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HTML化した人:lain.
京太郎「俺はモモが羨ましい」モモ「お互い様っすね、それは」
1 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2013/08/18(日) 17:09:52.99 ID:YYKNCjkko
※京太郎鶴賀在籍設定(咲との繋がりもなし)


「私はそろそろ帰らせてもらうが――まだ練習していくつもりなのか?須賀」

鶴賀学園の麻雀部室を今まさに出ようとする前に、大将――よく部長と間違えられるが――の加治木ゆみは居残らんとする男子へと声をかけた。
すでに他のメンバーは帰宅し、部室にはゆみと須賀と呼ばれた少年、須賀京太郎のみが残っていた。

「ええ。お気遣い有難うございます」
「練習する意気は良しだが……あまり遅くなり過ぎないようにな」
「はい。加治木先輩こそお気をつけて」

ああ、と短く返答を返した後、ゆみは部室から出て行った。
6月に入ったばかりとあって陽が落ちるにはまだ早い時間ではあるため、ゆみが一人で帰るにも特に問題はない。
送りますと言えればさぞかし素敵な提案だと京太郎自身も思うのだが、生憎ゆみの家は自身と反対方向であるし、ゆみとしてもそれをあまり望まないので仕方がない。
かくして麻雀部室には静寂が残り、京太郎はひとつ大きく気を吐いてから一度仕舞った麻雀牌を広げ直した。
2 :名無しのパー速民[sage]:2013/08/18(日) 17:11:47.89 ID:PJPjmOKAO
SSか?もしそうなら板違いだ。SS板に行け
3 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2013/08/18(日) 17:13:58.70 ID:m4uJwkUK0
\
4 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2013/08/18(日) 17:19:22.14 ID:YYKNCjkko
それから特に名状するようなことがあるでもなく、京太郎は一心不乱に牌を触り続けていた。
ふと小休止と思って麦茶のペットボトルに手を伸ばした時、言いようのない違和感が京太郎を襲った。
闇夜に亡霊を感じるような肌が粟立つ感覚に、まさかと思いながら京太郎は口を開いた。

「……いるのか?東横さん」

特に反応が帰ってくることもなく気のせいかと京太郎は牌譜へと向き直った矢先、

「ありゃ、もう見つかっちゃうっすか」

自分の向いている方向とは90度右の方から、影が揺らめくように人型へと収斂していくのを感じた。
5 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2013/08/18(日) 17:25:38.52 ID:YYKNCjkko
「驚いたっすね。見つかるつもりはなかったっすけど」

頭を軽く掻きながら肩をすくめるモモの様子から、特に嘘を言っているようにも見えなかった。
実際これだけ静かな空間で集中した京太郎がややあって微かに感じる程度の違和感なのだから、声をかけられるまでは意地でも見つかるつもりはなかったのだろう。

「たまたまだよ、たまたま」

鏡のように京太郎も頭を掻いて猫背になる。
モモはその過小評価が気に入らないのか、その様子を見てむっとしたような表情を京太郎へと向けた。
6 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2013/08/18(日) 17:37:53.92 ID:YYKNCjkko
「たまたまで見つけられるようなヤワなステルスじゃこっちの立つ瀬がないっすね」
「だって俺自身東横さんがいるかどうかも半信半疑だったしさ」

事実位置までは特定できなかったのだからこれもまた間違いではない。

「モモ」
「え?」
「また"東横さん"に戻ってるっすから」

モモの目には若干ながら叱責するような視線が込められていて、京太郎はいくばくか気後れするように視線を床に向ける。

「……あんまり女の子をそんな風に呼ぶのに慣れてないんだよ」
「まあ私としても先輩との時間を奪ってる"京太郎"にはそう馴れ馴れしくして欲しくないっすが――」
「なら尚更」
「――この部の数少ない1年の片割れである以上、どうあれ立場的には対等であらねばならないっすからね。感謝して欲しいっす」
「……わかったよ、モモ」

さっぱりわけのわからない理屈だが、モモなりに歩み寄る姿勢を出している以上それを無碍にするのも気が引けるので、京太郎は渋々それに従うことにした。
7 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2013/08/18(日) 17:53:47.58 ID:YYKNCjkko
「……で、いつからモモはそこにいたんだ?というか帰ったんじゃなかったのか」
「忘れ物を取りに来たんすよ。タイミング的には智美先輩達が帰った時に入れ違いでっすかね」
「だったら声でもかければよかったのに」
「誰かさんが先輩との個人指導で鼻の下伸ばしてるのが滑稽だったっすから」
「ぐっ……」

実際にはゆみの部内の雑務を京太郎が手伝ったついでに色々質問していたような形であったが、何にしても京太郎としては返す言葉もなかった。

「だからってここまで居残る理由なんかないだろ。それこそ加治木先輩と一緒に帰ればよかったんじゃ」
「生憎反対側っすよ、京太郎と同じ方向の」

忘れたとは言わせないとばかりに胸を張り、京太郎は向き直った目線を再び下に落とした。

「……まだ早いうちに帰った方がいいぞ。夜道は危険だ」
「む、いっちょ前に心配してくれてるっす?」
「相手の方がな。闇夜の鴉とはよく言ったもんだ」

ムキーと歯を剥いて睨みつけてくるが、こういった表情すら絵になるのが美少女の卑怯なところだと京太郎は思った。
8 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋)[saga]:2013/08/18(日) 17:56:45.43 ID:5lN8BP77o
ここはSSを書くところではないので、こちらでどうぞ。

SS速報VIP(SS・ノベル・やる夫等々)
http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/
9 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2013/08/18(日) 18:08:42.61 ID:YYKNCjkko
「しかしよくもまあいろんな練習してるもんすね」
「お前と違ってキャリアが浅いんでな。色々しなきゃ追いつかんのさ」

京太郎の行っていた練習は、有り体に言えばとにかく牌を知ることで場数を増やすことだった。
牌効率や捨て牌読みの考え方をはじめ、理牌なしで打つ、盲牌、小手返しなど、とにかく基礎的な力に主眼を入れている。
無論2ヶ月程度で全てが身についたはずもないが、日々の積み重ねの甲斐あって着々と京太郎の下地は整い始めていた。

「そうは言うっすけどね、先輩も相当舌を巻いていたっすよ」
「先輩の教え方が上手いからだよ」
「だからあんたはどうしてそう……」

内心胸焼けしそうな謙遜ぶりにむず痒さを覚えつつも、モモはそれ以上のコメントは差し控えた。
10 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2013/08/18(日) 18:19:35.44 ID:YYKNCjkko
「で、今は牌譜を読んでたっすよね?」
「ああ。全国クラスとなると、自分の世界を持っている人も少なくないからな。モモみたいに」
「……まあ、そうっすね」

これもまたゆみが言っていたことだ。
あの宮永照をはじめとして、龍門渕の天江衣や永水女子の巫女など、正直並みの人間には理解のできない打ち筋を持つ人がこの世界には多数いる。
良きにつけ悪きにつけ牌譜によって何を根拠としているか知るということは勝敗を大きく左右するファクターとなりうるからだ。

(よくもまあそこまでの熱意を持っていられるかと言えば)

モモはそれに関しては紛れも無い確信を持っていた。何の事はない、自分と同じだからだ。
11 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2013/08/18(日) 19:22:17.77 ID:ro//RJ+FO
移動したのか?
12 :名無しのパー速民[sage]:2013/08/18(日) 19:27:09.04 ID:PJPjmOKAO
少なくともSS速報ではまだ見てない。



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