがひらりっと捲れ、白いふとももと、中の純白が――
「またねー!」
言葉を残して、四十萬陀は去って行った。
53 :
平次郎狸
[sage]:2011/01/03(月) 00:46:09.66 ID:AN3KoaEo
>>52
「おう!また会ったら修行でもなんでも一緒にしてやるよ!」
そう言って見送る。が、ただそれだけに終わらず【アレ】が見えてしまった。
(うおっ・・・・・・・・・・・・見えた・・・・・・。あぁ、もう俺本格的に駄目かも分からんね。)
しかしそれでも表情には何も表さない。訂正、鼻血以外の変化を見せなかった。
「じゃあなぁー!縁があったら会おう!」
そう言って表情は普通なものの鼻血の所為で締まらない顔をして平次郎は手を振るのだった。
54 :
四十萬陀 七生
[sage]:2011/01/03(月) 20:11:41.03 ID:t7X9ZYoo
「これおいしーじゃん♪」
屋根の上でぽりぽり力作クッキーを食べるのは、セーラー服の少女、四十萬陀七生だ。
もぐもぐ、嬉しそうにクッキーを頬張っていたが、しばらくすると眉をハの字に曲げた。
「でもやっぱりコレじゃ物足りないじゃん……久々に後で学校に行こうかな」
55 :
天橋 弥城(妖怪仮面)
2011/01/03(月) 20:21:18.04 ID:z8xBckAO
>>54
「うう…寒…早いとこ帰るか…」
歩いている青年、ふと屋根の方へ目をやる
少女を見つける
「あ、あいつ…この前の…」
少女に気づかれる前にさっと電柱の裏に隠れる
「…どうすっかな…俺、あの時は妖怪仮面の姿だったから顔は見られてないよな。うーん…とりあえず見張ってみよう。」
電柱の裏から少女を見張ることにした
端から見れば、ストーカーのようだ
56 :
四十萬陀 七生
[sage]:2011/01/03(月) 20:30:47.52 ID:t7X9ZYoo
>>55
「あーん」
もぐもぐ、もぐもぐ…。一つ一つ味わいながら、クッキーを口に放り込む。
最後の一つを、惜しみながらも、ごくり。
クッキーをすっかり食べきった四十萬陀は、おもむろに立ち上がると、ぐんっと伸びをした。
そして少し遠くに見える、四十萬陀の着用しているセーラー服の高校を見遣り――
「さ〜〜て…行くかじゃん」
黒い瞳をぎらつかせて、四十萬陀は夜雀に変化し、学校に向かって飛び立った。
57 :
天橋 弥城(妖怪仮面)
2011/01/03(月) 20:35:57.64 ID:z8xBckAO
>>56
「あの方向は…学校?なんか面倒なことになりそうだな…何にせよほっとけねぇな。」
屋根に飛び乗り追跡開始
猿のように器用に屋根を飛び移っていく
58 :
天橋 弥城(妖怪仮面)
2011/01/03(月) 20:36:09.42 ID:z8xBckAO
>>56
「あの方向は…学校?なんか面倒なことになりそうだな…何にせよほっとけねぇな。」
屋根に飛び乗り追跡開始
猿のように器用に屋根を飛び移っていく
59 :
四十萬陀 七生
[sage]:2011/01/03(月) 20:41:19.05 ID:t7X9ZYoo
>>57
しばらく経ち――夜雀はその翼を畳んで、校門前の木の枝に止まった。
高校は授業中らしく、誰もいないグラウンドの中に、人間の姿に変化して降り立つ。
四十萬陀は、校門前の時計を見上げると、
(この時間ならもうすぐ休み時間じゃん。それに乗じて…)
きひっとほくそ笑み、堂々と正面から切って入っていった。
同時に、チャイムがなる。休み時間の始まりの合図だ。
60 :
天橋 弥城(妖怪仮面)
2011/01/03(月) 20:48:44.75 ID:z8xBckAO
>>59
後から学校についた弥城
校門の影に隠れ
「学校では目立ちたくねぇな…頭蓋骨の仮面持ってくればよかったぜ…こうなったら…」
何を思ったのか、首に巻いていたマフラーを顔に巻き始める
「これで良し!即席仮面だけど顔は隠れた」
マフラーで顔を隠し、学校に突入
61 :
四十萬陀 七生
[sage]:2011/01/03(月) 21:02:31.01 ID:t7X9ZYoo
>>60
がやがやと騒がしくなる校内。
四十萬陀は、その中を堂々突っ切る。それゆえ、周囲は全く気にしていない。
――さて、さっそく行動に移るとしよう。2年生の教室がある廊下を渡っていた四十萬陀は、鳥のめざとい目で、ある一人の少女に目を付けた。
小柄で大人しそうな、セミロングの少女。少女は手洗いから出てきたばかりらしく、都合のいいことに回りに友人らしき人物は誰もない。
恰好の、獲物だ。
「ちょっといいじゃん?」
「あ、はい…?」
気さくに話しかけた四十萬陀は、そっと少女に呟く。
「佐藤先生に、君を呼んできて欲しいっていわれてるじゃん。だから、着いてきて欲しいじゃん」
「わかりました」
少女は笑顔で頷く。――そして、なんの疑問も持たず、食事を手に入れた四十萬陀の後を追った。
――その頃、2年の教室。
「さっき、頭にマフラー巻いてる人いたんだけど、見た?」
「あー見た見た。そんなに寒いのかな?」
「凄い目立ってたよねーww」
62 :
天橋 弥城(妖怪仮面)
2011/01/03(月) 21:11:21.57 ID:z8xBckAO
>>61
「くそっ!顔を隠してる間にあいつを見失った…どこ行きやがった!」
顔にマフラーを巻いた青年、校内を走る
しかし、不意に止まり
「あれ?顔見られてないんなら、顔隠す必要なくね?しかも、ここ学校じゃねぇか…」
恥ずかしそうに顔に巻いたマフラーを外す
「ああ…くそ…何やってんだ俺…」
63 :
四十萬陀 七生
[sage]:2011/01/03(月) 21:27:15.80 ID:t7X9ZYoo
>>62
「ささ、ここじゃん」
にこにこと笑顔を浮かべ、少女を理科準備室へ誘う。
次の時間、どこも理科室を使わないのは知っている。そして理科準備室の鍵は、あらかじめ入手済みだ。
少女に気付かれないように、準備室の扉を開き、引き戸を開ける。
中は――真っ暗。もちろん、佐藤先生などいるはずもなく、窓カーテンの下から不気味に光が漏れているだけだ。
「あれ? 佐藤先生いませんね…」
中を覗き込んだ少女は、不思議そうにいう。
そして、
「どこにいったんでしょ――」
少女の世界は、真っ暗になった。
「……えっ、な、なにもみえない…? あれ? あの! 停電!? きゃ!!」
狼狽える少女を準備室へ押し込み、ぴしゃりと扉を閉め、鍵もしっかりと施錠する。
四十萬陀は、怯えるか細い声に、口元を歪めた。その声は、いつもの陽気な四十萬陀のままで。
「大丈夫じゃん」
「え・・・あ、あの…」
「――いただきます」
64 :
天橋 弥城(妖怪仮面)
2011/01/03(月) 21:35:41.07 ID:z8xBckAO
>>63
「ちくしょう…あいつ、どこ行ったんだ…」
弥城は偶然にも理科準備室の前に来ていた
「ん?声…まさか…ここに…」
ドアを開けようとするが閉まっている
「くそっ!開かねえ!だったら…」
ドアを蹴破ろうと足を上げるが
「違うな…もっとかっこいい登場がある…」
そう言うと再び顔にマフラーを巻き
近くの窓から飛び出した
そして
「アンノウン・キーック!!」
準備室の窓ガラスに向かって跳び蹴り
窓ガラスを突き破り中に派手に侵入
65 :
四十萬陀 七生
[sage]:2011/01/03(月) 21:44:21.50 ID:t7X9ZYoo
>>64
プリーツスカートのポケットに手を突っ込み、ナイフを取り出す。闇の中で、狼の牙で作られたそれはさらに暗い影を落としている。
声を上げる少女の口を優しく、しかし強く抑え込み、首元にナイフを突き立て、
――ガシャァァンッ!!! 準備室の窓が割れる音が、廊下中に響き渡った。
「!?」
後ろを振り向くと、人影。逆光で顔は見えない。というかそもそも、マフラーで見えない。
しかし、薬品の臭いとともに、一度嗅いだことのある臭いが鼻に突く。
「…天橋……君?」
66 :
天橋 弥城(妖怪仮面)
2011/01/03(月) 21:51:07.45 ID:z8xBckAO
>>65
「妖怪仮面!参上!」
机の上に立ち、親指を立て決めポーズ
「え、あ、天橋じゃねーよ!い、いや、天橋って誰だ!」
が、動揺したせいで台無しだ
67 :
四十萬陀 七生
[sage]:2011/01/03(月) 21:56:17.27 ID:t7X9ZYoo
>>66
「…にゃは、そっかそっか」
くつくつと四十萬陀は控えめに笑う。
少女はあまりのショックに、四十萬陀の腕の中で気絶していた。
「まったくもー、派手に邪魔してくれるじゃん。妖怪仮面君だっけ?」
――その頃、外は窓の割れた騒音を聞きつけた教師や生徒たちで野次馬ができつつあった。
さすがに、あんな大きな音がしては、授業どころではない。
68 :
天橋 弥城(妖怪仮面)
2011/01/03(月) 22:02:57.37 ID:z8xBckAO
>>67
「な、何が可笑しいんだよ!」
笑われたのに腹を立てて話す
「ああ、そうだよ。その妖怪仮面様が今からその子を助けるのさ。」
気絶している少女を指差す
「人が集まって来たな…さて、お前はどう動く?その子を置いて帰るんなら、見逃してあげてもいいぜ?」
69 :
四十萬陀 七生
[sage]:2011/01/03(月) 22:09:42.28 ID:t7X9ZYoo
>>68
「正義の味方ってわけ。かっくいーじゃん」
けらけらと、こんな時にでも余裕そうだ。それが表面上なだけか、本当に焦っていないのか、表情から読み取ることはできない。
四十萬陀はそっと少女を床に下すと、外のグラウンド側の窓に歩いていった。
「もちろん、見逃してもらうじゃん。こんなトコロで人間に見つかるなんて面倒じゃん。…でも、もうこの学校は使えないねー」
――ま、いいや。と、つまらなさそうに呟く。
70 :
天橋 弥城(妖怪仮面)
2011/01/03(月) 22:17:45.62 ID:z8xBckAO
>>69
「なーんか腹立つなぁ…はぁ…まぁ、いいか…」
窓の方の少女を見て
「さっさと行けよ。って、この学校って…お前またどこかの学校に行くきか!?お、俺の通ってる学校には来させないからな!もし、俺の友人に手を出したら見逃す訳にはいかないからな!」
睨みつけながら、怒声をあげる
71 :
四十萬陀 七生
[sage]:2011/01/03(月) 22:22:01.47 ID:t7X9ZYoo
>>70
「きひひ、私も君のいる学校をわざわざ餌場にしたりしないじゃん。…ま、君がどこに通ってるかなんて知らないけどねー」
それは暗に、「偶然君の通うところだったらごめんね」、とでも言っているのか。
「――妖怪仮面君、『二度』も逃がしてくれるなんて、君は優しいじゃん」
カラカラと窓を開ける。もう教師たちはすぐそこだ。
四十萬陀は冊子に腰かけると、くんっと後ろに体重をかけた。
「じゃあね――君とはまた会いそうな気がするじゃん。もう二度と会いたくないけど」
最後にくすりとほほ笑んで、少女は夜雀となって飛び立った。
72 :
天橋 弥城(妖怪仮面)
2011/01/03(月) 22:33:45.32 ID:z8xBckAO
>>71
「学校、教えてやろうか?ってそりゃ正体がバレかねねぇな…」
顔のマフラーを整えながら話す
「ああ、俺は優しいぜ。けどな、こんなことわざがあるの知ってるか?仏の顔も三度目の正直ってな!」
ビシッと指差し決めポーズ
しかし、ことわざが間違っている
「じゃあな!次は見逃さねーからなー!」
飛び立つ夜雀に手を振る
「さて、俺も帰んなくちゃな…面倒なことになる前に…」
青年も少女が飛び立った窓から、飛び出しそのまま着地
見られないように、猛ダッシュで帰った
73 :
夜行集団
2011/01/04(火) 19:31:24.20 ID:nvxzXNM0
正月、人がクリスマスに高翌揚したテンションが下がる前に訪れる正真正銘のビッグイベント。
街も人も妖怪もみんな浮かれ、今年の福を祝う。
季節がら、その格好も数奇の目で見られることなくなった彼もまた同じ。
「いや〜島根の雑煮がおしるこってのは良いよね〜
あったかいし甘いしあったかいし」
彼の所属する集団の心身両方の傷は水神と姫により心にとどめておけるものまで癒えていた。
74 :
黒蔵「」 蛇神『』
[sage]:2011/01/04(火) 19:49:19.33 ID:NPpPedEo
>>73
冬休みだというのに、黒の詰襟に鞄を斜めがけした少年がバスから降りてきた。
この服装なら万が一、人間に見られても差し支えないから、と今日は黒蔵も
現代風の服装に変化しているのだが…冬休みの繁華街では逆に浮いてしまっている。
『この辺りは人が多いから、沢山‘障り’の気配がありますね』
肩の上には小さくなった蛇神ミナクチ。
学生服姿の黒蔵は、その指示に従って動いている。
『あの看板の陰にしましょう』
蛍光ピンクの呼び込み看板の陰に黒蔵が隠れる。
小さな蛇神がなにやら念じると、周囲の物陰からわらわらと黒い蠢くものが寄り集まってきた。
虫のような、小動物のようなそれらは、真っ黒く群れをなして次々と黒蔵の体をよじ登り、
肩の上の蛇神に吸い込まれて消えた。
75 :
氷亜
2011/01/04(火) 19:56:37.47 ID:nvxzXNM0
>>74
異様なものを見た、いや自分も異様な存在なのだがそれにしては周囲から黒い何かがうごめきピンク
の看板に結集していく様は流石に異様と言える。
「・・あ〜(どうしよっかな・・・なんだろうあのジブリを彷彿とさせるものは)」
怪しみながらも、やはり好奇心には勝てずその黒いものの目的地(?)に歩み始める。
「(正月からなにしてるんだろうね)」
76 :
黒蔵「」 蛇神『』
[sage]:2011/01/04(火) 20:02:16.70 ID:NPpPedEo
>>75
「そろそろ帰らない?」
『いえ、まだ気配があるのでこの先に』
「えー?俺も腹減ったんだけど…」
蛇神に却下されるのはわかっている虚しい抗議をしていたところに不意に翳が指し、
慌てて立ち上がった黒蔵は、真正面から氷亜にぶつかる形になった。
「うわっ!!」
77 :
氷亜
2011/01/04(火) 20:07:54.61 ID:nvxzXNM0
>>76
「うおーー!!」
黒い物体だけに気を向けていた氷亜は黒蔵の存在に気づいていなかった。
真正面からぶつかる、しかし一応鍛えている、というよりは存在的に筋肉にものをいわせる
ようなパワーファイターな為重心がしっかりしていた。
「大丈夫かい?」
少年にはびっくりしたが、一応見た目だけでもじぶんが年上の様なので、少年の身体にを使った。
ただ突っ立ってままで。
78 :
黒蔵「」 蛇神『』
[sage]:2011/01/04(火) 20:13:53.53 ID:NPpPedEo
>>77
氷亜の胸に顔をうずめてしまった黒蔵。
慌てて飛び離れるが…、
「人に見られたっ!!」
『謝るほうが先でしょうが!』
「いだっ!痛い!!」
すかさず蛇神から、耳を引っ張っての教育的指導が入る。
『謝りなさい』
「いた…ごめんなさい」
しょんぼりと学生服の少年は頭を下げた。
79 :
氷亜
2011/01/04(火) 20:18:07.65 ID:nvxzXNM0
>>78
「いやいや近づいたのは僕の方さ、謝ることはないよ。こちらこそゴメンね。
にしてもここに黒い物体が・・・」
謝る黒蔵と会話しながらも、途中聞えた何処か聞いた事があるような声に言葉が止まる。
どこかで・・・最近・・・
「(気のせいかね・・?)
なんか変な黒い物体があるから気をつけた方がいいよ」
80 :
黒蔵「」 蛇神『』
[sage]:2011/01/04(火) 20:23:08.31 ID:NPpPedEo
>>79
『氷亜さんでしたか』
黒蔵の肩の蛇神が、その小さな姿を現した。
『黒蔵がご無礼を致しました』
氷亜に向かって、丁寧に一礼する。
「え?知り合い?」
黒蔵が驚いて振り返るも、蛇神は己の肩の上、あまり意味のある行為ではないことに気付き
気まずそうに氷亜へと向き直った。
81 :
氷亜
2011/01/04(火) 20:29:20.89 ID:nvxzXNM0
>>80
「・・・」
黒蔵の肩に目をやる。確かに蛇神だ、我らの集団を救ったまさにその人
氷亜は手に持っていたスーパーの袋から肉まんを取り出す。
かじる、ああやはり肉まんは
「えぇぇぇぇええええええっぇぇえぇ!!!!!!!???????」
小さい小さすぎるその格好に全力で驚く氷亜。先ほどの衝突とは比でもないほどに
肉まんはその時ににじみ出た冷気で程良いシャ-ベットに。
「なんで!?えっ!?」
困惑していると一つの思考が生まれた。
「もしかして僕らのせい・・・?」
82 :
黒蔵「」 蛇神『』
[sage]:2011/01/04(火) 20:36:09.54 ID:NPpPedEo
>>81
『私が小さいのは、氷亜さんのせいじゃありませんよ』
蛇神は笑っている。
「うん、性格の悪い女に吸われたせいだだだだだ!!痛い!」
『あなたは余計な事は言わなくていいんですよ』
にこにこと笑いながら黒蔵の耳たぶを引っ張っている。
『神の世界にも色々ありましてね。この体じゃ出来ることも限られてくるので、先日配置換えされて
この近くの祠に来たんです』
83 :
四十萬陀 七生
[sage]:2011/01/04(火) 20:37:03.20 ID:B.DVHKIo
「は〜、雀にこの寒さは厳しいじゃん」
ぶるぶると身を震わせながら、セーラー服の少女が歩いてくる。
首には暖かそうなマフラーを巻いているが、鼻の頭は赤い。
腕の中にはあんまんが入った紙袋を抱いている。
>>81-82
驚いたような大きな声が聞こえ、そちらを向くと、
(おりょ、あれは黒蔵君…? それにこのニオイ…)
とことこ、黒蔵たちがいる方へ歩いていく。
84 :
氷亜
2011/01/04(火) 20:41:53.01 ID:nvxzXNM0
>>83
「そうかい?まあそれがどんな状況かは知らないけど、僕らに出来る事は何でも言ってね!!
神格持ちでも君は特別さ!!」
ビシッと蛇神に指差す。
「君が肩を借りている少年は誰かな?友達?」
>>84
高校生はどこにでもいるのであまりそちらの方には気にかけていない。
妖気は?もちろん彼は鈍感であまりレーダーを普段からはっていないので妖気には気づかない。
85 :
黒蔵「」 蛇神『』
[sage]:2011/01/04(火) 20:49:08.20 ID:NPpPedEo
>>83
鳥の匂い。
空腹のためか、黒蔵の嗅覚は知った匂いをしっかり嗅ぎ分けた。
「あ、白い鳥もも!」
違う。ぜんぜん違う。
何言ってんだお前、と突っ込まれても仕方ないくらいに違う。
>>84
『そう言って頂けて、有り難いです。
今はのんびり休養中のようなものですから、あたりの街を巡って、
障りを食べて力を付けることにしてます。
ああ、怪我人や病人の回復くらいはできますから、必要なら呼んでください。
これは黒蔵、私の使っている蛇です』
と、ここで黒蔵が夜雀に気付いた。
86 :
四十萬陀 七生
[sage]:2011/01/04(火) 20:53:34.46 ID:B.DVHKIo
>>84
(この人は見たことないじゃん。でも、妖怪だよね)
ちらっと横目に氷亜を見て、
>>85
「……白い鳥もも? え、誰?」
私は黒いじゃん。と、不思議そうに四十萬陀は首を傾げる。
が、すぐに明るく笑って手を振った。
「黒蔵君じゃん! また会ったね!」
87 :
氷亜
2011/01/04(火) 20:55:48.00 ID:nvxzXNM0
>>85
「時間が解決できるのなら良かったよ
まあ、不便があれば僕らがバックアップになるね、怪我した僕らも頼らしてもらおうかな」
肉まんを進めながら交渉を進める氷亜
本人にその意思があるかは別として
「太もも?ああ、彼はなにか人を喰らうタイプかな」
急変した黒蔵にリアクション
>>86
「君は黒蔵君?の彼女かな?」
88 :
四十萬陀 七生
[sage]:2011/01/04(火) 21:02:29.88 ID:B.DVHKIo
>>87
「初めましてじゃん!」
あどけない顔を綻ばせて、片手を上げる。
氷亜の質問に、首を傾げて、
「彼女? にゃはは、それなら名前を間違えられたりしないじゃん」
89 :
黒蔵「」 蛇神『』
[sage]:2011/01/04(火) 21:05:22.66 ID:NPpPedEo
>>86
ぐうううぅ〜〜〜。
「あ」
黒蔵が四十萬陀の挨拶に応えるより先に、腹の虫が挨拶した。
『ほほー。黒蔵にも知り合いが。しかも女子とは』
>>88
『恋人ではないのか?』
なにやら面白そうな表情の蛇神である。
>>87
『水沢城址公園の泉にいますから、何時でもどうぞ』
肉まんを受け取りながら蛇神が言う。供物は久しぶりだ。
横で涎を垂らしていた黒蔵にも肉まんを分ける。
『人は…どうでしょう?最近は食べてないと思いますけど』
「うう、氷亜さんありがとう。いい人だ〜〜」
空腹に食べ物。黒蔵を餌付けするチャンスである。
そして肉まんへの反応から見て、やはり夜雀と黒蔵の仲は、そういう仲ではないらしい。
90 :
四十萬陀 七生
[sage]:2011/01/04(火) 21:13:03.48 ID:B.DVHKIo
>>89
「だからー、って、君には初めて会うじゃん」
黒蔵の肩に乗る蛇神を見て、四十萬陀は目をくりくりさせた。
小さい蛇神に顔を近付け、じーっと見ると、
「…きひ、ちっちゃいじゃん」
いたずらっぽい笑みを浮かべ、小声で呟いた。
91 :
氷亜
2011/01/04(火) 21:13:27.47 ID:nvxzXNM0
>>88
「ははは、そうだよね〜彼女に白い太ももとかいたたまれないもんね〜
はじめまして、君は誰かな?」
いきなり誰とは無礼すぎる聞き方だが、手っ取り早く情報を得るにはこれが最善だ。
pipipi・・
彼女と話をしようとしたところに電話がなる。
>>89
「公園に住んでいるの?(神に左遷なんてあるのかな?)
まあ、後日に行かしてもらうよ黒蔵君も肉まん、気に入ってくれているみたいだしね」
会話を続けたいのも山々なのだが、集団本部から
―穂産日子神、穂産雨子神飲酒シ館内混乱中。直チニ帰還セヨ―との命令が下ったのである
「またね!!あの時は本当にありがとう!!」
そおいいながら走りさる氷亜。いざ酒乱退治に
92 :
黒蔵「」 蛇神『』
[sage]:2011/01/04(火) 21:20:04.33 ID:NPpPedEo
>>90
『これは残念。面白くなると思ったのに』
「四十萬陀、だよ、ちっこい雀なの。
四十萬陀、この小さいのは俺の保護者の蛇神のミナクチな。
昔、こいつにぼっこぼこにされてから俺こいつのパシリなんだ」
これで紹介は済ませた、とばかりに肉まんに戻る黒蔵。
しかし熱々のためにさっそく口の中を火傷する。
『そういうことです、娘さん。よろしく』
黒蔵の肩の上の小さい人は、四十萬陀に挨拶した。
93 :
四十萬陀 七生
[sage]:2011/01/04(火) 21:26:42.41 ID:B.DVHKIo
>>88
「白いふともも? …じゃん??」
なんだかよくわかってない様子である。
自己紹介をしようとしたところで電話が鳴り、走っていく氷亜に、
「また会ったら名前教えてじゃん!」
と、片手をぶんぶん振った。
>>92
「ん、よろしくじゃん」
小首を傾げてほほ笑む。
そしてがさごそ紙袋と漁ると、中からほかほかのあんまんを取り出して、ミナクチに差し出した。
「あんまん食べるじゃん?」
94 :
黒蔵「」 蛇神『』
[sage]:2011/01/04(火) 21:32:47.75 ID:NPpPedEo
>>93
『ありがとう。今日は供物の多い日ですね』
小さい体が食べきれない分は、再び黒蔵の元へ。
「うあっち!!」
またしても火傷。
(白いふとももじゃねーよ、俺、鳥ももって言ったはずじゃん…)
誤解を解こうにも舌が痛くて喋れない。
いや、誤解の内容事態は、妄想通りなのだけれど。
95 :
四十萬陀 七生
[sage]:2011/01/04(火) 21:41:50.84 ID:B.DVHKIo
>>94
「落ち着いて食べるじゃん…。あんまんは逃げないじゃん」
苦笑しながら、自分もあんまんを頬張る。
「ほういえば、ひゃっひの人は、もぐもぐ…誰ひゃん? ふはりの友はひひゃん?」
食べ物を口に入れながら喋っているため、半分何を言っているかわからない。
96 :
黒蔵「」 蛇神『』
[sage]:2011/01/04(火) 21:47:41.65 ID:NPpPedEo
>>91
『あれが噂の携帯電話、という奴ですよね。
しかし、ああしてすぐ走ってゆかねばならぬとは、便利なのか不便なのか』
氷亜を見送りつつ、蛇神は目新しい情報について考え始めた。
黒蔵に話してもマトモな答えは帰ってこないだろう。
四十萬陀に訊いたほうが良さそうだ。
>>95
『昔から直ぐがっつく癖があるんですよ。黒蔵には。
それで痛い目を見ることもあるのですが、この通り、一向に改まらなくて』
喋れない黒蔵の代わりに蛇神が応える。
『あの人は、氷亜さんです。私とはちょっとした酒宴の席で知り合いましてね。
雪山の主だったこともあるようです。お仲間も多いようですよ』
97 :
四十萬陀 七生
[sage]:2011/01/04(火) 21:56:47.02 ID:B.DVHKIo
>>96
「ふ〜ん、ふひおほこってへほこひゃん」
……訳すると、「雪男ってとこじゃん」と言っている。
もぐもぐ、とあんまんを押し込め、ぷはーと息を吐いた。息は、白い煙になって空に昇っていく。
「あのちっちゃい電話、最近持ってる妖怪多いじゃん。私は持ってないけど…。特に集団だと、ささっと連絡を取り合うのに便利みたいじゃん」
98 :
黒蔵「」 蛇神『』
[sage]:2011/01/04(火) 22:10:14.97 ID:NPpPedEo
>>97
『そう、そうです、雪男って言うんだ』
雪山は蛇の居場所ではない。居ても冬眠中なので目にすることも無い。
すっかり失念していた正しい名称を思い出すと、それだけでなぜか落ち着いた。
『携帯電話。初めて見たときも、今も、
あれが鳴くと皆走ってどこかへ呼ばれて行くんですね。
なんだか慌しくなる合図みたいです』
「俺だって蛇神に呼ばれるぞ、行きたくなくてもな」
ようやく舌が回復した黒蔵が口を挟む。
神使として使われる身は、呼び出されれば否応無く、その瞬間にもう神の御前である。
『そうか。使役相手じゃないから、ああやって声を伝えるのですね』
納得する蛇神。
「饅頭ありがとな、うまかった」
食べ終わった黒蔵が四十萬陀に礼を言った。
四十萬陀のお陰で、一時的な女性恐怖は少しづつ薄れてきたらしい。
99 :
四十萬陀 七生
[sage]:2011/01/04(火) 22:19:17.07 ID:B.DVHKIo
>>98
「にゃはは。誰かと雑談するためにケイタイ使うハイカラな妖怪は、私はまだ見たことないじゃん」
そう言って可笑しそうに言う。
お礼を言った黒蔵に、四十萬陀は「それは良かったじゃん」と笑いかけた。
「そういえば、あの後ちゃんと公園に着けたじゃん?」
100 :
黒蔵「」 蛇神『』
[sage]:2011/01/04(火) 22:25:22.91 ID:NPpPedEo
>>99
「うん、着いた。着いてみたらすっげーボロいわ汚いわで、新年早々大掃除させられた」
四十萬陀相手だと口が軽くなる黒蔵。
『私だって仕事が無ければ掃除を手伝いましたよ。
隣近所の神社や川、沼の主に挨拶しにいかないとならなかったんですから』
蛇神が弁解する。
しかしこんなに小さいのでは、もし居てもたいした力にはならなかっただろう。
「四十萬陀は普段、どこ住んでんの?」
101 :
四十萬陀 七生
[sage]:2011/01/04(火) 22:33:05.75 ID:B.DVHKIo
>>100
「いいことじゃん。掃除は己の心の汚れを払う、っていうじゃん」
けらけら笑いながら言う。
――ついでに、四十萬陀は生まれてこのかた掃除などしたことはないのであるが。
「私? 私は、あそこじゃん」
すっと腕を上げ、四十萬陀は少し遠く離れた場所に見える山を指差した。
山は今の季節を象徴するように、白い雪化粧に染められている。
102 :
黒蔵「」 蛇神『』
[sage]:2011/01/04(火) 22:38:21.96 ID:NPpPedEo
>>101
「あの山か…今遊びに行くには寒そうだな」
ぶるっ、と黒蔵が震える。
『行先の近くの水場へなら、送ってあげても良いですよ』
「帰りはどうすんだよ!」
『頑張って自力で帰ってきてください』
酷い、冷たい、と騒ぐ黒蔵、かるくいなす蛇神。
黒蔵は玩具にすると面白いのがよく判るだろう。
103 :
四十萬陀 七生
[sage]:2011/01/04(火) 22:49:45.70 ID:B.DVHKIo
>>102
「すっごい、寒いよ〜。でも、友達の送り妖怪たちがあっためてくれるじゃん。いつでも遊びにくるといいじゃん」
楽しそうに言う。
蛇神と黒蔵のやりとりを見て、四十萬陀はくつくつと笑った。
「二人は仲が良いんだねぇ」
104 :
黒蔵「」 蛇神『』
[sage]:2011/01/04(火) 22:54:10.81 ID:NPpPedEo
>>103
送り妖怪。
黒蔵が知っているのは送り狼くらいである。
ふかふかの毛皮は、想像するだけでぬくそう。
やべー、行ったら冬眠するかも俺。
…え?
四十萬陀の次の台詞で、黒蔵は妄想から引き戻された。
『ええ、すっごく良いんです』
「えー!どこがっ?」
同時に、全く逆の台詞が二匹の蛇から飛び出した。
105 :
四十萬陀 七生
[sage]:2011/01/04(火) 23:00:49.21 ID:B.DVHKIo
>>104
「かくいう私も、実は送り妖怪の一種じゃん。夜雀は、別名送り雀ともいうんだよ」
ふふーん、と、なぜだか得意そうだ。
二人で同時に発せられた言葉に、四十萬陀はぷはっと噴き出した。
「そういうところが、じゃん」
面白いなあ。四十萬陀はご機嫌なようだ。
106 :
黒蔵「」 蛇神『』
[sage]:2011/01/04(火) 23:10:42.99 ID:NPpPedEo
>>105
(そういうところ…orz)
四十萬陀の言葉に黒蔵が撃沈されて、少し静かになった。
『夜雀さんでしたか。そういえば、鳥の妖怪には久しぶりに会いましたね』
長く居た水界では、鱗や鰭、殻を持つ住人が大半である。
そして、蛇と鳥とは天敵同士。
喰って喰われる仲である両者が、和やかに話をする機会などめったに無い。
『これから黒蔵が山へお邪魔することがあるかと思います。
ご無礼の無いようにと言い含めておきますので、どうかよろしくお願いしますね』
小さい人は、四十萬陀を黒蔵のいい友人と認めたようだ。
107 :
四十萬陀 七生
[sage]:2011/01/04(火) 23:22:44.58 ID:B.DVHKIo
>>106
「んにゃ、私からもお願いするじゃん」
顔を綻ばせて、ぺこりと一礼。
四十萬陀をはじめ、近くの山の一角に住まう送り妖怪たちは、基本的に人間を主食としている。
それは、人間が一番美味しく、栄養があって、捕えやすい――と考えているからだ。
妖怪を捕えて喰おうとすれば、相手が能力を持っている場合、それなりのリスクがある。だから四十萬陀たちは、妖怪に手を出すことはほとんどないのだ。
「じゃあ、私はそろそろ行くじゃん。今度は山に遊びにきてね!」
四十萬陀はそう言うと、軽く手を振って、二人に別れを告げた。
108 :
黒蔵「」 蛇神『』
[sage]:2011/01/04(火) 23:28:48.00 ID:NPpPedEo
>>107
「おう、遊びに行くときは美味い魚持ってくー」
『さよなら、またどこかで』
軽やかに駆けて行く四十萬陀を見送った二匹。
『ところで、黒蔵』
「んぁ?」
『次、電車に乗りたいです』
「電車?」
『駅、っていうところに向かってください』
「どっちだよ…」
夜遅くまで、黒蔵は蛇神の‘障り’集めに付き合わされたそうな。
109 :
膵健弟切
[sage]:2011/01/06(木) 17:01:34.49 ID:iS2yreQo
人が、確かに喰われていく。
山を飲み込もうとする、その人の欲望は、確かに死に値する。
何年も前から、憤っていた。
[
ピーーー
]覚悟は、ある。
石を守るのが、生きている理由だった。
扇状地の起点となる石が、どこかへ消えた。
山のどこかに、消えた。
探せども、見つからぬ。
人を[
ピーーー
]ことで、喰らうことで。
死に値する妖怪になろう。
杉の木が、倒れ、悲惨な光景だけが残った。
高き樹は、濁流へと飲まれる。
110 :
膵健弟切
[sage]:2011/01/06(木) 17:09:14.92 ID:iS2yreQo
熱い炎が神社の空気を揺らしている。
「よお、真面目に熱いだろうが」
誰に言うでもなく、話しかける。
「真面目に熱いって」
この妖怪、荒れていた。
111 :
アラハバキ
2011/01/06(木) 17:24:29.30 ID:1Wt6ldAP
>>110
「なにをしている」
木の周りからの存在が空気を震わせた。
樹木から薄い霞のような体躯が顕現し、
白い大蛇のシルエットを具現させていく。
明かりを感ぜられない白濁した赤目が荒ぶる妖怪に向けられる。
「なにをしている」
皺涸れた声が妖怪に向けられた。
怒るような、責めるような、嘲笑うような、嫉妬するような。
陰りの篭った声だった。
「ひ、ひひひっ!」
笑った。ただ嘲笑った。
かつての神格を失い、愚神と化した大蛇が。
似たような存在を、自嘲するように笑った。
112 :
膵健弟切
[sage]:2011/01/06(木) 17:33:04.18 ID:iS2yreQo
>>111
眉を顰めた。そして、口を開いた。
業々と、炎を滾らせて、殺意を顕にした。
「お主が笑えた面か――」
113 :
アラハバキ
2011/01/06(木) 17:44:54.01 ID:1Wt6ldAP
>>112
滾る炎に身が竦み、大蛇は身体を縮こまらせた。
神木に身を巻きつかせたその身体は、
巨大なこぶの様に見えるほど丸くなっている。
"形渡り"で顕現させたこの身でまともにやり合えば、
涸れ果てたこの魂は確実に霧散してしまうだろう。
「そう滾るなや、若造」
チロチロとイボだらけの舌が口から覗く。
「暴れても大きい奴等に襲われるだけじゃぞ?」
赤い目が見開く。
114 :
膵健弟切
[sage]:2011/01/06(木) 17:58:44.08 ID:iS2yreQo
>>113
「私に失うものなどもはや無い。
アラハバキ。お前はただ、死体に等しき醜態を晒しているのだな」
スイケントウシャの眼孔は、誇りを失った、暗さだけを放った。
115 :
アラハバキ
2011/01/06(木) 18:21:48.13 ID:1Wt6ldAP
>>114
目の前の怪物の言葉が、涸れ果てた愚神の心を穿った。
抉られた心の奥底で、沸々と湧き上がっていく。
怒り、プライド、劣等感・・・白濁した目に赫々の炎が燈っていく。
「言うねぇ。アタクシが死体なら貴様は陰鬼そのものじゃないか」
口元が歪み、挑発じみた笑みが宿っていく。
「誇りも信念も意地も感じられやしねぇ、
テメェはただ暴れ狂って死をばら撒いてるだけじゃねぇか」
鎌首をもたげ、神木の上から首をかしげてスイケントウシャを見下す。
「役目を失ってじっとして、
ゆっくり死を待ってるアタクシが馬鹿みてぇじゃねぇか」
樹が震え、風が荒び、地が嘶く。
「知ってるか? アタクシぁ元々、この山の護り神だったんだぜ?」
白濁した屍骸のような空洞はもはや面影も無く、
爛々と輝く蛇眼が鋭くスイケントウシャを射抜いていた。
「テメェみてぇな人喰いを消す"御法"の神格だった。
"ハバキ"とは"箒"の意、穢れを掃き出す退魔の力。大義名分は十分だ」
殺気。
鈍く、温く、軽い。
しかし巻きつくような、絡みつくような。
不気味な威圧感が立ち込める。
「なぁ、バケモノ・・・」
霜で凍て付き、骨のような枝振りの大樹が一瞬にして霊気を帯びる。
乾いた枝先が生木のように撓り、不気味に蠢いた。
「アタクシと一緒に死ぬか?」
116 :
膵健弟切
[sage]:2011/01/06(木) 18:44:47.32 ID:iS2yreQo
>>115
「思い出を守るために戦うか。
美しいな。私には出来ない死に方だ。
しね。私の魂を引き裂ける程の高潔さを示してみろ。
手加減はせぬぞ」
死に値する程の屑となって、暴力のままに死んでいくと、覚悟した。
その目は、闇そのものだった。
117 :
アラハバキ
2011/01/06(木) 19:05:03.95 ID:1Wt6ldAP
>>116
「ククク・・・。正月早々、神格と殺し合いするたぁ命知らずだねぇ!」
暁のように輝く眼が煌めき、神々しさを取り戻す。
乾いた鱗に血が走り、かつての情景が蘇る。
そうだ、アタクシぁ抜け殻などではない。
ただふて腐れていた
ただ拗ねていた
ただ塞ぎ込んでいた
天道に神格を没収されたからではない。
己の役目を失ったからだ。
この牙を振るう意味を失い
この巨躯を跳ね舞わす大義名分を失い
人々からの羨望を、信仰を失ったからだ
後にはただの古木が残っただけ。
冬眠のような毎日を過ごす、抜け殻のような妖怪が生きていただけ。
感謝しよう、この怪物との出会いを
この殺し合いを
かつての守り神として逝ける、この大義名分を
「いくぞ若いの・・・!」
乾いた枝先に透き通るような雫が集まり、結び合い。
白玉のような水球が数多に宙に浮かび上がる。
「凡術"禊の澪"!」
凍て付く大気を切り裂き、灼熱の懐に飛び込む"浄化"の矢!
妖怪・"荒箒木−アラハバキ−"が牙を剥いた。
118 :
膵健弟切
[sage]:2011/01/06(木) 19:26:51.72 ID:iS2yreQo
>>117
己の蓄えた全ての力を使い果たす時が来たのだ
悔いの無いようにしよう。
翔ける浄化の矢が、二十二本ある足の半分を奪っていた。
痛みに耐えた。
口からマグマを吹き出す。
アラハバキの体の全てを溶かし尽くすために。
119 :
アラハバキ
2011/01/06(木) 19:41:02.38 ID:1Wt6ldAP
>>118
「おぁ・・・っ!」
凍てる大気が一瞬で消し飛び、
灼熱の気塊が神社を焼き蒸かす。
霜など一瞬で乾き、冬木が勢い良く炎を纏い、崩れていく。
アラハバキの鱗が火を噴き、光を失った眼が焔を上げる。
「かっ・・・ゃ、れぅぁっ!」
舌が焼け、喉が渇き、しゃべろうとしても声が出ない。
肉が焼け落ち、やがて骨が露出する。
黒く炭化しながらも、
赤かった眼はしっかりとスイケントウシャを見据えていた。
―"根走り"!!―
声にならない声が響き、
辛うじて焼け残っている根がスイケントウシャの足元に伸び、結界を展開する。
―"凡術・白海"!!―
突如、結界の内部が泥沼と化し!
スイケントウシャの体を飲み込んでいく!!
泥の底で、蛇にも例えられる巨大な地下水脈が。
今にも怪物を飲み込まんと、その巨躯を揺らめかせていた!!
120 :
膵健弟切
[sage]:2011/01/06(木) 20:09:14.48 ID:iS2yreQo
>>119
体をのた打ち回らせた。それでも無駄な足掻きにしかならない。
足元が掬われた。動いても、ただの泥の流れに敵わなかった。
膵健弟切は声のかぎり叫んだ
「我が名は膵健弟切。
お前の名は、アラハバキ」
「お前を倒したのは、膵健弟切だ」
声のかぎり、強く、強く叫んだ。
そして、命が尽きた。
121 :
アラハバキ
2011/01/06(木) 20:22:58.69 ID:1Wt6ldAP
>>120
泥の中に埋もれて行く怪物を見つめる、黒炭の竜骨。
すでに耳も眼も焼け落ち、ただ崩れそうな姿見がその姿勢を保っていた。
『スイケントウシャ』
その音は聞き取れたが、
もはやその言葉の意味を考える余力も無い。
炭化した身体は抜け殻のように動かない。
やがておぼろげな暁が薄まり、闇色の帳が辺りを包み。
その動かぬ身体に雪が降り積もっていった。
降りしきる雪は僅かに残った余熱を奪い、水となって地下へと染みて行く。
しばしそれを繰り返し、冷え切った戦場後を雪が覆っていった。
122 :
四十萬陀 七生
[sage]:2011/01/06(木) 21:09:40.44 ID:czU8AKco
街から少し離れた、とある小さな神社。
その神社にある、一本の大きな木。その木の根本に、四十萬陀が寝転んでいた。どうやら、昼寝中のようだ。
四十萬陀は、いつものセーラー服ではなく、別の高校の制服に身を包んでいる。
123 :
十夜「」&七郎『』
2011/01/06(木) 21:17:22.55 ID:kPeWxEAO
>>122
「参拝、少し遅くなっちゃったね」
『ま、すいてていいんじゃねえか?あ、小さい神社だから正月もそんなに込んでないか。』
一人の少年と一匹の管狐
少し遅れた初詣に来たようだ
狐は少年の肩に乗り話している
124 :
四十萬陀 七生
2011/01/06(木) 21:28:50.91 ID:czU8AKco
>>123
「う〜ん……」
もぞもぞ、と寝返りをうって、四十萬陀が目を覚ました。
体を起こすと、髪についた砂がぱらぱらと落ちる。
「ふわあああ…、よく寝たじゃん」
ぐっと伸びをする。と、鳥居のほうから足音がした。
そちらを見ると、肩に狐を乗せた少年が、神社に入ってくる様子が見えた。
漂う妖怪のニオイ。四十萬陀は起き上がると、二人の目の前に現れた。
「こんにちわー、じゃん!」
125 :
十夜「」&七郎『』
2011/01/06(木) 21:36:59.38 ID:kPeWxEAO
>>124
「こ、こんにちは…」
『…十夜、気づいてるか?こいつ…』
少年の方は小声で挨拶
狐は少年に少年のよりも小さな声で少年に話しかける
「う、うん。この人…」
『一応注意しておけよ』
「うん…」
狐、警戒態勢に入る
少年の方は若干怯えている様子だ
126 :
四十萬陀 七生
2011/01/06(木) 21:45:35.82 ID:czU8AKco
>>125
(お、少年のほうは人間かぁ。…ありゃ、なんか……)
「警戒してる?」
首を傾げて、言う。
少年のほうも、四十萬陀を妖怪だと分かっているらしい。霊感でもあるのだろうか。
四十萬陀はにゃは、と笑うと、宥めるように手を振った。
「別に、何する気もないじゃん? ちょっと暇だったからさ、話かけただけだよ」
127 :
十夜「」&七郎『』
2011/01/06(木) 21:52:58.62 ID:kPeWxEAO
>>126
「えっ、えっと…し、七郎…」
『警戒なんざしてねーよ。』
そう言いつつも警戒は解かない狐
「そ、そうなんですか?」
話しかけただけと聞いて、少し安心する少年
『嘘ではないみたいだな…』
狐の方も、安心し警戒態勢を解く
128 :
四十萬陀 七生
2011/01/06(木) 21:59:50.57 ID:czU8AKco
>>127
「そーそー、だからそんなに怯えないでよ」
そう言いながら、躊躇なく二人のほうへ近づいていく。
「こんな小さな神社に、初詣にでも来たじゃん?」
129 :
十夜「」&七郎『』
2011/01/06(木) 22:07:25.42 ID:kPeWxEAO
>>128
「は、はい。ちょっと遅いけど、初詣です。」
まだ、少し怯えているようだ
『あんたは、ただの暇つぶしか?』
少年の肩の上から、狐が話しかける
130 :
四十萬陀 七生
2011/01/06(木) 22:17:43.43 ID:czU8AKco
>>129
「もっと大きい神社じゃなくていいの? こんな小さなとこ、露店もなにもでてないじゃん」
不思議そうに十夜に尋ねる。
そもそも初詣は露店目当てにくるものではないのだが…。
「私? 私は昼寝じゃん。ここは人もあんまり来ないし、この大きな木が昼寝にはちょうどいいんじゃん」
そういって、さっきまで根本で寝ていたスギを指差す。
しめ縄などは巻かれていないが、四方に枝を伸ばす、不思議な雰囲気を持った大木だ。
131 :
十夜「」&七郎『』
2011/01/06(木) 22:23:45.66 ID:kPeWxEAO
>>130
「神社ならどこでもいいんです。こだわりとかないから…」
先ほどと変わらぬ調子で答える少年
『昼寝ねぇ…のんきなやつだな…ま、退魔師とかには気をつけろよ。』
狐は呆れた顔をして答えた
132 :
四十萬陀 七生
2011/01/06(木) 22:32:19.00 ID:czU8AKco
>>131
「そうじゃん? ま、その方がここのカミサマも喜ぶかもね」
――会ったことないけど。と、四十萬陀は冗談ぽくけたけた笑う。
「わかってるじゃん。ちゃーんと神主がいない日に来るようにしてるじゃん」
えっへん、となぜか誇らしげだ。
133 :
十夜「」&七郎『』
2011/01/06(木) 22:40:03.80 ID:kPeWxEAO
>>132
「神様って本当にいるんですか?」
ふと、気になって質問する
『それならいいけどよ、なんとなくあんた隙が多そうなんだよな。人間も侮れないからな。』
微妙に失礼なことを言う狐
134 :
四十萬陀 七生
2011/01/06(木) 22:50:20.08 ID:czU8AKco
>>133
「さぁ? でも、いたほうが面白いじゃん」
よくわからない答えだが、言っている方は本気のようだ。
「それに、神様がいなきゃ初詣だった意味ないじゃん」
でしょ? と、十夜に笑顔を向ける。
しかしすぐに、七郎の発言に表情をむっとさせて、「失礼なこと言うじゃん!」と憤る。
「私はいつでも計画高いじゃん! 夜雀をなめないでほしいじゃんっ」
135 :
十夜「」&七郎『』
2011/01/06(木) 23:01:04.99 ID:kPeWxEAO
>>134
「面白い?よくわからないけど…確かに初詣の意味がないや」
慣れてきたのか、少しずつ声が大きくなる少年
『そいつは悪かった。ん?あんた、夜雀なのか?』
136 :
四十萬陀 七生
2011/01/06(木) 23:13:10.79 ID:czU8AKco
>>135
「にゃはは、そうそう。子供は元気なほうがいいじゃん」
顔を綻ばせて、ぽんぽん、と十夜の頭を撫でる。
今は昼なので、暗いところに行かない限りは、夜盲症は発症しないだろう。
日が暮れる前には、夜盲症も解けているはずだ。怯えさせないために、自分の能力についてはあえて話さなかった。
「そうじゃん。そういう君は、狐ってことは…」
137 :
十夜「」&七郎『』
2011/01/06(木) 23:20:24.81 ID:kPeWxEAO
>>136
「こ、子供扱いはちょっと…これでも、中学生ですし。背は、小さいけど。」
恥ずかしそうに顔を赤らめる少年
『俺は管狐だよ。名は、七郎。』
簡単に自己紹介。
138 :
四十萬陀 七生
2011/01/06(木) 23:26:53.21 ID:czU8AKco
>>137
「中学生なんてまだまだ子供じゃん。うりうり」
ぐしゃぐしゃと頭を乱暴に撫でる。弟にじゃれる姉のようだ。
――ああ、惜しいなあ。と、四十萬陀は思う。こんなに柔らかそうなのに、と。
七郎がそばにいなければ、四十萬陀は確実に十夜に手を出していただろう。逆に言えば、七郎がいる限り、十夜には絶対に手を出さない、とも言いかえられるのだが。
「七郎君、だね。私は四十萬陀七生じゃん。…君は?」
四十萬陀は、撫でる手を止めて、十夜に尋ねた。
139 :
十夜「」&七郎『』
2011/01/06(木) 23:39:16.52 ID:kPeWxEAO
>>138
「こ、子供じゃ…うわ…」
撫でられて、少し驚く
本気で嫌がってはいなさそうだが
「僕は、稲山十夜です。」
140 :
四十萬陀 七生
2011/01/06(木) 23:51:09.19 ID:czU8AKco
>>139
「十夜君ね。二人とも、よろしくじゃん」
ぽんぽんっ、と、両手で十夜と七郎の頭をなでると、すっと目を細めた。
「…ところで、十夜君は霊媒体質みたいじゃん?」
141 :
十夜「」&七郎『』
2011/01/07(金) 00:02:13.78 ID:DmCKn6AO
>>140
「よろしくお願いします。」
『ま、よろしくな。』
礼儀正しく礼をする少年
対照的に狐は適当な感じだ
「はい…僕、昔から霊感があって…」
『十夜は、そのせいで苦労してるが、俺と出会えたりもしたからな。』
「一概に悪いものでもないんです…だけど…」
『大丈夫だ。十夜、俺がついてる。』
不安そうな顔で話す少年
狐も心配そうにしている
142 :
四十萬陀 七生
2011/01/07(金) 00:09:02.35 ID:K7WMem.o
>>141
「……仲の良いことじゃん。君たちはいつも二人一緒なんだね」
二人の話す様子を見て、四十萬陀はほほ笑んで言った。
「この神社やこの周辺の一角は、私たち送り妖怪の縄張りじゃん。七郎君が一緒にいる限り、妖怪たちは十夜くんに手を出すことはないから、安心するといじゃん」
二人を安心させるように、四十萬陀が言う。
143 :
十夜「」&七郎『』
2011/01/07(金) 00:25:35.04 ID:DmCKn6AO
>>142
『まあな、俺はあの時から十夜に出会うまで一人だったからな。俺は、十夜に救われたんだ。だから俺は、十夜を助けるんだ。』
「僕も、七郎に出会うまで一人ぼっちだった…それに、怖い思いばかりしていた。でも、七郎に会ってからはそうじゃない…」
二人の間には、友情が確かに存在する
『そうか、それなら安心だな。十夜。』
「うん。」
安心した二人
144 :
四十萬陀 七生
2011/01/07(金) 00:29:12.34 ID:K7WMem.o
>>143
「…羨ましいことじゃん」
四十萬陀は、優しくほほ笑む。
「それじゃあ、私は散歩に行ってくるじゃん。初詣、引き留めて悪かったじゃん」
そういって、くるくる回転しながら、鳥居のほうへ歩いていく。
145 :
十夜「」&七郎『』
2011/01/07(金) 00:40:18.97 ID:DmCKn6AO
>>144
「さようなら。」
笑顔で見送る少年
『じゃあな。』
狐も最後は笑顔で見送った
『さて、十夜。さっさとお詣りしちまおうぜ。』
「そうだね。七郎。」
その後、二人は初詣へと向かった
146 :
四十萬陀 七生
2011/01/07(金) 00:44:05.05 ID:K7WMem.o
>>145
「……」
境内を進んでいく二人の後ろ姿を、遠くから見送る。
「十夜君喰べたら、七郎君怒るだろうなー……」
そう、小さく小さく抑揚のない声で呟いて、四十萬陀は夜雀の姿に変化すると、その場から飛び去った。
147 :
露希
2011/01/08(土) 22:17:22.15 ID:eO5LPJQ0
ある山奥、白い小さな龍と少女が歩いている。
露希「寒くない?」
白龍「私は大丈夫だよ。」
急に霧が出てきたようだ。
148 :
瞳
2011/01/08(土) 22:28:34.21 ID:wb3hbMAO
>>147
「ひどい霧だな…おさまるまで待つべきだったか…」
霧の中をさ迷う一人の少女
周囲は霧のせいであまり見えていない様子だ
「ん?そこにいるのはもしかして露希か?」
霧の中の少女を発見する
霧の中なので、はっきりとは見えていない
149 :
四十萬陀 七生
2011/01/08(土) 22:31:01.72 ID:oYE4WeIo
>>147
ひょいっ、ひょいっと、木と木の間を、セーラー服の少女が慣れた様子で跳んで移動していた。
それはそうだろう。彼女にとって、この山は庭のようなものなのだから。
しかし人間の体は、やはり勝手が違う。四十萬陀は山奥の方に入ると、少し休憩するために、地面に降り立った。
「ふい〜、…なんか今日は霧が出てるじゃん」
そう呟きながら、視界の悪い中歩き出すと、
「――っわ」
どん、と誰かにぶつかった。
>>148
視界が悪く、ほかに誰がいるかわからない。
150 :
露希
2011/01/08(土) 22:35:12.00 ID:eO5LPJQ0
>>148
露希「この優しい妖気…瞳さんだ…」
どうやら気配を感じ、探そうとした時、
>>149
露希「あっ…」
地面に倒れる。
下にあった石が刺さり、早くも怪我。
151 :
瞳なか
2011/01/08(土) 22:41:35.85 ID:wb3hbMAO
>>150
「やっぱり露希だ。露希、私だ!瞳だ!」
露希に自分の存在を知らせようとする
しかし、急に倒れたことに気づき
「露希!?どうした!?何があった!?」
心配し、露希の元に駆け寄ろうとするがもう一人誰かがいるのに気づき
>>149
「誰か他にいるのか!?返事をしろ!」
霧で見えぬ誰かに向け叫ぶ
152 :
四十萬陀 七生
2011/01/08(土) 22:43:43.16 ID:oYE4WeIo
>>150
「うおう!?」
か細い女の子の声と、どさりと倒れる音。
何が起こったか察するには十分だ。
「だ、大丈夫じゃん!? …っぜ、全然見えないじゃんっ!」
霧が出てきたことで、夜盲症が祟っている。
余計に視界が悪い。
>>149
「え、うわ、もしかして知り合いじゃん…?」
なーんとなく、面倒なことになりそうな予感に、四十萬陀は顔を青くする。
「い、いるじゃん! ちょっと今、霧で視界が悪くて、このコとぶつかっちゃってー」
とりあえず正直に、声のしたほうに向かって話す。
153 :
露希なか
2011/01/08(土) 22:49:20.09 ID:eO5LPJQ0
露希「白龍、この霧、吹き飛ばせる?」
白龍「うん。」
そう言うと、霧を飛ばした。
>>151
露希「あっ、やっぱり!!こんばんは♪」
転んだことも忘れ、呑気にあいさつ。
>>152
露希「え…霧の中、ボクを襲おうと…?」
変な誤解&妙な警戒。
露希は黙って剣を構える。
154 :
四十萬陀 七生
2011/01/08(土) 22:55:19.64 ID:oYE4WeIo
>>153
「おっ、霧が…これでやっと目が効くじゃん。君がやった――の、って」
なぜか剣を構えられている上に、誤解されている。
しかも、先ほどは慌ててよくわからなかったが、この少女は妖怪だ。
(妖怪と争いごとはごめんじゃん―――!!!)
四十萬陀は、けして戦闘向けの妖怪ではない。
よって、妖怪との喧嘩などまっぴらごめんなのである。
「ちょ、ちょっと待つじゃん! いきなり喧嘩腰はよくないと思うじゃんっ!」
155 :
瞳
2011/01/08(土) 22:57:08.70 ID:wb3hbMAO
>>152
「ぶつかったのか…視界が悪いからな…この霧、どうにかならないものか…」
そう言った直後
露希の龍により霧が吹き飛ばされた
>>153
「おお!すごいな露希!ところで、転んだ時に怪我は…ってストップ露希!剣をしまうんだ!あの方は、ぶつかっただけと言っている!」
剣をかまえた露希を見て慌てて止めようと大声をだす
156 :
露希
2011/01/08(土) 23:00:29.64 ID:eO5LPJQ0
>>154
露希「え!?そうなんですか?すいませんっ!!」
慌てて剣をしまう。
どうも、最近の出来事で警戒しているらしい。
>>155
露希「…なんか、最近急に襲ってくる妖怪が増えてきて…
最近はわき腹を刺されちゃった☆」
…呑気なものだ。
157 :
黒蔵
[sage]:2011/01/08(土) 23:04:39.59 ID:YB8Pus6o
程近くの小さな沢で。
「うっしゃ、出たぞ」
蛇神に水伝いに山へと送って貰い、黒い蛇は水の中からぬっと鎌首をもたげた。
二股の舌を出し入れし、周囲の匂いを嗅ぐ。
「四十萬陀の匂いめっけ♪」
沢からぬるりと抜け出し、匂いの方向へ移動し始めた。
158 :
四十萬陀 七生
2011/01/08(土) 23:05:21.90 ID:oYE4WeIo
>>155
(た、助け舟じゃん…!)
瞳の方を見て、きらきら目を輝かせる。
>>156
「わかってくれたならいいじゃん…って、怪我してるじゃん! えーっと、」
大変だ、と辺りを見回す。
そして、四十萬陀は道に生えていた草を、おもむろに二・三本ちぎると、それを露希に差し出した。
「これ、適当にすりつぶして傷口に塗ったら、すぐ治るじゃん。痛み止めにもなるじゃん」
159 :
四十萬陀 七生
2011/01/08(土) 23:07:19.50 ID:oYE4WeIo
>>157
突然、ピクリと鼻が反応した。
かすかに風に乗って漂ってくるニオイ。
「おりょ…山に黒蔵君が来てるじゃん?」
しかし、どこにいるかまではわからない。
きょろきょろと辺りを見回しはじめる。
160 :
瞳
2011/01/08(土) 23:12:06.37 ID:wb3hbMAO
>>156
「だ、大丈夫なのか?何かあったら遠慮なく呼んでくれ。加勢するからな。」
心配そうな目で露希に話しかける
>>157
「この気配…?また妖怪か?」
気配を察知したようだ
>>158
「おい…まさかとは思うが、適当な草を差し出してるんじゃないよな?」
疑いの眼差しを向ける
161 :
黒蔵
[sage]:2011/01/08(土) 23:13:06.11 ID:YB8Pus6o
ずりずりずり…
丸太のような大蛇の腹が地面を擦り、進んでくる。
ちろちろと時折空気を舐めながら、黒蔵は着実に3人の居る方角へと進んでいた。
(四十萬陀、海の魚、喜んでくれるかなぁ)
大蛇の首には、何やら包みが括り付けてある。
162 :
露希
2011/01/08(土) 23:19:11.77 ID:eO5LPJQ0
>>159
露希「あ、ありがとう。でも…」
優しい気持ちは受け取りたいが、兄がこういうのには詳しいため、
彼女もそれは知っているようだ。
>>160
「あ、えっと…怒らないでっ」
必死になる。
>>161
露希「あ…蛇。」
そんなこんなのとき、蛇が。
露希「…新しいナイフで引き裂こうかな…?」
冗談だが、少しやってみたい気もする
163 :
四十萬陀 七生
2011/01/08(土) 23:24:32.67 ID:oYE4WeIo
>>160
「失礼なこというじゃん。ここら一帯のことなら、この場にいる誰より詳しいつもりだよ」
にひ、と得意げにほほ笑む。
「私はこの山に住まう夜雀じゃん。ま、縄張りはもう少し下ったところだけどね」
>>161
(近付いてきてるじゃん)
方向が分かるまでに、ニオイが濃くなってきた。
四十萬陀がニオイの漂う方向に歩いていくと、
「黒く――わっ!?」
突然視界に現れた、巨大な蛇に、四十萬陀は驚いて思わずしりもちをついた。
鳥と蛇は本来天敵の関係だ。本人は気にしていなくても、本能的な部分もあったのだろう。
>>162
「? ま、いらないなら別にいーじゃん」
気にしていない様子で、にぱっと笑う。
しかし、露希が大蛇の黒蔵を見て、物騒なことを呟くと、
「ちょ、ちょ、それはダメじゃん。私の友達じゃん」
慌ててそう返した。
164 :
瞳
2011/01/08(土) 23:36:26.82 ID:wb3hbMAO
>>161
「蛇?」
近づいて来る者が蛇と認識した
若干警戒している
>>162
「あ、いや…露希が心配でつい…」
>>163
「そうか…それならいいんだ。疑ってすまなかった…」
申し訳なさそうに頭を下げる
165 :
黒蔵
[sage]:2011/01/08(土) 23:37:30.63 ID:YB8Pus6o
>>162-164
「わーい、四十萬陀ー…ん?」
女の子が3人いる。
四十萬陀は、どれ?
悲しいことに蛇とは近眼の生き物である。
眼鏡とかコンタクトレンズとか、何それ美味しいの?
「んー?」
もっとよく見よう、傍で匂いを嗅ぎわけようとして大蛇は3人に顔を近づける。
そして一番近くに居たのは…おそらく最も物騒な相手。
新しいナイフを試したい、露希その人であった。
166 :
露希
2011/01/08(土) 23:43:31.86 ID:eO5LPJQ0
>>163
露希「そ…そうなんですか?先程から迷惑と言うか失礼なことと言うか…すいませんっ
えっと…友達?」
謝った後、にやりと笑う。
>>164
露希「ボクのことをそんなに…抱きっ」
また抱きつく。本当に瞳が好きなようだ。
>>165
露希「え…喋った?しかも可愛い声でわーいって…」
驚いた様子を隠せないが、妖怪らしい。そして、冗談で
露希「毒あるし、近寄ってきたから刺しちゃおうかな…」
もちろん、そんな気はない。
167 :
四十萬陀 七生
2011/01/08(土) 23:48:12.46 ID:oYE4WeIo
>>164
「気にしない気にしない、じゃん」
四十萬陀は、からからと明るく笑う。
抱きついたり、仲の良さそうな二人を見て、
「二人は友達みたいだね。ところで、君はこんな何もない山奥に何しにきたじゃん?」
>>165
「あ、あれ? 黒蔵、どこいくじゃん、って!」
露希のほうへ向かったのを見て、慌てて立ち上がった。
(そっちは危ないかもしれないじゃん――!!)
>>166
「そうそう、友達! だから刺さないでね!?」
あわあわ。露希の冗談にも気付かず、必死に止めようとしている。
168 :
瞳
2011/01/08(土) 23:53:27.33 ID:wb3hbMAO
>>165
「………」
不思議そうに蛇を見つめる
>>166
「こ、こら露希!抱きつくなよ…は、恥ずかしいだろう…」
顔を赤くして声をあげる
本気で嫌がっている訳ではなく、単に恥ずかしいだけのようだ
>>167
「ああ、私と露希は友人だよ。山にはちょっと修行にな、私は強くならなければいけないんだ。」
笑顔で返した
169 :
黒蔵
[sage]:2011/01/09(日) 00:00:57.99 ID:yqxUevAo
>>166
「毒?刺す?お前、蜂か何かの妖怪か?」
うん、これは違うな。次。
>>167
「あ、四十萬陀だ♪」
この匂いが当たり。
「魚持って遊びに来たぞー」
…とすると、もう一人は誰だろ?
「こっちも送り妖怪?」
>>168
抱き合ってる仲良しの女の子同士は、たまに見る。
雄同士では…あんまりしないな。なんでだろう?
恥ずかしがっている瞳を、蛇も不思議そうに見つめた。
170 :
露希
2011/01/09(日) 00:06:00.66 ID:nLfS3ig0
>>167-169
露希「噛みついて、血を吸う妖怪だよ!!
ってことで…」
露希は剣を構え、投げた。
それは後ろに居た悪い妖怪に刺さった。
露希「危ないから、気をつけてね♪」
>>168
露希「この辺り、悪い妖怪が増えてるらしくて、修行にはいいかも…
あ、あと…手を離してっ//////」
離れようとしたが、離れられない。
結局、離れるのを止めた。
171 :
四十萬陀 七生
2011/01/09(日) 00:08:39.72 ID:Q40wBq6o
>>168
「修行ねえ…、それなら」
言うなり、四十萬陀は道の先を指差した。
「この道を行った先に、小さな獣道があるじゃん。地蔵が置いてあるから、それを目印にするといいじゃん。そこを行くと、今は誰にも使われていない岩屋がるじゃん」
もし山に籠ることでもあれば、そこを使うといいじゃん。と、ほほ笑む。
>>169
「いらっしゃいじゃん、黒蔵。お土産ありがとーじゃん!」
黒蔵が持ってきた魚を、嬉しそうに受け取る。
「ううん、二人とも今知り合ったばかりの人じゃん。送り妖怪たちは、今は縄張りにいると思うじゃん」
>>170
「…ってことは、吸血鬼じゃん? こんなところになにしに――」
びゅんっ。
頬を剣がかすめる。
「・・・・・・・・・・・・・」
顔が青い。やだ、このコ怖い。
172 :
瞳
2011/01/09(日) 00:17:49.99 ID:xxbvusAO
>>169
「……」
黙っているのもよくないと思い
「えっと…私は瞳。九十九神だ。あなたは?」
とりあえず自己紹介
>>170
「……悪い妖怪か…気をつけないとな…しかし、何の目的で…」
気づけば、瞳は露希の手を握っていた
「あ、す、すまない…」
恥ずかしそうに、ゆっくりと露希から手を離す
>>171
「へえ、そんな所が…ありがとう。今度使ってみるよ。」
笑顔で礼を言う
173 :
黒蔵
[sage]:2011/01/09(日) 00:21:44.94 ID:yqxUevAo
>>170
「ふーん、つまり蚊の妖怪?って、ぅおい!」
何かを勘違いしている黒蔵は、飛んできた剣には素早く反応して避けた。
「悪い妖怪?この辺、あんまり悪い気配はしないんだけどな」
この物騒な剣使いの少女には近寄らないでおこう、背筋が寒いのは季節のせいじゃない。多分。
>>171
「あ、結構重いから気をつけろよ。」
言いながら、大蛇は人の姿に成った。
魚は人の姿の時の黒蔵本人と同じくらい大きい。
もし夏の暑い時だったら、新鮮なままでは持ってこられなかっただろう。
>>172
「俺、黒蔵。うわばみだよ」
と、人の姿に成ってみて気付いた。
(俺、もしかしなくてもこの3人より背低いじゃん?)
頑張れ黒蔵、多分まだ成長期。
174 :
露希
2011/01/09(日) 00:28:32.55 ID:nLfS3ig0
>>171
露希「…驚きました?
逆に【悪い妖怪が!!】なんて言ったら余計危ないと思って…」
すまなそうに言う。
>>172
露希「分からないんです、でも増えてきてるので…
そう言えば、近頃、神と呼ばれる者が殺されてるとか…それが原因かな?」
>>173
露希「えっと…蚊じゃなくて吸血鬼だよっ(泣)
さっきは、ごめんね。それに、人間姿可愛いね。」
175 :
四十萬陀 七生
2011/01/09(日) 00:31:52.09 ID:Q40wBq6o
>>172
「お役に立てたのならうれしーじゃん」
と、瞳が黒蔵に自己紹介しているのを聞いて、
「そういえば自己紹介がまだだったね。私は夜雀の四十萬陀七生じゃん。よろしくね、瞳君」
九十九神に会うのは初めてじゃん!、と嬉しそうに笑う。
>>173
「うにゃ!?」
魚を受け取ったはいいものの、考えていたより重く、四十萬陀は再び尻餅をついた。
いてて、と打った尻をさする。
「…今日は尻餅をよくつく日じゃん。黒蔵、これあとで持っていくの手伝ってくれる?」
>>174
「……い、いや、うん…おどろいたじゃん・・・」
どころか、軽いトラウマである。顔がまともに見れません。
「あの、聞きたいんだけど……君にとっての悪い妖怪の判断基準ってなあに?」
176 :
瞳
2011/01/09(日) 00:39:55.88 ID:xxbvusAO
>>173
「黒蔵か、よろしく。」
人の姿になったのを見て、握手を求めようと腕を伸ばす
>>174
「神が?…もしや、その神によって行動を制限されていた妖怪が、解き放たれたのでは…?」
瞳なりの推理
最悪の事態―妖怪達の街への襲撃が脳裏によぎる
>>175
「ああ、よろしく。七生。」
笑い返した
177 :
黒蔵
[sage]:2011/01/09(日) 00:44:06.55 ID:yqxUevAo
>>174
(初対面の女子に可愛い、って言われました。泣きたい)
海での二百年、悲しいかな、黒蔵の体は成長できなかった。
竜宮での服役、それは薬の材料としてその身を提供すること。
罪人のうちで、その血肉が薬の材料となる種族は文字通り、必要なときにその身を削られる。
もちろん回復のための手段は十二分に与えられるのだが、黒蔵の成長に向かう力はほぼ
傷の回復にまわされてしまった。
(お偉方の中にスケベ爺ぃがいるのが悪いんだっ!)
蛇の血肉はすっぽんのそれと並んで、ごく一般的な強壮剤である。
>>175
「お?大じょぶか?」
見た目よりは力がある黒蔵は、軽々と片手で魚を担ぐ。
しかし、魚の尻尾は地べたスレスレだ。
>>176
「よろしくなー」
あいたほうの手で、瞳の手を握り返す。
こっちの女の子は、怖くない。
「神?」
露希と瞳の会話に、黒蔵は首をかしげた。
178 :
露希
2011/01/09(日) 00:52:51.54 ID:nLfS3ig0
>>175
露希「悪い妖怪でも、物とか盗む悪い奴と、人や妖怪を殺める悪い妖怪の2種類。
盗みなどは死には値しません。しかし、殺めてしまったりした場合……命はないです。」
>>176
露希「瞳さんの言うとおりです。結果的に、多くの妖怪が出まわってしまっている…
そいつらを消すのには霧がないから、狙われそうな、神様を守ろうとしていました。
そして、九十九神の貴方も…もしかしたら…。ボクは貴方を守り通します!」
強い決心。
>>177
露希「神様でも悪い神様と良い神様がいるからね。
ボクは、その神様を守る仕事をしてるんだぁ。」
簡単に説明する。
179 :
四十萬陀 七生
2011/01/09(日) 01:01:50.69 ID:Q40wBq6o
>>176
「神? へえ、神様って本当にいたんだね」
瞳と露希の話に入る。
>>177
「力強いねー、凄いじゃん」
よろよろ立ち上がる。
四十萬陀は、見た目以上にひ弱であった。
>>178
人を殺める――。
「……そ、そうなんだぁー」
背筋がぞくぞくぞくぞくと粟立つ。
「と、ところで…君はなんていう名前じゃん?」
声が軽く震えていた。
180 :
四十萬陀 七生
2011/01/09(日) 01:02:05.99 ID:Q40wBq6o
>>176
「神? へえ、神様って本当にいたんだね」
瞳と露希の話に入る。
>>177
「力強いねー、凄いじゃん」
よろよろ立ち上がる。
四十萬陀は、見た目以上にひ弱であった。
>>178
人を殺める――。
「……そ、そうなんだぁー」
背筋がぞくぞくぞくぞくと粟立つ。
「と、ところで…君はなんていう名前じゃん?」
声が軽く震えていた。
181 :
瞳
2011/01/09(日) 01:05:16.46 ID:xxbvusAO
>>177
「ああ、露希の話しによれば、近頃神と呼ばれる者が殺されたらしい…先ほどの妖怪の襲撃と、何か関係があるのではないかと考えてな…」
不安そうな表情
人々が住む街が心配なのだろう
>>178
「ありがとう…露希。あなたには、助けられてばかりだな…だけど、私もそう簡単にはやられはしないよ。最近は、調子が良いからな。新しい技もあみ出したんだ。」
不安が消えた訳ではないが、その笑みからは彼女の自信がわかる
>>179
「日本は、八百万の神がいるらしいからな。たくさんいるんじゃないかな。」
真顔で答える
182 :
黒蔵
[sage]:2011/01/09(日) 01:15:15.54 ID:yqxUevAo
>>178
「人を食べる神や妖怪は…悪いもの?」
人間だったら何度か喰らった。
ってことはやばいじゃん、俺も殺される!
なんとしてでも逃げよう。この少女怖すぎる。
黒蔵の顔は、担いだ魚の腹と同じくらい白くなった。
>>179
四十萬陀はと見ると、こちらも心当たりがある表情で。
(いざとなったら、まず四十萬陀を空に逃がして、俺が一暴れ?
でも俺、牙ないしな。多少の怪我は覚悟しないと駄目か)
>>180
(んで、話どおりにこっちも神様だとすると、逃げるのもかなり苦労しそう。
この神様、自信満々だし、最悪俺死ぬかも?)
「あんたも強いのか」
神と戦った経験から、自分におそらく勝ち目が一切無いことは、黒蔵にはよく判った。
だから話の流れを変えようとした。
>>179
「四十萬陀、この魚、どっちに運ぶ?」
(頼む、何とかして穏便にこの二人と別れる方向へ話を持っていってくれ)
四十萬陀に目で訴えてみる。
183 :
露希
2011/01/09(日) 01:24:25.82 ID:nLfS3ig0
>>180
露希「ボクは露希。よろしくね。」
といい、耳元で
「黒蔵君には言えなかったから神様を守るとか言ったけど、
実際は悪い妖怪をピーーする仕事ね…?」
>>181
露希「瞳さん、こんな短期間で…凄いね!!
一回、その技を試してもらいたいな♪」
と、瞳にも耳元で
(黒蔵君…怯えてるよね…)
>>182
露希「えっと…言い忘れてたけど、悪いことでも、
昔に人食べたとか…昔のことならいいんだよ?それに食べたって言っても生きるためだし…」
なんかこちらも慌てる。
>>180-182
露希「なんかごめんなさい…」
184 :
四十萬陀 七生
2011/01/09(日) 01:28:49.32 ID:Q40wBq6o
>>181
「八百万の神かぁ…。らしい、ってことは、瞳君もあったことないの?」
>>182
「え――あ」
黒蔵の青白い顔と、なにかを訴えるような目を見て、一瞬で理解した。
「あ、この下! 山下ったところじゃん!」
ひきつった笑顔を浮かべながら言う。
>>183
ピーー。
目が白黒してきた。
昔なんかではない。四十萬陀は現在進行形で人を喰っている。どころか、今日だって少し前に空腹を満たしてきたばかりである。
「な、なんで謝るじゃん? 別に露希ちゃんは何も、へ、変なこと言ってないじゃん!」
と、いいつつ、冷や汗が止まらない。
185 :
瞳
2011/01/09(日) 01:36:14.47 ID:xxbvusAO
>>182
「私はまだまだ修行が足りない、故に強い…とは言えないかもしれない。だけど、以前よりは強くなったのは確かだ。」
迷いのない表情で静かに力強く言った
>>183
「ああ、いずれ披露するよ。露希を助けるために使わせてもらうさ。あの人の遺した奥義で…」
優しく微笑む
その笑みのなかには、若干の寂しさが混じっていた
「……確かに怯えているようだな…」
小声で話す
>>184
「あったことがない…か…難しい問だな。あると言えばあるし、ないと言えばない、といったところか。そもそも、何をもって神とするのか明確に定まっていないからな…」
妙に考え込む
186 :
黒蔵
[sage]:2011/01/09(日) 01:47:27.79 ID:yqxUevAo
>>183
「露希、か。うん、覚えた」
緊張でからからになった唇で名前を繰り返す。
忘れない。絶対忘れない。頭の出来は駄目なほうだけど、これは忘れられない。
生きるために喰ったならいい、って?
そんなこと優しく言われたら、余計に本当のことは言えない。
(そもそも己が蛇神にフルボッコにされて竜宮に連行されることになったあの件は、
山越え中の人間の親子を面白半分に喰らったことが原因だったじゃないか!)
>>185
「凄い、冷静、なのな。流石、神様だ」
(うわぁ、こういう落ち着き払って冷静な奴が一番強いって相場は決まってる。
ってか俺、絶対に挙動不審なのが、バレてる!)
>>184
四十萬陀も焦りつつ、こちらの意図を理解してくれたようだ。
四十萬陀の汗のにおい、怯えている匂いだ。
四十萬陀にひきつった笑顔を返すと、
「じゃ、道案内、頼むわ」
どこかぎくしゃくした足取りで、魚を担いで黒蔵は歩き始めた。
187 :
露希
2011/01/09(日) 01:52:05.68 ID:nLfS3ig0
>>184-186
さすがの露希も感じ取ってしまった。
露希「…そっか、死ぬのって怖いよね。一応…聞くけどいい?
その行為は悪意とか、憎しみとかないよね……?」
露希「ボクも君たちを殺めたくない…答えて。」
>>185
「僕たちなんかしたっぽい」
小声で話す。
188 :
四十萬陀 七生
2011/01/09(日) 01:55:13.07 ID:Q40wBq6o
>>184
「そ、そうなんだぁ…」
(もしかして、露希君と友人の瞳君も、露希君と同じことを…)
突然様子がおかしくなる。
>>187
「ま、任せるじゃん!」
その先を、四十萬陀が歩いて行こうとした。
>>187
ビクッ。
足を止めて、ぎぎぎ…と音が立つような感じで、振り向く。
ここは、正直に答えて、さっさと立ち去る方が吉だ。と四十萬陀は考え、
「……ないじゃん」
小さく呟くように答え、
「さっ、いくじゃん黒蔵君!」
黒蔵の手を掴むと、さっさと山を下ろうとする。
189 :
瞳
2011/01/09(日) 02:02:27.92 ID:xxbvusAO
>>186
「神様、か…果たして私は神を自称してよいのだろうか…?誰かに崇められているわけでもないしなぁ…しかし、九十九“神”…」
腕を組み、悩む
>>187
「できれば、争いは避けたい…なんとかならないか?」
同じく小声で話す
>>188
「どうしたんだ?私は、あなたと争うつもりなどないぞ?」
心配そうな表情で見つめる
190 :
黒蔵
[sage]:2011/01/09(日) 02:09:41.37 ID:yqxUevAo
>>187
「なっ!無いよ!!絶対無い!」
(面白半分でしたなんて言ったら、殺される。絶対殺される)
四十萬陀にあわせて、がくがくと頭を縦に振る。
>>188
(有難う四十萬陀!手つないでくれてなんか救われた気分だ!
気分だけ、だけど)
ちょっぴり安堵しつつ、あわてて四十萬陀の後を追う。
「やばくなったら俺のことはいいから、すぐ飛んで逃げろ」
ごく小さい声で、四十萬陀にささやく。
>>189
「いいんじゃね?うん。
誰にも崇められてない神様、知ってるし。つか、俺、そいつに使えてるし。
お、俺達も、誰とも争うつもりはないぞ、ましてや、あんた、神様、だもんな」
(俺、もう自分でも何喋ってるかわかんねーし。頭、ぐるぐるしてるし!
逃げたい、逃げよう、さっさと逃げるべし!)
黒蔵の精神状態はそろそろ限界だ。
191 :
露希&零
2011/01/09(日) 02:17:48.15 ID:nLfS3ig0
>>188-190
露希「貴方達は死にませんよ。いえ、死なせません。」
ふぅとため息をつく。
露希「七生さんは悪意無かった訳だし…
黒蔵君の噂は機関で聞いてるよ?つまり、黒蔵君のは全部知ってたの。」
さすがに二人を追い込むのは可哀そうだ。
露希「それに…逃げたりなんかしたらボクの兄が…」
零 「呼んだ?わぁ、ん?瞳さんだ!!」
露希「………」
>>189
「神様…良い響きですね。」
露希が羨ましそうに言う。
192 :
四十萬陀 七生
2011/01/09(日) 02:22:56.67 ID:Q40wBq6o
>>189
「それは安心じゃん…」
ぼそりと言うと、少し表情が和らいだ。気がする。
>>190
「…そうしたいところだけど、私はそこまでヤな奴じゃないじゃん」
苦笑いして、黒蔵に冗談交じりにいう。
確かに、命の危機からは逃げたい。とても。――しかし、だからといって、黒蔵を置いて逃げるなんてもってのほかだ。
>>191
(ふ、増えた――!!)
ずーんと気分が重くなる。しかし、[
ピーーー
]つもりはないらしい。それはよかった、が。
(もう一人のほうはわかんないじゃん。兄さん、っていってるし…)
警戒は解かない。いつでも逃げれるようにしている。
193 :
瞳
2011/01/09(日) 02:26:31.85 ID:xxbvusAO
>>190
「神様…そう言われると複雑な気分だ…黒蔵は、神様の使いなのか?それなら、なおさら争う必要なんてないじゃないか?というか、少し落ち着いたらどうだ?」
心配そうな様子
>>191
「神様か…」
難しい顔をしているしかし
「おや、零じゃないか。」
零の登場により、笑顔に戻る
>>192
「七生、零も露希も善良な妖怪だ。警戒なんてしなくて、大丈夫さ。」
穏やかな口調で話す
194 :
黒蔵
[sage]:2011/01/09(日) 02:35:04.66 ID:yqxUevAo
>>191-192
「わー!!やっぱり俺達死ぬんだー!」
死、という単語だけに反応し、さらに相手がいきなりもう一人増えて、恐慌状態の黒蔵は
泣きながら魚を放り出して蛇形に戻る。
人の話なんて聞いちゃ居ない。
「…えっと?四十萬陀?」
しかし、その場で露希達兄妹と向き合って、逃げようとしない四十萬陀に、
大蛇は戸惑ったように立ち尽くした。
その間、段々と露希の言葉が理解されて頭に染み込んで来る。
(全部知ってる、って何を全部?
機関?って何それ美味しいの?)
>>193
九十九神に言われてみれば、そうだった。
自分は背中に蛇神の鱗を一枚貰っている。
(…けど俺、罪人なのは変わんないしな、この人ら一体何者?)
突如現れた零への警戒は怠らない。
善良な妖怪って言われても、さっきの露希は十分剣呑な妖怪だと思う。
195 :
露希&零
2011/01/09(日) 02:41:47.12 ID:nLfS3ig0
>>192-194
零「こんばんは。零と言います。」
露希「家の兄です。」
ひとまず自己紹介。
>>193
零「瞳さん、相変わらず強そうだよね。」
>>192-194
露希「結局、君たちは死なない、大丈夫だよ。」
零 「私たち、悪い奴にはこんなへらへらしないしね。」
露希「あ、でも黒蔵君には悪いけど…これを食べてね。機関とか、えらい方からの命令なんだ。」
笑顔で箱を取り出す。中には、零の作った危険な物が。
露希「他の皆はボクのチョコクッキーをあげるよぉ。」
196 :
四十萬陀 七生
2011/01/09(日) 02:52:37.26 ID:L6UiOMSO
>>193
「善良な妖怪、ね」
四十萬陀の顔は、心なしか、いやとてもげっそりしている。
>>194
「黒蔵君…どーやら私たち、逃げなくてもいいみたいじゃん」
逃げたいけど。
とりあえず、向こうは四十萬陀たちを殺そうとはしていないらしい。
>>195
「――って、それほんとに食べて大丈夫なものじゃん…?」
零が取り出したものに、訝しげな目をむける。
197 :
黒蔵
[sage]:2011/01/09(日) 02:56:58.83 ID:yqxUevAo
>>195
(露希は、妹…)
兄、という語に、ちくりと胸の底が痛んだ。
「全部…知ってるのか」
機関が何かはさっぱり判らない。
しかし、彼らは知っているらしい。
かつて黒蔵が自分の母と妹、そしてまだ卵の弟を喰らったことを。
「…それを食べろというなら、食べる」
沈んだ声で蛇は答えた。毒でも喰らいたい気分だ。
しかし、己の呪われた胃袋は毒物ですら受け入れる。
>>196
「心配しなくていいよ、四十萬陀。俺の腹なら多分、何を喰らっても大丈夫」
するっ、と蛇の舌が箱へと伸ばされた。
198 :
瞳
2011/01/09(日) 02:58:07.16 ID:xxbvusAO
>>194
「黒蔵、よく聞いてくれ。あなたは、何か過去に罪を犯したようだが…」
黒蔵の目をじっと見る
そして、一息ついて
「あなただけではない…私も過去に人を殺めた…だから、何の心配もいらないさ。」
自らの過去を語る
>>195
「強くなんてないさ。零こそ、変わりないな。」
ふっと笑いかける
「チョコクッキーか…甘いものは好きなんだ。ありがとう。」
>>196
「ああ、だから心配ない。私は、彼らに助けられてばかりなんだ。」
零と露希の方を見つつ話す
199 :
露希&零
2011/01/09(日) 03:03:33.67 ID:nLfS3ig0
>>196
露希「…とりあえず、大丈夫だね。」
>>197
零「やっぱり、噂は本当だったんだ…大丈夫、僕たちも過去に過ちを犯し、一度殺された身だし…」
まぁ、色々あったのだ。
無差別大量殺人事件、ずいぶん昔の話だ。
零「人も妖怪も、変わろうとする気があれば変われるんだよ?落ち込まないで。」
>>198
露希「そうなの?よかった…」
200 :
黒蔵
[sage]:2011/01/09(日) 03:11:30.20 ID:yqxUevAo
>>198
「俺の罪状は人を殺したことじゃない」
それだけなら、何も水界で身を削られることは無かった。
「神を喰らったんだ」
山で面白半分に喰らった人の親子が、実は飢餓の神、ヒダル神と
その神が取り付こうとしていた人間だったなんて知らなかった。
その呪いで己が身内をも食い殺してその力を奪い、さらに暴れて川を蛇の毒で汚し、
その水を受けた森は腐り、田畑は枯れた。
そして、住処を失った河童や川の魚、田の神が水神に訴え出たのだ。
「喰らった飢えの神に呪われて、俺の腹は何を詰め込もうが膨らまない」
蛇は差し出された箱を、舌で巻き取るとそのまま飲み込んだ。
201 :
四十萬陀 七生
2011/01/09(日) 03:17:17.98 ID:L6UiOMSO
>>197
「黒蔵君、」
彼の過去になにがあったかは知らない。知らないが、
(心配しないわけないじゃん)
それを声には出さず、思う。
>>198
「……」
瞳はこう言っているが、所詮夜雀は人を喰らう妖怪だ。
露希たちにとっては[
ピーーー
]べき相手――なのだろう。別にそれを批判するつもりも非難するつもりもない。瞳の言うとおり、いい妖怪なのだろう、だが。
四十萬陀にとって、命を脅かす存在、露希たちなどは紛れもない脅威だ。
重ねて、四十萬陀のような弱い妖怪にとっては。
「……私は、もう行くじゃん」
>>199
「露希君、……とそのお兄さん? 私はもう行くじゃん。短い間だったけど」
四十萬陀はそう言うと、片手を上げて、「じゃあね」と背を向けた。
(とりあえず、この二人は危険な妖怪リストに入れとかないとじゃん……)
「黒蔵君、この山を下った所に、小さな神社があるじゃん。そこで待ってるから、魚、もってきてほしーじゃん」
四十萬陀はそう言い残すと、山を下りはじめた。
202 :
露希&零
2011/01/09(日) 03:26:45.62 ID:nLfS3ig0
>>198
露希「今日はありがとう。
…絶対に死なないでね?」
と言って手を振る。
>>200
零「…ねぇ、もしもそのことから離れられないようなら…相談に乗るよ。
何か共通するところがある気がするんだ…」
>>201
露希「じゃあ、またどこかで…」
ぺこりとお辞儀をして去っていく。
露希「零、そろそろ私たち…本気で行ったほうが…」
零 「ああ、俺も…今の人たちの話を聞いてそう思った…」
/絡みありがとうございました!!
最後の一人称は仕様で。
203 :
瞳
2011/01/09(日) 03:27:26.45 ID:xxbvusAO
>>199
「露希、改まって言う。本当にありがとう。」
深い感謝を伝える
いつの間にか、露希は瞳の精神の支えになっていたようだ
それは、かけがえのない――
>>200
「……神を…そんな過去が…すまない、私の罪などと同じにしてしまって…」
悲しげな表情
目には、若干の涙
>>201
「じゃあな…また、いつか会えるといいな。」
静かに寂しげに微笑んだ
204 :
黒蔵
[sage]:2011/01/09(日) 03:42:33.74 ID:yqxUevAo
>>201
「わかった。魚は神社へ届ける」
四十萬陀が居てくれてよかった、と、黒蔵は思った。
多分、自分一人だったら、大騒ぎした挙句また痛い目にあっていただろう。
>>202
,203
「ん?
いや、でも二百年も経ったから、大概の葛藤は済んじまったよ。
罰もちゃんと受けてるから、気も軽くなるし。
でも、そう言ってくれてありがとな」
確かにこの二人は、九十九神の言うとおり、そう悪い妖怪ではない。
(でも四十萬陀とは合わせないほうが良いんだろうな。只でさえ怒ると怖いのが二人だし)
二人を見送りつつ、そう蛇は思った。
>>203
「俺も魚届けて帰ろっと。
でもこんな罪人に優しいなんて、あんたもいい神様だな。
多分、崇めてくれる奴もすぐ出るんじゃないのか?
またいつか会おうぜ」
人の姿で魚を担ぎなおすと、瞳に手を振って黒蔵は神社への道を下っていった。
205 :
瞳
2011/01/09(日) 03:51:19.50 ID:xxbvusAO
>>202
「ああ…じゃあな。あなたたちに、あえて良かったよ。あなたたちも、気をつけてな。」
>>204
「ありがとう…そして…すまない…」
涙がこぼれ落ちる
しかし、すぐに涙を拭い
「神様…か…崇められる…私が…ありがとう…やはりあなたは、優しい妖怪じゃないか…」
静かに呟き、手を降って見送る
「神様か…もしかしたら、人間と妖怪の共存…その答えは、そこにあるのかもしれない…」
206 :
天橋 弥城(妖怪仮面)
2011/01/09(日) 22:15:04.65 ID:1Q41+Z6AO
深夜の路上裏
「あれー?おかしいな…確かここら辺でなくしたと思ったんだけどなぁ…」
探し物をする青年
「どこいったんだ…俺のマフラー」
探し物はマフラーの様子
207 :
火取り魔
2011/01/09(日) 22:21:03.53 ID:KRMJgCsaP
>>206
「よぉ、夜遅くになにやってんだ・・・灯灯っ」
青年に近づく中年の男。
くたびれたコートを羽織り、咥えタバコからは紫煙が揺らめいている。
ヘラヘラと笑っているが、すこし臭いを嗅ぐような動作の後。眼を見開く。
「まさかとは思うが、あんた・・・妖怪か?」
208 :
天橋 弥城(妖怪仮面)
2011/01/09(日) 22:26:48.33 ID:1Q41+Z6AO
>>207
「んー?ちょっと探し物をな…」
疲れた顔で男を見る
「そうだけど。あんたもか?」
若干の警戒を見せる
209 :
火取り魔
2011/01/09(日) 22:31:13.91 ID:KRMJgCsaP
>>208
「灯灯っ! 察しの通りだ。
俺は火取り魔。妖気も能力もパッとしねぇつまらん妖怪さ」
再びヘラヘラ笑いながら両手をひらひらさせる。
そのたびに尾灯のような淡い妖気が見え隠れした
「アンタのルーツは一体なんなんだ?」
210 :
天橋 弥城(妖怪仮面)
2011/01/09(日) 22:37:09.16 ID:1Q41+Z6AO
>>209
「火取り魔か…で?どんな能力なんだ?」
能力の話しを聞き少し興味を持ったらしい。
「ルーツねぇ…不明、とでも言っておこうかな。」
笑いながら答える
211 :
火取り魔
2011/01/09(日) 22:49:33.38 ID:KRMJgCsaP
>>210
「・・・見ての通りだ」
咥えていたタバコを手に取り、発火部を見せる。
赤い火部が徐々に小さくなっていく。
「光を取る、それだけ」
タバコを咥えなおすと、再び赤い炎が大きくなる。
「つまんねぇだろ? おかげで人の中に潜り込むのが楽だぜ・・・」
ニタリ、と笑う。
「探し物ね、付いて来な。
一寸先も見えねぇこんな暗闇じゃ探すのも難儀だろ?」
軽い足取りで後ろに向き直る。
「そう睨むなよ、眼が光ってるぞ・・・灯灯っ」
212 :
天橋 弥城(妖怪仮面)
2011/01/09(日) 22:54:45.49 ID:1Q41+Z6AO
>>211
「へぇ、光を取るのか。以外と面白いと思うぜ?」
笑いかける。
「え?手伝ってくれんのか?サンキュー!助かるよ。」
能力を見て危険はないと判断したからか、警戒は無しについていく
213 :
火取り魔
2011/01/09(日) 23:05:09.82 ID:KRMJgCsaP
>>212
「面白い? どーだか・・・」
火取り魔はどこか寂しげに笑った。
「俺の一族は、その能力の矮小さ故に。
生態も生活様式も人間に近い。人間の変異種って言っても適当なぐらいだ」
その歩みはどんどん人気の無いほうへ向かっていく。
「妙な勘繰りを持っちまってよ。
最近じゃ俺は妖怪じゃなくて人なんじゃねぇかと思っちまう位だ」
紫煙を燻らせる。
火取り魔はふらふらと倉庫の中へ入っていった。
「アンタはどうなんだ?」
ニタリと笑い、振り返る。
「妖怪よりも人の姿である時間のほうが長く、人の服を来て、
人の学び舎に通い、人の道徳に従って行動し、人の飯を食って、
人の道路を歩き、人の立てた家に住み着き、人の中に溶け込んでいく」
指差すように、尋問するように問い詰める。
「お前は自分が妖怪だと胸張って言えんのか?」
214 :
天橋 弥城(妖怪仮面)
2011/01/09(日) 23:18:10.94 ID:1Q41+Z6AO
>>213
「そうなのか?人間の…」
歩きながら考える
人気がなくなっているのにはまったく気づいていない
「人ねぇ…でも、あんたは妖怪だろ?ん?なんだこの倉庫?」
不思議そうに倉庫の方を見る
「俺?俺は…えーと」
少し考え
「俺は妖怪だ、なんて自信もって言えないかもな…てゆーか、妖怪らしくねぇ…だけど、いやじゃないぜ。俺、母さんに勧められて人間の中で生活し始めたんだ。最初は、なんで人間の中でって思ったけどさ…暮らしてみると、悪くはないんだ。」
戸惑いながらも答えた。
215 :
火取り魔?
2011/01/09(日) 23:32:51.66 ID:KRMJgCsaP
>>214
話す間、倉庫の扉をガラガラと閉め、倉庫に明かりを着ける。
振り返り、天橋の話に聞き入った。
「成る程・・・ね」
眼を閉じ、考え込むように黙りこくる。
「お前も人間は友達とか言っちゃうんだ?」
倉庫の金属扉は溶接されたようになっていた。
瞳を開き、異形の表情で笑いかける。
黒目は三日月状になり、二股に割れた舌先でタバコを挟んでいる。
笑う口元は耳まで裂け、鋭い牙が並んでいた。
爪の伸びた手を振り上げ、天橋に掴みかかろうとする。
216 :
天橋 弥城(妖怪仮面)
2011/01/09(日) 23:38:00.94 ID:1Q41+Z6AO
>>215
「おい、なんで閉めるんだよ?おい?」
突然黙ったのを不振がり
「え?」
異形と化した男を見て、驚愕
とっさに下がり、手をよける
「な、いきなり何するんだよ!?」
217 :
火
2011/01/10(月) 00:00:34.82 ID:KRMJgCsaP
>>216
「うぜぇクソ神が『妖怪殲滅!』とか暴れ回ってよぉ、
『人間は友達! 弱い妖怪は守ってあげなきゃ!』とかぬかす
ふざけたボケ妖怪共がどこからかうじゃうじゃ湧いてきてよぉ・・・!」
頭を激しく掻きまわす。
コートを剥ぎ取るように脱ぐ。
一瞬強く握られた後、地面に落ちるヨレヨレのコート。
突如、のたうつ様にコートが赤燈の光を上げて燃え上がる。
「旨そうな妖怪や人間が居ても! 善良な雑魚のフリしてスルーする日々!!
火中の栗を何個採り逃したかわからねぇ! 焼け付くみてぇに窮屈な人間生活!!」
「ふざけてんのか、舐めてんのか、頭沸いてんのかぁ!?
悪くねぇワケねぇだろうがこんなふざけた生活習慣よぉ!!」
顔の皮膚が割れ、鱗のようなモノが生えていく。
コートを脱いだその身体には、無数のボトルのようなモノが括り付けられていた!
「だがもうこんな生活とはオサラバさぁ。
あのクソ神も居なくなってよぉ! 火ぃ着いちまったからなぁ!!」
笑いながらボトルを取り出し、底を擦るように撫でる。
それはどこにでも売っているヘアスプレーだ、しかしこれは・・・
「火火火ッ!!」
天橋に向かって放り投げられる、が。
突如それは空中で炸裂するように爆発した!!
〜妖怪目録〜
【火蜥蜴】
炎を喰らうといわれるトカゲ。
その這いずった道は煙を上げ、黒く焼け焦げるという。
218 :
天橋 弥城(妖怪仮面)
2011/01/10(月) 00:15:38.29 ID:1Q41+Z6AO
>>217
「確かに妖怪のあるべき姿じゃねぇと思う!だけど、俺の目の前であんたの好きにはさせねぇよ!」
怒声をあげる。
しかし、頭に血が登りすぎたのか、爆発を避けそこねた。
「ぐああっ!くそっ!」
直撃ではないが、ダメージは大きい。
219 :
火蜥蜴
2011/01/10(月) 00:30:35.47 ID:KRMJgCsaP
>>218
怒声を聞いくが、嘲笑う。
「のん気だねぇ、俺は今お前を食おうとしてんだぜ?」
屈み、床に転がる鉄パイプを拾い、上部を暖めるように握る。
「俺の力は"後焼き"、触れた物体を発火させる。
だが、これは炎を作るんじゃなくて『物体の反応熱を下げる』だけだ」
もて遊ぶように振る。
「石は燃やせねぇし、空中に炎をぼわっ! とかは無理だが。自然酸化する物体なら」
突如、鉄パイプの握られていた部分は真っ赤な光を上げて発熱する!
「金属だって燃やせるんだぜぇ!!」
半分溶け出した鉄パイプが振り下ろされる。
220 :
天橋 弥城(妖怪仮面)
2011/01/10(月) 00:33:19.41 ID:1Q41+Z6AO
>>219
221 :
天橋 弥城(妖怪仮面)
2011/01/10(月) 00:39:27.37 ID:1Q41+Z6AO
>>219
「俺を喰う?させるかよ!」
睨みつける
「面白い能力だな!」
台詞とは裏腹に怒っている声だ
バックステップで素早くパイプを避ける
/
>>220
はミスです。すみません。
222 :
火蜥蜴
2011/01/10(月) 00:45:03.04 ID:KRMJgCsaP
>>218
「後焼き」
左手にはすでにボトルが3本ほど握られていた!
放り投げられる3本のボトル。
どれも底が徐々に赤くなっていった。
スローモーションのように空中でクルクルとボトルが回転し、天橋に迫る。
223 :
天橋 弥城(妖怪仮面)
2011/01/10(月) 00:54:17.64 ID:1Q41+Z6AO
>>222
「うわっ!くそっ!」
必死に避けようとする
しかし、3本も避けるのは難しかった。
224 :
黒風やもり
[sage]:2011/01/12(水) 17:59:41.30 ID:SkbhWIcqo
太陽。日がジリジリと照りつける中を歩いていた。
一歩ごとに、足の隙間。骨の中身にまで砂が入り込んでくる。
避けて歩けば、人の視線は注目する。
甲冑が妙な音を立てて崩れた。背後には巨大な砂人形という妖怪が居た。
砂人形を斬り倒す。斬っても斬ってもサビない、無名の刀を携えている。
黒風やもり。落ち武者という典型的な妖怪である。
225 :
山犬
[sage]:2011/01/12(水) 20:22:51.95 ID:9C5GI78Qo
>>224
(白昼に出る妖怪とは珍しい)
灰色の犬が、落ち武者の少し後を距離を置いて付いて行く。
送り犬の深山である。
(人の目も気にせず、何者だろうか?)
226 :
黒風やもり
[sage]:2011/01/12(水) 20:51:23.08 ID:SkbhWIcqo
>>225
「そこに居わすは何者ぞ。我は天空より来て、世の中を闊歩する、落ち武者と呼ばれて早三十四年。
黒風やもりと申す者。実は百鬼夜行の主決めなるモノが最近の主題と聞き及びまして、早速使えるべき主を探したてまつっておる」
ゴクン、と唾を飲む音がした。
骨同士が軋み、危うく崩れそうな、兜の装飾が、風に流された。
その何かの尾羽は、ゆったりと風に舞い、犬の前に現れる。
「もしそなたが志ある勇者で、王者ならば。
拙者仕えても、あっ、構わない〜ぃ!」
「いかがであろう」
227 :
山犬
[sage]:2011/01/12(水) 21:00:12.06 ID:9C5GI78Qo
>>226
「百鬼夜行なら夜中に名乗り上げてみたら、主争いの相手が見つかるかも知れんぞ」
犬が応えた。
「俺は三峯から派遣されてるんでな、札の主を護りはするが、主争いとは無関係なんだ」
あくびを一つして、ひょいと立ち上がると、犬は警備員姿の人間になった。
「いけね、今朝、髭剃り忘れた」
ごつい顎をさする。
228 :
黒風やもり
[sage]:2011/01/12(水) 21:04:36.05 ID:SkbhWIcqo
>>227
「や、それは失敬した。
大人びて居られる。私は若輩者でしてな。
幾らなんでも、勇敢な程でして。弾がまだ体内に残っております。
これが取れないのですよ。いかほどの医師でしたら取ることもかないましょうや。
や、これは失敬。それより剃刀なら持っておる。これであろう」
アイテム:小太刀
「斬って進ずる」
「あっ、覚悟なされよっ」
気配:殺気
229 :
四十萬陀 七生
2011/01/12(水) 21:08:24.03 ID:Dx7SaZ9Wo
>>228
(こんな白昼堂々と……しかも全っ然変化してないじゃん)
散歩をしていたら、偶然妙な妖怪に遭遇してしまった。
同時に、もう一人の存在を見つけた。同族に近いような、自分と似たニオイ。
「こんなところで白昼堂々、なにしてるじゃん?」
それに惹かれて、四十萬陀が声をかけた、が。
不意に感じる気配。殺気。四十萬陀は、さっと顔を青ざめて、近付いたことを一瞬で後悔した。
(……私、まずいときに来ちゃったじゃん……?)
230 :
山犬
[sage]:2011/01/12(水) 21:11:04.82 ID:9C5GI78Qo
>>228
「髭そりなら職場のロッカーに一応シェーバーが置いてあ……」
ぅおっと、アブねェ!
「おいおい、他人の髭切るのに小太刀振るうのかよ!
日ごろどんな床屋行ってるんだお前は!」
警備員の突っ込み。
深山の顎に一筋の赤。
危うく耳を切り落とされるところだった。
このどこか飄々とした落ち武者は、殺気はあれども本気はイマイチ感じられない。
(こんな街中で、衆人環視の中で殺り合えだと?)
231 :
黒風やもり
[sage]:2011/01/12(水) 21:36:53.30 ID:SkbhWIcqo
>>229
>>230
「や、本気ではござらん。制御できずに出たのでござる。
しかし本当に拙者のシェーバー(!)を受ける気が無いとは。
いや、確かに、練習したことはござらんが。自分の髭は自分で斬ってきましたぞ。
そのため、モジャ切りの虎と自分で呼んでおる。しかしのお、そこまで警戒(ry」
相当長い世間話が始まった。
それから、七生の姿を認める
「うぉわっしゃー!そなたも不可思議。
一体何故それほど私に注目するぅー!」
とりあえず、シェーバーの言い方だけは流暢なのだった。
232 :
山犬
[sage]:2011/01/12(水) 21:46:18.85 ID:9C5GI78Qo
>>229
(早速人に見られた。くそっ!……ん?なんだこの小娘、妙に鳥臭いぞ)
送り犬に夜雀、共に山の送り妖怪。
どこか気配は似通っているはずだ。
(そんなの気にするより、まずはこっちが先か)
>>231
「いやそれどう見てもシェーバー違うだろ」
まだ仕事前なのに疲労感が襲ってきた。
妖怪には「普通」が当てはまらないのは重々判っている。
その上この落ち武者のとぼけっぷりでは、怒る気にもならない。
「……もう少し目立たない格好にはなれないのか?」
長い話を遮って、落ち武者に尋ねる。
周囲には携帯電話片手にwktkしている人間が数名。
何かのイベント事だと勘違いしてくれている様子ではあるが…。
233 :
四十萬陀 七生
2011/01/12(水) 21:50:12.15 ID:Dx7SaZ9Wo
>>231
「……あ、あれー?」
世間話が始まって、置いていかれ四十萬陀は、茫然と黒風の背中を見ている。
いつの間にやら、先ほど感じた殺気は霧散していた。
――しばらくして、世間話が終わったらしく、やっとこちらに意識が向けられる。
「いや、君すごい目立ってるからだと思うじゃん……」
>>232
「君、この妖怪の知り合いじゃん?」
それなら、ここから避かしたほうがいいと思うんだけどなー、と、警備員に話しかける。
234 :
黒風やもり
[sage]:2011/01/12(水) 21:58:14.95 ID:SkbhWIcqo
>>232
>>233
「ああ、それから私は私自身に制約を課しておる。
お前と私が最後まで平等に、髭を切れるように。
つっ、つまりだな、男として、対等に」
歯切れが悪くなってきた。
今頃、髭剃りに失敗して血を流したことに対して、
後悔の念を持ち始めていたのだ。
「ああっ、お主、到る所で、この携帯電話を」
持ってたよ、この落ち武者携帯電話を使いこなしているよ。
「持っている小僧共がおるのう。このこと心配しておるのか」
「ううむ、わかった。人の姿にはならんが、隠れるぐらいしてもいい」
ジャンパーを着た。
普通にみたら、ジャンパーで下は甲冑で、その下にレギンス。その下に骨の見えている足だった。
小手とか、兜とか突っ込みどころは残ったままだ。
235 :
山犬
[sage]:2011/01/12(水) 22:06:16.03 ID:9C5GI78Qo
>>233
>>244
いや、知り合いじゃないぞ。断じて。
しかしこの娘の言うとおり、確かに場所を移したほうが良さそうではある。
たった一つしか人目を避けて安全に話せる場所は思いつかないが。
「あー、くそっ!今日は厄日か」
しぶしぶながら、深山は落ち武者を自宅へ案内することにした。
二階建て全6室、6畳二間の昭和の香り漂うボロアパートへと。
「こっちだ、ついて来い」
幸いにも、落ち武者が携帯をだしたため、人間たちの詮索はそこで終わったらしい。
やっぱ普通のひとじゃん?という呟きが聞こえてきた。
236 :
四十萬陀 七生
2011/01/12(水) 22:09:04.27 ID:Dx7SaZ9Wo
>>234
「ぎゃっ、逆に目立つと思うじゃん……」
肩を落としながら、四十萬陀は突っ込んだ。
白昼堂々、甲冑で出歩いたり、かと思えば携帯を使いこなしていたり。
「――ぷっ」
四十萬陀は、思わず噴き出た。
>>235
警備員がどこかに案内するようなので、四十萬陀は、その後をちゃっかり付いていくことにした。
なんとなく、黒風が気に入ってしまったのだ。
237 :
黒風やもり
[sage]:2011/01/12(水) 22:16:56.16 ID:SkbhWIcqo
>>235
>>236
「で、なんだ、このボロいという言葉とはかけ離れた・・・地上の家は」
逆に天空の家なら何なのと聞かれても答えられない。
238 :
山犬
[sage]:2011/01/12(水) 22:21:03.30 ID:9C5GI78Qo
>>236
>>237
「ボロですまんな。今の俺の住処だ」
ボロアパートの看板には「東風荘」とある。
誰かが悪戯に書き足して「おっ東風荘」となっている。
ぐらつく鉄の階段を上って2階、左端の部屋が深山の借りている部屋だ。
「だが、ここなら人間を気にしないで話せる」
殺風景な部屋に、コタツとヒーター。
壁際にダンボールが幾つか置いてある以外は、本当に最低限のものしか置いていない。
次の間も布団が壁際に押しやってあるだけで、似たようなものだ。
「で、落ち武者はともかく、くっついてきたそこの鳥臭いお前。どこの妖怪だ?」
コンロに薬缶を載せながら、警備員が訊いた。
239 :
四十萬陀 七生
2011/01/12(水) 22:26:45.80 ID:Dx7SaZ9Wo
>>237
「にゃはは、ボロ〜」
黒風の言葉に続けて、けらけらと笑う。
>>238
「お邪魔するじゃん!」
ひょこんと、床に体操座りする。
そして、しきりに辺りをキョロキョロ見渡している。人の家に入ることはあまりないため、珍しいのだろう。
「私? 私はそこの山の夜雀じゃん。そういえば、君は私と同じようなニオイがするじゃん」
そういえば、とそもそも彼のニオイに誘われてきたことを思い出す。
240 :
黒風やもり
[sage]:2011/01/12(水) 22:39:17.75 ID:SkbhWIcqo
>>238
>>239
「風は温かくー、ぬくぬくと。
ううむ。もう一度。風香る、温もり称え、夜を待つ。
どうだっ」
一人遊びに没頭し始めた。
そして、七生の正体が妖怪だと知り、頭を少し下げる。
「拙者主君を探して・・・いや、もしよければ、ですが。
そのぅ、私の主君になりませんかっ!?」
241 :
山犬
[sage]:2011/01/12(水) 22:41:45.08 ID:9C5GI78Qo
>>239
「人間に怪しまれず、雨露凌げりゃそれで十分だからな。
そもそもここの大家に家賃くれてやるための住処だ」
ボロと言われて警備員は肩をすくめる。
「ああ、夜雀かよ。道理で馴染みの匂いだと思った。
コタツ入れよ。人間の作ったもんのなかじゃ、なかなかいいもんだぞ」
二人に勧めておいて、自分は沸騰した薬缶を取りに行く。
>>240
「そっちは黒風…って言ってたな。
俺は深山鉱太郎。三峯神社の山犬だ。今は人として仕事しながら生活してる」
二人の前に熱い茶が出てきた。
茶を出し終わると、警備員はもとの山犬に戻り、ぶるっと体を振る。
「あー、人間のなりは窮屈だ」
242 :
四十萬陀 七生
2011/01/12(水) 22:48:01.33 ID:Dx7SaZ9Wo
>>240
「しゅくん?」
突然切り出された話題に、目を丸くさせる。
それからううんと唸って、
「君、毎日山に住めるじゃん?」
>>241
「ありがとーじゃん。えーと、この中に入るの?」
初めてみるのか、興味深々といったようすでコタツの中に入る。
「おおっ、あったかいじゃんっ」
コタツを気に入ったらしい。お茶を受け取り、嬉しそうにすする。――と、深山が送り犬だとわかると、さらに嬉しそうに目を輝かせた。
「君、送り犬だったじゃん!? 仲間以外の送り妖怪に会うのは久しぶりじゃん!」
はしゃぎながら、深山の毛並を撫でたり、頬ずりしはじめる。
いつもの、仲間にやっているスキンシップというやつだろう。
243 :
黒風やもり
[sage]:2011/01/12(水) 22:51:44.76 ID:SkbhWIcqo
>>241
>>242
黒「なんと不思議。犬であったとは。
それなら、犬。犬!」
何故か異様に興奮し始めた。
しばらくして、七生に向き直る。
「毎日、山に?・・・別に何も困る理由はござらんが?」
244 :
山犬
[sage]:2011/01/12(水) 23:00:12.71 ID:9C5GI78Qo
>>242
「人間ってのはひ弱だから、冬はコタツがないと駄目らしいぞ」
貰ったはいいけど俺にはすこし熱すぎる、と寒いほうが得意な山犬は
大人しく夜雀に毛皮をもみくちゃにされている。
>>243
「最初に会ったときから犬だっただろうが!」
さっきから黒風には突っ込みしかやっていない気がする。
ふと、落ち武者の脳みそは無事なんだろうかと山犬は気になった。
さっきこいつが言っていた通り、脳みそにも弾丸が食い込んでいたりするんだろうか。
>>242
「あちこち飛び回る雀なら、知っているかもしれんな。
この落ち武者は百鬼夜行の主争いに加わりたいらしい。
仕える相手が欲しいようなんだが、主を狙う妖怪に心当たりは無いか?」
ふと、訊いてみた。
245 :
四十萬陀 七生
2011/01/12(水) 23:13:04.55 ID:Dx7SaZ9Wo
>>234
「なら、別にいいじゃん。その主君ってやつに――
>>244
「人間は大変だねー。コタツより鉱太郎君のほうがあったかいじゃん」
もふもふしながら、深山の話を聞いている。
「主争い? ううん、聞いたことないじゃん。百鬼夜行の主争いねえ、できれば関わりたくないじゃ…」
>>234
ふと、思った。
今黒風が言っている、主君というのはもしや――
「も、もしかして、その主君って…」
246 :
黒風やもり
[sage]:2011/01/12(水) 23:29:47.69 ID:SkbhWIcqo
>>244
>>245
「その主君というのに聞き覚えがあるのですか?
あなたの因縁のようだが」
「そういえば、あなた犬でしたよね。興奮しますね。
妖怪なのに、お手とか、できるんですよね。
頭いい天才犬とか、急に呼ばれたりするようになるんですよ」
「みかんが欲しいところだ」
「むぅ」
現在眠りへと誘われて陥落した模様。
247 :
四十萬陀 七生
2011/01/12(水) 23:40:43.06 ID:Dx7SaZ9Wo
>>264
「い、いや、全然関わりないじゃん! 聞いたこともないじゃん!」
ぶんぶん手と頭を振り、関与拒否。
(ね、寝てくれてよかったじゃん……)
危ないところだった。後一歩のところで、安請け合いして妙な主争いに首を突っ込むところだった。
248 :
山犬
[sage]:2011/01/12(水) 23:43:19.59 ID:9C5GI78Qo
>>245
「そっか。もし主争いについて何か聞いたら教えてくれよ」
夜雀達の情報網は山に居た頃にもよく役に立っていた。
送り妖怪同士なら、信頼は置いていいだろう。
>>246
「眠っちまったよ」
なんとも唐突な妖怪だ。
しかし、どうにも危なっかしくて放っておけないところもある。
「そろそろ俺は仕事に行かないとな」
うん、と伸びをして、山犬は警備員の姿になる。
「落ち武者はしばらくここに寝かせておこう」
この部屋には、鍵をかけなくても誰も盗みに入らない。
そもそも盗るものがない。
しかも盗難・火災避けの山犬の住処なのだ。
249 :
四十萬陀 七生
2011/01/12(水) 23:49:14.32 ID:Dx7SaZ9Wo
>>248
「ま、小耳に挟んだら…」
ぼそぼそと呟く。なるべくこういうことには関わりたくないが、相手が同族となれば無下にもできない。
もしどこかで聞いたら、と頭の隅に残しておくことにした。
「どっかいくの? なら、私も帰るとするじゃん」
四十萬陀はそう言って、名残惜しげにコタツからはい出ると、がらがらと窓を開いた。
「うう、寒〜……。それじゃ、また会えるといいじゃん!」
そう言うと、手を振りながら窓を閉め、変化した四十萬陀は空へ飛び立った。
250 :
山犬
[sage]:2011/01/12(水) 23:57:30.52 ID:9C5GI78Qo
>>249
「一つよろしく頼んでおく」
夜雀が出て行った後、落ち武者に薄い布団をかけてやり、警備員は玄関へ向かう。
ドアノブではなく扉に直接手を当てると、そこに赤く2頭の獣の文様が浮かび上がった。
「今日は帰りにみかんを買ってくるとするか」
閉じたままの扉の文様に、吸い込まれて警備員は消えた。
後には明かりを落とした部屋と、そこで眠る落ち武者が残された。
251 :
波山&極楽鳥
2011/01/13(木) 22:08:51.44 ID:6sWE7GyGP
夜更けの林道を歩く少女。
季節外れなワンピースを着ている。
露出した肌のあちこちからは羽毛のようなモノが生えていた。
目の周りには不気味な皺がある。
妖怪、しかも変化にあまり慣れていないようだ。
少女は鶏を抱きかかえていた。
ふかふかの羽毛に覆われた鶏が羽根を散らしながら喚き立てる。
「寒ぃわ、マジ無いわ。この国寒過ぎだわ!!」
しゃべる鶏、しかも言葉遣いが悪い。
なだめるように少女が語りかける。
「そう言わないで・・・、ワタシの国の冬こんなもんじゃなかったですよ?」
こちらは発音が悪い。
252 :
東雲 犬御
2011/01/13(木) 22:21:06.24 ID:do5vrn0no
>>251
「こっちまで歩いてくンの始めてだな…」
そう呟きながら、暗い林道を闇色の毛を持った狼が歩いていた。
金色に輝く眼は、夜の道に怪しく光っている。
闇の中でも視力を失わないそれは、しばらく歩いていると、向かい側にいる二人の妖怪を捕えた。
「あん? ありゃあ……妖怪か」
送り狼、東雲 犬御(しののめ けんご)は鋭い目を光らせ、そちらへ歩いていった。
253 :
波山&極楽鳥
2011/01/13(木) 22:31:22.93 ID:6sWE7GyGP
>>252
「――ッ! 誰か来ます、向こうから」
少女はピクリ、と気配を察知し立ち止まる。
目付きをが鋭くなる。警戒、というよりも脅えるように後ずさる。
「マジすか、姉御?」
対照的にのんきな波山。
警戒心の強い極楽鳥とは異なり、
気配を感じるどこころか鳥目で姿すらよく見えないはずだ。
「に、人間かもしれないのでしゃべらないでください!」
「大丈夫じゃねぇッスか? こんな夜道なんか歩くのはどーせ妖怪なんだし」
「密猟者とかかもじゃナイですか!」
おろおろと鶏を抱えたまま右往左往する少女。
仮に変化が完璧だったとしてもその姿はかなり怪しい。
「ど、どうしまショウ? 隠れますか、それともいっそ変化を解いて飛びましょうか!?」
こんなんだから一回捕まったんだろう。
そんなこんなしているうちに気配はどんどん近づいてくる。
254 :
東雲 犬御
2011/01/13(木) 22:43:42.81 ID:do5vrn0no
>>253
がさり、と道端の雑草を踏み分ける。
犬御は二人の目の前に姿を現した。
「……んだそりゃ、ヘッタクソな変化だな……」
犬御は極楽鳥を見て初めて始めた一言は、それであった。
おろおろとする極楽鳥に構わず、すたすた近付いていく。
255 :
波山&極楽鳥
2011/01/13(木) 22:50:52.40 ID:6sWE7GyGP
>>254
「ひぃっ!」
驚き、飛び退く極楽鳥。
ガクガク震えながら、後ずさる。
「あ゛ん? んだとコラ、てめぇコラ何の妖怪だおい?」
いきなりメンチ切りだす波山。
やはりよく見えていない、微妙に方向が違う。
「てめぇオイ、どこ山出身じゃコラァ。俺は御所山の波山様だぞボケェ!」
脅える極楽鳥を尻目に完全にチンピラの波山。
ちなみに御所山とは隣の山のことである。
256 :
東雲 犬御
2011/01/13(木) 22:57:03.99 ID:do5vrn0no
>>255
「あぁん?」
がるる、と軽く唸り、犬御は鋭い歯をちらつかせた。
「俺はそこの山の東雲、送り狼だ。妖怪を喰う趣味はねーが……その無駄口閉じねーと[
ピーーー
]ぞ、鶏」
こちらも喧嘩腰だ。鋭い眼光を二人に向けている。
257 :
波山&極楽鳥
2011/01/13(木) 23:05:33.22 ID:6sWE7GyGP
>>256
「あっ、妖怪様でs――
「ワン公かい! てめぇワン公だなっ!」
妖怪だと確認し、少し落ち着く極楽鳥。
さらにいきり立つ波山。バサバサと羽ばたく度に羽根が散る。
抱える極楽鳥は波山が落ちないように必死で抱え、慌ててフォローしようとする。
「す、すみません! ホントはいい娘なんで――
「あ゛ぁッ!? [
ピーーー
]だぁ? 上等だテメェ、返り討ちにしてやんよ!!」
波山、うるせぇ。
258 :
東雲 犬御
2011/01/13(木) 23:13:33.86 ID:do5vrn0no
>>257
「チッ、うるせぇなあ……!! どーせ鳥目で何も見えてねーんだろうが」
ピキピキ、と人間で言うところの、血管が浮かび上がっている状態、といえばいいのだろうか。
「オイそこの、鶏持ってる妖怪、そいつ地面に置け。ブッ殺 す」
どうやら大分短気らしい。波山に煽られて、簡単にマジになっているようだ。
牙を剥き出しにして、いつでも飛び出さるように、態勢を低くしている。
259 :
波山&極楽鳥
2011/01/13(木) 23:35:22.60 ID:6sWE7GyGP
>>258
「あぅ・・・」
「よっしゃ、姉御ぉ! 降ろしてください!!」
降ろせるわけが無い。
極楽鳥でなくてもわかる、あからさまな殺気。
おまけに向こうは完全に臨戦、というより狩猟態勢である。
下手すりゃ[
ピーーー
]される。
たぶん下手しなくても[
ピーーー
]される。
どうしよう、どうしよう・・・。
グルグルと思考がこんがらがり。
「わ、わかりました! 私が戦います!!」
「なにがわかったんすか姉御ぉ!?」
たぶんどっちも引っ込みつかないだろうし、もうやるしかない。
きっとワタシなら即死はないだろう、そうだといいな!
「そ、そこで見てて! ここここまで妹を馬鹿にされたら私も黙っていられません!!」
「あ、姉御・・・? よくわかんないけどカッケェーですぜ!!」
明らかに脅えて呂律の回らない極楽鳥。
まくし立てた張本人なのにのん気な波山。
急いで変化を解く。
直後、暗く冷え切った林道に極彩色の陽光が満ちた!
全長2mにも及ぶ巨大な翼は燦然と輝き、軽く羽ばたく度に林道が昼以上の明るさを取り戻す。
虹色の尾は長く伸び、煌々と輝きながら緩やかに揺れる。
はるか昔から多くの人間を魅了してきた、極楽鳥が煌めかし全貌を現す。
大きく羽ばたき、夜道を照らしながらその巨躯を宙に浮かせる。
「行けー! 姉御、先手必勝だーーーッ!!」
「"鬼火・極彩燭"!!」
大きく翼を動かし、緑や燈の光が入り混じったような光球を作り出した。
それを翼で弾くように、東雲へと射出する!!
260 :
東雲 犬御
2011/01/13(木) 23:49:30.35 ID:do5vrn0no
>>256
「ああっ!? なんだ、嬢ちゃんが闘うのか!?」
唐突な展開に驚く犬御。
しかし言ってる暇もなく、極楽鳥が変化を解いた。
「う、――!!」
急激に視界が闇から光に引き戻され、目が眩む。
思わず一歩後ろに下がるが、
「っなんだぁ……!?」
自分めがけて飛んできた光球を、ギリギリのタイミングで避ける。
しかし避けきれなかった光球は、犬御の体をかすり肉を焼いた。
261 :
波山&極楽鳥
2011/01/14(金) 00:02:47.49 ID:vMzzwY4pP
>>260
炸裂する光の球。
辺りには様々な色の光が交じり合い、白い閃光が満ちる。
が、それだけだった。
先ほど炸裂した光はただの可視光である。
熱を持った赤外線でも、有毒の紫外線でもない。
本当に、"ただの光"だ。
しかし突如光の中から声が聞こえる。
「あ、姉御ぉ!? 一体何を――
その声と同時に重音の羽音が響きわたる。
波山を掴み、極楽鳥は天高く飛び上がっていた。
「すいません・・・、逃げます」
逃亡に特化したこの目晦ましばかりの妖力。
闇夜のなかで彗星の様に煌めきながら、長い尾が幻想的に光の線を描いていた。
262 :
東雲 犬御
2011/01/14(金) 00:09:50.81 ID:fRIjqyFYo
>>261
「…熱ッ…、くねぇ?」
態勢を立ち直し、辺りを見渡すが、目が眩んでよく見えない。
視覚が元に戻ったときには、二人の鳥は空へ舞い上がっていた。
「まっ――待ちやがれ手前ェら! 降りてきやがれっ!!」
ぎゃうんぎゃうん、と吠えるが所詮狼。翼がなければ、空の相手に届くわけがない。
263 :
波山&極楽鳥
2011/01/14(金) 00:20:22.45 ID:vMzzwY4pP
>>262
「ぎゃははははは! だっせーーーッ!!」
「・・・ホントに落としますよ?」
「あ、姉御っ!?」
吼える狼を見下ろし、笑う波山を諌める極楽鳥。
今回ばかりは少々疲れ、狼狽したような様子だ。狼だけに。
「今回はちょっと反省してください」
「うぐぐ・・・」
「あと東雲さん、本当にすいません。今回のお詫びはいずれ近いうちに伺いますので」
一生懸命流暢な日本語を話す極楽鳥。
神々しいばかりの光を放ち、高みからひたすら頭を下げる光景はなかなかカオスである。
264 :
東雲 犬御
2011/01/14(金) 00:28:15.63 ID:fRIjqyFYo
>>263
「くっ…いつか必ず借りは返してやるからな!!」
どこぞの悪役のような、極楽鳥とは全く逆のことを喚き散らす。
「絶対ブッ殺――」
「なーに物騒なこと言ってるじゃん、犬御」
「す……ってぇ、ななななな七生!?」
ぱたぱたとどこからか夜雀が飛んでくる、と、今まで騒いでいた狼が突然大人しくなった。いや、落ち着いていない様子ではあるのだが…。
「突然林が光った方向から、犬御のニオイがしたから飛んできてみたら……妖怪と喧嘩したらダメだって、あれほど言ったじゃん!」
「す、すまん…ついカッとなってだな、その」
尻尾がしゅんと垂れ、先ほどとは別人のようだ。…しかし、怒られているのにどことなく嬉しそうなのは、勘違いであろうか。
四十萬陀はちゅん、と短くなくと、極楽鳥たちに向かってすまなそうな声を掛けた。
「うちの妖怪が迷惑かけたじゃん。こちらこそお詫びするじゃん」
265 :
波山&極楽鳥
2011/01/14(金) 00:39:21.33 ID:vMzzwY4pP
>>264
「いえいえ、そんな――
「おう! 超・迷惑だったぞこのヤローー!!」
この鶏は・・・。
「ワン公! 今度、面貸せって痛ガガガガガッ!!」
「・・・本当にすいません」
少し強く握る極楽鳥、わりと良識はあるようだ。
「第一! 女の子なんだから、そんなに汚い言葉、ダメです使っちゃ!」
「チッ、はぁーい」
前言撤回、ダメだコイツ等。
266 :
東雲 犬御
2011/01/14(金) 00:45:34.98 ID:fRIjqyFYo
>>265
「いやいや、気にすることないじゃん。ほら、犬御も謝る!」
「ぐ……、わぁーったよ…。悪かったよ」
渋々といった感じで、狼が頭を下げる。2・3cmだが。
「っでもなぁ、喧嘩吹っかけてきたのはあっちだって…」
「煽られるほうも煽られるほうじゃん」
「つ、つつくなよ!」
つんつん、と頭に乗った四十萬陀が、小刻みに犬御の頭を突いた。
267 :
波山&極楽鳥
2011/01/14(金) 00:55:39.72 ID:vMzzwY4pP
>>266
「ふふふ・・・」
微笑ましそうに下のやり取りを見る極楽鳥。
共に生きられる仲間が居るのは素晴しい。
ただ孤独に逃げ回り、隠れながら棲んでいた極楽鳥はその幸せを噛み締める。
「それじゃあ、お失礼しました」
「あっ! そうだ、そこのワン公、オイ!!」
翼でガッツポーズのようなモノを作る波山。
「肉食なのは見た目だけか? 草食系はやめとけ!
チャンスを面白いくらい逃すぞ!! 押しは強く! 狙いは高めにだ!!」
「・・・?」
この鶏、こういうカンだけは鋭かった。
極楽鳥は困惑した表情を浮かべながら、夜闇の彼方へと飛び去っていった。
268 :
東雲 犬御
2011/01/14(金) 01:04:57.56 ID:fRIjqyFYo
>>267
「は…ハァ!?」
「? なんの話じゃん?」
小首を傾げる夜雀の下で、図星を付かれたように狼狽える犬御。
「よよよよ余計なお世話だトリ!!」
「じゃあねー」
暗闇に消えていく二人を、ぱたぱたと羽を揺らせて見送った。
269 :
四十萬陀 七生
2011/01/14(金) 20:29:45.09 ID:fRIjqyFYo
がさがさっ、と山の茂みが突然騒がしく揺れる。
葉や枝を引っ提げて、茂みから頭を突き出したのは、四十萬陀であった。
「…よし、いないじゃん」
その場からのそのそでてくると、泥や木の葉で汚れた制服を叩きながら立ち上がった。
「ふー、やっと一安心じゃん…」
270 :
夜行集団
2011/01/14(金) 20:44:11.14 ID:9LaeldAY0
>>269
「・・・」
コンサートを終え、タキシード姿のままの少年のような少女のような妖怪が
小さな岩に腰かけ、食事をしていた
突然の人影に目を丸くしている
「・・華音を食べないですか・・?」
力のない華音はとりあえず身の危険を第一に考えなくてはいけない
しかし、こちらも突然におかしな質問をしたもので、相手に伝っているか知れない
271 :
四十萬陀 七生
2011/01/14(金) 20:52:41.41 ID:fRIjqyFYo
>>270
「…はっ!?」
声を掛けられ、華音に仰天した視線を向ける。
まるで今その存在に気付いたかのようだ――実際、そうであるのだが。
別の事に集中しすぎていて、他の妖怪がいることに気付かなかったようだ。
四十萬陀は引きつった表情で、
「よ、よくわかんないけど…むしろ君が私を食べないじゃん…?」
質問を反復するように華音に返した。
272 :
夜行集団
2011/01/14(金) 20:58:09.62 ID:9LaeldAY0
>>271
「だだ、大丈夫です!僕はもうお腹いっぱいなので!」
また語弊を生む表現、どうせ空腹でも料理として出されたものしか
食べる事はできないのに。狩猟スキルは人間以下、戦闘に関しては
さっぱりなのだ
「ほ、ほっとしました・・最近、妖怪の方が活性化し始めましたから、主決めで。
てっきり襲れるかと・・」
273 :
四十萬陀 七生
2011/01/14(金) 21:09:22.52 ID:fRIjqyFYo
>>272
「そ…そうじゃん?」
(お腹空いてたら食べるのー!?)
お腹いっぱい、という言葉に少し顔を青くさせつつ(余計な事は言わない主義だ)、そそくさと逃げようかと思ったが、
(今この場所を離れたら、またアイツに鉢合わせるかもじゃん…)
どうやら目の前の妖怪は、自分を喰べるつもりはないようだし。
「失礼するじゃん」と一言言って、四十萬陀は地面に横たわっていた石に腰を降ろした。
話を聞くと、主決め、という言葉が飛び込んできた。
この間、黒風も言っていた――というか巻き込まれかけた、百鬼夜行の主を決めるとかいうやつだ。
またか…、とも思ったが、はたと思う。
「そういえば…実は私、さっきまで追われてたんじゃん。見たこともない妖怪が突然襲ってきて」
もしかしたら、それも主決めの争いというやつに関係があるのかもしれない。
274 :
夜行集団
2011/01/14(金) 21:15:46.63 ID:9LaeldAY0
>>273
「えーー!?」
緊急事態、近クニ危険ナ妖怪ガイル!!
ここで仲間なら颯爽と彼女を助ける事が出来るかもしれなかったが
華音は彼らではない
「にににに逃げましょう!!」
四十萬陀のほうに手さしだす
275 :
四十萬陀 七生
2011/01/14(金) 21:24:43.08 ID:fRIjqyFYo
>>274
「にゃはは…大丈夫だから落ち着くじゃん」
華音の慌てっぷりに吹き出しながら、落ち着かせるように手を振る。
「妖怪が山を降るように私が撒いてきたから、今頃アイツは山の麓じゃん」
袂山の地形なら知り尽くしている。罠を仕掛けて、山を降りさせるくらいは簡単だ。
276 :
夜行集団
2011/01/14(金) 21:29:24.46 ID:9LaeldAY0
>>275
「ははっ・・はぁー・・良かったです・・」
危機が去った事にで肩をなでおろす華音
「ありがとうございました、ホントに、
そういえば貴方は何故妖怪に・・?」
277 :
四十萬陀 七生
2011/01/14(金) 21:38:21.53 ID:fRIjqyFYo
>>276
「そんなの、私が聞きたいじゃん」
ため息を混じらせて、頬に肘を立てる。
「……でも、多分、ここの一角を縄張りにしてる私たち送り妖怪が、主争いに参加してると勘違いしたんだと思うじゃん
私たちは百鬼夜行の主になんて、興味はないのに…」
278 :
夜行集団
2011/01/14(金) 21:46:57.86 ID:9LaeldAY0
>>277
「百鬼関係ですか・・」
姫に魅せられてある集団に入ったものの、主決めの為に戦うのは
やはり嫌いである。あらそいは望まない、歌を聞いてくれる人が居なくなってしまうからだ
だが、自分のところの者ではない事には確定出来る。
明確な危険性もないのに関係のない妖怪は襲ない、それが戦いに明け暮れる彼らを
見放さない最大の理由だからだ
「最近は勘違いして騒ぐだけの妖怪もいますしね・・
僕らの者ではないとははっきり言いますよ」
考えが口に出てしまっている
279 :
四十萬陀 七生
2011/01/14(金) 21:53:07.37 ID:fRIjqyFYo
>>278
勘違いするやつらもいる――実際に四十萬陀も襲われているし、主決めの争いの脅威は既にこの山に広がっているということだ。
しかし1000年以上住処にしてきたこの山を、今更捨ててこうなどという考えは到底起きない。
どうしたものか、と考え込んでいると、
「…僕らの者? 君も主争いに参加してるじゃん?」
華音の呟きの意味を、訝しげに尋ねる。
280 :
夜行集団
2011/01/14(金) 23:00:18.95 ID:9LaeldAY0
>>279
「あ、はい。
華音として、でなく主を狙う集団の一人としてですけどね」
簡潔に話す華音
しかし彼女達を仲間に引き入れるつもりはない、それは氷亜などの
管轄であり、自分にその義務はないからだ
281 :
四十萬陀 七生
2011/01/14(金) 23:04:49.46 ID:fRIjqyFYo
>>280
「さっき、僕らの者ではない、って言ったってことは……君たちはこの山に手を出す気は、ないんだよね?」
何より心配なのは、縄張りと仲間たちが危険にさらされることだ。
送り妖怪のコミュニティの中で、戦闘向きの妖怪三分の一にも満たない。
集団に襲われなどしたら、抵抗もできぬまま…。
282 :
夜行集団
2011/01/14(金) 23:12:10.85 ID:9LaeldAY0
>>281
「恐らくそうだと思いますよ、そちらが攻撃を仕掛けないのならですが」
先ほどから口ずさむJpopのせいで服装が最近の若者の服に
変化しながら答える
283 :
四十萬陀 七生
2011/01/14(金) 23:17:02.95 ID:fRIjqyFYo
>>282
「歌うと服が変わるの? 妙な能力じゃん」
くす、と笑い、立ち上がる。
「私は四十萬陀 七生、袂山の送り妖怪…ま、代表、ってことにしといて。こっちから攻撃を仕掛けるのは、まずありえないじゃん
だから、よろしくしておいてね」
四十萬陀はそう言い残すと、妖怪の姿に変化した。
「あ、もうアイツも山を降りた頃だから、出ても平気だよ。それじゃあね」
ぱたぱたと、空へ飛んでいった。
284 :
夜行集団
2011/01/14(金) 23:18:22.99 ID:9LaeldAY0
>>283
285 :
夜行集団
2011/01/14(金) 23:21:54.37 ID:9LaeldAY0
>>283
「華音は音楽を奏でる妖怪の華音です!よろしくお願いします!」
岩に腰掛けながら空飛ぶ四十萬陀に手を振る
そして彼女が去るのを見届けてから立ちあがり、山を下っていった
「一応皆さんにはこの山に害はないと報告しといた方がいいですね」
286 :
四十萬陀 七生
2011/01/15(土) 21:41:48.40 ID:EdZPVCqJo
人々で賑わう繁華街。その中に混じるのが、人だけという考えは間違いだ。
人に化け、人の中に潜む――とはいえ、その存在に人が気付くことはない。
そんな妖怪たちの一人に、四十萬陀もいた。
前のものより白い面積が増したセーラー服を着た少女は、小龍包を頬張りながら、繁華街を歩いている。
「もぐもぐ……なかなかじゃん」
287 :
瞳
2011/01/15(土) 21:51:17.35 ID:l69WxyWAO
>>286
「やはり、人混みは慣れないな…少し休もう。」
繁華街の中に一人の少女
辺りを見回し休める場所を探す
「おや、七生じゃないか。」
繁華街の中に七生を見つける
288 :
四十萬陀 七生
2011/01/15(土) 21:57:37.89 ID:EdZPVCqJo
>>287
「とりあえず小腹は満たせたじゃん」
伸びをしていると、妖怪のニオイに気が付いた。
珍しい事ではないのだが、これは嗅いだことのあるニオイだ。
「えーと…あ、いた、瞳じゃん」
向こうが先に気付いていたらしい。四十萬陀は、軽く手を振りながら近付いていく。
289 :
瞳
2011/01/15(土) 22:04:43.65 ID:l69WxyWAO
>>288
「七生。久しぶり…って程でもないかな?」
ふっ、と笑いかける
290 :
四十萬陀 七生
2011/01/15(土) 22:09:57.65 ID:EdZPVCqJo
>>289
「あー…うん。そう、だね」
前に会った時の事を思い出すと、複雑な気分になる。
別に、露希や瞳たちのことをどうと思っているわけではない。しかし、考える時間が増えたことは確かだ。――人間と妖怪について。
そんな感情はおくびにも出さないように、自然に笑いを返す。
「露希たちは、元気してるじゃん?」
291 :
瞳
2011/01/15(土) 22:17:46.49 ID:l69WxyWAO
>>290
「この前は、色々と取り乱してすまなかった。」
若干申し訳なさそうにする
しかし、すぐに表情を変え
「だが、今は大丈夫だ。」
静かに笑う
「ああ、露希も零もいつもどうり元気なはずだ。七生も変わりないか?」
292 :
四十萬陀 七生
2011/01/15(土) 22:26:16.89 ID:EdZPVCqJo
>>291
「瞳が謝ることじゃないじゃん。取り乱したのは私のほーじゃん」
苦笑交じりで、恥ずかしそうに肩をすくめる。
「私も、見た通り元気元気じゃん。……あぁ、でも、変わったといえば……」
そこまで言って、四十萬陀は顔を少し俯かせた。
なにやら、言うべきか言わないべきか、迷っているようだ。
293 :
瞳
2011/01/15(土) 22:33:37.31 ID:l69WxyWAO
>>292
「いやいや、あの時はみんな多少なりとも取り乱していた。元々、私がそういった雰囲気を持ち込んでいたのかも知れないし…」
下を向き、塞ぎ込む
「ん?何かあったのか?」
ゆっくりと顔を上げ、七生の方を見る
294 :
四十萬陀 七生
2011/01/15(土) 22:37:12.75 ID:EdZPVCqJo
>>293
「なんで瞳が落ち込んでるじゃん? 今は大丈夫、って自分で言ったじゃん!」
ほらほら、と背中を叩く。
笑顔を浮かべてはいたが、四十萬陀が話始めると、その表情が真剣味を帯びた。
「……瞳、百鬼夜行の主争い、って聞いたことある?」
295 :
瞳
2011/01/15(土) 22:47:31.47 ID:l69WxyWAO
>>294
「あ、ああ、すまない。」
七生の方に向き直る
「百鬼夜行か…知っているぞ。各地の争いの原因の一つらしいな…その百鬼夜行がどうしたのか?」
心配そうな表情を見せた
296 :
四十萬陀 七生
2011/01/15(土) 22:55:43.78 ID:EdZPVCqJo
>>295
「最近、袂山に見たこともない妖怪が増えてきたんじゃん。しかもそいつら、妖怪を見つけたら片っ端から攻撃してるみたいで……
確証はないけど、主争いのライバルを潰すために、縄張りを持ってる妖怪たちを潰してるんだと思うじゃん」
はぁ、と溜め息を落とす。
「百鬼夜行の争いなんて関わりたくないけど、どうも近頃物騒で……頭を悩ましてるじゃん」
297 :
露希
2011/01/15(土) 22:59:10.13 ID:i8WgfSG+0
繁華街を歩く少女。
今日は制服でなく、私服。
露希「え、あれって…おーい。」
呼んでみる。
298 :
瞳
2011/01/15(土) 23:02:27.90 ID:l69WxyWAO
>>296
「それは、穏やかな話しではないな…」
しばらく考え込み
「何かあったら言ってくれ、私でよければ力になるよ。頼りないかもしれないが、以前よりは強くなったはずだ。」
299 :
四十萬陀 七生
2011/01/15(土) 23:13:10.58 ID:EdZPVCqJo
>>297
「あれ、露希君じゃん?」
顔を上げ、声のした方を見る。
こんな所でこの二人に会うとは、なんとも奇遇だ。
>>298
「にゃはは、そういってくれると嬉しいじゃん」
そう言って笑う。実際、頼れる友がいることは心強いものだ。
300 :
露希
2011/01/15(土) 23:16:45.00 ID:i8WgfSG+0
>>298
露希「瞳さん!!こんばんはっ♪」
元気にあいさつ。
>>299
露希「七生さん!!こんばんはー。」
笑顔で話しかける。
301 :
瞳
2011/01/15(土) 23:22:52.68 ID:l69WxyWAO
>>297
「お、露希じゃないか。」
手招きする
>>299
「実際、自分の実力がどの位の物がわからないがな。」
考え込む
302 :
四十萬陀 七生
2011/01/15(土) 23:26:49.93 ID:EdZPVCqJo
>>300
「こんばんわじゃん、露希君」
にひ、と笑顔を返す。
>>301
「少なくとも私の仲間よりは強いと思うじゃん。――あ」
思い出したように、四十萬陀が声を上げた。
「ああ〜…、そういえば一人置いてきたたじゃん…。忘れてた…」
あちゃあ、という感じで頭に手を当てる。
すると、後ろの方から声が聞こえてきた。
「――…ぃ、ぉーぃ、おーい! 七生ィ! おまっ、置いてくなよ!!」
303 :
瞳
2011/01/15(土) 23:31:55.40 ID:l69WxyWAO
>>300
「こんばんは露希。会えて嬉しいよ。」
微笑みながら返す
>>302
「ん?七生の仲間か?」
声に気づき、疑問に思う
304 :
露希
2011/01/15(土) 23:33:53.18 ID:i8WgfSG+0
>>301
露希「瞳さんの実力…今のボクなら…」
少し考え込んでから言う。
露希「瞳さん、もし今ボクを殺せと言って殺せます?」
聞いてみる。
>>302
露希「七生さん、誰ですか…?あの人?」
305 :
四十萬陀 七生/東雲 犬御
2011/01/15(土) 23:42:23.83 ID:EdZPVCqJo
繁華街からやって来たのは、襟元にファーがついた黒いジャケットを着ている、2m台の大男だった。
柄の悪い不良のような目つきの男は、四十萬陀たちの前にやって来ると、
「お前、夜は目ェ効かねーんだから一人で歩いてんじゃねーよっ! 小龍包喰いたいっつーから付いてきてやったのに!」
「繁華街は街灯で明るいから、大丈夫って言ったじゃん。勝手についてきたのは犬御の方じゃん?」
「け、けどな〜〜…」
うっ、と言葉に詰まらせて、犬御と呼ばれた大男は顔を赤くさせた。
四十萬陀は軽くあしらうと、瞳たちに向き直った。
>>303-304
「紹介が遅れてごめんね。こいつは送り狼の、東雲 犬御(しののめ けんご)っていうじゃん。私の、何ていうか…幼馴染みたいなやつじゃん」
「…あん? なんだよてめーら、七生の知り合いか?」
ぎろりと、軽く睨めつけるように瞳たちを見た。
「こらっ、だからその喧嘩腰やめるじゃん!」
「う…、わ、わぁったよぉ……」
…のを四十萬陀が叱りつけた。
306 :
瞳
2011/01/15(土) 23:50:04.78 ID:l69WxyWAO
>>304
「な…何を言っているんだ!?露希を殺せるわけないだろ!?」
驚きを含んだ大声を出す
>>305
「幼なじみか…いいものだな…」
犬御の方を見て、一瞬怯んだが
「私は瞳だ。よろしくな。」
普通に自己紹介
307 :
露希
2011/01/15(土) 23:54:46.64 ID:i8WgfSG+0
>>305
露希「こんにちはー。あ、こんばんはです。」
犬御を見ても怯える様子はない。と言うか慣れている。
露希「いいなぁ。幼馴染。」
>>306
露希「変な質問してすいません…。
良い人ですよね、瞳さんは。ボクは瞳さんを信じます。貴方の臨む世界を――」
真剣な眼差しで瞳を見る。
308 :
四十萬陀 七生/東雲 犬御
2011/01/16(日) 00:03:40.73 ID:qwunke/6o
>>306
「そうでもないじゃん。犬御はいっつも喧嘩するし、口うるいし」
「お、俺はお前のためを思ってだなあ!」
言いかけたが、瞳に自己紹介されたので、犬御はぶっきらぼうにそれに応じた。
「…東雲だ」
>>307
(なんだコイツ、ちっせーのに俺見てビビんねェのか?)
じろじろと厳つい面で露希をねめつける。
そんな犬御の首を、四十萬陀の手刀が捕えた。
「っいってー!!」
「だから、睨まないじゃん」
「睨んでねーっ!」
涙目の犬御は、首をさすりながら立ち上がると、四十萬陀を見下ろしながら言った。
「つーか、そろそろ戻るぞ七生。そろそろ時間だ」
「げっ…もーそんな経ってたじゃん?」
「ああ、だからむぐ」
四十萬陀は慌てて最後の小龍包を犬御の口に突っ込むと、名残惜しげに二人を見た。
(突っ込まれた犬御は、なんだか幸せそうな顔をしていた)
「私はもう行くじゃん。じゃあねっ」
「…むぐぐ、」
犬御が最後に何か言ったようだったが、全然分からない。
それから、二人は繁華街の闇に消えていった。
309 :
瞳
2011/01/16(日) 00:09:14.54 ID:bTRal/qAO
>>307
「協力してくれるのはありがたいが、急にどうしたんだ?何かあったのか?」
困惑と嬉しさが混ざった表情
>>308
「東雲か…改めてよろしく。」
笑いかける
「行くのか?じゃあな。」
手を振って二人を見送る
「二人は仲がいいんだな…微笑ましい。」
310 :
露希
2011/01/16(日) 00:14:03.67 ID:DobadBwq0
>>308
露希「今度は家に来てね。」
手を振って別れる。
>>309
露希「少し時間いいですか?
人気のいないとこへ…」
と言って無理矢理山奥へ連れて行く。
露希「…ボクは貴方のこと好きです。
とてもとても。そして、貴方の実力も見てみたい。
…お手合わせお願いします。」
露希の眼はまどろんだような、危ない目をしていた。
311 :
瞳
2011/01/16(日) 00:22:48.17 ID:bTRal/qAO
>>310
「お、おい…露希?」
困惑する瞳
「な、何を…」
露希の目を見る
(露希…一体どうしたんだ…?)
312 :
露希
2011/01/16(日) 00:26:04.34 ID:DobadBwq0
>>311
露希「早く武器を構えないと…死んじゃうよ?」
それは露希なのだが、露希ではない者だった。
露希はいつもの武器とは違う、紫色の直剣を取り出す。
露希「さて、行くとするか。」
剣を垂直に構え、振る。
313 :
瞳
2011/01/16(日) 00:32:01.71 ID:bTRal/qAO
>>312
「くっ…」
右手を刀に変化させ、剣を防ぐ
「あなた…まさか露希じゃないのか!?」
疑念の眼差し、それと同時に黒いオーラを纏った
314 :
露希?
2011/01/16(日) 00:35:43.25 ID:DobadBwq0
>>313
露希「露希ですよ…」
声、見た目は露希。しかし、何か違う。
直剣から出ていたオーラが露希を包む。
その瞬間、瞳に語りかけるような声―
(瞳…助けてっ!!)
315 :
瞳
2011/01/16(日) 00:41:12.03 ID:bTRal/qAO
>>314
「違う!露希じゃない!あなたは…あなたは誰だ!?」
怒声を上げ、睨みつける
その時声が
「露希!?露希だよな?いったい何が…」
316 :
露希?
2011/01/16(日) 00:44:21.28 ID:DobadBwq0
>>315
露希「…くくく、瞳とやら。
大人しく…[
ピーーー
]!!」
直剣は大剣へと変わり、振る。
そして、瞳の脳内には露希の声が。
(こ、この剣が…ぅぁぁ!!瞳、逃げてっ!)
317 :
瞳
2011/01/16(日) 00:48:23.09 ID:bTRal/qAO
>>316
「くっ…」
横に跳び、剣を避ける
「剣?おい!露希!?露希を置いて逃げられるわけないだろ!?」
318 :
露希?
2011/01/16(日) 00:51:48.74 ID:DobadBwq0
露希「逃げても無駄だぞ?」
大剣を振り回す。
(剣の妖気がボクをっ…駄目、苦しい!!)
319 :
瞳
2011/01/16(日) 00:58:20.50 ID:bTRal/qAO
>>318
「剣?そうか!あの剣が…ならば…」
両腕を刀に変化させる
「露希!今助けるぞ!瞳幻流奥義!」
瞳のオーラが強まる
そして――
「退魔連瞳斬!!」
両腕を使った連激を剣に向けて放つ
320 :
露希
2011/01/16(日) 01:00:46.38 ID:DobadBwq0
露希「うぐぁぁぁぁぁ!!」
悲痛な叫びとともに剣は割れ、砕け散る。
露希「んぐっ…ひ…とみ?」
ようやく魔剣から解放され、倒れる露希。
321 :
瞳
2011/01/16(日) 01:03:51.39 ID:bTRal/qAO
>>320
「露希!大丈夫か!?」
両腕を元に戻し、露希の元へ駆け寄る
322 :
露希
2011/01/16(日) 01:09:36.66 ID:DobadBwq0
>>321
「瞳ぃ……怖かった…」
露希の眼からは、涙が零れる。
怖かった、それは瞳に迷惑を掛け、自分の元から彼女がいなくなってしまうこと―
そして、泣きながら
「ごめんなさい…」
323 :
瞳
2011/01/16(日) 01:12:36.86 ID:bTRal/qAO
>>322
「…露希が謝る必要はないさ。ところで、怪我はないか?」
優しく微笑み、問いかける
324 :
露希
2011/01/16(日) 01:15:21.64 ID:DobadBwq0
>>322
「あ…うん、怪我はないよ。
…さっきの剣ね、気づいたら家の前にあって、それを交番に届けようとして、皆に会って…」
すまなそうに言う。
325 :
瞳
2011/01/16(日) 01:19:57.04 ID:bTRal/qAO
>>324
「そうか。露希が無事で本当に良かったよ。」
ほっ、と胸をなで下ろす
「家の前に?それは奇妙な話しだな…いったい誰が、なんの目的で…とにかく許せないな…」
326 :
露希
2011/01/16(日) 01:27:27.21 ID:DobadBwq0
>>324
露希「悪意に満ちた…危ない剣でした。
きっと零なら使いこなせてたかな…?」
露希「ボクはこれから、百鬼夜行のことに詳しく関わることだと思います。
瞳、貴方の助けが必要なんです。これからも、お願いします。」
お辞儀をする、そして霊力の籠もった砥石を渡す。
「これは、お守りです。
何かあったら、研いで見てください。きっと役に立ちますよ。」
笑顔で言う。
327 :
瞳
2011/01/16(日) 01:32:37.38 ID:bTRal/qAO
>>326
「百鬼夜行にか…ああ、私はあなたを全力で助けるよ。何かあったら、すぐに駆けつけるさ。」
優しげに穏やかに笑う
「お守りか…ありがとう。」
笑顔で礼を言い、受け取る
328 :
露希
2011/01/16(日) 01:35:11.65 ID:DobadBwq0
>>327
露希「今度会った時はゆっくりお茶とかしたいですね。
じゃあ、またね!」
白い翼で飛ぶ露希。
何度も何度も瞳を見ながら闇夜に消えていった。
329 :
瞳
2011/01/16(日) 01:40:19.87 ID:bTRal/qAO
>>328
「そうだな。今度はお茶でもしようじゃないか。じゃあ、またな。」
大きく手を振り、見送った
「さて、私も帰ろう。もっと、修行を積まねば…まだ、奥義を完全に使いこなせなかったからな…」
そう呟くと、瞳も帰っていった
330 :
黒蔵
[sage]:2011/01/16(日) 21:09:27.97 ID:nAiC1fXao
夕暮れ近くの水沢城址公園。
遊歩道から外れた林の中で傾いた冬の日光を浴び、
石の塚に持たれながら、少年の姿で大蛇はとろとろと眠りこけていた。
昼には十分温かかった日差しも今は弱まり、次第に風の冷たさも増している。
時折寒さに震えながらも、目は覚まさない。
331 :
四十萬陀 七生
2011/01/16(日) 21:17:21.24 ID:qwunke/6o
>>330
――もう日が暮れる。そろそろ山に戻らなければ。
そんな事を思いながら、四十萬陀は水沢城址公園の前までやって来ていた。
「ここは…確か黒蔵君が住んでるところじゃん」
偶然ここまで歩いてきてしまったようだ。
中に入り、黒蔵のニオイをたどって、林の中に入って行く。
「いたいた」
ぐっすりと眠る黒蔵の元に辿り付くと、くすりと微笑み、足元にしゃがみ込んだ。
「おーい、黒蔵君」
332 :
黒蔵
[sage]:2011/01/16(日) 21:28:54.87 ID:nAiC1fXao
>>331
呼びかけられて、うう、だか、ふう、だか言いながら、もぞもぞと寝返りを打つ。
まだ焦点の合わない目をぼんやりと開き、夜雀の姿を映す。
「あー……。
……
…
しじまだー?」
目は覚ました。
しかし頭は醒めてない様子だ。
「え?四十萬陀?」
今度こそ起きた。
黒蔵は慌てて立ち上がったが、その途端、目の前が暗くなった。
(――血が足りない!)
ほんの少し前に、身を削られて水界から戻ってきたばかりである。
直ぐに、ぺたりとその場にへたり込んだ。
(っきしょー、すげーかっこ悪いよ俺。)
先日も、四十萬陀の前でかっこ悪かったのに。
たまには良いところ見せられないものだろうか。
333 :
四十萬陀 七生
2011/01/16(日) 21:32:32.29 ID:qwunke/6o
>>332
「お、起きたじゃん…って」
起きたと思えば、黒蔵は途端に腰を落としてしまった。
顔色が悪い。調子が優れていないのか。
四十萬陀は、慌てて心配した。
「だ、大丈夫じゃん? どこか悪いじゃん?」
334 :
黒蔵
[sage]:2011/01/16(日) 21:40:41.61 ID:nAiC1fXao
>>333
「あー、気にすんなって。ちょっと腹減ってるだけだ」
嘘はついていない。
まだ包帯は巻いているが傷口は一応くっついてはいるし、薬も貰っている。
ひと眠りしたので体力も徐々に回復しつつある。
ただ、血を作るための材料が足りていない。
「ちょっと買い喰いしに行くか」
陸に上がるとき、友人達から少しばかりの餞別を貰っている。
水界ではあまり役に立たない、人間界のお賽銭だ。
金や銀は蓄えたがる水妖達もいるが、噴水やら池やらに投げ込まれる小銭には皆無関心なのだ。
塚に片手をつきながらゆっくりと、黒蔵はこんどこそ立ち上がった。
335 :
四十萬陀 七生
2011/01/16(日) 21:48:14.92 ID:qwunke/6o
>>334
「それならいいけど…、って無理しちゃダメじゃん!」
ふらふらの黒蔵を支えるように、肩を抱える。
「繁華街まで行くなら、ついていくじゃん」
336 :
黒蔵
[sage]:2011/01/16(日) 21:57:55.43 ID:nAiC1fXao
>>335
「助かる。人間の店とかあんまり詳しくないんだ」
一度立ち上がってしまえば、歩くほうは何とかなる。
住宅地を抜けて、灯火の増え始めた市街地のほうへ。
人間の店では、はじめてのおかいもの、である。
歩き始めて真っ先に目に付いた店はコンビニ。
「ここ店だよな?」
黒蔵は店内に足を踏み入れ、まっすぐカウンターの店員に向かう。
「卵、ある?」
ここでは自分で商品を選んで会計しに持ってくるのだ、などとは思いもしない。
337 :
四十萬陀 七生
2011/01/16(日) 22:04:56.45 ID:qwunke/6o
>>336
(ほ、大丈夫みたいじゃん)
思っていたより、大丈夫なようだ。本当にお腹が減っていただけらしい。
辿り着いたのはコンビニ。
四十萬陀は何度か利用したことがあるため、勝手はだいたい分かっている。
「うん、コンビニっていうじゃん。小さいけど、色々置いてあるじゃん」
後に付いて入店すると、真っ直ぐ店員の方に向かった黒蔵を見て、四十萬陀は慌てた。
「ちょっ、黒蔵君、卵ならコッチにあるじゃん! ほら、こっち!」
不審がる店員に目を遣りながら、ひそひそと耳打ちし、卵がある商品棚まで腕を引く。
338 :
黒蔵
[sage]:2011/01/16(日) 22:10:58.27 ID:nAiC1fXao
>>337
「・・・…こんびに?」
昆布屋?じゃないのか。そっか、一つ覚えた。
「ありがとな、四十萬陀」
6個入りの生卵を2パック。
まず目的の品を手に入れて、他の商品にも目が行く。
「何か良くわかんないものも色々あるな、これ何だ?食い物?」
魚肉ソーセージ。
黒蔵にはそれが一体何なのか、見ただけでは判らない。
339 :
四十萬陀 七生
2011/01/16(日) 22:17:03.95 ID:qwunke/6o
>>338
「にゃはは…黒蔵君は人間の店に来るのは初めてじゃん?」
それなら仕方ない、と四十萬陀は笑顔で肩をすかせる。
四十萬陀が自分も何か買おうか、と棚を見渡していると、黒蔵がソーセージを見て疑問符を浮かべていた。
「ああ、それはソーセージじゃん。魚肉ソーセージ」
340 :
黒蔵
[sage]:2011/01/16(日) 22:22:41.60 ID:nAiC1fXao
>>339
「うん、初めてだ。いろんなものあるのな」
黒蔵は目を輝かせてあちこちキョロキョロする。
「これ、そーせーじ?食えるの?うまい?」
魚肉ソーセージの匂いを嗅いで見る。
パッケージの外側からでは、あまり美味しそうな匂いはしない。
341 :
四十萬陀 七生
2011/01/16(日) 22:29:37.34 ID:qwunke/6o
>>340
「食べれるよ。一度しか食べたことがないけど、おいしかったじゃん
…外側を匂っても、多分ゴムのにおいしかしないと思うじゃん」
くんくん、と匂いを嗅いでいる黒蔵に突っ込む。
342 :
黒蔵
[sage]:2011/01/16(日) 22:36:45.36 ID:nAiC1fXao
>>341
「うまいのか。じゃ、買う」
四十萬陀のお勧めなら買う。単純。
「ここ、珍しいもの売ってるんだな」
黒蔵の指差す先には、パック酒。
パッケージには「鬼こ○し」と書いてある。
「あれって、神変鬼毒酒だろ?」
大江山の酒呑童子が退治された時、盛られた痺れ酒が「鬼○ろし」とも言われるが。
しかし多分これはただの酒だ。
「蛇が呑んでも平気かなぁ?」
外見年齢16歳の低身長男子が言う。まさか買う気か?
343 :
四十萬陀 七生
2011/01/16(日) 22:44:56.05 ID:qwunke/6o
>>342
「えー……っと、あれはただのお酒じゃん。名前の由来は知らないけど…」
興味がある素振りを見せる黒蔵を見て、四十萬陀は唸った。
「う〜ん…呑んでも大丈夫だとは思うけど、問題は…」
黒蔵を上から下に見ることもなく、頭を振る。
「人間は成人にならないとお酒を飲んだらダメっていう決まりがあるじゃん。私は制服だし、黒蔵君もどう斜めに見たって私と同年齢くらいだし…。買えないと思うじゃん
――あ、でも、買えないってワケでもないかな?」
犬御は外見が20歳くらいであるし、問題なく買えるだろう。
ここから呼べば、数分もしない内に来るはずだ。
344 :
黒蔵
[sage]:2011/01/16(日) 22:53:18.78 ID:nAiC1fXao
>>343
「ただの酒?名前だけなのかな」
そもそも酒を買うのは駄目なのか、と一度残念そうに沈んだ表情が、
四十萬陀の言葉で一気に明るくなった。
「そっか、見た目は成人に変化すればいいのか!」
一度だけ、成人の見た目に化けたことはある。短時間の変化なら多分、可能だ。
「…でもここで化けるのは、ナシだよな」
ちらりと店員のほうを見る。店員もこちらを見ている。
「四十萬陀にも何か案があるの?」
345 :
四十萬陀 七生
2011/01/16(日) 23:01:32.18 ID:qwunke/6o
>>344
「うん、まぁ一応……ちょっと待っててくれるじゃん?」
四十萬陀はそう言うと、足早にコンビニの外に出た。
そして物陰に隠れ、木の上に飛び上がる。
すうっと息を吸い込み、遠い空に向かって、高い鳴き声を震わせた。鳴き声は空に響き、周囲に広がっていく。
終えると、四十萬陀はさっと木から飛び降り、コンビニに戻ってきた。時間にしたら30秒ほどだ。
「お待たせ、これであと数分もしないうちにアイツが「七生っ!」――って早!」
慌てた様子でコンビニに飛び込んできたのは、2m台の大男だった。
「この近くにいて、お前の鳴き声が聞こえたから、す、すぐに来てやったんだよ」
軽く咳をして、言い訳をするようにもごもご言っている。
346 :
黒蔵
[sage]:2011/01/16(日) 23:09:45.62 ID:nAiC1fXao
>>345
「し、知り合いっ?!」
でかい。
コンビニの入り口を屈んで入ってくるくらいでかい。
そんで黒い。
いや黒いのは俺もだけどさ。
(くうぅっ、やっぱり俺、身長が欲しい!)
あまりの身長差で自然と見上げる形になる。
近眼の黒蔵が上目遣いに犬御を見る。
どう見ても、目つきの悪い生意気な糞ガキがガンとばしてる状態である。
347 :
四十萬陀 七生
2011/01/16(日) 23:22:33.50 ID:qwunke/6o
>>346
「あぁん? 誰だこのガキ。ガンつけてんじゃねーよ」
ギロリと黒蔵をねめつける。
「ちょっと、やめるじゃん。この子は黒蔵君。実はお酒買いたくてさ、でも私たちの見掛けじゃ買えないじゃん?」
「あー……って、そんな事で俺呼んだのかよ!?」
別にいーけどよ、と犬御はいうと、威嚇するように再び黒蔵を見た。
「てめー、七生のダチか? 変な事してねーだろーな」
「犬御! …あ、黒蔵君、こいつは送り狼の東雲 犬御。私の幼馴染みたいなものじゃん」
348 :
黒蔵
[sage]:2011/01/16(日) 23:32:56.54 ID:nAiC1fXao
>>347
うっわ威嚇されたっ!!
反射的に劣勢ながら黒蔵も臨戦オーラをみなぎらせるが、四十萬陀になだめられた。
「幼馴染?送り狼?」
獣、イコールもふもふ。
ああ、四十萬陀の言ってたあったかい仲間ってこの大男なのか。
「変なこと?」
どんなことか知らないけど、してないと思う。多分。
まだどこかぴりぴりとした気配を残しつつ、黒蔵は首を横に振った。
しかしどうしても、見上げる相手への目つきは悪い。
「俺、黒蔵。蛇」
(幼馴染だし、でかいし、四十萬陀にもふもふされてるらしいし)
なぜかこの大男のことが妬ましくなって来た黒蔵。
自然とぶっきらぼうな自己紹介になってしまった。
349 :
四十萬陀 七生
2011/01/16(日) 23:41:41.98 ID:qwunke/6o
>>348
「あ゛ぁ?」
目つきや態度が気にいらなかったのか、険しい犬御の顔が増して険しくなる。
「く、黒蔵君、こいつのことなんか気にしなくていーから! ほら、早くこれ買うじゃん!」
二人の険悪な雰囲気に慌てた四十萬陀は、鬼ころ○を手に取ると、犬御に押し付けて背中を押した。
「っと、わ、わぁったよ。しゃーねえな」
背中を押された犬御は、口は悪いながらも、どこか嬉しそうにしている。
そうしてパック酒を持って、レジへと向かっていった。
「ふう…、ごめんね黒蔵君。あいつ、いっつもあんな感じなんじゃん」
350 :
黒蔵
[sage]:2011/01/16(日) 23:51:40.34 ID:nAiC1fXao
>>349
「あ、いや、俺もだ」
もごもご返事をすると、慌てて自分の会計をしに黒蔵は犬御の後を追う。
険悪なムードの中、外国貨幣も混じった小銭ばかりでの支払いで
店員にはかなり胡散臭い顔をされたものの、なんとか無事に会計は済ませた一行。
どれほど黒蔵の心がささくれていても、犬御に礼は言わなくてはならない。
「ありがと四十萬陀。狼も」
コンビニを出たところで、黒蔵は頭を下げた。
なんだかんだ言いつつ、犬御も協力をしてくれたのだ。
ここできっちり頭を下げられなきゃ男がすたる。
「何か、俺が怒らせたみたいですまなかった」
四十萬陀の手前もあって、黒蔵は物凄く不器用に謝罪した。
351 :
四十萬陀 七生
2011/01/17(月) 00:00:33.15 ID:+n8i4sHMo
>>350
「んなっ…、ふん」
謝られても、つんとそっぽを向く犬御を、四十萬陀が肘で突く。
「こら犬御、黒蔵くん謝ってるんだから!」
「う゛……、…………俺もいきなり睨んで、……ぐっ、わ、悪かったよ」
目を合わせずに、ぼそぼそと謝る。
四十萬陀は、しかたない、と言うようにため息をつくと、黒蔵を見た。
「ていうか、発端はこいつなんだから、頭下げなくてもいいじゃん! ね」
「ふん……。おい七生、もう暗いから帰るぞ」
「えー、もうちょっといいじゃん、犬御のケチ」
「お前なぁ、夜は目ぇ見えなくなるんだから、ちょっとは安全考えろ!」
352 :
黒蔵
[sage]:2011/01/17(月) 00:10:37.04 ID:cl0KDufzo
>>351
「あ!」
そうだった、鳥は夜目が利かないのだった。
なのに、日暮れまで自分の用事に引っ張りまわしてしまった。
この狼が心配するわけだ。
(俺の馬鹿!この体じゃ日が落ちてから、山へ送って行くこともできなかったのに)
「いや、狼の言うとおりだよ。
日が沈んだのに買い物に付き合わせてしまったのは俺が悪い。
四十萬陀が鳥なのを忘れてたんだ。すまない」
胸が痛い、これは包帯の下の傷の痛みだけじゃない。
「公園には俺一人で帰れる。
二人も遅くなる前に帰ったほうがいいな。ここで別れよう」
353 :
四十萬陀 七生
2011/01/17(月) 00:17:02.20 ID:+n8i4sHMo
>>352
「黒蔵君…?」
少し様子が変わったような、そんな気がして首を傾げる。
「どうしたじゃ…」
「おら、こいつもそう言ってるし、さっさと行くぞ」
「ちょっ、犬御。あ……ま、またね黒蔵君!」
犬御に引っ張られ、四十萬陀は名残惜しそうに、闇に消えていく。
354 :
黒蔵
[sage]:2011/01/17(月) 00:24:30.86 ID:cl0KDufzo
>>353
「ああ、またな……」
親しくしてくれた女の子に格好悪いところばかり見せた挙句、
基本的な配慮すら忘れていた自分と、
呼ばれれば何時でも現れて、必要なことは全てやってのけてしまう幼馴染(しかも高身長)。
(どうやっても俺、駄目駄目じゃん)
コンビニ袋をぶら下げて、黒蔵は一人とぼとぼと夜の中を歩いていった。
355 :
四十萬陀 七生
2011/01/17(月) 00:31:32.42 ID:+n8i4sHMo
>>354
暗い暗い帰り道。もうまわりに人の気配はない。
狼と夜雀の姿に戻った二人は、山へ向かっていた。
(最後の黒蔵君、なんだったんだろう……)
先ほどから喋らない四十萬陀を、犬御が訝しげに尋ねる。
「…どーした、七生?」
「へっ!? な、なんでもないじゃんっ」
「……怪しいな……。はっ! まさかさっきのヤツのこと考えてるんじゃねーだろーな!」
「ちちち違うじゃん!」
「お、おい七生ィ!(くっそあのガキ……!)」
ぱたぱた、と速度を上げた夜雀を、狼が大急ぎで追いかける。
そうやって、妖怪たちの夜は更けていく…。
356 :
波山
2011/01/17(月) 23:22:45.48 ID:dIkSkdurP
「あぁー、マジないわ。さみぃしここほんと時化過ぎ」
森の中で神社のお掃除をするニワトリ。
てか、堂々としゃべってるよコイツ。
「てかふざけんなぁーーー! なんだここ! ぶっ壊れすぎ!!
ていうかなんで俺なんだよ、ニワトリだぞ! 黴取りとかしかできねぇぞオラァ!!」
小さな箒をブン投げる。
この小さな箒すら極楽鳥が丹精込めて作ったというのに・・・。
波山が掃除する神社は、かつての山神と石の守護者だった怪物の決戦で破壊されまくっていた。
あらかたは直されているが、石畳は破壊されたままだし、地ならしもまだまだ必要である。
357 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2011/01/17(月) 23:30:13.67 ID:McpMhg7O0
解
358 :
黒蔵
[sage]:2011/01/17(月) 23:37:28.59 ID:cl0KDufzo
>>356
昨夜から地味にやさぐれていた黒蔵。
パック酒一つ程度ではどうにも酔えず、その癖アルコールは傷の回復に響いた。
(……朝になってから腫れたし、膿んだし)
それも自業自得と蛇神に切り捨てられ、うろうろと落ち着かずに近場の山を徘徊しているのだ。
袂山だけはしっかり避けているあたり、ヘタレぶりは徹底している。
ちなみに蛇のままでは傷口を地面に擦ってしまうため、人の姿である。
「うう、寒い」
当たり前のことに文句をつける黒蔵の前に、鳥居が現れた。
「こんなところにも神社?」
ぐいとマフラーを巻きなおして参道を登っていくと、しゃべっている鶏と目が合った。
「うっ……」
実は今はちょっと鳥とは会いたくなかった。
特に、喋るタイプの奴とは。
359 :
波山
2011/01/17(月) 23:42:07.79 ID:dIkSkdurP
>>358
「お? あんなところに妖怪っぽいのが」
しめたとばかりに、巨大ニワトリに変化。
紅蓮に燃える火災の幻覚を発生させ、黒蔵を取り囲む。
「おい! そこのなんか黒いヤツ!! 掃除手伝え!
手伝えっつーーか、お前が全部やれ!! さもなくば蒲焼にすんぞ!!」
無茶苦茶である。
360 :
黒蔵
[sage]:2011/01/17(月) 23:46:21.16 ID:cl0KDufzo
>>359
精神的に落ち込んでいた黒蔵に、波山の勢いに抗う気力はない。
最初から相手の剣幕に流されてしまった。
「へ?あ?お?……はい?」
なし崩し的に掃除道具を押し付けられる。
さらに不味いことに、はい、と言ってしまった。そのつもりは無いのに。
361 :
波山
2011/01/17(月) 23:53:01.35 ID:dIkSkdurP
>>360
「よっしゃ! とりあえず瓦礫とか全部片付けろ!!」
変化を解き、再び小さなニワトリの姿に戻る。
結構、疲れるらしい。
「そらよっと」
ピョン、と飛び上がり。黒蔵の頭に飛び乗る波山。
爪が額に食い込んでもお構いなし。
「てゆーかお前妖気でけぇな! なに、すげぇの?」
頭の上でバサバサ羽ばたく。
その度に羽根がバラバラと舞い散る。
「あっ、手ぇ動かしながら答えろよ!!」
362 :
黒蔵
[sage]:2011/01/17(月) 23:59:18.21 ID:cl0KDufzo
>>361
「ひ〜〜っ!!」
波山は考える暇も与えてくれずに、炎で追い立ててくる。
慌てて瓦礫を片付ける。
まだ使えそうな部分はこっち、廃棄するものはあっちに。
押し付けら荒れたちっさい箒で必死に落ち葉を払い、蜘蛛の巣を落とす。
しかし途中、箒では追いつかずに、森の手近な木を抜いて半分に折り、箒代わりに使う。
「へ?これも?あれも?それも?」
矢継ぎ早に出される波山の指示通り、以外にやれば出来る有能な子、黒蔵。
「俺の妖気ってそんなでかいのか?」
自覚なかったんかぃお前。
そんなんじゃ他の妖怪に喰われ放題だろーが。
363 :
波山
2011/01/18(火) 00:12:30.46 ID:cITkmeM/P
>>362
「おぅっぷ・・・! 鬼火・雀火!!」
しばらく幻覚の炎で追い回していたが、
いきなり足に力を入れて、額に爪を食い込ませる波山。
小さいが本物の鬼火まで吐いて来やがった。
「ガタガタ動くな、揺れるだろうがッ!!」
Ms.理不尽
「あ? 妖気? わりと大きめだな」
屈むように身体を曲げて、黒蔵の顔を覗き込む波山。
「なに、お前何歳? 俺が知ってる中ではおっさん狸と同じくらいだな」
364 :
黒蔵
[sage]:2011/01/18(火) 00:19:06.93 ID:MCTfj0ANo
>>363
「――痛ェッ!ちょ、足、踏み換えんなっ!」
蹴爪で蹴られないだけまだマシなんだろうか。
「年?何年か前に800になった。
でも今まで居たところは俺より強いのゴロゴロしてて、
俺そこらの石ころ並みの扱われ方だったけどな……。」
語尾が尻すぼみになるヘタレ喋りは奴隷体質の証。
(ひょっとして、妖気って漏らさないようにしたほうが良かったんだろうか?)
そりゃそーだ。ここに餌がありますよー、と叫んでるわけで。
いらぬ考え事をしていると、徐々に作業が疎かになってくる。
365 :
波山
2011/01/18(火) 00:28:09.23 ID:cITkmeM/P
>>364
「ちゃんとやれやぁ!!」
再び鬼火を吐きつける波山。
今度は頭のすれすれにまで近づいてた。
しかし、話を理解して少しビックリする。
「800!? マジかよスゲェな!」
すこし興奮したようにバサバサと羽根を散らせる。
「それだったらアレ? なんかの神さんとかだったりすんの?」
それを足蹴にしてこき使ってるアンタはなんだ。
しかし相手が弱腰なため一向にその状況に気づいていない。
もっとも、気づいたところで変わらないだろうが。
366 :
黒蔵
[sage]:2011/01/18(火) 00:35:22.09 ID:MCTfj0ANo
>>365
「はいっ?」
一喝されて、慌てて手を動かす黒蔵。
「神じゃねーよ。……むしろそれに罰当てられてコキ使われてる立場だ」
自分で言いながら落ち込んだらしい。
男がいじけるとうっとおしさが倍増するのは何故だろう。
「800ってそんなスゲェの?
でも800にもなって、こんなんじゃ駄目だよな」
あはは、とか笑っているが、殴りたくなるほど暗い。
367 :
波山
2011/01/18(火) 00:42:24.67 ID:cITkmeM/P
>>366
「うぜぇええええええええええっ!!!」
怒鳴り散らしながら髪の毛をブチブチと物凄い勢いで毟る。
可哀想に、彼はこの歳でハゲに悩むことになる。
「キモッ! なんていうか、ウザい!!」
「なんていうんだろ? 態度とか表情とかそういうのじゃなくて・・・」
羽根を散らしながら怒鳴る。
「お前がウゼぇ!! この卑屈ジジイが! そんなんじゃモテねぇだろハゲェ!!」
嘴でガンガン頭を突く。
ていうかハゲはお前のせいだろ。
スレが壊れたところ、直します。。@荒巻
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/operate/1161701941/
368 :
黒蔵
[sage]:2011/01/18(火) 00:50:58.21 ID:MCTfj0ANo
>>367
「いぎゃぁぁぁぁぁ!!痛い!やめろ!!禿げる!!
どーせ俺はウザいよ!もてねーよ!自覚してるよ!」
デコから血を垂らしながら涙目で開き直る蛇。
「でも俺ジジィじゃねーし!」
そこは突っ込むところじゃねーだろと…。
そんな風にぎゃぁぎゃぁ騒いでいると、災厄が忍び寄るもので。
――ばきっ。
「あ」
踏んじゃった。
ちっこい箒、踏み折っちゃった。
スレが壊れたところ、直します。。@荒巻
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/operate/1161701941/
369 :
波山
2011/01/18(火) 00:58:51.77 ID:cITkmeM/P
>>368
「開き直って直そうとしないからダメなんじゃハゲェ!」
理不尽な鳥に、道理を説教された。
「いや、ジジイだし! なんつーかもう雰囲気がジジイだし!!」
バキッ
「おぎゃああああ! 姉御が作ってくれた箒をぉっ!!
てめぇ、ジジイ! コラァ!! マジで蒲焼にするぞハゲェ!!」
いや、アンタ最初にブン投げてただろ。
黒蔵の頭から飛び降りて、再び巨大なニワトリに変化する。
スレが壊れたところ、直します。。@荒巻
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/operate/1161701941/
370 :
黒蔵
[sage]:2011/01/18(火) 01:06:36.91 ID:MCTfj0ANo
>>369
「うひぃいいいいっ!!」
悪鬼と化した鶏に追われて、境内を逃げ回る禿げちらかした蛇。
「わかったから!俺ジジィでいいから!蒲焼は嫌ぁ!!」
どういう言い訳なのか本人もよく判ってません多分。
そして、がしゃ、とか、ごとっ、とか、ごきっ、とか、逃げ回る先々で不吉な音がしておりますが。
……ずずーーん!!
まさか鳥居まで倒してしまうとは。
371 :
波山
2011/01/18(火) 01:13:02.71 ID:cITkmeM/P
>>370
あまりのバッド・エンカウントに逆にビックリする波山。
「・・・ど、
どーーーやったら鳥居まで倒せるんじゃボケェ!!!」
せっかく片付きかけた神社ももはや元通り、いやそれより酷い。
さっきまでのが戦場後なら、現在は爆心地である。
「焼くぞコラァ! ていうか焼けろ!!」
巨大な火柱が地面から吹き上がり、黒蔵を飲み込む。
幻覚ではあるが、熱は本物のようにしっかりと感じられ、燈の閃光が肌を焼く。
372 :
黒蔵
[sage]:2011/01/18(火) 01:22:05.70 ID:MCTfj0ANo
>>371
どうやったも何も、単に鳥居にぶつかっただけである。
しかし、説明する暇は無い。
「あぢぢぢぢぢぢぢぢぢいいっっっ!」
炎に包まれて、思わず変化を解いてしまう黒蔵。
「痛い!苦しい!焼けるぅぅぅ!!」
痛みでのたうってますが、その痛みは炎に焼かれただけでなく、
大蛇が自分で傷口を地べたに擦ってるせいかもしれない。
しばしの後に、力尽きた蛇はぺたりと地面に伸びる。
蛇の黒焼きの一丁あがり?
373 :
波山&極楽鳥
2011/01/18(火) 01:37:27.06 ID:cITkmeM/P
>>372
「波山は頑張っているでしょうか? やはりすぐ行くべきでした」
箒を持って山道を駆ける極楽鳥。
人間の乙女に変化し、やはり季節感の無いワンピース。
体の所々に羽毛が残っているのはご愛嬌。
「それにしても先ほどから大きな音が・・・是在这里有什么的!?」
思わず母国語が飛び出す極楽鳥。
ぶっ壊れにぶっ壊れた神社。
そして変化を解いた臨戦態勢の妹、そして・・・
「おらぁ!!」
倒れこむ大蛇を足蹴にする波山・・・。
とりあえずダッシュ&スライディング平謝り!
「すいませんでした!!」
「姉御!?」
374 :
窮奇
2011/01/20(木) 20:41:25.08 ID:YTFosIYSP
彼女が道を行くたびに、精霊は硬直し立ち退いていく。
彼女が前を通り過ぎるたびに、形無き魑魅たちは暗鬱とした表情で頭を下げる。
腐った灰色のヘドロの津波が辺りを飲み込み、進んでいく。
腐敗した汚水が急に競り上がり、巨人のような姿になり、自分を飲み込みながら通り過ぎていく。
・・・と、思ったら気のせいだった。
前を通り過ぎていくのは普通の女性っぽい者だった。
「〜〜〜♪」
鼻歌交じりに山道を歩く女性。
齢は20才前後か。
黒いドレスのような衣服を身に纏い、革靴を弾ませ闇を行く。
彼女は笑っていた。
ただただ、楽しそうに。笑っていた。
375 :
夜行集団
2011/01/20(木) 20:48:09.57 ID:pUB+Ma7B0
>>374
今季の冬の寒さは彼の厚着を加速させるのに、十分であった
マフラーとニットの防寒でも、肉まんでも流石に今日は寒すぎる
白い息を吐き、寒さに耐える彼は目の前の楽しげな女性に気づいた
「おや、どうかしましたか?
こんな美しい女性が山道で一人だなんて・・」
まるで呼吸をするかのように、簡単に営業トークをかます彼
説明するまでもないが彼に妖気を感じる事はない、鈍感
376 :
窮奇
2011/01/20(木) 20:56:23.51 ID:YTFosIYSP
>>375
「・・・こんばんは!」
にっこりと微笑みかけ、手を合わせる。
お淑やかに、上品な動作で。
「まぁ、美しいなんて! ありがとうございます。貴方もステキな殿方ですよ」
口元に、小さく犬歯が覗いた。
「この森の奥に宝物を見つけましてね」
長い黒髪を揺らめかせ、黒い手袋を着た手で口元を押さえる。
「貴方こそ夜中にどうして? 山道に出るなんてまるで妖怪ではありませんか」
377 :
夜行集団
2011/01/20(木) 21:02:31.99 ID:pUB+Ma7B0
>>376
「あはは、殿方なんて言われちゃったら調子にのっちゃうなぁ!
まあ、調子に乗ってるからホストになんてなるんだけどね」
右手で無造作に頭を掻き照れた仕草をする
彼女のお宝となんなのだろう?そんな素朴な疑問もあったが
それはあとでも良いだろうと、トークの流れを読もうとした
「そうだよ、僕は妖怪さ
こんな人気のない所にいたら僕みたいなのに食べられちゃうよ〜」
両手を頭の上に上げてお化けのポーズ
いつもの流れ
378 :
窮奇
2011/01/20(木) 21:11:28.98 ID:YTFosIYSP
>>377
「くすくす、それは恐ろしいですねぇ・・・」
手を上げた氷亜から逃れるように身を引く。
「あぁ、では。妖怪なら参加していらっしゃるのかしら?」
節目がちに少しだけ目を開き、
穏やかで楽しげな口調のまま語りかける。
「百鬼夜行決定とやら? 最近そういうのが流行のようですね」
379 :
夜行集団
2011/01/20(木) 21:14:50.86 ID:pUB+Ma7B0
>>378
「・・・」
笑い顔や頭を掻いていた氷亜の手が数秒、そのままの姿勢で固まる
ははは、の声もなく
面食らった
「・・あら〜、本物の妖怪とお知り合い?
それとも・・君が妖怪?」
380 :
窮奇
2011/01/20(木) 21:23:02.44 ID:YTFosIYSP
>>278
「あら、貴方こそ・・・いや」
とたんに辺りの空気が淀みだす。
まるで空気が粘性を帯びたようになり、呼吸もまともにできないほど。
女性から滲み出し、辺りを汚染する。
それは妖気ではなくただの"雰囲気"。
女性の表情は先ほどの楽しげな笑みから、"愉しげ"な笑みへと豹変する。
「キミこそ本物みたいだねぇ」
手を広げ、語りかける。
「所属を教えてくれないかい? 私は今、フリーなんだ」
381 :
氷亜
2011/01/20(木) 21:27:58.62 ID:pUB+Ma7B0
>>380
よどんだ雰囲気、たしかにこれはなかなかの黒さというかえげつなさというか
形容しがたいものがある
妖気に疎い氷亜でもこれは流石に、鈍感で見逃せたものではない
「ははは、まさか本物だとは思なかったよ
そうだねぇ僕は氷亜、源氏名だけどね種族は雪男さ!
所属の前に、まずひとつ」
彼女の眼の前に人差し指をたて
「君がどんな妖怪か知りたいな」
382 :
窮奇
2011/01/20(木) 21:37:29.08 ID:YTFosIYSP
>>381
「・・・♪」
にやにやしながら氷亜を眺める。
まるで心の奥底を見透かすような、気持ちの悪い視線だった。
「そうだねぇ・・・。まぁ、とりあえず言っとくと」
目の前の人差し指を押しのけ、
氷亜の眼球すれすれまで、黒い手袋をした指を伸ばす。
「"心が読める"、かなぁ」
嘲る様に、見下すように。
不気味な笑みが氷亜にへばり付く。
「なかなか楽しそうな組織だねぇ・・・! 混ぜてもらいたいなぁ!」
383 :
氷亜
2011/01/20(木) 21:45:01.63 ID:pUB+Ma7B0
>>382
「(う〜、なんだか苦手なタイプだな〜・・)」
「なんだか独特の雰囲気もってるんだね
いままで見たことない人だからどぎまぎしちゃうな!」
(あれ?これも読めるのかぁ・・なんかめんどくさいな・・)」
ウソとホントが微妙に矛盾しない絶妙な話術が基本な氷亜だが
心が読めてしまっては意味がない
すると彼は突然押し黙る。口を閉じ、窮奇の目をただひたすら見つめて
「(本当に!?
うれしいな!君みたいにトリッキーな力の妖怪がいれば
より一層主の栄光に近づけるってもんだよ!)」
384 :
氷亜
2011/01/20(木) 21:46:06.65 ID:pUB+Ma7B0
//スイマセン!夜ごはんの為にしばし落ちます
身勝手ですいません
385 :
窮奇
2011/01/20(木) 21:48:47.40 ID:YTFosIYSP
>>383
「あ、ごめんね。さっきの嘘です」
眼前に伸ばした指を一気に突く。
「だから目で訴えられても何がなにやらさっぱりだよ」
ニタニタと再び笑いかける。
386 :
窮奇
2011/01/20(木) 21:53:42.27 ID:YTFosIYSP
了解しました
387 :
氷亜
2011/01/20(木) 22:23:26.13 ID:pUB+Ma7B0
>>385
心で会話しようとした
「・・・」
心を読めるまたは読んでしまうに関らず、おそらく抱えるであろう悩みは似たようなもの
であるはずだ。ならば、あえて本音をさらけ出して包み隠さず対話しようとした、
それがレディーへの男性の務めであろう
まあ、無駄骨だったのである
赤くなる
髪の蒼色も似合ってしまうくらいに白い肌の氷亜の顔が赤くなる、流石にこれは
恥ずかしすぎた。頭を抱えてもだえる雪男
「ぐあぁぁぁ〜!!だまされた〜!!」
百鬼の件はいまので恐らく飛んだであろう
//再開できます!!ご迷惑おかけしました!!
388 :
露希
2011/01/20(木) 22:33:14.89 ID:1zMX1dhr0
「肉まん美味しいなぁ…」
一人の少女が歩いていた。
片手には肉まんを持っている。
389 :
窮奇
2011/01/20(木) 22:35:02.99 ID:YTFosIYSP
>>387
「あぁ、そういえばさぁ」
悶える氷亜を一瞥し、
なにかを思い出したように右手の拳で左手の平を叩く。
「キミの組織のボス、個人的にはかなりデンジャラスだよねぇ!」
親しげな口調で語りかける。
友人と話すように、軽く笑いかけながら。
390 :
氷亜
2011/01/20(木) 22:42:18.58 ID:pUB+Ma7B0
>>388
「・・・」
赤い、
耳も顔も、その白い肌が余計にそれを強調した
もちろんそんな状況下でさすがに露希のほうに気づく余裕はない
>>389
窮奇の言葉にはいち早く反応した
なぜなら今、話の主導権を握っているのは窮奇、雪男である氷亜らしくもなく
他人なのだ
「えっ?デンジャラス?姫が?」
いままで、悶絶していたが突然笑い出した
いつものペースが戻ったようだ
「あはは、ないない!
確かにヒヤっとさせるところがあるけど、あれほど平和なひと居ないよ!!」
391 :
露希
2011/01/20(木) 22:47:28.32 ID:1zMX1dhr0
>>389
「突然で悪いんですが、何の話でしょう?
氷亜さんが赤くなってたのって……なんで?」
いきなり、割り込む露希。
>>390
「お久しぶりです!!本当に、会いたかったんです!!」
少し涙目になりながら抱きつこうとする露希。
392 :
窮奇
2011/01/20(木) 22:58:00.47 ID:YTFosIYSP
>>390
「 本 当 に ? 」
笑顔が、嘲笑に変わる。
目が細くなり、頬が歪む。
「いや危ないよアイツ、危ない危ない危ない危ない。
超・危ない。キミはアイツに利用されてるよ、間違いなく」
手を広げ、警告するような口調で語りかける。
表情がどんどん淀んでいく、深淵に引きずり込もうとしているかのようだ。
「だってさ、キミ元々『悪い』妖怪でしょ?
妙だと思わない? なんの脈絡もなくいきなりあんな人間大好きな妖怪に絆されるなんてさ」
「 洗 脳 だ よ 」
「洗脳だって、キミを利用して主になる為のね。
そうでしょ? アイツ人間に味方する人間の為の妖怪なんだよ。
だからキミみたいな『悪い』妖怪を改造してさ、
人間に害の無い妖怪だけの世界を作るつもりなんだよ。
キミの心根見えるよ、実はさっき嘘って言ったのが嘘なんだけどさ。
人間のこと嫌いでしょ? 弱くて醜い奴等だって見下してるでしょ? 正直ウザいでしょ?」
ゆらゆらと氷亜を指差す。
「知ってるかな? アイツ人間に作られたんだよ」
>>391
抱きつく露気を見据えて微笑む。
「妖怪を騙す腹黒女の話さ」
393 :
氷亜
2011/01/20(木) 23:09:44.04 ID:pUB+Ma7B0
>>392
ビキッ・・
氷亜のこめかみに血管が浮き出る
「・・・」
カレラの前で姫の侮辱はご法度だ、カレラはあまりにも狂信的にあるあまり
神に手を掛けた事もあった
「確かに僕たちは『悪い妖怪』なんだろうね・・しかもそれが姫と会ってから
一切が変化したのも事実かもね・・人間は憎い、憎かった?いや憎い、
姫はそんな人間に作られた・・
全て嘘のない真実さ」
氷亜の拳に力が入った
「それがどうかしたかい?そんな事既に知っているさ。
でも、あまり姫に関してこれ以上愚言を吐くと知らないよ?」
周囲の気温が著しく低下する
「まあ、今もこれからも『悪い妖怪』だけどね、僕は」
394 :
露希
2011/01/20(木) 23:14:59.78 ID:1zMX1dhr0
>>392
「そっか…氷亜さんを怒らせたら大変なことになるからね。」
微笑しながら言う。露希は氷亜さんに魅せられ、組織に入った。
どちらかと言うと「姫」より「氷亜」を優先する、そんな彼女。
>>393
「……(氷亜さん、変わってないなぁ。
そして、姫様に忠実。)」
395 :
窮奇
2011/01/20(木) 23:31:30.88 ID:YTFosIYSP
>>393
>>394
「妙だねぇ、鼻で笑ってくれると思ってたんだけどなぁ!!」
相も変わらずニタニタと笑いながら両手を上げて、笑いかける。
「まぁ、そうキレないでくれ。
私は別にキミ達のボスを馬鹿にしたいわけじゃないんだ」
「私が話したいのは君自身の将来の話だよ」
絡み付くような悪意が、今度は刺すような視線に変わる。
「キミ本当にそのボスに着いて行って良いの?
まぁキミ自身がそのボスに恩義を感じているのはわかるよ。
でもそのボスが主になっても、人間大嫌いなままのキミじゃあ辛いだろうね」
笑う笑う、嘲る、見下す。
「キミ達のボスが主になったら
"人間と妖怪が仲良く暮らす世界"を作っていくよ。
いいのかな? いまは目的も戦いもある、キミも重宝されるだろう。
でも人間大嫌いなままのキミがそのうち邪魔になってくるだろうね」
口に手をかけ、噴き出す。
「『俺は悪い妖怪だけどね』だってさ! 人間アンチ宣言じゃん!!」
語りかけるように、踏みにじるように。
心を汚していく。
「いいかい? キミはキミのボスの為に生きるだろう。
でもキミのボスが望んでる世界に人間嫌いな妖怪は必要無い。
キミとキミのボスの見る風景は決定的に違うんだ。
キミはキミのボスの為に自分を否定する世界を作ろうとしてるんだよぉ!!」
一気に笑い、口を開き。
目を見開いて、狂気に染まる。
「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ッ!!
ダメ! 無理! ダメ! 無理! ダメ! 無理! ダメ! 無理! ダメ! 無理! ダメ!
もう諦めたら? もう逃げ出したら? 逃げちゃえば良いじゃん!
『邪魔者』 になる前にさぁ!
今ならキミのボスに嫌われなくて済むよぉ!? どうすんの? ねぇどうすんのぉ?
あははははははははははははははははははははははははっはははっははははははははははッ! 」
396 :
氷亜
2011/01/20(木) 23:46:06.95 ID:pUB+Ma7B0
>>395
「・・・」
落ち着いた、そうか彼女が言いたかったのはそういうことか
純真なものだ
「一応最初から謝らしてもらうね?ゴメン
いや、でもさすがに謝るほどに君は罵れないかもしれないな、僕狂骨じゃないし」
雪男や雪女が人をまどわす事のかなうのは、見た目の妖艶さだけでない、
その話術の巧みさに起因する節もある
指導、教育のあまり受けていない氷亜もしゃべらせれば短時間の催眠も可能だ
「君馬鹿でしょ?
まず君のその白黒の考え方じゃ僕らの黒さはあまり理解してくれるとは
思えないけど、言うね?」
少し息を落ち着かせる氷亜
その熱は姫への侮辱による憤怒、
氷の心でも冷ましづらいものであった
「僕たちの棟梁は姫、人間大好きの座敷童子さ
でも、姫は僕たち妖怪も好きなのさ、まあそれが僕達『悪い妖怪』の黒も
含めてかは知らないけどね
でももう二人中核が居るんだよ
ああ、主になるのは姫だけどね
それは地域信仰の代表格天狗
そして、昔、全世界を敵とした狂骨さ
まずここは理解できた?」
397 :
露希
2011/01/20(木) 23:52:34.79 ID:1zMX1dhr0
>>395
「(氷亜さんを侮辱するものは排除。
また、氷亜さんに関係するものの中傷は死に値する。)」
露希は心のなかで呟きながら、ため込んでいた妖気を開放する。
>>396
「(氷亜さん…貴方にはたくさんの味方がいます。
貴方の考えや思いを貫き通してください。
その為ならボクは貴方の盾にだって……)」
二人から間を取り、見物し始める。
398 :
窮奇
2011/01/20(木) 23:59:02.65 ID:YTFosIYSP
>>396
「キミ馬鹿でしょ?
まずキミのその狂信染みた考え方じゃ私の言うことはあまり理解してくれるとは
思えないけど、言うね?」
氷亜の言葉を無視して、言葉を続ける窮奇。
「キミたちの棟梁は姫、人間大好きの座敷童子。
でも、姫はキミたち妖怪も好きなのさ、まあそれはキミ達『悪い』妖怪の黒さを
知らないからなんだけどね。
でももう二人側近が居るんだよぉ
ああ、主になるのはもちろん姫だけどね
それは地域信仰の代表格天狗
そして、昔、全世界を敵とした狂骨
コイツらを人間の中に住ませられる程に洗脳できるのは理解できる?」
小馬鹿にするようにニッコリと微笑む。
「一応最後に謝らしてもらうね?ゴメン
いや、でもさすがに謝るほどにキミは罵りきれないかもしれないな、私は心読めちゃうし」
>>397
露希を見据える。
笑顔は崩れないままだ。
「ところでそこで黙ってみてるヤツ、いいの?
氷亜くんはリアルタイムで『悪い』妖怪宣言してるよ」
ニヤニヤと笑いかける。
「キミ達の組織は職務怠慢だねぇ?
あっ、恋に葛藤してるのか。わかるよ、私も女だしぃ」
399 :
氷亜
2011/01/21(金) 00:11:43.95 ID:HqUHuuik0
>>398
「やるねぇ・・」
思いがけず、にやりと笑う氷亜
ここまで手ひどくひっくり返されたのは初めてだ
「確かに・・洗脳されてるってのは恐いね
いや実際には恐いけどそれでもいたいからだね、姫の傍に
あれ?洗脳されてる?ホントだ・・」
窮奇の言葉は彼の心に一石投じた
「とりあえず・・聞きたいんだ・・
現在進行形で人を殺し続けてる僕らと、化かし続けてる僕の仲間たちは
姫はどう想ってるのかな?」
400 :
露希
2011/01/21(金) 00:19:19.72 ID:EJvgH3dZ0
>>398
「恋…ですか?」
彼女の質問に戸惑う。
確かに、氷亜達は過去に殺戮をしてきた妖怪達。
それを見過ごすのは機関の妖怪としてはいけないことである。
しかし、笑顔で
「もしも、氷亜さん達が悪意を持ち、人や妖怪を[
ピーーー
]のであれば、ボクは許しません。
でもね、上の階級になるにつれ、その妖怪がどんなものなのか、分かるようになるの。
…氷亜さんは悪くない。そう信じます。
仮に彼が過ちを犯したとき、私は自ら命を絶ちます。」
>>399
「氷亜さん、百鬼夜行にボクが参加し、姫の敵になると言ったら、
貴方はボクを殺りますか?」
401 :
窮奇
2011/01/21(金) 00:27:19.25 ID:CEzWMvuaP
>>399
「知らぬが仏って所じゃないかなぁ?」
目を細め、哀れむように氷亜を見据える。
心に揺さぶりをかけ続ける。
「もし知ったら・・・泣いて、絶望して
『消えてしまえ』、とまでは行かないだろうけど。
『悪い氷亜くんなんていない、誰かに操られてるだけ』と言う感じに、
存在自体を否定したがるんじゃないかな? まぁ私は人の気なんて知らないから適当だけどね」
やれやれ、という感じの動作をする。
>>400
「ほらこんな風にね」
それ見たことかと露希を指差す。
「結局貴方が好かれてるのは黒い部分、
つまりキミという妖怪の本質を隠してるからなんだよ。
その力が本来どんな目的で使われるかも知らず、
ただ "特殊能力を持った人間" のフリをして生活してるからなんだ」
はっとしたように、誤解しないでくれと言うように。
手を前に出して愛想笑いをする。
「おっと、別に悪く言うつもりは無いよ。
誰かと仲良くする為に自分を誤魔化すなんて自然なことだ」
かと思いきや。
ニタリ、と。
今までで一番どす黒い嘲笑を作る。
「まぁ、いつまで誤魔化しきれるかはわからないけどね。
ボロが出る前に、死んだり逃げたりしたほうが良いんじゃない?」
402 :
氷亜
2011/01/21(金) 00:45:11.57 ID:HqUHuuik0
>>400
「・・はは・・それに似たような事を昔に狂骨が言われてたね・・
まあ・・それが梅下吉衛門を狂骨にしたのさ・・」
表情が曇る、窮奇の毒が心にしみてしまっているのか
「そうだね・・今となっては露希
君を選べるかも知れない、でもおそらく僕は壊れるだろうね」
壊れれるのならまだいいが
>>401
「なんだそこは知らないのか、ならいいや」
「いやね、姫の事どこまで知ってるのかなって思ってね
よかった、姫は善悪なんて概念ないよ。
あるのはその目の前のが幸福な気持ちに溢れてるか否かだからね。
僕らの行為が最終的に大きな大凶にならなければいいんだ」
氷に波紋は生まれない
ナチスのような危なさの目であった
403 :
露希
2011/01/21(金) 00:50:45.22 ID:EJvgH3dZ0
>>401
「……あの時、なんで氷亜さんに会ったのかな…
凄く、後悔してる。
でも、僕は氷亜さんのすべてが好き。彼を守るためなら、組織だって抜けるし、
とにかく、彼のそばにっ…」
精神が崩れかけ、泣きだす。
>>402
「ひっく……ボクは、いない方が良かったのかな…。
氷亜さんの事を考えると…もう胸が苦しくて、自分の存在に罪悪感が…」
耐えきれず、うずくまる。
404 :
窮奇
2011/01/21(金) 00:55:47.91 ID:CEzWMvuaP
>>402
「そう、それは知らなかった」
驚いたような表情をする。
口に手をあて、「まぁびっくり!」とも言いたげだ。
「じゃあキミ達の道はどこにも続いて無いね」
さも「つまらない」と言いたげな顔をする。
ふぅ、と深いため息を吐いた。
「幸せの事しか考えられないボスと、
そのボスの事しか考えられない手下。
お互いにお互いが依存し合って、そのまま地獄に落ちれば良いよ」
>>403
「うん、もう居ても居なくても良いんじゃないかな?」
恐ろしく投げやりだ。
めんどくさそうに吐き捨てる。
どうやら拍子抜けしたようだ。
405 :
氷亜
2011/01/21(金) 01:04:36.98 ID:HqUHuuik0
>>403
「はは、
大丈夫さ露希!!昔の僕ならいざ知らず、今の僕は唯のモスキートだからねぇ。
僕だってもと人間さ、どれくらい人間が生気が吸収されれば死ぬか知ってるよ」
優しくつとめて笑いかける氷亜
彼女にあまりにも大人げなく当たってしまったかも知れなかった
「つまり君たちの基準をかいくぐってるってことさ」
狂骨やその他については有罪か無罪か知れないが、ひとまず露希を
落ち着かせる事に気を使った
>>404
「結局僕らが強いからいいのさ
正しさも悪も全て僕らの基準にならないし、地獄にもいくきはない」
なんとか窮奇の嵐からすこし身を引けた事で心にゆとりが戻る。
流石に無傷で、とはいかないがなんとか壊れなかった
「そうだな・・地獄に行ったら狂骨はなにをするんだろう・・
ともかくゴメン君は仲間に出来そうにない
僕らの器がまだまだなのかもね」
406 :
露希
2011/01/21(金) 01:14:36.32 ID:EJvgH3dZ0
>>404
「……自分にけじめをつけたいと思います。
ありがとうございました。」
>>405
「ひょ…氷亜さん……」
ひとまず、落ち着いた露希。
彼の笑顔を見ると落ち着く。
「考えてみます…ボクの居るべき場所を……
なんて言えばいいか分からないけど…氷亜さんと一緒に居たいんです。」
ほっとしたような、笑顔で言う。
「少し、時間を置いたらまたどこかで会いましょう。
氷亜さんのように、自分の意思を貫き、戻ってきます。」
露希はそう言って、立ち去った。
/絡みありがとうございました!
407 :
窮奇
2011/01/21(金) 01:15:38.51 ID:CEzWMvuaP
>>405
、
>>406
「私はね、"善人"を食べるのが好きなんだよ。
善人って言っても独善的な"善"じゃない。自分の行いと目的に誇りを持ち、
いつまでも自分の命を燃やし続けるひた向きな"善"。なのにキミ達ときたらさぁ」
うんざり、というように眉をひそめる。
張り付いたような笑顔があっけなく崩れた。
「惰性で「ハイエル、姫ーーッ!」やり続ける生き人形と、
自分のことしか考えられない脳みそお花畑女じゃないか。こりゃやる気失せるよ」
めんどくさそうに左手をスナップする。
直後、吹きすさぶような妖気の嵐が巻き起こる。
あたりを巻き込み、飲み込む! この大きさは、神格級だ。
地面が揺らぎ、せり上がり! 土の中から一軒家ほどもある巨大な蛙が現れた!!
〜妖怪目録〜
【わいら】
数百年生きたと謂われる巨大な蝦蟇。
水かきの付いた手は土を掘り進む鍵爪へと変化している。
土の中で眠り、毒虫を喰らい、霞を喰う内に霊性を持った。
下半身は常に周囲の大地と一体化しているため、
絵画などでは下半身は描かれずにおかれることが多い。
「じゃあ私は帰るよ。邪魔しないでね、追ってこないでね」
茶褐色の土砂が窮奇を取り巻き、やがて地面に沈んでいった。
そして粘り気を持ったような気持ちの悪い大気が、冬風に徐々に澄んでいく・・・。
408 :
氷亜
2011/01/21(金) 01:26:08.79 ID:HqUHuuik0
>>406
「露希の行く先に幸あれ!!だね
君の答え、楽しみにしてるよ!!
(僕に誇れるような意思はあまりないんだけどなぁ・・
そういや・・あの子たちの悪はどこにあるんだろう?)」
手を振りながらそう思う氷亜
>>407
「貴様ぁぁああ!!!!!」
窮奇の最後に放った毒がついに氷亜の堪忍袋の尾を切ってしまった
その雪男の体のままで、膨大な量の冷気を発散する
この寒い冬でもあり得ない気温低下に、木々は凍りつき川は流れが殺された
スケートリンクのようになってしまった地面の上で窮奇を追おうとするが、
雪男の体ではこの冷気はきつかった
「・・ッ!」
その場で倒れこんだ氷亜
409 :
四十萬陀 七生
2011/01/21(金) 21:25:10.39 ID:ml6VlKFBo
あちこちに乱雑に跳ねた髪に、うっとうしそうに何度も手櫛を通す。
しかし何時まで経ってもなおる気配はなく、四十萬陀は諦めたようにため息を落とした。
「も〜…、人間の姿ってこういうのが面倒じゃん…」
袂山の麓にある小さな神社。
その境内の階段に、四十萬陀はちょこんと座っていた。
折角出かけようと思ったのに、この跳ねた髪は少し……恥ずかしい。
どうしようか、と迷い、くるくると短い髪をいじる。
410 :
瞳
2011/01/21(金) 21:35:41.81 ID:fxwgZlIAO
>>409
「よっ…と、ふぅ…少し休憩しよう」
手ぬぐいで汗を拭う少女
休憩がてら神社に入っていく
「おや?七生じゃないか。」
411 :
黒蔵
[sage]:2011/01/21(金) 21:39:32.17 ID:B13cvYcBo
>>409
今日もまた、波山に怒られた。
先日ぶち壊した神社の建て直し、力仕事の手伝いで隣の山からの帰り道である。
でも今日は極楽鳥のお姉さんが、ニット帽ってものの存在を教えてくれたのだ。
(これ暖かいし、禿げ隠れるし♪)
いいものを教えてもらった、と機嫌よく帰ってくる坊主頭の黒蔵。
しかしこのままでは袂山の前を通ることを、帰り道半ばで思い出した。
(ここまできたら通るか、それとも回り道しようか?)
少し迷ってみて、思い切って通り過ぎることにした。
(回り道するにはちょっと寒いしな)
今日は夜雀が山に居ないことを願いつつ道を辿るが、黒蔵の選ぶのはいつも外れ籤である。
(居るじゃん、四十萬陀)
こっそりひっそり、通り過ぎようとするが、妖気は駄々漏れだ。
412 :
四十萬陀 七生
2011/01/21(金) 21:43:53.05 ID:ml6VlKFBo
>>410
「うぇっ、瞳君!」
はっと顔を上げると、四十萬陀は思わず自分の髪を掴んだ。
跳ねた髪を隠したいのだろうが、突然で結構不自然になってしまった。
「と、特訓でもしてたじゃん?」
>>411
ぴくん、と四十萬陀は敏感にその妖気に反応した。
いつもなら飛んでいくところだろうが、四十萬陀は、うぅと心中で唸り、気付かないフリをする。
(この髪じゃ会うにも会えないじゃん……うー、どうにかできないかな…)
と、考えていたところで、何か思いついたのか、四十萬陀は「あ」と声を上げた。
413 :
芹沢 景久
[sage]:2011/01/21(金) 21:45:04.83 ID:tYVKG3Jto
職業柄、ついつい妖気の強い方へと引き寄せられる
それがオフであっても
トレーニングか暇つぶしか、休日になれば走りこむ彼は気付けば神社へ続く駆け上がっていた
「…職業病とは怖いな」
前方に3人の人影を見つけ、一息つく
トレーニングには不向きな黒のスーツ
それが、どこか葬儀屋のような何処か不気味な雰囲気を生み出していた
414 :
瞳
2011/01/21(金) 21:53:41.72 ID:fxwgZlIAO
>>411
(ん?この妖気…黒蔵か?何故姿を見せないんだ?)
妖気を感じ取り疑問に思う
>>412
「ああ、その通りだ。七生はなぜここに?」
真顔で問いかける
>>413
(あれは、人間か?珍しいな…)
415 :
黒蔵
[sage]:2011/01/21(金) 21:53:58.15 ID:B13cvYcBo
>>413
気付かれているとも知らず、黒蔵はこっそりと移動中。
そこに漂ってきた人間の匂い。
「あ?これは…あの黒い人間」
そうそう、確かこんな感じの黒い服のやつだった。
思い出して黒蔵はその服装に変化してみる。どうみても葬式帰りの格好だ。
怪我してるとこに出くわして薬と妖怪の死骸をトレードしたり、車に引かれた時に
人間界の「こうつうるーる」とかいうのを教えてくれた、あの人間。
>>410
,412
そうやって他所に気をとられていて、四十萬陀に見つかる。
「うぇっ!?あ、神さんもいた?」
瞳の存在にも気付く。いやもっと早く気付け。
黒蔵の声は上ずっているし、あからさまに挙動不審である。
416 :
四十萬陀 七生
2011/01/21(金) 22:01:19.23 ID:ml6VlKFBo
>>413
(また誰か来たじゃん…って、妖怪じゃない…?)
顔を上げて見るが、妖気を感じない。
ということは、参拝客だろうか。こんな小さな神社に、珍しい。
彼自身からも、どこかふつうの人間と違う雰囲気を感じるが……。
「って、ここじゃ邪魔じゃん」
慌てて立ち上がると、階段から避ける。
>>414
「その、髪が……ちょ、ちょっと待っててじゃん!」
四十萬陀はそう言うと、きょろきょろ辺りを見回し、人間であろう芹沢の死角へ行くと、一瞬妖気を高めた。
すると、するりと四十萬陀の髪が、肩ほどまでに伸びた。
「よし、これでなおったはずじゃん」
手で撫でて確かめてみる。
クセっ毛は、伸びた髪の重さできれいなストレートになっていた。
なおった事を確かめると、四十萬陀は瞳の元に戻った。
「おまたせじゃん!」
>>415
「あ、黒蔵君!」
先ほどまでは髪が気になっていたが、今はもう大丈夫。黒蔵に手を振る。
四十萬陀の髪がいつもより長いことに、黒蔵は気付くだろうか。
黒蔵がニット帽をかぶっている事に、四十萬陀はすぐ気が付いた。
「あれ? 帽子なんて珍しいじゃん…って、どーしたの?」
挙動不審な黒蔵を見て、首を傾げる。
417 :
露希
2011/01/21(金) 22:06:07.57 ID:EJvgH3dZ0
「(なんかここの山に居ると、ほっとする…)」
一人で歩いていた。
418 :
瞳
2011/01/21(金) 22:08:57.75 ID:fxwgZlIAO
>>415
「黒蔵?どうかしたのか?」
黒蔵の様子を見て、疑問に思う
>>416
「髪?」
何のことか分からず、しばらく見つめ
「おー、似合っているぞ。」
伸びた髪をみて、笑顔で返した
419 :
黒蔵
[sage]:2011/01/21(金) 22:12:21.08 ID:B13cvYcBo
>>416
,418
「あうぅ……」
ピンクと黄色のポンポン付き縞々ニット帽を抑えて、おろおろする黒蔵。
どう見ても黒スーツに似合うコーディネートではない。
それでも、黒蔵の禿げ隠しには必要なのである。
頭髪にセンシティブな今の黒蔵だからこそ、四十萬陀の髪の長さには気付けたのかもしれない。
何とかして自分の頭から意識をそらして欲しくて、おずおずと話題を振ることにした。
「あぁ、四十萬陀……髪伸びた?」
>>417
…ぞくり。
黒蔵は、露希の妖気を感じ取る。
(あの、怖い気配キター!)
回り道して帰らなかったことを、黒蔵は今更後悔し始めた。
420 :
四十萬陀 七生
2011/01/21(金) 22:18:20.65 ID:ml6VlKFBo
>>417
「おろ? このニオイは…」
境内の石灯篭に飛び乗り、山を見上げる。
「露希君が近くにいるじゃん。もうそろそろ神社に着く頃じゃん」
>>418
「あ、あははー、ありがとうじゃん!」
必死で突然の策だったが、割と上手くいったようだ。
いつもと違い重量感のある自分の髪に、違和感はない。むしろ、懐かしい。
「長い髪なんて300年振りじゃん」
>>419
(スーツにカラフルなニット帽……)
四十萬陀にはよくわかないセンスであったが、あえて何も言わずにスルーする。
髪の事を指摘され、嬉しいような恥ずかしいような困ったような表情で、
「ち、違うじゃん。ちょっと、いろいろ事情があって……ど、どうじゃん? 変じゃない?」
421 :
露希
2011/01/21(金) 22:24:06.96 ID:EJvgH3dZ0
>>418
「こんばんは。会いたいと思ったら会えるんですね!!
今、凄く抱いてもらいたいと思ってて…。」
多分、今日一番の笑顔だと思う。
>>419
「黒蔵君〜!!こんばんは!!」
前回は初対面で自重気味だった。
しかし、今回は違う。(帽子は気にせず)
「黒蔵君抱きッ!!」
>>420
「七生さん、こんばんは。
髪の毛…可愛いですね!」
422 :
瞳
2011/01/21(金) 22:32:31.19 ID:fxwgZlIAO
>>419
「黒蔵?どうしたんだ?それに、その恰好…」
黒蔵を上から下まで眺める
>>420
「300年ぶりか…とても似合っていると思うぞ。髪、きれいだしな。」
まじまじと七生の髪を見つめる
>>421
「やあ。露希。私も会いたかったよ。」
笑顔で答える
「だ、抱いて…そんなこと言われたのは初めてだ…」
顔を赤らめる
423 :
黒蔵
[sage]:2011/01/21(金) 22:37:18.22 ID:B13cvYcBo
>>420
自分の頭について二人から詮索されずに済み、黒蔵はちょっぴりほっとした。
それになんだか、今日の四十萬陀は機嫌がよさそうである。
「うん、長い髪の四十萬陀も良いな。似合うし」
少しまぶしそうにして目を擦る。
四十萬陀達がぼんやりと白い光に包まれて見える。
(綺麗だな…)
ここしばらく、ちょっとづつ黒蔵の目が白く霞んできた。
胸の傷も綺麗に瘡蓋になったことだし、そろそろ脱皮の時期かもしれない。
>>421
ふにっ。
まさか出会い頭にいきなり抱きしめられるとは、予測もしていなかった低身長男子。
こんなとき、白人女性の体格の良さは色々と卑怯だと思う。
「うわなにをす……」
あったかくてやーらかいものを無理やり押し付けられて落ち着いているなんて、
そんな器用なことできない。
ぼひっ!
恥ずかしさに首まで赤くなった黒蔵、もがくうちにニット帽がずるずると目の上に被さってくる。
>>422
「お願い、見ないで…」
こう抱きすくめられてしまっては、弱弱しく抗議するのが精一杯だった。
424 :
四十萬陀 七生
2011/01/21(金) 22:43:47.47 ID:ml6VlKFBo
>>421
「あ…ありがとうじゃん…」
元気の良い露希を、なんだか複雑そうな表情をして見ている。
>>422
「まだ小さかった頃は、上手く変化ができなくて…髪が伸びっぱなしになってたんじゃん」
今はもう、そんなことはないけれど。
300年前といえば、四十萬陀はまだ生まれて100年程しか経っていない。幼かった頃の事だ。
褒められて照れているのか、少し頬を赤らめて、くすぐったそうに笑う。
>>423
「そ、そうじゃん?」
嬉しそうに顔を綻ばせて笑う。
なんというか……女の子、という感じの笑顔で。犬御が見たら泣く(か卒倒する)だろう。
が、露希が黒蔵に抱き着いたのと見たとき、少しだけ、一瞬だけ、顔がこわばった。本人も気付かないくらい、ふと。
「あ、帽子が」
よくわからない感情に喉を詰まらせていると、黒蔵のニット帽がずれていることに気付いた。
425 :
露希
2011/01/21(金) 22:49:29.41 ID:EJvgH3dZ0
>>422
「ぼ…ボクもこんなこと言ったの初めて…かな?
それにしても、修行偉いですね。」
おずおずと、しかし尊敬する眼差し。
>>423
「……?」
抱かれている黒蔵のことなど気にせず、
「黒蔵君可愛いよ〜」
などと言って、抱きしめる。
…ふと頭を撫でようとすると、髪の毛がない!!
>>424
「(な…七生さん……これ何!?脱毛?)」
必死にアイコンタクトを取る。
気づいてくれるだろうか?
426 :
黒蔵
[sage]:2011/01/21(金) 22:57:37.78 ID:B13cvYcBo
ニット帽が目の上へずれこみ、禿げた後頭部はむき出しである。
>>424
(あーっ、今すげーいい笑顔なのに!)
途中から何も見えなくなって、四十萬陀の表情の変化に黒蔵は気付かなかった。
いや、もし見えていてもこの蛇に繊細な表情が気付けたかどうか怪しい。
>>425
露希に腕を押さえ込まれて、黒蔵はじたばたとあがく。
黒蔵の馬鹿力なら振りほどくのは難しくない筈なのだが、この、ちょっと動くたんびに
ふにふにとあたるこのけしからん感触が、うわぁぁぁぁぁ。
しかも目隠しされた状態でこれは、妄想が大暴走するのを抑えられない…のに。
(ちょ、そこ触んなってばぁぁぁぁ!!)
そこで後頭部をつるりと撫でられて、黒蔵の心は絶叫した。
427 :
瞳
2011/01/21(金) 23:01:31.30 ID:fxwgZlIAO
>>423
「く、黒蔵?」
(なんだかよくわからないが、見ないでおいた方がいいかな?)
ふと、目をそらす
(駄目だ…気になる…すまない、黒蔵。)
しかし、横目で見る。
>>424
「変化か…七生にもそんな時代があったんだな…」
静かに笑う
>>425
「ほ、本当に初めてなのか…露希は大胆だな…」
まだ、恥ずかしそうだ
「おっ、よく修行だとわかったな。また、強くなれたよ。ここまで、挫けずにやってこれたのは露希、あなたのおかげだよ。ありがとう。」
笑顔で礼を言う
428 :
四十萬陀 七生
2011/01/21(金) 23:07:30.50 ID:ml6VlKFBo
>>426
「…??」
露希の体と撫でる手で、黒蔵の後頭部がよく見えない。
黒蔵の妖気が尋常ではなく乱れているので、なんだか心配になってきた。
>>425
「ろ、露希君、そろそろ離してあげたどうじゃん……?」
控えめに話しかける。
>>427
「そりゃあ、私だった最初からこんなんだったわけじゃないじゃん」
そう言ってからからと笑う。
「小さい頃かぁ〜…もうあんまり覚えてないじゃん」
429 :
黒蔵
[sage]:2011/01/21(金) 23:08:03.92 ID:B13cvYcBo
>>427
目隠しされて衆人環視でこの状況。
どうみても羞恥プレイです本当にあ(ry
(そろそろ泣いてもいい気がする)
430 :
露希
2011/01/21(金) 23:12:11.00 ID:EJvgH3dZ0
>>426
「………(うわぁ、凄い大変なことしちゃった…)」
沈黙。しばらく唖然とする。
「く…黒蔵くんっ、ご…ごめんね…?」
>>427
「瞳さんの強い意志があったから出来たんですよ!
でも、感謝されると嬉しいな…。」
>>428
黒蔵からすっと離れる。
「七生さんも抱いて欲しいですか?(さっき、表情が変わったから…)
女の子同士なら、多分悪いこと無いですし…」
先程の表情のことを考え、冗談半分で言う。
431 :
瞳
2011/01/21(金) 23:21:16.96 ID:fxwgZlIAO
>>428
「小さい頃…私は昔のことは、あまり話したくはないかな。だが、悪いことばかりではなかったな。」
遠い目をして呟く
>>429
(…気になる…)
再びチラッと、黒蔵の方を見る
「く、黒蔵…その頭…」
黒蔵の頭を目撃
唖然とする
>>430
「その私の意志を支えてくれたのが、露希だよ。本当にありがとう。」
嬉しそうに笑顔を向ける
432 :
四十萬陀 七生
2011/01/21(金) 23:30:26.67 ID:ml6VlKFBo
>>430
「え……う、うーん…」
突然の申し出に混乱して、四十萬陀は真面目に考え込んでしまう。
>>431
「にゃはは。そりゃ、人生には山あり谷あり、っていうじゃん。…私より断然、瞳君のほうが年上だろうけど」
冗談めかしてそう言う。
>>429
「黒蔵く――
露希から解放された黒蔵のほうに目を遣り、声を掛けようとした瞬間。
四十萬陀は理解した。ニット帽の意味や、その他もろもろを。
「……なにがあったじゃん…?」
何だか、跳ねた髪程度で悩んでいた自分があほらしくなってくる位の、見事な禿である。
433 :
黒蔵
[sage]:2011/01/21(金) 23:33:40.30 ID:B13cvYcBo
>>430
ようやく開放されて、黒蔵はニット帽を抑えてその場にうずくまる。
心臓も呼吸も動揺を映して荒い。
「う、うん……」
露希の謝罪にかろうじて頷き返す。
(いろんな意味で危険だコイツ)
だが危ないのはお前もだ黒蔵。さっき妄想した内容は口が裂けても言えるまい。
>>431
,432
(ひょっとして禿、見られた?)
呼吸が落ち着いてくると、蛇は探るような視線を四十万陀と瞳とへ向けた。
そして瞳の、その驚愕の表情に全てを悟る。
(終わった!俺ってば、色々と終わったぁぁぁぁぁ!!!)
そしてとどめに四十萬陀の台詞。
もはや地に伏せて悶絶するしかない。
女性同士の会話でひそひそと笑われているような気がする。
434 :
露希
2011/01/21(金) 23:39:43.70 ID:EJvgH3dZ0
>>431
「(どうしよう…黒蔵君、パニック状態…)」
なんとか助けを求めたい。
ジェスチャーをしつつ、アイコンタクト。
>>432
「え、いやでもスキンシップは大切だよ!!」
と言った後、唖然とする四十萬陀を見る。
「(うわぁぁぁぁん!!そんなつもり無かったのに〜!!)」
もう半泣き状態。
>>433
「ほ…本当にごめんねっ…
ぇと…分からなかったんダ…ソノ…ネ?」
何を言っているのか分からなくなるが、必死に謝る。
435 :
四十萬陀 七生
2011/01/21(金) 23:46:17.30 ID:ml6VlKFBo
>>433
>>434
「…………」
じっと、悲しいほどに真っさらな黒蔵の後頭部を見つめる。やめてあげて、と言いたいほどに見つめる。
そして、四十萬陀は口を開くと……。
「――っぷ、ひっ、あは、あははははー!!」
とりつく島もないほど、いっそ清々しいほどに笑った。
「黒蔵君なにそれ何その頭!? ほんとに何があったの!?」
先ほどとはまた、違う意味でいい笑顔を全開にしながら、四十萬陀はお腹を抱えて笑った。
そう、四十萬陀とはそもそもこんな奴だった。ちょっと忘れかけていた。
436 :
瞳
2011/01/21(金) 23:48:56.47 ID:fxwgZlIAO
>>432
「うーん…まあ、そうなんだろうな。」
>>433
いまだ、唖然とした表情を見せている
「…えっと、なんだ…その、すまん…」
とりあえず、謝った
>>434
「……」
何も答えられなかった
申し訳なさそうな表情
(すまない、露希…こんな事態初めてだ…いったい、黒蔵の頭は…)
437 :
黒蔵
[sage]:2011/01/21(金) 23:54:08.97 ID:B13cvYcBo
しばらくニット帽を目深にかぶっていじけていたのだが。
>>434-436
心配されるとなんだか腫れ物扱いされているようで、余計に惨めになってきた黒蔵。
徐々に羞恥が諦観へと摩り替わってゆく。
そこへ鬱屈を吹き飛ばすような四十萬陀の笑い声。
「……もう見られたし、いいか」
どこか放心したような表情で、ニット帽を脱いだ。
くっきりとした、波山の足型付きの禿頭である。点々と残る小さな瘡蓋は、突付かれた跡か。
怒れるあまりの波山の炎は、その瞬間、幻影以上の力を発揮したようで、
黒蔵の髪も眉毛も剃ったように綺麗にしてしまったのだ。
火傷にならなかった事だけは、幸いだったと言えるだろう。
「隣の山で修復中の神社を壊しちゃってさ。
そこの鶏の妖怪に物凄い勢いで怒られて、こうなった」
しぶしぶと事情を説明した。
438 :
露希
2011/01/21(金) 23:58:18.83 ID:EJvgH3dZ0
>>435
「え…笑っちゃうの…?」
少し焦るが、彼女が笑うなら大丈夫だろう。
>>436
「な…なんとか、七生さんのおかげで助かりましたね。
(アイコンタクト疲れますし…)」
>>437
「鶏の妖怪に…怪我はほとんどなさそうだね…」
申し訳なさそうに、喋る。
439 :
瞳
2011/01/22(土) 00:12:02.68 ID:0sudka0AO
>>435
「わ、笑っていいのか?」
驚きながら返す
>>437
「そんなことが…ま、まあ、その内元通りになるはずだ。だから、あまり気に病まない方がいい。」
なだめるような口調で言った
>>438
「ああ、そのようだな。」
安心したのか、胸をなで下ろす
440 :
四十萬陀 七生
2011/01/22(土) 00:13:08.12 ID:ygGl4ct5o
>>437
「きひひ…ごめんごめん」
笑いながらでは、全然謝っているようには聞こえない。
「隣の山?」
(ってことは、その鶏ってあの妖怪たちのことか)
前に犬御の喧嘩を止めに入ったとき見た、隣山の妖怪たちのことだろう。
四十萬陀は思い出しながら、
「それは怒られるじゃん。でもまぁ、見たところ、他に怪我はなかったんでしょ?
うん、髪の毛ですんでよかったじゃん!」
そう言うと、自分の髪もどうでもよくなったらしく、妖力の無駄遣いだと吹っ切れて、髪を元に戻してしまった。
あちこちに乱雑に跳ねた髪のまま、四十萬陀はにひっと人懐こく笑うと、落ち込んだ様子の黒蔵に抱き着いた。
「ほらほら、元気出すじゃんっ!」
>>438
>>439
「ごめんごめん、思わず」
黒蔵の頭を撫でたりぺちぺち触れたりしながら、笑顔で言う。
441 :
黒蔵
[sage]:2011/01/22(土) 00:20:00.47 ID:PMYyiT+zo
>>438
「波山に?ああ、怪我はなかった」
―――ざけんじゃねー禿ジジィ、こちとらテメェのせいで突付いた嘴がイテェんじゃコラ!
聞いてんのかボケ、ああっ?[
ピーーー
]ぞオラ?
とか罵る波山がちらりと黒蔵の心をよぎったが、見なかったことにしておく。
>>439
「ん」
慰めてくれてるんだな。この神さん一番の常識人だし。
でももう十分気に病みすぎて、一生分禿げたような気がする。
「毛、生えるかな……なるべく早いと良いんだけどな」
>>440
「四十萬陀ぁ……」
つるりぺたりと禿頭を弄られて、情けない声をだす。
四十萬陀がやったように変化をコントロールして生やせば良いだけなのだが、
あまり練習したことがなくて不得手なのである。
442 :
露希
2011/01/22(土) 00:24:31.83 ID:E0iZMiAG0
>>439
「凄く微笑ましい光景ですね。」
黒蔵達の行動を見て、いつか自分も…と思う。
>>440
「ボクも撫でた〜い!!」
とふざける。悪ノリとはこういうことなのか。
>>441
「ねぇねぇ、蛇の姿になれば禿とか言われないんじゃ…
無理に人になる必要なさそうだし…。」
443 :
瞳
2011/01/22(土) 00:32:23.86 ID:0sudka0AO
>>440
「ま、まぁ、確かに髪の毛だけですんで良かったのかもな」
>>441
「生えるさ……多分。」
自信なさげに言う
生えるなんて保証はないからである
>>442
「そうだな…」
笑顔で二人を見つめる
444 :
四十萬陀 七生
2011/01/22(土) 00:35:15.37 ID:ygGl4ct5o
>>441
「へーきへーき、髪がなくても黒蔵君は黒蔵君じゃん」
自信たっぷりにそう言う。
とりあえず四十萬陀は一切気にしていないようだ。
「どうしても気になるなら、私がちょっと変化のコツを教えてあげるじゃん」
人差し指を立てて、ふふんと鼻を鳴らす。
>>442
「だ〜め、『今度』は私の番じゃん♪」
べっ、と舌を出して露希に言う。
本人はそのつもりはなくても、さっきの事を気にしている…のかもしれない。
>>443
「そうそう」
ポディシブなのは相変わらずだ。
445 :
黒蔵
[sage]:2011/01/22(土) 00:41:05.63 ID:PMYyiT+zo
>>442
「それはそうなんだけど、蛇ってだけで嫌われることが多くてな。
そのつもりがなくても居るだけで誰かをぎょっとさせたり、無駄に攻撃的にさせたりするんだ」
忌み嫌われること、蛇蝎の如く。
「女の子とか、天敵同士の種族とか相手だと、余計にな」
ちらりと四十萬陀を見やる。
もし今ここにあの狼が来て、黒蔵が大蛇の形で四十萬陀と居たら。
微笑ましいなどとは到底思ってもらえないだろう。
「って、おい、何でお前まで撫でるんだよ」
つるぺた頭を撫で回す手が、もう2本増えるのか?
>>443
「髪だけで済んで良かった、か。確かにそうかもな」
しかし今ここで、黒蔵から髪以外の何かが、
彼女らによって失われている最中のような気もする。
(俺って、ていのいい玩具か?)
女の子3人に囲まれて、傍目にはハーレム状態な筈だが。
どうにも喜べない黒蔵であった。
>>444
「変化のコツ?」
きらーん、と蛇の目が輝いた。
そこにでっかい釣り針が見えていても、おそらくコイツは食いついたであろう。
なにしろ餌が髪と四十萬陀だ。
446 :
露希
2011/01/22(土) 00:50:34.31 ID:E0iZMiAG0
>>443
「女の子にとって、髪の毛は大切だからね。
なんか、黒蔵君凄く可愛そう…と言うか面白い…」
なぜか同情。しかも軽く本性が出ている。
>>444
「わ!」
突然のことで少し驚いた。
「(七生さんがボクにべーしてくれた…ぽわーん)」
なんでそんなことでそんなになるんだ…
>>445
「蛇と雀……黒蔵君、なんか面白いね!!(可愛いし)」
面白い組み合わせで笑ってしまう。
447 :
瞳
2011/01/22(土) 01:02:38.38 ID:0sudka0AO
>>444
「素晴らしい考え方だな。七生のそういうところは尊敬できるよ。」
静かに微笑みかける
>>445
「まあ、なんだ…本当にあまり気にしては駄目だぞ。そんなこと無理かもしれないが…」
哀れみの視線
なるべく、察せられないようにしたが
>>446
「ま、髪の毛は大切だよな。」
うなずき
同意する
448 :
四十萬陀 七生
2011/01/22(土) 01:05:45.51 ID:ygGl4ct5o
>>445
「ふふふ…よーし、さっそく教えてあげるじゃん」
四十萬陀は意気込むと、服の裾をぐいっと捲り上げた。
「まず変化のコツその一、姿を具体的にイメージする!」
びしっと指先を黒蔵に向けて叫ぶ。
「ま、黒蔵君で言えば、髪をどこまで伸ばすか〜とか、具体的なことをきちんと思い浮かべてから変化するといいじゃん。
最初は時間がかかるけど、慣れれば簡単じゃん」
それから、と四十萬陀は続ける。
「変化のコツその二、妖力を使いすぎない! これは大事じゃん。むやみに多く妖力を使って変化すると、失敗することが多いし、無駄遣いにもなるじゃん。
だからなりたい姿に合わせて、妖力をコントロールすることが大切じゃん。髪くらいなら、ほんの少しでいいよ」
>>446
「……ん?」
なんだか反応がおかしい…が、気にしないことにした。
>>447
「にゃはは、そう?」
照れたように笑う。
449 :
黒蔵
[sage]:2011/01/22(土) 01:18:23.91 ID:PMYyiT+zo
>>446
(やっぱり俺は玩具なんですね判ります)
露希の言葉の端々から、否応なく己の位置づけを悟る蛇。
次この人と出会ったらなるべく距離を置くんだ俺、などと失礼なことも考えた。
波山に喝を入れられても、逃げ腰のヘタレぶりは相変わらずのようだ。
>>447
(今、凄く鋭い何かが、心をざっくりと斬っていった気がしました)
刀の九十九神だけあって、哀れみの視線にも精神的ダメージ効果があったらしい。
>>448
「ふむむ…」
眉を寄せて目を閉じ、髪の毛を思い浮かべる。
大体こんな感じ。力み過ぎないように。
もさっ、と肩にかかるあの感触が蘇る。
(おー、懐かしいこの頭の感じ)
…でもちょっと長すぎたかもしんない。
多分、四十萬陀のさっきの長さと同じくらいある?
……もさもさっ。
ちょっと、待て。どこまで伸びるんだこれ。
座ったら地べたにつく位の長さはあると思う。
450 :
四十萬陀 七生
2011/01/22(土) 01:26:13.41 ID:ygGl4ct5o
>>449
「ちょっ、やり過ぎじゃん! ストップストップ!」
とめどなく髪の毛を伸ばし続ける黒蔵を、慌てて止めようとする。
「多分、妖力が多すぎるのが原因じゃん。えー…と」
四十萬陀は、ぴたりと黒蔵の背中に手のひらを当てると、ほんの僅かな妖力を放出した。
それは背中を伝い、黒蔵の中に感覚として流れていく。
「このくらいで十分じゃん。ほら、やってみるじゃん」
451 :
露希
2011/01/22(土) 01:27:39.70 ID:E0iZMiAG0
>>447
「…(凄い視線…。あんな風に見られたら終わりだろうな…)」
>>448-449
「ふむふむ…」
ちゃっかり授業に乱入!
「…ビクッ!!おお、少し伸びたぞ…!!七生さんみt…」
言いかけた時、黒蔵の異変に気付く。
「うわぁぁぁぁ!!黒蔵君の髪がぁぁぁぁ!!」
目の前で一気に伸びる髪の毛なんて見たら驚くほか無い。
>>447-448
-449
「今日も、楽しかったよ。感謝♪」
露希自身、彼らに凄く支えられている。
このような時間は露希にとってどれだけ幸せな物か。
「それじゃあ、またどこかで会おうね。」
そう言うと、深い森へ消えて行った。
/ありがとうございました!
452 :
瞳
2011/01/22(土) 01:34:33.71 ID:0sudka0AO
>>448
「ああ、本当に尊敬できるよ。」
ふっ、と笑い返す
>>449
(気づかれたか?)
「すまない、な。」
哀れみの視線をやめ
ただ、静かに謝る。
>>451
「じゃあな。露希。」
笑顔で見送った。
453 :
黒蔵
[sage]:2011/01/22(土) 01:39:37.50 ID:PMYyiT+zo
>>450
じんわりと四十萬陀の手から温かいものが背中から伝わる。
「ああ、こんくらいで良かったのか」
ふっと伸びすぎた髪が消えて、一からやり直し。
もっと柔らかく軽い感じで思い浮かべればいいのだな。
「お?おお?!戻ったー!」
やったやった、と四十萬陀の手を握って振る黒蔵。
「四十萬陀ありがとう〜〜!」
元の長さより少し長いが、結んでしまえばいい。
>>451-452
笑われたけど、髪の毛が戻ればもういいのだ。
「またなー!」
上機嫌で手を振って見送る。
斬られた心もこれであっさりと元通りだ。
のど元過ぎれば熱さを忘れる。
多分これは黒蔵のためにある言葉だろう。
454 :
四十萬陀 七生
2011/01/22(土) 01:49:31.60 ID:ygGl4ct5o
>>451
「じゃあね、露希君」
去っていく露希を、手を振り見送った。
>>452
「……瞳君こそ」
尊敬できる、と繰り返す瞳を、照れながら見返す。
そんな笑みを返されたら、くすぐったくて。
「君は本当にいい人じゃん。気を付けないとダメだよ?」
いい人っていうのは必ず、付け込まれる隙があるものだから。
>>453
「わっ、お、おめでとうじゃん!」
覚えが早い事に驚きながらも、一緒にはしゃいで喜ぶ。
「今の感じなら、すぐに変化のコツを掴めると思うじゃん! すごいよ、黒蔵君」
455 :
瞳
2011/01/22(土) 01:56:03.74 ID:0sudka0AO
>>453
「どうやら、戻ったようだな。良かった…」
一安心、ほっとため息をはく
>>454
「良い人か…ありがとう。精一杯気をつけるよ。」
優しく微笑んだ
「さて、私はそろそろ修行に戻るとしようかな。では、二人とも、また会おうな。」
手を振り、そのまま山へ入っていった
456 :
黒蔵
[sage]:2011/01/22(土) 02:04:28.29 ID:PMYyiT+zo
>>454
「いや、力加減を教えてもらわなかったら、多分一人じゃ絶対出来なかった。
四十萬陀って、教えるの上手いんだな」
無駄に力ばかりあって、その正しい使い方が判らない。それが今の黒蔵だ。
その声が、心なしか少し力を落とす。
「力加減が判らないから、神社も壊しちゃったんだな、俺。
ちゃんと覚えられるまで、先は長いかもしんない。
妖気の抑え方とか俺さっぱり駄目らしいし」
でもちょっとづつ力の使い方を試してみよう、と黒蔵は思った。
被害を出さず安全に試す方法は思いつかないのだが。
>>455
(まだ強くなるつもりなのか、あの神さん…)
修行のあとの九十九神に、あの視線を浴びせられたら。
それをおもうとなんだか生きた心地がしない黒蔵だった。
457 :
四十萬陀 七生
2011/01/22(土) 02:09:49.52 ID:ygGl4ct5o
>>455
「じゃあねー」
露希と同じように、見送った。
>>456
「……」
肩を落とす黒蔵を見て、思いついたように四十萬陀が言った。
「私でよかったら、力のコントロールの練習位なら手伝うじゃん
さっきの変化でも練習になると思うし……ダメかな?」
小首を傾げて、そう言う。
458 :
黒蔵
[sage]:2011/01/22(土) 02:17:19.79 ID:PMYyiT+zo
>>457
「なんか四十萬陀がすげー輝いて見える」
これは目の濁りのせい?じゃない。
ほっとしたような嬉しいような。相談する相手が見つかって
心がくたりと座り込んだような、何ともいえぬ安堵感。
「むしろ俺のほうが、是非頼みたい」
きちんと四十萬陀に向き合うと、黒蔵は頭を下げた。
「どうか、よろしくお願いします」
不器用な蛇には、こういう形でしか好きな相手に返答できなかったのだ。
459 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2011/01/22(土) 07:19:54.08 ID:ygGl4ct5o
>>458
「頭上げて、黒蔵君」
教えてあげたいのもそうだったのだが、お願いしますと言われて、四十萬陀はなぜか心臓が弾けそうな思いだった。
なぜだろう。すごくうれしいのだ。頼られることが。
「…まずは妖力のコントロールからじゃん。びしびし行くから、ちゃんとついて来るじゃん?」
にひ、と挑戦的な笑みを浮かべて、そう言う。
それから四十萬陀は、口元を緩めると、とびきり甘い顔で笑った。
460 :
四十萬陀 七生&東雲 犬御
2011/01/22(土) 20:55:11.75 ID:ygGl4ct5o
もぐもぐ、もぐもぐ。
「んぐ、中華まんおいし〜」
「あんまがっつくなよ」
人で賑わう繁華街の中に、2m台の大男とセーラー服の少女――犬御と四十萬陀の姿があった。
楽しそうに店を見て回る四十萬陀を見遣りながら、犬御はその数歩後ろを歩く。
461 :
狐緋 占ヰ
2011/01/22(土) 21:04:02.52 ID:VJlzYDbyo
>>460
そんな繁華街を行き交う人々の頭上。
燦々と輝く太陽の光を遮って、一つの影が空を駆けている。
屋根から、また高さの違う屋根へ。その動きは淀みなく、疾い。
人知を超えた存在。それが、一見何の変哲もない街の空を駆けていた。誰も気付く事は無く
「よ……っと」
澄んだ、楽器の音みたいな綺麗な声と共に、その影はとある屋根の上で止まる。
それは少女だった。まだ高校に上がったくらいであろう、何処か活発そうな印象の少女
目元は帽子で見えないが、口元には楽しそうな笑みを浮かべている。
と、足を滑らせたのだろうか。
「お……? あ、わぁぁぁあああ!?」
盛大な悲鳴と共に、屋根の上から少女が、七生らの目の前に落ちる。
幾つかの視線がこちらを向いた。
462 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2011/01/22(土) 21:11:21.50 ID:Wzxkmbr3P
負の感情が辺りを汚染していた、欲望が渦を巻いていた・・・。
「か、体が・・・体がっ! 求める!!」
繁華街の中を一筋の閃光が駆ける。
人の過ぎる中を影が走っていく。
2人の妖怪へと近づいていく。
「おっぱいという快楽を!!」
少年だった。というかコイツだった。
彼の名は江口、中学では「ショタ喰いの後藤」に追随するスケベである。
>>460
「おぉっ! アンタはいつぞやの!!」
犬は完全にアウトオブ眼中である。
煩悩に塗れた眼がキラキラと少年のように輝く。いや、少年なんだけど。
>>461
ゴシカァアアアアン!! と派手な音に驚き、目で追うと・・・
「な・・・なんだとぉおおおおおおおおおっ!!」
少女が落ちた。いや、「落ちた」などという事実はどうでもいい!
「ぶ、ブロンドにっ! キツネ耳ッ!?」
彼は一瞬で少女を目に焼き付ける。
ちなみに彼の心のシャッターは一億画素だ。
「み、魅惑じゃないかっ!! 幻惑のコラボレーションじゃないかぁ!!!」
道中かまわず叫ぶ。
周囲の目線が一気に彼女達を包囲した。
463 :
四十萬陀 七生&東雲 犬御
2011/01/22(土) 21:16:14.33 ID:ygGl4ct5o
>>461
「さーて、次はどこに…って、ん?」
急激に近づいてくる妖気に、四十萬陀は立ち止った。
つられて立ち止った犬御も次いで、その気配に気付く。
屋根を飛び移る妖気は、ちょうど四十萬陀の目の前で突然止まり――落ちてきた。
「うわぁっ!?」
「七生!?」
叫び声を聞いて、犬御が走り寄る。
二人の目の前には、長い金髪を垂らした、四十萬陀と同じ年頃の外見の少女が倒れていた。
「――……って、だ、大丈夫じゃん……?」
突然のことで驚いた四十萬陀は、はっとすると、落ちてきた少女に声をかけた。
>>462
「君は……!!!!!」
前に胸を、胸をむにゃむにゃされた…!
過去のトラウマを思い出し、四十萬陀はさっと顔を青くさせた。
尋常ではない四十萬陀の様子を見て、犬御が警戒するように目の前に立つ。たとえ子供でも、四十萬陀に手を出すのなら容赦はしない。
「なんだ、テメェ」
464 :
狐緋 占ヰ
2011/01/22(土) 21:22:29.87 ID:VJlzYDbyo
>>462
「ん……んぁ……」
数秒、硝子のように儚く、故に綺麗な声が少女の唇から漏れる。
ぴょこん、と頭の上に何かが立つ。意識の覚醒。ぼんやりとした瞳が、彼を見つめる。
――と。
今の状況に気付いたのか、コンマ以下の速さで少女が周囲を見回し、ほぼ同時に右手で大き目の野球帽を持つと、一気に頭を隠した。
二つの山が帽子の中に隠れ、さらりと癖のある金の長髪が空に舞った。
「……バレてない、な」
そろりそろりと周囲を見渡すと、彼のほかに少女の耳に気付いた人間は居ないようだった。
>>463
「あー……うん、大丈夫」
よっ、という掛け声と共に、少女が軽やかに立ち上がる。
外傷らしい外傷もないようだ。パンパンと服が少女の手によってはたかれ、塵が宙を舞う。
「やー、ごめんごめん。ちょっと屋根の修理をしてたら……」
何事も無かったかのように言葉を紡ぐ少女。
だが一瞬だけ眼を細めると、今度はさっきより何処か親しみを持ったような声で
「……って何だ。同類か。
なら別に言い訳する必要もないよね」
465 :
江口 叶助
2011/01/22(土) 21:26:44.73 ID:Wzxkmbr3P
>>463
「お久しぶり! 今日もステキな胸と太ももですね!!」
いぬお、背景と化す。
江口の目はッ! 異常なまでのコントラストを誇っていた!!
女性かッ! 「そうではない」かッ!!
彼はいぬおを見ていない! いぬおがたとえ、2m級の大男であろうと!
江口には、そんなもの些細な問題だった!!
>>464
ツカツカと、表情すらも微動だにせず。
江口は凛々しい顔になり、立ち上がった少女の手を握る。
「お嬢さん、貴女の肉球をふにふにさせていただいても宜しいでしょうか?」
少女ほどではないが、透き通った良い声だった。
466 :
四十萬陀 七生&東雲 犬御
2011/01/22(土) 21:31:47.90 ID:ygGl4ct5o
>>464
「お、平気そうじゃん
…きひひ、屋根の修理って言い訳苦しいじゃん」
立ち上がった少女を見て、安堵したように笑う。
と、近付いてくる江口を視界に入れると、ひっと声を上ずらせて、少女の腕を引いた。
小さな声で、少女に耳打ちする。
(こ、こいつは危険だから近付かないほうがいいじゃん…!)
>>465
「あぁ!? おいてめー無視してんじゃねーよ!」
相変わらずの短気な犬御は、ずかずかと江口に近づき、凄まじい形相で見下す。どこのヤ●ザだ。しかも大人げない。
いつもなら四十萬陀も止めるところだが、今回は見て見ぬふりをしていた。
467 :
狐緋 占ヰ
2011/01/22(土) 21:36:18.32 ID:VJlzYDbyo
>>465
突然凛々しい顔で近づいてくる少年。
ただその姿にたじろぎ、少女は顔を強張らせて少年を見る。
もし何かしようとすれば、即座に反撃できるように――
「…………は?」
思わず、といった風に少女が間抜けな声を出した。
帽子の下から覗く、薄茶の瞳が疑問を表していた。
>>466
「それはまぁ、この程度ではね。
……いやぁ、いつもだったらこんな事絶対ないんだけど」
苦笑しつつ応える。少女は妖気自体は大したことが無いように思えるが、その割には茶の瞳に映っているのは絶対的な自信、であった。
長年妖怪をやってきた者特有の、威厳とも言うべきものだろうか。
反して、少女自体の印象はそれからは程遠い「軽さ」があったが。
「……まぁ、意味が分からないのだけは分かったよ」
目の前で少年を見据えつつ。
468 :
江口 叶助
2011/01/22(土) 21:42:27.46 ID:Wzxkmbr3P
>>466
いぬお、雑音と化す。
江口の耳はッ! 異常なまでの収音率と遮音力を誇っていた!!
女性の音かッ! 「そうではない」かッ!!
彼はいぬおの声を認識していない! いぬおがたとえ、ヤクザのようにドスの効いた声であっても!
江口には、そんなもの些細な問題だった!!
江口は少女の手を握りながら微動だにしない。
耳は占ヰの綺麗な声以外、何も拾っていなかった。
そしてそれは四十萬陀にも適応されている!!
彼女の耳打ちも、熟練のソナーマンのようにしっかりと拾っていた!
「危険な男・・・それもステキでしょう?」
声も顔も凛々しいままだった。
>>467
少女の透き通った声も逃さず聞き入る。
幾年もの年月を重ねたその瞳から目を放さず、
その奥をしっかりと見据えて語りかける。
「貴女の肉球と、耳をフニフニしたい・・・!」
それは紛れもなく! 決意と信念の折り重なった漢の言葉だった!!
469 :
四十萬陀 七生&東雲 犬御
2011/01/22(土) 21:47:35.75 ID:ygGl4ct5o
>>467
「…あー、そんな感じ」
この夜雀、これまで人間に気付かれないよう、引き際を見極め生きたきただけに、勘だけは鋭い。
相手がどんな人物かどうか、ある程度推測できる「眼」は持っているのだ。
外見こそ同じ年頃であるが――彼女は自分より、長い長い年数を生きている。それはすぐに理解が及ぶ所であった。
だからといって、態度を変える四十萬陀ではないのであるが。
それより、今四十萬陀にとって重要なのは、目の前の少年を避けることだ。
>>468
(あうあうあうあう)
どこまでトラウマになっているのか。
四十萬陀は絶対に目を合わせないよう、右下を俯いて冷や汗を垂らしていた。
「おいテメェ、いい加減にしろよ!」
怯えている四十萬陀の姿でさらに過熱した犬御が、江口の後ろ襟首に手を伸ばす。
470 :
狐緋 占ヰ
2011/01/22(土) 21:54:51.43 ID:VJlzYDbyo
>>468
「いやいやいやまてまてまて!
色々とツッコみ所はあるけど、先ず私に肉球なんか無い!」
早口で捲くし立てつつ、自分の手を見える。
肌理細やかで健康そうな柔肌だが、たしかにそれは人間のもので、肉球には程遠い。
いや、触り心地で言えばこちらも相当な物だろうが。
「それと……耳、見た、のか?」
恐る恐る、と言った様子で尋ねる。
ちらりと帽子の下から叶助を覗く不安げな瞳は、場所とシチュエーションによっては告白にも見えただろう。
残念ながら、今彼女の彼への高感度は、マックスどころか現在進行形で下り坂だが。
>>469
少女が少年と会話――これを会話といって良いものかはともかく――しつつ、四十萬陀を横目で見る。
彼女が何を考えているのか。茶の瞳から、それを窺い知る事は難しそうだ。
「……所で、彼は放っておいて平気なのかい?」
呟きつつ少女が指した指の先には、声を荒げて怒鳴る犬御を指差す。
「彼も……多分に同類だろう?
あんまり逆上させすぎると、流石に拙いんじゃ……」
とは呟きつつも、彼女が止める様子は無い。
「……後、彼に何をされたんだい。
いや、言いたくないなら無理に聞かないけど」
呆れたような、共感するような表情で問う。
471 :
江口 叶助
2011/01/22(土) 22:01:47.44 ID:Wzxkmbr3P
>>470
――きゅんっ
上目使いの占ヰに胸がときめく。
江口の顔が紅葉し、呼吸が荒くなる。
左手で心臓辺りの服を掴み、思考にふける。
(な・・・なんだッ! これは!?)
(まるで・・・まるで初めてエロを開いたときのような!
生まれて初めて袋とじにハサミを入れたようなッ! トキメキ、興奮!!)
それが恋だよ江口、いや。
好感度と成功率は0を振り切って、ガンガンマイナスへ行ってるけど。
>469
襟首をつかまれ、ようやくいぬおの方を振り返る江口。
ようやく認識したいぬおを見て
「おぎゃーーー! なんだこの893は!?」
突然の大男にビビる江口。
飛びのく江口、やはり辺りの通行人の視線が集中する。
472 :
四十萬陀 七生&東雲 犬御
2011/01/22(土) 22:07:06.41 ID:ygGl4ct5o
>>470
「ああ、犬御……私が言えば止まるから、流石に手を出しそうになってら止めるじゃん」
とりあえず迫力はある犬御なので、どうにか江口を止めれないか期待しているが。
多分、意味はなさそうだ。
「胸を…胸を…」
四十萬陀は青い顔でうわごとのように呟く。
変化後の体も妖怪の体とリンクしている仕様なので、どうやら四十萬陀の人間体の、胸という部位は、大事なところなようだ。
>>471
「あ゛っ」
さっそく手を出した。
こんな通行人の多い場所で、大の大人が子供の襟首をひっつかんでいるという状況は、正直いただけない。
警察なんか呼ばれたらたまったものじゃない。
「け、犬御そこまで! 手は出しちゃだめじゃん!」
「……チッ」
通行人の目があることは考慮しているようで、犬御はいつもより素直に言うことを聞いて、江口を地面に降ろした。
「おいガキ、これ以上七生「とこの子!」……に近づくんじゃねえよ」
四十萬陀が小さな声で付け加える。
473 :
狐緋 占ヰ
2011/01/22(土) 22:16:42.74 ID:VJlzYDbyo
>>471
「…………?」
そんな叶助の心中を知る由も無い占ヰは、僅か不機嫌と疑問を顔に表して叶助を見つめ続ける。
不安げな瞳は疑問のそれに変わり、やがて不機嫌そうな半眼へと切り替えられた。
「…………」
それでも、我慢するように数秒彼を見つめ続けた後。
「……何とか言えっつーの!」
突然、何かに耐え難くなったように少女が声を荒げた。
そう、彼女はずっと彼の返答を待っていたのである。深い思考に潜った彼は恐らく気付けなかったであろうが。
……ただ、怒っても正直怖くは無かった。いや、本気で怒っていないからかもしれないが
>>472
「なら良いんだけどね。
そろそろ人も集まってきたし、ちょっとここで話すのは、ね」
呟きながら、周囲を見つめ。
何事かと、僅かに人々が視線を止め、また野次馬もちらほらとだが見受けられる。
どうやら、喧嘩と思われているようだ。いや、実際そうなのだが。
「まぁ、別に私はそこまでしてもらわなくても良いんだけどね……」
苦笑しつつ、彼等を飽くまで第三者的に見つめている。
474 :
江口 叶助
2011/01/22(土) 22:26:36.31 ID:Wzxkmbr3P
>>473
「好きです!! 一万年と5000年分ぐらい愛してます!!」
江口は一瞬、胸倉を掴まれていることも忘れて大声で叫ぶ。
周りの視線がいっそう鋭くなる。
違うぞ江口、彼女は耳を見たか見て無いのか聞きたいのだろうに。
>>472
「ひぃ! お、オーケー、わかった! いや、わかりましたッ!!
七生さん"には"近づきません!! 多分近づきません! ごめんなさい!!」
大柄な男のただならぬ迫力にビビり、今にも土下座しそうな勢いで謝る江口。
この辺はただの中学生である。
しかし、いぬおの動作やあからさまな態度を見て。
・・・全てを察する。
無言でいぬおに歩み寄る江口。
「ふざけるなァ!!」
胸倉を掴み、爪先立ちのようになって。
いぬおの顔面を思いっきりぶん殴った!
「お前も・・・きっと。
この子や狐耳さんと同じ、不思議な力を持っているヤツ等なんだろ?」
泣いている。江口は涙目になり、いぬおに語りかける
「俺はずっと調べてたが、わからねぇし理解で気ねぇ
だけどな、俺にだってわかる。いや、俺も『同じ』だからわかる」
いぬおを指差し、怒鳴りつける!
「テメェは! 『童貞』だッ!! しかも・・・ッ! ただの童貞じゃねぇ!!」
先ほどとは打って変わり、
血涙でも流しそうな表情でいぬおを怒鳴りつける。
「テメェはヘタレな童貞だァ! 現状に甘んじ、先へ進むことを怖れる!!
恵まれてる現状を良いことに! 「このままで良いか」なんて思う、最低の童貞だぁッ!!」
475 :
四十萬陀 七生&東雲 犬御
2011/01/22(土) 22:37:36.95 ID:ygGl4ct5o
>>473
「あ、それなら丁度いいじゃん。今から帰るところだから、私たちが住処にしてる山に案内するじゃん」
思いついたように言う。
山に行く途中に、麓に小さな神社がある。そこなら人も来ないし、ゆっくり話すなら丁度いいだろう。
「ダメじゃん、アイツは危険な人間じゃん」
(もう食べようとも思えないじゃん…)
本人の知らぬ間に、襲われる心配のなくなっていた少年だった。
>>474
「多分じゃねーよ」
素直に謝った江口に、ガン付けつつも、もう手を出す気はないようだ。
…が、
「!?」
いきなり、殴られた。
正直言えば、ただの中学生が犬御に殴りかかってきたところで、ダメージはほとんどない。微動だにもしない。
しかし人間に、しかも子供に殴られたという行為は、犬御のプライドを傷つけるには十分であった。
「テメェッ……!!!!」
血管を浮き立たせ、今度こそ殴りかかろうとしたところで――耳に、彼が憎悪に近い感情を抱く言葉が飛び込んできた。
犬御のプライドを飛び越して心を傷つける、その言葉が。
ピシ、と犬御の動きが固まった。
「っぷ、」
図星である。そして、思わず噴き出してしまった四十萬陀の笑い声で、犬御の心にヒビが入った。
476 :
狐緋 占ヰ
2011/01/22(土) 22:47:08.53 ID:VJlzYDbyo
>>474
瞬間、訪れる間。ただこれは返答を悩んでいるような間ではない。
少女が叶助の肩に手をのせる。先ほどの表情から一転、心地の良い笑顔になる。
まるで月の様に金色の髪からは特有の若草のような良い香りが広がり、恐らく叶助はその手の柔らかさを実感出来るだろう。
「おおっ!?」 周囲の観客から歓声が沸く。誰かが祝福の口笛を吹こうと思った、その時。
「人の…………」
肩に乗せていない方の手を硬く握り締める。強い力が込められているせいか、何かを握りつぶすような音がした。
「話を…………」
少年の肩を引き寄せる。人によっては、抱擁の前準備にも見える行動。
ただ唯一違うのは、握られた拳が的確に叶助の腹部を狙っている事。
「聞けェ――――ッ!!」
声が響き、拳が少年の腹部を襲おうとする。当たれば、それはそのまま上に持ち上げられるだろう。
少女の力とはとても思えないそれ。一応手加減はされているのか、遺体は余り感じないだろうが、簡単に宙にその身体を浮かせてしまうだろう。
占ヰの腕が真っ赤に燃えて、叶助を倒せと轟き叫ぶ。
一泊遅れて、周囲の観客が何故か拍手を送った。
多分占ヰの技と、叶助の漢義に対して。
>>475
「お、本当に? それじゃあついていかせてもらおうかな」
嬉しそうに言って、笑う。こうしてみると結構気さくというか、妙な人間味がある。妖怪だが。
この少女にとって、散歩、特に知らないところにいくというのはとてつもなくワクワクする事なのだ。
「……っと、そういえばお互い名前を聞いてなかったね?」
思いついたように言い
「私はトイロ。狐緋占ヰさ。
ちなみに占うにヰって書いてトイロだ。変な名前だろ?」
確かに、普通では聞かないような名前だ。
そもそも、占ヰと書いてもトイロ、とは読まないだろう。普通は。
「それで、あんたは?」
477 :
江口 叶助
2011/01/22(土) 23:01:00.67 ID:Wzxkmbr3P
>>475
肩で息をする江口。
歯を食いしばり、搾り出すように言う。
「・・・俺はアンタじゃねぇからわからねぇよ、でもな!」
胸に手をあて、心の奥底から叫ぶ。
「人の目とかッ! 決まりだとか法律だとかッ!
嫌われるかもしれないとかッ! そんなくだらねぇモンに恐れてッ!」
「自分の気持ちとかやりたいことを誤魔化しながら生きるのは、
自分に言い訳しながら生きるのは・・・俺は死んでも嫌だッ!!!」
江口堂々の犯罪者宣言。
>>476
上下しながら息する江口の肩に、
柔らかく、春のような香りのする感触が乗る。
振り返る江口。
そのときめいた、真摯な眼で――
「ゴルバルバッ!!」
謎のうめき声を残し、崩れ落ちる"漢"江口。
腹を押さえ、膝を突くが。
「ふ、ふふ」
彼の眼はッ! まだ負けていない!!
彼はまだ諦めていない!! 自分を誤魔化してはいない!!
・・・しかし
「ブベラッ!!」
見事に無視された。
完璧なまでの後姿。
"漢"の心は脆くも崩れ、江口は倒れながら自分に言い訳を始めた。
478 :
四十萬陀 七生&東雲 犬御
2011/01/22(土) 23:05:14.92 ID:ygGl4ct5o
>>476
「おおっ、フ●イブゴットフ●ンガー!」
何故知っている。
少女の繰り出した技に、四十萬陀も目を輝かせる。やってしまえと。
「もちろん、歓迎するじゃん」
嬉しそうに、あどけない顔を綻ばせて笑う。
見た目の年齢が近いので、傍から見れば、仲の良い友達同士に見えるだろう。
そんなこともあり、四十萬陀も少女に親しい印象を抱いていた。
「にゃはは、珍しい名前じゃん
私は四十萬陀 七生。袂山に住む夜雀じゃん。よろしくね、占ヰ君」>>
>>477
「いや、人の目は気にするべきだと思うじゃん」
冷たい目をしながら四十萬陀がツッコむ。
対して犬御は、わなわなと体を震わせて、俯いていた。
その間に、江口は占ヰに殴られたり、地面に崩れ落ちたりしていたのだが。
「……オイ」
ようやく復活した犬御は、よろよろと倒れた江口のもとに近づくと、その巨体をしゃがみこませた。
479 :
狐緋 占ヰ
2011/01/22(土) 23:17:16.92 ID:VJlzYDbyo
>>477
「全く……ほんとに、全く」
はぁ、と一つ大きな溜息を吐く。散った金の髪を手櫛で軽く梳くと、少年に近づき。
「……それと、愛してるなんて簡単に言っちゃ駄目な言葉だ。
本当に自分が、心の底から好きだといえる人に対してだけ言うモンなのさ。
冗談でも、そんなのは言っちゃ駄目」
言いつつしゃがみ込み、叶助の額にでこピンをかます。
先ほどまでの少女とは思えない力は無い。本当に、友達同士が遊びでやるようなもの。
「……今度こそ聞いてただろうな?」
半眼で呟きつつ、立ち上がって七生の方に顔を向ける。
叶助の事はもう許したらしい。
>>478
叶助を文字通り打ち倒した占ヰは、くるりと七生に顔を向けるとにこやかに笑う。
「そう、「七生」か。そっちも中々珍しい名前だと思うよ? 私は好きだけど、ね
……うん、宜しく、七生」
言って、右手を彼女に差し出す。
所謂握手を求めて。
「……そういえば、あっちの子とはどういう関係なんだい?
何だか、すごく縁が深そうだけど」
そういって指を刺したのは、叶助に話しかけている犬御
480 :
江口 叶助
2011/01/22(土) 23:25:30.65 ID:Wzxkmbr3P
>>478
「うぅ・・・なんでお前なんだぁ・・・。女の子が心配してくれよぅ・・・」
メソメソと泣く江口。
涙が水溜りを作っていた。
「なんなんだよぅ、童貞ぃ・・・」
メソメソメソメソ。
>>479
少女の言葉、苦渋の江口に釘を刺したつもりだろうが。
かのエロマイスター江口の心には・・・
「はい! 聞いてました!!」
逆効果だった。
飛び起きる江口、彼の内臓はショック状態。
しかし、江口! 脳だけまともに動いていれば元気100倍!!
「つまりッ! 心の底から好きだといえるなら言っても良いんですね!!」
江口、無敵の肉食系。
不敵な笑みを見せ、よろよろと立ち上がる。
「・・・まぁ、今は無理だろうな。でも!」
ビシッ! っと指を立てる"漢"、江口!!
「次に会ったら1万年と5000年目ですよ! 先ほどの勢いではない!」
「心から言って魅せるぜ!!」
「今度こそ肉球と耳をフニフニさせてください!!、となぁ!!!」
481 :
四十萬陀 七生&東雲 犬御
2011/01/22(土) 23:30:25.18 ID:ygGl4ct5o
>>479
「にゃはは、そう?」
照れたように笑い返し、四十萬陀は占ヰの手を握った。
そして、指を差された方向を見る。
「あいつは…東雲 犬御って言って、私の幼馴染みたいなものじゃん」
物心付く前から、ずっと一緒にいた妖怪。
そして物心ついた頃から、ずっと犬御は四十萬陀に想いを抱いているのだが、それに四十萬陀が気付いた事はない。
「…あ、中華まん食べる?」
思い出したように、袋からまだ温かい中華まんを取り出し、占ヰに差し出した。
>>480
立ち上がった江口をひっつかむと――
ゴンッ。
鈍い音が空に響く。犬御は、おもむろに江口に、頭突きした。
「………………おいガキ、次はねーぞ」
目が死んでるぞ、いぬお。
482 :
狐緋 占ヰ
2011/01/22(土) 23:42:53.47 ID:VJlzYDbyo
>>480
ビックゥ! いきなりの彼の変化に、占ヰが驚いたようにたじろぐ。
というか寧ろ怖い。彼は本当に人間なのだろうか。実は欲の妖怪あたりだったとしても全く違和感が無い。
「……あぁ、失敗だったか……」
心の底から後悔した、と言った様子で占ヰが呟いた。
もう少し厳しく言っておけば良かったかな、とか呟き。
「……というか、何でそんな耳に拘るのさ。
後私に肉球は無い」
義務的にツッコんだついでに、疑問になっていた事を尋ねる。
>>481
「幼馴染……でも、それよりは何というか……」
不思議そうに二人を交互に見つめた後、何かを理解したように少しだけニヤついて。
「……ああ、成る程ねぇ……」
心底楽しそうに笑う。一人でうんうんと、納得するように何度か頷き。
「……お、一つ頂こうか」
中華まんを受け取って、地獄的に皮膚に熱を伝えるそれを口に含む。
ふわりと暖かな湯気が齧った後から現れ、柔らかそうな生地の中身が姿を表した。
おいしかったのか、直ぐにそれは極上の笑みに変わった。誰でも惹きつけてしまいそうな、自然で素敵な笑みだ。
「はふいへ、はひはほはん(悪いね、ありがとさん)」
熱々のそれを下の上で転がしつつ、礼を言い。
「んー……私も、お近づきに何かお返ししたいなぁ……」
言いつつ、何か無いかを考えているようだ。
483 :
江口 叶助
2011/01/22(土) 23:49:47.60 ID:Wzxkmbr3P
>>482
「俺はチャレンジャーだ! 失敗だって糧に何度でも立ち上がるさ!!」
江口は高らかに吼える。
「耳と肉球に拘る理由? ・・・簡単だぜ」
誇り高く、高らかに元気いっぱいに。
吼える江口!!
「愛しているからですよ!!」
先ほどの言葉はこういう意味を込められていたのだ。
意気揚々と振り返り、帰路につこうとする江口だが――
>>481
「ゴーファの野望!!」
謎の叫び声を残し、いぬおの頭突きに倒れる江口。
【沈まぬ太陽(アン ブロークン)】の江口。
斜陽。
484 :
四十萬陀 七生&東雲 犬御
2011/01/22(土) 23:56:20.19 ID:ygGl4ct5o
>>482
「??」
占ヰの楽しそうな笑いに、小首を傾げる。
そういう事に疎い四十萬陀ではないはずだが、犬御とはずっと一緒にいすぎたためか、感覚が鈍っているようである。
「おいしいでしょ? 犬御のおごりじゃん」
四十萬陀たちの収入源は、襲った人間から奪い取ったものと、犬御がチンピラたち相手にカツアゲしたものが主だ。
無駄に手は出すなと釘を刺されているので、(だいたい)殴ることはないが、犬御の迫力で大抵の人間はすぐに抵抗をやめるのだ。
「お返しなんていーじゃん! さ、そろそろ山に案内するじゃん」
からからと笑って、繁華街を歩き出す。
>>483
「犬御、行くよー?」
「……先行っててくれ…」
犬御は倒れた江口の横で真っ白な灰となっていた。
両者相討ちだかわからないが、とにかく犬御はリタイアした。
「…??」
485 :
狐緋 占ヰ
2011/01/23(日) 00:03:45.54 ID:90OGGxn4o
>>483
「一度くらい諦める事も大切だと思うよ」
そうは言うが、もう何を言っても無駄だと思ったのか、一つ溜息をつく。
いつのまにか、周囲の観客からも同意の意思としてうんうんと声が出ていた。
「……耳と肉球を愛すって、また凄い人間も居たモンだ。
というかそれなら普通にそこら辺の動物で良いじゃないか」
呆れたように言って、自分の頭を帽子の上から隠した。
絶対に触らせはしないぞ、という意思表現である。
一連の其れを、じっと見つめて。
最後に倒れた叶助に対して、一言。
「……馬鹿だ……」
>>484
「いやいや、何でもないさ。
やっぱり世界ってのは色々不思議だねぇと実感できてね」
笑みはそのまま、否定の言葉を並べて占ヰは言う。
それから、犬御を見つめて。
「……でも、良い幼馴染を持ったね」
最後の一口をひょいと頭上に投げると、そのまま重力に任せて口に放り込む。
「そうだね。それじゃあ、案内宜しく頼むよ」
そう言うと、彼女はそのまま七生について歩き始めた。
/そろそろ落ちたいかも
486 :
四十萬陀 七生&東雲 犬御
2011/01/23(日) 00:11:54.69 ID:aAYpPrp0o
>>485
「…そう、かな? ま、色々してくれるし、感謝はしてるじゃん」
真っ白になった犬御を見遣り、ふっとほほ笑むと、くるりと方向転換する。
そして、住処である袂山に向けて歩き出した。
//ではここら辺で
487 :
山犬
[sage]:2011/01/23(日) 21:13:01.43 ID:j6os9nhco
近頃、女子高生が失踪する事件が相次いだとかで、仕事の依頼が増えているらしい。
しかし夜の学校なぞ、何のために警備せねばならんのやら。
同僚の人間は場所が女子高ってだけでなぜか喜んでいたらしいが、山犬にはなんの魅力も無い。
「タバコも吸えない仕事場じゃなぁ」
あーあ、とため息を付きつつ警備員は夜の校舎を巡回する。
「トイレの花子さんとか人骨模型のアンドレ君でも居たら、詳細訊いて見っか」
学校の七不思議、というのにお目にかかるチャンスかもしれない。
488 :
東雲 犬御
2011/01/23(日) 21:23:09.33 ID:aAYpPrp0o
>>487
「よ、っと」
送り犬の姿に変化し、建物の隙間から校内に入り込んだ犬御は、再び人間の姿に戻った。
土埃のついた服をぱたぱたと叩くと、立ち上がり、辺りに鼻をきかせる。
(……妖怪のニオイが結構するな……。チッ、七生のやつ、面倒な仕事押し付けやがって)
溜め息をつきつつも、どこか満更ではなさそうだ。
犬御は、目的の場所に向かって校内を歩きだした。
489 :
山犬
[sage]:2011/01/23(日) 21:30:05.59 ID:j6os9nhco
>>488
コツコツと警備員の靴音が静かな校舎内に響く。
ライトに照らされた向こう側で、何かが動いた気がした。
「ん?」
空気の流れはこちらが風上、匂いでは判別できない。
(侵入者か?)
山犬の目が厳しくなる。
気付かれてはいるだろうが、ライトを消して音を立てぬよう、そちらへ忍んでゆく。
相手が逃げるようなら走って追うつもりだ。
490 :
東雲 犬御
2011/01/23(日) 21:36:39.89 ID:aAYpPrp0o
>>489
「!!」
パッと視界が明るくなった一瞬、即座の判断で犬御は壁の陰に隠れた。
――警備員か。妖怪のニオイが濃いが…、見つかると面倒だ。
犬御は妖怪の姿に変化すると、廊下を勢いよく駆け抜ける。
491 :
山犬
[sage]:2011/01/23(日) 21:46:55.89 ID:j6os9nhco
>>490
「む?」
ちらりと黒いものが見えたような気がした。
そして走っていく足音は爪のある何かのもの、人間のそれではない。
「妖怪かっ!!」
音で判断し、警備員は跡を追う。
走るほどに濃くなる匂いと妖気。
「まさか、同族かよっ!」
警備員はいまいましげに一声吠えると、壁に浮かんだ文様に飛び込んだ。
これで廊下の突き当たりの教室へ出る。果たして先回りはできるだろうか。
492 :
東雲 犬御
2011/01/23(日) 21:56:53.41 ID:aAYpPrp0o
>>491
廊下はワックス掛けが施され、滑って存外走りにくい。
爪で床を叩き一気に駆け抜けるが、上手くスピード調整ができず、犬御は突き当りの教室の前でギリギリ停止した。
目の前には、先ほどの妖気。先回りされた事に気付き、グルルと唸る。
しかし近付いたことで、分かった事もあった。妖気のニオイが、自分や四十萬陀の気配に種類が近いのだ。
「……気乗りはしねェが…」
興味はある。
このまま走りまわっていても、自分の目的は達成できないだろう。先回りされたのも気に喰わない。
様々な理由が背中を押し、犬御は妖怪の状態のまま、器用に教室の扉を開けた。
493 :
山犬
[sage]:2011/01/23(日) 22:05:22.17 ID:j6os9nhco
>>492
「よぉ、授業はとっくに終わってるぜ?」
警備員は机にもたれて待っていた。
「同族だよな?なんて名だい?」
警備員は犬御の目の前で、灰色の山犬に戻る。
「俺は鉱太郎。見てのとおり札憑きの山犬だ」
うっすらと光る、妖気とは異なる帯のような何かが山犬の首を取り巻いて伸びている。
光の先端は虚空へ伸び、ぼやけて溶けている。
その先にはおそらく、札があるのだろう。
494 :
東雲 犬御
2011/01/23(日) 22:13:34.66 ID:aAYpPrp0o
>>493
「……山犬か、なるほどな」
目を細めて、黒い長毛をざわつかせる。
犬御は数歩山犬に歩み寄った。
「俺は袂山の送り狼。東雲 犬御だ」
全身が黒に覆われたその姿は、まるで闇に溶けているようだ。
血のように紅い瞳だけが、不気味に光っている。
495 :
神代澄香
[sage]:2011/01/23(日) 22:19:05.25 ID:6Atgs1uro
【青々とした山にかかる、紅い夕日――落日の光が地上を黄昏の色に染める。
いわば、これは昼と夜の境界の時間帯。妖怪が蔓延りやすい大禍時である。
そんな時に――夕焼けの赤に照らされながら、人気の少ない道を行く少女が一人――】
「……見回りも楽じゃないわね」
【赤色の光に照らされる白い装束――少女の出で立ち、姿形を一言で表すならば、
巫女という言葉が相応しい。だが――腰間に刀を佩いた格好は、いささか剣呑である。
少女はセミロングの黒髪を掻き分け、鳶色の瞳で油断なく辺りを見回す。まるで厳しい警邏のように】
「何事も無いのが、一番なんだけど」
【少女は首を右に左に動かし、きょろきょろと視線を絶え間なく動かしながら独語する。
そう、何事もないのが一番良い。この刀を抜かずに済むのが一番良い。戦いは、彼女も望みはしないのだから】
496 :
山犬
[sage]:2011/01/23(日) 22:20:47.51 ID:j6os9nhco
>>494
赤い瞳を真正面から金色の目が覗き込む。
鼻先は触れあう寸前だ。
体高は狼のほうが大きいが、四肢の太さは山犬に分がある。
「送り狼が人間の娘どもの学校に何の用事だ?すねこすりでもここらに潜りこんでんのか?」
妖怪すねこすりが齧って脛に傷をつけた人間、つまり脛に傷を持つ悪人は、
送り妖怪が喰らうことを許されている。
山犬は狼に、「餌探しか?」と暗に尋ねているわけだ。
497 :
窮奇
2011/01/23(日) 22:27:41.26 ID:NVHQLGrXP
>>495
森の中から草の音を鳴らし、上下ジャージ姿の女性が現れる。
そのジャージは、最近失踪者が多いと噂されている学校のジャージだった。
「こぉんばぁんわぁ♪」
声が響く。
直後に、辺りの空気が粘り気を持ったように生温くなる。
闇色の空気が気持ち悪く肌を撫でる。
呼吸をするたびに、肺に汚水を流し込まれるような感覚を覚える。
その女性は、笑っていた。
ニタニタニタニタと、さも愉快そうに笑っていた。
見かけは20代前半か、肩まで届く髪を三つ編みにしている。
外見の年齢を考えれば明らかに異様な格好だ。
「ステキな夕焼けだねぇ」
日は落ち、紫色に染まる空を指して呟く。
辺りを異様な雰囲気が包囲する。
妖気とは違う、これは純粋たる"悪意"。
何事もなければ良い、
そんな神代のささやかな願いは無残にも踏みにじられ。
他のどの妖怪よりも黒く、禍々しい・・・この怪物と遭遇してしまった。
498 :
東雲 犬御
2011/01/23(日) 22:30:16.07 ID:aAYpPrp0o
>>496
「俺がここにいるのは別件さ。…ま、あながち間違っちゃいねぇが…」
この学校は、現在四十萬陀が餌場として潜伏している学校だ。
今回犬御がいるのは、その後片付け、といった所なのだが。
曖昧に答えると、それより、と犬御が切り出した。
「テメェこそこんな所で、妖怪が人間の真似事か?」
そう尋ねる犬御の口調は、小馬鹿にしているようにも感じるが、眼は真剣だ。
499 :
山犬
[sage]:2011/01/23(日) 22:40:22.72 ID:j6os9nhco
>>498
「妖怪つっても色々あるわけ。ほれ、俺は札憑きって言っただろ?」
これこれ、こいつよ、と山犬は首を取り巻く帯を指差す。
「うちの神さん昔ッから人大好きでな。神社の札に犬を憑けて、人間護らせに貸し出すんだ。
けど札を返し忘れる人間が居たりすると、山へ帰れないんだよなーこれが」
はーぁ困ったもんだ。と口では言うものの、そう嫌な状況でもないらしい。
「札の持ち主を護るために、ちょいと人に化けて稼いでんだ」
群れが使える神と同様に、なんだかんだ人間のことは面白くて好きなのだ。
500 :
神代澄香
[sage]:2011/01/23(日) 22:43:29.01 ID:6Atgs1uro
>>497
「……こんばんは」
【葉音が聞こえた時点では、少女はまだ警戒心を向けるに留めていた。
斬らずに済む妖怪ならば放置して良い。甘いと言われようが、それが彼女の持論だ。
しかし、その方向から――方寸に響く女性の声が聞こえた時点で、希望は半ば捨てた】
「そう、とても素敵な夕焼けね。余計なのがいなければ、だけど」
【余計なの――が何を示すかは明々白々であった。纏わりつく粘り気のある空気。
冥府より生まれてきたのではないかと錯覚するほどの、生暖かい一陣の風。
そして――根源たる、目の前の女性である。少女は、そっと刀を納める鞘の反りを打つ】
「そのジャージ……確か失踪者の出た学校の物よね? どこで手に入れたの?」
【腰間に帯びたる霊刀――小狐丸影の鍔に、少女は自然な動作で親指の腹を当てた。
下げ緒は既に解いてある。彼女のような存在と出くわした際に、すぐに戦闘態勢に移れるように――。
親指に力を入れて刃を緩めれば、すぐにでも鋼色の刀身が顔を覗かせるのは間違いない】
501 :
東雲 犬御
[sage]:2011/01/23(日) 22:51:46.22 ID:DAWSEOaSO
>>499
「札憑きねェ」
基本、袂山で暮らしてきた犬御は外の妖怪の知識に乏しかった。
四十萬陀の後を追って街に出始めたのも、たった百数年前の話だ。
袂山の送り妖怪たちの理念から言えば、人間は喰うもの。それ以外の何者でもない。
しかし百数年とはいえ、外に出始めてから色々なものを見た犬御は、理念の違いには寛容だった。
理解はできないが、納得はする。矛盾しているが、そんな所だろうか。
「ってことは、お前の札の持ち主がここにいるって事か」
502 :
窮奇
2011/01/23(日) 22:55:22.05 ID:NVHQLGrXP
>>500
「はははっ! そう警戒しないでくれよ!!」
パッと明るい表情を作る。
そう、表情だけ。へばりつく様な雰囲気は一切変わらない。
「私は別に喧嘩しに来たんじゃないよ、
むしろキミみたいな人間に助けを求めに来たんだ!!」
乙女ちっくに手を胸の前で組む。
明るい表情で、神代の網膜に滑り込んでくる。
「あぁ、このジャージはね。
ある人食い妖怪が人間を襲って居るのを見ちゃったんだ」
「私はキミみたいなの人にお願いしたくてね、人間に変化しようとした。
でも普段、ケモノの姿の私は服を持っていなくてね。
それで食べられた子には悪いと思いつつ、『しょうがなく』拝借したんだよ」
笑顔が一転し、悲しげな表情になる。
言葉に青酸のような毒が盛られていく。
「ショックだったよ、あんな妖怪が居るなんて」
涙声を、涙目を作り、神代に語りかける。
「ねぇ、お願いなんだけどさ」
窮奇の毒が、神代の心を犯そうと流れ始めた。
「この町に棲み付いてる『悪い』妖怪、皆殺しにしてくれないかな?」
503 :
山犬
[sage]:2011/01/23(日) 23:01:18.96 ID:j6os9nhco
>>501
「正確に言えば、札の持ち主はこの街に住んでるだけで、この場所とは何の関わりもない」
(ざわ……ざわ…ざわざわ)
「けど持病もあって生活のほうがだいぶ苦しいみたいでな。
そいつを支えるために俺は働いて、ここは単にその稼ぎの場所ってだけだ」
喋っていると、何かが聞こえたような気がした。
……だん!
…だんだん!
「ん?」
今度は間違いなく、この校舎に何かが居る音がした。
山犬は話を止めて犬御を見る。
「お前の仲間か?」
504 :
東雲 犬御
[sage]:2011/01/23(日) 23:08:37.47 ID:DAWSEOaSO
>>503
「……わざわざ働いて、そいつに奉仕してんのか?」
これには犬御も驚きだと、呆気らかんとした表情を見せる。気紛れで人間を助ける妖怪は何度も見てきたが、なるほど札憑きとは、そうまでして人間を守らなければいけないらしい。
しかしこの街にいるとは、奇縁で四十萬陀などが手出ししてしまったら、面倒なことになりそうだと心の隅で思う。
――と、犬御の耳が妙な音に反応し、ピクリと動いた。
「……あん?」
ふと奇妙な気配に、犬御が小さく唸る。山犬からの問いには、短く首を振って応えた。
505 :
神代澄香
[sage]:2011/01/23(日) 23:13:47.45 ID:6Atgs1uro
>>502
「助け……ですって……?」
【鳶色の瞳にたゆたう警戒の色――それが抜け落ちることは断じて無い。
だが、鯉口を切る動作を一瞬思いとどまらせるだけの効果はあった――。
親指の腹を鍔に当てたまま、巫女の少女は女性をじっと見つめ――話を伺う】
「なるほどね……それは由々しき問題だわ。それが『本当』なら」
【大きな大きな溜息を一つ付く。明らかな失意と落胆が少女の表情に浮かび上がる。
刹那――瞳の眼光が鋭くなった。それは少女の心構えが、完全に退魔の巫女へと移行した証左。
すっと鋼の擦れる音が鳴って、鞘の口から鋼の色が垣間見える。小狐丸影の鯉口を切ったのだ――】
「……確かに、貴方の発言には矛盾が『無い』し、嘘偽りがあると証明する術も『無い』。
だけど――それ以上に貴方の言葉には誠実さが『無い』」
【巫女の少女は凛とした声で鋭く言い放った――まるで、その言葉すらも刃のよう。
完全に悪と断じることが出来ない故に――刀身は未だに全貌を明かしていないが、
少女の鳶色の瞳が語っている。目の前の女性――いや、妖怪は搦め手を用いる危険な存在だと】
506 :
山犬
[sage]:2011/01/23(日) 23:17:32.03 ID:j6os9nhco
>>504
「ああ、生きてりゃ何時か札を山へ返しに行くかもしれんからな」
そして狼が首を横に振るのを見て呟いた。
「ただの泥棒なら……いや、それはそれで後々報告とか面倒か」
あの音は多分、体育館からだ。
教室の壁に向かって山犬が唸ると、壁に向かい合う獣の文様が赤く浮かぶ。
「俺は見に行かなくちゃならんから、ここまでだな。
あと餌探すなら人が居る時間に来たほうがいいんじゃねーのか?」
警備員姿に戻ると、山犬は文様を潜って消えようとする。
507 :
東雲 犬御
[sage]:2011/01/23(日) 23:24:26.75 ID:DAWSEOaSO
>>506
「だから、別件だっつったろ」
犬御はそう答えると、体育館に向かおうとする山犬の後ろ姿を見て、何時か迷いつつ声を掛けた。
「……おい」
//ついていっても大丈夫ですか? ロール終了したほうがいいですか?
508 :
窮奇
2011/01/23(日) 23:27:40.21 ID:NVHQLGrXP
>>505
「あははははッ! 誠意が無い、か! 酷い言い草だ!!」
先ほどの悲しげな表情は一転し、笑い始める女性。
その眼は見開かれ、狂気の色が見え隠れした。
「でも大した問題じゃないよ、私が嘘を吐いているかどうかなんてどうでも良いはずだ!」
ニコニコと笑いながら、女性は神代に歩み寄る。
「キミは失踪者が沢山居ることを知っていた。
キミならわかるだろう? この一件には妖怪が噛んでいる!」
ニコニコ顔が近寄ってくる。
手を伸ばせば触れられる距離まで女性は歩み寄ってくる。
「この犯人は私じゃない、もし私が犯人ならこんなことする意味無い。
まぁ、私の事なんてどうでも良いんだ。もし私が犯人だったらこの場で切り伏せられるしね」
笑顔が眼前まで迫る。
抱きつけるような距離まで女性はニコニコ顔を近づけてきた。
「でもいいのかな? こんなことしている間にも沢山人が死んでいくよ?
『悪い』妖怪達に食べられながら、苦しみながら、来ない助けを求めながらね」
ニコニコニコニコ。
「私はそんな『悪い』妖怪について沢山知っている。
居場所も行動パターンも大体把握している、このことならこの場で証明できるよ?」
ニコニコニコニコ ニコニコニコニコ ニコニコニコニコ。
「ねぇ、キミは人間だろう? しかもただの人間じゃない。
力を持った人間だ。だったら『悪い』妖怪を退治しなきゃ、駆除しなきゃ」
ニタニタニタニタニタニタニタニタ
ニタニタニタニタニタニタニタニタ。
「良いじゃないか、どうせ相手は妖怪なんだから」
ニタ ニタ ニタ ニタ ニタ ニタ ニタ ニタ
ニタ ニタ ニタ ニタ ニタ ニタ ニタ ニタ
ニタ ニタ ニタ ニタ ニタ ニタ ニタ ニタ
ニタ ニタ ニタ ニタ ニタ ニタ ニタ ニタ
509 :
山犬
[sage]:2011/01/23(日) 23:29:02.43 ID:j6os9nhco
>>507
「ん?なんだ?こういう形の獣道は珍しいか?」
札憑きとしての役を担う以上、いつでも直ぐ守護に行けるよう、
山犬たちが護る範囲にはショートカット用の獣道を巡らせてある。
ただし、守護域以外へは使えないのが難点ではあるが。
/そこは自由です。
510 :
東雲 犬御
[sage]:2011/01/23(日) 23:38:38.26 ID:DAWSEOaSO
>>509
「いや、そうじゃねぇ。……その、あー……ああそうだ、七生――じゃなくて、俺の別件っつーので、体育館に用があんだよ。だからその獣道、俺にも使わせろ」
歯切れの悪い上に、上から目線だが、なんだか視線が横に逸れている。
上記の言葉を簡潔に翻訳すると、さっきから妙な気配を感じるし心配だからついていってやるか、となる。体育館に用があるのは本当なのだが、分かりにくい上に、余計なお世話である。
511 :
神代澄香
[sage]:2011/01/23(日) 23:50:19.59 ID:6Atgs1uro
>>508
「確かに――報道の様子や、事件性から判断するに、これは妖怪の仕業でしょうね」
【その点は、確かに認めざるを得ないだろう。退魔の巫女としてこの世界に携わってきた。
ゆえに、直感的なものだが、この件に妖怪が絡んでいるのはわかっている――。
だがそれでも、女性の――妖怪の言葉は信用できない。この気持ち悪い笑顔が何よりの証左】
「貴方は犯人じゃないかもしれないけれど……かと言って、信じることは出来ない」
【少女の眼前に、妖怪の凄惨な笑みが近づく――体を悪寒が駆け巡った。
様々な悪感情が綯い交ぜになった顔を歪めながら――巫女はすり足で身を引いた。
刹那、鞘から小狐丸影の刀身が開放される――一目で業物とわかる白刃が、夕日に照り映えて輝いた】
「それに私はこう思っているの。悪さをしなければ妖怪が人間社会にいてもいいってね。
確かにそういう事件を起こす妖怪は許せないし、それを討つのが一応使命だけど……
善悪を決めるのは、貴方のような誠実さの欠片も無い妖怪の言葉では無い」
【慣れた動作で、少女は正眼の構えを取った――小狐丸影の切っ先を妖怪の鼻先に向ける。
その道の人間や妖怪ならばすぐにわかるであろう――この刀は、神聖な霊力を帯びた、
まさに『霊刀』と呼ぶに足る物であると――。合わせて、鳶色の瞳が鋭い視線を妖怪につきつける】
512 :
山犬
[sage]:2011/01/23(日) 23:50:28.27 ID:j6os9nhco
>>510
「七生?」
失踪した生徒の名か?
疑問が沸いたが、今はそれどころではない。
ついて着たいなら良いだろう。
「よしいいか?
俺の直ぐ後ろについて来いよ。でないと中で迷ってどこへも出られなくなる」
文様の獣の間を抜けて、その中は暗闇。
警備員が走る。その首に巻かれた光の帯がぼうと光って犬御への目印となる。
暗闇を駆け抜けたのはほんの一瞬、直ぐに体育館の隣、体育倉庫へと出る。
「なんだありゃ」
警備員は倉庫の扉の隙間から、そっと体育館を覗く。
月の光が差し込む体育館の中、跳ね回るのは幾つものバスケットボール。
「さー子は下手菌、うつるから出てけ♪
お前のせいで負ーけた♪」
笑いながら節をつけて口々にはやすような幾つもの少女の声と、
そこに混じって小さなすすり泣きが聞こえる。
しかし、人影はどこにもない。
513 :
東雲 犬御
[sage]:2011/01/23(日) 23:57:33.27 ID:DAWSEOaSO
>>512
「あぁ」
四十萬陀のことはあえてスルーし、犬御は山犬の後を追って走った。
獣道の先は体育倉庫。犬御の『用事』はここにあるのだが、今は後回しにする。
妙な気配が、強くなった。何かいる――その答えは、山犬の視線の先にあった。
「……七不思議」
なんだありゃ、と疑問を口走る山犬に、犬御が答えるようにぼやいた。
514 :
山犬
[sage]:2011/01/24(月) 00:02:57.96 ID:TnxmgHxdo
>>513
「あー……警備記録、今夜も特に異常なし」
脱力しつつもポケットの帳面にメモを入れる警備員。
「…ほっとくか」
泥棒や災害ならともかく、警備会社への報告に相応しくない異変ならば放っておくつもりだ。
しかし、いいのかそれで。
515 :
窮奇
2011/01/24(月) 00:09:45.05 ID:efy1w2dNP
>>511
「あははははははははははははははははははははははははははッ!!」
眼が見開き、アゴが外れたように大口を開け。
狂気の産声が口から溢れ出す。
「出たよ! 偽善者 偽善者 偽善者 偽善者 偽善者 偽善者 偽善者 偽善者ッ!!
偽善者人間の
感 情 論 ッ !!
馬鹿みたい 馬鹿みたい 馬鹿みたい 馬鹿みたい 馬鹿みたい 馬鹿みたい 馬鹿みたい 馬鹿みたい 馬鹿みたい ッ!!」
笑い始める。嘲り始める。
風が、土が、空が・・・おぞましい唄を奏でているようだった。
抜いた刀を指差し、さもおかしそうに話す。
「抜いてどうする? 私を斬る気かい?
いいよ! 斬れば良いじゃないか!! ・・・でもいいのぉ?」
今までで、一番醜悪な表情だった。
「私を斬れば、ステキな情報が失われちゃうよぉ?
しかもさぁ・・・『悪さ』をしなければ? 人を食べるのは『悪さ』じゃないのぉ?」
心に、猛毒の魔手が伸びる。
気高く、刃のように鋭い神代の精神を毒していく。
「『悪い』よねぇ! 人を食べる妖怪は凄く『悪い』よねぇ!!
じゃあ皆殺しにしようよ! 皆殺しにしちゃえよ! 皆殺しにしちゃえば良いじゃん!!」
「人と妖怪が一緒に住むなんてさぁ! ありえないんだよ!!
だってお互いに『違う』生き物なんだもの!!
いいじゃないか! あいつ等なんて絶滅してもなんてこと無いよ!!」
「日本の狼だってそうだろう! あいつ等が居なくなって困ることなんて、
せいぜい《栽培した椎茸がシカやイノシシに食われた》とかその程度じゃないか!!」
「死んで欲しいね! ぜひとも人食い妖怪には絶滅してもらいたいね!!
あいつ等なんて妖怪のイメージダウンにしかならないよ!!
ほら、引き受けなよ! 誘いに乗りなよ! 情報を貰いなよぉ!! キミそれでも人間かい!?」
516 :
東雲 犬御
[sage]:2011/01/24(月) 00:15:29.54 ID:AdOoVNPSO
>>514
「放っておくのか?」
犬御にとっても、七不思議自体はどうでもいい存在だ。
だが、ここは四十萬陀の通っている学校。――七不思議がどんなものか詳しくは知らないが、害がないとも限らない。
「……」
面倒だが、ついでだ。
犬御は無言で、体育倉庫の扉を開いた。
517 :
山犬
[sage]:2011/01/24(月) 00:29:54.05 ID:TnxmgHxdo
>>516
「おい!お前の用事って、まさかこれじゃないよな?」
いきなり扉を開く狼に、慌てて警備員は声をかける。
……ばぼぼんっ!!…ぽすっ。
幾つものボールが弾む音、受け止める指とボールが擦れあう音がした後、音が止んだ。
宙に静かに漂うボール達。
しん、とした体育館の中、小さくしゃくりあげる音だけが響いた。
少しの後。
……きゅぴきゅぴきゅぴきゅぴきゅぴきゅぴ……
姿はないが、幾つかの足音だけは聞こえ、
…だん!
一つのボールが跳ねた。
……だんだんだんだんだんっ!!
それを皮切りに、跳ね回るボールが一斉に犬御に襲い掛かってくる。
「…ぐっ!」
ボールには襲われなかった筈の警備員が、いきなり横に跳んでしゃがみこんだ。
紺の制服のわき腹には、白く、バスケットシューズの靴底の模様がはっきりとついている。
「ごほっ!」
警備員は軽く咳き込んだ。今度は背中に靴の模様。
「小娘どもが、やってくれるじゃねーか……」
金色の目が怒りで釣りあがる。
518 :
神代澄香
[sage]:2011/01/24(月) 00:31:37.09 ID:gXIZHb+ho
>>515
「……言いたいことはそれだけかしら?
偽善? 感情論? それがどうしたっていうのよ……」
【似たような言葉は何度か聞いた。事情を知る人間――同業者――、先々代。
皆が言い放った。到底不可能なことであると――それでも彼女は諦めない。諦観に染まらない。
方寸をかき乱されなかったと言えば、嘘になるであろう――少女の引きつった表情が如実に示している】
「人を食べるのは確かに問題よ。だけど動物性たんぱく質なら他の動物からも得られるし、
人間の味が気に入ったなら柘榴を食べればいいわ。融和の道は、必ずある」
【精神に突き込まれる言葉の刃――それを弾き返したのは、己の持論である。
甘い――実に甘い――信念とも呼べぬ、共存協和の実現を信じる心持ち。
正直なところ、面倒臭い――という想いも無くはないのだが、ともかく少女はその道を選びたいと願った】
「貴方に言われなくても……事件の犯人の妖怪は斬るつもりよ。
でも、この件に関しては自力で情報を収集する。貴方の助力はいらない」
【きっと、目の前の妖怪を見据えて、巫女の少女ははっきりとそう言い放った――。
正直に言えば、先ほどの妖怪の言葉で柄を握る手が震えて切っ先が揺れた。
だが今は違う。その心情を反映してか――小狐丸影の切っ先にブレも迷いも無い】
519 :
東雲 犬御
[sage]:2011/01/24(月) 00:43:54.93 ID:AdOoVNPSO
>>517
「全然違ぇよ、ただ……こいつらに害があるか調べるだけだ」
赤い瞳をぎらつかせ、体育館に足を踏み込む。
――そこは、昼間の生徒で賑わうそことは明らかに雰囲気が異なっていた。気配、気配、気配気配気配。幾多もの『何か』を絶対的に証明する濃密な気配が、体育館全体を支配している。
ひとりでに跳ねるボールの音は不気味に響き、犬御がそこへ数歩近付くと同時に、鳴り止んだ。
「……」
相手からのアクションがない以上、犬御は手を出す気はない。というより、それは四十萬陀から止められている。
――が、
「……ッ!!」
ボールが一斉に跳ねた。犬御は即座に反応し、それを飛び避ける。しかし、背後にいた山犬の呻き声に振り向いた隙に、
「ガッ!」
勢いよく飛んできたボールに衝突し、スリップした。体育館の床に、僅かな爪傷が残る。犬御はすぐに態勢を戻すと、歯を剥き出しにさせて怒った。既に、怒りのメーターは振り切れている。
「ガウゥッ!!」
今の所、姿が見えないため相手の手掛かりは気配しかない。
犬御はそれを頼りに、目の前の虚空に向かって飛び掛かった。
520 :
窮奇
2011/01/24(月) 00:44:03.55 ID:efy1w2dNP
>>518
余りにも、余りにも。ブレない返答、揺るがぬ精神。
窮奇はポカン、と口を開け。
しばし刀先と鳶色の眼を交互に見返していた。
「・・・いいなぁ、綺麗だなぁ」
ニタリ、と再び微笑む。
しかし先ほどの毒性は残っておらず、ただ普通に笑っただけに見えた。
「刀・・・も、そうだけど。素晴しいね、一転の穢れも無い。
ブレもしない、本当に本当に。 "善" なる、美しい精神だね・・・」
ギョロリと、眼を向き。
再び毒のある笑みが表情に張り付く。
「いつかその心! 信念! グッチャグチャにヘシ折ってやりたいね!!」
フッ、と。
再び穏やかな笑顔に戻り、笑いかける。
「まぁ、それは『いつか』にしよう。とりあえず今回は」
妖気が渦巻く。
ただ垂れ流していた"悪意"ではない、今度こそ本物の妖気!!
ジャージの背を破り、純白の翼が窮奇から生えた。
「刀の切れ味だけでも見せてもらおうかなぁ!!」
翼が広がり、はためく。
黒い妖気が地面を伝い、魔方陣のような模様が展開する。
「針山三合目! −麓歩き−!!」
突如、地面から石英で構成された幾本もの白い槍が噴出し!
神代の足元から突き上がる!!
521 :
山犬
[sage]:2011/01/24(月) 00:57:42.62 ID:TnxmgHxdo
>>519
どん!…きゅぴっ!
犬御は見えない何かにぶつかった。相手が跳ね飛ばされた気配はある。
気配はあるが、妖気は無い。匂いも無い。こんな相手は初めてだ。
すすり泣きは相変わらず続いている。
「おい犬御!体育館の隅に寄れ!」
見えない手に帽子をひったくられ、髪を毟られながら警備員が吠えた。
「ああクソっ!」
手荒に引っ張られて袖のボタンが千切れる。
「制服の再支給手続き、すげーめんどくせぇんだぞこん畜生!」
犬から畜生呼ばわりされても、謎の現象は終わらない。
飛び交うボールは犬御を、見えない手足は警備員を執拗に狙ってくる。
掴みかかる手を引き剥がし、何かを蹴り飛ばしながらじりじりと、
背中を壁につけて隅のほうへと警備員は移動した。
522 :
神代澄香
[sage]:2011/01/24(月) 01:05:43.72 ID:gXIZHb+ho
>>520
「――――来るか!」
【周囲を包み込む空気が一変したのが、肌で感じ取れた――。皮膚が粟立つ。
妖怪は――その背より異形の翼を生やしてはためかせる。漆黒の妖気が伝ってきた。
何かを仕掛けてくるだろう――そう考えた彼女は、予兆とともに動き出す】
「くぅっ……妖怪、舐めるなっ!」
【石槍が靴を破いた。幸いにも走り出していたお陰で足の裏を貫かれはしなかったが――。
踵の辺りから鈍い痛痒が響き、少女の顔を苦痛に歪ませる。靴を脱げば裂傷と流れる血が見えるかもしれない。
だが、そんな状況下でも彼女は足を止めなかった――石槍一本を切り落とし、妖怪に迫る】
「何者であろうと、私は斬奸を為す! 覚悟――!」
【小狐丸影の切っ先が振り上げられる――霊刀の刃は、妖にとっては危うい物である。
斬られれば、妖怪の体は神聖な霊力によって削り取られる。退魔の武器として相応しい威力がある。
刃圏に入ると、少女は裂ぱくの気合とともに妖怪に向けて小狐丸影を振り下ろした――迷いの無い真っ直ぐな太刀筋が放たれる】
523 :
東雲 犬御
[sage]:2011/01/24(月) 01:10:23.91 ID:AdOoVNPSO
>>521
(手応えは――ある!)
犬御は身軽に跳ね、目の前の実体のない相手から距離を取る。
子供のすすり泣きが耳に障り、苛立つように犬御が唸った。
そこへ、鉱太郎の呼び声。
「っ、ああっ!?」
意図がわからなかったが、犬御自身もこの状況に多少焦っているのか、考えるのを後にして、一気に体育館の隅へ跳ねるように駆けた。
ボールは追ってくる。巨体が仇になり、いい的だ。胴体に走る衝撃に幾度かスリップしながらも、犬御は鉱太郎のところまで辿り着いた。
しかし、その頃には、完全に犬御の頭に血が登っていた。
「グルァアア!!」
大きく吠え、鉱太郎の周囲にいるであろう気配に向けて、――鉱太郎の背中スレスレの位置を――カマイタチを纏った爪で引っ掻く。
524 :
山犬
[sage]:2011/01/24(月) 01:17:05.62 ID:TnxmgHxdo
>>523
犬御の爪に、何かが引っかかり弾き飛ばされる。
しかしそれで痛みを訴えるでもなく、また次の攻撃が来るばかりである。
「開!」
隅へ逃げた警備員の声に応えて、赤い文様が二匹の目の前に広がって薄く光る障壁となった。
獣道のものとは異なり、こちらは大きく口を開けた獣の顔の文様である。
妖魔を寄せ付けぬための守護の障壁。
これで謎の攻撃からは逃れられる、と警備員は安堵した。
…のだが。
「げふっ!」
障壁は役に立たず、二匹に相変わらず攻撃が降り注ぐ。
しかも二匹で同じ隅に逃げたものだから、逃げ場が無い。
「嘘だろおおおおい!!」
いや、突っ込みたいのは巻き込まれた犬御のほうだろう。
しかし赤い障壁の向こう側に、さっきまで見えなかった少女が
体育館の床にしゃがみ込んで泣いている姿が透けて見えていた。
525 :
窮奇
2011/01/24(月) 01:17:19.92 ID:efy1w2dNP
>>522
「針山6合目 −中腹転ばし−」
迫る刃を遮るように、窮奇の周囲からは無数の白い槍が噴出す。
せり上がり、飲み込み、圧倒する。
やがて、4m程の山と化した石英の剣山の頂点で。
窮奇は翼をはためかす。
「石英を斬るか、なるほど中々だけど・・・。
一本しか切れないんじゃあ、私には届かないよ?」
ニヤニヤとした笑みで、神代を上から見下す。
「キミがなんと言おうと、百鬼夜行は止まらないよ。
私が沢山惑わせて、沢山暴走させて、沢山不幸にするからね」
口をどんよりと開く。
「キミみたいなのと違ってね。
妖怪は弱く、脆く、迷いやすい。食べ応えは無いけど堕とし易いんだ」
手をヒラヒラと振る。
「私の名は『窮奇』、困窮の窮に奇跡の奇だ。キミの名前は?」
526 :
東雲 犬御
[sage]:2011/01/24(月) 01:29:46.64 ID:AdOoVNPSO
>>524
「ちッ、痛みを感じてねぇのか……!?」
苛立ちを隠せない様子だが、犬御は一先ず鉱太郎と共に隅へ避難した。
目の前に赤い障壁を生み出しされる。なるほど、これで防御を……と犬御が納得しかけたのもつかの間。
「キャウンッ」
鈍い音と伴に、あごにボールがクリーンヒットした。
数秒後、やっと障壁が意味を成してないことを理解する。しかも逃げ場がない。コイツ、噛んでやろうかと恨みがましく鉱太郎を睨み付けた、その時――
(あれは……)
犬御が視界の端に、少女の姿を捕えた。その瞬間、記憶が再生される。
なぜ犬御が、あの時七不思議だとつぶやいたのか。それは、四十萬陀から聞いていたからだ。潜入している学校に、七不思議というものがある、と。
それが何なのか、詳しくは聞いていない。が、一つだけ四十萬陀から聞いた話に、少女が出てくるのだ。辛い仕打ちに、涙を流す少女。七不思議。
(……賭けてみるか)
「おい、鉱太郎ッ! あのガキ見えるな、あそこに走れッ!」
犬御は叫ぶと、身を屈ませ、飛び交うボールの間を縫うように走り抜けた。
攻撃が追ってきても、関係ない。立ち止まらずに、あの少女の元へ。
527 :
神代澄香
[sage]:2011/01/24(月) 01:34:44.97 ID:gXIZHb+ho
>>525
【滑り出した刀は止まらず――そのまま石英の山に切り込みを入れた。
まるでチーズを斬るナイフのように、小狐丸影の刀身は食い込んでいた。
だが――目的の、妖怪を斬る事は敵わない。少女は悪態をついて刀を戻し、構え直す】
「ちっ……。一度防いだからと言って侮らないことね。
この刀本来の力なら、山のような妖怪だって斬れるわよ」
【影打ちとはいえ――歴史的な名工と稲荷明神の化身が鍛えた霊刀である。
その切れ味は実に見事――先ほど斬られた石槍の断面は綺麗に整っていることからもわかる。
それだけの名刀が敵の妖怪を捉えられなかったのは――ずばり、未熟さ故だろう】
「……私の名前は神代澄香――代々退魔の巫女たる使命を帯びた神代の血筋よ。
窮奇……と言ったわね。貴方の思い通りにはさせないわよ」
【天高く寄り集まった石の剣山――その頂にいる、妖怪に向けて少女は断言する。
次にどう動くかは相手の出方次第であるが――もしも攻撃を続けるようであれば、
巫女の少女は、袖の中に仕舞われた御札を使って反撃してくるであろう――】
528 :
山犬
[sage]:2011/01/24(月) 01:41:05.17 ID:TnxmgHxdo
>>526
犬御の声に、警備員は素早く反応した。
が、障壁の後ろから飛び出すと途端に少女の姿はかき消える。
「なんだとッ!?」
慌てて障壁のこちらから覗きなおす。と、ちゃんとそこに少女は居る。
その時がつん!と見えない手に殴られたが、警備員は理解した。
「そういうことかっ!!」
再び障壁を広げる。今度は少女のいるその場所に被せるように。
薄く光る障壁の中、少女はしゃがみ込んで泣いていた。
「犬御っ!そいつは妖怪じゃない!多分人間だ!引っ叩け!」
妖気が無かったのはおそらくそのせいだ。
これは悪夢。
この少女が今まさに見ている、辛い体験の夢。
529 :
窮奇
2011/01/24(月) 01:44:50.98 ID:efy1w2dNP
>>527
「神代、澄香ね。よし、覚えたよ」
ニッコリ、と笑う。
剣山の上から辺りを見渡し、暗くなった空を眺める。
「そろそろ遅いね、逢魔ヶ時も終っちゃいそうだ。
見たいテレビもあるし・・・そろそろ退散することにするよ」
突如、莫大な妖気が渦巻き、剣山の背後の土が競りあがる!
山ほどとはいかずとも、一軒家ほどもある巨大な妖蛙・"わいら"が現れる。
「じゃあね、澄香さん。次はもっともっとグロくてエゲツないモノを魅せてあげるよ」
呪詛のようにポツリと残し、
窮奇はわいらの土に飲み込まれ、地面に潜っていく。
やがて不気味な粘り気を持った大気は夜風に澄み、冬の香りを取り戻していった。
530 :
東雲 犬御
[sage]:2011/01/24(月) 01:49:49.86 ID:AdOoVNPSO
>>528
後ろから聞こえる鉱太郎の声。犬御は返事すら返さなかったが、一言も漏らすことなく聞いていた。
犬御は、再び障壁によって見えるようになった少女に向かって、闇色の体で風を切らせた。
そして――
「おい、ガキ」
目下には、啜り泣く少女。
変化を解き、人間の姿になった犬御は、荒い息で胸を上下させながらその場にしゃがみこみ、
「うぜぇんだよ、いい加減泣き止みやがれ」
少女の肩を、揺すりおこした。
531 :
山犬
[sage]:2011/01/24(月) 01:57:17.37 ID:TnxmgHxdo
>>530
不意に大きな手で肩を掴まれて、驚いたように少女は犬御を見上げた。
酷く泣き腫らした顔で、しゃくり上げている。
腕や足の幾つもの痣。
その全てが一見気付きにくい、内側の皮膚の柔らかな部分にのみ付けられている。
犬御にいやいやと少女は首を振り、さらに涙をこぼす。
「おい、早くさっさとそいつを起こせ!殴ってでもいいから!」
障壁の外側で、ボールや手足の攻撃を一手に引き受け、にボロボロにされながら山犬が叫ぶ。
532 :
神代澄香
[sage]:2011/01/24(月) 02:00:32.16 ID:gXIZHb+ho
>>529
「出来れば見たくないわねー……そんな物」
【巨大な妖蛙の出現に呆気に取られ――しばし硬直する巫女であったが、それも一瞬。
我に返ると、地面に潜っていく妖怪を見ながら、溜息を吐き出して疲れたように独語した。
軽く小狐丸影を振って、刃に乗った微細な石の粒を払う。そして白刃を鞘に収めたのであった――】
「面倒なことになりそうだわ……」
【暢気な言葉とは裏腹に、彼女の表情は締まっている。呟く声色も緊張感があった。
だがひとまずは終わった事にほっと息を付く。すると、思い出したように足の踵から鈍い痛みがせり上がってきた。
振り返れば、道に血痕が残っていた。見回りを中止し、処置をする必要があるだろう――。
【少女は袖の中から『葉隠』を取り出して使用し、その場から姿を消す――残ったのは冬の涼気と静寂のみであった】
533 :
東雲 犬御
[sage]:2011/01/24(月) 02:05:29.56 ID:AdOoVNPSO
>>531
「……」
少女の体をぐるりと見渡し、犬御は少し分かったような気がした。
しかしどうということはない。それは人間たちの事情であるし、妖怪である犬御が同情する理由もない。これが夢であるなら、四十萬陀に危害は及ばないだろう。それに、子供は嫌いだ。
「……起きろ」
だからこそ、早くこの悪夢から抜け出すために。
「起きろッてんだ!!」
犬御は大声を張り上げると同時に、少女の頬を叩いた。
最小限力は押さえているが、それでも人間の子供にとっては、それこそ目が覚めるような一撃だっただろう。
534 :
山犬
[sage]:2011/01/24(月) 02:15:12.77 ID:TnxmgHxdo
>>533
ぱん
頬を叩く乾いた音と共に、少女はいきなり消えた。
ボールは落ちてでたらめな方向へ転々と転がり、気配も消えた。
「終わっ…た……」
警備員がどさりと座り込み、硬い床の上で大の字に転がって荒い息をつく。
「くっそ、ひでぇ現実だ。どうせなら犬のままで突っ込みゃ良かった」
このボロボロになった制服と警備記録をどう誤魔化すか、警備員の悩みはしばらく続くだろう。
給料に響かねば良いのだが。
「ああ、そうだ。さっきは防げなくて悪かったな。
だがお前もいきなり扉をあけるのが悪いんだぞ。ほっときゃ良かったんだ」
これでおあいこにしろよな、と警備員はぬけぬけと言ってのけた。
535 :
東雲 犬御
[sage]:2011/01/24(月) 02:22:52.21 ID:AdOoVNPSO
>>534
「……ハァ」
少女が消えた瞬間、体育館を支配していた気配も一気に消えた。
心なしか軽くなった空気に、犬御は息をつくと、そのまま尻餅を付いた。
「……悪かったな……」
存外素直に謝る犬御。
悪態をつけないくらい疲れているらしい。
「ってぇ……何だったんだ、全く……」
536 :
山犬
[sage]:2011/01/24(月) 02:28:32.32 ID:TnxmgHxdo
>>535
「七不思議、ってやつだろ。お前、自分で言ってたじゃねーか」
ひっくり返ったまま、警備員はポケットを探ってタバコを見つけ一本咥える。
さらに探ってライターを探すが、さっきの騒動でどこかへ落としてしまったらしい。
「あー、くそっ!」
今日何度目かの「くそっ」を呟き、ぐったりと疲れた警備員は目を閉じた。
/絡みありがとうございましたー
537 :
東雲 犬御
[sage]:2011/01/24(月) 02:37:54.68 ID:AdOoVNPSO
>>536
「それは、そうなんだが……あッ」
犬御ははっとすると、おもむろに立ち上がった。『用事』を思い出したのだ。
体育倉庫で四十萬陀が人間を襲った後、血のついたジャージの後始末を忘れていたというので、犬御はそれを任されていた。
扉を開き、辺りを見回す。ジャージなら目立つはずだが……。
「……ない、な」
もう誰かに回収されたか? だとしたら、面倒なことになりそうだが。
考察しても時間の無駄だ、と、犬御は再びその場に尻餅をついた。
//ありがとうございました!
538 :
火蜥蜴
2011/01/24(月) 21:58:07.52 ID:efy1w2dNP
>>223
炸裂する可燃ガス。
燈色の爆炎が天橋に噴きかかった。
倉庫の中が一瞬、眩い閃光に染まる。
「まだまだ・・・だろうな」
ベルトで縛られたボトルだらけの上半身、背中に手を回し。
なにやら金属の四角い缶を取り出す。
「仕上げだ!!」
中身は、ガソリンだった!
蓋を外し、横薙ぎに液体をぶちまける。
「火火火!!」
火蜥蜴のガソリンで濡れた指先が、火を上げた。
539 :
天橋 弥城(妖怪仮面)
2011/01/24(月) 22:07:46.80 ID:pwb+B2GAO
>>538
「く…そ……ふざけるな…よ…」
炎のなか、立ち上がった――
その皮膚は、焼けただれ、服は焦げ付いていた
霞む視界――
「な…なんだ…この液体…」
嗅ぎ覚えのある臭い
「まさか!ガソリン!?まずい!!」
一か八か、火蜥蜴を火蜥蜴自身の炎に巻き込もうと間合いを詰める
果たして、炎が効くのだろうか――
540 :
火蜥蜴
2011/01/24(月) 22:17:14.64 ID:efy1w2dNP
>>539
「・・・!?」
突然の突進。
一瞬ギョッとするが、耳まで裂けた口がニタリと笑う。
「焼けクソだなぁ! 俺は炎を食う火とか――ッ!!」
あまりの余裕に、あまりの興奮に忘れていた。
天橋の火を上げる突進が火蜥蜴に直撃。
一瞬で倉庫内部に紅蓮の炎ガ充満する!
激しい炸裂音と衝撃、そして熱。
ガソリンの爆発が、熱が。
火蜥蜴の体中に装備されたスプレー缶を炸裂させた。
541 :
天橋 弥城(妖怪仮面)
2011/01/24(月) 22:26:13.14 ID:pwb+B2GAO
>>540
爆発――当然弥城も爆発をくらう
「……う…あ……」
爆発により、吹き飛ばされ壁に激突
壁に寄りかかる形で倒れている
「う……」
かろうじて息はしている
542 :
火蜥蜴
2011/01/24(月) 22:35:52.82 ID:efy1w2dNP
>>541
「く、そが、よぉ・・・」
炎を、煙を上げる爆発後から。
全身焼け爛れ、裂傷した皮膚の火蜥蜴が立ち上がる。
もはや変化はほとんど解け、二本足で立っているのどうかも怪しい状態だ。
やけ破れた服の隙間からは、びっしりと生えた鱗が覗いていた。
「火火火、だが・・・テメェはもうダメだな・・・!」
這うように近寄ってくる火蜥蜴。
見開かれた瞳の奥に、三日月状の瞳孔が爛々と燃え盛ったいた。
「・・・ははぁ!」
長く爪の伸びた前足で、天橋の首元を掴もうとした。
妖気が渦巻き、後焼きが――
543 :
天橋 弥城(妖怪仮面)
2011/01/24(月) 22:51:24.70 ID:pwb+B2GAO
>>542
「…う……く…そ…」
弥城の変化は、解け妖怪としての姿になっていた
しかしそれは、獣の姿ではなく、焼けただれ、黒焦げになり獣とも人間ともつかない姿だった
(俺は…死ぬのか…大切な奴らを守れずに…いやだ…まだ…死にたくねぇよ…)
近寄ってくる火蜥蜴
「………」
一切の抵抗を見せない、というよりもできない
――尻尾の蛇を除いて
尻尾の蛇が火蜥蜴の迫り来る前足を毒の牙で、噛もうとする
本能の最期の抵抗だろう
544 :
火蜥蜴
2011/01/24(月) 22:58:36.94 ID:efy1w2dNP
>>543
変化が解ける天橋を鼻で笑う火蜥蜴。
首元を掴みかかる、
後焼きの妖気が首元を『自壊』ならぬ『自焼』させようとする。
「はっ! 口先の割には焼けにあっさりした最後だなぁ!!」
やがて天橋の魂を食おうと口を開けた時・・・
「!? コイツ・・・!」
もう遅い。
火蜥蜴が首元を捕らえたように、毒蛇が火蜥蜴の喉元を食い千切っていた!
「火ヒッ! あ、熱いじゃねぇか・・・!」
545 :
火蜥蜴
2011/01/24(月) 23:02:03.16 ID:efy1w2dNP
//すいません! ミスってしまいました!!
描写キャンセル、おkですか!?
546 :
天橋 弥城(妖怪仮面)
2011/01/24(月) 23:08:15.87 ID:pwb+B2GAO
>>544
もはや、弥城に意識はない
蛇も食い千切った後には、動きをとめた
547 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2011/01/24(月) 23:09:25.21 ID:pwb+B2GAO
>>545
/いいですよ。
548 :
火蜥蜴&窮奇
2011/01/24(月) 23:21:54.11 ID:efy1w2dNP
>>543
から巻きもどしでお願いします!
―轟音、重圧の低音。
突如、倉庫の床を突き破り、白い石英の槍が蛇と蜥蜴を遮った!
途端、熱と煙の空気が汚濁のような感触に変わる。
「・・・殺し合いは良くないよ、ねぇ?」
女性が現れた。
黒いドレスを着こなした20代前半程の女性だ。
艶やかな黒髪の光沢が流れる。
ニタリ、と不気味な笑みを火蜥蜴向けた。
「・・・! な、なんで・・・」
「いやー! 別に! キミのことが心配でねぇ、追いかけて見てたんだ!」
火蜥蜴は脅えている、先ほどの余裕は毛ほども感じられず。
見開かれた眼の炎は完全に鎮火されていた。
窮奇、この女性の名は窮奇。
おぞましい威圧、オーラ。吐き出す言葉が呪詛のように、火蜥蜴を縛り付ける。
先ほどのニタニタ顔が、一転し。不機嫌そうに眉を潜めた。
同時に気持ち『悪い』雰囲気が一転し、
針の筵のようなプレッシャーだらけの空気が火蜥蜴を串刺しにする。
「そしたらさぁ、案の定だよねぇ。なんで殺そうとするの? 馬鹿じゃないの?
[
ピーーー
]ば? 使えない。同じ妖怪同士なんだからさ、もっと仲良く出来なかったの?」
「・・・ッ! め、面目ありません」
体力を使い果たした体で、無理やり人間に変化し。跪く火蜥蜴。
無理な変化のために骨格は歪み、あちらこちらに鱗が残ったまま血が噴出している。
理不尽! ・・・あまりに理不尽!
この女は、確かに始末しろと言った!
しかし、ほんの軽い気まぐれで。
先ほどの決闘を、火蜥蜴の命を繋ぐ食事を! 踏みにじったのだ!!
「さて、キミは・・・。天橋くん、だったねぇ?」
倒れ、抵抗する気力を失った青年の心に。
「キミ、まだ死にたくないよねぇ・・・?」
ニタニタと笑う、悪徳の怪物が潜り込んできた。
549 :
天橋 弥城(妖怪仮面)
2011/01/24(月) 23:31:00.53 ID:pwb+B2GAO
>>548
薄れゆく意識の中、黒いドレスの女を目撃する
「……っ…」
何かを言おうとする
しかし、声が出ない
その女が、自分に話しかけてくる
――何故、名前を知っている
――お前は何者なんだ
様々な思考が弥城の中によぎる
そして――
「……え…よ…」
―死にたくねぇよ
そう言おうとした
しかし、一向に声は出ない
550 :
火蜥蜴&窮奇
2011/01/24(月) 23:37:12.26 ID:efy1w2dNP
>>549
に た ぁ
醜悪な、悪徳な、さも楽しそうな。
不気味な笑みが窮奇の顔に張り付いた。
のたうつ尾の蛇を掴み、巨獣と化した天橋の耳元で囁く。
「そうだよねぇ、死にたくないよね!
助けてあげるよ、見逃してあげるよ、今後は手を出さないであげるよ」
「私と『友達』になってくれたならねぇ」
先ほど、氷亜達に袖にされた鬱憤を晴らすかのように。
猛毒の誘惑が、深淵からの手招きが。
天橋の心を絡め取っていく。
「じゃあさ、今後の反省の為に。なんで今回襲われたのか教えてあげようか?」
551 :
天橋 弥城(妖怪仮面)
2011/01/24(月) 23:44:03.35 ID:pwb+B2GAO
>>550
「……て…れ……く…ない…」
―教えてくれ、死にたくない
やはり、声が出ない
辛そうな、苦しそうな表情で涙を流す
「……っ…」
涙が火傷にしみる
だけれど、涙は止まらない
弥城は、母親の言いつけを破り、戦いをしたことを後悔した
552 :
火蜥蜴&窮奇
2011/01/25(火) 00:01:03.35 ID:9gLFf+WeP
>>551
「理由はね、キミが『良い』妖怪だからさ。
私は紫狂というサークルの部長なんだけど・・・。
そこに居る『悪い』妖怪達から苦情が入ったんだ。
《キミが『良い』妖怪ぶって、我々の生活の邪魔をする》とね」
ズブズブと心の奥へ。脳髄の奥へと浸透していく猛毒。
「『悪い』妖怪達にとって、キミ達の行動は今回の襲撃と同じなんだ。
理不尽で、強引で、何の脈絡も無くて。それでいて避けようが無い、ね」
「おっと、今回の件はゴメンよ。別に暴力に暴力で返す気は無かったんだ。
話し合いをしたかっただけ、今回の襲撃はぜーんぶあのアホ蜥蜴の暴走さ」
「『悪い』のは全部あの蜥蜴だ」
「まぁ、部員の不始末だし。謝罪するよ、申し訳ないね。
さて、キミに1つお願いしてもいいかな? なに簡単なことだよ・・・」
「さっきまでのキミみたいに。
善人ぶってる妖怪を、人間ごっこしてる妖怪を・・・『良い』妖怪、皆を」
どす黒く、最悪の笑顔を作る。
「"戦えない" ようにして欲しいんだ。
なに罪悪感を感じることは無い、コレをやって困るのは人間だけだ。キミ達妖怪には何の損失も無い」
「お母さんが居るだろう? お父さんが居るだろう?
かわいい妹が居るだろう? やんちゃな弟が居るだろう?
キミみたいな妖怪は帰りを、無事を。願うやつ等がたくさん居るはずだ。
他の妖怪だってそうだよ。私にも、あのアホ蜥蜴にもだ。
だからさ・・・人間と妖怪の利害対立は。『良い』妖怪と『悪い』妖怪の対立は」
ニタニタニタニタニタニタニタニタ。
「ぜーーーんぶ、"無かったこと" "争わなくていいこと" にしちゃおうじゃないか!」
ニタニタと笑いながら、見下しながら。
窮奇は天橋の耳元から立ち上がる。
「それじゃあね、ここに携帯電話を置いておくよ。使い捨てのヤツだけどね」
「キミの、最も頼れる。頼りたいと思うヤツを呼び出すといい」
ソレだけを言い残し、窮奇は溶接されたドアを破壊して。
火蜥蜴と共に闇へと消えていった。
553 :
天橋 弥城(妖怪仮面)
2011/01/25(火) 00:22:24.81 ID:vrn4zNGAO
>>552
(確かに…確かにそうだ…俺は、自分の勝手な判断で善と悪を分け、悪にはなんらかの妨害を加えていた…)
更に涙を流す
(俺…馬鹿だ…何が善で何が悪かも分からないくせに…母さん…ごめん…だから母さんは俺に…)
自分が憎くて、悔しくてたまらなかった
「っ……!」
―できるわけないだろ
そう言おうとした
人間が困る――つまり、弥城の友人たちにも危険が迫る
(あいつらを…危険な目にあわせるわけには…)
弥城と人間たち――交流を深めすぎた
(くそっ…くそっ…何が妖怪仮面だよ…くそっ…ただの馬鹿じゃねぇか…くそっ…俺はどうしたら…)
薄れゆく意識の中、置かれた携帯をなんとか手に取る
(母さんに…謝らなくちゃ…)
母親に電話をかけ、そこで気を失う――
554 :
神代澄香
[sage]:2011/01/25(火) 21:46:37.90 ID:ZpAnQTG0o
【太陽が地平線の彼方へと姿を消し、数刻――既に地上から落日の余光は失われている。
代わって、辺りを支配するのは闇の帳と夜の涼気。雲がかかっているのか、星明かりも小さく弱い。
そんな状況であるならば、普通は外出を控え、出歩いたりはしないだろう――普通なら】
「学校か……ま、みんな帰ってるとは思うけど」
【科学の光が夜の静まり返った校舎を照らした――そして、その光の源である
円筒型の懐中電灯を握る少女が独語する。明らかに、彼女は普通では無かった。
暗闇では分かり辛いが、白い巫女の装束を身に纏い、腰には一振りの刀を佩いている――】
「行ってみよう。行方不明者のことがわかるかも」
【懐中電灯の光を頼りにしつつ、少女は学校の正門を抜け、敷地内に入るのであった――】
555 :
四十萬陀 七生&東雲 犬御
2011/01/25(火) 22:01:51.22 ID:CEyZ1pMSo
>>554
漆黒の毛を揺らめかせた狼が、校内を取り囲む柵を風のように飛び越した。
音もなく着地すると、長い毛の中からもぞもぞと、同じ色の羽根を持った雀が顔を出す。
「ここでいいのか?」
「うん、ありがとじゃん」
雀はそう答えると、長毛から飛び立った。
「ここで待ってるから、ちゃんと一時間したら戻ってこいよ」
心配そうな声に短く鳴いて応え、校舎に向かって羽根を広げる。
四十萬陀は予め薄く開けておいた窓に侵入すると、二階の突き当りの教室の前に降り立った。
556 :
神代澄香
[sage]:2011/01/25(火) 22:15:28.57 ID:ZpAnQTG0o
>>555
「――あれは!?」
【夜の静謐で微かに聞こえた、翼のはためく音――暗がりでよく見えなかったが、
懐中電灯の光で照らせば、二階の教室に――空いている窓が目に付いた――。
夜の学校に忍び込むのは気が引けるが、そんなことを言っている問題ではないだろう】
「物の怪か? 行って確かめてみるしかないわね……」
【行方不明事件に関する手がかりが得られるかもしれない――そう思った少女は、
門灯が灯っている校舎の正面玄関の前に行き、そこで袖の中から一枚の御札を取り出した。
そして『水没王子』と書き記されている御札を掲げた、その瞬間――少女の姿は地面に沈み込んで、消えた】
「二階……だったわね」
【次の瞬間、少女の姿は校舎の内部――下駄箱置き場の辺りに、『浮き出て』きた。
彼女は上がる為の階段を求めて歩き出す。しかし、少女は気付いていなかった――。
夜の闇に紛れていた、漆黒の毛色を持つ狼の姿に――対して、己は光の下に姿を晒していたことに】
557 :
東雲 犬御
2011/01/25(火) 22:29:58.99 ID:CEyZ1pMSo
>>556
――その頃、四十萬陀を見送った狼は、いてもたってもいられないといった風にその場をぐるぐると回っていた。
(くそっ……一時間とはいえ、心配だ…。もしこの間みたいに――同じ妖怪だったが――警備員がいたら…。あいつは人間体じゃ夜は目が見えないし……やっぱり俺が一緒にいくべきだったか? ああ、でもまた過保護だとかなんとかうざがられて、もし嫌われたりしたら……でも、ああ、くそっ)
いつもとは違うベクルトで苛立つ犬御は、ぐるると静かに唸り続けていた。
知らない人間が聞けば、野犬がいると勘違いするだろう。
が、突然その唸り声が止まった。犬御の鼻が、四十萬陀や妖怪とは違う、人のニオイを感知したからだ。
(何だ、本当に警備員かァ!? …いや、あれは……)
突如、床から姿を現した巫女装束の少女を見て、犬御は目を見張らせた。
――まさか、最近の四十萬陀たちの行動がバレて……
そして、光の下に晒された刀を見て、考える前に、犬御の体が動いた。
「グルルル……ガァッ!!」
風のように疾走に、犬御は少女の前に立ちはだかった。
闇色の巨体を持った狼は、この学校という場所にはあまりにも不釣り合い。そして異能の力を持つものなら、これが『ただの生き物』ではないことはすぐにわかるだろう。
558 :
神代澄香
[sage]:2011/01/25(火) 22:45:16.03 ID:ZpAnQTG0o
>>557
「――なにっ!?」
【獣の唸り声――そして、直後に疾風のごとく飛び出してきた黒い狼――。
これにはさすがに、一応専門家である少女の動きも一瞬止まった。目標は二階だと思っていたから。
だが――立ち直るのも早かった。即座に戦闘態勢へと移行し、そっと自然な動作で刀の反りを打つ】
「その妖気……ただの獣ではないわね。妖怪か……」
【言って、親指の腹を鍔に当てた。鞘と鍔を繋ぐ下げ緒は既に解いてある――。
ここに少しでも力を込め、鯉口を切れば、白刃が鞘の中から姿を現すであろう。
見得を切る少女の表情も険しい――口を真一文字に結び、眼光は鋭く、戦いに望む者の姿勢を見せている】
559 :
四十萬陀 七生&東雲 犬御
2011/01/25(火) 22:51:40.27 ID:CEyZ1pMSo
>>558
「……人間の女……巫女か。こんな所に何の用だ…?」
苛立ちを無理矢理押さえつけたような、静かだが奮い立つような怒りを感じさせる声を、片牙の隙間から絞り出す。
ここは四十萬陀の潜伏する学校だ。それに、相手は戦闘能力のある人間。この場で暴れる事を、彼女は望まないだろう。
しかし――今の犬御は、少しでも刺激すれば、今にも爆発しそうな危険な状態だ。
「これ以上進むなら……容赦は、しねェ。俺の気が変わらないうちに立ち去りやがれ」
「ここは今、俺たちの『シマ』だ」
560 :
神代澄香
[sage]:2011/01/25(火) 23:04:39.44 ID:ZpAnQTG0o
>>559
「用向きは行方不明事件の調査よ。さっき、この学校に入り込んだ奴がいたみたいだから、
そいつが何か手がかりを持っているかもしれないと思ってね……」
【つきこまれる視線――静かな怒りが秘められた声――されど、少女は引かない。
使命感に燃えるほど、重要な役目とは思っていないが――投げ出せるほど、軽くもない。
真っ向から黒い狼の眼光を受け止めつつ、少女はありのままに目的を答えた】
「ここは人間の生活圏よ。昔はともかく、今はそうなってる。
……貴方がもしも人間を襲うのであれば、私も容赦はしない」
【まだ、鯉口を切って小狐丸影の白刃を見せることはしない――一発触発だが、対話の段階だ。
しかし、相手は既に怒りの表情を見せており――巫女の少女の方も表情が極めて険しい。
一歩も引く気配を見せない――あるいはそれどころか、戦いも辞さない覚悟を抱く少女に対して、相手は――】
561 :
四十萬陀 七生&東雲 犬御
2011/01/25(火) 23:15:39.99 ID:CEyZ1pMSo
>>560
――行方不明事件の捜査……やっぱり勘付かれてたか
ちぃ、と心中で犬御は毒づいた。
少女の真剣な眼差しと、狼の血に塗れたような深紅の瞳が交差する。
その目が訴える感情。彼女が秘める覚悟を、例え多く言葉を交わさずとも、犬御はすぐに感じ取った。
「いい度胸じゃねェか… 小娘ッ!!」
そして――そんな少女を前にして、犬御は牙を剥き出しにした。
ビキリと青筋を浮き立たせ、頭に血を登らせた犬御は、威嚇するように大きく遠吠えを上げる。
その途端、犬御の周囲に突風が生まれた。つむじ風というレベルではない、――鎌鼬だ。
その遠吠えを、もう一人の少女も聞きつけていた。
「犬御……!?」
二階にいた四十萬陀が、犬御と共にあるニオイに気付き、急いで階下に方向を定める。
562 :
神代澄香
[sage]:2011/01/25(火) 23:25:31.64 ID:ZpAnQTG0o
>>561
「来るか、妖怪――!」
【思わず後ずさりしてしまいそうな獣の遠吠え――それが夜の校舎内、
コンクリートで固められた廊下に響き渡る。その刹那――風が、生まれた。
少女に威力を持った突風が迫る――まるでかまいたちのような鋭さを伴うそれを――】
「はっ――!」
【巫女の少女は、裂ぱくの気合とともに刀を抜き放ち、一閃の技で切り裂いた――。
形の無い物を両断する、達人技――もっともそれは、小狐丸影という霊刀があって成立するのだが。
居合いを放った勢いのまま――少女は駆け出す。板場を乗り越え、上段から獣を斬らんと刀を振り下ろす】
563 :
東雲 犬御
2011/01/25(火) 23:35:49.73 ID:CEyZ1pMSo
>>562
視界を支配する暗闇に、赤い瞳がぎらつく。
己に向かって振り下ろされる刃を見切ると、狼はその巨体を身軽に翻らせ、少女の背後に立ち回ろうとする。
「ガアアッ!!」
狼が吠えると共に、鋭い風が生まれ、それは犬御の爪や牙に纏われた。
鎌鼬で強化された己が武器たちが、少女に脇腹をえぐろうと襲いかかる。
564 :
神代澄香
[sage]:2011/01/25(火) 23:53:23.71 ID:ZpAnQTG0o
>>563
「ちっ――疾い――!」
【小狐丸影に感じられない手ごたえ――視界を通り過ぎた漆黒の影――。
己の刀が、妖怪を斬れずに終わったことを察知した少女はすぐに身構えた。攻撃に対応する為に。
方向を見やることなく、気配のみを察知して攻撃を避けた――といっても、装束には切れ込みが刻まれ、
わき腹の切創からは赤い血が流れ落ちた――痛みに、表情が引きつる】
「くっ……だけど、私は負けない! 人を脅かす妖怪は斬る!」
【壁に背を預けながら、袖の中から一枚の御札を取り出す。『雷雲』と記されたそれを、
少女は黒い狼に向けて、呪文を唱える――刹那、御札の表面から稲光がほとばしり、
空気中の電子に沿ってジグザグの軌跡を焼き付けながら――黒い狼を焼き焦がさんとする】
565 :
東雲 犬御
2011/01/26(水) 00:03:38.43 ID:lb05sJDIo
>>564
壁際に少女を追い詰めた犬御は、攻撃が直撃しなかったことに苛立ちを覚えながらも。
更に追い打ちを掛けようと、間髪入れずに、床を蹴って少女に飛びかかった。
しかし、その牙が少女の肌を切り裂く寸前、狼の瞳が一枚の札を捕えた。
――なん……
「ッ、グワァアアッ!?」
途端、焼付くような痛みが犬御の全身を走り抜けた。
稲妻――それは、これまで退魔士と戦ったことなどない犬御が、初めて受ける痛みであった。
「犬御ぉっ!!」
そこに、小さな雀の悲痛な声が響いた。
566 :
神代澄香
[sage]:2011/01/26(水) 00:14:49.07 ID:u49M2xwao
>>565
「直撃だった……かなり効いた筈よ……」
【呪力を失った御札を中空に手放すと、焼けて灰になったのかのごとく――ボロボロに朽ち果て、
小さな小さな紙の粒となって地面に散乱した――基本的に御札は一度限りしか使えない消耗品なのだ。
それを気に留めるでもなく、少女は次なる手を用意する――『雷雲』と記されたもう一枚の御札を――】
「これで終わりに……ん、声――?」
【御札を、袖から取り出して手に取った時点で――校舎内に声が響いた。女の声だろうか。
一瞬だが気に取られ――少女は声の主を探した。もしかしたら新手の可能性もあるからだ。
黒い狼への追い討ちは止め、右手に刀を左手に御札を持ち、状況の推移を見守る――】
567 :
四十萬陀 七生&東雲 犬御
2011/01/26(水) 00:23:27.97 ID:lb05sJDIo
>>566
黒の狼が崩れる重い音が、鈍く伝わる。
犬御の意識は完全にそこを離れ、一撃で戦闘不能の状態に陥っていた。
そして、少女がとどめを刺そうとした――その時、
ひゅんと、風を切る音が、すぐ耳元を通り過ぎた。
焼け焦げて動かない狼の元に、漆黒をたたえた夜雀が舞い降りる。
「犬御! ……そんな……!!」
金切音のような鳴き声を上げて、狼の体を突く、が、何の反応も返ってこない。
568 :
神代澄香
[sage]:2011/01/26(水) 00:29:05.28 ID:u49M2xwao
>>567
「……貴方はなに? そいつのお仲間?」
【新手の登場に少女は表情を引き締め直す。戦いの構えは解かずに、夜雀に問うた。
その悲痛な声を聞けば、少しは心が痛んだが――それでも警戒を解こうとはしない。
相手の出方次第では、夜雀も切らなければならないのかもしれないのだから――】
569 :
四十萬陀 七生&東雲 犬御
2011/01/26(水) 00:34:48.14 ID:lb05sJDIo
>>568
「……」
夜雀は、すぐには答えず、じっと黙って少女を見つめた。
それは人間ではないから、表情がわからないだけかもしれない。その証拠に、夜雀から滲み出る感情は、明らかに負のそれだったからだ。
だが、戦おうとする意志は微塵も感じられない。
どころか、四十萬陀は、犬御を焼付かせた相手にこういってのけた。
「……お願い、こいつを……山まで、はこんで……」
震えていて、惨めだが、しかし、迷いなどは一切感じさせない声。
「私は、こいつの仲間じゃん……お願い、助けてくれるなら、なんでもするから…」
570 :
神代澄香
[sage]:2011/01/26(水) 00:48:02.46 ID:u49M2xwao
>>569
「……一つだけ、条件があるわ」
【御札を袖の中に仕舞いこみ、闇の中でも僅かな光を集めてギラつく白刃を鞘の中に納めた。
相手の表情は、能面のようで――どう打って出てくるか想像ができなかった。それだけに、その言葉には驚いた。
呆気に取られる事数秒――少女は、夜雀の目を真っ直ぐに見つめて、次にこう言い放つ】
「二度と、人間は襲わないようにすること。その狼にも言って聞かせなさい」
【少女は黒い狼に歩み寄ると、わき腹の痛痒を噛み堪えつつ、その体を支えてやった。
狼に抉られた傷口からはまだ血が止まらないし、先日窮奇と刃を交えた時の足の傷も完治していない。
それでも――半ば引きずるようにしながら黒い狼を運び、正面玄関の鍵を内側から開けて外に出た】
571 :
火蜥蜴&窮奇
2011/01/26(水) 00:54:08.12 ID:Cy5rzysUP
>>569
、
>>570
決意を迷いに、和解を争議に、誇りを恥に。
全てを反転させ、貶める、悪逆が顔を覗かせた。
「ねぇー、バトル終ったぁ?」
昇降口から、ガタリと音が鳴る。
滲み出す汚濁の空気、へばりつく悪意。
毒々しく、禍々しい声が辺りを絡めとる。
「あははははッ! さっすが!!
いきなり矛盾してる! いきなり偏愛してる! いきなり諍ってるねぇ!!」
狂気の片鱗を覗かせる声が響く。
猛毒の言葉が四十萬陀に迫ってくる。
「無駄だよ、やめた方がいいよ、騙す気だよ、貶める気だよぉ!
キミを騙して皆殺しにする気なんだよぉ!! そいつ嘘吐きだからさぁ! 偽善者だからさぁ!」
緊迫した抗争に、毒が盛られた。
「頼むことなんか無いよ、恥ずかしがることなんか無いよ、そんなことしても意味無いよぉ!」
決意の少女の耳元で、最悪が囁く。
「あいつはメチャクチャだ。『人間と妖怪は仲良くできる』とか言いながら。
(人間の都合に)『悪い』妖怪だけを全滅させて、『良い』妖怪だけの世界を作る気なんだ」
ニヤニヤニヤニヤ。
「騙されちゃダメだよ、キミが逆の立場だったらどう?
人間の命乞いなんて聞くかい? 捉えた人間を逃がしてあげるかい?」
「私が協力してあげるからさ、二人で力を合わせてアイツを殺そうよ」
「大丈夫、私は強いし裏切らない。信頼してくれよ」
「 同 じ 妖 怪 じ ゃ な い か 」
572 :
窮奇
2011/01/26(水) 00:55:04.81 ID:Cy5rzysUP
//ごめんなさい、名前欄は「窮奇」です
573 :
四十萬陀 七生
2011/01/26(水) 01:01:39.03 ID:lb05sJDIo
>>570
人間を二度と襲わない事――それは、人を主食にする四十萬陀たちにとって、簡潔に言ってしまえば、
「死」を、意味することにもなるうる。
「――わかったじゃん」
四十萬陀は、絞り出すような声と共に同意した。
「……君も傷を負ってるみたいだね。悪かったじゃん……」
犬御を運んでもらっている最中に、小さな声で呟く。
>>571
ぞくり。
その異様な気配に、四十萬陀は思わず後ろを振り向いた。
「誰…じゃん」
いやな声。四十萬陀が一番嫌いなタイプの声だ。
すべてを見下し、踏み躙る、ねばっこい声。
574 :
神代澄香
[sage]:2011/01/26(水) 01:08:43.95 ID:u49M2xwao
>>571
「……ちっ、厄介なのが来たわね」
【嫌な予感はしていた――この粘りつく空気、雰囲気――。少女の表情が剣呑さを増す。
少女はこっそりと袖の中に手を伸ばす。その中で掴んだのは、『葉隠』の御札。
戦いの消耗がある以上、ここで更なる一戦を交えるのは難しい。使えば、山に運ぶのは不可能になるが】
>>573
「互いに譲れないものがあって、刃を交えた。その結果よ」
【あえて謝罪はしない――すれば、己の気持ちに嘘を付く事になるからである。
ただ、相手のことを認めただけに留めた。一歩も引く気構えを見せなかったのは、相手も同じ】
「……で、どうすんの? やりあう気なら私は逃げるわよ?」
【夜雀に、少女は問う。もしもあの妖怪の言う通りに結託して戦いを仕掛けるのであれば勝ち目は薄い。
無様と笑われようとも、逃げ出して体勢を整える必要がある――修行不足の身が、歯痒かった】
575 :
窮奇
2011/01/26(水) 01:16:35.56 ID:Cy5rzysUP
>>573
、
>>574
艶やかな髪が、さらりと流れる。
濁り、腐りきったような眼が怯える四十萬陀を捉えた。
「・・・あっ、ごめんねぇ!」
「誰かって・・・うーん、そうだねぇ」
ポン、と閃いたように手を打つ。
「"正義の妖怪仮面" だよ、困った妖怪を助けてあげるんだ!」
皮肉!! この妖怪は、この女は!
つい先日、踏みにじった志を! 健気な誇りを!
臆面もなく語りだしたのだ!
「まぁ、どうでも良いじゃないか。名前なんてさ」
その志とは真逆の。
純白の翼が生え、夜闇にはためく。
不気味な妖気が伸び、四十萬陀に触れる。
「キミだって感じるだろう? 私の妖気。少し黒いのがコンプレックスなんだけどさ」
汚濁の、猛毒の言葉が。
四十萬陀を犯していく。
「あいつは『悪い』、極悪だ。その上強い。
私はこの前彼女と一戦交えたけど彼女を倒すことはできなかった」
チラリと向こうを流し見る。
神代の心が揺らがないのを見て、小さく舌打ちをする。
「まぁいいや。ついさっき現れた"妖怪仮面"と、
ついさっきまでキミの友達を殺そうとしていた"退魔師"」
「どっちを信じるかキミが決めなよ・・・!」
576 :
四十萬陀 七海
[sage]:2011/01/26(水) 01:29:25.72 ID:Z1ty5vKSO
>>574
「え、あ……」
四十萬陀は狼狽えていた。そして同時に、焦っていた。
彼女が逃げてしまえば、犬御を山まで運んでくれる者がいなくなる。しかして、今突然やってきた窮奇はが、犬御を助けてくれるとは限らない。
「ま、待って……うう……」
夜目の効かない自分の体が憎かった。変化できさえすれば、まだ方法はいくつもあるだろうというのに。
>>575
「妖怪仮面……?」
――懐かしい響きだ。彼は確か、天橋と言ったか。
四十萬陀とは対立する関係にあったが、彼は優しく、そして真っ直ぐだった。そんな彼の名前と、窮奇の言葉が、焦燥と毒でぐちゃぐちゃになった頭の中で混沌と混ざっていく。
わからない、わからない。
何が正しいのか、何を選択すればいいのか。
視界に犬御を捉えるたび、焦燥に駆られる。
少女なら助けられる。――助けられる? 誰なら?
混乱する。頭痛がする。
誰かに縋りたかった。この状況を打開してくれるなら、誰でもいいから、誰か――
頭を上げればそこには、歪んだ笑みを浮かべる窮奇の姿。
四十萬陀は、か細い鳴き声で、その言葉を発してしまった。
「……助けてくれるの……?」
澄み切っていたはずの瞳に、淀みが生まれる。
池に小石を投げ入れたように、波紋が広がっていく。
577 :
神代澄香
[sage]:2011/01/26(水) 01:40:51.39 ID:u49M2xwao
>>575
「ふん……勝手に善悪を決め付けて、何様のつもりよ」
【これが相手の手口なのだろう――言葉で惑わせ、人心を不安に誘う。そして自分は手を下そうとしない。
仲たがいをさせて、それを楽しんでいる――色んな妖怪を見てきたが、こいつは格別だ。
少女は妖怪を軽蔑の眼差しで射抜きながらも、万が一、いざという時に備えていた――】
>>576
「あんまり待てないわよ……」
【待て、と言われても正直難しい――あの妖怪は何時攻撃してくるかわからない。
かと言ってこのまま狼を投げ捨てる事も出来なかった。甘いと言われようが、約束は約束だ。
しかしその約束も――成就させる事は難しいかもしれない。事と状況によっては――】
「ちょ、ちょっと! あいつの言う事なんか聞いちゃ駄目よ!
あいつはこの前……私に妖怪は皆殺しにしろ、なんて言ってきたのよ。すぐに言葉を違える奴を信じるの?」
【夜雀の言葉に、少女は狼狽の気色を隠せない――。必死に伝える、あの妖怪の恐ろしさを。
人の方寸をかき乱し、狂言という名の毒によって混乱をもたらさんとする――あの妖怪を危険性を。
しかし、少女の言葉が果たして夜雀に届くか否か――少女は、『葉隠』を掴む手に力を入れた】
578 :
窮奇
2011/01/26(水) 01:49:01.93 ID:Cy5rzysUP
>>576
「あぁー、やっぱり? うん。そりゃそうだよねぇーって」
窮奇、ヤレヤレという動作の後。
まん丸に眼を見開く。
「えぇーーー、信じちゃうのかい?
そりゃないよぉ・・・。予想外の展開だよぉ、窮奇ちゃんビックリだよぉ」
窮奇、困惑。不気味な悪意を振りまきながらもうろたえる。
>>577
焦ったような動作で神代を指差す。
「あ、うん。そうそう! ゴメン、私 噓吐いてました。
あちらの巫女さん信じた方がいいです」
579 :
黒蔵
[sage]:2011/01/26(水) 20:47:41.25 ID:nmL4NSEmo
日暮れ時の水沢城址公園にて。
『しばらく出かけます。ここで泉を護って大人しく待っていて下さい』
身を削られて帰ってきた日から、もう1週間になるだろうか。
黒蔵が托された竜宮からの書状に目を通してこう言い置き、
蛇神は出かけたきりである。
(蛇神、早く帰ってこないかな)
脱皮を控えて、黒蔵の目は白く濁っていた。
ただでさえ近眼な目が、さらに見えなくなっている。
こんな時期はじっとして動かずにいるのが一番良い。
日に一度、泉の水脈が滞りなく流れているか確かめに
水面へ首を伸ばして薄く張った氷を割る他は、長い体でじっと塚の岩を抱いている。
580 :
窮奇
2011/01/26(水) 20:56:54.06 ID:Cy5rzysUP
>>579
「やぁ、こんばんわ」
―来た。
現在、この街の妖怪達を陰惨な迷いに落とし続ける主犯たる存在。
ドロリ、と濁った空気が脱皮を終えた黒蔵を包み込む。
「・・・キミ、強そうな妖気だね」
ニヤニヤと絡みつくような視線はもう見るまでも無い。
女性は岩に腰掛ける。
フニャフニャと岩肌に寝そべっている。
581 :
黒蔵
[sage]:2011/01/26(水) 21:04:46.75 ID:nmL4NSEmo
>>580
「誰?四十萬陀……じゃない?」
大蛇は首を伸ばし大気の匂いを嗅ぎ、濁った目を薄闇に凝らして
相手を探ろうとむなしい努力をする。
治りかけた傷口が岩に擦れて、瘡蓋がぽろぽろと落ちた。
相手はまだ会ったことの無い、誰か。
嗅覚はそれしか教えてくれない。
直ぐ傍に相手が来た気配を察して、黒蔵は人の姿に成った。
「女の人?ごめん、実は今よく見えなくて」
まだ脱皮前である。目の濁りが取れるのは皮を脱いだ後になるのだが、
背中に貼られた蛇神の鱗を更新しなくてはならないため、
主が帰ってくるまではしばらくこのままなのだ。
582 :
窮奇
2011/01/26(水) 21:16:32.76 ID:Cy5rzysUP
>>581
「やっぱり四十萬陀ちゃんの知り合いなのかぁ!」
さも懐かしそうな、楽しそうな声を上げる。
ニッコリと、作り笑い。
「黒蔵くんね! 四十萬陀ちゃんから話は聞いているよ!」
嘘だらけ。
今度の言葉には毒を盛らず、甘露を滴らせていく。
・・・学習したのだ。
『良い』妖怪を従わせるのには、わざわざ心を折る必要は無いことを。
『良い』妖怪のまま『悪い』ことをさせれば良いのだと。
「なんだか辛そうだね、心なしかヤツれて見えるよ」
ニコニコニコニコ。
「まぁご飯でも食べてゆっくり話そうじゃないか。
キミはどうやら神様に近しい存在らしいね、お近づきになりたいな」
そういうと、窮奇はどこからかクーラーボックスを取り出した。
ボックスの中からは香ばしい肉の香りが漏れてくる。
「作り立てで冷めないうちに、と思ってね。
あとファミチキってすごくおいしいね! 感銘を受けてしまったよ!」
窮奇の手料理が展開される。
鳥の手羽先、ファミチキを再現した鳥のから揚げ、チキンライス、
胸肉のオーロラ焼き、とりもものネギま、鳥の・・・
583 :
黒蔵
[sage]:2011/01/26(水) 21:30:05.47 ID:nmL4NSEmo
>>582
「お姉さんは、四十萬陀の知り合い?」
袂山の送り妖怪だろうか。
黒蔵の気が緩んだ。
(そんなに俺、やつれてるのかな?)
いや、最近の買い食いで体力は戻ってきている筈だ。
卵やソーセージ以外にも、色々目新しいものを食べたのだから。
〔おいしそうな匂いだ……〕
不意に嗅覚に新しい情報がもたらされた。
「お姉さんがご飯作ってくれたの?なんか悪いなー。でも、ありがとう♪」
あっさり食い物に釣られた黒蔵。クーラーボックスへ手を伸ばす。
「あ、そういえばお姉さんの名前、まだ聞いてないや」
そう訊ねて、黒蔵はから揚げを一つ頬張った。
584 :
窮奇
2011/01/26(水) 21:42:44.50 ID:Cy5rzysUP
>>583
「あぁ、遠慮しなくて『良い』よ。沢山あるからね」
窮奇は料理に一切手をつけていない。
名前を聞かれ、少しだけ、笑顔が硬くなるが。
すぐに表情は緩む。
「窮奇。窮は狭いという意味の窮、奇は奇数の奇だ」
よろしくね、と軽く会釈する。
が、直後に目つきが鋭くなる。
「・・・まぁ早速だけど本題に入るよ」
滴らせる、喉を焼くような・・・甘露。
「キミ、ずいぶん辛い目に合ってるよね。
実は色んな妖怪からキミの噂は聞いているんだ。
《800年近く、水神にパシられてる卑屈な妖怪が居る》ってね」
「もうキミは十分罰を受けたと思うんだ。
私はこの噂を聞いたときから居ても立っても居られなくなってね」
腐りきった目って、底が見えない窮奇の瞳孔に。
料理をほお張る黒蔵を捉えた。
「取ってあげようか? キミの神格」
585 :
黒蔵
[sage]:2011/01/26(水) 21:55:20.46 ID:nmL4NSEmo
>>584
「窮奇さん、か。すごい料理上手なんだね」
〔もっと食べて、もっと……〕
窮奇に促されなくとも、黒蔵は食べ進む。
(四十萬陀って、いい友達多いな。本人もいい子だし)
このお姉さんは、すごい料理上手だし。
黒い狼とは仲良くなれる気がしないが、あいつはあいつなりにいい奴なんだと思う。気配り凄いしな。
(四十萬陀は禿てても俺は俺だよって言ってくれたし、長い髪も可愛かったし)
窮奇の手料理を美味しく食べながら、心に四十萬陀を思い浮かべる。
目が見えないときは、記憶の中のものが良く見えるものだ。
〔ほんと素直でいい子だよねあの子は…〕
うんうん、と黒蔵は一人頷く。
〔笑顔もあったかくて可愛くて、やわらかそうで……美味しそう〕
ぬるり
「えっ?」
その時、神格についての窮奇の言葉が黒蔵の意識へ鋭く割り込んできたために、
己の意識の底で上手く隠れ仰せた違和感に、黒蔵自身は気付かなかった。
「神格なんて俺、もってないよ?」
自分はただの蛇の筈。
濁った目を見開いて、黒蔵はただきょとんとしている。
586 :
窮奇
2011/01/26(水) 22:16:32.64 ID:Cy5rzysUP
>>585
「・・・おっと、そうか。キミにとっては神格は『良い』モノなんだね」
少したじろいだ様なそぶりを見せる窮奇。
真面目そうな顔になり、毒とは別の手段で心を揺さぶっていく。
「神格、というのはね。因子に関わるようなモノも含まれるんだ。
私個人から言わせれば、"神様から受けた呪い" も神格にジャンルしてる」
「その存在や役割を形付ける、神様の設計図なんだ。
細胞を変化させるDNAみたいなモノでね、まぁこの辺の説明は端折ろう」
指を刺し、黒蔵の心に忍び込む。
「キミにははじめは神様になる素質なんてなかったはずだ。
蛇の妖怪が皆、竜になれるわけじゃないのと同じように。
キミはなんらかの形でその因子を取り込んだ。
だから神界に存在を縛られ、挙句キミの上司には頭が上がらない」
ニタリと微笑む。
「キミをパシリから、元の大蛇に戻してあげようと言ってるんだよ」
また説明できない嘘・・・では無い。
歪みきった、徹底的に捻じ曲げられた "真実"。
「大丈夫! 竜の神格の破壊なんて、
私は2歳の頃にすでに成功してる。簡単だよ! 痛くも無いよ!」
587 :
黒蔵
[sage]:2011/01/26(水) 22:29:18.93 ID:nmL4NSEmo
>>586
「細胞?因子?DNA?」
よくわからない言葉に黒蔵は困惑した。
そして、意味の判る言葉だけを理解することにした。
確かに己の胃の府には呪いがかかっている。
それが暴れぬように、蛇神が抑えていてくれている筈なのだ。
「俺って、呪われたから神様並みの扱いになった、ってこと?」
それなら自分が罪被りであるのにも関わらず、神使を担わせてもらえていることへの
長年の疑問も解けそうである。
「お姉さんの言う神格の破壊って、この腹の呪いを解いてくれる、ってこと?」
深海(黒蔵は神界と聞いてこう理解した)存在を縛られるとか、どうとか言われて、
不明な部分は一切噛み砕かずにほぼ丸呑みにした結果の理解がこれである。
大変に残念な脳みそと言わざるを得ない。
588 :
窮奇
2011/01/26(水) 22:40:09.13 ID:Cy5rzysUP
>>587
「そう、その通りだよ。物分りが『良い』ね」
ニッコリと微笑む。
相変わらず悪辣な雰囲気を垂れ流しているが、
この鈍い妖怪はまったく感づいていないようだ。
「そう、呪いを解いてあげる。
キミの場合は "呪い" だとか "長生き" だとかの後天的な神格だから簡単に破壊できる。
血族だとか、存在自体が神様だとか・・・そういう先天的な神格は難しいし、後遺症残るけどね」
ペラペラと自慢げに話す。
「大丈夫だよ、後天的な神格は私もいくつか発現しかけたけど・・・。
全然無事だよ! 後も残ってない! 全部、壊しちゃったからね」
その言葉は、暗に神殺しを自白するようなものだが。
気づいていないと高をくくっているようだ。
「あっ、そうだ! キミの上司も長生きによる後天的な神格だったね。
どう? 一緒にただの蛇に戻って、妖怪ライフをエンジョイしてみない?」
589 :
黒蔵
[sage]:2011/01/26(水) 22:46:26.19 ID:nmL4NSEmo
>>588
この腹の呪いは、複数の神が解呪を試みたが駄目だったと聞いている。
しかし、それを解くことができるのなら……。
「お姉さん、もしかして袂山の神様か何かか?」
確かあそこには神社があった。それなら色々と納得する。
妖怪らいふ、とか、えんじょい、ってのがよくわからないけど、
上司ってのは蛇神のことだろうか。
「蛇神のほうは今居ないし判んないけど、この腹の呪いが解けるのなら、頼みたい」
盲目の蛇は、頼ってはならない相手に頼ってしまった。
590 :
窮奇
2011/01/26(水) 22:57:32.86 ID:Cy5rzysUP
>>589
「うん、まぁ。そうだね」
「神様だよ。すごーく偉い、ヤツね」
そう、この窮奇という化け物は・・・
「それじゃあ、ちょっと何にも考えないでいてくれるかな。
神格は精神的な存在だからね、意識が遠退いてる状態じゃなきゃうまく弄くれないんだ」
神の役割とは、真逆の神。『逆神』・・・!
使う術も、"読心"などとわかりやすいモノではない。
心の中に忍び込み、『良い』と『悪い』を反転させる力!!
最も大切なものを踏み躙り、最も忌み嫌うものを崇拝させる悪逆!!
「じゃあ、いくよー!」
甘露に塗りたくられ、隠された猛毒の蔦が黒蔵の心に伸びる。
591 :
黒蔵
[sage]:2011/01/26(水) 23:00:20.99 ID:nmL4NSEmo
>>590
「うん」
窮奇の言葉に素直に従う黒蔵。
〔……。〕
すとん、と意識が抜ける。
腹がくちくなって単に眠くなっただけ、かも知れないのだが。
592 :
窮奇
2011/01/26(水) 23:06:08.56 ID:Cy5rzysUP
>>591
スルスルと浸透する漆黒の神経。
パキリ、と小さな音が黒蔵の腹で響いた。
魂の奥にある、神の因子を組み換え、矛盾させ、自壊させる。
壊すのはあくまで神格の因子のみ、反転させる箇所の調節でそれは可能。
ブクブクと、放射能を当てられた癌細胞のように。
機能不全に陥り、自壊していく神格。
「・・・はい、手術はお仕舞い」
ニヤニヤと笑って、黒蔵を眺めている。
593 :
ヒダル神(黒蔵)
[sage]:2011/01/26(水) 23:20:57.84 ID:nmL4NSEmo
>>592
くすくすと黒蔵が笑い始めた。
後ろで一つに結んでいた髪が解けて、ゆらりと広がる。
黒蔵はふいと立ち上がると、窮奇の前へつかつかと歩み寄った。
「ちょっと揺すったらもう寝付いちゃった。あたしより赤子だわ」
黒蔵の姿と声で、黒蔵ではない。
「窮奇さん、だっけ。
お陰で久々に出てこれたし、美味しいものも食べさせてくれたから
そのお礼に、あなたを食べるのも飢えさせるのも、今はやめといて上げる。
いつもなら『お前を食べさせろ、嫌なら共に飢えろ』って言うとこなんだけど」
指を長い舌で舐めながら、子供のように無邪気に笑う。
窮奇のような邪気は無く、その意思は純粋。
窮奇の技により逆性を持つよう破壊されたため、その封印が今は逆に黒蔵の力を吸い上げて
ほしいままに使うことを可能にしている。
これまでにない力を得たヒダル神は、窮奇と真っ向から向かい合った。
594 :
窮奇
2011/01/26(水) 23:34:55.42 ID:Cy5rzysUP
>>593
「あっはっはー! 私以上にタチの『悪い』神様だねぇ!
キミを倒したら、私は今からでも英雄になれるのかなぁ?」
大胆、不敵・・・。
ヒダル神とは真逆、純粋さの欠片も無い。
打算と欲望と嗜虐心が牙を剥く。
「しかしビックリだね、予想以上の効果だ。
神格を弄くるのに失敗するなんてあの子以来だよ」
悪意が増し、流れる風がゲル状になったかと錯覚する。
窮奇の毒が、ヒダル神をも侵そうと迫ってくる。
「でもちょっと待って欲しいなぁ。
キミみたいにいかにも『悪』そうで、欲望むき出しなんて危ないと思うよ?」
眼を見開く。口調が粘り気を増していく。
「ヤバいよ、絶対に危ないよ、そのうち殺されちゃうよぉ?
ほら、最近の神様って物騒じゃん。滝霊王とかー、おそろしとかー。
そういう奴等に見つかったら殺されちゃうよ?
封印破った罰としてもっとキツい目に会うだろうねー。針山永久登山とかー♪」
「退魔師も最近強いよねー、この間も火蜥蜴っていう友達が殺されちゃったんだ」
「ヤバいよね、しかも依り代が神様の使いじゃん。
キミ存在、バレバレじゃん。しかも神格が弄くられて酷いことになってるよぉ?」
「キミに味方なんてもう居ないよ、誰も居ないよ殺されちゃうよ。
しかも今度は神様じゃない、悪辣なただのバケモノとしてねー。あぁ可哀想!!」
595 :
ヒダル神(黒蔵)
[sage]:2011/01/26(水) 23:41:53.84 ID:nmL4NSEmo
>>594
「そんなことはどうだっていいのよ」
純粋に、ただ飢えているのだ。
打算も計略も先読みもそこにはない。
己の飢えを満たすか、そうでなければ飢えで苦しめて、仲間を増やす。
理不尽だが、その純粋さ故にが神の名がつく。
「お喋りが長いのね。
ねぇ、その舌はどんな味がするの?舌を食べても命は残るわよね」
飢えの神が目を輝かせる。
空腹感による脱力とめまいが、窮奇へと忍び寄ってゆく。
払いのけなければ、捕まるかもしれない。
596 :
窮奇
2011/01/26(水) 23:49:49.68 ID:Cy5rzysUP
>>595
「針山八合目! -針葉樹林の剣ヶ峰-!!」
直後、無数の石槍が地面から溢れ出す。
石英の針葉樹が、白銀の剣山が。
公園を白い半透明の荒れ野へと変えた。
「チェッ・・・、やっぱり性格『悪い』人は苦手だよ」
その中でも最も高い、石英の大樹の上で。
窮奇はヒダル神を見回す。
「さて、派手にやりすぎちゃった・・・。どこだろう?」
597 :
ヒダル神(黒蔵)
[sage]:2011/01/27(木) 00:08:23.78 ID:LLjjZ0nNo
>>596
鋭く天へと付き上がる剣山の半ば、黒蔵の体が引っかかっていた。
脇腹から背中へと貫かれ、流れる血が石剣を黒く染める。
濁った目はそれでも、窮奇を真っ直ぐに狙っていた。
目が合ったその瞬間に、飢えの神が蛇形となる。
蛇が己を突き刺す剣へ体を巻きつけると、ずぅん、と鈍い音がして剣山の一角が崩れた。
突き刺さった石英を身から引き抜くと、蛇は人の形に戻り、軽々とその石柱を窮奇に向かって
軽々と投げつけてきた。
[
ピーーー
]意図は無い。こんな風に[
ピーーー
]のは飢えの神の意図では無い。
「ひどいじゃないの、命はとらぬと言ったのに」
血を流しながら、飢えの神は楽しそうに笑った。
「でもお陰であの忌々しい鱗が取れた」
あはは、と笑って蛇は泉へと飛び込んで消えた。
窮奇の技が、まだその身の内へ潜り込んでいる事には無頓着なまま。
598 :
窮奇
2011/01/27(木) 00:24:30.87 ID:0dMvVkYwP
>>597
「う・・・うわっ!!」
乗っていた剣山が倒され、
自らが生み出した石英の茨の中へ落下する窮奇。
やすやすと針の上を渡って飛び移るが、今度は槍が投擲される。
どうにか翼を広げ、石槍の矛先から身体をずらすことで事なきを得る。
純白の翼には、一閃の赤い傷が残った。
「追い討ちーって、意味無いか」
再び針の山を撃とうとするが、打算によってそれは諦める。
ただボンヤリと、泉に逃げていくヒダル神を眺めている。
「クソッ・・・忌々しいね。心を折ってやろうと思ったのに・・・、
アイツ飢えばっかりで折るべき信念も、守るべき弱点もみつからないじゃないか」
久方ぶりの敗北、しかし窮奇の顔は。
あの醜悪な笑顔だった。
「惜しいなぁ・・・、紫狂に入って欲しかったけど。
まぁあんなんじゃ仲良く慣れそうに無いし、仕方ないから諦めるよ」
首をポキポキと鳴らす。
ニタニタニタニタニタニタ。
「しかし困った。アレじゃあいくら暴走しても、私は責任持てないじゃないかぁ」
日は落ち、これから暗い夜が始まろうとしている。
「ヒダル神、キミは一体。
どれだけグロくてエゲツないことをしてくれるのかなぁ・・・?」
ニタニタと、不気味に笑い。
窮奇は闇へと消えていった。
599 :
ヒダル神(黒蔵)
[sage]:2011/01/27(木) 00:48:54.25 ID:LLjjZ0nNo
>>598
〔ああ、この傷さえなければ今すぐにでももっと多くを飢えに引きずりこめるのに〕
窮奇のお陰、というべきだろうか。
この深手はヒダル神が暴れだすまでのしばしの時間稼ぎにはなるようだ。
泉の水が赤く染まる。
そして傷つき底に沈んだ蛇の中でゆっくりと、窮奇の力の浸食が進んでいく。
白は黒に、黒は白に。
しかし、白でも黒でもないものは、そのまま残される。
(……zzzz)
馬鹿は馬鹿のままであった。
600 :
平次郎狸
[sage]:2011/01/27(木) 19:58:47.04 ID:7NCiv7z2o
とある山奥。
鬱蒼とした森に囲まれた小さな川際に化け物狸の姿が見える。
袈裟を身に着けた狸は水面を眺めながら思考に耽っているようだ。
「百鬼夜行の主……人と化け物の関係…ふむ……。」
考えるのは今時分が身を置いている戦い、または人と化け物の在り方。
腐ってもそのは修行僧。色々と考えることがあるようだ。
601 :
四十萬陀 七生
2011/01/27(木) 20:08:34.23 ID:zlGWLBb8o
>>600
そこへ、山の上方から四十萬陀が降りてきた。
いつものセーラー服は土に汚れていて、心なしか顔色も悪い。足もふらついているように見える。
気配に敏感であったはずなのに、平次郎がいる事にも、気付いていない様子だ。
「よ、っと……」
川岸にしゃがみ込むと、腕に握った擦り切れた布を、水に浸して絞る。
白い指先は、その行為を何度も行ったのを証明するように、あかぎれを起こしていた。
602 :
平次郎狸
[sage]:2011/01/27(木) 20:13:18.73 ID:7NCiv7z2o
>>601
いつぞやに見た修行少女の姿に気付く平次郎。
思いもしないところで会ったと思いながら声を掛ける。
「七生の嬢ちゃんじゃないか。奇遇だなぁ。」
が声を掛けた後にその姿の異常さに気付く。
「何かあったのかい?だいぶ体調が優れないみたいだが・・・・・。」
603 :
四十萬陀 七生
2011/01/27(木) 20:19:09.79 ID:zlGWLBb8o
>>602
「!?」
ぎょっと肩を硬直させ、四十萬陀は平次郎の方を向いた。
その表情は、いつもの四十萬陀とは思えないほど――何に恐怖しているようだった。
しかし、平次郎の姿を確認すると、突然緊張が解けたように、ため息と共に肩を降ろす。
「……お久し振りじゃん。ううん、ちょっと寝てないだけだから……」
へにょ、と表情を緩めるが、目の下のクマが目立つ。
604 :
平次郎狸
[sage]:2011/01/27(木) 20:28:22.02 ID:7NCiv7z2o
>>603
尋常じゃない七生の反応に驚く。同時に心配する心も生じた。
「おう、久しぶり。しかし寝てないだけでそんな憔悴するわけないよなぁ。」
近寄って顔をまじまじと眺める。
「なんかあったんだろ?そんなに根詰めてよっぽどの一大事の筈だ。
なぁに、人の話を聞くのも拙僧の仕事よ。何でも言ってくれていいぞ。」
と胸を張って言う。顔には安心を与えられるような笑顔が浮かんでいた。狸の顔なので分かりにくいだろうが。
605 :
四十萬陀 七生
2011/01/27(木) 20:35:46.56 ID:zlGWLBb8o
>>604
「な……何でもないじゃん!」
四十萬陀は無理矢理、作ったような笑顔を浮かべて、目の前で手を振った。
「ちょっと、仲間が怪我をして……その看病をしてるんじゃん」
606 :
平次郎狸
[sage]:2011/01/27(木) 20:38:54.76 ID:7NCiv7z2o
>>605
「ほう…、仲間が怪我か…。さりゃさぞかし心配だろう。怪我の具合はどうなもんなんだ?
度合いによっては手助けできるかも知れんぞ?」
七生の笑顔に作為的なもの感じ更に心配する気持ちが大きくなる。
607 :
四十萬陀 七生
2011/01/27(木) 20:43:44.41 ID:zlGWLBb8o
>>606
「ほんと!?」
四十萬陀は、途端に必死な表情になり、平次郎の肩を掴んだ。
ぎりぎりと、か細い腕に強い力がこもっている。体は小刻みに震えていて、いくらなんでも尋常じゃない。
それに自分で気付いたのか、四十萬陀ははっとすると、我に返ったように一歩後ろに下がった。
「ご、ごめん……っうわ!」
足元がふらつき、その場に尻餅をつく。
608 :
平次郎狸
[sage]:2011/01/27(木) 20:49:54.11 ID:7NCiv7z2o
>>607
肩を掴む七生の手から震えを感じた平次郎はこりゃ助けるしかないと決意した。
「本当さ。だから安心しな。」
尻餅をついた七生の前に手を差し出す。
「それと自分の体もしっかり労われよ。だいぶ疲れてるだろう。
もし歩けないようだったら姫様抱っこでもしてやろうか?」
前半は本当に心配しての言葉。後半は冗談交じりに言う。少しでも元気を取り戻してくれるように。
609 :
四十萬陀 七生
2011/01/27(木) 20:54:00.77 ID:zlGWLBb8o
>>608
くらりと軽い眩暈を感じる頭を振り、ぎこちない笑顔で平次郎を見上げる。
「にゃはは……ありがと、じゃん」
差し出された手を握ると、よろよろと立ち上がった。
冗談交じりの平次郎の言葉に、くすくすと笑いを漏らす。
「遠慮しとくじゃん……。それじゃあ、さっそくだけど、仲間のこと、お願いしていいじゃん?」
610 :
平次郎狸
[sage]:2011/01/27(木) 21:01:43.62 ID:7NCiv7z2o
>>609
やっと笑みをこぼした七生に安堵する。
「あらら、断られちまったか。しかし、本当に辛かったら言うんだぞ。」
いくら冗談だったとしても本心から心配はしているようだ。
「おう、いくらでもお願いされよう。それでは仲間が居るところに行こうか。」
611 :
四十萬陀 七生
2011/01/27(木) 21:13:41.14 ID:zlGWLBb8o
>>610
「うん」
四十萬陀は素直に頷いたが、例えいくら辛かったとしても、彼女は何も言わないだろう。
それは、四十萬陀自身が、自分を責め続けているからだ。
仲間を生命の危機に瀕させ、生きるための食事すら絶たせてしまった、自分自身を。
「この道を登った所にいるじゃん」
水を絞った布を取り上げ、上りの獣道を指差す。何度も通ったのか、道はきれいに踏み分けられていた。
そこを登ると――、周囲を木に囲まれた、不思議な空間に辿り付いた。まるで子供の秘密基地のようだ。それにしては、あまりに広いが。
薄暗いので、夜盲症の四十萬陀のためにか、端にランタンが置いてある。
その丸い空間の奥に、大きな闇色の狼が横たわっていた。
犬御は、長かった毛を切られ、体中に包帯を巻かれた状態で眠っている。
その包帯の量から見て、大分重症なようだ。
四十萬陀は狼に近づくと、濡れた布で傷を拭き始めた。
「これが、その『仲間』じゃん。全身に、退魔術で火傷を負って……」
612 :
平次郎狸
[sage]:2011/01/27(木) 21:24:26.93 ID:7NCiv7z2o
>>611
答えた七生の表情に直感的に感じるものがあった。
(こいつ、まだ我慢してやがるな…。まぁ、今聞きだせることでもないだろう。気長に待つか。
しかしもし我慢しすぎて潰れるようなことがあったら怒鳴りつけてでも叱ってやる。)
心の中で固く誓う。
七生に連れられた平次郎は横たわる狼の姿に言葉を失う。
「退魔術でやられたか…。ふむ、これはひどい…。」
近寄って怪我の具合を確かめる。平次郎自身には簡単な医療の覚えしかなかったため
これは流石に無理か…と思われたが懐に入れてある鱗の存在を思い出した。
「あれだけ言っておきながら俺にできることは無いようだ…。だが治療できるであろう人物を俺は知っている。
その方は信用できる方だし今すぐにでも呼べるはずだ。」
613 :
四十萬陀 七生
2011/01/27(木) 21:30:24.58 ID:zlGWLBb8o
>>612
「……」
やはり、状態が酷いことを改めて第三者の目線から言われると、不安な気持ちが湧き上がる。
俯いて悔しげに唇を噛む。が、平次郎の言葉に、驚いて顔を上げた。
「そ…それならすぐ呼んでほしいじゃんっ!」
希望が見えた。もしかしたら、犬御を助けられるかもしれない。
614 :
平次郎狸
[sage]:2011/01/27(木) 21:37:34.33 ID:7NCiv7z2o
>>613
「おう、それじゃちょいと待っててくれ。」
そう言って懐から神々しさを感じる青い鱗を取り出す。
「確か水に投じろと仰っていた筈だ…。なにか水を張った物を用意できないか?」
615 :
四十萬陀 七生
2011/01/27(木) 21:43:26.05 ID:zlGWLBb8o
>>614
「それは……?」
鱗を見て首を傾げるが、今はそんな事を気にしている暇はない。
水を張ったもの――それなら、と四十萬陀は、犬御の隣に置かれた、飲み水を張った皿を手に取った。
「これで大丈夫じゃん?」
それを平次郎に差し出す。
616 :
平次郎狸
[sage]:2011/01/27(木) 21:46:26.26 ID:7NCiv7z2o
>>615
「ふむ、これでも大丈夫だろうか…。まぁ、やってみるより他は無し。」
そう言うと差し出された皿を手に取りゆっくりと鱗を水の中に沈めた。
「ミナクチ様…、頼みますぜ。」
617 :
蛇神
[sage]:2011/01/27(木) 21:48:34.05 ID:LLjjZ0nNo
>>616
水に落ちた一瞬、鱗を包んで蛍火色の光がぽっと上がり、
鱗の上に小さな人影が現れてふわりと笑った。
「私を呼んだのは、平次郎さんでしたか」
小さな姿の蛇神と平次郎狸が会うのは、確か初めてである。
驚かれても仕方なかろうと思っていると、憔悴しきった夜雀の姿と
酷い重傷で横たわる狼に気付き、自分が呼び出された理由を悟った。
「これは……何事かあったようですね」
きゅっと眉根を引き締め、水面の鱗から降り立った小さな人影は
きびきびと狼の傍に歩み寄る。
そして黒い狼を中心に、小さな水面が広がった。
狼は沈むことなくその表面へ横たわっている。
その横に立つ小さな人の足元に映るは蛇の影。
ほの暗いランプの明かりの中、漣が二つの影を揺らがせる。
再び水面が静かになった時、眠る狼の毛並みは元の美しさを取り戻し、
そして蛇の影のほうは焼け爛れてその鱗を失い、黒く焦げていた。
「確か貴女は、四十萬陀さん……と言いましたね。
何があったのですか?無理に話せとは言いませんが」
全てが終わり水面が消えてゆく。
狼が無事な今なら、きっとこの少女もゆっくり理由が話せるだろう。
618 :
四十萬陀 七生
2011/01/27(木) 22:05:30.01 ID:zlGWLBb8o
>>616
「……」
何が起こるかわからないが、これで犬御が助かるかもしれない。
皿に沈む鱗を見つめ、ごくりと喉を鳴らす。
>>617
鱗の上に現れた人物に、四十萬陀は目を見開いた。
「あ、君は……黒蔵君の!」
まさか、ここで知り合いが出てくるとは思わなかった。
しかしこの人物が、犬御を救ってくれるのだ。顔を引き締め、頭を下げる。
「仲間を、犬御を、お願いします!」
そして頭を上げると、じっとミナクチの様子を伺う。
すると――みるみる内に犬御の傷が回復していくではないか。
その光景に、四十萬陀は目を見開き、信じられないといった風に口に手を当てて驚いた。
犬御の傷が完全に治り、蛇が焼け焦げた瞬間、四十萬陀は地面にがくりと膝をついた。
安堵からか、肩を震わせて、ぼろぼろと涙を流している。
ミナクチからの問いに、ふうふうと息を吐き、自らを落ち着かせると、ゆっくり立ち上がった。
「ありがとうございました――本当に、本当に……」
ふるふると、唇が震えている。
理由を話すことを躊躇っている様子ではあったが、しばらくして、四十萬陀はこうなった経緯を話はじめた。
学校に忍びこんだ事。犬御が人間の巫女にやられたこと。そして、窮奇に出会った事――
途中、窮奇の話を始めたところで、四十萬陀の様子がおかしくなったり、喉を詰まらせたような話し方になったが。
なんとか、最後まで話終えることができた。
「……ということが、あったんじゃん」
619 :
平次郎狸
[sage]:2011/01/27(木) 22:14:37.55 ID:7NCiv7z2o
>>617
「お越しいただきありがとうございます。しかしミナクチ様、そのお姿は!?」
水より出でた水神の姿に驚く平次郎。しかし今はその姿を見守ることしか出来なかった。
治療行為を終えた二人の姿を見て異常に気付いた。
「まさか怪我を受け取ったのですか…。本当に優しい方だ…。」
>>618
七生の話を聞くと巫女に関しては不運としか言えないが窮奇という妖怪に引っ掛かる所があった。
どうやら一筋縄にはいきそうに無い相手らしい。現に影響を受けている七生の姿からも感じ取れた。
「相当やばそうな奴だなぁ。しかし本当に怪我が治ってよかった。嬉しい限りだ。」
620 :
蛇神
[sage]:2011/01/27(木) 22:24:38.76 ID:LLjjZ0nNo
>>618-619
「ちょっとしたごたごたがありまして、竜の姫に力の大半を捧げることになりました。
今は陸に上がっております」
平次郎狸に自身が左遷されたことを告げながら、蛇神は照れたようにわずかに頬を染めた。
「いえ、そんなに畏まらないで下さい。
こうして受け取ることで、私は力を得ることが出来るのですから、
あなた方にとって食事を取るようなものです」
元々、穢れを引き受け若返りを繰り返すことで巨大な蛇になったのだ。
「窮奇という存在は気になりますね。
ここからは私が治める土地も近いのです。何かしら影響はある筈」
少し難しい顔で言うが、実はもう影響は出ている。
ただ、留守にしていた蛇神が知らぬだけである。
621 :
四十萬陀 七生
2011/01/27(木) 22:30:44.00 ID:zlGWLBb8o
>>619
「うん……本当に、ありがとうじゃん。平次郎君も」
涙をごしごし拭きながら、頭を下げる。
犬御はまだ目を覚まさないようだが、呼吸も通常のそれに戻っている。
しばらくすれば、元気な姿を見せてくれるだろう。
「よかった……」
さらさらと、元に戻った毛並を撫でながら、四十萬陀が柔らかくほほ笑む。
>>620
窮奇、という名前が出るだけで、四十萬陀は落ち着かない様子で、目を泳がせる。
が、ふっと息を吐くと、ミナクチに小さな声で呟いた。
「犬御のこと、本当にありがとうじゃん……その、……黒蔵君にも、窮奇のこと、気を付けておいてって、伝えてほしいじゃん」
本当に、本当に恐ろしい存在なのだ。
だけど彼は、あんな性格だから、あいつに出逢っても気付かないかもしれない。
それが、手遅れの忠告だということを――四十萬陀は知らないのだけど。
622 :
平次郎狸
[sage]:2011/01/27(木) 22:36:25.44 ID:7NCiv7z2o
>>620
「ほう…、竜の姫に…。いやぁ〜、ミナクチ様も色男ですな。」
アホな事を口走る馬鹿坊主狸。その後、穢れについての説明に手を打って納得する。
「そのような仕組みになっているのですか。いやしかし人の痛みを受け入れると言うのは
それはそれは凄いことだと思いますよ。」
>>621
「いやいや、俺は何もやれてないからなぁ。お礼はミナクチ様だけにしといてくれや。」
自分の無力さを噛み締めながら言う。さしあたり新しい回復系の術でも習得する気だろうか。
それと同時に七生をそこまで怯えさせる窮鬼について思考する。実際にどのような妖怪なのか。
興味は尽きない。
623 :
蛇神
[sage]:2011/01/27(木) 22:44:35.79 ID:LLjjZ0nNo
>>622
「……////」
色男、とまで言われてますます赤くなる蛇神。
なんだかんだ、彼もまた男の子なのである。
「そうだ、平次郎さん。この鱗はまだ貴方が持っていて下さい。
窮奇の件でこの周辺はこれからキナ臭いことになりそうですし、
きっと役に立つはずです。そのほうがいい」
照れ隠しだろうか。
慌てて茶碗の底の鱗を指すと、そう蛇神は言った。
>>621
そして四十萬陀には
「さっきの巫女との約束だと、あなた方の食糧は不足する筈です。
貴女達が飢えずに済むように、
この山を流れる川へ定期的に魚を送るよう竜宮へ頼んでみます」
飢えた妖怪が争いを起こすことは、おそらく水界も望まないだろう。
「窮奇のこと、黒蔵にも伝えましょう。
実はここ数日、先ほどまで竜宮に居たので泉は留守なのです。
帰りに立ち寄って、貴女が心配していたことを伝えましょう」
夜雀を安心させるように、蛇神はにこりと笑った。
624 :
四十萬陀 七生
2011/01/27(木) 22:50:44.32 ID:zlGWLBb8o
>>622
「ううん、平次郎君が山に来てくれてなかったら、そもそも犬御を助けられてないじゃん」
首を振って、四十萬陀はほほ笑む。
>>623
「そんな事まで……ありがとうじゃん。感謝してもしきれないじゃん!」
嬉しそうに言って、深く頭を下げる。
そして、黒蔵に伝えてくれることを聞くと、
「よかった……そうしてくれると、本当に嬉しいじゃん」
口元を綻ばせ、あどけない笑顔を見える。
犬御がよくなったことで、四十萬陀は山から下りることができる。
意識が戻り、しばらくしたら、会いにいこう。そう決めた。
625 :
平次郎狸
[sage]:2011/01/27(木) 22:54:59.30 ID:7NCiv7z2o
>>623
顔を赤らめる水神の微笑ましさに笑みを深める。
「や、全く持ってありがたいことです。ミナクチ様も気をつけてくださいね。
話を聞く限りどうも得体の知れなさそうなやつですから。」
そう言って鱗を碗から取り懐から布を取り出し綺麗に拭き包んで懐に戻した。
>>624
「そうか、そういう考え方も出来るな。それならば正直に礼を受け入れねば。こちらこそどういたしましてだな。」
すっかり元気を取り戻した七生に眩しいものでも見るように目を細める。
平次郎には全く持って嬉しい限りだった。
626 :
蛇神
[sage]:2011/01/27(木) 23:05:25.36 ID:LLjjZ0nNo
>>624
四十萬陀が元気になってよかった。
この少女が笑顔なほうが、きっと黒蔵も嬉しいだろう。
(こんな風に心配されるとは、あれも果報者ですね)
すっかり自分のことは棚に上げている蛇神。
色恋沙汰は、当事者よりも見ているほうが面白い。
>>625
「平次郎さんが呼んでくださったお陰で知人を二人救えました。
いや多分、3人、かな」
夜雀に同意する蛇神。
「また何時でも必要なときは呼んでください」
そろそろ行かなくては、と言い蛇神は立ち上がる。
627 :
四十萬陀 七生
2011/01/27(木) 23:11:50.43 ID:zlGWLBb8o
>>625-626
「二人とも、ほんとにありがとうじゃん」
四十萬陀は改めてお礼をする。
「またいつでも来て欲しいじゃん。あんまりいい物は出せないけど……歓迎するじゃん!」
628 :
平次郎狸
[sage]:2011/01/27(木) 23:16:34.70 ID:7NCiv7z2o
>>626
「俺にはもったいないお言葉ですよ。」
そう言って嬉しそうに笑う。
「そろそろ行かれるのですね。今日は本当にありがとうございました。」
立ち上がり深々と頭を下げる。
>>627
「おう、今度は手土産でも持ってくるとしよう。それじゃ俺も行くかなぁ。
七生の嬢ちゃんも心配事は無くなったはいいがしっかり体も休めとけよ〜。じゃあなぁー。」
そう言うと平次郎は笑顔で去っていった。
629 :
蛇神
[sage]:2011/01/27(木) 23:21:54.79 ID:LLjjZ0nNo
>>627-628
「お二人ともお元気で。私はこれで失礼しますね」
二人に別れを告げて、茶碗の水へと消える蛇神。
その行く先は、水沢城址公園の泉。
(黒蔵は、いい子で留守番して居られたでしょうか)
行く先で、とんでもないものが待ち受けているとは露知らず、
蛇神は血染めの泉へと足を踏み入れてしまうのだった……。
630 :
四十萬陀 七生
2011/01/27(木) 23:28:19.75 ID:zlGWLBb8o
>>628-629
二人を見送った四十萬陀は、安心したのか、へなへなと地面に膝をついた。
そして、弱弱しい動きで犬御に近寄ると、
「……よかった……」
柔らかい毛並に頬を寄せ、久しぶりの眠りについた。
631 :
瞳
2011/01/28(金) 21:55:21.89 ID:fcD0dKUAO
「退魔連瞳斬!」
山中に声が響く
「ふぅ…大分コツを掴んだ…奥義完成は近いな。」
満足そうな表情の少女
山中で修行をしていたようだ
「よし!今日はここまでにしよう。」
修行を終え、ペットボトルの水を一口飲み、歩き始めた。
632 :
神隠し
2011/01/28(金) 22:02:25.55 ID:8RN+X+GdP
>>631
「だぁれかさぁんのしゃれこうべ〜♪」
どこからともなく、ヘタクソなわらべ歌が聞こえてくる
山中、突如対面の木々が歪んで写る。
ガラスがひび割れるような音がし、空間に亀裂が入る。
割れた次元の果てから、紫に渦巻くマーブルの世界の果てから。
数多の腕の魔が蠢く。
「あぁかいべべ着てぇ・・・ゲタゲタゲタゲタゲタ!! 女だぁ!!」
ひび割れた空間の果てから幾本もの白い手が伸び、
無防備な少女を引きずり込まんとした!
633 :
東雲 犬御
2011/01/28(金) 22:02:32.85 ID:bE3Nc+wWo
細い木漏れ日が、眠る犬御を優しく揺り起こすように差す。
眩しさに、ううんと唸りながら、犬御は薄らと目を開いた。赤い瞳が、久方振りに外の景色を移す。
「……ここは、袂山か……」
ずっと寝ていたためか、体の芯が鈍っている。
ゆっくり起き上がり、辺りを見回すが、誰の気配もしない。四十萬陀もいないようだ。
――俺は、やられたのか……。
痛みを覚える頭を振り、倒れる直前の記憶を思い返す。
そうだ。あの人間の雷を、モロに喰らって、それから記憶が飛んでいる。
「七生――」
あの後一体どうなったのか。自分がどうしてここに寝ているのか。
四十萬陀は、無事なのか。
それらを知る為に、犬御は人間体に変化すると、木々に覆われ分かりにくくされた出入り口から外に出た。
634 :
窮奇
2011/01/28(金) 22:09:23.57 ID:8RN+X+GdP
>>633
「やぁやぁ、おはこんにちばんわー!」
森の出口にて、汚濁した悪意が虎視眈々と狙っていた。
ニコニコと笑顔で犬御に歩み寄る女性。
森ガールを意識したような、明るく軽い衣服に身を包んでいる。
「具合はどうだい? もう歩いて大丈夫なのかなぁ!」
隠しているつもりなのだろうが、
近くにいるだけで息苦しくなるような粘り気のあるプレッシャーが犬御の肌を絡めとる。
「あっ、申し遅れたね! 私は四十萬陀ちゃんの大親友だよ!」
平然と吐き出された、反吐のような嘘が。
辺りの空気を震わせた。
635 :
瞳
2011/01/28(金) 22:14:34.42 ID:fcD0dKUAO
>>632
「…む!何者だ!」
歌声に気づき警戒
右腕を刀に変化させる
「な!?腕!?」
無数の腕、右腕の刀だけでは適わないと判断し、左の腕も刀に変化させる
「くっ!させるものかっ!双転瞳斬!」
両手を広げ、回転斬り
防御と同時に攻撃を試みる
636 :
東雲 犬御
2011/01/28(金) 22:16:21.02 ID:bE3Nc+wWo
>>634
「――誰だ?」
犬御は、ぎゅっと眉間に深い皺を刻みこむと、薄く開いた唇から明らかに威嚇の意思を持った言葉を吐き出した。
不機嫌であり、苛立っており、同時に怒りを含ませた、たった二言。
不快とはっきり感じとった。目の前にいる、四十萬陀の親友を名乗る女の放つ空気は。
「七生にテメェみたいなうさんくせぇ仲間はいねーよ。俺は今忙しくて、テメェのせいでイライラしてんだ」
額に青筋を立たせ、険しい表情で窮奇をねめつける。
「何の用か知らねぇが、帰りな」
637 :
神隠し
2011/01/28(金) 22:23:27.50 ID:8RN+X+GdP
>>635
ブチブチと嫌な音を立て、切り裂かれる白い腕。
その度にグロテスクな切断面から、生暖かい鮮血が飛び散る。
辺り一面に現れた幾つもの裂け目の中で、
いっとう大きい裂け目からその本体たるものが這い出るように現れた。
「ゲタゲタゲタ! 会いたかったぜぇ?」
少年だった。緑の髪の少年だった。
道士のような服装に身を包み、数珠のようなモノを幾つも体に巻きつけている。
「意味も無く人間の姿をし! 意味も無く人と馴れ合う!
陰と陽の境界を平気で跨ぐ! 人間でも妖怪でもないやつよぉ!」
空間が割れ、再び伸びる白い腕。
その手には、妖気を封じる蔓の蔦が握られていた!
「上司の敵だぜぇ! ゲタゲタゲタゲタ!!」
包囲するように! 囲い込むように!
瞳を縛りこもうとする無数の腕!
638 :
窮奇
2011/01/28(金) 22:30:04.58 ID:8RN+X+GdP
>>636
「あははははっ! 酷いなぁ!!
四十萬陀ちゃんとは心の内を知り尽くした仲だというのに!!」
捻じ曲げられた真実、一方的な友好。
臆面もなく、一切の後悔も背徳もなく。
ニタニタニタニタニタと笑いながら、犬御に歩み寄ってくる。
「キミのことも聞いてるよぉ! 東雲くん!!
ほぉーんと、四十萬陀ちゃんって『良い』子だよねぇ!!」
ついには目と鼻の先まで、近づいていた。
「まぁ、忙しいんだったらなおさら私の話を聴きなよ!
一瞬で今の状況がわかっちゃうよぉ? 私、話し上手だし!」
挑発するように、逆撫でるように。
心の内に踏み入る窮奇。
「まずねぇ、キミは人間に負けた。
無様に、無力に、何もできずに! ここまではわかるかなぁ?」
ニタニタニタニタ。
639 :
瞳
2011/01/28(金) 22:36:09.77 ID:fcD0dKUAO
>>637
頬に返り血が付着する
しかし、怯むことなく本体の登場を睨むように見つめる
「何者だ…?」
警戒と緊張の入り混じった声
「…私は意味なく人間の姿をし、人間と交流している訳ではない。あの人の思いを継いでいる。だから、あなたにはお帰り願いたい…」
しかし、腕の出現を見て
「くっ…戦うしかないようだな…」
(しかし、この無数の腕、先程よりも多い…双転瞳斬では防ぎきれないだろうな…ここは…)
突如、上空に飛び上がる
そして、空中で右足を刀に変化させ、そのまま本体を狙い、かかと落とし
「刀になるのは腕だけだと思うなよ!飛晶瞳激!」
640 :
東雲 犬御
2011/01/28(金) 22:40:49.91 ID:bE3Nc+wWo
>>638
「テメェ……何者だ?」
至近距離まで近付いた窮奇を、臆すことなく睨み続ける。
しかし、本人がここまで近付くと、毒を含ませたような窮奇の雰囲気が直接纏わりつくようで、更に気分が悪い。
神経を逆撫でするような窮奇の話し方に、犬御は既に爆発寸前であったが、
――「状況が分かる」、という言葉に、今にも殴りかかってしまいそうな拳を抑えていた。
「俺の気は長くねーぞ……早く話を進めろ」
ニタニタ。笑い方も、言葉も、不快だ。
しかし、脳裏では、窮奇の言葉が勝手に――何もできなかった――……再生される。
641 :
神隠し
2011/01/28(金) 22:46:03.82 ID:8RN+X+GdP
>>639
「あの人ねぇ。お前も人間に絆されたのかぁ?
それとも人間染みた妖怪に絆されたのかぁ!?」
苛立ったように、腹立ちげに。
声色が荒くなる、感情が湧き出る。
飛かかる刃を見切るが、その鋭さには着いてはいけず。
右腕一本を犠牲にして空間へと逃げ込む。
「あっはっはっは! すごいなぁ、俺の手ェないんだけどぉ!?
強いなぁ、嬢ちゃん。流石におそろしを倒しただけはあるねぇ!!」
しかしその浮き出た感情はすぐさま、鬱蒼繁る狂気に覆い隠される。
切り落とされた腕は血を拭きながらも地面をのたうつ。
「あ、あそこに有るじゃーん! あっはっはぁー可笑しいなぁ!」
瞳の頭上で、ガラスの割れるような音がした。
「首の骨、とぉーーーった♪」
白くない、神隠し自身の左手が。
瞳の首に伸びる。
彼女の足元にはいつの間にか切り落とされた右腕がしがみ付いていた!
642 :
窮奇
2011/01/28(金) 22:54:55.90 ID:8RN+X+GdP
>>640
「気があうなぁ、私もわりかしせっかちな方だからねぇ!」
歪んだ目が、愉しげな瞳が。
犬御の黒く澄んだ瞳孔に映りこんだ。
「まぁその後なんだけどねぇ! キミは殺されちゃいそうになったんだ! その性悪退魔師からねぇ!」
さも悲しそうに、さも辛そうに。
窮奇は眉を潜め、声色を変える。
「私だって応戦しようとしたよ? 四十萬陀ちゃんを助けようとしたんだ。
でも一歩及ばずってところかな? ていうかその退魔師から妨害が入ったていうか」
嘘に混ぜ込まれる、歪められた真実。
犬御の敗北の瞬間を、苦痛の根源を掘り出していく。
「まぁこの辺はどうでも良いね。
で、抵抗できなくなったキミを助ける為に四十萬陀ちゃんは命乞いをしたんだ」
ニタリ、と微笑む。
ニタりニタリと、脳漿の奥に黒い悪意が伸びていく。
「健気だよねぇ、その姿に心打たれてさぁ。
その退魔師はキミを見逃すことに決めたんだ。 "ある条件" を飲ませることでね」
643 :
瞳
2011/01/28(金) 22:58:06.33 ID:fcD0dKUAO
>>641
「私は、あの人との交流によって可能性を知った!妖怪と人間の共存の可能性を!何も可笑しなことなどない!」
右足が神隠しに触れる瞬間に怒鳴る
「おそろし…あの時の…!あの者の仲間なのか!?」
問いかける。
その時、頭上から
「しまった…!」
足元を封じられたせいもあり、意図も簡単に首を絞められる
「ぐぅ…はな…せ…」
刀と化した両手を振り回し、必死に抵抗。
足元は、刀となった右足でしがみつく右腕を突こうとする。
644 :
東雲 犬御
2011/01/28(金) 23:04:06.20 ID:bE3Nc+wWo
>>642
ああ、煩わしい。コロコロと変る貼り付けたような表情、声色も。
しかし窮奇は、苛立ちを抑えようとする犬御の、その心すら楽しんでしまうのだろう。
それら全てが――、
「……条件?」
犬御は、訝しげに眉を潜めた。
(あの人間が、七生に出した、条件だと……?)
645 :
神隠し
2011/01/28(金) 23:12:36.27 ID:8RN+X+GdP
>>643
「ゲタゲタゲタ! お前、お前さぁ。ムカツクんだよねぇ!」
足元の右腕は潰されてしまったが、
瞳の両手は腕の魔が蔓の蔦によって縛り上げていた。
「人間と仲良くとかぁ、そんなんどうでも良いんだよこっちはさぁ!」
首を絞める力が増す、瞳の体が僅かに浮く。
「境界踏み越えんな、って言ってんだよ。
俺達 "界" の妖怪にとっちゃ出るのも入るのも問題ないんだよなぁ。でもさぁ!」
目を見開き、大声でがなる。
「うろちょろ出たり入ったりされんのが一番困るんだよぉ!
テメェら妖怪だろうが! 特定の場所でひっそりと生きやがれ!
あと人間連れてくるんじゃねぇ! 理が崩れちまうだろうがよぉ!!」
いきなり、手を放し。
瞳の身体を突然に開放する。
「まぁ、俺達も鬼じゃねぇ。
ちゃんと特定の条件を満たせば認めてやらんこともねぇ」
イライラと話し出す。
「少なからず、境界を乗り越えるものは古より存在した。
だから古の規則を則ってしっかり、超越者になってくれりゃあ俺も何にもいわねぇ」
「だがよぉ・・・」
ブチ切れたように口走る。
空が割れ、巨大な黒い手が空間の裂け目から現れた。
「どいつもこいつもぉ!
お出かけ感覚で境界をピョンピョン超えやがってよぉ!!」
「変化覚えただけで、人の理もねぇのに人里に暮らすんじゃねぇよ!
妖怪とお友達になっただけで、陰の領域にズカズカ上がりこむんじゃねぇ!!」
「ほんとテメェはあいつ等並にムカつく女だぜ!!
古の規則も守らず! かといって境界も存在軸も守らねぇとかふざけてんのか!!」
646 :
瞳
2011/01/28(金) 23:21:46.30 ID:fcD0dKUAO
>>645
「ぐ…う…」
呻き声を上げる
「ごほっ…く…」
咳き込み、息が乱れる
「規則だとか、理だとかは私にはわからない…だが、妖怪も人間も本質的には同じだと私は考えている…
もし、あなた達に迷惑をかけたのなら謝る。だが、古い考えは捨て、新たな考え方を創る必要があるのではないか!?」
解放されたとたん、必死に喋り出す
647 :
窮奇
2011/01/28(金) 23:24:14.93 ID:8RN+X+GdP
>>644
今日一番の、本日最も毒性の高い。
アルカイック・スマイルが窮奇の顔に張り付いた。
「人間を食べない『良い』妖怪に成ることが条件だってさぁ」
おぞましき、恐るべき、忌むべき。
ドロリと濁った声が犬御を侵していく。
「ほんと無茶言うよねぇ、無理だよ無理無理!
守れるわけ無い無茶苦茶な条件じゃないか! 弱みに付け込まれたんだよ。
今ここで見逃す代わりに、山の皆で餓死しろって言ってるのと同じだよねぇ?」
ギラギラと、輝く瞳が犬御に入り込んでいく。
「四十萬陀ちゃんかわいそうだよねぇ!
山の皆、きっと恨んでるよぉ? 怒ってるよぉ?」
「かと言って破るわけにもいかないんだよねぇ、この約束!
なぜならその退魔師はこの山の存在と場所を知ってしまったから!!
キミを送り届けるよう四十萬陀ちゃんが頼んだからねぇ! 案内しちゃったからねぇ!!」
不安を、恐怖を、意地を、プライドを。
掘り起こし、踏み躙っていく。
「ヤバイよねぇ! 守れば餓死! 破れば虐殺!!
酷い条件だ! 不平等条約だ!! これじゃあ確実にこの山は! キミ達は!」
「みんな破滅しちゃうよぉ・・・!?」
648 :
神隠し
2011/01/28(金) 23:37:05.22 ID:8RN+X+GdP
>>646
「舐めてんのかテメェーーーーッ!!」
巨大な黒い手は、唸りを上げ。
風を逆巻きながら瞳の居る場所を叩き潰す。
「『わからない』で済むかアホがぁ!! やっぱりあの女に着いて正解だったわ!
テメェらみてぇなふざけた思想のクソしかいねぇのかよこの町の奴等はよぉ!!」
イライラと吐き捨てる。
「俺達、妖怪は・・・。少なくとも俺達 "隠し神一族" はよぉ!
テメェの言う古い規則の結晶なんだよクソが!!
テメェらのお友達付き合いの都合でぶち壊しにされて堪るかクソがあぁ!!」
隠し神、境界に住まい。
そこを飛び越えようとする者を妖怪・人間問わず喰う妖怪。
規則の否定は存在の否定に繋がる。
「俺達だけじゃねぇ! 人間嫌いの妖怪はよぉ!
変化できねぇ妖怪はよぉ!! テメェらの変わったお友達に心底迷惑してんだよぉ!!」
「境界を越えたきゃ、試練を超えろ!! それができなきゃ今すぐ死に晒せ!!」
649 :
東雲 犬御
2011/01/28(金) 23:38:46.02 ID:bE3Nc+wWo
>>647
「――!?」
犬御に訪れる、戦慄。
単純に考えれば、あの巫女がその条件を出してくるのは、当然といえば当然なのだ――犬御は、あえてそれを考えないようにしていたのかもしれない。
なぜなら、その条件を呑むことは、『死』を選ぶ事と等しいのだから。
だけど、呑んだのだ。彼女は、その条件を。
仲間から批判を、非難を浴びても、恨まれたって仕方ない条件を一人で抱え込んだ。
――俺を、助けるために。
「……七生ッ…!」
ここで犬御は、初めて焦った表情を浮かべた。
心に生まれた隙間に、窮奇の毒が入り込んでいく。
破滅する。山が、仲間が、大切な人が。
650 :
窮奇
2011/01/28(金) 23:47:54.06 ID:8RN+X+GdP
>>649
心の隙に、浸透していく猛毒の甘言。
気がつくと窮奇は、焦燥する犬御を抱き寄せていた。
「不安だよねぇ、怖いよねぇ、後悔してるよねぇ・・・。でもそれも」
直後、唇が触れ合うような間近で、窮奇の歪みきった笑顔が飛び込んできた。
囁くようだった声は罵倒のような声量。
「ぜーーーーーーーんぶキミのせいだよぉおおおおおおおおおお!!!」
「あははははははははははははははははははははははぁッ!!」
「キミが負けちゃったからさぁ! キミが頼りないからさぁ! キミが先走るからさぁ!
キミが変に躊躇うからさぁ! キミが弱いから弱いから弱いから弱いから弱いから弱いから!!」
「普段偉そうにしてるくせに! 全然役に立たないからぁ!!」
651 :
瞳
2011/01/28(金) 23:52:43.41 ID:fcD0dKUAO
>>648
「くぅっ!」
両手の刀で手を防ごうとする
しかし、手はあまりに大きく、無様にも地面に押し付けられてしまう
「それは…すまなかった…だけど、私は創りたいんだ…妖怪と人間が共に笑い合う世界を…」
吐血をしながらも話す
己の夢を
しかし――到底共存することは不可能な妖怪も存在する
目の前の神隠しもそうだろう
しかし、彼らを共存出来ないので[
ピーーー
]などという選択は瞳にはできなかった
ここ最近悩んでいたことだった
652 :
神隠し
2011/01/28(金) 23:59:41.28 ID:8RN+X+GdP
>>651
「ムカつくよなぁ、その目ぇ!」
神隠しの瞳が見開かれる。
瞳孔の置くには憤怒の炎が燃え上がっていた。
「アレも嫌! コレも嫌! なのに絶対に自分の言い分は曲げねぇ!!
言い分の生温さも非現実性もそっくりだよぉ・・・!」
昔の敵を思い出すように。
神隠しは昔日の辛酸を思い出すように、憎悪の感情をむき出しにする。
「確か、名は・・・春花、だったかなぁ!?」
653 :
東雲 犬御
2011/01/29(土) 00:04:01.94 ID:ycxBRQcso
>>650
「……ッ!!!」
窮奇の甘い甘い毒をまき散らすような激しい笑い声に、犬御はぞわりと肌を粟立てた。
歯ぎしりと共に、窮奇を突き飛ばそうと、窮奇の肩を強く押す。
「っ、触るな!!」
――なんだ、何なんだ! こいつは!!
犬御は初めて、窮奇に対して明確な恐怖を覚えた。
目を見開き、額に油汗を浮かべる。
654 :
瞳
2011/01/29(土) 00:10:22.08 ID:y1MMSL+AO
>>652
神隠しの怒りに触れ、全身がゾクゾクとした
「勝手なことを言っているのはわかっている…だけど…」
言いかけた瞬間、その名を耳にした
「な…春…花…?なぜその名を…?」
瞳の顔が青ざめていく
嫌な予感がする
春花――あの人、風月がいつも話していた少女。風月は、亡き彼女のために戦っていた。
今の瞳が亡き風月のために戦っているように――
655 :
窮奇
2011/01/29(土) 00:20:10.65 ID:VXm1jJceP
>>653
「うわっ!」
突き飛ばされ、後ろに倒れこむ窮奇。
しかし一瞬の驚き顔はすぐさま邪悪な笑みで塗りつぶされる。
「あはははははぁ! 女の子の扱いもなってないねぇ」
立ち上がり、腰についた土を払うと。
再び犬御に歩み寄る。
「まぁさっきのは私も言い過ぎたよぉ、『悪い』ねぇ!」
ニヤニヤとした笑みは一転。
ニコニコとした爽やかな微笑みに変わる。
「じゃあ変わりに2つ『良い』事を教えてあげるよぉ」
右手を突き出し、2本の指を立てる。
「まず1つ目、手っ取り早く強くなる方法だ」
ニコニコニコニコ。
「私の友達に火蜥蜴、って言うヤツが居てね。肉食性の妖怪なんだけど・・・。
まぁそいつ、人間の他にも "自分に近しい種の妖怪" をふだんから捕食してたんだ」
ニコニコニコニコ。
「近しい種、キミは狼だから・・・まぁ犬とか狸とか狐の妖怪だろうねぇ?」
ニコニコニコニコ。
「火蜥蜴が言うには・・・人間ほどはお腹は膨れないらしいんだけど。
妖気が漲って来るんだって! そのあと私の実験で証明できたんだよ。
キミ達、肉食妖怪にとって。人間の肉が命の源なら妖怪の肉は力の源だ」
「信じられないだろうけどコレは事実。昔からよく言うだろう?
山の神様たる動物の肉を食べると、力だけは神様に成れるって。
どうやら同じことも妖怪同士の共食いで発現するようなんだ!!」
ニタリ。
「力は大事だよねぇ・・・? いつあの退魔師がこの山に来るかわからないし」
ニタニタ。
「今度こそ四十萬陀ちゃんを守る為にもねっ!!」
656 :
神隠し
2011/01/29(土) 00:26:23.35 ID:VXm1jJceP
>>654
「なんだぁ・・・、お前こそなんで知ってんだよぉ?」
苛立ったまなざしは、困惑へと変わる。
吐き捨てるように、呟く。
「なんでだってぇ?
俺は元々山の妖怪なんだよぉ! 生まれ故郷が同じだけだぁ!」
そう、彼はおそろしの斥候として着いてきた。
正直面倒だし、やる気もなかったが。
「あのジジイ妖怪の言うことが身に染みてわかったぜ!
テメェら腐りすぎ!! ほんとに妖怪なのかよぉ!?」
「あぁ、思い出しただけで腹立ってきたぁ!
あのクソ女! お前とおんなじこと言いやがる!」
657 :
東雲 犬御
2011/01/29(土) 00:31:24.01 ID:ycxBRQcso
>>655
「はあっ……はあっ……」
理解できない相手に対する焦燥と憤懣に、胸が上下した。
歩み寄ってくる窮奇を避けるように、一歩、二歩と後退する。
こいつの言う『良い』事、など、どうせろくでもない事に決まっている。聞く耳を持つ必要などないことは分かっているのだ。
だが――窮奇の言った一言に、犬御は反応してしまった。
「強くなる方法、だと?」
その方法は……妖怪を、喰う事。
それは、四十萬陀から止められている事でもあった。
「力を得る為に、妖怪を喰う……」
しかし、それが、彼女を守る為ならば――。
犬御の心が、揺らぐ。
四十萬陀を守る、『良い』目的の為に、『悪』の方向へ。
658 :
瞳
2011/01/29(土) 00:35:24.84 ID:y1MMSL+AO
>>656
「……」
睨みつけるような視線を向け
ゆっくり立ち上がる
「訂正しろ…春花を否定するその言葉、訂正しろ!!」
右腕の刀を向け、大声で訴える
659 :
窮奇
2011/01/29(土) 00:42:02.59 ID:VXm1jJceP
>>657
「『良い』ねぇ、『良い』目だよ。野望に燃える男の目だ!」
醜悪な笑みが、犬御を包囲し。纏わり着く。
いま、窮奇の精神コントロールが完成しようとしていた。
「さてもう1つの『良い』ことはね、私達の本拠地の場所の情報だ。
私達のグループにスカウトされて見ない?
"紫狂" っていうんだけどね。『悪い』ことなら大抵やってるからさ」
カラコロと笑い、両手を上げる。
「あぁ大丈夫だよ、別にプライベートを縛るようなことはしないよ!
本拠地はここからそんなに遠くないし! 往復1時間もかからないよ!!」
「それにキミ達は今が正念場だろうしね、週2,3くらいで顔出してくれれば良いからさ」
ニタニタと、粘着質な笑みへと変わった。
「キミに近しい種の妖怪の情報、簡単な術くらいなら得られるかも知れないよ?」
甘い誘惑は、毒に犯された魂を絡め取っていく。
「ほら、受け取りなよ。地図と会員証だ・・・」
窮奇の右手にはプラスチックのカードと、ノートの切れ端が握られている。
地獄との契約書を差し出した。
660 :
東雲 犬御
2011/01/29(土) 00:50:39.37 ID:ycxBRQcso
>>659
強くなれる。妖怪を喰えば、強く、四十萬陀を守れるくらい強くなれる。
何度もリピートするその言葉。
犬御が最も求めていた物を、目の前の女は持っている。
「紫狂……」
差し出された毒を――犬御は一度躊躇って、それから、受け取った。
犬御の目の色が変わる。例え言葉が悪くても、澄んでいたはずの瞳が歪む。
紫色を、反射する。
顔を上げると、犬御は静かに尋ねた。
「窮奇、だったか……一つ聞くぞ。テメェ、なぜ俺に声を掛けた?」
661 :
神隠し
2011/01/29(土) 00:52:20.55 ID:VXm1jJceP
>>658
先ほどの自信のなさげな言葉使いから一転し。
豹変した瞳の態度、言葉に。神隠しは萎縮する。
「そ、そう怒るなよぉ! 確かに俺はアイツのことは嫌いだがなぁ!
務めを果たしただけだ! なにより俺はギリギリまでアイツに条件出してやってたんだぜぇ!」
ヘラヘラと、焦ったように笑う少年の妖怪。
両手を軽く上げて余裕を取り戻していく。
「本来ならその場で食っても良いトコだけどよぉ!
山の方にチクるだけで我慢してやってたんだ! おまけに俺は議論でも出してた!」
「古の規則に従い! 人間の理を手に入れりゃあ追放だけで許して良いとよぉ!」
自分の正当性を主張するように。
神隠しは大声を張り上げる。
「破格の条件じゃねぇかよぉ!
今までの境界侵しをチャラにしてやろうってのによぉ!!」
「なのにアイツは最後まで人間の理を手に入れることを拒否した!」
「ギリッギリのギリギリまで試練をやるかやらねぇか迷った挙句!
結局、約束の日没まで! アイツは妖怪でもねぇ人間でもねぇの態度!!」
「ただの違反者じゃねぇかよぉ!!」
662 :
東雲 犬御
2011/01/29(土) 00:52:35.54 ID:ycxBRQcso
>>660
訂正
×「窮奇、だったか…〜
○「名前は、聞いてなかったか…〜
663 :
瞳
2011/01/29(土) 01:04:56.63 ID:y1MMSL+AO
>>661
「違う!確かに山の妖怪達の掟は破っていた…
だが、春花は妖怪と人間は共存できると信じていたから…それに風月が助けてくれると信じていた…」
言い終えた後、悲しそうな顔をし
「そんなに…いけないことなのか…?妖怪と人間がお互いの垣根を越えることは…?私には理解できない…」
悲しげな口調
664 :
窮奇
2011/01/29(土) 01:06:50.21 ID:VXm1jJceP
>>660
相も変わらず、張り付いたような笑顔で。
ヌケヌケと、言葉を掛ける。
「簡単だよ! キミが『良い』男だからさ!!
私だって女の子だからね! 顔や性別で判断もするよ!!」
それに・・・、と呟く。
いかにも真摯そうな、本音のような。
もっともらしい態度で囁きかける。
「キミはなかなか勇敢だったからねぇ!
大親友の四十萬陀ちゃんを守れるのはキミしか居ない! と思ったんだ!!」
狡猾!!
好意を! 信念を! 生き様を! 思い出を!
全て利用し! 裏切らせる行為!!
最後に仕留める、制約の鎖・・・!
「このことは皆にはナイショにしておこう。浮気と勘違いされそうだし!
なにより妖怪同士の共食いなんて、皆が認めるわけないからね!!」
最後に犬御の瞳を見据え、窮奇はクルリと森の出口へ振り返る。
「あっ! そうだ。要らないなら別に捨てても『良い』よ、ソレ。
ちなみに後から抜けても『悪い』ようにはしないよ! そんな大仰な組織じゃないしね!」
最後に、振り向き様に語りかける。
「じゃあね、東雲くん・・・いや」
ニタリ、と歪んだあの笑顔があった。
「"妖怪・送り犬" !!」
665 :
窮奇
2011/01/29(土) 01:08:13.13 ID:VXm1jJceP
>>664
すいません、訂正です
×送り犬
○送り狼
決め台詞でミスるとは・・・
666 :
東雲 犬御
2011/01/29(土) 01:21:27.61 ID:ycxBRQcso
>>664
――七生を守れるのは、俺しか……。
どくん。どくん。
背中を押されている。このまま押され続ければ、いずれ『堕ちて』しまうかもしれないのに。
何故だか、不快だったはずの窮奇の言葉が、今は心地いいとすら感じている。
「……ああ、『またな』」
犬御は、何かを欠かせ、何かを覚悟したような、血色を湛えた瞳を覗かせると、
静かにそう返した。
667 :
神隠し
2011/01/29(土) 01:21:59.52 ID:VXm1jJceP
>>663
「悪いよアホが」
冷血な、見下すような。
腐ったものを見据えるような視線が瞳を射抜いた。
「闇が陽光の元に出てきて良いと思ってんのか?
光が木陰の中に入ってきても良いと思ってんのか?」
埒が明かない、というように吐き捨てた。
「テメェら妖怪が好き勝手に存在軸を無視して暴れたらよぉ。
妖怪たる概念がぶっ壊れちまうじゃねぇか。
人をビビらせる為の妖怪が人と仲良くなって、
誰がその妖怪の守っていた土地を人の手から守ってくれるんだよアホが!」
ハァー、と呆れたように溜息をつく。
「人間が陰の理を得る条件は、 "命を懸けた妖怪との駆け引き" だ。
これで勝てるような人間なら文句は言わねぇ。
十分理を解したヤツだから安全だし、なにより数が少ねぇからなぁ!」
つまらなそうに呟く。
「妖怪が陽の理を得る条件は "最も近しい人間の魂" だ。
魂さえありゃ妖怪の存在軸なんて関係ねぇからな。
昔話ではよぉ、最後の最後で躊躇って得られなかったとかよく聞くだろぉ?」
せせら笑うように、思い出すように。
神隠しは語る。
「アイツもそうだったよ、常に背後で小刀を構えてた。
ツレの男を殺そうとしてたよ。でも無理だったなぁ・・・!
最後の最後までよぉ!! 結局、覚悟も何もねぇ、ただの我侭だったわけだ!!」
「死んで当然だなぁ!!!」
668 :
瞳
2011/01/29(土) 01:32:50.72 ID:y1MMSL+AO
>>667
「くっ…」
何も言い返せない
瞳ではどうすることもできない
だが、自身の夢は諦められない
「私は…どうしたら…」
しかし――神隠しの話を聞き
「……貴様…謝れ!春花と風月に謝れ!死んで当然の存在などないんだ!!」
自分が間違っているのか?妖怪と人間の共存は可能か?
そんな問いは今はどうでもよくなっていた
今の瞳にあるのは怒り
両手を刀にし、近づく
669 :
神隠し
2011/01/29(土) 01:43:35.23 ID:VXm1jJceP
>>668
「お前こそアイツらとどういう関係なんだよぉ?
会っただけか? 絆されただけか? 唆されただけかぁ!?」
嘲る、見下す。
その笑顔は窮奇にも似ていた。
刀と化した両手を眺めると、
「いーやーだーねぇッ!」
亜空間の裂け目に潜り込む神隠し。
境界に住まうものは、その実体の捉え難さゆえに厄介なのだ。
「俺はバトル向きじゃねぇんだよぉ!
わざわざテメェみたいな奴、
相手にしてらんねぇよぉ!! ゲタゲタゲタゲタ!」
引き摺るような笑いを残し、神隠しは次元の裂け目へと消えていく・・・。
670 :
瞳
2011/01/29(土) 01:52:41.45 ID:y1MMSL+AO
>>669
「風月と春花は私の生きる支えであり……愛する者だ!!」
強いしっかりした口調で言う
「くっ!待て!」
必死で神隠しを追いかけるものの、虚しく追いつけなかった
「くっ…私は…どうしたら…風月…」
膝から崩れ落ち、一人涙を流した
671 :
夜行集団
2011/01/29(土) 22:19:01.41 ID:Lpa5qmji0
寒い寒い、今年の寒さは氷亜でなくとも厚着をさせる、そんな驚異的な威力があった。
しかし、彼には最大の味方が。
それは冬の定番商品「温暖!!あったかコーヒーミルク」である。これで寒さはへっちゃらだ、
意気揚々と銀髪のホストは繁華街を歩いている。
「やっぱり、冬ってのはホットミルク系統を美味しく飲ませる為に存在してるよなwwwwww
うめぇのなんのってwwwwww」
暢気なものである。氷亜の報告から数日経ち、街の様子も変化しているというのに、
この馬鹿理屈。ホットミルクにのんびりしているばあいのではないのだが・・
672 :
四十萬陀 七生
2011/01/29(土) 22:30:15.18 ID:ycxBRQcso
はぁ、と息を吐けば視界が真っ白になる。
身を刺すような寒さに体を揺さぶりながら、四十萬陀は繁華街を歩いていた。
首に巻かれた黒いチェックのマフラーに、少し紅が入った白い肌が映えている。
「う〜……寒いじゃん」
>>671
向かい側から歩いてくる狂骨に、妖気を感じた四十萬陀は、顔を上げた。
妖怪とすれ違うこと自体はそんなに珍しくはないのだが、四十萬陀が気になったのは、狂骨が飲んでいるそれだった。
(いいなぁ……)
意識はしていないが、じっと物欲しげな顔で、狂骨のホットミルクを見つめる。
人間を食べる事を止めた四十萬陀には、もう金を得る方法がなく、繁華街に来たって何も買う事ができないのだ。
673 :
露希
2011/01/29(土) 22:34:54.19 ID:K0fK+7do0
繁華街、さっきどっさり買ったお菓子とかを持ち歩く少女。
私服姿で、マフラーを巻いている。
>>671
目の前にはホットミルクを飲む狂骨が。
「狂骨さん!!こんばんは!!」
笑顔で話しかける
>>672
「きらん!!」
眼がきらきらする。それは、七生だった。
七生のことを零から色々聞き、ちょうど会いたいところだった。
「七生ちゃん!!こんばんは!!」
※零はストーカーしてました。
674 :
夜行集団
2011/01/29(土) 22:41:32.33 ID:Lpa5qmji0
>>672
コーヒーミルクを堪能していると、目の前に高校生ばかりの少女。
その視線は一直線に虚冥の牛乳に注がれていた。
「ああ?なんだお前、もしかしてこれ欲しいのか・・?
まあ、もう一本あるし、お前にやらなくもないが・・・」
虚冥は自分の顔ほどにその牛乳パックを掲げて言った。
「バーカッwwwwww!!
嘘だよウソ!!見ず知らずのお前にやるはずねえだろっていうwwwwww」
悪質!!何という悪質な悪ふざけ!!
そのせいで天狗に声も出ないくらいに、ぼこぼこにされた!!
>>673
「おうwwwwww!!なんかものすごく久しぶりだなっていうwwwwww」
手を振りそれに応える。
まあ、それはもちろん四十萬陀のリアクションにも注意しながらだが。
氷亜の彼女、いつ見ても美人だ。姫ほどではないが。
虚冥の頭の中が桃色に包まれていく。
675 :
四十萬陀 七生
2011/01/29(土) 22:48:56.00 ID:ycxBRQcso
>>673
「露希君じゃん。偶然だね、こんばんわじゃん!」
挨拶と一緒に、露希に手を振る。
四十萬陀は、露希が買い込んだらしい大量のお菓子を見ると、目をくりくりさせて尋ねた。
「そのお菓子はどうしたんじゃん?」
>>674
狂骨が話しかけてきた事で、はっとし、自分がホットミルクを見つめていた事に気付く。
四十萬陀は「あ、いや」と恥ずかしそうに手を上下させる。
しかし、やらなくもない、という言葉に、
「え…い、いいじゃん?」
一瞬期待するような表情を浮かべたが――すぐに嘘だと言われ、眉を八の字に下げる。
「ひどいじゃん!」と腕をぱたぱた動かし、あどけない顔の表情がコロコロ変わる様は、見ていて楽しいものだ。
676 :
露希
2011/01/29(土) 22:56:27.56 ID:K0fK+7do0
>>674
「え…氷亜さんの彼女なんて//////」
そんなこと言ってない。
「これ、最近のレポートです。もしよかったら使ってください。」
近頃の出来事を精密に描いたレポートを渡す。
>>674
「……七生ちゃん、辛いことがあるなら頼ってよ…。
全部、知ってるんだよ…?友達だから…」
少し悲しそうな表情で言う。
そして、袋と封筒を渡す。中には、たくさんの水や非常食、ポテチなどが入っていた。
封筒には五万ばかりのお金。
「少しだけど、きっと役に立つよ…。」
そのまま抱きつく。
677 :
虚冥
2011/01/29(土) 23:05:29.94 ID:Lpa5qmji0
>>675
「(おお・・なんという最も欲しかったリアクションだっていう・・wwww
こいつ・・面白い・・!!)」
悪戯を思いついた子供のような笑みを浮かべ、それを隠す。そして
先ほどの笑い顔のまま手をひらひらさせ、四十萬陀をなだめた。
「冗談冗談wwwwwwそう慌てなくてもいいっていう、ちょっと進んだ先のスーパーにこれが山ほど
セールスしているぞwwwwww」
虚冥は自分の顔ほどにそのスーパーの袋を掲げて言った。
「嘘だよウソwwwwww!!そのセールはもうだいぶ前に終了してるっていうwwwwww」
天丼!!なんのひねりもない天丼!!
おそらくこれを天狗にしたとしたら、虚冥は庭に埋まっているだろう!!
>>676
「おうおう青いな露希!!
お前らの縁談、楽しみにしているっていうwwwwww」
茶化す虚冥
「おお!!マジか!!っていうwwwwww
サンキュー助かるwwwwwwこれで任務終了だっていうwwwwwwさぼれるー!!」
露希のレポートをスーパーの袋にしまう。
もちろん、クシャッとならないように気をつけてはいるが、食品と一緒に入れるという発想が、
おかしい、馬鹿。
678 :
四十萬陀 七生
2011/01/29(土) 23:09:33.97 ID:ycxBRQcso
>>676
「ぜ、全部知ってる!?」
ひくり、と唇の端を動かす。心無しか顔が青い。
だが、露希から袋と封筒を渡されると、目を丸くさせて、それからへにょりと目尻を下げた。
抱き着いてきた露希の背中に、そのまま腕を回す。
「露希君、ありがとうじゃん」
――本当に、支えられていると思う。
怖い妖怪もいるけど、こんなに優しい妖怪たちだっているんだと、腕の中の露希の暖かさで実感する。
(でも、全部知ってるってどういうことじゃん……?)
やっぱり、少しだけ青ざめた顔をしていたが。
>>677
「……ほんと?」
ちょうど先ほど、露希から貰ったお金もある。
無駄遣いはいけないが、病み上がりの犬御に暖かいものが飲ませてやりたい。セールなら、いいかも…と思っていると、
「〜〜っまた嘘じゃん!?」
ガーンッ! と効果音が付く感じで驚き、今度は寒さで赤い顔を怒りの表情に返る。
犬御と違って、全然怖くないのだが。
「なんでそんな嘘ばっかり付くじゃん! 君、意地悪じゃんっ!」
679 :
露希
2011/01/29(土) 23:14:37.37 ID:K0fK+7do0
>>677
「それより、そちらの機関の人はボクが入るのを嫌がったりしてませんか?」
おずおず聞く。そして、虚冥と四十萬陀の会話を楽しそうに聞く。
>>678
やっと心を開いてくれて、安心した露希。
初対面の時はあんなんだったのに……。
「とにかく、今は黒蔵君も駄目そうだし…。
出来ることはなんでもするからね。」
680 :
虚冥
2011/01/29(土) 23:20:13.29 ID:Lpa5qmji0
>>678
四十萬陀が怒っている。もうここらへんが潮時、と察知した虚冥は袋の中から牛乳を取り出す。
そして四十萬陀の方に突きだし、笑いながら
「wwwwwwすまんすまんwwwwwwあまりの面白いんでからかっちまったっていうwwwwww
ほらwwwwwwこれ一本やるから勘弁してくれwwwwww」
そして、少しトーンを下げて聞く。
「なんだか、女子どうしで抱き合ってるとこ悪いんだが、なんかあったのか?」
>>679
「マジで!?入ってくれるの!?」
露希の肩をつかみ問う虚冥。
もしかすると新規参入か?と、この機会を逃すまいとがっついている。
「てか・・なんかあったのか・・?いくらなんでも唐突だっていう」
681 :
四十萬陀 七生
2011/01/29(土) 23:28:31.71 ID:ycxBRQcso
>>679
「――!!」
彼の名前を聞いた途端、四十萬陀の表情が変わった。
陰を差したような、陰鬱としたした顔に。
出来ることななんでもする、と優しい言葉をかけてくれる露希に、四十萬陀は曖昧な返事を返した。
(何で、露希君、黒蔵君のことを……)
けれど、良くしてくれる露希にそんな事を聞く訳にはいけない。
出かけた言葉を飲み込み、にこりと笑う。
>>680
「む〜……」
ぶすっと頬をむくれさせるが、ホットミルクを受け取ると、その暖かさに顔を綻ばせる。
「ありがとうじゃん♪」
暖かいホットミルクを頬に寄せ、暖を取る。
しかし、先程より低い声で尋ねられた言葉に、四十萬陀は今までの自然な表情ではなく、貼り付けたような笑顔で答えた。
「別に、なんでもないじゃん!」、と。
682 :
露希
2011/01/29(土) 23:36:09.39 ID:K0fK+7do0
>>680
「え…ああ、今までは本来の仕事中心にやってきましたが…」
窮奇に会ったことや、自分の機関のことなど、すべて話す。
そして―
「氷亜さんが好きだからっ//////」
うん、良く言ったぞ。彼女の本心。
>>681
四十萬陀はまだ何か隠してる、すぐに分かった。
少しばかり考えて、
「窮奇…って妖怪は知ってる?ボクも絡まれたんだ…
たまたま、窮奇の求める妖怪じゃなかったからいいものの……
その妖怪に心を揺さぶられたものは恐怖などで支配される―」
一気に畳みかける。
助けたかった、なんとしてでも。四十萬陀を。
683 :
虚冥
2011/01/29(土) 23:43:02.40 ID:Lpa5qmji0
>>681
「・・そっか・・まあ、なんか会ったら俺を頼れっていう・・」
眉尻が下がり少し間抜けな表情になった虚冥は四十萬陀の肩を優しくたたく。
一応ボディータッチではあるが、姫コンの彼にはやましい意思はない。顔をすこしさげため息。
「はぁー・・
ウソつくならもっとうまくつけっていう・・女にそんな作り笑いされたら、流石に見過ごせねえだ
ろうがよ・・
ほら、言ってみ?見た目のわりに口は固いぜ・・?とあるセレブの浮気事情だって黙り続けてる俺だぜ・・?」
ホストという職種の為、人の表情から色々と察するスキルを持つ彼はウソはある程度見破れるのだ。
そして見せた彼なりの男気、そしてセレブの秘密を洩らすという失態を。
>>682
「・・あーなるほど。
一応自分なりに考えた決断なんだな・・?立派だっていう露希。
お前を仲間に引き入れる準備はさせてもらうぜ!!まあ、もともとみんなへの顔見せは
すんでるしなwwwwww」
ビシッと決めた、男虚冥今月一番のキメ顔。
少女をさんざおちょくり、秘密の漏えいという、2連コンボも決めた後だが。
「しかし、下心は隠せよwwwwww」
684 :
四十萬陀 七生
2011/01/29(土) 23:53:15.25 ID:ycxBRQcso
>>682
「やめて」
――露希の言葉を遮るように、四十萬陀は強く言い放った。
だが直後、四十萬陀は慌てて口を押えた。どうやら、無意識だったらしい。
本能が嫌がっているのだ。『彼女』の話をする事も、思い出す事も。
瞳孔がいどころを求めて揺れる。
「ご、ごめん……。その妖怪なら、知ってるじゃん」
申し訳なさそうに謝って、ぽつりぽつり言葉を漏らす。
>>683
「にゃはは、君みたいな嘘付きは信用できないじゃんー」
悲しいような、困ったような、複雑な面差しで笑う。
暖かいホットミルクに目線を落とし、手の中で転がす。
「心配しなくても大丈夫じゃん。それより、見ず知らずの私にそんな情報漏らしていいじゃん?」
685 :
露希
2011/01/30(日) 00:00:37.72 ID:1Oltjwg20
>>683
「下心ってなんですか//////」
顔が赤くなる、頬が熱い。
いつから氷亜に惚れたんだろう?そう思ってしまう。
>>684
「――っ!?」
急に声を出され、驚く。そして彼女の拒否反応。
完全に恐怖を植えつけられていた。
「ご…ごめんね。辛かったら…言わなくていいよ…。」
そのまま、自分の情けなさと言う心に支配され、黙りこくる。
686 :
虚冥
2011/01/30(日) 00:03:39.79 ID:FwYBFkiO0
>>684
「誰の、どこが、ウソつきなんだっていうwwwwww秘密の漏えいって・・・
(―とあるセレブの浮気事情―)
はっ!?俺やっちまった!?」
ぴったしかんかん、ようやく彼は自分の失態に気づいたのだ。
頭を抱える虚冥。ぐぁぁぁああああ!!
ひとしきり悶えた後、もういちど尋ねた。
「心配するだろうがよ・・そんな言葉を俺は聞きたいんじゃねえ。
なんだ?恋愛の悩みなら成就のエキスパートでも呼んでやるっていう?」
少女にええ顔をして、結果が情報漏えいだけなど数千生まれ変りを繰り返しても
恥はきえないだろう。
>>685
「よく言うだろ?愛は真心、恋は下心って。」
少女に最低なセクハラ発言をしながら、二人の行く先を見守る。
687 :
四十萬陀 七生
2011/01/30(日) 00:15:16.46 ID:uaPKEcCqo
>>685
……悪いことしたな、と黙ってしまった露希を見て、ぼんやり思う。
折角心配してくれているのに。こんなに、優しい子なのに。
だけど――
「露希君、そんな顔しないで欲しいじゃん。私は大丈夫だから」
四十萬陀は、ただただ大丈夫、と繰り返すだけだった。
>>686
「にゃははは! ドジだねぇ」
けらけら可笑しそうに、虚冥を指差して笑う。
「……だから、大丈夫じゃん! あと、君が秘密を洩らしたことは、誰にも言わないでいてあげるじゃん。…多分」
最後の方は、明らかに聞こえるように呟いた。先程意地悪されたので、やり返すつもりだろうか。
688 :
露希
2011/01/30(日) 00:21:00.39 ID:1Oltjwg20
>>686
「虚冥さんって、そんな人だったんですね。
よし、誰かに報告しよう!!」
このままでは虚冥が変態扱いされてしまう!!
勿論、冗談だが。
>>687
「…耐えられないと思ったら、絶対に言ってね…?」
静かに、四十萬陀だけに聞こえるように。
そして大きく深呼吸。
「七生ちゃん、大好きっ!」
また抱きつく。どれだけ抱きつくことが好きなのか…
689 :
虚冥
2011/01/30(日) 00:25:42.18 ID:FwYBFkiO0
>>687
「ちょっちょっちょ、ちょとおおおお!?多分ってなんだっていう!?」
見るからに虚冥は焦っていた。S、すなはち会話上での攻撃タイプは、防御性能は著しく低いのだ。
その証拠に今虚冥は、四十萬陀の件について忘れてしまっている。
「やめて!?本当にやめて!?あんたあの人のお仕置き知らないだろ!?
あれ、数日単位で太ももの付け根が激痛なんだぞ!?」
彼の頭の中はめくるめく地獄でいっぱいだ。
>>688
「違うぅぅぅぅううう!!俺はロリコンでもペドフェリアでもないんだっていうーー!!!!
ただ単に姫が好きなだけだっていう!!しかも大きいほうの!!」
四十萬陀のちょっとした悪戯に、見事に乱された虚冥。
その乱された頭で反応したあまりに、キャラがいじられキャラに変貌してしまっている。
690 :
四十萬陀 七生
2011/01/30(日) 00:32:53.72 ID:uaPKEcCqo
>>688
「ありがとじゃん、露希君」
露希を抱き留め、よしよしと頭を撫でる。
――私だって、甘えてばかりじゃダメじゃん。
誰かを信じて頼って、泣くだけはもう嫌なんだ。頑張れるところは、頑張らなくちゃ。
>>689
「きひひひ! どぉーしよっかなぁ〜」
ニヤニヤ意地悪い笑いを浮かべ、さも楽しそうに言う。
「私たちの縄張りに広めたら、一瞬で町中に広がっちゃうかもね〜、きひひ!」
691 :
露希
2011/01/30(日) 00:37:41.86 ID:1Oltjwg20
>>689
「大きいほうの姫…?」
まだ見たことのない大人の姫様。
大体は予想がついた。
>>690
「七生ちゃん、噂流しちゃって!!
虚冥さんは、実はストーカーだって!!!」
…少し悲しそうな顔。本当の笑顔にはなれない。
692 :
虚冥
2011/01/30(日) 00:42:35.33 ID:FwYBFkiO0
>>690
「縄張りってなんだっていう!?この街でお前みたいな妖怪見たことないぞ!?
お前!!あれだぞ!!もし広めたら橋本さんにお前らも襲撃食らうぞ、それこそ一瞬で股関節炎
コースに突入だぞ!?」
バタバタとする虚冥。
>>691
「ストーカーじゃねぇっていうーーーーー!!
これ以上俺に変な称号付けるな!!どれもこれも根も葉もない噂だっていう!!」
最近小さな姫にもときめき始めている虚冥は、館の中では過保護に過保護にしているので、
わりと根も葉もあったりするのだが。
693 :
四十萬陀 七生
2011/01/30(日) 00:48:24.54 ID:uaPKEcCqo
>>691
「オーケーじゃんっ」
ぐっと親指を立てて、きらりと光るイイ笑顔。
「ま、冗談だけど」と軽く付け足して、四十萬陀はけらけら笑う。
と、繁華街のアーケードに取り付けられた時計の針を見て、四十萬陀は慌てて言った。
「そろそろ私は帰るじゃん。これ以上遅くなると、アイツに叱れるだろうし」
アイツ、とは過保護なあの狼の事である。
>>692
「それは怖いじゃん! う〜ん、じゃあ噂を流すのは勘弁しておいてあげようかな〜……多分」
また多分って言った。確実に言った。
それもまた、冗談なのであるが。
「私は四十萬陀 七生。そこの袂山に住んでるじゃん」
「これで見ず知らず、じゃなくなったじゃん」と、四十萬陀は愛くるしい笑顔を浮かべて言う。
そして、ホットミルクを頬に寄せて歩き出すと、露希と虚冥に向けて手を振った。
「ホットミルクとお菓子ありがとじゃん! それじゃあね〜」
694 :
露希
2011/01/30(日) 00:57:28.30 ID:1Oltjwg20
>>693
「じゃあね!!」
明るく手を振ってさよならする。
>>692
先程、七生が居た時とは違う表情。
「…百鬼夜行で、姫様を妨害しようとした妖怪は殺りました。
その殺した妖怪のリストです。これから、貴方達の役に立ちます…どうか、お願いします。」
少し不気味な笑顔であいさつ。
「それでは、家に戻ります。近いうちに参るのでそのときは…」
手を振って、消えていく。
695 :
虚冥
2011/01/30(日) 01:02:54.92 ID:FwYBFkiO0
>>693
「多分って!!多分って!!確定的な事実を俺にくれっていう!!」
まだあたふたしている。橋本さん、そこに存在せずとも人を追い込んでいく。
そして、四十萬陀の悪ふざけが相まって、虚冥の絶叫を奏でた。
「だいたいあの人は!!・・・袂山?」
思い当たる節があり、袋から紙を取り出し覗き込んだ。
―袂山にて黒蔵・・―
「まさかな・・」
去って行く四十萬陀の背中を見送りながら虚冥は思いをめぐらしていた。
>>694
「あっ?なんだっていう?」
殺した妖怪のリスト、確かにここ最近マークしていた妖怪、死んでいた妖怪の名が連ねてあった。
これが嘘のないものと判断した虚冥。
「あいつは、俺らの決定を知らないのか・・。
それにしても、女ってのはなんでも一人で背負いこもうとしやがって・・
そんな強さがあるから逆に壊れちまうんだっていう・・」
696 :
神代澄香
[sage]:2011/01/31(月) 21:33:14.60 ID:jSJlAALGo
【雪を被り、白く染まった山に弱弱しい落日がかかる――時刻は夕方であるが、
冬の時節のために辺りはもう夜のように暗くなってきていた。故に出歩く人も少ない。
少ないが――いるにはいた。雪道を踏みしめながら歩く、小柄な人影がいた――】
「あー、寒い寒い。見回り、もう切り上げちゃおうかなぁ……」
【白い巫女の装束を身につけた黒髪の少女が一人――白く煙る息を吐きながら、
自分の体を抱きしめて独語する。手には円筒形の懐中電灯が握られ、光を放っている。
そして――およそ年頃の少女には似合わない、一振りの刀を腰に佩いていた】
「うん、帰っちゃおう。どーせこの寒さなら妖怪もこたつで丸くなってるわよ」
【何を根拠に決め付けるのか――巫女の格好をした少女はそう呟くと、くるりと踵を返して
自分の足跡が残っている道へと引き返し始めた。二重の足跡が数センチ程度の積雪に
刻まれていく――。退魔の巫女とて人間だ。寒さには弱いし風邪を引くのである】
697 :
瞳
2011/01/31(月) 21:39:42.46 ID:XDlnQ2eAO
>>696
うつむきながら山道を歩く少女
元気がない
(……あれ以来修行もうまくいかない…私は、間違っているのか…?人と妖怪は共存できるのか…?)
神隠しとの一件以来、ずっと悩んでいたらしい
698 :
四十萬陀 七生
2011/01/31(月) 21:43:48.53 ID:k/lcqWLPo
>>696
道を引き返し始めた少女に、遠くから視線を投げる雀が一匹。
闇夜と同じ色の羽を畳み、木の葉の陰に隠れるようにして、神代を観察していた。
観察、といっても何かやましい事を考えている訳ではなく、
(う〜…、見付けたのはいいものの、話しかけ辛いじゃん……)
この間犬御を助けてもらったことに対し、純粋に礼を言いにきたのだ。
しかし、出会いが出会いだっただけに、気軽に声を掛けるというわけにもいかず、背後でずっと頭を悩ませているのだった。
>>697
「あれは……瞳君じゃん?」
向かい側からやってくる少女の姿に気付き、四十萬陀ははっとした。
目の前にいるのは、退魔の巫女。このままでは瞳が滅せられてしまうかもしれない。
「瞳君!」
思わず声を上げた四十萬陀は、そのまま瞳に向かって翼を広げた。
699 :
神代澄香
[sage]:2011/01/31(月) 21:49:44.95 ID:jSJlAALGo
>>697
【道を引き返し始めて十数分――程度であろうか、巫女は少女を視界内に認めた。
暗がりの中、懐中電灯の光が少女を照らす――そして人間がいる合図を送ると、
巫女は少女の近くへと歩み寄っていった。元気が無さそうな様子を疑問に思いつつも、声をかける】
「おーい、そこの貴方。ここから先は危険だから戻りなさい」
【より正確に言えば、ここから先の道は見回りをしていないので妖怪が出るかもしれない――
という意味合いだが、わざわざ自分がサボっていることを宣言する必要は無いので黙っておいた】
>>698
「――っ、誰!?」
【巫女の少女が素早く振り返る――腰に佩いた刀に手をかけながら、声の方向に
懐中電灯を向けて警戒の視線を送った。刀の反りを打つと、いつでも抜刀できるようにした。
――と、相手の姿が見えると同時に相手は翼を広げてきた。その姿には見覚えがあり――】
「あ、貴方はあの時の――」
【驚いた様子で、さらに巫女は警戒を強めた。
この前の意趣返しに来たのかもしれないと思ったのだ】
700 :
瞳
2011/01/31(月) 22:00:05.86 ID:XDlnQ2eAO
>>698
「…七生?」
声に気づき顔を上げる
「どうした!?何かあったのか?」
驚いた表情で七生の方を見る
>>699
「巫女?私は大丈夫だ。この辺はいつも修行に使っているからな。」
巫女を珍しそうに見ながらも、答える
701 :
四十萬陀 七生
2011/01/31(月) 22:07:14.36 ID:k/lcqWLPo
>>699
小さな翼を広げて風を切り、そのまま神代の隣を飛び去る。
そして瞳の側まで辿り着くと、急旋回して、神代の前で留まった。
そもそも雀はホバリング――空中で留まる状態――できる種類ではないのだが、四十萬陀は風の力を使い、その場に留まることができる。
「あの、えっと……」
突然出てきてしまった為、何を言うか全然考えていなかった。
更に悪いことに、巫女は瞳が妖怪だということに気付いていないらしい。
――私、完全に余計なことしたじゃん……!
>>700
「べ、別になんでもないじゃん…っていうか私と話したら……ああ〜、なんていうか、ごめんじゃん瞳君〜!」
あわあわと混乱した様子で、瞳に謝る。
突然謝られても、何が何だか分からないだろう。
702 :
神代澄香
[sage]:2011/01/31(月) 22:15:36.03 ID:jSJlAALGo
>>700
「ふーん、もしかして同業者ってことかしら……? って、貴方あいつを知っているの?」
【視線を後方へと逸らし、少女を守るようにしながら巫女はそう言った。
――が、少女の様子がおかしな事に気付いた為すぐには手を出さず、
ひとまず事の成り行きを静観することにしたのである――それでも、警戒を緩ませないが】
>>701
【そんな夜雀の事情など露知らず――巫女の少女はじっと鋭い目つきでねめつける。
既に反りを打った刀――下げ緒も解いてあるし、抜けば鞘から白刃がきらめくのは間違いない。
しかし、今は警戒のみに留めている。どうやら少女と知り合いのようであるし――】
「……何の用? 狼の敵討ちにでも来たの?」
【狼に向けて雷撃を放った後の――夜雀の悲痛な叫び声が、頭から離れないでいるのだ。
自分がしたことが間違っているとは思わないが――罪悪感を感じていないと言えば嘘になる。
それが、手を出さずに警戒に留めている理由――だが、敵に回るようであれば――】
703 :
瞳
2011/01/31(月) 22:24:46.78 ID:XDlnQ2eAO
>>701
七生の様子をじっと見つめ
「一体どうしたんだ?何か悩みがあるなら、相談にのるぞ?」
心配そうに話す
悩みがあるのは瞳だが
>>702
「同業者?」
澄香の刀を見て
「あなた、もしや退魔師か?」
若干の警戒を見せる
(退魔師といっても色々いるからな…油断はできない…それに今は七生もいる…)
七生とのただならぬ様子がますます警戒を強めた
704 :
四十萬陀 七生
2011/01/31(月) 22:27:28.47 ID:k/lcqWLPo
>>702
「ち、違うじゃん! そうじゃなくて、その……」
四十萬陀は曖昧な言葉を漂わせ、恐る恐る切り出した。
「……今日は、お礼を言いたくて来たんじゃん。あの時、狼――犬御を助けてくれたお礼がしてくて」
とはいっても、相手は退魔の巫女。加えて、犬御は神代に怪我を負わせている。そんな中無理をして助けてもらったのだ。
きっと怒っているだろう。お礼をしたところで、許してくれるとも思えない。
それが引け目となって、中々はっきり「ありがとう」と言えないのだった。
>>703
「瞳君、彼女は私の仲間を助けてくれた人じゃん」
警戒態勢になった瞳に、慌てて言う。
「私、あの人にお礼をしに来たの。だけど、瞳君が妖怪だって分かったら、戦いになっちゃうかも、って思って飛び出しちゃって……」
余計な事しちゃって、ごめんじゃん、と、しょんぼりした声色で呟く。
705 :
神代澄香
[sage]:2011/01/31(月) 22:38:03.49 ID:jSJlAALGo
>>703
「ん、まあね……一応退魔の巫女の血筋よ」
【自分の使命を語る巫女の少女は誇らしげでもなく、どちらかといえば
非常に面倒臭そうな様子であった――。実際、退魔の巫女の使命など
彼女にとっては面倒くさい代物に過ぎなかった――ただ、ちっぽけな信念があるだけだ】
>>704
「…………本当に?」
【疑いの眼差しを射込みながら、目を合わせて問うた。わざわざお礼を言いに
妖怪が出てくる――そんなことなど、今までなかったのだから。しかし――
見つめる事数秒――しばらくして、巫女の少女は抜刀の構えを解いた】
「ごめんなさい、疑って……。貴方の目は嘘を付いていないわ。
ん――? って、こいつも妖怪だったの!?」
【後方に控える瞳の方を見て、驚愕に目を見開く。今の今まで気付いていなかったのだ。
慌てて一度解いた構えを直し、距離を取ってふたたび刀の反りを打った――。
今度は警戒心が瞳の方へと向けられている――様子を静かに伺いながら】
706 :
瞳
2011/01/31(月) 22:46:17.46 ID:XDlnQ2eAO
>>704
「なるほど、助けてくれたという事は、危険な退魔師ではなさそうだな。」
七生の言葉に安心し、警戒を解く
「七生が謝る必要はないさ。それに、私と彼女のための行動だろう?余計なんかじゃないさ。ありがとう。」
笑顔で返す
どこか、疲れた笑顔だが
>>705
「やはり退魔師か…
って、おい!そう警戒するな!」
警戒態勢の澄香に慌てて言う
「私は危険な妖怪ではない!」
必死に訴える
707 :
四十萬陀 七生
2011/01/31(月) 22:48:54.04 ID:k/lcqWLPo
>>705
人間と、ましてや巫女とこんなに目を合わせることなんて滅多にないだろう。
内心で鼓動を早打ちさせながらも、どこまでも漆黒の広がる瞳で神代を捉える。
数秒後、どこで認められたのかはわからないが、どうやら分かってくれたらしく、神代が構えを解いた。四十萬陀がほっとしたのも、つかの間。
「あっ――ストップストップ!!」
今度は、標的が瞳へと変わったことに慌てふためく。
>>706
「……?」
どこかいつもと違う笑みに、違和感を覚えた四十萬陀だったが、今は気にしている場合ではない。
翼を庇うようにはためかせながら、四十萬陀は神代に話しかけた。
「そうそう!! 瞳君は悪い妖怪じゃないじゃん!」
708 :
神代澄香
[sage]:2011/01/31(月) 23:01:59.72 ID:jSJlAALGo
>>706
「本当かしら? 最近は嘘つきが多いからねぇ……」
【じっと相手の顔を見つめ、慎重に観察を続ける――。一挙手一投足も見逃さない気構えだ。
窮奇のような妖怪と出会ってこともあって、彼女の心に巣食う疑心は大きい。
危険な妖怪ではないという言、本当に信用できるのか――疑いの眼差しは消えない】
「一応聞いておくわ……貴方は人喰いの妖怪?」
【もしも人喰いと答えるならば、次は考えを改めるように薦めるつもりだ。
しかし、それでも人喰いを続けようとするのであれば――斬らなければならない。
窮奇のような雰囲気は感じられないし、出来る事なら少女の言葉を信じたい――そう願うが】
>>707
「……残念だけど、貴方の証言だけでは信じきれないわ。
酷なことを言うかもしれないけど、貴方は人喰いの妖と知り合いだったしね」
【務めて、冷静である――いや、もはや冷静という域にはあらず、その慎重さは臆病と言えるほどだ。
言葉だけならばなんとでも言える――そんな心の声が、どこからか澄香の内に響いてくる。
妖怪との共生も可能だと信じる澄香だ。出来れば信じたい――しかし、嘘だったら? 葛藤が巡る】
709 :
瞳
2011/01/31(月) 23:11:12.81 ID:XDlnQ2eAO
>>707
「そ、そうだ。私は悪い妖怪ではない!」
自分で言うのはどうなのだろうと思いながらも、慌てながら大声で言う
>>708
「本当だ!信じてくれ!」
信じてほしいという思いを込めた、真っ直ぐな視線を向ける
「人を喰ったりはしない!人間は基本的には好きだからな…」
その人間に今疑われている
(人間は、やはり妖怪を恐れているのか…信じられない存在なのだろうか…?)
少しずつ弱気になっていく
不安が押し寄せる
710 :
四十萬陀 七生
2011/01/31(月) 23:18:13.93 ID:k/lcqWLPo
>>708
「う……」
そう言われてしまうと、なんと言い返すこともできない。
そもそも四十萬陀だって人喰いの妖怪であった訳だし、信用しろという方が無理な話だ。
だけどそれでも、自分が瞳を巻き込んでしまったのだから、何としても傷つける訳にはいかない。
「お願い。信じて欲しいじゃん! 瞳君は……『アイツ』とは違うじゃん!」
何とか分かってもらおうと、必死に訴えかける。
>>709
「瞳君?」
段々と、声が小さくなっていく瞳に再び違和感を抱き、後ろを向いた。
そこには、不安そうな表情を浮かべる瞳の姿。
どうしたのだろうか。とにかく、いつもの瞳ではない。
「……瞳君、何かあったじゃん?」
711 :
神代澄香
[sage]:2011/01/31(月) 23:27:00.93 ID:jSJlAALGo
>709
「……それが、一時的な言い逃れでないことを祈るわ」
【信じたいという心と、疑心の鬩ぎあいの末――巫女の少女は刀の反りを元に戻し、
抜刀の構えを解いて、鞘から手を離した。されど、警戒心は完全に消えていない。
ただ――信じてみたかった。人間と妖怪の共生が可能であると、彼女自身が信じているゆえに】
「だけど、貴方がもしも人間を襲うようであれば……その時は斬る」
【釘を刺すように、静かにそう付け加える。疑心は完全に晴れた訳ではない。
しかし、甘いといわれようが――斬らずに済むならばそれでいい。それが一番いい。
それに、彼女の「人間は好きだ」という言葉を信じたかった。だから様子見をすることにしたのだ】
>>710
「……一応、武器は納めるわ。でも、完全に信頼した訳じゃないから」
【腰に帯びた刀から手を離した巫女が言う。あくまで慎重な姿勢を崩さず、声音も冷たい。
それでも――一応はこの妖怪たちの言葉を信じて、武器を納めたのだ。
まだ完全に警戒心が抜けきった訳ではないが、ひとまず交戦の可能性は無くなった――】
712 :
瞳
2011/01/31(月) 23:32:58.03 ID:XDlnQ2eAO
>>710
「な、何もない…」
七生から目を反らす
動揺している
「私は大丈夫だよ…」
明らかに何かを隠しているようすだ
>>711
「………」
辛そうな表情
完全には信じてもらえなかった
「絶対に…人を襲ったりはしない…」
完全には晴れぬ疑心
言葉がズキズキと心に染みた
713 :
四十萬陀 七生
2011/01/31(月) 23:43:15.87 ID:iYA4DnFSO
>>711
神代が武器を納めたことで、四十萬陀はやっとこさ一息付いた。
争いにならなくてよかった。そもそも自分が巻いた種なのであるが。
とはいえ、これで改めてゆっくり礼を述べることができる。
――まだ言えていない、「ありがとう」を。
>>712
「瞳君……」
大丈夫、何もないと繰り返す瞳に、四十萬陀は自分を重ねた。
窮奇に対する恐怖を押さえ込んで、露希たちの心配を取り合わなかった自分を。
……もしかして、周りから私は、こんな風に見えていたのかな。だとしたら、気になるに決まってる。
「……瞳君、無理しないで、話してみてもいいじゃん?」
自分が言えた義理じゃないが、一度だけのつもりで、四十萬陀は尋ねた。
714 :
神代澄香
[sage]:2011/01/31(月) 23:50:46.93 ID:jSJlAALGo
>>712
「……一つ、言っておくわ。私は、妖怪と人間が共生できると思っているの。
だから、貴方の言葉を信じたい……信じさせて頂戴……」
【辛そうな表情を見ていれば、罪悪感に胸が詰まりそうになった。少女の言葉が本当なら、
自分の言葉は間違いなく少女を傷つける無形の刃となっている。数秒の間を置いて――
押し[
ピーーー
]ような声で、巫女は語った。己の考えを――ちっぽけな信念を――】
「妖怪とはいえ――人を襲わずにいるのなら、人間社会に溶け込もうが
山の中で生活していようが構わない。自由にすればいいってのが、私の考えだから」
【退魔の巫女として、この考えが甘いという諫言は何度も聞かされてきた。
身内からも、敵である妖怪からも――。それでも、決して改めることはなかった。
だが、揺らぐ事は幾度もあった。今も巫女の心は揺れ動いている――】
>>713
「そういえば……人喰いを止めた後はどうしてるの? 動物の肉とか食べてる?」
【狼と戦い、山へ運ぶ際に交わした約束――。それが守られているのか、気になって尋ねた。
動物性たんぱく質なら他の動物からも摂れるし、人間の味なら柘榴で得る事が出来るとは
彼女の弁であるが、果たして今はどうしているのだろうか――と】
715 :
瞳
2011/02/01(火) 00:00:18.74 ID:ZQgOEgIAO
>>713
「……」
しばらく考えた後
「お見通しだったみたいだな。わかった、話そう。」
そう言うと、目を瞑り呼吸を整える
そして、ゆっくり目を開け
「ある妖怪と出会ってから、自分の夢に自信が持てないんだ…
自分は間違っているのでは、自分のやっている事は自分勝手な愚かな行動なのでは、そんな考えが頭に浮かぶんだ…」
悲しげな口調
不安げな表情
彼女の心は、今にも崩れ落ちてしまいそうだった
>>714
巫女の言葉を聞き、確信した
悪い退魔師ではないと
「優しいんだな…」
弱々しくも、笑顔で言う
優しい――それは、甘いとも言うのかもしれない
だけれども、瞳は巫女の考えを間違っているとは思わなかった
716 :
神代澄香
[sage]:2011/02/01(火) 00:25:24.59 ID:RAexMZ4Lo
>>715
「優しくなんかないわ……。ただ、世の中そんな感じでもいいかなって思っただけ。
信念とすら呼べないような、ちっぽけな願い。何度も笑われたけどね」
【この考え方に対しては、偽善者――理想論――などと言われ続けてきた。慣れてしまうほどに。
この前であった窮奇という妖怪もそうだった。しかし彼女の願いは変わらない。
こうして、人間は好きだと言ってくれた妖怪もいるのだから――このまま信じ続けていたい、と】
「何か事情がありそうね……。私は外すわ。きちんと聞いてもらいなさい」
【七生のやり取りを見た巫女の少女はそう告げて、再び雪道を歩き始めた。
複雑な事情がありそうで――今からそれを友人に話すのだろう。自分が容喙すべきではない。
というよりも、話しやすいように自分はここから立ち去るべきだろう――そう思って】
717 :
山犬
[sage]:2011/02/02(水) 22:48:32.57 ID:4/E0fs6Go
今日は仕事は休み。
結局、ボロボロの制服の理由として七不思議に出会ったことを白状しなくてはならなかった。
もちろん会社は信じてくれなかったけれど、同僚たちは面白がった。
『毛深山さんってそういうの、見える人なんですねー』
…とか、女子社員にやたらキラッキラした瞳で言われても困る。
『こんど心霊スポットとか皆で一緒に行ってみません?』
…とか、後輩の男子社員に誘われても、もっと困る。
そして目下、一番困っているのがアパートの給湯器が壊れたことである。
最寄の銭湯までをこの寒空の下、往復しなくてはならない。
湯冷めること必須である。
「……降らないだけまだマシなんだけどな」
石鹸と湯桶を抱えて、次第に青くなり始めた夕空を見上げて街を歩く鉱太郎であった。
718 :
夜行集団
2011/02/02(水) 22:57:41.56 ID:UeugIJ2R0
>>717
石鹸と湯桶のダブルセット。なんと風流な風貌かとその男を見つめるカップル、でなく片方がボーイッシュの
穂産姉妹がとある家の軒下に座っていた。
「かたかたなる石鹸・・」
『後は・・隅田川さえあれば完璧だったね・・』
片方は穏やかな表情で、片方は眠気にさいなまれている表情で、なんとものどかな光景であった。
これでは、唯のカップルに見えるのも仕方がないだろう。
719 :
山犬
[sage]:2011/02/02(水) 23:07:40.62 ID:4/E0fs6Go
>>718
「うおっ!?」
恋人風の二人の前をすたすたと通り過ぎた……筈だった。
鉱太郎の首に巻きついた札へ繋がる光の緒が、くいっと引かれて軽く絞まる。
その場に立ち止まった鉱太郎は二人を振り返り、じっと見つめた。
「こいつが触ったってことは、あんたら、人間じゃないな?
嫌な臭いが感じられないってことは、そう悪いモンでもねぇ筈だ。違うか?」
おそらく警戒は必要ない。
でも、この街に居る以上、彼らが何者なのかは知っておきたい。
その思いから暫くの逡巡の後、鉱太郎は二人にそう尋ねた。
720 :
穂産姉妹 日子神「」雨子神『』
2011/02/02(水) 23:15:44.91 ID:UeugIJ2R0
>>719
話のお題にしていた男が話しかけてきたことで少し驚きつつ、何か新手のナンパかと警戒する二人。
先ほどのパントマイムには少し楽しましてもらったが、それとこれは別である。
しかし彼の話す内容が浮ついた内容でなく、なおかつ自分たちの正体を見破ったことで話す気になった。
「私達は穂産姉妹神です。妖怪と言えども一応、神格を持っていた事があるので
悪くはないと思いますよ。」
『若干日子神が・・空気読まない悪気があるけど・・』
721 :
山犬
[sage]:2011/02/02(水) 23:24:18.74 ID:4/E0fs6Go
>>720
「てぇことは、神様崩れか。
いろんな意味で堕ちてない神崩れを見るのは初めてなんだが、
なんでまたそんなのが複数で、こんなところに?」
元がつく神が正気を保ったままでこんなところにいる、そこが鉱太郎には気になった。
どこかで何か不穏な動きでもあるのだろうか。
最悪でも、札主にさえ影響が無ければいいのだが、
今の仕事に差し支えるような障りがどこかにあるのなら、上手くやりすごさねばなるまい。
722 :
穂産姉妹 日子神「」雨子神『』
2011/02/02(水) 23:35:26.86 ID:UeugIJ2R0
>>721
山犬の神様崩れという言葉に落ち込む二人。二人同時に頭が下がりため息をついた日子神に至っては
少し涙目だ。
「神様崩れ・・」
『少し言葉は選んでほしい・・自分で選んだ道とはいえ・・
聞こえが悪過ぎる・・』
彼女たちが神格がなくなったのは、とても単純な話で彼女たちの『悪事』である。
それゆえの剥奪、身分の消失なのである。
では、何故彼女たちは正気なのか。それこそ神格の件より単純だ、狂っている暇があったら、その分
人に恵みを与えている方が楽しいからである。
『それに・・僕たちは複数なんじゃなくて・・穂産姉妹神は二人で人柱なんだ・・』
「何故ここにいるかは・・なんででしょうね?」
『(日子神のせいだよ・・)』
723 :
穂産姉妹 日子神「」雨子神『』
2011/02/02(水) 23:38:00.66 ID:UeugIJ2R0
>>722
人柱☓
一柱○ です・・
724 :
山犬
[sage]:2011/02/02(水) 23:46:40.31 ID:4/E0fs6Go
>>722
落ち込む様子の二人に、鉱太郎は慌てた。
「あいや、すまなかった。そう悪い意味で言ったわけじゃなくてな……」
困った。こういう場合に上手く口が回らない。
一度は柱として立った神が役割を失った場合、変質して酷く弱るか狂うかするものなのだ。
むしろそれしか知らないから、鉱太郎はこの二人に驚いたのだ。
「実は俺は、こういう者なんだ」
鉱太郎は、山犬の本性を二人に見せた。
札憑きの山犬。善性の送り犬であり、人好きの神に仕える群れの一匹である。
「立場上、神様やめた奴はたまに見るもんで、あんたらがちょっと珍しくてな」
725 :
穂産姉妹 日子神「」雨子神『』
2011/02/02(水) 23:54:51.74 ID:UeugIJ2R0
>>724
「いえいえ・・今ではあまり気にしなくなりましたから!!お気になさらないでください!!」
少し昔を思い出していた事で鉱太郎を困り顔にしてしまった、今度はこちらが困ってしまう日子神。
そして笑いながら言う
「まあ、もともと神の考え方にはあまり合っていなかったものですから。
辞めさせられた面もあれば、止めたという面もあるのですよ。」と。
しかし日子神説明している最中に変化を解き、山犬の格好になってしまった鉱太郎。
『ちょ・・!流石に街中で変化を解いちゃだめ・・!』
彼の姿が一般人にばれてしまわないように焦っている雨子神。
726 :
山犬
[sage]:2011/02/03(木) 00:07:22.15 ID:OdErs3awo
>>725
おそらくこの2人の場合は、立ち方が変われどもやることは神の頃とそう変わっていないのだろう。
だから正気でいられる。
しかも対になる存在があるゆえ、互いに存在がぶれずに済んだのかもしれない。
…とそう鉱太郎は見当付けた。
「ああ、見えてる奴は見てるだろうな」
だが構わんのさ、と山犬が笑う。
「俺は人が好きだから、もし見えてる奴が居たら話しかける。何より、俺が生きる時間は短い」
山へ帰れないままの札憑き犬は、人を護るほどに弱り、擦り切れてゆく。
「普通の妖怪どもからみたら、呆れるほど短い時間しか生きられないんだ。
せめてその間に、人とは面白く関わっておくさ」
もしも札が焼けたり破損したら、その札に憑いた犬は死ぬ。
そういうものなのだ。
727 :
穂産姉妹
2011/02/03(木) 00:14:26.05 ID:74qzkYBj0
>>726
「どうせ短いならより楽しく、ですか・・」
『いいね・・そういう考え方大好きだよ・・』
とても長く、そしてこれからもさらに長く生きていくのであろう自分たちには知ることのない心境。
しかし、不死身という価値観の壁がありながらも、彼の前向きな、ただひたすらに前向きな生き方に
は理解できるものがあった。
「ですが、あまりそのお姿で街中にいますと、退魔師などに攻撃されて」
『余計に命が縮まる事になるから・・気をつけてね・・』
728 :
山犬
[sage]:2011/02/03(木) 00:30:27.22 ID:OdErs3awo
>>727
「別に俺は魔物ってわけでもないからな。
犬一匹に躍起になるような退魔師もそうそう居ねェだろうと思うが
心配してくれるあんたらの気持ちはありがたく受け取っとくぜ」
死んだら魂は山へ帰れる、と聞いたこともあるが、それはその時にならないと判らないだろう。
山犬が人の姿を取り直すと、湯桶の中で石鹸がカタンと鳴った。
「むしろ、あんたらは大丈夫なのか?
役割をやめた神ならば、それだけ狙われやすくもなるだろうに」
手っ取り早く名乗りをあげるために、神崩れをあえて狙う輩も居る。
相手が神ではないのだから、神殺しの罪も被らずに済む。
堕ちて狂った神ならば、むしろ殺せば感謝もされる。
そういう者達は得てして手強い。
729 :
穂産姉妹
2011/02/03(木) 00:38:30.74 ID:74qzkYBj0
>>728
「(石鹸がまたかたかた鳴った・・)」
『そうなのか・・?そうか・・だから僕達だけやけに狙われていたのか・・』
フォークソングの一場面の再現に心奪われる日子神、
自分たちの絡まれやすさに、ようやく納得がいった雨子神。
『まあ・・僕達も一応長生きできているってことは・・
僕達より強い奴が相手になってなかったからなんだと思うよ・・』
「それに、今は私達の集団という、大きなバックボーンがあるので、
特に心配する事もないですしね!」
意外としっかり聞いていた日子神。
730 :
山犬
[sage]:2011/02/03(木) 00:53:51.36 ID:OdErs3awo
>>729
(こっちの嬢ちゃんは、さっきから何かに気をとられてるみたいだな)
まさかそれが湯桶と石鹸のせいだとは露知らず。
鉱太郎が抱えなおした湯桶の中で、カタリコトリと石鹸が動く。
(こっちの兄ちゃんは、まさか今まで気付いてなかったのか?)
「いや、仲間とか後ろ盾があるなら良いんだけどよ…」
もしもこの対になる二人の片方が何らかの形で壊されるか、二人が引き離されてしまったら。
二人だからこそ強く居られる彼らは、余計に脆いかもしれない。
鉱太郎はわずかだが、直感的な不安を抱いた。
(だが、それは俺が心配することじゃない。それに不吉なことは口にしないほうがいい)
鉱太郎が言葉を濁し、内心でそう呟いたときに、少し遠くでサイレンの音がした。
「これは―――火事!」
敏感な山犬の耳は、それが大家の家の方面であることを聞き取った。
今直ぐに向かわねばなるまい。
「―――嬢ちゃんたち、すまないが俺はこれで失礼させてもらう」
二人の返事も聞かず、走り出した山犬の湯桶の中でカタカタと石鹸は鳴り続けていた。
//絡みどうもありがとうございました。
731 :
穂産姉妹
2011/02/03(木) 01:07:23.19 ID:74qzkYBj0
>>730
石鹸を鳴らしながら走り去る鉱太郎を眼で追う。
なにか忙しそうなのだと、のんびりとした二人はただ、ぼーっと考えていた。
「さようならーっ!(あの人に彼女がいたら完成するのになぁ・・)」
『なんだろうね・・いきなり血相変えて走り出すなんて・・
にしても・・なんだか失礼な勘違いをしていった気がするな・・』
野次馬に行く事もなく、ただそこに座り続けている二人。
のんびりと平和でふわふわした空気が穂産姉妹の周りを覆っていた。
「でも、そろそろ帰ろうか雨子神」
『帰るのは良いけど・・ここ何処か解っているの雨子神・・?』
「どこなんだろうね・・」
//こちらこそありがとうございました!!
732 :
東雲 犬御
2011/02/03(木) 22:32:06.08 ID:DlRyIbE4o
――袂山の中腹、闇に紛れて一人の大男が、『狩り』を行っていた。
茂みの合間を、一匹の獣妖怪が駆け抜ける。後ろを振り向き、表情に絶望を孕ませながら。
そのすぐ後を追うのは、闇夜に紅い目を瞬かせる男。
「おッ……お前! この山の送り狼だろ!! 山の妖怪同士は争わないって決まりを……」
「うるせェよ」
「ぎゃああぁッ!!!」
瞬間。低い声と共に飛び出した犬御は、鎌鼬を纏った爪で獣妖怪の背を切り裂いた。
「ひっ……た、助け」
「悪ィな。――俺の為に、贄になれ」
その言葉は、死の宣告。
ずるずると身を引きずり、ひたすら逃げようともがく獣妖怪に、犬御は自らの鋭い片牙を突き立てた。
733 :
七郎
2011/02/03(木) 22:42:51.99 ID:KnytTVjAO
>>732
(ちっ…こんな所に散歩になんざ行くんじゃなかったぜ…)
一匹の狐、茂みから一連の流れを眺める
(縄張り争いか?いや、それにしちゃ妙だな…とにかく、見つかったら厄介だな…)
こっそりと逃げようとする狐
しかし――
バキッ
木の枝を踏んでしまい、辺りに音が響く
(しまった!!)
734 :
東雲 犬御
2011/02/03(木) 22:51:11.56 ID:DlRyIbE4o
>>733
「!!」
音に気付いた犬御は、目を剥き、ぐりんと首だけで後ろを向いた。
――狩りに集中して気配に気付かなかったか……
ゆるりと巨体を持ち上げると、犬御は足元を踏みしめた。足をバネにする。じゃり、と土が抉れる。
そして、妖気のする方向へ一気に飛び跳ねた。
735 :
七郎
2011/02/03(木) 22:59:15.14 ID:KnytTVjAO
>>734
「ちっ…こっちに来るんじゃねぇよ!狐炎螺旋!」
飛びかかってくる犬御に螺旋状の炎を放つ
ダメージを狙ったのではなく、逃げるために
(隙ができたら…一気に逃げる!)
736 :
東雲 犬御
2011/02/03(木) 23:05:05.41 ID:DlRyIbE4o
>>735
「はッ、逃がすかよ」
犬御は背に手を伸ばし、羽織った黒いジャケットを引っ掴むと、そのまま螺旋炎目掛けて振り下ろした。
盾となったジャケットが、闇の中で赤い火を上げて燃え上がる。
それを跳ね除け、犬御は地面に着地した。
「よう」
――ニィィ、と片牙を剥き出しにして、嗤う。
理性を失い、本能のまま狩ることを覚えた、狼の笑みで。
737 :
七郎
2011/02/03(木) 23:13:20.88 ID:KnytTVjAO
>>736
「ちっ…何の用だ?俺もさっきの奴みたいに喰うのか?」
睨みつけるような視線を向ける
表面上は余裕に見えるが、内心は恐れていた
今まで様々な妖怪と出会ってきたが、こんなに本能をむき出し、しかもそれを自分に向けてくる相手など、初めてだった
738 :
東雲 犬御
2011/02/03(木) 23:20:40.18 ID:DlRyIbE4o
>>737
「あァ、もちろんだ」
犬御はさも当然といった風に応えた。
目の前に『餌』があるのに、喰わずに他に何をしようか――そう言わんばかりに。
敵意と恐怖を含ませた視線は、犬御の本能をさらにくすぐる。
今まで抑制されいた何かが弾けるように。
「観念しな」
じり、と再び、犬御は飛びかかる態勢に入った。
739 :
七郎
2011/02/03(木) 23:30:18.23 ID:KnytTVjAO
>>738
「……来いよ!俺はそう簡単に喰えねぇぜ!」
キッと睨みつけ、一歩下がる
そして――
「狐炎弾!」
サッカーボール大の炎の球を放つ
740 :
東雲 犬御
2011/02/03(木) 23:41:09.56 ID:DlRyIbE4o
>>739
「言うなァ!」
吠えると同時に、犬御は七郎に向かって跳ねた。
目の前に、巨大な炎弾が飛んでくる。しかし犬御は臆すことなく、それに手を伸ばした。
炎弾を受け止め、思い切り右に振り払う――犬御は、自らの腕に風を纏わせることで、ダメージを軽減させつつそれを行ったのだ。
しかし、素手で炎弾に触れることにはかわりない。手のひらが音を立てて、黒く焼け焦げる。
そのダメージに顔を顰め、犬御は足を止めた。
「……ふッ、ははは!」
犬御は焼けた手のひらで顔を覆うと、指の隙間から愉しそうな表情を覗かせる。
「いいぜいいぜいいぜェ!! お前を喰えば俺は……」
――もっと 強くなる…!!
741 :
七郎
2011/02/03(木) 23:49:32.56 ID:KnytTVjAO
>>740
「ちっ…俺の炎が…」
驚きながらも、笑っている犬御を見る
(コイツ…正気か…?)
恐れが増幅する
しかしそれを振り払い
「これならどうだ!狐炎爪!!」
指先に炎を纏い、接近戦に持ち込もうとする
742 :
東雲 犬御
2011/02/04(金) 00:00:18.82 ID:fdTE0KfSO
>>741
「今度は接近戦か。……だが、いいのか?」
ニタリと口元を歪めると、犬御は爪に鋭い風を纏わせる。
そして、あえて交差するように、七郎の炎を纏った指先を受けとめた。
「接近戦(ケンカ)は俺の十八番だぜ!」
ギリギリ、と均衡する炎と風。
七郎を弾き飛ばしてしまおうと、犬御は力を込める。
743 :
七郎
2011/02/04(金) 00:08:40.72 ID:gSZmRMpAO
>>742
「くっ…」
押される、今にも弾き飛ばされそうだ
(ちっ…選択をミスったか…)
「ぐっ…く…ここまでか…」
押し負ける
呆気なく弾き飛ばされた
「がはっ!!」
木に激突し、吐血する
744 :
東雲 犬御
2011/02/04(金) 00:21:36.25 ID:fdTE0KfSO
>>743
「はッ!」
犬御は物足りなそうに腕を振ると、その巨体を揺らして、七郎が激突した木に歩いていく。
「おいおい……まさかこんなもんじゃないよなァ?」
容赦なく浴びせる声。とどめを刺すつもりだろうか、狩りを終える声。
しかし、どうやら油断しているらしく、構えを解いている。
逃げるならば、最後のチャンスとなるだろう。
745 :
七郎
2011/02/04(金) 00:30:55.38 ID:gSZmRMpAO
>>744
「へっ…残念だが、こんなもんなんだよ…」
傷つき弱った声
しかし、油断を見逃さなかった
「だが、あんたの餌にはなれねぇ…守るべき奴がいるんでね!!」
両手を突き出し炎を放つ
そのまま木から体をずらし、炎の噴射を利用し後退
そして、最大火力の噴射により高速で後ろ向きに逃げていく
746 :
東雲 犬御
2011/02/04(金) 00:41:35.36 ID:fdTE0KfSO
>>745
「まだ抵抗する気かァ!? いい加減、」
諦めろ。そう叫ぼうとした。
「――守るべきもの……?」
ピタリと、犬御の動きが止まった。
何か大切なものを、取り落としそうになっている何かの端を、少しだけ掴んだような――そんなカオをして。
その隙に七郎が逃げた事に気付いて犬御は、慌てて顔を上げて追い掛けた。
しかし、戦いにおいて一秒の遅れは通常より何倍も力を持つ。犬御はスピードに付いていくことのできないまま、置いていかれる。
「……くそ、くそッ。くそがァ!!」
貴重な『強い餌』に逃げられた怒りを現わにして、犬御が震えるような咆哮を響かせた。
747 :
七郎
2011/02/04(金) 00:57:45.24 ID:gSZmRMpAO
>>746
「何とか…逃げきれたみたいだな…」
無事、山から降りられた七郎
「くっ…思ったよりヤバいな…」
辛そうに歩く
その歩みはふらふらしている
「十夜…お前を守るためにも俺は死なねぇからな…」
そう呟き去っていった
748 :
窮奇
2011/02/04(金) 23:05:33.13 ID:OYvZL62yP
夕闇に包まれたとある町外れのバー。
外装は小洒落た雰囲気だが、辺りには人気がなく閑散としている。
「ダバダー、バーー、ダバダー、ダバダー♪」
バーテンダーのような格好の女性が、
あの唄を歌いながらコーヒーメーカーを弄くっている。
蝶ネクタイをして髪を後ろに結い、男性的な格好だ。
店内はこの女性以外に2、3人の男が静かに座っているだけである。
「んー、もうすぐ来る頃かなぁー?」
749 :
東雲 犬御
2011/02/04(金) 23:23:29.30 ID:j08JgU5eo
>>748
窮奇が鼻歌を歌っているちょうどその頃、バーの表に、黒いジャケットを身に纏った狼が訪れていた。
指先で挟んだノートの切れ端と、目の前の垢抜けたバーを交互に見て、ここが目的の場所であると再度確認する。
「ここか……」
扉の前に立ち、冷たいドアノブに手を掛けると、
犬御は躊躇うことなく腕を引いた。
750 :
窮奇
2011/02/04(金) 23:31:47.68 ID:OYvZL62yP
>>749
――カラカラン
引かれたドアに備え付けられたベルが鳴る。
女性は開いたドアに向き直り、ニヤニヤとした不気味な笑みを浮かべる。
「はーい、いらっしゃーい! 上がって上がってぇ」
流れる穏やかなクラシックがサイケデリックな怪音にも聞こえるような。
禍々しい空気だった。
見た目も、匂いも、音も。
なにもかもか綺麗で心地よいはずなのに、どこか嫌な感じがするのだ。
「コーヒーにする? それともジュースにしちゃう?」
ニタニタと不気味な笑いが、
入ってきた犬御に纏わり着いた。
751 :
東雲 犬御
2011/02/04(金) 23:44:17.54 ID:j08JgU5eo
>>750
カラカラと音を立ててドアが開く。
内装も程ほどに洒落ていて、まるで隠れ家のような、密かに人気のバーといったところだろう――普通なら。
足を踏み入れてまず犬御の目に入ったのは、カウンター越しにコーヒーメーカーを弄っていた女だった。
あの時の恰好が違うが、彼女から発せられる独特の空気は変わらない。隠しようもないといってもいいだろう。
「……よう」
犬御は適当に挨拶すると、誘われるままに店内に入っていく。
ただのバーであるはずなのに、この満ち溢れる混沌とした雰囲気は、いったいどうしたことか。
気分でも害したのか、犬御の眉間に僅かな皺が寄る。
同じく店内にいる他の客も気になるが、ひとまず犬御は、窮奇と向かい合うようにカウンターに腰かけた。
「いらねェよ。お気遣いどうも
ところで……ここはなんだ? テメェの店か?」
バーテンダーの恰好をした窮奇に問う。
752 :
窮奇
2011/02/04(金) 23:53:27.85 ID:OYvZL62yP
>>751
「あっはっはー! やだなぁ、教えたじゃん。ここは紫狂の本拠地じゃん!」
四十曼陀の口調をマネながら、不快感の伴う回答をする。
おちょくっているのか試しているのか、その笑顔からは真意が掴めない。
「店じゃないよ、ただの雰囲気作りさ。
それにもう一回言っとくけど、ここは紫狂の本拠地」
ニタニタと笑いながら、犬御に語りかける。
「キミみたいな掛け持ちさんが多いからね、必然的に閑散としちゃうんだよぉ」
カウンターから乗り出し、犬御の眼前に顔を近づける。
「さて、じゃあ飲み物以外で何が欲しいのかな?」
753 :
東雲 犬御
2011/02/05(土) 00:05:57.22 ID:ycqGovoSo
>>752
返ってきた答えに、いや、その応え方に、眉間の皺がより深く刻まれた。
目を細くして、窮奇をねめつける。言葉に出さずとも、不快で不機嫌なことが全身から伝わってくるようだ。
苛立ちを溜め息に変えて、犬御は言葉を吐き捨てる。
「……んなこた、わかってる。随分と、洒落た本拠地だと思ってなァ」
迫るように近付く窮奇から顔を背けると、
「お前は前に言ったな。ここに来れば、俺に近い妖怪の情報と、簡単な術が得られるかもしれない、と」
754 :
窮奇
2011/02/05(土) 00:21:32.85 ID:cooClr/NP
>>753
脳内を覗き込むような、
怖気が走る視線が犬御の瞳を見据える。
「ふーん・・・しばらく来なかったのと
その様子から見て・・・、焦り感じちゃってるのかなぁ?」
ニタニタニタニタ。
「うん、いいよー! 教えてあげる。
まずは一気にパワーアップできそうな妖怪だね!!」
パッと視線を外し、カウンターの向こう側に下がる。
ゴソゴソと、何か資料の様な物を取り出した。
「私が知ってる中ではこの2人なんかオススメだね。
この "相模の平次郎" くんと "犬神の深山" くんだ。」
資料ような二枚の写真が取り出される。
ジャージの男写真と、警備服を着た見覚えのある男の写真だった。
「2人とも・・・特に平次郎くんの方は超強いからね、
キミがまともにやり合っても多分絶対歯が立たないと思うよ」
755 :
東雲 犬御
2011/02/05(土) 00:36:56.93 ID:ycqGovoSo
>>754
「……」
窮奇の視線から逃れるように、犬御は視線を逸らし続ける。
彼女全体から発せられる空気も、刺さる視線にも、恐らく慣れることなどできないだろう。
犬御は正直なところ、この場所に来るつもりはなかったのだ。
窮奇から言われた方法――妖怪を喰う事。それを実行してさえいればいいと思っていた。
事実、犬御の力は上がった。しかしそれは根本的に強くなったというより、今まで犬御をつなぎとめていた四十萬陀の「掟」という鎖から外れ、
理性を捨て狩ることを覚えたことで、犬御に元々あった力が解放されたに過ぎないのだ。
――このまま袂山に住む獣妖怪を狩り続けていたとしても、これ以上の強さは望めない。
そう考えた結果、犬御はこの場所に来ることを決意したのだ。
窮奇が何やら資料を取り出し始めたのを見て、再び彼女に視線を向ける。
写真を覗き込んだ犬御は、一方の写真を凝視した。
一人は見たことがないが、もう一人――犬神の深山、と窮奇が呼んだ人物は、犬御の知った人物だった。
偶然遭遇し、成行きで共に七不思議と戦った妖怪だ。
「……こいつらか、」
歯が立たない、という言葉にぴくりと肩を揺らし、窮奇を睨むように見遣る。
だが、何も言わないのは、犬御自身がそれを認めているからだろう。
756 :
窮奇
2011/02/05(土) 00:55:28.98 ID:cooClr/NP
>>755
ニタニタニタニタニタ。
「そ、"こいつら" 。
この町の中じゃあ比較的目立つ奴等だからね。
意識して探せば見つけるのはそこまで難しくないと思うよ」
悪意が思考を絡め取っていく。
ニタニタという笑みは、迷える狼をさらに深淵へと引きずり込んでいく。
「面識のあるヤツらならいくらでも手はあるよ。
特に一方的に面識のあるヤツなんかすごく有利に立てるだろうね」
トントン、と指がカウンターを叩く。
「さて、戦略のほうはキミに任せよう。
次は術だけど・・・なんかめんどくさくなってきたからこれ貸してあげる」
小さな水晶の首飾りが置かれた。
「私の術の一部が使えるようになるよ。
あぁ、地面からドーンって石英の槍が飛び出すヤツね」
透き通った水晶は、紫色に怪しく輝いていた。
「使えるのはせいぜい10%・・・まぁ針の山でいうと一合目くらいまでだね」
757 :
東雲 犬御
2011/02/05(土) 01:07:22.46 ID:ycqGovoSo
>>756
「……」
犬御は鉱太郎の写真を手に取ると、じぃっとそれを見詰めた。
彼に会った事がある、ということは、彼の妖気を辿れるということ。
面識のないもう一方の妖怪より、はるかに探し易い。そして、はるかに戦い易いだろう。
無言で写真と睨み合いを続けていたが、
「面倒になったって……、なんだ、これ」
カウンターの上に置かれた首飾りと、窮奇の顔を交互に見合わせる。
説明がなされると、犬御は紫色の水晶を受け取り、ジャケットのポケットに収めた。
「あァ、……ま、ありがたく受け取っておく」
758 :
窮奇
2011/02/05(土) 01:12:33.93 ID:cooClr/NP
>>757
「うん、じゃあがんばってね」
渡された水晶。
それは窮奇の一部そのものだった・・・。
受け取ってしまったその瞬間から、
常に窮奇の悪意と監視に汚染され続けることとなる・・・。
「お帰りはあちらになってるよー」
窮奇がドアを指差したとき、独りでに扉が開いた。
カラカラン、とベルが乾いた音を鳴らす。
759 :
東雲 犬御
2011/02/05(土) 01:18:23.71 ID:ycqGovoSo
>>758
「邪魔したな」
席から立ち上がり、窮奇に背を向ける。
音を立てて開いた扉をくぐり、無言で扉を閉めた。
//絡みありがとうございました!
760 :
山犬
[sage]:2011/02/05(土) 22:20:40.26 ID:exQf/H/uo
このところ多発する火災に、仲間の山犬達も駆け回っているらしい。
先日の火災は幸いに小火止まりで大事に至らなかったようだが、
最近の出動回数が多すぎると不平を漏らしていた赤犬は、確か消防署の札犬だったか。
「お前らの所で火が出たら、こっちにも連絡来るんだからな。
ちゃんと火の元は見といてくれよ」
言われなくても、と鉱太郎は思う。
例え相手が札主ではなくとも、ここを護る契約はしたのだから。
警備員としての雇用契約は、札に縛られた神使としての役割と同じくらいに強く
鉱太郎を縛っている。
そう、今夜もこの学校の担当だ。
手袋を嵌めた手で正面玄関の施錠を確認すると、懐中電灯を片手に
警備員はいつもの巡回路を歩き始めた。
761 :
東雲 犬御
2011/02/05(土) 22:32:59.36 ID:ycqGovoSo
>>760
学校の敷地は全てフェンスで囲まれている。
犬御はそれを軽々飛び越えると、音もなく地面に着地した。
昼間は目立つ巨体と黒い恰好も、今は夜の闇に紛れている。
この学校に訪れるのは二回目だ。目的は全く違うものではあるが。
くんと鼻を利かすと、確かに彼――初めてこの場所に訪れたとき、出会った警備員のニオイがした。
どうやら、『当たり』だったらしい。
指を鳴らし、鋭い爪を立てると、犬御は躊躇いもなしに校舎の窓を貫いた。
ガラスと割れる大きな音が、廊下を伝って学校中に響き渡る。
学校を守る務めを負う者として、こうすれば、彼は必ずここへやってくるだろう。
犬御は割れたガラスから校舎内に侵入すると、山犬が訪れるのを待った。
762 :
山犬
[sage]:2011/02/05(土) 22:49:04.16 ID:exQf/H/uo
>>761
「!?」
すぐそこでガラスの割れる音に、鉱太郎の耳は素早く反応した。
(おそらく保健室付近、廊下の窓)
獣道は使わずに、玄関から廊下を真っ直ぐ辿る。
ほど近いし、人間の侵入者ならそのほうが捕まえ易い。
「……お前かよ、おい」
侵入者の気配に一度は気を張り詰めさせた鉱太郎は、
懐中電灯の明かりに浮かび上がった見覚えある相手に少し警戒を緩めた。
「何だ?またここに野暮用か?
それにしてもお前、侵入の仕方もうちょっと考えろよな」
あーあ、このガラス窓、どうやって誤魔化そう。
犬御の訪問の目的が、今回は自分自身であることには気付かず、
同族の気安さで鉱太郎は話しかけた。
「行く場所があるなら行って来いよ。必要なら鍵も開けてやるぜ」
苦笑いしながら警備員は鍵の束を持ち上げた。
763 :
東雲 犬御
2011/02/05(土) 23:00:23.99 ID:ycqGovoSo
>>762
――……来たか。
程なくして目の前に現れた警備員を視界に捉え、犬御は紅い目を細めた。
鉱太郎は、どうやら警戒を緩めているらしい。
それは犬御にとって、好都合な事だ。
「あァ、悪い……。ちょっと野暮用があってな」
ゆるゆると口を動かし、鉱太郎に近づいていく。
獲物を前にし、本能が昂ぶる。狩りを始めよと、血が騒ぎたてる。
それを助長するように、犬御の首に吊り下がった紫水晶が怪しく光る。
鉱太郎に近づいていく犬御のそれは、この間とはまるで違った。
狼としての本能と、悪意に目覚めた犬御に、果たして鉱太郎は気付くだろうか。
764 :
山犬
[sage]:2011/02/05(土) 23:13:30.56 ID:exQf/H/uo
>>763
まだ一度しか会っていない相手だ。
しかも、最初の出会い方は少々剣呑な雰囲気でにらみ合うものだった。
「OK。それで今日は、どこに用事だ?」
チャリチャリと鍵束が鳴る。
首から伸びた光の緒が、犬御の水晶に触れて焦げるような嫌な音がするその時まで、
鉱太郎は犬御の異変に気付かなかった。
「―――お前!それは……」
一体何だ?と、警備員が問いかけようとしたときにはもう、遅かった。
765 :
東雲 犬御
2011/02/05(土) 23:24:00.51 ID:ycqGovoSo
>>764
腕を伸ばせば届く領域に、鉱太郎の足先が触れる。
同時に、鉱太郎の表情が変わった。
それを嘲笑うかのように、片牙を剥き出しにして、犬御は口端を吊り上げた。
「――遅ェよ」
風の無かった筈のこの場に、突風が吹き始める。
鋭さをもったその風は、全て犬御の爪に集中し、触れるもの全てを引き裂く鎌へと変化させる。
鉱太郎の頭部目掛けて、犬御はその爪を掻き払った。
766 :
山犬
[sage]:2011/02/05(土) 23:42:27.87 ID:exQf/H/uo
>>765
ざくり
異変を感じた警備員の片耳から鎖骨にかけて、犬御の爪が鋭くえぐる。
鮮血が飛び散り、犬御に降りかかる。その血を浴びて、水晶は一層光を増した。
「っ!」
鉱太郎は反射的に防御の結界を開いた。
とっさに身を引いたために頚動脈だけは守れたものの、傷は深く、骨まで達している。
じっとりと、濡れた感触が胸元に広がってゆく。
緊迫が皮膚に張り詰め、手足の先は冷たくなってゆく。
(こいつ、狂ったか!)
あの赤い瞳の中に、狂気はあるのか。警備員は結界越しに金色の目で犬御を睨む。
自分自身が狙われていたのか。しかしそれはなぜなのか。
問うにしてもあまり時間は残されていないようだ。
無言のまま警備員は変化を解き、山犬の姿となった。
767 :
東雲 犬御
2011/02/05(土) 23:58:36.01 ID:ycqGovoSo
>>766
爪が肉を抉る感覚。飛び散る返り血が、犬御の顔を汚す。
鎌鼬を纏った爪は、鉱太郎の急所を引き裂く前に空を掻いた。
しかし、手ごたえは十分にあった。
「ちっ……。今ので死んでた方が楽だったものを」
口ではそう言いながらも、表情は愉しげだ。
このまま終わってもらっちゃ詰まらない。もっと本能を昂ぶらせ、満たす戦いを――
犬御の眼は、そんな事を語っているように、闇の中で赤く燃えている。
鉱太郎が山犬の姿になったのを見て、犬御もその姿を変えた。
黒い長毛には、血がべっとりと付いている。
「その体で、何分持つかな……!!」
嘲笑を絡ませた、乾いた笑い声を上げ、犬御は飛び出した。
鉱太郎には結界の術がある。それは前回の戦いの時も、先ほどの防御の時も見ている。
その結界が、どこまで万能か――。
犬御は巨体に似合わぬスピードでステップを踏むと、飛び上がり、廊下の壁を踏み台にした。
直線的に、一気に鉱太郎の背後を取ろうとする。
768 :
山犬
[sage]:2011/02/06(日) 00:10:25.58 ID:xMslw7+Co
>>767
「生憎だな。札に憑いた時点でもう俺に楽な生き方は無いのさ」
あの日札を受ける人間を見て、これに憑いて行こうと決めた。今も後悔はしていない。
障壁を飛び越えてこようとする犬御を見て、鉱太郎はそのまま目の前の障壁に突っ込んだ。
赤い障壁を境に、二匹の獣が入れ替わる。
再び結界を盾にして、鉱太郎は犬御と対峙する。
本来の姿なら、変化にとられていた分の力を戦いへ回すことが出来る。
しかし、それは相手もまた同じ。
積んでいるのは自分のほうだ。ならば…。
一声吠えると、鉱太郎は獣道を開いた。
声に応えて二頭の獣の文様が横手の壁に浮かぶ。
769 :
東雲 犬御
2011/02/06(日) 00:21:28.17 ID:MZknAnlIo
>>768
「そうかよォ、それは大変なこった、――!?」
背後を取った。そう思った途端に、犬御の目に映る景色が突然変わった。
目の前には、ガラス片が散らばる廊下が奥に伸びるだけだ。
絡繰りに気付いた犬御は、背後を振り向いた。そこには、壁を足元に廊下に降り立つ鉱太郎の姿。
――なるほど、こういう戦い方もできるって訳か……
鉱太郎が吠え、獣道を開く。
それを見た瞬間、前に鉱太郎が移動をショートカットするために使っていたものが、犬御の脳裏に過った。
あれを使われると、この場から逃がす恐れがある。
「そう簡単に逃がすかよッ!!」
犬御は獣道に立ちふさがろうと、鉱太郎に向かって飛び出す。
770 :
山犬
[sage]:2011/02/06(日) 00:28:08.27 ID:xMslw7+Co
>>769
再び障壁を飛ぶ犬御を見て、鉱太郎は身を低くして身構えた。
その顔は開いた獣道の方へ向いている。今にも飛び込む体勢である。
しかし既にここまででかなりの出血をしている。
犬御の次の一撃を受けたら、鉱太郎はもう持たないであろう。
(どうせなら人間護って死にたかったよなァ、札憑きなんだからよ)
今まさに獣道へ飛び込まんとする鉱太郎めがけて、犬御が飛び掛ってきた。
771 :
東雲 犬御
2011/02/06(日) 00:41:19.19 ID:MZknAnlIo
>>770
ドクン、ドクン。
心臓が早く脈打つ。どんなに小さな命を奪う時でも、狩りを終える瞬間はいつだってこうだ。
精神が昂ぶっているからか、興奮しているからかは分からない。
ただ――どこか隅っこへ押しやられた理性が、何かを叫んでいるような、そんな気もするのだ。
そんな理性の欠片を、紫水晶が押しつぶした。
「お前を! 喰って!! 俺は――強くなる!!」
完全に闘争本能の塊となった狼は、鉱太郎の首目掛けて、片牙を突き立てようとする。
これが突き刺されば、全てが終わるだろう。
772 :
山犬
[sage]:2011/02/06(日) 00:51:12.66 ID:xMslw7+Co
>>771
犬御の牙を鉱太郎の体が受けた。
ぶちり、と皮膚が破られる感触がした。その時を鉱太郎は待っていた。
犬御のそれよりも太い四肢が渾身の力を込めて跳ね、
鉱太郎は体をぶつける様にして、犬御を獣道の文様の中へと跳ね飛ばす。
そして、鉱太郎は獣道を閉じた。
文様の中は漆黒の闇。犬御はその中を落ちてゆく―――
そして、先ほどまで居た場所の1階上、理事長室の椅子の上へと落ちるだろう。
今の鉱太郎には、そこまでしか犬御を飛ばす力は無かったのだ。
急いで部屋を出て探せば、弱りきった鉱太郎が見つかる筈だ。
773 :
東雲 犬御
2011/02/06(日) 00:57:37.02 ID:MZknAnlIo
>>772
「なっ……」
――狩った。そう完全に思っていた。
その慢心が招いたのか。犬御は、獣道に跳ね飛ばされた。
身動きできず、獣道をされるがままに落ちていく。
そして犬御は、背中から理事長室の椅子の上に追突した。
急いで起き上がり、辺りを見回す。一階ではない。……落とされた。俺が、獣道に。
「――う、おぉぉぉおああ!!!」
激高した唸り声を上げる。取り逃がしてなるものか。強い本能が脳を支配する。
あの傷だ。遠くにいけるはずもない。
犬御は今にも消えそうな鉱太郎の妖気を頼りに、部屋を出て探し始めた。
廊下を素早く駆け、階下へ降りていく。
774 :
山犬
[sage]:2011/02/06(日) 01:03:57.72 ID:xMslw7+Co
>>773
その頃、よろよろと鉱太郎が立ち上がった。
警備員の姿になるのはもう最後になるだろう。
壁にすがり血の跡を残しながら、鉱太郎は目的の物にたどり着く。
それは直ぐそこにずっとあったのに、手が届くまでが酷く遠く感じられた。
犬御の気配が迫る。
血に染まった手袋に懐中電灯を握り、鉱太郎は犬御を振り返った。
血まみれで、薄く笑って。
775 :
東雲 犬御
2011/02/06(日) 01:17:18.24 ID:MZknAnlIo
>>774
見付けた――!!
今更、なぜ鉱太郎が再び警備員の姿になっているか、その表情の意味を考える余裕など、犬御にはない。
目の前にある取り逃した『餌』。それを狩ることに夢中になっている。
犬御は、真っ直ぐに鉱太郎に飛びかかった。
776 :
山犬
[sage]:2011/02/06(日) 01:21:54.08 ID:xMslw7+Co
>>775
犬御に飛び掛られた時、鉱太郎は懐中電灯を持ち上げていた。
これはこんなにも重かっただろうか。
いつも巡回のときに持っていた、手に馴染んだ道具。
がしゃん
懐中電灯の尻が、廊下の壁の火災報知器のボタンを叩き、
「火災のときはここを強く押す」と書いてあるそれを押し破った。
非常ベルの音が校舎じゅうに鳴り響き、防火シャッターが作動し始める。
同時に消防署への通達が行ったはずだ。
(ベルの音が聞こえねェ。しくじったか)
犬御に圧し掛かられながら、鉱太郎の意識は暗転した。
その耳はもう、音を拾うことがなかったのだ。
777 :
東雲 犬御
2011/02/06(日) 01:28:51.15 ID:MZknAnlIo
>>776
「――!!」
鉱太郎の最後の抵抗に、犬御は思わず頭痛を覚える。
だが混乱することなく、人間の姿に変化すると、犬御はいたって冷静に鉱太郎を担ぎ上げた。
「最後の最後で、人間に頼るとはな」
吐き捨てるようにそういうと、破れた窓から校外に出る。
さすがにスピードは遅くなるが、人間たちが到着する前には山付近に戻ってこられるだろう。
778 :
山犬
[sage]:2011/02/06(日) 01:35:17.23 ID:xMslw7+Co
>>777
人々が到着したときには、もう犬御も警備員もそこに居なかった。
壊れた窓と、夥しい血の跡が残っている、火の気のない校舎があっただけである。
山犬はただ、異変があったことさえ知らせられれば、それで良かったのだ。
それが警備員としてそこを護るために結んだ契約である。
約束したからには絶対守るのだ。
その夜、東風荘の大家の家で忘れ去られた札が一枚、塵となって消えた。
779 :
夜行集団
2011/02/06(日) 20:01:25.03 ID:CpxOyFla0
夕方になっても人口はそのままで、様相が全く変る繁華街。
そこに一人のDJ、身の丈は到底その風貌に逢うことのないほど小さかった。
男か女か、だれにも知られることのない音楽妖怪が歩く。
「華音だYOー!!」
780 :
露希
2011/02/06(日) 20:05:54.84 ID:cJb5oIaE0
繁華街の店から出て来る少女。
「んっと、瞳さんはホワイトが好きそうだね…
氷亜さんとか、何が好きなんだろう?」
そう、もうすぐバレンタインデー。創作チョコを作るために買い出しをしていた。
「ん?あの可愛い子誰だろう・・・」
女の子に気づく。
781 :
露希
2011/02/06(日) 20:07:12.99 ID:cJb5oIaE0
/女の子と見做しています…
782 :
華音
2011/02/06(日) 20:11:10.77 ID:CpxOyFla0
>>780
自身の脈拍というビートにノッて意気YOーYOーと足が進む。
そして露希の妖気。足が止まる。
こちらの方に視線を送る彼女、その悪いのなさから死線ではないと安堵する。
「華音は華音だYO−!!」
783 :
露希
2011/02/06(日) 20:14:37.52 ID:cJb5oIaE0
露希の眼は瞬時に変わった。
「華音ちゃんっていうの?萌え〜!!
抱きしめたいな〜。」
目の前が真っ白になって行く。
下手をすると華音は抱かれてしまう!!
784 :
華音
2011/02/06(日) 20:21:57.50 ID:CpxOyFla0
>>783
こちらに近づく脅威、突然で整ない逃げる用意。
見た目優しそうで害はないはず、と華音は甘く軽く返事する。
「お互いのIと愛で抱きしめYOー!!」
ハグは欧米では通常。しかし今は異常。
785 :
露希
2011/02/06(日) 20:27:38.47 ID:cJb5oIaE0
ちっちゃくてノリノリな子を抱く準備をする。
「ボクは、君みたいな可愛い子を抱くのが好きなんだ―!!
さぁ、ボクの胸に飛び込んでおいで〜」
彼女はここが街中と言うことを気にしてない ▼
不気味な笑みを浮かべながら近づいていく。
786 :
華音
2011/02/06(日) 20:33:58.35 ID:CpxOyFla0
>>785
「抱くはハグ!?それとも抱く!?」
流石に感じた違和感に、咄嗟に案じた身の危険。
西欧でハグは通常。しかし幼子に抱く、は西欧でも異常。
「ハグ!?抱くぅぅううううああああああああ!!!」
確かめる前に走り出した華音は、恐怖と無力感を噛み締めながらなおも走る。
787 :
露希
2011/02/06(日) 20:39:46.53 ID:cJb5oIaE0
>>786
急に走り出して行ってしまう可愛い子。
逃がすまいと走ろうとした時、何かが閃いた。
そう、子供が大好きなチョコレート!!
「チョコあげるからおいで〜♪
いっぱいあるよ〜♪」
これがその辺のおじさんなら、とっくに警察行きだ。
788 :
華音
2011/02/06(日) 20:47:51.85 ID:CpxOyFla0
>>787
「チョコ?・・・・チョコ・・・」
言葉どおり甘い誘惑に、走る足の速さを少し遅くする。
しかし状況どおりの困惑に、足の速さが加速する。
「陽気な言葉と狂気な中身!!騙されませんよ!!」
789 :
露希
2011/02/06(日) 20:51:25.28 ID:cJb5oIaE0
「え、この【チョコ】美味しいんだよ?
期間限定の【チョコ】なんだよ?」
チョコに力を入れて誘惑する。
まぁ、場合によっては白龍に手伝ってもらうが…
790 :
華音
2011/02/06(日) 21:03:04.88 ID:CpxOyFla0
>>789
忍びよる悪意(とチョコ)、そのとき華音の頭の中に流れる歌はシューベルトの「魔王」。
身の危険を感じたときに流れる歌「魔王」。そして今、流れる歌も「魔王」。
なぜなら今も危険だからです。
「おとうさん!!おとうさん!!魔王(露希)がいるよ!!恐いよ!!」
心配するな華音。あれは紳士という名の変態です。
791 :
露希
2011/02/06(日) 21:07:30.88 ID:cJb5oIaE0
「む……まぁ、いいか。諦めよう…。」
ハァとため息をつく。勿論、嘘。諦めてない。
「家にでも帰ろうかな…」
来てくれるだろうか、可愛い女の子。
792 :
黒蔵@鳴蛇
[sage]:2011/02/06(日) 21:22:14.55 ID:xMslw7+Co
>>790-791
陽気な鬼ごっこをしている二人の上を黒い影が通り過ぎた。
漆黒の鳴蛇が羽を広げて上空を通り過ぎたのだ。
乾きと熱を纏って鳴蛇は近くの建物に落ちる。
屋根からだらりと長い尾が垂れ下がり、しばしの後に建物が燻り始めたが
まだ誰も気付いていない。
華音に迫る危険は、一つでは無かった。
間近な2つの妖気を見つけて、屋根から屋根へ這う飢えた鳴蛇は
その首を下げて露希に気をとられている華音の方へと舌を伸ばす。
複数の獲物がいればまずは弱い方から狩る、それが自然だ。
華音を頭から飲み込もうと、鳴蛇はその巨大な口を開けた。
793 :
夜行集団
2011/02/06(日) 21:38:44.21 ID:CpxOyFla0
>>791
「はぁ・・はぁ・・やれやれですよ・・」
「あれ?」
あるていど露希と距離があいたことで、華音の頭の中はクールダウンしていく。
とりあえず今すぐに身の危険が迫るという事はないだろう。
肩で息をしながらも、ポットでてきた疑問に頭をかしげた。
「でもなんで、華音は逃げていたのでしょう?」
>>792
物思いに耽る華音は、その小動物と同等の敏感な防衛本能であっても、完全に気が抜けている今では
さすがに気付くというのは無理な注文という事であろう。
華音の頭上に新しい脅威が迫る。
「食べられそうな感じが・・でも、捕食とはまた違うような・・」
全く気付かず、無防備な華音の頭が飲まれそうになった時に、一打。
「こらこら華音ちゃん、
君みたいに、戦闘手段の持たない子は自分の警戒心にも警戒するくらいじゃなきゃ」
華音の危機に駆けつけたのは、厚着の壮絶な雪男であった。
794 :
露希
2011/02/06(日) 21:43:54.66 ID:cJb5oIaE0
>>792
彼女は、その妖気を完全に読み取っていた。
「来たね…黒蔵君。」
先程の様子は微塵もない。
>>793
「いいタイミング、氷亜さんこんばんはーっ!」
ともかく、どうやって彼をおびき寄せるかが問題だ。
795 :
黒蔵@鳴蛇
[sage]:2011/02/06(日) 21:52:01.37 ID:xMslw7+Co
>>793
氷亜の攻撃に食事を邪魔された鳴蛇は、怒ってさらなる熱を放つ。
飢えは鳴蛇自身を内側から焼くが、その腹の中のヒダル神の他者を飢えさせる能力は
既に失われている。
>>794
鳴蛇は目標を華音から露希に変えた。
傷を負った、手負いの蛇でもある鳴蛇の中に、正気の黒蔵の意識は無い。
ただ飢えと乾きに突き動かされて、怒りのままに攻撃するのみ、である。
大きく顎を開き、鳴蛇はこのまま露希に噛み付くつもりだ。
ただし今、露希が何も口にしなければの話であるが。
796 :
氷亜 華音
2011/02/06(日) 22:01:53.59 ID:CpxOyFla0
>>794
「やっほー!露希の心は決まったかい?」
右手で手を振りながら、でれでれと顔面の筋肉を和ませ、笑う。
窮奇の一件から、しばらく顔を合せることのなかった二人は今、ようやく逢う事が出来た。
彼女の表情からは悩みを感じないので、氷亜はそういう事なのだろうと思う事にする。
「氷亜さん!!この人とお知り合いですか!?」
「そうだよ?どうしたんだいそんな血相変えて。」
「あの人、華音を食べようとしたんですよ!?」
「えっ!?えっ!?」
>>795
華音の言葉面食らった氷亜だが鳴蛇の熱が少し癪に触り、氷亜の表情に嫌悪感が浮かぶ。しかし、そ
んなことに腹を立てていてはいけないと、とりあえず心を落ちつけてみる氷亜。
そうしてみると、露希が今度は標的になっているではないか。
「僕の目の前でそんなことさせると思うのかい?」
そういって氷亜は、どこからか純度の高い氷の槍を取り出し、投擲の姿勢を取った。
全身に力を込め投げる、黒蔵へ向けて。
あの蛇が黒蔵と気付いていないことでできる暴挙である。
797 :
露希
2011/02/06(日) 22:08:49.14 ID:cJb5oIaE0
>>795
零の情報だと、黒蔵はヒダル神に摂り付かれているらしい。
ヒダル神は物を食べた相手は襲えないとか前に聞いたことがある。
袋からチョコを取り出す露希。
「これはボク達のチョコだから、あげないよ。」
そう言い放つと、食べ始める。
>>796
「氷亜さん、貴方に着いていきます!!」
そう決めた露希。大好きな氷亜のために。
「ちょ、食べようとなんてしてないよっ、それよりこれ食べて!!」
チョコレートを差し出す。しかも、顔が真っ赤。ドンマイ、露希。
798 :
黒蔵@鳴蛇
[sage]:2011/02/06(日) 22:12:23.94 ID:xMslw7+Co
>>796-797
こおぉぉぉぉぉん!!
石を打つような硬質の音で鳴蛇が痛みに鳴いた。
氷亜の放った氷の槍は鳴蛇の下顎に突き刺さり、じゅうじゅうと音を立てて溶けてゆく。
露希が食べ物を口にしたのを見て、鳴蛇は悔しげに獲物を諦めた。
血の泡を口から垂らしながら、鳴蛇は鎌首をもたげて氷亜たちを睨みつけた。
獲物を縛る束縛の視線である。氷亜は耐えるかもしれない。
しかし華音のような気の弱い者ならば、視線に誘われてふらふらと鳴蛇に引き寄せられるかもしれない。
その、血に染まった顎の中へと。
799 :
氷亜 華音
2011/02/06(日) 22:19:54.14 ID:CpxOyFla0
>>797
「おやっ?
なんだい、バレンタイン?なんだか照れちゃうな//」
顔が赤くなる。まったくの見当違いであり、場違いの照れようである。
恥ずかしげに頭を掻きながらも、氷亜は露希の差し出したチョコを手に取る。
それを大事そうに口に運び、そして食べた。
「やっぱりチョコはおいしいねぇ。
何がいいって体があったまるところだろうね。」
チョコに関してどうでもいい評論を始めた氷亜。
>>798
「?
なんだ?」
鈍感な男である氷亜は鳴蛇の視線にも無頓着である。
全く反応なく、ただ鳴蛇のにらむ理由を考える。
「(なにが・・華音を呼んでいるのでしょう・・?)」
何かに操られたように、よろよろと鳴蛇の方へ歩いていく華音。
「ちょっ・・ちょっと華音ちゃん!!危ないって!!」
800 :
露希
2011/02/06(日) 22:27:27.54 ID:cJb5oIaE0
>>798
「さて、黒蔵君に取りついている悪い奴ら、早く離れてよ?」
手にしたのは小さな、でも妖気の大きい小太刀。
離れないと言うならば、刺し続ける。
苦しみの中[
ピーーー
]ないのに、気が狂いそうなほど痛いと言う感情を味あわせる。
「――さて、どうしますか?」
>>799
「それ、本命チョコじゃないですからね!!」
でも、氷亜が居るだけで気持ちが楽になる。嬉しい感情が沸きあがる。
しかし、今は黒蔵を助けることが先だ。
801 :
黒蔵@鳴蛇
[sage]:2011/02/06(日) 22:33:02.42 ID:xMslw7+Co
>>799
華音を待ち受けて鳴蛇の首が伸びる。
ぱっくりと顎を開き、獲物を捉えんと建物の上の蛇の体が地上にずるりと滑り降りてくる。
尾が屋根の電線を引っ掛けて、千切る。千切れて地に落ちた電線から火花が散る。
辺りはカラカラに乾き、先ほどの建物の小火が次第に煙を濃くしながら大きくなってゆく。
人々が火災に気付くのも、もう間も無くだろう。
>>800
鳴蛇の中のヒダル神は、食べ物を口にした露希に直に手は出せない。
その代わりに、鳴蛇の羽をばたつかせて焼けるような熱い空気を煽る。
長い尾を振り回して周囲のものをなぎ倒す。
駐輪中の自転車や店の看板、ゴミ箱などが、払い飛ばされて露希達の方に飛んでゆく。
そして、ばくん、と鳴蛇の顎が華音を捉えて閉じようとした。
802 :
氷亜 華音
2011/02/06(日) 22:38:10.66 ID:CpxOyFla0
>>800
「え・・・」
チョコを堪能していた氷亜の顔が、笑い顔のままで固まった。
口に含んだチョコも、ぼんやりとしたチョコ評論もフリーズ。
「本命・・じゃない・・?」
必死で続けたくない思考を保つ氷亜。その顔からすこしづつ笑いが消えていく。
「じゃあ・・義理・・?
僕は・・義理・・?
そんなぁ・・」
ほとんど苦笑いの氷亜の目から、涙がつつぅ、とこぼれ始めた。
そして膝から崩れ落ち、初めての失望を味う。上げてから落とすという古典的な失望を。
>>801
使い物にならない氷亜では到底、華音の危機に駆けつける事も出来ないであろう。
ふらふらと鳴蛇の範囲に入っていく。
今恐らく華音を救う事の叶う者は、露希一人、だけあろう。
803 :
露希
2011/02/06(日) 22:44:32.16 ID:cJb5oIaE0
>>801
小太刀を鳴蛇の口へ投げる。
そして、飛んできた看板や自転車は白龍剣で切る。
「やったね?いいよ、もう。切り刻んであげるから…。」
ついに、怒らせてしまった―。
>>802
「それ、さっき買ってきた市販のチョコですよ。
本命は手作りで、もっと美味しいの作りますから///」
慰めるように、言う。
804 :
黒蔵@鳴蛇+蛇神『』
[sage]:2011/02/06(日) 22:52:17.76 ID:xMslw7+Co
>>802
『やっと見つけた!』
氷亜の流した涙の粒が、宙でいきなり膨れ上がった。
渦を巻くその中から現れたのは、身の丈20cmほどの小さな人。
『ここに少しでも水があって助かりました』
小さな人は渦の中から何か長い束のようなものを引きずり出そうとした。
しかし、束が大きすぎるのか、青ざめてふらふらと地に倒れこみそうになる。
その間にも、渦巻く涙の水は乾いて小さくなってゆく。
『すみません、少し助けてもらえませんか?』
氷亜に声をかけたのは、右腕を無くした蛇神ミナクチであった。
>>803
小太刀が喉深くに突き刺さり、鳴蛇は痛みで跳ね上がった。
声を出すことも出来ずにのたうつ。
華音はその拍子に宙に弾き飛ばされる。
誰かが受け止めねば、華音の命が危ない!
805 :
氷亜 華音
2011/02/06(日) 23:02:22.00 ID:CpxOyFla0
>>803
「ホント・・?ほんとにくれるかい・・?」
まるで、さっきまで声をだして泣いていた子供のようになってしまった氷亜。
赤く腫れた目が露希を捉える。目が霞み、おぼろげであるが間違いなく露希である。
その露希が言った「本命は手作りで」
その目の輝きは吉報によって徐々に増していき・・・
「いやったああーーー!!!」
唐突に立ち上がり、天を仰ぐ氷亜の姿は、今月一番の輝きようであった。
>>804
氷亜がはしゃいでいると、ミナクチが。
突然の来客に目を丸くする氷亜は、何もしゃべる事も出来ずないで、ミナクチの言うがままに従う。
そして驚いた時の顔のままで、その束の様な物を力づくに引きづり出した。
「ぅぅぅううううあああああ!!!!!!!」
吹き飛ばされた事によって、ようやく正気を取り戻した華音は宙を舞う。
その顔からは、絶望的なまでに恐怖が華音を支配していることが窺えた。
「あああああああああああぐべっ!!!」
ぼんやりした氷亜の頭に衝突した華音。
その姿勢のままずるずると滑り落ちるが、氷亜はきづかず重心もずれていなかった。
806 :
露希
2011/02/06(日) 23:08:20.49 ID:cJb5oIaE0
>>804
急な訪問者に驚きを隠せない。
あの蛇神だから。
「あ…貴方が、蛇神のミナクチ様ですか?」
>>805
「氷亜さん…(駄目だ…可愛い)」
華音などほったらかして、目がつぅーと氷亜へ。
今の露希を一言で言うなら【氷亜病】と言うにふさわしいだろう。
807 :
黒蔵@鳴蛇+蛇神『』
[sage]:2011/02/06(日) 23:14:16.57 ID:xMslw7+Co
>>805
氷亜が束を引きずり出すと同時に、涙の渦は乾いて消滅した。
束はどうやら、何かの草の葉のようである。
長さ1m弱のそれを指して、青ざめたミナクチは氷亜に頼んだ。
『氷亜さん。これを芯にして、氷の矢を作れますか?
できたらそれを、あれに…黒蔵に、投げつけて欲しいのです』
葉は数十枚ほどあるようだ。
>>806
『はい。そういう名で呼ばれております』
ミナクチは露希に頷いた。
そして地に落ちた華音に小さな蛇神は駆け寄り、その無事を確かめて安堵する。
『…無事ですね。良かった』
幸い、華音は怪我もなく生きているようだ。
次の瞬間に熱い風が膨らみ、4人に吹き付けた。
鳴蛇が空に逃げ出そうとして、その羽を強く煽っている。
誰かが火災に気付いたのか、遠くから消防車のサイレンの音も響いてきた。
808 :
氷亜 華音
2011/02/06(日) 23:23:17.80 ID:CpxOyFla0
>>806
、
>>807
「なにこれ・・・?なんの葉っぱ・・・?」
自分が渦から引きづり出すのはてっきり、神々に伝承される伝説の武器と思っていたが。
植物。動物ですらなく植物。
口をあんぐりあけて、事のちぐはぐさに?が浮かぶ。
「え?
凍らす?葉っぱを?」
何も考えず凍らしてみる。
案外、凍らすことのできない神力があるのかと思った。凍らない葉っぱ、なかなかイカシテいるでは
ないかと思った氷亜。
まあ、凍ったのだが。
「凍っちゃったよ・・もうなにがなんだか・・」
?が増えながらも豪快に、黒蔵目がけて矢を投げた。
矢の軌道はぶれることなく、一直線に黒蔵をねらう。
809 :
露希
2011/02/06(日) 23:29:44.53 ID:cJb5oIaE0
>>806
露希は逃げだそうとする鳴蛇に電気を掛ける。
ダメージには至らないが、十分な足止めとはなるはずだ。
ふとミナクチを見た時、右腕が無かった。
「ミナクチ様…そ、その腕…。」
>>807
「氷亜さん…」
目の前には氷亜の姿しか映っていなかった。
810 :
黒蔵@鳴蛇+蛇神『』
[sage]:2011/02/06(日) 23:37:27.15 ID:xMslw7+Co
>>808-809
氷の矢は鳴蛇の羽を刺し貫き、煮えるような音を立てて溶けた。
途端に鳴蛇はそれまで以上に苦しみ始める。
二の矢、三の矢と、氷の矢が次々に刺さって鳴蛇の熱で溶けるほどに、
その動きは鈍くなってゆく。
それをどこか悲しげに蛇神は見守っていた。
鳴蛇がもうすっかり動かなくなると、蛇神は鳴蛇の頭の上に飛び乗り、
その額に青い小さな鱗を貼り付けた。
黒く蟠る鳴蛇の体が縮み、氷亜や露希に馴染みの姿の黒蔵がそこに倒れていた。
『今のうちにその葉で、これを縛り上げてもらえませんか』
あたりに散らばる細長い葉は、もしかしたら氷亜達に馴染みのある香りかもしれない。
5月5日の端午の節句に、風呂に入れるあの菖蒲の葉である。
邪気を祓う菖蒲湯、それは蛇の妖にとっては酷い毒なのである。
>>809
『実は腕を喰われました、これに』
視線で黒蔵を指して肯定すると、そこで青ざめた蛇神はぱたりと倒れて意識を失った。
菖蒲の毒は、蛇神にもまた作用するものだった。
竜宮の四季の庭には、全ての季節と植物がある。
そこからこの菖蒲の束を運んでくるだけでも、負傷した小さな体には酷だった。
811 :
氷亜 華音
2011/02/06(日) 23:47:50.82 ID:CpxOyFla0
>>809
、
>>810
「おお・・・!!
おお!!
おおおっ!!! 葉っぱって凄いんだな!!!」
菖蒲の効力に感激する氷亜の目は、少年のような輝きがあった。
あんな熱量の妖怪が、その葉っぱによってここまで弱体化したのである。そこにロマンを感じた
氷亜は、ミナクチの言うとおりに黒蔵の体を菖蒲で縛った。
「少年!!君は凄いな!!こんな切り札が・・」
縛り終えた氷亜は、ミナクチの方に振り返りながらミナクチを褒め称えていた。
しかし、言い終らないうちに見たことで言葉が出なくなった、蛇神ミナクチが倒れる瞬間を見たことで。
「少年!!大丈夫か!?」
よく理解はできていないが、ダメージを受けている蛇神を心配する氷亜は、とりあえず彼の体を瞬間
冷凍をしようと思い立った。
812 :
露希
2011/02/06(日) 23:53:38.58 ID:cJb5oIaE0
>>810-811
「ミナクチ様!?」
倒れてしまうミナクチ。応急処置だけでもと考える。
「氷亜さん、龍の鱗って回復の効果があるんですよね?
瞬間冷凍の前に、白龍の鱗を貼ってあげれば効果あるかも…」
白龍はドラゴンだが、日本で言う龍だ。きっと問題ないはず。
ミナクチの回復を願う。
813 :
黒蔵@鳴蛇+蛇神『』
[sage]:2011/02/06(日) 23:57:37.21 ID:xMslw7+Co
>>811-812
炎が大きくなり、野次馬が段々と集まり始めている。
ここは裏路地なのでまだ人目はないが、先ほど燃え始めたあたりでは放水が始まったようだ。
どこかへ移動するのなら今のうちだろう。
龍は蛇とかなり近しい種族なので、鱗の効力は望めるはずだ。
814 :
氷亜 華音
2011/02/07(月) 00:03:21.24 ID:Vv7jLAYu0
>>812
「龍ってそんなに万能なのかい?だとするならば、無理がたたらない範囲でお願いしたいところだね。
少年は僕らの命の恩人だからね、こんなときこそなんとかしなくちゃいけないと思ってさ。
僕の氷猩猩の毛では効果ないかな・・?」
あるはずがない、馬鹿か。第一、氷猩猩はただの超常的生物だ。龍の様な神秘性はない。
「僕の瞬間冷凍はあらゆる進行を停止する力だからね、その鱗の力があればいらないと思うよ。」
>>813
「露希、僕が二人を背負うから鱗の処置、お願いできるかな?
さすがに皆の好奇の目に僕らをさらすことは、得策と言えないからね。」
ひょい、と二人を担ぐ氷亜。
815 :
露希
2011/02/07(月) 00:08:49.41 ID:Kqc805gH0
>>813-814
氷亜の言うとおりに、白龍の鱗を使い二匹を治療。
大分、落ち着いてきたようだ。
「家に来ますか?」
誘ってみる。零は居ないはずだ。
氷亜が望むなら、ゆっくりと会話のできるチャンスだ。
816 :
氷亜 華音
2011/02/07(月) 00:14:30.54 ID:Vv7jLAYu0
>>815
「おお・・・ついに女の子の家に行くのか・・・感慨深いな・・・」
しみじみと、氷亜は幸福を噛み締める。
その顔はアルカイックスマイル、そして心は、ほんのりとピンクな雰囲気に包まれ始めていた。
どんな家なのだろうと妄想、しかも小学生レベルの妄想で胸いっぱいだ。
「そ、そうだね・・・お邪魔させてもらおうかな!
でも、華音ちゃんも一緒に連れて行っていいかな?
この子、いろんなところに繋がり持ってるから変にうわさが立っちゃうと嫌だし。」
817 :
露希
2011/02/07(月) 00:20:28.72 ID:Kqc805gH0
「うん、勿論だよ。その代り、華音ちゃんのこと抱かせてね?」
そう言って連れてきたのはマンションだった。
意外と高級そうな感じで、露希達の部屋は16階にある。
リビングにはガラス張りの窓。テーブルの上にはお菓子などが。(露希の手作り)
「どうぞ〜////」
818 :
氷亜 華音
2011/02/07(月) 00:25:47.78 ID:Vv7jLAYu0
>>817
「ほう・・・これは・・・これは・・・」
緊張する氷亜は部屋中に視線を巡らせる。
どこも高級感の溢れる内装、なかなかいい所に住んでいるんだなとぼそっと独り言を零した。
「ははは、今寝ちゃってるけどいいよ。
アネさんアニさんはよく華音ちゃんにべったりになったりするからね」
抱くはハグなのか、抱くなのか。氷亜にはそれを知る由はない。
819 :
露希
2011/02/07(月) 00:29:48.02 ID:Kqc805gH0
>>817
「でも、氷亜さんとぺったり…」
露希は氷亜にしがみつく。うん、よくやった。
「これから、一つやりたいことがあります。
手伝ってくれますか?」
820 :
氷亜 華音
2011/02/07(月) 00:35:48.07 ID:Vv7jLAYu0
>>819
「おっ、な、なんだい!?」
部屋に入り緊張していたことで、氷亜の露希に対する抵抗が余計弱くなってしまった。
そのためにどぎまぎする氷亜、心音がばくばくと自分でもうるさいくらいだ。
「やりたいこと?なに?
なんでも手伝ってあげるよ!!」
どぎまぎ、あたふた。
821 :
露希
2011/02/07(月) 00:39:56.23 ID:Kqc805gH0
「おーい、黒蔵君、起きて―。」
起こす、無理やり。
「拷問して、吐かせます。抑えててくださいね。」
/黒蔵君、かもーん
822 :
氷亜 華音
2011/02/07(月) 00:45:38.34 ID:Vv7jLAYu0
>>821
「えっ?えっ?ああ、うん」
ふわふわした空気感から、突然のスプラッターへのチェンジに戸惑う。
あまりにも突然過ぎて、親も子供の目を追おう暇もないだろう。
「(えっ・・なにこれ・・)」
黒蔵をしっかり押さえつける氷亜。
823 :
黒蔵@鳴蛇+蛇神『』
[sage]:2011/02/07(月) 00:47:10.44 ID:FtfT6+wxo
>>821
バスタブに菖蒲ごと浸されて、鳴蛇は目を覚ました。
なにやら体が草で縛られている。
なんだこんなもの引きちぎってくれる、と力を入れようとしたが、体に力が入らない。
〔……何これ?〕
黒蔵の腹の中でヒダル神が戸惑った。
喋ろうとしたが、喉につかえる魚の骨のように何か刺さっている。
ごくり
飲み下そうと喉を動かすと、それはずるりと喉を抉った。
「がはっ!」
その痛みに慌てて、鳴蛇は血と共に小太刀を吐き出した。
一方、蛇神のほうはまだ、露希が寝かせた場所で眠ったままである。
824 :
露希
2011/02/07(月) 00:52:05.02 ID:Kqc805gH0
>>822-823
露希は何処からか板と巨大な剃刀の刃を持ってくる。
組み立てると…じゃん♪ギロチンの完成。
「黒蔵君にセットして…」
次に彼女の兄、零の作った劇物が準備される。
「おい、蛇、隠し事あるなら言え!言わないと食わすぞ?」
先程の露希は消えた―
825 :
氷亜 華音
2011/02/07(月) 00:56:49.05 ID:Vv7jLAYu0
>>823
「うわっ!!血吐いちゃったよ!?大丈夫なの!?」
目の前の吐血に度肝を抜かれる。
どうやらまだ鳴蛇と同じように、状況を理解でいていないのである。
>>824
「あれ?露希はどこ行っちゃたのかな?」
部屋の周囲を探す氷亜。男子とは女性に異様なほどの理想を求めるものである。
童貞の氷亜に至ってはなおさら。露希は何処か、それはいつだって自分の前に。
826 :
黒蔵@鳴蛇+蛇神『』
[sage]:2011/02/07(月) 01:00:40.23 ID:FtfT6+wxo
>>824-825
「何…これ」
がじゃん、と抜き身の小太刀がバスタブに当たる。
口の端から血を垂らして、ヒダル神が誰にとも無く問う。
そうこうしている間に、鳴蛇の首がギロチンにセットされた。
「――-ちょっとあんたたち!何なのよこれぇぇぇ!?」
鳴蛇の腹のヒダル神が憤るとともに、バスタブの湯が煮え始めた。
すると菖蒲の香りが強く立ち上り、その蒸気を吸って鳴蛇は再びぐったりとのびる。
「…何…よ…」
露希の変化に何かコメントする気力も無いようだ。
蛇神は相変わらずすやすやと眠っている。
しかし一体、何を吐かせればいいのか露希は知っているのだろうか?
827 :
露希
2011/02/07(月) 01:04:59.69 ID:Kqc805gH0
>>825-826
「何って…黒蔵君にとりついた罰だよ。
知ってること全部話してね?さもないと…」
スプーンの上にどす黒い動いた物が。
「それとも、脳みそに釘とか打とうか?」
言うか言わないかは蛇次第
828 :
氷亜 華音
2011/02/07(月) 01:09:33.95 ID:Vv7jLAYu0
>>826
、
>>827
「露希何言って・・・ああ!!
拷問か!!」
驚愕。本当はもっと早い段階でしてもらいたかったのであるが、それはともかくとして今ようやく自
分の置かれた立場を理解した。
「おーい・・・さすがに脳みそは喋れなくなっちゃうよぉ・・・」
露希に届くかは別として言ってみる。一応氷亜もこの部屋の拷問の一員なのである。
本人はなりたくなかったであろうことは、火を見るよりも簡単だが。
829 :
黒蔵@鳴蛇+蛇神『』
[sage]:2011/02/07(月) 01:10:18.62 ID:FtfT6+wxo
>>827-828
「あたしがとり憑いた?……コイツに?」
ハッ、と鼻で鳴蛇は笑った。
その腹の中のヒダル神は笑い転げている。
「コイツのほうがあたしを呑んだんだよ、別にあたしがとり憑いたわけじゃない」
確かにそれは本当のことだ。
830 :
露希
2011/02/07(月) 01:12:12.03 ID:Kqc805gH0
>>828-829
「ふーん…言わないつもりか。なら食え!!」
氷亜の言葉は届かなかった…。そして、無理やり食わす。
今の彼女に敵はいない(多分)
831 :
氷亜 華音
2011/02/07(月) 01:17:00.31 ID:Vv7jLAYu0
>>829
、
>>830
「え?なにその気持ち悪い悪意の結晶みたいなの?」
見た目の異様さにどん引きする氷亜。
なんだあの物体は、まず有機物であるのか?などいろいろ思案してみる。
どれもダークマター(暗黒物質)という結論に至ってしまうのだが。
「どうすんの?そのなにか
えっ?食べさすの!?ホントに死んじゃ・・・うあぁ・・」
832 :
黒蔵@鳴蛇+蛇神『』
[sage]:2011/02/07(月) 01:20:16.02 ID:FtfT6+wxo
>>830-831
スプーンの上のどす黒い何かを鳴蛇はむりやり食わされる。
菖蒲湯で弱らされていては、大した抵抗も出来ない。
なんだか酷い味がした。石油系の匂い。
まだあったかいアスファルトとか、粘っこい重油とか飲んだら、
もしかしてこんな味がするんだろうか。
胃はともかく、味覚が受け付けるわけが無い。
「ぐぇっ!……けはっ…!」
味にたまらず鳴蛇は吐き出した。
黒い何かに塗れた、褐色のガラス瓶を。
そう……これはあの時、竜の堕とし子に無理やり黒蔵が呑まされた、葛根湯の瓶である。
おそらく氷亜も露希も、知る由も無い件ではあるが。
833 :
露希
2011/02/07(月) 01:22:38.14 ID:Kqc805gH0
>>831-832
「あれ、これチョコだよ?
零が虚冥さんの為にって……ってほら、言わないともっと食わすよ!!」
可哀そうな零。暴露される。
「氷亜さんも食べますか?」
834 :
氷亜 華音
2011/02/07(月) 01:29:01.75 ID:Vv7jLAYu0
>>832
、
>>833
お風呂場に響く、瓶の音。
その瓶を見つめる氷亜の顔からは、血の気が総員退避をしていた。
「ほら!!言ったでしょ!!食べさせちゃだめって!!
なんか瓶吐いちゃったじゃん!!」
零、露希の兄ということは氷亜は露希からしっていたが、生物兵器にまで手を出しているとは
流石に知らなかった。
「ほら・・・あれ・・・虚冥って甘いもんとかチョコとか特に嫌いなんだよね・・・
だから、バレンタインではあげないほうがいいと思うんだよ・・」
死んだ友を再び亡き者としないように、優しい嘘を付いた氷亜。
「あ…僕?僕は良いよ!!お腹いっぱいだから!!」
835 :
黒蔵@鳴蛇+蛇神『』
[sage]:2011/02/07(月) 01:32:04.42 ID:FtfT6+wxo
>>833-834
スプーンの上のどす黒い何かは、
原材料なのか作り方なのか、ともかく何かをどうにか間違った結果、
これをチョコレートと言ったらチョコレートの神様に怒られそうな味に変化している。
氷亜や虚冥がこれを食べた時の顔が見ものだ。
しかし零はこれを味見しなかったのだろうか?
あまりの酷い味に、鳴蛇の中のヒダル神は引っ込んだ。
「うぇぇぇぇ、何この味酷い」
ぺっぺっと鳴蛇は顔をしかめて唾を吐く。今度は黒蔵の意識が表に出てきたらしい。
……しかし露希と氷亜にその変化が判るかどうかは不明だ。
836 :
露希
2011/02/07(月) 01:36:08.62 ID:Kqc805gH0
>>834
「兄の手作り料理は凄いですね。
一緒に作ったのにこうなるんです。」
いつもの露希に戻った。
>>835
「はい、もう一口。」
この料理、処理出来ないので食べて貰う。
そして、瓶のこと、黒蔵の意識が戻ったことに気づく。
「ミナクチ様、起きてください。」
ゆっくりと、囁くように言う。黒蔵とは大違い。
837 :
氷亜 華音
2011/02/07(月) 01:38:53.67 ID:Vv7jLAYu0
>>834
、
>>835
「酷いのかー大変だねー」
終始考えてみた結論は、極力他人行事になりあのダークマターの被害から逃れる事になった。
器のでかい男と呼ばれている氷亜の、初めての裏切りである。
もちろん、そんな事ばかり考えているので微妙な変化には気づいていない。
「(とりあえず念の為に胃薬買い占めておこう。)」
838 :
黒蔵@鳴蛇+蛇神『』
[sage]:2011/02/07(月) 01:43:23.18 ID:FtfT6+wxo
>>836-837
「うぇっ…えっ、え……っ!!!」
舌の根に残る味にえづいて居たところにもう一匙、黒蔵の喉に押し込まれてしまった。
ぷつり
黒蔵の意識が堕ちた。
露希ーっ!だめじゃん!っていうか何かやばいじゃん?
なんか鳴蛇の口から煙みたいに抜けかけてる何かが見える気がするじゃん?
『…あ、右手が生えてる』
眠っていた蛇神が起こされたとき、黒蔵が入れ替わりに永眠しかけていた。
839 :
露希
2011/02/07(月) 01:47:45.90 ID:Kqc805gH0
>>837-838
「うわぁぁぁっ、黒蔵君!!」
どうやら、零のダークマターとやらの威力は高いようだ。
食べ物で気絶する人を初めて見た露希だった。
「あ、ミナクチさん!良かった。(撫でっ)」
840 :
氷亜 華音
2011/02/07(月) 01:50:25.40 ID:Vv7jLAYu0
>>838
、
>>839
「(殺っちゃったーー!!)」
目の前で起きた惨状に声が出ない。あんなに哀しい顔って出来るんだなぁと立ち尽くすことしかでき
なかった、そしてその眼の前には精神が宇宙の果てまで飛ばされた黒蔵が居た。
841 :
黒蔵@鳴蛇+蛇神『』
[sage]:2011/02/07(月) 01:54:54.63 ID:FtfT6+wxo
>>839
『腕を取り戻す力をくださって、ありがとう御座いました』
多分露希が回復させてくれたのだろう、と見当をつけて、蛇神は礼を言った。
『氷亜さんのお陰で鳴蛇も捕獲できましたし、お二人にはお礼のしようがありません』
……さわさわ。なでなで。すりすり。
『…ええと、それであの…鳴蛇は…黒蔵は無事でしょうか?』
露希に撫でられて少し戸惑うミナクチ。
小さな蛇神を撫でている露希の今の表情と、ついさっきまでの表情のギャップを知るのは
この場では氷亜ただ一人である。
842 :
露希
2011/02/07(月) 01:58:05.90 ID:Kqc805gH0
>>840-841
あたふた…ついさっき殺ってしまったところだった。
「ひょ…ひょうあさんっ、クロクラクンはネチャイマシタヨネェ?」
駄目だ、完全におかしくなっている。
でも、笑顔でミナクチを撫でる。どこか優しい雰囲気を持った―酷い天使
843 :
黒蔵@鳴蛇+蛇神『』
[sage]:2011/02/07(月) 01:59:07.85 ID:FtfT6+wxo
>>840
,842
氷亜の表情に何かを察した蛇神。
『…あのう、すみませんがどこか少し高い場所に私を置いてもらえないでしょうか』
床上20cmでは、バスタブの中で何がどうなっているのか知る術は無い。
『できれば、菖蒲湯の湯気にあたらない場所でお願いします』
また倒れちゃいけないからね。うん。
844 :
氷亜 華音
2011/02/07(月) 02:03:28.31 ID:Vv7jLAYu0
>>841
「いや・・・捕まえた事は別にいいんだけどね・・・
なんというか・・・僕だったら二度と飢える事もない様な目見あってる黒蔵君は大丈夫なのかい?」
恐る恐る聞いてみる。彼の不死力はあの物質を上回ってくれるのか、どうか、それを確かめたかったのだ。
>>842
「う・・・うん!!寝不足だったんだろうね!!」
話は合せておこう、なんだか露希が変だ。いや変と言えば部屋に入ってからずっとなのだが、
今回はより変だ。とりあえず抱きしめてみた。
845 :
露希
2011/02/07(月) 02:09:28.43 ID:Kqc805gH0
>>843
「えーと…見ない方がいいですよ…。
さっき、瓶の様なものを吐いて倒れてしまいました。」
とりあえず、本当のことを言う。
>>844
「ひょ・・・氷亜さん・・・ぁぁっ」
頭から煙が出て、オーバーヒートする。
露希は、壊れてしまった。急に抱かれるなどされたことがない。
ましてや、好きな人になんか。
この後、何が起きたのかは露希は知らない。
でも、気持ちのいい心地がしたのははっきりと覚えている。
/お疲れさまでしたっ!
846 :
黒蔵@鳴蛇+蛇神『』
[sage]:2011/02/07(月) 02:11:43.16 ID:FtfT6+wxo
>>844-845
『そうでしたか……ならば今は寝かせておくほうが良いんでしょう。
あれだけの事があった後ですし。
ああ、瓶を吐く位なら黒蔵にはよく在るので放っておいても大丈夫です』
…どうやら運も神様も黒蔵を見放したようだ。
っていうか、よく在ることって言われてたけど、黒蔵普段何やってんの?
『では、私は鳴蛇捕獲の旨を知らせに、一度竜宮へ戻らねばなりません。
お二人には後ほどまたお礼に伺います』
二人に一礼して小さな蛇神は消えた。
//お二人ともお疲れ様でしたっ
847 :
宝玉院 三凰
2011/02/07(月) 22:08:58.37 ID:W4iNqceAO
街角で佇む一人の青年
「まったく…百鬼夜行のためとはいえ、この僕が人間の街に繰り出すとはな…」
両手を広げやれやれとポーズを取る。
そして、ため息。
「まあいい…さっさと済ませるか…」
闇夜に紛れ、青年は歩を進める。
848 :
平次郎狸
[sage]:2011/02/07(月) 22:16:21.53 ID:h4ZOV/SKo
>>847
この場にそぐわぬ格好をした物が一人。
笠を顔が隠れるほど深く被った托鉢僧が立っていた。
何かに気が付いたか僅かに見える口元をニッと緩ませると青年に近づき目の前に立ちふさがった。
すると、浄財を入れる黒い鉢を青年の方に突き出す。
まるで催促するかのように。
849 :
宝玉院 三凰
2011/02/07(月) 22:26:08.31 ID:W4iNqceAO
>>848
「………」
僧に気づき、僧の方を不機嫌そうに睨む
「何のつもりだ?僕に何を求めている?」
早口で機嫌の悪そうな口調で話す。
「僕は忙しいんだ。言いたいことがあるなら、さっさと言え。」
そして、偉そうな態度。
850 :
平次郎狸
[sage]:2011/02/07(月) 22:31:53.49 ID:h4ZOV/SKo
>>849
「ふむぅ、最近の若者は余裕が無いのかねぇ。そんなんじゃ極楽浄土にゃ辿り着けんぞ、青年よ。」
そういって嘆かわしげに肩を竦める。僧にしてはあるまじき行為だろう。しかも半ば挑発のような物が混ざっている。
「ついでに言うと主になるのも難しそうだなぁ。余裕がないと後ろには何も付いてこないぞぉ。」
見透かしたかのように言う。実際はただのカマ掛け。百鬼夜行と青年が言った言葉を小耳に拾ったからだった。
851 :
宝玉院 三凰
2011/02/07(月) 22:46:21.72 ID:W4iNqceAO
>>850
「老人は黙っててもらおうか。」
怒った。
表面上はそう見えないが、口調などからそうわかる。
「わからないのか?
主、つまり支配者…それに相応しいのは、絶対的なカリスマ性を持ち部下を使い、なおかつ部下が実力を最大限にまで発揮できるように指揮しなければならない。さらには、戦闘における実力も併せ持ち、頭脳も優れなければならない。
ここまで言えばわかるだろう?そう!百鬼夜行の主に相応しいのは、他ならぬこの僕だ!」
大きな声を出し、熱弁する。
自分が百鬼夜行の主に相応しいと思っている。
852 :
平次郎狸
[sage]:2011/02/07(月) 22:54:52.46 ID:h4ZOV/SKo
>>851
(ビンゴォ!こいつやる気満々だよ。)
自分の思ったとおり青年は妖怪だったようだ。
(いい感じに怒ってるし俺の誘いにも乗るはず……)
「ふむ、それがお前の主張か…。それぞれに我があり、それを突き通そうとする。お前の我は見せてもらった。その我…、試させてもらおう。こっちだ、ついてこい!」
なるべく上から目線で煽るように言う。すると路地裏に体を滑り込ませビルの壁を蹴りながら屋上へと上がり始めた。
「ついでに言っとくと老人じゃねぇ。お兄さんと呼びな!」
くだらないことにこだわってみる。
853 :
宝玉院 三凰
2011/02/07(月) 23:07:02.68 ID:W4iNqceAO
>>852
「ついてこい、だと?貴様、誰に向かって命令している!?」
とか言いつつ、しっかりついていく。
巨大なコウモリの姿と化し、屋上まで飛ぶ。豪快に羽を羽ばたかせる。着地する時に、無意味に宙返りをしてみせる。
そして、着地。再び人の姿になる。
その後、腰のレイピアに手を伸ばし抜き、その先を僧に向けた。
「貴様の心と体に僕の名を刻もう。そして、二度と僕に口出しできぬようにしてやろう。」
鋭い視線を向けた。
854 :
平次郎狸
[sage]:2011/02/07(月) 23:15:09.35 ID:h4ZOV/SKo
>>853
相手も気分が乗っており自分も興奮が最高潮に達しようとしている。
托鉢僧の姿から袈裟を着た大狸の姿に戻る。
「ほぉ、言うねぇ。俺は相模の平次郎狸だ。楽しく喧嘩させてもらおうじゃねぇかぁ!」
そう言うと早速青年に向かって突っ込んでいった。
855 :
宝玉院 三凰
2011/02/07(月) 23:22:25.00 ID:W4iNqceAO
>>854
狸の姿に戻るのをじっと睨みつけ。
「愚か者め…格の違いを見せてあげよう!」
突っ込んでくる平次郎に向け、レイピアの突きを放つ。
856 :
平次郎狸
[sage]:2011/02/07(月) 23:28:48.20 ID:h4ZOV/SKo
>>855
狸は走りながら思考する。レイピアは他の剣とは違い線で攻撃するのではなく点で攻撃する物。その一点を見極め回避すれば避けられないことは無い。
「ふっ!」
左足を踏み込み突きを左に回避。そのまま左足を軸にし相手の内腿めがけ右足で蹴りにかかる。
857 :
宝玉院 三凰
2011/02/07(月) 23:34:27.29 ID:W4iNqceAO
>>856
「……少しはやるようだな。」
避けられたことにより、若干悔しそうな顔をする。
「ぐっ…貴様…!」
蹴りは見事にヒット。キッと睨みつけながら、体制を立て直す。
858 :
平次郎狸
[sage]:2011/02/07(月) 23:39:19.58 ID:h4ZOV/SKo
>>857
一旦後ろに下がり余裕をかます。
「ふむ、体術を相手取るのは苦手かな?しかし、これも勉強だと思い掛かって来い。」
そう言って手を挑発するように動かす。クイックイッとかかって来いとでも言うように。
859 :
宝玉院 三凰
2011/02/07(月) 23:42:35.31 ID:W4iNqceAO
>>858
「貴様っ!僕に苦手などあるものか!」
目を細め怒鳴る。
そして、再び突きを放つ。
860 :
平次郎狸
[sage]:2011/02/07(月) 23:47:29.38 ID:h4ZOV/SKo
>>859
怒りで単調になった攻撃など恐れるに足らず。
今度は前に踏み込みながら下に避ける。この動きに慣れていないと消えたように見えるはず。
そのまま相手の胸に潜り込み服を掴みながら体を反転させる。
すぐさま振りほどかなければコンクリの地面にめり込むほどの勢いで背負い投げが決まるだろう。
861 :
宝玉院 三凰
2011/02/07(月) 23:53:46.07 ID:W4iNqceAO
>>860
「消えた!?いや…下か!?」
服をつかまれる。
「ええい!離せ!この愚か者が!」
人間の姿の力では振り解けそうにない、そう考え、再び巨大なコウモリの姿になる。
そして、そのまま増大した力で振りほどこうとする。
「離せ!離すんだ!愚か者がっ!」
ものすごく暴れる。
862 :
平次郎狸
[sage]:2011/02/07(月) 23:56:04.55 ID:h4ZOV/SKo
>>861
予想外の動きに驚いてしまう。
「のわっ!ちょ!ええい、おとなしくせい!」
そう言って怪力を発揮。鬼と渡り合う程の力でやはりコンクリに叩きつけようとする。
863 :
宝玉院 三凰
2011/02/08(火) 00:03:40.20 ID:YIRR0kXAO
>>862
コウモリの巨体が叩きつけられる。
「ぐはぁっ…!」
よろよろと立ち上がり、辛そうに飛び上がる巨大コウモリ。
「貴様…よくも僕に傷を…許さん…許さんぞ!!」
今まで以上に怒る。目を見開き、恐ろしい形相になる。
「貴様は僕を傷つけた!許すわけにはいかないな!」
そう言い放つと、空中から急降下し、体当たりをしようとする。
864 :
平次郎狸
[sage]:2011/02/08(火) 00:12:46.15 ID:FqL8DGONo
>>863
流石の怒気に少し怯む。気を取り直し体当たりに対し対策を講じようとするが空から攻撃された経験があまり無く動きが止まってしまった。
「がっ…!」
直撃を食らう。そのまま吹き飛ばされるが辛うじて受身を取り体制を立て直す。
「くそっ…。どうしたものか。」
ふとさっきコウモリを叩き付けた場所に視線が向く。そこには砕けたコンクリート片が落ちていた。
(あれだ!)
その場所までダッシュし欠片を拾い集める。
「よっしゃ!気をつけろよー。きっと加減が出来ん。」
そういうと持ち前の怪力でコンクリート片を散弾のようにコウモリに投げつけ始めた。
865 :
宝玉院 三凰
2011/02/08(火) 00:23:10.00 ID:YIRR0kXAO
>>864
「フッ…どうした?空中の相手は苦手か?」
先程の仕返しのつもりだろうか。
そのせいで、油断が見られる。
「なっ!?コンクリート!?」
気づいた時にはもうコンクリートが迫っていた。
「ぐああっ!!」
無数のコンクリート片がコウモリの薄い羽を貫いていく。
それにより、空中にいることが困難になり落下する。
「愚か者がぁ…僕の羽を…僕の…」
ふらふらしながらも立ち上がる。
しかし――
「くっ…」
再び倒れてしまった。
866 :
平次郎狸
[sage]:2011/02/08(火) 00:26:20.39 ID:FqL8DGONo
>>865
「やったか…。え?つか生きてるよな?」
おそるおそるコウモリに近づく。
「お〜い、もしも〜し、生きてるか〜。」
しゃがみこみツンツンと頭を突いてみる。
867 :
宝玉院 三凰
2011/02/08(火) 00:33:46.48 ID:YIRR0kXAO
>>866
「………」
返事がない。
しかし、それも束の間。
「僕がその程度で死ぬわけないだろう…」
ゆっくりと立ち上がり、瞬時に人間の姿に戻る。
「まったく…僕としたことが油断してしまったよ…」
余裕そうに振る舞う。
実際は立っているのが限界だが。
868 :
平次郎狸
[sage]:2011/02/08(火) 00:38:45.06 ID:FqL8DGONo
>>867
「おおっ!よかったよかった。しかしなかなかに余裕そうだな。」
生きていることに安堵する。今行っていたのは殺し合いではなく喧嘩なのだ。そこだけは曲げることは無い。
「ふむ、して戦ってみてどうかな?自分に百鬼夜行の長が務められそうか?純粋に今の自分の主観で答えてみな。」
腕を組みながら問答を投げかける。
869 :
宝玉院 三凰
2011/02/08(火) 00:47:48.38 ID:YIRR0kXAO
>>868
「フン…僕はそんなに柔じゃない。」
今にも、倒れそうだ。
相変わらず、表情や態度には見せないが。
「言っただろう?百鬼夜行の支配者に相応しいのは、この僕だと。今回は、たまたま油断しただけだ。百鬼夜行の主は僕以外にありえないね。」
相変わらずの答えだった。
870 :
平次郎狸
[sage]:2011/02/08(火) 00:53:56.89 ID:FqL8DGONo
>>869
「ふむ、そうか……。お前、気に入った。戦い方教えてやろうか?」
自分の目標を諦めず、しかもなお貪欲に支配者たろうとしている。賛辞に値するだろう。
「もちろん俺も百鬼夜行の主になりたいからライバルみたいな感じでだけどな。俺は喧嘩や力比べが大好きだ。今はそっち優先したってかまわないだろう。それにお前まだまだ成長しそうだしな。超期待してる。」
バトルジャンキーでもある狸の欲望丸出しだった。
871 :
宝玉院 三凰
2011/02/08(火) 01:03:31.79 ID:YIRR0kXAO
>>870
「フン…貴様から教わることなど何もない…僕には、父上がいる。父上は僕の師であり、唯一尊敬できる存在だ。」
父への思いを語る。
父の話しをしている時は、なんだか嬉しそうだ。自慢の父親なのだろう。
「ま、ライバルとして再び手合わせするのというのは賛成だがな。」
872 :
平次郎狸
[sage]:2011/02/08(火) 01:06:53.72 ID:FqL8DGONo
>>871
(ファザコン…。いや俺も人のこと言えないか。)
「よっぽど親父のことが好きなんだな。そりゃいいことだ。」
うんうんと頷きながらしみじみと言う。
「それと賛成ってことはこれからもちょくちょく喧嘩してくれるんだろう?」
ニヤニヤしながら言った。
873 :
宝玉院 三凰
2011/02/08(火) 01:12:25.49 ID:YIRR0kXAO
>>872
「フッ…父上は素晴らしい方さ…」
嬉しそうに微笑む。
「当たり前だ。だが、喧嘩という表現はやめろ。僕は、そんな野蛮な事をしているつもりはない。そうだな…」
ふと考える。
そして、閃いた。
「そう!これは由緒正しき決闘だ!」
874 :
平次郎狸
[sage]:2011/02/08(火) 01:17:24.04 ID:FqL8DGONo
>>873
「決闘…、決闘ね。なるほど、おもしろい。そうだな、決闘だ。」
気に入ったのか笑いながら言う。
「それじゃ正式に俺たちはライバルだ。そういや俺はもう名乗ったからなぁ。お前、名前は?」
875 :
宝玉院 三凰
2011/02/08(火) 01:21:03.43 ID:YIRR0kXAO
>>874
「僕は、宝玉院三凰。本来なら、愚民に名乗ったりはしないがライバルは特別だ。」
笑いながら返す。
自身に満ちた笑いだ。
876 :
平次郎狸
[sage]:2011/02/08(火) 01:27:31.70 ID:FqL8DGONo
>>875
「三凰か…。よし、覚えた。それじゃこれからはよろしくな。」
そういって邪気の無い笑顔を見せた。狸だから分かりにくいが。
「それじゃ俺はもう行くぜ。これからバイトがあるからなぁ。それじゃあなぁ。」
そう言って赤ジャージの人間の姿に化けるとビルからビルへと飛び移り消えていった。
877 :
宝玉院 三凰
2011/02/08(火) 01:38:09.06 ID:YIRR0kXAO
>>876
「その名を絶対に忘れるなよ。百鬼夜行の主になる男の名だからな。」
フッと笑う。
「じゃあな。次に会うときは、貴様が僕に敗北することとなるだろう。」
最後まで強気な態度で言った。
「さて、戻るとするか…」
ゆっくりとコウモリの姿になる。
「少々羽が痛むが、飛べなくはないだろう…」
夜空に羽ばたきだす。一見すれば、華麗に見えるがよく見ればふらふらと不安定な飛行だった。
878 :
四十萬陀 七生
2011/02/08(火) 23:07:30.76 ID:tNQNfp7vo
――最近、山の様子がおかしい。
袂山の麓にある、小さな神社の鳥居の上に埋まった夜雀は、
ぽっかりと細く欠けた月が浮かんだ夜空を見上げながら、人間でいう所の溜め息をついた。
(血腥いというか、なんというか。とにかく、ざわついてるじゃん)
元来、無駄な争いを好まない妖怪たちが住まうのが袂山だ。
それなのに、何故だか今日、袂山は異様な雰囲気に包まれていた。
誰に聞いても理由は分からない。だけれど皆感じている。
一体、何が起きているのか――。
「……はぁ」
本日、二度目の溜め息をついた。
879 :
夜行集団
2011/02/08(火) 23:20:08.64 ID:N8ysz5l40
>>878
なんとも言えない、本当に何と言えばいいのだろうか。
へらへらと、その最近様子が変わってしまった山にホストが一人、絶賛売れ残り中の駄作「牛乳を飲
むのではない・・・喰らえ!!」という、まったく目的の理解できない乳製品を喰らっている言いよ
うのない空間が発生した。
「飲ませろよっていうwwwwww」
その乳製品を笑いながら神社の参道を歩いていると、鳥居の上に鳥(雀)。
ほんのくだらないダジャレ的な光景に歩みを止めたとき、感じた妖気に男は思わず話しかけた。
「夜に鳥が出てて大丈夫なのかよwwwwww」
880 :
四十萬陀 七生
2011/02/08(火) 23:31:04.13 ID:tNQNfp7vo
>>879
覚えのある声と妖気に、四十萬陀は鳥居の下を覗き込んだ。
特徴的な話し方。前に会った時はこっぴどくおちょくられたし、覚えている。
「私は夜の雀じゃん! えー……っと、名前……聞いてたっけ?」
名の通り闇色の翼を広げ、虚冥の頭に降りようとする。
881 :
虚冥
2011/02/08(火) 23:37:48.46 ID:N8ysz5l40
>>880
雀が自分の頭上目がけて降りてきた、が、「〜じゃん」聞き覚えのある口調に安心した虚冥は頭を
貸してやる事にした。若干かぎ爪が痛かったが、それは秘密である。
「俺の名前は虚冥wwwwww。まあ、源氏名だから適当に覚えといてくれっていうwwwwww」
今度は手に持った駄作をおちょくることなく四十萬陀に勧めてみる。
「これ飲むかwwwwww?てか、喰らうかwwwwww?」
882 :
四十萬陀 七生
2011/02/08(火) 23:45:50.62 ID:tNQNfp7vo
>>881
「う〜ん、落ち着くじゃん」
爪を羽根の中に入れて、まんじゅうの如く丸くなる。
普段は犬御の長毛に埋もれているので、頭の上はその代用といった所だろう。
雀を頭に乗せて歩いているところは、一般人が見るとなると、中々シュールかもしれない。
ここでは、そんな心配をする必要はないのであるが。
「虚冥君ね。源氏名って何じゃん?」
訊ねつつ、勧められた牛乳の妙なパッケージを読み「喰らえって何…?」とツッコみをいれる。
しかし、貰えるものは貰っておく主義な四十萬陀である。
「飲み…喰らうじゃん!」と割とノリノリだ。
883 :
虚冥
2011/02/08(火) 23:54:31.12 ID:N8ysz5l40
>>882
「源氏名ってのはな、ホストとかホステスとかの職業の奴が使う、
まあ偽名みたいなもんだっていう。俺ホストなんだぜ?」
喰らう四十萬陀の姿は見えないが頭の上に話しかける。
そして、少し冷や汗が出ながらずっと聞きたかった事を聞く。
「そんな事よりも・・・お前・・・この前の事誰にも話してないな・・?」
884 :
四十萬陀 七生
[sage]:2011/02/09(水) 00:05:39.04 ID:GffSLtdSO
>>883
「なるほど、偽名の事じゃん!
ホストって、……虚冥君が? 虚冥君ってイケメンなの?」
失礼な事を聞く雀だ。
しかし人間たちのいう『イケメン』がよく分かっていない四十萬陀にとっては、素の質問なのである。
頭の上でバランスを取りながら、四十萬陀は器用に牛乳を飲む。いや喰らう。
感想は、「……なんか不思議な味じゃん……」と微妙な感じだが。
「この前のこと? ……あ、ああー……。どっちだと思うじゃん?」
軽くおどけてみせる。(明らかに今思い出した様子だったが)
885 :
虚冥
2011/02/09(水) 00:14:45.33 ID:xTLzmDAH0
>>884
「まあ正直な話、俺の場合は上の下なんだがなwwwwww
魅了が自身のアイデンティティーの氷亜とかには、流石に勝てる気がしないっていうwwwwww」
氷亜は自身の元からか、雪男だからか、妖艶さが発散されている。
それを利用して獲物を誘い込み、生気を吸うのだ。性的なものが一番人間の弱いところなのである。
虚冥は四十萬陀の態度で確信する事が出来た。
「よかった・・・あの人も怒ってないみたいだし・・・ちゃんと守ってくれたんだなwwwwww」
かくして虚冥の股は約束とともに守られたのである。
886 :
四十萬陀 七生
[sage]:2011/02/09(水) 00:24:16.26 ID:GffSLtdSO
>>885
「ふ〜ん……」
説明されても、よく分かっていないのか、曖昧な返事を返した。
氷亜と面識がないことはないのだが、名前を聞く暇もないほど一瞬だったため、四十萬陀は認識していない。
「でも、上ではあるんだね。あれじゃん、残念なイケメンってやつ? きひひっ」
口の減らない雀だ。
「守ったっていうか……もう聞いた内容忘れちゃったじゃん」
887 :
虚冥
2011/02/09(水) 00:31:21.63 ID:xTLzmDAH0
>>886
「残念言うなwwwwwwこれでもある程度人気はあるんだぞwwwwww
逆に俺に指名した人にも失礼だわwwwwww」
一応注意はするが怒っているのではない、ここが虚冥のめんどくさいところだ、本当に腹に来ると
黙ってしまう。スイッチもゆるいためにたまに空気が悪くなる。
「(計画通り・・・!)」
向こうが忘れてしまったのだから計画も何もないのだが、どちらにせよ虚冥に都合がいいのは言うまでもない。
「そういえばお前は何でこんなとこに一人でいるんだっていう?
まさか仲間と喧嘩したんじゃないだろうなwwwwww?」
888 :
四十萬陀 七生
[sage]:2011/02/09(水) 00:44:23.84 ID:GffSLtdSO
>>887
「にひひ、虚冥君がどんな会話テクで女を落としてるか気になるじゃん。
今度私も遊びに〜……って、セーラー服で行ったら補導されるか」
一人ツッコミを入れつつ、牛乳を飲む。いや喰らう。
微妙そうな顔をしているが、なんだか癖になる味らしく、ちょくちょく飲んでいる。いや喰ry
「喧嘩? いや、別に……」
と、言い掛けて、浮かぶのはあの黒い狼の顔。
別に、喧嘩している訳ではない。普通に会話も交わしている。
しかし、この山と同じように、最近の彼が『どこか』おかしいことも、皆感じ取っていた。
杞憂だと、思いたいが、
「……喧嘩はしてないじゃん。だけど、最近、この山の雰囲気がおかしくって」
四十萬陀は言葉を選びながら、悩みを吐き出していく。
889 :
虚冥
2011/02/09(水) 00:51:57.75 ID:xTLzmDAH0
>>888
「おかしい?・・・ああ〜そういや氷亜が
―最近どうやら近くにある山の様子が一変してるみたいなんだよ。
一応偵察は出してはいるんだけど、なかなかいい報告はないみたいだね―
て言ってたっていう。」
頭をかしげ考えてみる虚冥だが答えは出ない。第一山の妖怪ではないのだから、状況の一変など
感じれるはずがない。
「一応仲間疑えって言うのじゃないんだけど、信用する意味で仲間に、
尾行してみたらどうだ?」
890 :
四十萬陀 七生
2011/02/09(水) 01:05:34.35 ID:GffSLtdSO
>>889
「この間仲間の送り狼(犬御とは別の妖怪だ)が知らない妖怪を見たっていってたけど、
それってもしかして、君たちの偵察のことじゃん……?」
無駄な争いを好まないことと同じくらい、他者からの干渉に慣れていないこの山の送り妖怪たちは、仲間以外の妖怪を見るとすぐに情報を行き渡らせる。(四十萬陀や犬御は特殊な例だ)
虚冥からの提案に、四十萬陀は躊躇いがちに、
「……でも……、」
何を迷っているのか。
犬御を信じているなら、迷わず尾行でもなんでもすればいい。今までずっと一緒にいたのだから。
――だけど、四十萬陀は怖かったのだ。
もしも、もしも一つの杞憂が、杞憂では済まなかったとしたら。
「…………そう、だね。考えておくじゃん」
891 :
虚冥
2011/02/09(水) 01:15:14.31 ID:xTLzmDAH0
>>890
「さぁ〜・・・さすがに誰が言ったのかは知らんっていうwwwwww
でもそれが雪山にでる妖怪だったら多分、氷亜の配下の奴らなんじゃないか?」
一応姫と同じ中心的立ち位置の虚冥だが、だれかの配下の偵察、ましてや氷亜の場合はよっぽどの
内容でない限り報告はしない。それこそ杞憂だった時が虚冥は凄くめんどくさがるのだ。
それこそ数日間ねちねちねちねちと小言が止まらない。しかしそれも天狗のウザさにおいては
子供の様なものである。
「・・・迷ってるんだな?
でもな、もしそいつが変な事に足突っ込んで、変な方向に曲がっていくときに助けれるのは。
知る恐怖にうち勝てた奴だけなんだぜ?」
「ハズいハズいwwwwwwかっこつけすぎたwwwwww俺は氷亜かっていうwwwwww」
892 :
四十萬陀 七生
[sage]:2011/02/09(水) 01:26:00.72 ID:GffSLtdSO
>>891
(雪山に出る妖怪……だったかな? 後で和戌に聞いてみるじゃん)
和戌、というのは仲間の送り狼の名前だ。
必要以上に臆病な性格なのだが、情報を集める腕は超一流なメスの送り狼である。
「……にゃははっ、なーに照れてるじゃん」
ぷはっと吹き出して、からりと笑う。
四十萬陀は僅かに目を伏せ、喰い終えた空の牛乳をつつく。
「知る恐怖、か」
――そうじゃん。私、覚悟するって決めたんだ
「……ありがとう、虚冥君。おかげで、なんだか勇気が湧いてきたじゃん」
893 :
虚冥
2011/02/09(水) 01:38:01.38 ID:xTLzmDAH0
>>892
「おうおうwwwwwwまあ偉そうに言っても、結局知りたいかどうかはお前次第だからなwwwwww
でも案外、見てみたら密かに浮気してるだけだったりするかもしれねえっていうwwwwww」
『ありがとう』、確かに大好きな言葉ではあるが、そこまでまじめに言われると照れてしまうのが
虚冥の性分。少しは真面目にいられないのかと注意されるほどに照れやなのだ。
小さく咳払いして言葉を繋げる。
「もしお前の悩みがとんでもないもんだったら俺らに頼ってもいいぞwwwwww
俺とか氷亜とかは忙しい時はあるが、他の奴に至ってはたいがい暇人だっていうwwwwww
武力行使も恋愛成就も、もっといえば安産祈願だってやってやるっていうwwwwww」
セクハラ、であった。当人の心は知れないが、これが会社ならばこれで女性社員のストレスが2ポイ
ントたまる事であろう、しかし一応穂産姉妹がいる点において言えばセクハラではないのかもしれない。
894 :
四十萬陀 七生
[sage]:2011/02/09(水) 01:50:00.32 ID:GffSLtdSO
>>893
「にゃははは。浮気って、そんな事する甲斐性、アイツにないじゃん!」
犬御が聞いたら泣きそうな台詞を吐く四十萬陀。
気付いてないものだから、悪意がないのが余計タチ悪い。
咳払いを一つした虚冥に、「あ、照れたじゃん? ねぇ今照れたじゃん?」などとニヤニヤしながら絡む。
「安ざっ……。……恋愛、成就かぁ」
セクハラまがいの発言に驚きつつ、
ぼんやり、無意識のように呟く。四十萬陀が脳裏に浮かべたのは、小さな蛇の少年。
しかし、かの少年があれからどうなったのか、夜雀はしらない。――心配だった。ひどく。
「……安全祈願、とかできるじゃん?」
895 :
虚冥
2011/02/09(水) 02:00:39.25 ID:xTLzmDAH0
>>894
「安全祈願とは、なかなか趣のある返し方だなっていうwwwwww
そうだな安全ねえ・・・」
安全を祈る妖怪などいたかな?
と自分の記憶を探る虚冥だが、すぐにポッとでてくる者はいないようだ。
ちなみに言うと、桔梗姫は確かに幸福と歓喜の化身だが、その効力の及ぶ範囲と縛りは
―桔梗姫がその場に存在していること、より高い効果が欲しい場合は姫が能力を使うことである。―
つまり、姫をお守りとして携帯すれば効果はあるが、仲間の反対がまさしく鬼のようであろうから、
絶対に不可能である。
「まあ、安全の方はそれこそ俺らの誰かがあんたのボディーガードにでもなってやるっていう
時給600円でなwwwwww」
守ろう、労働法。
896 :
四十萬陀 七生
[sage]:2011/02/09(水) 02:16:48.97 ID:GffSLtdSO
>>895
「にゃはは、遠慮しとくじゃん。……それに安全でいてほしいのは、自分じゃないし」
ていうか、時給600円て安いね。と四十萬陀が遅いツッコミを入れる。
――そろそろ、帰らなくちゃなぁ。と四十萬陀はゆるゆると顔を山頂に向けた。
だけど、何故だろう。今は誰かといたい気分だ。無性に。
「……ていっ」
それから四十萬陀は、何を思ったか頭上で人間に変化すると、そのまま虚冥の背中に組み付いた。
腕はしっかり首に巻き付けて、ぶらんとしている所を見ると、親におぶってもらおうとしている子供のようだ。
「私、この姿のままだと夜は出歩けないんじゃん。だから上までおぶっていってほしいじゃん!」
いや、むしろ兄にじゃれる妹のようだ。
897 :
四十萬陀 七生
[sage]:2011/02/09(水) 02:17:18.18 ID:GffSLtdSO
>>895
「にゃはは、遠慮しとくじゃん。……それに安全でいてほしいのは、自分じゃないし」
ていうか、時給600円て安いね。と四十萬陀が遅いツッコミを入れる。
――そろそろ、帰らなくちゃなぁ。と四十萬陀はゆるゆると顔を山頂に向けた。
だけど、何故だろう。今は誰かといたい気分だ。無性に。
「……ていっ」
それから四十萬陀は、何を思ったか頭上で人間に変化すると、そのまま虚冥の背中に組み付いた。
腕はしっかり首に巻き付けて、ぶらんとしている所を見ると、親におぶってもらおうとしている子供のようだ。
「私、この姿のままだと夜は出歩けないんじゃん。だから上までおぶっていってほしいじゃん!」
いや、むしろ兄にじゃれる妹のようだ。
898 :
虚冥
2011/02/09(水) 02:27:42.85 ID:xTLzmDAH0
>>897
「おいおいwwwwwwお前いくらなんでも、2度ほどしか会ってない男におぶさってもらうとか、
あまりにも不用心すぎるっていうwwwwww襲っちまうぞwwwwww」
虚冥は姫コン。反応セズ。
しかし、これが氷亜だったらどうだったであろうか、と虚冥は考えてみる。
多分赤くなるであろう、キャラに似合わずうぶであるのだ、そのうえ童貞。真っ赤かだ。
これが一人の時のアニさんだったら・・・やめておこう。と考えないでおこうとした虚冥。
「場所教えろwwwwww今、俺も暇人だから送ってやるっていうwwwwww」
そういうと歩きだした虚冥だが、目は見えているのであろうか。
「にしても重いなお前wwwwww」失礼なジョーク一発。
899 :
四十萬陀 七生
2011/02/09(水) 02:36:09.61 ID:GffSLtdSO
>>898
「襲おうとしたら飛んで逃げるもんね〜じゃん」
と軽口を叩きながらも、虚冥がそんな事しないことは何となく分かっている。
四十萬陀にとっても、これは親愛のスキンシップにすぎない。家族――彼女でいうところの、山の仲間――に対して行うものと同じ意味を持つ。
「この鳥居の先の道を、ずーっと真っ直ぐ! じゃん!」
びっ、と見えてもいないくせに指差す。不安だ。
「重い〜〜!!? 失礼なこというじゃん! ばか!」
背中の上で、落ちない程度に暴れる。相変わらずなリアクションを取る四十萬陀だった。
900 :
虚冥
2011/02/09(水) 02:49:29.35 ID:xTLzmDAH0
>>899
「ちょwwwwwwちょwwwwww暴れるなっていうwwwwww俺の非力さなめんなよwwwwww」
実は、虚冥の筋力は成人女性をやっとお姫様だっこできるというような程で、
妖怪にしては筋力がないのである。それは狂骨という存在自体が筋肉とは無縁であることに由来しているのだが、氷亜の氷猩猩の肉体と違って狂骨は霊体という点でも同じことが言える。
「真っ直ぐだな!!解った!!」
とりあえず四十萬陀の言葉に従い歩き始める。
901 :
四十萬陀 七生
[sage]:2011/02/09(水) 07:39:57.68 ID:GffSLtdSO
>>900
「そう、真っ直ぐじゃん!」
偉く自信満々だが、四十萬陀は視界に何一つ映していない。
果たして、この二人は無事に送り妖怪たちの元まで辿り着けるのだろうか……。
そうして夜雀と狂骨は、夜の闇へと姿を溶かした。
902 :
神隠し
2011/02/10(木) 22:16:34.40 ID:QYXsrFG6P
「だぁれかさぁんのしゃれこうべぇ〜♪」
歩く歩く、姿は見えないがヘタクソな歌だけが聞こえる。
古ぼけ、あちこちが破壊された神社の周りを。
笑いながら、謳いながらゆらゆらと徘徊する。
「あぁかいべべ着て包丁もぉおって♪」
茜色に染まった山麓が、徐々に逢魔ヶ時の紫に侵食されていく。
闇に溶け、辺りが見え難くなっていくに比例し。
歌の主が徐々に姿を見え始める。
「かわいい顔した童をきぃざぁむぅ〜〜♪ ゲタゲタゲタ!!」
道士の服を着た少年だった。
邪悪な笑みを浮かべていた。
903 :
瞳
2011/02/10(木) 22:30:36.63 ID:Fj+RorwAO
>>902
再び出会った
出会ってしまった
「……」
前回、瞳の精神を不安のどん底に突き落とした存在
その存在が目の前に姿を現した
「お前は……」
怖かった、怖くない筈がなかった。
いくら自分の信念を決意しようとも、いくら修行をし力をつけようとも、その恐怖は消える事はなかった。
「神隠し……」
恐怖の混じった目で睨みつける。
そして、右手を刀に変化させ警戒態勢。
904 :
神隠し
2011/02/10(木) 22:41:12.87 ID:QYXsrFG6P
>>903
「ゲタゲタゲタ! また会ったなぁ、“妖怪でも人間でもないヤツ”!!」
笑いながら、指差す妖怪・神隠し。
相手が臨戦態勢であるにもかかわらず、ジリジリと歩み寄ってくる。
明らかに見下したような態度と油断したような雰囲気だったが、
直後、表情が引き攣る。
「やっほーー! おはこんにちばんわー!!
ほらねー、言っただろう神隠し! ここで待ってて正解だったじゃないか!」
悪辣な風、粘り気を持った汚水のようにへばりつく好意。
否、これは好意の振りをした悪意・・・。
「はじめましてー! 正義の美少女妖怪さーん!!
神隠しからよくきいてるよぉー! 頑張ってるみたいじゃないか!!」
瞳の背後から女性が現れた、見た目は20代前半か。
肩まで伸びた黒髪を揺らし、紫色の袴の巫女服を着ている。
「お名前教えてよぉ! 私は窮奇!! なんか難しい漢字で書くんだよぉ!」
905 :
瞳
2011/02/10(木) 22:50:58.61 ID:Fj+RorwAO
>>904
「くっ…」
(何を言われても曲げては駄目だ…私の信念は…風月の夢は…)
歯を食いしばり、右手の刃を向ける。
しかし、心を強く保つ、それだけで精一杯だった。
今にも折れそうな心。だが、これでも以前よりは強くなったようだ。
「!?なっ…何者だ!?」
背後から、現れる女性に驚く。
「な、名前!?」
言うべきか、言わないべきか…
悩んだ末。
「瞳…」
小さな声で言った。
言わなければ、大切な何かが壊される気がした。
906 :
神隠し+窮奇
2011/02/10(木) 23:00:45.39 ID:QYXsrFG6P
>>905
「瞳ちゃんかぁ! 『良い』名前だねぇ!!」
爽やかな、人懐っこそうな。
ニコニコとした笑みで詰め寄る窮奇。
半月状の眼が・・・心の中に飛び込んでくる。
「あ、この前はゴメンね! 急に襲い掛かっちゃってさ!!
アイツ、どっちつかずのヤツ嫌いなんだよ。許しあげてね!!」
笑顔が一転、急に悲しそうな目になる。
手を胸の前で組み、悲壮な声を上げる。
「聞いたよ! 亡き恩人の悲願を果たそうとしているんだろう?
感動したよ!! 私もぜひ協力したい! 私達紫狂が全力でバックアップするよ!!」
歩み寄る、心の中に忍び込む。邪悪な思想。
しかも・・・壊さないように慎重に。大切なものを掬い取ろうとしていた。
「私もね、人間と妖怪が共に歩める方法を考えていたんだ!
キミは具体的なプランも定まってないみたいだし・・・伝授しちゃうよ!!」
907 :
瞳
2011/02/10(木) 23:14:40.37 ID:Fj+RorwAO
>>906
「許す…?」
(許せるわけ…いや…)
自分が悪かったのか?
そんな疑念が再び生まれた。いや、戻ってきた。
悲しそうな窮奇を見て、心が痛んだ。
(私のせいなのか…私は妖怪達に迷惑を…いや、もしかしたら人間も…)
敵意や心を強く保とうという意志は、いつのまにか不安に置き換わっていた。
あれほど信念を強く保とうと心に誓ったのに、全て無駄になってしまった。
「協力…?仲間に迷惑をかけ、闇雲に理想を語る私を…?」
さっきまで敵意を向けていたのに、目の前の女性が良い存在に思えてきた。
ついに右手を腕に戻し、警戒態勢を解いた。一切の警戒が無いという訳ではないが…
「本当か…?本当にか…?教えて…くれ…」
不安げな表情、震える声で言った。
908 :
神隠し+窮奇+混沌
2011/02/10(木) 23:27:21.12 ID:QYXsrFG6P
>>907
(ゲタゲタゲタ・・・。あーぁ、あの女終ったな・・・)
圧倒的な邪悪に気圧され、
存在を飲み込まれた神隠しが思う。
「ふふふ・・・それはね――
「グーーーーーーゥ テン ☆ モォーーーーーーゥ ゲェーーーーン!!」
突如、辺りにふざけた声が響く。
パーティースーツを着た男が舞い降りた。
窮奇の笑顔が一瞬崩れ、嫌な顔をする。
「聞きましたよ! お嬢さん!! 愛の為に信念を貫く! 素晴しいじゃないですかぁ!!」
「いや、キミすごく邪魔」
「あぁ! もっと邪険してキュウちゃん!!」
窮奇を横目に見ながら歩み寄り、瞳の手を取る男。
「ワタクシ、紫狂のスポンサーの混沌でございます!
やはり素晴しい! 愛に! 愛した者に生き方を導かれる貴女にワタクシ感動いたしました!!」
窮奇同様、悪辣な雰囲気を漂わせている男・混沌。
しかし窮奇とは異なり、その悪辣さは清涼や不快をごちゃ混ぜにしたような奇妙なものだった。
「・・・めんどくせぇのが来やがった」
傍観者と化していた神隠し、小さく舌打ちをする。
909 :
瞳
2011/02/10(木) 23:36:01.28 ID:Fj+RorwAO
>>908
「それは…?」
唾を飲み込み、次の言葉を待ち望む。
その時――
「え?な、なんだ!?なんなんだあなたは?」
突如現れた男に困惑の表情
「混沌?な、何をしにきたんだ…?」
男の雰囲気に恐れと困惑の表現で聞く。
910 :
神隠し+窮奇+混沌
2011/02/10(木) 23:53:54.08 ID:QYXsrFG6P
>>909
男、外見年齢は窮奇と同じ位か。
すらりと伸びた体躯で窮奇と並ぶと頭1つ分ほど差がある。
「ふふふ、強いて言うなら・・・愛の語らいに」
「いや、もう帰りなよ」
「なにをおっしゃるんですか! 今日は床の中で――ムグ!」
神隠し、背後から登場。
辺りの雰囲気を混沌へと貶めた男を亜空間の中へ引き込んだ。
・
・
・
「さて、ウザいのは消えたし話の続きだよぉ」
若干、引き攣ったような笑顔の窮奇は瞳を指差して詰め寄る。
「それはね、秩序を破壊するんだ!
具体的に言えば・・・そうだね、神様の抹殺かな」
ニヤニヤとした顔が瞳の眼前に迫る。
「キミの愛しい人は古い秩序のせいで引き裂かれた。
それは古いルールを頑なに変えようとしないヤツ等のせいなんだよ」
「ほら、時代とか変わってきてるじゃん。
だったら人間と妖怪のあり方ももう少し柔軟になっても良いと思うんだよね」
肩に手を置く。耳元で囁く。
「キミは少し自分に自信がないみたいだからね。
まずは適当なヤツを指名してあげるよ・・・そうだな、露奇ちゃんって知ってるよね」
「アイツの組織こそ『悪い』ヤツ等だ。
勝手にルールを決めてそれで妖怪や人間を殺しまくってる」
「しかもアイツは勝手な思想で妖怪をどんどん殺してる、
キミ達の山のヤツ等と同じ・・・いやそれ以上だ。コイツ等みたいなヤツがあの悲劇を生んだ」
「手始めに潰してやろうよ、こういう所から世界は変わっていくのさ」
911 :
瞳
2011/02/11(金) 00:10:11.88 ID:3raUgX6AO
>>910
「い、いったいなんだったんだ…」
驚き、困惑、恐怖が混ざった視線で亜空間へ引き込まれる男を見る。
「秩序を…な!?抹殺!?」
驚きと同時に嫌悪感を示した。
嫌な言葉だ、そう思った。
「確かに、古い考えだと思ったことはある…しかし、抹殺なんて…」
話しは正しいと思える。抹殺の部分以外。
そして聞かされる。親友の名前――
「え?露希…?露希が…?露希がそんなことを…?」
信じたくない。親友が悪の組織の一員だと言うことを、春花を殺した奴らと同じだと言うことを――
しかし、本当だとしたら――
真実を確かめたい、真実を知るのが怖い。
「それは…それは本当なのか…?」
(もし、本当だとしたら…私は…)
恐る恐る聞いた。
912 :
窮奇
2011/02/11(金) 00:20:17.20 ID:cMFP6yTvP
>>911
「うん! 本当!!」
晴れやかな笑顔。
一瞬、晴れたと思った醜悪な雰囲気が再び辺りを包囲する。
いつの間にか窮奇の表情は、あの不気味な笑顔になっていた。
「そういえばさ、彼女よく暴走することがあるでしょ?
それが効いてるみたいだねぇー。この前弱い妖怪を殺しまくってるの見ちゃったんだぁ」
小さな紙を取り出す。
それは露希が狂骨に渡していた、リストを写したものだった・・・。
「コレが殺しまくった妖怪のリスト。酷いよねぇ! 結構な数だ!!
流石に殺害現場を盗撮した写真はないから、決定的な証拠はないねぇ」
心に忍び寄る、悪意の触手。
「まぁ気になるなら調べてごらん、“知る勇気” も大切だよぉ!!」
この妖怪は・・・一体どこまで知っているのだろうか?
913 :
瞳
2011/02/11(金) 00:30:34.06 ID:3raUgX6AO
>>912
「そんな…露希が…そんな…」
恐る恐るリストを見る。
「…!?」
その数を見て、ゾッとした。
「そうか…露希が…それは、どうにかしなければいけないな…
露希は、騙されているのか?それとも、脅さて…?」
信じたくない。
親友は、きっと騙されているか脅されているのだと思った。
914 :
窮奇
2011/02/11(金) 00:39:48.90 ID:cMFP6yTvP
>>913
「そうだね、騙されてるかもしれないね・・・」
突如、何か思い立ったような顔をする。
第三者から見ればわかるだろうが・・・窮奇の話の繋がりはメチャクチャだった。
果たして気づくことができるだろうか? ・・・嘘を、捻じ曲げられた真実を。
「そういえばさぁ! 1つ心当たりがあるんだ!!」
耳元で囁きかける。
投げ入れられる、寒露に塗りたくられた・・・猛毒。
「夜行集団! そこの雪男が怪しいね、個人的には!!」
ニタニタニタニタニタニタニタニタ。
「露希ちゃんはソイツにすごくご執心だったみたいだ。
そういえばリストのヤツ等は関連性が見受けられないね、
コイツ等が死んでいったい誰が得するんだろう・・・私には皆目見当つかないなぁ」
リストに載っている妖怪達は・・・どれも主を目指す、そこそこ名のある者達だった。
「もしかしてコレにヒントがあるのかもしれないね」
915 :
瞳
2011/02/11(金) 00:49:55.59 ID:3raUgX6AO
>>914
「やはり、露希はその組織に騙されているのだろうか?」
気づくはずはなかった。
「心当たり…?あの雪男…露希のボーイフレンドか…?」
以前見た雪男。彼は、露希と仲が良かった。
「そのリスト、貸してくれないか?調べてみたいんだ…」
916 :
窮奇
2011/02/11(金) 01:02:38.53 ID:cMFP6yTvP
>>915
「うん! どうぞーー」
リストのコピーを手渡す窮奇。
挿げ替えられた標的、恩人の信念と・・・それを失う不安に付け込み。
次なる傀儡へと仕立て上げていく。
「キミの友達を救う為にも! 妖怪と人間が仲良くできる世界の為にも!
ぜひその『悪い』ヤツ等を倒さなきゃならないね!!
人間が妖怪を殺さなくて済む、妖怪が人間を殺さなくて済む・・・
妖怪が妖怪を殺さなくて済む世界を創っていく為にね・・・!!」
醜悪な笑顔が、心にどっぷりと浸かり込んでいた。
「さぁ、頑張ってね。キミの退魔の力はこの為にあるんだ」
窮奇は囁き、プラスチック製のメンバーズカードと地図。
そして・・・紫水晶飾りのついた髪留めを差し出した。
「これは紫狂のメンバーズカードと、本拠地の地図。
困ったときには訪ねると『良い』・・・。
そしてこの髪飾りはお守りだ、きっとキミに似合うと思う」
踏んでしまったら、もう退けぬ。
紫の瘴気を吐き出す、底なしの沼がぽっかりと口をあけていた。
917 :
瞳
2011/02/11(金) 01:16:00.57 ID:3raUgX6AO
>>916
「ありがとう。」
リストを受け取り、礼を言う。
「ああ。私は露希を救い、妖怪と人間が共に笑い合える世界を創ってみせる。」(私の作られた意味か…風月、私は絶対に…)
「なるほど、紫狂か…
お守り?ありがとう。」
静かに地図とカード、そして髪留めを受け取る。
918 :
窮奇
2011/02/11(金) 01:20:19.22 ID:cMFP6yTvP
>>917
「じゃあ・・・がんばってね!」
最後に微笑みかけ、窮奇は闇へ溶け込むように去っていった・・・。
919 :
瞳
2011/02/11(金) 01:26:24.25 ID:3raUgX6AO
>>918
「じゃあな…最後にもう一度言わせてくれ、本当にありがとう。」
もう一度礼を言い、窮奇を見送った。
そして、先ほど受け取った髪留めを自らの髪につけてみる。
「ふぅ…似合うの…だろうか?
さて、まずはリストに載っている妖怪を調べてみよう。露希…必ずあなたを救ってみせるからな…」
親友を救うことを心に誓い、瞳は歩き出した。
920 :
招き猫「」と郭公時計『』
[sage]:2011/02/11(金) 21:02:04.70 ID:PH/48cFio
午後4時を少し過ぎた頃。
路地のブロック塀の上で、獲物ににじり寄りながら舌なめずりしている三毛猫が一匹。
(今日こそあの閑古鳥と決着つけてやる)
その少し先、塀ぎわの民家の梅の木にいるのは鶯ではなく九官鳥。
「ウチノ旦那ハ馬鹿ダンナ〜♪バーカバーカ、ワハハハハ!」
誰が教えたのか、この九官鳥、得意げに人語を喋っている。
にじり寄る猫に気付いているのかいないのか、大声で悪態をついている。
(その羽毟ってやるから覚悟しとけ)
そろりそろり、猫は九官鳥に忍び寄ってゆく。
ときおり石化したようにぴたりと停止するが、その間も短い尻尾は興奮を示してぴくぴくと動いている。
921 :
四十萬陀 七生
2011/02/11(金) 21:11:12.56 ID:hNIGw1cro
>>920
ぴょんっ。
「君、君、何してるじゃん?」
九官鳥に近寄る猫の背後に、音も無くどこからか突然跳んできた少女。
ブロック塀の上に器用に両足を乗せて、膝を曲げて、両腕を後ろに組んで、悪戯っぽい表情で。
そろ〜り、ぴくぴく動く尻尾に手を伸ばそうとする。
「楽しそうなことしてるじゃん……?」
922 :
招き猫「」と郭公時計『』
[sage]:2011/02/11(金) 21:21:47.42 ID:PH/48cFio
>>921
さわさわわっ…。
「ふぎゃっ!!」
いきなり尻尾を触られて驚いた三毛猫は、耳をペタリと伏せて進行方向へ飛び出す。
猫に気付いた九官鳥はバサバサと飛び立ち、梅の木から電線へ飛び移った。
『ワハハハハ!ウハハハハハ!グェーーハッハッハ!』
耳障りな嘲笑が頭上から降ってくる。
「フシャーッ!!」
触られて、笑われて。失態を晒した照れ隠しか、狩りに失敗した八つ当たりか。
梅の木よりもすこし先、物置の屋根まで逃げた三毛猫は、少女の方を向いて威嚇している。
背中は弓なりに持ち上がり、毛が逆立っている。
(何こいつ!人間?気配しなかった!!!)
弱小妖怪、ミケ子。
もともとは唯の招き猫の置物である。
九官鳥のほうは面白そうに、様子を上から見守っていた。
923 :
四十萬陀 七生
2011/02/11(金) 21:29:26.90 ID:hNIGw1cro
>>922
「にゃははー、ゴメンじゃん。同類が襲われかけてたから、つい」
同類、ひいては鳥類。
少女――四十萬陀は片手で手刀を作り、軽い調子で謝った。
猫は鳥の天敵だが、今は人間の姿だ。激しく威嚇されても、慌てる様子はない。
「君たち、九十九神じゃん?」
924 :
招き猫「」と郭公時計『』
[sage]:2011/02/11(金) 21:37:38.06 ID:PH/48cFio
>>923
『なんだ、お前、鳥か?誰だ?』
九官鳥が馴れ馴れしく傍へ寄ってきた。
ひょいひょい、と鳥独特の首の動かし方で少女の顔を覗き込む。
一方、三毛猫は仏頂面で物置の上に座った。
「ゴメンじゃすまないわよ。アタシのご飯の質が落ちたのコイツのせいなんだから」
プリプリと怒りながら毛づくろいをはじめた。
925 :
四十萬陀 七生
2011/02/11(金) 21:44:18.17 ID:hNIGw1cro
>>924
「袂山の夜雀じゃん。名前は四十萬陀 七生」
初めまして、と顔を覗き込んできた九官鳥に応える。
仏頂面の猫と九官鳥を交互に見て、首を傾げた。
「えー…っと、どういうことじゃん?」
926 :
招き猫「」と郭公時計『』
[sage]:2011/02/11(金) 21:50:15.86 ID:PH/48cFio
>>925
『ちげーよ、そもそもお前太りすぎだってヨーコさんに言われてたじゃんか』
ヨーコさん、とはこの2匹の飼われている店の従業員にしてボスの名である。
2対1になって気が大きくなった九官鳥は、少女の肩に勝手に飛び乗ってさらに三毛猫を口撃する。
『お前の飯が減ったのは、お前が[
ピザ
]猫だから!』
「言ったわねこの閑古鳥!バカ旦那だって、最近お茶漬けばっか食べてんのよ!
看板鳥の自覚があるなら、ちったぁ客寄せくらい協力しなさいよ!」
『あぁ?なんでこの俺が人間に媚売らなきゃならねーんだよ![
ピザ
]猫!』
見苦しい口喧嘩が始まった。
927 :
四十萬陀 七生
2011/02/11(金) 21:59:54.99 ID:hNIGw1cro
>>926
「あーあー」
耳元でわんわん口喧嘩されて、きいんと耳鳴りがする。
四十萬陀は、煩わしそうに眉をハの字に曲げて、肩に乗った九官鳥の嘴を塞いだ。
「ちょっと、二人ともやめるじゃん
……で、話を纏めると、君たちが働いてるお店が繁盛してないってこと?」
928 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2011/02/11(金) 22:06:00.18 ID:o7xTyyMDO
肌寒い山道、ざくざくと土を踏む足音が続いている
「うぅむ?何処歩いても山、山、山じゃねえか」
「活きのいい人間やら妖怪やらがいると聞いて地獄から出て来たっつーのに何にも見つかりゃしねーな」
それは馬の頭…と言うか、馬の被り物を被った長身の男が歩く音
男はジーンズを履いて達筆で『馬』と書かれたシャツと茶色のジャケットを着ている
「あれ?っかしーなー?」
男は何かを探して、周りに視線を散らばらせながら歩いていた
929 :
招き猫「」と郭公時計『』
[sage]:2011/02/11(金) 22:06:53.35 ID:PH/48cFio
>>927
「そーよ!アタシが頑張ってお客さん招いてるのに、このバ閑古鳥がぶち壊すのよ!
あ、アタシミケ子っての。クリーニング屋で看板猫してる招き猫よ。
そっちは閑古鳥のカンちゃん。二人とも、見ての通り九十九神よ」
すっかり置いてきぼりにされていた夜雀に、三毛猫が簡単に説明した。
(閑古鳥じゃねぇ!俺は鳩だ!平和の象徴なんだ!)
九官鳥は文句を言おうとしたが、少女に嘴を押さえられているので
何を言ってもふぐふぐ、としか聞こえない。
930 :
四十萬陀 七生
2011/02/11(金) 22:15:32.30 ID:hNIGw1cro
>>929
「へぇ〜、クリーニング屋……あっ」
そういえば、昔使っていたセーラー服が汚れて使えなくなっていた事を思い出す。
今よりも黒の面積が多くて、実は気に入っていたのだけど、
「ミケ子君とカン君ね、よろしくじゃん。
クリーニング屋って、汚れた服をキレイにしてくれるとこ…であってるよね?」
嘴からを手を離して、二人に問う。
931 :
招き猫「」と郭公時計『』
[sage]:2011/02/11(金) 22:21:01.09 ID:PH/48cFio
>>930
「あってるわよ。衣類に布団、お洗濯全般を請負います、ってやつ」
(なんでこの子、そんなことが気になるのかしら?まさか、お客?)
訝しく思いながらミケ子が答えた。
『おーい、何で俺が黙らされちゃうの?ねぇ、ねぇ??』
一方、納得がいかない、と言わんばかりの九官鳥。
口が悪いだけでなく、声の質からして耳障りなのだから、それも仕方が無いのだが。
932 :
波山
2011/02/11(金) 22:23:31.01 ID:cMFP6yTvP
>>928
突如、暗い山道に炎が吹き上がる!
煌々と輝き、辺りに熱をばら撒く。
「おらぁっ! 誰だテメェ!! 夜中にほっつき歩きやがってあぁん!?」
炎の中から飛び出す、でっぷりと太った巨大なニワトリ。
口汚い言葉と羽根を散らす。
「っておぎゃああああああ!! な、なんだそのうぉおおおお!!!」
男の姿を認め、ビビる波山。
いきなり暗いところから、馬の頭とか照らし出されたらビビる。
中の人も実際コレで心臓が止まりそうになった。
933 :
四十萬陀 七生
2011/02/11(金) 22:28:24.17 ID:hNIGw1cro
>>931
「あーハイハイ、ゴメンゴメン。だからちょっと静かにするじゃん」
九官鳥の頭をぽんぽん撫でながら言う。
それから、ミケ子のほうに視線を向ける。
「実は、洗って欲しい服があるんだけど……」
血とか取れる? なんて聞くことはできないが、
(黙ってればわかんないじゃん)という考えらしい。
934 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
2011/02/11(金) 22:29:22.69 ID:o7xTyyMDO
>>932
「お?」
突如巻き上がった炎に馬の頭が照らされ、ようやく気付いたかのようにバトーはそちらに顔を向ける
その表情は冷たく無表情で、驚いた様子も無い
「おうおう、活きの良さそうなのがいたじゃねーか」
「よう、熱いなニワトリちゃん、自分から焼鳥になるなんざイカレた野郎だ」
バトーはニワトリに向かってジョークをかまし、自分で笑いながら近寄りだす
笑い声はしているが表情は動かない、どちらかと言うとこっちの方がイカレている
935 :
波山
2011/02/11(金) 22:33:34.00 ID:cMFP6yTvP
>>934
「うわぁあああああああああああ!
来んじゃねぇええええええええええええっ!!」
バトーの足元から吹き上がる紅蓮の火柱。
熱も光もあるが・・・いかんせん幻覚である。
熱くはあっても火傷はせず、光はあれども焼けはしない・・・その程度だ。
「あと俺は焼き鳥じゃねぇぞコラァ!!」
ここだけはしっかり反論。
936 :
招き猫「」と郭公時計『』
[sage]:2011/02/11(金) 22:36:15.47 ID:PH/48cFio
>>933
「お客様なら大歓迎よ♪で、何をお洗濯すればいいのかしら」
さっきまでの喧嘩口調と打って変わって猫なで声の営業モード、看板猫のミケ子になる。
物置の屋根から下りて、塀の上をこちらへ摺りよって来る勢いだ。
あまりの豹変振りに九官鳥も呆れて一度は嘴を開けたものの、何も言わずに閉じた程だ。
〔コイツのこういうとこ、どうにも俺はついていけねぇや〕
「もし今その洗濯物を持ってないなら、取りに帰るときにその閑古鳥連れてっていいわ。
店への道案内はそいつにさせればいいし」
『おいィ!』
九官鳥の意見は聞かずに勝手に仕切るミケ子。
既に夜雀はお客様としてマークされている。
937 :
四十萬陀 七生
2011/02/11(金) 22:41:47.52 ID:hNIGw1cro
>>936
「黒いセーラー服なんだけど、大丈夫じゃん?」
服をクリーニングに出すなんて、初めての体験だ。
ちょっぴりワクワクした様子で身を乗り出し、ミケ子と顔を突き合わせる。
丁度、服はどこに持っていけばいいかとたずねようとしていた所だったので、気が利くとばかりに、
「ホント? じゃあよろしくじゃん、カン君」
嬉しそうに顔を綻ばせ、頭を撫でる。
938 :
バトー
2011/02/11(金) 22:45:04.10 ID:o7xTyyMDO
>>935
「まあそう怖がるな、この馬頭鬼のバトー、地獄の鬼だがいきなり取って喰おうなんて礼儀がなってないような奴じゃない」
ニワトリの少し離れた前方で立ち止まり、両手を挙げて危険性が無い事をアピールする
とはいえ説明するべきはそこでは無い気がするが
「所で、いい力だな、喋る所も見るにただのニワトリじゃなく妖怪だな?」
ニワトリが上げた炎を見て顎に右手をやってじっくりとニワトリを観察
自分の体に熱を受けているのに驚いた表情も苦しむ様子も無い、寧ろかわすような動作すらしなかった
幻覚と見抜いていたからではない、元より無警戒だったのと、これが本当の炎だったとして耐え切れる自信があったのだろう
939 :
招き猫「」と郭公時計『』
[sage]:2011/02/11(金) 22:46:56.74 ID:PH/48cFio
>>937
「セーラー服ならお任せください!腕には自信があります!」
胸を得意げに反らすミケ子。洗濯するの自分じゃないのに。
『ええっ?既に決定?!道案内決定??』
慌てて羽をばたつかせる九官鳥。女子の団結力を侮ってはいけない。
こんな風に勝手に流れを決められてしまう前に、九官鳥は飛んで逃げるべきだった。
〔鳥同士と思って安心してたのにィ〕
油断禁物。
940 :
四十萬陀 七生
2011/02/11(金) 22:51:26.06 ID:hNIGw1cro
>>939
「うんっ、じゃあお任せするじゃん! ありがとじゃん」
なでなで、とミケ子の頭を撫でる。
猫は確かここが気持ちいいんだっけ、と喉元にも手を遣る。
「にゃはは、帰りにお魚を御馳走するじゃん」
道案内を押し付けられた九官鳥に、そういう。
941 :
波山
2011/02/11(金) 22:55:38.89 ID:cMFP6yTvP
>>938
「いぎゃあああああ! 炎効かねぇえええええええ!!」
火柱の中で浮かび上がる馬の被り物が怖すぎる。
あと直撃受けても意に返さないのもヤバい。
「あ、あんだとコラァ!!
そ、そうだぞぉ! 妖怪の波山さまだぞボケェ!!」
バサバサと羽根を散らしながら喚き立てる。
この名を明かすのは、ほとんどタネを割っているようなものなのだが・・・。
そしてまじまじと見られる行動に鳥肌を立てる。
「なんだコラァ! 見世物じゃねぇぞぅ!!」
ぶっちゃけ馬の被り物は目がキモい。
非常にキモい。
942 :
招き猫「」と郭公時計『』
[sage]:2011/02/11(金) 23:03:07.55 ID:PH/48cFio
>>940
「クリーニング小町は、いつでもお客様のご期待に添えるよう努力して参ります〜」
撫でられて喉を鳴らすミケ子。
もっともっと、とぐりぐり顎をこすりつけてうっとりしている。
(この子ツボ心得てるわぁ〜、いいわぁ〜)
『え〜魚かよォ〜〜』
九官鳥はちょっぴり不満そうだが、薄目を開けたミケ子にギロリと横目で睨まれて黙った。
〔ここで断ったら寝首かかれるッ!奴はその気だッ!〕
『まあいいや、で、どっち行くんだ?ナナミ』
ぶるっ、と身を震わせて九官鳥は決定に従った。
943 :
バトー
2011/02/11(金) 23:05:03.08 ID:o7xTyyMDO
>>941
「波山…うむ…聞いた事があるような気が…なんだったか…」
「…まあいい、忘れると言う事は大した事ではないと言う事だ」
顎にやっていた手を下ろし、両手を払う様に振って
「所で波山、熱いなこれは、地獄の炎で熱さにはいくらか慣れていたつもりだがそれでもちと熱い」
「折角だ、この炎を宣戦布告と受け取らせてもらってもいいか?」
首を曲げ間接を鳴らし、指を曲げ間接を鳴らし
両手を握り締め拳にして、ギリ…と力を込める
「調度退屈だったんだ、地獄に落とすまではいかないが、喧嘩でもしたくてな」
拳を握る両の腕は、服の上から見ても解る程に筋肉が隆起していく
944 :
四十萬陀 七生
2011/02/11(金) 23:09:18.27 ID:pQjl3u8SO
>>942
「ここか? ここがええんのか〜?」
うりうり、と楽しそうにミケ子の喉元を撫でる。
少女がブロック塀の上に跳びのって、肩に九官鳥を乗せて猫を撫でているこの図は、いつものことながら中々シュールだ。
「あっちに山が見えるじゃん? あそこ」
四十萬陀が指差した方向には、袂山がある。
945 :
波山&おとろし
2011/02/11(金) 23:11:29.08 ID:cMFP6yTvP
>>943
「あ゛ぁ!? 誰が大したことねぇだ、馬鹿面よぉ!!」
波山、挑発には異常に弱い。
「上等じゃボケェ!! やってやるっつうんだよコラァ!!」
大きく翼を翻すと、中空に異様なプレッシャーが現れた!
バトーの立っていた場所が、突如クレーターのように凹む!
「けけけっ! いいぞ、おとろし!!」
クレーターの上より、巨大な黒毛の狒々が姿を現す。
酷く頭でっかちで異様に口が大きいが、この妖怪。
不可視と木に登るように、空中に登る力を備えていた。
946 :
招き猫「」と郭公時計『』
[sage]:2011/02/11(金) 23:18:04.97 ID:PH/48cFio
>>944
(ああん、そこいいわ、そこよぉ〜)
ウニャウニャと気持ちよさげにミケ子が少女の手に体を摺り寄せて蕩けていると、
見かねた九官鳥がコツンとその頭を突付いた。
『おい、お客様にあんまり醜態さらすなよ』
この豚猫が、の部分は心の中だけで呟いて、反撃が来る前に九官鳥はさっと舞い上がった。
『早く服取りに行って、店が閉まる前に洗いに出そうぜ。暗くなると鳥目には辛いぞ』
九官鳥は電線に留まって夜雀に呼びかける。
郭公時計の九十九神なだけあって、閉店時間と山へ帰るまでの時間計算は
きっちり出来ているようだ。
947 :
四十萬陀 七生
2011/02/11(金) 23:22:16.49 ID:pQjl3u8SO
>>946
「あ、そうじゃん」
気付けば、外はそろそろ夕暮れどきだ。
早く帰らなければ、四十萬陀はひょいとブロック塀から飛び降りると、
「じゃあまたね、ミケ子君」
そう言って、最後にミケ子を一撫でする。
948 :
バトー
2011/02/11(金) 23:23:00.09 ID:o7xTyyMDO
>>945
「ぬうっ!?」
突如のしかかるプレッシャー、これには驚きの声が出る
しかし、そのまま潰れた訳ではない
「…っ!ふっ…!二対一の上不意打ちとは…!地獄の罪人もびっくりだな…!」
バトーは自分にのしかかるプレッシャー、おとろしを受け止める様に両手を上に上げて、両足をがに股に開いて、自分の足元に皹を入れながら立っていた
「しかし、戦いとはこうでなくてはいけない…!常に有利、常に対等、それだけじゃ飽きてしまう…!」
このバトー、波山の様に炎を噴き上げたり、おとろしのように消えたり浮いたりは出来ない
彼が持つ力の一つにして基本、そして一番の武器、それは―――
「逆境は!力を生む!!」
おとろしを受け止める両手の内、右手を下ろして拳を握り締め、そのままおとろしに叩き込むっ!!
その力は正に鬼の力、岩ですら彼にかかればプリンの様に砕けてしまいそうな、強大な力の塊
―――彼の持つ唯一つにして最強の武器、怪力
949 :
招き猫「」と郭公時計『』
[sage]:2011/02/11(金) 23:30:06.07 ID:PH/48cFio
>>947
「じゃ、アタシは先に店行って待ってるわ。ヨーコさんには話つけておくからね」
ちょっぴり名残惜しいが、お客は大事だ。
ぴょいっと飛び起きると、塀伝いにミケ子は走って行く。
生垣の向こうへと飛び降りて、その短い尻尾は夜雀の視界から消えた。
『そういや、お前の山に近づいたら、何かに喰われたりしないよな?な?』
ミケ子が居なくなると、途端になんだか心細くなってきた九官鳥。
同じ鳥とはいえ、この夜雀とは今さっき在ったばかりなのだ。
しかも山の妖怪。
人の手から生まれ人の中で生きてきた郭公時計には、山の生活は想像もつかない。
〔とんでもない目にあいませんように…〕
950 :
波山&おとろし
2011/02/11(金) 23:33:16.67 ID:cMFP6yTvP
>>948
おとろしのアゴに打ち込まれる、巌のような拳!
その怪力に、重さに!!
「グゴォ!?」
「な・・・にぃいいいいいい!!」
おとろしの巨体が宙に浮く!
華麗に吹っ飛ばされる、その下には・・・
「え・・・おぎゃああああああああああ!!」
「グゴォッ!!」
今度は波山がおとろしに潰されてしまう。
「お、ぅおおお、重いぃいいい!!
てめぇコラァ! サルぅ!! どけやぁ!!」
「ゴ、ウゴ・・・」
おとろしは申し訳なさそうに再び不可視になって宙に登っていく。
いきなり呼び出されてこの始末。気の毒なサルだ。
951 :
四十萬陀 七生
2011/02/11(金) 23:35:38.94 ID:pQjl3u8SO
>>949
「きひひひ、もしかしたら喰われるかもね〜……なーんて」
悪戯げに笑うが、そんな心配はない。
袂山は、そこに住まう妖怪同士で争うことのない山だ。どんなに小さな妖怪でも、妖怪でありさえすれば、襲われることはない。
――今までは、だが、
「……迷子にならないように、私にしっかり着いてくるじゃん? 離れないでね」
釘を刺すように、二回言う。
ここから袂山はそう離れていない。しばらくすれば麓に着くはずだ。
そうしたら、四十萬陀が仲間を呼ぶことができる。
952 :
招き猫「」と郭公時計『』
[sage]:2011/02/11(金) 23:41:06.80 ID:PH/48cFio
>>951
『ちょ……おまっ!』
一瞬、このまま店へ逃げようかと思った。しかし…。
〔ここで逃げ帰ったら確実に今夜、アイツに寝首かかれる…〕
ここは生存確率のより高い方に賭けるしかない。
『判ったよ!』
半ばヤケクソ気味に、九官鳥は翼を広げた。
953 :
四十萬陀 七生
2011/02/11(金) 23:45:31.07 ID:pQjl3u8SO
>>952
「大丈夫、大丈夫。山ってたって、麓までいけば、私が仲間を呼べるから」
そうすれば、仲間にセーラー服を持ってきてもらうことができる。
麓までなら妖怪に出会うこともあまりないし、安全だろう。
「あ、ほら、見えてきたじゃん」
道を真っ直ぐ行った奥に、赤い鳥居と小さな階段が見えた。
山への入り口だ。
954 :
バトー
2011/02/11(金) 23:46:27.40 ID:o7xTyyMDO
>>950
「ふぅ、惜しかったな」
「俺が地獄で暇な時に罪人リフトアップをするような妖怪で無ければ今頃ペチャンコだ」
ふしゅうううぅぅ…とSEが聞こえそうなくらいの勢いで口から煙が吐き出される
そうやって息を整えると、右足を思い切り前に踏み出して
腰を思い切り捻り、拳を握った右腕を後ろに伸ばして、溜めの体制を取る
「知っているか?攻撃が速いって事はそれだけ重いって事に繋がるんだ」
「俺の拳の重みは、さっきの猿とどっちが重いかな?」
服がはち切れんばかりに右腕の筋肉が隆起し、まるで山が連なる景色かの如く形を変える
それはそれだけ、その力が強い事を表していて
「―――…ふんっ!」
短い掛け声一つ、まるで弾丸のように走り出す
走る、というよりは跳ぶに近く、脚を殆ど地面に付けずに少ない歩幅で、物凄いスピードで接近
接近して波山へと突き出す右の拳には、力とスピードが十分に乗っている
955 :
招き猫「」と郭公時計『』
[sage]:2011/02/11(金) 23:50:46.60 ID:PH/48cFio
>>953
『おおっ?随分と丁度いい足場があるのな』
鳥がとまるための場所だから鳥居。
黒い九官鳥は赤い鳥居にちょん、と降り立った。
沈みゆく日差しで、色のコントラストが際立つ。
目立つことは狙われ易いことでもあるのだが、
街生まれ街育ちの九官鳥にはそこまで巡る頭はない。
956 :
波山&おとろし
2011/02/11(金) 23:53:50.16 ID:cMFP6yTvP
>>954
「ご、ばぁっ!!」
拳が一瞬めり込み、吹っ飛ばされる巨大ニワトリ。
あまりの衝撃に目を回し、変化が解けてしまう。
普通サイズの雌鳥が向こう側に落下する。
「あぶろびべ・・・☆ミ」
「・・・」
おとろし、どうにもできなくなり。
不可視になったまま空中にぶら下がっている。
957 :
バトー
2011/02/11(金) 23:59:20.02 ID:o7xTyyMDO
>>956
波山を殴った後、自らの勢いで少し前方につんのめに、おっとっととふらつく
体制を立て直し、右拳から上がる煙に息を吹き掛けて散らし、首を曲げた
「一撃でダウンか?少し力を入れすぎてしまったかな?」
「…まあいいか、もう一体いるようだし、なあ?」
そう言いながら彼が開きっぱなしの瞳に捕らえるのは、宙に浮くおとろし
いや、見えてはいないのだが、明らかにおとろしにターゲットを絞っている
958 :
四十萬陀 七生
2011/02/12(土) 00:01:21.73 ID:ddZ6HbkSO
>>955
「カン君、そこにいてもいいんだけど、すんごい目立ってるよ……?」
襲われるのを心配していたのに、と四十萬陀は思わず突っ込んでしまった。
今のところ周囲に強い妖気はない。四十萬陀は夜雀に変化すると、特殊な鳴き声を上げた。
仲間を呼ぶための鳴き声だ。
しばらくすると、どこからともなく、茂みを割ってメスの送り狼が現れた。
濃い灰に近い毛色をした、中型の狼だ。
口には、破かないようにセーラー服が咥えられている。
「持ってきたわよ、七生」
「お疲れ様じゃん、和戌」
再び人間の姿になると、服を受け取り、頭を撫でる。
959 :
波山&おとろし
2011/02/12(土) 00:04:54.99 ID:DMuT5RgUP
>>957
「ウゴォオアアアアアア!!」
おとろし、ヤケクソの一手。
不可視状態のまま、大きく口を開き。瘴気の爆弾を放つ!
一発! 二発! わりと沢山!!
一撃ごとに地面が抉れ、辺りに鼻を突く臭いの瘴気がぶちまけられる。
狙いを定め、大雑把に!
瘴気の弾がバトーに襲い掛かる!!
960 :
招き猫「」と郭公時計『』
[sage]:2011/02/12(土) 00:06:58.04 ID:M42Tu5Upo
>>958
『いいじゃないか。なんか目立つと不味いことでもあんのかよ?』
さっぱり判ってない九官鳥。
もともと目立ちたがりでお喋りででしゃばりなのである。
『そいつ仲間?!お前の仲間、野良犬なのか!?』
いきなり野良犬呼ばわりは無いだろう。
だが、九官鳥はそもそも狼なんて見たこと無いのだ。
しかも自分を作ってくれた人間達すらバカにするような鳥である。
世界で俺ほど偉いものはないんだぜ、とか思い上がっているほどの馬鹿鳥だ。
961 :
四十萬陀 七生
2011/02/12(土) 00:11:57.86 ID:ddZ6HbkSO
>>960
「そいつは?」
野良犬よばわりされたのが気に入らなかったのか、僅かに牙を剥く。
それを見た四十萬陀が、慌てて間に割って入った。
「こ、この子はこのセーラー服を洗濯してくれる子じゃん! あ、この子は和戌(わんこ)。私の仲間の、送り狼じゃん」
「……」
ぎろり、と金色の瞳で九官鳥をねめつける。
送り狼には、気性の荒いものが多いのか?
962 :
招き猫「」と郭公時計『』
[sage]:2011/02/12(土) 00:16:50.65 ID:M42Tu5Upo
>>961
『ワンコ?送り狼?やっぱ犬だな!犬!』
ワン!ワンワン!と、クリーニング店ご近所のポチの声真似までする九官鳥。
お手!おかわり!伏せ!等と合間に入る別の声音は、飼い主のモノマネか。
ああ、日々のミケ子の苦労が忍ばれる。
この黒い鳥の首をきゅいっ!と捻くることが出来たら、辺りはどれほど平和になるだろうか。
963 :
バトー
2011/02/12(土) 00:18:56.15 ID:A/j5J5JDO
>>959
「何っ!?」
この時、バトーが見ていた方向はおとろしとは全く逆方向
つまり、背中側から攻撃を受ける
「ぐっ!見誤ったか!!…ぬあっ!?」
次々と吐き出される瘴気の爆弾と爆風をその身に受け、彼自身の姿が上がった砂埃に見えなくなる
流石に粉々にでもなったか、そう思われるだろうが、そうではない
次の瞬間、砂埃の中から髑髏を模った赤黒い妖気弾がおとろしへ向けて発射される
それも正確に、不可視の筈のおとろしへと真っ直ぐに
当たれば、先程のパンチ程でないにしろ威力は高い
「流石に驚いた、見えない姿のまま攻撃とはな」
「だが、そんな攻撃をすれば居場所をばらしてるような物だぞ?」
そして、妖気弾が打ち出され開いた砂埃の穴からは服をズタボロにしながらも立ち、合わせた右手と左手の掌をおとろしに向けたバトーの姿がある
この男、攻撃を耐えながら同時にその攻撃から方向を確認、カウンター攻撃を繰り出した
力と体の頑丈さに頼り切った、よく言えば使いこなした戦法
964 :
波山&おとろし
2011/02/12(土) 00:27:31.38 ID:DMuT5RgUP
>>963
舞い上がる砂埃の中、
突如赤黒い妖気の弾が眼前に迫る!
「グゴォ!!」
直撃!
当たると同時に不可視の術は解け、長い毛の黒狒々が再び姿を見せる。
瘴気を吹き漏らし、地面に墜落するおとろし。
ズーン、と地響きがなる、おとろしも目を回した。
965 :
四十萬陀 七生
2011/02/12(土) 00:29:54.97 ID:ddZ6HbkSO
>>962
「……」ゴゴゴゴゴ。
「わーっ! わーっ!」
四十萬陀が両手を振り、和戌を止めようとする。が、黒いオーラがとめどなく溢れだしている。
どうしようか、と青い顔をして慌てふためいていると、和戌が出てきた茂みから、小さな声が聞こえてきた。
「お、お姉ちゃん……駄目だよぉ。早く帰ろうよぉ」
「……アラ和戌、あんた出てきたの」
出てきたといっても、顔を少し出しているだけなのだが。
和戌(わいぬ)と呼ばれた送り狼は、和戌(わんこ)と同じ顔をしていた。
四十萬陀は妹である和戌の登場に、内心安堵した。これで、姉の和戌も少しばかり落ち着いたはずだ。
「ほ、ほら、二人とも先に山に戻ってるじゃん。カン君も、ね」
頼むから静かに! という感じで、ジト目と共に人差し指を唇に当てる。
966 :
バトー
2011/02/12(土) 00:35:24.04 ID:A/j5J5JDO
>>964
「ふんっ!」
両の拳をぶつけて、残心の様に深く呼吸
そして両手を自然体に下ろし
「終わりか?楽しかったぞ、波山」
「こんなに愉快な奴らがいるとはな、やはり地獄から出て来て正解だった」
波山へと近付いて、聞こえているかは解らないがそう告げた後
頭の位置を直して振り向き、歩き出す
967 :
招き猫「」と郭公時計『』
[sage]:2011/02/12(土) 00:36:10.73 ID:M42Tu5Upo
>>965
九官鳥が、不意に静かになった。
おかしな風にひょいひょいと頭を上げ下げしながら、鳥居の上を行ったりきたりしている。
そのうち頭を上げると羽をばたつかせ始めた。
『カッコー、カッコー、カッコー、カッコー、カッコー。
タダイマ5時ヲオシラセシマス』
どこか機械的に時刻を知らせる九官鳥。
それが済むと、はたと正気に戻ったようになり、
『そろそろ時間だ。ナナミ、早く店に行こう。暗くなる前に戻って来れなくなる』
慌てたように夜雀をせき立てた。
968 :
四十萬陀 七生
2011/02/12(土) 00:39:28.88 ID:ddZ6HbkSO
>>967
「う、うんっ。じゃあ、先に帰ってて二人とも」
四十萬陀はセーラー服を腕に抱えると、和戌姉妹に手を振り、鳥居の外に駆け出した。
「気をつけるのよ」
「き、気を付けて下さいね……七生さん……」
969 :
おとろし・・・
2011/02/12(土) 00:43:53.17 ID:DMuT5RgUP
>>964
・
・
・
夜が明ける、暗い空に光が差し込む。
波山だけはすでに姉に回収され、
頭でっかちなサルが地面に横たわっていた。
おとろしは遠くから響く原付の音に目を覚まし、
慌てて姿を消して宙へと登って行く。
山道がボコボコになっていたと、
近くの住民はちょっとだけ騒ぎになったが、3時間で忘れ去られた・・・。
970 :
招き猫「」と郭公時計『』
[sage]:2011/02/12(土) 00:44:48.52 ID:M42Tu5Upo
>>968
『早く、早く!日没まであと19分!』
九官鳥が少し先を飛びながら案内する。
間に合うだろうか。
やがて先のほうに『クリーニング小町』、と看板が見えてきた。
その小さな店構えのガラス戸の前で、ミケ子がやきもきしながら待っていた。
「このバ閑古鳥!遅いじゃないの!
ああ、ナナミちゃんだっけ。ヨーコさんが待ってるから!」
九官鳥を叱り、夜雀に先立って店内に入るミケ子。
暖かい店内には、丸っこい小柄なパートのおばちゃんがニコニコして待っていた。
971 :
バトー
2011/02/12(土) 00:46:44.60 ID:A/j5J5JDO
>>969
/乙でした!絡みありがとうございました!
972 :
四十萬陀 七生
2011/02/12(土) 00:50:12.65 ID:ddZ6HbkSO
>>970
ミケ子の後に続き、店内に入っていく。
外と違って温かく、雰囲気もなんだか懐かしい。
「ここがクリーニング屋……」
ドキドキしながら辺りを見回しつつ、恐らく「ヨーコさん」であると思われる人に近寄る。
「クリーニングをお願いしたいんですけど、」と、言い掛けた所で、一つの事がわかった。
(あれ、この人……)
「……九十九神?」
973 :
招き猫「」と郭公時計『』
[sage]:2011/02/12(土) 00:58:03.80 ID:M42Tu5Upo
>>972
おばちゃん:「安心して良いよ、あたしもこの子等も、この店のものはみーんな、妖怪さね」
丸っこいおばちゃんは、夜雀を安心させるように言う。
『店主のバカ旦那だけは人間だけどなー』
「お客様の前でバカバカ言うんじゃないよ、このバ閑古鳥!」
おばちゃん:「これ、あんた達も大概におし!」
おばちゃんには、うるさい口喧嘩を即座に切り上げさせるだけの迫力があった。
おばちゃん:「急がないとね。もう日が沈む。クリーニングはその服だけで良いんだね?
3日後に取りに来れるかい?600円で引き受けるよ。
ミケ子、帰り道はあんたが送ってっておあげな」
そしてどこか人をほっとさせるような、懐かしい温かさがあった。
974 :
四十萬陀 七生
2011/02/12(土) 01:02:11.78 ID:ddZ6HbkSO
>>973
「だから……」
どうりで、店自体から妖気が漂っていたはずだ。
九十九神が多い古い民家や店にはありがちな事ではあるのだが、まさか店の人まで妖怪だとは思わなかった。
「あ、はい、これだけじゃん。
それじゃあ、三日後に取りにくるじゃん」
柔らかい雰囲気が心地よくて、顔を綻ばせながら、セーラー服をヨーコに手渡す。
975 :
招き猫「」と郭公時計『』
[sage]:2011/02/12(土) 01:12:04.70 ID:M42Tu5Upo
>>974
おばちゃん:「あたしは火のし。服の皺を炭火であっためて伸ばすための道具なのさ」
もう今の世の中じゃお役御免の道具だけどねぇ、と、ちょっぴり寂しそうに笑いながら、
ヨーコおばちゃんは夜雀に「いいから持ってお行きよ」と、煎餅やら飴やら干し芋やらの
ちょっとしたお菓子を手渡した。
「もう空が青くなってきてる。真っ暗になる前に行こう」
『袂山の神社だぞ!道間違えんなよ!』
「あんたじゃないもん!べー、っだ!」
九官鳥にあかんべーをして、ミケ子がひらりと夜雀の前へ飛び出る。
夜雀を送ってゆく招き猫、ミケ子。
明るい緑色のその目がきらりと光った。
「いこうよ、ナナミちゃん」
976 :
四十萬陀 七生
2011/02/12(土) 01:20:34.38 ID:ddZ6HbkSO
>>975
「あ、ありがとうじゃん」
慣れない調子で、お菓子を受け取る。
――暖かい……
四十萬陀は、心の奥がぽかぽかと温まるのを確かに感じた。
窮奇とはまるで違う、懐かしくて、暖かい。
「うんっ」
ミケ子に呼ばれ、四十萬陀は店の出入口に駆けた。
出る直前、背後を振り向くと、ヨーコたちに向かって笑みを浮かべた。
「また来るじゃん!」
977 :
招き猫「」と郭公時計『』
[sage]:2011/02/12(土) 01:26:54.02 ID:M42Tu5Upo
>>976
おばちゃん:「3日後にまたおいでね。待ってるからね」
まるっこい顔に温かい笑みを一杯に浮かべて、ヨーコおばちゃんは見送ってくれた。
とことこと歩くミケ子が振り返るたびに、その目がきらりと光って
薄暗くなった道で夜雀を導いてゆく。
「ねえ、ナナミちゃん。念のため聞いておきたいんだけど……。
もしかしてカンちゃんが、もの凄く失礼なこと、しやしなかった?」
不安げなミケ子の声が、遠慮がちに尋ねた。
978 :
四十萬陀 七生
2011/02/12(土) 01:32:36.26 ID:ddZ6HbkSO
>>977
(視界が悪いじゃん……)
薄暗くなっていくにつれて、段々視野も狭くなっていく。
ミケ子の瞳を頼りに、四十萬陀はふらふら歩いていく。
「え? あー……」
――失礼、というか、和戌は怒っただろうなぁ……
数十分前の出来事に思いをはせ、四十萬陀が苦笑する。
しかし、ここは同じ鳥類として、肩を持つことにしよう、と
「……そんなことないじゃん。普通だったよ」
四十萬陀はこう言うことにした。
979 :
招き猫「」と郭公時計『』
[sage]:2011/02/12(土) 01:40:57.48 ID:M42Tu5Upo
>>978
「そう…それならよかった。
アイツね、口が悪くていつもお客さんの気を悪くするようなことばっかり言うの。
それにめげずに来てくれたり、逆に面白がってくれるお客さんもいるんだけど、
大概は怒らせちゃって、二度と来なくなっちゃうのよね」
幸いにというかなんというか、この閑古鳥のお陰でおかしな客は二度と寄り付かない。
あの小さく設備も古いクリーニング店が辛うじて潰れずに居るのは、
招き猫と閑古鳥のお陰……なのかもしれない。
「もし、ナナミちゃんの気を悪くするようなことをカンちゃんが言ってたら、
アタシからも謝っておくね。
それで、これから何かアイツが言ったとしても、めげずにお店に来てくれると嬉しいなぁ」
暗がりに浮かぶミケ子の目が、夜雀をやさしく振り返った。
980 :
四十萬陀 七生
2011/02/12(土) 01:44:32.95 ID:ddZ6HbkSO
>>979
「……もちろん。なんか私、あの店好きになっちゃったじゃん」
にゃは、とミケ子に満面の笑みを向ける。
それは嘘でもお世辞でもなく、四十萬陀の心からの言葉だった。
山への入り口が目前に迫る。
ここまで来れば、四十萬陀も変化して一人で帰れるだろう。
981 :
招き猫「」と郭公時計『』
[sage]:2011/02/12(土) 01:48:43.83 ID:M42Tu5Upo
>>980
「あのお店、居心地が良くてアタシも大好きなんだ♪」
ミケ子の声が弾んだ。
ぴょんぴょんとミケ子も弾んで、石段の前に着く。
「今度服を取りに来るときは、ついでにお汁粉食べて行きなよ。
ヨーコさんの作るお汁粉とか甘酒とか、すっごく美味しいんだ」
その干し芋もヨーコさんのお手製なんだよ、と振り返ってミケ子は笑った。
982 :
四十萬陀 七生
2011/02/12(土) 01:57:46.21 ID:ddZ6HbkSO
>>981
「ほんと? 楽しみにしておくじゃん!」
嬉しそうに言う。
階段を登った四十萬陀は、夜雀の姿に変化すると、遠くまで鳴き声を響かせ仲間を呼んだ。
すると、どこからか、仲間の送り妖怪たちがやってくる。
四十萬陀は、もらったお菓子を仲間たちに預ける。
「色々ありがとじゃん! また三日後ね。あと、それと、」
四十萬陀が目配りすると、魚を詰めて袋を持った送り犬が、ミケ子に近付いた。
目の前に、その袋を置く。
「少ないけど、お土産じゃん。さっき持っていくの忘れてたから」
983 :
招き猫「」と郭公時計『』
[sage]:2011/02/12(土) 02:05:26.28 ID:M42Tu5Upo
>>982
「にゃっ!!」
ビックリしたミケ子がぴょんと跳ねた。
送り狼達にも驚いたが、魚のお土産を貰えるとは思わなかった。
「いいの?これ、ホントにいいの?」
近頃のご飯の質に不満があったミケ子には、この魚は小判よりも貴重だ。
狼はまだちょっぴり怖くて背中の毛が逆立っているが、視線はしっかり魚の袋に釘付けだ。
(ご馳走ご馳走、にゃーにゃーにゃーにゃー♪)
夜雀からは表情が見えない暗がりは、ミケ子には幸いだったかもしれない。
見えていたらおそらくドン引きされるほどの「怪猫笑い」でニヤついて居たのだから。
984 :
四十萬陀 七生
2011/02/12(土) 02:09:16.64 ID:ddZ6HbkSO
>>983
「喜んでもらえたみたいでよかったじゃん」
四十萬陀はそう言うと、送り狼の頭に乗っかり、夜の闇に消えていく。
「じゃあねー!」
言葉を残して。
985 :
招き猫「」と郭公時計『』
[sage]:2011/02/12(土) 02:17:56.30 ID:M42Tu5Upo
>>984
「ナナミちゃんありがとー♪またねー」
袂山の妖怪たちを見送った後、魚の袋を引きずって帰ろうとしてその重さに悩んだミケ子。
(これどうやって持って帰ろう)
送り犬なら軽々と運べる荷も、三毛猫には重すぎる。
しばし悩んだ結果。
(今ここで食べちゃえばいいのよ。軽くなるから)
帰ったら店主が貰ってきた猫用まぐろ缶が待っていることを全く知らず、
ミケ子は鱈腹詰め込んでから残りを持って帰路についたのだった。
986 :
招き猫「」と郭公時計『』
[sage]:2011/02/12(土) 22:44:39.36 ID:M42Tu5Upo
昼下がりのクリーニング店。
ガラス扉の内側で、とろとろとミケ子は昼寝を決め込んでいた。
窓際の鳥かごでは九官鳥がうつらうつらと日向ぼっこをしている。
午前中に近所の人が立ち寄った他はこれといってお客も無く、
店主は少し前に届け物に出かけたばかりだ。
それは珍しく口喧嘩のない、静かな午後だった。
(そろそろあの子が来るころかねぇ)
ヨーコおばちゃんはセーラー服の仕上げを確認して、ビニール袋をかぶせた。
店の奥からは温かな甘い匂いが漂ってきている。
987 :
四十萬陀 七生
2011/02/12(土) 22:53:19.30 ID:ddZ6HbkSO
>>986
「♪」
セーラー服をクリーニング屋に預けてから、今日で三日後。
100円玉を入れた小さいガマ口財布を手に、何とも機嫌良さそうに、四十萬陀は店への道を歩いていた。
ミケ子たちと遭遇したブロック塀を横切れば、どこからともなく漂ってくる妖気と甘い香り。
ガラス扉を隔てて、ヨーコの姿を確認すると、四十萬陀は楽しそうに扉を開いた。
「こんにちはじゃん。ヨーコさん、ミケ子君、カン君」
988 :
招き猫「」と郭公時計『』
[sage]:2011/02/12(土) 23:03:02.32 ID:M42Tu5Upo
>>987
『豚猫、起きろ〜!ナナミ、お帰り!』
お帰りじゃなくていらっしゃいませだよ、とミケ子に突っ込まれても知らん顔な勢いで騒ぐ九官鳥。
鳥かごの扉を自分で開けて、ちょんちょんと跳ねながら外へ出てくる。
「ナナミちゃん、待ってたよ♪」
伸びとあくびを一つづつ、そしてミケ子は夜雀の足元にそっと擦り寄る。
おばちゃん:「いらっしゃい、服のほうは仕上がってるよ。
これから皆でおやつだから、七生ちゃんもあがっておいでね」
そう言いながらヨーコおばちゃんはふっくらとした手で、セーラー服をカウンターの上に広げた。
989 :
四十萬陀 七生
2011/02/12(土) 23:11:08.87 ID:ddZ6HbkSO
>>988
「た、ただいま?」
首を傾げながらも、お帰りと言われて悪い気はしない。
足元にミケ子がやって来たのに合わせて、その場にしゃがみこみ、頭と喉元を優しく撫でる。
ヨーコの声に顔を上げると、きれいになったセーラー服が、カウンターの上に広げられたのが見えた。
思わず、わあっと声を上げ、カウンターに歩み寄る。
「凄い、元通りになってるじゃん……!」
いたく感動したようで、目をきらきら輝かせている。
その上におやつときたものだから、四十萬陀のテンションはいきなり最高潮だ。
990 :
招き猫「」と郭公時計『』
[sage]:2011/02/12(土) 23:21:56.29 ID:M42Tu5Upo
>>989
乾いた血がこびり付いていたセーラー服は、すっかり綺麗になってぴしっとアイロンが効いている。
ヨーコおばちゃんは服を畳んで、持ち帰りやすいように紙袋に収めてくれた。
『ナナミ、こっちこっち』
九官鳥が奥の間へ跳ねていって誘う。
奥の畳の間には赤い上掛けのコタツ、その上には籠盛りの蜜柑とかき餅。
壁際の石油ストーブの上では薬缶が穏やかに湯気を噴いている。
おばちゃん:「七生ちゃんは、そこのお座布団つかって座って」
ほんの少しして、ヨーコおばちゃんが奥から湯気の立つ椀を並べたお盆を持ってきた。
おばちゃん:「お汁粉、まだ熱いから火傷しないようによく吹いておあがりね」
温かな汁粉の椀と箸とが、夜雀の前にきちんと揃えられた。
ミケ子には皿で、九官鳥には小さなお猪口で。
991 :
四十萬陀 七生
2011/02/12(土) 23:33:25.55 ID:ddZ6HbkSO
>>990
服が畳まれた紙袋を片腕に抱えて、四十萬陀はローファーを脱いで整えると、ぎこちない様子で奥の間に上がった。
そこは昔の一般的な民家、という感じで、部屋全体が九十九神たちの懐かしい、柔らかい妖気で満ちている。
四十萬陀は言われるがままに、座布団に正座した。
慣れないのか、体を固くさせていたが、目の前にお汁粉が運ばれてくると、
「甘いニオイ……美味しそうじゃん」
外見相応の笑顔を溢し、椀と箸を手に取った。
「いただきます」、と言うなり、ふぅふぅと熱いお汁粉に息を吹き掛ける。
白い煙が、四十萬陀の顔を見えなくするくらいに覆う。
992 :
招き猫「」と郭公時計『』
[sage]:2011/02/12(土) 23:44:17.02 ID:M42Tu5Upo
>>991
穏やかな表情で湯飲みにお茶を注ぎながら、ヨーコおばちゃんは少し考え込んでいた。
(あの服の血について、この子に聞いてもいいものかしら)
物から生じた九十九神は、物に残った想いの気配をうっすらと感じることもある。
あの服を綺麗にした盥や洗濯板たちは、なんだか寂しいような悲しいような気持ちがしたと言っていた。
アイロンをかけたヨーコ自身も、それは感じ取ったのだが。
(それに、あれはこの子の想いなのか、それとも別の誰かのものなのか…)
一見無邪気であどけない様子の少女の裏側にも、他の皆と同じ何かしらはあるのだろう。
湯気の向こうに夜雀の表情を伺いながら、おばちゃんが思い悩んでいるところに
『ヨーコさん、蜜柑、蜜柑むいて頂戴』
騒々しく九官鳥が要求したため、おばちゃんの物思いは中断された。
//次スレ立てにちょっと挑戦してきます。
993 :
四十萬陀 七生
2011/02/12(土) 23:55:18.67 ID:ddZ6HbkSO
>>992
そんなヨーコの思いは露知らず、
何も言われなかったということは、血についてはバレなかったのだろうと四十萬陀は高をくくっていたのだった。
どころから、目の前の甘いお汁粉に夢中で、血のことなんてすっかり忘れていた。
正確に言えば、この店の暖かさに触れることで、四十萬陀は、袂山や窮奇、犬御たちの問題を一時的にではあるが、忘れられていた。
十分に息を吹いて冷ましたお汁粉を、ずずずっと啜る。
「ん〜、美味しいじゃん♪
あ、蜜柑なら私が剥くよ」
真ん丸い蜜柑を手に取り、丁寧に剥いでいく。
//お願いします!
994 :
招き猫「」と郭公時計『』
[sage]:2011/02/13(日) 00:04:53.79 ID:Ec44Xdeyo
>>993
『ナナミ、アリガト!』
「何ー?カンちゃん随分と今日は素直ね。なんだか不気味〜」
九官鳥は蜜柑のひと房を貰って、嘴でつつく。
ミケ子もすっかり自分の皿を舐め終わって、少女の膝に擦り寄ってきた。
美味しい、と汁粉をほめて貰って、おばちゃんもすっかり上機嫌だ。
おばちゃん:「よかったら、また何時でもおいでね」
この少女が自分から話す気になるまでは、何も言わないで置こうとおばちゃんは決めた。
ここはこの子にとって居心地のいい場所、今はそれでいいのだ。
『ナナミ、あの服随分汚れてたな。どっか、怪我でもしたか?』
しかし、空気を読まない奴がここに一羽いた。
995 :
四十萬陀 七生
2011/02/13(日) 00:15:15.35 ID:Cb1Me5DSO
>>994
――また何時でもおいで、
その一言は、今の四十萬陀にとって救いの一言ように聞こえた。
住みかは険悪な雰囲気に呑まれ、幼馴染みは疑うべき存在となり、心を寄せていた人物は今どうなっているかすら分からない、
四十萬陀は無意識に、心の拠り所を求めていたのかもしれない。
「……うん」
目元をへにょりと曲げて、四十萬陀は頷く。
そこへ、九官鳥の一言が飛んできた。
「――あ、えっと、あれは……」
バレていないと高をくくっていた四十萬陀は、突然の質問に思わず言葉に詰まってしまった。
996 :
招き猫「」と郭公時計『』
[sage]:2011/02/13(日) 00:24:21.94 ID:Ec44Xdeyo
>>995
「ちょっとあんた!そういうことは聞くもんじゃないでしょ!」
夜雀の表情の変化を見て取って、ミケ子が九官鳥にパンチを食らわそうと飛び掛った。
耳障りな声を上げて九官鳥が間一髪で飛びのく。
しばらくばたばたとコタツの周りを二匹が駆け回って、埃が舞うじゃないか、と
おばちゃんに窘められた。
おばちゃん:「いいんだよ、七生ちゃんは別に何にも言わなくて。
生きてりゃ誰にだって何かしらあるもんさ。
そんなことよりも、お汁粉のお代わりはいらないかい?」
極力気楽な空気を醸し出そうと、何気ない風を装って、おばちゃんは夜雀に聞いた。
『いる!』
「アタシも!」
―――即答は、聞いてない相手から帰ってきた。
997 :
四十萬陀 七生
2011/02/13(日) 00:33:17.24 ID:Cb1Me5DSO
>>996
「……、ん」
何時ものように、「なんでもない」「大丈夫」と言ってしまえればよかったのに。
四十萬陀はか細い返事と共に、泣きじゃくりそうな顔でこくりと頷いた。
――どうも、ここは涙腺が緩くなってしまってダメだ
首を振ると、四十萬陀はいつの間にか空になってしまっていた椀を、ヨーコに突き付けた。
「私も、おかわりじゃん!」
998 :
招き猫「」と郭公時計『』
[sage]:2011/02/13(日) 00:43:53.03 ID:Ec44Xdeyo
>>997
おばちゃんは何にも言わずにニッコリして椀を受け取り、ぽんぽん、と夜雀の頭を優しく叩いた。
そして、盆を持って奥へ向かおうとして、振り向いた。
おばちゃん:「そうだカンちゃん、今のうちに洗濯場の換気扇に絡んでしまった紐、外しておくれよ。
あんたならちょっとひと飛びで済むだろう?ミケ子も手伝ってやってくれないかい」
今にも泣きそうな少女を、ほんの一時一人にするために、おばちゃんは二匹に用事を言いつけた。
直ぐ戻るからね、と言い置いて、3人がその場から居なくなった。
空っぽになった部屋ではストーブの薬缶が、しゅうしゅう言うだけで、
あとは奥からおばちゃんの手元で茶碗のカタカタ言う音が響いてくる。
999 :
四十萬陀 七生
2011/02/13(日) 04:54:22.14 ID:Cb1Me5DSO
>>998
少しの間だけ、一人になる。
薬缶の立てる音と、茶碗のカタカタなる音が、なぐさめるみたいに聞こえてきて。
自然と、せき止めていたものが溢れだした。
「……っう、うぅ……」
唇を噛み、声を押し殺して、静かに涙を流す。
けっして、声を上げて泣くことはないけれど、
ぽたぽた、畳にシミが浮かび上がる。
込み上げる激情を、そうして四十萬陀はやり過ごす。
薬缶の音と、茶碗のなる音と、小さな夜雀の泣く声が、部屋を満たしていった。
1000 :
招き猫「」と郭公時計『』
[sage]:2011/02/13(日) 08:13:08.86 ID:Ec44Xdeyo
>>999
猫舌のミケ子の分を先に皿に取り分けてから、おばちゃんは鍋の汁粉を温めなおす。
箸休めの香の物も、器に新しく出す。
(なんだかいろいろと一杯一杯のようだねぇ)
今日は帰りにこれも持たせようか、と蜜柑とかき餅を幾つかちいさな袋に入れる。
そしておそらく今は必要だろうと判断して、真新しい桜色のハンカチも一枚出してきた。
おばちゃん:「今、お代わりもって行くからね」
奥から一声掛けてから、おばちゃんは盆を持ってコタツの間へ向かった。
//ここで区切りにしましょうか?
1001 :
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