以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/17(日) 23:07:03.88 ID:VciDs2Po0<>ようこそ、能力者たちの世界へ。
この世界は、数多の能力者たちが住まう世界。

無限大の大きさのこの世界。
多くのことが語られたこの世界だが、まだまだ多くの空白がある。
先人たちの戦い、絆、そして因縁。これらが絡み合い、この世界は混沌としている。
もしかすると、初めて見た貴方はとっつきづらいと思うかも知れない。
――だが、この世界の住人は新しい来訪者にことのほか優しい。
恐れず、以下に示す雑談所や、場合によってはこのスレでも質問をしてみてくれ。
すぐにスレへの溶け込み方を教えてくれるだろう。

【雑談所。質問や現状、雑談などはこちらでどうぞ】
PC【http://jbbs.livedoor.jp/internet/14029/】

【はじめに】
このスレの元ネタはVIPで行われていた邪気眼スレです。
長く続けるに際して、いくつかのルールを設けています。以下にそれを記します。

・この世界は「多様性のある世界」です。
・完全無敵の能力は戦闘の楽しみがなくなり、またスレの雰囲気も壊れますので『禁止』です。 
・弱点などがあると戦闘の駆け引きが楽しめます。
・戦闘では自分の行動結果に対する確定的な描写を避けること。【例:○○に刀で斬り付ける。○○の首が斬れる】など。
・基本の心構えですが、「自分が楽しむのと同じくらい相手が楽しむことも考える」ことが大事です。
・書きこむ前にリロードを。場の状況をしっかり把握するのは生き残る秘訣です。
・描写はできるだけ丁寧に。読ませる楽しみと、しっかりと状況を共有することになります。
・他のキャラクターにも絡んでみると新たな世界が広がるかも。自分の世界を滔々と語ってもついてきてもらえません。
・「コテハン」は禁止の方向で!
・基本的に次スレは>>950が責任を持って立ててください。無理なら他の能力者に代行してもらってください。また、950を超えても次スレが立たない場合は減速を。
・スレチなネタは程々に。
・スレの性質上『煽り文句』や『暴言』が数多く使用されますが過剰な表現は抑えてください。
・基本的に演じるキャラクターはオリキャラで。マンガ・アニメ・ゲームなどのキャラの使用は禁じます。(設定はその限りでない)

【インフレについて】
過去、特に能力に制限を設けていなかったのでインフレが起きました。
下記の事について自重してください。

・国など、大規模を一瞬で破壊できるような能力を使用。
・他の人に断り無しに勝手に絶対神などを名乗る。
・時空を自由に操る能力、道具などを使用する。時空を消し飛ばして敵の攻撃を回避、などが該当します。
・特定の物しか効かないなどの、相手にとって絶対に倒せないような防御を使う。
・あくまで能力者であり、サイヤ人ではありません。【一瞬で相手の後ろに回り込む】などは、それが可能な能力かどうか自分でもう一度確認を。
・全世界に影響を及ぼしたり、一国まるごとに影響が及ぶような大きなイベントは一度雑談所でみんなの意見を聞いてみてください。

勝手に世界を氷河期などにはしないように。

・能力上回避手段が思いついても、たまには空気を読んで攻撃を受けたりするのも大事。
・エロ描写について

 確かに愛を確かめ合う描写は、キャラの関係のあるひとつの結末ではあります。
 なので、全面的な禁止はしていません。
 ですが、ここは不特定多数の人が閲覧する『掲示板』です。そういった行為に対して不快感も持つ人も確実に存在します
 やる前には、本当にキャラにとって必要なことなのか。自分の欲望だけで望んでいないか考えましょう。
 カップル、夫婦など生活の一部として日常的に行う場合には、一緒のベッドに入り、【禁則事項です】だけでも十分事足ります。
 あまり細部まで描写するのはお勧めしません。脳内補完という選択も存在しますよ。

前スレ【http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1362784551/】
wiki【http://www53.atwiki.jp/nrks/】<>【頬を零れてく涙は】能力者スレ【自分を磨きあげた勲章】 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋)<><>2013/03/17(日) 23:10:17.75 ID:bpl4t1FBo<> >>1乙と言わざるを得ない <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage saga<>2013/03/17(日) 23:13:03.57 ID:zZgw9pqd0<> >>1乙ですの! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県)<>sage<>2013/03/17(日) 23:13:25.43 ID:ueMfccAio<> >>1乙や工藤! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>saga<>2013/03/17(日) 23:30:35.59 ID:Sc7aY8ar0<> >>1乙! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方)<>sage<>2013/03/17(日) 23:45:53.09 ID:4cbiSuaoo<> >>1乙にござる! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府)<><>2013/03/17(日) 23:50:04.43 ID:c62oSmmt0<> >>1乙! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>saga sage<>2013/03/18(月) 00:07:47.69 ID:T/0Mvagpo<> >>1乙は止まない <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sagesaga<>2013/03/18(月) 00:13:04.79 ID:Ii8SxWr0o<> >>1乙タマクロー♪(トリビアの泉的なノリで) <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage saga<>2013/03/18(月) 00:13:38.89 ID:AUbngCC60<> >>983

【向けられた刃の煌き、どこまでも流れる血の気持ち悪さ、遠ざかっていく足音、】
【向けられた銃口の冥さ、ぶちまけた頭の中身と、向けた背中と知らない女と、】
【締め上げられた首――きっと痕だって残っている。ただ、これが一番いいと思えたのは、触れられていたからか】
【何度も死んで。そのたびにまた目が覚める。死を望んだことだってあったはずなのに、眼前に吊るされたなら、怖くて――】

……――だって、だれも、わたしのこと、みてくれない

わたしを造ったあのひとは、わたしじゃなくてあのこを見てるの
わたしのこと、はじめて鈴音って見てくれたひとは、別の女のところに行っちゃった
あの鳥だって、わたしのこと、玩具としか思ってないの

――おとうさん、だって、……っ!

【誰も見てくれない自分に価値なんて見出せないと、返した言葉はきっとそんな意味合いで】
【他者に自分の価値を丸投げするのはひどく馬鹿げてるのに、彼女はどこまでも本気、で】

――さびしかったの、ひとりぼっちだったから。
ひとと話したことなんてなかったの、だから、

……――でも、こんな、くるしいなら、

【(やめておけばよかった)と、そんな後悔、意味なんてないのに】

だって、わたしが全部悪いの、知ってるの
悪い子だから、こんなに、――、――悪い、こ、だから、

【薄っぺらな腹部、あれ以降何も食べてないのだろうか、なんて――思わせるぐらい、掛けられる体重に息を詰まらせて】
【ざらざらと顔にかかる紅茶の色――目に入ることを嫌がるよう、微かに瞳を細めたなら、またぽたと涙が流れて】
【いい子になれないと。初めて会ったときにも言っていて――そのときがどうあれ、ほぼ常に自分が一番悪いと思い込む】
【他者に自らの価値を投げたなら、手元に残るのは無価値の自分だけで――】

――ずっと一緒って、助けてあげるって、愛してるって、なんだったの
どうして、……どうして、怜司だって、わたしに、そう、いったのに

【息だってかかる距離、彷徨つく視線は、再び合うことを恐れるようでもあって】
【黒に焼かれた指先が、躊躇いながらもそっとその服の裾を掴もうとする。引けば取れてしまいそうなほどだとしても、】
【体重が分散するよなかたちになったなら、ほんの少しだけ。その息が楽そうなものになって――】
【――それでも。彼女を害すために作られた檻のようなこの場所。これ以上の回復などないに等しく、あるのは、きっと】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2013/03/18(月) 00:14:40.29 ID:WKUDGYLqo<> >>1乙でもあるがぁぁああ! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府)<>sage<>2013/03/18(月) 00:16:26.83 ID:lKih1TB+o<> />>1乙です  <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区)<>sage<>2013/03/18(月) 00:16:50.43 ID:8eYTthCeo<> つまりは>>1乙、そういうことだ <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>saga<>2013/03/18(月) 00:18:05.49 ID:ZW1Mz9TG0<> >>前スレ998

「……フフフフフフ……ソニア、じゃなぁ!?
わしも覚えたぞ、その名前…………! その時を、精々楽しみにしておるぞぉぉぉぉぉ!?
ナァァァァッハッハッハッハッハッハッハッハ!!」

【走り去る少女――――ソニアを見据えながら、呵々大笑する老人】
【――――ブラックハートなどとは比べ物にならない、本物の狂気】
【少なくとも、ブラックハートと関係するところにおいては――――諸悪の根源。そう表現して差し支えないだろう】

「……あぁ、そうじゃ…………お前のおかげで、わしらのプロジェクトが息を吹き返したのは事実じゃよ!?
お前が心の赴くがままに、命を賭けて殺しをやり続けてくれたおかげでのぉ…………!!
感謝するぞい、最高のガラクタよぉぉ……………………!!
もう二度と会えんからこそ、素直な気持ちを……じゃ。ハァァァハハハハハハハァーーーーーー!!」

【高らかにローター音を響かせながら、輸送ヘリもその場を去る】
【機関の敗北――――否、1人の老人の描いた図に当たった、機関員の粛清】
【後に残るものなど、何も無い――――――――】

/了解です。ありがとうございましたー!
/途中、遅くなってしまって申し訳ありません……orz <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2013/03/18(月) 00:19:52.05 ID:0RMLq+jDO<> いちおつ <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(関西・北陸)<>sage<>2013/03/18(月) 00:21:19.61 ID:9BYqzCVAO<> >>986
【問いの間にまた1つ、新たに刃を取り出して、左手の包帯を切り裂く】
【左手甲には半ば開いた眼が見える】

出るだけとは限らないんじゃない?入る可能性は?

"怠惰なる地王"──今日は暴走気味でさ……加減できないかもしれないんだよねぇ

【答える間にバイク、ノーグの後ろへ移り、足で連結部を解除】
【左手を翳し口にするのはその眼の名前】
【いつの間にかフードに残っていた2つの鉄球が彼女の周りに浮いていて】

「地に落ちる?──落ちるのは貴女の方でしょう、 妖 精 さ ん 」

【迎え撃つ為に右腕に力が加わる】
【左眼が見開かれると同時、右腕、肘から先が影のようなオーラを纏って】

"磁力波動・斥力"!!
「喰らいなさい!!」

【二人の叫びはほぼ同時】
【まずはレイジア、鉄球の一つは銃口目掛けて飛ぼうとし、音撃に衝突、衝撃の余波でバイクは左に寄ることになる】
【そして、残る一発は軍用バイクとサイドカーの連結部目掛けて飛んでいく】

【一方ノーグ、長剣を受け止めるつもりで右腕を左肩の辺りから右下へ振り下ろし始めていた】
【しかし、衝撃で左に寄るバイク、そしてイライザのフェイント】
【2つのイレギュラーがを受けて生じるのは一瞬の躊躇い】
【出だしが少し遅れたが、左眼の力により大幅に硬度を増した手刀】
【タックルを止められはしないだろうし改心の当たりとはならないだろうが、そのまま突っ込めばイライザも手刀のダメージを受けるだろう】


【そして、二つの攻撃がどうなろうとサイドカーは後方へ滑っている、という事は確実だ】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/18(月) 00:24:35.45 ID:tJp138G3o<> >>992

ククッ――謙遜はいつでも美徳とは限らんぞ戦士セリーナ!
生憎と舞の教養は持ち合わせておらんが、いいだろう!!

今宵ばかりは存分"舞い踊ろうぞ"!!セリーナ・ザ・"キッド"!!

【突撃の勢いは止まらず、正面より向かい来るバイクと衝突するコースを取る】
【如何に優秀なバイクとは言え――真正面からぶつかり負けるとは思わない】
【しかし突撃の最中、ガガルルはセリーナの行動に疑問を抱いた】

(鉄砲を――撃たんだと?)
(真正面からぶつかり合うなどと愚策を取る戦士ではあるまい)
(ならば、何が狙いで――――!?)

【己の読みでは、セリーナは突撃を"止める"行動を取るものであった】
【しかし弾幕を張り巡らせることも、弱点を狙うこともない】
【一瞬過ぎった"悪い予感"は、次の瞬間"悪い結果"を引き摺りだすこととなった】

なん……だとぉ――――!?

(騎馬を犠牲に!何が狙いだ……!)
(飛び道具としての苦肉の策ならば踏み砕くだけでいい、しかし……)
(……まだ、鉄の馬の"動力"は何であったか――!?)

いかん"フウイヌム"!!これは……――――

【言葉は最後まで続かなかった】
【横転し向かってくるバイク、そして――"バイク"に突き刺さる魔弾】
【それにより発生する"結果"を察するも、対応するには余りにも遅すぎた】

【爆破、炎上】
【ゴブリンの騎兵と純白の騎馬が爆音と迸る炎の中に消える】
【原因の一つは、"フウイヌム"が二度目の急停止に耐えられる脚でなかったこと】
【そしてもう一つ致命的であったのは、セリーナの行動に対する読みの浅さであった】

【ガガルルにとって騎乗する動物は友であり掛けがいのない相棒だ】
【故に"騎馬を捨て撃ち抜く"という戦法に咄嗟に気づくことが出来なかった】
【冷静であれば、前例を見ていればまた結果は違ったであろうが】
【ガガルルの"経験不足"がこの勝負の分かれ目となった】

/続きます <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/18(月) 00:25:01.38 ID:tJp138G3o<> >>992>>17
【数瞬後――炎が割れる】
【原因は、小柄なゴブリンと大きな突撃槍だ】
【全身に傷を火傷を負い、満身創痍になりながらも槍を振るい周囲の炎を払ったのだ】

カッ――ハッ……み、ごと也、戦士セリーナ……!
貴殿の手を読むつもりが……発想の上を行かれるとはな……!

【"フウイウム"の姿は無い。焼けて朽ちてしまったのか】
【騎士ガガルルは、槍を杖のように地面に突き立てながら、ふらふらと立ち上がり】
【セリーナの方へと"笑み"を見せながら】

……貴殿の武勇、判断能力……
……どれを見ても私の見た戦士の中でも、五指に入る……

誇るがいい……貴殿こそは、人間の希望の証に相応しかろうよ……
故に……――!

【ガツン、と突撃槍の柄を地面に叩きつけながら】
【賞賛の言葉と凄絶なまでの笑みを醜い面に浮かばせ……】

……"次"は、貴殿の御首を確かに頂戴する……
私にとって戦士セリーナは、超えねばならぬ壁と認めた……!

我が親愛なる、女王メルルの為に……!
次こそは私達の槍を届かせてみせるぞ……!!


《我が元に馳せ参じよ》――"ブラックアニス"


【……"敗北"を認め、ガガルルは右手に青色の紋章を浮かばせる】
【一瞬眩いばかりの光がガガルルの目の前で起こったと思えば】
【そこにはいつの間にか巨大な影が君臨していた】

【それは翼長6mにもなる漆黒の大カラス】
【額から右目を通るようにして縦に大きな傷跡が刻まれており、紅色の左眼のみで世界を見ている】
【胸と頭部に皮の装甲を纏っており、両肩には小型のバリスタが取り付けられていた】

【"ブラックアニス"は、ガガルルの身体を労わるように背に乗せると】
【大きく羽撃きその場から去っていこうとする】

【撃ち堕とす――それも可能であろうか】
【勝敗は決したが、敵対勢力の一人と考えたならば悪い考えでもない】
【見送ったならば、きっとまたガガルルは組織の前に立ち塞がることになる】
【それを良しとするか否とするか、それはセリーナの判断に任された】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2013/03/18(月) 00:26:51.83 ID:rFABBPrOo<> >>989
ーーーはっ!効いたかよ!自分のもう一つの体が千切られるってのはどんな気分だ!?
…今だライラ!ぶちかませ!俺は気にするなァ!!

【耳元で唸り声を上げたカニバディール、どうやら作戦は成功したようで、ラッシュは強がりの笑みを浮かべながらカニバディールを睨みつける】
【そのまま、ライラが気兼ねなく攻撃を放てる様に叫び声を上げたーーーその瞬間、凄い力で体が持ち上げられる】

…こんの…!…馬鹿力が!

【固定したブレードと、噛み付いた肩口とで体を支え、引き寄せられる】
【ブチブチと肩の肉組織が千切られ、痛みは更に増して行く、これはーーー】

盾にするつもりか!この野郎ッ!

【カニバディールの狙いを読み取った、奴は自分を盾にして、ライラの攻撃を防ぐ気ーーーか】
【だが、ライラの攻撃の威力によるが、人間の体一つじゃ盾にすらならない可能性もーーーいや、違うッ!】

>>996
ーーー馬鹿野郎!テメェ…折角の…

【そうだ、これは何も攻撃を防ぐ為の盾じゃあない、これは相手の良心に訴える盾ッ!】
【ライラが犠牲を良しとする性格ならまだしも、そんな奴は早々いないッ!】

【わかっていた、だからこそこれだけは避けなくてはならなかったのにーーー悪態をつきながら、ラッシュの体から紅い力が湧き上がり、全身を包んだ】
【右目の眼帯の下からは赤黒い炎を燃え上がらせ、力が漲るーーーこれは、ラッシュの能力ーーー!】
【受けた傷やダメージを力に変える、怒りと反撃の能力!】

ーーーう お お お お お お お !!!

【ライラがカニバディールの頭を殴ろうとした瞬間、それに合わせるように、ラッシュも力を込めて】
【右手でカニバディールの首を下から押し付ける様にしながら、自分の肩から無理矢理その牙を外そうとする】
【自身の肩肉がいくら持っていかれようと躊躇せず、次に繋げる為にーーー】

【成功すれば、その動きから素早く右手で、カニバディールに刺さったブレードの柄を掴みながら、右脚を上げるだろう】
【体に纏われる力が渦巻き、挙げた右脚に一点集中してーーーやがてそれは、狼の頭のような形を作る】

ーーー合わせろッ!ライラァァァァァァァッッ!!!

【そして、力を集中した蹴りをカニバディールの腹へと、撃鉄が如く打ち出すッ!】
【無理矢理にブレードを引き抜きッ!カニバディールを蹴り飛ばしッ!そしてッ!ライラの攻撃に続く軌跡を作らんとする攻撃ッ!】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2013/03/18(月) 00:27:08.80 ID:rFABBPrOo<> />>1乙! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(埼玉県)<>!red_res<>2013/03/18(月) 00:27:10.34 ID:oXDdkYBio<> >>987

なぁにぃ〜?まさかっ、『ソレ』を持って帰ろうとか思ってたりするぅ?
フフッ♪別に良いよ。もうソイツは要らないからね、一度『テスト』したかったんだ

この世の全てを地獄にする、その手法……流石のりリアちゃんも、ぶっつけ本番って訳にはいかない
駒の一つであるベイゼ・べケンプフェンの救出、そして其の陽動としてレナールを襲う……
『それっぽい』でしょ?でも本当は逆、私が本当にやりたかったのは『この惨劇』なんだよねぇ♪

【カズネが箱≠手にして遠ざかろうとするのを、半魔――リリアは笑って見ることしかしない】
【強大な人の魔翌力ですら、彼女にすれば使い捨て。一度用を成せばもう要らないと捨てられる】
【その残酷性や圧倒的なまでの自信・プライドの高さ――確かに凄まじいが、六罪王としては、どうか】

【―――嗚呼そうだ、耳を舐めるような甘い音韻を含んだ彼女の言葉は、確りと人面瘡(>>989)に捉えられている】
【果たして、それはカズネの行動も同じ事。魔翌力が杖から溢れる様子も動揺だが―――】

ほぅらニンゲン、肌を焼かれるのはどんな気分?熱くて痛くて声も出ない?
そんな根暗でひ弱な自分がイヤにならないかなぁ……私なら、ゴミみたいな自分の存在に殺意すら覚えるんだケド―――

【そう、リリアは気付いていない。邪悪の詰まった綾津妃という箱に触れてしまった女性に、最早脅威は感じないとでも言わんばかり】
【実際、それはとても褒められたような行為じゃない。心どころか、肉体まで侵食されかねず―――】

>>995

……成る程ねぇ、そういうタイプなんだ♪リリアちゃんもそういうコはキライじゃないよ?
でもさぁ、それって何か意味があるのかな。あんな女を守って、灼熱地獄まで私を追いかけて……
食べてほしいのなら、言ってくれればいいのに―――ふふっ、無駄だよナウファルくん♪

【先ず、青年の放った水の加護はカズネへの更なる熱気の攻撃を防ぐには十分だった】
【ソレがいつまで持つかは術者次第だが―――その一方で、曲刀の攻撃は防がれる】
【女性で、魔術に特化した存在とはいえ半魔。人を超えた存在は、青年の一撃など他愛もないと三叉槍で受け止めたのだ】

【とはいえ、だ。先ほどナウファルが下がる為に刀を押したあの時、彼女は僅かに押し負けていた】
【今だって受け止めたのは両手を使って槍を持っているから。強いとはいえ、全力での争いとなれば話は変わろう】

諦めが悪いのは私もだよ、奇遇だねぇ……?でも、もう諦めたほうがいいんじゃないかなぁ
キミ達はここで死んで私の砕いた障害の一つになる。それはきっと、抵抗しないほうが楽な事実さ

威力重視の魔術使いと、何処の誰とも知れない愚かな青年のコンビ……六罪王を御せると思う?
いい加減に認めちゃいなよ。僕たちは負けたんだ、リリア様に跪いて命乞いをした後に一撃で殺してもらう他に無いんだ――ってさ♪

【―――水。水分が、在る。二人の近く、転がった『殻』――そこにはまだ、赤い水分が残っている】
【ナウファルがソレすらも武器として利用できるのであれば、リリアはまだその能力の全貌には気付いていない】
【つまり、隙。鍔迫り合いにも似た拮抗状態は、上手く半魔の動きを止めていて―――】


>>ALL

【空に浮かんだ魔法陣、その紋章が、雲の合間にて開いていく。見えるのは、向こう側≠セ】
【暗く、赤く、時折雷鳴の光るそこからは、天地が逆さになった状態で何かが降りようとしていた】
【―――塔、だろうか?ゆっくりと雲から降りるそれは、あまりに非現実的な光景で―――。】
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(山形県)<>sage<>2013/03/18(月) 00:28:43.14 ID:8W+7N6hvo<> >>1乙

>>990

「ヒャハハハ、確かにそォこにいるぞ"ミスティラス"はなァ」
「だァがッ!」 「――"霧"を斬り捨てようと、すゥぐに戻る、無ゥ駄だったな!」

【確かに竜はそこに居た、気配もするし何より両腕が"ある"】
【――しかし、それは"姿を見えなくする"というよりは……】 【"霧と一体化"しているッ!】
【故に――確かに縦に斬り裂かれたはずの胴体、しかし手応えは全く"無い"】

>>994

【感覚でしかわからないだろうが――様々な攻撃等は魔翌力依存であり】
【その殆どは――"闇属性の魔翌力"ともう一つ、"鏡の魔翌力"を持っている】

【――どうやらこの煙は、"鏡"でもあるようだ】 【"宵闇と鏡の豪蛇"――名は身体を表す、といったところだろう】
【しかし、大蛇が生成した闇の刃はともかく、敵対するものからの攻撃に対してはその"反応を変える"】
【確かに攻撃は反射したが――同時に、"鏡が割れる"かのような音がし煙が四散、消滅】

【鞘と刃がぶつかり合う、その結果は軌道を逸らすだけにとどまらなかった】
【――煙と同じように、鏡が割れるかのような音がすれば、その闇の刃は砕け散り、そして消滅した】
【どうやら……刃の強度自体は大したことなさそうであり、反射の能力もない】

>>ALL

【根付く針、その速度こそゆっくりだが……放っておけば際限無く成長し腕を蝕む】
【何かしらの方法で破壊すれば、根ごと消滅するだろうか】

【竜の両腕が再び姿を消す、そして気配が移動する先は――】
【柊や瑛月の左側――約3m離れた位置だ】

「薙ぎ払えェェエエーーッ!」

【大蛇から見て左側、2人から見れば右側にある尻尾――長さはおよそ8mだろうか】
【悪魔のその大きな声と共に、それは胴体の捻りと共に勢い良く薙がれたッ!】 【終点は、大蛇の右側】
【大振りとはいえ、通常の蛇よりはるかに長いその尻尾――威力の想像には難くない】

【更に、遠心力の都合により――尻尾より離れた位置にいる者の方が強い力を受ける】
【つまりは――柊の方が、危険だと言う事ッ!】
【逆に言えば、大蛇に限りなく近づけばその被害は格段に抑えられるはずだ】

【先程も述べた通り、大振りな攻撃だ――それ故に、攻撃の到着までのラグもあり、そして見切りやすいだろう】

【竜の気配が薙と共に動いた気がした、しかし――数刻で元の位置にへと戻った】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage saga<>2013/03/18(月) 00:33:35.54 ID:xlgsI9Ob0<> 【寂れた教会――――人が訪れる事の無さそうな外装であっても、中からはよく澄んだ詠唱の紡ぎが聞こえて】
【静寂に包まれるこの一体に流れるそのアリアは何処か神聖的な物とも聞こえるだろうか】
【――――もし、辺りを通りかかった者が居るならば其れはきっと興味を惹くような物で】


「――――――」

【古い扉を開けたならば、銀の髪を持つ修道女が未だ詠唱を続けていて】
【訪問者の存在に気付いたのは、それから少し後の事――――或いは、声を掛けられたその瞬間】
【紡ぐ声を止めれば、銀の双眸が向けられる事か】


「すみません、少し気が緩んでいた様です
それで……ええっと……」

【月は、修道女から見れば丁度扉の位置。目を細めれば、相手の姿を認識出来ずに】
【――――どなたでしょうか?そんな言葉の代わりに、小首を傾げて】
【何かご用でしょうか――――なんて言葉が紡がれるのだろう】

/1乙でありますー <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2013/03/18(月) 00:33:41.22 ID:9GSCmZrGO<> 暇だなだれいないかな
【黒色の和服に腰に刀を刺した結構若い青年が水の国という国の大通りを歩いている】
【人がたくさんいるが青年は和服なのでとても目立っているそのため皆話しかけようとするだろう】
/絡み待ちですよろしくお願いします <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(大阪府)<>sage<>2013/03/18(月) 00:34:17.10 ID:lKih1TB+o<> 前スレ>>1000
(まずい!遂にバレたか)
【慌ててゴーレムの手でガードする…が
レイブ・ラビの服が切れ血が垂れる】
【どうやら完全には防げなかったようだ】
【そして、その時に片手が離れる】
【その時、ゴーレムの形が崩れ始めた】
【腕が崩れ始め、もはや半分無くなってしまった。
また腰にも亀裂が入っている。よく見たらあちこちに亀裂が入り始めた】
【慌ててレイブ・ラビが離れた片手をくっつかせるとゴーレムの
崩れつつある体が崩れなくなった】
【そして地面に着地するすぐさま再生を開始するが
さすがに今度の再生は時間がかかりそうだ】
【そのまま再生する体制に入った。攻撃は無さそうだ】

/ご指摘ありがとうございます。ただ無敵うんぬんに関しては本体が
弱点ということを強調するためにつけたつもりでした。申し訳ないです
気分を害し申し訳ありませんでした <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(大阪府)<>sage<>2013/03/18(月) 00:36:05.04 ID:lKih1TB+o<> >>25
/誤字です
地面に着地するすぐさま再生を→地面に着地すると、すぐさま再生を

すみません <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>saga sage<>2013/03/18(月) 00:36:40.02 ID:T/0Mvagpo<> >>10

……なら、楽にして、差し上げましょうか

【思いの丈をぶつけられて初めて、その淀みきった昏い目が揺らぐ】
【ずっと、決心が付かないでいた。 “こう”してしまえば全て断ち切れるというのに、】
【何時までもずるずる引きずって、居てはならない幸福の中に身を置いた、その罰だというなら】

苦しいのでしょう。 終わらせたいのでしょう。 自分の所為だと言い張りたいのでしょう
ならば“私の所為”で、死ねば良い―― ほら、それなら貴女は、“悪くない”

【惹かれた裾、僅かながらも息をする隙間が出来る程度に、負荷は和らぐ】
【それと合わせて彼自身が前傾する事で、幾らか負担を殺していた】
【けれどそれは彼女を慮ってでも無く――片手に、ひと振りの刀を顕現させた為であった】

――悪いのは、私だ。 私だけで良い

【その刀で何をする気か、彼が何を背負おうとしているのか】
【聡い白蛇ならば、きっと容易く見抜ける。 この男のしようとしている行為の、その愚かさに】
【黒き女の声は無い。 意外な事に、この場にはその気配の欠片さえ無い】
【曲がりなりにも此処が“聖域”である以上――割り込むことは、出来ないようだった】

【一筋、溢れたのは幻覚でも何でもなくて、ただ馬鹿みたいな人の温かさを持つ】
【血液とは違い、何の呪詛もない無色透明は――先程打ち据えたその頬の上に、静かに落ちるだろう】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(長屋)<>saga<>2013/03/18(月) 00:40:41.22 ID:C18LLqR0o<> 前>>999

えっ…あ、う、そそそそれは違うッス!!
ごっ、誤、解ッスうう!!

【女に近づかれると、逃げるように一歩、後ずさる】

あ、あの、成敗っていうのは、その、言葉のあやで…ッス

【がしゃり、と背中の荷物が金属音を奏でる】
【死臭を纏った紅い炎は二人の姿を照らし出し】

かかか、カッコ良いとか言われると困っちゃうッス!
僕はまだ女の子の手も握ったことが無くて……ってそう言う話じゃなかったッス!!

【一歩、後退りをした所で少年の足は止まる】
【この幻想的なな世界の、幻想的な街の、幻想的な路地裏で、幻想的な空間を照らし出す】
【しかし】

す、好きとか嫌いとかは簡単には決められないッス!!
それに僕たちまだ出会ったばかり………ってそう言う話でもなかったッス!!

【漂う悪臭、獣の息遣い、蟲の断末魔、響く足音、近寄る女、伸ばされる手、白い指先】

あ…………

【その全てが現実であると、少年は感じていた】
【恐怖を感じながらも、頭が混乱しながらも───】

……きれい、ッス…

【──少年はその深く蒼い瞳に感動を覚えた】


【少年の、子供のような焦げ茶色の瞳が女の瞳がを見つめ返す】
【女の指が少年の頬に触れ…】

っ…!

【その指の冷たさに少年は少したじろぐ】
【が、抵抗はせずに、命の危険などそっちのけで少年は目の前の女に見入っている】


【女の指が触れ撫ぜる少年の頬は火照り、薄桃色に紅潮している】
【その理由は、炎の熱なのか、それとも───】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(大阪府)<>sage<>2013/03/18(月) 00:40:48.96 ID:lKih1TB+o<> >>25
/補足
片手が離れたと言うのはゴーレムに付けていた
両手のうち片手が離れたということです。説明不足でごめんなさい <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/18(月) 00:43:28.39 ID:UuthToVYo<> >>1乙を開始しよう

>>25

【空中で彼は見た。自分の攻撃を受けた相手が突如として崩れていくのを】
【アルフォンスはその突然の出来事に戸惑いを隠すことはできなかった】
【彼が放った攻撃は先ほどと同じものだ。この結果は全く予想していなかった】

【しかしこの僥倖を手放すほど彼は甘くなかった。重力に従って着地した後、すぐにゴーレムへ駆ける】
【距離を詰めたならばゴーレムの肩に乗ろうと跳躍をする】

/次から気をつけて頂ければ大丈夫ですよ
/無敵どうこうのことも、一緒に本体が弱点だ、という記述を追加しておけばよかったと思います
/あとは描写ですが、もう少し他の方を参考に、表現だとか雰囲気だとかつけられるといいですね
/これはそう簡単にはいかないので、俺もできてないのですが…… <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(埼玉県)<>!red_res<>2013/03/18(月) 00:44:59.26 ID:oXDdkYBio<> >>997

おうよ!アタシは誇り高きケンタウロスと悪魔の『間の子』ってやつだ!
時々ユニコーンかなにかに間違えられるが……ハッ、魔術師がしゃべる犬っころかよ、面白ェ!
テメェらみてーな凸凹コンビが何処まで出来るか、死ぬその時までしっかりと見て―――ぁ?

【はて、と眉が動く。何がおかしいのかというと、それは全てだった】
【あのサイドカーの女性―――ベイゼではなかったのか。いや、そもそも起きていたのか】

【工具で外れるサイドカーと一台のバイク。迫るは本体、自身目掛けて――!】
【ならばキルフェは対向するだけだ――無論、手にした大斧でぶった切るか叩き潰すか】
【―――強烈な音波が襲いかかったのは、両手で持ち上げたその刃が天を向いた時ッ!】

ぐぅッ!?何だこりゃ、頭が……グゥゥゥぅぅっっ……ァ!!!

【様々な音が同時に響いた。剛太郎の声、バイクの急停車によってゴムが道路を焼く音】
【或いはキルフェと激突した音もそうであるし、彼女が四足で踏みこらえて地面が割れた音もそう】

【耳障りな全てが終わった後、そこにいるのは斧を取り落とし、両手を耳にやって――】
【その状態で、腹部に前輪のぶち当たった半魔の姿だった。腹部にも鎧はあったが、今砕け】
【鎧の下は非常に薄い絹布のドレスだったのが分かるが、それもすぐに吐いた血で汚してしまって】

【―――それでも尚、彼女は立ったままだった。ゆっくりと動く両手が、そこに居るはずの相手を掴もうとするだろう】
【が、前も見えていないのか。或いは足掻きなのかその動きは緩慢で、酷く隙が多く見え―――。】
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2013/03/18(月) 00:55:32.39 ID:8eYTthCeo<> >>17-18

【――バシュッ、という小気味の良い音が響き、地面に叩きつけられたアーマーから煙が上がる。】
【全身の関節駆動部から蒸気が上がり、背中についた魔導機関は完全に停止――】
【十数メートルは引きずられただろうか、鎧は彼方此方が砕け、破損し――そこから白い肢体と、赤い液体が漏れ出て。】

(――――う、うぅ・・・っ!!)

――はぁ、は・・・ぁ・・・っ!

【――破けた線維、千切れた鎧の破片が深々と身体の彼方此方に突き刺さるが――なんとか、まだ息はある。】
【アーマーに魔翌力が通っていない以上、もはやそれはただの錘でしかなく――セリーナはそれを背負ってまで動く程の力は持ち合わせていない。】
【そう、つまるところ彼女は本当に、ただの人間――武装こそ強力ではあるが、いつでも、一歩間違えば死んでいるというような】
【そういう鮮烈な戦いばかりを――繰り広げ、そして掻い潜ってきた。】
【アーマーの下部に、横たわった体の下に、再び召還陣が現れ――"ティターン・アーマー"を包むように身体を透過すると】
【装着時とは間逆に彼女の身体を強固な外骨格から開放して――現れたセリーナは、確かに重症を負ってはいた。】

(――どう、なった・・・?ガガ、ルルは・・・)

【対衝撃を謳う強固な鎧ですらも、あの速度からの身投げには中々耐えられず――中身のセリーナに傷を負わせてしまっていた。】
【仮に生身ならば死んでいたところだ――なんとか、"アーマー"のおかげで彼女は一命は取り留めたのだろう。】
【被っていたハーフ・ヘルメットとゴーグル――もう既に壊れていたが――外し、血で上手く見えない視界の果に――見つける。】

(・・・やっぱり、強いや・・・。)

【火炎が裂かれ――槍を構えた"彼女"が姿を現した。その瞬間、セリーナは一瞬死を覚悟する――。】
【暫くすれば衝撃の痛みも、痺れも取れるだろうが――今のままでは銃撃で彼女に立ち向かえるか不鮮明だ。】
【――やられるか、とそう想った矢先――】

・・・ふ、ふふふ・・・オーライ、ガガルル――"次"、ね。
そう、だね・・・っ、く・・・っ!―――アタシも、次は・・・バイクじゃ、なくて・・・え、へへ・・・、

(――馬だと流石に、勝負にならないかな。だって――あんなに真っ直ぐ、強いんだもん。)

―――うん、また――いつでも。

―――"かかって来な"・・・!

【ボロボロの状態でなんとか、立ち上がり――現れたカラスに視線を合わせる。】
【――まだ、痺れは取れない。もう暫く――銃は撃てないだろう。】
【なにより――去っていく背中に弾丸を放とうなど。】

・・・そーゆーの、おねいさん・・・ニガテでね。
ガンマンはガンマンらしく――正面から、今度はぶつかってあげるよ。

【――ガードレールに、寄りかかり――破壊されたサイドカーに載せていた"テンガロン・ハット"を、被る】
【ふぅ――と、息を吐いて。】
【彼女はハイウェイを、歩き出した。】

【――ガガルルという、新たなライバルの出現を残し――UNITED TRIGGER、そのリーダーのチェイスは一旦の終了を見る――。】

/と、こんなところでしょうか・・・!お疲れ様でしたー! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>saga<>2013/03/18(月) 00:58:22.18 ID:0RMLq+jDO<> >>28

【──その瞳は、蒼く、蒼く】
【ただじっと、彼を見つめていた】
【フードから零れ出るのは、ウェーブがかった薄い金髪】
【白い肌。光の加減で紅潮したような頬】
【──まるで、人形みたいな。造りものとも間違うような、造形だった】

【────、────────】
【すぐ近くで。音の鳴らないオルゴールが奏でるかのような】
【そんな。何かを刻むような音が、していた】


【──異常な状況は、時として好意の感情にも影響を与える】
【彼が彼女のことをきれいだと、そう呟いたのは】
【そんな、「つり橋効果」からなのか。あるいは、本心からか】
【彼女には彼の気持ちがどちらに由来するのか分からなかった】
【もしくは──どちらでも、よかったのかもしれない】


────エ、ル


【口にしたのはきっと、彼女自身の名前】
【もしかすると、そう呼んでほしいという、わずかな甘え、なのかもしれない】

【その証拠に──「名前、教えてください」と】
【きっとそっと、彼女は紡ぐのだろう】

【──ひゅう。風が、吹いた】
【雲が、夜空にあった】
【──ひゅう。風が、吹いた】
【月が、静かに、隠れる】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2013/03/18(月) 00:58:41.50 ID:UKClZZBRo<> >>16

【空間を振動させるほどの音波の力で鉄球の一つは弾かれたが、もうひとつへの対応が間に合わない】
【強かに打ち据えられた連結部は、がたがたと厭な音を立て、バイクの速度に合わせて不安な挙動を見せる――】

「フン、その作戦の目的にも関わらず、積荷がどうなっても良いと言うのか。
 ――お前たちは仕事人としては三流以下だな。
 流儀を貫き通すにしても、求められた事ができないならそれまでだと思うが?」

【もう一発受ければ、サイドカーと軍用バイクは泣き別れとなるに違いない】
【いくら丈夫な作りと言え無理やり本体から引き剥がされれば、中身はどうなるか想像に難くない。しかも高速走行中に】
【――ただ、それを積極的に利用しようと考える人間は、この戦場では余り多くなかった】


【探偵は状況を見据える。相手はエンジンがかかりつつあって、長期戦は危険すぎる】
【だがこの状況において、敵を[ピーーー]事は必ずしも求められておらず――ただ、まく事が出来れば良いのだ】
【とは言えイライザが言っていた、「敵を倒すのが最適解」というのは真実だろう】

【サイドカーに気を使って徐行を始める。いずれ機関員とイライザの姿は見えなくなるだろう】
【トンネルの中に入れば音の反響は暴走して、僚友をも巻き込みかねない――ならば、正念場はここだ】

ふざけてるわね、加減するつもりで戦うやつなんかに、絶対に負けないわよ……ぉ。
うっ、ぐ…………おぉぉぉあああぁぁーーーーーー、ッッ!!!!

【その時、イライザの退くことを知らない突撃と、ノーグの手刀が交錯する】
【…………何という油断ならない威力だろう!肩はひしゃげ、衝撃はついに骨にまで及んだ】
【折れた骨が肉をちぎって飛び出すそれは、新世界の医学でも実際向こう暫くは治らない重傷!】

【だが激痛の中でも、やることなんて変わりゃしない】
【イライザはウォークライと共に体ごと%ヒっ込んでいく。軽い少女だが、翅が彼女に味方し、衝撃はきっと大きい】

「それに比べて彼女は、ちゃんとやるべきことをやっている。
 ……ああ、勘違いするなよ。アレはもちろん青臭くて未熟なイライザ・エインセルだが」

【左の手袋を投げ捨て探偵が指を鳴らせば、ノーグ達は、先ほどと同質の歪みを感じるだろう】
【だがその源は、――あろうことか、至近距離のイライザだった】

「――私がここにいるなら、声を絶やさないだけでも十分な仕事でな」

【……、――どうにかしてイライザの口を塞ぐか喉を潰しでもしない限り、暴力的な爆音が襲うはずだ】


【「銃弾」に対応していることから分かるように、この者の音波操作の対象は自身に留まらない】
【肉体に直接の打撃は無いとはいえ。トンネルの外壁が目と鼻の先に迫りバイクの走路が乱されている今】
【激痛や一時的な聴力喪失を、そして判断ミスを齎しかねないその騒音は、致命的になりえるかも知れなかった】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(石川県)<>sage<>2013/03/18(月) 01:00:40.03 ID:8zbUCIZSo<> >>22

―――ッグ……!!

【左腕に奔る痛みは止まらない。じわりじわりと神経に染みこむ其れが、次の一手の思考を遮ろうとする】
【―――まだ左腕が上がるが、心なしか重い。……しかし針を抜くほどの猶予を与えてくれるかは怪しい】

【―――攻めるしか、無い。 腕を根が侵食する前に、この2体のバケモノを葬り去る。……決意は固まった】

―――フン、焦らなければならぬか……急ぐことは嫌いだがな……!!

【同時に響く、悪魔の声。鞭のようにしなる其れの威力はもの凄いことは簡単に予想できる】
【―――何より、同時に2人を攻撃でき……位置を見て八攫の方が危険なことも、瞬時に把握はできた】
【―――彼女が共に戦っていると言う安心感が、判断をスムーズにさせたのかも知れない】

……柊ゥッッッ!! 俺が出来る限り勢いを止める……!! ―――お前が切断しろォォッ!!!

【闘気に満ちた大声を彼女に向かって上げれば、男は身体を前に倒し疾走する。その走りは少しでも勢いの少ない根元で受ける為】
【そして少しばかりか尾の方へと疾走は傾いており―――最後の一歩、左足を大きく踏み出せば、瑛月は刀を握る右腕を大きく引いて剣鋒を尾に向けた】
【彼女はこの構えに、見覚えがあるだろう。―――そう、大会で繰り出した、音速の突き―――「裏・崩山」に似ている……!!】

―――唯刃流……「崩山」ッッ!!

【人体における関節というアブソーバーを全て固定して全体重を乗せることにより、自らの体を同重量の鉄球と化し、さらに助走の勢いが乗る】
【この突きはつまり、彼の体重61kgの鉄球の高速衝突と同じ威力、いやそれ以上。突きの一点集中と、力をフルに伝えた動きが超高威力を実現させるのだ】

【しかしそれでも、切断は不可能。尻尾に深く突き刺さるに過ぎないが―――コレはサポートに過ぎない。狙いは唯一つ……!!】
【八攫へと向かう尻尾の薙ぎ、その威力と速度をできる限り減らすこと。……彼女の刀が、相当な切断能力を持っていることは知っている】
【第1回、2回でも、彼女の刀はよく見てきたから。右腕に伸し掛かる大きな衝撃に骨も軋むが―――大分勢いは殺した】

【彼が彼女に求めるは、尻尾の切断。―――そこから一気に畳み掛け、まずは大蛇を葬る。最も厄介な霧の化け物は、最後に取っておこうと―――!!】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(大阪府)<>sage<>2013/03/18(月) 01:00:52.15 ID:lKih1TB+o<> >>30
【再生をしており、またレイブ・ラビ自身が怪我を追っている状況では
それは防げなかった】
【彼はもはや自分のゴーレムが使えないことを悟った】
【何を隠そう彼のゴーレムは彼自身が両手をつける、もしくは
両手をつけた固体を通じてしか操れないのである】
【そしてこの状況では新たにゴーレムを生み出すことも出来ない】
【悪あがきとして彼はゴーレムから手を離しアルフォンスを両手で触ろうとする】
【レイブ・ラビは無機物を用いゴーレムを作る…それは人体とて例外ではない】
【彼の追い詰められた時の手段として相手の骨を使って
ゴーレムを創りだそうとする技がある。もちろん相手はただでは済まない】
【ただ生きているからか有機物があるからか分からないが
効きが悪く直接触れなければならない】
【それでもこの不利な状況を覆す一手となりうるだろう】
【そして足場のゴーレムが崩れ始める。片手であの様だ。両手を離してしまうと
ゴーレムは急激に崩れる。足、手、胴体といたるところに亀裂が走り崩れ落ちる】
【それでもレイブ・ラビはアルフォンスを掴もうと彼に鬼気迫った顔で近づく】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/18(月) 01:03:27.95 ID:v9D8wRSjo<> >>21

(―――――――わたしの役目は、コイツを守ること連れ出すこと……)

【沈んだ意識はさながら底なし沼のようで這い出すのは難しく】
【折角自由にしてあげようと回路を組み替えて準備までしたのに、このザマ】
【あの淫魔が嘲笑うのも無理はない結局自分は成すべき事も何も出来ずただ飲まれるだけ】

(…………なのに、ああ身体がもう……沈、む)

【汚泥に塗れて、堕ちて】
【自分という人格も塗り潰されてそれはいっそ心地よくもあって】
【でも間際、ふと過る顔湧き上がる想いは……】

(ごめ……セリ……ナ……、母さん……っ!)
(アタシはっ……いやだ……っ―――――)

【ただ謝るのみ、せめて指先だけでも動いたならば回路を紡いで杖の魔翌力を流せるだろうに】
【満たされる紫はしかし流れる経路がなければどうしようもなく辺りにばらまかれるだけ】

【そう、あとは暗転して終わり――――――――目覚める】


【かちん、と音が鳴れば回路は繋がり紫の血流は標を得て動き出す】
【操る者のいない杖、だけど傍らに在るのは淡い人の姿】
【霧のようなそれはカズネの頬を撫でて、微笑むように直ぐ消える】

【潮流にも等しい流れは汚染を押しとどめるに足るだろう】
【ならば沈みかけていたカズネの意識を拾い上げ作り直し、目覚めさせる】

――――――ここでなんて、終わってやらない!!

【魔翌力は衝撃となって辺りを揺らす、杖とカズネを中心に広がる魔法陣は夜天のように深く濃く紫に輝く】
【立ち上がるカズネのその瞳は「紫」に杖という存在により近く、魔翌力を引き出すに都合の良い存在へと変わって】
【腕の回路は、その刻印は身体に張り巡らされて顔の右半分にも痛々しく刻まれて拍動する】

タービン……セット!三式直列接続、回転……トップ

【紫電を纏う回路は杖が創りだしたモノ】
【それを操るはカズネに他ならず、直列に重ねられたそれは高鳴る心音の速さと等しく激しく回る】
【充填される魔翌力の量は人の器を超えつつある、或いは魔に属するリリアならばその濃密な存在感に気がつくだろう】

【霧を押し返すような紫の奔流と、そちらを向いている瞳そして……砲台が】

<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(関西地方)<>sage<>2013/03/18(月) 01:03:50.81 ID:csqI0h59o<> >>996
ク……クハハハッ!!!
甘いな、ライラ!! たったこれだけで、お得意の魔法は不発かね!?

【ライラの動揺を、目ざとく感じ取る。盾の効果は、予想以上だ。相手が、『正義』の志持つからこそ、通用する盾】
【光り輝くブレスレットも、こうなっては脅威には感じない。怒りに叫んで突進してくる、ライラを認めてもそれは同様だ】

(クク……そんなに焦った攻撃では、まるわかりだ。今度こそ、『人面瘡』でその首を刈り取って……!?)

【余裕すら戻り始めた、カニバディールの思考。しかし、次の瞬間――】

>>19
……!? 貴様ァ!! 正気か!?

【ラッシュから湧き上がる、紅い力。情報収集の一環として、鑑賞していた、あの大会。ラッシュの試合の最後が思い起こされる】
【最後まで切り札を切ることなく、絶好のタイミングで発動された、あの能力。すさまじい威力を秘めた、赤の一撃――!!】

【カニバディールの牙などで、抑えられるものではなかった。肩肉を引きちぎる感触とともに、ラッシュの身体が拘束から解き放たれる!!】
【迷いなき覚悟……その力の前では、この大男の肉など、無力だ】

>>ALL

【――そこからの記憶は、列車占拠のとき以上の鮮烈さを持って、カニバディールの脳裏に刻み込まれることとなる】
【肉から引き抜かれるブレードの感触、それを認識した途端――ラッシュの力が、気高き狼が、肉のバケモノを吹き飛ばした】

がはッ!!!

【腹部を撃ちぬく、最大級の威力の蹴り!! とっさに腹部の肉を膨張させてガードを試みるも、そんなものでは止まらない】
【カニバディールの巨体が、ラッシュから離れる。その口から、鮮血が吐き出される。内臓を損傷したのか】

【続く、ライラの一閃。横から迫る、杖。怒りをもって放たれた、先ほどにも一撃にも劣らぬそれは】
【カニバディールの頭部を、砕かんばかりに打ち抜いた】

…………!!!!!

【もはや、悲鳴にもならぬ悲鳴を上げて――カニバディールの身体が吹き飛び、崩れ落ちる】
【二人の戦士の、見事な連携攻撃。もはや、勝負はついた。後は、このバケモノにとどめを刺せば終わる――】


『まぁた、こっぴどくやられたもんだなぁ、おい。しかも、片方は前にも煮え湯飲まされた相手じゃねえかよ』
「言ってやるな。あれほどの使い手を二人も向こうに回しては、無理もあるまい」

【突如として、その場に響く声。軽薄さと粗暴さを漂わせる声と、粘着質な冷酷さを匂わせる声。ここにいる三人の、誰でもない声】
【声の主は、倒れ伏すカニバディールの横にたたずんでいた。いつの間に現れたのか。それは、カニバディールにも劣らぬ、異様な姿だった】

【声は二人分、しかし、そこにある胴体は一人――そう、彼らは一つの肉体を共有しているのだ】
【スーツを着た胴体に、二つの頭と四本の腕。向かって右側の頭は、病的に青白い肌にほっそりとした顔つき。落ちくぼんだ目に白濁した瞳。長い白髪を後ろで一つに束ねている】
【向かって左側の頭は、浅黒い肌に顎の突き出たがっしりとした顔つき。つり上がった目に、爛々と光る黒い瞳。短い黒髪をボサボサに乱している】
【その胴体を包むスーツは、中央から向かって右が白、左が黒にカラーリングされており、ネクタイや革靴も同じようにカラーリングされている】
【両胸のポケットには、それぞれ逆側の色の糸で、No.50と刺繍されていた】

オーギュスト……ギュスターヴ……は……言ってくれるじゃあないか……
『そのざま見ちゃあ、言いたくもなるだろ。立てるだろうなおい? てめぇの図体抱えて逃げるほどの力は、俺らにゃあねえぞ』
心配するな……そのくらいの体力は残っているとも……

【現れた異形は、胸のナンバーと、その会話を見ても察しがつくだろう。悪名高きナンバーズ。その一人……いや、二人】
【双子は、ギロリ、とラッシュとライラをねめつけた】

「相棒が世話になったな……この場はこちらの負けだ。尻尾を巻いて逃げさせていただくとしよう」
『こいつの借りは、いずれ返すぜ……!!』

【ふらつきつつ、立ち上がるカニバディールに、双子が肩を貸す。と、同時、脇の下あたりから伸びる浅黒い腕が、振るわれる】
【そこから発生するのは、小型の砂嵐だ。双子の能力であることは、察しがつくだろう。砂嵐は攻撃翌力は皆無だが、目くらましいは十分な効果を発揮するはずだ】

……言ったろう、ライラ。私は、しぶといんだ……

【砂嵐にまぎれて、三人の異形の姿が濃霧の中へと消えていく。ここから、追うのは難しいか――】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/18(月) 01:07:51.72 ID:tJp138G3o<> >>32

【追撃はないものかと、"ブラックアニス"は鋭い視線でセリーナを睨んでいたが】
【距離が遠ざかりどうやら危機を脱したものと判断すると】
【隻眼を緩めて背に載るガガルルへと意識をやった】

……む、いや、大丈夫だ……
しかし……世界は広い……聞きしに勝る猛将であったわ……

クク――……"その為に"カノッサの騎士などと名乗っているわけではないが
やはり、まだ強く気高き戦士との戦いは……心躍らずにはいられぬよ

……"ブラックアニス"
心優しい貴殿には判りかねるやもしれんが……

【ガガルルは、痙攣する腕で黒い羽を撫でながら】
【静かな語調で大鴉に語りかける】
【"モンスターテイマー"】
【動物や魔物と心を通わせ、意識の共有や転送、召喚を可能とする異能力】
【誰にも届かぬ大鴉の、呆れたような意志を読み取ったガガルルは苦笑混じりに言葉を紡いだ】

ともあれ、この怪我では活動も出来まいよ……安静にしているさ
"フウイヌム"の怪我も癒さねばならんしな

しかし"鉄の馬"、あれは興味深いものだったな……使えるやもしれん……
また何か策に修正を加える必要が……ありそうだ……

【今宵の"死合い"を思い返しながら】
【大鴉に乗った異形の騎士は、夜空の闇へと消えていった】

/お疲れ様でしたー! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage saga<>2013/03/18(月) 01:16:23.59 ID:UuthToVYo<> >>36

【肩に取りついたアルフォンスはラビに尚も何かを伝えるために立ち止まった】
【能力者であろうが実力があることに変わりはない。その人物を殺すのは彼の目的とは全く関係性のない行動だ】
【むしろ彼にとってラビは“真実を知るべき人間”だった。力のある者はそれだけで貴重なのだから】


さて、もうそろそろ────ッ!?


【彼は何かを言おうとしたが言い終わることはできなかった。足元の振動によってそれは遮られた】
【足元に目をやれば、足場となっていたゴーレムが崩れ落ちようとしていた。彼の意識はそのことに囚われた】
【それが致命傷となった。意識を術者へ戻せば、相手が不可解な行動を取ろうとしているのを彼は知った】

【避けるには瞬時の判断が必要だった。しかし今まで使った空気圧による跳躍は溜めがあり、その一瞬を使い果たしてしまう】
【その事実が彼の判断をより遅らせた。刹那の空白は彼の実戦経験の薄さが埋めてしまった】
【そして目の前には不可避の──そして謎の──攻撃が迫り来た。それを防ぐ術は今の彼にはなかった──】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage saga<>2013/03/18(月) 01:19:19.62 ID:AUbngCC60<> >>27

【しっとりと濡れた頬と、水玉を抱いたままの睫毛と。ぐすぐす揺れる吐息は、いつもの泣き虫と同じで、】
【それでいて今までみたいに抱きつこうとしないこと、それだけがこの場における差異、だろうか】
【びっくりしたような瞳が一度まぁるくなって、彼を見上げたなら――ふ、と。浮かべた表情は、気のせいでもなんでもない】

…………。

【じっと据える視線は、今度は彼の瞳を見つめようとして。ほんの微かでも浮かべているのが笑顔なら、どう思われるのか】
【黒衣の裾を指だけでなく手でぎゅっと握ったなら。少しだけ言葉を手繰るような間が空いて――】

ぎゅって、してくれる?
わたしの名前、呼んでくれる?
今だけでいいの、愛してるってふり、してくれる?

【ぺた、と。握った手を解いて服越しにその身体に触れてみようとするのはかすかな力で、きっと蚊ですら潰せないほど】
【それだとしても。それが大事だという風に――そっと、首を傾げて】
【連ねていくのは、それだけならたいしたことでもないようなことばかり。――そうしたなら、いいよ、と言うかのよう】

……――もう、ひとりぼっちはいやなの。 だから――わたしといっしょに、死んで

【――零す笑い声はひどく乾いた音色で響いて。最後のお願いばかりは、どうも重荷が過ぎる】

【劈くような無数の視線が喜ぶように笑んだ――ような、そんな気がした】
【意図的にその術式を解いたこと、この場を彼女にとって不都合で構築しなおしたこと、あの白い少女】
【白蛇の抱いていた計画は九十年近い繰上げがあったにも関わらず既にほぼ完成していて、していたなら、】
【最後の障害。中途半端に約束なんてしたせいで生かさざるを得なかった、この少女の存在】
【(勝手に死ぬのを待っていたから。殺してくれる人が居るというなら――もう、それは、それは)】

――どうして、ないてる、の

【ぱた、と。頬ではじけた雫の意味、手繰ってもよく分からなかったなら――伸ばしてみるのは、左の手】
【なんにもない空っぽで、届くなら、その痕をそうっと指で追ってみようとして】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2013/03/18(月) 01:21:40.24 ID:WKUDGYLqo<> >>21>>37

トモダチの為に身体を張るなンて、かっこいいじゃないか
そんなコを捨て置くヨうなコトは出来ない……ネ!

【軽口は、気を逸らすためと考えを悟られぬようにするため】
【彼の持つ水を操る力は、本来彼らの民族の崇める神より借り受けた力であり】
【水の内に、聖なる力もほんの少しばかり僅かに孕み――そして、今その影響を受けて性質を聖へと変えゆく“緋”がある】

悪いがお前が誰デあろうと、認めらレないな!

【手首の捻りと共に、曲刀と三叉槍の接地面が変わり丸みを帯びた刃の中で滑る】
【相手と己との狭い空間の中で、曲刀はその向きを変えて切っ先を真横から相手の身へと首を擡げ】
【裂帛の気合と共に、体ごと押し込むように一歩相手に向かって木靴を踏み入れた】

《牙(ナーブ)》ッ――!

【それは最初にしたように、曲刀に水の刃を被せて強化する使い方】
【けれども今度はその“量”が違う、大気の中の水のみならず直接水を使役して使用するそれは】
【刃の長さも幅も、先とは比べ物にはならない】
【とどのつまり、曲刀は急激にその間合いを増加させるという、通常ありえぬ事態を引き起こす】

【そして2mを少々超える上背は、相手の視界を己の図体で覆い隠し】
【“彼女”の用意が終わるまで、目の前の相手を打ち倒す準備が出来るまでの、隠れ蓑となり得るか】
【霧に埋もれた空に見える、コチラではないアチラの世界】
【それに構う事は出来ない、理解するには魔への知識も足らず、それほどの余裕も残念ながら今は無い】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(長屋)<><>2013/03/18(月) 01:21:50.07 ID:C18LLqR0o<> >>33
【少年の瞳からは、混乱が見て取れる】
【それ以外の感情は、瞳からは確認できない】

エ、エル…ッスか

【その視線は、エルの瞳に釘付けになったまま、動くことは無い】
【─美しい、ただ、そう思った】
【それだけなのに、目が離せない】


【彼の左手が、エルの手に触れようと持ち上がり、しかし目的地を見失ったように宙を彷徨い、また元の位置へと戻る】
【肩関節、肘関節、手首、指、全ての稼働部から小さく、本当に小さく、モーター音がする】
【その音が、その行動が意味しているものとは──】

僕は、ノエル……ッス
少し…似てるッスね、音の響きが

【瞳からは混乱が覗けるが、その声は、落ち着きを取り戻しつつあった】


【風が、二人を撫ぜる】
【ノエルの自己主張の激しいツンツンとした赤茶色の髪が、風に揺れる】

………エル

【意味も無く、そう声に出してみる】
【そこに深い考えはなかった、ただ、呼んでみたかっただけだった】


【どきん】


【心臓の鼓動が少し早まった───気がした】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(大阪府)<>sage<>2013/03/18(月) 01:26:32.79 ID:lKih1TB+o<> >>40
【レイブ・ラビの両手が相手に触れる。
千載一遇のそのチャンスをレイブ・ラビは逃さなかった】
【彼はそのまま能力を発動した。骨が軋み、関節が悲鳴を上げる】
【それが全身に起こる…見た目では分からないが中は
この周りみたいに地獄絵図になっているだろう】
【しばらくした後レイブ・ラビは攻撃をやめる】
【そして切羽詰まった顔でアルフォンスを見た】

/確定ロールしてしまいましたがよろしかったでしょうか?
ダメなら上の文は取り消します <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/18(月) 01:28:52.51 ID:UuthToVYo<> >>44
/あ、すいません、それもしかして食らったら死亡ですか?
/もしそうだと、キャラロスはちょっとしんどいですね…… <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sagesaga<>2013/03/18(月) 01:28:55.94 ID:Ii8SxWr0o<> >>19>>38

(すまねぇ、ラッシュ。俺には、仲間共々攻撃なんて、無理なんだよ……!)

【ラッシュの怒声が聞こえる。確かに、このカノッサ機関を相手にするのなら、犠牲の1人や2人、付き物かもしれない】
【だけど、ライラには出来なかった。もう魔法の掛け合わせ数は3。使えば勝負を決められるだろうそれを。先ほど出会ったばかりの仲間でも】
【結果的に、ライラから魔法は出なかった。そのまま、怒りと後悔と、何かが混ざったような感情のまま、突っ込む】


【失敗に思えたこの攻撃。だが、ライラは1つ、見落としていた部分があった】
【剣と銃を持つラッシュ。―――だが、彼は本当にそれだけの人間なのだろうか。それだけ持って、カノッサに挑もうとしているのだろうか?】
【そうだ。此処は能力者の世界。ならば、ラッシュも――――――】


【一度緩んだ杖を握る力を握りなおした。ラッシュの能力だろうか、ラッシュが身に纏うオーラは、ライラに多くを教えなかった】
【だが、今目の前で起きていることを見るならば―――あの『紅』が、ラッシュに力をもたらしていることは明白だった】



  オ  ラ  ア  ア  ア  ア  ア  ア  あ  あ  あ  あ  あ  あ  あ  あ  !  !  !  !



【渾身の殴打は、ラッシュの蹴りによって大きく体力を削られたカニバディールを吹き飛ばすには十分だったようで】
【あとは、この魔法で。白以外の最後の1色、黄色のブレスレットが光りだした。戦闘の終わりを告げるには十分すぎる魔法が放てる―――そう思った】

【ソイツら≠ェ現れるまでは】


――――……ッ!!  待ちやがれ、クソ……ッ!! 


【1つの体を2つの首が共有する。そんなこの街の異形とも劣ることの無い異様な光景に、しばし目を奪われる】
【分かったのは、こいつ等が「オーギュスト」と「ギュスターブ」という名前であること、カニバディールと知り合いであること】
【そして――――噂に聞くカノッサ機関の上位メンバー、ナンバーズの50を冠していること!】

【砂嵐から目を防ぎながら3人を追う―――そんな芸当が、今のライラに出来るはずも無く】
【また見失ってしまった。カニバディールを、そして新しく目の前に現れた機関員、それも、ナンバーズも】

【別れ際のカニバディールの言葉が脳裏に何度も反射する―――「……言ったろう、ライラ。私は、しぶといんだ……」】

【今のライラには、見逃してしまった悔いを自らの頭の中で弄ぶしか、することが無かった】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(大阪府)<>sage<>2013/03/18(月) 01:30:56.33 ID:lKih1TB+o<> >>45
/大丈夫です。ちょっと体中が痛くなって気絶する程度です。
今晩寝れなくなる程度です <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2013/03/18(月) 01:33:44.33 ID:Emv0B/FNo<> >>31

【緊急加速装置まで使っての轢き逃げアタック、見事腹部に命中した】
【確かな手ごたえがあった。ケンタウロスが一体どれほどの耐久力を持っているかは知らないが】
【少なくとも再起不能を狙えるくらいの一撃であったと彼は確信していたが】

【それでも最後のあがきとばかりに伸びるキルフェの両手に、剛太郎が胸倉を掴まれた―――!】


――ぐっ!悪魔のハーフ?そいつと相棒とは……ガイストって奴もそうなのか?
カノッサの連中どんどん得体のしれない奴を味方にしているな……少なくともお前らは
ノビタをやりやがった連中とは無関係みたいだけど

『剛の字!早く離れい!カーチェイスという特殊な戦闘状況が味方したものの
敵はお前よりも格上!『アレ』のチューニングが完了していない今サシでやるのは不利じゃあ!』


【悪魔とケンタウロスのハーフ、一体どれほどの力かすでに見せてもらっていた】
【かつて戦った鬼といい、この世界に生きる人以上の力を持つ魔物たちのパワーは以前よりずっと体感している】
【ムクの技術があって初めて互角の相手、先ほどまでならともかく、至近距離の掴み合いでは不利!】

【だがそれでも、この至近距離で勝負を挑まれたのなら、逃げる状況でないならば剛太郎はそれを『是』としない】
【こちらも負けじと手を伸ばそうとしながら彼は言う】


お前のダチが何を狙っているかは知らない、ダチのために戦うおまえも立派な奴なんだろうが
……何であろうとカノッサには負けないぞ、"旧遺物"は渡さない、絶対に止めてみせる

ガイストに伝えておけ!おまえたちを止めてやる!UNITED TRIGGERと……俺達でッ!


【"旧遺物"を狙っているならば当然自分の弟分が火山で手に入れた物もいずれ狙われるだろう】
【当然彼の身にも危害が及ぶ、ならばこのキルフェとガイストの魔の手を全身全霊で叩きのめして止めるしかない】
【これで何を狙っているかは知らないが当然悪巧みに屈するつもりはない】

【これから放つのは剛太郎の身一つでの一撃、一体どれほどの効果はあるかは分からない】
【それでも彼はキルフェの両肩目がけて手を伸ばした――もし捕まえたのならば】


くらえッ!葉隠流 奥義 『威 風 凛 々』!!


【至近距離で組合いになった時に使用する葉隠流の奥義!】
【思い切り引き寄せてキルフェの額目がけてその頭部を勢いよく叩きつけるだろう!】
【だがすでに胸倉をつかまれている、攻撃の前に投げ飛ばせば回避は出来なくはない――!】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>saga sage<>2013/03/18(月) 01:41:44.96 ID:T/0Mvagpo<> >>41

【ぱたぱた落ち行くそれは、きっと酷く情けないのだろう】
【全て捧げた人がいる。 それを裏切ってまで手を伸ばしたのは、それだけは嘘じゃない】
【辿る指先を無下にすることは無く、ただ、少しだけ背を震わせた】

【――手にした刀が、其処から離れてふわりと浮き上がる】
【黄緑の燐光に包まれたそれは、男の真上、その背に向け鋒を下ろしていた】
【そのまま落下すれば、きっと、二人の心臓を綺麗に貫ける程に――粘らかに、尖って】

【鋭利な刃の鋒を、不抜けた自分の顔を、見られないように】
【空いた両手で彼女を抱き竦めようとし、叶うならばその黒髪をそっと撫ぜるのだろう】

【これも、今から言う言葉も、演技であると】
【最期まで、そう己に言い聞かせるには、余りにも、稚拙で】
【あの女は、この場にいない。 “だからこそ” 】

……こんなに愛したのは、君だけだよ、鈴音

【刀が、重力に従い――風を切って、二人へ】

【外部要因が無い限り、彼女を抱き竦めようとしてしまっている限り】
【きっと彼女にも、そしてこの男にも――平等に、刃は避けようが無い】
【それが彼女を害してしまうとして、まず先にこの男を殺すのは、確実であった】

【――誰かが、もし、救いをくれたとしても】
【誓いを確かに破棄したこの男に待ち受けるものは、どうせ変わらない】

【“虚無”――跡形も残らない、ただそれだけが、彼を待っていた】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(関西・北陸)<>sage<>2013/03/18(月) 01:41:52.72 ID:9BYqzCVAO<> >>34
牽引する力が無くなればその時点で私の物、能力の対象になる
今の私ならそれくらい動かせる……!

【どこか自信を感じさせるその声】
【その言葉にはきっと、嘘はなくて】

「くっ……!大した勢いですねえ!」
「こうなったら……レイジア!」

【下手に手刀が決まってしまったせいか、ノーグは右手が巻き込まれたような状況】
【実際に触れている部分は硬化していても、肘や肩の関節は悲鳴をあげる】
【「このままではまずい」その考えから弾き出した答え、それは】

「速く降りなさい!」

【言うと同時、ノーグは突進の勢いの方向へ、レイジアは後方へと離脱】
【操縦者を失ったバイクは暫く進んで倒れるだろう】

──っと!さあ、No.3は返してもらうよ

【レイジアは勢いのまま転がり出て、サイドカーに飛び乗ろうとするだろう】
【その姿は無防備──にも見えるが零れ落ちた刃が彼女の周囲を舞っていることには注意した方がいい】
【飛び乗ることが成ったなら刃が止めとばかりに連結部を攻撃】
【失敗したなら刃はせめて手傷を、とアダレードを襲うだろう】

【そしてどちらになろうと移動する足を失ったレイジアの追撃はないと見ていい】

「ぐっ……!」
「何を企んでいるか知りませんが……煩いんですよッ!!」

【トンネル内、壁に衝突したノーグが漏らす呻きも、イライザの叫びに掻き消され】
【しかし、自由になった左手が彼女の頭を鷲掴みにする!】
【そして音撃が生じる直前、左手の腕力と右足の蹴りで彼女を反対側の壁へ投げ飛ばそうとするだろう】

【そしてこの行動の成否に関わらず音撃の反響はノーグを襲い、ノーグは撤退を選ぶ他なくなるだろう】


「ぐはっ──!こ、これ以上は厳しいですね……」
「妖精の眼球なんて珍品、コレクションに加えたいのですが……次にお預けとしましょう」
「レイジア!帰りますよ!」


【二人の襲撃者は元来た方へ撤退し、トンネル内に残るのは重傷のイライザと白のバイクだけ、か───】



/こ、こんなもんでしょうか……
/ベイゼ氏に関してはイライザの方と主催の方にお任せしますー
/お疲れ様でしたー <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(埼玉県)<>!red_res<>2013/03/18(月) 01:43:30.09 ID:oXDdkYBio<> >>37

キミもシツコイよねぇ……ニンゲンって、みんなが皆そうだから嫌になっちゃう
素直に私の下について、文字通りに下僕か配下になっていればいいのにさ

……機関員も引っ括めて、ホント人間って馬鹿ばっかり。うんざりだよカズネちゃん
月彗もそう、セシルもそう、セリーナもキミもナウファルも、シェン・ロンドだってそう
全員とっとと[ピーーー]ばいいのにさぁ……なんで私に歯向かおうとするのかな?ねぇ、なんで?

生き物として、力量も知性も肉体も全部貧弱でボロクズみたいな人類が……
悪魔と淫魔という2つの純粋種を掛けあわせた私に、本気で勝てるとか思っちゃう理屈は何さ?

【ぎろりと、どれが明確な瞳孔のラインかもわからない多重円の瞳がカズネを見た】
【魔術の変革に気付いたのか。それとも彼女の言葉が癇にでも触ったのか】
【すぐさまにでも、手の内の三叉槍を彼女に向けて終いの一撃を叩きこもうと思ったが―――】

>>42

――――あぁそうだよテメェも邪魔だ。うだうだ言ってないで 死 ね、人間。

【瞳の色が赤と黒に大別された。甘ったるい声も、今や冷えた水飴のごとく硬くなっていて】
【しかしその態度とは裏腹に、ぐいと攻めこまれれば肉付きの良い下半身は一歩後ろに押し下げられ】
【ヒールが血だか魔法陣だかを踏む音に、熱い吐息のような声が混じった】

【曲刀の、水で出来た刃がジュウ≠ニいう音を上げながらリリアの腹部を貫いた】
【切るというより、刺す――伸びた水の刀身は、その綺麗な肌をさくりと射止めていたのである】

【ただ――果たしてそれが人の身であったならともかく、血液までもがマグマとは誰しも思うまい】
【傷口は刃との温度差によって血ではなく石の黒に染まり、曲刀を飲み込み、捉えようとして】
【それが叶おうがかなうまいが、リリアは三叉槍―――『レーヴァテイン=xと囁いて、青年の身を穿とうとするだろう】
【その槍は熱く、傷口を焼き止めると言うよりも溶かしていく。受ければ、想像を絶する痛みが待っていて】


>>ALL

【そんなやり取りが有るがために、リリアは此処に至って動けない。カズネの魔砲を止めることが出来ず】
【また避けようともしないのは―――何か絶対的な自信があるからなのだろうか】
【いや、もしかしたら気付けるかもしれない。ナウファルがリリアの身を斬って、こぼれたのは血ではなかった】

【すなわち――いや。今は、やれることをただこなすのが正解なのだろう】
【それが相手を[ピーーー]一歩で無くとも、動きを止めることは出来るかもしれない】
【陽動という彼女の罠から、安全無事に逃れるための一策として。綾津妃という存在を取り替えず一歩として】

【そして何より、次の手を打つための一歩として。カズネの一撃は、リリアを捉えるには十分な時間と場所を確保していて――――】


【――塔≠ヘ、三者の天を埋め尽くさんばかりの巨大さへと変貌を見せていた】
【その表面は脆い石造りで、時折瓦礫も落ちてくる。とはいっても、未だ何が起こるかは分かっていなくて。】
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2013/03/18(月) 01:44:53.15 ID:0RMLq+jDO<> >>43

【冷たい手。硝子のような目】
【化粧を施さずとも仄かに色のある頬】

【冷たい手。絹糸のような髪】
【まるで造りもののような造形】

【──きぃ、きぃ】
【鼓動に合わせ、奏でられるのは──】


……ノエル。

────ノエル、さん


【2回だけ、名前を呼んだ】
【そっとそっと、名前を呼んだ】

【彼女は、笑っていた】
【嬉しそうに。哀しそうに】
【幸せそうに。苦しそうに】

【──確かに彼女は、笑っていた】
【人間のように。様々な感情をごちゃまぜにして】
【確かに彼女は、笑っていた】


──似てます、ね。
ノエル、さん──あ、の……


【そして彼女は、少しばかり躊躇うように、言葉を紡いでから】
【そう、と。もっともっと、距離を近づけようと】
【──唇を、そっと、彼へと、向け、て】


【────────リリリリリリリ…………】


【突如、電話が鳴った】
【音源は彼女から。恐らくは、携帯電話、だろうか】

【着信音を聞けば、彼女はすぐさま彼から2、3歩離れ】
【携帯を取り出して、電話の相手と数言ほどの会話を交わすはずだ】
【──仕事の電話、だろうか】

【通話が終わったのならば、彼女は──彼へと近づくことなく】
【ただただ、少しばかり寂しげに微笑んで】


……もう、行かなきゃいけないみたい、です
あの──

──また、会えますよね?


【紡ぐのは、きっと】
【次の出会いを、期待する、言葉】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2013/03/18(月) 01:48:01.82 ID:rFABBPrOo<> >>38
ーーーッ……はぁ…はぁ……くそ…いてぇ……!
…参ったかよ、バケモノ…!

【ーーー正気ではないーーー食人鬼ですら、思わず叫んだその行動、その代償は余りにも大きい】
【皮は大きく破れ、肉は抉れ、激痛が襲うーーー骨が見える肩に、力はもう入らず、右腕はだらりと垂れ下がって】
【紅い力を使い果たしたラッシュの体は元通りの黒々しさに、自身の血肉の赤が足されている】

…大人しくしてろよ…!もうこれ以上はーーー

【倒れるカニバディール、立っているのがやっとの自分ーーーこちらはライラもいるが、流石にこれ以上の戦闘は難しい】
【立ち上がったりする前にとどめをーーーと、上げた左手が、ピタリと止まる】

…おいおいおいーーーいつからこの街はお化け屋敷になったんだよ…!
気味悪ぃってレベルじゃねぇぞ…!

【そこに現れた異形に、改めて銃口を向けるーーーが、その異常な姿に、原初的な嫌悪感を感じずにはいられない】
【まるでよくあるホラー映画の怪物みたいなーーー奇妙だが近しい、だがあり得ない姿形】

くそ!逃がすかーーーんのっ!?

【双子の異様な姿に心を奪われている隙に、カニバディールがその巨体を立ち上がらせる】
【逃がしてなるものか、と引鉄に力を込めた瞬間に湧き上がる砂嵐ーーー攻撃を中断し、左腕で目を覆う】
【ーーーそれが晴れた後には、二人ーーーいや、三人≠フ姿は無くなっていた】

>>46
ーーーチッ……逃がしたか…

【舌打ち、後、銃をホルダーに納め、動かない右腕に代わって左手でブレードをホルダーにしまう】
【馬鹿みたいに肩から血が流れているーーー『ああ、これヤバイ奴だ』と、今更ながら自分の無茶を内心呪った】
【だが、ラッシュはそれを表情に出さず、ライラに歩み寄って】

…お前よ…どうしてあの時攻撃しなかった、俺に構わず攻撃してりゃ、今頃あいつを逃がすまでもなく木っ端微塵だったかもしれねぇのによーーー

【口にするのは、自分が盾にされた時のライラの判断ーーー『何故躊躇した』と攻めるようにーーー】

ーーーま、とはいくらでも言えるが、出来る訳ねぇよな普通
…お前は正しい判断をしたよ、お陰で俺もあんな奴と道連れにならねぇで済んだ

【だが、続く言葉はライラを肯定し、称賛するようであって、ニヤリと笑ってライラを見る】
【盾にされた人間に構わず攻撃出来れば、戦士としては一流だが、人としては三流だーーーライラの判断は、確かに人として正しい物だった】

さーて、終わった事を悔やんでても仕方ねぇぜ、あのキモいトリオは次会った時に纏めてケリつけてやりゃいい、だろ?
今は休む事が先決だぜ、無茶してぶっ倒れりゃ世話ねぇからな

【打って変わって明るく、ライラを元気付けるように、『前を見ろ』と言いながら、ライラの横をすれ違う】
【ふと、そう離れていない場所で立ち止まると、「とりあえずよ」と言って】

…さっさとこっから離れようぜ、気味が悪ぃ
近くに俺の車がある、救急箱もちゃんと積んでるぜ?

【そう告げると、左手で肩を抑えて、歩いて行く】
【ライラは、ラッシュについて行くもいかないも好きにしていい、ついて行けば、彼の車には応急処置が出来るくらいの備えはある】
【更にライラが望めば、霧から脱出する為に車に同乗する事も、出来るだろうーーー】

/お疲れ様でした <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage saga<>2013/03/18(月) 01:52:23.79 ID:xlgsI9Ob0<> >>32
【それは歩き出してから直ぐの事。遠くから聞こえてくるのは、セリーナが先程まで使用していた其れよりも一回り小さな排気音で】
【――――横を過ぎれば、前輪のみにブレーキを駆使して半回転】
【砂埃を舞わせつつ、丁度そのバイクの横腹を見せる様にして止まるのであろう】


「あっちゃー……随分とこっぴどくやられたみたいだね、セリーナ
フフ、それとも今は“リーダー”なんて言った方が良いのかな?」

【申し訳程度に被っていたヘルメット。其れを外せば、亜人を象徴する耳――そして、金色の髪が露わになって】
【無事では無い――――と言うよりも、側で大破に近い形となった其れを見れば、状況は読めそうなものだが……】
【それでもクスリと小さく笑う余裕があるのは、信頼の表れでもあろう】
【ピコピコと耳を動かせば、どっちが良い?なんて言葉。首を傾げれば暢気に問うて】


「お店の方も全然異常が無いし、こっちが気になったから見にきたんだけど……正解だったかな
それじゃあもう走れないんでしょ。ボクの荒い運転でも良かったら、集合場所まで送っていくよ。着くまでに怪我が無いなんて保証は無いけどさ
それとも、カウボーイだったら“お嬢さん、俺の馬の後ろに乗りなよ”なんて言った方が様になるのかな?」

【先程までの死闘とは掛け離れた緩さ。バイクから降りれば、セリーナの下へと歩み寄って補助の役割を果たすのだろう】
【何処かキザを演出するような言い方。何処まで緩いのだろうか】
【例えその誘いを断ろうとも、抱え上げる等強引な手法によって後ろへと座らせられるのだが――――】
/オナシャス! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/18(月) 01:52:35.73 ID:UuthToVYo<> >>44

【触れられた瞬間、刹那の後、アルフォンスの全身の神経が悲鳴をあげた】
【それは雪崩れ込むような圧倒的な痛覚の波だった。首、腕、脚、背、ありとあらゆる骨が軋み歪な音を響かせた】
【彼の精神はまるで堰の決壊に巻き込まれたかのように苦痛の海へと沈んでいった】


──ぐ、ぁああああああああああああああああああ!!


【耳を劈くような絶叫が響き渡った。それは肺の全ての空気を吐き出すほどの強烈な叫びだった】
【アルフォンスは自身の意識を手放さないように痛みの中でもがき続けた。だが次第にそれは手からすり抜けていった】
【潰れそうなほどの圧倒的な重みが彼の精神を圧迫しつづけた。彼はその中で徐々に視界が薄れていくことに気が付いた】

【そして彼は崩れ行くゴーレムと共に地面へと落下した。彼が見下ろしていた地獄へと、落ちていった】
【最後の瞬間、彼の瞳はレイブ・ラビを捉えていた。あの微かな油断が自分の敗北を招いたことを彼は後悔した】
【それが彼の最後の記憶となった。彼の意識は完全に暗闇の中へと沈んでいった】

/気絶でありましたら、こんな感じで
/体中が痛くなって、という描写もあった方が良かったですね。身体の中が地獄絵図、という描写があったので骨がばらばらになったかと
/では、お疲れ様でした。初心者ガイダンスをよく読んだり、周囲の人の描写を参考にして、周りと合わせてみてくださいねー <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/18(月) 02:02:55.81 ID:v9D8wRSjo<> >>51

混じりモノが下らない事をぶつくさと喧しい、だけど答えてあげるわ
アタシは人間の側だ、だから人間の味方でその可能性を信じている……それだけ、つまりはアンタの敵ってコトよ

【静かな声色、それ自体は変わっていないけれどどこか違う口調】
【毅然とした態度は揺らがない万全にして崩れず、どこか老齢な魔術師の姿を思い浮かばせる】
【今の彼女はカズネであってカズネではない】

バレルオープン、プランセット、ロック

【砲身を温めていた回路はその合図を待っていたかのように舞い踊り】
【重なり合いながら細長く伸びて砲身を作り出す、収束と固定の術式を内部に刻み】
【膨大な負荷により紫電を帯びる砲台は大蛇の口、飲み込む相手を確りと見据えて……】

月明かりの加護により、全てを原子へ飲み込む奔流……征きなさい

【突如として響く高音は撃鉄を落とした音に他ならない】
【砲身の奥から伸びる3つの光芒は互いを相克し合い付かず離れずリリアに向かう】

ルート、オン……フルバースト!!

【未だか細い砲撃が通ったならそれは第一波で、きっとそれは耐えられる】
【だけどその次、化け物地味た量の奔流が目覚めて作られたレールに従いリリアへと】
【空間その物を食い破ると錯覚しかねない激動は地脈を震わせながら敵対する、人間の敵の彼女を消しに迫るだろう】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(大阪府)<>sage<>2013/03/18(月) 02:03:16.00 ID:lKih1TB+o<> >>55

はぁはぁ…

【レイブ・ラビはそう息を荒げる…ここまでの戦闘は久しぶり…
いや初めてだった】

(強敵だった…遠距離型で接近してこない上に機動力がある。
相手の油断に救われた…恐らく相手の油断がなければ
負けたのはこっちだろう)

【彼は膝をつく。受けた傷が体力を蝕んでいた。
このまま調査を続行することは出来ないだろう】
【彼は両手を地面につけた。そして下からゴーレムが出てくる。
そのゴーレムに乗って彼はその場に背を向ける】

(感謝すべきだな…私がまだまだ至らないことを自覚させてくれた)

【そして彼はそのまま去る。胸の内に忸怩たる思いと向上心を秘めて】
【そうして彼は霧に囲まれた街を後にした】

/お疲れ様でした〜。確かにその描写は誤解を与える描写でしたすみません。
お相手ありがとうございました。本格的な戦闘ロールを体験できて嬉しかったです <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sagesaga<>2013/03/18(月) 02:03:36.78 ID:Ii8SxWr0o<> >>53

―――……ッ……。

【ラッシュの言い分は、まさしくライラの考えていた事そのものであった】
【あそこで自分が躊躇さえしなければ、ラッシュこそ犠牲になるものの、カニバディールを倒せたというのに】
【戦闘後、自分とラッシュが生きていればきっと掛けられるであろうその言葉を直に聞いて、ライラはますます気分を落とす】

【だが、次に続く言葉は自分を褒めていて。その言葉を静かに聞いていたライラは、ゆっくりと、立ち上がる】


―――……だな。すまんかった、サンキューな。


【過ぎたこと、終わったこと。見返してみれば、先ほどの戦闘もそういうことになる】
【なにより、自分もラッシュも生きている。奇跡とも思えたカニバディールとの再会がまた近いうちに訪れるのかもと思い始めて】
【その時は、必ず、必ず――――そう思うと。ライラには急に、生きるエネルギーが漲り始めたようだ】


【結局ライラはラッシュについていき、応急処置を受け、この街から脱出するだろう】
【あの異形は言った。「この場は此方の負けだ」と。違う。この勝負は引き分けたに過ぎない】
【すればこの勝負の決着がつくまで、ライラ=フェルンストレーム……カノッサ機関ハンターは何処までも機関というものを追い続けていくだろう】

/カニバディールの方、ラッシュの方、お疲れ様でした!そして絡みありがとうございます!
/慣れない複数ロールでレスが遅くなり、誠に申し訳ありませんでした…… <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(埼玉県)<>!red_res<>2013/03/18(月) 02:05:08.54 ID:oXDdkYBio<> >>48

捕まえたぜクソガキぃ……剛の字とか呼ばれてるみたいだがよぉ…!
一体どっちが真に剛≠ゥ決めようじゃねぇか…!
どうせもう追いかけっこは終わりなんだ、じっくりとさぁ―――!!

……ハッ!ガイストがどうかなんてわざわざ答えてやる義理は無ぇぜ!
そしてだ……覚えたぜテメェ。旧遺物を持っているんだな―――ククッ。
お望み通りガイストに伝えといてやるさ……しゃべる犬とコンビのガキがそれについて知ってるってな?
UNITED TRIGGERも、お前らもよぉ――――負けてやるのは今回だけだぜ、こn――――ッ!!!

【恐らくは相当なダメージを受けたせいか、キルフェは青年を路上に投げ飛ばすような行動はしなかった】
【ただ上手く首や腕をつかめれば、それを握りつぶしでも―――なんて思って伸ばした手だったからだ】

【それに、吐血からも分かるように既に動ける身体ではない。僅かに震える肩を掴まれて】
【人肌程度の温かさを感じさせながら、振りほどくようなことも無く―――】
【――自然、威風凛々≠――頭突きを避けることは叶わず、馬の前足が膝をつくように崩れ落ちる】

【ただ、なおも手は胸ぐらを掴んだままであったこと。それだけは追記しておきたい】
【パワー馬鹿の半魔族とはいえ、その性根は腐っていない――危険存在ではあるが、彼女はそういう相手だった、とだけ】


【ほんの数秒もすると、恐らくはガイストのものだろう転移の魔法陣がキルフェを包み、彼女は姿を消してしまう】
【残ったのは二人と一匹。掴んだものは、どんな形であっても純然たる勝利=\――!】

【―――遠くレナールの地に見える天変地異こそ不安を煽ったが、この戦い――紛うことなきUNITED TRIGGER側の勝ちであった。】

/っとこんなトコロでしょうか!普段中々無い形式でとても楽しかったです!
/イベント全体は未だ終わりませんが……ひとまず先に、お疲れさまでしたー!
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(関西地方)<>sage<>2013/03/18(月) 02:06:58.25 ID:csqI0h59o<> >>46>>53>>58

『さーて、ここまでくりゃあ大丈夫だろ。で、カニバよ、例の映像のほうはどうなってんだ?』

ぐ……抜かりはないさ。『人面瘡』は撮影を続けている。さて、どんな映像が記録されていることか……

「映像のバックアップを本部の部下たちに送信する手はずは、整えてある。後は、中身を確認するだけだな」


【その場から逃げ伸びた、三人の異形は、レナールの街中に身を隠す】
【その口から語られる、さらなる波乱の萌芽――それが何を示すのか、まだ誰にもわからない】


【レナール 商店街での戦い――勝者・ライラ=フェルンストレーム&ラッシュ・ワンスドッグ】


/ライラの方、ラッシュの方、遅くまでお疲れさまでした! 楽しませていただきました!
/こちらこそ、遅くてまことに申し訳ありませんでした <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(空)<>saga<>2013/03/18(月) 02:16:31.38 ID:0OfQRBxh0<> >>前994、>>22、>>35

【右腕を侵食する霧の針。第二撃も一切のダメージを与えられずに終わる。】

(……! 厄介な特性ね、刀との相性は最悪に近いか―――)
(……っ―――――――)

【空を切る刀身の感触は無視、斬り上げの弧の延長上から太刀を背後に回し、背負う様な構えで右手で支え、】
【その最低限の防御から、迫り来る闇の刃に耐えようとして――――】

(―――――…………!)

【肉を断たれる感触の代わりに届いたものは、闇の刃の砕ける金属音だった。】
【理解したのは彼に “庇われた” 事。振り向く瞳の橡色は、時の停まったような一瞬、共闘する瑛月の全身を映して――――】

【闇の大蛇へと突き進む背中を、信頼できると思った。】

…………了解よ。庇われるだけじゃ終わらない、“剣” の意味を貫きましょう――――――

(私も貴方を信じて託す。この先の、“私達” の掴む勝利を信じる―――――)

【―――――― だから迷いはもはや無かった。瑛月の作り出した隙を、尾に対しての接近に充て、】

【全身を一個の運動機関と化すが如く、引き絞った腱を加速の “溜め” に柊は利用、】
【背後に縦に大きく取った太刀の構えから、斬撃の瞬間に一気に解放――――――― 】

―――――――――――――――― はぁあああああああッ!!

【踏み込みと斬撃にその総てを転用、全身を叩きつける様にして地表付近からの斬り上げを放った】

【斬り込めれば、斬撃の余波が左右に切断面を広げ続け、海を割るように彼女の通り道を生み出す。】
【そうして生まれる空隙から、全身を返り血で染めて柊は直進―――――― 尾を横合いから貫く様な形で斬り拓き続け、】

【巨人の揮う大剣の如く、“御代桜” の突き刺さる根元付近、さらにその内側から尾を斬り飛ばそうとするだろう】

【それが成功したならば、全身の関節を固めた瑛月は、否応なく尾の勢い/残り僅かな其れに巻き込まれる。】
【だがそれは彼を傷付ける事なく、ハンマー投げの要領で、尾と彼を一緒に回転させる様で――――】
【それが60度ほどになった所で、 “御代桜” はほとんど抵抗なく抜けるだろう。彼女はその様に角度を調整していた。】

【もしすべてが成功したなら、斬り飛ばされた尾はまっすぐ吹き飛んで行き、】
【それは大蛇自身の頭部に直撃し、少なからず隙を生む筈で――――】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(長屋)<><>2013/03/18(月) 02:18:06.36 ID:PCOoRHCco<> >>52
………っ

【唾を飲み込む】
【ノエルは、完全に魅入っていた】

【人形のような、彼女に】
【とてもとても、惹かれていた】

【その容姿に、その雰囲気に、その温度差に、魅力を感じた】

【そして───】

っっっ!!

【笑顔を見て、心臓がまた大きく跳ねた】
【顔が熱くなるのがわかる】
【ノエルは完全にのぼせていた】

【この異常な状況が作り出したのか、それともエルと名乗った彼女の美しさがそうさせたのか】


【──ノエルは、生まれて初めて恋をした】


【自然と、笑みが零れた】
【彼女の笑みにつられるように、笑った】

【彼女といる事に、幸福を感じた】
【気分が高翌揚し、舞い上がるような気持ちだった】

…うん

【エルの呼びかけに、一言、頷いて】
【近づく顔に、吸い寄せられるように】
【ただ、彼女と触れたくて、近づいて──】


【────────リリリリリリリ…………】


【突如、電話が鳴った】
【はっと我に返ったように、その瞳がエルだけでなく周りの空間も映し出す】

【離れゆく彼女を、名残惜しそうに見やりながら】
【先ほど撫でられた自分の頬に触れてみる】
【まだ少し夢を見ているような気分だった】

【やがて、彼女の通話が終わり】

もう、行くッスか……
それなら僕もそろそろ家に帰るッス

【その寂しげな視線を、声色を、隠そうともせず、別れを告げる】


───また、今度ッス!


【そして、少女の問い掛けに、応答する】
【既に寂しげな視線も、声色も、残ってはおらず】
【普段の彼の、溌溂とした明るい声が路地裏に響き渡る】


【それは、次の出会いを、切望する言葉だった】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2013/03/18(月) 02:18:08.75 ID:8eYTthCeo<> >>54

【神も仏も、あったものではない――調子に乗って二輪で暴れまわっていたら】
【まさか目的地に着く前に破損して、その上で自分が生きているとは――なんとも、不思議なものだ。】
【セリーナは所々破けてしまった白のシャツを、自分で更に引き千切り――歯で噛み付いて、破いて】
【一片の布切れにすると、流血しているもう片方の腕に巻きつけ、大分手荒な"止血"を施して――】

ま・・・幸い、あの"槍"とか、"蹄"とか、"ボウガン"でやられなかっただけ――これでも、大分――軽傷で済んだほう、だよね。
――い、っつつつ・・・歩くと足がきてるなぁ、これ・・・"集合場所"までまだ大分あるけど――たどり着けるかなぁ。
・・・W-Phoneで連絡しとこう、"足"がなくなったから到着遅れます――って。あ、ていうか・・・

【なくなったから、ではなく「木っ端微塵に爆破したから」――が正しいのだが】
【自分で思い出して、『そういえばあれ、保険とかあったっけ――』なんて、呟いて。】
【救援も無い中、誰も居ないハイウェイをただ一人、えっちらおっちらと歩いていたところ――】

――ほ、ぇ?

【背後から照らし出すライト――それと同時に聞こえてくる排気音。エンジンの音は先ほどの"アレ"に比べれば幾分か、小型だろうが】
【ともかく、一瞬セリーナは"敵襲かい、こんなときに――!"と身構え――】
【たの、だが。】


――――よ、ヨハン!?うわっ、え、なんで――ええっ!!

【―――まあ、格好つけるとか頼りがいのあるリーダーとかそういう面は何処へやら】
【目を丸くして、何時もどおりといえば何時もどおりのオーバーリアクション。】
【ぱぁ、と目を明るくして「ああ、救われた」と喜びを表現するが――】

・・・こ、こっぴどくやられてなんてないよっ!ほら、だって追っ手は撒いたし、それに――・・・それに、ね、"無事"だし?
【――吹き飛んだV-Maxの方は見ずに。】

・・・なぁ〜んか、この状況で"リーダー"なんていわれると・・・嫌みったらしく聞こえちゃうな〜。
大体、ちょっとヨハン――なんていうか、その・・・

お、美味しいところ持って行き過ぎ!ズルイズルイ!だってそーゆーさ、カッコイイ系のポジションはさ!
本来アタシの持ち味じゃない!?なんていうか、こう――颯爽と馬で駆けつけて、迷える子羊を救い出してっ
それこそ、そうだよ――"お嬢さ・・・"

【・・・ヨハンが言った台詞をそのままなぞりそうになったので、慌てて途中で口を紡ぐ。】
【先読みされて悔しいのだろう、だがまあ所詮、この女は所詮、そんなものだ。】
【本気で"アタシの馬の背に乗りなよ、ベイビー!"なんて言ってのけるだろうし、言ってみたいと本気で思ってるし】
【――だから、ヨハンがすっごく嬉しそうにセリーナの救世主と化している今の状況は、その――】

(―――うぅ〜・・・悔しいなぁ、なんか!おねーさん完全にヨハンに救われちゃってるよ!)
(いや、それでこそUTだし、仲間なんだから頼るべきだって京君に言われたばっかりだけどなんていうか、なんていうかこれは・・・!!)

【――負けた、気がする・・・!そうだ、バイクに乗ったら負けだ・・・!】
【第一、リーダーとして年下の女の子にあまりかっこ悪いところは見せられまい。】
【――ふん、へーきだよ!とでも言わんばかり――セリーナはまた、ゆっくり歩き出す。】
【負けん気が強いのは確かだが――最初の頃はこうでもなかった。】
【救いの手が差し伸べられたならば、素直に受け取るような女であった、しかし今こんなことをしているのはきっと――】

【――段々と、"自分"らしく、振舞えるようになってきているからだろう。】
【本当の意味で自分を曝け出せる、強がりも言える、バカなところもかっこ悪いところも見せられる】
【そんな居場所をようやく、見つけたからなのかもしれない。】
【子供っぽい反応だが――どうか、許してあげて欲しい。セリーナはヨハンの事をそれだけ――近く、親しい者に、感じていたのだから。】

<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage saga<>2013/03/18(月) 02:23:50.48 ID:AUbngCC60<> >>49

【ひどく脆いものに触れるかのよう、辿る指先はゆっくりと、その痕を真似て】
【その終点へとたどり着いたなら――止まらぬ雫に困惑するよう、いっそのこと掌総てで頬に触れようとするのだろう】
【薄ぺらの掌に体温なんて欠片もないなら、やっぱりこの場において生者は彼だけだと思い知らせる】

【黄緑色を纏って煌いた切っ先の行く末を追いかけそうになった瞳。抱きすくめられたなら、嬉しそうに細められる】
【その表情が見えなくたって、ふんわりと笑うような気配だけなら、伝わるのもきっと容易いはずだ】
【ぎゅっと抱きしめる両腕だって、いつもみたいで――撫でられた髪は、少しだけ砂っぽいけれど】

……――ねえ、それ、“ほんとう”?

【この場の総てが思い通りの下にある。それなら、嬉しくないわけがなくて、幸せじゃないわけがなくて、それなのに】
【微かに震えるのはなんてことない、黄緑色の切っ先の行く末に、二度と目覚めない本当の死があると分かっているから】
【どちらにせよ、この場所に居たら死ぬのだから。外に出る方法なんてとうに思い出せないぐらいには、ここは白蛇の手の中】
【どうせ結末が変わらないなら。――方法を選べただけ、ずっと、】

【(或いは、外へ連れ出せたなら。その結末は変わるかもしれないけれど)】

わたしはね、本当だよ。 愛してる

【ぎゅっと布地を握った指先、白くなるぐらいに力を篭めて――怖いからだって、鳥篭めいて成してしまう】
【自分だって動けないように、彼のことだって閉じ込めようとしたなら、やっぱりそれを遮るものなどなくて、】

【どちらにせよ、弱りきった身体。たとえ少しぐらい心臓から逸れたとは言え、何が変わるというわけもない】
【ほんの少しの出血だってその身体は耐えないし、そうなったなら、本当に死ぬだけ】

【木の上で嗤うイレギュラーは見ているだけ、何をしてくれると期待することが、そもそもの間違いだ】
【白蛇だって、白の少女だって、――ああ、こいつらは助けてくれるわけがない、最初から、そう決まっている】

【そして彼女に異能を繰るだけの余力などなく、この時点で彼の意図せぬ蜘蛛の糸なんて、現れない】
【なんにもないなら、刃は彼ごと薄ぺらな胸を抉る――のだろうか。逃げだそうなんて、するわけがないのだし】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2013/03/18(月) 02:24:56.98 ID:WKUDGYLqo<> >>51>>56

【相手の体の中へと飲みこまれた“長刀”、その血で出来た刀身が一挙に消えうせる】
【その異変に気付くが早いか否か、ひどく大事そうに本体である曲刀を引込めた】
【そしてその行動は、余りに隙が有り過ぎた】

ァ、ぐ……!

【くぐもった悲鳴は、声になるよりも速く溶岩の熱さに絡められるように昇華して消え】
【先ほどの相手と等しく、深々とレーヴァテイン≠ヘ露出した腹の中央を貫いてその傷口を広げていく】
【まさにそれは傷つける魔の杖の名にふさわしく、肉と内臓を焼き融かし、尋常ならざる空洞へと化していった】

【そして、よろめいた体は“道”を開ける】
【すなわちそれは、カズネの砲台がリリアを捉える一本の道筋】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(山形県)<>sage<>2013/03/18(月) 02:29:12.00 ID:8W+7N6hvo<> >>35
【その"鱗"は並の蛇よりも"高い強度"を持つ――それは感じる"良い"手応えからもわかるかもしれない】
【ズブァッ!】 【瑛月のその突きは―― 力が一点に集中したその刃先は、大蛇の鱗を難なく貫くッ!】
【―― 一度振るった尻尾、急に止められるわけもなく――肉や骨をズブズブと突き進むそれも、同じく止まらなかった】

【――その血は、"赤く"、"闇属性の魔翌力"と、"鏡の魔翌力"を帯びていて】 【もし、"悪魔の配下で無ければ"、と思うと――――】

>>61
【そして、先程の突きによりだいぶ勢いが削がれていた尻尾――それに迫る刃】
【力を一気に開放しで振るわれたそれは、尻尾を綺麗に捉えていて――勢いを削がれてもなお未だ止まらぬ尻尾へと襲いかかるッ!】
【――はたして蛇に表情や言葉などあっただろうか?】 【しかし大蛇の今の顔はこう見える、こう喋っているように見える】

【――必死の形相で"止めろォォオオーーーーッ!"と叫ぶかの様に】

【――――"斬ッ!"】 【黒霧に咲く赤花、尾が元あった場所より溢れだす鮮血――大蛇の受けた被害は間違いなく"甚大"だ】
【それに加えて、切断された尻尾が飛来する矛先は自身の頭部だった】 【――ガ、ッキィィン!】
【硬いものがぶつかり合う音、大きく後方へ逸らされる頭部、振るのは鱗や赤いモノや――】 【叫び声は上げられなくとも、苦痛の顔は出来る】
【そしてやがて落ちてくるだろうその斬られた尻尾の先の面はまるで黒い鏡のようで、そしてそれを中心とする場所から"強い魔翌力"感じる――】

>>ALL
「……グゥゥウウオオオオッ!」 「"煙立つ鏡"、テメェー何尻尾斬られてんだァァアアッ!」
「そォいつは"技"の生命線だろォォーーがァァアアーーーッ!」 「"口"より"尻尾"が強いって自分で言ってただろォォオオッ!」

【――その悪魔は"傲慢"で、"自尊心"が人一倍高い】 【だが、それと同時に酷く"直情的"でもある】 【それは悪魔の"弱点"の一つッ!】
【――今のように、言わなくても良い"情報"を相手に与えてしまうのだから】

「……糞共がッ」 「ちィッ、"宵闇と鏡の豪蛇"が立て直すまでの時間を稼がなければァァアア……!」
「こォの素ゥん晴らしい空間の為ッ!」 「テメェーらは"確実に"始末しねェとなァァアア」 「"ミスティラス"ッ!」 「捕らえろォォーーッ!」

【姿を現す竜――移動は無し――そして今度は"全身"が現れている】 【その口部より吐かれるブレスは――"霧の渦"ッ!】
【狙いは――"柊"の全身】 【渦は口部より距離を稼ぐ事に、徐々にその幅を広げている】
【ダメージ自体は低く軽い衝撃を受ける程度だが、――それに付随する"効果"が厄介である】
【その効果は――"纏わりつく"こと】 【濃霧の様な薄紫色のそれは、もし受けてしまえばそれが身体に纏わりついてくるのだ】
【纏わりつかれてしまえば、まるで"水中に居る"かのように動きを阻害されてしまうだろう】

「雲行きが怪しくなる前にィィイイ……"黒雲蜘蛛"ッ!」 「脳天に"雷"を落としてやれェッ!」

【悪魔の眼の前に生成された魔法陣、それよりいずる闇が形作るのは――】
【雲のようにもふもふふわふわとした黒い毛で覆われた蜘蛛だった】 【数は6匹】
【見た目の大きさはおよそ20cm程だろうか、しかし毛の中身――本体は5cm程度と小さい、脚は長めだが】

【その蜘蛛は召喚位置からダイレクトに、二人の頭上へそれぞれ3匹ずつ降り注いでくる】
【――それは全身に"電撃"を帯びている、もし当たってしまうか"通電する物"で防いでしまえば】
【強い電撃でないとはいえ――数秒の間、"痺れてしまう"可能性がある】

【蜘蛛自体は大した脅威ではなく、また、電撃は一度放出するか蜘蛛が着地すれば無くなる】
【少々気持ち悪いかもしれないが、落下後に"踏み潰す"だけでも十分な対処が可能である】
【余談だが――この蜘蛛の毛は剃っても一週間程度で元通りになる為、天然綿や糸の生産に役立つらしい】

【――大蛇の口部に"闇と鏡の魔翌力"が集中し始めている】 【だが、受けたダメージは非常に大きい、故に動きは鈍っていて――】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2013/03/18(月) 02:37:19.03 ID:0RMLq+jDO<> >>62

【「また、今度」──そう言われて、彼女の表情がぱっと明るくなる】
【それはきっと、無機質なプログラムなどではなく】
【彼女の本心から生まれた、柔らかな感情だった】


──はい!
きっと、きっとですよ……?


【何度も、何度も】
【会える期待を。会う約束を、彼女は繰り返す】
【──仕事が仕事でなければ、きっと彼女も、普通の女の子だった、だろうに】
【頬を赤らめ、嬉しそうに笑う彼女は──それでも、今だけは、普通の子なのかもしれなかった】

【そうして何度も何度も、同じ言葉や仕草を繰り返し】
【──やっと、気がすんだのだろうか】
【最後はふわりとローブの端をつまみ、足をそっと曲げて頭を下げた】
【格好はあっていないけれど。それはどこかの、お嬢様のようなお辞儀だった】


【「それでは、ごきげんよう。ノエル、さん」】


【それが今宵の、彼に向けられた最後の言葉】
【別れの挨拶を紡ぎ終わると、彼女はふわりとローブを翻し】
【少しばかり急ぎ足で、その場を去るのだろう】


【──そして、ひとりっきりになった後】
【彼女は、嬉しそうに、呟くのだ】


……今、すごい、幸せ、です
今度は──今度「も」、手遅れにならないうちに、ね……?

────そうでしょう?お父様……××、様


【彼女は、呟くのだ】
【この世にいない者と、生死不明の者の名を】
【嬉しそうに。哀しそうに】
【愛しそうに。寂しそうに】


【────ちりん】
【胸元で小さく、金属の擦れる、音】



/おおおお疲れさまでしたー!
/なんかとんでもロールになってごめんなさい!でも楽しかったです!
/絡みありがとうございましたー! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(埼玉県)<>!red_res<>2013/03/18(月) 02:42:17.99 ID:oXDdkYBio<> >>56>>65

―――あ?今なんて言った、『混じりモノ』って言ったのかなぁ?
そんなこと言ってるとさぁ、キミを救ってくれたお優しいナウファルくんが死んじゃうよ

【つぷ、と砲撃の第一波、実にか細く弱いそれがリリアの胴へとほんの小さな穴を開けた】
【なんだ、やはり大したことないじゃないかと――ナウファルに突き立った槍を見て、ニヤリと笑い】
【鋭い牙を覗かせながら、真っ赤な舌で唇を舐め。尚も深く、レーヴァテインを押し込もうとすれば】

お腹を高熱の槍で貫かれて、肌も筋も内蔵も骨もぐちゃぐちゃに溶かしてさぁ……
それをストローか何かで、生きたまま啜ってあげるのも悪くないよねぇ?
何処かの博士みたいに、自分の身体の一部をその人に食べさせてあげるっていうの、興味がある、ん―――ン?

【――リリアの肉体を半分ほど吹き飛ばす魔翌力の嵐が、既に吹き抜けた後であった】

【からん、とレーヴァテインが地に落ちる。それを支える腕が、肘から先をロストしたからだ】
【どさり、とリリアの身体が倒れ伏す。肉体を支える背骨を失ったからだ】
【その肉体は、酷く奇怪な崩れ方をしていた。残ったのは両の脚と、肩から上くらいなもので】
【それが理解できないというように表情を崩しながら、悪魔は力を失い、声も上げず】


【それでも尚、塔の出現は収まらない。最早動きは止まったようなものだが――】
【出来る限り早く、この忌まわしい土地から逃れるのを優先すべきか。いつ何時、次のナニカが起きるかは分からないのだから】

【――加えて、ナウファルだからこそ気付けることが一つある。それが老人の殻が使っていた魔書である】
【それは無数の言語で無数のページに無数の魔術が書き記されたものであり、これまた旧遺物に違いなく】
【そこには勿論、治癒や転移の魔術もある。使用には特殊な技能は必要なく、ただ魔翌力に相当するチカラ≠持っていれば念じるだけで良い】
【例え偽物であっても六罪王の使用していた品―――拾い上げるも、放置して燃やすも、彼次第】

【またカズネは、綾津妃である箱≠フ怨念が弱まったのを感じはずだ】
【それはまさしくリリアの束縛が(一時的にでも)消えたことを表していて―――。】
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage saga<>2013/03/18(月) 02:45:15.54 ID:xlgsI9Ob0<> >>63
「“無事”って……そんな血を流してて無事だったら、キミの無事じゃないは一体何処なのさ……
いやー……高そうだね。あのバイク……
ボクは詳しくないからあまり分からないんだけど……えっとー……何十万?」

【送られる視線は世間で言うジト目である】
【指先で“怪我の意識”をさせるかの様に患部を優しく突っつけば、ちょいちょいと其れ“だったもの”に意識を向けさせるようにして】
【お金に拘ることを知っているからこそ、そんな言葉を放つのだろう】
【ちょっとした意地悪。ひぃーふぅーみぃーと指を折って自分なりの勘定をしてみるのだが……飛ばしに飛ばして数百万いった数字。これは正しいのだろうか】


「だってほら、ボク狼だから一番美味しい所を持って行きたいじゃない
それに、ね。フフ。嫌味なんかじゃ無いよ
そりゃ、最初に会った頃は嫌味として言ったかもしれないけどさー
狼は群れで生きるし、その狼のボクがキミをリーダーって言ってるんだから……ほら、もっとシャキっと!」

【狼は群れで生きるとは言ってはみるものの、この少女が群れに居た何て言うのは過去の話――――だったのだが】
【UTに入れて貰って、再び狼らしさとして生きる事が出来たのだろう】
【そして、迎え入れてくれた“リーダー”に対して、素直じゃ無い、遠回りもいい所の感謝】
【――――届くかは分からない。否、きっとそれを解するのは難しい事】
【それでも、気付かずとも自分の気持ちを伝えられた事で満足か。尻に敷かれずにいた尻尾が、ご機嫌に一度揺らされて】


「ほらほら、リーダーが前線にでるのは良いリーダーという証拠だって団長も言ってたよ
――――あ。自分の足で行くの?じゃあボクは先に行って待ってるからねー
それ以上怪我をしないって約束をしてくれればどれだけゆっくりでも大丈夫だからね」

【苦笑と共に「らしいなぁ……」と紡げば、セリーナを追い越してそのまま先に進む】
【何て事は無くて――――】
【エンジンを掛け、横を通り過ぎるその刹那】
【自分よりも高い身長の彼女を、易々と片手で抱き上げようとするのだろう】
【人間の少女であれば相手に怪我をさせてしまう。或いは、自分諸共大怪我をしてしまう可能性が高いその行動だが――――】
【身体能力に優れた亜人の少女ならば、どうであろうか。セリーナが拒む事をしなければ、そのまま自分の後ろへと移動させる事であろう】


「強がるだけ損だよ。キミはリーダーだし、ボクはその部下
部下の送迎の仕事を奪うのがリーダーの楽しみなら、ボクは否定しないけどさ」

【クスクスと笑えば、スピードを上げて】
【――――そう、無理に降りようとすれば、怪我を負ってしまうほどに】
【策士と呼ぶよりも、ただの悪戯者。ただ――――その表情は何処か楽しそうで】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>saga<>2013/03/18(月) 02:50:48.61 ID:UKClZZBRo<> >>50

【レイジアの刃が放つ銀色の煌めきに、薄紅色の光が重なり――果たしてサイドカーは単車と繋がったままだった】
【それは斬撃の属性を持つ花弁型の魔力。吹き飛ばされながらも、イライザが放ったもの】
【痛みでグルグルとかき混ぜられる頭に鞭打って、脳波コントロールでぶち当てたのだ――】

「……と、こんな具合だから私は彼女の根性を買っている」

【あてが外れたレイジアに向ける銃口は、折角刃が片付いたというのに唸りを上げない】
【逃げるならば赦すだろう。無論、そこにベイゼを置いていく場合に限って。】


【ひと通り戦闘に収拾がつくと、アダレードはまずイライザを助け起こしてやった】
【幸いにも翅はやられていないので、布切れで簡単に止血をしてあと少しの距離をゆっくり飛んで貰うことにする】
【運んでよ、と不平を言われれば、追加料金……と一言告げる。それだけで、拗ねた様子ながらも彼女は黙って】

【サイドカーを繋留しもう一度アクセルを踏もうとした時、トンネルの湿った空気が鼻についた】
【そして妖精や機関員の血の匂いのせいか、泥の街が近いという意識のせいかは不明瞭だが、気になる】
【……あるいはこれが、嵐の後の安息の味なのだろうか?】

「まったく、この辺りは何度通っても良いことが無い」

【とにかく頭の蒸し暑さだけでも解消しようと、ヘルメットを脱ぐ】
【解き放たれる栗色の髪、冷たい知性を宿した緑の瞳、そして想定外の童顔……】
【コートをうち脱ぎライダースーツのジッパーを下げると、そのバストは実際豊満であった】

【想う。上級機関員の捕虜など、いっそ解き放った方が安全なのではないか。連中は狡猾すぎる】
【アダレードは仕事の枠外には干渉しない。ただただ、探偵としての責を果たすのみ、だが――】


【――――勝利しつつも気遣わしげな色を孕んで、妖精と共に『彼女』は走りだすのだった】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(石川県)<>sage<>2013/03/18(月) 02:53:10.67 ID:8zbUCIZSo<> >>61

                        ―――ぬおっ……っと……!!
                      ……急ぐぞ、俺達には時間が無いッ!!

              (……俺も君を信じている。……君だから信じる訳だ、八攫 柊)

【御代櫻は簡単に尻尾から抜けて―――勢いに乗って彼の身体が刀と共に飛ばされるも、問題なく地面に着地する】
【―――着地したと同時に左腕に奔る痺れが猶予の無さを思い出し、右腕の骨に残る感触が、剣を握っていられる時間が僅かだと示す】

【均整の取れた濡羽色の眼光を一瞬彼女に向けて、お互い解っているだろう残り時間を確認する】
【瞳に込めしは、信頼と感謝。―――言葉で語るほどの時間は無い】

【―――だが、相手は言葉で教えてくれる。あの悪魔が言うように……竜の渦も、蜘蛛の小細工も、「蛇」を立て直すため】
【……ならば狙うしか無いだろう。立て直させなんてしない。身体も限界に近い―――だから……!!】

                     ……―――間に合えェェェェッッ!!!!! 

【瑛月は力を振り絞り、―――自らの得物を投げた。 このような技は唯刃流にはない。通常、自らの得物を放り投げるなど―――愚の骨頂であるから】
【しかし、コレしか間に合わないと判断した。―――魔翌力を削る「御代櫻」を信じ、八攫を信じ、己を信じる。―――信頼がなければ、こんな博打には出ない】
【後のことなんかこれっぽっちも考えないくらいに、この一瞬に全力を尽くした。 ―――蜘蛛の電撃に呻き声を上げながらも見つめるは、刃が向かう先】

       【御代櫻の刃が向かう先は、ただ一点―――!! 魔翌力が集中する、大蛇の口内……!!】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(関西地方)<>sage<>2013/03/18(月) 02:53:54.40 ID:csqI0h59o<> >>56>>65>>68

【天から現れる塔、人知を超えた威力を誇る、レーヴァテイン】
【謎の旧遺物、怨念を放つ箱】
【そして、ここに至るまでの、三者の激戦と、その言動】

【義憤に燃え立つ戦士たちの言葉も、恐るべき悪魔たちの言葉も、『人面瘡』は見境なく記録する】
【しかし、かかる光景が、この世にありうるのか】
【もはや、何が起こるかわからない、撮影者が人間だったなら、カメラを放り出して逃げだしていたことだろう】

【『人面瘡』は、動かない。じっと、見続ける。主の命令だけに忠実に】
【この場の光景を、決して取り逃すことのないように】

<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(長屋)<><>2013/03/18(月) 02:59:49.80 ID:PCOoRHCco<> >>67

【目の前の彼女の表情を目にすると】

おう!ッス!!

【こちらは満面の笑みを返す】
【その表情からは、偽りの無い、シンプルな幸福感がありありと伝わる】


【何度、同じ言葉を繰り返されても、同じ仕草を見せ付けられても】
【大きく頷き、肯定の返答をして、笑みを浮かべる】

【やがて、エルに二度目の別れを告げると、踵を返して路地裏を立ち去る】

【がしゃん、がしゃん、がしゃん】

【金属と金属の擦れ合う音を響かせて】

【がしゃん、がしゃん、がしゃん】

【背負った荷物を揺らして歩く】


【お互いの姿が見えなくなった頃、ノエルは一人、ぼやく】

もうこんな時間になっちゃったッス…
今日は僕が食事当番だったから、タケシ、怒ってるだろうなぁ……ッス

【同居人の機嫌を憂い、しかし、その表情は明るい】

まぁ、いいッス!
今は気分がいいから、何言われても凹まない自信があるッスよ!!

【がしゃん、がしゃん、がしゃん】

【軽快とは言い難い速度で、帰路につく】

【がしゃん、がしゃん、がしゃん、がしゃん】

【しかし、あの出会いを経験する前に比べて、その足取りは、幾分か軽いものであった】


/お疲れ様でしたー!
/どうしてこうなった!!たのしかったです!
/長々と申し訳ありませんでした!お疲れ様でしたー! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/18(月) 03:01:49.11 ID:WvcCK0xso<> >>59


――葉隠流 剛田 剛太郎、先の涼宮 善太郎の兄貴分だよ
いつでもかかって来い、せいぜい腹をくくってな!次も俺が勝つ!


【最後に確かな決め技を叩き込んだ手応え、完全にキルフェが崩れ落ちる前にあえて名乗り】
【その上で完全に崩れ落ちたのを見届けた後、胸倉を掴んだままの手を外し始める】
【意識を失ってもなお手を離さないキルフェの意地、そして胸倉から外すだけの動作さえ手こずらせる筋力】

【改めて、今回の対戦相手に恐れ入りながら、しかしそれほどの相手に一つ白星を上げた事を素直に喜んだ】
【転移していくキルフェを見送った後、今回の協力者たちにも礼を言うべく意識を向ける】


いやはや、ブーストかけた上でのコフィンブレイクをブチ当てたおかげでなんとか倒しきる事が出来た……
恐れ入ったぜキルフェ・ド・ゴール、今日だけは素直に勝利の幸運を喜んでおくか……
そっちは大丈夫ムク?"ビブリオ"も、今日はありがとうね


【問題ない、と膝の上で頷くムクの乗るサイドカーが勝負を終えたことを確認するとゆっくりと近づいてくる】
【このサイドカー単体でも操縦が出来たのか――操縦していたのはフルフェイスヘルメットを被りベイゼのデコイを演じていた人物】
【す、とメットに手を伸ばして外すと、その下からずっとメットの中に収められていたとは思えないほどさらさらとした黒髪が飛び出してきた】


「大丈夫だよ、ボクだって"WILD"が出張るよりは役に立てると思って名乗りを上げたんだから
ベイゼって女の人を演じる以上、誰か女が出なきゃいけなかったんでしょ?それより剛太郎君もお疲れ様
思えばボク剛太郎君が戦う所こんな間近で見るの初めてかも、眼鏡外してたのが残念」

へへ、今回は半分くらいムクのお手柄だけどね


【ぱっちりとした目の所にずっと外していた丸めの大きな眼鏡をかける黒髪の女性】
【大きく膨らんだ胸を野暮ったい紺色のセーターで覆った青いジーンズの彼女は薄く微笑みながら犬の頭を撫でる】
【"ビブリオ"―――『タフガイ』たちサポートメンバーのリーダー格で、"WILD"が"W-Phone"を開発する際にも携わった女性だ】


「でも大丈夫?六罪王の相方なのが本当なら、名乗りも宣戦布告も確実に届いちゃうよ?」

大丈夫だよ、いつかは誰かがやる事なんだから今俺がやっといても何の問題もないでしょ
さ、"W-Phone"に作戦完了の通知をしたら戻ろう、本物のベイゼがどうなったかちょっと気になるからさ


【サイドカーとバイクを再連結した後、彼らはその場から離脱していくだろう】
【そしてしばらくした後剛田 剛太郎の"W-Phone"から情報統合ネットワークに通知される】

【『剛田 剛太郎 キルフェ・ド・ゴールと戦闘、無事退ける事に成功した』】
【『火山の一件でゼンが出くわしたケンタウロスで間違いない、氷の能力を使用した攻撃を受けた』】
【『どうもケンタウロスと悪魔のハーフらしい、ガイストの相棒で"旧遺物"を狙っているのはガイストの意志らしい』】
【『奴らとは今後も旧遺物絡みで戦う事になりそうだから気を付けてほしい』】

【後はベイゼ本人の無事を確認すれば終了、結果を待ちながら彼はその場を後にするのだった】
【←To Be Continued...】

/同時の戦闘本当にお疲れ様です!ところどころ遅れて申し訳ありません!
/ではこの後もがんばってくださいですー <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/18(月) 03:06:55.31 ID:v9D8wRSjo<> >>68

驕れる者久しからず、ね……

【カズネの表情に喜びなどない、さもありなんこれだけの魔砲を受けてまともでいられるモノなどない】
【当たり前の出来事に喜びを見出すほど今の彼女は幼くはない】

【魔翌力の根源である杖を流れる潮のようにくるりと廻し仕様した回路を収める】
【砲撃が終わってから全身にまわった回路が痛みだしていた、時間も長くないでも今は堪えて】

――――――ようやく、掴まえたこれで顔向け出来るわねカズネ?

【万感の想いを込めてその棺を思わせる「箱」を手に】
【怨念は魔翌力を用いて押し留める、その魔術技能は先程のカズネとは著しく違い的確な運用がなされ】
【ローブごと被ってしまっただろう埃を軽く払い胸元へとしまう、その胸元さえも痛々しい刻印が痕を残して】

【身体を蛇が纏わり付いたようなその姿はとても人とは思えない】
【例えその姿が人間の研鑽によるものだとしても、「外れて」しまっている】

さて、と……役目はここまでだし逃げ出しましょうか?

【なんて日常の会話のように箱に問い、答えも待たずにカズネは逃げ出さずにその場で待機する】
【この場で逃げ出すのは多分最善の手だろうけど仲間を見捨てる訳にはいかない、残る最後の回路に魔翌力を装填し右手に番える】
【視線の先にはナウファル(>>65)が、カズネはその場から彼の退避の支援をその魔弾を用いてするつもりなのだろう】

(にしても……視られてる?)

【気配を感じてか障害物の向こう側にあるだろう人面疽(>>72)の方向を見やり】
【この界にいられるまともな人物とははてなんだろうと一人首を傾げる】
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>saga sage<>2013/03/18(月) 03:14:38.27 ID:T/0Mvagpo<> >>64

【彼女の答えを聞いて始めて、薄ら微笑んだ口許が、歪む】
【刹那、――ざく、と無慈悲な音がその背を裂き、黒色が飛び散る】
【けれど迷いに迷ったその鋒は、数ミリの誤差で彼女には到達しなかった】
【溢れる血液は矢張り黒――だったの、だけれど】

 【――遠い、遠い場所】

 【真っ黒な女の悲鳴が聞こえた。 真っ黒な墓標が罅割れる音がした】
 【彼の魂を、その女の望んでいた虚無の内へ引き摺り込むのを】
 【今は窮地にあろう或る者の呪いが、“引き止めた”】

【即座に、刀を中心に黄緑の燐光が舞い上がる】
【それは目晦ましめいて一閃光り、哂う彼等を惑わせる材料となれるだろうか】
【光が収束した後――きっと二人の姿は、其処に無かった】


【水の国、ギルド連盟の貸し住居の一つ】

【もう、3ヶ月程前になる。 その場所を借りていた人間が忽然と姿を消した為に】
【高層階の1フロア全てという、調度品から何から高価極まりない空間は】
【少し荒れてはいたものの……まだ十分に、住まいの体を成していた】

【妨害が無ければ、彼我が転送される場所は其処になる】
【無傷の彼女と、心臓近くを貫かれた男――だったのだが、震える指先は、まだ動く】
【最期の執念を以てして、彼女の服を無理にまくり上げようとするだろう】

【“赤い”血染めの指先がなぞるだろう対象は、彼女の背】
【その陣式に無理やり上書きしようとするのは、残存する己の魔力“全て”を組み込む式】

【魔力の全て、組み込んでしまえば、其処で荒々しい指先はぴたりと止まって】
【彼女の上、再び覆い被さるように沈んだ長躰は】
【――奇跡でも無い限り、もう二度と動くことは無かった】

【眠るような顔。 一切の迷いを放棄して、成すべき事を成せたのならば、其処に無念など無く】
【その死骸は虚無に引きずり込まれる事も無く、死に様は、何処までも穏やかなものであった】


【間の抜けるような、余談だが――】

【死後、彼の体からそっと抜け出そうとするのは、黄緑の人魂】
【……だったのだが、その尻尾が躰に引っかかって“抜けられない”】

【眼に受けた呪いによって、“縛られている”のだ。 それによって躰が虚無に飲まれる事は無かったといえ】
【肉体こそ死んでいるが、魂が縛られたままである故か、その躰は放置しても腐敗せず】
【そして放置されている間はずっと、間抜けな人魂が躰を抜けようと必死に藻掻いているのだろう……】

【――魂が縛られたままであるということ】
【それは、躯さえ何かの切欠で再起動できれば、復帰は容易いという事だが】
【出来るか否か、望むか望まないかは、相手に全て託されたようなものであった】

/ハイ、詰め込み過ぎました。 何処かでキャンセルして頂いて一向に構いませんゆえ
/それでは此方一旦落ちます、お疲れ様でしたー! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2013/03/18(月) 03:15:54.99 ID:8eYTthCeo<> >>69
――・・・そりゃー・・・アレだよ、ほら・・・
き、気絶してたりとか、即効で病院行きとか・・・そ、そういうのを無事じゃない、って言うん・・・
あ、見たな!バイクのほう見たな!もーさー!見ないでよ、アタシだって考えたくないよ修理費っていうか色々!

・・・程度の良い中古品だから、サイドカー込み込みで・・・ざっと120・・・うあぁぁぁん!アタシのお金がー!
【指折り数え始めるヨハンの腕に抱きつき、瞳に軽く涙を浮かべながらやめて、やめて!と叫ぶ】
【――他の事ならわからないが、この女は事金に関しては本当に、本当に強欲で――そのクセに使い方はとんでもなく、荒く――】
【自ら犯した失敗――いや、あの状況では最善手だったとは思っているもののやっぱり粉微塵に吹っ飛んだ経費を思うと涙が・・・。】

ぐすっ・・・!アタシ、ハイテクでオサレな機械はニガテだけど・・・!
古くてわかりやすい機械の操作はすっごく、得意なんだもん・・・拳銃もそう・・・バイクの操縦だって自信あったんだもん・・・

【――逃げ切れる自信は、あったようだ。腕も実際、悪くは無いのだが――如何せん今回は、敵が凄まじかった。】
【ああ、ヨハンの笑顔が眩しい。】

――・・・狼、だから?
う、うん・・・そう、だね。なんか、よく分かったような、分からないような――、でも、そっか。
・・・そうだよ、アタシはリーダーだもん。あんまり部下に頼りすぎても、って―――

―――ひゃぁ!?ちょちょちょちょ――う、っわぁ!?

【――彼女の、ヨハンの言葉の意味は少しだけ、伝わったかもしれない。】
【何故なら彼女もまた――セリーナ自身もまた、この組織という大きな転換期を向かえ、人間として変化を遂げていたからだ。】
【みんな少しずつ、変わって行く。繋がる事で、一歩ずつ。】
【本来の姿を取り戻したり――また新しい自分に、出会えたり。】
【だから、真意はわからずとも――彼女の言う"リーダー"という単語に込められた意味は、なんとなく――なんとなく、理解できて。】
【だからこそ、本当に自分を置いて先に行ってしまうのか、と一瞬驚いて、ちょっとだけ悲しそうにそっぽをむいた、その瞬間】
【――完全に油断していたセリーナの腹部に回された腕、力強い狼のそれに細い肢体は抱かれ――そのまま、バイクへ。】
【――恥ずかしい事に、こうなってしまうともう――走り出した以上、ヨハンの身体に抱きつくしか、なくて。】

――べ、べつにつよがってるワケじゃ――・・・これは、リーダーとして・・・うぅ・・・。
・・・あーもう!なんで最近アタシこんなに弄ばれてるの!京君といいなんといいもー!

・・・帰ったらゼッタイ、酒盛りに付き合わせてあげるんだからね。ふふっ。

【ぎゅ、とヨハンの胴に腕を回し――バイクの後部に、跨るのではなく足を片側にそろえて"座る"格好で乗り――】
【そのまま、ゆっくり目を閉じる――ここ二日ほど、いろんな事があった。】

【――大事な仲間の、離反。】

【――先輩からの、エール。】

【――宿敵の大攻勢。】

【遠くに見えるあの"赤い光"――レナール上空では、まだ――戦闘が継続しているのだろうか。】
【そこに描かれた門がなんであるのか、悪魔の知識に乏しいセリーナには分からなかったが】
【――決して見過ごしていいものでは無いだろう、という――事実だけは、脳裏に焼き付けて。】
――ねぇ、ヨハン。集合場所に着いたら・・・みんなにお話があるんだ。
ゆっくり時間をかけて説明したいから・・・貴女も、聞いて欲しい。

でも・・・それまで、少し・・・少しだけ、・・・。

【――言葉は続かない。エンジン音に掻き消されたが、静かに、寝息を立てて――】
【――まどろみの中で、セリーナは思う。】

【――こんなに頼れる仲間が、いる――負けられない、と。】

―――――。

【―――此方も、エンジン音に消されてしまうかもしれないが】

【ヨハンの背に、顔を預けながら――寝言なのか、それとも意識があったのか――】

【"ありがとう"――と、そう、言い残して。】

/こんなところでしょうか・・・!!お疲れ様でしたアアアア! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2013/03/18(月) 03:29:43.30 ID:WKUDGYLqo<> >>68>>72>>75

【絞り出すように喉から大きく息を吐いたのは、痛みの為か目の前の光景の為か】
【悪魔の残滓が地面に伏すのとレーヴァティンが抜け落ちるのは、どちらが先だっただろう】
【ゆらゆらと青年の長身が傾いで、緊張の糸が切れたように片膝をついた】

嗚呼、彷徨える古城ノ本体は、ひょっとするトこッちなのか……?
……ン?

【目の端にいやでも映り込んでは居た逆さの塔を仰ぎ、ふと足元に目を落とすと】
【いくらか水分を失って乾いた老人の殻の傍に同じく落ちた、古びているくせにやけにしっかりと形の残った本に目を奪われる】
【恐らく以前の彼であれば、それに注意を払う事もなかっただろう】
【だが目の前の魔書は、いつぞやその手にしてその手から離れたあの残光剣と近しいものを感じられ】
【曲刀の木鞘に引っ掛けていたポンチョにそっと包んで抱えるようにして、再び“旧遺物”をその手にした】
【……そうやって隠し立てはしても。入手した瞬間を録画されていると、気付きもしていない】

あァ……キミ、怪我ノ方は大丈夫?
あの溶岩の柱デ火傷とかさ、痛ツ……

【握りしめた曲刀を精神の支えとする様に立ちあがり、その身を案ずるような言葉を口にする】
【カズネの様子が一変しているとはっきり分かるには、彼女との付き合いはあまりに短すぎた】
【故、わずかな違和感を感じつつも言及することは無い。情けなくも自身の傷に言葉を遮られてしまえば、尚更】
【未だこの霧の中、住人達はその姿を元に戻す事も無く彷徨い狂い続けているのだろうか】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(石川県)<>sage<>2013/03/18(月) 03:31:12.37 ID:8zbUCIZSo<> >>66
/こっちに安価つけるの忘れてましたすみません!
/>>71に自分のレスありますのでよろしくです! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(埼玉県)<>!red_res<>2013/03/18(月) 03:44:13.42 ID:oXDdkYBio<> >>75>>78>>72

【全てを終えて怨念を魔翌力で封じ込めれば、それは最早ずしりと重いただの箱だ】
【けれどカズネの言葉に堪えるように、心臓の鼓動の如き動きをすれば後は黙す】

【一方の旧遺物、ナウファルの手に落ちた魔書は不思議と古びていても落丁はなく】
【先に述べた通りの魔術に精通した品であり、持ち主を選ばない感が強く】
【それは無論、映像として記録されてしまうのだが―――また別の話】


【レナールの街に関しては、残念ながら霧が晴れることも無い上】
【何処か通り霧の中からは人外のうめき声や遠吠えじみたそれがなおも聞こえ続けていて】

【極めつけは、塔だった。その先端、恐らくは旗を括りつけるポールか何かなのだろうが】
【それが、一気に何十メートルも落下して箱の乗っていた台座を突き崩すのである】
【落ちてくる―――それを感じさせるに十分すぎる、現世のものとは思えない光景と現象であった】

【やはり逃げるべきか。仮に歩いて外に向かうにしろ、転移の魔術を使うにしろ】
【不思議と彼らの持ち物の強さ故か、バケモノは襲ってくることはなく。ただ、人面瘡だけは違うのだろうが―――】

【――――まず、一段落。満足いく結果であるかは分からないけれども、静寂が草原を再度支配していた。】


/っと、こんなところでVSガイスト戦は終わりとさせて頂きます。お疲れ様でしたっ!
/箱(綾津妃)に関してはすぐには元に戻らないので、カズネちゃんの持ち物にするか何処かに安置して頂ければ。
/また旧遺物『悪の魔書』に関してはナウファルの方の好きにしていただいて構いませんです。
/それでは、こんな時間までお付き合い頂きありがとうございましたー!
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(関西地方)<>sage<>2013/03/18(月) 03:45:34.60 ID:csqI0h59o<> >>75>>78>>80
【激戦は、ひとまずの終息を見た。それは、『人面瘡』たちが与えられた任務を達成したことを意味した】
【しかし、『人面瘡』は、最初に与えられたひとつの命令しかこなすことはできない。撮影を終了した後、誰にも発見されずに帰る、などという】
【高度なことはできないのだ。任務を果たせば、残るのは主の元へ帰ろうとする衝動。ただ、なんの考えもなしに】

【二体の異形は、飛び出した。カズネが見やる障害物の向こう。さらに別の方向、ナウファルの後ろ側】
【二人の戦士の視界には、否応なしに捉えられることだろう】
【見た目は、肉の人形、この街の異形たちと大差ない。しかし、その頭部を見れば、わかるだろう】

【二体の異形の頭には、カメラが取り付けられていたのだ。それは、今も稼働し続け、おそらくはこちらを見ている二人の戦士を映し出す】

【『人面瘡』たちは、踵を返して、駆けだそうとする。来た時と同じく、四つん這いで。主のもとへと帰るべく】
【しかし、その動きはそう大した速さではない。彼らなら、捉えきれるはずだ】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage saga<>2013/03/18(月) 03:47:25.46 ID:xlgsI9Ob0<> >>77
「……修理は諦めなよ。ね?
大丈夫、また一から始めれば良いんだよ
うん……えっと……大丈夫。たった百二十万位。あ、何でも頼ってくれて良いけどお金は無しだよ?」

【きっと言われることは無いけれど――――】
【――――“お金は貸さないよ?”その一言が無情にも現実を再認識させるだろうか】
【燃えて消えてしまえば誰でも完全に諦めがつくのかもしれないが――――形が残っている故】


「うっわー……アナログ人間発言を聞いた気がする……
そのまま生きた化石みたくならない様に気を付けてよ……」

【銃を扱う彼女だからこそ、その言葉は大いに説得力を持って――――悪い意味にも、良い意味にも】
【彼女がここまで怪我を負う今回の敵は、余程手強かったのであろう】
【其れを十分に認識させる証拠が、目の前にはある】
【そして、機械音痴――――それを認識させる人物が、すぐ側に居る】


「そ、狼だから
分からなくても良いんだよ。ボクがそう言った事を覚えてくれてさえ居れば

だーかーらー!気にしなくて良いの!
ボクが助けたいからリーダーを助ける!
頼る頼られるとかそういうのじゃなくてさー。もっと気楽に、ね」

【表情の変化。其れを認めれば説得とはほど遠い口調で言い放って】
【駆動するエンジン音。きっとそれは言葉を聞き取りにくくしてしまうのだけれど】
【ちょっとしたお礼……にしては、強引過ぎるような気もするのだが】


「それを強がりって言うんだよ
リーダーだからとかじゃなくてー……ああもう、セリーナも疲れてるだろうから難しい事は無し!これでお終い!

あ、でもお酒は嫌だなー……ボクはジュースの方が……」

【きっと、何か言いたい事があった。でも、疲労しているであろう彼女に其れを聞かせるのも酷な話かも知れない】
【故に言葉を飲み込めば、無理矢理区切りを作って】
【――――ただ、酒盛りの話には珍しく苦い表情をみせるのだろう。それがどんなお話に繋がるかは、まだまだ分からない事】


「ん、大事な話……?
別に、ボクは全然構わないけど―――――――

お疲れ様、セリーナ」

【少なからず、良い話で無い事は確かであろう――――】
【勿論。その言葉を続けて返そうとするのだけれど、その時に感じた背中の感触にフと笑んで】
【その耳は、きっとエンジンの中でも声を拾ったはずで……】
【自分からすれば、当然の事。だから、述べる言葉は“どういたしまして”ではなく】
【――――お疲れ様】
【果たしてどの様な事が皆に告げられたのか――――】

/我が儘にお付き合い頂けて本当に感謝です……!!
/お疲れ様でしたぁー! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(空)<>saga<>2013/03/18(月) 03:49:37.03 ID:0OfQRBxh0<> >>66、>>71

……そうね。“私だけなら” なんて幻想は、この状況で抱く意味もない―――

(…………だから全霊を懸けましょう、お互いこんなに傷だらけでも、最後まで戦う事しか知らないのだから――――――!!)

【着地した先で一度だけ振り向いて、】
【血に濡れたままの視線を返した。彼を映して湛える光は翳りなく、もうそれ以上は振り向かず……、】
【………それもまた信頼のひとつの形だったのだろう。背中合わせのように交わらぬ視線は、共通の “敵” を貫いていた。】

【そんななかもう一度 “使う” ため、身体の状態を認識する。】
【既にかなりの負荷を負った躰。乱れかける呼吸、自らの力に軋む両腕―――】

【総て、この躰による戦術の構成要素に変える。橡色の双眸は、戦いの結末だけを見据え続ける。】
【求めるべきはただ勝利、邪禍を屠り鏡≠砕き、この先の時を制するための一斬の刻み方――――】

【……ならば躰は消費(つか)うものだ。その確信が、再び太刀を構えさせる。】


(…………っ、く、……―――――――!)

【全身を利用した加速。先程の突貫同様のその “溜め”が、既に相当に傷んだ骨を軋ませ激痛を奔らせる。】
【一顧だにしないその過負荷、纏わりつこうとする竜のブレス、取り付き、全身に電流を流す3匹の蜘蛛――――――】
【総て置き去りにして再び跳躍、真正面から空中で豪蛇≠フ双眸を見据えた。】

【――――――――――― 常に、この刃(ありかた)と共にある。最後まで其れを貫き続ける。】
【燃やす生命と共に駆け抜け、求める “今” を掴む全霊―――――――――】

【柊は、御代桜と共に虚空を翔けた。それは彼女自身が一振りの剣となり、成り果てて解き放たれる様でもあった。】
【狙いは同じく豪蛇≠フ頭部―――――― その真上に到達できたならそれと同時に、其処へ右手の太刀を衝き下ろす。】
【上顎から頭頂部を貫き、致命的な傷を与える様に。】
【そうする事で口を閉じさせ、完全にブレスを封じ、“彼ら” の勝利を確実にする事を目論んで。】

【もしもブレスが暴発したなら、彼女は、間違いなく甚大な傷を負うだろう。】
【だが、“御代桜” を、瑛月の刃を柊は信じる。】
【自分と瑛月、“彼ら” に賭けたこの生命は、無為に散る事などないのだと――――― そう、何より強く確信していたのだのだった。】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/18(月) 04:04:59.16 ID:v9D8wRSjo<> >>78

あなたは自分の心配をしてなさいよ
悪いけどアタシ治癒系の魔術使えないからね、自分でなんとかなさい男でしょ?

【つっけどん、なんとも色気のない答え】
【それでも彼が逃げるまで過度とも言える援護をするからには仲間だと思ってはいるのだろう】
【きりきりと具合を確かめるように回路を回す様は味方としても少々危険に感じるだろうけど……】

じゃ、準備も良いだろうし逃げましょうか
先に行きなさい後ろはアタシが……ね?

【唐突に浮かべるのは笑顔、なのだけどどうにも恐ろしくある】
【それもその筈で、彼に話し掛ける片手間で右手の魔砲がフル稼働し壁に穴を開けて逃げ道の確保をしているのだから】
【息を吐くように装填・射出を高速で、瓦礫の音もその内遠くになって……霧の外への直通の道が完成するだろう】


>>80

(……後始末、か……セリーナに、預けておきましょう)
(あなたもそれで文句はないでしょう?少なくとも明日も知れないアタシの近くよりは安全よ安全)

【ずっしりとした重みは彼女の中身故だろうか、なんて考えながら】
【片手に抱えて心の中で無理矢理に、答えなんか知らないとばかりに】
【……既にその瞳は上空に伸びる或いは落ちる塔へと向けられていた】

(……あの始末は、また別のヤツに任せましょう)

【自分が処理するには重いと悟ってか一瞥して彼女も走りだす】
【と、ナニかがカズネの感覚へと「引っ掛かり」――――――――】


>>81

覗き見は良くないって教わらなかったのかしら
……収束、壁抜き――――――――放てっ!!

【瞳の奥に映る姿へと掌を向け、紫光を放つ】
【一点特化の光線は壁抜きなど容易に、異形のいる元へと吸い込まれるように向かうだろう】

(ま、別にアタシは視られてもいいけど……)
(……内ゲバ?内部から崩壊するなら好都合ね、頑張って誰かさん)

【映像を送る意味など分からないしそれは推測に過ぎない】
【何にせよ異形というイレギュラーは更なる波乱を感じさせて】
【それがどうにも頭から離れず後ろ髪を引かれるような思い、でもそれを振りきって彼女は戦場を後にするのだった】

/皆様お疲れ様でした! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(山形県)<>sage<>2013/03/18(月) 04:12:34.96 ID:8W+7N6hvo<> >>71,83

「速く立て直せェッ!」 「豪快な一発をぶち込めェッ!」
「……なァに?」 「無ゥ茶振りだァ?」 「うゥるせェェエエーー、いいからさっさと……」

【大蛇と何やら押し問答をしているらしい悪魔――そこへ飛来する鋒】
【動きの鈍った大蛇に、瑛月が投擲した刀を回避することは不可能だった】

【――パリィン、魔翌力が砕ける音がする】 【魔翌力の気配が薄くなる】
【削ぎきれなかった魔翌力――それは分散し、そして無数の闇の魔翌力は――"鏡の破片"の様に辺りにへと降り注ぐ】
【一つあたり1~2cmのそれは2人を襲うが、もし命中しても軽い切り傷程度で済むだろう】 【それはもはや――最後のあがきに近かった】
【そして、口内には己を守る鱗も皮もない、その刀は口部への損害も大きく与えていた】 【もう、魔翌力の気配は感じない】

【まだ、終わってはいない】 【動きが鈍り、更には刀を喰らわせられた大蛇――頭上に見えるのは、柊と――――】
【――――、】 【――鏡の如き銀色の上顎を、頭頂部を貫くのは、……一つの白銀の線だった】

【もし、他にダメージが無ければまだ立ち上がっていたかもしれない――】
【頭部に受けた一本の線だけでも結構な被害だ、――それに加えて"尾"が切断されている】 【どちらも結構な致命傷であって――】

【ドサァッ――】 【ついに力を失い、その巨体は地面にへと崩れ落ちる――2人は巻き込まないだろうが】
【“其の蛇、月光を反射し輝く強者成。其れに打ち勝ちし強き者、我々に希望を齎さん”】
【――2人の力と連携は、強力な力を持つ大蛇を打ち破ったのだッ!】

「……グゥゥウウウルルルウウウッ」 「尾ォも口もぶゥっ壊しやがってェェエエ……」
「俺様がせェっかく揃えた四蛇の一匹をよくもォォオオッ!」

【悪魔の眼の前に現れていた魔法陣――その大きさが増せば】

「頃合いも頃合いだッ!」 「……今回は俺様に免じて許してやるぞ、糞共がッ」 「糞共がッ!」
「"収穫"も沢山あるしなァァアア」 「こォんな良ォい街並みが気ィに入らねェとは、眼が節穴か糞共ッ!」
「――こォこで捕まえた化ァけ物共は俺様が責任持って、色々利ィ用させて貰うぜ、ヒャハハハ!」

【出現していた"宵闇と鏡の豪蛇"の尻尾以外、それらは闇と化しその魔法陣にへと吸い込まれていった】
【からん、と地へ落ちる瑛月の刀、消えるブレス】 【しかし霧の針は未だ残ったままで――もっとも、何かしらの方法で破壊すれば根ごと消えるのだが】
【――まだ魔物が――"幻霧竜"や蜘蛛が残っている、それなのに撤退をするということは】
【その竜や蜘蛛が大蛇の補助役でしかなかった事を、大蛇の力がそれだけ強力だったと言う事を表していた】

「今回は殺し損ねたがァァアア……次にテメェーら糞人間共と会った時はッ!」
「ズゥッタズタの肉片にしてやるッ!」 「絶対ぶゥっ[ピーーー]ッ!」 「今日は調子が悪ィーから帰るッ!」 「糞がァァアアッ!」

【消える魔法陣、明らかな怒りを隠すこともしないその悪魔――】 【それは、行動を起こす】
【半ばヤケクソ気味に、口部から"生命と変化の、混沌の魔翌力"の球――8mm程の大きさのそれを】
【2人が居る場所周辺へと吐き散らす】 【――当たっても大したダメージにはならず、何かに当たればそれは消える】

【――攻撃を見届けることなく、悪魔は夜の闇の中にへと飛び去って行った】
【この場に残されたものは、"大蛇の尻尾と血"だった】 【それらをどう扱うかは、2人次第だろう――――】

【余談だが、この霧がレナールにある間――この悪魔がちょくちょく遊びに来ていたり宿泊していたりしたらしい】 【……よっぽど気に入ったのだろうか】

/遅くまでお疲れ様でしたー <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage saga<>2013/03/18(月) 04:17:16.51 ID:AUbngCC60<> >>76

【ぎゅっと抱きしめたまま、こわばる身体。固く瞑った瞳は、何の光景も教えてくれなくて】
【ちいさく零すのは怯えた音色、当然あるはずと思った痛みへ対するもの、だったはずなのに】

【一秒二秒、数えるごとに何にもないなら、疑問ばかりが増えていく】
【やがて恐々と開けた瞳が捉えたもの。真っ黒の血と、黄緑色の煌きと――】


【追いかけようとしたのは、白よりも白い蛇の頭、だった。彼なら、或いはその存在に気付けたかもしれないけれど】
【――それは唐突に断ち切られる。彼にも、彼女にも、触れられないまま、時空の狭間でのたうって――】
【それを絶ったのは紫色をした魔力だったという。最後の最後、イレギュラーたる人外は悪戯に手を貸して】

「ねえねえ、逃げられちゃったけどどんな気持ち? ねえどんな気持――おっと怖い」

【残ったのは、残されたのは、少女が一人だけ――に見えた。もちろん、違うけれど】
【明るい紫色の髪は長く、赤と紫のオッドアイを細めて煽る先、虚空のはずなのに、ひどく歪んで見える】
【それなり程度に幻視できる者なら、きっとそこにひどく醜い白蛇を見たのだろう】
【喪った首から零すのは血だか魔力だかも釈然としない曖昧なモノ。びちゃらびちゃらと地で跳ねて――】
【不気味に歪んだ虚空がずるりと動いて少女を捉えようとする――ふざけたよな声はそのまま、紫色の少女もまた、姿を消して――】


…………――え、

【知らない場所、知らない空気、知らない匂い、知らない温度、何が起きたのかすら、鈍った頭は導き出せないまま】
【それでも。彼女を害すことのない場所だと身体が気付いたなら、ふと本来の軽さを思い出せる】
【濁っていた視界も、聴覚も、感覚も、取り戻したなら――見つめた先には、黒だろうか、赤だろうか、広がっていて】

なんで

【視界の中の光景の中、難しいよなことなど何ひとつもないはずなのに。震える声は上擦って、先ほどよりもずっと怯えている】
【背中を弄られても微動だにしないのは、それだけ深い混乱を示していて――】
【自分のものでない魔力がなだれ込む感覚。よく手繰ったならそれは確かに不快感に近いのに、気にならないのは、彼のものだから――なのだろうか、なんて】

お、とう、さ、、

【――掛けられる重さ。耐えられたのは、身体の挙動がだいぶ本来に近づいたその証拠、なのだろうか】
【それでいて喜べるわけもないのは、目の前にある現実が認めがたいものだから、なのだけれど――】


………………――。

【ぎゅっと抱きしめる身体。温度が喪われていく意味が分からなくて、理解できなくて、ただ、どこまでも理解していた】
【抱きしめる力はいつもよりずっと弱くて、震えて――ただ、その裏では絶えず魔術が行使されては、刻まれていく】
【身体に刻んだそれらを、彼の魔力を用いてがりがりと書き換えていくのは、通電したままの機械の内部に触れるよな危うさだったとしても】
【死んでしまおうとも思った刹那。彼の言葉を思い出せたなら、蜘蛛の糸を見出せたなら、】
【ぼろぼろ涙を落としながら、それでも褪めた瞳はじっと彼を呼び戻すことだけ、かんがえていた】

【人智を超えた奇跡を司る力を持っていたのは彼女でなく、あの白蛇のほう】
【借りていた奇跡は喪われて。手繰るだけの道筋も喪って。もう一度舞い戻ろうものなら、未来はない】
【ただ。紫色の少女が戯れに断ち切ったその頭は、間違いなくあの蛇の余裕を奪い去って、その身体を満たすのが黄緑色なら、追うことすらままならない】
【少しでも一緒に居たがった結果に書き換えられた術式は、おおよそ元の機能を取り戻した後、源流を白蛇から彼へと置き換えられて】
【互いに干渉し得るリンクが放棄されたことは、なんてことのない偶然――結果としては、白蛇の完敗だったという】

/キャンセル……しない(キリッ
/おつかれさまでしたのです、何かありましたら適当に舞台裏で言ってくださいな! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2013/03/18(月) 04:19:29.52 ID:WKUDGYLqo<> >>80>>81>>84

……ハハ、あまり無茶はしないデ……

【そも今の彼女に無茶、という言葉を当てはめていいのだろうか】
【常よりかなり動きの鈍い身体を引きずって相手の後を追おうとして、不意に】

ゴメン、先に行ってテくれ。すぐに追いつくからサ

【一礼だけの詫びをして、くずれかける塔の付近へと引き返す】
【止めるよりも先に駆けだす青年、追ったところで益も無く。言われた通りに、先に進んでおくのが賢明か】
【――もしも人面瘡が両方ないし片方残っていれば、頭骨の砕けた異形の死体に謝す青年の映像が映り込むか】
【もしくはそれは事件の一部ともみなされず、誰の目にも映らぬ光景となるかもしれない】


/お疲れさまでしたー!
/いやはや足手まといっぷりがひどかった…… <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(関西地方)<>sage<>2013/03/18(月) 04:28:24.15 ID:csqI0h59o<> >>84
【放たれた光線は、ものの見事に、二体の『人面瘡』の頭部を、まとめて吹き飛ばした】
【地面にたたきつけられる異形。一瞬で機能停止】
【カメラも、衝撃で故障する。最後に捉えた光景は、>>87が、死体に謝す姿】

【しかし、頭の上半分が砕けた『人面瘡』たちの、残った口元が、笑みを浮かべているかのように見えるのは】
【きっと、気のせいではないのだろう】


……よくやったぞ。『人面瘡』ども
【めずらしく、ねぎらうような声音で、カニバディールがつぶやく】
【三人の異形が潜む、レナールの一角。『人面瘡』たちが倒れたことを、カニバディールは察知した。しかし、見事にその目的は果たして見せた】

『ああ、まったくお手柄だったぜ! データのほうはどうだ、兄貴?』
「部下たちから連絡が入った。『人面瘡』がやられる瞬間までの映像、余すところなく、撮影と映像の送信に成功したそうだ。バックアップも問題ない」

【オーギュストの言葉を受けて、三人の異形は笑う】
【手に入れたのだ。何物にも代えがたい、『情報』という武器を】

【三人は、レナールを後にする。これから起きる、さらなる波乱の到来に、両目をぎらつかせながら】

/皆様、ありがとうございました!  <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(石川県)<>sage<>2013/03/18(月) 04:36:08.61 ID:8zbUCIZSo<> >>85、>>83

【両腕が重く、痺れは止むことはない。その投擲に全力を尽くしたからか、蜘蛛の電撃に立ち眩みを起こしたのかは解らないが、膝が地面について】
【然しながら刃は突き刺さり―――八攫の追撃も入る。破片の魔翌力が弾け飛び肌を引っ掻くが、今更軽い切り傷など気にはならない】
【地面が大きく揺れた。……濡羽色の双眸には、倒れこんだ大蛇が映っていた。―――2人の刃が、異形を打ち倒した瞬間だった】

…………ま、だ……!! ―――ッ、気配が……消えた

【まだ、霧の竜が残っている―――と急いで立ち上がるが、今まで感じていた気配がふっと消えた】
【悪魔が腹いせに魔翌力の雨を降らすも、周りを散らかすだけで当たることはない。そのまま去っていく悪魔の背中を見れば―――】

……巫山戯るな、貴様を捕えるまでは逃さな―――ッッ!! ―――左腕が……御代櫻は、何処だ……!!

【叫ぶも、空に浮かぶ悪魔に刃は届かない。いや、今はその刃すらも手に握られてはいないのだが】
【八攫の足元付近に、御代櫻が横たわっているだろう。 鞘は瑛月の近くに転がっていたために、よろよろと歩いて拾う】

―――逃げられた、か……おい柊、御代櫻を針に充てておけ―――魔翌力を削るその剣ならば、針を消せるかも知れない

【……完全に思いつきだ。もしこれで聞かなければ、無理やり患部を刀身で穿ると言うグロテスクな展開になってしまうだろう】
【是非とも効いてほしいモノだ―――瑛月は、八攫の方に歩みを進める。脚には問題ないが、両腕が肩より上がらなかった】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(空)<>saga<>2013/03/18(月) 04:52:55.97 ID:ik6gXmTt0<> >>89
/すみません…完全の眠気が限界みたいなので、返レスは明日でも大丈夫でしょうか…
/あと1レスくらいで綺麗に終われると思うのですが…っ <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(石川県)<>sage<>2013/03/18(月) 04:57:10.06 ID:8zbUCIZSo<> >>90
/おけですよー!では明日オナシャス! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(空)<>saga<>2013/03/18(月) 05:01:05.29 ID:ik6gXmTt0<> >>91
/ありがとうございます…! それでは今夜はお休みなさいっ、瑛月の方も邪禍の方も、遅くまで本当にお疲れ様でしたー!
/>>90のたった二行の文すらミスするという…遅レスも含めて、改善が要りそうですねこれ… <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(埼玉県)<>!red_res saga<>2013/03/18(月) 13:07:24.09 ID:oXDdkYBio<> 【すべてが終わった後=\――。】


【―――端的に、そして分かりやすくただひとつの事実を述べるなら、『レナールは壊滅した』】
【黒い霧は未だ晴れず、その濃度が上がること自体は収まったものの人は皆バケモノのままであり】
【その世界は腐臭と血に満ちた地獄のまま。更に問題なのが天から降り来る塔であった】

【上下逆さに伸びた塔は、その先端≠地面に突き立て、反対側は雲の上までも伸びており】
【誰も居なくなった街に突き立ったそれは、レナール市街の約70%を押しつぶす程の巨大さであった】

【結果として言えば、レナールはわずかに残った廃墟を黒い霧に隠されたまま】
【その中央部を明らかに人為的でない、いっそバベルとも形容できる巨塔の地へと変貌したのである】
【その出先は魔界の僻地。雲の合間に届いた魔法陣の光による、召喚であったとされているが】
【それほどの多大な魔術、人の身であれば如何なる大魔導師にも難しいのでは無いかと目されて】


―――うん、大丈夫。塔の召喚にだいぶ魔力を喰われたけど、あのくらいじゃ死なないよ
といっても……月彗の時、それに今回で、少し消耗しすぎたようには思うけどさ

……キルフェ?あぁ、うん。今は部屋で寝込んでるけど、彼女も無事
でもどうやら、ベイゼ・べケンプフェンは回収しそこねたみたいで……そう、役立つって話したでしょ?
それに旧遺物も残光剣以外はこっちには無くてさ……うん、魔書もね。


【その塔の最下層――ーいや、天地逆転の建物だから、最高層と表せばいいのだろう】
【風の国の、雲よりも高い位置。長テーブルに置かれた黒電話で話す少女≠ェ居た】
【橙色の髪に小さな角は、幼気な童女が人外であると一目で分かる特徴で】

【彼女は限界までそのケーブルを引っ張って外を見ながら、誰かと呑気に会話をしていた】
【既にレナールは壊滅。赤々と空を照らした魔法陣も消えていて、魔界とのコネクトも途切れている】
 

……手詰まりじゃないのか、って?そんなこと無いよ、機関はまだまだ利用できる
六罪王は……人間だけど、役には立つ。それにナンバーズもモノを集めるのには丁度いい連中だよ

バレる?それはまあ、一部の人間には見られているけど……ソッチは、動きがないんでしょ?
これだけ大きな建造物を別の世界から引っ張ってきてもノーコメントなら、今は恐れる必要は無いさ
私がこっちの世界を支配するまで……うん、機関も他の連中も駒にするまで。もうちょっと、待っててよ

……、…………そうだね、気を付ける。バイバイ、弟クン。


【―――――――】
     【―――――】
          【―――】


この殻も、そろそろ限界が近い。私の姿も広まりつつある中で、計画も少しずつ実り始めている
……潮時かな?結構、人のいいお爺ちゃんっていうのも楽しくはあったんだけど
となると、次に動く時は……準備を整えてからお披露目、かな。そしたら……、……――――

         
            アイツラみんな、ぶっ殺してやる


【―――戦いは、機関の敗北に終わった。ベイゼ・べケンプフェンの奪還は失敗したのだ】
【しかしその一方で、ガイスト・ウォレン≠フ不穏さはレナールの怪異と共に増大する】

【機関員に対して、巨塔≠フ説明は無かったのだ。そも、レナー襲撃自体『陽動』とは言っても――】
【そこが『地獄』に変貌するというような話、まともにかの老人はしていただろうか?】
【六罪王ガイスト・ウォレン―――彼の。いや彼女の行動は、一部の同僚≠ノよって死するところまでが捉えられている】

【世に、その魔性が広がりつつあった。善悪を超えて、様々な人員が彼女の脅威を水面下で知りつつあった】
【果たしてそれが、如何に作用するのかは――当事者たちの行動次第、といったところか。】

/こちらのレスにて、The second tragedy°yびGet back the BB≠フイベント終了をお知らせ致します
/参加者の皆様、大変お疲れ様でした!またご参加ありがとうございましたー!
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>saga sage<>2013/03/18(月) 19:55:37.37 ID:T/0Mvagpo<> 【夜の国――とある館跡】

【焼け落ちた屋敷。 とある夜の大火の跡は、今では誰ともなく忘れ去られていて】
【全て煤けて灰と化してもなお、家主の趣味の悪さが伺えるような黒い調度品の残骸が残る場所】

【……ぺた、ぺたと、地を這う足音がする】
【其処にこの土地特有の死霊だの亡霊だのの不気味さは無く、】
【どちらかといえば小動物的な安心を齎すような、何処か間の抜けたリズムであった】

【きょろ、と頚を振って周囲を警戒しながらも、】
【焼け残った植え込みの下から這い出たのは、全長2m程の黒いトカゲだった】

【額に燃える炎のような真っ赤な魔石が嵌っていて、漆黒の鱗は何処か幻想的でさえあるのに】
【時折短い前足でくしくしと顔を拭ってみたり、ちろちろ真っ赤な舌を出してみたりと】
【爬虫類特有の丸っこい瞳からは、かのサラマンダーの亜種である威厳などこれっぽっちも無い】

【――だが、曲がりなりにも、希少種であろう】
【更にその首には所有を示す首輪があって、誰かの飼っていたものが逃げたと見て良いようで】

【人っ子一人いなくなってしまった跡地。 大好きな火の匂いに満ちた場所だというのに、】
【一人ぼっち残されたトカゲのまあるい目は、何処か寂しさを湛えているようにも見えた】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage saga<>2013/03/18(月) 20:07:36.54 ID:AUbngCC60<> 【路地裏――入り組んだ迷宮の奥の、そのどこか】
【古びたコンクリートで囲ったような檻の中は、月明かりだけが照らすはずなのに】
【暗がりの向こう側、ぼんやり光る魔力の明かりがあったなら――誰かの興味を、或いは惹くのかもしれなくて】

…………、

【ちいさな両掌は、まるで太陽を知らないような白さで以って、たくさんの花弁を抱きとめて】
【末期の御衣黄桜に似た色合いは、黄緑から桜色に至るグラデーションを描いたなら、ふんわりと光る】
【指先からひとひら舞い落ちたなら、向かう先には――――ごろりと寝転がった、人間?】

【路地裏の暗がりよりも冥い髪、さらりと揺れる長さは膝と揃えるほど】
【長めの前髪から覗く瞳はそのどちらもが血の赤色を湛えて――陰鬱と、曇っていた】
【少しだけ袖を余らせたパーカーも、フリルの段であしらったスカートも、総てが黒く】
【足を包むものも、黒のサイハイソックスと編み込みブーツなら――黒白の世界から抜け出してきたよう】

……ねえ、生き返ってみせて

【既に腐敗し始めたひとへとちらりちら花弁が舞っては積もっていく――】
【その刹那にそんな声を零したなら、鈴の音によく似た声音はよく暗がりに響いて】

【――そんなことがあるわけもないのに。その声も、瞳も、総てが真剣な色合いなら。どこか、おかしくも見えるのだろうか】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/18(月) 20:24:51.76 ID:MufDIvLNo<> 【廃工場】

【とある工場跡地、取り壊された後は広い土地とボロボロの3階建ての事務所―廃ビルが1つ在るのみ】
【囲んでいたフェンスは殆どボロボロに成っていて敷地への入り口の錠はいつからか破壊されているため】
【勝手に忍び込んだ人々が、能力やら格闘技の練習に使ったり、少々、人に見られたくない事などに勝手に利用している】
【街から少し離れているため”うってつけ”ということなんだろう】

【一台の大型バイクが、敷地の中に入ってくる エンジン音と砂利を踏む音が聞こえる】
【バイクが停まる、エンジンも止まって、ドライバーが降りてきた】
【ノーヘルのスーツの男 サングラスをかけていてる】

【シートに腰掛けたまま、シガーケースから細身の葉巻を取り出すと、それの吸口を噛みきって】
【それをくわえると、ライターを取り出して、炙るように火をつける】
【煙を吐き出すと、バイクにくくりつけていたアタッシェケースを手にとって】

……相変わらず静かだな

【バイクと葉巻の匂いを残して、目の前の廃ビルに入っていった】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(長屋)<>sage<>2013/03/18(月) 21:17:01.50 ID:BwgG/7FM0<> 【風の国ー路地裏】
【闇が光を覆い、死地へと繋がっているかの様に思える路地裏】
【窃盗、殺人、密売、世の暗黒面が蔓延るこの道にひっそりと営業している一件の店】
【夜が深まれば賑わいがます『バー&レストラン"CNS"』】
【今日もまたギャングにマフィア、富豪に貧乏人と多種多様な人で賑う店内】

レナールに不思議な塔が現れたんだって〜?♪

【誰でも魅了してしまう程の豊満でスレンダーな身体をした美女】
【牛柄のビキニとホットパンツをつけ、その上からは羊柄のエプロンを着ており】
【頭には蝙蝠の羽、ホットパンツからはサソリの尻尾が生えている】
【そして、こぼれ落ちてしまいそうな大きな胸には逆五芒星とNo32の文字が描かれていた】
【くるくるとバレリーナの様に目まぐるしく店内に料理を運びながら厨房にいる男に訪ねていた】

「そう見たいだな、化生の求道者の仕業だろう、あそこに行ったのはやつだったはずだ」
「陽動の為だろうが、結局No3は奪還できなかったな」

【斑色のバンダナを被り、スポーツサングラスと立体マスクをつけている】
【赤色のラフそうな服とその上からは羊柄のエプロンをつけており】
【スポーツサングラスには逆五芒星とNo14の文字が描かれている】

何でいかなかったの?店長が行けば奪還くらい楽勝じゃない?♪
「それはそうだが、店が忙しいかったからな」
薄情な人…
「ありがとう」

【包丁を叩きながら、過剰な自信を含めた会話をしている二人】
【美女は店内に戻る中、男だけは今回の事件に疑問を抱いていた】

「(陽動…とは言えやりすぎな感覚を受けるが…何か俺達ナンバーズの知らない動きでもあるのか…)」
「(この前"肉屋"も言っていたが、明らかに何かがおかしい)」
「(俺達の中の歯車が狂ってみたいだ…この件に関しては調べて見るか…)」

【軽快な包丁を叩く音を響かせたまま、機関内部にある何かを考えている】
【賑やかで犯罪的で快楽的なこの店のドアを開いたまま】
【来るであろう新たな客を待ちわびるかの様に】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(長屋)<><>2013/03/18(月) 21:25:52.23 ID:2SPGTM7go<> >>95
【その声が発せられてから、数秒後】
【ぴくり、と】
【「人であったもの」が動いた】
【錯覚ではなく、確かに動いた】
【指の位置が、顔の向きが、脱げかけた靴が、ズレていた】

【それから少し間を置いて───】

モギャアアアアアア!!!

【この世のものとは思えぬ叫びが辺りに響く】
【音源は、目の前に】

うギ、ギヒ、むィ、ケヒひひヒひヒヒ!!

【不気味な、鳴き声か、笑い声か、それとも全く別の何かなのか】
【とにかく摩訶不思議な音を響かせながら、むくりとその身体が持ち上がった】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(関西地方)<><>2013/03/18(月) 21:27:23.31 ID:mMZP8BU9o<> >>96

【廃ビルの中はきっと、人の気配のしない無臭の空間のようであるのだろう】
【ボロボロの窓ガラスは所々が欠けていて、飾り立てのされない月が、その姿を美しく覗かせて】
【やがて落ちる月光が、その先に静かな人影を伸ばした】


……おじ様、喫煙はおじ様の御身体を穢してしまいます
その美しいバリトンの声も、真っ白な歯並びもお大事になってください

――――汚れは、汚れが引き受けますので


【淡い芳香が零れた、ふわり、貴方の眼前を小柄な人影が流れたならば】
【その眼前に現れる、華奢な体躯、長い髪の毛の下の小さな顔が姿を示して】
【月光が揺らめいて、その下の輪郭を映し出したなら、柔らかそうな頬の白色が、夜に浮かび上がった】

【僅かに金色のかかった長い黒髪を蒼の細いリボンと質素な簪で二つに結って】
【丈の短い黒のミニスカ着物、長い袂から零れるのは白いレースのフリル】
【同じく白レースの帯をリボン結びにして細いウエストをぎゅっと絞っている】

【沢山の櫻の模様が刻まれている着物とは違い乳白色の素肌に煌く黒のサイハイソックス】
【黒の厚底草履を履いた小柄で華奢な蜂蜜色の瞳の膨らんだ胸の少女が、貴方の前へと歩み寄ったなら】
【そっとその少女らしくもあり、またどこか女性らしい体躯を貴方へと密着させようとするだろう】

【――――可能ならば、草履の鼻緒を地面とキスさせて、その柔らかなつま先を伸ばして】
【ふわりと伸びる背、貴方の唇の直ぐ下に、彼女の髪の毛が触れるような位置で】
【そっと彼女は右手で、貴方の咥えた葉巻を、奪い取ろうとするだろう】

【貴方のその、男性らしい艶やかなルージュの、肉感的なリップへと僅かに指先が触れたなら】
【それは陶器のように冷たくて、それでいてその下に燃え上がる官能を宿すかのように暖かくて】
【悪戯っ子みたいに、貴方から一歩だけ、距離を置こうとするだろう】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage saga<>2013/03/18(月) 21:36:55.75 ID:AUbngCC60<> >>98

【そうして願ったことはただの幻想だと理解していて、だから憂鬱さはずっと増す】
【伏せた瞳を彩る長い睫毛が微かに震えるのは、いやな未来を想像しそうになったから――で】

【それは本を閉じるよな気楽さ。ぱたと閉じられた両の掌は、花弁を抱きしめるに足りなくて】
【はらりひらり舞う花弁たちが落ちていく――落とした視線はそれを捉えて、その向こう側の異常も、捉えた】

……っ、

【かつと地を打つ甲高い音、鋭く響いたなら、作る距離は一歩と少し】
【ぎゅっと胸元の布地を握る右手からは花弁と同じ色の燐光が零れて――】

【顰めた眉、細めた瞳の向こう側。考えるのは成功だとか失敗だとか、その次元にすら達していない】
【零した魔力はただそれだけのものだし、寧ろ明かるさのためと思っていた節が多いから、そう、きっと】
【――これはどこかで誰かが仕込んだ何かの類だと判断する頃には、きっとソレは起き上がっていて、】

何か――用事? 遺言なら遺族の枕元でどうぞ。

【すぅと伸ばされる左腕、ちぢりと魔力が煌いたなら、せいぜい威嚇ぐらいにはなる――だろうか】
【ゾンビ(仮)を見据える瞳は爬虫類めいた冷たさを抱いて。緩く渦巻いた風に乗ったのは、彼女の湛える水の魔力の残滓だった】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/18(月) 21:53:10.77 ID:pMrmiiYuo<> 【廃墟】

【風化し切った建築物の群れがまるで墓標のように立ち並んでいた】
【誰も訪れることのないその古びた舞台を月明かりだけが夜に照らしていた】
【その存在がまだあることを証明するために。失われたものを繋ぎ止めるために】

【かつては命の流れの中にあったはずのこの場所も今では時の止まった歴史の証人】
【朽ち果てた家、支えるものを失った柱、立ち枯れた木、子供が書いた掠れた絵──】
【彼らは今でも忘れ去られた思い出たちを静かに守り続けていた】

【──だが今はここが舞台。演者が立てば忘れられた記憶は過去となり時間が再び歩みを始める】
【月の光が影を生む。遮るのは今宵の観客にして役者そのもの】
【優しげな月光がスポットライトのように朽ちた建物の上に座る彼を照らしだした】


──随分と変わってしまったな……
きっとこの場所も昔は今と全く違う姿だったんだろう……


【薄い金色の頭髪をフードで隠してそれと一体化したローブに身を包む】
【深海のように濃い青のローブはまるで魔術師を連想させるもの──】
【照らされた顔は幼さの残るもので──光に負けじと右腕の腕輪が金色に輝いている】

【そしてその顔は深い陰りを帯びていた。朽ち果てた廃墟に何故だか彼の心は揺さぶられた】
【遥か昔に想いを馳せてもそれが返ってくることはなく帰ることも許されない──】
【彼の表情は後悔の色で曇っていて、どこか歪な闇を湛える瞳が月が照らす夜空に向いていた】


……色々あったような気がする。ほんの少ししか経っていないのに
「過去から逃げろ、それから逃げ切ったとき君という存在はそこにはいない」とは
よく言ったものだ……


【呟いた彼の眉が苦痛に歪み、無意識のまま庇うように細い左腕を右手で抱えた】
【夜風だけが彼の頬をそっと撫でる。まるでそこに寄り添うかのように】

【演劇は一人のものもある──けれどこの舞台は一人では成り立たない】
【月の光、彼の紡ぐ音、気配、はたまたこの場所そのものに誘われて】
【次にこの場所に上がるのは一体誰なのか────】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(長屋)<><>2013/03/18(月) 22:00:55.07 ID:2SPGTM7go<> >>100
ケひ、けヒ、ケヒ、けひ

【左腕にも、魔翌力にも、何にも反応を示さず】
【ただ、笑い声のような、泣き声のような、そんな息を漏らし続ける】
【腐敗した頬の肉がずるりと落ち、肩の上に乗る】

あ、ツ…ぃグッ!!メ、め、めナ

【見れば、足首が、膝が、肘が、指が、首が】
【様々な関節がめきめきと音を立てて、あらぬ方向へ、曲がって行く】

【その表情には苦悶も、愉悦も、感情の欠片すらなく、唯々、不気味な聲だけが漏れ聞こえる】
【それは、何かのメッセージなのか、それとも呪詛の言葉なのか──】

ヶぇえ、エれれれレれ!!!

【──或いは、意味など存在しないのかもしれない】
【何故ならば、既にその瞳は何も写さず、その頭にはただ一つの本能しか無いのだから】

ばッッッッ!!!

【一際大きな聲を発すると、「それ」はいきなりしゃがみ込み】

あつメなケレばッ!!あツめアつめあつメアツめケヒひヒひヒひィッ!!!

【集めなければ】
【確かに、そう言った】

も、もも、ももももももも

【何を、集めようとしているのだろうか】
【それは、攻撃するでもなく、逃げるでもなく】
【ただ少女の足元で蟲のように這いずり回っている】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/18(月) 22:12:26.74 ID:gZXjCPK0o<> 【町外れの墓場――――忘れ去られたかのようなその場所にて――】
【そんな場所に今日は珍しく一人の人物が訪れていた】

【喪服とまでは行かないが黒いフォーマルな服に身を包んだ人影が一つの墓の前でしゃがみ込んでいる】

【いつもの彼女を知っているのなら、服装の変わり様に少し驚くかもしれない】

【数十分前からその影は微動だにしておらず、意識を失っているのかと勘違いされるかもしれない】
【だが当の本人はそんな事なんてまったく考えておらず】

最近はお仕事が忙しくて滅多に来られませんでしたわね………
お待たせしてしまって申し訳御座いません……お婆様、お爺様

【墓前の少女はニッコリと微笑みながら、予め用意していた花を供える】
【その笑顔はどこか陰の差した……暗く陰った陰鬱で寂しげな物】

【首に下げられたペンダントはbェ刻印された物ではなく、青い宝石が埋められた物に変わっていた】
【いつものフワフワとしたドレスも今日だけは真っ黒で質素な服に変わっている】

お二人が亡くなってからも……私は何も変わっていません……日々変わらない平穏な日々を過ごしております
ですから…ですから安心して……安らかにお眠り下さい

【自分に言い聞かせるように呟いた言葉には少なからず嘘が混じっていて―――】

【そして少女はもう一度何かに縋る様に祈りを捧げるのであった】
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/18(月) 22:14:16.37 ID:MufDIvLNo<> >>99

【男は、中を歩いている所で、ふと眼前に現れた女性を見た】
【ボロボロに朽ち果てたビルに差し込んだ月光 それに照らされる女性】
【月から抜け出してきたような彼女はこのビルには不釣り合いなようにも見えるが】
【そのアンバランスさがどこか儚さだとか破滅的な美しさを醸し出しているのかもしれない】

別に気にしちゃいないよ、身体の事なんて………病気でくたばるほど、長生きする予定もない
……それに、俺はまだニジュウクだから、おじ様は早いんじゃないかな

【背の高い、この男はしゃがれた声で言った 若さ故、バリトンというよりテノールだろうか】

【綺麗にめかしこんだ女性とは違って男は至ってシンプル】
【サングラスと黒いモッズスーツ、黒革のブーツとレザーのネクタイ これだけで説明がついてしまう】

【男は近寄ってきた彼女をサングラス越しにチラと見て】
【葉巻を取ろうと伸ばした手にスッと身体を逸らし避けて、男は父親が子供に少し意地悪するような笑みを浮かべて】

【彼女の頭を軽く右手で撫で、脇を歩いてそのまま奥の部屋に歩いて行こうとする】


/お風呂入ってておくれました ごめんなさい! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage saga<>2013/03/18(月) 22:17:13.30 ID:AUbngCC60<> >>102

【差し向けた左腕、細く白くゾンビ(仮)を示す指先、そこで渦巻く燐光めいたグラデーション】
【零れた欠片は花弁のかたちを成して、ひらりふわ舞い降りた先で、ひちゃりと水の冠を作り出す】
【――それが呼び水であったよう、掌に溢れだす花弁は、そのひとつひとつが地で冠を成していく】

っ、!

【ひときわ大きな声に、びくり肩が跳ねたなら、弱虫めいた色を窺うことが出来る、のだろうか】
【服の布地を握る力が少しだけ増す。引き摺るようにそっと引いた足、もう一歩後退して、】
【もう一度――繰り返そうとして、その靴の踵が壁に触れて、か、と鳴いた】

……冥にお帰り、もっとひとのふりが上手じゃないと、だめよ

【ちらと動く瞳が壁を捉えて、顰めた眉はきっと不機嫌を示す】
【それでいて投げかける鈴色の声は、どこか憐憫を混ぜ込んだよう――少しだけ寂しげに響いたなら、】

【――ゆらりと。冠の跡を忠実になぞって起き上がるのは、ちょうど片手の指と同じ数の水の蛇】
【透ける身体、その頭の中にはちいさなちいさな銀の鈴を抱いて。水中だと言うに、それはりんと鳴る】
【彼女の魔力と同じ色をした身体をふらふらと揺らしたなら、やがて。飛びかかる動きは、あまりにも真っ直ぐだけれど】
【触れたなら。ただの水と侮るなかれ、それは強い酸性を示していて――】

わたしみたいに

【ただ。強い酸性を示す以外は、普通の水となんら変わりなく――例えば熱したりしたら、あっさりと蒸発したりする】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(広島県)<><>2013/03/18(月) 22:21:43.10 ID:aehXCNiW0<> >>101

こんばんは、いい夜だなぁ、おい。

【足元に転がる残骸を蹴飛ばし一人の男が現れる】

人っ子一匹いねぇ街っ通のもおつなもんだね。

【奇妙な男だ】
【腹は多少出てるが太い腕や胸板が肥満ではないことを示している】
【黒く長く延びた髪や髭はぼさぼさで野暮ったい印象を与える半面、目は鋭くギラギラと光っている】
【大型の自動拳銃と弾装を入れたホルスターと多数の装飾品の形を隠れ蓑とした魔具を装備し】
【タトゥーだらけの肌にじかに来た黒革のコートの背には、四つの国の国旗をかかげた塔の絵】
【額には剣でつけられたような痛々しい傷跡がのこっている】
【少なくともこの街の死骸ともいえる静かな世界に似合わない客だ】

なんだか世界が自分のものになった気分だ。

【彼に話しかけながら男は自分がふんずけていた一枚の紙をとり眺める】

みてみろよ、まさに幸福は幻影にして苦悩こそ現実である――だな。

【そして紙を彼に見せようとする】
【紙に書かれたのはクレヨンで描かれた家族だんらん】
【なんてことはない子供が描いた絵だ】
【――これを書いた子供は――――多くの子がそうするように】
【これを書いた後自慢げに親に見せたのだろうか】

/まだおられますかー <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(中部地方)<>sage<>2013/03/18(月) 22:23:06.03 ID:nGVw+60ko<> 【大通り】

――えーと、まずあっちにメール回して、皆に連絡を…………。
いや、先に先輩に一回挨拶に行った方がいいかな? あーでも、明日バイト入ってるしなあ。
ならそっちは委員長に頼むか………。で、それから…………。

【夜闇に包まれ、あまり人通りもなくなったこの道を、黒いブレザーに赤いネクタイという制服に身を包んだ男子高校生が歩いていた】
【前髪を上げた茶髪にやや着崩された制服は、いかにも"今時の高校生"といった感じの印象を与えるだろう】
【しかしながら、そのわずかに黄味がかった黒色の瞳には、人を威圧するような気配は一切感じられず】
【背丈も平均身長より少し低め程度で、顔つきもやや幼い。『少年』という表現がおそらく一番的確だろうか、そんな男子だった】

【左手に革製の学生鞄をぶらさげ、右手で携帯を操作しながら歩いていくその後ろ姿は、なにやら随分と忙しそうで】
【そもそも、こんな時間に学生が一人で出歩いている時点であまり普通とも言えないが…………】
【見るからに充実した学生生活を送っていそうなその容貌から推理すれば、部活の帰りか、友達と遊んででもいたか、あるいはバイト帰りか。そんなところだろう】

【さて、そんな彼は、ぶつぶつと何事かを呟きながら、その視線を携帯の画面へ釘付けにしている】
【当然、そんな状態で歩くものだから、彼の歩みは少々危なっかしくて…………】
【このまま行くと、誰かにぶつかってしまうかもしれない】
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(関西地方)<><>2013/03/18(月) 22:26:22.98 ID:mMZP8BU9o<> >>104

【くすり、表情を濡らす微笑みは、貴方の音律に歪められた意識の沙汰】
【頬に刻まれる微笑の色、月明かりにぴったりの優しげな頬の形が、どこか少女らしさを強調しながら】
【小さいながらも潤んだ唇の、湿ったその輪郭が、彼女が異性≠ナある、ということをはっきりと示す】


……それは少々自分勝手、人は生きてるからには長生きしなくちゃいけません
ふふ、ごめんなさい、お兄様――――少々月明かりが、私には眩しかったので
こうして、お兄様の直ぐ側に寄って、お兄様の香りに溶かされたなら……

お兄様の見目麗しいお姿も、その肌の色でさえも、はっきりと感じ取れます


【どこか大人びた言葉、丈の短い着物は、露出の覆い扇情的な姿でもあって】
【それをどこか余裕持って対処する貴方、年季の違いか、或いは年相応と言うべきか】
【虚空を掴む指先の感触と、その肌触りだけが、少し歪な音を刻んで】

【彼女は思わず飛びのいた、自分の頭へと伸びた貴方の右手を拒否するかのように一歩だけ】
【飛びのいた位置は、脇を歩こうとした貴方の目の前、少しだけその行く道を止めるが如く】
【黒い髪の毛が白い頬に刻む、コントラストのような色合いが、彼女のどこか華奢な彩りを強めた】


……お兄様、いきなり触れるのは無粋なもの、かと
私もそう、つれない人、だなんて思われたくないので――――拒否したくはありませんが

ドレスコードはきっと、どの場面でも適用されるべきもの
お兄様にはもう一片、羽織ってもらわねばならない召し物があります

――――Velvet Underground


【彼女の小柄な身が揺れた、まるで貴方の前に跪くように、その小さな身を屈ませたなら】
【長い袂が揺れる、零れ落ちたフリルが、白い指先に溶けるように吸い付いて】
【視線を落としたならば、華奢な首筋に映る黒髪にとその残照のような肌の色】

【――――しばらくそのままにしていたなら、貴方の右手に僅かな異変が生じるだろう】
【少々小さく≠ワた軽く≠ネるはずだ、何がおこったか、それに気づくのには少々時間がいて】
【成功したなら、彼女は地面に、サイハイソックスに満ちた膝を落として、その手の下に小さな頭を滑り込ませる】

【そうして、撫でてもらおうとするのだろう、主人を迎える、子猫が如く】
【気づくだろう、貴方の右手が女性≠フそれに、変化してしまったのだと】
【不審に思い、彼女を無視したならば、それはおきない、彼女の動きから少し離れれば、また変化はしないだろう】

/いえいえー <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(空)<>saga<>2013/03/18(月) 22:29:45.86 ID:uRmodfKB0<> >>85、>>89

【浅く刻まれる切り傷は放置、飛翔する一閃の斬撃と化して滞空、着地して―――― 真下へと冷徹に垂直に、返り血と共に衝き立てる刃。】
【“止めを刺した” 感触があった。交わらぬ二本の刀身が、力と生命を絶ったのだと知覚した。】

(……はっ、―――――)

【そして崩れ落ちる蛇形の巨体―――濃藍のコートがはためいた。】
【上顎を串刺しにした太刀を引き抜き、ふわりと降下して着地する。】

(―――――――、っ……。)

【地表から見上げた空にはあの悪魔。怒りの言葉を吐き散らす其れは、退却の準備を既に終えていた。】
【……豪蛇≠フ躰は既に消えた。もしも先にあの男を狙っていたなら、あれを足場として利用する事も出来たのだが―――】

【それももはや過去の幻想であり、可能性は可能性のまま過ぎ去った。状況が其れを許さなかった。】
【そして “当たらない” 魔力弾が幾ら撒き散らされようと、柊はそれを一顧だにせず、】

………“次は”、か―――――― あまり好きじゃない言葉だけれど、今夜だけは話が別ね。
……次は決して逃がさない、貴方の哂う声も、その邪悪も…………!

【紡いだ言葉は双眸と共に、柊自身にそう命じる様な強さを以て邪禍に向けられる。】

【……今宵を忘れる事はない。邪禍という脅威を取り逃がした結果、新たな犠牲を生む可能性を残す意味も、また。】
【だからこそ “次” があるのなら、其れを決着とするのだと―――― 】
【……次こそはあの邪悪を逃すことなく、言葉通り “終わらせる” のだと。そう、強く胸に刻みながら。】

【そのまま邪禍の消えた虚空を見つめていたが、瑛月の “思いつき” が耳に入って、】

(―――――…………。)

【振り返る橡色の視線は、少し困った様に眉根を寄せ、或る種の葛藤を瞳に浮かべた。】
【そのまま数秒程度の間を置いて、再び口を開き、】

…………要らないわ。こんな掠り傷程度は、私一人でどうにでもできる――――
……それとも貴方と戦った “私” は、これで音を上げる様な泣き虫なの?

【紡ぐのは透る声、拒絶の言葉。けれど其れはどこか親しげで、温かみすら感じさせる響きを持っているのかもしれない。】

【彼とはどこまでも対等に、意地を張り合える関係でいたい――――】
【……こんな風に “張り合う” 距離感が、きっと自分たちには丁度良い。】

【或いは彼に対してのそんな想いが、この強がりな意固地さに繋がったのだろう。】
【もしかしたら本当に助けは不要で、彼女には、何らかの手があるのかも知れないが――――。】

【今は何もせず息を一つ吐くと、柊は瑛月の刀を拾い上げた。そして彼へと歩き出し、】

【拒まなければ “御代桜” の刀身を中て、彼の左腕に突き刺さった霧の針を、その異能(ちから)で消し去ろうとするだろう】
【……果たして彼の反応や如何に。】
【彼女の目論見通りに状況が進めば、そのまま刀は返されるのだろうが―――】

/大分遅くなってすみません、返しておきますねー
/1レスと言いつつ反応を期待してるという……いろいろ申し訳ない……っ <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(長屋)<><>2013/03/18(月) 22:44:23.33 ID:2SPGTM7go<> >>105
ひぎィッ!!

【まるで、襲いかかる蛇を恐れたかのようにカサカサと後退し回避】

亜、爪、啼、怪、零、把ッッ!!

【また、集めなければ、と言って】
【一人と一つを囲む壁を登る】

あつめなけ、れ、あつめな、あつめ、あつあつあつあつあつあつ

【と、急に動きが止まる】
【曲がってはいけない方向へと曲った指は、それでもなお壁にめり込み、身体を宙空に固定している】

あ、つ、アッ、アツッ、集、アつ暑厚圧萃軋渥

【様子がおかしい】
【元からおかしいと言えばおかしい状況ではあるのだが】
【なにか、苦しむような素ぶりを見せている】

【その顔は壁を向いていて、少女のからは見えないのだが】
【知性のようなものが、その瞳に宿っていた】

あァ、集めていたのになァ………

【今度は、はっきりと喋った】
【先ほどの、鳴き声とも思えるような声ではなく】
【しっかりとした、男性の声で】

武器を、集めなければ、いけなかったのになァ………

【未練がましく、そう呟く】
【それは、亡霊なのだろうか】
【路地裏で、人知れず死んだ、男の未練の塊だったのだろうか】



【───否】

【その死体は、蠢き、喋り、蘇った死体は】

【女のものだった】

あ、ツ、集、渥、蒐、鍾、淳

【先ほどの男の声はもう既に失くなっていた】

扎鳩會敦壓揠穵、熱………熱?

【また、蟲の様に這いずろうとしたその時】
【何かに気づいた様子だ】

熱……?熱、熱熱、熱熱熱熱熱熱熱熱熱熱熱熱熱熱熱熱熱熱!!!!!

【狂った様に、「あつ」を連呼して】

熱熱熱熱熱熱熱熱熱熱熱熱熱熱熱熱熱熱熱

【そして────燃えだした】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2013/03/18(月) 22:51:10.57 ID:WKUDGYLqo<> >>103

【淑女の金髪を少し浮く程度の風がなびかせ、春の匂いをかすかに運ぶ】
【それに合わせて、いつからだろうか、相手の少しうしろに人間の気配を感じられるかもしれない】
【敵意は無く、殺意も無く、戦いの渦中に身を置く相手には、それでも何者かの意識が自身に向けられていると悟るかもしれない】

“なぜそんなにも悲しそうにしているのだ?”
“娘よ、それにしても何を悩んでいるのだ?”

【高らかに謳うようなバリトンは、低く深く暗くそのくせよく通って相手の耳へとそっと運びこまれる】
【よくよく聞けば、その言語はこの新世界にてよく用いられる共通語ではない】
【発音は明確に違っているのに、その意味ばかりはそのまま理解できる形となって聞き入れられるのだ】

“Ti benedica il cielo. /お前に天の祝福が有る様に”

【相手の想いを汲んでか否か、祈るような言葉】
【固いソールが土を踏む、わずかな音がそれに重なった】

【ふわふわと揺れる、目に刺さりそうな微妙な長さの銀髪】
【薄青色の目と、青白いと形容されそうな肌の色をして、背は高く体躯は細長い】
【お貴族様みたいな真黒のマントに白のドレスシャツ、アスコットタイを締めて】
【黒のスラックスに同じく黒のオペラパンプス、右の手には白のステッキを持ち】
【いかさまの似合いそうな指は白い手袋に包まれ、貴族的風貌の時代錯誤の男だった】

<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage saga<>2013/03/18(月) 23:02:38.22 ID:AUbngCC60<> >>110

【ばしゃり、ばしゃり、――ばしゃり】
【後退していく死体の動き、追いかけるだけの機能もないかのよう、水蛇たちは容易く地面で弾けていく】
【当然その雫も酸性を抱くのだけれど――からりと銀色の鈴が地面に臥す頃には、そんなものも嘘のように消え果て】

【壁をよじ登る動きには。元から丸い瞳がさらにいくらか丸くなって、そんなの想定の外だったと素直に示す】
【まるで自らの得意とする戦闘の距離すら分からないというかのよう、ふらと揺れる足は、再び距離を齎そうとして、】
【その背中が冷たい壁に触れたなら。ぐぅと押し付けることで、終点とし】
【ついと向けたのは、ずっと握っていた右手。ぎゅっと固められた魔力は、いっそう強いグラデーションで煌いた】

【それは或いは。同属にも似たそれへのプレゼントにも似て。冥への一方通行のチケット】
【強制的に断ってやろうと言うのは、ひとの死体から作り出された人形たる彼女の、――】

…………――武器?

【魔力に滲む水の色。ごぽりと湧いたのは、先ほどと同じもの――のはず】
【確かに死体のほうへと向けられたのに、吐き出さないのは。たとえ刹那のことだって、あまりにもはっきりと言葉を紡いだから】

……あ、

【躊躇った間は、そのうちに様子を窺うような間になって】
【しばらく重ねた後、腐りかけた身体から上がる炎を瞳が捉えたなら、ぎくりと表情が強張る】

【火。いくらコンクリだらけとは言え、ちょっとしたごみなんかも落ちていたりするこの場、放っておくにはあまりにも】
【だから、】

ごめん、ね。

【――ぞろりと、掌中から今度こそ湧き上がるもの。先ほどのものよりも丸々肥えた水の蛇】
【りんりんと鈴を鳴らして頭を揺らしたなら、今度はろくな酸性も持たずに、真っ直ぐ。飛びかかる――】
【トドメというよりも消火のほうを意識したようなもの。そもそも、燃え上がった腐敗死体がまだ動けるのかなんて、分からないけれど】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/18(月) 23:03:08.62 ID:MufDIvLNo<> >>108

……そうかい、そりゃあ、よかった

【男は彼女の話は…聞いてはいたが、それら一つ一つにリアクションをしようという気にはならなかった】
【蠱惑的なその言動はこの男には官能的な香りよりも、訝しげな臭いに感じられる】

【十分なほどの違和感はこの時点でありありと感じられる】
【人気のない廃墟に出てくる少女なんてものは幽霊か何かと一昔前から相場が決められている】
【しかし、それはホラー映画の話であって 現実に少女が現れれば、認識に常識のエッセンスを加えなければならない】
【元々の冷静な性格と経験が気をつけろよと直感に囁いていた】

テーブルマナーは独学だったものでね、そいつは失礼した
ダンスに誘うのは、音楽が鳴ってからにするよ

【男は、適当に思考のタンスの中にあった適当なジョークを言って 奥のドアへと歩いて行こうと】
【一歩、歩き出そうとした】

【”Velvet Underground=z

【男は瞬間的に飛び退いた、右手はそのスーツのジャケットの下】
【ベルトに挟んだ黒いリボルバー拳銃のグリップにとっさに添える】

【能力か――― 至って冷静だったがこの状況には緊迫していた】
【男が能力者でなかったなら、賞金稼ぎに追われる身で無かったのなら  それは発動していただろう】
【しかして、男のとっさの行動によって彼女には何の変化も起きないのだろう】


せめて………自己紹介ぐらいしてからにして貰いたいもんだ <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(石川県)<>sage<>2013/03/18(月) 23:04:27.26 ID:8zbUCIZSo<> >>109

……柊、早くしないと―――

【押し黙る彼女を少し不可解に思えば、急かすように口を開いて告げる。お互いに痺れが増している今、まずは此方が先決とばかりに】
【しかし彼の声を遮る形で、彼女が口にするは拒絶の言葉。―――其れを耳にすれば、男は一瞬眼を丸くさせるも直ぐに表情を柔らかくして】

―――ふふ、本当にブレないな君は……
そういう所がほんと固いというか、なんというか―――歳相応というか。

【苦笑いを浮かべながら、肩を竦めてそう零す。……彼女の強がりな部分に、唯一見た目と精神部分の一致を感じる。分かりやすく言えば、子供っぽさ】
【普段の彼女は誰よりもストイックな思想を抱いており、その落ち着き、腹の据わり様に熟練を感じさせる程だ……と言うのが、彼から見た印象】

【―――彼女が「御代櫻」を拾い上げて、此方の腕へと中てようとする。…………瑛月の左手が、刀を握る彼女の手を掴もうとする】
【掴んだかはどうであれ……つまり、拒んだというコト。―――彼女の橡色の瞳を濡羽色の双眸できっちりと見つめながら、静かに口を開いて―――】

―――……人の好意は受け取っておくべきだ。 ―――だから。

【―――もし手を掴んでいたのなら、言葉を告げると同時に手は離れるであろう。ここからは彼も抵抗はしない。……少ない言葉で、意図は伝わるだろう】
【彼が望むは、先に彼女自身の針を処理してほしいというものだが……もし先程のように彼女が彼の左腕に刀を中てようとしても、もう拒みはしない】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/18(月) 23:05:00.06 ID:gZXjCPK0o<> >>111

【リーネ自身は後ろの気配に気付く素振りをまったく見せない】
【それは故意に気付かないフリをしているのか、それとも今は只祈りを捧げたいのか】
【そんな簡単な事さえもこの静寂の中では複雑に感じられ】

……もしかして祖父母にお世話になった方ですか?
それとも……お墓…間違えてしまいましたか?

【男の言葉、分からないのに分かってしまう不思議な言葉を耳に受け初めて振り返った】
【相手の問いに答えるより先にリーネは質問を投げかけた、薄っすらと作り笑いを浮かべながら】

ええ…悲しいのはとっても悲しいです、もしかすると今にも消えてしまうかもしれません
ですが、私は…私は何も悩んでなんて…いませんよ?

【一頻り相手の問いに答えた後は自分の番と言わんばかりに男の言葉に答える】
【悩んでなんていない、そんな虚像の言葉を口にして】

ありがとうございます、もしそちらが良ければお花でも手向けてあげてくれませんか?

【相手の言葉を聞いてリーネは相手の事を勘違いしてしまっていた】
【だが本人はそんな事気付いているはずも無く、ニッコリと笑みながら花を一本差し出すのだった】
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage saga<>2013/03/18(月) 23:08:41.03 ID:xlgsI9Ob0<> 【路地裏で響いたのは、男の悲鳴】
【その場に立つのは全身を赤く染めた少女と、何も語らぬ肉塊が一つ】
【辺りに飛び散った朱色と、茶色のレンガを鮮やかに染めた紅を見れば、其処で何が起きたかを把握するのは簡単な事か】
【――――そんな状況であっても、ぼうっと自分の両手を見つめているその姿は実に不可思議】


「また、一人、居なく、なった、から
これで、褒めて、貰える?」

【淡々と呟くその様子】
【この惨事を引き起こしたのは、間違いなくこの少女であろう】
【ただ、その顔に感情は無く、まるでただ壊してしまったかの様】
【赤色のローブで掌の汚れをゴシゴシと拭き取れば、真っ白な自分の掌を見つめて】


「多分、きっと、褒めて、貰える
ちゃんと、消した、から」

【一人頷けば後片付けをする訳でも無く、そのまま歩き出して】
【幾ら手の汚れを落とそうとも、身体全体の血を墜とす事は出来ない】
【真っ赤に染まった少女が路地裏を徘徊する。それも、全く感情の見えない表情で】
【それは完全なる異質であって、嫌でも目に留まるであろう】




【初春が訪れ、ざわつき始めた森の中――――其処には空気を裂く鋭い音が有って】
【見れば、刃を振るう少女の姿。其れは舞にも思える動作】
【見る者が見れば、手にしている刃は上質な物と分かるだろうか】
【最後の一振り――――それが終われば、鞘に戻すと共に小さな溜息を一つ吐き】


「……何年ぶりかの。最早時の感覚すらも危うい故に自分でも分からぬが……
まあ、良い。まだ身体が覚えておったから、其れで良しとしようかの」

【誰に聞かせる訳でも無く、その言葉は己へと向けたもの】
【丁度良い高さの切り株を見つければ、其れにちょこんと腰を落ち着けて】
【膝の上に刀――――己自身を乗せれば、手を後ろに着けて夜空へと視線を向けるのだろう】


「何時かも見たような気もするのじゃが、或いは勘違いかや……
くふ、その時は誰が共に居ったかなど、忘れてしまったがの」

【嘗ての記憶、懐かしむかのように瞳を閉じて――――】
【銀の髪を持ち、鮮やかな着物を纏った少女が、ただ一人でその場に居る】
【それも、上質な刃を得て――――漂うのは、人とは異なった気配】
【近くを通りかかった者の気を惹くには、きっと十分で】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/18(月) 23:08:42.82 ID:pMrmiiYuo<> >>106

【今またこの舞台に新たな役者が降り立った。共演者の存在は夜風に乗って彼に知らされた】
【瓦礫を蹴飛ばし地を踏みしめ力強い声が孤独な墓場に響き渡り、それが彼の意識を過去から現実へと引き戻した】
【月に照らされた横顔が振り向けばそれは影を纏い、少年の暗い金色の瞳が貴方の姿を捉える】


──申し訳ないが金目のものはありませんよ?
勿論、この場所にも同様に。ここには捨て去られた時の残滓しかない
貴方が望みそうな物は何一つとしてないように思えますが……?


【彼の口から奏でられる音律に混ざるのは敵意という名の不協和音】
【男の強靭な肉体と風貌から感じ取れる経験が彼の警戒心を刺激した】


……それはどちらも表裏一体だ
苦痛も幸福も、元を辿れば経験という名の主観に支配されている……


【静かな声がまるで男の言葉を跳ね除けるかのように紡がれれば】
【次の瞬間には彼は墓標の上から真下の地面へ音もなく降り立つ】
【落下する彼の身体は着地の寸前に不可視の“何か”によって減速させられた】


/いますよー <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(関西地方)<><>2013/03/18(月) 23:14:23.85 ID:mMZP8BU9o<> >>113

【話半分と言った所か、少なくとも貴方のリアクションが、彼女にとっては不服だったよう】
【父親におねだりをして、軽くかわされる娘のよう、少しだけ不満そうな色合いが彼女の頬に浮かんだなら】
【それは色濃い形を示して、柔らかいほっぺたが、マシュマロのように膨らんだ】


Velvet Underground=c…私の能力は、大したものにはありません
ただ、私は……殿方に触れられてしまうのが、とても……苦手です

私はお兄様が、嫌い、というわけではないのです
――――けれども、私の身体は、お兄様を受け入れるわけにはできてないから

お兄様の右手を、お姉様の右手に、ただそれだけのこと


【やや遠まわしな言い方ではあるが、つまりは男性≠女性≠ノする、ということ】
【全身ではない、彼女に触れようとした、右手だけを彼女は性転換させようとしたのだ】
【つまりは彼女のVelvet Underground≠ニはそういう能力なのだろう】

【彼女は男に触れられることが苦手、といった、一種の男性恐怖症に近いものか】
【けれども、それを理由に男をむやみやたらと嫌うのは、良くないことだと思ったから】
【細く形の良い眉の尾尻が傾いたなら、その柔和な頬に悲しげな色が滲んで】


D.R.U.G.S.=\―――阮ファミリー≠フ一人
綵=ャVャナ>と申します、お兄様、どうぞ可愛がってくださいませ


【鋭い貴方の対処、貴方の潜り抜けてきた、修羅場の数を感じさせて】
【それでも、彼女は静かに自分の名前を明かしたなら、飛び退いた貴方との距離を、一つ、また一つと埋めようとする】
【足跡の響くその先の残響にも似た音の重なりが、泡沫に消えていくかの如く刻まれて】

【両手を彼女は帯の下辺りで重ねて、小さなその手に武器を持っていないことを示す】
【歩くたびに揺れる短い着物の丈、細い腰のラインが、少女らしい形に歪んで】
【月光が辿るなだらかな首筋の旋律が、絹糸のように揺らめいた】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2013/03/18(月) 23:16:16.58 ID:rFABBPrOo<> 【路地裏ーーー】
【やはりやはり、今日も今日とて路地裏にては殺傷沙汰が絶える事無し、ただの近道が命の切れ目ーーー】
【そんな場所であるからして、道道に人間が絨毯のように倒れているのなんかはよくある事、ここだって、何かに斬られた奴らが沢山倒れている】
【しかし、そこに立っている物は無く、残ったばかりは死屍累々と…おや、何やらよく見れば、倒れている奴らとはまるで様子が違う奴がいる】

…ぐぅ……ぐぅ………

【水色の着流し、下駄履き、白髪のポニーテール、前髪で左眼を隠した青年である】
【首に白いマフラーを巻き、腕には刀を抱いて、自分一人だけ気持ち良さそうに眠りこけていた】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2013/03/18(月) 23:25:15.47 ID:WKUDGYLqo<> >>115

【風の中に立つような男は、見れば表情がひどく稀薄で声色の方が雄弁なほど】
【片手を胸に会釈をする様子は、一見すれば真人間そうにもそれなりに見えるか】

――失礼、以前にご夫婦と、わずかながら、交流がありましてね
今日は、別の者に花を添えに来たのだけれど。覚えのある場所の、人がいたから、ね

【嘘だ。きっと訊ねれば名前すら言い淀むだろう、墓標を盗み見てようやく答えられる程度の認識】
【されど幾重も嘘を重ねて何かを装う相手に合わせるように、つらつらと男も嘘を述べる】
【まるで与えられた役割のように振る舞って、薄い唇がわずかに微笑む】

おや、女性は多少悩み憂いていて、不思議ではないですよ
それでは何を、悲しんでいるというのでしょう

【ありがとうと短く返して花を受け取ると、相手の傍へと歩んで墓石の前に腰をかがめる】
【大仰なマントの裾が汚れるのも構わず、そっと相手が供えただろう花の隣にそれを添えて】
【先より近付いた距離、じっと思いふけるように墓を見つめると、ふ、と相手にその目を移す】
【まるで演技だ、そういうシーンに身を飛びこませるように。悪意も意味も無い虚の違和感は、危ういバランスで現実の上に立つ】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(長屋)<><>2013/03/18(月) 23:26:56.65 ID:5XQHsHjZo<> >>112
熱熱熱熱熱熱あづあづあづああああああァァァァァァァ!!!!!!!

【炎に包まれた身体は、もがき、その身を地に投げ出す】
【地面にどう、と落下した後も燃え続けるその身体は】
【不思議なことに煙を上げず、何かが焦げる臭いすらしない】
【それはまるで、この世の理から外れたかのような────】

─────────────

【襲いかかる蛇に、抵抗する事もないまま】
【その身に水を受ける】
【しゅうう、という音が辺り一帯を支配し、水が気化し、また液化したもやが、視界も塞ぐ】


【ひゅう、と】
【薄暗い路地裏には似つかわしく無い爽やかな風が、吹き抜けた】


【霧は吹き飛ばされ、死体のあった場所には────漆黒に染まり、月明かりを反射して優美に煌めく鞘と、月明かりを跳ね返すかのごとく、自ら煌々と光る一振りの紅い刀があった】
【その刀は、近付くだけで熱気を感じ、拾い上げればその軌跡に揺らめく炎を生み出すだろう】
【鞘は、ただ静かに、月に照らされている】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(広島県)<><>2013/03/18(月) 23:35:13.16 ID:aehXCNiW0<> >>117

なーに、そんな不純な動機でこんなとこ来たわけじゃないさ。
ちょっくら仕事の帰りに寄って見ただけだよ。

【警戒する彼に対し男はやたら友好的な態度を示す】
【格好のせいで、どうにも裏がありそうにも見える】
【そもそも、仕事帰りといったがどう見ても勤め人には見えず――】

幸福と苦悩がコインの裏表?名の主観?かぁっ!哲学的だな!
まぁ難しい話は苦手だ。それに哲学的ッ通のも俺はいまいちわかんねぇんだがな。

【答えると男は紙を後ろに放り投げる】
【紙は宙を舞って地面に落ち、元の残骸の一部に帰す】

まぁ同意だがね。表裏一体っていうことには。
簡単にひっくり返っちまうからな。

【彼が夜目が利くなら分かるだろうか――男の首元のタトゥー――勤め先のマーク】
【最悪の組織、カノッサの逆五芒星が!】

/すいませんきづくのが遅れてしまいました
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/18(月) 23:35:59.13 ID:MufDIvLNo<> >>118

…オーライ、それは悪かったな
なら…俺なんて受け入れる必要なんて無いってもんだ
何なら、嫌ってくれていいぜ…これから銃口を向けようっていうんだから

【男は左手に持っていたアタッシェケースを床に捨てて】
【それを蹴飛ばして、遠くにすべらせる 特段大したものは入っていないのだろう】
【空いた左手でそれまでくわえていた煙草を一旦、掴んで 煙を吐いて また加える】
【そして、そのまま左手でかけていたサングラスを外した】

【その目は白が紅 つまりは、末期症状の結膜炎のように赤々としていた】
【そのように書くと目が悪そうだが、その逆で明るさに弱いこの目は夜が最適で】
【欠けた月明かりほどでも十分に辺りを把握することができる】

ああ…なるほど、華僑マフィアか 女性がゴッドマザーだとは聞いていたが
お嬢さんがいるぐらいなら、よっぽどレディースが強いらしい…

【胸ポケットにサングラスをさして、男はニヒルに笑いを作って】

俺は銀行強盗でお馴染みチンザーノ・ザ・”ロッソ” どうぞ、お見知り置きを……

【ウェスタンの決闘のように、男はピストルのグリップに手の平を触れさせながら】
【ジリジリと、一歩寄れば、一歩引き、足音が寄れば、靴音を鳴らし 状況を拮抗させる】

【相手が武器を持っておらず、触れることで能力を出す……相手のいうことをそのまま信じるならば】
【直ぐに引き金を弾いて、その白い肌にチリソースでも溢れさせたほうがよさそうだが】

【男に、それは出来なかった いつもそうだ   男は頭のなかで舌打ちをした】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(長屋)<>sage<>2013/03/18(月) 23:37:12.84 ID:jJHTGLNao<> 【どこかの都市の、深夜の路地裏】

【そこには二人の男女が居た。一人はみすぼらしい身なりをした、恐らくはホームレスの男】
【もう一人はというと、しっかり帽子まで被った、所謂“婦警”で】
【黒い制服にタイトスカート、白い手袋と樹脂で出来た警棒が身分をありのままに語っていた】

『ひ、へへっ…婦警さんよぉ、こんな夜中にそんな格好してなんの用かなぁ〜?』
『こ、ここはあっしらの通りだからよぉ…通れないぜぇ?でも、へへっ、もし……』

…………、………………。

【男の手には一本の果物ナイフ。その目線は婦警の足、黒のタイツとヒールが悩ましいそこに向けられて】
【一方の婦警はといえば、その金髪と桜色の瞳を揺らしながら、何もしない】

【身がすくんで動けないわけでもないのは、彼女の微笑から察せられるが】
【果たしてここを通る誰がこの光景を見て、一体どう思うのかは】
【それこそ神かその人自身にしか分からないのだろう】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/18(月) 23:38:49.22 ID:gZXjCPK0o<> >>120

【まるで人形のような表情の相手をまじまじと見つめ、もう一度ニッコリと微笑む】
【こちらもスカートの両裾を持ち上げ、御伽噺のお姫様の様に挨拶を返す】

あら……まだそんな人がいらっしゃったんですね……
さぞ祖父達も喜んでいるだろうと思います……

【もしこの嘘が別の何か、身分などを偽る物だったならばリーネは気付いていたかもしれない】
【もしこの嘘が墓前の前で言われていなければリーネは不信感を抱いていたかもしれない】

【だが内容と場所、そして今の心内を男の嘘は意図も容易く貫いた】

あら…優しい事を申してくれるんですね……

【完全に弱りきった心に男の言葉は酷く響いたらしく、リーネは少し瞳を潤ませていた】

あ…ごめんなさい、只お爺様達の事を思い出していただけですわ
私がどんなに変わってしまってもお爺様達はきっと微笑んでくれているだろうな…なんて思ってただけで…

【リーネは自分の抱えている悩みを冷罵気に吐き出し、こちらを見た男の事を見つめる】
【そして小さく「ありがとうございます」と呟き、離れた場所からもう一度だけ墓に向かって祈りを捧げた】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage saga<>2013/03/18(月) 23:43:16.14 ID:AUbngCC60<> >>121

【火、炎。愛するひとのために食事を拵えるたび、当然のように目にするそれは、見慣れていたはずなのに】
【あるべき場所になくて、あってはならない場所にあるのなら。その性質ゆえだろうか、どうしようもなく嫌に思えた】
【揺らめく赤さが、きっと漂う熱さが、真っ白なその肌を撫でて――】

【――じゅうと。悲鳴を上げるのは、炎と水、さてどちらなのだろうか】
【湧いてはたゆたう白さに視界が奪われる。驚いた表情が白さに閉ざされて――】

【一秒、二秒、何秒ほど経った、だろうか。吹き抜ける風、白さを攫って、舞い上がる】
【同じように孕んで踊った黒髪はふぁさりと羽ばたいて――くたびれた小鳥のよう、そっと彼女の肩から背中へと滑り落ちていく】

【背中と両手で触れた壁。そこが安全地帯だと言うよう、くっつくのは、縋るみたい】
【秒速で晴れ行く蒸気をじっと見つめて――血色が真っ先に捉えたのは、蒼白い冷たさを跳ね返す、紅い熱さ】
【次いだのは、月明かりの色と蕩けて煌いた漆黒で、最後は自分由来のただ辺りの色を真似て艶めく小さな鈴の一粒】

【――疑るよう、じーっと見つめる時間は、きっとそれなりの間で用意される】
【短気な者ならば痺れを切らしかねないぐらいに見つめたなら、やがて、そっと零す足音が、一つ二つ三つ】

……――これ、集めてたの?

【たどり着けたなら、そっとしゃがみ込んで。ぽつと尋ねる相手は、きっともう居ないけれど】
【きっと美しいだろう刃に伸ばしかけた指先が、虚空で躊躇うように一度止まったなら】
【改めて伸ばす先は、柄のほう――刃のほうは熱そうだからやめた、らしい】

【触れられたなら。壊れ物にするように、指先でそっとなぞる――だろうか】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(関西地方)<><>2013/03/18(月) 23:48:23.16 ID:mMZP8BU9o<> >>123

【貴方の瞳に彼女は僅かに驚いた、その色合いは幻想的で、それでいて機能的だろう】
【薄暗い室内、彼女が見えている以上に、貴方はこの状況というものを深く理解できていて】
【なるほど、戦いとなれば彼女の不利は拭えない、よう】


お優しいお兄様、そう思ったのなら引けば宜しいのに、こんなメスなど、蹂躙してしまえば
その鉛の玉で、私の穢れた身体など、深く強く、染め上げてしまえば――――
……でもやっぱり、私の身は奥様のもの、毀されるのなら、そこまでお待ちになって

――――Velvet Underground


【彼女はそっと一礼をするだろう、帯の下で両手をそろえたまま、その華奢な上半身を畳んだ】
【瞬間煌きが流れるのを貴方は感じ取れる――――彼女の髪を二つに結う、簪の色】
【月光が反射してキラキラと光る簪、その磨き上げられた表面に、貴方の姿が映るかもしれない】

【彼女のVelvet Underground≠フ発生条件は、触れる事ではない】
【映す事=\―――鏡面に、何かを映す事によって発動するのだ】
【彼女の簪に、貴方の姿が反映したならば、貴方に異変≠ェ生じるだろう】


よくご存知ですね、お兄様……ですが、私の力など奥様には遠く及びませんの
私の何倍も強く、たくましく、賢く、美しく……それでいてお優しい奥様……
お慕い申し上げて、私の名前をお呼びになって、褒めていただけたなら、それだけでもう、私は満足してしまいます


【彼女は一つ嘘をついた、彼女の能力は、決して性転換≠セけの能力ではない】
【反転≠ウせるのだ、鏡面に映した何かを、性質ごと反転させる能力――――】
【貴方の瞳≠ヘ暗闇の中でも良く見える、その性質を反転させたなら……】

【見た目は変わらないだろう、だが、暗闇の中でも満足に前すら見えなくなってしまう】
【彼女の動作をいぶかしみ、距離を更にとるか、或いはどこかへ逃げたりすれば、能力は発動しないが】
【彼女は攻撃のそぶりは見せない、ただ、静かに言の葉を、刻むだけ】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(長屋)<><>2013/03/18(月) 23:58:50.10 ID:5XQHsHjZo<> >>126
【少女は、正しい判断をした】


【その刃は、灼熱を宿し】
【消える事の無い煉獄の炎の如く、ただ、燃え盛る】
【扱いを間違えれば己が身を焼く事になるだろう】
【その温度、軟弱な人の身では揺るがす事も出来ぬ、鉄すら融かす、千六百度】


【見れば、刃紋も不規則に刻まれ、揺らめく炎の如し】
【柄は紅と金の糸によって華美な装飾が為され、しかし触れば吸い付く様な感触】
【一度握れば手に馴染み、その熱気を打ち倒すべき敵に向けるだろう】
【鍔の直上には銘が刻まれている──】



【──「紅遊ビ」】



【また、一陣の風が、吹いた】
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2013/03/19(火) 00:00:24.76 ID:ta7hizXro<> >>125

私の経営する、娯楽施設のサロンで出逢ってね。娯楽施設といっても、低俗なものではないよ
ギャラリーの経営者とのつながりで知り合った

【身形からすれば、娯楽施設とは闘技やカジノのようなある程度懐に余裕があるもの向けのサービスだろうか】
【サロン、応接間ではなくそのまま交流の意の方か】
【職業柄の社会的な一致が老夫婦と男の間に無くとも、ある種言い訳としては通じやすい物言いだ】

……分からないんだよ

【相手のこぼした言葉を全て聞いて、少し間をおいて】
【疑問調にも似た責める響きが薄らと籠もって、視線が再び墓石の方へと動く】
【ゆっくりと立ち上がった背は高く真正面を見ても相手の背に視線がかすりもしない】

家族であろうと、変化なんて、分からない。言ってくれなければ感じられない
だから話しかけたりして、変わってしまった事を感じ取ろうと努力する
……残酷だね。今の彼らにはそれが出来ないのに

【ゆらゆらと顎ごと下りた視線は潤む瞳に寄せられて、咎めるような言い方をする】
【先の演技から一歩ずれた言葉は、赤の他人相手であるにしろ、少々冷たすぎるくらいで】
【寸劇の舞台である墓前から退いて、初めて男の顔に演技では無い表情が宿る】
【何への嘘を咎めているかは、舞台に未だ立つ相手には分かるだろうか】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/19(火) 00:13:41.97 ID:ZHJzSFCho<> >>120

そうですか……生前祖父母はよく出かけていましたが……
その時はお世話になりましたと祖父母に代わって御礼を申し上げます

【確かに祖父母は家を空けることが多かったな…なんて思い出を掘り返してみる】
【相手の言葉が嘘だったとしても、浮かんでくる思い出は確かな本物】
【色々な所で色々な人のお世話になっていたんだな、なんて思えば少し嬉しくもあり】

――――?

【男の言葉、その言葉は夜の闇を切り裂くように墓場内を駆け巡った】
【分からない、責める様な響のソレは何故かリーネの頭の中で何回も反響していた】

……違います…家族は分かってくれます、言葉無くとも通じ合えるのが…家族です
少なくとも私と祖父母は言葉が無くても繋がっていたと思います
それに今もこうやって言葉を交わさずとも通じ合えているじゃないですか

【男の言葉、ソレは確かにリーネの心の奥の何かを抉った】
【だからと言ってリーネは折れるでもなく、自分の思っている事を口にした】
【もちろんソレが自己満足なんて事には心のどこかではきっと気が付いている】

死んだから終わり……そんな事はありませんよ…

【男の瞳をじっと見つめながらリーネは悲しげな表情を浮かべた】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/19(火) 00:14:17.26 ID:ZHJzSFCho<> >>130
/安価ミス>>129です <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2013/03/19(火) 00:17:24.74 ID:MeoSfjw9o<> >>124
/まだおりますか? <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/19(火) 00:17:36.86 ID:Hes0dzjxo<> >>122

【男の友好的な態度は彼の精神的障壁を薄く溶かすには十分だった。けれどそれはまだ厚い】
【彼の中に生まれ出た疑問──警戒し過ぎか?──が更に少しずつ心の壁を小さくする】
【地面に降り立ち男へと近付くのは警戒心の変化の現れか否か────】


僕は別に哲学者というわけではありませんよ
ただ貴方の言葉に単なる感想を述べたに過ぎません
それに……──ッ!


【続くはずだった言葉は、まるで波に攫われる砂のように、夜闇に浮かんだ逆五芒星が掻き消して】
【彼の未だ幼さの残る顔が、小さな暗闇を携えたその瞳が、驚きによって見開かれるのが男にも見えるだろう】
【カノッサ──それは彼にとって仇敵にして最大の目標。そして善良なる市民の敵────】

【────敵? 何にとっての?】
【その瞬間に彼の中に小さな疑問が芽生えた。それはすぐに彼の意識の殆どを持っていくほどの大きさに成長した】
【男にとっては奇妙な空白。彷徨う視線はまるで彼の思考を表すかのように忙しなく動き続ける】

【──法、それは多数を守るためのもの。多数が必要とするからこそ、それは多数が作り上げるもの】
【法の行使には力を必要とする。この世界で強大なのは? 法は何が作り上げる? それを支えているのは?】
【自分の目標は? それを実現するために必要なものは? それを理解できるであろう人間がいるのは?】

【数刻の後に彼が見せるのは決意を秘めた矜持を持つ者の顔──】


なるほど……貴方がカノッサ機関だというのであれば、やらねばならないことがありますね


【彼の号令に従って、強風が吹き始めた。砂塵を引き連れ墓標を揺らすそれは常人ならば目を伏せてしまうほど】
【けれどそんなものが男に対して全く意味をなさないことは彼自身理解していた。これはただの宣戦布告】
【彼の腕輪が光輝き始める。魔翌力補助器たる腕輪からは多大な魔翌力が光の強さに比例して流れ始める】

【次の瞬間に彼は行動を始めた。彼の小さく細い指が目の前の空間を切り裂くように振り抜かれる】
【その軌跡から現れたのは圧縮された大気による刃。所謂かまいたちと同じもの。それは塵を含んで白く濁って見える】
【真空の刃は真っ直ぐに男の元へと駆けていく。命中すれば見た目通りの効果、速さはそこまでではない】

【彼の攻撃はそれだけではなかった。続いて反対側の手を銃のような形に握り、人差し指を男へと向ける】
【そこから放たれるのは同じく大気を圧縮して作った球体。それもまた真っ直ぐに男に向かっていく】
【球体はやや刃よりも速い。ちょうど刃が男の元に到着した直後に追従するような速さだ】

【そして球体は男に当たる直前で破裂し、周囲に衝撃を与えるようになっている】
【刃に対する行動は防御か左右への回避。防御であれば連続で当たり、左右への回避であれば球体状に衝撃波を発する後続が当たる】
【そう読んでの行動だが唯一、上空という逃げ道があった。また左右への移動でもそれが大きければ簡単に衝撃の範囲から逃れられる】


/いえいえ、こちらも遅くてすいません <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(長屋)<>sage<>2013/03/19(火) 00:18:14.16 ID:f9QftGlQo<> >>132
/居ますよー! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/19(火) 00:19:27.19 ID:51ya+f4io<> >>127

【相手を見るに、何もしてこないこの余裕が非常に不気味だった】
【ゆらりゆらりと歩く姿は惑わせるには十分な恐怖足りうる】
【男は、迷った 退くべきか引くべきか きまりの悪いこの状況 非常に気に入らない】

……お嬢さんも、自分を大切にしたほうがいいと思うな まあ、俺がいう義理ねえけど

【そんなことを言っていたら 相手の一礼―――またか】
【Velvet Underground=z

【この距離で、其れを言うか この一言が彼女の技のトリガーなら、来る】
【何が飛んでくるかは知らないが対応しない限り、……何かが起きる! 一文字目で男は動いた】

【男はついに銃を抜いた、ダブルアクション式だったが左手で撃鉄を起こす 人差し指が引き金を引く】

【銃声が1つ 鳴った】

【彼女の後ろから輝いた、月光 その元の月に向かって銃弾は飛んでいった】
【その途中にあった割れかけのガラスをガシャンとけたたましく割りながら………】

【その時の、幸運は目線を少女から外して、身体を別の方向に動かしていた 目は守れたんだろうか】
【相手の能力は摩訶不思議極まりなく、 男は驚いて発動を止めてもらえればと思って行動した程度で】
【何か身体に変化があるかどうか、この瞬間には男にはわからずに居た】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage saga<>2013/03/19(火) 00:20:21.09 ID:BGOwUuJB0<> >>128

【指先を近づけただけでじりりと焼くようなその熱さ、そっと安堵したような吐息ひとつ】
【触れたなら、この指先ごと焼け落ちたのかしら――なんて、考えながら。触れた指先は、つぅとその柄を撫でる】
【紅と金で煌びやかに飾る。そんな柄を、実は彼女は見たことが無くて――だからこそ、興味を惹いたのかもしれず】
【大丈夫そうと見れば、取り落としかねないぎりぎりでぎゅっと握って、そっと引き寄せる】
【かりりと地面を削るよな音でもするのだろうか。舞い上がる炎は、ドレスを纏って踊るようにも見えた】

……わぁ、

【零す吐息は、それ以外なんて何もなく、感嘆の色】
【刃が纏う陽炎のような刃紋もまた、その興味を惹いて。じぃと見つめる瞳は、宝物を見つけた子どものそれ】
【きらきら煌いたなら、魅入られたように見つめる傍ら。それでもきちんと考える思考回路は、】

【例えばずっと扱っていた刀を失くしたこと。例えば、ずっと借りていた異能を失くしたこと、】
【ほんの一瞬伏せられた視線は迷うようで、――それでいて、心なんて、きっともう決まっていて】

……――わたしと一緒に、来る?

【お遊びに誘うよう、どこまでも軽いなら、高い声はどこまでもよく響く錯覚】
【ふぅわり吹いた風に長い黒髪が揺れて――焼かれてしまうことを危惧して抑えた左手の白が、黒に紛れて見えなくなる刹那】

いっしょに、あそんであげる

【鈴の音を転がしたのと同じよう、笑う声は、ひどく金属質の音色で鳴る】
【無機物に対して、それでも一応返事を待つような間。誰かが見たなら、変な顔でもするかもしれないけれど】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2013/03/19(火) 00:26:57.18 ID:MeoSfjw9o<> >>124
【ーーーからん、ころんーーーと、下駄の音、シリアスな空気の上を歩くような軽い音】
【それは、不意に鳴りだしたーーーいや、まさかいきなり足音が現れる訳がない、ただ近付いて来たのが、今になってよく響くようになっただけ】
【曲がり角から下駄音鳴らして、ぬぅと姿を現したのは男性だ】

……ふぁぁ〜……あ………むにゃむにゃ…

【水色の着流し、下駄履き、白髪のポニーテール、前髪で左眼を隠した青年である】
【首に白いマフラーを巻き、腰には帯刀、眠そうな半開きの目で口にはゲソの干物を咥えている】
【開口一番気の抜けた大あくびをぶちかまし、涙混じりにむにゃむにゃ言って、浮浪者の方向へとゆっくり歩いて行く】

【さて、この男ーーー婦警を助けようとしている訳ではない、かといって浮浪者に加勢するでもない】
【婦警のその身に何か≠感じて、引き寄せられて行くだけで、間にある物はまるで気にしていないのだ】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2013/03/19(火) 00:29:02.13 ID:ta7hizXro<> >>130

【薄く浮かんだ笑みは歓喜や平穏とは遠く、強いて言うなら“大人ぶる”という動作が近いか】
【間延びしたじれったい言葉の吐き出し方は、殊更相手の神経を逆なでするかもしれない】

言葉無くとも通じ合えれば、何も言ってあげなくてもいいのかい
感じ取ってもらえるのなら、伝えようとしなくてもいいのかい
私の言いたい事は、難しいかな。通じ合えるのと、分かり合うのは、違うんだよ
御夫婦は、君から話してくれるのを待ってるかもしれないのに

……けれども、どうしても君から話すのが、苦しいのなら。話さない方が、心配はないかもしれないけれど
死してからの孝行のしようは、その人の信ずるところにも、因るものではあるだろうから

【無遠慮で、身勝手で、何も知らずの人間である癖に介入しようとする】
【それは裏返せば親切でも何でも無く、お節介にすら成り立たないエゴであるのだろう】
【そこに思い至ったか、つ、と言葉を切ると木杖が土を踏み、外側へと爪先が向く】
【一つ言えるのは、男の言葉はけっして家族のきずなを侮辱する者ではないという事】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(関西地方)<><>2013/03/19(火) 00:30:50.82 ID:qnWbRSOwo<> >>135

【響き渡る銃声、銃弾は彼女の動きを止めるのに十分すぎる役割を果たして】
【およそ5mほどで、その歩みを止めさせた、月明かりが照らす彼女の頬は、またどこか冷たい色合いで】
【彼女の能力は発動できずに居た、貴方の攻撃によって、止められたが如く】


そう……お兄様も、戦いたいと、仰るのかしら――――
とても素晴らしいお手前、たくましい指先、その手で触れられたなら私など砕けてしまいましょう

……だからこそ、その強すぎる力……無闇やたらと、他人に向けるべきじゃないのに


【彼女の手が地面へと落ちた、白い指先が地面に色をつけていく】
【星空の下の砂浜で、純白の雪に似た星の砂を指先で掬い上げるように】
【地面にあった、何かをその手で掴んだなら、彼女はそれを手元へと引き寄せた】

【――――恐らく最初から置いていた、刀――――】
【150cmほどの身の丈以上の細長い刀、漆黒の鞘には櫻の花弁がいくつか描かれていて】
【彼女はそれを左手で握って、左腰の辺りに添えさせると、右手でその柄をしっかりと握った】


お兄様、お言葉を返すようですが、私はとても、私を大切にしております
この指も歯も目も……髪の一片さえも、奥様の所有物なのですから
穢してしまうのは、私でなく、奥様の持ち物を傷つける事に繋がります――――

どうぞ優しく、手折ってくださいな


【ほんの少し、鞘から刀を抜いたなら、月光を歪ませたかのような刀身が浮かび上がる】
【鍔が鞘から離れて、僅かな抜き身が裸になったなら、彼女は一歩、強く踏み込むのだろう】
【そうして巻き上がる旋風のような一閃、燕が一匹、貴方の眼前を駆け上がっていったかのように】

【居合い≠セ、彼女は貴方の懐前1mのあたりへとへと飛び込みつつ、右手で抜刀した】
【そしてその勢いを保ったまま、下から上へ、貴方の右肩へと縦の鋭い一閃を放つだろう】
【放ち終えたならその軌道を辿るように刀を振り下ろし、再び納める】

【傷は浅いだろう、長い刀だ、その切っ先だけで薄く貴方の肩を傷つけようとする】
【1mほど距離をあけての一閃は、彼女の長い刀ならではの攻撃で――――】
【少しでも気を抜いていたならば見落としてしまうほど、一呼吸する内に彼女は抜刀を終え、刀を再び鞘へと戻しているだろう】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(広島県)<><>2013/03/19(火) 00:36:25.01 ID:b6hZmg6o0<> >>133

おお!きづいたかぁッ!

【彼の敵意に反応して男も魔具が輝きだす。そして同時に能力を発動!】
【それは男の異常性の結晶――古代魚の姿をした一体のマインド】

【そう!そのマインドはある魚に似ていた!】
【遥か昔、デボン紀の猛魚ダンクルオステウス】
【デボン紀の水中を支配した異世界の怪魚】
【その姿はまさに異端!神秘!】
【頭部から胸部、肩帯などは全て分厚い装甲板が覆い】
【一部は鋭い歯牙の代わりになっており】
【体長は5〜6mほどで肉厚で筋肉質だ】
【イタチウオに似た背びれと結合した尾ひれと細めの尾部】
【マインド特有の金属光沢は黒く鈍く、反面眼は男と同じように鋭く光っている】
【まさに5トンの咬合力を持つとされる恐魚のようだ】


【ただ装甲板の重みとフォルムゆえか瞬発力はあるものの遊泳力はないようで】
【また装甲板以外の装甲は薄く小さくうろこ状になっている】

お気づきのとーり!俺はカノッサ機関の16ラスラドーラ=セルピエンテだ!

【名乗りとともにラスラドーラは自分の上にいるマインドに引かれるように宙に飛ぶ】
【男の脚力によるものではない、マインドの特性】
【上に宙を泳いで行ったマインドにラスラドーラは追従する事で回避を試みる】
【しかし妙に回避の動きが小さい】
【刃からは逃げれても球体の爆風の範囲には入りそうだ】

食らえ 火焔蛇(エル・ナヴァロ)
【直線的な火炎放射が詠唱とともに放たれる】
【飛距離と温度は高いもののレーザービームのように直線的なそれは避け易いだろう】

【――炎に照らされる男の顔は狂喜に歪んでいる】





<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(長屋)<>sage<>2013/03/19(火) 00:41:12.15 ID:lYKwXyB5o<> >>137

【ふらりと現れた男性に、珍しい桜の色を灯した婦警の目が向いた】
【微笑みながら右手を頬にやるその姿、やはり浮浪者に怯えているわけではないらしく】

……、…………ねえ貴男。

       『あっ……?』

【するりと抜かれた警棒が、ナイフを持つ男の手を一瞬でへし折った】
【勿論、貴男というのは通りがかりの彼のこと。次、婦警は体をひねり】
【驚きと痛みで怯む浮浪者の鳩尾へと掌底を叩き込む】

【その勢いたるや凄まじく、みすぼらしい男は宙を飛んで】

   ふふっ……危ないよ、それ。

【着流しの彼へと、浮浪者は飛ばされていくのである】
【女性が吹き飛ばしたとはいえ、彼も男だ。その体重は無論、重い】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/19(火) 00:41:14.29 ID:ZHJzSFCho<> >>138

いえ…そう言うわけでは……
でも、言葉無くとも分かる事って少なからずあると思うのです

【相手の言葉、ソレはきっと正論なのだろう、だからこそリーネは心を貫くような発言が出来ない】

違いますっ………
通じ合えるという事は分かり合えてるって事で…
だから、通じ合うと分かり合うって事は一つを満たせば片方も満たされていくんです

【一瞬だけ声を荒げてしまうのは男の言葉がきっと正しかったからで】
【だけどここで認めてしまったら今までも認めてしまうことになる、そう思った瞬間に口からは暴論が飛び出ていた】

……私はこの二人が亡くなってから変わったんです、だからこの二人に苦しみを打ち明けれる時間なんてありませんでした
だからこそ私はここに来るんです、そうすれば分かってもらえますから……

【見えないつながりを重視するリーネは半ば自分に言い聞かせるようにそう口にする】
【自分でもきっと分かっているのかもしれない、もしかしたら見てみぬフリをしているのかもしれない】
【だけどリーネは男の言葉に頷く事をしなかった】

【少しお節介な男の言葉、それは一人の少女の心を揺らすのには十分過ぎたようで】
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(空)<>saga<>2013/03/19(火) 00:43:56.01 ID:D6LcubYD0<> >>114

【“拒絶” するため、彼女は自分の言葉を紡いで、】
【それを聞いた彼は苦笑して――――】

……な、何が可笑しいのよ一体……ッ?

(……っ―――――)

【……予想外だったのだろう。若干焦った様な声。年相応の、あどけなく崩れかける表情――― 。】
【それに気付いたのかまた “取り澄ます” 表情。羞恥心からか、若干赤くなって俯きかけて、それでいて彼を軽く睨みながら。】
【そのまま、彼に、御代桜の刀身を触れさせようとして―――――】

(…………ぁ、――――――)

【左手を左手で掴まれる。目と目が正面から向かい合う。】

【そして真っ直ぐ向けられる彼の言葉。】
【耳に届くと同時、掴まれていた/解放される左手を引っ込めて――――】


…………そうね。私は躱すのも苦手だし、貴方の言う通りかもしれない……。
……だから―――――

【そんな殊勝な言葉を放つと同時、】

―――――――――― ……ふっ!!

【―――― 不意討ち。闇を二度御代桜が閃いた。その刀身が撫でるのは、二人の腕に突き立った針。】
【刃が針を切り裂く事も、その衝撃で腕に痛みを与えることもないだろう。……彼女なりの意地、だろうか】

【直後に瑛月の刀は効果を表わし、二本の針は罅割れ、砕け散った直後に消えて―――― 】
【ポン、と彼の胸板に御代桜を押しつけて返すと、そのまま彼とすれ違う様に、真っ直ぐ前へと歩き出すだろう】


……私はもう少しだけ、この街で生存者を捜してみる。
だから今夜はここでお別れ。

貴方の戦いが続くのなら………いつかまた、こんな風に会う事もあるのかしらね。

【そんな言葉をその場に残して―――― 最後に一度振り返った、その表情は微笑っていた。】

【――― “道”。それぞれ違って、それぞれにあるもの。】
【自分とは違う其れをゆく彼を、柊は、確かに応援している様でもあって――――】

【けれども言葉にされない其れは、歩き去る間際、零れたその笑みが伝えるのだろうか】

/この辺りでしょうか…!
/二日間、遅くまでありがとうございましたー! 邪禍の方も本当にお疲れ様でしたっ…!
/こちらは凄く楽しかったですが、超遅かったりレス順で混乱を招いたり、いろいろ本当に申し訳ない……っ
/改めてお疲れ様でしたっ…!! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(長屋)<><>2013/03/19(火) 00:46:17.18 ID:XwzQw66Yo<> >>136
【少女の呼びかけから一呼吸置いて】


【「ああ、一緒に暴れてやろうぜ──」】


【そんな声が、聞こえた気がした】

【それは紛れもなく気のせいで】
【その刀は魔剣ではあれど、意思は持たず】
【ただ、爛々とした輝きを放ち】
【主に仇為す敵を、灼き尽くすのみ】

【もう一度だけ、優しい風が吹く】
【しかし】


【風が運んで来たのは───死臭】

か、カカッ

【「あの声」がする】

『ギヒィ…』

【気配は、一つだけでは無い】

か、エセ…
『カえ、せ』

【少女を囲む建物、その上に】

めパァ!!
『むュれれェ!』

【男性の顔と、女性の顔】
【先ほどの、蟲のような死体が威嚇する様に叫び声を上げていて】

【手にした刀が、輝きを増した】


ああっああァあアぁあ!!!
『いィいイィィぃいいイぃ!!』

【上空の二人、いや二匹………いや、二つは雄叫びを上げると】
【少女の両脇に降ってきた】

/弱いので練習がてら斬り捨てちゃって下さい! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/19(火) 00:51:36.63 ID:51ya+f4io<> >>139

戦うつもりはない……お嬢さんを撃ちぬくほど…立派な人間じゃなから
君の意図を、知ろうと思ってね…内面の、底に溜まった流水を……

いや、なに…君の重力に惹かれそうになっていた…ただ、今の銃声で――

【スッと、銃口をそちらに向けながら男は言った】
【足元に転がった、アタッシェケースを拾い上げようとした時】

【彼女は刀を抜いた】

【振り下ろす刀、その姿は男の異常な目にはスローモーションに見えた】
【赤い目は死を見せる】
【人間は危機敵状況になると極限の集中力で辺りがスローモーションに見えると言う】
【それは生存本能でその間に生き残る術を見つけるという事らしい 走馬灯のように…もその一種】
【目にはその本能が研ぎ澄まされて備わっていた】

【ただ、身体がそのスピードについていけるという保証はない】
【慌てて、身体を捩ったがスーツがジャケットとシャツまで切れてしまった】
【相手が、手加減していなければ バッサリとキレていたところだろう】
【男の弱さは、またここで露呈していた】

……じゃあ……そろそろ、俺は尻尾巻いて逃げるとするけど
外に、バイク停めてるけど 一緒に、乗って帰る?

【この状況でも余裕の表情と声色を使う】

【だが、息が詰まりそうだ】
【緊張と興奮と純粋さに当てられしまったみたいで脳がくらくらする】
【煙草があってよかった、ただ葉巻にしたのは失敗だったな 舌が辛い】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2013/03/19(火) 00:53:24.71 ID:MeoSfjw9o<> >>141
【ふ、とーーー眠た気な青年の眼が、一瞬の鋭さゎ瞳に宿す】
【眼に見たのは婦警の素早い、容赦の無い手際、はたりと男は立ち止まって】
【指を揃えた右手を軽く挙げると、そこに浮浪者が吹き飛ばされてきてーーー】

【ーーー瞬きをした瞬間には、浮浪者の体は地面に、青年の右手は斜めに降ろされている】
【受け流したーーーそうに違いない、まるで浮浪者は羽毛になったかのように、衝撃も音も無く地面に落とした、右手一本化でだ】

【浮浪者を確認する事もなく、右腕をだらりと下げれば、とろんと垂れた片目で婦警の体を舐める様に、上から下、下から上へと見回して、その眼へと視線は止まり】
【にたりと嫌らしく笑って、咥えたスルメをピコピコと揺らしながら、こう言った】

…いいネェ…姉ちゃんーーー
……オイラと闘り合わない?

【ーーーその左手は、刀の鞘へーーー微かに音が鳴ると、しかし彼から殺気は漏れない】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2013/03/19(火) 00:56:25.08 ID:ta7hizXro<> >>142

【揺らされてはいけない。結局男は、男の価値観に相手のケースを当てはめて語っているにすぎず】
【相手の優しい嘘で全てが成り立っていたのなら、それを変える必要などどこにもないのだ】
【何が正しい行動であるかなど、結局は意識の中で生別されるものでしかない】
【男の言葉が正論である保障など、どこにあろうか】

……ああ、やはり、苦しんでいるのか
ならば相談するいとまも無かっただろうね、それを話さないのにも、理由があれば

【相手の否定に眉ひとつ動かさないくせに、挙げ足をとってはぽつりと復唱する】
【傍若無人な態度は本来攻撃を受けたとても仕方ないくらいで、墓所を人質にとっているとすら言える】
【それでもさすがに不穏な空気を感じ取ったか、向きを変えたつま先に合わせてくるりと踵を返す】

何にせよ、打ち明ける相手が必要ならば、あまり隠し立てしてもいられないのではないのかい

【最後の最後まで、憎まれ口にも近い捨て台詞を吐いて】
【来た時の唐突さとは裏腹に、ゆっくりとその背はその場から歩き立ち去って行った】


/なぜ煽ったしこの男('、3_ヽ)_
/お相手ありがとうございました、なんとも……すみませんでした……! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(関西地方)<><>2013/03/19(火) 00:59:37.29 ID:qnWbRSOwo<> >>145

【きょとん、と彼女の瞼が一回、二回と瞬きをして、そこに浮かんだ貴方の言葉を逡巡した】
【――――意外、であった、刀を向けられてもなお、貴方は変わらず落ち着いた様子であったから】
【途端に彼女は、じわりと恥ずかしさがましてくる、ああ、なんて、早とちりをして……】


……っ――――お、お兄様……っ紛らわしいの、嫌いです
戦わないなら、戦わないと、ハッキリ言うべきですよ、もう……


【刀をそっと、抱きかかえたなら、そっぽを向くかのように、彼女はぷいと背中を向けるだろう】
【華奢な背中が震えていた、きっと羞恥が、彼女という存在を包んでいて】
【強い言葉を使っても、そこにあるのはまだまだ淡い、少女でしかないから】

【月光が落ちたなら、彼女の耳の辺りが月光に照らされる】
【羞恥で紅く染まって、耳の底まで、真っ赤に濡れて、それを隠すかのように、肩をよせて】
【そしてそのまま、たたたーってその場をあとにするのだろう】


/お言葉に甘えてこの辺りで……お疲れ様でしたー

<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage saga<>2013/03/19(火) 01:01:34.34 ID:BGOwUuJB0<> >>136

【物が喋るだなんて、きっと錯覚で、幻想で、気のせいだ】
【声帯のない物がどうして喋るのか、口のないものがどうして喋るのか、そんなわけがないのに】
【それでも、そう認識した言葉は、少女の口元をほころばせるには十分で――】
【その熱さに上気した頬で笑んだなら、常よりずっと、生き物らしくも見えるのだろうか】

【じゃあそろそろお暇を、と。ふらり、立ち上がりかけた髪を揺らす風】
【靡いてくるりと巻いたなら、零すのはシャンプーの甘い香り――それを覆って隠す、いやな臭い】

【ぱちり瞬いた瞳は、音と臭いから明確に導いた座標を貫いて、首を傾げるのは、何の意味もなく、ただの癖】

ごめんね、あげない

【確かめるように握りなおす柄。初めて逢ったはずなのに、どうしてか手によく馴染む】
【少し伏せた視線は、(だいじょうぶ)と自分に言い聞かせるためのちょっとだけの覚悟の時間】
【ついと持ち上げたなら、頭上から降ってくるそれらを見据えて――】

【地面をかりかり削って引いて、持ち上げる切っ先。っぶん、と。振りぬく動きは少しぶれたけれど】
【左下から右上へと、逆袈裟に切り上げる軌跡が、真っ先に狙ったのは、左のほう】

【男だろうと女だろうと、そこに躊躇う要素を、今は見出せなかったから】

わ、と、……――っ!

【振りぬいた勢いに、ふらり揺れた足元はたたらを踏みかけて、ただ、留まる】
【振り向き様に突きつける刃、明確に右の奴の腹を捉えて、】
【切っ先をその懐へもぐりこませようとして。出来たなら、そのまま、刃を返して、天へと】
【振りぬいたなら――奇抜なオブジェのよう、不思議な形状のものでも、出来上がるのだろうか】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/19(火) 01:03:46.69 ID:ZHJzSFCho<> >>147

【人間の心というものはきっと脆く儚いガラス細工な様なもので】
【そしてそれを壊されまいと必死で護っている姿は凄く滑稽で】
【今現在それをしている事にも気付かないリーネは愚の骨頂でもあり】

……苦しんでいないように見えました?
え…ええ、確かにそんな時間は御座いませんでした……

【相手の言葉は明確に自分を刺し貫こうと弱い部分を狙っている】
【もしココが墓場ではなかったら、武力を使ってでも黙らせていただろう】

大丈夫ですわ……私の話を聞いてくれる人なんてたくさん居ます
ええ、私の話したいことだけを忠実に聞いてくれる人たちが

【嘘だ、自分の話を聞いてくれる人なんてもうきっと居ない】
【でもこの男にだけは肯定の言葉を吐きたくなかったのだろう】

お元気で、次ここに来る時は顔を合わせない様にしましょうね

【リーネは去っていく男にそう嫌味を投げかけて見送ったのであった】

/こちらも話し広げ辛い+重いって……
/いやもうこっちがごめんなさい、そっちは悪くないです
/それではお疲れ様でしたー <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(長屋)<>sage<>2013/03/19(火) 01:05:06.59 ID:8H8gzrEfo<> >>146

【あら凄い、なんて漏らしながら婦警の彼女はヒールを鳴らして背筋を伸ばす】
【微笑はどこまでも消えないと見え、警棒をベルトに付属のホルダーに戻し】
【それからまた、白い手袋をはめた右手で自らの頬を触れ、もう一方の手は右の肘を押さえる】

ふふっ…貴男、東の方の人?着物に刀、典型的だものね
あぁ答えはいいの。でも、私の格好がどういう意味を含むかは…

……知らない、とは言わせたくないんだけど。
それとも知っての上での“デート”のお誘いかしら?

【婦警としての制服には女性らしい起伏があるが、自己主張の激しさは見受けられず】
【胸元のバッジは確かに官憲のそれで、帽子なども同様だ】
【ただ、如何に警官とはいえあの立ち回りは奇妙。男性が興味を見せるのと同じく、婦警も質問を返した】

【受け流された浮浪者については……悶絶して、よだれを垂らしながら気絶してしまって】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/19(火) 01:07:42.36 ID:Hes0dzjxo<> >>140

【攻撃の直後に彼の瞳に映ったのは男の背後に現れる異形】
【それはマインド──信念と心の具現化、直に叩き潰しに来る精神力──!】
【だが彼はその存在を知らなかった。能力であることは分かってもそれ以上の情報には靄がかかる】


ナンバー持ちならば好都合……!
このアルフォンス=ヴェントの全力を示す!!


【ナンバー、それもまた力の証明。今宵の敵が歴戦の勇士であること指し示すのにこれ以上明確なものはない】
【舞台は尽く切り替わり彼の脚本もまた変更を余儀なくされた。今のこの少年は孤独に震える哲学的な人間ではなく】
【自身よりも強大なものへと己の力を示さんとする一人の戦士だ】

【バンッ! という破裂音と共に彼の身体が宙を舞いその軌跡は美しい弧を描く】
【それは大きな動きのムーンサルト──高さのある宙返りでもって彼は火炎を回避した】
【それだけではなく、彼の両足が辿った軌跡に圧縮された空気による刃が現れて火炎を切り裂きながら男へと向かう】


/爆風に当たりそうでしたらダメージ等々の結果描写をして頂いて構いませんよー <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2013/03/19(火) 01:19:03.22 ID:MeoSfjw9o<> >>151
櫻の国さ、東も東よ…あぁ、答えはいいんだっけ?

…『悪の一つ』として追われる身になるもまた一興…賞金狙いの強者を斬れるじゃあないか
オイラはただ、死なない程度に斬りたいだけさ…

【女性が頬を抑えるのと同じ様に、彼は右手で顎を撫でて、左手は待ち焦がれるように鞘を撫でる】
【ただの警官と見ればかれもこうまで気にはしなかっただろう、しかし目の前の彼女は、ただ≠ナはない何かがある】
【恐らく勘だが、そう考えるとこの男、斬り合いたくてしょうがない】

でぇと≠フ誘いに乗ってくれりゃあ万々歳、そうじゃなけりゃ他をあたるか…
…こんな所で一杯どうぞ、なんてなぁ流石に風情がなさ過ぎるじゃあないか?

【挑発するように、ギリギリを見定める様にーーー左手の親指は鍔を押し上げ、僅かばかり刀身が覗く】
【そうしていると、いつの間にやらツンとした匂いーーー酒の匂いが、漂い出した】

/すみません、風呂いってきます <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(長屋)<><>2013/03/19(火) 01:23:57.32 ID:XwzQw66Yo<> >>149
けヒぃ?
『きャキゃキャ!!』

【触れた物を灼き尽くす、炎の刃は】
【それこそまるで、固形物ではないかの様に獲物をするりと通り抜け】
【しかし確実に、「斬って」いた】

むグ、あ、ツ…?

【斬られた者は、斬られた事に気付かず】

『あヅィぁづイアづあづアヅアヅアヅィィいいあアア!!』

【身体を刀身に融かされ、分断された後に】
【ただ、その紅蓮の炎に身を灼かれる苦しみを味わう事になる】


【刀身は、降り抜かれた後に】
【ふん、と鼻を鳴らすかの様に、ちろりと、先端から小さく炎を噴き出した】


【奇妙な形のオブジェどころか、二つの消し炭すら残さず燃やし尽くした炎は】
【主の敵を滅すると、ほかの物に延焼する事なく、焦げ目すら残さずに消え去った】


【風は凪いでいる】
【忘れ去られた鞘だけが、少し寂しそうに月明かりを反射していた】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(広島県)<><>2013/03/19(火) 01:26:04.69 ID:b6hZmg6o0<> >>152

【爆風で情報え押し上げられる肉体、ラスラドーラはマインドの装甲板に体を打ち付けられる】
【堅い装甲板に打ちつけられ鈍い痛みと横隔膜いが縮むいやな感覚が体を駆け巡る】

【ラスラドーラは舌打ち一つ洩らすと今度は迫りくる空気刃の防御に行動を移す】
【しかし、爆風で呼吸が遮られ、魔具に魔翌力を込めたものの呪文が言えない】
【腰の銃は大型ゆえ反動がきつく、この暴風では当たらない】
【そもそもこの男に迫りくる攻撃に当てる力はない】

【ならば回避!しかし風でマインドも上方に押し上げられ、回避は難しい】

【なら!活路は前!】
【突然、マインドの装甲板の一部が開き】
【そこから黒煙と膨大なエネルギーを噴射!】
【そのまま猛スピードで空気刃に向けて突進する】
【どうやらマインドの頭部を保護する分厚い装甲板とエネルギー噴射の超高速で空気刃をぶち抜き】
【成功すればそのままヴェントに突っ込むつもりのようだ】

【ラスラドーラはマインドの後方に追従することになる】
【マインドの巨体に遮られて資格が出来ているかもしれない】

/了解しました
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/19(火) 01:26:54.04 ID:51ya+f4io<> >>148

【男は灰が落ちて、小さくなった葉巻を投げ捨てた】
【ソレをブーツで踏みつけて消す】

ごめんね、慎重な性分なんだよ…それに回りくどい皮肉屋とも言われる
まあ、思った通り良い子で助かったよ…それじゃあ、今度は明るいところで

【去って行くその背中を男は見て、少しほくそ笑んだ サド野郎なんだろうな】
【胸ポケットに差したサングラスを手にとって、それをまたかける】
【拳銃をベルトに挟んで、落ちていたアタッシェケースを拾い上げた】

これを片付けるだけで…呪われてるなこれ

【中の重さを確かめながら、バイクのあった方に向かって行った】
【最初から海にでも捨てとけりゃよかったと呟きながらバイクに括りつける】

……俺が女になりゃ背が高すぎてモテねえな……縮むのか?

【そんなことを思いながら、バイクを走らせる】

/遅筆ながらお付き合いいただきありがとうございました!
/速さと地の文の美しさはとても勉強になりました それでは <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(石川県)<>sage<>2013/03/19(火) 01:27:35.49 ID:CTLZy5zuo<> >>143

【霧をバックに白刃が舞う。彼の視線がその美しい軌道を追う。―――身体がぴくりと反応することはなかった】
【目の前で刃物を振り回されれば、自然と身体が動く。防衛本能とでも言うヤツだ。しかしながら彼が動かしたのは瞳だけ】

【―――彼女の刃への、信頼。其れが唯一の理由だった】

―――……目指すべき場所は違えど、道は交わる……死ぬなよ、柊

【左腕に張り付いた違和感・重さが抜けて。軽くなった手に、自らの牙を収めながら―――遠のく背中に静かに告げる】
【霧に隠れる彼女を見届けて、男は小さく息を吐く。何かを確かめるかのように、軽さを取り戻した左腕で剣を振るう】

…………君と戦った “俺” は、これで音を上げる様な泣き虫なのか―――なんてな……

【独りで微かな笑い声を漏らせば、男は止まった脚を再度進め始める】
【―――静かで力強い、一歩だった】

/お疲れ様でしたー!! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(長屋)<>sage<>2013/03/19(火) 01:29:14.04 ID:z+CwNAo5o<> >>153

ええ、いいの。言わなくても答えは分かっていたから
でも、私の知っている櫻のヒトとは少し違って、そう…過激、なのね?
みんな小柄で、髪も眼も黒く、誰しもが心にゆとりを持っている

……なんて、思っていたんだけど。ふ、ふっ…。

【自分の言葉は間違っているかと尋ねるように、姿勢はそのままに首を少し傾げる婦警】
【その佇まい、雰囲気やオーラとでも言おうか。それは確かに普通ではなく】
【根拠や理由は見つからなくとも、男の勘が当たっていることを示唆していて】

……でも、いいですよ。少しだけなら、だけど
素敵な男性のお誘いだもの、断るのは失礼にあたる……でしょう?

【彼女はさらりと、流れのままに“デート”の誘いを受け入れた】
【といっても先制を取るわけではない。自己愛を表すような姿勢のまま、立っていて】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage saga<>2013/03/19(火) 01:40:26.34 ID:BGOwUuJB0<> >>154

【きっと、ひとだったのだろう。もうそんなの、分からないけれど】
【めらめらと燃え上がる赤が少女の姿を照らして、赤く染め上げて――】
【自分にその炎が及ばないこと、何となく分かっても。さすがに眼前で燃え上がるナニカがあれば、怖いらしい】
【かつこつと数歩の距離を作ったなら――その踵に、かんと、触れるものが】

【何も残らぬ虚空から視線を逸らして振り返ったなら。ちょんと地面に横たわるのは、きっとこの刃を抱いていた子】
【「あ」なんて洩らす声は微かで。ただ、どうしようもないぐらいの失態を示して――】

……わすれてない、よ。ほんとだよ

【――さて、どうだか】

【左手で拾い上げたなら、きょとと辺りを見渡すのは、軽すぎる警戒のかたち】
【何もなさそうなら、そうっと――本来そうであるよう、刃を納めようとするのだろう】

【そうしたなら。胸にぎゅっと抱くのは、無為にしないのは、】
【何の躊躇いもなく話し掛けた性格を少しだけ示すようでもあって。無機質に話し掛けるタイプです】

――もう、何も、いないよね?

【路地裏から出でるほうへと足を向けて。振り返ったなら、そっと虚空に首を傾げる】
【人目を気にするのは、自分の所有物じゃなかったものをそうすることへのちょっとした引け目】
【もしも誰かがそこに居たなら。この行動には出なかったのだろうか――なんて、思わせるような】

【問いかける声に何も返事がなかったなら、かつと足音が紡ぐ方角には、街がある】
【ふわふわと髪を揺らす風に瞳を細めて。暖かな春の風――髪を結ったほうがいいのかな、なんて。考えていた】

/こんなところ、でしょうかー?
/おつかれさまでした! ありがとうございましたー <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(長屋)<><>2013/03/19(火) 01:51:39.30 ID:XwzQw66Yo<> >>159
【───────少女が去った後】

……………………………………ふっ

【ひとだったものが居た、建物の屋上】
【静かに、ただただ静かに、気配に敏感な獣すらも目の前を素通りするほど静かに】
【少女と化け物どもの戦いを見ていた者が居た】

【それは、小さな笑いを零すと、それと同時に禍々しい気も零して】
【しかし、何処か満足げに、歩き去って行った】


【─────────────頬には、十字傷】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2013/03/19(火) 01:52:03.59 ID:MeoSfjw9o<> >>158
どいつもこいつも、皆同じ頭じゃあねぇさ
人がいりゃあ鬼もいる、それが櫻の下ってもんよ

【確かに、女性の思う櫻の人間とはイメージが違うかもしれないーーーそれを踏まえて例えに出すは、人≠ニ鬼=z
【例えば、髪が黒く小柄でゆとりある人間を櫻の人≠ニするなら、それに反する自分は鬼≠ゥ】
【くくく、と笑を返しながら、左手で鞘を帯から抜いていく。ゆっくりと、ゆっくりと…】

そいつぁ重畳、アンタはい〜い女だ…

そいじゃーーー

【抜いた鞘を持つ左手を腰の高さに、右手は柄に、居合抜きと見て取れる、腰をおろした構えを取った】
【刹那、女性に接近ーーー今までのゆったりとした雰囲気からは想像もつかないような速度、足音なんかはまるで機関銃さながらに連発する】
【そして、女性が間合いに入れば、これまた物凄い速度の居合抜きで横一閃ーーーしかし、間合いと言っても刀の切っ先で撫でる様な、本当にギリギリの間合い】

/ただいま帰りました <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/19(火) 01:52:21.03 ID:Hes0dzjxo<> >>155

【弧月の刃は装甲板に命中すると簡単に霧散した。刃である以上それは頑強さに対して無力だ】
【回避行動の後に着地し敵を見上げる彼の瞳に映ったのは猛スピードの突進だった】
【それを避けなければどうなるか、その到達したくない未来が彼の脳裏を瞬間的に過ぎった】


(まずい、避けきれない────!!)


【けれど彼の脚は、身体は動かない。男の素早い状況判断が彼に満足な対応をさせる時間を与えなかった】
【咄嗟に取った行動は両腕を身体の前でクロスさせて防御体制を取ることだけ。勿論、それだけではきっと防御とすらいえない】
【男の突進が辿り着く微かな時間の隙間に彼の従者たる大気が張り込んだ。彼を防護すべく大気が彼の両腕へと纏わり付いた】

【そして彼の予期した未来が辿り着いた。十分過ぎる質量と速度を持った攻撃は華奢な彼の身体を球のように弾き飛ばし】
【彼の身体は後方にあった朽ち果てた柱に衝突した。大きな凹みが生まれ細かい石の欠片が音を立てて地面へと落ちていく】


ぐっ……!
さ、流石はカノッサ機関のナンバーズ……能力の強さもさることながら、状況判断が早いですね


【足元を微かにふらつかせながら、それでも彼は立ち続けていた。未だに闘志が消えることはない】
【また彼の足元の衝撃が彼の身体を叩き出した。浮翌遊するかのように男に向かって高速で移動する】
【しかしその加速は僅かな時間だけ。瞬間的な接近の中で彼は左半身を男に向けた形で5m手前という距離で急停止した】

【次の瞬間に彼の身体から発せられたのは同じ程度の大きさの衝撃波だった。急加速と急停止による圧力の変化を魔術でもって飛ばしたのだ】
【それは彼の細身で軽い身体でもってしてもかなりの衝撃があり速さもある】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(長屋)<>sage<>2013/03/19(火) 02:06:18.95 ID:Qq7YO5O9o<> >>161

【すぅ、と白との対比が眩しい桜色の瞳を細めて、戦士の動きを見極める】
【いや、実際に見えているわけではない。「恐らくこうやって移動しているのだろう」と目測するのだ】
【それを可能とするのは女性の身体能力に他ならず、婦警はふらりと一歩後ろに下がって】

鬼が居るといっても、礼節を重んじるのは変わらないのね…。
ただの凶刃ならこの間合いでは無いのでしょうし……でも、フフッ♪

……私、近接格闘術には少し自信があるの。

【はらりと。金の髪が何本も、居合いの一撃で切り落とされる】
【しかしそこに血の色は無く、彼女が上手く間合いを読んで回避したのだと分かるだろう】

【さて、一歩引いた姿勢というものは無論片足が上がるわけだが】
【婦警は地に着いた片足で僅かに跳ねて、浮いていた右足で真っ直ぐに男の腹を狙う】


【   というのはフェイク。実際は、右足は腹部までは届かない】
【本命はその直後、まだ跳ねている最中に相手の刀を持つ手を狙って放たれる左足】
【ヒールのつま先で正確にねらって繰り出されるそれの一撃は、もし食らえば驚くほど重く】

【攻撃の成否に関わらず、婦警は右、左の順で地面に降りることとなる】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(広島県)<><>2013/03/19(火) 02:15:58.41 ID:b6hZmg6o0<> >>162

はっはーさすがにやりすぎたかぁー!
卵≠植え付けんのも死んでちゃ意味なさそうだしなぁ。

【ラスラドーラは確信した】
【己のマインドの突進が直撃したのだ立てるはずない】
【立てたとしても満身創痍、次の一撃で勝てる】

【――だからマインドを自分の体に戻してしまった!】

【間違った判断ではない――もし相手がすぐに反撃してこなかったのなら】

【ラスラドーラのマインドは巨大】
【それは利点でもあり、弱点】
【的になりやすいのだ…もし傷ついた相手が最後に渾身の一撃を放つとしたら――】

な!なにいいいい動けるだと!

【急速に迫るヴェント】
【ラスラドーラは攻撃にマインドを出そうとして――止まった】
【ヴェントとの間に空いた5mの距離、マインドの特性――衝撃がラスラドーラを貫く!】

グオオオオオオオッ!
【吹き飛ぶラスラドーラ――突然魔具が輝きだし】

爆…撃鎚(ヴォル・ハマロ)!

【突如ラスラドーラの上に莫大な熱量が出現】
【空気を急速に膨張させ爆発!熱風と衝撃波がラスラドーラを地面にたたきつける】

さーて、今夜はこれくらいにして置くぜヴェント。
これにて廃墟の舞台は閉幕だ。

【口から血を吐きながら立ち上がるラスラドーラ】
【その傍らにマインドが再出現!】

じゃぁな、お休み…いい夢見ろよ。

【捨て台詞なのかよくわからないことを言った後――マインドがラスラドーラを飲み込む!】

【そのままマインドはヴェントから去っていくだろう】

【夜の闇の中、ラスラドーラの見せたあのクレヨンの絵が炎に巻き込まれ杯になっていった】

/すいません眠気が…乙でしたー <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/19(火) 02:17:36.29 ID:Hes0dzjxo<> >>164
/お疲れ様でしたー <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2013/03/19(火) 02:24:18.60 ID:MeoSfjw9o<> >>163
【はらりと舞う金色の色、踏み込みが浅かったーーー違う、わざと間合いを広く取った≠フだ】
【理由としては、ただ単に小手調べだった、というのも一つ、間合いを取る事により、誘った反撃に対抗する隙を作るのも一つ】

鬼にもまた、色々あってねぇーーー
…中々、早いーーー

【ふわりと跳んだ女性の体、その足が狙うは腹かーーー素早くそれを、左の鞘で受け止め】
【ーーー違うーーー女性が狙ったのは腹ではなく、右手ーーー!】
【上から踏み落とされたヒールの踵が、青年の右手を蹴り付け、反射的に開いた手からは刀が落ちる】

【余りに呆気ない武装解除ーーー違う、彼が自分を鬼≠ニ語る所以は、これからだ】
【切っ先を下に向けて落ちた刀は、コンクリートに跳ねて、今度は交代して柄側が下に向かって落ちる】
【柄が地面に落ちる瞬間、青年は右脚を振り上げたーーー蹴り?違う、狙いはあくまで斬撃=[ーー!】
【落とした刀の柄を、下駄の歯に引っ掛けて、そのまま蹴り出す要領で女性に逆袈裟の切り上げを放った】

【まさか、刀を落とした所からの足での斬撃ーーー普通に戦い方をわかっていればわかっている程、発想が有り得ないであろう攻撃】
【不意打ちとなるかーーー!?】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(長屋)<>sage<>2013/03/19(火) 02:47:54.52 ID:5q6pm7E1o<> >>166

【武装解除に成功、というのはほぼ武器が無いと言える婦警には大きな事だ】
【だからその行方、刀が落ちたなら拾えない位置まで蹴り飛ばそうと彼女は考えていた】

【結果的に、それが功を奏することとなった】
【武器を見るために細めていた瞳が、上がった下駄とその後の一撃に不快げに動き】
【これまた見切ったとまではいかないものの、攻撃を察知することは出来た】

刀と拳の競い合い…というのもまた、楽しくはあります
……が、少々苦しくもある。私の方も抜かせて頂きましょう

【取り出したのは樹脂の警棒。右手で抜いたそれを、彼女は刀をすくい上げるように振り抜いた】
【目的は一つ、先ほど彼が浮浪者にしたように攻撃を受け流そうというのである】

【力に意図せぬ別の力を加えると、それは時折狙いを狂わすことがある】
【婦警の行動が上手くいけば、攻撃をそらすだけではなく、男の足をすくうことすら出来るやもしれず】
【かといって失敗であれば、制服に無様な斜め傷が付くことになるが】

【事の次第を最初に確認できるのは、獲物の所持者たる男性であろうか】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2013/03/19(火) 03:01:31.32 ID:MeoSfjw9o<> >>167
【蹴り上げた脚にくっ付いたように、不安定にしか見えない下駄の歯でありながら、その攻撃は攻撃足らしめる妙な安定性がある】
【だが、それは針の上に紙を置くが如きもの、軽くであろうとそれを邪魔されれば、簡単に吹き飛んでしまう】

【掬い上げるような警棒の攻撃は、下から上がる刀を更に押し上げて、遂には刀は天高く舞い上がる】
【刀身から滴る液体ーーーこれは、酒であるーーーが、キラキラと眩く散りながら、刀はくるくる空へのぼり】
【バランスを崩した青年はというと、そのまま崩したバランスを戻そうとせずに、脚を振り上げ勢いを付けて宙返りーーー流石に蹴り上げを無理矢理当てるとまではいかなかったが、距離を幾分か取ってーーー】

【ーーーだが、ここで問題が一つ生じるーーー青年は結果的に、刀を手放してしまった】
【落下した刀は二人の間の地面に突き立ち、刀身から並々と流れる酒で地面を濡らす】

…参ったネェ、こりゃあ……
剣客が刀無くしちゃ、木偶の坊だ

【冗談混じりに言う余裕はあれど、すぐさま刀を取りにいくなんて事はしない】
【目の前の事に気を取られては、隙を突かれてしまうーーー青年は、鞘を刀宜しく、両手でしかと構えた】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(長屋)<>sage<>2013/03/19(火) 03:12:35.82 ID:gXgR0EObo<> >>168

……あら。あんな素敵な刀で斬られたら、ちょっとホロ酔いじゃすまなさそう。
貴男に殺される人はきっと、良い心地で逝けるんでしょうね…?

【酒が散る、刀が落ちて地に刺さり、一方で使い手には距離を取られる】
【まあ、悪い展開ではない。始終を細めた瞳で捉えていた婦警はそう思った】
【相手も手練れだが、これは中々白熱したものになりそうだ】

……なんて、思ったりもしたんだけど

ねえ、櫻の国の鬼さん。鈍器同士での戦いがしたいなら乗るけれど
“次は受け流さない”……とだけ、伝えておきたいのよね。

【まだやるかい、なんて伝えるように警棒を片手の平に打ち付け軽い音を立てれば】
【またまっすぐに立ったまま、自分からは動こうともしなかった】
【が、刀のある中間地点。そこまでが既に攻撃射程の内側だ】
【或いは、どうせ手合わせ程度だしと交渉を持ちかけることも可能のようだが……】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2013/03/19(火) 03:38:17.79 ID:MeoSfjw9o<> >>169
くっくっ、それはどうかなぁ…?
確かにこいつぁ迷刀だ、酒はいつでも飲めるし、水だって酒に変えちまう
特に、強者を斬った後、その血が混じった酒が旨くてなぁーーー

【「おっといけねぇ」なんて、惚けたようなふりをして】
【さて、女性にとってはいい状況だが、彼にとってはそうでもない】
【何しろ、武器が相手の間合いにあって、運良く拾えたところで攻撃の構えにはどうしても隙が出来てしまう。何しろこのままでは相手を斬れない】

ーーーそりゃあ有り難い、そんじゃあこっちも…少し残念だが、これ≠ナ相手しよう

【『次は受け流さない』と女性が言えば、にたりと笑って鞘を腰だめに構え、腰を低く降ろす】
【斬れないのは惜しいーーーが、これなら相手を誤って[ピーーー]事もなかろう、ならばまた次に斬ればいい】

【ーーーしん、とした空気ーーー】
【黙って構え、精神を統一すれば、それだけ見れば、櫻の国の侍らしくも見えるのだがーーー】


…いざ尋常にーーー………勝負ーーーッ!

【開口一番、最初の様に、素早い足並みで一気に駆け出し、女性の元へと接近する】
【女性の持つ警棒ならばこちらより間合いは狭いーーーそう考えてしまうのは必然!】
【刀より向こうが既に攻撃範囲とも知らずに、青年は接近しーーー】

【ーーー鞘を振るう直前、その青年の姿は消える】
【いや、それよりもっと前、接近以前に攻撃をくらっても、まるで霞を斬ったかのように、その$ツ年の姿は消えるだろう】

【ーーーそれは実体のない残像ーーー『後に出て然るべき残像を、先んじて出す』ーーーそれが、彼の能力】
【すなわち、先に残像を飛び込ませておき、自分はその場で待機して、攻撃をくらうか動作が終了するか、いずれにしろ残像が消えた瞬間、寸分違わぬ同じ動きで本体が接近する】
【狙いは、迎撃や防御のタイミングをずらす事ーーー残像が攻撃により消されたならそのすぐ隙を縫う、残像が消されず防御体制をとったならその防御を後から崩す】
【青年本体は、残像と全く同じ動作で走り、間合いに入り、構えーーーそして、鞘を思い切り横に振って、女性の腹を殴らんとする!】
【女性が残像に反応し、回避していたなら位置を追って、防御体制を取ったならその隙間を狙う、抜け目ないやり方だ】

【ただ、女性が残像をそうと見抜いたり、例え残像を迎撃したとしてもすぐに切り返す、または攻撃が長く持続すれば、なす術はない】
【一度残像を出せば次の行動はそれに決まってしまう、突っ込むしかなくなるのだ】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(長屋)<>sage<>2013/03/19(火) 04:10:11.91 ID:1M75xC5Lo<> >>170

【タンッ、と飛び上がって彼の接近に合わせれば、着地と共に左の肘を半身の状態で繰り出す】
【それはもし決まれば臓腑を脅かす恐怖の一撃。だけれども、すぐに違和感は体を走る】

【すぐさま、文字の通り咄嗟に横へ飛び退くが、使い手の一撃がどれほどの速さかは試し済み】
【鞘は確かに婦警の腹部を強く叩いて、彼女を「望み通り」横へ飛ばすだろう】
【が。ここでまた一転、使い手である男性には奇怪な感触があったはずだ】
【それはまるで人の体ではなく、岩か何かを打ったような】

ふ、フッ♪怖いヒト、刀の次は鞘、鞘の次は能力……かしら?
本当は私も肉弾戦だけの方が好みなんだけど…ね♪

【否。それはまさしく岩だった。婦警の腹部を、服の上から頑強な岩石が覆っていた】
【それは数秒もすると消えてしまうが、相当のダメージを打ち消すことに成功したらしく】
【警棒片手に立つ女性は、なおも背筋を伸ばしてヒールを履きこなし、彼の前に居た】

【流石に、反撃こそ無い。無いが、勝負は未だに終わりを見せてはくれないようで】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2013/03/19(火) 04:24:11.61 ID:MeoSfjw9o<> >>171
ーーー硬い、ネェ…

【上手い事陽動は成功した、上手く迎撃を切り抜けて攻撃出来た、だがーーー】
【手応えが、感触が余りにも違う、人間を殴った感触ではないのだ、まるで岩の塊のよう】
【女性の姿を見るとそれも納得する、『ああ成る程』と笑ってーーー】

岩か…岩を斬るなんざいつぶりかーーー

【おもむろに刀に近寄れば、それを抜いて鞘に納め、しっくりきたと、鞘を左手に持って】
【確かに、あの岩の硬さは驚異ーーーだが、刀さえあるならそれごと斬れるーーー】
【ーーーとでも、言いた気であったが】

…ふ、ぁあ〜あ……うぅん、まだ寝たりねぇか……
…くく、この勝負…預ける!…なんちゃって……

【不意に大あくびをしたかと思えば、鞘を帯に挿して、臨戦体制を解く】
【くく、と笑うと、踵を返して】

【カランコロンと、また下駄を鳴らして歩いて行く】
【後には、酒の匂いが残り香として、尾を引いていた】

/眠気が来たのでこの辺で、お疲れ様でした <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(長屋)<>sage<>2013/03/19(火) 11:54:07.14 ID:Id5CvpI7o<> >>172

【警棒をホルダーに戻し、激しい動きで底の削れたヒールを正し、服の埃を払って】
【そうすれば、最初と寸分違わぬ不思議な婦警がそこには居た】
【好戦的だが気紛れ。そんな彼とは気が合いでもしたのか、さっぱりと戦いを終わらせて】

櫻の国のヒトは面白いわね、なんだかとってもスリリング。
また会ったらまたやりましょう、結構楽しめましたし、ね?

……あぁそうそう、私の名前は嘉手納 純よ、それじゃあ。

【彼が立ち去るのを見ると、自分はもとより向かっていた路地裏の奥へと足を進める】
【その高いヒールの音は、ビルの合間で随分と長く鳴り響いていた】

/うぅ、最後に寝落ちしてしまうとは…重ねてごめんなさいorz
/でも楽しかったです、ありがとうございました! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage saga<>2013/03/19(火) 18:19:59.44 ID:BGOwUuJB0<> 【街外れ――ぽつんと取り残されたような廃墟】
【ひとの気配を忘れて久しいその場所は、元は庭にでも植えていたのだろうヘデラの楽園】
【壁も柱も全てが白緑色に覆われて、暖かな風にさらさらと鳴っていた】

…………。

【窓も扉も壁すらも。最早まともな体を成さないなら、それを遮ることなんて叶わないまま】
【吹き込んだがらんどうの部屋の中、からりからりと何かが転がるような音がして――】

【――ざぁと、靡いた髪は、綺麗な黒色】

【二階の隅っこの部屋、窓枠に腰掛けるひとかげはひどく華奢で、遠めですら少女と分かるよう】
【立ち上がったなら膝に届くような髪は、天蓋を覆う夜よりも冥いぐらいで、さらり揺れる】
【抱えた膝に伏せた顔は窺えないけれど――その肌の白さぐらいなら、分かる、だろうか】
【少しだけ袖の長いようなパーカーも、ふんわり膨らんだミニスカートも、足を覆うサイハイソックスも、靴すらも黒いなら】
【夜に蕩けてしまいたいとでも言うような、そんな錯覚すら浮かんでくるような】

……――はやく、しないと、

【窓の抜け落ちた穴ぼこ、器用に体育すわりするのは、ひどく危うく見えて、】
【実際あまりにも強い風が吹くとふらつくのだから、やめてしまえばいいのに――】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(長屋)<><>2013/03/19(火) 18:30:56.75 ID:O+qM4djlo<> 【公園】

遠く彼方を見渡して〜♪

【日も落ちて、人気の少なくなった広場のベンチに腰掛けて歌う、少年が一人】

単純に視界の狭い事気付いた〜♪

【その歌声は、少し幼くて、お世辞にも上手とは言えない】

自分捨てる方が楽でも〜♪

【ベンチの端には、銀色の巨大な盾と、よくわからない稼働部やらパイプやらがついた機械槍が立てかけてある】

最大限耐えてみたいと思った〜♪

【少ないとはいえ、人が完全に居なくなったわけでは無く、公共の場で気持ち良さそうに歌う少年は、少し、浮いていた】

今日がどんなダメな日でも〜♪

【立ち去る人や、自動販売機に立ち寄る人、公園の外の通行人等々、様々な人がちらりとそちらを見て、すぐに興味を失った様に自分の行動を再開する】

わずかな光を〜♪

【しかし、少年はそんな冷笑混じりの視線を知ってか知らずか、目を瞑り歌い続ける】

明日はまた明日の自分で灯せばいい〜♪

【爽やかなそよ風が、少年のツンツンとした髪を揺らしていた】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>saga sage<>2013/03/19(火) 19:01:17.99 ID:B3NU/lZNo<> >>175

よぉう、坊ちゃん。 随分素敵に音の外れた歌だねぃ

【去って行く人の中から、其方に向かっていく足音がひとつ】
【ベンチに座る彼へと声を掛けたのは、聖職者然した黒の祭服姿の中年であった】

【アッシュグレイの髪は前から見れば然程長くも無い程度だが、】
【襟足は肩を過ぎる程度に長く、碧い目は年相応に幾らか皺が浮かんでいる】
【巨躯と言うまででは無いにしろ、190超えの背にそれなりの恰幅という体躯】

んで、これまた洒落た盾と槍だねぇ…… あんたのかい?
いや突然だが気ぃ悪くすんなよい、“騎士”は槍と盾がどーしても気になっちまうもんさぁ

【ベンチの端、立てかけてある物に無遠慮に近付いて】
【しげしげと眺める様は、言葉通りにそれらに興味を抱いているようだ】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(長屋)<><>2013/03/19(火) 19:33:30.68 ID:O+qM4djlo<> >>176
途〜切れないように………って、え?
あ、五月蠅かったッスか?ごめんなさいッス!

【声を掛けられると、慌てて歌うのをやめて立ち上がり、深く礼をする】
【身長は、高くも無く、低くもなく】
【体格は鍛えられてはいるのだが、がっしりしているわけでもなく、大盾と槍は、この少年には少しばかり不釣り合いにも見えた】
【また、その挙動から、歌声と同じく幼さが漂う】

【男の大柄さもあいまって、傍から見れば大人と子供、に見えるのだろうか】
【一言で言えば、「垢抜けない」が似合う少年だった】

騎士、ッスか?
し、失礼だけどおじさん、どう見ても騎士じゃなくて神父ッスよ…

【そう言って見上げる少年の瞳は、まるで小さな子供のように輝いて】

僕の装備に、興味あるッスか?
盾はいいッスけど、槍の方はあんまりいじくらないで欲しいッス!持ち上げる位なら構わないッスけど……

【盾はよく使い込まれていて、銃弾や剣戟、魔法など、様々な攻撃を防いだ「痕」がある】
【また、盾に詳しい者が見れば、一番目立つのは「人に思い切りぶつけた痕」だということに気付くだろう】
【対して、槍の方は、新品に見える部分と、もはやボロボロと言っていい部分とが入り混じっていて、継ぎ接ぎの服のような印象を受ける】
【機械槍、と言うのだろうか、稼働部が二つほどあり、コードやらパイプやらが穂先の中にまで入り込んでいる】
【もし持ち上げたのならば、手で振るう武器には過ぎるほどの重量を感じることが出来るだろう】
【そして、一番奇妙なのは、持ち手のような部分が「存在しない」こと】

まぁ僕は騎士じゃなくて、「技師」ッスけどね!
アッハハ、一文字違いッス!

【ころころと、楽しそうに笑う少年】
【彼は、どうやってこの槍を扱うのだろうか】
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2013/03/19(火) 19:42:11.83 ID:GZHLCWDy0<> 【夜の国―――首都 ルルーメン=z

【美しくライトアップされた首都を望める郊外の丘にぽつりと建っている廃墟】
【窓ガラスは砕け散り内部は随分と朽ち果ててしまっており少年達の肝試しの場所になっているとかいないとか】
【だが―――今宵は少しばかり趣が違う………建物、否、その周囲全てを吐き気を催すような歪な気配≠ェ覆い尽くしている】
【その気配の根源は、屋上に立ち首都を眺めている一人の人物から流れ出ているモノなのだ。】

いやぁ………ようやく本調子に近づいてきた………っと言った感じですかねぇ。
いやはやあの穢れた獅子≠熕助ェと乱暴な事です、本能に任せた獣というものは存外恐ろしい物ですね。

とはいえ所詮は衝動に任せて行動するしかない―――イレギュラー≠ェなければ…の話ですがね。

さて、それはそれとして………そろそろこちらの下準備≠燻nめるとしましょうか…クク。


【その歪な気配を放つ人物とは】
【頭部は、ダークグリーンのガスマスクで全て覆われており、わずかに金色の髪が見える】
【小ざっぱりしたダークグリーンのスーツの上から同じ色のラボコートを着ており】
【ガスマスクには、17≠フ数字を緑の蛇が囲ったようなデカールが貼られている】
【身長180cm程の、歪な気配≠その身から垂れ流している、長身の青年】

【「しかしいい加減このマスクも蒸れて辛いですね」とボヤキながらクツクツと喉を鳴らして笑いながら眼下の都市を眺める】
【まるで誘うように垂れ流される歪な気配に呼応、反応し引き寄せられる者はいるだろうか―――?】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>saga sage<>2013/03/19(火) 19:48:40.68 ID:B3NU/lZNo<> >>177

いいやぁ、別に五月蝿かねえよぃ
気持ちが入ってりゃあ、下手でも上手いもんさ……心に響けば良いんだよい

【見上げられれば笑う男、頚から下げた逆十字といい、少年の指摘は正確であって】
【だが其処に言及するでもなく、男は相手の言葉を聞けば早速、盾の方へ遠慮なく触れた】

【大きなそれは重量もそれなりであろうが、】
【硬質さや使われ具合を隅々まで見る男の動きは、重さに対して全く淀みがない】

突破用かい、こいつは? そっちの槍と合わせて持つとして、
坊ちゃんの背格好には幾らか難しそうだがねぃ……

しかし、技師……というと、こいつらは自分で振るってえ訳じゃ無いのかい?

【眼前の相手が振るえる物とは思えず、】
【技師と聞いて幾らか納得したように顎を摩り、にやにや笑うのは彼の笑顔に釣られてか】
【やがて盾を静かに元の場所へ戻す手、灰色の燐光が動きに追随して、不思議な五線譜を描いた】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>saga sage<>2013/03/19(火) 20:04:06.12 ID:B3NU/lZNo<> >>179
/次遅れます、申し訳ないです…… <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(長屋)<><>2013/03/19(火) 20:08:47.41 ID:O+qM4djlo<> >>179

突破用…か、まぁそんなとこッス!
流石に槍で人を突いたら死んじゃうッスからね、そいつで思い切りぶつかって、大人しくしてもらってるッス!

【そう答える少年は、命のやり取りなどとは無縁の存在のようで】
【口から出る言葉も、もしここに一流の戦士がいれば不機嫌になるほど、甘い考えだった】

まぁ、こんだけ大きな盾の扱いを覚えるのには苦労したッス…

【槍のことに触れなかったのは、偶然だろうか、それとも──】

技師は技師でも、魔導技師ッス!!
魔導機は武具が多いんで、テストのためにも一通りはきちんと扱えるッスよ
作った本人が扱い方を知らないようじゃ、笑われちゃうッス!

【魔導技師、あまり馴染みのない単語かも知れない】
【魔導機という、端的に言えば電気の代わりに魔翌力で動く機械を製作したり、整備したりする者のことである】

【魔翌力という物に敏感な者であれば、眼前の少年から、その身に不釣り合いなほど大量の魔翌力を宿していることが解るかもしれない】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>saga sage<>2013/03/19(火) 21:01:51.54 ID:B3NU/lZNo<> >>181

……へえ、そいつぁまた珍しい仕事だねぃ?
まさか坊ちゃんがこれを扱うたあ思わなかったよい、驚いたねぇ

【大仰に肩を竦める動作にも灰色の五線譜が追随していて、】
【どうやらそれは、男の魔力の顕れであるらしく――となれば、相手の魔力にも気づき得た】
【笑い顔の中の碧眼はその力量を確りと捉えていて、静かに細められる】

無闇矢鱈殺しに行かないのが一番だねい、本気でやり合うにしろ
真剣勝負ってのは、結果に必ずしも生き死にが関わる訳じゃねえのさぁ

やたらめったら殺すような奴が強いんじゃない、っつう事だよい
俺からすりゃあ寧ろ、考え無しの阿呆ってだけだねぃ?
死なせちまったら、また戦えねえだろうよい……そんじゃあ面白くねぇ

【何やら男なりの戦いの矜持を語り始めたが、半分に聞いて良いだろう】
【その間にも彼の手は既に次の目標、仰々しい槍へと伸びていた】

【余り弄るなと言われているにも関わらず、】
【感触を確かめるよう、持ち上げるだけでなく振ろうとしてみたりしていて】
【――危険なギミックがありそうなものだが、愚直なのか、彼に恐れる様子は欠片も無かった】

/お待たせしましたー! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage saga<>2013/03/19(火) 21:16:39.71 ID:BGOwUuJB0<> 【街中――その裏側、細く入り組んだ路地裏】
【精一杯に両腕を広げたなら、それだけで両の壁に触れられてしまうよな狭い狭い道】
【半分に程近い月が精一杯に照らそうと、足りるわけもないその場所は、いつものように薄暗いから】

【――遠目からだってよく目立つ、はずだ。ふわふわと舞い散る数多の燐光】
【黄緑色から桜色に移ろうグラデーションを描くのは、末期の御衣黄桜にも似て。花弁を模したなら、ずっと】

…………、――。

【ふぅわりと照らし出されるのは、ひどく色白く華奢な体躯。かつんと硬質の足音が地を打ったなら、夜によく響く】

【膝ほどまでするりと落ちる髪。路地裏の暗がりに溶け込むように冥く、月明かりで艶めいて】
【長めの前髪を被せた瞳は、白肌をスプーンか何かで抉ったように唐突に咲くまぁるい血色】
【少しだけ袖の長いようなパーカーも、ふわふわ揺れるミニのスカートも、総てが黒く】
【両手でぎゅっと抱きしめているもの――鞘に収められた刀、だろうか】
【漆黒色。炎の揺らぎを真似て飾り立てるのは、万華鏡みたいに移ろう色合い】

……死体を動かす方法って。誰に聞けば、教えてくれるの?
ネクロマンサーかな……人形師なんて、知らないし、

【彩る花弁は、そんな少女の身体の周りをくるり踊っては、煌いて】
【少しだけ難しいよな表情から零す声音は鈴を鳴らしたよう、不思議と金属の響きを抱いて】
【そうして呟くのは、どこかおかしいような――それでいて、どこまでも、真面目な】

電気? ……火通りそう。

【ひとりごつその身体。ただでさえ狭い道の真ん中を陣取っていて、ふらりふらり歩むのは散歩と呼ぶにも遅いほど】
【「ねー、どうしたらいいかな」――なんて。誰に向けてだろうか、ひとつ、呟いた】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(長屋)<><>2013/03/19(火) 21:34:34.27 ID:WFdBfRmso<> >>182
なるほど…要するに、戦いと[ピーーー]ことは違う、ということッスよね!!
僕のお師匠も似たようなことを言ってたッス!
武器は、戦うためにある物で、[ピーーー]ためにあるわけじゃない
武器を作る者ならば肝に命じておくように…って教えられたッス!

【少年は、そんな男の視線に気付いているのだろうか】
【ただ、無邪気に目を輝かせて己の師を語る】


【少年の魔翌力の「流れ」は、どこか歪で】
【注意して感じ取れば、その魔翌力は左腕が動く時だけ、その腕に集中するように流れ込むのがわかるはずだ】


う、うわああああーーッス!!!
ふ、振っちゃダメッス!!歪んじゃうッス!!

【と、槍を振るった男の手元から、めきり、と音がして】
【槍の穂の付け根部分にある、可動部が勢いに負けてぐにゃりと曲がっていた】

あああああああーーーッス!!
ムルゥゥゥゥーーッッッッス!!!

【少年は、ムルゥという名のついた、ぐったりと頭を垂れている槍に駆け寄り】

す、すぐに直してやるッス!!

【男が槍を持ったまま、修理を始めようとする】
【が、工具の類は見当たらない上、取り出すそぶりも見せない】

【と、】

リペアモード、起動ッス!

【いきなり声高らかに宣言すると、彼の左腕に魔翌力が収束し】
【きゅいん、と音をたてて指が変形し、様々な形のドライバーになる】

えーと…ああ、軸は曲がってないッスね、なら折れたギアを交換するだけで大丈夫ッス

【てきぱきと修理を進めて行く少年の手つきは、とても滑らかで】
【それは長年の修行があればこそ為せる動きだった】

3番のギアッスね、たしかこっちに…あったッス

【上腕二頭筋がぱっかりと開き、中に替えのパーツがぎっしりと詰まっている】
【迷うことなく右手でその中に手を突っ込み、金属の小さな歯車を取り出すと】

ちょちょいの、ちょい、ッス!

【あっという間に、槍は振るう前の状態を取り戻した】
【その間、わずか7秒】

うう…実はコイツ、あんまりお金がなくて、いいパーツを買ってやれないんで、壊れやすいんッス……
扱いには気をつけて欲しいッス…

【腕を元に戻しながら、恥ずかしそうに言う少年は、やっぱり垢抜けないという表現か、とてもよく似合っていた】

/おかえりなさいー <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>saga sage<>2013/03/19(火) 21:48:11.37 ID:B3NU/lZNo<> >>184

そうそう、其処の所をだねぃ……
……ほぉう、良いお師匠に恵まれてんなあ。 坊ちゃん
師ってのは大事だよい。 学ぶために、そして、いつか乗り越えるためにある

悪い師についちまって、そんで変な癖でもついたもんなら大変なこって……んぁ?

【ぐにゃりと曲がった槍、そうさせた主犯でありながら慌てるでもなく】
【少年が慌てている様に肩を揺らして笑う辺りが罪悪感も無いようで、何処か確信犯めいていた】
【的確な修理で直されていく槍。 男が確り手放さないでいるのは、修理のしやすいようにだろう】

……へえ、こいつぁ驚いたねい、あんた人間じゃあないのかい?
とんでもない速さで直すもんだ。 技師ってのも納得がいくなぁ、こりゃあ
しかし悪かったねぇ、壊す気は無かったんだがぁ……
見た目は強そうだのに、随分デリケートだねぃ? まるで野郎みてえだ、ハハハ!

【敢えて女性的だと表現しない辺りが妙味か、少年とは対極的に嫌ったらしい性格をしていて】
【先程の事もあってか、また振ってみたりなどはせず、こちらも元の場所へと戻すのだった】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(広島県)<><>2013/03/19(火) 21:48:50.00 ID:qkeLUyZt0<> 【薄暗い夜の町】
【一人のカウボーイ風の男が黒い馬に跨り、ぼんやりとしている】

(あいつにもらった金はとうに底をつきた…運よくコソ泥を捕まえれたが…)
(コソ泥一匹じゃたいした賞金は得られず…どーしたもんか)

【主の心情を察してかゆっくり進む馬】
【奇妙なことに堅い地面をひず眼がたたいても全く音がしない】

こうなりゃ昔みたいにボンズマンに…。

【思わず心情が声に出る】
【男はそれに気づかず懐かしそうに、横一文字につけられた顔の古傷を指でなぞる】

【癖のある黒い髪が冷たい風でわずかに揺れる】
【男は寒さに顔をしかめ、今夜泊まれる安宿を探す――と男の首に着けたネックレスのひもが切れ】
【馬に当たって地面に落ちる。安宿と財布の中身で頭がいっぱいの男は気づいてないようだ】


<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(長屋)<><>2013/03/19(火) 22:27:36.51 ID:WFdBfRmso<> >>185
【男が槍を戻すと、ホッとしたように息を吐いてから語り出す】

ええ、沢山のことを教えてもらったし、返しきれないほどの恩があるッス
だから…だからちゃんと死ぬまで恩返しするためにもお師匠を探してるッス!

【それは、少年の大きな決意であり、この旅の目的だった】
【もう17歳とはいえ、慕っていた師との離別を経験し、親元を離れて一人で生きていくのにはまだ幼く】
【年齢以上に幼く見える彼にも、相応の覚悟と、想いはあるのだろう】


僕は紛れもない人間ッスよ!
左腕が作り物なだけッス!

【そんな事を感じさせない無邪気な笑顔で】

ほら!ッス

【おもむろに右腕で左腕を掴み、もぎ取る】
【動力源を失った左腕はぐったりとして右手の為すがままになっている】

一応バッテリー駆動にも対応してるから、一人でに動かしたり、遠隔操作も可能ッス!

【その作り物の腕は、肩部分にある接合部分以外では人間のそれと判別がつかない】
【そして、外した後の左肩からは、相当な量の魔翌力がダダ漏れになっている】

【が、彼本体の魔翌力量は一向に減る気配を見せず、まるで魔翌力の湧く泉である】

まぁ、毎日いじってると、これくらいは朝飯前ッス!!
バラバラに大破しても、一時間もせずに直せる自信あるッスよ!

【左腕を、がちゃりと元の位置へ戻し】

でも、お金かかるので、出来れば試さないで欲しいッス…

【一応、釘をさすように一言】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>saga<>2013/03/19(火) 22:38:57.87 ID:rpa+1DDr0<> 【――――『カノッサ機関』と『UNITED TRIGGER』の激突事件から、約48時間が経過していた】
【その中で、勝利と敗北は交差し、機関の目的であった『≪No.3≫の奪還』は、達成されないままに終わる】
【――――だが、その中にあって、全体の目的ではない、個人の目的を達成した例は、人知れず紛れていた】



【――――『UNITED TRIGGER』管轄下の、とある倉庫】

――――う、ぐ…………ぐ、ぐぅ…………ッ…………――――

【――――1人の人物が、倉庫の中に閉じ込められ、床に転がっていた】
【左腕を失い、体中に傷を作り――――とりあえずの手当てはされているが、わき腹と左腕の損傷が特に激しく】
【身体を横向きに横たえながら、時折苦痛の呻きを上げる、ボロボロのライダースーツを着込んだ、毒々しい赤い口紅が印象的な女性】

【銀色のロングヘアー――――本当なら、それは金属繊維の集まり――――からは、どうした事か、時折放電の様なものが走り】
【その両目は――――眼球ではなく、顕微鏡の対物レンズの様なカメラが突き出たものになっている】
【――――その細い首筋には、『Canossa 616』と刻み込まれたプレートのついた、金属製の首輪がはめ込まれている】
【機関の切り込み隊長として戦い続け、そして先日の戦いで、思惑によって仲間から斬り捨てられた、サイボーグ戦士】

【――――名前を、『G-616 ブラックハート』と言う】

…………く、ぅ……そ…………畜生、め…………!

【苦しげに呻きを漏らすも、それも長続きはしない】
【やがて、何もかも気だるげな息を吐くと、身体が震えるままに任せる】
【――――明確に意識はあるものの、どう見ても半死半生――――あるいは、半壊と言った印象がぬぐえないまま、捕虜として囚われていた】

/予約です <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>saga sage<>2013/03/19(火) 22:40:11.61 ID:B3NU/lZNo<> >>187

【相手のその行動には、何処か掴めない余裕げな男の表情にも流石に驚きが混じる】
【興味深げにその腕を眺めて、それから槍の方に不穏な視線を向けたが】
【――結局は、釘を刺されて諦めるのであった】

ははーぁ、そんだけの技量があるならぁ、
金の元手さえあれば飛んでもない兵器だって作れそうだねぃ?

ほら、今流行りのカノッサだか何だか、ああいう場所に勤めたとしたら
開発は好きなだけ出来る、技量を示せば評価はされるで、結果的に大儲かりじゃあ無いかねぇ
なーんて、坊ちゃんみたいな真人間が、ああいう場所に関わりたがるようには思えねえけどなぁ?

【軽口めいていう言葉は相手から受けたイメージそのままであって、必ずしも正確ではない】
【ただ、それだけ少年の技術を崇高なものだと感じているということは、確実であって】
【「坊ちゃん、名前は?」などと尋ねるのだから、相手への関心は強いのだろう】

【それから見せるのは、顎鬚を摩りながら何か考えるような仕草】
【また悪巧みか、そんな不穏さもあるが……取りあえずは、相手の言葉を聞くのに徹するだろう】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage saga<>2013/03/19(火) 22:46:20.78 ID:ZX9pGOQ80<> 【初春が訪れ、ざわつき始めた森の中――――其処には空気を裂く鋭い音が有って】
【見れば、刃を振るう少女の姿。其れは舞にも思える動作】
【見る者が見れば、手にしている刃は上質な物と分かるだろうか】
【最後の一振り――――それが終われば、鞘に戻すと共に小さな溜息を一つ吐き】


「……何年ぶりかの。最早時の感覚すらも危うい故に自分でも分からぬが……
まあ、良い。まだ身体が覚えておったから、其れで良しとしようかの」

【誰に聞かせる訳でも無く、その言葉は己へと向けたもの】
【丁度良い高さの切り株を見つければ、其れにちょこんと腰を落ち着けて】
【膝の上に刀――――己自身を乗せれば、手を後ろに着けて夜空へと視線を向けるのだろう】


「何時かも見たような気もするのじゃが、或いは勘違いかや……
くふ、その時は誰が共に居ったかなど、忘れてしまったがの」

【嘗ての記憶、懐かしむかのように瞳を閉じて――――】
【銀の髪を持ち、鮮やかな着物を纏った少女が、ただ一人でその場に居る】
【それも、上質な刃を得て――――漂うのは、人とは異なった気配】
【近くを通りかかった者の気を惹くには、きっと十分で】




【蟲も鳴き止んだ森の中――――何かを貫くような、鋭い音が聞こえて】
【月明かりに照らされているのは、不自然に腕を伸ばした青年――――と、丁度脇腹の位置を貫かれた少女だろうか】
【二の腕を伝わる鮮血を眺め、其れにも飽きれば、貫いていた腕を抜くのだろう】
【一度、二度腕を振って辺りに飛沫させれば、呆れた様に溜息を吐いて】


「亜人……獣人って言うんだっけ?君みたいに変な格好してるの
その尻尾と耳を見る限り犬かな?まさかぁ……こんな弱いのに狼だなんて言わないよね?
ハハ、いや、もう言う事も難しいかな」

【地面に倒れた少女を見下せば、側でしゃがみ込んで面白そうにその姿を観察しているのだろう】
【僅かに生じる苦しげな起伏が、まだ生きている事を知らせていて】
【月明かりを受けて美しく輝いていたのであろう金色の髪も、今は己の血で赤く染め上げられている】
【勝利の余韻に浸ってか、適当な鼻歌を始めながら血で潤った土を弄り、これまた適当な絵を描いて】


「名前、何て言ったっけ?さっき君が言ってたのは偽名だってこの資料にも載ってるよ?
……おーい、聞こえてるかな。……生命力の高さは褒めてあげるけどさぁ……本当に、其処しか褒めることが出来ないね
全く、僕みたいに天才過ぎるイレギュラーも困ったもんだよねぇ。誰一人、敵が居ないんだもの
――――汚い世界の浄化ね。大して興味は無いけど……殺した証拠が必要ってせがまれてるし、手ぶらで帰ったらめんどくさそうだし
目、一つ位無くても天国地獄を歩くのには困らないでしょ?
じゃあ、あの世に行ったら僕が先に殺しておいた人達に宜しく頼むよ」

【やれやれ、と自嘲めいた笑みと共に首を左右に振って】
【倒れ伏す少女の髪を掴んで持ち上げれば、その片目に指を突っ込んで抉り出そうとするだろうか】
【僅かな抵抗とばかりに、首を振ってはみるけれど、その行動も加虐心を煽るだけに終わり】
【――――誰かがその場を通りかかれば、迷彩服を纏った青年が丁度少女の目を抉ろうとする寸前。そんな場面を目撃するだろうか】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2013/03/19(火) 22:51:48.09 ID:ta7hizXro<> 【風の国――エルジオ露天商店街】

【かなり復興の進んだ首都を活気づかせるかのように】
【――あるいは交易都市を喪い、そこから逃げてきたかのように】
【普段から色々な国や地域の品物を取りそろえた店の建ち並ぶ広場は、殊更賑わっていて】
【人々もまた不安に背を向けるように、新しいものへ次々と目を通す】

いらッしゃい! ソコのお嬢さン、よかったら砂ノ国のアクセサリーを見テいっちゃくレないかい?
オニーサンにはパイプやシーシャなンかもあるヨ、さあさ一ついかがかナ!

【客寄せの掛け声があちらこちらから飛びこむ中に、その異国訛りの入った声は混じっていた】
【ハキハキと張った声はよくよく通り、遠くの国の物品に目を向ける者も少なからず居る】
【寄ってきた客には元気な老人と淑やかな女性が応対し、てきぱきと群衆を片づけているようで】

【さて声の主は、並ぶ品々と同じ雰囲気の砂の国らしい衣装の長身の青年】
【黒い髪はツーブロックのベリーショート、目は金色のどんぐり眼】
【色黒で口が大きく、目鼻立ちのしっかりした彫りの深い顔をして】
【服装はややくすんだ赤のベストと裾を絞ったゆったりとしたズボン】
【各所には濃い緑の布製・石製のアクセサリーがちりばめられ、派手な装いだ】

痛ツツ……まだ、ちょっと声ヲ張り過ぎるト辛いかな

【両肩にかかったストールは強めの色彩で色とりどりに染められ、金糸の刺繍がそれらをまとめている】
【晒した腹には白い清潔な包帯が巻かれ、時折その中身を庇うように手を当てていた】
【他の英雄達とは違ってメディアに出る事も少なく、目立ち活躍するでもなく。顔のあまり知られていない青年は】
【あくまで隊商の一員として、風景の中に解け込んでいた】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2013/03/19(火) 23:00:21.72 ID:MeoSfjw9o<> ーーーレナールに、逆さまの塔…ねぇ
…まさかそんなもんが出て来るなんて思ってもみねぇよ…

【ざぁざぁと降る強い雨が窓を叩く、濡れた窓から見える街並みの光は、乱反射して万華鏡のように輝いていて】
【かといって、カウンターに座る男はそんな景色を綺麗だとか一々思わない、濡れ犬みたいな体を暖める為に、コーヒーが湯気を立てて目の前にあるのに、それに手を付けず雑誌を読んでいた】

まだ霧もかかったまま…か…
…はんぱねぇな、機関

【黒いビジネススーツ、黒い革靴、骨が散りばめられた模様のネクタイ】
【疲れた目をした、無精髭面、黒い髪を後ろに撫で付けた髪型の男だ】
【その右目には眼帯をーーー『紅い剣を咥えた黒い狼』の紋章が刻まれた黒い眼帯を掛けていて】
【剣の柄だけのような機械的な機具と、銃身の長い銃をベルトに吊り下げている】

【男がいるのは小さな喫茶店、店があるのは街の、中層】
【この街は雷の国にある街ーーー一年を通して雨が降り続ける、雨と錆と鉄の街】
【スチームパンクな街並みは、塔が立ち並ぶ様な高層建築と蜘蛛の巣のような通り道が主、土地の地面は水没していて歩けやしない】

<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2013/03/19(火) 23:02:03.61 ID:O/2mnYhMo<> >>188

【――風は既に、止んでいた。】
【荒れ狂う暴風――幾つもの光が流星となって駆け巡り、ハイ・ウェイを彩ったあの灼熱の夜から、既に二夜。】
【カーチェイスの傷跡は確かに、しっかりと各所に残り――ここにもまた、一つの"傷跡"が存在していた。】
【――組織・UNITED TRIGGERにとっての大きな嵐は、去った。だがまだ――風は止めど、空気は凍てついたままで。】

―――・・・こんばんわ。

【――倉庫の一角。拠点に襲撃をかけられた"組織"の者達が避難してきた、その場所に】
【一筋の光が差し込む――扉が開き、月光が空間へと舞い込んだ。】
【今夜は月がよく見える――夜空には星も輝く。しかし、その倉庫の中は少なくとも、暗く、湿っていて。】

――調子は、どう?傷は痛む、かな。

【――扉から漏れた限定的な光でも、恐らく判断がつくだろう――横たわるカノッサのサイボーグに向かい、歩いてくる影が一つ。】
【扉が閉まり、倉庫内の小さなランプに灯が灯り――"女"の姿が明らかになった。 】
【――なんとも、時代錯誤な格好をした一人の女性。】
【土埃で汚れた白いシャツ、首元に赤いスカーフ、褪せた土気色のベストで豊満な肢体を包み】
【長い足をブーツ・カットのダメージジーンズで覆い、その先には年季の入ったウェスタン・ブーツを身に着けて】
【頭部には特徴的な古いテンガロン・ハット、その奥にブルーとも、翡翠とも取れるような神秘的な輝きの瞳を宿し】
【――有体に言えば、西部劇のにでも出て来そうな"ガンマン"――カウ・ガールのような風貌の女――】

【――ブラックハートにも分かるであろう、彼女は――セリーナ・ザ・"キッド"。】
【――UNITED TRIGGER創立者にして、現リーダー。つまるところ――】

【ブラックハートから見て彼女は――敵の、首領だ。】

・・・アタシ達の腕じゃ、どこまで"治せる"のか――ううん、貴女の場合は・・・"修理"、っていう方が正確かもね。

【――その仇敵である筈の女の腕に、抱えられた物は救急用の医療ボックス――様々な治療器具が収められた災害用のものだ。】
【風邪から骨折、果は毒消しから重体患者にまで対応できる幅広い医療キットだったが――それは相手が人間だったならば、の話だ。】
【――彼女はブラックハートの前へと座り込み、ボックスを開けて応急処置用の器具を取り出す――】
【――捕虜といえど、傷塗れのままにはしておけない、ということなのだろう。】

/よろしくおねがいします! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(広島県)<><>2013/03/19(火) 23:09:25.13 ID:qkeLUyZt0<> 【薄暗い夜の町】
【一人のカウボーイ風の男が黒い馬に跨り、ぼんやりとしている】

(あいつにもらった金はとうに底をつきた…運よくコソ泥を捕まえれたが…)
(コソ泥一匹じゃたいした賞金は得られず…どーしたもんか)

【主の心情を察してかゆっくり進む馬】
【奇妙なことに堅い地面をひず眼がたたいても全く音がしない】

こうなりゃ昔みたいにボンズマンに…。

【思わず心情が声に出る】
【男はそれに気づかず懐かしそうに、横一文字につけられた顔の古傷を指でなぞる】

【癖のある黒い髪が冷たい風でわずかに揺れる】
【男は寒さに顔をしかめ、今夜泊まれる安宿を探す――と男の首に着けたネックレスのひもが切れ】
【馬に当たって地面に落ちる。安宿と財布の中身で頭がいっぱいの男は気づいてないようだ】

<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>saga<>2013/03/19(火) 23:13:29.34 ID:rpa+1DDr0<> >>193

……………………ッ

【身体を丸めて、ただ時が過ぎるのを待っていたブラックハートだが】
【入り口の扉が開くと、そちらにぐい、と頭を向ける】
【――――両目のカメラが、キュ、キュ、キュ、キュイ――――キュ、キュイと、ピントを合わせる音を発する】
【通常なら、そんな音が漏れる様な安物のファインダーではないのだが――――それも、彼女の負った戦いの傷の、一つの表れと言ったところだろうか?】

――――――――殺、せ…………さっさと、殺せ…………!
うぁ……っぐ、む……ぅ…………!

【その姿を認めるや否や、ブラックハートは開口一番『自分を殺せ』と口にする】
【苦しみが、それほどまでに深いと言うべきなのか――――確かに、ブラックハートの負っている傷は尋常ではない】
【よほどの激戦だったのだろう――――体中に傷を負って、義手とは言え、腕を1本失って】

【――――だが、彼女の自棄を引き起こしているのは、そんな直近の事態だけではない】

…………どうせ……ぁあ、ぐ……! ……あたしゃ、機関から…………捨てられた……んだ……!
…………正規の修理がなきゃ……、どうせ、明後日には…………この身体は、限界さ…………!

【――――味方から切り捨てられた。それは己の生を悲観するに十分だろう】
【例え敵に捕まっても、≪No.3≫の様に仲間が助けに来る望みはある――――通常ならば】
【だが、ブラックハートは『見捨てられた』のだ。そんな希望に縋る余地などない】

…………人工血液の、透析……も……うぅ、どうせ……出来ないだろう…………?
あたしの、内部機関の…………メンテ、ナンスも…………!

【――――傷口の包帯を汚す血液は、到底人間の物とは思えない、透明度の高い、肌色の――――水の様な液体で】
【そして、髪の毛から時折チリチリと走る電流――――内部に、無駄な負荷が掛かっている事を窺わせる】
【――――そうした処置も、機関の中でのみ受けられるものだ】

【つまり――――ブラックハートの延命も、既に手段が八方塞がっている】

…………それとも、情報かい……?
あたしから、なにか…………情報を、得る気…………かい?
どうせ…………ベイゼじゃ、死んでも、口を……噤んだろうし、ねぇ…………ぁがっグ……ぅ!

【――――ブラックハートは、自分が生かされているのが『情報源』だからだと、解釈したようだ】
【そうでなかったら、とっくに自分など、殺されていると考えているのだろう】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(長屋)<><>2013/03/19(火) 23:15:23.23 ID:pG1cEh3Uo<> >>189
武器は、[ピーーー]ために生まれるものじゃないッスから…

【ぽつり、そう呟くように言う】

武器は、抗うために作られるッス
力無き人達が、解放を求めて振るうものッス
カノッサ機関は、世界を混沌に導こうとして、沢山の人を、[ピーーー]ッス…
お師匠の教えに反することは、したくないッス……


それに─────

【すこし暗くなってしまった雰囲気を、振り払うかのごとく】

──最強の武器は、この「ムルゥ」ッスから!!

【一際明るい声色で、自信たっぷりにそう言い放った】

僕は、ノエル
ノエル・グランスタッドって名前ッス!
いずれ、世界一の魔導技師になって、お師匠を超えてやる男ッス!!!

【それは、少年の目指す道】
【最高の、技師になること】
【現時点で、自分の知る中で最高の技術者である、師匠を超えること】
【その瞳の、子供のような輝きは、夢の証】
【その声の、響き渡るような力強さは、男の証】

【少年は、どこまでも真っ直ぐに前を見つめているのであろう】


でも、正直、開発費は欲しいッス…
それに、沢山の人と会って、お師匠も探さなきゃッス
どこかの組織、できればUNITED TRIGGERみたいな、正しい事のために戦う組織に入れたら、嬉しいッス……


【しかし、「大人の」男と呼ぶには、まだまだ修行が足りないようである】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage saga<>2013/03/19(火) 23:22:09.87 ID:BGOwUuJB0<> >>190

【中途半端な半月の、蒼白い光の照らす森の中】
【縦横無尽に走る木々の影はどこかへ誘うよう、二度と外に出さないと囁くよう、奥へ奥へと引きずり込んで】
【ざぁと葉擦れの音がする――その向こう側、響く鋭い音。聞きつけたのも、また、ひとじゃないモノ】

【――さくり、と。春に喜び芽吹いた草の葉を踏みつける音は軽く、誰かの訪れを示す】
【それが引き連れて来たのは。ひとに程近くとも違った気配。視線をやったなら、ひとつ、強い風が】

【煽り立ててぐちゃぐちゃに乱される髪は天を埋め尽くす夜より冥く、月明かりに艶めいて】
【乱れた髪に閉じた瞳。やがて薄ら開けたなら、血の色の円らが見える】
【袖を少しだけ持て余したようなパーカーも、ふわふわ揺れるスカートも、そのどちらもが黒く】
【ぎゅっと胸に抱くもの――鞘に収められた刀、だろうか。一振り、大事そうに抱きとめる】
【漆黒色を飾るのは、万華鏡みたいに色とりどり移ろう炎を模した装飾。月明かりに煌いて】

――、……こんばんは。

【――不機嫌そうに顰めた眉は風に対したもの。左手でかき上げたなら、ざっと整えて】
【明確に少女へと投げかける声。さながら金属の余韻で響いたなら、その声音はきっと、鈴の音によく似る】

きらきら光ったの。見えたから、

【胸中に武器を抱くこと。警戒されないためだろうか、ぽつと理由を述べたなら、視線は刃へ向かう】
【舞う刃が返した月明かり。それに誘われてやってきた――なんて、どこか虫めいた理由にも聞こえるけれど】

……、……居てもいい?

【そっと瞳を伏せたなら。鮮やかな血色を漆黒が彩って。悩むような逡巡が少し】
【やがて尋ねたなら、そうっと首を傾げるのだろう】

/まだいますかー、なんて <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/19(火) 23:25:07.89 ID:s4CEIAseO<> >>192

「機関」といったな、詳しく聞かせてもらおうか

【オレンジ色のシルクハットにスーツをきた男性が歩いてくる】
【膨大な魔翌力を感じるだろう…いつからそこにいたのだろうか】
【最初からかもしれないし、つい先ほどからかもしれない】
【まるで……まるで枯れ木のようだ】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<><>2013/03/19(火) 23:27:09.15 ID:sZC5Kat2o<> 退屈だなだれかいないかな

話かけるかもしれないな
【和服に腰に刀を刺した青年が歩いている黒い髪だ】
【水の国という街を青年は歩いているようだとても目立つため皆声をかけたくなるだろう】
/絡み待ちですみなさんよろしくお願いします <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(愛知県)<>sage<>2013/03/19(火) 23:27:57.47 ID:sqcRkqZro<> >>191

【──賑わう広場に似つかわしくない異臭が漂ってくる】
【ポタリ、ポタリと赤いシズクを垂らしながらフラフラと漂うように歩く者が居た】
【周りの人間はその人物の行先を自然と避け、一本の道が出来上がっていた】

【その先には、一際目立った声の青年の姿があったという──】


よう、兄さん。風の国にはどんな神サマが居るんだい?


【銀髪の上に唾に切れ目の入った野球帽を被る中性的な容姿の人物だが】
【ジーンズにシャツと上着を羽織ったラフな格好に指ぬきグローブといった装飾や】
【衣服の上から僅かに伺える体つき、凛とした表情は"彼の"性別をはっきりと示す】

【何かに撃ちぬかれたかのように左掌と右足を真っ赤に染めた彼は切実な口調でこう続けた】


髭の爺さんじゃなくて美人の女神サマが居るなら、その御守を貰いたいね。飛び切り長生きできそうなヤツをさ。


【神にも祈りたい気分なのかもしれないが、もっと必要な物がある気がしないでもない】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>saga sage<>2013/03/19(火) 23:28:18.95 ID:B3NU/lZNo<> >>196

……成程、坊ちゃんは、本当に良い師に巡り会えたようだねぃ
弟子がそれだけ真っ直ぐに育ってくれてんならぁ、師もさぞかし鼻が高いだろうよい

ノエルねぇ、覚えておくさぁ。 俺ぁレヴィってんだ
大会にちょっくら出はしたが、二回戦で負けちまったし……もし知ってんなら嬉しいがよう

【夢を抱いて進む背中、其処に見える果てない希望には】
【世の辛苦を幾度と無く見てきた、年相応に冷めた気持ちを、僅かなりとも揺るがせるものがあった】
【顎を摩りながら何処かを見ていた視線は、彼の挙げた単語に、思い当たるように上げられる】

ああ、そっちも最近流行りだねぃ、UNITED TRIGGER
事務所の場所も堂々と知らされてるし、入りてえなら勇気出して一発乗り込んでこいよぃ。 男だろぉ?
酒場みてえな場所だって噂は聞いてるぜ、そう入りづれえ場所でも無いだろい

【相手の背中を押すような言葉、普段なら余り掛けないものではあったのだが】
【少しなりとも、彼のひたむきさを汲んだのだろう。 己がその組織に属している訳でもなく、】
【伝え聞いた程度にしか知らないないにせよ、そんな助言をしてみるのだった】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(空)<>saga<>2013/03/19(火) 23:28:20.98 ID:TGdOEPlU0<> >>190

(………な、……!?)
(、―――――――――…………ッ!!)

【激情。焦燥。逸る想いを意志力で抑え、森の中のその光景へと、無我夢中で駆け出す “誰か”―――――】

【――――――― 風切り音が鳴り響いた。】
【直前に響いた地を蹴る音は、それが何者かの跳躍により切り裂かれた大気の悲鳴だと伝えるだろうか】

【腰までの伸びやかな黒髪が、濡れ羽烏と呼ぶに相応しい色合いで】
【銀の混ざる橡色の瞳をして、濃藍のトレンチコートを纏った―――少女、だろうか】
【移ろい行く刹那を留め、硝子の様な雰囲気を漂わせる。】


【その空間に割り込むのはそんな形容の出来る人影だった。】
【だがその硝子を内側から粉微塵に砕く様な、激烈な赫怒を宿した魂――――。】

【その想念のままに太刀―――― いつの間にか携えられていた其れ――――― で少女は大振りの斬り下ろしの一閃を放ち、】
【ただ一撃を以て、少女の金髪を掴む青年の腕を、2メートル弱の距離から踏込み、斬り飛ばそうとするだろう】

【其れに成功しようとしまいと、少女は、青年を瞳の橡色に映しながら口を開くと、】


……誰に、何を、しているつもりでいるのかしら―――
…………どの道すべて斬り滅ぼすし、何一つとして許しはしないけれど。

【一言一言に千億の激憤を籠めながら、同じ色の眼光を彼へと放った】
【同時に太刀を構えなおす。その心臓を狙う様に、自らに殺傷力を求める様に、刃の切先を彼の胸へと向けて。】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2013/03/19(火) 23:36:21.82 ID:O/2mnYhMo<> >>195

【――眼前の、敵"だった"者を、見やる。】
【酷く、傷ついていた。】
【自分を見つけ眼球に埋め込まれたファインダーをかき鳴らすその姿――もはや敵とは、思えず。】
【腕も、血液も、内臓も――身体のうち傷ついていない箇所はないのか、探すのが大変なほどに彼女は痛み、苦しんでいた。】

【そして、なにより――彼女は、まず本来ならば絶対に傷つけてはならない、一番大事なものを――】

【――"ハート"(ココロ)を、傷つけられていた。】

(――ブラック・ハート。機関の戦闘員にしてサイボーグ――つまり、彼女は人間じゃ、ない。)
(修理にはきっとコストがかかる――それに戦闘データさえあれば、彼女のような"武器"を生み出す事は)
(あいつ等になら多分、可能だよね――不確定だけど、彼女をベイゼと同列に考えるのは・・・多分、違うんだろうね。)

【――彼女を救いに、救助隊が襲撃をかけてくる可能性を考慮し――セリーナは目を伏せた。】

【――機関により、生み出され。】
【――機関により、操られ。】
【――機関の中で、生かされ。】

【――技術の、命のあり方を機関に奪われているこの女性に――セリーナは、いや――機関員以外の全てが、無力なのだろう。】
【それなのに――当の機関は彼女を、見捨てようとしている。】

―――・・・。

【液体が、手に付着する。それはとても、人間の血液とは似ても似つかない、綺麗な――透明なもの。】
【対外に放出される電流が、セリーナの腕にもパチリ、と伸びた。――そうして五感で理解する。】
【――今、自分には彼女を救えない、と。】

・・・そうだね。アタシやアタシの組織じゃ・・・きっと、技術不足だ。メカニックもいない。
貴女を完全に修理するには、多分・・・カノッサにやってもらうしか、ないんだろうね。

・・・けどね、ブラックハート――アタシは伊達や酔狂で正義を名乗ってるわけじゃ、ない。
動けない、抵抗できない貴女に"拷問"をかけて、何か情報を得ようだなんて――そんな事、微塵も思っちゃいないんだ。
それに・・・ベイゼはともかく、貴女なら口を割るのかい?

――・・・UTは貴女を[ピーーー]つもりも、拷問するつもりもないよ。

・・・こんなに仲間を救おうと必死になれる貴女の姿を見て、そんな事が出来るなら――アタシはカノッサにでも属してるさ、とっくにね。

【――やんわりと、何時もの彼女らしくなく――静かに、諭すように話す。】
【世界に中継された大会でのあのセリーナは消え――ここにいるのは本当に、一人の人間としての、セリーナだった。】
【そうして、持ってきたペットボトルのキャップを空けると、ブラックハートの背中へと手を回し、起こそうとする――】
【無論、反抗すれば振りほどく事も出来よう。だが彼女の言葉を信じるならば――手荒な真似をするつもりは、ないようだ。】
【ただ、身を起こしたのならば寝そべったままでは飲めないであろう「水」を――ペットボトルを、口元へと運ぼうとするだろう。】

――代わりに、"質問"・・・それなら、しても大丈夫かな?応えてくれなくても、良いよ。
でもアタシは・・・貴女には何か、事情があるように思えるんだ。 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2013/03/19(火) 23:37:44.69 ID:MeoSfjw9o<> >>198
ーーー詳しく、だぁ?
…俺は人に言って聞かせられる程物知ってねぇよ、これでも読んどけ

【近づいて来た、奇抜な帽子を被った男ーーーいつからいたのか、とかはどうでもよく、当然魔翌力があるからどうしたと、まるでどうでもよさそうに】
【雑誌から顔も挙げずに答えると、脇にあった新聞を手に取り、適当に差し出した】

【新聞には、風の国の都市、レナールを霧と怪物が包んだとか、UNITED TRGGERと機関の戦いがハイウェイで行われただとか、極最近の事件の事が、当たり障りなく書かれている】
【その中でも、レナールの霧は未だ晴れず、逆さまの巨塔が出現した事(>>93)等は、大々的に書かれている】

…機関に恨みでもあんのか?

【新聞を差し出しながら、雑誌に視線を向けたまま、ふと男に冗談めかして問い掛ける】
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage saga<>2013/03/19(火) 23:37:58.43 ID:ZX9pGOQ80<> >>197
【――――それは人と呼びがたい雰囲気で、本当に、ただの純粋な人間ならばちょっぴり近寄りがたい雰囲気で】
【何を考えて居るのか分からない、それ故に恐怖を抱かせるのであろう】
【まぁ――――考えて居る事なんて、今日は何処で夜を明かそうとか、何を食べようかとか、そんな他愛も無い事なのだけれど】
【そんな事をのんびりと考えて居た所に声を掛けられれば、流し目の様な視線を送って】


「――――光った、とな?
くふ、左様じゃったか。今宵は何時もよりも明かりが強い故に……
我もまだ、光を返すほどの力はある様じゃの」

【柄に触れる事も無く、鞘を握ることも無い】
【どれだけ警戒心が無いのかと問われてしまえば、困るのかも知れないが……問うてきた少女に、敵意が無い事は火を見るよりも明らか故に】
【小さな笑みを一つ零せば、少し己の座る位置をずらして人一人分、吸われる余裕を作り出すだろうか】


「何、拒む理由など微塵も無いのじゃよ
居たければ居れば良いし、飽きたならば好きに去ると良かろうて
然れど――――立っているのは疲れるじゃろう?
ほれ、我の隣でも良ければ足を休めると良かろ」

【漆黒の髪と、銀の髪。どちらも夜を飾るには程良い色合いか】
【――――もう一度笑みを零せば、髪を垂らすかのように小首を傾げ、笑い掛けて】
【きっと、その外見だけは少女と変わらぬ年ほど】
【しかし、口調は古めかしくて、可笑しくて】
【少女は、気付くだろうか?抱く刀に送られる、興味深そうなその視線に】

/居りまするよー! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(空)<>saga<>2013/03/19(火) 23:38:10.76 ID:TGdOEPlU0<> /っと、確認したらもう一つの方に既に絡んでる方が……っ
/>>202は取り下げた方が良さそうですねっ、迂闊すぎて申し訳ないです… <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2013/03/19(火) 23:39:40.34 ID:ta7hizXro<> >>200

【ざわめきと短い悲鳴が滲むように広がって、人波のゲートの先に見える影】
【尋常ならぬ様子にうろたえる女性を老人が押しとどめると、代わりに青年に応対を促す】
【やはり他と同じく青年も多少気が動転していたのだろう、いくらかの沈黙の後にはっとしたように椅子から立ち上がる】
【高い背丈とそれなりに太い腕が、相手を好奇の視線から隠し庇うように店の裏手へと促して】

……風ノ国の事は、チョット分からないや
ケドそれより、大丈夫かい? 何があったノか分からないけど、とりあえず手当てをしヨうよ

【店の裏手に回れば、いくらか腰を落ちつけられる程度のスペースと救急箱が置かれている】
【普段は軽い怪我の治療程度の道具しかないのだろうが、今は青年じたいも怪我をしている事もあってか】
【相手の全身を染め上げる血の出所をふさぐくらいになら、十分対応出来そうだ】

御守りはあるヨ、ケドしっかりお客サンを説得できるモノじゃないと買ッテもらえないからサ
風ノ国のモノなら他の店の方が何枚も上手だしネ

【そこまで付き従ってくれるかどうかはわからねど、大人しく休憩所に座ってくれたなら】
【上着を脱ぐように促しつつ、自身は包帯と消毒液と、植物か何かの粉の入ったビンをがさがさと準備し始める】
【見るに、治療の方法も近代の最新鋭の化学とは、ちょっぴり遠そうだ】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage saga<>2013/03/19(火) 23:39:45.18 ID:ZX9pGOQ80<> >>202
/うひゃ!折角反応して頂いたのに申し訳ないです……!
/置きレスの方か或いは明後日にお相手して頂いても宜しいでしょうか……?! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(広島県)<><>2013/03/19(火) 23:45:52.66 ID:qkeLUyZt0<> >>199

わー櫻の国の服だぁー!

【異国の服装を着た青年】
【遠巻きに見つめる人々の中で一人の少女が大声を上げる】

あの!もしかして櫻の国の人ですか?

【期待に目を輝かせながら近づいてくる少女】
【輝く金髪に澄んだ青い瞳をもった丸い目】
【カウガール風にカウボーイハットやチャップスを装着している】
【幼さの残る顔や雰囲気をしているが、存外スタイルはよく】
【とくに豊満な胸は衣服の上からでも目立っている】

【武器の類は持ってないように見える…一般人か?】

/まだおられますかー


<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2013/03/19(火) 23:47:05.61 ID:s4CEIAseO<> >>204

ほう、これはすまないな

【新聞を受け取り、一通り目を走らせる】
【その目には真剣な光が……男が冗談で声をかけたのではないことがわかるだろう】

ああ、一応な。お前はどうなんだ?

【相手にも尋ねてみる】
【相変わらず膨大な魔翌力を感じるだろう、主に左手のステッキからだ】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>saga<>2013/03/19(火) 23:49:25.66 ID:rpa+1DDr0<> >>203

(…………こいつらか…………こいつらが、ベイゼを…………!)

【目は口ほどにものを言う――――と言う言葉がある】
【両目がカメラになってしまっているブラックハートのそれは――――覗き込もうとも、何も返してこない】
【当然だ。人間の目とは違い、カメラは『外部の情報を収集する物』であり、その点においては人間の目を凌駕し――――そして、それだけの物でしかないのだから】
【――――もしも、彼女の両目が無事だったのならば、今ブラックハートが内心に抱いている、セリーナへの怒りも、表われていたのだろうか?】

…………はっ…………死を待つだけの、っぅ! ……身体って事、かい…………
まぁ…………グラトンの爺に、見放された……っぐ、あの瞬間から、覚悟はしてたよ…………!

【自分を修理できるだけの技術は無い。ある意味当然のその言葉を聞いて、ブラックハートは鼻白む】
【――――例え、相応のメカニックがいたとしても――――実験体として、規格も何も滅茶苦茶で、既存の製品の転用が効きにくいその内部を】
【4日以内――――ブラックハートの稼働限界時間内に、完全に解析・修理してのける人間など、恐らくいないだろう】

…………そうかい…………別に、構わないさ…………どっちだって…………!
……少しばかり、この世に名残を惜しむ時間が、出来たって…………ただそれだけ……うアっ!!

【――――ブラックハート自身も、自ら発した『殺せ』と言う言葉が、そのまま通るとは思っていなかったのだろう】
【それが通るのなら――――あのスナイパーと戦っていた時、後ろから撃たれたあの時に、既にこれ幸いにと自分は捨てられていたはずだ】
【無論、ブラックハートも、死にたい訳ではない。ただ、自分の心に整理をつける時間を得られただけでも良いと、そんな事を考えていた】

……ぐ、ぅ…………ん…………

【抱き起され、水を運ばれるまま、大人しくブラックハートはそれを飲み下す】
【流石に、水を拒むほどの精神的余裕は無かったのかもしれない。彼女も、ある程度喉の渇きを覚えていたのだろう】

…………構いや、しないよ…………黙秘権まで、与えてくれちゃうんならね…………
どの道、ベイゼを助け出せなかった時点で…………あたしの負けは、事実さ…………!
(それに……全部、グラトンの爺の描いた図に当たったままで、たまるかよ……!)

【セリーナの言葉に、意外な程あっさりと、素直に応じるブラックハート】
【その時思い返していたのは、自分自身の直属の上司――――自分を改造し、まんまと切り捨てた張本人の姿だった】
【――――アレの痛手になるのなら、と、ブラックハートはむしろ、その事に意識を向けていた】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(長屋)<><>2013/03/19(火) 23:52:04.55 ID:pG1cEh3Uo<> >>201
そ、そうッスか…?
あは、褒められると、なんか照れちゃうッス……たはははは…

【照れ隠しなのか、また頭をぽりぽりと掻いて】
【それでも、その表情は少し誇らしげでもあり】
【どこまでも素直で、真っ直ぐな少年だ】

ご、ごめんなさいッス、大会、見てなかったッス……

【深々と頭を下げ】

もし、次に大会があるなら、僕も出てみるッス!
もしかしたら、僕のムルゥを見て、パトロンがついてくれるかもしれないッス!!
その時は、もし対戦するならよろしくッス、レヴィさん!!

【にかり、と太陽のような笑顔を見せ、右手を差し出す】
【彼なりの友好の情の顕れなのか、握手を求めているようだ】

うう、でもやっぱりキンチョーするッス……
酒場って言ったら大人の社交場じゃないッスか!僕はお酒のめないッスから、笑われちゃうッス……!

【すこし間の抜けた返しをする少年は、冗談っぽい笑みを浮かべてみて】

でも、頑張るッス!
きっと、僕の気持ち、伝えてみせるッス!!

【はっきりと、前に進む勇気を示した】
【それは若さ故の強さであり、きっと彼は、何かにつまづいて転んでしまっても、笑い声をあげて立ち上がり、時には涙も零しながら、また真っ直ぐに歩いて行くのだろう】
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(空)<>saga<>2013/03/19(火) 23:52:59.05 ID:TGdOEPlU0<> >>208
/よ、よろしいのでしょうか…!? いろいろ申し訳ないです、本当もっとよく確認すべきでした…
/別の日に呼びかけて頂ければ、夜はロールできそうですし嬉しいのですが……っ <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2013/03/19(火) 23:54:13.98 ID:gstD86tDO<> >>199

/こんばんは!もしかすると新規さんでしょうか?
/少し質問ですが、wikiにある初心者ガイダンスは読まれましたか?
/もし読んでからの参加であれば、失礼いたしました

/ここで、少し投下に関するアドバイスを
/投下において、初めのうちは【寝てる】【歩いている】【街を眺めている】といった、アクションの少ない投下は絡まれにくい傾向にあります
/例えば、
【和風の青年が、屋台の店主と口論をしている】
【ここは水の国。もしかすると、青年の常識と店主の常識が違うのだろうか】
【これ以上放っておけば、厄介なことになりそうだ】
/このような投下だと、トラブルを解決しようとするキャラや、より状況をかきみだそうとするキャラが現れるかもしれません

/また、セリフの部分と【】の間は一行か二行あけた方が、他の人が見易い文章になります
/何行開けるか、あるいは開けないかは完全に好みですが、ご参考までに
/他にご質問などありましたらお気軽にどうぞー <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage saga<>2013/03/19(火) 23:56:59.86 ID:ZX9pGOQ80<> >>213
/了解です!それでは又、別な日にお呼びさせて頂きますね……! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage saga<>2013/03/20(水) 00:01:58.22 ID:oxAaC3jP0<> >>205

【例えば訪れたのがただのひとだったなら。その異質さに畏怖して逃げでもしたのだろうか】
【けれど、現れたのもまた、人外なら。湿った土、青々とした木々、吹き抜ける風――様々に瞳を細めて、気にするよな素振りも薄い】
【不純物のひとつすらない水飛沫のよう、纏うのは清すぎるぐらいの水の気配。瞬く瞳は、爬虫類にもよく似て】

……満月まで、まだ遠いよ。あと一週間ぐらいある、でしょう?
だから、ね。お月様のせいだけじゃないと思う、よ――今日は、お天気もいいけど。

【刀のほうへと向かわない手。見つめたなら、安堵したような吐息が零れる】
【下手に怪我をしたくないと思うその都合。眼前の少女が知り得るはずも、ないのだけれど】
【とにかくも。警戒されなかったと見たならば、その声も僅かに和らいだように聞こえる――だろうか?】

【そっと笑みを返したなら。唇に乗せる言葉は、そんな――謙遜しなくてもいいのに、なんて風な言葉】

【そして。自らのために場所を空けてくれたことに、続いた少女の言葉で気がついたなら、】
【ぱちりと挟むのは瞬き、浮かべた笑顔は先ほどよりいくらか強く】

……――ずっとね、歩いてたの。疲れちゃった。
探さなきゃいけないのに、どこの何を探せばいいのかも、よく分からないの

【さく、さくり、と。誘われたままに歩んだなら、そのうちにちょんと座るのだろう】
【必要以上に触れぬように気を使うような素振りを見せて、抱きしめていた刀をそっと、地面に――】

…………、この子のこと、しってるの?

【――置こうとして。その視線に気付いたらしい】
【中途半端な位置で止まる手は、やがてそっと戻されて。揃えた膝に立てかけるよう、そっと手で支えた】
【傾げる首が尋ねるのは、まるでその刀の出自を知らないかのよう。少しだけ、おかしいけれど】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(愛知県)<>sage<>2013/03/20(水) 00:02:40.75 ID:B4/mwuGXo<> >>207


──んン……。兄さん、ここの人じゃないのかい?


【どうやら、フラフラと適当に店を一つ選んだだけの様で】
【出血によって意識もやや朦朧としている様子で軽い風が吹いただけでそちらに体が傾く】


ッ。まあ、何でもいいさ……。アンタの店にある奴で良いからさ。
運命力的な防御力が高そうな御守を一個売ってくれ。絶ッてぇ、悪い流れに取り付かれてんぜ……。


【神にも祈りたくなるのも分かるが、怪しい怪我人の男の手当をしてくれるお人好しの店を】
【選べる程度には、彼のツキも終わっては居なかった様で。風で飛んでいく紙切れの様に】
【フラフラと付いて行くのだった──────】


…………。ッ!??


【椅子に座った“彼”は青年が準備してくれている医療道具を見て。いや、そんな大げさな。と言いかけた所で】
【軽く周囲を見渡すと自分の作ってきた真っ赤な足あとに気づく。体に穴を開けられていた事には気づいていたが】
【想像以上の出血──。くらり、と目眩がした。どうやら自分の怪我のレベルに気づいていなかった様で。だからこそ、悠長に買い物をしようとしていたのだろうが】

【出血しているのは、左掌。そして右の太腿。さらには衣服にも切れ目が付いており、僅かに焦げ目がついていて薄く血が滲んでいる】
【穴が開いた体に焦げた衣服、のまるで、“銃撃”にでもあってきたかのようである】

【ガクンと倒れそうになるも、何とか意識を保って上着を脱いで片腕で体を支える】

<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2013/03/20(水) 00:05:35.59 ID:v5NT2rcvo<> >>210
…あんな恨み売るだけ売って逃げるようなの、恨むだけ損だぜ?

【冗談らしからぬ目の光、それを見れば恨みがあるのが嘘じゃないのがわかる】
【だからといって、この男は同意はしない、強く否定もしないが】

俺は恨みなんかねぇよ、親兄弟が殺された訳でもねぇ、理由なんかねぇしな
大体、恨んでどうするってんだ、復讐の為に生きる程俺は暇じゃねぇぜ

【「柄でもねぇしな」と続けて、気怠そうな返答をすれば、コーヒーカップに口を付けて】
【相手や復讐を否定するつもりはないが、ただ単に機関に恨みを持つ深い理由がない、それがわからないだけだ】
【ただ、『悪の組織』というだけで憎む事もない、そこまで正義漢でもなさそうである】

…ところで…なんかすっげーモヤモヤすんだが…なんか変なもん持ってる?お前
くすぐってぇっつーかなんつーか…

【男のステッキから漏れる魔翌力、気にしないようにはしていたが、やはり気になるようだ】
【と言っても、魔翌力≠ニいうものをそれとしてわかっているようではないようで、なんかわからんけどもやっとしてる♀エ覚で捉えている】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(大阪府)<><>2013/03/20(水) 00:06:25.85 ID:UQcFXBCl0<> 【大通り】

げこ、げこ……

【両手に肉屋のビニール袋を持って歩くのは、毒々しい緑髪に、林檎のような赤い瞳の童女。】
【前髪はぱっつん、服は闇に溶けるように真っ黒なレインコート。】

いい肉屋だ、ほんと……げこっ。

【口の周りにはコロッケの衣。食べて来たらしい。】
【そのサマは子供っぽいのだが、いかんせん、他に子供っぽい要素が身長くらいしか無いのが問題か。】

【どちらかというと、子供のフリをした化け物であった。】
【化け物とはいえ、気質は穏やかそうなので、危険では無いのか……? よくわからない。】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>saga sage<>2013/03/20(水) 00:07:37.31 ID:s8fdEn5po<> >>212

ハハ、そいつぁ僥倖ってか?
情けねえ負け方しちまったからよい、見られてなくてホッとしたぜ
俺もあんたとあの舞台でやり合ってみてえもんだ……そんときゃあ、よろしく頼むよぃ?

【差し出された手には確りと握手を返す、その大きな手は少年の憧憬を買えるだろうか】
【人間性としては尊敬される点など欠片さえ無い、ただの底意地悪い中年ではあるのだが】
【にいと白い歯で笑ってみせる人柄は、そう憎まれやすいものではないのも、また事実であった】

……嗚呼だがなぁ、パトロンは確り考えて選んだ方が身の為、ってなぁ
羽振りが良さげでも裏で何やってるか分からねえ奴もいる、金だけに釣られちまうと痛い目見んぞ?
俺が妙な奴を知ってるからなんだが、まああいつはもう……関係ねえか

【――暫し考えるような間はあったが、それも僅かなもので】
【相手の返答を笑い飛ばして「そう固くなんなよい」なんて気楽な声を掛ける】

【そのまま彼の真っ直ぐな言葉を聞いていたのだが、眩しくなれば目を逸らすのも人というもの】
【ノエルを見ていた碧眼を少し細め、頑張れよ、等とそれらしい言葉を掛ければ、男は徐に夜空を仰いだ】

さぁて……傷心の女がいてな、ちょっくら慰めて来ねえとならなくてよぅ
全く、色男ってのも仕事が多くて困るよい……そんじゃあノエル、またどっかで会おうさぁ

【ゆったりとした作りの祭服の懐に手を入れて、レヴィは彼に背を向ける】
【大きな背、ゆったりとしたその歩みには、矢張り灰色の五線譜が流れるのであった】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2013/03/20(水) 00:10:01.46 ID:Azw8Y2Bvo<> >>211

"――死を、待つだけ"・・・ね。

【彼女の――ブラックハートの言葉を繰り返す。】
【瞳の無い瞳に見つめられ、セリーナの蒼い目は、微かにだが震えた。】
【――死が来るまでの間、なにも成さず。】
【――見つめ返す事すらも、叶わず。】
【彼女は一体――この倉庫で横たわるこの瞬間まで、どれだけの物をかなぐり捨ててきたのか――】
【壮絶である、という単語一つで表すのは無理だろう――彼女は多くを、失いすぎていた。】

・・・人生を惜しむなら、貴女に残された時間じゃちょっと、足らないね。
本気でそれをしたかったら――・・・普通の生き方をしてる人でも、もっともっと長い時間が必要だと思う。

――まだ名残を惜しむつもりがあるなら、アタシの質問には正確に、きちんと、偽りなく応えて欲しい。

【――届こうが、届くまいが――構わぬ。】
【セリーナはブラックハートの冷たいカメラを、真剣な瞳で覗き込んだ。】
【――ブラックハートが気付くかは分からない、がそれは――その視線は、彼女が自身の大切な者――】

【――"仲間"に対して向ける、それであった。】

まず――水以外に、何か貴女の分かる範囲で、必要なものをアタシに述べて。
勿論、常識の範囲内でね?
自害するつもりがあるか知らないけど――ピストルをくれ、って言われてもガンマンだからって渡せないから。

精密な機械とか、パーツの名前とか――判ることで良い、動く右手でこのメモに書き連ねていって。
それから食事――何を飲むのかわからないけど、ガソリンなのかアルコールなのか――ちなみに、アタシは断然、アルコール派。
スープは飲める?あとパンとウィンナーもあるけど――主食がなんなのかわからない以上、出せないから。

それから――

【――またこれは、セリーナにも分からない事であったが――】
【ブラックハートのカメラは、驚いたときやはり飛び出したりするのだろうか。】
【――想像している質問と、違うだろう――聞き出す言葉はどれもこれも】

【――カノッサの事ではなく――貴女の。】

【ブラックハート自身の内部に――関する、ことで。】

――さっき言ってた血液がどうとか――ああいうの、アタシみたいな機械音痴にはサッパリだから
もっと砕けた表現で頼むよ、ブラックハート?

<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage saga<>2013/03/20(水) 00:23:24.81 ID:mSrOgK780<> >>216
「さて、それでは星のせいか、この森に住まう精霊達の仕業か――――
我には分からぬ事じゃが、少なくとも我が起こした其れでは無かろうて
或いは――――そう、じゃな。お主の目が純粋なのかの」

【小さな手は膝の上に置かれて、土に届かない足は、宙でぶらぶらと遊ばせて】
【僅かな首肯は天気への相づちか、それともただ自らに言い聞かせる為のものか】
【――――きっと、訪れた少女が人間と異なる者だという事には薄々と気付いているのだろう】
【だけれど、其れが何なのかはハッキリと掴めない。しかし、種族なんて自分からすれば些細な問題だから――――ただ、微笑を浮かべているだけ】
【又は、話の内に探って行くのもまた面白いと考えて居るのだろうか】


「捜し物の為にずっと歩みを続けていたのかや?
ふむ、お主程の歳の者が疲れるまで歩み続ける必要がある捜し物ならば余程大切な物かの
――――どれ、我が力になれる事であればそれなりに力を貸すのじゃよ
尤も、力を貸すには捜し物を聞かねばならぬ故……お主が言いたくなければ、口を噤んで居ると良かろう」

【最初に浮かんだ疑問。それは、少女の言う捜し物】
【この様な場所まで――――そして、言葉を聞く限りずっと歩み続けていたならば、それはとても大切な物なのだろうか】
【横に座る少女に問いかけるのだけど、無理強いはせずに】
【言いたくなければ、言わなくても良い。しかし、もし自分に聞かせた事が可能な事ならば――――手を差し伸べようかという誘い】
【その手を掴むか掴まないかは、少女次第で】


「気になってしまったのならば、すまぬ
我も元は刀故に――――む?否、我は分からぬよ。……それよりもお主が持って居るのじゃからお主の方がよく知っておるじゃろうて……
それとも、質か何処かから得たばかりなのかや?」

【少女が動作を止めて、引き戻した場面を見れば、思わず苦笑を漏らしてしまうのだろう】
【やがて、その視線の理由を告げようとして――――その言葉は、止められて】
【まるで自分にその刀を問いかけてくるような言葉に浮かんだのが、次の疑問】
【まさか、少女が何処かから盗んできた訳でもあるまい――――ならば、つい最近手に入れたばかりと考えるのが自然なのだろうか】
【怪訝な表情とまでは行かずとも、その顔には確かに疑問の其れが貼り付けられていて】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<><>2013/03/20(水) 00:23:36.39 ID:bZXm6Wq60<>
【――逃亡の最中であった。】
【その青年は路地裏の影に隠れ、息を整えようとしている。】
【迷彩柄の軍服、戦闘帽を乗せたブラウンの髪と同色の瞳、】
【170?程度の身長で、垂れ目が特徴的な青年だ。】


――ハァ…、ハァ、

「見つかったか?」 『いや、こっちにはいなかった。』


【息を潜め、追手をうかがう――、】
【彼らは青年と同じ軍服、戦闘帽を着用している。】
【――同僚、だろうか。】


「見られたからには野放しにできん。見つけ次第殺せ。」『yes sir.』


【青年の顔にはブラウンのペイントが施されている。】
【同じ紋様のペイントが、追手の頬にも浮かんでいた。】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>saga<>2013/03/20(水) 00:24:59.99 ID:5RF//6O90<> >>221

……生き残るに足る、賭けの手段は……1つだけある……けど、っぐ……!!
……あんたら、どうせそれを承諾、しないだろ……?

【何か、思うところがあるのか、そんな事を口走るブラックハート】
【だが、本人もどうこうするつもりは無いらしい。文字通りの『賭け』であり、それに縋るつもりもないだろう】

……十分なのさ……あたしには、それで…………っう!
……どうせ…………その程度、の……命、さ…………あたしゃ…………

【――――己が人間である事すらも、既に止めてしまっているブラックハート】
【彼女にとって、名残を惜しむ人生と言えば、18歳以降の物でしかない。年数に直せば、わずか5年だ】
【そして、もう他にする事も無い彼女なら――――それだけの時間をあてがう事が出来れば、十分――――そんな思いがよぎり、自嘲的な笑みを口元に浮かべた】

――――――――は、あ……!?
ちょ、ちょっと…………!

【――――それまでの、どこか自虐的な悲壮感を漂わせる雰囲気が、どこかに吹き飛んでしまった】
【全くの想定外――――それを如実に表す、拍子抜けしたような声音を発するブラックハート】
【――――目が無くとも、その表情はハッキリと『困惑』を伝えていた】

…………っぐ、悪いけど…………あたしのパーツの事は…………あたしも、知らない……っ、自分の中を、覗いたりなんか、出来ないからね……
…………う…………くそ、悪いけど……食パンと、コーンスープ…………700kcal以内で…………

【自分の修理に必要なパーツ。それはブラックハートにも分からない。そこら辺は、全部機関のメカニックの仕事だったから】
【だが、食糧と言われて――――思わず空腹を意識してしまったのだろう。バツが悪そうに『パンとスープ』と口にして】
【そこにカロリー制限を加えたのは――――勿論、彼女が体型維持を気にしているのではなく、サイボーグとしての問題なのだろう】

――――はぁ…………まぁ、しょうがないねぇ…………そこら辺、話せば長くなるけど…………

【自分の『中身』について、ブラックハートはメモを止め、顔をセリーナに向ける。直接話すつもりの様だ】

――――あたしゃ……言うまでもなく、サイボーグさ…………けど、普通の人間なら、身体に機械なんざ組み込めば……すぐに、拒絶反応が出る……
だから、あたしなのさ…………これでも、免疫の調子が尋常じゃ無く悪い、障害者……だったんでねぇ……
――――ぐっ……う…………そんな身体に、機械を埋め込んで…………それに適応するために……実戦に出れる様に…………
……あたしの血は、全部…………免疫の動かないあたしに、かつ……機械の入った身体のあたしに…………専用に作られた、『人工血液』……なのさ…………

【自分の生い立ちが、そこに一部混じる】
【恐ろしいほどの暴れぶりを見せていたブラックハートが――――その現場を、セリーナは知らないだろうが――――重篤な障害者であり】
【その為に、サイボーグとして、特別な調整をされた血液を持っていたと、そう言うのだった】
【――――機関の中で無ければ、生き残れないと言うその言葉は、現実味を以って重くのしかかる】
【逆に、それはブラックハートを離反させないための、これ以上ない重石だったのだろう】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2013/03/20(水) 00:27:56.36 ID:hy3mZGABo<> >>217

【騒然としていた広場はさっとほうきで佩き清められ、そのうちに血の跡も消えていく】
【そのうちに客の呼び声も復活してまた元の通りに商いが始まり、先の騒動が嘘のよう】
【もし彼が誰かに追われていたとしても。匂いなど視覚的な要因以外で探られなければ、見つけるのは難しいか】

こンな風体の風ノ国の人はいないンじゃないかな
一体いつから血だらケのままで歩いてたンだい、服がドロドロだヨ?

【大げさとはいっても、ぐるぐる十分巻いても問題ないくらいの包帯だとか、せいぜい外で出来る外科処置の範囲内】
【まずは血が吹くと目立ちそうな身体の方、火傷や貫通傷に消毒液をてろてろと振りかける】
【少し滲みそうなそれの水分が残っている内に薄ら青い匂いの香る粉末を塗りつけると、その上から保護するように包帯を巻く】
【次は後遺症が残ると深そうな右足を、布が傷口に触れないようにそっと捲る】

傷ノ中に何か残ッテいると良くないから、後デ病院に行ってくレよ
……そうだなあ。オニーサン、だよネ? には、ちょっと危険を避ける為ノ御守りノ方がいいかもネ
こンなのはどうだい、彼らに耳を傾ケると忠言や警告をしテくれる精霊さ

【商品の予備の詰められた箱から片手に取りだすのは、何かしらヒトのような動物のような抽象的な絵を中心に】
【木製のビーズと厚い刺繍で飾られた、掌にのるくらいの大きさのペンダント】
【ストラップ部分も糸を通したビーズで作られていて軽く、微かに香る自然の香りは健やかだ】
【そっと握らせるように相手の右手を開いて、それを指先の上に置く】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(中部地方)<>sage<>2013/03/20(水) 00:37:52.08 ID:/zw24MUyo<> >>219

――…………。

【少女がそのまま歩みを進めれば、向かい側から歩いてくる人影が見えるだろうか】
【黒いブレザーに赤いネクタイの学生服に身を包んだ男子高校生だ】
【前髪を上げた茶髪にやや着崩された制服という風貌は、いかにも"今時の高校生"といった感じの印象で】
【しかしながら、そのわずかに黄味がかった黒色の瞳には、人を威圧するような気配は感じられない】
【背丈も平均身長より少し低め程度で、顔つきもやや幼い。『少年』という表現がおそらく一番的確であろう、そんな男子だった】

【彼の視線は右手の携帯に釘付けになっていて、今まさにすれ違わんとする少女のどこか人間らしからぬ雰囲気に気づく様子はない】
【しかし、視線を下に向けていたから必然的に目に入ったのだろう。ふと、少女の手にある肉屋の袋がその瞳に映って】

うわ、忘れてた! 明日の分の材料…………わあっ!?

【それを見て頼まれていた用事を思い出し、彼は踵を返す、のだが】
【その時、少年はちょうど少女の隣をすれ違ったばかりで。そんな状態で急に身を翻し、一歩踏み出したものだから…………】
【少女が避けなければ、このおっちょこちょいな少年は少女に衝突してしまうだろう】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage saga<>2013/03/20(水) 00:43:24.26 ID:oxAaC3jP0<> >>222

……星とか、精霊とか、よく分からないの。森には神様がたくさん居るって聞いたけど、それも。

でも、こんな目でも、綺麗に見えたんだもの

【星とか、精霊とか、神様とか。自分の理解し得る範疇には、きっと遠くって】
【最後のひとつなら、或いは。手も届いたのかもしれないけれど――その手は、もう、棄てた】
【強調するのは、純粋という単語を否定する言葉。自分を低く見ること、彼女の癖にも近いのだけれど――】
【綺麗だったとそんな感想、結論としておいたなら。話題としては流してしまう――のだろうか】

お父さんが、ね。死んじゃったの。だから、また、動かすの。
わたしじゃ出来ないの。だから、出来るひとでも、ものでも、なんでもいい

――でも、絶対に、するの。しなきゃ、いけないの。

だから、それが、探しモノ。……知ってる?

【木々の向こう側を見るよう、投げる視線は、ここではないどこかを見つめて】
【悩むように開けたのは少しの間。そのうちに紡ぐのは――】
【――自らの言葉の異常性を気にするような素振りもない。ようやく動いた視線は、ちらと少女を見つめるのだろう】
【それでも向けた瞳はきっと真剣で、真っ直ぐで。それをどこまでも強く、願っていて――】

……あなた、刀なの? ――そっか、だから、

路地裏で。動いてた変な死体から出てきたの――だから、よく、わからないの。

【少女の言葉――あまりにも自然に紛れ込んだなら、一瞬だけ聞き逃しかけて、驚いた表情をする】
【元から丸い瞳はいっそう丸くなって、ぱちぱちと瞬いたなら、そう零すのは】
【この場に満ちるもの。気付いていたのだろう、その上でまるで気にしていなかったのは、性格――なのだろうか】
【漆黒色の鞘を、純白の指先がつぃと撫でて。思い返すのは、つい昨日のこと】

【それから。そちらに傾けるようにするのだろうか。手にとってもいいよというかのように】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(大阪府)<><>2013/03/20(水) 00:44:57.48 ID:UQcFXBCl0<> >>226

【ブンッ】

【……と音がしたかは定かでは無いのだが、童女は脚を振るった。】

【これだけ小柄な童女ではあるが、その蹴りの威力は大人顔負けである。】
【というのも、童女は化け物であって、見た目は何も関係ないのだ。あくまで愛嬌の為である。】

【ともあれ。】
【ではなぜ、今脚を振るったのか?】

なんだ、きさま。けろり。

【じろり、と大きな目が、貴方を見据えている。】

【そう、衝突してくる少年を、塞がった両手の代わりに、足で受けようとしているのだ。】
【めちゃくちゃだが、ある意味足で良かった。服が粘つかずに済んだからだ。】

【というのも、童女は今、口の中に食べ物を入れている。】
【故に、第三の手である舌を伸ばすのが億劫だったのだ。無論、少年にはそんな事知る由もないし知るまでも無い。】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(関西・北陸)<>sage<>2013/03/20(水) 00:53:18.98 ID:Lvi5ifiAO<> >>223
──全く、路地裏ってどうしてこうも物騒なのかしら

【軍服の追っ手に近付いてくる一人の少女】
【赤を基調としたドレスにプレートメイル、所謂鎧ドレスという服装】
【銀の髪は高く結われ、鋭い蒼の瞳からは勝気な印象を受けるか】
【背中には右に傾いた十字架のような、長短一振りずつの剣】

そこら辺どう思う?あんた達

【無愛想な声と表情で歩みつつ】
【問いかけながらも右手は長剣、左手は短剣に伸びていて】
【攻撃する気配を見せればいつでも抜ける、そんな姿勢だ】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(愛知県)<>sage<>2013/03/20(水) 00:57:45.79 ID:B4/mwuGXo<> >>225


一応、ここの路地裏だったと思う…………。薄暗かったが、真昼間だったのは覚えてるがな。


【どうやら、長い間彷徨っていた様だ。今になって騒ぎになり始めたという事は】
【人気の少ない端の方から中央に向かって歩いてきたはず──随分な距離である】


くくッ……。オネーサンだったら、人前で肌を見せるようなはしたない娘にはならなかったはずなのさ。


【念の為の確認──。だとは思うが、昔は怒り狂っていた事もあった程、コンプレックスになっていた“顔付き”である】
【軽い口調でごまかしてはいるものの、口元をひく付かせ、ズーンと落ち込んだ空気が彼に伸し掛かる】

【握らされた御守を指で摘み。「ふぅん」と頷きながら目の前で軽く揺すって眺め】


へぇ、いいな。忠告、──か。そうだな、マジに頼むぜ。
金に困ったからって“ヤーさん”の用心棒なんかするンじゃぁねえってよ。


【“ヤーさん”。チンピラ言葉だが、最近の状況でそこから連想される組織は唯一つ“D.R.U.G.S.”。彼はその構成員だったのだろうか】
【傷の手当も済み、一息付いた彼は蒸れた野球帽を脱いで置くと自分の銀髪を苛立つ様にワシャワシャとかき混ぜ】


あー、悪ィ事ぁしてるツモリは無かったんだがよぉ。雇ってくれてた“アニキ”もさぁ、面倒見が良くって良い人だったんだが……。
ってよく考えたらほんと、悪ぃな。こんな手当してもらってよぉ──……。面倒にならない内に出て行くさ。そうだ、いくらだい?


【再び野球帽を被った彼はじゃらりと彼に渡されたペンダントを目の前に持って行きつつ、ゴソゴソとポケットを探る】

<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(中部地方)<>sage<>2013/03/20(水) 00:58:53.72 ID:/zw24MUyo<> >>228

(や、やばい…………!)

【振り返ってぶつかりそうになってからようやく、少年は今衝突しかけているのが小さな女の子であることに気づいた】
【こんな小さな子に怪我をさせちゃいけない、なんて、おそらく実際の少女の本質からはかけ離れているであろう印象を勝手に持って】
【彼は思いきり足を踏ん張り、ぎりぎりのところで衝突だけは避けようとする】
【きっとそれで衝突を避けられれば、「ごめんね、大丈夫かい?」なんて完全に相手を子供扱いした台詞を吐くはずだったのだろうが…………】

――――げふっ!?

【振るわれた少女の足が、見事にその幻想を打ち砕いた】
【少年はそのままバランスを崩し、無様に真後ろへと倒れ込んで、尻餅を付いて】
【何が起きたのかわからないまま、少女を見上げれば――――自身を睥睨する大きくて真っ赤な瞳に、やっと人外の臭いを感じたらしい】

…………え、えっと…………ごめんなさい…………?

【その雰囲気に呑まれたのだろう。かろうじてそれだけ言うと、口を噤んでしまう】
【少女を見上げる表情は、怯えのそれだが…………よく見れば、まるで知り合いの顔を思い出せそうで思い出せないみたいな、なにやら煮え切らない感じも垣間見える】
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2013/03/20(水) 01:02:06.83 ID:Azw8Y2Bvo<> >>224
【――ようやっと、聞きたかった単語が出てきた。】
【生き残るに足る方法――大きな賭け。】
【そしてそれを、恐らくはUNITED TRIGGERが許さないだろうと、ブラックハートはそう言う。】
【――聞き逃す筈も無い。セリーナの瞳に、確かな――炎が、宿る。】
――どの程度の命か、そんなのアタシにはわからないよ。
ていうか、それを裁定するのが他人や自分であっちゃいけないんじゃないかなー、って。

――命に価値があるなら、それは全てが終わった後に、その人の辿った"運命"が決めるんだ。

だから――

果てる前に、自分の命をそんな風に過小評価すると――1個しか違わないとはいえ、"おねーさん"は怒っちゃうぞ。

――・・・まだ、早いさ。
ブラックハート――貴女には人生を振り返る前に、そのよく見える"瞳"で――見据えるべき未来があるんじゃないの?

【驚いて素っ頓狂な声を出したブラックハートに――この倉庫に入ってきて初めて。】
【セリーナは――『ふふ』と】
【――笑んだ。確かに――相手は見捨てられたとはいえ、カノッサの兵器であったと言うのに。】
【――多くの命を、奪ってきたのだと言うのに。】

・・・そーゆー声も出せるんじゃん、なぁんだ!さっきからしんみりしてばっかりいるから
タダでさえ真っ暗で湿っぽい倉庫の中が更にベットベトな雰囲気だったよ、困っちゃうねホント。
アタシみたいなタイプには、そういう静かで物悲しい場所は似合わない。でしょ?
でも――そっか、パーツは不明、やっぱり流石にそこまでは分からないよね。
じゃあ、見た感じとか覚えてる範囲でいいよ、貴女がカノッサで修理されてるとき――周りにどんな機械があったか、
どれだけの人数が作業にあたっていたか、そういう事を書いてって。思い出したことは、なんでも――落書きとかはダメだよ?

――で、スープとパンね。女の子がお腹グゥ〜なんて鳴らしたら恥ずかしいもんね、今もって来るよ。
ところで――見た感じ、太ってるようには、その・・・見えないけど?700・・・?
え、その体型でもダイエットとか気にするの・・・!?うっそ、アタシももうちょいカロリー計算するべきなのかなー・・・。

【――ふとした拍子に、なんだかとても、賑やかな――暖かい雰囲気になっていて。】
【言うのを忘れていたが、この女完全に――脳内が貴女を、ブラックハートを助ける方向へ傾いている・・・。】
【そして当然、そんな脳味噌の持ち主だからこそ700kcalという数字がサイボーグとしての問題に関わってるとは思いもよらず――・・・。】
【ただ、それでもまだ――血液の話に内容が移れば、向けられた視線に対しセリーナは真摯に、頷く。】
【つまるところ――】

・・・人間の身体で一番大事なのって、心臓かと思いきや血液らしいね、こないだテレビでそんな事いってたよ。
それじゃなんだか――・・・確かに、貴女の言うとおり状況は"絶望的"、ってワケだね。

――たださ。
【セリーナはそこで、手に握っていたハンドタオルを取り出し――ペットボトルの水で濡らして、汚れたブラックハートの顔や】
【手足を代わりに、拭いていきながら――言葉を連ねる。】
それ聞いてる限りじゃ――まるでブラックハートは、機関に命を握られてたも同然だよね。
さっきだって普通に口を割ろうとしてた、アタシには貴女のハートが見えないけれど――
――なんとなく、静かな怒りを感じたよ。アタシへの物もあるんだろうけど――・・・機関に対してのも、ね。
・・・恨んでる?あの組織のことを。
もし――もし、本気なら。

【――セリーナの指が、ブラックハートの心臓をとん、と――叩き。】

ここに隠してることを全部、吐き出して。
貴女がどうして、こんな身体になってるのか――この身体で何をしてきたのか。
この身体の裏で、本当はどう思っていたのか――今、貴女はどう思っているのか。

――内容次第じゃ、アタシは"乗るよ"。

――ブラックハートが"ギャンブル"だって言う――そのデカイ賭けに、ね。

【――口元を、僅かに上げ――セリーナは不敵に、笑う。】
【生粋のギャンブラーたる彼女に対し――貴女は言ってしまった。】

【―――"賭けの手段は"】

【―――"ある"と。】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(長屋)<><>2013/03/20(水) 01:03:20.19 ID:ralBlzn4o<> >>220
そ、そうだったんッスか……
やっぱり大会には強い人が集まるッスね!
それでこそムルゥも輝けるってものッス!!

【などと、勝手に今から意気込み始める】

(しかしレヴィさん、デカいッス……
僕もこれだけ大きくなれたら、もう少し強くなれるんッスけどねぇ……)

【そんな事を考えながら、強くレヴィの手を握る】
【その手には、小さいながらも力強さが宿っていた】

う、それもそうッスね……
きちんと情報も集めるようにするッス!

【すこし怯んだ様子を見せるが、すぐに元の調子を取り戻し】

もう、行っちゃうッスか?
大人の男には、いろいろあるッスね!!
カッコいいッス!!

【妙な所で食いつきを見せる】
【それは、思春期ゆえか、大人の世界に対しての憧れのようなものを抱いているようだ】

また、会いましょうッス

【力強く、しっかりと再会を願う言葉を口にして】
【レヴィの背中を、少しだけ名残惜しそうに見送る】




【いずれ、その姿が見えなくなると】

途切れないように消えないように自分を確かめて〜♪

【ゆっくりと荷物が立てかけてあるベンチに戻り、腰掛ける】

数えきれないほど傷ついても〜♪

【夜空を見上げ、親の様に慕っていた師匠も、先日出会った不思議な想い人も、つい先刻別れを告げたばかりの友人も】

確かな明日が来るようにと願って走る〜♪

【この空を、同じ空を、見ているのだろうか】

二度と無い今日を〜♪

【そんな事を考えながら、少年の歌声は、闇夜に溶けていくのであった】

/お疲れ様でした!!
/最後の最後で電話がかかってきてしまって、大幅に遅れてしまいました!!申し訳ないです!! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage saga<>2013/03/20(水) 01:05:06.60 ID:mSrOgK780<> >>227
「あほう、そんな目だから――――じゃ
ただ見るだけで無かろう、その瞳は。何かを映して、其処から何かを考えて―――――まあ、その事は良かろうか」

【もし、少女が避ける事が無ければ痛くもない拳骨が一つ落とされるのだろうか】
【反省を促すとはまた異なった意味が含まれたその動作】
【――――卑下するで無い。との呟きが少女の耳を通ったのかは分からないけれど】
【崩れない笑みは、真に機嫌を悪くした事とはほど遠くて】


「父が死んだ……とな?
……すまんが、其れは我には何も出来ぬ事
問いにも知らぬ――――と答えたいが、幾つかは心当たりがあるのじゃよ
反魂の術。或いはネクロマンサー……だったかの。いずれにせよ、我の知る限りでは禁術じゃ
じゃがの、一度死んだ者が生き返らぬのが理。何らかの不幸が襲うとしても――――絶対を貫くのかの」

【古い記憶を辿れば、確かに死者を蘇らせる術はあって】
【――――けれども、その結末は自分の知る限りでは術の使用者、或いは関係者が不幸になっていくもの】
【だから、“知らぬ”と答えたかったのだろう】
【しかし――――戯れに言った言葉で無い事を悟れば、銀の双眸が同じく真っ直ぐと見返して】
【今以上の不幸が訪れることになっても良しとするのか?――そんな旨の問い】


「正確には九十九、かの。まあ、ただの人間の振りをした物じゃ

死体からとな……?ふむ、それはまた興味深い……
むぅ?手にとっても良いのかの?
くふ、我も人の事を言えぬが警戒心が全然無い輩じゃな
――――ほれ、良ければ我自身も手にしてみると良かろうて」

【得物にふれる事を許可する様を見れば、警戒心がなさ過ぎると笑うのだろうか】
【――――でも、それは自分にも当てはまること。だから、その刀を手にすれば自分の刀。己自身を少女に差し出して】
【その妖刀を握れば、自然と握り手の形に密着するように柄が若干の変化を始めるだろうか】
【込められたのは、“退魔”に近い力。柄を握れば、恐らくその力を感ず取れるであろう】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(大阪府)<><>2013/03/20(水) 01:12:05.18 ID:UQcFXBCl0<> >>231

けろ、けろ、けろ。

【脚を引っ込め、化け物めいてひとしきり笑う。】
【声は幼い、それ故に、奇妙な違和感と不可思議が気持ち悪く感じる。】

【やはり、人間では無いのである。】

謝らんでいい、何だ、貴様……そう聞いただけだ。くわ。答えるだけでいい。

【あいにく、この童女は貴方の事を覚えていない。】
【ただ、ノリノリな気分を破壊した者として、不愉快そうな目で貴方を見ているだけだ。】
【この奇妙奇天烈な童女は、煮え切らない性格の男が好きでは無いのだ。】

【緩い風が吹いた。童女はちろ、と舌を出して、口の周りの衣をべろりと舐めとった。】
【往来の人々は、我関せずであった。】

<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2013/03/20(水) 01:13:03.90 ID:hy3mZGABo<> >>230

【言葉を確認するように、相手の来たらしき道を目線で辿る】
【騒ぎがこちらまで届かなかったのも含め、相当に遠くからふらついてきたのだろう】
【……ひとまず怪しい人影の無い事を確認すると、ふたたび治療に取りかかる】

ハハ、それもそうか。一応男ノ人だろうトは思ったケド、逆だったら失礼だロ?
ヤーサン? 最近、なんだかソノ話をよく聞くネ。ココにも一度ショバダイがどうとか言いに来たヨ
いまいち分からなかッたから、郷里の言葉デ商人長が煙に巻いテくれたけど

【世間話もそこそこに、左手にも丁寧に包帯を巻くと膝を伸ばして立ちあがり、道具を箱へと戻す】
【植物の粉末のおかげだろうか、徐々に痛みも引いて、ただ包帯を巻いただけよりはずっと治りも早い】
【故、弾丸が身体の中に入っていれば傷口の開いている内に医者にかかった方がよいかもしれないが】

【どうやらD.R.U.G.S.の手は地場に滞在しない商人たちにも及んでいるらしく、分かってなさそうながらも同一だろう話が零れる】
【荒事慣れした彼らを掌握するのは難しいだろうし、心配は無さそうではあるものの】
【かなり、手が早い。幸か不幸か本気になって活動している成果が出てしまっているということか】

1700になりまス。……治療代は負けテおくよ

【地味に、そこそこの値段を、とる】
【消毒液等を布で拭いとった手を、どうぞこちらに、とばかりに相手に差し出す】
【手当代を取らないのは彼の良心だろうが、商品については彼の持ちモノではないからそうもいかない】
【とはいえ微妙な理不尽さを感じ得ないかも、だが……】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/20(水) 01:13:13.38 ID:D/vw27+oo<> 【水の国、街から少しだけ離れた森林公園】
【人の手が入っていながらも或いは入っているからこそか、公園は大地の持つ力強さを残して街中よりは自然の力を保っている】
【夏になれば虫も騒がしくなり近場にあるキャンプ地には人ごった返しちょっとした観光地のように忙しくなるそんな場所はしかし今はただ静かで】
【春と冬の境目のこの季節はやはり人気など無く取り残されたように街灯が申し訳程度に輝いて昏いだけ、ただの自然の失楽園】

【であるならば失楽園にて静かに佇む彼は何者とするべきか】

【広場のように拓けた場所、上の世界を望めば散りばめられた星空が片や地上には白髪の少年がその周りに「銀の粒子」を纏わせて瞳を閉じている】
【年頃は20歳あたりだろうかどこか幼さの残る面影は漂う「銀」もあって神秘的にさえ見える、事実誰かが近づいて来たならば感じるだろう神聖な気】
【それは彼自身に因るものではなくただこの現象を操っているのは確かだろう、要するに術者】

「1つ、2つ……結んで…………3つ」

【木々の間からでも分かる優しそうな銀の光はしかし現実とは乖離して】
【紡がれる数え歌は遠い記憶を辿るように儚くあって、その詩に呼応するように粒子はふうわりと揺れて風を撫でる】
【心地よさを含んだそれは頬を撫でて気持ちよくどこかへと消えて辺りへと散らばる】

「……続く4つは重なって、……――――――――」

【渦巻く銀は囃し立てるように彼の周りで踊って次を待つ】
【でも当の彼は続きを紡ぎだす様子なく、落胆するように銀色も完全に雲散霧消してしまう】
【代わりに彼の掌には「銀色のナイフ」がいつの間にかいて月明かりを受けてほのかに金に光る】

…………次、か分かんないな……つーか……
人の気持ちだって分かんないのにモノの気持ちなか分かってたまるか……。

【嘆息を溢しどこかふてくされた声】
【恨みがましささえ含まれていそうな視線の瞳は赤に紫の異色】
【そんな彼と先程までの儀式めいたモノ、人によれば魔術師か神秘に造詣深い者ならば惹かれるか】
【暫くすればまた「ナイフ」が散って「粒子」が舞って情景は朝まで繰り返されることだろう】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>saga sage<>2013/03/20(水) 01:17:57.57 ID:s8fdEn5po<> >>233

【カッコいい、と言われれば僅かに困ったよう苦笑したのは、】
【純粋な憧れだけを向けてくれる少年には言えない、嫌な汚れを隠した事が起因していた】
【それでも、見せる背中だけはそれらしく格好をつけて、夜の街影に消えていくのだった】

【場面は変わって――夜の国、霧深き墓地】

……いやあ、こっ酷いねぃ。 虫の知らせがあって来てはみたが
余程傷ついたと見える、愛ってのは何より残酷なもんだよい

【罅割れた真っ黒な墓標。 何処からか女の啜り泣く声が聞こえる】
【その腹に広がる虚無の中に来ない魂、最愛だったそれは、自分を見捨てたのかと】
【何処ぞの女と契などしたのかと恨むような声色ではなかったのが、女心のせつなさか】

【自分だけを責めるような少女気質、とうに持ち合わせない筈だのに】
【薄ら透けた黒い女の影が、祭服の男に寄り添う――彼は、それを、拒まなかった】

/お疲れ様でした!
/リアル都合なら仕方ないですよ、お気になさらずー! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<><>2013/03/20(水) 01:19:43.44 ID:bZXm6Wq60<> >>229


――?


【逃げる彼も、追う彼らも少女の方へ目を向けた。】
【――話しかけてきた少女に彼らは人当たりのいい笑顔を浮かべた。】
【なんてことはない、愛想笑いに過ぎない。】

【彼ら軍事会社の社員は、力なき民との関係を良くしようとする。】
【よい印象を持って貰おうとする。】
【実際少女は力をもつ側のようだが、この際区別はつけない。】

【――どちらにしろ、彼らは業務の最中。】
【無駄な会話をするつもりはない。】


「HAHA .そうだなガール。だが表と裏には境界線があるんだ。硝煙と平穏はしっかり分かれてんだ。
戦場に自ら望んで入る必要はないんだぜ。」


【笑声を交えながら、少女の問いかけに答えた。】
【もう一方は少女と視線を合わせ、キャンディをやろう、とあめ玉を少女に渡そうとする。】
【懐柔とみればそう思えなくもない。】


「――話は変わるがお嬢ちゃん。我々と同じ格好をした男を見なかったかい?」
『ブラウンの髪で、我々と同じようにペイントした、垂れ目の男だ。』


【――さて、少女からは、隠れる青年の軍服の一部が見えるだろう。】
【それを彼らに教えるか教えないかは、少女の自由だ。】
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(中部地方)<>sage<>2013/03/20(水) 01:26:46.96 ID:/zw24MUyo<> >>235

な、何だと言われれば…………。えっと。
ただの通りすがりです、うん。

【異様な笑い声に背筋を寒くさせながら、ゆっくり立ち上がって】
【もはやただの少女とは呼べない、不気味な童女の問いに、ひきつった苦笑いでそう答えるだろう】

【童女がそうであるように、少年にもまたこんな知り合いはいない。間違いなく初対面の相手だ】
【ならば彼の心の煮え切らないものの正体は、童女が知り合いかもしれない、ということではなく】
【童女の化け物じみた雰囲気に当てられて、彼の心に浮かぶその疑念――――もしかしたら同族かもしれない、というそれだった】

あのー…………間違ってたらごめん。
きみ、もしかして…………妖怪的な何かだったり?

【おそるおそる、童女の顔色を伺うようにそう問いかける少年】
【童女の雰囲気に彼が感じたものは、確かにその類のものだったが――――かといって間違っていたら何をされるかわからない、と思っているのだろう】
【煮え切らないというか、自信なさげな態度が続く】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>saga<>2013/03/20(水) 01:33:49.33 ID:5RF//6O90<> >>232

…………どうだか、ねぇ…………!
……ま、あたしの未来なんて……あ、ぐぅウッ……! ……視野を広く、見る事も無かった…………
……今さら、広くても…………どうしようも、ないんだよ…………

【未来――――既に、自分の『人生』――――文字通りの『人としての生き方』にすら、ある種の絶望を抱いていた】
【――――もし、そんなものが望めるのだとしたら。もし、望めるのだとしても――――】

……あたしが、血の通ってないロボットだとでも?
……まぁ、身体の方はどうあれ……心の方は、知ったこっちゃないけどね…………

【――――『ネアカ』とも言える勢いのセリーナの雰囲気と、ともすれば思わず『素』に戻ってしまった自分に対し、呆れに似たため息を吐くブラックハート】
【なんだか、心が弱ってしまっているのかもしれない。普段の自分なら、こうも相手のペースに巻き込まれる事も無いだろうに――――】

…………まずは、『透析機』……かね…………あたしの身体…………この『箍』に、ケーブルを刺しこんで…………血液を吸いだして、洗浄する…………
後の事は、本当に分からない…………ぐ、ふっ…………眠らされてる間、腹の中をどう、いじくられてるか、なんて……

【実物を見せる為だろうか。ブラックハートはメモを取る傍ら、ペンを置いて自分のボロボロのライダースーツを脱ぎ棄てる】
【包帯が巻かれた、古傷だらけの素肌に――――機械的に、『箍』がいくつも突き出ていて】
【翻って背中を見てみると、やはり本数は少ないものの、似た様な『箍』が体表に露出していた】
【――――普段ライダースーツを着ているのは、それを隠す意図があったのだろう】

……違うさ……腎臓を病んでる人間も、同じだろう?
……負担になる程の、過剰な食べ物の摂取は、出来ないのさ…………

【何か、勘違いしているらしいセリーナに、やはり呆れ気味にブラックハートは説明する】
【――――普段なら、嫌味の1つでも言うところなのだろうが、そのエネルギーが無いのか、無駄に反目する事も無く、素直な態度を見せる】

……………………

【顔をタオルで拭われながら、そこからブラックハートは無言で、セリーナの言葉に耳を傾ける】
【――――己の胸の内の、本心を――――全て吐きだせ――――】

……は、ハハ…………ハハハハ……………………本気で言ってるのかい……?

【全てを聞き届けて、ブラックハートが見せた反応は、乾いた笑み。先ほどの自嘲的な態度が、再び顔を覗かせる】
【否――――もう一つ、湧き上がる感情が見受けられる。それは――――怒り、もしくは憎しみの炎】

…………なら聞くが良いさ!! そして思い知ると良い!! あたしの、ゴホッ……、この怒りを……!!

【座ったままの姿勢で、ブラックハートは、それこそ火がついた様に激昂する】
【――――そして語りだす。セリーナに煽られるままに、己の全てを】

/続きます <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>saga<>2013/03/20(水) 01:34:30.63 ID:5RF//6O90<> >>232>>241

――――あたしゃ、あたしゃ……さっき言った様な障害者として、貧乏な家に生まれちまった……!
その時から、ガァッ……その時から、あたしの全ては、もうイカレちまってたんだ……!
……金食い虫だの、死に損ないだの……散々親に言われて過ごしたさ!!
学校でも……みんながみんな、あたしの事をマネキンだの白人形だの!! 好き勝手に……っ、言ってくれたさ……!

【ぶちまけられる、ブラックハートの過去。それは生まれた時からの、悲しみと卑屈の人生】

……あいつは、グラトンは……そんなあたしに目をつけた……!
あたしなら、無理なくサイボーグに出来る……そして、う……ぎぃ……! 実物のサイボーグから、データを取れる……!!
だから、機関はあたしを買って、親はあたしを売ったんだ…………金の為だけに…………ッ!!

【サイボーグ『ブラックハート』の誕生秘話――――人の心の限界、それにつけ込んだ機関と、それに乗ってあっさり我が子を捨てた、両親】
【――――ブラックハートの『人としての生き方』を、全て否定し、粉砕する、そんな絶望】

そしてあたしは力を得た…………機関からの借り物だけど、初めて自由に振る舞えるだけの力を、その身体を得たのさ……!
――――あたしゃねぇ……っぐ…………『人間』が憎い……みんな憎い…………!
あたしをこんなにしやがったのは……! あたしを見捨てたのは、あたしを嘲笑ったのは!! ……みんな『人間』だ……!
誰一人、助けちゃくれなかった…………!! ただ不完全な身体で生まれた……それだけなのに…………ッ!!

【――――サイボーグとしての改造は、彼女の抱いていた悲しみと卑屈を、怒りと憎しみに作り変えてしまった】
【――――18年間溜めこまれた、心の濁りが、一気に逆転し、全ての『人間』に対する殺意へと、塗り替わった】

だからあたしゃ……ぅあっ!! ……あんたも憎い……! グラトンも、あたしの『飼い主』も憎いッ!!
…………全部、全部さ…………っ――――『仲間』…………以外…………全部……憎いのさ……!!

【そして吐き出す、己の素直な心。ただ『人間』であるだけで、その全てが憎いと言うほどに、どす黒く染まってしまった心】
【ただ――――刹那、『仲間』と言う語を口にした時だけ、躊躇う様な様子を見せて】

――――――――あたしの、『賭け』っていうのは……『これ』……さ…………

【一通りぶちまけ、ある程度気が晴れたのだろう。顔に浮かんでいた凶相が緩むと、ブラックハートは己の腰から、右手で何かを取りだした】
【黒い、ニードル状に加工された――――『哲学者の卵』】

……サイボーグとは言え……あたしには、生身の部分が残ってる…………こいつを使えば…………あたしの憎しみを喰らって、すぐにでも『孵化』……するさ……!
…………問題は、『孵化』の恩恵が、あたしの命を、長らえさせてくれる類の……ものなのか…………
そして……あたしゃ別に、どっちだっていいが…………あんたらからすれば…………あたしが『更なる化け物』になる可能性…………
…………出来ないだろう……? ……そんな事…………

【要は、劇薬代わりに『卵』を使い、後は野となれ山となれ――――そんな『賭け』だった】
【ブラックハートの言う通り、『UNITED TRIGGER』の人間として、認めるにはリスクが大きすぎるだろう】
【ましてや、そんな形で延命したとして、それに意味はあるのか――――人間を殺せば何でもいいと言うブラックハートにとっては、あるのだろうが】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage saga<>2013/03/20(水) 01:37:29.87 ID:oxAaC3jP0<> >>234

【――こつ、と。頭に触れる拳骨、ぴくと跳ねた肩は、驚いたようでもあって】
【振り向いたのは、むっと拗ねたような表情――それでも、振り返った先に笑みが見えたなら】
【少しだけ気に食わないような色は浮かべたものの。そのうちに微笑みに溶かすのだろう】

……反魂でも、ネクロマンサーでも、お人形さんでも、なんでもいいの。
毀れたところを元のふりで動かしたいの、魂はあるから、きっと、それで――……、

【けれど。その微笑もすぐに融けて、残るのは冷たいような色合い】
【どこか悲痛なものを乗せたなら――紡いでいくのは、貞操なしとも取れるようなもの】
【父を取り戻せる結果さえ変わらないなら過程などどうでもいいというようなそれは、或いは危うくも映るのだろうか】
【銀色をじっと覗きこむ瞳、それがふと逸れたなら、伏せられて】

わたし、“そう”なのに、出来ないの。同じように出来たなら、また、逢えるはずなのに
神様のふりなんて、できないの。神様に頼るのも、もう、できないの。……――見つけられなかったら、どうしよう

【震える睫毛は、ともすれば泣き出してしまいそうにも見えて。ぽつぽつと零す声は、今までよりもいくらか低いトーン】
【少女の正体も聞いたのだからというわけでなくとも、紡ぐなら――自らがその結果のひとつだと、】
【けれどそれを成したものには頼れないと。言った声が微かに振るえて、最後に続いたのは、ひどくか細い声】

つらいの、やだよ。こわいのもいや。でも、ひとりぼっちは、もっといや
全部、わたしが負うの。ぜんぶ、わたしの、せいだから。

【――その結果に降り注ぐ不幸。嬉しいわけがなくても、それ以上の苦痛を退けるためなら飲み干そう、と――】

……だって、わるいこと。しない、でしょ?

【ふふ、と。浮かべた微かな笑い。確かめるように尋ねて】
【差し出した刀――曰く、魔剣の類であるらしい。ただ、意識を持っているかと言えば限りなく曖昧】
【鞘を彩る炎の紋様。示すとおり、もしも抜いたなら、辺りに漂うのはむっとするよな熱気――】
【交換するよに渡された刀は、壊れ物にするようにそっと受け取って。すぅと、指先で撫でてみたりする、のだろうか】
【退魔の力。反魂の結果に動くモノだとしても、その身を構築したのがいくら芥の一粒といえど神の端くれならば、大丈夫であるらしい】
【興味深そうに落とした視線は。潤む瞳を隠すようでもあって――泣かないようにと気を逸らしているようにも、見えた】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(愛知県)<>sage<>2013/03/20(水) 01:38:03.60 ID:B4/mwuGXo<> >>236

それが良い……。あいつらに払う“ショバダイ”なんてもんは必要無いのさ。
おっかないが、気の良い連中も居たんだぜ。──昔はね。

【彼の知っている、かつての「D.R.U.G.S.」はそれに見合った“仕事”をしてくれる存在だった】
【しかし、今となっては完全に彼ら達自体が脅かす側に回ってしまっている。もはや“ショバダイ”】
【なんてものは一方的に略奪している様なものである。憤った表情を彼は見せるが、】
【そんなもの、出会ったばかりの彼にいつまでも見せても仕方がない。息を吐いて切り替える】

【さて、……おいくらですかな?】

…………へいへ、……イ。

【思ったより値の貼る金額にサイフを取り出すし紙幣と硬貨を数え「うッ」という苦い顔をする────】
【逃げ回っていた彼は通貨を交換する暇も殆んど無くギリギリの金額しか無かった】
【民芸品とはそういうものかもしれないが、治療して貰った手前、やっぱ良いですとは言いづらく】

【(いい性格してやがる……)などと、思っている事を隠す愛想笑いをしながら支払いに応じるだろう】
【まあ、治療費だと思えば、───安く、ないか?うん、安い。安い。と彼は頭の中で反復し】

【ペンダントを再び見つめると】

(頼むぜ、オイ)

【と、値段以上の効果を期待するプレッシャーをペンダントに送りつけるのであった────】
【治療が完了し、立ち上がって伸びをする。なるほど、まだ痛むが効果は十分の様だ】

世話になったな。そろそろ行くとするぜ。俺はA・キサラギってんだ。仮は返すキサラギだ。
Aが何の略かって言えば今はAdversity……逆境、災難って感じだな。ペンダントの効果に期待って所だな。まあ、好きに呼んでくれ。
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(大阪府)<><>2013/03/20(水) 01:39:35.99 ID:UQcFXBCl0<> >>243

ふん、……まぁ〜いいよ、けろり。
機械弄りも良いが、げこ……せめて前方くらいには気をつけろニンゲン。

【何事か、何言か、言いたそうに口をもにゅもにゅと動かして、やめた。多分罵詈雑言だ。】
【よく考えればそれ程苛立つ相手でも無い、と考えたのであった。】

けろん? それがどうした。まさか普通の可愛い童に見えるか?

【だが、煮え切らない態度は、相変わらず腹立たしい。】
【その兇悪な視線でぴりぴりと空気を尖らせ、威圧的にそう言った。】

【そして口の周りを袖で拭い、目を僅かに細める。】
【その大きな口は、『へ』の字に閉じていた。】

……『も』だと? けろ、けろ。お前が妖怪だと? 妖怪ナタデココ小僧か、噛み切れん坊主が。

【良くわからない事を口走る。予想の範疇では無かったらしい。】
【それもその筈で、童女は目の前の貴方から、全くもって『妖気』めいた物を感じ取れていない。】

【無論隠しているとも取れるが、それはそれで不自然。】
【故に童女は、信憑性の薄い戯言と受け取る。気分はよくない。】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(関西・北陸)<>sage<>2013/03/20(水) 01:40:27.00 ID:Lvi5ifiAO<> >>239

そうね、自分から戦場に飛び込むのはあまり賢いとは言えないわね
──だけど、一度戦場に入った人間にはそんな境界、関係ないわ

【二人の話し方とは対照的に、やはり無愛想な少女の声】
【その格好からもわかるように、既に戦いを経験しているようで】

【差し出されたキャンディに一瞥をくれると、フン、と鼻で笑って】

心当たりならないこともないけど、それを聞いてどうするのかしら
──殺せ、ってさっき聞こえたんだけど、証拠の隠滅でもするわけ?

【一瞬、影から覗く軍服に視線をやった後そう言って】
【蒼の眼は真っ直ぐに先程答えた男を見ている】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(大阪府)<><>2013/03/20(水) 01:54:36.34 ID:UQcFXBCl0<> >>245
/修正。返信先は>>240でした
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(中部地方)<>sage<>2013/03/20(水) 01:56:16.17 ID:/zw24MUyo<> >>245
あー、うん。ごめん、気をつけるよ…………。

【携帯をいじり倒して他人に迷惑をかけたのは、素直に反省したのだろう】
【バツの悪そうな顔をして、右手で頬を掻く。ちょっと友達が今立て込んでてさ、なんて誤魔化すように言って】
【どうでもいいが、あれだけ怖がっておいてもうタメ口で話しているのは、度胸があるのかとぼけているのか】

…………な、ナタデココ…………。

【独特な童女の物言いに振り回されつつ、童女の威圧的で不機嫌そうな視線を受け止める】
【とはいえ、とりあえず自身の態度が童女の機嫌を損ねているのだけは、ようやく理解したようだ】
【げほん、とわざとらしい咳払いをして仕切り直し、背筋を伸ばす。先ほどまでの煮え切らない表情はそれでなりを潜め】

うん、まあちょっと特殊なんだけど…………。
いわゆる半妖って奴なんだ、ぼく。

【そう言うなり、すっと目を伏せると――――童女が少年に感じなかった力を、ここにきて感じられるだろうか】
【少年を取り巻く外気に、銀色の鱗粉のようなものがふわりと混ざり込んで。その途端、緩く流れていた風の流れがぴたりと停止するだろう】
【童女のように身体的に人間離れした変化こそないものの、銀色のその力は、間違いなく妖気と呼ばれるものだ】

あ、ぼくは鳴子一颯(なるこいっさ)って言うんだけど。きみは?

【先ほどまでの態度からすれば、逆に不自然なほど自然な表情で、少年は童女にそう名乗った】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2013/03/20(水) 01:58:13.18 ID:hy3mZGABo<> >>244

ふゥん……オニーサンみたいな人だッたら、多少協力しテモよかったかもしれないネ
ケド、こっちは出稼ぎだから。キャラバンは強いノさ、どんな熱砂にも負ケない

【強い。それが指すのは先頭立って店を切り盛りする先程の元気そうな老人であり】
【同時に個々人ではなく、キャラバンという一個体を形成する様々な人やモノなのだろう】
【トン、と自身の胸を拳で叩いて誇らしげにする……叩いたところよりちょっと下の傷口に響いた、少々身をかがめた】

血だらケだと目立つから、コレ被っていきなよ。コッちは俺の私物だから、気にしないデ
キサラギかァ、なんだか発音が難しいな。櫻のホウかな、全然母音のカタチが違うンだよナ
俺はナウファル、気前の良いトか美しいッテ意味でサ……大袈裟だろ?

【する、と結び目を解いて相手の片肩にかけられるのは、思ったよりも薄い生地のストール】
【鮮やかな赤に色とりどりの刺繍や飾りの成されたそれは、ちりばめられた金糸のおかげか不思議と均整がとれていて】
【軽く、けれども寒々しい春風から守る様に暖かい。ほんのり香る香木の薫は、どことなく甘い】
【目立つか目立たないかと言われれば、奇抜な服装の人間も多い昨今、血みどろよりはマシだろうか】

毎度あり、また見かケたら寄ってってくレよ!

【傷に響かない程度の力で、ぽんと背中を叩いて送り出す】
【小さな異国、見渡せる程度の広さの異文化。少しでも、その加護が相手にあればいいのだが】
【手を振り相手を見送る青年の表情は明るく、どことなく太陽にも似て】


/お疲れさまでした! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage saga<>2013/03/20(水) 02:04:08.86 ID:mSrOgK780<> >>243
【その拗ねた表情に対しては――――優しく、笑んで】
【お姉さんとして振る舞っているつもりなのだろうが、外見的差が殆ど無い状況であるならば、きっと滑稽だろう】
【まあ、それでも――――今、この場に居るのは一振りと一人だけ】


「――――確実に出来ると思うのじゃ。出来ないと心の隅ででも思って居たら、上手く行かぬぞ
それ程までに好いていたのならば、出来ると確信を持つのじゃ
難しい事ではあるがの……」

【ポンと頭に手を乗せれば、慰めるようにして優しく撫でるのだろうか】
【どうしても心の隅では湧き上がってしまう負の感情】
【それでも、きっと其れを抑えることが出来たならば――――悪い方向には進まないだろう】
【目を閉じて、次に開けた頃には真剣な双眸が其処にはあって】


「成るべくしてなった事。全てを背負い込む事が正しいと思って居るならば、それは間違いじゃ
――――仮に蘇りを果たしたとして、その者は蘇ってまで己を責めるお主を見たいとは思わんじゃろう
お主が蘇りの一つか、神の一つかは我には分からぬがの
ふりもしなくて良い。頼らずとも良い。真に果たしたければ、お主自身で遣り遂げると良かろ
宝玉を用いても良いし、大きな代償を払っても良いのならば覚悟を決めると良かろう
……神でも無くお主自身が行う事じゃよ」

【本当に好いていたならば、頼らずに自分の力で遣り遂げて見ろ――――その言葉は、厳しいけれど】
【その言葉を吐いても尚宥める様に優しく撫でていれば、突き放している訳では無いと分かるだろうか】
【それは禁忌だからこそ、自分の手で行って――――良い結果を掴んで欲しいから】
【一頻り撫でれば、その手も下げられて】


「……されなければ、する気は起きぬの
くふ、寂しがり屋にも思えるお主であれば、尚の事じゃ」

【太腿で鞘を挟めば、柄を握って少し上げるのだけれど】
【――――その熱気が顔を打って、驚いた様に収めるのであろう】
【自身とは異なっている事は重々承知していたが――――思わず、苦笑を一つ漏らせば、刀を少女の直ぐ側へと静かに置いて】
【ついと、その頬から瞳に掛けて優しく被せるかのように這わせた着物の袂】
【その涙を拭えるか何て分からないが、父を亡くした子の慰めの一つにでもなればな――――と】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<><>2013/03/20(水) 02:06:18.03 ID:bZXm6Wq60<> >>246


「おっと――、こちら側の人間か?
近頃の少女は成長が早いな。」


【少女の無愛想な態度に、それでも彼らは変わらない。】
【戦場に生きる、それはわかった。】
【それでも彼女は敵でない以上、ぞんざいに扱うこともない。】
 ・・・・・・・・・・・・・
【自分達に都合が悪くなければ――だが。】


『――おっと――、これは……。』


【――二人の目付きが変わった――。】

【有益な情報を持っている、という口ぶり。】
【しかし彼女は非協力的な態度を見せる。】

【――国境なき彼らを裁く法などありはしない――】
【彼らから出た不祥事を、彼らがどう対処しようがそれは法外の地での出来事だ。】

【詰まるところ、少女の言葉通りであり――】
【少女が有益な情報を持ち得るのならば、武力行使も吝かではなくて――。】

【――片方の男の、目の色が変わった。】
【ショットガンのような武器を両手に持った。】


「やめてお――」    ――――やめるでありますッッ!!


【「――わざわざ彼女の口を割らせる時間はない」――】
【そう、事実、それが有益とは限らない。】
【――男がそう口にしようとする直前の出来事。】

【――愚直な青年は、少女に被害が及ぶのを許せなかった。】
【――嗚呼、ターゲットは自ら彼らの前に躍り出てしまった。】


<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(大阪府)<><>2013/03/20(水) 02:13:46.20 ID:UQcFXBCl0<> >>248

げこ……気をつけろ。
私じゃない奴なら死んでたかもな。友達より、まず自分を守れ。けろ。

【事実ーー事実、である。運悪くカノッサ機関員にでもブツかっていたら?】
【新世界での前方不注意は、本当に危ないのであった。】

【ちなみにタメ口には、何も言及しない。】
【それは別に良いらしい。大らかとも野蛮とも取れる考え方だ。】

ナタデココじゃ不満か? あれは味があるからな……けろり、お前には贅沢だったか?

【更なるかみごたえの有る、そして味はない何かを考える素振りを見せつつ。】
【果たして次に飛び出すのは何だろうか? ……ゴム人間とか?】

半妖だぁ? けろ、モノ好きな親の子か? それとも自然の半妖か、まあどうでもいい。

【不躾な事を聞きつつ、表情はやや、軟化する。広義での同属には、多少なりともシンパシーを覚える。】
【証拠は妖気。半妖というのが嘘でも、妖気を出せるのは妖怪。】

雨読川の、カエロウだ。けろ。

【じつに簡素に、自己紹介を済ませる。】
【別に仲良しこよしになるつもりは無いので、たいした笑顔ではない。ちょっとした笑顔だ。】
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(愛知県)<>sage<>2013/03/20(水) 02:14:58.23 ID:B4/mwuGXo<> >>249

フ……。確かに、必要はないみたいだな。


【力強く叩いてみせた彼の拳に向けた微笑みは屈めたその姿を見て苦笑に変わる】
【しかし。いや、だからこそ。気が良く優しい彼にコレ以上の面倒を掛けたくないと思うキサラギは】
【軽く挨拶を済ませて背を向けて立ち去ろうとすると、肩にかけられたのは彼らの文化が色濃く出たストールで】


…………悪い、何からなにまで。


【うつむき、施されすぎてしまった。と思うが、確かに彼の言う通り今の格好では非常に目立つ】
【彼の好意は素直に受け取り。羽織った嗅ぎ慣れ無い異国の香りはどこか懐かしく】
【不思議と心が静まる気がした。野球帽を深くかぶり直すと今度こそ踵を返し歩いて行くと】


ああ、今度はもうちょっとゆっくりと見て行きたいものだな。世話になった、じゃあな。ナルファル。


【この後、風が吹くこの国で、一人彷徨う事になるキサラギだったが。】
【薄いストールのお陰で、彼が“凍える”事は無かったらしい…………】

<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(関西・北陸)<>sage<>2013/03/20(水) 02:23:44.75 ID:Lvi5ifiAO<> >>251

ああ、こうしてる間にももう大通りに出てるかもしれないわね

【男達の様子が変わったのを見て、注意を逸らす様に少し後ろを見て】
【話すことは相手を煽るような内容】


──あら、図星だった?

【男を見て浮かべるのは見下すような冷たい笑み】
【そして武器を構えるとほぼ同時、素早く両の剣を抜き放つ】
【が─────】

はぁ……どうして態々出てくるかな───!

【飛び出してきた青年を見るや、溜め息を一つ】
【しかし武器を構えた男がそちらに気を取られている隙にと、一気に間合いを詰めようとする】

【妨害を受けずに近づけたなら、長剣でもう一方の男を牽制しつつ、短剣を武器の男の首筋に当てるだろう】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(中部地方)<>sage<>2013/03/20(水) 02:25:09.56 ID:/zw24MUyo<> >>252

そんな、道を歩いてただけで死ぬなんて…………。怖いこと言わないでよ。

【カエロウの忠告に、一颯は苦笑いでそう返す。冗談か何かだと受け取ってしまったらしい】
【半妖とはいえ、見た目は普通の男子高校生だが…………どうやら心も、そうであるようで】
【歩いていただけで死ぬ、なんて程度の理不尽はこの新世界にゴロゴロ転がっているということを、彼は知らない】

そういえば、カエロウさん。
さっきから気になってた、ていうか名前からしてそんな感じだけど…………。
カエロウさんってカエルの妖怪なの?

【まるで昔からの知り合いだったみたいに、馴れ馴れしいともとれる態度でカエロウにそう問いかける一颯】
【朗らかな表情と口調は、彼のコミュニケーション能力が高いことを示しているが、それも人間相手での話で】
【自身も半分はそうであるとはいえ、人外相手にそんな態度で臨むことに対する恐怖は、彼にはないらしい】
【…………気になってた、というのは多分、「けろ」という独特の声のことだろうか】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2013/03/20(水) 02:28:41.02 ID:Azw8Y2Bvo<> >>241>>242

【――晒される肌。傷だらけの肢体。そして――体中に穿たれた幾つもの『箍』、『箍』、『箍』――。】
【怪我で溢れかえった肌、というならよく見覚えがある――自分の身体が今現在、そうだった。】
【しかしこうも機械的に――人間の皮膚に"こんなもの"を埋め込むなんて――】
【見慣れてはいないし、正直直視するのは厳しいものがある――セリーナはそれでも、視線は絶対に離さないが。】

――血液の循環は、"コレ"でやってるってわけだね。
ケーブル、それに透析機――そして"血液"。うん、わかった。
十分だよ、結構な情報になる――少なくとも、血液以外は揃えられる。なんとかすれば、ね。

【――問題は血液以外の部分か。機械的なことはやはり、専門に診て貰わなければわからない――。】
【しかし特殊な血液さえどうにかできれば――彼女の身体が特別な機械で出来ているとはいっても】
【少なくとも生き延びることくらいは可能なのか――内部機関、については"提携先"と相談が必要だろう。】

――――・・・。

【そうして、ブラックハートがその全てを――自身の半生を語る傍ら】
【セリーナは身動き一つ取れずにいた――その熱意、その怒り、その――悲しみ。】
【全てに圧倒され、口を挟むことすらも、頷くことすらも、出来ない――。】

【―――障害者として生まれたこと。】
【―――貧しい家庭で虐げられてきたこと。】
【―――幼少期には酷い扱いをうけたこと。】

【―――初めて"力"を手に入れたこと。】
【―――初めて"自由"を手に入れたこと。】
【―――初めて"怒り"を爆発させられたこと。】

【そして初めて―――初めて、"仲間"ができたこと。】

【疑う余地も無い、彼女の本当の言葉がセリーナの胸に、突き刺さっていく。】
【そうして彼女が自らの"賭け"――切り札を手にした、その時。】

【セリーナは彼女が取り出した"それ"を包み込み―――初めて、怒った。】

―――乗らない。
これじゃ、乗らないよ―――だってそんなの、賭けになってない。

【ただ、セリーナはそう言うと――包み込んだブラックハートの右手を、強く握って。】

――アタシはね、"これ"が一体なんなのか、どういう代物なのか実際のところよく――わかっていない。
けどね、話に聞いた限りじゃこれは――アタシが知りうる限り、いいかい、ブラックハート――

  ・ ・ ・ ・ ・  
――"こんなもの"は――史上最低のクソッタレ、ゴミ以下の"ファッキン・シット"だよ。

賭けにすらならない――命が延びようが、傷が塞がろうが、強制的に"生きられ"ようが――
それじゃ貴女は負け確定だ、コイツを使っちまった時点で賭けは終了だよ。

――自分を失って、また"怒りのまま"[ピーーー]だけの人生に身を投じるつもりかい。

――ハッキリ言ってね、ブラックハート――貴女は確かに恵まれちゃいなかったと思うよ。けど――けどね。

――本当は抗わなきゃ行けなかった。あんな連中に力を"授けられる"前に――"アンタ"にはするべき事があったんだ。

【――貴女、から――アンタ、へと言葉が変わった。】
【セリーナの手が、震える――。】

<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2013/03/20(水) 02:28:58.53 ID:Azw8Y2Bvo<> それをせずに――思った通りに行かない自分を取り巻く環境への不満を、"全く関係の無い"第三者へとぶつけてッ!!
挙句仲間だけは別なんだ、とふざけた事を言う――何が別だ、アンタもアンタの仲間もみんなッ!!
あんな組織で仲良しこよし他人に迷惑をかけ続けるだけの人生を、それなりの理屈で正当化して自分を庇護してッ!!

みんな――負けちまってんだよッ!!アンタも含めて――行き場が無いと決め付けて、怒りの矛先を滅茶苦茶に振り回したッ!!

ホントは違う・・・違うんだよッ!アンタにはもっと先にブチのめしてやるべき人間がいてッ!!怒りをぶつけて良い人間がいてッ!!
そしてそれを――誰の手も借りず、自分で、自分の拳で、成さなきゃいけなかった・・・ッ!

なのに――・・・アンタは、頼ってしまった。あんな連中の技術に――そしてそれに身を預けた、偽りの自分に・・・!!

その上で卵まで使って――自分を完全に失っちまうつもりかッ!!どこまで"負け続け"りゃ、アンタは気が済むッ!?

――・・・アンタはなによりも先に・・・自分がどうして怒っているのか、ちゃんと・・・ココロの整理をするべきだった・・・。
自分の意思で、自分の思いで、自分の憎むべき敵を、ちゃんと――認識しなきゃいけなかった・・・

『人間』が全て憎い・・・?馬鹿にするんじゃないよ・・・ッ!何の力も持たずに、それでも諦めずに生きようとしている人間が、
この世界には大勢いるんだッ!アンタみたいに苛酷な環境にいて、それで尚力を持たない人間なんて五万といるッ!!

アンタは自分で負けを認めて――憎む必要のない全てを憎んで・・・諦めてきたんだ。
力を得た・・・?身体を得た・・・?なぁんにも得ちゃいないさ、過ちだらけの20数年だけ、アンタが得たのはそれだけだ!!

【そこで一度――セリーナは言葉を切り。】
【息を吐き――そして飲み込む。】

――・・・けどね、"ブラックハート"。
まだアンタは――・・・勝つことも出来る。出来るんだ。
自分の命に誇りがあるなら――・・・まだ、諦めて無いなら・・・ッ!

――負け続けてきたアンタの一生に、ここで一回終止符を打て。

【――もう一度、セリーナは彼女の心臓に、指を置き】

――アンタが討つべき存在の居場所――"グラトン"とやらはどこにいるんだい。
ソイツをぶっ潰せば――あんたの身体を元に戻すだけの機器やら何やら、全部手に入るんだろう?

――力は貸すよ。どうせカノッサの手先だ、そのうち放って置いても"アタシ"と"仲間"が必ず倒す。
本気で助かるつもりがあるなら・・・居場所と、どんな武器を所有してるか、教えて。
そして本気で自由になるつもりがあるなら・・・約束して欲しい。

・・・"グラトンを倒す事ができたら――心を入れ替える"って。 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage saga<>2013/03/20(水) 02:34:54.96 ID:oxAaC3jP0<> >>250

【ぎゅっと押し黙った数秒。言葉を聞いても返さないのは、負う重さに――だろうか】
【――この少女。見てくれだけならいい年にも見えるのに、どうやら中は追いついていない】
【とは言え。見た目通りの精神だったとしても、ひとの命を司るようなこと、重すぎるのかもしれないけれど――】

……う、ん。するの、ぜったい。――絶対。

ひとりぼっちは、もう、いやだから。……できないなら、一緒に死ぬ

【ぽふと乗せられた手。重さに負けるよう、微かに俯いて――その後。ようやく紡ぐ】
【無理にでも飲み下したその重さ。細めた瞳は、見つめる先。何てことのない石ころを睨みつけて】
【失敗を死へと直結させる決意――そこまでして、孤独を恐れるのだろうか。命と同じ重さを、父は持つのか】

じゃあっ……どうすればいいの。わたしが、わたしがっ……悪いのに。
一緒に死んでって、わたしが言ったからっ……!

【全部負うこと。それが正しいと思い込んだから、少女の言葉には反発が返る】
【他のひとには負わせたくない。まして、それが、最愛に対してならば、余計に】
【ぎゅっと噛んだ唇、微かに振るえて――するり、頬を伝うのは、ちいさな雫】

神様みたいなこと、したくっても出来ない、何にも知らないっ……!
宝玉だってっ……、わたしのじゃない、預かったんだもん、ちゃんとするって……っ

【ひとつ落ちてしまったなら、ふたつめ、みっつめ、いくつも続く】
【ちりりと声が震えて、少しずつ――聞き取りづらくなるけれど。何言ってるんだか分からない、というほどでもなくて】
【或いは。なまじ中途半端に手を付けられない位置に、成せるかもしれない材料足り得るものがあるから。辛いのだろうか】

……頭っ、撫でて欲しいの、ぎゅって。して欲しいの、名前、呼んで欲しいの、
だから、わたしがするの、わたし、が、――。

【ぱたり、ぱたり。膝の上、落ち行く涙がスカートや白の足に水玉を描いて、】
【その最中。少女そのものさえも濡らしてしまうのだろうか。何の問題もない、ただの涙の雫だけれど】
【ぎゅっと握り締めるのは先ほど受け取った刀。細い指先が震えるぐらい、力を篭めようとして――】

……――知ってるなら、ぜんぶ、おしえて

【頬に触れられて。驚いたように瞳は細められるけれど、その声だけは。今までのいつよりもずっとりんと張る】
【覚悟を決めたようにも見えて。――そのためなら、なんでもすると。そんな危うさを、血色が湛えていた】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<><>2013/03/20(水) 02:35:24.11 ID:bZXm6Wq60<> >>254


【二人は青年の方へ体を向けた。】
【目の前に出てきたターゲットに暫し唖然。】
【――銃器を持つ彼は、ポンプアクション、ガッコンと音をたてリロードの後、銃口をターゲットへ――。】


「ouch!!」 『おおい!!』


【その隙を突かれて、彼は動きを封じられた。】
【片方の男も同様――ふいに起きた小さい竜巻から大剣を出現させた所だったが】
【人質をとられた手前、選択を失われた。】
【この戦場――少女が支配したと言えるだろう。】


む、むむ!?


【――さて、血気盛んにおどりでた青年は戸惑いの表情を見せている。】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(大阪府)<><>2013/03/20(水) 02:41:32.64 ID:UQcFXBCl0<> >>255

……最近里を出たばかりの田舎妖怪か、異邦人か?
何にせよ、冗談じゃないぐらいつまらん理由で死ぬぞ、現代は。げこ。

【カエロウは若干誇張しているとはいえ、事実的に現代の危険度は高い。】
【過去にその名を轟かせた幾つもの暗黒組織は消えた。然し正義の火も、また。】

【そして現在は、カノッサ機関とUTの時代。】
【繰り返すが、決して、安全では無い時代である。】

それは早計だ、イッサ。そもそもカエル妖怪とは言っても、種類は様々よ。けろけろけろ。

【と言いつつ、正解とも不正解とも言わない。茶を濁すだけだ。】
【……それほど楽しい話題では無いと考えているのか? カエルっぽさは隠せていないが。】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(関西・北陸)<>sage<>2013/03/20(水) 02:51:58.78 ID:Lvi5ifiAO<> >>259

さて、二人とも大人しく武器を捨てなさい
言うこと聞かないと───わかるわよね?

【少女が先ず要求するのは二人の武装解除】
【短剣の刃はピッタリと首筋に沿っている】
【少し力加減を違えるだけで裂いてしまいそうなほどに】


それと、そこのあんた!
こいつ達──どうしたらいい?

【戸惑う青年に少し強めの声で呼び掛けて】
【訊ねるのは二人の男の処遇】
【まさか二人まとめて首を刎ねる、という訳にもいかないのだろう】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(中部地方)<>sage<>2013/03/20(水) 02:59:49.53 ID:/zw24MUyo<> >>260

あはは、当たりだよ。
櫻の国の奥まったところの出身でさ、三年前にこっちへ出てきたばっかの田舎者なんだよね。
いやあ、都会って怖いなあ…………。

【田舎妖怪、というその言葉がぴったりすぎて、一颯はおかしそうに笑う】
【ただ、カエロウの語調に、彼女が冗談を言っているわけではないのは伝わって。その笑いがまた少々ひきつる】
【…………それでもまだ他人事みたいな調子が抜けきらないのは、きっとカノッサ機関やUTのことを心のどこかで別世界のことだと思いこんでいるのだろう】
【悪にも正義にも傾かないただの一般人には、それはありがちなケースだ。その身で体験してみるまで、本当の意味でその脅威は伝わらないのだろうか】

へぇ、そういうものなの?
半妖って言っても所詮半分は人間だからさ、妖怪の種類にはあんま詳しくないんだよね、ぼく。
本物の妖怪に会ったのだって、カエロウさんでまだ二回目だしね。

【意図せずか、あるいは、茶を濁したカエロウの意図を汲んだのか、一颯は話題の矛先を逸らす】
【半妖の癖に本物の妖怪をほとんど見たことがないという少年は、どうやら妖怪側ではなく人間側の社会で暮らしてきたようだ】

じゃあ、イタチの妖怪ももっといっぱいいるのかな?

【…………どういう意図か、一颯はふとそんなことをこぼして】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>saga<>2013/03/20(水) 02:59:49.67 ID:5RF//6O90<> >>256>>257

(…………両輪…………バイオ面だけ、何とかしても……いずれ、限界は……来るさ…………)

【敢えて――――その事をブラックハートは口にしなかった】
【ジリジリ――――と、漏電を起こす髪の毛(を象った、放熱装置)が、代わりにそれをアピールするだろうか?】
【――――ここで初めてブラックハートは、悪意を以って『黙秘権』を行使した】

……………………

【ブラックハートは、己の全てを吐き出し切った。だから今度は、自分がその反応を待つ番である】
【――――かつての切り込み隊長だった、挑む様な鋭利な表情が、徐々に彼女に戻ってくる】

……やっぱり、そうだろうね…………こんなものは、ただの危険物――――――――っ!?

【『賭け』を否むセリーナの言葉に、案の定、と言った様子を見せるブラックハートだが】
【徐々に激昂していくセリーナの言葉に、ブラックハートは思わず顔を上げる】

なっ――――――――こ、この…………ふざ、け……っ、ふざけんじゃないよッ!!

【――――口ごもるのは、気圧されたからだろうか、肉体の不調の故だろうか、それとも怒りのあまりの空回りだろうか】
【ブラックハートは右腕を思いきり床へと叩きつけながら、己も激昂する】
【――――本当なら、バキィッ――――と床を砕かん勢いで、その腕は振るわれたのだろうが、今の彼女には、力無くトスンと叩く程度の事しか出来ない】

逆らえばそこにあるのは『死』だって状況を、セリーナ、あんたは知らないだろッ!?
ぐ、ぅ……ッ、こんな、こんな指先程度の怪我で、生きるの死ぬのって、大騒ぎになる様な、そんな身体も……!!
――――あんたの言ってる事は、所詮健常者の傲慢だ!! そんな言葉が……あ、ぐっ…………世の障害者の、誰かの心にも、響くものかよ……!!

【――――選択の余地など、無かった。それは、自分の力も、敵の力も、生まれ持った宿命も――――なにかかも】
【それを『成せ』と言うのは、所詮、その境地を知らない『人間の絵空事』――――ブラックハートの認識は、それだった】

ふざけんな…………あんただってなぁ…………カノッサってだけで、誰も彼もを同一視しやがってるじゃねぇか……!!
同じ事だ…………あそこで生まれた命だってある!! 疑う事を知らず、生まれてきた命だって!! あたしの様な生易しい縛りじゃ済まない奴だって!!
その全てを、あんたは『仲良しこよしの迷惑集団』呼ばわりしやがった……!! 所詮、あんただって抽象化してんだ……!! それによって世界を認識してるんだろうがッ!!
(…………瑠璃…………あんたの為にも、こんな傲慢ちきの言葉に、折れられるかよ……ッ!!)

【何かを把握し、理解する時――――人は、少なからずそれを『抽象化』する。それは、理解が難しい対象であるほど、傾向が強いのだ】
【例えば――――集団】
【――――自分以上の、選択の余地の無い『仲間』の顔を思い出して――――それがまだ、ブラックハートの心を頑なにする】

――――――――結局、あんたは機関を全部『どうしようもないもの』として見てる…………
……確かに、機関はどうしようもない人間どもの集まりさ。でも……あ、ぎぃッ……そんな中にも、大切な、裏切れない『仲間』がいる……
……グラトンと戦うつもりなら、好きなだけ知ってる限りを教えてやる……
でも……今までのあたしを、同時にほんの一握りの『仲間』を、一緒に否定するくらいなら…………あたしは『負け犬』になってやる…………!
…………どうでも良い有象無象の連中より、あたしゃ、ベイゼと…………あの娘の方が大事だ…………

【――――『仲間』との絆の故に、己の自由と尊厳に背を向ける返答を返すブラックハート】
【そこには、セリーナへの怒りによる、感情的な反目もあったのかもしれないが】
【――――彼女にとって、恐らくは初めての――――そして、唯一大事と胸を張って言える、『宝物』が、「仲間との『絆』」なのだろう】
【グラトンへの憎しみと、そんな『仲間』への想い。その狭間で、ブラックハートは板挟みになる】
【でなければ、ベイゼを助けるためと言って、ここまで何もかもを捨てて戦う事など、出来ないだろう】

/すみません……そろそろ眠気が限界です……。後日に回してもらってもいいでしょうか? <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<><>2013/03/20(水) 03:00:24.64 ID:bZXm6Wq60<> >>261


【二人は指示の通り、所有する武器を地へと落とす。】
【されど、命運は少女に握られたままだ。】

【――青年は、彼らに近づいた。】
【まずは、人質ではないほう。】


『本郷――、必ずまた来るぞ。』


【本郷――、青年の名前だろうか。】
【彼は――本郷に何をされるのか予見した。】
【本郷は彼の頭に手を付ける。直後、男は崩れるように地に伏した。】

【同様に、人質の額に手を当てると同じように意識を絶った。】
【少女の手に――軽い振動が伝わるのが分かるかもしれない。】


かたじけぬ! であります!


【青年は少女から離れるとぴしりと敬礼した。】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage saga<>2013/03/20(水) 03:06:00.84 ID:mSrOgK780<> >>258
「死ぬのは最も簡単な解決方法じゃ
ただ四肢を地に着けて、何も考えずに身体が朽ちていく事だけを感じて居れば良いからの
―――― 一緒に死を望んだのに、何故お主は生きているのじゃ?
死に後れたのならば次は逆に願え。一緒に生きろと願いながら策を探って行くのじゃよ」

【全てを投げ出してでも叶えさせようとする決意】
【――――だから、応えるかのように躱すこと無く言葉を紡いで】
【不意に立ち上がれば、少女を見下ろすのだろうか】
【何も、立ち上がった故の高さの違いからでは無い。銀の少女が、本来の姿。童から、女性の姿へと変わったから】
【膝を折って、まだ腰を掛けて居るであろう彼女に目線を合わせれば、ふと微笑み】


「知らなければこれから知っていけ
我にはお主の事情が分からぬ。最愛の父が死んだという事以外はの
然れど、その決意の強さは感じ取る事は出来るのじゃ
時には、子供の甘えたい駄々で生き返るお伽噺があっても良さそうなのじゃがな」

【最後に一度、神の一つ梳くように撫でれば背中を向けるのだろう】
【“答え”は無く、ただふらっと散歩にでも向かうような足取りで】
【少女の思いで濡れた刀もそのままに、ただ闇夜に身を溶け込ませる――――その刹那】
【振り返ることは無いが、足を止め。片手を上に挙げれば、刀は少女の掌からすり抜けて女性の手中に収まるだろうか】


「すまぬが、方法は“知らぬ”
――――今のお主に教える術と技量は持ち合わせておらんのじゃよ
その瞳を見れば、お主は言われた事を全て行ってしまうじゃろう
じゃが、その結果がお主の命との引き替えであったならば、頭を撫でて貰う事も名を呼んで貰う事も出来ぬ
何より、故人の想いを我は知らぬからの」

【きっと女性が知っているのは、古の禁術。洗練させていないそれは、どんな結果をもたらすか想像も付かなくて】
【語り終えれば、短く息を吐いて】
【虚空に、刃で一閃。途端に聞こえるのは、子供達の笑い声か】
【其れは幻聴とも召喚とも異なる、一つの妖術】


「しかし――――宝玉があるならば、それが鍵となるのでは無かろうか
如何に強力な其れと言えど、我には分からん事じゃが……
お主がその願いを捨てずにいたならば――――次会うときに、何らかの解決策を共に練ろうとするかの」

【又、一振り。一陣の風が吹けば、女性の姿も子供笑い声も無くなって】
【枝を微かに揺らす風だけが、女性が居たという証拠を確かな物としていただろうか――――】

/申し訳ないです……!
/3時になりました故にこれにて……!お疲れ様でした! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(関西・北陸)<>sage<>2013/03/20(水) 03:13:16.45 ID:Lvi5ifiAO<> >>264

──最初っからそれやったら良かったじゃない

【男が崩れるのを見て少し呆れたような半眼で一言】

【そして人質の男が崩れ落ちると素早く剣を引いて】

別にいいのよ、大したことじゃないし
で、本郷……でいいのかしら?あんたは何をやったからこんな事になってたわけ?

【それから聞くのはここに至るまでの経緯】
【未だ剣をしまっていないのは、この青年が必ずしも善人とは限らない、という考えの表れ】

ところでさっきのあれ……あんた能力者なの?
それともハイテク兵器か何か?

【瞬時に二人の男を気絶させた先程の行為】
【流石に気になったようで】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<><>2013/03/20(水) 03:26:37.53 ID:bZXm6Wq60<> >>266


――私が会社の機密を知ってしまったからであります!sir!


【依然として敬礼したまま、説明をする。】
【制服から察するに会社とは――軍事会社のこと。】
【その組織の重要な機密を知ったために終われるハメにあった、ということ。】
【その機密については――あえて口にしなかった。】

【単純明快、そこまで尋ねられなかったからだ。】


私のspecial abilityであります!sir!


【青年はそれだけ答える。】
【同様、能力の概要までは答えない。理由は先程と同じ。】
【敬礼は、楽にせよとの指示があるまでやめないだろう。】


sir!恩ができたであります!
仕官を申し出たいところでありますが、現状それどころではない故この恩にどう報いようか指示をくださいまし!


【――、少し、面倒な青年のようだ。】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(大阪府)<><>2013/03/20(水) 03:29:39.77 ID:UQcFXBCl0<> >>262

……まあ、慣れりゃ何の問題もない。けろ。

【経験談めいて語る。実際、経験した事なのだろうか? 或いは手馴れているだけか。】
【何方にせよ、呑気に。まあ、実際他人事だからね。】

【ちなみにカエロウもまた、こう見えて櫻の出身であった。魔海産蛙では無い。】

種類なんぞ私も知らん。んなもん自己申告だろ……けろけろ。

【二回目ーー『一回目』もあったという部分に、カエロウは特に触れない。】

【妖を自称する種族は多いし、カエロウ自身、『自称妖怪』みたいな物である。】
【だから、知り合いである可能性は低いし、知り合いでも何か、つまらん。】

さあな……鎌鼬か、雷獣のなりそこないか。まあ縁がありゃ、会えるだろ。
……そろそろ行く。夜道に気をつけろ、けろ。

【そして、元々進んでいた方向へと進んで行く。】
【長い立ち話であった。夜道とはいえ、まだまだ人は居る。カエロウはすぐに、人混みに消える。】

/お疲れ様でした、ありがとうございました。 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage saga<>2013/03/20(水) 03:40:20.66 ID:oxAaC3jP0<> >>265

……知らない、しらない、よ、そんなの、
なんで……なんで、こんな、――――っ

【膝にあった手。持ち上げたなら、両の掌でそっと顔を覆い隠す】
【俯いたなら、長い髪がざらと流れて――ふるふると揺らす首の動き、逐一教えてくれるのだろうか】
【生きている理由すら分からない。自分だけが変わらずここにいて、愛したひとだけが、ここにいない】
【入れ物だけがそこにあるのに――魂のないお人形に、何の、価値が、――なんて、彼女の思えるようなことではない】

【立ち上がる気配。膝を折る気配。そっと覗き込まれたような気がしたなら――指の折の向こう側に、そっと目を向ける】
【涙で濡れた眼はひどく気弱で、そんなに強い性質でもないのだろう。何かあったら泣き暮らす、きっと、そんな】

はやく……、しないと。はやく――……。

【こんな世界だもの、きっと、その手段は数えるぐらいにはあるのだろう】
【しかし、それらを知ることが出来るかと言えば――どうなのだろう、未来なんて、誰にも分からなくて】
【僅かに顔から話す手。綺麗に覗ける瞳は、冥く澱んで――ただ。最後に頭を撫でられたなら、少しだけ表情が軽いものへ】
【ふわり膝の上からいなくなる刀。視線がゆるり追いかけたなら、初めて、その姿が変わっていることに気がついた】

【驚いた眼――瞬いたなら、ぱたり。溜まっていた涙が、一粒零れる】

――そ、う、

【“知らない”――先の言葉との差異に、けれど、ぎりぎりと唇を噛み締めながらも飲み下したなら、】
【静寂にあふれ出すのは子どもの笑い声。月明かりの銀の中、陽だまりが零れたような違和は、それでもきっと、いやじゃない】

【ひらりと風が吹きぬけて。ふぅわり孕んだ髪が揺れて落ちる。誰もいない虚空を見つめて――】

宝玉――……、

【ふらり立ち上がって、一歩、二歩。刀を引き摺るように歩いた先は、何もない木々の間】
【右の掌中で煌くのは、末期の御衣黄色にもよく似た魔力で――ひらり、花弁を模して残滓が舞う】

「――喰われるよ?」

【視線の先で虚空が揺らぐ。じりと揺れた先、見えるのは、ここではないどこか――びしり】
【揺らぎが、向こう側が、紫色に罅割れて崩れ落ちる。姿も見せずに囁く声音に、舌打ちが一つ、森に響いた】

/了解しましたー、おつかれさまでした! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(中部地方)<>sage<>2013/03/20(水) 03:49:16.86 ID:/zw24MUyo<> >>268

慣れ、か。そういうのに慣れちゃうのも、なんか怖いけどね。

【戻ってこられなくなりそうだから――――と、彼は付け加えた】
【根っからの一般人思考だが、それも一面の真実ではある。この世界で人の生き死にに関わりすぎれば、きっと平穏な生活など一生望めまい】
【カエロウもまた、そんな風に生きてきたのだろうか…………などという邪推を、一颯は巡らせて】

会えると良いけどね…………。本当の意味での同族だし、いろいろ話してみるのもいいかと思って。
まあ、みんながみんなカエロウさんみたいにいい人とは限らないけどさ。

【その発言から、彼がどういう類の妖怪の力を有しているのか察することが出来るだろう】
【あまり友好的というほどでもないカエロウと言葉を交わして、それでも彼女を「いい人」と称するのは、彼の暢気な性格の表れか】
【しかし、相手は本物の人外だ。こうして少し話が出来るだけでも、そういう類のものに殆ど会ったことのない彼にとってはありがたいことなのだった】

あぁそうだった、ぼくも店が閉まる前に買い物行かないと…………。
引き留めちゃってごめんよ。うん、気をつけて帰るから、忠告ありがとね。
それじゃあカエロウさん、またね!

【特に約束を交わしたわけでもないのに紡がれる「また」なんて言葉は、また会えたらいいね、なんて願望の表れでしかないが】
【少しとはいえ、自分に近しい者と話せて嬉しかったのだろう。立ち去るカエロウに元気よく手を振ると、彼もまた走り去っていく】
【夜半に出会った化物との奇妙な対話は、彼にどんな影響をもたらしたのだろうか――――】

/遅くまですみません、お疲れさまでした! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(関西・北陸)<>sage<>2013/03/20(水) 03:51:55.88 ID:Lvi5ifiAO<> >>267

……ああ、うん、会社……なるほどね……

【明らかに声のトーンが下がり、呆れが強くなる】
【「何かめんどくさい」というのが正直な感想】
【しかし流石に口には出さない。態度には出したが】

【機密については知っても利益はないだろう、ということで捨て置いて】

へ、へえ、やっぱり能力者なんだ……
触れた相手を気絶させる能力?……じゃピンポイントすぎるわよね……

っていうか何時までその格好してる気よ……

【彼が教えてくれなかった能力の概要を推測してみる】
【そして少女の態度は最早呆れを通り越して軽く引いている】

【さり気無く、敬礼はもういいという意味合いで言った言葉】
【彼がその意図を汲んでくれるかは怪しいが】

──うん、そろそろそのsirって止めようか、私、男じゃないから

恩とか別にいいってば、気にしなくていいから

【やっと笑顔を見せたかと思えば引きつったかなり無茶な笑顔】
【表情を作る筋肉をひくつかせながら剣を鞘に収めるのであった】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<><>2013/03/20(水) 04:03:22.00 ID:bZXm6Wq60<> >>271


quakeでございます!sir!


【quake――、即ち振動のことだ。】
【能力は、振動に関するもの――。】
【彼は、二人の兵隊の頭に振動を加えた、そして意識を絶った。】


yes! sir!
ならば、私の力が必要な時いつでもご連絡を!


【彼は足を肩幅に開き、両手を背へと回して、】
【所謂楽にする姿勢を取るだろう。】

【――彼は一枚の名刺を取り出す。】
【軍事会社の名前、肩書き、そして本郷 忠利(タダトシ)という本名。】
【名前と連絡先以外は無意味のものだ。】

【――足元の二人が、意識から覚めそうだ。】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(関西・北陸)<>sage<>2013/03/20(水) 04:23:06.80 ID:Lvi5ifiAO<> >>272

ああ、揺らしてたんだ
じゃあそんなに長くは続かないんじゃないの、そいつら

【能力の概要を聞いて一先ず納得】
【そうして脳震盪の時を少し思い出し、倒れた二人を指して言う】

(まだsirって言うか……!)
うん、じゃあそうさせてもらうわ、何時になるかわからないけど

【敬礼からの姿勢の変化を半眼で眺めて心中ではぼやきを漏らす】
【名刺を受け取ると鎧の隙間、懐に入れて】
【そして「それじゃもう行くわ」なんて言おうとして】

──あ、そこ

【ふと、微かに動いた足元の男が見えて長剣を抜こうとする】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<><>2013/03/20(水) 10:13:05.10 ID:bZXm6Wq60<> >>273
/すみません、寝落ちたしまいました。 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>saga sage<>2013/03/20(水) 11:05:48.75 ID:s8fdEn5po<> 【櫻の国・南西部――廃村】

【淀みきった空気。 生ける者の匂いが欠片もない、かつては生きていた場所】
【特徴的であるのは、その村の建造物がみな黒木であるという事か】
【荒れ放題の其処は古い村の慣例通りに神仏習合であるのだろう、仏閣があれば神社もあった】

【少し前に妙な騒ぎがあった寺は、往時の戦痕を何も残さず、ただ荒れたままに残されていて】
【そして今回の舞台となる神社は、それの反対側に位置されていて、こちらも矢張り酷く荒廃していた】

【黒木造りの社、もう鳴らされずに久しい鈴も黒く錆び付いて、賽銭箱など箱の用途を成さぬ程】
【静まり返った境内には、遠い昔に誰かが手ずから植えた梅の木が、真白な花弁を吹く風に揺らす】
【その、梅の下――黒い徳利を抱きかかえ、黒き盃で廃社謹製の酒を味わう、何者かの姿があった】

……ふむ。 僕の預かり知らぬところで、カヨがまた泣いているのだね
彼女はいつもそうだ。 純粋さと、ちょっとばかりの我侭が拮抗してしまって、それで泣く
今度は何があったのやら……力を貸したくても何も教えてもらえないのでは、困ったね

【黒い烏帽子、和装の黒衣、黒髪に黒き目。 盃を持つ指先さえも、黒い】
【それでいて纏う神気はこの社を包む澄んだ空気とよく似通っていて、ならば、その存在に察しはつくか】
【彼の眼前に浮遊するのは和紙を切り抜いた人型、それは時折ぼうと灰色の燐光を零しては、揺らぐのであった】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2013/03/20(水) 12:15:46.31 ID:Azw8Y2Bvo<> >>263

【――言葉は、恐らく届かないだろう。いや、そもそもが――届く、届かないの話では、なかった。】
【平行線を辿る――二つの意思は、交わる事も、ぶつかる事も、互いを重ねあう事も――まだ、なく。】

【『たとえどんな理由があっても、だからといって悪に身を染める事が許されては、いけない』】
【『所詮、健常者の他人には絵空事――誰も彼もが真っ直ぐ生きられる筈なんて、ない』】

【選択を全て、自身の手により成し――ここに至るまで、つまりUTを創設するに当たるまで】
【賞金稼ぎとしての半生で"多く"を見てきても、曲がることのなかったセリーナという人物と】
【全ての選択を他人の手により見定められ――自分の意思で抗うことすら許されなかった】
【あまりにも過酷過ぎる状況を生きる、『生』と『死』の狭間のブラックハート】

【――どんな言葉も、暗い倉庫の中――ぶつかり、消えてはまた――ぶつかり。】

"逆らえば死がある状況"・・・それがあるから何でもして良いのかい?違うッ!!
"そうするしかなかった"――アンタにとっての最善が、生きるための選択がたとえそうだったとしてもッ!!
それで全てが正当化されちまうんなら、カノッサは言い訳だけしてればいつかは世界に許される存在になるの!?

――傲慢で結構さ、アタシはそんなに温くなんかないブラックハート・・・!!
『アンタの側に立って考えてみろ』だとか――『かわいそうだろう』だとか・・・ッ!!アンタを擁護する奴らもきっといるだろう・・・けどね。
アタシはワケありだからって過去にしたことを否定しないほど、甘い人間じゃあないよ。

【限界――そういうものが、どんな思想にも必ず存在する。】
【全てを否定できる"悪"が無いように――また全てを抱擁できる"正義"も、存在しない。】
【セリーナは今、自分の立場に於いて、そして――自身の人生で得た答えを持って、ブラックハートの想いとぶつかっていた。】
【それはどうしようもなく小さく――ブラックハートの身からすれば、傲慢な、独りよがりの偽善でしか、ないだろう。】

【そうして、最後にセリーナは一つ、大きな勘違いをしていたことにようやく気付かされ――目を伏せる。】
【話が、彼女の――ブラックハートの"仲間"に移ったとき、一度彼女は手を、離す。】

―――けどね、良いかい・・・こっからが重要だ、よく聞いて。
確かにアンタらの組織に望まずしてその身を預けてる存在がいるのは分かった――さっきの発言は撤回する。
ごめん、ブラックハート――アタシもカッとなって言いすぎたよ。ただ・・・ただね。
その仲間のことを――ブラックハート、貴女が本当に・・・本当に、今でも仲間だと思っているなら・・・

――擁護するよりも、カノッサとしての生き方を肯定してやるよりもまず――どうにかするべきことが、あるんじゃないのかい。

【――テンガロン・ハットを取り、床へと置いて――今までで一番、真剣な瞳でセリーナは彼女のカメラを――目を、見つめる。】
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2013/03/20(水) 12:16:01.22 ID:Azw8Y2Bvo<> >>263
・・・そのほんの一握りの『仲間』も、貴女自身も――本当なら、抗いたかったんだ。心のどこかで人間を憎んでいても
抗う術があったなら、グラトンとかいう上司さんにだって――本当は、ぶつけたい思いがあった筈だ。

アタシはね、貴女の"過去"と、今まで連ねてきた"思想"は否定するよ。けど――"この先"までを否定するつもりも
その可能性を奪うつもりも――ない。
むしろその逆・・・アタシは今からだって、貴女には本当の意味で向き合うべき人生を、歩んで欲しいって思うんだ。
嘘じゃない、本当の気持ちだよ・・・ブラックハート。

UNITED TRIGGERにはね、色んなメンバーがいる・・・最初から正義の徒だったような人間ばかりじゃ、ないんだ。
過去にいろんな経歴を持つ人間が――それこそ、他人からすれば全てを否定されても可笑しくないような人だって・・・確かに、仲間にいる。
なんでそんな人間を仲間にして、正義なんて大げさなもん掲げてるのか――それはね。

――罪を償いきることが、出来ないからだよ。

【――背負ってしまった罪。】
【たとえばアンジェル・ベルジュロン――たとえばシェン・ロンド。】
【たとえば―――悦那。】
【罪は――大きな罪は、一生をかけても償いきれるかどうか、わからない。けれども、セリーナは】
【償い続けることにこそ意味があると思っている――例えその贖罪に終わりが来ずとも。】
【永遠とも呼べる罪の意識の中で、身を焦がれるような人生を歩むことこそ――真の贖罪だと。】

【――辛い現実であるが、セリーナはそれこそが正しい道だと、心の底からそう思っている。】
【だが、これはつまり逆に言えば――】

・・・だからこそ、アタシはどんな悪人にだって・・・生きて償い続ける人生を歩む権利が、あるってそう信じてる。

ブラックハート・・・話を聞く限りじゃ、アンタだってどっかで望んでんじゃないのかい。
アンタと、アンタの仲間を裏切ることなく――共に救われる未来を。
アンタが憎むべき敵と、裏切りたくない仲間との間でフラフラ揺れてる理由は、一個だけ。

――その仲間ごと自分を救う選択肢が、いままでなかったから。

【――とんでもなく、甘い言葉に思えるだろう。つまるところこの、セリーナという女は――】

教えてよ。
"あの子"の名前――境遇。どんな酷い事をされて――そしてどんな罪を背負ってるのか。

贖罪の道を歩む気があるなら、アタシはそれに協力したい。ブラックハートが本気で望むなら。
貴女が本気で――"仲間"のことを、考えているなら。

【――何もかも、救う気でいた。】
【救えるかどうか、それは分からない――なんとも甘い、温い、考え。けれども、彼女はいつだって】
【いつだって一番"自分を裏切らない"方法を考え、実行してきた。】
【偽善だと、奇麗事だと、絵空事だと詰られるだけの覚悟はもう、とっくにしてある――それでも。それでも。】

【――UNITED TRIGGERのリーダーが。】
【こんな話を聞かされて――貴女を負け犬のままにしておける筈など、ない。】
【これが通じなければ――もう、セリーナに打つ手は、ない。】
【救いたい全てが救える道理など無いのだから――けれど、彼女はその事実を知って尚】
【望まずして機関に身を置く二人を――本心で、助けたいと思ってしまった。】
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(中部地方)<>sage<>2013/03/20(水) 13:05:17.96 ID:/zw24MUyo<> >>275
/まだいらっしゃったりしますでしょうか <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(長屋)<>sage<>2013/03/20(水) 13:25:03.89 ID:oymCvxBCo<> 【廃車の並ぶスクラップ置き場】

【休日とあってか職員も居ない、静かな車の墓場にヒールの音が響いていた】
【それは不安定な鉄クズの山を歩く、一人の奇特な婦警によるもので】

うーん……少し静かすぎて、息を殺されたら分からないかしら…?
お休みでなければ、誰かしらに目撃されて騒ぎになりそうなものだけど……

【官憲の身分を表すバッジを胸に留めた彼女は、金の髪と桜色瞳を時折揺らしていた】
【どうやら何か。あや、誰かを探しているようだが、それにしても少々奇妙だ】
【何がというのは、勿論行動。地面を歩かず、ただでさえ転びやすいヒールで廃車の上を歩くのは危険極まりなく】

【それでも随分と安定した足取りで、鉄クズを踏みながら彼女は敷地内を回っていく】
【仮にこんな場所に人が来るのならだが、婦警は色々な面でさぞかし目立つのだろう】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(長屋)<><>2013/03/20(水) 13:35:32.88 ID:3rKmTPGgo<> >>278
/発見遅れましたがこちらにっ <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(中部地方)<>sage<>2013/03/20(水) 13:47:39.39 ID:/zw24MUyo<> >>275

【そこはひたすらに退廃し切っていながらも、ただ"在る"というだけで神気を漂わせる荘厳な場所】
【そこで酒を味わう彼は、たとえその全身を黒づくめに染めていたとしても、きっと風流に映ったことであろう】
【もっとも、それがどれだけ雅やかな光景であろうと、それを観測する者がなければ無意味とも言えるが】
【あるいは、それがまた寂寥感を醸し出し、廃村の退廃美と厳粛さを増すのかもしれなくて】

【さて、彼がそのまま花弁の散る直中に酒を嗜んでいれば、やがて――――その漆黒の瞳に、その観測者足り得るひとつの影が映ることになるだろうか】

へぇ、こんな場所があったのか…………。
それにしても――――"よく似てる"なぁ、ここ。

【廃村の中を物珍しそうにうろつき、黒木で造られた建造物の間を縫って歩んでくるのは、一人の少年だった】
【流行りもののシャツの上に青系のカーディガンを合わせ、胸にはブランド品のドックタグ、下は深緑色のカーゴパンツを履いて】
【髪は染料で染めた茶色で、ワックスを使って前髪を上げている、そんな容貌】

【…………あまりにも現代っ子じみたその格好は、まかり間違ってもこの場所に似合っているとは言い難い】
【しかし廃村内を歩くその歩調には、なぜだか不自然さが感じられなくて】
【服装だけで言えば、確かに場違い感が大きいのだが…………それを抜きして観察すれば、まるでこういう場所に慣れてでもいるかのような、そんな迷いのない態度が見て取れるだろう】

あ、神社もあるんだ。ほんとにそっくりだなぁ…………。
やっぱり国が同じだからなのかな?

【このまま歩くことが許されるなら、少年はもうすぐ境内へと迷い込み。美麗な梅の花に意識を奪われれば、その下で先客たる彼を見つけることになるか】
【その彼の纏う神気が、もしも"破邪"の類の力を源としているならば――――少年の体からほんのわずかに漂う、"妖気"を感じ取れるかもしれない】
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(長屋)<><>2013/03/20(水) 13:54:10.43 ID:AuQlHg5Lo<> >>279
【がちゃり】

【廃車の山の一角】
【ちょうど女性の右手にある、黒だったのか赤だったのか分からない赤錆だらけの車のボンネットが急に開く】
【どうやら中に人がいるようだ、ゴミ漁りだろうか】

【そして、女性がいる場所とは反対の位置のドアを開けようとする、中の人物】
【女性からは、モスグリーンのベストと赤茶の髪、迷彩柄のジーンズという後姿が見えるだろう】

あ、開かないッス……

【ドアノブを引っ張るが、流石廃車と言うべきか、微動だにしない】

開くッス!僕を閉じ込めても楽しくないッスよ!!
早く開けないと必要ないパーツまでバラしちゃうッスよー!!

【静かなスクラップ置き場に響き渡る、少年の声】

【がちゃがちゃと、そのドアノブを引っ張るが、車は微動だにせず】
【ただ、されるがままにゆさゆさとその身を揺らす】

【ずず…】

【と、】
【車が履いている潰れたタイヤが滑る】
【中の揺さぶりで、不安定な足場にあったせいかバランスを崩し始めたようだ】

【ずずずずず】

【心なしか、女性の方向へ向かって居るのは気のせいなのだろうか】

【がきんっ】

【車を引っ掛けて固定していた、何かの出っ張りが外れる音がして】

う、うわわわわ!!
済まなかったッス!!!
バラさないからもう少し踏ん張るッス!!!

【これに驚いたのか、中の少年は慌てて車に対して声を掛ける】
【が、少年の呼び掛けもむなしく】

う、っわああああああああッスゥゥゥ!!!!

【一度崩れたバランスは再び安定するはずもなく】
【ゴロゴロと横転を繰り返し女性の方へ転がってくる】

【廃車の山の傾斜によってそれなりの勢いがついているため、ぶつかれば並の人間であればスクラップの仲間入りをすることになるだろう】
【幸い、少年の行動はとても注意を引くものだったため、気付いていれは回避は容易い】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>saga sage<>2013/03/20(水) 13:57:37.77 ID:s8fdEn5po<> >>281

【静かに酒を嗜んでいた手が止まって、流し目の視線が其方へ傾く】
【おや、と一声零したのは相手の格好故か、はたまたその身に纏う妖気故か】

【彼の妖気、その不穏さを感じても、】
【男は暢気に木の許に腰掛けたまま、盃を置くことさえしなかった】

こんにちは、“妖”の少年。 僕の社へ、ようこそ
飲める口なら、僕の神使・謹製の酒を味わって貰いたかったけれど……

【相手の妖気を感じ取っているのは、確か】
【それでいて、この男は相手を除け者にすることはなかった】

【背を擡げている梅の花も、静かな境内も、】
【其処にある神気は妖さえも受け入れて――ただ、静寂に澄んでいた】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(長屋)<>sage<>2013/03/20(水) 14:09:58.61 ID:jJhMLB5Vo<> >>282

【閑静なスクラップ置き場だ、自然と婦警の意識は少年と彼の乗る廃車に向けられる】
【といっても、何をするわけでもない。右手を頬に当て、左手は右肘を押さえながら】
【ふふっ、と困ったように微笑するだけ。白い手袋が目に付くだろうか】

【…と。不穏な音が響くとともに届く、少年の絶叫じみた声が聞こえ】
【桜色という珍しい瞳が捉えたのは、同時にこちらへ迫ってくる廃車の姿】

……あらあら、落スクラップ注意の看板なんて見なかったのだけど

【なんて呟くと、彼女はしゃがみ込んで足元の地面を右手でノックする】
【すると、転がり落ちる廃車が彼女の眼前に迫った瞬間、地表から巌がそそり立ち】
【少年を傷付けない位置を貫きながら、強制的にスクラップを地上数mまで持ち上げ、停車させ】

こんな所で遊ぶなんて感心しないけれど……大丈夫?
一人で降りられないようなら手を貸して上げましょうか

【したことの強烈さとは裏腹に、また手を頬に当てながら少年へと訪ねかける】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(中部地方)<>sage<>2013/03/20(水) 14:11:33.56 ID:/zw24MUyo<> >>283

…………あ、…………、え、ええと、こんにちは…………。

【一瞬、ごくりと喉を鳴らしたのは、目の前の彼とそれを取り巻く情景が、あまりに絵になっていたからで】
【それからもう一度、喉を鳴らしたのは、自分が妖怪の力を持っていることを一目で見破られたからだった】
【彼の纏う雰囲気が、少年の知る"討魔士"のそれとよく似ていたこともあり。てっきりその"悪しき力"を咎められるかと思ってみれば】

…………はは、ぼくはまだ未成年ですけど。
でもこんな場所じゃ、きっと誰も見てませんよね…………。

【その柔和な物腰を受けて、思わぬ邂逅で抱いた戸惑いや怯懦は、少年の中からほんの一瞬で取り払われる】
【いっそ不自然なまでの"切り替えの早さ"でもって、すべての迷いを振り捨てれば、彼は目の前の神々しい歓迎を受け入れるだろう】
【「それに、前からちょっと飲んでみたいなあと思ってましたし、お酒」なんて、苦笑いで付け加えて】

【見る者を決して緊張させない穏やかな笑い方と、頬を掻く人懐っこい動作】
【やや派手っ気な見た目や持っている力の性質に反して、ずいぶん人当たりのいい性根の持ち主のようだった】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(関西・北陸)<>sage<>2013/03/20(水) 14:15:52.11 ID:Lvi5ifiAO<> >>274
/続き……どうします? <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>saga sage<>2013/03/20(水) 14:22:31.56 ID:s8fdEn5po<> >>285

【彼の様子が可笑しかったのだろう、くすり笑う声は嫌味な色一つなく】
【純然として、この場の静寂に寄り添う色彩であり】
【――まるで彼が、この場の“本体”であるかのようだった】

おや、怯えがちかと思えば、存外に良い心構えだね……
僕は13の年で元服したものだし、それを思えば君だって、十分大人だろう?
ほら。 そう強い酒では無いんだ、甘口だからきっと呑み易いよ

【和紙を切り抜いた人型が、其方へと黒い盃を運ぶ】
【水面は淀みなく澄んでいて、其処にはらりと一つ、梅の花弁が乗った】
【その洗練された香りを味わうだけでも、十分な代物と言えるだろう】

【そうして、人型は盃を渡す役目を終えれば、】
【まるで相手の反応を待つように、彼の近くをふわふわ浮遊していて】
【此れがこの神職らしき男の扱う式神であると、彼ならば察せられるか】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(中部地方)<>sage<>2013/03/20(水) 14:41:35.36 ID:/zw24MUyo<> >>287

大人――――そう、見えますかね、ぼく。
それじゃあ、遠慮なく…………って、これは!?

【少しだけ、含みのあるような言い方でそう返せば】
【遠足の前の子供のようなワクワクした表情で、人生初の酒に挑まんと、黒い盃を受け取ろうとして】
【それを運ぶものに驚愕の表情を浮かべることとなった】

これ、もしかして式神ですか…………?
すごい、紙が直接動いてるのは初めて見たなあ…………。

【感嘆を浮かべてまじまじと人型を観察し、それにわざわざ「ありがとう」なんて礼を述べながら、彼は盃を受け取る】
【その言葉から察するに、この少年は"和紙を直接使役するタイプ以外の式神"を見たことがあるかのよう】
【そもそもこの廃村に踏み入っている時点でそうだが、彼がそういった類のものに縁のある人生を歩んできたことは、簡単に推察できるか】

………じゃあ、頂きます。

【少年がひとしきり人型を見つめていると、盃から漂う芳醇な香りに鼻孔をくすぐられ、我慢できなくなったのだろう】
【梅の花弁の浮かぶそれをこぼさないようにゆっくりと、神職らしき彼の隣に腰掛けようとして】
【やがて、最初はおそるおそる、そのうち普通に、最後は実においしそうに、ころころと表情を変えながら】
【それを、すぐに飲み干してしまうだろう】

お、おいしい…………!

【感動するようにそういう少年には、苦そうにする様子も気持ち悪そうにする様子もない】
【一杯飲んだだけでは実際のところはわからないが、少なくとも一時の酒の友となり得る程度には、"強い"体質らしかった】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(長屋)<>saga<>2013/03/20(水) 14:48:38.82 ID:ej27o/Lco<> >>284
うわーッス!!
まだお師匠にも会えてないのに死にたくないッスゥゥゥ!!

【回転する車の中で頭を抱えていると、強烈に身体を襲う浮遊感、そして視界の端に映る女性の姿】

な、な、何事ッスか…?

【突然の停車】
【少年は事態を飲み込めず、辺りをキョロキョロと見回し】

お、おねーさんが助けてくれたッスか?
ありがとうッス!一人で降りれるッス!!

【怪我でもしているのだろうか、鼻の上に横一文字の絆創膏を貼り付けた屈託のない笑顔で、声を掛けた女性に車上から返事をすると】
【ドアを開け────】

あ、開かないッス………

【───られない】
【それもそのはず、元から開かないドアが、転がった衝撃でベッコベコのボッコボコに歪んでいるのだ】

うー…そっちがその気ならいいッス!!
ドアを外してやるッス!!
リペアモード、起動ッス!!

【いきなり声高らかに宣言すると、彼の左腕に魔力が収束し】
【きゅいん、と音をたてて指が変形し、様々な形のドライバーになる】

【しばらくドアの接合部をがちゃがちゃとやっていると】

【ぎぎぎぎぎ…】

【耳障りな音を立てて、ドアが動き始める】
【そのままでは落下してしまい、眼下の女性にぶつかるおそれがあるため】

よっ、とッス

【右腕でドアを支えて車の屋根の上に載せる】
【ドアだけでも相当な重さがあるはずなのだが、腕一本で軽々と持ち上げるあたり、腕力はそれなりにあるのだろう】

ふう、良い眺めッスねー!

【左手を元に戻しながら、女性にそう笑いかけて】
【えいや、と巌から飛び降り着地する】

助けてくれて、どうもありがとうッス!
怪我、なかったッスか?

【身長は170cmほどだろうか、決して大きいとは言えない】
【外気に晒されて健康的に日焼けした腕は、しっかりと鍛え上げられていて】
【先ほど変形した左手は、機械であることを疑うほどに、リアルな肉付きをしていた】

おねーさん、名前はなんて言うッスか?

【そう問うた少年の焦げ茶色の瞳は、常に子供のような輝きを宿していて】
【黒いヘアバンドで、ツンツンと自己主張の激しい髪を押さえつけている】
【その髪をは、二人を囲む大小様々な錆び付いたスクラップと、とてもよく似た赤茶色をしていた】

僕は、ノエルッス!
ノエル・グランスタッドって言うッス!

【ノエルと名乗った少年はは、あどけない笑みを浮かべていて】
【しかし、魔力に敏感な者ならば、感じることが出来るであろう】


【──その身には不釣り合いな、まるで熟練した魔導師の如く懇々と溢れ出す、多量の魔力の存在を】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>saga sage<>2013/03/20(水) 14:55:38.41 ID:s8fdEn5po<> >>288

【少年の反応に誰より満足げであったのは、】
【それを彼に勧めた男ではなく、目の前でくるくる踊る和紙の式神であった】
【躰の中央、達筆の墨字で“要”と記されたそれは、式神に与えられた名か】

良かった、それを造ったカナメも、どうやらいたく喜んでいるようだよ
……嗚呼その通り、分類するならば“式神”だよ。 そして“カナメ”は、その式の名さ
紙の神使は戦いに強い訳ではないけれど、きめ細やかな扱いにはいっとう適していてね

【小さな和紙でしかない式が、酒を醸造するというのは】
【御伽物語めいて非現実的ではあるのだが――この男ならば、有りとも思えてしまうような】

さて、実はもう一体、私の神使がいるのだけれどね……
この時間は、確か「ばすけっと・ぼうる」の練習、だったかな?
鬼というのはみなああも活発なのかな、“妖”の君も、そうなのかい

――おっと、失礼。 まだ名も種族も、知らなかったね
僕は黒妙(くろたえ)。 この社の神職さ 

【一つ盃を呷って、それから少年を伺うように視線が傾く】
【妖気を持つ相手を、何も知らないまま受け入れていたのだから】
【何処か間が抜けるようでもあり……そして底の見えないような許容を抱く、そんな男】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(長屋)<>sage<>2013/03/20(水) 15:05:03.37 ID:HbclEfiRo<> >>289

【あらあらまあまあ、とでも言いたげに少年を見上げる女性の姿はひどく落ち着いていた】
【しかしながら、その瞳はまた違う。暖かい色を持ってはいたが】
【少年の手が魔翌力をきっかけに形を変え他を見て、きゅぅ、と細められるのである】

(義手…?にしても、わざわざ魔翌力を必要とするのは奇妙だけれど)
(能力だとしたら、同じ理由でまたおかしい気も……うーん)

まあいいでしょう……気を付けて降りるのよ?

【まあ、瞳の変化は些細なもの。すぐに柔和な婦警へと戻ってしまい】
【天真爛漫というような彼に声をかけて、やがて同じ足場に立つこととなる】
【女性の身長は案外低め。少年より10センチ程度は下だが、雰囲気はやはり静かな大人のもので】

私の名前…嘉手納 純っていうの。よろしくね、ノエル君。

……ところで、単刀直入に聞きたいのだけれど、その魔翌力
アナタって見た目にそぐわず、魔術が得意だったりするのかしら…?
もしそうだとしたら、少し頼みたいことが……。

【手を頬に当てる仕草はそのままに、少しばかり困った風な声を上げる】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(中部地方)<>sage<>2013/03/20(水) 15:10:57.51 ID:/zw24MUyo<> >>290

え、このお酒…………この子が?

【驚愕を通り越し、もはや唖然と言った顔で少年は"カナメ"を見つめる】
【だけれど、この場の空気に当てられたのだろうか。ここなら何が起きてもおかしくはないか、なんて妙な納得な仕方をして】
【やはり異常なほど早く気持ちを切り替えて、朗らかな表情でもう一度"カナメ"に礼を伝えるだろう】

ば、バスケットボール…………?
いや、ぼくは妖と言ってもほとんど人間みたいなものなので、その鬼さんの気持ちはどうにも…………。

【そして、日常と非日常を無理矢理繋いだようなその言葉に、少年は目を点にして】
【華麗なドリブルからのダンクシュートへ持ち込む鬼の姿を一時連想するが、あまりの違和感に打ち消しざるを得ず】
【…………微弱ながらも妖気を纏いながら、自身を人間と称するその言葉は、少年がいわゆる半妖と呼ばれるものであることを小さく示唆していた】

あ、ぼくは鳴子一颯(なるこいっさ)と言います。改めてこんにちは、黒妙さん。
…………って、え?

【名乗りの後に改めて挨拶を交わそうとするその態度は、簡潔にこの少年の礼儀正しさを示している】
【と、そこまで言ったところで、少年こと一颯は、相手の言葉尻に違和感を感じ取って】
【社の神職――――戸惑いがちなその視線を、言外に疑問を呈するように、人の気配のまったくしない廃村と神社に向けるだろう】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>saga sage<>2013/03/20(水) 15:27:06.75 ID:s8fdEn5po<> >>292

……嗚呼、鬼といってもね、傍目には人そのものさ
種族的にもそう強靭な方でもない。 勿論、鬼としての強みは幾らかあるけれど
人喰いでもなく、寧ろ花を主食としているような存在だよ。 可愛いものだろう?

けれど油断出来ない事に、俗世渡りが僕よりも上手でね……
ヨスガと名づけたのは正解だったかも知れないな、なんてね

【実際は高弾道からの3Pだの、想像以上にチートな立ち回りをするのだが】
【相手の想像を少し外れるような、黒妙が語る“鬼”は】
【それでも言葉の通りなら、少年とは違い、純然たる妖ではあるのだろう】

一颯、だね。 ……うん、何処までも正直な子のようだ
察した通りだよ、もう参詣に来る人間も、此処には一人もいない
仏閣の方も仏が去ってしまって、この社の神も何処かへ行ってしまった

一人だけどね。 式達もいるし、僕は寂しくはないよ
それに時折こうして、君のような人が迷い込んで来てくれたりするんだ
それだけで、十分此処に残る意味はあるというものだよ。 そう思わないかい、半妖くん

【その慧眼は、矢張り相手を的確に見抜いていて】
【――けれど素知らぬ顔で、またもくすりと声を零すのだった】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(長屋)<><>2013/03/20(水) 15:28:52.08 ID:ej27o/Lco<> >>291
カデナ、さんッスね!
よろしくッス!!

【と、まるで小さな太陽のような明るい笑みが】

う、魔法は……

【みるみる曇って行く】
【きっかけは、間違いなく魔術の話だろう】

ちっちゃい頃は、将来も期待されてたッス……
僕自身も、魔法は大得意で、よく電撃をバリバリやってたッス………
でも、事故で左腕を失くしてからは、そこからずっと魔翌力が漏れて行っちゃうようになっちゃったッス……
そしたら、コントロールが全然効かなくなって、左肩から魔翌力だけをいっぱい出すくらいしかできなくなっちゃったッス…

【その表情は憂いを帯びている】
【が、急に顔を上げて】

あ、事故のこと、気にしてる訳じゃないッスよ!!
ただ、僕の魔翌力を頼ってくれる人の役に立てないのが、すこし悲しいだけッス

【沈んでしまった雰囲気を振り払うように、明るい声色で振る舞う】

だから、僕はこの無駄に有り余った魔翌力を、魔導技師になることで活用してるッス!!

【魔導技師、あまり馴染みのない単語かも知れない】
【魔導機という、端的に言えば電気の代わりに魔翌力で動く機械を製作したり、整備したりする者のことである】

それに、武器もあるから、戦闘くらいだったらこなせるッスよ!
ほら、これッス!

【背中を指差し、誇らしげな顔をする】
【その背には───何もなかった】

【ぴゅう、と春にしてはすこし冷たい風が吹いた】

ああああッス!!
車に入るのに邪魔だから、盾と一緒に置いてきちゃったッス!!

【後ろを振り返り】
【幸い、彼が転がってきた地点とは50mと離れていない】

ちょっと待ってるッス!!
すぐにとって来るッス!!!

【慌てて荷物の方へ走って行った】
【せわしなく動き、ころころと表情を変える様は、子犬のような印象を与える】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>saga<>2013/03/20(水) 15:32:32.70 ID:5RF//6O90<> >>276-277

が、うっ……のたまうんじゃないよ……!! それが人間の歴史だろうが……!!
勝者は、正しい故に勝ったのかい……!? そうじゃあ無い……!! 強い故に、現実を肯定したから勝ったんだよッ!!
――――正しさなんてのは、後からついてくるもんでしかない……ッ!!
あんたらだって、まともに機関とやり合えなければ……ただの、ぅッ……『酔狂』以上の扱いなんて……受けなかっただろうさ……!!
あるいは、「無駄な抵抗で機関との争いを呼ぶ呼び水だ」ってなぁ!?
……それが、この世界だ……!! 身勝手で、どうしようもない……でも、それが世界から許された、『人間』の姿だろうがぁッ!!

【――――ブラックハートが憎むのは、自分を捨てて、自分の生殺与奪、その全てを意のままに振り回した『人間』にある】
【だが、それはつまるところ――――人間の宿命なのだ】
【――――もし、『UNITED TRIGGER』に力が無ければ。その仮定をブラックハートは持ちだす】
【その時には、世間は決して、彼らの正義を肯定しなかっただろうと】
【それどころか「彼らがいると、自分たちのそばで機関との抗争が始まる」と、煙たがられていた可能性だって、否定は出来ないと】
【――――それが、ブラックハートの憎む『人間観』だった】

何が――――――――!?

【――――改まったセリーナの言葉。激昂していたブラックハートも、そこにただならぬものを感じて、真っすぐ向き合う】

…………すべき、事…………ッ
(……馬鹿な、今のあたしを見て……まだ、そんな絵空事を……ッ――――いや…………もし、セリーナが本気で、そんな事を言うのなら…………)

【もう、立ち上がる力さえ、ブラックハートには残っていない。そんな中で、自分に出来る事など、何があるのか】
【それを自分の中で咀嚼していたが――――ふと、意識はそこで立ち止まる】

――――――――あんたが、本気なら…………本気で、それを…………するって言うんなら……………………
――――むしろ、こっちからそれを、頼みたいぐらいだよ……………………
あ、ぐ……ッ…………あたしゃ、もう……間に合わないかも、しれない…………。どっちにしろ、もう……2日も、時間は残ってないからね…………
でも…………あんたが、本当に…………あたしの『仲間』をすら、こうやって本気で、ぶつかって……何とかしようって…………思ってくれるなら…………ッ!!

【――――右手に握り締めていた『卵』を放り出し、ブラックハートはその腕をゆっくり持ち上げる】
【――――カァッと、鋼鉄の右腕が熱を帯び、赤く赤く焼けていく】
【その腕で、ブラックハートは、自分の首に巻きつけられた首輪に、手を掛けた】

――――助け出してやってくれ…………和泉 瑠璃=c………あたしの知ってる…………無理やり隷属させられてる、奴の……名前……

【『Canossa 616』と刻みつけられた、その首輪が――――隷属であり、束縛の象徴だった首輪が、打ち砕かれる】

あたしと同じ様に……殺しだの、工作だの……させられてた…………それだけじゃ、ねぇ……あたしがイライラしてたらあいつ…………ッ
「気が済むまで、自分を殴ってくれ」なんて……そう言いだしやがったんだ……ッ!!
分かるか!? あいつは正真正銘の、奴隷にさせられてたんだ……ッ!!
……内蔵を抜かれて、それをたてに、無理な身体で戦闘に駆りだされて、挙句、気晴らしのサンドバッグ扱い…………ッ
…………そんなの、見てられねぇじゃ、ねぇか……無視できる訳、無ぇじゃねぇかよッ!!

【――――そう叫んだ瞬間、左目のカメラが、ギュ、ギ、ギ――――ブチッと音を立てる】
【ハッと、右手で左目を覆うブラックハート――――限界は、確実に近付いている】
【その中にあってなお、ブラックハートは、『仲間』である瑠璃の窮状を、セリーナに訴え出る】
【さっきのその言葉が『本気』ならば――――あるいは、瑠璃をその境遇から救うための手を、何か打ってくれるかもしれないと踏んで】
【――――それだけが、今のブラックハートの望みだった】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(中部地方)<>sage<>2013/03/20(水) 15:47:59.49 ID:/zw24MUyo<> >>293

"ヨスガ"…………ですか。
なんだか面白そうな人だし、一度会ってみたいなぁ…………。

【想像とは異なるその説明に、一颯の中で"ヨスガ"という名の鬼のイメージがぐるぐると渦巻いて】
【実際は面白そうな"人"ではなく"鬼"なのだが、彼の中のイメージではそんな人外じみた響きよりも、ただ"ヒト"という言葉の合う人柄が浮かんでいるらしい】

…………あはは、お見通しですね。

【それから、自身の小さな言葉を掴んで的確に推察するその黒い瞳に、一颯も驚嘆と苦笑の入り交じった瞳を合わせて】
【黒妙と同じ黒色で、よく見ればほんの少し緑がかったその瞳には、侘びしさや寂しさと"他の何か"が入り交じった複雑な様相が浮かびあがっている】

そう、ですね。
たとえ神様がいなくなっても、人が居なくなっても、信じられるものがあるってすごいと思います。

…………白座村では…………どうなんだろう。
あの神様までいなくなったら、みんなはどうするのかな…………。

【黒妙の生き様に、心の底からの賞賛を送って。その、どこか眩しそうに彼を見る視線】
【それは、大人に憧れる子供の目、に見えなくもないが…………それだけではない、煩雑で整理の付かない何か潜んでいて】
【顔を俯けて呟く、ここではないどこかの村の名。名前からして、この国内のどこかではあるのだろうか】

【憂慮するように言うそれから伝わるのは――――彼がその"みんな"とやらに向ける感情は、心配や不安でのものではない、ということで】
【複雑な感情の流れに押し流されているが、よくよく耳を澄ませば…………どこか、嘲りに近い響きも感じられる】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(長屋)<>sage<>2013/03/20(水) 16:01:03.32 ID:xldNz+45o<> >>294

あら、それは……なんというか、ごめんなさいね?
気になったものだから、つい何も考えずに聞いてしまって
でも、どうでも良いことだから忘れて頂戴?

【そう申し訳無さそうに言うものの、頭を下げるでもないのが相変わらず不思議な人で】
【それでも彼の考え、夢を聞くと幾度かしっかり頷いて見せ】

ええっと、魔導……あぁ、アレね?
武器は大切にしないとダメよ?自分の身を守ってくれる大切なものですもの

【気忙しいとでも言おうか、少年の元気に押されながらも純は眼で荷物を捉え】
【その場から動かずに、彼がそれを取りに向かうのを見送るだろう】
【ノエルを邪魔するスクラップが新しく崩れる様子もない。平穏無事か、と】

      『よぉぉし動くんじゃねぇぜこのガキィィィィ!!』

【思われたまさにそのとき、駆け出した少年をスクラップの影から捕らえようとするものが居た】
【浮浪者じみたその格好、そして右手には大型ナイフを持っていて】
【彼はノエルの首もとを左腕で絞めようと、急に襲いかかってくるのである】

【そう、婦警が人捜し。それはつまり、犯罪者を探していたと…そういうことだったか】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>saga sage<>2013/03/20(水) 16:02:24.17 ID:s8fdEn5po<> >>296

“白座村”とは、知らない名だね……
そこもまた、この場所のように滅びを辿ってしまっているのかい?

【聞かない村の名、興味が沸かない筈もなく】
【そっと名をなぞって其処にある憂いを捉えれば、そんな不安要素に辿りついた】
【盃を揺らす少しの間、其処に写した梅の木に、何かを幻視するような短い時間があってから】

――神は、信心がなければ鎮守なり得ず、其処には居られない
逆に言えば、信じてくれる誰かが居てくれれば、それが神にとっての何よりの力になる

いなくなったら、なんて、悲しいことを言ってはいけないよ
信じてあげるべきだ。 居続けて欲しいのならば、ね

【諭すような声は、その状況を知らないながらも】
【自分に出来うる助言をしようと、ただ静かに年長者足り得る声色を醸す】

【しかし――神職と名乗りはしたが、その彼が“神使”を手繰るとは】
【些細な疑問点。 穏やかさの影で飄々として笑うだけの彼の事、】
【見つけられない限り言及などしないのだろうが……其処には確かな含みがあって】

【それを追及される間が出来る前に】
【黒妙という奇妙な男は、ただ視線を傾けたままに、相手の言葉を辿ろうとしていた】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(長屋)<><>2013/03/20(水) 16:14:26.11 ID:ej27o/Lco<> >>297
っ!?
うわぁッス!

【その気配に気づくことなく走っていたノエルは、いとも簡単に捕まってしまう】
【が、】

オッさん、なんか用ッスか?
邪魔しないで欲しいッス!

【恐れを知らないのか、それとも単純に危険性がわかっていないのか】
【あっけらかんと言うと、男を無視して目的地へ走ろうとする】
【あと十数mの距離だ】

【手を離さなければ、その凄まじい脚力に引き摺られる事になるだろう】
【何せ、毎日のように百数十kgの鉄塊を背負って歩いているのだ】
【大柄な男ですら、彼にとっては軽く運べる荷物なのだろう】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(長屋)<>sage<>2013/03/20(水) 16:21:52.36 ID:P9K9jtoVo<> >>299

『へへへ…そりゃあおめぇ、人質にすんのさ!』
『俺を追っかける婦警様も、ガキを見殺しには……なっ、うおおっ!!?』

『て、てめぇ止まれ!止まりやがれ!ぶっ[ピーーー]ぞぉ!?』

【この男もまさか、少年がそこまでの大力とは思わなかったのだろう】
【つかんだ腕こそ放さないが、引きずられるように目的地近くまで行かれてしまい】
【それを追うように嘉手納もヒールの靴で走り出すが】

『ぎ、くううぅ…!と、止まらねえなら仕方ねえ!』
『おらガキっ!動けなくなっちまいなぁ!!』

【もう目的地、というような地点で男はナイフを振りかざし】
【それをまともに狙いもせず、少年の体に突き立てようとするだろう】
【浮浪者じみた彼だが腕は確か。婦警も少しばかり、間に合いそうではなく……!】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(中部地方)<>sage<>2013/03/20(水) 16:24:55.71 ID:/zw24MUyo<> >>298

…………あ、ごめんなさい、急にこんな話をして。

【そんな事を言うのは、ほとんど無意識での呟きだったのだろうか】
【バツの悪そうな顔をして、黒妙の顔色を伺うが…………年長者らしい落ち着きと、神職者らしい静かな空気に、少しだけ口を開いて】
【悲しそうでいて、怒っているようでもあって、しかしそれだけは計りきれない、やはり微妙な機微を浮かべたその表情のままで】

白座村っていうのは、ぼくの故郷なんです。
櫻の国のずっと奥の方、"辰羽山"っていう霊山にある小さな村で…………。

【白座村という名はあまり有名ではないが、"辰羽山"という名は、神職であればもしかすると耳にしたことがあるかもしれない、という程度の知名度を持つ場所で】
【いわゆる"土地神"と呼ばれる強大な力を持つ神が眠る、神格の高い聖地の一つ】
【神自体は眠っていながらも、その膨大な魔翌力は漏れ出しており、常に"邪"のモノを引き寄せる。そんな土地で――――】

そこのみんなは、そこにいる神様を守る仕事をしてるんですよ。
神様の力に引き寄せられてやってくる妖怪達を退治する、退魔の仕事です。
村の人はみんな、その神様を信じていて、自分の使命に誇りを持っていて…………。

…………はい、おっしゃる通りです。そこは今、少しずつ衰退していて。
三年ほど前、黒妙さんと同じ神職の家系で、村長みたいな役割で村をまとめてた大きな家に、ちょっとゴタゴタがあったんです。
――――当主は何者かに殺されて、次期跡継ぎだった娘は色々あって村を出て行ってしまって。

今は家長の奥さんと長兄がどうにか切り盛りしてるみたいなんですけど、あの人たちも村の人たちもとっくに統率を失って、そろそろ限界が見えてきてる。
…………だから、

【当主を失い、未来も失い。だから、ここで信じる神さえも失ったら】
【ぼくの故郷はきっとあっけなく瓦解する、と。一颯は冷徹に、そして客観的に、そう告げる】
【使命の為だけに生きているような彼らに、黒妙のようにそれでもそこに残るという選択はきっと出来ないだろう、と】

【一颯の瞳に浮かぶのは、故郷の衰退に対する悲しみややるせなさ――――なのだろうか、これは】
【今、彼の瞳の黒を構成しているのは、ただぐちゃちゃにない交ぜにして行き場を失った黒い感情の奔流、のようにも見える】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(長屋)<><>2013/03/20(水) 16:38:22.46 ID:ej27o/Lco<> >>300
武器は………

【振りかざしたナイフ、それを振り下ろした時】

無闇に人を[ピーーー]ためにあるんじゃないッス!

【がきん、と音がした】

これは、「武器を造る者」としての心がけッスけど……

【見れば、彼の左腕の関節が、常人ならばあり得ない方向に曲がって、背中から攻撃を受け止めていた】

武器は、抗う者のための物ッス

【掌は、刃など意に介さない様子で、受け止めたナイフをぎりぎりと握りしめている】

それを持っているのに、何故戦わないッスか!?

【機械じかけの腕は、戦闘用では無いにしろやはり強力で】

男なら……その手に武器を握ったなら…

【握ったナイフごと、男を投げ飛ばそうとする】

己の無力を背負って、正々堂々と抗い、戦うッスよ!!

【もし男を投げ飛ばせたのならば、彼は無造作に置かれた鋼の大盾と、継ぎ接ぎだらけの機械槍を持ち上げるだろう】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>saga sage<>2013/03/20(水) 16:45:00.92 ID:s8fdEn5po<> >>301

【静かな瞳は言葉を挟む事なく相手の語りを聞いて、】
【一旦伏せられ、何事か思案するような間があってから、再びゆるゆると開く】
【けれども渦巻く黒い感情までは捉えられず、男はただその郷愁のみを拾い上げた】

……あの高名な辰羽山に、そのような昏さが生まれていたなんて、ね
しかし……いけない流れだ。 どれだけ尽力しても、柱が欠けたままでは

【名こそ知ってはいたものの、現状を知らない故に、驚きは深いもので】
【静かに連ねる言葉はゆっくりとしていて、それだけ思慮しながら紡いでいるのが良く分かった】

そういう状況は無理に長らえさせる程、悪戯に苦しみを増すだけになる
…………何か、一新してくれる光明でもあれば、違うのだろうけれど

君に、そうなろうという意思はあるのかい?
若しくは、新たな牽引者に名乗り出るような想いは?
そうでないなら、「だから」に続くものは何なのか――気になるね、とても

【手許に舞い戻る式を弄りながら、深みを湛えた視線は一颯に合わせられる】
【知り得ない土地とは言え“神職”であるからなのか、否、それ以上に相手に沿わせる思いは強い】
【神の存亡に関わる事……それを己に迫ったことのように重要視するなど、妙ではあるのだが】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(中部地方)<>sage<>2013/03/20(水) 17:07:00.51 ID:/zw24MUyo<> >>303

…………実際その神様の力って、年々弱まってきているらしいんですよ。
押し寄せる妖怪の数だって年々減っているんですけど、みんなはそれを認めようとはしない。
使命を失ったら、何をしていいかわからないんでしょうね、きっと。

【守るべき神の力が本当に弱まってきているなら、それは使命の終わりが近いと言うことで】
【一颯の語った破滅論じみた論理は、もはやもしもの話では済まない、ずっと現実味を帯びた話だった】
【それでも駄々をこねる子供のように現実を認めない彼らのことを、一颯は――――どう思っているのだろうか】

そう、だから――――だからこそ、その程度で済んでいる今なら、まだ間に合うかもしれない、とも思うんです。

でも…………ぼくには、あの村を救うのは無理ですよ。
…………心の底から、救いたいと思えませんから。

【――――きっとその言葉が、彼に渦巻く黒いモノの根元なのだろう】
【故郷を心から愛することの出来ない何かが、彼の歩んできた道筋の中に、確かに突き刺さっていて】
【それは未だに彼の心を竜巻のように荒らし回り、感情の奔流となって彼の真意を塗りつぶす】

だけど、救える人に当てはあるんです。今からでも彼女が戻れば、きっと村は持ち直す。
でもぼくには…………その人を送り出すのが本当にいいことなのか…………もう、わからなくなってしまって…………。

【――――今までとはまったく質の違う、すり切れた痛々しい苦笑いを浮かべて、そんなことを言って】
【一颯の言う彼女とは、先ほどの話に出てきた家を出た娘のことで。そして彼女は、一颯にとってとても大事な友人である】
【それは黒妙の洞察力なら、きっと容易に読みとれる情報だろうか】

【――――彼自身は故郷のことが好きではないが、彼の大切な人は、未だに故郷のことを愛している】
【その二つに挟まれて、彼が自らの故郷に対して本当にしたいことは、もはや彼自身にもわからなくなっていた】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(長屋)<>sage<>2013/03/20(水) 17:07:05.46 ID:Un7KYTEDo<> >>302

『ぐっ、こいつ何言って…な、ナイフが!?』
『クソッタレめ、義手か!なら別の……ぁ!?』
『お、おいなにしッ……うおおあっ!?!』

【少年の言葉が男に届いたのかといえば、それは恐らくは違うのだろう】
【ただ、彼の肉体に呼びかけるやり方は正解だ。男はナイフを握ったまま、投げ飛ばされ】
【近くの地面に背中から落ちると、たまらずせき込んでいて】

【それからノエルが盾と槍を広い、振り向くなら】

『ひっ、あ…ぐうううっ……!!』

ふふっ……元気なだけかと思ったら、結構カッコいいところもあるのね?
あぁ武器はそのまましまって大丈夫よ、もう彼は再起不能だから

【そこにいるのは嘉手納 純。にっこりと笑いながら、足は男の腕を踏んでいた】
【その踏むというのも、あからさまに骨が折れているとわかる状態で】
【そんな腕を、両手を腰に当てながら踏みにじる姿…様にこそなるが、なにか恐ろしくて】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(長屋)<><>2013/03/20(水) 17:19:01.61 ID:aesY60N5o<> >>305
あ、大丈夫ッスか?

【嘉手納の言葉に従い、槍と盾を何時ものように背負う】
【巨大なそれらは、流石に少し重たそうで】

【がしゃん、がしゃん】

【金属音を立てながら歩み寄る】
【その足取りは、軽快とは言い難く、それが彼の背負う武具の重さを示していた】

【ちら、と踏まれた男の腕を見やり、笑顔が凍る】

だ、大丈夫ッスか!?

【口から出た言葉は、明らかに先ほど発した言葉と意味合いが違っていた】

カ、カデノさん!そんなに踏んじゃったら痛そうッス!!折れてるッスよ!!

【少年は、さっきまで襲われていたことなど知らぬかのように、男の心配をする】
【その表情は、声色は、決して巫山戯てやっているのではないことをありありと語っていた】

【左の掌は、表皮が斬られて剥けており、少しだけ中の金属が覗いていた】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>saga sage<>2013/03/20(水) 17:23:04.57 ID:s8fdEn5po<> >>304

【年々弱まってきている、の件で自然と下がる視線は何を想うのか】
【相手に始め抱いていた印象よりも大人びたものを感じ取ってだろう、】
【多言のきらいは薄らいでいて、彼を否定するような厄介な色も持たなかった】

……大切な事は、心で決めると良いよ
「村を救う」よりも、「その人」を思いやりたい心があるのなら、優先すべきはきっと其方だ

【察するに余りある相手の抱えた思い、その欠片なりとも今覗けているのならば】
【掛けるべきは否定ではないと、嘗て幾度と無く人の思いを聞き入れていた彼は考える】

【迷う時には、既に答えは大凡決まっているものだ】
【――ならば、それを後押しできる言葉を掛けた方が良い】
【紡いだ言葉は、そんな思考を元にした、数多の経験上の判断であった】

…………神はね、人の思いの上に成り立つんだ
だからこそ、その人が苦しめられる結果を、神はきっと望まない
必要とされないものは自然と消えゆく。 それは人も神も、平等なんだよ

【「だから、そう苦しまなくていい」と】
【終りを見守る、傍観の道もあっていいと微笑むのは、或いは悪魔の甘言にも似るか】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(長屋)<>sage<>2013/03/20(水) 17:32:03.47 ID:ilXIua+Ho<> >>306

『う、ひっ…た、助けっ!ころされる……っ!』

あらヒドい、抵抗できなくしただけなのに鬼みたいな扱いね?
それと……ノエル君、彼は罪もない市民を何人となく傷付けた傷害の常習犯なの

だから情けを掛ける必要もないし、そもそも彼はさっきアナタを殺そうとしたわね?
なのに今になって助けを求めるようなねじ曲がった精神性……アナタは認める?

【『折れてるじゃなくて折ってるの』と付け加えると、嘉手納は靴をようやく退かし】
【腰のケースから手錠を取り出すと、まずは無事な腕にそれをかけ】
【次に手首でもない位置で曲がった腕をわざわざ持ち上げで輪をかけて】

ふぅ…♪なんにせよ、これで私の目的は達成されたわけね
ノエル君のお陰で大分早く終わらせられたわね、ありがとう…?

……あらそれ、大丈夫よ?

【にっこりとした柔和な雰囲気はそのままに、手錠をかけた男の手を離し】
【目に留まったのはノエルの左手。傷を目にして、思わずその手を取ろうと自らの両手を伸ばす】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(中部地方)<>sage<>2013/03/20(水) 17:43:33.37 ID:/zw24MUyo<> >>307

心で、か…………。

【ふと、自らの心の内をさらうように、彼は瞳を閉じて】
【自分でもわからない複雑な何かと、確かに大切だと思える人とを天秤に掛ければ、それで傾くのは確かに後者だった】
【だけどやはり、故郷に対する複雑な想いは消えることはない。彼の心の中の竜巻は、未だ止むことはない】
【なればこそ、彼は】

必要のないものは消えゆく――――。
…………そうですね。ぼくが出来るのは彼女の背中を押すまで、それでどうなるかは、それこそ神様にでも任せるのがいいのかもしれません。

【黒妙の言う傍観の道へ、一歩踏み出す。いや、知らず知らずにもう踏み出していたのかもしれなくて】
【自身と、彼女と、そして村との間での、これがおそらく一番の妥協点。それはまるで、大人のような結論だった】
【「仕方ないですよね」、なんて、彼は笑って。その表情はもう、擦り切れてなどいなかった】

…………今日ここに来たのも、実は故郷の様子を見に来た帰りだったんですよ。
偶然ここを見つけて、なんだかうちの村と似ていたから、なんとなく興味がわいて。

でも、それで黒妙さんと出会えたんだから、感謝しないといけませんね…………。
ありがとうございます。話を聞いてもらったら、少し楽になりました。

【…………彼の言葉に含まれる嘘は、ここまでの話を聞いた黒妙なら、すぐにわかってしまうはずだ】
【一颯がここに来たのは、なんとなく興味がわいて、なんてものではなく】
【きっとこの廃村が、自身の故郷の末路のように、見えてしまったからだったのだろう】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(長屋)<><>2013/03/20(水) 17:58:04.16 ID:aesY60N5o<> >>308
う…アンタ、そんなに非道い人だったッスか……たしかに、根性捻じ曲がってるッスね…


─でも、やっぱり間違ってるッス

【嘉手納の瞳をまっすぐ見つめる】
【その瞳は、まるで子供のそれのようにきらきらと輝いていて】
【しかし、あまりに澄み切っているせいか、淀みを受け付けなくて】

悪いことをした人には、きちんと罰が下るようになってるはずッス
だったら、なにも無駄に苦しめる必要はないッス!

【甘ったれた、子供の理想】
【あまりにも、真っ直ぐで、それ故に、眩しくて】

手錠を持ってるなら、苦しんでる間にとっととかければ良かったッスよ
そうすれば抵抗なんて出来ないはずッス

【折れた腕をぞんざいに、いや、わざと苦しめる様に扱う様を苦々しげに見ている】

たとえそのオッさんが罪もない人を傷つけたとしても、それを言い訳にして傷つけたら、そのオッさんと同じッス!!
罪があるからって、傷つけて良いはずが、ないッスよ……

【なんだか胸の奥がもやもやするような気がして、顔を背けてしまう】

大丈夫ッス…
合成皮膚は持ち合わせが無いので、帰って直すッス

【大人しく手を取られる】
【腕が動くたびに魔翌力が流れているのを感じることが出来るだろう】
【皮膚が破れて覗いている機械部、そこの鉄板と鉄板の隙間からゆっくりと明滅する淡い緑色の光】


【─────風が、三人を優しく撫でる】
【その風は、やはり、春にしては少しばかり冷たいものであった】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>saga sage<>2013/03/20(水) 18:01:14.83 ID:s8fdEn5po<> >>309

……そうだったんだね、良き偶然となれたのなら、幸いだよ
死んだとて残るものはある。 例えば僕のように、そして立ち寄ってくれる君のように

【察しても、無遠慮に深く追及することは無い】
【彼になるべく救いを残す言葉だけを選んで並べて、そうして出たのが笑顔ならば、満点だ】
【そろそろ別れの刻限か、と思案して――ふと、思い出したように】

…………嗚呼そうだ、一颯
少し暇があるなら、この近くの仏閣の方にも足を運んで貰いたいんだ
僕は今、此処から出られなくてね。 一つ頼まれてくれるかい?

【「この子を連れて」と言葉を添えれば、其方にふよふよ飛ぶのは要と名付けられた式】
【了承を得れば、彼の背にぺったりとくっつくだろう】
【どうやら自力でそこまで行くには、黒妙の術は及ばないようであった】

【――仏閣には、本当にただ立ち寄るだけで良い】
【先に顛末を述べると、彼が入っても其処の荒廃した空気は変わらないままで】
【ただ連れてきて貰った式が、其処で彼の背から離れて、徐に楼閣の中に入っていくのみ】

【受けるも受けないも彼次第、然程時間を割く案件でも無いが、彼はどうするか】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/20(水) 18:09:44.60 ID:D/vw27+oo<> 【水の国、街から少しだけ離れた森林公園】
【人の手が入っていながらも或いは入っているからこそか、公園は大地の持つ力強さを残して街中よりは自然の力を保っている】
【夏になれば虫も騒がしくなり近場にあるキャンプ地には人ごった返しちょっとした観光地のように忙しくなるそんな場所はしかし今はただ静かで】
【春と冬の境目のこの季節はやはり人気など無く取り残されたように街灯が申し訳程度に輝いて昏いだけ、ただの自然の失楽園】

【であるならば失楽園にて静かに佇む彼は何者とするべきか】

【広場のように拓けた場所、上の世界を望めば散りばめられた星空が片や地上には白髪の少年がその周りに「銀の粒子」を纏わせて瞳を閉じている】
【年頃は20歳あたりだろうかどこか幼さの残る面影は漂う「銀」もあって神秘的にさえ見える、事実誰かが近づいて来たならば感じるだろう神聖な気】
【それは彼自身に因るものではなくただこの現象を操っているのは確かだろう、要するに術者】

「1つ、2つ……結んで…………3つ」

【木々の間からでも分かる優しそうな銀の光はしかし現実とは乖離して】
【紡がれる数え歌は遠い記憶を辿るように儚くあって、その詩に呼応するように粒子はふうわりと揺れて風を撫でる】
【心地よさを含んだそれは頬を撫でて気持ちよくどこかへと消えて辺りへと散らばる】

「……続く4つは重なって、……――――――――」

【渦巻く銀は囃し立てるように彼の周りで踊って次を待つ】
【でも当の彼は続きを紡ぎだす様子なく、落胆するように銀色も完全に雲散霧消してしまう】
【代わりに彼の掌には「銀色のナイフ」がいつの間にかいて月明かりを受けてほのかに金に光る】

…………次、か分かんないな……つーか……
人の気持ちだって分かんないのにモノの気持ちなか分かってたまるか……。

【嘆息を溢しどこかふてくされた声】
【恨みがましささえ含まれていそうな視線の瞳は赤に紫の異色】
【そんな彼と先程までの儀式めいたモノ、人によれば魔術師か神秘に造詣深い者ならば惹かれるか】
【暫くすればまた「ナイフ」が散って「粒子」が舞って情景は朝まで繰り返されることだろう】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(長屋)<>sage<>2013/03/20(水) 18:15:00.11 ID:KZ2YzB0ho<> >>310

【ノエルの手を取りながら、その言葉に耳を傾ける】
【なるほど、確かに手はけがの心配など要らないらしい】
【ヒトならざる構造の光を見て、嘉手納は目をまた細めていて】

……お年頃かしら。格好良いだけじゃなくて、優しくもあるのね

でも、現実はそう甘くない。犯罪者は大抵、自ら人の道を外れるの
そういうヒトを構成させられるほど、世の法は良くできていない
でも私がこうして骨を砕いて、彼の手に後遺症が残ったらどうかしら?

まず二度とヒトを刺すためにナイフを握ることはなくなるでしょう
古傷が痛む度に己の行動を後悔し、慚愧するでしょう
そうしてやっと、犯罪の芽というものを摘むことが出来るの

【そのためなら爪をはがすことも、眼を潰すことも厭わない】

【嘉手納はにっこりとしたあの微笑もそのままに、冷酷で非情な事実を伝える】
【勿論それが正解というわけではない。この異様な女の理論でしかない】

まあいいでしょう。改めてノエル君、今日はありがとう
このお礼はまた後日にでもさせてもらいたいところだけど、ね

……それじゃあ、私はこれで。またね、優しいノエル君♪

【最後にそう伝えると、嘉手納はわざと鎖の部分を掴んで男の身を引き起こし】
【痛みにうめく彼をど突くようにしながら、スクラップ置き場から姿を消していった】

/そろそろお夕飯を用意しないといけないのでこのあたりで。お疲れさまでしたー! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(中部地方)<>sage<>2013/03/20(水) 18:15:26.18 ID:/zw24MUyo<> >>311

そうですね…………。
たとえ全部無くしてしまったとしても、きっとどこかに救いはあるって、そう思いたいです。

【あるいはそれは、そう願うような口調で。逆に言えば、どこかでそうではないのだと諦めて、割り切ってしまっているような、そんな言葉】
【特に意識したわけでもない、無意識に口を衝いて出たそれは、彼に流れる乱雑な感情のひとすくいだったのかもしれない】


仏閣に、ですか? はい、もちろんぼくは構いませんよ!

【…………と、次の瞬間には勢いよく黒妙の頼みを快諾する一颯がいた。その切り替えの早さは、やはり尋常ではないものがある】
【元気よくそう言う表情には、もう一切暗いものは浮かんでいない。かといって取り繕っているようにも見えず】
【一瞬で心情を切り替えられるのは、もう一種の才能と言っていいレベルだ。…………まあ、脳天気と言えば、それまでのような気もするが】

あはは、じゃあ行こうか、カナメ。

【自身の背中に"カナメ"が張り付くのを確認すれば、彼――あるいは彼女?――を可愛がるように笑って、一颯は黒妙の言うとおり仏閣へと立ち寄るだろう】
【そうして、楼閣の中へと消えていく小さな背中を、楽しそうに見送れば】
【「終わりましたよ、これでよかったですか?」なんて少し不思議そうな声色で、黒妙の元に戻ってくるだろうか】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>saga sage<>2013/03/20(水) 18:31:02.73 ID:s8fdEn5po<> >>314

【道中。 矢張り人っ子一人いない村は静まり返っていて、気味は悪いものの】
【夕暮れ時が近づいて、茜色に照らし出されれば、廃村とは言え情緒ある風景だ】
【然程距離もない。 彼が行って、そして戻ってくるまでには、15分も掛からないのだが】

「……おー、ご苦労さん
 ったく、黒妙は本当に人使いが荒いぜ……いや、妖使いか?」

【――梅の木の下、其処には黒耐えの姿は無く】
【退屈げにバスケットボールを指先で回す、一人の青年の姿があった】

【黒のジャージ姿。 灰色の長髪は高い位置で結われて、赤い目は何処か人ならざる色を持つ】
【足許には何処で寄ってきたのか、色々と買い込んだコンビニの袋がひとつ】
【ヒントのように手にしているボールが、この男が黒妙の言っていたヨスガである可能性を示していた】

【初対面であるのに気安く声を掛けたのは、】
【きっと黒妙から、相手が戻ってくる事を予め伝えられていたのだろう】
【寺への使いにするならこの男でも良いだろうに、それをしないというのは、理由あっての事か】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(長屋)<><>2013/03/20(水) 18:42:24.12 ID:aesY60N5o<> >>313

【反論の余地は、いくらでもあった】
【非人道的だ、投獄すればいい、監視をつけるだとか、他にもっとやりようはあるだろう、と】
【しかし、声にすることが、出来なかった】

【それは、理解する事が、出来たから】
【成る程、と、思ってしまったから】

【冷酷で、残酷で、人の温かみなど、そこには無い様に思えたが】
【それと同時に、合理的だと感じてしまった】

【過去の、嫌な記憶が少しだけ蘇る】
【頭の内に響くのは、幼き頃の自分の声】
【それは、失望されたことの絶望であり】
【己の人としての大切な何かが、欠けてしまったことへの屈辱】

………おかしいッス…

【嘉手納が男を連れて行き、数分経ってからようやく、言葉が口から出てきた】

……おかしいッスよ、カデナさん…

【何かが、おかしい】
【それは分かるのだが、何処がおかしいのかと聞かれれば、口を噤んでしまうのだろう】
【世界を理解するには、少年は、まだまだ幼すぎた】

お師匠…何処にいるッスか?
また、教えて欲しいッス………

【寂しげにそう呟いた瞳には、煌めく水滴が浮かんでいて】
【夕焼け空が照らす少年の姿は、髪色と同じ、赤錆の色をしていた】


/お疲れ様でしたー! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(中部地方)<><>2013/03/20(水) 19:06:43.10 ID:/zw24MUyo<> >>315
/すみません、次レス遅れます
/お待たせして申し訳ないorz <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>saga sage<>2013/03/20(水) 19:07:10.15 ID:s8fdEn5po<> >>317
/了解ですー、ごゆっくりどうぞー! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(中部地方)<>sage<>2013/03/20(水) 19:34:13.47 ID:/zw24MUyo<> >>315

…………って、あれ?

【風に揺られて花弁を散らす梅の木はきっと、そろそろ夕暮れ色に染まり始め、美麗さの種類を徐々に変え始めるころで】
【そうして、一颯が木の下へ戻ってきてみれば、そこに期待した姿はない】

【代わりに見つけたのは、見知らぬ青年の姿。さすがに一颯も、警戒を抱くが…………】
【どことなく人外の気配のするその赤い瞳と、何よりもその手にあるバスケットボールが、覚え立ての彼の記憶を刺激して】
【一度きっかけを掴めば、そこから芋蔓式に記憶を引き出し、青年の誰何を推測するのは容易だった】

あぁそっか、きみが"ヨスガ"なんだね?
ははっ、人使いでも妖使いでも、ぼくの場合間違ってないよ。

…………それで、黒妙さんはどうしたの?

【足下のビニール袋を見て、なんだか最近妙に所帯じみた妖怪と会うなあ、なんてくだらない事を考えながら】
【元来の人当たりの良さを発揮し、目の前の彼以上に馴れ馴れしい、昔から知り合いだったみたいな口調で一颯は青年に話しかけるだろう】
【最後に、ヨスガを残して姿の見えなくなった黒妙を不思議そうに探して】

/失礼しましたっ、ただいま戻りました! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(京都府)<>sage<>2013/03/20(水) 19:49:31.46 ID:OMCdAh1g0<> 【公園】

【この世界の公園というのは基本的に異様なものである】
【地面には破砕した様な跡や、火炎や雷撃による焦げ跡がある等は日常茶飯事であり、特別ソレを気に留める人は少ない】

【そんな混沌とした空間である公園でも、やはり異質な物というのは存在するもので、】

いやあ、この町は平和ですねー、本当

【 等とぼやく一人の青年が、公園にある大きめの木に、麻縄で片足を縛られ宙吊りにされていた】

【少し痛んだ青色のデニムに、薄く汚れたセーフティブーツ】
【前を開いたばかりに下に垂れる茶色のミリタリーコート。白のシャツに、黒いネクタイが顔にかかっている】
【腰には剣の鞘がかけられていて、直ぐ下に落ちている鋼鉄の剣が彼の物だとわかるだろう】
【わずかに白みがかった緑の髪に鮮やかな蒼眼。しかし滑稽な状態にも関わらずその顔には笑顔が張り付いていた】

しかし困りました……抜けれません……
このまま夜が明けてしまったら死んでしまいます……

【時折「ほっ」と声を出しながら、足に絡んだ縄を解こうと上体を持ち上げる】
【のだが、その手には刃物の類は握られていないので、足に食い込んだ縄を解けずにいる】
【手持ちの剣やナイフの類は全て真下に落ちてしまっている様だった】

【残念な事に現在この公園には彼以外の生物がいない為、詰み状態なのである】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>saga sage<>2013/03/20(水) 19:53:37.39 ID:s8fdEn5po<> >>319

「あー悪い、名乗るの忘れてたな……その通り、ヨスガだ
 黒妙? もう今晩は寝るってよ、自分勝手な奴だな全く……」

【はあ、と付く溜息が重い辺り】
【恐らくは普段から、このような主人の気侭さに付き合わされているのだろう】
【やれやれといったように肩を竦め、薄ら暗くなってきた空を見上げた】

 【(式を仏閣へ放った事と、彼が早々に休んだ事は関係しているのかも知れない)】
 【(一番初めに呟いていた、「力を貸したくても何も教えてもらえないのでは」という独言は)】
 【(此処から出られない彼が、何かをしようとしていた事を指していて)】

 【(――そして、そんな折に現れた彼に、代わりに依頼をしたという事)】
 【(独言をもし聞いていたならば、きっと辿り着ける、だろうか)】

【――ヨスガは知ってか知らずか、多くを語りはしない】
【くあと欠伸を零して、それから一颯の方を気怠げに見遣った】

「……さて、俺はそろそろ、勤めの時間だな
 お前も、こんな辺鄙な所に泊まっていくつもりじゃないだろ?
 宿を取りてーなら、早めに街に行っておいたほうがいいぜ」

【「泊まるってんなら、もてなすけどな?」なんて薄ら哂って、】
【彼も境内に戻るつもりであるのだろう、足許の袋を拾い上げる】
【語らいは終わり、依頼は成されて――別れの頃合、か】

/お帰りなさいまーし! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(中部地方)<>sage<>2013/03/20(水) 20:10:28.86 ID:/zw24MUyo<> >>321

も、もう寝るって?
なんだろ…………意外にマイペースな人なのかな…………?
いや…………、うーん…………?

【最初の独り言を、彼は聞いていたわけではない。だから黒妙が急にいなくなったことも、そんな風な半端な推測しかできず】
【しかしながら一颯も、先ほど相談に乗ってもらった最中、黒妙が会話の折々で時々細かく様子を変化させていたのには、気づいていたらしく】
【核心に触れるほどではないにせよ、心のどこかでそんな陳腐な理由ではないことを直感していたのだろう】

【仏閣に要を運んだのと、黒妙がいなくなったことを結びつけるまではいかずとも、頭の隅に引っかかる疑問として、一颯はそれを認識した】

あぁ、そうだね。そろそろ戻らないと、帰りのバスがなくなっちゃうかも。
…………ん、お勤め? 何かここで仕事をやってるの?

【神職である黒妙に使える者であるなら、別に何か特別な仕事をしていてもおかしくはないが】
【"鬼"であるらしい彼がする仕事と考えると、どういうものか少し興味がわいたのだろう】
【懐から携帯を取り出して時間を気にしつつも、最後にそう問いかける】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>saga sage<>2013/03/20(水) 20:23:19.95 ID:s8fdEn5po<> >>322

「こーんなオンボロ社だけどなぁ、主人がいついてんなら仕方ねーの
 境内を清めたり供物の準備をしたり、まあ俺がやらなきゃいけない事でも無いんだが
 神使ってのも縛られて嫌なもんだぜ……全く」

【そんな事をごちながら、ふと思い出したように袋を漁り始める】
【取り出して、彼へと徐に突き出すのは、生クリームたっぷりのプレミアムロール】

「黒妙は寝ちまっているし、コレ、代わりにお前にやるよ
 駄賃って訳じゃないが……俺じゃあ、あの寺には入れなかったからな」

【意味深な言葉。 けれど追及をされるその前に】
【受け取れば、そのまま袋を下げた片手を振りつ、社の中へと入っていってしまうだろう】

【もう片手にバスケットボールを抱えた姿は】
【傍から見れば本当に、どこにでもいそうな青年であって】
【少年と同じく妖の気配を持った鬼だなんて、言われなければ気がつけない程だった】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(不明なsoftbank)<>sage<>2013/03/20(水) 20:25:56.19 ID:HMxE/hMY0<> 【水の国――高台】
【水の国を一目で見下ろせる広場といった場所】
【ベンチと屋根がぽつんと真ん中にあるだけでそれ以外に、何も無い原っぱ】
【其処に独りの少年が立って、街を見下ろしていた】

高いところはいいね、自分が神にでもなった気がする
馬鹿と煙は高いところ好きってそういう心情を皮肉った言葉なのかな

【少年はハンチングかキャスケットのような帽子を被っていて】
【煤汚れたカッターシャツとサスペンダーをしており、同じく煤汚れたスラックス】
【腕には、畳まれたブラウンの擦り切れたコートを持っている】
【少年は街灯に眩い街並みを、嘲るような微笑を浮かべて眺めていた】

眠らない街、か
眠らないじなくて、眠れない街だと思うけどね

【少年は、街並みを暫く凝視したあと鼻で笑うとベンチの方へ向かった】
【周りには誰もいない、街灯が一つだけベンチの部分だけを照らしている以外に明かりはない】
【街より少し外れたこの場所は、唯一華やかさを感じないと言える地味なところだった】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage saga<>2013/03/20(水) 20:26:22.14 ID:oxAaC3jP0<> >>320

【――さて、青年がそんな事態になってから何分何十分経ったのだろうか】
【ひとどころか生き物の気配すらなくしんと静まっていた公園に、さくり――響くのは、確かに、足音】

…………、

【視線をやったなら。或いは待ちわびたようなひとの姿。見ることが出来るだろう】

【天蓋で煌く夜空よりも冥い髪は高い位置でひとつに結ってなお、足にかかるような長さで揺れて】
【目にかかるような長さの前髪から覗くのは、硝子玉みたいに澄んだ血色の両眼、ぱちり瞬いたなら、確かに彼のほうを見ていて】
【少しだけサイズの大きいらしいパーカーも、フリルの段をあしらって揺らすスカートも、綺麗に黒色でそろえて】
【胸元でぎゅっと抱くもの――鞘に収められた刀だろうか。漆黒に炎の揺らぎを模した飾りをあしらったもの】

……ねぇ、なに、してるの

【さくさくと砂粒を踏み潰す音は軽く、見てくれ以上にその身体が華奢だと教えてくれるよう】
【微かに警戒しつつもゆっくり近づきながらかける声は高く澄んで、まるで鈴の音のような余韻を残す】

趣味?

【――そっと傾げた首と一緒に解き放つのは、なんかぼんやりしたようなものだったけれど】
【それでも彼にじっと向けられたままの瞳。瞬いたなら、どこか疲労したような色合いを湛えていた】

/まだいらっしゃいます、かー? <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(京都府)<>sage<>2013/03/20(水) 20:41:11.85 ID:OMCdAh1g0<> >>325
【ふんっ、ともう何度上体を起こしただろうか。一向に好転しない事態に理不尽な苛立ちを感じる事十数分】
【ようやく自分の声以外の音が生まれた事に気づき、体を何回か捩じらせて音のした方向を見る】

【視界に少女の姿を認めると、こっちに来てくれ、と言わんばかりに手をパタパタさせてアピールを出す】

ああ、良い所に来てくれました!
そこに落ちてる…えっと、ナイフでいいので渡してくれませんか?

【そういうと、青年は、宙吊りになる自分の真下を指刺す】
【その地点を見ると、おそらく彼の所有物であろう物が散乱しているのが見て取れる】
【剣やら赤いマフラーやら、細長い円筒状の物体や何かのチケット。その中にナイフが三本混じっていた】
【それのどれかを手に取ったなら、青年は受け取るべく手を伸ばすだろう】

どんな趣味ですか!
違います!誰かがしかけた罠に引っかかったんです!

【少女の唐突の問いに、突っ込みを入れる様な声を出して答える】
【どうやらまだ騒ぎ立てれるくらいの元気はあるようだ】

/・へんじがない ただのしかばねのようだ <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(中部地方)<>sage<>2013/03/20(水) 20:42:38.79 ID:/zw24MUyo<> >>323

そっか…………ご主人様のために、か。なんだか大変そうだね、きみも。

【てっきり鬼ゆえの特別な仕事でもあるのかと、一応妖怪として好奇心をそそられていた一颯だが】
【そんなものは関係なく、挙げられたのは地味な下準備や作業で。それ以前に、ここまでの話で掴んだヨスガの性格からして、あまりそういった事を好むようには見えず】
【仕事の内容もそうだが、嫌々ながらもそれをこなそうとするヨスガが、彼には意外だったようだ】
【黒妙とヨスガの主従関係がそれだけ強いのだろうか、なんて勝手な予想をし】

って、あ、ありがとう…………?

【と、不意打ち気味に押しつけられたスイーツに、一颯は戸惑い気味にそれを受け取る】
【彼の持つ妖怪のイメージとはかけ離れたその姿に呆気にとられ、それ以上の追求は出来なかった】
【…………それに彼自身も、これ以上ここに留まっているわけにもいかない】
【彼は今日、黒妙から色々なことを教わった――――家に帰って、積もる話もあるのだろう】

あっ、待ってヨスガ! 黒妙さんに今日はありがとうって伝えておいてね! あと要にも!
――――それじゃ、またね!

【社の中に消えていく、普通の青年にしか見えない背中へ、今日一日で知り合った者達への別れの挨拶をまとめて、元気な声でぶつけると】
【渡されたプレミアムロールを手慰みに頬張りながら、廃村を後にするだろう】

【歩きながら、一颯は黒妙との雅やかな出会いを思い出し…………】
【薄暗くなり始めた空の上に月が昇り、その月明かりがこの境内を照らしたら、どんなに綺麗だろう、と】
【そんな子供のようなことを、考えていた】

/お疲れさまでしたー!! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage saga<>2013/03/20(水) 20:55:09.78 ID:oxAaC3jP0<> >>326

【ふぅわり、暖かに吹き抜けた風に揺れた髪。乱れたなら、細いはずのシルエットをぼやかして】
【――近づくにつれ、気付くことが出来るだろうか。その少女の零す気配、一般的にヒトと呼ばれる生き物のモノではない】
【差異としてはほんの少しだとしても、なまじヒトのように振舞っていたなら――その違和感、ひどく大きくもなり得る】

【招かれるままに歩む足。距離としては手も届くほどの至近距離で立ち止まったなら、視線は一度地面へと】
【散乱するいろいろをじぃと見つめて――そのうちに、しゃがみ込む】

たくさんひとが居るから。そんな趣味のひとが居てもおかしくないかなって……ねえ?

……わたしがこのまま帰っちゃったら、どうする?

【ざらり。細い白い指先が地面の物品をかき混ぜるように撫でて、そんなことを言う口元は笑んでいる】
【ナイフの一本を握ったなら、視線をふと上げて、悪戯めいて笑んでみたり――傾げた首は、からかっているのが明らかでも】
【ありえない話でないならば。不安でも煽るのだろうか――】

あげる

【※彼女の私物ではないです】
【伸ばされる手。ふらり立ち上がってから、ナイフごと右手を差し出したなら――】
【途中で引っ込めるというような悪戯もない。受け取ることに難はなく、】

ねえ、それ、頭から落ちない?

【すすす――と。そっと距離を置こうとするのだろう。……このひと、これ以上の手助けをするつもりはない、らしかった】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>saga sage<>2013/03/20(水) 21:03:25.23 ID:s8fdEn5po<> >>327

「……おう、伝えとく。 またな」

【壊れかけの襖を開く前に、そんな別れの挨拶を返して】
【それから入っていった部屋は、噎せ返るような花の香りで満ちていた】

【色とりどりの菊。 抜けた床からそのまま生えているそれらは、】
【それでも手入れが行き届いて瑞々しく、不思議な様相で暗い部屋を彩る】
【その中に申し訳程度に安置された丸鏡、除けば瞑想する主の姿が写っていて】

「黒妙。 そういう訳で、お前の分ねーから
 ……おい、一応言っておくがな、無茶すんなよ?」

――…………

「……まあ、お前に限って、まさかな」

【鏡の中の主は、答えない】
【余程何かに尽力しているのか、それは神使とて、計り知れぬ事であった】

 【所変わって――仏閣】

【楼閣に滑り込んだ式が、そのまま屋根裏へと薄い体を活かして入っていく】
【蜘蛛の巣だらけの中を引っ掛け引っ掛け苦心しながら進んでいけば、】
【そこに安置されていたのは、呪札で幾重にも厳重に巻かれた、真っ白な桐箱】

“――――――”

【ぴた、と人型が其処に張り付くと同時】
【悍ましい悲鳴と、黒い雷電と、邪の気配が立ちどころに箱の“外”から溢れ出した】

【呪いの札で封じるのだから、其処に秘められているのは“聖”の力】
【それを解放させる為に、人型は持てる全ての力を立ち塞がる“邪”へと放って――】

【――数刻の後。 再び静まり返った境内】
【屋根裏から真っ白な“竜”が空に登ると同時、少しだけ端が焦げた和紙がふわり舞う】
【成すべきを成せたちいさな勇者は、暫くの間、何かに喜び踊るような、そんな動きをしていたのだった】

/保管的な物も含めてしまい、大変長くなりました……
/お疲れ様でしたー! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2013/03/20(水) 21:06:10.04 ID:1AVZevsS0<> >>286
/すいみせん…、帰るの10時になりそうです。切っていただいてもかまいません <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(京都府)<>sage<>2013/03/20(水) 21:12:42.57 ID:OMCdAh1g0<> >>328

【この如何ともしがたい状況に、誰かが来てくれたことで青年は安堵した】
【しかし少女が近づき、青年は勘付く。何かはわからない、だがこの子は何かおかしい。と】
【彼女の体に熱が無いなら、あるいは生きてはいないのだというのならば、青年は二.三度瞳を瞬かせる反応を見せるだろう】

確かにそういう人も何人か見てはきましたけども……

ああ!帰らないでください!お願いします!

【冗談めいての事だったのだろうが、青年にとっては冗談では済まされない様で、】
【手をバタバタさせながら少女に助けを訴えかける。口調の端から必死さが漏れ出していた】
【そこに落ちている物品群は……特に興味を引くものは無いだろう。せいぜいチケットの正体がハンバーガーのクーポンであるということが分かるくらいだ】

ああ…ありがとうございます
本当に一時はどうしようか…ッと

【差し出された手からナイフを受け取ると、そのまま上体を勢いよく上げてナイフを振う】
【すっぱりと縄が切断されると、重力に引かれる形で体が落下を始める】
【少女が危惧していた事は青年も承知済みだったようで、上体を上げた勢いを利用して器用に体を回転させる】

【だが上手く行かなかったらしい。「ぁ痛ッ!」と声を上げて尻から落下してしまっていた】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage saga<>2013/03/20(水) 21:28:19.77 ID:oxAaC3jP0<> >>331

【違和感に気付いてしまったなら。日を知らぬような白さも、折れそうなまでの華奢さも、硝子玉の瞳も、鈴の声も】
【その総てがおかしいような気がして来る。敵意がないようだから、放ってしまえばそれまでだろうけれど】

【――体温はある。呼吸も、脈だって。生きているというに十分な活動は確かにそこにあるのに】
【誰かを真似て作った精巧すぎる人形のようだと、そんな印象を抱かせる、のだろうか――やはり、ほんの少し、ひととはズレている】

帰らないよ、聞きたいことがあるの――……。

【ばたばたと手を動かすたびに揺れるのだろうそのロープ。愉快めいて瞳を細めたなら、くすくすと笑い声を零す】
【それでもどこか褪めたような瞳は。彼が木の呪縛から逃れるまでの一部始終を見つめ続けて】

……だいじょうぶ? 頭よりマシだと、思うけど――。

【想定してた事柄とは少しだけ違っても。似たような結果になってしまったなら、差し出してみるのは空の右手】
【掴むなら。助け起こそうとする力は、見てくれ通りに弱く――頼り切るには、あまりにも頼りない】

これで貸し、ひとつね

【その右手。取ろうと取るまいと、そのうちに放つ言葉は何にも変わらない――浮かべたのは笑顔で、】
【困っているらしいひとに近づいて貸しを押し付けるプレイング――地味に、えぐい】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(京都府)<>sage<>2013/03/20(水) 21:47:21.12 ID:OMCdAh1g0<> >>332

【体温も、その生命にも、少なくとも彼の目には、一見としてわかる違いは映らなかった】
【だが彼女に対し、どことなく人間離れ……というか生物離れした様な感覚を覚えずにはいられなかった】
【生きた自立する作り物。そんな物あったかな、と彼は記憶を探してみるが、そんなものすぐに思いつくはずもなく、】
【ある程度して考えるのを止めた。何者であってもとりあえず彼女は恩人であるからだ】

聞きたいこと…?
何でしょうか、罠に引っかかっていた理由ですか?

【尻の下敷きになった自分の持ち物をかき集めてコートの内ポケットにしまっていきながら、青年は少女に問い返す】
【その表情は、笑われたことに対して少しムスっとした物だったが、相も変わらない笑顔が浮かんでいた】

大丈夫です…お尻が二つに割れそうですが…

【物品を仕舞い込むと、青年は立ち上がろうとしてから差し出された手に気づく】
【差し出された手を無為に断わる事も出来ない。青年は差し出された手に手を重なる】
【もっとも、その手にほとんど力は入れられていない。よいしょっとと立ち上がるその動作は、ほとんどが青年の労力で出来ていた】
【尻についた砂をポンポンと払うと、改めて少女に向き直った】

ええ、これで借りが出来ましたね
折角助けてくれた訳ですし、何か手伝えることがあれば言ってください。可能な限り力になりますよ

【もし困惑する姿を期待していたなら、それに関しては諦めて欲しい】
【上か、下かと言われれば、斜め気味の返事であろう。その顔は同じく笑顔である】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(広島県)<><>2013/03/20(水) 21:58:57.44 ID:OY1Jfctn0<> 【薄暗い夜の町】
【一人の男が黒い馬に跨り、ぼんやりとしている】
【カウボーイハットにガンベルトとリボルバー入りホルスター】
【ジーンズの上に着たチャップスと踵の拍車、鞍に掛けられた投げ縄】
【その格好はまるで西部劇のカウボーイの様だ】

(あいつにもらった金はとうに底をつきた…運よくコソ泥を捕まえれたが…)
(コソ泥一匹じゃたいした賞金は得られず…どーしたもんか)

【主の心情を察してかゆっくり進む馬】
【奇妙なことに堅い地面を蹄がたたいても全く音がしない】

こうなりゃ昔みたいにボンズマンに…。

【思わず心情が声に出る】
【男はそれに気づかず懐かしそうに、横一文字につけられた顔の古傷を指でなぞる】

【癖のある黒い髪が冷たい風でわずかに揺れる】
【男は寒さに顔をしかめ、今夜泊まれる安宿を探す――と男の首に着けたネックレスのひもが切れ】
【馬に当たって地面に落ちる。安宿と財布の中身で頭がいっぱいの男は気づいてないようだ】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage saga<>2013/03/20(水) 22:04:27.62 ID:oxAaC3jP0<> >>333

【――まあ、なんでもありのこんな世界なのだから】
【生きているとほぼ等しく動く人形があったって、それはきっとおかしくない】
【石や木ですら意識を宿すというのだから。それがヒトガタなら、きっと、ずっと――】

そんなのじゃないよ、別に――言いたいなら、聞いてもいいけど。

【聞きたいこと――青年の挙げたものではないと、かすかな首の動きと言葉で否定する】
【それでも、完璧に気にならないかと言えば否であるらしく――そっと、言葉を付け足したなら】
【「狩りかなぁ、路地裏とかのほうが効率良さそうなのに」なんて、朗らかな呟きは物騒にも聞こえるか】

聞きたいことがあるの。手伝ってくれるなら、それも……。

【青年が立ち上がったなら、貸した手は再び刀に添えられる】
【ずうっと抱いていること、ひどく不便そうにも思えるけれど――本人に気にした素振りはなく】

死んだひとを生き返らせるの、身体と魂はあるから、あとは、その方法

【ふわりと向ける背は、立ち去るためではなく。傍のベンチへと向かうため】
【靡く髪の向こう側、視線だけで向けられた血色が彼をじっと捉えて――紡ぐ声の温度が、少しだけ褪める】

それと、強奪できそうな宝玉の在り処。

【ざりりと軽く軽く続く足音。静止の類がなければ長くもない数歩を歩んで、そのベンチに腰掛けるはずだ】
【どんな位置であれ、彼女は一度彼へきちんと視線を向ける。白と黒と赤、その総てはきっぱりと交じり合わないまま】
【「知ってる?」とでも言うかのよう、その首が傾げられた――】

【その言葉たち。あまりに突飛で、冗談とも取れそうだけれど。その表情を見たなら、そうでないと気付けるだろう】
【きっと、どこまでも真摯で、悲痛で。それでいてどこか、狂っているような、もの】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(京都府)<>sage<>2013/03/20(水) 22:28:47.61 ID:OMCdAh1g0<> >>335

【元よりこの世界も、そういった不思議にあふれた世界だ】
【視認で体温と生死を判断し、日の光に晒されれば死ぬという自分と同じ世界の生物だろう、と結論付けた】

うーん……ならば趣味じゃないという事を言う為に言いますが、
恐らく子供達が昼間に仕掛けた罠に引っかかったんだと思います…

【言っても良い、という言葉を受け取り、青年は事について話す。恐らく誰かに聞いてほしい、という気持ちが有ったのだろう】
【しかしその内容はあまりにも……少なくとも剣を持ち歩いて道行く者に関してはマヌケも甚だしいのだが】

【青年は「うん、うん」と言った様子で少女の言葉に耳を傾ける。その中で、そういえば剣とマフラーを拾っていなかった、と足元に手を伸ばすのだが、】

…死んだ人を、生き返らせる?

【彼女の言葉に、その手が一瞬動きを止める】
【すぐにまた動き出して剣とマフラーに手をかける。のだが、それを仕舞い込み、身に着ける事はせずに少女の後を追うように付いて行く】

……魂を定着させる技術なら少し探せばあるかも知れませんが…それで納得できるのですか?

それと、僕はそういう荒事に関しては無縁でして…すみません
個人的には強奪されそうな宝玉の場所が知りたいですね、僕は

【青年はその横に腰かけたりはせず、腰かける少女の斜め前に立って向き直り、】
【彼女の言葉を、冗談の類だなんて思わずに答えを返す】
【おそらくそれは彼女の求めていた物では無いだろう。それは、彼自身がこの街に関して無知なので申し訳ないが許してほしい】
【もっとも、肝心の少女にそれは伝わらないのだが。その表情は、申し訳なさそうに、力なく笑っているのだった】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage saga<>2013/03/20(水) 22:46:18.42 ID:oxAaC3jP0<> >>336

それにしてはずいぶんとしっかりしてたみたいだけど……そう言うの好きな子、だったのかな。
将来が楽しみだね――遭いたくないけど

【恐らく子どもの仕掛けたものだろう、と。青年の挙げた説に、事実を知らない彼女は適当に合わせるだけ】
【ちいさな子どもでも掛かっていたならともかく。大人と大して変わらないのだろう彼を釣り上げられたなら、クオリティとしては上々のはず】
【それでいて、あっさり解けてしまわないような作りならば。エンカウントはしたくないなんて、冗談めかして――】

【頃合としてはベンチに向かう前、最後のとき。ちらとナイフに切り裂かれた縄を見つめたなら。それで、興味を失ったようだった】

そう。もう一度動かすの、元みたいに

【なんてことのないような肯定、その内容は禁忌に確かに踏み込むこと】
【腰掛けたベンチの軋む微かな音――古びた板を、ほんの少しだけ軋ませて。見上げる瞳は、やはり冥い】

……えっと。――半分ぐらい、でて、る
定着って、要るの? ……知らない、わたしは閉じ込めてあるけど

【……何が? 一体、何が、出てると?】
【青年を見つめた視線は僅かに逸れて、まるで何かを想起するような間。ぽつぽつ零す言葉は曖昧なもの】
【強く強く望むのは禁忌に触れること。ただ、それに対して詳しいかどうかで言えば、確かに否であるらしい】
【そっと首を傾げたなら――至極真面目な声音が、少し妙なことを紡ぐ】

わたしも、それが、知りたいの。

【――宝玉に対しては、「ですよねー」的なノリが確かに混ざる】
【伏せた瞳で溜息をひとつ吐いたなら、無色透明のまま夜に蕩けて】

…………座ってもいいよ

【足の間。挟んで立てた刀身を引き寄せて、ぬいぐるみにでもするように抱きしめる】
【彼から空いたスペースへと、視線が動いた】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(京都府)<>sage<>2013/03/20(水) 23:09:50.09 ID:OMCdAh1g0<> >>337

ええ、まったくです
本当にこの街は平和なのかそうでないのか、よくわかりません…

【しかしこういう事が日常である事は、ある意味では平穏の証拠でなのであろう】
【また同じ子の仕掛けた罠にかかりそうな予感がするが、それは気にしないで置くことにした】

……それで、もう一度その人にあって、納得するのですか?

その人が何故死んだのか、僕は知りません。その人がどんな思いでいたのかもわかりません
ですが、その人は死ぬべくして死んだのではありませんか?

【生き返らされた人は、それで納得してくれるのだろうか?】
【そんな問いを投げつけながら、仄暗い瞳を、青年は見つめ返した】
【それは禁忌を犯す事を諌めるというよりも、最終的な意思確認の様な物だった】

それはそうでしょう。馬車を動かし続けるためには御者が乗っていなければいけませんから

【半分出てる。という少女の言葉を、おそらく魂が半分出ているのだと解釈する】
【青年は人を生き返らせた事などある訳無いが、おそらくはそうで無いといけない筈だ。と思った】
【ただ身体に積んでいるだけでは動かない。操る魂が必要だ、と馬車に例えて話してみるのだった】

【宝玉の件に関しては…ただ「すみません…」と言うばかりである】

わかりました。では、遠慮なく…

【よく考えれば、自分は罠に見事釣られてからまともに足腰を休ませてないことに気づいた】
【手に持った剣だけは鞘に納め、「ふう…」等と言いながらベンチに浅く座り込んだ】
【腰をかけた瞬間に、その足腰に疲労がどっと襲い掛かる。まるでお年寄りみたいだな、と自嘲してみた】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/20(水) 23:12:07.24 ID:Y/OQ3/IOo<> 【廃墟】

【優しい月光が森に囲まれ閑散とした廃墟群を照らし出していた】
【荒れた大地に立ち枯れた木、辛うじて残っている建物ですらどれもこれも朽ち果てていた】
【頬を撫でるような夜風が吹いただけで細かい瓦礫が小さな音を立てて転がっていく】

【何もないはずのその場所には人の気配があった。月明かりとは違う人工の光が廃墟の一角を照らしている】
【そこは他と比べるとまだ風化が進み切っていない建物で、雨風を凌げる程度の壁と天井が残っていた】
【中には真新しい机と椅子、天井には電球、壁には貼り付けられたいくつもの紙】

【そして椅子に座って机に向かう一人の少年がいた】


──目的は何か……弱者のいない世界だ
方法は? ……まずは無関心を装う善良な一般市民の目を覚まさせる
意識の改革が必要だ。大多数が弱者を守るように仕向けなければ意味がない!


【彼の口からは誰にも向けられていない言葉が紡がれていた。その瞳は深い思案の色に染まっている】
【幼さの残る顔を構成する眉は出口の見つからない思考の旅によって歪められ】
【黄金色に光り輝く腕輪の先にある右手にはペンが握られ忙しなくメモを取っている】

【まるで魔術師のような深い青のローブを着込み深く被ったフードの隙間からは金色の毛髪が見えている】
【背丈はあまり高くないし歳も若い。本来であれば街で学校へ行き中等教育を受けているような年齢だ】
【だが静かな呟きと彼自身が纏う異様な雰囲気がその正体を霧の中へと隠していた】


だけど、そう、どう控えめに考えても一人じゃあ無理なんだ
かといって所謂正義組織は論外。残るはカノッサ機関だけ
それでもやれるかは正直怪しい。あの組織について外の人間は何も知らない……


【彼の声が朽ち果てた部屋と廃墟に響く。暗澹とした暗さを持つ瞳が天井に向けられる】
【喧騒から逃れるためにこの場所へ来た彼の元を尋ねるのは一体誰か────】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage saga<>2013/03/20(水) 23:30:31.38 ID:oxAaC3jP0<> >>338

【暖かい中に僅かの冷たさを孕んだ春の風。吹き抜けるたび、ふわりポニーテールが揺れる】
【長い前髪はその都度彼女の瞳を隠して――笑みの消えた口元だけが、覗いていた】

……――だって、間違いなの、こんなの。

【ぽつりと零す言葉。背景を語らないなら、彼に伝わるわけもないのに】
【刀を抱きしめる指元にぐぅと力が篭る。漆黒はしっとりと月明かりを返して、炎の飾りだけが煌いて】
【僅かな揺らぎにすら反応したなら、万華鏡みたいにころころと色を転がして――】

一緒に死んでって言ったの、わたしが
わたしのせいなの。――だから、わたしが、やるの。

【青年の投げかけた意思確認。返したのは、答えになっているかも危ういようなものだ】
【望んだことが心中だったなら。確かに、彼女が今ここに居ることは間違いと言える】
【だから生き返らせる。生き返らせて――どうしようか、なんてことは、言ってくれないけれど】

そっか、……そうだよね。じゃあ、その方法も、探さないと

【馬車のたとえ。どうやら納得してくれたらしい、ようやく覗いた瞳は伏せられて、鞘に施された装飾を見つめている】
【揺らめく色とりどりを映しこんだなら、血色をそっと彩って】

――どうしたらいいのかな。わかんないの

【こつ、と。立てたままの刀、額を軽くぶつけたなら。呟いた声は、本当に微かなもの】
【彼の自嘲に隠すようにして――ちいさくちいさく、零していた】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(愛知県)<>saga<>2013/03/20(水) 23:38:08.88 ID:UvDGDweho<> 【路地裏。】

【其の男はフラリと其処に踏み込んだ。何の他意も無く、ただ散歩のルートとして其処に入り込んだだけだ。】
【不機嫌そうな仏頂面に、左眼を細く顰める。どんよりと重く、暗い路地裏の空気を吸い続けたせいだろうか。】
【特に理由も無い苛立ちが、男の中でグルグルと渦巻いていた。】
【当り散らすように舌打ち一つして、またぼうっ、と歩みを進めると、向こう側から二つ、人影が歩いてきた。】
【過剰な装飾品を鳴らせて闊歩するそれに、無論良い気はしない。ただ其処を歩いているだけで、苛立ちは増すばかりだが。】
【彼等が通り過ぎた途端に、クスクスとした話し声が聞こえてきた。その内容も、断片的に。】

――――なんだっ、テメェ等はよぉ!!

【片割れの一人の頭部に、傍に落ちていた細長い鉄の筒を、思い切り振り下ろした。】
【金色の長髪に沈む鉄筒を放り棄てると、其の身体はアスファルトの地面に仰向けに崩れ落ちた。】
【驚いて振り向いたもう一人の顔面に、拳を叩き込む。揺らめく彼を指差して、男は怒り心頭に、こう当り散らした。】
【月明かりに照らされた男の右の瞳は、虚ろに夜空を睨み付ける、激しい上斜視となっていた。】
【左の瞳は真っ直ぐに目標を見つめてはいるが、それが、その右眼の異形の様相を目一杯増幅させる。】

俺の目を、あろうことか通り過ぎてからクスクス笑うたぁよぉ、俺を甞めとるのか!
文句あんなら直接言えばいいだらぁ!!テメェ――――ぶっ殺したらぁ!!!

【未だ混乱する彼を尻目に、男は腰元の斬馬刀を引き抜いた。長い刀身が、月光を反射し煌めくと同時。】
【男の身体が、爆音と共に前方へと急加速し、一瞬にして彼の背後へと移動していた。】
【刀剣は紅く月光に揺らめき。混乱していた彼は混乱のままに、上半身と下半身の境、腰元より、鮮血を吹き散らす。】
【其の男は血を払うと。幾分か気が晴れたと、仏頂面を軽く緩ませて、斬馬刀を鞘に納めた。】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2013/03/20(水) 23:53:22.59 ID:v5NT2rcvo<> >>341
ーーー…く、くっくっく…

【たった今、惨劇の元に一つの怒りが爆発した爆心地に、響く笑いは新たなる火種か】
【いつの間にやらそこにいたのか、男の背後に、壁に寄りかかる者が一人、この惨状を目の前にして動じていないのを見れば、その手の輩≠ゥ】

…笑っちゃうネェ…ムキになっちゃってまぁ…
くく、刀が泣くぜ、たかが事実を笑われたくらいで、そんな風に使っちゃ

【ーーー続ける言葉はバカにしたように、あるいはわかっていてそうしているように…相手を、その殺意を再び燃やそうと、油を注ぐ】
【それをするのは、水色の着流し、下駄履き、白髪のポニーテール、前髪で左眼を隠した青年である】
【首に白いマフラーを巻き、腰には帯刀、眠そうな半開きの目で口にはゲソの干物を咥えている】

そんなに怒り散らしてさぁ、腑で鍋でも作る気かい?
まあ落ち着けよ、『両目できちんと空でも見て』さ、い〜い夜だぜ?ここからはちと狭いが

【壁からゆったりと背中を離した青年は、尚も嫌味な挑発を口にしながら、にたりと笑って、空を見る】
【さて、きっと空を仰ぐ青年の姿は隙だらけに見えるだろう、何故今それを述べるといえばーーー】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>saga<>2013/03/20(水) 23:54:20.87 ID:ET6YiOBuo<> >>339

――へえ、カノッサ機関が、何だって?

【或いは唐突に、或いは少年も感づいていたかもしれないが――彼の後方より、その楽しげ≠ネ声は響いただろう】
【彼がこれに反応して背後を見たならば、一人の少女が、瓦礫に腰掛けているのが確認できるはずだ】


どうもこんばんは、お呼びかどうかは知らないけど、カノッサの人間だよ――なんつってね


【闖入者の正体は、ブラウンの毛皮コートと毛皮帽子で身を固めた少女だ】
【帽子の上に上げられた防塵ゴーグルや、両手にはめた黒い手袋、毛皮ブーツなども着込む重装備ぶりで、】
【外気に晒されているのは、顔と、帽子からチラリとはみ出た銀髪くらいのものである】
【また手袋と一体化した金属製のナックルダスターも特徴的か】


いやしかし……こんなところ≠ナこんな時間≠ノ、お勉強かい?


【軽薄にも、酷薄にも見える微笑を浮かべ、少女は語りかける】
【敵意はなく、しかし懇意もない――ただ彼女は、偶然発見してしまった因子への興味を募らせているに過ぎなかった】


別に悪いとは言わないけど……お家でやった方が、危なくない≠じゃないかな?


【――ひゅう、と吹き抜ける一陣の風が、彼女の首に巻かれたスカーフを揺らす】
【翻る赤の布地に映えるのは――――白く、鋭く刻まれた、≪19≫なる数字――――】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(京都府)<>sage<>2013/03/20(水) 23:56:32.92 ID:OMCdAh1g0<> >>340

だとすれば、貴女が無理矢理生き返らせる必要はないじゃありませんか
確かに約束を守る事は出来ませんでしたが、だからと言って執着することはありません

【そう言うと、クルリ、と赤のマフラーを自身の首に巻く】
【青年の憶測で言えば、彼女の持つ刀と自分のコレは、ほぼ同じ意味の物である】
【これはとある人物の遺品なのだ。彼からすれば、これがあるだけでその人が生きているような物なのだ】
【だが彼女の気持ちを理解できる部分もあった。境遇は違えど、彼も似たような経験があったからだ】

それでも、その人と共にいたいと言うならば……

――――貴女も、その人を追ってみますか?

【そして青年の声色から、一瞬にして優しげな雰囲気が消失する】
【その右手は既に剣の柄に掛けられていて、いつでも抜き放つ事が出来る事を表していた】

心中を決めたのならば、貴女が生きていてはいけない…

今[ピーーー]ば"一緒に死ぬ"という約束が果たせるんじゃないですか?

【その視線は少女からは外され、ベンチの前の地面に注がれている】
【だが、青年を満たす"ある意思"は、彼を完全に包みこんでいた】
【彼女に戦闘が出来るかどうかはわからない。が、先ほどまでの雰囲気が一瞬で掻き消えた事は簡単にわかるだろう】

【彼女は怯えるだろうか?それとも激昂するだろうか】
【青年はある種の賭けに出た】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(埼玉県)<>sage<>2013/03/20(水) 23:58:58.97 ID:ypte0Zowo<> 【某国・とある射撃場】
【夜の時間帯ということもあって客の少ない中、自前の拳銃を長々と打ち続ける男が居た】

【彼の使う銃は『モーゼルM1916』――別名レッド9の名を持つ古い自動拳銃である】
【リロードはマガジンではなくクリップというもので行い、全10発をうち尽くさねばリロード自体も出来ない】
【しかしその威力はそこらの拳銃とは比べ物にならない高さであり、専用部品さえあればちょっとした狙撃も可能】
【なにより、その形状が男の心を奪っていく。彼が扱うのはそんな一丁であった】

そぉら見て下さい坊っちゃん!また全弾命中だ、老いてなおなんとかって奴ですかな!?
これだけ見て頂ければ…ほら、どうです?この間のが別に負けや手抜きじゃなかったと分かってもらえるでしょう!
このビスク・フランコ、銃を握る時は何時だって大真面目!大体私がマルコ坊っちゃんに――

『―――び、ビス、コ。おなか空いたぞ、おい。お腹が、す、すいた……。』

あぁこれは失礼しました、ピーナッツクリーム入りのチョコバーなんてどうです?
いやぁというよりこれ以外無いんですがね?あと私の名前はビスコではなくビスクです、坊っちゃん。

【銃弾をいずれも的のほぼ中央にぶち込むというモーゼル使い、その名はビスクというらしい】
【中折れ帽にクリーム色のスーツ、サングラスと金銀の装飾品という出で立ちはまさしくマフィア】
【一方でマルコ坊っちゃんと呼ばれるのは膝丈程度のズボンにベストという姿の少年で】
【お世辞にも可愛いとは言えない太めの容姿ながら、ビスクが丁寧な対応をするあたり、ただの子供ではないのだろう】

【―――さて、射撃場は人数がまばら。だからこそ、二人は様々に悪目立ちしていて】
【なんとも陽気そうなその様子からして、声をかければ例のチョコバーすらくれそうな。】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<><>2013/03/20(水) 23:59:20.66 ID:bZXm6Wq60<> >>286
/遅れちゃいましたが…、切りがよかったのであれでおしまいということにしましょう。 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(関西・北陸)<>sage<>2013/03/21(木) 00:02:04.04 ID:caaHp2MAO<> >>330
/遅くなりました
/今日はちょっとあれなもんで、適当に何かして帰ったって感じで一つ…… <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<><>2013/03/21(木) 00:08:27.47 ID:GF9DL7yx0<> >>347
/はい、お疲れさまでした。 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(愛知県)<>saga<>2013/03/21(木) 00:13:18.73 ID:XI2gbJ2lo<> >>342
―――――ああん?

【ギロリ、と左眼の視線が、再度怒りに染められて背後へと向けられた。】
【着流し、帯刀、下駄。ついでに言えばゲソ。どれ等も故郷で幾度も幾度も見かけた代物であるが、そんな事よりも、だ。】
【先程、歩を進めていた時には見当たらなかった人間だ。其処に転がる鮮血と死体を前にして怖気づかないのは、そういう人間だからだろう。】
【だが、それより何より。この青年は、酷く嫌味たらしい口調で、自分の事を皮肉った。非常に、気に入らない。】

誰だぁテメェはよぉ、何時から其処にいたんだよ、あぁ?

【カツカツと、速足で青年に歩み寄る。】
【怒りに再沸騰しかけた左眼で彼の顔をしかと睨み付け、多少の抵抗は意にも介さず、彼の胸倉を掴みにかかる筈だ。】

お前も俺を馬鹿にすっか? んだったら、テメェもああしてやろうか、この野郎!!
それとも、テメェの右眼、抉り出してやるか!? 俺と同じ、眇にしたらぁか、ああ!?

【背後に散らばる五臓六腑達を指差して、男はそう青年へと怒鳴り散らした。】
【青年の試みは大成功したと言っていいだろう。隠すことなく、彼への言葉、行動に殺意を満ち溢れさせていた。】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage saga<>2013/03/21(木) 00:14:11.68 ID:40uRxiBD0<> >>344

………………。

【彼の首に巻かれる赤いマフラー。きっとふわり揺れるだろう赤を、冥い瞳が追いかける】
【急にふつと口をつぐんだなら、ともすればそれは不自然に思えて――】

……でも、わたしは、するの

【――向けた表情を見たなら、きっと分かる。執着することはないと、その言葉が、受け入れられない】
【受け入れないのは彼女の勝手とは言え、それに反発した表情は、苛立ったようなそれ。隠しもせずに】
【明確に拒絶を返す――彼の推測は大外れ。遺品といえるようなものは、家に、それはそれは大事に置いたままだ】

いやよ

【青年の声音から温度が消える。その少し前から、彼女のそれは褪めていた】
【苛立ちを隠せないのはひどく子どもめいて、今だって。隠さない棘が、あちらこちらから覗くかのよう】
【ふらり、立ち上がったなら。ざくりざくり歩くのは、数歩分――止めたいと思うなら、無理に腕でも掴むしかない】

“お父さん”以外になんて、絶対にいや――穢いでしょ、触らないで

【距離を置けたなら。手の届かないような場所で、そっと振り返る瞳は、剃刀か何かのよう】
【もしも腕でも掴んだなら――語る言葉は変わらず、最後に彼の腕を振り払うような動作をする】

【心中を乞うた相手とは、父なのだろうか。歪んだ心のその総て、探ることなど最早不可能に等しいけれど】

――ああ、そうね。たくさん殺したら、神様みたいになれるかしら?
畏れが信仰を生んで、信仰が神様を生むなら――――お父さんのこと、生き返らせること、できるかもしれない

【ふわり、身体ごと振り返る動きに髪が広がって落ちていく。その軌跡を末期の御衣黄桜にも似た色合いの魔力が引いたなら、】
【浮かべた笑顔――喜色で湛えたなら、がしゃり。思考の歪んで堕ちる音が聞こえた、気がした】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/21(木) 00:20:05.52 ID:+bMW49Hto<> >>343

【背後から声。深い思考の海に沈んでいた彼の意識が引き上げられる】
【崩れた壁の穴やかつては窓だった箇所から室内に吹き込む風が、彼に来客を告げていた】
【風の魔術師たる少年は小さな気流の変化によって予め背後の気配に気がついていた】


──以前、似たような状況でカノッサの機関員が釣れたのでね
もう一度同じ事をすれば或いは、とは考えましたが……
どうやら当たりだったようですね


【ゆっくりと彼は後ろを振り向き、暗い金色の瞳に微笑みを携えた少女を映す】
【視線の動きに合わせて順番に視覚情報が彼の脳に送られる。重装備──関心の笑み──ナンバー】
【以前に遭遇したナンバーズ、ラスラドーラ=デ=セルビエンテの16よりは低いが、十分に高いナンバーだ】

【それを認識した彼の目が微かに細められる。微かに変化した表情はまるで獲物を罠に捉えた策略家のようだ】
【腕輪の輝きが不自然なほどに強くなる。そこから魔翌力が溢れ始め部屋に流れこむ風が威嚇するかのように吹き荒れる】


貴女ほどではありませんが、危険事には慣れていましてね
試しますか……?


【彼の言葉には偽りの敵意。挑発めいたことを言っているがこれは本心ではない】
【その考えは単純なもので彼はカノッサ機関に入ることを画策していた。そしてそのために力を示すことを】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2013/03/21(木) 00:31:43.02 ID:/GWMlMbio<> >>349
ーーーくっくっく…まあまあそんなに『怖い顔』すんなよ
そんなんだからオイラの足音も聞こえないーーーいや、今は消してたんだけど

【近付く男のその見た目と威圧、それらを全く気にしない、怯む様子も無く、飄々とマイペースに皮肉って】
【胸倉を掴まれようと抵抗せず、にたにたバカにして笑っている、まるで暖簾に腕押しだ】
【おまけに、かなり接近すれば、青年から酒臭さが漂うのを感じるだろう、確かに酔っ払っているようにも思える雰囲気だが…?】

若いってなぁいいネェ…オイラは最近怒ってねぇや…

【ゆったりとした口調、夢心地な瞳で、いつか昔を思い起こすような言動、どう見ても年齢は20代にしか見えない、そう年老いているような見た目でもない】

ーーーこれだけ言ってやってるのに、アンタも大概察しが悪い
ほら、その手はオイラの胸倉じゃない、もっと『掴むべき物』があんだろう?

【一瞬の雰囲気も変わらずに、だが何か、確かに威圧感のような物が、ぬるりと青年の視線から這い出て、引っ込む】
【にたにた笑ったまま、すぅと流れる様に右手を挙げるとーーーずどん】
【指を硬く揃えた突きを、不意に音の喉に突き刺そうとする】
【巫山戯ているようだが、その力は以外にもあって、男を引き剥がすのが狙いだろう】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(京都府)<>sage<>2013/03/21(木) 00:34:27.67 ID:JAxDWw3q0<> >>350

――っ………

【ガクリっ、と狙いが外れた様に、まるで何かのコメディーの様に青年はつんのめる】
【その瞬間にはまた雰囲気が切り替わっていて、先ほどの罠にかかる阿呆な青年の物へと戻っていた】
【右手は柄から離されていて、背もたれに体を預けながら両手の指先をくるくるといじり始める】

【どう諌めたらいいのかわからないが、彼女はこのままでは危険なのだ。と考えた】
【一切を受け入れ無い様な反発に、青年は言い様の無い危機感を覚えたのだ】

【どう言葉をかけたらいいのか、どうすればこの子に何かしてあげられるのか、】
【救世主を気取るつもりなど毛頭ないが、助けられたよしみに何かしてあげられないか、と本気で考えていたのだ】

【しかし彼女が助かる方法は彼女の望むままにする事だけなのだ。そう分かると、もう彼に出来る事は何もなくて、】

……わかりました。もう面倒な事は言ったりしませんよ

それで、仮に生き返らせたらどうするつもりなのですか?

【先が不透明な彼女の先を照らす為に、そういった問いを投げかける事しか出来なかった】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>saga<>2013/03/21(木) 00:36:58.81 ID:S4HJ5VdWo<> >>351


……アハハ、そっかあ、釣られちゃったかぁ、この僕がねー


【掴み所がない、といえばそうなのかもしれない】
【少女は、見ようによっては小憎たらしい薄い笑みを、顔に貼り付けて崩さない】
【だが間違いなく、その口調には愉悦が滲み続けていて、】


ま、いいんじゃない? そういうの、嫌いじゃないし、面白い≠諱Aキミ


【そうして彼女が眼に映し込むのは、異様な腕輪の輝き】
【また強まった魔力と風も、その肌で感じ、だがそれでも彼女は微笑み続けるのか――】


――だけどね、『試す』ってのは、冗談かな?


【――と思えばそうでもない】
【その言葉の刹那、彼女はあからさまに態度を、少年に対抗するような『威嚇』へと変容させた】
【ピリッと痺れるような眼光と、言の葉】
【薄く薄く釣り上げられた口の端も、ここに至っては威圧でしかない】


そっちから来るってのなら拒みはしないけど……五体満足では帰れなくなるかもよ?
悪いけど、僕は、勝つためには、手段を選ばないことにしてるから――


【少女の右手が、おもむろに、ゴーグルにあてがわれる】
【月光を僅かに反射し、キラリと光るそれが、もし今後下げられたとしたら、きっとそれは『戦闘開始』の合図】
【彼女の手から発せられる、焼け付くような魔力が、確かにそう、言外に示していた】


【――『カー』――】


【緊張した場の中、その間を持たせるかのように、どこか近くで、カラスが鳴いた】

【……カラス=\―? こんな時間に?】

【「手段は選ばない」 ―――― 彼女の言葉だが……まさか、彼女は彼女で、『いざというときの保険』を用意している――?】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2013/03/21(木) 00:50:01.71 ID:yH095o+Co<> >>295

――・・・ああ、そうだね。確かにブラックハートの言う通りさ。
アタシ達だって、一歩間違えばどんな言葉を投げかけられていたか、想像するのは容易いよ。
もしかしたら今だって――「やっぱり力不足じゃないか」って、影では言われてるのかもしれない。

【――人間は、いつでも――力と共に歴史を紡いできた。】
【ブラックハートの語る"人間"の様はまさに、教科書を開けば小学生にでも分かるほどに――醜く、矮小で】
【強大な"力"と向き合いながらも、それを争いの中で自分のためだけに利用し続け――最後にはそれを覆い隠すように】
【我々の戦いは"義"の為の物であった――と、そう嘯く。人間とは、つまるところそんな生き物だった。】
【いつでも――力を持ちえた者だけが、語る事を許される偽りの世界。それはとても、とても――汚れて見える。】

――だけどね、アタシやアタシの仲間は――たとえ力を持たずとも、戦う事はやめないよ。
それはね、なにもアタシ達が――カノッサ機関を倒す為だけに集まってるワケじゃ、ないから。

アタシ達が本当に望んでいるのはね、ブラックハート・・・誰もが強く、生き抜ける世界を作ることなんだ。
力が無い人間でも、声を上げて抵抗する事が出来る――力を使って、自分の思い通りに世界を動かそうとする奴らを止められる――
そんな世界を作る為に――アタシは今、戦ってるんだ。

UTはね、小さい組織・・・ここに大きな力は無い。でも、だからこそ・・・アタシ達は"集った"・・・!!
勝つことでしか、力を誇示する事でしか正義が貫けないなんて、そんな事はないんだよって・・・!!

皆に分かって欲しいから――皆に、立ち上がって欲しいから・・・!!

だから、アタシは――アタシ"達"は、ここに立ってるんだ。

【決意、とも呼べるだろうか――力ある者のみが全てを定め、力無き者を踏みにじるその世界に】
【セリーナは賞金稼ぎとしての日々を送るうちにいつか――違和感を覚え始めたのだった。】
【そんな事がこの先もずっと――まかり通り続けて良いのか、と。】
【――ブラックハートのような、力を持たなかった者が――あまりにも苦しく、悔しい思いをしなくてはいけないようなこんな世界を】
【生きていくうちに、"自分さえ良ければ"と――容認して良いのか、と。】
【だから立ち上がった。たとえ大きな力がなくとも――集う事で、何かを変える意思を生み出せると】
【彼女は証明したかったから。そして――それを、辛い人生を送ってきたブラックハートにも、分かって欲しかった。】

/つづきます <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2013/03/21(木) 00:50:15.75 ID:yH095o+Co<> >>295

――残された時間は、あと二日前後・・・それは確かなんだよね?ブラックハート。

"――和泉、瑠璃。"

(・・・そんな事が、そんな酷い事が――・・・カノッサ、アンタ達はどうやら・・・)

【息も絶え絶えに――彼女が語る大切な"仲間"の話――ブラックハートの首輪が破壊されたその時も】
【セリーナは彼女から、一度も目を離さずに――身体を支えたまま、向き合って】

【――その身体から、触れあった部分から――少しでも、伝わるだろうか。】
【セリーナの手が・・・いや、身体が――静かに、滾っていくのを――】
【耳を覆いたくなるような真実――瑠璃という少女が歩む、壮絶な現在(いま)――】
【身体を人質にとられ、抵抗することも出来ずにただ――カノッサの思うが侭、動かされ――果には慰み者とされる。】
【そんな言葉を――そんな事実を耳にして――この女が、セリーナ・ザ・"キッド"が】

【――黙っていられる、ハズが無い。】

――――・・・どうやら、カノッサ機関・・・あいつ等はアタシを――本気で、怒らせちまったみたいだ。

【聞こえるか、聞こえないか――独り言のように小さくそう呟くと】
【セリーナはブラックハートの身体を――強く、抱きしめる。】

・・・安心して。

助け出す。絶対に――約束する。アタシの命を――UTとしての誇りをかけて、救い出す。

――そんでもって、許さないよ。

貴女や――・・・瑠璃ちゃんの思いを踏みにじってる"あいつ等"を――必ず、打ちのめす。

アタシはそういうね――良いかい、"そういう"―――人を舐めきった態度の『クソ野郎』には、我慢ならないんだ。

――・・・それまで、なんとかして生きて。アタシも仲間に頼んで・・・延命措置を図れるよう、相談してみる。
だから――諦めるな、ブラックハート。

――瑠璃も、貴女も・・・そろそろ、笑っていいんだ。

【――セリーナは身体を離す――帽子を取り、深く被ると――決意を、固めた。】

/本当に本当にすいません・・・!! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage saga<>2013/03/21(木) 00:51:23.02 ID:40uRxiBD0<> >>353

【――振り返った先、つんのめった青年の仕草。元へと戻る雰囲気、気配、】
【冗談の類だったと知って、ただ、少女の纏うものが、戻らない】

【立ち上がったことで高くなった位置から下ろすのは、爬虫類めいて温度のない瞳】
【その指先を、或いは睨みつけるような鋭さが劈いて――】

教えてあげない。

【進む当人にすら分からぬ漆黒の道筋。それでも目指す先は、分かっていたのに】
【敵対にはまだ及ばない。それでも、切り替えてしまった思考は、彼にその先を教えることを拒む】

【先の言葉を実行するならば。彼女はきっと、これからたくさんの屍を積み上げようとするのだろう】
【高い高い樹の枝先、たったひとつの果実に手を伸ばすために――そうして手に入れたいものが、】
【(普通に生きたいだとか、幸せになりたいだとか、そんなものだったなら。間違えてしまったのは、どこなのか)】

もういいでしょ? 今日は殺さないでおいてあげるわ

【ちぢりと、髪先から堕ちた煌めきが地面で蕩け行く、そのひとつぶを無情の足が踏み抜いて】
【向ける先は公園の外へと。立ち去ろうとしたなら、名前さえ、告げようとしない】

【――何にもないなら、そのまま立ち去ってしまおうとする、はずだ】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(愛知県)<>saga<>2013/03/21(木) 00:53:19.46 ID:XI2gbJ2lo<> >>352
【思う。こいつは何者だ、と。】
【外見上は、自分と大して変わらないように見える。が、そう考えるには何処か違和感のある。】
【この臭い、恐らく酒だろう。恐らく酔いからくる狂言。そう結論付けるのが最も容易―――なのだろう。】
【酔っ払い相手に問答は無用、さっさと殴り飛ばしてやろうと左の拳を握り締めたが、酔いが伝染ったか。】
【彼の右手の動きへの反応が、数刻遅れた。】

――――――――――っ、かっ―――――!!!!

【思わず胸倉を掴む手を離し、数歩、後退りする。右手で喉元を抑えながら、男は漸くこう考えた。】
【―――――ああ。こいつ、やる気だ、と。】
【右手を離し、左腰の斬馬刀の柄を掴んだ。左手で鯉口を切り、その、人を斬るには余りに大袈裟な刃を振り抜いた。】

甞められたモンだぜ―――――酔っ払い風情が! 望み通り、斬り捨ててやる!!

【引き抜いた斬馬刀の刃先を、激怒と殺意を籠めて男へと向る。雲が月を隠し、より一層路地裏が暗く落とし込まれる。】
【だが、男の虚ろに、頑なに上を向き続ける右目とと、暴力的にギラギラと煌めく左眼は、闇の中で、刃より強く。】
【ハッキリと浮かび上がっていた。】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/21(木) 01:01:32.68 ID:+bMW49Hto<> >>354

【部屋に吹き込む風は相対する二人の牽制に合わせて加速。徐々に強くなっていく】
【その風が彼のローブを揺らし壁に貼り付けられた紙のいくつかを強引に引き剥がして舞い上げる】
【まるでそれはこの場所の悪意と敵意のように部屋の中を渦巻く────】


随分な自信ですね。ですが貴女は直接戦闘を得意とはしないし、好みもしないはずだ
いきなり遭遇した僕に対する情報も持ってはいないというのに……
貴女こそよろしいのですか? こんなところで準備もせずに命を落として……


【尚も挑発を続ける彼に奇妙な音が暴風に混じって届けられる。カラスの声────?】
【彼は警戒心から来る危機感に一瞬だけ眉を顰めたが、悟られまいとすぐに平常心を装った】
【念の為に椅子から立ち上がる。舌戦をするにせよ戦闘を行なうにせよ座っていては何も出来ない】

【情報が少ないのは彼も同様どころか、むしろ彼のほうが少ないぐらいだった。先手を打たれている可能性が判断を難しくしている】
【カラスの声がフェイクなのか実際に何かの準備の証なのかを思考する。当然、答えが出るわけはなかった】
【未だに彼は心の中で悩んでいた。カノッサに入るのが目的への最短ルートだと理解しているが、素直に下るのは感情が拒絶した】

【──数刻の葛藤の後に、危機管理能力と黒い理性が彼の幼い感情を組み伏せ黙らせた】


……いや、バレていては仕方ないな
力を示す必要があるのなら、そのときにするとしましょう


【ペンをまるで指揮棒のように振るうと吹き荒れていた風が一瞬で止み廃墟には元の静寂が帰って来る】
【壁などに貼り付けられていた紙はその殆どが剥がされて舞い上がり、風が止めば重力に従って床に落下した】
【それらには彼の思考の痕跡が書かれており、『善良なる市民の目を覚ます』、『生きるべきは意思のある人間』などとあった】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(京都府)<>sage<>2013/03/21(木) 01:11:36.67 ID:JAxDWw3q0<> >>357

【その視線が交差する事は無かった。青年は顔を伏せ、彼の視線も、自身の弄ぶ指先に注がれていたのだ】
【指先が切り裂かれる感覚を指先に受けているのだ。これを直視しかえす事が出来なかったのかもしれない】
【その顔には何時の間にやら笑顔が戻っているのだが、それはただの笑顔であり、一切感情が漏れる事の無い様にした蓋の様である】

……そうですか…
ならばせめて、良い結果になる事を祈っていますよ…

【恐らく、というより、必ず彼女は茨の道を素足で行くよりも辛い道を通る事になる】
【もう止められない。変えられない。そうとわかれば、後はもうハッピーエンドを案じるのみである】 

【早々に殺される自信は……あるにはあるのだが無かった。無かったが、彼女に剣を向ける事は今は出来そうも無かった】
【彼女を引き留める物はこの場に青年しかいない。当人は引き留める事はしない為、その場を去る事は容易だ】

【少女が去ったその後、天を仰ぎ見る様に視線を上げる。言い様の無い敗北感に包まれるのはこれで三度目だ】
【多少打ちのめされても平然といられる自信はあったが、それももう強がりの役割すら果たせていなかった】
【僕にもう少し力があれば。久々に抱いたその気持ちを噛みしめる様に、首から延びるマフラーを握りしめた】

/おつかれさまでした!でいいのかな <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>saga<>2013/03/21(木) 01:14:42.80 ID:Hka45BH00<> >>355-356

(……そうさ……!)

【力不足――――ブラックハートから見て、『UNITED TRIGGER』は、とてもそうは思えない】
【機関が、どれだけ『UNITED TRIGGER』に頭を悩ませているか――――敵だからこそ、そこを正しく評価できる】
【だが、そんな『UNITED TRIGGER』ですら、あるいは『弱者故に』不満を抱いている人間がいるかもしれない。その言葉は、無闇に納得されてしまう】
【それこそが、ブラックハートの見てきた、普遍的な『人間の愚かさ』だったから】

――――っ、つまりは……が、うッ……! ……蜂起する事そのものが……『何かに対して』じゃなく……それ、そのものが……目的、だって……?

【機関と戦うのはあくまで手段。その目的は、人の意識変革を促す、思想の目覚めの為。セリーナの言葉を解釈すれば、そう言う事になる】
【散々機関と戦い続けてきた事が、本義ではないと言われて、ブラックハートも流石にすぐに納得できる訳ではない】
【だが――――理想主義的でありながら、どこかで現実と折り合いをつけ、力を行使する事を見据えているセリーナならば】
【あるいは、有り得るのかもしれない――――そんな風に、ブラックハートは思いを馳せた】

…………あぁ。そうさ…………う、ぐぁ……ふ、っ……ッ!
明日には、もう……こうやって起きて、喋る事も……多分…………血が、汚れて…………フレームも、軋んで…………ダメに、なっちまうだろうね……

【既に、この会話の中で、彼女の左目は限界を迎えて機能を停止した】
【残った右眼で、ブラックハートはセリーナの言葉に、分かる範囲で答える】
【――――人工血液の透析も、内部機関の研磨や部品交換も、共にそれをしなければ――――そうなるのは分かっていた】
【だからこそ、そうなってしまう前に、『仲間』の事を伝えて、セリーナがそれを望むのであれば、グラトンについて――――自分を切り捨てた張本人について】
【分かっている限りの事を、残そうとしていたのだが】

……セリー……ナ…………? ――――――――なッ

【怒りをたぎらせるその姿を、苦しげに見上げるブラックハートだったが、突然の抱擁を受けて、呆然とする】
【――――セリーナの心の内を、ブラックハートは計りかねていた】

……あんたが…………あんたが、そう言ってくれるなら…………っう……っ…………あたしも、安心できる…………
…………もう、今の機関は、昔の機関と違う…………曲がりなりにも、統制が取れてた昔とは…………
横の繋がりも、ほとんどなくなって…………裏切るか、出し抜くか、屈服させるか…………そんな事しか、考えて無い連中ばっかりに……なっちまった…………
――――でも、でも瑠璃は……あいつは…………そんな中で、生きてて良い奴じゃ、ない…………!

【ブラックハートの本音が――――凝り固まり、どこにも行き場が無かった本音が、零れ落ちる】
【あるいは、それこそセリーナの言った『仲良しこよしの迷惑連中』なのかもしれないが――――昔の機関は、まだ風通しの良い組織だった】
【背中を預けるに足る『仲間』が、確かにそこにはいた】
【――――ただでさえ隷属を強いられ、鬱憤を溜めこんでいたのに、横に並ぶ仲間すら信じ切れなくなり、ブラックハートも限界だったのかもしれない】

…………あんたが、そう言うのなら…………うぐッ……はァっ……!! …………何とか、食いしばってみるしか……ないねぇ…………

【――――徐々に、吐き気がこみ上げつつあった。胃の中身など、既に空っぽだと言うのに】
【内蔵が、本格的に逝かれ始めているのかもしれない。その前に――――生き死にの境界まで追い込まれる前に】
【ブラックハートは、自分にできる事を――――セリーナの求める何かを、残さなければならなかった】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2013/03/21(木) 01:15:41.27 ID:/GWMlMbio<> >>358
【男を離すのに成功すると、左手で刀の鞘を掴み、鞘ごと帯から抜いて、左手に持つ】
【自身の得物を確かめる様に、顔の前で鍔を親指で持ち上げ、刃を僅かばかり露出させると、更に強くなる酒臭さ】

…いい刀だネェ、人を斬るには些か大仰だが
くく、良きかな良きかな…

【チン!とわざとらしく音を鳴らし、刃を納めると、鞘を腰の高さへ、右手は柄へと】
【腰を落としたその構えは、居合抜きの物だと見て取れるだろう】

…だが、まだ甘い
[ピーーー]、[ピーーー]と口を動かす暇があるならーーー

【その構えは、構えた後でもゆったりとした雰囲気の青年もあって、待ち≠フ体制とも見て取れる】
【しかしそう考えるのは命取りだ、何故なら次の瞬間にはーーー】

【ーーーカカカカカカッ!!=z

【まるで連射砲のような足音と共に、猛スピードで男に接近するからだ】

さっさと来いってんだ

【男が接近を妨害出来なければ、いとも簡単に間合いを許してしまえば、目にも留まらぬ早さで、居合抜きを斜めに放つ】
【左下から斜め上に切り上げる刀は、その刃が濡れ、液体が滴っている】
【刃を濡らすのは酒ーーー刀身から湧き出る酒が、常に滴っている、斬ららば酒気を相手に滲みこむだろう】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>saga<>2013/03/21(木) 01:19:51.89 ID:S4HJ5VdWo<> >>359

【少女は、少年の挑発を、黙して聞いた】
【かかってくるならば容赦はしない――極めて単純明快な論理だけを指針として】
【しかし結局、少年はどうやらこの場では矛を収めるらしく、】


……オッケーオッケー、聞き分けが良いのは好きだよ
こわーいカラス≠ウんの手を煩わせるのも、後々が怖いからねー


【この少女もまた、魔力を鎮め、ゴーグルに掛けた手も下ろされた】


さて、落ち着いたところで、少しお話でもしようか?


【然して穏やかな様子に戻った彼女は腰を上げる】
【ぱらぱらと砂埃を軽く散らしながら、一歩、前に出て】


キミ、さっきは「カノッサ機関員を釣った」みたいなことを言ってたけど――


【また一歩と、ゆっくりと着実に、少年の下へ向かう】
【今のところはさほど近い距離でもないが――少年のいる区画へ足を踏み入れるのも時間の問題か】


――一体、何が、目的だい?


【彼女の目の端には、『善良なる市民の目を覚ます』『生きるべきは意思のある人間』――そんな焦臭い文字が引っかかていた】
【眼前の少年が考えていること……それ次第では、一層面白くなるかも≠ネんて、ひょっとすれば短絡的な思惑で、彼女は、尋ね掛ける】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage saga<>2013/03/21(木) 01:23:36.98 ID:40uRxiBD0<> >>360

【遠慮なんてどこかに置き忘れたように注ぐ視線。そうしながら思考するのは、これからのこと】
【生き返らせたいと願うことは絶対。それだけは揺らがないなら、あとは、その方法だけ】
【考えられるだけのことをぶちまけることは既に何度もして。新しくひとつ増えたことを思考に混ぜたなら、】

……じゃあね

【――頭が痛いような、そんな気が、した、気がする】

【(ただ普通に幸せになりたいだけなのに――)】

【始めに姿を見せたときと同じ。軽い足音はどこまでも軽く、その背中はやがて夜に蕩けて消える】
【その背中を追いかけたのは、半分のお月様と、渦巻くちいさな風の一陣だけ――】


……――お父さん、

【暗い冥い路地裏の奥に燈った炎の明かり。炎がのたうつなんて、変だろうか】
【やがて塵すら残さずに掻き消える先を見つめる瞳は、きっとどこまでも澱んでいたという】

/おつかれさまでした! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>saga<>2013/03/21(木) 01:37:38.89 ID:yH095o+Co<> >>361

――"機械"に詳しい仲間に――応援を頼んでみる。
まずはブラックハート、貴女の延命を図ろう。
用意できるものは――なんとか、用意したいって思う。

でも――延命もずっとは続かないだろうから。
"取り戻す"必要が在る――貴女の血液と、パーツを。
グラトン――貴女の上司を見つけ出して、研究所まで貴女を連れて行く――そして、修理させてみせる。

――もち、全員に反省はしてもらうけどね。

【――今後、セリーナが行うべき"行動"――その流れをおおまかに、説明する。】
【まずは用意できるだけの装備で延命を図り――タイムリミットを引き伸ばす。】
【さしものセリーナといえど、UTの情報網と言えど――二日以内にグラトンを攻め落とす事が出来るとは思えない。】
【なにより、このまま痛々しい姿をずっと見ていられない――彼女には、少し楽にしていて欲しかった。】
【そうして延命措置を図った後、ブラックハート自身を"連れて"、カノッサ――グラトンの居場所へと攻め入る。】
【機器と手術が可能なメンバーを押さえ、あとは彼女を元通りに修復させる――これが計画の流れだ。】

【――とても、計画と呼んでいいほどのものではない。大胆かつ無謀――しかし、これこそセリーナの持ち味だ。】
【敵が予想だにしない一撃を真横から突き入れる――UTという小さな組織だからこそ、身軽に動けるはず。】
【そしてそれには――ブラックハートからの、情報がなによりの便りで。】

喋れなくなる前に、教えて欲しい――瑠璃ちゃんの居場所、そしてグラトンの現在の情報――
研究所の大きさ、兵員の量、武装のレベル――分かることは全て、アタシに言って。
口に出すのが辛かったら、書いてくれても良い。ともかく――この戦いには、

――ブラックハートの情報が重要になってくる、なによりもね。

・・・瑠璃ちゃんをそんなところに、いつまでも放っておけないんでしょう?
アタシだってそんなの見過ごせない。救ってみせる。

・・・その瞬間が来たとき、瑠璃ちゃんにあわせる顔がないと、困るのはブラックハートの方だよ。
だから――踏ん張ろう、一緒に。
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/21(木) 01:39:09.56 ID:+bMW49Hto<> >>363

【戦闘は回避した。恐らく外の鳴き声はフェイクだと彼は読んでいたが今となってはどうでもいい】
【本題はここからだ。これから起こることこそ、彼にとって最大級に重要な分岐点となり得る】
【その重要性に少年の表情が厳しく引き締められた。そして真っ直ぐに相手を見据える】


貴女がカノッサ機関員の、それもナンバーズであればこれから僕のする話は恐らく面白くない……
と、殆どの人間は感想を述べるでしょうね。そして同時に正義組織の人間が聞いても同じだ、と


【椅子を少女の方に向けてから浅く座って彼はゆっくりと話し始めた】
【手に持っていたペンは机に置かれて細く白い両手の指が膝の上で組まれる】


そのあたりに転がっている紙と、僕の独り言をお聞きになっていたのであれば凡その見当はつくでしょう
僕の目的は単純明快。この荒れ果てた無法の世界を正しき姿に戻すことです
弱者が弱者でなくなり、また強者も存在しない。全ての人間が等しく幸福を享受できる世界……
それが僕の目指す、そして目指すべき世界の姿です


【少年の言葉は冷静で静かだった。夢を語る幼い子供のものではなく、崇高な目的を語る革命家のものでもなく】
【それはまるで学者や研究者、或いは思想家のものだった。ただ純粋に『正しさ』のみを語っていた】


しかしそのための具体的な方法が未だに立案できていない
明確になっているのは一人では不可能なこと、“一般的な”正義を語る人間には理解できないこと
そしてそれらから論理的に導き出される結論として、カノッサ機関に入ることが目的への必要条件であることです

と、こんな具合ですが?


【彼は言い終わると一息つき、背もたれに背中を預けた。少女を見つめる瞳には微かに不安が揺らぐ】
【この目的を説明してどうなるかは彼にとっては完全に賭けだった】
【正義組織がダメなのは明確だがカノッサ機関だからといって通じるという理屈もまた、存在しない】

【場合によってはやはり戦闘が避けられない可能性がある。緊張のせいで彼は無意識に両手に力を込めていた】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(愛知県)<>saga<>2013/03/21(木) 01:45:53.89 ID:XI2gbJ2lo<> >>362
(アイツの剣―――――なんだありゃあ、鉄よりも、血よりも―――――)

【酒臭い。】
【只の酔いどれ剣士と思っていたが、どうやら予想よりも大物かもしれない、と。斬馬刀を、両の手で握る。】
【鞘を腰へ、柄を右手に握り締め、腰を深く落としたその様相は、何度も見かけた居合抜きの形。】
【で、あれば。彼は言うに及ばず、待ちである。されど―――――男は、此処で引くような性格ではない。】
【男は準備した。居合抜きに真っ向から打ち崩すべく、右足の調子を整えた、が。】
【青年は、何事かと思えるような速度で、こちらへと向かってくる。男は、咄嗟に右足で地面を蹴り飛ばした。】
【瞬間、右足から爆音と共に圧縮された空気が爆発し、それを推進力に男は前方へと投げ出される。】
【否。正確には、男から見て左前へと、極短距離を高速で駆け抜けて行く。着地点は、青年から見て右。】

意外と大物じゃんかよぉ! ガタガタうるせぇ酔っ払いと思っとったが!!
その首落として土産にしたらぁ!――――俺の手柄になりやがれ!!!

【男の上着が左下から右斜め上に駆けて斬られていた。其処からは無論、鋭い刀傷が走る。】
【しかし男はその傷を意にも介さず、いや、其の傷と、其処に塗り込まれた酒に、顔を歪ませながらも、剣筋はブレず。。】
【斬馬刀を両手に握り、左から右へ、振り回すように大雑把に、腰元から彼を寸断しようと剣を奔らせた。】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2013/03/21(木) 02:06:38.42 ID:/GWMlMbio<> >>367
【閃いた刃は、キラキラとした雫を零し、辺りに酒臭さを撒き散らす、当然これは呑む事も可能だが、今は『一口どうぞ』なんてしている場合でもないだろう】

(浅いーーー動きが早い…いや、何らかの力かーーー)

【一歩踏み出すその動き、蹴り足の動きにしては音も早さも単純な技術とも思えない】
【ならば、この世界の常識に乗っ取れば、自ずとその考えが出るのは自然であった】

【返しに振られる斬馬刀、その威力は転がる死体を見れば明白、ならばまともに受ける訳にはいくまい】
【ーーー鳴り響いた金属音は、攻撃を刀で防いだ証】
【攻撃した体制そのままから、向きを変える事無く、右手を後ろに持って行き、下向きに立てた刀で斬馬刀を受け止めて】
【無論片手で防げる代物でも無し、ならば両手でと、なんと左手も背中側に回して、持っている鞘も使い、鞘と刀を平行に並べての防御】

ーーー持って帰るかい?オイラの首を
鬼≠フ首を取りゃあ、そりゃ大騒ぎも起ころうさ、やってみな、オイラは構いやしねぇから

【だがしかし、斬馬刀という代物、いかに両手とて抑え込むにはちと難儀、しからばこの青年、男が込める力を利用してーーー】
【『男が元々そう振る筈だった』方向に刀を受け流しつつ、自分はひょいと宙返りして斬馬刀を受け流す】
【成功すれば、着地して、刀を鞘に納めながら後ろ歩きで距離を取るだろう】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>saga<>2013/03/21(木) 02:08:29.33 ID:S4HJ5VdWo<> >>366

【少女は、ある程度まで近づいたところで、その足を止める】
【手が届かず、しかし互いの顔を明瞭に認識できる距離――】
【語り合う≠ノは、必要にして十分なその距離で、彼女は、少年へ、真っ直ぐと灼ける視線を送る】

【そして、真顔での静聴】
【つらつらと流れ出る少年の思想を、その身でしかと受け止める】

【彼の目指す世界……カノッサへの加入希望……】
【聞く人が聞けば頓狂でしかないその野望を、彼女は茶化すでも、相づちをうつでもなく、誠の静聴でもって対応した】


【さて、少年が語り終わる頃、彼女はいかなる感想を抱いただろうか】
【……しばしの間があって、遂に、彼女は口を開く】


――――ははーん、キミも中々隅に置けない≠ヒ


【と、何を思ったか、彼女は、くるり、と少年に背を向け、夜空を仰いだ】


……いやね、カノッサってのは、混沌≠目指す組織だ
すなわち、それがキミの言う『目指すべき世界』だってのなら、カノッサに入ろうという気概は間違っちゃいない
是非ともカノッサに入ればいいさ、拒まれはしないだろう

……けれど、どうかな……? その先にあるのは、カノッサの支配する『混沌』≠ネんだ


【少女はゆっくりと、右手を、月に伸ばすかのように、挙げていく】


そこには厳として『カノッサ』という『強者』が君臨している
……全ての人間が等しいように見せかけて、カノッサだけは例外になってしまう

それって、面白くない≠オ、もしかすると絶望的≠セ

――だったらさ……


【伸ばされた少女の手が、柔らかく、握り込まれて――】



…………キミさ、カノッサを踏み台≠ノして、正義も、悪も、カノッサ自体も、全部――そう、全部=A同じ高さのステージまで、引きずり下ろしてみなよ
それこそが、至上の平等≠スりえるんじゃないかな?



【親指≠ェ立てられたかと思えば、手首が、ぐるりと反転=\―親指は、地≠ヨ、その先端を向けていた】



僕は、カノッサ機関麾下遊撃軍=痺Jエルレウム・ナーウィス≫、最高指揮官、≪No.19≫の『ヴェンツェル』――――

――――望んでいるのは、そう、至上の平等≠ニ、至上の愉悦=c………さ



【そうして再び、彼女は少年へと振り返るだろう――無垢な子供のような、笑顔を、携えて――】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>saga<>2013/03/21(木) 02:17:26.70 ID:Hka45BH00<> >>365

――――人脈は、やっぱり…………うぼッ……あるん、だね…………

【武力組織では、人の力――――技術や知識が重要になる】
【『UNITED TRIGGER』でも、その力はあるようだと、ブラックハートはセリーナの言葉から理解する】

…………鬼の居ぬ間に、洗濯……かい…………?
……随分、大胆な…………ゴホッ、ゴホッ…………ぅ……………………

【――――確かに、あまりに荒唐無稽な作戦と言わざるを得なかった】
【修理できる環境が、そこにしか無い以上、理に適っていると言えば適っているのだが】
【普通なら、そんな事を考えたりはしないだろう。敵地で相応の時間、必要とする行為なのだから】

けど…………それこそ…………本当に真っ当な『賭け』…………かな…………?

【だが、自分が生き残るためには『賭け』が必要だと言う認識は、ブラックハートにもあった】
【自分のその認識に照らしてみれば、決してこの話、ピントがずれている訳ではない】

瑠璃の事は……ごめん、分からない…………ただ、あいつ、本当なら≪No.8≫のはずだったんだけど……いつの間にか、入れ替わってた…………

【一番の問題点――――ブラックハート自身にしてみれば、自分の延命よりも――――についての情報は、あまり多くなかった】
【詳しい話をしたかったのだが、瑠璃にはそんな事を出来る時間さえ許されていなかったのだ――――それを、ブラックハートは尚も悔やむ】

グラトンは…………≪No.6≫…………機関の、一線級の科学者……それは、いいよね?
ぐ、ぁっ…………、…………研究所は、風の国、夜の国、雷の国に、分散されてる…………
あいつは『能力者に勝てる兵士』を作る研究をしてた…………だから、あいつ自身よりも、率いてる…………兵隊の方が怖い…………
兵士の装備を強化したり……肉体を強化したり…………あたしみたいな、最終的には…………あたしを超える兵士作るのが、目的だから…………
機械式の剣とか……ロッドとウィップを兼用できる武器とか…………何でも解かせる銃弾を撃てる、銃とか…………そう言うのが、奴の得意さ……!
――――けど、何より不味いのが…………あたしを後ろから撃った時…………あいつの、隠し玉が…………いたんだ……良くは、見えなかったけど……
多分、あたしを切り捨てた後の、後釜…………それが、3人…………!
あたしより強いのが…………多分、間違いないと思う…………それが、あいつの切り札…………

【持っている情報は、やはり自らを隷属させていた、グラトンの物が多い】
【3か所に分散している研究所、『能力者を超える兵士』、そして――――ブラックハートを切り捨てる判断に至った、そのきっかけとなった3人の兵士】
【――――その脅威は、ブラックハートが恐らく、誰よりも分かっているのだろう】

…………あたしのメンテナンスをするなら…………3か所の、どこに行ってもいい…………どこでも出来るように、用意はされてた…………
けど、一番良いのは…………あたしを運ぶための、トレーラーを……奪う事かも、知れない…………
本式とまではいかないけど…………そこでも、あたしのメンテナンスは、出来る…………緊急時にも、対応できるのがね…………

【そこまで結んで、ブラックハートは疲れた様に息を吐きだす】
【体調の優れない中で、ここまで話し続けて、流石に疲れたのかもしれない】

/すみません、フリーズで一端文章が吹き飛んで、遅れてしまいました……orz <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/21(木) 02:27:18.25 ID:+bMW49Hto<> >>369

【少女が口を開くまでの“しばしの間”が彼にとっては永遠のように感じられた。まるで判決を受ける罪人のような気分だ】
【途中で手が痛くなってきたので肘掛けに両腕を置いた。それでも無意識に肘掛けを強く握ってしまう】
【地獄のような時間が過ぎ去ったとき、やっと少女の口が開かれた】

【少女──ヴェンツェルの話した内容は彼には僥倖ともいえるようなものだった】
【全ての平等。言葉として語られるだけで彼の中にある強い目的意識を刺激する】
【彼女の笑顔に──凶悪な笑みに惹き付けられすぐにでも手を伸ばそうとする自分がいることに彼は気が付いた】


……なるほど、自分のものと比べても更に大仰な計画です
しかしその方法は? 全てを同じ高さのステージに、とは具体的に何を意味するのですか?
また、貴女のその名が偽りでない限り、貴女は十分な戦力と資金力があるようですが、一体何故、僕にその話を?
僕にとって僥倖といえるほどに旨すぎる話だ。だからこそ、このあたりの認識が違っていては困る


【彼の声は偽った冷静さだった。その内に秘める興奮と衝動が隠しきれずに早口になっていた】
【この質問が無意味に終わるであろうことに彼は気がついていた。恐らく殆どは入ることを前提に教えられるだろう】
【もしもそう提案された場合、自分はその誘惑を振り払うことはできないだろう。気がついていて尚、彼は聞いたのだ】

【湧き上がる興奮が彼にそうさせてしまった。無意味で冷静さを欠いている判断を】
【肘掛けから手を離し、また膝の上で組んで前屈姿勢になる。話に惹きこまれているときの人間の特徴だが彼は気がついていない】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(愛知県)<>saga<>2013/03/21(木) 02:32:40.94 ID:XI2gbJ2lo<> >>368
【甲高い金属音。生半可な強度の刀など、そのまま叩き折らんとする斬馬刀の一撃は、ならばとばかりに鞘と刀。】
【その両方を用いて、受けるに万全な態勢に非ざる状態でありながらも、馬をも斬らん斬撃を防いだ。】
【それだけに飽き足らず、其の剣戟を更に受け流し、宙返りの後に後ろへと、刀を納めつつ距離を取った。】
【男は、斜めに斬られた傷から流れる血を左の指先で触り、自分の顔へと近づけた。】
【数回、その臭いを嗅ぐと、ふぅ、と大きく息を吐いて、斬馬刀の切っ先を青年へとむける。】

……鬼? テメェ、鬼なんか!! 鬼の首ともなればある程度の昇進は確実!!
そうとなりゃあ益々戦果をあげにゃあならん! その首、この菅野康作が―――――

【そう言って、身を低く屈めると、片手に斬馬刀を強く握り締めて、青年の下へと駆け出した。】
【先の青年の猛スピードとも、爆音による高速移動術にも劣るが、単純に距離を詰める為の全力疾走。】
【それでも、大太刀を片手に握っているとは考えられないほどに、ブレなく、非常に素早く距離を詰めんとする。】

――――――――頂くぜぇ!!!!!

【そうして妨害なく接近できたなら、男は斬馬刀を両手で握り締、担ぐような形で左肩へとその刃を置き。】
【そうして、跳ねる。僅かに宙に浮いた状態で、男は斬馬刀を青年に向けて袈裟斬りに、一閃するだろう。】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(長屋)<><>2013/03/21(木) 02:33:58.74 ID:aFXMcv1lo<> 【水の国】
【深夜の公園】

ふっ…ふっ…ふぅっ……!

【眠らない街、とはいえ夜も更ければやはり出歩く人は僅かで】
【大体の人間は屋内で活動し、屋外で活動する獣はとうに寝静まっている】
【──夜行性の生物は例外だが】

駄目、ッス、なんか、寝れない、ッス

【ここに、夜行性でも無いのに外で活動する人間が一人】
【身長は170cm程だろうか、赤茶のツンツンヘアーを黒のヘアバンドで押さえつけて】
【黒いタンクトップを汗で濡らし、己の肉体を磨く少年】
【右腕一本での腕立て伏せを終え、荒くなった息を整える】

疲れたら、ぐだぐだ、考えるのも、出来なくなると、思った、ッス、けど、ふぅーっ…

【今日────正確には昨日の夕方に起きた出来事】
【そこで出会った人物】
【それが頭の中でぐるぐると回っていた】

まさか、腕立て伏せしてる間にも、ずっと考えちゃうなんて、重症ッスね…

【冷徹で、残酷で、しかしそれも正しい一つの正義の形】
【それを目の前でまざまざと見せつけられて、説かれた】
【その時の事が納得できず、考えようと頭を働かせるが、その事を考えると胸の奥がもやもやして、なんとも言えない気分になるのだ】

うああああ…わかんないッス
僕は間違ってるッスか?それともあれが間違ってるッスか?
たしかに悪い人は悪い人ッス…でも、だからと言って無為に傷つけて良いわけ無いッス!
でも、あれは戒めるためのもので…再犯も防止してるッス………

なんかスッキリしないッス!!!

【周りに人が居ないからなのか、それとも普段からそうなのか、空に向かって不満を叫ぶ】
【その姿は、宵闇の中では異質で】
【誰かの目に留まれば、興味を引くのではないだろうか】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2013/03/21(木) 02:54:52.65 ID:/GWMlMbio<> >>372
菅野康作ーーーそれがアンタの名かい?

【菅野と名乗った男が、距離を詰めようと駆け出す、その頃には、青年は既に構え直していて】
【斬馬刀という大物を片手に、それに素早く接近してくる菅野を前にしても、一歩も怯まず、気圧されない】

…人の身であれど、一線超えりゃ鬼ともなろうよ
誰が語ったか覚えちゃいねぇがーーー

【飛び込んでくるのを見ても尚、語る口は止まらずに】
【跳んだ勢いと体重をかけた斬馬刀の攻撃、これこそ防御なぞ意味を成さないだろうか】
【ただ、一つ覚えの馬鹿ならそうだーーー青年は、防御が難しいと判断すれば身を躱す】

【ほんの僅かーーー体軸をずらす程度にしか思えない動きで、最小限に右に体を傾け、しゃがみ、斬馬刀を躱す】
【左肩の表面の肉が削ぎ落とされる程度には、刹那の回避】

【こんな刹那の見切りをしたのは、当然反撃を手早く行う為に】
【肉が落ちる痛みなど気にしない、刀を抜く青年の目が、キラリと光った】

ーーー妙義、四つ払い=[ーー

【ーーーそれは、一つの居合抜きーーーのように見える】
【それ程までに素早いだけの事ーーーなんて事ない、ただの四連続の居合抜きだ】
【まるで魚の下ごしらえに切れ込みを入れる様に、平行な四つの払い斬りーーーそれを、菅野目掛けて放った】
【素早さに特化した居合抜きは、引っ掛からないように一撃一撃の太刀は浅いーーーただ、刀の特性がある】
【酒に濡れたその剣、酒気が入れば当然相手はーーー酔っ払う=z <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>saga<>2013/03/21(木) 02:54:55.85 ID:S4HJ5VdWo<> >>371

――『何故』って……簡単なことさ
僕は、手段を選ばないんだ
つまり、初対面の誰かに、大袈裟に自分の野望を語ることだって、面白そう≠ネら、大いにアリ≠ニ思っている人間なんだよ

例えばさ、キミがここで僕に対し、『そんなことは許せない』となれば、それは面白いし、
『最高だ、協力させてくれ』なんて話になっても、僕には得だ

……利己的な話で悪いけどさ、どう転んでも、至上≠セと、僕なんかは思っちゃうんだよね

【――このヴェンツェル、もしかすれば、ただの向こう見ずな人間にも見えるかもしれない】
【だが手段を選ばないと言うことは、すなわち、周到な策≠巡らす用意が多分にある、ということの裏付けでもある】
【そう、少年に釣られたように見えて、実は、釣りに来ていた――なんてことも、あり得るほどに】


……それと、方法や、『同じ高さのステージ』の意味とかだけど……
それは、まあ、ここで語りきれるようなことじゃあない

ただ全く答えないってのもどうかと思うし、かるーくふれておくとだね

要は――『どいつもこいつも、調子扱いてる奴は、ひっぱたいて目を覚まさせてやる』ってことだよ


……キミだって、察しくらいついているだろ? …………そう、戦争≠セ――――


【声の調子に強弱を付け、大袈裟な身振り手振りを駆使するヴェンツェル】
【月下の寂れたステージに立ち、食い入る聴衆を更に引き込まんとする彼女は、まさしく演説者のようであった】

傍観者≠ゥ……カノッサを狩る正義≠ゥ……それとも、世を浸食する船≠ゥ――キミは、好きな立場で戦争を迎えればいい

【……そうしてヴェンツェルは、更に、数歩、前に出て】


……この船≠ノ乗る気があるなら、おいでよ
キミさえよければ、カノッサ本部側でも、僕の直属でも、お好きなように、カノッサの人事部に話を通しておいてあげよう


【――言い終えて、ヴェンツェルは、その右手を、そっと優しく、少年へ向けて差し出してみるだろう――】
【歪んだ野望を抱く少年を確定的に導き寄せる=A爽やかな悪魔的笑顔を向けて……】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(愛知県)<>saga<>2013/03/21(木) 03:16:56.39 ID:XI2gbJ2lo<> >>374
【斬馬刀が返す感触は、斬馬刀が抉った感触は、青年の肩の肉一つ。】
【右の瞳が変わらず、夜の帳を見上げ続ける中、左の瞳は初めて好戦的な物以外の光を灯らせた。】

  やば―――――

【酒の臭い。】
【今、着地したばかりの身体に何が出来るというのか。 当たり前だが、大袈裟な回避行動など取れる訳も無い。】
【一閃。 否、四閃。】
【ズパッ、と、自分の体に切り込みが入るのがよく分かる。 然しながら、如何にもその数が多い気がする。】
【一度の居合で体を四回斬られる、何て状況にはそうそう陥らない。 正しく、鬼の所業だろう。】
【剣を取り落す。】
【目の前が歪む。頭に靄がかかったようだ。まるで酒を飲んだ時のように。血も足りないような気が。】
【―――――――――― 一般的に、酔いが回ると、判断力が著しく低下するといわれる ――――――――――】

 菅野康作、俺の名だ、覚えと――――――――――

【四度。斬られた男は、されど未だ頭の中は、敵の撃滅一つとなっており。尚、右足で地面を蹴り飛ばした。】
【直後、爆発音。圧縮された空気の爆発を推進力として、男の身体は直線的な加速を可能とする。】
【目標、”鬼”。徒手空拳たる菅野康作の攻撃手段―――――】


  ――――――――――けぇ!!!!!!!!!


【――――――――――加速に乗せた頭突き、である。】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/21(木) 03:17:24.60 ID:+bMW49Hto<> >>375

【それは悪魔のような誘惑だった】
【この言葉を信じこの手を取れば二度と真っ当な道が歩めなくなるのは明確だった】
【力への渇望──師が何か注意を促していたような気がするが、彼はもうそれが何だったか思い出せない】

【ただ彼はじっと差し伸べられた手を見つめていた。無機質な瞳で、無感動な表情で】
【葛藤はなかった。どうすべきかなど決まりきっている。ただ、何かの残留が彼にあることを想起させていた】
【かつて自分が目指していたものは何だったのか。何故だか場違いに、彼はそんなことを思い返していた】

【思い出すよりも先に、彼の右手はヴェンツェルの手を取っていた。そして彼は立ち上がった】


僕の名前はアルフォンス=ヴェント
どちらかといえば貴女の目的の方がカノッサそのものの目的よりも僕に近い
今は貴女の下につく気はありませんが、協力も惜しみません
ひとまずは本部所属が互いのためでしょう。貴女とて、ナンバーズの協力者が多いに越したことはないでしょう?


【彼の瞳には邪悪な炎が宿っていた。夢でも希望でもなく、野望の光が燈されていた】
【釣られたのは自分かもしれない。そう考えながらも彼は微笑みを携えている】
【ヴェンツェルと同じような、暗澹とした暗い微笑みを】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>saga<>2013/03/21(木) 03:18:12.56 ID:yH095o+Co<> >>370

――どうなるかは、まだアタシにも分からないけどね。
ただ・・・その人脈にどこまで命を引き伸ばせられるかは、不鮮明だ。
だから・・・良いかい、ブラックハート。これは貴女自身の、賭けでも在るからね。

【――果たして、彼女の仲間ですら何処まで持ちこたえられるか――まだ無明の先は見えず。】
【しかしそれでも今は止まっていられる時間などなかった――セリーナは、ブラックハートは、動かなくてはならなかった】
【だからこそ励ます――"頑張って、堪えてくれ"――と。】

・・・ああ、そうだよ。ひょっとすると、鬼を蹴散らしてその隙に――・・・って、随分手荒くなる可能性もあるね。
大胆だと思うし、自分でも馬鹿げてるとは思う――・・・けど、アタシにはこれ以上の考えが浮かばない。
あとは――賭けに勝つこと。大丈夫、アタシはいつもいつもでっかい賭けばかりしてきた――ついでに言うなら
大切なものを賭けてる時、"負けた事"は"一度も無い"。
――大丈夫、やれるさ。信じて、ブラックハート。

【賭け――ギャンブル。そしてセリーナというこの女――その目は確かに、怒りと、希望に燃えていて】
【決して目的達成まで揺らぐことは無いのだろう、どこまでも――彼女は真っ直ぐだ。】

・・・そっか、瑠璃ちゃんの居場所まではわからないよね。
でもナンバーに関しては・・・気になるところだね、どうやら何かしら"変動"があったのは確かだろうから。

――聞き出すとしたら、現No.8――から、か。

ううん、ありがとう。そこまで分かれば十分、あとはこっちでどうにかするよ。
むしろ――なるほどね、随分と厄介そうじゃん、貴女の上司さん。

【語られる情報は幾つも――居場所と、兵力。】
【貴重な情報であったが、研究所が分散しているという事はそれだけ兵力も大きいという事】
【一つ一つ襲うことはUTの戦力からしてかなり厳しい上に――なにより流石に研究者】
【恐らくは所持しているであろう数々のメカニック――兵器の前に苦戦を強いられるのは確かだ。】

【だがだからこそ――彼女の口から語られる"後釜"の、その言葉がとても現実味を帯びて聞こえて】

・・・ブラックハートよりヤバイのが三人も?そりゃあ――はぁ、なるほど・・・オーケイ、わかってる。
弱音なんて吐いてられない、なんとか――なんとか、してみせるよ。

でも・・・その情報が正しいなら、三箇所の研究所にはそれぞれ三人の後釜さんがいると考えても良いよね?
――なら、やっぱり襲うなら――トレーラーか。

【――襲撃ポイントが車両であれば――強奪も可能だ。これならば――いける、か。】

その三人の動きはイマイチ、予想が出来ないけれど・・・研究所を直に襲うより、そっちの方が確実だね。
あとは瑠璃ちゃんか――・・・ん、いや・・・それなら・・・そうか・・・

【――やがて、"何か"を思いついたのか――セリーナは少し、笑んで。】

・・・アタシに考えがある。まだまとまっちゃいないけど――上手くいけるかも。
ともかく、先ずは貴女の延命が先だね。

――ブラックハート、ありがとう。これで――アタシも動き出せるよ。あなたのおかげだよ。
ところで――アタシは"仲間"には何かしら、あだ名ばっかりつけてて――貴女の名前、長いからさ

――"ハート"、そう呼んでも・・・良い?

【――恐らくは、それが彼女が貴女を――今この一時でも、協力し合う仲間であると認めた――証拠で。】

/いえいえこちらこそ遅れました・・・!今夜は一旦この辺まででしょうか・・??
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>saga<>2013/03/21(木) 03:29:38.13 ID:Hka45BH00<> >>378
/はい、こちらもそろそろ限界なので……
/今日中に終わらせられず、申し訳ありませんorz <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/21(木) 03:33:45.43 ID:yno3iBe1o<> >>379
/ID変わりますがセリーナ中身です!
元はといえば私が完全に悪いのでどうか、お気になさらず…!ごめんなさい!
また明日、お待ちしております!お疲れ様でしたー <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>saga<>2013/03/21(木) 03:36:26.79 ID:S4HJ5VdWo<> >>377


――オッケー、アルフォンス君=A良い返事が聞けて、何よりだ
仲間が増えるってのは、実に心強い


【満足げに、にっこり、と微笑みかけるヴェンツェル】
【その手は、手袋越しにも分かるほど、暖かい――いや、熱い≠セろう】
【その身に宿す熱は、果たして世界を灼く戦火か、それとも、彼女自身を苛む劫火か】


じゃあ、すぐにでもキミのことは、上≠ノ話を通しておこう
カノッサは、快く、キミを受け入れてくれるだろうさ
明日からでもキミは、逆五芒星≠背負うことになる

来る者拒まず――ただし、去る者は決して許さず……

いかなる苦境でも、決して後悔はしないことだ
常に前を見て、貪欲に手を伸ばせば、きっとキミの野望の成就は近付く


【アルフォンスの湛える『野望の光』を見つめて、ヴェンツェルはそう言うだろう】
【そしてそれから、彼と繋いだ手を、離そうして――】


……いやぁ、こんな良い夜は、何かあるんじゃないかと思ったけど、想定以上だ
まったく、捨てる神あれば拾う神あり――まだまだ、世界は、楽しませてくれそうだ

じゃ、僕はそろそろ帰るよ
質問か何かあれば、最後に聞いてあげるけど――


【――目を細め、アルフォンスという人間の全貌を、もう一度、認識する】
【彼の行く末を案じ、またその存在が、この世界に、一つの波紋として投げ掛けられれば至上≠ニして――】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2013/03/21(木) 03:37:13.04 ID:/GWMlMbio<> >>376
ーーーああ、オイラ物覚えはよくないが、善処してやるよーーーーーー

【一瞬の四閃、それを終えれば、既に納刀に入るーーー一体、どれほどの早さで刀を振ったのか】
【ただ、納刀においては彼の拘りかーーー遅い、まるで余韻か残心か、斬撃に比べれば、遥かにそれはゆったりとしている】

【剣を無くした菅野康作、空手の一撃が迫るーーーそれは意地の一撃か、はたまた本番の合図か】
【まさかの頭突きーーー爆発的な加速能力からくる勢いをつけた頭突き】
【それが、青年の頭に迫ってーーー】

【ーーーガスッ=z

【鈍い音は、二人のみならず、周囲にも響く、それは即ち、その威力の高さと、攻撃が当たった事を示す音】
【見れば、青年の立ち位置は前よりも後ろにーーー菅野の頭突きを頭で受け、かち合ったまま押されたのである】
【菅野の頭突きを受け、頭と頭がくっ付いた地点から生温い液体ーーー青年の頭から、血が流れ出していた】

【頭に強い衝撃が加われば、脳は揺れて視界はぐらつくーーー所謂脳震盪となり、当たりどころが悪ければ気を失う】
【白い髪が部分的に赤く染まる、血染めの赤髪は、鬼の肌のような赤色となって】



…角でもありゃあ、ここでやれてたんだがなぁ
そいじゃつまらん、やはり強者は斬ってこそ、よーーー

ーーー吟醸ーーーそれがオイラの名よーーーーーー
ーーー生きて、覚えておけば、いずれまた合間見えようて

【ーーー至近距離も至近距離、頭同士が触れ合った近さで、語る言葉は些か痛々しさが垣間見え】
【その右目を見ればーーーこの青年、初めて菅野を睨み付けていた】

【刹那、居合抜きの横一閃ーーー深くは立ち入らぬ、滑るような太刀筋だ】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>saga<>2013/03/21(木) 03:39:05.45 ID:Hka45BH00<> >>378

……勿論、さ…………っ、賭ける気が無かったら……始めから、何も……話さないよ…………

【――――状況は、流石に違うのだが、今も『選択の余地がない』事に、変わりは無い】
【だが、ここを乗り越えさえすれば、得るものは大きい――――だからこその『賭け』だ】

…………ふふ…………天下一武闘会の優勝者を信じなくて……誰を、信じられるって言うんだい……?
運も、あるだろうし…………実力も、あんたは折り紙つきさ…………そこは、信じられるよ…………

【軽く、微笑んで見せながら――――無論、苦しげな表情が残るが――――ブラックハートは事もなげに言ってのける】
【――――世界中の強者の、その一線級にいる事を、セリーナは自ら証明してのけたのだ】
【それを、信じられないと言う事は無いだろうと、ブラックハートは口にして】

――――現≪No.8≫……か…………『長船』って言う、名前しか……分からない…………
そいつが、瑠璃の主なのか……それとも、ただ空席に入り込んだだけなのかも…………でも、とっかかりには、なるかもしれないね…………

【気にはしていた――――名簿の、その名前を。だから、名前だけでも覚えていたのだろう】
【だが、櫻系の――――恐らくはファミリーネームだろう。これだけではその人となりはほとんど垣間見る事は出来なかった】

…………あたしを、作戦にかこつけて切り捨てるぐらいだ…………それをやってのけるだけの、『出来』に自信があるんだろうね……!
……その『出来』がどんなものか……そこまでは、あたしには分からないけど……

【ブラックハートといえども、上の人間たちが何をやっていたのか、それを全て知っている訳ではない】
【その手駒も、自分に感づかれない様に、グラトンが注意しながら用意したのだろう。手の届くところではない】
【ただ――――自分を捨てても構わないと言う決断を下させるぐらいには、実力はあるのだろうと考えていた】
【――――実戦データは取られている自分が、いつ切り捨てられてもおかしくなかったのに、実績が高いと言う事で、ここまでやってこれたのだから】

――――問題があるとすれば…………お、ごぅ……ッ…………、そのトレーラー……あたしの後釜連中に使われてないか、って事だけど……

【人員の輸送の為に役立つ『備品』である。自分が切り捨てられた後も、運用されているとしたら】
【その奪還の難易度も、決して低くは無いという予想が立てられる。それを思うと、ブラックハートも顔を顰める】

…………考え……!?

【瑠璃の事について、何か案があると言うセリーナに、ブラックハートは顔を上げる】
【やはり、どうしてもそこが気になってしまうのだろう。助け出したいとまで言った『仲間』であるのだから】

あ…………あだ名…………?

【だが、そこを聞く前に、妙な提案をされて、ブラックハートは首をかしげる】
【確かに、自分の『ブラックハート』と言う名前は、サイボーグ強化の案と言うか、規格と言うか――――ともかく、コードネームでしかない】
【呼ぶのに抵抗があると言われれば、無理からぬところである】

…………セリーナ、あんたが呼びたい様に、読んでくれれば良いよ…………
あたしにも、名前はあったけど…………『人間』止めさせられた時以来、使っちゃいないから、意味がない…………
――――"ハート"、か…………悪くは無いかもね…………

【短縮形と考えれば、別段不自然な響きではない。ブラックハートとしても、なじめないものではないと、頷く】
【本当なら、彼女にも名前はあるのだが――――まだ、それを明かすほど、自分たちは打ち解け切っていないだろう】
【――――今まで、その名を自ら明かした相手は、ほんの2人しか――――瑠璃でさえ、知らないのだ――――居ないのだ】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/21(木) 03:48:55.88 ID:+bMW49Hto<> >>381

【手に触れた感触は人間のものとは思えない温度だった】
【その熱さにアルフォンスは眉を顰めたが、すぐにどうでも良くなった】
【これから起こるであろうことや進む道への高翌揚感と達成感がそんな些細なことはすぐに洗い流した】


──質問? お願いならありますね

一秒だって無駄に出来はしない。申し訳ありませんが、今すぐ本部に連れていってもらいましょう


【誕生日プレゼントを開ける子供のような、無邪気な焦燥感と衝動が彼の中で生じていた】
【それをあらゆる理屈が補強していた。一刻も早く力を手にして扱えるようにしなくては、と】
【────人工の光が、彼の歪な笑みを捉えていた】


/それじゃあここまでで
/遅くまでありがとうございます。お疲れ様でした!
/空いてるナンバーを使えば、いいんでしたっけ? <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(愛知県)<>saga<>2013/03/21(木) 03:55:22.62 ID:XI2gbJ2lo<> >>382
【ガッ、と鈍い音がした。】

【無論。それ程の速度で頭突きをすれば、仕掛けた方も無傷では済まない。】

 は、はははっ、はっ―――――!!

【菅野康作の額からも、同じく鮮血が流れ出し、虚ろな右目へと入り込み、上斜視を隠すように瞼を閉じさせる。】
【左の瞳は、してやったり、と。目と鼻の先、どころか、目と鼻をくっつかせ兼ねない至近距離で、ギロリと見開いて。】
【その顔は、大きく口元を歪め、猛々しく笑っていた。】


 そ、か、吟醸、か、テメェ……俺の首だ、洗、待っ――――――――――

【酒と脳への衝撃に、意識も朦朧とした状態で、男へと人差し指を指して、そう言うと。】
【スパッ、と。男の身体を、滑るような居合抜きをその身に受けて、ゆっくりとアスファルトへと倒れ込んだ。】
【恐らく。指先で突いただけでも倒れ込んだだろうズタズタの身体には、倒れる、と言う姿勢は余りにも優し過ぎた。】
【急速に意識が沈んでゆく中で、男は、取り落した斬馬刀を探し、暫しの間手を動かした。】



 ――――――――――待って、ろ、俺の、獲物



【そう残して、男の意識は深い深い闇の底へと、急速に潜航していった。】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>saga<>2013/03/21(木) 03:56:52.33 ID:S4HJ5VdWo<> >>384

……アハハ、これは一本取られたね

やっぱりキミは……中々どうして、隅に置けない


【――苦笑にも近い笑みをこぼし、しかしヴェンツェルは、その後アルフォンスの要望通り、彼を本部へ連れて行くだろう】
【そして、上≠ノ話を通すはずだ】

【――『アルフォンス君は、面白い子なので、是非とも、それなりの待遇で機関にいれてやってください、いいですね? いいですよね? はい、わかればよろしい』――と】


/お疲れ様ですー!
/はい、ナンバーズを希望でしたら、空いている数字なら何でもOKですよー <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2013/03/21(木) 04:03:33.35 ID:/GWMlMbio<> >>385
【納刀した刀の、鍔が鳴らす音と、菅野が倒れる音は同時に】
【吟醸はそこに一人立ち、「くくく」と静かに笑って】

…いやすまねぇな…アンタはただの怒りん坊じゃあないみてぇだ
菅野康作よ…首が欲しけりゃ生きて、またこいよ

ーーーアンタの血は、確かに強者の味だ

【刀を納めた鞘を持ち上げ、鍔に口付けくいと上げれば、伝って流れる酒と返り血ーーー混じったそれを呑めば、にたりと恍惚の表情をして】
【落ちた菅野の斬馬刀を拾い上げ、鞘に納めてやると、倒れた菅野の手元に置いてやる】

【後は、酒臭さと下駄の足音を尾に引いてーーーその場から姿を消し去った】

/お疲れ様でした <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(愛知県)<>saga<>2013/03/21(木) 04:07:05.76 ID:XI2gbJ2lo<> >>387
/夜遅くまで、絡み、ありがとうございましたッ!! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(長屋)<>saga<>2013/03/21(木) 17:31:30.90 ID:s65+zPmUo<> 【水の国】
【路地裏】

ふぅ、もう大丈夫ッスよ!
後で警察にも連絡しておくッス!

【銀色の大盾を右手に持った少年と、ニット帽を深めに被り気絶している男、そして服が破れてエロティックな感じの少女が一同に会している】
【傍目から見れば、途轍もないカオスに包まれているのだが】

怪我、ないッスか?
「は、はい…なんとか……」

【ここ、路地裏ではわりかし日常茶飯事の光景だったりする】

【ありがとうございます、と一言だけ少年に告げた少女は、乱れた格好もそのままに何処かへと走り去って行ってしまった】

これは、いけないことッスか…?
無闇に傷付けたわけじゃないッス…
でも、やっぱりこのお兄さんもきっと痛かったッス…
確かに、悪い事をしたら痛い目に合うのは、正しいと思うッス…

【気絶した男と二人きりになった少年は、自問自答を続ける】
【背には機械部仕掛けの槍を背負い、錆によく似た色の髪は、今日も元気にツンツンと跳ねている】

でも、それは僕が手を下していいことッスか?

【繰り返す自問は、答えを求め、しかしそれを持ち合わせて居ない自分に、答えを出すことは出来ず】
【昨日からずっと、同じ事ばかりを考えていた】

誰かがやらなきゃいけないッス…
神なんて都合の良い存在は、きっと空の上でハナクソほじってるだけッス……
でも……でも、僕なんかが、正義を振りかざして戦って、いいんッスか……?

【つい今さっき打倒したばかりの男をちらと見て】

でも、僕は間違ったことはしてないはずッス……

【男が、少女を襲っていたから、助けた】
【ただ、それだけなのに、どうしてかスッキリしない】
【胸がもやもやして、苛立ちを隠せない少年は、つい物に当たりたくなって、近くにあったゴミ箱を蹴っ飛ばした】


【少年を撫ぜる爽やかな春風は、優しく、暖かく、少し─────不快だった】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/21(木) 17:52:32.71 ID:ssaPqtqno<> >>389

【少年と男の居る先、日が届かず暗がりとなっている深い闇の影から風の剣が四本】
【白濁色に染められた魔術のつるぎが気絶している男の命を絶たんと放たれた】
【それらに続いて乾いた拍手がその場に響いた。暗澹とした泥沼から這い出るように奥から少年が現れた】

【暗い青のローブ、フードを深く被った風貌は彼が魔術師であることを示す。その下に隠された顔は幼さが残っていた】
【短調に打ち合わされる手の根本、右腕には黄金色に光り輝く腕輪があり、そこから多少の魔翌力が流れ出ている】
【気絶した男の前に居る少年に向けられた瞳は、彼が這い出てきた暗闇より尚も暗い。無機質でいて狂気的な瞳だ】


──素晴らしい。苛立つことなど何もない
貴方は誰の目から見ても正しいことをしたのだ。もっと誇りなさい
この世の中にはそういった惨状を無視する人も大勢いるのだから……


【称賛の言葉をあげる彼の声は路地裏の空気のように冷たかった】
【拍手を止めて立ち止まると少年に向けて歪な微笑みを浮かべる】
【獲物を見つけた獣のように、或いは弱った人間を見つけた悪魔のように】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(長屋)<><>2013/03/21(木) 18:11:57.17 ID:s65+zPmUo<> >>390
なっ────!?

【どすどす、どすっ、どすっ】

【不意の登場に驚き、そちらを向く】
【魔術の劔が男に届き、少年の盾は届かず、男は】

【頭部、心臓が同時に破壊され、びくんと震えると無言で息絶えた】
【最後に発した言葉:「ほぶぅっ!?」】

な、え、え…!?

【目の前で喪われた命】
【もっと、強ければ、もっと、速ければ】
【己の手で、救えたかもしれない命】

そん…な…………嘘ッス…
なん、で、死んでるッスか……?

【男「だったもの」を見て、その奥にいる少年を見て】
【そんな行動を二回ほど繰り返して、やっと、状況が飲み込めた】

なんで…………殺したッスか……

【その言葉には、いつもの少年の、太陽の様な輝きは無い】
【太陽であることは変わらず、しかし光を失い、燃える様な熱さだけが、言葉には込められていた】

何故命を奪ったッスかぁぁぁあああ!!

【激昂】
【温厚で、子供っぽくて、それでいて真っ直ぐな彼は、「頭に来ていた」】
【それは、今までの鬱屈していた感情を全て解き放つかの様な、そんな叫びだった】
【びりびりと空気が震え、あからさまな敵意が眼前の少年へと向けられる】

【その身に宿る膨大な魔翌力が、まるで怒りに呼応するかの様にはち切れんばかりに増大していた】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/21(木) 18:30:58.70 ID:ssaPqtqno<> >>391

【膨大な魔翌力。憤怒が吹き出したような爆発的な増大に少年の眉が微かに上がった】
【ただの正義感の強い子供だと初見では判断していたが路地裏に居ても不思議ではない程度に強い】
【思わぬその収穫に彼の笑みは歪なままにより深くなった】


何故だって? 貴方が先ほど自分で仰っていた通りですよ
悪事には罰を──『誰かがやらなきゃいけない』、そう仰っていたじゃないですか
僕はただそれを、その言葉の意味をより分かりやすく表現しただけですよ?


【まるで少年から溢れ出る魔翌力を感じていないかのように、彼は愉しげに答えを言った】
【そこには何ら良心の呵責も葛藤もない。むしろ善行をしたと言わんばかりの自信があった】
【両腕を広げて場違いな軽々しさで答える姿には悪しき気配と同時に力への自負を思わせる】


しかし、貴方のそれは正しさはあれど程度が緩い
いいですか、その男は気絶させた程度で、そして一度妨害した程度ではどうにもならない
また今度、貴方もその他の誰も見ないような場所で同じようなことをして、被害者を生むのが目に見えています
ならばそれを事前に止める手段は何か、彼の永続的に犯罪を行わせないようにするにはどうすればいいか……

はて? 答えは決まりきっていますが、貴方はなんだと思いますか?


【細く白い手が開かれた状態で上に向けられて少年の方へと差し出される】
【二人の少年の温度差は明確だった。一方は怒りに震え、もう一方は愉悦のままに行動しているのだ】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(長屋)<><>2013/03/21(木) 19:03:34.97 ID:s65+zPmUo<> >>392
あの人が言ってた事が、今、理解出来たッス…

【ぼそり、と呟く】
【脳裏に蘇るは、先日の婦警とのやり取り】
【徹底的に痛めつけて、傷痕を残せば、そいつは再犯などせず、傷痕が疼くたびに、自責の念に押し潰される】
【彼女は正しかった】
【無闇に命を奪わず、再度、罪を犯す芽を摘む】

そんなの分かり切ってることッス
[ピーーー]ッスよ、そうすれば二度と、傷付けることも、傷付くことも無いッス

【口調は冷静だが、その魔翌力は静まることを知らず、ただ溢れ出すのみ】
【左腕の代わりを果たしていた義腕が、許容量を超える魔翌力を注がれたために安全装置が働いて、ごとり、と肩から外れた】

けれど、僕にも、ましてやアンタなんかに、その権利は有りはしないッス!!!

【途端、むせ返るほど濃い魔翌力が周囲に満ちる】
【その根源は、少年の左肩】
【本来そこから先に在るべき左腕は存在せず、手術の痕が痛々しく残っている】
【その左肩の断面から、ただ懇々と湧く泉の水の様に魔翌力は溢れ出ている】

殺してしまうのは簡単ッス
他の方法は、きっと驚くほど難しいはずッス
失敗したら、沢山の人が悲しむッス…!
けれど……

【きゅ、と盾を握る右手に力が込められる】

けれど、命の尊さは誰だって同じッス!!

【盾を持ちながら、背負われた槍をくい、と左肩に寄せる】
【すると、槍の柄の先端は吸い付く様に左肩に装着され】

殺さないんだったら、お仕置きが必要ッス!!!
二度と、罪を犯せない身体にすれば、命を奪わずに済むッス!

【きゅいいいん】

【機械仕掛けの槍に、魔翌力という命が吹き込まれ、稼動する】
【丁度、肩と、肘の部分に関節の様な可動部があり、肘から先は巨大な穂になっている】
【穂の側面には、持ち主の方に向けて、筒の様なものが伸びている】

でも…でも、それも僕は嫌ッス!!!
武器は、抗うためのものであって、人を傷付けるために使われるものじゃないッス!!

【盾を構え、右半身をその後ろに隠す】

だったら、僕は止めてやるッス!!
何度だって、何度だって、止めてやるッス!!!

【機械の槍と化した左腕を真っ直ぐ目の前の少年へと向ける】

みんなに武器を、配るッス
みんなが抗える様に、配るッス
弱い人には、強い武器を
強い人には、弱い武器を
そうやって、みんな強くなるッス…
きっと、喧嘩になっても、一方的に奪われることには、ならないッスから……!!
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/21(木) 19:24:24.13 ID:ssaPqtqno<> >>393

【熱意を溢れさせる少年に反比例するかのように彼の高翌揚感は冷めていった】
【おどけたように肩を竦めると短い嘆息を吐き出した。瞳には戦闘態勢の少年の姿が映り込む】
【仕方なしに彼は右手の人差し指を空に挙げると、ぐるぐると上に向けたまま回し始めた】


あぁ、ダメだな。何が一番ダメって、そうやって武器を構えるあたりがダメだ
きっと君の頭の中じゃ、自分が正義で僕が悪なんだろうけど、そのへんもやっぱりダメだ
どうにも視野の狭さと考えの一面性を何とかしないと、人の目は覚めないみたいだなぁ


【独白のように彼は呟く。腕輪の光が少しずつ強くなりそこから出る魔翌力も少年のものに対抗するかのように溢れ出る】
【彼の魔翌力の作用として路地裏に風が吹き始めた。常人なら目を伏せるほどの強風が一瞬にして起こり少年の真正面から強く吹き付ける】
【しかしそこに敵意はなかった。少年に反して彼は戦う気はなく魔翌力も強風も単なる威嚇でしかなかった】

【少年に向けられる顔には哀悼があった。救われない人間を見るような同情心があった】
【彼にとって少年の言うことはかつての自分自身を想起させる。だからこそ余計にその姿が悲しく思える】


随分と興奮しているようだけど、君の言葉には論理性がない。人を救おうという気概もない
ただ君は目の前の悲劇に対して生じる自分の感情を解決しようとしているに過ぎない。それは利己的だ
命の尊さは同じじゃない。路地裏の浮浪者と市長を天秤にかければすぐに分かる。死刑という法の存在がそれを証明する
武器を抗うために使うのは君だけだ。多くは戦争にそれを使い、君では想像もつかないほどの地獄を造り出す

これらが理解できないほど、君の頭は悪くないし、想像力が欠如してるわけでもないだろう?


【回していた右手を強く握り締めると路地裏に、少年に向かって吹き付ける強風が一瞬で止まった。魔翌力もまた同様に】
【戦う気はないのだという意思表明のつもりだ。通じるかどうかは分からないが】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(長屋)<><>2013/03/21(木) 19:50:57.42 ID:s65+zPmUo<> >>394
だったら、それも全部止めるッス

【少年の魔翌力は、未だ溢れる様に、減退する事を知らない】

【ぷしゅううう、と槍が煙を吐き、それが風と共に流れて行った】
【供給され続ける魔翌力で、暴走しないための所謂ガス抜きのようなものだ】

今はまだ、力が足りないッス
技師としてもまだまだ未熟だし、強さだって足りないッス…
でも、いつかきっと…絶対に、変えてみせるッス

【実の所、少年にも戦う気はなかった】
【怒りはあった、目の前の少年を打倒してやりたい気持ちも否定出来ない】
【しかし、怒りに任せて武器を振るうことが、彼にとって一番許せなかった】

浮浪者の命も、市長の命も、やはり同価値ッス
浮浪者が死んだ所で、他にも沢山の浮浪者はいるッス
市長が死んだ所で、すぐに次の市長が立てられるッス
死刑という法は、奪われた命を、命を以って償うものッス、そこに命の価値は論点を見出さないッス
そして、武器を抗うために使うのは、決して僕一人じゃないッス!!
確かに、時には戦争の道具として、時には正義の証として、時には欲望の捌け口として、武器は使われるッス…
でも、それは相手が武器を持たないから出来ることッス!

爆撃される市民が、みんな戦闘機を持っていたら、抗う為に使うことが出来るッス
正義の名の下に剣を振り下ろされても、剣があれば抵抗出来るッス
欲求を満たすだけに振り下ろされた武器も、武器を持っていれば受け止めることが出来るッス!!

みんなが抗うことさえ出来れば、誰かが泣を見ることにはならないッス!!!

【少年は、語る】
【甘い、甘い、お菓子の家よりもさらに甘い、青い理想を】
【しかし、それを語る瞳は決意に充ち満ちていて】
【きっと、それを馬鹿にされた所で、気持ちを曲げる気は無いのだろう】
【それを感じさせるほどに、少年の瞳は、気持ちは、真っ直ぐだった】

【向けられた槍も、構えられた盾も、きっと抗う意思の表れで】
【抗う相手は、理不尽に不幸を告げる、糞ったれなこの世界なのだろう】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/21(木) 20:20:49.27 ID:ssaPqtqno<> >>395

【彼は少年の瞳に確固たる意思を垣間見た。甘く、青く、だからこそ真っ直ぐで頑強な心の力を】
【心のどこかでそれを羨む自分がいることに彼は気が付いた。何故だか、理由は分からなかった】
【それを押し隠すように口元に笑みを作って感心した声をあげた】


……いいですね、そうやって最初の志を疑わずに持ち続けられるのは
誰に教わったかは知りませんが、貴方の師は余程素晴らしい方なのでしょう


【先ほどとは違った悲哀が言葉に乗せられていた。少年に向いている瞳は彼のことを見ず、遠い過去に向けられている】
【その瞬間だけ狂気的な魔術師の姿が消えていた。少年と同じような、それでいて少し違うような、曖昧な人間がそこには居た】
【彼は嗤っていた。まるで泣き笑いのように複雑な表情だった】


とはいえ、だ。あれこれ言ったが君のその軍事的均衡による安全保障は古いが悪くないね
世界平和を実現するためには、それを最終目標とはできないが通過地点とするのは考慮の余地がある
今更な質問だけど、目の前の人間を救うだけではなく、世界的な平和に興味は?


【路地裏の壁に寄って彼はそこに背を預けた。完全に無防備な状態だ】
【彼の論調が突然変化した。今までは戦いをしないながらも反論ばかりだったが、急に融和的になった】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(長屋)<><>2013/03/21(木) 20:40:39.95 ID:c4TyoQDoo<> >>396

【少年が完全に無防備になると、こちらも構えを解いた】
【とはいえ、向けていた槍を下ろし、盾の後ろから出てきた程度ではあるが】

平和な世界、ッスか……

【怒りは、少しずつ収まりつつあった】
【少年の融和的な態度につられたのか、それとも語らい合ううちに冷静さを取り戻したのか】

僕は、それを求めてるッス
目の前で起きること以外も、全部、全部、止めたいッス
誰も泣かないくらい強い世界が、必要ッス───

【────弱者のいない世界が】

【少年は、そう口にした】
【それは何処までも真っ直ぐな、淀みない意志で、口にされた】

そのためだったら、僕は努力を惜しまないッス
例え命を失っても、成し遂げたいと思ってるッス

【その言葉には嘘偽りなどなく、瞳には決意の光が灯っていた】

なんだか、すこしスッキリしたッス
アンタがやったこと、間違ってるとは思うッスけど、気持ちは解ったッス

【もう、敵意は感じられない】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/21(木) 20:57:30.87 ID:ssaPqtqno<> >>397

【融和路線という作戦は良い方向に進んだようだ。少年の声色からそれが確認できた】
【後は上手い具合に方向性を言葉で調節してやるだけ。愚直な力強さはそれ故に矛先を逸らすのは容易い】
【彼の中ではそんな打算的な考えが渦巻いていた。はずだったが────】


……ここからは真面目な話です


【その一言は今までのどんなものとも違っていた。悲哀も狂気もこの場に巣食うような暗闇もない】
【彼は路地裏の壁から離れて少年の前で立ち止まった。並んでみれば彼の方が年下だと分かるだろう】
【少年に改めて向けられた瞳には同じような決意の灯火があった。純粋なそれが真っ直ぐに少年を見ていた】


全ての悲劇を止めたいと思うのであれば、対処療法では間に合わない
僕も貴方も、ただの人間だ。ただの人間が一人で出来ることなどたかが知れている
一人で全てを救うのは夢物語だ。それで救えるのだとしたら、そんな世界は間違ってる

だから仲間を持ち、目標を定める必要がある。明確なビジョンを持つ必要がある
貴方にそれができなくても、僕はそれを見せることができる。あらゆる人間が平等になり、幸福を享受できる世界を
僕らの信念は互いに違うが、目指す先は同じなはずです。そうでしょう?


【彼の言葉には焦燥感のようなものがあった。心から来る執念があった】
【それは単に仲間を必要とする打算だけではなく、目の前の少年に対する投影が理由だ】
【どうしても彼は昔の自分と少年を重ねて見ていて、そのために必死さがあった】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage saga<>2013/03/21(木) 21:16:47.90 ID:40uRxiBD0<> 【自然公園――芝生広場、小高い丘のその頂点】
【適度に人の手の入った林、適度に人の手で整えられた芝生、色を合わせて植えられた花壇】
【自然を謳いながらもどこか人工的に整備されたなら、或いは、街中よりもすごしやすいのだろうか】

…………おや、

【暗がりの中と言え、萌える草色の中、ちょんと座る小柄な影はきっとよく目立つ】
【ぱらり、紙が擦れるような音がして――零した声は、可愛らしいというには、惜しいけれど】

【淡くピンク色を混ぜ込んだようなブロンドは、毛先に向かうに従ってくるりと巻いて、】
【鋭く吊った目元、瞬くのは、勿忘草色の瞳――視線を落とす先には、本があって】
【座ってなお柔らかに布地を膨らませるのは、深いワインレッドのスカートの布地】
【たくさん寄せたギャザーやあしらったフリルは体躯を曖昧に誤魔化すけれど――それでもその華奢さは、少女のそれで】

……ああ、この本だったか――。

【少し前にここを訪れて以来ずぅっと視線を落としていたもの。頁を広げていたままの本】
【細い指先が何かを摘んで持ち上げたなら、人の形に切り抜いた紙がふぅわり風に揺れる】

名前、ねえ。

【じぃと見つめている、その膝の上。乗せていた本のページが、風でぱらぱらと好き勝手に捲れていた】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/21(木) 21:22:58.91 ID:bmEu2lzGo<> 【酒場】

【酒の酔い方は三者三様…ないし八者八様にかわるものである】
【泣いたり笑ったり怒ったり饒舌になったり無口になったり吐いたり寝たり吐いたり…】
【基本的に酔いは悪い方向に取られがちだが『陽気になる薬』と思って】
【用法用量TPOを正しく守れば自分の能力を最大限に発揮する良い(酔い)ツールたりうる】

【決して地の文が思いつかないから地の文をエッセーにしたわけではない!】
【酒場は今更説明がいるだろうか?私は各々のイマジネーションを尊重したのである】

【閑話休題】

【ある男が酒場の壁に据え付けられたダーツマシンに向かって、狙いをさだめている】
【背の高いスーツ姿の男、レザーのネクタイ、サングラス、靴はブーツだろうか】

【右手で矢をゆらゆらと狙わせながら、左手の缶ビールを軽くすすった】
【この男は能力者である 目に能力を持つため、こういった状況では有利に事を進められる】
【あとは、極自然に…アルコールの波に乗って酔拳のように、矢を放てばいい―――】

『兄ちゃんよお……これで何度目だ?俺にビールを奢ってくれるの』

【ツナギの腕まくりした親父が言う】

『賭け事はてんで駄目だな!じゃあな!また宜しく』

【親父は笑いながら去っていった】

【男はポツンとモニタの『Lose』文字とびっくりするぐらい低いスコアをサングラス越しに眺めていた――】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(長屋)<><>2013/03/21(木) 21:22:58.96 ID:c4TyoQDoo<> >>398
仲間…ッスか………

【自分より身体も小さく、幼い存在】
【しかし、自分より、現実的で論理的なその少年の言葉には、惹かれるものがあった】

僕には、お師匠がいたッス

【と、唐突に語り出す】

お師匠は、十二年前、事故に遭った僕を救って、長い間僕に抗う術を授けてくれたッス
でも、二年前、僕にはこの槍を渡してから唐突に行方不明になったッス
僕はお師匠を超える、技師になりたいとも思ってるッス

【それはきっと、彼の中では大切な事なのだろう】

世界に平和をもたらすならば、お師匠を超えねばならないッス

【しっかりと、決意の宿った瞳を見据える】
【お互いの真っ直ぐな決意が、交わる】

僕はノエル・グランスタッドって言うッス

【右手に持った、大きな盾を背に掛け】

よろしくッス!

【その右手を真っ直ぐ、少年に差し出す】
【それは、互いに支えようという意思表示であり、友好の表れ】

けど、やっぱり無闇に人を殺しちゃうのはいただけないッス

【その手を握るか否かは、少年次第】
【己の住む暗い狂気の世界へ引きずり込むのも】
【彼の住む明るく暖かい世界へと引っ張り込まれるのも】
【お互いの引く力に絶えきれず、その手を、離してしまうのも】
【総ては少年次第だ】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(長屋)<>sage<>2013/03/21(木) 21:25:07.63 ID:+WsAmnFwo<> 【夜。水の国、首都郊外の幹線道路沿いを一人の婦警が歩いていた】
【後ろ手に、両の手で警棒を持ちながらヒールの音を鳴らし】
【オレンジの街灯に金の髪と桜の瞳を輝かせながら向かう先は、とある空き地】

【そこは再開発とその凍結によって自然発生した、いわゆる『若者の溜まり場』】
【暴走族、家出者、薬物乱用者、なんでもござれのフェンスに囲まれた無法地帯だ】

ところが、近年はカノッサ機関やD.R.U.G.S.によるタチの悪い品が出回り始め
如何に若さ故の過ちと言えど、そういうところと関係を持ってしまうと手に負えない。

それで、っと。んー……ここ、かしら…?

【彼女は今、その高いフェンスの入り口に到着した】
【恐らくその向こうにはケダモノじみた非行者が乱痴気騒ぎをしているはずだったが】
【元より工事のための柵だからか、周囲には静けさが満ちている】

【さて、もし通り掛かりの誰かが、機動隊が後ろにいるわけでもない一人の婦警を見たらどう思うのだろうか】
【彼女は今まさに、そのフェンスの向こうに通じる扉の取っ手を握ろうとしていて…】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/21(木) 21:40:49.74 ID:ssaPqtqno<> >>401

【唐突に語られた生い立ちは彼の胸を深く貫くものがあった】
【両親や家族、あらゆるものを与えた師匠。様々なものが胸中に蘇る】
【彼はそれらを振り払うように頭を振った】


アルフォンス=ヴェント
怯えないでくださいよ……カノッサ機関のNo.20を
最近なったばかりで逆五芒星も無いのですから


【彼はそっと静かにノエルの手を握り、一瞬だけ優しく包むとすぐにそれを離した】
【何となくだが長く握っていてはいけないと、彼の中の何かが発していた】


無闇ではありませんよ、そこには確かに論理があるのです
それに……


【アルフォンスは何かを言いかけたが思い直したように言うのをやめた】
【武器を人間全てが持つ軍事均衡による平和は、たった一つの誤りが全てを打ち崩す危険性を孕んでいる】
【そのことが彼の口から出かけたが、それを伝えることはしなかった】

【きっと伝えたとしてもノエルの気が変わることはないだろう。そう判断した】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(長屋)<><>2013/03/21(木) 21:58:44.90 ID:c4TyoQDoo<> >>403
カノッサ…ッスか………
きっと、平和な世界のためには必要なことなんッスね…汚れることも……

【カノッサと聞いて、すこし表情を濁らせるが、それも致し方なしと振り切る】
【まだ、彼が一体どんなことをしたのか解らない、早とちりは良くない、と】

アルフォンスッスね、覚えたッス!

【一瞬だが、しかし力強く握手を交わす】
【その手には、紛れもない「人の暖かみ」が宿っていた】

うー、あのお兄さんは[ピーーー]必要なかったと思うッスけど………まぁいいッス

【本当は、良いはずがなかった】
【悪い奴でも、死んだら悲しむ人が居るのは当然で】
【それでも、気持ちを閉じ込めるしかなかった】
【アルフォンスは、平和の為に自ら汚れを被っているのだ、と、そう思った】
【ならば、自分はせめて綺麗なままでいよう、と】
【その、青い理想を、真っ直ぐに突き進み、この悲愴な少年を、引っ張って行ってやろう、と】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(長屋)<>sage<>2013/03/21(木) 22:14:38.80 ID:FO+i3Z7k0<> >>402
/まだおりますか? <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(長屋)<>sage<>2013/03/21(木) 22:16:45.87 ID:FCmles5Zo<> >>405
/居ますよっ! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/21(木) 22:17:06.78 ID:ssaPqtqno<> >>404

【ノエルから一歩だけ遠のき、しばしの間アルフォンスは目を伏せた】
【精神を、脳を、意識を、思考の海へと押し沈める。今となっては暗く淀んだ深淵のような思考の海へと】
【成すべきことを確認するために。深い水底から浮かび上がってきた古い傷跡をもう一度封じるために】

【カノッサ機関に入ってからの第一歩としては良好といえた。理解者を得たとは言い難いが一人よりはマシだ】
【しかし全く足りていない。目的を果たすために人を動かすには分かりやすい目標が必要で、それを提示する役目が自分にはある】
【もう少しだけこの新たな仲間を引きずろう。数刻の後に開かれた彼の瞳には暗闇が戻っていた】


これより我々は同志と呼んで差し支えないでしょう
先ほど申し上げた通り、僕には貴方へと歩むべき道を示す役割がある
その役目を、まずは簡単ながら果たしましょう……


【重々しい足取りで彼は自身が断った命のあったモノの前へと行き、屈んだ】
【死体と彼の足元には血溜まりが出来ていた。突き刺さった剣は既に魔翌力を失い、消えていた】
【死体の穴からは既に流血は止まっている。死に際の虚ろな瞳だけが虚空を眺めていた】


この男はどこの出身で、何を目指し、どうしてこうなったと思いますか?


【アルフォンスの質問は短かった。それが本題に入るための序章であることは簡単に分かるだろう】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2013/03/21(木) 22:17:14.20 ID:GZ+cFdJXo<> >>400

随分とやられたわね、背中が泣いてるわよ

【飴玉を転がしたような声は、そっと耳朶を撫で上げて】
【さみしく取り残された相手に近付き、慰めるように一声掛ける者】

ダーツはスポーツなんだから、遊びでするんじゃなかったらアルコール入れてするものじゃないわよ?
こういうところでも、こだわる人はノンアルコールしか口にしてないもの
……それとも、それ以前の問題?

【慰める、というには、少々嘲弄の色が入り過ぎているかもしれない】
【背後からでは警戒も呼ぼう、視界にそっと混ざり込むように斜めにその身を進み入れる】
【相手が振り払わなければ、相手の手ごと缶ビールを細い指が包んで、一口頂戴させてもらおうか】

【濃い翡翠色のおかっぱに、黒曜のような深く黒く煌めく、やや吊った丸く大きな瞳】
【やや印象の薄いすっきりとした面に目立つ、紫のルージュとほんのり色づいた水蜜桃の頬】
【地の黒の気品を損ねない程度に白と緑のちりばめられたチャイナドレスを大きな胸が押し上げ】
【対照的に引き締まった細腰と伸びる両脚を引きたてている】


/まだいらっしゃいますかなー <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(長屋)<>sage<>2013/03/21(木) 22:18:01.15 ID:FO+i3Z7k0<> >>406
/でわ、よろしくお願いします!

>>402
おい、あんた何をしようとしている?

【女性の後ろから若い様で、渋さが混じった男の声が急に聞こえていた】
【黒髪短髪、黒のカラーシャツに黒のコートと上からしたまで黒で埋め尽くされた服装】
【口には三本のタバコを加えており、プカプカと煙が宙を漂っている】
【近くの影が差し込んでいる壁際に背中を預け寄りかかっていた】
【いつの間にかいたーと言った表現が合うかの様に、気配を感じさせない男】
【まるで生きてはいないー人では無い何かの様な気配である】

あんたの見た目からして仕事は分かるが…
一人で行けばただでは済まない可能性があるぞ

【忠告なのだろうか】
【男は遠回しにその中に女性が入る事を止めようとしている様だ】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(山形県)<>sage<>2013/03/21(木) 22:18:26.00 ID:3996N4Vdo<> 【ここは魔海付近の泉のほとり――】

んゥー、……あァの霧の力を利ィ用し身ィに付けた新たな力ッ!


――――"モノを変化させる能力"ッ!


ヒャアアァァアーーーーハッハッハッハッッハッハァァアアーーーーッ!

あァのレナールでの出ェ来事は俺様に更なる力と、素ォ材を与えてくれたッ!

――さァて、宵闇と鏡の豪蛇……っちィ、あァの糞共めェェエエ
ともかく、あァいつをさアっさと治さねェーとなァ……尻尾を持オって行ィかなかった事だけは褒ォめてやるぞ、糞人間共がッ

【そこで体育座りをしながらやたらハイテンションうるさく叫ぶ者――】
【それは黒い外套を羽織っている、コワモテで奥二重でエルフ耳の、男にみえる者だった】
【身長は約2mの、筋肉質な細身で、黒い白目と血の様に真っ赤な虹彩を持ち、ボサボサとしている長い黒髪だ】
【上下共に長袖黒ジャージを身に着けていて、首に紫色の毛のマフラーを巻いており、手袋や靴下も紫色だ、靴は黒】

……よォし、あァの場所で拾ってきたこォいつの名前は「ペンタレグス」だッ! 使い道は今から考えようかァァアア

【その目の前に居るモノ、時折醜い唸り声を上げるそれは明らかな異型のナニカだった――】
【姿――まるで半円に脚をつけたかのようなフォルムの化け物である】
【正面には人のような顔、頭部と胴体部の区別は非常にわかりにくく、象のような短い足を4つ持っていて】
【そして、下顎が脚のように発達しており、地面にその底面をつけている】 【――そんな存在】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(長屋)<>sage<>2013/03/21(木) 22:30:51.45 ID:c8knGw49o<> >>409

【ふ、と手がノブから離れ、警棒片手の微笑み満面で振り返り】
【相手が一体どういう人物であるのか見極めるように、桜色の瞳を細めていく】
【まあもっとも、黒い服装と煙に巻くような雰囲気を察してそれはすぐに止め】

お仕事ですよ、勤務時間外ですけれど♪
最近は何かと不穏な皆さんも目立っていますし、一つ釘を刺そうかと思いまして

……それで、アナタは私を止めてくれる優しい天使様か何かかしら?
それともタダの野次馬か、特に何も考えていないヘビースモーカー?
私としては誰であってもいいのだけれど、彼らを放っておくのは私、出来なくてね?

【にっこりと。それこそヒトの良さそうな笑顔を浮かべながら、彼女はそう言った】
【手にした警棒やそれを掴む白い手袋、タイトスカートに黒タイツ──】

【帽子まで含めて明らかに官憲なのであろう彼女は、まあ、言うまでもなく奇妙だ】
【言動まで加味するならそれは尚更のことだったし、もしかしたら不審を買うかもしれず】
【当人はそれを知ってか知らずか、歩いていた時のように背後で警棒を両手持ちして】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(長屋)<><>2013/03/21(木) 22:30:55.74 ID:c4TyoQDoo<> >>407
………わかんないッス…
女の子が襲われてたから、助けようと思って…
目を覚ましたらいろいろ聞くつもりだったッス

【ノエルは、アルフォンスの目に虚ろな闇が戻ったことに気づいていた】
【アルフォンスが纏う雰囲気が、暗澹たるものになっていくのを肌で感じた】
【しかし、彼は信じる】
【先ほど見た、瞳に宿る決意の灯火を】
【あの、自分を真っ直ぐに見つめ、求めていた瞳を】

…それで、それが僕たちの目標とどう繋がるッスか?

【ぷしゅう、と、左腕の槍が息を吐くように煙を吐いた】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/21(木) 22:37:09.13 ID:j5polgf7o<> >>410

【男の叫びが木霊する泉の畔に現れる人物が一人】
【その人物はどうやら男の叫びを一部始終聞いていたようで、不思議な物を見るような感じで男を見ている】

あのー……御機嫌よう…
えっと、お隣に失礼しても宜しいでしょうか?

【その人物はこの辺境の地には似合わない服を着た一人の少女であった】
【時折スカートのフリルと自分の髪を風に靡かせながらもにこやかに微笑を浮かべている】
【雰囲気からしてどこかのお嬢様と言った所なのだろうが、首で輝いている10のペンダントがそれを否定していた】

レナール…って言いましたわよね?
それってもしかすると先日の事件…の事かしら?

【まるで幼子を諭すかのような優しげな声色を用い座っている男に尋ねるリーネ】
【その姿は突風が吹けば飛んで行きそうな、そんな弱々しい雰囲気を醸し出していた】
【だがココまで来れたという事は結構タフなのかもしれない】

良かったら……何があったか聞かせてくれないかしら?

【先日の事件に参加していないリーネ、だが状況を把握しておく為にも話は聞いておきたかった】
【相手が正義か悪なんて今は関係ない、話しさえ出来れば良いのだから】


<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/21(木) 22:37:45.56 ID:bmEu2lzGo<> >>408

………………。

【男は無言で持っていた缶ビールを現れた女性に押し付ける】
【勝手に飲め、ともいいから持ってろとも取れる 多分両方だろう】

【ジャケットの内ポケットから紙巻の安い煙草の箱を取り出して】
【一本取り出して、くわえた後、ジッポを取り出してそれに火をつけた】
【先を赤く灯して、煙を吐き出す 紙箱とジッポを手近なテーブルの上に放り投げるように置いた】

あの親父にはポーカーでもやられてるんだ…まあ、あん時はイカサマしてたみたいだけど
どうも、ギャンブルは駄目だな…金のかかった勝負事はどうも苦手だ……まあ、ダーツ自体は

【テーブルの上の空き缶のプルトップを外して中に落とす、煙草の灰もそこに入れる】
【ついでに、一本余っていたダーツの矢を手にとって 的に向かってパッと投げてみた】

【当たりはするも大した点数じゃない所にまたあたった】

……やっぱ、苦手かな  アルコール入ってない方が酷いよ。俺は

【男は苦笑した】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/21(木) 22:40:47.38 ID:ssaPqtqno<> >>412

【アルフォンスはノエルの顔に目を向け、答えを聞くと頷いて話を続ける】


重要なのは考え方です。結局のところ、こういった人間が存在し続ける限り平和はありません
ならばどうするか? 根本を絶てばいい。そのためにこういった人間が現れる理由を考えるのです
彼らの多くは貧困で、しばしばそれに加えて殺人衝動を持つ人間も居ますが、少数派です


【僅かな間だけ死体となった男の顔を見ていたがそれは物を見るような目だった】
【屈んでいた体勢を元に戻し、足跡に血を残しながら表通りの方へ少しだけ近付く】


疑問に思ったことはありませんか?
殆どの人間は──我々のような例外を除いてこの路地裏には近づかず、関わらない
多くの問題と悲劇と死という結末がここでは常識的に訪れているというのに、まるでそれから目を逸らすかのように見ないフリだ
確かにここは危険だ。しかし彼らにも出来ることはある。この場所をどう取り扱うのか話し合うぐらいはできるはずだ

けれど彼らはそうしない。何故か……何故でしょうか?


【表通りに背を向けて、明るい街灯の光と喧騒を背中で遮ってノエルの方に身体全体を向ける】
【両腕を広げて問いを投げかける姿はその冷静な声と相まって教師や学者を思わせる】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(長屋)<>sage<>2013/03/21(木) 22:44:13.66 ID:FO+i3Z7k0<> >>411

【彼女の言葉を聞くと、男はふぅと一息、口から灰色の煙を吐き出した】
【吐き出された煙は男の表情を隠す様不自然に漂う】
【彼女の事を不審に思ったからか、男の紅く染まった瞳を細めて女性を見つめた】
勤務外なのに自主的に仕事とは…良き正義感…?と言っていいのか…
仕事熱心なのはいいが…あまりにも…

【その後の言葉は途切らせ、再び女性を紅い瞳で見つめる】
【男からは言葉を交わして何かを探っている様な感じを受けるだろう】
【それと同時に何かを待っているかの様な雰囲気でもあった】

野次馬ではない…が俺にも目的があってここにいる…
たぶん、あんたとは違った理由だろうが…

【ふぅと、再び息を吐き、煙を吐き出した】

単刀直入に言う、ここから引け

【男はその目的を達成する為、彼女に居ては困ると言ったところ】
【格好や態度からはわからないが、男は何かあった時の為に臨戦態勢をとっているように見える】
【壁際に寄りかかっていただけのように見えるが、隙がなくも感じる】
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/21(木) 22:49:35.33 ID:xU1diwXro<> 【木々が鬱蒼と立ち並ぶ森林地帯】
【普段ならば自然に満ちたその場所も今宵は何やら異様とも言える雰囲気に包まれていた】
【誰かがその場にいれば或いは近づけば近づく程に大きくなるのは自分という存在と世界との齟齬、程度の差はあれど違和感と表現すれば良いのだろう】
【それは本能がここにいるべきではないと叫ぶもの生きとし生けるものには全て備わっている自己保存の理、壊れているのは貴方でなくて世界の方】

【だからそれを理解したのなら、してしまったのなら周りの全ては敵に見えてしまう】
【揺り籠だった世界は今やその役目を放棄して平常の世界に生きている者へと牙を向く】
【あなたは向こう側でわれわれはこちら側ならばお互いを認めないのは当然だし排除しようとするのは自然なこと】


「――――――――あ、……ハハハハ」

【響いた声は人とは些か遠い】
【言語としては理解できるでも獣の要素も混じったような声色】
【聴覚神経を素手で掻き回されているような不快感を伴いながら謳っているのは生けるものへの恨み】
【わたしが外れてしまってなぜあなたは外れずにいるのか、そこに差異があったのならばなぜわたしだけがこんなふうになってしまったのか】

「………………っ、ぁああっ」

【ソレが近づけば漂う、腐臭は遠くからでも感じられる】
【白く煤けたローブで身を包んだソレに顔は存在せず、手から足からは腐肉とも表現すべきナニカが爛れて地面に落ちる】
【じゅう、なんて音が響いたらそれは地面の焼ける音でそうやって自分のテリトリーが広げる様をソレは顔も無いというのに愉悦混じりに嗤う】
【人の形に無理矢理押し込められた「異形」は世界を呪いながら進んでいるその進行方向にあるのは小さな村】

「……ひ、ふ……増や……わた……し」
「違、……わた…………呪う、みな…………」

【無実は苛まれる、日常を愛する者などその日常を奪われた彼女は許さない】
【ならばこの呪われた変えられた身体で同胞を増やして世界を壊そう、全てをこちら側にしてしまえばきっと痛みもなくなる】
【その歩みは弱く広がる毒のよう、侵される者は気が付かず気付いた時にはもう手遅れ……ならばソレを止められるのは部外者だけ】
【何も知らず何も関わりなくしかし力を昂ぶる心を以って不浄を亡き者にする生者をおいて他ならない、その資格があるならば誰かはこの場に自然と引き寄せられる】

【世界を否定するモノと世界を保とうとする者の邂逅は果たして――――――――】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage saga<>2013/03/21(木) 22:52:38.72 ID:2pZkztjt0<> >>202
【指先の腹が剥き出しの神経に触れれば、身体が一度動くけれど、拒絶の反応はただ其れだけ】
【さて、後は指を少し沈めば“彼”の仕事は終わる――――筈、だったのだが】
【風の音を聞いたか、その姿を視界の端にでも留めたのか】
【――――少女の刃は、虚空を撫でるに終わり】


「挨拶も無しにいきなり斬りかかってくるなんて酷いなぁ……
この僕の腕が無くなったら、世界に対して大きな損失だよ?」

【後ろへと跳躍して、音も無く地に足をつければさも愉快そうに笑ってみせるのだろう】
【未だ滴るのは、彼女の血液。それが肘付近まで紅く染めている所を見れば、怪我の程も想像出来よう】
【もう少しだったのになぁ……その言葉と共に、自分の指先を舐めて】


「そしていきなり質問かい?
まあいいよ。僕は皆に平等に接する心を持っているからねぇ。特別、答えてあげるよ
“誰に”?あそこで倒れてる弱い女の子に。“何を”って?仕事をさ
――――許さない?ハハハハハハ!!誰が許して欲しいなんて免罪符を求めたかな?!
僕はね、全て許されてるんだよ!殺す事も盗むことも犯すことも何でもねぇ!!
だってそうだろう?どんなに世界が変わっても所詮は弱肉強食なんだ。敗者は勝者に何をされたって文句は言えないんだ
そして僕は本物の天才。常に強者。才能も努力も、僕の前では無に等しいんだよ」

【折角自ら開いた距離。自ら歩み寄って詰めれば、丁度切っ先が自分の心臓の位置に当たるようにするのだろう】
【押し込めば、その刃は心臓を貫ける――――筈なのに、ただ青年は可笑しそうに笑っていて】
【きっと、その刃を押し込もうとしてもまるで鉄に阻まれているかのように動かないであろうか】
【攻撃を仕掛けてきた少女に対して、反撃の仕草すら見せる事は無く】


「―――― 一度は邪魔をされたけど、許してあげるよ。凡人が羨んで殺そうとしてくるのは何時もの事さ
だけど、二度目は無いよ。指を咥えてみててくれれば、僕は君に何もしない事を誓ってあげよう
そうだねぇ……仮に、邪魔をしてきた時の話をしてあげようか
僕の仕事はこの亜人を殺すだけ。残念だけど君の殺害はプラスにならないんだよねぇ
でもそのまま見逃すのも癪だし、薬でも沢山打って壊した後に何処かに売り飛ばしてあげよっか
君位の上玉なら、きっと何処でも高く買い取ってくれるんだろう?」

【歪む口。青年の性格を知るには十分な言葉】
【雰囲気こそはただの人間――――しかし、亜人の身体すら簡単に貫くその力は、確実に異能持ち】
【その片鱗を未だ覗かせて居ないが故に、力は分からないが――――数々の死闘を繰り広げたならば分かるであろう】
【この男もまた、その余裕を見せるだけの力が有るのだと】


「――――嗚呼、そう。僕とこの死に損ない――――今、感覚共有させてるから斬ったら死んじゃうよ?
最後のお別れ、“僕を許さない”君の手で送ってあげるのもいいかもしれないけどねぇ」

【しゃがみ込んで“仕事”に戻ろうとしたその時、振り返ること無く放たれる言葉】
【果たしてブラフか、真か――――】
【しかし、もし本当に感覚の共有をしていたならば、この青年にも其れ相応のダメージが返ってくる筈。その事を考えると……?】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>saga<>2013/03/21(木) 22:52:59.32 ID:yH095o+Co<> >>383

――・・・ふふ、まさか敵だった筈の"貴女"に――そんな風に信じてもらえるなんて、ね。
ううん、敵だったからこそ――なのかな。
でもありがとう、アタシを信じてくれて・・・それじゃ、でっかい賭けになるけど一緒にやってやろう。

――貴女がアタシを信用するように――アタシも貴女が踏ん張れるって、そう信じてる。

【――ほんの少し前まで、いや正確には本来ならば今でも――宿敵であった筈の二人。】
【倒し、倒され――討ち滅ぼすまで互いにぶつかり合わなくてはならない、運命の最中にあって】
【どういう因果か、傷ついたブラックハートと今セリーナは――心を通わせていたのだった。】
【過去と、そして現在の彼女を取り巻く環境を知り、成すべき事を成す為に二つの"意思"は重なった。】
【敵同士であったそれが平行線からようやっと、一つに交わったとき――敵であったからこそ、互いを互いに"尊重"できたのだろう】
【セリーナもまた、ブラックハート同様に相手を信じている――こんなところで終わるような者ではない、と。】

――"長船"――?よく、わからないけど――
(瑠璃ちゃんといいなんといい、"そっち"系のお名前だね――てことは、あの国の出身かな。)
まあ、ナンバーズはナンバーズだもん、相当錬度が高いんだろうけど――倒して聞き出すのがベスト、かな。
問題はソイツがどこにいるか、って所――・・・こればかりは仕方が無いね、片端から調べてみよう。

【長船――現在のNo.8。どういった人物で、どういった能力者なのか――セリーナには情報が圧倒的に足りない。】
【しかしナンバーズの事を互いに知りえていない、ブラックハートの情報が断片的な事からもわかるように――】
【今の機関は、確かに横のつながりが薄いようだ――。】

・・・ま、トレーラーに豚さんが"三匹"とも乗ってたなら、"レンガの家"ごとアタシ達がバラバラにしてあげるだけさね!
・・・と、備品が壊れてもダメなんだっけ、てことは連中を上手い事車外へ誘い出す作戦も必要――ふむ。
――オーケイ、確かにこいつは難しい案件だね、けど――その"後釜"とやら、貴女だって腹立たしいって思わない?
データーさえあればなんでも良い、って言ってるワケでしょ――仲間まであっさり斬り捨てるそのスタンス、気に入らない。

――――"ハート"。ふふっ・・・悪くない、そうでしょ。
そうさ、一緒に戦おう。ハートを裏切った連中に、一発デカイのをかましてやろう・・・!

【――もう一度、ハート、とそう呼び――彼女は一旦、話を区切る。】
【恐らくは、これから件の"提携先"――機械に詳しいという者に連絡をつけるのだろう。】
【それまでブラックハートには少し、耐えてもらうことになるが――きっと出来ると、信じている。】
【強敵が待ち構えるトレーラー、恐らくは強奪も容易ではない――が、きっと出来ると、確信している。】

【否――成さねば為らぬ。】
【人間を辞め――名前すら失い、全てを憎んできた彼女に――もう一度、笑って欲しいから。】
【だから――今は"ハート"と、そう呼ぼう――全てが終わり】

【――貴女が貴女を取り戻す、その時まで。】

/遅くなりました・・・! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2013/03/21(木) 22:57:07.10 ID:GZ+cFdJXo<> >>414

【抜けるように白い――というには人種的に黄色い喉が、ビールを通してわずかに動く】
【テーブルを挟んで向かいの壁に背中を預け、中身の少し残る缶を指先でくるくると振って】
【反対側の手の指に挟んだ葉巻を、代わりに唇に預ける】

知ってるわ、マスターから聞いたもの
貴方はああやって何度も財布の中身をごっそりやられてるってね

【さすがに大っぴらにではなかったものの、どうやら話のタネにされていたようで】
【故に相手に話しかけてきたのだろうか、冷やかしもそこそこに帰る、というわけでもない】
【何とも言い難い結果のダーツには、こちらも愛想程度の笑みで濁した】

苦手な分野でもチャレンジする負けん気は評価するけど、得意な事で勝負しちゃいけないの?
それとも逆境だから燃えるってやつかしら
カモられるのがイイなんて言うようなマゾヒストだったら、まあ、何も言わないけど

【時折缶ビールと葉巻とを取り替えながら、先の話をつまみにグラスを一杯注文する】
【大衆の酒場に出向くには、女性は身形もしゃんとしていて見かけの年齢に対して青さも無く】
【身じろぎするたびに、薄ら甘く爽やかな香水の匂いがほんのりと漂う】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(長屋)<>sage<>2013/03/21(木) 22:58:32.27 ID:HGhd9lRjo<> >>416

……あまりにも、なあに?
そんな風にジロジロ見られると、変な勘ぐりをしてしまうわ
それとも、野次馬でもなく私のストーカーか何か?

【無論冗談なのだろう、彼女は男の視線をその双眸で受け止めて】
【その上で尚も微笑みながら小さく手まで降ってみせるのだから】

【といっても、この婦警だって察しの通り、バカやそれに近い生き物では断じてなく】
【手にした樹脂製の警棒を弄びながら、男の戦いに移る姿勢を見極めていて】
【また彼も同様に、婦警が即座にヒト一人殺せる状態だと理解できるはずで】

──────やだ♪

【均衡が崩れるのは早い。交渉の余地など無かったと言っていいだろう】
【婦警は言葉に続いてその片手を入り口のノブに伸ばし、それを捻って開けようとする】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(長屋)<><>2013/03/21(木) 23:01:59.45 ID:c4TyoQDoo<> >>415
関わり合いたくないからに、決まってるッス…
命に関わることッス、普通の人ならば関わることを避けるッス

【路地裏は、言ってみれば吹き溜まりのような場所だ】
【死体はゴロゴロ落ちていて、盗みや、強姦や、殺しなど、日常茶飯事に起きる場所だ】
【力なき人々の目には、まるで魔窟のごとく映ることだろう】
【昔の人はこう言った───】

触らぬ神に祟りなし、ってやつッスね

【日和見主義とでも言うのだろうか、大概の人は自分に関係ない面倒事に首を突っ込みたがらない】

戦えない人達にとっては、仕方の無い事だとは思うッス…
それに、放置してても自分から関わろうとしなければ実害は無いッスからね

【でも、と続け】

そのままじゃ、いけないッス

【ノエルは、その教師然としたアルフォンスの態度を見て、お師匠みたいだ、と思った】

でも、どうすればいいッスか?
具体的な解決策は、うまく見当たらないッス…

【いつも、自分は教えて貰う側だ】
【そんな自嘲めいた考えを、頭の外に振り払う】
【今は、考えなければならない】
【少しでも、明るい道を歩むにはどうすべきなのか】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(山形県)<>sage<>2013/03/21(木) 23:02:48.66 ID:3996N4Vdo<> >>413

【ふとかけられる声――体育座りのまま、その顔はそちらの方へと向く】

あァ? ……何だ人間か
俺様がせエっかく気分よォくしていたのによォ……ん?

【そちらに見せるのは、あからさまな不機嫌さ――】
【――しかし、少女の首で輝くNo.10のペンダントを見れば、それは少し鳴りを潜める】

……ヒャハハハ、カノッサ機関の野郎だったか!
だアったら許してやろう、隣に来ィても構わん

あァ、もォしかしなくともあァの時の事件のこォとだ
何があったかァ? ――そォんなの単純だァァアア!

【その者の顔が、悪意に溢れた満面の笑みにへと変わる】
【雰囲気も――それが邪悪そのモノで有ることを、紛れも無いそれで有ることを示すかのように変わって】


――レナールは、最高の場所に生ゥまれ変わったんだァァアアーーッ!


【――ガバッ、急に立ち上がれば両手足をくの字に曲げながら叫んだ】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<><>2013/03/21(木) 23:06:42.63 ID:GF9DL7yx0<>

――重大なミス、でありますな………。


【―――身を隠していた。】
【所属していた会社の機密を知り、追われていたからだ。】
【――、路地裏の壁に背を付け座り込んでいた。】

【迷彩柄の軍服に、戦闘帽を乗せたブラウンの髪と同色の瞳。】
【170?ほどの背丈で、たれ目が特徴的な青年である。】


会社に忘れてしまった、であります……。
しかし私が取りにいくのはむざむざ死ににいくようなもの……。


【カロリーメイトを口に放り込みながら、ぐぬぬと表情を曇らせた。】


<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2013/03/21(木) 23:09:10.23 ID:14Nz+3QB0<> >>417

止めておけ=\――。

【ふと、静寂を切り裂くように―――良く通る声が森林のざわめきに紛れて響き渡る】
【りぃん、と残響を残すように放たれた言葉の主は異形の前方に立っていた、モッズコートのフードを深めに被り顔は見えない】
【両の手へはポケットへ入れて仁王立ちをしている―――そして背には何か巨大な物体が背負われているのがシルエットで見て取れる。】

【声からして青年だろうか………その人物は再び口を開く。】

そんな事をした所でより一層蝕まれ、より一層に苦痛を味わうだけだそれでもまだ進むというならば―――。
          俺が、お前を受け止めてやる=\――さぁ、どうする?

【芯の通った声が再び森林に木霊する―――ただ静かに紡がれた言葉はキリキリとした威圧感をどこか孕んでいて】
【瞳は見えないが、前方の人物は真っ直ぐに、眼を背けたくなるような異形の姿を捉えている。】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/21(木) 23:11:46.39 ID:QR88SoMl0<> >>421

冗談を言う暇があるんだな・・・

【臨戦態勢を取る二人、そしてその均衡を即刻崩したのは彼女の方であった】
【彼女の言葉と共に、ノブを掴む手】
【男はチッと言う小さな舌打ちと共に口から煙を多く吐き出し、周囲に漂っていた煙が男の周りへと集まっていく】

あいつがまだ来ていないが・・・!
仕方がない、作戦を実行する

【吐き出された大量の煙】
【その煙は男の隣で大きな大きな拳へと形作った】

スモークハンド
―煙手!

【形作った質量を持った煙は、握りこぶしのようなグーの形をし、女性の背後から襲いかかる】
【彼女が開きかけているドア、その開くドアと同時に彼女を後ろから吹き飛ばし、ドアを強引にあけて中に入ろうとするだろう】
【何とも強引に、そしてそれと同時に彼女が気絶でもしてくれれば吉とでも考えての行為だ】

【実際のところ、煙で作られた拳に人を気絶させるほどの威力はあまりない】
【土嚢を後ろから強く投げつけられた程度であろうか】
【それでも当たり所が悪ければ気を失うかもしれないが、それよりも煙に押されてぶつかるドアによるダメージを期待しているのであろう】
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>saga<>2013/03/21(木) 23:15:06.69 ID:Hka45BH00<> >>419

そう……だね…………、敵だったからこそ……って、うっ…………言うべきなのかな……?
……あたしも、多少の意地は……あるさ…………ッ

【戦いにおける常道の一つに、敵を良く知るべし、と言うものがある】
【ブラックハートとしても、セリーナの正確な戦力などを把握している訳ではない】
【だが、その事実があれば、ブラックハートは少なくとも、セリーナを過小評価する事など、しようはずも無かった】
【――――憎しみのままに戦う、狂犬の様な戦士と、そう思われているかもしれないが】
【少なくとも、そこに全く思考を割り込ませる余地の無いタイプではなかった】
【身体の辛さをおして、無理にそう返事して見せる。それもブラックハートの『意地』だった】

……確かに、ね…………瑠璃も、その『長船』も……どこにいるのかも分からないから…………総当たりしか、ないかい…………

【現在、ブラックハートに分かるのは、本当にそれだけだった】
【セリーナの考察する通り、機関の現在の『繋がり』は、組織として見る範囲では、非常に薄いものがある】
【そこは、ブラックハートの言う様に、組織の風通しの悪さと言うデメリットだろうが、同時に情報が割れにくいと言うメリットもある】
【今回は、その両方が絶妙に作用しているケースと、そう言う事が出来るだろうか】

……その連中が、どういう編成をされてるのかも、気になるところ……っぁあッ…………でもあるね…………!
それによって、色々と、変わってくると思う……よ…………

【3人の兵士――――彼等は分散されているのか、弾力運用されているのか、それとも常にチームを組んでいるのか】
【それによっても、状況は変わってくるだろう。トレーラーの運用も、また実際に敵対する時にも】
【そこはもう、実戦に立つ事も出来ないブラックハートの手には、余る領域になっていた】

――――それは、流石に分からないさ…………その連中だって、どういう素性なのか…………分からない事にゃ、ね…………
もしかしたらあたしみたいに、またどこかから行き場の無い奴を拾ってきたのかもしれないし…………機関に忠誠厚い奴が、自分から改造されたのかもしれないし……
……何も分からない今のままじゃ、腹を立てようも……ないさね…………
……昔…………在野の人間を実際に、さらってきた事もあったからねぇ…………あまつさえ、虐待のケースが出て、内部でも問題になった……事が……ねぇ

【ブラックハートの表情に、陰が差す。その『後釜』も、どういう人間なのか、分からないから】
【――――自分という前例がいる以上、そして、過去在野の能力者である『南雲利織』を誘拐した時の事を考えれば】
【その『後釜』が、最初から機関の内部の人間であった可能性が、100%とも言い切れないと】
【そして――――自分がそうであった事を思い返すと、ブラックハートはその相手を憎み切れずにいた】

…………あぁ、なんだかんだ言って、切り捨てられた事そのものは、あたしだって業腹さ…………!
――――グラトン…………アレには一矢報いてやるよ…………力の限り、ねぇ…………!

【そもそもが、ブラックハート自身、今は口に出さなかったが、グラトンにも散々な虐待を受けてきた恨みがある】
【強引にサイボーグにさせられ、必要以上に尻を叩かれ――――それもまた、彼女の憎しみの人格を形成する一助になっていた】
【今の時点で切り取ると、そうした憎しみをグラトンは完全に乗りこなし、矛先が自分に向く前に処分した――――と言う、グラトンの上手の結果になったが】
【ブラックハートは、かろうじてではあるが、まだ生き残っている。その憎しみの炎が、再度グラトンに向く可能性も、ゼロではないのだ】

…………うっ、グ…………済まない…………ちょっと、横にならせてくれよ…………

【――――残っていた右目のカメラも、徐々にきしみが強くなっている。彼女が視覚を失うのも、もう時間の問題だろう】
【それ以上に、流石に身体にダメージが蓄積して、辛い様だ。ブラックハートは答えも待たずに、身体を横たえた】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/21(木) 23:16:28.34 ID:bmEu2lzGo<> >>420

……毎回、次は勝てるんじゃとは思ってるけどね
ハイレートのホールデムだと、勝率はまだマシってぐらいさ

【テーブルの上のヌルくなったスタウトビールの口を開ける】
【正確にはぬるくなるのを待っていた。だ こっちのほうが香りがいい】
【そう思いながら、煙草を一旦灰皿(代わりの空き缶)に置いて、黒い液体をあおる】

【負けて、悔しそうだとか金が惜しそうとかそういった空気は微塵も感じられない】
【飄々とした態度でいる 背が高いと神経が足りなんだろうか アルコールで悲しみが薄まっているんだろうか】

まあ、どちらにせよギャンブルはてんで駄目だ。だが、気がついたら目の前のカードにBETしてるんだ
これはまあ…諦めるしかない 浪費をやめるより、その分余計に稼ぐ方が気が楽だ

【薄く笑いながらビールを飲んで 缶をテーブルにおいて 煙草を手に取る】

……で、そんなアンタは負けを笑うのが好きなサド婦人ってわけ? 立派なご趣味だ
まともな香水をつけた女なんて、フレンチレストランでしか見ないかと思ったよ

【皮肉というより軽いジョークと言った風で嫌味なく言う】
【この男にはそういった技というか雰囲気があるんだろうか】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/21(木) 23:17:33.48 ID:j5polgf7o<> >>423

折角の休息を邪魔してしまい申し訳御座いません

【不機嫌そうにこちらを向く男に頭を下げ、申し訳なさそうな表情になるリーネ】
【頭を下げながらリーネは相手のことを気難しそうな人だな、なんて思っていた】

ええ、一応カノッサ機関の10を勤めさせて頂いております
名はリーネ・ヴァーゼン・フォルテ、主な仕事は工作活動

【機関員であることが功を制すなど初めてのことかもしれない】
【珍しい事もあるもんだなとぶら下げているペンダントに笑みを浮かべながら男の横に腰を下ろした】

はぁ……そんなに単純な事だったのですか?

【リーネの心に一瞬だけ光が浮かんだ、簡単に事が知れそうだと言う期待の光が】
【でもどうやら悪人にはそんな光も届かないらしく――――――】

…最高の……場所?

【自分自身理解力の高い人間だと自負していたが、流石にこれは難解すぎたらしく】

私の頭の許容量ではそのお言葉理解できそうに御座いません
もし良ければ…もう少し簡潔に且つ鮮明にお教えいただけませんでしょうか?

【気難しそうな相手の気を損ねないように自分を卑下しながらもう一度尋ねるのであった】
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/21(木) 23:22:04.59 ID:ssaPqtqno<> >>422

【アルフォンスはノエルから目を離して背後の先にある光に目を細めた】
【耳を澄ませれば雑踏の音が聞こえる。行き交う人々の喧騒も、明るい世界の命の音として聞こえてくる】
【それほど近くにあるというのに、全ての人はこの場所が見えないかのように通り過ぎていく】


その通りです。彼らは単純に関わりたくない。関わっても利益はないし、危険だ
そんな打算めいた考えが“善良なる一般市民”の間の常識なのですよ
彼らはここで生贄のように捧げられる人々に目もくれない


【ノエルへと戻ってきた瞳には暗い炎があった。ほんの僅かにだが言葉には怒りが垣間見えた】
【“善良なる一般市民”──彼は表通りの人々を皮肉を込めてそう呼んだ】


……解決策は非常に単純です
つまり、路地裏に関わらなくてはならない状況にする他ない。そうでなくては、彼らは動かない
まずはこれが必須です。人々の意識の変化が、目覚めが必要なのです

そのためには──路地裏という名の膿を外に出す必要がある
偽りの平和を享受する人々に、自分たちが加害者であり本当は危険であることを知ってもらう必要がある

──彼らに試練を与えることこそが、最短の道でしょう


【もう一度、アルフォンスは表通りへと目を向けた。街灯の光はここまで届いていなかった】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/21(木) 23:22:07.59 ID:xU1diwXro<> >>425

【彼がソレに相対するというならばしかしそのような言葉は既に意味をなさない】
【ソレはもう他者の言葉を理解することなく理解するつもりもない、目の前に立つモノを呪いしかない】

「ひ、……ひひひひひ」

【運命の人にようやく出会えたそんな笑みは狂気を帯びている】
【あなたは向こう側だからわたしはあなたをこちらに引きこまなければならない】
【ローブの袖から覗く腕は人の形でありながら爛れる皮膚は絶命の時の人の顔を幾重にも作りだしては消えて】

「――――――――ひっ」

【動作は唐突に、叫びの後にソレの両手は青年へと向けられて「伸びる」】
【汚泥としてこの世界に現界した爛れは触れただけでその部分を燃やすほどの代物だ】
【煮えたぎる掌を彼の両肩へとそっと重ねそして一気に自分の側へと引き寄せる、その力は常世の女性のモノとはかけ離れている】
【怨嗟が形となして力はそれに比例して強く、一度掴まれたのならばそう簡単には離さないとばかりに……引き寄せるだろう】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>saga<>2013/03/21(木) 23:27:26.09 ID:yH095o+Co<> >>427

・・・そっか、後釜さんにしたって――・・・"貴女"みたいな境遇を生きてる可能性も、捨てきれないか。

【――考えたくも、想像したくもなかったが――ブラックハートの後釜の三人、兵器として運用されている"兵士"もまた】
【グラトンや機関によって言い成りにされている、過酷な環境を生きている者かも知れなかった。】
【つまるところ――・・・】

"元凶"をブチのめさない限り――この連鎖は止まらない、ってコトだね。
う〜・・・でもそうなると、その三人がまたネックだねぇ。もしブラックハートみたいに命を握られてるなら・・・

――ま、そん時は全員、助けるだけ、か。

【気軽に言うが――いや、もうそれしかない。】
【結局のところ、彼女は"ベスト"を尽くさなければ意味が無いと考えている――出来ることは、全てやりたい。】
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>saga<>2013/03/21(木) 23:27:49.32 ID:yH095o+Co<> /ぎゃああ>>432は途中送信です!すいません! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋)<>sage<>2013/03/21(木) 23:30:54.97 ID:D7kR/RdTo<> >>426

【ゴッ!という衝撃音と共に、婦警はその身で扉を開け放つこととなる】
【いや、唐突ではあるがそれは事実。確かに煙の拳は彼女を打ったのである】

【──が、婦警は手袋をはめた両手で地面を捉え、勢いを殺して一回転】
【スカートの中は見えなかったが、ヒールの靴でも難無く着地】
【まるで体操競技の様なそれは、恐らくは荒くれどもの目の前で行われることになるのだろう】

ふふっ…♪あまり激しくて気の早い男性は好きじゃないのだけれど
たまにはこういうのも、悪くはないかもしれないわね……?

【びしっ、という耳障りな音が婦警から聞こえる。見れば、彼女の肉体を覆うように岩石が在って】
【余りに不自然なそれは能力なのだろう、徐々に小さくなっていって】
【やがて消えてしまうと、婦警は振り返って、開け放たれたドア越しに男を見やる】
【周囲では─恐らく、だが─余りに唐突な出来事に何人もの若者たちが呆気にとられ、動けずにいて】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(山形県)<>sage<>2013/03/21(木) 23:34:20.95 ID:3996N4Vdo<> >>429

やアっぱり機関の野郎だったか
――ヒャハハハ、俺様はカノッサ機関に協力してやっても良いと思っているからなァ
"世ェ界に混沌を齎す"とは、なァかなか良い理念だぜェェエエ

【次に見せた悪意に溢れた笑み、邪悪な雰囲気、】
【そして、カノッサ機関の協力者(?)――】
【――間違いはないだろう、この者の立ち位置については】

……おォい、わァからねェのかァ?
最ッ高の場所に生ゥまれ変わったって言うのはなァ……

【その笑みを残しつつも、半ば呆れた顔で再び体育座りに戻れば】

人間どもの暦で2013年3月17日ィッ! レナールは黒い霧に包まれたァッ!
中に居た人間どもは化け物と化しィッ! 心地の良い空気が辺りを包み込むゥゥウウッ!
糞でけえ塔が出てきたり、糞人間共が突入したりなんだりしたがァ、……そォーいや後から入ってきた奴らは平気そォーだったなァ
とォにかくゥッ! ――その素ゥん晴らしい空間は依然としてそのままァッ!

【ひたすら、嬉しそうな顔をしつつ大きな声で言葉を発するのみ】
【それはとても早口であり、そして個人的な感情を含んでいて――】
【――……ともかく、よほど今のレナールを気に入っているのだろう、あとはただ高笑いをするのみ】

ヒャアアァァアーーーーハッハッハッハッッハッハァァアアッ! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>saga<>2013/03/21(木) 23:39:21.78 ID:yH095o+Co<> >>427

・・・そっか、後釜さんにしたって――・・・"貴女"みたいな境遇を生きてる可能性も、捨てきれないか。

【――考えたくも、想像したくもなかったが――ブラックハートの後釜の三人、兵器として運用されている"兵士"もまた】
【グラトンや機関によって言い成りにされている、過酷な環境を生きている者かも知れなかった。】
【つまるところ――・・・】

"元凶"をブチのめさない限り――この連鎖は止まらない、ってコトだね。
う〜・・・でもそうなると、その三人は戦力的にも状況的にも、あらゆる意味でネックだねぇ。

もしブラックハートみたいに命を握られてるなら・・・

――――ま、そん時は全員、助けるだけ、か!

【気軽に言うが――いや、もうそれしかない。】
【結局のところ、彼女は"ベスト"を尽くさなければ意味が無いと考えている――出来ることは、全てやりたい。】
【無論、彼女とて自分で全てが救えると甘い考えで動いているわけではない――むしろ、失敗の可能性をいつも考えてはいる。】
【しかしそれでも尚――失敗するかもしれないからという理由で、妥協する方向に話を進めようとするのは絶対に嫌だった。】
【自分がどれだけ理想を語っているのか、そこは重々承知の上で――そこに少しでも、近づけるよう全力で生きること】
【全力で戦い続ける事こそが――UTという組織に身を置く彼女の、根本の思想。】

――ハート、この戦いには不鮮明なことが多いけど・・・まず、出来ることから始めようと思う。
だから貴女は今、貴女に出来ることを全力でやれば良い。
――生きて、ハート。それがきっと全てに繋がるから。

【彼女の身体を、簡素では在るが用意されたベッドへと移し――横たわらせる。】
【上から毛布をかけ、一度――優しく手を握り】
【セリーナは最後に、ブラックハートの――視力を失いつつある彼女の瞳に、微笑む。】
【――もう、届かないかもしれないが――きっといつか、貴女も心の底から――笑顔になれると、そう信じて。】

・・・おやすみ、"ハート"。

【――倉庫を、後にする。】

【――カノッサ機関の構成員、敵であったはずのブラックハート――】
【彼女と、彼女の仲間を救出する為の新たな戦いが――また、始まろうとしていた。】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2013/03/21(木) 23:41:30.00 ID:GZ+cFdJXo<> >>428

【干すように空にされた缶は、大して味わわれもせずに灰皿から少し離して天板に置かれ】
【代わりのようにちょうどいいタイミングで、店員からすっと白酒が差し出される】
【芳醇な香りを漂わせる蒸留酒を口にすると、これぞ、と言わんばかりに頬が綻んだ】

鼻を明かしてやりたいなら、それなりの手段は講じ無くっちゃね
サマされた事だって、賭け事でならその場でバレなきゃ咎められるべきじゃないもの
貴方だってそう思うから、まだ賭けを続けるんでしょう?

【相手が明らかにみじめったらしい様子であれば、女も相手に話しかけはしなかっただろう】
【からりとして感じよく、世俗の雑多な部分から一歩置いたような雰囲気があったからにこそ、だ】
【故に言葉遊びの毬の中には好意的な部分と、値踏みする様な部分が混じり合う】

そういう真っ直ぐなのは嫌いじゃないわよ。博打する為に金を掻き集める男はもっと素敵
ふふ、フレンチはあんまり好きじゃないわね。フランス租界で食べた混ぜ物のバターの味がすごく印象に残ってしまって

そうね、負けた男を見てるのは好きよ、でもそれは自分で負かした男だけ
強いて言うなら、危険な匂いがしたからかしら

【しなを作るようにゆっくりと首を相手の方に向け、目尻を細めて目配せする】
【チャイナドレスにフランス租界、薄い顔立ちにスラントアイズ。総合するに、ソトの世界の国の、チャイニーズだろうか】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/21(木) 23:41:57.32 ID:QR88SoMl0<> >>434

―!?

【気絶―ないしわずかなダメージを男は期待していたが、彼女からはそれを感じられなかった】
【ドア越しで見えた、彼女の異形な姿】
【こんなところに一人で来るのだ、何も丸腰なんかで来ることは無いのは分かっていたことであろう】
【男は妙な納得を自身の中に決め、再度煙による攻撃を開始した】
【集まりゆく煙―そして形作っていく煙】
【今度は大きな手ではなく、人くらいの大きさのまるで白蛇の様な形を煙は作り出していった】

 スモークモンスター・スモークスネーク
―煙怪物― ―煙蛇―

【男の言葉と共に、煙となった蛇はドアを越してフェンスの中へと侵入してくる】
【狙いは彼女―でわなく、中にいる若者達】
【若者たちを殺そうなどと考えているわけではなく、邪魔なものを退けるかのように蛇は体当たりをするだろう】
【それに伴い男は煙で作られた蛇に身を縦にしながらドアの中へと侵入しようとする】

―奴らは…!いないか?

【彼の目的―ある人物たちを探していたのだろうが、その姿はドア越しから見える範囲では見当たらなかったようだ】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(長屋)<><>2013/03/21(木) 23:46:48.19 ID:dORsPD17o<> >>430
…………路地裏の連中を焚きつけるッスか?
きっと、支援する奴がいればみんな表に出て略奪するようになるッスね

【路地裏の住人にとって、「外」の人々は間違いなくカモだろう】
【力を持たず、あくまで関わろうとしない臆病な人間に、抵抗など出来るはずが無い】

でも、それじゃあただの無秩序ッス
試練は、超えられなければただの災害ッスよ?

【虐殺は、試練とは呼べない】

人々に危機感を与える所まではいいッス
それでも、頼る先はあるッス
警察やUNITED TRIGGER、まず間違いなく彼らは戦うッス
一般市民を戦わせるには、もっと別の方法が必要だと思うッスよ

【今はまだ、思い浮かばないッスけど、と付け足す】
【実際、路地裏の住人たちが溢れ出したら、止めようとする者達はいるだろう】
【しかし、それではダメだ、結局「戦える人に任せよう」という点で終わる】

最短の道は最良の道はとは限らないッスよ
アルフォンス、君は一体───

【──何を焦ってるッスか?】
【そう、問うた】

【彼の言っていることは至極単純だ、理解する努力すら必要ないくらいに明快だ】
【路地裏の住人を、解き放ち、外の人々を襲わせる】
【そうすれば、外の人々は身を守る為に関わらざるを得ない】
【しかし、それでは余りにも血が流れ過ぎる】
【それに、もし正義の心溢れる強い人が、悪党を蹴散らしてしまったら】
【まず、間違いなく無為に人が死んで、それで終わるだろう】

【それではまずい、とノエルは考える】
【それではアルフォンスは汚れたままになってしまう】
【具体的な案が思い浮かばない以上、反論でアルフォンスの案を潰し、安易な行動に移させないのが最上、と判断した】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/21(木) 23:47:39.72 ID:j5polgf7o<> >>435

【相手がカノッサ機関に協力しても良い、そんな事を言うのを聞いてニンマリと笑みを浮かべた】

あらまあ…そうでしたの、機関に協力しても良いだなんて光栄ですわ
良ければ貴方も機関に来てみないかしら? 貴方様ほどの人だったら良い所に行けるかもしれませんわ

【相手の立場が分かると同時にリーネが始めたのは機関への勧誘】
【言葉の節々に適当な褒め言葉を交えながらも相手を引き込もうとする、言わば一種の職業病】

……申し訳御座いません
お勉強足りなかったようで…以後気をつけます

【別に相手に皮肉を飛ばしているわけではない、理解できない自分を本当に恥じているのだ】

塔が出てきた? それは……最初から合ったのではなくて? 化け物になる人間? 黒い霧?
えっと…黒い霧は人間を化け物にしてその後塔が出てきた……そう言うことかしら?

そうなのですか……已然その霧は晴れていないのですか…

【これは調査する必要があるなと気になる語句を頭の中に叩きつける】
【塔の事も気になるし問題はその黒い霧だ、もしこれを手にすれば簡単な兵器が作れるかもしれない】

ふふっ……貴方様みたいな人からお話しを聞けて光栄です…
貴重なお休みの時間を割いていただいてありがとう御座いますね

【高笑いしている男を静かに見つめて聖母のような笑みを浮かべるリーネ、口からは溢れんばかりの感謝の言葉が男に告げられるだろう】
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2013/03/21(木) 23:48:09.04 ID:14Nz+3QB0<> >>431

ちっ………だから嫌なんだよ、こいう類は彼ら≠ノでも任せるべきなんだ
とはいえ彼らも彼らで立て直しで忙しい、か―――先に言っておく、異形の者………俺はお前を救えない

だから命≠ェ惜しくなったら適当に逃げるんだな、返事は聞かねェよ。

【静かに青年は言語の通じない相手へと言葉を紡ぐとその瞬間に既に異形の両手は眼前に迫っている。】
【じゅうううっ!火の通った鉄板に肉を乗せたような音と共に、汚泥によって青年の両の肩は焼かれていく―――。】
【白い湯気と共に人肌の焼ける臭いが立ち込めるが青年は悲鳴を上げるとこはなく耐える=z

ッ痛!痛てぇな………それにこのコートいくらしたと思っていやがる………いい感じの焼き加減だなッ!

【一度舌打ちをした後に相手に通じる訳もない毒を吐くが即座に異形によって引き寄せられてしまう】
【その細い腕からは想像もつかない凄まじい力で引き寄せられ、青年は無抵抗に異形の前に躍り出てくる、だがその手には何か………】

           どうした………その程度か?お前の怨嗟はその程度なのかッッ!!?

【それはワインレッドに染まった大型のブレードライフルだ、青年はそれを両手で持ち銃口を異形の腹部へとピッタリと突きつける】
【そしてトリガーを引く―――闇に染まった森林を照らすような閃光と共に、激しい銃撃が超至近距離で放たれたッ!】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>saga<>2013/03/21(木) 23:56:33.04 ID:Hka45BH00<> >>436

……その認識で、ほとんど……間違いないと、思うねぇ…………
グラトン……アレは、止めなければ……止めども無く、機関の勝利の為に、全てを投げ出すだろうさ…………
他人の命も…………もっと行きつくところに行ったら、あいつの事さ…………もしかしたら、自分の命も…………
……あいつの口癖、だからねぇ…………「『最終勝利』の為に」……って…………
……それに…………「『死』は、自分の隣人であり、友人だ」……とも…………

【ブラックハートを使い、そして今新たな手駒を揃え、それすら己の意のままに使い】
【そうまでして機関の戦いを進む、≪No.6≫――――グラトン=ブルーガー=ウルバヌス】
【あの狂人なら、本当に――――勝つために、多くの他人の命を浪費させ、自分の命すらそこに捧げかねなかった】
【――――あの狂った頭脳を止めない限り、機関の中に、そして外に――――悲劇は絶えないのかもしれない】

…………なんだか、悪いね…………セリーナ…………
――――いや、何でも無いさ…………

【横たえた身体をベッドへと運ばれ、ブラックハートは珍しく、悪びれた様子をみせる】
【そして何かを言い掛け――――思い直したように口をつぐんだ】
【――――自分の事など、さっさと殺してしまった方が、『UNITED TRIGGER』としては、楽だったろうに】
【何気なくそう言いそうになったのだが、それはセリーナ自身の意に反すると、ブラックハートは考えたのかもしれない】
【――――本当なら、感謝の言葉でも口にするのが、この場において『正しい』のだろうが】
【まだ、ブラックハート自身、整理がつき切っていないのだろう。バツの悪そうな様子も、彼女の中の、微かな感謝の表れだったのかもしれない】

――――――――『また』……な…………セリーナ…………

【背を向けるセリーナに、ブラックハートは『また』と――――再会を期する言葉を掛ける】
【今後、自分がどんな答えを出すのか――――そもそも、自分に『今後』など有るのか。それは分からないが】
【別れの言葉などより、よっぽど似合っているはずだ。今の自分たちには】
【そのまま、ブラックハートは苦しげな様子で、静かに己の身体を休めに入る――――――――】



【――――機関某所 研究施設】

「……ウルバヌス様、例の後継部隊の件……ほぼ、問題ありません」
うん…………! そうじゃな…………ついに『人工強化プロジェクト』は、新たなる段階に進む時が来たんじゃ……!
――――『最強の力』を持った兵士は、ここに出来あがった…………後は、『最強の意志』を持った、その兵士さえ、この手で作り出す手段をものにさえすれば……ッ!!

【デスクに座り、報告資料に目を通すは、『人工強化プロジェクト』責任者にして、主任研究員――――≪No.6≫の、グラトン=ブルーガー=ウルバヌス】
【――――齢96と言う老いを感じさせない、血色の良い肌と、エネルギーにぎらついた瞳が、狂喜を溢れさせんばかりに湛えていた】

「ウルバヌス様、つきましては…………あの3人のチームに、名前をつけて頂きたいと思います」
そうじゃなぁ…………実戦評価部隊、コードネームは――――――――ッ!!
「――――な、なんと…………!」
分かり安かろう? ……いずれ彼奴等が、この機関を躍進させるんじゃよ…………!

【――――ブラックハート去りし後も、彼らの暗躍は止まらない】
【『最終勝利』を目指す彼らの前途の暗闇を、もろとも飲み込んでしまうがごとくに――――】

/3日間、ありがとうございましたー! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/21(木) 23:58:37.83 ID:xU1diwXro<> >>441

【或いは彼女の恨み辛みがこうして形を持たなければその青年の攻撃は受けなかったのかもしれない】
【強すぎる思いはこうして物質となって、だからその一撃は――――――――】

「―――――――っ、ぁあああ」

【水たまりで跳ねた時のような水気を帯びた音を弾ませながら吹き飛ぶ腹部】
【飛沫は散らばって地面を侵して異臭を放つ、3歩ほどよろめくソレは揺れて】

「あああ、ああああああ!!!!」

【歓喜に打ち震え四方三里に及ぶような恍惚の声を喚き散らす】
【ああ、自分がこうして穴をあけられるというコトはつまりわたしはあなたに触れられるということに他ならない】
【だから、だからこちら側へあなたを引きずって引きずって引きずって】

「おン……なジ……ひっ!ひひひっ」

【伸ばす手は差し伸べられるけど本来の意味とは違う】
【引き寄せて交わる為だけの穢す為だけのもの、だから掌から溢れるのは「呪い」でしかない】
【まるで彼の弾丸を真似たような「拳大の肉塊」を両手から1つづつ、合計2発を顔に向けて】

【その放たれる肉塊も怨嗟を喚き散らしながら空間を汚染しながら近づいてくる】
【青年からしてみれば触れればその箇所からじわじわと広がっていく理解不能のモノが意志を持ちながら近づくのだから溜まったものではないだろう】
【ただ物質としての姿があるならば必然避けることもできると考えて良い】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(長屋)<>sage<>2013/03/22(金) 00:00:05.75 ID:HJUCN0Joo<> >>438

【にっこりではなく、ニヤリと笑った婦警は右足で地面をカツンと踏んだ】
【すると周囲の大地が徐々に泥化──波紋が広がるように、それは満ち】

【婦警は次の男の行動をある程度読めたのだろう。下手に動くことはせず】
【一方の若者たちはといえば、訳も分からず大蛇に蹴散らされ】
【完全に恐慌状態に陥ったところを、婦警の作り出した泥に手足を取られてしまい】

……あら、ヒト探し?
それこそ私たちに頼んでくれればいいのに、信用がないのかしら

でも何にせよ……お陰で私のお仕事はやりやすくなったけど♪

【くすくすと笑いながら、婦警は柔らかくした地面を硬化させた】
【これによって若者たちは土の枷に繋がれた形になり、男は無事に侵入を終えることとなり】
【また誰かを探すのであれば、若者等が動けないこの状況は好条件でもあるのだろうか】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/22(金) 00:02:48.68 ID:O5AzMuADo<> >>439

【ノエルの返答を聞いたアルフォンスはまた静かに目を閉じた】
【思考をする際の彼の癖だが、今度は時間が短く、顰められた眉が答えが出なかったことを如実に表していた】
【ただし、出なかったのは具体案の答えではない】


そう……ですね。些か以上に難しい手法になります
しかしね、彼らは自分たちの行いに対する結果を受ける必要があります
今でこそ、一部の人間たちが彼らの行いから生まれた様々なものを受け止めていますが、これは歪な状態だ
責任はそれを行なった者に返るべきです。つまり路地裏の混沌は、それを構成する手助けをしている彼らへと向かうべきだ


【アルフォンスが思いつかなかったのはノエルを言いくるめる手段だ。多くの人間が死のうと彼にとっては些細な事】
【重要なのは真に生きているべき者が残り、何も生み出さない愚かな人間が排撃されること。それを目指す上では路地裏の解放は妙案だった】
【アルフォンスはそこまでは言わない。感情的な方向性をそれらしい理論の鎧を纏わせるだけだ】


……焦りもしますよ
この世界の寿命は残り少ない。一部の者が偽りの安全地帯に暮らし、それに近い人数が路地裏で貧困や飢饉に喘いでいる
数少ない人間に富や食料が多く流れていく一方でそれによって死ぬ人間や犯罪者は増加の一途
そのうち、裕福な人間すら居なくなるでしょう。抜本的な解決を急がなければ、手遅れになります


【ノエルから視線を逸らすかのように、表通りの更に先、他と比べるとやや背の高い建築物に目を向ける】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(山形県)<>sage<>2013/03/22(金) 00:05:20.84 ID:lQe1hfqno<> >>440

ヒャハハ、俺様を機関に引き入れよォーってか!
そォーだなァ、……俺様をスカウトしてェーなら、条件を一つッ!

そォいつは――最ッ高にでけェ地位のイスを寄越すことだァァアア!

俺様は人間共の下に就く気はねェからな、あァくまでも今は協力してやアってるだけだ

【――この者は直接言わなかったものの、……つまりは機関の"最高位"をよこすなら】
【入って"やっても"良い、――そういう条件である】
【非常に傲慢極まりない条件だが、……――間違いない、本気で言っている】

糞人間共の相手をしていたからなァ、詳しくは知らねェーが、……
いィつの間にか空から逆さまに塔が生ァえてたってところだ、多分黒い霧を出した奴の仕業だろう

そォーだ、黒い霧と人間共の変化の因果関係はともかく、そォいつが出てきた後に人間共が化け物になったのは間違いねェ
人間を化け物にした黒い霧……こォんな風になァ、……こォいつはレナールで拾ってきた奴だ
……たァだ、今、霧の中に入っても変化はしねェかもしれねェ、少なくとも俺様に楯突いてきた糞共はたァだの人間だったからなァ

【そう言い、目の前の奇妙な生き物――容姿等は前述通り】 【それを指さす】
【ひょっこひょこ】 【大きさはだいたい60cm程だろうか――それが自分の隣に寄ってくれば】
【両手でそれを持ち上げ、脚を崩せばその上に乗せる】

――ヒャハハハ、テメェーはなかなか立場をわかっているよォーだなァ!
だァが、一つ訂正をしてやろう――

俺様は悪しき闇の主――"ベテアドット"という悪魔の中でも超強ェー存在ッ! 邪禍ッ!
人間などと一緒にするんじゃあねェぞ <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(空)<>saga<>2013/03/22(金) 00:07:46.40 ID:JqQ7lOvd0<> >>418

【血が、笑みが、嘲る声が、亜人の少女を傷つけて、抉って、なおも嗤うものの存在を少女の意識に焼き付けて――――― 】

【ギリ……と噛みしめた奥歯が鳴る。堪えがたいこの現実を突きつけられ、衝撃と激痛に歪む表情。】
【僅かに俯き、橡色は涙に濡れたような色で強く彼を睨む。憎悪に塗れた光。】
【けれども其処には無力感が、】

………許、さ、ない――――――

【彼女が傷つけられるのを防げなかった、“遅かった” 自分への無力感が宿っていた。】
【悪意に満ちた青年を許さない。“傷つけることを許してしまった”、 自分を許さない。】

【彼の口からは全能者の紡ぐような言葉が聞こえたが、そんな事はどうでもよかった。】
【自分にとって大切なものが、彼に踏み躙られたという事をもっと深く識って……】

【………それを “傷つけた” のが、最悪の類の人間だったという事を理解しただけだ。】
【吐き気のするその感触で、漆黒の業火の様な激情が、さらにその勢いを増しただけだ――――】

(…………ッ―――――――)
(…………!?)

【――――――――――― その意志のまま太刀を衝き込もうとした。けれどもぴくりとも動かない手応え。停止する。】
【引き戻す事ならばできるのだろうか、けれどもそんな仮定を吹き飛ばす現実と、言葉―――――】


(―――――――――――…………っ!)


【交渉の言葉は無視した。だがここで斬撃で青年に重傷を負わせ、それにより追撃を防ごうにも、最後の警告は無視できなかった。】

【青年がしゃがみこんだ瞬間、右脚を大きく後ろに引いて、そこから捻りを加えて一撃―――――】
【回し蹴りの要領で青年を吹き飛ばそうとした。狙いは顔面。】
【首を折る事こそないだろうが、直撃すれば2、3メートルは再び距離の空くであろうそれ。】

【一時的にでも、亜人の少女を彼から遠ざけようとしたのだろうか】
【成功すれば、そこで漸く口を開いて――――】

それで脅したつもりなの? 貴方の大好きな野獣のルールを、私が恐れるとでも思ったのかしら?
くだらないわね誇大妄想狂。

今の私には、遥かに、私の友達が傷付けられた事実の方が重い―――――

【そして吐く暴発寸前の怒りの言葉。押し止めているのは、ただ “無視できなかった” 可能性の持続だけ。】

【……青年の能力攻撃により、亜人の少女が何かを植え付けられた可能性。】
【時間差によりそれが発動し、蹴りの衝撃が伝搬する可能性―――】
【それが最後の楔だった。それ以外など、既に劫火にくべていた。】

【自分が彼に抗うことも、その結果、塵のように砕け散る事も――――――】
【その可能性すらどうでもよかった。そんな可能性がある事自体、彼女は己に許さずにいた。】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/22(金) 00:13:01.92 ID:UONuADBd0<> >>444

仕事・・・?

【ドアを越し、フェンスの中へと侵入した男】
【煙の蛇に弾き飛ばされ、彼女の作り出した土の枷に拘束されている若者達】
【その姿を見て、眉間に皴を一層寄せて不可解そうな表情をした】
【中に侵入しても彼の目的の人物はいない―それを確認すると今度は目の前の女性に目を向ける】

あんた・・・本当に婦警か?

【ふぅと一息、煙を吐き出し男の周囲に纏わせる】
【力を溜めている―と言った表現があっているだろう】

俺の知っている自警共とは違う気がするが・・・
そいつらで何をしたいのかは別にどうでもいいが・・・

【眼を鋭く彼女に向け、煙を再び吐き、周囲に纏わす】

気に食わねぇなぁ…

【男の周囲に纏う煙は男の両肩あたりの空中で集まり形を作っていく】
【何か、大きなものを作ろうとしているのか時間がかかっているようだ】
【その間にも男は女性から目を離さず、タバコを吸っては、口から煙を吐き出した】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2013/03/22(金) 00:13:20.25 ID:XJR5xisd0<> >>443

怨嗟、悪意、狂気―――なんだってこの世界はそんなもんばっかで溢れてるんだ。
いつからだ………?いやそんな事、お前に聞いた所で何も答えは出てこない………か。

【まるで自問自答するかのように言葉を紡ぎながら迫りくる汚泥にまみれた肉塊を回避しようと身を捩る】
【だが空間すら侵食するソレを完全に回避する事は敵わず、右肩、そして背中に掠りじんわりと服ごと肉を焦がしていく】
【だが青年はそのまま止まらず、倒れている異形に向かって迷うことなく駆け出していく―――】

同じじゃねぇよ………確かに俺も卑屈な負け犬だが………他人に迷惑までかけて自己を肯定しようとは思わないね
どんな理由で世界から弾かれた≠ゥ知らないが―――それに他人を巻き込むんじゃねぇッ!!

【そのまま接近が成功すれば怒りを含んだ強い言葉と共にブレードライフルを振り上げてそのまま倒れた異形へと振り降ろす】
【ブレード部分で頭部を突き刺そうという狙い、大剣ほどの大きさを持つブレードライフルの質量も含んだ粉砕の一撃だ】
【だがその重さもあってか、呪いのダメージがきているのか青年の振り降ろす速度はそれほど速くはない】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/22(金) 00:14:01.45 ID:mbugYSEBo<> >>437

さあね、博打も宵の酔狂さ マジになったらそれはビジネスと変わりない…そしたら、つまらないだろ
酒場の中にいる時ぐらい、破滅的にいきたいだけさ 

【自嘲気味に笑いながら煙草の煙をはきだす】
【指で挟んだまま、缶ビールを掴んで飲む】

【男はそちらの方に顔を向けてはいるが目はそちらにいっているのかは】
【サングラスが邪魔で見ることは出来ない】
【同じように、言葉尻や表情から彼の思考を読み取るのは難しそうだ】

そりゃあどうも、俺もミステリアスな女性は嫌いじゃないよ
……まあ、シチュエイションはあんまり良くないけどね

【ニィっとそちらの方を向いて優しく笑って】

アンタ、マフィアだろ?D.R.U.G.S.系統の

【白い歯を見せて笑う 】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2013/03/22(金) 00:18:14.05 ID:dWCJ+J5Mo<> >>450
/顔の不明の賞金稼ぎさんとの事ですが、こちらもそちらの事とか知っててしまってもよろしーでしょうか
/その方が話し運びがスムーズなのと、かっこいいので……! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/22(金) 00:19:27.51 ID:R07NZKmZo<> >>446

あらあら……遠まわしにスカウトしたつもりが…バレてしまいましたね
それで、その条件とは一体何かしら?

――――――私も極一般の下っ端構成員だからそんな大それた事できませんわ
でもその代わり……私と個人的に組む…って事はどうかしら?
もちろん貴方様が一番上…決定権を握る立場で

【期間の最高位を寄越せ、そんな傲慢な事を言う相手に苛立ち一つ浮かべずに一つの提案を出す】
【それは機関に属するのでは無く、自分に属さないかと言うもの】
【もちろん決定権、即ちリーダーの座を渡すと言う条件を付けて】

空から逆さまに?! あらまあ……それはそれは奇怪な光景でしたでしょうわね
でも黒い霧を出した人物……それは恐れ多い力を秘めている事でしょうね…

そうなのですか……その場に居れば持ち帰って成分でも分析してもらったのに…

【少し悔しそうに下唇を噛みながら小さく溜息をつくリーネ】

【相手が脚の上に乗せた奇妙なソレはどうやら生きているらしく――――】
【召喚術の類だろうかなど思考を回転させてその生き物を訝しげに見つめた】

訂正…? それは一体何かしら?

――――まあ…貴方様…じゃなくて邪禍様ってそんなに素敵なお力の持ち主だったのね……
今までに無礼を働いていなかったか少し心配になってしまうわ……

【両手を広げ口元を覆ったリーネは目を大きく開いて物凄く驚いて見せた】
【闇の主で超強い、なんて言葉を本当に信じているようだ】

<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/22(金) 00:21:50.56 ID:mbugYSEBo<> >>451
/構わないですよー どんどん来ーい! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/22(金) 00:24:55.57 ID:rRIdhWheo<> >>449

【彼がブレードを振ればそのまま泥を切ったような感触と共にぐちゃと音を立てて】
【異形は「いぎゃ」なんてどこか場違いな声をあげ】

「きひ……やっと、つかマえた……よ?」

【そして己の頭部が崩壊が進むことも厭わずにブレードを両手、否呪いの泥で同化させるように掴み】
【ゆっくりとその武器ごと彼を己の身体へと飲み込もうと引き摺り込もうとする】
【ずっぷり、なんて擬音が丁度良いまるで底なし沼のようにそれは広がって異形に飲み込まれたが最後きっと戻ってこれない】
【ただ武器を離せば逃れる事も出来るだろうし彼ならば他の方法も思いつくだろう】

【なんせ異形は人の姿でありながら人の思考を有していない無知蒙昧な存在に他ならないのだから】
【理をもって道を作り上げてきた人間にはきっと叶わない、だからあなたはその人の可能性を見せてつければよい】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(長屋)<><>2013/03/22(金) 00:26:00.68 ID:37X6zr+No<> >>445
だからこそ、今はまだ力を付けて、同じ考えの仲間を探すべきッス

【ノエルは視線を逸らさず、じっとアルフォンスを見つめる】

本当に抜本的な解決を狙うならば、僕たちだけじゃ力不足ッス
下手に今動けば、力が全てを支配する世紀末状態になっちゃうッス
それが解らないアルフォンスじゃ、ないッスよね?

力と、人が要るッス
アルフォンスにはカノッサの繋がりがあるッスけど、あそこは僕らとは逆に、世界の混沌を目指してるッス
それは平和とは程遠いッス、協力だって望むのは難しいはずッス

【彼が求めるのは、安息の日々】
【それは、この世界に息づく人々が傷つく事なく、哀しみから涙を流さない世界】

今はまだ、早いッス
もっと、可能性を押し広げてから策を練るッスよ、アルフォンス

【全ての人々を、救いたい】
【ヒトが願うには、少し大き過ぎる願望かもしれない】
【そんなことは承知の上だった】
【それでも、彼は真っ直ぐに生きる】
【今はまだ無理でも、せめて手の届く範囲くらいは】

救って、みせるッスよ…絶対に

【この、目の前の、同じ目標を持つ少年くらいは、助けてやりたいと、そう思うのだった】

いつか…必ずッス

【今はまだ、早過ぎる】
【ノエルは、己の力不足を、経験不足を、痛感した】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2013/03/22(金) 00:37:52.94 ID:XJR5xisd0<> >>454

「捕まえた」?―――馬鹿野郎が、自分からデカい口を開けやがって………。
             
                     吹っ飛べ………≪Brave Brun=竅B

【どぷんっと沈み込んでいく自らのブレードライフル、そしてそれを持つ腕―――だが青年は抗おうとしない】
【深く、より深く怨嗟の奥へと入り込むように、身を任せるように………そして限界まで沈み込んだ瞬間―――】
【ゴッ!とモッズコートのフードの奥で青年の髪が真っ赤に燃え上がるように発光し火の粉が辺りに舞い散っていく】
【そしてブレードライフルの銃身も―――火を入れた鉄のように真っ赤に熱をもって染まっていく。】

さて―――お前の怨嗟の程、見せてみろ―――俺の熱は  地獄の業火に比べりゃ生ぬるい

【┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨ッ!!再びトリガーが引かれ放たれる銃撃―――だが今回は何かが違う】
【そう、弾丸一つ一つが爆ぜる≠フだ………爆炎と爆風を舞きあげながら………異形を内部から木端微塵に焼き払わんと】
【さて、この爆撃の連鎖ともいえる攻撃―――耐えられるだろうか?】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(山形県)<>sage<>2013/03/22(金) 00:39:03.48 ID:lQe1hfqno<> >>452

ヒャハハハ、俺様は超強ェーからな、そォれくらいお見通しだァァアア

――でけェイスが手に入らねェなら機関に入る気はねェが
代わりに――テメェーと組めってか

ヒャハハ! なァかなか面白ェことを言い出す野郎だッ!
テメェーを"支配"し、"部下"にしてやるなら組んでやっても良いぞォォオオ
――おォっと、決定権は俺様の方に寄越すのか、……

【さすがにこればかりは、即決するような事柄ではないようで――】
【暫しの間、その者――悪魔は右手を顎に当て唸り考えていた】

まァー良い、今は"保留"してやる

【悪魔が小さな魔法陣を掌に生成すれば、そこより闇――彼の魔翌力である"生命と変化の、混沌の魔翌力"がいずる】
【それは形を成して行き――そして"丸々と太った5cm程の蜘蛛"となる】
【それを、奇妙な生き物が開けた口に放り込めば――直後、脚の上に乗せる形ではなく脚で挟む形にすれば】
【バリィ、バリバリィッ――】 【顎を上下させてそれを喰らう】
【その際、下顎が地面についたり離れたりしていて――どうやら、下顎が地面に付く衝撃を口内に伝えて噛む力を高めているようだ】

そォーだ、俺様の力は超凄ェッ! 生命を作りそして支配する――他にも色々あるぜェ
ヒャハハハ、俺様は寛大だからなァ、今までの無ゥ礼は許してやるぞォォオオ
何が無礼だったかは知らねェ! 人間共は皆俺様の下だからなァッ <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/22(金) 00:39:22.52 ID:O5AzMuADo<> >>455

【ノエルの言葉にアルフォンスは悲痛な表情を向けた。孤独と無力感が胸に襲いかかる】
【いつだってそうだ。こんな世界じゃ平和も望めないし誰も誰かを助けたがらない──】
【力の足りない子供であること、世界に対して恨みがあることは、ノエルもアルフォンスも同じだった】


少しばかり情報と知識が足りないようです
カノッサも一枚岩ではない。同志を見つけることを、不可能だとは考えません
ひとまず、今日はこのあたりにしましょう


【そう言ってアルフォンスは路地裏の奥に向かって歩き始める。俯いたその表情は見えない】
【そのままノエルを通り過ぎると、彼のすぐ後ろで立ち止まり、少しばかりの静寂が流れる】


……ありがとう、ノエル


【消え行きそうな小さな声でアルフォンスは一言だけ礼を言った】
【そしてまた暗闇の中を歩み始める。彼のあるべき場所へ帰るために】


いつか必ず、全ての人が平等となる理想郷を作り上げる
そのために貴方の力をお借りします

では、貴方の行く先に穏やかな風が吹きますように


【背を向けたまま最後に彼は風の魔術師らしい別れの言葉を置いていった】
【彼の身体は少しずつ暗がりに飲まれていき──その姿は見えなくなった】
【路地裏の奥には変わらず暗闇だけがそこにあった】


/ではではこんなところで
/長い時間ありがとうございました、お疲れ様でした! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(長屋)<>sage<>2013/03/22(金) 00:41:22.71 ID:VtRD7zG8o<> >>448

ええ、婦警が不良のみなさんを連行するのが可笑しいかしら?

……ふふっ。勤務時間外だけれど、彼らのお仲間が家の外で暴れていてね?
それがあまりにしょっちゅうなものだから、全員逮捕してしまおうかと思って

【男が尚も身構えて、煙をその周囲に蓄積させていく一方】
【婦警は何かの端末を取り出して、連行の手続きらしいことを伝え】

どうせここに居る子たちは何かしらの犯罪を犯している……
暴行、傷害、強盗に強姦、薬物使用に公道での暴走行為。“お邪魔”でしょう?
中には何もせず着いてきてしまっただけの者も居るかも知れないけれど大丈夫。
一言でも文句を言った時点で妨害行為と見做して仲間入りの算段だから、ね?

……あら私は婦警とは言えども自警団とは違うのよ?
各国政府にも小さいながらそういう部署がある……奇妙かしら

【──奇妙だ。言うことなすこと、正義の徒というにしては平然としすぎている】
【それに、相手の動きを待つかのように彼女は背筋を伸ばして立っていて】
【そのフォーム一つにしても、体術の余裕が見て取れる】

/遅くなってごめんなさいっ、ちょっと眠気が酷いので凍結よろしいですか…?
/その、何でしたらこれで別れたと切って頂いても…… <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2013/03/22(金) 00:44:20.31 ID:dWCJ+J5Mo<> >>450

あら、博打に本気になるのと博打で本気になるのは違うわよ
前者はとろけるようないい男で、後者は糞を飲ませても足りないようなクズだわ
今日は買って豪遊して、明日は負けて川底を浚う……そういうのを、粋って言うの

【度数の高いだろう酒を飲んでも呂律は変わらず、代わりに肌はほんのりと色づいて】
【初心な御令嬢、というには、少々物騒な物言いが飛び出る。皮を剥がせば見た目通りとはいかないか】
【あるいは、それくらい垣間見せても問題ないと判断しているからなのか】

まあ。びっくりするような事は耳元で口説くみたいに言ってくれなくちゃ困るわ
そうでしょう? チンザーノ・ザ・ロッソさん?

【口元に当てた指先は驚いたように。されど動揺の色も無く、短くなりつつある葉巻を空缶の上に置いて】
【そっと背中を壁から離すと、ゆっくりと相手の真正面へテーブルを周って歩み寄る】
【普通どおりの声量でも、騒がしい酒場の中では誰にも聞こえやしないけど】
【背の高い相手を上目遣いに見上げる瞳は、酒気に潤んで黒目が笑う】

……なんて言うけど、本当は私の方から貴方を口説きに来たのよ
私のところの手足はカラーギャングが多くってね。頼れる人間が居ない訳じゃないけど、紅棍(実行員)がちょっと足りないの
体の良い言い方をすれば、スカウトかしら? そんなかわいいものじゃないけれど

【最初から、その気であったのか。もしくは相手を探してこの店へと来たのか】
【ストッキングを当てない素足はするりと相手のつま先の間に入って、内緒話をするように身を寄せる】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2013/03/22(金) 00:44:38.57 ID:TN57mloBo<> 【風の国ーーーレナール近郊都市】
【件の都市の霧は未だ晴れず、調査隊と防衛隊と、物々しい雰囲気は、まるで以前の面影がない】
【近郊都市であるこの都市も、今となっては住民の殆どが方々に避難して、街そのものが駐屯地のようになっていた】

ーーー真実は未だ霧の中…ってな
…個人で行った所でどうしようもねぇし、アイツはまだ何も言ってこねぇし…
…広がっちゃあいねぇよな、あれ

【都市の小高い丘の上、レナールを包む霧がよく見える場所で佇む男が一人】
【煙草を口に、霧を観測して、一人呟いている】

…塔…ねぇ
…財宝でもあるなんて、簡単な話ならまだいいんだがなぁ

【黒いビジネススーツ、黒い革靴、骨が散りばめられた模様のネクタイ】
【疲れた目をした、無精髭面、黒い髪を後ろに撫で付けた髪型の男だ】
【その右目には眼帯をーーー『紅い剣を咥えた黒い狼』の紋章が刻まれた黒い眼帯を掛けていて】
【剣の柄だけのような機械的な機具と、銃身の長い銃をベルトに吊り下げている】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage saga<>2013/03/22(金) 00:46:39.68 ID:ztlKOSom0<> >>447
【或いは、ただの悪意を持って傷付けた者であれば、その表情だけで許しを請うのだろう】
【――――口を開けて笑うその音。果たして、少女の耳を通ったのか】
【辺りが騒がしくなる事も無ければ、空気が変わる事も無い】
【ただただ、変わりゆく少女のその顔を愉快そうに眺めているだけで】


「ハハハハハハ!!まだ分からないかなぁ?
君は許せる許せないを決められる立場に居る人間じゃ無いんだよ!
僕に祈ってただ乞うだけの人間さ!
奪われないよう、殺されないようただご機嫌を取るために生きていればそれでいいんだよ!!」

【激情を読み取り、未だ“愉快”の余韻を引いている表情が張ってあり】
【――切っ先が皮膚に触れることも無かったのであろう。自分を死に至らしめようとするその動作に対しては態とらしく首を振って見せて】
【振ればその刀の腹を弾いて、突こうとすれば抵抗する様子も無いのだが――――やはり、刃は埋まらない】
【……少女には触れる事も無く、ただ自分の作業に戻ろうとした――――その刹那】


「君は恐れないだろうねぇ――――其れに関しては、だけど
背中を見せたんだから斬りかかれたかもしれないのに……嗚呼、もしかして僕の言った事を信じちゃったのかな?
なら、其れを恐れていたと考えようかな。――――でも、無駄だよ無駄!
今更僕が何をしなくても、其れは血が無くなってその内勝手に死ぬだろうからねぇ……
君が僕を十分――――いや、この調子だとそれより早くかな?
数分で殺さなきゃ、きっと丁度良い虫の住処が出来ると想うよ」

【――――打ち抜く感触は伝わらずとも、触れた感覚はあっただろうか】
【ならば、衝撃が完全に伝わる前に自ら威力を殺したと考えるべきか】
【そして、殺すためには後ろへと飛ぶ必要があって――結果として、少女の目論見通り事は進むであろう】
【回避の動作を見せたと言う事は、不死身で無ければ完全なる万能とも異なる】
【ただ、自らを“”天才と称せる位、否、それ以上に身体の使い方を理解して居るのであろう】


「面白いよねぇ……友達とか仲間とか、よく聞くけどさ
どれもみんな、言うだけ言って死んでいくんだから。それ、何かの呪文かい?
どうせ言うならもっとマシな言葉か、祈りでも捧げてみなよ
嗚呼、神様なんかじゃ無くてこの僕にね?気が向いたら、瀕死で済むかもしれないからやる価値はあると想うよ?」

【頬を薄く裂いて、流れ出たのは微かな血】
【しかし、ダメージとなっていないのはその笑みから明確】
【――――乾いた音は、青年が指を鳴らした故に生まれたモノ】
【音に反応するかのように作り出されるのは、宙に浮いた幾本もの短刀】


「まるで神様みたいだよねぇ……考えれば何でも作れるし、何でも出来る
君達からすれば憧れだろう?森羅万象を作り出せるんだよ
どう?今ならちょっと痛い程度で済むけど
断っても、ただ僕の懐が暖まるだけなんだけどね
――――尤も、まだ上手くは操りきれないけど」

【ポケットから転がり出て、青年に寄り添うようにして浮くのは宝玉であろうか】
【空いた距離、今度は詰める事無ければ、少女を指して】
【――――途端、少女に飛来するのはその短刀の全て】
【しかし、操り切れていないという言葉は真なのか、途中で軌道を変える事はせず真っ直ぐに向かっていくだけ】
【注意する事と言えば、その数であろうか。一つ一つ冷静に対処すれば、大した脅威にも思えない物だが――――】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/22(金) 00:55:15.40 ID:R07NZKmZo<> >>457

やっぱり強い人は頭もよろしいのね、正直少し感動ですわ
私もそう言うところ見習わなきゃ…ですわね

ええ…”私は”部下になりたいですわ…
だって超強い人の下につけるなんて私には身に余る幸せです物
…ええ、もちろん全ての決定権を授与しますわ

【考え込む相手を見つめながら、少々近づきすぎたかなと反省している】
【もちろん相手が即決するなんて事は思っていないのだが―――】
【と言うより相手をそこまでバカに見ているのだったらもっと別の方法を使っていただろう】

あら…それはそれはとっても賢いご決断ですわ
でも私はいつでもお力になりますわよ? もし大きな何かを行うようでしたら是非お手伝いさせて下さいね

【大きな事件が起きるのならば事前に察知して機関に知らせたい、そう言う思いからリーネは男に協力を申し出たのかもしれない】

まあ……生命を作り出すなんて背徳的でとっても素敵ですわ
そこまで踏み出しているんでしたら神様って言って良いレベルですわね

【無から有を作り出すのでさえ一苦労なのに、相手は容易く生命を作れると豪語した】
【それは真剣に相手を賞賛の目で見るに値する、言わば大きなメリットだ】

私は……――――
お恥ずかしながら私これと言った能力が御座いませんの
高位の邪禍様と違って…私はどこにでも居る一般市民の域を出ませんので

【ここに来て初めてリーネは嘘をついた、相手が自分を下に見るような嘘を】
【相手が自分の事を下に見ると言うのはリーネにとって見れば大きな利益を呼び寄せる一つの作戦なのだ】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(山形県)<>sage<>2013/03/22(金) 00:58:58.97 ID:lQe1hfqno<> >>463
/すみません、眠気があれであれなのであれです、つまりはあれです
/持ち越しかこの後なんやかんやあってどっちかが逃走したかのどちらかでお願いします! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/22(金) 00:59:55.40 ID:rRIdhWheo<> >>456

【相性が悪かったといえばそれまでなのだろう】
【所詮彼女の能力は怨嗟が形をもって熱を放つ程度に過ぎない、そう元から熱を持つものと彼と比べてしまえば】
【想いが形になってようやく熱となったものなんて児戯に等しい】

【だから、彼女はここでようやく恐れて……もう遅かった】

「―――――――ひいっ」

【息を飲み詰まる声、予想外の熱に怯え咄嗟にブレードを吐き出そうとしてももう遅い】
【自ら纏わりつかせた「自分」は思いに反し呪いとしての行動の方が強く、その手を緩めようなんてしなかった】
【そうなればあとは銃弾が爆ぜる音が響くだけで、子供が作った砂の城のように崩れてひしゃげて……】

「…………ぃ、ぎっ」

【呪詛たるその身を飛び散らせながらもう彼女の上半身は形をなさず】
【その下半身だって支えていた部分がなくなれば力を持て余して子羊のようにガクガクと震えるだけ】
【明後日の方向へと歩き出し、巨木に当たって地面へと転がる】

「ぎゃ……いや……やっあ………」

【このままでは終わりたくないからこんな風になったのに】
【結局最後は変わらないのか、嫌だと言葉にするソレは数秒硬直してやがて溶けて地面へと染み入る】
【暫くの間は得も言われない異物のような感覚は消えないが数分もすればそれも無くなる】

【だから青年は一先ずはこの先の集落を守ったのだろう】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/22(金) 01:02:05.14 ID:UONuADBd0<> >>459
(なんだ・・・?この感覚は・・・?)

【女性と対峙し感じる奇妙な雰囲気】
【明らかに奇妙―異常―、彼女の言動が男にはどう見ても婦警である人間には見えなかった】
【そして彼女から取り出された端末】
【彼女の異様な雰囲気に、表情から察することはできないが一瞬呑まれてしまった男】
【本来ならば連絡を取られるであろう端末をやすやす使わせることはしなかっただろう】
【だが、隙を突かれたと言えばそれまでなのだが、隙を作ってしまったことが彼にとっての失態であった】

(これは…応援を呼ばれたらやばいかもな・・・)

【そう言って彼が一歩、彼女から目を離さずに後ずさりをした】

どうやら・・・まだこの世界には真っ黒な闇があるようだ・・・
灰色に濁った中に交じる腐った悪意が・・・
人を、環境を食らう悪意が・・・

【じりじりと後ろに下がりドア付近までとどりつくと】

ここは一旦引く!

【そう言ってドア付近にたどり着いた男は、急にドアまで走ってくる少女に捕まった】

「うにゃにゃー!スモーキー遅れたー!ごめんなさーい!」
わめいている暇があるなら走れ!逃げるぞ!

【獣の脚力と筋力を使って走るクマの毛皮を被った少女に男は持ち上げられながら去って行った】
【その逃げる光景、小柄に少女に担がれて逃げていく二人はまるで滑稽に写るであろう】

/わかりましたー。ただ、こちらも今度いつ絡めるかちょっとわからないので、
/強引でしたがこんな感じで別れてしまいました。
/こちらのレスも遅くて申し訳なかったです。お疲れ様でしたー!! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/22(金) 01:03:52.82 ID:R07NZKmZo<> >>464
/其方がよければ持ち越しでお願いしたいです、無理でしたらなんやかんやで帰ったという事で
/明日は一応朝から夜まで居ると思います、途中ちょくちょく離席を挟みますが
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2013/03/22(金) 01:09:15.96 ID:XJR5xisd0<> >>465

もう疲れただろう………眠れ―――最初に言った通り俺はお前を救えなかった

【もはや異形ですらなくなり、この世界から完全に消滅しようとしているそれを眺めながら悲しげに呟く】
【それは自身への戒めも含まれているのだろうか―――青年は「だから」と続けながらモッズコートのフードを脱ぎ去る】
【男性にしては眺めの茶髪に赤みがかった茶色の瞳―――それは最後まで異形を見つめる。】

だから、まだ仲間が欲しいなら向こう≠ナも俺を恨み続けろ―――憎んで憎んで、また俺を引き込みに来いよ

             俺は番怒 氷山=\――ただの負け犬だ。

【最後に自分の名を告げる―――そして異形が完全に消滅しその後何もおこらなければそのまま立ち去るだろう。】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(山形県)<>sage<>2013/03/22(金) 01:10:38.37 ID:lQe1hfqno<> >>467
/それでは持ち越しということでお願いします!
/明日の帰宅はおそらく夜七時過ぎ頃になりますので、その頃に舞台裏で呼びかけます
/それでは一旦お疲れ様でした <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/22(金) 01:14:51.60 ID:mbugYSEBo<> >>460

博打が俺を本気にさせるのさ、それ以外は本物じゃないね
これは、粋っていうのか?それとも大馬鹿か?それでも結構

【相手の目を見ながら語りかける男 ただ、サングラスは外さない】
【ビールの缶を置いて、煙草を空き缶に落とす】

【こちらからも、一歩近寄っていって 語りかける】

そういえばこの間、そちらのお嬢さんにお会いしたよ…今思えば先の挨拶だったのかね?
だったら、男性恐怖症の子を送るのはよしてあげてくれよ

【内緒話をするように、これからタンゴのステップでも刻もうかと言うくらい近づいて】
【相手の言ったとおり口説くように耳元に語りかける】

マフィアがギャングに言うことなんて強請りばかりだと思っていたが
直接、口説きに来てくれるなんて……嬉しいよ

【男は口元で笑う】

その話しは仕事の依頼と言うよりは…アンタの下に就けってことかな
…ウチは特殊でね、引き入れても今は俺1人の体だけで、武器も金も無いぜ?

【右手を相手の首元にもっていき、指先を耳の裏へとなぞり上げる】
【そこから、髪の毛を軽くなでおろす】

今の条件じゃ、勿論ノーだ………さて、俺に何をくれる? <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/22(金) 01:19:37.02 ID:rRIdhWheo<> >>468

【かの者の根源は積もり積もった他者への恨みである】
【それが呪いへと昇華されその呪いも歪められて実体を得るに至った】

「…………………」

【彼女の本体たる代物は人の目には捉えられずまた物理的な力によっては消えずにある】
【つまり本体たるモノを霊的な力を用いて壊さない限り雲散霧消した形も時間が経てば集まって、互いに互いを恨み合い交じり合いまた現れてしまう】
【無論彼の攻撃がそういったモノに起因されるのであれば怪異はここで終わる】

【だがもしそうでないならば今回の戦いで学習した彼女は集落なんて大それたものを狙うのはやめて】
【森の中を通り書かかる人々を通り魔的に襲うことになり更に力をつけ始める】
【そうそれは蝕む毒のように自らが住むべき世界を広げて……きっといつかあなたの側にも現れる】
【彼が今宵聞いた怨嗟の声はきっと暫くは耳から離れないだろう】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(長屋)<><>2013/03/22(金) 01:26:40.19 ID:37X6zr+No<> >>458
わかったッス、健闘を祈るッスよ、アルフォンス!

【ノエルは、悲痛な顔をしたアルフォンスに向かって、精一杯、笑いかけた】
【少しでも、苦痛が和らぐように、少しでも、元気を分けられるように】
【その笑みは、湿っぽく冷たい空気の漂う路地裏には似つかわしくない、まるで太陽の様な笑み】

【その眩しさに、目を、瞑ってしまうのだろうか】
【俯いたアルフォンスの表情は読めず、ノエルはこれで良かったのだろうか、と考えていた】

【アルフォンスの危うさは、一目瞭然だ】
【世界の平定を望む点では同じで、それを理由に手を取り合ったが、姿勢が余りにも違いすぎる】
【ノエルも、犠牲なしで平和が成り立たないのは理解している】
【しかし、アルフォンスの態度は────】


──まるで、大勢が死ぬのを良しとしてるみたいだったッス……


【彼が闇に消えてから、ぽつり、呟いた】

【思えば、彼は人を、「外」の住人を憎んでいるようだった】
【善良な一般市民、と彼は言ったが、皮肉なのは火を見るよりも明らかで】
【その辛辣な物言いは、どう見ても、憎悪の感情が無いとは言えるはずもなかった】

やっぱり、正しい人なんて、居ないッス

【少年は結論を出す】
【それは、先日の婦警との一件からずっと悩んでいた事だった】
【どっちが正しいのか、自分は間違っているのか】
【そう、正しい答えを出せる人なんて、存在しないのだ】
【みんな、自身が正しいと信じて、行動しているのだ、だから、ぶつかり合うのだ】

何が正しいかなんて、関係ないッス
問題は、胸を張って生きて行けるか、って事ッスね!

【嘉手納という婦警は、犯罪を犯し逃亡した男を手ひどく痛めつけていた】
【それは、彼女なりの考えがあって、きっと胸を張って自分の正しさを主張出来るのだろう】
【アルフォンスは、ノエルが気絶させた悪漢を、殺害した】
【それは、彼なりの考えがあって、実際に胸を張って自分の考えを主張していた】

【ならば、とノエルは考える】
【自分も胸を張って生きて行こう、と】
【彼らが、彼らの道を行くのならば、自分も、この日の当たる道を、進んで行こう、と】
【そして、いつかきっと、同じ道を共に歩む事が出来るようになるだろう、と】

お天道様は、何時だって僕らのことを見てるッス
お天道様に顔向けできるのなら、それはきっと、正しい事ッス!

【機械の槍を外し、背負って、地面に落ちていた義腕を装着する】
【大通りに向けて路地裏を歩くその表情は、とても晴れやかだった】

−−−−−−−−−−−−−−−

【ノエルも、アルフォンスも去った後】

「ギひ」

【奇妙な、不気味な声が聞こえ、死体が動き出す】
【四つん這いの状態でカサカサと壁を登る姿はまるで蟲のようで】

あぁ……お前も来るか?

【その「蟲」がたどり着いた先には、禍々しい気を纏った男が一人】
【腰には長剣を差し───────────頬には十字傷】

/お疲れ様でしたァンッ! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2013/03/22(金) 01:27:37.12 ID:XJR5xisd0<> >>471

【青年の攻撃は浄化の力や霊的な力などない単純な物理攻撃だ、故に彼女を完全に消し去る事は敵わないだろう】
【即ち今回の結果はその場しのぎ―――だが青年はそれでも構わなかった、また同じように現れるのならまた誰かが立ちふさがるだろう】
【それが自分か―――あるいは別の誰かかは分からないが、いずれ彼女の怨恨が完全に消え去るまでおせっかいな誰か≠ェ戦い続ける】

【そうやって―――この世界は危くも保たれてきたのだから。】

//お疲れ様でしたッ! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/22(金) 01:31:13.15 ID:rRIdhWheo<> >>473
/お疲れ様でした! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2013/03/22(金) 01:43:13.38 ID:dWCJ+J5Mo<> >>470

あの子が? まあ、一体どんなお話をしたのかしら。紳士的に接してくれたのならいいけれど
特別なのよ、あの子は。妹のような娘のような、とにかく大事なものよ
……ああ、私は経産婦では無いから安心して頂戴ね

【ぱち、と吊り目が瞬く。それについては初耳だったのかもしれない、初めての自然な表情】
【母性じみた想いに薄ら目を細めるも、すぐに全てはビジネスライクとも言えるようなお綺麗な微笑にとって代わられる】
【――何が安心なんだろう】

私には夢が必要なの。正確には私では無くて、次代の為の夢よ
そいつは金では買えないわ

【夜に見るようなものでも無く、子供が憧れるようなものでも無く】
【触れる指先に反応するように熱い吐息が漏れて、サングラスを隔ててその奥の瞳を覗きこむ】
【逞しいというには少々細身の相手の背中に右腕が回って、背筋を指先がそろそろと撫でる】

そうね……とはいえ私の方も、言い値で買おうなんて言えるほど大らかでは無いの
もって契約金は、この店でどうかしら。それと、近辺の港の倉庫を二つと船
どう動かすかについては、貴方に一任しても構わないわよ

【金はいくらでも増える。金はいくらでも生める】
【だからこそ、掲げる条件はそれでは無く。一見すれば恋人同士のような睦ぎ合いの中で、冷めた語らいを持ちかける】
【おそらくは倉庫に詰められるものも、相手のリクエストに因るものとなるか】
【どの道マフィアの中でも低きを行く彼女らの扱うものは、きっとろくなものではない】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(空)<>saga<>2013/03/22(金) 01:57:05.74 ID:wI8MZcnu0<> >>462

【回避は状況の理解を助けただけ、挑発の言葉は激情の温度を上げるだけ。冷たき刃は、揺るがなかった。】

(――――――…………っ!)

【けれども亜人の少女の状態を聞けば、少女は動揺を瞳に浮かべた。】

【これ以上傷つける事を許さなかったとしても、自分の大切な存在が、“また間に合わない” 事により失われる可能性――――】
【其れに意識を貫かれ、未だ訪れもしないその衝撃に、愕然とした表情を浮かべていた。】
【其れを抑え込む様に、絶望しかける自分を奮い立たせる様に。少女は、再び口を開き―――――】

………それなら……ッ、その前に貴方を斃せばいい。
不可能は要らないし許せない、そうあるために、私は、力を砥ぎ上げて来た……。

…………それに私は貴方よりずっと強大な、本物の “力” を知っている…………ッ!

【自称・全能。その力が如何に強大であろうと、結局、戦力の大小はそれを操る者の技量に左右されるのだろう】
【彼女はそう言った意味での強者こそを、“力” としての力と認めていた。】

【――――― “彼など、それを知らない木偶に過ぎない。”】
【“たとえ力そのものが全能であろうと、己は、そんなモノに敗れはしない”――――】
【射貫く様に向けた、嫌悪と排撃の意志に満ちた涙なき双眸は、そう叩きつける様でもあった】

【そして自らに、“そう出来ぬ己に意味などない”と、も覚悟を決める様に口を開いて、】

祈りを捧げることはない、赦しを求める事はない―――――

―――――――…………ただこの手で護り抜く事しか、今の私には存在しない

【迫り来る銀光の群れ――――― 常人ならば抵抗すら困難であろうその殺意に対し、少女は、舵を取る様な動きから太刀を取り廻し、】
【円軌道で空中を一閃、鋼色を全て一撃で刻み墜とした。異常な切断能力の刃。】

(…………斬り捨てる。声も、視線も残さない―――――――)

【その兇念を剣に宿し踏み込む瞬息の一閃――――― 太刀の握りは左の腰溜めに、“常人ならば” 目にも映らぬであろう踏み込みを行った】
【妨害がなければただ一歩でそのまま距離を詰め、】

―――――――――――――………ふっ!

【両手持ちでの刺突を放つ。狙いは彼の鳩尾近く、その若干下の位置になるだろうか】
【……“点” での攻撃だ。回避自体はそう難しくない。だが、油断は危険極まりないと、天才を自負する彼には判るかもしれない】

【“当たろうと当たるまいと”、“届こうと届くまいと”、】
【少女は、刺突の勢いを上方に転化させ、やや高めの位置で右八双に刀を取り――――】
【そして一閃、右から左へ間横に胸部を切り裂こうとする、さらなる斬撃に派生しようとする】

【もしも刺突が当たっていたなら、おそらく其れで決着だろう。斬撃で追撃を放つまでもなく、“昇る” 鋩は深く腹腔部を抉る。】
【初撃を外した場合の斬撃もまた、深く、鋭く、横幅の広いものであり―――】

【破壊力と範囲こそ十二分にあるが、相応に放ち手に隙を生む。】
【それは、友の状態を慮るばかりに、彼との決着を焦っている様でもあって――――】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2013/03/22(金) 02:05:44.18 ID:dWCJ+J5Mo<> >>470
/もし不都合がありましたら、「この店を」を「店を」にさくっと変えていただいて大丈夫です……!
/突っ走り過ぎた云々 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/22(金) 02:18:48.87 ID:mbugYSEBo<> >>475

煙草は止めるように言われたよ…悪い子じゃないけど
どうやらもう少しで『お姉さま』にされそうだったみたいだ

…ほう、それは安心した、心配だったところだ

【男はささやいていた微笑みながらいつもの柔和な口調で】

アンタの夢を叶えるツールに……違うな、夢を見つけるツールに俺が要るのか
ああ…そりゃあ、好さそうだ

【右手で、首筋やうなじ、毛先を弄ん 小さく頷くように顔を動かす】
【相手の表情や仕草を一つ一つ確かめるように、楽しむように】

アンタたちの規模と動向を見るに…大体の金の出入りは、俺らにも大体は試算しているさ
なんせ…こちらのリストには入っているんだから………アンタも

【彼のリストは『狙える所』黒い金の出入りのある強盗するにうってつけの相手ということである】
【根気よく虎視眈々と各所を狙い、たまに企業が作る脆弱な穴をつくのが彼のやり方だ】
【ギャンブル好きには程遠い、綿密で計算高い行動である】

いいね、酒場の下に隠れ家を持つってのも…強盗団は密輸団に看板をすげ替えか…

【男は優しげに笑いながら右手を下げていって、背中、腰に手を回す】
【そして、そのまま自分の方に引き寄せる 体をつけて、顔を近づける】

【左手で、何気なしにサングラスを取った 瞼を閉じたまま 胸ポケットにサングラスを入れた】

………答えはノーだ、受け入れられない………俺は、誰かの下には就かない。

【真っ赤な湖に映された黒色の月のような瞳が、彼女を見つめる】
【作り笑いではない、いつものように優しげに笑ってみせた】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage saga<>2013/03/22(金) 02:32:54.05 ID:ztlKOSom0<> >>476
「可愛そうに、それじゃあ折角身につけた力も僕の前では意味も成さないんだねぇ
十年百年千年億年、どんなに努力したってそれは僕にとっての一日にしか過ぎないのさ
いや……数時間かな?

そうかいそうかい――――それは結構
知っていても君は“其れ”じゃない、ただ知っているだけに過ぎないんだろう?
どうだい?もうちょっと長生き出来たら其処に届きそうかい?」

【信念も、此までの鍛錬も全てを嘲笑うかのように】
【最早、倒れ伏す少女の生死は気にしていないのであろう】
【腕時計を気にする素振り――――時折呟く声は、態とらしく】
【死を迎える時間と、自分と対する少女が極みへ到達その時間】


「そんな君は存在し得ないんだよ
負けて、失って、後は惨めに過ごしていけばいいさ
いっその事、早々に全てを無くしてしまえばどうだい?
何も考えないで、ただ死ぬまで過ごしていれば終わる。それも君には言い人生だと思――――」


【そして起きたイレギュラー――――】
【低く見ていた少女が、その一振りを以て全て切り落とした場面を見れば、声が途切れて】
【嘲笑の対象から、興味の対象へと移ったのはその時】
【――――森を揺るがすほどの狂った笑いが響いたのは、その時】


「面白いねぇ――――面白いよ!!
いやぁ、まさか君みたいな子がこんな事を出来るなんて――――ね」

【初撃を避ける事も無く――――その指は、白羽取りの様に刃を止めるだろうか】
【しかし、その表情に笑みは無い。神経を研ぎ澄まさねば、避ける事も止める事も出来ないとその刹那に判断したからか】
【拮抗させようとしたならば、二人の間に挟まれる白刃は小刻みに震えることだろう】
【――――ただ、止める事が出来れば、再び醜悪な笑みは戻り】


「確かに速いねぇ……まあ、でも――――速いだけで僕を斬れると思ったのかな
ほら――――自分が殺されるのに、別な事を考えてちゃ駄目だろ?
――――さっき蹴ってくれたお礼、しないといけないね」

【指を離せば、一度地面を思いっきり踏みしめて】
【――――次に起こるのは、少女の足下の土が一瞬だけ隆起する地形の変化だろうか】
【即ち、体勢を崩すために行われたもの】
【もし、それによって防御の隙を崩せたならば――――肝に向けて放たれるのは、“足の裏全て”を使用した蹴り】
【当たっても貫かれ様な事は無いであろう。しかし、砂嚢をいとも簡単に吹き飛ばす威力。内に伝わる衝撃は吐き気を催すような程】
【そして――――殺さないことが、この青年の目的の一つ】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2013/03/22(金) 02:47:46.55 ID:dWCJ+J5Mo<> >>478

あら、なかなか丁重にもてなされたみたいね?
そのまま女に転んでもよかったのに。楽しいわよ、女の生き様は

【からかい混じりに言う言葉には多少の困った様子はありつつも、彼女の言動を咎めるところは無い】
【むしろそれも一興というようにころころと笑い声をあげながら、足の間で片膝を曲げた】

馬鹿って居るのよ。無学文盲で、溝の中で浚った蜜の味しか知らないような馬鹿
……夢が欲しいの。どんなに小汚くても、星のように輝く夢よ

【わずかに俯く顔に合わせて、翡翠の髪がさらさらと揺れる】
【真とも冗談ともつかぬような呟きを落とす表情は、ほんの短いしぐさの中に隠れて見えず】

ん……ふ、注目してもらえていたなんて光栄だわ
多少幇規は守ってもらうけれど、他のファミリーよりはずっと破格よ。悪くは無いでしょう?

【相手の手に答えるように、探すように指先が脇腹を通って胸板を円を描くように這う】
【酒気と熱っぽさの混じる吐息がそばの相手の鼻先を擽って、時折身じろぎするように腕の中で肢体が震える】
【吸って、吐きだす呼吸は次第にストロークを長くして、押しつけられた豊満な胸の中で肺が収縮するのが分かる】

……そう、残念。貴方みたいないい男を手元に置いておきたかったのだけれど
であればここでお別れね、私の心と体は、全て会のものなの

【魅せられたように、月の中に黒曜の瞳が吸い寄せられて。相手の笑みに返すように、紫のルージュが弧を描く】
【――触れるように掠めた唇は、お預けをするようにその一瞬だけでまた離れ】
【左手に持ったままだった器がテーブルに置かれる音が軽く響いて、まるで夢が覚めるように腕の中からするりと抜け出す】
【思えばそれはわずかな時間の出来事で。未だ火のついたままの葉巻を、缶の上のまま傾けて飲み口へと落とした】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/22(金) 02:51:45.87 ID:O5AzMuADo<> 【廃墟】

【風化し切った建築物の群れがまるで墓標のように立ち並んでいた】
【誰も訪れることのないその古びた舞台を月明かりだけが夜に照らしていた】
【その存在がまだあることを証明するために。失われたものを繋ぎ止めるために】

【かつては命の流れの中にあったはずのこの場所も今では時の止まった歴史の証人】
【朽ち果てた家、支えるものを失った柱、立ち枯れた木、子供が書いた掠れた絵──】
【彼らは今でも忘れ去られた思い出たちを静かに守り続けていた】

【──だが今はここが舞台。演者が立てば忘れられた記憶は過去となり時間が再び歩みを始める】
【月の光が影を生む。遮るのは今宵の観客にして役者そのもの】
【優しげな月光がスポットライトのように朽ちた建物の上に座る彼を照らしだした】


──随分と変わってしまったな……
きっとこの場所も昔は今と全く違う姿だったんだろう……


【薄い金色の頭髪をフードで隠してそれと一体化したローブに身を包む】
【深海のように濃い青のローブはまるで魔術師を連想させるもの──】
【照らされた顔は幼さの残るもので──光に負けじと右腕の腕輪が金色に輝いている】

【そしてその顔は深い陰りを帯びていた。朽ち果てた廃墟に何故だか彼の心は揺さぶられた】
【遥か昔に想いを馳せてもそれが返ってくることはなく帰ることも許されない──】
【彼の表情は後悔の色で曇っていて、どこか歪な闇を湛える瞳が月が照らす夜空に向いていた】


……色々あったような気がする。ほんの少ししか経っていないのに
「過去から逃げろ、それから逃げ切ったとき君という存在はそこにはいない」とは
よく言ったものだ……


【呟いた彼の眉が苦痛に歪み、無意識のまま庇うように細い左腕を右手で抱えた】
【夜風だけが彼の頬をそっと撫でる。まるでそこに寄り添うかのように】

【演劇は一人のものもある──けれどこの舞台は一人では成り立たない】
【月の光、彼の紡ぐ音、気配、はたまたこの場所そのものに誘われて】
【次にこの場所に上がるのは一体誰なのか────】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/22(金) 03:20:46.86 ID:mbugYSEBo<> >>480

男もそれなりに楽しいからね、まだ結構だ…いや、これからもかな

【からかう彼女を見て、男はニッと笑って】
【彼女の目を、自分の紅い目で観て 見続けて】

その流星を、俺が盗んでくるのは容易い事さ 夢なんて幾らでもだ
ただ、それは黒い旗を振った奴にしか渡せない…俺は俺が決める

…アンタの下で働くなんて冗談でも笑えないね、ゴメンな

【息がかかるほど近い。赤と白の目が互いを映す】
【しかし、この男女はどちらも映ったものは、見ているものは違うんだろう】
【見えないものを追うのは変わりないが、そこに相容れるための架け橋はなく】
【深淵のように深い遠い距離が、大きな何かが横たわっているんだろうか】

そうかい、アンタみたいないい女、俺の横に置いておきたいけど
夢を追うならしかたない、存分に叶えてくれ

【男は手を離して、一歩下がり 元のテーブルへと数歩歩いて戻っていった】
【口のつけた缶ビールを手にとって、底に残ったものを飲み干した】

【煙草の箱を取って、新しい紙巻に火をつけて 煙を吸い込んだ 何かとともに吐き出して…】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2013/03/22(金) 03:40:25.35 ID:dWCJ+J5Mo<> >>482

……星は貴方よ、そして私なのさ
馬鹿どもは目が眩んじまって一等星も六等星も分かりゃしないから、正しい星の見分け方を教えなきゃいけないんだ

【ほんのりと露見した蓮っ葉な物言い、踵を返した事によってその表情の程は見えず】
【床を踏むピンヒールは危なげながら、歩みそのものはしゃんとして酔いにふらつく様子は見えない】
【酒場のあるじに遠くから手ぶりだけで挨拶をして、ふと、細い面が横顔を見せて相手に振り向いて】

世の中の裏っ側を歩く貴方なら、きっといい星になってくれると思ったけれどね

【仄かに滲む名残惜しさは、それを期に仕草の表層からはするりと消える】
【未だ鳴り止まぬ喧騒の中を悠々と歩いて扉をくぐり、その姿は見えなくなった】

【彼女もまた、ひとときの夢に過ぎず】
【取り残された器の中で、白酒の薫り高い芳香ばかりが揺らめいた】


/お疲れさまでしたー!
/アキタケ兄貴イケメン過ぎる…… <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(空)<>saga<>2013/03/22(金) 03:50:21.98 ID:2AvQfgT40<> >>479

【―――― 少女の想った“強者”たち、】

………“必要なだけ”よ。今、この瞬間でも十分でしょうね――――

【その中には少女自身が勝利した相手も居たのだが、訂正する気にはならなかった】
【…………何より急がねばならなかった。】

【倒れ臥す “大切な友達”。想像したくも無かった光景が、青年に掴まれていた姿がフラッシュバックする。】
【怪我は、させないとあの夜に言った。“次に会えた時” のことも話して……夢を見るように時を重ねた。】
【けれどそんな “今” はここにない。約束ひとつも果たせていない。】

(……そんな資格、もう私にはないけれど―――――)

【―――――― それでも彼女を死なせることだけは、許す訳には行かなかったから戦いを選ぼう。】
【それで斃れるのなら、それが自分ならば覚悟の上だ。それでも、彼女だけは失わない――――何に代えても失わせない。】
【……そう、強く誓いなおす。瞳は、絶望の代わりに決意を宿して、】

…………っ!

【初撃を止められ、そして解放された後、蹴りと同時に放たれた言葉が、さらに彼女の感情を逆撫でした。】

【命を奪いかけた――――― 奪いかけただけだと言い聞かせる――――― というのに、掠り傷に代償を求めるのか。】
【感情の温度は完全に沸点を越えて、なおも爆発したが、思考はその冴えを失わない。何処までも冷徹に研ぎ澄まされる。】
【贖いなどない。だが報いは与えるし、この蹴りを命取りに変えてみせると決めた。】

(………、―――――――――)

【危険だが、回避せず、太刀を彼からみて右後方の地表に突き立て、杭のように体を繋ぎ止め――――】

………あ、か…はっ…………!

【内臓が破裂したかと思うほどの衝撃。呼気が一気に吐き出され、苦痛に少女の双眸が歪む。】
【だがそれだけだった。死ぬことも、身体を貫かれることもない。】
【嬲り殺すつもりなのか――――― だが強烈なだけで特別な効果が無いのと同じく、其れは少女に好都合だった】


―――――――――――――― ………はぁァッ!


【“蹴り込まれた” 力を溜めていた刀身が、少女の手により解き放たれ、さらなる加速を得て地を穿壊、上昇―――――】
【切先が弧を描き、急激に角度を変えながら、青年に背後からの刺突を放った】
【脚は狙わない。一撃で確実に仕留めるために、狙うのは彼の急所だけ。背骨や肋骨を避けながら、腹部の臓器を貫こうとする】


【“隙を突く” 一手を極めて高い精度で、それも彼の急所から放ちながらも……少女の思考は、まったく別の焦燥に囚われていた。】

【早鐘を打つ心臓。早く早く早く早く早く早く、この男を討たねばならない―――――】
【あとどれだけ時間は残っている? あとどれだけ、彼女はこの状況で生きていてくれる? 】
【鈍く重く熱く鋭い、腹部をじんじんと灼く激痛―――― 蹴り込まれた痕のようなそれを、知覚はしても意識はしなかった。】

【――――― 当然、その後には隙を生じる。否応なしに、繊細な造形をした身体は軋みを上げる。】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/22(金) 04:11:31.85 ID:mbugYSEBo<> >>483

どんな星だって、星は星だ 好きに輝いたらいいじゃないか
六等星より見えなくたってロケットで吹っ飛んで見に行くんだ

【去って行く彼女の肩を見て、直ぐに逸らしてサングラスをかけ直した】
【飄々とした、変わらぬ態度のまま、目もくれず 煙草を吸っている】

俺だって、自由の真ん中で見えないまま、あがいてるだけだよ…
裏だって表だって…明日がある方に行かなくちゃならないんだよ

【煙草の煙をゆっくりと、長く吐き出して】
【彼女が去っていった後、喧騒の中静に閉じられたドアを見た】
【扉が開かれて、見知らぬオヤジが入ってきたのを見て、また視線を宙に戻す】

星屑の1つの気分はこんな感じ……………?

【柔らかな香水の香りも、白酒のはじけ飛んだアルコールも】
【煙草と一緒にもみ消して 男は席をたった】


/最後のほう眠くて変な文になってなかったか心配です
/もっとスマートにいい雰囲気出せると思ったんだけど…マフィア口説いた経験ないのが祟ったようです
/遅くまでお疲れ様でした&ありがとうございました! 楽しかったです <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>saga sage<>2013/03/22(金) 04:28:37.22 ID:Fd4MHMZKo<> 【水の国、ギルド連盟の貸し住居の一つ】

【――その部屋は、静まり返っていた】
【寝台に横たえられた黒衣の男がいるのみ、尚且つそれが死体であるのだから、尚更】
【時間軸は寄り添ってくれた少女がいない機を見計らうような、僅かな幕間】

【整然とした室内に飾られる紋章や褒章は幾らか古く、とはいえ価値があるものばかり】
【彼にこの高層の1フロア全てを供されるハンターの手腕があったのは10年も前の事で、】
【純宝石の刃を持つ宝剣、呪詛で形成された軽鎧、そんな希少な品々が往時の栄華を偲ばせる】

【窓の外。 天に近い高さの其処を、突如として白い竜が通り抜けた】
【同時に何処からか徐に寝台の傍にごと、と落ちたのは、黒木を彫った小さな古い木像】
【それは、とても古い時代に櫻の国で信仰が禁じられた、夜の国の宗派の主像であった】

【像から溢れ出すのは“呪”――駆け上った竜の清さとは正反対に】
【形どられる女の姿だって、和装などでもない、豪奢なドレス姿】
【物言わぬ死骸に愛おしげに寄り添うその姿は、亡霊めいて透けていた】

“神聖なる祈りも、邪悪なる呪いも、全ては等しき「想い」から”

【短かな詠唱、だがその間に、男に起きる現象は逆再生映像のように奇妙なもの】
【10年刻みで若返る躰、幼子にまで巻き戻った時点で、止んでいた呼吸がすうと再開】
【そのまま再び同じ刻みで加齢する躰、最後には生気を持った、元の三十路半ばの男が其処にいて】

“……貴方が私を捨てて此処に身を寄せた日のこと、とても良く覚えているわ”
“恨んだ、憎んだ……だからこそ、貴方を奪った奴らごと、あの場所で呪ってやったの”

“…………でも、ね。 もういいの。 私の事は、忘れて、幸せにね”

【――掛ける慈愛は母のようであるのに、震わせる声は恋人めいて、震えていた】

【亡霊の姿が黒い霞に消え去った後、暫くして、ゆるゆると彼の瞼が開かれた】
【目覚めた男がまず見遣ったのは、光沢のない紫色が長い指の爪先を彩る掌】
【嫌な痺れの残るその手は、躰の時間が自決の直前に巻き戻されている事を示していた】

……また、馬鹿みたいに生きるのか

【彼が、眠っていた間の不可思議な事象を知るのは、このすぐ後の事となる】

/イベント前に諸々の整合を
/絡み不要でありましー <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage saga<>2013/03/22(金) 04:41:08.97 ID:ztlKOSom0<> >>484
【膝を経て伝わる感覚。小さな口笛はご機嫌の証か】
【トン、と地に着ける足からそれ相応の衝撃を逃がすと、満足そうに笑って】
【宝玉が光れば、今度は先程の数倍の量はあると思える数の矢を作り出すのだろう】
【向けようとした指――――が、止まって】
【矢は火の玉へ変わり、次に溶けた鉛へと変わって――――全てが虚空へと掻き消える】
【即ち、能力を中断して】


「――――今殺すのも詰まらないだろう?
君はもっと強くなりそうだ。僕を殺せるまでは行かなくても、刺す事が出来る位にはなるんだろ?
生憎、今の所僕には敵が居なくて退屈でねぇ……どうせ人間として寿命は長くないんだ。態と泳がせてみるのも楽しいかもしれないのかな」

【もう少女は“終わった”と考えたのか、背を向ければ――――少女も背後へ回り込もうと策略した頃か】
【完全な死角。――――刃が届く寸前、やっとその行動に気付いたか】
【幾ら強力な能力を持っていようとも、青年の能力に時間干渉は含まれず】
【今から何かを創造しても、刺突の速度には間に合わないであろう】
【――――先程よりも数段速い刃。身体を逸らすも、肉に食い込み始めた頃】
【動作に支障を来さない、多少深い切り傷であったとしても――――】
【ギリ、と歯軋りの音。感じるのは屈辱なのだろうか】


「思ったよりも頑張るねェ……!
甘く見過ぎたのかな?じゃあ良いさ。大人しく倒れてればただ見ているだけで終わったのに
……友達?だっけ?正直、遊び相手にもならなかったけど……
君で遊ぶ材料にはなりそうだ。海老で鯛を釣る……って言うんだっけ?」

【――――隙に叩き込むように、宝玉で作られた針が足の甲を貫かんと地面から生え出て】
【しかし、それには若干のラグ。少女が避けるために態と作られた空間】
【仮に、青年の目論見通り避け様としたならば――――両足に叩き込まれるのは掌底で】
【立つ事を困難にさせる為に放たれるモノ】
【機動力を殺すのも狙いであろう。しかし、何より狙っている事。それは少女が先から必要以上に焦っている事――――その心を折りに掛からんとする為】
【もしも、少女が地べたへと膝を着いたならば――――】


「――――さっきから反応が面白いよねェ
ついつい、もっと見たくなるからさ……お友達の目、君が見える場所で貰っていっちゃうね?
別に僕は目玉を集める趣味なんて全然無いんだけどさぁ……どうしてもどうしてもって五月蠅い人達が居るから」

【亜人を目の前まで引きずり出せば、再び髪を掴んで持ち上げて】
【異なる点と言えば態と“その瞬間”を見せつける所か】
【片目に指が沈められれば、大きく身体が跳ねて。皮肉にも、其れがまだ息のある事を伝えているだろう】
【事が終われば、うすら笑みを浮かべて、片手がその瞳を弄ぶ】


「ほらほら、こっちも君の友達だよ?まぁ……正確にはその一部だったんだけど
さあ、どうしようか。怒りに任せて今からもう一勝負でもやってみる?
それとも、その足で運んでみる?
アハハハハ!!運ぶなら僕は邪魔をしないよ!もう十分楽しませてもらったからねぇ……」

【何処までも嫌な性格。“遊び”感覚で更に少女の怒りを焚き付けようとして】
【前者を選ぶのか、後者を選ぶのかは少女次第――――】
【亜人も限界に近いのか、呼吸も浅くなって。冷静な思考を失わせようとするのは、その嘲笑】
【斬られた故の復讐――――と呼ぶには、余りにも度が過ぎた行為】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(空)<>saga<>2013/03/22(金) 06:34:27.39 ID:UU3rCUbe0<> /すみません、改行エラーしてました……!

>>487

【挑発めいた幾つかの行動。無駄なものだと少女は断じた。】
【―――――― “次” などなく、明日は与えない。今、ここで確実に終える――――――】
【だが必殺を期した一撃は期待通りの成果を齎さず、】

……くっ……―――――――

【一瞬だけ動きの停まった身体。生きるための機能を停止させられた様に、息が、反応が、必要となるあらゆる動作が出来ない―――】
【その隙を突くと判断した宝玉の槍に生じる遅れ、“ダメージを覚悟した” 反撃から戦術をシフト、そして再度斬り込もうとしたが、】
【……その踏み込みが、偶然か必然か最悪の位置に彼女を導いた。】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(空)<>saga<>2013/03/22(金) 06:37:20.29 ID:UU3rCUbe0<> >>487

(………!?)

【両膝へと叩き込まれる掌底。ガクリと両膝を衝き、直後から“想定した”追撃に対する回避を図るも、】

(……な、――――――――――)

【其れは、内部の “動き” が身体の動きになる前に霧散した。】
【青年が次に取った行動のためだ。亜人の少女が、なぜか青年の横にいた。】
【理解が追いつかなかった。眼前の光景に呆然とする少女の前で、青年は、言葉を重ねて―――――】


…………ッ!? 止めっ―――――――――――――

【青年の意図を理解したのか、大きく見開かれる瞳。左手を彼女へと伸ばした少女は、大きく声を上げて静止しようとして、】

―――――――――――――――――――――――――――――――――!!

【叫んだのか、声も上げられずに指先を震わせたのか。それすら分からずにいた。】

(………あ、あ、…あ…―――――――――――)

【「助け、なきゃ」―――その大半を悪夢のような光景に囚われたまま、心の“生きた”部分が死にもの狂いで動きだす。】

【――――― 動け、求めても躰は応えない。】
【―――― 動け、命じても、希うように力を振り絞っても、脚が、動かない。】
【視界が歪んだ。二度と流さない筈だったものが瞳を濡らし、凛冽な表情は不安げに、慟哭する様に瞳を震わせて。】

………っ、―――――――――

【湧き上がってくる感覚があった。未知の二つが渦巻いていた。】
【憎悪。多かれ少なかれ感じたことはあったが、ここまで身を焦がすものなど初めてだった。】
【虚無。もう何も感じられないかの如く、感情と体感覚の殆どがその心からは消失していた。】
【漸く立ち上がると、太刀を手にしたまま彼らに接近、】

…………殺して、やる。
貴方だけは確実に殺す――――――――― ……何があろうと許さない、死だけがおまえに ――――――

【抱える様にして亜人の少女を青年から奪うと、涙を残すまま、横目で青年を射抜いて紡いだ。身を凍らせる様な橡色。】
【たとえ止められようと、少女は、そのまま森へと駆け出すだろう】

……はっ、…はっ……はぁっ、…っ――――――。

【……始まりの一歩と同様に、撤退も無我夢中だった。森のなか、無意識に少女は街へと歩いていた。】
【少しでも、亜人の少女が助かる可能性の高い方へ。今の彼女に出し得る最大の速度で。】

【病院に運び込むか、残り僅かな回復薬を用いるか、或いは、■■■■■■■■■か―――】
【少女には、どうしたら良いのかもう分からなかったが、どうするべきなのか全力で答えを捜し続けた。】

【そんななか、すすり泣く様に零れたか細い声。少女を知る者には、これが彼女の声とは思えないであろう其れ。】

………誰か……ヨハン、を……―――――――

【細い腕が、亜人の少女を優しく、けれど失うことを拒むように強く、ぎゅ、と音を立てながら包んだ。】
【……どこに到れるのだろう。彼女には分からない。何度心のなかで謝っても、答えはひとつも見つからない。】
【辿り着く先は、森のなかの開けた場所か、それとも街か―――――。】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage saga<>2013/03/22(金) 06:39:03.41 ID:ztlKOSom0<> >>488>>489
/申し訳ないです……非常に性格が悪いキャラ故に申し訳ないです……
/ロール中に何度か書き込もうかと思ったのですが、やはり最中だと気が削がれるかなと思いまして自重しておりました……
/そして流石にそろそろ眠気が危ない故に引き延ばしの方をお頼みして宜しいでしょうか……?! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(空)<>saga<>2013/03/22(金) 06:45:10.32 ID:UU3rCUbe0<> >>490
/しょっくではありますが、大丈夫ですよっ。というか圧倒されました……!
/こんな遅くまで…というか朝まで本当にすみません、一旦お疲れ様でした……!
/こちらは一応、今日は午後くらいから大丈夫そうですが、そちらのよろしい時に呼びかけをお願いします…っ <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>!蒼_res<>2013/03/22(金) 19:39:32.55 ID:dWCJ+J5Mo<> 【「親愛なるカノッサ機関諸兄らへ」】
【「先日我々のとある研究がひとまずの完成へ至った事を期して、そちらへそのサンプルを送られたし」】
【「しかし彼らは未だ母の胎盤である水底より離れられず、且つ迅速な回収を要する」】
【「そこで人手の足らぬ我らに代わって孵化直後の彼らのうち数体を回収していただきたく」】
【「成功の暁には彼らを貴公らの研究部署へ直接の贈り物とされたし」】
【「第一に彼らはひとの及ばぬ速度で細胞を増殖させ、並みならぬ再生と変化を促す」】
【「第二に彼らは豊富な水源とひとの悲哀、憎悪、絶望、その他負の感情を糧とする」】
【「第三に彼らの泣き声は天と地に災いを呼び起こし、ひとの嘆きを呼び起こす」】
【「彼らの血肉細胞を用い、是非ともますますの発展の掛け橋としていただきたい」】
【「御武運をお祈りする」】
【「――ヒト並びにそれに準ずるもの、および生物秘密科学研究所《le Metaphysique juge》解剖生理・臨床及び正常な身体維持部門担当者 Don Alvaro】

―――

【カノッサ機関に対して送られたその書面】
【自警団、UNITED TRIGGERに対しては、更にもう一枚が添えつけられ】
【そして、最後の一文、宛名の部分が切り取られていた】

【「生き物を変質させる異常の産物を破壊して欲しい」】
【「この書面の指す生物兵器が材料として使われる先は、明らかにヒトそれらである」】
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>!蒼_res<>2013/03/22(金) 20:00:21.07 ID:dWCJ+J5Mo<> 【水の国――ひとの眠る街“プシュケ”】

【未だ日の暮れて間もない頃、都市の各地で胎動するように小規模の地震が起こった】
【ほんの数秒の内に治まったそれらには、あるいは気付きもしなかった者も多く、すぐに忘れ去られていった】

【Point1――浄水場傍ダム】
【人工林の多い都市の僻地、山を開いて作った中規模のダムにはたっぷりの水がせき止められ】
【その真ん中には一見かわいらしい装飾の成された取水塔が立ち、傍の浄水場へと原水を運びこんでいる】
【街からは遠く対面の都市への交通路も川を避けて作られているため、近辺は明かりも無く非常に視界が悪い】
【そしてその水槽の横壁には、生命維持装置の取り付けられた試験官が張り付いていた】

【Point2――人工庭園貯水池】
【規模もそこそこの市民公園の傍はいくつもの大きな道路が走り、隔壁を介したこの場所にもかすかに乗用車の走る音が聞こえる】
【地下に半分埋まる形で作られた広い一室いっぱいに、清潔な水の満ちるプールが設置され】
【事前の通達により警備員含めた従事者は全て退避しており、代わりに内部の電灯だけが点いたままになっている】
【管理の都合上、他の場所に比べて足場も整っているが、電源のON/OFF、排水・貯水等、ギミックも内部に存在している】
【そしてプールの底には、生命維持装置の取り付けられた試験官が張り付いていた】

【Point3――巨大下水道】
【繁華街の地下を走る下水道を繋ぐ巨大な地下道は、天井も高く十分人が行き来するだけのスペースがある】
【しかし下水道という性質上汚水と薬品の匂いが漂い、肥大したネズミや害虫なども排水管を逆流して壁を時折行き来する様だ】
【隔壁は非常に頑丈に作られ、多少何か起こった程度ではびくともしないだろうが】
【内部の空気はガスも混じっており、火気や火花の出るような物の使用は厳禁であることが予想出来る】
【そして地下道の天井には、生命維持装置の取り付けられた試験官が張り付いていた】

【Point4――遺跡内部水牢跡】
【数少ない自然林の中に打ち捨てられた古城は、今は観光施設として土日にはある程度のにぎわいを見せている】
【閉鎖された地下部分は傍の湖と繋がっており、人工的な機構により潮の満ち引きが存在していたようで】
【その奥には朽ちかけた鉄格子を隔てて水牢が建っているが、扉は施錠されておらず侵入してしまえば出入りは自由】
【今は潮の機構も停止しており、部屋に水が腰以上の高さに満ちる事は無いはずだ】
【そして最奥の水牢には、生命維持装置の取り付けられた試験官が張り付いていた】

【――時は満ち、かすかな子供の笑い声が水を震わせる】


/20時になりましたので、これよりイベント開始いたします
/悪側の方からの投下となりますので、こちらにアンカーをつけてレスしていただければッ
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>saga<>2013/03/22(金) 20:04:01.92 ID:JbtfRGoPo<> >>492>>493 & >>ノエル・グランスタッド様

【人工庭園貯水池】

【市民公園区域の端に作られた庭園で、過不足無く草木に水を送る為に巨大な貯水プールが設置されている】
【自警団からの通達があったのか、屋内であるにも関わらず貯水池内は明るく照らされている】

【――が、妙なのは、「大量発生しているカラス」だろう】
【場所と時間帯にあわぬその来訪者達は、特に何をするでもなく、好き好きに辺りを飛び回り、鳴き、そして羽根を散らしている】


……さ・て・と……やれやれ……ヴェンツェル様も物好きですこと……


【そんな中、大量の水を湛える貯水プールの傍らに佇み、物憂げに水面を眺める人影が、一つ】
【照明を受け、漆黒が舞う中に、ぼんやりと浮かび上がるその輪郭は――】


――このようなきな臭いお話に、わざわざわたくしを送り出すのですから……ねえ……


【――白を基調としたセーラー服と紺色のスカートに身を包んだ少女である】
【その表情に感動はなく、縁無し眼鏡の奥に湛えられた碧眼は深海のように深く、暗く、かつ冷たい】
【また服装に合わせるように被っているのは、長い青色リボンの巻かれた、白い水兵帽】
【そして真っ直ぐ伸びる彼女の長髪は黄金色に煌めきながら、風と戯れるように虚空に揺れていた】


……ま、よろしいでしょう
こういう仕事で手を汚すのも、また絶望%Iにて――すなわち、わたくしの、お仕事、なのでしょうから……


【……よく見れば、彼女はなんとその手に釣り竿≠持っており、貯水プールに糸を垂らしているではないか】
【普通に考えたならば分かるはずだ。貯水池で魚なんか釣れるわけがない=\―と……!】


【――いや、それとももしかすると……実は、良からぬもの≠釣り上げようとしている……?】
【そう、例えば……貴方様≠ェ、この場に駆けつけた理由≠ニなる、アレ=c…とか――】


…………釣れませんねえ…………


【――「カー」――】

【或いは玄妙にして不可思議な光景か】
【微動だにしない少女の右肩に、一羽、カラスが寄り添うように、止まった】


/ウェル子です。ノエル様、本日はよろしくお願いいたしますー。 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2013/03/22(金) 20:06:08.14 ID:dWCJ+J5Mo<> >>493
【Point1――浄水場傍ダム】

【一寸先も見えぬような闇夜の中、水面が風に揺られて跳ねる音のみがものの動きを表す】
【誰かが踏み入ったならば、その足音すら目立ったものになるであろうほどの静寂】
【であるのに、ダムを見下ろす岸に、まるで先よりそこに居たかのように、突然小さな明かりがともった】

【微かにその居場所を示す火は、葉巻と、それに火をつける小さな付け火】
【それは、人の指先から灯っていた】

……来たか
ここならば唯一、どれだけ火を使っても差支えないと聞いたのでな

【低いテノールの持ち主は、長身の30代後半程度の男】
【銀の髪を後ろに軽く撫で付けソフトオールバックにし、目は垂れた碧眼】
【白いシャツに濃灰色のベスト、黒いネクタイに金のタイピンをつけ、下は同色のスラックス】
【足元は茶のストレートチップ、手には指が露出したタイプの黒い革手袋を嵌めている】


/孫 大聖の方はこちらにレスお願いしますー <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>saga<>2013/03/22(金) 20:12:51.94 ID:PYZNbk+Xo<> >>492-493

『―――聞こえるか、No,7。こちら"参謀"、準備は出来ているかね?』

――こちらNo.7、前はNo.6だったからまだ慣れないわね、その呼び方。準備OKよ、"ソーン"。

『ならば<蠢>とでも呼ぼうか、そちらのコードネームならまだ申請すれば使用可能らしいが。』

・・・前々から思ってたけど、考えてる人ってセンスないわね。Nemesisの方がまだマシよ、冗談はいいから。
ポイントはここであってるの?私好みで暗くてじめっとしてるけど――でも水場、ね。

『――君の"能力"的にはあまり好ましくないかもしれんがね、何分緊急の要請だ。申し訳ないが、ポイントはそこで間違いない。』

水牢っていうの?随分古い場所だけど・・・まあ、なんとかするわ。それに・・・
別に戦う場所なんてどこでも良いもの、それこそ空でも土の中でもマグマの底でも――関係ないわ。

――アンタの予想が正しければ、必ず餌にひっかかって――"能力者"達が沸いて出てくる。
私にとってはそれが一番、重要――相手が"能力者"なら・・・

――地獄の果まで追いかけて、滅してやる。

『・・・勇んでくれたところ悪いが、あくまでこの任務は"回収"が目的なのだ、あまりハメを外しすぎることはないよう、頼んだぞ?』

さあね、報告書は書いてくれるんでしょう?それに責任も貴方がとってくれる、違うの"参謀"さん?

『・・・穏便ではないね。まあ良い――久しぶりのミッションだ、しっかりやり給え。』

【ただ一人――少女――と思わしき人間の影。】

【古びた城の奥深く、観光用に開放されていなければまさに"獄門"と呼ぶに相応しい威圧感を放つ夜の"水牢"】
【静かで、暗い牢の中に佇む"存在"は――頭部にとりつけた機械式のバイザーを暗視モードに切り替え、赤い光を漆黒に打ち出す】
【つい先ほどまで上司との会話に使用していた無線機能をオフにし、補助機能をアクティブへと移行――暗闇に無機質な機械音を響かせ】
【キュイン、キュインと小さく唸る頭部のバイザーに反してそれを装着した"人影"自体は物静かに――ただ、周囲を見渡す】
【カノッサ機関、No.7――"復讐の戦姫"<Nemesis>】
【頭部バイザーと全身を覆う機関員用の防護マント、そして手に握る厳つい銀色の大型フレーム・リボルバーを携えたその"影"は】
【今宵緊急に借り出された"奪還"の任務に赴き、生物兵器の回収を目的として――その上で、敵の襲来を待ち望む。】
【"この件を奴らが嗅ぎ付けられるかどうかはわからないが――もしかしたら、能力者に会えるかもしれない"】
【其れが彼の上司が彼女に告げた言葉で――もっとも、機関員としては回収の妨害などされるのは溜まったものではなかったのだが】
【彼女だけは例外的に――むしろ嗅ぎ付けて来い、とさえ思っていた。】
【組織に属していながらも、彼女の目的はそう、能力者の破滅――ただの一匹も残らず、駆逐する事。】
【肩まで下ろした薄い茶髪が乾燥していた空気から、水気を含んだ水牢のそれにあてられ小さく、揺れる】
【握り締めたリボルバーのハンマーを起こし、生物兵器の発見、そして同時に敵との邂逅を・・・目指す。】

――見つけた、これね。

【水牢の最果てに、存在するは"試験管"――おおよそこの古い城には似つかわしくない、機械郡】
【彼女はそれに手を伸ばし―――】

/こちらNemesis、長くて分かりづらい投下文で申し訳ない。
リロードの方、そしてエルフェスの方、今夜はよろしくお願いします。 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(山形県)<>sage<>2013/03/22(金) 20:13:35.85 ID:lQe1hfqno<> >>463

ヒャハハハ、――
なァーんか少々引っかかるがァァアア……まァ良いだろう、扱いはじイっくり考えてやる

【リーネにより持ちあげられれば、その傲慢で自尊心の高い悪魔は】
【更に図に乗り、そしてその傲慢さを高める】
【――そして、その"直情的"な性格を理解すれば、扱いは楽な部類……かもしれない】

――――神様か! テメェーもなァかなか良い表現をするなァァアアッ
ヒャハハハハハハ、だァが、本物の神になるにはそォれこそ何千年何万年と生きて力を付ける必要があァァるッ
――そォーだなァ、"地方神"くれェなら名乗っても良いかもなァァアア、ヒャハハハ
まァー俺様は"神"より"混沌"の方に興味がある、まァずはそォっちからだ

【地方神――いわゆる、村や街の中のみで信仰されているような存在であり】
【学術的に見れば、ただの魚だったり蛇だったり個体自体も複数居たりと――】

【そして、さらっと言ったがこの悪魔は――もしや、何千年何万年と生きる術を知っているのか?】

ヒャハッ、テメェーは能力がねェーのかァッ
だったら"部下にしてやる"条件を明確に示してやる――"人間を捨てる"ことだ!
能力を手に入れ、人ならざる力を身に付けられるッ! そォの道には俺様が導いてやる、俺様の能力は生命を作るだけじゃあねェからなァァアア

――――ん? んゥー、……いィや…………
たァだの一般市民がカノッサ機関のNo.10を手ェに入れられるわけが……

【確かに悪魔は、隣にいるリーネが"下"である事実を明確に示されれば】
【その悪意に満ちた雰囲気をさらに濃くし、ニィィヤァア〜ッと笑みを浮かべた】

【しかし、この悪魔はそこまで言われたことを鵜呑みにするような存在ではなかった】
【笑みの代わりに浮かぶ疑問と懸念は、――それを如実に表していた】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2013/03/22(金) 20:15:09.71 ID:dWCJ+J5Mo<> >>493
【Point3――巨大下水道】

【ここに立ち入るものはよほどの数寄者か、それともひとの立ち寄らぬ場所であるからにこそ、重要性を見出したか】
【いかに歩道そのものは広く作られていようとも、跳ねる汚水が降りかからないように多少の高さと湾曲があろうとも】
【薄ら、ではすまない汚臭を漂わせるこの場所は、マンホールに近い場所では身寄りのないものの溜まり場となっていたか】
【しかし今は先程までひとの居ただろう気配を残して、一切の生気が失せている】

あの仏頂面のクソペド野郎……こっちにあちきを寄越すなんて何考えてやがるんだか
いつか崖から突き落としてやる……

【水際を避けるように歩道の端に立ち竦む、肩を過ぎるくらいの長さの黒髪をセンター分けにした男】
【黒い目は吊った狐目、ワインレッドのシャツに皺の寄ったスラックス、背は低く下駄を履いていて】
【右の頬には一線の傷があり、なんとなく男の雰囲気をうさんくさいものに仕立てあげている】

ねーぇ侵入者さん、アンタもそう思いますでしょーよ?

【まるでその場に誰かがやってくることを想定しているかのような、呼びかけの声】
【武器らしいものは、片手に持った全長30cmほどの短剣のみと頼り無い】
【にも関わらず、くるりと振り向いた顔は、さも嬉しそうに嗤っていた】


/遅れて申し訳ない、セシルの方はこちらにお願いします! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(大阪府)<>sage<>2013/03/22(金) 20:17:53.48 ID:Daqc5s6xo<> >>495
【明かりが映える闇夜の中】
【片目に自警団から支給された暗視ゴーグルをつけた
逆立っただった栗色の髪に橙色の肌をした
身長160cmの幼さを感じる男がいた】
【服装は赤色の法被を紐で止めている恰好だ】
【武器を持っているようには見えないが
法被の内側や握っている拳の中にはありそうだ】
【そして男はあるはずのない明かりを見つける】

おっさん こんな所で火遊びかあ?それは危険だぜ なぜなら俺に敵とみなされるからなあ

【男はそう先にいた者に皮肉を言う】

/よろしくお願いします <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>saga sage<>2013/03/22(金) 20:28:15.42 ID:Fd4MHMZKo<> >>498

【びし、と罅割れる音は堅牢な壁でも懸濁した床でも無く“空間”】
【黄緑の燐光を血のように零して裂かれた其処からぬうと伸びる手の白さ、彩る紫色】
【必要上に捲れた腕の自傷痕を静かに遮り、ゆらり揺らぐは紅茶色】
【踵の高い黒革がこつと地に降り立ち、それから横暴な斜視が彼の喉元を見据えた】

……そうですね、寧ろ、それだけでは生ぬるいような
ですがオズワルドは大抵傍若無人ですので、諦めるより他に無いかと

【――誰の話を、しているのやら】

【瞳孔の大きさが揃わないオリーブ色の目を持つ、長身痩躯、白皙の若い男】
【腰元まで伸びた紅茶色の髪にはメッシュめいて細い編み込みが混じり、】
【纏う黒衣は痩躯の輪郭を少しばかり肉付けしていて、内部に仕込みでもあるのだろう】

【視線を落とすと同時にふつと振る手、ひと振りの刀が顕現されれば――その意味は、言わずとも良く知れた】

/セシルです、よろしくお願いしますー! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/22(金) 20:31:47.12 ID:R07NZKmZo<> >>497

そのお言葉、光栄に受け取っておきますわ

【スカートの両サイドを持ち上げペコリとお辞儀する】
【相手の機嫌を良くする方法を心得たらしく、これでより一層仲良くなれそうなんて思っている】
【”仲良く”きっとこの言葉には少し違った意図があるのだろう】

あら……だって生命を作れるなんて神様みたいではありませんか
地方神…の器には収まりきりませんわ、ソレこそ創造神…なんていっても大袈裟ではないかもしれないですわ
だって命を作り出すってそれ程に素晴らしい事なんですもの
きっと邪禍様なら素敵な”邪神”になれると思いますわ

【命を作り出せるのに地方神なんて謙遜も甚だしい】
【考え方はともかく絶対に強大な存在になれるのは確かだと断言する】
【命の生成が出来るなんて到底真似できない芸当、それは相手が一番良く分かってるのかもしれないが】

人ならざる力を手に入れる方法? それ…もう少し詳しく教えて頂けませんか?
もちろん”人間を捨てる”この事の明確な意味も具えて…

【相手が言った”人間を捨てる”そして”その道に導く”その二つを聞いて一気に目の色を変える】
【だって相手は意図的に能力を手に入れされることが可能、そう言っている物と取れるのだから】

あらあら……やっぱりバレてしまいますのね……
まあ、私嘘はついていませんわ…だって私は只の一般市民
少しばかり”魔人”にお力添えを頂いているだけの非力な存在ですもの

【相手はやはりバカではない、自分のついた嘘をすぐに見破る位の実力はあるのだ】
【だがここで嘘だとバラせば一気に相手の不信感を煽る事になる】

【なのでリーネは自分の能力を別の意味に置き換えて簡単に説明した】



<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2013/03/22(金) 20:31:50.68 ID:dWCJ+J5Mo<> >>499

【左手が前髪を掻き上げるように櫛を通し、口端から紫煙を吐き出す】
【闖入者にこちらも気付いていると示すように、敢えてそちらに爪先を向け自身の意思を誇示する】
【すなわち、対する者であると】

敵と看做さずであれば何だ、通りすがりか?
不審者を前に冗談を口にするとは、なかなか洒落の利いた人物が来たものだ

【暗視ゴーグルを介した視界で応対する相手と違い、こちらは見た限り裸眼ではあるものの】
【なんらかの手段を講じてか、相手のすがたかたちを見定めるのに苦労している様子は無い】

【指先から出た小さな明かりは、その手の位置を変えるに伴って掻き消え、無造作に伸ばした掌の上に再び火が灯る】
【此度の火は炎と呼んで差し支えないか、ゆらゆらと辺りを照らして男の顔を暗闇の中に浮かび上がらせる】
【火球は握り拳ほどの大きさであり、直に当たればちょっとやそっとの火傷では済まないと分かるか】

まあ良い、貴殿の手並みを拝見させていただこうじゃないか
Show Time……と、いったところだな

【零すように手から落ちた火球は、地面に触れるより前に横薙ぎの蹴りによって相手に速度を伴って投げ撃たれる】
【それそのものが破裂し火をまき散らす事はないものの、周囲は森であり、木々が一瞬にして水気を奪われ燃え上がる事は想像に難くないか】
【そして体勢を整えるもそこそこに、拳法の呼吸法のように深く細く夜気を吸い込み次手への準備として】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(長屋)<><>2013/03/22(金) 20:37:04.83 ID:0LinCya9o<> >>494
【がしゃん、がしゃん、がしゃん】

【出入り口と思われるドアの奥から響くそれは、金属と金属がこすり合わせられる、耳障りな音】

【がしゃん、がしゃん、がしゃん】

【しかし、その発生源となる少年は、その音を何時も何時も、心地良い響きだと感じていて】

【がしゃん、がしゃん、がしゃん】

【鬱屈した感情の水底にまで沈みそうな気分を、そんな五月蝿い音で、引き上げようとしている】

【がしゃん、がしゃん、がしゃん】

【きっかけは、街で話す警官たちの会話が漏れ聞こえ、耳をそばだてたことだ】

【がしゃん、がしゃん、がしゃん】

【きっと誰かの悪戯だろう、カノッサだって相手にはしないさ、なんて警官は言っていたのだけれど】

【がしゃん、がしゃん、がしゃ…】

【気付いたら、この地に足が向いていた】


【ぎぎぃ】
【水場の近くな為に、使用されていても錆び付いてしまったドアは、これまた不快な音を立てて開く】

だ、誰かいるッスか…?
もしかして…おばけッスか?

【なんて、場違いなほどに気弱な声がする】
【扉の影から出て来たのは、錆び付いた扉とよく似た色をした髪の、年齢の割にあどけない少年だった】

【黒いタンクトップの上からモスグリーンの、ごてごてとポケットのついたベストを着込み、前は開けていて】
【黒いヘアバンドでツンツンと逆立つ赤茶色の髪を抑え付けて、緑系統の迷彩柄をしたジーンズを履き込んでいる】
【身長は170cmほどだろうか、決して大柄とは言えず、その背に負った巨大な盾と槍は、些か不釣り合いに見えた】

………に、人間ッスよね?
て、ことは────

【そして、焦茶色をした瞳には、僅かばかりの怯えと好奇心、そして】

─────僕の、敵ッスね

【ありありと見える、闘争心が、子供の様な光と共に、湛えられていた】

【少年は、すぐさま右手を背中の大盾に伸ばし、自らの前面に構えると、左手も背負った槍に伸ばし、抜きはしないが引き寄せる様に傾ける】

アンタ、何してるッスか?
そんなとこで釣りしてたら、ヤバイもんが連れちゃうかもしれないッス!
僕が破壊するッスから、そこを退くッスよ

【そう、あくまでも敵対するような声色ではなく、話し合う雰囲気で話しかける】
【盾を構えたのは警戒の表れであり、槍を抜かないのはきっと、話せば解ってくれるかもしれないという、淡い希望の表れなのかもしれない】

アンタが何もしないなら、僕もアンタに手出しするつもりは無いッス

【と、構えは解かないまま、少女のいるプールの方へと歩み寄ってくる】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/22(金) 20:40:34.16 ID:rRIdhWheo<> >>496

(施錠はされてなくて、で気配はこの先?……出来過ぎてる)
(それなら罠でもあると考えるのが道理、ならば対処や抵抗の準備は幾らでも……)

【水を掻き分けて進む音、敵がいるならば恐らくそれが耳に入っていることだろう】
【ただ侵入者がいるならばあるべき「気配」というモノが恐ろしく稀薄で、まるで亡霊でも彷徨っているよう】
【確かに昔を忘れてただ思うままに動いている彼はソレと同じような存在なのかもしれなくて】

(一応、何か在る感じは確かに……)

【昏く湿気ている水牢はどうにも居心地が悪く思える、明かりがあろうときっと関係ない】
【不思議と墓場を思わせるのは牢という存在が命を取り扱う代物だからだろう捉えるというのはそういう事だ】
【ふと縁起でもない想像をしてしまって首を振る閉じ込められて水死なんて冗談にもならない】

取り敢えず思考は目的のモノにシフトさせる顛末なんか考えてる余裕なんかないだろう
…………大丈夫、きっとやれるさ――――――――

【湿気た白髮を払いながら腰に差した「銀のナイフ」を引き抜き逆手に眼前で構える】
【赤色の左目と紫玻璃の右目は何かを感じてか渦巻いて、知性に知らせる……ならば彼のエルフェスの表情は変わり】
【あどけなさは去り刷新されるのは鍛えられた戦士のそれ】

なら、行こう…………

【一歩の動きは経験に裏打ちされて淀みなく】
【切先に揺れる銀はその目的を露わにして、刈り取るべきモノを待つ】
【伸ばす意識はより先に相手を悟ろうと幾重数多に】

【あと数秒もすれば彼女と出会う、狙いがこちらならば火ぶたは既に】
【お互いがお互いを認めないのだから至る先などたかが知れている、ならば今宵も……】

/エルフェスですよろしくお願いします! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(愛知県)<>sage<>2013/03/22(金) 20:43:48.09 ID:TG1HDVKXo<> >>496

【<Nemesis>。彼女が手を伸ばしたその瞬間、まるでそれを遮るかのように────】
【ザ、ブン。今のいままで何の気配も無かったはずが。わざとらしく、水を踏み抜き音がした】

【水牢の中にあるを覗き込むようにして立った一人の男が、そこには居た】

おやおや〜〜。先を越されてしまいましたねぇ。

【黒髪を野暮ったく肩まで伸ばし、深々とシルクハットを被るサングラスを掛けている男】
【漆黒のスーツを身に纏い、星柄のモノクロマントを羽織る。黒尽くめ、故に両手の手に】
【付けられた白い革手袋は良く映えた。肩には奇妙な鋼色の翼を持つ雀が止まっている】

どうも、こんにちは。お嬢さん。私はリロード。リロード・ザ・マジシャンというものです。

【男は、サングラスを左手で取り外し、ポケットに仕舞いこむ際の体の捻りに合わせ、】
【両足の踵を揃えたまま、右手の指をピタリと揃えたまま左斜め上に向けて勢い良く掲げる】

【サングラスを仕舞い終えた右手の中指と人差し指、で右手の革手袋の先を挟み込み】
【伸ばした右手をゆるやかに引いていくと純白の手袋はスルスルと小さな音を立てて剥がされていく──】

実は私。正義の味方をやっておりまして。夜のため人のため、悪の蛮行を止めに参った次第でして。

【──男は、まるで、本に書いてある言葉を読むかのように淡々とセリフを述べていく】

【──zzz__ド__クンッ。何かが脈打つ音が聞こえる。その音は彼が手袋を剥がしていくと共に大きくなり】
【彼の右手からはまるで際限なく液体を注ぎ込んだグラスを思わせるかの様に“黒い”気配が溢れ出して征く】

いやはや。それにしても思い立ったが吉日という言葉もありますが。熟成した戦場も悪くない、とても悪くない。
おあつらえ向きにほどがる様に、"タイム・リミット"まで施されている始末…………。

【彼の右手が丁度、額に差し掛かった際、しゅるりとという音と共に革手袋は完全に剥がされ彼の右手が顕になる】
【その右手の甲には一本の筋が入っており。彼が不敵な表情でニコリと微笑むと、“ソレ”は─── 開眼 ≠オた】

フフフ……。この“ ゲーム ”──随分と楽しめそうですね。そう思いますよね。貴方も!!

【額に当てた手から見えるギョロリと開眼した美しくも不気味といえる蠱惑的な輝きを見せる大きな瞳は】
【彼を“三眼の化物”に見せてしまう程で、正義を名乗るには少々──禍々し過ぎると言えるだろう……】

では────………………………………。

【展開で言えば追い詰められた最後の最後に“切り札”として暴き出された真実の姿。それによる覚醒で逆転勝利──】
【自称“正義の味方”を気取る気で居るなら“それが望ましい”、“それが相応しい”。だが、彼は開幕、それを見せてしまった。それを意味する所、それは──】


【最初から、──“ 全 力 ”──“ 全 開 ”で── “ 突 き 進 む ” という事であるッッ!!!】


“喰ら”ッて……さし上げましょう……!


【彼の右手の“眼”が小さく瞬きをすれば、まるで涙を流すかの様に漆黒の魔翌力が溢れだしていく】
【この“魔翌力”。何の効果も周りには与える事は無いが。『カノッサ』である彼女達には分かるだろうか】
【“哲学者の卵”によるものだという事が。それなら、禍々しい瞳も納得できるかもしれない】
【だが、孵化した様子は一切見られない────。あろうことか、この男。 飼いならしているのか =c…“哲学者の卵”をッ!!】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage saga<>2013/03/22(金) 20:46:49.72 ID:TG1HDVKXo<> >>505
/リロードです。よろしくお願いします!
/あ、意味があるのは上から数行としたから数行だけなので真ん中は超読み飛ばし可です>< <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2013/03/22(金) 20:48:07.37 ID:dWCJ+J5Mo<> >>500

【わぁ、なんて大仰に驚いて見せる仕草は逆に苛立たしいものに見えるか】
【その有りようには真剣味がどうにも感じられず、服装とちぐはぐの足元もまた、闘いに赴くようには見えない】
【頼り無い得物と合わせても、せいぜいがチンピラのそれだ】

しあわせウサギ……の、事じゃあねぇでしょうなあ
なんてな、聞ぃーてるぜぇ、アンタさんの事ァねぇ

【へらへらとした崩れた敬語混じりの口調、じわりと後半に滲むのは厭らしい侮蔑の色】
【猫背の様に曲がった上体が、笑みに震えて上下し、調子っぱずれた声が低く含み笑いを洩らす】

ほんっと、お互い何も知らないってのは無様でじれったくて面倒くさいったらありゃしませんわ
――《泥棒日記(ジュネ)》ェ!

【虚を突くような掛け声と共に、手元に小石だ木の皿だと元居住者の持ちモノらしきものが空中に浮く形で集まる】
【一度男の“所有物”となったそれは、弾くような手の動きと共に】
【壁や地面にぶつかるまで、相手を追尾するようにひとつひとつが一直線に相手へと向かっていく】
【それは強制的な返却――所有権の移った所持物が戻るスピードは、ただ投げたとは思えぬほどに速い】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(大阪府)<>sage<>2013/03/22(金) 20:48:30.33 ID:Daqc5s6xo<> >>502
show time だね お前がやられ役で俺が主役の

【そう言いながら手の中から金属製の棒が伸び火球を伸びた勢いで打ち消す】
【そして、2mほどになった棒を構える】
【左手を自分の方へ添え右手を相手の方へ添える】
【左足を後ろに右足を前にして体を左斜めにする】

俺の棒捌きとあんたの炎捌き…どっちが上か勝負といこうじゃねえか!

(相手は炎を操る能力者で暗視ゴーグルもなしに
俺を認識しているか…赤外線でも探知しているのかもしれねえ)

【口ぶりと裏腹に内心は冷静な孫 大聖(スン ターシォン)は
まず牽制として棒を伸ばし相手の鼻を突こうとする。
もし相手が横に避けたのなら、そのまま薙ぎ払い
相手にダメージを与えようとするだろう】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>saga<>2013/03/22(金) 20:50:11.56 ID:JbtfRGoPo<> >>503


……まあ、いらっしゃいますよねえ……
こういう場面で、誰か様の邪魔が入る事など、意地悪なこの世界では、むしろ必然≠ナすから……


【ふわり――柔らかな身のこなしで、少女は、新たな来訪者へ、身体を向ける】
【無論、釣り竿はしっかり保持したまま】


……『敵』――なるほど、確かに、わたくしと、貴方様は『敵同士』なのかもしれません


【しかしその場から動くようなことはせず、】


わたくしは、あの怪文書≠受け、謎の生物とやらの回収を、試みる者
そして、貴方様は……『破壊する』と、仰いました


【深海のように暗く、だが澄んだ碧の瞳は、少年を捉えて離さない】
【少年が目を背けなければ、彼女はきっと、少年と「目を合わせようと」してくるだろう】
【――彼の瞳を、内奥を、覗き込むべく】



――――さても、奇妙な夜に、『こんばんは』――――



【そして彼女は、ぺこり、と恭しく一礼し、】




わたくしは、カノッサ機関麾下遊撃軍=wカエルレウム・ナーウィス』の≪水先案内人≫……


          名を、『ウェル子』と、申します



【顔を上げた彼女は、やっぱり変わらぬ無表情で――】


…………一応、本名ですよ


【なんて、かわいげがあるのかないのか、そんな一言を添えた】


【――さて、彼女は釣り竿を離さず、場所も移動しない】
【そして「カノッサ機関」所属だと名乗った】


【……『攻撃』するようなアクションこそ見られないが、少年の立場からすれば、残念ながら明確な『敵』――かも、しれないようだが……】



【……はらり、と、ウェル子の身体から、数枚の『黒い羽根』が、黒く淡い閃光と共に現れ、舞う】
【それは、かすかな絶望的魔力を、帯びていた】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(山形県)<>sage<>2013/03/22(金) 20:58:26.05 ID:lQe1hfqno<> >>501

あァいにく、創造神は枠が埋ゥまっててなァァアア
確かに俺様は超強ェーがッ! あいつらは俺様と人間の関係以上に次元が違ェ
だから"今は"手を出さねェ、俺様は賢いからな、――だァが、いずれはあいつらも従えて……ヒャハハハッ!

【この傲慢な悪魔が素直にその強さを認めるほど次元が違う存在――創造神"達"】
【しかし、いずれそれらをも従えようという無謀で大き過ぎる"野心"も持っていて――】

――"邪神"ッ! ……いィや、今は考えねェことにしよォーか……ヒャ、ヒャハハハッ!
そォーだな、"こォの世界"に混沌を齎す邪神! んゥ〜、悪くねェなァァアア

【それは、まるで邪神やそれに近い存在やあるいは自分と関係のある――そんな存在を思い出したかのような顔だった】
【首を数回横に振れば、再び元のテンションにへと戻り】


ヒャハハハ、つゥまりはァァアア……こォーいうことだァァアアーーーーッ!

【すっ、と立ち上がる悪魔】 【人間をそれならざる存在へと導くその悪魔が見せた力とは――】

【――目の前で蜘蛛を食らっていた奇妙な化け物……"ペンタレグス"】
【そして、魔法陣を生成しそれよりいずる闇が成した……"2mを優に超える羽根"】
【2つを、泉の手前の地面に生成した"魔法陣"の上に置けば】
【その魔法陣から闇が――"生命と変化の、混沌の魔翌力"であるそれが多量に噴き出しそれらを包み込む】

【――――――――】

【――闇が晴れる頃にそこに居たのは、大きな翼を持ち羽毛を生やし鱗の皮膚を持ち、そして蛇のような眼や牙などを持った"ペンタレグス"だった】

昔、風の国のとある場所で"地方神"だった"豊穣と風の翼蛇"の羽根を、"ペンタレグス"に混ァぜてやった!

【その変化した化け物が出すのは銀色の吐息、それを浴びた植物はまるで雨後の筍の如く勢力を――少しの間だけ盛んにした】

――名ァ前は後で付けよォーか、テメェーも今のでわかっただろォォオオ?

【誇るかのように腕を組み、そのような顔をし、リーネの方に身体を向けた】

"魔人"の力を人を捨てることでよォり引き出させ、そして俺様の"部下"となる……うゥ〜ん、良い条件だろォーッ

【それは、――正真正銘の悪魔の誘いだった】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>saga sage<>2013/03/22(金) 21:00:18.28 ID:Fd4MHMZKo<> >>507

【微動だにしない黒衣の男の周囲をぐるり回るのは、強烈な“反発”の力】
【万有引力を捻じ曲げ拒絶を示したその威力は、耐久性の低い品ならば砕いてしまう程に】

【――だが、能力はあくまで弾く事にのみ留まる】
【物体にホーミング性能があるならば、ただ弾かれただけでは済まないだろう】
【相手の前動作でそれを幾らか予期したらしい男は、退きではなく“接近”を選んだ】

【一つ、二つ、地を蹴る歩幅は背丈ゆえに大きなもので】
【そして背丈の割に鋭敏なその動作で、彼我の間合いを詰めようとしながら】

……誰から何をお聞きになられたのか、宜しければ教えて頂きたく
知人と呼べる人間は大抵頭の可笑しな方々ばかりで、私のような真人間では思い当たりがつかず、!

【一閃、腹部を切りつけようと振るうそれには片手で扱うゆえの軽さなど一切無く】
【重力負荷を乗せた軌道は、素早くはないのに重いという、不可思議な矛盾の力を秘めていた】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(不明なsoftbank)<>sage<>2013/03/22(金) 21:01:36.13 ID:tbNxPdBF0<> />>324で再募集
/23時くらいまで待ちます <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2013/03/22(金) 21:01:53.75 ID:dWCJ+J5Mo<> >>508

【棒術か――呟いた言葉は口中にて消え。切っ先からその身を逸らすように、長身が低く体勢を落とす】
【進行方向に向かい合わせるように棒の下をその身が滑り、振り下ろしを軽減するために左腕は頭の上前方に曲げられ】
【棒の握り手の下へ懐へ潜り込まんと、一気に突進を試みる】

ほう、決して場違いな闖入者という訳では無かったようだな……!

【炎を薄らと纏ったままの拳は、鳩尾へと向かって下から抉る様にアッパークローを繰り出す】
【轟、と吐き出される吐息は、炎の切っ先が大気となったが如く熱量を持ち】
【もしも相手が拳に対し直接的な防御手段を用いれば、皮膚を捲るような熱風が襲い】
【間接的であれば、拳が懐へと差し込まれる】
【どちらに対処するか、あるいは両方か】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>saga<>2013/03/22(金) 21:10:49.79 ID:PYZNbk+Xo<> >>505-506

【先ず何よりも前に、彼女の耳を貫くのは耳障りなほどの"陽気な"声――音色から察するに相手は男、か。】
【手を伸ばしたその先、指が試験管に触れるか触れないかと言うところでNemesisはそれをそっと――下ろし】

――飛んで火に入る、なんとやら。
でも今宵は熱帯夜でも無いし、なによりここは水牢――なら貴方の場合は
"飛んできて水に落っこちた間抜けな能力者が正義を語りつつ少女に殺された"とか、そんなとこかしら。
諺とか苦手なのよね、下手に改変させるよりは率直に現実を見せてあげた方が分かりやすくて良いでしょう?

"リロード"、さん。

いや―――"能力者"・・・ふふ、ふふふ・・・ッ!!

【漆黒のオーラが、狭い水牢の中を埋め尽くすように静かに、広がる――視界の中に、バイザーの中に其れを捉え】
【魔力の流れやオーラの量を数値化しようとするが――どうにも、計算外。それもそのはず、バイザーの中で警告音が鳴り響く。】
【赤く染まったNemesisの視界に入り込むエラー・メッセージの中身は"EGG"――つまり】

(餌が来た――!ソーンの言う通りになるとはね、嬉しい限りだわ。けど――)
(――チッ、例の"アレ"を植えつけられてるヤツね・・・!にも関わらずこの落ち着きよう――まるで――)

【彼女自身も、その存在と効果の程は上司から良く聞かされていた。曰く、現在の機関にとって最重要のアイテムである、と――】
【だが重要であると言うのは必ずしも良い意味でというわけではあるまい、現にNemesisの前に現れた其れは】
【かのシェン・ロンド同様――卵を持ち得て、その上で機関に敵対するという――絵に書いたような、"邪魔者"だった】
【そして同時に、それはつまり――彼が、リロードが強力な術者――精神の持ち主である事を、語り。】

(――"飼いならしてる"・・・とでも言うのかしら・・・厄介な・・・!!)

喰らう・・・?冗談はその格好と動きと手の中のキモい眼球だけにしときなさい、
だってそれは私のセリ―――

【そこまで言い、ハンマーが起こされ――弾丸が≪リロード≫装填され切った44口径のマグナム・リボルバーを持ち上げたところで】
【彼女のバイザー内に、またしても別の警告音――次にそれが示すは"新しい敵"の襲来――ッ!!】
【リロードの後に連なるように――その"男"が、鋭い銀光を水牢の中に煌かせ――進入してきた。】

――!?チィ・・・ッ!!

(――新手か、こっちは一人だっていうのに――!!・・・けど・・・。)
(――ううん、丁度いいわね。だって――だって。)

・・・ふふ、ふふふ・・・っ、あ、はははははっ!!

――たった一度に、二匹も殺せるなんて

―――私、最高にツイてるわね。

【リロードとの邂逅が遅れていれば――エルフェスは、背を向けている状態だった"少女"に、もしかしたら攻撃できたかもしれない。】
【しかし残念な事に先制は――振り返り、迎撃体制に入っていたNemesisが、取った。】
【素早く、銃口を進入してきたばかりのエルフェスに向け――すかさず、発砲。】
【銃口が跳ね上がり、全身を射撃時の衝撃が襲う――牢内に轟音が響き、44マグナムの強烈な一撃が放たれるッ!】

(――リロード、この胡散臭いヤツがどれだけ強いかは不透明――だけど絶対、弱いってことは無い。)
(コイツを確実にブチ殺す為に――アタシが出来るのは、邪魔者は先に消しておくこと・・・ッ!)
(リロードの攻撃にどれだけの隙があるかわからないけど・・・オーラが溜まるまでには一瞬の間があった、魔力を垂れ流すための・・・なら)
(その隙を利用してやるのが最善手――!!先にくたばりなさい、"少年"・・・ッ!!)

【――少女は、といえば――年の頃は17、かそこらだろう。】
【普通であれば学校にでも通っていて可笑しくない年齢、背格好や声色からもそれは想像できるが――】
【口調と、そして性格だけはただの少女の其れではなく――正義を名乗るリロードにも、エルフェスの登場にも動揺せずに】
【ただ、成すべきを成す為に――躊躇なく、笑いながら――バイザーの奥で視線を歪ませ、引き金を引いた・・・!】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2013/03/22(金) 21:15:47.29 ID:dWCJ+J5Mo<> >>511

【形と質量の違う物質達で構成された礫の中で、木製と布製の物が圧に負けて弾けて霧散する】
【だがその中で、角ばった小石だけがそれを免れて相手を追う】
【背中からか、あるいは横からか。どちらにしろ数を伴わねば、大打撃などとは言い難い】

【背の低く単純な膂力よりも素早さに長ける男も、相手の無駄のない動きには虚を突かれたか】
【一歩後ずさった距離も間に合わず、ちょうど刀の幅ほど胴に食い込んだあたりで、短刀がそれ以上の侵入を食い止める】
【浅い、とは世辞にも言い難い傷。くぐもったとぎれとぎれの悲鳴と共に、口端から一筋血が垂れるも】
【厭味ったらしいにやにや笑いは、その面からは消えない】

ひ……ひひ、アンタは破壊しに来た方ですかねぇ、けど、覚えてなかったとしても、あれだろう?
アレそのものには思うところがあって来たんじゃないかと、てっきり思ってましたが、ねぇ!

【視線の先が指し示すのは、天井に張り付くように設置されたヒトの胴よりも太い試験管】
【満たされた液体の中に浮かぶ影は巨大な胎児のそれであり、身体を丸めて鎮座している】
【――けれども今の相手では、思い及ぶところではないのかもしれない】
【そこまでの情報など、男には知り及ぶルートも無いのだろう】

【刀を弾くでも無く、右手がそれを握る相手の腕へと伸ばされる】
【命乞いでもなく、勢いも無いその手ではそれ以上身体の中へ刃を入れられる事を止めようとする意欲でもない】
【先程小石を“所有”に変えたのも、その手。滲む悪意は、触れられてはいけない禁忌を想起するか】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(大阪府)<>sage<>2013/03/22(金) 21:17:00.95 ID:Daqc5s6xo<> >>513
(遠距離型じゃないのか!)
【孫 大聖は棒を短くしようとするも
相手の動きに追いつけないことを察知し、棒を手から離した】
【そして後ろへ跳び相手の間合いからギリギリ離れたところで
右足で相手の左足を狙い、右足を伸ばしながら回し蹴る】
【燃えている手から遠くて相手にとって
手で対処じづらく、さらに転ばせようとするためだ】

棒術だけと思ってもらっては困るぜ

【そう孫大聖は言葉を紡ぐ】

俺の本質は変幻自在さ それに対応できるかな!

【そう孫大聖は叫んだ】

/ところで燃えている手って両手か片手どちらでしょうか?
また片手ならどちらの手でしょうか? <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(長屋)<>sage<>2013/03/22(金) 21:19:13.79 ID:0LinCya9o<> >>509
やっぱり、敵ッスか…

【カノッサ機関、出会ってたった一日の盟友が所属する組織だ】

ソイツを回収させるわけには、いかないッス
ソイツは、沢山の命を奪う可能性を秘めてるッス

【ノエルは、少し怖かった】
【真剣勝負、のような言葉では言い表せられない、真剣の、勝負】
【その激しさによっては、どちらかの命が散る事もあるのだろう】

僕も、昔は「天才」「神の子」なんて呼ばれて、チョーシ乗ってたことがあったッス

【死ぬ覚悟は出来た】

魔翌力の、特に量に関しては、負けるつもりも無いッス

【あとは──】

僕の名前は、ノエル・「ソーラリン」・グランスタッド!
その魔翌力……交戦の意思表示と見なすッス!!

【───────[ピーーー]覚悟のみッ!】

【少女に向って駆け出すと同時に、左腕が肩から「外れた」】
【それは、脱臼だとか生易しいものでは無く、完全に取れていて、その断面からは──膨大で濃密な魔翌力が一瞬にして辺りに溢れる】

Muruh battle mode...START!!!!

【肩口の、切断された痕の部分に槍の柄の先端が、吸い付くように装着され】

今日の僕は、何時もより何倍もッ────

【魔翌力という命を与えられたその機械槍は、まるで腕の様に動き出し、眼前の少女に穂先を突き付ける】
【腕で言う、丁度肩と肘の部分に可動部が見受けられ、肘から先は槍の穂となっている】
【その穂の側面部分には、二つの排気管のような管が、持ち主へ口を開けている】

───ヘヴィッスよ!!!

【距離は十数mといった所】
【ノエルはその重装備故か、決して移動速度は速く無く─────】

タングニョースト、点火!!

【───否、速かった】
【彼が機能使用を叫ぶと、内部エンジンが作動し、二つの排気管は火を吹き】
【ロケットブースターによる推進力を得たその身体は急加速する!】

食らえええェェェーッッス!!

【咆哮一喝、槍と盾を構えたまま、まるで稲妻のような速さで突っ込んできた】
【見るからに鋭利な槍の穂先は、ぶつかればその身を刺し貫き、構えた盾は、正面からの如何なる妨害にも動じないだろう】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/22(金) 21:23:03.40 ID:R07NZKmZo<> >>510

あら…そうなの、創造神はもう既に存在していますのね……
次元が違う? それはそれは……きっと物凄く強いのでしょうね
でも邪禍様ならいつかきっと倒せる日が来ますわ、だって賢くて強いんですから……

【確かに目の前の悪魔傲慢だが頭も回るし実力もある】
【だけどその傲慢な悪魔でも次元が違うと言う”創造神”達】
【きっとそれは本当の本当に恐ろしくて強大、太刀打ち出来ない存在】

そう…でもまあ、きっといつかはなれる日が来ると信じていますわ
あ…でもカノッサ機関がある以上は……―――-

【世界に混沌を呼ぶ、それはきっと自分の属する機関と同じ】
【だからこそ今ばかりは相手の言った言葉を易々と肯定する事はできなかった】

………―――――――?!

【相手が展開した魔術、それは自分の想像していた物より遥かに凄く】
【自分の目の前にいる珍妙な生き物、それを闇…混沌が包み込み】
【一瞬にして包み込まれた珍妙な生き物、何が起こっているかなんてまだ把握できない】

【そして闇が晴れた先にいたのは、先ほどの珍妙な生き物――――ではなく】
【先程よりも凶悪さを増した異形の何か―――であった】
【それを見てリーネの頭に真っ先に浮かんだ言葉は”融合”】

……――――部下にしてくれる条件は…そう言う事ですか?

【相手の魔術を見てリーネは全てを把握した、人間を捨てるという事の意味を】
【機関に属する人間としては力を得れる最高の条件、だが一人の人間としては居られなくなる】

……少しだけ時間をくださいませんか?

【それゆえにリーネが出した答えは煮え切らないもの、心のどこかで自分の何かが押し留めるのだろう】

./すみません!少し野暮用で返信遅れそうです!


<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>saga sage<>2013/03/22(金) 21:29:52.75 ID:Fd4MHMZKo<> >>515

【肉を咲いたとて愉悦が湧くでもない、殺したい程憎んだ相手は他にいる】
【彼の示したものが嘗て己の呈した物に関連していたとして、そんな事には気付く由もないのだ】
【夢にまで見た誰かを、それだけ恨んだ理由が何であったのか、まずは其処から悩まねばならないのだから】

……あの胎児は、夢を見ているのでしょう
ならば起こすべきではない。 今泳いでいる幸せの中で、殺すべきかと

【論理的にも倫理的にも破綻した言葉を辿るに、破壊へと意識は向いたようで】
【思うところはと言えば“オズワルド”が己を何と言っていたかであって、イカれた思考はその他を拾わない】

【――折に伸ばされた手、何かを感知して手前に引く手には無論刀が付随する】
【相手の手は、それに触れる可能性もあるだろう。 もし刀を“所有”しようとするなら、】
【成功は簡単であって……鍔に魔石の散りばめられた宝刀、それが彼の支配下に入るのだろうか】

【それでも、自身に触れられる可能性だけは的確に回避しながら】
【空いた片手には黄緑の燐光が球状に練り固まって、不穏な渦を巻いているのであった】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2013/03/22(金) 21:31:24.12 ID:dWCJ+J5Mo<> 【21:30――不意に、戦場の空気が張り詰める】
【地を響かせるような胎動が起き、いままでびくともしなかった試験官の中の水が渦を巻く】
【それらに追随するように鼓膜と壁をびりびりと震わせるのは、赤子の産声――】

……ィイいィいぃぃイぃぃいイぃ

「「「「あぁァAぁァイィィオオォォおォおいィいぃぃィおォオオォァァァァぁリィィいいイィィイぃぃいぃぃIぃぃいイィ……」」」」

【それは正しく障音であり、ひとの発声器官ならざるものから発せられる異音である】
【世に置いて異であるそれは天と地とを蠢かし、いのち持たぬ彼らとの共鳴を成す】

【Point1――浄水場傍ダム】
【突如川の水嵩が増し、ダムにてせき止められる以上の水流が付近の岸をも削りながら押し寄せる】
【ダム内は勿論、地面に足をおろしていたとしてもその影響は考え得る】

【Point2――人工庭園貯水池】
【所詮民間の建物、音に耐えられずにぴしぴしと壁が瞬く間に皹を走らせる】
【地上に出る階段は一つである、されど闘いは止まぬか否か】

【Point3――巨大下水道】
【彼らは生物の異常な進化を促す――小動物であれば殊更であるのか】
【両者の前に、広い地下道を塞がん程のネズミの背が水面より膨れ上がって姿を現す】

【Point4――遺跡内部水牢跡】
【本来水の満ちる事の無い水牢の中に、天井近くまで湖の池がどうと入り込む】
【かろうじて上部の隙間に顔を出して息継ぎは出来るものの、動きは著しく制限されるか】
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>!蒼_res<>2013/03/22(金) 21:31:58.82 ID:dWCJ+J5Mo<> 【21:30――不意に、戦場の空気が張り詰める】
【地を響かせるような胎動が起き、いままでびくともしなかった試験官の中の水が渦を巻く】
【それらに追随するように鼓膜と壁をびりびりと震わせるのは、赤子の産声――】

……ィイいィいぃぃイぃぃいイぃ

「「「「あぁァAぁァイィィオオォォおォおいィいぃぃィおォオオォァァァァぁリィィいいイィィイぃぃいぃぃIぃぃいイィ……」」」」

【それは正しく障音であり、ひとの発声器官ならざるものから発せられる異音である】
【世に置いて異であるそれは天と地とを蠢かし、いのち持たぬ彼らとの共鳴を成す】

【Point1――浄水場傍ダム】
【突如川の水嵩が増し、ダムにてせき止められる以上の水流が付近の岸をも削りながら押し寄せる】
【ダム内は勿論、地面に足をおろしていたとしてもその影響は考え得る】

【Point2――人工庭園貯水池】
【所詮民間の建物、音に耐えられずにぴしぴしと壁が瞬く間に皹を走らせる】
【地上に出る階段は一つである、されど闘いは止まぬか否か】

【Point3――巨大下水道】
【彼らは生物の異常な進化を促す――小動物であれば殊更であるのか】
【両者の前に、広い地下道を塞がん程のネズミの背が水面より膨れ上がって姿を現す】

【Point4――遺跡内部水牢跡】
【本来水の満ちる事の無い水牢の中に、天井近くまで湖の池がどうと入り込む】
【かろうじて上部の隙間に顔を出して息継ぎは出来るものの、動きは著しく制限されるか】


/イベントアナウンスになります
/色変え忘れて分かりづらかったので再投下ッ!
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>saga<>2013/03/22(金) 21:33:41.48 ID:JbtfRGoPo<> >>517


――ノエル・「ソーラリン」・グランスタッド様=c…


【ぽつり、呟くは、眼前の『敵』の名】
【なるほど、向かってくるのですか。残念です。仕方ないですね】
【ウェル子は、心の中で、そんな風に声無き絶望を謳い、】


……わたくしも、むやみやたらと血を流すのを好むほど、狂乱者ではないのですが……


【ノエルが加速を開始したのとほぼ同時、】
【ぶわっ――と、ウェル子から発せられる黒羽根の量は、夥しく増加した】


お相手しましょう、迷える子羊を導くのは、ええ……いつだって、この、水先案内人(わたくし)≠フ、役目ですゆえ――


【言葉が終わるが早いか、ウェル子は、釣り竿を、どこへともなく放り投げた】
【釣り竿は適当な位置に転がるが、そんなことは些末な問題であり、意味のあることではない】
【肝心なのは、そう、「ウェル子が、両手をあけた」という一点――】


さて、その超加速……急には止まれなさそう≠ナすが――


【まずは小手調べと言わんばかりに、ウェル子はサイドステップを踏む】
【ノエルから見て左へ軽やかに移動して、突進の軌道から逸れつつ、】


――いかがでしょう


【――ゴウッ――と、疾風が吹き荒れるだろう】
【ノエルがこのまま真っ直ぐ進めば、ウェル子に攻撃を躱された挙げ句、その「黒い羽根を大量に含んだ疾風」へ、突っ込む羽目になるはずだ】
【これらの黒い羽根は、それぞれが「小型の刃」と化していて、触れるものを刻む】
【致命傷にこそならないが、体力を削るにはもってこいの牽制技だが――さて】


【――「カー」と、ウェル子の右肩に乗ったままのカラスが、鳴いた】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(山形県)<>saga<>2013/03/22(金) 21:50:09.05 ID:lQe1hfqno<> >>518

ヒャハハ、そォれこそ"宝玉が三桁"あってもまァだ足りねェくれェは強ェ
そォいつらを従えられれば間違いなく素ゥ晴らしい混沌を手ェに入れるのも、新たな神の座を手ェに入れるのも――

【それこそ、新たな世界を創り出すことすらも――――】

――ヒャハハハ、俺様の力を持ってすれば間違いなく邪神になれる、保証してやるぞォォオオ
カノッサ機関だァ? ――だァから俺様は機関に協力してやってるんだ、混沌のためになァーッ
人間共が怯え苦しみ阿鼻叫喚する――混沌が世界を成長させ、その熱で焼かれる人間共を見るのが俺様の趣味だからなァァアア

【悪魔がカノッサ機関に"協力してやっている"理由は極めて単純――機関が齎す混沌のためである】
【あくまでも、自分自身の利益のためであり――人間を下に見ているのには変わりなく】

ヒャハハハ、今回はすゥんなりわかったよォーだなッ!
――そォーだ、そォーいうことだ

安心しな、テメェーの好みの"素材"があればそォいつを混ァぜてやる
今回はオマケで"元の姿と切り替えられる権利"を付けてやってもいいぞォォオオ

【もし彼女が機関の者でなければ、もし彼女が自分を持ち上げてくれていなければ、】
【強引な手を使って"人間を止めさせようとした"――かもしれない】
【それこそ敵対していれば、――】 【その生命すら、奪おうとし】 【手段を選ばず、部下にしようと――――】

【傲慢な一方で、気まぐれな性格の持ち主でもあるこの悪魔――】 【どうやら、今は気分が向いているようだ】

【追加で"有利"かもしれない条件を出し――気まぐれな悪魔の囁きは、魔海の風に運ばれて】 【闇への誘いの扉の鍵を開けた】

/了解しましたー <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage saga<>2013/03/22(金) 21:50:53.16 ID:TG1HDVKXo<> >>514>>504


【凄まじい殺気を見せたかと思えば、新たな訪問者を見るや、男は一変し向き直り】

おや、こんばんは。

【禍々しい“瞳”を宿し、“哲学者の卵”を飼い慣らすその邪悪な右腕で優雅にシルクハットを取り外し】
【先ほどの気迫はどこに行ってしまったかのようなひょうひょうと軽い挨拶がエルフェスに向けて放たれた】

【軽い。軽すぎる】

貴方、どこかで会いました?

【エルフェスがかつてのエルフェスならば、“対機関連合”に所属した彼をどこかで見ていてもおかしくはないが】
【今はそんな時じゃないし、そんな場面あったかどうかなんて───────────】


【だが、そんな時も瞳のから漏れる漆黒の魔力は水に溶けて混ざるかのようにジワジワと広がり、周囲の侵食を続ける】
【この魔力、実は何の影響も周囲に与える事は無い。触れた物を封じ込めたり。触れた人間の心を汚染する効果はない】
【何故なら、このリロードという男には魔法を。魔力を操る一切の才能が無いからである────】

【多くの場合、そうであるように、振るえば霧散する霧の様なソレは演出の材料でしかない。そう、“今”は。少なくとも。】
【だが、ぞわぞわと、ジワリ、じわりと周囲に魔力は広がっていく。無意味に。無闇に。彼女は、それをどう思うか────】


────オイオイ。


【現れたエルフェスに飛んできたのは、軽い男の軽い挨拶。そして、44マグナムから放たれる弾丸の一撃ッッ!】
【それを見たリロードは、不機嫌そうな声色でNemesisに首だけ向けると優雅なポーズでくるりとシルクハットを一回転させると──】

                                            ソレ   
最初に来たのは私、話してたのも私。────なのに、イカンでしょ。“浮気”は………。


【垂れ流されていたはずの瞳から溢れる黒い魔力は、行く先を替え、彼の持ったシルクハットの中に入り込んでいく】


冗談は好きです。得意です。ですが、今の私は大真面目。だから、キモいだなんて。
こう言ってもらえないと、辛いし、悲しい────そう……。

──────────────────“ カッコイイ ”とね!!

【再び、向き直り様に持っていたシルクハットをNemesisに投擲する!】
【軽い挨拶をしていたのではない。振り返るのも、シルクハットを脱ぐのも、技の一部であり。その過程に“エルフェス”が居ただけの話!】

【それは凄まじく激しい音を立てながら超速回転しながら弧を描いて進んでいき】
【Nemesisの腹(中身)を見せる様な角度で彼女を回りこんでいく。彼女がシルクハットの中を覗き込む事があるのなら見えるだろうか】
【いや、何も見えぬ。そこはまるで“究極の闇”の如く、“何もない”だが。それを解き放つ事が出来る男が居る。その男が右手を握り締め】


【一声、そう、一声をかければ────】


≪ サ ウ ザ ン ド ・ パ ニ ッ シ ャ ー ≫!!!


【まさに、針千本と言わんばかりの無数の“針”がシルクハットから飛び出し、Nemesisに、そして"試験管"に向けて襲いかかっていくッ!!】


<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/22(金) 21:55:01.77 ID:rRIdhWheo<> >>505>>514

(なんだ……仲間、なのかあの人……)

【影から聞こえたもうひとりの声、察するにどうやら敵対者ではないらしくであるならばもう一方】
【女性の声、狂気的に響くそれこそが相対すべき敵なのだろう……そう認識してこの場を成す】

(……でもなんだコレ、……あ、卵の――――――――)

【みしりと揺れる右目、伝わる感覚は前にも経験したことがあって】
【脳神経に電撃が広がる感覚を辿ればそれの答えは「哲学者の卵」で】
【ならばこの禍々しさも納得できそれを操っているように見える彼は一体何者なのだろうと畏怖さえ浮かぶ】

…………大層なモノ持ってるなアンタ、丁度良いや―――――――っ!?

【その背中に声を掛けようとすれば遮られる、声は少女の物に相違なく】
【自分の行動を阻害した彼女に向けるのは敵意であって、視線を向ければ出会うのは銃口】

(拙い―――――――)

【判断は一瞬で、構築された手順に淀みなく、響くのはガラスの砕けるような音】
【装填されたナイフの本数は6つ、散らばる銀色の霧は瞬時に掌に集めって再形成されるは花弁】
【百合に近いそれは六角形の巨大な盾である、中央から外側へと刻まれるのは防御の言の葉紡がれるは護り】

 【彼の扱うナイフは魔術道具に近い性質を帯びている】
 【1つが9つに増えまた合わさり強化され、姿形は自在に変わる非常にトリッキーな品】
 【どこの誰が何のために作ったのかさえ不明な物を、彼は自分の為に使う】

【放たれた銃弾と盾が弾き合い響く金属音とやはりガラスの砕けるような音】
【淡い輝きを辺りに漏らすその向こう側で少女は盾に罅が入った姿を見るだろう、でもそれは一瞬で「銀の霧」に隠れる】
【だから少女がすべきは何より先に警戒で、また刹那の間の後に……】

いきなりご挨拶じゃねえか、覚悟しとけよ……お前……ただじゃ済まさないから

【彼の声と「霧の膜」を貫く銀の切先に収束されて、現れる】
【水が跳ねる音の間隔はごく短く動き辛い地形にしても彼の速さは一級品で】
【両手に構えた「銀の刀」を振りかぶり煌めかせながら少女の左肩から斜めに右脇腹へと切り裂こうとするだろう】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2013/03/22(金) 21:55:55.70 ID:dWCJ+J5Mo<> >>516

【おそらくはこちらの拳は空振ったか、それを理解すると止めかけた足を再び駆る】
【相手が距離を置いた策にまんまとひっかかったか、左足に回し蹴りを受けるも】
【些か、体躯の違いが大きかったか。長身はよろめいたものの、完全に転倒する事は免れ】
【一瞬の停止の後に、また距離を詰めるように革靴が土を蹴り返す】

あまりちょこまかと動かれては、戦い難いな……!

【おそらくはそれが相手の狙いでもあるのだろう。察してか、その両手にぼうっと鬼火めいた色が灯り】
【上から抉る様に振りかぶる様に伸ばされた手は、相手の肩口を掴まんと熊の爪のように襲い掛かる】
【炎を纏ったその手はただ触れられただけでも苦しかろうか、完全に動きを止めんと伸びるも】

【決して先の相手の回し蹴りは、無駄なモノではない】
【一瞬の停止はのちの確かな余裕となり、相手に反応と観察の時間を設ける】
【先の様に距離の無いぶん、更に逃げ伸びるのはあまり得策ではないか、されど対処し次手を講じるには十分】
【そして相手の背に目を向けることが出来れば、ちり、と陽炎めいた光がその背に二つ灯るのを目視できるか】

【そして両者にとって幸になるか不幸になるか――】
【試験管の中の産声と共に、相手の背中からどうと水が押し寄せる】
【それは著しく動きを制限しかねない凶器である、が、目の前の相手は火、攻撃翌力を削ぐには今が好機であるかもしれない】


/*おおっと*失礼
/右手のつもりであったのですが、混乱を招きそうなのでこたびのレスで両手に変更しましたッ <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(長屋)<><>2013/03/22(金) 22:00:03.22 ID:0LinCya9o<> >>522
そっちは、外れッス!!!

【無論、急加速したとて、距離は瞬時に縮まる物では無い】
【ノエルにとって、左に躱されるのは「想定内」のこと】

痛くても、文句言うなッスよォ!!

【理由は、至極簡単なこと】
【ノエルからみて右側は、大盾の迫る、「アウトゾーン」であり、そちらに回避すれば槍の穂先による刺突は無くとも鉄塊による体当たりを受けることになる】
【ダメージを回避するのは当たり前、ならば左に除けるのもまた当然】
【その槍は、左へ真っ直ぐ伸ばされた状態になり、鋭利な穂先はウェル子の腹を狙う
かに思えた】

くうううううっ!!!
コードとパイプさえやられなけらば、大丈夫ッス!!

【が、穂先は向きを変え、腹を叩きつける様な形でウェル子に襲い掛かる】
【目の前の黒い羽根を警戒しての行為だった】
【柄の部分にはコードやパイプがうねうねと肩部まで伸びており、動力部となっている】
【そこには装甲などなく、唯一攻撃を受けきれる向きが穂先を縦向きにする方向だったのだ】

【急加速したノエルは、スピードの出過ぎた車のように急には止まれない】
【足を踏ん張り、地面との摩擦を増やしてブレーキを掛けるが、減速すれども停止はせず】

【ギギギギギギィン!ギンギギィン!!】

【その鋭利な羽根の中に突っ込むことになる】
【構えた大盾に隠れる様に身を屈め、その槍と盾が攻撃に晒されらる】

よし、なんとかセーフッスね!!

【盾と槍は、無傷とは言えないものの、目立ったダメージは無く、黒い暴風から無事に生還を果たした】

そんなチャチな羽根じゃあ、僕には傷一つ付けられないッスよ!! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(大阪府)<>sage<>2013/03/22(金) 22:10:34.86 ID:Daqc5s6xo<> >>526
(相手の炎が自然現象みたいに
水をかぶって消えてくれるか否か
分からないがやってみるしか無いか)
【孫 大聖は相手に向かって走った】
【途中水流で流れたさっき捨て、持ち主から離れたために
小さくなった棒を拾った】
【そのまま相手の両足を手で掴み、後ろに転ばせようとする】
【相手の炎が水に浸かることで消えることを願ってのことだ】
【だが相手の炎が消える確証はないし何より手で掴まれて
ダメージを受ける可能性がある】
【まさに捨て身の行動だった】

ちょこまかと動かないと小さい体では勝てないんでね!

【孫大聖は相手にそう言い返す。相手との体格差からして
こっからが天王山だ】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2013/03/22(金) 22:14:11.80 ID:dWCJ+J5Mo<> >>519>>521

【ばち、と血の水気を伴う音がして、掌を裂きながらも右手が刀の切っ先を繋ぎとめようとするも】
【血で滑った手は掴む事叶わず、宝刀を己の所有物に変える事も叶わない】
【ち、と舌打ちする音がするも、狐のように吊りあがった目は笑みを描いたままだ】

夢。夢ねえ? ヒトだって、胎ん中に居る間は現世の夢を見てるんですぜ
“あれ”だって本来は胎の中にあって正しいだろうに、引きずり出されて母親の死に様見た日にゃあ……

【そして障音と共に姿を現すのは、巨大な身を起こしたげっ歯類の姿】
【ぬう、と身を起こすネズミは天井に頭をぶつけそうなほどに肥大し、下水の水を局地的に干す】
【見れば、それは肩から胸に鉄パイプの食い込んだ――今は食い込んだ鉄パイプより大きいが――深々とした傷が有る】
【浮きあがる腐臭、盛り上がった腐肉。そう、これは死体だ】

夢見だって悪くてしゃあねえ、ってもんでございましょーがよォ!

【それを見て、得たりとばかりに口端を歪めて吊り上げる】
【懐から右手で取り出したるは、茎部に返しのついた10cm程の針。ばら、と掌の上で三本が切っ先を外に握りしめられる】
【左手に持った短刀はそのままに、こちらも後退しながらネズミの死骸へと針を突き刺すと】
【まるでそれが、アンテナであるように。ネズミのとがった顔が、相手の方を向いた】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>saga<>2013/03/22(金) 22:18:50.68 ID:JbtfRGoPo<> >>521>>527

【――戦闘もまだ序盤だが、不測の事態というのはいつだってつきもののようで】
【室内中に、耳をつんざくような、不快な産声が響き渡ったではないか】
【発生源は……なるほど、プールに沈んでいる試験管、らしい】


……………………


【ノエルの攻撃を妨害したウェル子だったが、流石にこの暴音の前には、いくらか思考を掻き乱された】
【僅かに曇る表情が、それを如実に物語っている】
【それゆえ――――】


――――…………ッ………………!


【ほんの些細な逡巡が、ミスを呼ぶ】
【小さな小さな舌打ちが、憎々しげに空気に溶けていく】
【ウェル子は、槍の腹を上手いこと回避できず、やむを得ず両腕を盾にする形で受け止めた】

【――みしり、と腕に響く衝撃は、軽いものではない】
【あのスピードと、重量を、スレンダーなウェル子が余裕で受け止められるはずもないのだ】

【結果的に、ほとんど吹き飛ばされるような形で、ウェル子は大きく後退するのだが――】


…………おゆきなさい…………


【――ウェル子が地に足を着け、踏ん張るのとほぼ同じくして、彼女は、両手それぞれで、人差し指と中指をそろえて立てていた】
【言葉と一緒に指で前方を指差せば、「カー」と、肩のカラスが、遂に飛翔】
【しかし意外だろうか、カラスの向かう先はノエルではなく……】


………………ばんっ


【と、続けざまに、その「銃を真似た両手」から「黒い閃光」が発せられ、】
【立てた二本の指の先端から「黒羽根」が、右手と左手から一枚ずつ、計2枚、高速で発射される】

【その羽根は、いわば「弾丸」――】
【威力で言えば拳銃の弾丸よりやや劣るが、魔力でコーティングされたそれは、とりわけ「鋭利性・刺突性」に優れており、】
【羽毛部が生身の肌に裂傷を刻むのは用意だし、先端部が命中すれば岩盤だろうとブッスリと突き刺さるであろうこと請け合いだ】

【狙いは、ノエルの左腕と、胸部】
【的確にターゲットをばらしつつも、ウィークポイントを狙った冷静な攻撃だ】



【さて、一方でノエルは気づけるか】
【彼を無視して飛んだあのカラスが向かった先が――「排水スイッチ」であることに】
【そう、ウェル子は、戦いながら、間違いなく、試験管の回収を、忘れていない――!】

_____________________________________________

【Point2――人工庭園貯水池】
【所詮民間の建物、音に耐えられずにぴしぴしと壁が瞬く間に皹を走らせる】
【地上に出る階段は一つである、されど闘いは止まぬか否か】


【ぱらぱらと、ひび割れた壁の破片が、辺りに散らばり始めていた】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>saga<>2013/03/22(金) 22:20:17.56 ID:PYZNbk+Xo<> >>524-525

【放たれた弾丸は――エルフェスの胴を貫く事も、真っ赤な華を咲かす事も、骨が砕く音を響かせる事も、ない。】
【変わりにこの水牢に咲いた一輪の花は力強く、其れでいて儚げ――百合のシールドが弾丸を防ぎ切る】
【Nemesisもいきなりの攻撃が成功するとは思ってはいなかっただろうが、その手際の良さと美しさに、多少なり圧倒され――】

――へぇ、やるじゃない・・・ッ!奇襲攻撃でマグナム貰っておいてその落ち着きよう、アンタ結構強そうね。
でも――其れで良いわ、そう、其れで良い――相手は強ければ、強いほど――・・・ッ!!

"能力者"は――強ければ強いほど、私の憎しみを強く、燃え上がらせるッ!!
私はカノッサ機関ナンバーズ所属、No.7――<Nemesis>!!
リロード、そしてそこの"ナイフ使い"――今日此処で、貴方達二人の運命は、終焉を迎えるわ。

【すかさず、彼女はマントを翻し――バイザーを機動、"二人"の攻撃を確認する――】
【一方はマジシャンからの"シルクハット"、それが何を意味するかは分からなかったが――】
【溶けてしまいそうな暗い闇、ハットの中から穿たれる無数の針を確認するまでもなく、彼女はそれにむかい銃を向ける、が――】
【それとほぼ同時に、"エルフェス"の接近――ナイフによる斬撃が襲い来た。】
【二つの攻撃を視認し、どちらに対処すべきかを瞬時に判断するのは至難の業だ、Nemesisはまず先にシルクハットめがけ弾丸を放とうとするの、だが】

【―――その瞬間、幸か不幸か――】

>>521

【――牢内を突き破るように響く、叫び――まるで産み落とされた事を嘆くかのような恐ろしい声――】
【耳を塞ぎたくなるほどの声量に一瞬、怯んだNemesisに針が突き刺さる――防護マントを幾つかが貫き、内部の肉体を傷つけた】
【しかしそこまではよくとも――エルフェスの襲撃に対しては、対処が"間に合ってしまう"】

【――シルクハットに向けて弾丸が放たれる事も、エルフェスに対し銃口が向けられる事も無い。だがしかし――】
【Nemesisはまさに"ツイて"いた。】
【あふれ出た水が激流となりNemsisの小柄な身体を試験管の右側へとおしやって――エルフェスの一撃をたまたまといえ、回避――ッ!】
【しかしこれによって命は救われたがなんとも――"水"により牢内は、埋め尽くされる――ッ!!】

チ、ィィ・・・ッ!なに、よ・・・っ、これ・・・!!
(赤ん坊の叫びが聞こえたと思ったら、急に水が―――くっ、このままじゃ・・・!!)
(――面倒なッ!!全て――破壊してやるっ!)

は、ははっ・・・!浮気ですって?リロード・・・面白いコト言うのね、それじゃあ――う、ぐっ・・・!
文句はそっちの"男の子"にもいったげなさい・・・!
私を寝取ろうとした張本人よ、でも細かい事は気にせず――今夜は3人で、"遊びましょ"?
 
                <Summon Insects>
                 
                 <Scorpion!!>

【Nemesisが――少女が呪詛の言葉を呟くと、空間内に何かが――水の中に何かが、現れる――】
【巨大な影はやがて水面を突き破り――二人の前に姿を晒すだろう。】

【それは巨大な――蠍。現存するデス・ストーカー等に代表されるような毒蠍を体長3m〜4mほどにまで肥大化させたような】
【凶暴すぎる、獰猛過ぎるシルエット――水の中を泳ぐようにして蠍は太い尻尾を薙ぎ払い――】
【牢の石柱ごと、二人をまとめて攻撃しようと迫るッ!!】

/水没いやや!ということでしたら書き直します! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>saga sage<>2013/03/22(金) 22:31:11.27 ID:Fd4MHMZKo<> >>521 >>529

【声。 死の眠りから覚めたばかりの躰には重く、顰めた眉は余程機嫌が悪いのだろう】
【舌打ちは相手がしたのだから、己がするでもなく、ただ偏頭痛を振り切るよう頭を振った】

子宮を破って出た、と。 もう孕まないのなら便利でしょうにね
いや、いま気にするべきは母体のご婦人より、目醒めてしまった“アレ”でしょうか?
それとも………… 

【「あの鼠だろうか」、と呟いて――だが】
【結果的に選んだのは赤子の方、精製した片手の重力球を其方目掛け投げつける】

【バスケットボール大のそれは、矢張り速度以上に重い威力であり】
【そして中心へと吸い込むような斥力を持つが、吸い込むまでが成されるとは期待しておらず】
【ただその圧で、母体代わりの試験管だけでも割れないかと意図されていて】

【――勿論、鼠に対し無抵抗である訳ではない】
【重力球の放出により片手が開けば、ぐっと弓矢めいて更に引く刀】
【そこに魔力形成されるのは大弓。 鼠目掛け放とうとするのは、一陣の矢だ】

【赤子、そして鼠に対して注意を払うのだから、】
【男に対し幾らか注意が削がれるのは、止むを得なかった】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2013/03/22(金) 22:33:57.68 ID:dWCJ+J5Mo<> >>528

タイミングの悪い……!

【一瞬、その水の氾濫に怯む。しかし障音に驚く様子が無いのは、おそらく事前に聞きつけていての事か】
【相手は勿論として、男の髪をも濡らすほどの水量はその姿を一瞬水の中に埋め】
【その手に灯った火をも、その力の元に掻き消した】

だが……明確な攻撃が伴わねば、どんなに良手であろうとも、悪手になりかねんな

【判断は悪くない。それを暗に示しながらも、相手の手がこちらの足元に伸びる前に】
【棒を拾い、突出する相手に向かって伸ばされた手は、随分と低い位置にあるその肩を掴み上げた】
【もしも男が可燃性の物質を使用してその手に火を灯していたのならば、二度とその火が灯る事も無かっただろう】
【だから、先程こそが牽制では無く攻撃をするべきポイントであったのだ】

《虚栄の篝火(ウルフ)》――陰忠火

【掴み上げられたとて、相手の脚は地面についている。掴まれたのは肩であるから、棒で反撃する事も可能か】
【そして何より両手は使えるのだ、周囲の水が跳ねて蒸発しつつある様子を見れば、逃げるべきであるかもしれない】
【半径1m、上方向3m。相手が掴まれたままであれば、その範囲にその身は入ったままになる】
【障音にも負けぬほどの音を立てて男性の体から噴き上がった炎が、柱となって顕現した】


/テンポが悪くなりそうなので問題が無さそうな程度の確定を差しこませていただきました
/一応その後の回避点はいれましたが、何かありましたらお申し付けください <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>saga sage<>2013/03/22(金) 22:43:39.50 ID:Fd4MHMZKo<> >>532
/斥力→引力の間違いです <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/22(金) 22:47:50.94 ID:R07NZKmZo<> >>523

………宝玉が三桁でも足りない?それはそれは……気が遠くなるようなお話ですわね
だからこそ…と言ったものもあるのは分かるのですが…

【宝玉が三桁でも足りない、もしソレが事実なら相手はとんでもない力を持っている事を示している】
【そして同時にソレを利用できた時の莫大なメリットの事も】

あら…でしたら話は早いですわね、だって世界を壊せば良い話なのですから
況してや邪禍様がお力添えをして下さるなんて正に夢のようなお話……
お心変わりが無い事を祈っておきますわ

【目的が一緒ならば協力してもらうまで、相手がどう思っていようが関係ない】
【もちろんそれに対して反感を覚える人も居るかもしれないが、リーネの場合は別だ】

―――――――元の姿と切りかえれる権利?

【悪魔の誘い、それは甘く魅惑的で――――】
【揺れ動く人間としての僅かな何か、誘惑はそんな物さえも簡単に打ち砕いてしまい】

――――――じゃあ―――
この『物』達と私と一つに…して下さい――――

【悪魔に魂を売るとはこういう事なのだろうか、リーネは自分のドレスから四本の腕を出現させた】
【どの腕もサイケデリックな模様が渦巻き、濁流の様に模様が動き回っている奇妙な物】
【そんな不気味な物と一緒にしてくれ、リーネは目の前の悪魔にそう懇願するのだった】

/遅れてスミマセン! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage saga<>2013/03/22(金) 22:50:59.81 ID:TG1HDVKXo<> >>531
>>525


【シルクハットは流れこんできた激流に流されていき、水の中に沈んでいく】


(み、水…………。ですか─────……。)


【彼の戦闘能力は“能力”に酷く依存してしまっている】
【彼の『リロード&リリース』は中距離特化の能力で多彩な飛び道具が強みである】
【だが、水の中では火を吐く事も、爆炎を放つ事も、再び鋭い針を放つ事もできない】

【彼の魔力は彼の体の一部の『哲学者の卵』によるもの。それ故、その魔力を能力の射程に取り込める】
【物質を吸収する『リロード』によって、闇の魔力は空気を吸収して彼に供給を続ける事はできる】


──つまり……。


【水の中でも自由になれる。だが、それだけである。そうしている間は能力も発動し続ける形になり】
【他に上手く回す事が困難になる。水の中で、自由なはずの彼の戦闘能力は四分の一程度に減ってしまうのだ】

【それだけではない。この水の中で生まれて来ようとする“赤ん坊”彼の苦手な水の中で自在に動き回れる存在である事は明白で──絶対に解き放つ訳にはいかない!!】


息継ぎも出来ない戦いと言う事だ。


【そう啖呵を切った瞬間。彼は毒蠍の一撃でふっ飛ばされ、思い切り壁に叩きつけられて水の中に沈んでいく】
【──あっけなさ過ぎる。そう思えるだろう。だが、彼は攻撃に対処できない間抜けではない。】

【広がった漆黒の魔力もまた、水の中に溶ける様にして広がっていた】


そうですね…………。貴女の言うとおり……。


【──その刹那、鎖が、水の中から飛び出してくる。一本。二本。三本。まだまだ出てくる!!大量の鎖である。そう、彼は“防御”を捨てたのだ】
【水が増えれば増える程不利になる。刻々とタイムリミットは迫るならば、防御して、攻撃してを繰り返す様な攻防をする余裕など無い。】
【まさに息継ぎも出来ない(する余裕のない)戦いという事である───】


二人で、仲良く──愛でる事にしましょうかッ!!!


【無数の鎖は毒蠍を拘束する様に襲いかかっていくッ!】

<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage saga<>2013/03/22(金) 22:53:36.49 ID:ztlKOSom0<> >>488>>489
「止め――――?
頼み事をするなら止めて下さいだろう?
もう遅いし、今更戻すこと何て出来ないんだけどねェ
嗚呼、祈っておけばよかったねェ。嗚呼、素直に赦しを請えば良かったねぇ」

【――――奪おうとすれば、拒む事も無くそのまま渡すのだろう】
【多くの血を失って、軽くなったその身体。ぶつかれば掌からコロコロと抜いた物が転がり落ちて】
【「ほら、落とし物だよ?」――――言葉だけ聞くならば、紳士的とも言えるのだろうか】
【まるで見せつけるかのように差し出すも、もし手を伸ばそう物ならば嘲笑うかのように指を閉じて】
【少女が撤退を始めた頃、青年の側に飛び降りる影が二つ】


「ハハハハハ!!“殺す”と言えるのは相応の力がある人だけだよ!!
君達は僕に“殺させて下さい”と頼まれなきゃ到底不可能な事なんだけどねぇ……
それ、で。態々僕の事を迎えに来てくれたのかい?テラスに……αだっけ?」

「あなたが調子に乗ってそのまま殺されてないか見に来ただけよ
そのままあの子に殺されれば良かったのに」

「冗談は止めて欲しいなぁ。天才のこの僕が殺される訳ないだろう?
ただそうだねぇ。あの子は凡人よりも長引きそうだったから、身体よりもそれを動かす方を痛めつけたけどねェ
楽しかったなぁ。あんなに分かりやすく変わっていくんだ。ちゃんと見てくれたかな?」

【まだ余韻を引いているようなご機嫌に語る様子には、「悪趣味」と返すだけで】
【αと呼ばれる少女だろうか。もう一人の少女が瞳を受け取れば、無表情のまま月に照らしたり掌の上で転がしたりと遊んで】
【やがては少女の去った方向へ視線を送るのだが――――飽きたように、ただ二人の会話に耳を傾ける事となるだろう】
【正にも邪にも染まらない白い存在が、其処には在って】


「テラス、お腹、空いた、から、帰る?」

「ええ、そうね。こんな悪趣味なんて置いてさっさと帰りましょうか
あなた、帰ってくる前に血を落としてきなさいよ」

【他愛も無く過ぎて行く会話。先程の激闘なんて無かったかのように】
【――――或いは、其れが終わってからこの場に訪れたのかは分からないが】
【テラスと呼ばれる少女が一瞥を送った後に二つの影は消えて――――】
【森の中を歩き続ける少女の耳に、まるで勝利宣言の様にも思えた高笑いは届いただろうか】


【無情にも過ぎて行く時間。少女の腕を濡らしていたであろう暖かな血も、時間を追う事に冷えていき】
【――――かえって、それが今までの出来事は紛うこと無く現実だと突きつけてくるのだろうか】
【片方の目――――が有った位置からも滴る鮮血。呼吸は浅く】
【抉られてもただ反射的に身体が動く以外の行動が無かった事から、そして痛みに呻く声すらも聞こえない事から瀕死と考えて可笑しくないであろう】

【やがて辿り着くのは森の開けた場であろうか。其処に建つのは廃れた教会】
【其処に住まう修道女――だろうか。辺りの山菜を採っていた最中、現れた存在には少なからず驚いた様で】
【――――しかし、徒ならぬ事態であるという事は察したのか、慌てて駆け寄って】
【足を動かすその度に、腰に提げた銀の長剣が高い音を鳴らすのだろう】


「け、怪我の方でしょうか……?
応急処置が必要でしたら、直ぐにでも行いますが……」

【暗くて怪我の具合が分からないのだろうか。善意で手当を申し出るが――――】
【得体の知れないこの女性を信じるか否か】
【何よりも、残された少ない時間を此処で妥協するか否か】
【それは、少女の答えに全て託された事で】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(大阪府)<>sage<>2013/03/22(金) 22:54:58.17 ID:Daqc5s6xo<> >>533
【水が蒸発し霧のようになった】
【ジュ〜という蒸発音が周りに鳴り響く】

危ねえ…危うく全身丸焼けになるところだったぜ
孫 大聖(スン ターシォン)の丸焼きってか

【掴まれた肩を手で内側から払い瞬時に棒を伸ばし棒を
七メートルほど限界まで伸ばすことによって
体を七メートル上空に移動させ、その攻撃を避けた】
【だが軽口とは裏腹に完全には避けきれず靴が黒焦げになっている】
【中の足も火傷を負っているだろう】

【棒を倒し相手から距離をとり棒の長さを2mほどにする】
【着地した時に少し火傷が疼いたが今は気にしてられない】
【そして法被の胸元から棒状の手裏剣を取り出し、それを相手の足にめがけて投げた】
【相手に向かって走りだし棒を構え相手の右肩へ伸ばしながら突き出す】
【避けられたとしても薙ぎ払い肩を潰しにかかるだろう】
【狙いは相手の肩を強く打つことによって肩を上がらなくし腕を使えなくすることだ】
【また足への手裏剣は牽制と当たった時足の機能を奪いこの水流で戦いにくするためだ】


/大丈夫です〜文章にも書いてあるとおり
攻撃を食らうのは覚悟のうえですので <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(長屋)<><>2013/03/22(金) 22:55:01.98 ID:0LinCya9o<> >>530
うひゃあっ!?

【ぷしゅう、と音がして槍の穂先が、縦に割れる】
【中からは煙が噴出し、どうやら排熱を行っている様子だ】

な、なんの音ッスか!?
鳴き声!?

【鳴り響く異音は、ノエルの耳をも劈く】

そうか、今回のターゲットは生物兵器だったッス!

【思い出した様に貯水プールの方を向き】
【攻撃が成功した事に対する油断か、それとも幼い故の甘さか】

【その行動は、大きな隙になる】


───っ!!まずいッス!?


【飛翔するカラス、飛来する弾丸】
【一瞬凍結し、急回転する思考】

【少年がとった行動は、防御だった】

【飛来する弾丸は、魔翌力から見ても高威力なのは間違いなくて】
【しかし、二発の弾丸が狙う場所は、幸運な事に、そう離れていない】
【咄嗟に右手の盾に、二つの弾丸を庇わせ──】

【ズガガッ】

【弾丸が鋼の大盾に突き刺さる】


痛っ〜!!
し、死ぬよかマシッスけど、流石に痛いッス!!

【盾を貫いた弾丸は、されど勢いを殺され、盾を持つ右腕に二つの傷を残す】
【それは、右腕の運動に支障を生む事は間違いなくて】

ダメージは向こうの方が上ッスけど、ちょっとだけ、マズイッス…

【ノエルは、右腕から力が抜けて行くのを感じていた】


【ノエルの目的は、試験管の「破壊」】
【ウェル子は試験管を回収・保護し、さらにそれを持ち帰らねばならない】
【しかしノエルは、ウェル子・試験管のどちらかを「破壊するだけでいい」のだ】
【どちらのミッションが簡単かは、想像に難くないはずだ】

【ノエルが見過ごしたカラスが、排水スイッチを押す事は容易い】
【が、排水を待ち、妨害を躱し、試験管を回収し、追撃から逃れ、無事に持ち帰ること、決して容易とは言えないだろう】


【ノエルの背後にある錆び付いたドアは、ノエルに開け放たれたまま、脱出を阻害することは無いだろう】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/22(金) 23:00:39.12 ID:rRIdhWheo<> >>521>>536


【地獄をこじ開けて中の罪人の全てに苦悶の声をあげさせたような叫びに思わず耳を塞ぎそうになる】
【幾らその手の怪異に慣れているとはいえ唐突にそれも盛大な声量でならばそうならざるをえない】
【忌々しい、その声の根源の1つであろう件の試験管を睨む……と視界の端から溢れる、そう溢れるのは……】

ぃい!?水じゃねえか!おいおいおいおいマジかよ冗談じゃねーぞ
嫌な考えは嫌な現実を引き寄せるって、……洒落にならな――――――――

【目的を果たさなかった切先などもう意識の外である】
【眼前の敵である彼女よりもより暴力的な敵、つまりは「自然」が我が物顔で迫ってきているのだから】
【その水量たるやはかるのさえ烏滸がましい圧倒的な量、どこをどう好意的に解釈してもこの場に溢れるのは明白】

(とにかく呼吸を…………!)

【すぅ、と吸って肺に空気を溜める……もっともこれだって微かな抵抗でしかない】
【自然の脅威の前でなんと卑小な、足元からせり上がる水は体温を奪うまるで死者の掌のように】
【それは時間の経過と共により死へと近づけるモノに他ならない】


(ああ、もう……やり難い!!)

【言うまでもなく水中戦など体験したこともない】
【だから今目の前に現れたサソリは絶望を自分へと叩きつける、だけど】
【不思議と漏れるのは笑みに似た何か、苦境であればより昂ぶる戦士としての心意気】

【ならばその手の銀もより強く、結びつく】

オイ、アンタ!サソリの方を引き止めといてくれっ!ああ、そっちは2人で仲良くしてていいからさっ
オレはあっち、試験管の方を始末する……頼んだぜ!

【水で満ちる手前にもう一人の彼(>>536)へと大声を張り上げる】
【こっちの意図を理解してくれ、と視線を鋭くしかし反応も待たずにエルフェスは水中へと潜り】
【かき分けつつ件の試験管の元へと泳いで向かおうとするだろう】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2013/03/22(金) 23:00:42.38 ID:XJR5xisd0<> 【夜の国―――魔導図書館=z

【夜の国首都ルルーメン≠ヘ、魔導研究が盛んな場所の一つだ】
【マギタイトなどの鉱物資源も多く採れる、というのも理由の一つであろう】
【そして街の中には、様々な魔導書籍を納めてある、魔導図書館≠ネるものも存在する】

【内部は薄暗く、明かりは硝子から差し込む月光と、点々と存在する燭台のみである】
【まるで城のような形状をした図書館は、こうした薄暗さも相まって、非常に雰囲気がある】
【夜中だと言うのに、如何にも魔術師といった黒ローブを纏った人々が、他者を寄せ付けない雰囲気をだしながら、研究に没頭している】

【そしてその魔導図書館の一階部分、入り口からほど近い地点の机に、本の山≠ェ出来ている】
【その山に埋もれるように読書している人物が、一人、いた】

うーん………やはりここの文献にも黒い石板≠フ事は書いてないか―――。
人間より遥かに賢く、そして気高い種族の古龍≠あそこまで暴走させるなんて…

並の魔術師の所業じゃないな………やはりカノッサかどこかの悪人の仕業なんだろうか。

【透き通るような金色の髪に、薄い碧の瞳に牛乳瓶の蓋のような丸眼鏡】
【襟や袖先にファーをあしらい、肩布を垂らした白銀の高級そうな長い外套を着て】
【下は黒いストライプが入った紺のスラックスを履いており、それに複数のベルトが巻かれていて】
【そのベルトで一冊の古ぼけた、だが美しい装飾のなされた黒光りする書物を括り付けている】
【如何にも学者か研究者、と言った風貌の、長身で細身の青年】

【ぶつぶつと呟きながら、ランタンを脇に置いて、書物を読みふけっている】
【―――そしてあまりにも没頭しているのか、自らの肘が本の山≠つついているとも知らず】
【そしてそれによって本の山≠フバランスが、まるで蒟蒻のようにグラグラと揺れているともしらず】

【―――このままではどうなるか=c……近くに誰かいれば分かるだろう、尤も、その事実を教えるかどうかは、また別の話だが】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2013/03/22(金) 23:03:08.94 ID:dWCJ+J5Mo<> >>532

石女にどの程度の価値があるってんでしょうかねえ、そりゃいくらでも使えるッてのは便利でしょうが?
ああ……そりゃ気にするか。母体の提供元はアンタでしたね

【ぽつ、と零れた言葉は相手に思い当るところが有るだろうか、否、注目すべきはやはりそれではないのだろう】
【鳴り響く障音に眉を顰めながらも、目を覚ましたネズミの死骸を相手にけしかける】
【その中すら小暗い口を開き、短い牙を相手へ振り下ろそうと、太った体が湿った地面を蹴った】
【しかし結局は小動物、それも脳の腐りかけの死体。突進する以上の能は、持ち合わせても居ない】

思えゃアンタの能力については全く聞いてないもんで、そこが重要だったろうに
《juge》に敵対すると思ってなかった、なんて間抜けなこったでもないでしょうがねッ!

【その影に身を隠しながら、投擲するのは先程の余りの二本の針】
【引き抜こうとすれば周囲の組織も抉る事になる残虐な形、暗闇の中で視認するのは難しいかもしれないが】
【うまく投擲する姿を見れば、その方向を特定するのは容易い】

ッ、しまっ――

【一瞬の抵抗を経て、分厚いガラスに皹が入る音が聞こえる】
【計算されて作られたそのガラス面も、しかとそれが破壊されてしまえば、小さな穴から決壊するのは容易い】
【相手に向かって降り注ぐガラス片と――背に小さな翼を生やし、下肢にヒレのある赤子の顔】
【美醜すら付け難いその声とは裏腹に、その顔は確かに産まれて間もなきヒトの姿】
【けれども兵器と銘打たれた彼らに、慈悲を注ぐ必要も、ないのだろう】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(山形県)<>saga<>2013/03/22(金) 23:07:41.02 ID:lQe1hfqno<> >>535

【宝玉が三桁あっても足りない――そのことは、あくまでも悪魔の推測にすぎない】
【だが、その絶大的な力を持ちし創造神達がどこかに存在していることは――いや、はたして本当なのだろうか?】

ヒャハハハ、確かにそォいつは手っ取り早ェ!
しィかし俺様は悶え苦しむ姿をじっくりと拝みてェからなァ、――
じィっくりとぶっ壊す方針で行ィかせて貰うぜェェエエ

【揺れ動くリーネの心、はたして悪魔は見通しているのだろうか】
【その眼が示す先は――現れた四本の腕によって、曖昧になってしまって】

――なァるほど、そォいつが"魔人"か……ヒャアァアーーハハハッ!

【渦巻くサイケデリックな模様、奇妙なその腕たち】
【―― 一つ、舌なめずりをすれば】

んゥ〜、良い腕だ……気に入ったぞォォオオ、早速取ォり掛かってやるぜェ
"合成"させるのと"支配"するのは別プロセスだ、今のところはなァァアア
だァから、――まずは"合成"からァッ! 覚ァ悟は良ォいなァーーッ!!

【もしその言葉を聴き逃していなければ、腕と合成された後に"支配されずに逃走"できる可能性をリーネに示してくれるだろう】

【さて、リーネの足元に現れた魔法陣――禍々しい雰囲気が滲み出ていて】
【その場から移動しなければ、"リーネ"と"腕"を先ほどと同じ魔力が包み込もうと溢れ出てくるだろう】
【途中で気が変わって、魔法陣から抜け出せば――リーネと腕は合成はされないが】
【抜けださなければ、自分の細胞と腕が混ざり合う――普通に生きていればまず感じないだろう奇妙なモノを味わい】


【――そして、やがては一つとなる】


/一体化後の姿等に関しては、そちらにおまかせしたいと思います <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>saga<>2013/03/22(金) 23:09:53.49 ID:JbtfRGoPo<> >>539


――呆けている場合では、ございませんよ……


【ノエルが防御に終始したこの瞬間、ウェル子は賭け≠ノ出る】
【何と彼女は、勢いよく駆け出し、ノエルへの接近を開始していた】
【先ほど己の両腕へ入ったダメージを考えれば、近接戦闘は好ましくない――と、普通なら≠サう考えるのかもしれない】

【――そうとも、彼女は、普通なんかじゃ、ない】


…………『Who Dares Wins(危険を冒す者が勝利する)』…………


【ぼそり、と小さく呟かれた言葉は、今の彼女の、思惑を端的に表した一言で、】


―――― さあ ………… 抉 り 合 い ま し ょ う


【確実にノエルへ走り行くウェル子】
【ノエルには見えるだろうか――ウェル子の両掌に収束する、「黒羽根」と「魔力」が】
【それらは渦を巻くように空間を歪ませ、無理矢理押し込められた羽根達は、窮屈そうにギシギシと摩擦音を奏でている】

【――接近を許せば、間違いなく何かが、起こる】
【ウェル子の無表情と、掌の歪な力は、きっと、そう思わせるには十分な、禍々しさを放っていたに違いない】

【ノエルが何もしなければ、すんなりと懐に入られてしまうが――どうする】



【またここで気を払わなければいけないのは、「カラス」も同じく】
【カラスは無事に排水スイッチを押せ、プールの排水が開始されていた】
【即座にとはいかないものの、そう時間もたたぬ間に、プールは空っぽになるはずだ】

【――スイッチを押し終えたカラスは、プールの真上で滞空し、排水完了を待っている】

【さて、ノエルは思い至るか】

【ウェル子が、カラスを操って、排水スイッチを押したのならば……】
【……同様に、カラスを操って、「試験管を奪取できる」のではないか、という事実に――】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(長屋)<>sage<>2013/03/22(金) 23:16:49.20 ID:GQMLNV8Qo<> >>466

あら、そうかしら?していることはとても善良なつもりなのに
……ふふっ、少し心外。でも、今日は見逃してあげる
今度後ろから殴りかかったりしたら……覚悟してね?

【相手の思惑を察知しているだろうに、婦警は動かない】
【ただ右手を頬に当て、その腕を左手で支え、相手を注視するだけで】
【やがて彼が駆けだして、少女に捕まり、逃げていくのを追うこともない】

【全てにおいて受け身だが、それに近付けば容赦も何もなくなる様な、不穏な女】
【最後になっても、その一点は変わらないようだった】


【後日、この周囲の不良グループはやはり根こそぎ逮捕されたというニュースが流れたが】
【その記事に婦警の名は愚か、その存在自体が記されていなかったのは言うまでもない、か】

/最後に寝落ちしてしまっていた…本当にご迷惑おかけして申し訳ないです
/もしよければまた是非っ…お疲れさまでしたー! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>saga sage<>2013/03/22(金) 23:18:37.90 ID:Fd4MHMZKo<> >>542

分からないんですか? “面倒”じゃなくなるでしょう
……私が、提供を? …………、!

【“面倒”を避けたがるのは、嘗てその面倒に煩わされた経験があるからか】
【彼の言葉に少しなりとも疑問を抱いて、けれど突進する巨躯を忘れられる筈もなく】
【魔刀を中心に顕現した大弓から番えた魔力の矢を穿つ、鼠を襲うのは、実直な“物理攻撃”】

【―― 一方で、その針までは完璧に捉えられず】
【肩口と脇腹。 刺さったというのに、その形状だというのに、彼の選択は“引き抜く”事】
【からん、とその針が地に投げ捨てられれば、まっとうな人間の赤い血が穢れを更に汚した】

……オズワルドには、イカサマしか。 見せてませんから、ね
だって彼は何時だって掴めないのだから……手の内なんて、見せられるものか

好きだったんですよ、あの意地悪な性分。 ゾクゾクして
けれど惜しい――書き物机とカラスが酷似しているように、「彼」とオズワルドは、“違う”

【不明瞭な言葉と共に、彼は手にしていた唯一の武器、宝刀を、投擲した】
【狙う先は生後間も無き赤子へ。 ……まるで、始末は己が手で、というように】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/22(金) 23:24:46.32 ID:R07NZKmZo<> >>543

ふふっ……汚れきった世界を壊す……それはどれだけ恍惚な事なのでしょう…
想像するだけで体が震えますわ……もちろん嬉々とした震え…
嗚呼……そのときが待ち遠しい―――――

【世界を一度壊して作り変える、その事はあえて言わない事にした】
【きっと相手は自分の目的を知ったら自分をすぐにでも切り捨てるだろうから】

ええ…正確に言えば魔人…”達”ですわね
私の当時の力量では一人の魔人を従えるには力が無さ過ぎた
だから私は魔人の一部を貸してもらっている……そう言うことですわ

【自分が能力を得た経緯、それを少しだけ口にして薄っすらと微笑む】

そう……出来るだけ痛くはしないで欲しいわ…
こう見えて私だって一人の女の子…だったんだから―――――

【女の子”だった”その言葉は今から人間をやめる事を物悲しく示しており―――】
【一瞬だけ浮かべた悲しげな表情、それもすぐに魔翌力の闇の中へ沈んでいく】
【大きな魔翌力の渦の中、人間として終わり行く自分にリーネは何を思っているのだろう】


【魔翌力の渦が消え去ると同時に現れる”者”それは一人の少女のあまりにも残酷な末路を示していた】

『支配に関しては……もう良いでしょう? 私はこの姿になった…ソレだけでもう十分…』

【言葉では形容しがたいサイケデリックな蠢く模様、スライムの様な皮膚を持った魔人は何もない顔で相手の脳内に語りかける】
【相手の言葉の穴、言わば契約の抜け道を指摘する】
【この姿になったのだから裏切れるわけはない、だって私はもう人間ではないのだから……そんな少し悲しい意味の言葉で】
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(関西地方)<><>2013/03/22(金) 23:28:12.60 ID:DmWSHPneo<> >>541

【地鳴りが響く本の山≠ェ限界を超えて、崩れ落ちる音】
【雪崩のようにその残骸が貴方へ向けて落ちてくるのだろう、質量を持った、大量の本】
【――――直撃したならきっと、痛いではすまない、から】


……っ……!!


【――――どん、と貴方を突き飛ばそうとする衝撃、視線を傾ければ小さな両手が揺らめいて】
【そこに繋がる小さな身体は、貴方の代わりに本の山の雪崩を直撃する位置で】
【貴方を側の地面へと突き飛ばせたなら彼女≠ェ代わりに、本の山へと埋もれることになるであろう】

【仄かに金色の混じったプラチナブロンドの長い髪、大きなマリンブルーの瞳】
【透き通るような素肌に女性としてはやや小柄で華奢な体躯、それでいて膨らんだ大きな胸】
【ゴシック調の紅いミニシルクハットと同じくゴシック調の白いブラウス、首元には紅のリボンタイ】
【紅いチェックのミニスカートの上から黒いコルセットで細いウェストを締め上げ】
【編み上げブーツに黒いニーソックスの雪のように儚い印象の少女】

【銀の十字架のロザリオを首につけて、その先端は膨らんだ胸元に乗って】
【スカートの下から伸びて、ふりふりと揺れるのは猫を模したやや長めの尻尾】
【――――尤も、今は地面へとどさどさと落ちた本の山の中に、すっぽりと埋もれてしまったよう】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2013/03/22(金) 23:28:40.51 ID:dWCJ+J5Mo<> >>538

【男性が用いるのは炎ではあるものの、攻撃には拳や蹴りといった格闘の方が主体であるように見受けられる】
【故に距離を取ったのは正解ではあった、がかといって最初に見せたように遠距離への対処が無いのかと言えば別】
【それに先の氾濫で多少延焼は止まったものの、見れば周囲の木々はいくつかが焼け落ちている】
【そしてこの場所は、浄水場である。ベッドタウンであるこの先の都市へ、水を送る為の、だ】

そろそろ追いかけっこも終いとしよう……
レディを待たすのは、お互い男として避けたいところだろう?

【肩か、足か。後者を捨てる道を選んだか、右足の肉を削いで落ちる痛みに僅かに表情を曇らせながらも】
【切っ先をそれてこちらから見て左へと一歩大きく踏み出すと、棒に対して斜めに滑らせるように右腕が打ち当てられる】
【突きそのものは点の攻撃である事は相手も承知だろうが、加えて直角ではなく多少その上をなぞる事によって力の行き先を下へ落とす】
【回転の動きと共に、血の滴る右足を少々引きずりながらもステップを踏んで斜めに移動し】
【相手の側面へと、その身を移動させる】

坎宮ッ!

【右手の平に明るすぎるほどに灯る火球は、最初の攻撃と同じもの】
【違いは、最初は距離が有る程度離れた状態であったものの、今度はかなり近くあること】
【掌と相手の右肩の間に挟むように投げられた火球は、その後ろに掌底を待たせている】
【相手の肩ごと火球を押しつぶし、被害の程度を広げるまでが狙いか】
【彼の目的が兵器の回収である事から、相手を徹底的に追い詰める必要が無い事は悟れるか】
【それでも、向かい来るようであればそれこそ丸焼きになるまで、という事とも言える】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2013/03/22(金) 23:41:37.56 ID:XJR5xisd0<> >>548

これでは私の研究も―――でッ!?

【ぺら、と書物のページを新たに捲ろうとした矢先横からの凄まじい衝撃と共に視界が一回転、二回転、三回転目で止まる】
【青年はごろごろと床を転がってから頭をさすりながら立ち上がり何事かと先ほどまで自分が座っていた椅子へと視線を向ける】
【ズレた眼鏡を整えながら視線に入るのは―――文字通り本で出来た丘だ………それも誰かが埋もれているではないかッ!】
【ようやく状況判断が出来た青年は即座に本の丘へと駆けよっていく】

だだだ、大丈夫ですかッ!?嗚呼何てことだ―――私の代わりに誰かが生き埋めにッ!!
研究に没頭すると、考え事をしていると周りが見えなくなる癖が出てしまったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!

くっ掘れども掘れども底が見えないッ!!

【必死に図書館の所有物である書物を損傷もきにしないで投げながら掘り進むが自身を助けてくれた恩人の姿は見えない】
【がりがりと頭を抱えながら喚き散らし―――再び採掘作業を再開するが、はたして恩人の命運は………】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/22(金) 23:45:44.87 ID:rRIdhWheo<> />>540の>>531への安価を忘れていましたすいませんでした! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(山形県)<>saga<>2013/03/22(金) 23:48:38.09 ID:lQe1hfqno<> >>547

ヒャアアァァアーーーーハッハッハッハッッハッハァァアアッ!
うゥ〜ん、想像するだけで……うへへへへへへへ

【この悪魔が思い描いている世界と、リーネが思い描いている世界は】
【きっと、雲泥の差があるに違いない】
【――その恍惚とした表情、一体この悪魔の理想の世界とは――――】

4本の腕全部が一つの個体じゃあねェってことか、ちょいと魔力消費が激しそォーだがまァー良い

【リーネを包み込んだその魔力は、道徳も摂理も何もかも】
【それら全てを侵す、――まさしく悪魔のモノ】
【生命を作り出す、生命を混ぜ合わせる、――それは生命を弄ぶ】

――――ヒャハハハ、成功だァッ!

【闇が晴れる頃、――両腕を高々と上げて歓喜の声を上げる悪魔の姿があった】
【変容したリーネの姿、勿論のことだがノーリスクで混ぜ合わせることなど不可能だ】
【多からず少なからず、そこには魔力の消費が発生する】
【――複数の魔人の腕と少女を混ぜあわせた、幾ら悪魔とはいえど消耗は無視できないはずだ】

んゥー、やっぱり"この姿"だと力が不ゥ十分だ……

――おォーっと、良くねェー!
合成と支配はワンセットッ! さァー、早速……

【魔法陣から現れる闇、それは生き物を捕らえ支配する魔力――"本来"ならば】
【ぷすん、ぷすん……】
【しかし今は、――その性質が有るのには間違いない、しかし出力が弱く……】
【簡単に振り払えてしまうし、本来起こる苦痛もない、――いわば劣化しボロボロになったゴムのような存在】

…………っちィ……結構なモノ作った後、しィかもさァっき"ペンタレグス"も合成してたか……
そォして"今は"人間の姿……間を入れずに支配するのには無理があったか

――――――良ォいだろう、今回は見逃してやるッ!

【この状態で支配を強行するのには無理があった、あくまでも"見逃す"という形で――リーネの支配を諦めたようだ】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(関西地方)<><>2013/03/22(金) 23:50:27.68 ID:DmWSHPneo<> >>550

【少し掘れば、ぱちくり、瞬きをする瞼が直ぐ目の前に広がって――――】
【マリンブルーの大きな瞳、まんまる丸い、優しげな少女の瞳】
【睫がすぅーとその水面ニ溶けて、キラキラと……まるで結晶のように輝いて】

【ぷはっ、と少女が本の山から頭を出して、ぱたぱたと頭を振るのだろう】
【本の山から現れる彼女、地面にぺたりと座り込んで、両手でスカートを押さえ込むように抑えて】
【曲がった華奢な両足とその足を包むニーソックスが、擽ったそうに揺らめいた】


たた……お兄ちゃん……大丈夫……だった……?
危ない、の……お本読むの、いいこと……でも、集中しすぎるの、良くない……

でもね、良かった……お兄ちゃん、お怪我、なくて


【つたない言葉は、言の葉を覚えたての子供のよう、一つ一つの音を確かに紡ぐ】
【鈴の音、それもガラスで出来た、とても精巧な鈴――――揺れるたびに華奢な白い喉が揺れて】
【連動して震える彼女のプラチナブロンドが、照明に溶ける色合いで】

【貴方に掘り起こされたなら、彼女はよっと、立ち上がろうとするだろう】
【華奢な彼女、身長は150cmもなくて、立ち上がっても屈まなければ、視線がきっと合わなくて】
【くしゃ、っと歪む彼女の表情――――整った顔たちが雲間に隠れるように】


たた……むぅ……いたい、の……


【彼女の手が揺れた、ふりふりのゴシック調のブラウスの袖】
【零れ落ちる指先は幼いまま、成長を止めてしまった子葉のようで】
【純白の素肌は、今にも溶ける雪のように風に揺られて踊る】

【彼女は頭の上を右手で押さえるだろう、見て見れば、小さなたんこぶができている】
【風に触れて痛むのか、もう一度くしゃっと瞼を湿らせたなら、そこに浮かぶ傷色の旋律】
【どこかつたない言葉の音律が、痛みをかいして形を作る】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2013/03/22(金) 23:51:48.08 ID:dWCJ+J5Mo<> >>546

本っ当に覚えてねーんですかい? しらばっくれられても困るぜ
局地的な天変地異を起こすための試作品、“セイレーンの子供たち”の親御を提供してくれたのはァ、
まぎれも無く、アンタじゃあないですか!

【漏電する音を大きく響かせたような、形容しがたい悲鳴をあげながらネズミはのけぞってのたうちまわる】
【そして今相手に傷を与えられる、もっとも力のある者であるネズミが相手の攻撃を中断した事に因り】
【宝刀は赤子の胸へと、さくりと。いとも簡単に、その切っ先を埋め込む】

「ァ……キィぃいぃいいイィイいいァアアアァAアアあぁぁァぁア――!?」

【産声にも負けぬほどの断末魔は、しかしその本体が命と共に力を失いつつあるためか】
【二度と天変地異を呼び起こす事は無く、そして、巨大化したネズミの死体も、その身から汚水を染みださせながら縮んでいく】

【宝刀の柄が地に落ちる甲高い音の後に、白い肉塊もぼてっと地面に転が】
【ヒトの子供としてはやや大きすぎるそれは、それ以上声も音も上げる事なく、沈黙した――】

……チ。そっちを優先されるとはねえ、そのままあちきにブッ殺されるたぁ思わなかったんです?

【言葉とは裏腹に、短刀をくるくると回しながら男はその場に立ち尽くしたまま】
【肩に落ちる髪をぐしゃぐしゃとかき乱して、それでも相手の次手を警戒するように相手から目を離す事は無い】
【あくまで任務は回収であり、カノッサやその他悪に属する者と違って余計な力を使う必要のない彼は殊更、これ以上する事も無いと言ったところか】
【こちらから相手にもう一度仕掛け直す様子は、無い】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(長屋)<><>2013/03/22(金) 23:53:27.72 ID:oK9LzCeJo<> >>544
もう、盾は上手く取り回せないッス…

なら────

【急接近するウェル子、そして両掌に収束する「嫌な予感」】
【生まれた頃からその身に膨大な魔翌力を宿し、また魔翌力を操ってきたノエルにとって、魔翌力を感じる事など、造作もない】


─────コイツはアンタにあげるッスよ!!


【近づいてはマズイ、本能が警鐘を鳴らしている】
【全身の毛穴が開く感覚がして、その瞳に映るウェル子の姿は、「絶望の塊」だった】
【ノエルは、接近を拒否するように数十キロはある大盾を放る】
【それは、力の抜けて行く右腕には些か重すぎた】
【勢いは少なく、放物線すら描けないまま、二人を結ぶ直線上に転がるそれは、攻撃にはならなくとも確実な妨害にはなるはずだ】


ここは───僕の距離ッス!!!

【そして、盾の重さから解き放たれたノエルは、バックステップを一つ踏み、左腕と化した槍を、下方向から突き上げるように動かす】
【置かれた盾の影から襲う一撃は、ウェル子が盾に構わず突っ込んできた場合、その身を襲う!】


【飽くまでもノエルの左肩から伸びているものは槍であり、腕ではない】
【素手と槍、リーチで勝り、堅牢さで勝り、威力で勝る槍は、唯一、自在性のみが素手による攻撃に劣る】
【しかし、肩と肘に値する稼働部を持った槍ならば───その自在性すらも手に入れるッ!!】

あと、自在に使役出来る「駒」を持ってるのは、アンタだけじゃないッスよ

【ウェル子の頭には、残っているだろうか】
【放置されたノエルの、仮初めの左腕ッ!】

【攻撃と同時に、ベストにあるポケットのうち、一つを右手で叩く】
【そこには、義腕に信号を送り出す装置仕込んであり、それを叩いたということは】

【きゅいん】

遠隔行動モード、起動ッス!

【ボタンを押した、ということッッ!!】
【槍の柄の部分に取り付けられた装置から、信号の性質を持つ魔翌力を発信する事により、短時間の間のみ遠隔操作が可能になるッ!!】
【勿論、魔翌力を介した信号であるため、同じく魔翌力を操るウェル子にも、発信源を探知することは可能だろう】
【問題は───発信された魔翌力が腕に命令を飛ばしている事に気づくかどうかッ!】


いくッスよ!ターゲットを、握り潰すッス!!


【そして前述の通り、ノエルにとって、魔翌力を感じる事など造作もない】
【ならば、魔翌力によって構成されたカラスも、間違いなく探知出来るッ!】

【その向かった方向、操作盤からプールの排水、そして排水から試験管の存在を連想するのは容易ッ!】
【さらにあの咆哮の後だ、嫌でも頭にはその存在が認識されているだろう】

/カラスが魔翌力とは関係ないものの場合、遠隔操作のくだりは取り消します! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>saga<>2013/03/22(金) 23:54:36.42 ID:PYZNbk+Xo<> >>536
>>540

ふ、ふふふふ・・・ッ!!
能力者ァ・・・!!息継ぎもままなら無い、ってそういう感じね?ええそうでしょう!
さあ、スコーピオン――水がある内にすべて、破壊してしまえッ!!

【――これこそが少女の能力なのだろうか、蠍は召還・使役され】
【一撃を見舞うとリロードが叩きつけられたのを確認し、素早く今度はエルフェスへの攻撃に移る】
【その精密な攻撃たるやまさに機械とでも呼ぶべきほどの正確さと緻密さを持っている、がしかしだ――】
【それを使役しているNemesis本体はただの人間で、彼女自身は大きな"弱点"であり――】

(行ける・・・連中は水で機動力が死んでるッ!!このままどうにか責めきれば・・・ふふ、ふふふ!!)
(水死体が二つ、出来上がり!!)
あ、はははは――!今更泳いで近寄ろうなんて、健気なものね!けれども残念――私のスコーピオンはそんな――

【泳ぎ、水の中を接近しようと試みるエルフェスを――蠍が捕らえ、その方向を――理解し】
【なによりもまず、Nemesisが彼が何をなそうとしているのか把握して】

(・・・ふん、こっちの男の子ってば、"アレ"をどうにかするつもりなのね。)
(でも見え見えだよ、それに私としてはそんなもの欲しければ"くれて"やるし・・・!)
(そんなことよりも貴方達二人の、命を――――え?!)

【――蠍が方向転換し、試験管へと向かおうとするエルフェスに向かおうとした直後】
【今度、驚いたのはエルフェスでもリロードでも蠍でもなくNemesis張本人で】
【水の中から現れた鎖と、それによりしっかりと六肢を絡め取られたスコーピオンの姿が目に入り――】

(――!?あのリロードとか言う男・・・あいつの仕業かっ!!くっ――これじゃ、動けない・・・!!)
忌々しい・・・ナンパな男は嫌いなのよッ!!

【蠍は鎖に絡め取られた腕腕を暴れさせ、なんとか鎖と、その先にいるであろうリロードを手繰り寄せようとする】
【しかしこの瞬間、Nemesis本体は蠍同様、とても無防備に水に浮かぶだけであり――】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(埼玉県)<>sage<>2013/03/22(金) 23:56:41.80 ID:4ckoiLO2o<> 【某国・とある射撃場】
【夜の時間帯ということもあって客の少ない中、自前の拳銃を長々と打ち続ける男が居た】

【彼の使う銃は『モーゼルM1916』――別名レッド9の名を持つ古い自動拳銃である】
【リロードはマガジンではなくクリップというもので行い、全10発をうち尽くさねばリロード自体も出来ない】
【しかしその威力はそこらの拳銃とは比べ物にならない高さであり、専用部品さえあればちょっとした狙撃も可能】
【なにより、その形状が男の心を奪っていく。彼が扱うのはそんな一丁であった】

そぉら見て下さい坊っちゃん!また全弾命中だ、老いてなおなんとかって奴ですかな!?
これだけ見て頂ければ…ほら、どうです?この間のが別に負けや手抜きじゃなかったと分かってもらえるでしょう!
このビスク・フランコ、銃を握る時は何時だって大真面目!大体私がマルコ坊っちゃんに――

『―――び、ビス、コ。おなか空いたぞ、おい。お腹が、す、すいた……。』

あぁこれは失礼しました、ピーナッツクリーム入りのチョコバーなんてどうです?
いやぁというよりこれ以外無いんですがね?あと私の名前はビスコではなくビスクです、坊っちゃん。

【銃弾をいずれも的のほぼ中央にぶち込むというモーゼル使い、その名はビスクというらしい】
【中折れ帽にクリーム色のスーツ、サングラスと金銀の装飾品という出で立ちはまさしくマフィア】
【一方でマルコ坊っちゃんと呼ばれるのは膝丈程度のズボンにベストという姿の少年で】
【お世辞にも可愛いとは言えない太めの容姿ながら、ビスクが丁寧な対応をするあたり、ただの子供ではないのだろう】

【―――さて、射撃場は人数がまばら。だからこそ、二人は様々に悪目立ちしていて】
【なんとも陽気そうなその様子からして、声をかければ例のチョコバーすらくれそうな。】

/再利用ですがっ。 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(大阪府)<>sage<>2013/03/22(金) 23:58:37.65 ID:Daqc5s6xo<> >>549
【その動きを見て孫大聖はまた棒を捨てる】
【そして相手の右手首を右手で掴もうとする】
【その後体を半回転させ相手の体を自分の腰へ乗せ
そのまま相手の勢いを利用し投げ飛ばす技…一本背負投をするつもりだろう】
【この技は小さい体格が大きい体格の人にかけやすい技だ】
【そして決まればすぐさま頭に対するパンチをして相手を気絶させるつもりだ】
【ただ決まらなければ孫大聖は業火に焼かれるだろう】

すぅ〜〜〜〜〜〜

【孫大聖は息を整え相手をよく見、一瞬足りとも逃そうとはせず目を見開き
タイミングを窺っていた】
【それは武術家としての意地かそれとも正義感からか…孫大聖には
負けたくないという思いがあった】
【引くという選択肢はなかった】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2013/03/23(土) 00:02:39.73 ID:+qaJJixXo<> >>558
/よろしければ火球への反応をお願いしたく……
/というか火球無視の場合本当に業火に包まれてしまうのですが <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/23(土) 00:03:28.95 ID:KoNmIv95o<> >>552

そうですわね、いつか邪禍様の思い描く混沌が世界に溢れ出せば
それはきっと私達にとってもとっても幸せな事……

【相手の思い描く世界がもし完成したのならリーネはきっとそれさえも壊しにかかる】
【だってリーネが追い求めるのはその先の創造にあるのだから】

ええ…其々が其々間借りさせて頂いていると言うのが正しいですわね


【変容した自分の姿、鏡を通して見たわけではないが何となく分かる】
【人間だった時には考えられないほど力が溢れ出て、そして異形な物になっている】
【あるのは後悔でもなく多幸感でもない何か、虚しさと嬉しさを兼ね備えた何かだった】

『自分の姿がどうなっているのかは理解できません…』
『ですが邪禍様が成功した…というのでしたら私は人間では無くなったのでしょうね』

【今までは魔人の力を行使していただけだが、今は自分が魔人になっている】
【何となく不思議で複雑なモヤが心を少しだけ曇らせた】

この姿…と言うのは…・――――――――-
――――――――この姿の事かしら?

【いつの間にか人間の少女の姿に戻っているリーネ、人間をやめた今相手の言葉が理解できる】

ふふっ……じゃあ私を支配するのはまた今度…
その時は――――――

【相手の消耗、それは人間だったリーネにとって最後の幸運が舞い降りたのかもしれない】
【自分も天にまだ見限られていなかったんだな、なんて人間をやめてからしみじみ思う】

でもこれで私達は上司と部下……何卒よろしくお願いいたしますわ

【きっとお互いがお互いの目標の踏み台になる、形だけの関係なのかもしれない】
【だけど今は相手に心から感謝している、新たな力を授けてくれた相手に】
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2013/03/23(土) 00:03:35.69 ID:Ino/PA4W0<> >>553

【少女が本の中から顔を出せば、安堵したように息を吐いて床へとどたんと尻餅をつく】
【肉体労働は得意ではないのだろうか、本をどかす作業で随分と消耗したようで息も絶え絶えといった様子だ】
【少女の問いかけに対しどこか恥じたように視線落しつつこくりと頷く。】

え、ええ私はどこも―――貴女の方は大丈夫…ではなさそうですね………申し訳ない。
はぁ…面目ないです、こんな幼気な少女に庇ってもらわないと身も守れないとは、それに悪癖も直さないと。

【少女が痛そうにたんこぶを抑えると慌てたようにソレを見てあわあわと周囲をばたばたと動きながら自身の頭をわしわしと掻く】
【それからひらめいたようにコートのポケットへと手を突っ込み、中から数枚の葉をとりだす―――この独特な香り…薬草だろうか】
【取り出した薬草を少女にさしだしながら片膝をつく。】

ええと、よければこれをどうぞ………貴女は煎じて飲む派≠ゥ傷口に貼り付ける派≠フどちらか分かりませんが…。

           とにかく、お陰で助かりました………ありがとうございました。 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(大阪府)<>sage<>2013/03/23(土) 00:04:01.23 ID:it1s++h4o<> >>559
/火球押しながら攻撃していたのだと思ってましたすいません <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(大阪府)<>sage<>2013/03/23(土) 00:04:38.11 ID:it1s++h4o<> >>559
/narutoの螺旋丸みたいな攻撃かと思っていました申し訳ないです <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2013/03/23(土) 00:10:13.93 ID:+qaJJixXo<> >>562-563
/すみません、NARUTOはしっかり読んだことが無いのでちょっと分からないです……
/それと負けたくない気持ちというのはあくまでキャラのであって、中の人のではないですよね?
/もし反応しにくかったりレスし辛い場合は、どちらかが試験管を破壊ないし回収した、という事でもだいじょうぶなので <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(関西地方)<><>2013/03/23(土) 00:12:57.71 ID:5uO97WAgo<> >>561

【貴方から差し出された薬草を、彼女は少し不思議そうに眺めた】
【両手の掌の上にのっけて、じぃと見つめて、掌ごと鼻に近づけたり】
【その独特の香りに、思わず顔をしかめるが、観念したように、頭の上にのせてみて】

【ぺったり――――掌で、押さえつけたなら、すりすりと傷口へと薬草を塗りこむ】
【染みるのか、ひゃっ……なんて小さな声が漏れて、残った左手が、片膝ついた貴方の右手の袂を握ろうとする】
【白銀の貴方の外套へと溶ける、白鷺のような指先が、微かに震えているのに気づけるだろうか】


はぅ……どぅいた……します、て……んぅ、何か違うね……っと……
どぅいたしまして、かな……ごめんね……ソニア……言葉、下手なの……


【じんわりと素肌の色が濃くなるように、淡い頬に暖かな雫を零すように】
【濃淡が美しいコントラストを描いたなら、そこに浮かぶのは、紅い紅い紅潮の色】
【自分の不出来な言葉を恥じて、それでも、一生懸命に紡ぐ彼女の姿】

【ふと、疑問に思うかもしれない、言葉が下手な彼女が、わざわざ魔道図書館≠ノ足を運ぶ事が】
【此方の言葉に慣れていないなら、読むこともまた、きっと苦手であろうと逡巡できるから】
【聡明な貴方であれば、その事など容易に察せるだろう】


……あとね……幼い、じゃないよ、ソニア……もう立派な、大人だもん……
UNITED TRIGGER≠フ一人……だから、人助け……当然
お兄ちゃん、怪我……ない?大丈夫――――?


【やや屈んでぐいっと身を乗り出した、ちょうど四つんばいになって】
【片膝ついた貴方と、視線が交錯する距離で、貴方に怪我はないかと、左手が息を吹き返して】
【貴方の髪をそっと、触れてみようだなんてするかもしれない】

【――――顔と顔の距離が近づく、彼女から漏れる甘い色の吐息が、貴方とすうっと絡み合う距離】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(大阪府)<>sage<>2013/03/23(土) 00:13:48.65 ID:it1s++h4o<> >>564
/キャラが負けたくないということです。
別に全身やけど負って負けてもいいと考えているので <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage saga<>2013/03/23(土) 00:14:05.22 ID:xedYXR4ko<> >>536

【エルフェスの言葉は辛うじて聞こえた。どの道、右往左往する余裕など無いのだから】
【彼に託す。という意味合いでその場に留まるという行為を持ってして了解の返答とした】


(“爆弾(ピュロボロス)”も、“炎(フレア)”も、“風(エアロ)”も時期に使えなくなるだろう────)
(無限に供給できる“水”も場合によっては強力な武器になるでしょうが。ここでは無意味……!)


【器用。手順さえ踏めば様々な現象を引き起こせる彼の能力はたったの一言で表現する事が出来る】
【しかし、聞こえの良い言葉で誤魔化す事は出来ないのが、この状況。彼の全てを低減させる】
【この場所は、“器用”をいとも簡単に“器用貧乏”に変えてしまうからである────】


(水辺で戦った事もある。いかなる場所でも自在に舞って見せると思っていたが。
こんな弱点があったとは……。確かにこんな場所、戦う機会は無かったですよねぇ……)


【ならば、どうすれば良いか。答えは出ている。先ほど、彼は既に行動に移している】
【“防御を捨てて能力に特化する”。万能・器用。素晴らしきそれらの言葉をかなぐり捨て】


こういうのを……。楽しくなってきたって言うんでしょうかねェ!!ククク……ハハハ……。


【──“ 一撃 ”に特化すれば良い。そんな事、出来るのだろうか】
【出来るッ!何故ならば、彼の能力は非常に“器用”だからである、それだけが、“取り柄”だ】


>>556


【蠍はリロードをたぐり寄せるのに成功するだろう。いとも容易く。その爪はリロードの引き裂こうとするか】
【毒の針を持って串刺しにしようとするか。それも良い。全てを彼は受け入れるだろう。その上で、彼は──笑う】

【言葉を紡ぐ事の出来ない彼は毒蠍の装甲越しに、舌を出して、口の動きだけでこう告げるだろう────】

【「 つ ……………… か ……………… ま ……………… え ……………… た 」】

【──。と。】

【爆発が起きた。水の支配するこのフィールドで。だ。爆発は、リロードから発生した】
【──そう、自爆だ。爆発の技も炎の技も“敵に届くことはない”だが、ゼロ距離なら】
【空気の供給も、空間の容易も、全て!容易く行えるのだ!彼の能力は“その程度に器用”なのだからッ!】

【爆発が襲いかかるだけではない。さらに追い打ちをかける様に鎖が駆動し、その勢いのまま“毒蠍をNemesisに向けて投げ飛ばそうとしてきた”ッッ!!】
【さらに、その余波は水を伝わり、エルフェスに向かって飛んでいき、彼の向かう先に押し込もうとする。乱暴過ぎる援護だ!】


あっはっはははははははぁああああああああああああッッ!!!!


【割れた水の中から爆発の直撃を受けたにも関わらず、元気にも程がある彼の笑い声が、歓喜の叫びが聞こえる】


死神が、やってきたんですよッ!語りかけようとしてきたんです!お前は、もうダメだってねぇッ!!だったら、どうするか?
こっちから出向いてやって、御託を抜かす前にぶん殴ってやれば良いって事です!最ッこぉでしょう!! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(空)<>saga<>2013/03/23(土) 00:15:19.99 ID:ZDx5KfaS0<> >>537

【高笑いは呪いのように意識に打ち込まれた。生じかける情動は急く意識に押し流され、影一つ残さず消えていった。】

(…………ッ!)

【亜人の少女を半ば無意識に抱きかかえたことで、無垢な顔は黒髪の少女のすぐ傍に。】
【血を流す眼窩。あの夜幸せそうに笑っていた顔は、もう、二度と見られない様にも思われて――――】

(……ごめん、なさい……貴女、だけは……こんなことに、関わってほしくなかった、のに……――――)

【冷え込む紅い温もりが恐ろしかった。闇が彼女を連れ去らないように、縋る様に、自分の温もりで包み込んだ。】
【その疾走を続けるなか、開けた空間に到達すると同時に、視界に飛び込んで来る人影――――】

…………、……彼女は、助かる……の……?

【足を止め、少女は震える瞳を修道女に向けた。亜人の少女の血に濡れたまま、その紅にすら気付いていない様子だった。】
【そして月光を受けながら歩み寄れば、亜人の少女の状態も見て取れるだろうか】


……普通の、応急手当てじゃたぶん足りない……何分も前にひどい怪我をして、そのまま……血を失わせすぎたから。
すぐに体力を取り戻せて、どうにか傷も塞げる方法――――……何でもいい、何か思い当たるものはない……?

【……口を開けば震える声。動揺を抑え込むように言葉を選んで、必死で言葉を続けていった。】

【教会住まいの修道女ならば、その周辺の地理には詳しいのだろうと踏んでの発言―――】
【……其れへの修道女の返答が、これからの少女の行動を決める。】

【この状況への “より適切な” 施設等があり、移動と治療が間に合うのなら、彼女は間違いなく其れを選ぶだろう】
【だが初めて足を踏み入れる森では、一般的な応急処置すらもほぼ望めず、そうなれば、状況は絶望的で――――】

【修道女を頼ることが最後の希望となる。万が一、彼女が周辺の地理に詳しくなく、移動が望めない場合も同様だろう】

…………彼女を……ヨハンを、私の友達を救って………私にできる事があるなら、何だってやってみせるからっ…………!

【けれどもそんな思考とは無関係に、どうしようもなくヨハンを助けたかった。】
【命懸けで戦っても護れなかった彼女を、どうしても失いたくなかった。だからこそ必死で希う。】
【そして彼女が応急処置を行うのなら、その前後か、或いはその最中に行おうとする行動も、少女の胸の内にはあって―――】

【それでも、それは修道女の治療の如何次第なのだろう。教会内部に導かれれば、亜人の少女を運びつつ従う筈だ】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>saga sage<>2013/03/23(土) 00:15:30.66 ID:a6BFI8DHo<> >>554

【得物を失ったというのに、周囲に渦巻く魔力は其れを手にしていた時より濃く】
【赤子の行く末を見届けてひとつ吐いた息、同時に堅牢な壁がびしりと鳴いた気がした】

【嫌な圧力が湧き上がる先はまさに、彼自身】
【汚い地にこれ以上足をついていられぬというよう、ふわりと爪先が数センチ宙に浮いた】

【彼は相手の喉元を見遣ってから肩口に顔を埋め、】
【暫し後に幾らか吸い上げた血を吐き出すのは、毒物への警戒だろう】

……引き渡した物の事は、忘れるようにしていますので
それに、渡した相手は君でも、オズワルドでも、無い――!

【――そのまま、もし彼が動かないならば】
【相手を見据える目、爛々と輝く視線が交差したならば、襲うのは“呪詛”】

【三日三晩続くともいう呪い。 あるものには暗闇を、あるものには過去のトラウマを】
【“彼”には記憶の共鳴を与えたそれが――ただし、消耗からそう長くは合わせられないために】
【望めるのは僅かな間、けれど相手に多大なる苦痛を与えられれば、それで良かった】

【その目が危険なものであるのは誰にも察せられる、好んで長く見据える者などいないだろう】
【瞬間的に合わせられた程度ならば危機は及ばない。 すぐに逸らしてしまえば、効果など無きに等しく】
【ならば、可愛い拷問程度の結果を望もうとするのは――】

……それよりも、頼まれていたモノが有りました故

【(この男という餌で、誰かが釣れるなら、と)】
【(淡い期待。 そして、叶わなくともどうでもいい期待)】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<><>2013/03/23(土) 00:16:39.58 ID:ambW/reg0<>

――重大なミス、でありますな………。


【―――身を隠していた。】
【所属していた会社の機密を知り、追われていたからだ。】
【――、路地裏の壁に背を付け座り込んでいた。】

【迷彩柄の軍服に、戦闘帽を乗せたブラウンの髪と同色の瞳。】
【170?ほどの背丈で、たれ目が特徴的な青年である。】


会社に忘れてしまった、であります……。
しかし私が取りにいくのはむざむざ死ににいくようなもの……。


【カロリーメイトを口に放り込みながら、ぐぬぬと表情を曇らせた。】


<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(大阪府)<>sage<>2013/03/23(土) 00:21:16.39 ID:it1s++h4o<> >>549
【法被の紐に左手を伸ばし内側から模擬戦用に
使っている手のひらサイズの棒を持ち出す】
【そして飛んでくる火の玉は右足を後ろに後ずらせ、
右肩の位置を変えることによって避ける】
【そしてその勢いを利用し左手で相手に棒を向け伸ばしながら突く】
【狙いは相手の顎だ。顎をつき脳を揺らし脳震盪を起こさせ気絶させようとする】
【だが攻撃に気がいっているので孫大聖も攻撃を受けたら避けられないだろう】
【また使っている棒も模擬戦用なので木製で燃える上相当の衝撃を受けたら折れるだろう】

(届けっ…!)

【孫 大聖はそう心のなかで叫んだ】

/ご迷惑おかけしてすいません <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>saga<>2013/03/23(土) 00:22:40.36 ID:f1M0+UCco<> >>555


――――なる、ほど…………


【投げられた盾――ウェル子はそれを、難なく乗り越える】
【その足取りに迷いはない】
【だがしかし、彼女とて、ノエルの次手≠察知できぬほど、呆けてはいない】


果たして――抉られるのは、どちらでしょうか、ね……


【ウェル子は、自身の両手を、重ね合わせた】
【きらりと光る眼鏡の奥より、猛禽類の如き鋭利にして怜悧な視線が、下からの攻撃≠、確かに、見破っていた】




.                   テッ     ケツ
         ――――    剔     抉    ――――




【響くのは、金属の塊を金属の刃で以て無理矢理断裂させたような、甲高くも重々しく残る、裂帛なる金属音】
【その正体は、ウェル子が両掌より解放した、「凝縮された魔力と羽根」】
【まさしく「小爆発」の様相を呈したそれ≠ヘ、言葉通り「抉るような」激しい衝撃と、「上面を裂く」ような真空刃の複合攻撃だ】

【このウェル子渾身の一撃は、ノエルの放った槍と激突――互いに互いを反発させあうだろう】
【激しく火花散らし、花弁の如く狂い踊る黒の羽根】
【光を、視界を歪め、絶望的ですらある命の削り合いを演出する、魔力による真空】

【その攻撃は、或いは槍を弾くだけになるかもしれない】
【その攻撃は、或いは槍を抉り、破壊するかもしれない】
【それとも或いは槍が押し勝ち、そのままウェル子へ襲いかかるかもしれない】

【ただノエルがどうなろうと、ここでウェル子は、その反動で、軽く後ずさりし、足を止めることになる】
【狂いが無ければ、丁度、盾の上に乗っかる形になるだろうか】

【問題はノエルだ】
【彼と、彼の槍は、ウェル子との『相殺』を、どう、受け止めるのか――】


……二兎を追う者は……という奴ですか……ね……


【瞬間的攻防の最中……ふう、と溜息混じりに独りごちるウェル子】

【他方、カラスは、義腕に探知されることとなっているはずだ】
【そう――ノエルの察し通り、カラスはウェル子の魔力によって生まれた存在である】

【そして、どういう訳か、カラスはこの瞬間に回避行動等を取ることはなく、あっけなく腕に潰されてしまう】
【肉も骨も、影も形も残さず――つまるところ「消滅」してしまうだろう】
【魔力の具現化なのだから当然ではあるが、これにより、「カラス=魔力」は裏付けされる】

【――実はあのカラス、ウェル子が魔力による指令を出さなければ動かない】
【すなわち、今、ウェル子は、ノエルと刹那の抉りあいをしていたがゆえにカラスへ指示を出す余裕がなかったのだ】
【だから、カラスは、何もせずに散った――と、気付きにくい事実だが、そんなカラクリがあったりする】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2013/03/23(土) 00:29:27.99 ID:Ino/PA4W0<> >>565

あっいえお気になさらず………あの本当に大丈夫ですか?
ソニアさんと言うのですね―――私はフリードリヒ、フリードリヒ・ザラスシュトラ=c……学者をしております。

【言葉が苦手と言う少女に気を使ってかヒラヒラと片手を所在なさげに宙に泳がせながら力なく返事をする】
【そして微かに震えている少女を心配するようにもう一度問いかけた―――。】
【っと、ここで青年は何か疑問に思ったようだ、それもそうだこんなローブを纏った壮年から老年の人間ばかりがいる場所で】
【こんな年端もない少女が、それも言葉が苦手と言うのに…。】

ユユユユユUNITED TRIGGER<bッ!!?貴女そんな凄い人だったんですか………ああ失礼…。
ええ私はおかげさまで大丈夫ですよ―――しかし此処にもUNITED TRIGGER≠フ用事か何かでいらっしゃたんですか?

【女性に免疫がないのか近づけられた顔からあからさまに顔を逸らしながら周囲の散らばった書物を拾い立ち上がる】
【そして浮かんだ疑問、そして新たに与えられた情報を照らし合わせて問いかける。】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/23(土) 00:29:44.69 ID:vs/Z7fpmo<> >>556>>567

(――――――使いこなせないだろうけど!一瞬だけなら十分っ!!)
(ここで晒さなくてどうする、見せてみろお前の異常性を……!)

【砕ける音は総じて8つ】
【花びらのように舞い散ってたとえ水中といえど漂う銀はどこか暖かく、されど鋭く】
【掌に集う銀を両手で閉じて纏め上げる一息の間だけ光が堰き止められ、放たれる銀は今までのどの形態よりも激しく燃え上がる】
【連ねて8つは合わさり交わり、その先を手で探って掴み取れば――――――――現界する、暴力】

―――――届いた……!

【柱地味た八角の槍はその表面に来歴さえ分からぬ碑文を刻む、例えるならばオベリスクのそれに姿は近い】
【人の丈ほどの長さに重厚な刀身はしかし刃となるような砥がれた部分はない、即ちこれは己の質量をもって打ち砕く為の武装に他ならない】
【刃たる穂は全体の9割を締め尚且つ八層に分かつ溝が刻まれて、そしてそれはやはりというか「動く」】

八式、限界まで―――――――回れ!!

【機械の駆動音のような産声は光を伴い水中にも響く】
【最下段から交互に時計回り反時計回りと穂先へ、異なる回転を交えながら周りの水さえも巻き込む「螺旋」】
【それはエルフェス自身をも巻き込むが操者たる彼は手綱を離さない、いや離せないというほうが正しい】

(……っ、とは言うけど……暴れ馬めっ言うこと……聞け!!)

【力のみに特化した形式、そのスペックを彼には未だ御しきれず】
【離せば最後どこへ向かうかなど予測も出来ない、故に用いられるのは最高火力に至らないまでの間だけ】
【手綱を握るのに必死になっていれば槍が渦を纏って昂く「鳴いている」のに気がつく】

そうだ!それだ、好きなだけぶち壊していいぞ!オレが許可する、喰らい尽くして全部を焼き尽くせ!!

【「敵はどこだ」血眼に探す、そしてソレは……相対するべきを見つけ】
【宿した螺旋を推進力にさながらロケットの如く、件の試験管へと突き進む!】
【リロードの余波を受け障害を蜘蛛の巣を邪魔だというようになぎ払い、一直線へとかの不可思議な生物へと―――――――!】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2013/03/23(土) 00:34:43.87 ID:+qaJJixXo<> >>569

【まるで刀が封印であったかのように溢れだす力に、さしもの男もひくりの目尻を痙攣させる】
【毒は無い。元よりもう一方の魔女の手下に比べて、男は戦闘能力に長けた方では無いのかもしれない】
【ではなぜ、ここに来たか。カノッサに送られた書面にのみ添えられた名前の主ではないのか】
【その時点では、ここに誰が来るかも知る手だては無かっただろうに】

そいつぁー、細胞が生きてるうちは利用価値がまだあるんですぜ
どうする、再生できなくなるまで潰します? それとも死んでりゃそれで御満足で?

【さっと目を伏せ、相手の凝視から自身の目を隠す】
【先程男は相手の能力については聞き及んで居なかったと言った、では目についても話を得ているとは考えにくい】
【恐らくは暗闇の中明らかに膨れ上がる魔翌力の集まるところに注意を向けたか、もしくは鼻が利いたか、なんて】

ほう。覚えていただきござってましたか
んで、オズワルドって誰ですか。アンタ“あれ”と別の人間を重ねて見てる訳ではないでしょう?
てっきりあちきらと同じように、演じる役でしかない名前で呼んでるんだと思ったけれども
もしもアンタがここに来ると聞いてたら、おずわるどとやらはここに来たと思います?

【目元を隠す手の下から覗く口は、口角がにやにやと吊りあがって鋭い犬歯が見え隠れし】
【明らかに相手との会話を楽しんでいる、それも相手にとっては愉快ではないであろう理由で】
【左手に持った短刀を牽制のように相手に向けるも、むしろそれは咄嗟の事態に対応するための防御の意味合いが強い】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(山形県)<>saga<>2013/03/23(土) 00:35:17.06 ID:V3QJasaao<> >>560

ヒャハハハ、そォこの泉でも鏡でもなァんでも今の姿でも見れば良い
素ゥ晴らしい力を手ェに入れた証が――映るぞォォオオ

【能力による支配こそ出来なかったものの、合成自体は成功した】
【人ならざるその姿、もし支配できていれば――と、欲が出る】
【しかし、それを許さぬ今の己、悪魔の表情に嬉しさと悔しさの両方が現れているのはそういうことなのだろう】

――ヒャハハハ、そォーだ
俺様は今みてェに人間の姿を借ァりて、混沌の準備などをしィている
人間共の言葉も簡単に会ェ得出来るしなァァアア、俺様の頭脳があァれば普ゥ通に学んでも話せただろうが!
……もォし俺様が悪魔の姿だったら、半悪魔の姿だったら、テメェーの対応も変わってただろォ?
そォれに……本来のかアっこいい姿だと空気が糞不ァ味いッんだァァアアッ!

【魔法陣が砕け散り、魔力の気配も衰えて】
【その叫ぶ悪魔、――既に自身に"人間を合成"していた、そう見て間違いはない】

ヒャハハハ、まァー良い!
今日からテメェーは俺様の部下だ、たァっぷり働いて貰うぞォォオオ
とォにかく、世ェ界を混沌に満たせッ! あァと、機ィ関の野郎共が暴れるなら俺様も絶対呼ォべよな、ヒャハッ

――俺様は魔力を取り戻す為に、魔ァ海へ籠らせてもらう
テメェーは俺様の糧として動くんだなッ!

【悪魔はそう言えば、翼を手に入れたペンタレグスの背に乗り――魔海の方へと飛び去って……】
【……さすがに大きさに無理があったか、かなり不安定だ】
【ともかく、なんやかんやで飛び去っていくだろう――】

/お疲れ様でしたー <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(関西地方)<><>2013/03/23(土) 00:38:45.19 ID:5uO97WAgo<> >>573

【瞼が素肌に満ちて、長い睫が膨らんだ胸を濡らす】
【じんわりと響くような痛みが引いて、たんこぶの痛みもきっと、無くなったのだろう】
【きっと、震えていたのもそのせい、痛くなくなって、少しはマシになるのだろうか】


っ……わ……フリードリヒの、薬草で……痛く、なくなったの……
凄いね、フリードリヒ……学者さん、ってこと、とっても、偉い……の?

ソニア、勉強できないから……難しい事、分からない……けど
……でもね、学者さん、一杯勉強してる、とっても偉い人
ソニアより、ずっと、ずっと凄い人、だよ?


【貴方の言葉を聴いて、ふふと頬を緩めた、表情に微笑みの色が浮かんだ】
【瞼が閉じて、くすりと笑ったら、鈴蘭が揺れたような声が漏れて】
【硝子細工のような華奢な素肌が一片一片、彩を強く貴方へと映して】

【次に瞼を開いたなら、貴方へとじぃと視線を注いで、貴方を肯定する言葉を紡ぐ】
【ソプラノの旋律はとても優しくて、それでいて、どこか儚い小さな音律】
【声は決して大きくないけど、聞きやすい淡い音なのだろう】


えっとね……魔銃のこと、調べにきた……の
魔銃とか、魔弾……そういうの、載ってる本……

でも……ソニア、本読めないから……困ってて……


【四つんばいから、両脚をそっと自分の側に寄せて、ぺたんと座り込んだ】
【言葉を紡いだなら、少し下へと視線を落とすだろう、心なしか表情が悪い】
【きっと、困ってるとの言葉が本当であるから、口元に濡れる指先が、彼女の心音を確かに示す】

【顔を逸らした貴方の姿、その行動の意味は分からないけど、本を拾い上げる姿と優しげな言葉】
【信用して居るのだろう、紡ぐ言葉と向ける意味合いが、交じり合って確かな形へと昇華する】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/23(土) 00:49:08.90 ID:KoNmIv95o<> >>576

……遠慮しておきますわ
まだ…その…お恥ずかしながら心の準備が…

【実際聞くのと見るのでは違う、だから今自分の姿を見て驚く姿を見せたくない】
【多分まだ自分の姿を目で見て受け入れるには時間が足りていないであろうから】

人間に警戒されないように人間の姿をとっている……
それは物凄く利口だと思いますわ、だって私も人間じゃなかったら声をかけなかったと思いますし…
見た目で判断する人間の汚い所をよく利用できていると思います…

【砕け散る魔法陣、それは自分自身に今まで備わっていた人間としての自尊心を表しているようで―――】

ええ…今日から”私”は邪禍様の部下……
私に出来る範囲の事なら何なりとお申し付け下さい

その際は勿論邪禍様にご一報を入れさせて頂きます

【これからも続々と起きるであろう大きな暴動、その都度にリーネは男に連絡を入れるのだろう】
【理由は至極単純、その方が期間の勝率が上がるから】

それではご機嫌麗しゅう
これからは私の事を馬車馬の如く酷使して下さいね

【滑稽に飛び去る上司の姿、リーネはそれを見ながらなんとも言えない笑みを浮かべる】
【リーネが何を考えて、何をするのか、それはきっと彼女自身しか把握しては居ない】

【人間をやめたリーネ、魔人となった彼女も泉の畔から去るのであった】

/お疲れ様でした!
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(長屋)<><>2013/03/23(土) 00:53:13.92 ID:9x1CIBl3o<> >>572
うわっ、マジッスか!?

【盾を難なく飛び越え、さらに槍による一撃を看過され、ノエルは驚愕する】
【そして、両掌が、槍の先端とぶつかり合い】

負、ける…わ、けに、は────ッッッ!!!

【ムルゥ、と名付けられたその槍は、しっかりと「抉られて」いた】
【穂先は衝撃に耐えきれずひび割れ、刃は黒羽の暴風に晒されて、一片残らず刃こぼれしている】

っっ──────そん、な……

【ノエルも衝撃に弾かれ、ざ、ざ、と圧されるように後退する】
【肘の部分にある可動部は、衝突の衝撃で捻じ曲がり、ぐにゃりと首を垂れていた】
【明らかに、武器としての運用は不可能だろう】

糞ッ!!腕は…バッテリー切れッスか!?
ぶ、武器になりそうなもの、何か…ッ!!

【明らかに動揺が見て取れる】
【今、ノエルは完全に、戦う術を失った】

畜生ッ!あと一撃ッス、あと一撃あれば…ッ!

【序盤の突進は完全に上手く行ったはずだ、確実にダメージを入れたはず】
【もう一押しすれば、向こうは少なくとも行動に大きな支障が出るはずだ】

【しかし、押す術はノエルの手中に────無かった】
【平和を望む彼にしては珍しい、強い闘争心はあれど】
【その身から溢れ出すように、湧き続ける泉の如く増加していく魔翌力はあれど】
【その瞳に、真っ直ぐな決意の灯火はあれど】

そうッス!
試験管!!

【そこで思い当たる、己の勝利条件】
【この身がどうなってもいい、せめて大勢の死だけは、防がねば────】

うおおおおおおッス!!!

【ノエルの頭にそれが浮かんでからの行動は、速かった】
【すぐさま使い物にならない槍をパージし、身を軽くする】
【そして、プールへ向けて全力疾走】
【丁度、プールに沿う形で戦っていた二人の中間地点に、試験管はある】
【排水は、あと少しで完全に完了、つまりもうすでに、靴裏を濡らす程度の水しか残って居ない】

【しかし、ノエルは今、完全な丸腰である】
【盾を棄て、腕は止まり、槍は壊れ、己の身を守る物は、何一つ存在しない】


【そんな体に攻撃を通すのは、容易いはずだ】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2013/03/23(土) 00:54:27.68 ID:Ino/PA4W0<> >>577

【ソニアの痛みが引いてきたのを様子から確認すると、安堵のため息を再び吐き出す。】
【自分が偉いのかと聞かれるとぶんぶんと首を振りながら両手をあげて分かりやすく否定する。】
【学者にしては随分と謙虚なようだ、とはいえ周囲にいるのはいずれも自尊心の高そうな魔導師たち、という事も理由か。】

いえいえいえいえッ!私なんてまだ駆け出しの駆け出しですよッ!
そうですね………貴女のように身体を使って社会に貢献したり人助けをしたり出来ないので………

それで残された道は頭を使うぐらいしかなかったのですよ―――その道でも半端者ですがね…。

【恥ずかしそうに頬をかきながらそう言う―――。】
【ソニアの素直な尊敬の念が気恥ずかしくも感じたのだろうか、それとも少女にも劣る自分の力を恥じているのか】
【っとソニアが魔銃の話をすれば、意識は一気にそちらへと向かう。】

ほう…!魔銃ですか………何ゆえ魔銃について調べようと?
それらな私にも力になれるかもしれません、一体どのような魔銃について調べようとお思いで?

【一気に好奇心旺盛な少年のような学者の顔へと変わり、眼鏡の位置を整えながら、ソニアに問いかけていく】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2013/03/23(土) 00:55:22.63 ID:+qaJJixXo<> >>571

【相手が右手にて突きを繰り出していれば危うかっただろう、が、左手であれば、こちらの右手側となり】
【先の攻撃によって前方にある右腕で対処するのは容易い】
【されどあくまで容易いのは気絶を逃れるに至る話のみ。気絶するほどの力が込められているならば、当然右腕も無傷ではなく】
【払った衝撃を殺しきれずに骨へと響いたか、明らかに表情を歪ませて一歩飛び退くように退いた】
【効いている、相手の腕は確かである。それを相手が確信するか否か――】

【不意に、携帯端末の着信音が鳴り響く】
【一瞬の停滞と迷いの後、男は相手から距離を取りながらに端末を取りだしてそれに応答した】
【余裕があるのではなく、緊急事態に対しての備えであるからだ】

取り込み中だ……ッ、“ペイシノエー”が破壊された!?
く……了解した、“テルクシエペイア”の回収を優先する!

【通話を切るや否や、男は相手に向かって先程までの攻撃よりはやや小さめの火球を投擲する】
【牽制の意味合いが強いか、狙いも甘く回避は可能だろう、が、こちらへの追撃は難しいか】
【相手がそちらに気を取られるであろう一瞬の隙の内に、男はダムの中へと身を投げた】

【やがて水の中、元々設置されているグローリーホールとは別の場所に小さな黒い渦が出来たかと思うと】
【その中に、ダム一杯の水ごと、その中身が全て吸い出されていった】
【のちに残るのは、試験管の外された生命維持装置の残骸のみ。男の姿も、男を送還しただろう何者かの姿も無く】
【ただ、僅かな薔薇の花の香りの残滓のみが取り残された】

【どれほど相手が強く美しい精神を持っていようとも、闘いに対して正しき思いを持っていようとも】
【ここが正しき闘いの尊ばれる場では無い以上、それが全うされる事は無かった】


/少々強引な終わらせ方で申し訳ないです……そちらの大切なキャラを焼くというのもしのびなく、
/かといって不自然な負け方をするのもそちらに対して失礼だろうと思いましたので、このような形に相成りました
/本当に申し訳ありません、主催としてのこちらの不手際です
/今後精進いたします……お疲れさまでした <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>saga sage<>2013/03/23(土) 00:56:40.16 ID:a6BFI8DHo<> >>575

……利用価値。 望まれて産まれた訳でも無いのに利用価値、とは
嗚呼貴方達は望んだのでしょうね。 こうして産まれてくる事を
ペットは沢山抱えていてね、その内のひとつで良いなら拾ってやっても吝かでは無いかと

【視線が合わない事、すぐに察して見切りをつけたかそれ以上追撃することもない】
【淀みなく言う言葉に感情は沿わず、】
【恐らく実際には要らないのだろう、世間話に合わせる程度の温度】

“あれ”がセイレーンを引き渡した“彼”なら、オズワルドではないのでしょう
…………? いや、オズワルド? 知らないな、そんな人間は
妙な事を言わないで下さい。 貴方も変な事を言って、私を狂人扱いするのですね?

それより“彼”の話がしたい。 合っていれば、彼ならば、きっと来たと思いますよ
依頼されていたものもあったのですから……こうなっては、要らないのかも分かりませんが
時間も手間も要りましたが、上質な“   ”を―― 、 要らないと言うなら、どうでも。 娘にあげます

【“オズワルド”について思考するのを諦めた辺りから、浮かべる笑顔は気味が悪い程】
【約束した事は覚えている。 けれど相手に教える気も無く、向けられる短刀に怯えるでも無い】

【――ならば、約束したものとは何だったか】
【そしてそれより先に疑うべき事も、幾らか有るかも知れないのだが】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(大阪府)<>sage<>2013/03/23(土) 00:58:26.03 ID:it1s++h4o<> >>581
/いえいえ、こちらこそ初心者の上鑑定所にしか投下していないキャラを参加させてくださり
ありがとうございました <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage saga<>2013/03/23(土) 00:59:37.46 ID:fXfUWC/F0<> >>568
【近寄れば、月の助けもあってかその状態を見て――――思わず、表情が崩れた事が分かるだろう】
【どうみても馨しく無い状況。筋肉を貫いて、臓器へ到達して――――背に抜けた跡を見れば、誰でもそんな表情を見せるのか】
【奇しくも、少女が青年の背に放とうとした一撃に酷似。即ち、命を奪うための一撃】
【……震える声に対して向ける表情は、同情でも無く、慈愛でも無く】


「すみませんが……此処まで行ってしまったら、普通の薬や手当では到底間に合わないでしょう
――――後数分持てばそれで終わってしまうのかも知れません……が、それは医術の場合の話です」

【明るい黄色の瞳が向けられて、凛とした声がその事を告げて】
【――――“医術ならば”。確かに、今の状況を踏まえればそうなのかもしれない】
【多くの血を失って、軽くなってしまった身体。自分を助けてくれようとしている友人の名を紡ぐのは、朦朧とした意識の中で何を見ているのか】
【安心させるかのようにふと、修道女が柔らかく笑むが――――次には、現実的な言葉】


「魔術であれば――――可能性が無い事もありません
――――全てを救う事が私の信念ですから……私に、任せては頂けませんか?」

【完全に助かるという見込みは無い。完全に五分五分といった状況】
【――――ただの延命処置になるかもしれないし、後遺症が残る可能性もある。其れ等を全て告げれば、もう一言】
【私に任せて頂けませんか、と】
【少女が承諾すれば、頭を覆うフードを外し、銀の髪を露わとするのだろう】


「あなたに出来る事は……神様に、お友達が助かるようにお祈りをして下さい
其れが私の力にもなって、この子の助けにもなる筈です
――――そして、どうか今から少しの間だけ私の事を見る事が無い様にお願いします」

【指示するのは、この場に亜人を横たわらせること】
【時間が無いと言っても過言では無い状況。場所を変えればそれに比例して、助かる見込みも減っていくのだろう】
【――――小さな詠唱。修道女の右腕の皮膚が溶け始めて、やがて現れたのは干からびたような、それでいて禍々しい外見の腕】
【所謂、悪魔の其れなのだが――――辺りを包む魔力は、そんな禍々しさとは真逆の性質】
【その腕を見せないようにと隠しているが……気配が変わった事は、分かるだろうか】


「ええ、助けますよ。カエルさんにだって佳乃にだって、他の沢山の皆さんに偉そうに語ったのですから
ですから――――ほら、もっとシャキっとしていて下さい
あなたが“万が一”を考えて居たら――――全て、意味の無いことになってしまいます」

【慰めるかのように語りかければ、横たえられた少女の患部へと手を添えて――――】
【其処から始まるのは長い長い詠唱。一言一言紡ぐ度に辺りの魔力は濃度を増していって】
【同時に、進めば進むほど修道女の表情が苦悶に変わっていくのだろう。傷の転換――――貫かれた傷を、自分に移すことによって“治療”とする技】
【尤も、滴り始めた血も、その表情も“言いつけ”を守っていれば見える事は無いのだが】

【長い時間の後に掛けらた、「終わりましたよ」の声】
【間に合ったのか、亜人の少女の呼吸は安定を成して。然れど、まだ目覚めないのは――――完全に治癒した訳では無い故に】
【しかし、今までの状態よりも遙かに良いことは明白であろう。失った物――血液と片目は戻ることは無いが】
【対して、修道女は乱れた呼吸を行い、“自身の患部”を抑えながらも気丈に振るって、「一つ、お願いがあるのですが――――」と語りかけ】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(関西地方)<><>2013/03/23(土) 01:04:32.84 ID:5uO97WAgo<> >>580

【綻ぶ彼女の表情、貴方のリアクションが面白かったのだろう】
【鈴の入った鞠を子猫が前足で転がすように、その後に残った微かな音律が如く】
【漏れる声の確かな形だけが、歪みのように彩られるのだろう】


……だったらね、ソニアも、いっしょ……フリードリヒと、同じ
二人とも、半人前なら……二人で、漸く、一人前

だからね、よろしく、フリードリヒ――――
フリードリヒがいないと、ソニア、いつまでも、ダメな子なんだよ


【それはどこまでも、純粋で無垢な言葉、恥ずかしそうに頬を掻く貴方の手を見つめて】
【立ち上がる彼女、プラチナブロンドの長い髪が揺れたなら、高い貴方の身長へと】
【ついっと背伸びをして、うんしょと両手を伸ばして、頬を掻く貴方の手を、ぎゅっと握ろうとする】

【貴方が彼女を褒めてくれるなら、きっと彼女も貴方を褒めるのだろう】
【心配りをしているとかじゃなく、ただ単純に、貴方という存在を、どこまでも肯定するだけ】
【マリンブルーの瞳の中、貴方の整った顔たちを、ぷかぷかと浮かべていた】


わっ……フリードリヒ、元気に……なったね……
えっとね……こうね……銃弾に、こめるの……


【好奇に満ちた顔を浮かべる貴方に、少し驚いた様子を見せて】
【直ぐにふっと、肩の力を抜いて、甘い甘い彼女のとろけた色合いを濡らす】
【そんな貴方の様子がとても美しい、活気に満ちた姿に見えたから――――】

【身振り手振りで指し示す彼女、少し曖昧では有るが、賢明な貴方なら、直ぐに分かるはずだ】
【所謂魔弾=\―――どのような銃であっても発射機構さえあれば効果を発揮する魔弾のこと、と】
【彼女が言うにはその魔弾を設定したい、というもの、それに順ずる本が必要だろうか】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>saga<>2013/03/23(土) 01:17:55.73 ID:f1M0+UCco<> >>579


…………手応えあり


【ひゅう、と吹き抜けていく魔力と羽根の残滓の中、ウェル子は厳としてそこにいた】
【ノエルの得物を抉りきった水先案内人≠ヘ、それでも勝ち誇るわけでもなく、あるがままの事実を受け入れるように、独白した】


……少し、お話ししましょうか


【ざ、とウェル子が、盾より降りて、足を踏み出す】
【その無感動な視線は、当然ながら、ノエルを射止めている】


ノエル様……貴方様の想い≠ヘ強く……そしてその身に宿す力≠烽ワた、想いに相応しく強い……


【ウェル子の瞳に映るのは、疾駆するノエル】
【攻撃手段を失ってなお、信義を貫かんとする、一本の槍≠フ如き、彼≠セ】


です、が――――嗚呼……きっと世間では、貴方様のような御仁を、きっとこのように称すのです――


【キィィィィ……聞こえるか、金切り声のような、虚空を裂く音が】
【手の平を上方へ向けるように開かれた彼女の右手に、掌サイズの、『黒羽根の塊で形作られた円盤』――】
【高速回転するそれ≠ェ、さながら金属の円形カッターの如く、金属音を立てている】





――――――――   甘い=@    とね





【次の瞬間には、ウェル子は、それをフリスビーでも投げるかのように、投擲するだろう】
【微弱ながらも追尾性能を持つこの円盤≠ヘ、試験管を取ろうとするノエルの『右脚ふくらはぎ』へ、襲いかかってくるだろう】
【無論、円盤の性質は「斬撃」――小型とはいえ、下手に喰らえば、ぱっくりと痛々しい切り傷を刻まれる羽目になってしまう】
【ウェル子は、ノエルの脚を切ることで、完全なる足止めを、狙っているのだ】

【また、低空飛行する円盤の速度は、もちろん人が走るよりは速いものの、軌道自体は複雑ではない】
【つまり、注意していれば避けられる――ということだが……全てを捨てて走り出したノエルにとっては、どうだろうか――】



…………ええ、それはもう…………絶望的≠ネまでに…………ね



【円盤を投げきったウェル子は、さらり――と、自身の長髪を掻き上げた】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2013/03/23(土) 01:24:44.14 ID:+qaJJixXo<> >>582

そーでございますとも、傷つかず汚れずの産まれたてのイキモノってのは、如何様にも利用の価値が有る
ほお、ペットと。またクソの役にも立たない道楽につかうなんざぁ贅沢にございますこって

【肩を竦めて息をするように憎まれ口を叩くも、未だかざした手を下して相手を見遣る事はしない】
【単純な話、おそろしいのだ。思考判断すらも真っ直ぐならぬあの男とは違い、この場の男は比較的神経は正気だ】
【首を絞められても笑っていられる狂気も持ち合わせていないのは、警戒するように差し出したままの短刀と】
【続く相手の言葉に対して横顔を伝う、冷や汗が何より示しているのだろう】

……妙な事言ってんのはアンタだぜ。宵晒雲母の戯曲は“運命の力”、役は“ドン・アルヴァーロ”だ
少なくともあちきらの中で授かった名前にゃ、“オズワルド”なんて奴ぁいない

【むしろ男が口にした名前こそ、相手の知らぬ名前だろう。そしてそれは仕事上の魔女との関わりを示す名であり、相手に知られる必要のあるそれではない】
【ひくついた口元は、明らかに引いている、言い知れぬ恐怖を感じている】
【そしてどうやら仕事に関する事については、直接ないし間接的に報告が成されているようで】
【では、仕事に関しない事は。それはやはり、男が相手の能力を知らなかった事が全てを表しているか】

聞き及んでおりますとも! 正味のところ四姉妹のうちの“ペイシノエー”をブッ殺したアンタから受け取るのは癪ですがね?
だが契約は契約だ。少年少女の神経束、尻尾を振ってお預かりいたしましょ
んで……対価は、何を。あちきね、そこ聞いてないんですがね

【ペイシノエー、四姉妹。恐らくはセイレーンの子供たちが四体であることにかけて、一時的に付けられたコードネームだろう】
【肩を竦めながらも一歩、一歩と相手に近付き安全を確認する】

【そう、あの日、途切れた契約を。相手が遂行すると信じていたのは、持ちかけた本人一人のみだった】
【故、対価を聞いたものは誰も居ない。契約を持ちかけた本人、その人でさえも】
【男の茶化すような一片の嘘によって途切れた契約は、本来何が対価となるはずだったのか】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2013/03/23(土) 01:25:18.62 ID:Ino/PA4W0<> >>585

【まさか初対面の人間にそんな事を言われると思ってもみなかったのか、気恥ずかしそうに空いた手で頭を掻く】
【つまりは何か欠点があっても、それを補える誰かが共にいればなんとかなる、という事だろうか。】
【少女が頬を掻く手を握ったならば、それはまるで鉄のように恐ろしく冷たい=\――気が付くとフリードリヒは直ぐに手を放すだろう】

あっ失礼しました………私、冷え症でして………。
ええと、そういえば魔弾についてでしたね………それならば―――おっとありました

【誤魔化すように手をヒラヒラと振りながらソニアが探している事柄に順ずる本を思案し、即座に答えを出す。】
【そして再び積み上げられた本の山から一冊の本を引き抜く―――その瞬間本の山はまた不安定にグラグラと揺れたが………今回は大丈夫なようだ】

ザミエルの書=\――かの有名な魔弾の射手≠ヨと魔弾を伝えた悪魔の教えを書き示したもののこれは写本です
これを読めば弾丸に何かしらの概念≠込める事は可能かと………ただ属性を発生させたりなどの複雑な概念を付加するには
弾丸自体に魔導回路を組み込む必要があるかと………魔導回路と言えばラインアーク財団≠ェ一般向けにも開発していますが………。

なんにせよ弾丸の軌道操作∞速度操作≠ネどの単純な概念≠ヘこれを読み解いて弾丸を改造すれば大丈夫かと
文字が読めなくとも―――ほら、ちゃんと図面付で乗っていますので安心ですよ?

もしよければ私の名義でこれをかりておきましょうか?貴女はそのまま持ち帰ってしまって構いませんよ。

【魔弾についてこれ以上ないほどの本を選び出し、それをソニアに差し出すだろう―――。】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(関西地方)<><>2013/03/23(土) 01:34:19.66 ID:5uO97WAgo<> >>588

【彼女の手もまた冷たい――――けれどもそれは雪のような冷たさ≠ナ】
【それはどこまでも自然的な冷たさなのであって、貴方のソレとは根本的に違うもの】
【だからこそ、彼女はびくっと驚いた、貴方の手の冷たさがとても怖いものであったから】

【――――さながら死体のよう、手を放されて、残った手を彼女は自分で握った】


わ……わわ……ス、ストップ……ソニア、難しいの一杯、分からない……の
……でも、これ……絵一杯だね……とっても、分かりやすいの……

有難う、フリードリヒ、これで、何とかなりそう……


【慌てる彼女、彼女の出来損ないの脳みそでは、貴方の言葉の半分も理解できなくて】
【一つ一つ数えるように、少しずつかみ食い抱いても、ぷしゅーっと破裂しそうな音で】
【途方にくれそうになったけれども、貴方の差し出した本を、両手で抱えて】

【ぱたっと開いて、ぺらぺらと捲る――――父親の新聞を、大人びて読む少女のように】
【言葉は少したどたどしいけれども、本から顔を上げて、貴方を見る彼女の瞳は】
【とても温かい、泡沫のような彩を、そこに浮かべていたのだろう】


うん、これで……何とか、なりそう……
助かったの、フリードリヒ……ほんとに、ありがとう……

良かったら、また……お店……来てね、お礼、ちゃんとする、から……
――――じゃあね、ばいばい……


【召抱えられる前の蔦の葉は言葉が満ちているのが知らないかのような素顔で】
【貴方に見つけられなければ咲かなかった蕾が、彼女の手元で開花するように】
【本を抱きかかえる彼女の微笑みは、貴方という存在を、とても高く評価する証しで】

【くるりと背を向けたなら、小さな背と、華奢な肩幅が露になって】
【プラチナブロンドが揺れるその音律の破片だけが、時雨のように降り注ぐ】
【手を振る彼女の横顔だけが、いつまでも慕情のように染み付いているように――――】


/すいません!夜も遅いのでこの辺りで…… <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2013/03/23(土) 01:42:13.31 ID:Ino/PA4W0<> >>589

ええ勿論………いつかお伺いさせて頂きますよ………。

【本を抱えて走っていくソニアの背中を眺めながら、ぽつりと一言言葉を呟いた。】
【光が反射した眼鏡のレンズの奥には―――そこか冷えたような瞳が、生気のないような瞳があった…。】

//遅くまで申し訳ありません…
//お疲れ様でした! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(長屋)<><>2013/03/23(土) 01:47:09.02 ID:9x1CIBl3o<> >>586
【ノエルは、全てを聴いていた】
【一心不乱に走りながらも、ウェル子の声、円盤の音を、しっかりと聴き、認識していた】

僕 が ッ ! !


大 甘 な 事 な ん て ッ ! !



【気付いただろうか、彼が左腕を外して槍を装備した時、肩の断面からは「膨大な魔翌力が溢れ出ていた」】
【それが今は、僅かに零れる程度に収まっている】



百  も  千  も  万  も  承  知  ッ  ス  !  !  !




【大切な事だ、もう一度だけ言おうッ】


【ノエル・ソーラリン・グランスタッドにとってッ】



【魔 力 探 知 な ど 造 作 も な い ッ !】


そこッス!!


【もうすぐプールの淵、という所まで走り、魔翌力を感じて左足を大きく踏み込む】
【体全体を左に傾け、体重を全て左側へ寄せて────跳んだ】

【魔翌力放出を最小限に絞り、魔翌力探知のし易い状況だ、位置の把握は比較的簡単に行える】
【しかし、大盾はウェル子の足下であり、防御は叶わない】
【ならば────回避しかないだろうッ】


うぐゥッ…!!


【思い切り跳んだノエルは、円盤から逃れて水の無いプールにダイブする】
【恐らく、回避された円盤は目標を見失い明後日の方向へ飛んでいくだろう】

【無理な体勢で跳んだノエルも、左腕を失った不安定なバランスで着地など出来るはずもなく、腹部を強かに打ち付ける】

か、はァッ─────

【全身の空気が体外へ逃げ出す感覚がノエルの全身を襲い、思わず身悶えをする】
【ウェル子に聞こえたかは分からないが、ノエルの頭には、めきり、という肋骨が折れる音が響いていた】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>saga<>2013/03/23(土) 02:11:43.93 ID:f1M0+UCco<> >>591
【或いは、ウェル子も見誤ったか】

…………へえ

【円盤は、見事に回避され、プールの壁面を削り、霧散した】

――往生際の悪いことで……

【甘い=\―なるほど、確かに彼は甘い≠アとは甘い≠フだろう――――が、どうだ】
【彼≠ヘ……ノエル・ソーラリン・グランスタッド≠ヘ、絶望的な程に希望を捨てていない】
【……ウェル子自身、こういうタイプの人間には、見覚えがある】
【嗚呼……こういう人間は、ウェル子がもっとも手こずるタイプの、一つ、だ】

……です、が……見上げた度胸です
貴方様は……そうまでして、一体、何を成そうというのですか
たかが試験管の一つや二つ……どうなろうと、貴方様の人生に、さほど影響などございませんよ?

【――――だからこそ、尋ねたくなる】

…………見たところ貴方様は満身創痍…………
対してわたくしのダメージは、腕に響く痛みだけ……
持久戦となれば、もはや貴方様に勝ち目はないでしょう

――――今宵最後≠フ質問をいたしましょう


【――――カツっ、一歩、前に出て】


…………大人しく引き下がれば、ここまでの奮闘に敬意を表し、命の保障は致します


【――――だからこそ、試してみたくなる】


…………まだ試験管の奪取をあきらめないと仰るのであれば――――


【――――カツっ、また、一歩、前に出て】


――――光を、抉って、しまいましょうか、ね


【――――その胸に宿す光≠ヘ、一体、何なんだ――――と】


【静かな問い掛けの後、辺りを覆うのは――『カラスの群れ』】
【バサバサとやかましい羽音と共に、今まで好き勝手遊んでいたカラス達が、ノエルを睨むように巡回し始めるだろう】
【そう、まるで本当に、抉りかかってくる≠ゥのような、殺気を、漂わせて】




                 さあ、お答えください


  負けて生き延びる=@    か    正義のために死ぬ=@   か



【――水先案内人は、見定めようとしている。眼前の彼が、自身の敵≠スり得るのか】
【正解なんて、もとよりありはしない、「ずるい質問」だ】
【だが、それに相手がどう答えるかで、彼女はきっと、多くを察するのだろう】

【今宵の戦いを決定づける、ノエルの返答は、いかに】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(長屋)<><>2013/03/23(土) 02:32:28.18 ID:bSKMqbkMo<> >>592
ア…グゥァ………ッッッ!!

【全身を襲う激痛、相変わらず力の入らない右腕、立ちあがれない身体】
【おまけに、戦う術を持っていない】

そ、んな、の……決まって、るッスよ…

【折れた肋骨が肺に刺さっていないのは、不幸中の幸いか、呼吸をすると軋む身体をおして、言葉を紡ぐ】

「正、義を…貫、いて、生…き、延びる」ッス……!!

【それは、やはり何処までも甘く、何処までも彼らしい、そんな答えだった】

く、そ…魔法さえ………魔法さえ、使え、れば………
「雷、神の…子」も、聞いて……呆れる、ッス…

【失った左腕は、決して戻る事はなく、その断面からは、しかし尽きることがないほどの膨大な魔翌力を垂れ流している】
【これが一流の魔導師ならば、まだ魔翌力にものをいわせて試験管を破壊する魔法を行使したり、肉体を回復させて戦闘を再開することが出来るのだろう】
【しかし、ノエルは「欠陥品」だ】
【幼き頃の過ちは、彼から魔法を奪い、二流どころか役立たずにしてしまった】

【「正義を貫き、生き延びる」策など、彼には存在しない】
【負けは、誰の目から見ても明白だった】

まだ、まだァッス………!

【しかし、その目から光は、消えて居ない】
【震える右腕を動かし、試験管に手を伸ばす】
【距離は遠く、その腕は届くはずも無い】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(空)<>saga<>2013/03/23(土) 02:33:11.21 ID:b+tMBTQA0<> >>584

(……っ、――――――)

【返って来る最初の数言に呼吸が乱れた。意識が揺れる様でもあった。】
【けれどもつけ加えられる の言葉に、少女は、一縷の希望を見出した様に瞳に光を宿して――――】

…………彼女を、助けて。
もう、私にはそれしか言えない――――――

【絞り出すように意志を伝えた。そして黄金の焔から太刀を虚空に戻せば、】
【修道女の言葉に従うように、立ったまま少女は背を向けた。終わりまでずっとそうしていたのだろう】

【魔的存在の気配、そして相反する魔力の高まりを感じた。】
【―――― なぜだか、其れはひどく懐かしいものの様に感じられた。】
【少女の記憶のなかの “大切なもの”。その “力” に通じるなにかを、少女は感じ取っていた。】

【追憶は願いを純化して、】

(…………私は、彼女を死なせられない、)
(私はどうなってもいい。叶うなら、願いは、その一つだけ……――――――――――。)

【上手く行くことだけを強く、信じて…………。】

【祈り。否み、拒み、弾いたそれを、今夜だけは純粋に胸に抱いた。】
【自分という存在が崩れ、砂となってゆく様に感じた。願いだけの存在になり、矜持も、それ以外も眠りに落ちてゆく様な感覚だった。】


(…………!)

【そして終わりを告げる声に振り向けば、そこには安らかな吐息と姿があって――――】

…………―――――――――ヨハンッ……!

【思わず駆け出してしゃがみこむ様に膝をついた。そして血塗れの衣服に触れて、“生きている” 彼女を確かめて、】

【少しでも楽になれる様にだろうか、地面に下ろし、揃えた腿の上に亜人の少女の頭を乗せる】
【所謂、膝枕。そのまま泣き笑うような顔をして、少女は、その寝顔を見つめていたが―――】


…………?、―――――。

【掛けられる声に面を上げれば、不安げに一瞬表情を固くするだろう】

【……亜人の少女から “消えた” 傷。眠るその姿とは対照的に、ひどく苦しげな修道女の様子――――】
【正確には事態を把握出来ずとも、ある程度の推測ならば容易だろう。其れが、弱りきった心には打撃だったのか】


…………それで…何かしら?
貴女は命の…恩人だし、何だってすると私は言った。
それを曲げる理由もないわね―――― ……、……。

【そんな自分を隠す様に目を伏せ、また開いて口を開く。】
【含みである感謝の言葉とは違って………問いはただまっすぐに、先を急く様に紡がれて。】
【真摯な口調は、強固な意志と、自分を使い潰してでもそれを貫く様な、ある種の危うさを含む様でもあるが―――― 果たして。】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>saga<>2013/03/23(土) 02:53:20.64 ID:f1M0+UCco<> >>593


…………………………


【ノエルの返答を聞くウェル子の表情に、変化はない】
【きっと、ノエルがどんな言葉を紡ごうと、それは同じだったろう】
【しかし――】


………分かりました……今回は、「正解」ということに、しておいて差しあげましょう
正義を貫いて生き延びる――です、か……
嗚呼、気に食わない台詞ではありますが…………ま、それもまた絶望ということで――――


【ウェル子はゆっくりと目を閉じると、踵を返し、ノエルに背を向けたではないか】


泥臭く無様でも、ええ……貪欲≠ネ人間には、等しく価値があるものです
ひょっとすると、謙虚≠ネ人間よりも……ね――


【――と、次の瞬間、カラス達が、試験管に向かって、群がろうと飛びかかってくるだろう】
【もはやノエルが狙いではなく、純粋に試験管のみの回収を狙った行動――】


――……ま、命は預けておきましょうか
このわたくしを、根負けさせた、勲章とでも思っておいてください


【びゅう、と風が吹き、彼女の髪と服を大きく揺らす】
【ウェル子の魔力の奔流だ】



【かくして、ゆっくりと、ウェル子は、ノエルから遠ざかり始める】

【――ノエルが見るであろうは、試験管へ向かうカラスの群れと、ウェル子のがら空きの背中】

【それをただ見過ごすか、或いは何かしらのアクションを起こすかは――もちろん、言うまでもなく、彼℃汨諱\―】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage saga<>2013/03/23(土) 03:11:04.16 ID:fXfUWC/F0<> >>594
【取り敢えずは、成功と考えて良いのだろう。それ相応の代償も元より計算の内】
【全てを受け取った訳では無いと言え、元は貫かれた傷。其れが半分以上自分に流したとなれば、喋るのも苦であろう】
【しかし、それが自らに課した使命であって――――その先にあるのが理想であって】
【急かすような言葉には苦笑を浮かべてみせるのだろう】


「そんな大袈裟な事では無いですから……そう、迫られてしまえば私の方が尻込みしてしまいますよ
難しい事ではありません。まだ完治していませんし、何よりも完全に塞ぐにはもっと時間が必要ですから……
教会の方へ運んでは頂けませんか?
本当は私が運んで行けたら良いのですが……すみませんが、術の発動で少し、疲れてしまいまして……」

【少女の膝に掛かるのは、赤と金が入り交じった髪】
【触れたならば、ザラザラする様な感触が掌に広がるであろうか】
【――――何て事無い、ごく普通のお願い。“疲れた”と隠すのはもっと大きな理由だけれど】
【問い詰めても、「何でもありません」を頑なに貫き通すのだろう】

【もし、その言葉に従って教会へと踏み入れたのならば――――広がるのは、殆ど廃墟と記しても良さそうな内装】
【割れたステンドグラスや、隅に大きく張った蜘蛛の巣。崩れ掛けた壁などが“らしさ”を演出しており――――】


「暫くの間、この子は私の方で預かっていても良いでしょうか?
先程までお腹の中を貫通する程の傷を負っていたのです。何時容態が変わっても可笑しくは無い事ですから――――
勿論、あなたが病院へ運びたいのであればそちらを尊重致しますよ。ですが、せめて今日だけは……此処で、預からせて下さい」

【傷を受ければ、その傷を作った凶器も必然と分かってしまうもので】
【刺し傷とは全く異なった痛み。だから――――もしもの事が不安なのだろう】
【適当な長椅子の所に寝かせるように頼めば、自分もその付近へと腰を落ち着けて長い長い溜息を吐き】
【――――痛みの緩和と、順調に行っている安心】


「何があったのかは聞きません。人それぞれ理由があるのでしょうから
ただ――――あなたに付いている血を見れば、余り好ましく思えない事の様ですね
――――もう遅い時間ですし、今日だけでも泊まっていきませんか?
そんなに血で染まっていては自警団の方に不審に思われてしまうかもしれません……
お風呂場……と言っても、水しか出ないのですが……それでも宜しければ身体を洗うことにでも役立てて下さい」

【一つの申し出。亜人の血で汚れた少女が身体を洗い流すことと、夜も遅い故に此処で一泊していくこと】
【――――言葉にこそ表さないが、何者かによる“闇討ち”を案じているのだろう】
【少女がその提案を受け入れれば、亜人を適当な部屋へと移し、そのまま風呂場を案内することか】
【一頻りお節介が終われば、既に人間の腕へと戻った片手で患部を押さえながら、その場を立ち去ろうとして】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(長屋)<><>2013/03/23(土) 03:19:08.94 ID:bSKMqbkMo<> >>595
あグ、あああっ!!
糞ッ!糞ォッ!!
なんで、なんで、動かないッスかァァ!!

【試験管に群がるカラス、去りゆくウェル子の背中、例えようの無い絶望感】

あ、れを…使うしか………
出すしか…!!!

【抗い難いその苦痛にノエルは、幼き頃の記憶を引きずり出す】
【それは、現実からの逃避か、それとも「知っていた」のか】

来るッス────いや、来い!!

【幼き頃の、忌々しい記憶】
【己に使役される物に腕を奪われ、次第に憎み、そして「自ら封じた」】
【記憶の底で、鍵をかけられていたそれは、ノエルが錠を外すと、拍子抜けするほどあっさりと、姿を表す】

僕のマインド=c『ヤールングレイプル』!!

【それは、「腕」だった】

あれを、壊せ!!

【左腕のみのマインド、『ヤールングレイプル』】

【彼の髪色と同じ、錆色をした金属光沢のある鎧で覆われた、一本の左腕は、雷光を纏い、雷撃を操り、巨岩を打ち砕く】

【その代償に、体力・精神力・魔翌力を大きく消費する】
【決して希望を捨てることの無い精神力、泉の如く湧き出す魔翌力を持つノエルにしか扱えないその力は、ノエルにとっての最後の希望であり、かつての絶望】

【それが、横殴りの軌道を描いて試験管、そしてカラスの群れに襲いかかるッ───!!!】

【ヤールングレイプルの体力消耗の特性からいって、これが正真正銘、最後の攻撃】
【攻撃が成功しても、失敗しても、ノエルはその結果を目にすることなく、意識を手放す】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>saga<>2013/03/23(土) 03:39:16.05 ID:f1M0+UCco<> >>597

――――ん…………

【ぴたり、とウェル子の足が止まった】
【――カラスの数が減っている。そんな単純な事実に気付くのは、至極簡単な話で】

…………ふふ…………

【――だが彼女は、決して振り返らず、吐息を漏らした】

【ノエルの最後の一撃は、カラス達を駆逐する。カラス消滅を示す黒い閃光が、幾重にも瞬き、】
【彼のマインドは、群がるカラス達の中を、舞い散る黒の中を、一気に殴り抜け、そして――】


…………やれやれ…………帰ったら、ヴェンツェル様に、小言を言われるかもしませんねえ


  【――パキンッ――】


       【試験管が、破壊された】


【当然、試験管内の未熟な生物兵器など、あの電光の前では、塵芥の如く燃え尽きてしまうだろう】
【――遂に、ノエルは……ノエル・ソーラリン・グランスタッド≠ヘ、正義を、成し遂げたのだ】


……やはりどうも……詰めが甘いですね――此度も痛み分け≠ニいったところでしょうか……
……嗚呼……次=c…次≠ネんてものは、無いことが至上ですが……一応、勝負は預けておきますよ


【ビキッ……!! 突如、大きな異音】
【出所は――――上≠ゥ】


もう聞こえてはいないのでしょうが……精々、わたくしを『嫌な奴』とでもお見知りおきください


【サァー――と、涼しげに吹き抜けていくのは、黒羽根混じりのつむじ風】
【ウェル子の身体を、その風が撫でたかと思えば――】


――そうやって、この世は、絶望にのたうつのですから……貴方様に、絶望あらんことを


【――刹那、瓦礫が、ウェル子の頭上から、彼女へ降り注いだ】
【轟音と、巻き上がる砂塵で、彼女の姿は一切が覆い隠される】
【生物兵器の産声で生じていた建造物の罅が、ここに来て限界となったようだ】
【一見すれば、ウェル子は押しつぶされてしまったかのようにも見えるが――】



       ――――――『さようなら』――――――



【――そんな、素っ気ない別れの挨拶が、不思議と、貯水池区域に、こだました……とか】


【“Son of the Seiren” ――To be, or not to be: that is the question.】
【 於 人工庭園貯水池 ―― ノエル・グランスタッド vs ウェル子 】

【ノエル・グランスタッド …… 試験管破壊達成】 【ウェル子 …… 敵対者撃破達成】 【TOTAL …… 痛み分け=z

/ではこれにて! 長時間のおつきあい、誠にありがとうございました! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(長屋)<><>2013/03/23(土) 03:47:17.67 ID:bSKMqbkMo<> >>598
/お疲れ様でした!!
拙く遅いロールで申し訳ありませんでした!! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>saga sage<>2013/03/23(土) 04:32:24.02 ID:a6BFI8DHo<> >>587

……誰ですか、それは
いや、宵晒雲母は知ってはいます、が……私はそんな名など聞いていません

…………嗚呼、もう、結構です 
貴方では話にならないようですので、それだけ拘るのでしたら、彼をオズワルドとしましょう

【自身を真人間と信じて疑わない言葉の羅列は、彼の中で至極正当であるらしいのだから不可解で】

【疑わしいのは頭のイカれ具合――】
【どうやら真剣に怒っているようだが、真っ当に考えて、まず怒る理由が皆目見当も付かないものだ】

【そして近付いてくる相手は、】
【その足許に嫌な重力負荷が掛かりつつあるのに、気が付くだろうか】
【渡すというのに手にしているのは何も無い。 びし、と鳴るのは堅牢な筈の床で――】

嗚呼、それも違います……彼と約束したのは、最上級の“憎しみ”
矢張り貴方では駄目だ、仕事の話も全く進まない。 一体彼から何を聞いてきたのですか?

【ぐぉん、と沈むような錯覚。 受ける前に気付けたならば】
【相手の足許、半径1m程の範囲の床が、巨人に踏み抜かれたかのよう凹んでいる】
【直接のダメージがあるものでもないそれは牽制であり、近寄るな、と無言の内に告げていた】

これは彼自身に直接渡しますので、貴方にお預けするものは今の所ありません
対価もその時に頂きましょう。 それでは、オズワルドに宜しくお伝え下さい……さようなら

【再び後方に割かれる空間、男は一つ跳躍してその渦に身を投げた】
【忘れ去られたままに落ちている宝刀は拾い上げるも自由、魔力を増幅させる類の品である】

【そうして――奇怪な騒擾は、一先ずの所、姿を晦ましたのであった】

/あばば大変申し訳……取り合えずこちらはこれにて
/お疲れ様でしたー! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(空)<>saga<>2013/03/23(土) 05:03:28.95 ID:Yp+o/cyI0<> >>596

【 “お願い” の予想外の内容に僅かに目を見開き、】

………それだけ?
……まあ、貴女がそう言うのなら構わないけれど……。

【二つの意味を含む問いかけ。“運ぶだけ”、“疲れただけ”。呆気に取られた様な、それでいてどこか訝しげな声だった】
【そして ―――― 「ありがとう」。】
【その場を後にする寸前に紡いだ言葉。悪い思い出に別れを告げ、そのなかで伝えるべきだった事を伝えようと試みる様に。】
【そうして、少女は、背中を抱くようにして亜人の少女を優しく支え、帯同して、共に教会に足を踏み入れるだろう】
【―――― これがただの探訪ならば、きっと、心躍るものだったのだろうが。】

(……、―――――――)

【内部は外観以上にボロボロだと言えたのかもしれない。本当に此処に彼女が住んでいるのか、疑問には思ったが口には出さず、】

…………それに関しては同意見よ。
こんな怪我をした彼女を動かせるほど、私は……蒙昧な存在じゃない――――

【橡色の双眸を修道女に向け、質問から確認へと形を変えた提案を肯定する言葉/ で口を開いた】
【そして手近な長椅子に亜人の少女の身体を預け、ゆったりと手足を伸ばさせれば、】
【前髪を撫でようとする手つき、不安げにその寝顔を見つめる瞳―――― “大切なもの” を慮ってばかりの、少女の姿がそこにあった】

(…………、…………。)

【そして宿泊を勧める言葉をを少女は聞いた。】
【……今の彼女には時間が無かった。凄惨なあの姿を常とする様な、戦いの日々に明け暮れていた。】
【今宵、亜人の少女を傷付けた “彼” とそれに連なる者たちは、既にその最優先攻撃対象に加わっている様で、】

……折角だけど、

【申し出を断り、出て行こうと心づもりを決めた瞬間―――― 】

(…………!)

【浮かび上がる “もしも” の可能性。】
【……“出て行く” 自分の存在が、この教会を嗅ぎつけられる事に繋がる其れ。】


………いえ……分かった、今夜だけは私も泊まる。
もしも何かあった時は呼んで。何であれ………少しは役に立つ筈だから。

【決断はその方向性を逆転させた。同意が、申し出への結論だった。】

【強がりのような微笑を浮かべ、けれども言葉は強がりきれず、】
【教会の案内を受けた少女は、その場を去る修道女に振り向いて―――――】


…………ありがとう、シスター。
……彼女をお願い……私じゃなく貴女みたいな人が、今は、彼女には必要な筈だから。

【亜人の少女を託し、その傷を癒してほしい、と――――】
【懇願のような言葉を残して、少女は浴場へと足を進めた。】
【冷たいシャワーの水を全身に浴び、未だ残る蹴り込まれた痛みを感じた。 】

(…………、っ―――――)

【……けれどもそれよりずっと強く、亜人の少女が助かった事への安堵、彼女の受けた “傷” への感情が内側で渦巻いていた。】
【その想いを抱えたままで、少女は眠りにつくのだろう。流した涙は自覚もない。】
【翌朝早くには、少女の姿は消え去っている。それは、彼女が、新たな戦いに身を投じた事を示す様でもあって――――】

【復讐の色を添えた其れは、何を彼女たちの想いに齎すのだろうか】
【惨劇の爪痕は、少なくとも一方の少女には、ひどく深く残されている様だった。】


/この辺りでしょうか…長時間本当にお疲れ様でした、遅くまでありがとうございました……っ! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2013/03/23(土) 05:06:09.43 ID:+qaJJixXo<> >>600

……アンタ、ふざけてんですかい?
まるで言葉のサラダだぜ、本当にホンモノのイカレか?

【相手の目を警戒してか、胸元から下のみしか見えぬ今の視界】
【一体どのような表情をして、斯様な事を言っているのか。一つとして、窺えぬのだ】
【受け渡しのはずであるのだから、近付いてくる事に違和感はあるはずがない、であるのに、不思議と足は逃れるようにミリ単位で退く】

【そして、視界の端に映るのは正常では無い状態にきしむ石畳。咄嗟に、その場から飛び退く】
【足先は、下駄の先が重力場のほんのすれすれ、あと少し踏み込んだままなら巻き込まれていただろうか】
【視界の戒めを解いた瞳に映るのは、驚愕とも恐れともつかぬ、見開かれた黒の色】

てめっ……
糞、これ以上煩わせんじゃ……!

【きっとその言葉も、ほとんど相手には届かぬのだろう、手持無沙汰のままに男は一人立ち尽くす】
【少しばかりしてから、失意の元に宝刀とあかごの死体を拾い上げて己も下水道から去っていく】
【後に残されたのは非日常の光景ながら、誰ひとり寄りつかぬこの場所において、それを咎める者も居なかった】


/お疲れ様でしたー!
/どういうことなの…… <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage saga<>2013/03/23(土) 05:24:49.45 ID:fXfUWC/F0<> >>601
「そうですね……ですが、時が経てばあなたという存在が必ず必要になる筈です
この子が私に打ち解けることが出来なかったとしても――――あなたになら、全てを話してくれる事でしょう
……ですから、決して無理はしないで下さい」

【その言葉に一体何を想ったのか】
【少女の案内が終われば、そのまま亜人を寝かせてある場まで戻って】
【側に腰を降ろせば、自分の服を捲って傷の具合を確かめるのだろう】
【重傷。と記しても問題無いような出血具合と、その深さ】


「我慢勝負……ですか
こんな事で我慢、なんて言っていたらみんなに笑われてしまいますね
――――私も頑張るので、あなたも頑張って下さいよ?」

【一歩間違えれば、自分が倒れてしまうかも知れないチキンレース】
【得も無いのに行うのは、この修道女の性格故に】
【語りかけている者も眠り、そんな事を知る者は此処には誰一人として居ないのだが――――】
【――――丁度半分が人間、半分が異形となっている様か】
【その場を満たすのは、溢れんばかりの聖】


「久しぶりに使ったから、どうも抑えられないみたいですね
カエルさんが私の姿を見たら妖怪みたいだと笑ってくれるんでしょうか……
佳乃が見たら退治しようとするのでしょうか……
ブライトが見たら――――――
どんな見た目でも私は私……ですよね?」

【其処で口を噤めば、首を左右に振って】
【マイナスな考えを、頭から振り払うように】
【元は純粋な人間――――今は悪魔憑きと呼ばれる修道女】
【人の傷を奪う何て随分と異質な憑き物も居たものだが――――】


【翌朝になれば、心配ないと伝えて見送ろうとするも――――既に少女の姿は無くなっていて】
【誰に聞かせる訳でも無く「ご加護がありますように」の小さな祈り】
【――――残された少女と修道女の耐久勝負。此処からが正念場と言えるだろうか】


―――――――――
「今頃何処かの森で冷たくなった“お友達”をずっと抱えてるのかなぁ?
喋りもしないし、動きもしないのに……もし本当にそうだったらお笑いだよねぇ」

【テーブルに足を乗せれば、摘んだ苺をクルクルと回し遊ぶ青年】
【思案を止めれば苺をひょいと上に投げて、綺麗に口の中に収まらせるのだろう】


「もし生きていれば……もうあの弱い方に興味無いけど――――後から来た子なら楽しめそうだねぇ。壊し甲斐があってさ
後は自警団とUNITEDTRIGGER……かぁ。まあ、ゆっくりやっていこうかなぁ
僕は天才だし、負ける筈なんて無いんだからねぇ」

【新しい物を一つ摘んで、同じ様に上へ放り投げる――――けれど】
【口の端に当たって転がり落ちてしまって。たったそれだけで不機嫌になったのか、テーブルから足を退けると同時にその勢いを使って苺を踏みつぶすのだろう】
【土と果肉が程良く混ざった頃、思い出した様に辺りを見回して】


「――――嗚呼、さっきみんな殺すって言ったけど……僕の足下のこの苺、全部食べた人だけは特別許してあげるよ?
君達は全員お友達同士なんだっけ?じゃあ、譲り合わないと――――――あーあ。考えてた事と違ったけど結果は同じだからいっか」

【その言葉に反応したのは、手足の腱を切られた者達】
【我先にと生き延びる為の其れを食らうべく這いずって、群がって――――】
【一つの村落が何者かによって破壊し尽くされた。そんな記事が様々な情報誌に載るのだが……果たして、何人の者が気にしたのであろう】
/お疲れ様でありました……! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>saga sage<>2013/03/23(土) 05:34:08.14 ID:a6BFI8DHo<> 【水の国――ギルド連盟所有の高層建築】

【静まり返ったフロアの一室、その静寂をそのままにしながら割かれる空間】
【帰ってきた男を迎える者は無く、それに何処か安堵しつつも、僅かに視線が落ちた】
【視界に入る手許。 何か忘れてきたような気がして、傾げられた頚は】

……まあ、良いか

【忘れて来たことを諦めたのではなく、何を忘れて来たか思い出せない事を諦め】
【怪我の手当もそこそこにし、死んでいた時のままに寝台に横たわって】

【――次に目覚めた時、まるで何事も無かったように振舞う様は、平静でいながらも矢張り常軌を逸していたのだった】

/補完です、度々申し訳ない…… <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>saga<>2013/03/23(土) 05:47:34.98 ID:mExTAegzo<> >>567>>574

【蠍が水中を蠢く――水を断ち割るように尾を振り回し、水面を叩き、打ち鳴らす。】
【鎖を無理矢理に引き千切るか、その"使い手"を引っ張り上げてバラバラにするか――】
【どうなっても良い、とにもかくにも"拘束"を解きリロードを"殺す"コトこそ最優先――方法など問うものか。】
【Nemesisはいとも容易く引っ張られるリロードの身体を見て、一瞬怪しみこそすれ――"尾"の毒針を構えさせた】

――哀れなものね、"能力者"・・・!!所詮は水中、これだけおおきい節足動物の怪力には
絶対に敵わないし絶対に生き残れない・・・ッ!!残念だけど貴方も、貴方の仲間もここで――
一緒に死になさい、苦しそうに呻きながらねッ!!

【針の先端が光る――水面に反射したそれがリロードの肉体に突き立てられようとした、その瞬間だった】
【――――――爆発。まさかの一撃――それは絶対に、Nemesisには想像もつかないもので。】
【何故なら自分を倒すことよりも彼ら能力者ならば試験管を回収する事や逃げる事を優先するだろうと言う】
【"身勝手な"前提条件が彼女の中で確立していたせいだ、つまるところ彼女は――】
【リロードがここまで勇猛で、そして良い意味で"飛んで"いることにはまるで――気付いていなかった。】

――――な――そん、な――!?
(――う、嘘――なんで、水中でこんな、ことが・・・ッ!?)

【爆風を受け、蠍の装甲が破裂し――内部へと衝撃がいきわたり、肉が炸裂した。】
【弾けた外骨格と筋肉が散り、水面を真っ赤に染めていく――そしてそれと同時、風圧で飛ばされた"蠍"は――】
【Nemesis自身に対して吹き飛んでいく――そしてそれを、生身の状態である"彼女"が止める事は、できない・・・】

ぐ、ああああああッ・・・・!!はぁ・・・・っ・・・あっ・・・!!ん、く・・・っ!

【爆破で蠍が受けたダメージはそのまま、Nemesisに還元される――そしてその上で本体への"衝突"による直接攻撃】
【いかにナンバーズと言えど、水中で衝撃が拡散していたといえど――まさに重症、と呼ぶに相応しい程の大きな、ダメージ】
【蠍は水中から消えていく――恐らくは過度なダメージで能力の使用限界が来たためだろう】

(マズイ・・・ッ!こう、なると―――ッ!!)

【傷ついた肉体で見つめる先はエルフェス――そう、彼にはまだ一撃も攻撃を食らわせていない、どころか――】
【このままでは件の試験管を破壊されるだろう、それを止める手段は今、水中を爆進する事の出来る能力など持ち得ていないNemesisには】
【どうあがいても不可能――ならば、ならばどうする。決まっている。】

(―――ああ、いいでしょう。くれてやるわ、そんな―――囮でしかない、"餌"くらい)
(回収なんて面倒だわ、攻撃は滅茶苦茶に行われたしそもそもこんな水中戦――報告書なんていくらでもでっちあげてやる・・・ッ!!)

フン・・・っ!そん、な・・・"兵器"、くらい・・・ッ!欲しければ、持っていきなさいッ!!

【Nemesisは叫ぶ――もって行け、と。そんな事よりもなによりも、彼女にとってはむしろ二人――】
【敵の殲滅こそが、第一条件】

くれてやるわ、いらないもの・・・私にとって必要なのは――お前達二人の、命だけ、なんだから・・・ッ!!

【エルフェスの攻撃が――凄まじい破壊力を持って、試験管へと突撃し――瞬間、崩壊。】
【水牢の壁ごと打ち抜き――試験管は破裂、内部の生物兵器はこのままだと――もうもたない、か。】
【しかしこれで事態は好転するだろう、何故ならば壁が一気に崩れたせいで水が抜かれ――】
【水牢内部の水位がどんどん、下がっていったからだ。つまり――これで二人は機動力を、取り戻せると言うわけだ。】

・・・ふふ、ふふふ・・・ッ!!殺してやる・・・殺してやる・・・能力者・・・

―――――"能力者"ァァァァァアッァァァッ!!
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>saga<>2013/03/23(土) 05:49:37.90 ID:mExTAegzo<> >>567>>574

【下がった水位――動けるようになるのはNemesis本人も、一緒で】
【もはや会衆は失敗しミッションは此処で終了、逃げ帰るのがセオリーであろう筈の彼女はむしろここからが本番だとでも言うかのよう】
【マントの中から二本の注射器を取り出し――両手に抱え、それぞれ先端についたキャップに噛み付き、外す】
【野蛮な表情で叫び、もはやそこに精神があるのかないのか――もはやそれすらも分からぬような"鬼"の形相】
【注射器を同時に身体へと突き立て―――ドクン、と大きく身体を一度、振るわせれば】
【彼女の笑い声は大きくなっていく、それは"劇薬"――余りにも強力すぎる鎮痛剤、すなわち"麻薬"であって―――――】
【戦闘の最中にそんなものを使ってまで、まだ立つと言うこの執念――彼女は、吠える】

                            <FUSION INSECTS>
                             <STUG BEATLE>
【瞬間、彼女の足元――最も腰から下はまだ水位があったが――その先端から、黒い影が広がっていく】
【其れは生体のように蠢き、触手のように細く彼女の身体を這いずり回り――全身に纏うように彼女を覆いはじめる】
【触手達は彼女の肉体を包み込むと、彼女の身体に変異が訪れる――強固な"外骨格"に身体を、変え】
【関節各部に見える節はまさに、節足動物――甲虫のそれを思わせるものとなり】
【有体に言えば、クワガタ――"鋸"のような二対の顎が、頭部から生え――】
【両手に握られるのはその顎を模した二振りの剣――凶暴な其れが刃を、水面へと落とし】
【刹那、加速――まるで水面にいることを感じさせないような超スピード、"クワガタ"と融合し】
【人間と昆虫とを混ぜ合わせたような"怪物"のシルエットへと姿を変えた彼女は、もはやただのモンスターと呼ぶに相応しい】
【握り締めた剣――片刃であるが、代わりに裏側に鋸のようなギザギザを携えたそれを猛速で振り回し、まずは"エルフェス"に向かうッ!!】

"能力者"ァァァ・・・・!!"能力者"ァァァァァァァァァァァッ!!

【――Nemesis、薬を使ってまでの最後の攻勢――悪あがきとも読んで言い、そんな暴力の時が始まる。】

/はい、寝落ちです。今月三度目の机での起床です、すいません・・・orz
せっかくのイベントだと言うのになんていう・・・ああもう梨花は好きにしてくださいボコボコにしてくださいすいませんすいません・・・!
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage saga<>2013/03/23(土) 18:02:07.97 ID:xedYXR4ko<> >>606>>574


【ざばァ。と水位が下がった中から、リロードは這い上がってきた。衣服と体は酷くボロボロで】
【懐から何やら紙切れの様な物を取り出すがあっさりと崩れ落ち、「アララ……」と溜息を吐く】


………………。あー、死ぬかと思いました。──ねぇ?


【と、パクパクと必死に呼吸する様に瞬きを連続して続ける自分の右腕に話しかけるのであった】
【あいも変わらずヘラヘラしているが、右腕は彼ほど器用に演技する事は出来ないということで】
【満身創痍の現れなのであった────】


(爆炎を取り込んだ反動で、装填した物質もいくつか駄目になった様ですね)


【自分の周囲に爆発できる空間を作り上げ。自分ごと爆破するリロードの"爆弾(ピュロボロス)"】
【平常時なら様々な方法で自分へのダメージを最小限に留める事が出来るのだが】
【だが、この動きづらい空間でそんな事をやっている暇もなく、彼が取った唯一の防御手段は】
【自分へ降りかかる爆炎と衝撃を『リロード』で吸収し、抑えるという事であった】

【爆炎は彼の一度に出来る取り込みのキャパシティを超え、多大な貫通ダメージを与えていた】
【手元に流れ着いてきた濡れたシルクハットをグチャリ、という気持ちの悪い音と共にかぶり直し】
【衣服を伝って流れる鮮血と、彼より先にギブアップしてしまった右腕をだらりと垂らしながら、】
【気取った感じで片目を閉じてエルフェスと、彼に襲い来るNemesisを見据える】


やれやれ、何を怒っているのやら、ああ、そうでしたね。


【その“ 吸収した爆炎 ”という、最後の牙は残されてはいるものの。少々、苦しい状態】
【だが、有難いことに、幸いな事に。彼には今、ともに戦い仲間が居て】


ほぉら。3人で遊ぼうって誘ってくれたのに、相手をしてくれないから怒っちゃってますよ。
男らしく、責任。とんなきゃですよねぇ!あっはははぁ!


【タイムリミットも、不利なフィールドもエルフェス、彼が全て破壊してくれた。頼りになる男だ】
【もう、焦る事はないだろう。どの道、“ 決着 ”はもう、すぐそこに迫ってきているのだろうから──】
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(埼玉県)<>sage<>2013/03/23(土) 18:20:12.49 ID:6w8caRE5o<> 【公園】

流石に夜になっても人が多いわねー、結構予定よりも早いみたいだけど
これだけの人が花を見て食べ物を食べるってだけで楽しめるんだから、まだ「平和」なのかしら?

【時刻は18時を過ぎ、ほぼ満開に近い櫻の花々がライトアップされ、人が騒ぎ】
【普段とはまた違った喧騒に包まれるこの場所を、一人の少女――いや、幼い女性が歩いていた】
【全身真っ白な将校服に身を包み、武器は持たず、髪はピンクのロングツインテール】

【特に荷物や場所取りを意識しないその歩き方や振る舞いは、あからさまなまでの巡回中≠ナ】
【公園の少し外れ、人もまばらになった辺りで彼女は立ち止まり、時計を見上げ】

18時過ぎ、ってことは……あと六時間ちょっとってところね
もう少し見回ったらUNITED TRIGGERに帰って、軽くご飯でも食べようかなー…。

【なんて呟きながら、少し上機嫌でまた巡回を開始した。ただ、機嫌が良すぎてまともに前を見ていないが】
【またこの彼女、そもそも目立つのだがその身には自警団などの公的機関を示すなにか≠ェ無く】
【それでいて自発的に、というような歳とも思えず―――人によっては、不審に感じるかも知れなかった。】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(関西地方)<><>2013/03/23(土) 18:49:18.79 ID:mxQa4kJ+o<> >>608

【瞬きの溶ける呼吸の中の一瞬、貴女の視界の先に一つの人影が延びる】
【月光は月夜に満ちる暗澹とした雲間から、僅かに零れ落ちた片鱗を覗かせて】
【ライトアップされる視界の先、いきなりその存在が、浮かび上がったかのように】

【――――人影が輪郭を持ち始めたなら、いきなり出てきたと思っても無理もない理由が伺えるだろう】
【希薄な存在感は春下がりに振る、季節外れの白雪のごとく】
【その水面に桜色の景色を浮かべたからこそ、憧憬に消えていく霞のような歌声でもあった】


……お仕事、ごくろう……さま、偉いね……見回り……
セリーナ、なんて……お酒一杯、飲んで……全然仕事、しないのに――――

でも、おうちで、ごろごろしてるのが……一番良かったな……

――――こんばんは……アンギル……だった、かな?


【つたない言葉、舌の周りが悪くて、紡ぐ音律が微かに歪んで見せた】
【彼女の言語圏ではアンギルであって、彼女はその旋律に少し不安げな色を見せて】
【心配そうに見上げる視線が交錯したなら、貴女という存在を、確かめるように】

【仄かに金色の混じったプラチナブロンドの長い髪、大きなマリンブルーの瞳】
【透き通るような素肌に女性としてはやや小柄で華奢な体躯、それでいて膨らんだ大きな胸】
【ゴシック調の紅いミニシルクハットと同じくゴシック調の白いブラウス、首元には紅のリボンタイ】
【紅いチェックのミニスカートの上から黒いコルセットで細いウェストを締め上げ】
【編み上げブーツに黒いニーソックスの雪のように儚い印象の少女】

【銀の十字架のロザリオを首につけて、その先端は膨らんだ胸元に乗って】
【スカートの下から伸びて、ふりふりと揺れるのは猫を模したやや長めの尻尾】
【両手で握るのは大きな大きなバイオリンケース、両手を伸ばしてふらふらと揺れた】

【――――存在は知っていたけど、こうして話すのは、多分きっと、はじめてだから】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(埼玉県)<>sage<>2013/03/23(土) 19:08:14.49 ID:6w8caRE5o<> >>609

んっ……あらこんばんは、UTのお姫様筆頭のソニアじゃない
って言っても、確か会うのは……あぁそう、初めてよねぇ……あ、はは

それじゃ改めて……私の名前はアンジェルよ。アンギルでもエンジェルでも無いわ
大会にも出たんだけど、あなたやセリーナまでは届かなくって。
直接の挨拶は遅くなったけど、同じ仲間としてよろしく頼むわね?

【視界に捉えた彼女へと駆け寄る姿は、服装もあって狙撃手の彼女と違い、らしくない】
【その性格も含めて、なんとなく対極的な位置に立つ――そんな二人の出会い、なんていう風だったが】
【アンジェルからすればソニアは誇るべきUTの仲間。話す回数なんて関係ないらしく】

仕事だからね、特に偉くもなんともないわよ。それこそ、誰だって出来るんだし
そういうソニアはどうしたの?なんか、お酒とかは嫌いって聞いたんだけど
……花見って、これからの時間は特にアルコール臭くなるものよ?

あー、それとセリーナは……まあ、ほら。なんかこう、頑張ってるっぽいし、いいんじゃない?
リーダーたるものどーんと構えていてくれるくらいじゃないと、安心出来ないしさっ。

【結構積極的な性格らしいアンジェルは、いっそ少年のような明るさで会話を進める】
【少年――そういえば胸のサイズも対極的だが、まあそれは置いておくとして】
【確かに言葉の通り、周囲には少しずつアルコールの匂いが広がり始め】
【それと同じように人の声や、焼き鳥の香り。或いはライトアップされた桜の花びらが舞い落ちたりしていて。】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(関西地方)<><>2013/03/23(土) 19:17:16.10 ID:mxQa4kJ+o<> >>610

【150cmに満たない小柄な彼女はきっと見上げる視線になるのだろうか】
【紡がれる貴女の言葉、一つずつゆっくりと飲み込んでから、その意味を確かめる】
【言葉を聴いて少ししてから、純白の染め雪に赤みの混じった白粉が零れたのもそのため】


お姫様……じゃ、ないよ……いっぱい、働いてる……もん

アンジェ……ル、アンじェル……んと、アンジェル……かな
うん、ソニアも……あえて、嬉しいな……

UNITED TRIGGER≠……年上の人、一杯だから……


【僅かに膨らむ頬、マシュマロのような柔らかさを保ったまま、月夜にキラキラと煌く】
【大きな丸いマリンブルーに浮かぶ貴女の姿は、強くもありそれでいて、どこか頼りがいがあって】
【だからこそ、そのつながりを大切にしたかった、会えて嬉しいの言葉は、間違いじゃないから】

【彼女の言葉の裏を返せば、貴女とは年が近い、と彼女は思い込んでる様子】
【年の近い友達か、或いは姉のようなもの、いずれにせよ、親しさが綻んだ頬から浮かび上がって】
【――――その判断基準が、貴女の平らな胸からきたもの、なんて、絶対に言えない】


……最近ね……あんまり、お店に人……いない、から……
セリーナも、ずっと、ごろごろしてて……欲しいのに……

だからね、人、いっぱいいるトコ……探したの……

――――でも、ソニア……この匂い、やだな……


【しぼむその蕾は、咲くことを諦めた悲しげな花弁のようでもあって】
【UNITED TRIGGER≠ノ居を構える彼女は、最近のメンバーの多忙をあまり嬉しく思っていなくて】
【次にその顔が上がったなら、目尻が微かに傾いて、貴女という存在を、強く確かめるように】

【距離を詰めた、貴女の直ぐ側へ、前から近寄ったなら、貴女の胸元へと倒れこもうとする】
【彼女の苦手なお酒の香りと、それを増幅させる焼き鳥の香ばしい香りと、それがどこかくどい香水のように感じられるから】
【――――貴女の優しげな香りで、それをどこかへやってほしかった】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(山形県)<>saga<>2013/03/23(土) 19:38:37.44 ID:V3QJasaao<> 【――ここは、とある街の広場】
【中央に巨木が生えており、蛇口やベンチ、電灯、公衆電話などが立ち並んでいる】
【本来、人々の癒しの場であるこの場所――どうやら、今日は様子が違うようだ】

な、何なんだあいつはッ!

「ヘェーケッケッケックェッケェェェエエエーーーーーッ!」

これじゃあ広場に近づけないぞッ!

「まァーだまだ足りねェェーーッ!」 「かかってこォーいッ!」

あーっ! 待ち合わせしてたうちの彼氏のびてるじゃあん、やだー、でもさすがにしかたないわこれはー、あとでラーメンおごってあげよーっと

『……まったく……はい、怪我をした方はこちらにどうぞ』

緑髪のアホ……実在したのか……

【広場の中央に陣取るそれは、ガタイが非常に良く、筋肉モリモリな20代前後に見える男性で、2本のアホ毛を持つ深緑色の髪で、それは天へ向けて逆立っており】
【身長約175+髪15cm、青紫色の左目と、白目が漆黒の空洞に見えて瞳や虹彩は狂気を感じる赤色をした右目に】
【黒色に桃色の模様を持つ帽子付きウィンドブレーカー、その中に青のタンクトップ、紺色のジーパンの様なジャージ、黒基調の運動靴】

【その近くのベンチに座り人々の治療をするのは、20代前後に見える女性で身長約155cm、黒い短髪で、白いローブに身を包み、木製に見える杖を右手に持っていて】
【桃色の右目と、白目が漆黒の空洞に見えて瞳や虹彩は清々しさを感じる空色をした左目で、桃色のシャツとジーパンに青いブーツ】

だ、だれかあのアホを止めろッ! このままじゃあそのうち死人がでかね……

「そォーいッ!」

ぐわあああーーっ!

【――簡単な話だ、この広場が危険地帯となってしまったのは】
【"誰でもいいから戦いたい"――そんな男が、来る人々に喧嘩を吹っかけているからである】
【これがただのチンピラならば一蹴できただろう、しかし――――】
【――明らかに、"タダモノ"ではない】 【屈強な身体以外にも、何か力を持っているかのような気が――――】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(埼玉県)<>sage<>2013/03/23(土) 19:47:19.97 ID:6w8caRE5o<> >>611

うんうん、大会でも草原の怪物討伐でも、他のいろんなことでも頑張ってるって?
仲間としても鼻が高いわ。……って言っても、私自身はあんまり大したことが出来ないんだけどね

……っと、と。やっぱりお酒の匂い、ちょっと苦手みたいね…。
なら、もう少し人の少ない所に行く?高台の方なら、「階段が嫌だから」って、人が少ないの
そこなら人も沢山見えるし、お酒の匂いもしないし、花もきっと楽しめるし……

【『うん、そうしましょ!』と言いながら、こちらへ倒れこんだ少女を優しく抱きしめ】
【少し見下ろすようにしながら、ソニアの答えは如何なるものかと聞こうとして】
【――その裏で『くっ……』とか『あぁもう可愛いわね…!』なんて思っているのは、きっとチラとも見えず】

……ん、年上が一杯?そういえば、セリーナもユウトも20代なんだっけ
言われてみれば結構……ねえ、ソニアって今、いくつなのかしら?

【ふと気にかかるのはそう、年齢だ。アンジェルはそこそこ背も高いが、まあ子供っぽいところもあり】
【一方で、胸中の彼女は背こそ小さいがアレだし、それこそリーダーより落ち着いて見え】
【実は個人的な理由で気になる所がありもして―――そんな質問を投げかけてみる。】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(関西地方)<><>2013/03/23(土) 19:57:00.76 ID:mxQa4kJ+o<> >>613

【――――きっと、褒められ慣れてはいないから、真っ直ぐに返ってくる賛辞に、少し戸惑って】
【返す言葉が無かった、慣れていたなら多分、気の利いた言葉の一つでも出てくるのだろうが】
【頬にじんわりと赤色の残照を浮かべて、有難うの気持ちを込めて、こくり、と小さく頷いた】


……ねぇ、アンジェル……お花見って……なぁに
お花、見るの……そんなに、楽しい、の……?

ソニアの国、お花……全然無いから、ソニア、お花、あんまり、知らないの
……だからね、きっと……ソニア、為になる話とか、できないよ……
それでも、アンジェル……楽しい、かな……


【わっ、と声が漏れた、貴女の胸元に抱きしめられて、彼女の存在が貴女と交じり合うように】
【柔らかな胸元と貴女の華奢な二の腕は、羽毛のように柔らかく優しくて】
【月が夜に昇るよう、見上げた視線の辿る貴女の美しい横顔を、とても凛々しく見えさせた】

【彼女にとってのお花見≠ヘ、普通の人が思うソレとは違うから】
【花を見て、人々が思い思いに議論を交わす……そんなものを、字面から想像するしかなくて】
【貴女が楽しめるか分からない、なんて紡ぐ言葉が、不安げな表情一杯に広がった】


えっとね……多分……15……かな
誕生日、分からないから……多分、だけど……
アンジェルは、いくつ、なの――――?


【気を抜いたら、貴女の胸元で眠ってしまいそうなくらい、細い首筋が言葉の度に揺れる音】
【プラチナブロンドの髪の毛を擽るような、貴女の整った指先の温かい感触と】
【少女らしい淡やかで、それでいて高貴な香りが、彼女を優しく包み込んで】

【視線を落としたなら、彼女の髪を通って、短いスカートの丈と、その後ろにふりふりと揺れる子猫の尻尾】
【大会の賞品であるそれは、かのじょのスカートの中から外へぴょこん、と飛び出ていて】
【擽ったそうな呼吸音とともにひらひらと揺れていた】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/23(土) 19:57:22.96 ID:qcMWyOi+o<> 【街中】

【頻発する能力者達によるテロ行為】
【その度多くの罪なき市民が犠牲となり、家屋が壊れ道路は抉れる】
【それらは放っておけば自然と直る物ではない】
【技師や魔術師、能力者から一般のボランティアまで多くの民が力を合わせ街の生活を取り戻すのだ】
【例えそれが賽の河原の石のように、瞬く間に崩されるモノだとしても】


               ――《城堡[ツンバオ]》――


【そんな復興活動の行われている、どこかの街の一角に一際目立つ場所があった】
【大柄な人物が杖をついて言葉を一つ呟くと】
【倒壊していた建物を退かし、その下から地面が隆起し"コンクリートの家屋"が生み出される】
【明らかに尋常ならざる技。大柄な影は場所を変えながら様々な"言霊"を唱え続け】
【崩れた道路を均し、瓦礫を退かし、家を建造していった】

……ふぃ〜、今日はこんなもんかい?
悪いなおっちゃんよぉ、そろそろ体力限界だわな

「いやいや十分だよ虎の爺さん、大した礼も出来なくて悪いねぇ」

【その人物は、疲れたように息を吐きだしながら広場のベンチに腰を下ろすと】
【近くにいた中年男性に声をかけつつ未だ続く現場に視線をやっていた】

【2mを超えるであろう大柄な身体を僧衣のような紺色の民族衣装で身を包み】
【露出した肌に生やすは黄褐色と黒の縞を描く体毛】
【肩に立てかけるようにして螺旋の金属飾りのついた長い木杖を携えたその者は】

【虎の頭部をし、ふらりと尻尾を揺らす獣人であった】
【二足歩行の虎が服を着たような姿を言えばわかり易いだろう】
【容姿からは判別しづらいが、声色からすると恐らく老年の者であろうか】

いいってことよ、こういうモンは助け合いだろ?

おっちゃんにはいい酒屋紹介してもらった借りもあるしなあ
ここら一帯片付くまでは、精一杯働かせてもらうぜ……い、ちちちち!

「おいおい無理はするんじゃないよ爺さん……それじゃ、私はまだ仕事の途中なので……」

【腰を押さえる虎人(ワータイガー)に苦笑しながら、中年男性は現場へと戻っていく】
【それを「おう、頑張れよ!」と尻尾と手を振りながら見送ると】
【虎人はベンチに深く体重を預けて、大きな溜息を吐いた】

ふぅむ、どうしてこう平和で満足出来ねえもんかねぇ奴(やっこ)さんらは……
俺達ゃ、なんてことねえ毎日送れりゃあ言うことねえんだけどなぁ……あぐあぐ

【壊れたビルを金色の瞳で見つめながら】
【虎人は"一般市民"としての想いを、誰に聴かせるでもなく夜闇に溶かし】
【懐から出した肉をあんぐりと口に含み、モグモグとゆっくり食べ始めた】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(埼玉県)<>sage<>2013/03/23(土) 20:11:47.63 ID:6w8caRE5o<> >>614

んー……櫻の国の文化らしいから私もあんまり詳しくはないんだけど
こういうのって、花の知識がどうとかっていうことじゃないらしいの。
ただ眺めて、皆で『綺麗だねー』とか居ながらお弁当を食べてお酒を飲んで……

……まあ、時と場合によってはハイク≠ニか、小難しいこともするみたいだけど
基本的にはみんなで楽しくわいわいするのが目的らしいわよ?

【と、聞きかじった程度の内容を少女に伝えながら、彼女を解放し】
【そのまま手を取って、ゆっくりと先ほど言った高台へ向かい歩き出す】
【―――の、だが。ソニアがその年令を言うと、アンジェルの表情が分かるか否かの境界で固まって】

じゅう、ご……15かぁ、それはその、アレね?確かに年上が多くも感じるわよねー……
セリーナからしたら一回り以上も年下なわけだし……うーん、15か……
……この格差は一体何なのかしら?私なんて12から変わってないわよ…呪い……?

……、…………あぁえーと、私の歳だっけ。明日で19よ、じゅーきゅー。
気がついたらお酒の飲める年まであと一年……ところで、誕生日が分からないって―――

【『どういうこと?』と聞きながら少女の胸を見たり、可愛らしい猫のしっぽを見たり】
【なんとも対称的に過ぎる気もしつつ、新しく質問を用意しながら階段へ足を乗せ――。】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(関西地方)<><>2013/03/23(土) 20:29:17.94 ID:mxQa4kJ+o<> >>616

【貴女にとられる手、小春がやってきて、冬服も箪笥の底にしまっても良い時期なのに】
【まだそこには、冷たい冷たい冬が滞留しているかの如く――――冷たい、冷たい、彼女の手】
【それでいて、とても華奢な指先は、少しでも力を入れてしまったら、壊れてしまいそうなぐらい】

【――――だからこそ、ぎゅって、強く貴女の手を握るのだろう】
【肩越しに見上げる彼女の瞳、前髪が濡らす彼女の純白の柔肌】
【その奥のマリンブルーだけが、彼女という存在を強く映した】


楽しくわいわいも……ソニア……苦手だよ……
でも……良かったら……アンジェルが、それでも良いって……言って、くれるなら……
……楽しいの、ソニアも……それだけで十分、満足なの


【喋るのが苦手なのだ、と遠まわしに伝える彼女、言葉の形からもそれはうかがえるだろう】
【小さなソプラノの声、雑踏に掻き消されてしまいそうな大きさだけど、芯はしっかりと響くように】
【調律された、曇りの無い澄んだ声色は、貴女に届けば良いと思えて】

【――――パチクリ、彼女の大きな瞳と、形の良い睫が一度大きく瞬きをして】
【少し固まった貴女の表情を、どうしたのかな、って覗き込むように】
【貴女の手を握っていない方の手で、握るバイオリンケースが一回大きく揺れた】


……分かるの、アンジェルの……気持ち……
ソニアもね、身長……ずーっと、大きくならなくて……困ってる、よ

わっ……意外……アンジェルもっと、ソニアと近いの、思ってた……
――――ずっと、お姉さん……なんだね……少し、寂しいな……


【貴女の言葉に賛同するように見えて、その実全然賛同してなかった】
【漏れる声は、びっくりした音、小さな表情一杯に頑張って色を浮かべるようにしながらも】
【どこか眠たげな、とろんと蕩けるようなマリンブルーの瞳をくりくりと濡らした】


……えっとね……あのね……祝ってもらうこと……無かったの、ずっと
アンジェル……明日、誕生日なんだ……お祝い、しなきゃ……ね


【彼女は貴女の質問を無しにしようとした、取り繕うように話を変えて】
【焦りが、伺えるだろう、言葉のテンポが少し速くなって、貴女を先導するように、階段に足をかけて】
【――――踏み外した$コが漏れて、階段へと顔から叩きつけられるように、倒れこむ――――】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(中部地方)<>sage<>2013/03/23(土) 20:42:52.70 ID:ySLgfHEpo<> >>612

【謎の男によって治安指数が急降下し始めた広場の前を、不幸にも通りかかる者の姿があった】
【黒いブレザーに赤いネクタイという学生服に身を包んだ、おそらく高校生だろう】
【前髪を上げた茶髪と適度に着崩された制服は、いかにも"今時の高校生"といった感じだ】
【しかしながらその黒色の瞳には、人を威圧するような気配は一切感じられず】
【背丈も平均身長より少し低め程度で、顔つきもやや幼い。『少年』という表現がおそらく一番的確であろう、そんな男子だった】

はい、はい。了解です、じゃあ今日の続きは次の会議で…………。
…………え、聞こえない? そういえばなんか騒がしいような…………。

【どうやら先輩か誰かと電話しているようで、そちらに掛かり切りになって、少年は広場の惨状に気づいておらず】
【やがて少年は、男の叫びと哀れな犠牲者達の悲鳴に通話を妨げられる距離まで近づいてしまう】
【そんな手遅れ感溢れる所まで来てようやく、彼は非常に暢気な顔で広場の中に目をやり】

………、………………。

【吹き飛ぶ一般人達の姿に一瞬にして現実感を失い、呆気に取られるように立ちすくんだ】
【その姿は、あまりにも無防備で。そのくせ視線は暴れ回る男に釘付け状態】
【男がちらりとでもこちらを見れば一発で目が合ってしまうような、あまりにも迂闊な格好だった】
【なりふり構わず喧嘩をふっかけている男からすれば、ただ目が合うというだけでも、襲いかかるには十分な口実になり得るか…………】

/まだいらっしゃればっ <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(埼玉県)<>sage<>2013/03/23(土) 20:52:23.79 ID:6w8caRE5o<> >>617

んー、楽しくワイワイは苦手……なら、今のうちに慣れておかないとね
セリーナのことだもん。きっと、いつかパーティーとか開くと思うの
年上が多いってことは、きっとソニアはそこでちやほやされるし……

……まあ、嫌かも知れないけど。でも、気心のしれた友だちと居るって楽しいわよ?
そんなに周りに合わせること無いの……というか、ソニアはお友達とか…?

【見た目通りの儚さを様々に感じ取れば、硝子細工を大事にするように優しく手を握り直し】
【一歩ずつ石段を登りながら、親しいヒトは居ないのかと尋ねかけて】
【その表情を覗きこまれれば、何事もなかったように笑顔を返す――早業だった】

あ、あぁ……そう、ね。うん……身長、伸びないわよね……身長……、…………。

……ん。まあなんというか、気付いたらもう大人の一歩手前って感じでね?
ソニアみたいに可愛いわけでも、セリーナみたいに格好いいわけでも無いし
これといった取り柄があるわけでもない、『そうなりたくはない大人』に近付いてる気がして、ちょっと嫌だったり。

……ってソニア、それ本当?まだ15歳なのにお祝いしてもらった事が無いなんて勿体ないわ!
歳を取るのが楽しい頃に、ろうそくを吹き消したりケーキをデッカク作りすぎて余らせたり!
そういう経験が無いのは……うん、問題ね。私の誕生日より、あなたの誕生日を――――ってぇ!!

【少女の焦りなんて気にしない、とでも言うように誕生日に――少女のそれに、こだわりを見せ】
【或いは、このまま会話が続けば『誕生日は何時がいいか』なんて聞きそうだったのだが】

【そんな思いは、彼女の点灯で遮られ―――瞬間、閃光が走ると共に、ソニアの身体にいくつかの違和感が伝わるだろう】
【一瞬の出来事だったが、身体を抱きかかえられる感触。強い浮翌遊感。そして今は――爽やかな風が、頬を撫でる】
【きっと直ぐには状況がわからないだろうけれども、見ればそこには尚もアンジェルが居て、その腕の中で、ソニアは抱きかかえられていて。】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(山形県)<>saga<>2013/03/23(土) 20:59:15.44 ID:V3QJasaao<> >>618

だ、大丈夫かあんたッ! くッ、ここは俺が食い止める、お前らは早くにげ……

「ヘッキャアーッ!」

ひでぶ!

「ヘケケケ、……どいつもこいつも骨がねェーッ!」 「もっと強い奴はいねェーのかァーッ!」
『……気が済むまでやらせておきましょう、ここで止めても"場所"を変えるだけでしょうからね』

【傍若無人、阿鼻叫喚】 【暴れ回る男、吹き飛ばされる人々】
【……慣れた様子で怪我人を治療する女性も、よくよく考えれば異常だ】

「……次はあんたの番だぜェーッ!」

【ああ、見つかってしまった】
【辺りを見渡し次のターゲットを探していたこの男に、あなたは見つかってしまった】

「喰らえェッ!」 「ただのストレートパァーンチッ!」

【その男は、少年に向けて駆け寄って来る】 【とても、無邪気で楽しそうな表情で】
【――もし、少年に接近することに成功すれば、その男は少年に対して"駆ける力を乗せた右ストレート"を繰り出すだろう】
【それは、少なくとも一般人よりは強力なはずだ――おおよそ見た目通り、といったところか】

【しかし、距離は十分に離れている】
【何かしらの対策を取れば、接近も防げるかもしれない】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(愛知県)<>saga<>2013/03/23(土) 21:01:22.22 ID:+8qjiOEco<> 【路地裏で、不機嫌そうに顔を歪める男がいた。】

【六尺はあろう背丈に、腰元には三尺二寸の斬馬刀、ボサボサの黒髪の下は、堀の浅い仏頂面。】
【ジーンジャンパーを着込み、下半身はカーキ色のカーゴパンツ、黒色の編み上げ靴。】
【右脚にだけ装着された革脚絆には、荒々しく「菅野」と、筆の様な物で殴り書きされていた。】
【また、頭にはバンダナの様にグルリと包帯が一周しており、衣服の下から時折同じ色のそれが覗いた。】
【然しその最たる特徴は右目。虚ろに、頑なに空を見上げたままピクリとも動かない激しい上斜視。】
【左眼が其の目標を真っ直ぐ見据えていることが、より一層右眼の異様な様相を強調していた。】

【其の男は、数メートル先にある『障害物』に、一目で分かるほどに不愉快そうに顔を歪めていた。】
【服のはだけた少女に、それを押し倒す非常に柄の悪い大柄で筋肉質な男と、その取り巻き達五、六人。】
【其の、醜悪さ。一人の弱者に、集団の汚らしい欲望を叩き付ける事の、腐臭がする程の醜悪さに。】
【男は、顔を歪めていた―――――――――――訳ではない。】

【歩調を緩めぬまま、腰元の斬馬刀をゆっくりと引き抜いた。それに気づいた取り巻き数人が、各々武器を持ち出す。】
【その様子を見ても立ち止まる事は無く、アスファルトの地面を右足が蹴り飛ばした。】

【間もなく、爆音。】

【一人の身体が腰元から寸断され、一人の身体が胸部から寸断され、其の他差異はあれど、武器を持った全員が両断された。】
【男が駆け出して、一秒にも満たない間に、彼等と其の男の距離は、易々と斬られるまでに圧縮された。】
【残る僅かな数も、呆気にとられている内に首を飛ばされてその膝を折り、血海の只中へと落ちる。】
【強姦を嗜もうとしていた彼は、男に背を向けたところで、左肩から右脇腹までを斬られ、両断された身体が跳ねる。】
【女性がフラリと弱弱しく立ち上がり、何かを言いたげに口を開こうとした。】
【男はそれを閉ざすように、彼女の頭に手を置いた。恐怖心と安堵が綯い交ぜになった彼女へ、男は。】


  邪魔だぁコラ。


【それだけ言って、乗せた右手に力を籠める。前のめりになった少女は其の儘地面へと顔面を叩き付けられる。】
【数度の痙攣の後、動かなくなったその死体へは目も向けず。また、達成感も大した感慨も無く。】
【靴の裏を不快そうに"ガッガッ"と地面にぶつけて、ベットリとへばり付いた血を擦り付けていた。】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(関西地方)<><>2013/03/23(土) 21:03:13.56 ID:mxQa4kJ+o<> >>619

【貴女と比べたら、きっと彼女は子供すぎるから――――】
【貴女のそんな配慮も分からずに、貴女の言葉に反応するので精一杯で】
【一生懸命、目の前のことだけを辿るので彼女は大変だった】


……友達はいるよ、一杯……こっちに来てから、沢山……優しくして、もらったの
セリーナ、ユウト、レグルス、ベイゼ、お姉ちゃんに童守とレヴィおじちゃんと……他の色んな、人

アンジェルも、その一人に、なってほしいの……ソニアの、お友達に……なってください


【彼女の友達の定義は広い、一方的に好意を抱いているだけかもしれない】
【それはきっと反動=\―――前に居た世界が、彼女に対して厳しすぎた、反動で】
【彼女はその意味が分かっていなかった、だからきっと、誰よりも人に優しくしようとしているのだろう】

【月明かりが揺らめいた、二つの解けそうな絹糸を繋ぎとめるように広がった】
【その影は美しく、その陰は儚く――――そうして彩られる、無垢な横顔が】
【貴女という存在に溶けて、そのまま貴女の体温で溶かされる心情に、満ちていたかった】


違うと……思うの……そう思うこと、って……とても大切だと、思うの
そうなりたくない大人≠ェ、分かってる人だけそうなりたい大人≠、見つけられる……から……っ!!

……ぅ……にゃ……わっ……な、なに……?


【返す言葉は、どこか遠くを見つめるような言葉、15年間の人生の中で、彼女が見聞きした中での世界の話】
【与えられた生に満足する人々、そう思わないとやっていけない世界が軍隊≠ナあるのだから】
【――――貴女はずっと、そういう目から見れば、大人であった、から】

【思わず瞼が閉じた、ぶつかる、と思ったから――――】
【瞼の裏を見つめたら、まるで朝焼けのように視界が明るく見えて、何だろうとぱっと開いたら】
【視界の先に貴女の美しい顔があった、まるで娘のように、貴女の腕の中で彼女は目覚めるのだろう】

【――――目尻一杯に濡れた泪の破片が、小さな頬を伝って、貴女の指先へと、溶けていくように】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(中部地方)<>sage<>2013/03/23(土) 21:14:40.46 ID:ySLgfHEpo<> >>620

す、すみません先輩、また後でかけ直しますんで!
…………あっ!

【駆け寄ってくる男に、完全に自身が標的になってしまったことを悟った少年は】
【騒ぎ出す電話口の声――どうでもいいが女の声だ――を無視し、慌てて通話を打ち切るが】
【動転してしまったか、携帯を制服の内ポケットにしまい込もうとして一度取り落とし、拾い直してもう一回入れるという間抜けをやらかしてしまう】
【結果、男のストレートパンチへの対応はいくばくか遅れて――――】

か、鞄シールド!

【そのまま行けば、男の拳と少年が持っていた革の学生鞄が衝突する鈍い音が響き渡るだろうか】
【狙ったわけでもないだろうが、少年は留め金のある側を盾にしたため、辺りどころが悪いと拳を痛めてしまうかもしれない】
【シールドがどうのと戯れ言を抜かしたのは、その場のノリというか慌てていたせいである】

な、なんなんですか! ぼくが何かしました!?

【慌てふためくその様は、どう見えても一般的な男子高校生だったが――――】
【戦いを是とする男にとって幸運かもしれないのは、この少年、鞄越しとはいえその衝撃を「受けきった」ことだ】
【地面を思い切り踏ん張り、衝撃に少しだけ後退して顔をしかめつつも、男の拳を受けてみせたその姿勢】
【男と真っ向から力比べをして勝てる程かはわからないが…………どうやら力の方まで一般的という事はなさそうだ】
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(埼玉県)<>sage<>2013/03/23(土) 21:17:12.02 ID:6w8caRE5o<> >>622

【アンジェルの能力は、やり方次第で様々な動物と同化≠キることが出来る】
【これはその一端――ワシかタカか、まあとにかく非常に大きな鳥の翼がアンジェルの背にはあって】
【ソニアという少女を持ち上げるための腕力も、恐らく能力によって確保しているのか】

ふぅ……間一髪ってやつね。足元には気を付けないとダメよ、ソニア?
それだけお友達が居るなら、怪我したらきっとみんなが悲しむもの
まあ、ちょっと気になるお友達の名前もあったけど……私だって、悲しくなるわ

……あぁでも、今回はまだ良かったかも。
見てごらんソニア。お花見って、結構見てるだけでも楽しいと思うよ

【そう、アンジェルはソニアが倒れこむ瞬間に飛び込む形で彼女を抱え――】
【刹那的に能力を発動して、二人して地面にキスする直前で空へと舞い上がったのである】

【だから、今は空の上。目的地だった高台よりも高いそこからは、公園が一望できた】
【淡い桃色――ライトアップされた櫻の花弁が広がる中に、歩いたり、座って酒を興じる人の姿があり】
【遠くに見える赤の色は屋台の提灯だろうか。香ばしい香りが漂ってくるかのよう】
【ちょうどそこは、人の喧騒が感じられ――尚且つ、ソニアの苦手とする臭いの届かぬ場所で】

……月も、もうちょっとで満ちるかな。ソニアは、高いところは大丈夫?
もし嫌ならさっき言った高台の方に降りてさ――――

【櫻よりも奥、高い場所。夜空には風景に似合いの丸い月が見えていて】
【完全でこそ無いが美しいそれを眺めながら、アンジェルはソニアへとせめてもの笑顔を送った】
【両手がふさがった今、目元の輝きを拭ってやることは出来ないから―――そう。せめても、だ。】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage saga<>2013/03/23(土) 21:22:44.96 ID:VthN4A3PO<> 【公園】

うーん……

【街灯に照らされたベンチに腰掛け、考え事をしている人影があった】

【黒い瞳、ポニーテールにした茶色の長髪】
【白地に青の装飾がついたセーラー服と黒のプリーツスカートを身につけた、ここまでならよくいる少女】
【しかし、両腕には無骨な黒いガントレットをつけ、腰のベルトには同じ金属で出来ている金属棒が2本括りつけられている】
【そんな妙な風貌の少女だった】

何が原因で負けちゃったんだろ……

そういえば、あの時は相手の一撃に自分からぶつかって負けてたような。
そうだね、私の一撃が弱かったから負けたんだ。
だったらもっと強くならないと!

でも、強い一撃ってどうすればいいんだろ。
一撃といったら、斧かな?

【何か思いついたようだ、腰の金属棒を取り、構える】

【すると、金属棒が溶け、ガントレットとの境界が崩れ、流れ――】

【――出来上がったのは、少女の身の丈以上もある巨大な片刃の斧】
【刃は全長の3割ほどを占め、三日月のように細く鋭くなっている。いわゆるクレセント・アックスと呼ばれるようなものだ】

うーん、何か違う気がする……
ハルバードの方がいいかな?

【しかし、どこか気に入らない様子。刃を撫で、形を作り直していく】

【少女を知っている人間もいるだろう。先日の大会の、準決勝で敗退したのがこの少女だ】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(山形県)<>saga<>2013/03/23(土) 21:28:05.75 ID:V3QJasaao<> >>623

【ゴッ!】 【――――】

「……ヘケケケ、あんたは少しは出来るみてェーじゃあねェーか」

【振るった拳が捉えたものは、少年ではなく鞄――】 【受けきっていて――――】
【――にやり、その無邪気な表情は……新しいおもちゃを手に入れた子供のようにも見えた】
【拳を引き戻す際に、金具に当たった部分が赤みを帯びているのが――見える、かもしれない】

「あんたは何もしてねェー、がッ!」

「今日の俺はなんだか無性ォーに戦いてェーんだ、相手になってもらうぜェーッ!」

【色んな意味で、厄介なタチだ】 【その事実に、――間違いはない】
【見ず知らずの少年に対して行うのは――"宣戦布告"、のようなもの】

【先ほどの一発で、相手が今まで吹き飛ばしていた一般人とは違うだろうことを察知】
【――距離は、交代によりわずかに離れたか】

「そのカバンシールドッ!」 「結構痛かったぞォーッ!!」
「次はこいつを喰らえェーッ」 「いわゆるただのローキィィイーーックッ!」

【左足で一歩踏み込み、その勢いで身体を捻れば】
【少年の脚に向けて繰り出すのは、右足によるローキックである――威力については、かね見た目通り】
【――踏み出し、捻り、攻撃の前振りは結構大きい】 【見てからの対処も、不可能ではない】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(関西地方)<><>2013/03/23(土) 21:29:15.78 ID:mxQa4kJ+o<> >>624

【世界という名のキャンパスに、桜色の絵の具を塗りたくって】
【筆洗で一杯に溶かしたなら、その景色がきっと描けるのだろう】
【活気の溢れる人々の姿と、夜を忘れさせる光の渦と、それに混ざる桜色の世界】

【――――思わず息を呑んでしまうぐらいに、その世界は圧巻であった】


……凄い――――ホントに……ホントに凄いの!
とっても、綺麗……うん、ソニア……間違ってたの……
有難う……アンジェル、教えてくれて……お花見が、凄いって……こと……


――――大好きだよ、アンジェル……


【手を伸ばして掌を透かしてみれば、その奥に映る世界が、より一層花開く】
【小さな掌の、細い指先と、その合間から浮かぶいくつものサーチライトのような光】
【マリンブルーの瞳がきらきらと輝いて、いつまでもその景色に見とれるように】

【視線を上げた、直ぐ側に有る貴女の鼓動を確かめながら】
【跳ね上がる心音を、はしゃぐ心象を隠したまま、貴女に有難うと、そして】
【いつまでも咲き続ける栄華のような好意を、隠さないままにした】


うん、お願い……ずっと、ずーっと見ていたい……から
アンジェルの側で……こうね、ぎゅっと抱えられるのも……いいけどね……

ちょっと、恥ずかしいの……


【月を背に浮かぶ貴女の笑顔、とびっきりの笑顔は、貴女の整った顔たちを強調する】
【乳白色の体温を感じさせる暖かな微笑みと、その頬に沈むピンク色の女性らしい髪の毛の先端】
【擽る指先の谷間に落ちる思いの果てが如く、どこか大人びて、それでいて少女のような瑞々しさを保ったままで】

【ソレイユのような貴女の笑顔に、その陰を落として、僅かに揺れる彼女の微笑み】
【指先で彼女のほっぺたをぐりぐりって濡らして、その後に紅い雫が残ったように】
【――――紅潮の色が、擽ったそうに彼女の微笑を歪めた】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/23(土) 21:32:47.43 ID:vs/Z7fpmo<> >>605>>606>>607

――――――――

【身を焼く熱量と確かな感触、破裂する音はどうやら試験管を砕く事に成功した証らしい】
【それどころか有り余る破壊によりこの空間を閉じていた壁さえも砕け、幸いか水の逃げ道として】
【結果下がる水位はここにいる全てに作用する、誰にとっては良い事で誰かにとっては悪い事に】

【その武装は質量故に愚鈍であるだがそれを補うのは爆発力、そしてそれはある種本能的なモノを根源とする】
【怒りや憤りへと派生する前の源流、ただの方向性しかないモノを己の中で燃やして目の前に立つ障害を破砕し切り拓く】

(――――――あ、やばいコレ……止まらない!?)

【そうだ、邪魔者がいる限りこの武装は止まることはないそしてこの場合の邪魔者と言えばNemesis以外に無く】

【今も尚高速で回転する穂先は己の熱量から赤熱化を始めて纏うは渦巻く陽炎】
【水中でさえあの暴力は抑えられていた、だから今この姿こそが本来の「力」に他ならない】

(……いや、好都合―――――)

【のそりと振り返れば異形がまた一つ】
【ぶしゅう、と水を蒸気に変えて白煙を携えて相対する……高く響く駆動音は水牢に余すところ無く伝わるだろう】
【ならば彼女に向けられるモノは赤い暴力であって、白の中に浮かぶ点は一つ目の化け物の瞳のように、見つめる】


恨むのは結構だけどなァ!来るなら―――――――ブッ飛ばす!!

【一歩二歩、槍の柄を持つ掌は焼けて傷む】
【しかしソレは所持者の感情など知ったことではないと奮う】
【倒すべきは敵、崩すべきは敵、滅ぼすべきは敵……ならばここでなくていつ我を使うのか!】

【抱えるように構えて迫る悍ましい姿の彼女を正面から対峙する】
【狙うならば的確な瞬間に、間合いからの一撃必殺級を!】

…………っ、―――――――

【生物的でありながら鋸なんて人工物を宿す剣、振り回されるそれはよりリアルにこちらを抉ってくる】
【切先を見つめ愚鈍であるが身体を逸らし致命を避ける、胸元から飛び散る赤は代償として苦悶の声は償いとして】

【そして払うべきモノを払ったならば……】

――――――っ!そこだっ!!

【踏み込むように足を膝を直列に、力を通して腕へと繋ぎ槍を振りかぶる】
【彼女から見れば横に避けたエルフェスが傷を顧みずにその赤槍を斜め上から振りかぶる姿】
【振り下ろされるソレは斬れはしないが試験管の残骸を見るに吹き飛ぶには十分の威力、ただこれを避ければ彼が質量に姿勢を崩すのは目に見えていて……】

<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>saga<>2013/03/23(土) 21:35:18.35 ID:z0d0H9XA0<> 【――――世界は、絶えず時の流れと共に移り変わっていき、今を生きる人の数だけ、物語もまた時の流れと共に紡がれていく】
【今を生きる人の数だけ紡がれる、幾百億編の物語――――】



【――――水の国 高台団地】

……もう、冬も終わりか、ぁ…………
色々と蠢きだす季節の、始まりだな……ぁ

【華奢ながらも筋肉の浮き出た色白な上半身を晒す様に、ワイシャツだけをボタンも留めずに羽織り】
【下半身はジーンズとスニーカーで固め、腰回りに大量のチェーン装飾を巻き付けた】
【くすんだ水色の髪を前髪ばかり長くした、身長170cm前後の青年が】
【眼下に夜景を望む、崖際の舗装道路のガードレールに身体を預け、手に持った缶ジュースを呷っている】

……機関も、その他色々な連中も……まだその牙を抜いてはいないと言うのに……ぃ
暢気なものだ、ねぇ………………漠然と生きてる連中は、こうも蒙昧を志向できるものなのか……ぁ?

【夜の闇の中にくっきりと浮かび上がる夜景。それは見るものを魅了する美しい輝きと言えるのだろうが】
【この青年は、そんな輝きを侮蔑の視線で見下ろし、呆れたようにジュースを口にしていた】



【――――所変わって、昼の国 公園】

「珍しいね……今日はまだ、酒を入れてないのかい? せっかくこの国に来た事だ……君なら、羽目を外すと思ったんだけど……」
……たまにゃあいいだろ? ……死んだ連中を弔うのに、酒は場違いだぜ……?

【前面を開いたままで青いコートを羽織り、魔術師である事を如実に表す青のハットを被った】
【手には指輪と、グリップの部分に赤い石をあしらわれている、金属製の棍を握り締めている】
【がっしりとした体格の、深い眼窩が鋭い視線を放っている、身長180cm前後の居丈夫と】

【黒いコートをしっかりと着込み、魔術師である事を如実に表す黒のハットを被った】
【手には、頭部に青い石が嵌めこまれて先端を鋭く尖らされている、細い金属製の杖を握り締めている】
【漆黒のボブカットと、幼さを残しながらも憂いを帯びた様な瞳をした、身長160cm前後の中性的な青年が】

【共に時間に合わず照りつける太陽の元、それぞれのやり方で時を過ごしていた】
【青年は、左手の杖を逆に構え、まるでレイピアの様に空を突く仕草を、真剣に繰り返し】
【居丈夫は、ベンチに持たれる様に座り、ぼんやりと空を見上げている】

「……弔うなら、直接出向いた方が良いんじゃないか? お尋ねものとは言え、君なら騒ぎを起こさず言って帰ってくる事ぐらい、出来るだろう?」
……あの国は今、アホみたいに乱れてやがる……そんなところに、のこのこ足を踏み込めるかよ……
俺は、俺のやり方で死んだ奴等の冥福を祈る……別に文句はねぇだろ?

【観光の国にあって、この公園はどちらかと言えば、日常の中のささやかな癒しの場となっているのだろう】
【それ故に人気も少なく、2人の魔術師の姿は相応に目立つものになっていた】



【――――どの物語も、今と言う時の中に、確かに存在している物である】
【もし変化が訪れるとしたら――――それはどの物語なのだろうか】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(空)<>saga<>2013/03/23(土) 21:36:04.79 ID:I/+vhPEn0<> 【路地裏】

【ノイズの塊のような思考。言葉にならないバラバラになった意識の群れが、ひとつの心を駆け巡っていた。】
【悪夢/現実/取り消せない/変えられない/押し潰される感触、手は届かない―――― 無意識に繰り返すフラッシュバック。】
【言語の体を成すのには、その絶望は過酷過ぎていたのだろう】 

(……、――――――)

【腰までの伸びやかな黒髪が、濡れ羽烏と呼ぶに相応しい色合いで】
【銀の混ざる橡色の瞳をして、濃藍のトレンチコートを纏った―――少女、だろうか】
【移ろい行く刹那を留め、硝子の様な雰囲気を漂わせる。】


【おぼつかない足取りで闇のなか歩むのは、そんな形容の出来る人影だった】

……っ、はぁっ……、ッ―――――――

【幽鬼のようでもあり、抜身の罅だらけの薄刃のようでもある。無防備にも見えるが、暴発寸前の何らかの感情を抱えている様にも見える。】
【ほとんど消えかけの光は、それでも其れをこらえる様に、橡色の瞳に揺れていて―――】


【それで誰かとぶつかったのだとしても、そう不自然ではないのだろう。そうする事しかできないかの様に、力なく不注意な足取りが続いていった】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(中部地方)<>sage<>2013/03/23(土) 21:48:13.76 ID:ySLgfHEpo<> >>626

ああ――――戦闘狂っていうのは本当に始末に負えないよ、もう!!

【こちらの事情を全く省みない男の滅茶苦茶な論理に、嫌気がさしたような顔でやけくそ気味に叫べば】
【迫るローキックを大きなバックステップで回避すると、それを繰り返していったん距離を置こうとするだろう】

【その最中――――鞄の中に手を突っ込んで大急ぎで取り出したのは、学生らしい筆箱でも教科書でもなく、刃物】
【木製の柄と鞘を持つ、鍔のない小太刀――――それはジャパニーズ・ヤクザが持っていそうな、いわゆる"ドス"というやつで】

【彼は拳の盾になって少々凹んでしまった学生鞄を労ることもなく、鞘と一緒に邪魔にならない場所へ放り投げ、】
【右手で逆手持ちにしたドスを体の前に突き出し、左手を右手の上に乗せた、軍人がナイフを持つような構えを取る】
【…………着崩した制服に茶髪、それにドスを構えたその姿はよくある「キレやすい若者」のお手本のようだったが、内心は必死である】

【彼は、その構えたばかりのドスで攻撃すると思いきや――――そちらはフェイク!】

(………食らえっ!)

【――――ふわり、と。その瞬間、もし男が力の流れに敏感ならば、少年の体から立ち上り始める"妖気"に気づけるだろう】
【それは周辺の空気をうっすらと"銀色"に染めながら、溶け込んでいって。そうすると、男の周囲の"風"の流れが変化したのがわかるだろうか】
【溶け込んだ妖気によって銀に着色された、その風の流れを追えば――――男の右腕から少し離れたある一点に、風が集約していく】
【うっすらとだった銀色はやがて濃縮されて、濃い"銀色の塊"となる、次の瞬間――――】

【ビュッ、という高い風切り音を発し、"銀色の風の帯"が、弧の軌道を描いて飛翔する!】
【ちょうど、男の上腕を横方向に掠めるような軌道――――当たれば、刃物で切り裂かれたのと同じ浅い切り傷が出来るだろう】
【ただ、発動までの時間がやや長い上に、風は銀色を帯びて可視化されている。回避はそう難しくはないか】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(埼玉県)<>sage<>2013/03/23(土) 21:48:25.98 ID:6w8caRE5o<> >>627

フフン、そうでしょっ!難しいこと考えなくても、お花見は楽しいの。
今年はもう、無理かもしれないけど……何時かUTのみんなで、やりたいね
櫻の国なら一年中咲いてるとかいうし、みんなの慰安旅行みたいにさっ!

……ふ、ぇ?だ、大好きってそんな、その……急に言われても、ねっ?
私にだってこ、心の準備があるというかっ!だかr―――ぁ、えっと……OK、降りよっか…?

【この辺り、あまり経験がないらしいが。まあそれはさておき――】
【ソニアへと存分に花見の楽しさを教えこめば、アンジェルは1つの提案をした】
【それはUTのみんなで、まさにその花見をしようというもので】
【問題ごと続きで疲れきっている今こそ――なんていう思いが、透けて見え】

【後に少女が恥ずかしいなんて言えば、言いようのない使命感に駆られて翼を動かし】
【静かに滑空しながら、数本の櫻とベンチ、そして転落防止の柵がある高台へ舞い降りて】

さっ、降ろすわよ……?大事そうに持ってた荷物、落としてないわね?
……っと、やっぱり先客は居ないみたい。眺めはさっきより落ちるケド―――

【そこにはやはり、長い階段を嫌った観光目的の人は一人も居らず】
【言ってしまえばライトアップされた櫻すらも二人の貸切で、公園の景色も見え続け】
【静かな春の夜に、なんという名前かもわからない虫が、静かに鳴いたりなんかしていて。】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(関西地方)<><>2013/03/23(土) 21:53:49.23 ID:mxQa4kJ+o<> >>632
/すいません、ちょっと急用が出たので今から外出します……
/分かれたことにしてください、ごめんなさい…… <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage saga<>2013/03/23(土) 21:56:38.73 ID:VthN4A3PO<> />>625は取り消します

>>630

(――あいつ、もしかして……?)

【おぼつかない足取りの、今にも倒れそうな少女】
【彼女を見つめる影が、背後から近づいていく】

【少し癖のついた、炎のような澄んだ緋色のショートカット、ガーネット色に輝く瞳】
【薄灰色の丈の大きいやや薄手のトレンチコートを羽織り、黒い長ズボンを穿いている】
【首には竜をかたどったペンダントを提げていて、額に傷があるのか包帯を巻いている】
【背中には、魔力を帯びた「竜の翼」と思われるものが生えている】
【そんな格好をした、14、5歳程に見える少年だ】

【彼女はこの少年を知っている筈だ。以前公園で出会ったのだが、覚えているだろうか】

――なあ、お前。
何かあったのか?大丈夫?

【少女を追いかけ、背後から声をかける】
【返事がなかったなら、少女の肩にぽんと手を乗せるだろう】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(埼玉県)<>sage<>2013/03/23(土) 21:59:42.58 ID:6w8caRE5o<> >>633
/おっと了解です。急用でしたら仕方ないですしお気になさらず!
/またの機会をお待ちしてますぜー、お疲れ様でしたっ! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(不明なsoftbank)<>sage<>2013/03/23(土) 22:06:01.37 ID:7VS9fXg10<> >>629
……よう、暇そうじゃないか

【ジュースを口にしている青年の背後から声がかけられる】
【煌めくような街灯とは真逆の方向から、声変わり前と思える少年の声が】

【ハンチングか、あるいはキャスケットのような帽子を被った少年は青い瞳を覗かせ嗤っている】
【擦り切れたブラウンのコートを腰に巻き、煤汚れたカッターシャツにサスペンダーと同じく煤汚れたスラックスを履いて】
【少し深目のブーツを履いて、帽子の唾をいじっている】

それとも、何かたくらんでいるのかい?

【少年は、嗤いながら軽い靴音を鳴らすと青年の横に立ち】
【ガードレールに背中を預けて、深くため息を吐くのだった】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(山形県)<>saga<>2013/03/23(土) 22:10:45.16 ID:V3QJasaao<> >>631

【ローキックが回避されれば、その身体を一回転させて再び正面を捉える】

「ヘェェエエーーーーケッケッケッケッケェーッ!」

【相手が何を思っていようと、このアホには全然関係なく――その表情はとても楽しそうで】
【彼は"戦えればそれで良い"、……青年の言う通り、紛れも無い"戦闘狂"だった】

「刃物かァ〜、棒と違って素手で掴み辛ェーんだよなァー」
「ヘケケケ、そいつをぶん回してくんだろォ?」
「良いぜェ、さっさとぶん回して斬りにかかってこォーーいッ!」

【脚をやや開き、両手を正面に向けて構える――それはさながら熊のようで】
【そしてそれは、"攻撃を受け止める"姿勢そのものである】

「……おい、せっかく構えたのになんにもこねェーじゃあねェーかァー」
「ん?」 「……なァーんか風向きが変わったよォーなそうでもねェーよォーな――――!」

【基本的にあまり賢くはないのだろう、風向きが変わったことに何となくでも気づきはすれど】
【その風が集まる場所が、自身の右腕の近くであることに――気づくのが遅れた】
【飛来する"銀色の風の帯"、それは男の右腕に切り傷を与えた】
【自身の筋肉は軽い鎧のようなもの、しかし血はしっかりと流れる】

「ヘケケケ、……んゥー、俺の"勘"に狂いはなかったよォーだなァーッ」 「だが、まだまだァッ!」

【二度ほどの攻撃はどちらも肉体を使ったモノだ、故に身体へのダメージは攻撃力の減少に繋がる】
【だが、その"闘争心"は衰えるどころか……むしろその勢いを盛んにするッ!】

「俺の能力も見せてやるッ」 「――ニィィーードォォゥ……ゲイザァァアアーーーーッ!!」

【彼が地面を右足で蹴れば、その正面から現れるのは――無数の棘で構成された"杭"】
【それはまるで噴水のように、雨後の筍のように――急速に伸びて、少年の腹部を突き刺そうと迫り来るッ!】
【棘の強度――深緑色のそれは、そこまで高くなく何かしらの攻撃を加えれば破壊できるだろう】
【威力は――急所に当たらなければ致命傷にはなりにくい、しかし弱いわけではない――そんな感じ】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>saga<>2013/03/23(土) 22:20:41.87 ID:z0d0H9XA0<> >>636

……………………っ
――――はぁ……お前かい、クズ野郎…………

【夜景を見下ろしていた青年は、掛けられた声に振り向いて】
【――――相手が、かつて戦端を交え、主義の貶め合いとなった少年であると気付くと、苛立ちを隠そうともせずに、その表情を顰めた】

――――約束があるのさ…………僕にはね……ぇ
……それをただ、実行しているだけだ…………それ以上の意味など、ない…………

【普段なら、路地裏の奥にでも籠っているのがお似合いの青年なのだが】
【この時は、殺意を振りまくでもなく、ただじっと雌伏の時を過ごしていた。それは『約束』によるものだと言う】
【もっとも、殺意を振りまくでもないと言いながら、少年への嫌悪感は、隠す間もなく滲み出ているのだが】

……人形。お前こそ何のつもりだい……ぃ?
僕らが相容れない存在だと言うのは、分かっている事だろう……?
――――その不死身の身体を、わざわざ見せつけに来たのかい?

【敢えて、今まで触れないでいたが――――かつて青年は、確かに少年の息の根を止めたはずだ】
【しかし、眼前に現れた少年は、到底そんな過去を経てここにいるとは思えない】
【あの時、殺し切れなかったのが真相だろう。不思議な力を使っていた事が、青年にそう言う推測をさせた】
【だが、わざわざ自分の前に姿を現したのは何故なのかと、青年は問う】
【――――あるいは、その力を以って復讐にでも現われたのかと、青年は少年の横顔を睨みつけた】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<><>2013/03/23(土) 22:23:05.34 ID:mExTAegzo<> >>607>>628

【――もはやそこに"義"はない。】
【悪ですらなくなる瞬間――Nemesisはただ破壊を生み出すだけの存在と化し】
【この世に存在する全ての能力者を滅するべく、剣を振るう、振るう、振るう――!!】

能力者ァァァァ・・・ッ!!全滅させてやるわ・・・ッ!!一匹、残らず―――ッ!!
お前も、お前も、お前も、お前も―――――!!

【振るわれた剣の内一本が、エルフェスが攻撃を回避した事で壁へと向かう――断たれた壁が真っ二つに裂ける】
【しかしもう一本は浅いながらもエルフェスの胸元を確かに、断つ――!鮮血が走るのを見、Nemesisは叫ぶ】
【歓喜の声――たとえ一太刀でも、憎い"存在"に一閃を浴びせられたのならば上等、しかしそれで終わるわけでもない。】
【此処にいるメンバーは二人――内、片方はかなりの重症。元気な方にしたってこの"STUG"形態であれば――】

(―――倒せるッ!!この程度の動きなら――!なら、あっちも同時に攻撃してやるッ!!)

【瞬間、Nemesisは身体を切り返し"振り返る"――そうすれば視界に現れる、手負いの相手――"リロード"】
【彼女は片手の剣を下から掬い上げるよう斬り上げ、振るう――刹那、放たれるは"水の刃"】
【圧倒的な速度から穿たれた斬撃は水面を斬り上げると同時に薄く、それ自身を刃として"弾き飛ばし"――】
【放たれたところにいるリロードめがけ、水の圧力を使った刃を放ち攻撃――】

う、ふふふ・・・ッ!!ほうら、どうしたの惚けた顔しちゃってッ!!まだ[ピーーー]の続きがしたいんでしょうッ!?
誘ったアンタが真っ先にくたばるなんてお笑いじゃない、まだまだ[ピーーー]し足りないわよッ!!

【そうしてリロードのへの攻撃を放ちつつ、更にはエルフェスにも対峙――しかし、此れが不味かった。】
【彼女は油断していた、先ほどの攻撃が軽くでも決まった際に速度では圧倒的に自分が勝っていると――】
【リロードにトドメをさしながらでも、十分に相手が出来ると――だがその過程は間違っていた。】
【――突撃、この状況でダメージを省みない強襲――エルフェスは真っ直ぐに、赤槍を構え、振り下ろした――ッ!】

(――っ!?まさか――そんな格好で突っ込んできたら、こっちの攻撃を――くっ、)
(あの"リロード"と言いなんと言い――自爆技の好きな連中ね、そんなに死にたければ――ッ!)

―――ああああああああァァァッ!!

【突撃してくるエルフェスの槍にあわせ、彼女は残りの一対――鋸の剣を突き出す】
【槍を振り下ろすエルフェスの胴、そこから胸へとぶつける様な形でそれを穿ち、迎撃を試みる、が――】
【同時に、Nemesisの身体へと槍が到達し――瞬間、破裂音】
【甲虫と融合し異形の力を手に入れたとはいえこのクワガタとの融合時に得られる効果は"機動力"の強化、に特化している】
【外骨格は硬いといえどエルフェスの渾身のそれを受け止められるほどのモノではない、彼女の身体は弾け飛び――】
【変化していた"外骨格"の胸が打ち砕かれる、赤い液体が水面に零れ落ち、更なる惨劇を生む――】
【しかし攻撃こそNemesisに命中したものの、彼女はその直前に"突き"を放っていた――そしてそれは】
【エルフェスの槍によって直前で封じられたものの――代わりに、腕から刃が解き放たれ、"突き"の勢いを持ったまま、】
【エルフェスへと"投擲"される形になる――最後の最後まで、足掻く】

【――彼女の肉体はリロードの方へと、吹き飛び――】

<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2013/03/23(土) 22:27:41.56 ID:+qaJJixXo<> 【森の泉】

【深く暗い夜の闇の中、薄く木漏れの星明かりが心許なく周囲を照らす】
【冬ではあるものの、青い葉を付けた比較的低い木々が形成した、さほど大きくない森だ】
【雪解けの水が小川の嵩を増して流れ込み、さらさらと下へ流れて】
【うすぼんやりと輝き泉を形成していた――一説には、傷の治癒を促す効果が有るとか】

ハ、痛ツ……

【ぱしゃりと水の跳ねる音は、魚や風が起こすものとしては些か大きな人工の音】
【腹を深く貫く傷の表面に掛けるように、泉の水をすくっては傷口を洗い流している褐色の青年】
【今しがた空いた傷、というわけでもないのか泉に流れ出す血の量は少なく】
【それでもやはり視覚的にも、その傷はけっして浅いものではなかった】

ひー、水浴びなンてする季節じゃないヨなあ……
郷ではコレっくらいの時期でも結構暖かかっただなンて、知らなかったヨ

【黒い髪はツーブロックのベリーショート、目は金色のどんぐり眼】
【色黒で口が大きく、目鼻立ちのしっかりした彫りの深い顔をして】
【着衣はくすんだ赤のズボンと、両耳から下がる大振りのピアスのみ】
【泉の真ん中に膝から下を沈め、どうやら傷の治癒を図ろうとしたようだが】
【未だ季節は春の入り、啓蟄もようやく過ぎた頃。冷たい水の温度に、盛大にくしゃみする声が響いた】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(中部地方)<>sage<>2013/03/23(土) 22:31:58.60 ID:ySLgfHEpo<> >>637

…………うん、だよね。この程度でひるんじゃくれないよね…………。

【自身が能力者であることを示し、浅い傷でひるませて穏便にお帰り頂こう、なんて甘い考えでの攻撃だったが】
【少年自身も薄々わかっていた通り、逆に闘争心を煽るような結果に終わってしまった】
【彼はこの手の"戦闘狂"とはやり合い慣れているので意外ではなかったが、はぁ、とため息を付き】

――――うわっ!?

【だが、一つ誤算だったのは…………筋骨隆々とした見た目のせいで、彼は「男が能力者ではない」という先入観を抱いていたことで】
【腹部を狙って突如伸び上がる、深緑色の"杭"。彼自身がさっき使った『銀風の帯』もそうだが、定点発動の遠隔攻撃というのは、いたく避けづらい――――】
【咄嗟に前にジャンプして回避しようとするものの、杭を構成する棘のひとつが引っかかり、左の足首を制服ごと切り裂いて】

(痛っつ…………どうしよう、もっと大きな攻撃で一気に…………いや)

【このまま細かく攻めていてはいつ帰れるかわからないと思ったのだろう。強い攻撃で一気に決めようかと思っていた彼だが】
【周囲にいる男の犠牲者達のことを思い出し、ひとまずそれは思いとどまる。本気で攻撃すると、周りを巻き込んでしまう――――】
【であれば、あえて危険を冒してでも前に出て、どんどん攻撃を加えていくしかない】

――――もう一丁っ!

【そう考えると、少年は男に向かって走り出し――――】
【同時、またも男の周囲の風が変化。ひとつは男の右足首の近くに、もうひとつは男の胴体の前に、風が集まり】
【先ほどと同じ『銀風の帯』が、またも横薙ぎの軌道で、弧を描きながら振るわれるだろう!】
【今度は牽制ではない、やや強い攻撃だ。当たれば、先ほどより深い傷を負うことになるか】

【といっても、やはり発動準備から発動までに少しラグがあり、うまく立ち回れば回避は可能】
【少年自身にとってもそれは本命ではなく、男が回避に気を取られているうちに距離を詰める気だ――――】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(不明なsoftbank)<>sage<>2013/03/23(土) 22:40:47.59 ID:7VS9fXg10<> >>638
第一声がそれとは酷いね、相当嫌われているらしい
……まあ、どうでもいいがな

【青年が苛立ちを隠さず、顰めた顔を軽く一笑に付して】
【少年の方は、まったく気にも留めない風にそう告げると夜景へと目を移した】

約束、か
一体君が何を望み、行動しているかは知らないけど……
どうにもそう大人しいのはちと不気味だ

【青年の、殺意もなく只淡々として、一見平穏な感じに少年は少々の不気味さを感じた】
【と、言ってもこれは第一印象から来るものなのだろう。少年は、青年とであった時は殺意を振りまき、あまつさえ殺しあった過去がある】
【それが、少年にとっては青年の普通だと思っていた為であるかもしれない――まあ、殺意とは別の嫌悪感は変わらず感じているのだが】

あぁ、僕とお前は相容れない
別に、今ここでやりあうつもりも不死を見せびらかせるつもりも無い
只――そうだな、言ってしまえば暇つぶしといったところかな
哀れな人形《マリオネット》が自身を操り、使い古し、使い捨てる主を見つけるまでの暇つぶしだ

【少年は結局あの跡、死んだのが嘘のようにケロリと日々を過ごしていた】
【青年に、確かに息の根を止め殺されたがそれが殺し切る至らなかったのだ】
【そんな少年は、殺された恨みを露にする様子もなく、復習の様子も無く】
【只、暇つぶしだと告げるのだった】

率直に問おう
――善悪問わず、機関の動きについてどう思う?

【少年は本当に突然に、青年へと問いかけた】
【それは――つまるところ、現在と言う世界の動きについて問うているのだろう】
【下手をすれば、過去の二の舞となるような問いだ】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/23(土) 22:42:36.90 ID:SqX5Xymio<> 【泉】

【薄暗い森の奥深くに泉があった。月明かりが水面を照らして幻想的な輝きを放ち、辺りを照らしている】
【水は底が見えるほど澄んでいて、角度を変えれば鏡のように夜空に輝く星々とその中心に座する月が見える】
【空から降り注ぐ光は一つの筋となって泉に向かって差し込んでいた】

【泉の中心に人影があった。幼い顔の少年だ。まるで死体のように動くことなく空に顔を向けて浮いている】
【深い青のローブとそれに付けられたフードが身体と頭を隠し、フードの隙間からはみ出る金色の毛髪が風に向かって静かに靡く】
【右肩に書かれた“XX”の数字が半分水に沈んで歪んで見える。右腕の黄金色の腕輪は月光と同じような美しい輝きを放っていた】

【薄暗く光のない金色の双眸が夜空を見上げていた。どこか感傷的なものを含んだ瞳だ】
【耳をすませば夜風とそれに撫でられた木々の微かなざわめきだけが聞こえる。他には何もない】


……あぁ、静かだ


【口先が思わず感情を言葉にした。静謐を破らないように無意識が働いたのか、静かな声だった】
【激情も衝動も、焦燥も憧憬も何もここにありはしない。ただただ静けさだけが心を埋める】
【それが無性に安心した。理由は分からないが、そのまま身を委ねた】

【夜風が吹けば水面が攫われてほんのすこし揺れる。それに合わせて少年の身体も揺れる】
【静寂が支配している青と幻想の世界だが、これらが破られるのもこの世界の常識だ】
【一体誰によって破られるのかはまだ分からない────】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(新潟県)<>sage<>2013/03/23(土) 22:46:41.17 ID:lwPcneObo<> >>640

―――っとお!?

【後ろから、くしゃみに呼応するかのような、大きい声。―――声色を見るに、男】
【響いたその音にびっくりしたようで、その後ガサガサと草木が揺れる。褐色の青年の後ろから聞こえるその音は、次第に近づいて―――】

……うお、人がいるとはな―――って、コレが噂の泉か!? 
そう、だよな……あー、ようやく見つけたってんだ

【緑のカーテンを開けて出てきたのは、青のソフト帽を深く被った、白シャツ×灰色のジレ×ジーンズのシンプルな格好の男】
【格好、言動から見るにこの森に住む原住民な訳はなく、どうやら泉の治癒作用を求めてやって来たらしい】

―――あ、煩くてわりぃね……アンタは、この森に住んでんのかい?
それとも俺と同じで噂に釣られた?……一応聞くけど、この泉って「あの泉」だよな?

【夜の静寂で余計に響く自身の声に気づき、少しだけ声が弱まる。シャツに付いた汚れを落としながら、眼前の青年に話をふった】
【―――男の右足首には、赤く滲んだ包帯が巻かれていた】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>saga<>2013/03/23(土) 22:56:30.54 ID:z0d0H9XA0<> >>642

…………自覚があるだけ、まだマシか…………ぁ

【率直な言葉をぶつけたものの、柳に風と受け流されてしまい、青年も勢いを失う】
【肩をすくめるように嫌味を口にすると、再び手に持っていたジュースを傾け、喉へと流し込んだ】

…………そう振る舞う事も、『約束』の内だからね……ぇ
僕自身の望みは、あの時から何も変わっていない……ただ、状況が動いただけ……だ……ぁ

【初めてあった時は、死体がもの言わぬ観客と化していた。だが、今の青年のそばには、そうした死の臭いが漂ってくる事は無く】
【あまつさえ、青年自身もそうした自分を「約束の内だ」と、肯定している】
【要するに、今は何かを待っていると言うのが、近いのだろうか】

……暇つぶしで、かつての敵の前に来るかぁ、普通…………?
……まぁ、やり合う気がないと言うのなら、それで一向構わない…………こっちも、そんな事をするつもりはないさ……お前は嫌いだがね……ぇ

【少年の考えは、青年にはどうも理解し切れない】
【あの時の邂逅も、互いを受容する事を拒絶し、殺し合いに発展したのだ。少年の思考ロジックは『不快』と言う以前に『不明』なものと感じていた】
【だが、今この場で刃を向けないと言うのであれば、青年としても無駄な戦いをするつもりは無い】
【もう一度この少年を『殺した』として、確実な『死』に至らしめる事が出来るとは思わないし、先ほどから口にしている『約束』もあるからだ】
【それでも、己の抱いている不快感を隠さないのは、もはや流石と言ったところだが……】

――――――――ッ!?
……なんだ…………藪から棒に?

【そんな、居心地の良いとは言い難い空気を纏っていた青年は、唐突な少年の問いに、驚いた様子で顔を向ける】
【渋面と言うのだけでは、先ほどと変わらない様にも思えるかもしれないが、そこには確実に、不意をつかれた衝撃が混じっていた】

――――認められないね、ぇ…………アレは僕の敵さ、ぁ……!
まぁ……それでなくても、機関は敵を作り過ぎてる……未だ優勢だって言う連中もいるが……
そもそも、対抗馬が大きく戦いを繰り広げている現状そのものが、機関の力の弱まりを示している…………もう、ただのクズの集まりさ……ぁ!

【青年の信条は、帰還を強く敵視するものだった。故に、あるいは少年へと向ける以上とも取れる、侮蔑と憎しみの感情を滲ませて】
【そして、現在の状況を青年なりに分析したものを、口にする】
【本当に機関に力があるなら、対抗勢力など、勢いづかせる前に狩れるはずであって、それが出来ない以上、機関に昔日の力はないと】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(山形県)<>saga<>2013/03/23(土) 22:57:37.54 ID:V3QJasaao<> >>641

「ヘケケケ、首根っこやら心臓やら眼ん玉やらが斬られたら少しは怯むかもなァー」

【つまりは、"人体の急所"――いや、誰でも当たれば怯む……それ以上の結果にもなる場所!】
【……こうは言っているものの、物理的な衝撃で怯ませることは可能だ】
【ただ、少し丈夫なだけであって――――。】

「んゥー、微妙な当たり具合だなァー」
「ヘケケケ、今のが俺の能力の一つッ!」 「"棘"ェッ!」

【"棘の杭"は役目――"攻撃"というそれを果たせば分解し、そして消滅する】
【――"棘"、言い表すのは簡単だが】 【その能力は様々なことに利用できる――"攻防一体"のモノ】
【広場で暴れている時には見せなかった、彼の能力ッ!】 【"身体能力"と合わせて見なくとも、厄介だ】

「ヘケケケ、さっきと同じ奴が来る気がするぜェ」

【あまり賢くはない彼、しかし一度受けた攻撃ならば少しは理解が出来る……はず】
【再び構えを取れば、その来るであろう攻撃に備えて――】
【そして飛来する"銀色の帯"――今度は、防御の策を取ることに成功した】

【と言っても単純だ、その策とは、自分から見て左側にへと軽く跳躍するという行為である】
【しかしかわしきれなかったようで、右腕に先程より深い切り傷を負ってしまう】

「んゥー、今のはなかなか良い攻撃だったぞォーッ!」

【しかし、そんな傷を負ってもなお……傷を左手で押さえてはいるものの、闘争心は衰えない】

【――さて、この一連の行為のうちに距離はどれだけ詰められただろうか】
【その距離を詰める行為に合わせるかのごとく、彼は左足を軸に右脚による"回し蹴り"を繰り出す】
【高さは彼の脚の付け根近く、地面とほぼ並行な状態でそれは振るわれた】 【機動は半円状かつ右から左への薙】
【脚の長さ――"身長−座高=約82cm"というデータが参考になるだろうか】 【言わずもがな、隙は大きい】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2013/03/23(土) 22:58:54.55 ID:+qaJJixXo<> >>644

――????!

【どうやら驚いたのはお互い様の様子、筋肉質な肩が跳ねあがる】
【ベルトに差した皮鞘からから右手で曲刀を抜き、水に足を取られながらも振り向くも】

……なンだ、ヒトかあ。びっくりしたヨ、なンて驚かせたのは俺の方か
うン、そうじゃないかナ。俺モこの泉ノ治癒の力を頼りに来たから

【警戒は続かず、ほっとしたように胸をなでおろして短刀を鞘へと戻す】
【青年の傷は治りかけのいびつな肉が周囲を覆ってはいるものの、まるで腹を貫通しかかっているように大きく】
【どちらかというと入院した方がいいんじゃないかというような、人好きのしそうな笑みとは反するもの】

独占しちゃッテ悪いネ、誰モ翌来ないト思って盛大に使ってたンだ
あンまり周りにとっとと治セって言わレるもんだからサ
オニーサンも何か怪我するヨうな目にあったのかイ

【ざば、と泉の中央から退いて岸辺の尖った岩に背を預け、時折泉の水を掬う程度に留める】
【時折共通語から外れたような訛りが混じる声は相手に合わせて多少ひそめ、自分よりも、と何とはなしに相手について話を促す】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(空)<>saga<>2013/03/23(土) 23:05:59.48 ID:fkI67dea0<> >>634

【――― 警戒は保っていた筈だった。生ける屍(リヴィング・デッド)同然の無様は晒しても、無防備に背後を取られる事など無かった。】
【……それでもその掌が肩に触れたのは、其れが想像以上にボロボロの心だったからなのだろうか。】
【或いはかつて出逢えた彼の気配を、優しい記憶が留めていたからだろうか――――】

(…………、?――――――――)

【振り返る少女は少年を見遣った。艶やかな黒髪に彩られた崩壊寸前の表情、】
【こみあがってくるものを堪える様な不安げな其れは、 “あの夜” の凛とした其れには程遠く、】

【それを彼に見られている事に気付いても、息をひとつ吐くだけで、終ぞ表情を取り澄ますことはなかった】

……久し振り……という事になるのかしらね、大分見違えて見えるわ。
…………フォンチュン。

【そして表情をそのままに、どこか懐かしげに紡いだ名前。彼を、彼女が覚えている事の証明の様な其れ。】
【けれど片手で片手を肩から下ろすと、そこには触れあうことを拒むような空間が広がっていた。】

【そんな挨拶を終えれば “問題ない” 旨を告げようとして口を開くも、その程度の強がりすら紡げずに、無意味に一度開閉して、】

………さあね。仮に私に “なにか有った” のだとしても、それは私にはどうでもいい―――
……必要なのは、力…だけ…、で――――――

【代わって述べたのは自己への無関心/自らの価値の否定の裏返し。】
【 少女は、彼女の心を抉った “その出来事” 自体について話す心算はない様だった】

【けれども中途で途切れた言葉―――― 「必要なのは力だけ」――――― 】
【そして、その直後に少女は愕然とした顔をして、瞳からも光が消え去ったことは、幾つかの事実を伝えるだろう】

【……“彼女はなにかを護れなかった”。】
【……“絶望的なその感触が、彼女を囚えて離さない”―――――】

【憂いを帯びて俯く表情。悲嘆の其れだった。】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2013/03/23(土) 23:07:28.60 ID:Ino/PA4W0<> >>643

【がさっ、ふと何かが林の中から泉へと木々を掻き分けて出てきたようだ…動物にしては大きい………人間か】
【現れた人物は、少年に対して大した反応も見せず手に持った水筒に泉の水を汲んでいく―――。】
【一度、頭を少年の方へと傾けると淡々と口を開く。】

気にすんな―――そのまま手前の世界に没頭してるといい………俺はお前の邪魔をする気はないぜ
(数字=\――まさかな………それにそうだとしても、仕掛けてこなければこちらも対応できない………。)

【ぶっきらぼうに言葉を紡ぐ青年の姿を、月明かりが照らし出した―――】
【黒いワークキャップを深めに被り、そこから男性としては長めの茶髪を出しており赤みがかった鋭い茶色の瞳が見える】
【全身は高級感のあるファーのついた細身のモッズコートで覆っており下は紅色のスラックスを履いている】
【背にはワインレッドの大型ブレードライフルを背負った180cm程の長身細身の20歳程の青年だ】

【青年は一度、少年の肩にある数字に視線を流すがまた直ぐにばしゃばしゃと水汲みを再開する】
【ばしゃ、ばしゃばしゃばしゃ―――少年が満喫していた静寂はこの青年によって完全にぶち壊されたのだった。】

<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage saga<>2013/03/23(土) 23:07:38.47 ID:fXfUWC/F0<> 【森の中に存在する廃れた教会】
【何時もはアリアが響いている其処だが、今日ばかりはただ無音が支配していて】
【もし、興味を抱いて中へと入ったのならば、丁度割れたステンドグラスが映るだろうか】


「おや――――えっと……宿をお探しの方……でしょうか?」

【不意に投げかけられるであろう声は、よく澄んでいて】
【闇の中――――正確には、照明すら無い奥から現れたのは、一人の修道女】
【争い事でもあったのか、腹部にはうっすらと血に染まった包帯が巻かれていた】
【闇に目が慣れていないのか、明るい黄色の瞳を細くして来訪者の姿を伺おうとしている事が分かるだろうか】


「すみませんが、今部屋の方は埋まってしまっていて……
礼拝堂の方でも宜しければ、お貸しは出来るのですが……」

【―――ー生憎、月の位置の事もあってか、その姿はハッキリとは見えず】
【相手の人相が分からずとも問うのは、女性の性格を示しているだろうか】
【ただ休憩場所を求めたとしても、探索に来ただけだとしても、拒む事は無いであろう】
【或いは、何らかの害意を抱いて訪れたならば、先手を取ることも容易で】




【路地裏で響いたのは、男の悲鳴】
【その場に立つのは全身を赤く染めた少女と、何も語らぬ肉塊が一つ】
【辺りに飛び散った朱色と、茶色のレンガを鮮やかに染めた紅を見れば、其処で何が起きたかを把握するのは簡単な事か】
【――――そんな状況であっても、ぼうっと自分の両手を見つめているその姿は実に不可思議】


「また、一人、居なく、なった、から
これで、褒めて、貰える?」

【淡々と呟くその様子】
【この惨事を引き起こしたのは、間違いなくこの少女であろう】
【ただ、その顔に感情は無く、まるでただ壊してしまったかの様】
【赤色のローブで掌の汚れをゴシゴシと拭き取れば、真っ白な自分の掌を見つめて】


「多分、きっと、褒めて、貰える
ちゃんと、消した、から」

【一人頷けば後片付けをする訳でも無く、そのまま歩き出して】
【幾ら手の汚れを落とそうとも、身体全体の血を墜とす事は出来ない】
【真っ赤に染まった少女が路地裏を徘徊する。それも、全く感情の見えない表情で】
【それは完全なる異質であって、嫌でも目に留まるであろう】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(中部地方)<>sage<>2013/03/23(土) 23:16:35.18 ID:ySLgfHEpo<> >>646

急所を斬れば、か。なら、こういうのはどうかな――――――"風錐"ッ!!

【男へと走り抜けながら少年が叫べば、ごう、という大きな風切り音と共に、彼の周辺の空気が丸ごと渦巻き始め】
【その風の流れは、ドスを持たない左腕へとまとわりついて――――やがて、風の銀色が前腕部を丸ごと覆い尽くす】
【少年の左腕を"芯"にして高速で回転する巨大な風の流れは、『銀風の帯』の集合体…………いや】
【それはもう、ただ一言で『竜巻』と称するのが最も的確だろう】

【思えば先程の帯も、すべて"弧"の軌道、言い換えれば"円軌道"を描いて飛翔していた】
【男の能力が"棘"を司るものなら、この少年の能力は"風"と"回転"を司るもの――――つまりこの少年、『竜巻を作る能力者』!】

…………ぐあっ!?

【風を唸らせながら突進する少年だが、近づくのを優先するあまり回し蹴りへの反応が遅れ】
【どうにか右手に構えたドスで受けるが、脚に対して"刃を立てる"までの時間はなかった。受けた刃の腹ごしに、強い衝撃が右腕を透過していく】
【だが――――それでも、ここまで来て止まるわけには行かなかった】

――――はあぁあああぁああっ!!

【少年はそこから更に一歩踏み込むと、ダメージを負った右手は下げたまま、竜巻を纏った左腕でパンチを繰り出すだろう】
【左から右へ、胸部を掠めるフックのような一撃。その動きは、腕の"竜巻"を胸部に擦り付けるのが狙いだ】

【…………『竜巻を作る』この能力は、より厳密に言うなら"銀色の妖気によって風に『斬撃属性』を付与するとともに、その風を回転させる能力"である】
【先程の『銀風の帯』も、その『斬撃』の妖気によって触れた部位を斬ることが可能となっていたのだ】
【もちろん、この竜巻もまた然り。加えてこの"風錐"の竜巻は非常に回転数が高く設定してあり、それに比例して威力も高まっている】
【もしこのまま胸部に触れてしまえば、この"斬撃の竜巻"はその体をズタズタに切り裂いていくだろう――――】

【…………しかし威力を上げた分、竜巻のサイズ自体は小さくなってしまっていて】
【パンチを回避する際、普段より大きめの回避動作をとることで、竜巻の余波もかわすことが出来るか】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(不明なsoftbank)<>sage<>2013/03/23(土) 23:18:26.92 ID:7VS9fXg10<> >>645
嫌われる事には慣れてるからねぇ……
今更面と向かって言われても、挨拶程度にしか思えないよ

【嫌味に対して再度苦笑すると、帽子の唾を指で弄り始める】
【夜の街はまだまだ眠らないといった具合に輝き、空までぼんやりと明るくしている】

雌伏のうち、ということか……
まあ、それは僕も同じだけれどね
所詮独りで世界は転覆出来ない、だからぼんやりとくらげのように気長に行くとするさ

【何かを待っていると間接的に告げる青年の言葉に、共感したように頷いて】
【只今は何か行動をするでもないといった様子でいる】

顔の知らない奴よりは寄りやすいだろ
というか、僕は自分と意見のあったりする奴よりはそれとは逆の奴の方が好きだ
なんというかね、天邪鬼というかね……

【少年の思想と言うのは、どこか歪である】
【自身と思想を同じにするものよりは、自身を否定し反目するものの方が一緒にいて楽しいと言う】
【どうにもややこしい性格だ。同意よりは否定の意見の方を聞きたい性格らしい】
【兎に角、今のところは少年も争う気は無い】
【もしも殺されても相手がこちらを『殺しきれない』という自信が無いと言うわけではない】
【少年の不死性は、別に特別な力があって崩されるような物ではなく。ふとした拍子に崩されるような脆い物である】
【だが、今は大丈夫だろうと感じて】

やはり、君もそう思うかい
あいつらの中身がどうなっているかは知らんが、離散していないのが不思議だと言うのは今のところ明白だ
まあ、そうでなくてもそもそもの目的が見えないような機関があるのが不思議なんだがね

【機関か、あるいは自分にもか向けられた侮蔑と憎しみの念を、蒼いその瞳で見つめて】
【同意するように、頷くと帽子を脱いでガードレールにもたれかかる】
【その言葉は、そもそもの機関の存在意義を疑るような言葉だった】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage saga<>2013/03/23(土) 23:24:32.87 ID:pTkJYXfc0<> 【水の国を高らかに見下ろす高層ビルの、その最も高い部屋】
【部屋の空気の澱みにすら気付かぬ余裕のなさは、そのまま重い空気を部屋に満たしたまま、】
【ふわりと空気が揺らいだなら――しんと静まる部屋、彼女の帰宅を示す】

【玄関先でごがんと投げ捨てられるのは両の靴。彼を真似て履くようになった高いヒールを蹴り飛ばして、】
【そこからしばし。じゃぎと鳴らされたのはジッパーの音、黒のパーカーを適当な場所に脱いだ後投げ捨てて、】
【ふぅわり引いて揺らすレースとフリルで飾ったワンピースの布地もまた、喪服めいて黒一色】
【腰元で縛ったリボンの端を引き抜いて、裾を捲り上げてそのまま脱ぎ捨てる――ぼさりと、くぐもった音】

【その総てが歩みながら一定の間隔で繰り返されたなら。ぽつぽつと残される痕跡は足跡めく】
【そうしてたどり着く先は、動かないはず(と思い込んだ)彼の横たわる寝台――変わっているはずの様子には、気付かないまま】
【ひとつに結った髪からシュシュを抜き取って放り投げる、続いて抜いた黒の髪ゴムは手首にかけて、】

【――スリーインワンですら黒で統一したなら、純白の肌はおかしなぐらいに良く映える】
【そもそも押える胸も締め上げたい腰もないなら、ただ肌の露出を嫌っただけのよう――長たるい靴下を抜こうとした指が諦めて落ちて】

【見下ろす瞳。鮮やかなはずの血色が澱んで濁ったなら、さながら旧い血液の色にも似て、色濃い疲労を湛える】
【もしも目を開けたとして。話し掛けたとして。その総てを幻想幻覚幻聴だと断定するぐらいの疲労の意味を辿ったなら、】
【その身体。彼が満たしたはずの魔力は底を透かすほどに目減りしていて――それでも、秒速でじりじりと増えているようだけれど】
【寝台に潜り込んだなら、きっとあるのだろう暖かさにも吐息にも気付かないまま。結局、ふつと眠りに堕ちてしまう】

【――さて、意識が戻ったならば、彼女が彼の死するうちに何をしたのかも理解するのは難しくない】
【それは指先に絡む髪のしつこさにも、気付かぬうちに出来たちいさな傷の疼きにも似て、ほんの僅か自己主張をするのだから】
【元々は彼女と白蛇を繋いでいたへその緒にも似たパイプは、断ち切られて父たる彼の元へ向かって、そっと絡む】
【そうして魔力を吸い上げたなら、ヤドリギにもよく似て――その量自体は、誤差と言っていいほど微かなのだけれど】
【戯れや気紛れの軽さで断てぬ程度に施された防護の術式は棄てないでと追いすがる様にも、きっと似ていた】

【(預けたものは、本当に本当の彼女の生命線とも言えるもの。外敵に対して堅牢だろうと、内からは、)】
【(上手く手繰って操れたなら、彼女をそれこそ傀儡のようにすることだって出来るのだろう、きっと――)】

【――泥のように眠るとはきっとこのことを指すのだろう。やっと起き出す頃には、太陽も地平線に帰ろうとしている】
【気だるく引き摺るように起こした身体でも、彼に気付いたなら。泣きじゃくる声も、甘えたがる両腕も、突きたてようとする歯も、】
【その総ていつも通りに振舞うのは彼と同じ。黒の屋敷のことも神社でのことも訪ねないのは、平和の崩落を恐れるかのよう】
【ただ甘えて、傷を強請って、咬み付きたがって、――――。なんてことない、いつも通りだ】

【(――ちなみに、彼に指摘されるまで自分が下着であることをすっかり忘れていたらしい。黒。ただし色気はない)】

/というわけでお父さんの方に向けたお知らせめいたものをばー
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(新潟県)<>sage<>2013/03/23(土) 23:25:31.46 ID:lwPcneObo<> >>647

【振り返った青年の腹部に紺碧の双眸が一瞬集中し、男は眉を顰めた】
【同時に彼がここに居る理由を、眼でも把握する。あの大きな傷を治すためだろう。然し気になったのは―――】

―――そのふっかい傷、事故で起きたものには見えねぇんだが……
俺には刃物かなんかで腹ぶっ刺されたようにしか……

【……その傷の理由。自分が負う傷にも、深い訳が有るように―――彼のその傷痕にも、何かしらのモノがあるのではないかと】
【口を回しながらも男は背負ったバックパックを地面に置き、その上に被ったソフト帽を乗せる。茶色の短髪が、夜の冷たい外気に晒された】

あーあー大丈夫、心配しなくて良いぜ?
どうせ俺の傷はこれだから、ちょこんと脚浸してるだけで十分なんだよ

【そう言いながら男は裸足になり、赤を吸い込んだ包帯を取る。足首に奔った大きな一本の線から、じわりじわりと朱が漏れていた】
【まるで足湯に浸かるかのように、両足を泉に浸す。「おおつめたっ」と身体を震わせるも、上体を縮こませながら我慢して】

くぅッ、染みるぜ……あ、俺か? 俺のは―――かつての悪の親玉……カーネルってヤツにボコされたの時の傷痕さ
もう2年も前か……ま、一生治る事は無いっぽいけど、ある程度なら楽になるかなーなんて

【―――アキレス腱断裂。最近ようやく軽くなら走れるようになったが、この傷は彼を2年間停滞させた程重い】
【かつて世界を震撼させた組織のボス―――もう、その組織の名も空に消え失せてしまったが、この傷が完全に治ることは無い】
【それでも定期的な出血くらいなら、と期待してここに来たのだ】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage saga<>2013/03/23(土) 23:29:26.91 ID:VthN4A3PO<> >>648

――うん、久しぶり。

【作り笑いすら浮かべない少女、その姿は少年の記憶とはかけ離れていた】
【少しでもあの時のしっかりした雰囲気を取り戻そうと、必死に笑みを浮かべる。おそらく、効果はないのだろうが】

おい、何があったんだよ。
そんな、「どうでもいい」なんて――

【少女の両肩を掴もうとするが、実際に掴む事はなく】
【彼女の纏う負のオーラは、慰めすら躊躇わせるものだった】

――ごめん。

【少年には、今の少女にかけるべき言葉が見つからなかった】
【下手な慰めはよくない。そうは思ったが、ここから立ち去り少女を放っておく事もできなかった】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/23(土) 23:33:47.17 ID:SqX5Xymio<> >>649

【夜風が頬を撫でる感触と木々が奏でる微かな音楽を堪能していたところに、雑音】
【草木が無遠慮な振る舞いに悲鳴のような軋む音を響かせ、泉の澄んだ水が優しい風以外の手で揺らされる】
【少年の耳に届けられた声がそれら全ての正体と招かれざる客の到着を彼に知らせた】


──遠慮というものを知らないようですね


【静かな怒りの乗った言葉が少年の口から発せられる。その瞬間、穏やかな輝きを放っていた腕輪から眩い光が溢れた】
【一瞬の静寂を破って荒れ狂う突風が泉と森、少年と青年に向かって強烈に吹き始めた。まるで大気そのものが怒り、唸り声をあげているかのような風だ】
【気がつけば少年は水面の上に立っていた。大気を圧縮して足元に固定し、足場としているのだ】

【憤怒に染まった金色の双眸が青年を睨みつけている。溢れ出る怒気と殺意の両方がこの場を支配せんと膨れ上がり続けている】
【少年が右手を青年へと向け、その先から圧縮した大気を飛ばす。強い圧力を持つそれは命中すれば強打されたのと同じ衝撃がある】
【また空気中に含まれた塵を多くもつため、白濁した色に見える。不可視でない以上、回避は可能だ】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>saga<>2013/03/23(土) 23:35:05.59 ID:z0d0H9XA0<> >>652

……まぁ、そうだろうねぇ……

【これだけの面倒な人格なのだ。自分でなくても疎ましく思う人間は多いだろう】
【そして、この少年に限って言えば――――それが翻る可能性などゼロに近しい】
【青年も、ただその事実を追認する事ぐらいしか出来なかった】

……そう言う事さ
がむしゃらに行くだけでは、結局意味なんてないのさ……ぁ
…………そうして時節を待つ事も、人間としての知性があればこそ出来る事だ……ぁ

【例え、野生の動物であっても、己のバイオリズムに従い、時節に合わせた相応の振る舞いをするだろうが】
【自分たちは『人間』なのだ――――ただ生存と繁殖の為に生きている動物たちとは違う】
【そう言いたげな青年の言葉は、自分たちの相手にするものがそれだけ巨大なものであると知っているが故の、知恵を行使している、と言うものだった】

……尚更、だねぇ……それじゃ、その内好悪を通り越して、誰もお前をまともに相手しなくなるよ……ぉ……
『疎遠』と言うのが、もっとも近しい表現かなぁ……?
……少なくとも、暇つぶしなんて理由で、かみ合わない相手に近寄るのは、そうなるさぁ…………僕だから、良い様なものの…………ねぇ?

【性格が悪い――――少年は普通ではないのだが、もし『普通』の範疇に数えられるのなら、そう表現するのが一番だろう】
【今の青年は、戦いを控えている事もあって、それでも構わないと言ってはいるのだが、それでは人から嫌われて当然だろうと口にする】
【勿論、少年はそんな事、歯牙にもかけないだろうが――――干渉する事そのものを避けられては、本末転倒だろうと口にして】
【――――もっとも、そんな反応もすら、少年の求めているものなのかもしれないが】

……『都合が良い』んだろう……あの旗印は……ぁ
そもそもが、『混沌を望む』なんて、共有されてるんだかいないんだか、分からない目的を掲げているくらいならね……ぇ
あらゆる反社会的なものを内包する、その旗印は……そうしたアナーキストが群れ集うには最適さ……ぁ
…………そもそも、社会に迎合する事が出来ないから、反社会的行為に手を染めているのに、組織なんて集団社会で、上手く行くはずもないのにね……ぇ

【悪の象徴である事、統一された目的がない事――――それが、その下に集まる人間にとって、都合が良かったのだろうと青年は言う】
【そして、それはそのまま、機関の『集団としての弱さ』にも直結すると】
【結局、規模と力が強いだけの、まとまりに欠けた集団であると言うのが、青年の機関評に集約されるのかもしれない】
【『混沌』を旗印に掲げているのなら、あるいはそれは機関が望んだ形とも言えるのではないか、と言う皮肉を織りまぜながら】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(山形県)<>saga<>2013/03/23(土) 23:37:33.88 ID:V3QJasaao<> >>651

【振るった脚部の先、己の眼が捉えたモノは"左腕に纏わりつく竜巻"】
【振り切られた脚部、確かな手応え――しかし、前述通り隙が生まれる】
【幾らなんでもこれくらいは分かる――"あの竜巻は危険だ"ということくらいは】
【だが、回避行為を取るための余裕は、回し蹴りにより大幅に低下していた】

「ヘケケケ、なんだっけなァ……なんかを切らせて……ええっとォ……」
『"肉を切らせて骨を断つ"、ですね』 「そォーそォー、それそれ、肉を切らせて骨を断つゥッ!」
「――そォーいうことだなァーッ!」

【この場より離れていた女性の声は、少年にはほとんど聞こえないだろう――】
【その為、傍から見れば独り言のようにしか聞こえない】

【既に右腕には結構なダメージを負っている、……ならば!】

「気ィィ合だァァァアアアアーーーーーァッ!」 「間に……合えェッ!」

【胸部へ振るわれた左腕、それを防ぐための盾としたのは――己の"右腕"ッ!】
【"前腕部"でその拳を受け止める彼――無論、それに"とても大きな被害"を負うことは言うまでもない】
【その際、暑苦しい魔力のような気のような何かが腕から漂っていて――防御力を高めていた】

【竜巻の"余波"は他の部位にも及ぶが……】

「ぐ、うううゥッ、なんのこれしきィィッ!」 「――――ヘッキャァァアアーーーーッ!!」

【……お構いなし。】 【右腕が駄目になったならば、左腕を使えば良い】
【その体勢のまま突き出す左腕――"現在の状態の竜巻"に巻き込まれるか否かの"ギリギリ"のライン】
【いわゆるストレートパンチだが……体勢が体勢だ、最初に放った右ストレートより拳の勢い自体は弱い】

【だが、その左腕には"棘"が無数に生えていて――先端は、少年の方を向いていて】
【拳による"打撃"と、棘による"刺"の合わせ技"棘の腕"――それは青年の右腕に向けて、振るわれるッ!】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2013/03/23(土) 23:43:28.83 ID:oe0PJ1r9o<> >>650
ーーーさて、情け無い声がしたから、どんな間抜けヅラがいるかと思えば

【カラン=[ーー】

【不意に響いた、乾いた音ーーーまるで、いきなりそこに現れたみたいに、少女の背後から】

…なんだ、鬼の子じゃあないか?
くく、お嬢さん、お待ちなさい…ってネェ

【見た目相応、年相応の子供をあやすように、その場の異常はまるで無視した声が、少女にかけられた】
【振り向けばーーーそこにいる奴は、にたにたと笑っていて】

【水色の着流し、下駄履き、白髪のポニーテール、前髪で左眼を隠した青年である】
【首に白いマフラーを巻き、腰には帯刀、眠そうな半開きの目で口にはゲソの干物を咥えている】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2013/03/23(土) 23:44:00.85 ID:Ino/PA4W0<> >>656

【ドンッ!!という凄まじい衝撃音と共に、大地が抉れ、埃と土が舞い上がり―――カラン、コロンと水筒が地面に転がる】
【砂埃が晴れた先―――青年は腕をクロスするようにして防御態勢を取り腰を落としていた。】
【とはいえダメージは通ったようで、空気の弾丸を受けた箇所は服の上からでも分かるように赤く滲んでいる】
【ちっ―――っと一度舌打ちが聞こえる。】

おいおい容赦ねぇな………俺は気にするな≠チて言ったぜ………?
しかしこの力―――やはりその数字=c……そういうこと≠チて事でいいよな、お坊ちゃんよ?

【少年へと鋭い眼光を向けながら青年はそう言い放つ―――数字持ち………即ちカノッサ機関のナンバーズッ!】
【相対するのは久しぶりだが昔は毎日のように戦っていた相手だ、身体があの頃の感覚を思い出そうとしているのが分かる】
【青年は背にある大型ブレードライフへと手を回すとそれを両手で抱えるようにして持つち、そしてトリガーへと指をかけて………】

             つーわけで正当防衛だ―――死んでも文句は言うなよ?

【ダダダダダダダダダッ!!ブレードライフルの銃口から凄まじい勢いで閃光と共に弾丸が少年の元へと放たれるッ!】
【だが距離はそれなりに離れている、回避は可能だろう。】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2013/03/23(土) 23:51:20.96 ID:+qaJJixXo<> >>654

ソうだな、恥ずかしながらその通りなンだ。あっつい槍でザクっとネ
俺についテのみ言えば、大敗を喫したッテ事になるノかな……

【笑い話のようにさらりと言うものの、平気そうであるのは声色ばかり】
【真一文字に下がる眉も、うまく笑みの形にならない曖昧な口元も。事件に纏わるどうにもならない思いを示すようで】
【自分でもそれを分かってはいるのか、暗澹たる思いを振り払うようにゆるゆると首を振る】

ヤ、俺もソロソロ寒くなってきたトコロだしさ
こっちノ国は随分と寒いンだねえ、四季ノ移り変わりが著しいから寒さモ酷いのかな

【2mをゆうに超える上背に比して差し障りのない逞しい体は、見ればそれ以外にもあちこちに傷が出来ている】
【きっと相手と同じく、多くの物を守り切る闘争に身を投じつつあるのだろう】
【濡れた後ろ髪の落ちるのを防ぐように、両手で短い前髪ごと掻きあげる】

……カーネル?
実は時々ソノ単語を耳にはするンだけど、誰もそれが誰についてなノか教えてくれないンだよな
俺、最近郷を離レたばかりであんまり知らないコトが多くテさ。良かったら教えてくレないか

【ぱち、と丸い目が瞬いて復唱する。思い返すように片手を顎に当て、しばし。打ち明けるように、そっと口を開く】
【背中で石を弾いて水の中をざぶざぶと歩き、相手から少し離れたところまで近づいて己も岸へと腰を下ろす】


/っとここでアナウンス。なんだかお腹の調子が悪いので遅れがちになってますがそのせいだと思ってください:(;゙゚'ω゚'):
/でも切りません! 体力の限界までやり尽くすッ! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(不明なsoftbank)<>sage<>2013/03/23(土) 23:57:10.63 ID:7VS9fXg10<> >>657
そうなんだよねぇ……

【困ったような、どうでもいいような声で空気が抜けるような調子でそう呟いて】
【この跡も、自分を嫌悪する奴は増えるだろうなといった調子にため息を着く】

がむしゃらにいって、志半ばで逝きました。ってのは困るからね
なにより、僕もお前も相手しようとしているのは思惑の違いはあれ世界だ
下手をうって、芽が出るよりも早く種のまま掘られてしまうのは屈辱以外に無い

【漠然とした行動では、途中で果てても文句は言えぬ。濃霧の中の旅路で事故死しては言葉にもならぬ】
【目標を見据えて行動しないものは愚者である。先の見えない行動はいつか己の行動に滅ぼされる】
【少年はそう告げるように、苦笑交じりに冗談めかして言葉を紡ぐ】

ハッハッハ、流石に骨の髄まで嫌悪されるような相手なら近寄らないさ
それこそ、戦いそのものを放棄されるくらい嫌われるような人間には……ね
僕としてもなるべくは、そういう好悪はなくしていこうとしてるんだからさ

【青年の、その否定しようのない正論に少年は誤魔化すように笑う】
【何時のことだったか、少年は意見の対立した相手との事で刃すら抜かれずに終わった相手がいる】
【少年も、人の成りをしている以上は相手からの反応を求めているのだろう――そこまで嫌われている相手には必要なとき意外は近寄らないと述べて】
【――最も、そういいつつ自分を嫌っている青年に絡んできたところでその言葉に説得力は皆無に近いが】

何事も、曖昧なものが上手くいくって事か……
恐い話だ、ガチガチの鎖状社会を望む僕としては……ね
君の言うとおりだよ、社会に迎合できないものが集団に迎合できる筈も無い
だが、逆にそれゆえに一定の規模は誇れる……か

【曖昧と言うのは、恐ろしいものだ。物事は曖昧ゆえに具体的に線引きできず見逃される行為も多い】
【全てを事細かに決めた社会を望む少年としては、その曖昧の恐さと都合のよさが真に理解できたのだろう】
【そして、それが機関を弱めたとしてもその性質ゆえに抜けるもの以上に加入するものが多いというのも分かる】
【害悪とされるタバコ同様、一度できれば抜けるもの以上に入るものが多くなり、最後は根元を失くすのが困難になる】
【結果、一定の規模は保たれたままにずるずると続いてゆく――少年は、そう結論付けた】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage saga<>2013/03/23(土) 23:58:58.95 ID:xedYXR4ko<> >>639

【ダウンしてしまった右腕の手首をを左手で支え真っ直ぐに構える。水の波紋が彼を中心に発生していく】
【震えが止まらない。恐怖から来るものではない。もう苦しい、疲れたと駄々を捏ねる“右腕”それに対し】
【起きろ、働けと、思い切り締め上げている。辛坊たまらず右腕はその手の平に持った“ 大口 ”を開いた】


───────────『リロード』


【──────────“ バ  ク  ン ”───────zz___ッ】

【水の斬撃は見事、切り裂いた。リロードの“両サイドの壁”、を中心に居る彼には何も無く】
【──そう、“ 喰った ”のだ。水の斬撃の腹を。彼の右腕が開ける禍々しい大口が!!】


『リロード』そう。私はリロード・ザ・マジシャン。────そうでしたね。最初に売ったのは私だった。
役者は、幕が降りるまで立ち止まる事を許されないのでしたね。では、これを持って有言実行とさせて頂きましょう。


【次の瞬間、リロードは構えた右腕を投げ捨てる様に振り払い。彼の“頭に付いている方の口”を大きく広げ】


責任を、取らせて、頂きます。──格好良くか!


【その口から“小刀”を吐き出し。その柄をガチリと咥える。その刃はまるで燃える様に真っ赤に染まっている】
【その中に込められているのはリロードが自爆した際に受け止め、『リロード』した爆炎ッ!ただ吐き出すだけなら火力は足りない】

【だが、“爆炎”に“能力”と“技術”を加えたのならば────】


 お か え ひ 、 れ ふ (おかえし、です)。──『放出』


【彼は笑い。思い切り、体を首を捻り、放たれれるは────】


≪ ピ ュ ロ ボ ロ ス ・ グ ラ デ ィ ウ ス ≫ッッ!!


【ひゅるりと放たれた刃の一線。その風圧は、爆炎の斬撃となって彼女に、Nemesisに襲いかかる!】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/24(日) 00:01:08.08 ID:mr2r8c45o<> >>660

【命中の手応えと粉塵。一般人なら死ぬまではいかなくともそれなりの怪我になり、怖気づくのが大半】
【そう思って放った攻撃を受けた相手は平然とした表情で目の前に立ち続けている】
【怒りのままに攻撃を放った少年は結果が予想と違ったことに余計に苛立った】


何がそういうことだ。人の瞑想を邪魔しておいて何が気にするな、だ
この戦闘狂どもめ。どうやらお前たちの頭の中には戦う以外のことがないらしいな


【右足を横に出しそれを軸に半回転して銃弾を回避。高速の弾丸が木々に命中して破裂音と共に木片を舞い散らせる】
【右腕を大きく振るって魔術で軽い衝撃波を引き起こす。白く濁った大気が縦横幅3mという広い範囲を持つ壁となって迫り来る】
【範囲が広い分、衝撃は大したことはない。訓練された人間であればダメージにはならないだろう。だがその目的は足止めにある】

【右腕を振りきった勢いを利用して左半身を前に出し、左手を突き出す。そこから先ほどと似たような衝撃波が青年に向かって疾駆する】
【この攻撃こそが本命。初撃と同じく圧縮した大気だが足止めのものと正反対、つまり範囲は狭い分より強い衝撃を生むものに変わっている】
【攻撃が終わればすぐに少年は浮翌遊したまま泉の外、木々の後ろに隠れるために移動する。銃相手に正面にいることは得策ではないという判断だ】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage saga<>2013/03/24(日) 00:02:25.91 ID:K7IS04Dr0<> >>659
【ポケットから出して眺めていたのは、液体の注がれたガラス瓶】
【正確には――――その中に浮く、球体であろう】
【ガラス玉とも異なった物。ただ、見つめていたのだけれど――――不意に聞こえた音には、ゆっくりと振り返って】


「お嬢さん、うち?
うち、は、お嬢、さん、じゃ、無いよ?」

【最早、非日常も何も関係の無い空間】
【生臭い臭いを発する肉塊は、ただのオブジェクトと化していて】
【見つめていた物を大切そうにポケットに仕舞いなおせば、無感動な瞳が男へと向けられるのだろう】


「うち、に、用事、ある、の?
キサラギ、が、臭い、で、悪い人か、分かる、って、言ってた
あなた、は、わるい、人?」

【善悪の判断所か――――言葉も辿々しくて、少し聞き取りにくいだろう】
【ただ、本能の思うままに行われる行動】
【今はまだ男を敵と認識していないためか、ただ首を傾げて問うだけで】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(中部地方)<>sage<>2013/03/24(日) 00:09:34.75 ID:i9jLcPIxo<> >>658

【竜巻は彼の右腕を引き裂き、その返り血すら少年の体に飛び散る前に竜巻に斬られ、霧散する】
【斬ったのは竜巻、故に手応えはない。だがしかし、狙いこそ外したが、大きなダメージを与えたのは確かで】
【これだけやれば多少は怯んでくれるだろう、と思ってその表情を見上げれば――――】

………、勘弁してよ…………。

【たらり、と少年の頬に汗が伝う。これでも駄目というなら、もはや戦闘不能状態に持ち込むしか手はなく】
【しかし、明らかに肉弾戦の得意そうな相手の間合いへリスクを承知で飛び込んだのは、そう時間の経たないうちに終わると思っていたからだ】
【だが、この至近距離で戦闘が長引けば――――倒れるのは、間違いなく少年の方だった】

く…………ッ痛っああぁ!?

【男の目論見通り、その"棘の腕"は少年の右腕へと突き刺さる。まさしく肉を切って骨を断たれた形】
【棘を引き抜きながら慌てて数歩後退するが、腕に貰ったダメージは大きい。男と同じく、右腕はもう使えそうにない】

【腕を刺された激痛に、右腕を潰された劣勢の状況…………それらは少年の戦意を削ぎ落とし】

…………"仕方ない"よね、うん。

【――――カチリ、と。少年の中で思考が"切り替わる"】
【脂汗を浮かせて歯を食いしばっていた表情から一転、少年はにこりと笑って、口癖が突いて出て】
【何故か周囲の人々を見やり、「ごめんなさい」と謝り――――その瞬間、少年を取り巻く"妖気"が増したのがわかるかもしれない】
【彼は右手のドスを左手に持ち替え、それからその柄を口にくわえた】

【そして…………空間に満ちる銀色が、急激にその色を増すだろう】
【わかるだろうか、この風の流れが。右腕の傷口を押さえる少年を、"芯"として――――】
【ゆっくりと、ゆっくりと。周囲の風が、丸ごと回転を始める】

【先程と腕に纏わせたのと同じ、竜巻。しかし、風に乗って舞う砂塵の軌道を追っていけば気づく――――その回転範囲が"広い"!】
【今までとは威力も規模も段違いの、男どころか周囲一帯を丸ごと覆い尽くそうかという巨大な竜巻を、少年は起こそうとしている――――!】

【先程の謝罪の理由は、これだ。これだけの竜巻を起こせば、周りに与える被害もゼロでは済むまい】
【ついさっきまで省みていた周囲のことを一切捨て、保身だけを念頭に置いた一撃――――】
【そこには躊躇いも何もなく。周りを気遣っていてはやられると見るや、一瞬でそれを頭から消し飛ばす】
【思考の"切り替え"が、少年はあまりにも早すぎた】

【幸い、竜巻はまだゆっくりと回転している段階である。完成するまでに少年を倒せれば、それで終わりだ】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/24(日) 00:12:23.96 ID:CNTt2bqwo<> >>639>>663

【ぐちゃりと肉を叩き潰す感触は、どうも愉しく嗚呼自分は気でも触れてしまったのかと思い】
【それならもう構わないからもっとこの壊すだけの道具で、壊して壊して全部を形無くしてしまおう……】
【ただ喉が乾くのを癒すようにまた彼女を叩き潰してその血で潤そう、それが終わったら次は――――――――なんて欲求は】

――――――っつ!!

【幸か不幸か彼女の投擲した刃が左肩を突き刺す感触で取り払われる】
【鮮烈な痛みは意識を現実へと縫いつけて、そこでようやく自分はコレに飲まれかけていた事を悟り】
【掌から伝う拍動を恐れて離す、ドスン!と地面に落ち水を受けて赤色は収まり元の銀へ……】

【手元から離れてしまえば後はもう元の「ナイフ」へと形を変えて腰元のケースに収まる】
【その姿に暴虐性などなくだからこそ気味の悪さだけが残る】

ち、……やってくれたなオイ……

【自分が外部的なモノに支配される気持ち悪い感覚】
【自分の身体を無機物が貫く異物感、合わさってどうにも居心地が悪くて浮かべるのは苦虫を噛み潰したような表情】

【痛みに堪えて息を吐いて、ここでようやく余裕が出来たか】
【今ここにいる理由を、敵がいることを思い出し我に還る】

……と、まだっ!

【感覚はあれど油断ならない相手には違いないならばどこにいる、と目を凝らし感覚を伸ばす】
【が、それも無用だった。そうだここには彼がいるもう一人の彼、リロードがその掌を掲げて装填する「力」】

(――――――っ、なんて……やつ!)

【この場の属性と相反するような炎、ただ呆然と見つめていっそ美しいとさえエルフェスは思ったという】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2013/03/24(日) 00:15:15.35 ID:pAj6WA58o<> >>665
ほうーーーじゃ、なんだって?
まさか、本当に鬼とも言うまい…つっても、子供にはわからんかネェ

【「くっくっ」と、更に笑って青年は続ける、少女がこの惨状を作り出したとは大体わかっている】
【問題は、その少女に自覚がなさそうな事ーーー人としての常識が欠けた少女を、興味深そうに見て】

君に用事はあるが、用事は無いーーーてっきり、どっかの殺し好きかと思ったんだがなぁ

…くく、匂い、嗅いでみるかい?
ガキにゃあちょっと刺激が強いぜ、オイラの匂いは

【ああそうだーーーこの青年は、まさかここにいるのがこんな小さな少女だとーーーましてや、殺しを殺しとしてわかっていない少女だとは思わなかった】
【こんな少女なら、斬り合いは無理かーーーだが、これはこれで、面白い】

【気になる青年の体臭は、少女がそうとわかるかは不明だが、かなりの酒臭さがある】
【それに混じる、スルメのスメル…親父くさい飲んだくれの匂いだ】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>saga<>2013/03/24(日) 00:17:52.23 ID:WUUIWnmT0<> >>662

…………思慮と臆病、勇気と無謀は別物だからね、ぇ…………
……正しく分別するのは難しく……そして、それを誤れば待つのは破滅…………
分かり切った事だけど、それだけ難しい事でもあるさ…………ぁ

【待つべき時と、往くべき時】
【その時節を正しく嗅ぎわける事は、そうそう容易な事ではない】
【しかし少年の言う通り、自分たちの行いは、その容易ならぬ事をこなしてこそ、やり遂げる可能性が見えてくる話である】
【それを、なんて事もなく、つまらなそうに口にする青年。簡単にできれば苦労はしないと、そう言いたげな雰囲気だった】

……人間として、当たり前の反応だね……ぇ
もっとも……反応が返ってくるうちが華さ……ぁ。逆説的にだけど、そうやって無化させられてしまう事も、あり得ない事じゃぁ、ない……ぃ

【――――『ストローク』と言う心理学用語がある。人間は好悪の別なく、相手からの反応を欲しがると言う理論の、『反応』を指す言葉だ】
【少年も、どこか通常とは異なるとは言え、そうした人間心理の範疇に情動を置いているのだろう】
【反応そのものを拒否させるのは、流石に面白くないと見えて】
【青年もそれを知ってか知らずか、無視される事の恐ろしさを口にする。疎遠と忌避しか帰って来ない世界では、誰もが存在意義を失いうると】
【――――異常な殺人行動を始める前は、畑違いとはいえ科学の道を歩んでいた、青年らしい言葉だろうか】

…………元手となる人間が、いると言うのも大きいんじゃないか、ぁ……?
『核』と言い換えても良い…………バラけようと作用する動きを、繋ぎ止める『要石』の様な人間が…………
そう言う人間がイニシアティブを握れば、多少は円滑にいくようになるさ……ぁ
…………例えば――――コーネリアス・F・ラインハルト…………ッ

【纏まらない集団を纏める――――ある種のカリスマや、圧倒的な力で以って他者を従える存在】
【それがいれば、社会不適合者の集団の中にも、ある程度の集団秩序が生まれる】
【そうした人間の存在があれば、機関も一朝一夕に沈む事は考えにくい】
【本当なら、組織の構成員1人1人がそれを意識すれば――――機関は、今の程度では済まない、強力な組織になる事も考えられるのだろうが】
【そして、その例となる名前――――コーネリアスを上げた時、青年の眉間にギリッと皺が寄った】
【その名前を――――強く憎んでいるように】

――――――――さて、僕はそろそろ行くよ。お前の暇つぶし……役は果たしたかな……ぁ?

【遠い街の灯も、徐々に暗くなる頃合いである】
【青年はガードレールから離れ、そう少年に告げる。何か呼びとめなければ、そのまま青年はその場を去るつもりだろう】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2013/03/24(日) 00:21:24.90 ID:DS9MDe+D0<> >>664

悪いな、どうも最近口が悪くなっちまってよ………謝ったら許してくれるかお坊ちゃん=H
お前たち=c……?ちげーよ戦闘狂は俺独り=c……俺は孤独な負け犬だ―――だから他人は関係ない。

【大気の壁に対して顔をガードするように腕を上げるが、それは少年の目論見通り足止めをされたという事だ】
【ドゴォッ!と続けざまに放たれる空気の弾丸を腹部に受け、口から鮮血を吐き出しながら地面に一度叩きつけられる】
【だがすぐさまに立ち上がり―――口から血の混じった唾を吐き出して木々の間に隠れた少年を探す。】

ちっ相性が悪いな………こういうのはあんまり気が進まないんだが………仕方がねぇな。
加減が出来ないから気を付けろよ……… 爆ぜろ―――        『Brave Brun=x

【青年が呟くのと同時にゴッ!っと青年の髪が深紅に輝き―――火の子と熱気が青年の周囲へと舞っていく。】
【そして青年は少年が恐らく隠れているだろうという目星を付けた辺りに再び銃弾を撒き散らす―――だが今回の弾丸は、違う。】
【青年の髪と同様に深紅に輝いているのだ………その弾丸は木々に激突すれば炸裂弾のように派手に爆炎と爆風を発生させ爆発する】
【数撃ちゃ当たると言わんばかりの力任せの広範囲攻撃―――だが強力だ。】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(新潟県)<>sage<>2013/03/24(日) 00:21:32.60 ID:eBdo9tNHo<> >>661

大敗っていうからには、何かしらの争いってワケね……
部族の争いか、最近また色々やり始めたカノッサ関係ってところ?

―――それ以外の傷は、闘争の勲章……ってか?

【泉に脚を泳がせながら、話を掘り下げていく。腹以外の傷痕に視線を移し、戦士であることを理解した】
【恵まれた体格を眼にして、少し羨ましく思う。自分は体格は平凡、力は右足首の傷のせいか元々強くないが弱まった】
【そんな彼が戦いの中に身を委ねて生きていくには、「コレ」が必須だった】

……いつかコイツで撃ち抜いてやるって思ってたんだけどなぁ。リハビリ終えて出てきたら、組織潰れてやんの……ま、良い事なんだけ……どッ!

【両手に突如具現化し収まる、拳銃。右手には蒼の、左手には朱の其れを握り締め―――低い位置から一発、右の拳銃から銃弾を放った】
【水切りのように、水面を弾く銃弾―――鉛弾は水に沈むこと無く、向こう岸にあった木の根元に跡を残した】

あ、これ絶対五月蝿ェ……わりぃ。 カーネルは俺もあんまり詳しくねぇが、当時流行った悪の巨大組織≪R.I.P.≫のリーダーでさ……
未だに俺はアイツ以上のヤツと戦ったことはないね。……あの時初めて、威張り散らしてた俺がどれだけ弱くてちっぽけかってのが解ったくらい

一瞬正義が折れかけたよ、マジで―――今で言う、六罪王レベルの強さは間違いなくあるんじゃねぇか? 
ま、俺六罪王ってのと出会ってないけど……まず六罪王ってアンタ解んないかな?

【撃った直後にまた五月蝿い事に気付き、申し訳ない顔を浮かべながら銃を両手から消した。―――コレが彼の能力なのだろう】
【カーネルに出会った時を思い出せば、今でも悔しい気持ちで胸が溢れる。あの頃より今は弱いのだから、笑えない】

/了解っす! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage saga<>2013/03/24(日) 00:27:09.25 ID:K7IS04Dr0<> >>668
「鬼、は、分からない?
テラス、も、教えて、くれなかった、から
私、は、鬼、なの?」

【自分の事を分かっていないというのは、実に滑稽な話】
【――――自分の正体を、男に問うのも可笑しな話】
【真面目な表情か、質問かは不明ではあるが……元より、冗談なんて言える性格で無い事は何となく察せてしまうだろうか】
【逸らす事も無く見上げられる瞳。アルビノとでも言うのだろうか。全身が雪の様に白い中、唯一瞳だけが紅く染まっていて】


「別に、消すのは、嫌いでも、好きでも、無い、けど、褒めて、くれるから、する
私は、その為に、作られた、から、
――――刺激、が、強い、事は、悪い事?」

【謂わば、兵器とでも言うのだろうか】
【何も考えて居ないような双眸。そして小さな身体には、一体どの様な能力が秘められているのか】
【……“その為”に作られたという事を聞けば、そう穏やかで無い事は確かなのだが】
【やがて近寄れば、スンスンと鼻を動かして】


「臭い?」

【何の臭いかは、分かっていないのだろう】
【顔が強ばることが無ければ、渋い表情が浮かぶわけでも無い】
【ただ、男に事実を問うのだが――――無表情で聞くのだから、少し酷い気がする】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(山形県)<>saga<>2013/03/24(日) 00:34:55.62 ID:/nNQ0Tlto<> >>666

【――竜巻によって受けたダメージが、少年の想像より低いかもしれない】
【"気合"――原理は全くもって不明だが、その暑苦しい魔力は様々な効果を齎す】
【先程のあの魔力は、防御力を高めるためのものだったのである】

【そのダメージが大きいことには変わりはない】
【彼の右腕は、もはや本来の色が何色であったかすらもわからぬ程赤く、そして時折覗く白色】
【血が流れる、――いや、溢れて止まらない】

「――ヘケケケ、今のはなかなかでけェ一発だったぜェ」
「っと……気ィィ……合……だァァアアーーーーッ!!」

【先ほど防御に使っていた暑苦しい魔力――気合を流用し、止血のためにへと使う】
【右腕から一瞬強く血が吹き出したかと思えば、次にはその出血量は"半分"になっていた】
【それでもまだ、結構な量は流れていて――――】


「――――この流れ……雰囲気……」

【気流―― 一体それはどこにへと向かっているのだろうか】
【少年―― 何やらそちらの方に向かっているようで………】
【――――この大きさ、さっきまでとは比べ物にならない!】

「なるほど、さっきよりなんか雰囲気も変わって……でけェの一発ぶち込もうってところだなァッ!」
『しかし、これでは私達も……ですから、謝罪の言葉があったのですね』 『一旦避難しますよ、皆様』

【人々に関しては女性がなんとかしてくれるだろう】
【周りの被害を気にするような存在ではない男、――しかし、自分への被害についての想像は難くない】
【先程の竜巻をその右腕に受けていれば尚更……!】

「……ヘケケケ、やられる前にやってやるぜェーッ!」

【まだ竜巻は完成していない、だったらすることは一つ――】

「ハイジャンプゥゥ……タックゥゥオオオオオーーーーッ!!」

【彼は後退りをした後、数歩の助走をつけて――そして跳躍ッ!】
【その跳躍の勢いと自身の体重を活かした"ショルダータックル"が――少年にへと襲いかかるッ!】

【予備動作も、隙も、威力も、――それら全てが"大きい"】
【それがかわされれば、少年の背後の地面で受け身をとって立ち上がろうとするだろうが――】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>saga<>2013/03/24(日) 00:34:57.34 ID:N/oSLO3Yo<> >>663>>667

【――弾かれたNemesisの肉体が、血液を噴出しながらリロードの方へと"向かう"。】
【強烈なエルフェスの一撃に身悶えし、小さく『うぅ――!』という呻き声を漏らしながら】
【彼女の肉体は徐々に"変身"が解け始め、握り締めていた"剣"――クワガタの顎を模した鋸も】
【彼女の肉体の内部へと触手と共に"収納"されていく――それはなんとも、奇怪でおどろおどろしい光景】
【融合が解け始め、彼女の肉体を覆っている骨格は次々に体内へと潜り込み、現れるのは先程と同じ"少女"】
【おおよそ戦闘員とは思えない年の頃、此れほどまでに能力者に拘るその姿勢はとても――ただの機関員には思えず】
【防護マントが爆風に揺れ、水面にゆっくりと影を下ろす――その瞬間】

(――――ま、ず・・・っ!!)

【――襲い掛かる、リロードの一撃が――彼女の身体に触れ、刹那炎上】
【炎と斬撃が同時に、防護マントを貫通し小さな肉体に大きなダメージを還元――叫び声があがった。】
【空中で一閃と衝突し、吹き飛んだ姿勢から水面へと落ちるNemeis――火は直ぐに収まったが、問題は】
【防護仕様の衣類すらも容易く切り裂いたリロードの"技"を持って放たれた斬撃の方だろう。】
【背中から袈裟懸けに大きく裂かれた其処――先のエルフェスの攻撃に連なり、完全な挟み撃ちとなった状態で】
【彼女の肉体は水の中に沈む――】

・・・う、ぐう・・・ッ!!、ん・・・あああああああぁぁぁぁぁ――――――・・・!!

【――水面が赤く染まる。しかし不思議なことに肉体が浮かび上がる事は無い――ただ、代わりに】
【リロード、そしてエルフェスの両名は再び見るだろう、"巨大な影"が水中から現れるその瞬間を――!!】
【何かが弾け、水面が炸裂――その直後、巨大な"百足"が、まるでドラゴンのように全身を唸らせ出現――!】
【水を吹き飛ばし、長い尾を振り回して牢の壁を破壊、とてつもない獰猛さを発揮し水中を移動――】
【強力な顎で主――Nemesisの身体に噛み付き、そのまま穿った穴から逃走――】

           <Summon Insects>

             <Centipede>

【――ほぼ気を失いかけていた、意識を奪われるその寸前のところで、彼女は最後の能力を発動――】
【傷ついた身体に更に能力を重ねがけし、体力を強烈に消耗しながら巨大昆虫を再び召還、逃走しようとしたのだった。】
【暴れる百足はまさに、主人を守護する"騎士"の様に――攻撃されて傷ついた少女を庇いながら、城を駆け上がっていった】
【しかし逃げるその背に追いすがる事が出来ずとも、一太刀浴びせる事くらいは出来ようか――】
【見た目の巨体からは想像できない速度による移動だが、如何せん逃げる事に徹している――それだけ、切羽詰っていたのだ。】

(――――くっ・・・最後の、さい、ご・・・で・・・!)

(――覚えていろ、リロード・・・そしてナイフ使い・・・次こそは必ず・・・殺してやる・・・ッ!!) <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(中部地方)<>sage<>2013/03/24(日) 00:41:07.38 ID:i9jLcPIxo<> >>673
/すみません、次ちょっと遅れるかもしれません…… <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2013/03/24(日) 00:41:10.16 ID:pAj6WA58o<> >>672
さぁねぃ…オイラは君の親父じゃあない
知りたかったら母ちゃんに聞くか父ちゃんに聞くかーーー両方無理なら、自分で好きなように考えりゃあいい

【この少女に冗談の類は通じないーーー子供全般に言える事だがーーーだからといって真面目にやるのは性に合わん、冗談めかして青年は首を振る】
【自分と同じ真っ白い髪ーーー自分の故郷では異端であった、彼女はーーーきっと聞いた所で意味が無い】

ーーー悲しいネェ

…作るにしても、こんなガキにする事ぁねぇじゃあねぇかい
オイラよりよっぽど、悲しい奴だ

【『作られた』ーーー成る程その一言で合点がいく、「そうかそうか」と頷いて】
【漏らした呟きは、独り言のようで、その目は少女を見ていて、笑っていて】

…くっくっく、傷付くネェ、臭いだなんて
まあ事実だ、これが『大人の匂い』の一つさ
…無事に大人になれたら、よくわかるーーー

【臭いとストレートに言われても、自覚があっての事なのか、笑って答える】
【ーーー何か、少女の未来を予想でもしたか。含みのあるような口ぶりで】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(山形県)<>saga<>2013/03/24(日) 00:43:11.03 ID:/nNQ0Tlto<> >>675
/了解です <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(不明なsoftbank)<>sage<>2013/03/24(日) 00:46:02.30 ID:6C16T7c10<> >>669
……だが、それゆえに遣り甲斐もあるさ
簡単に成せれば、それがベストだがこれだけ複雑な社会ではそうも行かない
事を起こせるのは、機関と対立したものとの衝突しているころかな
それすら危ういときではあるけれど

【正しく弱肉強食な世界ならともかく、今の世界は様々な思惑の元に動いている】
【そこにはまったく関わろうとしていない一般人も例外ではない――そして、それ故に世界は複雑で簡単に動かせないと】
【だからこそ、分かりやすい対立が起きればまだ動きやすいといった風で】

まあ、なりは人間だからね
化け物のような人間か、人間のような化け物か、どっちにしろなりがそうである以上
自分が人間という意識で動いている以上、最低限人である反応はあるだろうさ
まあ、この性格は多少隠さないと確かに危ないように感じるけれど

【自分は人の姿をしている。姿はあらゆるものに変われるとはいえ、根元は人という仮面で生きている】
【であれば、ある程度は無意識下であれ人としての心情の元に動くだろ、と告げる】
【そして、無視されると言う最も少年の恐れる部分を極力減らすためにも自分の性格は隠すと】
【仮面でもう少し自分を偽るとだけ遠まわしに告げる】

そういう意味では、宗教と変わらないな
……コーネリアス、かある程度のことは知っている
意味の無いものに意味を見出そうとする愚か者、まあある程度デマもあるんだろうけど
少なくとも、友達になれる相手ではないね。意味のないのに意味を見出そうとする時点で無理だ

【今のところ、機関をもっとも纏め上げていると言える人物】
【その男の名前に、嫌悪感を隠さず軽い口調で物怖じせずに侮蔑の言葉を口に出す】
【少年としても気になりはする存在らしい、混沌とした機関を纏めているとなるとその素性にも関心がいくと言うものか】
【どちらにせよ、少年にとって彼は自分の望む世界にとって最も不要な障害の一つと言える者であるのはその口ぶりでうかがえる】

あぁ、もうそろそろ灯りも暗い。それなりに有意義な時を過ごせたよ……
――――次あったときは、殺され切るかまた話合うのか分からないが…………そのときは互いに目的に一歩でも進んでるのを願うよ

【少年はそう告げて、帽子を軽く振った】
【――別れの挨拶といった具合に、軽く笑みを浮かべながら、去り行く青年を見送るだろう】

――――あえて、名は聞かないよ。それは互いの目的が一歩手前になった時に聞きたいからね <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/24(日) 00:46:36.02 ID:mr2r8c45o<> >>670

【隠れた木の背から敵の様子を伺う。攻撃は意図通り成功し、十二分なダメージを与えたことを確認した】
【しかし少年の瞳は深紅に染まっていく髪を捉えた。溢れ出る熱気が距離を取っている少年の肌でさえ感じ取れる】
【何だあれは──その正体を判断しようとしたとき、圧倒的な爆風と爆炎が少年の身体を薙ぎ払った】

【浮翌遊していた少年の身体は何ら摩擦がなかったために紙のように吹き飛ばされた】
【彼の身体は強烈な音を立てて木に背中から衝突。激痛と衝撃が身体を突き抜け、肺から全ての空気が吐き出された】
【一瞬全身が痛みのために動くことを拒否するがすぐにねじ伏せて近場の木に隠れる。衝突した木は大きな凹みができていた】


ぐっ……!
独りよがりの利己主義者め。泉で静かにしている人間に気遣うこともできないなんてな!
正当防衛の意味を辞書で調べろ!!


【少年が木の影から怒号をあげる。怒りがまだ収まっていない様子だ】
【木から飛び出し青年に向けて両手の指を全て向ける。そこから大気の小さな塊が機関銃のように高速で撃ち出される】
【一つ一つは大した威力はないが弾幕が張れるほどの数と小ささ故の速さがある。しかし木々を利用すれば防ぐのは容易だ】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage saga<>2013/03/24(日) 00:52:21.11 ID:k0KeQBRko<> >>667>>674


──これが、友情パワーです。


【≪ピュロボロス・グラディウス≫の一撃が決まったその瞬間、ニヤリを微笑み、体が崩れそうになる】
【しかし。ガクガクと悲鳴を上げる膝を掴み、姿勢を崩す事はなかった。そう、まだ“終わりじゃない”】

【出現した百足によって咥えられて逃げていくNemesisに対し、軽く右手を向け】


──それでは……。


【リロードは彼女を追う事は無かった。能力自体は発動できるが、】
【彼の持てる"力"の一部である"物質"の底はほぼ付きていた】
【そして、何よりも────】

【────ポチャリ。と、口に咥えていた刃を落とすと】
【僅かに震える左手で被ったシルクハットを外し、】


さようなら。────また会う日まで。Nemesisさん……。
コレにて、私は、幕引きという事で。


【──“ バシャン ” と大きな音と共に小さな水柱が立ち。彼の体は崩れ落ちる】
【リロード・ザ・マジシャンの舞台はここまでの様。はてさて、エルフェスは────】




あ、あの。ちょっと死ねるんで彼女を追う気が無ければ、外までおぶってもらっていいですか……。


【最後の最後まで格好を付けると思いきや。彼の幕が引くや一転してガボガボと情けのない声で助けを求めるのであった】

<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage saga<>2013/03/24(日) 00:55:06.76 ID:K7IS04Dr0<> >>676
「お母さん、も、お父さん、も、居ない、よ?
多分、違う。うち、は、鬼じゃ、無い」

【その外見で父も母も居ない。それは異常な環境】
【それでも、作られた存在ならば――――?きっと、正常な事】
【だから、悲しみも憂いも、殆どの感情が無くされているのだろう】


「うちは、作られた、だけだから、分からない
……悲しい、の、も、分からない
でも、うちは、楽しい、から、これで、良い、の」

【殺すのが楽しいから――――という訳では無いのは先の言葉を聞く限り明白】
【ならば、一体何が楽しいというのか――――普通の人間の子であれば、もっと充実した生活を送っているのだろう】
【或いは、それでもまだ不満を漏らす子も居る。そんな中の最底辺付近でも、楽しいと言うけれど】
【無表情では、何処までが本当かは分からない】


「大人に、なれば、うちも、臭く、なるの?
だったら、うちは、大人に、なりたく、無い
臭いの、好きじゃ、無い、から」

【それは、些細な我が儘――――にしては、逸らす事無くじっと見続けて言うのだから、純粋な大人であったならば精神的ダメージを負っていただろう】
【そんな含みも、知らないで。知る術も無くて】
【ただ、思った事が口から垂れ流される】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2013/03/24(日) 00:59:44.80 ID:P7wP0ajYo<> >>671

……ン。ちょっと理由があってサ、カノッサを追う事が多いンだけれど
部族ではネ、そンなに争わないンだ。ある程度損失と力量の差が見エレば、後は普通停戦交渉になるだロう?
まあ、かっこいいもンじゃないな

銃か! すごいヨなあ、俺はあンまりギミックの多いモノは使えなくテ
それだけ使いこなせたら、怖いもの無しなンじゃないか

【逡巡、やはり己の落ち目を明かす事には抵抗があるか、やや情けなさそうに俯きながらも肯定する】
【そして、青年の示す事柄を補足すると、死をもって己の意見を通すまでの政治形態を持たぬ辺境の地に於いて】
【お互いの命をいくつも失うまで戦うという事は、普段はありえぬ事態。故、ここまでの深手を負う事も無い】
【ある意味、すぐ隣に死があるという事自体がイレギュラーなのだ】

【相手の華麗な銃さばきを目の当たりにすれば、それこそ少年のように金の目を輝かせて身を乗り出し銃弾の行く先に目を凝らす】
【こちらが身体に恵まれているであれば、相手は器用さと洞察に優れている。引け目を感じる必要も無いだろう】

六罪王、ってのはエエト、カノッサの何か強い位置にある者タチなんだろう?
テレビ、だッケ? で見たのはコーネリアスって男だッたかな。目に宝玉ヲ嵌めた男だ
あとはホラ、この傷を空けたノがリリアっていう女の六罪王だヨ。オッパイと腰以外全部露出した凄い格好だッた

……あンな強さのが、幾らもいるノか。説得出来ない相手に、どうしテ行けばいいンだ

【少々聞いてはいけないような事に踏み入った、ような。黙ったままに相手の説明を聞く表情は真剣で】
【話を振られれば、関わっている部分の知識はそれなりにあるのかやや曖昧ながらも知り得る限りを説明する】
【傷を指さしながらに語る名前は、六罪王のリストの中には無い名前】
【――そして、表に使われし“ガイスト・ウォレン”について結びつかぬ名前。リリアそのものの情報から、その繋がりを察するのは難しいだろう】

【そしてやはり悔しさを覚えるのは相手だけではなく。大敗を喫したという相手について語れば、多少表情も曇る】
【見た目には大人びていようとも、その実相手よりもずっと年下の青年は。無念そうに口を噤んで、木々の間に垣間見える空を仰いだ】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2013/03/24(日) 01:01:23.34 ID:DS9MDe+D0<> >>679

ったくいきなり攻撃してきたのはどこのドイツだっつーの………。
そうだよ、所詮は人間なんて独りよがりで利己的なんだ、わざわざ堕ちる≠ワでもなく、な

【怒号を上げる少年に対して舌打ちをしながら面倒そうに顔を顰めて返答し、口元から流れていた血を拭う】
【そうしている間に迫る空気の弾丸の機関銃―――青年は身の丈ほどもある大型のブレードライフルを身体の前面に構え】
【それを盾にして防御を測るがそれをすり抜けた何発かが肩や脇腹に命中し、モッズコートを血で染め上げていく】
【だがそれでも青年も止まらない―――相手の攻撃と交差させるように再びブレードライフルを構える】

まぁ今回は俺にも非があるな―――だから痛み分けにしとくぜお坊ちゃん
瞑想の邪魔して悪かったな、次は雑念が入らねー程に深くやるこった………なッッ!!

【そして再び爆発の性質を持った銃撃を少年の―――その足元へと放つ。】
【狙いは地面を爆破しその爆風で再び少年を吹き飛ばし木々に叩きつける事だ、点ではなく今回は面での攻撃だ。】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>saga<>2013/03/24(日) 01:04:30.37 ID:WUUIWnmT0<> >>678

……機関を取り巻く、周辺環境……か…………ぁ
(柊……君は、上手くやっているのか……ぁ? ……僕は、そもそも機関の連中とは、顔を合わせられていないが……)

【確かに、それが時節の区切りの1つとなるだろう】
【そもそも、世界を牛耳るに一番近い位置にいる、機関と言う存在とは、いずれ対決なり不可侵なり――――向き合わなければないらない時が来る】
【だが――――そもそも機関との敵対をともに『約束』している『相手』がいる以上、もはや青年にとってはそれは簡単に済む話ではなかったのだ】
【――――立ち上がるなら、時節を知る――――それだけではダメなのだ。余勢を買うだけでなく、自らも流れを起こさなければ――――】

……確かに?
中身がどうであるかなんて……人間は、そう簡単に分からないものさ……ぁ
それが分かれば、人間苦労はしないんだからね……ぇ

【ある意味当たり前の話だが、外見だけでは人間は分からないものである】
【人の姿をしていても、その心には悪魔を飼っている様な人間もいる。そしてそれは、外見だけでは分からない】
【まぁ、あからさまに浮浪者の姿をしている青年は、外見だけでも十分忌避要因となり得るだろうが】
【少年にとっては、その振る舞いを正す事が『世界からの望まぬ逸脱』を食い止める、必要手段と言う事になるだろう】

…………やはり、敵は多いか…………
強烈な言葉や思想と言うのは、強力な味方を作るか、強力な敵対を生むか、そのどっちかさ…………ぁ
……僕としても、許しがたい男さ、ぁ…………この手で、とは言わないが……誰かが殺さなきゃいけない……だろうね……ぇ

【少年すらも、件の男には良い感情を抱いていないと分かり、青年は思わず苦笑する】
【機関の内部を掌握する一方で、対外的にはもはや、完全に矢面に立った格好だ】
【これでは、敵対者の結束も予想以上に強くなるかもしれない、否――――現在の対機関包囲網は、事実それが原因で構築されたのではないか】
【――――青年としては、人間に『獣レベルの行い』を強要する、許されざる男だっただけに、自分自身でなくても、誰かが彼を始末する事を、望んでいるようだ】

…………それ以前に、波に飲まれて消えない様に…………この世界、意外と呆気ない終わりを迎える事もある…………
(そう…………柊の様な、高潔な魂の持ち主は……僕らみたいな連中をすら、容易く両断してしまいかねない……)

【背中へ掛けられる少年の声に、青年はさりげなく訂正を入れる】
【目的が進む事は確かに重要だが――――青年は、少年のそれを完全否定しているのだが――――それ以前に、命を落とす事がない様に】
【何かを成し得る、肉体・精神・魂全てにおいて、強さを持った存在。それは確かにこの世界に実在する事を、青年は知っている】
【そうした者たちに、あっさりと殺される事がない様に、気をつけなければならないだろうと、青年は水を向けた】

…………そうかい…………僕も、お前がその時を迎える事を…………楽しみとは言わないが、待つとするよ…………

【足元に、黒い穴が広がり、そこに身体を沈めていく青年】
【名を名乗る事をしない少年と青年だが――――青年は、むしろそれが自分たちには相応しいのではないかと感じていた】
【世界が、自分たち以外の選択肢を失った時――――少年の言う通り、その時にこそ自分たちの『個』の象徴たる、名を知るのがふさわしいだろうと】
【夜の闇そのものに沈んでいくように、青年はその姿を消した】

/遅くまで乙でしたー! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/24(日) 01:05:03.43 ID:CNTt2bqwo<> >>674

――――――さすが!

【言葉はリロードへの物に他ならない】
【負傷しようとも卵をその身に宿そうとも持てる武力を用いて立ち向かう】
【その姿への惜しみない称賛は、短くとも確かに本物であり】

【ならば自分も行動を以ってそれに応えよう】
【装填するは銀のナイフ、木々の間を駆ける風を思わせる流麗な動作のまま引き抜いて】
【駆ける、ひとつ……ふたつ……届く!】

その首、貰っ―――――げっほ!っのヤロ!

【水中に落ちる彼女、その身体が幾ら化け物地味ていても呼吸は必要である筈】
【付け入る隙はそこ以外にあり得ない、大きくなる影に合わせて切先を……いや、影が大きすぎる!?】
【瞬間、湧き上がる硬質な鎧、いやもう近いそれを確認すれば甲殻に違いなくなるほど彼女の能力は虫を操ることであったか】

【安易に近づいたエルフェスはのたうち回る百足に吹き飛ばされて水面へとダイブ】
【肺の当たりにもろに貰ったらしくバシャバシャと水をかき分け慌てて空気を求め立ち上がる】

はぁ……はぁ……クッソ、逃したか……チ
(化け物を使役すると思いきや……その当人が一番の化け物じゃねえか……)

【水牢を三次元的に蠢く姿はもう遠く、弓を創りだしてもその間に逃げられる諦めるより他なく】
【肩で息をしながら遠ざかる音を聞いて吐き捨てる】

(しかしあの怨嗟、どんだけ能力者を恨めば……ヤバイな目をつけられてなきゃいいけど―――――)

【今宵の出来事、機関員であればあの試験管を守るべきだったのだろうもう形もないそれを見つめながら】
【しかし彼女はそれはせず自分の赴くままにこちらとの戦いを優先した、となれば彼女は何よりも自分の想いを優先する人種で】
【更に言うならば節操も躊躇いも無い、敵であれば非常に危うい存在で………】

そうは、いかなそうだな……―――――?

【再び出会うならば死線になると、心構え一人嘆息を漏らしていれば聞こえる声】
【そちらを向いてふと思い出す、彼の姿リロード……あれ?いない、いやどうやら水面に沈んでいる】
【あそこ迄戦った彼が崩れる姿を見て驚きに目を見張りつつも、まあこれくらいはしてもいいかななんてそちらに近づいて】

よ、アンタもお疲れ様……おぶるくらいならお安いご用だホラ捕まれよ

【伸ばす左手からは肩を貫く刃から漏れる血液が伝うが、この程度の痛みは慣れたものなのか彼に手を伸ばし】
【頬に伸びる飛沫とアンバランスな笑みを薄く浮かべて、最小限の明かりの元ではそれは気味悪くも見えるかも知れず……
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(空)<>saga<>2013/03/24(日) 01:06:42.87 ID:NKjXZ4gc0<> >>655

【必死な笑みは何も齎さない。虚空を掴む手。少女は、ため息を漏らすだけだった。】

【―――― なぜ手を伸ばすのだろう? 今の自分に……誰かが必死になる様な意味がある筈もないのに。 】
【……贖いなどない。赦されてはならない。“護りきれなかった” 弱さは、訪れたその結末は覆せない。】
【そう、少女は自らを責め続けた。闇は深まるばかりで、彼の願いとは真逆に、ひどく儚げに、その表情は憂いを帯びて――――】

……どうして貴方が謝るのかしら。
弱かったのは私で、大事なものを護れないのも私―――― ……いっそ死ぬまで苦しめられたなら、私への報いにはなるのでしょうけど……。

【……その感情が高じたのだろうか、少年の謝罪の言葉を聞けば、少女は泣き笑う様な表情で口を開いた】

【―――――“私は弱さが好きじゃない”。何時かの夜に贈った言葉。】
【その裏にあったものは……“護れない” ことを恐れる、大切な人々を想う気持ちだったのだろう】 
【……けれどもそれは踏み躙られた。彼とかつて言葉を交わした彼女。その笑顔はもうここにはない。】

【……… 「私が強くさえあればよかった」。】
【……「苦しめば、救えるのならよかった」。】

【ひたすら己を責めるその様は、仮定の無意味を悟りながらも、繰り返さずにいられない様子で――――】

…………私は……どうしてこんなに弱いのかしらね。
せめて、護りきれる“力”であらなきゃいけないのに―――――

【そんな “折れかけた” 彼女の足掻く姿は、ひどく必死に見えるのかもしれない】

【ならば………其れを如何する事が出来るのだろうか。彼には、何が出来るのだろう】
【……彼の武器は何だっただろう? あの夜に彼女が見た光景は、彼が、何をしている場面だっただろうか――――】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2013/03/24(日) 01:12:21.96 ID:pAj6WA58o<> >>681
そうかい?んじゃ、そうなんだなぁ
ーーーオイラは鬼だが、そんじゃ嬢ちゃんはなんだい?好きな風に名乗っていいぜ、オイラもそうしてんだからなぁ

【恐らくはーーーそう思っていた、だからこそ「両方いなければ」なんて選択肢をやったのだ】
【両親がちゃんといる少女がこんな風になるものか、壊れ掛けか、出来たばかりの機械みたいなーーー】
【ーーー語る、自分を鬼≠セと青年はーーー所詮は自称に過ぎないだろうと貶されてしかるべきだが、きっと少女はそんな事はわからないか】

…あぁ、そうだろうさな…嬢ちゃんは楽しいだろうよ
…それが悲しい事なんさ…嬢ちゃんにはわかりゃしねぇ、それ自体がな
ーーーま、あまり深く考えんこった、酔っ払いの戯言だ

【[ピーーー]為に作られたーーー殺しを嫌と思う事無く、ただ褒められるから、存在意義だからーーーだから、[ピーーー]に楽しい】
【その存在が、そういうものだという事実が、悲しい存在ーーーとは感じても、同情ではない】
【彼女がそれでいいならいいじゃないか、何も形に嵌めて無理強いする必要は無い】
【じゃあ何故『悲しい』なんかと口に出したかと言えばーーーきっと、夕日を眺めた時みたいな気分だったから】

くくく、いやなに、誰も彼も大人になりゃ臭くなる訳じゃあねぇさ
そうさなぁーーーこいつぁ、悪い大人の匂いさ

【空を仰ぎ、触角か何かみたいにゲソのスルメを動かしながら、ふらりと語るは緩い風のよう】
【飄々として、言葉のダメージだけを受け流しているような、そんな言葉】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>saga<>2013/03/24(日) 01:15:58.82 ID:N/oSLO3Yo<> >>674
>>685

【――これは、彼女と彼女の使役する従者とが、完全に城から脱出を遂げた後の話であるが――】

『・・・つまり、君は身体を酷使した上に薬まで使用、しかも試験体は破損した――報告書にはそう書けと?』
「まぁまぁソーン!そう、怒ってもしかたがないデショウ!彼女とて立派なレィィディィ!!デスから。お説教もその辺に。」
『――・・・相変わらず甘いな、シック。』

・・・そうね、甘いわ。今回の件は完全に私のミスだもの・・・処遇はなんなりと、受けるわ。
『・・・ふぅ、いいかね梨花くん。君は普段から能力者を殺してその死体を回収する我々の"主任務"においては非常に、優秀だ。』
『しかし今回は不確定要素があったとはいえ――二人、逃した。仮に試験管が破壊されたのならばどちらかは殺してもらわねば困る。』

・・・中途半端だったわ、なにもかも。ごめん。

『・・・反省しているならそれでいい。まあ、相手は二人いたようだし何よりどちらも強力だったそうじゃないか』
『片割れは大会にも出ていたらしいな、もう片方は――まあ、バイザーに記録された情報を詳しく解析しよう。良いか梨花君』

『――今後この二匹は君のターゲットだ、見つけ次第――』

言われなくても、能力者であれば全員・・・私のエモノよ。誰にも・・・奪わせやしないわ。

『・・・なら良い。すこし休みたまえ――怪我が治り次第、作戦を続行するぞ。』

・・・とうとうやるのね、"アレ"を。上手くいくの?

『さてね、やってみないことには何とも――まあ、君も祈っていてくれたまえ。』

『私がこの組織を掌握するその日を――ね。』

【――城の頭上で、エンジン音が鳴り響く。それは彼等の駆る兵員輸送機・レイジング・ファントムが飛び立つ音で――】
【三つの因縁を残し、狂気は加速していく――能力者を憎む少女と、組織の掌握を目論むその上司を乗せて。】

/と、こんなところでしょうか・・・!遅くまでお付き合いいただきすいませんでした、ありがとうございましたー! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/24(日) 01:19:30.27 ID:mr2r8c45o<> >>683

【少年と青年の間の木々に風の弾丸が命中し、掠り、弾かれて多くの木片が二人の間で舞い上がる】
【その隙間から自分にライフルを向けているのが見えた。直前の強烈な攻撃が少年の脳裏を過ぎる】
【だが同じ攻撃を何度も受けるほど彼も甘くはなかった】

【魔術の力でもって自分の身体を更に高く持ち上げる。一瞬の後に足元に爆撃。激烈な爆風が少年の身体を叩き上げた】
【僅かな間に身体に与えられた加速度が少年の身体を軋ませるが、強引に身体を回転、手を爆炎に向けて振るう】
【その先端に魔翌力を集中させ、広がる炎を巻き込んで大気ごと纏めて圧縮。手元に即興の爆弾を作り上げた】


その言葉、悟った気になってるあたりが全くダメだ
痛み分けにしたいならこれもくれてやる!!


【腕を振るった勢いそのままに回転を続け、手元の球体状に圧縮した大気を眼下の青年に向けて放つ】
【それは青年の近くにたどり着けば破裂し、圧力と含有させた炎を放出する、青年が撃ち出したものと似たようなものだ】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage saga<>2013/03/24(日) 01:23:49.66 ID:k0KeQBRko<> >>688
>>685


助かります……。何、寂しい別れでしょうがるでしょう。きっと、彼女の方から──ね。

【何故だろう。セリフだけを見れば素晴らしい光景が浮かぶはずが、全然ロマンチックじゃない。】


【エルフェスの手を取ると。そのまま、彼に体を預ける様な姿勢で立ち上がる】
【礼を言うその声色や表情は酷く情けないものだ。粉砕された機械と彼の一撃が開けた水牢の穴を見て】


いやはや、どうも当初の目的を果たして頂いた様で、見せ場を取られてしまいましたねぇ……。
あ、そうだ。貴方、お名前は?二人共名乗ってるのに自分だけずるいんじゃありませんかねー。


【軽かった。戦闘中に見せた軽薄なセリフというよりは自然な感じがして彼の素が出ているような】
【戦闘中を"舞台"と言うのなら、その時の彼は"登場人物"のキャラクターであり】
【今の彼は"舞台裏"の役者と言うべきなのだろうか。──しかし、よく喋る】

【だが、本当に満身創痍なのはエルフェスの手を掴んだ時、彼が任せたその体重の比率で分かるだろうか】
【どこからともなく現れたのは"鋼色の翼"を持つ雀であり。彼の相棒。どうやら戦闘中はどこかに隠れていた様で】
【安全を確保した今、再び戻ってきて彼の肩につかまった】


【彼が名乗るなら、その名を刻み込み。遺跡を出たらフラフラとした足取りで一人(と一匹)で家路に付き】
【Nemesis。"彼女"にも言った、いつもの挨拶をする事だろう。──さようなら、また会う日まで。と。】

//とりあえず、ここまでですかね!もう少し続ける事も可能です!
//二日間お疲れ様です、ありがとうございましたー!

<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage saga<>2013/03/24(日) 01:27:28.04 ID:K7IS04Dr0<> >>687
「うち、は、α
うち、の、名前、は、これ」

【名乗るともまたひと味違った答えの返し方】
【器用に考えつく事も無ければ、二つ名も無くて】
【だから、自分の名前を口にするのだろう。人一人に付けられるにしては、余りにも不思議な名前を】


「勉強、すれば、何時か、分かる、の?
悲しい、が、分からない、から、分かる、様に、なりたい
勉強、すれば、鬼が、言ってる、事が、分かる?」

【悲しみが分からないのもまた不幸――――】
【最早、肉塊に興味は失せていて。男からも視線を外せば、ポケットから再びガラス瓶を取り出すのだろう】
【波に揺らさせて、中でコロコロと転がって忙しなく角度を変える球体】
【この少女にとっては、大切な宝物の一つなのだろう。両手で突っ込むと、再び男を見遣って】


「――――鬼は、悪い人、なの?
消さなきゃ、駄目?」

【片手を瓶から離せば――――もう、それは腕では無くなって】
【鋼色の剣。肘から先が其れへと変化して居るのだろう】
【しかし、攻撃を仕掛ける事は無く、訊ねるのだから非常に暢気な事】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(中部地方)<>sage<>2013/03/24(日) 01:31:04.12 ID:i9jLcPIxo<> >>673

へぇ、便利な力だなぁ、それ…………。ぼくの右腕も、気合いで治ればいいんだけど。

【止血される右腕の傷を見て、心底羨ましそうに少年は言い。それから、人々を避難させようとしてくれるもう一人の女性に、礼儀正しく感謝を告げる】
【…………せっかくくわえていたドスをわざわざ左手に持ち替えたのは、多分男と話すためではなく、女性に礼を言うためだったのだろう】
【礼儀正しいその表情は、血の抜けて青ざめてはいるが、笑顔。焦りのようなものはもう感じられなかった】

…………っ!?

【それを終えて顔を正面に戻し、もう一度ドスをくわえなおすと、助走――――そして跳躍、突進!】
【あれだけ豪快なショルダータックルだ、この傷では一撃で持って行かれる】
【そう直感し、左にズレることで回避しようとするが…………最初の左足首の傷が、今更になってズキリと痛みを発し】
【――――よりにもよって、傷を負った右腕を掠めていく!】

(っが、あ――――――!! っ…………こ、こりゃだめだ…………)

【直撃ではない、ほんの少し掠めた程度のものだ。しかしそれでも、傷跡を悪化させるには十分で】
【ドスをくわえて左手を空けたのは、出来る限り傷跡を抑えて止血するためだったが】
【それももはや意味をなさないほど、出血が増す。これでは竜巻が完成する前に、出血多量で戦闘不能だ――――】
【それを自覚して、彼は】

――――ッ!!

【痛々しい状態のまま歯を食いしばり、男に向き直る。そうして発生するのは、またも『銀風の帯』だ】
【今度はかなり変則的な狙い。一発目は右前腕を狙う囮、そして二発目は、一発目と"時間差"を付けて両目を狙う本命だ】
【おそらく、竜巻の制御に力を回しているのだろう。今回の帯はやや小さく、大したダメージにはなるまい】
【狙い通りに目を潰さなくてもいい、とにかく目の付近から出血させて一時でも視界を塞ぐのが目的の、時間稼ぎの一撃である】

【――――さて、先程までゆっくりと回転していた竜巻は、段々とその回転速度を増していき】
【渦巻く風はどんどん銀色に染まり、植物の葉などの柔らかいものに微細な"切り傷"が刻まれ始めていた】
【人間相手ではまだそれほど強い効果はないが、砂の多い風を浴びているような、皮膚がざらつくような感触を覚えるかもしれない】

【ただ、竜巻の外側にいる女性なら、恐らくわかるだろうか】
【竜巻の"銀色"の部分が何故か下の方に集中し、上の方の風の銀色は薄い。いや、現在進行形で薄くなり、下の方へ銀色が集合している――――】
【その変化は、内側からはまだわかりずらい。見た目的な意味でもそうだが、何より少年が男にそれを気づかせないよう気を引いているからだ】

/すみません、戻りました! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(新潟県)<>sage<>2013/03/24(日) 01:39:27.81 ID:eBdo9tNHo<> >>682

……カノッサか。俺も今は、アイツ等を追っている……なんせ今一番の巨悪だからな
アイツ等を潰さん限り、平和なんてモンは訪れねぇよ

【澄み切った泉の水を掬って顔を洗う。濡れた細面のその瞳が見据えた先には、何が見えていたのか】
【―――カノッサのいない未来か、カノッサという巨悪そのものか。 瞳も泉と同じく澄んでいることには間違いは無かったが】

―――銃ってのは、極端な武器だぜ? 近づかれちゃあお仕舞いだし、弾切れすれば大きな隙だ
俺には運動神経もねェし、体格もアンタみたいに優れてねェ。魔術もわかんねぇけど、奇跡的に銃は出来たってだけだ

……ま、そうやって良い反応してくれんのは嬉しいけどな

【凄いと眼を輝かせる青年に、小さく笑みを浮かべる。銃という武器は彼が言う通り、間合いが近づけば圧倒的に不利だ】
【―――故に、足首に消えない怪我を負った彼は相当厳しい戦いを強いられる】

コーネリアスは見たぜ……テレビ越しだが、プレッシャーがヤベェ
で、その……リリア? ってのは初耳だが一度見てみたいものだな、ハハハッ

……六罪王なら負けても仕方ねぇさ、むしろ生きてたことを喜ぼうや

【彼の曇った顔を見て、話を更に続ける。「説得できない」ことに悩む青年に、昔の自分を見たようだった】

―――説得は、やっぱ無理だ。 ……俺もいろいろ試してきたが、どうしても無理なものは無理だ
だからといって、絶対に[ピーーー]のは良くない。―――「不殺」は俺のポリシー、俺の正義

―――じゃあできることは、引っ捕らえるしか無いんじゃないの? 

【―――悩んだ末の結論。……しかしコレも、完璧な答えではない。ひっ捕らえて牢屋に閉じ込められたとしても、捉えられた側は何れ死刑になるかも知れない】
【ある意味先送りに近い決断だが、昔病室で考え込んだ上の結論がコレであった】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2013/03/24(日) 01:42:47.31 ID:DS9MDe+D0<> >>689

そうだな、俺はいつも分かった気でいてそれで失敗するんだ………だから今じゃ一人ぼっちさ
Justiceが消えた時も兄貴が死んだ時も………結局どっかで客観的に物事を見た………気でいた

【少年の言葉に同意するように視線を落としながら自虐的な苦笑を浮かべる―――どこか悲しげなその瞳】
【が、敵はそんな事を待ってはくれない、青年の眼前で大気の爆薬が破裂し青年の周囲を木端微塵に吹き飛ばすッ!】
【これでは青年も原型をとどめてはいまい………青年の爆破能力では¢ホ処できないからだ】

【そう―――爆破能力では―――。】
【爆煙が晴れた後、全身から煙を上げ所々に火傷を負いながらも未だ青年は健在だった】
【そしてその髪は―――今度は水色に輝き、そこから冷気と氷の結晶のようなモノが舞っている―――。】

Cocytus=\――俺は氷山………本来の力は此れだ。

【全身が火傷や打撲で傷だらけになりながらもなんとかブレードライフルを構え、再び少年へと銃撃を開始する】
【弾丸は―――水色に輝く=B】
【本来の銃弾としての性能はないが、もしこの銃弾に触れればその部位を中心に氷付いてしまうだろう】

【その銃弾を放つと同時に青年は駆け出し、少年の元へと肉薄を測る………氷で動きを止めた後に最後の一撃を放つつもりだ】
【ダメージ的にもそろそろ限界だ、接近すればそのままブレードライフルを鈍器代わりに少年を叩き飛ばそうとするだろう。】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/24(日) 01:45:44.10 ID:CNTt2bqwo<> >>688>>690

冗談じゃないよ、まったく……まあでも逃げられはしないんだろうし
こっちも逃げるつもりはないけどね……ほら面倒だからとっととおぶられろよ

【息の根を止められなかったのは痛いがどうせまみえるならば同じ事】
【今日はコレも十分働いたし、なんてナイフを見つめてケースに収めるよろめく彼の身体を支えるのはそれからでも十分】
【エルフェス自身も怪我をしているが多少危なげながらもその重さを受け取って】

なんだアンタ……戦闘中とは微妙に違うカンジだな、変なヤツ……。

【正直な印象を告げる口に躊躇いはない】
【第一印象は危ないヤツ、今は変なヤツだから多分軟化かしたのだろうけど……】
【彼の腕を無理矢理奪って肩に掛けゆっくりと出口に向けて歩き始める、足取りが重いのは体力とそれから未だ残る水の所為】

【不思議と先程の異形の叫び、試験管のナニカが思い出されて】
【俯いてから振り払う、もうアレは去った筈だと忘れるように】

ん?ああ……だってお前ら熱中しててなんか入るタイミングが掴めなくてさ……
名前?オレはエルフェスだよ、そういうアンタはリロードでいいんだよな?

【ばしゃばしゃ進んで視線の先には仄かな明かりが届く頃】
【現れた雀に少し驚きながらも戦いとは程遠い愛くるしい姿に思う所でもあるのかそっぽを向いて】
【実際はその姿に緊張も解けて反動かニヤけてしまって何となく恥ずかしく、それを隠したいが為の行動である】

/おっつかれさまでしたー!! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(不明なsoftbank)<>sage<>2013/03/24(日) 01:45:44.59 ID:6C16T7c10<> >>684
なにやら、このところは新しく対立機関も出ているようだし
時間の問題だろうけどね、それが上手くいくかはともかく

【いかなる物も、大なり小なり大きくなれば敵を作り出す】
【それが、混沌としたものなら尚更の事だ。事態を変えようと立ち上がる善良なものもいる】
【だが、かといって事態が変わるとは断定は出来ない。それが出来たがために均衡状態となり、事態がより変わることが無くなる】
【そう少年は言いたげに呟く】

そういうことだね、人間自分でも自分が何かキチンと把握できているとは言えないし
それ以上に無意識と言うものの姓で、自分の意思かどうかなんて曖昧になってくる
なんにしろ、世界と言う舞台で演じるしかないね

【自分で自分が分からない上に、無意識と言うもので人はより分からなくなってくる】
【自分の意思だと思っているものも、他者から刷り込まれたものと言う可能性も否めない】
【ならば、せめて自覚のある間は仮面を被り自身すら偽ろうと少年は言う】

頭領が分かる、ということはそれだけ組織を纏め上げも出来れば、敵の目標にもなると言うことさ
僕は僕の手で奴を殺せるとは思わないが、まあさっさと誰かがやってくれるのを待つだけだ

【この少年、根元はかつて語った思想と相違ない他力本願者である】
【自分が手を出さずに済み、あまつさえ漁夫の利を狙おうと言う思惑らしい】
【だが、それは逆に言えば自分では勝てないと言う認めているようで】
【むしろ、あの男のような思想こそが少年にとって最も苦手と言える相手なのかもしれない】

ふとしたことで世界は変わり、一生は幕を下ろす……か
お互い、気をつけようか――何も選べずに、ただ現状のみを打破しようとするもの《ニュートラル》にやられぬように
――己の思想を否定するものにやられぬ様に、同じにしておきながら捨て駒とされぬように

【人の一生はただ一度――幾度も死にいく少年にとっても『殺され切れれば』そこで仕舞いだ】
【そのことを忘れないように、といった様子で言葉を紡いで】
【まずは自分の思想を絶やさぬように、と祈るように】

……まあ、気長に逝こうか

【ふっ、と少年は嗤うとその癖毛の黒髪を隠すように帽子を被りなおす】
【被りなおすと同時に、その姿はグネグネとゴムのように蠢いて】
【一羽のワタリガラスとなったそいつは、空へと飛び立つた】

/お疲れ様でしたー <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage saga<>2013/03/24(日) 01:46:20.21 ID:k2XiKAZZO<> >>686

――何があったのか、だいたいわかった。
哀しい事があって、今もまだ、それを引きずってる。

【ぽつりと、少年の口が動く】

【少年の表情が、ゆっくりと変わっていく。少年にこみ上げてきた感情は、怒りに似た別の何か】

【ふ、と右腕が上がる。少女が避けなければ、少年の右手は少女の頬を思い切り殴るだろう】

……馬鹿!

【直後、少年の目から涙が溢れる。少女の代わりになったように】

人を助けたいんだろ?強くなりたいんだろ!?
だったら、こんなところで止まってる場合じゃないだろ!

【ぼろぼろと涙をこぼしながら、叫ぶ】

今泣いてれば、そいつが助かるのか?
そうじゃ、ないだろ!?

何やってんだよ、馬鹿!ばか!ばかぁ……!!

【少年の叫びに嗚咽が混ざる。少女から見たら滑稽に映るかもしれない】
【しかし、少年の叫びは本物だ。涙は収まる事を知らず、溢れ続ける】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2013/03/24(日) 01:51:49.44 ID:pAj6WA58o<> >>691
…変わった名前だ、まあ在り来りよかぁいい
オイラは、吟醸ってぇもんだ…名前なんぞ、好きに名乗っていいから、好きに名乗ってるがなぁ

【人に付ける名前ーーーではないだろう、櫻の国より来たる、古風な格好のこの男でも、それくらいの知識はある】
【が、そこを掘り下げずに肯定し、名乗り返すも、何やら口ぶりからして『好きに名乗ってる名前』みたいで】

さぁ、どうかな
オイラは『悲しい』って事、いつの間にかわかってた、嬢ちゃんくらいの時よりも前にな
だから、『どうやったらわかるか』なんて、わかんねぇのさ
…そうさなぁ、もっと頭の良くてお人好しそーな奴に聞いてみな、頑張って教えてくれっかもな

【すべての感情、喜怒哀楽全ては、理解しようとして理解する物じゃないーーー少なくとも、ヒトならばーーー】
【だから、説明もできなければ、身に付ける方法もわからないーーー当然だ、知らぬ間に知っている物なのだから】
【皮肉り、バカにした様な口角で、語るは見知らぬ他人への投げっ放しだ】

ーーーくく、さぁねぃ、オイラもわかりゃしねぇなぁ
だがなぁ嬢ちゃん…オイラに刃見せちゃあいけねぇ…思わず斬りたくもなっちまう
命が惜しけりゃーーーなんて通じやしねぇか。だったらーーー

【少女の腕が刃と変わる、その瞬間彼の雰囲気はピンと張った薄紙一枚程に張り詰めて、それから遅れてぬるりとした闘気】
【それでも、殺意剥き出しな人間には叶わないそれーーーしかし、張り詰める物と流れる物、違った二つを同時に出していて】
【左手が、自然に鞘を掴む】

ーーー斬(や)るかい?文句は無しだぜ?

【右手はぶらりと下げた、構えにもなっていない中途半端な体制で、足の踏み替えもせずに隻眼が少女を見詰める】
【それでも、眠たそうな目やにたにた笑いは無くならない】

/すみません、風呂入って来ますので遅れます <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/24(日) 01:58:58.64 ID:mr2r8c45o<> >>694

【少年が爆炎と粉塵の先に見たのはまたしても変化した敵の姿。正反対の冷気と氷の輝き】
【相反する二つの能力の組み合わせは少年に脅威を感じさせるには十分だった】
【偶然出くわした敵の手強さに歯噛みをする──その無駄な動作が爆煙を貫く銃弾への対応を遅らせた】

【音速をも超える鉄の塊が少年の身体にめり込み、爆発とは比べ物にならないほどの衝撃が一点に集中される】
【しかし弾丸が彼を貫通することはない。全身に纏った大気の鎧が銃弾の衝撃を吸収、分散させた】
【それでも少年に激痛が走る。まともに受けた箇所の骨は折れ、掠めれば皮膚を切り裂いて鮮血が宙に舞う】


──ッ!! 凍結か!!


【空中にいる少年は身体の変化に思わず叫びを発した】
【弾丸の命中した箇所が氷付き、凍結を始めたのだ。凍傷と骨折、切断による目が眩むほどの痛みが全身を瞬間的に駆け巡る】
【一瞬だけ少年の意識が苦痛に支配された。その隙間が敵に接近するだけの猶予を与える、が────】


風術師を前に空中に飛び出すなんて……
次に会うときには正当防衛の意味を知ってるぐらいには賢くなってくれよ!


【接近してブレードライフルを振る青年の視界から瞬時に少年が消える。身体から空気を噴射して急加速を行なったのだ】
【そのまま空中での制動を続けて青年の背後に素早く周り、空中で一回転してその脳天に勢いをつけた踵落としを繰り出す】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(山形県)<>saga<>2013/03/24(日) 02:00:48.01 ID:/nNQ0Tlto<> >>692

「ヘケケケ、"師匠"に会えばあんたも身に付けられると思うぜェー」
「まァー、別世界に行く方法を知らねェーと無理だけどなァ」

【ほのかに香る、残留した魔力】
【少年が笑顔であるならば――異世界から来た暴れん坊もまた、楽しそうな表情を浮かべていて】
【大きなダメージを負っているにも関わらず、この男はまだ――"止まらない"】

【少年を掠めたその身体、勢いで一回転しつつ立ち上がりそしてそちらの方を向けば】
【――迫るのは、"銀色の帯"】

「ッ、……!」

【先程の攻撃は、少々豪快すぎたか】
【既に傷を負った右前腕――防御力が格段に落ちていたそれに対して命中した帯、更に腕は出血量を増やす】
【幾らなんでも――さすがに、傷口に塩を塗られれば堪えるというもの】 【一歩、後ろに脚を出したところで】

「こ……この軌道……ううゥアァーーーッ!」

【第二波――彼に迫るのは、その両目を狙った"銀色の帯"】
【――少年にもわかるはずだ、今まで恐怖の色一つも見せなかったその男が】 【それを、初めて見せたことに】
【確かに眼への攻撃は、それに頼る者ならば大体効果的だ――しかし、それを加味しても"反応が大袈裟すぎる"】
【咄嗟にしゃがみこむ彼、額を帯が掠める】 【――その傷よりも真っ先に確認する、"眼の無事"】
【――、――――、よ、よかった、……、…………、――――】

「……っ、ふゥゥ〜〜ッ」

【先程とは表情が違う、それはとても真剣な眼差しを持つ――"らしくない"顔】
【――もっとも、それは数秒経てばなくなり……元の"無邪気な笑顔"にへと戻るのだが】

「――――ヘケケケ」 「あんたは運が良いぜェ、だって俺の眼を"潰せなかった"からなァ」

【一歩、二歩、――その歩みは、確実に少年へと近づいている】
【傷こそあるものの、右腕に比べればよっぽど軽傷な左腕に――"棘"を生やしながら】
【――しかし先程の棘とは違う点がある、それは"色"だ】
【先程は彼の髪の毛の色のように"深緑色"だった――だが、今は彼の右眼のように"赤い"】

【生やしきるのには数秒ほどかかるだろうか、その棘は】
【しかし、生やしてしまえば―― 一気に駆け少年への接近を試みて】
【成功すれば、その腕を――"赤い棘の腕"を腹部に向けて振るうッ!】

【それは――今までの棘よりも、鋭く、硬く、――】 【幸い、負ったダメージのためか振る速度や接近する速度などは控えめだ】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2013/03/24(日) 02:07:47.66 ID:P7wP0ajYo<> >>693

銃デはないけれど、やはり遠距離からノ攻撃は脅威だヨ
俺はやっぱり近接ノ方が得意だから、近付くヨり前に痛手を負わせられるッテのはやっぱり怖いな

……良い反応ッテ、やっぱり子供っぽいノかな。俺
もう18で成人モしたってノに、なンだか会う人会う人子ども扱いされテる気がするンだよなあ……

【痛む腹の傷に冷たい泉の水を撫でつけながらも、慣れた手並みで銃を扱う相手に何度か頷きながらその強さを語る】
【先程の様に革鞘から引き抜くのは、仄明るい光を受けて煌めく一振りの曲刀】
【二の腕よりは少し長い程度の刃は鋭くも、全て打ち払うには頼り無い。それでも、星明かりを受けて月の様に煌めく】

【はっと気付いたように、口元を片手で覆って唸る様に考え込む】
【――18歳。既にそれなりに完成された体躯にしては、少々若い響きかもしれない】

俺が、負ケたから。未だ風ノ国の人達は苦しみの中で彷徨い続ケテいる
負けちゃ、駄目なンだ。俺以外の人にもそのさざなみが振りかかるなら、背負うつもりデいるのなら

【どこを見遣るでも無く正面へと向けられた瞳は、今現在の風景を見ているようではない】
【相手もある程度情報の入る最中に居れば、先日の風の国、交易都市レナールでの騒動は耳にしているか】
【今や常ならぬ力によって全く作り変えられた、異界の顕現のようなそれ】

それって、矛盾しテないか。カノッサを潰すつもりなら、丸ごと捕えたとして
ソレを完全に無害になるまで押しとどめる方法は、結局言葉じゃないンだから
……自分の手を汚すノと、他人の手を汚すノと。俺モ、選択しなくちゃいケないのかもしれない

【完璧な答えでないのであるならば。であるにしても。相手の信念を汚す事に、青年の言葉は相成るのかもしれない】
【ふ、と不可思議そうに眉間に眉根を寄せながら振り向いた表情は、ただひたすらに真っ直ぐな心ながら】
【最後の言葉は迷いを秘めて、そして現に迷うように。一度かちあった視線は、滑り落ちるように濡れた膝へと向かっていく】
【それは答えを出した相手に対して反論した事への、後ろめたさも含むのかもしれない】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage saga<>2013/03/24(日) 02:10:02.86 ID:K7IS04Dr0<> >>698
「吟醸、名前、鬼じゃ、無いの?
よく、分からない、けど、吟醸、って、呼ぶ」

【いそいそとポケットに仕舞えば、新たな名前が耳を通り】
【この男には名前が二つあるのか……足りない少女の頭では、そんな考えが巡っているのかも知れない】


「分かる事、が、分からない、の?
じゃあ、勉強、しても、多分、分からない、事?
キサラギ、なら、多分、教えて、くれる」

【感情を学ぶ術が無いと知れば、どうしてと小首を傾げて】
【勝手に語るは、誰ならば教えてくれるかという言葉。――――名前を出されても、迷惑だろうに】
【外見よりも短い人生経験を辿ってみても、“空っぽ”と称して良いくらいに何も無く】
【――――それが悲しい。なんて分かる事も無く】


「……止めた」

【手を振れば、ヒュンと鋭く風を裂いて行く音が聞こえるだろうか】
【その直ぐ後に、破裂染みた音。見れば、近くのコンクリートに亀裂が生じていることだろう】
【刃だった筈の腕。今は鞭へと姿を変えていて――――身体全てが武器に成り変わると考えて良いだろうか】


「分からないなら、しない
間違えて、テラスに、怒られる、の、嫌、だから」

【――――理由はどうでもよさげな事】
【まるで親にお使いでも頼まれているようなのだろうか】
【腕が通常へと戻れば、もう一度臭いを嗅いで――――臭い。の一言】
/了解ですよー!ごゆっくりと!
ただ、申し訳ないですがこちらはもうそろそろ時間が……! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2013/03/24(日) 02:11:11.30 ID:DS9MDe+D0<> >>699


【青年が放った横払いの攻撃は、少年の高速移動によっていとも簡単に回避されてしまいそのまま背後に回り込まれる】
【そこでさらに跳躍し勢いを付けようとする少年に対し反撃しようと後ろを向くが既に泉を半円状に駆け巡った後の脚にはそれ以上の行動は無理であった】
【ガンッ!という衝撃音と共に脳天に踵が叩きつけられ、そのまま頭部から血を流しながらふらりと青年はよろめく】

ち、くしょう………結局………また負けるか………糞。

【そのまま意識を失い、ブレードライフルを地面に落とし青年は泉へと転落した―――。】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/24(日) 02:20:03.69 ID:mr2r8c45o<> >>703

【踵落としの勢いのままに地面へと着地。すぐに片膝をつく】
【肋骨が骨折、皮膚の裂傷多数、出血は少ないながらも軽傷ではすまないぐらいの損傷だ】
【怪我を改めて認識して立ち上がろうとすれば全身のあちこちが悲鳴をあげる】


何が、敗北だ……どっちの方が重傷か考えろって……!


【泉に向かって吐き捨てるように言い、周囲の風景を見回す。戦闘の影響であちこちが吹き飛び、折れている木々もあった】
【その光景に胸を差す痛みを感じる。僅かな時間だったがこの場所には少しばかり思い入れが出来ていた】
【少年の視界の片隅に地面に転がったブレードライフルが映った。怒りのままに泉に放り込もうか彼は考えたが、やめた】

【そんなことよりも歩くのすら辛いこの身体で街に辿り着けるかどうかが重要だった。森に寝転がればそのまま死んでしまう】
【覚束ない足取りで少年は街を目指し始めた】


//夜遅くまでありがとうございます。お疲れ様でした! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(中部地方)<>sage<>2013/03/24(日) 02:22:12.86 ID:i9jLcPIxo<> >>700

(あの目、何だろ? ちょっと気になるけど…………いや、さすがにそれを見るには時間が足りないね)

【今の今まで、戦闘に酔うような不敵で狂気じみた笑顔しか見せていなかった男が初めて見せる、その表情】
【それに、目を潰せなくてよかった、なんていう意味深な発言】
【狙った"目"に、何かあるのは間違いない――――そう確信を抱くも、もう一度目を狙うだけの時間はもうない】
【兎にも角にも、右腕の傷だ。それは竜巻の完成までのタイムリミットより先に、彼自身のタイムリミットを告げていて】

――――ぐ、ッあ!?

【今の彼には、男が不気味な赤い棘を生やすのを防ぐことも、ましてその接近を妨害することも出来なかった】
【腹部に振るわれる"赤い棘の腕"に対し、やむなく止血を放棄。血塗れの左手にドスを持ち替えると、棘に対して刃の腹を合わせることで受ける】
【…………だが、左手一本で、しかもこの傷で受けきるなど到底無理な話で】
【かろうじて腹部へ刺さるのだけは防ぐも、打撃の勢いで押しつけられたドスが自らに刃を立てる】

はぁ、はぁ…………ねぇ、お兄さん。
ぼくの名前は鳴子一颯って言うんだ。お兄さんは?

【しかし、痛みをこらえて笑うその口から漏れるのは、唐突な自己紹介――――】
【このタイミングで行われるそれは、間違いなく"終わり"が近いことを予感させるだろうか】

【…………それは、より勢いを増して吹き荒み始めた竜巻を見ても顕著で】
【広場中央の木の幹に次々と"切り傷"が刻まれていき、雑草などはもはや耐えきれずに乱雑な高さで寸断されていく】
【ここまでくると、人間への影響も現れる。まるで砂嵐の直中にいるかのように、長い間目を開けるのが難しくなるだろう】
【それだけではなく、皮膚や衣服に微細な裂傷も走り始める頃で。箇所もランダムで威力も無視できるようなレベルだが、"危ない"ことだけは十分に伝わる筈だ】

【そして………そろそろ誤魔化しきれないだろう】
【もし男が上を見れば、一発で気づく変化。銀色の風に覆われているのはもう下側だけで、上側の風は全くの透明だ】
【つまりこの竜巻、いつの間にやら、非常に"背の低いモノ"になっている!】

【ここに来てのこの変化、そして少年の傷の具合と言動。恐らく次が、最後の攻撃か――――】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2013/03/24(日) 02:23:34.32 ID:DS9MDe+D0<> >>704
//お疲れ様でした! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2013/03/24(日) 02:32:47.93 ID:pAj6WA58o<> >>702
ーーーさぁねぃ、分かる事も分からない事も、オイラにゃあわかりゃしねぇ
まあ、運がよけりゃあいつかわかるさ、運がよけりゃな

【結局は、どう転ぶかわからないのが世界の成り立ちだ、もしかすれば今この瞬間に少女が悲しみを理解出来る可能性もある】
【だから、どうなるか分からないのだから、言える事は『分からない』のみ】
【キサラギ≠ニいう、誰かの名前には「誰だそれ」と返して】

【ーーー風を打つ音、後に破裂する男】
【視線をちらと向ければ、割れたコンクリートーーーもし戦えば、どれだけ愉しかった事か】
【少女相手に向きになることもあるまいと、「そうかい」と言えば構えを解いた】

…人ってなぁな、間違いを犯すから、色々知るもんさ
悲しいってのも、間違いを起こしゃあわかるかも…な

/ただいま帰りましたすみません <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage saga<>2013/03/24(日) 02:44:21.04 ID:k0KeQBRko<> >>695

【「変なヤツ」という彼の感想に対し】

どうも、それが持ち味ですので。

【いやはやと、頭を撫でる事もできず照れた様な声色で答え(褒め言葉ではない)】
【彼に体を預けながら、ヘラヘラと柔らかい表情で笑いながら自己紹介をする】

ええ、リロード……リロード・ザ・マジシャン!今はただの快楽主義者の様な存在ですが、
昔は小粋に対機関な連合で対機関に勤しんでいた過去のあるとてもカッコイイ正義の味方です。

【自分で格好いいとか言ってます。そんな彼に続いて雀ちゃんはチュンチュンと鳴く。そこには】
【「ウッス、自分はシルバーウィングという者っす!リロードの兄貴が世話になった様で、敬意を持って旦那と呼ばしてくだせぇ!」】
【──何て、意味合いが込められているのだが、現実に響くのは「ちゅんちゅん!」というただの鳴き声である】

【「対機関連合」──。彼、エルフェスが“所属していたはず”の組織の名前である。少し変形しているが】
【もし、彼がその事を覚えているのなら……、ピンと来るものがあるはずなのではないだろうか】
【戦闘が始まった当初、リロードが軽快に挨拶をしてきた事を含めて──】
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage saga<>2013/03/24(日) 02:45:07.82 ID:K7IS04Dr0<> >>707
「難しい、事、なの?
エージェント、って、言って、た
エージェント、は、悪い、人じゃ、無い?」

【支離滅裂な話。それでも、本人は大まじめ……な筈で】
【言葉を続けようとしたその瞬間、何かを感じ取ったのか振り返るのだろう】
【吟醸がその動作に釣られて少女の背後へ視線を送れば、重々しい甲冑を纏った人物が居る筈で】


『α、帰るぞ
今日は早く寝なければ駄目だった筈だろう』

【素顔すらも分からず、くぐもった声は男か女かの判断すら困難にさせる筈で】
【――――チラリと視線を送ったように見えたのは、その動作故だろうか】
【αと呼ばれる少女がもう一度振り返って――――吟醸へと向けば、小さく手を振るのだろう】


「吟醸、悪い人、に、なったら、えっと……裁き、司が、消しちゃう、から、気を付け、て、ね?」

【警告でも無く、ただ思った事を述べただけ――――それにしては、不吉で】
【裁き司。少女の所属する所の名前か、それは分からないけれど】
【その後、声を返そうと少女からは何も返されることが無いのだろう】
【ただ、甲冑の人物の手を取ればそのままその場を後にして――――】
/申し訳ないです……!
/お時間故に本日は〆の方向に行かせて頂きますね……!
/お相手、有り難う御座いましたー! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(山形県)<>saga<>2013/03/24(日) 02:47:11.74 ID:/nNQ0Tlto<> >>705

「ヘケケケ、今のは"レッド・ニードル"ッ!」
「手間はかかるが、いつもの奴よりも強ェーッ!!」

【確かに、その棘より感じる魔力は――今までの棘よりも多い】
【――裏を返せば、"それに使用する魔力が多い"、そういうことにもなる】
【その赤い棘は――未だ、残ったまま】 【しかし、出血に伴う体力の消耗は確実に男を蝕む】
【棘の色から赤が抜け、緑へと――少し黄色っぽい黒を経由して、戻ろうとしていて――少しずつ、なのだが】

「――俺は"ヘケメト"」 「こォーやって戦うのが好きなんだぜェ」

【たとえ唐突だとしても名前を聞かれれば、"謎のポーズ"を取りながらそれに答える】
【それにポーズを取りながら答えるだけの体力もまだ残っているらしく――】
【――額から顔を伝って流れる鮮血を拭う手はどちらも忙しく、故に顔を振るって払うこととなる】

「ヘケケケ、風が強くなってきたなァー」
『やはり……竜巻の高さが、低くなっていますね』 『ダメージが原因でしょうか』
「んゥ?」 「あァー、そォー言えばなんか低くなったよォーな気がするなァ」

【吹き荒れるその斬撃は、ヘケメトの身体にも傷を生み出す】
【確かに危険な予感はとてもする――だが、この男はここで怯み逃げ出すような性格ではない】

【左腕の棘の向きが、"肘の側"にへと変わった】

「ヘケケケ、あんたもそろそろ限界が見えて来たんじゃあねェーか?」


「――喰らえェェエェエエエエーーーーッ!!」

【身体を右方向へ捻りつつ、大きく少年にへと左脚で踏み込めば】
【体重を乗せつつその捻りを戻す勢いでッ!】 【――繰り出すのは、"裏拳"ッ!!】
【先程棘の先端の向きを逆にしたのは、裏拳のためで――】
【先程は赤かったその棘、しかし今は"黄色っぽい黒色"をしていて――性能も、"落ちる"】 【深緑色の棘よりはまだ強いが……】

【当たるか否か、どちらにせよ――彼も彼で、だいぶ"消耗"が激しい】
【故に、――――――これを凌ぐことができれば――ッ!】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/24(日) 02:54:35.81 ID:CNTt2bqwo<> >>708

いや、褒めてなんだけど……もういいや

【きっと彼はそういう人種で他人の自分が何か言っても聞かないだろうし】
【それにそういう人種も嫌いではないから、うん放っておこうと力なく頷く】
【そんな会話の途中で、もう水牢から出た所に差し掛かるだろう足元を満たしていた水は無い】

ふうん刹那的だね悪くはないんだろうけど……。
対機関かあ……話には聞くけど、うんなんというか……とおいはなし

【ぴしりと疼く頭懐かしいような感覚は確かにあるだけどそこから掘り出す事はきっと難しい】
【だから彼はまるでそれとは関係ないような第三者が言うセリフを零して、少しよろける】

と、……悪いけどちょっと休憩させろよなこっちだってダメージ負ってるんだからさ
まったく好き放題抉りやがってやられる身にもなれってんだ……病院は嫌いなんだよもう……。

【年端もいかない少女を鈍器で殴って追撃を加えようとした人間が言う言葉ではない】
【彼はきっとそういう人種、敵ならば容赦なくただ攻撃を受けたら文句を零すなんとも理不尽極まりない】

【リロードの身体をその辺りの壁に預けてエルフェスは取り出した携帯用の包帯で肩を強く巻く】
【消毒も何もしていないけど応急処置としては十分か、痛みに声を漏らしながらも終わらせて……】
【ふと余った包帯をリロードへとぽーんと投げて渡すだろう】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2013/03/24(日) 03:03:58.17 ID:pAj6WA58o<> >>709
えぇじぇんと=cねぇ
さぁな、そりゃあそいつに聞いてみねぇと…

【立った今出した空気が嘘のように、最初のなんともない空気に切り替わって、会話を続けた最中】
【少女の言葉が止まって、同じ場所に目を向ければーーー】

ーーー……

【甲冑ーーー成る程、これが騎士という奴かーーー?】
【重々しく、物々しくーーーなんとーーーなんと、斬りたくなる鎧であろうか】
【抑えるしかあるまい、ここではまだ、駄目だ】

…くく、こりゃあ中々大物かーーー

【裁き司=[ーーそれがあの少女の、騎士のいる場の名かーーー?】
【だとしたら、アレを斬るにはーーー】

【ーーーにたりと笑った男一人、修羅の気酒気を滲ませて、歩く姿は酔っ払い】
【下駄の足音後に鳴らして、歩いていくのは今宵の寝床かーーー】

/お疲れ様でした <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(新潟県)<>sage<>2013/03/24(日) 03:07:54.48 ID:eBdo9tNHo<> >>701

……そうだよな、負けるワケにはいかねぇよなぁ
―――正義は勝たないといけない宿命だ。勝って人を救うのが正義だから……

でもオマエはリベンジできる。俺より全然マシじゃねーか……こっちはリベンジのチャンスすらねぇよ

【ちゃぽん、と音を立てて泉から脚を引き抜いた。―――傷はやや塞がって、出血は止まったようだ】
【彼がリリアに負けたように、男もカーネルに負けた。しかしカーネルはもういない。……つまり負けを取り戻す機会はなく、一生残る敗戦】

【バックパックからタオルと包帯を取り出し、軽く脚を拭いた後に包帯を患部に巻き直しながら、純粋な青年の反論に言葉を返す―――】

……かもな。完璧な答えなんて俺には見当たらなかったね。ぜひ見つけた暁には俺に教えてくれや、えーと……アンタ、名前は?
このタイミングで何だが、俺はマーシャル・T・ロウ。……不屈のガンマン、なーんていえば格好いいか?

まぁ兎に角よ、若いのは悩んで悩んで悩みまくれ! 悩みなんて無い方がいいと思うかも知れねぇが、苦悩を知らない強者なんていねぇ
悩んだ分だけ強くなる可能性を秘めてるし、今の俺は苦悩の日々で出来上がって……あ、おっさんクセェな俺

【包帯を巻き終えて靴を履けば、ソフト帽を再度被り直して立ち上がる。「よっ」という掛け声と共にバックパックを背負えば、青年に別れの挨拶を述べて】

……じゃ、俺は行くぜ? っても近くにテント建てたし、ある程度はここで修行するんだけどな。山篭り……いや、森篭りってヤツ?
―――正義は日々鍛錬、アンタも頑張れよ……ってまずは傷を癒さないといけねェ。―――無理は禁物だぜ、俺が言うセリフじゃないけどさ……

……頑張れよ!

【がさがさと緑のカーテンをかき分けて、姿を眩ませていく。最後のエールも、夜の静寂を突き破るような大きな声だった】

/遅れてすみません&お疲れ様でした!
/拙いロールでゴメンナサイ、あとコーネリアスの「両目が宝玉」という情報は実際に見た人(ティナさんとアポストロくん)しか知らない感じでお願いしまする
/細かくて申し訳ないです……ロールありがとうございました! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(中部地方)<>sage<>2013/03/24(日) 03:10:08.54 ID:i9jLcPIxo<> >>710

【更に勢いを増す、背の低い竜巻。地面に接する雑草が根こそぎ刈り取られ、木の幹も抉られ始める】
【設置された街灯も風圧によって頼りなく揺れ、下の方の塗装がガリガリと削られていく】
【もっとも、それらはちょうど竜巻の外周部にあったモノ達だ。竜巻の内側、"目"に近い場所にいる男にはそれほどの被害はないが】
【壁じみて濃厚になった銀色に、巻き込まれ切り飛ばされ無惨な器物達が混じって、外側から二人の様子がどうなっているかはもう視認できないだろう】

ヘケメトさん、ね――――あははっ。なんか妙な出会い方だったけど、面白い人と会えてよかったよ。
本当は、さっきの別世界の話とか、聞かせて貰いたいんだけど――――そろそろぼく、死んじゃうから。
だからヘケメトさん、今日はそろそろ終わりにしよっか。

【謎のポーズで答えるヘケメトに対し、青い顔でおかしそうに答える一颯。誰とでも仲良くなれる人懐っこさは、この少年の美徳だ】
【もっとも、一方的に喧嘩ふっかけられたあげくに血で血を洗う戦闘を演じた後のこの状況で笑っていられるのは、ある意味で尋常ではないが】

【――――と。"終わり"というその言葉に呼応するように、竜巻が咆吼じみた唸りを上げた】
【とぐろを巻く龍のように、空気を切り進んで回転する、背の低い竜巻…………いや。それはもはや、竜巻と呼ぶに相応しいものではない】
【例えるならそう、いわばそれは"銀色の風の帯"――――巨大な『銀風の帯』!】

【そう。出血の増加によって、一颯は時間のかかる巨大竜巻の作成を断念】
【既に"回していた"風を『銀風の帯』に切り替えることで時間を短縮し、より素早く発動できる攻撃へと、土壇場で狙いを変更していた――――】

――――――――"風切"ッ!!

【まるで猫のように、光を受けて緑色に反射する、一颯の奇妙な黒い瞳。それが最後の一撃を告げて】
【先程の"風錐"と同じ発音で内容の異なる、『銀風の帯』の正式名称を叫べば――――】
【ヘケメトの背後の"ある一点"で回転がストップし、そこへ後続の風が吸い込まれて、巨大な"銀色の塊"と化していく】
【風が集約し、"銀色の塊"が生まれ、そして――――この発動プロセスを何度も見ているヘケメトなら、その後の攻撃も、おのずとわかるだろう】

【刹那、もはや言葉では言い表せないほどの、爆発音じみた風切り音を立てながら】
【この戦闘中何度もヘケメトを襲った『銀風の帯』が、最後に巨大な体躯を引っ提げ、顎を開く龍のように鎌首をもたげて飛翔する――――!】

【それはやはり弧を描く軌道で、ヘケメトの背中を突き抜けるように進むだろう】
【直撃しても実際に貫通まではしないが、背中をズタズタに引き裂きながら、強烈な暴風に押される形で、一颯の右後方へと大きく吹き飛ばされることになるだろうか】

…………が、はっ…………!

【また、この攻撃が成功するかに関係なく…………"風切"の発動寸前、一颯はヘケメトの攻撃を受ける】
【これもやはり、棘を受けるのが精一杯。幾度も攻撃を受け止めてきた刃も、これでついに歪んでしまう】
【そして、一颯ももはや、その衝撃には耐えきれない。血をまき散らしながら、後ろへ倒れ込むだろう】
【間違いなく、これ以上の戦闘続行は不可能だ】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(空)<>saga<>2013/03/24(日) 03:13:33.19 ID:WRggEKT80<> >>697

…………ッ……!!

【――――― パン、軽快な音が高く鳴った。思わず目を瞑り、衝撃が顔をの方向を変えた】
【ひりひりと焼け付く左頬。いつの間にか押さえていた左手をそのままに、少女は、ゆっくりと正面を再び向いて……】
【少女が頬を張られたと理解したのは、彼の涙を見てからのことだった】

…………、……――――――――

【そのままの体勢で聞き続けた心からの糾弾……彼らしくあった少年の叫びは、言葉は少しばかり的を外していた。】

【………停まる事など赦さなかった。陽が昇り夜が訪れ今に至るまで、少女は必死で手掛りを “捜し” 続けている。】
【……けれどもそれは足掻きでしかなかったのだろう。壊れかけた心は悲嘆に囚われて、自分が何者なのかすら、彼女の心にはあやふやで―――】

【……けれど、だからこそ、零された涙が心を穿った。】
【少なくとも、見る者にはそう感じさせただろうか……幾度か少女の瞳は呆然と揺れた。】
【……“自我”、“意志”。まっすぐに叩きつけてくる其れを、今暫くの沈黙で迎えて……】


…………成程、ね……。

【ひどく刹那的な雰囲気を纏い、何かをこらえる様に小さく俯いて…】
【……けれどあの夜を思わせる其れで、櫻の少女は薄く微笑った。不思議と、その表情は安堵を感じさせるのかも知れない】

………“目が覚めた”。
私は口が上手くないけれど……それだけ言えば十分かしら?

それじゃ……お休みなさいフォンチュン。………貴方は無理をしない様にね。

【………安心させる様な声。その呼び水となったのは彼の叫びであり、優しい涙なのだろう】
【何より彼の必死さが、“己はこれでいいのか” と―――― 彼女に、最後の意地を呼び醒ました様でもあった】

【ここでお別れだと告げる様に、少女は表通りへの道を伝えるだろうか】
【その境界線まではそう遠くなく、鋭敏な感覚が察知する危険な気配もなく――――】
【だから付き添いは不要だと判断したのだろう、“強さ” を纏う表情で、そのまま彼を見送る筈だ】
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage saga<>2013/03/24(日) 03:13:35.26 ID:k0KeQBRko<> >>711

【──遠い話。彼が掘り起こせぬ記憶については、追求する事は無かった】
【元々、エルフェスとは面識が無かったのだ。疑問に思う事はほとんど、無い】


よっ……。っと……。


【壁に預けられた彼は、器用に体を向きを傾けて楽な姿勢を取り】
【投げ渡された包帯を一度掴み損ねるも、鋼色の雀がフォローしてキャッチして左手に収めた】


────少しは、良くなったみです、かね。
ありがとうございました。貴方もお疲れですし、ここから先は何とか自分の足で歩いて行くとしましょう。


【左手に持った包帯を右手に持ち替え、描写の省略ではなく、本当にどこからともなく取り出すのはトランプカードのジョーカー】
【「そういえば、これが残ってたか」とつぶやくと、カードを“右手の大口”に飲み込ませ。「頼みますよ」と続ければ────】


ええと、≪ カオスシード = ………バンテージ? ≫……。


【エルフェスから貰った包帯はうねうねとまるで生物の様に動き出し。はだけた彼の衣服の隙間から入っていき】
【グルグルと彼の体に巻き付いていき、おおよそ完璧と言える巻き方によって包帯としての役目を果たし】
【トカゲの尻尾切りの様に残った部分が切り離されれば、余りの包帯はごく普通の包帯に戻った】

【その包帯が、どんなものかはエルフェス自身がよく分かっているはず。彼の能力である事は間違いないだろう──】

【残りの包帯をエルフェスに投げ返しながら、】


──おや、病院がお嫌いですか?アレはいい場所だと思いますがね。
ゴロゴロ寝てるだけで健康的な生活を送らせてもらえる理想郷だと個人的に思うのですがねぇ。


【目前に見えようとしている出口の方向に顔を向け、嗚呼、早くゴロゴロしたいと想いをはせながら】
【二度寝しようとすると起こしに来る妹も相棒もいなくてサイコーです。と付け加える】
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/24(日) 03:30:19.78 ID:CNTt2bqwo<> >>716

…………だけど、なあ

【なにかあったのは確かなのだろう、でなければこんな感覚はあり得ない】
【霞を掴むことはできないけれどそれが何を意味するのかくらいは分かる】
【ただうわのそらに狭い世界を見つめて、零すのはため息】

別におぶるくらいなんてことはないって言ったけど―――――――

【なんて言い終わる間もなく彼はカードという遊びでしか用いないだろう代物を持ち出す】
【それだけで不思議なのに更に彼の手だ、なんとも奇妙な存在で理解の及ぶものとは思えない】
【物を操作する能力か?と呟いて、どこか引き気味に一部始終を見つめる】

混沌の種?……ああ、卵―――――卵!
そういやアンタ卵に感染してる。んだよな……?

【ぱし、と受け取る包帯に訝しげな視線を落とすのも束の間】
【思い出したように声を張り上げて鬼気迫る勢いでリロードを睨む】

病院は行動が制限されるから嫌いなんだよ、鳥かごみたいなモンだろ実際……じゃなくて!
アンタのソレ、卵をどうやって抑制……つーかその場合は操作?してるんだ?

知り合いにソレに悩まされてるヤツがいてさ、だからなんとか対処法を知りたいっていうかいっそ始末しちまいたいんだけど……

【戦闘以外の時であるならばノリ易い扱いやすい人種ではあるのだろう】
【軽快な言葉の後に残すのはだけど真剣な面持ちで、近い出口は或いはエルフェスの持つ問題へと解決の糸口でもあるのか】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(山形県)<>saga<>2013/03/24(日) 03:32:56.28 ID:/nNQ0Tlto<> >>714

【周囲の人々のどよめきが聞こえる――】
【それはそうだ、女性の手によりわけもわからず避難させられたと思えば】
【広場がめちゃくちゃに荒れ始め、暴風が吹き荒れ、――】

「ヘケケケ、……安心しなァ」
「俺がふっ飛ばした奴らの傷の治療をしていた奴は俺の"パートナー"ッ!」 「"支援者"ッ!」
「死ぬ前に傷は治させるぜェ−、ヘケケケ」

【そう言えば、確かに傷の治療をしていたのはあの女性だ】
【しかし、その治療法といえば――"杖"を身体に当てて、魔力を流しこむというだけ】
【――おそらく、一種の能力なのだろう】

「――――ヘケケケ、こいつは大物だァ」

【振るった黒棘の腕、それの命中の余韻に浸る間もなく――襲いかかるは、"銀色の帯"――否、"龍"ッ!】
【反撃の手――"エネルギーをぶっ壊す"――――駄目だ、間に合わないッ!】
【――――裂かれる身体、左腕の棘はいつの間にやら消え失せてしまっていて】
【吹き飛ぶ身体――漆黒の空洞から、赤い眼光が一つ発せられれば――闇へと溶けて】

【――町の中央にあった巨木、今は傷だらけで小枝や葉も落ちたそれにヘケメトは叩きつけられた】
【降り注ぐ葉にまみれた身体、いかんせん受けた衝撃も傷も大き過ぎた】
【少年へその顔を向ければ、――】

「……ヘケケケ、……良いバトルだったぜェ」

【最初に比べれば弱いその声で、そう語りかければ――巨木に体重をかけ、女性による治療を待つのだった】
【――さすがにボロ雑巾のような背中を巨木に預けるわけには行かず、まだ無事な左腕を下にしたようだが】


『……まったく、……ヘケメトにもあなたにも色々言いたいことはありますが、まずは傷の手当からですね』
『私はアウ・ダァコル――彼の見張り役兼……"支援者"です』

【――もしあなたが望むならば、その女性は"杖"を身体のどこかしらに当てて魔力を――"治癒"の魔力を流し込み】
【その"負った傷"を"治療"してくれるだろう――"疲労"は治らないのだが】


【――今日の広場は、大荒れだった】

/少々巻きましたが眠気もあれであれなので〆させて頂きます、お疲れ様でしたー <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2013/03/24(日) 03:36:28.81 ID:P7wP0ajYo<> >>713

だなァ……まだ、レナールの人々は救える。救える……かもしれない
それを諦めちゃ、申し訳ないものな

【刃に星明かりを映せば、木々の影が模様を作って翳りを差した】
【それをじっと見つめる目にもまた、同じ模様が金色の中に薄ぼんやりと浮かぶようにして散る】
【真っ直ぐに見つめる先は、しかし相手の言葉の指すように、多分に迷いを含んで揺らいでいる】
【きっと未だ、青年は決められない。例えば他の正義を背負う能力者達に比して、いのちというものの扱いを、定められていないのだから】

マーシャル、いや、ロウって呼ぶ方が形式なノかな? 他の国の文化はまだちょっと慣レないから……
俺はナウファル。通り名みたいなモノはないけれどネ
ハハ、ありがとう。ロウの言う通りだな……悩んで悩んで、俺の答えを見つけるコトにするよ

【思えば、世間話というには長らく話し込んでしまっただろうか。泉の中から足を上げ、濡れた裾を軽く絞る】
【先人の教えにも快く頷き、去りゆく背中に照れ笑いめいた表情を向けてひらひらと軽く手を振り見送る】

【荷物の上に掛けた衣服を身に掛け、旅の荷を全て詰め込んだ細長い麻袋を拾い上げる】
【と、指先に引っ掛かったのは袋の中で微かに出っ張って尖った“本”の背表紙】
【麻袋越しにそれに褐色の指を滑らせながら、ぐ、と口端を横に広げるように唇を噛む】

……ここには、風ノ国の人達を治す方法は無いかもしレないけれど
それでも、モしも縋る方法があるなら……

【あの場から持ち出した、旧遺物の一つ。打ち捨てたままに出来ずに拾い上げてしまったのは、それが原因だろうか】
【微かに水面を跳ねる音は同じでも、流れる水は、故郷のそれとは違っていた】


/お疲れさまでした!
/先走って雑談でナンダッテーしてしまいましたが、な、なんだってー。カノッサに執着する理由が……
/うn、その辺はナンバーズ派が宝玉集めてるほにゃららを聞いた事にしよう! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage saga<>2013/03/24(日) 03:36:54.88 ID:k2XiKAZZO<> >>715

――そう、それだよ、八攫。
その顔だ。そうでなくちゃ。

【少年の表情に笑みが浮かぶ。涙はすぐには収まらず、ぽろぽろとこぼれていく】

うん、おやすみ。
無理しないで、頑張れ。

【にこりと笑い、涙を拭う】
【以前の少女に戻ってくれた。心の底から安堵し、穏やかな笑みが溢れた】

それじゃ、「また」。

がんばって。

【少女の教えた道へ踵を返し、後ろ手に手を振り】
【闇の中を走り去っていった】

/お疲れ様でした! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(中部地方)<>sage<>2013/03/24(日) 03:55:53.46 ID:i9jLcPIxo<> >>718

そうだね、いいバトルだったけど…………もうちょっと、しんどくないやつが良かったなあ…………。

【地面に倒れ伏して一歩も動けず、その呟きは仰いだ空へと消えていく】
【空気中に溶け込んでいた銀色の妖気は、ゆっくりと一颯の体へと還っていき…………それが収まれば】
【もう一颯の体からは、ほとんど妖気を感じなくなるはずだ】
【自身の後ろ、大木に叩きつけられたヘケメトの方を首を動かしてちらりと見やって、小さく笑顔を見せ】

アウさん、ですか。ぼくは鳴子一颯です。
…………いやまあ、だって"仕方ない"じゃないですか。周りを気遣いながら戦える相手じゃありませんでしたし。
まあ、若さ故の暴走ってことで、許してください…………。

【「あと、すみませんが治療お願いします。本当に死んじゃうんで…………」】
【最後にそんな情けない声を付け加えながら、"支援者"を名乗るアウに言い訳じみた返答をし】
【高校生という立場を利用した口実を並べ立てるが、本当に彼が謝るべきなのは彼女ではなく、この広場の管理者であろう】
【様々なものが暴風で吹き飛び、竜巻の外周のあった付近は切り飛ばされた雑草や木屑で散らかっていて】
【広場にあった備品も、吹き飛ばされた物とぶつかったり風の煽りを受けたりして傷が増えている…………】
【管理する側にしてみれば、頭を抱えて逃げ出したくなるような惨憺たる光景だ】

…………はぁ…………、疲れたや…………。

【そんな光景を作った責任も、さっきのようにちゃっかり"切り替えて"しまったのだろうか】
【一颯は笑顔のまま、流れ込む魔翌力に身を任せながら、ただ自然のままに流れる風を感じていた】
【その表情は多分…………しんどかったけど面白い人たちと出会えたから、だったのだろう】

【…………血塗れのその姿を心地良い疲労と称する気には、きっと誰もなれないだろうが】

/お疲れさまでした!
<> お待たせしました!<>sage saga<>2013/03/24(日) 04:16:12.59 ID:k0KeQBRko<> >>717

【何気ない会話から、いきなりの方向転換に一瞬、キョトンとしたが】
【楽な姿勢を少し崩し。“座り込む”姿勢に変えてどっしりと構え】
【ふむと左手で口元を抑えて、真剣な表情でふむ。と漏らす】


お知り合いが──それは、それは……。では、まじめに答えさせて頂きますと──。
まず、過度な期待をさせないために言っておきますが──私の手品……いや、“能力”の影響が強いです。

──なので、方法ではなく、その過程を説明させて頂きましょうか。


【能力、それは個人個人の固有の力であり、同じ能力を保有する例は非常に少ない】
【つまり、彼のやっている方法で何とかなる保証は一切無いという事、そこはハッキリさせる】

まず、目玉とか口があって勘違いされるかもしれませんが、いわゆる“孵化”はしてません。
──口は私の“能力”です。目玉は、……妹に埋め込まれました。残っているのを見ても分かる様に完全対処でもないです。


…………最初に、コレを埋め込まれた時。制御は出来ていませんでした。きっかけは、“腕の切断”です。
カノッサとは関係の無いプライベートで腕が千切れまして。その際、壊死をしない様に“生命”を与えました。

──腕がない間、私の心の闇は抑えられていたので、対処方法「その一」と言ったところでしょうか。ただ、そこだけ切り取る訳にはいかないでしょうが──。


【“生命”。詳細は省略したが、先ほどの包帯の動きを見れば、ああいうものだと納得できるだろうか】


生命を与えた腕は、私の予想を外れて勝手に動き出して何処かに行ってしまいまして──嗚呼、このへんは関係ないので省略しまして。
ええと、色々あって、腕が戻る事になりまして。その際、哲学者の卵は埋まったままでしたので効果が復活する事を懸念していたのですが。
卵の存在は意識出来ましたが、その効果は確認できず。──理由としてはおそらく、その時、私の心の闇は“心の闇”は既に消えていたのです。

……心の闇を消す、それが対処方法「そのニ」ですかね?
ただ、卵は闇を増幅するらしいので、「抑える」ではなく原因を「消す」ことが重要ですね。これは難しいでしょうね。後から出来る可能性もありますし。


【戦闘中の彼は酷く病みっぽかったが、それは心の闇と呼べるものではないのだろう】
【心の闇は、あんな風に軽く曝け出されるモノではなく、もっと、深い所に存在するモノという事だろう】


……そして、「その三」。卵の影響を適時処理する。です。大本の闇が消えても、小さい心の闇は誰もが抱えているモノです、人間ですしね。
そういった場合、こうやって、私は処理しています。


【右手を振るうと。手の甲の瞳から涙の雫の様に黒い、“哲学者の卵の魔力”がこぼれ落ちる。戦闘中にやっていた事だ】

制御は能力でやっています。詳細は──控えますが、物質の吸収の様なものでして、吸い取って吐き出してます。
必要になったら嫌な事を思い出して増幅させてます。魔力の資質の無い私は中々重宝していますよ。フフフ……。

【かの哲学者の卵を魔道具扱いである。彼の能力は酷く応用が聞いて器用な様で。これは元々の能力の素質に左右されるだろう】
【或いは、そういった力を持った“魔道具”に頼る事が出来るならば、或いは────?】

嗚呼、そうだ。最後に、昔手に入れたアーティファクトを最近譲渡しましてね──。それから暫く調子が悪くて。
どうも、闇の力を抑える力を持っていた様で。「その四」、破魔の力を持った道具で抑えこむ──ですね。
よほど強力なものなら、力自体をぶち込めば、もしかすれば破壊できる──かも、ですかね?……卵より人間が耐えられるかが重要ですが。

【卵をも破壊する強力な力。あったとして、破壊する際、埋め込まれた人間が耐えられるかどうか──】
【よほど、良い方法が無ければ、対処方法「その一」。卵ごと体を切り離す。と同じ結果になってしまかもしれない】

──以上、これまでです。何かご質問は?

【言い切った後、ふう。と息を吐いて、彼の言葉を待つ】

<> お待たせしました!<>sage saga<>2013/03/24(日) 04:26:40.70 ID:k0KeQBRko<> >>722
/おっと追記になりますが
/【これらの事は事実というよりは、リロードの経験に基づく予測からである──】 です、当たり前ですが! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/24(日) 04:38:38.67 ID:CNTt2bqwo<> >>722

【彼はどうやら腰を据えて自分に話してくれるらしい】
【怪我の処置はしたから、こちらもそれに応えなければ不義になる同じように腰を下ろして】
【難しい顔をしながら暫く無言で聞くことに徹する】

ふうん……しっかしエキセントリックないもうとだなこわっ……

【兄になんてことをするのだろうそれともこの世界のセオリーで自分がズレているのだろうか?】
【疑問は尽きないがそんなことは初めから分かっているので置いておいて、出来ればその「妹」とやらには出会いたくないと】
【背中を伝う嫌悪感をその表情に露わにして】

ああ、まずは物理的に取り除くのか……うんそれはオレも考えたさ
壊死した患部を外科手術で切り取る、一番納得できるやり方だ……けど卵の深度にもよるだろうしなにより体力が必要か
普通の手術でも体力が成否の要素になるんだ、その卵なら尚更……だよな?

【誰もが思いつく方法、これは再確認の要素が大きいか頷いて】

(……ふつーは腕が動きまわるなんて無いと思うんだけど、深くは問うまい)

心の闇を消す?つまり卵は心を餌に成長する?
うん、きっとそれは難しいだろ?だって人間だもん生きてりゃそりゃ闇の1つや2つ……いっそ心でも殺さない限り
……そんな方法は駄目だ、誰も幸せにならないしなによりオレが気に入らないし。

【そも卵に関しての基礎知識を知らない彼はここでようやく卵の糧を知り大きく頷く】
【しかしそれを取り除くということは究極的に心を取り除くに等しい、心の無い人間など人間ではない】
【よって自然、そんな方法は許されない】

3つ目……お前にしか出来ねーだろっ!
……う、まあ参考にはなるけどさ四六時中お前がいなきゃならないってのもぞっとしない。

【闇が溢れる度に外部に出して制御する、なるほどその考えはなかった】
【だけどそれは保有者の潜在的な力に因るところが大きいと考えて、やはり却下せざるを得ない】

【なんだコイツ実は役に立たないんじゃないかなんて疑いの視線を投げかける頃】
【或いは一番の可能性について彼は語り始める】


破魔、それか……退魔!

【答えは近くにある、ピースが嵌る感覚は引き抜いたナイフと共に】
【来歴を語られないその銀のナイフは退魔の属性を有したアーティファクトに他ならない】
【その在り方を誇るかのように闇の中で輝きは増し、静かに唸る】

……でも単体じゃ足りないか、それなら……足してみて繋いで掛けて

【グリップを強く握れば砕けて飛び散る銀の粒子】
【行き場の無い輝きは自然とケースに収まって、エルフェスは僅かな手応えを噛み締める】

ん、ありがとう参考になった!
質問……そういえばその卵を宿した状態で何か弊害はないのか?
それだけの異質なモノだ、対処してても何かしらの害はありそうなもんだけど……

【彼の能力と卵、ある種奇跡的な組み合わせで均衡を保っている】
【でもそれだけで押さえ込める代物なのか、という疑問を顔を覗きながら尋ねる】 <> お待たせしました!<>sage saga<>2013/03/24(日) 05:01:29.06 ID:k0KeQBRko<> >>724

いやあ、“私の右腕”が私から離れてしまっている間、どうも別居していた妹に飼われていたようで。
目が無い、"右腕"を不憫に思ったのか、義眼をプレゼントしたという心あたたまるストーリーがあるんですヨ?

【何だ、そういう理由があったのか。良かった。恐ろしい妹は居ないんだ】
【だが、右腕をペットにする妹の方が恐ろしい気がしないでもない……?】

──おや?役に立てた様ですかね?

【自分の答えた方法には現実的な解決方法は無いと彼は考えていた】
【だから、網羅してみたのだが、どうやら一つがヒットした様で────】

そうですね、では情報提供の報酬としては。
机上の空論ではなく、実際に成功した暁には、いつか報告をお願いしたいものですね。

“私”としては、あって不便な物ではないですが、万一に備えて対処方法は知っておきたいものです。

────弊害。ですか?方法「その三」ですね。
私は何かあれば処理できてしまうので……。直ちに害は特に無い、とは思いますが。ごめんなさい、分からないですね。


【適時、卵の力を処理する。エルフェスには突っぱねられたが、彼はそれが出来てしまうのだ】
【故に、それが出来ない人間にとっての弊害は、経験則で答える事は出来ないのである】
【「分からない」という事は、少なくとも、“今は大丈夫”という意味合いでもあるのだが】


──強いて言うなら……。仮に処理しても一時的なモノに過ぎないならば、
卵という異物が体に埋め込まれているという現実や、
いつ孵化するかも分からないと言う恐怖自体が“心の闇”になり得てしまうのではないでしょうか──。


【「私には“能力”という“心の支え”がありますがね──」と付け加える。闇があっても“支え”があれば対処できるかもしれない。「その5」。彼は意図して言った訳ではないが】
【さて、ではソロソロ行きますか。と言わんばかりに立ち上がるが、話をしていて忘れかけていたが、今の自分は即入院が必要の怪我人】
【バランスが崩れて倒れそうになるが、右腕の大口が壁の取っ掛かりに噛み付いて体を支えてくれた。イマイチ締まらないのは仕方の無い事か】

<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/24(日) 05:29:03.15 ID:CNTt2bqwo<> >>725

いや……悪いけどあたたまらないよソレ……

【そも腕なんて飼うものじゃないとか替りに義眼をプレゼントってどうなんだろうとか】
【その他もろもろを含めての言葉である】

(ああ、でも瞳を借りてるのはオレも同じといえば同じなのかな……)
(――――――いや、いやいやいや!まさかコイツとオレが同類な訳ないだろう何考えてんだオレは!)

【似たような境遇をどこかで聞いたことがあるなあと記憶を辿れば】
【やはり答えは近くに、この場合自分に……でもその考えを否定するいや否定したいので首を横に振って振って】

うぇ……?ああ報酬ないいよいいよ構わないその程度は諸手を挙げて教えてやるよ安いもんだ

【そんな考えの虚を突かれたからか適当に頷いて契約成立である】
【扱い易くはないだろうけれど分かり易い、そんな感じに見えるだろうか】


……と、なるほどなそれじゃあ弊害もクソもない
なんせ毒が出る前に抜き取っちまうんだから原因が無い、便利だなあアンタ……。

【だがしかしやはりそれは根本的な解決ではないのだろうと冷ややかに思う】
【例え魔翌力を処理しているにしてもその卵という地雷は未だ身体の中に、或いはその卵が学習する因子を兼ね備えているならば】
【リロードの用いている方法はいつか破られないとも限らない。無論だからこその「結果」を知りたいと言っているのだろう】

―――――つまり卵そのものが闇になる、よく出来てるなソレ……考えた奴は天才もとい最悪だ
毒は最初から毒でしかない、宿主に利益なんか与えない……アンタも気をつけろよ、ソレ。

【嫌悪すべき要素が自分の中にあるなんてどれ程の痛みだろうか】
【理解したいと思っても自分と他人という隔たりはあまりにも大きすぎる、痛みはその本人にしか分からない】
【支えるなんて甘い事そうそうできる訳もないこの考えを非常というならばそれも良いだけどそれは現実だ】

……それならそんな現実をぶっ壊す、だけ……か?
ん、ありがとなリロード色々と参考になったよ。はやく病院にでもいって看護婦にちょっかい出してろ、それじゃあなまたいつか――――――――

【答えとしては曖昧もいいところ、だけど目標は今日の会話で凡そ見つけられた】
【それで良しとするならば十分じゃないだろうか、すっくと立ち上がり背を伸ばす空気が清く感じられるのは気の所為だとしても】
【慰めにはなるし今の自分にはそれで事足りるから感謝を込めて別れを告げる】

【一先ず彼がこの場所から出るのを手伝ってから】
【去り際に悪戯なセリフを残し、エルフェスはどこへなりとも消えてゆくだろう】
【遠ざかるその背中はどこか凛々しくも見えるか……】

/この辺りでありがとうございました! <> お待たせしました!<>sage saga<>2013/03/24(日) 05:39:34.30 ID:k0KeQBRko<> >>726

──ええ。
さようなら、エルフェスさん。また会う日まで────。

貴方のご友人の無事と成功を心より祈っていますよ。

【エルフェスの後ろ姿を見送り、いつもの挨拶の後。ちょっとした一言を付け加え】
【ふう。とすぐには病院に向かう事無く、何か考えるかのようにして近くの木に背中を預ける。考えるのは“妹”の事──】


(必然とはいえ、アリアの話がする事になるとはね──フォローまでしてしまいましたよ)


【ハッキリ言って、フォローになっていない事はエルフェスの返事を見れば明らかだが】
【ふっ、と笑い。歩み出す先は近場の病院ではなく────】


(たまには帰って手厚い看病を受けてやすのも悪く無いかな……)


【──これにて、幕引きでございます】

/お疲れ様でしたっ! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/24(日) 16:04:51.50 ID:/gAFCdDdo<> 【廃墟】

【空から一筋の閃光が走った。刹那の後に、強烈な爆音が全ての音を消し去る】
【爆撃にすら聞き間違えるその正体は落雷だった。空と地上を繋ぐ光の道にして神の怒りとも揶揄される】
【圧倒的な衝撃による大気の振動。そこから来る一瞬の静寂を破ったのは熾烈な風雨だ】

【夥しい量の雨が空から叩き落されて地面に当たってはじけ飛ぶ。時折吹く風が唸り声をあげて木々を軋ませる】
【怒り狂った自然の猛威に晒されて朽ち果てた瓦礫の山が更に削られ、吹き飛んでいく】
【そしてまた空からの発光が地上を照らしだした。あらゆる影が伸びる中に人の形をしたものがあった】

【その人影は背の高い瓦礫の上に座していた。深い青のローブの端々から水を滴らせ風が吹く度に靡いている】
【フードの隙間からは金色の毛髪。それよりも僅かに暗い金色の双眸が何もない虚空を静かに見つめている】
【背中にはカノッサ機関の逆五芒星、右肩には“XX”の刺繍。右腕の腕輪が黄金色に光り輝いていた】


平等な世界……何が必要か……
人脈、資金、軍事力……政治、経済……
理論、思想、賛同者……いずれも足りていない……


【地上の全てが水流に叩きつけられる音に少年の独白が混じる。それもすぐに風に流された】
【彼の精神は何か別のものを描いていて、彼の瞳はここではないどこかを見据えていた】
【白い手袋に包まれた右手が何かを掴もうと宙に伸びていき、何も掴むことなく戻される】

【豪雨と暴風、雷鳴の中に佇む少年の姿には異質で恐ろしい気配があった】
【まるでこの自然の猛りの全てでさえも彼の隷属ではないかと錯覚させるほどの気配が】
【三度目の落雷が彼の顔を映しだした。氷のような冷徹さと泥のような憎悪の入り混じった顔だった】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(空)<>saga<>2013/03/24(日) 17:32:16.00 ID:rK5/4eVf0<> >>720

【少年の浮かべる笑顔には安堵を、そしてくすぐったそうな感じを瞳に浮かべたがその直後、】

……無理をしないのは苦手なのだけど。

ええ、“頑張る” わ――――――……貴方にも誰にも負けないくらいに、ね。

【クスリと微笑って冗談のように、“単純な事実” を口にした。そして続けた別れの言葉は、少年に贈り返すエールの様で、】
【そのまま去りゆく彼の背中を見送り……】
【今一度路地裏の風景を見遣ると、ごく凪いだ表情で闇を見つめた】

【少年の残した純粋な優しさが、彼女を僅かに蘇らせていた。死ぬ寸前の心は、驚くほど簡単に強さの仮面を纏えた。】

(―――――…………。)

【想い返すのは “大切なもの”。大好きだった目くるめく日常が、勝手に、望み通りに心に浮かんでゆく。】
【初めて出逢えた夜の騒乱/不意討ちで崩された無表情の反転/笑い合えたあの夜の優しい記憶/贈り交わした甘い宝物……。】

(……、…………。)

【…………森のなか、眼窩から血を流す彼女の姿。】

(……………ッ)

【護りたかったあの優しい日々は、護り通したかった無垢な笑顔は。
 ただ自分の弱さゆえに、人でなしの悪意に踏み躙られ傷だらけで終わりを迎えた――――】

【贖えない、取り消せはしないその結末。】
【ならば何が出来るのだろう? 切り裂くことしか出来ない己に、果たせる事は何なのだろう。】
【けれど不安げに歪む表情を鎮め、答えを受け入れる様に目を瞑り、】

(さよならね……ヨハン)

【少女は旅路を決意する】
【……戦いにだけ生き続ける。もう、何一つとして求めはしない。 】
【望む “今” のためにだけ生きて、終わりまでその道を貫こう――――】

…………っ、…………。

【奈落へと飛翔する金翅の鳥は、そして穢れなき露色の滴を零した】
【それは自らに許す最後の弱さ。それは大切な日々への惜別の思慕(おもい)。それは、少女として強く胸に抱いた、忘れ得ないひとつの感情だった】

(二度と、私は私の願いを失わない)

(楽園と願った現実だけを、この刃 (ありかた) として戦い続ける――――)

【どの道、進み続けるしかないのなら。 流れる血は己のもので、もう誰にも何も失わせないために生きて、往く―――】
【強く強くそう願った。“生” と過去にそう誓った。】
【眦を決しての足取りは、強く、内よりの力に満ちて――――】

/最後の最後に意識が……ッ……
/遅くまで本当にお疲れ様でした……! ありがとうございましたー! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>saga<>2013/03/24(日) 17:59:51.71 ID:N/oSLO3Yo<> 【――再び、風が吹いた。】
【交易都市レナールの崩壊から一週間、此処風の国に住む人々は恐怖の中にありながら其れでも強く、生き続けている】
【国を去る者もいた、"もはや風の国は終わりだ"と嘆く者も――】
【しかしそれでも、矢張り風は止まず。ただ、静かにその怒りを隠し、吹く。】

―――逃げてく人も、そりゃあいるよね。
近隣ってわけじゃないけど・・・それでも同じ国の中の一つの街が崩壊したなんて話、災害以外じゃ聞かないもん。
人災で――ううん、あれは多分"ヒト"じゃないけど――まあ、なんにしろ。
悪意を持って"二箇所"も同時に攻撃されちゃ、逃げ出したくもなるよねそりゃ。

【――破壊された倉庫の裏側、一人の女性と一匹の白馬が佇む。】
【馬の背に乗っているその女性は、なんとも時代錯誤な格好をしていた。】
【――土埃で汚れた白いシャツ、首元に赤いスカーフ、褪せた土気色のベストで豊満な肢体を包み】
【長い足をブーツ・カットのダメージジーンズで覆い、その先には年季の入ったウェスタン・ブーツを身に着けて】
【頭部には特徴的な古いテンガロン・ハット、その奥にブルーとも、翡翠とも取れるような神秘的な輝きの瞳を宿し】
【――有体に言えば、西部劇にでも出て来そうな"ガンマン"――カウ・ガールのような風貌の女性。】
【先週の襲撃で攻撃された二箇所の内のもう一箇所――レナールとは異なる、風の国のもう一つの――話題の場所。】

【"UNITED TRIGGER"、その事務所の奥にある車庫は襲撃時に"飛び出した"車両達によってあちこち吹き飛んでいた。】
【が、幸い事務所のほうは襲撃を間逃れたようで――損害は特に見当たらなかった。】
【女――セリーナ・ザ・"キッド"は馬から降り、倉庫を抜けて事務所へと入っていく――】

いやぁ、しっかし作戦成功、ってワケだね!避難所までみんな逃げ切れたし、"彼女"も無事捕虜のまま。
――ま、捕虜に関しては新しい娘も加わって、ちょっと大変なことになってきたけど――うん、なんとかなって良かった。

【――襲撃を受けた本拠点、しかし事務所も特に荒らされてはいない。彼女は隠し扉の奥にある起動スイッチを押し】
【閉鎖していた地下基地のロックを解除、エレベーターの再起動を確認した。】

秘密基地も無事だし、それに――いっひひひ。

【彼女はカウンターの床下に隠してあった幾つもの酒瓶を取り出し、その内の一本にキスして】

――ああ、良かった♪君が無事でアタシは幸せだよ、なんたって一本5万はくだらないような品だからね!
仕事が終わったら迎えに来るから、それまで美味しく待ってるんだよ、うっふふふ♪

【――酒瓶を床下にしまいながら、状況を確認するセリーナ。】
【どうやら一時避難所から戻ってきて、事務所がどうなっているか確認しに来ていたようだ。】
【入り口にかけてあった"Closed"の看板を"OPEN"へと変え、彼女は事務所の電気を付けた。】

【再び、優しい明かりが酒場に近いその店内を照らし出す――零れた光が、暗くなりかけてきた路地を写して。】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(長屋)<><>2013/03/24(日) 18:05:17.80 ID:LmIgqd8bo<> 【水の国・街中】

やれやれ、追い出されてしまいました……

【とある民家から出てくる青年】
【いつものベンチコートも着込んでおらず、昏い赤の燕尾服姿の彼は、とぼとぼとメインストリートに向けて歩き出す】

まったく、僕も大概ですがノエル君も謎ですよ…
急に腕失くして帰ってきたと思ったら大怪我してるわ大金持ってくるわで…
私だって紅茶くらい淹れてあげられるというのに、仕事探して来い、なんて酷いです

【何やら不機嫌で、しかし雰囲気に棘は無く、しょんぼりとした印象を漂わせる】
【一本に結われた黒い長髪も、心なしか萎れているような気がする】


私に合う仕事がない以上、仕事が無くたって仕方ないでしょうに!!


【どうもダメ人間の臭いがする】
【が、その佇まいは優雅で瀟洒、動作の節々には気品が感じられ、服装と相俟って、彼が出て来た古い民家とはミスマッチしている】

やれやれ…このご時世、戦える執事は需要もあるはずなのですが……
何処かに雇い主様は転がってないものですかねぇ…

【辺りをキョロキョロと見回して歩く姿は、非常に目立っていて】
【道行く人ならば、きっと、目に留まるのだろう】

そこの貴女!!
私を執事として雇いませんか!?

【通行人に絡みはじめた】
【駄目だこいつ…早くなんとかしないと……!!】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(長屋)<><>2013/03/24(日) 18:08:00.06 ID:LmIgqd8bo<> /ごめんなさい!一日日付け見間違えてました!!>>731は取り消します!!
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/24(日) 18:22:59.94 ID:CNTt2bqwo<> >>730

…………やっと、ね

【小さな声は外からできっと中の彼女には届かない】
【その明かりは標としては十分、こつこつと鳴らすブーツは近づいて】
【やがて扉をノックする音それが収まるのを待たずに扉を開けて中へと入る人影】

―――――やっほ……ん?なんか酒臭い、気の所為?

【紫がかった栗色の瞳と同じような短めの髪】
【年頃は20歳ほどの女性はその身を所々煤けて破れたローブに包んでいる】
【目につくのは肩に乗せた身長程度の魔術杖と脇に抱えた「箱」そして……その顔の右半分を覆う刺青のような痕】
【うっかり日照りの元に姿を現してしまったミミズのようにのたうち回るそれは誰が見ても異常と分かるもの】

何が楽しいのか知らないけど取り敢えずお預けねざーんねーん
ホラ、これ……取り返してきたからアンタに渡す、綾津妃よ

【しかし当の本人はどこ吹く風とばかりに気になどせず】
【慣れた足取りでずかずかと入り込んでカウンターへと件の「箱」を置く】
【その置く間際、指先も同じ刺青のような痕を残して……どことなく得意げに胸を張り】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>saga<>2013/03/24(日) 18:40:13.28 ID:N/oSLO3Yo<> >>733

【散らかった書類を纏め、襲撃時の衝撃で何挺か、壁から落下した"銃"を飾りなおし】
【カウンターのテーブルを拭いていると――ふと、ノックの音。木製の扉の向こうに、『お客様』が来た合図。】
【はいはーい、と布巾をその場において、セリーナは慌しく扉へ駆け寄り――店内へと入ってきた人物を、出迎えた。】

―――ワオ!カズネちゃんじゃないかー!まさかリニューアルオープンのお客様第一号が貴女とはね♪
よく来てくださいました、ここ最近はホントに色々あって大変だった――・・・ん?お酒臭いかな?
いやいや、気のせいだよ気のせい!だって――ま、まだ夕方でしょ?飲むわけ無いじゃん飲まないよあっははははー・・・は・・・。

【軽く、目を逸らしながら――カウンターの奥へとサササ、移動。】
【床下の収納庫を足で静かに閉め――酒臭い匂いの元を、断つ。ばれてない。きっと。多分。メイビー。】
【ともかく、せっかく尋ねてきたカズネの為に"瓶"を一本開け――中からグレープジュースをコップへ注ぐ。】

ああ、これワインじゃないから安心して飲んで良いよ、ただのジュースでアルコール入ってないから。
まあ寛いでって――――え?

・・・あー・・・その、えっと―――これ、このおっきい箱――・・・が、ん?え?

・・・ふぅ、ちょっと落ち着こうか。・・・あ、アルコール入れていい?

【思考処理が追いつかない――それほどまでに、衝撃的な言葉。】
【カズネの口から飛び出した綾津妃という――大切な、仲間の名前。そして目の前の不思議な、箱。】
【カウンターに在る其れはどう見てもあの"綾ちゃん"には見えないが――まず、その前に。】

えっとね、質問が二つ。先ず一つ、アタシはホントに今日はまだ酔っ払って無いんだ、だから目は冴えてて――
"人間"と"玩具箱"の区別くらいはきちんとつくつもり、だからカズネちゃんがこれを"綾ちゃん"と呼ぶのがとても・・・その、
・・・なんでか、わかんない。

【そこで一旦、言葉を区切り――】

で、でね、もう一つ。気になってるのはその顔と、腕。それは――見た事無いけど、イメチェンには思えないしとっても気になるんだ。
あまり趣味の良い"タトゥー"じゃないね、まるで呪いか――何かみたいだよ。

つまりね、総合すると――うん、カズネちゃん。

【そこまで言うと、真剣な目でカズネを見つめつつ――急に、顔を接近させ――おでこと、おでこを合わせようとするだろう。】

・・・貴女、疲れてるのよ。

【――箱を持ってきて、誇らしげに胸を張るその姿――そしてそれを綾津妃だと言い切る姿勢――なにより、顔と腕に見える大きな刺青】
【セリーナは思っていた――ああ、カズネちゃん・・・何か手を出してはいけないお薬とかに手を出して、とうとう変になっちゃったのね、と――!!】

【――疲れてるのはこの馬鹿女の方だった。】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<> !nasu_res<>2013/03/24(日) 18:44:05.53 ID:DS9MDe+D0<> //テスト <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/24(日) 18:55:11.11 ID:CNTt2bqwo<> >>734

そう?なんとなくそんな感じしたんだけどな……
じゃなきゃ体臭?……ま、どっちでもいいか。ああ、ありがと頂くわー

【気の所為ならそれで良い割りとというか凄くどうでもいいことだし】
【あふう、と大きく欠伸をして出されたジュースを一気に飲み干す疲労でも溜まっているのかコップを置けばがっくりと肩を下ろして】

――――――――……

【彼女の言葉を遮ることなく数秒】
【どことなく「説明めんどうだなー」なんて雰囲気をかもちだしているのは気の所為ではないだろう】
【自分の理解している事を他人に説明するとなるとそれはまた別のタイプの労力が必要で】
【カズネという人物は自分さえ理解出来ていればそれで良い、という考えの元で生きているから誰かに教える技能も低く……】

【どうしたものかと視線を泳がせて更に数秒】

……あー、まあ疲れてはいるけどね。
こないだ大きな戦いがあったじゃない?ホラあの逆さの塔のアレよ、その時にあのジジイもとい使い魔改め淫魔と戦ってね
で、結果から言うとジジイが扱ってたコレはどういう理屈かは知らないけど綾津妃らしいのよ。呪いの根源?みたいなね

【ざっくばらん自分だけ思い出しながら要点だけを伝える】

あの黒い霧はジジイが綾津妃を使って起こしたみたい
まあ実際のところは詳しくは調べられなかったけど……ね。

【一区切り、ふーっと息を吐いて空になったコップをセリーナへ差し出す】
【要するに注げということなのだろう尊大な態度は嫌味はなくだからこそなんというか偉そうで……】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>saga<>2013/03/24(日) 19:15:53.52 ID:N/oSLO3Yo<> >>736

【その数秒の間、彼女は「大丈夫?頭は痛くない?アタシが誰だかはわかるんだよね――」などと】
【心配している言葉を投げかけるも当のカズネの態度はどことなく――面倒くさそう、で。】
【「あ、あれ?カズネちゃん?」と視線を泳がせるが――やがてその口から、あの事件の顛末が語られて。】

――ああ、例のレナール襲撃の件ね、実はあの時アタシ達も襲撃受けててさ、もうニュースにもなってるけど。
で、仲間が早期発見してくれたおかげでなんとか襲撃から逃げ切ったは良いんだけど――そう、そのせいで
あの場にアイツが――・・・あの気に入らないおじーちゃんがいたのに、駆けつけられなかったんだ。

だから――ごめんね、カズネちゃん。貴女を一人で戦わせちゃって。
(うう・・・本当に申し訳ない、しかもそのせいで色々後遺症まで脳みそに――!)

・・・って、ええ!?じゃ、じゃあホントにこれが――この、箱が――

【――どうやら、勘違いしていたのは此方のようで、セリーナはきょとん、としてから大げさに驚く。】
【そしてその箱にゆっくりと、指を這わせ――感触を確かめるように、触れ】

・・・ウソ、そんな――・・・こんな小さな箱に、なんで・・・どういう、ことなの・・・?
ね、ねえカズネちゃん――"ガイスト"が綾ちゃんを使ってあの事件を起こした、ってそれ――それじゃ――・・・

(――綾ちゃんは、もう・・・意思も持っていない、ってことなの・・・?)

【――口から出かけた"助からないのか"という単語を――慌てて、飲み込む】
【泣き言をいっている場合ではなかった、今はこの箱を――綾津妃をどうにかするのが先だ。】
【存外、平気そうな顔をしているカズネはなんとも頼りがいのある姿だが・・・セリーナにはその落ち着いた様がどうにも、怖く見えた。】

・・・そっか、それじゃ・・・とっても大変だったんだね、カズネちゃん。
力になれなくて御免・・・でも、安心して。これからは力になるよ、この箱――綾ちゃんを、なんとかしよう。

けどさあ、黒い霧も、怪物も、あの塔も――それにこの箱になった綾ちゃんも、もーわけわかんないよ・・・!
こういうさ、呪いとか悪魔とか魔術に詳しいヒトいないのかね!?じゃないとアタシ、あのおじーさん倒せる気がしないよ・・・。
あ、おじーさんじゃなくて女の子か、ややこしいなあ。

――綾ちゃんに聞けば、アイツが何をしようとしてるのか一発で分かりそうなもんだけどね・・・。

【自然な動きで、空になったコップにグレープジュースを注ぎながら、テーブルにクッキーやらチョコやらを出して】
【多少、偉そうにふんぞり返ったカズネに苦笑するも――それでいい、とセリーナは思った。】
【――自分に出来なかった綾津妃の奪還を、念願だったそれを、彼女が成功させて見せたのだから。】
【あとは――これをどうにかして、そしてあの憎き悪魔を打ち滅ぼすのが自分の役目だ。】
【だがここまでしっかりと、傷を負いながらも偉業を成し遂げたカズネが――ちょっとばかり尊大にしていたって、構いはしない。】

【――むしろ、礼が言いたいくらいだ。】
【そしてその後――セリーナはまた、話題を切り替えて――ふと、彼女の頬に手を伸ばし】

・・・で、ちょっと驚いて話が逸れちゃったけど――カズネちゃん、"コレ"は何?あんまり、良くない物に見えるけど。

【今度こそ、真剣な瞳で――カズネの頬に描かれた刺青に、触れ――指で優しく、撫でる。】
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<> !nasu_res<>2013/03/24(日) 19:31:25.30 ID:DS9MDe+D0<>                【夜の国―――貿易都市月堕ちぬ街 カンバラ=z

【ここは現在の夜の国の開拓を象徴するかのように巨大な貿易都市だ、最初は夜の国特有の資源を得ようと複数の貿易会社が工場を置き】
【それらが集まって集落へ、街へ、そして巨大な都市へと発展していったのだ―――今では多くの人々で賑わい首都ルルーメンに匹敵する規模となっている】
【非常に大きな港には貿易船や観光船が無数に停泊し街中は閃光鋼≠加工した街頭のようなモノが設置され街全体へ光の魔術がかけられネオンの明かりのように淡く輝いている。】

【だが今宵は―――いつもの賑わいとは違う賑わいで都市全体が騒がしかった………人々は不安そうに寄り添い、語らいそして一様に都市の中心を見つめている】
【街頭にあるモニターや酒場のテレビにはその中心地点にあるタワーが映し出され、放送局のヘリに乗ったアナウンサーがもう何度目かの状況説明を開始する】

≪はいお茶の間の皆様方ッ!テレビの前でふんぞり返っているお偉い様方ッ!どうもおなじみ!LS放送のイーディ・フランソワーズですッ!
 貿易都市カンバラは依然として緊迫に包まれていますッ!それもそのはず都市の中心部の貿易タワーには恐ろしいテロリストが立て籠もっているからですッ!≫

≪テロリストの名はミーメ<b!かの創世戦団のリーダーですが依然として一歩も動く気配はありませんッ!!
 っとここで新しい情報ですッ!まもなく政府が招集した選りすぐりの能力者で構成された討伐隊が到着する模様ですッ!!≫

【アナウンサーにしては随分と高い声がテレビの中から響き渡る、そして人々は討伐隊に期待をよせながら再びタワーへと視線を向けた】

【貿易タワーバベル=\――現在はあるたった一人の男に占拠されている巨大な貿易タワーだ………そしてその屋上に立っている一人の男】



―――。静かだな………ここからなら夜の国≠ェ良く見える………私が生きていた頃とは随分と様変わりしたようだが
さて………そろそろ彼奴等が到着する頃か―――さて、果たして奴らにはこれからの現実、世界に向き合っていけるだけの力が存在するのか

                 それを今日―――最後の選定を以って見定める=B



【紅蓮に染まった髪、軍服型のロングコートを身に纏った長身の男―――創世戦団のリーダー暴帝 ミーメ=z
【男はタワーを占拠してから半日間、この調子であったテロを行う訳でもなく何かの声明を発表するわけでもないただ屋上で君臨するのみ】
【まるで元より戦士たち≠ェ到着するのを待っているかのように………自身の組織である創世戦団は既に壊滅したため自暴自棄になっているのだろうか?】
【それとも―――その答えは時期に到着する討伐隊≠ノよって明かされる。】

【討伐隊全員には、何か危険な事態が起きた時を想定し首都ルルーメン自警団本部への緊急転送装置を支給している、もし危険が迫ればこれで脱出すべきだろう】


【―――そして時を同じくしてカンバラ≠見渡せる高台………そこに一人の人物が立っていた。】
【カンバラで巻き起こっている騒動を眺め、満足げに喉を鳴らして笑い―――そして視線をミーメが座すタワーへと向ける】

『さぁてこっちの仕込みもじきに終わる………手前が何を考えてるか知った事じゃあねぇが―――もう終わりだ
 クク………精々最後に最高のショーを見せて貰おうか………なぁ、かつての英雄………聖帝 ミーメ=x

【闇の底ではさらなる闇が蠢く―――何にせよ、今日………世界の勢力図はまた変化を迎えるだろう―――それが良い方向か悪い方向かは分からない。】

//それでは参加者の皆さんはタワー屋上に投下をお願いしますッ!
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/24(日) 19:51:36.95 ID:GoYrBR+B0<> >>738

【カンカンカンと】
【暗い外套をはためかせ、非常階段からバベルを登る青年が一人】

「ミーメはどこだぁ!!」

【彼の名は大空順風】
【しがない自警団の一員にして】
【ついこの間まで無能力者だった能力者】

【耳にはめたイヤホンコード】
【その先端には現場の状況を声高に伝えるラジオ】

「はぁっ! あー、なんだってんだよ! 夜の国寒ぃ!! なんでこんなに寒いんだ!!」

【もう春先だが、年中日の刺さぬ夜の国はまだ冷える】
【それが高層タワーの屋外だというならなおさらだ】

【青年は遊撃】
【罠や待ち伏せで全滅を避けるためにそれぞれが別の経路でバベルに突入している】


//大空順風です
 よろしくお願いします! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/24(日) 19:54:17.49 ID:CNTt2bqwo<> >>737

一人で戦った訳でもないわ、手伝ってくれたヤツもいたしねー
それにアタシは好きであの場所にいたんだからアンタが謝る事でもないでしょ?
自分で選んだ事を後悔できるのはその本人だけなんだから、やめてよねそういうの嫌いよ

【そういえばあの時に一緒にいた彼は今何をしているのだろうか、少なくとも死んではいないだろうけど】
【ぼうっと曖昧な記憶を掘り探りつつセリーナの謝罪はお門違いだなんて諌めて】

アンタの考えそうなことは分かるわよ、でも大丈夫よ
なんせ規格外の呪いでしょ?それがいつまでも殻に閉じこもっていられる訳ないじゃない。
呪いっていうのは世界に出て初めてその猛威を奮うモノ、だからいつまでも籠の鳥でいれるほど優しくはない……ってトコ。

まあ時間が経っても出てこないようならこっちからお伺いするって手もあるんだろうけど、危ないと思うしね。

【肘をついて頭を支えながらもう片方の指先で机に落ちた水玉をなぞる】
【透明なラインは暫くその姿を保つけれどその内反発して円状に変わる、その形が一番自然だから】
【即ちこの箱もいつかは自然の形に戻るということで……】

何にせよ、よ……必要になったら物事は自然のままに運ばれる
悪事を働く者がいればそこに正しい事を成す者が現れるように、滞り無くさも必然的に……。

【要するに「なるようになるから今は時を待て」ということ】
【酷く冷静に、濡れた指先をセリーナへと突きつけて】

魔術は専門分野だけど他は畑違いだから知らないわー、チョコとは気が効いてるじゃない……。

【素知らぬ顔という表現がやはり一番適切か】
【もぐもぐとチョコレートを食むその仕草は歳相応でありながら、しかし身体に刻む痕がそれと真っ向から対立している】

んう……?あーコレ?……ただ回路が暴走肥大しただけよ
あの淫魔を吹っ飛ばすのにまたオーバーロードしちゃったみたいでね、でも仕方ないでしょ?

【ただちに死ぬような事でもなければカズネは別段気にもしない】
【代償として払ったのは命ではなくて時間だし、それを払うにしても幾らか猶予があるから】
【差し伸べられた掌を退けることもせずまた今度はクッキーへと手を伸ばして】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(広島県)<><>2013/03/24(日) 19:55:45.81 ID:DuDfoVRj0<> >>738

【ビルの屋上――その上空を飛行する一台の輸送ヘリ】

「本当にいいのか!こんな所でおろしちまっても!」

ああ、問題ない!撃ち落とされんよう気をつけて帰れよ!

【操縦士の大声――それにカウボーイハットをかぶった一人の男が答え――ヘリから飛び降りる!】
【腰のホルスターに魔除け弾入りリボルバー、ガンベルト、大ぶりなボーイナイフ…その姿にパラシュートなどというものは全くなく】
【ただ車にひかれた帰るみたいに落ちて潰れるのを防ぐのは、ヘリの中にくくりつけられた長い長い投げ縄のみ】

と――到着到着、待ってろよ800万!

【そして着地するカウボーイ】
【癖のある黒髪が揺れ、鼻を横断する古傷の上でその黒い瞳が鋭く光る】

そんじゃ始めますかねー!

【投げ縄が自然にほどけヘリから地面に落ちていく――おとこは立ち上がり敵を見据え――――】



/ポールー=ベイクドバットです。よろしくお願いします
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(長屋)<><>2013/03/24(日) 19:58:29.34 ID:LmIgqd8bo<> >>738,>>討伐隊メンバー
【タワー屋上に至る内部階段】

うッス!!
身体の調子はあんまりよくないけど、ムルゥはバージョンアップしたし、盾も軽くて丈夫なミスリル製のやつを支給してもらったッス!!
時間が無くて、腕は改造出来なかったッスけど、まぁ問題ないッス!

今日の調子は、八割程度、今までと比べたら十二割ッス!!

【がしゃん、がしゃんと音を立てて階段を登って行く、鼻に絆創膏を貼った少年】
【錆色をした髪はツンツンと逆立っており、黒いヘアバンドに押さえ付けられている】
【ごてごてとしたポケットのついたモスグリーンのベストの下には黒いタンクトップを着て、迷彩柄のカーゴパンツと、いつもの出で立ちである】
【しかし、違う点を挙げれば、その背に負った武装──大盾と機械槍は、新品のごとく白銀に煌めいている】
【先日の戦闘で破壊された槍は前金をつぎ込んでリペアー&バージョンアップし、新機能を搭載するに至った】

【──しかし、愛用の機械槍が破壊されるほどの激戦の後だ、その身体には幾つか傷跡が見受けられ、ベストの隙間からは痛々しく包帯が巻かれているのが見える】


【そんな傷など気にさせないほど軽快に、階段を登り切り】

いくッスよ……

【屋上のドアに手を掛け】

「暴帝 ミーメ」ッ!!
覚悟して、お縄を頂戴するッス!!

【勢いよく開け放つ】
【その瞳には、まるで小さな子供のように好奇心に満ちた、真っ直ぐな光を湛えていて】
【その身には、非常識なほど膨大な量の魔翌力が満ち溢れていた】

/宜しくお願いいたします!! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2013/03/24(日) 20:11:15.06 ID:pAj6WA58o<> >>738
【風が一陣ーーー此れ程の高度においては風はどれも強く、冷たく、死神の息吹が如く】
【黒衣とタイを風にはためかせながら、隻眼でミーメを睨む立ち姿一つ】

ーーー…… …だからよぉ… ーーー

なーんで、こう、高い所に、どいつもこいつもよぉ…

【彼は、ふと辺りをーーー屋上からの眼下の景色を見渡して】
【ーーー高い】
【ーーー超、高い】

【しかも屋上、凄く風が当たるし、強いし、ぶっちゃけ怖い】

【ーーー……だが】

…よう、久し振りだなーーーミーメーーー

【震えていられるかーーーこんな夜に】

…戦艦放り出していなくなってた時にゃ心配したぜ?まさかビビって逃げちまったんじゃねぇかってな
…まさか、だよなぁ?

【まるでその姿は特徴的な服装ではない、ただの黒いスーツに革靴姿だ】
【だが…その右眼を覆う『紅い剣を咥えた黒い狼』の紋章が刻まれた黒い眼帯と、ベルトのホルダーに納まった刃のない剣の柄、長い銃身の銃は、ただのサラリーマンなんかではないと主張する】
【撫で付けた短い黒髪、あり得ないセンスの骨柄のネクタイーーーラッシュ・ワンスドッグは、既にミーメの元に到着していた】

まだ何かやらかす気か?今度はなんだ?テメェもでけぇ塔でも作るか?
ーーーなぁ、暴帝さんよ

【風に吹かれ、足はその場に根を張ったように立ち尽くし、ミーメに語るは捲し立てるような口悪い言葉】
【右手に剣の柄を取れば、柄から魔翌力光子の紅いブレードが生えて、辺りを紅く照らす】

【ーーーすぅーーー…と、挙がった右手は、ブレードの先端をミーメに突き付けた】

ーーー…会いたかったぜ、そしてーーー

【ーーー「この瞬間を待っていた」ーーー】


【ラッシュの目は、既に野獣の光を湛えていた】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>saga<>2013/03/24(日) 20:38:31.23 ID:N/oSLO3Yo<> >>740

・・・うん、そうだね。
でもほら、協力して戦おう、なんて言った手前――駆けつけられなかった事が、悔しくてさ。
自分の事で手一杯だなんて、なんだか情けなくて・・・ま、どっちに手を出してどっちも疎かに、なんて冗談にもならないし
カズネちゃんの言うとおり――アタシが後悔してちゃ、失礼ってモンだね。

【この期に及んで、セリーナの謝罪をやんわりと否定できるその胆力、本当にカズネという人物は――覚悟が強い。】
【窄められれば思わず、『ふふ』――と、笑みを零して。ああ、カズネちゃんらしいなと思ったのだろう。】
【だから飲み込んだ言葉を、心の底にあった心配を、カズネが汲み取ってくれた事にもとても、救われて。】

・・・大丈夫、カズネちゃんがそう言ってくれるならそれを、信じる事にするよ。
どうせ、今のアタシにはちょっと予想外って言うか、規格外の出来事過ぎて対処できないから、ね。
けど―――そうだよね、アタシってばあの時のことで頭が一杯で忘れてたけど――そもそもさ、綾ちゃんって超強いじゃん!
こ〜んな風にされちゃって、そりゃあもう怒ってるんだろうなぁ・・・起こすのに成功したら、機嫌を取る為に色々用意しとかないとだ!
自分から出てきてくれれば、嬉しいんだけどね・・・まるで引き篭もりの娘さんを持った母親の気分だよ、これ。

【――本人が箱の中で聞いていたのなら、声を上げて反論しそうな事をくく、と笑いながら呟いて――】
【カズネの言葉を聴いたときに思い出す、そういえば綾津妃だって――そんなに弱い存在では、ない。】
【信じるのであれば、まず綾津妃を――彼女の力を、信じる事が一番なのだろう。】

・・・だね、焦っても上手く行かない。綾ちゃんは一応、アタシの基地で預かっておくよ。
大丈夫、この間襲撃されても無事だったように意外と、ここも頑丈だからさ。安心して!

ん〜・・・でもカズネちゃんも専門外かあ。あ、そうそう。悪魔に良く効く物って何かあるかな?
ニンニクと銀、それに木の杭は――確か、吸血鬼だよね?悪魔って何がニガテなのかな。
今の内に一応、対策立てておかないとって思うんだけど――

【――話題はリリアにも及ぶ。あの悪魔を倒す方法――そんなものがあるのかは、わからないが】
【邪悪が苦手とするもの、そしてそれを具体的に武器として計画に組み込む事――そのアドバイスを、求めて。】
【そうこうしながらも、刺青――暴走した、というその回路へと走らせた指で、彼女の顔を優しく、撫でつつ】

・・・これ、消えないものなのかな?もし、そうじゃないなら良いけど――ううん、ごめん。なんでも・・・ない。

【カズネが自身で払った代償だ――それにケチをつけるのはセリーナがお門違いだろう、ただ――】
【カズネも、また綾津妃同様セリーナの大切な――大切な仲間だった。心配だけは、どうしてもしたくて。】

・・・自分で分かってるとは、思うから――五月蝿くは言わないけど、カズネちゃん。

――アタシ、貴女の事もずっと――・・・心配、してるからね。

【――無理はし過ぎないように、と――忠告を添えて。セリーナは手を離した。】
【例え命に関わる事でなくとも、彼女は女の娘だ――こんな痛ましい物は、本当なら無いほうが良いと、セリーナは思う。】

/遅れました!すんません。 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(空)<>saga<>2013/03/24(日) 20:43:55.84 ID:IPIUDYe30<> >>738

【タン、と最後の一歩を踏み込む音がした。】
【真正面から乗り込む濃藍の細い影。大階段を経由しての、地上から屋上へと到達するルートから、戦場へと身を躍らせる其れ。】

…………ふっ……!

【腰までの伸びやかな黒髪が、濡れ羽烏と呼ぶに相応しい色合いで】
【銀の混ざる橡色の瞳をして、濃藍のトレンチコートを纏った―――少女、だろうか】
【移ろい行く刹那を留め、硝子の様な雰囲気を漂わせる。】

【右手の前腕部を漆黒の装甲で覆い、同じ手に白銀の太刀を携えるその姿。】

………捜したのよ?
本当に、本当に長い道程だった……。

【………八攫 柊。創世戦団1st、斬華/ゲトリクスとの決戦時同様の、軽装・速度重視の装備をした剣士だった】

【心の澱を除かねば勝てないと彼は言った。圧倒的な力を揮われ、身も心もそれを事実として刻み込まれていた。】
【…………だが、停まる事など出来なかった。少女は僅か数メートルの距離へと歩を進めるだろう】


…………久し振りね 暴帝<~ーメ―――――
何もかも此処で終わらせましょう……貴方の望んだ世界の先を、私は否定し破壊する。

……それが―――――――― “孤剣” として背負う戦いの、終わりまで貫ける刃(ありかた)だ……!

【不退転の決意を感じさせる足取り。覚悟を決めたような透る声。】
【だがその身を衝き動かす感情は、軋みに満ちていた。決して癒えぬ傷を抱えた様な、抜身の薄刃を思わせる其れ。】

【…………だが、心を凍らせ刃と変えた様に。】
【……或いは圧倒的な現実に抗うため、“力” を求め “力” と為って果てたかの様に。】
【少女は、凄絶なる剣気をその総身から放っていた。戦意は渦を巻く嵐と化して、彼の覇気に斬り込む様でもあった。】

【其れが彼には如何映るのか。或いは単なる “敵” のひとりとして、何を思う事もなく戦闘に移行するのか。】
【……彼女にはどちらでも構わなかった。】

【“護りきること”、“切り拓くこと”――――― それだけが、今の彼女には総てだったのだから。】

【鋩を暴帝≠ヨと向けられ、構えた刃が刃鳴りをあげる。開戦の合図を待つが如く、戦場の空気を創り上げながら。】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<> !nasu_res<>2013/03/24(日) 20:52:23.87 ID:DS9MDe+D0<> >>739
【現れた青年を一瞥し、暴帝≠ヘ振り返る―――ただその動作だけで凄まじい圧力が息を詰まらせんと迫ってくるようだ】
【バタバタとたなびくコートを翻しながら現れた青年をじっと見つめ、そしてその素性を把握し満足げに口元を吊り上げる】

ふ、来たか………貴様は確か自警団の大空 順風=Bあのヴォルガに拳で競り勝った男か。
まだ幼さが残る顔つきだな―――だがいつの時代もお前のような若造が英雄などという幻想を抱いて人柱となる。

この私がそうだったようにな………ッ!

【憐れむような視線を向けながら順風へと諭すような口調で語りかける、まるで昔の自分と照らし合わせているかのような口調でゆっくりと】
【その瞳には順風では想像もつかない程の凄まじい想い、経験が詰まっているように感じられた。】
>>741
【そして新たに現れた戦士―――ミーメは飛び去る輸送ヘリに一瞥もくれずに現れた男を見て不敵に口元を歪めで睨みつける】
【一瞬、挨拶代わりと言わんばかりに強大な敵意が向けられるが―――あくまで挨拶代わりだ。】

ふ。貴様は金の為か………それでいい、正義のためだ、人のためだ、平和のためだとほざくよりはよほど現実的だ
だが―――800万の為にこの私の首を狙うのは些か無謀だったな…。

【ゴキン、一度首を鳴らして相手へ挑発気味に言葉を贈るが金の為に戦うと言うそのスタンスは評価しているようであった】
>>742
【さらに到着する新たな戦士―――だがその肉体には既に傷が刻まれており………ミーメはその姿を目にするとチッと一度舌打ちをする】
【まるで神のように、王のように威厳を以っていたミーメらしからぬ人間味のある嫌悪感を剥き出しにした表情………。】

何故だ………その傷、それも同じように民を守る為に戦った傷だろう………何故貴様はそれほどまでに戦い続ける…。
民は貴様に何もしてくれんぞッ!!より一層依存し、果てには使い捨てられ記憶からも消えていくだけだッ!!何故それが分からん!

哀れな………この私を同じ道を歩む前にここで葬ってやる…ッ!

【激情に任せた表情でそう言い放つとノエルを睨みつけ、全身から真っ赤な闘気を噴出させる―――何かミーメにも思う所があるのか】
【怒りの中にどこか訴えかけるような………そんな気配があった。】
>>743
【そしていつしか現れていたその男―――この男………否狼≠ヘなじみ深い………思えば随分と長い付き合いな気もした】
【故にミーメは視線すら向ける事無く男へ言葉を向ける。】

ふ、存外余裕そうだな………ラッシュ・ワンスドッグ=\――一度牙を折られた相手にもう一度立ち向かうか…?
―――。私にも色々と事情があってな、だが私抜きとはいえまさかジェネシス≠ェ堕とされるとは思ってもみなかったぞ、クク

さて、な………だが今宵は手加減は一切抜きだ。二度と立ち上がれぬ体にしてやろう。

【好敵手に向けるようにギラギラとした視線を滾らせながら言葉を紡ぐ―――心なしかどこか愉しんでいるかのようなそんな口調で】


//続きます
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<> !nasu_res<>2013/03/24(日) 20:56:40.79 ID:DS9MDe+D0<> >>745
【そしてまた―――見知った好敵手が姿を現した………そしてその姿は一歩、また一歩と歩みを進め、自身の眼前へと】
【互いの剣気が、闘気が食い合う―――交差する視線、そしておもむろにミーメは口を開く。】

貴様には、言葉は不要か………答えは%アき出せたか…?貴様も、そして彼女も―――。
その覚悟の程、見せてもらうぞ。

【それだけ告げるとミーメ自身も臨戦態勢へと移行するッッ!!】
//本当に申し訳ありません、他の参加者の方と非常にレスポンス速度が開いてしまっています
//もう少しだけ早めにして頂けないでしょうか?図々しく本当に申し訳ないです。

>>ALL
さて―――それでは始めようか、最後の選定≠ッッッッ!!

【ゴッ!!という轟音と共にミーメの周囲の大気が荒れ狂いそして圧倒的な威圧感が顕現する、この男も本気だッ!】
【そして次第にミーメの紅蓮の如き長髪は色素が抜けていき―――真っ白な白髪へと変化、さらに瞳も完全な黄金色へと変化する】
【背には黒みがかった銀色の闘気で創造された3対の翼が現れる………これは血濡れの森の戦い≠フ最後に見せたミーメの超越形態………。】
【ミーメはそのままふらりと一歩踏み出すと―――一瞬、その姿がロストする】【次の瞬間―――その姿は一同の眼前へと移動しているッッ!!】

見せてみろ―――貴様らの可能性、貴様らの力、貴様らの覚悟、そして貴様らの想いをッッ!!!
                 いざ………尋常に勝負ッッ!!

【轟ッッ!!そしてミーメの咆哮に呼応するかのように遅れて超高速移動の余波≠ェ発生し、それは特大の衝撃波となって一同に迫りくるッ!】
【それは屋上のコンクリート、鉄骨すらも破壊し―――屋上は砂で出来た城のように倒壊するッ!そして下は吹き抜けッ!このままでは奈落へ真っ逆さまだ】

【―――だが、不思議な事に落下の速度は恐ろしく遅い=\――周囲を見渡せば崩れた屋上の瓦礫すらもゆったりと無重力のように落下している】
【それに一歩踏み出せば………まるでそこに地面があるかのように前方に進む℃魔ェ出来る………これはミーメの大気操作によるモノだろうか?】
【だがゆっくりと―――確実に落下は続いている………つまりはこれがリミット―――決戦の舞台は、今、整った。】
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/24(日) 20:57:12.63 ID:CNTt2bqwo<> >>744

そうね……アンタに預けたほうが安全でしょうから
ね?隠し場所、沢山あるでしょココ?

【自宅に隠すというのも考えたがしかしそこに防衛設備はなく襲われたらひとたまりもない】
【ならばここほど便利な場所もないだろうから、まるでこの店の下にあるモノを知っているような口調でニヤニヤと】
【足裏で床をコツンなんて叩いてみたりして】

ま、目覚めた時の事は任せるわ適当にご機嫌でもとってちょうだい

【さて、とばかりに摘んでいた手を止める】
【事の顛末を憂うような視線はやはり箱へと向けられていて……】

知り合いに一人、退魔を請け負っているヤツがいるけど……それも正統な職業じゃないし微妙かしら
どっちかといえば戦闘全般だしどうなのかしらねやっぱり知らないわ。

【そも退魔業とは血脈によって研鑽されるものではなかったか】
【であるなら当代のみの力というのは危うくさえ思える、けれど所詮自分も門外漢だから詳しくは知らないし】
【肩をすくめるしか出来なかった】

一度根本から刻まれた刻印は消えないわよ、そういう代物だからね
でもまあここまで雑多に適当に侵食されたら今後は副作用が出るでしょうねー……だから一度まとめようと思うんだけど

【身体その物を魔翌力を運用する為の装置として用いる】
【それの行き着く先は効率良く魔翌力を流すだけの廃人でしかない】
【見つめる掌、魔翌力を流せば刺青は僅かに輝き脈動する】

そう?それはありがたいけど……
じゃあちょっと頼み事を頼まれてくれないかしら?そう言うんだから多少の迷惑を被る覚悟はあるんでしょ?
ま、今更無いとは言わせないけどねー

【整理されていない回路は一時的に出力が高くても時間の経過と共に劣化しデメリットが多くなる】
【なのでその回路を整えなければならないのだけど、それには時間が必要で……つまりは犠牲とはそういう事】
【ゆっくりと回る回路にガチンと魔翌力が装填されれば悪戯に向けられる銃口、指先を向けてくすりなんて微笑んで】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/24(日) 21:12:54.86 ID:UO2ISELio<> 【街中・商店街】
【にぎわう商店街の真ん中を、ひらり、と大きなスカートをはためかせて歩く者がいる】
【その少女の姿は極めて目に付くのだが、道行く人はそれをいつもの風景と捉え、誰も気にしていない】


最近忙しくてメンテナンスする暇もありませんねー
今日のお買いものが終わったら一度チェックマシンでも使ってみるべきでしょうかデスヨー

あ、でも時期的にはそろそろ新型パーツの換装を行う頃だしその時でいいでしょうか?


【その少女は純金の三日月の髪飾りで長くつややかな黒髪をポニーテールにして整えていた】
【耳をアンテナヘッドホンのような機械で覆い隠した、銀色のカフスボタンが袖に付いた黒を基調とした丈がくるぶし部分まであるロングドレス】
【その上にフリルだらけの常に汚れ一つない真っ白なポケット付きエプロンを着用して、メタリックカラーの小さなブーツを履いた…俗に言う侍女服の少女】

【右の手首に買い物鞄をぶらさげながら、少女は今日も、かちゃん、かちゃん、と機械の足音を立てる】


いや、それでも換装前に緊急事態が起きても困ってしまうのデスヨー
やはり一度ワタシ自身で軽くチェックを行った方がいいかもしれません、そろそろハカセもシビレを切らして
女の子にちょっかいをかけはじめるかもしれませんし

――まあそれはそれとして今日は小エビが安かったからサラダでも作りましょうかデスヨー


【いかなる時でも抜かりなく一流の仕事を、それがモットーの侍女式自動人形、ジャンクちゃん】
【疲れを知らない鋼の身体に休息の時はない、今日もせっせと我が主の為に一生懸命に駆け回る】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>saga<>2013/03/24(日) 21:16:35.02 ID:N/oSLO3Yo<> >>748

【コン、コン――と、カズネの足が床下を小突く。音がするだろう、それは空洞の存在する特殊な"音"――】
【木材が詰まってるような密度の在る物が叩かれたときにはこんな音はしない――つまり、それはまさに】
【へそくりやら酒瓶やらなにやら隠されている事を意味していて――――・・・】

・・・オーケイ、オーケイ、カズネちゃん。いいかい、それをUTメンバーに漏らしちゃダメだよ?
ただでさえ最近は酒を飲むな飲むなってもー可愛い部下たちがあれこれ策を練ってて大変なんだからー・・・。
・・・ソニアなんか時折アタシのワイン、どっかに隠しちゃうんだよ?好かれてるのはわかるんだけど、大人にはアルコールが必要なんだって・・・。

【苦笑いしつつ、しーっ、と指を口元にあわせて。言っちゃダメだよ?と悪戯ぽく笑う。】
【まあ、でも確かに隠す事は色々工夫できる場所ではあった――セリーナはうなづいて。】

・・・戦闘全般で、退魔を請け負ってる、かあ。
まあ、正統じゃなくても何かしら情報は手に入るかもしれないけど――・・・ううん、難しいねえ。
やっぱり教会とかに頼んでみるのが一番かなあ、エクソシストって映画見た事ある?
あんな感じでこう、神父さんが聖書読みながら―――・・・やってる内に、殺されそうだね。

【色々思い浮かべるも――どうやらカズネ同様、手詰まりのようだ。】
【そろそろ、そういう方面に詳しい仲間も引き入れないとな、そんなことを思いつつ】
【話が刺青の――回路の方へと移ったとき、予想外の事態にセリーナは、驚く。】

・・・え?いや、そりゃあ頼まれ事なら請け負うけど――・・・ちょ、ちょっと待った!
怖いよ、カズネちゃん怖い!あんまり銃口なんて無闇に人に向けるもんじゃないよ!
(・・・時折、本気で撃ってきそうだよね、なんて――思っちゃうのは、カズネちゃんの笑いが怖いからかな・・・。)

・・・えっと、アタシは――何をすれば、いい、かな? <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(広島県)<><>2013/03/24(日) 21:26:44.41 ID:DuDfoVRj0<> >>746>>討伐隊メンバー

っ?!――へっ、ちょうど金欠だったんでな、あんたには感謝してるぜ。
おかげ様で野宿生活ともお別れできそうだ。

【向けられた敵意にぜんしんが泡立ち怖気が走る】
【すぐに持ち直すも溢れる冷や汗が体を濡らす】


(くそったれ!前金もっと吹っかけときゃよかった)

【心の中で悪態をつきながら――次の瞬間衝撃が迫る!】
【瞬時に落ちてきた投げ縄を渦巻状に巻き円盤型の盾にする】
【縄を操る念動力の効果でまるで鋼鉄の様な強度を持った縄と衝撃波がぶつかる】

かはっ!

【衝撃で飛ぶポール】
【思わずつぶった目をあけるとそこは――奇妙な現象】
【普通なら地面にたたきつけられるはず!しかし落ちていない!いや、落ちてはいる、ただしゆっくりと】

【驚きとともに思わず一歩踏み出し、歩けることにさらに驚き――】

そういやあいつはどこだ!

【リボルバーを抜き棒艇に姿を探す】
【ついでにほかの討伐隊の位置も確認する気だ】

<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(広島県)<><>2013/03/24(日) 21:29:35.54 ID:DuDfoVRj0<> >>751
/訂正 棒艇に→暴帝の です。すみませんでした <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(長屋)<><>2013/03/24(日) 21:33:38.96 ID:Q10Gb+ono<> >>746,>>747
う、うわぁっ!?
ちょ、ちょとま───

【構えすらしていなかったノエルは、慌てて背中の大盾に手を伸ばす】

こいつは───軽いッス、ね!!

【ミスリル製の大盾は、以前使用していた鋼のそれよりも数段軽く、数倍丈夫だ】
【装備もスムーズに行え、なんとか衝撃波のガードに間に合う】

人々が応えてくれなかったのは───アンタに問題があるんじゃないッスか!?
たとえ、過去に英雄と崇められても、結局落ちぶれて世界を荒らすような奴に、誰がついて行きたがるッスか!!

【落下しながら、ミーメ対して呼び掛け──否、反論している】
【左腕が肩部分から「外れ」、その断面に背負った槍の柄の先端が吸い付くように装着される】

『Muruh Battle mode Start』

【ノエルの背中、正確にはそこに装着されている槍から機械音声が流れ出し】

アンタも男ならッ!!

【腕と見なすならば肩と肘の部分に可動部のついたその槍は、屋上に空いた穴から降り注ぐ月の光を受けて銀色に輝いて】

最後まで正義を貫き通してみろッス!!

【ミーメにその刃を向けるッ!!】


なんだか足元が落ち着かないッスけど、覚悟するッス!

【構えた盾で右半身を覆い、左足で一歩、踏み込む】

『Tanngrisnir ignit』

【すると、間髪入れずに槍から機械音声が流れ───】

うおおおおおおおおおッス!!

【──穂の付け根の部分に設置されている排気管が火を吹いて、ノエルが急加速】
【その身が一本の槍と化し、ミーメに襲い来るッ!!】
【構えられた大盾は、空気抵抗によりノエルの勢いを少しばかり殺してしまうが、前方からの攻撃を防ぎ、さらに体当たりという攻撃方法で、攻撃範囲を横に広げるッ!】

>>751
【大きく雄たけびを上げ、ミーメの正面から今まさに突っ込まんとしている──!!】

<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(空)<>saga<>2013/03/24(日) 21:34:48.00 ID:YNxkW8Qg0<> >>746-747

………そうね。
貴方にも、そして彼女にも失望はさせない――――


【――――― “犠牲を背負って歩み続ける”。ゆえに、己は強くあらねばならない。】
【覚悟の面で言えば……前回とは比較にもなるまい。】
【幾つもの犠牲を彼女は背負い、そして再び彼に挑み―――――――】


――――――――――――― 暴帝<~ーメ、貴方を断ち切る。
勝てなければ意味がないのなら、私は、貴方にでも勝利してみせる…………!

【その宣戦布告と衝撃波に対し、己の闘法を以て宣戦した】

【舞い上がる粉塵から衝撃波の位置を捕捉、床面を蹴って大きく跳躍―――― 壁際で衝撃波をやりすごすと、殆ど間を置かず跳躍、】
【衝撃波の通過した後の空間に突入 /ミーメから見て左側から、大きめの瓦礫を足場に利用して着地、】
【そのまま彼我の中間点にあった別の瓦礫を盾にして、】

――――――…………はぁッ!

【―――― 踏み込み。その 「盾」 ごとミーメを斬り裂かんと、瓦礫越しに彼の左脇腹への横薙ぎの斬撃を放った】

【前回はまるで通用しなかった斬撃。だが、柊はここで二種の可能性を以て突破を図る。】

【ひとつは 「知覚の外からの攻撃」。】
【大型の瓦礫を目晦ましに用いての一閃は、タイミングをひどく図り難く――――また知覚から攻撃の到達までの時間は、限りなく短いものとなる】
【無論、あの超常の耐久力が常時発揮できるものなら意味はないのだが……。】

(……金翅鳥。私であるのなら――――――― 応えろ……ッ!)

【もうひとつの可能性、 「切断概念そのものの強化」 が防御の突破手段としての本命だった】
【“存在としての融合”、その深度が高まれば、“異能” であり “武装” であり、“彼女そのもの” である刃の力……】
【“かたちあるものを斬る” 切断概念。その破壊力は大幅に高まるだろう】

【――― 其れは、暴帝の護りを突破するに足るものなのか。】
【何れも可能性に過ぎない二種の策。足場の不安定な現状では、攻めはともかく護りはやや危ういか】

/すみません、了解ですっ <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/24(日) 21:44:19.08 ID:GoYrBR+B0<> >>746

【肩で息をする順風は、眼前の光景を見て息を飲む】
【屋上には威風堂々とした男がいた・・・たった一人で!】

「は、はは・・・マジで一人なのかよ」

【噂には聞いていた】
【奴等の首領というからには大層強い事も予想していた】

【だが、目の前の男は】
【たった一人で都市1つの制圧を成し遂げていた!】



【暴帝ミーメ!!】



【その様には、その姿には】
【能力者だとか無能力者だとかの垣根を越えて】
【一種の憧れや尊敬の念すらも抱きそうになった】

「でも、だけどさ」

【順風は少し目を流し】
【ポツリと呟く】


「民は何もしてくれないだとか、力有る者に依存するだけだとか。
 "人間"の事をそんな風に言う奴は許せねぇよ。
 お前がいくら強かろうが、それだけは絶対に間違えてる・・・!!」


【青臭い順風の心に引っかかったのは】
【自分へ向けられた憐憫の言葉より、数多の敵を目の前にしても揺るがぬ大胆不敵な態度より】

【力有る者の傲慢さの見える、その言葉だった】

【チラリ、と集まる周囲の者に目を配らせる】

>>743>>745

「!! ラッシュ、それと柊・・・って聞こえないか・・・。って何言ってんだ俺は!!」

【討伐隊の見知った顔に少し心が浮足立つが】
【あわてて頭を振って、浮ついた考えを散らす】

(えーい! 慌てるな、テンパるな、ふわふわすんな!!)


(ここは既に"戦場"だっ!!)


【順風はキッと】
【慌てて暴帝を睥睨する】

//続きます <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/24(日) 21:45:06.96 ID:GoYrBR+B0<> >>747

【しかしそんな甘さは】
【図らずとも敵の一撃で消し飛ぶ】



【ミーメの一撃で、バベルは巨人の手に押し潰された様に倒壊した!!】



「う、わああああああああああああ! う、ウソだろ!?」

【崩れていくビル】
【青年は慌てて、声高に叫ぶ】

「あ、アリゼッ!!」

【直後、青年の傍らに現れる、全身が羽毛の様なスケイルメイルに覆われた黒い翼を持つ青いハヤブサ!】
【マインド・アリゼは出現と同時に青い光に包まれ能力を発動する!】

【すなわち】

【本体と共に、限界を"飛び越える"能力!!】

「うわっ、と・・・っと!」

【順風の瞳に青い光が灯り】
【瓦礫を蹴って、一際大きな瓦礫に飛び移る】

(このままじゃ地面に激突・・・! いや、落下がずいぶん遅いな・・・。
 わざとなのか、それとも能力がそういう制限なのか・・・!?)

【順風は空中を歩くミーメにギョッとしながらも】
【震える手で腰のサーベルに手を掛けた】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2013/03/24(日) 21:49:14.52 ID:pAj6WA58o<> >>746>>747
…牙が折れた、だぁ?
見くびんなよ、あん時は疲れてただけだ

ーーー言うじゃねぇかよ、前とは数も状況も違ぇぞ?
それにな…俺も、何一つ変わらないままじゃねぇ

【愉しむような、決して嫌ではない口調ーーーニヤ、と苦笑いを浮かべ、ラッシュは答える】
【以前のーーーミーメに一蹴された時とは、味方の数も体力の状況も…自分の力も違う】
【ーーー以前のようにはいかない、いく訳にはいかない】

【ーーーただ、戸惑いもある】
【何故、今自分は笑ったのか分からない、何故、今こんなにも気分が昂まってくるのか分からない】

ーーー…ッ!……

【荒れ狂う大気、噴出する威圧感ーーー姿の変わる、ミーメ】
【吹き飛ばされないように踏ん張りながらもその視線は揺るがない、網膜に焼き付いた姿と重なるその姿ーーーミーメの真の姿か】
【ーーー最初から、本気ということかーーー】

面白ェ……!!

【ミーメの姿が消えた、高速移動だろうーーーだとすれば、次に来るのはーーー】
【ミーメが再び現れたと同時、ラッシュは足の踏ん張りを最大限に効かせる】
【予想通り、襲い掛かる力の余波、あの草原とは訳が違い、こんな場所で吹き飛ばされては一溜まりもないーーー全身全霊を込めて持ちこたえーーーッ!?】

…うお…お……!?

【まさかーーー床が耐えきれない!?】
【まずい、下は確か吹き抜けーーーこれでは、戦う前に¥Iわってーーー】

ーーー?

【体を襲う浮翌遊感が、奇妙だーーー何だか、水の中のような、ゆったりとした感覚】
【周囲の瓦礫ゆったりとーーーいや、立てるーーー?】

ーーーケッ!…粋な事しやがるぜ!

…舐めんじゃねぇぞ!!

【これはミーメの力かーーー?大気を操作出来る彼なら不可能ではない、しかし何故?】
【ーーー知った事か、わざわざ戦いの舞台を整えたと言うなら、乗ってやるのみ】

【左手で素早く銃を抜いて、まっすぐ銃口を向けーーーその瞬間乱射】
【とにかくミーメに当たるも当たらないも、周囲のサポート狙いで紅き魔弾を撃ちまくる】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/24(日) 21:59:37.89 ID:CNTt2bqwo<> >>750

ええ勿論アタシは口が固いからね、まあそれも時と場合によるんだけど……ねえ?

【対してカズネはにこにこと屈託ない笑みを浮かべて】
【勿論口調は冗談混じりだけど彼女の場合その冗談は本気になりかねないし】
【そしてお酒の件を誰かに告げることもきっと簡単にやってしまう人種】

教会ねえ……ああいうの胡散臭そうだから嫌いよ
聖書なんて鈍器でしかないし、どうせオッサンしかいないでしょうから役に立たないんじゃない?

【自分の知らないことは基本的には偏見まみれの世界観】
【これで日常生活を送れているのは、言うほど日常と関わらないからである】
【そりゃあ引きこもっていれば自分の歪さに気がつくなんて要素はない】

簡単よ簡単、ただ人間一人が半年くらい「安全」に引きこもれる場所を提供して欲しいってだけ
ほらアンタならすっごく簡単な話んじゃない?隠し場所には、困らない……でしょ

【名誉の為に言うが仲間と認めた相手に魔弾を放つなんてことはカズネはしない】
【ただ一度でも自分を裏切ったならば即、仲間ではなくなり更に敵と認識し引き金を引くだけだ】
【例え躊躇いはあっても強靭な理性がそれを抑えこむ、そういう人間性は……やっぱり危険なのかもしれない】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage saga<>2013/03/24(日) 22:03:43.30 ID:K7IS04Dr0<> 【近郊の森の中。月光浴か日光浴か、何らかのために設置されたベンチに座る人物が一人】
【纏うのは、修道女の物。所謂、シスター服と呼ばれる物だろうか】
【――――深い溜息。自分の身体を見れば、もう一度溜息を吐いて】


「何とかあの子も安定してきましたね……後は住んでいる所に引き渡す事が出来れば良いのですが……
それは目を覚ました時にでもしましょうか
あの子を連れてきた方のことも気になりますが……
……それにしても」

【腹部からは、服の上からでも分かる程にじんわりと血が染み出ていて】
【それを気にしているかと思えば、そうでも無く】
【自分の胸。絶壁。太腿を見る事を妨げる物が一切無い現状】


「……身体を拭いてあげている時に思ったのですが……あの子の方がありますよね
歳もそんなに変わらない筈なのですが……」

【じわり。視界を滲ませる物が若干出てきたのは、何も痛みからでは無い】
【――――否、一部として其れも含まれて居るのかも知れないが】
【もしも誰かが近くを通りかかれば、切れ長の瞳にうっすらと涙を浮かべて見るのだろうか】





【住民も寝静まった小さな街での事】
【ベンチに腰を掛けて夜空を見上げるのは、二振りの刀を腰に提げた少女の姿】
【時折眠たげに欠伸をすれば、視線を辺りへと巡らせて】


「うーむ……まさか宿の主人まで寝ているとは予想外じゃったの
とは言えど、幸いにして今日は暖かいからの。このまま野宿をするのも悪くは無い……かや」

【月に照らし出される銀の髪】
【鋭い耀きを放つ其れは、きっと遠くからでもよく目立つはずで】
【――――一際大きな欠伸。間抜けな声が辺りへと響いたであろう】


「まあ、野宿するにせよ適当に宿を見つけ出すにせよ……じゃ
今宵は何時もより多くの星々が見える故、もう少し眺めてから行こうかの」

【うっすらと涙の溜まった眼を擦れば、再び夜空へと視線を変えて】
【――――漂うのは人外の雰囲気。例え鈍感であったとしても、ハッキリと分かる程で】
【そんな人物が一人空を見上げているのは何処か不審……だろうか】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/24(日) 22:13:56.90 ID:/gAFCdDdo<> >>759

【近くの茂み、更にその奥から人が近づいてくる気配がする】
【枝の折れる音、草が擦れ合い踏みしめられる鈍い音が徐々に大きくなっていく】
【それが最大限になったとき、すぐ側の茂みが揺れてざわつき、中から少年が現れた】

【深い青のローブには緑の葉が何枚か付着して身体が動く度に舞い落ちる】
【フードの隙間からは金色の毛髪がはみ出していて夜風に静かに靡いていた】
【右肩には“XX”の数字、背中には逆五芒星。右腕の腕輪が黄金色の美しい輝きを辺りに放っている】


……おや、先客がいらっしゃいましたか


【薄暗い金色の双眸がシスターに向けられると、彼は微かに驚きの混じった表情になった】
【ベンチやその風貌に一瞬視線が動いたが、すぐにその血が滲みでた腹部が瞳に捉えられた】


血、が……出ていますが……?


【少年は目を逸らして、酷く遠慮した暗い声でそれを指摘した】
【血が苦手かといえばそういうわけではなかった。カノッサ機関の一員たる彼にとってそれは見慣れたものだ】
【ただそれを、まるで親切心のように指摘することに心に苦いものが広がった。その罪悪感に似た感覚が、瞳を逸らさせた】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>saga<>2013/03/24(日) 22:23:16.64 ID:N/oSLO3Yo<> >>758

――・・・あ、はははー・・・そ、そうですかー・・・
(時と場合によるんじゃん!!それって口軽いじゃん!!だめやん!ソニアに知られる前になんとか手を打たないと・・・!)
(まあでも――・・・ふふ、その時は別の場所をまた工作するまで・・・!)
(果てないアルコール・ウォーに身を投じる覚悟は出来ている・・・!)

【――苦笑い、しつつ。多分、気に障ることとか言ったら即効でバラされるんだろうなあ、とか――】
【殆ど弱みを握られたも同然、なにか頼まれごととか増えるんだろうなあ、とか――】
【まあでも、カズネちゃんの為なら割と――振り回されるのも悪くないかな、とか。】
【色々考えながら、カズネとセリーナは笑った。】

・・・か、カズネちゃんってさ・・・その、結構ファンキーだよね。
あれ、考古学とか好きなんじゃなかったっけ・・・?教会が胡散臭いって――・・・あ、でも歴史的には確かに、そう、か。
あんまり宗教とか好きそうじゃないもんね、カズネちゃん。まあアタシもなんだけどさ、ふふっ!

――で、なるほどね。そういう頼みなら、まっかせてよ!

【――安全に引き篭もれる場所――それはまさに、今ここに存在していて。】
【カズネがジュースを飲み終えたなら、セリーナは立ち上がり、『こっちに』と、奥の扉へ案内するだろう。】

――部外者にはナイショの場所なんだ、けどカズネちゃんはもう――アタシの仲間だから。
かなぁ〜り丈夫に作ってある隠れ家に、ご案内するよっ!

【裏口へと繋がる通路へ出ると、セリーナは床にある"スイッチ"を踏み込み――エレベーターが起動する。】
【ガコン、と重い音を立てて通路全体が昇降機となり、地下数十メートルへと"降下"していく――浮遊感が二人を襲う。】
【そう、まさにそれは事務所の地下に作られた"拠点"――UTが誇る秘密基地へのエレベーターで】

――むっかしね、この場所――事務所は、元々"本当の"酒場だったんだけど、そこのオーナーさんが
結構気の良い人だったみたい、そこそこに儲かっていたからお金も土地もたくさん持ってたんだって。
でね――ある時、遠くの大陸で宗教戦争が起きたとき、この風の国にも逃げ込んできた宗教家が大勢いたんだって。
糾弾されて異教徒狩りにあってた彼らを見かねた"オーナー"が、酒場の地下を人員集めて掘りまくって
でっかい地下壕を造ったんだってさ――逃げ込んできた人を匿う為に。

――その名残が、この大きな地下施設――元は本当に、木で補強されただけの場所だったんだけど――
ここを買い取って、アタシが今基地として"造り直した"って、わけ。

ようこそ、カズネちゃん――UNITED TRIGGER地下施設へ。

【――セリーナも前のオーナーから聞いただけであろう、昔話が終わる頃――昇降機は地下最下層へと到着し、停止】
【目の前に広がる光景はまさに、"秘密基地"――並んだコンピューター、資料室、奥に見える訓練場・射撃場――】
【豊富な地下壕を利用して突貫工事で造られたとはいえ、耐火・耐弾を施された骨組みで頑強に組み立てられたその基地は】
【地下にあることから攻撃も間逃れやすく、なにより武器とUT所属の能力者たちが揃っていて――"安全"そのものだった。】

食堂もあるし、シャワー付の個室もたっくさん用意してるから、暫く此処で寝泊りしてくれていいよ、カズネちゃん。
あとそうそう、お金が入ったらもっと大きな浴場も作りたいなーとか思ってるんだけど、まあこればっかりは経営次第だね。
食堂の食材は好きに使ってくれていいし、PCに触りたかったらメインルームに行けばいつでも、オンラインだよ!
あとは――そうだね、もし仲間に会ったら――挨拶ぐらいはしれくれると、助かるかな。

【――恐らく、カズネが一時身を隠すには――十分なほどの、設備だろう。】

<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage saga<>2013/03/24(日) 22:28:16.64 ID:K7IS04Dr0<> >>760
【誰か居る訳でも無く、語る相手も居ない】
【然れど耳は働きを止める事は無く、入って来るのは何者かが寄ってくる音――――だろうか】
【自然と視線はそちらへ向けられるも、警戒した様子は無くて】
【――――それだけで、何となく女性の人柄が分かるであろうか】


「元より目的を持って此処を訪れた訳では無いのですけれどね
ただ、少し――――風に当たっておきたくて」

【ただフラフラと歩いていたら此処に辿り着いてしまっただけ――――そんな旨の言葉を告げるのだろうか】
【まだ腹部の傷がふさがっていないことは、その色が証明している事だろう】
【撫でれば、指先に着くのは己の血潮。ふぅ、と小さく溜息を吐けば、その指摘を受け入れるかのように小さく頷いて】


「ええ、少しだけ厄介事がありまして……そのせい、ですね
……とは言っても、そうそう酷い具合ではありませんし、何より余り痛くは無いのです
ですから、そう、不自然に振る舞わなくても大丈夫ですよ」

【その声色から心の内を察してクスリ、と一度笑むのだろう】
【背の其れが視界に映ろうと、構える様子も逃げる仕草も無い】
【お人好しなのか、それともただの世間知らずなのだろうか】
【――――小首を傾げれば、「どうぞ?」の一言】
【ベンチにはまだ十分な余裕が有る。其処に腰を落ち着かせる事を促している様でもあって】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/24(日) 22:41:49.39 ID:/gAFCdDdo<> >>762

【女性の優しげな微笑みが、余計に胸に突き刺さる棘となって苦い痛みを少年に与える】
【沸き起こる罪悪感を噛み締めるように目を伏せれば、居た堪れなくなった感情が苦しげな息となって漏れ出した】
【虚ろげな瞳を元に戻すとベンチを促している女性の姿が映り込む】


……恐ろしくないのですか、それとも分からないのですか?
右肩に書かれたナンバーは悪名高きカノッサ機関を指し示していることが


【静かで、とても弱々しい声で少年は尋ねた。一歩だけ後退り、右肩のナンバー近くを左手で庇うように覆った】
【震える双眸が女性を見つめていた。まるで怯えているのが彼であるかのように】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<> !nasu_res<>2013/03/24(日) 22:42:13.61 ID:DS9MDe+D0<> >>751
【ミーメは銀色の翼をはためかせながら一同の頭上を飛翔していた―――その姿はまるで天使か、神のような神々しさを持っている】
【そして凄まじいプレッシャーを当てられながら懸命に立ち向かうポールへと視線を流し、不敵に笑う】

ふ、ならば永劫の安息を貴様へと送ってやろう………。
                  しかし貴様随分と戦闘慣れしているようだが賞金稼ぎか…?

【言葉を紡ぐと―――轟ッ!と超加速しそのままポールの胴へと拳を叩きつけようとするだろう、だがこれはただの拳ではない】
【ミーメの力である波動≠一気に圧縮したものだ、まともに受ければ吹き飛ばされ肉体の内外に大ダメージを負ってしまうだろう】

>>753
【そしてポールへと攻撃を放った後―――そのまま通過し今度はノエルの方を見る、その瞬間には既にノエルは加速して突進を開始しているッ!】
【暴帝は左腕を前面に出し、圧縮した大気の壁を展開、防御を測るが僅かにノエルの力が勝ったか、そのまま貫通する】
【だが大気の壁によって回避の時間は十二分に取れ、暴帝は身を翻して回避する―――だが僅かに掠ったのか左腕には一筋の傷が出来ている】

知ったような事をッ!!私は未だ正義を貫いているさ、自身の正義≠なッ!!
無能な人間を排除し、真に有能な―――他人に頼るだけの能無しがいない世界を創造するという正義をなッ!!

【そしてノエルへ向けて再び左手を向ける―――すると3本の大気の帯が発生しノエルへと放たれるッ!】
【この大気の帯はチェーンソーのように高速振動しており、もし直撃すれば全身を切り刻まれてしまうだろうッ!!】

>>754
【そしてノエルへと攻撃を放った瞬間にミーメへと飛来する一つの瓦礫―――その陰には柊が………そして放たれる高速の斬撃】
【通常ならば回避できず一刀両断されるだろうが暴帝は違う、左足のハイキックでその斬撃を超反応で迎撃したッ!】
【だが強烈な斬撃を受けた右足からは多量の鮮血が噴出する―――≪通る≫………理由は不明だがミーメの超防御能力はない、柊は手ごたえを感じるだろう】

グッ!まだだッ!まだ足りないッ!!貴様の孤剣はその程度かッ!!八攫ッッ!!
                                    この程度では………温いぞッッ!

【轟ッ!!一瞬苦痛に顔を歪めるミーメだが直ぐに体勢を立て直し、そくざに右足での蹴りを柊の胴体へと放つ】
【個の蹴り、足全体を螺旋を描くように大気が高速で回転しており同時に凄まじい衝撃波も発生するだろう―――注意が必要だ。】
//いえいえこちらこそ力量不足で方法がなく申し訳ないです。

//続きます

<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<> !nasu_res<>2013/03/24(日) 22:42:46.01 ID:DS9MDe+D0<>
>>755>>756
【柊へと蹴りを放った後、再びミーメは頭上に飛翔し―――そして自身へと否定の言葉を贈る順風へと視線を向ける】
【未だ若さの残る情熱の籠った言動にミーメは不敵な笑みを浮かべて応じ、そして急降下して接近する。】

貴様もいずれ理解するだろうッ!この世界がいかに残酷でッ!無慈悲でッ!愚かなのかという事をッ!!
それを知った時、貴様はどう抗うかな………?

【ミーメは叫びあ柄そのまま落下し、順風の脳天目がけて左足の踵落としを放つ―――言うまでもなく凄まじい速度からの一撃だ】
>>757
【そこへ放たれるラッシュの朱い弾丸―――ミーメは高速で移動しながら回避するが、他者へ意識を向けていたのもあり】
【左肩と右の太腿に弾丸が命中し………じんわりと鮮血が滲むのが伺える…やはり攻撃が通る=z
【血濡れの森での超常的な防御能力はなくなったと見ていいだろう―――だが何故だ…?】

フ、貴様ら如きがいくら集まった所で―――無駄だという事だッッッ!!
貴様は理解している筈だが…?希望などというものがいかに愚かで儚く、無駄なモノだという事がッ!

【ズ………突如ラッシュの周囲の空間が漆黒に染まる―――次の瞬間一気に圧縮ッ!もしその場に留まれば真空状態に近い超高密度の大気に切り刻まれるだろう】
【だが発生までいくらかタイムラグはある、回避できるか………?】
>>ALL

【銀色の翼をはためかせながらミーメはタワー内を高速移動し討伐隊全員が見渡せる位置へと移動する―――手傷は負ったが未だその顔には余裕がある】
【ミーメは両手を広げ―――全身の闘気をさらに高めるッ!その瞬間、タワーの内部の吹き抜けにゴゴゴゴゴゴッ!と凄まじい振動が走る】

                 流石にやるな―――だがこれは耐えられるか…?

【ドンッ!ドンッ!ドンッ!タワー内の大気が無数に超圧縮され、それが一気に爆ぜる………それはいわば大気の機雷だ】
【その爆発は一つ一つは小さいが連鎖するように広がっていき、まるで絨毯爆撃のように一同に襲い掛かるだろうッ!凄まじい広範囲攻撃】
【回避は難しい―――どう凌ぐか?】
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/24(日) 22:50:49.44 ID:CNTt2bqwo<> >>761

そもそも神様は信じてないからねー、目に見えないものを信じなさいって方がどうかしてるわよ
勿論だけど理念とか考え方は分かるわよ?皆仲良くしましょうなんて教えはそりゃ素晴らしいけど……
でもキレイ事ばっかりってのもどうなのかしらねって……。

【人間は各々違うからだから間違うしきっとひとつの事を共有するなんてことは出来ない】
【それは仕方ないのだけど悲しくもあって、少しだけ俯く】

そうかしら?普通よ普通、もっとも誰かと比べたことなんかないから知らないけどー
ん、やっぱりね……それじゃ行きましょ

【確かな自分を持っているなら何かと比べて充足を得る必要もなし】
【わたしはわたしで、だからそれだけで満ち足りているから何も恐いものもない】
【飲み干したコップを小気味良い音でテーブルに置いて、セリーナの後を追う】


(……………大仰ね、大深度?)

【駆動音とこの何とも言えない威圧感どうやら下に降りていることは明白で】

アタシもだけどアンタも大概よね、セリーナ……
やり過ぎというかなんというか……。

【この場所の歴史についてもそうだけどそれを作り替えた彼女が一番だ】
【一個人の行動力とは思えない、だけど目の前にあるのは紛れもないそう「基地」と表現するに相応しい場所】
【国から文句言われないのかしらんなんて不安に思ったり】

りょうかーい……なんて、色々工面してくれるのは嬉しいけど
そうねあんまり人の寄り付かない倉庫みたいな場所があれば貸してくれない?
で、更に出来ればここを使っている人にそこに近づくなって言っておいて貰えると凄く嬉しいわ、できるかしら?

【色々と心躍る施設が並んでいるけれどこれからする自分の行いにはどれも似合わない】
【時間を代償に痛みを糧に回路を纏める作業、血も流れるだろうし気が触れそうなくらいの叫びも漏れる】
【だから求める場所は秘匿性能がある所、誰にも迷惑を掛けないような辺境でも構わないから……と付け加えて首を傾げる】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage saga<>2013/03/24(日) 22:54:38.39 ID:K7IS04Dr0<> >>763
「――――ええ、カノッサの事は知っています
何を行っているのかも、その目的が何なのかも」

【其処からは、長い長い間が作られて】
【カノッサと呼ばれる其れはどの様な組織なのか、知っているのに構える事は無い】
【――――殺そうとすれば、きっと容易いこと】
【首に手を掛ければ折ることも出来るし、剣を振るえば刻むことも出来るであろう】


「……では、私からも一つ問わせて下さい
何故、あなたは其処に所属していながら私を襲わないのですか?
何故、其処から一歩退くのでしょう
確かに、カノッサは恐ろしい組織ではあります……が
あなたは完全な悪とは思えません。私が恐れない理由は、其れだけですよ」

【ただ、完全な悪には見えないから、理由はただそれだけ】
【――――カノッサの名を聞くだけで震え上がる者も居るだろうに、“悪い人には見えないから”ただそれだけの理由で警戒の色は見せず】
【退いた彼を追うことは無いのであろう。明るい黄色の双眸は変わる事は無く】
【凛とした声に、微笑を消さない表情】
【何故――――?と問いかけるのは、少年が怯えるその理由か】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>saga sage<>2013/03/24(日) 22:58:24.96 ID:56aSpMnFo<> 【櫻の国――歓楽街】

【小舟の行き交う川を挟んで並び立つ木造の店の軒先には】
【華やかな赤提灯が幾つも吊るされていて、石畳の街道は賑やかなもの】

【川沿いには桃の木、その下には粗製ながらも味のある木机が置かれ】
【和服姿の人々が語らい、酒を酌み交わし、料理に舌づつみを打っていた】
【それゆえに、一人でいる姿は悪目立ちしやすいもので】

…………嗚呼、騒がし

【4人席を占めて一人盃を傾ける若い男は、誰へとはなしにそう呟く】

【肩口で切り揃えた白髪には、青藍の燐光をさらさら零す漆黒色の彼岸花を挿し】
【切れ長かつやや吊った葡萄色の目は辺りを睥睨していて、恰好は黒を基調とした書生姿】

【――がたん、と近くの机が揺れる音がした】
【見遣ればすっかり出来上がった男が二人、何やら喧嘩話にでもなったようで】

【それは途端に胸元を掴む、頭突きをしいの乱闘に発展し、】
【見かねた店員が恐る恐る仲裁に入るも、矢張りというか返り討ちに合って床に転がってしまう】

【見るからに面倒だと関わり合いを避ける人々の群れに、今の段階ではこの男も属していたのだった】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/24(日) 23:07:46.19 ID:/gAFCdDdo<> >>767

【彼女は知っていると、そう答えた。そこから作られた長い間が、痛いほどの静謐が少年には恐ろしかった】
【何故か──それは彼自身にも分からなかった。戦いになったところで手負いを殺せるだけの力は既にあるのだ】
【それにも関わらず、戦う力すらなさそうな彼女の言動の一つ一つが、戦いの最中に忍び寄る死の影よりも怖かった】

【月明かりが照らしだした少年の顔は幼かった。本来であれば友と笑い、遠い夢に思いを馳せているような年齢だ】
【薄白の肌に際立つ金色の瞳が女性を黙って見つめていた。親に叱られるときの子供のような瞳だった】
【静寂が女性の質問で破られた瞬間、彼の肩は震えた。そう、緊張のせいで】


……良いのですか。今は貴女にそう見えても、次の瞬間にはその首を跳ねるかもしれない
怯えているフリをして、油断させようという作戦かもしれない
それでも良いのですか……?


【少年が一歩だけ貴女へと近付く。まるで許しを請うように、近づいてはならない場所に近付くように】
【彼の舌先は無意識に自分の状態を話してしまった。貴女は怯えているかどうかなど一言も聞いていないのに】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>saga<>2013/03/24(日) 23:09:21.11 ID:N/oSLO3Yo<> >>766

――やり、過ぎかね?いやいや、でもこれくらいやらないとカノッサとか相手に戦えないよ!

【問題は其処ではなくて、いくら賞金稼ぎとして若くして相当な金を溜め込んでいたからといって――】
【一個人がこんな場所を買い取り、改造してしまうその活発すぎる行動力の話なのだが――まあ、セリーナはきょとんとしていた。】
【勿論、彼女一人の力ではない――仲間の賞金稼ぎや、仕事で知り合った建築家達の協力の下】
【理解者を得て少しずつ完成させた地下施設だ――まさに、彼女の想いの篭った場所、と呼べるだろう。】

・・・まあ、ローンも組んでるから維持費もバカになんないんだけどねー・・・(ぼそり)
でもでも、意外とねカズネちゃん、正義の味方って儲か―――ご、ごほん。
こーゆー事、リーダーが言っちゃあマズイか、あっはははは!!

【――まったく、思考も行動も突飛なものだが。ふと、カズネの言葉が紡がれれば】
【それは暗に人との関わりは避けたいという旨の物で――】

・・・そっか、オーケイ!それじゃこうしよう――コッチに来て。
カズネちゃんも色々あると思うから、なるべく誰にも言わないように"隠して"おくよ。
もし食料とか必要なときは、呼んでね?アタシがこっそり、持って行くからさ。
で――ここ、ここなんてどうかな。

【――案内するのは基地の奥、セリーナの自室を過ぎた更に後の場所】
【通常であれば捕虜などを隔離しておく"牢"であるが――鍵を閉めて、セリーナとカズネで其れを管理しておけば】
【まず誰かに覗かれる事は無いし、なにより防音設備も伴っている――基地の奥に位置する此処ならば、声も届かないだろう。】
【そして一番近い部屋はセリーナの自室なので――例えば救援が必要になっても、すぐに駆けつけられるだろう。】
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/24(日) 23:13:02.93 ID:GoYrBR+B0<> >>764

「!?」

【突如頭上に現れたミーメ】
【その踊る影は一瞬の出来事で】

【回避も、防御もできず】


「か、ぁ・・・っ!!」


【重い、岩石の様な踵落しは順風の脳天を捉え】
【瓦礫の上に倒れ伏す】

【しかし】
【この程度で怯むくらいなら】
【順風は既に100回は死んでいる!】

「・・・は、残酷? 無慈悲? 愚か?
 なんのこったよ、それはお前等みたいに調子付いた能力者の事だろ。
 少なくとも俺は・・・そんな世界だとは欠片も思ったことが無いね! どーだ羨ましいだろ!!」

【崩れ行く瓦礫の上で立ち上がる順風】
【しかし、既に暴帝の第二波、第三波は始まっている!】


//続きます <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/24(日) 23:13:53.45 ID:GoYrBR+B0<> >>765

【マインド・アリゼは順風にだけ聞こえる声で叫ぶように警告を発する】

『宿主よ! 風が変わった、これは危険だ!!』

「な!?」

『とやかく考えるな、とにかく私の言う通りに避けろ!』

【真空の刃はマインドの目によって見切られ、順風は跳ぶ様に移動しそれを回避する】


【第二波】


【辺り一面を爆破する大気の機雷】
【それにはマインドも諦めたような様子で順風に諭す】

『宿主よ、空気の爆弾が来る・・・逃げ場は、無い』

「そーか、アイツは空気を操るのか」

『宿主?』

「アリゼ、気合入れろ。避けられねぇなら"耐える"のみだ」

『・・・よかろう!』

【迫り来る大気の絨毯爆撃】
【マインドとはダメージリンクしている・・・、すなわち順風のダメージは、2倍!!】

「ぐ、がぁああああああ!!」

【外套が破れる】
【血飛沫が舞う】

【しかし、一度よろめいただけで・・・順風は膝をつかない!】

「・・・はっ! なんだよ、この程度! ヴォルガの拳に比べりゃ全然大したことねーじゃねーか!!」

【順風は懐から拳銃を取り出す】
【これはラインアーク財団製の・・・大口径マグナム!】
【その威力は着弾すれば8センチのぶ厚い鉄板を爆砕する!!】

「ミーメぇええええええええええええええええええええええええ!!」

【銃声が二つ】
【マグナム弾がミーメへ向けて放たれる!!】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(広島県)<><>2013/03/24(日) 23:20:15.41 ID:DuDfoVRj0<> >>764>>討伐隊メンバー

【ミーメの言葉を聞きながらもこの場にいる全員の位置を把握する】

その通り!名刺でもやろうか!
狂ったテロリストやろう!

【挑発を兼ねて軽口を返すと同時に迫る拳、ただの拳ではない、致命の威力が込められている】
【ポールはすぐさま投げ縄に指令を出す】
【その途端ロープは円盤状の形態を解き、素早く獲物を襲う蛇のように動き、ポールの頭上にある瓦礫に巻きつく】
【そして同時にポールの胸部にも巻きつき、ポールを瓦礫に引き寄せ拳を回避】

ぐっ!くそ…。

【しかし反応が間に合わなかったか、ブーツと一緒に右すねの一部がえぐれてる】
【出血はさほどではない、しかし自部の足での行動には支障が出るだろう】

なろう!食らえ!

【すかさずリボルバーの銃撃を加えようとするが――すでにミーメの姿はない!】
【すでにノエルのほうにミーメはいっており…】

(レベルが…違う)

【他のメンバーに次々攻撃を加えるミーメに驚きを隠せない】

(俺が今まで戦ったことのある奴…比較にならねぇ…こいつは化けもんだ)
(出来れば捕まえようなんて思ってたが…仕方ないテロリストは下手に捕まえると、その仲間の報復や開放を狙った行動で被害が出るからなるべく現場で[ピーーー]もんだが…こいつはそういうレベルじゃねぇ!生かしちゃいけねぇ!)

【一通りの思考が終了し、投げ縄が瓦礫を話すと同時!】
【ミーメはタワー内を高速移動し討伐隊全員が見渡せる位置へと移動する】
【ほとんど反射的に頭部に向けてリボルバーのトリガーを3回引く】
【3発の魔除け効果のある弾丸がミーメの胸部を狙う】
【しかし弾丸は魔除けの効果を薄めないために火薬が少ない、そのため威力は同サイズの弾丸に劣る】
【それにも、かかわらず東部ではなく胸部を狙ったのは当てやすいと思ったからか、それとも――】

――てめーら!逃げろ!

【そして圧縮される風】
【何が起こるか予想なんてできなかった、ただ本能で叫んでいた】
【その叫びは他のメンバーい向けられたもののみではない、自分にも向けたものだ】
【――投げ縄が唸る、猛スピードで動き、大きながれきや鉄骨を集めて結び絡まり壁を作る】

ぐう…。

【そして起こる爆発!壁ごとポールは吹き飛んでいく――】

<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage saga<>2013/03/24(日) 23:20:58.54 ID:K7IS04Dr0<> >>769
「……そうやって口を滑らせて、手の内を明かす事も作戦の一つ――――でしょうか
私の首を刎ねて後悔するならば、それでも良いですよ
あなたが其れでこの先人を殺さなくなるのでしたら、それでも」

【近寄る事を、拒む事は無かった】
【元より力なき存在。傷を負っているならば、尚の事】
【迫る死であろうと、逃げる事は無く――――「約束をして下さるならば」そう紡ぐ女性も又、頭を覆っていたフードを外して】
【現れるのは眩しく輝く銀の髪と、歳にして表せば17程の顔】


「ふふ……あなたの瞳は嘘が下手ですね
別に怒っている訳でも、憎んでいる訳でもありませんよ
ですから、そんな顔をしないで下さい
あなたの歳であれば、そんな感情を抱くよりももっと楽しい思いを抱くべきですよ?」

【綴る言葉は、諭しでも導きでも無い】
【腰に下げた銀の長剣は飾りかと問われれば――――答えは否、なのだが】
【一歩だけ距離を縮めた事を認めれば、再度「どうぞ」言葉】
【首を刎ねるかも知れない。確かにその言葉は耳を通った筈で、それに対する応えも返したはず】
【それでも尚――――】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2013/03/24(日) 23:21:19.80 ID:pAj6WA58o<> >>764>>765
【乱射ーーー弾幕を張るに近いそれは、元々狙いなぞあってないような物であったーーーが】
【だとしてもだ、此れ程までにばら撒いて当たらないーーーやはり、この程度では駄目か】
【だが、二つだけ当たった弾丸ーーーダメージが、いとも簡単に通る、以前のように弾かれたりはしていない】
【ノエルも、八攫も攻撃を通したーーーしかしそれは能力か、或いは反撃の隙だったからかと考えたがーーー違う?】

【ーーー攻撃が通る、ならーーー】

…どうかな?情けねぇ話だが、俺一人でやるよりゃ確立は高ぇ、だろ?
それにな、生憎俺は諦めが悪くてね!

無駄だって分かってようと、中々諦め切れねぇのさ!

【乱射をやめると、その瞬間突如漆黒に染まる空気ーーーまるで夜が漏れ出したかのような黒ーーー不味い=I】
【反射的に後ろに飛び退く、目の前で荒れ狂う真空の刃が体の前面と鼻先を掠った】
【…一歩遅れていればーーーぞっとしない】

ーーーちっ…ヒュンヒュン飛び回りやがって…!

【ミーメは翼を使い上空を飛び回る、対してこちらはーーー飛び回る方法はなく、あそこまで高くジャンプも無理だ】
【銃はあるが、これでは当たる当たらない以前に威力が足りない、せめてあの翼を潰せれば…】

…めちゃくちゃだぜ

【考える暇は貰えないらしい、圧縮された大気が唸り、震えて爆発する】
【兵器の爆弾にも劣らない物を大気からーーーそれも一瞬にして大量に生み出すーーーやはり、生半可では通じないらしい】
【しかし、状況が悪いーーー宙に浮いた状態の今、ろくな遮蔽物がない、あるとすれば、床板の欠片だけーーー】

【ーーーいや、これは使えるーーー!】

ーーー……ッ!

【爆発に飲み込まれる瞬間、ラッシュは瓦礫の一つに手を伸ばした、盾にでも使おうとしたか、しかし一瞬にして爆発はラッシュを包み込みーーー】
【ーーー次の瞬間、ラッシュが勢い良く、上空へ、まるで砲弾の様に飛び出して来るッ!】

【立ったままの姿勢で、その足元にあるのは屋上の瓦礫ッ!瓦礫を足場にし、爆発による衝撃で情報へ打ち上がったのだッ!】
【無論ダメージはある、瓦礫は盾の効果も発揮したにしろ、軽減値は少ないッ!だがッ!】

ーーー隙ありだぜ!ミーメェェェェェェェェェェェェッ!!!!

【上空へ吹き飛ぶ狙いは、ミーメより僅かに左にズレているッ!しかし、狙いはミーメ自身ではないッ!】
【ラッシュが狙うのはミーメの翼ッ!ミーメの右翼を切り落とさんと、擦れ違い様に右手のブレードを振り下ろしたッ!】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/24(日) 23:24:53.63 ID:CNTt2bqwo<> >>770

営利団体なんでしょ利益求めて何が悪いのかしら?別に隠す必要ないじゃないの
……風当たりは強そうだけどね、それでもアンタは仲間がいるし大丈夫でしょきっと……。

【全幅の信頼にはまだ遠いけれどセリーナの人となりならば多少の困難ならば乗りきれるだろう】
【ただやはり利益と追求する事と正義を行うことを両立させる事はきっと難しいとカズネは思う、不安があるとすればそこだった】
【いつか外部からその事で要らぬ追求やお門違いの批判を受けるかもしれない、そしてその時に彼女は大丈夫なのだろうか】

【……とふと思えば、どうやら自分は随分と彼女の事を考えていることに気が付いて】
【らしくないなと感じる一方それも悪くないかな、と薄っすら微笑む】


牢か……まあアタシには丁度いいかしら、じゃあここ使わせて貰うわよ?
ついでに好き勝手に装飾させてもらうわ……といっても最後にはちゃんと始末するから気にせずにね。

【知識に囚われた自分には似合いの場所過ぎて思わず自嘲のため息さえ漏れる】
【だけどまあそれが導きならば悪くもないし、閉鎖するつもりだとしても環境的にも良い】
【何より安全も安全で求めている物件としては最上の物】

さて、と……それじゃありがとねセリーナ助かるわ、この礼はまた今度返すとして……。

【牢の壁に杖を立てかける、寂れたような紫色はどことなくこの場にマッチしている】
【人の作りし物でありながら俗世とはかけ離れたモノ、ならば牢屋も同じで……】

敵、あのリリアってヤツだけど……あの塔を召喚した後の行方は知らないわ
一応砲撃でふっ飛ばした筈だけど人外はこっちの理論じゃ死なないだろうしきっと今もどこかに、塔の中かしら。
あのジジイはもう綾津妃に用事はないと言ってたからそれなりに安心して良さそうよ……あとは、あとは何かあったかしらね

【今伝えられること伝えるべきことをこめかみを叩きながら思い出そうと】
【話す機会も無くなるのだから、思いの丈は遺さなければなんて焦り……】
【どうやら自分はほんのすこしだけ未練があるようだった】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(空)<>saga<>2013/03/24(日) 23:30:28.33 ID:YNxkW8Qg0<> >>764-765

(―――……!)

…………そうね、未だこの剣戟は “絶対” にはほど遠い。
けれど私は望み続ける―――――――― ……私のため散って往った人達の為にも、研ぎ澄まし続ける刃(ありかた)を戦う……!!

【明らかに前回とは違う手応え。自らの異能とは無関係に、あの異常な耐久力が激減していた―――】
【その驚きこそ有れど行動には反映されない。高速戦闘は些かの停滞も許されない。】

【斬撃の勢いと其れを迎撃する蹴りの勢い、相互干渉する二つの流れに身を任せ再度体勢を安定、】
【繰り出される蹴りそのものは一歩右に動いて回避するも―――― 纏う衝撃波の余波までは躱せず、浅く体表面付近を抉られる】

【怯みはせずとも踏み込む余裕はなく、その隙にミーメは上空に逃れた。】
【そして数名の間による攻防の末、】

【炸裂する無数の小爆発――――― 血肉を吹き散らされコートを紅に染め上げながらも、超低空を駆け抜ける事で最小限の被弾に抑え、】
【爆発のひとつひとつを捉え、発動と同時に可能な限り爆発の外側/範囲外へと踏み込む事で、さらにその被害を軽減し続ける】

【そこから三角跳びの要領で跳躍、超速度での助走から、上空のミーメを再び捉えんと壁面を蹴り舞い上がった】

…………ッ!!

【最後に爆発の直撃を背中で受け空中で体勢を安定、超大なる横一閃の斬撃を、ミーメから見て左から右へと振り抜いて――――】
【攻撃後、少なからぬダメージを受けた柊は無防備に近い状態に陥るだろう】
【もしも攻撃に失敗していれば、手痛い反撃を直撃で叩き込まれかねず……】

【だが、それすらも彼女には問題でなかった】
【至近距離での攻防と言う都合上、有効なのは “格闘” ――――必然的に集中はその標的へと割かれ、身体操作は回避ではなく攻撃の其れとなる】
【それは、他者から/彼女の共闘者から見れば明確な隙だろう。或いは自らを囮としてでも、彼を討ち倒す事を選んだのか】

<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(長屋)<><>2013/03/24(日) 23:35:06.20 ID:F7jkt3+zo<> >>764
惜しい、掠ったッスか……!

【勢いのついた身体を静止させようと、足を踏ん張り───】

う、うまく止まれないッス!?

【この不自然なフィールドのせいか、足の踏ん張りが効かず、うまく静止出来ない】

くっ─────!!

【が、前方にある屋上の破片を確認して、空中で体勢を入れ替え】
【足を瓦礫に向けて、しっかりと着地(?)する】

空気使いッスか!?
か、回避しなきゃ───

【ミーメの方を見やると、迫る三つの大気の帯】
【その攻撃範囲の広さに、防御でなく回避を選択したのは、間違いではなかった】
【たん、と足音を立てて瓦礫を蹴り、仲間たちの方へ跳んだ後、背後の瓦礫が粉微塵に切り裂かれる】

──っぶなかったッス…

あんな位置に移動して…何か攻撃でもするッスか?
関係、ないッスね────もう一度突貫するッス!!

【槍の方向を上空のミーメに向けると】

そんなのは、ただの逃げッスよ!!
初めっから、そんな気持ちで正義を貫いて来たッスか!?

───初めっからッ!!人々を[ピーーー]ために武器を握ったッスかぁぁ!!!

『Tanngnjostr ignit』

おおおおおおおッッ!!!

【二度目の点火】
【手にした大盾でその身を庇いながら、絨毯爆撃など気にせずに突撃をかます、かます事ができるッ!】
【爆発をガードした影響で、その威力・勢いは殺がれ、それはただの踏み込み突き程度の威力に収まるが】

アンタはそこで、立ち止まってるッス!!
僕は、アンタを越えて正義を貫くッス!!
人々を、強く!!僕らに頼らなくてもいいほどに強く!!
強く在るように、導くッス!!

【自身の攻撃を乗り越えての攻撃に、意表を突かれる可能性は、低くない──!】

【その瞳は、眩しいくらいに真っ直ぐ、ミーメを見据える!】
【その口は、ミーメからすれば、吐き気がするほど甘い理想を語る!】
【その槍は、主の心の底からの想いを、この一撃に込めて訴えかけるッ!!】

<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/24(日) 23:36:45.83 ID:/gAFCdDdo<> >>774

【少年の瞳が驚愕によって見開かれた。微かに開いた口から言葉にならなかった音が漏れ出した】
【人を殺さなくなるのなら──衝撃的な一言だった。たった一人の見ず知らずの人間にそれをさせるために命すら差し出す】
【彼にそんな考えが思い浮かんだことは、ただの一瞬たりともなかった。利他主義者を自負していたかつてのときでさえも】


……妙です。そんなことを言うだなんて
見ず知らずの人間に殺人を今後させないために、自分の命を差し出すのはおかしい……!


【自分のことを全て棚に上げて、少年は感情の赴くままに反論になっていない反論をする】
【何かしらの強い思いが篭った言葉だった。だがそれを言ってしまったことを後悔したのか】
【一度首を振ると小さな声で「すいません……」と続けるのだった】

【微かに俯いた彼の視界の端に小さな輝きが映った。銀色の髪が、月光に照らされて美しく輝いていた】
【少年はそれを少しの間、呆けた様子で見つめていた。それを綺麗だと思ったのは、自分自身の髪と比べたせいだった】
【しばらくそうした後、我に返ったようになった少年もフードを後ろへと外す。彼の金色の髪は少しばかり煤けていた】


……すいません、貴女のせいではないのです
年齢不相応なのは、こんな世の中では月並みなことでしょうね


【少年は返事をしながら遠慮がちに、貴女の隣へと腰を下ろす。近くで見れば彼が小柄で細身だということが分かるだろうか】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(広島県)<><>2013/03/24(日) 23:50:40.42 ID:DuDfoVRj0<> >>773訂正 頭部に向けて→胸部に向けてでした。いまさら申し訳ない・・・ <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区)<>saga<>2013/03/24(日) 23:51:58.05 ID:N/oSLO3Yo<> >>776

うーん、まあ確かに――営利目的の組織、なんだけどね。
表向きには"事務所"って面も大きいし、やっぱり利益追求してかないとなんだけど――・・・
(なんとなく、カズネちゃんの考えてる事も、分かるんだよねぇ。だって今、一番その心配してるのアタシだもん。)
・・・ふふ、大丈夫大丈夫。風当たりくらいならなんとでもなるさ!だってここ、風の国だよ?

【――茶化しては見るが、たしかに――カズネの心配する事は最もで。】
【そもそもが成立目的として正義と、利益を同時に成り立たせるなどほぼ不可能に近いにも拘らず――】
【それでも尚、こんな時代でそれを笑いながら行おうとするこの女の胆力は確かに、目を張るものがあるだろう。がしかし――】
【何れは来る筈だ、この組織にも"大きな風"が吹き荒れる日が――そうなった時、セリーナは――自分に何が出来るか】
【常に考えてはいた――そうして、だからこそ――多くの人間に、繋がりを持っておきたくて。例えば、カズネのように。】

あー・・・いやその!牢に閉じこもってろ!って意味じゃなくて、本当に人目に触れない場所って言うと――その、ここが良いかなって。
別に悪い意味では言って無いんだ、ホントだよカズネちゃん?だから、何か困ったりしたらすぐ呼んでくれていいからね。

【よくよく考えてみれば、大事な仲間を牢に閉じ込めるわけである――あまり気の良い話ではなかったが】
【しかしカズネのことを考えるのであればこれこそ、ベストであって――なんとも、セリーナはバツが悪そうに。】

・・・うん、分かった。じゃあ、綾ちゃんを取り戻しに連中が攻めてくることはなさそうだね、まあ――そうじゃなくても
此処はいつだって狙われて可笑しくないんだけどさ、ふふふ。
――あの塔とやらも、あんまり見てて面白いモンでもないよね。ハッキリ言って景観に悪いし――派手に壊してやろうかな。
中にいるあの"悪魔ちゃん"ごと、盛大にね。

(――――・・・珍しいな、カズネちゃんがなんか悩んでるなんて、て言うか――・・・)
(――――・・・そ、っか。)

【例え同じ地下施設にいるとしても、セリーナは多忙だし、なによりカズネはこれから部屋に篭ることになる。】
【今までのように気軽に事務所でお茶話――とは、もういかなくなるのであろう。】
【彼女はこれから自身の能力と向き合う必要が在るし、そしてそれはとても――長期戦になりそうで。】
【カズネにとって、これは一つの"節目"に違いは、ないのだろう。】

【――もう、会えないというわけでは、なくとも。】

――ね、カズネちゃん。初めて会ったのはさ、確か――あの城でだったよね。

【だからセリーナは、少しだけカズネに近寄って――話し出す。】

一緒に綾ちゃんの為に戦って、一緒にボロボロになって――で、一緒に負けちゃって。えへへ・・・。
その次は確か――そう、うちにカズネちゃんが来てくれたんだよね。とっても嬉しかったな。
この前だって来てくれて、たしかバンチョーさん達とみんなで喋ったっけ――こうやって考えると、さ。

――――まだまだ、アタシ・・・カズネちゃんと、過ごし足りないよ。

だから―――ね、"カズネ"ちゃん。

【――軽く、その身体を包み込んで――両腕を、背に回し。抱擁する。】

・・・心配しないで、アタシ達はまだまだ、これからじゃない。

【そう、呟いて――身体を離すだろう。恥ずかしげもなくこんな事を言える辺り――こんな事を出来る辺り――】
【セリーナは本気で、カズネの事を大切に思っていて。だから――まだ、これで終わりじゃないんだよ、と。】
【未練があってもいいんだよ、と――そう、言うように。笑った。】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage saga<>2013/03/24(日) 23:53:26.23 ID:K7IS04Dr0<> >>779
「可笑しい事……でしょうか
自己犠牲とはまた少し異なりますが……その先にあるものが、私の抱く目標です
誰だって救われたいでしょうし、私も出来る限り多くの人を救いたいのです
――――いえ、気にしないで下さい」

【その反論を聞けば、きょとんとした表情を覗かせて】
【少年の言いたい事は――――伝えたいことは、理解して居るつもりであろう】
【それでも、自分の信念を曲げることは出来なくて】
【かといってその言葉を否定する事も無く、それもまた一つの答えだとでも言うのだろうか】


「――――そうですね。つい先日も瀕死の子が運ばれて来ましたし、その子を運んできた方も又何処かを痛めている様でしたが……
この世界が間違っているとは言いません。正解なんて無いのですから
……それでも、もう少し優しい世界になっても良いと思いませんか」

【常に何処かで誰かが傷つくような世界】
【争いを無くす事が出来ないのは、重々承知しているつもりであっても――――やはり、何処かでは納得出来ない心もあって】
【そんな事を機関の者に問うのは愚問とも言えようか】
【それでも――――答えを聞きたがるのは、仕方の無い性】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/25(月) 00:08:33.79 ID:LUNYCXIZo<> >>782

【ベンチに座れば膝の上に両肘を乗せて、白い手袋に包まれた細い両手を組んで甲の上に顎を乗せる】
【隣から聞こえたのは貴女の優しさの込められた言葉。かつての自分も似たようなことを漠然と思っていた】
【そのことを思い出して──でもそこから何の感傷も起こらなかった】


そうは、思います。ですが人というのは元来、優しくない生き物なのですよ
ここまで極端に同族を殺し、憎み、奪うのは我々人間だけです


【少年は愚問とも思われたその質問に答えた。静かで、微かに苦みと辛さが含まれた声で】
【答えそのものもまた現実という名の拭い切れない棘が入り込んでいた】
【目を伏せて、更に彼は続けた】


法の存在が指し示す通り、人間は何かで縛られなければ、自身を律することはできない
優しさというのは、高度な知的生命体が己の利己主義から目を逸らすための、便利な道具にすぎないのかもしれません


【強い諦観の乗った言葉だった。ある意味では、今の世界を否定しているカノッサ機関の一員らしい言葉に聞こえるかもしれない】
【しかしこれは彼の理性が放った言葉だった。見聞きしたものから論理的に判断しただけの、無味乾燥な音の羅列だった】
【彼自身の精神は、心は性善説を捨てきれずにいた。いや、正確にはそれを否定することだけを拒んでいた】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<> !nasu_res<>2013/03/25(月) 00:09:58.57 ID:0yBd5on+0<> >>771
【ギリッと、順風の言葉に奥歯を噛む音が聞こえる―――その顔には明確な怒り≠フ感情が芽生えているのが分かるだろう】
【そして自らが放った攻撃を耐え凌ぎ、攻撃を仕掛ける順風―――大口径のマグナムの弾丸がミーメの両肩を撃ちぬくッ!!】
【だがミーメも未だ倒れはしない………それは順風も理解している事だろう。】

クッ!ククッ!!ああ、確かに哀れを通過して羨ましくも思うぞ大空 順風ッッ!!貴様の愚かさをなッ!
          さぁ!さぁさぁさぁッ!もっと耐えてみせろッ!!

【ドンッ!ドンッ!ミーメはそのまま順風を幾度も浮翌遊する瓦礫に叩きつけようと二度、三度と連続で衝撃波を放つ】
【強烈な面≠ナの攻撃―――順風はどこまで耐え凌げるか…?】
>>773
【尚も果敢に威勢を吐くポールを一瞥し―――そして放たれる弾丸に対して大気を纏った左腕を振る事で対処する】
【だがミーメ自身もダメージが蓄積しているのか、完全には弾けず左腕に1発の弾丸が命中しさらなる鮮血が宙に舞う】
【そして大気の機雷によって吹き飛ばされたポールの方へ右手を向け―――。】

どうした、もう終わりか賞金稼ぎ―――?クク………もはや減らず口も出てこないか。
その程度でこの私の前に立つとは笑わせる―――狂ったテロリスト≠ノこのまま消されるか…?

【轟ッ!!そこから凄まじい勢いを持った銀色のエネルギー波がポールの吹き飛んだ方向へと放たれたッ!もはや完全に止めを刺すつもりだ】
>>775
【ポールへと追い打ちをかけた瞬間に大気の機雷による爆風を利用して飛翔する姿が一つ、ラッシュ・ワンスドッグだッ!!】
【自身のダメージも顧みないラッシュの行動は流石に想定の範囲外だったのか―――そのまま反応できず右翼にブレードの斬撃を受けるッ!】
【バシュッ!という音を立ててひしゃげる闘気の翼、そしてミーメはガクンとバランスを崩して浮翌遊する瓦礫の一つに脚を乗せる】

ガッ―――!貴様………ラッシュ・ワンスドッグッ!!やはり貴様が最も危険だ………このまま……堕ちろッ!!
愚かな狂犬には地面に這いつくばるのがお似合いだッッ!!

【ギッ!っと凄まじい敵意を以って睨みつけると右脚をすれ違ったばかりのラッシュの背に向けて振るう―――すると】
【シュンッ!シュンッ!と2つの風の斬撃≠ェ発生し、ラッシュの右腕と左足を切断しようと後方から迫ってくるだろうッ!】

//続きます
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<> !nasu_res<>2013/03/25(月) 00:10:35.01 ID:0yBd5on+0<> >>777
【そして斬撃を受けた翼で再び浮翌遊しようとした矢先―――柊の斬撃が眼前に迫るッ!!ミーメは体をねじるようにしてそれを回避】
【だがこの間髪入れずの攻撃は回避しきれなかったのか、左脇腹から再び鮮血が迸る―――確実に効いている…ッ!】
【しかしこれほどまでに防御能力が低下したのは一体なぜだ………あの時≠フミーメにあって今の<~ーメにないものとは一体…?】
【ヴォンッ!というレーザーのような音がし、ミーメの左足を風のブレードのようなものが覆っていく】

そこまで分かっていながらッ!!なぜ私の創造する世界を否定するッ!!貴様とて同じだろうッ!
ゲトリクスが誰も傷つかない欺瞞のない世界を望んだようにな―――ッ!!

【その右脚部のブレードを振るい、柊の胴体を4回の連続動作で切り刻もうとするだろう―――ブレードは熱を持っており焼切る様な斬撃だ】
>>778
【ドンッ!!柊へと攻撃を放ったミーメを横から割り込むようにノエルの一撃が貫く、―――そのままミーメは瓦礫の一つに叩きつけられる】
【ゴフッ!!と口から鮮血を吐き出すが―――未だ闘争心と、ノエルへの怒り、憤怒は消え去っていないッ!】
【凄まじい闘気を再び全身から吹き出すと、ノエルへと突進、胴体へと蹴りを放つッ!】

夢を見すぎた小童がッッ!!貴様の其れは現実から逃避した虚無の塊だッ!そんな物不可能に決まっているッ!
現実を見ろ小僧ッ!!人は弱いッ!悪は消えないッ!全ては人の心の弱さが原因だッ!

ならば真に心の強い人間のみで世界を管理するしかないだろうにッ!!

【轟ッ!!蹴りは一度、だがノエルの顔面、胴、両脚へ向けて三つの衝撃波が放たれるッ!!範囲は限定されているが、それ故に威力は増している】
>>ALL
【ラッシュの活躍により高速飛行は不可能となった―――だが未だ飛行能力は健在だ、ゆったりとミーメは頭上へ舞い上がる】
【だがその全身には数えきれないほどのダメージが蓄積しているのが分かる―――だが、斃れない=z

私も―――かつては貴様らのように正義を信じ、希望を持ち、民を救おうと孤独≠ノ戦っていた。
だが世界を救った結果に得られたのは………感謝などではない、畏怖だッ!!強大な力を持つ者への恐怖だッ!
結果的に私はこの夜の国≠フ最奥にある天獄門≠ヨと封印された―――俺の力の暴走を恐れた心弱き民によってなッ!!

                 貴様らも味わうがいい―――絶望≠

【きぃん―――何か嫌な音が聞こえる………まるで空間そのものが悲鳴を上げているかのような………そんな音が】
【周囲を見渡せばいつの間にか―――大気が渦をまいている………このタワー内部をグルグルと………それは次第に加速し、加速し、加速し】
【ゴッ!!そして一気に螺旋を描いて回転したッ!!それはまるで嵐=\――タワー内部をミキサーのように切り刻む絶望の風だ】
【浮翌遊していた瓦礫もどうように粉々になりショットガンのように拡散して周囲に襲い掛かるッ!この破壊の暴風、凌げるか】
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/25(月) 00:12:48.33 ID:aBkInNzwo<> >>781

どんな理論よそれ……でも、なんか大丈夫……そうね
いざとなったら人は渡り鳥のように好きに生きていけるだろうし……。心配することもなしかしら?

【その時がきたら自分も目覚めてまた魔弾を装填すれば良いか、なんて】
【一先ずその時に間に合うように回路の構築へと思考をシフトさせつつ】
【惜しむ気持ちがあるのも事実で……】

はあ……だからそういうのはアタシ気にしないから大丈夫だってばまったく……

【そんなのあなたの態度を見ていれば分かるというのに、額に手を当ててやれやれと首を振る】
【人の良さは内面から滲み出る物だから、それが利用されないかとまた一つ不安が】


そうね、その目的を違えないようにしなさいよ……アレは敵なんだから容赦しないこと。
敵対したからには相手が二度と刃向かえないように、ね

【恐ろしくも猛々しい言葉もきっと遠くに感じられる時がくるのかもしれない】
【そう思っていれば聞こえてくるのは昔話で】

……ええ、ええそうね。確かに――――――――

【惜しむにはまだ短いかな】
【ここまであまっちょろい人間と知り合いになる機会もなかったから】
【どうにもテンポを乱されている、けどそれも悪くはない】

大丈夫、あなたが思うほどアタシは無責任じゃないしそれに終わらせるつもりなんかないわ

【そこまで言われてしまったら途中で挫折する訳にもいかない】
【モチベーションは彼女のお陰で満ち足りた、だからあとはスペックを最大限にやるべきことをやるだけ】
【抱擁を返すようにそっとセリーナの頭を撫でて】

……それじゃ、暫くはさようならでも……またいつかセリーナ
目覚めた時にも元気でいなさいよそれがアンタの義務なんだからね?

【ああ、きっと大丈夫それだけで乗り越えられる】
【答えは得たのだから、先はあるしその先だってきっと】
【短い会話の後でセリーナが牢から出れば見計らったように漏れだすのは紫の輝きで】
【魔術的に施錠がなされたその部屋は、隔絶されて……でもそこには確からしさをもって彼女がいるだろう】

【その後中で起きているだろう事はきっとセリーナには伝わらない】
【苦悶の声も押し殺して、ただ先にある物の為に理性でねじ伏せていつかまた笑顔である時に】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage saga<>2013/03/25(月) 00:21:49.14 ID:bmz/l6wb0<> >>783
「――――その中には報復もあって、仇討ちもあるのでしょう
それが優しくない行為なのかと言われれば、きっと違うのだと思いますよ
貧しい者にも救いの手を伸べる。これも人間だけの事です」

【その語りが終われば、静かに立ち上がるのだろう】
【傷口を開かぬように、それ以上纏い物が染まる事の無いように】
【お人好しと言われれば、其れまでの話。例え敵であろうとも救いの手を差し伸べようとするのだから、呆れた話】


「――――本当に、優しさはそんなものなのでしょうか
嘗て、あなたが誰かに救いの手を差し伸べた時は、どの様に思って居たのでしょう
……私には分からない事です。あなた自身が持つ答えは
それでも……何時か、笑える時が来ることを願っていますよ」

【そんな言葉を残せば、その場から立ち去って行くのだろう】
【長い事月明かりに照らされていた銀の髪は、女性の歩みが遅いことを告げていて――――】
【それもやがて消えれば、辺りを包むのは静寂……か】
/そろそろ失礼致しまする……!
/お疲れ様でした―! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>saga<>2013/03/25(月) 00:23:37.35 ID:T6wsJpDPo<> >>786

―――うん、待ってるよ。

だって――ここは、アタシの"家"だもん。みんなの――"家"だもん。

・・・ずーっと、待ってる。

【――撫でられた頭はくしゃり、とショートヘアのブロンドを揺らし――】
【その手が離れて、牢へと向かう時――ほんの一瞬だけ、悲しそうな視線を見せるだろう。】
【もっともっと、話したいことはたくさんある――綾津妃と、三人でいつか――いつか、遊ぶ日が来るのを夢見て】
【彼女が部屋へと入っていくのを、ただ――ただ、見守って。】

ねぇ――綾ちゃん、カズネちゃんがね――あなたの命を、つないでくれたんだよ。
アタシにはできない事を、してくれたんだ――だから。

・・・だから、今度はアタシが――アタシの出来ることを、精一杯やって見せるね。
それまで――少し、お別れだよ。

でも大丈夫・・・此処にはみんながいるから。アタシも、綾ちゃんも――カズネちゃんも。

【誰もいなくなった通路で、小さく呟き――セリーナは事務所へと、戻った。】
【小さな箱を抱きかかえ――綾津妃を、腕の中に感じながら】
【暫く――テーブルに、伏していた。】

/おつかれさまでしたー! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/25(月) 00:35:20.53 ID:LUNYCXIZo<> >>787

【きっと何を言ったとしても、肯定的な考えが返ってくるのだろう、と少年はどこかで思っていた】
【貧しい者にも──その言葉もまた事実だった。それでも少年の考えが変わることはない】
【彼女が信じるように、彼もまた別の何かを信じているのだから────】

【去り際の置き土産に、思わず嘆息が出る】


僕が心の底から誰かに対して手を差し伸べたことなど無いのですよ
他の全ての人間も含めて、我々は常に道徳心という病気に侵されているのです……


【独白を拾うものは既にこの場にはおらず、ただ夜風に流されて消えていくだけ】
【孤独に佇む少年を、月明かりだけが照らしていた】

/お疲れ様でしたー! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/25(月) 00:38:08.61 ID:aBkInNzwo<> >>788

――――――――さて、と

【セリーナが去ったことを確認してから、傍らの杖を見つめる】
【そうだ答えはいつも自分の近くにある……ならば暴いて晒すだけ】

……大仕事ね、まさか自分に施すなんて思ってもみなかった
でも、これくらいは乗り越えなくちゃね人間だもの……

【一瞬だけ淡い紫はより強く輝いて】
【そうして始まるのは一種の儀式、回路を切り離しそして繋げ置換して―――――】
【身体に刻まれたそれを切り取ることは例えるなら臓器を移植するに等しい】

正直いえば恐いけど、ね……やるしかないもの

【ただ違うところもも勿論あって、この回路は自己修復の機能を持つということ】
【つまり切り離した側から元に戻ろうとする力が働いて身体は傷む、そして無事接続を絶って新たに貼り付けるにしても】
【今度は定着させるまでの長い時間やはり痛みを伴って……しかもその時間はとても長く続く】

【拒絶反応も大きいから骨も軋むし肉は捩れて皮膚は避ける】
【連鎖的に起こるそれは臓腑を傷つけつつも回路の効果によりしかし治ってしまう、つまりは永遠に続きかねない痛み】
【常人ならば気が触れるだろう、でもカズネの瞳はどこか喜びも見て取れて】

じゃあ、いきましょう……

【そして、始めるのは未来の為に】


/お疲れ様でした! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2013/03/25(月) 00:44:59.62 ID:BkHcXim10<> >>784

「はっ! 愚かで結構! 賢くなった末が世界への憎しみだってんなら俺は幾らでも馬鹿になるぜ!」

【怒りを見せるミーメに対して順風は尚も挑発的に捲し立てる】
【そして放たれる、順風を押し潰す面での攻撃!】

『どうする? これは先刻と同様避けられんぞ』

「なら受ける、耐えるっ!」

『・・・宿主。お前、死ぬぞ』

「これぐらいで死ぬようだったら百回は死んでるっつーの!」

【迫る瓦礫の散弾】
【撃ち抜かれ、バラバラになりそうな身体】

【腕の腹の腿の顔の、肉が裂ける】
【鮮血が飛び散る】

【空気を操る、やはり強力な能力】
【血達磨になり、よろよろとふらつきながらも踏みとどまる】

「まだ・・・まだ倒れるには早い!」

//続きます <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>saga<>2013/03/25(月) 00:46:09.37 ID:BkHcXim10<> >>785

【しかしその威勢も】
【ミーメの苦悶の言葉で消え去ってしまう】

「・・・」

『宿主? まさか絆されたのか?』

「・・・ああクソッ!」

『おい!?』

【順風はしばし自分の手に持っていたマグナムを見つめると】
【苦虫を噛み潰した様な表情でそれを投げ捨てた】

「俺は馬鹿か! こんな人殺しの道具を持たないとまともに接することもできねぇのかよ!!」

(勘違いしていた、色々と見失っていた)

(目の前のアイツは倒すべき邪悪なんかじゃないっ!!)

(奴の言葉が、本当ならっ!!)


(手を差し伸べるべき相手だ!!)


【倒壊する瓦礫の全てを飲み込む暴虐の嵐】
【順風は迷わず、その中を突っ切る!】

(アイツの手を取る! 頼むから生き急ぐな! まだ死ぬなっ! 間に会え、間に合えッ!!)

【頑丈さには自信がある】
【それにこの暴虐の嵐の中ならどこへ居ようと同じこと】

【順風はそのまま瓦礫の中を突っ切り】
【ミーメの傍らへ行こうとする!】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(広島県)<><>2013/03/25(月) 00:56:53.08 ID:tP3+udxY0<> >>784>>785

【迫る銀のエネルギー波】
【もはやポールに軽口を返す余裕はない】

(避ける?壁に体が押し付けられてせいで動けねえ)
(どうする俺はまだ死にたくない…ハハッ本当だ――800万じゃ割にあわねぇ)
(押そう…あの機械で戦線を離脱するしかない)

【思考が走馬灯のごとき加速を見せる中、自警団本部への携帯緊急転送装置を取り出し使おうとするが…】

ぐふうっ!

【体を貫く衝撃!作った壁にエネルギー波が激突した音】
【そしてその拍子にリボルバーと装置を落としてしまう】

(おいおい…まじかよ)

【崩れそうになる心】
【しかし――逆境がポールの本能をプッシュした】
【瞬間砕かれる壁…粉じんが晴れるとそこには】

ミーメ…。

【壁が崩れた瞬間!投げ縄を巨大なグローブ状にして念動力で強化!】
【その拳で、壁を砕き少し弱まったであろうエネルギー波を打ち防いだ】
【――目に再び宿るのは炎】

俺は負けねぇ!
【投げ縄――念動力で強化していたとはいえエネルギー波のダメージを受け一部が千切れ飛んでいる】
【それよりポール――エネルギー波を防いだ腕は、もうほとんど動かない】
【それにエネルギー波の余波で体に少なからずのダメージ――出血も多々見られる】
【それでも倒れるわけにはいかない】

【投げ縄の先端の輪がほどけると今度はグローブ状ではなく鎧のように体に巻きつく】
【四肢を重点的に縄がまかれ、また頭部や胸部、肩部にも鎧のように縄が巻きついている】
【ただ腹部といくつかの間接のみが露出している】

あんたの過去をとやかく言う気はねぇーが!
恨みつらみをぶつけられてもなぁ――クソ迷惑だぜ腐れテロリスト!

【まだ砕かれてない瓦礫を足場にミーメに迫るポール!】
【その動きは念動力を帯びた縄にサポートされ常人の域をはるかに超えている】
【しかし砕かれた破片の雨嵐――しかし縄のパワードアーマーで強制的に体を動かすポールは避けない!】
【必然的にその散弾銃の様な破片に襲われ露出した肌に穴を穿つ】
【縄で弾かれるものもあるが、逆に念動力で強化された縄が体に食い込み骨が悲鳴を上げる】
【――限界は近い、自警団本部への携帯緊急転送装置もリボルバーも嵐に打ち崩されたか】

ハイヤァッ!縄目をつけてやる!

【そしてミーメの眼前にたどりつけば顔面を狙った左の前けり!】
【ミーメは気づくだろうか――足の先端には縄の先端があり、それが足を振りかぶった瞬間に腰のボーイナイフをつかんだことを】

【ボーイナイフは前蹴りとともにミーメに向けて放たれる】
【後方への回避を狙っての行動!】

【そして!ミーメは気づくだろうか?背中側から伸びた縄の末端は壁に使った鉄骨の一部を掴んでおり】
【それがミーメのナイフの回避をねらって放たれることも】

/遅くなってすみません

<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(長屋)<><>2013/03/25(月) 01:15:47.98 ID:256yFK1Zo<> >>785
決まったッス─────うぁ!?

【自身の攻撃がクリーンヒットし、油断が生まれた】
【吹っ飛ばした相手には、多少なりともダメージがあるはずだが、そんな事を感じさせないほどに、反撃は凄まじく】

防、御をっ!
くうぅぅっ!!!

【べごん】
【強烈な威力の蹴りに盾が歪み、嫌な音がする】
【ずがっ、がっ、がん】
【そこから間髪入れずに襲い来る三つの衝撃波は、盾に阻まれノエルには届かないもののその身を後方へと吹き飛ばす】

ぅ、ぐっ!?

【そこへ運悪く瓦礫が飛来し、背中を強打する】

【み し り】

か──はっ……!!

【背骨の軋む音がノエルの頭に響き、身体が悲鳴をあげる】
【先日の戦闘で肋骨を折ったノエルは、同居人の治癒魔法で回復はしたものの、万全とは言えず、刺すような痛みがあばらを襲う】


そ、れでも…っ!!

それで、も僕はぁッ!!


諦 め な い ッ ス ! !

【しかし、いくら痛みがその身を苛もうと、ノエルの瞳から真っ直ぐな光は消え失せず、逆に輝きを増す──!!】


アンタは諦めちまったッス!!
いくら頑張っても応えてくれない人々に、心を折られちまったッス!!


確かに、大勢の人は戦う力を持たず、戦おうともしないッス!
でも、きっと強くなる事は出来るッス!!

そう────────

───アンタが、強くなったようにッッッ!!!


ここに居るみんなだって………っっっ!?


【必死に叫ぶノエルの耳を劈く異音、そして襲い来る瓦礫と暴風──!】
【幸い、ミーメの付近にいたお陰か風に煽られども、身を刻まれるほどのダメージは無い】

ヤールングレイプル!!
瓦礫を防ぐッス!!!

【そこで、自らのマインド『ヤールングレイプル』を発動し、錆色をした手甲を装着した左腕が出現する】
【魔翌力・腕力・精神力を大きく消耗して動くそれは、非常に強力であるが故に、使用者への負担も大きい】
【迫り来る瓦礫の嵐を、雷光を纏った腕が蹴散らしていくが、ノエルの額にはだらだらと汗が流れていて】

チャリオットエンジンは──放熱終了はまだッスか!?

『2 leses remaining...』

【無機質な機械音は、未だ機能回復に至っていない事を告げる】
/続きます <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(長屋)<><>2013/03/25(月) 01:16:51.27 ID:256yFK1Zo<> >>785

ハァッ、ハァッ、もう、長くは保たないッスよ……!!
こうなったら…


【ボコボコに歪んでしまった盾を手放し、暴風の中へと投げ捨てる】
【さらにその機械槍も背に仕舞い、左肩の断面を晒す】


いつまでも、怖いなんて言ってられないッス────ッッッ!!!


【その断面に、ヤールングレイプルを「装着」】
【完全に、自身の左腕として扱う】
【これにより、力の消耗をある程度抑えながら力の発現を維持できるッ!】

ミーメ、ハァッ、アンタは一度、折れちまったッス……ッハァァァ………っ!


だったら、この腕でブン殴って─────その折れ曲がっちまった根性叩き直してやるッス!!!

【襲い来る瓦礫を雷撃で破壊しながらミーメの元へ駆け出す】


そういえば、まだ名乗ってなかったッスね!


ノエル・「ソーラリン」・グランスタッド!


雷神の一撃と共にッ!その身に、刻むッスよ!!


【瓦礫の一つを回避すると、それを足場にしてミーメに向かって大きく跳び、大振りのテレフォンパンチを顔面に向けて放つ】
【体力の消耗や先ほどのダメージもあり、スピードは遅く避けるのも容易いが、纏った雷光は凄まじく、その威力は推して知るべし】


斃れろォォォォッッッ!!

<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2013/03/25(月) 01:22:23.37 ID:bKt52Hiyo<> >>784>>785
ーーーはっ!嬉しいこった!創世戦団トップのお墨付きだぜ!

【成功したーーー首を回し、左目で右方向のミーメを見ながら、軽口を言い返すラッシュの顔は、笑っている】
【余裕だからーーーではない、寧ろその逆でーーーキツい状況だからこそ、笑い顔を敵に向け、『なんて事ない』と見せ付け、自分を勇気付ける】
【ーーーいや、本当にそれだけか?】

【何にしろ、だーーー上手く翼を斬り裂いた瞬間、バランスを崩したという事は、ミーメの飛行能力を奪う試みは成功したということ】
【だが、ラッシュはここでミスを露呈させるーーー後の事を考えていなかった=z

【爆発で飛ぶ瓦礫の上で防御や回避ーーー?無理に決まっているだろう】

うおーーーッ!!

【襲い掛かる風の斬撃ッ!体を捻って振り向くが…ッ!】
【次の瞬間、斬撃を食らって瓦礫から足を踏み外し、ラッシュは下まで落下したッ!】

ーーー……ってぇ…

【落下した、とはいっても、先程までの高さに落ちただけ、落下によるダメージはないーーーだが】
【何という事か、ラッシュの右手は血塗れとなっていてーーーブレードの柄を握る事すらーーー】

…やべぇ…な……

【渦巻く大気、吠えるミーメ、立ち上がるラッシューーーなんとか、防いだと思ったが…想像以上に右手にダメージがいっていた】
【ーーーブレードを握らなければろくな攻撃は出来ない、だが、悲しい事に右手の指がーーー】

【ーーー悪態をつきながら、ラッシュは一旦銃を納め、左手であるもの≠取る】

…ご立派な事じゃねぇの、テメェは正義の為に戦ったんだろ?そんなの、そりゃあ周りが間違ってんな

ーーー知るかよ、テメェの身の上話しなんて知った事か
一人で戦って、怖がられて?閉じ込められたから、何だっつーんだよ
だからって好き勝手していい理由にはなんねぇだろ、自分を正当化してんじゃねぇよ

【これで良いーーー縛りつければ=A握れなくとも関係ない】
【付けていた骨柄のネクタイ(高かった、お気に入り)で、血の滴る右手にブレードを縛り付け、無理矢理にブレードを持ち、左手で銃を抜く】

俺はなーーーミーメ…
俺は、手前のやってる事で沢山人が死んでる事も、それなのに正義の味方紛いの事すんのも、自分で自分が気に入らねぇ、反吐が出るぜ
だがな、俺は手前を正当化しねぇ、良い事すりゃその分悪い事が帳消しになる訳がねぇんだーーー俺がやりたい≠ゥらやってんだよ

テメェはどうなんだよ、本当にそれがやりたい事なのか?復讐がダメだなんて言わねぇ、それは心から復讐の為に出る言葉なのか?
『良い事してきたから、その分お返ししてやる』なんて、つまんねー考え、マジで思ってんのかよ?

【同情はしないーーー寧ろ、『それがどうした?』と言って返す】
【今まで正義の為に戦って、力を恐れて封印されたーーー?馬鹿らしい、悪くできた小説のバットエンドじゃあるまいに】
【同情出来る筈もないのだーーーべつに、正義の為に戦う訳でもない、誰かを守る為でもない、この男が】

【正義の為じゃない、ラッシュという男が戦うのはーーー自分がやりたいから=z
【ある意味、戦いたいから≠ニもなる自己意識は、自分を律する為でもあって】

ーーー本当はよぉ、もっとべつにやるべき事があったんじゃねぇのかよ
…もう遅ぇか、遅ぇよなーーーそうだよな

【吹き荒れる大気の渦、襲い掛かる瓦礫の嵐ッ!幅広の盾なんかないこの状況、絶望的ッ!】
【だがこんな所で諦めないッ!ラッシュの体から紅いオーラが沸き立ち、右眼には赤黒い炎が宿るッ!】
【能力ーーーフルンティング≠発動させ、身体強化を計った!】

うおおおおおおおおぉぉぉぉぉ!!いってぇぇぇぇぇぇぇぇぇッ!!

【瓦礫の嵐に対して取る行動は、真っ向からの迎撃ッ!足を踏ん張り吹き飛ばされないように耐えながら、瓦礫をブレードと銃で弾き落とすッ!】
【しかしダメージは確実に蓄積するッ!少しずつだが確実にッ!】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(空)<>saga<>2013/03/25(月) 01:40:50.92 ID:QQ1s9RcO0<> 【斬撃がミーメを捉えた直後、】

……ッ……くぅぅう―――――――――――――ッ!!

【ブレードが四度柊を襲った。三度までは “受け流す” 剣閃自体を繋いでなんとか凌ぎきるものの、最後の一閃が深く胴体を抉り斬る。】
【灼熱の感覚。大量の出血とブレードの異物感に柊は一度咳き込み、歯をくいしばっても声は漏れて、】

【―――― ノエルの攻撃は炸裂し、やがて地上へと落下する柊は着地。】
【そして見上げた瞳の端に浮かぶ口惜しげな涙は、肉体の痛みの其れだろうか】
【乱れた呼吸、】

……理不尽に……、…抗いたかったのでしょう?
力の無い人たちを救いたくて、六罪王として体勢への反逆を進めていた……。

だから貴方は力を求めて、その果てに暴帝≠ニなったのでしょう―――

……“セロ”。

【昔の名。単なる “敵” としてでなく、違う理想を抱えた “他者” として認識していた “彼”の名を呼んだ。】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(空)<>saga<>2013/03/25(月) 01:42:45.10 ID:QQ1s9RcO0<> >>784-785

【そして続ける言葉の群れは、ひどく悔しげにも聞こえる其れで、】

………けれどそこで貴方は終わってしまった。数えきれない犠牲を認めて、創世の名の下に虐殺を始めた………!!

……世界を救いたかったのでしょう暴帝<~ーメ。
………だからこそ、よ。だからこそ私は貴方を否む……ッ

護りたかった大切なものを、自ら踏み躙る愚かしさを――――――…………私は、断じて許しはしない……ッ!!

【それは彼女の戦いと、そのなかで傷ついた/犠牲となった人々への想いの紡いだ叫びだった。】

【……二度と、犠牲を生まないために。】

【既に癒えない傷を与えてしまった “大切なもの”、】
【幾度もぶつかり合いやっと通じ合えたその夜に、奈落へと消えた黒衣の剣豪―――】

【……三年前/柊にとっての始まりの夜に、その生命を託して散った “彼女”―――。】

(―――――――……っ……)

【追憶は消えない。軋みあげる魂の音色は、絶望よりも深く峻厳にこの身を苛み続ける。】
【だからこそ強く願うのだ、もう二度と繰り返さずに、誰にも味わって欲しくはないと―――――】

…………私は私の誓いを生きる、

【もう、誰も零さないために。】
【……一度は護れなかった “大切なもの” を、もう二度と傷つけさせないために。】

……何度踏み躙られてもいい。

何度心を抉られて、最後はただ消え去るのだとしても構わない――――
それでも私は終わりまで貫く、誰も零さないための孤剣の刃 (ありかた) を……ッ!!


【吹き荒れる力の狂える嵐。孤剣は最後の宣戦と共に全身で斬り込む。】

…………ッ……!!

【停まらない、停まらない、停まらない。】
【左肩を瓦礫の断片が貫き、死の嵐に全身を削り取られようとも全霊の疾走で駆け抜け続ける。】
【そして最後に柊は跳んだ。ミーメへ、今一度己の総てを叩きつけるために。】

 【“譬え奈落への飛翔であったとしても”―――――――】
 【――――――“譬え二度と愛した日々を味わえずとも”、】

……それこそが―――――――――――

 【 “この刹那に懸ける全霊こそが”――――――――】

―――――――――――――― 誓い、託された私の総て。終わりまで燃やし続けると誓った、“生” の意味だッ……!!

【―――――――――――――― “金翅鳥” の秘めた火の力の解放、そして剣速による断熱圧縮。】
【恒星の如き灼熱の一閃が、セロに、斬華に放った『焔翅剣葬・迦楼羅』が、極限の剣圧を以てミーメに迫る――――――――!!】

【肉体の限界など疾うに越えていた。これで幕を引けなかったなら……彼女は、致命的な隙を晒す事になる。】
【だが後悔など既に捨てていた。横一文字の、彼女の意味たる究極の一閃―――――――――】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(空)<>saga<>2013/03/25(月) 01:44:17.93 ID:QQ1s9RcO0<> /うあっ、>>797も>>784-785 でした。アンカーを付け忘れてた……ッ <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区)<> !nasu_res<>2013/03/25(月) 01:45:58.10 ID:0yBd5on+0<> >>792
【いくら打ちひしがれようとも、いくら倒れようとも立ち上がる順風に―――何時しかミーメは焦りとも恐怖ともつかない思いを浮かべていた】
【それは―――順風が、遥か昔の自分の姿に良く似ているように感じたからかもしれない………何にせよもはやミーメに余裕はない】
【怒りとも焦りともつかない表情のまま順風を睨みつけ、咆哮する】

何故だ―――何故貴様は………なぜそこまで抗える………ッ!?立ち上がれる………ッ!?
                      ―――ッ!!俺に近づくなぁぁァァァァァァァァァァァァァァァァァァッッッ!!!

【ドンッ!ドンッ!ドンッ!と複数回におよび衝撃波の壁を順風の頭上より叩きつけ自身への接近を退けようとしている】
【もはや超越者としての威厳はない―――ただの人間だ。】

>>793
【そして―――順風への対処に躍起になっている間に、いつの間にかポールの接近を許してしまっていたのだ】
【ゴッ!という重い音と共にミーメの顔面に蹴りが叩きつけられ、ミーメは一歩後退する―――その瞬間に腹部に突き刺さるナイフ】
【どうやらポールが想定していたよりも簡単に、ミーメに攻撃が通ったようだ………それほどまでに焦っているという事か】
【ぐらりとミーメはよろめくが、まだ、まだ踏みとどまる………この男、凄まじい執念だ。】

く………だまれ………黙れぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇッッ!!
金でしか行動の出来ない賞金稼ぎ不在がッッ!知ったような口を聞くなぁァァァァァァアァァッ!

【凄まじい勢いで加速してからの腹部へのボディブローッ!もはや全霊を込めて一撃を放ってきている………だがロープに気が付く様子はない】

>>794>>795
【そしてポールを吹き飛ばそうとも、ノエルによる次なる攻撃が控えている―――雷光の一撃が顔面に叩きつけられるッ!】
【ゴキンッ!という頬骨の折れる音と共に、ミーメの身体が大きく傾くがミーメはそのまま身体を倒しノエルの顔面に左のハイキックを放つッ!】
【もはや異能でもなんでもない純粋な格闘による戦い―――。】

グゥゥゥゥゥゥ………ッ!本当の絶望を知らぬ者が―――おのれぇぇぇぇぇぇぇぇッ!

【もはやミーメを支えているのは信念の力―――新たな世界を創造するという絶対的な強迫観念にも近い力だ。】

>>796
【ラッシュの言葉に最初の内はブチブチと唇の皮が破れる程に怒りに震えていたが―――ふと、息を吐いて笑う。】
【その顔には何かに気付いたような、達観したような笑みが………。】

そうか………そうだったな―――私は私℃ゥ信を信じなかったという事か………ああ、もう遅いな。
だが―――遅いからこその役割≠………貴様のお陰で良く理解した。

【それから―――ラッシュへと視線は向けず、ただ両の手を眺めるように広げている………一体何を考えているのか…?】

>>797
【眼下の柊に対しても落ち着いたように視線を流し、そしてゆったりと頭を振りながら苦笑する―――】
【そして柊が必殺の一撃を放たんとしている事を察すると、ふわりと浮上する。】

それでいい………貴女≠フ強さはその信念にこそ………あるのだから

>>ALL
【ミーメはボロボロになった身体で、翼で飛翔する―――終わりへの飛翔へと………そして、月と覆いかぶさるように一同の頭上へと移動すると】
【いつしか―――暴風は止んでいた。】【静かだ―――とても】【下を見ればもはや大地は間近―――終わりは近い。】
               【ミーメは翼を羽ばたかせ、一度大きく跳躍し―――そして】


これで終わりだ………見せてみろ―――貴様らの可能性を………私に無かったモノ………仲間≠ニいう強さをッ!
                 絆をッッ!!示してみせろぉぉぉぉぉぉッ!!


【そして―――ミーメは一同に向けて突進したッッ!凄まじい勢いで、音速を超え、さらに加速し、すれ違いざまに全てを破壊しようと】


【音が消えた】
      【光が消えた】
            【感覚も消えた】
                      【訪れるのは絶対の一撃=z
                                        【さぁ勇者たちよ―――立ち向かえ。】
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2013/03/25(月) 02:23:56.88 ID:bKt52Hiyo<> >>800
【ーーー風は、止んだーーー】

【腕はーーー?ある】
【足はーーーある】 【首も、ある】
【まだやれる】 【まだ戦(や)れる】 【まだ、やれるだろーーー?】

ーーーお陰様で、ついでにーーー

ーーー終わりだ、これで終わらせるーーーーーー

【これで全てが終わるーーーそう、終わるのだ】
【待っていた、待ち望んでいた、決着の時ーーー】
【思えば長かったーーー最初は、そうーーー最初もこの国の、高い所だったか】
【創世戦団はどいつもこいつも個性的で、異常的で、強かったーーーそれを纏めるミーメも然り】
【だがーーー長かった戦いも終わるーーー思い起こせば、なんとーーー】

【なんとーーー】

ーーー楽しかった≠コ…テメェとは

【ーーー楽しかった】

【ーーー戦いを、楽しい=Hーーー馬鹿げている、俺は馬鹿か】

【銃を納め、左手をフリーにして、左の手で右手を握って力を込める】
【これが最初、これが最後、これが全力、全身全霊、始まりの剣ーーー】
【紅き力が集中し、出力が上がったブレードの刃は一瞬弾けて肥大化しーーー凝縮して、元の大きさに戻る】
【力が押し固まり、凝縮した紅き刃は、瓦礫の欠片が近付いただけで削れ、弾けた】

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー……

【最早語るまい】

【櫻の国の剣士がそうするようにーーーブレードを横にして構え、静かに息を整える】

【順風のように、馬鹿正直な正義感じゃない】
【ポールのように、金の為に戦う訳じゃない】
【ノエルのように、熱い心は持っていない】
【八攫のように、真っ直ぐに道を信じてはいない】

【ミーメのように、正義の為に孤独に戦いはしない】

【ーーーそれが彼=[ーーラッシュ・ワンスドッグという男だ】

【戦う理由はーーーそう。ーーー戦いたい≠ゥら】
【心の何処かで惜しんでいるーーーそうか、俺は戦いを=[ーー】

【ミーメが、最後の攻撃を始めた】





【斬る】




【その行動に、比喩表現や描写はいらない】
【ただ、全身全霊の力を込めた紅き刃を、擦れ違い様に横一文字に振り抜くだけだ】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(空)<>saga<>2013/03/25(月) 02:27:00.73 ID:INMI846f0<> >>800

(…………――――――)

【最後の一瞬に変わった口調――――― 僅かに双眸を見開けど、その意味を、終ぞ少女が知ることは無いのだろう】
【セロ≠ナありミーメ≠ナある彼を、敵として斬り捨てることが彼女の “今”。】
【ならば……剣士の本分を己は果たそう。】

【魂の燃焼―――――――――――】

―――――――――――――――――――― はぁああああああっ!!

【総ての言葉は既に紡いでいた。自らを鼓舞する叫びは高く、】
【鮮血がコートを、世界を染めてゆく。全身を叩き砕く破壊の渦動に耐えながら、全霊の疾走が闇を貫く。】

【そして飛翔する一瞬は無音だった。収まる風、究極の突撃が世界を染める、】
【孤剣の少女は剣を揮う―――――――】

……焔翅、剣葬―――――――――――――――

【鼓動を、生命を力に変える、】
【総ての願いをこの刹那に懸ける、】
【燃焼する全霊の一閃を以て、切り拓く孤剣が灼熱と化して――――――――】

     ―――――――――――――――――――――――――迦楼羅ッッ!!

【正面衝突の手応えは想像すら出来ない。だが、それも最後まで迷いなく剣を揮った】

【……勝利する以外に道はない。打ち克ち、切り拓く事だけを柊は想う。】
【誰も、犠牲になど出来ないのだから。この生命はそのためのもの、この力はそのための剣――――――】
【…………出来ることを、無限の力で。】
【それが皆の明日を創ると信じて、】
【最後までその生命を燃やして、究極の一閃を孤剣は放つ。今宵到れる 彼ら≠フ果ては、果たして如何なる結末を生むのか―――】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(広島県)<><>2013/03/25(月) 02:28:14.59 ID:tP3+udxY0<> >>800

――あ。

【腹部へのボディーブロー。ただのボディーブローではない】
【加速を込めた全霊の一撃】
【声を漏らす間もなくずたずたに傷ついた内臓から、食道を駆け巡った血液が口から吹き出す】
【それほどの威力――一瞬縄は動きを止め鉄骨の一部は放たれずにまだ縄の末端にくくりつけられていて】

ぐあっ!ぎっ!

【吹き飛ぶポールの軌道は暴風によって変えられ、まだ砕けきってない巨大な屋上の一部にぶつかる】
【運が良かったといえるこのまま吹き飛んでいては危なかったのは確か】

【そしてポールは目にする!】
【ラッシュの言葉によってミーメの様子が変わるのを】
【もう自分が何か挑発めいたことを言う必要はない…そう感じた】
【いや…彼を、ミーメを罵るのに抵抗を感じた】

確かに…金目当てさ。
でも金だけ≠カゃねーぜ…このポール様わよ。

【それだけ言う】
【口汚い言葉も姑息な作戦もたくさん浮かぶ】
【でも言いたくない、使いたくない】
【ポールはこの気持ちの正体を知らない】
【自分でもわからない。説明できない】
【その日暮らしのポールに、賞金稼ぎのギャロウズ・ポールに信念などない】
【代わりに彼の胸にはほんの少しの同情と孤独なミーメへの敬意があった】

【鉄骨を引き寄せ右椀部に固定。またしても巨大なグローブを作ったときのの様に右腕に縄が集中】
【そして出来上がるは縄性のパイルバンカーならぬ鉄骨バンカー】
【縄に念動力で弾性と強度を与え、バネのようにする】
【瞬間的に弾性を変化させ勢いよく鉄骨を打ち出す気だ】
【火薬は使われてないが、決して火薬を使ったものに劣らない】


ォラアアアアアアアアアウウウアアアアアァアァウァアゥウウアア!!!!

【風がやみ――そしてポールは足場をけり、ミーメに向かう】
【攻撃が成功しようが衝撃波で吹き飛ぶ――構わない!】
【そしてがむしゃらにミーメに向けて右腕を突き出し鉄骨を発射!】
【鉄骨は空気を突き破りミーメに、まるで巨人の投げやりのように襲いかかる】
【エネルギー波を防いだ左腕、腹筋に覆われた内臓、体のいくつかの骨――みんなグチャグチャで】
【正真正銘最後の一撃】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(長屋)<><>2013/03/25(月) 02:36:08.31 ID:W/2ZqIBEo<> >>800
絶望なんてッ!!

【雷神の左掌で、ハイキックを弾く!】
【パンッ、と乾いた音が響き──】

諦めちまった奴しか、知らないものッス!!!

【バックステップで距離を離す】

アンタ、本当にそのままでいいッスか!?

諦めたまんまでッ!!今までやってきたこと、全部棒に振ってッッ!!

本当にそれがアンタの望んだ道ッスかァッ!!

【あらん限りの声で、ミーメに向かって叫ぶ】
【ミーメの魂に、正義を、平和を願う心に、訴えかけるように──!!】


はあっ、はあっ、っっ、っはぁっ…
言葉で言っても解らないっていうならッ!!


【天高く飛翔したミーメをしっかりと見据えて、左腕を腰だめに構える】
【額には玉のような汗が浮かび、口はひっきりなしに酸素を吸入している】


その身体に教えてやるッスよ!!!
これが──


【バチバチと、その身に纏う雷光は勢いを増して行き──】


絶望を打ち砕く───


【それは、だんだんと「あるもの」を形成していく】
【伝承の雷神と言えば、ヤールングレイプルで握る、鎚】
【しかし、これは能力者同士の戦いであり、神話の世界では無く───その手に握られるのは「槍」】

【何故ならば、ノエルは槍使いだから】
【それ以外に理由など必要あろうか】


──────希望の光ッス!!!


【それを、投げ放つッ─────!!!】


<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>saga<>2013/03/25(月) 02:45:25.03 ID:BkHcXim10<> >>800

「が、ばっ! ぶっ・・・ああああああああっ!!」

【ミキサーの様に、スクリューの様に】
【高速で回転する瓦礫の渦に幾度と無く打ちひしがれ】
【蹂躪され】
【その度に血を吐き、飛沫が跳び、肉が瓦礫に引き裂かれる】

「はぁー、はぁーっ! まだだ、まだっ!!」

【放たれる衝撃波】
【順風はそれを】


【腰のサーベルを抜刀し、断ち切った!】


【既に幾度と無い"限界超過"を発動し!】
【順風の精神力と身体能力は、超人の域・・・それこそミーメと同じ高みに在った!!】


「ミーメェエエエエエエエエ!!」


【順風は手を伸ばす】
【しかし、ミーメの最期の攻撃が発動する!!】

「ッ!!」

【既に順風に迎撃する余力も、受け切る体力も無かった】

「どうして・・・どうしてっ! お前はそういう生き方しかできねぇんだぁああああああああ!!」

【故にただ絶叫した】
【暴帝の末期の攻撃が順風の身体をバラバラに引き裂かんとする!】

>>801-804

「あっ・・・!」

【勇者達も最大の攻撃が炸裂する】
【全力で迎撃することが戦いに生きた男への最期の礼儀だろう】

【しかし】
【順風は呆然と】

【その衝突を目に焼き付けることしかできなかった】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<> !nasu_res<>2013/03/25(月) 02:54:22.80 ID:0yBd5on+0<> >>801
【ラッシュの斬撃がミーメの胴を切り裂く―――もはやそれは見惚れる程の一撃だった―――ただ美しい一振り】
【長きにわたる因縁―――それを断ち切る、否、幕を引くに相応しい一撃】
【「覚えておこう、お前の答えも。」】
>>802
【柊の灼熱の一閃がミーメの肉体を焼き払う………もはやそれは浄化と言ってもいいほどの一撃だった】
【柊は―――これからも荊の道を進み続けるのか………それとも安息を得るのか―――。】
【「その覚悟、美しい」】
>>803
【ポールの放った鉄骨のパイルバンカーがミーメの胴を貫く―――荒々しく、それでいて清々しい巨大な一撃】
【ミーメも理解していた、ポールはもとより金の為だけに動いているわけではないと、その心の中にはもっと別の原動力があると】
【「ふ、不器用な男だ………だが清々しい」】
>>804
【ノエルの槍が、ミーメの肩を貫く―――その凄まじい閃光を放つ一撃は正しく希望の光】
【何故だろうか―――あれほど鬱陶しく、神経を逆なでしたノエルの言葉が、何故か今は心地よく感じる】
【「その希望、必ず失うな………強き者よ」】
>>805
【これだけの戦いをしても、未だ自分を助けようとするその優しさ。幾度も立ち上がるその強さ】
【それに対し敬意を払うように、申し訳なく思うようにミーメは一度順風と視線を交差させ―――そして頷く】
【「気にするな―――私が本来あるべき場所へ帰る≠セけだ」】
>>ALL
【そして互いの全力の一撃が交差し終えると―――ミーメはぐらりと体勢を崩し、落下する………終点である地面へと】
【だが最後までタワー内の大気のヴェールは解かず、全員が着陸するまで維持し続けるだろう。】

み………ごと………だ、―――貴様たち、後≠ヘ……        託すぞ

【地へと落下していく中で、ミーメは月を眺めていた―――。】

【本当はこうなる事などとうの昔に分かっていた筈だ、むしろ自分は誰かに止めて欲しかったのではないか?】

【ただ―――自分が得られなかった本当の仲間≠ェ、羨ましかったのだろうか―――ミーメはそのままドンッ!と瓦礫の山に落下する】

               【これで………ようやく………休めるようだ………。】

【フッとミーメの髪に走る金色のラインが消え、瞳の金色も赤≠ヨと変化する………これは器≠ニなったセロの………?】



                                                【闘いは―――終わった。】


≪みみみみ皆さんッ!ご覧になられていますでしょうかッ!!やりましたッ!討伐隊がミーメを打倒しましたッ!!
 これで創世戦団の脅威が世界からなくなったのですッ!!みなさん讃えましょうッ!!英雄たちをッ!!我らの希望をッ!≫


【アナウンサーのやたらと高い声が聞こえてくる―――街の方からは歓声が上がっているのも分かる………これでようやく終わったのだ】
【後は医療班の到着と、生きているかは分からないがミーメの身柄を確保するのみ―――】



                                                 【の筈だった】



【パン】
             【パン】   
                             【パン】
                                       【パン】



【―――どこからか、拍手が聞こえる………それもかなり近くで、たった一人によるものだ。】

//ここからは明日のイベントへの布石でもあるので眠気が限界な方がいらっしゃいましたら遠慮なく抜けて下さいッ!
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>saga<>2013/03/25(月) 03:10:33.35 ID:BkHcXim10<> >>806

「ッ!!」

【伸ばした手】
【しかしその手は空を切った】

【結局、順風の手がミーメ触れる事は無く】

【ミーメは瓦礫の山へ倒れ伏し】
【順風もまた、落下の衝撃でうつ伏せに倒れた】

「どうして・・・、どうしてっ!!」

【ミーメの髪からラインが消え、その身体はセロの物へと変わっていく】


【消えていく】

     【消えていく】


【ミーメの証が、ミーメの爪痕が】
【この世界から消えていく】

「せmて、せめてもう一度だけ世界を、人を。信じてくれれば・・・」

【ギリギリと歯噛みをする】
【何も掴めなかった手が瓦礫を引っ掻く】


【しかし、そんな気分も】


【突然の来訪者によって変わってしまう】

【馬鹿にしたような拍手喝采】
【今までの事をまるで茶番劇のように扱うその様】

【順風は目を見開き】
【ポツリと、しかし怨念を込めて】

「なんだよ・・・誰なんだよ、お前は・・・! 何が可笑しいっ!!」 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2013/03/25(月) 03:11:07.58 ID:bKt52Hiyo<> >>806
【ーーー終わったーーーらしいーーー】
【疲れ切った体はもう、痛みすら感じないし、周囲の音はよくわからないし、手の感覚は既にない】
【だが、ミーメが最後に残した言葉は、聞き取れたーーー】

……ああーーー………あの世で答え合わせでもしようや…

【着地に伴い、気が抜けたように座り込むーーーこれは、終わり≠確信したが故に】
【ブレードの力の余波で、大事なネクタイがボロボロになってしまったーーーだが、今宵はこいつに救われた、殉職にしてはいい幕引きだ】

ーーー俺には託すなよ、アンタみてぇにはやれねぇよ…

…ったく…一躍有名人かもな

【ミーメはーーーあれで生きているとも思えないが、確かめるのは自警団の仕事だ、自分じゃない】
【五月蝿く聞こえるアナウンサーの声も、戦いから気を休めるにはいいーーーポッカリと穴が空いた天井から、空を見上げてーーー】

【ようやくーーーああ、ようやく終わっ】

ーーーあー、クソ……

【耳障りだ、この上なくーーーこの拍手は、絶対に純粋な賞賛じゃあない】
【右手はーーーダメだ、ネクタイがボロボロに破れて、縛る力が無くなっている】
【そもそも立って動けるかどうかも怪しいのにーーー仕方ない、か】

……不粋だぜ、こんちくしょう

【左手で銃を抜きながら、なんとか立ち上がってーーー拍手の方向に銃口を向け、眼光を向ける】
【最早紅いオーラはなくなっているがーーー不思議と、右眼の赤黒い炎は消えない】
【不快だと、怒りを燃料にしているように、いつまでも】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(長屋)<><>2013/03/25(月) 03:16:42.43 ID:W/2ZqIBEo<> >>806
【雷光の槍をはなった後、左腕は消滅する】

っはぁ、はぁ、はぁ、はぁ
や、やった…ッスか…?

【彼は言った、希望を失うな、と】
【それはきっと、彼の心に、自分達の言葉が届いたからであり】

……………助からなかったッス…

【その命を奪ってしまったという、言いようの無い気持ちが、ノエルの心を支配していた】

最後の最後に、カッコよく死ぬなんて…ズルいッス……

【それは、罪悪感とも、達成感とも違う何か、であり】
【素直に喜ぶ気にも、かといって深く落ち込む気にもならず、不思議な余韻だけが、ノエルの心を支配していた】


っっっ!?


【鳴り響く拍手に振り向くノエル】
【ヤールングレイプル使用の反動で、くらくらとする酸素の足りない頭をなんとか支える】
【普段ならば次から次へと湧き出す魔翌力も、今では殆ど枯渇していて、戦うことはまず不可能】
【正直、立っているだけでやっとの状態だ】
【ヤールングレイプルは精神をも摩耗させるのだが、それでも立ち向かう姿勢を見せる辺り、ノエルの強さはその精神力にあることが解る】

誰ッスか!?
隠れてないで、出てくるッス!!
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(広島県)<><>2013/03/25(月) 03:19:44.72 ID:tP3+udxY0<> >>806

【「お前の方がよっぽど不器用だよ」】


あばよ…ミーメ。


【ミーメの力によって無事地面に着地したポール】
【視界に映るのはミーメ…そのからだが変化していく】
【驚きはない、むしろその変化にポールは終わりを感じた】
【そしてその体に近寄ろうとはしない】
【きっと自分以上にふさわしい奴らがいるから】

落としちまえばいいものの…あんたバカだぜ。大馬鹿野郎だ!

【必死に中継するアナウンサーに街中の歓声】
【帽子を押さえて顔を隠そうとするが――どうやらいつの間にか風で飛ばされていたみたいだ】
【複雑な、どこか泣いてる子供のようなポールの表情を月光が照らす】
【思わず右腕の縄を解いてお月さまに折れた中指でファックユー】

【さて、もうそろそろ医療班が来るか――と思った矢先】
【響く拍手、その方向に素早くボルバーを向けようとするがホルスターに持って行った手が】
【空を切ったことで落としたことを思い出す】

ぐぐ…。

【そして急に動いたせいでボロボロ体に痛みが走り、地面に膝まづく】

かふッ

【続いて吐血、痛む腹部をさらに痛む右腕で押さえる】
【敵か?――そうじゃないことを祈るしかない】

<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<> !nasu_res<>2013/03/25(月) 03:38:31.43 ID:0yBd5on+0<> >>ALL
【拍手をしていたのは崩壊した壁の一つにもたれかかって立っている一人の青年だった―――青年は手を止める】
【シャギーのかかった金色の髪、小奇麗なダークグリーンのスーツ、そしてハーフフレームの眼鏡を付けた糸目の青年だ】
【この貿易タワーの社員か―――?否、違う………この全身を刺すような悪寒を放つ青年は―――。】
【青年はゆったりと糸目を開く………そこには金色の蛇の瞳≠ェ得物を見つけたかのように光っている】

いやぁーー随分と長ったらしくて退屈なショーでしたね……私退屈過ぎてここで居眠りしてしまうところでしたよ
まぁなんにせよ、ご苦労様です皆さん………創世戦団、そして暴帝はこちら≠ノとっても面倒な存在………消す手間が省けましたよ

あぁ失礼―――紹介がおくれましたね、私カノッサ機関六罪王≠ェ一柱………仲介者……じゃなくて
       スワンプマン―――でもなくて…えーと、ああそうそう!レギン≠ニ申します。
えっ私の事知ってますぅ?そうですそうです少し前は水の国支部≠管理していたんですよーえ、知らない?

ははっまあいいでしょう。皆さんお疲れなようなのでどうぞおかえり下さい………事後処理≠ヘ私に任せて、ね。


≪な、なんでしょうか………いきなりレギン≠ニ名乗る男が現れ自分が六罪王だと言っていますッ!これは一体………ッえ!?
 みみ、お茶の間の皆様大変ですッッ!!た、只今このカンバラ≠ノ向けて………ッ!≫



        ≪≪カノッサ機関の一個大隊が接近している模様ですッッッ!!!!!!≫≫


【全世界のニュースのLIVE映像には現れた新たな六罪王レギン=\――そしてカメラは移り変わり都市へと接近する無数の戦車、兵器が映し出されるッッ!】


                     【カンバラ℃s街地入り口―――。】

【そこには無数の戦車や兵器、兵士が列をなしておりその先頭には―――ナンバーズNO.5…ジェイ・ヴラド・ヴァルコラキの姿が】
【ジェイは街の様子を眺めると一度ゴキンと首を鳴らして笑う………そして】

おおおおおおおおし野郎どもッッ!!愉しいパーティの始まりだッ!!どっかの馬鹿≠ェ随分と兵力を減らしてくれたみたいだが
油断すんなよッッ!!壊して奪って楽しもうぜッッ!!抵抗する奴は皆殺し≠セぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!

≪進軍/アヘッド≫ッッ!!≪進軍/アヘッド≫ッッ!!カカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカァッ!!

    【そして自ら先陣をきってカンバラの内部へと斬り込んでいく―――もはやこの貿易都市に抗う力などなかった】
【テレビからは残虐な略奪、破壊の映像が流れているが………それを移すテレビ局のヘリにも凄まじい爆撃が浴びせれらるッッ!】


≪あっわわわわわわわわわッッ!!!おおお茶の間の皆様申し訳ありません、我々は首都ルルーメンへと退避しますッッ!≫

【それを最後に映像は急速にカンバラから離れていき―――そして映像は砂嵐に変わった。】

 //続きます
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<> !nasu_res<>2013/03/25(月) 03:38:52.14 ID:0yBd5on+0<>                   【再び中心地、貿易タワーバベル=z
【タワーの外からは悲鳴や爆発音、銃撃音などが絶え間なく響いている………だが、もはやどうする事も敵わないのは火を見るより明らかだ】
【後はそう、脱出≠キるしかない携帯用緊急転送装置だ、それを使えば脱出できる、一つで二人まで転送可能なのでポールも転送できるだろう】

さて―――後はそこのモルモット≠回収しておけば終わりですね………しかし派手にやりましたねーボロボロじゃあないですか
これは暫く生命カプセル行きですかね………?まぁいいです、ジェスター=H

『はいはい、お呼びかな―――フフ、何人か見た事のある顔が揃ってるねェ………まぁ今はお仕事を優先させてもらうけどね
 ああ名乗り忘れたね………僕はジェスタ―M・M=c……元創世戦団十二使徒の12th………そして現ナンバーズNO.9………』

            『狡知の道化師=\――ジェスタ―M.Mさ』

【レギンの呼び声に応えるかのように無数の光り輝く蝶が現れ、中から小奇麗な格好をした紅い髪の少年が姿を現す、見たことがあるモノもいるだろう】
【現れたジェスタ―が指を一度鳴らすと、ミーメの肉体は浮き上がり―――そしてどこかに転送されてしまった―――ッ!】

これで後は―――貴方達ですね………さぁて………どうしましょうか………クック。

【ナンバーズが複数人、大量の兵器、そして六罪王―――この場はあまりにも不利だ………戦士たちよ、ここは退くしかない】
【託された意思≠フ為にも………ここは歯を食いしばって退くしかないのだ―――。】
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<> !nasu_res<>2013/03/25(月) 03:40:02.51 ID:0yBd5on+0<> //ああああああすみません柊の方を拾い忘れました………申し訳ないです…。 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空)<>saga<>2013/03/25(月) 03:40:57.93 ID:oSJz3OY80<> >>806

【最後の言葉。追憶が脳裏を疾走する。目を見開くが、その全霊には翳りはなく、】
【最後まで、己の刃を閃光は貫いて――――】

…………

【ミーメ≠ニいう存在が、遠い何処かへとゆくのを感じた。肉体の生死とは関係なしに、彼は、もうここに居ないのだと確信していた。】  
【最後まで王者の如く、勝者への賛辞か敬意のように、地上までを送り届けた彼――――】



【柊は静かに目を瞑る。今宵を、その激闘のすべてを回想とともに記憶に刻むように。】
【“彼ら” は戦いに存在を完全燃焼させた――――――】

(……、――――――。)

【……かれは戦士として生き、戦士として終わりまでを戦い抜いた。】
【ならば、これは、受け入れるべき終わりの筈で―――】

(貴方は……これで良かったの?)

【……ただ彼に、最後に答えが聞きたかった。去りゆく姿に手を伸ばすように、名残を惜しむ双眸は揺れていた。】
【けれどももう一度だけ目を瞑り、】

(貴方が私達に託すと言うなら、私は、それを背負い続ける)

【託された世界。其処に、その目線での世界に想いを馳せて、】

(……きっと、 “護る” やり方は違うのでしょうけど――――)

【自らの道を歩みながら、自分の遣り方で背負ってゆこう。】
【そう、どこか穏やかに胸の内で想った】
【最後に敬意のような沈黙を、柊は、自らの纏う雰囲気に浮かべ―――――】


【ノイズのように割り込む拍手が、その意識を再び尖鋭化させた】

……―――――――――――。

【拍手の方向へと目を向けた。橡色の双眸は、敵意すら感じさせる鋭い警戒を湛え、闇を貫いて――――】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>saga<>2013/03/25(月) 03:54:16.14 ID:BkHcXim10<> >>811-812

「テメェ・・・! ジェスタァアアアアアア!!」

【突如現れた道化師】
【忘れもしない、依然デッドドグマの中で・・・仲間を消し去ったあの男!!】

「ぐ、くそっ!! 畜生、チクショウがっ!!」

【だが、この様の自分では】
【戦うどころか立つことすらままならない】
【他のメンバーならともかく、自分は居ても足を引っ張るだけだ】

【ここは確かに引くしかない】

【順風は携帯のテレポート装置を起動させ】
【自警団のキャンプへとワープした】


//すいません、消化不良ですがそろそろ眠気が限界なので落ちさせていただきます!
 主催者さん本当にお疲れ様でした! & 最大級のありがとうございましたー! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(広島県)<><>2013/03/25(月) 04:03:44.79 ID:tP3+udxY0<> >>811>>討伐メンバー

レギ…ン?

【突然現れた闖入者、浴びせられた暴言】
【それに対して怒りをぶつける前にその名前が出た】

カノッサの……ちくしょう、ビッグネーム…なんてもんじゃねぇ……。

【六罪王、そして仲介者…あまりに…あまりに強大な=z
【直接面識のある相手ではないが、その名はあまりにも…】

【レポーターの最悪のバッドニュース、住民の歓声が沈黙へ、そして悲鳴に変わる音】
【冷静になった心】
【下した決断は逃亡】
【そんな自分は無力】

覚えとやがれ…てめぇは縛り首だ。

>>ラッシュ
【そして近くにいたラッシュのもとに最後の力で走る】
【すでに体は限界、しかし足を止めるわけにはいかない】

(火事場の馬鹿力…本当はあのふざけた野郎どもにぶち込むべきなのかもしれねぇが――無理だ!説明するまでもない)

おい、あんた!転送機おとしちまった。頼む!

【この上なく情けない逃走】
【その悔しさをかみしめて――】

<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(広島県)<><>2013/03/25(月) 04:06:23.76 ID:tP3+udxY0<> />>816はなかったことにしてください
/本当yにすみません <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2013/03/25(月) 04:15:49.32 ID:bKt52Hiyo<> >>811>>812

ーーー……

【「冗談だろ?」】
【なんと言った?こいつはーーーレギンとかいう、見ただけでいけ好かない、こいつはーーー】
【六罪王ーーー】

…なんだよーーー

【結局は、そこ≠ゥよーーー】
【ーーー畜生がーーー全部茶番みてぇに言いやがってーーー】



【ブッコロス】



【豪ーーーッ!】

【ーーーラッシュの能力は、自らが受けたダメージを力に変換し、溜める物ーーーというのは、わかりやすい概要の一つ】
【実際は、怒りの力を溜める物=[ーーダメージにおいて、力そのものが怒る≠フを燃料にして、力が溜まっているに過ぎない】
【ならば、だとしたらーーー力ではなく、ラッシュ自身がブチ切れたらーーー?】

【赤黒い炎が、怒髪天を衝くが如く燃え上がるーーー最早右眼に飽き足らず、頭を、肩を、侵食する】
【これは、彼が普段決して人に向ける事の無い純粋な怒りーーー殺意=z
【以前に哲学者の卵≠ノ呑まれた時ーーーそれはある二人に砕かれ、解放されたーーーが、欠片はラッシュの中にまだ残っている】
【それがこれだーーー右眼に埋め込まれた卵由来の力の結晶≠フ欠片は、ラッシュ自身による怒りからの作用に敏感で】

ーーーGrrrrrrrrrrrrrrrrr……!!

【比喩ではないーーー獣、そのものーーー】
【元の顔は炎に包まれて見えないーーーだが、獣頭のような物を模って行く炎から、響く地獄の底より来たるような、唸り声】
【怒りに呑まれれば、どうなるかはわからないーーーただ、状況を理解し、的確に判断を下す頭が無くなるのは確か】
【このまま行けば、自らを滅ぼすとも、レギンに飛び掛かりそうなーーー】

《馬鹿者、怒ってどうなる》
《…聞こえていないか、まあ頭を冷やせ》

【ーーー刹那、乱入する声ーーー通信によるその声は、大人を気取る少女のような、冷めた声だ】

《まったく…世話の焼けるやつだよ、お前は》

【その場にいない、ただの通信なのに、それなのに状況を全て理解しているような、不可解な物いいをして】
【次の瞬間、ラッシュは触れもしていないのに、脱出装置が作動して、姿が欠き消える】

>>816
《…ついでだ、貴様も送ってやる》

【面倒そうな、仕方なさそうな声が続けて言うと、ポールの足元に脱出装置とはまた違う転移魔法陣が広がって、ポールは転移させられる】
【辿り着いた先は、脱出装置で送られる筈だった座標だーーーしかし、そこにラッシュの姿はない】

>>811>>812
《ーーーさて、と》

【ラッシュとポールが転移した後でも、声はまだ続いている】
【ーーーラッシュの通信機からの声ではないのか?】

《…私の犬があそこまで怒っているのは初めてだよ、まあーーーいいデータを取れたと感謝したい所だが》
《あいつは、しつこいぞーーー精々足首でも噛まれないように気を付ける事だ》

【残して行くのは、捨て台詞ーーーレギン達に向けて、ラッシュに代わっての宣戦布告を投げ付けて】
【そして唐突に通信は途切れたーーー】

/お疲れ様でした! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(広島県)<><>2013/03/25(月) 04:23:06.23 ID:tP3+udxY0<> /817は撤回ということで…すみませんでしたOTL

>>818
おお…ありがとう助かったぜ、確か名前は――あり?

【あたりを見渡せど彼の姿は見えず…】
【そのまま医療班に囲まれポールはわけもわからず運ばれていった】

/みなさんお疲れ様でした!
/ラッシュ方、迷惑かけてすみませんでした <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<> !nasu_res<>2013/03/25(月) 04:45:42.84 ID:0yBd5on+0<> >>815

嫌だなァ………そんなに叫ばないでおくれよ………まぁまた次の機会に会えたらゆっくり話そうよ、フフ

【苦渋の判断で転送される順風を見送りながら肩を竦めてジェスタ―は返答する、この少年の素性は相も変わらず不明だ】
【だが再び戦場でまみえる事は容易に予想が出来た―――その時をじっと待つしかない。】

>>818>>819
【眼の前で全力の闘気を、敵意を殺意≠解放するラッシュを愉快気に眺めながら―――レギンもゆらりと右手をあげて―――】
【が、ここでラッシュの主人の介入が入った………そして転送されていくラッシュとポール、最後に残るのは女性の言葉だ】
【それを聞いてからレギンはうっすらと蛇の瞳を開いて―――口元を弛める。】

それは恐い恐い………フフ、彼にもよろしくお伝えください―――あぁ、貴女自身も随分と裏で動いているようですが
引きこもって駒を動かしているだけでは………ゲームには勝てませんよ…?クク―――。

【そう返答し、視線を流した―――。】

>>ALL
【今宵―――世界の勢力図はまたも大きな変化を迎えた………創世戦団の完全壊滅、新たな六罪王の出現】
【風の国の貿易都市に続いて夜の国の貿易都市もまた―――カノッサの手に堕ちた、だがこれは新たな戦いの幕開けに過ぎない】
【蛇は笑う―――今までに張り巡らせた布石の全てを使って、この世を混沌に変えようと………。】

         ≪さぁ………素晴らしき新世界で………宴≠フ始まりだ………ッ!≫

//まだレスしていない方もいますがこれにて一度イベントの〆とさせて頂きます本当に長時間ありがとうございました!
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(空)<>saga<>2013/03/25(月) 16:00:34.68 ID:kYsf8X3U0<> >>811-812

【闇のなか佇んでいた人影の姿/僅かに息を呑む。】
【金色の髪、ハーフフレームの眼鏡、蛇の眼――――― 「仲介者」。】
【警戒は動揺に呑み込まれたが、やがて明確な敵意を視線に変えた】 

――――――― 貴方は……ッ……!!

【あの夜の激情を再燃した様な、悲憤に満ちた叫びが其れを叩きつけて、】
【けれどもリポーターの声はさらなる異変を報せ、】

(………な……!?)
(……ッ―――――――――)

【モニターの中の地獄絵図が意識を埋めた。 呆然と見つめる事しか出来なかった。】          

【無理に駆り立てていた心に奔る亀裂。“喪失” の記憶とあの嘲笑がまた脳内で反響し、】
【数日前から既に瀕死だった心を、その傷をさらに抉り抜いて――――】

……、……―――――――――。

【沈黙が、その内で渦巻く二種の無音の慟哭を伝えるだろうか】

【激情に身を震わせながらも、惨劇を防げなかった無力感が手と足とを囚えて離さない。】
【……躰が動かない。動かして、断たねばならないものがあるのに。】

(――――――――――――)

【ジェスターの転移させたセロの躰が目に入るが、それ以上にレギンの笑う声が意識を貫いた。】
【噴出する劫火は無力感を焼き尽くし…… 激情が途切れ途切れの言葉に変わる。】

……やれる……ものなら、やれば…いい―――――――

(…………貴方は……また、哂うのか。)
(……取り返す事の出来ない優しい日々を、壊し尽くしてなおも笑うのか―――――)

【混濁してぎちりと軋む意識。捩じ切るように総てを振り切ると、】
【荒れ狂う激流のままに今一度踏み込み、レギンの胴へと大振りな左薙ぎの一閃で斬り掛かった】
【手応えの有無は憶えていない。何も彼もが荒れ狂う極彩色の映像の波濤と化し、肉体に染み付いた感覚を武器に濃藍の風が吹き荒れて――】

【―――――――】

(…………、………。)

【―――――― 気付けば、柊はルルーメンの自警団本部の床に膝を衝いていた。  】
【無意識にボタンを推していたのか、装置が何かの弾みで作動したのか……それは分からなかったが、戦闘の結末だけは理解していた。】

…………っ……、―――――。

【……討つことも、防ぐことも。突如現れたあの男と惨劇に対して、自分は何も出来なかったのだと。】
【俯く表情はこらえる様に、そうして強さを求める様に、微かに揺れる瞳を閉じて……】

【……そして夜は更けていったのだろう。見えるかたちで見えぬ形で、破壊の爪痕をあちこちに残しながら】

/遅くなりましたがお疲れ様でした……! ありがとうございましたッ!! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<> !nasu_res<>2013/03/25(月) 19:33:53.68 ID:0yBd5on+0<> 【昨晩の事件によって夜の国≠フ情勢は一変した―――政府と自警団はカンバラ≠フ奪還に向けた協議に追われ】
【国民は次の襲撃は自分たちの住む町へと訪れるのではないかという不安感に駆られ企業は貿易の中心地を占拠され大打撃を受けた】
【だがそんな夜の国にさらなる打撃を与える事件が発生する―――エルモ永久凍土が融解を始めたのだ、原因は創炎の宝玉≠ニ呼ばれる宝玉だ】
【それが凍土に放たれ―――一気に生態系を破壊しようとしている………これを引き起こした者は誰かなど言うまでもない。】

       【レギン=\――昨晩新たに現れた六罪王≠フ一柱―――これも奴の企みの一つなのだろう。】
【そしてその創炎の宝玉≠巡って………カノッサ機関を始めとする悪≠ニ≪UNITED TRIGGER≫を筆頭とする正義の勢力≠フ激突が開始されようとしていた】

【だがこの永久凍土の融解もレギン≠フ………蛇≠フ企てのほんの一部でしかない事をまだ―――誰も知らずにいた】



                【エルモ永久零度=\――山岳部・コールドフォール】


【それはあまりにも美しい―――氷のオブジェだった………数百mはある巨大な滝は完全に凍結しておりその表面に月明かりが反射する】
【人工物ではなく自然物として作られたこのオブジェはまさに風景の遺産だ―――だが今宵はどこか様子がおかしい………?】
【そう………溶けているのだ―――まるで蝋燭のようにゆっくりとだが確実に氷の彫刻は本来の滝のあるべき姿へと戻ろうとしている―――】

【原因は、明白だ………滝の頂点部分に突き刺さった1m程の大きな杭=c……ゴウン、ゴウンと小刻みに振動しながら何かエネルギー≠大地にそそぐ】
【そうだ………これが件のエルモ永久零度≠フ融解の原因………創炎の宝玉≠フ欠片だ………。】
【さて―――もう間もなくこの装置を守り破壊を、混沌を行おうとするものと、装置を破壊し本来の自然に戻そうとする者の戦いが始まる………。】


                   【エルモ永久凍土=\――氷柱平原】

【さて―――こちらにもまた、美しい氷の芸術が広がっている………薄く張った雪の中から辺り一面に巨大な氷柱が飛び出しているのだ】
【氷柱に触れればまるでクリスタルのように透明で、そして固く―――生半可な事では破壊できない事がよく分かる】
【だがこの氷柱のオブジェが生える雪原にもまた………件の環境破壊兵器が突き刺さっている―――それはゆっくりと脈動し、雪原を侵食する】

                  【すなわちここもまた―――戦場となる。】




                   【エルモ永久凍土=\――地下遺跡】


【ここは―――今までの場所とは少し趣が違う………地上にある入り口から入れる地下遺跡―――凍土の下に広がる広大な空間だ】
【明らかにオーバーテクノロジーと思われる遺跡の内部には様々な装置があり、恐らく長い年月人が踏み入っていないにも関わらず】
【薄らと明かりのようなモノが点灯し―――まるで誘うように侵入者を誘うだろう。そして宝玉の反応が示す場所まで進めば―――】

【そこは円状の大きな広間だった………中心には件の装置≠ェ突き刺さり、熱を送る―――。】
【そしておそらくここは中心地点―――つまりは各所に点在された装置の核となる場所だ、すなわちここには相応≠フ敵が、いる。】

             【だが未だ姿は見えない………さて、何が待ち受けているか。】



              【そして各所にて宝玉を巡って激戦の火ぶたが切られる―――ッ!】

//イベント開始文ですッ!VS???の方は所定のフィールドに投下お願いします!
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>saga<>2013/03/25(月) 19:38:18.35 ID:wfmDyV16o<> 【夜の国・エルモ永久凍土 ―― スノー・ヴィレッジ 】

【ここは、寒冷地域に適応した亜人たちの集落だ】
【足元は一面雪に覆われており移動を阻害する】
【巨大な雪だるまや寒冷地帯用の家屋も見受けられるが、今回の騒動で既に住民は避難しているようで――】


謎の生物兵器に引き続き、今宵は宝玉≠ニ来ましたか……
まったく、カノッサというのは、どこまでもネタの尽きない巣≠ナいらっしゃるとお見受けします……


【そう……今宵、この地域へ訪れるだろう者達は、きっと皆が皆、一様にそれ≠狙っている】
【すなわち、≪創炎の宝玉=竅\―の欠片】
【人々がそれを欲する理由は数あれど、少なくとも、ある少女≠フひっさげる理由は、そんな難しいものでもなく、】


……ま、その何とかの宝玉≠ニやら……わたくし自身に興味はなくとも、組織より頼まれましたれば、全力で果たしましょうか
ええ……わたくしの成すべき事、というものを……ね


【――と、誰にともなく独白するのは、白を基調としたセーラー服と紺色のスカートに身を包んだ、身長160cm程度の少女だ】
【その表情に感動はなく、縁無し眼鏡の奥に湛えられた碧眼は深海のように深く、暗く、かつ冷たい】
【また服装に合わせるように被っているのは、長い青色リボンの巻かれた、白い水兵帽】
【そして真っ直ぐ伸びる彼女の長髪は黄金色に煌めきながら、風と戯れるように虚空に揺れていた】


さて……誰もいらっしゃらなければ、宝玉を探してオシマイ、と極めて楽な仕事なのですが……


【――凛として雪上に佇む、白き独演者】
【寂寥をすら湛えるその瞳は、今はまだ何者も存在し得ぬ虚空を泳ぎ、】


……はい、存じておりますよ、この憂き世が、斯様に気楽なものではないことくらい、ね――


【……ふと、どこからともなく「カー」と、何やら妖しき鳥類の声も、そこへ加わった】


/ズバッとウェル子です。神鷹空人様、本日はよろしくお願いいたします。
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(関西地方)<>sage<>2013/03/25(月) 19:40:35.05 ID:BA08C1uYo<> 【廃村部】

【打ち捨てられてなお、ひっそりと佇む朽ち果てた木造家屋群が、月明かりに照らし出されている】
【この永久凍土の中にあって、かつての原住民たちの生活の名残が、凍りついたままになっているかのような光景】
【その中央、木造家屋に囲まれた、ひらけた空間に突き立った「杭」は、こうした廃村の景観の中で、異質な存在感を放っている】

【生き物のように脈動する杭から、放たれるエネルギー。内部の創炎の宝玉≠フ欠片によるもの】
【廃村に足を踏み入れたものがいれば、まず目につくことだろう。この杭と、その傍らに立つ者の姿が】

【立っているのは、一人分の身体だ。しかし、その上半身には、二つの首と、四本の腕がついていた】
【向かって右側の頭は、病的に青白い肌にほっそりとした顔つき。落ちくぼんだ目に白濁した瞳。長い白髪を後ろで一つに束ねている】
【向かって左側の頭は、浅黒い肌に顎の突き出たがっしりとした顔つき。つり上がった目に、爛々と光る黒い瞳。短い黒髪をボサボサに乱している】
【一人分の胴体を包む厚手のコートと、寒冷地仕様のパンツとブーツは、すべて中央から向かって右が白、左が黒にカラーリングされていた】
【特注品だろうコートの、四つの袖に通された腕は、本来の腕の位置のものは細く青白く、脇の下あたりから伸びるものは浅黒く筋肉質だ】
【コートの両胸には、それぞれ逆側の色で、No.50と刺繍されている】


【ひとつの身体を共有する双子は、四つの瞳で油断なくあたりを見回していた】

『永久凍土が溶けるまでどれくらいかかるかねぇ。きっちり頃合い見計らっとかねえと、こっちも危ねえよなあ』
「だろうな。だが、それ以前に宝玉を狙って来る輩をどうにか出来なければ話にならん。気を抜くなよ」
『わーかってるよ、兄貴。……しっかし、ただでさえ最近はきな臭いのに、さらに胡散臭いのが六罪王に加わったよなあ。こんな真似して、何企んでるのかね』
「……このうえ、さらに面倒を引き起こしそうなことを言うな」

【無駄口をたたきつつも、周囲への警戒は怠ってはいない】
【長き静寂を破って、この地は戦場と化そうとしていた】

/デュアル兄弟です。エルフェスの方、よろしくお願いします!
/と、いきなり大変申し訳ありません、夕飯で次レス遅くなります <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2013/03/25(月) 19:40:43.87 ID:bKt52Hiyo<> 【夜の国北部ーーーエルモ永久凍土】
【先日、創世戦団の最後と新たなる悪の登場という一大事が起きた国ーーーであるが】
【この広大な凍土においては、そんな事はつゆしらずーーーまるで時さえも凍り付いたかのような静寂があった】

【ーーーしかし】

【偶然か、必然かーーーある時、宝玉の欠片が凍土に放たれる】
【永久凍土の空気は熱を持ち、過去の遺物を掘り起こすが如く雪と氷が溶け出した】
【これから始まるは、その欠片の内の一つの下でーーー】

「ーーーさーむーーいーーのーーよぉぉぉーーー!!」

【山岳部、廃工場にて】
【雪に閉ざされ、打ち捨てられた工事に、高い声が虚しく響く】
【よく見ればーーー吹き荒ぶブリザードの中で、一際大きな建物の屋根上に、似合わない格好の小さな影】

【しましまニーソックスを履いた、ミニスカートのメイド服に月の様に黄色い縦ロール髪、フリルのついた黒いカチューシャを付けた、黄金色の眼をした少女だ】
【背中には長い銃身の先端に青白い斧の刃が付いた大型ライフルを背負っている】

「なんなのよもう!なんでワタクシが見張り役なのよ!!」
「ていうか早く帰りたいわ!なんでわざわざ待つ必要があるのよ!?」
「あーもう!しかもなんで白犬が中で見張りなのよ!!宝玉の近くあったかそうじゃない!!不公平だわ!!」

【誰に言っているのかーーー少なくとも、侵入者には気付いていないーーーとにかく不満を大声で漏らす少女だ、秘匿性の欠片もない】
【もし、この声を聞いている人間がいれば、少女が立っている建物の中に宝玉の欠片があると明白にわかるだろう】

「まったくもう!まだなのかしら!アンタからもなんか言いなさいよ白犬!!」
「ーーー白犬?ちょっと!無視すんじゃないわよ!!」

「…何よ!アンタもワタクシを馬鹿にしてんの!?やってらんないわもう!見張りなんてやめてやるんだから!!」

【調度、訪れた人間が、ポッカリと口を開けた工場入口に入ろうとした頃だろうかーーー】
【仲間がいるのであろう、通信機で話す少女が、何やら怒った様子でキャンキャンと吠えている】
【ーーーが、次の瞬間】

「ちょっと!いい加減にしないと本気で怒るわよ!!少しは何かーーー」

【刹那の事であった】
【少女が立つ屋根を内部から突き破り、先端に刃の付いた鎖が三本飛び出してーーーそのまま、少女の体を刺し貫く】
【まるで亡者の腕の様に絡み付いたそれは、少女を工場内部に引き込むと、静寂が訪れた】

【ーーーさて、その様子を見ていようがいまいが、工場の入口の中から湧き出る暖かさと、異様な空気ーーー中に宝玉の欠片と、何か≠ェあるのが感じ取れるだろう】
【内部の様子は暗くてよく見えないがーーー妨害はない、すぐに内部の開けた場所まで辿り着くだろう】

/ビリー=シュタルト・エイプリルです、ゼリシュの方、お願いします <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(大阪府)<><>2013/03/25(月) 19:47:14.29 ID:ENWuLmj50<> 【森林部・北 巨蛇の住処】

【現住生物、巨蛇『アイス・パイソン』が居なくなった其処は、酷く静かに、月明かりに照らされていた。】
【針葉樹の枝が時折風に揺れ、かさかさと音を鳴らすのみ。】

【一種の『画』のような、完成された風景。】
【その『破壊者』は、杭。やや拓けた場所に佇む、『創炎の宝玉』を擁する杭型装置。】
【この今、まさに今! 装置が働き、自然は作り変えられる!】


【と、静寂を切り裂く『光』】

【杭の上に、番人めいた影ーー忍者装束の男!】
【無知無力な者ならば逃げ出したくなる程に恐るべき眼光で、辺りを見渡した!】

【鍛え上げられた長身、夕焼け色の髪、銀の瞳。右目の下に三つ並んだ、小さな紫色の宝石。】
【龍の顎を思わせる金属製の面頬で顔の下半分を隠す。威圧的なデザイン!】
【漆黒の中にに色とりどりの光を散りばめた、宇宙めいた柄の忍者装束に身を包みーー左手には淡光を纏う小太刀!】

ーー神々しき玉よ。新六罪王のレギンとやら、昨夜といい中々の混沌的作戦! 発想! まさに混沌の六罪王よ!
そして……この玉こそ、カノッサの栄光混沌世界を育む原石!
カノッサや歯向かう増上慢どもを、無限の創造炎により焼き尽くしてくれるわ。

【ーー《No.18》 】

【《月世界騎士》ーーシルベ・ドーンナアブ!! 】
【宝玉の欠片を護るのは、カノッサ機関のナンバーズ! この騒ぎにも、やはり悪しきカノッサ!】

ーーフン。
野良犬めいた嗅覚で、嗅ぎつけて来おったな? 正義などと語る愚か者か、はたまた……

ーー強者であるならば、この俺に挑み来るがいいッ!
臆病極まる愚鈍な弱者には、神聖宝玉を拝む権利すら無いわァーーーッ!!!

【猛るッ!】【未だ現れぬ敵に!】 【しかし確かな予感、気配に!】 【貴方に!】

【ーー強者に!】

【悍ましきカノッサの忠犬、月世界騎士が猛る!】
【そして小太刀! 掲げた小太刀に月光が降り注ぎ、閃く! 恐るべき呪術的兵装!】

/シルベです。本日は、よろしくお願いします。
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(愛知県)<>saga<>2013/03/25(月) 19:48:12.72 ID:y2UQn8wlo<>
【森林部・南。】

【太陽の上らない、夜の国の帳の中。】
【朽ちた祠が立ち並ぶ其処で、男は其処に立っていた。】
【六尺はあろう背丈に、腰元には三尺二寸、人を殺すには少々大仰な斬馬刀。】
【堀の浅い顔は、少しばかり苛立たし気に歪められていた。然し。その最たる特徴は右目。】
【何事を見る事も拒むように、虚ろに、また頑なに、空を見上げたままピクリとも動かない激しい上斜視。】
【正面を向いて、多少の興奮を交えて、暴力的にギラギラと輝く左眼が、一層それを際立たせる。】
【また幾つも立ち並ぶ祠の内、男の周辺にある幾つかは、真新しく乱雑に破壊されていた。】

【無論。男の傍には、杭の様な物と、其の中に埋め込まれた宝玉の欠片が鎮座する。】
【其処は、非常に"暖かい"。永久凍土を溶かし兼ねない程の力の奔流が、男の傍で息づいていた。】
【それは、見捨てられ、朽ちてゆく祠達の中。無尽蔵の如く熱を放出し続けていた。】


  こいつを護れば俺の勝ち、だったか。


【左手が、腰元の鞘を握り締め、右手が斬馬刀をズルリ、と引き抜きいた。】


  この戦い、ナンバーズじゃねぇのは俺だけ、だっけか?
  まぁ、それも終わりよ。この任務さえ終われば、俺もナンバーを会得できる……が、しかし

(やっぱ此処に誘き寄せるのが一番いいだらぁな、ちょいと目を離した隙に、何ざ……)
(とんでもなく洒落にならんからな、さて――――――――)


【そうして、朽ちて、今にも倒壊しかけの柱の一つに向けて、それを思い切り蹴りつけ、】


【バァン!!!!!!!!!!!!!!!】


【右足の"神風"を起動させる。】
【爆風に耐え切れず弾き飛ばされた柱は、その爆発音に連鎖する様に立ち竦む木々の一つに思い切り衝突し、轟音と共に粉砕される。】
【狼煙とばかりに立ち昇る土煙。不機嫌そうに、苛立たしそうに顔を歪めて、不快感を包み隠さずに言葉を走らせる。】



  どうせ邪魔が入るんだらぁが、とっとと死にに来いよ、愚図が。


【左の瞳がギロリと見開かれて、また夜闇の中で煌めいた。】
【男はおせぇんだよ、と付け加えて。斬馬刀を、溶けだして行く永久凍土の地面へと突き刺した。】

/こちら菅野康作です、アンジェルの方、よろしくお願いします! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2013/03/25(月) 19:51:14.77 ID:A0z47xwOo<> >>822

【その雪の振りかかりし平原へと足を踏み入れる者は、しかしその雪を穢す事無く】
【まるで芝目の上にそっと足を乗せるかのように、フィールドの中心へと立ちはだかる】

“善い”のです。地へ踏み渟まり永久に至高天へと昇る事無き者よ
今こそ私は貴公らを解き放ち、神の國へと迎え入れましょう

【温和でゆったりとした低い声は、大気さえ凍りついた空間に滲みるように広がって】
【小麦色の指が氷柱に触れる。本来ならばほんの少しも融けることなく乾いたかのような冷たさを保っているだろうそれは】
【今や、既に宝玉の影響を受けつつあるかのように、じんわりと透き通った水をにじませた】

さて。それを全うさせじとする者が、恐らくここにも舞い降りるのでしょう
語らいもそこそこに、私はそれを追い払わねばならないのです

【豪奢な長い金髪は高い位置で括られ、聖別銀のロザリオを首に掛け】
【戦いやすいよう両脇を腰近くまでスリット改造した黒いAラインのロングカソック】
【細身のスラックスに内羽式のストレートチップ、いずれも黒で統一され】
【聖職者然とした見た目の中、目元を覆うスポーツタイプのサングラスだけがそれを裏切っていた】

【氷柱からそっと離れる手、もう一方の手には年月に因って色の焼けた聖書――ではなく】
【金鎚と鈎爪状の刃が融合したような柄頭の、自身の背と同じほどの長さのウォーハンマーを持っている】
【即ち、彼はこの場に来る者にとって恐らく敵であり。倒すべき対峙の立場にあるという事だった】


/ナタニエルです
/主催者様、本日はよろしくおねがいします! どなたがいらっしゃるのかしらー(゚ω゚) <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(山形県)<>saga<>2013/03/25(月) 19:52:48.53 ID:hBgW3ErYo<> >>822

【――それは、"混沌"をこの上なく望む者であり】
【――それは、"邪悪"なる存在そのモノでもあり】
【――それは、 ――世界に"災禍"を齎すモノだ】

【故に】

【力のある"素材"は、とても魅力的に映る】


――――ヒャハハハ、こォいつが"創炎の宝玉"かァ!
んゥー、……こォいつを使えば……良い感じの奴らを作れそうだッ
うゥーまく使えば……使い回しも出来るかもしれねェー!

【その滝の頂点部近くの川辺――杭を舐め回すように見ているのは】

【頭部から二本の赤い角を生やした、恐竜のような姿のモノだった】 【頭部にはツルハシのような形の突起物がある】
【体長は約4mで、黒い白目と血の様に真っ赤な虹彩を持ち、全身は黒い毛で覆われていて】 【首には紫色の毛、他の部分にもそれはあり】
【また、鋭く赤い牙や同じく爪を持ち、いかにも悪魔だと思わせる黒い翼を持っている】 【その翼の先端には赤い爪があり翼膜は紫色だ】
【独特な形をした前脚にはヒレのようなものがあり、後脚の足の外側部には稲妻のような形をした何か】
【――そして、尻尾は非常に太く短く、まるでソリやスキーのように見える】

……"ガルムステキア"が居て助かったぜェ、俺様にもあァる程度の寒さ耐性はあァるが!
やっぱり、もォともと寒冷地に住んでる奴の方が高ェ、……ヒャハハハ、利ィ用してやるよ

【間違いない――この者は、杭を……"宝玉"を狙うものだ】

こォのまま生態系がぶっ壊れる"混沌"を観察するのも悪くはねェーがなァー <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>saga<>2013/03/25(月) 19:54:29.28 ID:T6wsJpDPo<> >>822

【―――冷気が身体を貫く。通常であれば、まるで針のようにそれらは"全身"を彼方此方から突っ突き回すのだが】
【今だけは、少しその勢いも削がれていた。眼前の氷と、広がる白い大地に比べれば、違和感を感じる程の"温さ"】
【人が太古より畏怖する存在――気象というなの神すらも超越する、自然を超えた超自然の"物質"】

―――ひぇぇぇ。暖かいんだか寒いんだかよくわかんないなあ、これ。
ま、不気味なもんだよ実際――凍土なのに、こんな格好で済んでるところを考えると、ね。

・・・これが、"宝玉"の力、か・・・。

【――冷気と、寒気がぶつかり合うその中心地――永久凍土の地下、眠っていた時間が動き始めた遺跡に】
【一人、これまた時代錯誤な格好の女が脚を踏み入れた。】
【――土埃で汚れた白いシャツ、首元に赤いスカーフ、褪せた土気色のベストで豊満な肢体を包み】
【長い足をブーツ・カットのダメージジーンズで覆い、その先には年季の入ったウェスタン・ブーツを身に着けて】
【頭部には特徴的な古いテンガロン・ハット、その奥にブルーとも、翡翠とも取れるような神秘的な輝きの瞳を宿し】
【――有体に言えば、西部劇にでも出て来そうな"ガンマン"――カウ・ガールのような風貌の女だ。】
【しかし今夜はその寒気故に"ガンマン"の服装の上から黄土色をした、随分使い古された本皮のジャンパーを身に纏って。】

――さて、これが――ワオ、宝玉ってこんな――すごい装置につけられてるんだ。
ていうかどう考えても人為的だし――ま、このまま回収完了!ってワケにはいかなそうだね、どうやら。

【――遺跡といえど、かなり"進歩"した技術で生み出されたであろうそれは】
【女の古臭い格好と比べるととても――なんとも、不釣合いで。異質さを醸し出していた。】
【中央の装置に、女が近寄るが――恐らく、彼女はあと一歩という所で足を一旦、止めた。】
【今この遺跡に脚を踏み入れているのは自分ひとり――警戒した方がいいのは間違いない。】
【彼女――"ガンマン"は腰元に取り付けたガン・ベルトへと手を伸ばし――ゆっくりと、携えた"相棒"のハンマーを、起こす。】

【――"カキリ"、と撃鉄が起こされる音が遺跡内に響いた――それはつまり、"来るなら来い"という、合図で】

(―――あと少し――手が、届くか・・・!)

【ゆっくり――足音をあまり立てないよう、装置へと一歩ずつ近づく女――】
【彼女の名を知る者も多いだろう、先日の大会に出場し、そして今世に存在する正義を名乗る組織の"創設者"である人物――】
【――セリーナ・ザ・"キッド"、UNITED TRIGGERのリーダーだ。】

/セリーナです、今夜はよろしくお願いします!! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/25(月) 19:54:46.37 ID:crv3/Ngeo<> 【月が近い。地上よりも遥か高く、どこから見ても同じ顔を覗かせる月でさえもここでは少し変わる】
【普段よりも巨大なそれに見下された山岳は、月光によって純白の衣を輝かせていた】
【山岳の頂点。凍結と氷雪に覆われたあらゆる生物を拒絶する自然の頂き】

【雪が反射する月明かりの中に人影があった。深い青のローブを着た魔術師のような姿の少年だ】
【フードの下からは金色の毛髪が見えていて、それよりも暗い金色の双眸が微かに伏せられている】
【背中には逆五芒星、右肩には“XX”という数字。右腕の腕輪が強い黄金色に輝いている】


今となっては、あまりこういう直接的な力に興味はないんですが……
いい加減、少しぐらいは組織に対して利益を出すべきときでしょう


【暗い冷徹さを備えた瞳が、背後に座する杭を見つめる。宝玉だ】
【自然の猛威でさえ容易く打ち消す圧倒的なまでの力を具象化した兵器】
【欠片でさえも、付近に与える影響は絶大だ】


それに、あって困るものではない
そしてこれに誰が釣られるのか。真の関心はそこにある……


【独白を乗せて、一陣の風が駆け抜けた。氷雪が白い霧のように舞い上がる】
【未だ見ぬ敵を、彼はただ待ち続けている】

/アルフォンスです。エヴァンの人、よろしくお願いします <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(山形県)<>saga<>2013/03/25(月) 19:55:04.23 ID:hBgW3ErYo<> >>829
/おっと、見落とし
/頂点部周囲に陸地がないようでしたら滝の終着点辺りの陸地にでも移動させておいてください <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(関西地方)<>sage<>2013/03/25(月) 19:55:43.91 ID:e+QEOqLmo<> >>823

【――、人っ子一人居らず、とは、矢張り、行かないらしい】
【『スノー・ヴィレッジ』。 …、…立ち並ぶ亜人の家屋の、その一つ】
【扉が開き ――其処から、一人の人物が出て来た】


 …、… まーた、面倒そうな奴が。


【ミディアム・バイオレットに黒のラインが縦に奔るシャツ、上から茶のファーコートを羽織った長身の男だ】
【背まで伸びた黒髪は後頭部で纏め上げられており、其の結び目には菊花の簪≠ェ差されていて】
【光沢を持つ灰色のスラックス――左腰には黒鞘の刀、右腰にはフリントロック式の銃を差している】


【――、足元の雪が気になるのか、ミリタリーブーツで軽く踏みしめて】
【右腰の銃に、右手を伸ばし。引き抜くと――未だ構えず、だらん、と銃口を地に向けて】



――宝玉≠セか何だか、欲しいなら俺を倒せ。


…、…ってなキャラでも無いんだが。
取り敢えず、カノッサに跳梁跋扈されてると、此処の住民が迷惑なんだよ。


【どうにも――、彼も同じく、宝玉℃ゥ体には興味が無いらしいが】
【そもそも、『カノッサを撃退してくれ』と、住民に頼まれでもしたのだろう】
【――、冷たい風に、髪が揺れ。 その双眸が、一瞬だけ、紅く′を宿した】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(埼玉県)<>sage<>2013/03/25(月) 20:00:11.89 ID:y6mKmYhio<> >>827

【それは本当に小さな音だった。風を切って物が落ち、徐々に近付く音である】
【或いは鳥類が木の実でも拾って落としたか――なんて思いでもしたら、それだけで命取り】

【見あげれば、そこに在るのは鎧。縦にも横にも大きくて、見るからに頑丈そうな鎧が空に在った】
【手には小さく見えるが刀を持ち、その刃は明確に男の脳天を裂き砕かんと狙っていて】
【全くもって非現実的な風景だが――それは自重によって、落下の速度を凄まじい速さで上げていく】



【―――そう、それは敵だった。男か女かも、能力もなにも分からないけれども敵だった】

【数秒もすれば闇を裂いて大地に落ちるその超重量の鎧は、刀で男を狙っていたのだから、違いない】
【とはいえ――気付きさえすれば回避は容易だ。少し横に転がるだけでも良い】
【ただ恐らく、その落下の衝撃は凄まじいものがある。気付くのなら、迎撃は避けるべきであろう――。】

/アンジェルです、よろしくお願いしますねー! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(関西・北陸)<>saga<>2013/03/25(月) 20:02:44.89 ID:jqSIe6wAO<> >>825
【ブリザードの中、足早に歩く一人の少女】


膨大な魔力を感じたから探しに来てみたら何よここ!
寒いっ!寒すぎよ!


【赤を基調としたドレスにプレートメイル、所謂鎧ドレスという服装】
【銀の髪は高く結われ、鋭い蒼の瞳からは勝気な印象を受けるか】
【背中には右に傾いた十字架のような、長短一振りずつの剣】

【少女はぶつぶつと文句を言いながら歩いていたが、他の人間の声を聞くと口を閉じ】


へえ……その建物の中に何かあるっていうのね……
これはいい事を聞いたわ……


【歩きながら暫く様子を見、再び静寂が訪れればそう呟いて】
【工場へ向け走りながら右手で長剣、左手で短剣を抜き放つ】
【そうして入口に辿り着くと、一度息を整え、一気に内部へ走っていく】


誰か……いるわよね?さっき騒いでたやつとか


【周囲に警戒しつつ問い掛ける】
【少女の持つ剣は光の魔力を宿しており、僅かに発光している】
【僅かであってもその光はきっと、少女の居所を知らせることになるだろう】


/ゼリシュ中身ですー
/どうぞよろしく <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/25(月) 20:03:59.90 ID:aBkInNzwo<> >>824

寒いなあ……ええおい?なんだってこんな所を機関が目をつけたのかね
溶かすつもりなんだからきっと何かあるんだろうけど……さあてお前、もといお前達は何か知ってる?

【黒い空と凍土の白、それを対比と呼ぶのなら今自分の目の前にいる彼らもそうだろう】
【およそ現世の正常な環境下にある生き物とは呼べないような姿、神の悪戯にしてもやり過ぎだ】
【なんて義憤を漏らしてみるけれど、いやこの気分の根源は不快感なのは間違いない随分と情けない……】

【短めの白い髪はしかし後ろだけを伸ばして三つ編みに、腰辺りまで伸びたそれはしめ縄を思わせる】
【左は赤で右は紫玻璃のオッドアイ、感覚に鋭ければ右目の異常性にも気が付く筈】
【だがそんな異物を宿して尚現れた彼の表情はあどけなくあり歳不相応に見えるだろう】

(コートなんてもう時期じゃないからクローゼットにしまってたってのに……まったくもう)

【寒さに揺れるフード付きのコートは黒、ズボンも同じく動きやすく作られているハンドメイド】
【そして腰のナイフは銀色の神聖を帯びた魔術的な道具に他ならない、今彼はその刀身を引き抜いて】
【家から出るような気軽さで切先を彼らへと、それは明確な敵対の証】

任務は了解、欠片をぶち壊すないし奪って環境を守る……か
でもなんだろう溶けたら何が起きるのか見てみたくもあるんだよな、案外パンドラだったりして。
まあ安い希望なんか興味もないし絶望を振りまくなんて……うん、気に入らない――――――じゃ、早くやろうぜ

【視線の先、あったアレが目的の物だろう欠片でもその力は十分のようで脈動は目に痛い】
【そしてやはりというべきか彼らは敵だからきっと倒さなければいけない、それならばいつもの様にやるだけか】
【彼らの50という数字を見て、面白げもなく誰にでもなく頷いて……そして戦いは始まる】

/エルフェスです本日はよろしくお願いします! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<> !nasu_res<>2013/03/25(月) 20:08:56.68 ID:0yBd5on+0<> >>828

【それは唐突に―――何時しかそこにあった………ソレは…サンタクロースが子供たちの枕元に置くアレ≠セ】
【そう―――プレゼントボックス………綺麗な包装がなされキュッとリボンで締められた四角い箱―――それがナタニエルの目の前に置いてある】
【なんとも奇妙に幻想的な風景に異質な物体が紛れ込んでいる………。】
【あまりに不自然、あまりに不可解―――だがそれはプレゼント≠セからか、どこか不思議な魅力を持っている。】
【ガタッ!一度箱が大きく揺れた………中に何か入っているのだろうか…?】

                     オープン・パンドラ

【どこからか女性の声が聞こえる―――その声が静かに告げるとナタニエルが近づこうが近づきまいが次の瞬間には―――】
【ガコンッ!と音を立てて箱が開き、中から如何にもB級映画に登場しそうな芋虫のような怪物が飛び出してくるッ!玩具?違う本物だッ!】
【それはそのままナタニエルの右腕に噛みついてそのまま喰いちぎろうとするだろう―――見かけに反して凄まじい力だ。】

【っと同時に杭≠ヨと駆けより宝玉を回収しようとする赤い小柄な影≠ェ見えるッ!】
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(京都府)<>sage<>2013/03/25(月) 20:09:44.64 ID:pSzhZUap0<> >>831
【その青年に与えられた――というより、自警団より受けた任務は、≪創炎の宝玉≫の欠片の早急な回収】
【ただの探し物で200万。それを納品すれば計1000万とは、何とも美味しい話だろうか】
【そんな話を運よく彼が手に出来たのも、この任務に課せられた過酷な条件だった】

【永久凍土に赴き、その他勢力から回収目標を守り抜く事。それがこの任務のもう一つの条件】
【この「その他勢力」というのが、この任務が残されていた理由であり、彼がこの任務を受ける理由にもなっていた】

【強力なアイテムとやらに特別な興味は無い】
                     【無い、が、もしそれが彼の思う"厄介な勢力"に渡ってしまうというなら、話は変わる】


何故、手を伸ばさないのです?その気になれば手に出来たのではありませんか?


【吹き抜ける寒風の間を縫う様に、それは金属質の足音と共に少年に投げかけられる】
【その声の主は、少年よりも少し歳を重ねた男の物だった】

【少し痛んだ青色のデニムに、薄く汚れたセーフティブーツ。その靴にはベルト式のアイゼンが履かせてある】
【前を閉じた茶色のミリタリーコートの襟元からは、白のシャツと黒いネクタイが顔を覗かせていて、】
【情景とは対照的な姿を見せる赤いマフラーを首に巻き着け、風防の為かフードを深々と被り込んでいる】
【そこそこ厚手の手袋に鋼鉄の剣が一本だけ握られていて、それと同じものが背中に二本背負われていた】
【僅かに白みがかった緑の髪に鮮やかな蒼眼。しかしその顔には、こんな場所だと言うのに笑顔が張り付いていた】

【冷気によって曇りを見せる剣の切っ先は、明らかな敵意を孕んだその矛先は、真っ直ぐ少年の方を向いている】


/お手柔らかにお願いします! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>saga<>2013/03/25(月) 20:11:15.66 ID:wfmDyV16o<> >>833

【新たな声――少女は、それに素早く反応し、発生源へ身体を向け】


――はい、いらっしゃいませ……『こんばんは』――


【恐らくは――いや、台詞からしてあからさまに敵対者である彼≠ヨ、ぺこりと丁寧なお辞儀を繰り出した】


なるほど……わたくしが既にカノッサの手先であるとご理解いただけているのなら、お話が早くて助かります


【顔を上げた少女は、依然変わらぬ無表情のまま、淡々と言葉を紡ぐ】


 そう……わたくしは『ウェル子』――

     カノッサ機関麾下遊撃軍=wカエルレウム・ナーウィス』の水先案内人……ウェル子、と申します


【至極恭しい名乗りついでに、「本名ですよ」なんて、小首を傾げながら付け加える様は、可愛らしいか、それとも不気味か】


ま……結局どうやら、わたくしは、貴方様を排除せねば、お仕事を完遂できない――と、そういう筋書きであるわけでしょう


【すると、そんな彼女の右肩に、バサバサと一羽の「カラス」が舞い降りてきて――】


…………ところで、ですよ


【ぽつり】
【会話の流れをぶっちぎるような、白い息混じりの声が、辺りにこだまする】


わたくし、まだ、その宝玉≠発見していないのですが――


【スッ――と、彼女は右手の人差し指と中指をそろえて立てて、】


――貴方様は、ご存知ではありませんか?


【言葉が終わるが早いか、その「銃を真似た右手」から「黒い閃光」が発せられ、】
【立てた二本の指の先端から、一枚の「黒羽根」が、高速で発射されたではないか】

【その羽根は、いわば「弾丸」――】
【威力で言えば拳銃の弾丸よりやや劣るが、魔力でコーティングされたそれは、とりわけ「鋭利性・刺突性」に優れており、】
【羽毛部が生身の肌に裂傷を刻むのは用意だし、先端部が命中すれば岩盤だろうとブッスリと突き刺さるであろうこと請け合いだ】

【狙いは、相手の『胸部』】
【不意打ち気味ではあるものの、真正面からの攻撃だ】
【油断さえしていなければ、回避・防御も容易いか――?】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<> !nasu_res<>2013/03/25(月) 20:17:31.78 ID:0yBd5on+0<> >>829

【ヒュンヒュンヒュンッ!!風を切り裂く音と共に暗闇の中から光り輝く短剣が三つ、男の胴体を目がけて放たれるッ!】
【それは対魔の術式が組み込まれており、邪な者に対して絶対的な威力を持つ―――相性は悪いか。】
【その攻撃の成否に関わらず悪魔の元へと素早く接近する姿がある………白い外套を纏った小柄な人物だ、顔は伺えない】
【その人物は悪魔の前方数mで止まると、フードの下から睨みつけるだろう。】

その気配………悪鬼の類か………これは好都合だな、宝玉の回収のついでに滅却できるとはな
さて―――神に祈る間はやらん………構えろ。

【その人物は腰へと手を回すと大型の懐中電灯を二本、両手に構える―――これで一体何をしようというのだろうか?】
【なんいせよどこか神聖な気配を放つこの人物………そういった類≠フ人間か。】
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(愛知県)<>saga<>2013/03/25(月) 20:18:00.74 ID:y2UQn8wlo<> >>834
【ちょっとした物音だった。あれだけ虚勢は張ったが、少しばかり、油断があったかもしれない。】
【兎も角男は頭上へと視線を向けた。左眼が、右眼と同じく、上を睨み付けて、見開かれた。】


  ――――――――な、んだとォ!!!!!!!!


【今、自分の脳天を叩き割らんと頭上から落ちてくるのは、巨大且つ、見るからに強固、超重量の鎧だった。】
【地面に突き刺した斬馬刀の柄を握り締め、思い切り地面を抉り、砂埃を上げながら、その場から後方へと跳ねた。】

  っ、ととと、っとぉ!!!!!!

【体勢を崩しかける身体を何とか御して、男はその鎧をようやくまともに視界に納めることが出来た。】
【男か女か、性別は愚か、人であるかどうかすらも分からない鎧だが、此処にいる、と言う事は、考えられることは一つ。】
【この鎧は、斬るべき相手であり。この敵は、打ち払うべき障害である。】
【そうとなれば話は早く、男は片手の斬馬刀をより強く握り締めて、その鎧へと駆けた。】
【高速移動術は使用しない、単純に足の速い、と言う事を生かしただけの全速力の人間の速度だが。】
【鎧の下へと辿り着く数歩前で―――無論、人間の出来る範囲だが――その身を跳ね上げる。】



  テメェ、挨拶もせずに殺しにかかるとはいい度胸じゃんよぉ!!!!!!!


【そうして両手に握り締めた斬馬刀を、全身の力を籠めて鎧の頭部へと振り下ろした。】
【生半可な防具なら切り裂けは出来なくとも、その力で粉砕できるような一撃である、が。所詮人間の速度。】
【しっかりと見ていれば十分に対応できる域であり、そもそも――――――――この鎧に通じるかが分からない。】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2013/03/25(月) 20:18:21.58 ID:bKt52Hiyo<> >>835
【工場の中ーーー様々な物や部品が捨てられ、非常に足元と視界が悪いーーーのは、入口から少しの間だけ】
【すぐに開けた所に出るーーー開けたと言ってもかなり広い、かつてはラインが敷かれていたのだろうが、それ等の機械は既に全てが運び出されていて、抜け殻のような内部はわかりやすく例えるなら体育館のようだ】
【まだ、なん等かの部品や錆び落ちた鉄骨などはあるがーーーそれよりも目を引くのは、真ん中に刺さった杭】
【宝玉の欠片が入った杭からは熱気が放たれていて、工場内部はとても暖かい】

【ーーーいや、それよりも】
【杭の上に腰掛け頭をもたげる男と、傍に焦げ付き倒れた女性二人ーーー】

【片方は先程大声を出していた少女、もう一人は、凍土にあり得ない薄着をした銀髪の女ーーー】
【倒れた両者とも、ピクリとも動かず、座る男は光を感じて顔を上げた】

……あァン…まだいやがったのか…?

【豹柄の長袖シャツの上にファーのついたロングコートを着て、ジーンズと安全靴を履いている】
【鎖を模したアクセサリーを大量に付けていて、髑髏のピアスを耳に付けた、三角眼鏡を掛けた捻れた茶髪の男だ】
【コートは右袖が無くて、そこから見えている黄金の右腕はいかにも戦闘用な鋼鉄の義手である】

【彼は、少女の姿を認めると、ふと立ち上がり】



てぇぇぇぇめぇぇぇじゃああああああぁぁぁ!!ねぇぇんだよ!!オレが求めてのはよぉぉぉ!!

【目をひん剥いて、髪を振り乱し、両腕を広げーーー】
【狂気の叫び声を上げて、少女を睨み付けた】

/すみません、次レス遅れます <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/25(月) 20:23:57.97 ID:crv3/Ngeo<> >>838

【視界の端に映る、徐々に近づいていくる人の影】
【一つ間違えば奈落の底へと向かう危険な舞台で、投げかけられた言葉には余裕さえも伺えた】
【叩きつけるような冷気の風よりも冷たい敵意が、肌身で感じ取れる】


侵攻側よりも防衛側の方が条件が厳しいのですよ
つまり我々の目的は、回収ではないのです


【少年の足が凍りついた岩肌から離れていく。風の魔術を用いての浮翌遊だ】


カノッサ機関No.20、“盤面の指し手”アルフォンス=ヴェント
以後、お見知りおきを


【自己紹介と共に、恭しく一礼】
【もう一度、極低温の大気の流れが二人の間を駆け抜けた】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<> !nasu_res<>2013/03/25(月) 20:27:32.72 ID:0yBd5on+0<> >>830

【セリーナが装置に触れようとした瞬間―――その肩に無数の亡者≠ェ張り付くッ!!いや、違う、これは幻覚だ―――】
【そう見えただけの幻覚―――だがそのビジョンを植えつけるようなモノが、この場にいるという事だ………この吐き気を催すような気配】
【コッコッコと革靴が遺跡の床を叩く音がする………そして姿を現すのは、やはりあの男=z

       【小奇麗なダークグリーンのスーツに身を包んだ金髪糸目の男………レギン<b!!】

いやぁようこそいらっしゃいました………まさかUNITED TRIGGERのリーダーとお会いできるなんて、私感謝感激でございますよ…フフ。
ああっと申し遅れました………私昨日付で六罪王≠ノ就任しましたレギン≠ニ申します………どうぞお見知りおきを………。

さて―――そちらの装置は私の実験で使っている物でして………危険ですので手を振れないでいただけますか?

【蛇のような瞳≠うっすらと覗かせながら、男は柔和な笑みを浮かべてそう問いかける―――。】
【しかしこの男、六罪王にしてはまるで武闘派には見えない体つき、たたずまいだ………だがこの歪な気配は間違いなくこの男から放たれたモノ】

               【さぁ―――セリーナはどう判断する…?】
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2013/03/25(月) 20:27:40.84 ID:A0z47xwOo<> >>837

【“いつからか”としか言いようの無いほどに出所の定かならぬ闖入物。さて、と喉の奥で鳴る声】
【手にしたウォーハンマーの柄で叩き、遠ざけつつその正体を確かめる、前に】
【拷問器具にも似た様相の大顎を開いて飛び入らんとする姿。咄嗟に引いた柄が完全に顎に噛みつかれるのを防ぐも】
【些か遅かった。そう簡単には離れないだろう芋虫へとどう対処するか】

我天國の番人なり

【その言霊が大気に滲み入るより早いか否か。正しく電気が伝わる様に雷光が辺りを照らし出し】
【これだけ近距離でまともに喰らえば、芋虫は蒲焼きになって地面に落ちるか。そうならば喜ばしいのだが】
【そして雷光に照らされ浮かび上がる影の一つに、ふ、と柔和な笑みを向けながら振りかえる】

もし汝ら翻へりて幼兒の如くならずば、天國へ入るを禁じ
己の卑うする者はこれ天國にて大なる者なり

【その可愛らしき背にそっと手を伸ばすように、革靴の爪先がひるがえって杭と相手との間に身を滑らせんとする】
【唱和は既に音を成し。ばち、と鼓膜を跳ねあげさせるような音と共に、光を帯びた熱量が片鱗を覗かせる】
【何らかの手段を講じて防御に移らねば、膨れ上がった電熱は男と杭の周囲1mほどに広がり】
【周囲の雪と氷柱の一部を、湿った空気へと変え去るだろう】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(関西地方)<>sage<>2013/03/25(月) 20:28:05.50 ID:BA08C1uYo<> >>836
【現れた彼に、不快感からとはいえ、義憤すら抱かせる異様な双子は視線を注ぐ】
【四つの瞳がその姿をなぞり、異常をはらむ右目を認めた途端、ピタリと目の動きが止まる】

『……オッドアイはあんま好きじゃねえんだよな。せっかく一対なのによ、色違いじゃあなあ』
「せっかくいい色をしているというのに、おしいな」

【相手の目に対して、勝手な感想を述べる。「一対で存在するもの」に対して美を見出す、兄弟の性癖】
【二つの口でさらに言葉をつむぎつつ、すでに戦闘態勢に入りつつある】

『知らねえな、俺らも詳しいことは聞かされてねえ。機関の連中は、隠し事が好きな輩が多いからよ』
「知りたければ、永久凍土が溶け切るまで、そこで待っていてはどうだ? 我らとしても、手間が省けて助かるのだがな」

【無論、これを聞き入れるような相手ではないことは分かっている】
【年齢に不相応なあどけなさを残しつつも、ひしひしと感じる実力者の気配】
【向けられる、切っ先と敵意。双子も、にじみでる悪意でそれに相対する】

「パンドラか。そんなものがあれば、すぐにでも混沌が訪れて、すべてが楽に済むだろうな」
『いやいや、それじゃあつまんねぇって。……さて、あんたもやる気らしいし、さっさと始めるか』
「では、遠慮なくこちらからいかせてもらおう」

【誰ともなしにうなずく彼に向けて、双子は攻撃を開始する】
【眼に痛いほどの、宝玉の脈動を背景に、おぞましき悪意が動き出す】

【まずは、細い両腕、兄の腕が動く。両掌を相手に向ける。すると、そこから何かがあふれ出してくる】
【泥だ。ドス黒い、泥。兄の青白い手を覆い隠さんばかりにあふれ出したそれは、球体となり】
【眼前の彼に向けて、打ち出された。二個の泥の玉。バスケットボールほどの大きさ。スピードは大したことはないが】
【直撃すれば、鈍器による殴打程度の衝撃を受けるだろう】
【同時に、太い両腕、弟の腕から、何かは噴き出す。砂だ。弟の手の周りで渦を巻くように、砂が発生している】

【泥の攻撃を放ってから、兄弟はその場から動いてはいない。まずは、様子見ということか】

/遅くなりました、すみません! 改めて、よろしくお願いします!
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(山形県)<>saga<>2013/03/25(月) 20:35:40.36 ID:hBgW3ErYo<> >>840

――ヒャハハ、暗闇耐性忘れてたぜェ
まァー良い、そォっちは気ェ配で十分だからなァァアア

【さて、宝玉を回収して――さっさとずらかろうか】
【そう思っていた矢先、飛来するのは短剣――それを、風切り音や輝きで認識すれば】

【4つの脚と――"尻尾の先端の底面"を地面につけ、溶けかけた凍土を"滑る"】
【短剣のうち2つはそれで回避、一つも尾の側面にかすめる程度で済んだが――】

グゥゥアアアッ!?

【間違いない、正真正銘の悪魔だ――そう再確認させるのには十分な反応だった】
【掠めた程度でこの反応、――出血も掠めたにしては多く】

……ちィ、そォーいう類の物喰ゥらうと中々治らねェーんだぞッ!
そォこの糞野郎がァァアアーーッ!  神なんぞに祈る必要もねェ、なァぜなら……俺様がいィずれ"邪神"となるからだァァアアーーッ!

【以前にも、退魔の力を持つ――"聖なる力"にあてられ苦しんだ経験があるこの悪魔】
【故に、その後がわかる】 【だからこそ、その表情が一気に"怒り"にへと変わったのだ】

サポートにつけェ、"エルズペンタレグス"ッ!

【悪魔の正面に魔法陣が現れ、そしてそこから闇が現れる】
【その闇は、やがては形を成して行きそして――】

【形をなしたそれは、時折醜い唸り声を上げる明らかな異型の生物だった――】
【姿は、まるで半円に脚をつけたかのようなフォルムの化け物である】
【正面には蛇のような人のような顔、蛇のような牙、頭部と胴体部の区別は非常にわかりにくく、象のような短い足を4つ持っていて】
【大きな翼を持ち羽毛を生やし鱗の皮膚を持ち、そして、下顎が脚のように発達しており、地面にその底面をつけていた】

【その生物は一度強く羽ばたけば、そちらの両腕それぞれにめがけて、"銀色の鱗粉を持った羽根"が飛来する】
【大きさはおよそ60cm――この生き物の体長と同じ程だ】 【それはまるでカッターのようである】

【成功失敗問わず、悪魔は地面を強く蹴り近くの岩を背にするだろう】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(関西・北陸)<>sage<>2013/03/25(月) 20:35:56.47 ID:jqSIe6wAO<> >>842
【───暖かい】
【少女がまず感じたのは、そんなことであった】
【そうして杭を見、男を見て、最後に二人の女を見て】


あら、こんな所にこんなに人がいるなんて以外ね
──それとも、そっちの二人は人数に入れない方がいいかしら?


【どこか見下したような、そんな少女の声】
【問うているのは要するに二人の生死か】


そう……奇遇ね、私もあんたみたいな変なやつ求めてないの

私が欲しいのはそこの杭──というよりも中身、ね
それさえくれるならあんたのことは放っておいてあげてもいいけど?


【口端には不敵な笑みを浮かべ、両の眼で真っ直ぐに男を見て】
【目的の物を譲れば黙って帰ると提案しつつも、しっかりと身構えて警戒は緩めない】


ああ、それと、もしあんたもその杭が目当てなら───容赦はしないわよ?


【最後にそう、挑発的に付け加える】



/了解ですー <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(埼玉県)<>sage<>2013/03/25(月) 20:38:24.25 ID:y6mKmYhio<> >>841

【鎧は―――言うなれば、昆虫のような。或いはそれに象を足したような外見であった】
【淡黄色のそれは重厚すぎて、一体どうやって着て、脱げばいいのかという見当すら付かず】

【ガァンッ!=\―男の振り下ろす斬馬刀が、その頭部を捉えるのは実に容易い】
【言うなれば人が放牧された牛を狩るようなもの。それ程に、鎧側の抵抗はなかったのだ】
【落下し、周囲を僅かばかりだが大地ごと揺らし、刀で地面を割りながら動かないのだからまあ、当然ではあるのだが】


――流石にこんなところで待ち構えているだけあって、一筋縄じゃ行かないみたいね
でも一応は勧告しておこうかしら。アナタが機関かそれに準ずる組織の人間であるのなら―――


【鎧から声がする――と、同時にその背部が開放。まるで可変武具のようなそこから、人影が飛び出した】
【永久凍土という背景に溶け込みそうな、全身白で統一した将校服に、マントに近い外套――】
【そして手にはあの刀。特徴的なのは桃色の髪をロングのツインテールにしているという点か】

【そう、それはまさしく敵であった。少女とも、やや幼い成年の女性とも付かない外見の彼女は】
【自らの能力、その一端なのだろう鎧を『消し去って』から、男の正面に立っていて】


―――UNITED TRIGGERのアンジェル・ベルジュロンが、お縄を頂戴してあげる


【ニヤリと笑って、彼女は姿勢を左手を前にした『半身』へと移す。同時に、左の手足を前方へ】
【刀を持った右手と足は後方に引きつつ、まるで中華系の舞踊にでも登場するような体勢をとった】
【とはいえ、そこから先は無い―――かかってこい≠ニ言うかのように、刀の刃を煌めかせ。】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(関西地方)<>sage<>2013/03/25(月) 20:38:43.28 ID:e+QEOqLmo<> >>839

【――、『丁寧』なお辞儀に、返すのは乾いた双眸】
【可愛らしい、不気味 …、…そんな感情より、先行するのは警戒心】


…、…それはどうも、ご丁寧に。
俺は神鷹空人=\―、フリーの『旅人』だ。


【――旅人に、フリーも何も無いのだろうが】
【神鷹は、そう名乗り。 下げていた銃口を、直ぐに上げられるように、力を込めて】


     ――、 ッ!! 知ってても、教えねぇよ!!


【悪態と共に――、『紅く光る双眸』。】
【迫る黒羽根≠ノ対して、「回避」に思考を回すと――、足を、折り曲げ】


…、…何だか分からんが、取り敢えず、『やる気』だってのは分かった。
なら、お望み通り。 ――、相手して≠竄驍諱Aお嬢さん。


【次の瞬間――、『重力の影響が無くなった』かのような、大跳躍】
【黒羽根を回避すると、そのまま、家屋の屋根の上へ。 ――、銃を構えて、距離を取り直し】


【――、極彩色の蝶≠ェ、上空を舞っていた】



 【 ―― 】



【『スノー・ヴィレッジ』より、東に二百m。 ――樹上=z
【…、…その人物の、腰掛ける枝の周り。 『極彩色の蝶』が、ゆらめく】


「……、このマッチングが見られるとは、全くの『僥倖』、だな。
 それにしても『二人共』、鈍ってないもんだね。」


【双眸を開け――、呟き、和服の袖で雪に濡れた頬を拭う】
【表情は、喜色。 …、…視界≠、手にした双眼鏡に切り替えて】


「――、でも、嘘≠ヘいけないな、『神鷹空人』。
 君が『真なる君』を晒さない限り、ヨッシーちゃん≠ノは勝てないよ。
 仮令、戦闘には勝てたとしても  ―― 、 」


【 「 君の負けは、確定的だ 」 ―― そう、笑んで、呟いた】


/すいません、ご飯行ってきます
/ちょっと時間がかかるかと…… <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(京都府)<>sage<>2013/03/25(月) 20:42:50.36 ID:pSzhZUap0<> >>843

【剣を下ろす事無く、チラリと例の装置を見、視線を再び少年に戻す】
【その表情には変わりなく、腹が立つ程の笑顔が浮かんでいて、心情を読め無くしていた】

なるほど。そう言えば貴方達の目的は回収だけではありませんでしたね
しかし回収も目的なのでしょう?

【宝玉による装置によって、この氷の大地が解け始めているのを、その目に見る】
【既に足元には薄く水が流れていて、それがこの地に及ぼす危険をありありと物語る】
【そして静かに飛行を始めた少年に、"彼の戦術は風を用いた物だろう"という仮定を残す】

アルフォンスさんですね。覚えておきます
僕の事はエヴァンとお呼び下さい。恨み言を漏らすその時にはきっと役に立ちますから

【空中を浮翌遊する少年からの攻撃は無く、ただ静かに礼をするのみ】
【ならば甘んじて先攻を貰おうではないか。青年は三度、その青く輝く剣で空を切りつける】
【勿論、間合いの離れた位置からの斬撃など届く訳がない。剣先から鎌鼬でも出ない限り少年の肌を傷つける事は出来ない】
【もし鎌鼬の一つでも出ていないのなら、の話だ】

【三度煌めく剣閃に沿う様に、青色に輝きを放つ三日月の形をした飛翔体が三つ、少年へと襲い掛かる】
【吹き抜ける大気を切り裂いて飛ぶそれは、れっきとした物理的破砕に近い切断攻撃】

【有体に言えば、剣圧波という奴である】
【威力はそれほど高くは無い。せいぜいカッターナイフを振りかざした程度の裂傷を残す程度であるが……どうなるのだろうか】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage saga<>2013/03/25(月) 20:45:38.49 ID:t4gQiJsa0<> 【街中――路地裏の入り組んだ暗闇のその向こう】
【置き去られたようにぽつんと揺れる魔力色。黄緑と桜色のグラデーションを辿ったなら、その姿がぼんやり揺れて】
【遠目からなら余計に細く見えるシルエット――かつと高い靴の音がしたなら、少女だと察するのは難しくないはずだ】

――、……あれ、?

【路地裏を満たす暗闇よりも冥い黒髪は膝の辺りまで滑り落ちて、さらり揺れては涼しげに鳴る】
【長めの前髪越しに覗く瞳は満月を真似たような丸で。鮮やかに血色を湛えたなら――困ったよう、視線が逸れた】
【胸元で咲き誇る真紅のリボン、生成りのシャツ――広がった袖口が、その白い指先を隠しこんで】
【お姫様のラインでふぅわり膨らむジャンパースカート、チョコレート色に苺ジャムめいたリボンが揺れる】
【レースとリボンで飾ったソックスと、赤いシューズと――高いヒールがもうひとつかつと鳴いた】

【――さて、少女の立つ位置から一歩も要らないような位置。びちゃら響いたのは、水の音】
【地面に広がる赤色――でろり蕩けていたのは、ヒト、だったもの。それを窺わせるものも、もう数少ないほどに】

……なんで、

【口元に添えた手。その向こうで動揺したよな声音を零したなら、少しだけ違和感が】
【辺りに散った水飛沫、しゅぅと壁を侵す色合いは確かにこの場を照らす色と同じなのに、この少女が総てやったはずなのに、】
【まるでこんなの意識の外だと言うかのように――】

【――きら、と。少しだけ離れた位置で煌くのは、被害者が自衛団員だったことを示す、あかし】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<> !nasu_res<>2013/03/25(月) 20:48:13.21 ID:0yBd5on+0<> >>845

【飛び出した芋虫型の怪物はそのままギリギリと柄に喰らいつきながら接近を試みるだろう、まるで虎鋏か何かのようだ】
【だが大きさは精々30cm程だ、その気になれば振りほどいて吹き飛ばす事も可能だろう―――。】
【が、振りほどく前に凄まじい雷光が怪物を焼き払い、そのまま力尽きた芋虫型の怪物は、そのままぽとりと地面柄hと落下した】
【そして標的を変えた男の一撃が現れた影を捉えるッ!!】

グッ!!………てて、これだからこんな危険なブツを回収すんのはいやだって言ったんだ………恐いお兄さんがいるじゃないかッ!
ええいッ!こうなりゃやけだ畜生ッッ!!

【攻撃を予知し一度大きく跳躍して回避を試みる影―――その正体は赤いサンタのような衣装に身を包んだ銀髪の少女だった】
【電熱を回避しきれなかったのか、一度苦痛に顔を歪めるが、直ぐに体勢を立て直し、ショルダーバックに手を回す】
【取り出すのは手榴弾=c……少女の鞄からなんとも物騒なモノが飛び出すものだ】

【それを大きく振りかぶると思い切り青年に向けて投げつけるッッ!!手榴弾は改造してあるのか男の眼前で爆発を起こすッ!!】
【投げつけるのと同時に少女は再び杭へと接近を試みるだろうッ!】
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/25(月) 20:48:38.31 ID:aBkInNzwo<> >>846

ああ、そう云う性癖か……対比か要するに

【ひと目、それだけで彼らの拠り所たるモノを理解したのか】
【頷いてだがそれだけその理解を深めるつもりもない、なんせ敵同士】

悪いけどそうかいかないんだ、分かるだろ?
甘言にしたってもう少し上手くやってもらわないと乗るつもりにさえならないぜそれじゃ。

じゃ、そちらから―――――――繋いで3つ

【既に引き抜いた刃はそれだけで相手を否定している】
【響く音、ガラスの砕ける音は凍土に染み入るように3つ分】
【そうすればエルフェスの周りに漂う「銀色の粒子」意志があるかのように渦巻くそれはやがて掌に集まり纏まり】

(泥……?だけじゃないか……)

【集う光の中から引き出すのは「銀の刀」】
【切先から柄までが全て銀のそれは本来ある美術的価値をより押し上げるほどに眩く】
【同時にその刀身は怪しく仄かに赤みがかってさえ見える、危うさを湛えて】

……さてっ!それじゃあ片腕だって奪えない―――――貰う!

【駆ける一瞬、合わせる視線は迫る泥へ】
【ラインを通して身体を操る、一?は低く次は速くその緩急をもって泥の球を避ける1つ目】
【2つ目は刀の切先を合わせ外側へと弾くようにして、更に前に突き進む】

【横に薙いだ刀身を地面に垂らすように斜めに、凍った地面を線上に巻き上げながらそして速く】
【彼らの、弟の方へとその砂の準備を阻害する目的も合わせ。自分から一番近い肩を切り落とそうと右下から左上へと切り上げる】
【銀の一閃に躊躇いはなくだからこそ速い、ただ事前に理解して寸前に避ければ致命にはならないだろう】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(空)<><>2013/03/25(月) 20:49:31.44 ID:9esUXlRg0<> >>826

【近付く足音が聞こえるだろうか。風が、切り刻まれたかの如くその雰囲気を変える】
【敵意の世界へ、戦場へ。軋み、罅割れ、切り裂かれる闇のなか対峙する両者――――――】

【腰までの伸びやかな黒髪が、濡れ羽烏と呼ぶに相応しい色合いで】
【銀の混ざる橡色の瞳をして、濃藍のトレンチコートを纏った―――少女、だろうか】
【移ろい行く刹那を留め、硝子の様な雰囲気を漂わせる。】

【洞窟の戦場に姿を現わすのは、そんな形容の出来る人影だった。】


…………強者、か。
今宵この場の戦いに於いて、私は貴方を斬り臥せるだけの、“力” としての私になりましょう――――  

【闇のなかを輝く月、触れるもの悉く切り裂く刃 ―――― 天を仰ぐように向けた視線の先にある、月世界騎士の姿を彼女は認めた】
【紡いだ言葉は決闘の宣告が如く。さながら彼我の存在と、破壊すべき標的のみを認識するかの様に、風景を異物として意識から消滅させる】

――――――― 金翅鳥……ッ…!

【少女は剣の名を呼んだ。】
【構えるように振り抜く右手。その前腕に顕れるのは、継ぎ目のない漆黒の鎧だ。手の甲にまで張り出した先端部が鈍く光を反射して、】
【―――― 同時、もう一つの変化が訪れる。】

【霊鳥の形をした炎が虚空より生じ、その内より赤熱の如き光が浅い孤を描きながら伸びる。少女が其れを両手に取り、】
【その光が纏う、黄金の火の粉が音無く爆ぜ散って。現われたのは―――何処までも清冽に美しい、白銀の太刀だった】
【冷たく澄んだ刃の輝きは無謬。極限域の鋭利さを持つ刀身には金象嵌が施されて、その切先を、“敵” の首元へと少女は向ける】


【――――――― “彼を、そしてかの魔の装置を斬り砕くもの”、】
【己が存在を斯く定め終えれば、死地こそを其れは望むのだろう】

…………私は斃れるまで停まらない。
貴方はどうなのかしら “機関” の尖兵―――――― ……覚悟は、準備はもう終えた?

【凄絶なる剣気をその身に纏い、孤剣の少女は闇馳せる忠犬、月世界騎士の牙城に挑む】
【その戦意は鬼気すら感じさせるものだったが、後戻りを捨てた者特有の、薄刃の如き悲哀を含みもしていて―――― 】

/すみません、遅れました……ッ。よろしくお願いします……! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(空)<>saga<>2013/03/25(月) 20:50:41.95 ID:9esUXlRg0<> >>826
/>>855にもう一文追加です。

【彼我の距離は約3メートル。先手は、彼に委ねられるのだろうか】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>saga<>2013/03/25(月) 20:54:39.17 ID:T6wsJpDPo<> >>844

【――冷気とは、違う。もっと深く、冷たいのにどこか、怨念めいた"畏怖"を感じる"感触"――】
【触れられているのか、むしろ捕まったというべきか、死の世界へと誘う様にも思えるそれが――】
【セリーナの背中、感覚を貫き視覚へと訴える――ヴィジョン、幻覚。】
【しかし咄嗟にはそうとも思えない、銃口を突きつけられたままのように硬直して――セリーナは息を呑んだ。】

【――――ただ、その瞬間に腰元から、神速で彼女の"相棒"が引き抜かれたのは、言うまでもなかった。】

(――――ッ!?この感触は一体―――何だっていうのさッ!?)
(まるで首元に鎌でも置かれたような、ゾッとするような"気分"――ああ、そうかい。こいつは――)

【――只者ではない。こんな圧倒的な空気を、威圧感を生み出せる存在はセリーナの勇猛さを持ってしても、まさに"規格外"といえよう。】
【しかしそれでも圧し切られる事は無く、セリーナは引き抜いた"愛銃"――"弾"末魔を、片手で構えた。】
【――ゆっくりと、揺れるように魔力の波紋が――"弾"末魔から広がっていく――それは静かでも確実な、戦闘開始の合図。】
【――いつでも撃てるぞ、という――セリーナの意思の表れ。】

・・・こちらこそ、お会いできて光栄だよ、ミスター・レギン。名前を呼ぶだけで吐き気を催してくれるなんて、才能あるよおにーさん!
知っての通り、アタシはセリーナ――セリーナ・ザ・"キッド"。
UNITED TRIGGERのリーダーで、賞金稼ぎ。そしてただの――ガンマン、さ。

――アンタが昨日大騒ぎを起こしてから、大変だったんだよ?あっちこっちで大騒ぎになって、酒場で酒も飲めやしない。
てなワケで今、アタシはアルコール切れでちょいとばっかし、"気が立ってる"――あとそう、これは個人的な話だけどおにーさん。

――アタシね、六罪王って大嫌いなの。

【――感じたのは危機。リリアに続き、またしても相対するのはカノッサ上位の大幹部――六罪王】
【しかも今度は隣にカズネのような頼れる仲間はいない――完全な1on1だ。】
【この男が外見上、とても強力な力を有していると思えなくともそれは戦力の判断にはなりえない。】
【何故ならば自分の知る限りでは、六罪王の一人は「老人」の身体に「悪魔」と思わしき存在を隠す事が出来る程、強力だったからだ。】
【彼も何かを隠し持っていて不思議は無い――油断は今度こそ、死を生むと判断し――セリーナは装置から一歩だけ離れ――瞬間】
【ハンマーを起こした状態だった"弾"末魔のトリガーを、引き絞る――放たれた銃弾はシリンダーを介し、バレルを通過する中途で】
【術式により魔力弾へと変換、跳ね上がった銃口から飛び出したその時にはもう、紫色の"魔弾"と化していて――】
【直線上、真っ直ぐにどこまでも、正確に――レギンの頭部を狙う。】
【威圧感に身を貫かれながらも、ガンマンの狙いはぶれる事が無い――ッ!最初の一撃は先ず、セリーナによって穿たれた。】

――どいつもこいつも、揃いも揃って相手を見下して、ヘラヘラしてるようなのばっかり。
その人を舐めたような態度――着任二日目で悪いけど、殉職してもらうよッ!! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<> !nasu_res<>2013/03/25(月) 20:57:29.92 ID:0yBd5on+0<> >>847

【聖の力にもがき苦しむ悪魔を見て、ニタリとフードの下で笑みを作り両手の懐中電灯を構え直す】
【まるで双剣を構えるかのようなその姿勢―――そこへ飛来する"銀色の鱗粉を持った羽根"―――このまま串刺しか………?】
【キィンッ!だが次の瞬間にはそれらの羽は何か金属音と共に弾かれる―――それは】

【懐中電灯の光―――なんとそれが鉄のように硬質化して羽を弾いたのだ、まるでそれは光り輝く剣のようだ】
【だが完全には弾き切れずに、ポタリと両肩から血が数滴垂れる―――。】

ふ、やはりそれは効くようだな………ならばもっと味あわせてやろう………行くぞッッ!
貴様が邪神に………?笑わせるなッ!この低俗な悪鬼がッ!貴様はこの場で消え去る運命だッッ!!

【悪魔へと駆け出すとそのまま両手の光の剣で胴体を切り裂こうとX字状に斬りつけるだろうッ!!小柄故に速度は速いッ!】
【だが些か重さが足りていない一撃だ………さて悪魔はどう対応する?】
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>saga<>2013/03/25(月) 20:58:09.40 ID:wfmDyV16o<> >>850


……そうですか、残念です――『神鷹空人』……お兄様?


【ウェル子は、神鷹の大ジャンプを、逃さず目で追う】
【さて、距離を取れば、与しやすくなると、きっと彼はそう思ったのだろう】
【だが――】


…………お相手してくださるとは、光栄です


【パッと、黒く瞬くのは、神鷹が回避した「黒羽根」だ】
【なんと黒羽根は、瞬間的に「一羽のカラス」へと変貌した】
【どうもこのウェル子なる少女――「羽根」から「カラス」を生み出せるようだ】


――後れを取らないでくださいよ? 今宵の、わたくしの、パートナー様?


【――刹那、そのカラスは、神鷹の跳躍の軌道を辿るような経路で飛翔】
【勢いを保ったまま、その鋭利なクチバシを、神鷹の右肩辺りに突き立てんと、迫り来るだろう】

【だが、このカラス、実は脆い=z
【カラスが気絶する程度のダメージを与えれば、その瞬間に消滅してしまう】
【何かしらのキッカケで、この事実に気づければ、或いは戦闘の行方も変わってくるか――】


【――――と、そんな中、ウェル子の目端にひっかかったのは、どうにも無視できない£アであった】


…………どうも……≪R.I.P.≫時代を、思い出しますね…………


【と、やや溜息混じりに、ウェル子は独りごちた】
【……もしかすると、神鷹も知るかもしれない――≪R.I.P.≫なんて、実に懐かしい名を】



/はーい大丈夫ですよー、ごゆっくり! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/25(月) 20:58:27.19 ID:crv3/Ngeo<> >>851

【煽るような笑顔に苛立ちこそないものの、精神的な頑強さのある相手は常に厄介だ】
【剣士であるならば宙を自在に舞える自分に不利はない。ただし、接近されてしまえばその限りでない】
【どう来るかと待っていたところに見えたのは、一見して無駄な単なる斬撃。それの意味するところはすぐに分かった】

【鎌鼬にアルフォンスは即座に反応。腕輪のある右手を目の前に掲げて魔翌力を集中。圧縮された大気による壁を形成】
【本来であれば高速で作り出したために防御性能は低いが、カッターナイフ程度の切断であれば十分に防げると判断】
【魔術師らしい防護壁によって飛翔してきた三日月の刃を相殺して防ぎきった】


恨み事を言うようなことになりますかね?
ただ互いの物理的な力をぶつけ合うだけでは退屈だ。お喋りでも追加しませんか?
議題は昨今の正義・悪という奇妙な分類について


【両手の指をエヴァンへと突き出して向ける。その先端から空気の弾丸が次々と生成されて発射される】
【それらは全て塵を含んで白濁色に見える。命中すれば小さな衝撃が発生する塊が高速で撃ち出されていく】
【一つ一つが小さい分速いが、近接戦闘が要である剣士の動体視力をもってすれば弾くことも避けることも可能だろう】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(愛知県)<>saga<>2013/03/25(月) 21:03:41.05 ID:y2UQn8wlo<> >>849
【当てるのだけは、非常に簡単だった。だが抵抗は無い。恐らく、まだ殺せていない。】
【当たり前か、と思いつつ、舌打ちをして、斬馬刀を片手に握り替えて鎧から数歩分の距離を空けた。】

【鎧から声がし、その鎧の背部から、人影は飛び出した。手には先程の鎧と同じ刀を持っている、女。】
【否。永久凍土の使いかと見紛う様な、白色の、少女だ。】
【少女は問いかけた。貴方は機関の関係者か、と。男はそれに。「言わずとも分かるだらぁ」、と。】
【妙な訛りを含んだ言葉遣いでそう言ったのち、咳払い一つしてこう答えた。】


  教えてやる、字は菅野、名は康作。


  ――――――――カノッサ機関の眇目の神風也。其の縄、断ち切らせて頂こう。


【鎧が跡形も無く消え去った。つまりは、彼女もまた、異能の類を所有する物なのだろう。】
【なれば、この神風≠ェ斬り飛ばさんとする理由としては十二分。】
【剣を構える少女へ向けて、右足で永久凍土の大地を蹴り飛ばすと、】

『バァンッ!!!!!!!』

【と言う音と共に、菅野康作の身体が急加速する。】
【先程の加速とは、倍ほども違う、凡そ人間の域を超えた高速移動術と共に。向けられた剣に、構う事も無く。】
【斬馬刀を肩に背負うように思い切り引きながら、真正面≠ゥら少女斬り崩さんと突撃する。】



    ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ オ オ オ オ オ オ オ オ オ オ オ ! ! ! ! ! ! ! ! !



【そうして、進行を妨害されなければ。例えその身を切り刻まれようとも、右上から左下へ、袈裟斬りに斬馬刀を振り下ろす。】
【死をも恐れず、わが身は二の次、第一に敵を斬り棄てんと、神風は加速≠キる―――――!!!!!!!!】



/申し訳ありません、次レス遅れます!! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>saga<>2013/03/25(月) 21:05:08.82 ID:bKt52Hiyo<> >>848
【ガシャンーーーガシャガシャ…ガシンッ!】
【少女の言葉に返す声はなく、男が右腕は変形し、展開し、禍々しく巨大で恐ろしい姿となっていく】
【ギザギザした刃の様な三つの巨大な爪、その中心に空いた孔ーーーまるで魔獣の口のような、凶暴な右腕】

死ね

【返す言葉はただ一つ、脈絡も理由も何もかも、全ての足りないただの殺意の言葉のみ】
【ただ、一つ違うのは、立った今吠えた狂気が嘘のように、落ち着いた冷徹な表情と声となっている部分】

【傍に倒れている銀髪の女を義手で持ち上げると、人形の様に力の抜けた女を確認する事もなく振りかぶりーーー】
【目の前の少女目掛けて、思い切りぶん投げるッ!】

/ただいま帰りました <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2013/03/25(月) 21:07:29.73 ID:A0z47xwOo<> >>853

【その姿を目の前に現せば、ほう、と感心した様な吐息が漏れる】
【相手は庇護のもとにありて相応しきような、幼い子供の姿であり】
【相手は戦場において力認められるに相応しき、力の持ち主であったからだ】

お兄さんか、そう言われるのも多少は嬉しいですがね
なにぶんこれでも、もう中年に一歩足を踏み入れたような年ですから

【身体を投げ出した形の今、ウォーハンマーは振るうに適した位置に構えられてはいない】
【引いた腕が相手に届くには一手足りず、ぐ、と縮めた下膊の筋肉に力が溜められる】

幸福なるかな心の貧しき者天國はその人のものなり

【振るったウォーハンマーは、真芯を捉える事は叶わずとも手榴弾を二人から離れた方向へ弾く】
【けれどもいくら手榴弾の発破の方向が縦であるとはいえ、ただで済むはずはない】
【袖から除く右腕の手の甲は焼け、火傷の一部は皮を剥がして肉にまで達している】

幸福なるかな悲しむ者その人は慰められん
幸福なるかな柔和なる者その人は地を嗣がん

【またしても弾けるような雷の前兆音。先程のように杭への道を閉ざす事は出来なかったものの】
【相手を挟んで男と杭との間に走る延長線上に、多少の光を伴う電熱が道のように走るだろう】
【方向は一直線、横に逸れれば回避は容易だが、杭への道から一度遠ざかることとなる】

【――実のところ、男の弾き出す雷光は、今のところその熱量は多大であるものの、光や衝撃はさほどでもない】
【雷に打たれた者はまるで殴られたような感覚を受けるというが、もし雷光が直撃したとしても感じられるのは多大な電熱のみだろう】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<> !nasu_res<>2013/03/25(月) 21:12:22.02 ID:0yBd5on+0<> >>857

【セリーナが明らかな敵意をこちらに向けている事を理解した上で、二へラと柔和な笑みを作り肩を竦めて嗤う】
【ゾゾゾゾゾッ!っと正面に立てばさらにその悪意の権化のような雰囲気は増して、レギンの足元には無数の亡者が見えるような錯覚を与える】

【だが次の瞬間には―――セリーナによって高速で撃ちだされた弾丸がレギンの頭部を目がけて放たれていたッ!!距離的にも回避は不可能ッ!】
                     【―――しかし】

―――。いきなり撃つなんて酷いじゃあないですか………それに私は貴方のような気高い正義≠持つ者は大好きですよ…?
そうそう、あの金獅子≠フように狂気で染め上げてどん底に落としてしまいたくなるッッ!!ヒヒッ!

【銃弾はレギンの頭部を捉える事はなかった―――頭部へあと数cmと言う所でレギンが高速で右手で振り弾いたのだ―――。】
【紫色に変色した魔翌力の弾丸を、レギンは右手の中でコロコロと弄りながらセリーナへと視線を返す………蛇の瞳が獲物を捕らえたかのように】

【だが流石にノーダメージではないのか、右手からはうっすらと血が床へと垂れる―――どうやらこの男にも紅い血潮が流れていたようだ】

流石―――大した腕前で………ですが、この戦いも、これからこの国で起こる騒乱≠焉c……まだ始まったばかりですよ…?

【ドンッ!!という音を立ててレギンの全身からどす黒いオーラが溢れる―――触れただけで毒されそうな、そんな歪なオーラが】
【それはぐにゃりと蛇の頭のような形に変化すると、セリーナの胴を目がけて凄まじい速度で放たれるッ!!そのまま遺跡の壁に叩きつけるつもりだッ!】
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(山形県)<>saga<>2013/03/25(月) 21:12:36.21 ID:hBgW3ErYo<> >>858

グゥゥム、あの光……やァはりたァだの懐中電灯じゃあねェーか

【防がれた羽根は近くの地面にへと落ち、――何をするわけでもなく】
【ただ、地面に少しばかりの"豊穣"を与えるのみ】

ヒャハハハ、――低俗なァのはテメェーのような人間共だァァアア
皆等しく俺様の下の存在ッ!

消ィえ失せるのはテメェーの方だァァアアーーーーッ!

【――しかし、今の悪魔は体長4メートルと……大きめだ】
【それ故に、回避の力は低下して……――】 【……だが、先程の"滑走"】
【よく見れば、四足の爪は上向きに反っていて――足の裏も、滑りやすい性質を持つ】
【それは、この溶けかけた凍土で移動するのには――"うってつけ"】

【まず、岩を蹴り自身の右側へ向けて滑る――その光の剣が捉えたのは、左腕だった】
【やはり、"効果てきめん"】

――死ィねェェエエーーーーッ!

【右腕で左腕を抑えるも溢れる禍々しい血液、明らかなダメージの大きさ】

【その滑りの勢いのまま方向転換】
【そして、そちらに対して体当たりをしようと――迫り来るッ!】
【その体当たりの際、右腕を振るって"斬り裂こうとする"――これは相手の回避行動の際に、少しでも引っかかれば儲け物という考えだ】

【また、悪魔が召喚した生き物は――今現在のそちらの背後へ向けて羽ばたき移動する――距離はおよそ5m前後だろうか】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(関西地方)<>sage<>2013/03/25(月) 21:14:11.32 ID:BA08C1uYo<> >>854
『ほう、よくわかるな。そういうこった。対比ってのは、この世で一番美しいんだ』
「色違いでさえなければ、その眼を持ち帰りたかったところだがな」

【あっさりと、自分たちの性癖を看破されたことに、わずかに驚きを見せる】
【しかしそれもすぐに消える、戦場において敵対する相手を目の前にしているのだから】

「生憎、口のうまい方ではないのでな。まあ、言ってみるだけなら、別に損もないだろう? ……む?」
『なんだあ、この音は? てめえの能力か?』

【自らに向けられる刃のもたらす否定に、同じく二人分の悪意で否定を返す】
【次いで、響き渡る音。この場においては、不自然ともいえる、ガラスの砕け散る音】
【自分たちの能力である泥と砂と同じく、意志あるもののように銀の粒子が動き、四つの眼に映る輝く刃】
【美しさと恐ろしさを兼ね備える銀が、白と黒の瞳に飛び込んでくる】

【途端、駆け出す、彼の姿。あえなくかわされ、いなされる、泥玉】
【迷いなく放たれた刃は、狙いたがわず、砂を発生させていた、弟の左肩へと迫る】
【兄弟はとっさに彼から見て左側へ飛びのくが、彼のほうが早い。切り落とされることは避けたものの、弟の左腕が切り裂かれ、本日最初の鮮血が舞い上がる】

「ぬうっ……!! ……素早いな。だがこちらとて、そうあっさりとくれてやるわけにはいかんな」
『いってぇ!! やりやがったな、この野郎!!』

【双子は、それぞれ普段通りに言葉を吐くが、内心では焦燥を感じていた。彼ほどの強者なら、気づいただろうか。弟の腕が切り裂かれたと同時に】
【その腕にまとわりついていた砂が、消滅したのだ。泥や砂の発生している身体部位を攻撃されると、能力の発動がキャンセルされる。双子の弱点が、露呈されたのだ】

【双子が、反撃に出る。弟が口を大きく開ける。そこから吐き出される砂。空中で渦巻き、一本の小型の槍の姿を形作った。間髪いれずに打ち出される】
【くらっても、大したダメージはないが、先ほどの泥に比べて、格段に速度は速い。至近距離にあっては、回避は難しいか】
【さらに、兄が次の手に出ていた。弟が砂の槍を吐き出す直前、兄の感覚下にある胴体の左足から、泥がにじみ出ているのだ】
【泥本来の流体然とした姿。それが、彼の足もとへと、低速で広がりつつあった。もし、それの泥を踏んでしまえば】
【泥はその足にまとわりついて、動きを鈍らせようとするだろう。弟の攻撃への援護。動けば容易に振り払えるものだが、この一瞬においては、その影響は小さくはないはずだ】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(京都府)<>sage<>2013/03/25(月) 21:19:46.78 ID:pSzhZUap0<> >>860

【ボンッ、と軽快な音を立てて剣圧波は弾かれる。それを放った青年は感心の念を抱いた】
【確かに先ほどのはそう強い攻撃ではない。魔弾の様に速い訳でも無い。だが少し強いだけの相手ならあれでも何らかのダメージを負う事は間々ある】
【それを見事防ぎきって見せた。顔に出して思ったわけではないが、この少年は出来る人だ、そう思った】
【だがそれは彼にとってある確信を持たせた。其れは、この少年への戦い方】
【遠距離 魔術 破砕及び切断――それに対する戦術は――近距離 物理 貫通―】


ああ、その話題はあんまり聞きたくありませんね
正義って言葉が……嫌いではありませんが聞き心地が良くないんです


【本来なら水分を含み摩擦が限りなく少なくなった大地に脚を捕られ、転倒してしまっても可笑しくは無い】
【だが彼の靴に巻かれた爪――アイゼンと呼ばれる金属の爪が大地を掴み、それを許さない】
【その瞳は襲い掛かる弾丸を捉える。避けれる分は器用に肉薄し、避けきれない分を剣を小刻みに動かして弾いていく】
【地面に着弾した分が氷を破砕し、白煙の様に足元を覆い隠していく。弾けた風によって小さく付いた切り傷以外には目立つ傷を負う事無く凌いで見せた】


しかしお話がしたいのなら一向に構いません

それで、"正義"と"悪"に関しての何をお話ししましょう
何を以って正義と悪とするか、の定義ですか?


【再び青年の攻めの時。青年の左手が青い輝きに包まれる】
【それは忽ち鋭利なツララへと姿を変える。柔軟性と剛性を合わせ持つ風の鎧に切断や破砕の攻撃は有効とは言えない】
【鋭い刃を持つ氷の其れをアルフォンスへと投擲すると、エヴァンはツララの後ろに隠れる様に大地を蹴り、少年への接近を試みる】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<> !nasu_res<>2013/03/25(月) 21:25:10.11 ID:0yBd5on+0<> >>863

【轟ッッ!!っと放たれる凄まじい電光の一撃―――少女は咄嗟に横に飛び退いて回避を試みるが右肩は電熱を直撃する】
【「ぐぅぅぅッ!」というか細いうめき声と共に、少女の右肩は熱により白い湯気を上げながら焦げてしまっている】
【目下に涙を溜めながら、少女は男を睨みそして再び立ち上がる―――そうやらそれ程戦闘慣れはしていないようだ―――。】
【そして杭への距離も、先ほどの回避で随分と放されてしまっていた。】

ああそうオッサンッッ!!なんかよく分からない事をぶつぶつ言っててキモいなッ!
まだギリギリ十代のうら若き乙女を傷物にしやがってぇぇぇぇぇぇぇぇlッッッ!!!

【随分と元気そうに叫びながら再びショルダーバックに手を入れる、今度取り出すのは小さな拳銃だ―――それを男の肩目がけて標準をつけ】
【引き金を引く―――至って普通の弾丸だが、これならばウォーハンマーの速度を上回ると考えたモノだ、だが実際はどうかは分からない】
【そして再び杭を目指して移動するが、ダメージの蓄積、そして銃撃中とあって些か遅い…介入は可能だろう。】
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(関西・北陸)<>sage<>2013/03/25(月) 21:25:37.93 ID:jqSIe6wAO<> >>862
あんた、会話が成り立たないタイプ?
だったらめんどくさいわね……

【そう言って、はあ、と溜め息一つ】
【男の腕が変形しようが知らん、と言うような、無関心とでも言うべき表情で】
【そして両の剣を体の前で構える】

人間投げたら良心が働いて受け止めるかな、とか思った?
──生憎、見ず知らずの、敵か味方かもわからない相手は適当に扱うのよ、私

【言うが早いか、投げられた女に長剣の柄を向け】
【そして叩き落とす様に斜めに振り抜き、初撃を回避】
【悪いわね、なんて謝るのは心の中でだけ】

さて、その物騒な腕、切り落としてあげるわ!

【次の瞬間、工場の中に二筋の光が走る】

【少女は一気に間合いを詰めると、男の左手側へ回り込むように跳ねて】
【そのまま男の方へ身を捻りながら長剣を右から左へ、腹辺りの高さで振り抜く!】

【勢いのまま一回転して着地すれば、少女は男の方を向いて】
【そしてまた、両の剣を構えるだろう】
【しかし初めに接近した際に攻撃を食らえば、跳ぼうとしていた体はバランスを崩し、攻撃は失敗となるだろう】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(埼玉県)<>sage<>2013/03/25(月) 21:27:27.55 ID:y6mKmYhio<> >>861

(櫻風の名前……それに大きな刀。いえ、あそこまで行くと刃物、って感じかしら?)
(どっちにしても、それに加えてあの体格となると恐らくは真っ向勝負のタイプ)
(底知れぬ恐怖≠ネんて奴らより、よっぽど人間らしくて良いじゃない……、…………ッ!!)

【マント――白色の外套を左手でとっさに手繰り寄せ、自らの視界を土砂から守る】
【そうなればまた状況は同じだ。いや、むしろこちらからすれば――好機でもあって】

【ただ斬り捨てる事を念頭に置いた菅野の一撃、それを掻い潜るように少女は接近≠オた】
【自分から見て左、つまり男の右側。腕の下をすり抜けるようにして、華奢な体を躍らせる】
【そして通りざま――指に紙をあてて引くように、深傷でこそ無いが痛み、出血する―――】

【そんな傷を付けようと、刀もまた躍りつつ男の右脇腹を狙い、すり抜ける】
【結果的に二人は背を向け合うことになるのだろう。一先ず、少女の損害は――あぁ、外套が根こそぎ切り落とされている】

流石に、って言葉を何度も使うのは嫌だけど……わざわざ大振りな武器を持つだけある。
剣術に疎い私でも『凄い』と思ってしまうのは、きっと単に勢いだけでは無いんでしょうね……?
そう、それこそ例えば気迫だとかを感じさせるまでの使い手なのか……能力≠セったりして

……まあ、どっちにしたって負けるつもりはサラサラ無い…っ!
縄を断つと言うのなら、こっちはアナタの健を斬って引き摺るまでよ――!

【そう、だが無傷。随分と良い動きをしていたが、それでも彼女は剣術に疎いという――ほんの小さな矛盾が在り】
【それはともかくとして、彼女はまた刀を構える。相手に傷を与えることが出来たのなら、何やら輝きを増した刃を翳し】
【また一方では将校服の胸部に輝くバッジを左手で外す、と――――】

【―――刹那、閃光が走ると共に、アンジェルの左手には一羽の鷹が居た】
【何もかもが鋭いそれは、少女の指示に従ってか空に跳び―――人の目すらも抉る爪で、上空より菅野に襲いかかる―ッ!】

/了解いたしましたー! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/25(月) 21:27:49.75 ID:aBkInNzwo<> >>866

職業機関員の癖に美しさなんか説くとはね……随分と良い趣味してるよお前達っ―――――!?

【切先はしかし切り落とすには足りず、ただ鮮血をあげるのみ】
【ならば次の手に進めば良いと更に踏み入ろうとすれば足に絡まる何か】
【前のめりになる身体をなんとか押さえ地面を見ればそれは泥】

(ややこしい……でも泥全てを操る訳じゃないのは幸いか?……っ来る!)

【凡そ人とは思えないその能力、口から吐瀉される砂など聞いたこともない】
【驚きに目を見開く間も無く身体を瞬時に動かす、姿勢を大きく下げて右手を地面に】
【僅かに遅れてその頬に赤いラインが刻まれる刹那に視界を横切った殺意に怖気ながらも、次……】

縛れるのは趣味じゃないんだ!拘束を、断つ!!

【左手に握り直した刀にて地面を、というより纏わり付く泥を自分から切り離そうと円状に振る】
【刀には少しの「結界」の効果、それはつまり泥同士の接続を一瞬でも断つ効果を生むと期待して】

【成功したならば地面についた右手を支点に上へと跳ぶ、身軽なエルフェスだからこそ出来る動作で兄弟の頭上を越え】
【更に高度を得たならばその瞳で目的の「宝玉の欠片」を探すだろう、真の目的は即ちそれなのだから】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/25(月) 21:33:25.42 ID:crv3/Ngeo<> >>867

【避け続ける青年を捉えようと機関銃と化した両手を向け続ける】
【しかしその全てを尽く避けられ、また当たるかと思った弾丸は剣によって切り払われた】
【素早い反応と動体視力の高さが合わさって可能な防御だ。流石と思わざるを得なかった】

【弾幕が終わった瞬間に敵は攻撃の手を整えてきた。瞬時に形成された氷柱が凍える空気を貫いて肉薄してくる】
【更にその背後にエヴァン自身が続く。攻撃と防御と、更には接近すら同時に行なう完璧な一手だ】
【受ける側に回った以上、感嘆している余裕も対応を吟味している時間もなかった】


くっ……!!


【苦々しげな息を漏らして、ただ愚直に氷柱の軌道上から右に動くことで命中しないようにする】
【即座に右手を突き出しその先端に大気を圧縮。手と同じ程度の大きさの球体として発射】
【効力は先程の弾丸と同じだが大きさに比例した衝撃がある。更に速度に変化がない】

【しかし所詮は一発。それ以上を打ち出す時間的猶予がなかった。避けるのは容易だ】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2013/03/25(月) 21:36:23.01 ID:LyhkI9Poo<> >>852
【かつり】【コンクリートを靴底が叩く、乾いた硬い音】
【数度その音は続き、次第にその音量を増していく。接近している事が判るだろう】
【暗闇の中に浮かび上がるのは、一対の蒼。不安さすら感じさせるほど鮮やかな、水色の虹彩】
【その虹彩を持つ瞳は細められて、目の前の少女を射ぬかんとばかりに見据えていた】

へェ――、お前さんがやったのかい?

【瞳の持ち主から発せられるどこか馬鹿にしたような半笑いの声は、女性のもの】
【悪意を溶かしこんだ様な、隅から隅まで徹底的に敵意を向けるような気配が当たりに満ちていく】
【ちかり】【電灯がちらついた。ちらつく電灯は次第にその光量を安定させていき】

なかなか愉快な殺しっぷりの様だが、しみったれた顔してんなァ、お前さんよ。

【犬歯を剥き出しにするような、獣性を漂わせる笑みが電灯に照らされる】
【そこに立っていたのは、一人の女だ。坊主に近いベリーショートの金髪が異様に目立つ】
【服装は、レザーパンツにレザージャケット。所々に鋲をあしらったデザインはレザーアンドスタッドのスタイルだ】
【四肢にはまるで枷のような重厚感あふれるアンクレットとブレスレット。右腕のブレスレットにはNo.99と刻まれている】

自警団か、これ。
いやあ、ひっでーな、こんな事する奴の顔が知りたいもんだな。

【首輪のようなレザーのチョーカーにぶら下げた鎖を擦り合わせつつ、女は死体の横まで移動して】
【自警団の証を見下ろして、ニヤリニタリと相好を崩していた】
【少女の心を刻む様な言葉を口に出しつつそこに佇むのは、気まぐれか命知らずか】

/*マダイマスカー*/ <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<> !nasu_res<>2013/03/25(月) 21:36:23.76 ID:0yBd5on+0<> >>865

【斬撃の手ごたえもつかの間―――次の瞬間には巨体が前方へと迫ってきている、瞬間的に後方へステップするが―――】
【このなめらかな凍土の上では上手く足場が保てない―――ッ!突進は回避したものの次の右腕の一撃は回避しきれず女性の右腕から鮮血が舞う】
【一度うめき声のようなものを上げるがすぐにもう一度バックステップし距離を取る―――戦闘慣れはしているようだ】

そのような小物じみた発言が低俗だと言ったのだよ悪霊―――。
                      邪神などとのたまう割には随分と力任せ≠ネ攻撃しかできないじゃないか………?

【女性は左手で右腕を抑えつつそのまま右手の懐中電灯を振るう―――すると、光の刃が、伸びた<b!】
【それは悪魔の右肩を貫こうと生き物のようにうねり、鞭のようにしなり、悪魔へと向かっていくッッ!】
【さらに女性はそのままこちらへ接近しつつある魔獣へと牽制とばかりに退魔効果のある短剣を二本、投げつけるッッ!】7

【とはいえ短剣の投擲はかなり狙いが甘い―――簡単に回避できるだろう】
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(関西地方)<>sage<>2013/03/25(月) 21:44:32.37 ID:BA08C1uYo<> >>871
『おいおい、俺らが機関員であることと、一対の美しさはまるで関係ねえぞ』
「そうとも、この世の誰がどう言おうと、対比はそれらと関わりなく、ただ美しいものだ」

【足から放った泥は、狙い通りの効力を発揮したようだ】
【しかし、その不安定な状態から砂の槍をかわされるとは。双子の本命の攻撃は、直撃には至らず】
【その的確な判断と素早さに、双子の警戒心と悪意は一層強まる】

【続いて、振るわれる刃。刀のもたらす結界は、彼の狙い通りに泥を断ち切った】
【左足から放たれていた泥は、接続を断たれたことで、効力を失って消滅。彼は拘束から解き放たれる】

【さらに、自分たちの頭上を飛び越えるという芸当。その身軽さがもたらす離れ業に、双子が目をむく】

「チッ、身軽なやつめ!!」
『だが、そこからこいつをかわせるかよ!?』

【華麗に宙を舞う彼へと向けて、四つの掌から、砂が吹きあがる】
【高速で迫る砂は、集まって二つの刃と化し、空中の彼を狙いうたんとする】
【さらに、兄は彼の落下するであろう地点にあたりを付け、再び泥の玉を撃ち出す。今度のものは一つだが、先ほどのものより大型だ。威力も、先の泥玉より高いが、速度もさらに遅い】

【空中の彼の眼には、映るだろう。兄弟の背後に鎮座する、「杭」が。そして、そこから放たれる「熱」も】
【宝玉がそこにあることは、容易に察しがつくことだろう】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(大阪府)<>saga<>2013/03/25(月) 21:46:33.43 ID:ENWuLmj50<> >>855

【足音! それが示すのは、この邪悪を討つ者の到来。】
【シルベは其れを聞き逃さぬ。眼光が射抜く。剣めいた気がぶつかり合う!】

【そして3mーーその距離は、近接戦闘において『絶妙』!】
【踏み込み一つ、刀一振りでゼロと化す、儚い間合い! 故に空気はピリピリと張り詰めるッ!】

フゥン……『上物』よ。
物哀しく儚くも凄まじき気迫! 死地に赴く者はこう在らねば。

そしてその武装! 敵ながら天晴れの『美』!
華美且つ、機能的ッ! 戯れめいた美の追求! ……強者にこそ、見合う物よな。

【そして矢継ぎ早に紡がれる『賞賛』ッ!!】
【そう、賞賛! 紛れも無い、賞賛の言葉だ! 何故だ? 何故敵を賞賛するのか!】

【其れは『敬意』だ! 討ち滅ぼし合う敵であれど、彼は強者には敬意を払う! なんと歪な、武士道的精神よ!】

……覚悟? フン、愚問よ。俺はカノッサ機関に……罪神スペルビオ様に仕えし『騎士』!

最早覚悟等という言葉! 我が頭蓋の中では常に! 山彦めいて反復しておるわ。

我が名は《No.18》……シルベ・ドーンナアブ。
そして与えられし名は『月世界騎士』……死に急ぐ小娘よ、此処を貴様の死に場所にしてくれる。

【『冷える』】

【木漏れの月光に照らされた針葉樹林が、冷える。宝玉の力か、気温は和やかだと言うのに。】
【精神的ーー精神の刃を冷やすような、そんな『冷気』!】


【…………?来る?ッ!!!!】

ーーーーーーーハァァッ!

【杭を軽やかに蹴り、空中へと舞い上がるーー月世界めいた三次元軌道!】
【そして空中より来襲! 獲物を捉えた鳥のようにーー】

キェェェェィアッ!!

【頭蓋を叩き斬るように、小太刀の一振りッ!】
【人間離れの『身体能力』! ナンバーズの名に恥じぬ、凄まじいパワー!】
【落下の勢い! そして小太刀が纏う月光的オーラエネルギー!】

【其処から繰り出される小太刀の一撃は当然、強烈!】
【だが八櫻もまた、強者! 対応手段は、幾らでもある筈!】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(関西地方)<>sage<>2013/03/25(月) 21:46:37.98 ID:BA08C1uYo<> >>875
/すみません、 四つの掌から、砂が吹きあがる→二つの掌から、砂が吹きあがる
/に訂正でお願いします。能力に関わることですので……お目汚しすみません <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>saga sage<>2013/03/25(月) 21:47:37.81 ID:A0z47xwOo<> >>868

ああ……名乗っていませんでしたね
私はカノッサ機関No.13、ナタニエルと申します

【相手の罵倒にも、心からの安寧を形にしたような微笑みを浮かべたまま。少々薄気味が悪い】
【己と相手、杭を巡って正三角形を描くような位置に立ちながら、そっと一礼を叫ぶ少女へと返す】

傷を受けるのが苦しければ武器を下ろしなさい。私の任務を邪魔しない限り、女性を苦しめるのは好みません
安心なさい、一厘の痛みも無く救いの内へと迎え入れてさしあげましょう

【相手が唾棄したこれらの唱和は、俗に山上の垂訓、最近では山上の説教と呼ばれしもの】
【その言葉は天國へ迎え入れられるための教えであり、神の子と呼ばれるための心構えとして引用される】
【“救い”などと、カノッサ機関の者に有るまじき事を口ずさむのも、あながち嘘では無いのかもしれない】
【――それが甘んじて死を受け入れる事のを示す曲解を挟めば、機関員としていっそ逆に相応しいか】

幸福なるかな義に飽ゑ渇く者その人は飽く事を得ん
幸福なるかな憐憫ある者その人は憐憫を得ん

【相手の読み通り、弾丸は弾かれる事無く肩の肉を抉って後方の氷柱へとめり込む】
【幸か不幸か、それは神経を切り取るには至らず。とん、と地を弾いた爪先は、杭の前へと降り立つ】
【宝玉の光を背に受けながら、互いの目的をその背に庇いながら】
【ウォーハンマーの金属部分を白く熱する程の電熱が、光を帯びて金槌部分に集束する】

何故、立ちあがるのです? 己の身を削ってまでも、宝玉の力を欲しますか?
もしも今が己の死ぬべき刻で無いと悟るのならば、背に裁きを向けられる事も無いでしょう
それほどまでに力か、もしくは富か。貴方の身を掬いあげる一時の夢に指を向ける事がそれほど大事であると?

【焼鏝のように、むしろそれ以上の熱を込めた一撃が、杭を目指す相手の脇腹へと横一文字に振るわれる】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>saga<>2013/03/25(月) 21:50:04.36 ID:bKt52Hiyo<> >>869
【投げられた女は、少女に叩きつけられると、その衝撃で地面を転がるーーー普通なら顔面を盛大に擦っている筈だが、彼女は起き上がらない】

ーーーあぁ?

【接近を始めた少女を、収縮した瞳孔が追う】
【距離をずらすように、後ろに下がりながら、素早くしゃがんで斬撃を回避ーーー茶髪が僅かに切れ、宙を舞う】

【その瞬間、男の左掌に炎が灯るーーーいや、灯る≠ネんてものじゃない、掌の内で燃え盛るッ!】
【開いた掌は、右手の義手なんかよりも更にーーー凶悪ッ!】

ピーチクパーチクうっせぇよ、黙って死ね

【そのまま、しゃがんだ体制から、炎が燃える掌を少女の腹に叩きつけようとする】
【成功すれば、炎は爆裂し、最早小爆発と言っていい火力の衝撃が襲うだろう】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>saga<>2013/03/25(月) 21:52:07.41 ID:T6wsJpDPo<> >>864

【――魔弾が、消えた。いや――違う。音速の抜き撃ち<ファスト・ドロウ>を操るセリーナの動体視力からしても】
【"消えた"と錯覚してしまうほどのスピード――レギンと名乗る六罪王の振るう腕は其れほどまでに、速く。】
【大きなダメージを与える事は無い、ただ少量の血を以ってこの初撃は潰えた――まさに、その実力】
【カノッサの最高戦力を名乗るに相応しい男だろう。そして――その悪意もまた、底知れぬ。】

(――――ッ!!掴まれた・・・!?魔弾を、この距離で受け止めるなんて――ッ!!)

ハハッ――・・・オーケイ、"王"を名乗るだけあるじゃん、"レギン"ッ・・・!
確かにビックリしたよ、けどねえ、良いかい――よく覚えておきな。

先ず、一つ――

【初撃が"外れた"のならば、次弾に移るまで。セリーナはハンマーを素早く、起こし】
【左手を大きくスライドさせファニング――まるで銃と交差させるようなダイナミックな動きで再装填≪リロード≫】
【シリンダーが回転し、魔力が溢れる――次の弾丸が発射される、準備は整った】

アタシの正義は気高くなんて、ない。どこにでもある、普通の――誰もが持ち得る、小さな"勇気"ッ!!

そして二つ――アタシの、このセリーナ・ザ・"キッド"の前で―――ッ!!

シェン・ロンドを――仲間の名を、汚すなッ!!

【蛇の頭部がレギンの身体から直進してくるその直前――彼女は攻撃を予期し、発砲――すかさず、魔弾が放たれるが――】
【弾丸が大蛇の頭部と衝突する事は無いだろう、何故ならば其れは先程攻撃に用いられた其れとは別の――召還弾ッ!】
【弾丸は銃口から少し離れたところで停止、目にも留まらぬ速さで"召還陣"を空間内に展開――セリーナの前面に、現れて。】
【そしてそれは一種の防御壁として働き、巨大な蛇が喰らいついた衝撃により後方へと大きく、弾かれ――瞬間ッ!】


騎士怪醒――"ティターン・アーマー"ッ!!


【展開された召還陣は押し込まれたまま、セリーナの身体をすり抜けていく――ッ!!】
【壁際まで吹き飛ばされたその時、召還陣がセリーナの身体を透過し終えた刹那――セリーナはセリーナで、なくなっていた。】
【召還された武装は"魔導鎧"――魔力を人造的に生み出す魔道エンジンを背に積んだ、悪魔製の"自動装着アーマー"】
【太古の巨人族、強固な皮膚を持つ「タイタン」をモチーフとして精製された強固な外骨格に全身を包まれたセリーナは】
【見た目には、まさに"人造の悪魔"――機械と、悪魔とを融合させたかのような不気味なシルエットと化す。】
【しかし"ソレ"は紛れもなく、ただの人間であり能力者ではないセリーナを"戦士"の次元へと昇格させる為の"武器"で】
【関節部分に、魔力が流れていく音が木霊する――魔道エンジンの駆動音が全身を駆け巡る。】
【装着された事で使用者のパワー・防御力を大きく上昇させるその鎧――外見こそ生物的なフォルムを持っているものの】
【魔力によって駆動するこの鎧はまさに、特殊な動力を有するとはいえ一種のパワード・スーツと呼べるだろう。】
【――尚、彼女が頭部に被っているテンガロン・ハットの影響で装着後の鎧にもその「形状」がきちんと反映されている辺りが】
【いかにも単純な"メカニック"――機構を有するものでなく、悪魔の技術で造られた"機械"である事を伺わせる。】

―――ぐ、ううっ!

【――装着を完了したものの、蛇の体当たりにはパワー・アシストでも敵わず】
【壁際へと押し込まれ、遺跡の一部に鎧ごと"吹き飛ぶ"が――衝撃はかなり、緩和されたようだ】
【鈍く、隙も多いが代わりに、頑強――装着者の戦闘力を一段階上へと上げる、"アーマー"を手にし】
【セリーナは蛇の頭めがけ、至近距離からの"超速射"――ッ!!三発目を放ち、オーラごと狙い撃ちにしようとするッ!!】

――アンタも赤い血が流れてるんだね、だけど残念――今日此処で全部流しきる事になるよッ・・・!
それにこんなくだらない騒乱・・・とっとと終わらせて、アタシはワインを堪能するって、決めてんだよッ!!

/うわああすいません!!遅れました!! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage saga<>2013/03/25(月) 21:53:36.05 ID:t4gQiJsa0<> >>873

【意味が分からないとでも言うよう、何度だって首を傾げるたび、長い黒髪がさらりさら揺れ動く】
【(確かに自分がやったことは覚えているのに。どうしてこんなことをしたのかの理由が分からなくって、)】
【思考に浸された意識が来訪者に向かうより先、身体がびくりと強張って――振り向いたなら、同時に距離を取ろうとするのが、数歩分】
【振り返って向けられた瞳がさらに丸くなる――見つめた先の蒼色は、忘れられるわけもないから】

――おまえ、

【なだらかに堕ちる声のトーンが、それでも鈴の音に似た余韻を響かせたなら、夜に解けるように蕩けていく】
【ぎちりと向けられる血色は、確かに前に遭ったときは赤黒のオッドアイだったはずなのに――】

【そして。あの時はいやになるぐらいに溢れさせていた卵の気配が――気にならない程度に、薄くなっている?】
【――というよりも。彼女の気配にすっかりと混ざりこんでいる、よう。まるで、飼い慣らしたみたいに】

何しに来た

【ついと向けられる掌は、前と変わらない白さのまま。向ける指先も、あの時と同じ折れそうな細さ】
【ぢりと瞬く魔力だけが、前と違って――末期の御衣黄桜にも似た色合いで、煌いて零れた】

これ以上寄らないで――三つ目は、お断り。

【――鋭い眼差しも、向ける魔力も、その総てが威嚇するかのよう――】
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/25(月) 21:54:03.60 ID:QRwmXR2Qo<> 【廃工場】

【とある工場跡地、今は何も無くなったボロボロでがらんどうの倉庫のようなものが幾つか在るのみ】
【囲んでいたフェンスは殆どボロボロに成っていて敷地への入り口の錠はいつからか破壊されているため】
【勝手に忍び込んだ人々が、能力やら格闘技の練習に使ったり、少々、人に見られたくない事などに勝手に利用している】
【街から少し離れているため”うってつけ”ということなんだろう】

【一台の大型バイクが、敷地の中で止まっている黒いスポーツタイプの大排気のものだ】
【すぐ近くの廃倉庫に向かって、何かを引きずった跡が細く続いている】

【中には一人のスーツの男が突っ立っていた】
【痩せた背の高いサングラスをかけた男で煙草をくわえている】
【アタッシェケースを幾つも柱の近くに積み上げている】

【男の目線の先には紙の山、札束の山が積み上げられている】
【カバン3つ4つ分だから結構な額だろうか】

【吸っていた、煙草を投げ捨てて、靴の裏でもみ消す】

【男は、足元にある 一斗缶を手にとって蓋を外し】
【それらにガシャガシャと中の液体をかけ出した】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(関西地方)<>sage<>2013/03/25(月) 21:56:34.48 ID:e+QEOqLmo<> >>859


【追い縋る『カラス』を認識すれば、再び、銃口≠向け―― 】
【…、…途中で、銃弾を当てるには『速すぎる』と判断したのか】
【『右肩』を一直線に狙うカラスへと、「銃身」を振りかぶり 】


――、相手してやる、って言っても、アレだぜ。


【――、 軽口を叩きつつ、下から来る<Jラスに、『ハンマー』の様に叩きつける】
【ゴンッ!!≠ニ鈍い音が鳴り、恐らく、カラスは『消滅』して】
【…、…直後、銃に宿り始めるのは、『白色の魔翌力』。銃口を、再びウェル子へ向け】



…、…三十路のオッサン相手だ、期待するなよ。
年取ってるからな。「必死」でやらせて貰う。 それこそ、コイツ一発≠ナ――、



【――其処まで言った所で、言葉が止まり、引き金に掛けた力も緩くなる】
【目に宿るのは、『怒気』…、…だろうか。だが、そう表現するには静か≠セ】



…、…今、 ≪R.I.P.≫って言ったか。


なら――、『知ってる』、な。……教えろ。 今、「何処に居る」。
二年前、『戦死者』の中には、居なかった筈だ。
当時の『情報』に在った。――お前ら、通信手段≠ゥ、何か持ってるだろ。


―― 華蔵院 茶夜=@…、…あの胸糞悪い野郎は、何処だ。



【 ≪R.I.P.≫ ――、華蔵院茶夜=c…? 】


/すいません、お待たせしました
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(京都府)<>sage saga<>2013/03/25(月) 21:56:47.12 ID:pSzhZUap0<> >>872

【ツララによる一撃を回避され、何らかの防御策を講じてくるだろう。そう予想していた彼は少し驚いたような表情を見せた】
【だがその次にはアルフォンスによる反撃が来る。それに対する迎撃の心構えをする】

【そして、彼にはやるべき事があった】
【それは相手の思い。「勝ってみせる」「こいつになら勝てる」「勝てるかもしれない」】
     【そういったチャチな勝ちへの思いを僅かにでも削り殺す事】

【避ける事はしない。防ぐ事もしない】
【エヴァンは、足元の厚い氷の大地に小さくともヒビが走るほど強く踏み込みを放つ】
【それと同時に行われるのは、何てことは無い。ただの横を一閃する物理的な斬撃である】
【それはアルフォンスへと届くことは無い―――標的は威力の増した、より強力な空気の爆弾】

【衝撃に耐えかねて割れる剣の音、そして炸裂する大気の塊の爆破音。それが圧縮から解き放たれた空気に混じり、氷の粒が巻き上げられる】

【からんっ、とアルフォンスのいる付近へ、折れた剣の先端付近が滑ってくる】
【エヴァンの持つ獲物は高名な業物などではない、至って普通の市販の剣だ。これしきの衝撃に耐えられないのかもしれない】
【勿論こんな博打はそう何度も行えない。ただ、"高度圧縮した空気の塊を真正面から叩き割る様な奴"。この事実があれば問題なかった】


さて……

もう一度――ッ!


【勿論、こんな事をしておいて本人が無傷でいれる道理は無い。衝撃に耐えかね破砕した氷の破片がエヴァンの皮膚と服を幾らか切り裂いている】
【使い物にならなくなった剣を納め、予備として貰っておいた背中の剣を一本手に取ると、巻き上がる白煙の中を飛び出し再び接近を試みる】
【もし接近を許してしまったのなら……その剣による容赦無い刺突がアルフォンスの右肩を狙って突き出されるだろう】
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(山形県)<>saga<>2013/03/25(月) 22:00:08.26 ID:hBgW3ErYo<> >>874

ヒャハハ、そォんなことを言ィっていられるのも今のうちだぞ、糞野郎がァッ!

【確かに、この悪魔の発言は――"小物"そのものだ】
【――では、その力はどうなのだろう?】
【それは――まだ、正確には見えてこないだろうが――――】

だァったら……おォ望み通りィィイイッ!

【ヒュッ】 【――飛来するは、"銀色の鱗粉の羽根"】
【先程、悪魔が"サポートに回れ"といった生き物により飛ばされたそれは】
【二本の短剣にへと"命中"、その軌道を変えて防ぐ】 【鱗粉が、散る】

【しなるその光の刃――回避しづらいその軌道】
【滑って接近、急停止くらいはできるが隙が大きいそれ】
【――!】 【右肩に命中したそれは、悪魔のそれの機能を奪うのには十分だった】
【どちらの腕にも大きなダメージを負った、これでは先程のような爪の攻撃は期待できないだろう】

……俺様がァッ! 超強ェー悪魔! 悪しき闇の主――"ベテアドット"の邪禍である所以をッ!

見ィせてやるぞォォオオーーーーッ!!

【――カッ!】 【突如、悪魔の頭部にあった"突起物"、それより"強い光"が発せられる】
【永闇の地にいずる閃光、……超強いと宣う割には姑息な手であるそれは、いわゆる"目潰し"である】
【眼を瞑れば回避は可能だ、しかし】

【女性に向けて飛ばされた1枚の"羽根"――先ほどの閃光は"無差別"だ、狙いは甘いが】
【それが、彼女の腹部に向けて飛来するッ!】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<> !nasu_res<>2013/03/25(月) 22:03:17.71 ID:0yBd5on+0<> >>878

私はユリン・クロース・マンティコア<bッ!!ただの運び屋≠セァッ!!
(ってカノッサの上位ナンバーかよッ!?―――意気込んだは良いけどこれはマズイぞ………ッ!)

【口と表情では不敵に笑っているが―――その実心の内では非常に焦り、戸惑い………危機感を覚えていた】
【一礼する相手にもまるで気にしないように再び杭へと向けて駆けだすが―――既にその正面には絶対の脅威≠ェ降り立っていた】
【唱えられる垂訓はむしろ地獄へ送る歌のようにも感じられ、より一層絶望が身体を侵食していくのが分かる】
【そして一瞬たじろいだユリンの腹部を無慈悲にも凄まじい熱を持ったウォーハンマーが叩き伏せるッ!!】
【ゴキンッ!という何かが折れる音と共に、ユリンはそのまま雪原に叩きつけられ2、3回バウンドしてから氷柱に激突しようやく動きを止めた】

ぐ………が………いってぇ………―――畜……生………が………。

【口から吐血し―――脇腹からは肉の焼ける臭いを放つ煙を上げながら―――ユリンは悔しそうに言葉を漏らす】
【致命傷………これは間違いなく致命傷だ………だがまだ戦意はあるのか、ショルダーバックへと再び手をいれ、新たな道具を取り出す】
【それは先ほどの手榴弾と似た物―――それを再び相手へと投げつける………手練れ相手に同じような攻撃を二回繰り返す………だが】
【これは違うッッ!煙幕弾だッ!!球体は杭の近くで破裂すると大量の煙幕を周囲に散布する―――そしてその煙に乗じて】
【ユリンは悲鳴を上げる身体を無理やりに動かし、相手へと接近し右からの足払いをかけようとするだろう―――単純にバランスを崩すのが狙いだ】
【煙幕による視覚の剥奪、さらに体勢を崩して相手を無力化しようとする】

こちとら仕事でやってんだッッ!!こんな事でいちいちにげてりゃ世話ないんだよッッ!!
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/25(月) 22:03:19.07 ID:aBkInNzwo<> >>875

過ぎたるは及ばざるが如し、ってことだよバーカ
執着も行き過ぎれば妄執だろだからお前ら危ないんだ行き過ぎると止まれないように!

(後方、確認……したけど欠片とはいえ宝玉だろ、壊せるのかね実際……)

【刺すような冷たさはこの土地の所為】
【ただ瞳は違えずにその欠片を視認して離さない、ターゲットはあれだと心に留め】
【そして外気と同じような凍える視線を彼らへと――――――またガラスの割れる音が今度は6つ】

なんの対抗策もないで空中に跳ぶわきゃねーだろ!紡いで6つ、

【再び現れた粒子の根源は「刀」と腰元の「ナイフケース」から】
【右掌に集まって創り出されるは6つの花弁のような形の「銀の花」】
【形だけ見れば百合に近いが細部は違う、中央から階層的に刻まれた言葉は防御を意味し即ちこれは「盾」であり】

―――――っ!!

【砂の刃に合わせて抱えて響く音は2つ、形成が甘かった為か僅かに盾を貫いて腕を抉るが致命は避けた】
【そして着地だが……かの兄弟の思考は甘くはなくやはり次の手がそこにはある、確認するも手にあるのは切り裂かれた盾】
【仕方なしにそれを向けても、結果は――――――――】

……………っち、嫌なやり方……だけど上手い

【泥の球を受けた瞬間に「盾」はステンドグラスの割れたような音を響かせ壊れて】
【使用者のエルフェスは衝撃のまま投げ飛ばされて二転三転地面に転がり、煙を上げながらようやく止まり】
【身を押しながら直ぐ様立ち上がり相手を睨む、零す称賛の言葉はしかし敵意に満ちて】

繋いで3つ、それを2つ……

【現すは先程の「銀の刀」を右と左にそれぞれ一つ】
【右は肩に乗せるように左は腰の右側に添えるように、些か奇妙な形で構えそちらへと走る】

【速度は先程と同じく、身軽さ故の速さでもって彼らの手前数メートルに近づいたならば左足を力んで右へと急激にステップ】

(…………っ!フェイントにしても芸がないかっ)

【軋む身体に顔を顰めながら力を腕に回し】
【奮うは刀、左を地面と平行に背負う右を垂直への二連は相手の正中線で交わるような流れ】
【初手を避ければ次は身を乗り出し深く斬る、避けるには大きく動く必要があるだろう】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2013/03/25(月) 22:06:29.05 ID:LyhkI9Poo<> >>881
ああ――てめェか、あのむかつくガキな。
なんだ、つまんねぇな。もうちょっとはっちゃけると思ってたんだが。

【顔をまじまじみて、首を傾げてからああ、と合点の行った様子】
【落胆したようなため息を響かせつつ、だるそうに女は頭をがりがりと掻いて】
【相手の気配の変化には気づいている様で、見定めるように目を細めて、相手を睨みつけた】

何しにつっても、たまたまだけど?
自意識過剰じゃね、オレはお前さんなんか割りとどうでもいいしよ。

【はぁ、と溜息を付きつつ、女は相手などどうでもいいと口にした】
【気まぐれなこの女は、前回は興が乗っていたが、今回はそこまで乗っていないようである】

……2つ目打ち込まれてもその有様って事ァ、卵って耐性つくもんなのかねェ。
ま、あいつと違ってオレは、研究者肌でもねェからどうでもいいけど?

【手元でこれ見よがしに卵をジャグリングしながら、女は嗤う】
【相手の威嚇も、敵意も何もかも、受け止めた上でそれらを食い破るように】
【鮮やかな青の瞳は、無感動に相手の敵意と交錯していた。火花は、散らないが】

いやいや、にしてもえっぐいなァ、お前さんの能力。
酸で人を溶かし[ピーーー]なんて、まともな人間ならやりゃしねぇだろ。
全く、殺された奴が浮かばれねぇわなあ。いやいや、最っ高だ。
お前さんが手ェ下したのに、まるで自分が悪く無いみたいな顔してる所なんて、マジで滑稽だぜ?

【相手の心の隙間にざくりざくりと言葉の刃を突き刺すような一言一句】
【ざざ、と周囲で砂嵐のようなノイズが響き渡り、女の四肢の一部が霞に隠されていく】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(愛知県)<>saga<>2013/03/25(月) 22:07:11.28 ID:y2UQn8wlo<> >>870
【必殺の斬馬刀に、手応えはなかった。その少女は、斬馬刀を振るったことにより空いた右脇腹から】
【すり抜けたのだ。全力で斬り捨てに行った菅野康作の渾身の一撃を、接近して=I!】
【だが、これだけならばまだ、度胸がある少女、で済んだだろう、菅野康作も、少女をそう見た。】
【恐らく、自分の背後にいるであろう少女に向けて、菅野康作は、ゆっくりと口を開き】

  ……なかなか、ッ――――――――――――!?

【右脇腹。先程少女が一撃の回避の際にすり抜けていった場所だ。其処が、上着を切り裂かれていて=z
【あまつさえ、深手では非ずとも、皮膚を切り裂いて、更にそこから出血していた≠フだ。】
【思わぬ手傷に驚愕し、一度言葉を噤むと、またその事に驚愕した自分に対して、小さく舌打ちをした。】


 テメェ、本当にお前は剣術に疎いのか?だったら才能あるぜ、俺が保証してやらぁ。 
 だがなぁ、俺だって負ける気はねぇんだわ。テメェは殺す――――――――!!!!!!!
 両断して殺す、突き刺して殺す、首を刈って殺す、殴打して殺す、どんな手を使おうと、俺は殺す――――――


【上空より迫る鷹。鋭い爪は、康作の身体を引き裂かんと、急降下し――――――――】
【それを、左腕で受け止めた。無論、鷹の爪は左腕の袖を裂いて、その下の皮膚をもズタズタに切り裂いた。】
【苦痛に顔が歪む。左眼を顰め乍ら、右腕に握る斬馬刀を逆手に持ち替えていた。】
【それを鷹へと、殴りつける様に、逆手に握った馬を斬る刀を、左腕へと爪を掻き立てる鷹へと振り抜いた。】
【そして少女へと振り返り、斬馬刀をの先を少女に向けて、其の僅かな距離を疾駆する。】


 俺は狂気も悪意も足りんが、テメェらと刺し違える覚悟だけは何時だってあるんだよぉ――――――――――!!!!


【三尺二寸、九十六センチメートルの長さを誇る斬馬刀による突き≠ナある。】
【然し其の攻撃は、突きの性質上やはり有効部分は点≠ニ成る為、少しでも身を翻せば回避出来るだろうが。】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/25(月) 22:07:59.20 ID:crv3/Ngeo<> >>884

【単純な攻撃だった。何も能力者でなくても防ぐなり避けるなりできるような陳腐な一撃】
【だがそれをこの男は真正面から叩き潰した。得物の一つを失ってまで、だ】
【余裕のなせる技か──ぎり、と口元から歯軋りの音が響いた。無意識の動作だった】


正義と悪の定義は色々でしょう。だが世界的には既に分かりきっている
“善良な人“に仇なせば悪。“そうでない人”に仇なせば正義。非常に分かりやすい


【大きく、勢いをつけて左腕を振るい、衝撃波を発生させる。圧縮された大気が縦横に広がった壁がエヴァンに迫る】
【それ自体に大した衝撃はない。動きが止まるか、或いは多少歩みが遅くなる程度。目的はダメージではなく足止め】
【大気の壁に続いて、エヴァンの進行方向に凍結した岩肌に向けて空気の弾丸を発射。氷の破片を飛ばして攻撃とする】

【二度に分割された攻撃で更なる足止めを図りつつ、浮翌遊したままエヴァンから遠ざかる】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(関西・北陸)<>saga sage<>2013/03/25(月) 22:08:11.44 ID:jqSIe6wAO<> >>879
【男がしゃがみ、長剣は空を斬る】
【そして左手で燃える炎、暗い工場内では一層眩くて】

死ねって言われて死ぬやつがどこにいるのよバカ

【両手に持った剣を体の前で交叉させ、防御とする】
【爆裂による衝撃が襲うが、魔力を宿した剣にはダメージはない】

【しかし少女自身はそうはいかず、後方に飛ばされる】
【が、長剣を床に突き刺して身を留まらせれば、素早くまた抜いて】

──くッ!やってくれるじゃないの!
こっちもガンガン行かせてもらうわよ!

【半ば叫ぶように言って、再び男へと駆ける】
【十分に接近すれば今度はそのまま正面から、長剣を男の右腰から左肩へと斬るように振り上げるだろう】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(愛知県)<>saga<>2013/03/25(月) 22:08:17.42 ID:y2UQn8wlo<> >>870
/ただいま戻りました!お返しします! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>saga<>2013/03/25(月) 22:13:54.65 ID:wfmDyV16o<> >>883

【銃をたたきつけられれば、カラスはたちどころに消滅≠キる】
【血も骨も羽根も残さぬ、完全な消滅は、カラスが「魔力の具現化」であることの証左で】

【さて手をゆるめず更に追撃を――と、ウェル子が考えていたところで、神鷹の様子が変わった】
【無論、敵の様子には注意しすぎるほど注意しているウェル子が、その微妙な変化を見逃すはずもなく、】


…………ええ、まあ、確かに、≪R.I.P.≫と申しましたが――――


【口走りながら、ウェル子の身体からは「オーラ」の如く、何枚も何十枚も何百枚も、黒羽根が湧き出ては、風に乗って流れていく】


…………華蔵院=c…茶夜=c…様――――ですか?


【何か思うところがあったか、臨戦態勢でありながら、一旦、ウェル子の攻勢は止むことと相成る】


さて……存じ上げないお名前ですね――――生き残りといえば……わたくしと、後は…………


【パチンッ――! ウェル子が、唐突に指を鳴らせば、】
【彼女の肩に止まっていたカラスが、猛然と飛翔し、たちまち上空≠ヨ向かっていくではないか】




…………ええ……そこの胡蝶@l、くらいのものだと、認識しておりますが――――



【――カラスが向かう先は、上空に陣取る極彩色の蝶=\―!】
【威嚇か、或いは「気付いてるぞ」との意思表示か、カラスは、蝶を啄んで喰い殺すさんとしてくるだろう――】



――――――――ねえ?




    …………     『神鷹空人』お兄様に、    ――――



                  …………     『戒能鴉』様     ――――?




【きらりと光る眼鏡――ウェル子は、クイッと、そのフレームを、柔らかな手つきで、押し上げた】



/おかえりなさいませでございますー <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<> !nasu_res<>2013/03/25(月) 22:20:20.44 ID:0yBd5on+0<> >>880

【力強く自身の正義と、そして仲間への強き思いを口にするセリーナに対して相も変わらずわざとらしく肩を竦める動作をする】
【ハーフフレームの眼鏡の奥からは―――この世の悪を全て詰め込んだかのような歪んだ瞳がギラギラと輝いている】

【そしてセリーナの超速の連射が蛇の頭へと放たれる―――バババッッ!!と凄まじい閃光と共にどす黒い蛇は無残にも虫食いとなって消滅した】
【―――だが、その瞬間には………既にレギンはセリーナの眼前へと移動し、右脚を振り上げて―――ッ!】

まぁーったくもはや狂獣≠ニかしたあの男を仲間だなんて正義の名が汚れますよ………クック。
では次はどなたがいいでしょうか…?あのアンジェルとかいう小娘?ユウトなどと言う研究者にしましょうかッ!?

それとも―――本当に罪のない人々を片っ端から無残に、これ以上ないほどに残酷に弄んで始末していけば貴女も喜んでくれますかねぇ!?
ほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらッ!まだまだこんなモノでは物足りなくて欠伸がでてしましますよぉぉぉぉぉぉ!!!

もっと苦しむ姿を、憎悪に歪む姿を見せて下さいよッッ!!セリーナさんッッ!

【ガンガンガンガンッッ!凄まじい勢いと速度を以ってセリーナの腹部を何度も何度も連続でどす黒いオーラを纏った脚で蹴りつけようとするだろう】
【その一撃を受ける度に―――この男が踏みにじってきたシェン≠フ友人や、シェン自身、アンジェルなど様々な人々の苦痛の表情などが浮かび上がっていく】
【それは防御した上でも黒いオーラがまとわりつき、映像を脳内に叩きつけるだろう―――逃れるには回避しかない。】

【それはまるでセリーナにも悪意の種を植え付けんとするような凄まじい狂気の連撃だ―――。そして最後に脚を振り上げそして―――。】

              貴女では騒乱に幕引く事は敵いませんよ………ヒヒッ!

【セリーナの頭部を踏みつけようと蹴りを放つだろうッ!!だが成否に問わずこれは明確な隙だッッッ!!】
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2013/03/25(月) 22:23:21.53 ID:A0z47xwOo<> >>886

ユリン。良い名ですね、きっとその名を授けた方は貴方が立派に育って誇らしく思っているでしょう
その立派である事は貴方がわざとらしく吹聴しない限り、きっと神の前にて慰められる事となりますよ

【こつり。雷光とそれを上回る宝玉の力によって既に雪解けの水に濡れて現れし地表に踵を下ろし】
【まるで聖職者のように微笑みを湛えながら紡がれる言葉は、しかし、すぐに相手が神に迎え入れられる事を想定しているかのよう】
【善良そうなふうを漂わせる男は、しかし確実に相手の死を望んでいる】
【それはまさしく、混沌を掲げる者たちの列に加わるに相応しい笑みなのだ】

幸福なるかな平和ならしむる者その人は神の子と稱へられん
幸福なるかな義のために責められたる者ッ……

【さきほどの手榴弾のように払おうとしたのだろう、既に熱を収めたウォーハンマーを振るうも】
【炸裂するのは熱波ではなく煙幕――一瞬驚愕の声が聞こえて、サングラスを押さえる腕の動きが見えるか】
【つまり足元への注意は散漫、今まで相手が上体を狙う攻撃が多かった事もあり尚更に】
【ぐらりと崩れた体勢はすぐに立て直す事叶わず、スラックスの膝を地面につく】
【すぐに相手が杭のある方向へと向かっていれば、今回ばかりはそれを制止する事も叶わないだろう】

【そういえば最初の雷光は、彼自身の体を中心として放出されていた】
【確かにウォーハンマーはそれを握る手ごと地面につき、もう片方の手も目元を押さえ煙幕の影響を押さえようとするあまり】
【相手の体へその一撃を落とすのは、位置を知るにしろ視界を回復するにしろまだ不可能】
【では、もう一つの彼の攻撃手段はどうか?】

――天國はその人のものなり

【ばち、と煙幕の中を走る音と小さな火花】
【段落の最後の章句、膝をついた長身から、煙幕の中を多大な熱を帯びた雷光が放射線状に走る――!】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(埼玉県)<>sage<>2013/03/25(月) 22:28:26.61 ID:y6mKmYhio<> >>889>>892

【鷹が腕の肉を掴み引き裂き、まるで子供がスライムで遊ぶかのように形を崩していく】
【その直前、男が吐いた言葉は確実に狂気に染まっていたから、回避もしないのは――】
【それは尚の事、アンジェルに冷や汗をかかせるには十分で。気を持ち直すように、刀を握り】

【そしてすぐさま、鷹は落ちる。しかし切り捨てられたのではなく、いわゆる峰打ち】
【散々に菅野の左腕を引っ掻き回した猛鷹は、先ほどの鎧同様に地へ落ちる前に消えていって】

ええ、疎いわよ。一度だって訓練何かをしたことは無い、けど……
……私にはお姉さま≠ェ付いているもの。アナタのイノシシみたいな一撃、貰ってやらないわ

それにしても優しいのね?散々[ピーーー]って言って、狂気も悪意も足りないなんて言って
なのに鷹は殺さず落とす。……ある意味じゃ、もう十分狂っているのかしら
……それと言ってけど、私は刺し違えてあげるほど優しくも弱くもないつもりよ―――ッ!!

【菅野の突きが迫る。彼の膂力には先ず勝てない、となれば先ほどと同じく、少女が取るのは回避行動】
【しかし距離が距離というだけあって、完全には避けきれず――刃を上に向けて、突きをそれで受け】
【下方に潜りこむようにしながら、両手で持った一振りの刀を相手の腹部へ右から左に振り抜こうとする】

【―――もっとも、無傷で何とかしたわけではない。突きの勢いに負け、右肩の白布が真っ赤に染まっていて】
【また相手の下方という位置取りも、腹部を狙うことこそ良いが――腕の下にいるという、場合によっては危険な位置】
【菅野の行動次第であろうが、少女がただ其処に居るというだけで、それは或いは隙であるのかも知れず。】

/おかえりなさいませー! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(京都府)<>sage saga<>2013/03/25(月) 22:28:54.91 ID:pSzhZUap0<> >>890

【言い訳がましいが、決して彼は余裕を見せつけたい訳ではない】
【ただ、相手はこんな事を平然と出来る奴だ、と畏怖させればそれでいいのだ】
【それを狙っての行動だったのだから、その口元に怒りを滲ませるアルフォンスに、エヴァンは少々複雑な念を抱いた】


……それはちょっと違うのではありませんか?

僕としては、自分と考えの合わない人を勝手に悪と呼びつけているものだと思っています

その論で言えば、貴方にとって僕は悪という事になりますが


【戦闘の流れを上手く掴めてきている、そう考えながら勢い良く疾駆する彼に大気の壁が襲い掛かる】
【接近を許さないための障壁か、あるいはここから突き落とそうと画策してきたのか】
【そう思考した彼が、それがただの足止めだと気づいた時には、既に氷の破片が襲い掛かってきていた】

【彼が身に着けているのは通称安全靴と呼ばれる、先芯や靴底に金属の入った物だ。ちょっとした攻撃からなら勝手に防御が出来る】
【上に羽織るのはミリタリーコートで、この内側に持ち歩くナイフ等の物品が彼を守ってはいる】
【だが下に履いているのはデニムであり、勿論これに高い防御能力を期待するのは酷である】

【今度はアルフォンスの思惑通り、氷の礫がエヴァンを襲う。礫が彼に容赦なく襲いかかる】
【そしてそれは、盾の少ない足に無数のダメージを負わせる。それは、接近する事を難しくしてしまった事を表していた】

【それでも歩みを止める事はしないが、やはりそのスピードは落ちている】
【遠ざかるアルフォンスを追って再び駆けるが、急速に距離を詰められることは無いだろう】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage saga<>2013/03/25(月) 22:29:22.72 ID:t4gQiJsa0<> >>881

知らない、そんなの。……わたし、おまえのために生きてないの。
どこかで死んでしまえ、それも早急に――今すぐでもいいのよ

【落胆の溜息――路地裏に響いたなら、向ける敵意もまた、鋭くなるよう】
【向けた掌でじりじり舞い踊る魔力が花弁を模して形を成しては地面へ散っていく】
【そうして地面でほどけたなら――あとには何も残らない。それを、ひたすらに、繰り返す】

【ただ一度。挑発めいて笑みを浮かべたなら、そっと首を傾げて――】
【前回泣きまでしたこと。覚えてないわけではないのだろうけれど――気の強いほうでもないくせ、お口ばかりが達者なのだから】

……半魔に遭ったの、おまえには関係ないことよ。

【耐性がつくのだろうか、なんて。相手の呟きに、返したのはたったのそれだけ】
【その出遭ったらしい半魔が彼女に何をしたのかなんて教えない、教えるつもりもない】
【ただ――その存在に何かされたこと。あまりいい感情を抱いてないだろうことは、きっと、分かる】

悪いのはわたしなんだって。みんなが言うなら、そうなんでしょうね――いい子になれなんて聞き飽きた
ひとのふりをするのも飽きた、いい子になるのも飽きた、だったらもう、頑張らなくていいよね
――どれぐらいエグいのか試してみる? 骨の髄までぞくぞくするぐらい蕩かしてあげましょうか?

でも咬まないでね、気狂いのわんこさん。

【ざりと暗がりに満ちるノイズの音。黒い靄が四肢を隠し行くなら――零れる花弁は雫へ変わり、ひちゃと鳴る】
【明確に彼女を捉えながらに零す言葉たちは、けれど彼女に向けられたものではないような気がする】
【ふと思いついたようなふりで提案してみる。続く言葉が望むのは、ただのサンドバッグだろうか――ふざけてる】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>saga<>2013/03/25(月) 22:30:47.81 ID:bKt52Hiyo<> >>891
【爆裂した炎は、再び収束して小さな火の粉のようになり、掌に戻る】
【舌打ち一つ、少女へと振り向くと、義手の爪をガシンと開閉して】

…躱すんじゃねぇよ、さっきからよぉ

【バラついた前髪から覗く双眼は、どうみても普通の人間のする目ではなく、不快そうにシワを寄せた眉間には、かなり深い亀裂がある】
【まるで邪魔なハエを上手くつぶせない時みたいな気分だーーー義手の爪を開き、ゆらりと立って】

【ジャリ、と鎖のアクセサリーが音を鳴らし、接近した少女をギロリと睨むと、振り上げられる剣に合わせ後ろに下がる】
【回避ーーーいや、剣の先端が僅かに届いた、浅い傷が斜めに体に通る】
【間に合わなかった?否、ダメージを最小限にせざるを得なかっただけの話】

【次の瞬間、男の義手が、巨大な三つ爪をこれでもかとがっぱり開いて少女に襲い掛かる】
【殴るのではない、これは胴体を掴みかかろうとする動きだ】
【掴まれてしまえば、その義手の出力は強力でーーー締め付ける握力もあるが、それよりも高く持ち上げようとするだろう】

…ゴミがぁぁああぁぁああぁあああああ!!

【持ち上げれば、義手は手首の位置からドリルさながらに回転ーーー掴んだ少女を回転させ、受身を取る体制を崩しながら、前方向へぶん投げようとする】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<> !nasu_res<>2013/03/25(月) 22:31:22.90 ID:0yBd5on+0<> >>885

クッ!小賢しい真似をッッ!!低俗な悪魔の分際でッッッ!
                            (―――しまっ!)

【閃光を腕でなんとか防ぎながら―――相手に対して毒を吐くが、その瞬間にはサポートに回っていた魔獣から羽が飛来するッ!】
【なんとか間一髪横に逃れて直撃は避けるが………その脇腹には深く羽が突き刺さり―――ドロリと鮮血が垂れる】
【そして同時に口からも鮮血が垂れ、一度片膝をついて息を吐く………。】
【だがその眼光は未だ敵の姿を捉えている………戦意は消えてはいないのだッッ!】

それで終わりか―――邪神擬き=c……その程度の攻撃で終わりかッッ!
                            ならば片腹痛い………その程度で邪神を名乗るとはなッッ!

【叫びながら再び懐中電灯を構える―――瞬間こちらも強く閃光が煌めく―――そして光の剣が分解………無数の小さな刃となる】
【それはまるでツバメのように周囲へと放たれ、飛び回ると―――最後に邪禍の全身を串刺しにしようと迫るッッ!】

【だが一つ一つは弱く、脆い―――強靭な力を持つ邪禍ならあるいは………。】
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(関西地方)<>sage<>2013/03/25(月) 22:31:52.49 ID:BA08C1uYo<> >>887
『ハッ、妄執で大いに結構だ!! 美の追求の末に行き過ぎんなら、それも一興ってもんだぜ!!』
「むしろ、お前は冷めすぎに見えるがな」

【彼がターゲットを見定めるのを確認し、その防衛へと意識を傾ける】
【飛び越されたことで、宝玉への距離は彼の方が近くなった。自分たちを無視して宝玉に攻撃する可能性もある】
【そこまで思考したところで、またしても冷気を切り裂く、ガラスの割れる音が六つ】
【刀にも劣らぬ美麗さを秘めた花を模した盾は、おぞましき悪意の砂の威力を削り取る】

【だが、続く泥玉がその盾を粉砕したのを見て、二つの口角が吊りあがる】

『そりゃどうも。そういうあんたも、ずいぶん芸達者なこったな』
「刀に、盾にと、いろいろと見せつけてくれる。次は、何を出してくれるんだ?」

【地面を転がるも、すぐに体制を立て直した、彼の称賛に、こちらも悪意に塗れた称賛を返す】
【はたして、顕現する銀の刀。二本。言葉こそ発しないが、兄弟の瞳はそこに「一対」を見出して興奮に濡れている】
【が、それも肉薄してくる彼を目にして、打ち消す】

『こんの、ちょこまかと……なにっ!?』
「バカが、フェイントだ!!」

【多少は思慮のある兄に比べて、軽薄な弟はフェイントに引っかかる】
【一瞬対応が遅れる。戦闘においては命取りだ】
【初手はどうにか掠めつつも避けるが、続く斬撃をかわしきれず】

「『ぐあああ!!!』」

【二人分の苦悶とともに、鮮血が散る。正中線に、クロスに刻まれる刀傷】
【後ろに飛びのきつつ、反撃。二人の口から同時に吐き出される、泥と砂】
【それらが空中で合流して、泥の打撃と、砂の斬撃を兼ね備えた球体となって迫る】
【速度はさほどでもないが、この距離なら命中率は低くはないと踏む】
【直撃すれば、泥の玉での殴打とともに、命中箇所を切り裂く斬撃が発生するだろう】

【兄弟はそのまま後ろに着地。刀のダメージは小さくない。次の動きは遅れるだろう】
【宝玉を狙うチャンスと見るか、兄弟を討つ好機と捉えるか――?】

/遅くなりまして、申し訳ないです…… <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage saga<>2013/03/25(月) 22:32:42.14 ID:bmz/l6wb0<> 【静けさに包まれる街の一角――暖かな光を漏らす店が其処にあって】
【外から見る限りでは魔術に用いる様々な用具が飾っており、その殆どが普通の店では置かない――呪われた品や取り扱いに注意が必要な毒物等】
【この店の主もある程度裏に通じている為、その道の者が訪れる事も多く】
【――看板こそ掲げていないが、謂わば何でも屋とでも言うのだろうか】
【狩りから窃盗。護衛や家事等実に何でも請け負うのだが、其れも気紛れなこの女次第で。まともな仕事を断って可笑しな依頼を受けたりと変人としての評判であったり】


「あの子の帰りも遅いし……暇ねぇ……
雪も全て溶けてしまった事だし、街に行って可愛い子でも誑かして遊んでこようかしら」

【依頼書の一つであろうか】
【様々な情報が書き綴られた紙をビリビリに破けば、不吉な事を呟いて】
【白い掌で握れば手中から漏れる焔の明かり】


「けれど、今から向かうのも億劫よねぇ
向こうから勝手に転がってきてくれれば助かるのだけれど」

【クルクルと指を回せば、それに応えるかのように小さな小瓶が宙を舞ったり】
【そんな遊びにも飽きたのだろう。静かに元の棚へと落とせば、その双眸を扉へと向けて――――】




【住民も寝静まった小さな街での事】
【ベンチに腰を掛けて夜空を見上げるのは、二振りの刀を腰に提げた少女の姿】
【時折眠たげに欠伸をすれば、視線を辺りへと巡らせて】


「うーむ……まさか宿の主人まで寝ているとは予想外じゃったの
とは言えど、幸いにして今日は暖かいからの。このまま野宿をするのも悪くは無い……かや」

【月に照らし出される銀の髪】
【鋭い耀きを放つ其れは、きっと遠くからでもよく目立つはずで】
【――――一際大きな欠伸。間抜けな声が辺りへと響いたであろう】


「まあ、野宿するにせよ適当に宿を見つけ出すにせよ……じゃ
今宵は何時もより多くの星々が見える故、もう少し眺めてから行こうかの」

【うっすらと涙の溜まった眼を擦れば、再び夜空へと視線を変えて】
【――――漂うのは人外の雰囲気。例え鈍感であったとしても、ハッキリと分かる程で】
【そんな人物が一人空を見上げているのは何処か不審……だろうか】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(関西地方)<>sage<>2013/03/25(月) 22:39:08.26 ID:e+QEOqLmo<> >>893

【 ――、 銃声 =@】


…、…巫山戯るな。
アイツが自分で、≪R.I.P.≫所属だっつってたんだよ。


【『威嚇射撃』――、存じあげない、との言葉に、即座に放たれる銃弾】
【ウェル子の足元の雪が、「魔翌力弾」に反応して、光り、溶けて】
【…、…苛立った表情を隠すことも無く、再び、魔翌力を集中させ―― 】



 ――、 胡蝶 =@?



【 ――、 蝶≠ェ、啄まれる 】
【光る『極彩色』、その終点は鮮血≠フ様な「赤色」 …、…そして、赤が飛び散る】
【雪に混じった赤色は、燐光じみて。 ……一瞬だけ、視線を其れに奪われたなら――】





      「 ……、 やぁ、久しぶり=B  」



【 ――、東≠ゥら、『極彩色の蝶』の大群が飛来するのに、気付いただろうか 】



「とは言っても――、『其処』まで行くのは面倒だし。
嘘つき負けワンちゃん≠ニ、絶望系ツンデレ少女%人と、顔合わせるのはキャパ越えるからね。
 声だけで、勘弁させて貰うよ。 …、…で、何? 何か用かい、二人共?」



【蝶の大群が寄り集まり――放たれるのは、攻撃などではなく、『声』】
【恐らくは、視界≠煖、有しているのだろう】
【…、…此処までの遣り取りを、認知していない筈も無いのだが、そう、尋ねて――】
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<> !nasu_res<>2013/03/25(月) 22:42:33.57 ID:0yBd5on+0<> >>895

けっ語ってろ変態野郎が………私は生まれた時から親無しのスラム暮らしだッ!
                                もう―――これでお前も終わりだ―――ッ!?

【相手は倒れた―――そして煙幕の中では思うように動けまい………これならばあとは宝玉を回収して離脱するのみ】
【今回の仕事もなんとかなった………少女は勝利を………錯覚≠オた】

【ズドンッッ!!杭≠ヨと手をかけた瞬間―――凄まじい熱量を持った雷光が少女の肉体を貫き、その内部を焼き焦がす】
【少女は一度ビクンと震えるとそのまま全身から煙を上げて雪原の雪へと倒れた―――もはや動くこともままならない】
【これがカノッサ機関≠フナンバーズ………そう、一筋縄ではいくはずもないのだ。】

―――………っ!

【震える手で僅か先にあるショルダーバックに触れ、内部から小型の機関銃を取出し、それを相手に向けてトリガーを引こうと…】
【だがあまりにもダメージが大きすぎるのか、中々指がかからない………阻害する事は容易だろう】
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(関西地方)<><>2013/03/25(月) 22:46:03.66 ID:wsprkmDIo<> >>902

【吐息の温度が肌を締め付ける頃、夜の深さが肌に染み入る色合いを見せて】
【静寂と呼ぶには少し大きな音、それでも、どこか静けさを保った音律が店内へと響いたなら】
【濡れる足音のその先の残照だけが、不凋花 のように咲き続けた】


……奥様ったら……私をお使いに使わせるなんて、酷い人です
ご一緒についてきてくれなければ、私にそのようなお仕事、果たせるわけありませんのに……

――――もしも……お使い、失敗しちゃったら……
奥様は私を、叱ってくださるのでしょうか――――


【お店の中に混じる、少し濃い雌の香り、けれどもそれも薄まってしまえば、甘い少女の香りでしかなくて】
【声色とは裏腹に、清楚な微笑をそこに浮かべたなら、店主たる貴女へと華奢な微笑を向けるのだろう】
【失礼します、その言葉を紡いで、貴女の元へと向かうのは、貴女より頭一つ低い小柄な人影】

【僅かに金色のかかった長い黒髪を蒼の細いリボンと質素な簪で二つに結って】
【丈の短い黒のミニスカ着物、長い袂から零れるのは白いレースのフリル】
【同じく白レースの帯をリボン結びにして細いウエストをぎゅっと絞っている】

【沢山の櫻の模様が刻まれている着物とは違い乳白色の素肌に煌く黒のサイハイソックス】
【黒の厚底草履を履いた小柄で華奢な蜂蜜色の瞳の少女】
【胸元に抱きかかえる150cmほどの身の丈以上の細長い刀、漆黒の鞘には同じく櫻の花弁がいくつか描かれている】

【恐らく既に連絡がいっているだろうD.R.U.G.S.℃P下阮ファミリー%ェ首阮瑤≠フ名で】
【貴女の店へと、非常に危険≠ネ代物を買いに人を送る、と――――】
【彼女はその使者であって、蜂蜜色の瞳を、真っ直ぐに店主たる貴女へと向ける】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>saga<>2013/03/25(月) 22:47:29.70 ID:T6wsJpDPo<> >>894

【言ったところで、何かが変わるわけでもない――正義を口にする彼女の意思は、レギン程の"悪"からすれば――】
【それはそれは、ちっぽけな存在に見えるだろう。脆弱で脆く、それでいて穢れを知らない正義はまさに】
【レギンの冷たい瞳に、とても "無意味に" そして "無力"に映るだろうか――。】
【何を口にしたところで、この男は狂気に身を任せるだけ――セリーナも段々と、分かり始めてきた。】
【つまるところこの巨悪は――どうにかして倒してしまわないと、世界が滅茶苦茶にされてしまうと。】

(――蛇はッ・・・!よし、倒した・・・!"オーラ"みたいので出来てるけど、どうやら魔弾なら通じるみたい・・・!)
(今度は本体を――ッ!?)

――ぐ、うっ!?く・・・ッ!!――うあああああぁぁ・・・ッ!!

【――接近を、許した。いや、正確には対処が遅れたと言うべきか――蛇の突撃で其方にセリーナを釘付けにし】
【更にその上で自身は接近、攻撃を休む暇無く与えるそのスタイルはまさに、洗練された"動き"で――非常に、合理的だ。】
【浴びたくも無い言葉が浴びせられ、腹部を何度も何度も、高速の"蹴り"により穿たれる――ッ!】
【衝撃がアーマーにより吸収されても、全てを緩和しきる事はまず敵わない――ッ!魔力が腹部装甲に注ぎ込まれるが】
【それを貫通しセリーナの肉体へと着実に、ダメージを与えていく――ッ!!】

(・・・マズイッ!!これだけ接近されると、手も足も――ッ!!く、こっちは接近戦なんて苦手だって言うの、に・・・)
(・・・なに、これ・・・アタシ・・・あたまの、なかが、あつく・・・!?)

【――何よりも、高い対衝撃を謳うアーマーですら――その余りにも深い闇のオーラを防ぐ事は、出来ず。】
【鎧の中へと"魔"が侵攻し、セリーナの脳内へと攻め込み、そして爆ぜる――彼女は、悲鳴を上げた。】

あ、ああああああぁぁぁぁ・・・ッ!!やめ、やめろ・・・う、ああ・・・っ!!

【少し強がりではあるが、いつも自分を投げ出して戦おうとする勇敢な、少女――アンジェルの顔が悲痛に歪む】
【少し弱気ではあるが、どんな時だって悪を見逃さない勇気を持った青年――ユウトの顔が苦しみに悶え】
【――信頼に足る、最高戦力の仲間――今、どこにいるのかずっと心配しているシェンの表情が深く、傷ついたそれに変わったとき――】
【堪らず、セリーナは頭を抱え、身体をよじった――結果的にそれは最後の一撃を回避するという"手段"になったが――】
【――相当に、堪えている――片手で頭を抱え、精神を嬲られた呻き声をあげるセリーナ――そう、彼女は】
【自身に対する痛みや苦しみには人一倍強いが――仲間がそうなっているのを見るのはどうしても、嫌で。】
【それを直接、魔力によって脳裏に"映された"彼女の精神は一瞬にして痛めつけられ――普段の彼女からは想像もつかない、狼狽。】

【――恐らく、レギンからすれば"愉快"そのものだろう――彼女は正しいが故に、こんな単純な精神攻撃に、うろたえてしまう。】
【だが――いつまでも笑顔でいられるとは、思わないほうが良い。何故ならば――彼女は傷つくと同時、必ず――】

はぁ・・・ッ!!
はぁ・・・く、――――ふ、ざけるなァァァァァァァァァァァッ!!

【――"怒る"。恐怖に慄くばかりではない、迫る敵に仲間が傷つけられたのならば――仮に其れが幻想だとしても、彼女は其れを、許さない。】
【絶対に――絶対に。回避の直後、腰溜めに構えた"弾"末魔を左手でファニング、ショット――いや、違う・・・ッ!!】
【親指で一度起こしたハンマー、その動作が終わるか終わらないか直前でもうトリガーを退き、すかさず今度は人差し指で二度目の、ファニングッ!!】
【流れるような一瞬の動き、時間にして一秒に満たない間の中、彼女は"二発"の弾丸を"連射"――銃声は一発にしか聞こえないほど、速いッ!】
【――スポット・バースト・ショット――最初の一撃は隙を見せた"レギン"の『脚部』へ、そしてニ発目はまたしても――召還。】
【攻撃による牽制、そしてそれによる行動の阻害で召還を確実に行うという"二段重ね"の超速射撃、この判断力こそまさにガンマン、たるものか。】
【アーマーの奥で苦しそうな声を上げながらも、セリーナは仲間を"一瞬でも"汚した彼へ――憎悪を向けるッ!!】
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(山形県)<>saga<>2013/03/25(月) 22:48:30.91 ID:hBgW3ErYo<> >>900

ク、……ヒャハハハッ!
そォの身体でよォーく強いクチを言ィえる野郎だ……!

だァが、そォの力は俺様に害だ、……"魂"を粉砕しィてやる

【ギラリ、邪悪なその眼は――女性を突き刺すように睨みつけていて】
【……他人のことは言えない、その酷いダメージを受けた両腕より流れ落ちる鮮血を見れば】
【幾ら悪魔とはいえども、地を失い過ぎればどうなるか――】

将来の邪神様の力に飲まれ……ァァアアッ!

【飛来する無数の小さな刃、滑って回避しようとしたが、そうするための踏ん張りが効かない】
【地面を強く蹴らなけば初速が確保できないのだ、しかし両腕は前脚でもあって――!】

エルズペンタレグスッ!

【異型の化け物が、その大きな翼を大きく――何度も羽ばたかせれば】
【吹き荒れるのは、"銀色の風"】 【それ自体に威力は殆ど無い、しかし】
【その目的は、無数の光の刃を減速させることッ!】

【一部を風で落とし――そして速度の抑えられたそれらは、邪禍の全身にへと突き刺さる】
【その姿は――まるで、水の詰まったビニール袋に開けられた穴と、それから流れだす水のようだった】

グゥゥウウルルルルルゥゥッ…………!

えェーい、なァらば……こォーだァッ!

【地面を右足で強くければ――宝玉で溶けかけていたその凍土の一部が砕けて】
【その幾つかの破片は女性に向けて飛来するッ!】
【――それらは鋭利な氷だ、しかしこれはダメージを目的としたものではない】

【真なる目的――それは、化け物の動向がじめしてくれる】

【化け物が、杭に向けて羽ばたき接近し――】 【その杭に齧り付き、引っこ抜こうとしているのだッ!】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/25(月) 22:49:34.98 ID:aBkInNzwo<> >>901

(二重の思考、それ自体は脅威だけど……身体と思考は、別っ!)

【高度に互いを理解している2人、それに付け入る隙があるとすれば動きの間と解釈の違い】
【針の穴を通すような酷く細い可能性だけれど2つの切先はその向こう側へと―――――】

【刻む十字、ただ彼らもそれで終わらないからこそ機関員なのだろう】
【眼前に今かと迫る混合物、盾を作るにも間に合わない切り飛ばすにも刀を振った状態で】
【更には身体も無理な動きをした反動で急激な動きは厳しく、出来るといったら重力に従って転がる程度】

(やらないより……マシ、か……くっそ)

【右手首から肘へと順番に地面に転がるようにして避けても、やはりこの距離では直撃を避けるだけしかできない】
【投げ出されたような左半身へと伝わる打撃と斬撃に血が塗れる、苦悶の息を吐きながら横へと回転し】
【跳ねるようにして起き上がり姿勢を正す】

【そしてその一瞬の空白】

(追撃か、宝玉か……たとえ宝玉を手に入れたとしてもアイツらが邪魔するだろうし)
(それに今は好機だ、狙う――――――――!)

【判断はやはり刹那に、彼ら兄弟へと執心する】
【負傷した左腕では刀を扱うのは厳しいしかしフェイントにはなるだろう】
【我に妙案ありと少しニヤリとして両手を再度構え直し、跳ぶ!】

次は何かと言ったなよな?悪いけど次なんか無い

【ざん、ざん、と踏む地面の音が一度だけ大きくなるつまりは踏み込みを深く】
【その理由は「銀の刀」を投擲する為、軌道は彼らの喉元を貫くようなそれ……だがしかし「銀の刀」は切先が触れる手前でパリンなんて割れてしまう】
【同時に彼らの前に広がるのは「銀の粒子」で、早い話が目眩まし】

なんせこっちはここで終わらせるつもりだからなあ!!

【そしてそれが霞をかける為のものならば後に控えるのは言うまでもなく本丸】
【壁を思わせる「銀の霧」を縫うようにして現れる切先は突きの形で彼らの鳩尾辺りを貫くように差し込もうとするだろう】

/いえいえ大丈夫です! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/25(月) 22:50:09.65 ID:crv3/Ngeo<> >>897

【戯れに始めた合間の会話だが、意外な答えが返ってきた】
【こんな任務に対して妨害に来るのは正義感溢れる自称善人ばかりだと思っていた】
【しかし彼らと目の前の男はどうやら違っているらしい。思わぬ収穫に、笑みが零れる】


おや、意外な答えですね
もしもそれが貴方の考えならば、我々は何も敵同士とは限らないかもしれませんよ?
僕自身も、貴方と似たようなことを思っていますからね


【友好的な声。だが戦いの最中にある以上、手を緩める理由にはならなかった】
【足止めによって時間を確保。接近されれば不利になる以上、この猶予を利用して畳み掛けるしかない】
【後退を急停止してもう一度、減速させるために衝撃波を飛ばす。そして右手を出したまま、魔翌力を溜める】

【徐々に手の先に冷気を含んだ大気が集まっていき、圧縮されていく。時間をかけるだけの、強力なものだということが分かるだろう】
【しかし術式が完成するにはより多くの時間を割く必要があるのは明確だ】
【素早く接敵すればまだ何とか阻止ができる】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>saga<>2013/03/25(月) 22:55:17.85 ID:wfmDyV16o<> >>903

【流石に威嚇射撃には動じもするか】
【ウェル子は、足下が弾けるのに呼応し、一歩、後退】


……やれやれ……なんだかややこしいことになって参りましたね……


【そうして空を見上げれば、これまた闇夜に映える、美しき赤≠ェ散っていて】



――――コレは一体、どういう反応をお返しすれば、ご満足いただけるのでしょうか……ね?



【更には、蝶の大群と、そこから響いてくる、顔見知り≠フ声】
【……状況が飲み込めない、とつまりはそういうことで、ウェル子は手持ち無沙汰に、自身の長髪を掻き上げる】


……やたらとわたくしの行く先々で、何やら監視″s動に勤しんでおられるようで……
で、以前のお嬢様に引き続き、此度は一体、いかなる因果でございしょう……か――

…………わたくしの邪魔をする気がないのでしたら、その便利な蝶々で宝玉≠ナも、探してきていただけませんか?


【――かくしてウェル子は、蝶々の群れに対し、極めて無愛想な返事を送る】
【まあ……察しは付くだろうが、あまり機嫌が良さそうでは、ない】



――――絶望、かくあるべし…………堕ちなさい



【と、ウェル子が次の句を継いだ瞬間、蝶を食い破った上空のカラスが、今度は急降下】
【――再び、神鷹の右肩を狙い、真っ逆さまに、クチバシを向けて急襲してくるだろう】

【ウェル子自体はノーアクションで、しかも死角からの目立たない攻撃だが、】
【カラスの魔力か、或いは風を切る音か――その辺りを察知すること自体は可能だ】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(愛知県)<>saga<>2013/03/25(月) 22:55:34.32 ID:y2UQn8wlo<> >>896
【ズパ、と。腹部からそんな音を聞いた。】
【見れば、腕の下に少女が入り込んで、其の剣を腹を切り裂いているではないか。】
【致命傷は避けられた。その身のこなしと、着実に攻撃を仕掛けて行くその姿は、非常に美しい物だった。】
【少なくとも菅野康作にその様な技能は備わっておらず、また、備える事も出来ない物だろう。】
【彼女は、菅野康作をイノシシ≠ニ称したが―――――――――――】

  イノシシ、ピタリだわ。

【―――――――――――その通り、菅野康作は、ただ突っ込むことしか知らない猪武者である。】
【然し。それは、菅野康作が小細工程度ならば、力づくで叩き斬ることが出来ると言う事に他ならない。】
【数々の弄された策を真正面から突破する事が出来る―――――それは、菅野康作がそこに立っている事が、証明している。】


  俺は確かに!!突っ走る事しか知らん猪武者だらぁなぁ!!!!!
  ほぅだが――――――――――


【腹部を切り裂かれ、左腕を引き裂かれようが、そんな物些細な事に過ぎない。】
【少女が、腕の下にいる。この千載一遇のチャンスを、その程度の負傷で手に入れることが出来たのだ。】

【非常に―――――安い買い物だ。】

【菅野康作は、握った馬斬り刀を手放した。<Jラン、という金属音が響く、遥かに前に。】


  ――――――――――動物を、殺す趣味は無い!!!!!!!!!!


【百八十八センチメートルの巨体と、八十二キロの体重から繰り出されるそれは、ハンマーにも劣らぬ凶器と化す。】
【腕の下にいる少女に向けて。右腕を曲げて、渾身の力と全身の体重を籠めて、右の肘を少女へと振り下ろした。】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<><>2013/03/25(月) 22:59:18.72 ID:LyhkI9Poo<> >>898
ヤだねェ、オレは死にたくないさ。
オレは誰かのものを奪うのもぶっ壊すのもぶっ[ピーーー]のも大好きだけどよ。
誰かに奪われるのも壊されるのも殺されるのも真っ平御免な訳だ、当然だろうけどな。

【きしっ、と歯をこすり合わせる音を響かせながら、女は自分勝手な理論を口にする】
【誰かが不幸なのはいいが、自分がそうなることだけは死んでも嫌だ】
【死の恐怖も、狂気も、痛みも、失うという事も。知っているからこそ、自分以外の誰かに押し付けたくなる】
【地面に散っていくその花弁を見て、危険だな、と脳内で結論。触れれば溶かされるのは、怖い】

半魔、ねえ。
もうちょっとぶち壊れてくれるとオレ的には愉快だったんだが。
まあ、しゃあない。高望みしても仕方ねぇこともあるしな?

【相手がどのようにして変わったのだろうと、疑問に思いはする。もし卵を御する事が出来るならば、不安定なアレの有用性も高まるというものだ】
【だが、別にいい。殺してしまおう。後で死体をそこらの学者系のナンバーズにでも明け渡せば何か分かるだろう】
【細かいことを考えるのは得意ではない。ただ、己の悪意と敵意に従って顎を開き、牙で相手を引き裂くのが己の在り方だから】

悪ィな、とっくの昔に何度か溶かされてるんだ。
死にたかないが、溶かされて死ぬのは死んでも御免だわな。
そして、良い子だ悪い子だなんざ――悪党相手に言う事でもねェよ。

その喉笛、食いちぎってやるよ――狂犬が、なァ?

【此方を捉えるようで、何処かズレた言葉は、卵の影響だろうと判断する】
【その上で、相手の異能は危険であると認識し、場合によっては撤退も視野に入れる】
【狂犬は、猟犬としての思考も持ちあわせてその場に立つ。そして、両の腕からは鋭い爪が伸びていく】
【赤黒い鋼の爪と、足にもスパイクのように金属粉末が圧縮され、地面に食いついた。衝撃音が響き、移動】

――しゃッ!

【壁にスパイクを食い込ませながら上空へと駆け上がり、数mの高みから右腕を振りぬく女】
【赤黒い霞が圧縮され、十数発の鋲を創りだすと相手の頭上から降り注がせていく】
【あくまで牽制であり、あたっても致命傷には成り得ない一撃である】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(空)<>saga<>2013/03/25(月) 22:59:50.88 ID:XswAY2Iy0<> >>876

【一瞬驚いた様に僅かに見開く双眸。けれども其れはすぐに終わり、】

……成程、ね―――――……貴方の殺意は、揺るがないのね。

【“敬意”。彼の矢継ぎ早に紡いだその意味を、柊は瞬間に理解した。微笑めいた声/けれど彼女もまた、戦意は変わらない。】
【……自らが敬意を払う相手であろうと彼は“殺せる”。逆もまた然りであり、其れは凶器としての完成形なのだろう】

(………だからこそ私は敗けられない、)

【理解し/そして名乗りを返しだす少女、】

……八攫 柊 (やつか しゅう)――――― 騎士でなく主なく断ち斬る “孤剣”。
憶えるかどうかは任せるけれど、それで、この世界から消えるつもりは私にはない――――――― 

…………機関(あなたたち)の願う混沌の夢は、未だ終わりには程遠く。
私の願うひとつの夢は、その終わりが無ければ訪れない―――――――

……端的に言って敗けられないのよ。
私の定めた死に場所は、この場所からは未だ遠すぎる……!

【――――― “機関(あなたたち)の願う混沌の夢”。】
【それを終わらせるとは、罪神をも含む彼女の敵総てを、自らの手で断つ事――――】
【ゆえに己は敗けられぬのだと、ゆえに勝利するのだと。そう、彼に今一度宣戦して】

【開戦、凄まじい速度で急降下、接近するシルベ―――――― 】
【怪鳥めいた裂帛の声に、聞くものの魂を圧するが如き冷気に、柊は既に“脅威”と認識していた彼への警戒のレベルをさらに上げる】

(…………ッ!)

【肘を引くと共に右脚を下げ、斜めに構えた躰で太刀を上空に向けて構える――― 強烈な衝撃に備えるためのその姿勢から、】
【金属音―――― 】
【小太刀の一撃を真向から受け止める。ギリギリと鍔競り合う刃鉄の音色、】


【太刀を下げ、受けた斬撃の軌道を変えつつ小太刀を受け流し――――】
【その勢いごと腕に篭めた力を上方に転換、刹那反転する白銀の刃。】

―――――――――――ハァアッ!

【そして両腕で放つのは胴狙いの斬り上げだった。シルベの右脇腹を狙い、斜め下から撃ち出す神速の一閃。】
【距離は既に至近―――― されど受け手も只人には程遠い。限りなく短い到達までの間でも、彼ならば対処は可能だろうか】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(関西・北陸)<>saga sage<>2013/03/25(月) 23:01:38.63 ID:jqSIe6wAO<> >>899
【剣は当たった、しかしダメージは軽い】

あんただって躱してるじゃないのよ!

【振った勢いで右に身を捻って向きを変え】
【左の短剣を男の義手の爪に当て、切り払うように己の後方へと振る】
【斬る為ではない。身を跳ばす勢いをつける為だ】

ぐ、あっ───!

【躱しきれはせず、爪に左腕が軽く裂かれる】
【しかし左手が使えなくなるほどのダメージではないか】

さっきから聞いてると──あんた何しにここにいるのよ!

【問うと同時、攻撃を終えた男に向かって】
【短剣を肩の高さで右から左へ、続けて同じ向きで胸の高さに長剣を振り抜く】
【しかし、先のダメージに剣を振り抜いた勢いが加われば、少女は大きな回避は行えないだろう】
【故に、この攻撃の直後は男にとってチャンスといえるか──?】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<> !nasu_res<>2013/03/25(月) 23:06:14.58 ID:0yBd5on+0<> >>906

ヒ、ヒャハハハハハハハハハハハハハハハッッッ!!どうしましたッ!?そんなに苦しんでッ!?
次はどのお友達≠ェもがき苦しんで死ぬ様が視たいですかッッ!?クッヒャハハハハハハハハハハッッ!

やっぱり貴女のような人間が苦しむ様は最高ですねッッ!さァ!もっと見せて下さいよッッ!!ガッッッ!?

【快楽に顔を歪めながら連続で永劫にも続かんとする蹴りを放ち続ける―――相手の精神を深く、より深く抉らんと………。】
【だがさらなる追撃を放とうとした瞬間にその脚を1つの弾丸が貫き………鮮血が舞い―――たまらずレギンは後退する………だが】
【その顔には―――未だ笑みが張り付いて離れない………愉快でたまらないといったように。】

グッ………ックク。ヒャハハハハハハハハハッッ!!良いですねェ!良いですよセリーナさんッ!
その憎悪、その敵意………嗚呼―――なんと心地よいのか………たまりませんよ、さぁもっと憎んで下さいッ!もっとッ!

そうしないと貴女の大事な物を一つずつ壊していきますよッッッ!ヒャハハハハハハハハハハハハハハハッッ!!

【シュン、シュン―――何か二つの輝きが横切る―――これは投擲用のナイフだッ!レギンは素早い動作でそれを抜き放つとセリーナへと投擲するッ!】

【狙いはガンマンの命である両肩―――さらにまるで毒のようにふたたび悪意≠フ黒いエネルギーが注がれたナイフだ。】
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage saga<>2013/03/25(月) 23:07:25.09 ID:bmz/l6wb0<> >>905
【――――ただ天井を眺めているだけでは何も起きないのが世の常なのだが】
【どうしてかこの時ばかりは運が良く、来客の音を告げる音を聞けば自然と視線は扉へと向けられるのだろう】
【――――嗚呼。そんな呟きは、果たして何を思ってか】


「……いらっしゃい。あの旨を考えれば、もっと屈強な男の人でも来るのかと思って居たけれど
まさか、こんな子を寄越す何てね。私としては、お仕事も果たせるし暇も潰せるし有り難い事なのだけれど」

【微笑を返せば紡がれる、こちらに来なさいなの言葉】
【指先がカウンターに一つの陣を描けば、丁度少女の背後に椅子が現れるだろうか】
【其処へと腰を掛ければ、ゆっくりと女性の前へと進むはずで】


「叱られたいのであれば、ただ私の言葉に対して首を横に振っているだけで良いわよ?
……まあ、私もコレはお仕事の一つ。本当にそんな事をしたならば貴女にお仕置きをしなければいけないのだけれど」

【紅の双眸を歪め、クスクスと笑えばからかうかの様な声】
【見定めるのは少女の帯刀している其れと、身なりか】
【――――そんな事も、敵意が無いと分かれば直ぐに終わるのだが】


「さて……ご主人様のお使いに来た子犬さんに問いたいのだけれど
生憎、此処には“危険”な物が色々と有るのよねぇ……
何が必要なのかは聞きそびれてしまったし……良ければ、貴女の口で教えてはくれないかしら」

【巫山戯ているのか、否か】
【悪びれる様子も無く聞きそびれた事を伝えれば、少女に問うたのは必要な品】
【生憎、宝玉等の物は取り扱ってはいないが――――“裏”に通ずる物が一通り揃っているのがこの店で】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2013/03/25(月) 23:09:21.21 ID:A0z47xwOo<> >>904

【相手の行動自体は、功を成していたか……立ちあがるまでには、多少の時間】
【かちゃりとサングラスが地面に落ち、それに構う前に、ウォーハンマーの鉤が機関銃を跳ねあげようか】
【相手を見下ろす紫水晶のような瞳は、やはり健やかな微笑みを湛えていた】

憐憫ある者よ。義のために責められたる者よ
貴方は憐憫を得、天国へ招かれる事を約束されるでしょう
……さようなら、ユリン

【ウォーハンマーは、鉤と鎚の無い方を下にしてそのまま相手の胸の真ん中へとそっと降ろされる】
【きっと男の言葉に嘘は無く、特別な金属を用いたウォーハンマーは速やかに雷光を伝え】
【苦しみも、痛みも無く。その命のともしびを消し去るのだろう】

【――けれどもそれは、相手がそれを甘んじて受け入れたならばの話】
【ウォーハンマーを振り払い、その場から背を向け、ついでに牽制に一撃加えたとしても】
【少なくとも今は、その背に雷を向ける事は無い】
【それは相手にはまだやるべき事と力があり、それをする権利があるからだ】
【そしてそれが、目の前の男への“攻撃”“反撃”“奪還”であったとしても】
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>saga sage<>2013/03/25(月) 23:12:39.62 ID:zSyauo5Vo<> 【櫻の国――郊外の街道】

【木々の梢が夜風に吹かれて、小鳥達も寝静まる鎮守の森】
【近くには朱塗りの鳥居があったりもして、田舎の景色に精彩を添えている】
【街道は時折混じる梅の木が見頃を迎えていたりと、舗装も無いながら美しいもので】

【しかしすぐ隣が森である道、それ故に酷い暗がりであり、消えかかる電灯位しか頼りはなく】
【何が出るかも分からないそんな場所に、何の理由か一人の少女が佇んでいた】

……んー、僕じゃ届かないよねぇ
どーしよぉ、誰か背の高いおにーさんとかいないかなぁ……

【栗色のふわふわしたボブカットの髪、同色の丸い目を長い睫毛が縁取り】
【胸元を開いた白のブラウスに桜色のカーディガン、胸元には赤いリボンタイ】
【そして膝上15cmの際どさで揺らぐ濃緑のプリーツスカートと、】
【紺のソックスと黒革のローファーで纏めた足許は、何より女子学生らしさを出していた】

【――そんな彼女が見上げているのは、2m程の高さにある幹で】
【其処に引っ掛かっているのはヘッドフォン、どういう訳か絡まってしまったようで】

【むー、とかうーん、とか唸りながら】
【木の下をひたすらぐるぐるする少女は、存外悪目立ちするかも知れなかった】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(京都府)<>sage saga<>2013/03/25(月) 23:12:59.58 ID:pSzhZUap0<> >>909

【確かにこの彼自身、カノッサ機関の所業が許せない所があってここに来ている、という面があった】
【その行動には自己満足の面もあるし、報酬の金が目を奪ったというのも嘘ではない】
【だが何より許せないのが、今回の行動によって引き起こされる理不尽なまでに甚大な生傷】
【それが一方的に与えられる事を思えば、どうにも彼は収まりがつかなかったのだ】


いえ、それはありません
少なくとも今こうして貴方に刃を向ける僕は、貴方を悪と呼び攻撃しているのですから

僕は相手方の理念を理解しようと心がけています。しかしそれが理解出来、尚且つ納得できたとしても、
それが僕にとっての斬るべき対象ならば僕は斬ります


【戦闘の主導権を奪われた以上、これ以上不利に立たされる訳にはいかない】
【エヴァンはその剣に魔力の衣を纏わせる。青く刀身が輝き、それが魔術的な攻撃手段となる】
【駆けていた足を止め、アイゼンの爪を引っ掛けて停止、その反動を利用して剣を縦に叩きつける】
【標的は狙ってきた衝撃波。勢いよく振り下ろされた一閃によって衝撃波を散らせてしまう】

【そしてアルフォンスの手の内に溜まっていく魔導を、見落とす寸前で気付く】
【阻止する必要があった。足に怪我を負った現状で強い暴風を浴びせられれば、無理に踏ん張ってもこの足場に残れる保証は無い】
【しかしここで無理に距離を詰めても意味が無い。再び距離を離され、また同じ状況に立たされるだけだ。そう彼は判断を下す】
【ならばここでそれを打ち砕く必要がある。右足を後ろに下げ、体全体を雑巾か何かの様にねじり込む】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(埼玉県)<>sage<>2013/03/25(月) 23:17:20.32 ID:y6mKmYhio<> >>911

【ほんの一瞬―――自らが何処に居るか≠悟ったように、少女は視線を上げた】
【そこから見えるのは、悪鬼羅刹とも見紛うばかりの大力武者】
【悪意や狂気を飛び越えて、そも本能が忌避するような獰猛さがそこには在って】

  か、ぁ……っ、ふ―――――!

【少女がそれを理解したのは、頭脳での次に身体で、であった。そう、背部だ】
【打ち下ろされた右の肘は少女の左肩甲骨を打ち、砕き、更に奥へとめり込んで】
【若い肉を破壊しながら、軽い身体を足下の大地へと叩き付け、彼女の吐いた血が彼の足を汚すだろう】

【勝負は一瞬でつく。肉が裂けたことによるせいか、将校服は肩に続いて背中も朱に染まる】
【刀こそ手放さなかったが―――もう終わりだ、と。菅野はきっと、沈黙した少女を前にそう思うはずだ】



【――――思ったのなら、きっと彼の足に絡みつこうと蠢く、彼女の長い頭髪には気付かないのだろうが】

【いや、或いは気付いたとして――すぐさま飛び退かねば、髪は彼の足をグルリと巻き】
【一本一本がピアノ線にでも化けた≠ゥのように、肉へと喰い込み始める事となり―――。】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(関西地方)<>saga<>2013/03/25(月) 23:18:13.73 ID:e+QEOqLmo<> >>910


「いや? 話は簡単さ。 俺と、君と、其処のが偶々、此処に居るだけ。
 で、俺と其処のが知り合いで、君と其処のも今日、顔見知りに成った――。
 …、…俺としては、此れを期にストーカーされるのも面倒だから、其処のを殺して―― 」


――、ネルガル=B



【――、再度、銃声=z
【魔力の『白い筋』が銃口から放たれ、蝶の魔力と反応して雲散霧消】
【…、…どうでもいい話=Aは、途中で遮られ、声は村から消え去って―― 】


……、もういい。
取り敢えず、お前をさっさとのめして――それから、奴を探して殺す。


【――、腰の黒刀を抜くと、散るのは『黒い燐光』】
【屋根の上、それを構えて、「双眸を紅く」――、  した所で、迫る『カラス』――!!】



 ――、 ッ!! …、…っめてんじゃねぇ!!!


【『直撃』したのは、内心に若干の動揺が有るからか】
【…、…だが、右肩に刺さった其れを、「左手で掴み、引き抜き」――、】
【そのまま、『大跳躍』。 ……、跳躍の終着点は、ウェル子=\― 】



【――、左手にカラスは持ったまま=c、…何をするつもりなのか】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<> !nasu_res<>2013/03/25(月) 23:18:37.10 ID:0yBd5on+0<> >>907

【多少は弾かれど刃が命中した事を確認し自身が優勢だと判断するも―――未だ悪魔はその動きを止めない】
【そこへ飛来する凍土の欠片………女性の光の剣の一つは既に放ってしまった、残るのはもう一つだけだ】
【それを器用に振り回し凍土の破片を弾いて行くが………やはりダメージもあるのか幾つかが顔や肩を抉り取る】
【だが痛みに呆けている隙はない―――魔獣が杭≠ヨと接近しているッ!】

こちらこそ貴様の魂ごと浄化してくれるッッ!!貴様のようなモノを邪神にしてたまるものかッ!
―――ッ!!させるかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!

【杭を引き抜こうとしている魔獣へ向けて光の剣をエネルギー波に変換し放つ―――凄まじい浄化の熱線で焼き払おうとするだろう】
【だがもう一方の剣の再構築もまだだ―――つまり悪魔にとってはこれは絶好のチャンス、という訳である】
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(関西地方)<>sage<>2013/03/25(月) 23:18:55.43 ID:BA08C1uYo<> >>908
【この世に生を受けた時からこの姿だった双子でも、思考と動きまでそっくり同じとはいかない】
【彼に見せたわずかな隙は、この場においては非常に大きい】

【しかし、こちらの反撃もなんとか届いたようだ。攻撃の直後の隙を撃つことには成功】
【血を流す左半身、地面に転がる彼。しかしそれでもなお、瞬時に起き上がって見せる。まぎれもない強者の姿】

「グ……おのれ……」
『くそったれ、まじぃぞ、こりゃ……』

【即座に判断を下して、こちらへと攻撃を再開してくる彼を前に、刀傷のダメージを押して、なんとか対処しようとする】
【投擲される刀、ダメージのこともあって焦燥が募ったか。今度は、兄弟そろって、フェイントと目くらましに引っかかる】
【飛んでくる刀に、四本の腕で防御の構えをとった刹那、砕け散る銀の粒子に、視界を失う】

『うお!? なんだこりゃあ!?』
「気を抜くな!! 来るぞ!!」

【向かってくる「本丸」。しかし、先の斬撃のダメージが尾を引く。加えて目くらまし】
【闇雲に、身体の前面に泥を発生させてガードを試みるも、鳩尾を狙う切っ先の勢いは衰えず】

【銀の切っ先は、双子の身体を貫いた】

「ぐおっ……」
『かはっ……』

【次に漏らした苦悶は短い。前面に展開した泥もろとも、切っ先は兄弟を貫いている】
【泥によって鳩尾からはわずかに刃がそれ、多少はダメージを軽減したようだが、その一撃がもらたす苦痛は大きい】

【しかし、兄弟の目は死んではいない。自分たちの身体ごと、刃が貫いていた泥が蠢きだす】
【泥は、刃を伝って、彼のほうへと伸びていく。刀を握る手にそれが達したならば】
【内側に向けて泥が収縮し、彼の手を砕かんとばかりに圧縮しようとするだろう】

【苦し紛れの反撃だ。泥のスピードは、そう速くない。しかし、兄弟はその成功率をあげるために】
【四つの手で銀に輝く刃を全力で握りしめて、刃を身体から抜かせまいと試みる】
【手は、四つとも泥で覆われてはいるが、刃を握りしめればさらなるダメージは避けられない。そのリスクを払ってでも】
【彼の手に小さくないダメージを与えて、宝玉への攻撃を少しでも困難ならしめようという魂胆だ】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(関西地方)<><>2013/03/25(月) 23:20:50.24 ID:wsprkmDIo<> >>916

【女性らしい貴女のラインは、彼女の視線を射止めるには十分すぎて】
【細く白い喉がとくん、と揺れた思わず息を呑む音が、響き渡るかのように】
【貴女の指先に手繰られるかのように、一歩また一歩と貴女へと近づいていこうとして】

【ふと彼女の視線が落ちた、背後の椅子に、気がついたようで】
【腰掛けたなら、短い着物の丈から、フリルが零れて、サイハイソックスとの間の僅かな純白の隙間を詰めて】
【揺られる感触に少々の驚きを、感嘆の声で示すと、柔らかな笑みを浮かべた】


私もです、つまらないお使いと思っていましたら……このように素敵な、お姉様がいらっしゃって
……それに、とてもお優しい言葉をおかけになってくださって……驚きで、胸が一杯です

素敵な、本当に素敵なお言葉……後が無ければ、今すぐにでもいいえと答えましたのに
残念ですが今日の私は……お仕事に縛り付けられた身、この姿ではお姉様には可愛がってはいただけませんから……
今日のほどは、お仕事だけにして……あまり虐めないでくださいな


【笑みの色に歪む貴女の色合いは、息をするのも躊躇うかのような芳醇な深さで】
【がたっと椅子から立ち上がって、貴女の胸元へと飛び込んでしまいたい、と思ってしまうほどに】
【だめだめ、と小さく頭を横に振ったなら艶やかな髪の色合いが、まるで蝶のように揺らめいた】

【座ったまま、彼女の目の前で、彼女の両指がくしゃっと絡みついた】
【細くしなやかな白の指先は、彼女の纏う扇情的な黒の着物と、対比するかのデザインで】
【ぎゅうと両指を絡めたなら両脚の隙間へと下ろしてしまった】


えっと……詳しくは聞いていないのですが……なにやら、香水らしいです
奥様の好きな香りの香水、何やらとても、大切なものとお聞きしました


【――――香水=\―――裏のものがそろうこの店では、少しありきたりなモノかもしれない】
【ただ、彼女の奥様≠フ素性を知っているのなら、その重要性もわかるはずだ】
【闇社会で生きる女性の大切な武器、それを飾り立てる大切なファクターであるのだから】

【望む品物は貴女の店にもあるはずだ、一滴で通常の労働者の給料に値する価値のある品物が】
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>saga<>2013/03/25(月) 23:20:54.52 ID:bKt52Hiyo<> >>914
【鋼鉄の義手と、短剣のぶつかる金属音ーーー突き出す腕の動きは少女の対応を成功させるに十分過ぎる物であって】
【爪が空を切れば、忌々しそうな表情で身を引いた】

オレはオレに言ってんじゃあねぇ…テメェに言ってんだよ、このタコ助!!
オレがやってっからテメェもやっていいって誰が許可したぁ!?

【ーーーめちゃくちゃだ、右腕を振り回し、叫ぶ男は暴君のように言い返す】
【反撃を返す少女の剣を、爪を開いた義手の掌で受けてーーーニヤリ、と口角を上げた】

あぁあぁあ〜〜ン…?オレがどこにいようとオレの勝手だろうがよ…!
テメェは俺の母ちゃんか?えぇ?

舐め腐ってんじゃねぇぞ、ガキ

【ーーーこの反応、宝玉が目当てとかそういうレベルではない、むしろ宝玉があるというのも、事件も、宝玉の情報すら知っていないのかもしれない】
【ならばーーーこの男は何のためでもなくここにいて、何のためでも無く破壊するーーーただの達悪いイレギュラー】

【受けられた剣を素早く引かなかった場合、義手の爪が閉じて剣を掴む、まるで万力のような力だ】
【そして、掴む事に成功すれば、男は右腕を引き、振り上げ、振り返って、背後にある宝玉の欠片の収まる杭≠ノ叩きつけようとするだろう】
【剣が手放さられれば剣を、もし少女が剣を掴んだままだったらーーー】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage saga<>2013/03/25(月) 23:28:10.80 ID:t4gQiJsa0<> >>912

……――それなら、ね、奪って毀して殺してあげる。
特別よ、特別なんだから――喜んでよね、蕩けちゃうみたいに

【向けた掌、ぎゅっと握りこんだなら――行き場をなくした雫が溢れて、ぴちゃりと地面で跳ねる】
【その雫の果てを追うわけもない視線はやっぱり彼女へ向いたまま、挑発を繰り返すなら、仕返しも兼ねているのだろうか】

【しゅぅと蕩ける音階は、その実。彼女の任意でその強度を自在に操れる。一滴ごとに操作することだって】
【その心を多大に乱せたなら、ただの水と同じほどに成り果てる――なんて、口頭で教えてくれるわけもないけれど】
【そもそも。混乱の中では上手く能力すら扱えないこと、前回でばれている――可能性すら】

何度かあったなら、今から一回増えても――あんまり変わらないよね?
ああ、でも、蕩けちゃったなら……違うかな。――でも、わたしからしたら、あんまり変わらないよ。

だから、いいよね――ああ、だめ、触らないで

【血色の瞳に湛えるのは――なんだろう、狂気にも殺意にも似て、ただ、少し、違う気がする】
【溜め込んだ鬱屈の色。ストレスにも憂鬱にも似て、――ごちゃ混ぜにした、混沌色】
【ふらふらと紡いでいく言葉はそのたびに曖昧な音階を成して、会話出来たって、きっとまともからは程遠い】

でもね、人外より人外めいてるって、思うな――。

【見上げた瞳が、鋲ごしに彼女を捉えて。ぎゅっと握りこんでいた手、鋲たちに向けて振るったなら】
【ばしゃり――ぶちまけられるのは、手のうちに溜め込んでいた雫たち。先よりも量も増えて、ちょっとした水の壁を成す】
【酸性で溶かすことよりも、水の流れで振り払おうとする動きは。鋲の重さによっては、叶わないのだろうか】
【叶ったならば、取り残したひとつが真っ白の頬を一筋切りさく。失敗していたならば、その傷はいくつも刻まれて――】

【――空っぽになったはずの掌で、きらり魔力が煌いた】
【宙に残る水飛沫に隠すよう、隠れるよう、刹那の間だけを空けて指先から迸るのは、水で出来た蛇の細い身体】
【透けた頭の中に抱いた鈴がりん!と鳴いて、存在を示すと同時――矢のように飛びかかる速度は、それなりのもの】
【真っ直ぐに向かうのは愚直でも、ぶつかったなら水の塊よりもいやな結果を同時に齎してくれるのは間違いなく、】
【それでも。即座に解かされるなんてことはない。意識を向けるべきはほかにたくさんあったから】
【(そもそも、彼女がそこまで酸性を強めていられるのは、十把一絡げ、どうでもいいよな無能力者相手ぐらいなものである)】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(大阪府)<><>2013/03/25(月) 23:30:57.27 ID:ENWuLmj50<> >>913

【一合目ーー! 『金属音』『鍔迫り合い』『受け流し』】
【見事な技術。これにシルベは内心、愉悦を覚えるッ! 強者との戦いは『喜び』!】

【だが、見惚れてはいない! 次に放たれた一閃を、『受ける』!】
【どう受けたか? ……それこそまさに『凶器/狂気』! 空中で姿勢を変え、龍顎めいた『面頬』で斬撃を受け止める!】

【卓越した身体の使い方は勿論だが、驚くべきは『精神』!】
【僅かでもズレていたら、顔が真っ二つ……『即死』だ。恐るべき冷えた判断能力。】

【そして、其の儘後方に吹き飛び、杭の前に着地。】
【口元は面頬で見えないが、愉悦に歪んだ目が其れを物語る! 危険な戦士!】
【距離は3m……『振り出し』!】

フゥー……『良い』ぞ。
良き気迫、心構え……理想死地、勝利、夢への渇望。
然し我らカノッサもまた圧倒的渇望集団。夢への猛進力において、行動力において敵無しッ……!

【この間にも、刻一刻と宝玉の力は暴れ、自然を砕く!】
【そして驚くべき事に! シルベは半ばそれを『狙って』会話している! あまりにも邪悪・狂信的作戦遂行精神!】

……貴様ら正義のちっぽけな夢を! カノッサの破滅的絶望的大戦力で叩き潰すッ!!

その縮図として……俺が此処で貴様を惨たらしく殺しッ! 神聖な宝玉片を持ち帰りッ! 偉大なカノッサの勝利を導くのだ!

【構えるーー! 小太刀を逆手に持ち替える、奇妙な構えだ!】

……食らえェェェェェェぃアアアアアアアッッ!!

【そして、小刻みに振るうッ! すると……おお、見よ! 刃に纏わり付く月光が刃となり、放たれているではないか!】
【凶鳥めいた激昂的シャウトが静寂を斬り裂き、刃が闇を割く!】

【これが月世界騎士の小太刀の能力! 強者の武器か!!】
【三日月型月光カッターの数は十枚! 薄く脆いが、ヘタな刃物より斬れる!】

【狙いは定まっていない! ばら撒くような攻撃スタイルだ!】
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>saga<>2013/03/25(月) 23:31:08.36 ID:wfmDyV16o<> >>921

【迫る神鷹に対し、ウェル子にはまだ、「黒羽根のオーラ」が残されている】
【無策で突っ込んでくるとも思えないが、向かってくるのなら相手をするのが彼女の流儀】


…………嗚呼…………誰も彼もどなた様も…………


【然してまだ傷を負ったわけでもあるまいに、彼女は、捻り出すような、妙な発声をする】
【嗚呼……それはまさしく……】





  我  が  儘  が  過  ぎ  る  の  で  す  よ





【――……絶望的≠ネ、声色だった】



【ぎらりと、鋭利な瞳が、跳躍中の神鷹を貫けば、ウェル子を覆うように、疾風≠ェ吹き荒れる】
【その疾風≠ヘ、「黒い羽根」が無数に含まれた、黒き疾風】
【もしもこの中へ突っ込めば、小さな刃と化した黒羽根が、神鷹の肌を刻むだろう】
【致命傷にこそなり得ないが、痛みと出血で体力を奪うのは簡単な話だ】

【しかしウェル子は、移動していない】
【傷覚悟で、或いは何かしら防御策をもって突っ込めば、逆に大いに攻撃のチャンスへと転化できるか】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>saga<>2013/03/25(月) 23:32:03.25 ID:T6wsJpDPo<> >>915

(くっ・・・コイツ―――ッ!!)
(ある意味あの"悪魔"より性質が悪い・・・ッ!!こんなピンポイントで、アタシの――・・・クソッ!!)

何時までも・・・はぁ・・・はぁ・・・!わら、ってんじゃ・・・ないよッ!!

【弾丸の狙いは確実だ、あれ程までの狼狽の中ですら彼女の弾道計算は、そして射撃テクニックは寸分違わず狂わない。】
【精密射撃の一発目はまず、彼の脚部を撃ち抜く――しかしそれすらも大きなダメージには繋がらないのだろう、セリーナは呻く。】
【まだ精神攻撃による悪夢が、思考から完全に遮断されてはいなかったが――構うものか、彼女は展開した召還陣に手を、突っ込む――!】

―――番犬吠々<ケルベロス・マグナム>ッ!!

【召還陣から取り出されたそれは――銃、のような"何か"――否、そうとしか形容できない程の巨大な、銃器。】
【拳銃と思わしき形状、しかしそれでもグリップは驚くほど大きく、なおかつ中心のシリンダーは通常のリボルバー拳銃とは】
【比較にならないほどに巨大で、そして独特の存在感を放ち―――なにより、このバケモノじみた拳銃の最大の特徴は】
【銃身――シリンダーから敵へめがけ真っ直ぐに伸びたそれが三つ、"三連装"に連なっている事だ。】
【水平ニ連装のショットガンの上部に、もう一本の銃身を継ぎ足したかのような"歪"過ぎるフォルム――】
【銃身にはレリーフとして、地獄の番犬を司って精製された事を伺わせるケルベロスが描かれている――まさに、三つ首の"砲身"】
【セリーナは残り一発となった弾末魔をガン・ベルトへとしまいこみ、かわりにケルベロス・マグナムを両手で構えた。】

気持ちが悪いねぇ・・・ッ!!アンタみたいな"ドM"気取った男はそこそこ見てきたけど、どいつもこいつも揃ってみんな言うんだ――
"ああもっと!"ってね――そんでもってみんな早漏ばっかりだ、張り合いが無いような奴らばっかさッ!!
アンタもだよ、レギン――アタシの大事なものは、絶対に渡さない・・・代わりにアンタの大事な大事な"ソレ"を、ブチ抜いてやるッ!!

【投擲されたナイフ、そしてそれにあわせ、いや一瞬遅れて――爆音が響いた。轟く銃声はもはや、"爆発"と呼ぶに相応しい・・・!】
【ハンマーを起こすと共に、三銃身がグルン、とダイナミックに回転を魅せ、シリンダーと直結、引き金が引かれ――番犬が、唸るッ!】
【放たれた弾丸はもはやマグナムと呼べるような代物ではない、20mm以上のスマート・グレネードに匹敵し得るような爆裂弾ッ!】
【こちらへと向かい来る二本のナイフの中心、その間を"マグナム"は潜り抜け――狙った先はなんと―――】
【いや、宣言どおりといえば宣言どおり、怒りの篭った一撃は"彼"の"股先"――股間へと、向かうッ!!】
【仮に弾丸が命中したのならば、いや命中せずとも"炸裂"すれば――それはまさに小規模といえど爆発を起こし】
【込められた魔力による"風"の属性が付与された"爆風"と"弾丸"による二重ダメージを与えようとするッ!!】

【――そしてその一方で、ナイフは――避ける事は無い、セリーナはソレを"まともに"浴びてしまう。】
【ケルベロスマグナムを構えていた事で両肩への直撃は避けるも、一本は左腕を直撃、もう一本は肩を切り裂き、セリーナを通り過ぎた。】
【しかし――それだけでも十分、セリーナの内部に――心の隙間に、悪のエネルギーを注ぎ込む事には成功していて――】

う、ふぁ・・・!!あ、ああ、ああああぁぁぁ・・・っ!!

【――再び、脳裏に遅い来る"幻覚"――想像したくないヴィジョンが、彼女の精神を犯していく――!】
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/25(月) 23:32:26.18 ID:aBkInNzwo<> >>923

【霞に使った粒子は在るべき場所へケースへと収まる】


まだ、抵抗するか――――――!
……いいぜ我慢比べと行こうじゃねえかっ!

【霧が晴れればそこにいるのは白髪の彼、エルフェス】
【刀を伝いこちらに這い寄る泥を、しかし刀を粒子に散らす事も出来るというのにそれをせず】
【左手だけ柄から離すのは後の為、戦いの終わりだと分からないから保険をかけて】
【そして体重を掛けて切先をより奥へと押し込みつつ刃を捻ろうとする、きっと痛みは相当の物になるだろう】

【一方で、掌を包む泥は収縮を始めて】
【それに抵抗しようと筋を緊張させるがしかし人の身体は自然物の動きに逆らえるほど柔軟には出来ていない】
【時間の経過と共にみしりなんて音は大きくなってゆくだろう、しかしエルフェスは止まらない】

少しずつだけど刃先は進む、……っく……斜めに上げれば心臓に当たる……
手と心臓だ、天秤にかけるならこっちのが幾らか安いっ、だろう!!

【もうエルフェスと彼らの距離は互いの息が当たる距離だろうか】
【ならばその言葉は痛みというモノをもってより現実味を帯びて耳に届くかもしれない】
【そう、エルフェスはきっと自分の手と相手の命を比べて命を奪えるならば躊躇いなくそれを賭ける男に他ならない】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<> !nasu_res<>2013/03/25(月) 23:32:45.40 ID:0yBd5on+0<> >>917

【だが―――もはや少女には脚一本も動かす気力は存在せず………ただ棒となった身体を必死に動かそうとしているだけだった】
【それでも―――一矢報いる程度はしてやろうと………悟りに至ったような感情でそう思い、そして】
【相手が雷光を伝える瞬間に再び小型拳銃を引き抜き―――相手の腹部に精いっぱいの腕を伸ばしてそしてトリガーを引く】
【それでも相手に致命傷を与える事は敵わないだろう………これが現実だ、カノッサの刺客へと無謀にも挑んだ少女の結末。】
【雷光が身体を貫く―――少女の身体を内側から焼き払う。】

く…そ………へへ………手前………私が死んだとなっちゃあ私のスポンサー≠ェ黙っちゃいないぞ…?
カノッサのナンバーズめ………あの世で今度こそ………ぶちかまして………や―――る。

【ガクンッ!っと最後に一度震えると………もはやユリンは動かなくなった………それと同時にどうやら杭≠燻d上がったようだ】
【ともすれば………彼の任務も遂行されたという事だ、だがユリンの言うスポンサー≠ニは果たして………だが今はそれはどうでもよい事だろう】

【ここも時期に融解し、生態系は混沌へと叩きこまれる―――欠片≠手に入れ即座に退避すべきだろう】

【そう―――現実は無慈悲だ、カノッサは無慈悲だ、抗う小さな力など―――簡単に喰らいつくす程に………強大な闇だ。】

//ちょっとグダついてしまって申し訳ないです…これでこの戦闘は〆となりますお疲れ様でした!
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/25(月) 23:34:38.25 ID:crv3/Ngeo<> >>919

【残念だ、と言わんばかりに笑う。確かにこうして戦っているのだから、味方になることはないのだろう】


そうですか……
では、貴方がいつか僕の敵でなくなることを祈っておきますよ


【そう言って表情を引き締める】
【圧縮された大気が集まり続け、巨大な球体を形作る。効力は容易に予測できるはずだ】
【時間をかけただけあってその大きさは今までの比ではない。術者よりやや小さい程度もある】

【接近するだけの時間はあったはずだ──にも関わらず来なかった。先ほどと同じように切り払うつもりだろう】
【だがそれを簡単にさせるほど甘い攻撃のつもりはない】


死んでも恨まないでくださいよ!!


【叫びと共に発射。やはり巨大な分、速度は今までのものと比べれば落ちる】
【それは真っ直ぐエヴァンへ向かうが、命中する前に停止、一瞬の後に破裂し、爆風を周囲にまき散らせた】
【強引な圧縮により溜められた圧力の解放が衝撃波となって岩肌の雪を吹き飛ばしていく】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(愛知県)<>saga<>2013/03/25(月) 23:38:38.08 ID:y2UQn8wlo<> >>920

  ――――――――――血が、足りんなぁ。

【カタはついた。編み上げ靴についた彼女の血が、彼女の戦闘不能を物語っている。】
【もしかしたら内臓もやれたかもしれん。となれば、もう放置しておいても何れ死に至る、最早肉塊だ。】
【勝った。何時も通りだ。今回も何時も通り、真正面から  捻  じ  伏  せ  て  や  っ  た  】
【後は、あれを回収するだけだ。もう回収していいのかはわからないが……まぁ、敵の手に渡るよりはずっとマシだろう。】


  じゃあな。俺は、鬼≠フ首を取らなきゃいかんでなぁ。


【そう言って、それを最後に、宝玉の欠片へと歩み寄ろうとした。『歩み寄ろうとした。』】
【何か足を引っ張られるような感覚があった。まだそんな気力があったかと、康作は足下へと目をやった。】


【――――――――主にアミノ酸から出来ており、その間をビタミンCとコラーゲンが繋ぐ人体の一部――――――――】

【――――――――髪≠セ。】


【今し方捻じ伏せて、虫の息の少女の髪が、康作の足に絡みついているのだ。】
【いや、それだけならいい。その髪の毛が、異様な強度で、その肉へと『食い込み始めている』のだ。】



  死、にぞこない、がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ――――――――――――――――!!!!!!!!!!!



【振りほどこうにも、血が足りない。散々切り裂かれた事によって、余りにも血を流し過ぎた。】
【斬馬刀は、余りにも惜しい――――――――――本当に惜しい、ほんの少しだけ…離れすぎている。】
【この髪は、いずれ自分の両の足を切断しに掛かる筈だ。ならば、どうしたら良い―――――?】
【考えた末、男は少女へと、右足の裏を向けた。其処には―――――黒々とした、穴が開いていた。】
【空気を吸い込み始めたその特殊な器官が、僅かにシューッ、と音を立てて、空気の圧縮を開始する。】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(山形県)<>saga<>2013/03/25(月) 23:42:27.38 ID:hBgW3ErYo<> >>922

ッ、――こォいつは……!
避ォけろォッ、エルズペンタレグスゥッ!

【直接当たらずとも、悪魔のその肌にピリピリと感じてくる"浄化"の熱線】
【あの"魔獣"自体は元人間であり――それ自体は"邪悪"ではない】
【あくまでも、この邪悪な悪魔の支配下にあるだけである】

            【――だが】

【それが受けたダメージの幾らかは、悪魔にへと還元される】
【幾ら魔獣が邪な存在でないとはいえ、還元されたダメージはその攻撃の全ての性質を"受け継ぐ"】
【故に、――】 【焼き払われるわけには、いかない】 【己が、焼かれてしまうから】

【杭に接近していたその魔獣は、悪魔の指示によって"急上昇・急旋回"をする】
【――だが、その熱線は右翼を捉えていて】 【高熱により焼かれるその翼、墜落する魔獣】
【悪魔の右翼もそれに合わせて酷いダメージを――抜群の効果を持つそれが、悪魔を痛みつける】
【また、落下の衝撃も受けていて――元々半分にも満たないフィードバックダメージだ、こちらは大した問題ではない】


アアアアアアアアァァッァッッァァァァアアアーーーーーァーーーーーーーーッついッ!
糞がァァアア、糞野郎がァァアアーーーッ!

――ヒャハハハッ! だァが、今ので両方の剣がなァくなっちまったなァ


            ――――"分離"


【その言葉により、悪魔と恐竜が分離する】 【――姿に関しては、前述の融合形態と被る点が多いため割愛させて頂く】
【四足歩行の恐竜は女性の前にへと立ちはだかり、けれど何もせず――そして両腕も翼も使えぬ悪魔は、不安定な足場を駆ける】

【……つるっ】 【…………駆けたは良いが、……滑って転んでしまった】

【それでも悪魔は諦めない】 【傲慢で、自尊心が高く――しかし、時にはらしくないこともするその悪魔は】
【――――その滑る勢いのまま、杭にへと急接近ッ!】 【非常に滑稽な姿だが、滑走による移動は理に適っている……はず】
【先程、魔獣が喰らいつき杭を引き抜こうとしていたように――悪魔は、杭に牙を立てる】
【もし何も妨害が入らなければ――それを引きぬいてしまうだろう】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>saga<>2013/03/25(月) 23:44:04.87 ID:LyhkI9Poo<> >>926
【相手の在り方が不安定なものである事は理解していた。前回も、溶かされる場合と溶かされない場合もあった】
【だが、相手がそもそも既に狂い尽くしていたのならば、それ以上狂わせて暴走させても良い事にはならないだろう】
【三つ目の卵を植え付けるつもりは無い。2つ程度ならば大丈夫かと思うが、それ以上は何か化け物でも生み出しかねない恐怖を感じるから】
【野性的な勘は、相手の危険性を理解している。触れれば溶ける、己の鉄も溶かされる。相性が悪いのは百も承知】

変わるっての。生きながら肉溶かされるの、痛いんだよなァ。
だから御免だ――死んでも死んでたまるかよ。キチガイの相手は好きじゃねぇんだ。

【相手の要領を得ない言葉を前にして、女は飄々とした態度を崩しはしない】
【狂気に対して真っ向から向い合うなど馬鹿のすること。深淵に触れぬ術は覗かぬことに尽きるのだ】
【だから女は笑い飛ばす。相手のその狂気も何もかも、己の敵ではないを言い聞かせるように】
【虚勢だ。だが、虚勢を張り尽くして貫き通せば、虚勢も虚勢とばれることはない】
【だから、女は己の表面を血錆色の殻で覆って、相手に嘲笑を投げかけるのだ】

(――強酸性、ついでに水流操作。
水の出処は知ったこっちゃないが――まあ、厄介だな。
溶かされ尽くすうちにオレの武器が無くなっちまうじゃねぇかよ)

【降り注ぐ鋲は相手の酸で溶かされ流されて行く、それほど大きなサイズでもない以上、水の流れに逆らうのは難しい】
【しかしそれでも速度は中々の物だったため、相手の頬に傷を作ることが出来た】
【その上で、溶かされた金属粉末の末路をみて、眉間に皺を浮かべ】

ち……ィ。

【襲いかかった水の蛇。それの軌道から外れんと、とっさに爪を壁から崩して逃げ出した】
【脇腹に水蛇が掠り、レザージャケットは溶かされて皮膚も溶かされる】
【じくりづくりと皮膚が泡立つ感覚に寒気を覚えるが、己の体組織が溶け込んだ液体を操作し、体から吹き飛ばす】

――も一発ッ!!

【両の手を合わせて、その手の間に砂鉄を圧縮】
【回転鋸のように高速回転する円形の金属板を創りだして、相手の胴体を狙い撃つように飛翔させた】
【もし相手が先ほど鋲を溶かしたのと同じく水の壁を展開したのならば、不自然な感覚を覚えるかもしれない】
【水の操作を、他人によって阻害されているような、そんな感覚が】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage saga<>2013/03/25(月) 23:47:06.74 ID:bmz/l6wb0<> >>924
「私は別にどんな格好でも構わないわよ?
ただ――――そうねぇ。その着物のまま愛でるのも良いのだけれど、無い方が直に貴女を味わう事が出来るのでしょうね
だから、どんな格好でも構わないのよ。フフ、お仕事を捨てて自分の欲望に従ってみるのも背徳的で良いと思うわ
朝も夜も分からなくなってしまう位に……

――――けれども、貴女の背後にはとても大きな存在が居るみたいね
使いに出された貴女に手を出して面倒事に巻き込まれるのも気が滅入るから……そうね。又、貴女の時間の時に楽しみましょうか」

【その心を知って知らずか、縮んだ距離。カウンターを挟んで向こう側に畏まる少女の顎下へと伸ばされたのは女性の指先で】
【語りながらも其れは首筋を辿り、鎖骨を経て少女の張った皮膚から離されるのだろう】
【輪郭を縁取るような、その仕草。少女の髪を指の隙間で梳くように持ち上げれば、そのまま流し落として】
【耳元で囁くような言葉。所謂、そんな少女を誑かして遊ぼうかという当初の目的】
【――――然れど、最後の言葉は本音で有ろう。使いに出された少女で遊びすぎれば諍いに巻き込まれる可能性も有るが故に】


「香水?――――そう、なる程ね
こんな廃れたお店に得物を買いに来るなんて、物好きねぇ」

【貶している訳で無いことは、明白で有ろう。どちらかと言えば、その逆――――】
【高価すぎる故に、普通の店では置くことが出来ない品】
【けれども、この女性。報酬と称して様々な物を得ている故、少女の探している物も見つかるであろう】
【指を鳴らし――――程なくしてゆっくりと飛来してきたのは、幾つかの小瓶】


「さて……きっとこの中の幾つかは気に入る物でしょう
或いは、全部気に入るかもしれないけれど……一つの値段は相当な額よ?
貴女の居る場所ならお金の心配は無いでしょうけれど……
別に買い占めてしまっても構わないし、好みの香りを知っているならば其れだけを取っていっても構わないわ
フフ、それとも貴女も背伸びしてお揃いの物でも買っていくのかしら?」

【最高級な物は勿論の事、術式――――所謂、嗅いだ相手の精神に作用する物も入り交じっていて】
【嫌悪を抱かせる物。逆に惚れさせてしまう物。不安に駆られる物――――話術に於いては欠かせない相手への揺さぶり効果がある其れ等】
【勿論、長時間効くわけで無いのが難点なのだが……】
【果たして、少女の求める品はこの中に紛れ込んでいるのだろうか】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>sage<>2013/03/25(月) 23:49:21.51 ID:A0z47xwOo<> >>931

【腹腔へめり込むように刺さる銃弾を、避けはしない。それが最後の相手の意志であるのならば】
【相手の体を焼き払う雷光は鋭く、そのいのちと身体を焼き尽くすか】
【痛みに気怠くあるようにも聞こえるような吐息混じりの声を洩らすと、指を傷口へと突っ込み銃弾を無理矢理に引き抜く】
【ばちりと一瞬光った雷は、傷口を焼いて一時的に出血を抑えた】

……我天國の番人なり
もし汝ら翻へりて幼兒の如くならずば、天國へ入るを禁じ

【力を発揮しつつある杭にもたれかかるように、少女の体をそっと移動し十字を切った】
【やがて欠片を手に取ると、彼もまたこの場から立ち去って行く】

【Nataniel・Isaac・Castellanos――燔祭に捧げられし者の名を洗礼名に持つ者は】
【死刑台の階段の段数と同じ“13”を掲げ、強大な闇へと還りゆく――……】


/お疲れさまでした、イベント参加させていただきありがとうございました! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<> !nasu_res<>2013/03/25(月) 23:50:56.81 ID:0yBd5on+0<> >>929

ドMだなんて―――酷いですねェ全く………それに………全く随分と汚い言葉を吐くモノですね、これがリーダーだと言うからお笑いだ
おっと………これは少々危険そうです―――ねぇッッ!!

【セリーナの言葉に臭い物でも見るように鼻を詰まんで顔を逸らす真似をするが―――直後に現れた三連の巨大銃を目の当たりにし】
【一瞬表情から余裕が消失し―――そして自身の下半身を目がけて放たれた弾丸を、左足で弾き飛ばそうと迎撃するが―――ッ!】
【直後に小規模な爆発がレギンの至近距離で炸裂するッッ!!そしてレギンは後方へと吹き飛ばされ………なんとか転倒することなく両脚でブレーキをかけながら着地する】
【だがその身体には爆風によるダメージが大きく見られ小奇麗なスーツも今では薄汚れてしまっている。】

―――やりますね。流石はUNITED TRIGGERのリーダーを張るだけはあるという事ですか………ですが。
もっともっと憎しみ≠フ力を溜めて頂かないと………足りませんよ………ッ!

【相手への称賛の言葉を言いながらゆっくりと体勢を立て直す―――あの薄ら笑いが消え、金色の瞳≠セけが光っているのはむしろ不気味だ】
【それに全身を覆う黒いオーラ………あれによって防御能力も攻撃翌力も著しく上昇させているようだ、だから至近距離での爆発も耐え凌いだ】

【ユラリ―――と右手を上げると次の瞬間にはセリーナの足元に黒い沼のようなモノが出現し、そこから無数の蛇を象ったオーラが這い上がり】
【セリーナを拘束―――そのまま締め上げようとするだろう―――凶悪な魔のヴィジョンを脳裏に焼き付けさせながら。】
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(関西地方)<>saga<>2013/03/25(月) 23:52:56.44 ID:e+QEOqLmo<> >>928

【――少女に、高威力の攻撃≠放つ予備動作は無い】
【否。今から、『用意』する可能性も考えられるが…、…然し、「確信」が有る】


(――、『いける』。)


【神鷹の目論見――それは、佩刀暗夜行路≠利用したもの】
【…、…刀が持つ特性は、『吸収』。 左手に有した、カラスの魔力を吸収すれば】
【それを以って、必殺の斬撃≠、ウェル子に浴びせ掛けることが ――】







    ……、 ――    ぁ 



【 ――『出来る』、筈だった 】


【…、…それなのに、何故、『体がうまく動かない』のか】
【理由は、『ウェル子』から見れば一目瞭然だろう――、瞳≠見れば、分かる】
【手にしたカラスを手放し、暗夜行路≠熬で手放され、雪に突き刺さり―― 】



 【 ――、ドサリ=@】



【…、…黒羽根≠ノ身を切り裂かれ、体のバランスを崩し、その身は雪上へ】
【『何が起こったのかわからない』という表情で、男は、ウェル子を見上げ―― 】



  【 ―― 】


「…、…だから、言ったのに。」


「――真なる自分≠捨てた君は、そうなるのさ。
 君は『自由』を気取っているのかも知れないが、それは、完全≠カゃない。
 何処か、自分の中で、『過去の自分』を持っている…、…君の心は、ガチガチだ。
 過去に縛られ、心に縛られ、神鷹に縛られ、イスナ≠竅Aその『簪』に縛られ―― 」


       「そうやって――、絶望≠ノ、蝕まれる。」



  【 ―― 】



【…、…ウェル子には、細かい事情は不明瞭だろうが】
【だが、彼女にとって、恐らく『十分』だったのは―― 、一瞬だけ、】


【――、神鷹の双眸に、絶望≠ノ引き付けられた色が、見えたことだろう】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(関西・北陸)<>sage<>2013/03/25(月) 23:53:10.50 ID:jqSIe6wAO<> >>925
【男の言葉を聞き、次第にその表情、目付きが鋭くなる】

ああ、もう、ダメだわ、我慢の限界だわ……

【短剣を素早く鞘に収め、鞘ごと背から外す】
【しかし、剣を掴もうとする義手に対し、長剣を引く事は間に合わず】
【──否、少女は始めから引こうとなどしていない】

口の聞き方がなってないのよ、下郎が

【男に対し、そう冷たく言い放つ】
【そして振り上げられながらも長剣に交叉させるように短剣の鞘を接続】
【その形はやはり、十字架のようで】

──油断してんじゃないわよ
"リヒト・シュベーアト"

【最高点に到達する、その瞬間のこと】
【声に応じる様に刀身が放つ光は急激に増し、柄までも包むように瞬間的に広がっていく】

【次の瞬間、光は長さ3m程の長大な剣と化している】

【幅こそ元の長剣と変わらないが、切れ味は非常に鋭く、その長さも実際脅威となろう】
【そして少女はその光剣を、飛ばされながらも振り抜こうとしている】
【そのまま握っているのは勿論、その場にいるのもかなり危険だろう】

【この光剣こそが少女の切り札】
【その威力の強大さ故に、一度使えば次はない】
【そして少女は空中にいる、そこを狙われれば回避は不可能だ】

【また、そのまま妨害が無ければ少女は空中で姿勢を変え、杭の近くに着地するだろう】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(関西地方)<>sage<>2013/03/25(月) 23:53:58.57 ID:BA08C1uYo<> >>930
「ぐぬ……!!」
『が……クソ……』

【エルフェスの言葉に返答する余裕すらないほど、双子のダメージはさらに大きくなっていく】
【四つの瞳は、彼をしっかりと睨みつけているが、意志に反して一人分の身体は悲鳴を上げる】

【奥へ奥へと押し込まれ、ねじられる刃のもたらす苦痛に、もはや二人は声すらも発せられない】
【泥の収縮は、その苦痛に関わらずに効果を発揮し続けるが、彼が止まる気配はない】

「確かに……これは……貴様に有利な賭けだなっ……ぐ……」
『ぐがっ……!! なら……その首もかけろや……!!』

【激痛に襲われながら、力を振り絞ってようやく返答する】
【息がかかるほどの距離、耳に響く言葉は、自分たちの死すら予感させる】
【しかし、このまま殺されてなるものか、と兄弟が最後の力を振り絞る】

【兄の両腕が、刃から離れて彼の首へと伸びる。対処がなければ、その細い腕からは想像しづらい力で、彼の首を締めあげようとするだろう。死を目前にして普段以上の筋力を発揮するに至っていた】
【苦痛のために、もはや手を締めつける泥以外には、能力を発動する余裕がない。それゆえの、単純極まる物理的な攻撃】
【柄から離された左手に、意識を向ける余裕もない】

【刃を握ったままの弟の腕もまた、普段以上の力を瞬間的に発揮して、身体に刺さった刃を抜こう、彼の体重を押し返そうと力を込める】
【膠着状態。いや、刃を通して双子の生命を握る、彼の方が有利か】
【自分の命すら天秤にかけて、こちらを倒そうとする彼に、こちらも自分たちの命をかけた全力の抵抗】

【おそらく、これが最後の抵抗になる。ここをしのげば、この場の勝利は彼のものとなるだろう】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(京都府)<>sage saga<>2013/03/25(月) 23:54:50.51 ID:pSzhZUap0<> >>932

ええ、次に会うときは……

そうですね。美味しいハンバーガーの話でもして語らいたいものです


【それは紛れもない本心だった。戦わないでいる事が出来たらそれが良い。当然だ】
【だがそれが限りなく難しい事だと理解している以上、笑顔を取り戻そうとしたその顔には悲しげな笑顔しか浮かんでは来なかった】

【ねじり込んでいた体の力を、閉じ込めていた力を解放する】
【右足は大地を蹴り、左足でその体を進め、腰の回転、左腕の振り、ねじりを返す体の反動、幾度となく刃を振ってきたその右腕】
【その全ての力が、右手に握られた剣による一筋の斬撃に集約する】

【大きく斜めに一閃するその刃の軌跡は再び一つの斬撃となり、飛翔する】
【それは、彼が最初に使った剣圧波――その物を強力に放った物だった】

【だが、そこにかつての美しい青色の姿は見受けられないだろう】
【"それ"を放つ彼の剣の刀身は――暗黒に染まっていたからだ】
【そして其処から放たれる一撃にも、青色に輝く三日月の如く雄雄しい姿は何処にも無かった】
【黒い絵の具でもぶちまけたのか、と言わん張りに底の無い闇の色をした凶暴な衝撃波――それが最後に彼が選んだ決死の攻撃】

【氷を破砕し、冷気を孕んだ大気を切り裂いて進むソレは、全てを吹き飛ばさんとする暴風さえも食らい散らして進んでいく―――】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(埼玉県)<>sage<>2013/03/25(月) 23:56:48.16 ID:y6mKmYhio<> >>933

【にやり、と笑ったような。そんな筈はないのだが、そう思えてしまうような――】
【少女の持った刀から、そういう奇怪な輝きが漏れる。見れば、刀身は夜露に濡れたかの如くであり】
【思えば剣術に疎いという彼女が、筋繊維に引っかかることもなく菅野の肉体を斬ったのは】

【そしてまた、『髪が意志を持って足を狙う』という、尋常では有り得ない事態が発生しているのは】
【或いは―――そう、言うなれば妖刀≠ゥ。彼女の持つ妖刀の力であるように思え】


【―――少女に向けられた、男の足。そこに開いた異なる穴に、桃色の頭髪が揺れ】
【刹那、まるで熱湯に放られたドジョウの群れが、避暑地を見つけて飛び込むかの如き勢いで】
【一体奥がどうなっているかも分からないそこへと、多量の毛髪が自発的に°zい込まれていく】
【これによって当初の足への締め付けはやや緩むものの――なにせ、量が量である】

【それは恐らく、大した時間もかからずに穴の口を塞いでしまうこととなるだろう】
【仮に菅野がこれから仕掛けることに時間がかかるのであれば、影響だって大きく出るはずで】

【また一方、少女が頑なに手放さなかった妖刀が浮き上がる】
【地面に刃先を突き立て、強制的にアンジェルの身を起こそうとでも言うのか――】
【―――もし、そのまま起き上がったら?自らを浮かせる事が出来るという妖刀であれば、更なる流血を求め】

【そう、少女の身を良い媒介とばかりに―――それを防ぎ、菅野が正当な勝利を目指すなら】
【果たしてやはり。先ずは、足裏の穴がどういった効力を持ち、何を狙うのかが最重要となるだろう―――。】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<> !nasu_res<>2013/03/25(月) 23:58:49.14 ID:0yBd5on+0<> >>934

【魔獣の行動を阻害し―――それでも尚杭への接近をあきらめない悪魔へと肉薄しようと駆け出すが、こちらも滑って上手く接近できない】
【そうしている間に恐竜が女性の目の前に現れる………女性は冷静に横にステップしながら退魔翌用の短剣を恐竜の眼に向けて放ち、その横を通り過ぎようとするだろう】
【そしてその手にはようやく再生した1本の光の剣があり―――それをもって悪魔の元へと………。】

グッ!させるかかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッッ!
                                     何を、する気だッッッ!!貴様ッッッ!!

【走りながら悪魔の注意を引こうと叫ぶが―――このままでは確実に間に合わないだろう、必死に剣を伸ばして悪魔を貫こうとするが】
【だが………それでも、届かない。】

                 【―――。悪魔は杭の引き抜きに成功するだろう。】
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(関西地方)<><>2013/03/26(火) 00:00:13.64 ID:cbqQHkGOo<> >>936

【貴女の指先に落ちるであろう彼女の肌の感触】
【絹糸のような肌触りと羽毛のような柔らかさとそれでいて、どこか生々しい質感があって】
【陶器が如くひんやりとした質感が、貴女の指先へと感じられるのだろう】

【――――溶けそうになる、貴女の体温に、彼女の肌を伝う、とても艶やかな存在感に】
【肌をなぞられる度に身体が身悶えする、筆先でそっと擽られるかのような感触】
【黒髪が貴女へとたわわに実った芳香を零したなら、その色合いすらも消えてなくなりそう】


……ぁ……お姉様――――……あまり、虐めないでください……
戯れでも人を、その気にさせてしまうのです、お姉様には、それだけの魅力がありますから
そのように仰られましたら……じんじん、と……揺れてしまいます

――――もう、お姉様ったら……酷い人、です
でも……おかげさまで、また此方へと脚を運ぶ理由が、できました


【鎖骨が溶ける、彼女の襟元、少し乱れて中身の純白が彩りを見せる】
【彼女はそれを正したなら、椅子に座ったまま、貴女へと言葉を返すのだろう】
【離された貴女の指先を、少し名残惜しそうに感じて、むぅ、と声を膨らませる】

【椅子にちょこんと座ったまま、貴女の言葉を聴いていたなら】
【飛来してくる小瓶に、その少女らしいまだ幼げな色合いを深く残した表情を揺らす】
【抱きかかえたままの長い刀が揺れるその質感すらも一つのアクセントのよう】


奥様は、それだけ上品な方ですから……マトモなお店では、扱ってはもらえません……
あっ……お気を悪く為されないで下さい、お姉様……決して、お姉様のお店を、悪く言うつもりなど、ありません
……ただ、お姉様のお店が、そのようなお店、ということをお聞きしておりましたので……

――――ご冗談を、私は未だ人に足りぬ使用されるモノ
そのような存在が、飾り付けることを考えるなど……意味の無いことです


【マトモなお店ではない、つい口から零れ出た言葉を、彼女は慌てて取り繕うのだろう】
【椅子に腰掛けたまま、頭を下げて、貴女の許しを請う、長い髪の毛が、貴女の前で揺らめいた】
【顔を上げる事を赦されたなら、しゅんとした表情で、貴女を見上げるのだろう】

【彼女へと飛来してきた小瓶、伸ばす指先が、まるでこなあああああああああああああああゆきいいいいいいいいいいいいいいいいいのような質感を濡らしたなら】
【瓶の表面へと溶けて、その小さな鼻へと近づけてくんくん、と揺らすのだろう】
【やがてその内一つ、その中でも飛び切り効果の高い、香水を選ぶはずだ】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/26(火) 00:09:23.78 ID:J/JOXlAeo<> >>941

(しぶとい……身体は一つでも胆力は2つ分か――――――)
(手も、これ以上は拙いぞ……契機か……だけどせめてその腕だけでも、貰う)

【瀬戸際とでも表現すべき状況、外部に起きているその一切は感知せず今事の時を生きるのみ】
【その動きに淀み無し左手はケースの、かのナイフの柄へと滑り引き抜く】

【彼らもきっと見えるだろう、エルフェスの視線が心臓から離れて腕へと向いている事に】
【加えて今まで牛歩だが確かに斬り進んでいた刀の進行も止まっている……つまりはそう心臓は諦めて次はならば腕】
【首に迫るというならばこちらの領域に入るという事、得物がこちらに来てくれるならばその銀は一切見逃さない】

命を切った貼ったは慣れてるけどな、そう簡単に共倒れする気はないんでね
でもだからと言って安々と逃げ出すつもりはない……なあ手土産、置いていけよ!!

【ニヤリと伸ばした唇はこれから起こる事の暗示か】
【拮抗していた刀の力を零に、即ち弟の刀を押し返そうとする力を利用して引き抜く】
【その間際右手がぐちゃっと音を立てて砕けるが、それでもまだ安い】

【首に掛けられた掌、代償としては丁度良い】

……ぐぅ……4つもあって邪魔だろうからなあ!!

【閃く輝きは帯のように眼前へと昇る】
【頸動脈を押される不快感に抗いつつも心地よいとさえ思えるのはここが死線だからだろうか】
【ならばそれに応えるようにナイフの刀身は首に掛けられた腕を真下から切り上げるような動作で振り上げられるだろう】

【無論、兄が咄嗟に判断して手を離せばナイフの一閃は空を裂くばかりで終わる】
【刀との接続も既に無いのだからそれは容易に出来るだろう】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>saga<>2013/03/26(火) 00:10:40.17 ID:l3EmWSK6o<> >>938

く――――ッ!!うう・・・ッ!!
(クソッ・・・堪えろ、堪えないと・・・ッ!!"心"が負けたら・・・ッ!!アタシには、もう・・・なにも・・・っ!!)

【――精神が汚染されていく感覚。黒い何かが、心の中へと冷たい感触を残すその瞬間。】
【身体も、合わせてゾクリ――と、震える。ケルベロス・マグナムを構えた手が揺れ、一瞬だがガクリ、と――膝が折れる。】
【倒れそうになる身体を、アーマーの背についた魔導機関から注ぎ込まれる魔力によってなんとか、立たせ――ふらつく。】
【結局のところ、彼女が如何に強力といえどその力の根源は全て、この"魔銃"とそして――"精神性"によりもたらされる。】
【彼女はあくまで、人間――それも能力など一切持たない、純粋な意味での"人間"――強力な敵と立ち向かうには、まずなにより】
【―――"心"で勝っていなくては、いけなかった。なのに。】

―――ふぅ・・・ッ!!ふぅ・・・ッ!!――う、くぅぅっ・・・!!
あ、あああっ・・・!!あ、ああ、ああああッ・・・!!

【ナイフから注ぎ込まれる闇の力が、彼女の精神を矢張り、じわりじわりと弄んで――蝕んでいく。】
【速く、抜かなければ――と、セリーナは左腕に突き刺さったナイフを掴み、なんとか――引き抜く。】
【遺跡にソレを投げ捨て、状況を確認――なるほど、弾丸による爆撃は確かにダメージを与えているが――どうやら、まだ。】
【とてもではないが倒すには至らない――代わりに、彼の身体からは先ほどよりも濃い、悪のオーラが湧き上がって――】

(・・・あ、ああ・・・ッ!!頭が・・・く、こんな――状況に、追い込まれるとはね・・・ッ!!)
(ダメだ、さっさとケリをつけないと――――)

【ふら付く身体を支え、無理矢理にアーマーで魔力を供給し――ケルベロス・マグナムをリロードしようとした、その時――!】

―――う、ぁぁああッ!?

(――マズイッ・・・!下から――くっ、これじゃ――ッ!!)

――ああ、い、いや――やめ、ろ・・・ッ!!う、ぐぅぅ・・・っ!!はな、せぇぇ・・・ッ!!

【――もたついた、セリーナの身体をアーマー越しに――無数の蛇が、絡みつき、締め上げるだろう――!】
【怪力による締め上げもさることながら、やはり外的な攻撃よりもなによりも、彼女の身体に再び――継続して、"ソレ"が流し込まれ――】
【――悲鳴、頭を押さえようにも身体は締め付けられ――腕をもがき、なんとか逃げ出そうと、呻いた。】

(――だめだ、これじゃ・・・にげ、だせな――ッ!!) <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(山形県)<>saga<>2013/03/26(火) 00:11:16.34 ID:Fq4m8oc+o<> >>944

【悪魔は杭に夢中になっており、それ故に恐竜への命令を何も下していなかった】
【一応、自我は持っており――自分の意志で行動を起こすことはあれど】
【ダメージは悪魔と共有していた、元々四足歩行を主軸とする恐竜にとって、両前脚が使用不可能というのは……】
【非常に、よろしくない状態】

【恐竜は顔を横にずらすことで、短剣が眼に当たることを防ぐが――】
【頬を切り裂き、胴を掠め】 【悪魔にもそのダメージの一部が襲いかかって】
【けれど、ここで引きぬかなければ――最初に眺め回していた時に引きぬかなったのは愚策だった】
【だからこそ、ここで引きぬかなければ――退魔の力は、悪魔にとっては非常によく効くのだ――】

――――ハァーハッハッハッ、ほぉーふるんはよッ! ふほはおぉーはッ!

【杭をくわえたままではうまく喋ることが出来ない、当たり前だ】
【そんなことお構いなしに、杭を力任せに引っこ抜くッ!】

【――その剣が届く頃には、悪魔は再び立ち上がっていて】
【魔法陣から、鳥のような顔と翼を持ったバイクを召喚していて】
【代わりに、二体の魔物が闇となりその魔法陣にへと吸い込まれている】

【そして――悪魔は脚部の力のみを利用し、バイクに乗り込もうとしている】
【もし剣が届いていれば、それの被害を片足のみに抑えて――同じ行動を取るだろう】

【何もしなければ、悪魔は杭をくわえたまま――バイクによって、空へと飛び去ってゆく】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage saga<>2013/03/26(火) 00:11:57.38 ID:HrBBTgxn0<> >>935

【いつから狂っていたのかなんて、きっと彼女に尋ねたって首を傾げるのだろう】
【それぐらい、分からないぐらい昔から――或いは、生まれた瞬間から。ずっとおかしくて】
【それでも。悪意の卵を二つ抱えてなおこんなにも普通めいて動くのは、先に言葉に乗せた半魔のお陰であるといえる】
【崩壊したよな心をぎりぎり普通に似せて繋いでくれたのが半魔の蕩かした卵だったなら。或いは、笑えもしてくるか】

痛いの? そんなの知らない、みんな嫌がって暴れたけど――水が嫌いなんだと思うの。
だって、水、怖いでしょう? 冷たいもの、息だって出来ないし――だから、痛くないかも

【宙に散らばる水飛沫たちが月光で煌いて、虹色のプリズムで照らしながら、地面でぱちゃんと跳ねる】
【そうなったなら、もう用事もない。総じて酸性を剥奪されたなら、地面を湿らせるのはただの水】

【ぽつと口に乗せたのは、己が弱点でもある。水が怖いくせに水を手繰る――滑稽でもあるけれど】
【被害者の総てが水嫌いだと決め付けるのは、彼女が酸で焼かれたことはないくせ、溺れたことがあるから】
【ならば彼らが蕩けてしまったことはどう捉えているのだろう。ああ、やっぱり、まともに聞くべきじゃない】

【切り裂いた頬の一条、左手がぐしと甲で擦って、その赤さを見やったのが刹那】

――汚しちゃったら、お父さんに、怒られるかしら

【零す声は、こんな場だと言うのにお洋服なんかの心配をしていて――】

降りておいで? 蛇は跳ぶけど飛べないの。
わんこだって、飛ぶ生き物じゃないって記憶してるな――っ、

【見上げたなら、ちょこんと首を傾げてみせるのは、かわいいふりをしたよう。この場と剥離して、おかしさだけが目立つ】
【差し伸べてみた右手で魔力が煌いて。向けるまなざしは、確かに獲物を狙う蛇のもの――】

【――と。飛翔する回転鋸めいたものに、その瞳が僅かに丸くなる】
【かつんと慌てたように引いた足音が鳴いて――不自然に、ワンテンポ、間が空く】

――!

【頼り切っていた力の一端が失せたなら。心で理解していても、咄嗟にそうしようとするほどに依存していたなら、】
【その刹那はうっかりと表現するにはあまりに命取りで、ごぼと手から沸き立つ魔力は黄緑と桜色で煌くけれど、遅い】
【辛うじて避けたのは胴の真ん中で貰うこと。薄っぺらなお腹は、きっとあっさりと両断されてしまうから】
【それでも大きく切り裂かれるは右の胴。吹き上がる血は、路地裏の壁や地面をべしゃりと濡らして、真っ赤に咲かせる】

【――ぎりと、魔力の篭められる感覚がして、じゅうと、金属の焼ける音がした】
【咲き誇る赤い花のたもと、それもまた、確かに水であると言えるだろうか、刃に向けたのは強い強い酸性――それほど蕩かしてしまうほどの】
【とは言え、いつまでも留まるわけでないなら無駄でもあるのだろうけれど――溢れる血に意識を向けたためか、反撃のようなものは、今は無い】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/26(火) 00:13:44.69 ID:f9WGz7W2o<> >>942

【アルフォンスの目が驚愕に見開かれる。相手も自分と同じような技を出してきたかと思えば違った】
【禍々しさを如実に感じさせる漆黒の刃と、そこから放たれた全てを喰らう黒い衝撃波】
【何よりも、それはこちらの攻撃すら切り裂いて迫り来ている。遠距離から強力な魔術を撃つという戦術は失敗だった】

【これほど威力のある遠距離攻撃があるのであれば、初めからひたすら距離をとって戦っていれば────】

【魔術発動の反動で動けなかったために、エヴァンの攻撃はまともに命中】
【彼が防護用に密かに纏っていた大気を切り裂き、ローブと中の肉体を切断。肩から腰にかけて赤黒い一筋が走る】
【鮮血が宙に舞い、足元の雪を真っ赤に染め上げた。ゆっくりとアルフォンスの身体が後ろへと倒れていき──】

【雲の下へと、落下していった】
【残ったのは自然破壊兵器と化した、宝玉の欠片のみ】

/お疲れ様でしたー! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>saga<>2013/03/26(火) 00:16:35.03 ID:BygdAAGfo<> >>939

【手放されたカラスは、ふらふらと宙を舞い、かろうじてウェル子の側へ辿り着くと】
【力尽きたように、淡く黒い閃光を放ち、黒羽根の塊へと変化し、そして散った】


――ふん……案外、堪え性のない殿方ですね……
元よりその身に絶望を宿すならば……
完全に闇を御するか……闇に身を任せるか……どちらかしか、折り合いを付ける方法は存在しませんというのに――


【ひゅう、と、残滓を残して解除される黒羽根の疾風】
【ウェル子は、倒れた神鷹を無感動に見下し、確かに彼の絶望≠、認めていた】


わたくしに、向かってくる力のない相手を傷付ける趣味はございません
……貴方様がもう立たぬと仰るのでしたら、わたくしは貴方様をこの無慈悲な雪上に放置し、ただゆっくりと宝玉を探すだけ……


【ざ、とウェル子は、一歩、神鷹へ近づき】


……ま、死に値する痛みを知ることなく、緩慢に体温を奪われて絶え行くというのも……絶望的で、美しいでは、ありませんか


【ざ、と――恐らく、神鷹が手を伸ばせば手が届く距離に、ウェル子は立つだろう】
【夜闇を背負って立つ彼女は、きっと、それはそれは……物憂げ≠ノ、物欲しげ≠ノ、神鷹を、見下し≠トいることだろう】

【それはきっと、矛盾染みた、視線だ】
【見下していながら、彼女は、相手に多くを望む】
【見下していながら、彼女は、相手を蔑ろにしきれない】

【――いたぶりたくても、いなくならないで欲しくて】
【――そこにいて欲しいけど、決して馴れ合いたくはない】

【一番 我が儘 なのは どこの 誰だ ―― なんて、口ずさむかの如く 「カー」  「カー」  「カー」 と カラスが鳴く】


【一羽……また一羽……】

【ウェル子の身体より舞出でる黒羽根が、着実に、カラスへ、姿を変えていく】
【一定のリズムを保って光る、黒の閃光は、或いは終焉へのカウントダウンのようでもあったかもしれない】

【――なるほど、「立たなければ後は宝玉を探すだけ」、というのは、つまりカラスにでも探させる気なのだろう】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(愛知県)<>saga<>2013/03/26(火) 00:20:35.16 ID:7K2I4474o<> >>943
【彼女の髪が、足の裏の穴を塞ぎ込んだ。その異様な感触に、菅野康作はまた顔を強張らせるが。】
【その直後、目を見開いた。頑なに握り締め続けていた剣を地面に突き刺して、立ち上がろうというのだ。】
【幾ら鍛えようが、彼女は少女だ。あれ程のダメージを受けて、まだ立ち上がれるとは到底思えない―――――】
【そうして、左目に驚愕が灯された。】


  く、そぉ――――――――――!!!!!! そうか、妖刀使いか、テメェは!!!!
  テメェのあの身のこなし、剣の使い方!!テメェ自身が疎かろうが、それなら何の問題も無い!!!
  クソが、クソが!!目の前だろうが!もう俺の勝ちでいいだろうがよぉぉぉぉ!!!!!!!!!!!!


【輝いている。先程何度も何度も自分を切り裂いた少女の刀が、妖しく輝いているのだ。】
【菅野康作は絶叫した。余りの想定外に、理不尽に、憤怒を撒き散らすのを抑えることが出来なかった。】

  (穴は塞がれている、このまま発動すれば確実に足が弾け飛ぶ―――――――――)
  (……それに、少し早い………だが………無論、選択肢は―――――――――)


【先程、一度だけ、菅野康作は人間の速度を超えた高速移動術を見せた。】
【足の裏の穴、此れは菅野康作に備えられた特別な器官である。空気を取り込み、圧縮し、爆発させる機関。】
【これを推進力に、菅野康作は高速移動を行っていた。】
【また、これはインターバルを置けば置くほど強力な爆風を起こすことが出来るという性質を持っている。】
【今。菅野康作の右足は、限界の一歩手前まで空気を取り込み、圧縮できている。】



  吹きとべぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!



【菅野康作は、爆発≠行った。本来ならば、菅野康作の推進力となるそれは。】
【髪により内部まで穴を塞いでいた事により、結果、菅野康作の右足が  爆  発  四  散  す  る  。】
【しかしそれでも、推進力としての力は失われたわけではない。血と肉片交じりの爆風が後方へと吹き荒れる。】
【これが菅野康作の狙っていた物だ。人間を吹き飛ばす程の爆風と、その推進力による脱出である。】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage saga<>2013/03/26(火) 00:23:27.30 ID:7P8AqRod0<> >>945
「酷い人で無ければ、こんな事は勤まらないもの
――――その時が来るのでも楽しみにして居るわよ

ただ――――お気を付けなさいな。貴女位の子になれば、悪い狼だって沢山寄ってくるでしょう
その刀も飾りでは無さそうだから心配は無いのでしょうけれど……それでも、ね」

【酷い人で無ければ勤まらない何て言葉は卑下にも聞こえるかも知れないが、そんな事も無くて】
【幅広く扱うのは、決して褒められる事で無い仕事】
【それでも続けるのは、この女性にとってはただの暇潰しでもあって】

【悶えるその仕草が面白くて――――けれども、執拗に続けるなんて事はしないのであろう】
【少女の肌を離れた指先。まるでその肌を間接的に味わうかのように、チロリと舌先が温もりを攫って】


「別に気にしていないわよ。まともで無いのがこの店
全てがまともな存在であったら詰まらないと思って開いたのだもの――――そう思ってくれていた方が、私としても嬉しい事よ

――――そう、自分でそう言うならば構わないけれど」

【気にしていない。その言葉に続いて少女の顎を引いて目を合わせれば、気にする必要は無いとでも告げるのだろうか】
【表情を無理に変えさせるかのように一度頬を撫でれば、その手も香水の注がれた小瓶へと移っていて】
【少女が手に取って選んだ其れを自分の手の中へと移させれば、手早くラッピングでも行って】


「嗚呼、そうそう。私は別にお金を必要として居ないから、代金の代わりとして代償を求めているのよね
そして、貴女に求める代償はこの中から自分の好みの物を一つ持って行く事
物が物だけに、無くならなくて困っているし丁度良い機会だわ」

【少女へと手渡せば、再び香水を選ぶようにでも促すのだろうか】
【今度は自分の好みの香り。この中にあるのかは分からないけれど、無ければ其れを告げるのもいいであろう】
【裏で通ずる代償。断れば契約の破棄とも呼べるのだろうか――――其れを盾にして選ばせるのは、何処か卑怯な気もするが】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(空)<>saga<>2013/03/26(火) 00:25:09.81 ID:KhHIqkl10<> >>927

(………、――――――)

【覚悟と技術には感嘆を覚えれど、其れで戦意を鈍らせる筈もなく、】
【口数の多さは “そういうもの” /彼の性格と片付けようとして、―――――】

(…………ッ!)

【……そして、半ば愕然とした。譬え彼を討ち倒したとして、周囲が破壊され尽くされれば意味は無く、】

(……ただ戦闘能力に優れるだけじゃない。この男、見た目以上に頭も切れる――――)

【警戒が双眸を細めさせる。返る言葉はなく戦意を冷静な思考が高め続ける。】
【そこからの彼の反撃は広範囲への月光の薄刃。数は十、脆くも鋭く軽視は禁物、】
【ランダムな軌道は先読みを封じ、弾雨すら斬り払う精密なる斬撃も、この攻撃には万全の護り足り得ず――――】

――――――――…………ふっ!

【右腕を前にして肘を下ろし、太刀と併せて “被弾の想定される” 急所を護り、】
【――――踏み込み。左脚、右脚の順に踏み込み、半身になった体勢から斬撃―――――折り畳んだ腕を解き放って振るい、】
【彼の胴体を右から左へと切り裂かんと、抉りこむ様な横一文字の斬撃を放つ】

(―――………く……ッ!)

【無論、無傷でなど居られなかった。月光の薄刃は左股と右の二の腕、そして左脇腹を切り裂いていた。】
【だが刀身に直撃して破砕した薄刃の煌めきもろとも、柊は、高速で刃を振り切って――――】

【その二連の斬撃は、先程の其れとは些かならず違って見えるのだろう】

【――――― “かたちあるものを斬る” 概念による絶大な切断力、其れこそが、太刀 “金翅鳥” の異能(ちから)。】
【並みの重合金装甲程度ならば、薄紙同然に断割する――――――】
【…… “受ける”、“防ぐ” ことは危険だろう。死合う事に慣れた彼ならば、それも本能的に察知できるだろうか】

【だが高速の踏み込みは攻撃後にも躰に勢いを残し、追撃のために方向転換を図る攻撃後の一瞬、僅かながらも隙は生まれて――――】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>saga<>2013/03/26(火) 00:27:06.99 ID:7IC5hpPvo<> >>949
痛いさ。肌がじくじく焼けて溶けて、崩れていく。
段々自分の輪郭が分からなくなって、消えてなくなって液体に成り下がっていくのは、怖いぜ?
息ができないならいいさ。人の形をして死ねるだけ百倍増しだわな。

【酸で肉を溶かされ、骨を抉られた経験が、女の脳裏に幻痛を与える】
【つつ、と肌の表面を生暖かい血が滑り落ちていく幻想を感じた】
【それらはまやかしだ。女はかぶりを振って、己が人ですら無かった頃の思い出を振り切った】

猟犬ってのは獲物を追う為に品種改良されるもんだ。
だったら空だって飛んでいいだろうが――なァ!

【飛翔する鋸に割かれた腹、飛び散る血。細かい集中で成されたその一閃】
【己の武器が次々と溶かされていく感覚は、不快としか言い様がない】
【ただ。相手の操作のもとに有る水が、不意に勝手に動いたことは理解できるだろう】

(……鋲で合計300g位、今の鋸で200g。長期戦になると防御も攻撃もジリ貧だな、こりゃ。
腹も痛ぇし、どうしたもんかねェ。あの酸、厄介すぎるだろうよ)

【脇腹の皮膚は原型を留めないほどにとろけてジクジクと痛みを与えている】
【残りの金属粉の量は大凡2kg。女の武器の5分の1が失われたこととなる】
【攻撃する度に武器を失い、防御する度に防具を失うこの相性の悪さ】
【幸いなのは、相手の異能の扱いがそれほど精妙でもなく、また異能に戦力の多くを置いている点か】

やれ、やれ――。

【ぶちり】【女は己の右手首に口を持って行き、手首の血管を食いちぎる】
【しとどにあふれだす赤い液体は、女の周囲でシャボン玉のように球体を作り浮かび上がった】
【何を目的としたのかはわからないが、女は兎角そのシャボン玉の群れを相手の方へと飛ばしてみせる】
【速度は遅いが、数が多い。と言っても触れたどころでダメージなどは一つとしてないだろう】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(京都府)<>sage saga<>2013/03/26(火) 00:27:24.26 ID:myVWTFRM0<> >>950

【賭けだった】
【闇の魔導が使える理由は他にあり、それが彼の中で最大の効果を誇る物であるのは承知済みだった】
【だが、実際にこの様な局面で頼った事は無く、まさに決死の攻撃だったとも言える】
【その為だろうか。勝利を確信した瞬間……一瞬だけだが、その顔が喜びの色で光を放つ】

【だが直ぐさま、エヴァンの瞳がアルフォンスに続く様に驚愕の色に染め上げられる】
【倒れ行くアルフォンスの元へと駆け出すのだが、怪我と言う怪我が文字通り足を引っ張る】
【重力に導かれて落下する彼の姿を追う事になったのは、言うまでもない】


………


【彼は、アルフォンスの消えた所を、じっと見下ろす】
【しばらく彼の姿を探していたのだが、それが認められる訳がなく、ほどなくして彼は頭を上げて"例の装置"へと歩みを進める】
【後はひたすらに、彼が生きている事を祈るしかなかった。彼は風の魔術師だ。きっと大丈夫だ。そう自分に言い聞かせた】

【"後味の悪い事が多いな"】
【装置を剣の柄で叩き壊し、宝玉の欠片を回収しながらそんな事を思った】

/お疲れ様でした! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<> !nasu_res<>2013/03/26(火) 00:34:18.23 ID:jyJVpylB0<> >>947

【レギンの纏う混沌のオーラはさらに歪みを増し―――空間そのものを黒く塗りあげていく。】

【無数の蛇はまるで逃れようとするセリーヌの心を弄ぶかのようにさらに深く、絡み付いて行くだろう―――まさに沼だ】
【そう―――コレ≠ヘそういうモノなのだ………相手の恐怖、怒り、憎しみ………そういった感情を取り込んで強化されていく】
【セリーナがその気になって全身の魔翌力を解放すれば弾き飛ばす事も可能だろうが………現在の冷静さを欠いた状態では果たしてどうだろうか】
【それを含めてレギンは執拗にセリーナの心を、精神を攻撃したのだろうか………?】
【一歩、そして一歩とレギンは接近してくる―――全身から炎のようにドス黒いオーラを沸きたせながら………】

どうしました………?先ほどまでの威勢をもっと聞かせて頂きたいものですね………クックク。
さぁ―――もっと近くでその悲鳴を聞かせてくださいよ………ヒ…ヒハハハ。

【グンッッ!と黒い沼のオーラがレギンの方へと引き寄せられる―――もし内部のセリーナも脱出できずにそのまま引き寄せられたのなら】
【その腹部に思い切り右の膝蹴りを放つだろう………銃撃によるダメージで威力は最初程ではないが、強力な蹴りをッ!】
【そしてそれが成功すればそのまま胸倉をつかんで頭上に持ち上げようとするだろう―――捉えた得物を掲げる狩人のように―――。】
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(関西地方)<><>2013/03/26(火) 00:34:26.68 ID:cbqQHkGOo<> >>953

【敵わない、なんて思ってしまうぐらいに――――貴女の余裕を持った態度に翻弄されて】
【いつもの達者な言葉が隠れてしまう、言葉が上手く、口元から零れてこない】
【かろうじて紡げるのはきっと、確かなトーンを忘れた、形のない音律みたいに】

【貴女に触れられる顎は、調度品の如く整ったラインと、それでいてまだ初心な染色を秘めて】
【あまり触られる場所ではないから、彼女の思惑を、じんじんと溶かしていく】


そう言われても……困ります、そういうの……選んだ事ないですし……

……じゃあ、これ――――これが一番、お姉様の香りがします


【雪のような頬に朱色の輝きが溶けたなら】
【暁に沈む細雪の、僅かな歪みすらも響かないのだろう】
【きっとそれは明星にも似た、瀟洒な形をたゆませながら】

【彼女が手に取った小瓶、彼女にしては、少しだけ背伸びをするような香り】
【フタをあけてみたらきっと、一杯にひろがる貴女から見る世界の香り――――】
【ガラス瓶越しに彼女の微笑が輝いたなら、雪のような白さを知って欲しかった】


そろそろ帰らないと、奥様に普通に叱られてしまいます
お仕置きされるのも構わないことですが、奥様に嫌われるのは……本当に怖いことですから

綵<シャナ>――――私の名前です、覚えていただけたなら、また……どこかで


【手の中に抱えるのは二つの小瓶、混ざり合うかすかな残香が、彼女の腕の中の世界に染み渡る】
【身悶えしそうな経験と香りと、きっとその帰り道と、夜一人歩くには、危なっかしい姿形】
【それでも、胸に抱えるのは、ひと時の蜜月のような芳醇な香りなのだろう】


/明日早いのでこの辺りで……お疲れ様でしたー!
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>saga<>2013/03/26(火) 00:35:10.82 ID:UxEcLEW8o<> >>940
【剣は掴んだ、少女は離れないーーーこれはいい流れだーーーと、考えているかはわからないが】
【油断していたのは間違いないだろう、突如眩い光が目を覆う】

……ッ!?

【剣が変化ーーー】【デカ過ぎるーーー】【投げーーー】
【このままーーー】【切り替えーーー】【否ーーーッ!】

【間に合わないーーーッ!】




ーーー……

【着地した少女を睨む眼は憎しみに溢れていて、額には青筋が浮かぶ程に苛立ちが見えていて、右腕には大きな傷がーーー削られたように刻まれている】
【爪が二つ、中程から欠けた義手は最早何かを掴むのもままならないだろう】

【次の瞬間、男の左手に再び炎がともるーーーそれは即ち、戦う意志は潰えていないという事ッ!】

…テメェ…こいつがどんだけ高かったと思ってやがる…!!
灰にしてやるぜぇ…!髪の毛一ッッッ本まで!残さず!原初の炎で!

【燃え盛る炎ーーーそれだけではない、それ以上に、男の殺意は熱く燃え盛り】
【左手を振りかぶりながら、今迄とは比べようもないスピードで接き】

……ッ!?

【次の瞬間、男は思い切り仰け反り、吹き飛んだーーー】
【何故ーーー?少女には見えただろうかーーー自分の背後から飛び出した黄金の魔弾が、男を撃ち抜いたのが】

「ーーーくっ…はは……ざまぁ…みなさい…よ…」

【ーーー今まで倒れていた金髪の少女が、寝そべった状態で大型ライフルを構えていた】
【その銃口から黄金の魔力粒子が硝煙のように昇っているのを見れば、攻撃したのは明白で】
【今までなかった穴が壁に空いているのを見れば、男がこの場からいなくなったのは明らかであって】

「…っ……てっ………た……」

【力が抜けた様に地面に伏せる金髪の少女ーーーすぐに、その少女の下に転移陣が敷かれ、転送されていく】
【どうやら、最初に放り投げられた銀髪の女も転送されたようでーーー一瞬にして、静寂は訪れた】

【残るは剣を持つ少女のみーーー宝玉の欠片の回収には、妨害は無い】
【しかし急いだ方がいいかもしれない、奴はまだ、近くにいるかもしれないからーーー】

/お疲れ様でした <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<> !nasu_res<>2013/03/26(火) 00:38:29.32 ID:jyJVpylB0<> >>948

【女性はただ立ちつくしそれを見送る事しか出来なかった―――そして限界に達した凍土が崩れ去り………滝が本来の姿へ変貌する】
【なんとか傷だらけの身体で退避した女性は………唇を噛み………怒りを露わにする】

覚えておけ悪鬼………貴様はいずれ我らが―――滅する=c。

【静かに決意を口にすると、そのまま踵を返してその場から立ち去ったのだった―――。】

//お疲れ様でした!こちらもこれで〆となります!
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(関西地方)<>sage<>2013/03/26(火) 00:39:16.51 ID:e+SFpbVXo<> >>946
【確かに、双子の目はなめらかに動く彼の左手を捉えた】
【同時に、動きを止める刀と、腕に向く視線を感知する。首を絞めにかかったことが、裏目に出たか】
【その狙いを双子は同時に理解するも、銀の速度の方が上手だった】

【彼の言葉と、その笑みともに、引き抜かれる刀、それに伴って更に裂かれる弟の両手】
【彼の手を砕いた感覚にも、もはや気を配る間もない】
【とっさに回避を試みようと、兄弟ともに、刀と首から手を放そうとする。瞬間、銀の軌跡を描いて、駆けあがる刃】

「がああああああああああああああああああ!!!」
『兄貴!! てめぇ!! なんてことしやがんだあああああああ!!!』

【ナイフは、兄の右腕を捉え、見事にそれを切断した】
【宙を舞う青白い腕、断面から噴き出す鮮血。痛みに叫ぶ兄と、怒りに吠える弟】
【しかし、続く彼らの言葉に、その怒りの根源が、腕を切断されたこと自体ではないことがわかるだろう】

『最悪だ!! 俺らの「一対」が、崩れちまうっ!! 早くつながねえと!!』
「うぐっ……それだけは……我らの「一対」だけは、やらせはせんっ……!!」

【そう、腕を落とされたことではない。自分たちの身体が欠損することで、四本腕の「一対」が崩れることを何よりも恐れ、怒り狂っていたのだ】
【双子は、もはや相対する敵も守るべき宝玉も意識の外に放り出す。どのみち、この深手では、戦闘の続行は不可能であろうが】

【地面に落ちた兄の右腕を、弟が素早く拾いあげると、脱兎のごとく、廃村を走り抜ける】
【腕の切断面を泥で覆い、出血を軽減しつつ、ひたすらに走る。一刻も早く、腕をつながねばならない、それだけを考えて】

【双子は、廃村を走り去って行った。それは、先ほどの抵抗すら及ばないのでは、というほどの力に満ちた速さで】
【もはや死に体だった双子のどこにこれほどの力が残っていたのか。エルフェスが嫌悪した、「一対」に対する妄執のなせる業だろうか】

【双子が去れば、彼と宝玉を隔てるものは何もない。「手土産」もまた、残らなかったが】
【互いの命を賭けた鍔迫り合いに、エルフェスは見事打ち勝ったのだ】

【エルモ永久凍土=@廃村部の戦い――勝者・エルフェス】


/この辺で締め、でよろしいでしょうか
/遅レス申し訳ありませんでした。お疲れさまでした! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(大阪府)<>saga<>2013/03/26(火) 00:40:10.12 ID:FgZYXUeL0<> >>954

【向かい来る八攫の『刃』! 万物断、刀剣の本質とすら言える『斬撃』の極地!】
【故に、その『空気』! 余りにも危険な空気を、シルベは察知したのだ!】

ヌゥゥゥッ!!? 難敵ッ!!

【然し、やや遅い! 身を引くタイミングがズれ、腹部に入る浅くは無い切傷!】
【鮮血が散る! そして、閃光も散る! 月光の刃ーーシルベの戦意は衰えないッ】

【見出した『隙』! 苦痛に顔を歪めども、其れが僅かであっても見逃す筈も無いからこそ『ナンバーズ』!】
【その『誇り』ッ!! それを込めた一撃を以て、突く!】

……シャラアアアアアァァッ!!

【決断的なシャウト! 小太刀の刃に纏わり付く月光がーーその刀身を伸長するッ!!】
【およそ二倍! そして月光刃はエネルギー故に重さは無く、スピードは変わらぬ! 何たる危険な奇襲剣技か!】

【狙いは八櫻の胴! 振り向きざまの勢いを乗せた、殺人刺突!】
【然しその勢い故に、突き出し終えた瞬間には必ず隙が出来る! それこそが『穴』!】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(山形県)<>saga<>2013/03/26(火) 00:41:29.62 ID:Fq4m8oc+o<> >>960

【その後――杭、否"創炎の宝玉の欠片"がどうなったのかはわからない】


【けれど――間違いなく、"世界を焼く混沌の力"の一部となったことには】


                   【違いない】

/お疲れ様でしたー <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(埼玉県)<>sage<>2013/03/26(火) 00:44:00.46 ID:zcXuU0mOo<> >>952

【結果から言ってしまうと―――少女の肉体は意識もないまま、後方へと吹き飛ばされた】

【そう、意識はないのだ。菅野が気付いた通り、少女の剣術と言動が不一致なのも】
【全ては、気絶し吹き飛ばされてなおも手放さない妖刀――お姉さま≠ネんて、言っていたが――】
【この悪あがきも何もかもが、それのせいだった。明確で枠の無い、ふわりとした吸血の意識】
【形容するならそんなモノによって、戦局の一端がねじ曲げられたわけで――――】


【しかし、だ。その一念、生きた人間の覚悟のソレには決して敵うことはなく】
【妖刀は二度と動くことはなく、また少女も意識を失ったまま――ずる、と段差によって戦場から降りて行き】
【この騒動によって解け出した、小さな自然の洪水――祠の影に出来たそこに、やがて少女もろとも妖刀が落ちる】

【―――となれば?それは勿論、菅野康作という一機関員の勝利であるに他ならず】
【故に宝玉の欠片も彼のモノ。敵の死骸すら残らない、純然たる勝利≠ェその手にはある事となる】

【もっとも、果たしてこの結果が彼にとって喜ばしいのかは――少々、察し尽くせないが】
【いずれにせよこの戦いは、一先ずの終わりを見る。UNITED TRIGGERの一員が、カノッサ機関員に負けたという、そういう結果で】


【BattleW―森林南部、古びた祠の勝敗―――その勝者は、菅野康作=z
【生死を賭けたその敗者、アンジェル・ベルジュロンは流水に飲まれ、行方が知れず】
【これより一週間の時が経っても、その消息が知れることは無く――――。】

/っと、この辺りで!お疲れ様でしたー! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage saga<>2013/03/26(火) 00:48:03.73 ID:HrBBTgxn0<> >>955

……マシなんかじゃない、蕩けちゃったほうが絶対にいいもの
だって、痛く――痛いの? 本当に? ……でも、溺れるのより、苦しくないと思うな。

【水に沈められたことがあっても、酸に犯されたことがないならば。紡ぐ言葉は、疑るものばかり】
【痛いという現実を聞いても、その結果は変わらないまま――酸を手繰るのに、その苦しみを見てきたはずなのに】
【理解していないというより、気に留めてすら居ない。或いは、どうでもいいこととして忘却の彼方へと投げられている】

【びしゃびしゃと溢れていく血が、スカートを伝って、足まで染み込んで、足を辿って、靴の中に溜まっていく感覚】
【顰めた眉は痛みに向けてか不愉快に向けてか、それすらも不明瞭で――ぶんと嫌がるように、足を緩く振る】
【傷口に添えた左手が、つぷと内側に触れて――痛みにびぐりと身体が跳ねた】

【おかしな動きを見せる血液の雫。視線は向けど、痛みに乱されてか、必要以上に意識を向けることもない】
【ただ、もう要らないとばかりに剥奪される魔力は回収されて――何もなければ、辺りを彩る一滴に加わるのだろうか】
【彼女の能力は直接的に水を操ることはできない。ちょっとした魔力と意識を向けていなければ、ただの水と相違ない】
【付加した総てを回収すればいいだろうと判断した結果。乗っ取ることが出来るなら、不意打ち程度には使える――はず、だ】

あ、う、――ぐ……。

【今までは気づいていなかったのよう。劈くような痛みにあげるのは、きっと泣きそうに震えた声音】
【ぎゅっと押さえる力を強めても、弱めても、痛いなら――ぎりと見上げて睨みつける瞳に、怨嗟が篭る】
【手負いの獣は怖いだなんて言うけれど――さて、どうなのだろう】

……やっぱり、死ね――!

【痛みに散りかけた煌きが、掌中で再び湧き上がって。ばしゃ、ばしゃん。飛び出すのは、今度は二匹】
【大人の腕の太さで飛びかかるのは、先ほどよりも少しだけ遅く。やっぱり愚直に真っ直ぐだが、今度は左右からその胴を狙おうとする】
【赤い紅いシャボン玉の弾幕を突き抜けて向かうのは、或いは安全圏なのだろうか――なんて】
【ふわり舞うシャボン玉。嫌がって振るう右手が、いくつかを割ろうとしてみるのだろう。その結果も、分からないくせに】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(関西地方)<>sage<>2013/03/26(火) 00:50:05.19 ID:ShxZr8tzo<> >>951


【――、何≠ェ、起こったのか】
【直ぐに解った…、…言ってしまえば、簡単だ。 だが、それは、格好が悪い】
【格好が悪いから、もう、このまま死んでしまった方が良いのだろうか 】



   【そんな道理―― 、絶望≠ノすら、値しない】



 ―― 、 Keep breathing
 ―― 、 Stay relaxed 
 ―― 、 Keep straight posture 
 ―― 、 Keep moving




【――「志すべき」は、身体≠ナは無くて心=z
【…、…『それそのもの』は習得していなくとも、「基本」だけは、耳にタコが出来るほど聞かされた】
【呼吸を保ち、リラックス。 姿勢を真っ直ぐに、動き続ける 】
【――、心≠ノ其れを、染み込ませる。 …、…右手を、雪につき、顔を起こして】



…、…ビビった=B


――、俺は今、確かに、『お前の奥』にビビった。
だけどな、ソイツは絶望≠ナも、何でも無い。
折り合いは、付いてる。 ――それを付け直すぐらい、どうってこと無いんだよ。


【――、呟くような言葉は、まるで、虚勢を張っている様な】
【それでも、確かに、絶望≠ゥらは遠ざかる…、… 自分≠、持ち直している】
【取り戻させたのは、先程の、言葉≠ゥ。 ――、呪言のように、再び、口の中で呟き】





     …、…  で、だ。 ―― 俺は必死 ≠ネんだ。




【――、双眸が紅く′り…、… ウェル子は僅か、『地面がズレる』のを感じるか】
【この辺りの地面は、雪=B ……もし、神鷹が『滑らせている』のだとすれば】
【このまま、留まれば。 ――、どうなるのかは、想像に難くない】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(関西・北陸)<>sage saga<>2013/03/26(火) 00:52:19.79 ID:fUSzMbjAO<> >>959
【着地する頃にはもう、剣は元に戻っていて】
【右で長剣、左で鞘に収めたままの短剣を構える】

高い?知らないわよ、そんなの
──あんたなんかにこの私を倒せるわけがないでしょう

【鼻で笑ってそう言えば、迎え撃たんと身構える】
【───が、次の瞬間にはもう男は吹き飛んでいて】

……え?

【困惑。一瞬事態を飲み込めず】
【そして、攻撃があった方──後ろを振り向けば、目を丸くして】

あら、生きてたの
で?あんた達もこれ狙って……って消えちゃったわね

【「じゃあ私が貰っていくわよ」なんて独り呟いて】
【そそくさと宝玉の欠片を回収すると少女はまた足早に、ブリザードの彼方へ消えていった】



/お疲れ様でしたー! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage saga<>2013/03/26(火) 00:54:24.25 ID:7P8AqRod0<> >>958
「ならばコレが初めてという事かしらね
フフ、初めてが私の前でね

――――貴女がそう言うのならば、それを代償として持って行って貰いましょうか
特別な包装は必要無いわよね」

【触れただけで僅かに朱が差す少女を見れば、悪戯心が湧いても仕方の無いこと】
【触れ合いと、言葉とで遊んでいればついさっきまでの退屈だった事等もう彼方の出来事】
【自分の香りがすると言われれば、口元もうっすらと緩んで】


「ええ、気を付けなさいな
普通ならばお仕置きは嫌がる事だけれど――――それを構わないというのだから、貴女も変わり者ね

また、縁があれば何時か会いましょうか――綵」

【小さくなって行く少女の後ろ姿を微笑まし気に見送れば、その後の長い長い溜息】
【また暇が訪れてしまったな――――と】
【その数分後、真っ赤なドレスを纏った少女が訪れたのはまた別のお話で】

/お疲れ様でありました! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/26(火) 00:56:03.76 ID:J/JOXlAeo<> >>961

……げっほ!ぇ……っふ……!

【全てが歴戦の兵士のように美しくは終わらない】
【首を締められれば空気を求めて咽るし、血流の乱れが混濁を呼ぶ】
【地面に膝を落とし地面に這いつくばって数秒……手に残る切断の感触も忘れて喘ぐ】

(……っ、妄執なんてもんじゃないなこれはもう業だ……!)
(命よりも優先すべきがあるにしたって、……気持ち悪いっ)

【如何なる物に執着するにせよやはり過ぎれば仇となる】
【熱しすぎた水はやがて蒸発してしまうようにきっと後には残らない】
【彼らの求める先はきっとそれに近い、なんて淀む思考の中で考えて】

……はあ……はあ……、オカシイ奴ら……
ああ、クソっそれにしても首をここまで締められるなんて久しぶりだ……っち、ああ!

【立ち上がってのらりくらり、定まらない足取りをなんとか整えて】
【早く正常にもどれと頭を叩く、息を戻して……肩を落とす】

……・はあー、辛いなんて奴ら……
でも、まあなんとか勝てた……のかな?あそこまでやればアイツらも暫くはおとなしくなるだろうし。

――――――と、なれば次は宝玉か

【手の中の銀色を収めて視界を目的の物に定める】
【宝玉の欠片は視覚的にも「熱く」その在り方を示していて、近づき難くさえあった】
【それでも身を推して進み「杭」の場所へと……】

回収、って感じでいいのかな……まあ後で提出って言われれば渡せばいいか

【欠片へと手を伸ばす、恐れからか少しだけ引いて躊躇い指先を見つめ直す】
【目的を違えるなと呟いて欠片を奪取し……終わる】


………………アホらしい

【数秒の沈黙は、この事件の目的とはなんだったのかという疑問の為】
【宝玉をこのままにしておけばその熱でいったい何が現れるのか、怖いもの見たさにも似た感覚を】
【しかし下らないな、と一蹴してエルフェスは帰路に着く】

【戦いは終わったが彼らの命は続く、ならばこの先に何が――――――】

/お疲れ様でした! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(京都府)<>sage saga<>2013/03/26(火) 00:59:55.21 ID:myVWTFRM0<> /次スレの予定地ですです
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1364227141/ <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>saga<>2013/03/26(火) 01:04:28.47 ID:7IC5hpPvo<> >>965
両方試してみるか? なァ?

【にたりと笑みを浮かべつつ、視界の先に血みどろに倒れる相手を見据えた】
【相手の狂気は、己のそれとはまた別ベクトルだと思う】
【己は他者への悪意の源泉を理解しているし、理解した上で狂ったように振舞っている】
【だが、相手は違う。狂っている自覚なしに人を殺し、振る舞うのだから】
【何方の業が深いのかはなんとも言えないが。少なくとも目の前の相手も、己と大差ない屑だと判断できた】

【血のシャボン玉の弾幕をくぐり抜けて襲い掛かってくる水の蛇】
【蛇の中に血漿は溶けこんでいき、液体の中に女の体組織が呑まれて溶かされて混ざっていく】
【じりじりと距離を詰めていく水の蛇の軌道は、しかしながら女の集中と同時に歪められた】

――ざぁんねェん。殺せねぇよ、簡単にはな。

【相手が水を操るならば、水の中に己の体組織を混入させて此方からも操ってやれば良い】
【血や装備を消費するためそうそう多用できる手段ではないが、相手の行動を阻害するには十分だ】
【足元で弾けた水が女の肌に飛び散りまだら状に皮膚を溶かしていくが、致命傷ではない】
【そして、裂けるようにシャボン玉に少女が腕を振るった瞬間、腕にずるりと血が纏わりついていく】

……水、嫌いなんだろォ?
じゃあ、溺れさせてやるよ――オレの血でだけどなァ。

【少女の足元にも存在する血の雫も。足元からずるりずるりと皮膚を滑りながら喉元へと移動していくことだろう】
【頭が浸かるほどの水が無くとも。気道を塞ぐ量があれば窒息させるのは難しくはない】
【血で相手の喉を満たし、女は少女の恐怖を煽るような行動を取るのである】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>saga<>2013/03/26(火) 01:11:15.92 ID:BygdAAGfo<> >>966

【さて、コレで終わりか、とウェル子が半ば自己完結させかけたときであった】
【神鷹が、妙な言葉と共に、生気を取り戻したのは】


……………………


【さて、神鷹お兄様は、何を仰っているのでしょうか】
【――そんな、声なき自問自答】
【虚勢だろうがハリボテだろうが、張れるものがあるなら、重畳】

【どうやら、まだ、少しは、見込みがある――と、ウェル子は認識するに至った】


へえ……何が、そんなに、必死≠ネんです――?


【ふっ――と、極々薄く、微笑するように吐息を漏らし、】
【そうしてウェル子が感じ取るのは――地面の、ズレ】


…………「必ず死ぬ」と書いて、必死=\―――
で、あるならば、或いは捨て身の攻撃――であることも、視野に入れておくべきですかね――


【――「が、上等です」】

【意外だろうか】
【ウェル子は、そう、付け加えた】


どこまでその虚勢が持つか、拝見させていただきますよ


【彼女は、おもむろに、まるで大空の信奉者の如く、両腕を広げ、天を仰ぐと――】

【なんと、移動しない=z
【雪上で大胆な動きをすれば、足を取られる可能性もある――と考えれば、この選択も無しではないのだろうか】

【――が、何にしろ、どうやら神鷹を移動させる気もないようで、】

【彼女は、自分と神鷹を共に、黒き疾風≠ナ、覆った】
【ドーム状の疾風は、両者を包み込み、逃げ場を塞ぐ】
【出ようと思うのならば、あの厚い羽根の刃≠フ層を突破せねばならない】

【そして、疾風のドーム内に跳梁跋扈するは、ウェル子の出したカラス達】
【不吉な鳴き声を響かせながら飛び回る彼らは、今にも襲いかかってきそうな気迫を放ち――】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(愛知県)<>saga<>2013/03/26(火) 01:13:59.29 ID:7K2I4474o<> >>964
【爆発と共に、少女の身体は消えた。一欠片も残さない完全なる勝利を、菅野康作は其の手の中に納めたのだ。】
【宝玉の欠片が起こした自然破壊、その一部に彼女の身体は呑み込まれて消えていったのだ。】
【忌々しい少女と、それを憑代にした少女は、恐らく藻屑と消え去った。】

【―――――――――しかし、だ。】

  ッハハハハハ………勝ちだ………俺は、勝ったんだぁ………!!!!!!!
  俺の……勝ちだ……!!!!!さぁ、後は、欠片の、回収、を……あ、あれ……?
  立てねぇじゃねえぇか、あ、ああ、そうだ、右足は、吹き飛んだんだったな、は、ハハハッ!


【その代償に失ったものは、本人にとって、余りにも大きかった。】
【異能の右足は、確実に元には戻らない。つまり、菅野康作は、異能を失った。】
【が。ただ、今は、血が昇り切った頭が冷静な思考を鈍らせて、彼をその事実から遠ざけている今は。】
【この勝利は彼にとって、至上の幸福であり。最高の美酒であり。またと無いほどの歓喜に包まれていた。】


【かの少女は―――――――――名も知らぬ少女は。】


  ハハ、ハハッ、ハッ、ぐ、ぶっ――――――――――カハッ、ハァ、ハァ。



【――――――――――菅野康作と言う人間に、大きな爪痕を遺して行った。】



【這い、宝玉の欠片を回収しようとして右拳を振り上げた所で、菅野康作はその装置へと倒れ込んだ。】
【それでも、這いつくばったまま装置を叩き割って、その宝玉を引きずり出した。】


  俺の、勝ちよぉ……!


【そう言って、破壊された装置に凭れ掛かったまま、菅野康作は気を失った。】


【兎にも角にもカノッサ機関の勝利、UNITED TRIGGERの敗北。】
【宝玉の欠片は、菅野康作の帰還によって、混沌の手の中に渡ることとなる。】

/絡みありがとうございましたー! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>saga<>2013/03/26(火) 01:15:33.32 ID:l3EmWSK6o<> >>957

はぁ―――・・・ッ!はぁ・・・ッ!
(だめ、だ・・・まともに――・・・思考が―――ッ!!)
(頭が―――われ、る・・・ッ!!)

あ、ああ―――・・・!!ああ、んッ・・・!!ぐっ・・・!!

【息もするのも絶え絶えな状況――脳裏で、思考の中で、UNITED TRIGGERの事務所が破壊されていく――】
【吹き飛ばされたその中には、救う筈だったブラックハート、捕虜だったベイゼすらも――焼け焦げていって――】
【そうして護りきれなかった其れを責めるように、死体になった仲間たちが立ち上がり――セリーナを取り囲んで――】

【――声が響く。】
【"もはやおしまいだ――お前は立ち上がれまい。ここで朽ちろ――"】
【"そのまま身を委ね、敗北の中に流れていけ――それこそがお前の在るべき姿―――"】
【"――さあ、これで、――――終わり、だ。"】
【暗黒のオーラが、セリーナの心をどんどん、汚染していく――ここまでか。】

【動く事すらも出来ず、レギンの接近を許し――触手のように絡まった大蛇に、もはや抵抗も見せず】
【そこへレギンの"膝蹴り"が確かに、到達して――アーマーを通り越し、内部へと直接ダメージを与えた。】
【内からも、外からも攻め立てられ――セリーナの肉体が、精神が、限界に達しようとした、その瞬間。】
【レギンが、胸倉を掴み――襤褸切れのように力が抜けたセリーナの身体を持ち上げようとした、刹那――その腕に、伝わるだろうか。】

【――悪意の中で、絶望の中でまだ、尚折れぬ希望の"意思"――これは、紛れも無い――正義の、想い。】
【彼女の心に最後の最後、一つの防波堤が生まれ――闇に飲まれそうになるその心を、塞き止めた。】
【そうして、胸倉からアーマーへ、アーマーからレギンの腕へと伝わるだろうか――"聖なる意思"の力が――涌き上がる、瞬間が。】
【明らかになるのは彼女の内側に起こった異変――これ、は―――!?】


【――絶望と悲鳴の中に混じり、疲弊したセリーナの心に、一つの――声が、届いた。】
【それは本当に――ホンの少し前まで聞いていた、そしてこれからも聞いていたいと思える"彼女"の――声。】


                       "……それじゃ、暫くはさようなら"


                        "でも……またいつかセリーナ"


                       "目覚めた時にも元気でいなさいよ"



                       "それがアンタの義務なんだからね?"

【―――彼女はUTのメンバーではなかった。しかし――あの時も、確かに――そうだ、あの時――】
【今日と同じように、絶望的に強い敵――六罪王相手に立ち回ったあの時にも、確かに隣にいて、セリーナと共に戦った"仲間"で】
【なにより、彼女は今、また新しい戦いに――自分との戦いに身を投じ――セリーナと一時的にであるが、分かれて】
【その時にかけてくれた、優しい言葉が――強く、励ますような"エール"が――セリーナの心の中で、フラッシュバックする】

【立て――何をしているの。こんなところで、くたばるつもり。さあ――早く、そいつを倒しなさい。】
【きっと、彼女がいたならそんな風に今のセリーナを、折れそうな彼女を叱咤しただろうか。そうであってほしい、いや――そうなのだろう。】
【現に、今彼女はここいずとも――遠くから、過去の記憶から、セリーナをこうして――"叩き起こして"くれたのだから。】

/続きます!! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>saga<>2013/03/26(火) 01:15:46.37 ID:l3EmWSK6o<> >>957



       (―――・・・言ったでしょ、カズネちゃん。アタシはさ――ずっと、ずっと・・・ずっとッ!!)

                       (――――貴女を、待ってる!!)

【―――――"ドウ"という――轟音が、鳴り響くだろう。】
【静かになりかけた遺跡内に爆発するかのように――魔力の波動が、溢れる。】
【セリーナに魔力は無い、しかし彼女の装着する"アーマー"は違う――精神の観応を受け、それに反応、瞬間――炸裂ッ!!】
【背についた魔導機関が唸り、全身の関節に魔力が供給されていく――もはや過剰とも呼べるほどにそれらは"駆け巡り"】
【彼女のアーマーが青白く、輝く―――ッ!!】

―――うおおおおおおおおおおおおおおおォォォォォォォォォォォォォッ!!

【そして嗚呼――レギン。カノッサの王よ、思い出すが良い――正義はそう、容易くは折れぬ事を。そして――】

【その忌々しい"触手"が、穢れた"蛇"が絡みついていたのはセリーナ自身ではなく―――】

【騎士怪醒<ティターン・アーマー>であったことを。】

【―――パージ。膨大な魔力の発光の後、アーマーはなんと――信じられない事に、セリーナの肉体から"解き放たれた"ッ!!】
【装着していた鎧を外す、これにより彼女は無謀となるが――代わりに、得た。そう――拘束からの、脱出をッ!!】
【絡みつかれていた鎧から、解き放たれるように彼女は後方へと飛び退け、瞬間、アーマーが破裂し――白煙を生み出す。】
【魔力の過剰供給でオーバーヒートしたのだ、そしてそれは丁度良い具合に"煙幕となり"――セリーナは残り一発となった"弾"末魔を、引き抜くッ!】

【――もう読めただろうか、いや、わからないがともかく――セリーナが狙うのはパージされたアーマーが尚も"握り締めて"いる】

【―――番犬吠々<ケルベロス・マグナム>の銃身そのもの。魔弾がシリンダーに直撃すれば――】
【先ほどのような爆風を起こす炸裂弾が内部にはまだ二発も残っている上に――】
【なにより、残った二発は奇しくも"炎"と"氷"の属性をそれぞれ持っていて――ガンマンのピースが、一つ一つ繋がり始める・・・!!】

―――悲鳴が聞きたいって?そいじゃ特大のを――聞かせてやろうじゃん、レギン。

―――叫びな、地獄の其処まで聞こえる声で。

【放たれた――紫の魔弾は煙幕を切り裂き――アーマーの握るケルベロス・マグナムのシリンダーへと――直進するッ!!】
【仮に直撃を許せば、内部でそれは"暴発"、"炸裂"、そして氷と炎で巨大な蒸気爆発を――生み出すッ!!】
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage saga<>2013/03/26(火) 01:18:33.12 ID:HrBBTgxn0<> >>971

……あなたがしてくれるの?

【傷口をぎゅっと押さえる手元、意識もしないのにどくどくとあふれ出すのは、まるで別の生き物みたい】
【ばしゃりと地で跳ねるごとに辺りを汚していく――その細身に、どれだけ詰め込んでいるのかは分からないけれど】
【少なくとも現状がいいものだなんて言えるはずもない。ふらと揺れた足元、足音だけが鋭く響いた】

【ひとを殺すこと。前は悪いことだって、してはいけないことだって、分かっていたはずなのに】
【それが分からなくなったのはいつだろうなんて辿ったなら――こちらは、辿ることができた】
【愛していると囁いたひと。それなのに私に刃を銃口を向けたひと。――愛と殺意の境界を歪めたひと】
【その結果がこれだ。普通の年頃の女の子みたいなこともせず、路地裏で赤い水溜りを作って首をかしげているような、女の子】

っ、?

【ぐにりと歪む軌道が理解できない。痛みの中に確かに驚きを混ぜ込んだなら、その行為が成されたことを意味する】
【どうでもいい位置で弾けたなら、残るのは水の染みと、頭の中で揺れていた鈴だけ――地に降りて、りんと泣いた】

――――、ひっ、?

【振るった右腕。弾ける感覚は軽く、疑るような間が少し空いて、すぐに理解する】
【腕に足に纏わりつく血色――最早自分のものかどうかも分からなくて、怯えて後ずさる行為に意味はない】
【赤く染まった壁に背中が触れて、痛みと恐怖とで震えた足がかくり折れたなら、ずるりと座り込もうとしてしまうのだろう】

やめ、っ……やめて、

【口元を隠す左手――ぎゅっと密着させても、水分の前には役に立たないのだろうか】
【がたがた震える右手が無意味に、喉を掻いて。振り払おうとするのは悪戯に首筋に傷をつけるだけ――】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>saga<>2013/03/26(火) 01:25:44.20 ID:7IC5hpPvo<> >>976
【ずるり統べる赤い液体は、相手の体をなぞりながら喉元へと滑っていく】
【喉から口元へと伸びていくその液体の群れは指の隙間を通って次第に口に入り込み、喉を塞いでいくだろう】
【しかしながら、その場で棒立ちして、脂汗を流していく女を見れば、隙が有るのは分かるだろう】
【相手の水の操作に割りこむような形な上に、脇腹の傷は内臓の一部も溶かしていた。そう長くは持たない状況だ】
【それでも、相手の恐怖を煽り、苦痛を与える行動を取った理由は、一つ】

――狂っちまいそうだろォ?
てめェの喉をずるずる水が塞いで、お前が息をしようとしてもその息は届かない。
段々意識は霞がかって、段々意識は死へと近づいていく――怖いよなァ?

【相手のその恐怖が、相手を痛めつけることが、女にとっては好ましいと思えたから】
【脇腹の痛みも、相手の命を掌握しているという感覚の前には、大した問題でもない】
【言葉と異能で相手の心を締めあげ、切り刻むようにしながら、女は相手の意識を奪おうとするだろう】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(空)<>saga<>2013/03/26(火) 01:40:12.98 ID:stZGsCyr0<> >>962

【刃が肉を捉える感触があった。舞い上がる血飛沫が其れを確信に変えた。】
【だがその手応えは浅く、致死圏内を逃れたシルベは小太刀を衝き、】
【其れを視認した柊は右に一歩を刻んで回避を図るも、】

(―――――――…………ッ!)

…………っ、ぁ……ッ!

【刀身の伸長によりタイミングを早めた刺突が脇腹を貫いた。骨を穿たれる感触と激痛に柊は双眸を歪め、】
【再び両腕に力を溜めて、】
【放たれるものは正真正銘の殺気、】
【―――――― “間違いなく、彼女は此処で勝負を賭ける”。それも自発的な斬撃で、だ。】

【その確信を与えるであろうものは先の一撃からの “斬り返し”、即ち左から右へと横一文字に彼を切り裂かんとする反撃の構えだった。】
【彼には、彼の隙を突こうとする様にも見えるだろうか。だが、同時に理解するかもしれない】

【…… “もはや討ち倒す以外に道は無い”。  】
【大きなダメージを受けた彼女に、彼は、追撃で止めを刺そうとすることも可能だ】

(…………、―――――――――)

【演出されるのは先手の獲り合い。彼女は、最後に “敢えて遅らせる”。】
【そうして彼に追撃を放つ余地を生み出す】
【その隙を狙えば、彼は間違いなく攻撃を叩き込めるのだろうが―――――
 敢えて発動を遅らせる事でカウンターの形で放たれる一閃は、其れと同時に彼を斬りさかんと虚空を迸る。】
【狙うのは、彼の回避の可能性を封殺する事であり、】

【―――― “最速での行動の完成を図りながら、最後にかけたディレイで必殺を期する”。】
【それが彼女の戦術だった。それが彼女の覚悟だった。】
【確実な勝利を収めるために――――― 柊は幕引きの死地を駆け抜ける。】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(関西地方)<>sage<>2013/03/26(火) 01:42:56.60 ID:ShxZr8tzo<> >>972



…、…何が必死かって、そりゃあ、アレだ。
お前も、三十路になりゃあ分かるさ。 ――、微妙なお年頃、なんだよ。
どうでもいいと言い聞かせても、色々と、柵が出来て来る。


――、まぁ、そんな話はどうでもいい。


【――、調子が出て来た。舌が回る。虚勢をまだ張れる。】
【右手に力が戻り…、…飛び跳ねる様に躯を起こすと、ドーム≠フ端へ体を寄せ】
【腰の銃≠ノ手を伸ばすと、――脳内で描くのは、『スノー・ヴィレッジ』の情景】


(…、…下≠ヘ今、ズラした――、保って後、『数分』。)
(『雪崩』が起きるまでに、此処を突破すれば――イーブン≠ノは持ち込める、か。)
(だが、「羽根の刃」が厄介、と来りゃあ――。)



   ……、此処=Aだな。



【――、四発の銃声=c、…同一地点に撃ち込まれた其れは】
【四発目で、漸く、黒き疾風を破り、ドーム外へと白の閃光を飛び出させて――】



…、…今日の所は、『コイツ』で終わりだ。
どうせだから、最後に言っておく。 ――、華蔵院茶夜=B
もとい、お前が云うには、戒能鴉=c、…だったか。



――、アイツを少しでも信じてると、何時か、『痛い目』に遭うぜ。




【――、ドーム外。 大雪だるま≠ノ着弾した魔翌力弾は、そのバランスを崩し】
【少し、ズレた斜面に沿うように、ドーム≠ヨと、その『頭』が転がり始めていた】
【…、…切り出した話題は、『それ』から注意をそらすためか、それとも――  】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(空)<>saga<>2013/03/26(火) 01:46:58.24 ID:stZGsCyr0<> >>962

/>>978

…っとすみません、メモ帳から写し忘れてた部分がっ…

【もしも彼が敢えて追撃を行わず、退避か、回避を図ったのなら―――
 それも柊には確かな好機だ。一撃を以て断割すべく、大きな踏込みから “予定通りの” 横一文字の反撃を放つ。】
【だがその場合でも攻撃後には、今度は彼に好機が訪れるだろう。それを避ける事もまた、彼女の狙いだったのかもしれない】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage saga<>2013/03/26(火) 01:47:39.58 ID:HrBBTgxn0<> >>977

【噤む口も、塞ぐ手も、そのどちらもが彼女の望むような結果を齎してくれないなら、】
【口中に忍び込む鉄臭い血の味。するりと喉に堕ちたなら、それが喉を塞ぎ行くなら、】
【助けてと乞うように見上げる瞳は、その隙に気付くことすら出来もせず。貼り付けた恐怖は、水もない場で溺死しかねない現状へ向かう】

【余談だが、この少女。水辺にあまり近づかない。もしもを考慮して、ずっと避けていた】
【こんなに乾いた場所なら大丈夫だろうというのは油断、なのだろうか――こんな世界だから、ありえないことでもないはずなのに】

【自分の作り出せた水ならば多少は操れようと、他者の手のうちにあるものを奪い取るほどの力なんて、持ち合わせない】
【ゆえに。口の中を喉を支配下にない液体が満たしたなら――きっと、息を吸うことも吐くことも許されないのだろう】

【玩具みたいにがたがた震える身体は、きっともうおなかの痛みなんて忘れていて。それでいてその消耗がなくなるはずもない】
【失った血の多さはそのまま意識を濁らせて、濁った思考は恐怖で染め上げられる、意味もなく喉を引っ掻く爪先は、恐慌を示して】
【水中ならまだしも、がりがりと地面を抉る足先は、意味のない跡を刻むだけ。――たすけてって叫べたなら、少しは、ましだったのだろうか、なんて】

【(思い出すのは昔のこと。手と足を縛られて、お風呂場のちいさなちいさな浴槽に閉じ込められて、)】
【(放り込まれたシャワー、溢れる水の冷たさ、濡れた服の不快さ、誰も助けてくれなくて、暗くて、冷たくて、苦しくて、)】
【(ごめんなさいって叫んでも、たすけてって叫んでも、だれも、だれも――暗転)】

【――折れそうな細身は、けれど、見下ろす視線の思ったよりも、きっと粘る】
【苦しさと恐怖と怨みと――長めの爪先が身体に刻む傷はもう数えるのもいやなぐらいに増えていた】

――――、っ、っ、

【ぼろぼろと零す涙の雫すら、その権限を握られてしまうのだろうか。雫が、頬を伝って堕ちていく】
【少しだけ常人より長い息は人外の身体ゆえのもの。それでも、やがて限界は来るから、】
【(おとうさん)と紡いだ言の葉は、音にはなれなくて。――ふらり揺れたなら、とさ、と。倒れこむ音は、きっと軽い】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<> !nasu_res<>2013/03/26(火) 01:50:40.17 ID:jyJVpylB0<> >>974>>975

【ボロボロになったセリーナを持ち上げようと手をかけ、その無残な姿を芸術品のように愉快気な表情で眺めていたが―――その刹那】
【ドクン―――ッ!何か大きな力がセリーナの内部から脈動しているッ!そして―――ッ!】

【轟ッッ!!セリーナのアーマーが彼女の持つ希望の波動に呼応するように発光する―――ッ!これにはレギンも堪らずその手を放し後退してしまう】
【だがその目の前にはアーマーをパージし黒い闇を撃ち祓い、そして最後の一撃へと繋げようと引き金に手をかけるセリーナの姿があったッ!】
【レギンはそれを阻止しようと右腕を振り上げるが―――ッ!ほんの数瞬だけセリーナの銃弾が勝ったッ!】

                   【 ゴ ッ ッ ッ ッ ! ! 】

【レギンの胴体に直撃したそれは―――一気に氷と炎が混ざり合い、巨大な水蒸気爆発を発生させる………その威力、言うまでもない】
【凄まじい爆炎に呑まれたレギン………これでは跡形も残るまい………しかし】

【カツン、―――革靴が遺跡の床を叩く音が聞こえる………そしてレギンは現れる………確かに胴から大量の煙を上げ、大きなダメージを負ってはいるが】
【未だ動いている―――それもそのはず、あれだけ溜めこんでいた莫大な闇の力を全て防御に回したのだ―――それにより致死ダメージは免れた】

【レギンは割れた眼鏡を投げ捨てると―――髪を上げ………そして蛇の眼≠ナ、絶対的な魔眼≠以ってセリーナを睨みつける】
【それは眼があっただけで全身の神経を凍りつかせるような―――そんな恐ろしいモノだ。】

ガフッ……!ハァ………ハァ……糞が………―――舐めやがって、餓鬼が。
グファッ!!…………ウッグ…、ハァ―――ハァ………クック………クヒャハハハハハハハハハハハ………。



                        もう[ピーーー]



【口から大量の血液を吐き出しながらもセリーナを睨みつけ―――今までの数倍に匹敵するような大量のオーラを全身から噴出し】
【そして―――セリーナに向けて右手を突き出した瞬間………。】

               【 ┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨ッッッ!! 】

【凄まじい地鳴り―――それと共に遺跡の内部が凄まじい勢いで発光しそしてそれはさらに加速していくッッッ!!】
【宝玉のエネルギー………確かにそれは永久凍土を融解させる程の力があった―――だがそれが、あくまで副産物≠セったとしたら?】

【真の目的は分散した宝玉によってこの地の龍脈≠ノエネルギーを送り、この遺跡≠フ中にあるナニカ≠ノ注いでいたとしたら…。】
【レギンは地鳴りが始まると一度舌打ちをして、溢れ出していたオーラを消し去る―――そしてセリーナ対して背を向け、顔だけを振り向かせる】

どうやら時間みてぇだな………残念だが手前の始末は今度のお楽しみまでとっておくとするぜ………。
手前らのお陰で最初の門≠熨リりなく開いた―――感謝しておくぜ、クク………。

次は―――ルルーメン≠ナ遊んでやる………それまで愉しみにしておくこったな………―――。


           それではまたの機会にお会いしましょうセリーナさん………


【最後のみ―――元の柔和な表情を造り、一度笑いかけてからそのまま闇に呑まれるように転移して消えていった―――。】




【事後の報告としては今回の事件で永久凍土の40%が融解し、少なからず生態系に変化が訪れたが壊滅的な破壊とまではいかなかった。】
【だが―――これはあくまで始まりに過ぎないのだと、誰しもが心のどこかで感じている事だろう。】

//これにてイベントの全体の〆とさせて頂きます多数の参加ありがとうございましたッ!!
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>saga<>2013/03/26(火) 02:00:02.51 ID:7IC5hpPvo<> >>981
(――血が大分流れてるな。……止めてるとはいえちょいとクラクラしてきた)

【集中しながら、相手を見据えたまま、相手の意識を奪い去っていく女】
【あと数分耐えられていたならば、女の集中は切れていたことだろう】

……お父さん、ねぇ。

【足元に倒れこむ少女を見下ろして、女は立っていた】
【脇腹の傷を覆うように赤黒い金属の装甲が皮膚を覆って、血を止めていた】
【手首にも同じように金属粉がへばり付き、まるでかさぶたのように形を作って】
【右手にはいつの間にか赤黒い長剣が握られていき、肩に担がれていた】

誰も助けちゃくれねぇんだ。
誰のせいにするでもなく、自分で背負って自分で立って、自分で手を下して、自分で終わらせなきゃよ。
いつまでもテメェは、カスのままだぜ?

【意識を失っている相手にはきっと聞こえない言葉】
【平坦な口調で紡がれるそれは、平時の女とは何処か異なる雰囲気を持っていて】

……ツマンネ、帰るか。

【そういった直後に、女は相手の腹部の傷にハンカチを押しこみ適当に止血】
【煙草を口に咥え火をつけると、紫煙を後に残して消えていくのであった】

/*うわらば、申し訳ない眠気がガガガが……! ここらで乙ということで!
ありがとうございました!*/ <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>saga<>2013/03/26(火) 02:02:12.76 ID:BygdAAGfo<> >>979

――――――減らず口、大いに結構…………それでこそ、です


【三十路がどうとか、しがらみがどうとか、そんな戯れ言を受け流しつつ、】
【ウェル子の怜悧なる洞察・判断力は、確実に神鷹の動向を追い、そして銃弾の行く末を――――】





【     「アイツを少しでも信じてると、何時か、『痛い目』に遭うぜ」     】





 ………………………………今





【ぴくり――張り付いたような無表情に、確かに、引き攣るような、反応があった】




【――――――  今  わたくしの  選択≠ノ  苦言を呈したのは ――――――】






         伝えたいことは         それだけ          ですか






【ギシッ――――空気が、軋んだ……、ような】


【――――見えすぎるほど見えた、四発の弾丸の、軌道】
【雪だるまの頭が、こっちへ来ていることすらも、よく、実によく、見えていた】

【視界は良好――これ以上ないくらい、クリア――だが】
【或いは神鷹の思惑通り、珍しく、ウェル子の心≠ノ、ノイズ≠ェ発生していた】



【数瞬の無言の後、ウェル子が、カラスを、解き放つ】

【数にして十羽程度のカラスは、一斉に、雪だるま――ではなく、神鷹へ=A殺到するだろう】
【クチバシを、鉤爪を駆使して、身体中を引き裂こうと、だ】



【触れられたくない領域に触れられて、それでもなお、己を見失わないだけの自制力は、大したものかもしれない】
【――だが、いくら彼女でも、水先案内人でも、常に最良の道を歩けるとは、限らない】


【カラス達がどうなろうと、ウェル子には、ドームを突き破って転がり迫る雪だるまの頭が、激突することになる――】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(大阪府)<><>2013/03/26(火) 02:07:11.54 ID:FgZYXUeL0<> >>978

【ーー殺気ッッ!! 素晴らしい殺気! シルベは歓喜ッッッッ!!】

【シルベは思考する。この切り返し、何か『策』有っての行動なのか、と!】
【然し、其れはすぐに、振り払われた! この駆け引き、思考するだけ『野暮』ッッ!!】

【故にシルベが、無限にも思える手札の中で『選別』したのは、二枚だッ!】

【一つは最大威力ーー月光エネルギーの破壊的奔流にて、完全に消し去る事!】
【破壊! 其れは混沌! 然し、この局面では悠長と判断し、『切り捨てた』!】

【もう一つは、『スピード』! 其れこそが正答と判断ッ!】

ェェェェエアアアアアアアアアアアアッッッッッ!!!!!!

【刃を更に伸長、3m程にも及ぶ其れは、最早マトモな『刀剣の類』とは思えない程のーー徹底的斬殺武装!】
【高速で振るい上げられたその刃の狙いは、心臓でも首でも胴でも無い、肩!】

【驚異的剣士が相手ならば、刀を握る腕を切り落とせば良いーー邪悪極まる、然し、合理的な判断ッッッ!!】
【狙いを看破したのでは無く、自然に導かれた『勝利手段』! 恐ろしき戦闘知能!】

【杭型装置の自然破壊も、最早一線を越える直前ッッ!】
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage saga<>2013/03/26(火) 02:13:16.20 ID:HrBBTgxn0<> >>983

【倒れこんだなら、長たらしい髪がふぅわり揺れて、その身体を隠すかのよう、舞い降りる】
【切ってしまえばいいのにと思うぐらいの長さは、それでもよく手入れされている――なんて、余談でしかなく、】
【傷口に詰め込まれるハンカチには、ぎくりと身体が強張るのは、意識の外での反射でしかない】

【そのうちに酸欠が解消しようとも取り戻されない意識は、失血の多さからやって来るもの】
【元から白かった肌は余計に色合いを喪って――命すら、手の内から零してしまいそう】


【取り残された紫煙すら消えうせて、どれぐらいの時間が経っただろうか】
【ひゅるりと渦巻くのは一陣のつむじ風。くるりと巻いた中に、紫色の魔力が煌いた】

「……はぁ、」

【瞬きするよりも早く発動されたのは転移の類の魔術式。とんと舞い降りたのは、少女が一人】
【明るい紫色の髪を風に靡かせたなら、倒れたままの顔を覗きこむ表情には愉悦が満ちていて】

「貸しは――そうさな、未来のキミにでも返していただこうかしらん」

【ひょいと抱き上げる腕も、同じぐらいに細いのに――もう一度つむじ風が吹いたなら、その姿はもうその場になく】

【水の国を遥か上空から見下ろすビルの、さらに一番高い位置にある部屋】
【どさと何かを投げ捨てる音の後に扉を蹴っ飛ばすような音はきっと喧しく、けれど、カメラも何もその犯人の姿を捉えない】
【傷と血だらけで転がるのは疑う余地もなくそのひとで、息はあってもぴくりともしないのは、危ないだろうけれど】

「あ、その子リジェネよりメディテがいいよ」

【――音を怪しがって部屋から出たなら。置き去りにする声だけが響いて、飛び去っていくのは一羽の鳥】
【紫色の羽色を羽ばたかせて――きゃははと、鳴き声とも嗤い声ともつかぬ声音が、夜に幾重と反響していた】

/おつかれさまでした! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>saga<>2013/03/26(火) 02:14:16.29 ID:l3EmWSK6o<> >>982

【―――後方へと飛び退けた姿勢、空中に身を投じた中からの射撃――それでも尚、弾丸は目標を正確に、貫く。】
【ジャック・ポッド――確かに最後の一撃は、六発目の"弾"末魔は命中し、爆発を起こし――】
【セリーナはどしゃり、と音を立て背中から地面へと崩れ落ちる。幸い命に別状は無いが――随分、痛めつけられた。】

う、ぐぅ・・・っ!くはぁ・・・っ!!
(――息をするのも、精一杯――・・・!アイツは、どうなって・・・!)

【爆風が吹き荒れた中――煙を掻き分けるように突き進んでくる影が一つ。もはやそれには"勝てない"と――そう、思い知らされる。】
【全力の一撃ではなかったが、今打てる手では最善――それに威力も伴っていた、にも拘らずあの程度のダメージ――規格外。】
【六罪王――まさに今、この世界を崩壊へと導くカノッサの最高戦力――その名に恥じぬ、獰猛さ。】
【睨みつけられたセリーナは、なんとか動く片手でハンマーを起こし、シリンダーを指で回し――空の薬莢を、吐き出させて】
【動かない手に代わって口でベストから弾丸を取り出し、咥えたままシリンダーへと、込めて――】
【まだ、この期に及んで諦める事をせず・・・ただ、弾丸を、込める。しかしその心のうちでは――余りの状況に、とても――怯えて。】

(――冗談じゃないよ・・・くっ・・・!これが、六罪王の、力・・・ッ!!)
(――だめだ、笑えるくらいに強い・・・ッ!アタシ、一人じゃ・・・!)

【――凍りつくような視線、全身を恐怖が襲う――弾丸が零れ、二発装填したところでセリーナの身体は、限界を迎える。】
【震えが止まらない――クソ、クソ、と呟きながら――それでも、視線を逸らす事だけは、せずに。】
【もう終わりかと思った、その瞬間――翳された手から巻き起こるエネルギー、そしてそれによって――地鳴り。】
【遺跡が崩壊するかのような"衝撃"が凍土に走り―――!!】

"門"・・・!?う、く――待ちなよ、レギンッ!!アンタ、一体何をするつもr―――ううっ・・・!
く・・・、ん・・・はぁ・・・っ!!ちく、しょう・・・ッ!!

【――彼が去っていくのを。計画が始動するのを。ただ――見守る事しか出来ず。】
【なんと無力で、なんと脆弱なのだろうか――セリーナは何も、何も出来なかった。】
【"ルルーメン"――そういい残し、再戦を予感させ――狂気は、去った。】
【暫くして、セリーナは思い出す――最後に見せた柔和な笑顔、そしてその直前の本性・・・自分ひとりでは、どうにもならない相手。】
【勝てるはずの無い狂気に、唇をかみ締める――ただ、それでも。】
【――彼女の視線は、中央の装置――"宝玉の欠片"が眠るそこへと、向かい】
【――敗北の中で得た唯一の"宝"を、傷ついた胸に抱え――救援隊が来るその瞬間まで、瞳を、閉じた。】

【―――敗北。またしても。】
【セリーナ・ザ・"キッド"――彼女は、六罪王に勝てなかった。】

/おつかれさまでしたー!宝玉は・・・一応回収できたって事でいいのかな!?
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(関西地方)<>sage<>2013/03/26(火) 02:21:10.46 ID:ShxZr8tzo<> >>984

【――、神鷹空人と、戒能鴉】
【両人の間に、『何』が有ったのかは、不明だが】
【…、… 少なくとも、前者は後者を、『一寸足りとも信用していない』】



――、…… それだけ=@、じゃ、足りねぇみたいだけどな。



【故に、と、言って良いだろうか――、攻撃≠ノ、驚愕の色は無かった】
【「少しでも信じている」のだろう。 ……ある意味では、納得】
【――、雪に刺さった暗夜行路≠引き抜くと、カラスに対峙して ―― 】







【 ――ドーム内には、それから、黒と赤≠ェ、白≠フ到着まで、乱舞するのだろう 】
【 その後がどうなろうと、恐らく、お互い――、『知ったことではない』のだ 】
【 最低限の情報を述べるなら、神鷹はウェル子の視界から消える=\―で、十分だろうか 】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(チベット自治区)<>saga<>2013/03/26(火) 02:33:38.55 ID:BygdAAGfo<> >>988





      許しませんよ






【ただ一言】




【――――神鷹がきっと姿を消す前に、そんな、絶対零度――いや灼熱零度≠フ捨て台詞が、耳に届くのだろう】





【雪だるまの頭を喰らった彼女は――――神鷹も見ちゃいないだろうが】
【疾風のドームを解除した後、黒い水たまり≠フようなものにとぷんと飲まれて、消え去ってしまった――らしい、とか】


【当初の目的である、宝玉などには、もはや目もくれず】
【それはそれは、絶望的な、黒い風を、引き連れて】




【灼熱零度=\― BattleT】

【 神鷹空人 VS ウェル子 ……  "Ended in a Draw" ...? 】



/よし、大団円!(?) お疲れ様でした! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(関西地方)<>sage<>2013/03/26(火) 02:37:21.52 ID:ShxZr8tzo<> >>989
/お疲れ様でした! <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(空)<>saga<>2013/03/26(火) 02:55:15.61 ID:PT3kMplu0<> >>985

【柊はひたすらに冷静だった。自分に対しても、打ち倒すべき “敵” たる彼にも平等に。】
【振り上げられ振り下ろされる月光の刃―――――― 超大なる一撃に対しての解答は最後の一歩としての踏み込み、】
【それにより狙いはやや内側に逸れて、鎖骨に正に触れんとした刹那………】
【柊は反撃の停止を拒絶、身を捻りながら斬撃/ごく当然の如く刃を “受け入れる”。】

(……骨の一本や二本、程度……くれてあげる…ッ……!!)

【鎖骨を断ち肩口に食い込み、そのまま臓器へと斬り込まんとする刃―――――】
【それを最後に止めたのは、全力で刀を振り抜いた右前腕部の装甲だった。掌側の其れが長い刀身の中腹部を弾き流し、】
【生み出される一瞬の小太刀の刃の停滞、】
【その最後の瞬間に柊は全身を斬撃の勢いに乗せ、鮮血の大輪を咲かせながら、横一文字に刃を振り切った】

―――――――――――― はぁあああああああッ―――――――――――!!

【斬り裂けようと切り裂けまいと、此れが最後の攻防だろう。必殺を期しての一閃は、その代償に骨までを断ち切る傷を与えている】
【だがなおも柊は揺るがない。致命的な傷を刻まれようと、ただ勝利へと向けて疾走する】

【――――――― 終わりまで全霊を貫くことが、彼女の誓った “生” ゆえに。】

【果たしてその燃焼は機関(かれら)の破壊を止めることが出来るのか、】
【ここで期した必殺は、彼を、打ち倒すのに足るものなのか―――――】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(大阪府)<><>2013/03/26(火) 03:18:05.61 ID:FgZYXUeL0<> >>991

【ーーその刃は、余りにも静かであった。】
【横一文字に振るわれた刀、察知し、身を引くも、間に合わぬ。結果シルベに、刃が届きーー】

【そして、嗚呼、嗚呼。】

ーー『僅か』……ほんの僅かばかり、『足りなかった』な……!

【腹部を深々と裂かれ、然し、シルベは死なぬ。其れもまた、全霊の力か。】
【がーー最早、戦闘の継続は不可能であった。故に、選択する。】

【『深淵・本質』の目的の為に、作戦を『切り換える』!】

『宝玉』は……渡さぬ。
この地の下らぬ自然破壊なんぞより、カノッサ機関にとっては重要な物よ……!

……来いッッッッ!! 《ブルー・スピード・アート》ォォォ ッ!

【その怒号と共に、遥か上空より飛来する奇妙な生体ーー『アートマン能力』ッ!】
【蒼い『エイ』と『飛行機』を組み合わせような外観! シルベの配下の、アートマン能力ッッ!】

この戦の絶対的決着……ゴフッ! ……そして……自然の有りのままとやら、今回は、貴様らに預けてやるッッ!

【背後に有る杭型装置から、宝玉を回収! 最早ゾンビめいた恐怖的忠誠意志!】
【動力を失った『杭』は動きを止めるーー『破壊』は、まだ、寸での所で…………完成、していなかったッッ!】

八攫 柊ッッ!! 貴様らのちっぽけな正義意志を…………カノッサという名の混沌激流が飲み込む日は近いッッッ!!!

その時こそ、決着よ! ……さらばァッ!

【そして、アートマンは猛烈なスピードで浮上するッ! 此れを追うのは、最早『不可能』!】

【ーー結果、カノッサは目的こそ達成出来ずとも……限りなく成功に近付き、あろう事か、宝玉まで持ち帰った!】
【此れがカノッサの優勢である事は明確ッ……然し! シルベ・ドーンナアブという男は『勝利』していないッッ!!】

【故にーー『引き分け』】

【『巨蛇の森』ーー勝者、無し】

【宝玉はカノッサ機関の手に。自然は夜の国の有りのままに。】
【決着は、持ち越された。】

/こんな感じで、どうだったでしょうか。
/お疲れ様でした。有難うございました。 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
(空)<>saga<>2013/03/26(火) 04:03:33.16 ID:0RtTcTqy0<> >>992

【手応えは―――――― 不十分。振り切った刃の感触が伝える。】

【だが敵手の継戦能力は既に失われ、ならば身を磨り潰してでも/未だ動かせる左手と脚で、剣で、彼との結末を制しつつ装置を破壊し――】
【そこまで考えた時点での事だった。突如現れた蒼の機影が彼を拾い上げ、機関員シルベの言葉と行動は意識を貫いて、】

(……な……!?)

……ふざけた、事を……ッ

【口惜しげに口を開くも、】

【呼吸する度に痛む肩口と脇腹。骨にまで達した二つの傷は、行動を封じるに到らずともその抑制には十分だった】
【ゆえに彼女は逃走を許す。ゆえにその結末は勝利に到らない。】
【見上げる瞳は、揺れることを拒む様に彼に視線を注ぎ続けて―――】

…………好きなだけ吼えていればいい――――――
私は私の勝利を掴み、私達は機関 (あなたたち) を打倒する。

……それ以外の貴方達との結末に、私は意味を認めない……ッ!

【混沌に意味などないのだと、】

【“機関” に、彼に叩きつけた再度の宣戦布告。見上げる双眸のゆく先はやがて地に下りて、】
【黄金の焔を纏い太刀は消え、少女はこの森を離れ帰路に就く】

【されど戦いは終わらない。今宵という一つの中継点を経て、彼らは、其々の道で戦いを続けるのだろう】
【……幕間は短く、夜は長く―――――― 】
【闇のなかひとり歩む孤剣の少女は、ひとり、自らの命を救った漆黒の防具に視線で触れる】

/遅くまでお疲れ様でしたっ……! ありがとうございましたッ <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/26(火) 18:52:30.59 ID:5lwS5+F/o<> 【街中・商店街】
【にぎわう商店街の真ん中を、ひらり、と大きなスカートをはためかせて歩く者がいる】
【その少女の姿は極めて目に付くのだが、道行く人はそれをいつもの風景と捉え、誰も気にしていない】


最近忙しくてメンテナンスする暇もありませんねー
今日のお買いものが終わったら一度チェックマシンでも使ってみるべきでしょうかデスヨー

あ、でも時期的にはそろそろ新型パーツの換装を行う頃だしその時でいいでしょうか?


【その少女は純金の三日月の髪飾りで長くつややかな黒髪をポニーテールにして整えていた】
【耳をアンテナヘッドホンのような機械で覆い隠した、銀色のカフスボタンが袖に付いた黒を基調とした丈がくるぶし部分まであるロングドレス】
【その上にフリルだらけの常に汚れ一つない真っ白なポケット付きエプロンを着用して、メタリックカラーの小さなブーツを履いた…俗に言う侍女服の少女】

【右の手首に買い物鞄をぶらさげながら、少女は今日も、かちゃん、かちゃん、と機械の足音を立てる】


いや、それでも換装前に緊急事態が起きても困ってしまうのデスヨー
やはり一度ワタシ自身で軽くチェックを行った方がいいかもしれません、そろそろハカセもシビレを切らして
女の子にちょっかいをかけはじめるかもしれませんし

――まあそれはそれとして今日は小エビが安かったからサラダでも作りましょうかデスヨー


【いかなる時でも抜かりなく一流の仕事を、それがモットーの侍女式自動人形、ジャンクちゃん】
【疲れを知らない鋼の身体に休息の時はない、今日もせっせと我が主の為に一生懸命に駆け回る】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/26(火) 19:49:22.65 ID:J/JOXlAeo<> >>994

(……それとなく欠片を持ち出しちゃったけど、どうすっかなーコレ)
(まるっと一つだったら室暖房とかに使えそうなのに……ああ、でも時期じゃないか)

【商店街とくれば買い物である、日用雑貨やら食品やら洋服やら】
【生活とは切っても切り離せない大切な物を求めるならばここほど丁度良い場所もあるまい】

【そんな場所にいるからには彼も買い物に来てるのは間違いない】
【彼女と同じように白い半透明の買い物袋をぶら下げて、中身はなんとも不健康な冷凍食品ばかり】
【健康なんて知ったこっちゃないと言わんばかりの偏食の市場がそこにはあった】

(お湯を沸かすくらいには使えそうだけど……でも欠片で温めたお湯なんて身体に―――――――あ、あれは……)

【まだ残る寒さは薄手の黒いジャケットで守って、同じ色のズボンにブーツという出で立ち】
【短めの白い髪はしかし後ろだけを伸ばして三つ編みに、腰辺りまで伸びたそれはしめ縄を思わせる】
【左は赤で右は紫玻璃のオッドアイは偶然通りかかった彼女を見つめて、止まる】


お、おお?……ろ、ロボット……!

【いやいやそんな筈がないと一度視線を逸らして再度見る、いやでもこれは……】
【頭の中で議論を重ねても結果は揺るがない、そして知らない内に漏れ出る「ロボット」という単語】
【身体がそう反応してしまえばもう納得するしかなくてあとは羨望の眼差しを向けるだけ……ああ、ロマンとばかりに】

【きっとそんな彼の声は届いてしまうだろうし鬱陶しいくらいの羨望の眼差しは嫌でも気が付く】
【そして彼女が振り向けばそこにいるのは青年と呼ばれそうな容姿でありながらなんとも少年的な彼】
【幼きままのあこがれを持った彼はもし視線が合ったらば気恥ずかしそうにそっぽを向くがその興味は騙し難いとチラチラそちらを伺うことになるだろう】
<> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/26(火) 20:20:28.63 ID:5lwS5+F/o<> >>995

【買い物カゴから取り出す1枚のメモ、本日の買い物予定を確認する】
【次は八百屋に出向いてレタスとトマトを買えば前菜のサラダは完璧だろう】
【また、冷蔵庫にはまだ鶏肉が残っている事を思い出して、照り焼きにするかレモン煮にするかしばらく考えていると】


――――?なんでしょうあの方……先ほどからずっとチラチラとこちらを
伺っているようデスヨー……さて、ワタシに何かご用件でしょうか……?


【数秒ほど思案する、こちらを見続けるその男性の意図】
【道を聞きたい通りすがりか、自分個人へのお使いを頼まれている人物か、それともただの野次馬か】
【今やほとんどの人は侍女服を着ていても気に留めなくなった物の、好奇の目でみられることは決して少なくない】
【自分の外見は極めて目に付く、その事は彼女もちゃんと自覚しているのだ】

【しばらく立ち止まったが、やがて意を決したように固い足音を立ててその人物の傍まで近付いて】


失礼いたしますデスヨー、なにかご用でしょうか?
先ほどからこちらの方を何度か伺っていたようでしたので……ご用件でしたら
遠慮せずお申し付けくださいデスヨー


【近付いて来たことで分かる、意外なほどに低い背丈】
【極めて小柄な身体、その背筋をきっちりと伸ばして、両手を丁寧に前で重ねて男性と目を合わせる】
【どことなく気品すら感じさせるその笑み、その瞳はどこか不自然なほどに無機質に感じられるかもしれないが】

【男性が何らかのリアクションを取るまで、彼女はずっとその姿勢のまま相手の行動を待つだろう】

/今戻りましたー <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/26(火) 20:44:16.49 ID:J/JOXlAeo<> >>996

(すっげえなあ、ホントにいるんだー……こうしてお目にかかれるなんてなー)
(動力とかなんなんだろうなあー食事とか普通にするのかなー……あ?)

【きっと腕にガトリングやらレーザー兵器やらを積んでいるに違いない】
【そんな実に少年的で当人からすれば身勝手な想像をふくらませつつほっこりとしていたら】
【近づいてくる足音、浸りすぎたから気付くのにも遅れて】

い、いやっ……そのなんというか全然なんというかっ!
ただメカ格好良いなーと思って見てただけで全然危害とか加えるつもりもないし!

【しどろもどろと意味のありそうで無い言葉を羅列する彼】
【憧れの対象に話しかけられればそれはそうなるだろうけどなんとも情けなくもあり】
【一方で喜ばしくもあり、ちょっとしたパニックに】

……いや落ち着いてるけどさっ!……ええと、アンタ……でいいのかこの場合?
いやとにかくっ、アンタ名前とかあったりす……あるんですか?

【気恥ずかしいけれど興味の方が強くここまで来て抑えるような理性もない】
【取り敢えずは名前だけでも知りたいな、なんて迷惑もいいところだろうか】


【余談だけれど今彼のポケットには数日前の夜の国の事件で話題になった創炎の宝玉の欠片があり】
【少しだけ熱を持ちつつ魔翌力を流しつつ、彼女がそういった物が感覚的に分かるならばその存在を探知出来るだろう】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>saga<>2013/03/26(火) 21:08:13.72 ID:YAlBnc+70<> 【水の国 人気の絶えた広場】

フッホホホ……結果は上々と言ったところかの?
これなら、伸び代を考えれば大したもんじゃろうて……

【量は多いが短い白髪をバック気味に整え、皺が多い割に肌の色合いが良い、ダボダボの研究衣を着こんだ、細めの目をどこかぎらつかせている、年の頃は壮年程の男性が】
【明かりが少なく、だだっ広さと薄暗さを同時に感じさせる広場の真ん中で、ニヤニヤとうすら笑いを浮かべながら歩いている】
【石畳の地面に、カツカツと言う男性の足音と思しき音が虚しく響く】

【研究衣の襟の部分には、≪No.6≫と言う刺繍が施されている】

じゃがま……これだけでは無論、足りないじゃろうて……な?
……近いうち、アレも実戦テストした方が良いのかもしれんのぉ……――――――――な?

【上機嫌で広場をあてどもなく歩き回る男性は、不意にニヤついた表情のまま、背後を振り返る】

「……私には、分かりませんが……」
〔……?〕
<…………>

【その男性の背後には、全身を黒いローブで覆った、3つの人影が付き添っていた】
【その風貌などはローブに阻まれ良く見えないだろうが、ともあれ3つの人影は、気まぐれな男性の動きに、寸分違わずついて行く】

ま……お前らもじき分かるじゃろう……その為のチームじゃ……じゃろう?

【不自然な程に人気の絶えた広場に、その4人の言葉だけが響いていた】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/26(火) 21:25:52.23 ID:5lwS5+F/o<> >>997

【なんだかただ事ではない様子の彼に内心戸惑う侍女……彼は一体何の用なのだろうか】

【この身は女性型ながら男のロマンの具現化、当然頭ではわかっているのだが】
【なんというか、身も心も女の子な自分はあんがいそういう扱われ方をされない】
【思いのほか自覚が足りないので、テレビの中のヒーローみたいに憧れの対象みたいに扱われる事に慣れていないのだ】


は、はあ……えっと、とりあえず落ち着いてくださいデスヨー
何があったかは存じませんが、パニックを起こしていては落ち着いてお話もできません
まずは大きく息を吐くのデスヨー、そうすれば体が自ずと酸素を欲して吸う事ができるのデスヨー

まあ、普段呼吸してないので"WILD"の受け売りを知識として知っているだけなのデスヨー
申し遅れました、名前でしたらワタシの事はジャンクちゃんとお呼びくださいデスヨー


【両手でロングスカートを摘んで、礼儀正しく彼にお辞儀を行う】
【何一つ無駄のない身のこなし、失礼のないよう最も見苦しさのない最適な動きを行う】
【小柄な身ながら、なんとなく『仕事のできるメイドさん』という印象を与える】

【しばらくして、きょとんとしたようにその表情豊かなその少女の――不釣り合いなほど無機質な瞳の奥で】
【なにかチカチカと赤い光を発しているのを見ることが出来るかもしれない】
【そして表情はどこかいぶかしげな様子、何かを感じ取った様子だ】


――おや?奇妙なエネルギー反応を感知できるのデスヨー……
失礼ですが、体のどこかに変調でも起こしておりませんか?もしくは
なにかのエネルギーを発する物をもっている、とか……


【エネルギーを感知する機能があるらしいジャンクちゃんが目ざとくそれを嗅ぎ付けると】
【男にその事を問うてくる、どう答えるか?】 <> 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします<>sage<>2013/03/26(火) 21:39:46.21 ID:J/JOXlAeo<> >>999

おあー……存外常識人だ……
うん、落ち着いた……取り敢えず御免年甲斐も無くバカをしてしまった……なにこれ恥ずかしい

【彼女とのテンションの落差、それに気が付いてふと「自分は何を」なんて思えばあとは急降下】
【確かにメカしているのは好きだけど度が過ぎている、冷静になった今それが分かって恥ずかしさ倍増】
【なんでもない、なんて取り繕うチャンスはもう無いのでただ俯いて】

わいるど?……ふーん……
ジャンクちゃんかーなんかあぶなっかしい名前だな、でも粗雑なパーツじゃそこまできっちりメイドしてないか。
ああ、オレはエルフェス―――――だけど覚えなくていい、なんか恥ずかしいから……。

【その単語自体聞き覚えはあるけれど言葉の流れから察するに固有名詞としてのWILDなのだろう】
【そうなれば自分の知識なんて役立たず、精々彼女のデータベースかな?なんて考察しておしまいで】

【そして告げられる名前にちょっと喜んで見せたのはどうやら嫌がられてはいない様子を感じ取ってのこと】
【ただ恥ずかしさはまだ引き摺っているらしかった……】


えっ……なんだよ恐いこと言うなよ変調って病気とかかな……あ!
ああ、そっかきっとコレだよホラ宝玉の欠片、こないだの夜の国の戦闘で回収したヤツだけど触ってみる?

【瞳の赤を見たからか見透かされた感じは未知の物を思わせて】
【唐突に恐い事を言い出す彼女に不安を覚えつつ、そういえばとポケットからまるで小銭を出すように乱雑に】
【掌に握られているのは彼の言う通りの宝玉の欠片でほのかに温かく、興味があるのかなと考えて彼女へとそっと差し出すのだった】 <> 1001<><>Over 1000 Thread<>
 ,.――――-、
 ヽ / ̄ ̄ ̄`ヽ、   【呪いのパーマン Ver2.0】
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ローカルルール変更に伴い、1000到達の報告が不要になりました。

<> 最近建ったスレッドのご案内★<><>Powered By VIP Service<>馬鹿、人間、知らない、君というキーワードを使い文章作成 @ 2013/03/26(火) 21:32:42.40 ID:iCzUDqVV0
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少女「だーれだ」青年「だれだっけ」 @ 2013/03/26(火) 21:30:08.64 ID:bY9cY1570
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PSYCHO-PASSのAAで雑談するスレ @ 2013/03/26(火) 21:25:08.52 ID:z+NzkKhWo
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NEW:AA雑談スレ休憩場 @ 2013/03/26(火) 21:18:07.96 ID:qRq0zbhy0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1364300285/

水野翠「必ず....射止めます!」 @ 2013/03/26(火) 21:00:50.51 ID:qlhyXd3W0
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千早「安価でプロデューサーに振り向いてもらう」 @ 2013/03/26(火) 20:04:59.54 ID:JCR1j79D0
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ヤクザをエアガンで撃つスレを見てまねしたら死にそうになった話 @ 2013/03/26(火) 19:58:11.62 ID:2ujvWqv20
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【Fate】やらない夫で聖杯戦争 @ 2013/03/26(火) 19:48:17.74 ID:uZWMcs+Lo
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