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HTML化した人:
lain.
★
遅かった初恋の話
1 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(北海道)
2013/03/08(金) 17:46:19.53 ID:AK6ue7Cx0
簡単に言うと、昔話を聞いてほしくてきました
時間ある方はお付き合いください
因みに書き溜めなどはないので、その場で思いだしたことを時系列順に書いていきます
2 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(北海道)
2013/03/08(金) 17:49:51.10 ID:AK6ue7Cx0
俺は今、21歳で今年22歳になる
進路はもう決まっていて、看護師に試験に合格していればなる予定だ
試験も終わり、卒業研究も終え、一息ついて自分の人生について整理するためにスレを立てた
3 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(長屋)
[sage]:2013/03/08(金) 17:53:36.09 ID:yQ3hIbmt0
見とるよー
4 :
転載禁止
2013/03/08(金) 18:13:09.73 ID:AK6ue7Cx0
自分はもう出てると思うが、北海道の人間だ
ただ、同じ北海道でも生まれと育ちが違う
生まれは道東の方なのだが、2歳になった頃、父親の転勤で道央の方へ引っ越すこととなった
引っ越し先は10階建てと7階建てに棟が分かれていたマンション
俺達家族はそのA棟と書かれた10階建の4階の412号室に住まいを置くこととなった
このマンションのすぐそばには、その住人のために作られた小さな公園がB棟のすぐ隣にあった
そこには小さな砂場と滑り台、ブランコに兎や馬の乗り物があり、いくつか二人掛けのベンチも設置されていた
きっと、親がそこに腰をかけて、自分の子どもが遊ぶ姿を眺めたりするのだろう
俺が初めてそこで遊んだのは、多分記憶の中では3歳の夏だ
母親をつれて、そこで一緒に泥団子を作ったりして遊んでいた記憶がある
それで、しばらく遊んでいるとそこに母親連れの三つ網の子が来た
その女の子の母親がこちらに来て、俺の母親に挨拶をしていた気がする
ただ、ここからはちゃんと覚えている
その子が砂場に小走りに駆け寄ってきて、俺が作った泥団子をわざと踏んで壊したのだ
俺大声で泣いて、自分の母親に泣きつき、その子は母親に叱られても、満面の笑みだった
俺の泣きっ面を見て、さらに喜んでいるようにも見えた
どうやらその親子はB棟の方に住んでいる親子らしく、この公園にはその子が遊びたいときには来るようだった
マンション全体を通して、俺達と同年代の子どもは多いらしく、この小さい公園は格好の遊び場なのだと言う
俺はそんなことはどうでもよく、繊細な心を泥団子を壊されたことで踏みにじられたのだ
まったくもって鮮烈な出会いだった
5 :
転載禁止
2013/03/08(金) 18:31:51.31 ID:AK6ue7Cx0
その次の日から公園に行くと、あの三つ網の子が来るのではないかという恐怖心で母親が
公園に誘っても首を縦に振ることはなかった
もし行ったとしても、その子がいないことをちゃんと確認して数回行く程度だった
でも、その数回で他の子とも多く知り合えた
一番仲良くしてくれて、一緒に遊んでくれたのは二つ上のお兄ちゃんで、俺は「たけ君」と呼んでいた
たけ君が遊んでくれるようになってからは少しだけ逞しくなった気もする
彼はいつも危険な遊びばかりしていて、俺もそれを頑張って真似ていたからだ
ブランコから勢いをつけて降りたり、高台からジャンプしたりと今思えばよく骨折とかしなかったなって思う
そして、雪が降ると俺はたけ君に誘われて遊ぶこととなった
そこには大勢ではないが、マンションの同世代の子達が集まっていた
ただ、その中にあの三つ網の子もいたのだ
「あ、泣き虫だ!」
最初に三つ網の子は俺を見てそう言った
俺は吃驚して、そして、すぐに恐怖心が襲ってきた
あの時の壊された泥団子の苦い思い出がよみがえる
すると、たけ君が言う
「いや、遼(仮名)は強いよ」
それを言うと、三つ網の子は「嘘だ―」と言うだけだった
その後雪合戦開始
さらに俺のトラウマは深まることになる
6 :
転載禁止
2013/03/08(金) 18:49:37.76 ID:AK6ue7Cx0
雪合戦は三回当たれば、その場で離脱するというサバイバル方式だった
小学生にもなれば、顔にあてるのは反則だとかいう規制はかけれるが、それがなかった当時は
なんでもありだった
それが俺の災難へと繋がる
俺は楽しく、一生懸命雪玉を作って、投げていた
でも、雪玉を作っている最中に三つ網の悪魔が背後から迫っていることに俺は気付いていなかった
「遼くん!」
「うんー?」
俺が振り返ると、雪の塊を顔面に叩きつけられた
顔面全体が冷たい雪に覆われ、すぐに目に涙が溜まってきた
それを見て、彼女はまたニタニタと笑みを浮かべた
「やっぱり泣き虫じゃんー。ほら泣けー泣けー」
俺は悔しさと痛さと冷たさで、途中離脱して泣きながら部屋に戻った
ごめん
これからが本編なんだけど、野球見るからまた後でww
7 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(長屋)
[sage]:2013/03/08(金) 19:13:31.88 ID:zJc/Jh4a0
今のはセーフ。
8 :
転載禁止
2013/03/09(土) 13:26:18.33 ID:o0qFZoNO0
昨日は野球に興奮してて、来れませんでしたwwww
いやーよく勝ちましたよね
スラムダンクを彷彿とさせるなにかがありましたww
じゃあ続き書きます
9 :
転載禁止
2013/03/09(土) 13:41:51.57 ID:o0qFZoNO0
部屋に戻った母親が笑いながら、俺の冷えた体を抱きしめた
確かに昔の俺は泣き虫で、親からも言われるくらいだった
といっても、あの三つ網の子だけが苦手だったのだ
なんというか俺の心の弱いところばかりを責めてきているようで、正真正銘の小悪魔だった
4歳の春、近くにある旭丘幼稚園に入園した
そして、あの三つ網の子も同じ幼稚園だった
その理由だけで、幼稚園を行くのが嫌になっていた自分ww
入園式を終えた次の日から、バスにのり、通園することなるのだが、
初日母親から離れるのが嫌で、ぐずり、バスの中でもワンワン泣いていて、先生が俺につきっきりになっていたのを覚えてる
最初の一週間の俺の口癖は「いつになったら帰れるの?」だったらしいww
それを見て、三つ網の子は常に俺の方を見て笑っていた
でも、周りに遊べる仲間が出来てきて、幼稚園では泣かなくなり、寧ろ幼稚園に行くことが楽しくなった
その頃、悪魔の三つ網の子の名前が明日夏(仮名)だと知った
明日夏は周りを取り仕切るガキ大将のような女の子だった
俺以外にも多数の男の子が彼女に泣かされていたのを覚えている
一番多く泣かされたのは言わずもなが俺だけどね
俺も俺で、意地があったのか初めて怒ったときに積み木を投げて、それが明日夏の顔に当たっちゃって泣かしたことがあった
俺は勿論先生にお灸をすえられ、後日明日夏の元に母親に謝りに行った
ここから俺に対する明日夏の態度は変化し始める
10 :
転載禁止
2013/03/09(土) 13:53:15.13 ID:o0qFZoNO0
俺が投げた積み木の衝撃が強かったのか、俺に対して乱暴な真似はしなくなり、泣き虫と
囃したてることもなくなっていた
それももう年少さんが終わるころだけど
俺らが6歳になる年
年長さんに上がって、『お姉さん・お兄さん』と呼ばれる頃になると急に増せ出す
性の目覚めが早いのか、この時期の子には好きな男の子・女の子が一人くらいはいる
俺はというとそんな性の目覚めなど感じず、遊ぶことだけが楽しかった
この時からいたずらを覚えて、トイレにクレヨンで落書きして、毎朝園長先生に呼ばれるくらいこっ酷く叱られた
その他にも、女の子にちょっかいを出して、逆に泣かせてしまう側になったり、たけ君のように危険な遊びばかりを
して、それを周りに強要するようになっていた
結果ガキ大将のように自分がなってしまっていたのだ
でも、不思議なものでこの時期のガキ大将はモテる
初めて、女の子に好きと言われたのは6歳だったな
俺はなんのことかわからなかったから、「ふーん」としか言わなかったけどww
寧ろ、遊びに混ぜて一緒に仲間として遊んでいる方が楽しかった
じゃあ明日夏はどうだったかと言うと、俺の逆をいきはじめた
面倒見がいいお姉さんになり、周りの子達にも優しく、そして、あの頃から可愛らしかった
男の子にも人気があったから、よく、男の子に手を引かれていた
11 :
転載禁止
2013/03/09(土) 14:08:16.77 ID:o0qFZoNO0
ここまで時間をかなり早送りして書いてますけど、記憶に残っていることだけだからごめん
俺の記憶の中の明日夏はガキ大将→面倒見がいいお姉さん&元気がいいに変化していた
そして、二年間の幼稚園生活を終えて、俺達は小学校に入学する
その前に、入学前の春に外で俺が何人かと外で遊んでいると、明日夏がやってきた
もう俺は昔みたいにビビることはない
そして、初めてここでちゃんと会話ができたような気がする
幼稚園でも話しはたまにはしたが、あまり頻繁に話すことがなかったからだ
「遼君」
「なに?」
「遼君は好きな人いないの?」
「お母さん」
「お母さんが好きなんだ」
「うん」
「ふーん」
「うん」
「他には?」
「お父さん」
「ふーん、あとは」
「う〜ん…釧路のおじいちゃん」
まあこんな調子で、俺は淡々と身内の名前ばかりあげていたわけです
しょうがないですよね、この年齢だから
そして、晴天の中開かれた小学校入学式
俺は正装で隣に何故か明日夏をおいて一緒に写真を撮った
俺眩しかったのか、顔をすこし歪めながら笑い、抜けた前歯が見えていた
明日夏の右手でピースをして、にっこりと可愛らしい顔で笑っていた
12 :
転載禁止
2013/03/09(土) 14:23:10.37 ID:o0qFZoNO0
因みに明日夏は3組で、俺は1組だった
1組のシンボルカラーは緑で、3組の黄色
体操帽がそのシンボルカラーの色となっている
俺がいる1組には同じ幼稚園の子は少数だった
ただ、俺のガキ大将はまだまだ怖いもの知らずだった
6年生が一年生の面倒をみるということで、最初の1カ月間朝遊びに来てくれるのだ
勿論、俺を中心とした男達は格闘技もどきをする
6年生に向かって全力で、汗をかくぐらい殴る蹴るをしていて、ある時、6年生が多少怒ったのか、ハイキックが俺の顔に
もろに入った
泣かないように上を向きながら、また向かっていく
そんな子に成長していた
クラスの中では背が小さかったので弄られていた
なんて、明日夏より背がこの時すでに小さかったのだ
最初の身体測定なんて、110センチあったかなかったかである
でも、父親からは手足がでかいから必ず伸びると言われていたから、あまり心配はしないようにしていた
その時明日夏はもう130センチくらいあったと思う
初めて食べた給食はおいしくておかわりしまくっていた
ただ、一度行儀が悪過ぎて担任に叱られて、「明日からお前だけ弁当持ってこい!」なんて脅されたこともあった
嫌いだからといって職員用トイレで毎回用を足している所をばれて注意されたこともあったww
これは本当にわからなかったんだけどねwwww
13 :
転載禁止
2013/03/09(土) 14:34:15.56 ID:o0qFZoNO0
組が分からないが、明日夏は相変わらずお姉さんだったな
一応方向が一緒ということで、俺と明日夏は毎日登下校は一緒だった
俺が木の枝を振りまわしてると必ず叱ってくるし、スカートの時、明日夏のをめくれば地の果てまで
追いかけてきたよ
家に帰った後は、明日夏と外で遊んだり、お互い別の友達の家で遊んだりもしていた
一番多かったのは、俺と明日夏が友達を集めて、集団で鬼ごっこや缶蹴りをやるといったものだ
こう振り返ってみると、俺も明日夏も完全なアウトドア派の子どもだった
まずゲームをして家の中で遊ぶのは他の子の家に行ったときくらいで、それもすこししたら飽きるから
野球をしたり、バスケをしてみたりと色んなことをしていた
こんな生活が4年まで何も変わることなく、続いていた
俺はみんなもこうして何も変わらず、楽しく遊んでこれからも過ごしていくんだと思っていた
でもそれは違った
俺だけが時間の取り残されたような気分をこの後味わう
でも、なんで取り残されているのかはまだ理解するのはこのあと先
14 :
[sage]:2013/03/09(土) 15:04:09.38 ID:r5IEMbbFo
続きは?
15 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(東京都)
[sage]:2013/03/09(土) 15:16:21.19 ID:A4PoLzju0
ほうほう
16 :
転載禁止
2013/03/09(土) 15:46:31.28 ID:o0qFZoNO0
小学校五年生に上がった俺達は、最後のクラス替えがあった
そのクラス替えで初めて、明日夏と同じクラスになった
その他にも、このあと友達となる大樹とも同じクラスになる
俺達は赤の2組だ
クラスが一緒になる前から大樹とはよく遊んでいたし、喧嘩相手でもあった
俺は相変わらず喧嘩っ早くて怒られて、明日夏にも叩かれるような子だった
まるで成長していないなかった
身長も心も
明日夏はすでに155を超えていたし、大樹は160はあった
その中で俺は135くらいしかまだ無くて、相変わらずのチビ呼ばわり
明日夏に関しては遼とは呼ばれる、チビとしか言われなくなった
俺がある日、休み時間に廊下で石鹸と箒でホッケーをしていた時に大樹から声をかけられた
「遼」
「うん?大樹か。やる?」
「馬鹿。やらねぇよ。あのさ」
「なんだよ」
「明日夏ってお前と幼馴染なのか?」
「え?幼馴染って何?汚れ?」
「染みじゃねぇよ。小さいころから顔知ってたのかって」
「あー。知ってたよ。あいつ俺の泥団子ブチ壊す三つ網怪獣だったからな」
「あのさ…」
「何。俺ホッケーに夢中なんだけど」
「後で、お前に手紙書くわ」
「なんで?」
「いいから」
そういうと、大樹は教室に戻って行った
俺は意味が分からないから特に気にせず、ホッケーを続行した
まあばれて先生に怒られたのは言うまでもない
17 :
転載禁止
2013/03/09(土) 16:02:10.83 ID:o0qFZoNO0
その手紙と言うものは授業中に他の生徒も経由して回ってきた
俺は四つ折りになったノートの一片を開いて、そこに書かれている文字に目を通した
―実は、今度明日夏と遊びたいと思ってるんだけど、いきなり二人っきりとかは
まだ無理なんだ。だから三人でどっかでかけよう―
この時の俺はなんで無理なのかよくわからないかった
別に明日夏に声掛ければいいだけのことだろうと感じていたから
俺からしてみれば、明日夏に声をかけることくらい朝飯前だったから、大樹が何故ここまで
慎重なのか理解できなかった
授業終了後、俺は大樹を自分の下に呼んだ
「手紙読んだけど、どういうころだ?明日夏に声掛けれよ」
「おい!」
俺は口をふさがれる
不審そうに明日夏がこちらを見ていた
「何、こそこそしてるの?チビガキ」
「うるせぇよ。巨人女」
「あー。そういうこと女の子に言うんだ。本当にガキだね!チビ野郎!」
「うるせ![
ピザ
]!」
「うるさい!」
明日夏はどこかに消えて行った
大樹は終始ポカーンと俺達のやりとりを見ていた
「大樹、口あいてんぞ」
「あ、悪い。お前たちっていつもあんななの?」
「え?うん。スカートめくるものパンツ見るのも、いたずらするのも」
「…」
大樹は言葉を失っていた
「でさ、お前ら二人で行けよ。なんで俺呼ぶわけ?」
「いや…いきなり二人はさ…」
「は?」
「いや、明日夏のこと俺好きなんだよ…」
「え、お前本気なの?あいつとんでもねぇよ。俺にあんだけ悪口言うんだから」
「それはお前にも原因あるだろ…とにかく頼んだ」
「へいへい。わかったよ」
大樹は俺が了承すると、安堵の表情を見せて、席に戻った
18 :
転載禁止
2013/03/09(土) 16:14:07.61 ID:o0qFZoNO0
その日の放課後
俺はホッケーをしていたせいで罰として掃除を手伝うことになった
すると、明日夏が玄関で待っているというので、ちゃちゃっと掃除を終わらせて
玄関に向かった
鞄を下ろして、下駄箱に背を持たれている明日夏がいた
「遅い!」
「掃除してたの分かってんだろ!」
「あんたがホッケーとかして怒られたせいでしょ!」
「うっせ!ほっとけ!」
「クソガキ…!ほら帰るよ!」
「はーい」
「早く靴履きなさいよ!」
「いちいちうるせぇよ!デカ女!」
外に出ると、外は雨が降りそうだった
でも、降りそうで降らないいじらしい天気だった
なんとなく黙々と二人で道を歩いていると、明日夏が口を開いた
「ね、チビガキ」
「その言い方やめろ。デカ」
「チビ」
「喧嘩売ってんのかよ…」
「大樹くんとなんか話してたけど、どうしたの?」
まさかの明日夏からこの事に触れてきた
「いや、実は俺と明日夏と三人で出かけたいんだって」
「へー。あんたはどうすんの?」
「俺はどっちでもいいわ。明日夏は?」
「うーん…。あんたいかないなら行かない」
「なんじゃそりゃ。じゃあ行く」
「そう。ならあたしも行く」
こうして、三人で出かけることが決まった
後日三人で教室で相談して、プールにいくことになった
19 :
転載禁止
2013/03/09(土) 16:30:20.65 ID:o0qFZoNO0
5月の終わりごろ、俺達は大きな健康ランドに来ていた
そこにあるプールに三人できていた
俺は明日夏と大樹はどうでもよくなっていて、遊ぶ方に興味が行っていた
更衣室で着替えていると、大樹の様子が可笑しかった
「大樹どうした?」
「いや、これから水着みるんだろ…?やばいじゃん…」
「エロいなお前。まあ俺もそれ楽しみだけど」
「だろ…?明日夏の水着は…」
「は?あんなの男と変わらねぇからな。それよりもっとおっぱい出てる人探せよ」
「お前な…」
「何?」
「なんでもない」
俺にとって明日夏の水着なんかどうでもよかった
幼稚園でもプールで見てるし、一緒に親つれての海水浴でも見ていたからだ
更衣室を出ると、そこに明日夏が水着で待っていた
俺は明日夏を先頭に歩かせ、そこから小走りに近づき、ケツを思いっきり叩いた
「痛ッ!」
「はは!デカ女!」
「このクソガキ!もー!いたーい!」
そこに大樹が寄り添っていった
俺はそれを見て、なんとなく罪悪感も湧いたが先にプールの中に入った
気持ちよく泳いでいると、急に息継ぎができなくなる
誰かが俺の頭を足付けているのだ
ふと見ると女の子の水着
あのデカ女だ
さすがに苦しくなって、俺の咄嗟にとんでもない行動をとった
なんとかして、胸めがけて指を伸ばして突いたのである
「きゃ!」
「ぶは!お前[
ピーーー
]気だったろ!」
「あんたこそ!てか、何触ってんの!大樹くん、こいつほっといてウォータースライダー一緒に滑ろう!」
「あ、うん。行こう!」
大樹はなんだか緊張していたが、とても嬉しそうだった
俺はそれを見て、なんとなく嬉しくなった
あいつは明日夏が好きなんだ
この時の俺は好きとかよくわからなかったから、大樹と明日夏が仲良くなればそれでいい、自分が仲介で
なんとかしてやればいいんだと思っていた
20 :
転載禁止
2013/03/09(土) 16:48:53.37 ID:o0qFZoNO0
その日のプールは最初大樹が固かったが、最後の方は明日夏とかなり打ち解けていた気がする
帰りは大樹が先に分かれて、俺たち同じ方向に帰っていった
「変態…」
「なんだよ。触られたくらいで」
「あのね!女の子の胸いきなり触るなんて考えらんない!変態!」
「うるせぇな、小さいだからいいだろ」
明日夏は俺の背中をパンチした
「いてて…分かった。ごめん」
「許さないから!」
「じゃあジュース奢るから」
「炭酸はやめてよね」
「はいはい」
二人で自販機の前に行って、金を入れる
明日夏がゆっくりと選んで、ボタンを押した
出てきたのはココア
「今回はこれで許してやる」
「ありがとうございます」
そして、お互いが分かれる時、明日夏が俺を呼びとめた
「ねえ」
「ん?」
「大樹君って優しいね」
「そうりゃ俺の友達だからね」
「あんたとは違って」
「うるせぇ。おやすみ」
「おやすみ」
この日を境に大樹と明日夏の距離は近くなる
大樹から話しかけたら、逆に明日夏から大樹に話しかけたりしていた
それに一番変わったのは登下校が一緒じゃなくなった所だろう
明日夏がいつもより先に学校に行くから、これからは別々に行こうと言いだしたのが
きっかけだ
特に俺も何も思わず、その件を承諾して、次の日から別々で登下校するようになった
学校では普通に話すし、お互いに悪態をついて、周りからみれば相変わらずの二人に映っていただろうけど
明らかに距離は出来ていた
21 :
転載禁止
2013/03/09(土) 17:08:31.96 ID:o0qFZoNO0
小学校6年生になり、最後の運動会を向かることになるのだが
敢えて自分が6年生の時のことを書くかというと、やっぱり一番思い出に残っているからだ
5月になると体育の時間に運動会の練習を行う
俺達の地域は6月に運動会が行われるのだ
俺は全学年競技と六年の種目に出る
それにプラスして高学年リレーのアンカーだった
チビだけど、足だけは速かった
大樹はあまり速くなったが、リレーのメンバーで明日夏は言わなくても分かる通り、
ずっと俺達と遊んできたから足は速かった
というよりも足が長い
その高学年リレーは各クラスが2チーム出す決まりで、計6チームが競うことになる
男女が交互に走るのだ
アンカーの俺の前には女のアンカーとして明日夏が走る
その練習中、俺適当に流して走ったり、バトンパスをミスったりして、明日夏に何回蹴られたか分からない
「まじめにやれ!チビ!」
「はーい」
そんな感じで終始ふざけていたが、本番前最後の練習ではまじめに走った
そして6月の初めの土曜日
運動会となった
22 :
転載禁止
2013/03/09(土) 17:08:56.96 ID:o0qFZoNO0
すこし落ちます
23 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(長屋)
2013/03/09(土) 17:33:06.37 ID:YQ9XmnCro
楽しみ。でも特定要素多くない?
気をつけたほうがいいよー
24 :
転載禁止
2013/03/09(土) 21:38:43.43 ID:o0qFZoNO0
ただいま
確かに特定要素多めですね
ところどころフェイクを入れたりはしてますけど
25 :
転載禁止
2013/03/09(土) 21:55:36.66 ID:o0qFZoNO0
運動会当日の天候は良くなかった
開会式にはポツポツと雨が降り出していた
しかし、雨天決行
俺の家と明日夏の家は同じシートに座り、弁当をつまんでいた
まだこの時酒類は禁止になっていなかったため、親達は酒を飲んで陽気に大声を出していた
明日夏はその姿が恥ずかしかったのか、顔を伏せていることが多かった
最初の全学年対象の競技適当に流した
すると、父親の大きな声が耳に届いた
「まじめにやれ!」
吃驚した俺は次の競技からしっかりやろうとしたが、リレーまで持つはずがない
競技が終わると、自分たちの椅子に座り、鞄から飲み物やお菓子を取り出して、観戦していた
盛り上がり、白熱する展開となっていた今回は、明日夏も大樹もこれ以上ないくらい興奮していた
それもそうで、午前の部が終わるときには俺達のクラスは2位で、1位の1組とも僅差だったからだ
俺がお菓子を食べながら、鼻くそをほじっていた所に明日夏がきた
「なに鼻ほじってんの」
「かゆいんだよ」
「今日真面目に走るんでしょうね?」
「さあね」
明日夏は俺の右頬をつねる
「いてて!」
「チビ!ちゃんと走らなかったら許さないからな!」
「考えとく」
「この野郎…これだから成長遅いんだ」
「うるせ!ほっとけ!」
「てか、お母さんたちのところにいこう?」
「あ、そうだね」
俺達は昼食をとりに親の下に行った
まだ親のところにいって飯を食うこともこの時は許可されていた
26 :
転載禁止
2013/03/09(土) 22:08:24.02 ID:o0qFZoNO0
そして午後の部はわが軍は一段と士気をあげていた
とにかく1組に追いつこうとしていた
しかし、なかなか点差が縮まらず、みな焦り出していた
俺は大樹と無駄話をして、なんのプレッシャーもなく、眺めていて、大樹は必死に応援している
明日夏の姿を見ていた
「やっぱり可愛いな」
「明日夏がか?」
「うん」
「大樹いつもそれ言うけど、俺はそんな風に思ったことは一度もないぞ」
「お前が気付かなすぎなんだよ。俺の他にも可愛いと言ってる男子はかなりいるんだぜ?」
「へー。興味ないな」
そこに前で応援していた明日夏がやってきた
「あんたたちも応援しなさいよ」
「はーい」
「…」
俺は寝たふりをしていたが、頭を叩かれて、腕を引っ張られついていくことに
なんとなく勝負に執着心が湧かない性格の俺だったので、モチベーションが上がらないでいた
そして、最後の種目、高学年リレーを向かえた
27 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(長屋)
2013/03/10(日) 19:13:51.68 ID:L4Lhjbh+0
続きマダーーー?
28 :
転載禁止
2013/03/10(日) 22:10:52.21 ID:jqK7LfyY0
野球勝った!!!!
てことで続き書きます
29 :
転載禁止
2013/03/10(日) 22:21:32.77 ID:jqK7LfyY0
高学年リレーに出る人はトラックの中央に集められた
俺はアンカーだったので、特別に頭に鉢巻を巻く
2組だから赤い鉢巻だ
それを自分で結ぼうとするのだが、明日夏にとられる
「ほら、後ろ向いて」
「いいよ、一人で出来るから」
「いいから!あたしが応援してあげるからちゃんと走ってね!」
「いや」
「もう!」
明日夏が鉢巻を結び終わると、俺の頭をポンポン叩いた
「これ一位なら優勝だからね!」
「ふーん」
「ふざけたらお父さんに怒られるよ?」
「いいじゃん」
「馬鹿。遼、まじめに走れ!って叫んでやる」
「恥ずかしいからやめてくれ…」
そして、4年生の女子がスタートラインについた
先生のスタートの合図とともに6人が一斉に走り出す
5年生の最後の人が走り終わるまで、4位だった
30 :
[sage]:2013/03/10(日) 22:30:13.79 ID:7vypvhYJo
おっ!!
待ってたw
31 :
転載禁止
2013/03/10(日) 22:44:16.20 ID:jqK7LfyY0
とうとう最後の六年生に周り、大樹がバトンを受けて走る
先頭との差は徐々に縮まってはいたが、抜くことはできないでいたが、三位の背中にピッタリつくくらい
までには近づいていた
その次にバトンを受け継いだのは明日夏
女子最後のランナーだ
俺は適当に眺めていたが、懸命に駆け抜ける明日夏を見て、ようやく闘志が燃え始めた
明日夏が三位を抜いて、二位を捉えていた
トラックのカーブを周り、直線に差し掛かったところで俺は準備をする
因みにアンカーは100メートルではなくて、150メートルなのだ
100メートルトラックを半周多く走る
明日夏が赤いバトンを持って、俺に向かってきた
「遼!」
そして、バトンは俺に渡される
最初はなんとなく走っていたが、トラックの中央から怒号が飛ぶ
「まじめに走れ!チビ!」
俺は内心めちゃくちゃ恥ずかしくなって、走ることを忘れてしまいそうだった
俺が、すこしトラックの中央に目をやると明日夏が懸命に応援していた
だから、幼馴染として負けられないと思って、やっとエンジンがかかったと思う
二位はピッタリついていたから、すぐに抜けた
だが、一位の1組をなかなか捉えられない
ただ、150メートルはきついもので、相手は疲れを見せたのか、スピードが落ちてきた
俺はというと最初流していた分、スタミナは切れていなかった
ぐんぐんと近づいていく中、グラウンドは最高潮に盛り上がる
残り50メートルで俺、一位の奴をとうとう差した
追い越した瞬間、大樹の声が聞こえ、明日夏の歓喜する声も俺の耳に入ってきた
そのまま、気付けば一位でゴールテープを切っていた
ゴールした時にクラスのみんなが抱きついて来て、俺もかなり興奮してしまった
そして、自分の席に戻る前に明日夏が来る
「遼、ちゃんと走ったね」
「だってお前がうるさくんだもん」
「でも、ありがとう」
笑顔でそう言われると、なんとなく照れくさくなってしまって、悪態をついてしまった
こうして運動会は最後に優勝という形で終わった
その後両親と焼肉へ行き、どうやら父親は最後のリレーを見てかなり機嫌がよくなっていて、異例の臨時収入を
くれた
32 :
転載禁止
2013/03/10(日) 22:55:08.32 ID:jqK7LfyY0
運動会を終えて、7月になり、夏休みが近付いていた
そんなある日に、明日夏が久しぶりに一緒に帰ろうと持ちかけてきた
別に断る理由もなく、一緒に帰ることに
「こうして一緒に帰るの久しぶりじゃない?」
「うん」
「遼って今好きな人いるの?」
「父さんかな」
「またそれ…?」
「よくわからんもん」
「実は1組の莉奈ちゃんいるでしょ?」
「藤崎?」
「うん」
藤崎莉奈は明日夏の一年からの友達で、低学年の頃はよく家にいったりもしていた友達だ
そして、俺のことをチビと貶し続けた女でもある
「その藤崎がどうしたんだよ」
「なんか遼のこと好きみたいだよ」
「ええ?チビとかいうんだぞあいつ」
「あたしも言うでしょ」
「お前は慣れた」
「なら莉奈ちゃんのも慣れてるでしょ」
「慣れてません。てか、今更さらだろ」
「リレーのアンカーがかなりカッコ良かったみたいだよ?」
「知るか」
「じゃあ、断るの?」
「うん」
「莉奈ちゃん可哀想」
そのまま、あとは雑談して帰った
33 :
転載禁止
2013/03/10(日) 23:12:59.99 ID:jqK7LfyY0
ただ、ガキだと明日夏には言われた
でも、ようやく俺も成長が進み始めた
小学校を卒業し、中学校に上がる時
すでに明日夏と大樹はいい雰囲気だった
中学に入学して、俺だけクラスが二人と離れた
大体が小学校から上がってくるので、見慣れない顔の生徒はいなかった
この時、俺の学ランはまだ大きかった
これから必ず成長するってことで、親が大きめのサイズを買ったらしい
まあここでも、周りの奴や、明日夏や明日夏!!!には馬鹿にされるんだけども
俺が思うに、周りが大きいのがいけないと思ったんだ
大樹は学校で一番大きかったし、明日夏だって165のままだったから
中学一年の頃、明日夏が俺の家にきた
書いてなかったお互いの家には気兼ねなく遊びに行っていた
明日夏のお母さんなんかはよく「遼ちゃん」といって、可愛がってくれていた
明日夏が家に遊びに来て、久しぶりにゲームでもしていた時のことだ
「ねえ、遼」
「ん?なに?」
「大樹君ってかっこいいよね」
「でかいしな」
「優しいよね」
「うん」
その後、何故か俺達は無言のまま別れた
といっても、明日夏が黙りこくっていたいたから
34 :
転載禁止
2013/03/10(日) 23:16:19.04 ID:jqK7LfyY0
因みに明日夏は女子バスケ部
大樹はサッカー部
俺帰宅部
というなんとも俺の屑さ加減がでている部活内容だ
35 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2013/03/10(日) 23:35:21.81 ID:yDaafRy6o
(´・ω・`)文がうまくてうらやまお
36 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2013/03/13(水) 08:17:52.27 ID:tjjYdpLJ0
支援
37 :
転載禁止
2013/03/17(日) 14:06:30.90 ID:7CT9grHJ0
ただいま
38 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2013/03/17(日) 15:38:43.35 ID:/89zELt60
続き期待
39 :
転載禁止
2013/03/17(日) 17:14:59.11 ID:7CT9grHJ0
中学に入り、生活にも慣れて、とうとう俺の身長も成長期を迎えていた
どんどん伸びて、明日夏にも追いつきそうだった
忘れもしない7月始め
休み時間
大樹は俺に明日夏に付き合おうと言おうと思うと言ってきた
「俺明日夏に告白しようと思う」
「いいんじゃないのか?」
「いいの?」
「なんで俺に許可とるんだよ。勝手にすればいいだろ」
「そうか」
「頑張れよ。応援してるから。それに明日夏も大樹優しいとかカッコイイって言ってたぞ」
「そうか。で、今日の部活後、玄関前で待ってくれるように言ってくれる?」
「は?自分で言えよ」
「俺とお前の仲だろ。頼むよ…。緊張をすこしでも無くしたいんだ」
「お前のシャイなとこは直ってきたと思った途端これだ…」
「よろしく」
「へいへい」
放課後、明日夏に言う為に体育館へと向かった
中にはまだ居なかったので、入り口で待ち伏せていると明日夏がやってきた
「遼じゃん。なんで入り口で突っ立ってんの?」
「やっと来たか。伝言預かってんだよ」
「誰から?」
「大樹」
「ふーん。で、その伝言は?」
「今日話したいことあるから、部活終わったら玄関で待ってて欲しいだってさ」
「それだけ?」
「うん」
「わかった。ありがとう」
「おう」
「遼もなんか部活やんなよ。運動できるし、足速いんだからさ」
「しねぇよ。家に帰って寝る」
「もう。だらしないな」
「じゃあ頑張れよ」
「はいはーい」
俺は下駄箱の外靴に履き替えて、鞄を片方の肩にだけ掛けて帰った
燦々と照りつける太陽が身を焦がした
40 :
転載禁止
2013/03/17(日) 17:25:10.00 ID:7CT9grHJ0
家に帰ると、母親が掃除をしていた
「おかえり」
「ただいま、アイスとかない?」
「ない」
「あっそ」
俺は部屋に入り、学ランを脱いで、スウェットに着替えた
本棚にある漫画をベッドの上で読む
その眠くなってきて、俺は眠りについていた
起こされたのは太陽が地平線にすっぽりと沈んでしまった頃だった
母親が体を揺する
夕飯だと思い、体を起こすが、母の手に握られていたのは電話の子機だった
「遼、電話」
「え?誰?」
「明日夏ちゃん」
俺は子機を受け取ると、母親を部屋から追い出し、電話に出た
「はいはい」
「遼?」
「そうだよ」
「部活疲れた。今日めちゃくちゃ練習厳しかった…」
「将来のエースアタッカーだもんな」
「今からさ、マンション前の公園来れる?」
「え?またなんでこんな時間に」
「話したいことあるんだけど」
「なら電話でいいじゃねぇか」
「いいの!公園に来なさい!」
「怒鳴るなよ。わかったから。行きます行きます」
「いますぐにね」
「はい」
俺はめんどくさいながらも、頭を掻きながら家を出た
外はもうすっかり暗くなっていて、街灯がついていた
その周りを虫が舞う
公園に着くと、明日夏はまだ来てなかった
読んだくせに待たせやがって…と俺思っていた
それから、数分後に明日夏がやってきた
41 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2013/03/17(日) 17:32:22.05 ID:iPuN6sZi0
読んでるよ〜
42 :
転載禁止
2013/03/17(日) 17:44:45.39 ID:7CT9grHJ0
俺はベンチで腰をかけていて、その真ん中に座っていた
明日夏は俺の目の前に来て、手で退けろというジェスチャーをし、俺は右側に詰めた
その隣に明日夏が座り、二人してしばらく沈黙が続いた
それを破ったのは明日夏だ
「何黙ってんの」
「は?お前が話しあるって呼んだんだろ!」
「そうだっけ?」
「そうだわ」
「いたた、筋肉痛になるわ…顧問の先生厳しい」
「マジか。頑張れや。俺には無縁だしー」
「もったいない。強靭な脚力生かそうと思わないわけ?」
「うん」
「呆れた」
「なんだよ。俺を責めに来たのか?用がないなら帰るぞ」
俺はそう言うと、明日夏は一呼吸おいて、口を開いた
「今日大樹君に告白された」
「ふーん」
「あんた知ってるくせに」
「まあな。で?答えはちゃんと出したんだろ?」
「まだちゃんと出してない。考えさせてって言っちゃった」
俺は意外だった
大樹と明日夏は前にも書いた通り、お互い文句なしの相手だし、デートもしていた
周りもこの二人はすでに付き合っていると噂を立てる奴もいたくらいだ
てっきり俺も後は時間と大樹の覚悟の問題だと、ずっと思っていた
「なんでそんなに驚いたような顔してるのよ」
「いや、俺は答え出したと思ってたから」
「どっちに?」
「そりゃ、YES」
「そうなんだ。遼は大樹君とあたしが付き合うことどうとも思わないんだ」
「いや、めでたいと思う」
「そう、ありがとう。じゃああたしもう帰るね」
そのまま明日夏は足早にマンションへ帰って行った
一人取り残された俺は後味の悪い雰囲気にイライラしていた
大樹とのことを祝うことはそんなにいけないことなのか
大好きな友達と幼馴染が付き合うことは俺としては嬉しいことこの上無かった
でも、この後もうすこししてから俺の成長がようやく皆に届き始めた頃
自分の心に芽生える複雑な感情に悩み始める
43 :
転載禁止
2013/03/17(日) 18:01:01.27 ID:7CT9grHJ0
翌日
俺は寝ぼけた顔で洗面台に立ち、自分の顔を見つめる
酷い顔だった
顔を洗って、制服に着替えて、飯は抜いて登校した
大抵飯は抜く
学校に行く際に一つだけ手押しボタンの横断歩道がある
そこに制服姿の明日夏が立っていた
俺が後ろから声をかけると、無視して先に歩いていってしまったのだ
俺もどうかしたのかと思い、再び肩を叩いて声をかけた
すると、さらに無視して小走りで先に行ってしまった
「なんだあいつ。気分悪いわ」
俺は明日夏の態度が理解できず、自分自身も機嫌が斜めに
教室に入り、席について椅子に体を預けるようにして凭れかかる
体がずるずると机の下へと沈んでいく
なんとなくぼーっとしていると、朝のHRが始まっていた
「おい、遼」
「はい」
「はいじゃなくて、だらしないからちゃんとしろ」
「はい」
俺はゆっくりと態勢を直した
そのまま退屈な授業が続く
朝のことが気になり、授業にも集中できず、寝ていた
昼休み
大樹が教室に入ってきた
「遼」
「ん?」
「昨日告白したんだよ」
「そうか。頑張ったな」
「なんだよ。なんかお前素っ気ないぞ」
「え?いや、別に。で、どうだったんだよ」
俺は敢えて、聞いた
「YES」
「え?」
「昨日、すぐに明日夏が答えてくれたのか?」
「悩んでるようだったけど、笑顔でokしてくれた」
俺はこの時、どんな顔をしていたんだろう
驚きを大樹に悟られないように、どんな動作をとったのだろう
今でもわからない
44 :
転載禁止
2013/03/17(日) 18:14:50.46 ID:7CT9grHJ0
俺は昼休みが終わって、大樹が教室を出て行ってからしばらく窓の外を眺めていた
なんとも言えない感情が俺を襲う
明日夏の言動と行動が理解しがたかった
彼女は俺にあの公園で何を伝えたかったのか、答えは出していた筈だったのに、何故俺に嘘をついたのか
とにかく理解できなかった
ただ、渦巻く心の中は心地よいものではなかった
俺は明日夏という人物がわからなくなっていた
帰る時、俺は明日夏が教室から出てくるのを待っていた
色々話したいことが山積みだったから
明日夏は出てきて、俺の姿を見た途端に、逆方向の階段に向かった
俺はそれを走って、追い、腕を掴んだ
「なに」
「なにって。聞きたいのはこっちなんだけど。まず朝からなんなの?」
「知らない」
「じゃあ、もうひとつ。なんで公園で俺に嘘言ったんだ?大樹から全部聞いた」
「うるさいな…」
「お前がなにしたかったのか、わかんないんだよ」
「知らないって!遼うるさい!もう関わんないでよ!」
目頭を赤くした彼女は俺の手を払いのけて、走って行ってしまった
周りからの目もあったが、俺も俺でまだガキだったからそのまま廊下の壁を蹴って帰ってしまった
でも、俺は明日夏の感情をこの時、汲み取れなかったんだ
本当に子どもだ
45 :
転載禁止
2013/03/17(日) 18:23:03.54 ID:7CT9grHJ0
その後、俺は明日夏と顔を合わせても声をかけないようになってしまっていた
大樹も俺達の仲を心配してくれていたけど、俺は大丈夫の一言で片づけていた
北海道も連日の猛暑が続き、そんな日々の中で夏休みを向かえた
大樹と明日夏は部活に明け暮れ、俺は他の友達と海水浴などで遊び呆けていた
そんな何も変わらない日々が続き、俺達の関係も修復することはまだなかった
そのまま、この関係は中2になる前まで続いたんだ
でも、その間に変わったことが一つだけあった
46 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(東京都)
[sage]:2013/03/17(日) 18:32:11.80 ID:+4Fqdy5Xo
しえん
47 :
転載禁止
2013/03/17(日) 18:39:35.18 ID:7CT9grHJ0
それは二学期の授業の時だ
体育の先生は鈴木というのだが、体育の授業が終わった後に声をかけられた
「遼」
「はい。なんですか?」
俺はダラダラと走りながら、先生の下に行く
「ダラダラ走るな!」
「はーい」
「たく…。お前本当に足早いな」
「そうですか?」
「何もしてないよな?」
「はい」
「陸上部に来い」
「え?」
鈴木は陸上部の顧問だったのを、俺はすっかり忘れていた
しまったと思った
「お前の足なら良いタイムでるぞ」
「え?いや、俺部活とか面倒なので、遠慮しまーす」
「なら、まず今日の部活こい。運動靴だし」
「でも…」
「軽く走るだけで、あと見学でいいから」
「…はい」
これが最後だった
この後の部活で、俺はみっちりすべてのメニューをこなすことになる
48 :
転載禁止
2013/03/17(日) 18:47:43.23 ID:7CT9grHJ0
その部活の後、俺は芝生のところに倒れた
そこに鈴木が来る
「ばてたか?」
「当たり前です!俺絶対はいんねぇーぞ」
「でも、家帰ってもやることないだろ」
「寝ます」
「明日もこい」
「は?嫌です!」
「みんなお前のこと歓迎してるぞ。女子部員もかっこいいといってる」
「口から出任せはやめてくれ」
「本当だ。じゃあ待ってるからな」
「ちょ」
鈴木は俺の言うことには耳を傾けず、去って行った
俺はジャージから制服に着替えて、くたくたになりながら帰宅することになった
その際に、玄関の前を通る時に大樹と出くわした
「遼。お前陸上やんの?」
「いや、鈴木に無理矢理やらされた。あいつ強引過ぎる」
「お前の足の速さみてたらほしくなるよ」
「いや…困る。疲れたし。お前玄関でなにしてんの?」
「明日夏待ってるんだよ」
「そか。じゃあな」
「なんだよ。一緒に帰ろうぜ。明日夏と方向一緒なんだし」
「なんでわざわざ邪魔者いれるんだよ。アホか、巨人」
「うるせ、チビ」
「伸びてるから今に見てろ。じゃあ」
「おう」
俺はそのまま帰った
後ろで明日夏達が歩いているのはわかっていたが、特に振り返ることもなく、マンションに着いた
49 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2013/03/17(日) 19:02:08.20 ID:/89zELt60
切ない。
50 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2013/03/17(日) 19:44:31.81 ID:bcdojslW0
読ませる文だな…
51 :
転載禁止
2013/03/17(日) 20:21:09.60 ID:7CT9grHJ0
飯終わったんで、また書きます
52 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2013/03/17(日) 20:24:05.62 ID:6y/h7mZko
待ってたよw
53 :
転載禁止
2013/03/17(日) 20:37:10.76 ID:7CT9grHJ0
マンションに着いてから、俺が出迎えてくれた
「あんた遅かったね。それにすごい疲れた顔してる」
「陸上の練習させられた」
「部活かい?」
「そうそう。だから、今日風呂入ったら寝るから飯いらない」
「あら、そう。今日あんたが好きな餃子なのに」
「マジで…。食いたいけど無理だ。明日の為に俺の分とっといてくれ」
「わかった。もうお風呂は入れるから入りなさい」
「はいはい」
俺は部屋に戻り、学ランを脱ぎ捨て、すぐに脱衣所に向かった
風呂の中で、意識が飛び、そのまま浴槽で寝てしまい、母親に起こされた
俺は半分まだ夢の中にいる状態で、バスタオルで髪と体を乾かした
そのままパンツとシャツだけ来て、ベットに倒れ、朝まで起きることはなかった
次の日も鈴木に誘われ、部活に参加
俺自身もジャージと運動靴を持って行ってたので、嫌だったけれど、それほど嫌ではなかったのだろう
今考えるとそう思う
こうして二学期早々、俺は陸上部の一員となったのだ
大樹はあまり驚かなく、寧ろ、当然のような顔をしていた
「大樹驚かないのか?」
「なんで?」
「この俺が部活だぞ?」
「まあ、でも、その走る能力は必ずどこかに生かされると思ったし、どのスポーツやらせてもある程度は行くと思ってるから」
「そんなことないけどな」
「そういえば、明日夏が頑張ってって言ってたぞ」
自分で伝えに来いとか思ってしまったが、そう思ってくれることは嫌ではなかった
三人の時間はこうしてなんの変化のまま流れて行く
明日夏とは口もきかず、でも、大樹を媒介として接している
そんな微妙な日々を中2になるまで続けた
これが打開されたのは、春休みが明けて2年生に進級したその日だった
54 :
転載禁止
2013/03/17(日) 20:57:53.88 ID:7CT9grHJ0
4月初旬の始業式
俺は二階に向かい、各クラスの前の貼られた紙に目を通そうと思っていた
教室の前には生徒が貼りだされた紙の前に群がっていた
そう、クラス替えだ
二年に変えて、三年も同じだからかなり重要なクラス替えなのだ
俺は最初にA組に目を通すと、自分の名前があった
大樹はいるかどうか見ていたが、見当たらず、その代わりに明日夏の名前が目にとまった
何故だか、気まずい気持ちになってしまった
教室に入り、最初は出席番号順で、俺は6×6の席があり、そこの二列目の5番目の席だった
因みに明日夏は俺の右斜め前だ
椅子を引き、腰をかけると陸上部の仲間で、女子マネの明希が声をかけてきた
「遼君、おはよう」
「おはようマネージャー」
「そのマネージャーって呼ぶの部活以外はやめてよね。明希って呼んでよ」
「マネさん」
「意地悪だな」
「あのさ、今日部活って休みじゃないよね?」
「当たり前でしょ」
「マジか…。サボろうかな」
「ダメ!遼君タイムは上がってるし、先生期待してたよ」
「あいつしごききついんだもん…」
明希と話していると、教室に入ってきた明日夏と目が合った
それはほんの一瞬だけで、すぐにお互いが逸らす
明希はその俺をなんとなく不思議そうに見ていた
明日夏が席に着くと、華があるのか、女子も寄ってくるし、男子も大樹とは付き合ってるとはいえ、好きな奴は沢山いた
陸上の仲間にもいたし、一年の時のクラスにもいたくらいだ
この時、悔しかったが明日夏に勝てるものを俺は何も持ってはいなかった
「明日夏さんってすごいよね。バレー部のエースだし、可愛いし、優しいし」
「優しくはないよ」
「そうなの?」
「俺にはな」
「どういう関係?」
「あー、幼馴染、幼稚園に入る前から一緒なの」
「そうなんだ」
話していると、教室に先生が入ってきた
ただ、その担任というのも皮肉なもので鈴木だったから、俺は初めから沈んでいた
55 :
転載禁止
2013/03/17(日) 21:13:44.13 ID:7CT9grHJ0
校内放送がかかり、廊下に並ばせられ、体育館へ移動した
始業式が行われ、校長の話を聞くことに
俺は校長が好きで、廊下で会えばよく話していた
だから、退屈ということはなかった
始業式が終わり、教室では担任の自己紹介と行事予定などが書かれたプリントなどが配られた
後ろに回している時に、また俺と明日夏の目が合う
でも、またお互いすぐに逸らしてしまった
何故だろう
すこし前までなら、笑ったり、変な顔して見せたり出来たのに、それが上手く出来ない
自分の変化に俺はようやく自覚する
皆に遅れて、ようやく思春期がきたのだろうか
種に雫が滴り落ちて、大地からようやく芽吹くように、俺は春に一皮むけていた
そして、それは相手の気持ちにも大きく変化をもたらしていたのだ
11時半になり、学校が終わると、俺は教室を出て、クラウンドに向かった
階段を下りている時に、後ろから走る足音が聞こえてきた
どんどんと大きくなる足音に、俺は歩みを止めた
俺が振り向くと、階段の前で明日夏が立っていた
お互い、目が合い、そのまま沈黙が続き、これを破ったのは俺の方からだ
「何じろじろ見てんだよ」
「うるさい」
「なんだよ」
「何が?」
「何がって何が」
「陸上やってるんでしょ?遼」
「ああ、そうだけど」
「足だけが取り柄なんだから、頑張りなさいよ!!」
「うるせ!お前も頑張れよ!エース!」
「まっかせなさい!あたしだよ?大会優勝してやるからみてろよー!」
「おう!」
「他の奴に負けたら許さないから!」
「なんでよ」
「あんたより足速い人とか認めたくないから」
「何いってんだか、じゃあな」
「ばいばい」
最後にお互い満面の笑みだった
ようやく、長く続いた均衡が破れた
多分、俺の成長が遅かったのが悪いのだ
大樹や明日夏の成長についていけず、周りもよく見えていなかったから
56 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2013/03/17(日) 21:39:15.30 ID:6y/h7mZko
wwktk
57 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(北海道)
[sage]:2013/03/17(日) 21:43:45.11 ID:VEJjyuqmo
明日夏はおkと言ったものの止めてほしかったのか?
本当に考えさせてって言えばよかったと思うんだが
58 :
転載禁止
2013/03/17(日) 21:53:02.24 ID:7CT9grHJ0
>>57
それはどうなんだろうね
分からない
明日夏が大樹の事を好きなのは事実だったから
まだ年いってないとどう行動したらいいかってわからないものだと俺は思うよ
俺が実際そうだったから
59 :
転載禁止
2013/03/17(日) 22:04:15.00 ID:7CT9grHJ0
俺は二年から部活がかなり厳しくなった
鈴木の愛によって
スプリントとして、100メートルと200メートルが専門だった
ファームの改善を大前提として、何本も走っては回復する繰り返し
そして、上半身強化の為の筋トレなども課され、ステップ練習などとにかく毎日くたくたになるくらい走った
休みの日は浜辺で走ったこともあった
努力の甲斐あって、タイムは伸び続けていた
スタートの切り方だけは鈴木から褒められていたのを覚えている
60 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2013/03/17(日) 22:16:34.08 ID:iPuN6sZi0
文の書き方も上手い!
褒めとく
61 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2013/03/17(日) 23:18:43.69 ID:KXl34xnho
期待
62 :
転載禁止
2013/03/18(月) 01:13:01.38 ID:CjYl3tTH0
ただ、まだこの頃の俺のタイムは11秒60くらいで、夏までに11秒20くらいまでは伸ばしたいと鈴木に言われた
その為には、まだフォームが完全ではないことと、体力がないことだ
トップスピードを維持し切る持久力がまだ備わっていなかったことと、乳酸が溜まり、それに筋肉が耐えきれていないことを指摘された
スタートからトップスピードになるまでの速さは皆に反して早かったのだが、それが災いしていて、ゴール手前で減速して
しまっているということだった
これは俺の癖らしい
そのため、俺だけ走る本数を増やし、筋トレも増えていった
そんなある日の部活で、俺は疲労困憊で、初めて練習が終わった後すぐにストレッチもせずで、地面に仰向けに倒れた
目を閉じていたのを開けると、茜色の空が目の前に広がっていた
そこを悠々と自由に流れる雲、そして、山に帰るカラス達
その風景を眺めていて、俺はなんだか心が癒された
今までこんなことなかったのに、感性も成長したのだろうか
学ランに着替え、帰ろうとしたところ玄関に明日夏が立っていた
明日夏とは始業式以来、すっかり前の関係に戻った
ただの幼馴染の関係
俺達にとって心地のいい関係
俺は明日夏に声をかけた
「明日夏」
「あ、遼」
明日夏は振り向いて、俺の下にやってきた
「汗くさ!」
「しょうがねぇだろ!どんくらい走らされてると思ってんだ」
「頑張ってるんだ」
「俺にしては凄くない?」
「遼にしてはね!普通の人はこれが普通なの」
「なんだそれ。俺が劣ってるみてぇだろ」
「劣ってるんじゃなくて、努力が嫌いなんでしょうが」
「そうだな。それは否定しない」
「だろうだろう」
明日夏はそういいながら、俺の胸を軽く叩いた
「なんだよ急に」
「いや、遼おっぱい大きくなったんじゃない?」
「筋トレしてるからだよ」
「そうか。短距離選手だもんね。こんな逞しい体になって」
「母親かお前は」
「幼馴染です!]
「大樹待ち?」
「今日は違う。大樹君これから友達とご飯食べに暮らしいから」
「そうか」
「だから、遼と一緒に帰ってやろうと思ってさー」
「上からかよ」
俺達は本当に中学に入学して以来、初めて一緒に下校することになった
63 :
転載禁止
2013/03/18(月) 01:40:22.99 ID:CjYl3tTH0
帰り道は他の部活の人達も下校していた
野球部だけはすこし長めに部活をやっていて、頑張って声を出していた
「うちの学校ってスポーツ頑張ってるよね。実際に市の大会とか地方大会も優勝多いし」
「確かにな。陸上も強いんだよ。特に短距離と投擲がね」
「とうてき?」
「ハンマー投げとかやり投げとか円盤投げとか、投げる競技」
「あー、はいはい。オリンピックとかでよく見る。室伏選手すごいよね」
「あの人は日本を代表する人だからな。まあ陸上なんてはなっから興味なかったんだけどな」
「それでも毎日ちゃんとやってるじゃん」
「不思議とな。そっちはどうなのよ」
「あたし?あたしはもうバンバン決めてますよ」
「さすがわが校のエース」
「でしょ。でも、遼もかなり有望視されてるじゃない。わが校のトップ選手だもんね」
「違うわ」
「違くない!絶対トップ!」
「あのな」
「いいの!」
「大会もまだろくに出てないから自分の力はわからねぇよ」
「いつ大会あるの?」
「大会ってか、記録会は5月下旬にあったはず」
「本当?見に行ってもいい?」
「なんでよ。部活あんだろう」
「大丈夫。その日は病欠使うから」
「エースがそんなんじゃダメだろう。真面目にやりなさい」
「はーい。じゃあ結果はちゃんと教えなさいよ」
「分かった」
そのまま後はいつものくだらない話しをだらだらとしながら、歩いていく
マンションの前に来て、別れると明日夏が去る俺に声をかけた
「遼」
「ん?」
「誰にも負けないでね」
その目は真剣だった
「高学年リレーのアンカーだぞ俺は」
明日夏はそれを聞いて、笑いながら、バイバイと言って手を振った
俺も降り返して、家に帰った
64 :
転載禁止
2013/03/18(月) 01:53:14.19 ID:CjYl3tTH0
家に帰り、すぐ汗臭い体を流すために風呂に入った
浴槽に身を沈めて、なんとなく物思いに耽る
色々と中学では不思議な事が起こっていると思った
明日夏と同じクラスで、仲直りしたこと
自分が陸上という、俺とは無縁だったものをやりはじめたこと
何故か皆から認められ始めていること
そして、授業中に明日夏をたまに見てしまっている自分がいるということ
俺は明日夏のことをどう思っているのだろうか
その疑問を自分自身に投げかけてみる
でも、帰ってくる答えは「分からない」
好きと言われれば当然好きと答えるだろう
しかし、それはあくまでも幼馴染としての感情なのではないか
そう考えると合点がいった
俺はここで自己完結し、明日夏のことをああだこうだ考えるのをやめた
風呂からあがり、飯を食う
部活をやりはじめてから食べる量は格段に増えた
母親も吃驚だ
「あんた、本当に食べるようになったね」
「当たり前だろ。あんだけ運動したら腹も減る」
「なにいってんだか。最初なんて、俺いらないーとか言ってたくせに」
「最初だけだ。慣れてきたからな。それに寝る前にストレッチと筋トレしないとならない」
「頑張るねー。いい体つきしてきたし。毎日鶏肉にしてあげようか?」
「それはきついな…。嬉しいけど。でも、肉は食えと言われてる」
「じゃあ、明日は鶏肉。生」
「冗談だろう」
「当たり前じゃない。馬鹿」
飯を食い終わると、部屋に戻り、ストレッチをしてから、腕立て・腹筋・背筋を各30回を3セット行い、
また終わってからストレッチをして、寝た
勿論勉強はしていない
だから大樹と明日夏に勉強は頼りっきりになっていた
65 :
転載禁止
2013/03/18(月) 16:00:47.71 ID:CjYl3tTH0
野球まけてしまって残念
66 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2013/03/18(月) 21:11:43.05 ID:7Tu/k1oj0
今日も投下してくれるの?
67 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2013/03/19(火) 20:42:40.96 ID:jdrlhu5T0
待ってるぜ!
68 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(中国地方)
2013/03/19(火) 23:47:40.41 ID:ChQftNJ20
合格発表までに完結予定?
69 :
68
[sage]:2013/03/22(金) 00:22:06.00 ID:ueYTh1U3o
sage忘れスマソ(´・ω・)
あと急かす様なカキコしてしまったけど、マターリ待ってます
70 :
転載禁止
2013/03/26(火) 19:37:37.13 ID:UJb9m7Wu0
合格してました!!!!
ってことでまた書きます
71 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(長屋)
[sage]:2013/03/26(火) 19:42:16.51 ID:9SPwGzrWo
おめでとう♪
72 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2013/03/26(火) 20:07:53.54 ID:IOn4euPK0
オメデトウ
73 :
以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
[sage]:2013/03/29(金) 01:52:55.75 ID:2oVZ0izl0
おめでとう!投下待ってます。
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