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HTML化した人:Kastanie
【異世界】ここだけ世界の境界線★8【歓迎】
1 :おんも2015/01/23(金) 19:37:32.17 ID:HgFBLiKG0
【新世界へようこそ!】
ここは様々な世界が融合して出来た世界。ここの住人は親しみを込めてこの世界を『新世界』と呼んでいます。
この世界にはオーバーテクノロジーから魔術まで何でも存在します。超能力や宇宙艦隊もあれば大魔王の領地も、
獣人の集落や神の軍勢すら勢揃いの『なんでもあり』の世界。それが新世界なのです。
あなたはこの世界の新たな住人となり、先駆者や新入り、そして異世界の住人達と関わってゆくことになります。

【ゲートについて】
この世界には『ゲート』と呼ばれている様々な世界同士を繋げる空間があります。
時にそれは魔界へ、時にそれは天界へ、時にそれはダンジョンへ、繋がっている先は様々です。
稀にそこから『厄災』なるものが流れ着き、それがこちら側の世界を荒らす事もしばしば……
その度に貴方達『能力者』はその能力を最大限に行使して『厄災』を元の場所へと送り返したり倒したり……
この世界の様々な事がこの『ゲート』を切っ掛けにして起こります。

【来訪者について】
この『新世界』はその性質上、別世界からの『来訪者』がやってくることもあります。
彼らの来る世界は様々な世界。時には人間や獣人。時には悪魔や妖怪。そして時には異星人すら『来訪者』として現れることすらあるのです。
『来訪者』はこの世界に来る過程で新たな『能力』を得る事も、そして自分が持っていた能力を引き続き使うことも出来ます。
しかしあまりにも強大な『能力』は『ゲート』の力によりその効力を失ってしまうこととなるでしょう。
次の『来訪者』はあなたかもしれません……

◇ここは自分だけの『能力』を手に入れ、様々な能力者と戦闘、交流するスレです。
◇オリキャラは勿論、様々ななりきりスレのキャラも参加する事が可能なスレです。
◇まずはしたらばで能力登録。ここに設定を纏めておくことでロールをスムーズに行えます。
◇戦闘、交流、基本は何でもありですが、相手が不快になるロール、確定ロールは避けましょう。
◇チート能力や人外級の身体能力など、相手に勝利の余地を与えない設定は避けましょう。最強設定は御法度です。
◇荒らしはスルー。絶対に関わらないようしましょう。

☆次スレッドは>>980、立てられない場合は>>990が立てること
☆次スレッドを立てるまで>>980からは減速推奨(重複を回避するため)

★避難所★
http://jbbs.shitaraba.net/internet/20393/

★wiki★
http://www60.atwiki.jp/kyoukaisen/

※前スレ
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1416828177/
2 :デュミナス・ストラティオ【魔機動力】[sage]:2015/01/26(月) 01:04:17.34 ID:1koGvadQO
>>1乙です
>>前スレ1000

「これはまた見事な…」

下劣畜生の欲まみれな武士を見事というべき美しくも力強いハイキックが迎え撃つ。
蹴られた武士は勿論、他の武士達もその意表をつく光景に唖然とする。

「ははははっ、成る程確かに。たがしかし先程まで棒立ちしていた女性が武士を蹴り飛ばすなんて、ある意味目立っているぞ」

鼻に指を当て静かに笑う。
それはいわば余裕の"意"。
能力を使わずにこいつらを[ピーーー]自信の表れだ。

「おやおや、これはオッカナイ。か弱い女性だとは思わなかったがまさか、血の似合う女性だとはこれまた予想外だよ」

軍人としての威圧感を撒き散らすイムカを見て彼女もまた、一人の戦士であると確信する。

「まぁ__そうなんだが。生憎私は中身が機械仕掛けでね。目立ちはしないと思うが、女性らしいという意味での節度なら残念ながら持ち合わせていないんだよ」

「たがまぁ、安心していい。先にも言ったが目立ちはしないよ。いきなり爆発とか氷付けなんかはもってのほかさ」
 
両指の骨を鳴らしながら、答える。
体が機械仕掛けの彼女にとっては目立たずに[ピーーー]などいと容易いことだ。

「此方が当たり?ふふ、全くどうして、君達はこうも馬鹿なのか」
「私が欲に塗れた畜生に負けるはずがないだろう」

デュミナスに迫り来る三人の武士達。
各々片手には彼女の肉を斬り刻む為に使うであろう刀を握りしめ三方向に襲ってきた。
対してデュミナスは一斉に襲い掛かってきた三人のうち左の武士に狙いを定め、一気に自ら接近する。
そして接近が成功したならば、素早く彼の腹を突かんとその機械仕掛けの驚異的な力を持った左手が伸びるだろう。

【デュミナスの考えはいたってシンプル。狙いを定めた武士を突いたらそのままそいつを右へスライドさせ他2人の武士へ当てる気だ】
3 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/01/26(月) 01:16:06.17 ID:1fsmYlnso
>>2

「我ながら実に手癖足癖が悪くて困っているんだ。おかげでお淑やかとは縁が無い」

 頂肘で雑兵の顎を跳ね上げながら言うイムカ。
 なるほど、確かにお転婆といわれればそうか?とも思う。
 こちらもデュミナスに劣らずさして雑兵に対する危機意識は無し。

【あくまで懸念は軍単位に目をつけられることなのだ。乗り切る事事態は難しくない】

「サイバーウェア…とんちきな格好と思ったら、やっぱり異世界人か。参ったな」

 機械仕掛けと聞いて反応するイムカ。同時にこの「参った」の意図も明白。
 つまるところ、デュミナスは「当たり」どころか「大はずれ」という事だ。

【一瞬後には当然の結果が現実として帰結するは道理!】
 【→接敵された武士はそのままに腹に一撃を決められ、そのままに他の武士にぶちかまされた。酷い力技だ!】

「…馬力に任せてって感じだな。おっかないもんだ」

 極めて平坦な声音は崩さないままに言うイムカ。何だか人形めいている。
 感情の色が全く無いのだ。しかし、台詞自体はそれなりにユーモラスという些か珍奇ではある。

【イムカが倒した雑兵は全員一応生きている。これは『生命は効率的に消耗されるべき』というイムカの価値基準ゆえ】
 【→デュミナスが倒した兵はどうだろうか?(殺したところでペナルティは無い。ただ、考え方というものが顕れるだけだ)】
4 :デュミナス・ストラティオ【魔機動力】[saga]:2015/01/26(月) 01:42:43.95 ID:1koGvadQO
>>3

「お淑やか…か。同じく、私もその類は全く無くてね…君を見るにやはり私達のような常戦場に立つ、立っていた者には無縁のようなものなのかね」

迫り来る三人を尻目に余裕の会話。
やはりこの二人は前にいる少数の敵など気にはしていないようだ。
もっともこの敵が増えに増えて軍となれば話は別だが。

「悪いが貶してはくれるなよ?これでも1人のか弱い女性だ。極力容姿には気を使っているんだ。それにこの軍服もお気に入りだ」

デュミナスの容姿は至って普通の人間だ。
肌はきめ細かいし色白い、オマケに顔は整っていた美形だ。
もっとも、表腕を覆っている黒色の手袋を外せば漆黒の機械腕が露わになるが。
トンチキな恰好という言葉をどうやらデュミナスはマイナスに捉えた様で、柄にもなく頬を軽く膨らませる。
とうのイムカにはそんなつもりはないのだろうが__。

「君はまた随分と失礼なことを言うな。本人を前にして参ったとは…」
「勝手に落胆されても困るんだがな…」

イムカの聞き、その言葉の意を理解する。
イムカにとって今前にいるデュミナスは「当たり」ではなく「ハズレ」の存在らしい。

【デュミナスの作戦は見事成功し、目の前には倒れる武士達がいた】

「攻撃は最大の防御…よく言うだろう。私はその言葉通りのことをしたまでさ」
「考えもないただの力技とは一緒にしてほしくないね」

先程から表情に変化がない。
不思議なものだ。その口から吐き出される言葉一つ一つにはユーモアがあるというのに。

【デュミナスが倒した兵も同じく生きている。しかしこれはただの気まぐれ】
【もしデュミナスに何か言おうものなら彼女は彼等の首を降り無慈悲に殺すだろう】
5 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/01/26(月) 01:53:16.04 ID:1fsmYlnso
>>4

「一応、編み物とかは出来る」

 精一杯のお淑やかアピールを試みるイムカ。明らかになんかピントずれている。
 勘のいい者ならどっか、イムカは天然さん入っていると察せられるだろうか。

「この世界では目立つっていう意味だ。気を悪くしたのなら謝罪する」

 意外と素直な反応のイムカである。素直天然クールで軍人でパツキンで豊満なバスト。
 これだけ属性モリモリにすればマーケティング的にも大成功間違いなs(ry

【もっとも、デュミナスにして見れば、異人が無理にヒノモトの格好をしているわけだから
 よっぽどミスマッチに見えるのかも知れないが】

「メ、メチャクチャ強ぇえ…」
「おたすけーおたすけー」

 対する雑兵はあっさり戦意喪失。こちらの慈悲にすがるモードである。
 流石に、何に手を出してしまったのか身を持って思い知ったらしい。

「はぁ…全く、戦場で女を求めるのは分からなくも無いが」

 無論、理解jは出来るとて付き合ってやる義理は皆無であるが、と付け加えておく。

「とりあえず、さっさと逃げるとしよう。奇妙なお嬢さん。他人のイクサにロハで巻き込まれるのは御免被る」

 言うなり編み笠を深く被って、クルっとUターン。
 安全そうな逃走経路を見出して、指差すとそそくさと走り始めるのであった。

//では時間も遅いしこの辺デー。絡みありがとんでしたっすノシ
6 :デュミナス・ストラティオ【魔機動力】2015/01/26(月) 02:26:07.13 ID:1koGvadQO
>>5

「そう言う意味では無いのだがな……」

イムカのアピールに軽く突っ込む
何処かピントがズレているその返答を聞いて彼女が若干天然だということに気付く。
先程までの威圧感は何処に。
イムカに対するイメージが変わった瞬間にだった。

「あぁ__いや、いいんだ、すまない。私の勘違いだ」
「それにしても随分とまた素直に謝るのだな。それはそれで素晴らしいことだが__」

そう言い続けながら足元から全身にかけてイムカを舐め回す様にジロジロと見る。
クールでありながら天然でいて素直。
おまけに軍人に金髪、更には豊満なバストときたもんだ。
属性力53万といったところか。
目の前で倒れている兵士達が皆、デュミナスよりイムカを先に狙ったのにも納得がいく。(いい意味で)

【デュミナス自身が既にミスマッチな服装をしているがゆえ、イムカの格好はデュミナスにとってあまり違和感はなかった。むしろ女性として負けていると感じた】

「よほど女に飢えているのか、それともただの女好きかは知らないが、か弱い女性を集団で襲うとは男として情けないな」

か弱い女性、一体どの口が言っているのだろうか。
か弱い女性は襲い掛かって来た男性の腹を突いたらしません。

「それもそうだな。私もこれ以上ここに長居する訳にもいかないからな」

イムカが指差した場所に目を向けるとそこは武士達がいないいわば逃走経路だった。
デュミナスは再びイムカを見ると彼女は既に別方向へと走り出していた。

「ふふ、奇妙なお嬢さんか。奇妙はお互い様だろうに……」

徐々に小さくなる彼女の背中を見つめながら小声で呟き、逃走経路へと歩き出した。

/遅くまですいません、絡みありがとうございました!
7 :マッドゴーレム[sage saga]:2015/01/27(火) 16:59:07.53 ID:70h5PE4Q0
虚脱めいた風体で鎮座していたソレは、ふと何かを察して動き始めた
無論それはすっかり単純な思考回路に於いて優先されるナニカを探知した為だ
粘土質の体躯はドロリとした粘り気のある音を立てて稼働、手近な木を野太い右腕で掴みそして立ち上がる

『………』

残されたエネルギーが、魔力が少ない
本来無限に生成されるべきであるはずのエネルギー
だが今はこの世界の理に準じて補給を行うしかないのだ
即ち、人々の驚異を妖力として得る事を

【ヒノモトの国、コガネ街道】

寒風吹き荒ぶ街道、ゴーレムによる被害が多いここはすっかり往来も寂れた
だがそれでも生活の中でそうせざるを得ない人々だっている
そしてゴーレムが狙うのは正に彼等である

「で、出たぞぉ!!」
「土人形だ!!」

往来の中である程度の富を所持していた者がいたのだろう、遁走とは逆の行動を取る人影が2つ
刀や槍を携えた用心棒である、果敢にも挑み掛かるのは

「アバッー!!」

その内の1人が即座、ゴーレムの剛腕を受けて吹き飛び南無阿弥陀仏ッ!
残された方は早速逃げ腰だ
ゴーレムは全身に力が滾るのを感じた
恐怖心が妖力となり、そして魔力へと変化していく
ぼんやりと輝く青白いラインが表面に走り、そして虚空の瞳ですっかり怯える用心棒を睨んだ
8 :アグラーヤ2015/01/27(火) 17:22:00.74 ID:iJNEnev50
>>7
あは、どうやら噂は本当だったみたいねぇ。
この街道で土人形とかいうのが度々暴れてるって……大当たりぃ。

【用心棒のひとりが吹き飛ばされるとその後方、打ち捨てられた荷車の荷台からひょっこりと姿を見せたのは黒衣の女】
【雇われの用心棒がもうひとりいたということか、それとも噂の真偽を確かめるために荷台に潜り込んでいたのかは謎であるが】
【荷台から飛び降りると、ゆっくりとゴーレムへ向かって歩みを始める。どきなさぁい、とふたりの間に挟まれる格好となった用心棒の男に邪魔くさそうに逃走を促しながら】

さぁて、私のこと覚えてるかしらぁ。この間会ったばかりなのだけどぉ。
言葉は通じるのぉ? ……ていうかアナタなぁに?

【彼我の距離がある程度縮まればアグラーヤはそこで立ち止まりそれ以上近付こうとはしない。取り敢えず語り掛けてはみるが当然警戒を怠ることはないだろう】
【目の前の土塊の人形がアグラーヤの求める人物とは考えにくい。もしそうであったとしても何かしらの事情がある筈である】
【故に意思の疎通が可能なのであればこのまま穏便に進めようという腹だが、もしそれが不可能であれば戦うことに躊躇いはない】
9 :マッドゴーレム[sage saga]:2015/01/27(火) 17:42:53.11 ID:70h5PE4Q0
>>8
『………』

虚空の瞳で少女を睥睨、一歩脚を進める
生き残った用心棒はアイエェと情けない声を上げながら逃走、彼のこの道での生活の終わりだ
ぐっと全身に力を、魔力を行き渡らせる
それは体躯表面を滑る青白い輝きが増した事が重圧的前兆として読み取れるだろう
返答はない、いやむしろこの動作こそが声無き返答とも言える
続き飛翔、中距離であるアグラーヤとの彼我の距離を一足で殺さんと
轟々たる右腕を横薙ぎに振るい、そしてその体を弾き飛ばさんと
遠心力に乗り、拳大の粘土の塊が幾つか宙を舞った
10 :ジョシュア・アーリントン【暴食のベルゼブブ】>>214[sage]:2015/01/27(火) 18:09:14.83 ID:97rQ+Urv0
【自由世界 リベルタス:高層ビル群中央部の高級ホテルにて──】

ここは廃墟と化した都心部ビル街の中心。かつて世界の中心として回った場所。
しかし今はかつての栄光も見る影もなく、ただヒビ割れたアスファルトの地面とひしゃげた標識。ボロボロに崩れ去ったランドマークタワー。
ライフライン。インフラ。その街の全てが死に絶え、今や巨大なスクランブル交差点には人っ子ひとりとしてその姿を見せてはいない。

そんな廃墟のとある高級ホテルの最上階、滅茶苦茶に荒らされた最上階のVIPルーム。
かつては分厚いガラス張りだったのだろう。そこから見下ろす夜景は一体どれだけの人間の心を動かしたか。しかしそれらが粉々に砕け散った今、
部屋はただ焼け焦げた絢爛な家具、雑貨と、床から屋根まで続くかつて窓枠だった太い鉄骨が残っているだけの殺風景な場所と化していた。

その中のひとつ。雷に打たれたように焼け焦げ、白い煤を表面に纏わせながらぐにゃりと歪んだ短い鉄骨。
それに背をもたれ佇む病衣の男がひとり。屍のようにして佇んでいた。
ぼさぼさに伸びたブロンドの髪、やや筋肉質の上半身を晒したまま眠りこけている。
上半身の殆どは背中から右腕、顔の半分に掛けて焼け爛れており、奇妙なことに火傷の部分がめらめらと火の粉を上げながら燃え上がっている。
左腕は無く、断面の様子は火傷と同じだ。周囲には食い散らかされた缶詰が散らばっているが、そのどれもがまるでバーナーに当てたかのように溶断されていた。

「……誰だ…?」
「…この世界にも…まだ人が居たのか…ははっ…」

屍同然の見た目。しかし越境者が彼の射程に少しでも侵入したのならばその意識は瞬時に覚醒を迎える。
男は元軍人であり、手練だ。しかし今は手負いの上に大きな欠損の影響を受けている。
故に越境者を襲うような気配は見せず、警戒の色をその顔に浮かべながら徐に面をもたげた。
若く獰猛、その双眸は獲物を狩る獣のような目つきだ。が、あまりにもやつれている。
11 :アグラーヤ2015/01/27(火) 18:15:53.52 ID:iJNEnev50
>>9
【アグラーヤの問い掛けに返答はない。土塊の表面に青白く奔るモノがその輝きを増し、それに合わせてアグラーヤも身体を緊張させてゆく】
【想定外の事態ではない。想定した内で最も高い可能性と予測した状況へと進んだだけである。なれば迎え撃つだけだ】
【ゴーレムの力は以前見ているが故にそれに対しての動揺はない。しかし決して油断が出来ないことも事実であった。何も手の内を明かしているのは相手だけではないのだから。最も土塊のゴーレムにそれを思考する能力があればだ】

コトバも持たないお馬鹿さぁん。
お仕置きして、私が一から教育しなおしてあげるわぁ!

【ゴーレムの跳梁は彼我の距離を一瞬で無へと、次いで薙ぎ払われる豪腕をまともに受ける術はアグラーヤにはない。故に電磁浮翌遊を用いて宙空へと身を躱す】
【そして飛来する土の飛沫はアグラーヤの全身から蛇蝎の如く蠢き伸びる紫電の衝撃によって相殺】

その中身、曝け出しなさぁい!

【眼下のゴーレムを睨めば腰の細剣に手を掛け、一気に引き抜く。刃こぼれ一つ、脂による曇り一つとない漆黒の刀身が月光を映し輝く】
【その黒針を構えると、ゴーレムへと肉薄し穿たんと高度を下げつつ迫る。構えも振りも素人のそれだが接近する速度だけは眼を見張るものがあるだろう】
【土塊の表面への有効打は中々骨が折れると判断し、刃を突き立てて直接内部に電流をお見舞いしてやろうとの策である】
12 :マッドゴーレム[sage]:2015/01/27(火) 18:27:55.43 ID:70h5PE4Q0
>>11
『………』

必殺の一振りはあえなく空振り、次なる攻撃に転じようとぐっと腰を落とす
近接戦闘重点で行おうとしているのは恐らく、学習能力ではなくただバトルスタイルからであろう
それを証明するかのように電撃に対してはほぼ無警戒といってもいい
ただ厄介な遠距離攻撃を持つ相手としか認識していないようだ
じゅ、と音が連続
飛散した粘土が焼き尽くされたノイズだ
アグラーヤへと向き直り、だが既にその姿は不可避の領域にまで迫っていた
咄嗟に横に跳ぶがしかし、慣性に揺れる左腕が貫かれる

づぶり

粘土ではない何かを抉る感触が、細剣を通して握る手に伝わるだろう
ゴーレムは急ぎ、右脚での前蹴りを繰り出しアグラーヤを蹴り飛ばさんとしていた
13 :佐藤咲奈【Guardian】>>291[sagesaga]:2015/01/27(火) 18:35:13.33 ID:2CsrvGaho
>>10
「……はぁ、はぁ、はぁ……っ。
 …………生きてる」

彼女が男の前に姿を現した時、その表情は険しいものだった。
肩で息をし、どこかの世界にありそうな学校制服もそれなりに汚れている。
常に持ち歩いているショルダーバッグも、ずり落ちてしまいそうなぐらいに崩れていた。
ただ、エメラルドのように透き通った瞳は、紛れもなく目の前の男へと向けられていて。

そうして言葉を独り言のように呟いた矢先、その表情は安堵したようなものへと変わる。
仮に男が死んでいたとすれば、その表情は絶望へと変わっていたことだろう。

「って、安心してる場合じゃない……急がなきゃ。
 ────大丈夫ですか、そこの人っ!」

金色をした腰元まで伸びた髪を揺らしながら、少女は男へと駆け寄っていく。
所々が破損し、薄汚れている救急箱を取り出しつつ、近づくことを躊躇うこともなく。
男の態度に対して、表情を恐れや怯えに歪ませることもなかった。
14 :ジョシュア・アーリントン【暴食のベルゼブブ】>>214[sage]:2015/01/27(火) 18:49:11.55 ID:97rQ+Urv0
>>13
どう見ても"大丈夫"とはかけ離れている男の有様。しかしこれでも大分マシになった方。
「大丈夫だ」の意思を片腕を持ち上げて示す。にやりと口元を吊り上げてはいるが、ただの虚勢。

「……焼けるぞ…?」

駆け寄ってきた少女にそう一言。後に何も続けることもなくただ黙ってその眼を見つめた。
限りなく透き通った翡翠のような瞳。その奥を覗き込むことは出来ない。まるで底なし沼のように。
沼に足を取られて引きずり込まれてしまう前にジョシュアは眼を逸らした。それからは近寄ってきた少女を追い払うことも、治療に抗うこともしなかった。

「……………」

それから先は今までとはうって変わって大人しいものだった。先程まで獰猛な輝きを秘めていた彼の瞳は粛々と紺碧の輝きを放つのみ。
表情もまったくの無表情。口をつぐんだまま、何を考えているのか、否、何も考えていないのか──
傷の程度は浅く、広い。火傷の患部に包帯を巻けばたちまち煤けてしまうだろうが、それでも手当をしないよりはマシか。
傷は左の手首から背中、胸、首にかけて顔の左半分へと広がっている。
15 :アグラーヤ2015/01/27(火) 19:01:18.66 ID:iJNEnev50
>>12
……っ!

【土塊ではないナニカ。それを貫いた感触が刃を通してアグラーヤへと伝わり、その表情を歪める】
【生物を屠った経験などは腐るほどあるが、自身で刃を手にそれを突き立てることなどしたことがない故に、それに対する一瞬の戸惑いや違和感がアグラーヤの反応、判断を鈍らせた】
【戦いの中に意識を戻し、緊張を再び覚醒させた時にはもう遅い。ゴーレムの繰り出した前蹴りは既に回避不能の間合いへと迫っていた】

あっ……ぐっうぅぅ……!?

【咄嗟に黒針の柄から手を離し金属製の義手を防御へと回すが、ゴーレムの蹴りの威力は凄まじく、腹部に守るようにあてがわれた義手は蹴りの圧力に容易く敗北しアグラーヤ自身の腹部へと減り込んでいく】
【そして直ぐに衝撃はアグラーヤを貫く様に炸裂、身体は吹き飛ばされて宙を舞い、おおよそ5メートル先の大地に叩きつけられると、さらに5メートルを転がり乗ってきた荷車へと衝突し停止した】

かはっ……ごほごほ……!
こ、この……っ……ぐっ……。

【衝撃を叩き込まれた横隔膜は痙攣し呼吸が満足に出来ず、恨言の代わりに出てくるのは酸素を欲する喘ぎのみ】
【黒く靄がかかる視界でゴーレムを睨みつければ、どうにか立ち上がろうと義手を地につけるがしかし】
【先の前蹴りを受けたことで最早義手はその原型を留めておらず、当然その機能を発揮することは叶わない】
【埃にまみれて蹲るアグラーヤはゴーレムにとって格好の獲物となろうか。しかし向けられる真紅の隻眼は捕食者に怯えるものではない】
16 :佐藤咲奈【Guardian】>>291[sagesaga]:2015/01/27(火) 19:09:09.24 ID:2CsrvGaho
>>14
「“大丈夫だ”、いただきましたっ!
 って、こんな状況で普段のノリはダメだっ。
 ……今すぐ手当てしますから、じっとしててくださいね」

気を入れ直すかのように、ぱしぃんと自分の両頬を強く叩く。
別にこんな事をしたところで、これからする行為が変わるわけでもない。
しかし、その行動によって、彼女の表情はより真面目なものへと変わる。

「……大丈夫です。少し火傷するぐらいなら死にはしません。
 そんなことより、あなたの傷の手当の方が重要ですから」

本心からの言葉を口にしながら、少女は男の傍に膝立ちになり救急箱を開く。
ボロボロであった外装に反して、中に入っていた道具は思いの外綺麗であり。
それらの道具から、必要なものだけ取り出して男の傷の手当てを始める。
傷に触れることで、火傷するのを免れられないとしても。それを躊躇うことはなかった。
17 :マッドゴーレム[sage saga]:2015/01/27(火) 19:15:08.86 ID:70h5PE4Q0
>>15
『………!!』

左腕に突き刺さった蛇咬の細剣を右手で引き抜き、そしてアグラーヤに向けて投げ付ける
ひゅんひゅんと風切り音
血のような、油のような
ゴーレムを構築する粘土の塊には決して存在しないはずの液体が刀身から尾を引いていた
刺突に穿たれた傷をじゅくじゅくと粘度が覆い隠していく
補修にそれなりの魔力を、エネルギーを消費しているらしく動きが鈍い
先程までと比べればスロゥな歩調でアグラーヤへと迫る
このゴーレムの目的はこの世界のルールに従ったエネルギー補給
つまりは恐怖や畏怖、死に際の喘ぎや絶望
それらを妖力として得、魔力に変換することなのだ
今のアグラーヤからはそれらの全てが感じられず、構成する魔力は消費されていく一方なのだから
18 :ジョシュア・アーリントン【暴食のベルゼブブ】>>2142015/01/27(火) 19:19:40.57 ID:97rQ+Urv0
>>16
「おいおいおい…」

さて大人しく治療を受け入れていたジョシュアであったが、その治療がある程度進めば少女の手が赤く腫れ上がっていることに気付く。
ぎょっとして形相を変え、黙々と治療を進めてゆく少女をさすがに静止しようと上半身をがばっと起こした。
いくらある程度冷めたとはいえ明らかに生身の人間が触れていい温度ではない。
せめて手袋を。と勧めるもそれらしいものは辺りに見当たらず…結局立ち上がって両手をかざし、治療を拒む素振りを見せるが──

「もういいよ、そこらで結構……げほっ!?」
突然咳き込み何やら真っ黒い粉末のようなものを咳と共に何度も吐き出す。煤だ。
黒い咳を何度も続けやがてそれをmが止めば蒼白な顔色のまま仰向けに、左腕の欠けた大の字に大きく倒れこみ

「……腹減ったぁ…」

とかき消されそうな声で呟く。傷よりもまずは食糧。この男の場合はそうなのだ。
そしてこの青年がこのような瀕死の大怪我を負うに至ったのも実はこの体質に原因があるのだった──
19 :佐藤咲奈【Guardian】>>291[sagesaga]:2015/01/27(火) 19:43:14.20 ID:2CsrvGaho
>>18
「私の事は気にしないでください。
 こんな傷なら、放っておけば治りますか、らぁっ!?」

拒まれてもなお、その手を止めることはなく。
依然として傷の治療を続けようとしたところで、男が煤を吐き出した。
流石に尋常でない光景を目にして、少女は狼狽の素振りを見せる。

「……す、煤?いや、こんなのどうすれば……。
 …………腹?」

男の「腹減った」という言葉を聞いて、少しの間動きが止まる。
こんな状況で聞く筈がないであろう言葉、故に彼女は少し思案する。
もしかしたら、男の言葉に従うことで何かが変わるかもしれない。
このまま傷の治療を進めるか、それとも────。

手に持っていた治療の道具を置きつつ、膝立ちから腰を下ろし。
肩にかけていたショルダーバッグを取り外して、素早くファスナーを開ける。
そして膝の上でひっくり返すと、どさどさどさぁっと勢いよく中身が溢れ出た。
中身というのは種々雑多な菓子類であり、およそ料理と呼べるものではないが。

「こ、こんなものでよければ……ありますけど。
 (……傷、大丈夫なのかな)」

表情は文字通り、不安と呼ぶに相応しいものをしている。
何せ、治療を終える前に、その治療していた相手に大量の菓子類を差し出したのだ。
その行為が間違っていないという保証なんか、出来るわけがないだろう。
20 :アグラーヤ2015/01/27(火) 19:43:15.60 ID:iJNEnev50
>>17
くっ……やっぱり……?

【ゴーレムが放った剣はアグラーヤの目前に空中に静止。地に伏す身体と宙の剣とが糸のような薄い電流で繋がっているのがわかるはずだ】
【ゆっくりと宙の黒針を手元へと引き寄せれば、それを杖代わりにゆらゆらと立ち上がる。刃に付着したそれは血か油か、しかし見たことのないものではない】
【刃に落とした視線をゆっくりとアグラーヤへと歩むゴーレムへと向ければ、どうにか整えられた呼吸と共に確信したような言の葉を呟く】

やっぱり貴女なの……? どうして私がわからないのよぉ……!
……タェンティースぅぅぅぅ!!
聞こえてるなら返事くらいしなさぁい!!

【ただ叫ぶ。己の声が届くことを信じて。覚悟はしていたつもりであったが、刃から伝わった感触と付着した液体、それらを目にすれば流石に決意が揺らぐ】
【出来ることならば戦うことなく済ませたい、その淡い希望が再び首を擡げたのだ。故にアグラーヤからの迎撃はない。ゴーレムの脚力であれば先程と同じようにその距離を一瞬で詰められるだろう】
21 :タェンティース・メッツェ【イムエト】[sage saga]:2015/01/27(火) 19:57:35.94 ID:70h5PE4Q0
>>20
徐々にその姿がゆっくりと近寄り、そして途端に加速し一気に眼前へと立ちはだかる
振り上げられ、同時に握り込まれる右の拳
肥大化したそれは万壊の拳、漲る魔力が可視性をも帯びて夜を仄かに照らした
街道の傍の林、眠っていた鳥達が一斉に飛び立つ

『………!!』

轟っ!!
それら全ては極めて短時間に行われた
破壊的な一撃は青白い残光を残し闇を裂いてアグラーヤへと迫る
命中軌道、直撃コース
だがそれは決してそのような結果に終わる事はなかった
慣性によりぶらぶらと、まるで意思のない人形めいて垂れていたのみの左腕が
突如として鋭敏に稼働、『アグラーヤへと迫る右の剛腕を止めた』のだ
鍔迫り合いが如くにギリギリと鬩ぎ合う、ひとつの存在の両腕
だが矢張り大きさの差が激しい、ゆっくりと不利な状況へと押され出す左腕
突然、右腕を押し留める事をやめてアグラーヤを突き飛ばさんとそれは動いた
もしそれに身を委ねれば、右の剛腕の一撃の範囲からは逃れる事が叶うだろう
22 :ジョシュア・アーリントン【暴食のベルゼブブ】>>2142015/01/27(火) 20:07:05.64 ID:97rQ+Urv0
>>19
「────!?」

どさどさぁっと溢れ出た菓子類の数々。この荒れ果てた世界で久々に見たそれと、その尋常でない量のどちらにも驚き飛び起き、眼を丸くするジョシュア。
暫く茫然としてその山を見つめ、そしてまた少女の不安げな顔を見つめ、と何度も何度も視線を行き来させ

「く、食っても…?」

おずおずと手を差し伸べ質問。されどその眼はきらきらと輝き「くれ」と必死に訴えかけている。
半開きの口にのままじっと待機、「こんなものでよければ」との返答次第ただちに菓子類の包装を剥き口に放り込む。
至って真剣な表情ではあるがその顔色は幼い子供のようにぱぁっと明るく輝いており…
…おおよそ成人男性が見せるような顔ではなかった。

「……はぐ」
「…………………」

一口。クッキーを口に放り込めば数秒間固まり、それからはものも言わずただ黙々と口の中に菓子を放り込んでゆく。
クッキーやマーマレードなどの焼き菓子やスナック菓子などは迷わず口に運び、飴玉などの食べるのに時間が掛かるものは避けて置いておく。
やがてある程度溜まったそれを包装ごと右の掌で包み込んでしまえば、次に手を開いた時には飴玉の姿は其処には無かった。
どんな手品か、と気にかける暇もなく次のイリュージョンは起こる。みるみるうちに男の身体が治癒してゆくのだ。

この青年、ジョシュアの能力は"生命エネルギー"を操る活力操作能力。生命エネルギーとはすなわちカロリー。
脂肪糖質グリセリン。栄養価の高いものを摂れば摂る程に彼の力は増すのだ。空腹状態に陥れば逆も然り。自分の身体をエネルギーに変えて活動することを余儀なくされる。
人間の身体を構成するのは10万キロカロリー。焼けた皮膚を修復するのにバッグいっぱいの菓子類のは十分すぎる程であった。
傷の修復を終え、火傷の痕も首と腕を残してほぼ完治。
だがそれでも修復出来ていない箇所がある辺りは治療は無駄手間という訳でもないようだった。

「……………」

さてジョシュアは無言のまま立ち上がって軽く数回跳ね、コキコキと首を鳴らし腕を回して屈伸し──
──そのまま少女の手を取って目にも留まらぬ速さで跪いた。

「この恩は絶対忘れない…!!アンタは命の恩人だ…!!!」
23 :佐藤咲奈【Guardian】>>291[sagesaga]:2015/01/27(火) 20:25:09.49 ID:2CsrvGaho
>>22
「…………。
 …………えっ?」

間の抜けたような声を漏らして、呆然としたままその光景を見つめる。
動く気力もなさそうだった男が、ただ菓子を喰らうために黙々と手を動かす光景。
ましてや、それが片腕を失くしていた怪我人だったのだから、なおさらだ。
少女は何も言えず、ただ男が菓子を喰らう様子を眺めているしかなかった。

「……あ、ははは……えーと。
 ……大丈夫、ですか?」

一応の確認。気づけば、男はほとんど傷が治っているに等しい状態だ。
信じられないことだが、どうやらそれは紛れもない事実らしい。恐らくそういう能力か……。
ともあれ、理由が何にせよ、傷が治ったのであれば、彼女にとってこれ以上喜ばしいことはない。
鳩が豆鉄砲を食らったような顔は、一転して心からの満面の笑みへと変わっていく。

「命の恩人だなんて……そんな。
 私は、ただ倒れてる人を助けようとしただけですから……」

そんなしおらしい態度は、普段の彼女からは考えられない態度なのだが。
どうやら、非日常的な状況かつ真面目モードであるが故にそうなってしまったようだ。
顔は満面の笑みながらも、僅かに紅潮している。それは、照れ臭さを感じていることを表していた。
24 :アグラーヤ2015/01/27(火) 20:40:50.13 ID:iJNEnev50
>>21
【眼前に迫る巨拳、刹那の後に訪れるであろう絶対の死という脅威に身を躱すことも、目を逸らすこともしない】
【信じていたからだ、きっと届くと。それは側から見れば一種の賭けであったが、アグラーヤに一切の疑念も恐怖も無い】
【これまでもそうであったから。どれ程の危機に身を晒そうとも、どれ程の絶望が精神を蝕もうとも、何の疑いの余地もなく信じ、託すことができたのだから】
【自身の命を預けられる程に信頼を置ける相手がいること。それだけでアグラーヤはどのような局面においても希望を抱くことができたのだ】

……相変わらずニブイのよぉ、おばか。

【慣性によってぶらぶらと動くのみであった左腕が巨腕を制するように掴み掛かる。まるで声が届いたかのように、封じられた意思が宿ったように】
【その両腕の鬩ぎ合い、左腕が負ければアグラーヤに与えられるのは死。目の前の切迫した状況にも関わらずアグラーヤの表情には満足そうな微笑みが浮かぶ】
【タェンティースへと一言呟くと、彼女の意思によって動かされた左腕にその身を完全に委ね、その場に尻餅をつくと目の前の存在を見上げる】
25 :ジョシュア・アーリントン【暴食のベルゼブブ】>>214[sage]:2015/01/27(火) 20:48:57.50 ID:97rQ+Urv0
>>23
「──大丈夫!」

今度は満面の笑みで、しかもサムズアップ付きだ。回復を果たしたジョシュアはにやりと微笑んで白い歯を見せる。
そして遠慮がちな態度を見せる少女に謙遜するなと肩をポンと叩く。元気になった途端に調子の良い青年だ。

「そういうのを命の恩人って言うんだよ…!俺はジョシュア。ジョシュア・サミュエル・アーリントンだ。君は?」

にこにこと溢れんばかりの眩しい笑みを湛え、上機嫌で名乗った。傷が癒えたことも起因しているのだろうが、やはり満腹というのが大きいか。

「…ホントはハグが良かったんだけど、片腕吹っ飛んじまったもんでね…」
「っとと、走れメロスじゃねぇんだから…」

先程よりも少しだけしおらしく感じた少女の緊張を解すべく冗談を交えて語り掛けていたが
そこで僅かに頬を紅潮させる少女に気付き、その原因が自らのあられもない格好にあると勘違い。
急いでウォークインクローゼットの中に飛び込み、適当な服を纏って出てきた。

「くっそぉ…装備も全部無くなっちまったし、また探さなきゃなぁ…」

黒のタンクトップにグレーのパーカーを腕捲りして羽織り、首の火傷の跡を隠すためにフードを被る。右腕の火傷は焼け焦げた包帯が覆い隠す。
下はブーツと白のスキニージーンズだ。皮のベルトがやけにゴツい。
頭をポリポリ掻きながら困り顔。どうやら探し物があるらしい。
26 :タェンティース・メッツェ【イムエト】[sage saga]:2015/01/27(火) 20:52:30.98 ID:70h5PE4Q0
>>24
『………!』

右の拳打が地を抉る
小さなクレーターめいた穴が穿たれ、しかしそこには標的であったアグラーヤの姿はない
ゆっくりと体を戻し、左の腕が差し出されその五指は何かを求めるようにゆっくりと動く
だがしかし躯は、暴走を止めぬイムエトの求めるモノは先程より一切変わってはいない
それでも、大きく後ろへと跳び退いて転身街道傍の林の中へと逃げ行くのは何故だろう
宵闇、黄昏、梟が鳴く頃にその後を追い林を抜けるのは余りも危険だ
百鬼夜行も近い、周囲に鬼々めいた気配が蔓延りはじめた

//このロールはここらで一度〆でもいいでしょうかっ
//ありがとうございました、お疲れ様ですっ
27 :佐藤咲奈【Guardian】>>291[sagesaga]:2015/01/27(火) 21:11:22.14 ID:2CsrvGaho
>>25
「……そう、ですか……。
 …………よしっ」

ぱしぃんと先程のように、自身の両頬を強く叩く。
気を入れ直すという行為は、やはり彼女にとって強く作用するようだ。
次に浮かべたのも満面の笑みだが、それは太陽の如く明るいもので。

「私は、佐藤咲奈って言います。
 咲奈でもささちゃんでも、お好きなようにどうぞっ!」

敬礼っぽいポーズを取りながら、自らの名を名乗る。それが彼女のいつもの姿。
内心、自然治癒力では治らないであろう片腕の事を残念に思ってはいるものの。
変に相手に気を遣わせるわけにはいかないからか、笑顔が曇ることはない。

「あ。大丈夫ですよ、気にしてませんから!
 まーでも、すごい筋肉だなーとは思ってましたけど!」

ふざけたように言いつつ、それでも浮かべるのは明らかな笑顔。
荒廃した都市の光景を背後に、二人の人間の笑顔が存在する。
何とも奇妙なものだが、それを咎める者はここには誰もいないだろう。
彼女がここに訪れたという事実でさえ、偶然以外の何物でもないのだから。

「……探し物ですか?
 何なら、一緒に探しましょうか?」

中身の無くなったショルダーバッグを、肩に掛けながら立ち上がる。
その後服を整えながら、困り顔をしている青年に対して声をかけた。
依然として、声色や動作から見返りを求めるような感情は覚えさせずに。
28 :アグラーヤ2015/01/27(火) 21:27:05.69 ID:iJNEnev50
>>26
まっ……待ちなさいよぉっ……!

【差し出された左手を掴もうと精一杯腕を伸ばすも、左腕の意思など無視するように土塊の本体は後方へと跳躍、そのまま暗がりとなった林へと消えて行った】
【直ぐに立ち上がりその後を追おうとするも脇腹に奔る焼けるような痛み。恐らく先程前蹴りを受けた際に肋骨が折れたのだろう、先走る意識を載せるのはその眼差しのみ】
【一先ずはこのダメージと、破壊された義手もどうにかしなくてはなるまい。このまま林の中を追うのは無謀であった】
【このまま自分の足で街道を歩き近くの宿場を探すのも骨が折れそうだ。能力で飛べるようになるまで荷車の荷台で体力を回復させることになるだろう】
【荷台に横たわり見上げる夜空にはまるで晴れぬ心を映した鏡か。少し気の早い朧月がその顔を浮かべていた】

/いちいち待たせてすみません
/ありがとうございました
29 :ジョシュア・アーリントン【暴食のベルゼブブ】>>214[sage]:2015/01/27(火) 21:37:25.59 ID:97rQ+Urv0
>>27
「咲奈…咲奈……良い名前だ…」

少女の名を聞けば嬉しそうに、目を瞑って自分の胸に手を当て二度呟いた。恩人の名前を二度と忘れぬように。
そして少女の真似をしてぴしゃりと一発。「…いってぇ…」と頬を紅くして涙ぐんだ。

「本当に?ありがとう、丁度一人じゃ持ち切れるかどうかってトコだったんだ…!」

手伝うという少女の言葉に嬉しそうに微笑む細マッチョ青年ジョシュア。
始めの警戒しきった様子はすっかりなりを潜め、今では餌付けされ懐柔された飼い犬のようだ。
元特殊部隊の肩書きはどこへやら。

「探し物は武器と、防具と…」
「あと、腕」

探し物を指折り数え、リストの途中にとんでもないものが混ざっていた気もするがそれも含めて必要なものを読み上げてゆく。
詰まる所は生き残る為の装備が必要なのだ。生命エネルギーを操れるとはいえ、流石に普段着では防御力に欠けるといった所か。
探し物を伝えればジョシュアはいの一番に最上階の荒れ果てたVIPルームのあちらこちらを探り始めた。

【判定:この部屋には「鍵のかかったクローゼット」「バスルーム」「瓦礫」「突き刺さった剣」「血塗れの袋」の五つの捜索可能な箇所がある。】
【このうち二つまで捜索が可能】

「このホテルは元々某国の特殊部隊が根城にしてた場所だから…いろいろ
装備が転がってる筈なんだ」
「いつの間にかこんなに寂れてるけど…まぁテキトーに何か話しながら探してたら見つかるんじゃないかな…?」

咲奈が境界を越えるという行為に慣れているのならばジョシュアの発言の不自然な点にいくらか気が付くだろう。
まずこれほどまでに街が崩壊しているにも関わらず、ジョシュアはそれをたった今見知ったかのような反応を見せた。
次にジョシュアのかつてこの場所を訪れたことがあるかのような発言。
この二つの点から少し考えればジョシュアが自分と同じ越境者であるという事は十分に推察が可能だ。
30 :佐藤咲奈【Guardian】>>291[sagesaga]:2015/01/27(火) 21:52:45.96 ID:2CsrvGaho
>>29
仰々しい男の態度を見て、少しばかり恥ずかしくなるものの。
変化と言えば、頬が僅かに赤らむ程度で、笑みの度合いはやはり変わらない。

「も、持ち切れるか?
 …………腕……?」

違和感ばかり覚えるような単語を耳にした気がするが、あまり深く気にしないことにする。
自身がいた世界の人間でないならば、自身と同じ価値観を持っているとも限らない。
己が世界の常識を、他者に当てはめてはいけない……というのは、少し前に知ったことだが。

「うぅーむ……そうですね。
 やっぱりこういうのは、こういう瓦礫に何か埋まってるはずです!」

言うや否や、服が汚れることも気にせずに、瓦礫の山の捜索を始める。
彼が越境者であるか否か。それは彼女にとって、大した問題ではないらしかった。
31 :ジョシュア・アーリントン【暴食のベルゼブブ】>>214[sage saga]:2015/01/27(火) 22:09:53.12 ID:fdFGxBRLO
>>30
「瓦礫…か、名案だっ…!」

自分が汚れることも厭わずに瓦礫をかき分ける少女のまぁなんともアグレッシブな姿勢にジョシュアは驚きつつも
そうでなくっちゃ、と自分も腕を回して瓦礫を掻き分けるのを手伝い始めた。
やはりどうしても片腕故のハンディキャップは大きく、撤去の速度は咲奈の方が断然に速い。
そのうち咲奈の手になにやら瓦礫とは違う、布っぽい感触が伝わった。
一際大きな瓦礫をひっくり返して出てきたのは一着の防弾ベスト。薄く機能性も高くはないが…パーカーの中に隠し着るのには御誂え向きだ。

「防具か…ボロいけど…まぁ、動きやすくていいんじゃないかな…?」

防弾ベストを早速装着。ジョシュアが自分で見つけたニーパッドもセットで装備した。
これで防御面はバッチリ、次は武器だ。瓦礫の中を捜索するも今度は何も出てくる事は無かった。
どうやら此処にはもう何も無いらしい、とジョシュアは立ち上がり辺りを見回す。残りの捜索できそうな箇所は以下の四つだ。

【判定:「鍵のかかったクローゼット」「バスルーム」「突き刺さった剣」「血塗れの袋」】
【残り一つが捜索可能】
32 :佐藤咲奈【Guardian】>>291[sagesaga]:2015/01/27(火) 22:22:56.06 ID:2CsrvGaho
>>31
「〜♪っと……。
 ……おや?」

瓦礫の捜索すらも、彼女は終始楽しそうに行なっていた。
一言で言えば、何でも楽しめるという性格なのだろう。
その行為が誰かの為となるならば、積極的にならない理由はない。

「んしょっと!……おぉー……。
 ……見慣れてないから、良いとか悪いとか解らないですね」

引っ張り出した防弾ベストは、そのまま男の元へと流れていく。
思えば学校制服という容姿は、この場所に実に似つかわしくないだろう。
越境者だから仕方がない、と言われてしまえばそれまでなのだが。

「んー……後は……。
 ……この袋の中って何が入ってるんでしょう?」

瓦礫の捜索を止めて、周囲を見渡すと目についたものが一つ。
少女は血塗れの袋の元まで歩いていって、その中を確認しようとする。
33 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/01/27(火) 22:28:59.23 ID:J7tCS54Uo
【前回までのあらすじ】

 各々の事情から吸血鬼が支配する領域に足を踏み入れた世界移動者達。
 当初、比較的イージーなミッションに思われたそのビズは、
 件の吸血鬼領主が始祖であり、驚異的なパワを持っていた事から急展開を見せる!

 そしてイムカ・グリムナーとタコ娘は成り行きからメイド服と女給服となるのであった。ナムサン!

 −−−−−−−−−−−−−−−−

「と、いう訳で、初撃のホムンクルスを倒してから、かれこれ散発的な遭遇と襲撃が繰り返されているわけだ」

 イムカは心もと無くなったマガジンの本数を数えながらも常の表情を崩さない。
 が、メイド服はそこそこ痛みが目立ち始めている。

【あの後は、拍子抜けするほどに容易くあしらえる程度の敵の襲撃があった】
 【スケルトンやグレムリンなど、鉄や石の欠片を帯びた程度の相手に不覚を取ることなど通常ならばほぼ皆無といえる】

「が、まあ、思惑はさっさと察知するべきだったな。気付いてどうなるってわけでもないが」

 そう、容易く対処可能な散発的襲撃が繰り返された。延々と。ずっと。
 歩を止めようとすると、何処からともかく敵が現れる。それが繰り返されている。

「相手のアピールなのだろうな。グズグズしているとゲームオーバー。随分手が込んでいる」

 実際に拙いとイムカは踏んでいる。弾薬が尽きかけているのだ。
 イムカ自身は遺伝種子のおかげで長時間、休憩・睡眠不要で戦えるが物資はそうはいかない。

【相手は遊戯のつもりなのだから、ぐずぐずと冒険させてはくれないらしい】
34 :エディータ【適合者の魂】2015/01/27(火) 22:41:14.48 ID:OF8VvBlaO
【崩壊文明世界】
いったいどれほど長い間放置されたのだろう。
線路の大半は草に埋もれ、車庫に収められた鉄道車両は
すっかりサビだらけ。
空もなんだかどんよりカラー。

「もうちょい使えるパーツあると思ったんだけどねぇ。
 こりゃハズレかなぁ」

着崩した軍服と砂色の髪と、素敵に腹筋な持ち主がスパナ片手にボロ車をいじり倒していた。
横に停められた、キャタピラ付きバイクとでも言うべき乗り物には
彼女が目ぼしいと思った部品が山盛りである。
これでも足りないらしい。

「ま、上手いこと次に渡れて、そこで需要があれば飯と宿代くらいにはなるかなぁ」

ふう、と胸元をさらに開けてパタパタ仰ぎ。
どうせ見られたからって減るもんじゃない
35 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ2015/01/27(火) 22:41:22.42 ID:70h5PE4Q0
>>33
「……全くっ、ってんですねっ……」

進みながらにイムカへと同調
タイドメイカーの連続使用、及び再生はニアにそれ程以上の負荷を枷としてのし掛からせており吐息が荒い
エネルギーの摂取を求めた体が、自然と懐に忍ばせておいたリンゴを囓らせた
生体兵器ではあるがあくまでそれは能力的な面を見ればこそだ
ハードスペックでいえば一般女性とどっこいどっこいであるニアにこの連続戦闘は辛い
タイドメイカー自体、長期戦をそこまで重視した能力でもないのがそれを加速させている
今のメイン武器は月光だ、残る大ボス戦様に少しでも体力を温存せねばならない

「あぁ、もうっ……動き辛いなぁこの服っ!」

36 :ジョシュア・アーリントン【暴食のベルゼブブ】>>214[sage]:2015/01/27(火) 22:47:58.44 ID:97rQ+Urv0
>>32
「血塗れだけど乾いてる…古いな…」

流石に少女にこんな物騒なものを触らせる訳にはいかない、と今度はジョシュアが率先して麻袋の中に手を入れる。
恐る恐る。がさごそと中を探り、やがて何かを見つけたようだ。引っ張り出して顔を顰める。

「なんだこりゃ…レオタード…?」

まず出てきたのは血染めの服。否、元々真っ赤に染められた小さなレオタードだ。
誰かが着ていたものらしく、あちらこちらに銃創と、それを縫って直した跡がある。
これの持ち主はおそらく機関銃の類でハチの巣にされたのだろう。そしてジョシュアはほんの少し、心当たりのようなものを思い浮かべていた。
流石に着れないな、とぼやきつつもキッチリキープ。丸め込んで少女へぽんと手渡した。
続けて捜索、もう一度麻袋の中に手を突っ込んでかき回せばかちゃりと小さな金属音が響いた。

「…おいおい、こりゃあ…」

それを引き出したジョシュアは血相を変えた。それは一挺の拳銃。
黒く煤け、すっかり壊れてしまってはいるが、修理すればまた使えそうな様子。
彼方此方を高圧電流で焼かれパーツがヒビ割れているが、どれも少し手直しするだけで済みそうだ。

「……俺の銃だ…5年前に無くした…」

しかしジョシュアの顔は浮かない。どこかこの銃には思う所があるらしく、というより"嫌な思い出"と言った方が近い。
ジョシュアは銃を無言でポケットに仕舞うとすたすたと足早に部屋を後にする。
何も語らぬジョシュアはその銃に関しては、いくら問い詰めようとついには何も口を割ることは無かった。

部屋を出ればそこは長い廊下。エレベータまで一直線の廊下にはなにやら木製のコンテナのようなものが積み上げてある。
ジョシュアはいきなりそれを乱暴に蹴倒し、中身を床にぶちまけた。梱包材に包まれたそれは真っ黒な機械だ。それも人間のような形をした。

「…これが"腕"だ…オラァッ!!!」
「こいつの腕を…貰うのさ…よいしょ…っと」

義体。サイボーグ、と言った方が良いのだろうか?ジョシュアの世界ではこのサイボーグは一般的だった。
これはその軍用モデル。乱暴に腕の所をぐりぐり回して引っこ抜き、右腕で持ち上げ肩に担いだ。
これにてリストの物は全て揃ったか、ジョシュアは「よし」と小さく呟く。
37 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/01/27(火) 22:53:52.48 ID:J7tCS54Uo
>>35

「そして問題は私達の位置がかなり正確に把握されているということだな」

 実はこれが一番拙いとイムカは言う。
 相手が適切にペースを崩し、生殺与奪はほしいまま。
 何せ、吸血鬼領主には飽きたら自ずから赴いて始末するという選択肢さえある。

「と、いうわけで私達は早急に打開策を…それも観客が飽きない類のを見出さねばならないワケだ」

 連続の襲撃はアピールと共に、こちらの行動を見たがっているとイムカは説明。
 これがただの蛮行あるいは逃亡というベクトルと看做されれば、そこでジ・エンドであろう。

【そしてここまで城内における相手のアドバンテージの高さは一つの推論が導き出せる】
 【→つまり依頼の際に説明されたであろう幾度もの冒険者達による吸血鬼討伐の試み】
 【→この把握力にしては容易に領主の下まで、皆、比較的容易に辿りついている。つまり――】

(掌の上…マジックモンキーか)

 あえて、ニアには言わなかった。もっとも彼女も自ずから察してしまいそうではあったが。

「ニア。私の目的は戦団の戦旗だ。戦旗はプラスティール(金属繊維)を始めいにしえのテクノロジーが使用されている。
 この世界の文化レベルからすれば当然ながらオーバーテクノロジー。錬金術めいたものだ。
 そして、それは領主の収集物になっている。ここまではいいな?」

 なにやら説明を始めるイムカ。状況打開を探るときの彼女の癖のようなものでもある。

「つまるところ、ここの領主はそういうモノを溜め込んでいるわけだ」
38 :セラ[sage]:2015/01/27(火) 23:00:31.64 ID:wBNQFL4Lo
>>34

と、車庫の外から微かに足音。

文明が崩壊した世界にもたしかに住民はいるが、
このような世界では旅人も少なく、大半は水のある土地や辛うじて稼働状態にあるコロニーにぽつぽつと存在するのが常。
こんな場所に好き好んで訪れるのはエディータのような境界渡りか、盗賊、あるいは無謀なスカベンジャーの類に他ならない。

どちらにせよ、警戒すべきなのだろうが……。
その足音は一直線にエディータのいる車庫に近づいてきて。

「ふぅっ……暑さで気がくるってしまいそう。
 一体、この世界は何なのかしらね。土と、錆びた鉄ばかりで。」

車庫に入ってきたのは、この世界に似つかぬ装いの女だった。
白黒ツートンのビスチェドレス風の衣服を身に纏い、黒い薔薇のコサージュ付の洒落た幅広帽子。
女は車庫に入るなり、髪をかき上げて乱れを直し舞い上がって衣服のレースやフリル内にはいった
砂ぼこりを払い落としている。
39 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ[sage sagd]:2015/01/27(火) 23:02:22.93 ID:70h5PE4Q0
>>37
「うーむむ、どっかから見られてるって事だってんですかぁっ……?」

背後を振り向く、天井を見やる、脚元を探る
だがそれでも恐らくストーカー的な存在は発見出来ないだろう
ならばと普段ならばマウトフトゥーロの広範囲探索を行う所だが今は温存
だがしかし当然いい気はしない、唸り声を上げ続けているのはその証明だ

「えっ? えぇっ、聞いてますってんですよぉっ」
「……んーとぉ、もしかしてアレってんですかぁっ?」
「錬金術の研究してるか、もしくは……」
「越境して来たモノを、漂流物をコレクションしてる……?」

ならばこの現状も少なからず、それの恩恵を受けているのだろうか
ふ、とその考えに至り首を傾げる
40 :エディータ【適合者の魂】2015/01/27(火) 23:10:21.56 ID:OF8VvBlaO
>>38
入ってきた足音を聞いた時点で銃を抜くわけですが
入ってきた相手をみてすぐにおろした。
少なくとも、ここらの住人ではないな、という意味で。

「ヒトがいなくって、文明喰らいがいないならこんなもんさね。
 核戦争か流行病か天変地異か、そこまでは知らないけどさぁ」

こんなん何度も見てきただろ?、と指が示した気動車の側面。
……金属製の車体になんだか爪あとのような傷が3本。
しかしその傷もサビが浮き、やっぱり時間の流れを感じさせるもの。

んー、と身体を伸ばす運動。
そのまま首をストレッチ。

「おせっかいかもしれないけど、その格好で旅するのは大変じゃないかい?」
41 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/01/27(火) 23:12:01.96 ID:J7tCS54Uo
>>39

「これは私の分析だから主観も混じるがな。
 力を有し、不自由しない立場も手に入れた。隔世的であるが、同時に俗世的。
 そう言ったのは傾向があるんだよ。能力…異能に目覚めた連中にもそんなのはいたしな」

 迫害されるほど弱くは無く、己と周囲を護れる。さりとて支配したいわけではない。
 が、力は振るいたい。欲求は満たしたい。理不尽であり、弱肉強食の理としては外れていない。
 生きたいままに生き、振るいたいままに力を存分に振るう。己がままに振舞う。

【イムカの世界でも時折、強力な異能者(サイカー)がこのような振る舞いを行う】
 【→もちろん、最期には現実に押し潰されるのが大半ではあったが】

「収集癖に奔る連中も少なくない。それに当て嵌まる…って決め付けで動いてみようと思うがどうだ?」

 ここでなんと決め付け≠ニいう単語を使ったイムカ。
 確信があるわけでは無いようである。

「…情報が足りないんだ。的外れに終わるかもしれんが、思い込みも含めて勝算をかき集めるしかないだろう」

 と、少しバツが悪そうに言い訳をするのである。
42 :セラ[sage]:2015/01/27(火) 23:21:38.73 ID:wBNQFL4Lo
>>40

「その物騒なモノ、下ろしてもらえる?」

何の気ない様子で帽子をとり、コサージュを痛めぬようにして同じように砂埃を払う。
その拍子にダークブラウンのボリュームある頭髪がこぼれ、肩へとかかった。

「神の怒り、っていうのが抜けてるわね。
 カガク?テクノロギイ?というのは私にはよくわからないからだろうけれど、
 私の生まれた場所ではそういうと思うわ。たぶんね。」

セラは、エディータの物言いからこの世界の事をそこまで詳しくないと見抜き
おそらく、自身と同じ境界渡りであろうとあたりを付けて話した。

「本当におせっかい、余計なお世話。
 で、その大変な旅は強で3日目だけど、昨日ここからたぶん……
 14帝国フィートくらいかしら、その辺の場所の湿地帯でたぶん『ソレ』の群れを見たわよ。
 ああ、伝わるかしら。フィートって単位。」
43 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ[sage sagd]:2015/01/27(火) 23:21:58.66 ID:70h5PE4Q0
>>41
「要するにワガママって事だってんですよねっ?」

元も子もないいい分だが、ニアにしてみればそうなのだという
分からなくもない
一歩踏み違えば異能保持者たる存在全てに当てはまり兼ねないケースなのだから

「いいと思うってんですよぉっ」
「不確定でもなんでも、やってみるべきはなんでもしてみるってもんですっ」

皮肉的な面を一切含まぬ同意
それもそのはず、その言葉は偽りのない本心だからだ
勝利ではなく生存に極めて貪欲な存在であるニア
その為にならばあらゆる自体全てを試行錯誤する
それは自身が思い浮かぶ事に限られた事では、決してないのだ
44 :佐藤咲奈【Guardian】>>291[sagesaga]:2015/01/27(火) 23:22:15.86 ID:2CsrvGaho
>>36
「……?
 わ、おっと。……レオタード?」

自ら手に取って中を確認しようとしたところで、男にそれを譲ることとなる。
とはいえ、別に無理を通して自分でやるものでもないので、それを拒むことはせず。
最終的に自身に渡されたが、それをどう使うかは考えものであった。

「拳銃ですね。まだそれなりに使えそうな……。
 ……5年前、ですか」

5年以上前から、こんな危ない状況に身を置き続けていたのかと少し考える。
だが、それは人の生き方であり、自分一人が介入する余地などないだろう、と。
男の浮かない表情を見て、追及の言葉を噤みながら彼女は思う。

「……なるほど。
 “腕”って義手のことだったんですね!」

この少女の元いた世界に、サイボーグなんて未来的なものは存在しなかった。
然しながら、目の前にその本人が存在するという現実を、彼女は容易く受け入れている。
越境者という存在であるが故か、それとも単に適応力が高いだけか……。
45 :エディータ【適合者の魂】2015/01/27(火) 23:30:21.16 ID:OF8VvBlaO
>>42
一応、ホルスターには戻しました。
かなり大型のわりに危なげない動作なあたり、飾りではなく使いこなしてる得物なんでしょう。

「世の中で神様ほど当てにならんヤツはいないよ?
 腹立ててわめくだけなら一流なくせに、肝心なときは試練だからーって逃げやがる」

さて、銃の代わりに腰のホルダーから出てきたのは小さなカメラ。
砂まみれのお姫様と廃墟の組み合わせが気に入ったんでしょう。
そのままパシャっと撮影して、後ろの画面で確認。
ふむ、悪くない出来。

「うちの1フィートはこれくらいだなあ」

手で作るだいたい30cmの幅。
これで14倍だと5mくらいだから、さすがにそれはなさそうだな、と。

「まー、うちがラフすぎるっちゃラフすぎるか。
 せっかくの綺麗な服がもったいねーなーって思っただけさ」
46 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/01/27(火) 23:38:42.40 ID:J7tCS54Uo
>>43

「ああ…なんだか頭痛がするしな。こういう時は結構勘があたるんだ」

 妙な言い回しをするイムカ。頭痛がすると勘があたる。
 実はこれこそが秘匿されし異能最善への希求≠フ片鱗なのであるが、
 当の彼女自身にすら、その自覚は皆無であった。

「それじゃあ何かしらのレアなアイテムを溜め込んでいると仮定する。
 それなら何処を目指すって話になるが…ここからは本当に推論ばかりが混じるぞ?」

 異議があるなら申し立ててくれと言っている。そして同時にイムカはある懸念を得ている。
 つまり、現在の状況説明の間に敵の襲撃の気配は無いということは、
 領主様も、この会話を聞きたがっているということだろう。

【勝ち切るために仮定と推論を重ねる未知のホムンクルス達(一部誤解)。興味深く観察しているのであろう】

「まず、ただの宝物庫では駄目だ。金銀財宝はあるかもしれんが、領主にとっては価値が低いモノになる。
 もしかしたら私の目当ての戦旗は見つかるかもしれんが、状況打開には程遠い」

 ここで宝石・金貨を回収できたとして、生き延びて持ち出せなければゴミクズ同然という論法。

「だが、領主にとって真に価値のあるコレクション。これも難しい。
 これには何かしら強力なアーティファクトがあるかもしれんが…理由jはわかるな?」

 収集家の行動を当てはめれば分かるだろうが、それほど貴重なものなら自分の手元から――ってヤツである。

「そこでだが…城は大体は、領主が居るのは上だ。
 そう考えて…ここからはさらに決め付けが酷いぞ?」

 イムカの言葉に一瞬だけ、壁が僅かに揺れたような気がした。

「収集物というのは時に…貴重だが厄介。しかし、手放すのは惜しい…あるいは気が気でないというのもある」

 忌避しながらも、手元に置きたい。しかし、おっかなくて視界に入るのは、存在を感じるのは嫌だ。
 そんな類の物品というもの世の中には存在する。

「地下に行くぞ。外れたらそれまでだがな」
47 :ジョシュア・アーリントン【暴食のベルゼブブ】>>214[sage]:2015/01/27(火) 23:40:43.13 ID:97rQ+Urv0
>>44
「…気にしないで、持ち主の心当たりがあるだけさ」

レオタードとはまた妙なものをキープしたジョシュア。
咲奈のような性格ならば誤解を生むこともそう無いと信じたいが、一応拾得した理由を説明しておく。
他意はないと一応念を押しておく。少なくともジョシュアがこれを着ることは無い…無いと思う。

「使えるかどうかは状態次第…ってとこか。誰かこれを付けられる人が居るかどうか調べなくちゃな…」

その肩に義体を担ぎ、この近くに義体の調律師が居たかどうかを思案、しかしやはり自分の足で出向くしかないかと断念。
一旦咲奈に預けておいた荷物の大小をポケットに詰め込んでもらい、両方のポケットをリスの頬袋のように膨らませる。

「さて、これで探し物は終わりだ…ありがとう、助かったよ。」
「俺はこれから義体のエンジニアを探してくる。ここからは別行動だ。次に会った時はこの恩は絶対に返すから…それまで無事で居ろよ?…咲奈」

いつか恩返しすることを誓い、咲奈に背を向けてエレベータの方へと歩むジョシュア。
義体を担いだまま後手に手を振ろうとして腕を無くしたことを思い出す様はなんとも滑稽に見えるが
気にしていないと言えば嘘になる。やはりその背中は少しだけ落ち込んでいたようにも見えた。
最後にもう一度だけ振り返ってにかっと笑い、ジョシュアの姿は閉じるエレベータの扉に遮られ消えて無くなった──

//予想以上に長引いてしまいましたが、長時間のロールお疲れ様でした。
//それではおやすみなさい、また宜しくお願いします〜
48 :セラ[sage]:2015/01/27(火) 23:41:16.28 ID:wBNQFL4Lo
>>45

「小さい頃に入っていた修道院の院長に聞かせてあげたい物言いね。
 彼女、きっと卒倒しちゃうんじゃないかしら。」

怒らない所を見ると、目の前の娘は信心は薄目な様子。
砂をとるのにご執心なようだったけれど、フラッシュと小さな音に気づき、
切れ長の瞳をようやくエディータへと向けた。

「……ん、今のチカッとしたのは?
 って、単位もやっぱり違うのね。もしかして他のとこだとマイルが一番長かったりする?
 うちだと一番長いのがインチ、で、一番短いのが帝国マイルなの。ただのマイルと帝国マイルの違いもあるけど
 あんまり変わらないわ。」

名前だけ同じで中身は違うのだろうか。
普遍性があるのやらないのやら。
49 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ[sage]:2015/01/27(火) 23:51:00.28 ID:70h5PE4Q0
>>46
「ジンクスってやつってんですかっ?」

ゲン担ぎとは、ニアからして見たイムカ像に当てはめれば意外と言ってしまえば意外である
最も彼女のその信仰心がある種それに似たモノでもあるとの見方が出来ないからこそであるが
結び付けるには、まだピースが足りていない
そしてイムカの推測をふむふむと頷きながら聞き入れ
状況を把握した上で想像と現状を上手く融和させたそれに対しての異論は存在しようがない

「命あっての物種ってんですしねぇ」
「……なるほどっ、危険物部屋ってわけってんですね?」

収集家の悪癖に、全てを賭けるという訳だ
悪くない、むしろこの現状で漂流物に頼るのはなるほど有効だろう

50 :エディータ【適合者の魂】2015/01/27(火) 23:53:05.68 ID:NqkpwrmPO
>>48
「少なくとも頼れるヤツなら
 あたしの人生ってか、うちの世界はもっとマシだったねぇ。
 へんなイキモノに大陸単位で蹂躙されるなんてこともなかっただろうし。
 あぁ、チカッはこれな」

デジカメの撮影分見せてくれるようです。
……無警戒で埃を落としてるシーンが何の琴線に触れたのやら。

「遠距離で使うならマイルかキロメートルかなぁ
 そもそもフィート(foot)は足のサイズだし、インチはその1/12じゃん?」
※砲術屋なんで距離単位にはそこそこ詳しいのです。

さて、境界線の翻訳機能はたまに誤訳かますが、
これは聞き間違いじゃないのかしら。
51 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/01/27(火) 23:58:30.62 ID:J7tCS54Uo
>>49

 そうして、状況打開の糸口と呼ぶにはあまりにか細い糸を手繰る戦いが始まった。
 襲撃は何度か繰り返されたが、地下を目指す道程で、襲撃の質・量、共に増加してゆく。

【イムカの勘がそれほど間違っていないという兆候か。それともたまたまか】
 【→そして同時に奇妙な現象が起こり始める】

「…ニア、その何だ、月光に変な音波発生させるのは意味があるのか?」

 などとイムカが言う。何だか震えているというか僅かに超音波めいたものを鳴らしているというかである。
 実際、これはある種の共鳴現象であったのだが、それはこの時点で知る由ではない。

【→15回以上の戦闘を経ているということで進む】
 【→イムカ、弾薬・薬品が底を突き、格闘戦が多くなり、徐々に裂傷、浅傷が目立つようになる】
52 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ[sage]:2015/01/28(水) 00:03:27.15 ID:5JfE5B6d0
>>51
「……」
「……えっ……? あれっ、ほんとだっ……」

一方のニア、すっかり口数も少ない
イムカに声を掛けられれば振り向き、汗で張り付いた前髪を鬱陶しそうに払う
当初動き辛さを訴えていた女給服は裾を破り太腿辺りまでを露出する事で軽快さを得ているようだ

「気がつかなかったってんですっ……」

それ程までに消耗していたか、と内心
ただ音波に気が付けば実にクリアにそれは響く
疲れた体に、脳に厳しいなと一度鞘に納めた
カキン、甲高い金属音が澄み渡る
53 :セラ[sage]:2015/01/28(水) 00:07:48.31 ID:VER82Ql8o
>>50

「これは……黒魔術なの?鏡みたいだけど、全然動かない。
 まるで空間そのものを切り取ったみたいに。それとも例の『カガク』ってやつかしらね。」

セラはまだ境界渡りとしての経験は浅く、あまり科学技術になじみがない。
魔術の素養はあれど本格的に学んだこともなかったために、その二つの違いが判らないことがままある。
とはいえ、物珍しいようで細い目を見開いている。

「キロメートルは聞いたことないわね……。
 うーん、フィートと足のサイズから来ているのかしら?私は由来とかは知らないからよくわかんないわ。」

どうやら聞き違いじゃないようです。
この後聞いてみると、お金の単位なども名称自体に聞き覚えはあれど、
バラバラどころか欧州のいろんな国のがまじっている始末。
54 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/01/28(水) 00:11:27.99 ID:ZZ6ydUw2o
>>52

「大丈夫か。ちょっと放射能汚染されている栄養剤くらいならあるが」

 ウェイストランドのメトロで死体から回収した栄養剤。
 使用期限とか状態は保証できない。一応、心配しているのであろうが方向性がおかしいのもアレである。

「………」

 しばらくの捜索の末、地下に進む階段を発見。そして、意外な事に襲撃が止む。
 この時ばかりは妙であった。大抵の場合、大切なモノに近づけば中ボスめいた存在が待ち受けていたりするものだが。

(私の推論が大はずれで嘲笑うつもりなのか。それとも近づき難いような何かなのか)

 途中でたいまつに火をつけて、地の底まで続きそうな石造りの地下階段を降りていく。
 そしてそのたびに――

「…こんどは少し光り始めたぞ?蛍光塗料でも塗っているのか?」

 今度は鞘の隙間から仄かに光が漏れている。イムカはいぶかしんだ。

「ある世界の蛍光塗料には放射性物質が混ざっていてな。後の社会問題に――」

【なお、素っ頓狂な事を突然言い始めるのはイムカにはよくあることであった】
55 :エディータ【適合者の魂】2015/01/28(水) 00:20:05.69 ID:c/SOIzdVO
>>53
「科学にしろ魔術にしろかわらないさぁ。
 自然のものをヒトに都合がいいように使う『技術』ってやつね。
 まぁ、これは電気で動くヤツだけど、魔翌力駆動式のも見たことあるし」

でも自分には動かすだけの魔翌力とやらはなかったけどねー、と追加。
なんでもかんでも『そういうもんだ』で丸めて飲み込んじゃうので、短くても順応していたり。
帰るよりもこの波乱まみれの旅を楽しんでいるんでしょう。
ほらほら、と画面を切り替えると、いろんな世界のちょっとした一コマやら
なんかすごい建物やら、町の人達やらが入ってました。

「なるほどなるほど。
 これだから旅ってのはおもしろいねぇ」

単位だけでもまだまだ知らない世界がいっぱいありそうと思ったらしい。
それはもうすごく楽しそうにニッカニカやで。
カメラの中身ショー適当に切り上げたら、水筒の中身を煽って
そのあとはタバコで一服コースになります。
56 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ[sage]:2015/01/28(水) 00:21:22.07 ID:5JfE5B6d0
>>54
「……」

こくこくと頷き、差し出されれば受け取るだろう
多少の汚染位ならば問題ない
即座に解体されてタイドメイカーの糧として消える
礼を述べて飲み込むはずだ

「むむっ、暗いってんですねっ……」
「……えっ? あ、あれっ……?」

月光が光を帯びる事はそうそうに無い
普段は軌跡に青白い輝きを残すのだが、それは構築する金属物質が起こす現象であり
能動的に発光する事は極めて稀な例だ
思わず半身程を引き抜き確認

「そんなのっ、塗ってないってんですよっ……」

いのちの次に大切な刃
無論蛍光塗料など、というか塗料など塗るはずがない
57 :セラ[sage]:2015/01/28(水) 00:29:27.11 ID:VER82Ql8o
>>55

「魔翌力じかけで動く機械……うちの世界には魔術はあったけれど、
 そんなものはなかったように思うわ。ああ、それとも永遠にともり続ける魔法の灯火、とか。
 いくら書いてもインクがなくならない魔法仕掛けのペンだとか、ああいうのがその類なのかしら。」

興味深そうに切り替わる画面を眺めながら。

(様々な瞬間をそのまま切り取って、ずっと残しておけるのね。素敵……!
 まるで、楽しい時間がそっくりそのまま、この機械仕掛けの箱の中に残っているよう。)

相当に気に入ったのか、旅は面白いと漏らすエディータの言葉に本当にそうね、
と心ここにあらずという風に返事をして、写真に見入っていたセラであった。

結局、セラはその後もエディータに他の写真を見せるようせがんだり、
あげく自身の美しい姿を残すだとか無理を言って大量に写真を撮らせたそうな。

// そろそろ時間なので〆ー
58 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/01/28(水) 00:31:31.98 ID:ZZ6ydUw2o
>>56

 そうしてようやく長い地下にたどり着いて目撃した物とは――

【まず、幾つかのアイテムが鎖で雁字搦めにされていたり】
【あるいは床に血で描かれた冒涜的な魔方陣の中心で厳重に封印されている】
【そして一際目を惹くモノは部屋の中央で大仰な封印がされている――】

「…魔方陣には入るな。オカルトだ。どんな呪いを浴びるか分からん。が――」

 イムカの優れた視界がそれを捉えていた。銀色の――引き千切れた鞭を。

【その鞭は…しなやかではあったが、よく見れば金属で出来ている。
 そう、繊維質の金属により構成された鞭――】

「金属繊維(プラスティール)…だが、材質は何だ――」

 イムカは魔方陣に入らぬよう、睨むようにそれを見ている。
 そして、ニアの持つ刀の共鳴現象は強まるばかり――

【月光が反応する鞭――ニアならばそれに使われる金属に心当たりはあるだろうか?】
 【→その鞭のかつての名は聖鞭:ヴァンパイアキラー=Bこの世界ではおそらく最強の対吸血鬼武器である】
 【→そして真祖に敗北を喫して以降はこうして、厳重なる封印が施されているというわけだ】
59 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ[sage saga]:2015/01/28(水) 00:41:31.30 ID:5JfE5B6d0
>>58
「……あぁ、そういうっ……?」
「共鳴反応だって、事だってんでしたかっ……?」

金属を編み、そして形作られた鞭
なるほど納得だ、むしろ何故気が付かなかったのかを後になれば不思議に思う程に
月光を引き抜き、魔法陣の中央に鎮座する主なき聖具へと鋒を掲げる
月光は互いの存在を確認するように一層鳴いて輝き、満足したのかそれは止んだ

「あれ、有用な武器ってんですかっ……?」
「入るのはダメなら……」
「……これで、なんとかなりますってんですかねぇっ?」

タイドメイカー起動
これで掴み取る、或いは勢いをつけてパージして鞭を魔法陣の中から弾き出す
まぁ割と無謀なその策を実行する前にイムカに尋ねてはみるが
60 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ[sage]:2015/01/28(水) 00:42:22.18 ID:5JfE5B6d0
//ごめんなさい時間的に限界…これで落ちます、お休みなさいませっ
//ありがとうございました、また宜しくお願いします
61 :エディータ【適合者の魂】2015/01/28(水) 00:49:04.16 ID:c/SOIzdVO
>>57
「ま、そのうちあうんじゃない?」

その後はクラシックカメラの方で撮ったの見せたりとか
いろいろ付き合ってくれたそうです。
……あと、あんまり美味しくない飯も少々。

//
ノシ
62 :佐藤咲奈【Guardian】>>291[sagesaga]:2015/01/28(水) 07:09:29.68 ID:lbAB8a4ko
>>47
「・……ふむ。
 あなたが変な趣味を持っている、というわけでもなさそうですね」

くすり、と小さく笑う。満面の笑みの上に浮かべられたが故に、小さな挙動でしかないが。
その様子から、男が変な使い方をする、というような推測はゼロになったのだろうと解る。
……元々、そんなことは考えすらしていなかった可能性もあるが。

「そういう専門の職人の方とか、いるんでしょうか?
 私は、こういうのすら初めて見るのでよく解りませんけど」

本当に解らない、と言ったように小さく首を傾げながら呟く。
先述の通り、現代と相違ない世界では、義手などほとんど見かける機会は無い。
やはり、そんな常識はこの世界では通用しないわけだが。

「いえいえ、私が好きでやったことですから。
 大丈夫ですよ、私守ることだけは得意なので!
 ……また会いましょうねー!」

去っていく男に向けて、少女は手を大きくぶんぶんと振って見送る。
彼がこちらを見ていなくても、彼の姿が見えなくなるまでその手は振り続ける。
枯れることのない元気、尽きることのない笑顔こそが彼女の取柄であるから。
そうして完全に姿が見えなくなった頃、手を下ろしつつ徐に世界を見下ろして。

「ほんと。不思議だな、この世界って。
 どこにでも行けて、誰にでも会える。私って存在のちっぽけさがよく解る。
 ……だからこそ、頑張らなくちゃ!ささちゃん、ふぁい、おーっ!!」

誰にも声の届かない場所で、独り少女は大きく叫ぶ。
拳を天に突き上げながらするそれは、虚勢かそれとも実勢か。
どちらにせよ、少女はいつものテンションに戻り、この場所から姿を消すだろう。

//すみません、最後の最後で寝落ちしました
//改めて長時間お疲れ様でした、またよろしければお願いします
63 :ジョシュア・アーリントン【暴食のベルゼブブ】>>214[sage]:2015/01/28(水) 19:11:04.49 ID:HnU8XUsW0
「…くかー…くかー…」

ジョシュアと咲奈の出会いから数時間の後、自由世界リベルタスのホテル最上階にて、ジョシュアは甲斐性もなく再びこの場所へと戻っていた。
歩けど歩けど廃墟ばかり、人も片手で数えられる程にしか見かけなかった上に境界線移動の兆候が全く見られない。
あてもなく彷徨い、結果として1人の元闇医者のもとへとたどり着き、そこで義体を装着して貰った次第だ。
その後はこれといった収穫も得られず、その辺りの食糧と医療品を掻き集めて再び廃ホテルへと戻った。というのが今日のジョシュアの1日のあらましだ。

ボロボロに引き裂かれたキングサイズのベッドの上、すやすやと寝起きを立てて腕組みしつつ泥のように眠る。
義手が食い込み痛かったのだろうか、途中で不快そうに寝返りひとつ。
しっかりと調整されたその左腕はぎらりと月光を鈍く反射し、黒い輝きを静かに放っている。

「んぐ、げほっ…!!…げほっ、げほっ…」

が、静寂はすぐに破られ、突如としてジョシュアは喀血と共にひどく咳き込む。またあの黒い咳だ。
あまりの苦痛に覚醒、真っ赤に、いや、真っ黒に染まったシーツを一目見てまたやってしまったと溜め息ひとつ。
むくりと起き上がった所で廊下に佇む影に気がつく。

「…また来客か……誰だ?咲奈かー…?」

月明かりに遮られ影の正体はよく見えない。昼間にあった少女か、いや、シルエットが違う。
また来客かと思い腰を上げ、右腕で喀血を拭って廊下へと歩き出した。
呼び掛けの声に応じるのは鬼か、それとも蛇か。
64 :タェンティース・メッツェ【イムエト】[sage saga]:2015/01/28(水) 19:26:37.43 ID:5JfE5B6d0
>>63
それは衣めいた魔力の奔流を纏い現れた
脚元で渦巻き吹き荒ぶ小さな竜巻の様なそれが埃や小さな瓦礫屑を巻き上げている
その中に混じる微細な残滓が、それが越境を果たして間もないのだと伝えているはずだ

『………』

小さな、成人女性程の背格好の粘土で形作られたゴーレム
右腕のみが肥大化しており異質だが、それ以外は人の形を保っている
顔には黄泉路が如くに漆黒く穿たれた穴がみっつ
両目と、そして口だ
ジョシュアの問い掛けに答える事はない
ただゴスペルめいた風鳴りが発されるのみ

『………』

戸惑うように、ぐるり睥睨
ここが今迄いた世界と、ヒノモトと違う事が受け入れられたのかどうか
恐らくは否、何故ならばそのゴーレムはジョシュア目掛けて走り出して右の剛腕の打ち下ろしを振るわんと構えたからだ

【ヒノモトの妖力獲得のルール→人の恐怖や絶望から力を得る】
【ヒノモトにいたこのゴーレムはそれに従い妖力を得、それを駆動エネルギーである魔力へと変換していた】
【ここでもそれを行うべく、ジョシュアから負の感情を食い取らんと襲い掛かる】
65 :ジョシュア・アーリントン【暴食のベルゼブブ】>>214[sage]:2015/01/28(水) 19:42:06.82 ID:HnU8XUsW0
>>64
「な………んだぁ…!?コイツは…」

絶句。ごぐりと固唾を飲んでその異形を見やる。
冷や汗のようなものが噴き出るのが分かった。不気味な造形、左右非対称の歪んだボディライン。そして滲み出る恐怖と威圧。
明らかに友好的とは見えないその風貌、そして心臓を握り締められるような風鳴りの音。
親しいものの死への恐怖、残された命の時間、大罪に貪り喰われつつある己の行く末。
ジョシュアの心にはそういった"メインディッシュ"が山盛りだ。つまり丸腰の彼は絶好のエサ場だということ。

「やべぇッ……!!」

異形から滲み出る"ヤバさ"は確かにジョシュアへと伝わった。ジョシュアの意識を"死"の一文字が支配する。
ゴーレムが動き出すと同時、ジョシュアも逃げるようにして反転し駆け出す。しかしここは高層ホテルの最上階。逃げ場など何処にもない。

「くゥおッッ…!!」

よってジョシュアが取った行動はニアミスによる回避。窓辺の鉄骨目掛けて飛び蹴りをぶちかますとその反動で反対方向へと加速。
打ち降ろしを構えたゴーレムの左脇を目掛けて付け全力疾走。姿勢を低くして駆け抜けんと迫る。
もし何の反応もなく回避が成功したのならばそのままエレベーターへと駆け込みこの場から逃げ出そうとするだろう。
66 :タェンティース・メッツェ【イムエト】[sage saga]:2015/01/28(水) 19:52:14.84 ID:5JfE5B6d0
>>65
『………?』

ゴーレムはその変化のない表情で疑問を覚えた事を覆い隠している
目の前の存在は確かに恐怖している、畏怖たるべき自身の出現に慄いている
なのに躯は満たされない、妖力を得る事が出来ない
当然だ、ここはヒノモトではないのだから
その当然を理解出来ないゴーレムの思考は単純だ
即ち『まだ畏怖が足りない』

『………!!』

脇を抜けて駆け出すジョシュア、対して床を抉った右腕を引き抜く間がゴーレムには必要だ
振り返るのは、ジョシュアがエレベーターへと駆け込むのとほぼ同時だろうか
だが扉が閉じる前にその場で右腕を振るう事が出来たのは重畳であった
拳が届く訳ではない、距離が遠過ぎる
本命は飛散した拳大の粘土の塊
それらが意志を持つように這い回り、エレベーターの扉の開閉を阻害しジョシュアへと迫るだろう
攻撃力がそこまである訳ではないが、それでも体を這い登り首まで到達すれば常人を絞め殺す程度の力がある
ゴーレム本体も駆け出し、ジョシュアを追跡していた
67 :ジョシュア・アーリントン【暴食のベルゼブブ】>>214[sage]:2015/01/28(水) 20:13:14.25 ID:HnU8XUsW0
>>66
「なっ…う、うわぁあぁぁぁあッッ!!!」
「が……ぁぐ……けはっ…」

エレベーターに駆け込んだジョシュア。ここまでは計算通りだった。しかしここからジョシュアの計算は狂い始める。
投擲された巨大な土塊、べちゃりと音を立ててエレベーターの中に飛び込むと飛散し、ジョシュアの身体を這い上がり始めた。
土塊がジョシュアの身体に張り付き、その首をへし折らんとギリギリ締め付ける。
それを両手で掴み、必死に振り解こうとするも力は一向に緩む気配を見せず、ただダメージが募るだけだ。
募る恐怖と色濃く姿を浮かび上がらせる死。しかしジョシュアの心の中には恐怖だけでなく、新たな感情もドス黒い瘴気として渦巻き始めていた。

「(……この野郎…)」

怒りだ。

「──下手に出てりゃいい気になりやがって…」

怒りというものは一度火が付けば鎮めることは不可能の近い。留まるところを知らぬ怒りの種火はどんどんと延焼し、やがて大きな渦となり
それに呼応して赤熱するジョシュアの身体。焼け焦げた包帯が熱気に煽られてぞわりと立ち上がり、ジョシュアを陽炎が包む。

「大体何で俺がビビってチビりながら逃げ回らなきゃいけねーんだ…?」
「丸腰だからって戦えねェ訳でも、能力が使えねェ訳でもねェのによォ…」
「クソ混じりの腐葉土ヤローが…!真っ二つに引き裂いてダッチワイフにしてやるよ…!」

そして溜まりに溜まったストレスと恐怖は大きな怒りへと姿を変えた。爆発、そして激昂。
両腕に大きく力を込め、首にへばりつく土塊を引き千切るようにして破壊。自らエレベーターの扉を蹴り壊し姿を現す。
駆けるゴーレムとは対照的にゆらりゆらりと身体を揺らしゆっくりと歩むジョシュア。
その左腕は赤熱した身体に熱され、陽炎に包まれながら黄金色に輝いていた。
68 :タェンティース・メッツェ【イムエト】[sage saga]:2015/01/28(水) 20:22:34.43 ID:5JfE5B6d0
>>67
『………!』

拘束を行っていた粘土は粉砕されて落ちる
それはスライムの断末魔めいてピクピクと蠢き、やがてそれも収まる
ゴーレムはそれを探知したのだろうか反応があった
エレベーターの扉が破壊され、今再びの邂逅
だが先程とはジョシュアの様子が明らかに異なる
そんな事を念頭に入れる事も出来ず、ゴーレムはただ目減りする魔力に戸惑いそして補給の為の行動を取り続けるのだ

『………』

歩み寄る両者
その距離が一定に、ジョシュアの熱波が身を焼き始める程にまで届けばゴーレムは身を屈める
脚部の表面に青白い燐光、魔力の迸り
次の刹那には飛び出し、そして宙転しての飛び蹴りを穿たんと迫る
それは魔力粒子を残光として帯び、ロケットが如くの突撃と共に放たれた
69 :ジョシュア・アーリントン【暴食のベルゼブブ】>>214[sage]:2015/01/28(水) 20:40:42.60 ID:HnU8XUsW0
>>68
「ぐぅぅうゥッッ…!」

駆ける異形、歩み寄る大罪。蒼い粒子と緋色の熱波が重なったその時、両者は動いた。
宙に飛び上がったゴーレムは眼にも留まらぬ加速で空を駆け、宙転と共に渾身の飛び蹴り。
軌跡に蒼の線を描き、燃え盛る大罪へと直進する。対する大罪は両腕を交差させ、腰を落として防御体制。
それから数瞬も経たぬうちに両者は激突、破壊音と衝撃波が最上階を吹き荒れ、衝撃でジョシュアの足元が数センチ沈んだ。
みしみしばきと歪みヒビ割れる骨の音。されど黄金に輝く左の腕は決して砕けず、そして折れない。
なんとか蹴りを受け止めればその勢いを殺し、交差させた両腕を勢いよく開いて隙を作る。

「があぁぁァアッ!!!」

相手は空中。余程のことが無ければ攻撃は当たる。そう踏めばその場で一回転。くろがねの左腕による廻し裏拳を放った。
ボッ!! 空気が押し潰され圧縮される音が響き渡る。可視化された衝撃波を纏って振り抜かれた裏拳。
もしクリーンヒットでもすれば数mに渡って相手を吹き飛ばす程の重い一撃だ。それゆえに隙は大きく、躱せばほぼ致命に至るほどの一撃を反撃として叩き込める。
70 :タェンティース・メッツェ【イムエト】[sage saga]:2015/01/28(水) 20:51:30.65 ID:5JfE5B6d0
>>69
『………!?』

蹴りを腕で防御した
たかがそれだけだというのに、実にシンプルな所作の鬩ぎ合いだというのに
それにしては余りに大仰過ぎる雷鳴にも似た轟音が響き可視性を帯びた衝撃波が室内を舐める
再度宙で腰を捻り、後ろ回し蹴りの連撃へのシフトを試みるがそれは阻まれた

『!?!?』

右腕をそれと躯の合間に挟めたのは幸運である
無論それで、だからといって済んだ訳ではないが
吹き飛び背を打った、クレーターめいて穿たれる壁
ぱらぱらと落ちるコンクリ片、ゆっくりと動き出すゴーレム
右腕はない、全てが吹き飛ばされて飛散したのだ
ぶらり、左腕が垂れている
先程よりこの状態が続いており、どうやら自分の意思では稼働させられないのだろう
つまり両腕が使えない状態にある、今のゴーレムは

『………』

鈍く、年代物のブリキ人形の所作で歩む
それは徐々に滑らかさを取り戻し、直ぐに駆け出す様となった
接近し回し蹴りを放たんと軽く飛翔
魔力の、エネルギーの残量が少ない
先程までの力の迸りも、残光も一切がない
71 :ジョシュア・アーリントン【暴食のベルゼブブ】>>214[sage]:2015/01/28(水) 21:09:33.13 ID:HnU8XUsW0
>>70
「っ…しゃあっ!!」

裏拳を浴び吹き飛んだゴーレムはそのまま壁に激突してもうもうと上がる土煙の中に消えた。
迷わず追撃を選ぶジョシュア。叩きつけられたゴーレム目掛けて疾走、もう一度左手による殴打を敢行すべくただ駆ける。
元々荒れていた室内だが、今はもうかつての姿など見る影もない。墓標代わりにリノリウムの床に突き立った剣もまた爆風に煽られ傾いている
と、不意にその景色が歪み、ぐるぐると渦巻いてそして灰色がかる。脚が、身体が、全てが重い。

「────っ!?」
「(しまっ……早……)」

ハンガーノック。急激なエネルギー消費によるエネルギー供給不足により眩暈を起こしたのだ。
輝きは消え、赤熱していた義手も元通りの漆黒へ。足取りはふらふらと重く、終いには天井を仰いで立ち止まってしまった。
そこへ土煙を突き破って現れるゴーレム。左腕を慣性にしならせたまま身体を廻し脚を振り抜く。
回し蹴りはジョシュアの顔面を捉え、その場で縦にぐるりと180度回転してジョシュアの後頭部は床へと叩きつけられた。
堪らず鼻から血を噴き、同じく強打した後頭部からも大量の出血。仰向けに大の字になったままビクビクと痙攣する。
段々と身体が冷たくなってゆくのを感じる。真っ黒の視界の中でほんの一瞬、視界の端に一筋の光が何かに反射して目に飛び込んでくるのをジョシュアはじっと見つめていた。
72 :タェンティース・メッツェ【イムエト】[sage saga]:2015/01/28(水) 21:22:53.20 ID:5JfE5B6d0
>>71
『………』

蹴り抜いて着地、だらりと左腕が揺れる
両脚で立つ仕草の刹那にゆらりとぐらつくが直ぐにバランスを取り戻す事が出来た
ゆっくり、ゆっくりと
稚児が始めて歩む様に良く似ていた
だがそれと根本で異なるのは、限りなく貪欲に他者の失意を求めるゴーレムには一切の情事がないという事だ

『………』

まだ、まだ畏怖が足りない
ヒノモトの理はこの世界に於いて全くの恩恵をゴーレムにもたらしはしない
だがそれを認知する程の知識もそしてしてしまう勇気も持ち合わせてはない
相変わらずの牛歩で接近、片脚でのカカト落としの体勢
それを持ってしてジョシュアを踏み抜かんと、処刑人の斧めいて振り上げる
大きな窓から望月、白ざめた輝きを背負う粘土人形
73 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Eh1RmY6AGm13[sage]:2015/01/28(水) 21:38:24.04 ID:9CZoDXla0
>>71-72
なんかよく分からない荒廃した世界に飛ばされたこの男
暫くは壁にラクガキ何ぞして過ごしていましたが 寝床がほしいということで ここいらで一番デカイ建物にやってきました

すると上の方から誰かが争う音が聞こえてきたもんだから ひぃこら階段上ってやってきたところ タェンティースとジョシュアが争っているではありませんか

しかもタェンティースがジョシュアに踵落としを決めようとしている

「ちょまやめそれはまずいってぇぇぇぇぇ!!?」
全速力 タェンティースに体当たりを仕掛ける
74 :ジョシュア・アーリントン【暴食のベルゼブブ】>>214[sage]:2015/01/28(水) 21:39:20.43 ID:HnU8XUsW0
>>72
「………」

暗黒に閉ざされた視界はゆっくりと光を取り戻し、ピントの合わない曖昧なモノクロのイメージとなってジョシュアの眼に映る。
抗うことも命乞いもせず、客観的かつそして極めて冷静に自らへと迫り来る死をジョシュアは見つめていた
ただ一言、声に出すこともなく「生きてぇなぁ」と唇だけ動かし、スローモーな世界の中でギロチンが下されるのを待つ。

が、そこでまたジョシュアの視線は視角の端へと吸い込まれていった。
先程からきらきらと視界の端で煌めくあの光が煩わしい。
ジョシュアはその光へと手を翳す。未だぼやける視界の中、やけにくっきりと見えるそれを遮る為に伸ばした手は、やがてかつんと何かに当たった。
それは剣の柄だ。ジョシュアの指先が触れるのは冷たい墓標の剣の柄。無限を象ったそれは月光に煌めき、冷たく輝く。

「──────」

気が付けばジョシュアはそれを真上に振り上げていた。無我夢中。ゴーレムの胸目掛けて一直線に。
無意識下の中の意識的攻撃、かつての君主の墓標を握り、最後の一撃を放つ──
75 :タェンティース・メッツェ【イムエト】→タェンティース[sage saga]:2015/01/28(水) 21:50:09.76 ID:5JfE5B6d0
>>73-74
『………!?』

衝撃、たじろぎ揺れる粘土に覆われた躯
アキレスの体当たりをモロに浴び、片脚でいたゴーレムに姿勢を保つ術はなかった
そしてそれはつまり、続く一閃に対する完全な不可避を告げているに等しい
胸に焼け付く痛みが走る、虚空の口から漏れ出る嗚咽にも似た単発的な風音
粘土の表面に青白いラインが走る
次の瞬間にそれは力を失うように潰えて消えて、亀裂と変わった
乾いた土が割れ行くようにそれに従い、魔力を失いイムエトたる粘土は朽ち果てていく
粘土の薄皮の下、隠れていた半人の白い肌が覗く
胸に突き刺さるブレードにもたれるようにして支えられ、倒れる仕草は止まった
だらり、と四肢の中唯一無事な左腕が揺れる
残りは全イムエトの喪失と共に消えた、元より右腕と両脚は粘土なのだから
ほぼ無意識に、気を失っている状態にも拘らず
生存本能に従い胸に刺さったそれから逃れようと動くがそれはま叶わない
76 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Eh1RmY6AGm13[sage]:2015/01/28(水) 21:59:52.72 ID:9CZoDXla0
>>74-75
//改めてみてみたらタェンティースはゴーレム状になっていたということなので >73でタェンティースと認識していたのはなしの方向でお願いします

反射的にジョシュアを助けようと体当たりした その結果ジョシュアの反撃が功を奏し ゴーレムに刃が突き立った
するとどうだろう ゴーレムの表面に亀裂が入り 現れたのはタェンティース

しかも胸に刃が突き立っているというね

「おおおおおおお・・・・・・ドドドどうしようジョッシュ ねぇコレどうしようジョッシュなんかもうどうしようジョッシュねぇジョッシュ〜!!?」
とりあえずタェンティースに突き立った刃を引っこ抜こうとしながらジョッシュに話しかけます
77 :ジョシュア・アーリントン【暴食のベルゼブブ】>>214[sage]:2015/01/28(水) 22:16:05.93 ID:HnU8XUsW0
>>73
「……っ…」

アキレス、とその名を呼ぶ暇も無くジョシュアの身体からは力が抜け、ゴーレムに突き刺さった剣はがらんと音を立ててゴーレムごと床に落ちる。
なんとまぁ最悪なタイミングでジョシュアに出会ってしまったものだ。逆にジョシュアにとってはこの出会いは最高のチャンスであったのだが。
一歩間違えたらそこら中にジョシュアだったものが飛び散った状態での再会だったかもしれない。

「落ち着け、落ち着けって…取り敢えず凄い顔になってるから落ち着け!!」

相当焦っている様子のアキレスを取り敢えずなだめ、自分は怪我の治療の為に食糧を取りにベッドへと向かう。
ジョシュアはタェンティースがアンドロイドだと言うことを知っている。機械化された身体は心臓を持たず、この一撃も致命とはならないことを。
彼女との交友は殆ど無かった為その分ドライとも取れるかもしれないが、それゆえの落ち着きだ。

>>74
「ごほっ、がはっ…!!……げほ…」
「…ニ……いや、こいつは…」

全てが決着を迎え、再び静寂が訪れる。剣から手を離せばばたんと仰向けに倒れ、再び黒い咳を数度、顔に掛かった土片を払いのける。
再び目を開けば目の前にゴーレムの姿は無く、代わりにどうも見覚えのある顔が。彼女とは何度か剣を交えたことがある。"隊長"とも顔見知りだった筈だ。
すなわち胸に突き立った一振りのロングソード。皮肉なことにもその剣はかつてタェンティースを斬り裂き、かつ彼女の親友の片腕を吹き飛ばしたものであった。

「さっすが…HEXA謹製の義体だぜ…」
「……でも…そろそ……ろ…や……ば………」

タェンティースを身体に覆い被せたまま、というより身動き一つ取れないでいるジョシュア。
乱暴にタェンティースを押しのけると半身を起こし、剣の方はアキレスに任せて自分は離脱。
ベッドの方へと日中掻き集めた食料と医療品を求めて這いずってゆくのだった。
78 :タェンティース【対異能戦闘用人型兵器】[sage saga]:2015/01/28(水) 22:23:03.39 ID:5JfE5B6d0
>>76-77
刃は案外な程にあっさりと引き抜く事が叶うだろう
ずるりと滑らかさとは無縁の感触、溢れ出す血ともオイルともつかぬ液体
だがそれも少しの間のみだ、最低限のエネルギーのみで行われるセーフモードにすら自己修復の能力は携わっている
失血めいたそれは止まり、荒い呼吸が続くが逆説未だ存命であるという事
最も機械たる部分が壊死し、ゴーレム体に喰われていた今そうしてまでいのちを繋いでいる事が不可思議でもあるが

「……、」
「けほっ、けほっ……痛っ……たたた……」

小さな呻き
覚醒に程近いそれの後、絞り出すような声
79 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Eh1RmY6AGm13[sage]:2015/01/28(水) 22:32:57.35 ID:9CZoDXla0
>>77
「え おいちょっとジョッシュ!?」
タェンティースのことで随分と取り乱していたが よく見ればジョシュアもかなりの重症っぽい

「おい大丈夫かジョッシュ傷は浅いぞジョッシュなんかもうジョッシュねぇジョッシュおいジョッシュ〜!!!!」
そしてまた取り乱すの図

―――ギィ・・・
そんなアキレスに呆れたベティが背中から降りてジョシュアを追い抜き ジョシュアの目差す食料と医療品を背負いジョシュアの元に

―――ギィ!!
そしてジョシュアの手の届く場所にドサリとおき ひとつハサミを振り上げた

>>78
「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおい!!!大丈夫か息をしろ傷は浅いぞ寝ちゃダメだティースターン!!!!」
なんかもうどうにも止まらない(リンダ風)

タェンティースの肩をガックンガックン揺さぶろうとするが

―――ギィ!!
「ベティ? あぁうんそうだね 手当てだね」

ベティに窘められ 手持ちのファーストエイドキットで傷を手当しようとします
80 :ジョシュア・アーリントン【暴食のベルゼブブ】>>214[sage]:2015/01/28(水) 22:52:08.46 ID:HnU8XUsW0
>>79
「ぐぬ……ぐぬ…ぬぅ…」

匍匐前進でベッド目指して這いずり続けるジョシュア。されどいつまで経ってもちっとも進むことが出来ず
やがて匍匐する元気も無くなりその場に這いつくばっていれば背後から追い上げてきたベティがジョシュアを颯爽と追い抜き、食糧と医療品の入ったバッグを抱えて戻ってきた。

「お…おぉベティ…流石……だぜ…ぇ…」

ジョシュアにはこの時サソリのベティが大天使にすら見えたそうな。
バッグを受け取れば毎度お馴染みの缶詰、そして芋、パン、干し肉…次々と口に放り込んでゆく。
食事を始めて5分も経てばすっかり動ける程には回復を果たしていた。

「(……お前のご主人様より頼りになるな)」

そして騒ぐアキレスを横目で見つつ、ベティにボソッと小さく耳(?)打ち。

>>78
やがて覚醒し、アキレスの手当を受けていれば視界の上方からぬっと現れる逆さまの顔。
懐かしい顔だ。ジョシュア・アーリントン、合うのはネオでの決戦以来か?

「ハロータェンティースぅ…?」

ひらひらと左手を振り、そして中指を立てて「ファック」の形を作った後にそれをタェンティースの胸のド真ん中へと突き立てた。
浮かべる表情は笑顔。しかしあからさまな作り笑顔であり、今にもピキピキと青筋の立つ音が聞こえて来そうな勢いだ。

「元気してたか? いや〜…今日はよくもここまでヤってくれたなぁオ゛イ゛」
「俺さ俺さ、ジョシュアくんの気が変わってこの傷口抉り出す前に弁解しといた方がいいと思うんだけど…」
81 :タェンティース【対異能戦闘用人型兵器】[sage saga]:2015/01/28(水) 22:59:35.20 ID:5JfE5B6d0
>>79
「……聞こえ、て……イマス、」

言外に叫ばずともいいと告げる
声が響くようだ、頭痛が完全に支配する脳内に酷く
治療に関しても半人としては首を振るのみ
自身の状況は分かっているつもりだ、応急的な手当でどうなるというレベルではないと
しかしそれは有機的な面でなく、無機的な……機械部に対する修理の必要性を感じているがためだ
決して迫り来る死に対して受け入れる覚悟が出来た訳では絶対にない

>>80
「……御無沙汰し、テオリ、ます」

残エネルギー0.2%、右腕部及び両脚部……否全イムエト損失、魔力残量0
それでも冷や汗をかく事が出来る精密性を半人は誇る
有機体が誇る汗腺機構は思考ユニットと密接なリンクを保持したまま充分に機能している

>>79-80
「……現在記憶データの一部が閲覧不能……」
「えーと、マァ、状況不明、です、」

徐々に小声になりつつも引き攣った笑顔
ジョシュアの尋問に対し、横目でちらりとアキレスに向いて救援を求める
82 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Eh1RmY6AGm13[sage]:2015/01/28(水) 23:11:57.56 ID:9CZoDXla0
>>80-81
―――ギィ!!
褒められて ハサミを振り上げるベティは何処か誇らしげ

「えと・・・とりあえず遠慮しなくていいよ? なんかいろいろと捥げてるし・・・」
などと問答していると なにやらお怒りの様子のジョシュアがタェンティースに怒りの尋問を仕掛けようとしている

「えぇと・・・なんつか・・・こう・・・俺最初からいなかったからなんともいえないけどさ・・・」
そんなジョシュアに戸惑いを感じつつも とめようと頑張ってみましょう タェンティースからもヘルプコールされていますし

「ジョッシュだってマグノリアとかって星で変なのに取り込まれて俺等に襲い掛かってきたこともあるんだし 他人事と思わないでさ
 ここは一つ短気を起こさないで話しだけでも聞いてあげようよ 少なくても俺はあの時ジョシュアに怒ったことは無かったぜ?」

過去ログ スウィート・メモリーズ参照
83 :ジョシュア・アーリントン【暴食のベルゼブブ】>>214[sage]:2015/01/28(水) 23:27:43.67 ID:HnU8XUsW0
>>81
「状況不明…だァ……?」

冷や汗をかいていたタェンティースの様子を睨みつけるようにして眺めていたジョシュア。
状況不明の一言で明らかに不機嫌になるのが見て取れた。

「お前のせいでこっちは今年度初の臨死体験だってn──」

怒りのままに胸ぐらを掴む手に力を込め、左手を突き刺そうと力むも束の間
タェンティースを庇いジョシュアの尋問を遮ったのはアキレスだ。

>>82
「……ぐぅ……く…っ」

確かに自分もタェンティースと似たような境遇に陥り見境なくアキレス達を襲ってしまったことはあった。
それゆえに自体の不可避性を否定することは出来ず、ただ何か言いたそうな視線をアキレスへと向けていたが

「………分かったよ…あの時はアキレスにも迷惑掛けちまったしな…」

まごう事なき正論にぐうの音も出ず俯く。暫く押し黙っていたが、やがてタェンティースの胸ぐらに込めていた力を緩めた。
誇らしげなベティの甲羅をこつこつと指先で叩き、タェンティースから手を離して立ち上がった。

>>81 >>82
「チッ……その有様じゃあ放っておいてもそのうち死にそうだな…」

アキレスに説得されバツが悪そうな顔でタェンティースから手を離し立ち上がる。
負け惜しみに捨て台詞を一つ吐くもそれ以降はタェンティースを責めることも、危害を加えようとすることもしなかった。

「手が無いって訳でもないが…」

それよりも気になったのはタェンティースのダメージだ。流石にここまで痛めつけられては長生きは出来まい。
機械部分のダメージを改善する策に関しては少し心当たりがあるようだ。
尤も確実に上手くいく保証はないが、とその後に続けた。
84 :ヨブ・バロウズ【扇動者】>>325[saga]:2015/01/28(水) 23:30:24.67 ID:ZZ6ydUw2o
【スプロール】

 重金属酸性雨が降り注ぐメガロシティ。
 路を歩けば企業による様々なホロ広告が煌びやかに目に刺さり、
 奥ゆかしさとは程遠いそれらが、人々の購買意欲を巧みに刺激してゆく。

【自動販売機には麻薬めいた効果を持つ栄養ドリンク、清涼飲料水がずらりと並び――】
【パンクス、ヨタモノ達は極彩色の髪型、皮膚を這い回るタトゥー、皮膚に埋め込んだリベットなどで、
 己のCOOLなファッションを演出する。基本、奇抜であればあるほど良いとされる】

 さらに人間だけではなく、オーク、ゴブリン、エルフなども道行く人々に混じっている。
 この世界はテクノロジーが高度に発達した科学サイドと持ちながらも、
 歴史的転換期たる『覚醒事件0を経て魔術、幻想種などの存在も認知されるようになった。

【ここはスプロール。サイバーパンクの色濃い境界線世界のひとつ】
 【→様々な世界と比較的接続しやすく、またこの世界では世界漂流者の存在も既に認知されている】

 −−−−−−−−−−

【カノッサ・テクノロジー社】

 円環の蛇をモチーフとするエンブレムを持つこのメガコーポは
 このスプロールにおいて医療分野、バイオテクノロジー分野で高いシェアを有している。
 また、カノッサ≠ニいうネームを堂々と使っていることからも分かるように、
 カノッサ機関のスプロール世界における権力基盤という側面も持っていた。

「なるほど」

 大仰なビルの最上階に位置する会長室において、ヨブ・バロウズは資料に目を通す。
 骨董品めいた旧いデータ・コーデックスに存在した人物データである。

「骨董品めいた人物をスプロールにて目撃…か。
 少しデリケートな時期でもある。コンタクトを取ろう。接触したまえ」

 エージェントを通じて、とある人物とのコンタクトを図るバロウズ。
 その青年と呼ぶには年経て、壮年と呼ぶには若すぎると容貌には常と同じダンディな笑みがあった。

【→それではスタートであります!】
 【→エージェントが接触しますので登場してくだしい】
85 :タェンティース【対異能戦闘用人型兵器】[sage saga]:2015/01/28(水) 23:37:31.71 ID:5JfE5B6d0
>>82-83
助け舟に対してナイスアキレスと内心ガッツポーズ
無事に動く状態にあれば体もきっとそうした事だろう

「正直、説明出来る、ホドノ、データが、ございマセン……」

ですが、と機械音声とノイズ混じりの声で続ける

「逆説ソレハ、わたしが、本個体が、制御不能な状態ニオチイッテいた、と仮説出来マス」

要するにまぁあれだ、不可抗力

「……同感、デス……」

そしてジョシュアの呟きに同意
というか恐らくは確実に機能停止に追い込まれるだろう
どうしたモノかと思考ユニットを巡らすが上手くはいかない
そうするためのセーフモードなのだから当然といえば当然だ

「選り好ミ、出来る、立場デハ、ございマセン……」
「タダ、今は、少し……」

休眠が欲しい
有機的な部位がそれを求め始めると同時、全身の人工筋肉が弛緩しだすのを感じる
プツリと途切れる意識、か細く一定のリズムで刻みれる呼吸
ハッキリと完全に覚醒した場合、愛用の月光もソニックブレードも両方を失っている事に大騒ぎをするのだろうが
少なくとも今はまだその時ではない様だ

//すみません、時間的にこれで落ちます
//ありがとうございました、お疲れ様ですっ
86 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Eh1RmY6AGm13[sage]:2015/01/28(水) 23:41:35.77 ID:9CZoDXla0
>>83>>85
「♪〜」
どうやら分かってくれたようだ
なお 起こってはいませんでしたが 全力でビンタしたりしましたけどNE★ミ

少し離れてリュックからバーナーを取り出し キャンティーンの水をカップに移し変えてお湯を沸かす

「ジョッシュ〜 カフェオレと ブラックどっちがいい〜?」
スティックタイプのインスタントコーヒーを取り出しながら質問する

どうやらタェンティースは休止モードに入ってしまったので 尋問も後になるでしょう
「まぁジョッシュも疲れているんだし 少し休んでなよ ほら コレ貸してあげるからベッドに入ってなさい」

といって雑誌を一冊 ジョシュアのベッドに放り投げるのであった 雑誌のタイトル?

【 P L A Y B O Y 】
87 :デュミナス・ストラティオ【魔機動力】2015/01/28(水) 23:47:03.26 ID:ux3UF5Oe0
「ここは随分とサイバーパンクな世界だな。私の様な存在がよく似合う」

辺りの建築物や様々な企業によるホロ広告が並ぶ路を歩く女性。
彼女の姿はこのサイバーパンクな世界【スプロール】の中でも特別馴染んでいた。
しかし、彼女とすれ違うエルフ、オーク、ゴブリンを始めとした様々な種類の生き物達はいかんせんこの世界の背景とは馴染んでいるとは言えなかった。
だが、そんな馴染んでいない存在も当たり前の様に街を往来し、周囲の人々がそれを特別疑問視しないのはこの世界にとって世界漂流者は対して珍しくも無ければ特別凄い存在ではないからだろう。
要はこの世界にとって世界漂流者の存在は当たり前ということだ。

「前来た世界が古き世界とすれば、さしずめここは未来の世界といったところか」

企業による様々な建築物の中でも一際目立つ巨大なビル。
女性は足を止めそのビルを下から見上げながら一人呟いた。
88 :ヨブ・バロウズ【扇動者】>>325[saga]:2015/01/28(水) 23:54:22.36 ID:ZZ6ydUw2o
>>87

「………」

 すると、歩を止めたデュミナスに向かって近づいてくる複数の人影あり。
 それは、件のビルから出てきた社員らしき者達ではあったが
 明らかに真っ直ぐにデュミナスに向かって接近してきている。

【銀色の髪に浅黒い肌をした女性。サイバーサングラスをかけており目元は見えない】
 【→奇妙なことにデュミナスに接近してくる者達は全員≠ェ全く同じ容姿に背格好であった】

「ドーモ。カノッサ・テクノロジー社へようこそ。――デュミナス・ストラティオ様」

 慇懃にアイサツを行ったエージェント達は、彼女の名を呼ぶ。
 威嚇行動というよりは誰だと知った上で招待するというニュアンスが大きい。

「我が者のCEOが貴女を招待しております。こちらへ」

 そして、断るという前提を全く考慮していない言い回しである。
 断れば実力行使?その可能性もあるかもしれないが、真偽は不明瞭としておく。
89 :デュミナス・ストラティオ【魔機動力】2015/01/29(木) 00:16:21.52 ID:Ue+yYHCJO
>>88

デュミナスが見上げているビルは当たり前だが今現在も中に社員と呼べる存在がいるのだから、外から中へ、中から外へと移動をする人物が居ても全く可笑しくはない。
そういうことなのでビルから出てくる複数のビル関係者であろう人達を見ても最初は全く気になどしなかった。

「…………。」

しかし、その者達がビルから出て直ぐに此方、デュミナスがいる方へと何の迷いも、躊躇いもなく近付いて来るのを見ると若干の警戒心を持ちながら怪しく同じ容姿をしたその者達を見続けた。

「カノッサ?────成る程。」

近付いて来たその者達は懐かしく遠い過去の記憶に刻まれたその忌々しくも自身が一度は身を授けた偉大なるその機関の名を口に出した。
 ────カノッサ機関と。

「私の名前を知っているということは中に誰か其れ相応の"地位"や"実力"を持った人物がいるということだろう?」
「仮に断ったら実力行使…だろ?」
「そんな存在と今ここで一戦交えたいとは思わないし、何より私はたった今少しだけ、君達の上司が気になったからね。」


成る程、彼女達はカノッサ機関の関係者で今目の前にあるこの巨大なビルはカノッサの物か。
だとすればこの世界はカノッサを認知しているのか────否、していないのか。
何方にしてもこの世界にカノッサが関わっているのは事実。

(どうりで私がこの世界に馴染む訳だ────)

デュミナスは機械仕掛けの右手を同じく機械仕掛けの左手で摩りながら、同行を同意した。
90 :ヨブ・バロウズ【扇動者】>>325[saga]:2015/01/29(木) 00:28:22.07 ID:xfbp68Olo
>>89

「では、こちらに――」

 幾何学的な本社ビルに案内される事になる。
 内部は上等な絨毯が敷き詰められ、照明も壁に埋め込まれた光ファイバーが主であり、
 随所に高度なテクノロジーと適度なリラクゼーション。そして、エリート意識をくすぐる演出が
 内装の各所に散りばめられている。

「この世界では私達は公式のメガコーポとして存在しています」
「非合法(イリーガル)な秘密結社である必要が無く、またこの世界ではメガコーポであるか否かが重要です」

 当然、社員は皆、カチグミ階級のエリートであり社会・生活保障もバッチリ。
 また、カノッサ・テクノロジーが巨大機関の枝の一つであると知らずに、働いている者も実際多い。

【高速エレベーターで上がるまでに、概要案内を行うエージェント】
 【→声音まで全く一緒。まるでクローン染みている。というより真実クローンである】

 なお、シェアは先進技術である医療、バイオテクノロジー以外でもお菓子やサイバーウェアなど手広い。
 しかし、ロボット部門だけはどうしようもなくグラフがまっかっかなのはある種のご愛嬌。

【ポーン】

 と、やや間の抜けた音と共に最上階にたどり着く。

「ここからはお一人で」

 深く頭をさげてデュミナスを見送るエージェントたち。
 床にはやはり上質の絨毯。壁には調度品であろう。様々な絵画が飾られている。

【ある種の権力のアピールでもあり、権力志向者らしい振る舞いが伺えるかもしれない】
91 :デュミナス・ストラティオ【魔機動力】2015/01/29(木) 00:49:19.19 ID:Ue+yYHCJO
>>90

「ん」

軽く返事をすると案内人として現れたであろう彼女達から歩数的に1、2歩遅れて、付いて行く。
その一歩か二歩の遅れはまだ、デュミナスが彼女達に対して警戒心を持っているという心の表れであろう。

「君達の上司は随分と中身を気にするんだな」

本社ビルへと入ると内部はそこんじょそこらのビルとは比べ用が無いほどに完璧とした内装をしていた。
勿論カノッサが関わっている時点で有象無象のビルとは全く別なのだが。
しかし、それでも中は素晴らしく何処と無く感じるエリート臭はこのビルがVIPであるこてを感じさせた。

「成る程、道理でこのビルが堂々と建っているわけだ」

この世界でのカノッサの"立ち位置"は大体ではあるが、案内人の説明により把握した。
どうやら、ここのカノッサは随分と頭がいいらしい。
カノッサはこの世界に必要不可欠な存在になりつつあると知った。

「さて、この先か────」

案内人に見送られながらデュミナスは、
まるでVIP専用廊下の様な場所から自分を待つ者がいるであろう部屋へと足を進めた。

92 :ヨブ・バロウズ【扇動者】>>325[saga]:2015/01/29(木) 01:04:22.36 ID:xfbp68Olo
>>91

「環境は自意識を育みます」
「CEOは社員、機関員を問わず、待遇面で細かい配慮をされておられます」

 秘密結社じみた浮世離れしたものではなく、相応に地に足の着いた待遇、環境面での配慮。
 所謂、求道者めいた連中が多いカノッサ機関にはこの手のタイプはどうだろうか。

【そうして、部屋の前に来ると重厚なオーガニック木材の扉がひとりでに開いた】

 下品になりすぎない程度に高級な内装の室内で、
 これも高級オーガニック木材製のデスクより、スーツを纏った紳士然とした男が腰を上げる。

「ドーモ、はじめまして。カノッサ・テクノロジーCEO。ヨブ・バロウズです」

 赤髪の青年とも壮年とも呼べないような容貌の男性は、
 耳通りの良すぎるバリトンの声音で己の名と立場を告げた。

「さて、カノッサで名を馳せた貴女とこうしてぜひ一席設けたくてね。
 やや、強引で恐縮ではあるが、楽にしたまえよ」

 完璧な演技とも揶揄できるスマートな所作で座るようソファに手を向けるバロウズ。

「アルコールの類もあるがね。何か希望があれば」

 酒棚には当然ながら、アンダーシティのマゲクミ達の一生分の稼ぎを上回る価格の
 様々な意匠と凝らしたボトルに入れられた酒が並んでいる。
93 :デュミナス・ストラティオ【魔機動力】2015/01/29(木) 22:15:05.73 ID:Ue+yYHCJO
>>92

オーガニック木材の扉が開き室内に入る。
まず最初に目に入ったのはその高級であり、上品とも言える内装だ。
"環境は意識を生む"さきの案内人に説明を聞いた後だと、この内装もそういった意味に捉えてしまう。
そして次に目に映ったのは小綺麗なスーツを着こなした赤髪の青年の様な容姿をした人物がこれまた高級であろうオーガニック木材製のデスクから身を立たせている姿だ。

(────ヨブ・バロウズ?聞いたことのない名だな……)

「あぁ__初めまして、ヨブ・バロウズ。もう既に知っていると思うが、一応。私の名はデュミナス・ストラティオ。今はただの探求者であり研究家だ」

(成る程、私がこいつを知らない訳だ。CEOなら私の記憶から消えている幹部や上層部に値する地位だし仮にこいつが私の後に入ってきたのならば、私が知らないのも無理は無い……。どちらにしよ私の記憶には存在しない男というわけか)

あえてカノッサでの以前の立場を伏せ、
男と──ヨブ・バロウズとの自己紹介とも言えよう軽い挨拶を交わしながら彼について思考する。
しかし、考えたところでカノッサに関する記憶の一部が消えているデュミナスにとってそれは意味がなく、結局彼がデュミナスと同じ時期にカノッサにいたのか、はたまたデュミナスがカノッサから姿を消した後に入ってきたのかすら分からなかった。

「ふ……わざわざ君みたいな者が今やカノッサの素材ゴミとも言えるべき存在である私と忙しい中一席設けたいとは……」

やれやれと言いたげに首を微かに横へと振りながらコツコツと足音を鳴らしゆっくりと、指定されたソファへと行くデュミナス。

「ん、いや───アルコールか」
「別に好まないというわけでは無いんだが、生憎あまり嗜まなくてね……。
それに見たところここの酒はどれも高そうだ。どうだろう、CEOとしての立場である君のお勧めを貰えないだろうか?」

フゥとネクタイを首元から緩ませ答える。
目に映った酒棚に置かれている飲酒物は素人の目から見てもどれも値が高そうな物ばかりだった。
カノッサから身を引いた後は高級品とは縁遠い生活をしてきた彼女は柄にも無く若干の緊張をした。
気付かぬ内に庶民めいた生活に慣れ親しんでいたのか。
現にこの部屋に来るまでに見てきたエリート臭を漂わせる内装も居心地が悪いまでとはいかないまでもそれに近い感情を抱いていた。

/返信物凄く遅れてすいません!
94 :ヨブ・バロウズ【扇動者】>>325[saga]:2015/01/29(木) 22:40:20.80 ID:xfbp68Olo
>>93

「はじめまして。まあ、私に覚えがないのも最というものだ。
 私は所謂新参者というヤツでね。貴女が活躍していた頃とは時期が異なる」

 始めましてというまでのタイムラグから凡その思考の検討をつけて、回答を示すバロウズ。
 ここであえて記憶操作云々について言及しないのは当たり前。
 誰だって自己が弄繰り回された話題など初っ端からするのものではない。

【そうしていると、アルコールはオススメを選んでくれという】

「うむ、ならばこのようなところかな」

 リクエストに応えてバロウズが選んだのは――酒棚とは別に設置していたビアサーバーであった。
 ビールグラスを用意すると器用に黄金色の液体を注ぎ込んでいく。、
 すぐにつまようじが立ちそうなほどのしっかりした泡がグラスに封をした。

「下手なウィスキーやバーボンはよく無さそうだ。これはいかがかな」

【高品質ではあるが比較的親しみやすそうなのをセレクト】

「さて…」

 自分の分も用意し、肴となるソーセージとポテトの用意を指示しながら、
 バロウズも対面となるソファに腰掛けた。

「カノッサの粗大ゴミとは随分と自ら卑下をするものだ。貴女の武勲はいくつか拝見させてもらった。
 貴女は機関において赫々たる戦果を幾つも挙げていたようだが」

【→デュミナスは過去に様々な戦果を残している?】
 【→また、機関内ではどのような在り様で地位を得ていた?武力?指揮力?研究成果?財力?政治工作?】
95 :デュミナス・ストラティオ【魔機動力】2015/01/29(木) 23:09:08.67 ID:Ue+yYHCJO
>>94

「新参者を幹部に引き上げるなんて、カノッサもとうとう人手不足にでもなったか?」
「あるいは────君が規格外の器なのか……」

 成る程、彼はデュミナスが抜けた後に入ってきたようだ。
 つまりはデュミナスの後輩にあたるわけだ、後輩を弄るのは先輩の役目と言わんばかりに軽いジョークを飛ばす。
 もっとも二言目はほぼ本心であるがゆえ、目付きもやや鋭くなっている。

「これは……ビールか?」
「なんだ随分と庶民めいた物が出てきたな……。私はてっきり酒棚にある高級な物が飲めると思ったんだが────ふふ、冗談だ。私にとっては此方の方が飲みやすい。ありがとう、感謝するよ」

 バロウズが持ってきたのは高級品のワインや洒落たバーボンでは無く、多くの人々がよく目にし、馴れ親しんだビールだった。
 しかしやはり其れも決して庶民が飲めるような品物では無く酒棚に並ぶ飲酒物と同じ高級品。
デュミナスもそれを分かりきった上で軽く冗談を交わす。

「……それは昔の話だ。私からしたら最早過去の話というよりも前世の話に感じるがな…。」
「いくら戦場で活躍しても、どれだけの地位を確立しても、使い物に成らなければ直ぐさまクシャポイさ。これを"ゴミ"と呼ばずになんと呼ぶか────」

【デュミナスは過去には数多くの戦果をのこしており、現役時代、機械化する前までは仲間からも魔神と呼ばれ恐れられていた】
 【機関内では主に指揮力と武力により幹部としての地位を確立していた。】
96 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/01/29(木) 23:14:26.87 ID:xfbp68Olo
>>59

「まあ、モノは試しだな。何、失敗しても君が呪われるだけで済む」

 イムカは常の平坦な声音でシレっとそう言う。包帯で顔は見えないが十中八九無表情。
 そうしていると、何やら少し考え込んで、

「…冗談だぞ?」

 と、平然とのたまうのであった。

【天然な上に時々意識的のボケるため、どれが冗談か分かりづらかったらすみませんである】

 そして、割と無謀な策も即実行。えり好みする暇もなければ解呪の知識も無いのだ。
 力技で行かねばならない。というより、それ以外に選択肢が無い。

「テストだ」

 まず、タイドメイカーを少しだけ魔方陣の中に入れる。見る見る萎んで干からびる。
 その萎みがニア自身に達する前に切り離すべきだろう。

「…朽ちるまでタイムラグがあるな。弾き飛ばすほうがいいが…やれるか?」

 なお、クナイでは駄目だ。刺さるが弾くことは出来ない。
 また、無機物で試すと一瞬で塵と化してしまったためこれも駄目。
 どうやら、タイドメイカー以外には選択肢は無い模様。
97 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ[sage]:2015/01/29(木) 23:23:58.56 ID:1lYt76cG0
>>96
「呪われたらぁっ……」
「……まぁ、なんとかして下さいってんですっ……」

非常に伝わり辛いジョークに苦笑、曖昧にボカして答えた
万一の場合なんて考えたくもないのだ

「っと……危ないっ」
「……もちろんっ、やれますってんですよぉっ、よいしょっ!」

ぐずぐずと朽ちるタイドメイカーをパージ
それは魔法陣の中に入り込んだ愚か者の末路を体現して消えた
だがしかし次の触腕はそれよりも素早く稼働し、何より突き飛ばす軌跡を描いて飛翔している
勢い良く振り、そして遠心力を乗せて根元から切り離しているのだ
目指すは鎮座する聖なる鞭一直線
98 :ヨブ・バロウズ【扇動者】>>325[saga]:2015/01/29(木) 23:27:58.86 ID:xfbp68Olo
>>95

「ああ、言い方が悪かった。君と比べれば新参者というくらいのニュアンスだ。
 別にルーキーという意味ではない。私は己の才をかき集めてどうにかやれているくらいだ」

 暗に規格外などと邪推しないで欲しいとも含んでいる。
 が、言葉通りに受け取るのも無理があるかもしれない。才乏しき者が幹部クラスになれるか?

【鋭い洞察を受け流すバロウズ。YESともNOとも言わない。政治屋めいているといえばそれまでだが】

「さて、使い物にならなくなったら――かね。そんな単純は話かな。おっと失敬」

 手を上げてから、資料のホロデータを表示させる。
 デュミナス自身のデータ。これは目の前で参照することで逆に懐疑心を解く演出でもある。

「私はいわゆる、政治と工作で成り上がったクチでね。貴女のような武勲による戦果とは毛色が異なる。
 そのような私自身の視点からで恐縮だが――」

 強力なマジックパワーと指揮力。そして優秀な直属部隊のメンバー達。
 それが、彼女を幹部としての彼女の後ろ盾であった。と、バロウズの視点で説明する。

「地位を確立しても使い物にならなければ…ではないね。
 地位があるからこそ重責に耐えられなくなれば…という考え方もある」

 先ず、彼女自身の行動不能によってパワーと指揮力が失われた。
 そして、彼女の地位を支えていた配下メンバーも失われた時、彼女の政治力は空洞化した。

「君の直属のメンバーは全員戦死かね?君の排斥は政治力の消失と無関係ではないようだ」

 勢力、派閥、利害関係などといった視点から分析という話題。
 全てはもう終わったことといえば終わったことだろうが。
99 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/01/29(木) 23:37:25.52 ID:xfbp68Olo
>>97

「………」

 朽ちながらも一直線に飛んでいくタイドメイカーを睨むイムカ。
 そして、その触手は聖なる鞭にまで達しだ――

【接触の際に火花を散らせながら、どうにか千切れた鞭を弾き出す事に成功した】

「よくやったな」

 言いながら、イムカは弾き出された鞭を掴む、
 途中で二つに千切れている鞭は切断面からも、質感からみてもやはり金属製である。
 そして、月光が反応する金属となると、

「ミスリルだったか?確か。しかし――」

 だが、触れるかぎり只の金属繊維の鞭という以上ではない。
 なんというか、強い武器特有の凄みに欠けるのだ。千切れてしまいパワーを失ってしまったのだろうか?

【千切れたくすんだ銀色の鞭。それ以上でもそれ以下でもなかった】

「…手には入れたがこれでは…んっ?」

 イムカは顔をしかめると、己の胸元のポケットに手をやり、中から何かを引っ張り出す。
 それは粉々に割れたナイフ。かつては自在刀ともエグゾダスとも呼ばれた投擲剣。
 誰か(ジョシュア)から貰い受けたミスリルの欠片だ。

【自在刀の欠片は鞭に僅かに反応するように青白い光りを仄かに放つ…がそれだけだ】

「…欠片では弱いようだ。反応しているが、もっと大きな。力を保っているミスリルが要るのか?」
100 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ[sage]:2015/01/29(木) 23:44:32.58 ID:1lYt76cG0
>>99
「ふぅっ……」

今の一瞬のみで2本の触腕を消費した
その事実は確実な疲労感として変わりニアに重くのし掛かる

「あれっ、それっ……」
「イムカもミスリルを……?」

持っていたのか、と首を傾げる
だがそれではダメなのだという
ならばと月光を持ったまま少し、カニ歩きめいて近寄ってみた

「……何かっ、反応ありますっ……?」

【月光→強い神属性及び聖属性を帯びる】
101 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/01/29(木) 23:53:30.59 ID:xfbp68Olo
>>100

「んっ…ああ、持っていたようだ」

 イムカ自身もやや困惑気味のようであった。
 まるでミスリルを自分が持っていたことを初めて認識したかのような…

【イムカは少し考えてから観念したかのように溜息をついた】

「私は今、こんな包帯だらけの顔だろう。実はこうなった時に脳もやられたらしくてね。
 記憶野にかなりダメージを受けたようなんだ。君の事は顔と名前はなんとか覚えていた」

 なんと、ここであっさり記憶喪失状態であると暴露。
 あまりに普段どおりすぎたので対して違和感がなかったのかもしれない。
 もちろん、イムカ自身、そういう風に振舞ってもいたのだが。

【だからこのミスリルの欠片についてもイマイチはっきりしないのだとか】

 そんな会話をしながらもミスリルがキーになりそうであると意見が一致。
 そして、月光の光は他の欠片や鞭と異なりドンドン強くなってゆく。

「…月光を近づけてみてくれ。何しろ不思議物質だ。何が起こっても不思議ではない」

 ちなみにイムカのミスリルの欠片はついにひとりでに浮遊を始めた。
 実に摩訶不思議な金属もあったものである。
102 :デュミナス・ストラティオ【魔機動力】[sage]:2015/01/29(木) 23:56:55.08 ID:Ue+yYHCJO
>>98

「………………。」
「────成る程」

少しの沈黙の後ただ一言そう言った。
まだ、まだ彼からは幹部に相応しい才能や重圧を感じられない。
形はどうであれ、カノッサ幹部の地位を我が物にするには"才能"や"実力"もしくは"希少性"などを始めとした"なにか"が必ず必要になってくる。
それはデュミナスにも当てはまり、彼女は"実力"と若干の指揮能力によりその地位を築いた。
しかし、今目の前にいる男────ヨブ・バロウズからはそれらを微塵も感じることは無かった。
見せないことへの自信か、あるいは彼にとってデュミナスは其れを見せるに値しない存在なのか────。
どちらにしろカノッサの元幹部を前にして"なにも感じさせない"彼が規格外であることに変わりはないのだが。

「如何言う意味だ?」

言うや否やデュミナスの瞳の先に表示されるは彼女自身のデータ。

「…………………………。」

手に持っていたビールグラスを置き、脚を組み替え無言でバロウズの話に耳を傾ける。

「つまり君は私が幹部としての地位に相応しくないからカノッサからきられた────そう言いたいのかね」

バロウズの話は確かに正しい。
現にデュミナスが瀕死になった時、彼女の部隊は指揮力を失い、幹部級の戦力も失った。
それにより彼女の部隊もまた全滅。
一部であるがカノッサに穴が空いたのは事実だ、

「さぁ?私がカノッサの技術により目覚めた時には既に地位も我が部隊も消えて無くなってたからね、まぁ多分、全員戦死だろうがね」

バロウズの分析は今までの彼女見解とは全く異なる角度からの分析だ。
同じカノッサの構成員として、同じ幹部の立場とて、ヨブ・バロウズとしての見解は彼女が考えもしなかったものだ。
103 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ[sage]:2015/01/30(金) 00:02:00.90 ID:EnXzWz6a0
>>101
「……?」
「ありゃ、そうだってんですかっ?」

しかしそうだと言われないと分からない
それ程までにイムカの凛然たる態度は普段と変わらないようにニアには思えた
更にいえば頭が、記憶が覚えていないだけでそれ以外の箇所は覚えているモノもきっとあるのだろう

「……んっ、わ、分かりましたっ……」

万一月光にナニカが起こればそれは後悔では飽き足らない
だがそれでもそうしなければならないのは、現状の打破はこの方法以外に恐らく存在しないためだ
おずおずと、輝きを高める黒塗りの刀身を鞭へと近付けていく
104 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/01/30(金) 00:13:40.99 ID:s3Jy+hDto
>>103

「んっ…」

 聖なる鞭に自在刀の欠片が接近する。
 それは月光の輝きと脈動を共にし、互いが互いと同調しているのが見て取れた。
 つくづく不可思議な金属である。

(私が生き延びられたのも…無関係ではないのかもな)

 脈動する自在刀の欠片。ミスリルの短剣が粉々になる程の爆発。
 よくも生き延びられたものだとイムカは今更に思う。あるいは加護めいたものがあったのだろうか?

【月光が一際強く輝く。と同時!聖なる鞭と自在刀の欠片が突如スライムのようにドロリと液状化!】
 【→月光もドロっと液状化しないかと振り返るが、剣はなんか無事!僥倖!】

 力を失ったミスリルの鞭と欠片は水銀のように溶けて交じり合う。
 その液体は銀色に強く輝き、先程の威を喪失した状態とは打って変わって力に満ち溢れている。

「…どうやらミスリルの力に、ついでに鞭の力も取り戻せたようだ」

 言いながら、イムカは手ごろな瓶で器用に液状化ミスリルを掬い取って収める。
 瓶の中で液体金属は銀色の光を放ち続けている。

【ミスリルが希少物質としたらかなりの質量が手に入ったことになる】
 【→それもヴァイパイア・キラーの属性を引き継いだままという…が】

「――参ったな。力は取り戻せたが、液体のままでは武器にならんぞ?」

 切り札は手に入れたが…頼りになるかは別問題であった。

【ミスリル液化金属(破魔)を手に入れた!】
105 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ[sage]:2015/01/30(金) 00:22:54.56 ID:EnXzWz6a0
>>104
「……これっ、なんだってんですかねっ?」

全くもって度し難い
科学的アプロウチで模倣したモノを幾つか見てきたが、恐らくそれらは強力であれど
その金属の真の力の数割も引き出せていないのだと思う
そう思わせる程に不可解さと、ある種神話性とを持ち合わせているのだ

「あれっ……」

てっきり鞭か、ともあれ或いは武器の形に変化するものと思われていたが裏切られる形
液体金属というやつか、と瓶の中の白金を覗き込む

「食べ物に練り込んで食べさせるってんですかねぇ……」

もしくは直接投げ付けるか、と唸る
106 :ヨブ・バロウズ【扇動者】>>325[saga]:2015/01/30(金) 00:23:13.37 ID:s3Jy+hDto
>>102

「さて、そこまでは。当時、君に政敵などが存在したならば絶好の好機だったであろう。
 という邪推だよ。先程も言ったように私は政治屋でね。このような考え方ばかりをしてしまう」

 ただ、幹部の直属だったほどの部隊が易々と損耗されつくして消え失せたのか、
 時間の波の中でやがては当然の成り行きとして消えていったのか。
 データからは読み取れなかったという話だ。

(彼女の復帰の芽が完全に費えたのは、影響力の完全消失ゆえだ)

【そして前置き…と呼ぶにはやや踏み入った話題に前後し、デュミナスとのセッティングの動機も絡んでくる】

「政敵…まあ、君との面会も実はそのような話題と無関係ではない。
 カノッサは境界線接続以来、未曾有の混乱の中にあってね。
 突然、認識もしていなかったカノッサ同士≠ェホットラインが回復させたのだ。無理も無い」

 文字通り広大になりすぎた機関。そもその在り様すら正確に測れる者が存在するのかすら曖昧。
 世界によっては、途絶し、変質したカノッサ≠熄ュなく無いという。混乱が起こるのは必然である。

「俗な言い方をすれば、混乱に乗じた権力闘争の真っ只中だ。
 それこそ上手く立ち回れば、中枢(アクシス)にとって代われる可能性すらある。無理も無い」

 そんな渦中で突如、自らの勢力圏に入り込んだかつての幹部。
 それはチェックするだろう。しなければならない。と、いう理由だった。が、

「もっとも、こうして君と会ってみて大体合点はいった。
 君はカノッサとは現在、無関係であり、この世界に現れたのもたまたま…だとね」

 経歴より疑いは当然。そしてそれも晴れた。
 打算に満ちた取引により復権を望んでいる雰囲気がない。それがバロウズの見解であった。
107 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/01/30(金) 00:31:25.50 ID:s3Jy+hDto
>>105

「うーん」

 試しに銀色の光をかざしてみる。
 それは実際に劇的な効果であり、床のあらゆる冒涜的な魔法陣が次々に消滅していくではないか。

【かなり強力な属性を持っている。まるで神話の聖水のようである。が、】

「属性は強力だ。切り札になりえる。が、このままでは武器にはならん」

 投擲してぶっかける?というのはあまり現実的ではない。
 これを心臓に撃ち込むのが理想なのだ。弱い吸血鬼ならばそれでも通用しそうだが。

「まあ、使いどころはあるだろうさ。行く――」

 瞬間、僅かな気配が階段の方から漏れてきた。

//今日はここまで、次回バトールノシ
 

【】
108 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ[sage]:2015/01/30(金) 00:43:05.84 ID:EnXzWz6a0
>>107
「うーん……」

同じように唸ってはみるがあくまで模倣だ
現実内心はその破魔的なマジック効果に驚愕し身震いまで感じている
これならばきっと、勝機も見えようと

「ですねぇっ……」
「……ま、道すがら使い方考えて……」
「……!?」

気配を察して振り返る
壁に灯された蝋燭が煙った光を投げ掛けている
静かに月光を構えて、ただ息を飲んだ

//分かりました、お疲れ様でしたっ
109 :デュミナス・ストラティオ【魔機動力】2015/01/30(金) 00:55:25.25 ID:yI+KoRVwO
>>106

「政敵……ね。確かに隙あらば我こそがと言わんばかりに幹部の地位を狙う輩は少なくはなかったな。成る程……政敵か」

此れ程に記憶を失い後悔したことはあるだろうか。
たった今、目の前にいる男の考えは明らかにデュミナスが地位を失った核心に近付きつつある。
だがしかし、あくまでこれも可能性のうち一つかもしれない事を否定出来もしない。
その推理が合っているのか、間違っているのかはデータからも分からないし、記憶を失ったデュミナスにも分からない。
だけれども、わざわざ貴重なレアメタルであるオリハルコンを使ってまで蘇らせた戦力を、しかも幹部級をやすやすと捨てるだろうか。
よくよく考えてみれば、あきらかに不自然だ。

「成る程、君は随分と野心家なんだな。混乱に乗じて自身の戦力拡大、及びそれによりさらなる地位への飛躍」
「そんな野暮を抱いている最中、ノコノコと現れる元幹部。こんな機会はそうそうないと考えた君は上手くいけば戦力拡大への一歩、失敗し戦闘になったとしても君の"舞台"なら負ける可能性はほぼ0。だから私をわざわざ招いたんだな?」

みなまで言うなと言わんばかりにバロウズの思惑を己の見解で話すデュミナス。

「あぁ、その通りだ。君が言う通り私は今、カノッサとは微塵も関わりないし、この世界に来たのもただの好奇心だ」

バロウズの言っていることは全て正しい。
現にデュミナスはカノッサへの復権など1ミリとも考えたらてなどはいなかった。

「でも君は一つ勘違いをしている。確かに私はカノッサへの関わりは無いし、復権もら考えていない」
「ただ────カノッサ達を喰いたいとは思うけどね」

それはいわば復讐の意。
理由はわからないが自身を切り捨てたカノッサに対する一方的な敵意であり復讐心。
よくあればカノッサを解体し我が物へとしたい喰いたい探究心であり欲求心。
110 :ヨブ・バロウズ【扇動者】>>325[saga]:2015/01/30(金) 01:24:31.00 ID:s3Jy+hDto
>>109

「私は権力志向者でね。求道者めいた自己研鑽とは縁が無い。
 求めるのは権勢を振るう発言力。ひいては愉悦だ。己の舌と指先が多くの事象を動かす。
 権力者とは概ね、その快楽を渇望し、進んでゆくものだよ」

 俗物といえばそれまでである。
 が、止むに止まれぬ目的や悲壮な決意。あるいは信念めいたもの。
 もしくははただ、戦いと渇望するという者が少なくないカノッサにあって、
 ここまであからさまに権力を志向すると公言するのは却って珍しいかもしれない。

【そうして次はお返しとばかりにバロウズの目算がデュミナスに看破される】
 【→なるほど、戦闘・戦術となると、見事に頭がよく回ると関心したものだ】

「まあ、少なくとも敵では無いというのは重要だ。形はどうあれ縁(えにし)は力だ。
 ただ一人の力が極端に優れていたとして、それだけではただの事象に過ぎんよ」

 そして当座の敵ではないが、たしかに、明確な味方でもないという見解が披露される。
 バロウズはシニカルな笑みを向けて、

「私が組織に忠実で忠誠心過多であれば見過ごさないのだろうがね」

 と、いうのみである。当然、カノッサはバロウズにとっても手段であり目的ではないらしい。

「まあ、先程も言ったように機関も広範になり過ぎて久しく、世界間の連携もちぐはぐだ。
 君の戦いはひょっとしたら、まぼろしを追いかけるようなモノになるかもしれないな」

 カノッサという機構(システム)は確かに動いている。が、全体像は既に朧。
 復讐の焦点を定めるところからデュミナスの戦いは始まるのかもしれない。

「知己を得るというのは得難いものだ。今日は楽しかった。
 また、何か用があれば接触しよう」

 そうして手を差し出すバロウズ。耳どおりの良すぎるバリトンの声。
 所作も完璧。互いに知りたい情報も知りえた。疑念も喚起できた。初対面にして。

【ふと、おぼろげながら気付けるかもしれない。バロウズの能力に】
 【→精神操作系。それも自己を無理矢理に歪める類ではなく路を敷いて誘導する類の】
  【→断じて洗脳ではない。むしろ、円滑に互いの利となりえる会談として終始した。
    一片たりともデュミナスの目的意識も自我も歪められてはいない】

【→が、もし、これが自意識を歪める形で発現したとき、どのような恐ろしい戦いとなるだろうか?】
111 :デュミナス・ストラティオ【魔機動力】[sage]:2015/01/30(金) 12:22:06.32 ID:yI+KoRVwO
>>110
「確かに、相手が敵か或いは味方かは重要だ────が、あくまでそれは互いの戦力が均等の場合に限ると私は思う」
「さらに言えばこの"重要"は弱者の方に対しての考えだ」
「例えば、君の戦力が百で私が一だとしよう。既に百の戦力を持つ君からしたら目の前の一が味方になろうが、敵になろうが意味を成すだろうか?」
「敵なら自分を除く99の戦力で潰せばいいし、味方なら潰すのに使える戦力が100になるだけの話だ」
「だが勿論例外はある。この一が君の戦力100に匹敵する力を有している場合だ。だが、結局それは数が違うだけでお互いの戦力は均等ということになる」
「その状況こそが私がの思う"敵でないことは重要"だと私は思うがね。百から見ても一から見ても敵に戦力を削り削られる状況」

「まぁ、単にそれは戦力に対する話だ。君みたいな政治タイプからしたら、たった一でも味方になれば其れだけで顎で使える駒が増えたと思うかもしれないし、その一により情報網が広がるかもしれない。
逆にその一により自身の情報を漏らされたり狂わされたりする危険性がある────と考えているかもしれないがな」
「もっと考えも立場も違う私と君とでは、敵か味方か、のニュアンスの捉え方すらもが違うかもしれないけどね」
「────と、すまない。"敵でないことは重要"という部分から随分話が逸れてしまった」

「だが、君の言ってることは一理ある。
所詮元幹部だろうと、私という存在は"個"。どれ程私の力が優れていようと"個"である存在が巨大な"因果"に敵うはずなどない」

重圧な窓硝子の防音性によるものかは分からないが全く外部からの雑音が聴こえず、ただ空気の流れる音しか聞こえない無音の室内の中、一通り話し終えたデュミナスはゆっくりとビールグラスを手に取り口元へと運んだ。

「ふ、組織に忠実な奴が自身の戦力拡大を図るか?」

当たり前のことだ。
カノッサに忠実心のある者が自身の戦力拡大の為にわざわざ元幹部に接触するはずなどない。
112 :デュミナス・ストラティオ【魔機動力】2015/01/30(金) 12:22:34.96 ID:yI+KoRVwO
>>111続き

「まぼろし………か。まぁ、悪くはないんじゃないかな。人は何時までも幻を追い続けるものだ。カノッサが幻というなら、私はそれをひたすら追い続けるだけのこと」

「"風が吹いたら桶屋が儲かる"何の関連性もないのに、小さな事象が関連して大きな結果につながる……」
「君と私との偶然たる接触も今後何かしらに関係するかもしれない、そしてその関係が更に別の関係へと……そうすればいつかは必ず幻────カノッサという結果へとつながるかもしれないだろう」

カノッサは幻ではなく、必ず存在する。
存在するものに追いつくのは雲を掴むより、簡単な話だ。
勿論、本当に簡単な話という訳ではない。
幻では無いにしろ幻に近い存在であるのもまた事実。
デュミナスにとっては何を成せば復讐なのかは未だ謎だが、カノッサ解体という大逸れたことではない。

「あぁ、偶然とはいえ私も楽しかったよ。後輩と言うには厚かましいにしろそれに近しい存在に出会えたんだ。きみがカノッサに忠実を誓っていないことも知れたしね」
「私としても、是非君とはまた何処で接触したいね」
差し出された手をゆっくりと握るデュミナス。
機械仕掛けのその腕は少し力を入れるだけで、強力な腕力を生み出すゆえ、極力最小限の力で握り返した。
窓から照らす太陽の光は握手を交える二人を照らす。
横からみれば日光により輝き、両者お互いを認め合った暖かな雰囲気を感じさせる。
少し離れてみれば日光に伸びる両者の影は黒く不気味で彼等二人がお互いにまだ何かしらを隠している疑義疑惑を感じさせ両者が"邪"の道にいると感じさせるようだった。

「あぁ────最後に一つ。戦場において指揮官が持つべき最も重要なものは何だと思うかね?」
「戦力、指揮力、統治力、カリスマ性、敵に立ち向かう精神に敵から逃げる精神、更には相手軍と自軍の力量の差を瞬時に判断する頭脳、どれも重要だ」

「……が、私が思う戦場において最も重要なものは────勘、だ」
「結局のところ勘が冴えいる者がより良い指揮力を振るわせることが出来る」
「勘がいざという時頼りになることは別に珍しいことでは無い。生きるか死ぬかはこの勘を信じるか否かで大きく変化する時もある」
「よくドラマや映画であるだろう?"長年の勘だ"ってね」

「でだ、何故こんな話をしたかなんだが……私の勘が今現在反応していてね。"ヨブ・バロウズは危険"だと」
「私はこの部屋に入って君と出会ってから今もなお、君から"なにも感じない"んだ。不自然ではないか?人の上に立つ者からなんの威圧感も重圧感も感じない、ましてや柔らかい雰囲気も優しい雰囲気も感じない。そう"無"だ」
「────まるで話を最初から最後までスムーズに送れるように君は私に何も感じさせなかった」

「これまでも私の勘だが、これからも私の勘だ。違っていたら違っていたでいい」
「君の能力は精神操作か或いは其れに近い能力……私が君から何も感じないのは、"君から何も感じていないと思い込まされている"そして、私自身気付かぬ内に君のその透き通った声に精神が微かに汚染されている…………違うか?」
「仮にこれがあっているとしたら私の勘は正しい。君は危険だ。この能力がどれ程の応用が利くかは分からないが自意識を操作可能なら私は100%負ける。そうでなくとも私の勝算は少ない」
「よって、私は君と揉め事を起こしたくはない。
この握手が意味を成さないものにならないことを祈るよ────」

そう言い終えるとデュミナスはその手を離し、残り僅かのビールを飲み干した。
ふぅ、と一息すると頭に被っている軍帽のツバを下げ帽子を深く被りドアへと向かった。
そのまま体も顔もバロウズに再び向けること無くただ一言
"また、何処かで────"といい部屋を出た。

/連日でロールありがとうございました!
お疲れ様です、
113 :タェンティース【対異能戦闘用人型兵器】[sage]:2015/01/30(金) 19:15:06.58 ID:YelHd3cX0
まるでジャンクだ、と改めて自身の状態を鑑みる
数世代前の旧式の義足はギシギシと馴染まず、右腕に至っては度重なるエラーから着けない方がマシと判断した
左腕のみでハンドルを切り、アクセルとブレーキのペダルを踏み込むのに一苦労
エネルギーの問題はなんとか持っている、あとはこの体を修理しないといけない
久々に帰って来た世界、リベルタス
転移して来た場所からそう離れていない故郷へと車を走らせる
あの施設になら、研究所になら
半人の無機的な部分に合う規格のパーツが現存しているはずだ

------

「……さて」

大破壊があって、すっかり廃墟と成り果てた生まれ故郷へと辿り着く
感じ取るスカベンジャーの気配
体はボロボロ、月光もブレードもない今なるべく危険は避けたい所だ
目立たぬ位置に車を止めて、数年振りの帰郷
114 :TypeD-7@ようじょとロボット2015/01/30(金) 19:57:04.18 ID:vuVBn5WvO
>>113
スカベンジャーと呼んでいいのか、むしろ回収される側じゃないのか。
背の丈2.5mのロボと、その庇護対象のちびっこが瓦礫あさりしてました。

「おー、ひさ?」

久しぶりかどうかはっきりしないらしく、ちまいのは首かくん。
忘れたり思い出したりの落差が激しいのは相変わらず。
そして、集めた品は役に立つのかわからんものばかり揃ってるのもいつもどおり。

でかいほう、よく見たら前腕喪失してるのでどうやら修理備品集めっぽい?
115 :タェンティース【対異能戦闘用人型兵器】[sage]:2015/01/30(金) 20:07:31.82 ID:YelHd3cX0
>>114
「……!?」
「……ど、どうも、ご無沙汰しています……」

どの位振りの再会か分からないのはこちらも同じらしい、取り敢えず会釈
ただそれよりも重要なのは、声を掛けられた咄嗟の判断として存在しないはずのブレードを引き抜こうとした事
もしこれが敵との邂逅であったとしたら、一手遅れたという点で既に致命的である

「……えっと、あなた方もパーツ探しを……?」

この辺りで発見されるパーツの多くは通常の人間型の、それも極めて特異な構造のジャンク品が多いだろう
以前半人が話の流れの中で物理的な、コネクタ類からの接続を拒んだのもこれが理由である
つまりは極めて独自性の高い……逆に言えば適合性に乏しいパーツ群ばかりなのだ半人の製造元に存在するのは
116 :TypeD-7@ようじょとロボット2015/01/30(金) 20:13:44.13 ID:vuVBn5WvO
>>115
「規格あわなくても、再構築すればつかえるしなー
 むしろ、純度たかいざいりょーがあるのはラクなほうよ?」

元素レベルまで解体して材料扱いする気らしい。
そして度重なる境界移動では、これよりもハードな状況もあったのでしょう。
コレだから自作erはタチが悪い。

「ん? まとめてなおしちゃう?」

話してる相手がボロいのに気がついた模様
117 :タェンティース【対異能戦闘用人型兵器】[sage]:2015/01/30(金) 20:22:55.64 ID:YelHd3cX0
>>116
「再構築……ですか……」

なるほど、と唸り無事な方の腕の人差し指の関節を唇に当てた
提案に逡巡、だが小さく頷いて返して問い掛ける

「是非、お願いしたいのですが……」
「えぇと、設計図というか、そういうモノは必要でしょうか……?」

半人の、外見上判断出来る破損個所は右腕の損失
それと両脚が随分とレトロな見掛けの義足になっている点
あとは各部に細かな裂傷等々である
内部に到ればまた別の問題が存在してはいるが
118 :TypeD-7@ようじょとロボット2015/01/30(金) 20:27:18.17 ID:vuVBn5WvO
>>117
「あればらくちん。なかったら、まぁ、
 ……いまよりはましだなー」

なんか微妙な間が入った。
とりあえずそのボロよりはマシにする自信はあるけど
どこまでいけるかは未知数といったところ。

「インターフェースだけでもわかれば、
 あとはできものあわせになるなあ」

接続が一番ネックだそうです。
ソレ以外は、ぶっちゃけ動く形にするのはそこまで難しくなし。

「とりあえず、もう少しお宝残ってるとこさがす?」
119 :タェンティース【対異能戦闘用人型兵器】[sage saga]:2015/01/30(金) 20:42:25.79 ID:YelHd3cX0
>>118
「そうですか……では、」
「わたしの『部屋』にあると、思います」

部屋とはまぁ要するに、製造されたエリアの事を示す
我ながら何とも野暮ったい、人間である事を暗に主張している嫌な言い方であったと後悔し微かに沈黙

「……最悪接続は、こんな風になんとかなりますし……」

苦笑して片脚を外し、本体側の接続部を示す
何とも珍妙な接合口、ホットパンツから伸びる腿から伸びるケーブル群が犇いてうねり小さな青白い火花を散らしてから収納されていった

「魔法的、っていうんでしょうか」
「……燃費は最悪ですけどね」

イムエトの、後天的に付随された魔法力を使った接続らしい
無論エネルギーを魔力へと変換しないといけない都合上、ロスは存在して機械を動かすには不向きである

「多分、『部屋』にはもう少し部品が色々あると思います」
「……サイレンさん、にもお役に立てるかと」

でっかいロボさんの呼称を確かめるようにしながら提案
因みに半人の『部屋』は長い無機質な渡り廊下を歩いた直ぐ先
何やら小規模な爆発があったらしく、リノリウムの室内は彼方此方が焼け焦げ崩れている
その一角に半人と似たような型の、しかし破壊が激しいジャンク品が転がっているだろう
120 :TypeD-7@ようじょとロボット2015/01/30(金) 20:53:09.63 ID:vuVBn5WvO
>>119
「ん、おっけー。
 もしかして、メカニックいなかったら自分でつなぐ気だった?」

とりあえず移動準備開始。
別にこのちびっこは、相手がヒトかどうかを気にするタイプではないというか
従者であることにこそプライド持ってる側なので、言い方はあまり気にしないようです。

「あー、サイレンはどうせさっき拾った分で
 時間かかっても直せるからだいじょぶよ?
 まほーは、ちょっちわかんないなぁ」

魔法以外のほうがやりやすいヒト。

そんなこんなで廊下をトテトテと歩いて、お部屋の奥へ。
ジャンク品の状態確認中。

「ニコイチなんてもんじゃねーな、何個イチになっかなー」

……楽しそうにしてるし、きっといけるっぽい?
121 :タェンティース【対異能戦闘用人型兵器】[sage saga]:2015/01/30(金) 21:05:27.13 ID:YelHd3cX0
>>120
「そりゃ、まぁ……」

一応、というかそうするつもり満々であった
特性上機械に強い訳ではないが、それでも自らを構築する部品くらいはなんとか出来る
問題はそのほとんどがジャンクであった事だが、その点はどうやら目の前の有翼の少女のお陰で解決するだろう

「そうなんですか……」
「魔法に関してはわたしも詳しくは……」
「ただ、こうあるモノかな、みたいにしか」

随分とアバウトな知識らしい、魔法については半人も

「宜しくお願いします」
「設計図が……えぇと、あれ? 燃えちゃったのかな……?」

と、一礼してから倉庫に仕舞われたファイルを取り出して物理ペーパーの書類に目を通す
病的なまでに臆病なマッドサイエンティスト達の遺した遺産
それらは全て紙媒体に保存されている
そこからは数々のデータの他に電子媒体をすら訝しみ、疎み、最早猜疑心の塊と化していたのだと読み取れるだろう
ただそこに、半人自身の図面はどうやら存在してはいないようであった
122 :TypeD-7@ようじょとロボット2015/01/30(金) 21:14:11.78 ID:vuVBn5WvO
>>121
「こんなに“見本”があるなら機構でしっぱいはしないなぁ」

ジャンク部分から無事な部分を抽出して内部に入れてを繰り返して
動く四肢の完成までは、時間が余計にかかる以外は問題なさそうです。

「コネクションアサインメントないのはしかたない。
 そこはアダプタはさもう」

結論:リバースエンジニアリングからつくり上げる
ゼロから構築するならともかく、既にあるものをなんとかするなら
そこはこのちびすけの本領なのであった。

「さー、がんばろー」


なお、この時点でタェンちゃんはしらない
疲れをしらないガチメカちゃんは不眠不休作業が苦にならないことを
このあと72時間を越える作業がまっていることを……

//
おわろうかっ
123 :タェンティース【対異能戦闘用人型兵器】[sage]:2015/01/30(金) 21:22:33.98 ID:YelHd3cX0
>>122
「…………」

反面待ちくたびれて、しかし自身の為に作業してくれているのだから休む訳にもいかず
有機的な部分が睡魔にやられそうになりながらも何とか無理矢理意識を保つ半人であった

//ありがとうございました、お疲れ様ですっ
124 :四五六 七八【賽印流忍術】[sage]:2015/01/31(土) 20:09:28.33 ID:gadTMcrX0
「……あっぶなっ!!」
「も、もうっ、なんなんだよっ!」

菖蒲色の、露出のほぼない忍装束に身を包んだ少女……七八は慌てて身を屈めた
すぐ頭上を強靭な触腕が死の気配を纏ったまま通り過ぎて僅かに遅れて風切り音
後頭部で束ねた流れる黒髪が幾分か巻き込まれて散った
立ち上がり態勢を整えるとほぼ同時、2本の苦無を投擲
目の前の、人の体を持ちつつ頭部の変わりに10本の蛸とも烏賊ともつかぬ触腕をひしめかせる怪物へと向けてだ
空を斬り裂き迫る2本の殺意はしかし、怪物の触腕の1本に依り容易に叩き落とされる

(……やっばいなぁ、これ……)

七八がこの怪物と対峙したその時から既に、勝つことを目的とはしていなかった
彼我の実力差を瞬時に読み取った彼女は即座、逃走を選択する
だがそれすら未だ叶っておらず
小型の忍者刀を抜き放ち、牽制目的で構える
怪物は精神を石臼で擦り潰すような冒涜的な奇声を挙げ、ジリジリと迫る
左右をビルに挟まれた裏路地、鈍色の重い雲、冷たい雨が落ちている
125 :ネピー・スカーレット【吸血細胞ー紅血ー】2015/01/31(土) 20:40:25.62 ID:qECYbKMEO
>>124

「スンスンスン……」

とある世界の某所。
人通りの少ない道を奇妙なドレスを身に纏った少女が一人歩いている。
その少女は鼻を若干突き出していてまるで何処からか漂ってくる臭いを嗅いでいる様に見える。

「匂うわねぇ……血の匂い」
「しかもまだ新鮮、場所も近い」

少女は血の臭いを息をすることで知覚し、瞬時にその血の持ち主、この場合は"流し主"との距離や血の鮮度を見極めた。
人間の普遍的な能力ならば、決して不可能なその"特殊"を使い少女は向かう。

「────え?」

血の臭いだけを頼りに漂着した先に見えたのは"忍者"と"異類異形"がなにやら争っている光景だ。
どちらの存在も未だ創作物でしか認知したことが無かった彼女にとっては其れだけで十分に意表を突くものだった。
かたやとある和の国の書物、かたやとある神話書物で見た存在そのものだった。
正確には違うかもしれないが、それでも相似的なものであるのは間違いないだろう。

「あっ、ちょっと!?」

少女がその光景を傍観している間にも戦闘は行われている。
少女が気が付いた時には目の前にいる少女は今にもその"混沌めいた怪物"に殺されそうだ。
都合良きことに周りはビル、おまけに人通りの少ない裏路地。
少女が能力を使ってもバレないだろう。

「そこの化け物!?私が先に死んであげるから来なさい!」

少女はそう化け物に叫ぶやいなやその右手を金属の拳へと変化させた。
彼女もまた目の前の化け物と同じ"異類異形"なのだ。
126 :四五六 七八【賽印流忍術】[sage]:2015/01/31(土) 20:55:16.01 ID:gadTMcrX0
>>125
「えっ……!?」
「ち、ちょっと、えっ、待って誰っ!?」

突然の乱入者に目を丸くしたのは七八
怪物と対峙した格好のままチラチラとその相手を盗み見てはいるが無論記憶には一切皆無
だが右腕の変質を確認すれば大凡を察す
即ち、異能保持者あるいはそれに近しい存在であると

『▪︎▪︎▪︎ーーーーッッ!!!!!!』

狂気以外に示す言葉がない雄叫び、金切り声
畏怖を身に纏うかのような奇怪な見てくれ、悪鬼が如し

【『あらゆる創造主に対する冒涜的な造形』】
【『精神を石臼ですり潰すかの様な雄叫び』】
【それぞれ怪物の持つ自動発動のフレーバースキル】
【効果の程は相手PLに委ねる形での自由な精神ダメージ、無論無効化も容易に可能】

怪物は少女の狙い通り、七八からターゲットを変えて一目散
一足飛びで距離を殺しつつ、首から生えた野太く長い10の触腕の内3本を叩き付ける軌道で唸らせた
127 :ネピー・スカーレット【吸血細胞ー紅血ー】2015/01/31(土) 21:23:21.74 ID:yr5ZDnGk0
>>126
「誰だっていいでしょ!」
「兎に角アンタは此処から消え去りなさい!ここから消えても死ななきゃ世界から消える訳じゃないんだからっ!!」

突如の乱入者『ネピー』により当たり前だが取り乱す七八。
驚愕に満ちたその声の質問に対してネピーは答えと見受けられる返しはせず、要約すれば"ここから逃げろ"の一言。
決して教えたくない訳ではない、余裕が無いのだ、七八に構っている余裕などないのだ。

「よく考えたら金属の拳じゃ、ロクな勝負にもならないわね」
「一方的に殺される……」
「だったら────」

迫り来る怪物、縮む距離、張り詰める空気、止む雨、薄くなる酸素、全てが緊張に包まれる。
────瞬間、ネピーの目は赤眼となる。
黒目が赤く、白目が黒く、迫り来る化け物と同じ狂気がネピーを支配する。

『あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"!!』

異形と同じく叫ぶ狂気。
ネピーの中に潜む狂気的細胞が彼女の力となる。
少女のネピーの尾てい骨付近から二本の"尾"が生える。
赤くウネる爬虫類の尻尾を思わせる尾だ。

「くゥッ────!?」

『あらゆる創造主に対する冒涜的な造形』『精神を石臼ですり潰すかの様な雄叫び』

それは確実にネピーの精神に傷を付けた。
狂気を纏った彼女ですらもが傷を付けられるそれらは既に狂気の域に留まりはしない。
更には生物としての根源的ななにかすらもが傷付いた気さえした。

「くっ!三本!?」

迫り来る三本の触手。
ネピーは其れらの軌道を予測し、後方へと飛び距離を取る。
そしてそのまま化け物へと飛び仕返しと言わんばかりに二本の尾を叩き付けようとする。
128 :四五六 七八【賽印流忍術】[sage saga]:2015/01/31(土) 21:37:59.98 ID:gadTMcrX0
>>127
「そりゃ……まぁそうだけどさぁっ……」
「……夢見が悪いんだよねぇそういうの……!」

無論それを望んでいたし、今だってそうしたいのは山々だ
だがそれでもつま先が弧を描く事をしないのは、意地だとかプライドだとか
極めて人間的な感情に突き動かされ、求めていたはずの撤退の2文字を拒む
それでも前進ではなく、対峙する怪物とネピーから見て少し遠間を位置取ったのは逃げ腰からではない
自身の実力からその戦闘に於いて支援に尽くす事がベストであると咄嗟に判断したがためだ

『▪︎▪︎▪︎ッッ!!!』

鞭打に似た、高速の物体が空を叩き付ける音
たじろぎ半歩下がる怪物、その触腕の中の2本は尻尾撃の一撃に打たれ穿たれギラつく体液を噴射しながら悶えていた
フォローするように他の触腕が展開、8本による同時面的飽和打突を繰り出した
命中率の低さを手数で補う実に荒っぽい攻撃だ
129 :ネピー・スカーレット【吸血細胞ー紅血ー】[『蛇尾』]:2015/01/31(土) 21:58:08.97 ID:yr5ZDnGk0
>>128

「フン、なら精々私とアンタが死なないよう努力しなさいよねッ!」

七八の強い精神はその2人の"狂気"を前にしても揺るがない。
それを悟ったのかネピーが口に出したのは今しがた言った『逃げろ』では無くやや上からでは有るが要約すれば『わかった、死なない様に頑張ろう』だった。

「────っと、アンタ名前は!?其れとこの化け物はなに!?」

化け物を叩き付けその様を見ながら着地。
赤眼の瞳は化け物を睨み付けたまま、声だけを七八に向ける。
これから二人は目の前にいる化け物を相手戦うのだ。
お互いの名前も知らない状態では連帯すらもままならない。
そう考えたネピーは今更ながらに七八の名前と次いでながら化け物について聞いた。

「え、ちょっ、マジ!?」

迫り来る八本の触手。
決まった軌道などないの乱れ打ちに近い攻撃をネピーは二本の尾で防御する。
激しい触手と尾の攻防。
化け物本体もネピー本体もその場は動かない。
動き攻撃し、動き防御するのは何方も自身の武器のみ。

「あッ────!?」

しかし、二本の尾では迫り来る八本の触手は防ぎきれない。
素早く攻撃を防いでもそれを上まる高速の触手が確実にネピーの体を斬り刻む。
気付けば足や頬、腕や肩には切り傷が幾つも出来ていた。
130 :四五六 七八【賽印流忍術】[sage saga]:2015/01/31(土) 22:09:53.39 ID:gadTMcrX0
>>129
「努力させて貰うよ、お人好しさんっ!」
「七八(ななは)! それとアレ(怪物)は私も知らないっ!」

路地裏の、越境者達の共有の隠れ家である『止まり木同盟』の部屋のひとつへと向かっていた所
突然に襲われそして今に至るのだという
極めてなんとも不条理な現実だが起こってしまった以上仕方ない
限られた、というよりほぼ0に等しい情報の中何とかするしかないのだ

『▪︎▪︎▪︎▪︎▪︎ッッ!!』

その怪物には顔が存在しない
あるべき箇所にはただ触腕の束が生えており、それ故表情も読めない
それだというのに歓喜、狂喜に近しい風体を察するに容易なのは全身で表しているからだろう
飛び跳ねて叫び、手を叩いているのだ
この所作を取らせているのはつまり、ネピーに手傷を負わせたのだと判断しているためである

「……このっ!!」

横槍の形で七八が苦無を投擲
数は3本同時、触腕に阻まれる
だが確かにその刹那、意識をネピーから七八に完全にシフトしている
事前の声掛けも増してや打ち合わせもない奇襲的援護攻撃
この虚を突く事が叶えば事態は大きく有利へと転ずるだろう
131 :ネピー・スカーレット【吸血細胞ー紅血ー】[sage]:2015/01/31(土) 22:51:11.14 ID:yr5ZDnGk0
>>130
「知らないなら仕方ないわね…分かったわ!よれろしく七八っ!」

分かったのは七八の名前だけだった。
しかしそれは決して無意味では無く、確実にこの戦いにおいて重要な情報であることに間違いはない。

「くっ!?気持ち悪い動きなんかして……私を馬鹿にしてるわけ!?」
「いいわ、良いわよ、だったら今からその下劣な容姿を喰い尽くしてやるッ────ッ!?」

触手による感触で分かるのだろうか、目の前の化け物はネピーを斬り刻む手応えを感じ歓天喜地している。
その有り様はまるで目の前にいるネピーを見下し、嘲笑っているかのようだった。
口こそ強気なネピーだが確実に触手によるダメージは蓄積されている。
傷を癒す力があるネピーは斬り刻まれた傷を癒すがすぐ様新しい切り傷が生まれ、最早それは気持ち程度の止血にすらならなかった。

(計算ミスだわ……まさか此奴がここまで強いなんて!!)

徐々に尾の速さも下がり、触手による攻撃を防ぐどころか逆に隙を与えてしまう。
勿論、その隙は化け物にとっては絶大なチャンスであり攻撃をするのは決定付けられていた。
────が、化け物が戦っている相手はネピー一人だけではない。
もう一人少女が、七八がいる。
七八の支援は化け物の意表を突き、ネピーから意識を七八へと変えたのだ。

(チャンス!!)

「ナイスよ、七八!!」

化け物が七八を的にした今、ネピーは瞬時に化け物へと接近。
見ればネピーの尾は二本から四本へと増え、激しくうねっていた。
走りながら態勢を低くし、四本の尾を操り威力足りれば化け物を貫き、足りなくとも化け物を弾くていどの力はあると予期し、化け物の胴へと四本を一点集中で突き刺す様に伸ばした。

「ハハッ!もらったァァァァァァァァ!!!」
132 :四五六 七八【賽印流忍術】[sage]:2015/01/31(土) 23:02:57.68 ID:gadTMcrX0
>>131
ネピーに短く応じる返答、肯定的な意味でのそれは感覚的に発された発音だ
言葉として明記する事に意味はないだろう、ただその事実があればいいのだから

『▪︎▪︎▪︎……ッッッ!!』
『▪︎▪︎▪︎ッッ!?!?』

怪物は不敵に、トドメになるべき攻撃を放たんと身構えた
そしてそれが、極めて重厚に力を蓄積した触腕が全て開放されるより速く
苦無による支援、そして途切れる集中
怪物に視界が存在したとすれば、その外より迫るネピーは全くの既知の外
即ちそれを躱す事など叶うはずもない、増してや防ぐなども当然
多分きっと自身に何が起きているかを最初は分からなかったのだろう
焼け付くような鮮烈な痛みに悶え、傷を抑える
両手は即座に流れ出る、血ともオイルともつかぬ冒涜的な赤黒い体液に染め上げられた
やがて虚脱、完全に四肢は動きを止めて頭部の触腕も萎びて縮みダラリと垂れ下がる格好となった

「……た、倒した……の、かな……?」

安堵の息、七八
ゆっくりとまだ怪物の亡骸に警戒しつつもネピーへと歩み寄る
133 :ネピー・スカーレット【吸血細胞ー紅血ー】2015/01/31(土) 23:30:11.59 ID:yr5ZDnGk0
>>132

確かな手応え。
怪物に人の身体のそれが当てはまるかは分からないがネピーの尾は皮膚を突き破り、肉を押し砕き、神経を引きちぎり、血液の流動を遮断し、細胞繊維を斬り刻み、骨を破壊した。
ネピーの尾の強烈な一撃により化け物の体内に内包されていた体液が軌道を変えて体外へと流れ出る。
折り曲げられたパイプ水と同じ様に力尽くで軌道を変えられた液体は自力では軌道修正など出来ず第三者の加入、またはパイプ自体の修復が無ければ戻ることはない。

「────────」

静まり返るあたり周辺。
耳に入るのは化け物の血が地面へと降り落ちる響動めきだけだった。
ネピーは尾を体内に戻し細胞化させ、化け物を見続ける。

「さぁ?」

七八が言葉と共に歩み寄ってくる。
ネピーは顔を七八へ向けて、投げやりにそう答えた。

「────っと」

すると突然、ネピーは地面へと尻餅をついた。
化け物の攻撃によるダメージの蓄積がネピーの油断と共に来たのだろう。
まだ化け物が死んだか否か分からない今、こいつの前で隙を見せてはいけない。
そう考えるネピーはすぐ様たち上がろうとするが、腰を上げてもまた再びよろけながら地面へと尻をついた。

「血、血が、血が足りない………」
134 :四五六 七八【賽印流忍術】[sage saga]:2015/01/31(土) 23:42:07.74 ID:gadTMcrX0
>>133
「ま、まぁ、ともかく、さっさとここから……」
「ってちょっと、大丈夫……?」

ズラかるべきだ、と言い掛けて即座、よろけるネピーの体を支えようと手を伸ばす
尻尾で辛うじて支えられていた怪物の体はそれを失い、前のめりで斃れた
コンクリの地面の穢れが、和紙に墨汁を垂らしたようなスロゥリーさで周囲を侵食していく

「血……? 怪我もしてるし……」
「……ちょっとさ、せっかくだしもう少し付き合ってよ」

言い方として素直でないのは七八の性分故だ
本音の所は礼を兼ねて治療を、と言いたいらしい
最もそれを看破するのは容易ではあるが
虚実の仮面を完全に被り切れる程に、七八は大人ではない
拒まれなければ肩を貸し、そして止まり木同盟の小部屋へと向かうだろう
七八は故郷……忍者の郷で精製された薬草由来の様々な薬を持ち合わせている
それらを動員し、手当をといったところか
ただまぁ、人知を超えた存在であるネピーに何処までの効果を発揮する事が出来るかは未知数ではあるが

//すみませんがこれで〆させて下さい
//お付き合いありがとうございました、お疲れ様でしたっ
135 :ネピー・スカーレット【吸血細胞ー紅血ー】2015/02/01(日) 00:10:50.96 ID:qBh82+gN0
>>134

「ぇ、あ、ふん……だ、大丈夫よ!これくらい!!」
「────ま、まぁ……でも一応、ありがと……う……」

強がっては見たものの、自力で立とうとしてもよろけるネピーは差し伸べられた手を掴み気恥ずかしそうにやや頬を染めお礼を言ってゆっくりと立ち上がった。
先ほどの化け物は地面に倒れたまま動く気配はない。
死んだか否かは分からないが、どうやら勝ったようだ。
二人は勝ったのだから、この場から去っても逃げたことにはならない。

「?」
「怪我人って分かっているのに、もう少し付き合えって?」
「七八、アンタなに言って────」
「いや、うん……分かったわ、少しだけ付き合ってあげるわ」

最初は七八の言葉の意図が理解出来ず、中々図々しいなと思ったが、しかし此方もまた素直な性格をしていない。
数秒後、七八の言葉の真意を把握したネピーは彼女の気持ちを有り難く受け取り、ご好意に甘え肩を借りて歩き始めた。
勿論ネピーも所詮は生物の域。
ただの人間に効く薬でも十分に効果はある。
おそらく七八の薬草は傷付いたネピーを治癒することが十分可能だろう。

/ありがとうございました!
お疲れ様でーす、

136 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2015/02/01(日) 08:03:52.17 ID:1ozCPGFIo
 
137 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/02/01(日) 21:44:22.53 ID:P0j0ZvuRo
>>108

「………」

 イムカはミスリル聖水をコンバットポーチに隠すと、物陰に入り身を潜める。
 これは当然である。アンブッシュは基本有効的手段であり、
 また、イムカ自身、銃の残弾がゼロであり攻撃方法が限定されているという事情もある。

【しかし、気配の消し方はプロには及ばないのも事実】
 【→斥候兵の経験が無く、また将兵特有のオーラが顕著なため、ぶっちゃけると気配が目立ち安い】
【→イムカの隠密適正は△(やや苦手)である】

(―――)

 そして侵入者が階段よりこの近く書くに入ってきた。
 蝋燭の明かりで見えるその姿は…黒尽くめと呼ぶのが適切である。同時に装備はここでは明らかに異質。

【まず全身の黒は身体のフィットする複合プラスティック製スキンスーツの色】
 【顔はナイトヴィジョン付のガスマスクのようなモノを着用しており判然としない】
【手に持っているのはサブマシンガン。HK-227X…スプロール≠ナは多くの軍や企業の警備隊で採用されている】

 部屋に緑色の線が奔る。レーザーサイトの光。銃のバレルにはサプレッサー(消音機)装着。
 レーザー光が部屋中をくまなく走っているのはクリアリングの最中だからだろう。

(ホルスターにはサブウェポンのピストル。銃器は十中八九スマートリンク(機械直結制御)システム内臓。
 ただでさえややこしいのにまた変なのが出てきた)

 なお、侵入者のバストは普通であった。つまり生物学的上、女に分類される。

【はっきり言えば、高度な隠密スキルが無い場合は発見は時間の問題と考えてよい】
138 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ[sage]:2015/02/01(日) 21:54:21.77 ID:/6oCPTQS0
>>137
「……あっ……!」

イムカが速やかに隠密行動に以降すれば同じくしてだがやや遅れてそれに続く
なんなら先にあえて見付かり注意を惹く事でイムカの奇襲性を上げる事もなくはないが、
そうするにしても一先ず様子を見ることに損はないだろう
その適性に関してはニアの方は至って普通(△+)か
優れているわけではないが、一般女性とほぼ変わらぬ体躯と気配
物陰に身を潜めて顔だけ乗り出し、しかし極めて先進的なその装備を見れば慌てて引っ込める
イムカにアイコンタクトで尋ねるだろう
『ご同胞ですか?』
139 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/02/01(日) 22:02:40.22 ID:P0j0ZvuRo
>>138

(………)

 イムカは首を振る。バックアップなど呼んだ覚えは無し。
 現在、敵味方識別は不明。完全なるアンノウン(正体不明)であった。

【侵入者は床を、封印魔方陣の残滓を確認】
 【次にイムカとニアが潜入し、行動した痕跡もおそらく見られているであろう】

「………」

 一瞬だけ、じっと止まる潜入者。左手でサブウェポンのピストルを抜く…漏れる殺気。
 瞬間!キュッと180度Uターン!イムカとニアの潜む場所にそれぞれ突き刺さるレーザーサイト!

【パキュキュキュキュ!とサプレッサー特有の小気味良い音と共に弾丸が一斉に吐き出された!】
140 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ2015/02/01(日) 22:09:39.36 ID:/6oCPTQS0
>>139
なるほど、と小さく二度頷いて了承の意を伝える
ならば同業者か、或いは
ニアからしてみればそれが不明瞭な時点では取り敢えず、敵として扱う事に決めている
ごくりと息を飲むのと、それと高鳴る心音が看破されていないかと不安を覚えた

「……?」
「……っ!?」

咄嗟、遮蔽物を背に頭を抱えて縮こまる
マズルフラッシュが連続してチラついて照らし出される周囲、影が伸びる
そのまま掃射の嵐が立ち去るのを、ただじっと待っていた
141 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/02/01(日) 22:18:23.95 ID:P0j0ZvuRo
>>140

「バレたな!?」

 イムカは横っ飛びで回避。クナイをホルスターより抜くが姿が無い。
 光量が少なくて見えないわけではない。イムカの眼は暗視に長ける。が、

「ニアッ!!」

 イムカの声。同時、身を低くしたニアの頭上。
 射撃と同時に壁に向かい走り、三角飛びの要領で一気に急角跳躍を行った侵入者の姿。
 そのガスマスクの不気味な丸い二つレンズがニアをはっきりと見据える。

【パキュキュキュキュ!と情報よりピストルとサブマシンガンの一斉射!】
 【→分析:敵は機動に長け、かつ訓練された動きをしている】
142 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ2015/02/01(日) 22:27:02.26 ID:/6oCPTQS0
>>141
「へっ……?」

呼び掛けにはっとして敵の姿を探すがしかし存在しない
当然だ、今まさに頭上を飛翔しているのだから
怖気、その場から転がるようにして離脱
本能的なモノだ、敵に発見されてそれをロストしたのに止まっているなど愚の骨頂

「……っ……!?!?」
「……ァァああっっ!!」

血飛沫を纏いながら態勢を戻せばタイドメイカーを展開
力の一杯を発揮したつもりだが、その瞬間で精製出来たのは4本のみだ
それを使って凡その敵のいるであろう空間に向けてノールックで打突を繰り出す
抉られたのは側頭部と肩、そして穿たれたのは脇腹
脇腹の傷からは黒っぽい血が溢れている
脂汗が瞬時にじっとりと全身を濡らす
143 :【神崎琢磨】【ノンデクション】[sage]:2015/02/01(日) 22:34:17.01 ID:KGw/oK8m0
「........」

なにも言わず大体の状況を掴むと、愛用の短機関銃を肩から下げ、拳銃を右腰のホルスターへ。そして、ライフルを構え、慎重に侵入。
「.....どこだ....」
軍服は薄汚れ、陸軍大佐の階級章の金線も星もすりきれた男は探知されぬよう、気配を消し、ゆっくりと歩く。


そして、
「....あそこか」
ほんの小さな声でつぶやく
「コード、37612156。」
[All,right.Mode killing]
網膜上に文字が広がるのを見ると、ほんの少し歩幅を大きくして行動を開始。
144 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/02/01(日) 22:48:10.80 ID:P0j0ZvuRo
>>142

「!?」

 中空にいる相手の動揺が僅かに漏れる。
 ニアの触手の反撃に驚いている様子であった。

(起動)

【しかし、突如ギュルリと黒尽くめの腰より出現した何かがタイドメイカーと衝突!】
 【→侵入者は吹き飛ばされるが、ニアの触手に肉を抉る決定打の感触は無し!】

「イヤーッ!」

 イムカのクナイ投擲。吹き飛んだ侵入者への追撃。
 が、これも何か≠ノは突き刺さるが侵入者に対し致命の一撃とはならず!

【ニアからも蝋燭の光で見えるだろう。侵入者の腰から生えている傷ついた触手が!】

「………」
「………」

 睨みあう侵入者とイムカ。そして侵入者はニアの方を順に視認して、

「敵ではなさそうです。α-12(アルファ・トゥエルブ)は戦闘行為の中断を希望します」
「…?」

 突然そういいながら、腰より生やした触手。兵装名:ディープメイカーを引っ込める。
 クナイを構えたままのイムカも違和感を感じているだろう。侵入者の声音はニアそっくりだったのだ。

>>143

「神埼=サン。クリアリング終了。どうやら敵ではなかったようです」

 スキンスーツの少女はガスマスクを後方警戒中の神埼に告げる。
 敵であればこの後は階段への退避から閉所での機関銃乱射で完了というメゾットであった。

「キリング中断です。これは利用…ではなくキョウリョクカンケイ重点です」

【状況を整理するので、神埼はこの少女の機関の雇われバックアップってことにしてくだしい】
145 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ[sage]:2015/02/01(日) 22:53:53.36 ID:/6oCPTQS0
>>143
未知の乱入者の、その介入に未だ気が付いてはいない
地下室へとやってくれば神崎の視界にニアは
怪物めいた触腕を振るう血みどろの、浅黒い肌の少女として認知されるだろう

>>144
「……っ、いったいってのにってんですよぉっ……」
「アラズァヘッド……カノッサってんですかぁっ……?」

掃射に刻まれた弾痕から失血を続けながら顔を顰める
ずるり、と脊髄の辺りにタイドメイカーを
戻し、壁に持たれかるようにして崩れた

>>143-144
「……えーとぉっ、味方って事でいいってんですよねぇっ……?」

荒い呼吸に脂汗
へたり込んだまましかし光を失わぬ真紅の眼差しを2人へと向ける
手には月光が握られたままだ
146 :【神崎琢磨】【ノンデクション】[sage]:2015/02/01(日) 22:57:35.12 ID:KGw/oK8m0
>>144
「....合流ポイントに到着。対象、ニア。」
ぶつぶつとしゃべると、ライフルをニアを向け、いつでも撃てるよう、引き金に指をかける。

「....あの機関のためとはいえ、許してくれよ。逆らえば俺達は即廃棄だからな。」
誰にも聞こえぬよう、自分に言い聞かせるようにつぶやく。
147 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/02/01(日) 23:07:59.02 ID:P0j0ZvuRo
>>146

「………」

 α-12は一瞬だけニアの月光を見たが、直ぐに目線を外す。
 アレも回収できればと思ったようだが優先順位はそれほど高くない。

(………)

 イムカも同様にクナイを構えたままである。警戒状態は解かれていない。

「目的は?」
「オブジェクトの回収。そのために領主の殺害が重点。アイテムを探りに来ました」

 α-12とイムカが牽制しあいながら会話。
 神埼をバックアップとしたカノッサの目的も実際それである。
 セイバークリスタルと呼ばれる高エネルギー物質。ここの領主のコレクションとなっているらしい。
 が、リサーチしたところ領主の力量が並外れており、打開策を探っているところであった。

「利害は」
「一致します」

【そして、数拍、間が空いて――】
【イムカとα-12は同時に銃とクナイを降ろす。α-12は神埼にも目配せ】

「神埼=サン。殺し合い回避です。良かったですね」


>>145

「ドーモ、始めまして。かのっさ・てくのろじー特務機関員α-12です。
 火星より来訪したと思しきタコ星人がいるのでつい撃ってしまいました」

 先制攻撃で銃撃した挙句に今度は毒を吐きやがりました。
 存外にいい性格をしているのかもしれない。

【ポイっと止血剤と包帯を放り投げるα-12。なんたる扱い】

「ハイ。かのっさです。お仕事に来ました」

 言いながら、ニアの方をじーっと見て、

「アナタは何を?ドロボウ?」

 首をかしげて聞くα-12。何故かイムカは顔をそらす。実際ドロボーはイムカの目的である。

【人聞きが悪いったらありゃしない】
148 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ[sage]:2015/02/01(日) 23:15:16.67 ID:jzNep5+zO
>>146
「ち、ちょっとぉっ!?」
「やっぱ敵っ!?」

向けられた銃口にたじろいで月光を盾に構える
タイドメイカーの触腕の出現はない
消耗が激しくそれを咄嗟に生成するだけの体力が残されていないのだ

>>147
「……残念でしたってんですっ、火星には宇宙人はいませんよってんですよーだっ」

ネタをそうと見抜けずに本気で返す
どうやら各部の傷は致命には至っていない様子ではある

「あ痛っ」
「……むぅ、どうもってんですっ」
「ドロボー? いいえぇニアは違いますってんですよっ」

投げ渡された応急セットで簡単な治療を施す
なんとか血は止まり事なきを得る事が出来たようだ
イムカの目的に関してはまぁそうだなぁなんて思いながらもわざわざカノッサの、それも忌まわしきクローン兵器に言う必要もないだろうと判断

【平時であればアラズァヘッドに対するニアの行動は破壊だ】
【自身のクローンとして産み出され戦闘道具として消耗される事を悲劇として認知しているが故】

>>146-147
「……結局お前達っ、今は味方って思っていいんですよねぇ……?」

傷の応急処置を終えて立ち上がるニア
月光を納める事は矢張り、まだ出来はしない
149 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/02/01(日) 23:31:56.39 ID:P0j0ZvuRo
>>148

「大変です。火星タコの夢が壊れました」

 ナムサン!お月様にウサギはいないと言うのと同レベルで繰り出された
 ニアの心無き発言にα-12はいたくショックを受けたようだ(棒)

「火星にタコはいるぞ?奥深くにビーム銃持ったのがいたと歴史資料に」
「なんと?」

 そして絶妙に空気を呼んでいないイムカの発言。
 ここに天ボケが加わるもんだからますます話がおかしい方向へすっ飛ぶのだ!

「うそつきですね。アナタ」

 マスク越しにも分かるくらいおそらく今のコヤツはニヤニヤしているに違いないであろう。

//フォトンさんから返信がないのですすみますねー

>>148

「ええ、敵ではありません。かのっさの特務侵入部隊は私と神埼=サン以外は既に全滅です。
 今は実際、戦力が欲しいのが正直でした」

 そう言ってから、イムカの方を見て、

「行方不明者がこんなところで遊んでいたのは意外でしたが」

 言いながら、アラズァヘッドはイムカにピストルと幾つかのクリップを渡す。
 原始的なクナイダートを武器にしていることから銃器が無いのを見て取ったのだろう。

「発見したものは?」
「高純度ミスリル液。対呪属性顕現済み」
「ぐっど。杭であればべすとでしたが。おりじなるは月光は所持していますね?」

 α-12は月光を確認する。ミスリルは揃っている。退魔手段はある程度できた。

「私達のうぇぽんはコレです。ドーゾ」

 イムカとニアに差し出されたのは法儀済銀杭3本である。
 対吸血鬼用にカノッサで用意された武器だ。

「相手が素早すぎて心臓に打ち込める気がしませんでしたが。
 ミスリルが揃ったなら勝算もあるかもです」
150 :【神崎琢磨】【ノンデクション】[sage]:2015/02/01(日) 23:34:06.35 ID:KGw/oK8m0
>>147
「....殺し合いしてもあいつには勝てそうにはねえよ。俺も旧型なんだから」

仮にニアと戦ったとて、少なくとも汎用性だけがウリの第二世代型である神崎に勝機はない。
CECRももはや全盛期のように核を装備している訳でもない。はっきりいって普通の治安維持部隊である。

「アンタ、ところで何者だ?俺はなんにも聞いちゃいないんでね。バックアップする奴が身分不詳じゃ信用できん。」

ボロボロになっても図々しいのは相変わらずである。

>>148
「ふん。」
ライフルに安全装置をかけて構えを解除。
ニアをちらりと見ると、顔をしかめた。
それは触手がかれの趣味ではないからか、はたまた他の理由があるのか、それは不明である。
151 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/02/01(日) 23:41:56.71 ID:P0j0ZvuRo
>>150

「おりじなるはタイドメイカーはかなりのすぺっくですが、
 本体そのものはそれほどでもありません。勝算ありますよ?」

 時々、珍妙なイントネーションをするα-12。
 ふと、神埼の言葉に首をかしげて、

「クローン兵です。訓練されています。おりじなるは目の前のアレです。
 疑問解決で身分不詳ではなくなりました」

【実に完璧なる説明である】

続きは>>149の下の段。

→イムカとニアは有効武器である聖水を手に入れている。
→コチラの切り札である銀杭を共有することにする

「神埼=サン。水銀弾及び、その他、対オカルト武装はちゃんと準備していますか?」

 もちろん、銃弾も法儀式済みのが用意されていなければならない。
 僅かでも勝算をあげるために、こういう対オカルトでは必須である。
152 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ[sage]:2015/02/01(日) 23:45:14.47 ID:jzNep5+zO
>>149
「……そりゃまたっ、いつか地球に攻めてくるかもしれませんってんですねぇっ」
「別にまぁともかく、その真偽を確かめる為にもぉっ……」

戦力として、手を組む事をせねばなるまい
イムカとアラズァヘッドの遣り取りを儚げに一瞬、しかし即座にいつもの調子を取り戻す

「はいはいっ、もちろん持ってますってんですよぉっ」
「お前もニアの記憶持ってるなら、そうそう手放す事はないって知ってますってんでしょっ」

【アラズァヘッドはシュリジア動乱前後までのニアの記憶を残している】
【場合に応じては消去されている可能性も充分にあるが】

「釘ってんですかっ」
「あとはっ、月光とさっきの液体金属……」

なんとかなりますかねっ、とようやく口元を釣り上げた

>>150
「あのぉっ、心臓に悪い真似はなるべくぅ……」
「あ、いえいえっ、別に撃たなけりゃいいってんですけどもねっ……?」

割と萎縮気味である
まぁ状況が状況なのだから仕方ない

>>149-150
「ええとぉっ、じゃあ、吸血鬼討伐に向かうってんですっ……?」

女給服の裾で血を拭い、そして襟元を鬱陶しそうに大きく開いた
武器も、それと人数も
恐らく今可能な最大のモノだろう、ならば善は急げである
153 :【神崎琢磨】【ノンデクション】[sage]:2015/02/01(日) 23:59:56.52 ID:KGw/oK8m0
>>151
「いやいや、俺も昔は最新技術が惜しみなく使われて飛行も可能だったんだぜ?でも死んで生き返るときに予算縮小とやらで大幅にコストダウンさせられたんだ。部隊も規模が小さくなって核弾頭とミサイルは取り上げられちまった。そして今や500人ちょいの小世帯だよ」

愚痴り始める神崎。こんなのが陸軍大佐とは世も末である。

「....ほう、アレが君の....。君みたいな部下だと少々困るね。」

苦笑いする。ただ、その目は決して笑っていなかった。

>>152
「大丈夫だよ。俺と君が戦っても俺が負けるからさ。」
拳銃を取り出して作動確認とクリーニングをしながら答える。
「あーあ、早く最新式にアップデートされねえかな」
ひとりごちると拳銃をホルスターに戻した
154 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/02/02(月) 00:11:58.93 ID:gP/7Yyuqo
>>152

「記憶?αのシリーズではでりーと済みです」

 ニアの発言にあっさりと答えるα-12.。
 場合によっては消去されている。が、どうやらそのまま当てはまってしまっている模様。

「CEOのお考えです。おりじなるの記憶はおりじなるだけのモノにしておくべき。
 記憶の模倣は、自己矛盾につながるばかりで互いに何も利益を齎さない。とのことです」

 アラズァヘッドを開発したカノッサが何処だったかはともかく、
 どうやらこのクローン技術は拡散が行われ、支部毎の特徴と方針すら生まれつつあるようであった。

【オリジナルのニアとしてはこのニュアンスはぞっとしないか、あるいは嫌悪を喚起するものであろうが】
【もちろん、ゼロにすることのデメリットもあるのだろうが、ゼロとすることにメリットをαシリーズは優先した模様】

「…そして一つ悲しむべき合点もいきました」

 ニアが胸襟を大きく開いたところで唐突にそう言うと、
 イムカの胸を見て、そしてニアの胸を見て、そして最後に己の胸に視線をやった。

「希少価値もなければ、ビッグな財があるわけでもない。平々凡々フツー。悲しむべき需要の――」

 ゴッ!とイムカの拳がα-12の頭部に炸裂!ナムサン!
 実際にこのクローン兵に合わせていては話が何時まで立っても進まないのだ!

「ニア、装備と、…人員も揃った。ここらが向こうが焦れない限界だろう。行くぞ」

 なるべく常通りでいようとするイムカであったが、ほんの僅かにニアに対する不器用な配慮もあった。
 目先の目標に注力させようとする、本当に些細で不器用な代物であったが。

>>153

「一個体対する過剰な装備と火力は厳に慎まれるべき。どころか寧ろ有害です。
 コストダウンではなく最適化と考えるべきでしょう」

 非常に可愛げの無い分析を神埼に告げるα-12。
 この相棒は終始こんな感じである。変なユーモアはあるようだが。

「困られても知った事ではありません。優先されるのは常に任務です。神埼=サン」

 水銀弾専用のマガジンをサブマシンガンに装填しながら告げるα-12.。
 元陸軍大佐に対する畏敬はどうやら微塵も欠片も持ち合わせていない模様。

「…漫才師か貴様ら」

 そんな会話を横目で聞きながら嘆息つくイムカでありました。

>>152-153

「よし、互いに紹介も武装の準備も終わったな。
 勝算はかき集めた。領主サマを倒さん限りどうやら生きて出られなさそうという状況も把握済み」

 イムカが告げる。何故、彼女が仕切っているかというと上級政治将校だからである。(確信)
 イムカは金糸の髪を外套のように翻すと、

「ならば倒そう。敵対理由としては十分だ。ただ気ままに暮らしているだけ?知った事か。
 気ままに殺されてやらねばならぬ道理などない」

 ピストルを片手に深呼吸を一回。

「よし、ミッションを継続するぞ」

 そうして、階段を駆け上がり、一向は領主を目指すこととなった。

//では時間的にここまで!乙カリーでありましたノシ
155 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ[sage saga]:2015/02/02(月) 00:25:21.61 ID:lKj5w0UpO
>>153
「じょーきょー見てモノを言うべきってんですよぉっ……?」

苦笑
果たして平時であらばそうなのかもしれない
だが今は少なくともニアは極めて消耗激しくまた致命傷ではないとはいえ傷も多い
更に言うならば万全の装備の近代兵士を相手取ってまで敵うほど異能性というのは万能ではない
【少なくともニアの知る以上であれば異能とは無敵の力ではない】
【相性戦場状態状況、全てに左右される事柄】
【装備と同じくして、手札の内の1枚なのである飽くまでも】

>>154
「あっ、そうだってんですっ?」
「……道理でその喋り方ぁっ……」

なぁんかヘンテコだってんですねぇとはどの口が言うのだろうか
結局は自身のクローンであり、葬ってやるべき存在であるという認識には変わりはない
だがしかし目の前の彼女はニア自身とは明確に異なる人格を有しており
それを、従来の破壊的思考に当てはめてしまうのはどうにも憚られているのもまた事実
己の成り立ちだって、タェンティースとニアの関係とどれ程の違いがあるのだろう
独自の道を歩み始めたアラズァヘッドに対して、ニアが出来る事はきっと最早存在しない
ただ認め、そして肯定するのみ

【嫌悪感は独自の思考構造により、新たな人格を有した目の前のアラズァヘッドへの存在的肯定感へと切り替わる】

「何が言いたいってんですかぁっ?」
「なんならミサイルでもそこに積めばでっかく……って、あははっ……」

ごめんなさいと苦笑
イムカの鉄拳は実際痛そうである
急かす様子に何かを察し、背中に向けて小声でありがとうと呟いた

>>153-154
「はぁいっ、ニアもそろそろ限界ってんですしねぇっ……」

体力面でも精神面でも疲労は確実にその身を蝕んでいた
恐らく回復無しでタイドメイカーを用いての戦闘は次が最後になるだろう

「……じゃ、ま、生き延びましょってんですねぇっ」
「火星のタコを見るんだってんです」

月光を、漆黒に加工されたミスリルを
最愛の相手から託された形見を携えて
そしてイムカの後を追った

//ありがとうございました、お疲れ様でしたっ
156 :【神崎琢磨】【ノンデクション】[sage]:2015/02/02(月) 00:50:17.28 ID:L65C9a/e0
>>154
「そうかね?昔、あるテロ組織が面倒で核とか燃料気化爆弾とか大量に打ち込んだのは面白かったのになあ....残念」

惜しそうな顔をするとため息をつくイムカの方へ歩き、耳元で
「言っとくが、アンタが今は指揮官かもしれん。だが、あんまり下手なことはするなよ、政治将校さん」

これまでのこいつと同一人物かと思うほど冷たい声だった。

>>155
「いやいや、俺ももうポンコツだよ。あっちこっちがガタがきてやがる。君と一緒さ。」
緊張をほぐすようにニッコリ笑いかける。不気味な程な笑顔で

>>154->>154
ライフルを持ちコネクタとの接続を確かめる。
「準備完了。バッテリー残量98%。稼働限界まで残り360時間。残弾1280発。」
状態を確認するとライフルの安全装置を解除。いつでも撃てる状態に。
「....行動開始」
小さくつぶやくとイムカとニアの後を追った。

//お二方ともありがとうございましたー!ノシ
157 :アキレスベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6[sage]:2015/02/02(月) 21:31:28.26 ID:+cO19Qx80
【とある和風な世界】
「ヤバイヤバイヤバイ…!!」
アキレスは逃げていた どことなく和風な空気漂う世界にたどり着いて早々化け物に目をつけられてしまった
それは赤やら青やら緑やら 目が痛くなりそうな原色の肌に虎柄のパンツを履き 手には巨大な金棒を持った 角の生えた化け物

有体に言えば 鬼であった

「やばいやばいって…」
アキレスにできることは 逃げることだけであった
158 :タェンティース・リペア【対異能戦闘用人型兵器】【ドレス・イムエト】[sage]:2015/02/02(月) 21:39:16.42 ID:fnaOfptm0
>>157
なんとも不自然な、凡そ進化の過程で辿り着く事がないであろう葉脈
だがしかし目の前にそれが存在しているのならば仕方がない、それ以上の説得力を持つ理論など有り得ないのだから

「アキレス様っ!!」
「この……フクワウチ・ビーンズ!!」

謎シャウトと共に何処からともなくエントリー
右腕を振り抜いて豆粒大のイムエトを飛散させる
古来より伝承にあるという破鬼の魔術である、実際そう教わった
鬼目掛けて迫るイムエトの豆粒達
命中すればべちゃりと張り付き視界や動きを適度な具合に阻害するだろう
159 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6[sage]:2015/02/02(月) 21:51:45.68 ID:+cO19Qx80
>>158
ベチャベチャベチャっとやかましく飛沫が張り付き 鬼達がたたらを踏む
「ティースタン!? ありがとう助かった!!」

そういってアキレスがタェンティースに近づく
だが鬼達は飛沫を力付くで引っぺがすと 金棒を振り回しながら突撃してくる

「っとやべぇやべぇ!! ティースタン あっちに神社が見えるだろ? なんでもあそこに鬼を退治するための伝説の武器がおさめられているらしい
 なんか一年に一度現れる鬼をそれで退治するのがここら辺の慣わしらしいんだが 今年は鬼の出現が早くて間に合わなかったんだってよ だから偶然通りがかった俺が持ってくることになったんだけど 案の定見つかって今に至る」

さて 何やら説明くさい近況報告が終わりました

「というわけでティースタンも手伝ってプリーズ」
まぁ鬼達はタェンティースにもロックオンしているようなので 一緒に神社まで逃げましょう(提案)
160 :タェンティース・リペア【対異能戦闘用人型兵器】【ドレス・イムエト】[sage]:2015/02/02(月) 21:57:24.20 ID:fnaOfptm0
>>159
「……なるほどっ!」
「分かりました、そこにたまたま先日破鬼の魔術を見知らぬ神主に教わったばかりのわたしが通り掛かったという訳ですね」

重畳です、と随分とまぁお互いにアレな口調である
全ては引力なのだ、因果を超越した不可思議な

「了解致しました」
「……ですが問題がひとつ」
「今のわたしは外装の一通りの修復が完了しているとはいえ内部エラーが非常に多量です」
「ついでに武器もございません」

そんな訳で奇襲的な魔術が対用しなかった今、逃走以外の手段が取れないのだ
アキレスと並走するように脱兎、鬼を引き連れただ駆ける
161 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6[sage]:2015/02/02(月) 22:18:39.23 ID:+cO19Qx80
>>160
2人は土煙あげながら地面へとたたきつけられる金棒をよけつつ 手を取り合い神社を目指す

そして鳥居をくぐったとき それは起こった
後続の鬼達がまるで見えない壁にぶつかり 足を止めたのだ

神主「結界ですじゃ 長くは持たぬゆえ お早く!!」
そして神主姿の老人が2人を建物の中にいざなった

アキレス「…あぁ助かった それで鬼を倒す武器なんだが…」
神主「分かっておりまする どうぞこちらへ」

本殿へと通されると そこには幾重にも封印を施された箱が置いてあった

神主「鬼は炒り豆を嫌うもの だが人の力ではたとえ炒り豆をなげつけたとて 鬼に痛手を与えることかなわず
   そこで 都におわす陰陽師の力を借り 豆を飛ばす武器を設えました それがこれ」

神主が聞き慣れれぬ言葉をつぶやくと 封印が解けるように消え 蓋がゆっくりと開かれる そこにあったのは
ttp://pds.exblog.jp/pds/1/200801/12/95/f0131995_17434948.jpg

アキレス「………え?」
神主「さよう これぞ鬼を屠る武器 その名も屯不遜ですじゃ!!」

目を見開き 武器の名を叫ぶ神主と 目が点になるアキレス

後ろの方で結界が破られる音が響いた
162 :タェンティース・リペア【対異能戦闘用人型兵器】【ドレス・イムエト】[sage]:2015/02/02(月) 22:25:12.13 ID:fnaOfptm0
>>161
「ひゃぁっ!? あぶなっ!?」

棍棒が地響きを鳴らす度に跳ね上がる半人
武器が、抵抗手段がないというのはこれ程までに恐ろしいモノだとは
一刻も早い奪還をと再確認

「……結界……感謝致します」

神主に恭しくしかし嫌味っぽさのない所作で一礼
アキレスに続き本殿へと通される
そこで見た討鬼の武器とは

「いや、自動小銃ですよねこれ」

漢字を使った所で誤魔化しきれない圧倒的世界観錯誤の塊である
思わずツッコミ、だが鬼の侵入を肌で感じれば

「あ、アキレス様っ!」
「来ます来ます! ともかくやってみましょう!!」

大役をアキレスに促す
自身はいざとなれば前に出て盾になれる為、その判断に至ったらしい
163 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6[sage]:2015/02/02(月) 22:45:01.29 ID:+cO19Qx80
>>162
アキレス「と…とりあえずこれティースタンの分!!」
屯不遜は二丁入っているらしい そのうちの一丁をタェンティースに放り投げる

受け取れば 弾倉から炒り豆の立てるじゃらじゃらという音が聞こえてくるだろう

アキレス「あれ? そういえば炸薬は!?」
神主「陰陽術ゆえ そんなものはつかっておりませぬ さぁ鬼を退治してくだされ!!」

アキレス「よくわかんないけど…!!」
意を決して鬼へ銃口を向け トリガーを引く

バララララララララララ!!!!

なぜかマズルフラッシュはほとばしり 炒り豆で全身を穴だらけにされた鬼は 血まみれになって倒れ伏した

神主「あぁ なんという威力 さすが都の陰陽師ですじゃ」
アキレス「いや それはおかしい」

だが悠長なことを言っていられない
鬼達はひるむどころか 仲間を殺された怒りをもって突撃してくるのだ!!
164 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6[sage]:2015/02/02(月) 22:47:50.12 ID:+cO19Qx80
//最初の文張り忘れ

>>162
神主「じどうしょうじゅう…とはなんのことですじゃ? これは陰陽道の力によって円形の豆入れから炒り豆を高速発射する れっきとした陰陽術ですじゃ」
165 :タェンティース・リペア【対異能戦闘用人型兵器】【ドレス・イムエト】[sage]:2015/02/02(月) 22:54:06.28 ID:fnaOfptm0
>>163-164
「あ、わたしもやるんですね」

なんだかんだ手渡されれば複雑な表情
嫌じゃないんだけどなんというかまぁ、アレだアレ

「……オンミョウ式自動小銃……」

ツッコミ所が多過ぎるためにそれを諦めるのは久々だ
ともかく銃口を向けてトリガーを絞る

「……案外スプラッタな光景っ!?」

もっと割と平和的な、鬼が ; ><な顔になって頭を守りながら逃げ去るような絵面を想像していたらしい
現実は非情である

「あぁ、もう……!!」
「オニ・ハソトぉっ!!」

古の秘術を唱えつつひたすらに乱射、乱射
尚無機的な部分は銃に対する適性もそれなりに高い為命中率もそれなり以上であったりする
166 :ウルリック【牙狼】>>204[saga]:2015/02/02(月) 23:05:16.04 ID:gP/7Yyuqo
【スプロール】

 もしかしたらこの世界ほどカオスに満ちている世界も珍しいかもしれない。
 テクノロジーが発達。しかし、一世紀ほど前に発生した覚醒≠ノよりオカルト、幻想種も認知されている。

 国家は形骸化しメガコーポ群による企業支配(パックス・エコノミカ)の確立した統制世界でありながら、
 大企業の社員や資本家(カチグミ)が住まう管理区域を一歩出れば、
 そこは正に人種(この場合、肌の色や言語ではなく種族といってよい)のるつぼと化した、
 刺激的かつディープな世界が広がっている。

【しかし、である。これほどに発達、多様化した社会でありながら、全く変わらないコトワリもある】
 【→それは弱者は強者の餌となるということだ。それも治安機構が形骸化し
 倫理のタテマエもほぼ無くなってしまった世界にあっては、あらかさまなカタチで現出する】

 吸血鬼――
 認知度で言えば極めてポピュラーな種族といえるだろう。各種メディアで取り上げられる人気者だ。
 これらの種族も覚醒∴ネ後に出現するようになった。

【しかし全てが太古の力を有しているわけでもなく、また、この世界はテクノロジ−が発達している】
 【→ボウガンではなく銃器。古びた剣ではなく最新の単分子ソード。科学万歳!】

 吸血鬼の身体は色々な意味で高く売れる。強靭な細胞。様々な特殊能力。
 その血液、牙、総じて優れた容姿。近未来におけるヴァンパイアキラーの復活だ。

【プロのランナーから一攫千金を夢見るヨタモノまで狙う連中には事欠かず】
 【→また、人間の血液摂取という生体上、イメージも宜しくないのという事情もあった】

 −−−−−−−−−−−−−

「さぁて?吸血鬼ちゃんでておいでー」

 極彩色のモヒカンヘアーをバッチリキメている、とあるランナー。
 衣服もばっちりハードコート済みで防弾性能重点。また、手には動物をあっさりミンチにできる
 存在感のあるライトマシンガン。もちろん、スマートリンク(機械制御)も完備である。

【→吸血鬼狩りを生業としているランナーは今宵も盛況】
 【多少の怪力やらトリックなど科学の力でぶっとばす!実際、そう驕っていた】
【→なお、単独であるはずがなく、チームで動いている】
167 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6[sage]:2015/02/02(月) 23:06:17.23 ID:+cO19Qx80
>>165
神主「さすがは屯不遜!! 秒速280mで飛ぶ炒り豆を毎分700発浴びせるその威力 鬼もひとたまりもないであろう!!」
アキレス「爺さん あんたガンマニアか?」

アキレスのツッコミはさておき 2人の銃撃により鬼達の阿鼻叫喚がこだまする神社 瞬く間にあたりは血の海となる

鬼が ; ><な顔になって頭を守りながら逃げ去るような絵面? そんなのあるわけないじゃないですか ファンタジーやメルヘンじゃあるまいし

何はともあれ 殲滅完了 鬼達はまるで解けるように消え去ってしまいました

神主「危機一髪…といったところですな 助かりましたぞ」
神主は一安心 とでも言いたげに胸をなでおろした

―――ギィ♪

そしてベティは転がっている炒り豆をおいしそうに食べている
168 :タェンティース・リペア【対異能戦闘用人型兵器】【ドレス・イムエト】[sage]:2015/02/02(月) 23:15:56.76 ID:fnaOfptm0
>>167
「……」

かららららっ……
マガジン内の豆を打ち尽くし、給弾機構の空回りの音だけが虚しく響く
銃口を地に向け、死体累々凄惨な神社を睥睨
そこには御伽噺的な、牧歌的風景はなくただただ現実達だけが横たわっていた

「えぇと……」
「まぁ、助かったのはこちらも同じですし……」
「あ、これ……ひゃぁっ!?」
「……あだっ!?」

と、受け取った武器を返却しようと神主に歩み寄る途中
落ちた豆を踏み見事な転倒、手からすっぽ抜けた小銃(譲らない呼称)が顔面に落ちて強打
文字通り踏んだり蹴ったりである
169 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6[sage]:2015/02/02(月) 23:21:47.21 ID:+cO19Qx80
>>168
神主「あぁ大丈夫ですk」
スッテーン

アキレス「おいおいティースタン痛そうだn」
スッテーン

あたりに散らばった炒り豆に足を取られてすっころぶ一同
そんな中

――――ギィ♪
そんな中 20個目の炒り豆をおいしく食べるベティでしたとさ ちゃんちゃん

//〆
170 :タェンティース・リペア【対異能戦闘用人型兵器】【ドレス・イムエト】[sage]:2015/02/02(月) 23:24:57.00 ID:fnaOfptm0
>>169
「……なんとか……」
「って、お2人共、ご無事で……きゃぁっ!?」

真っ赤な鼻を摩りながら起き上がろうとするも、散らばった豆達がそれを許さない
しばらくの間苦難は続くだろう、きっと神々の前で食べ物を不遜に扱ったバチだ多分

//お疲れ様でしたっ、ありがとうでしたー
171 :ネピー・スカーレット【吸血細胞ー紅血ー】2015/02/02(月) 23:29:26.74 ID:8mDnDh3a0
>>166

「この世界は色んな奴がいるわねぇ〜……彼処にはゴブリンでしょ、彼方には鬼、そしてアレは……スライム!?気持ち悪っ!?」

多種多様な人種が堂々と歩く世界。
周りにはゴブリンや鬼、果てはゼリー状の身体をプルプルと揺らしながら移動するスライムなどを始めとした多様な種族が徘徊していた。

「流石カオスな世界……。ここなら私以外に吸血鬼がいても可笑しくはないわね」
「まぁ、私ほど強い吸血鬼はいないだろうけど…。ふふふふ……はは…あーはっはっはっはー!!」
「そうッ!私は最強!!だから、こんな知らな世界で迷子になっても全然平気なんだからっ!!」

強がりである。
実はネピーちゃんは風の噂で様々な人種が存在する世界があると知りやって来たのだ。
しかし、気がつくと自分が今何処にいるのか全く分からなくなってしまったのである。
自分が迷子になったことに気付くのにそう時間はかからなかった。
知らな世界で迷子になってしまっては何処に行けばいいのか分からない為、ネピーは徐々に不安になったのである。
ネピーの強がりな叫び声は廃墟と化したビルに響くだけだった。

「はぁ……ほんとここ何処よぉ…」
「────ってあんなところに人が!?もう背に腹は変えられないわ、あのモヒカン野郎に聞きましょう!」

不安な気持ちが高まる中、目の前に見えたのはモヒカン男。
もはやプライドなどすてネピーはモヒカン男にここが何処なのか聞きに行った。
勿論、初対面の相手の目的など知らなネピーは警戒心ゼロだ。

「ちょ、ちょっといい……かしら?」

172 :ウルリック【牙狼】>>204[saga]:2015/02/02(月) 23:41:07.13 ID:gP/7Yyuqo
>>171

「ああ?狩りは終わったぜぇ」

 かくいうモヒカンは何から耳元の通信機でチームとお話中のようであった。
 そして、そのモヒカンの身体で隠れてはいるが、徐々に酷く香っていく血の臭い。

【おそらくはネピーが声をかける数秒前に仕事(ビズ)がひとつ終わったのだ】

 そして、今宵もジーサズは無慈悲であった。ちょうど、重金属を孕んだ雲の切れ目に差し掛かり、
 月明かりがそのモヒカンの身体に隠れたソレを照らし出してしまう。

【ナムサン!そこにあったのは若い女と子供の死体!全身穴塗れにされた挙句、心臓に妙な機器を取り付けられている】
 【→それは塵に帰らぬように発明された制御杭である!そう、この被害者親子は吸血鬼なのだ!】
 【→脳死に追い込んだ後に、腑分けし、マジックアイテムとして、あるいは研究材料として売られる。無慈悲!】

「…あ〜?」

 サイバーサングラスの照り返しがネピーを射抜く。
 それはセンサー内臓であり、眼前の存在が何者であるかを示す機能があるのだ!

「あー…一匹追加。バックアップ寄越してくれ。荷物が増える」

 なんという淡々とした言葉。実際に仕事であり、ネピーを同じ知性ある生物とすら認めていない言動。
 そう、かつて白色人種がカラードに対して示していた在り様そのものであった。

【ジャギ!と剄機関銃をネピーに向ける。圧倒的弾幕が形成されるであろうソレの威力は推して知るべし】
173 :ネピー・スカーレット【吸血細胞ー紅血ー】2015/02/03(火) 00:10:22.53 ID:tns/S23P0
>>172

「!?」

(なにコイツ!?血の匂いがプンプンする!…あ、ヤバイ…ヨダレでちゃうかも…)

近傍にいるモヒカン男に声をかけようとした刹那、ネピーの鼻は血の薫香を感じた。
まだ新鮮なその生臭いフレグランスはネピーの吸血鬼としての本能を刺激する。
久しく血を体内に吸収していない、吸血鬼は血に飢えている。
男から漂う血液が彼自身の血では無いことには気付きはしないが、確かに彼から血の薫香を感じた。



「────あ」

近付いて見えたのは月明かりにより露わになった女性と子供の変死体だ。
露出された心臓には機械が装着されている。
あれがなにかはネピーには全く分からなかった。
ただ一つ分かったことは、先程知覚した香りの流出源は目の前に立つモヒカン男ではなく、其処に倒れている二人ということだ。

「なに……これ……」
「え、嘘でしょ……アンタが殺ったの?」

たじろぐネピーを無視して、男は機関銃を向ける。
男のその動作は自身を標的にしたと直ぐに分かった、いや、もっとも男が一匹追加と言った時点で既に気が付いてはいたが。

「あーー……、まぁ、あれよね」
「一匹追加っていうのは、私のことよね〜…うん」
「まぁね、別にいいんだけどさ、少しは女性に対する扱いを覚えた方がいいわよアンタ」
「特に相手が────"肉食系女子"ならね」

別にたじろいだ理由が、ビビったとか、恐怖したとかそんな小心なことではない。
単に自分の目の前にいきなり死体が二つ現れたから驚いただけだ。
ネピーはモヒカン男にビビっている訳でもない。
むしろ彼から血の香りがした瞬間から喰らうと決めてした。
だから、ネピーは機関銃を向けられても全く弱気など無く、逆に好戦的な感情を持っていた。
ゆえにネピーは赤眼となり、三本の赤い爬虫類を思わせる尾を生やす。
彼を喰らう為に
174 :ウルリック【牙狼】>>204[saga]:2015/02/03(火) 00:29:46.35 ID:UvLLHi2Po
>>173

「ハッ!?」

 モヒカンはネピーの様子を寧ろ嘲笑うような眼で見る。
 もちろん、これは虚勢の類であろうはずはない。

「あー…わかる。わかるぜ?吸血鬼サマにとっちゃあ人間は食い物ってヤツ?
 時々いるんだよなー未だにそういう時代錯誤チャンが。いや、わかるって」

 ドラッグ入りのガムをクチャクチャと噛みながら、
 危機にあっても恐怖は微塵も感じていない風なモヒカン。

「だがなぁ、時代は変わったんだよ!強烈な早さでな!」

 しかして無力なサンシタ吸血鬼では無い事を察するくらいの戦闘経験はあったのだろう。
 モヒカンは出し惜しみ無しで、初手にして切り札(エースカード)を切る。

【腕の裾をまくりあげると、右腕に装着されたアームUNIXが露になる】

 電子スクリーン投影されたキーボードが小気味よく叩かれ、プログラムが奔る。

 ――SUMMON OK GO!

 地面に放電が奔り、衝撃波が吹き荒れると同時、
 四つの手を持つ人鬼と、小さな体躯の醜い餓鬼が現出する!

「手足をもいで、なぶりモンだぁ!」

 人鬼が先鋒となり、体躯に似合わぬ素早さでネピーに接近。四つの手に持った曲刀を四連続同時に振るう。
 後方の餓鬼はマジックスペルを唱え始め、モヒカンと人鬼への魔術的強化を図る。

【そしてモヒカンは恐るべき威力を誇る軽機関銃を構える】
 【→ターンエンド!】

 −−−−−−−−−−−−

【一方、廃屋の頂上より様子を見下ろす影!】

「…今宵も殺し合いか。どうもサツバツとした世界であることよ」

 一匹の柴犬がその様子を睥睨している。
 吸血鬼と狩人、その殺し合い。通常であれば互いが互いを喰らい合う闘争ゆえ
 介在という無粋を行うつもりはない。――なかった。

「だが…」

 被害者たる吸血鬼の親子。彼女等が何をしたというのか。
 これを見過ごせば戦士たりえぬ。

【柴犬はヴァっと垂直のビルを猛烈なる勢いで駆け下り始めた】
175 :ネピー・スカーレット【吸血細胞ー紅血ー】2015/02/03(火) 00:57:33.91 ID:tns/S23P0
>>174

「あーはいはい…アンタ吸血鬼をよく理解してるみたいねー、確かに偶にいるのよね〜、『人間は自分達の食料だ』って考えてる時代遅れの阿保が」
「全く馬鹿よね〜、そんなのいつの時代の話しよって感じだわ。今の時代吸血鬼の食料は『生物』なのに、未だ『人間(笑)』って」

赤い尾をうねらせながら、自身の髪をクルクルと弄り枝毛を見つけては抜く。
其処には危機感など全くなかった。

「────!!」

モヒカンの先制、バトルフィールドとなるグラウンドに突如放電が奔り、強い衝撃波が吹き荒れた。
衝撃波により砂煙が舞い上がり、強風が吹き起こる。

「アハッ────!!」

舞い上がった砂煙りは徐々に消え、赤眼が映す先には二つの影が存在している。
その影は砂煙りが完璧に消えたことにより、正体を露わにした。
片方は腕を四本持つ鬼、もう片方は初めて見るがその容姿から察するに餓鬼というやつだろうか。

「そうよ!アンタの言う通り時代は変わったわ!強烈な速さで、たった今ねェッ!!」

ネピーは鬼が接近して来た刹那、尾を陸地に叩きつけその反動で空中へと舞う。
腰を右から左へとシフトし、内1本の尾をうねらせモヒカンへと伸ばす。
残り二本は下にいる鬼と此方へ放つであろう機関銃を防ぐ為に取っておく。
ターンエンドでーす。

「ッ!?」

闘いの最中、ネピーは何かが此方へ物凄い速さで近付いて来るのを感じた。
それが敵なのか味方なのか、あるいは完璧な第三勢力なのかは分からない。
しかし、警戒はすることにした。


176 :ウルリック【牙狼】>>204[saga]:2015/02/03(火) 01:11:53.32 ID:UvLLHi2Po
>>176

「ハッ!!」

 ドラッグと戦闘による高揚に舌なめずりすると、
 モヒカンはカーボンナイフを引き抜き、尻尾の一撃を綺麗に弾き反らす。
 衝突に力で対応するのではなく、力の向きを反らすことで防いだのだ。

「ゴートゥーアノヨ!」

 BATATATATATATATA!!
 恐るべき銀弾を猛烈な勢いで吐き出す軽機関銃!
 廃ビルの強化コンクリートなど発泡スチロールか何かのように容易に穴を穿ちながら、
 それは空中のネピーに向かって死のつぶてとなり迫る!!

≪―――≫

 餓鬼はマジックを開放し、モヒカンと餓鬼と四本腕が赤いオーラに包まれる。
 術的祝福が幾つか付与されたとみて間違いは無い。

 −−−−−−−−−−−

【一方、廃ビルを駆ける柴犬も第三者存在を察した
 モヒカンの仲間…手足にサイバネティクスを施したサイバネ野郎が現れ交戦】

 互いにビルと直角に降りながら、銃撃弾と爪牙が交差する。
 ネピーからすれば何処もかしこも戦闘だらけという、正にこの場がケオスと相成ったように見えるであろう。
 なお、サイバネ野郎はどこかモヒカンと同じ香り。

【もし、柴犬が敗れることあらば、この場に敵の加勢としてサイバネ野郎が追加されることだろう!】
177 :ネピー・スカーレット【吸血細胞ー紅血ー】2015/02/03(火) 01:43:10.77 ID:tns/S23P0
>>178

「ッ!?」

尾は完璧にモヒカンを捉えていたがナイフにより尾は弾かれそのまま地面を突き刺す。
見た目や話し方から勝手に敵対している相手は力のごり押しタイプと考えていたが、どうやら考えは外れたようだ。

(────しまった!?)

時を移さず地表を突き刺す己の尾を縮小し、此方へ戻そうとする刹那────
大音響と同時に強烈な速さで迫り来る弾丸。
機関銃から放たれるそれらは空を裂き、迷わず此方へと迫り来る。

「くうッッ────!?は、速い!」
「あ、アンタ、銃とか反則でしょ!?ズルよ、ズル!」

即座に二本の尾で行使して自分を包む。
勿論、全体が包まれる訳ではないので成るべく、自身の前身を包む様に尾を伸ばし防ぐ。
しかし、放たれた弾丸の中には尾貫通し、そのままネピーにかすり着を付けたり、尾と尾の隙間を通り抜けネピーの皮膚を貫通するものもあった。

『────弱いね、ネピー。蛇尾じゃ相性が悪いみたいだよ。別のに変えたら。それとも僕が────』

「うっさい!!これは私の戦いなのよ!アンタは寝てなさい!!」

突如、大声で誰に向かってか怒鳴るネピー。
話しの内容からしてどうやら、モヒカンに向けてでは無いようだが。

「一体この弾丸は幾つかまで補充があるのよッ………」

先程、伸ばした尾を縮小させ真下の地面へと刺し空中に静止し止むか止まないかの弾丸を防ぎながら思考する。
弾丸による擦り傷はすぐ様回復する。
穴が空いた皮膚も場所によっては塞がり流血も止まっている。
この現象がモヒカンに見えているのなら、彼女に若干の治癒能力があるのが分かるだろう。

(また一つ増えた……。アイツはこれに気が付いてないのかしら?)

先程感じた第三者とはまた別の誰かが此方へと向かって来ている。
吸血鬼としての本能がそれを察知した。
しかし、この二つの勢力が未だ何か分からないネピーにとってそれは不思議なものであった。
178 :ウルリック【牙狼】>>204[saga]:2015/02/03(火) 01:59:25.94 ID:UvLLHi2Po
>>177

「ぶっ殺上等の尻尾なんぞも大概ズルじゃねーの!?
 テメエラだけチートで最強モードの時代なんぞとっくの昔に終了だぁ!」

 人類はテクノロジーを手に入れた。
 それこそ特別な才無くとも、引き金を引くだけで破壊を撒き散らかし、
 ボタンひとつで一つの街を灰燼に帰せしめるほどに。ある意味で神話のバケモノそのものでさえある。

【短機関銃(ライトマシンガン)は大仰なボックスタイプである。
 ボックスの内部には容量に見合った大量の弾丸が詰まってることに疑いは無い】
【さらに餓鬼のマジックによる効果なのだろう。弾速がドンドン速くなっている】

「オラ!そこだ!トドメヲサセー!!」

 四つ腕が天高く跳躍。即座にネピーを越す高度まで達する。
 そのまま縦に一回転すると、彼女に向かって四つの白刃が煌き振り下ろされる!!

「ッシャァーーーー!!シネシネシネシネシネェ!!」

 さらに四つ腕へのフレンドリーファイアなど全く気にもしない風に
 下方では大口径銃弾の乱射が継続中である!!アブナイ!!

【脳にキマったドラッグのためか、それとも別か。モヒカンは外見に似合わず戦闘状況構築が巧みだ!】
 【→しかし、視野はあくまでこの戦闘のみとなっており、第三者介入までは気付いていない。
   ハイになりすぎて、おそらく仲間の通信も碌に耳に入ってはいないのだろう】

 −−−−−−−−−−−−−

【一方、廃ビルの壁を垂直に降り立っていた影二つは地面への着地を待たずに決着がつく】

 柴犬の腕に重なるようにヴィジョンを持った豪腕が振るわれ、
 サイバネ野郎のサイバネディクス腕と脚が寸断!

「ガァアアウッ!」

 そのままバランスを崩し地面に自由落下する頭部にストンプを決め破砕!

「アバーッ!」

 着地後、サイバネ野郎の血液とオイルに脚を濡らしたまま、
 柴犬は即座にこちらに向かって猛然とダッシュを行い始めた!!
179 :ネピー・スカーレット【吸血細胞ー紅血ー】2015/02/03(火) 20:54:56.99 ID:tns/S23P0
>>178

「ッ────!?」
「な────────」

烈烈たる地響きと共に怒涛の如くネピーと同じ高さまで飛躍して来た鬼。
鬼の巨大な陰翳がネピーの零細な体を覆う。
一瞬の出来事に思わず赤眼を見開き茫然自失するネピー。
振りかざされる強剛たる4つの腕と4つの白刃が視界に入り気を戻す。

(しまっ────間に合わない!?)

「ァッッッッッッ!?」

鬼のその腕はそのままネピーを守る尾を破壊し、ネピー本体に直撃。
刃により破壊された尾は中間部分から先が真っ二つ────そして、ネピー本体は肉体を深く斬り裂かれ更にはその強靭な腕の物理的威力と速さによりネピーは後方へと吹き飛び、地面に突き刺し体を支えていた尾もその反動で引き抜かれそのままネピーはビルへと突っ込んだ。
勁列な音と共にネピーが突っ込んだ場所が崩れ始め、一瞬にしてビル周辺は砂煙りに囲まれた。

「っ……ぁ…ぅ………っくしょう…」
「ハァッ……ハァッ……あのモヒカン野郎ぉ……」

小ぶりなお尻を背に向けながら不細工な四つん這いになり緩徐に立ち上がろうとする。
身体からはドクドクと大量の血が体外へと流れている。
オマケに左腕は鬼の腕によりか、ビルへと突っ込んだことが原因か分からないが折れてしまったようだ。
ネピーは左腕をぶらりとたらしながら立ち上がると背を掛けられそうな壁を見つけるとそこにゆっくりと向かい腰を下ろした。

「にしても、少しまずいわね…。はぁ……蛇尾で戦ったのが間違いだったわ……」
「ッ……如何したものかしらね」

左腕と全身の痛みに耐えながら思考を始める。
此方からは鬼とモヒカン男の姿は見えない、おそらくそれは向こうも同じだろう。
今ならこの場から逃げ出してもバレないだろうが、ネピーのプライドがそうはさせなかった。
それに先程から感じる第三者の正体も気にかかる。

(あの餓鬼?って奴が二人に何かしてるのは間違いないのよね……。蛇尾以前に最初に狙う相手を間違えたわね私…)

ネピーはその場から動こうとせず、傷をなるべく癒そうと試みる。
柴犬はビルとモヒカン男何方の方へ先に向かうだろうか。
モヒカン男の方へと向かえば、その場にはネピーはいないが地面には彼女の血液が染みついているだろう。
ビルへと先に向かえば、その場には壁に背を掛ける血だらけの赤眼をした苦々しい表情をする少女がいるだろう。
180 :ウルリック【牙狼】>>204[saga]:2015/02/03(火) 21:16:32.60 ID:UvLLHi2Po
>>179

「チッ!?」

 サイバーサングラスをトントンと叩くモヒカン。
 この都市の砂煙には例に漏れず多量の重金属粉が混じっており、
 センサー感度を著しく不明瞭なモノにしてしまう。

【砂煙を闇雲に撃つ真似をモヒカンはしなかった】
 【→このモヒカンはサイコであれ間違いなく戦い慣れしたランナーであり、
   またテクロノジーの力により悪魔を使役する悪魔召喚師(デビルサマナー)でもあった】

(くっそ、決め手にかけやがる)

 初手で切り札を選択した判断が現在の優位につながっているが、
 相手も侮りを無くしてくる頃であると直感するモヒカン。出来れば押し切りたいところであるが――

 −−−−−−−−−−−−

「吸血鬼」

 唐突にネピーにかけられる声。そこにいたのは…何の変哲もない柴犬であった。
 鼻を鳴らしながら、後ろ足で砂塵を蹴りつつ、首をネピーに向ける。

「細かい話は抜きだ。義により参戦する。接敵まで20秒」

 一方的にまくし立てる柴犬。悠長に会話するゆとりなど無いということでもあったが。
 そも、しゃべる犬であることに驚くこととか完全度外視している。

「相手はデビルサマナー。テックによる悪魔使役者。ヨタモノ染みた格好と言動もアレは半分は演技だな。
 侮らせ、初手を取る。武人としてはとんだだまし討ちだが、着眼点は悪くない」

 言いながらもよくも初手を乗り切れたものだと言外に含む。

「四つ手は何とかしてやる。餓鬼とデビルサマナーは貴様がやれ。
 もとより、貴様のイクサゆえ、決着はその手でつけるべきだ。信用できんならそれでもかまわん」

 罠?の可能性は低いであろう。そもこの状況でこんな搦め手は却って不自然である
181 :ネピー・スカーレット【吸血細胞ー紅血ー】2015/02/03(火) 22:02:21.18 ID:eq+hBysGO
>>180

「……来ないわね」
「傷は…まぁ、仕方ないかしらね、どうせダメージは消えないわけだし」
「それより、一体何を使うか…あまり長引かせると体力的にこっちが不利だし…・『赤魔』でも使うかしらね」
「理性とか半分吹き飛ぶし、なんか見た目可愛くないから好きじゃないんだけど」
「か、勘違いしないでよねっ、負けそうだから使う訳じゃないんだからっ」

立ち上がり1人ツンデレするネピー。
ぜんぜんデレてもないが、口調がツンデレみたいだ。1人でやるとかキモチワルイ。
徐々に砂煙りが晴れてきた為、再び立ち上がり移動を開始しようとする刹那────

「ん?」

何処からか己の種族を呼ぶ声を耳にした。
まずい、もうモヒカン野郎達が来たか
そう思いすぐ様傍近を眺めまわすがそれらしき影は見つからない。
代わりに小さな柴犬が此方を見ているのが見えたが気にしない。

「まさか……嘘でしょ?わ、ワンコたいちょ……」

話し続ける柴犬の姿を目にして、思わず驚く。
そんなネピーを無視して柴犬は話し続けた。

「でびるさまなー?……あぁ、うん、そうね、知ってるわよ、知ってたわよ」

虚言だ。本当は知らない。
だが柴犬に自分の無知を知られたくないのか見栄を張る。
だれがどう見ても知ったかぶり丸分かりだが。

「はぁ、初手を逃げ切れたって……全然逃げきれてないわよ。ボロボロよボロボロ」
「このビルにいるのも、吹き飛ばされてだし…」
「あぁ、ふぅん…なんだあのモヒカン野郎、演じてるだけなんだ。まぁ元々サイコ野郎なんだけど更にサイコ演じてるって落ちだろうけど」

やれやれと言わんばかりに肩を上げる。
ため息混じりに自虐に走るが、特に悔しそうな様子はない。
恐らくそれは、明確な攻撃手段を見つけたことと傷がほんの少し中の少し癒えたことにより自信が少しついたのだろう。

「…助けてくれるの?それは有難いんだけど、出来ればもう少し早く来て欲しかったわね」

図々しく文句を言うが一応感謝はしている。
ネピーが柴犬を疑う様子は無いようだ。
先程まで、感じていた第三者を感じなくなったことを疑問に思っていないが、恐らく目の前にいる柴犬がそうだろうと薄々ながらに勘付いているのだろう。

182 :ウルリック【牙狼】>>204[saga]:2015/02/03(火) 22:15:46.95 ID:UvLLHi2Po
>>181

「たいちょ?私は中隊長(キャプテン)になった覚えは無いが?」

 何か合流するまでに一人でブツブツ言っていた事といい、
 この吸血鬼、大丈夫か?という疑念が湧かなくも無いのであった。

「吸血鬼、知らぬのなら知らぬと言うべきだと思うぞ?
 知ったかぶりで可愛げがあるのは子供までなのだ」

 ほんっきで救援する相手間違えたかもと、じと〜っとした眼で見る柴犬。
 しかして何時までも茶番を演じるわけにもいかない。時間が無いのだ。

「ふん、貴様の私闘を助けるわけではない。あくまで拙者個人の義憤ゆえだ。――くるぞ!」
「ひゃっはー出ておいでーッ!」

 瞬間!ビルの外から軽機関銃による一斉射撃が慣行!
 コンクリートは容易く貫通し、障害物は全く以ってモノの役にもたたない!

【サイバーサングラスのセンサーにより、遮蔽物越しからでもかなり正確に大口径弾が撃ち込まれる!】

「―――」

 さらに爆音!外壁を力任せに破壊して四つ腕の巨人が入り込んでくる。
 柴犬は剣呑なまなざしを一瞬、吸血鬼に向けると、

「先程の通りだ!いいな!」

 言うや否や、四つ腕に向かって一直線に突貫した!
 その様子にモヒカンはいぶかしげな表情で、

「ああ〜ん?アレか吸血鬼お得意の使い魔ってヤツか?ま、いいや」

 そう言って、ジャキン、と重量感溢れる軽機関銃の銃口を向けるのだった。
183 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6[sage]:2015/02/03(火) 22:19:52.73 ID:z5oZTKYH0
【とある世界の商店街】
アキレス「ぶぇっくしょい!!」

境界渡りというのは因果なもので 戸籍を持たぬゆえにさまざまな弊害が発生する
その中でも 医療関係の弱さは顕著である 保険なんてもの あるわけもなく 下手に病気になっても病院へ入院もできない

幸い世界によっては事情を分かってくれている医者というのもいるもので 体調不良で駆け込んだアキレスを分け隔てなく診てくれた

医者「インフルじゃないようだ 運が良かったな 精の付くものを食べて 暖かくして寝てろ」
アキレス「うぃ〜っす…」

医者から薬をもらい ビジネスホテルへと帰るアキレス

アキレス「う〜…頭痛い…料理するのめんどい…」
―――ギィ…

アキレス「心配するなって 大した風じゃないかったんだし」
商店街の通りを ふらふらしながら歩くアキレス
184 :タェンティース・リペア【対異能戦闘用人型兵器】【ドレス・イムエト】[sage]:2015/02/03(火) 22:34:19.74 ID:hl57Lqq20
>>183
「……ヘクシッ!」
「……うぅ、さ、寒い……」

と、正面から具合悪そうな半人がやって来る
鼻水を啜り震えている所からどうやら風邪のようだ
それもそのはず、この気候に於いて半人の出で立ちはTシャツジーンズと随分と薄着
武器含む手持ちの一切を無くして以来越境する先々でこんな有様な訳だ

「あれ……あぁ、アキレス様」
「……大丈夫ですか? お具合がどこか悪そうですが……」

熱のせいで紅潮した顔でアキレスに向けば軽く会釈
185 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6[sage]:2015/02/03(火) 22:44:42.59 ID:z5oZTKYH0
>>184
「ん…?あ〜・・・・あぁ ティースタン・・・・やっほい」
話しかけられて 頭の回らぬまま視線を巡らせれば すぐ近くにいたのは同じ境界渡り しかも


「それ人のこといえる…?」
赤い顔をしたタェンティースに反論するが その言葉に力はない

「風邪引いたんだよ まったくインフルエンザじゃなくてほんとうによk・・・・ ぶえっくしょい!!」
―――ギィ!! ギィ!!

言葉の途中でくしゃみをして ベティは慌てて飛沫から逃げる

「同じ境遇の者同士がそろいもそろって風邪っぴきって…参ったなオイ」
苦労も手間も二倍二倍でどうしたものか

「とりあえずビジホいかね…? 正直立ってるのが辛い…」
186 :タェンティース・リペア【対異能戦闘用人型兵器】【ドレス・イムエト】[sage]:2015/02/03(火) 22:49:46.24 ID:hl57Lqq20
>>185
「あはは……奇遇ですね……」

半歩身を引いて飛沫を避ける所はちゃっかりしている
最も半人の場合風邪なのかどうかも怪しいモノだが
内部エラーが多発しているためこの不調の原因も判別出来ずにいるのだ

「えぇと……わたし、手持ちがなくって……ヘクチッ‼︎」
「……ズズッ、お邪魔しても、いいでしょうか……?」

金銭を持たぬ事で遠慮しそうになるも一瞬
やはり余りの体調の悪さに世話になる事を決めた

187 :ネピー・スカーレット【吸血細胞ー紅血ー】2015/02/03(火) 22:52:21.55 ID:eq+hBysGO
>>182

「え?あ、うん…こっちの話しよ」

「はぁ!?な、何言ってるの、知ってるわよ!?」
「てか子供するなっ!こう見えても3桁はいってんのよ!」

前者は虚言だが、後者は真だ。
つまりはBAAだ。吸血鬼の中ではまだまだ子供だが、世間一般的にはBAAだ。

「!?きた!!」

モヒカン男の叫び声と同時に放たれる機関銃
更には同時に爆音と共に現れる鬼。

「使い魔ならもっとマシな奴呼ぶわよ」

そう叫ぶとネピーはその場を動かなかった。
188 :ウルリック【牙狼】>>204[saga]:2015/02/03(火) 22:58:15.06 ID:UvLLHi2Po
>>187

「ま、犬コロが使い魔なんて傑作だもんなぁ」

 言いながらモヒカンはドラック入りガムをクッチャクッチャと噛む。
 そうしながらも、ビルの内部をつぶさに観察。罠の警戒であろう。

「あー…そういや呼んだはずのウチの相棒。生体反応いつの間にか無いんだわ
 お前さんナンカした?――かなっ!!」

 呼びかけの間隙を突くように、軽機関銃が一斉に大口径銀弾を吐き出す!
 言葉を用いた一種のフェイントからの攻撃だ!

【嵐の如き銃弾の雨がネピーに襲い掛かる】

「―――」

 餓鬼は再びマジックをブツブツ唱えている。
 魔術的保護をさらに重ねがけしようという腹なのだろう!
189 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6[sage]:2015/02/03(火) 23:10:47.48 ID:z5oZTKYH0
>>186
「うぃ〜…いくべ」

―――場面転換 ビジネスホテル
道中 コンビニで飲み物やら栄養ドリンクやら食い物やらを買い込み ビジホに到着すると フロントに事情を話し 部屋をシングルからツインにしてもらいました
え 二部屋? 贅沢は敵です


「うぎゅう…死ぬ…」
テーブルに買い物袋を放り投げ ベッドにダイブする 

「つかよぉティースタン さすがに冬にその恰好はアレだと思うぜ…」
顔をタェンティースに向けて発言する
190 :タェンティース・リペア【対異能戦闘用人型兵器】【ドレス・イムエト】[sage]:2015/02/03(火) 23:16:48.02 ID:hl57Lqq20
>>189
「はい……行きましょう……」

幽鬼が如くふらふらとビジネスホテルへと吸い込まれていく2人と1匹
場合が場合ならば邪推も出来ようが、どう見てもそんな場合ではなさそうだ

「……暖房入れましょう暖房……」

壁の操作パネルの△を限界まで連打
30の表示が出た所でそれ以上上がらなくなった

「これはその……事情がありましてですね……」
「手持ちも武器も、着替えも全部なくしてしまって……」

溜息しか出ない
これでも愛用のブレードを、そして月光を無くしたという極めて重篤な精神的打撃からは脱した直後だ
バスルームをチラリ、逡巡
取り敢えずベッドに腰掛けてまた溜息
191 :ネピー・スカーレット【吸血細胞ー紅血ー】2015/02/03(火) 23:25:53.91 ID:eq+hBysGO
>>188

「ったく、さっきからガムをクチャクチャクチャクチャ…」
「私がアンタをクチャクチャしたいわぁ……」

ネピーはそう言うと巧まずして見るものが恐怖する程に不気味で猟奇的な微笑みを浮かべた。
それは"ネピー"の笑顔では無く、"吸血鬼"としての"捕食者"としての笑顔であり、最早モヒカン男を"敵"としでは無く"獲物"であり"餌"、"食料"として認知していた。

「私がなにかしたかって?…可笑しなこと言うわね…」
「────食べ物が一人でに歩く訳ないじゃない」

気付けばネピーの口調は変わっていた。
基本的な口調は変わっていないが、何処と無く冷たく冷徹な口調を感じさせる。

「痛いイタイいたい痛いいたい痛いイタイいたいイタイ痛いいたいイタイ痛いイタイいたい痛いいたい痛い痛いイタイいたいイタイいたい痛いいたい痛いいたいイタイいたい痛いいたいイタイいたい」

無慈悲にネピーを貫く機関銃。
爆音と共に空を裂き直線上に移動する弾丸は全てでは無いがネピーを貫く。
血が辺り一面に飛び散り、床は赤い絨毯と化す。
ビルはまるで赤い室内の様になっていた。

「いたイなんでからだがイタイあナがらはいてるぜなたままたたまたまたまたまどこからうしろから?まえから?まえってどっちだっけがむたべてるのガムつてわたしワタシきみキミガムころすころすころすころすころすころすころすころすころすころすころすころす」

狂った様に独り言をひたすらに呟く。
ネピーは独り言を呟き続けながら、ゆっくりと中腰となる。
するとネピーの右側の背中の皮膚を紅い甲羅が皮膚を破り現れた。
その甲羅は瞬時にネピーの右半身を覆った。
ネピーの右腕は甲羅に覆われ太く長くなり
まるで人の手の平を持ったサソリの尻尾の様な形状になっていた。

「はぁぁぁぁ…………クチャクチャ?」


192 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6[sage]:2015/02/03(火) 23:30:40.34 ID:z5oZTKYH0
>>190
結構な音を立てて温風をまき散らすエアコン
フロントの人が気を利かせて用意してくれた加湿器もフル稼働させ 環境は整った

―――ギィ♪

買い物袋の中を漁り フライドチキンをGETするベティをよそに 買ってきた冷○ピタをおでこに張り付けるアキレス

「あぁ…あの」
以前人が消えた世界で ジョシュアに襲い掛かったことがあった
その時は随分と素敵★スリムボディになっちまったが

「とりあえず風邪が治ったらジャケット分けてあげるよ…今あんまりお金ないから借金はあきらめて…」
買い物袋から栄養ドリンクを取り出し 一本タェンティースに投げて渡しながら言う

「今は風邪治そ 話はそれからだ」
193 :タェンティース・リペア【対異能戦闘用人型兵器】【ドレス・イムエト】[sage]:2015/02/03(火) 23:38:17.44 ID:hl57Lqq20
>>192
「……えぇ」

肯定
ゴーレム化した際の記憶は曖昧だ
それでも断片的にフラッシュバックする悪夢のような光景は瞼の裏に張り付いて離れない

「恐れ入ります……」
「……まさかこんな、わたし風邪引けるんですね……」

ドリンク瓶を受け取りキャップを捻る
ぷしゅ、と空気音
半分程を飲んで吐息、その後苦笑
そもそも半分はひとではあるが、もう半分はそうではないのだ
なのに無駄に風邪に、病気になれる不便さが我ながら何とも微妙である

「ベティ様に、感染さないようにしないとですね……」

フライドチキンに舌鼓のベティに青い瞳で視線を向けた
194 :ウルリック【牙狼】>>204[saga]:2015/02/03(火) 23:39:00.97 ID:UvLLHi2Po
>>191

「ワオ!」

 おどろおどろしい様相と相成ったネピーに
 上等なホラーショウを見たような獰猛な笑みを向けるモヒカン。

「ヤベェヤベェヤベェ…大物じゃねえか!?」

 餓鬼の術的保護が完了。モヒカンと餓鬼の輪郭にうっすらと蒼い光が帯びる。
 モヒカンは即座に軽機関銃を投棄。代わりに巨大なボウガン…否、ボウガンと呼ぶには、
 あまりに巨大な杭の如きボルトが装填された電磁ボウガンを構える。

【装填されているのは銀の杭…対吸血鬼の強力な滅殺要項心臓を杭で穿つ≠体現した武器である!】

「………」

 ドッ!と、電磁式で発射された銀杭がネピーの心臓めがけて一直線に飛ぶ。
 その勢いたるや、一瞬で音速に達し、周囲に衝撃波をばら撒く威力!
 テクノロジーによる対吸血鬼武器であることをまざまざと見せ付ける!
195 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6[sage]:2015/02/03(火) 23:49:15.06 ID:z5oZTKYH0
>>193
ベティはフライドチキンの袋を破いて食べていたが 最後の1/3ほどを残すと ベッドに向かい

―――ギィ!!

アキレスに差し出す が

「あぁうんありがとう…今はいいからたべちゃいな」
やはり彼女なりに心配しているらしかった

「そうだね…まだ赤ん坊だし 死なれたらヤダし」
栄養ドリンクを飲み干すと ベッドに倒れこむ 時期に聞こえてくる寝息

ベティはフライドチキンを食べ終えると アキレスの邪魔にならないよう 部屋の隅で寝ることにしたようだ

・・では〆
196 :タェンティース・リペア【対異能戦闘用人型兵器】【ドレス・イムエト】[sage]:2015/02/03(火) 23:56:20.37 ID:hl57Lqq20
>>195
「早く、良くならないとですね……」

アキレスが寝入ったのを確認すれば立ち上がり、バスルームへ
風邪だというのに入浴への欲求には勝てなかったらしい
しばらくしてバスローブ姿で出てくればベッドに倒れ込み、久々に屋根のある部屋で眠れた

//お疲れ様でした、また宜しくお願いしますー
197 :ネピー・スカーレット【吸血細胞ー紅血ー】2015/02/03(火) 23:59:24.48 ID:tns/S23P0
>>194

「グチャクチャに喰う!!食う食べる食べたい吸わせてえええええぇぇぇ〜〜〜」

口を開くと見える鋭い八重歯が見える。
八重歯からはネピーの唾液が糸を引いている。
開いた口からは涎が流れ出し、鼻息も若干荒くなっている。
曲曲しいオーラを纏わせたネピーは正に吸血鬼、その瞳は化け物。

「ぶち[ピーーー]ゥゥゥゥゥゥゥゥァァァァァァァァ!!!!!」

轟きと共に此方もこうスピードで直線上に飛躍する。
ネピーは此方へと向かってくる矢より高く直線上に跳ぶことにより、すれ違い避けるというワザを披露した。
これは、力に対して力を、というパワータイプの考えでは無く、先程モヒカン男がした様にテクニックによって避けたのだ。

「ワタシに食わせろォォォォォォォォ!」

そのままネピーは餓鬼に狙いを定め、右腕を振り探す。
その顔は正に狂気。
198 :ウルリック【牙狼】>>204[saga]:2015/02/04(水) 00:10:00.94 ID:R9Bhnfwho
>>197

「ムチャクチャだなァ!オイッ!!」

 モヒカンは銀杭を回避されたと確信するや、即座に追撃メゾッドを全て放棄!
 集中力と身体能力の全てを回避行動に回し横っ飛びに動く!

【防弾ハードコート仕様の服が紙の如く破け、その肩部を深く抉られる!出血!】
 【餓鬼の防御結界すら気休め程度の役にしか立たぬ!】

「ゴートゥーアノヨ!!」

 地面に身体を滑らせながらも、ボウガンを再度ネピーに向ける。
 先程よりも至近!そして、餓鬼の呪文補助により弾速をさらに強化!

【ドッ!と回避行動直後から僅か1秒で反撃】
 【至近距離からの銀杭射出!バチーッ!と電流を流す電磁ボウガンの火花がハッキリ見えるほどの一撃!】
199 :ネピー・スカーレット【吸血細胞ー紅血ー】[saga]:2015/02/04(水) 00:29:58.69 ID:WNHA405o0
>>198

「ハァァァ…………」

振りかざした腕の下には誰もいなかった。
モヒカンはどうやら攻撃を回避したようだ。
しかし、全て回避は出来なかった様で肩から出血している。
その血の薫香がネピーをいい意味で更にアジテーションさせる。

「クソ餓鬼ィィィィャャャャャァァァァァァ!!!」
「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!」

モヒカン男を餓鬼と呼んでいるのか、或いは餓鬼の方を呼んでいるのか分からないが兎に角叫ぶ。
口からは飢えた食欲を表すかのように涎が辺りに飛び散る。
激しい音響と共に先とは比べ物にならない速さと威力を持つ矢が空間を引き裂くかの様に此方に向かってくる。
理性を半分失ったネピーでもその矢が凄まじのは理解出来た。
しかし、ネピーは其れよりもモヒカン男が此方に接近したことに着目し矢を避けずにモヒカン男へと接近する。

「食わせろォォォォォォ!!ワタシにスベテガムみたいに肉を喰ラワセロォォォォ!!」
「グゥッ────!?…アハハハハハハハハ!!最ッ高ヨ!!!」

矢は右肩を突き抜けた。
強靭な肩を貫く矢の威力はやはり凄まじかった。
しかし、ネピーはその痛さを気にせずに目の前のモヒカン男をその巨大なサソリの右腕で体を握ろうとする。
もし握ればネピーはそのまま餓鬼へと思い切り投げるだろう。


200 :ウルリック【牙狼】>>204[saga]:2015/02/04(水) 00:37:44.28 ID:R9Bhnfwho
>>199

「ガッ!?」

 態勢を崩したモヒカンには異形と化したネピーのグラップルを回避スル術は無い。
 そのサソリの如き右腕で握られ、バキバキと骨に亀裂が走る音。
 さらにはそのまま、餓鬼に向かって思いっきり投擲された!!

【すさまじい勢いで投擲されたモヒカン。そしてそれに激突した餓鬼】

 もとより、悪魔としての餓鬼の耐久力は低い。
 質量弾と化したモヒカンと激突し、ゴキンと首の骨が折れてしまう!!

【DIEした餓鬼は爆発四散!】

「ぐ…がぁああ…」

 モヒカンもタダではすまなかった。
 痛みこそ薬物の力で誤魔化しえるが肉体の損傷はどうにもならない。
 そして武器も失った。万事休すである!

「へ…へへへ、殺してるんだ。殺されもするんだろうさ」

 ランナーの最期としては全く以って相応しい。そう自嘲するように笑った。
201 :ヨブ・バロウズ【扇動者】>>325[saga]:2015/02/04(水) 00:45:43.74 ID:R9Bhnfwho
【スプロール】

 何処かで柴犬と吸血鬼が悪魔召喚師を相対している頃。
 別の場所の別の区画ではまた別の物語が繰り広げられている。

【今宵もスプロールは雑多で猥雑でそして盛況である】
 【何だかよく分からない電子部品が売られていたり、その隣ではウドンの屋台があったり】
【あらゆるケオスを内包する世界に相応しい在り様であった】

「ふむ、灯台もと暗しとはよく言ったものだが…」

 彼にとっては組織とは全く無関係の、正に私事である。
 その私事のために、ヒノモトでも痕跡を探したり、少ない余暇をやりくりしていたわけだが。

【結局は己の根拠地たるスプロールに戻ってしまった。なんたる皮肉か】

「反応はあるのだが…まさかまた、ヨタモノに絡まれているのではないだろうな?
 …おっとイカンイカン。剣呑では人生を楽しめない」

 人前にいる時と些か口調が異なる己を自覚し、普段のダンディズム溢れる紳士に立ち戻る。
 懐中時計の針を確認しながら、雑踏には似つかわしくない如何にもカチグミな服装の男は歩く。
 ただ、ヤンクやヨタモノは何故かこの如何にもなエモノに近寄ろうとすらしなかった。
202 :ネピー・スカーレット【吸血細胞ー紅血ー】2015/02/04(水) 00:56:22.94 ID:WNHA405o0
>>200

「────────」

ネピーはモヒカン男を餓鬼へと投げるとその投げた先を見つめる。
口は裂けるほどに破顔一笑し、口元から地面まで長い唾液を垂らす。
起き上がり此方に向かってくる様子もない。
先程まで一緒にいた柴犬の存在など等に忘れているネピーは柴犬達を気にする素振りも見せずにゆっくりとモヒカン男へと近づく。

「みて…私の体穴だらけ…血も沢山出てる…綺麗でしょ〜私貴方もキレイにしてあげたいィィよぉォぉぉォ〜…にくクチャクチャたべないの?ガムたべたいぃイぃ」
「貴方の所為で血が足りたいの…私に血を吸われてもいいッてコトだヨねェぇ…」
「ガムたべてたから肉を食べられても…仕方なイヨぉォォォゥゥゥぉォォ〜〜〜…」

そう言いながらネピーは更に右腕でモヒカン男の肉体を抉ろうとする。
その場から逃げなければ体は抉られるだろう。
もし抉ったならば、ネピーはモヒカン男に馬乗りになりその抉った場所から肉を喰らい始めるだろう
203 :タェンティース・リペア【対異能戦闘用人型兵器】【ドレス・イムエト】[sage]:2015/02/04(水) 00:56:46.87 ID:1oeKYWrm0
>>201
「……ですから、わたしは別に腕を増やしたい訳では……」

アキレスから譲り受けたジャケットを羽織り、いつもの漆黒のスカーフと後は安物のTシャツとジーンズ姿
腰に帯びているはずの武器が存在しないのが半人自身からすれば圧倒的違和感にして不安のタネだ
今は雑踏の中で欺瞞の言葉で誘惑する怪しげな客引きに捕まり四苦八苦である

「えっ?」
「……いえ、別にロケットパンチもいりませんって……ヘクチッ‼︎」

風邪と思しき体調不良も一向に良くならずフラつき、思考回路も上手い事働いてはくれない
鼻を啜って擦り、尚も食い下がる相手に断り切れずにいた

「……あっ」
「す、すみません、連れが来ましたので……」

と、そこへいつか見た顔を視界に捉えたではないか
好機とばかりに強引に客引きを振りほどいてバロウズの元へ小走り

「……もう、待ちましたよ、行きましょう」

状況としてはバロウズを利用しての脱出といったところか
その様は実に見事な演技派()であった
204 :ウルリック【牙狼】>>204[saga]:2015/02/04(水) 01:04:48.52 ID:R9Bhnfwho
>>202

「カ、カカカ…ッ」

 口角を吊り上げながら、血で汚れた視界で眼前のバケモノを見やるモヒカン。
 どうせなら、最初からそんな姿をしていれば分かりやすいのにと皮肉りたくもなるというものだ。
 彼はネピーの凄惨極まる台詞を聞きながら、震える右手でドラッグ入りガムを噛んだ。

「どう見ても醜いバケモノ以上じゃねえか。吸血鬼ってのは。あー殺した殺した」

 彼の脳裏には走馬灯が流れていることだろう。
 本来は記憶から、生存手段を見つけ出すための現象でもあるが、
 あいにくこの場は既に詰んでいる。

「…言っただろうが。エサにはならねぇって。ゴートゥーアノヨ」

 そして、右手をパッと開く。ピン!と音がする。ハンマーが外れる。
 握り締められていたのは――火炎手榴弾。

【ボン!と炎が撒き散らされる。無論、これで強化されたネピーを屠るなど不可能】
 【→だが、炎に包まれたモヒカンを文字通り、肉も骨も消し炭にするには十分すぎる熱量であった】

「…サイコではあるが最期は潔かったな」

 口に咥えた四ツ腕の首をポイと地面に落とすと、ノシノシと柴犬が歩いてきた。
205 :ヨブ・バロウズ【扇動者】>>325[saga]:2015/02/04(水) 01:11:04.44 ID:R9Bhnfwho
>>203

「…チッ、カチグミのオイランドロイドかよ」

 突然にバロウズに寄りかかったタェンティースの様子を見て、
 ようやく諦めがついたらしい客引きが毒づいた。

「ふむ、勝手に出歩くのはよくないね」

 話を合わせてその場を後にするバロウズ。
 直ぐにコムリンクを操作すると、市場を出て直ぐの路に、豪華なリムジンが停車。

「CEO、お迎えにあがりました」

 銀髪に褐色肌のサイバーサングラスをかけたスーツの女性が出てくる。
 誰かに良く似た声音に思えるかもしれないが、この場では詳細は省く。

「どうやら体よく利用されたようだが。私もさして良い人とはいえないタイプなのだがね」

 言いつつも、どうぞ、とタェンティースの乗車を促す。
206 :タェンティース・リペア【対異能戦闘用人型兵器】【ドレス・イムエト】[sage]:2015/02/04(水) 01:18:08.44 ID:1oeKYWrm0
>>205
「……、」

小さく、バレない程度のほんの微かな会釈
取り急ぎこの場で感謝を告げたつもりだ
リムジンと、それと出て来た銀髪の女性
ボディガードだろうかしかしまぁなんとも既視感のある
瞳の異能感知機能が停止している事が実に悔やまれる事態だ

「どうやらそうみたいです、ね……」
「……恐れ入ります」

ふわりとした、そこらの高品質なソファより余程上等なシートに腰掛ける
つい先日訪れた荒らされた生まれ故郷の研究所と、損失していた己の設計図
色々と勘繰ってしまうのは仕方ない事だ、体が不調な分考える時間が増えたのだから

「って、何処へ……?」

と、成されるがままだったのだがそういえば目的地を聞いていないのを思い出す
207 :ネピー・スカーレット【吸血細胞ー紅血ー】[saga]:2015/02/04(水) 01:28:43.74 ID:WNHA405o0
>>204

「ガム?それにく?なんで肉を食べてもいいの?あれガムは?なんでガムたべてるの?おしい…あれ…おいしい?」

モヒカン男がドラッグガムを口にしようとする様子をみて、肉をガム、ガムを肉と錯覚しているのか意味のわからない言葉でモヒカンに話し掛ける。

「バケモノ?チがウヨ、私は吸血鬼、あれ、ちがうっけ…ネピーだよ。わたしネピー、餓鬼は?」

化け物以上────、その言葉の意味が理解出来ないネピーは最早定かではない自己紹介を勝手に始める。

「あ────」

勝手な自己紹介を終えたネピーはモヒカン男を喰らわんとするが、刹那────
辺りは強烈な爆発音と共に一瞬の激しい業火に包まれる。
ビル内部はモヒカン男の自害により、所々燃え盛りだした。

「あれ…ガムは?イナいイナイないないないなァァァァァんでェぇぇェナイのォォォォ!!!」

狂い叫ぶ破壊の狂気。
目の前にあった餌をやっと食えると思った瞬間消えた為に、混乱する。

「ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ぁぁアァァァァァァ!!!」
「ガムが消えちゃったヨぉォぉぉぉぉォォォォォォォォォォォォぉおォ〜〜、吸血鬼?わたしネピー?がむ?おれ?矢、矢、矢、矢、矢、穴だらけなんで、にく?血?」

四つ腕の鬼を殺したのか、柴犬は鬼の首を掴みながら此方に戻ってきた。
しかし、ネピーには柴犬の声は聞こえず、柴犬が戻ってきたことすら知覚出来ていない。
只ひたすらに慟哭している。
208 :ヨブ・バロウズ【扇動者】>>325[saga]:2015/02/04(水) 01:33:27.42 ID:R9Bhnfwho
>>206

「私はお嬢さんにボロを着せたままで放置するほど無粋になった覚えはないのだがね」

 相変わらずのバリトンの声と共に笑みに見える表情で告げるバロウズ。
 何処へと問われての前置きのようである。

「以前、君をリペアしたロボット部門だよ。先ずはその有様をどうにかした方が良い」

 言いながらコムリンクを操作して、データ表示させる。
 何から細かいパーツの目録と…とってもお高い金額がチャリンと。

【以前のリペアの際の金額もしっかり記入されていますよこの明細】

「私の私事ゆえ無利息だがね。おめでとう。君は君のあずかり知らぬウチに債務者となっていたわけだ」

 笑みはそのままだが次は明らかに楽しんでいるというか愉悦っぽいのである。
 もしかして、こっちが本性?と言わんばかりのアレである。
 だって、本当は悪の親玉なのです。これぞ邪悪。

「そして、これからもっと増える。何かパーツ・リクエストはあるかね?
 ああ、あくまで私事だからね。好きにリクエストしていい」

 なんとなく、この男が高い社会的地位にいることは前回の事でも察しているだろうし、
 何故に気まぐれに援けてくれるかは不明のままであるが、

【なんとなく緩い空気で、不穏な気配など無くて――恐縮だが頼ってしまってもいいような雰囲気】
 【→無論、これは演出である。真剣すぎない、何処か頬を膨らましてしまうような珍事――扇動者の力である】
【→ベクトルは何か怪しいけど悪い人ではない∞深刻な雰囲気が無い∞この人になら頼ってしまってもいいか≠ュらいか?】
209 :ウルリック【牙狼】>>204[saga]:2015/02/04(水) 01:40:09.42 ID:R9Bhnfwho
>>207


「吸血鬼!!」

 ネピーの有様に柴犬は大きな吠え声をあげる、
 ここまで不安定になるとは、力を御しきれていないのか、と考えたゆえ。

「―――」

 柴犬の背後より風が吹く。それはとても冷たいブリザードの如き峻厳なる風。
 そして、薄っすらと映るヴィジョン。それはすさまじく大きな体躯の狼の姿。

【雷狼(サンダーウルフ):終焉の遠未来。とある過酷なる惑星において存在する守護生物(トーテム)】
 【彼の名はウルリック。聖騎士を背に乗せ、幾千、幾万の戦いを経た古強者である】

「既に戦いは終わり、血の刻は過ぎ去った。獣に堕すな。誇りを失った吸血鬼はタダのフリークスでしかないのでだろう?」

 冷風と同じ峻厳なる大自然の如き声がネピーに立ち戻るよう言葉する。
210 :タェンティース・リペア【対異能戦闘用人型兵器】【ドレス・イムエト】[sage]:2015/02/04(水) 01:43:35.01 ID:1oeKYWrm0
>>208
「感謝、致します……ズズッ」

恭しくしかし嫌味っぽさを与えぬ所作で改めて一礼
垂れかけた鼻水を啜る

「……へ? あ……」
「あ、あはは……ど、ドーモ……」

見たこともないような、そもそもこれは金額を表すのだろうかとそこから疑ってしまうような見積り
笑うしかない、誤魔化すのではなくただ乾いた笑いが自然と浮かぶのだ
以前故郷の世界で負債を抱えた際は片腕を売り払ったモノだと何と無く思い出した

「えぇと……」
「な、なるべくコストパフォーマンス重点でお願いしたいなぁ、なんて……」

因みに扇動者の力無くしても半人のバロウズに対する信頼度は非常に高い
今の所救助行動しかして貰ってない上にその態度もジェントルなのだ、当然と言える
気紛れの目的に対して勘繰る程まで、半人は擦れてはいない
そこに異能性を持つ修正力が加わればまぁなんともすっかり懐いた犬が如し
211 :ヨブ・バロウズ【扇動者】>>325[saga]:2015/02/04(水) 01:54:48.05 ID:R9Bhnfwho
>>210

「風邪かね?ある意味で興味深くはあるが…」

 ロボット風邪?なにか良く分からない珍妙な症状に関心を持つバロウズ。
 そして、彼はタェンティースの身体に付着する泥を見て取り、

(…なるほど、慣れない質のモノを吸い込んで暴走でもしたか。大方――)

「その土、どうやら良くないモノを含んでしまったようだね。中々大変だったろう?
 それにどうやら色々と失ってしまったようだ」

 タェンティースが後生大事に持ち歩いていた太刀が無い。
 と、いうことはそういうことなのだろう。アグラーヤとの邂逅で大体の察しはついていたが。

(まあ、保守義務を遵守するとしよう)

 下手人とアタリをつけているギャラエに不利になるような言動は避けた。
 この物語、介入する段階ではないのだろう。

「基本機能は前回のパーツのノウハウがあるからね。どうとでもなる。
 何か必要そうな武装なり機能のイメージやリクエストはあるかね。善処はしよう」

 もっとも、どのようなカタチで顕れるかはともかく、であるが。
212 :ネピー・スカーレット【吸血細胞ー紅血ー】2015/02/04(水) 02:00:51.87 ID:WNHA405o0
>>209

「ダァぁ〜〜〜〜ぇェ〜〜〜〜〜!?」
「このこえわぁあ…ネピー?それとも私ィ〜…ガームーく〜ん?オニぃぃぃぃ?ちがうっけェ…あぁ、なァナぁハチぃちゃぁぁぁ〜〜〜ん!?それとも、お犬くぅぅ〜〜ん?がきちゃんかなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁァァァァァァぁぁァァぁぁぁ〜〜〜」

首だけを向け、柴犬の存在を確認する。
聞き覚えのある声だとは分かるが誰の声かは分かっていないようだ。

「ぁぁぁ?」

柴犬の姿を見ても記憶が混乱し思い出すことが出来ないネピーはただ只管柴犬を逆さに見続けた。
柴犬の背後────うっすらと具現化されているなにかが映る。
それは巨大な狼、驚異的な威圧感はビジョンからも伝わり空気が痺れる。

「たぁたぁかぁぁい?───ぁ」

ウルリックの言葉が耳から脳では無く、直接精神に届く。
大自然の如きその音吐は確実にネピーを吸気から引っ張り出している。
ウルリックの声を聞き少しの間、相変わらずネピーは首だけを向け逆さに見ている。
────次の瞬間、ネピーは声にならない声を上げると身に纏った狂気が消え、その場に崩れ落ちた。
213 :タェンティース・リペア【対異能戦闘用人型兵器】【ドレス・イムエト】[sage saga]:2015/02/04(水) 02:02:12.79 ID:1oeKYWrm0
>>211
「ちょっと先日から体調が……」

内部エラーが発端の、無機的な部分がそちらの処理に掛かりっきりになり
体調アシストのサポートが得られなくなった事が原因なのだが半人自身それには気が付いていない

「……御名答です」

苦笑し、肯定
機械制御の弱まったところにヒノモトの妖気を多量に含んだ土は良くなかったようだ
結果として魔力部分が暴走し、ゴーレムとしての無益な殺戮を行ってしまった

「武装、ですか……?」
「……では、」

剣を、ブレードを所望するだろう
可能な限り頑強で、可能な限り鋭い斬れ味の科学刀を
それは月光を取り戻す為の力だ
214 :ウルリック【牙狼】>>204[saga]:2015/02/04(水) 02:10:10.11 ID:R9Bhnfwho
>>212

「………」

 ヴィジョンは晴れ、ウルリックは只の柴犬以外の何者でもない様相に戻る。
 ふと、溜息。何故、こんな厄介ごとを拙者が…と言いたげであるが、
 決して己の根がお人よしに分類するものとは認めないため、自覚は困難であった。

「全く…厄介なモノよ」

 そうして、次に心臓に機械杭を打たれた親子を見やった。
 脳を殺され、認識が崩壊している。ここで放置しても、何かに回収されても末路はさして違いはなかろう。

「…スマンな。気付くのが遅かった」

 吸血鬼であることが罪とでもいわんばかりに凄惨なる憂き目を見た親子に対し、
 ウルリックは機械杭に微弱なパルスを与え、活動を停止させる事で慈悲なる眠りにいざなった。

【そこに残るのは灰と化した名残が二つ。そして、倒れている吸血鬼の娘である】

「こちらは、放置するわけにもいくまい。全く、拙者は誇りある戦士であって救助犬ではないのだぞ?」

 ひょいとネピーの身体を背負うと、とぼとぼとこの修羅場を後にするのであった。
 これが、奇妙な狼(柴犬)と奇妙な娘(吸血鬼)の縁の始まりであった。

//そいではここまで。長丁場ありがとやんしたーっすノシ
215 :ヨブ・バロウズ【扇動者】>>325[saga]:2015/02/04(水) 02:16:46.25 ID:R9Bhnfwho
>>213

「ああ、ブレードか。了解した。あと、幾つかオモシロ…ごほん。便利機能もつけておくとしよう」

 冗談めかして言うバロウズであるが、やはりシニカルな笑みを崩さず、
 舞台役者が劇中でユーモアを披露するときのような、そのような所作であった。

「さて、そんなに深刻めいていても始まらんよ。今は、そうだね。眠りたまえ。
 終われば、環境も変わる。そしてまた、君の旅路が始まるのだ」

 タェンティースにスッと手をかざす。
 この扇動者のベクトルは非常に分かりやすい。

【内部エラーが起こっているのだから休眠モード≠ノ】
 【→この場に敵意、危険要素は一切無いという思い込みを増幅】
  【→あとは彼女が感じているであろう経験則による安心感と信頼感の後押し】

 なによりも、コレが月光を取り戻す上で必要不可欠なコトであると、
 彼女自身の執着と使命感も刺激しておく。

【無理矢理に認識をねじ込んで歪めるのではなく、元ある感情に働きかけ制御するのが扇動者の根幹である】
216 :タェンティース・リペア【対異能戦闘用人型兵器】【ドレス・イムエト】[sage saga]:2015/02/04(水) 02:27:11.16 ID:1oeKYWrm0
>>215
「感謝、致します……」

既に何処か眠た気な、とろんとした瞳
耳触りの良い声と、ソファの心地、ほんの微かな振動
全ての要素が半人の有機的な部分を睡眠に誘わんとしているようだ

「……眠る、ん、です、か……?」
「……、……」

目の前の掌、見詰めるは焦点の合わぬ青
安心感から由来する睡眠というのは抗う事が特に難しい
それは抗い自体が起こり得ないからであり、この場合もそれであった
直ぐに寝息、無防備に脱力する四肢
半人の感情の増幅の振れ幅は非常に大きく、また操作も容易だ
愚直なまでに純に伸びるそのこころは、何処までも求めるモノを求む
今はない形見に思いを馳せて、眠る
スプロールのそらに月は無い

//眠気限界にてこれにてっ
//ありがとうございました、お疲れ様でしたっ
217 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/02/04(水) 22:16:52.95 ID:R9Bhnfwho
【吸血鬼領主が支配する城】

 動機はあくまで聖遺物たる戦旗の奪還。イムカ・グリムナーにとってはそれ以上ではなかった。
 しかし、吸血鬼の領主はこちらの生命を狙った。ならば戦わねばならない。
 正義や悪。または異世界の者がしゃしゃりでてもいいか?など、この際問題ではない。
 戦い、生き残る。それ以上の理由などありはしないのだから。

 −−−−−−−−−−−

「ぐれねーど!」

 珍奇なイントネーションで声があがる。
 全身を漆黒のスキンスーツで覆い、多数のガジェットを装備している少女。
 肩部には円環蛇のエンブレム。カノッサ・テクノロジー社エージェントの証。

【エージェントのコードネームはα-12。クローントルーパー計画により生産された汎用戦闘ユニット】

 爆裂!共に多数の鉄片がばら撒かれ、通路を犇く量産ホムンクルスをなぎ払う。
 しかし、この一撃はアーマー属性のあるガーゴイルには無効!天井一杯から急降下し、こちらを襲う!

「硬いな。まったく」

 そこに割って入る感情無き声音。
 金糸の髪を翻し、飛来するガーゴイルの口中にめがけ腕を丸ごと突っ込む!
 アブナイ!噛み切られる寸前に手中のピストルのトリガーを引く。BANG!BANG!

【ガーゴイルの頭部が破砕し、銃弾が天井のシャンデリアを射抜く!後方より迫る追っ手にそれが無慈悲に降り注いだ】
【イムカ・グリムナー。銀河帝国軍上級政治将校。遺伝子工学の遺産により、多数の後天的強化が施された超人類】

「もうすぐ突破は叶いそうだな。弾薬と体力は持つか?」

 イムカは己の首筋に体力を無理矢理補充するヘヴィドラッグを打ち込みながら状況を確認する。

//シチュエーション的にはボスまでの突破戦終盤みたくな
218 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ[sage]:2015/02/04(水) 22:29:18.17 ID:4PyyBdjQ0
>>217
イムカの問い掛けにお陰様でぇ、と間延びした声が返る
戦闘に於いてもニア・シューペリオリティは後方に位置し、支援行動に勤めていた
超長期戦である今回、劣悪な燃費のタイドメイカーを温存、そして回復を狙っての事だ
火の粉を振り払うのは月光
完全に素人であったかつてとは異なり、幾人かの越境者達から手解きを受けた剣技はミスリル製の聖剣の加護もあり充分に高まっている

「……鉄砲はどうもっ、苦手なんですよねぇ……」

タェンティースとは異なり完全有機体の体を持つニア
異能頼りの戦闘がメイン運用なのだろう、その他の武具は適応×

「イムカ達は大丈夫ってんですかっ……?」

裾や胸元、だいぶ面積の減った女給服
α-12と同じルックスだが、出で立ちは随分と異なる
219 :鈴虫>273 ◆Lad0HbZVndK6[sage]:2015/02/04(水) 22:35:20.40 ID:DsThAOjM0
>>217
ざんばら髪からたんこぶ林
すでに抜き身の仕込み杖
紺の着流し血で濡らし
骸の道を行く男

いつぞや頭に瓦礫をくらい 意識を失いどこぞへと放逐されたこの男
いつのまにやら戦列に加わり 刀を振るっていた

すでに十二分切り伏せた 疲れもたまっている だが

「ク・・・・ヒヒ・・・・・」
笑っていた 普段切り捨てることのない南蛮の妖をたっぷりと しかもまだ終わりが見えない上に真打まで残っている

目は爛々と輝き 口の橋は吊り上がり その動きは初めのころより格段に鋭くなっていた
すでに肉体的限界なんぞどこ吹く風 精神が高翌揚している限り この男に電池切れは訪れない
220 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/02/04(水) 22:51:38.00 ID:R9Bhnfwho
>>218

「私は問題ない。弾薬もドラッグもあるからな。カノッサ製は随分と出来が良い。
 …君は必要がなければドラッグを使うなよ。身体に良いとは言い難い」

 有限の体力を危険や薬物で無理矢理拡張する。
 少なくともこれは兵士の、そして消耗品の戦い方である。
 イムカは自分が慣れ親しんだその流儀をあまり知己には真似して欲しくは無かった。

「…そんな悠長な事を言っている場面とも思えませんが」

 イムカより声音は感情があるのに、言葉は寧ろさらに無機質な風に言うα-12。
 こちらは薬物をめいっぱい使用し、ディープメイカーの動きが鈍るたびに無理矢理再起動させている。
 危険な副作用など完全に度外視しているような有様である。

「おりじなるよりも私は戦闘調整されています。アップグレードです」

 案外変な対抗心を持っていたりするのかもしれない。
 表現方法としてはあまりにも無骨で、非人間的ではあったが。

>>219

「鈴虫=サン。アナタは相変わらず暴れるだけですね」

 咎めるように言うのはα-12。カノッサ・テクノロジーのクローン兵だ。
 本来、鈴虫が囮役となり、吸血鬼と対峙。その間にカノッサ特務部隊がオブジェクトの回収という段取りだったが。

【鈴虫はたんこぶ作ってどっか行くわ、領主の力はデタラメすぎて特務部隊ほぼ全滅だわと散々な結果が現状】
 【→ここで任務を果たせないような事があれば、非常によろしくない】

 −−−−−−−−−−−−−−−

>>218-219

「…着いたか」

 突破戦も完了し、ついに大仰な扉の前。領主の間に到着。
 背後は正に死山血河という有様。並々ならぬ道程であった。

「最終確認だ。こちらの決め手は吸血鬼の心臓を杭で穿つ≠アと。
 装備は各員が、法儀礼済銀杭≠オプション装備として所有、
 敵の能力はある程度は、ミスリル聖水≠ナ抑えることも出来る」

 かき集めた勝算はこれくらいだ。後は武器弾薬と各々の技量。それと幸運に。

「以上、それじゃあ侵攻しようか」

 ポケットより、とっておきのチョコバーと取り出して噛む。
 舌が馬鹿なイムカにも分かるくらい極端に甘く雑な味ではあるが、やってやろうって気にはなる。

【ギィイイ…と軋む音がなり、扉が開く】

 そこは異様な光景。非常に洗練された内装を持つ領主の間。
 内部ではホムンクルス達がピアノを鳴らし、ハープを響かせ、美しい声音も合わさって部屋に旋律を奏でる。

【そして、こちらを楽しげに見つめているのが吸血鬼領主…真祖の姫君】
 【紫色の髪に透き通るような白い肌。赤いルビーのような眼。外見年齢は10台前半にも見える】

「先手…取ります」

 α-12がサブマシンガンを構える。
 BATATATATAと弾丸が吐き出される!戦闘開始!
221 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ[sage saga]:2015/02/04(水) 23:06:53.46 ID:4PyyBdjQ0
>>220
「……オクスリも、あんまりいい思い出はないってんですねぇっ……」

一応生体兵器、調整の段階で薬剤投与もあったらしい
無論それは楽し気な思い出にはなり得ず、必要以上の投薬を拒む理由になってはいるが

「そりゃ、後から造られた半機型のお前がニアより弱かったら笑うってんですっ」

ニアとしては対抗意識ではなく複雑な心境
自身の異能性とタェンティースの強靭な半機の体
それを掛け合わせたアラズァヘッドは強い、ディープメイカーもタイドメイカーより洗練されている
だからこそ、ニアの兵器面での立場は完全に崩れているのだ
今の自分の価値は一体何だろう
それをそれ以上考えてしまうのは憚られた、負のスパイラルに陥ってしまうのは少なくとも今ではない

>>219
「……あのぉっ、えっとぉ……」

少し距離を取って如何にも狂人めいた鈴虫に声を掛けようとしている
心配故のモノではあるが矢張り気圧されてなかなか言葉が続かず、結果として間に合わなかった
一行は辿り着く、夜侯の応接間へと

>>219-220
「BGM付きとは、恐れ入るってんですねぇっ」

懐に忍ばせていたリンゴ、その最後の一口を齧って芯を捨てた
その短い一生の内の最期に口にしたモノになるかもしれないそれを味わう事はせず、直ぐに飲み込む
グランドピアノ、ハープ、歌声、そして銃声
温存していたタイドメイカーを1本生やし、先端で釘を掴み蛇の鎌首が如くに擡げる
月光を抜き放ち構え、吸血鬼と一行の合間を切り裂く弾丸の軌跡を見た
横に跳んでその後駆け出し、触腕の射程へと辿り着けば洗礼釘で一突きにせんと打突を繰り出す
222 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6[sage]:2015/02/04(水) 23:16:09.88 ID:DsThAOjM0
>>220-221
「・・・ハハハ・・・・・」
そんな言葉が耳に入るほど鈴虫は冷静ではない
すでにナチュラル・ハイ 頭のねじはすべて行方不明である

たどり着いた領主の間 受け取ったミスリル聖水のふたを開け なんと中身を口に含む

「グッ・・・グッ・・・」
その聖水を刀に吹き付ける びゅんと余計な水分を払えば 清められた刀の出来上がり

そして扉が開かれる 領主がいる 音楽? 知るか

しっかりと地を踏みしめた両足の 両膝の力を抜く
――――瞬間的な其の動作

地に立つ躰を支える膝の力が抜けた事で 支えを失った躰は一刹那――極短時間極短距離――地に向けて自由落下を開始する
自由落下する上躰。足場に掛る体重は果てしなく零に近い

――――質量は重力下でも無重力下でも変わらない。然し重量は完全な無重量下では零になる
上体が堕ちる其の一刹那、彼の躰は無重力下と同様に 重量が零になっていた

――――其の一刹那を逃がさない
足裏を地に添わせる様につけて滑らない様に摩擦して足場を掴み己の躰を前へと引きずり出す
重量を零にした体重を、重力に逆らう事無く前に進む縮地の究極 膝抜き

加速を無視した最高速 ゆがむ視界の中 領主に一太刀暮れてやらんとする
223 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/02/04(水) 23:21:35.85 ID:R9Bhnfwho
>>221-222

「あら?お気に召さないかしら。あなた達のような変わったホムンクルスに対する歓迎と葬送曲につもりなのだけど」

 台座に腰掛けたままの真祖の姫君にα-12の銃弾が撃ちこまれる。が、それは吸血鬼の身体を透過!
 さらに鈴虫とニアの剣も突き刺さるが、これも台座を貫いた以上の感触が無い。
 まるで霧を撃ち、穿つが如し――実体ではない!

【実体無きダミーを残像のようにその場に残した…本体は?!】

「!?」

 ヴァッと存在感が出現する。それは聖水を持つイムカの目の前。
 イムカは瞬時に反応。首を刈らんとした爪先を回避し頂肘!
 が、それも読まれ、腹部に掌打を浴びて――ワイヤーアクションめいて吹き飛び、壁に叩きつけられた!

【激突したイムカの背後に蜘蛛の巣状の亀裂。その威力を物語る】

「アハァ!?」

 瞬間!領主の背中から無数の蝙蝠が出現!
 それらは炎に包まれ、直ぐに炎から太陽のような輝き…プラズマ光に昇華!
 魔力により、熱を撒き散らしこそしないが、直撃した際の威力は数千度の熱量!

「ふぁいあ!」

 α-12はサブマシンガンでそれらを迎撃。次々に太陽が生まれるかのような輝きが炸裂し、散っていく。

【多量のそれらが一斉にニアと鈴虫、α-12に襲い掛かる】
224 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ[sage saga]:2015/02/04(水) 23:31:55.09 ID:4PyyBdjQ0
>>222-223
「えっ……イムカっ!!」
「……っ、五輪っ……!!」

空を穿つ触腕、必中の気迫を持ってして迫ったそれは虚しく空振り慌てて敵を探る
そしてイムカが叩き付けられた所でようやく目視、遅れてその名を叫ぶ
続き取ったのは即座にその場からの離脱
触腕5本を新たに生やし、それらを用いてナナメ前方へ向けて加速
旧名タイドホイールと名付けられた移動兼防御手段ではあるが、この場合後者には期待出来そうにない
迫るプラズマコウモリの群へから逃れ、追撃があれば月光にて切り払わんとする
その途中もし吸血鬼が触腕の射程に入れば、釘を握ったそれでの攻撃を行う
225 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6[sage]:2015/02/04(水) 23:40:19.45 ID:DsThAOjM0
>>223
捉えたと思った少女の体 だがその体は解けるように消え去り 後方で何かが衝突する音
振り向けばイムカが壁に叩き付けられているそれを見た鈴虫の反応は やはり愉悦

なおも笑みを強くして背中より放たれる蝙蝠の悉くを切り払い

「いいねオイ・・・いいぞ これでこそ切りがいがあるってもんよ!! もっとだ!! もっと楽しませてくれよ!!」
なおも前進 少女を切り払わんとする ただ一つの結果を求めて前進する
226 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/02/04(水) 23:47:12.68 ID:R9Bhnfwho
>>224-225

「あら?やっかいな銀の杭。確かにそれにやられたらオシマイだけど」

 迫る触腕。銀杭を伴った決死の一撃!
 しかし、その一撃を領主は片腕で触れて、その力の向きを変えて地面に叩き付けた!

【合気道めいた動きのそれにより、触腕はまるでひとりでに向きが変わったかのように回避!】

「にくむちより良い性能ねぇ。ソレは念入りに解剖して調べてみるわね?」

 蕾が開いたような朗らかな笑みをニアに向ける領主。
 その顔は30センチも離れていない。

【吸血鬼の魔眼――血液が数秒で数百度に達する――光?!】

 魔眼の直後、壁に叩きつけられたイムカが取り出したミスリル聖水。
 その輝きが吸血鬼の能力の多くを阻害!魔眼の発動を食い止める!!

【→一瞬だけ発動した魔眼によりニアにどれほどのダメージが発生したかは委任】

「せっかくのヴァンパイア・キラーをそのようなカタチに?」

 ニィと嗤う領主に突っ込んでいく鈴虫の姿。援護射撃でその周囲のコウモリを掃うα-12。

「鈴虫=サン!」

 α-12の警告。瞬時に接近戦!鈴虫の白刃に領主の赤い爪が激突。超自然の火花が散る。

「あは!?良い腕ねぇ!?」

 剣撃の嵐。次々に火花が散る!が、鈴虫の剣に対して、領主は…片腕で対抗!!
 もう片腕では、イムカの撃ち込むピストルの弾丸をこともなげに切り掃っている!
227 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ[sage]:2015/02/05(木) 00:00:08.07 ID:+gUeDKke0
>>225-226
「っ、アイキっ……?」
「……っぐっ!?」

拳法術が如く、だが逸らしたのは大質量を持った触腕だ
気ではなく、純粋な力でもない
確固たる技術の賜物なのだろう、伏せられた触腕を慌てて引き抜いた
くぐもった声が響く、体液温度の上昇
からんとナニカが落ちる音、洗礼釘が転がって光る
全ての触腕が萎びて朽ちた、元々これは水分と空気とタンパク質を凝固して作られているのだ
それら全ては共通して熱を通し易く、また弱い
ニア自身も同じである
ふら、ふら、と数歩覚束ない足取で歩けば天井を向いた
膝から崩れ、前のめりに倒れる

「……、っ、……!!」

ほんの少し、だがこの戦況に於いては致命的な迄のタイムロスの後覚醒
立ち上がろうと腕立ての態勢、肘が笑う

「……やっ、やってくれましたってんで、すねぇっ……」

鈴虫と斬り合う吸血鬼を睥睨、深紅の瞳
力の入らない脚、強引に立たせるのはたった今生やした1本の細い触腕
体力的にこれが最後のタイドメイカーである
最初はゆっくりと、徐々に加速して行く中しっかりと釘を拾い上げた
鈴虫とイムカの対処を行っている吸血鬼の背に、月光突き立てんと刺突の構えで突進
228 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6[sage]:2015/02/05(木) 00:08:02.34 ID:/uxQ1YvY0
>>226
袈裟切り 払われる
唐竹割り 払われる
胴打ち 小手うち 以下略

届かない 今まで積み重ねてきた鍛錬がまるで意味をなさない
強い ただひたすらに ゆえに

「ク・・・・ヒ・・・・・ハハハハぁ・・・・・・!!!」
笑いが止まらない 自然と口が開き 漏れ出る言葉は笑い声


「ハハハハハハハハハハハハハハハハハァ!!!!」
何時しか笑い声は狂奔となる

笑うたびに鋭くなる 速くなる 限界を飛び越え なおも突き抜ける

「当たらねぇ!! 切れねぇよ!!おい!! 俺の剣が届かねぇよおい!! もっとだ!! もっと見せてくれよ!! もっと絶望的なほどの差を見せてくれよおい!!」
黒き絶望を塗りつぶす なお深き漆黒の愉悦 ただひたすらに人の限界を通り越し 吸血鬼に切りかかる
229 :鈴虫>273 ◆Lad0HbZVndK6[sage]:2015/02/05(木) 00:08:41.51 ID:/uxQ1YvY0
名前が変わっていたことに気付かないというね ハイ
230 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/02/05(木) 00:14:51.80 ID:gLiONAKEo
>>228-229

(拙い…拙いな…)

 ピストルを撃ちながらもイムカも厳然たる事実を実感している。
 すなわち、力量差にかなりのレベルの開きがあるという事実だ。

【同時にそれは明らかなる領主の驕りを生んでもおり、ゆえに今は戦えてはいるのだが】

(決め手に欠ける。ジリ貧だぞ。どうする!?)

 目に見えるは月光を構えたニアのタイドメイカー。狂的なる鈴虫の剣戟。その吶喊。
 しかし、上手くいくイメージが全く湧かない。このままでは反撃をもらい終わる。
 手にあるのは、スプロールの…それでも頼りないピストル。
 この手にあるのが、聖遺物たるクレイトスの憤怒≠ナあれば…無いものねだりをしてもしょうがない。

【手にあるのはミスリル聖水。その輝き。しかし、それだけでは駄目なのだ】

(ミスリル、同期、励起現象…ならば!!)

 ピストルを射撃しながら、イムカは駆ける。無駄な努力。徒労に終わる攻勢。

「イヤーッ!!」

 投擲、ミスリル聖水。対吸血鬼の切り札。ヴァンパイア・キラー。
 最後に頼ったのは直感。ミスリルの神秘性。それに賭けた。

>次レスに続く

 −−−−−−−−−−−−
231 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/02/05(木) 00:29:22.63 ID:gLiONAKEo
>>228

「…アッハ?絶望が欲しいならドーゾ」

 事も無げに鈴虫の剣を掻い潜り、爪を大きく横薙ぎして胴体切断を狙う!
 力量差は圧倒的、そして多少、聖水が付着した程度の剣など当たったところでどうという事も無い、
 絶望的な戦力の差。しかし、

「イヤーッ!!」

 割って入ったα-12。ディープメイカーの全てを耐久性強化させる。
 それは事も無げに寸断され、α-12の銃を持つ腕ごと切り飛ばされたが――

「任務優先です。遊ぶのは程ほどに…」

 死合いに水を差したといえば差したことになる。
 鈴虫にそれこそ激昂され、斬られる覚悟すらあっての介入。しかし倒すにはこの狂人の力が要ると判断したのだ。

【瞬間、イムカが投擲したミスリル聖水が――瓶が割れ、鈴虫のカタナに浴びせかけられた】

 それは鈴虫のカタナを包むようにうねり、塊り…厚重ねの刃の如く歪んで形成される。
 ミスリルが反応したのだ。その狂気に。刃の如き精神に。そして、液体金属は刃となった。

【鈴虫の剣に属性付加…属性:ヴァンパイア・キラー】

 −−−−−−−−−−

>>227

 破れかぶれのニアの月光も無関係ではなかった。
 鈴虫の狂気にあてられ、励起状態となったミスリル。尋常ではない精神力によって力となるソレ。
 イムカがミスリルは強い精神に反応するという言葉から予測した穴だらけの戦術!!

【そしてミスリルは同調現象を起こす!先の地下での出来事のように!】
 【ミスリルが共鳴。鈴虫のカタナと鼓動を等しくする!属性付加:ヴァンパイア・キラー】

(ハッ、我ながら運任せであったが…)

 イムカはニアの背後で吸血鬼に宣言する!

「イクサで真価なぞ発揮させてたまるか。実力を出し切れぬうちに死ね」

 タイドメイカーが掴む月光の黒刃は、黒い輝きという矛盾した力を宿している!

 −−−−−−−−−−−−

>>226-227

「なっ!?」

 領主もこれにはついに驚愕した。遊びすぎた。それが全てである!
 聖呪文、吸血呪文、闇魔術全てを危急にあって編み上げる!

【分子分解!極光を浴びた対象を瞬時に消滅させる絶対秘術】
 【これが解き放たれれば勝負は決する。敗北でだ。しかし】

 遊びすぎた!遊びすぎたのだ。呪文が組みあがるのは早いか。 
 それともそれにニアと鈴虫の剣が届くのが先か。一瞬で遊戯は超速の死合いと成り果ててしまった!
232 :鈴虫>273 ◆Lad0HbZVndK6[sage]:2015/02/05(木) 00:42:18.11 ID:/uxQ1YvY0
>>231
邪魔された 楽しい楽しい死合いを邪魔された
狂奔そのままに その眼に理性が宿る

「あ〜ぁ 白けちまった」
なにやら急いで呪文を組み上げようとする吸血鬼

正直邪魔臭い

「失せろ」
逆手に持った刀 肘を畳み腰の回転を加えた 首薙ぎの一撃を放つ
233 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ[sage sagd]:2015/02/05(木) 00:45:56.53 ID:+gUeDKke0
>>230-231
//タイドメイカーは体を支えているのみ、月光は手に構えています
//月光の能力、保持者の精神状態での威力増減の為

>>228-231
常人であるその体は、それでなければ容易に踏み込めたであろう最後の一歩で崩れる
戦闘に次ぐ戦闘、身体中の負傷、そして精神的摩耗
全ての要素がこの重要な局面に於いて牙を剥きのし掛かる
集中力で強引に抑え込む術を知らない訳ではないが、完全にコントロールするにはニアはまだ未熟だ
だがそれでも、本人が意識するその外で行われた所作は最後のその距離を[ピーーー]結果となった
ニアの体で唯一常人ではない部分、即ちタイドメイカー
ほぼ無意識にそれが地を叩きニアの体を前進させる
ふ、と月光にナニカを感じた
それはこの戦闘の狂乱の嵐の中の平穏の目のようなモノだ
かつての最愛の存在の気配、月光に遺された強い意志

「……月、光ォォォォォォォっっ!!!!」

ミスリルの帯びる神話性に端を発する現象は極めて高度な魔法的力場を発生させる
全霊のシャウト、一閃
漆黒の光は夜を裂いて輝く
234 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/02/05(木) 01:09:52.64 ID:gLiONAKEo
>>232

「白けて結構です。アナタの愉悦には付き合えません。全ては任務がありきです」

 ディープメイカーを吹き散らされながらもα-12は冷徹であった。
 そして狂奔はそのままだが狂気が薄らぐ。拙い。白けてはいけなかったのだ。
 狂奔以上に殺すためだけの存在となった狂気こそがミスリルの奇跡の原動力であった。

【正気にては大業ならず。狂奔が残り力も確かに残るが、極限までの狂気と比してはその力は萎まざるを得ない!】

 超速のレースはさらにその速度を増す結果となる。
 相手の呪文完成が先か、刃が届くのが先か、ミスリルの励起が消え去るのが先か――!!

>>233

 共鳴励起するニアの刃も同様である。
 鈴虫の狂気の収まりと共にその極限まで高まったミスリル属性の力は急激に萎んでいく。
 しかし、手元にある力はなおも強大。眼前の吸血鬼を倒せる力を宿している内に一撃を見舞わねばならなかった。

【そして、ニアのその一撃は正に後を省みぬほどに決断的であった!】

>>232-233

「ハアアアアッ!!」

 逆手の鈴虫の一撃。手の甲を激突させて反らす!
 吸血鬼殺しの刃に触れた箇所が煙を上げて凄まじい激痛を齎す。刃が反れる!

「もう…一つ!!」

 呪文がほぼ編みあがった!解き放てば勝利が確定する。
 ニアの黒い刃。それさえ防げれば全ては決するのだ!

【魔力的力場を持つ刃。ここで吸血鬼はさらなるミスを犯していた】
 【→使い手と武器の関連性が齎す神秘が、鈴虫の剣の比ではなかったのだ!】

 一撃の力場…それにすらも吸血鬼殺しを帯びていた。
 捌こうとした腕が根元より一気に蒸発!胸から腹部にかけて袈裟切りされる!

「GGGYYYYYAAAAAAAAAAAAA!!」

 叫び、尋常ではない痛み!オーケストラを引き裂く絶叫!!
 肉体を寸断された吸血鬼は本能的にその身体を再構成しようとする。
 そして、ニアの月光は輝きを弱め、もう、先のような一撃は望むべく無いことを知らせる。

「おりじなるっ!!」

 ヴァっと飛び上がるガスマスクの女。その腕には杭。
 苦し紛れな吸血鬼。残った腕でもコチラを紙のように吹き散らすことは十分可能。
 もともと、マトモにやっては勝ち目が無いほどの膂力すらもあるのだ。
 だが、しかし、すでに吸血鬼には片腕しかない!
235 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ[sage saga]:2015/02/05(木) 01:32:10.44 ID:+gUeDKke0
>>234
「っ……、まだっ……!?」

SSSSSLASHHHHH!!
青白い魔力残光を帯びた斬撃、だが致命の一撃には及ばず
α-12の呼び掛けに背を押されるように、逆手に握る杭を突き出す
十字架めいて妖しく輝くそれは月光の発した魔力粒子帯を引き裂き
その標的たる悪魔的存在へ喰らい付かんとして迫った
そしてそれがどうなろうと、杭の刺突の結果がどう起ころうとニアの次なる行動は決まっていた

「いい加減っ……!!」
「……もいっちょっ、セェヤァァァァっっっ!!!!」

振り抜いた月光を握り直し、下段からの刺突
レイピア術に長けた越境者の手解きがあってこその鋭さを持つ
月光の精神的高揚と、確かな技術に裏打ちされたそれは青白い残光を残す超速の蛇の一咬
236 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/02/05(木) 01:46:51.16 ID:gLiONAKEo
>>235

「ハアッ!!」

 ニアを先ずは注視する領主。当然だ。彼女の手元には未だに月光があるのだ。
 そしてその動き、ニアの逆手に持った杭を爪で一薙ぎ。杭は根元からごっそり持っていかれた。
 本来は、ニアごと屠るはずの一撃であったが、ヴァンパイア・キラーの一撃は正確な狙いを許さぬ深刻な毒なっていた!

 月光はほぼ力を失いつつある。それを見て取り、即座に背後のホムンクルスを屠ろうと――居ない!?
 反射的な領主の一撃、横薙ぎをしゃがんで回避していたα-12は、ただ呟く。

「ミッション達成」

 腕の代わりに腰から伸びたるディープメイカー。その鋭敏な動作性、柔軟性、汎用性はタイドメイカーをアップデート。
 迂回するほどに大きく伸び、そのまま背後から領主の心臓を射抜くことなど容易い!!

【ドズン!と鈍い一撃の音!胸に突き立てられた銀杭。しかしこれだけでは浅い――が!】

「無理な角度でぱわー不足。後はおりじなる…」

 思った以上に鋭い突きを放つ蛇の一噛み。すでに特性を失った月光ではあったが、属性はここではもう要らない。
 必要なのは狙いたがわぬ一撃。杭を押し込むために必要な突きだけだった。

【グズン!と身の奥深くまで押し込まれた杭】

 最早、断末魔すらもなかった。
 吸血鬼殺しの大ルールは即座にその肉体を塵と化して、地面にその残滓をばら撒いたのだ!

「…ヒヤヒヤものだったな」

 イムカは息を吐いて、地面に倒れるように座った。初撃で内臓と骨がやられていたのだ。

「全く、我ながら何とも賭けとも呼べないバクチ。二度とはやらん」

 最善への希求が導き出した賭けであったが、やはりイムカには自覚症状はなし。
 ただただ成功したことを喜ぶばかりである。

「…ぷはぁ。おりじなる、グッジョブです」

 そして、α-12はというと、ボロボロの体ではあったがニアにむけて親指を立てる。
 同時にガスマスクを外したその顔は…やはりであろう。褐色肌に銀髪。そしてその顔はニアと瓜二つであった。
237 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ[sage]:2015/02/05(木) 18:41:10.14 ID:Q3zEzRHVO
>>236
「……どうも、ってんですっ……」
「イムカも鈴虫もっ、無事だってんですねっ……?」

突き出した格好の月光を一度、霞を振り払うようにして薙いだ
りぃん、と鈴の音に似た風鳴り
続き軽い金属音が鞘に納まり鳴った
背後で体を支えていた最後のタイドメイカーがぐずぐずと朽ちて果てる、限界がやって来た
脚では既に立つ事が出来ない、鏡写しの存在たるα-12に凭れるようにして倒れる
躱されればそのままうつ伏せて、そうでなければ支えられるだろう
幾多の戦闘における消耗の先、更に全身の沸血が効いた
変容したタンパク質は本来の役割を果たす事が出来ない
致死に到らずにいたのが不思議だ、だが今となってはそれはどうでもいい
緩やかに霧散しつつある意識の端で月の光の一閃の際に浮かんだ最愛の相手の偉大なる背の追憶
その光景に想いを馳せるだけで迫り来る絶対の死を振りほどき生をひた走る事を選び取ることが出来る
ニアは眠った
ただ瞳を閉じてひと時の安寧の中微睡む

//レス遅くなってすみません、悪魔城シチュはこれで〆でしょうか?
//長々とお付き合いありがとうございましたっ
238 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/02/05(木) 19:55:47.86 ID:gLiONAKEo
>>237

「…褒めたそばからコレです。おりじなるは根性が不足しています」

 無表情にニアを抱きとめると、α-12は呆れたように溜息を一つ。
 肉体状態が酷いことになっているのを察知して、彼女にスティムパックを注入しようとする。
 強いドラッグであり、クスリ嫌いらしいが、α-12にとっては知った事ではない。

(……?)

 なんで、任務には最早不要でしかないオリジナルを生かそうとしているのか、
 α-12自身も己の行動に一瞬疑問を持ったが、イムカの存在を見てとり、

「なんだ?」
「いえ…何でもありません」(ああ、ここで敵対するのは適切ではないからですね)

 と、自身を納得させた。そう自分に思い込ませた。
 一方のイムカは鈴虫のカタナからひとりでに離れてしまったミスリル聖水を回収。
 属性力を使い果たしたのだろうか、ヴァンパイア・キラーの力は既に失われてしまっていた。

(よく分からん物質だな。これも大概に。まあ、ミッション終了だ。久々にハードな…)
「パスです。アナタの荷物です。コレ」

【突然にα-12はディープメイカーを使ってニアを米俵の如くポイーッとイムカの方に投げてしまう】

「ぬな?おい、いきなり投げるな」

 あやうく、キャッチするイムカ。なんというマイペース。
 カノッサ、こんなのを工作員にしてしまって大丈夫か。と思わなくも無いイムカである。

「お互いにオブジェクトを回収しましょう。私達はセイバークリスタル。アナタは戦旗でしたっけ」
「ああ、しかし…」

 ホムンクルスのオーケストラは鳴り止まない。既に主を喪い、その葬送曲と成り果てたというのに。
 きっと、分からないのだ。命令がなく、主人も居ない。どうすればいいのか分からない。
 この哀れな人工生命に対し出来ることは、おそらく何も無いのだろう。

「この先どうなると思います?」
「知らんよ。ホムンクルス達は朽ちるまでこうやって歌い続けるのだろうが、
 あとは…吸血鬼の領主がいなくなった事を知れば、財宝の奪い合い、利権の奪い合い。その他もろもろ。
 今度は人間同士で多量の血が流れるんだろうさ。魔王を倒して終わりなのはフィクションだけさ」

 幻想譚が終わり、生臭い現実が訪れる。変化といえばその程度。
 そして、越境者にはそこまで関わる義理も義務も無ければ、おそらく資格もなかった。

「吸血鬼領主の強大な魔力力場が失われました。何時、境界線移動が起こっても不思議はありません。速やかに」
「…ああ、そうだな。カノッサ、貴様の…いや、何でもない」

 こうして一つの戦いは終わった。

【後日、報酬の金貨10枚を受け取りに行ったニアも次なる人間同士のイクサの機運を実感することになるだろう】
 【→時代を越えても、世界を越えても、戦争だけは決して変わらないのだ】

//これにて終幕!サヨナラ!
239 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ[sage]:2015/02/05(木) 22:09:01.34 ID:+gUeDKke0
「っ、あぁ……もうっ、ツいてないっ!!」

スプロールの夜の路地裏、つい今しがた止んだ毒性酸性雨
ネオンライトのコロナ放電音が煩い
己が不運を呪い愚痴りながら横に跳ぶ
先程までニアが立っていた場所を殺意の塊めいた造形のダートが通り過ぎていった
着地し、そして睥睨
敵のサイバネ強化されたニンジャ崩れはスプロールの夜にまるでそうあるべきモノであるように馴染んで輪郭も朧
どうやら彼か、或いは彼等のテリトリー(狩場)に迷い込んでしまったらしい
だからといって全くの警告もなかった
先程から絶えず飛翔するクナイダートの群れがその確固たる意思を告げている

「……あだっ!?」
「……しまっ……!」

正面より襲い掛かるそれを回避、態勢を立て直そうとした矢先に左脚に鮮烈な痛み
背後のビルの配管に弾かれたクナイが脹脛に突き刺さっているのだ
よろめき、晒す致死の隙
サイバネニンジャはメンポ(口元を覆うマスク)の下の口の片端を釣り上げてしめやかに駆け出した
ニアの元へ野鼠程の足音で一気に迫り、そしてサイバー・カタナの一閃を持ってして首と胴体に永遠の別れを告げさせる腹積もりである
240 :デュミナス・ストラティオ【魔機動力】2015/02/05(木) 22:29:07.46 ID:KfhKXFUz0
>>239

「止んだか……」

冷たい夜風が吹く夜の街。
この世界の特徴の一つである、毒性酸性雨から身を守る為某所で雨宿りをしていたデュミナス。
酸性雨の落下の強さが徐々に弱まり、やっとこさ雨は止む。
雨が止んだのを確認するとその場から動こうとする。

「あれは────」

デュミナスがその場を離れようとした刹那
ボヤけてではあるが何者かの影が見えた。
その影は激しく動き回っており、その動きから向う側では只事ではない出来事が起きていると察することが出来た。

「面倒ごとはあまり好きではないんだがね!」

あまり関わりたくは無いが、影の向う側に行かないことには道を進むことが出来ないゆえ、デュミナスはその影がいる方向へと走り出した。
その走る速さは女性の肉体からは予想出来ないほどで、直ぐに影がある場所に参着する。

「!?」
「ハァァァッッッッ!!」

参着してまず目に入ったのは、女性の華奢な肉体をニンジャの煌びやかな刀が迷いなく切断しようとするシーンだった。
デュミナスはそのまま走った速さを維持しそのニンジャに横槍を入れる為、拳を突き出した。
241 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ[sage]:2015/02/05(木) 22:42:05.15 ID:+gUeDKke0
>>240
「っ……!」
「……えっ……!?」

ぐっと目を瞑りその現実から逃避せんとしたニア
死の刹那を受け入れるなんて芸当は幼い精神には到底不可能だ
だがしかし耳に届く衝撃音、そしてサイバネニンジャのくぐもった声
真紅の瞳を開いた、ショートのアッシュグレイの髪が揺れる
視界に飛び込んで来たのは軍服めいた出で立ちの凛然たる女性が死神を殴り飛ばす絵面であった

『グワーッ!!』
『ちっ、邪魔しやがって……』

吹き飛ばされ、くるりと回転し華麗に着地
メンポをズリ下げ、ぺっと吐き捨てる血反吐
今まさにあと一歩で肉を断絶する快楽感触を味わえたというのに
彼に取って絶頂感たるそれを阻害されるのは実に苛立たしい
即座に懐に忍ばせていた鋭利な漆黒のクナイダートを3本、怒りを付随させデュミナスに向けて放った!
242 :デュミナス・ストラティオ【魔機動力】[saga]:2015/02/05(木) 23:03:19.79 ID:+3bX5SEbO
>>241

「邪魔?あぁ、すまない…君のその刀がゴールテープに見えたからつい…」
「さて────お嬢さん、怪我は?」

デュミナスは先ほどまでニンジャが立っていた場所、つまりニアの目の前に立つ。
少し離れたさきにいるニンジャを見ながら軽く冗談を、軍人ジョークを飛ばす。
美々しい真紅の宝石の様な瞳をジッと見つめながら、ニアの身体を気遣う。

「前にも似た様な光景を見たな…。あの時は確か、武士だったかな?」
「ふむ……ニンジャと武士の違いを身をもって体感するのも悪くはないか」

五本指をゴキゴキ鳴らす。
骨の音にしてはやや鈍く太い音響だ。
骨ではない別のなにかが鳴っているのか。
目の前にいるニンジャと同様、デュミナスも戦闘意欲は十分のようだ。
飛んで来る3本のクナイは何れも素早く風を裂き此方に飛んで来る。
デュミナスは右へと飛びクナイを避けると、左腕の手袋を外した────。
その左腕は人の肌とは体色が全く異なり、今宵の夜空の様に黒く光っている。
243 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ[sage]:2015/02/05(木) 23:14:38.27 ID:+gUeDKke0
>>242
「えっ……ぁ、脚が、ちょっとぉ……」

緊迫感溢れる状況にあって、非常に間延びした口調
褐色の肌は彼方此方擦り切れており、申告のあった左脚のクナイ傷以外にも細かな裂傷を受けている様子
突然の事過ぎるが為に呆気に取られつつも、しかし死の影を振り払う希望をその揺らめく外套に見出すのは容易だ

『チッ……テメェ、アンディ(アンドロイド)か?』
『それともボーグ(サイボーグ)か……まぁいい』

侮蔑的な目付きを向けるサイバネニンジャ
身体強化手術の賜物である彼は恐らく、機械めいた強化に対して侮蔑的な思想を持つのだろう
後ろに倒れるようにしてゆらり、次には即座前のめりに変わる
圧倒的加速を生み出す走法、シュクチ・ラン
一気に彼我の距離を詰めてサイバー・カタナによる一閃を煌めかせんと振るう
極めて強固な科学鋼ブレードである
244 :ミニオン=エフェメール 【マジー・フェリック】 E:短剣 >>249[sage]:2015/02/05(木) 23:30:36.71 ID:s+yNL52tO
【空は青く澄み渡り爽やかな風が街を吹き抜け水面は穏やかに揺れている】
【そこそこ活気に満ちながらものどかな空気が流れるそこは地方の港町と言った所だ】
【地方とは言え、様々な物や人が行き交うその地には見慣れない品も数多く存在している】

………………むぅぅ

【そんな街の一画にあるなんてことの無い大衆食堂の一席にて】
【周囲から明白に浮いた存在感を放っている妖精が一匹】
【周囲には亜人などもいるには居るが、そんな中であっても】
【卓の上に広げたお品書きを真剣な眼差しで覗き込む妖精の存在は奇異に映る様である】
245 :デュミナス・ストラティオ【魔機動力】[saga]:2015/02/05(木) 23:31:41.55 ID:KfhKXFUz0
>>243

「いいや…残念賞といった所かな」
「生憎私は、ボーグでもなければアンディでもない……仲間に捨てられた只の動く素材ゴミだよ」

何処か哀情を写す瞳をし、己の黒光りする左腕を見る。
機械仕掛けのその腕は機械音こそしないが、何処か無機質な音が聞こえるような気がした。
それは彼女が紛れも無い機械であり、サイボーグを意味する。

「脚の怪我は見たところ平気そうだが、あまり動かないほうがいいな、君は」
「あまり中途半端な動きをすると逆に危険だからな────!!」

デュミナスはそのままブレードを持つニンジャと相対する為に走り出した。
気付けば左腕は彼女の髪の様に海を思わせる青いガントレットに変化している。
煌びやかなブレードを弾く為、デュミナスはガントレットの拳を振りかざされるブレードをへと突き上げる。
そして其れが成功し、ニンジャに隙が出来たならば強力な蹴りを腹部へとお見舞いするだろう。
246 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/02/05(木) 23:37:21.20 ID:gLiONAKEo
>>244

「何をしている非常食一号」

 突然後ろから声をかけてきたのは、どっかで会った事あるような女。
 まるで人形のような無表情に麗しい金糸の髪。硬質の声音。
 思い出すのは容易だろう。あのメトロにて散々怖い思いをした時に同行した者である。

【にしても、なんつー呼び方であろうか!悪気はたぶん無い!】

「品書きなんぞ珍しくもないだろうに。アレか?何か暗号なり何なりが存在して解読でもしているのか?」

 何故か珍妙な類推をするのは、イムカがちょっと天然入っているだけなのでお気になさらずである。
247 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ[sage]:2015/02/05(木) 23:40:50.91 ID:+gUeDKke0
>>245
「は、はいっ……でもぉ、そのっ……」

言い淀んで飲み込む
見ず知らずの相手に助けて貰うのは始めてではない
だがそうだからと言って矢張り、素性も知らぬモノの為に身を張る相手を気遣う事をやめられはしない

『粗大ゴミだぁ?』
『バラしてナード野郎共のエサにしてやらぁっ!!』
『……グワッ!?』

ガキン!
必殺の剣閃はガントレットに弾かれた
胸を開く格好となり多大な隙を晒すサイバネニンジャ
無論不可避である、追撃の蹴りを躱す事など決して

『……アババッ!?』

ゴミ収集所へと蹴り飛ばされ、様々な粗大ゴミの下敷きになって静まる
じじじ、ネオンライトのコロナ放電音が煩い

248 :ミニオン=エフェメール 【マジー・フェリック】 E:短剣 >>249[sage]:2015/02/05(木) 23:50:31.53 ID:s+yNL52tO
>>244

……んぇ? ……えぇっとぉ〜……?


【妖精に声をかける女性へと目を向けるも何やらキョトンとした顔をしている】
【そしてキョロキョロと辺りを見回していることから】
【「非常食」と呼ばれているのが自分だと思っていない様であるが】

……あり? ニンゲンさん、前にどこかで会ったことがですかねぃ?

【マジマジと顔を見つめれば記憶を手繰り寄せる様に目を細めて尋ねる】
【顔を直ぐに思い出せないのは暗かったためか、はたまた思い出したくないからか】

んえ? これですかぁ? んっとですねぃ、実はミニオンは甘いのが食べたいのですがぁ
この紙に書いてあるののドレが甘いものなのかわからないのですよぅ

【そう言って照れた様に後頭部に手を当てる】
【ちなみにメニューを見ればこの大衆食堂には甘味の類が無いことは明らか】
【つまり、妖精は読めないメニューを前にひたすら悩んでいたということのようだ】
249 :デュミナス・ストラティオ【魔機動力】2015/02/05(木) 23:51:39.90 ID:KfhKXFUz0
>>247

見事ブレードを弾いたガントレット。
デュミナスはその隙を突かんと強烈な蹴りをニンジャの腹部へとお見舞いした。
元より機械仕掛けのその脚の力は高く、蹴りの力は予想以上に威力が有ったようでニンジャは中々吹っ飛んだ。
デュミナスもやややり過ぎたかという様な表情をしている。

「────やったか?」
「……さて、立てるか?」

烈々たる音響ゴミ収集所へと吹き飛び突っ込むニンジャ。
辺りは砂煙りが舞い誤算だったかニンジャの姿は運悪く影すら見えない。
やったか!?やったか!?
ニンジャが吹き飛んだ先を数秒見つめ、起き上がる気配がしない為、その方角に背を向けニアの元へと歩み寄れば右手を差し出し、立たせようとするだろう。
250 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/02/05(木) 23:57:49.82 ID:gLiONAKEo
>>248

「ん…なんだ。甘いモノが食べたいのか?」

 意外とこういうところでは面倒見が良かったりするイムカ。
 政治将校らしくないと兵務局から睨まれたりもする要因でもあったりする。

【ミニオンと同じ席に自然とついて、むむむとメニューと睨めっこ。ところが…】

(んっ?世界修正力が上手く働いていないのか?微妙に読めんぞ?)

 なんと!イムカもミニオンほどではないが、言語が正確に判別つかないのである!
 翻訳機能のあるサーボスカルもいないのが実に拙い。しかし、である。

「ああ、豆腐とあるな。コレか。杏仁豆腐という甘い菓子があってな。それを注文してやろう」

 イムカは、見知った言葉をどうにか解読に成功し、ミニオンに告げるのである。
 しかし!この大衆食堂に甘味の類は本来無いのである!つまり――

「オーダーだ。このええと…豆腐、豆腐だな。コレだ。うん。この子にな」

 イムカはご注文である。ミニオンに対するちょっとしたお節介。
 しかし、画面の前の諸氏にはイムカが注文したものを見せるとしよう。

【四川麻婆豆腐】
251 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ[sage]:2015/02/06(金) 00:05:56.19 ID:l6KO4hS80
>>249
やったか? どうやら本当にやったようだ
鉄パイプや巨大招き猫、食い倒れ人形などの粗大ゴミはピクリとも動かない
それはつまり下敷きになっているサイバネニンジャがそうなのだと無言に語っていると等しい

「あ、は、はいっ……」
「ったたぁ……」

おずおずと差し出された手を掴み立ち上がる
コツンと乾音、右脚が膝下から義足の様だ
庇ってはいるものの左脚の刺傷はそれなりに深い
筋を断絶してこそはいない様ではあるが

「た、助かりましたってんですっ」

アッシュグレイの短髪、褐色の肌、真紅の瞳
動き易いTシャツにチノ、冷え込む夜にしてはやや薄着か
腰に帯びる一振りの剣以外、平々凡々な少女である
ぺこり一礼するニア
どうやら気が付いていないらしい
サイバネニンジャの所属するクランメンバー達が異常を察して接近してきている事には
彼等は等しく暴力的気配を身に纏っており、鋭敏な感覚を所持していればそれに気が付く事が叶うだろう
個々は大した実力ではないが、如何せん数が多そうだ
252 :ミニオン=エフェメール 【マジー・フェリック】 E:短剣 >>249[sage]:2015/02/06(金) 00:10:58.57 ID:QS7bT9WdO
>>250

それはもうっ! ミニオンの半分は甘いものでできてるですからねぃ!

【一種の比喩表現を得意満面に言って見せるものの】
【妖精という存在の生態や普段の食生活を鑑みるに】
【あながち半分が甘いものというのも笑い話では無いかもしれない】

おぉう! ニンゲンさん! 甘いものがどれか分かるですかっ!?
アンニンド〜フ! なんとも甘やわらかそうな名前ですねぃ!!

【イムカの口から挙がった名前の響きだけで興奮した様子の妖精】
【イムカが注文している間も目を輝かせながらソワソワと落ち着かない様子である】
【そしてそんな状態のまま待つこと数分、お盆を手に店員が近づいてくるのを笑顔で迎え】

アンニンド〜フ! アンニンド〜フ! アンニンド〜……フ、です……?

【卓に置かれたモノ、四川麻婆豆腐の赤々と燃える火の如き色合いに目をパチクリさせつつイムカの方を仰ぎ見る】
253 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/02/06(金) 00:17:43.78 ID:vF86ebqeo
>>252

「………」

 地獄の釜の如くグラグラと煮えたぎったかのような、まっかっかな麻婆豆腐。
 無言で、ミニオンと四川を、もとい視線を交わす。

【なんで異世界に四川があるねんとはツッコミはノーサンキュである】

「ふむ、この世界の杏仁豆腐はえらく様変わりしているようだ」

 なんと!自分が間違えたことに気付いていないっすこの女軍人。
 自分に対する傲慢なまでの自負がそうさせるのか、たんなる天然かは議論の余地があるだろう!

【そもそも、イムカ自身、食事に対して関心がないのである】

「…ドーゾ」

 そして、無慈悲にもミニオンに勧めるのであった!

【グラグラグラと煮えたぎるような赤に豆腐の白のコントラスト!ネギの緑が合わさり、存外色合いは悪くは無い(欺瞞!】
254 :デュミナス・ストラティオ【魔機動力】2015/02/06(金) 00:23:55.01 ID:3qRVeOcs0
>>251

なんだ、やったのか。
既に一回死んだデュミナスにとって死亡フラグは関係なかったようだ。
背を向ける方からは物音一つしない。
生きる鼓動も生きる呼吸も聞こえない、つまりは天に召されたということだろう。

「……すまない。私には君を治癒する力も知識もない……」

どうやら脚の怪我は見た目より深刻そうだ。
差し出した手をゆっくり引っ張りニアを立ち上がられながらそう察し、傷を癒せない罪を謝罪する。
足の音から考えるに義足だろうか────
その義足が無事なことが不幸中の幸いだったか。

「いやなに、偶々雨が降って…偶々君たちを見つけて…偶々ニンジャに蹴りが入っただけだ。礼なんて言わなくていい」

容姿はなんら普通の女性と変わりないが、腰に帯びる一振りの刀からはニアが実力者であり、数々の修羅場をくぐり抜けてきた強者であると軍人としての勘がそう感じさせた。

「ところで、私の知識ではニンジャというのは大体集団で行動するのが当たり前の筈なんだが……彼奴は一人だけだった」
「もしかしたら、彼奴の仲間がこの場に直ぐにやって来るかもしれない。今ならまだ逃げてもバレないだろうし、どうだろう?」

一個戦力ならなんら問題ない。
しかし、集団となれば話は別だ。
一匹のミツバチが一匹のオオスズメバチに敵わなくても集団のミツバチは一匹のオオスズメバチを葬ることが出来る。
この場合はニンジャがミツバチ、オオスズメバチがニア、デュミナスに当てはまる。
おまけニアは怪我をしている。
出来ればここは戦いを避けたいところだが────
255 :ミニオン=エフェメール 【マジー・フェリック】 E:短剣 >>249[sage]:2015/02/06(金) 00:36:33.74 ID:QS7bT9WdO
>>253

何だか、あんまり甘そうじゃないですよぅ……?

【自分と麻婆豆腐を見比べるイムカに不安そうな表情を向ける】
【色々なコトに無頓着な妖精だが、こと甘いものに対しては例外なのか】
【目の前のソレの色合いと香りからソレが期待していたものと違うのではないかと思い始めているが】

変わってる、です? ん〜……

【変わってる、そう言われてしまえば元々の知識が無い妖精には判断できない】
【故に、少し変わっててもアンニンド〜フとはこんな物なのかもなどと一人納得し】

それじゃあ! いただき……ま〜〜っ!

【通常サイズのスプーンを両手で抱えて器用に麻婆豆腐を掬い取ると】
【赤熱しているが如き色合いと熱を讃えた液体を絡めた豆腐にかぶりつく!】

……………………………ゔぇ

【次の瞬間、妖精の周囲で時が止まったかの如くピクリとも動かなくなると】
【スプーンの先を口に含んだ体勢のまま、妖精の顔色がまるで信号機の如く】
【赤から青へ移り変わり、やがて血の気の引いた黄色になると同時】
【スプーンを口に含んだ体勢で固まってしまったかの様にコテリと音を立てて倒れる妖精であった】
【あまりの辛さのために意識を失った妖精が目を覚まして暫くは赤い物を見る度に拒否反応が出たのはまた別の話】

//返しが遅くてすみません
//そろそろ時間なので〆です、お付き合いありがとうでした!
256 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ[sage]:2015/02/06(金) 00:37:47.41 ID:l6KO4hS80
>>254
「い、いえそんなっ、これはニアの不注意ですしっ……」
「あっ、申し遅れましたってんです、ニア・シューペリオリティ」

思いがけない謝罪の言葉に慌てて手振り付きで否定
元々は自身の油断が招いた危機なのだ、それを助けて貰ってしかも怪我のツケまで払わせるなど出来ようはずもない
名乗りながら再度、ぺこりと頭を下げた

「うぅ……そ、そういって頂けるとっ……」

助かります、と苦笑
なんせ金銭の類を要求されれば手持ち全てを支払っても足りぬ程の恩義なのだから

「仲間ってんですかぁ……?」
「それじゃ、こっちっ……」

増援の気有りと取れる言葉に周囲をキョロキョロ
どうやら大通りに出ればある程度の土地勘があるらしい
そしてこの裏路地を後にすれば暴力の気配達とも取り敢えずはサヨナラ出来るだろう
2人の越境者の出会いはスプロールの夜の貪婪爛々とした光輝に溶けて行く

//半端ではありますがすみません、これで〆させて下さいっ
//ロールありがとうございましたっ
257 :エディータ【適合者の魂】2015/02/06(金) 18:18:02.55 ID:no9hXo0nO
【純喫茶『宇宙船』】
境界線を漂流するのは人だけとは限らない。
世の中には想定をこえたシロモノが漂流している。
誰がいったか『ありえないなんてことはありえない』のだ。
そう、内部を喫茶店に改造された宇宙船がさまよってるくらい普通なのだ。

昼は喫茶店のこの店も、夜になればお酒を嗜む客も湧く。
ただ、今日の客のうち約一名は、一等行儀が悪かった。

「ううー、ピルスナーに腸詰めにじゃがいもとか
 此処はこの世の楽園かあああ」

漂流稼業してると故郷の味が恋しくなるものだからゆるしてやってほしい。
ボックス席の毛布の山からつきでた小さな足と、
『子供がいる場合は禁煙』の張り紙をみて、タバコはしまったのだ。
これくらいはゆるしてやってほしい。

窓の外は月が3つも浮かんだ荒野である。
まさしくオアシス……

「いい肉使ってるよなぁ。
 ここは地獄の楽園かぁ……」

腸詰めの焼けた皮の弾ける瞬間。あふれた肉汁。
それを一気に流しこむ炭酸とアルコールの刺激。
嗚呼、これを至福と呼ばずなんと呼ぶのか。

砂色ショートヘアに着崩した軍服風のお姉ちゃんは、小さなしあわせにひたっているようです
258 :ガタノート【永劫邪神】2015/02/06(金) 18:28:36.49 ID:3j25sAIzO
>>257

「やれやれ…今日は随分と御行儀の悪いお嬢様がいるみたいだね」

純白のスーツを着こなす白髪の成人男。
ワイングラスを揺らしながら、横目である女性を見る。
その女性を見る男の表情はやや不機嫌そうだ、

「ねぇ、君…随分と気分が良さそうだねェ」

男はワイングラスに残っているアルコールを一気に飲み干すとカウンターから離れた。
両手をズボンのポケットに突っ込み、高級そうな革靴の音を鳴らしながら女性の元へと歩み寄り話し掛ける。
259 :エディータ【適合者の魂】2015/02/06(金) 18:41:34.56 ID:no9hXo0nO
>>258
がっつくの一旦停止。
でもビールの瓶からは手を離さない。

「残念ながら、育ちが悪くてねぇ。
 それでも、地元離れて流されて故郷の味は恋しくなる」

くいっと一杯。
本人いった育ちの悪さは間違いなく事実でしょう。
足は実用性重視のコンバットブーツだし、服も実用性重視なもの。
布が包んだ中身も、戦闘向けな感じが漂ってる。

「まぁ、故郷の味がなくても、あたしはいつだって人生楽しむことにしてるけどね。
 そっちはすごく機嫌が悪そうにみえるよ?」
260 :ガタノート【永劫邪神】2015/02/06(金) 19:20:42.36 ID:3j25sAIzO
>>259

勢い良く口に運ばれて行く食材達。
その食材を口へと運ぶ手は運び終えれば再び迷う事なく、次の食材へと手を伸ばす。
しかし、突如その止まることなき手は男によって止められた。がどうやらビールだけは離さないようだ。余程酒付きかビールが好きなのか

「へぇ、君は随分自分勝手な人間なんだね」

エディータのビールの飲み方は慣れた飲み方な気がした。この場合の慣れたとは、飲み慣れた、または美味そうに飲んでいる、といった意味合いだが今はどうでも良いか。
兎に角、エディータが周りを悪い意味で気にしてないことは分かった。
ガタノートは両手をポケットから出すと、エディータと対面に成るように同席し、勝手にワインを頼んだ。

「そうだね…。君の食べ方が余りにも美味しそうだったからかな…」

分かりやすい皮肉というかなんというか。
261 :エディータ【適合者の魂】2015/02/06(金) 19:31:08.54 ID:no9hXo0nO
>>260
「気取った連中ならこんな店にはこないさぁ。
 最初から最後まで自分勝手な人間さね、あたしは」

少なくともお店の外見からして、格式なんてものとは無縁なのです。
どちらかってと漂流者にとってのオアシスにして駆け込み寺である、
クリームでべたべたになったちびっ子がいても気にしちゃいけないタイプのお店だ。

「そいつぁ、素晴らしい“褒め言葉”だねぇ。
 まずそうに食うより、よほど料理人が喜ぶ。
 NGなら、とっくに店長から怒られてるさ」

瓶に残ってたのを一気に飲み干し、店主にお代わり注文。
問題なくおかわりが……、いやグラスが2つのオマケつき。
栓抜きであけると、二人分注ぐ軍服ねーちゃんの図。
どうだね、一杯
262 :ガタノート【永劫邪神】[saga]:2015/02/06(金) 19:41:36.07 ID:3qRVeOcs0
>>261

「ハハ…君、面白いねぇ。気に入ったよ」

開き直るエディータを気に入ったのか、肩を小刻みに震わせ鼻で笑う。
勿論、この喫茶店が気取った連中、《成り金》《成功者》《金持ち》がやって来るような場所ではないのは、周りを見れば直ぐに分かる。
寧ろ、この店でスーツを洒落込んでいる彼の方が浮いていると言えるだろう。

「そうだねぇ……僕が料理人でも君の様な人に作った料理を食べてもらった方が嬉しいね……まぁ、僕は料理人ではないんだけどね」

「ハハ…やれやれ、たった今ワインを頼んだところなんだけどねぇ」

差し出されるグラス。
男は一言多い台詞を吐き、そのグラスを受け取る。
そうだね、一杯もらおうかとガタノート
263 :エディータ【適合者の魂】2015/02/06(金) 19:47:59.56 ID:no9hXo0nO
>>262
「な? 自分勝手だろう?」

相手の酒をねじ伏せて自分の好みにあわせさせる。
まさしく“自分勝手”の体現者…。
おかわりを煽って、ほくほくのフライドポテト喰って
生きてるってこういうことだなぁ、と。

「まぁ、個人的に“気取った連中”が嫌いってのもあるけどね。
 結構な確率で、あいつらは足元見てない率が高すぎるし
 それで死にかけりゃ嫌いにもなるさぁ」

お酒と上手い飯が楽しめるって幸せなのさ、と。
窓の外を見ながらちょっと寂しい顔になり、

「さて、あたしばっかり話してるけど、そっちはどうなのさ」
264 :ガタノート【永劫邪神】[saga]:2015/02/06(金) 19:55:31.43 ID:3qRVeOcs0
>>263

「ハハ…参ったよ」

グラスに注がれたアルコール。
グラスを左右へと揺らしながら、波打つアルコールをグラス越しに見る。
目を凝らせば若干ボヤけて、フライドポテトをほほばるエディータが見えた。

「まぁ、僕は気取った連中は好きだけどねぇ……」

一口アルコールを口に含みそのまま喉へと流す。
冷たいアルコールが喉を潤す。
もし彼がおっさんで此処が居酒屋なら、カーッと言うだろう。
窓を寂しげに見つめるエディータの顔を一瞬確認するが、特にふれず質問に答える。

「僕かい?そうだねェ……」
「気取った連中は好きだよ、特にカミサマとか……ね」
265 :エディータ【適合者の魂】2015/02/06(金) 20:04:02.62 ID:no9hXo0nO
>>264
「神様なんて、この世で一番信用できないヤツのことだなぁ。
 あいつらのクシャミ一つで歴史が変わるんだから、とんだ困ったちゃんさ。
 そのくせ、一番大事なときには仕事をサボるんだ」

ヒトの力で困難を切り開いた側であるがゆえに。
笑いながら飲む一杯に、誇りを持った戦士の表情。
ま、つつけば、誇りなんてないよと笑い飛ばすだろうけれど。

「あんたのカミサマは、あんたに優しかったのかな?
 あんたの世界に優しかったのかな?」

どうよ、その辺
266 :ガタノート【永劫邪神】2015/02/06(金) 20:30:13.08 ID:3qRVeOcs0
>>265

カミサマなんてものは所詮、人間の創造物にしかすきない。
だからカミサマは人間の想像で一番凄い位置に存在するが結局は想像の域から抜け出すことは出来ないし、人間の創造物なので人間の想像出来ないことはカミサマも出来ない。
全能だって人間が想像したからカミサマが使えるだけで人間は全能の更に上、全知全能を想像出来たからカミサマは全知全能になれた。
しかし、人間は全知全能より上を知らないし想像出来ないからカミサマは全知全能止まりなのだ。
つまりカミサマとは人間の想像によりその存在を左右される。
エディータがカミサマを悪と考えれば、エディータが想像するカミサマは悪になり、善と考えれば、カミサマは善となる。
ガタノートはエディータのカミサマの印象を聞き、大体彼女の想像するカミサマがどんなものか予想した。

「へぇ、意外だね。君みたいな人ほどカミサマを信じてると思ってたんだけど。まぁ、カミサマは気まぐれだからね、クシャミで歴史を変えて咳で戻すかもしれない」

グラスのアルコールを飲み干す。
ネクタイを緩ませる。
遅れて運ばれて来たワインを別のグラスへ注ぎ先程の御返しのつもりか、エディータへと差し出す。

「そうだねェ……。僕の世界ではカミサマは《邪神》なんて言われて恐れられてたよ。僕は優しかったかは分からないな」

己のグラスにもワインを注ぎ口へと運ぶ。
ワインと共にエディータに言おうとした言葉を飲む。
エディータに言おうとした言葉、自分がその邪神だということ。
だが、実際そんな凄い事でもないし彼女は恐らくそんな話を聞いても驚きはしないだろうと思い言わなかった。

「────っと悪いね、そろそろ行かなくちゃいけなくなっちゃった」
「僕の上司から呼ばれてねェ……」

左腕に付けている金の腕時計を確認する。
別に彼は気取った連中では無いがそう見える服装をしている為か、気取った連中に見えてしまう。
ここのお金は僕が支払うと言い懐から財布を出し、足りるであろう金額の倍を出す。
恐らくエディータはまだ食べ続けると思ったからだろう────。

「じゃあね、変わったお嬢さん。君とはまた何処かで出会いそうだ────」
「次会う時は、もっとユックリ話そうか……」

そう言い喫茶店の出口へと向かう。
出口の扉を開ける間際、顔も体もエディータの方へと向けなかったが、声だけはエディータに向け

「僕の名前はガタノート。暇があったら調べてみるといいよ。多元世界共有かは知らないけど」

といい店を出た。

/すいません、今から夕御飯なのでこれで〆でっ、またロールお願いいたします!
ありがとうございましたっすん
267 :エディータ【適合者の魂】2015/02/06(金) 20:35:20.37 ID:no9hXo0nO
>>266
「信用ならないってことは信じてるけどね」

頼りにはしない。自分の道は自分で切り開く。
そういうイキモノを世の中では英雄と呼ぶのかもしれない。

「邪神だろうがなんだろうが、あてにはしちゃいけない。
 さぁてその上司がどうやって境界を超えてるのか興味はあるけど
 調べようとは思わないねぇ」

支払いを持ってくれたことについては感謝を。
一応、見送りくらいはしておきましょう。

//
のし
268 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/02/06(金) 21:42:41.36 ID:vF86ebqeo
【境界線世界――4.59638259】

 傭兵ギルド――

 様々な要因で世界中に紛争や争いごとが激化する世界においては、
 ときおり、このような戦いに関与することで利益を得る組織が隆盛することがある。

 そして、その力が強大になるにつれ、ギルドそのものが大きな戦争に裏で関わるようになり、
 傭兵ギルドが存在する限り、紛争が消えることは無くなる。
 (もっとも、傭兵ギルドが無くとも紛争が消えることはないのだが)

 そうして、そういう組織は表立っては「中立」の立場を保っている。
 どこかに加担してしまえば、傭兵組織としての信頼を失うことになるからだ。

 −−−−−−−−−−−

「今度はまた随分とヌルい世界に飛ばされてもんだ。何時になったら君たちの平穏を得られるんだろうな」
「うー…ほうたいおんなガンバ」

 腰の革ポーチから顔をだす小さな妖怪達と会話をしながら空を見上げる。
 路銀はまだ少しはある。が、明らかに装備が足りない。
 彼女がここに来るまでに関わった戦いは紛れも無い激戦であり、入手した物資もその多くを消耗してしまっていた。

「ありがとう」

 しかし、イムカが弱音を吐くことは無い。常に最善を尽くす心構えである。
 それに一応、ツテらしきものは確認できた。

(傭兵ギルド…試験合格者には一定のクレジットと装備品販売資格。これだな)

 かつてに比べて、著しく、装備品を損なってしまっているイムカにとっては、
 現地調達は実際、必要でもあった。それに――

「文明(テクノロジー)レベルは悪くない」

 空を飛行する都市防衛大型空中砲台の威容を見上げながら、イムカはひとりごちた。
269 ::ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6[sage]:2015/02/06(金) 21:54:38.44 ID:VSxXO8IU0
>>268
「だが人間最後に頼れるのは二本の腕よ あんな火薬のおもちゃばかり使ってちゃ腕っぷしがなまっちまう」
そんなイムカの横で同じく法大を見上げているのは 時代錯誤な武具に身を包んだ男

「んでこれを受けてみようって? まぁ路銀が出るってのは魅力的だな」
270 :オルカ【ブライニクル・アレイ】[sage]:2015/02/06(金) 22:05:04.87 ID:emJYQuDh0
>>268 >>269
「おぉ〜……でっっっかい……」

遠く、高く、遥か彼方まで広がる紺碧の空。眼下に広がる煉瓦の街並みを見下ろしながら風に吹かれ、淡い水色の髪を靡かせる一人の旅人。
ごうんごうんと蒸気駆動音を立てながら悠然と空を横切る巨大な要塞のような砲台を眺め歓喜
「ココが今日のお勤め先かぁ」と零す呑気な台詞からは砲台の物騒さなど微塵も考えていないかのような日和った雰囲気が醸し出され

「ともあれ…まぁ、ヨロシクお願いなの、旅の方〜♪」

今日のお仕事は何かな、なんて考えながらがらがらとキャリーバッグを引きずり歩き出す。
今回の仕事は偶然居合わせた旅の二人と一緒に食い扶持を稼ぐ為に「ギルド」なる組織へ加入することらしい。
ギルドとやらがどんな場所かは知らないが、まぁ今回も上手くいくだろうと楽観的な考えと共に路を数歩進んだところで不意にぴたりと止まって振り向く。
ひらひらと陽気に二人へ手を振り、にぱっと明るい笑みを見せれば白い歯と頬のラメ入りシールが陽光を反射しきらりと輝いた。
271 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/02/06(金) 22:05:50.73 ID:vF86ebqeo
>>269

「そういうことだ。伍長…うん、つくづく世界漂流は妙な引き合い方をする」

 無数に枝分かれする世界軸がこうも合致するとは、
 幾つかの世界で発表された世界漂流の研究論文は的を得ているなと感想。

【そんなことで、一緒にホットドックでも食いながら色々世界の在り様の調査をしていた次第】

「腕っ節か。相変わらず原始人めいた考え方だな君は」

 そんな事をいうイムカであるが、それなりに格闘術を身に着けていたりはするわけで、
 自己の性能の大切さは一応、心得ていたりはする。

「私からすれば金属の欠片だけを帯びて戦場などゾッとしないのだがな。
 火薬を光学エネルギーは戦争にとって重要な要素とは認めねばならないよ」

 火薬がどれだけ歴史に影響を与えたかを語るイムカであるが、
 そんな歴史を歩んでいない世界の住人にとってはちんぷんかんぷんかもしれない。

「君も受けてみるか?ツテも路銀、資格もあるに越したことはないだろう?
 かなり社会的に優遇されるみたいだぞ。傭兵ギルドとやらは…」

 美味しそうな特典が一杯である。
 「傭兵」=「高収入&スリル満点の職業」と宣伝文句は欺瞞にも満ちていたが。
272 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/02/06(金) 22:11:17.56 ID:vF86ebqeo
>>270

「…君もな」

 おのぼりさんめいた同行人に密かに溜息なイムカ。
 出会い方はまあ、いろいろだ。小妖怪達がうーっと顔を覗かせているのを見られたとか、 
 騒がれるの拙いから話をしていたら、何か似た境遇であると分かったとか。

「しかし、いいのか?傭兵ということは争いだ。
 私や伍長はいいが、君は争いごと専門の身分を持ってしまう事に問題はないのか?」

 無表情で言っているため、まるで責めているような言い回しであるが、
 実は彼女の心配をしているのであるが、どうも鉄面皮はコミュ力にマイナス判定である。
273 ::ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6[sage]:2015/02/06(金) 22:21:18.53 ID:VSxXO8IU0
>>271
ホットドッグにマスタードを目いっぱい絞ってあんぐりと

「まぁ…あれだろ? お前さんの言っていた越境者同氏は惹かれあうってやつ
 俺もそれなりに世界を渡ったが 越境者に出会わなかった時はなかったしなぁ」

もごもごと咀嚼しながらの発言 マナーがなってない 安いコーヒーでそれを流し

「原始人なんだから仕方がないじゃない アレだ かつ丼を見たこともないヤツにかつ丼がないと死んじまうと言ったところで理解されないのと同じ事さ」

歴史のお勉強 ノーサンキューと言わんばかりにイムカの言葉を左へ受け流している

「あぁ なんにせよ 明日のホットドッグのために清き労働に勤しむ手段は得ておいて損はないってな」
手をたたいてパンくずを払落し どっこいせと立ち上がる・・・が

>>270
「え? あ うん よろしく・・・」
なんかものすごくフランクに話しかけられましたが 彼は誰でしょう?

まぁ空中砲台なんぞ飛んでいる中で剣を帯びている人間を不審に思わないのだ きっと越境者なのだろうきっと
だがまぁ必要なことはイムカがすべて言ってくれた あとは返答を待つとしよう
274 :オルカ【ブライニクル・アレイ】[sage]:2015/02/06(金) 22:28:20.31 ID:emJYQuDh0
>>272
「任せて!小さい頃から無駄に能力者に付け狙われてたから戦うことには慣れてるの!」

得意げな笑みと共に力こぶを作るふりをしてみせる。無論人殺しが好きって訳じゃ無いんだけどね。と付け加えつつ。

「まあやらなきゃいけないことはやらなくちゃ…って程度かな…?」

オルカ曰く小さい頃から対能力者用の自衛は日常的に行ってきたという。自力で境界を越え歩く実力が備わっている事実ゆえ、戦力外という事はおそらく無いだろう。
しかしやはり闘争への分別を完全にはつけられていないようで、イムカの表情をやや威圧的に感じたようだ。
少しバツの悪そうな顔で頭を掻き、やがてその手は吸い込まれるようにして肩のタトゥーを撫でた。

>>273
「…………」

今なんだか物凄く失礼な事を心の中で呟かれた気がする。と
眉を顰めむっと表情を曇らせロイを睨みつけるようにして一瞬見つめた。
確かに見た目はマスキュリンだったりするかもしれませんがこう見えても立派な女の子なんです。
275 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/02/06(金) 22:35:55.25 ID:vF86ebqeo
>>273

「そうやって食べるものなのか。モグモグモグ」

 真似をしてマスタードを一杯かけたホッドドッグを頬張る。
 ちなみに味の感想は辛い、腹に溜まる。以上。素っ気ないものであった。

>>274

「中々にハードななりゆきだな。…まあ、自分で決めたことなら私にどうこう言う権利もないか」

 そして、イムカは言葉少なく言うと先行して歩き出してしまった。
 こういうのはどうにも苦手なのだ。イムカ自身が。


 −−−−−−−−−−−−

>>273-274

【傭兵ギルド】

 先ずは必要書類の記入を行わなければならない。どの世界でも大原則である。
 ここは、社会的保障が無い越境者は大丈夫だろうかと心配するところではあるが、

【ここのトコロは実際に脛に傷ある連中も積極的に加入OKなのだろうか。
 少し気の利いた偽造屋から入手した身分で十分にパスできそうであった】

「問題ない」

 偽造パス(おそらくはバレているだろうが黙認されるためOK)で通り、
 次の試験…筆記試験である。

(この二人、字は書けるのだろうか?)

 スゴイシツレイな事を考えるイムカであった。

【筆記は実際は、最低限の常識と知識があるかを判別するためのものである。
 幼い子供でも回答できる内容であり難易度は低い(※加入後に作戦内容が理解できないようでは困るためだ)】
【→知識と常識レベルが問われております】
276 ::ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6[sage]:2015/02/06(金) 22:51:05.97 ID:VSxXO8IU0
>>274
「♪〜」
この女性が睨んでくるのと同じタイミングで顔を横にそらして視線を華麗に回避
だってキャラシートがどこにあるのかわからなかったんだもん(メメタァ

>>275
ホットドッグを買ったときに文字は確認しました 自分の知っている文字だったので安心しました

(・・・こいつ人のことを馬鹿にしてやがんな?)
表情の変わらぬイムカの考えを的確に読む 案の定失礼なことを考えているようなのでジト目を送っておきましょう

さて この男 ローテクな世界出身なれど 軍人崩れな為 最低限の教育は受けております
なので難易度の低いこれらの問題を難なくクリアできるものとする

「こんなんラクショーっすわ」
サラサラサラリと書き記していくが 彼が使っている筆記具 なんと元いた世界からの持参品 羽ペンである
傭兵なんてやくざな組織の中で 優雅に羽ペンを動かすこの男は はたして変な目で見られないでしょうか?

なんか槍とか剣とか鎧とかで武装してたりもしますしね★
277 :オルカ【ブライニクル・アレイ】[sage]:2015/02/06(金) 22:52:31.72 ID:emJYQuDh0
>>275
「(……うわ、これでOKなんだ…)」

「問題ない」の一言に思わず小声でツッコミ。「やばっ」と口元を押さえてなんとかごまかす。
"形式的なもの"とはいえここまでのものは初めてだ。"ギルド"という場所がどういうものかを今一度実感したようだ。
この組織に対してやや不安な感情を覚えながらもペーパーテストに解答するため席に着く。こんなところでも支払いはいいんだ。我慢我慢と自分に言い聞かせ解答開始
流石に識字率90%越えの先進国出身であるため問題なく字は書ける。テストの内容もいたって簡単なものだ。
楽々答え終わればギルドの係に提出。自分は椅子に腰かけたまま脚をぶらぶらと揺らしながら次の案内を待つ。

【テスト結果】
【知識…平均レベル。海洋生物についてやや詳】
【常識…生死についてはややドライ。親子の絆について疎い】
【備考…"悪魔"を過剰に正当化する傾向あり】
278 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/02/06(金) 23:07:25.21 ID:vF86ebqeo
>>276

「………」

 もちろん、羽ペン男が奇異の眼で見られるのは当たり前であった。
 どこかの文化レベルの低い異星人めいた武装といい、
 とにかく目立つ結果となった。

「はぁ…」
「うー、ほうたいおんな、元気だせ」

 そしてイムカは呆れた。

【知識…いちおうOKなレベル】
【常識…文化的に僅かな矛盾があるかも。だが気にするほどで無し】
【備考…羽ペン男】

>>277

 先進国でしっかりとスクールを卒業しているならば、
 ここで書かれているテストは概ね楽にパスできるというものだ。
 案の定、オルカを含めて、このテストはパスできて当たり前レベルで終わった。

「まあ、問題はないな」

 ちなみにイムカは常識でかなり怪しい成績であったことを追記しておく。
 神なる皇帝陛下について堂々と書いちゃあ拙いのだ。

 −−−−−−−−

【実技試験】

「実技は共食い≠行ってもらう!貴様らにはダミーと戦いながら目標を達成してもらう!」

 いかめしい面の試験官の言葉と共に各々に火器が手渡される。
 標準的なアサルトライフルにピストル、そしてスタン・グレネードが2本。全てゴム弾である。
 また、何らかの超能力めいたモノを持っている者は使用してOKらしいが、

「制御装置をつけてもらう!これは事故を防ぐためであり当然の処置だ」

 なお、隠していた能力を使用したものは失格し、最悪の場合は射殺対象になるとのこと。

【言い換えれば、使用しなければ、能力を秘匿したままこの試験を通過できるということでもある】

「ふむ…」

 イムカは銃器の状態を確認。特に問題なし。
 レンタル品であるためか、単純な造りで、やや重いということくらいである。

「目的は簡単だ!このA地点からあそこのB地点まで、たどり着ければ合格!
 撃破判定を受けたモノはその場で失格だ!」

 その会場は広く、さらに人工的な崖やら障害物やらで隠れるところも一杯だ。
 一応、B地点までは見晴らしのいい最短ルートの一直線もあったりはするのだが。

(…共食いだと。何故、そのような単語を使う)

 試験前に書かされた契約書をもう一度、イムカは反芻する。
 生命を落とすことがあっても、一切責任は問わない。と確かに記述されてあった。

【イムカはもう一度、自分の銃を見る。弾丸は確かに模擬弾…】
279 ::ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6[sage]:2015/02/06(金) 23:23:38.45 ID:VSxXO8IU0
>>278
「お? どうした溜息なんぞついて 試験は続くんだし元気出していこうぜ」
原因が自分にあるなんて思いもせず 陶器のインク壺にコルク栓をキュッとはめ込んだ
なお 羽ペンは自作である

さて 無事に筆記試験はクリア 実技に入るわけだが
この場合刀剣類はOKなのかNGなのか

「参ったな マスケットは苦手なんだ」
銃を握りしめながらボヤく しかしまぁ共食いときたもんだ

「おおかた ほかの試験参加者と撃ち合いディスカ? なんにせよ気をつけねば」

【なお 筆記の試験時に闘志(パイロキネシスと表記)と月閃歩行(制限付き空中飛行)を明記したということでおk?】

銃を握りしめ 開始の合図を待つ
280 :オルカ【ブライニクル・アレイ】[sage]:2015/02/06(金) 23:28:12.44 ID:emJYQuDh0
>>278
「(ねぇ、すっごい見られてるけど大丈夫なの…!?)」

イムカの答案とイムカの後ろ姿を何度も代わる代わる見てはひそひそ声で何やら話し合う試験監督官数名。
後ろ指を指されるイムカを見かねたオルカは同じく声を潜めてイムカへ問い詰めるだろうが、当のイムカ本人にはオルカの焦燥の訳は理解できないだろう。
終いにはイムカは字が書けるのだろうか?などとスゴイシツレイな疑問を返す形で思案するオルカであったが、
結局全員無事通過したことによりまあ結果オーライかと細かく考えることをよすことにした。

「うえぇ、銃かぁ…銃は苦手なの…」

体術と能力のコンビネーションを主とするオルカにとって銃というものは苦手分野のひとつ。
扱うのも相手取るのも苦手だ。かといってここで能力を晒してしまえばイザという時に何か不都合があるかも…
思慮の末にここは苦手な銃器に甘んずることにした。不慣れな手付きでアサルトライフルを持ち上げ空撃ち。
少し恥ずかしそうに顔を赤らめてコッキングレバーを引いた。

共食い。イムカと同じくこの言葉が少しだけ引っかかったものの、まぁ「誰が一番速く辿り着けるか」といった具合のものだろうと楽観的な考え。
緊張に少しだけ高鳴る胸に銃を押さえつけ、グリップを握りなおして開始の合図をじっと待った。
281 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/02/06(金) 23:42:23.90 ID:vF86ebqeo
>>279

【刀剣の類が得意という変わり者はロイが始めてというわけでもないのだろう。
 一応、硬質ゴム製のナイフやソードの類の貸し出しも行われている(手持ちの真剣は流石にNGである)
 また、硬質ゴム製の長物(ハルバートやランス)は流石に無い。そも需要が無い】

「いや、試験参加者は全員こちらにいるぞ?」

 A地点にはイムカやロイ、オルカを始め、100人近くはいる。
 元職業軍人から、立身出世を夢見る青年、少年少女など人種も様々である。

「あと、マスケットじゃない。引き金を引けば3点バーストで撃てる。フルオートのスイッチはここだ」

 何ともはやなロイの銃に対する理解にイムカは説明するハメになったとか何とか。

【ロイは事前の記入もあり、腕に調整リングを嵌めての参加である】

>>280

「何がだ?問題ないだろう」

 自分に自信満々なイムカは試験官たちの奇異など何処吹く風である。
 常識が危なかっただけで、あとは無難に終わらせている。

【そうして、実技試験。周囲の熱気とスタート前のある種の焦燥が満ちた雰囲気】

「…オルカ、少し嫌な予感がする。私について来い」

 −−−−−−−−−−−

>>279-280

「それでは…始めい!!」

 ブーッ!と合図が響くと共に各人が一斉に走り出す!
 イムカも勿論、走るが、ここは最初にゴールした者がOKという試験ではないため、
 比較的、余裕を持ってのスタートである。

【→銃とグレネードを所持してもランニングはある程度の訓練が無ければ存外に体力を使う】

 人口的な太陽の熱気が大地を叩く。そして障害物のところまでくると、参加者とは別の気配。
 統一されたヘルメットとボディアーマーを着込んだ連中が瓦礫の隙間や、
 ビル頂上の影から姿を現し始める。その動きは一応、訓練はされているが――

【→ダミーとはおそらくこの者達のことなのだろう。
  実力的には測ることさえ出来ればだが…ブートキャンプ(新兵訓練所)を卒業する段階くらいの動きといえばいいか?】

「おうおう、アレがダミーか?」
「どうせ模擬弾なんだ!盛大に撃ってやるぜ」

 先行する試験者が銃を構える。瞬間、崖の上の狙撃兵ダミーからパン、と軽い発砲音。
 そして、試験者二人が先ず、もんどりうって倒れた。ゴム弾とはいえ、命中したらさぞや痛かろう。

【数瞬後、試験者の穿たれた頭蓋より血と脳漿が溢れて、地面を汚した】
 【→現時点で気付ける者は少ないだろう。(倒れ方、観察眼、殺気、火薬の音、雰囲気)】

「さあ、進め進め!ゴールした者は無条件で合格だぞ」

 そして、試験官は試験者達を走らせるための合格というニンジンを示す。
282 ::ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6[sage]:2015/02/06(金) 23:57:47.30 ID:VSxXO8IU0
>>281
とりあえずナイフとソードを両方とも借りることにしました

「あぁそういえばそうだったな どうも銃っていうとマスケットしか頭になくってな」
以前 蟲が跋扈する世界で使ったことがあったが それ以来使ってないために使い方なんぞすっかり忘れてしまっていたのだ
おとなしくイムカのレクチャーを受け

「あ そういえばマスケットじゃないにしても こいつぁ銃なんだ だったら…」
と借りたナイフを銃に括り付け バヨネットとして使うことにしました

「ちょっと短いが これでも十分槍として使える」
とご満悦だそうな

そして合図とともに走り出す
故郷ではこれより重い金属製の鎧武器を所持して 道なき山々を走り抜けたのだ 楽勝・・・とまでは言わないが まだ余裕はある

さて しばらくすると妙な連中が現れました ダミー・・・なのか?

「・・・・・っ!!」
いやな気配を感じ 近場の隠れ場所に隠れる 次の瞬間乾いた音が響いた

いやな気配 その正体は殺気である しかも
(こりゃぁ前にも感じたことがあるぞ・・・ああいうソゲキヘイってのは 針みたいに尖がった殺気を放つもんだ・・・!!)
もしもダミーであるならばあんな殺気を放つ必要はない こっそりと陰から顔をのぞかせ 試験者を見る

【打たれた瞬間悲鳴を上げたか そのあと倒れてうめき声ないし悲鳴 それにまだ動いているか 動きは死に際の痙攣か そうでないかを確認】
283 :オルカ【ブライニクル・アレイ】[sage]:2015/02/07(土) 00:02:48.53 ID:pAsIjZeI0
>>281
「……え、うん…」

初めは意味が分からなかった。ただイムカの言葉に従い疑問の色を見せながらも付き従うのみだった。
しかしその意味がようやく分かる時、それは引き返すには少々遅すぎた。オルカは最早後に退けない所まで足を踏み入れてしまっていたのだ。

志願者の中には青年、壮年、さすらいの旅人から死線を潜り抜けたであろう老兵まで。様々な顔が並んでいる。
中には自分よりも若い少年少女、年端もいかない子供の顔すら見られることにオルカは困惑した。
そしてその子供達にも冷たい銃口が向けられることをオルカは嫌でも知ってしまうこととなった。

「……っ…あ、あいつっ………」

そして、オルカはその光景を見た。否、見てしまった。
飛び散る脳漿と血飛沫、ぐるりと回転し地面へと強かに打ちつけられ、後続の群衆にぐちゃぐちゃに踏みつけられて見えなくなる身体。
それは不幸にもダミーから放たれた光の筋を目で追ってしまったことが原因だ。どこの世界に光の尾を引いて飛ぶゴム弾があるものか。

ふつふつと胸の内から湧いて出る怒り。こっちに実弾を撃ち込んでおきながら自分たちにはアーマー越しにゴム弾か。なんとも許されざる卑怯。
あいつらはこの試験すらをも"殺し"として楽しんでいる。すでに二人の生命が失われた。やはりここは"そういう"組織だ。信用に値しない、金と暴力の亡者達の巣窟──

「ブライニクル────!!」

怒りと共に込められる力。オルカの掌が僅かに冷気を帯び、やがて小さな氷片がそこに漂い始めるのがイムカにも見えるはずだ。
ゴムのライフルなど役に立たない。この場でオルカが最優先事項とするのは試験の妨害と"ダミー"の殺害。
冷たい怒りの前には冷静な思考など葬り去られ、静止が無ければ絶対零度の氷柱がオルカの両手から発現し狙撃手目掛けて扇状に放たれるだろう。
284 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/02/07(土) 00:13:00.12 ID:MqXdHK0lo
>>282-283

「―――」

 撃たれた瞬間の悲鳴など無かった。
 一瞬で頭部が破砕し、衝撃を受けて地面に倒れて、一度、二度痙攣し、それ以降は動かない。死、である。

「No75、No77、失格!ほら!進め進め!」

 試験官の怒号が続く。直進するのは大した訓練も心構えも無い素人連中。
 届きもしないのに崖の上を撃っては次々に倒れていく。

【しかし、徐々に、徐々にではあるが当惑の気配も広がっていく。
 何せ、本当に次々に死んでいるのだ。その違和感は拭い去れるものではない】

「よせ、無意味だ。…異能を使えば確実に殺されるぞ」

 イムカはオルカを静止した。異能の発現。それも事前深刻無し。これは拙い。
 手でオルカを制し、そして、遮蔽物の方に目線を促す。

【そこには歩兵隊ダミーが分隊規模で要るが…こちらをすぐに撃てるはずなのに躊躇っている。
 眼を見れば怯えの色すら見えるだろう。殺しを楽しんでいるかといえば否である】

「…殺しにかかっているのだろうが、徹底とは程覆い。実技試験だな、共食い。成る程」

 イムカはロイの方にも顔を向ける。

「伍長、相手も新兵(ルーキー)もいいところだぞ。狙撃者は出来がいいようだがな。
 遮蔽物で迂回しながら突破する。それでいいか。オルカ、傭兵試験だ。そういうものさ」

 言いながら、アサルトライフルをシングルモードに。パン!とイムカは撃つ。
 それっきり、崖上からの銃撃は無くなった。
285 ::ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6[sage]:2015/02/07(土) 00:29:01.94 ID:mlWvNoPv0
>>284
「なるほどな 俺らよりちょっとだけ先輩な連中の訓練相手 これで生き残れば今度は俺らがあっち側か 気に入らん」
どんどんと死んでいく連中を見据えながら言い放つ

「おーけい それでいこう だが何もせず逃げ回るのは気に入らんなぁ」
ニヤリと牙を見せる ごく原始的で攻撃的な笑みを浮かべる

「殺しを覚えるルーキーに 殺される覚悟ってのを教え込んでやろう 出会いがしらに接敵しちまったらたたかうしかないよなぁ・・・ 
 アサルトマンは俺が対処しよう 行くぞ」
遮蔽物を利用しながら 一行の最前列を進もうとする
286 :オルカ【ブライニクル・アレイ】[sage]:2015/02/07(土) 00:32:52.47 ID:pAsIjZeI0
>>284
「でも…!」
「……っ…!!」

絶氷の異能を発現させるその刹那、オルカの腕が横薙ぎに振るわれるのを遮るイムカ。
ひとたび冷静になれば我を忘れさせる憤怒の冷たい炎も形無しか。食い下がるオルカであったが、やがて自らの非を認めその手を悔し紛れに振り下ろした。
躊躇なく此方を撃つ狙撃兵とは裏腹に怯えの色さえ見せるダミー達。この驚怖の対象は目の前の"敵"ではなく、その敵を貪り喰った"死"か。
棒立ちでその姿を目に焼き付けていたオルカであったが、イムカの銃声と共にその意識は現実へと呼び戻された。

「…イムカ……これ、何の意味があるの…?」
「私達もここに入ったら…"これ"を…?」

この行為に意味などない。分かっていてもそう尋ねてしまう。半ば放心状態でただライフルを担ぎ夢うつつのままイムカの後をただ追従するのみだ。
何事もなく目標まで辿り着ければ御の字だが、もし再び何かに横槍を入れられた場合、最速より数瞬遅れての対応となるだろう。
287 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/02/07(土) 00:42:22.22 ID:MqXdHK0lo
>>285-286

「忘れるなよ?相手は銃だ。当たれば死ぬ。そこに得手不得手は無いからな」

 後方で銃撃。どうやら、及び腰になっている連中も撃たれ始めたようだ。
 しかし、死亡、重傷者は出ているが、重傷者はトドメを刺される事なく運ばれていく。
 どうやら、ただ、皆殺しとなるわけでも無いらしい。

【失格=死というほど徹底しているわけではないようだ】
 【→実は重傷による失格でも、一定以上のラインで生き延びた者(実力不足)は傭兵訓練学校≠ヨの入学が許される】

(………)

 ロイを戦闘にしながらも、戸惑うオルカに対して少し考え、

「合格者は傭兵≠ノなれる。という話だ。ゴールすれば傭兵未満の連中のところに放り込まれはせんだろうさ」

 契約書と試験内容、未熟なダミー達からの凡その類推をオルカに示す。
 黙ってついてこい、だけでで納得させるのは無理であると判断したためでもなる。

「人間というのは存外に他者を殺す事へのアレルギーが大きいんだ。
 それこそ、撃ちたくないためにより危険度の高い任務に就く工兵の例も少なくない。
 この試験もダミー達にとってはそういう意味があるんだろうな…来るぞ?!」

【前方の瓦礫が、ガランと落ちる。そして――!!】

「………!」

 アンブッシュ、歩兵ダミーの分隊が一斉にこちらに銃を向ける。
 が、待ち伏せというのに相手も一瞬硬直。なる程、新兵にありがちな反応。

【それでも数瞬後には引き金が引かれるであろう!!】
 【主に照準の前にいるのはロイだ。前方に在ることもそうだが、
 的外れな配慮もあるのだろう。女を殺したく無いという場違いな】

 イムカは素早くアサルトライフルを両腕でと肩でしっかりと固定。銃撃態勢。
288 ::ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6[sage]:2015/02/07(土) 00:54:07.34 ID:mlWvNoPv0
>>286
「・・・いいかオルカ お前さんはただ路銀がほしくてこれを受けた お前は 俺やイムカと違って[ピーーー]ための訓練を受けてない」
イムカは今なお生粋の軍人であり 自分も元とはいえ人も相手にする軍人であった

「もしお前が『傭兵』になるのなら 今すぐにでも『[ピーーー]覚悟』と『殺される覚悟』を決めろ
 もしもそれが嫌で なおかつ戦うのなら? その時は『殺される覚悟』を決めろ そのうえで『殺さない覚悟』を決めろ
 この場は俺とイムカがしのいでやる 時間があるうちに覚悟を決めるんだな」

そう語りかけた

>>287
自分が最前列となり 前進を続ける だがこのまま平穏無事とはいかなかったようだ
前方に歩兵のアンブッシュ 接敵確認 戸惑うダミー達

「動き止めてんじゃねぇ!!」
だがこれでもベテランを自負しているのだ 戸惑うことなく全速前進 肩で銃を固定するイムカに対し 自分は腰溜めからのフルオート
けん制のためだけのバラマキ トリガーハッピーを行いながら 白兵戦へと持ち込もうとする
289 :オルカ【ブライニクル・アレイ】[sage]:2015/02/07(土) 01:05:09.00 ID:pAsIjZeI0
>>287
「……選別…」
半ば泣きつくようにして問いかけたイムカに諭され少しの落ち着きを取り戻したオルカ。遮蔽物の陰に隠れながらぽつりと呟く。
ここまで生命を粗末に扱う場所がこの世に存在していいものだろうか?しかし自分は放浪し、戦う以外に生きる術を知らない。
前進するイムカとロイ置いていかれぬよう必死で食い付き、視線を合わせぬままこちらに語り掛けるロイの言葉に返事を返すことなく進み続けた。

「っ……!!」

アンブッシュ。やはり反応が遅れた。数瞬だがそれは致命的なラグ。
運が良かったのはロイが最前線へと躍り出、ダミー達の注目を独り占めしていることであろうか。
覚悟を決めろ。そう言い残して駆けたロイに向けられる銃口を少しでも逸らすべくオルカは遮蔽物から飛び出し、張り裂けんばかりに叫んだ。

「覚悟は…できてるっ…!!」

撃ち始めるタイミングは同時。しかし此方は意識外からの死角を突いた攻撃、オルカは敵兵目掛けてやたらめったらにトリガーを引く。
残弾管理を完全に無視した出鱈目な射撃、しかしそれはダミー達の意識をロイからほんの一瞬であろうと逸らすことに貢献できるだろう。何せ騒音と派手さだけは一級品だ。
瞬く間に1マグ撃ち切ればライフルを投げ捨て敵部隊の中心にフラッシュバンを投擲、ハンドガンを抜いて遮蔽物越しに再び銃を構えた。
290 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/02/07(土) 01:13:44.50 ID:MqXdHK0lo
>>288

「わぁあっ!!」

 半ば悲鳴混じりにトリガーが引かれる。が銃口がブレにブレているようでは、
 三点バーストとはいえ、そうそう当たるものではない。

【銃口にまったく気圧されずに乱射しながら接近する男など恐怖の対象以外の何者でもない】
 【ちなみにロイのバラマキも本当のバラマキであり、心理的効果はあれど命中には到らなかった】

「ぐうう…!」

 それでも分隊ともなればマシなヤツも混じるのだろう。
 勇敢に前に踏み出て、距離の関係から取り回しの悪いアサルトライフルを捨てて、
 ピストルを抜き放つくらいには訓練の動きを忘れなかったヤツが。

【しかし、銃というのは抜く、構える、狙いを定める、トリガーを引くという段階が必要】
 【→ロイの白兵戦闘レベルにもよるが、精々新兵に毛が生えたようなのを相手にそれを許すだろうか?】
   【→許さない場合、確定描写で倒しちゃってOK】

>>289

「それじゃあ、戦うぞ!」

 オルカと共に射撃。ここでオルカは派手に相手の注意をバラけさせるならば、
 イムカはバースト射撃で正確に分隊を崩す。模擬弾で、ボディアーマー装着とは言え、
 実際に命中した時の衝撃は、当たり所によっては骨が破砕する威力はある。

「教科書通りなら、横!」

 イムカの声、そして投げられるオルカのフラッシュバン。
 横手より挟み撃ちしようとした、別のダミー分隊の機先が制される。

【ターンし、オルカのハンドガンの援護を受けて、明らかに目立つ位置で銃撃】
 【→これは新兵程度の銃弾が自分に当たるわけがないという自負によるもの。傍目からは無謀】

「オルカ、5秒後(ロイが倒している頃)に移動。さっさとゴールするぞ。
 こんな訓練に何時までも付き合ってはいられん」

 これは蟲毒めいた訓練であり、長く浸るのは御免被る。というイムカの言であった。
 マトモな倫理観をここで破壊しておく。そういう訓練なのだろうと。
291 ::ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6[sage]:2015/02/07(土) 01:26:21.64 ID:mlWvNoPv0
>>290
「遅ぇ!!」
基本はできている だが基本だけでどうにかできるほど世の中は甘くできていない

こちらの射撃は一切当たらなかった 射撃スキル持ってないし 仕方ないね

射撃スキルならダミーの方が上だろうが 白兵戦ならこちらが大きく上回る
接敵 ダミーに対し 強烈なまでの殺気を叩き付けると同時 ダッキング 踏み込みながら背を丸め 掻い潜るように接近

右の平手で相手の顎をかち上げるように放たれる掌底アッパー 一泊遅れて浮いたダミーの足を自身の右足で刈り取るように放つ
繰り出した技は大外刈り だが背から落とす生易しいものではない 後頭部を地面に叩き付ける凶悪なやり方だ

まぁ目を回す程度には手加減はしてあげよう [ピーーー]ほどあいてが憎いわけじゃないし

「よっし 行くか」
あとの連中はオルカとイムカが何とかしてくれた ここに長く居座っても益にはならないし さっさと逃げるに限る
292 :オルカ【ブライニクル・アレイ】[sage]:2015/02/07(土) 01:37:03.60 ID:pAsIjZeI0
「はぁっ…はぁっ……」

再び遮蔽物に隠れ、荒げた息を必死に整える。ばくばくとはちきれんばかりに暴れまわる心臓を無理矢理落ち着かせるべく深呼吸。
イムカの援護は終了。ライフルの弾薬もハンドガンの弾薬も手持ちは使い切った。
ロイが活路を切り開いたと同時、イムカと共に遮蔽物から飛び出てダミー達の脇目を突っ切ってゆく。
ようやく見えたゴール。あそこまで辿り着けばようやくこの地獄から逃れる事が出来るのだと。そう思うと少しだけ気が緩んだか?

「銃の素敵な所は…しっかり当てても異能みたいに相手を殺しちゃわない所なの…」

ハンデのゴム銃に皮肉めいた一言を浴びせるがその締まりのない語尾に辟易した表情を見せる。
幼い頃はよく語尾に「なの」を付けて喋っていたものだ。大人になるにつれ段々と矯正してきたつもりなのだが
恥ずかしいことに今でも興奮した際や余裕のなくなった際にはつい口をついて出てしまうものだ。
誰にも聞かれてない事を、そして味方に地獄耳が居ないことを祈りつつイムカの陰に隠れながら後を走って付いてゆくのであった。
293 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/02/07(土) 01:42:29.00 ID:MqXdHK0lo
>>291

「…古参兵ならば苦労するに当たらない。素人なら倒すのは不可能…なるほど」

 ロイが容易く屠り去ったダミー達を見て得心。
 つまるところ、基本的に優秀者が脱落するように出来ていない試験だ。
 劣る者は間引き、運が無い者は死に、運か才能が多少あるものは訓練生となる。

【ダミー分隊は容易く全滅。死にこそすまいが、骨折等は覚悟してしかるべきの負傷であろう】

>>292

「…もうすぐだ」

 ゴールまでイムカは常に全方位から身を護れるように位置どっていた。
 自分だけでなく、最低限、オルカを援護できる位置に。

【そうして平行して走っていると】

「銃もしっかり当ててしまうと死ぬぞ。脳天とか心臓とかな?」

 ここで微妙に話がかみ合わないのはただイムカがちょっとズレているからである。
 冷徹に見えて色々と穴がぼっかり空いているタイプなのだ。

「…なの?なの、とは」

 そして、やっぱり聞かれていました!真顔で繰り返すイムカ。無慈悲!
 過酷なる終焉の遠未来にあって、これくらいが出来ないようでは(ry

 −−−−−−−−−−−

>>291-292

「No.86、No.87、No.88 合格!」

 ゴールラインを割ったロイ、オルカ、イムカを迎えたのは、
 やはり、最初にスタートを告げた試験官であった。

「今回は合格者が多いな。大変結構!」

【周囲を見れば、残った者は約一割。顔つきも元軍人や荒事専門な連中が殆どで、
 僅かに才能と幸運双方に恵まれた若年者が混じる、といった具合であった】

 そして、実際にリスクに見合ったリターンがある。
 傭兵家業の支度金となるクレジットの支給。兵器類の購入許可。様々なギルドの支援・便宜。
 立身出世を目指そうとする者達のスタート地点としてはかなり優遇されていると言えるだろう。

「終わったな。…すまなかった。甘く見ていたよ」

 誘ったイムカは己の過失を謝罪した。
 書類審査、筆記試験の緩さと、実技試験の情報統制もあり、
 共食いなどという選別を行うほどに徹底≠オたことを見抜けなかったのだ。

【この世界の傭兵にならずとも、武装の購入と現金、ここに留まる間の社会的保証。
 得たものは大きく、苦い思いも少なくない。そのような出来事であった】

//これにて終了!サヨナラ!
294 :ギャラエ【くるりリデレクト】[sage]:2015/02/08(日) 21:34:42.29 ID:j0Il/Jm+0
「……全く、揃いも揃って初期型一匹に……」

情けない、と苦笑を浮かべた
現代世界とほぼ同じ文化水準のビルが立ち並ぶ中のひと気のない路地裏
周囲にぱらぱらと散らばる肉片と機械、血ともオイルともつかないギラついた液体
己の命を狙う刺客、その討伐に向かわせた3体のアラズァヘッドは返り討ちに逢い全滅
その亡骸の回収班と共に現場にやって来てこうしているという訳だ
黙々、作業を進めて破壊されたクローン兵達の痕跡を消して行くガスマスクの男達
そして彼等が立ち去る際、ギャラエは同行する事はなかった
それはその刺客……己が生み出したクローンの内の一体、アラズ……に対するある種挑発めいた行動である
だがそれが功を奏する事はなく、アラズは現れる事はない
死臭のみがその蛮行の痕跡となりつつある薄暗い路地裏にぽつねん、ギャラエはビルにトリミングされたそらを仰いだ

「めーかくに命狙われてるのって、割と怖いんだなぁ……」

言葉と裏腹、嗤笑が浮かぶのを禁じ得ない
295 :【ノンデクション】【神崎琢磨】[sage]:2015/02/08(日) 22:05:05.78 ID:8Q40reRD0
>>294
「....呆れたね」
神崎は作業の指揮をしながらため息をした。
近くで反乱分子達の掃討作戦で爆破させたビルをなるだけ早く片付けねばならない。
死傷156人、敵は全員射殺、もしくは護送車に載せて連隊本部へ送ったが、やや不満の残る結果であった。
瓦礫は一箇所にまとめ軍用プラスチック爆弾で爆破処理し、更地にする。
そしてもとよりなにもなかったかのように工作をする、これが処理である。
が、問題は部下のことである。
明らかに性能が落ちてきている。無論人間と戦えば確実に死にいたらしめるが敵のクローン兵やサイボーグと戦えば苦戦することが多い。
男はそんなことを考えながら一服のため大隊長の少佐に指揮を任せて持ち場を離れた。
薄暗い路地裏に至ると両切りを取り出しマッチで火をつけふかし始めた。
「....なんだあいつ」
ギャラエを見つけると疑わしそうな顔をして煙を吐き出す。
296 :ギャラエ【くるりリデレクト】[sage]:2015/02/08(日) 22:16:12.27 ID:j0Il/Jm+0
>>295
「……ん?」

先程聞こえた奇妙な衝撃音はなんだろう、時期外れの雷だろうか
一瞬でもそんな思考に至ってしまった自分に嘲笑、平和ボケにも程がある
だがしかしそれでもその爆心地から此方は充分に距離があった
故に留まり、そして邂逅に到る

「こんにちは、ご無沙汰ですね不幸せな軍人さん」

いつぞや何処かの世界のカフェで同席した相手だ
名は確か神崎といったか、自己紹介をし合った程度の仲だとギャラエは記憶している

「それ、まだあります? やりたい気分なんですよね」

シガーを親指で示し、片方の唇の端を釣り上げた
297 :【ノンデクション】【神崎琢磨】[sage]:2015/02/08(日) 22:30:10.17 ID:8Q40reRD0
>>296
「ん?ああ、あんたか。久しぶりだね」
何処かの世界、何処かのカフェで知り合った謎の女性である。
「こいつかね?ああ、あるとも」
一本取り出して彼女に渡す。
「最近はどう?うまくやってるか?」
マッチを取り出しながら世間話を始める神崎。
もし火が無ければマッチも貸してくれるようである。
298 :イポス・ノイシュバンシュタイン【吸血鬼喰者】 [sage]:2015/02/08(日) 22:34:29.20 ID:DpiDL/SUO
涅色の丈夫な煉瓦で建設された不気味な形状をした巨大な時計塔が街の中心に聳え立つ世界。
街に住む者は皆人外であり多種多様な種族が存在する。
路を歩けばエンジェル・フェアリー・エルフといった美々しい種族やオーク・ドワーフ・ゴーレムといった雄雄しい種族が目に入るだろう。
中には《九尾》や《鬼》といった希少種族の存在も稀に確認することが出来る。

《この世界はあまり近未来的な世界では無く、何方かと言えば現実相応の普遍的世界だ》
《街の外れには自然豊かで農業を営み生活する人間が存在する里がある。偶に里から出稼ぎに此方の街へとやって来るものもいる為、人間の世界漂流者は街の住人からしたら出稼ぎに来た者にしか見えなく、人外の世界漂流者は元々この街の住人だと認知される》
《つまりこの街の帰世界、出世界に対する管理及び警備は手薄なのだ》

ーーーーーーーーーーーーーーーー

【月光館】

人街の丁度隅に存在する真紅色で彩られた巨大な洋風の館。
敷地も広く館を中心に巨大なガーデンが広がっており、また敷地内に入る為に通過しなければならない巨大な門が存在する。
門には御丁寧に《ノイシュバンシュタイン》と名前が彫られている。
この館の主人の名は《イポス・ノイシュバンシュタイン》通称《喰者》。
カノッサ幹部にして、高貴な人外種族《吸血鬼》の1人だ。

「ねぇ、アリサ…今日は私とても暇なの。だから久しぶりに街に行きたいな」

『お嬢様、それはなりません。もしお嬢様の身になにかあったりしたら……』

「分かったわ、アリサ。でも私如何しても暇なの。だから代わりになにか私の暇が潰せるようなことはない?」

『でしたら…今日丁度お嬢様専用の"食材"がきれてしまったので、テレジアに調達へ行ってもらいましょう』

「それはいいけど…それの何処が私の暇つぶしになるのよ?」

『テレジアの衣服に小さなカメラを付けて、街を見るのです。もしテレジアに刃向かう者がいればカメラ越しに確認できます。もしかしたら今後お嬢様の遊び相手になりゆる者が現れるかもしれません』

「あぁ…中々面白そうねっ」

ーーーーーーーーーーーーーーーーー



299 :ギャラエ【くるりリデレクト】[sage]:2015/02/08(日) 22:38:27.15 ID:j0Il/Jm+0
>>297
どうも、と受け取って大口のガスライターで着火、煙らせる
越境者の立場から常時携帯出来る火種は重要である
紫煙を吐き出しながら苦笑

「なぁんとも、今一つこう……」
「パッとしないっていうんですかね」

ただ、と区切って

「そういう時にやりたくなるんですよ、こういうの」
「貴方は?」
「相変わらず不幸せそうな感じですか?」

くつくつと嗤って、上目気味に見据えて尋ねる
300 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/02/08(日) 22:44:37.51 ID:i8egWn0Jo
>>298

「スプロールとはまた別の系統の混沌具合だな」

 イムカがこの世界にたどり着いての第一印象はこれである。
 近未来世界においては覚醒事変≠ノよりほぼ強制的な価値観の大変動が行われたが、
 この世界の営みはどのように確立されたか。大いに興味がある。

【元々、銀河帝国の密使なのだ。より多くの情報を得ておく事に越した事は無い】
 【→しかして、アサルトライフルを背負い、顔が包帯で殆ど見えぬ女など不審者以上の何者でもないだろうが】

(世界修正力で手持ちのカネも変動はしているのだろうが)

 この世界での通貨を確認しつつも、視線を腰のポーチにやる。
 ポーチにはヒノモト世界で恩義のある小妖怪達が棲んでいる。
 報恩のため彼等の安住の地を見つけることも今のイムカにとって目的の一つであった。
301 :イポス・ノイシュバンシュタイン【吸血鬼喰者】 [『テレジア』]:2015/02/08(日) 22:57:56.35 ID:DpiDL/SUO
>>300

「なんでぇ、あいつぁ?若気の過ちってやつかぁ?」
「や〜ね〜…最近の若い子は…。やれロックだとパンクだと世間から浮いてるわよ…」

「ヒィ!?な、なんだ彼奴…なんでライフルなんか背負ってやがるんだ!?」
「ま、まさか今日の使者は彼奴か!?」
「ばっ、馬鹿野郎!聞こえたらどうすんだ!?」

街に辿り着いたイムカの姿は、この世界の住人達にも異様に見えた。
その理由は上げればキリはないが一つ述べるとしたらアサルトライフルと身を文字通り包む包帯だろう。
それらにより、イムカ・グリムナーという女性の存在は異様に見えたのだ。
しかし、彼等のイムカを見る目は異様だけでは無く恐怖という別の概念で見る者もいた。
そしてイムカを恐怖という概念で見る者達は皆口を揃えてこういった。『今日は彼奴が使者か』
初見のイムカは恐らく彼等が何故恐怖し、何に怯えているのか分からないだろう。



302 :【神崎琢磨】【ノンデクション】[sage]:2015/02/08(日) 23:02:02.10 ID:8Q40reRD0
>>299
「なんとなくねえ....自分は吸っても吸わんでも何ら感じないけど、分かるような気がするよ。」
クスッと笑うと煙を吐き出し灰を地面に落とす。
「不幸せか?....貴方は無関係そうだから話すが、これは口外しないよう頼むよ。」
そう言うと煙草を左手に持ち帰え、右手の手袋を外し、ギャラエに見せる

それは「灰」だった。灰と化した手。

「見ての通り耐用年数が近づいてる。我々は機密漏洩防止のためサイボーグの部品は全て耐用年数が近ずくと灰になり始めるのさ。皮膚から始まってね。」
ポロポロと灰が落ち、煙草の灰に混ざる
「やがては全身が灰になって俺は消える。そして新しい俺が作られる。このサイクルだよ。ずっと」
手袋をはめ、続ける。
「結局、俺は[ピーーー]ないんだ。用済みにならない限り。だから死のうと思っても[ピーーー]ない。ずっと同じ苦しみが続くだけだよ」

短くなった煙草を捨て、靴でもみ消す。
「これが俺の不幸な理由だよ。」

ニヤリと笑うと二本目を取り出しマッチをすってくわえる
303 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/02/08(日) 23:04:10.40 ID:i8egWn0Jo
>>301

「…やはり突撃銃が目立つのか?」

 イムカは顔を傾げながらも、仕方ないものだと考えた。
 突撃銃は極めて優れた装備であることは疑いないが、街中での活動にはやはり目立ちすぎる。
 だからこそ、彼女も本来の装備は粒子銃ではなく粒子短銃にしていたのだが…

【しかし、このアサルトライフルを捨てるわけにもいかない。
 一定以上のテクノロジーを有した兵装は中々入手機会に恵まれないのだ】

(参ったな。目立つのは好まないのだが…に、しても…)

 何というか、周囲の雰囲気からは只の奇異の目、とも違うニュアンスを感じ取れるのだ。
 使者?一体全体、何の事だろうといぶかしむ。それには、不穏な気配も如実だ。

【イムカは警戒をする。こういうケースは遅かれ早かれ、接触≠ェ行われるパターンが多いからである】
304 :ギャラエ【くるりリデレクト】[sage]:2015/02/08(日) 23:10:31.99 ID:j0Il/Jm+0
>>302
「でしょう?」

すぅ、と煙を飲むが途中
一本を吸い切る事無く火が消えた
これでいい、と内心
シガーを最後まで綺麗に、上手に吸う女など上等ではないとの持論である
再度短い礼を告げて短くなったそれを排水溝に投げ入れた

「……へぇ、灰化?」
「そりゃ、不幸せな訳ですね」

ふむん、と大仰に頷いて見せる、何処か芝居めいた一挙一動

「でもまぁ、」
「不死になった事のない私からすると、羨ましいかな」

それは好奇心や簡単な気心からではない
彼女は極めて本心に近しい部分で不死に羨望を抱いている
305 :イポス・ノイシュバンシュタイン【吸血鬼喰者】 [『テレジア』]:2015/02/08(日) 23:29:59.01 ID:QbpVXLGH0
>>303

「ヒィ!?い、いまこっち見やがった!?」
「に、逃げろ!?殺されちまうっ!?」
「なにザマす!?なにザマす!?」
「邪魔だ貴族ババア!?どけ!」

イムカを好奇な及び奇妙な眼差しで見る取り巻き。
誰一人として、その場からイムカに歩み寄り声を掛け接触を試みる者はいない。
蛇に睨まれたカエルの様に皆が足を震わせ肩を引き上げ顔が青ざめている。
そして1人の男がその恐怖心から、イムカが此方を見たと錯覚し叫び出した。
刹那、蛇を見るカエルは一斉に一心不乱にその場から逃げ出した、
勝手に怯えて勝手に逃げ出したのだ、当の本人イムカは恐らくなんのことか理解出来ないどころか不快感すら覚えるだろう。
少なくとも初対面の相手から理由も無く怖がられるというのはいい気分では筈だ。

「おやぁ…可笑しいですねぇ〜。なにやら名無しのモブちゃん達が騒がしいですけどぉ〜…なぁにかあったんですかねぇ」

そんなカエルの群れを少し離れた場所から傍観する女性が1人。
長く紫色の髪に紅い瞳、黒い白目に白のゴスロリ。
女性は額に手を当ておやおやと首を突き出して何語かと見ている。
冷たい風が彼女の背を透き通り、髪を揺らし服を靡かせ目先のカエルの肌を刺激する。

「んふぅ!?」
「────!?」
「アガぁぁぁぁぁァァアぁぁぁぁ!?」

刹那────一斉の断末魔。
カエル達の悲痛の叫び声が、命の讃美歌が終焉を告げる。
先程までイムカを見ていたカエル達は、皆誰一人として余すことなく血を流し地べたに倒れ、体を地表に支えられる。
その場にいるのはイムカと女性『テレジア』ただ二人。
イムカがこの街に来てたったの数分でこの惨劇であよ。
イムカからしたら何がなんだがサッパリだろう。

「んふふ…おや?可笑しいですぅ…こんなに食材取れたのに…お嬢様の食材が一つもないですぅ」
「だからぁ、この肉……私が食べてもいいですよねぇ〜」

言うや否やテレジアはイムカを気にすることなく地面と熱いキスをする人間の死体を喰らい始めた。
骨を砕き、肉を千切る音、繊維を吸い、血を飲む音、静寂の中で唯一鳴り響く食事の演奏。
306 :【神崎琢磨】【ノンデクション】[sage]:2015/02/08(日) 23:34:08.27 ID:8Q40reRD0
>>304
「まあ、今のところ死ぬ瞬間に記憶を移せる技術が開発されてるから将来はみんな死なないかもしれないね。でも今は俺みたいにサイボーグ化するしかないかな。」
ふふっと笑うと煙草を人差し指で叩いて灰を落とす。
「まあ、それなりに金はいるけどね。今のところ、ただサイボーグ化するだけなら4億、戦闘用の装甲型が13億、潜入型が6億ってこんなところかな。これでもがんばって量産してコストを下げた結果だってさ。笑っちまうよ、ホント。」
「まあ、金以上に強い心がいるんだけどね、結局は」
307 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/02/08(日) 23:43:02.40 ID:i8egWn0Jo
>>305

(…何やら妙ではあるが)

 とはいえ、恐れられる事自体は慣れてもいるイムカ。
 何せ、政治将校(コミッサー)である。敵以上に同朋たちに恐れられる事も少なくなく、
 また、それを責務としてきたため、不快の気持ちは実のところさしてなかった。

【強いてあげるならば、不可解という感情こそ強かったが】
 【→突撃銃を所持している時点で警戒されるのは半ば織り込み済み。しかし恐怖の種類の違いが気になる】

「………」

 そうしていると次には死の気配。即座に死の惨状。
 新手の流行り病?何故、自分は無事なのだ?等と、思うところは多々ある。
 が、それはそれとして、

「なるほど、使者というわけか。これは怯えて当然だ。んっ…となると理由か。必要なのは理由…」

 戦う理由。そも異世界の状況に安易に介入するのは好ましくない。
 ゆえに眼前の惨状も、聖務とは関わり無いといえばそれまでだ。

【無感情にただ突撃銃を構える。レーザーサイトをオン。眼前の女性に緑色のレーザー照準が反射する】

「理由は十分だな。この惨劇、実に不愉快だ」

 マズルフラッシュ。あまりにも素っ気無く射撃体勢を終えてトリガーが引かれる。
 三点バーストによる高速弾が真っ直ぐに血の晩餐に耽る存在に向かって突き進む。
308 :ギャラエ【くるりリデレクト】[sage]:2015/02/08(日) 23:46:50.69 ID:j0Il/Jm+0
>>306
「貴方の世界は、割と進んでいるんですね」

脳医学として、記憶のデータ化はある種技術の境界線である
即ちそれが叶う世界と叶わぬ世界とでは命の価値に絶対的な差があるのだと、ギャラエは確信していた

「金で済むのなら重畳でしょう、命を買えるって事ならね」

時は金なり、ではないが金という価値観で物事の万事を解する事は不可能である
特に越境先、金が用を成さぬ世界などごまんと存在しているのだから
極めて揺るぎ易いのだと、これもまた彼女の持論
そして金よりも心と付け足す神崎に頷いて同意

「それは思いますよ、常々」
「単純な力で優れていたって、伴うものがなければそれは愚者でしかありませんから」
「なんていうんでしたっけ、トーヨーで……えぇと、シン・ギ・タイ?」

心と技術、そしてそれらを支える根本の体
心技体が揃って始めて力は力となるのだと考える

「……っと、雨ですか……行きますね」
「……ありがとうございました、不死で不幸せな軍人さん」
「楽しかったですよ」

シガーご馳走様、と嗤笑んで軽く頭を下げた
ビルの壁にトリミングされた重々しい空、落ちてきた雨が無色の街を灰色に染めていく
ギャラエはくるりと踵を返し、輪郭をボヤけさせるようにして何処かへと歩いて行った

//時間的にこれで〆させてくださいっ
//ありがとうございました、また宜しくお願いしますっ
309 :【神崎琢磨】【ノンデクション】[sage]:2015/02/08(日) 23:59:15.46 ID:8Q40reRD0
>>308
「そうかね?色々見てきたけど進んでる方なのか....」
技術が進んでいると言われ、少し誇らしそうに笑う。

「金で買えてもそれに心がついてこなければ話にならない。その力に溺れ、ただ人を襲うやつもたまにいる。貴女の言う心技体、すべてが揃ってこそ力は使える、こう俺は信じてる。」
「おや、雨か。では私も帰りますよ。始末ももう終わったころですし」
「では次会うときは違う俺になってるだろうけど....その時はよろしく」
「カムイ・ウン・クレ」

//ありがとうございました!
//またよろしくお願いします!

310 :イポス・ノイシュバンシュタイン【吸血鬼喰者】 [『テレジア』]:2015/02/09(月) 00:02:11.23 ID:FlsYjDdc0
>>307

【彼等がイムカに対して感じていた恐怖は死への恐怖。いつ自分に襲いかかってくるか分からない死への恐怖だ】
【では何故イムカからそのような恐怖を感じたのか。それはイムカを勘違いしていたからだ。その奇妙な服装が使者だと勘違いさせたのだ】
【使者とは→イポスことお嬢様専用の食材をランダムに選別し捧げる使い者。食材とはこの世界の住人。つまり使者はこの世界の住人を適当に気分で選びイポスの食材にする者。住人にとってはそれこそいつ襲いかかってくるか分からない"死"だ。ゆえに死者】

「はぐはぐはぐ……効果音は大事でふはらへー」

口に贓物を溜め込みワザとハグハグとなんともそれらしい効果音を奏でる。
口周りには赤い血液がまるでケチャップの様にコベリ付いている。
白いゴスロリ服も所々赤く血塗るられており、テレジアからは生臭い血臭が漂う。
イムカから向けられるライフル。
しかし、テレジアは食すことを止めず手を休ませない。

「あぐがぁ!?!?」

3発の高速弾。
それら全てはテレジアの体を突き抜け、更に先へと垂直に飛ぶ。
そしてその弾を追うかのようにテレジアの体は吹き飛んだ。
体に開いた空洞からはゴスロリ服に染み付いた血より更に赤い紅蓮の鮮血が流れ出す。

「あ、い、痛いですぅ〜…。誰ですかぁ……?」

ゆっくりとフラつきながら立ち上がりイムカを見る。
既に赤眼の瞳は虚ろだ。
何処を見ているのか目の焦点が定まっていない。
だが確実にテレジアからイムカに対してなにか目線のようなモノを感じるだろう。
311 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/02/09(月) 00:24:13.00 ID:EeQJu0f4o
>>310

「教える義理はないな」

 致命傷とは程遠いようだ。やはりオカルトに準じた存在か?
 まあ、それでもやれることをやるだけだ。肉を削りつくすのみ!

【イムカは埒が明かぬ存在は削り殺すに限るとアサルトライフルをフルオートモードに。
 ガスペンドシステムにより燃焼ガスを銃の各所から排出することで、高い命中率を維持できる】

 ハイテック機能を備えたアサルトライフルを問答無用で集中射撃。
 卑怯とは全く思わない。突然殺し、捕食するような存在に何の遠慮が必要か?

【金糸の髪を揺らしながら、イムカは決断的に引き金を引く】
 【→甲高い発砲音と排莢された薬莢が地面を叩く】

(視られているな。どこのどいつだ?)

 −−−−−−−−−−
 イムカ・グリムナーとカノッサ機関との関わり

 カノッサ機関の異世界制圧戦において敵側の実質戦闘指揮を担当。
 その戦いは最終的にカノッサの勝利で幕を閉じるが、
 彼女が多数の戦闘単位の撤退を完遂させたためにその後の統治が為しえずドロ沼化。

 別の戦いではカノッサ機関側に雇われる。
 しかし、彼女が戦功第一となり、カノッサの権益介入を最小限に留めてしまったため、
 その後の能力者捕獲のための掃討戦プランが頓挫してしまっている。

 カノッサ機関が介入する研究所にて暴走事故に居合わせ、その後行方不明。

【※これまでのスレ内でのカノッサ機関とイムカ・グリムナーの関係デス】
 【→正直かなり敵対行動/妨害行動を繰り返している ※個人として以上に指揮能力持ちなので性質が悪い】

 −−−−−−−−−−−
312 :イポス・ノイシュバンシュタイン【吸血鬼喰者】 [『テレジア』]:2015/02/09(月) 00:48:52.72 ID:FlsYjDdc0
>>311

赤眼は虚無を見つめる。
イムカの初手の一撃は瀕死では無いにしろ、テレジアに膨大なダメージを与えたのに変わりはない。
もとより、吸血鬼としても半人前のテレジアと数多の戦場を駆け巡ってきたイムカとでは戦闘経験の差がありすぎで勝負にすらならないが────。

「え────」

問答無用に無慈悲に放たれる豪然たる銃弾はものの数秒でテレジアの身体を蜂の巣にする。
身体に穴が開くたびに血が服を彩る、身体に銃弾が当たるたびに激しく痙攣する。
身体から剥がれる肉片はどれも真紅。
地面に落下し辺りの死体の肉片と混じり地獄の一部となる。
しかし、そんな中でもテレジアの服に付けられた小型のカメラは破壊される事なくイムカを移し続ける。

ーーーーーーーーーーーーー

『お嬢様、どういたしましょうか?』
『テレジアを助けますか?』

「テレジアは元々吸血鬼としても半人前、細胞すらも扱えないのだから死んで当然よ。見殺しにしなさい」

カメラを見る二人の影。
黒い男性用の忍者服を着込んだ金髪の女の子とメイド服を着た女性だ。

「それよりも……この女、何処かで見たことがあるような気がするわね…」

『彼女、私は見たことありませんがお嬢様が見たとおっしゃることなら恐らく、余程前のことでは?』

(前?……一体……いつ?)

どうやらアリサはイムカについて知らないようだがイポスはイムカを見たことがあるようだ。
だが実際に出会ってみたのか、資料で見たのかは不明だ。

ーーーーーーーーーーーーーーー

「あ…………が……ぉ……さ……ぁ」

地面に倒れるは血まみれの吸血鬼一匹。
身体には細かな空洞が出来ており、血が止まらず流血している。
どうやら治癒能力は無いようだ。
→もしかしたらテレジアからなんらかの情報が聞けるかも


313 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/02/09(月) 01:05:16.90 ID:EeQJu0f4o
>>312

 相手は実力を出し切らぬ内に滅するべし。
 互いに高めあうイクサを否定するわけではないが、これも戦いにおける大原則であり真理である。
 特にテクノロジー武器以上の決め手の持ち合わせが無いイムカにとっては重要だ。

【油断無く、銃口を眼前の肉塊に向けたままのイムカ】

「尋問を行う。貴様は使者…走狗だな。役目は主人のエサ探しといった所か。抓み食いは見るに耐えなかったがな。
 素直に情報を吐けば楽に殺してやる。吐かぬなら惨たらしく殺す」

 生かすという選択肢は最初から排除している。イクサとは無慈悲なのだ。
 眼前の存在越しに、何やら視線を感じる状況であるならば、
 相手が与えたい情報は与えられる可能性がある…程度が精々か?

「人食いのバケモノがこの世界の主。他の生物は皆、餌というわけか。
 領主の名と立場。種族…貴様の知る範囲で速やかに情報を吐け。対して期待もしていないがな」

 もちろん、後で裏を取るつもりである。
 指先に照準、発砲!ケジメ!これ以上何をするかは文章的精神衛生上、内容を控えさせてもらおう。

「呻くな。わめくな。さっさと情報を提示しろ」
314 :イポス・ノイシュバンシュタイン【吸血鬼喰者】 [『テレジア』]:2015/02/09(月) 01:26:10.81 ID:FlsYjDdc0
>>313

「ぅ……わ、ワタシを……ぉ…脅しているつもり……です…かぁ〜…」

顔を上げ向けられるライフルの銃口に鼻が当たる。
眉間に皺を寄せ、ガチガチと強く歯ぎしりをする姿は餌に命を掴まれたという屈辱の感情の体現だ。

「ぐ…ぐぅぅぅ……、わ…わかったですぅ〜……な…舐めないでくださいニンゲェェェン……」
「がぁ……!?」

殺意の宿る激しい眼光をイムカに向け、吸血鬼特有の鋭利な八重歯をチラつかせる。
声は怒りと身体の痛みで震えており、表情からは激しい憎悪すら感じられる。
────が、それも今や弱者の強がり。
戦場にて弱者は強者の前でな蟻同然。
それは戦場という名の世界で理であり常識だ。
テレジアは怒りを表しても力あるイムカの銃弾一発でそれは無意味となる。
撃たれた指は跡形も無く吹き飛び煙が舞う。
痛みに耐えるかのように歯ぎしりが強くなり表情も苦々しくなる。

「りょ……領主の名…名前……お嬢様の名前は…い、イポス…イポス・ノイシュバンシュタイン…様…」
「種族は…私とは比べ物にならない……ほど…高貴な……吸血鬼……カノッサの幹部に登りつめた……命を喰らう吸血鬼…喰血者…それが…それが…それがそれがそれが…ワタシタチノお嬢様ですぅ〜!!」

全部だ、ほぼ全部彼女の知っていることは震えながら話した。そりゃもう丁寧に説明口調で話したテレジアは最後の力を振り絞りイムカの首元を喰らわんと飛びかかろうとする。
315 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/02/09(月) 01:59:05.47 ID:EeQJu0f4o
>>314

「吸血鬼で、しかもカノッサの幹部ときたか。…しかし、また吸血鬼か。つくづく妙な縁があるものだ」

 先だって真祖と呼ばれる強大な吸血鬼とのイクサを終わらせたイムカである。
 ここでまたも吸血鬼の存在を聞くことになるとは奇縁と言わずして何と言おう。

【そのイクサにおいても、地力では万に一つも勝ち目が無かったために、
 実力を出し切らぬ内に勝敗を決する事で紙一重の勝利を掴んでいる(>>238)】

 なお、カノッサ機関への敵対行動も多いイムカであるが、
 彼女自身のカノッサ機関への敵愾心はあまり無かったりする。
 標的となる異能力者(サイカー)ではなく(※イムカは最善への希求≠ノ対する自覚が無い)、
 あくまで、成り行きで敵対する機会があり、その度に一定の戦果を残しているだけである。

【が、それが眼前の虐殺者への酌量につながるかといえば断じて否である】

 尋問はほぼ完了。最低限の情報は入手。そして…当然のように行われる悪あがき!

「顔を出すな!!」

 イムカは腰のポーチにいる小妖怪達に警告!懐より、ガラスの瓶を取り出す!
 それは…ミスリル金属が液状化して出来た聖水。かつてのヴァンパイア・キラーの属性こそほぼ失われたが、
 それでも、今なお強い聖性を持つ聖水である!

【ミスリル聖水の清浄なる輝きが周囲をまばゆく照らす!】

 さらに飛び掛るテレジアを掻い潜るように身を低く落し、アサルトライフルと放り投げる。
 指は手刀のカタチを組み、地面を思いっきり踏み込む。素手が届くゼロ距離格闘戦距離。

【皮膚と肉を銃弾でこそぎ落とし、ミスリル聖水によるバックアップもある。
 ここでイムカが狙うのは心臓破壊。対吸血鬼伝承においてもかなり強力なルール。
 杭があれば万全であったが、無いモノねだりは出来ない。ここは己が手刀で代用とする】

「イヤーッ!!」

 決断的なシャウトと共に、極めて限定された距離にあって、独特の重心移動と呼吸、身体の内部操作を連動。
 最小動作で最大威力を引き出す寸勁(暗勁)による手刀をテレジアの心の臓を狙って突き出した!
316 :イポス・ノイシュバンシュタイン【吸血鬼喰者】2015/02/09(月) 18:02:21.88 ID:FlsYjDdc0
>>315

「ハァァァーーー!!!」

焦点の定まらない赤眼を大きく見開き獣畜の如く口から唾液を撒き散らしイムカの首元を噛み付かんと一気に飛躍。
脚の筋肉は強いバネの様に荒々しく伸縮を繰り返し、大量の血液が激しく何度も脚を上下に循環しその様子はポンプを彷彿させる。

【激しくピストン運動をするテレジアの脚筋肉は人間が成せる技ではない!腐っても吸血鬼の一匹とうことか!!】

「んん!?なんですかぁ〜その瓶はぁ〜〜?」

「────────ァッ!?」

テレジアの鋭い八重歯がイムカの包帯越しに潜む柔肌を噛み付くまで残り数センチ!
残り僅かの距離を縮めればイムカもグラウンドに倒れる無様で惨めな烏合の衆と化す!
勝利を確信したテレジア、最早その確信に疑いの余地は無い。
本日のお嬢様への食材はこの女だ、
あぁ、お嬢様やアリサ様からはどんなご褒美が頂けるのか────。
此れでワタシも一人前の吸血鬼だ、もう半人前とは言わせない────。
様々な想いを馳せるテレジアはイムカが取り出したガラスの瓶を見ても尚、疑問を抱くだけで警戒などしない…が、その刹那、イムカが翳した瓶から眩い聖なる光が、浄化の輝きがテレジアを周囲をひとつ余さず神々しく照らしだす。
皮膚が痛い、身が焦げる、肉が溶ける、骨が軋む、歳が老いる、血が砂になる、魂が焼ける、ありとあらゆる艱苦がテレジアという唯一無二の存在を襲う。
光に照らされた瞬間、テレジアの身体には視覚可能なまでに変化が及んでいた。
瞳からは血が流れ、髪の色素は抜け落ち、流れ出す血液は瞬時に砂となり皮膚は老い、動きも鈍くなる。

「ッ!?」(消え────────)

「………ぁ………………」

弱ったテレジアにとってイムカの身体的速さは脅威的だった。
イムカの接近もテレジアから見れば目の前から消えたも同然の速さであり、脳が接近したと気付く頃には既に時遅し、テレジアの心臓部にはイムカの腕が貫通していた。
見事一撃、イムカの手刀は綺麗にテレジアの心臓部へと突き刺さり彼女の体に一番巨大な空洞を作ったのだ。
断末魔とは言えないほど小さく苦痛の一言と共に口から血を吐きだす。
吐き出された血はすぐ様砂えと変わり風に吹かれ何処かへ飛んで行く。
数秒間、テレジアの体はピクピクと痙攣をした後二度と動くことは無かった。
テレジアの体を支えているのはイムカの突き刺した腕のみだ。

ーーーーーーーーーーーーーーー

『お嬢様…あの女が翳した瓶はまさか!?』

「どうやらあの女、ヴァンパイア・キラーの力を持っているようね……」
「あの瓶は恐らく私達吸血鬼を[ピーーー]為の道具────聖遺物の類」
「…………。アリサ、貴女は留守番してなさい」

『え……?』

「私は少し、街へ行くわ」

テレジアの服に付けていた小型カメラで終始様子を観ていた2人は勿論、イムカが取り出した瓶も確認していた。
しかし、2人に効果が無いのは映像越しだからだろうか。
イポスはどうやら、瓶の力がヴァンパイア・キラーによるものであり中に入っているのが聖なる水ということを理解している様だ。

ーーーーーーーーーーーーーーー

テレジアを無事倒したイムカがこの後どの様な行動をするかは自由だ。
周りに倒れる数人の死体は後日別の使者が回収しにくる為、街の住人が片付けたりすることはないだろう。
そもそも先程まで使者が居た場所にわざわざ日を待たずして戻って来る者はいないが。
此処に残れば、やって来るイポスと接触、この世界から離れればとりあえずこの場でイポスと接触することは無いだろう。
317 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/02/09(月) 20:16:10.63 ID:EeQJu0f4o
>>316

「………」

 腕を横に振り、肉塊と化したテレジアだったモノを打ち捨てる。
 イムカはピストルを引き抜いて残心し、テレジアの抹殺を確認する。

【肉体がこのまま灰となり消えるか、そのまま残るかは系統によって変わるのだろうが】

 そうしてから、息を一回漏らすと、片腕のガラスの小瓶を見る。
 ミスリル聖水。真祖の吸血姫を抹殺した際に、役目を終えた吸血鬼殺しの属性は殆ど失われはしたが、
 残滓というべきモノは聖性と共に多少は残っていたようだ。僥倖である。

(さて、どうしたものか…)

 そして、状況を再度確認する。早々にこの世界の支配者に喧嘩を売ったカタチとなっている。
 観測されていたのだ。ここに留まる事は危険である。が、だからといって――

(逃げればいいのだろうな。一番リスクが低い)

 しかし、ここで退避して、それでどうなる?というのもある。退避して安全が保証されるわけでもなし。
 走狗が来れば屠ればいい。それ以上のモノが来た場合は、その会談の機会を逃すのは惜しい。
 リスクを飲み込まねばならぬ状況というのは存在する。

「うー…ほうたいおんな。大丈夫?」
「ああ、私は保身の女だ。問題ない」

 ポーチから顔を覗かせる小妖怪達にイムカは慄然と答えた。
 無手で望むのは論外である。ただの獲物と断じられては話にならぬ。

【ウェストバックを確認:フラググレネードやワイヤーの類を確認】
 【周囲状況を確認。遺体や軒先、周辺より使えそうなモノを物色】

「………」

 フィールドを構築しつつ、待つことを選択。
 貴重な爆薬や弾薬を軒並み消費するが、戦闘フィールドを張ると決めた以上は徹底せねばならない。

【→来るであろう存在に対して確認/接触を図る事にする】
318 :イポス・ノイシュバンシュタイン【吸血鬼喰者】2015/02/09(月) 20:54:10.39 ID:FlsYjDdc0
>>317

地表に落下する今や肉片と化したテレジア。
地面に当たれば水々しい響きと共に2バウンド、そのまま日光により灰と化しいずれは消えるだろう。
静寂の中、その場で足を地面で支え、地面に足を支えられているのはイムカただ1人だ。

【周囲状況→周りにはテレジアの肉片と数人の老若男女の死体が地面に転がっている。使者の到来により人の居なくなった小さなショピングセンター一軒と同じく人の居ないコンビニ、今は空き地となった広場にテナント募集中のビルが建っている普遍的な背景。
→テレジアの衣服の中には小さなナイフがある。恐らく肉を裂くために使う物だろう。また種類によるがテレジアの肉は日光から守れば灰化せず、喰らえば一時的に身体能力を上げることが可能だ】

まだ太陽が街を照らす刻、本来なら太陽とは吸血鬼の天敵であり此奴が空を支配する限り吸血鬼は外を歩くことは出来ない。
だが、この吸血鬼達は違う。
吸血鬼も人間と同じように人種がある。
テレジアを始めとしたこの吸血鬼達は、日光の下を我がもの顔で歩けるのだ。




「今日は────────」

「────────空、眩しいわね」

故にこの吸血鬼、イポスも活動出来るのだ。
顔を上げ眩しそうに太陽を見ながら、そう呟く。
顔を下げイムカを見れば倒れる死体に見向きもせずにゆっくりと足を進め、一歩、二歩とイムカの元へ近付く。
その服装はイムカと同様に異様だろう。
少女なのに男性用の衣服、しかも黒の忍者服を着用している、髪は短めの金髪だ。
吸血鬼という種族も合わせて全てがミスマッチだろう。



319 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/02/09(月) 21:18:26.56 ID:EeQJu0f4o
>>318

「…ナムアミダブツ、だったか?」

 まずは困惑のうちに惨殺された人々に哀悼を捧げる。
 イムカ自身にそれを行う義理と必要性があるかは別として、
 死者に対する礼儀というものがある。

【そして即座にそれを引き起こした者だった肉塊は太陽の下に放り捨てる。
 勿論、このような汚物を皇帝陛下の恩寵受けし身体に取り込むなど、頭に過ぎる事すら無し】
【→そうして、コンビニやショッピングセンターからも一通り物資を仕入れてその時を待った】

「………」

 カロリーメイトを齧り、水を飲む。そうしていると場違いな者…あるいは相応しい者の接近を感じる。
 イムカは両手のアサルトライフルを下げたまま、

「こういう空は私にとっては悪くないモノだがな。
 知っているか?テクノロジーが一定レベル以上に達すると太陽の光もとんだ贅沢品になるのだよ」

 まるで世間話をするかのように答えるイムカ。
 もちろん、眼前の少女の異様には十分に気がついている。
 服装の奇妙さもあるが、それ以上に存在の異質さに。

「しかしアレだな。銃を構えたミイラ女にニンジャの格好の吸血鬼だと?
 とんだファルスだ。冗談にしても性質が悪すぎる。まるでコミックショーみたいじゃないか」
320 :イポス・ノイシュバンシュタイン【吸血鬼喰者】2015/02/09(月) 21:53:19.50 ID:FlsYjDdc0
>>319

「ええ、勿論知ってるわ。高度な科学は時に文明を破壊する、有害となったガスが空を覆って日光を遮断する、なんて永い歴史からみれば特別珍しいことではないわ」

手の平を上げ日光を遮る。
指の隙間から覗く光は、イポスの柔肌を明るく照らす。
雪の様に白くきめ細かな肌が唯一露出されているのは顔だけだ。
それ以外は全て忍者服に隠されているが、それはイムカも同様で、彼女の場合は包帯だが────。
それでも両者の服装も存在も異質なのは明らかだ。
イポスはイムカと当たり前の様に話す。
イムカとの世間話かのような話もやめないのは、彼女に戦闘意欲がないのか、それともただの様子見なのか、どちらにしよ部下を殺した相手がそばにいるのに一切忿怒しないあたり彼女は冷酷のようだ。

「ふふ……そこに血塗れの死体も加えたらいいわ、性質の悪い冗談も少しはマシになるんじゃないかしら?」
「そうねぇ、少なくてもハロウィンの仮装パーティー程度にはなるわよ?」

高貴で気高く上品さを演出するかの様にゆっくりと口元に指を当て小さく微笑み冗談を交わす。
しかし、彼女の冗談は質が悪く無差別に殺された老若男女を只の"モノ"としか見ていない、心無い冗談だ。

「────さて、そろそろ本題に入ろうかしら、どうせ貴女も此処に残ってるのは私と話をする為だろうしね」

「それとも────私に今此処で"捕食"されるため…とか?」

今の所イポスがイムカを襲う様子はない。
しかし、イムカがその気なら何時でもやり合う準備が出来ている。
丁度周りには食料も落ちている、空腹を凌ぐことは容易い。
だが、イムカに戦う意思が無ければ恐らく彼女も戦いはしないだろう。




321 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/02/09(月) 22:12:12.88 ID:EeQJu0f4o
>>320

「死体はハロウィンパーティーには似つかわしくないな。趣味が悪すぎる。
 アレは子供達が楽しむパーティーだ。サツバツは論外だよ」

 仮装パーティーの話を続けるイムカ。
 この辺は演技半分天然半分のため、話を進めないと進まない類である。
 一瞬、引き千切れた記憶の一部にノイズが走ったが、それだけだった。

【そうすると、向こうが先に水を向けたようだ。幸先がいい】

「なんで私が貴様に好んで食われねばならん。馬鹿馬鹿しい。
 生憎、世を儚んでもいなければ、極端なマゾヒズムに目覚めた覚えも無い」

 トラップゾーンを構築したのは、もちろん我が身を守るためでもあるが、
 それ以上に会話を為しえるだけの資格を用意するといった意味合いも強い。
 何処の誰が、地面を歩く無力な蟻とまともに会話をするだろうか?そういうことだ。

「そも、私は貴様が何か…すらもさして分かっては居ない。
 ただの走狗として見るには偉そうだな…というくらいが精々さ」

 泡状爆薬のレンジ内。追加トラップは4連鎖。

「確認だ。何時までも名も名乗らずに会話というのもシツレイだからな。
 イムカ・グリムナー。銀河帝国上級政治将校(ロード・コミッサー)。
 軍の階級に当て嵌めれば連隊付きだから大佐相当といったところだ」

 吸血鬼という存在を前にしてもイムカは常にイムカのままである。
 傲慢で、尊大で、誇りと名誉に満ちている。
322 :アメリア@ちんちくりんNPCだーくえるふ2015/02/09(月) 22:26:03.34 ID:OsO/hQIvO
【旧い教会の裏手の墓地】
田舎の教会の裏手というヤツはどうしてこうも寂しい空気が漂うのか。
それでも祭祀は優秀なのだろう。
本来なら闇とともにあるダークエルフであっても、少なくともこの場に死者の声は聞こえない。

「きちんと葬儀を行っている証ね。
 これはこれでいい仕事なんだけど……、
 禍祓いの心得を持つには、確かに田舎すぎるわ」

問題は、それとは別。
この空間には、未練を残した死者とは違う何かがいる。
今日のお仕事はソレを狩り出すこと。
黒い猟犬を引き連れた黒長耳は、自分を囮にするつもりのようで。

そう、自分をエサにしようと思うくらいには、確実に何かが『いる』のだ、この墓地には。
323 :四五六 七八【賽印流忍術】[sage]:2015/02/09(月) 22:40:22.12 ID:UTANOxa40
>>322
「アーメンアーメン、ナムアミダブツっとー」
「……あれ? 何先客?」

そんな厳かな墓所に何とも頓珍漢な文句を口走りながらにやって来る少女
竹箒と水の入ったバケツを手にしている事からただの墓参りではないようだ
越境して来てから数日、辿り着いた田舎町の教会に世話になっていたらしい
日頃の礼も含めて墓掃除でもと繰り出してきて今に到る様子

「ねぇ、何やってんの?」
「ここその子の散歩コースな訳?」

黒い猟犬を指しているのだろう
バケツを地面に置いた、表面張力ギリギリに張られた水がちゃぷんと揺れる
324 :アメリア@ちんちくりんNPCだーくえるふ2015/02/09(月) 22:47:39.50 ID:OsO/hQIvO
>>323
「いいえ、エサの時間よ?」

ごくごく自然体に返された。
わんこといえば、明後日の方角をガン見している感じ。
お日様には雲がかかり、どんよりとした風が噴いて
ついでに虫の声がぴたりとやんで


『キミたちは、どこからきてどこにいくの?』


犬からでもなく黒長耳からでもない声が空間に満ちる。
その一声で、黒長耳は意識を戦闘態勢へ。
墓地には自分たち以外いないはずなのに、出所のわからない声はもう一度


『どこからきて、どこにいくの?』


325 :四五六 七八【賽印流忍術】[sage]:2015/02/09(月) 22:54:36.68 ID:UTANOxa40
>>324
エサ? と鸚鵡返し
曇天、静寂、畏風
目の前の女性と大きな動物から確かな怖気を感じ取って半歩身を引く
ピクリと野鼠よりも素早い反応、忍装束の帯に提げている小刀を逆手に鞘走らせる

「……ち、ちょっと! やめてよ私この教会で寝泊まりしてたんだから!!」

何も知らずに居候していた身としては勘弁願いたいものだ
誰にともない訴えは虚しく墓石の合間をすり抜けて溶ける
326 :アメリア@ちんちくりんNPCだーくえるふ2015/02/09(月) 23:01:50.58 ID:OsO/hQIvO
>>325
「あたしじゃないわよ?」

杖を構え、蝶を呼び出しながら周囲警戒。
二人のときでよかった。
安心して無駄口を叩ける。
これが1人なら、完全にお口にチャックモードだったわけだが


『きょうかいからきたの?』『どこにいくの?』
『いくところはあるの?』『いっしょにいこう??』
『こっちだよ』『こっちだよ』『ほら、こっちだよ』

「気をつけて、“影”よ!!」

……これはいけない。
七八の出した情報に、『声』が食いついてしまった。
雲を通した陽の光が作る影。
その影の一部が、手の形の影になって七八の影に伸びてくる。
まず、自分の影が狙われていることに気がつけるかどうかが最初の関門。
捕まれば、向こう側に引き込まれかねないというやつ。

とりあえず引き込みにきた影の一部は
同じく影となった黒犬が食いちぎってくれますので、ヒントにお使いください。
327 :四五六 七八【賽印流忍術】[sage]:2015/02/09(月) 23:10:52.85 ID:UTANOxa40
>>326
「うん知ってる!!」

半泣きながらに頷いた
明らかに超常現象めいた声が、目の前の彼女のモノではないと即座に解したのだ
それはきっと『無駄口』のお陰だろう
たった一言のその口調や声色更に表情が、アメリアは先程自身が極めて警戒を抱いた対象ではないと本能的に察する事をさせたのだ

「……影!?」
「うわぁっ!?」

呼び掛けに反応、鋭敏な挙動で俯いて驚愕
蠢く影達が自身のそれを引き込もうとし、更には平面地味た風体に変わった犬がそれを阻害しているではないか
慌てて飛び退きながら何かを投擲
パァン! と快音、同時に閃光
取り出す所作と着火を同時にこなし投げたそれは、破裂時に眩い光を撒き散らす閃遁玉
効果の程は不明だが、取り敢えず影がやばそうだったので投げてみたらしい
猟犬に効果が及んでしまう可能性までを考慮する時間はなかったようだ
328 :アメリア@ちんちくりんNPCだーくえるふ2015/02/09(月) 23:20:50.56 ID:OsO/hQIvO
>>327
わんこの方はにゅるりと実体化して閃光回避。
最初の光でとりあえず一時的に動きは封じたようだけど
気配がまだ消えてない。

「一つ安心したわ。ここで眠っている人たちではなさそうだから」

黒長耳がどうやらターゲットをロックオンした。
“そいつ”は、教会の建物がつくる影の中に立っている、いや、はえていた。
ヒトの影がそのまま空間に立ち上がり、白い仮面をつけたナニカ。
七八と黒長耳の間は、雲間から刺した光が帯のように隔てている。

「確認。ああいう手合に有効な手段、ある?」

『影?』『影?』『あなたも影?』
『いっしょにいけない?』『いっしょにいかない?』『いっしょにいこう?』
『こっちは影がこいよ』『くらいほうがあんしんだよ』『いこう?』『いこう?』『いこう?』
329 :四五六 七八【賽印流忍術】[sage]:2015/02/09(月) 23:29:47.73 ID:UTANOxa40
>>328
「オッケー、全く安心出来ない事を理解したよ」

抜き身の刀を防御的に構えたままスライド
日輪の加護の元へと、日向へと移動したいのだろう本能が下す判断
影の怪物という未知の相手を前にすれば、少なくとも泣き喚いて命乞いをするよりは延命の道にありそうだ

「さっきの閃遁があと一個」
「照らすだけなら火遁とかもあるね、あとは念仏!」

これは良くない手持ちである
330 :アメリア@ちんちくりんNPCだーくえるふ2015/02/09(月) 23:38:50.92 ID:OsO/hQIvO
>>329
「あら、安心できるわよ?
 少なくとも、今あれを滅すれば今夜はぐっすり眠れるわ」

あれは恐らく“はぐれ”なのだ。
少なくとも墓の下から無限に湧き出してくるタイプではない。
それなら教会に寝泊まりしても大丈夫ってものだ。

「念仏はそもそもアレが理解できるかあやしいわね。
 閃光弾は、行動は制限できるみたいだけど、直接的なダメージにはならない、と。
 そうね、これを貸したげるから、全力で殴って」

月の飾りがついた長杖をパス。
なるほど、どう見ても魔具の類。
杖にまとわりついてる黒い蝶がちょっと謎。

「そうねぇ、一緒に行ってあげてもいいわよ」

黒長耳の少女は、そのまま教会の影の中の“影”に向かって歩き出した。
彼我を隔てていた陽光をつっきり、日陰の方へ。
それに呼応するかのように“影”もまた、影の中を日向の方へ。
さぁ、どうやらエサになってくれるようですので、タイミングをみてぶん殴ってどうぞ
331 :四五六 七八【賽印流忍術】[sage]:2015/02/09(月) 23:50:52.51 ID:UTANOxa40
>>330
「そりゃいいね」
「私はもうここに泊まる気がほとんどないって事が問題かな」

とは口で言ってみるが本音ではない
軽口のつもりなのだ、平静を保つための
最もその端々は震え、今一つ成功とは言い難いのは事実だが

「えっ?」
「ち、ちょっと、私に貸したらあなたは……? って、待っ……!」

問い掛けるや否やその前に平然とした歩みで突き進むアメリア
だがその先は日常では決してあり得ない、ほぼ確実なる死が待ち受けるシェイド
それを呆然と見守っていられる程に七八は不人情ではない

「あぁもうっ! 賽印流の棍術見せてやる!!」
「ナムアミナムアミ、ハンニャァアーメン!!!」

再度の閃遁、影の魔物に思考回路があると過程して対策を練る間を極限与えずに連弾で使用する事を選んだ
動きが止まればこの大振りの一撃もクリーンヒットが狙えるだろう
そうでないとしても充分だ、決死の覚悟で振り抜いたその威力と速度は
伴うシャウトは混濁し頓珍漢なモノではあるが
332 :アメリア@ちんちくりんNPCだーくえるふ2015/02/10(火) 00:01:13.12 ID:V3LLrqVSO
>>331
杖を通じて伝わる衝撃。
本来なら、あれを棒で殴っても衝撃が返ることなんてありえない。
すり抜けるだけのはずの一撃が、しっかりと効果を示した証。

「締まらないわね、その掛け声」

影に半身を差し出したはずの黒い乙女は、叩きこまれた一撃を涼しく眺めていた。
多少精気は抜けたらしいが、自然体。

「大したことじゃないのよ。
 あたしも半分くらいあっち側ってのと、抗術性能はそれなりにあるってだけ。
 まぁ、あなたが思い切りのよいタイプで助かったのは事実だけどね」

二の太刀用に控えていた黒わんこが、アメリアの影の中ににゅるりと消える。
魔術師のローブの刻印がやんわりと光り自己主張。
杖を受け取れば、流浪のシャドウテイカーは微笑むだろう。

「さて、いい時間かしら。
 祭祀殿のスコーンが焼きあがる頃合いには間に合いそうだわ」

もう泊まる気がない教会にて、どうやら慰労会が行われるようですね。
その後はまぁ、各自解散、ということで……

//
ジャスト日付が変わるタイミングでしゅうりょー!
333 :イポス・ノイシュバンシュタイン【吸血鬼喰者】2015/02/10(火) 00:04:32.02 ID:s9Nyq6grO
>>321

「あら、可笑しなこと言うのね。貴女がマゾヒストかそうでないかなんて関係ないわ」
「いい?生物にとって最も重要なのは食事。自己を生かし強くする聖なる儀式にして神聖なる舞台。食す者が脚本家なら食材は演者。決して演者は脚本家に抗うことが出来ず、ストーリーを改変することは出来ない」

食うか食われるか、それは弱肉強食の食物連鎖における最大のルールにして不変の理。
弱き者は強き者に食われる、食われる者の意思など関係無しにそのあまりに無慈悲で残酷な命の晩餐は開かれる。
イポスの言いたいことはそういうことだ。

【イポスは既に自分がイムカの張り巡らせたトラップの範囲内に侵入していることに気付いてはいない】

「あら、偉そうとは心外ね。"偉そう"ではなくて偉いのよ」

金髪の短い髪を揺らし、なんかそれっぽいポーズを取る。背景に効果音が付きそうだ。

【この世界は間接的にカノッサの管理下に置かれており、ここの管理を任されているのがイポスなのだ。ゆえに彼女の食材探しと題した人殺しは誰も止めることが出来ないのだ。→力だけの支配では無く権力での支配も強いようだ】


「イムカ・グリムナー?…あぁ、成る程ね、合点がいったわ」
「今からどのくらい前か覚えてないけど、丁度私達カノッサと戦争した時に、確か……相手側にいた頭のキレる軍人さんだったかしら…」

「だとしたら、貴女がテレジアに使った瓶はなに?恐ろしく忌々しい力を感じたのだけれど……あら、そういえば、まだ私の自己紹介がまだだったわね、私の名前はイポス・ノイシュバンシュタイン。長いからイポスでもノイシュバンシュタインでもいいわよ」

どうやらイポスはイムカがカノッサと相対した時代から既に機関に所属していたようだ。
334 :四五六 七八【賽印流忍術】[sage]:2015/02/10(火) 00:10:55.81 ID:E2E2GbbN0
>>332
「おぉっ……」
「……ホームラン! って言うんだっけ?」

無事(?)であったアメリアに向けて首を傾げて苦笑
掛け声に関してはまぁアレだアレ
結果オーライなのである

「なるほどね、対策有りな訳だ」
「……でもあれよ、今度からはなるべく見ず知らずの相手にあぁいうポジション任せちゃダメだよ……?」

命が幾つあっても足りない、とは七八の常識内での親切心からの警告
目の前の存在が先程の存在と並ぶ超常の塊である事にはまだ気が付かない
短い礼と共に杖を返却、マジックアイテムを持ち歩くべきだなぁと反省

「スコーンね、悪くないんだけどぉ……」

餡子が食べたいなぁなんて我儘
因みに結局なんやかんや、今夜もまたステンドグラス越しの厳かな夜を過ごす事になったのであった

//お疲れ様でした、ありがとうございましたっ
335 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/02/10(火) 00:28:02.99 ID:IG+8lZ4Zo
>>333

「だとするなら貴様の走狗は随分とその高尚な儀式を穢していたものだな。マナーが悪い。
 地面に這いずって、咀嚼音を撒き散らしながらの抓み食い。躾がなっていないな。ヴァンパイア・カウント」

 イムカにこの世界の住人を哀れむ資格は無い。
 無慈悲なる捕食…支配者に対する奉仕。それは正に彼女の世界にて現在進行形で行われていること。
 ゆえに、その縮図の如き構図に異を挟む権利などはありはしない。

「偉くて食うなら相応の責と威と誇りを持て、だ。何だアレは。見るに耐えなかったぞ。
 処分理由としては十二分だ。それとも殺しは私のシツレイに当たるのか?」

【イムカの価値観も何かが決定的に歪んでいる】
 【→もっとも、胸にメダルを一つ増やすためだけに、挽肉製造機の如き戦場に惜しみなく兵を投棄する世界にあって
   イムカのこういった姿勢は実際に珍しいものでもあったが。(出身世界でも変わり者】

「…ああ、カノッサとの戦争か」

 そして、イボスの言葉になるほど、カノッサの関係者なら知られてて不思議は無いと得心。
 同時に、その戦争について…記憶が継ぎ接ぎめいて、ところどころ抜けている。
 が、ここでそれを話す義理もなければ、思考する必要もない。

「んっ、あの瓶か。アレは貴様のような吸血鬼とやりあった時に入手した。
 真祖の吸血姫に敗れた執念の残骸…聖鞭の残り香だよ」

 聖鞭ヴァンパイア・キラー。ある世界でも対吸血鬼決戦兵装…だった。
 もっとも、イムカ達がそこに訪れるまでに勝負は決しており、吸血鬼の支配が確立されていたが。
 イムカの持つミスリルの欠片と、聖鞭の残骸が反応。液状化して聖水と成り果てた。

「無遠慮な輝きだ。正義も悪もない。私が輝きに感じたのはただ吸血鬼を殺すという妄念だけだったよ。
 ――貴様等の種族はいつもやりすぎだ。だから、いくつでも妄執が生まれる」

 吸血鬼ほどその弱点を徹底的に研究されている種族もいるまい。
 強大で支配的で…そして魅惑的であるがゆえに、培われる敵愾心は留まるところを知らない。
336 :イポス・ノイシュバンシュタイン【吸血鬼喰者】2015/02/10(火) 01:30:02.58 ID:bZuiWs+S0
>>335

「あの子は所詮未熟者。目先の誘惑に打ち負けたただの廃人、マナー以前の問題よ」
「本来あの子の役目は私の食材選抜。いわば、審判を下す者…のはずなんだけど」

丁度自分の足元に転がる肉片を見る。
これが誰の肉片かは分からないが、恐らくテレジアが殺した人間の身体の一部だろう。
イポスはやれやれとため息をする。

「あら、心外ね。私はちゃんと誇りも威も責も持ち合わせそれを踏まえた上で食事をしているのだけれど」
「証拠を挙げるとすればそうねぇ……私は手を下してない…かな」

「そうね、部下を1人失ったのは痛いけれど体を持ってあの子も理解したでしょうからね、自分がまだまだ未熟者だってことを。まぁ、最も死んでから理解しちゃ意味ないけどね」

食材を選ぶのに己の手を汚させず部下を使うという威、そして部下を己の意のままに使う威、更には殺した人間は全て回収する責、そして吸血鬼としての誇り、これらがイポスの威・責・誇だ。
テレジアのことは特になんとも思ってないようだ、殺したイムカに対して恨みを抱いているそぶりもない。

「?」

なんだもっと反応するかと思っていたゆえ、イムカの呆気ない反応を見て拍子抜けするイポス。
もっとも彼女自身もあまりその戦争に力を入れて参加した訳ではないので、それまでといったらそれまでだが。

「あぁ、真祖の吸血鬼姫。名前だけなら聞いたことあるけれど…ふぅん」
「本当にいるのね、真祖の吸血鬼姫って。一度でいいから見てみたいわね。私以外に頂点に立つ吸血鬼を」
「……で、その瓶は執念の残骸ねぇ」

同じ吸血鬼としてどうやら名前は聞いたことがあるようだ。
しかし、その真祖の吸血鬼姫が一体どのような吸血鬼なのかは全く分からないし知らないようだが。
だが、やはり同じ吸血鬼として相見えたいのは事実のようだ。

「当たり前よ。強い力を持つ道具や兵器ほどその造り主の明確な殺意、怨念、妬み、恨みが凝縮されてるんだから。まぁ、中には誰かを守りたい、誰かを救いたい、って感情を凝縮した物もあるけど。私達はそんな兵器や道具を聖遺物と呼んでいるわ」
「どうやら、貴女が持っているのは前者のようだから違うっぽいけどね」
「やりすぎ?それは心外ね。力に溺れ過ちを犯す吸血鬼は確かにいるわ。だからといって私や他の吸血鬼を一緒にいないでくれないかしら?」

吸血鬼は世間ではポピュラーな種族だ。
ゆえに他の種族がやり過ぎても、吸血鬼がやり過ぎれば必然的にそちらに目が行く。
吸血鬼は種類が多く、一概に吸血鬼と言っても様々だから、一部が凶暴でも他の吸血鬼が温厚なんてこともザラだ。
しかし、その一部のせいで吸血鬼という種族は凶暴性が高く何もかもがやり過ぎというイメージが付いてしまう。
中には誇りを持って気品溢れる吸血鬼や、優しい心を持つ吸血鬼もいるがそういった吸血鬼にも一部吸血鬼により受けた恨みや殺意が向けられるのだ。

「ところで、イムカ・グリムナー……グリムナーは私に何か聞きたくてここに残ったのかしら?それとも私と世間話?」
337 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/02/10(火) 01:56:18.96 ID:IG+8lZ4Zo
>>336

「監督不行き届きであることに代わりはあるまい」

 イムカは周りの肉塊を見て、そして彼女の在り様を確認した。
 断じるにはまだ総計ではあるが、まあ、ここで振舞う態度は決まった。

「んっ、ああ。いや、半分以上は実のところ興味だ。
 支配者として、どのような振る舞いをしているものか。それを見たかった。
 吸血鬼の性質ってモノを再確認したかったというのがある」

 現在のところ、残念ながらイムカは捕食者としての吸血鬼しか見れていない。
 享楽的で刹那的。そして、隔世的でありながら支配的。ただただ、それだけを。

「そういう意味では意図した情報はあいにくと得られていない。新鮮味も無い。
 展望すらなく、ただの力を背景とした捕食者として振舞うのみならば…人間を奴隷とするオークと代わりが無いぞ」

 これはスゴイシツレイの極みであった!
 真偽はともかく、支配者である吸血鬼に対し、堂々とオーク同然などと口にしたのだ。
 殺される理由としては十二分に過ぎるものであろう! 

【言葉と同時にイムカはカカトで地面を強く擦る!張られていた燃焼テープに着火し、炎がイボスの斜め後ろまで延びる】

 瞬間!イボスの目の前≠ナ爆発が起こる!炎の帯は完全なるフェイク!
 泡状爆薬と塗料により細やかに偽装されていたトラップが作動!

「私はただ、言ってやりたいだけだ。人間を舐めるな」

【爆裂と、そのエネルギーでばら撒かれたパチンコ玉や瓦礫が、
 クレイモア対人地雷めいてイボスに対し扇状に広範囲にばら撒かれた!】
338 :イポス・ノイシュバンシュタイン【吸血鬼喰者】2015/02/10(火) 02:42:26.66 ID:bZuiWs+S0
>>337

「まぁ、それもそうね。部下のミスは上司のミス、ひいては私のミス」

イムカの言っていることは事実だ。
ならばそれを真摯に受け止めるのが、人の上に立つ者としての性だ。

「吸血鬼の性質ねぇ…。まぁ、それは各々バラバラだから、私を見ても他の吸血鬼を理解したとは思わないことね」
「ただ、どんな有象無象の生き物にも根源を強く支える本質がある。私達吸血鬼もそれは例外ではないわ」
「人や動物、同族を食い喰らい続ける。それが吸血鬼の本質、その本質は私も変わりはなく支配者という立場を有り無しに考えても同じ」

先程も述べた様に吸血鬼には様々な吸血鬼がいる。
それこそまさに人と同じ様に人種も性別もだ。
だが、吸血鬼には皆共通する本質がありその本質は人を喰らうこと、捕食者となることだ。
血を吸うにしてもこれと同義であり、それも広い本質で見ればやはり捕食者だ。
所詮は吸血鬼、例えどれほど善を積み上げようとも決してその本質からは逃れることが出来ない。

「あら、随分なことを言うわね。テレジアを殺せて自分が強いと錯覚しているのかしら?それとも、カノッサとの戦争で生き延びたことから変な自信が湧いてるとか?」

「どちらにしよ、今の貴女は身の程知らずの無知蒙昧な人。慈悲すら与える義理がないほど哀れよ」

イムカの挑発とも取れる発言は見事イポスの怒りの導火線に火をつけた!
元々プライドの高いイポスにとってはオークと同類扱いされるだけでお怒りものだ。

「ッ────!?」

一瞬の出来事。
イムカがフェイクトラップ発動からトラップ発動までの全ての動きが無駄無き動きであり、軍人ならではの計算され尽くしたトラップだ。
見事、全てが見事の一言に尽きる。
周囲の建築物を利用したその発想は機転が利く頭脳を持ってして成せる技だ。
なるほど、これがイムカ・グリムナーか。

「あら、失礼ね。私は他の吸血鬼とは違って元より人間を舐めてなんかいないわよ」

────刹那
イポスは一瞬にしてその場から斜めに飛躍しビルの壁へと足をつくと再び別の建物の壁へと飛び、またしても別の建物の壁へと飛躍する。
まるで、虫の様に過敏に飛びながら素早く移動を繰り返す。
イムカはこの速さについてこれるならば彼女が素早く移動を繰り返しているのが分かり更には腰から何やら二本の触手が生えているのが見えるだろう。
だが、もしこの速さについてこれなければ


「まぁ────────貴女が逆に私達を舐めてる可能性があるかもしれないけれどね」

その言葉と同時にイムカの背後に瞬間移動してきたかのように見えるだろう。
イポスはそのまま背中から生えた百足の形状をする深紅色の触手の内一本を使いイムカの体を押し付き飛ばそうとするだろう。



339 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/02/10(火) 03:23:46.88 ID:IG+8lZ4Zo
>>338

「ハッ!?フリークス風情がッ!」

 ある意味で、イムカもイボスも何処か似通っているのかもしれない。
 双方共に、誇り高く、妥協を知らず、そして曲げられぬ己の価値観と克己心を持っている。
 ゆえに――容易に衝突する!

【トラップ発動!しかし、これを刹那に際で回避される。想像を上回る俊敏性!】

(トラップ5番〜8番廃棄!これでは意味が無い)

 恐るべき運動能力により幾つかのトラップは廃棄せざるを得ない。
 発動させることすら無意味であり、不慮の敗北事案につながりかねないと判断したのだ。
 そして、イムカの両の眼はイボスの動きを追い続ける。

【遺伝種子:復讐の眼。遠未来の遺伝子学的遺産によりイムカの視界は高度に強化されている】

(背後!)

 それでも、一瞬で回りこまれたのは正にその俊敏性ゆえか!!
 捕食器官らしき触手も認識、イムカは脳を活性化させるが如く、肉体の伝達を最大限に引き出して伏せる!
 空を切る触手。背中に入る裂傷、飛び散る血液。

【手にはアサルトライフル。身をねじって反撃に移る…時間は無し!が、それでいい!】

 プン!と空を切り、イムカの皮膚をいくらか破いた触手は、
 そこに張られていたワイヤーをも切ることになるであろう!

【プシューっと簡素なスプレー缶が作動し、コンロ用ガスと…そこに混入させた化学物質を撒く】
 【→範囲はちょうど立っているイボスの位置。イムカは伏せており安全圏!】

 チッ!と火花の音と共に燃焼ガスが一気に猛威を振るい炎が巻かれる!
 特殊混合ガスの燃焼温度はコンロガスとは当然桁違い!緑色の炎が中空に突然現れたかのごとく炸裂!
 熱量、そして強い毒性を持った炎。毒と共に消え去るまで1秒とかからないが、瞬間火力は推して知るべし!

【→攻撃とは無関係であるが…イムカの散った血液の飛沫についてである】
 【→遺伝子操作を受けているだけあって、通常の人間とは大分組成も変わってしまっている】
【→そして、血液に人間の眼や容貌と等しく、生き方が現れるというならば――】

 名家の生まれ、生粋のエリートであることの自負。
 2世紀に渡り不断の戦いに身を投じてきた勇気。
 偉大な勝利と、それに等しい屈辱的な敗北を繰り返してきた不屈。
 己の世界が歪んでいると承知でそれでも最善を尽くそうとする忍耐。
 長い時を生きてもなお、磨耗しきらず、倦怠に溺れぬ人間性。

【表現するならば最高級の樽の中で熟成されたぶどう酒である。
 2世紀に渡って腐らず、諦めず、朽ちず、堕ちず、時がもたらすあらゆる病を跳ね除けた。そのような――】
340 :イポス・ノイシュバンシュタイン【吸血鬼喰者】[saga]:2015/02/10(火) 04:21:12.10 ID:bZuiWs+S0
>>339

(────避けたっ!?)

禍々しい猟奇的な触手はイムカを突き飛ばさんと伸びるがイムカが瞬時に伏せたことにより見事避けられてしまいうが、それでも背中に傷はつけられた。
本来ならイムカを突き飛ばしたその触手は空を裂きそのまま何時の間にかイムカが張り巡らせていたワイヤーを勢い良く切り裂く。

(これは……ガス……!!)

ワイヤーが切られたことにより、作動するスプレー缶。
どうやらまんまとトラップにハマったようだ。
ガスが流出した次の瞬間、小さな火花の音と共に巻き起こる燃焼ガスによる爆発。
緑色の業火がイポスを襲う!
凄まじい威力を持ったその炎の爆発はイポスにダメージを与えるのには十分だ。

「…………………………」

燃え広がる炎は瞬きする間も無く広がり、瞬きする間も無く消え去った。
灰色の煙が中を舞い、あたりを覆う。
地面に倒れる死体は先程の炎の余波で吹き飛ぶなどはしなかったのは、地面に倒れていたからだろう。
同じく地面に伏せるイムカに支障が無いあたりを見るに元々足元付近までは爆発が行かないよう仕組まれていたのだろう。
立ち込める煙は晴れ徐々にイポスの姿も見える頃だ。
この炎だ、酷い火傷など外部的にも損傷が激しいはず、そう捉えても不自然ではない。
だが、煙が晴れ見えるのは、傷どころか火傷一つないイポスの姿だ。(服が無事なのはお約束!)

【肉体的変化:治癒→ダメージは回復しないが外部損傷は数十秒で治癒される】

「ふぅん…なるほど。やっぱり人間は中々やるわね。まぁ、私の速さに反応出来るあたり唯の人間では無いようだけれど」
「それにしても貴女、随分といい香りがする血を流すのね。今日私が飲んだロイヤルミルクティーとは比べ物にならないくらいにね」

【肉体的変化:知覚→異常なまでに優れた嗅覚は遠くの匂いを嗅ぎ探知をすることが可能。ようは鼻が凄くいいのだ】

優れた知覚能力により、飛び散ったイムカの血の薫香を嗅ぐ。
なるほど、中々にいい香りだ。
その血からは数え切れないほどのエフェクトすら感じられる。
こんなに美味そうな血は久しく出会っていない。
血を飲みたい、イムカを喰らいたい、そう想いを馳せるが決して飛び散った血を舐めたり飲もうとしたりはしない。
そんなことをすれば、それこそ犬畜生と同類だ。

「一つ貴女に質問があるわ。答える義理は無いなんて言わせない、貴女は……いや、やっぱりいいわ」
「聞くのはやめるわ…私の知りたい答えは貴女を食えばどの道分かるしねッ!」

今度は此方のターンだ。
指を鳴らし、首を鳴らしすと素早く体勢を低くし一気に接近。
その動作は彼女の服装の影響もあってか忍者めいている。
体を激しく動かすことにより勢い良く触手を操りひたすらにイムカめがけ打ち振い、振り回し、掻き払いといった強力且つ絶え間無い攻撃を放とうとする。
その姿はまるで踊り子の如く。





341 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/02/10(火) 19:00:45.73 ID:IG+8lZ4Zo
>>340

 ガス爆発トラップの発動直後にすぐさま前転しつつ180度ターン。
 アサルトライフルの銃口を真っ直ぐに向けるイムカ。
 常に残心を怠ってはならぬ。イクサの死亡率の多くはトドメの読み違えというコトワザもある。

【しかして、出てきたのは外見上は無傷(しかも衣服も!)のイボスの姿】
 【→イムカは油断無くレーザーサイトを照準、イポスに緑色のターゲットレーザー光が伸びる】

(無傷とはな。取っておきのトラップだったのだが)

 外見よりダメージを推し量れないというのは、かなりの情報制限である。
 イクサの組み立て方に関わる重要な情報が不足することを意味するのだ。

「貴様の餌になど、ぞっとしないなッ!」

 三点バースト射撃、が、当然の如く掻い潜られる。接近、即座に距離を詰められた!
 そして、舞うが如く、その実、嵐の如き獰猛さを内包した連続攻撃!
 イムカは集中力を極限にまで高め1秒を寸刻みにする。主観時間が鈍化!

【打ち払い――咄嗟にアサルトライフルを盾とし、力の流れを反らせる事で地面に押しやる!】
 【→アサルトライフルのがグチャグチャに歪み吹き飛んだ!貴重なテック武器をロスト!】

「―――!!」

 イムカにロストしたアサルトライフルを鑑みる猶予など一切無し!
 トラップを作動させるにも時間的・距離的猶予は皆無!咄嗟にサブウェポンとなるピストルを引き抜く。
 間断なき連続攻撃に対し、反撃をねじ込む!

【振り回し――身を思いっきり屈めて回避!頭上で横切った獰猛なる触手が金色の髪を幾本か寸断】
 【→BANG!BANG!プレデターWヘヴィピストルよりフルメタルジャケット弾が放たれ、イポスの胸部目掛け疾駆!】

「チィ…ッ!?」

 が、さらに掻き払いが襲い掛かる!己の身体能力の処理限界を越えたと
 イムカは鈍化した時間の中で認識。全ての回避行動を破棄。生半可な回避運動は己を致死に追い込む!

【掻き払い――イムカは腕を十字に組み、急所をガード。頼るは高反発繊維ジャケットとカーボン製手甲の防御力】
 【→CRASH !堅牢はカーボン素材はいとも簡単に破砕し、鋭い棘がジャケットを引き裂く!】

「!!!!」

 イムカは歯を食いしばりながらも、その威力に耐え切れず大きく吹き飛び、外壁に叩き付けられる!
 アサルトライフル、手甲をロスト、ジャケットも大きく損壊。ピストルも気休めにもならぬ!

【全身に裂傷が走り、イムカの顔の包帯が血で赤くにじむ】

「ハァ・・・ハッ!!」

 イムカは即座に立ち上がり、片手にヘヴィピストルを構えつつ、ミスリル聖水を取り出す。
 ミスリル聖水といえど、ほぼヴァンパイアキラーの力を失った聖性である。切り札とは程遠い。

(まだか?まだなのか?)
≪――001―011101≫

 イムカの視界に移る情報。HUD投影がノイズ交じりに表示されていく。懐かしい感覚。
 多くの攻撃手段を失って、明らかに劣勢でありながら、未だに決断的な瞳は些かも減じていない。

【イポスから見ればどうだろうか?仕掛けられたトラップの多くは己が実力で灰燼に帰せしめたといっていい】
 【イムカ自身の装備も多くを破壊。しかし、イムカの様子はヤブレカブレとは程遠く、諦念の色も皆無】
【→しかしやっている事と言えば、一見、聖水に縋り、悪あがきとしか思えぬ有り様。潔さのカケラも無い】
342 :イポス・ノイシュバンシュタイン【吸血鬼喰者】2015/02/10(火) 20:37:20.46 ID:bZuiWs+S0
>>341

イポスの触手から放たれる連続攻撃!
深紅色の触手は激しくうねりながらイムカを打ち払う!
────────が

「ちっ!」

イムカの咄嗟の決断。
本来武器であるアサルトライフルを盾として応用!
更に触手による攻撃をライフルで受け止め防ぐのでは無く受け流し防ぐという高等技術だ。
機転の利くキレる頭脳を持つイムカならではの技術。
しかし、それでもアサルトライフルは歪みそのまま吹き飛ばされる。

「もらったわ!」

吹き飛ばさしたアサルトライフルを拾いに行かせる間も、張り巡らせたトラップを作動させる隙も与える事なく繰り出される連続攻撃による第二波────振り回し。
風を切り空を裂きイムカめがけ触手がシフトする。

「!?」

「あうッ!?」

イムカが身を屈めた事により振り回した触手はイムカに触れずにそのまま空振る!
宙を舞うイポス同様金色をしたイムカの毛髪が視界に入る。
もう少し速く触手を振りまわせばイムカに当てることが可能だったのに、と思う刹那
激しい銃声と共に二発の弾がイポスの胸部めがけ高速で疾走!
反応する間も無く二発の弾は貫通!!
深赤の鮮血が少量撒き散らされる。

「ハァァァ!!」

しかし、まだ彼女のターンは終わってはいない。
連続攻撃からなる第三波、掻き払いが繰り出される。
百足の如く縦横無尽に強烈にうねる触手はイムカを容赦無く襲いそのままイムカにヒット。
イポスは触手に力を込めイムカを吹き飛ばした!

【イムカが外壁に吹き飛ばさるのを確認すると、二本の触手を足元の地面に突き刺しそのまま伸ばす事により触手に支えられながらイポスの体は宙に浮く。そして触手を器用に操作に触手を椅子に見立てて座る】

「あら、随分とボロボロじゃない。大丈夫?包帯に血が滲んでるわよ貴女」

「!……へぇ、面白いじゃない」

顔から出血するイムカを見下し嘲笑うかの様に口に手を当て微笑む。
心配など全くしていないのにも関わらずワザとらしく心配の言葉を投げかけるあたり馬鹿にもしているだろう、其れ程余裕があるのか、あるいは自信があるのか、はたまた唯の強がりか────。
イポスはイムカが瓶を取り出す姿を見て、ニヤリと不気味に破顔する。

「さて、どうやら万事休すのようね。その瓶もそう何回も使える物じゃないだろうし」
「まぁ────そんなことはどうでもいいか」
「それより、私はこの短い時間で貴女に結構興味を持ったわ。どう、貴女私と取り引きしない?」
「貴女と私では種族の違いもあり、価値観も大きくかけ離れているわ。だからそうねぇ……貴女の取引内容は貴女が決めていいわ」
「その代わり私の取引内容は貴女との休戦を要望するわ。理由は簡単よ、私は貴女に興味を持った、だから今貴女を殺したくはない」
「あ、勘違されたくないから一応言っとくけど私は貴女をかっているのよ?誰も貴女を弱いとは言っていない、寧ろこの私に傷を────毒を浴びせたのだから十二分に強いわ」
「そうね、私個人の意見としてはカノッサ幹部にも引けを取らない」

どうやら、イポスはこの戦いからイムカに興味を持ったらしく戦闘意欲を失いつつあるようだ。
イポスがイムカに興味を持った理由は様々だが、気付かぬ内に毒を浴びせたことと彼女と十分に戦えていること、そして種族の価値観こそ違えど両者、"イムカ"、"イポス"として個人の価値観はどこか似ていると思ったからだろう。
【先程の弾の傷は気付けば消えている。しかし、服には穴が空いている為イムカがそれに気付けば彼女が治癒能力を所持していると分かるだろう。→イポスはどの瞬間どのをくらったか気付いていなく、毒も治癒されていない。毒を受けたことに気づいているということは何かしらの影響を受けているようだ】


343 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/02/10(火) 21:20:27.23 ID:IG+8lZ4Zo
>>342

「………」

 肩で息をしながらも、イムカはピストルを向け続けている。
 どれだけ相手に損傷を負わせられただろうか?見えないというアドバンテージを思い知らされる。
 ミスリル聖水の輝きに中でイポスより齎された情報。

「興味か。なる程、それが貴女の行動規範の一つというわけだ」

 裂傷多数、骨折箇所も有り。全く、生物としての優位性というのは厄介である。
 超人類(スーパーヒューマン)としてのイムカの適合率は元々15%であったところ、
 様々な経緯を経て、現在は10%までに落ち込んでしまっている。

【そのまま推移すれば敗北は明らかである。それは厳然たる事実だ】

(さて、相手もダメージを受けていると考えよう。そして停戦の呼びかけか)

 理性的に考えればそうするべきなのかもしれない。
 生死を分かつギャンブルを行うよりは、よほど建設的。それに――

【奇妙な確信であるが、何故かイポスがこういう取引を虚構と裏切りで穢す類と思えなかった】
【取引相手として信用していい。彼女は名誉に賭けて契約を履行するであろうとも】

「だが…そうだな。答えはNOだ。私は人間だからな、ヴァンパイア・カウント。
 貴女とこの取引を交わせば最後…私は貴女の敵≠ナあるという資格を失う。そんな気がするのだよ」

 自棄になっているわけでもない。ましてや吸血鬼に対する嫌悪感が言わしめているわけでもない。
 誇りと名誉。イムカをイムカたらしめる人間性が吸血鬼喰者に否と言わせた。

【吸血鬼が捕食者を嘯くならば、それに抗い越えんとするのが人間の矜持。イムカの人間性】
【そして――届いた】

「それに――」
≪000101011011111(アクセス――コネクト快復)≫

 都市上空。天高くに小さな浮遊物体が存在する。先程、こちらに到着した。
 それはずっとマスターであるイムカと離散して以来、数多の世界で捜索を行っていた。そしてついに見つけた。
 様々な観測機器を取り付けられた浮遊する頭蓋骨。終焉の遠未来においては、サーボスカルの名で呼ばれる。

「私の策は――」
≪0001010111110111(装備解凍、投下――)≫

 空が一瞬、僅かに光った。ステイシス圧縮フィールドの解凍。
 一丁の銃器が空から落ちてくる。イムカは己が持つヘヴィピストルを放した。
 視界はよく見える。サーボスカルからのサードビュー。天頂視点から己とイポスの姿がよく見える。

【イムカがピストルを落としてから一瞬であった。左手を掲げ、その手に空から落下した何かが握られる】

「まだ――」

 握られていたのは黒塗りの短銃。それ自体はさして驚くには値しないかもしれない。
 しかし、その銃はイムカの本来の武器――終焉の遠未来の汎用装備である。

【名称:粒子短銃(プラスター) …終焉の遠未来において広く使用される量産銃器】

≪ブラスターモード:エリミネーター/ピアシング≫

 バシャリとイムカが手に持つ短銃の各部が展開。冷却のための放熱板が各部で赤く輝く。
 同時にブラインドグレネードのピンが抜かれ、突如噴出された噴煙がイムカの姿を隠す。

「終わっていない」

 決断的な声音だけが響く。瞬間!噴煙を切り裂くように、その熱量により周囲の空気を瞬時にイオン化させながら、
 イムカの粒子短銃より放たれたピアシング・レーザーの赫き閃光がイポス目掛けて疾駆する!!

【貫通性能に特化した高熱量レーザー:それをイポスの心臓を狙い解き放ったのだ】
344 :イポス・ノイシュバンシュタイン【吸血鬼喰者】2015/02/10(火) 22:31:27.18 ID:bZuiWs+S0
>>343

「さて…そろそろ答えを聞かせてもらおうかしら? イムカ・グリムナー」

イムカがいる方角へと手を差し伸べる。
勿論、差し伸べだ手が届く距離ではない。
イポスにとってこの手を差し伸べる動作はイムカが必ずこの取り引きに応じるという自信の表れを意味する。

「────そう…それは残念ね。どうやら私は貴女を過大評価し過ぎていたみたい」

差し伸べるイポスの手を弾くかの様に出たイムカから答えはNO。
それは言うまでもなくイポスとの取り引きに応じないというイムカの答え。
差し伸べる手をゆっくりと太陽に向かって掲げ強く拳を握る。

「ん………あれは…………なに?」

掲げた手を見上げた瞬間見えたのは、見覚えのない浮翌遊物体だった。
無意識のうちに手を下げその浮翌遊物体を眺入る。
UFOか、飛行機か、はたまた別の何かか分からないイポスは正体不明のそれを不思議がりながら警戒する。

「?」

イムカの声が聞こえ直ぐに意識を切り替える。
彼女の方へと視線を移した為、天空の浮翌遊物体が光り、また一丁の銃器を落とす様子を見ることは無かった。
しかし、運良くイムカを見ていた為、イムカの元へと落下する銃器の姿はイムカがそれを握る直前に確認することが出来た。

「────まだ?」
「まだなによ?」

素早く持ち帰られた銃器に対して特に危険視せず、未だ触手に座っているのは余裕の表れか。
イポスはイムカが構えている銃器が終焉の遠未来の物であるとは知らないゆえにそれがイムカの本来の武器であることもまた知らないのだ。

「な────────!?」
「くっ!?」(視界が見えない!!)

「!?」(前かッ!!)
(避けきれないっ)

「ァッ────────」

ブラインドグレネードにより噴出した煙はイムカの姿を隠し、彼女が何処から攻撃をしてくるか分からなくした。
そしてイムカが構える黒き銃器から放たれた強烈な熱レーザー。
レーザーは噴出した煙に空を開け、空気を風を引き裂き、龍の如く空間を駆け巡りイポスの心臓目掛け疾走する。
煙により、視界が使えない今頼りになるのは己の嗅覚と聴覚のみだ。
イポスは生死を分かつこの刹那、全神経を研ぎ澄ませレーザーの音を探る。
そして、 瞬きする間も無いほど素早く体を横にズラしレーザーの狙いを外させた。
しかし、音を感知し反応する迄の時間があまりにも無かった為、レーザーは心臓こそ貫きはしなかったがイポスの右胸郭を貫いたのだ。
レーザーの勢いもありイポスはそのまま後方へと吹き飛び地面を転げ回り、うつ伏せとなった。
二本の触手はパラパラと灰となり消える。


345 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/02/10(火) 22:44:52.79 ID:IG+8lZ4Zo
>>344

(さて、ここまでだな)

 レーザーを射出した瞬間、イムカは冷静な政治将校に立ち返る。
 人間としての矜持を示し己を貫く。勝算無き戦いには踏み込まない。
 両方をしなければならないのが人間と将官の辛いところだ。

【ブラインドグレネードの煙幕、強赤外線(インフラレッド)、広域スペクトル電磁放射線。
 それらに身を隠すイムカはイポスの状況を確認しないままに速やかに撤退を開始する】

「貴女が手を差し伸べるのは誇りと名誉あってのものだろう。
 しかし、それを私は受け入れるわけにはいかない。しかし…敬意を払う。
 オーク同然という言葉は私の名にかけて、撤回し、謝罪しよう」

 譲れないモノもある。あの醜悪(テレジア)を見てしまったモノとして、敵対せずにはおれなかった。
 だが、誇りと名誉。主(イポス)はそれを有していたことが嬉しく思う。敵として。

(しかし、まあ、これは敗退だな。まったく、いつもながら格好がつかん)

 喧嘩を吹っかけて、だまし討ちの戦術を練って、挙句に譲歩を跳ね除けての敗戦。
 全く以って、内容としては酷いものであった。常勝や無敗とは永遠に縁がなさそうだ。

「さて、スカル。撤退ルートの検索を頼む。合流直後だが忙しくなるぞ?」
≪0001011110111≫

 そうして、イムカ・グリムナーは日も落ち、夜の帳が降りた街を駆けるのであった。
 カノッサ機関幹部との接触という重要なコンタクトを果たして。

//んではイムカのシーンはこれにて!ありがとうございましたっす!
346 :α-12【ディープメイカー ver.α】>>352[saga]:2015/02/10(火) 23:02:49.38 ID:IG+8lZ4Zo
>>308

「……クリーニング完了しています。ギャラエ=サン」

 シガーの香りを纏ったギャラエに告げるのはα-12。
 カノッサ・テクノロジー社のアラズァヘッド次世代型シリーズの一個体である。

【実際、あのCEOに相応しい偽善と、実用性が奇妙にかみ合った変り種シリーズとなっている】

 死体袋には初期型の屠られたアラズァヘッドを詰め込んでいる。
 ドローンに運ばせ、あとは素体を再利用するか分解するか、焼却処分するかは、 
 ギャラエの決めるところ。α-12にその権限は無い。

「タバコは結構を害すると判断いたします」

 そして、兵器らしさゆえか、アラズァヘッドの遺体に対して思うところは皆無に見えるだろう。
 実際に、兵器が兵器の心配をするというのも道理ではないのだろうが。

【そして、微妙に変なところで口やかましい】
 【クリーニング作業と、ギャラエの護衛の一時引継ぎ、といったところだろうか。
  初期型の再度襲撃に対する警戒…というのもある】
347 :ギャラエ【くるりリデレクト】[sage]:2015/02/10(火) 23:15:20.41 ID:E2E2GbbN0
>>346
兵隊が足りないんです
開口一番、この世界のカノッサ上層部との会話の最初の言葉をギャラエはよく覚えている
先のマッドゴーレム(タェンティース)捕獲作戦、そして今回の初期型の襲撃
それにより手持ちのアラズァヘッド達は極めて心細い数となっていた
通常戦闘面では千騎当一を念頭に置くギャラエとしては非常に厄介な状態である
そうして送られてきた、なんと自身が関わったアラズァヘッドの現地改修型ともいえる彼女であるが

「もう、よけーなお世話ですよ」
「貴女、私専属のメディカルマシーンですか?」

苦笑である
アラズァヘッドも大概であるがこのシリーズもまた随分と『面白い』
例えプログラムされた思考回路だとしてもそうでなくとも、会話を会話として成立させられるのはこういう時に有難いものだ

「そういう、毒が欲しくなる時があるんですよ、人間って」
「貴女も吸ってみます?」

雨から逃れるように早歩き
α-12に同行を促して表通りへと向かう
348 :α-12【ディープメイカー ver.α】>>352[saga]:2015/02/10(火) 23:23:20.67 ID:IG+8lZ4Zo
>>347

「いえ、じょうしきを語ったまでです。健康管理は自己責任です」

 ガスマスクからはその表情はうかがい知れないであろう。
 もっとも、取ったところで他と似たような顔しか出てこないだろうが。

【言いながらも表通りに出るまでには蒸着したスキンスーツの上から
 素早く服を羽織り、マスクも取る。見えるのはやっぱり同じ顔】

「タバコはお断りします。α-12は毒を自ら入れるマゾヒズムは機能にありません」

 なんでイチイチ毒舌を吐く。といいたくなる位に珍妙な正論をぐどぐどと。
 ちなみに指揮権限は一応、ギャラエに付加されているので黙らせることも出来なくは無い。

「それにしても、初期型に後期型が敗れているのですか?参考に聞きたいものです」
349 :ギャラエ【くるりリデレクト】[sage]:2015/02/10(火) 23:34:25.01 ID:E2E2GbbN0
>>348
「なんか、怪し気ドラッグが支給されてるって聞きますけど?」

戦闘用刺激剤の事である
α-12に対してはカタログ知識しかないが、そのドラッグの危険性はある程度理解しているつもりだ
最も戦闘中に健康云々言っていられるようなモノで無い事を知った上で、会話としての無為な言葉ではあるが

「そうそう、全くもって問題外ですよね」
「赤いスカーフを巻いた個体です、アラズァヘッド初期型の有機タイプ」

黙らせる事など考えもしない
元々ギャラエは会話を好む、例え相手が何者であろうとも
街中でするにはやや隠匿性を要する内容ではあるがそれを構う事もせずにいた

「スペックも、頭数も上なんですけどね」
「状況的な因子があるんでしょう、プリインストールされていないような」

無論中期型以降の半機タイプのアラズァヘッドは、初期型を大きく上回る兵器的性能を誇る
通常、ならば能力面ではと言いたい所ではあるがそれも互角
だとすればそれを存分に発揮出来るだけの、性能を性能以上に振るう機会を作るのが戦力差を覆す程にまで上手いという事だ
煙草の自販機を見付ければ小銭を投入

「好きな色、あります?」
350 :α-12【ディープメイカー ver.α】>>352[saga]:2015/02/10(火) 23:49:09.01 ID:IG+8lZ4Zo
>>349

「スティムパックの事ですか?」

 なんとなく半眼というかあまり力の入っていなさそうな眼である。
 任務にやる気が無いというわけではないだろうが。

「正式名称はフレンゾンと呼ばれる戦闘用刺激剤(コンバッド・ドラッグ)です。
 強い副作用はありますが、性能があがるので必要です。撃破されてはそれこそ健康に悪いです」

 αシリーズはそのドラッグに適用できるよう調整されているという噂もあり。
 また、フレンゾンには何やら未知の物質が含まれているとも。
 ナノマシン活性など特異な効能は確かにあるが――

【そんなモノをカノッサ・テクノロジーは何処で入手したのか。機密とされている】

「初期型に負ける、個体数も上なのに。改良の方向性に疑問を呈さざるを得ません。
 スペックダウンしているか、何か特異なカスタマイズが施された可能性があります」

 不条理である。この状況因子とやらは理解できない。
 自分達は兵器である。スペックが上で数という状況面でも上回るならば勝つのが道理では?
 ゆえに、その初期型には特異な兵器なり性能向上処置が施されているのだと考える。

【意外とよくしゃべるα-12。これは記憶≠排した結果であろうか?】
 【→反復されていたはずの戦闘経験も一から入れなおすため、高コストというデメリットもある】

「好きな色。とうめい、です」

 そして、何となしに聞かれた質問に対する返答は実に酷いものであった。
351 :イポス・ノイシュバンシュタイン【吸血鬼喰者】2015/02/10(火) 23:57:03.35 ID:bZuiWs+S0
>>345

「……………」

両者共にお互い譲れない誇りや名誉がある。
それは人間や吸血鬼としての誇り、名誉だったり"イムカ"という1人の女性"とイポス"という一匹の女性としてのものでもあり"軍人"や"主"としてものでもある。
この街での戦いは両者のそれらが引き金であり要因であり原因であり武器であり命である。

【イポスは立ち上がることは無いがまだ生きており、傷も徐々に塞がりつつある。イムカの言葉も聞こえている。しかし、煙でイムカは見えない】


「……………」
「まぁ、今回は私の負けかしらね。慢心って奴かしら…ダメね。こんなんじゃ、主どころか吸血鬼としても半人前。全く、テレジアに言えたことじゃないわ」

慢心、吸血鬼として、人の上に立つ者としての慢心が今回の負けを招いたのだ。
勿論、イムカが予想外に強かったのもあるが、それでも最初から本気を出さなかったのは己の力を過信し過ぎ、他者を見下した慢心があったからだろう。
だが何故だろうか、イポスは普段慢心など持ち合わせていないのに。
イポスもイムカ同様、今回の勝負は己が負けたと思う。
負けは負けと潔く認めるのは吸血鬼としての性なのか。

「今度から少し食材の選び方を変えようかな。今回みたいなことがあったら、嫌だし……そうね、次からの食材は能力者の犯罪者のみとか……」

「そういうことで、よろしくアリサ」

煙が晴れ次第に周囲も見えてきた。
既にイムカの姿は無く、代わりにいるのは自分の従者であるアリサとその他部下数名だった。
いつからいたのかは分からないが、おそらくイポスが心配で見に来たのだろう。
イポスはそのままゆっくり立ち上がりその場を去る。
気付けばテレジアの肉片は消えており、地面にあった死体もアリサを除く部下が丁寧に運びだした。
こうして、この街で起きた誇りと誇りのぶつかり合いは幕を閉じたのだ。

「今宵はこんなにも月が赤いわね、イムカ・グリムナー」

/ありがとうございましたーっ!



352 :ギャラエ【くるりリデレクト】[sage]:2015/02/11(水) 00:03:04.92 ID:etQQnXbB0
>>350
「そうそう、それです」
「……ふぅん……」
「……私もそれ打てば強くなれるんですかね?」

ギャラエはケミカル関係はほぼ全くのノータッチである
それは兵器開発という意味で致命的ではあるが、しかし彼女の目的は本来強い兵器の開発などではない
まぁ例え万一戦闘用刺激剤に適合出来たとしても使うつもりなんて更々ないのは自然な事だ
本来戦闘員でない自分が危険に曝されるという時点で戦況的に敗北は必死なのだから

「スペックダウン?」
「うーん、どっちかってと後者のが可能性的には高いでしょうねぇ」

ふむん、と唸り腕を組む
異能性とボディの不適合を考慮した事がない訳ではないが、
アラズァヘッド達の実戦テスト結果からしてもそれは否定された
更に模擬戦闘を行ったオンモからしても半機タイプは優れているという
ならば矢張り初期型の性能向上、ギャラエからすれば実戦経験の蓄積だと単純な理解を得れるモノだが果たして兵器達はどうなのだろう

「まぁ、ほら、不意打ちが得意って訳ですよ」
「……透明……もう、役に立たないなぁ」

再度の苦笑、透明感のあるブルーのパッケージの煙草を購入
愛煙家ではないが、しかし最近陰鬱な気分に陥る事が多い
その都度貰える相手がいるとは限らず、保険は確保しておくべきと判断したらしい
353 :α-12【ディープメイカー ver.α】>>352[saga]:2015/02/11(水) 00:14:25.43 ID:qLAUeuJHo
>>352

「はい、強くなれます。ゴリラに投与したところ、
 死亡するまでに筋力、反応速度共に大きく向上しました。
 ぱわーあっぷです。ぐっじょぶドラッグです」

 ぜひぜひドゾドゾとギャラエにスティムパックが入ったポーチを差し出す。
 かなり強くなれるようである。何か不穏な言葉が混じっていたような気がするが気にするな。

【このα-12、結構ノリノリである。美味しい食べ物を勧めるが如く】

「この前、おりじなるに会いましたが、パワーは私のディープメイカーよりもタイドメイカーが上です。
 性能の取捨選択は重要です。しかしそれに間違いが発生しているのでは?」

 対するα-12はスペックダウンの可能性に一票を投じているようだ。
 彼女にとって、初期型が後期型に勝つ道理というのは理解し難いものらしい。
 ここは兵器を兵器として以上に捉えられない思考に拠るところもある。

「不意打ちが得意。アンブッシュ、戦闘教育ぷろぐらむの違い?」

 やはり、何処かピントが合っていない。

「運用者がバックにいる可能性を是正します。兵器が独自行動する事自体道理ではありませんので」

 とうめいが何故役に立たないか全く理解できぬままに(ぶっちゃけスルーしやがった)、
 α-12は彼女らしい具申を繰り返すのであった。
354 :ギャラエ【くるりリデレクト】[sage]:2015/02/11(水) 00:28:30.70 ID:etQQnXbB0
>>353
「……あ、ドモ……ワーイ、ウレシーナー……」

余りにナチュラルな所作に思わず受け取り棒読みの反応、押しに弱い!
貰ってしまったモノは仕方ない
オンモにでもあげてみよう、多分喜んで使うだろうきっと

「あ、そうなんですか?」
「ふぅん……でも貴方のは分かりませんがアラズァヘッドでしたらディープメイカーは単純なアッパーバージョンです」

珍しく……いや、そうでもないかと自嘲
意地になっている自分に気が付く
それはアラズァヘッドの開発に携わったモノとしての矜恃だろうか? まさか冗談ではない
その思考に到って一蹴、だが本人でも気が付かない所に真実と言うのはいつも転がっている
実際アラズァヘッドのディープメイカーがタイドメイカーに劣る部分は『スペック上』皆無である

「なんと言いますか……まぁ、その理解でいい……んですかね?」

プログラムではないと言いたい所だが泥沼化するのは目に見えている
曖昧な肯定は首を傾げながらとなった

「運用者、ね……」

事実そうなのだ、兵器が自主性を持つ事自体不可解なのだ
だがそれを否定し切れないでいるのは例外的存在を知った上の事
『ニア』と呼ばれるプログラムにあり得ない、バグ的存在の総称
なんにせよ、と一区切り
煙草20本が収まる深いブルーのパッケージを見詰めてから、α-12にエメラルドの視線を向ける

「それが見えないなら存在しないと同じじゃないですか」
「透明色みたいにね」

355 :α-12【ディープメイカー ver.α】>>352[saga]:2015/02/11(水) 00:40:08.99 ID:qLAUeuJHo
>>354

「α-12は喜んでもらえて幸いです」

 空に浮かぶちょうちょを眼で追いながら、
 要望に応えられた事に満足するα-12である。
 珍妙なアトモスフィアがあるか、気にしたら負けである。

「私たちのバージョンは精密性と頑丈さを優先した調整がされていますので。
 代わりに本数と瞬間威力はマイルドです」

 ある世界から齎されたナノマシン新技術が導入されているという。
 代償として、一度に出せる数や瞬間火力はディープメイカーにも劣っている。
 この辺は、企業の製品らしい取捨選択でもあった。工業製品としての信頼性を重視しているのだ。

「ハイ、理路整然です」

 この辺は永久に平行線であろう。
 兵器が兵器以上のスペックを運用者も無しに引き出すという発想がそもそもα-12には無い。
 ここは正にアラズァヘッドらしい思考の限界でもある。

「見えないならば、それを探るのはギャラエ=サン達の役割です。鋭意努力に期待します」

 コイツラ微妙に調整失敗してんじゃね?と思いたくなるような事を平然とのたまうのであった。

//デハコノヘンデー
356 :ギャラエ【くるりリデレクト】[sage]:2015/02/11(水) 00:56:58.53 ID:etQQnXbB0
>>355
「……お礼にいります?」

差し出すのは煙草のパッケージ
無論受け取る事を期待している訳ではない
そもそもちょうちょに奪われた視線を此方に戻す事すら叶わないかもしれないのだから

「過剰な火力は……って奴ですか」

元来兵器とは兵器であればいいのだ
与えられた任務を確実に成功させる最低限の性能があればそれでいい
飾り立てた外見や必要以上の火力は必要ない
そうして削られた部分の、いわばバッファ領域的な部分をどう使うかは持ち主に委ねればいいのだ
ある意味拡張性と言えるのだろうか
そういう面で実用性にその割り振りを終えているα型ディープメイカーの完成度の高さを改めて実感

「……兵器としてなら、100点を上げるんですけどねぇ」

だがしかし、そうでない事柄と言うのは案外と多い
この場合も恐らくそれに当てはまるのだろうと、
だがそれを思うとやがて直ぐに来たる初期型との邂逅を乙女のように焦がれるのもまた事実

「……貴方のお仕事に偵察も入ってますよね?」

かくん、と項垂れつつ苦笑
深いブルーを開き、煙草を咥えて点火
染み付いたシガーの臭いと混ざった紫煙、すれ違う人々に顔を顰めさせるに余りあるだろう
雨脚が少し、強まってきた

//ありがとうございました、お疲れ様でしたっ
357 :イポス・ノイシュバンシュタイン【吸血鬼喰者】[sage]:2015/02/11(水) 20:36:10.02 ID:JC4o1SnRO

闇が世を支配する刻、空に雲は一つと無く天に浮かぶ今宵の月は赤い。
赤き月が放つ月光は妖しげに街を照らし包む。
冷たい夜風は人通りの無い裏路地を通り抜け地に落ちた堕天使の羽は輪廻の如く再び天を舞う。

【血を思わせる赤き月が空を支配する刻、闇の狩人は本来の狂気と狂喜に心を満たし、血の晩餐を開く】

『はぁ……はぁ……はぁ……』

「ほら、如何したの?逃げなきゃ君、死んじゃうよ」

世を支配する闇とは真逆に、純白のスーツを着こなす男性。
細く鋭い目は獲物を狩る者の目だ。
ライオンの鬣を連想させるような白い髪は、正に百獣の王のそれだ。
逃げ惑う女性は罪を犯した女性だ。
女性が犯した罪は泥棒、ただそれだけ。
しかしこの吸血鬼達が彼女を[ピーーー]には十分な理由だ。
罪を犯した者が食材となる。それが吸血鬼達の審判の基準だ。
男はそのままゆっくりと女性の首を掴み、そのまま掴んだ腕を上げ首を引きちぎる。
無慈悲に行われるこの行為は、弱者というディスアドバンテージを背負っている女性の自己責任。ただそれだけで吸血鬼の常識では済まされる。
男は、『リーファ』は次の獲物を求め辺りを見回した。
358 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ[sage]:2015/02/11(水) 20:47:48.45 ID:etQQnXbB0
>>357
「……なんって言いますかってんですねぇ」

後頭部を掻きながら唇を尖らせる
ブラッドムーンを背負い、真紅の瞳は細まった
目の前で行われた悪辣に対して今となっては湧き上がる嫌悪
だがそれは義憤ではない
かつての自身の残虐性を見せ付けられているかの様な幻想に囚われているが故だ
早い話都合のいい贖罪である、過去に殺した既にそうするには遅過ぎるモノ達に対しての

「あぁんまりっ、気分良くないってんですよそういうのっ」
「……お前っ……なんだってんですかっ……?」

ずるり、首筋脊髄の辺りから生え出る野太い触腕
表面を走るギラつく液体を、紅光とした月明かりが照らす
警戒心を露呈させ半身に構え、タイドメイカーを蛇の鎌首が如くに擡げた



359 :イポス・ノイシュバンシュタイン【吸血鬼喰者】[『リーファ』]:2015/02/11(水) 21:09:30.95 ID:JC4o1SnRO
>>358

「あ"ぁ"?」

粛然たる空間の中、女性の声音が聞こえた。
リーファは己の手で生命の道を断ち切った女性を見るが、彼女は既に故人。
では一体誰の声だ、そう思い目だけを動かし辺りを見回す。
そうして目に入ってきたのは1人の女性、ニアだ。
なるほど、先程聞こえた声の主はこの女か
そう推測し手に掴む生首を地に落とす。
それは命に対する冒涜だが、男はさも当たり前の様に地に落としたのだ。
地に落下した生首は水分を大量に含んだタオルの様に水々しい音響を辺りに響かせ転がる。そこに人権など無いに等しく。

「気分が悪い?ハハ……ハハハハハハハハハハ!!君、面白いね」
「君はわざわざ豚や牛、馬や魚を調理するたびに気分が悪くなるのかいィ?」

「!……へぇ君、異能保持者だったんだ。いいよ……少し遊んであげる」

男は体をニアに向け、肩を大きく震わせ口を開き、吸血鬼特有の鋭利な八重歯を見せ声高らかに笑う。
彼にとって人間とは、ただの食料としか認知してないようだ。
しかし、ニアが体から生やした野太い触腕を見るや否やその笑いを突然止め、不気味な笑みを浮かべた。
左腕につける銀色に輝く腕時計を見て少し遊んであげると言うや否やニア同様己の体(腰)から、4本の紫色に輝き龍の鱗を持つ尻尾のような触手を生やした。


360 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ[sage saga]:2015/02/11(水) 21:22:41.67 ID:tmKHwe0H0
>>359
スイカめいて転がる生首、無意味に夜の闇を見詰める虚空の瞳
落とした視線を少しの合間それに向けて、そして強い抗議の意を含んだ眼差しを向ける
今はただ、百の言葉よりひとつの行動で示すべきだ

「……むっ、似た感じってんですねぇっ……」

男も矢張り異能保持者、しかもタイドメイカーと同じく触腕型だ
彼我の数は1対4、不利は明らかでありそのままでの攻撃の開始は無謀を意味した

「でもっ……」

ならばとその場に座り込み、座禅が如くに脚を組む
強い集中と発力、爆発的勢いで5本の触腕を生やす
合計6本、そして内3本を脚代わりに体を高く地上5m程に持ち上げて見下した

「……行くってんですよぉっ!!」

超動たる機動、3本のタイドメイカーで駆け抜け距離を詰め
そして射程範囲内に踏み込めば残る3本の触腕を左右と頭上から同時に振るうだろう
361 :イポス・ノイシュバンシュタイン【吸血鬼喰者】2015/02/11(水) 21:43:03.38 ID:JC4o1SnRO
>>360

「君は随分と……美味しそうな血を流してそうだねぇ」

静寂たる時の中、お互いに体から生やす触腕は冷たい夜風に触れうねる。
紅い月はこれから流れる血を予言するかの様に2人を照らし出す。

「ん?」

空気の流れる音に体内を流れる血液の音が足され、何処かで鳴く犬の声が足され、そして目の前で野太く水々しい触腕が生える音が足された。
ニアの体からは合計6本の触腕が姿を表せてる。

「ハハハッ!最ッ高だよ君ッ!!!」

高く伸びた触腕により持ち上げられるニアを見上げ気持ちを高める。
口元は裂けそうなほど笑って、細い目は更に細くなっている。
左右上から潰すように振るわれるニアの触腕をリーファは己の3本の触手を使い防ぐ。
しかし、ニアのタイドメーカーの威力は予想以上に強力でリーファは後方に弾かれた。
地を滑るように下がる体を己の触手で支える反動を抑え止める。

「ハ…ハハ……ハハハハハハ!今度は、俺の番だァァァァ!!」

体を屈め素早くニアの元へと走り寄り
二本の触手を回転させながら、ニアへと振りかざす。


362 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ[sage]:2015/02/11(水) 21:55:09.29 ID:tmKHwe0H0
>>361
「さぁっ? 飲んだ事なんてないってんですからねぇっ」

当然だ、ニアは生体兵器なれど飲血鬼ではない
完全有機体であるこの体を流れる血液の味が果たしてどうなのかなんて考えた事すらないのだから

「……ちっ、案外っ……」
「このォッ!!」

防がれる3点、吹き飛ばしになったため一見派手だがさしたるダメージは実質少なそうだ
自身のタイドメイカーより器用に動くと内心
そして迫る男と、それと触腕
対してのニアは防御と反撃を同時に、それぞれ1本と2本の振り分けで行う
唸りを上げる触手を逸らさんと触腕を動かし、カウンター狙いの打突を2発

「っ……!!」

紫鱗が体を掠める、それだけで抉られる
荒い鑢で体を刻まれたような痛み、鮮烈にして焼け付く重鈍な痛み
左胸から肩にかけて肉が削がれた
363 :イポス・ノイシュバンシュタイン【吸血鬼喰者】2015/02/11(水) 22:15:08.73 ID:JC4o1SnRO
>>362

闇の中白いスーツはよく目立つ。
ゆえに、ニアには男の姿が良く見えるだろう。
確かに先程のタイドメーカーによる攻撃は吹き飛ばされはしたがダメージは少ない。
だがそれはタイミングよく触手の中でも1番上部な部分で防いだからだ。
もしアレをまともに受ければ吸血鬼といえどひとたまりもない。

「なっ!?俺の攻撃を防いだァッ!?」
「ッ!?」

「ガァッ!?……グッ!!」

二本の龍の尾の如き触手による攻撃はニアの逞しい触腕により防がれる。
己の触手に自信があったのかリーファは意表を突かれたような表情をしてニアを見る。
そしてそのまま繰り出される二発のカウンター!
初手のカウンターをモロに受け口から吐血!
さらに追撃のカウンターもモロに受け再び吐血!
そしてそのまま勢い良く本日二度目の後方への吹き飛び。
リーファは勢い良くコンクリートの壁へと突っ込んだ。

「ハァッ……ハァッ………」
「……君、中々やるね…」

体を起こし先にいるニアを睨み付ける。
ニアの体から肉が削られている。
しかし己の体を見ればニア同様、激しい傷をおっている。
彼の上半身の右胸部が凹んでいるのだ。

「チッ……」

男は右胸部を手で摩りながら苦々しい表情をし、立ち上がる。

364 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ[sage saga]:2015/02/11(水) 22:24:23.42 ID:tmKHwe0H0
>>363
「こっちの、セリフだってんですよっ……」
「……このっ……!!」

濁々と溢れる鮮血
抑える左手が真っ赤に染まり、脚先から遠く地面に落ちる
だが手を休める事は、攻撃の為に触腕を振るう事を止める事はしない
ニアの異能タイドメイカーはある意味、男のそれよりも悪辣たる存在めいて造られている
即ち本懐は一切の休息を与えぬ連打を叩き込み、守勢に回った標的の防御ごとの破壊
主眼たる目的を果たさんと、容赦せずに打ち砕かんと

「……てぇぇっっ!!」

脚代わりの触腕を縮こめて力を蓄積、次には開放して飛翔
彼我の距離を一気に詰めつつ、3本の触腕による面的飽和打突を突き出さんと立ち上がった男に向けて唸らせる
365 :イポス・ノイシュバンシュタイン【吸血鬼喰者】2015/02/11(水) 22:50:25.94 ID:uekpPk2J0
>>364

「いいよ…君…本当ッに最高だよ!」
「見なよこの俺のスーツ!本当は真っ白なのにほら、君の攻撃をくらったせいで口から吐いた血で汚れたよ!」

「…でも君も服に血が付いているみたいだ。俺とは違って内側からかな?」
「ハハハハ……全くいい匂いだ。君を俺に……食わせろォォォォ!!」

ニアから流れ出す鮮血は天に浮かぶ月に照らされ更に赤く映り出す。
血が月の光を反射し、その赤さは血の色か月の色か分からなくなる。
しかし月明かりに照らされても、血の幽香が消えることは無い。
ニアの血の香りが鼻を刺激する、脳髄を溶かす、身が悶える、食欲が増す。
吸血鬼としての本質と本能が血に反応する。

【リーファの触手はニアとは違いこれ以上増えることもないし、ニアの触腕を上まるほどの攻撃翌力も守備力もない。→しかし、リーファは余裕だ。おそらく切り札があるのだろう】

「!?」(速い────)

ニアのタイドメーカーを使った機動力は予想以上だ。
一気に距離を詰められ月明かりが遮断されニアの影がリーファに重なる。
瞳を見開き唖然、防御体制をとる間も無く素早く繰り出されるタイドメーカーによる攻撃。
それはリーファを確実に捉え、決定的な一撃となった。
轟きと共に数m吹き飛ぶリーファ、そしてそのまま地面を激しく転がり廃墟と化したビルの壁へと激突。
地響きと共に崩れ落ちるビルの壁、リーファのまわりには砂煙りが舞う。

「ハァッ…!ハァッ…!」
「クソがっ!あの女ァァッッ!!」

激しい憎悪の表情を浮かべ、小さく映るニアを睨み付ける。
おそらくリーファは次のターン切り札を使うだろ。
何故ならリーファにはもう余裕がないのだ。
さきの攻撃はほぼ致命傷、吸血鬼としての異常なまでの生命力が無ければまずリーファは即死だっただろう。
げんに吸血鬼の生命力や頑丈さを持ってしても頭や腕から血が流れ出している。
服もところどころ血で滲んでいる。
366 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ[sage saga]:2015/02/11(水) 23:12:34.81 ID:tmKHwe0H0
>>365
「お前っ……その頑丈さっ」
「……ふつーの人間じゃ、ないってんですねっ?」

ここでようやく全てに合点がいった
人知を超えた力、血に対しての反応、ギラリと光った鋭い犬歯
吸血鬼
過去に幾度かそれと戦い、そしてつい先日もイムカ・グリムナー達と共に合間見えたその存在
因果なモノだと内心こんな状況にありながらも苦笑

「ニアはもう喰われたくはないってんですっ、ついでにいえばミイラになるのも」

腰に帯びた剣を、月光と呼ばれる聖剣を抜き放つ
夜の闇の中にありながら周囲を辛うじて照らすそれぞれの光を遍く吸収してしまうような、漆黒の刀身
青白い軌跡を虚空に描く、聖金属ミスリルで造られた破邪の剣である
【片手剣月光:聖属性、破壊不能属性、所持者の闘気に反応し斬属性UP】

「……行くってんですよぉっ……!!」

裂帛、高まる気迫と決着の予兆を察して自然溢れる冷たい汗一滴
巣篭もりの鴉が泣き喚く、虫を喰んでいた野鼠が身を隠す
防御重点、タイドメイカーとそして月光を構えてカウンター狙いの体勢
攻めの異能であるタイドメイカーを持ちながらも、男の放つ殺戮の重圧が畏怖となって襲い掛かりニアに踏み出す事を躊躇わせたのだ
367 :イポス・ノイシュバンシュタイン【吸血鬼喰者】2015/02/11(水) 23:34:46.65 ID:uekpPk2J0
>>366

「!?」

ニアが抜き出す一振りの刀。
その刀は紅い月明かりの影響を一切受けず、独自の光を放つ。
どうしたことか、先程まで彼女を見ても平気だったのに今は彼女を見るだけで魂が押し潰されるほどの気迫と威圧を感じる。
身が震える、吸血鬼としての本能が強く警告してくる、こいつは危険だ。
生物としての根源までもが凍るほどにリーファはニアを恐れた。

「ハ…ハハ…[ピーーー]……[ピーーー]……[ピーーー][ピーーー][ピーーー][ピーーー][ピーーー][ピーーー]!!」
「細胞の一つまで食い[ピーーー]!!!」

ガチガチに震える体を己の闘争心のみで、力強くで押さえ付ける。
しかし、それでもまだ尚リーファの体は震えている。
なんだあの刀は?どうして彼奴に恐れているんだ?様々な疑問を持ちながらも既に恐怖で支配された脳では答えに辿り着くことは出来ない。
だからリーファは考えるのをやめた。
自我と理性を引き換えに吸血鬼として己の力を最大限に引き出せる主人の細胞を使い狂気を纏う。
リーファの顔は漆黒の甲羅に覆われ、右手も顔を覆った甲羅に全て覆われる。
その右手は長く太く巨大化、さながらその右腕はゴーレムの如く。
吸血鬼はこの異様な同族をこう呼ぶ、喰血鬼と。
漆黒の右腕を地面に叩きつける。
小さなクレーターが完成、砂煙りが舞う。


「ハァァァァァ………」
「クソ女ァァァァァァァァァァァァ!!」

轟!リーファは鈍く強烈な音響と共に強く地表を蹴り走り出す。
地面は削られ、小石が宙を舞い、コンクリートの破片が潰れる。
激しい憎悪と殺意のみで目の先にいるニアを襲う。
最早理性などなく、ニアが握る刀が聖なる力を宿していることにすら気づかない。
ニアとやや距離がある状態でその右腕をニアに向かい振りかざす。
368 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ[sage saga]:2015/02/11(水) 23:53:40.87 ID:tmKHwe0H0
>>367
「……!?」

眼前で行われる変幻
吸血鬼であると判別した相手ではあるがこれは全くの予想外
故にたじろぎ、だがそれでも凛然たる決意に怯えの影は存在を許されない

「……っ、八葉ぉっ、一来っ……!!」

2本の触腕を追加、最大数である8本を操る
内の6本を編み合わせ盾として構え、残る2本は相変わらず体を支えていた
振り抜かれた剛腕、空圧がソニックブームとなり襲い掛かり続き冗談みたいなインパクト
可視性を帯びた衝撃波が周囲の空間を舐め取りながらに拡がる、弾け飛ぶ6本のタイドメイカー

「……月、光ォォォォッッ!!」

だがその裏に存在するニアは無事だ、辛うじて拳打の圧殺から身を守る事に成功していた
それは即ちカウンターの煌めきの、とある越境者から手解きを受けた刺突の一撃を意味していた
精神的高揚に於ける月光自体の威力、更に超高速の蛇の一咬みが如き一閃
吹き飛ばされたタイドメイカーの破片が、ギラつく体液がスローモーションめいて落ち行く中、青白い残光が闇夜に走る!
369 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ[sage]:2015/02/12(木) 00:14:45.46 ID:6hraIE460
//そろそろ時間的にヤバしなのですみませんが落ちます
//もしまだ〆でなければ明日の夜に返信させて頂きますね
//ありがとうございました、お休みなさいませっ
370 :イポス・ノイシュバンシュタイン【吸血鬼喰者】2015/02/12(木) 00:23:44.36 ID:4od0iH7FO
>>368

「ハァァァァァァァ!!」

鋭い刀が空間を引き裂くならば、この右腕は空間を押し潰す。
鋭い刀が風を斬るなら、この右腕は風を押し退ける。
つまりはこの右腕は力が強いのだ。
リーファが到達すべき最後の変幻は《魔人》
しかし、今はまだ魔人には到達出来ず片足を突っ込んだ状態。
だがそれでもこの右腕の攻撃翌力は凄まじい。
ゆえにニアのタイドメーカーをこの右腕は吹き飛ばす。
ニアのタイドメーカーの力は強大だ。
ならば更に強大な力を持ってそれを制す。
力には力を────吸血鬼本来の力による統制。

「!?」
「ク!?オォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!」

しかし、タイドメーカーを吹き飛ばしたことにより自身の右腕も勢い良く上空へと振り上げられる。
それはタイドメーカーの触腕による弾力の反動だ。
そしてそのタイドメーカーが消えた先に見えたのは────────月光を構えしニア。
リーファは鼓膜が振動し過ぎて耳が馬鹿になるほどの爆音とも言っても差し支えない雄叫びと共に口からは幾万の血と唾液を撒き散らす。
そして空高らかに振り上げられた右腕を下方に下げ己の身を守ろうとはせず、そのまま再びニアを潰さんとする、が────

「ッ!?」


「アァァアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!?!?!!」

ニアの月光による一閃は風を裂き、空間を斬り、月明かりを遮り煌びやかに美しくリーファの禍々しい右腕を切断!
紅蓮の炎の如き勢いで右腕からは血が流れ出す。
そして痛みに苦しむ間も無くそのまま月光はリーファの体を闇と共に斬った。
数秒の沈黙の後、リーファはよろけながら一歩、二歩と下がりそして、激しい断末魔と共に体が光り出す。
見れば、斬られた傷口から広がる様に赤く黄色い光が放たれている。
やがてリーファは全身から眩しい光りを放ち出した。
それは月光により斬られた傷口は勿論、目や口、耳など穴という穴からも光は放たれて、最終的には全身の体内から皮膚を通して外部へと光が放たれだした。
燃えるように光を放つ姿は、幾つもの命を喰らってきた吸血鬼の生命力を燃やし尽くしている。
そして刹那、リーファの体は跡形もなく消滅したのだった。
やがてこの場に立つのは月光を持ったニアのみとなる。
この街にいる吸血鬼はどうやらリーファだけのようだ。
こうしてニアによりこの街の狩人は此の世をさった。
空に浮かぶ紅い月は未だ尚、街を照らし続けている。

/こんな感じで〆ですかなっ。
ありがとうございましたーっ!
371 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/02/12(木) 21:59:20.65 ID:4HJShvC+o
【スプロール】

 今宵もスプロールは利益のみを追求するメガコーポと
 それにぶら下がる、あるいは虐げられる者共の宴で埋め尽くされている。

 マケグミクラスのサイバーサングラスは常に様々な購買欲を刺激する広告で溢れ巧みに金銭感覚を麻痺。
 その一方で、ハッキングにより、見るべきでない光景はリアルタイムで削除されることも珍しくない。

【ここはメガロシティ。サイバー色の濃い近未来都市である】

 −−−−−−−−−

【インペリアル・エンジニアリンク】

「………」

 イムカ・グリムナーは常の仏頂面であったが、今回は何となく不機嫌な雰囲気が満点である。
 彼女のデスクに投影されているホロ・ディスプレイには未処理案件の多重表示と、プリントアウトされた報告書の山。
 細かいところではワイロの催促だったり、知らん間に技術盗まれていたり。

「…忌々しい」

 それもこれも、ずーっと、それこそずーっと不在であったためである。
 主観時間で15年近く留守にしていたツケは大きく、
 不在の間に溜まりに溜まった仕事を処理するハメとなっているのだ。

「―――」
≪000111101010111≫

 モノ言わぬサーヴァイダー(脳処理された技術奉仕者)達やサーボスカルもフル稼働だ。
 ようやく、指揮者が戻ってきた彼等はとても元気そうである。が、やっぱりデスマーチ。

【お仕事を始めてから96時間が経過。その間、全く眠っていない】
 【→手が足りない。ああ、生贄が欲しい。この鉄火場に空気を読まずにノコノコやってくる奴がいい!】
372 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6[sage]:2015/02/12(木) 22:11:53.01 ID:4whxiK5V0
さて カチグミあるところにキャリアーの姿ありとはよく言ったもので(スプ並感)
キャリアーは大抵金を持っているところに現れ 金を持っているところへと向かっていく そのバッグに情報を抱えながら

今日はとある建物へ情報を持っていけと言われて 無事にお仕事完了
とりあえず中に入るには クライアントの手引きで難なくでしたが 出る場合はそうもいかず 適当な部屋の窓から素敵★ダイビングでもしましょうと画策

「んじゃこの辺からダイナミック★お邪魔しましたでもしようかね ・・・オハヨーゴザイマス(小声)」
と 静かにドアを開け

「・・・・」
―――ギィ!!

知り合いの鉄火場とご対面 ベティは知り合いとであったため あいさつのためにハサミを振り上げた

「・・・お邪魔しました」
ごく自然を装い 今まさにドアを閉めようとしている!!
373 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/02/12(木) 22:21:37.48 ID:4HJShvC+o
>>372

「待て…」

 ガシッと。アキレス君のお肩をとっても強い力で止める。
 顔中の包帯をシュルリと取れば、久々のイムカ・グリムナーである。
 行方不明になって久しいので久しぶりの再会といえるのかもしれない。

【イムカの主観時間では15年であるが、さして時間があてにならないところも彷徨っていたので、
 アキレス&ベティ的には何時くらいぶりの再会となるかは不明】

「あー…アキレスだな。覚えているぞ」

 千々に千切れた記憶であるが、どうにか残滓が記憶野に残っていた。
 そして、それ以外の記憶は無いが、まあ常のイムカ・グリムナーであれば問題はあるまいと、
 さして気にしないことにするイムカである。

「新たな志願兵を歓迎する!!抵抗すれば自我研修も辞さない!」

 そして、バッチリ枠に入れるつもりです!SHIT!!

【中の面子(24時間以上平気で働けるイムカに脳を弄られた技能奉仕者十数人に、データ処理に必死なサーボスカル)】
 【→ジゴクの死の行軍は一目瞭然であろう!!】
374 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6[sage]:2015/02/12(木) 22:31:45.41 ID:4whxiK5V0
>>373
ガシリと肩を掴まれる なんで包帯を顔に巻いているのか知らないが まごうことなきイムカである

「あ・・・アハハハハハハハハハおれなんてそんなあはははははははははいやそんなあははははははははイヤァァァァァァァ!!!!」
誤魔化すように笑い声をあげながら逃げようとするが 存外強い力でズーリズーリと部屋の中に引きずり込まれる

これはきっとパワーアシストオン? そうじゃなくてもきっと勝てない

「うぅ・・・もうお嫁にいけない・・・ていうか何? 俺にひどいことするの? エ○同人みたいに」
部屋の中に引きずり込まれ さめざめと泣き崩れるアキレス さぁ煮るなり焼くなりコロ助なり どうぞお好きにあしてやってください

「ていうか覚えてるも何もそんなに時間たってないじゃん どうしたのいきなりアルツハイマーでも発症した?」
なおも泣きながら失礼な物言いをしてきています
375 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/02/12(木) 22:43:50.19 ID:4HJShvC+o
>>374

「…なるほど」

 アキレスのこの独特のノリとヘタレ臭。扱い方が確定した瞬間である! 

「エ○同人みたいに?ふむ…よし、調教するか。サーヴァイダー、彼を抑えておけ。
 特に耳を塞ぎ、意識を閉じないようにな。短時間でいっぱしの兵士に仕上げるぞ」

 無用心な発現は災厄の元。何だか酷い方向に話が進みましたぞ!!

「うー…ほうたいおんな楽しそう」
「おにぎり食べる?」

 一方、小妖怪達は何故かベティの身体の上に乗っかり、
 鰹節が入ったおにぎりをころころと転がしてあげる。またの名を買収ともいう。
 さあ、ベディよ。主人を見捨てるならば、おにぎりは君のモノだ!!

【自我研修中☆】

「我々の死の行軍は今もなお終わらない!戦局は大いに不利であるが、
 こういう局面でこそ勇者は生まれるのだ!!」

 イムカはおかしな目付きで戦闘員(?)達の士気を高める暗黒ブリーフィングを行う!!

【自我研修中☆】

「諸君等は労働の勇者(エターナル・チャンピオン)となるのだ!!」

 サーボスカルも空中停止、サーヴァイターもしわぶきひとつ立てない。
 完璧なる統制である!スプロールらしいアレである!!

【自我研修中☆】

「アキレス二等兵!当然、報酬は用意している。相場の5倍出そう!!」

 かのデューク・○ウゴウさんも、報酬の金払いは破格だったと聞く。その故事に則る。
 ただし、ムチャぶりにも程があるものばかりだったのはご愛嬌。
 ガンバレ二等兵!疲れた時のドラッグもタップリ支給するぞ!
376 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6[sage]:2015/02/12(木) 22:54:29.72 ID:4whxiK5V0
>>375
「え ちょ ま 何この新展開 聞いてないんだけどちょま」
何やらサーヴァイダーとやらにがっしりと組みつかれており脱出不可能 デモン? 非常時というのはえてしてそういうものを忘れてしまう傾向にあります

だがまだ希望は失われていません 絶大な信頼を置く相棒 ベティに助けを

――――ギィギィ♪
「ベティィィィィィィィ!!?」
なんということでしょう 相棒は妖怪の転がすおにぎりを追いかけていてしまっている

【ベティ は おにぎり を てにいれた!!】

さて 目も閉じられない状況で イムカの演説が始まりました

「いや それってイムカタンがサボったのがいk」
ミョンミョンミョンミョンミョンミョンミョン

「・・・・・・・・・・・・・・・・」
ミョンミョンミョンミョンミョンミョンミョン

【自我研修完了】
「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!! やぁぁぁぁぁああああってやるぜぇぇぇぇぇぇ!!!!」
目がイっちゃってるアキレスがサーヴァイダーをはねのけ雄たけびを上げる

「上官殿!! 我に迎撃の覚悟ありであります!! 仕事が俺をよんでいるぜぇぇぇ!!!!」
――――ギィ・・・

書類の山に突進するアキレスと いったい何をやってるんだとあきれているベティの図
377 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/02/12(木) 23:06:01.52 ID:4HJShvC+o
>>376

「よく言った、アキレス二等兵!君は偉大なるアニマルだ!
 君のミーミーは忘れるまで忘れられることはない!では業務再開!敬礼!」

 ビシーっと一同、敬礼である。なんという軍隊精神。
 サーボスカルも、ベティの頭の上の小妖怪達も思わず敬礼のマネをしてしまう程だ!

【死の行軍のはぢまりである!】

「アキレス二等兵。君のはこの機密書類のデリバリーをお願いしたい。適材適所こそ重要だ。
 なお、万が一、しくじった場合はバイオズワイガニのプールに放り込むが、そのような事はありえないと確信する」

 様々なデータコーデックスがアキレスのバッグに詰め込まれる。
 スケジュールを確認すると、スムーズに運んで65時間ぐらいギッシリ詰まっているが問題はあるまい。
 睡眠時間?休憩?なにそれ新手の食べ物か何かですか?

「ついでに試験モニターだ。眠くなくなってハイになれるオクスリがある。
 中毒は無いと、メガコーポの太鼓判(欺瞞)だ。さあ、働け!」
378 :ジョシュア・アーリントン【屍喰い】[sage]:2015/02/12(木) 23:11:33.30 ID:IDNUiSD50
「ちわーっす…ドーモ、臨時のアーリントンっすけど────」

ガチャっとドアを開け現れたのは真っ黒いパーカーを羽織り使い物にならないジャンク拳銃を腰に引っ提げた元兵士の青年。
彼もまた電子掲示板の臨時の募集広告を見てのこのことこの地獄へ赴いてきたのだ。
面接不要の日雇いで高待遇高時給。その日暮らしの自分にはもってこいだと、そう思って応募したのだが
そんな空想はすべて扉を開けた瞬間逃亡への願望へと変わった。

「──失礼しました」

パタン、オフィスの扉を閉じすぐさま身を翻す。
大きく身を屈め前傾姿勢から両手を床に、腰を大きく突き上げて息を吸い込み能力発動。両脚が赤く赤熱し燃え上がる。
ドアを開けてからここまで僅か0.8秒。クラウチングスタートの姿勢を取ればすぐさま逃亡の為の一歩を全力で踏み出した。
379 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6[sage]:2015/02/12(木) 23:20:16.47 ID:4whxiK5V0
>>377-378
その中に目の色がだいぶん違うアキレスと ついでにベティも混ざっているのはご愛嬌

「了解であります上官殿!! 謹んでお受けいたします」
イムカからどうみてもやばい薬を手渡されるが それを一切疑うことなく飲み干す

きっと渋谷で海を見ちゃったの〜! となるはずです

そしてドアを開けるとクラウチングスタート体制のジョシュアがいたので

「よく来たなひよっこ!! お前も働くのだ!! デモンアーム!!」
さっそく青い霧を腕からだし ジョシュアを捕まえてぽいっと室内に放り込もうとしています

ジョシュア捕獲の成否にかかわらずアキレスは青い霧を腕から足に移動させ 走り去るでしょう

―――ギィ
そしてベティはイムカが依然とちょっとだけ違うことに気付き 何があったかとハサミを振り上げる
380 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/02/12(木) 23:22:23.38 ID:4HJShvC+o
>>378

(…誰だ?まあいい、新しい兵士だ)

 実際のところ、イムカの記憶野からジョシュアの事は吹き飛んでいる。
 が、問題は無い。立ち居振る舞いは何時ものイムカなので、
 今回の雰囲気にあっては特に違和感なく進行するであろう!

「新たな兵士の入隊を歓迎する!サーヴァイターGO!」

 案の状、自我を失った技能奉仕者達はジョシュアをがっちりとキープしようとするだろう。
 それこそ、アメフト選手が身体ごと圧し掛かり、逃亡を許さないかの如く。
 イムカは参照データ(ジョシュアのものなので多分偽造パスだろうが)で名前を確認。

「ジョシュア・アーリントン二等兵!これより自我研修を始める!」

 ナムサン!勝手に二等兵に降格された上に、ジョシュアの自我研修が決まった!

【自我研修中☆】

「なんだ、その暗い眼は!労働の喜びにゆだねろ。私が連れて行ってやろう」

 ジョシュアの頬をその白い手でなぞりながら、微妙にセンノめいた言葉を告げるイムカ。
 顔が近い案件。なんだかちょっとムーディー。

【自我研修中☆】

「たまにはハッチャけろ。女を喜ばせるくらいの甲斐性は残っているだろう。
 君が働いてくれたら、嬉しいぞ。主に私が。…なんだその顔は」

【自我研修中☆】

「悩む前に手を動かせ!歯車となるのだ!偉大なるギアーズに!埒も無いことで思考を曇らせるな!要は働け!」

【自我研修中☆】
381 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/02/12(木) 23:34:36.55 ID:4HJShvC+o
>>379

「妨害予測:ストリートサムライチームとバイオゾンビとサイバーニンジャか。
 全く以って、企業どもは繰り返すことしか能が無い」

 なお、データを持たせたアキレス君には当然ながら、他企業の妨害は必至であります。
 イムカの復活で、これまで切り崩したシェアを奪還されまいとする妨害工作である。
 スプロールにあっては日常茶飯事なのだ!

「アキレス二等兵。君なら問題は無いな!」

 もちろん、答えは聞いていない!
 今や完全なる労働兵士に鋳造されたアキレスである。YES以外の答えは求めていない!

【→自我研修とケミカルなオクスリが完全にキマったアキレスの明日はどっちだ!】

「んっ…?」

 恐ろしい勢いでガトリングタイピングをホロ・キーボードに打ちながらも、足元のベティに気がつくイムカ。
 なんとなーく、このサソリ君の意思を計ることにして、

「ああ、そうだな。君のご主人はたぶん、私も友人なのだろう。あんなに気安いのだからな」

 故郷の世界にあって、イムカは立場的にも気安い友人など得られる身分ではない。
 昔はいたが、皆、他界している。時間の流れに取り残されてしまった。

「正直、勢いで誤魔化している。どうしたものかな」

 尻尾をなでつけながら、イムカは少し困った顔をした。

【そんな、イムカとベディのしんみり感傷(ゴマカシ)シーンの裏側では、
 アレになったアキレスをサイバードーベルマンの群れが情報とぷりケツに齧り付こうとレースしているのだろうが】
382 :ジョシュア・アーリントン【屍喰い】[sage saga]:2015/02/12(木) 23:49:44.31 ID:IDNUiSD50
>>379
「え、ちょっ…離…ごばはっ!?」

クラウチングでさあ一歩。踏み出した瞬間に宙に浮く身体。
何が起きているのか理解する暇も与えられず再びジョシュアはオフィスの中に放り込まれた。
コピー機やらなんやらの機材の山に叩きつけられ背中を強打し悶絶。怒りと共に顔を上げればその犯人がようやく分かった。

「ん…の……ァアキレェェス…!!テメェフザケn……てはべへふっ!?!!?」

しかしアキレスを糾弾する暇もなく、再び珍妙な声を上げて潰されるジョシュア。
今度は人間ナイ○ガラよろしく人の雨がどさどさと降ってきた。
ただちに捕獲されるジョシュア。点々と血の跡を残しながらパイプ椅子へと運ばれ繋がれる。

>>380

「ごふ…アキレ…す……」

さて昏倒状態のまま拘束され未だ友の名を怨念がましく呼ぶジョシュア。
はっと眼を覚ましぶるぶると首を振って顔を上げればなんだか見たことのあるような顔が。

「はぁあ!?俺は最先任じょうきゅっ…」
「ってなんで生きてんだよ!?アンタは俺が喰ったハズだろっ…!?」

いきなりの降格宣言+謎の教育開始に戸惑うジョシュア。声を荒げて反論しようとするもそういえば軍から脱走し解雇された事を思い出した。
自分はマスターチーフペティオフィサーだぞふふんと胸を張って言う事も出来ないので歯を食いしばり見知った顔を睨みつけていた矢先、それがイムカであることに気づく。
爆発で木っ端微塵となりその上自分が(一部とはいえ)文字通り腹に収めたあの状況。まさかこうして無事生きているとは思うまい。

「ちょっ…危険です、あらゆる意味で危険…っ」

顔を近づけつつつと頬をなぞられる感触に鳥肌が立つ。意味深な台詞を吐きつつこれは懲罰だと勝手に認識。
レディを吹き飛ばした上にもぐもぐと美味しく頂けばそりゃ怒られると耐え忍ぶことにした。

「ぇ…あっ……か、かいしょっ…?!?」

煩悩を捨て去り心頭滅却しようとするも矢張り顔が近づけば近づくほどに一層の困惑。
完璧にしどろもどろの状態と成り果てたジョシュア。彼のその女に弱い性格も災いし…

「Yes,Ma'am.I'm your's eternity.」

ものの数分後、一通りの教育が終了すればジョシュアは無事主君に尽くす一介の働きアリと成り果てていた。
383 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6[sage]:2015/02/12(木) 23:55:10.19 ID:4whxiK5V0
>>381
――――アキレスサイド 道中
「俺から仕事を奪おうとな・・・? ふっ 笑止千万!! やれるもんならやってみやがれぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」
ふしぎなくすりの影響か? はたまたギャグ補正故か 両手と両足 本来ならできない両方から青い霧をだし 完全武装のサムライ共の中に飛び込んでいくアキレス

――――ベティサイド

―――ギィ?
尻尾をなでながら困った顔 今まで見たことのない表情をしたイムカである
よくわからないが 困っているのである

イムカから離れて アキレスがいつも背負っていて 今は邪魔だからと放り投げられているリュックのジッパーを開き 中をごそごそと漁る
そして何かを掴んでイムカの元に

―――ギィ!!
それをイムカに差し出した 柄付きの飴玉 チュ○パチャ○プスである
彼女なりに励ましているのであろう 

―――ギィ!!
そして最後 アキレスの件は任せておけと言わんばかりにハサミを振り上げたのであった

――――再びアキレスサイド

「あ〜っはっはぁ〜 ぬるいんじゃ犬コロ共!! 今の俺は誰にも止められんぜぇぇぇぇ!!!!」
本来人は犬に追いかけっこでは勝てない これは心理である
だが今回はその限りに非ず 尋常なスピードではないアキレスがドーベルマンをブッチしてなおも走る

その瞬間 道路のオービスがスピード違反のためにカメラを起動するまでに アキレスは疾走していた
384 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/02/13(金) 00:09:21.99 ID:+R/pKr/Yo
>>382

「ワケのわからん事を言うな。抗命は罪だぞジョシュア二等兵!」

 自我研修中の一幕。そもそも、イムカには事件の記憶が無い。
 何か酷い事が起こったことは分かるがハッキリしないのだから仕方が無い。

「喰った…?何を妙にすさんでいるかと思えば…」

 容赦なきビンタを繰り出す!スパルタン!

「イムカ・グリムナーが少し齧られた程度で死ぬか!馬鹿馬鹿しい!」

 そして、尊大な程に自信満々に言うイムカ。
 記憶が無いくせに何故かそれなりに会話がかみ合う時もあるから性質が悪い。

「矯正してやる!そんな希望が見えぬような眼は論外だ!労働こそ悦び!復唱!!」

【そうして、新たな企業兵士が誕生したわけだ。勢いで押し通しました】

「アキレス二等兵のバックアップだ。さっさと行け。チェリーボーイ。
 考えるより身体を動かして馬鹿をしてこい。今、貴様にはそれが必要だ」

 −−−−−−−−−−
>>383-384

「君は賢いな」

 ペティからチュッパチャップスを受け取り、舐めながら高速マルチタスクタイピング。
 さてさて、このような心温まる場面の裏側で企業戦士たちは?

 −−−−−−−−−−

「イヤーッ!イヤーッ!!」

 サイバードーベルマンに加えて、ついにはニンジャまで参戦し始めた。
 ニンジャの恐るべき速度で、アキレスを追いかけ、疾駆!
 ハイテック単分子手裏剣がアキレスのデータたっぷりバッグを切り裂かんとす!

【妨害がガンガン増えております!】

「ガウガウ!!」

 ムキになったサイバードーベルマン達はやっぱりケミカルなアレを投与して、
 その凶暴性と俊敏さをさらに強化。当初の目的は微妙に忘れて、アキレスのケツを喰らわんと突き進む。

「運び屋を発見!ターゲットロック!発射!!」

 そして、捕獲トリモチミサイルまでもが、アキレスのケツに向かってビルの屋上などから発射される。
 ケツ狙いでポイント倍点!

【→そんなカオス状況をひた走るアキレス二等兵と、】
 【→そんなカオス状況で援護を行えと命じられたジョシュア二等兵である】
385 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6[sage]:2015/02/13(金) 00:23:48.72 ID:tuzrSH1B0
>>384
―――ギィ♪
褒められて嬉しそうにハサミを振り上げるベティ そのあとはイムカたちの邪魔をせぬよう 小妖達と鬼ごっこをしたりして遊んでいましたとさ

――――そしてアキレスサイド

ガブリ☆

「グワーッ!」
ドーベルマンに噛みつかれ ズボンのケツが破けてしまうアキレス
だがバッグは無事だ そのバッグめがけてスリケンが飛んでくる が

「甘い!!」
なんと それを指で挟んでキャッチ ぽいっちょと捨てる

「甘いのだよニンジャ諸君!! バッグを取り返したければその100倍は戦力を整えて出直してきたまえ!!」
まさにギャグ補正 普段なら到底不可能な動きもなんのその 薬の勢いそのままに ジョシュアの援護をもらい ただひたすらに前へ ただ前へ

そして 仕事は無事に完遂することだろう
まぁ…薬が切れたときの反動は 推して知るべし

//ではこの辺でノシ お疲れ様でした
386 :ジョシュア・アーリントン【屍喰い】[sage saga]:2015/02/13(金) 00:33:18.83 ID:iS6XVeCz0
>>384

なんだかよく分からないうちに企業戦士へと成り果ててしまったジョシュア。
イムカも何時もの彼女とはどこか違うようだった。ガチビンタは少々効いたがオイシイ思いが出来たので細かい事は気にしない。
どうやら仕事は書類の配達援護。バッグの中身はどうやったらこんな量が溜まるのか逆に不思議な量のデータの数々だ。
敬礼と共に特命を受ければ窓を開けて跳躍。サッシを大きくヘコませて飛べばジョシュアの姿は眼下の夜景へと溶けてゆく。

「ヤツらは…あっちか…」

眼下の喧騒の中、見慣れた青い霧が人混みを掻き分けて駆けて行く姿。その後方には何やら人の良さそうな連中数名。
アスファルトを大きくヒビ割れさせて着地すれば次の瞬間には土煙だけを置いて迎撃対象へと駆ける。

「アキレスっ!!そのまま走れッ!!おォらぁァッ!!」

瞬く間にアキレスとニンジャとの間に割り込めば猛スピードのままニンジャと格闘。
あるものは蹴倒し、あるものは焼き切り、あるものは栄養源として美味しく頂き…
激しい攻防の果てにアキレスすら一時見失い、それでもどうにかミッションコンプリート。
翌日単分子スリケンに滅多刺しにされ額から血を噴き出した状態で、薬の反動で動けなくなった剥き出しのアキレスを引き摺りながらオフィスへと戻ってくるだろう。

//同じくこの辺りでノシ。お疲れ様でしたん
387 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ[sage]:2015/02/13(金) 21:24:06.38 ID:IiFSBA6D0
地の果てに臨む大空の彼方、天翔る陽の使者達と夜の下僕共が終わりなき闘争を繰り広げる世界
天使の領空の下は常春、鳥達は歌い花は咲き乱れ人々は手を取り合い平和を享受する
悪魔の支配の下は凍土、川は淀み死者は踊り狂い生ある物達は息を潜めて迎える事のない夜明けを只管に待つ
空の勢力図は拮抗してはいるが、それでもしかし日々刻々と変わり行く中
定命のモノ達はただ祈る事しか出来ないのだ

【昼と夜の連歌の世界、昼側】

「なんっていいますかぁ、久々に当たりな感じってんですねぇっ……」

はふぅと卓に溶けるように突っ伏した
周囲は喧騒、乱暴な喧騒
しかし乱雑さと活発さが混じり、嫌悪感を覚えるモノでは決してない
様々な亜人達の顔触れも平然と表情に笑みを浮かべている事から、そういう世界なのだろうと当たりを付けた
腰に帯びる月光よりも、Tシャツにチノという現代風の出で立ちの方が目立ちそうだ
鉄の鎧を鳴らし威風堂々たる態度で、魔物(夜のはぐれ、と呼ばれていた)退治を終えた者達が酒場件ギルドたるこの施設に戻って来る

「お金稼ぎ……余裕のある内にやっておこうかなぁっ……?」
「……むむっ、端っこが見えないってんですねっ……」

ふ、と様々な仕事が貼り付けられている大型のコルクボードに視線を送る
広い室内の壁一面の、ほぼ半分を覆うそれは非常に巨大
隅から隅を見渡すにはいかず、自然立ち上がって依頼書と睨めっことなるのだ

「うーん……薬草採取……これなんかいいかなぁ……?」

388 :アメリア@ちんちくりんNPCだーくえるふ2015/02/13(金) 21:31:42.79 ID:kA7h+h12O
>>387
耳を隠さなくても問題ないって、平和よねぇ。
あ、どうも、ちま黒長耳の術師です。
ただいま、自分のホームグラウンドとばかりにくつろいでおります。

「そして薬草という名の人喰い植物に襲われるのね」

この目線のうつろさは間違いなく実体験である。
謎の貝類の酒蒸しを食いながら茶々入れるのはお約束みたいなもの。
冒険者出身の越境者というのは、こいうとこは本場なのです

「やぁ、ニアくん。お久しぶり」
389 :四条 藍【未熟者の剣術】「E天楼華剣、夢想剣、凛姫幻想刀」[saga]:2015/02/13(金) 21:40:38.32 ID:XQANIRE8O
>>387
>>388

「全く…まさか仕事先の内容が丸太の斧切りだなんて」

《ギルド》それは世界漂流者をはじめとした様々な者に多様な仕事を紹介する施設である。
掲示板には仕事依頼の紙が貼ってあったり、その前には自身に見合う仕事を探す者やちょっと背伸びをした仕事内容を探す者など様々な人物達が己の仕事をチョイスしてゆく。
そんな中、右腰に二刀の日本刀と背に一刀の日本刀を帯びる女性が何やらブツブツ独り言を言いながら掲示板の前を通り過ぎる。

「ちょっとすいません!!これ!この依頼書!どうなっているんですか!?」

ギルドの役員らしき人に向い何やら怒鳴っている。
女性は左手を腰に当て右手に持った依頼書を役員の顔の前に突き出しピラピラ揺らしながら睨む。
どうやらなにか揉め事があるようだ。
390 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ[sage]:2015/02/13(金) 21:50:27.34 ID:IiFSBA6D0
>>388
「……やめとくってんです、やっぱり」

手に取った依頼書を戻し、苦笑と共に振り返る
矢張りというか何というか、予想通りの久々な相手の顔を見付ければ片手を上げて挨拶ひとつ

「ご無沙汰してますってんですねぇアメリアっ」
「気が付きませんでしたよぉっ」

長耳族も沢山な酒場、声を掛けられなければ最後まで気が付かなかったかもしれない

>>389
「……ん?」
「ありゃ、何かあったってんですかねぇっ?」

と、旧知の友と再会の中確かに聞こえる怒声
賑やかな周囲との、ベクトルが明らかに異なる大声に思わず振り向く事となった
何事だろうと様子を伺うのは周辺の数人の見物客と同じところ

>>388-389
さて刀を持った女性がカウンターの店員か役員かともあれ店側の者を相手にご立腹の様子
ギルド側からすればクレームめいた事柄は日常的なモノなのだろうか、手馴れた対応だ
391 :アメリア@ちんちくりんNPCだーくえるふ2015/02/13(金) 21:58:34.39 ID:kA7h+h12O
>>389-390
「まぁ、こういう場所だと完全に埋もれるわね、あたしの場合」

※主に背丈的な意味。
その分、杖はおおぶりなものを選んでいるけど、焼け石に水。
確かにステルス性能全開でした。

「二人“以上”なら、もうすこし受ける依頼の幅減らせるんじゃない?」

ちらっとトラブル発生中確認。
よし。見るからに前衛だ。これはバランスがよいぞ。
しかもあの浮いた感じ、少なくともこの場では異邦人、
越境者の可能性だって低くなさそう。

「そこのサムライさん。
 ちゃんと読まないで受けないと、そんなトラブルは起きないと思うんだけど〜?」

これは刺さらないともったいないという判断。
どうせ冒険者の店の店員なんて百戦錬磨なのだ。
依頼云々のクレームは高確率でいなされる。
そのタイミングで、PT組もうぜ、と差し込む気の模様
392 :四条 藍【未熟者の剣術】「E天楼華剣、夢想剣、凛姫幻想刀」2015/02/13(金) 22:15:11.84 ID:XQANIRE8O
>>390
>>391

酒の飲み過ぎで起こる喧嘩や、席の端で行われる小さな宴など只でさえ騒々しいギルドだがとりわけそれは心地よい騒がしさ。
酒の絡む席では揉め事など日常茶飯事、故にこの女性の騒ぎを取り囲む野次も顔が笑っていたり中にはまたか、と呆れ顔になる者もいた。
そしてその女性の怒りの対象となる役員らしき人物も困り顔では無く、余裕のある笑みで女性の怒りを宥めている辺り、こんな
ことは日常茶飯事のようだ。

「なんなんですかその顔は!?可笑しいでしょ!どうして依頼内容が魔物退治で募集要項が剣術を扱う者に限ると書いてあるのに実際に行ったら只の丸太の斧切りなんですか!?」
「は!?老人にとっては丸太も魔物と同じ!?いやいや、意味わかりませんよ!!」
「しかもこれ、ここ見てください!報酬金額が此処には……って聞いてますか!」

どうやら偶にあるセコイ依頼書にひっかかったようだ。
この手の依頼書は大抵依頼者の名前で分かるものだが、この女性はどうやら分からなかったようだ。
つまりこの女性はギルドに慣れていないとみえる。

「えっ、あっ、すいません!でも聞いてくださいよ!この依頼書って………」

話しかけられた方に目を移せば、小さなダークエルフが1人。
この理不尽を伝えようと物凄い形相で彼女を見るが、ふとその後方を確認すると
そこには野次馬が此方を見る姿が
藍は己の行動を思い出し恥ずかしくなり顔を赤くしながら小声ですいませんと役員らしき人物に謝りダークエルフにも頭を下げた。
393 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ[sage]:2015/02/13(金) 22:20:58.50 ID:IiFSBA6D0
>>391
「……ニアはまぁ、まだマシな方だってんですねっ」

中途半端とも言う

「んっ?」
「そりゃあそうだってんですけどぉっ……」

何やら含んだ物言いである
真意を探ろうとしていた矢先、刀を持つ女性に向けて掛ける声
成る程と得心
しかし相変わらずアメリアの、物事のチャンスに対する鋭敏な嗅覚には舌を巻く

>>392
なんだか随分賑やかしい、見た感じ楽しそうな人だなぁなんて思いながらもアメリアの傍

「あははっ、まぁ……たまにはそんな事もあるんじゃないってんですかぁっ?」

間延びした口調も合間って極めて呑気な物言いである
ギルド側の受付はというと他の客に呼ばれれば藍に対してのほほんとした口調で一声掛けてそちらへ行ってしまった
どうやら日常的な風景である分、別段さして気にするような事でもないようだ
最もこれは今居るここが『昼側』であり平穏に満ちているからでもあるが
394 :アメリア@ちんちくりんNPCだーくえるふ2015/02/13(金) 22:27:47.59 ID:kA7h+h12O
>>392-393
「そんなに声高に、あたしは不慣れです!って宣言してもしょうがないわ。
 そういうのは笑ってすませるに限るのよ。
 ちゃんと報酬出たんでしょ? 報酬額と依頼内容の釣り合いがポイントよ?」

薪割りで、ガチ魔物戦並の報酬を貰えればラッキー
危険なく薪割りの相場の報酬を貰えれば問題はないだろう。
ガチ魔物討伐依頼で報酬がカスだったらそもそも誰も寄り付かないじゃない。

「で、お姉さん。どうせなら、あたしたちと三人でハイリスクなとこ狙ってみない?
 戦い、好きなんでしょう?」

狙い目は、ターゲットの特徴がなるべく細かく書いてあるもの。
そのほうが確実に戦闘ができるから。
そう、たとえば最初の薬草の依頼なんてどうでしょう。
薬草拾いなのに、本当にこの報酬は適正価格かしら?
395 :四条 藍【未熟者の剣術】「E天楼華剣、夢想剣、凛姫幻想刀」2015/02/13(金) 22:43:05.43 ID:sWnAY+Y70
>>393
>>394

「たまにはって言われても……う〜ん……」

初めてのお使いならぬ、初めての仕事が薪割りだったのが納得いかないのか顎に手を当て悩む藍。
ニアの口調もあってか先程まで興奮気味だった藍も今は落ち着いているようだ。
物柔らかな口調で一言藍に声をかけ別の客の元へと向かった役員を横目にまぁ、そうですねと一言。

「確かに報酬金額は良いんですが……薪割りの仕事内容に見合ってないのが不満なんですよ!それとこんな姑息な手を使ったことに対してもです!薪割りなら薪割りとそう依頼すればいいものを……」

どうやら彼女が行った仕事の報酬金額は薪割りで魔物退治並みの金額だった様だ。
彼女はわざわざこんな手までして依頼者を募集したことと仕事内容に割合わない金額を払わられたことに対して怒っていた様だが。
おそらく様々な世界を行った者やギルド常連者から見れば真面目に見えるだろう。


「二人って……私と、貴女の隣にいる彼女のことですか?私は別に構いませんよ、なんたって私の刀は全てを断ち切りますから!」

ドヤ顔で決めポーズ。
どうやらPTを組む事に異論は無いようだ。
おそらくギルドの初仕事がアレだったので次はハズさないよう常連者と一緒に仕事がらしたいようだ。
396 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ[sage saga]:2015/02/13(金) 22:50:39.39 ID:IiFSBA6D0
>>394-395
「薪割りは薪割りで楽しいじゃないってんですかっ、いい運動になるしっ」

事態をあんまり理解していない様子
まぁ薪割りと書くより魔物退治と書く方が屈強な無頼が来てくれると踏んでの事だろう

「へぇっ、頼りになりそうだってんですねぇっ」

刀、と来れば確かにいい
アメリアは後衛だし、自身はやや前線向きではあるがそれでも中距離戦闘を好む
最前線で攻め手を受け持ってくれるのであれば、3人の相性的には最高だろう

因みに先にニアが手に取った薬草採取
割と注意書きが多く、中には悪戯好きなゴブリンやフェアリーのテリトリーに立ち入らなければならないともある
彼等は『昼側』の内では殺意を持ってして迫って来る事こそはないが、それでも他種族の不幸を喜ぶ悪辣な面を持ち合わせているのだ
殺し合いには発展する事はないが、荒事には事欠かないであろう
成る程確かに、それが前提となるに相応しい報酬額だ
397 :アメリア@ちんちくりんNPCだーくえるふ2015/02/13(金) 22:55:59.05 ID:kA7h+h12O
>>395-396
「なら問題はないわ。ここはお仕事を探す方が優先度高い場所だもの。
 むしろ割のいい依頼があたったと喜ぶところね」

だからその依頼はここに貼りだされたんでしょう。
損するのは、ここを修行場と勘違いした層だけですからね。

「はい、オーケー確保。
 ニアの方も依頼の内容も戦闘含みそうなのね?」

はい、握手。
戦闘があったとしても三人いればなんとかなるでしょう。
そうと決まれば、保存の効く食べ物とかをかき集めて移動準備ですね。
前金とかの確認もしておかないと。
さぁ、楽しくドンパチしようじゃないの。
398 :四条 藍【未熟者の剣術】「E天楼華剣、夢想剣、凛姫幻想刀」2015/02/13(金) 23:06:35.26 ID:sWnAY+Y70
>>396

(頼りになる→頼もしい……)

「は、はい!任せてください!!」

都合の良い勝手な脳内変換。
ここに今バランスのいい女性ptが結成された。
先程の役員らしき人物はその様子を暖かな目で見ており、ムキムキマッチョなPTはニヤニヤと面白そうだという表情をしながら此方を見ていたり、さきの野次馬や酒に酔った者達は《お、新しいPTか》と何故か楽しそうな表情でやはり此方を見る。
ギルド内で新しいPTが結成されるというのもギルドならではの酸味か皆、その光景を楽しんでいる。
背景には、あのPTが仕事先から生きて帰るか、死んであの世に向かうかで賭け事が行われたりもするがそれを含めて酸味なのだろう。


「それで……依頼内容とかは既に決まってるのですか?」
「あ、あと私は四条 藍といいます。お二人の名前は……?」


この中でただ一人新人にして初見の藍は二人の名前も知らないし、依頼内容も知らないのでとりあえず聞いてみた。
399 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ[sage]:2015/02/13(金) 23:15:51.24 ID:IiFSBA6D0
>>397-398
「ふぅん……そんなモノだってんですかぁっ……」

藍に対してはああ言ったモノの、アメリアに言葉で説明されれば矢張り唸るのは自然
仕事を見付け、報酬を得れる
それだけで上等なのだ、確かにそうだ

「えぇっ、お仕事はコレですねっ」

と、バッチリ暴れる機会のありそうな薬草採取のお仕事依頼書を掲げて見せる
一週間程で往復含め完了するといった程度か、滞り無ければの前提付きだが
報酬額もそれなり、ただ準備費用や道中の宿泊費なんかは無論出ない

「藍ってんですねっ」
「ニア・シューペリオリティ、宜しくってんですよっ」

藍に向けて握手を求めて差し出す右手、褐色の肌
アッシュグレイのショートヘアーの下、赤色の瞳を細めて微笑む
さてさて尚準備に関して、酒場の隣が需要的にそういった物品を遍く扱う商店となっており大抵はそこで揃うだろう
400 :アメリア@ちんちくりんNPCだーくえるふ2015/02/13(金) 23:23:16.75 ID:kA7h+h12O
>>398-399
「アメリアよ。よろしくね、藍」

さくっと握手。
OKが出れば、あとは行動の精査のみ。
周りの連中のニヤニヤ具合を見る限り野良PTの文化は薄いんだろうなぁと。
ま、漂流者同士で組むのも悪くないでしょう。

「ま、期限内に間に合うように帰ってきましょ。
 追加で稼げるチャンスもあるだろうしね?」

悪性寄りの妖精だのなんだのから素材をぶっこぬいてもきっとだいじょうぶね、と
かなり凶悪思考なのはいつものことですわ
401 :四条 藍【未熟者の剣術】「E天楼華剣、夢想剣、凛姫幻想刀」2015/02/13(金) 23:32:38.63 ID:sWnAY+Y70
>>399

「薬草採取…ですか……」
「滞在は前提として、これまた随分な報酬金額ですね」

ニアが掲げた依頼書に食らいつくように舐めわすように目を通す。
この二人は恐らくギルド常連者だろう、しかし先程のようなことが無きにしも非ず。
そう思うゆえよく目を通した。
なるほど、薬草採取とあるが報酬金額からして恐らくトラブルお墨付きだ、刀がなる。

「ニア・シュペーリオ…はい、よろしくお願いします!ニアさん!」

差し出された右手を己の左手で握る。
ニアとは対照的に色白なその肌。
ニアの笑顔を見て思わず此方も微笑んでしまう。

「はい、アメリアさん!よろしくお願いします!」

ニア同様、握手を交える。

「追加報酬?」(レアな薬草とかかな?)

アメリアとは対照的に依頼内容内で追加報酬がなにかを浅く考察する。
アメリアがいう追加報酬がなにをさすか理解出来てない様だ。
402 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ[sage]:2015/02/13(金) 23:39:31.99 ID:IiFSBA6D0
>>400-401
『昼側』の、それも人間を始めとする共同体の中には他種族から素材を得て何かを加工するといった習慣はないらしい
妖精達もそれを前提で、殺される事はないとの考えで手出しをしてくるだろう
即ちそういった意味では稼ぎ放題だ、追加のチャンスに関しては

「それじゃあ、早速受付言って来ますってんですねっ」
「準備のお買物なんかも早めに済ませて、出発しましょうってんですっ」

尚少なくともニアはこの世界にやって来て今日が初日である
無論ギルドの常連ではなく、一見客だ
まぁそれでも問題なく手続きを完了させる事が出来る程度に緩くはあるようで一安心
さて行きますかと2人に頷き、そして出発
絶えない春の陽気、麗らかな風が3人の表をなぞる

//と、すみませんここで落ちさせて下さい
//ありがとうございました、お疲れ様でしたっ
403 :アメリア@ちんちくりんNPCだーくえるふ2015/02/13(金) 23:45:23.13 ID:kA7h+h12O
>>401-402
「さてさて、追加報酬は秘密ってことで」

あとからとてもスプラッタな光景を見たときの反応に大いに期待しましょう。
ダークエルフがダークである理由をきっとみんな知るに違いないのです。

素材?
移動先で売るから大丈夫よ!!

//
お疲れ様でした!
404 :山田 康介 【顎髭おっさん】E魔剣[sage]:2015/02/15(日) 00:44:53.52 ID:yLlnGc/io
....ふぅ〜....
【満点の星空の下で木の下に座り込み煙草を吸い込む一人のオヤジ
一見落ち着いている様にも見えるが、顔からはポタポタと汗が流れ落ちた】

....何処だよ此処....
【辺りは一面森が広がり、ジャングルの奥地に住み着いている様な生物がうじゃうじゃ犇めいていた】

落ち着け...俺は悪い夢を見ているに違いない....今頃自宅で眠りについている筈だ...
【頭を抱え込みうーんうーんと悩む】

そうだ....家の前に訳わかんねぇ空間があったんだよ、そん時酔っ払ってたからフラフラで....気が付いたらジャングルに居て....。
なんだ....ただのジャングルか....
いやいや普通に只事ではないだろう!?ちょっと働き詰めだったから幻覚でも見ているのか?俺は!
【眉間にシワを寄せ立ち上がり辺りをウロウロ回り出す】

人一人居ねえ....いやこんなジャングルに人間が居たら驚くが....
おーーい!!!!誰かいませんかーーー!!!!
くそ〜....返事一つ帰って来ないじゃねえか〜!帰って来る筈も無いけども!!....俺はジャングルを生き抜く生存術なんて覚えてねえぞ....!
【頭をグシャグシャ掻きむしり、一層顔が青くなる】

(もしかしたら俺は此処で飢え死ぬのか....!?おいおい冗談じゃねえぞ!!なにか!何か無いのか!?)
【そこにやっと背中に掛かっている長剣に気付く】

は....?んだよこれ....剣?
おいおい!なんで昔の愛刀が!!ってのは嘘だが、こんなボケかましてる場合じゃないか....

そんなことより、これは奇跡か!運が良いことに俺は滅茶苦茶剣術が得意だぞ!?勝ったなこれは!
【剣を嬉しそうに振り回し、小動物を追い払う】

オラオラどけどけ〜!食料にすんぞ!!
【道印もつけないままずんずん進んで行く、勿論の既に迷子だが。】

/初書き込みですが宜しければ誰か絡みおねがいします!
405 :アメリア@ちんちくりんNPCだーくえるふ2015/02/15(日) 01:00:07.35 ID:K7G+Iei2O
>>404
「……見つけちゃった以上、接触しないといけないわよね」

ジャングルの木の上。
あばれまくるおっちゃんを上から見るダークエルフのお嬢さん。
せめてもう少し緯度が高い地域の森なら、見せ場もあるけども
ジャングルだといまいち似合わないのはご愛嬌。

「まぁ、腕は立つみたいだから見込みはあるか」

一応評価はだいぶ上。
世の中、一般人でも境界越えのあと平気で生き残ってるのは多々いるし
性能的にはちゃんと生き残るだろうし……。

「は〜〜い、そこのおじさま。
 ちょっとまって、できれば話す機会を貰えないかしら!」

なお声のする方向をみたら、ローブの中身丸見えである。
文句いってはいけない。これは作ったスタッフがわるいのである
406 :山田 康介 【顎髭おっさん】E魔剣[sage]:2015/02/15(日) 01:21:37.82 ID:yLlnGc/io
>>405
ぎゃー!!ホンマごめんなさい!勘弁してくださ....?あれ?ゴリラじゃねえ
【ヘタレ丸出しでキョトンとする山田
数秒硬直した後再度驚く】

ええ〜っ誰だよアンタ、てかローブの中見えてるしパンツ見えるよ君
【相変わらずのデリカシーの無さっぷりを見せつける発言をする、まずローブ一枚だけ着るわけ無い(多分)】

ローブの意味を為せてないけど....一体なんだい?ここは私の食料庫だから食べ物になってねなんて通用しないよおじさんは
【ボケをかましてるつもりが全然ボケになっていない、更に冷静を装っているが思考回路は既にパンク中である】

(えぇ〜こんな樹海レベルの奥地に女の子居るわ
まず誰だ?親御さんは何処だよ!あもしかして先住民の方でしたか
いやいやこんな所に人住めるわけ無いだろじゃあこの子はどこの子かな!!??)
407 :アメリア@ちんちくりんNPCだーくえるふ2015/02/15(日) 01:29:13.66 ID:K7G+Iei2O
>>406
その地の文ツッコミは想定済みである
ネトゲキャラのパンツSSが世の中どれだけでまわっていると思っているのか。
……ECOとかすごい量だよね、ニコッ

それはさておき、ふわっと目の前に降りてきた時点で物理法則とがガン無視。
全く隠す気がないエルフ耳、それもトールキンよりも和製エルフ寄りの長い耳。
オマケにローブと長くてごっつい杖装備。
食料庫どころか領地だから密猟で氏ねっていわれても文句言えないレベルの品揃えですが
発言は全く別のもの。

「あー、パンツどころか、あたしがメインの同人で触手だのオークだのにいろいろされてるんで
 今更ぱんつくらいじゃもうね、もう……
 しかもこの服装自体も、あたしの選んだものじゃないしね」←死んだ目

世の中、知らない苦労があふれているようです。
きっと夏や冬の祭典には、彼女オンリー島とかあるんでしょう。

「ワープする迷子用のヒントNPCだけど、頼らないで自分で攻略するってなら
 あたしには止める権利はないわね」

服装から、ある程度文明レベルを想定したようでした
408 :山田 康介 【顎髭おっさん】E魔剣[sage]:2015/02/15(日) 01:49:33.84 ID:yLlnGc/io
>>407
おい止めるんだ!!ここは純粋な少年が見てるんだ!!これ以上は超自然的な理由によりヤバイ!!
【KYな山田も空気を読んで突っ込む、(やはり世界の原理には逆らえないです)】

まあそれはさておきさっさと帰れるならおじさん土下座でもなんでもしちゃうぞ!土下座には慣れてるからね!!
【笑顔で首をゴキッと鳴らす、これは土下座の準備運動的な事前行動らしい】

さっさと帰って仕事に行かなきゃ俺は給料を下げられ尚且つ引き篭もりホームレス化としてしまうので早く帰りたいんだよな
【社畜っぷりを見せつけ遠い目をする】

本当ね....現実厳しいから....五分遅れただけで給料下げられちゃうから....マジでジャングル遭難の方が楽な気がしてきたよおじさん....
【社会の荒波に荒らされ濁りきった目をして少女を見つめる】

でもジャングルなんてヘタレなおじさんが生き残れる訳ないしさっさと帰らせて下さいおねがいします
【手馴れた動きでなめらかに土下座をする30代、実に虚しいである】
409 :アメリア@ちんちくりんNPCだーくえるふ2015/02/15(日) 02:01:45.37 ID:K7G+Iei2O
>>408
「たしかにやめたほうが良さそうね、うん!
 ソレは置いておいて残念なお知らせがあります」

すごく残念そうな顔。露骨に残念そうな顔。そのくせどこかにやけた表情。
深く突っ込めばいろいろ酷いネタも吐き出してくれますが、そこで止めた判断は正しい。
BBSpinkに専用スレがあるとか、元のゲームが結構長く続いて手頃なツンデレ要員になってるとか
一時期同人ゴロの美味しいおやつになってた時代ガルとか、そのへんはどうでもいいのだ。
で、残念な話に戻ろう。

「まずね、たぶん今のお仕事はやめることになるわね。
 あなた、変なワープゾーンみたいのに触れたんじゃない?
 あたしの知る限り、あれに触って『あれの調査』にかかわらない仕事を維持できた例は知らないわ」

社会人の生命を断ちかねないというか、確実に断ちに行く一撃である。

「一度アレに触れるとね、アレに遭う頻度が激増するのよね。
 しかも行き先はランダム。時代もランダム、もしかしたら世界観すらランダムよ。
 まっとうな勤め人を過ごせる環境じゃないわ。
 それどころか、生き残れるかすら怪しいわね。
 当然だけど、あたしに帰らせる技術もないのよ」

人差し指をぴっとつきだした上でこの言葉。
マジと受け取るか、だましと受け取るかは、あなた次第。
きっちり帰らせる部分まで否定するという…
410 :山田 康介 【顎髭おっさん】E魔剣2015/02/15(日) 02:15:42.67 ID:yLlnGc/io
>>409
なん....だと....!!
【土下座の体制から更に崩れ落ちる】

....じゃあ!もしかしたらピチピチバニーガールがサンバを踊る世界もあるって事なのか!!!
【しかしバッと顔を上げ希望に満ちた瞳で見つめ】

もしかしたらのもしかしたら俺がラノベの主人公並に女の子にモテる時代もあるのか!!!!
【ガタッと立ち上がり】

もしかしたらのもしかしたらのもしかしたら毎日もやし炒めで食費を食いつなぐ日々も無くなるのか!!!!!??
【少女に顔を近づける】

社畜から抜け出せるなら全然オーケーだぜ!!welcomeだぜ!!
【ぴょんぴょん飛び跳ねて喜ぶオッサン
かなり不幸な人生を歩んできた様だ....】

いや結構昔はヤンチャ(厨二病)だったから!!剣術とかマジの人とかに教わってるから大得意だよ!!おじさんこう見えて体はピンピンしてるし!まだピチピチの30代だしね!!
【どや顔で腕まくりをして筋肉を見せる
工場働きだった為筋肉は結構あるようだ】
411 :アメリア@ちんちくりんNPCだーくえるふ2015/02/15(日) 02:25:03.56 ID:K7G+Iei2O
>>410
「サンバなお姉さんが踊ってるのみたいなら、300m先の川を延々と下れば多分見れるわよ。
 ラノベ云々は、こんな森の奥に転移したあげくそこであたしみたいな美少女に会った時点で
 5割以上達成したんじゃないかしら。もっともデレさせるにはまだまだ不足だけど。
 あともやしじゃないと食べ繋げない会社なんて最初から入っちゃだめな部類よ?」

美少女を自称するツンツン系の時点でいろいろアウトだと思いました。
シチュ的には2014ころに流行った異世界転移モノにありがちだよね。
なんでか元いた世界に詳しいのは、深くつっこんでもいいけどそうしないほうがきっと平和。

「そうね。戦闘能力は確かにあれば便利ね。
 問題はその先、学習指導要領でいう“生きる力”のほうが重要よ。
 さっきも行ったけどあなたのような世界の境界を彷徨う者は、
 通貨が通じないのが当たり前だもの。
 言葉は不思議と通じるけど、その先を行きれるかは本人の力量と工夫次第」

筋肉の価値を認めた上で、ソレ以上の要求をさらっと突きつける自称:美少女。
説明に漂うお役所仕事感はいなめません。

「まぁ、餞別としてこれはあげる」

……手渡されたのはカレー粉でした。
どこからどうみても味見してもカレー粉(缶)でした
412 :山田 康介 【顎髭おっさん】E魔剣2015/02/15(日) 11:31:45.16 ID:yLlnGc/io
>>411
お前よくそんな顔で美少女って言えるな!!俺の中で美少女は石原さとみだけだぞ!!!
【バッサリ否定する美少女】

それに俺はこんなチビは好みではない、子供は好きだがロリコンではないしな!
【はっきりと言いつける事実、フラグもクソもない】

それより、通貨が通じなければどうすればいいんだよ!!カツアゲでもする....えっ....なにこれ....
【然し怒っていると突然手に渡されるカレー粉
呆然とした顔で少女を見つめる】

おっ....お前....これが餞別とか....米ぐらい寄越せよ........!!!
【カレー粉を握り締めプルプル震える
粉だけではどうする事も出来ないだろ....(ナレーション:山田 康介)】

いや....もしかしたらこのカレー粉は滅茶苦茶高価な世界もあるかもしれないけど....このチョイスは無いだろ....こんなの欲しがるの原始人だけだって....マジで....
俺....カレー粉だけで生き抜く自信なんざねぇよ....!
【抑えきれない怒りをどうする事も出来ずプルプル震える】
413 :アメリア@ちんちくりんNPCだーくえるふ2015/02/15(日) 14:37:41.97 ID:sz+NrK9/O
>>412
「さすがにそれは、あたしをデザインしたクリエイターさんたちが泣いちゃうわよ。
 これでもアキバとか行けば、あたしの看板とかあたしのコスプレとか見れるんだけどなぁ」

よく見るがいい。
結構ガチな3D屋とキャラクターデザイナー手がけた看板キャラクターである。
しかも声も有名声優さんからもらった声なのだ。
マビノギのナオさんくらいには気合入ってるはずなのだ。
なお、本人はちょっと傷ついたらしい。

「いや、超重要よ、カレー粉。
 それがあれば小さい恐竜でもアノマロカリスでも謎の宇宙生物でも
 とりあえず食べれる味になるもの。
 原始時代なら人がいるだけまだマシなほうよ? この放浪生活」

抑えきれない怒りに対して積極的に油をぶちこんでいくスタイルでした。
しかも一定の裏付けがあってのカレー粉です。

「お米とか、食べれるようにするの大変じゃない」
414 :山田 康介 【顎髭おっさん】E魔剣2015/02/15(日) 15:10:50.57 ID:yLlnGc/io
>>413
おまっ....人類舐めんなよ....手から火を出す人間だっているんだぞ....米ぐらい直ぐに炊けるわ....その人の事を考えてやれよこのチビ....
【ぐぬぬとカレー粉をそっとカバンに直し吐き出したい気持ちを押さえつける】

うぬぬ....はぁ....もういいや....食料は現地調達で良いよもう....
で、さっさとこのジャングルから抜け出したいんだが....例のワープホールは何処だよ....
【溜息をつき心底疲れた顔をして辺りを見渡す】

ったくよ〜....なんで滅茶苦茶手が込んでるグラフィックなのに出番が一度しかないようなゲームNPCキャラみたいな奴に振り回されてるんだ俺は....
【とてつもなく分かりにくい例えを出して悄気げるオッサン
彼は看板キャラクターと思わず最初の村に出てくるNPCレベルとしか見なしてない....】

あーあ....俺はこんなジャングルで餓鬼と言い争いをしてる場合じゃないんだよ....もう家に帰って会社に行きたい....
運命は受け入れるしかないんだな、これが
【既に社畜として洗脳されてるらしくポリポリ頭を掻く】
415 :アメリア@ちんちくりんNPCだーくえるふ2015/02/15(日) 15:24:42.35 ID:sz+NrK9/O
>>414
「人のこと考えろってなら、
 あなたはあたしが、お米の文化圏の人に見えてるわけ?」

ないない、と手でモーション。
まぁ、ご飯があったら食べますけどね。
それでも持ちあるくなら堅焼きパンとかですよ、

「さぁ? 頑張って探すか、向こうが貴方を見つけるまで
 何時間か何日か、早いといいわねぇ。
 あと大事なことだけど、受け答えがひどすぎたのであたしのPTキャラ化フラグは立ちませんでした。
 せいぜい、ジャングルの中でソロ活動で足掻いてね」

魔法のカバンから杖を出して展開。
初期メンバー候補の魔法使いがPTインしませんでした。
リセットボタンもありませんが頑張ってください。

「せいぜい、魔物に食べられないように頑張ってね」

それでは、サヨウナラ
416 :山田 康介 【顎髭おっさん】E魔剣2015/02/15(日) 15:38:31.56 ID:yLlnGc/io
>>415
んだよ!!そんな選択があるなんて俺は聞いてねえぞ!ちょっと待て!おい〜!!
【手を伸ばすとそこには少女の姿は既に消えていた】

マジかよ....!アイツそんな重要キャラクターだったのか!くそっもう少しシチュゲーをやり込めば良かった....!今俺が手に持ってるもんはカレー粉と剣しかねえぞ!!
【今更後悔して頭をわしゃわしゃ掻く】

畜生....ジャングルなんて猿かゴリラかオランウータンしか居ねえよ!!どうすりゃいいんだ....!
ぐっ....考えたって仕方が無いか....取り敢えずゲートと言うのを探そう....ゴリラの餌になるなんざ俺は勘弁だ....
【草を掻き分けズンズン進んで行く
然し一向に見つからず、体力だけが減っていく】

うう....腹も減ったし....疲れてきた....ここで寝たら絶対死ぬだろ....頑張れ....!頑張...あっ無理だこれ
【木の下に座り込み休憩する】

ゼエゼエ....俺は何時間歩き回ったんだよ〜....ゲートなんざどこにもねえし....眠くなってきた....し....
【そのまま目を閉じて倒れ込む
両手には何故かカレー粉と剣が握り締められていた】
417 :山田 康介 【顎髭おっさん】E魔剣2015/02/15(日) 23:28:04.28 ID:yLlnGc/io
はっ!!夢!....じゃない....しっかりカレー粉を握らしめてるわ....
【ガバッと起き上がるがやはり夢ではなく、虚しい現実を突きつけられる】

うっよだれが....俺は何時間寝てたんだ....はあ....お腹減った....帰りてぇ....
【ゆっくりと立ち上がりフラフラジャングルを進んで行く】

うーん....カレー粉でも食うか....?でも粉だけじゃなあ....確実に水分を吸い取られるだろ...大して腹の足しにならなそうだし....でもこんなジャングルに食えそうな生き物も野菜も生えてねえし....どうすっかな〜
【邪魔な草をバッサバッサ切り裂きながら突き進むと、ジャングルには見慣れない謎の空間が開いていた】

おっ....おぉ!!??
これが例のゲートか!?こんなナチュラルに存在すんのかよ....でもこれ通って更に悪化したらどうすりゃいいんだ....
あ〜糞!考えたって無駄だ!なんでも良いから生きさせろ!行け俺!ええい、ままよ!!
【どうにでもなれと投げやりにゲートに飛び込むオッサン
何処に着くかは誰にも分からない】

/誰か絡みおねがいします!
418 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/02/15(日) 23:34:31.36 ID:78+s9HWao
【スプロール:118メガロシティ-103バンチ】

 企業が支配する広大なるスプロールにあっても、
 その支配と管理が及ばない(及ぼす必要が無い)区域というのは存在する。
 ここ、103バンチもその一つだ。

【かつて深刻な毒ガス流出事故が発生して以来、街は放棄され、額面上は立ち入り禁止区域となっている】

 しかして、実際にはここに集う者達というのは存在する。
 市民パスを持っていない浮浪者や、かつてのカチグミアップタウンより
 金目のモノを浚わんとするスカベンジャー、何らかの要因でここに居ざるを得ない社会的弱者などだ。

【街に光りは届かない。重金属雲は今日も昼と夜の区別をシティから奪い去っている】

 街行く人々にも希望は無い。
 身体を粗雑なサイバネに置換しているモノや、薬物中毒により空を仰ぐばかりのヨタモノ。
 闇市では出所怪しい品々が販売され、裏通り(この廃墟のバンチにそのような区別があるかは別だが)では、
 パン!と銃声が鳴るたびに誰かが死に、女の衣を引き裂くような悲鳴のたびにファック&サヨナラが横行する。

【ここはスプロール。近未来世界。人がテクノロジーの恩恵を受ける理想郷である】
419 :【神崎琢磨】【ノンデクション】[sage]:2015/02/15(日) 23:48:44.55 ID:YLlO3lmd0
>>418
「....酷すぎ。ここまで酷いのは今までみたことないぞ」
この世界へ来て30分、後続する部隊もドン引きである。
この30分の間に銃弾が6発飛んできて、物乞いを足に捕まってきたので殺し、麻薬中毒者を3人見かけ、ドブに片足だけ突っ込んで寝ている浮浪者を叩き起こした。

少なくともこんな光景は戦場や難民キャンプでもみたことがない。最低、最悪の場所。
それが正直な感想だ。

「めんどくさいなあ....さっさとこの街の人らを全員あの世に送ってやろうか」

この気の長い男も流石にイライラしてきたようである。
420 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/02/15(日) 23:50:59.30 ID:78+s9HWao
>>417
//ヤマーダさんもいかがですかーであります
421 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/02/15(日) 23:52:27.78 ID:78+s9HWao
>>419
//すまんけど、いきなりジェノサイド宣言されるとどう返していいかわからない
422 :【神崎琢磨】【ノンデクション】[sage]:2015/02/16(月) 00:02:16.74 ID:u+OlHdYk0
>>421
//この人の性格ですからスルーの方向で。申し訳ありません
423 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2015/02/16(月) 00:17:06.22 ID:u+OlHdYk0
「....酷すぎ。ここまで酷いのは今までみたことないぞ」
この世界へ来て30分、後続する部隊もドン引きである。
この30分の間に銃弾が6発飛んできて、物乞いを足に捕まってきたので殺し、麻薬中毒者を3人見かけ、ドブに片足だけ突っ込んで寝ている浮浪者を叩き起こした。

少なくともこんな光景は戦場や難民キャンプでもみたことがない。最低、最悪の場所。

「呆れた、もう帰っていいかな?」
「帰っちゃだめです。あの人に言いますよ」

ピシャリと返される副官からのツッコミ。

「ほれ、司令部だ。さっさと入って掃除しとけよ。俺は探索してみるから」
「気をつけて下さいね。ここはホント治安が悪すぎて他の治安維持部隊も逃げ出す程ですから。」

ボロボロ。だが、多分ここらへんでは高い耐久性をもつ鉄筋コンクリートのビルへ皆を入れると、彼一人歩き始めた。

「さあて、一回りするかな」
ニヤリとひと笑いすると足を早める。
424 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/02/16(月) 00:27:20.85 ID:8+KFnNvzo
>>423

 ビルの内部に入ると、数人の子供が暗がりより神埼を見つめた。
 敵意の類は無い。ヨソ者が珍しいのであろう。

【子供達は壁から生えた菌類を食べている。それが食料なのだろう】

 この禁止区域の外では、近未来都市らしい煌びやかなネオンと、
 欺瞞に満ちた宣伝広告。そして、煩雑ではあるがエネルギッシュな街並みがある。
 しかし、ここには何も無い。何もないのだ。

【バチバチと火花を散らすディスプレイ】
 【薄暗い内部を仄かに照らし出す蓄光ボード】
【そして、バグった警備ロボが手足が、ぎこちない動きで神埼に近づく】

「ドーモ、ToうモールへようこS。当Tはサマザナにーズにお応えいたSImす。
 ご案内はご入りでしょうK。お客Sm」
425 :【神崎琢磨】【ノンデクション】[sage]:2015/02/16(月) 00:46:23.03 ID:u+OlHdYk0
>>424
「....子供か」
困ったように顔をしかめる神崎。
多分どう対応すべきか迷っているのだろう。そしてこの子たちが食っているのはカビ。
「たくましい....この子達は我々よりも....」
同情なのか尊敬なのか何なのかわからない言葉を発するとバグった警備ロボに視線を向ける。

「モール....?」
かつてここは店だったのか。が、いまは見る影もなく破壊されている。

「完全にOSがイカれてるぞ、あんた。再インストした方がマシだよ。それかここで朽ち果てるか。どちらかさ。」

呆れたように哀れみの目を向け、淡々と話す。

426 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/02/16(月) 00:54:23.26 ID:8+KFnNvzo
>>425

「私、お客様ヲ案内シマス。今日はおもちゃ祭りで沢snノ子供が――」

 ロボットは自らの役割が無実化していると自分では分からない。
 狂人が己が狂っていると自覚し難いのと同様に。

「皆サm、今日はタのSInでくだサい」

 そのままぎこちない動きでガタガタと動きながら奥へと消えてゆく。
 ロボットでさえ、プログラムという正気を失いやがては滑稽なる狂気に囚われる。

【これがたとえば、人格をデータ化された人間ではどうだろうか?】
 【→機械以上に多感で脆弱な人間の精神が己が吐き出し続ける不具合に何時まで耐えられるか?
   少なくとも恒久的な永遠はありえないのは間違いないだろう】

「おじさん…」

 ボロを纏った少年少女が菌類を片手にヨソ者におそるおそる声をかけてきた。
 この侵入者に興味を持ったのか、あるいは出て行ってほしいのか。

「おじさんロボット?機械わかるならココ直して欲しいんだ」

 子供の言葉というのは大抵が直裁に過ぎて却って分かりにくいものではあるが。
 ここでも例に漏れず、聞いただけでは何が何やらわからないかもしれない
427 :【神崎琢磨】【ノンデクション】2015/02/16(月) 01:39:38.75 ID:u+OlHdYk0
>>426
「....一応機械は分かるが....なんのことかな?」

自分自身が機械であることを隠す神崎。
周りは子供とバグったロボ。当たり前である。
「だが、あまりに複雑なのは無理だよ。ここは整備工場じゃないんだから」

一応の処置はできる。が、あまりに難しいのは勘弁してほしいというのが本音であろう。
428 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[sage]:2015/02/16(月) 01:45:34.21 ID:NlNn3AtDO
>>427
//時間も時間なので中途ですがこれで〆で乙っした
429 :山田 康介 【顎髭おっさん】E魔剣2015/02/16(月) 18:36:46.94 ID:nDxWqS4/o
>>428
//すみません!ロールのお誘いに気づいてませんでした;;
もう終わっちゃいましたかね?
430 :四五六 七八【賽印流忍術】[sage saga]:2015/02/16(月) 21:37:15.18 ID:W1uaarQtO
「あぁもうっ、最悪っ!!」

七八は自身で自分が幸運な方だとは思った事はない
だがそれだとしても最近の不運は一体何なのだろう
神を真面目に信じた事はないが、これでは神が試練を与え続けているのではないかとすら勘繰ってしまう
ともあれ脇を掠めるサーベルタイガーのそれに良く似た爪をギリギリで躱した
対峙するヒトの背ほどもある猫の頭部と前脚だけの霊魂、悪辣なる存在は慟哭めいた雄叫びを挙げ重力を無視し襲い掛かってくる

【昼と夜の連歌の世界、夜側】

果てない夜は悪魔の領域、定命の者どもの阿鼻叫喚
住民達は全てその有り様を変貌させられ、昼と一転残虐が支配する黄昏の世界だ
彼等の昼時の楽園の記憶は起き抜けの夢が如く朧げに、あるいは完全に霧散し虚ろ
いつか来るべき死に備え、絶望と失意の中を怯え続けている

「……あっぶなっ!?」
「もう……少しは加減してよっ!!」

星爆竹で固着させたはいいもののそれ以降がその機動力を前に全く手が付けられない
周囲は漆黒の夜
ぼんやりと青白く発光する霊魂と、それを忌む者が焚いた篝火だけが光源で枯れ果てた野原とドブ色に淀んだ川を照らす
あわや直撃の爪撃を回避、苦無を投げるもひらり躱される
一度高度に上昇した霊魂は、七八の首元に狙いを定めて牙を剥いた
431 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/02/16(月) 22:09:28.40 ID:8+KFnNvzo
【和風ファンタジー世界:ヒノモトの国】

 時は戦国、嵐の時代。この世界においては術と超常が交差し、
 人界は正に苦界と読んでいい騒乱にあえいでいる。

 ニンジャと妖が跳梁するイクサもひと段落し、イムカ・グリムナーは風魔の里を後にする。
 装備を取り戻し、忠実ならサーボスカルと合流を果たしたいま、
 彼女は己が庇護せし、小さな妖怪達のために安住の地を探すことが己に課した指名である。

「しかし、アレだな。徒歩の旅というのは中々に億劫でよくない。
 せめて、バイクを持ち込めれば話は早かったのだが」

 この世界、どうやら地味に世界修正力が強いらしく、
 近未来、遠未来のガジェットで持ち出せないものも多かった。
 サーボスカルを通じてデータを得ようにも、そもそもネットワークが存在していないと来た。

【もちろん、下手に目立たぬようにホロ・クローク技術により、旅人風の格好となっている。
 イムカの見事な金色の長い髪はやぱり酷く目立つらしく、編み笠はそれなりに重宝していた】
432 :四条 藍【未熟者の剣術】「E天楼華剣、夢想剣、凛姫幻想刀」[saga]:2015/02/16(月) 22:09:40.11 ID:ebKk8KAgO
>>430

「う〜ん……」
「決め台詞……戦いが終わった後にビシッと決まる決め台詞が欲しいけど中々思い付かない」

四条 藍は自分が不幸だと一度も思ったことは無い。
何故なら彼女は他者が見れば不幸とも取れる事情を毎回勘違いして自分への試練と受け取りそのまま乗り切るからである。
例えば生まれてきてから10年間、祖父から死に物狂いで剣術を指南され、2年後祖父が失踪した際には祖父が暗黒面に堕ち自身との決闘《デュエル》を望んだと勘違い。
四条家に代々受け継がれる《天楼華剣》を名刀と勘違い(唯のおさがり)
自身が生まれて来て名家が鍛えた《夢想刀》を名刀と勘違い(唯の贈呈品)
偶々食べたマグロにより食当たりをした際は、新たな力に目覚めたと勘違い。
偶々辿り着いた和風世界で化け物に襲われた際には自身の刀が名刀なので、歓迎されたと勘違い。
偶々辿り着いたギルドで受けた依頼が薪割りだった際は己の剣術の腕を求めた依頼と勘違い。
この様に不幸を勘違いするなど馬鹿なので、自身が不幸と思わないのである。

【昼と夜の連歌の世界、夜側】

故にこの世界でも彼女は、辺りの変容を目にしても世界が何者かの力により《反転》または《改変》もしくは自分への挑戦と受け取り、決して不幸とは思わないのだった。

「私に……私の……いや……この刀……全てを居合斬る…いや斬り刻む……いや……」

ブツブツと独り言を言いながら、足を進める。
空は既に悪魔達の宴により地獄と化し、昼間の賑やかな雰囲気は一転常世の闇と変容している。
まるで魔王率いる《邪》の者が支配する世界のようだ。
探せば第六天魔辺りのデストロイヤーでもいそうだ。

「ん?……あれは……忍者?と……なに…あれ……獣?」
「────って、危ない!!」

目の先に移るのは自分とは似て異なる存在《忍者》と生まれて初めて存在を認知した生物が名も顔も知らなき忍者を殺めようとするコンマ数秒である。
藍はくだらない考えをすぐさま中止し、地面を強く蹴り忍者を助けようと駆け寄る。
タオルで肌を強く叩いた様な音響と共に上がる右脚、同時に勢い良く抜くおさがり日本刀《天楼華剣》。
風を切り、空を裂きながら忍者を襲う生物へと刀を振りかざす。

「────天狼奇卿!!」(唯刀を振りかざすだけ)
433 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6[sage]:2015/02/16(月) 22:23:03.85 ID:KXVPEBys0
>>431
「そうか? 歩きの旅もいいもんだぞ?」
横でのんびりとついてくるのは イクサで共に戦った兵士崩れの冒険者
口には甘草の葉を加え ゆったりとくつろいだ様子

イクサが終わってなお 転移する様子もないので 旅は道連れといった具合である

なお風魔ではない フーマである ここはテストに出ます

「急いていい物件を見逃すよりはましさ こういうのはじっくり地に足つけて探すのが真理ってぇもんよ」
お金もたんまりもらったことですし と付け加える
434 :四五六 七八【賽印流忍術】[sage saga]:2015/02/16(月) 22:24:15.29 ID:W1uaarQtO
>>432
闇目が効けば純黒のそらの向こう、遠くに悪魔が羽撃くのが見えるだろう
それが第六云々デストロ云々なのかはまぁ別ではあるが

「……!?」
『!!ーーーッッ』

さてはてともあれ戦闘である、七八が挽肉にされるのを見守っていた訳ではないのだから
霊魂はその剣先を右前脚に受け、ふわりと後退
猫科の捕食者がそうするように低い姿勢で地に張り付いて甲高い唸り声で威嚇

「……手伝ってくれる人だよね!? サンキュ!」

先ず確認、そして短い礼
最初に確かめる言葉が入ったのはこの【夜側】の人間の中にはヒトである事を辞めた存在もいるからである
彼等は魂を悪辣に捧げ、或いは命そのものを投げ出して闇に救済を求めた存在の成れの果てだ
恐らく七八は、それらとの邂逅をも既に果たしていたのであろう

『ーーーーー!!!』

バンシィの咆哮とまごうばかりの絶叫、霊魂の飛翔の合図
無論狙いは藍にシフトしている、七八より脅威であると判断した故だ
また刀を警戒してか、フェイントを交えてジグザグに飛び跳ねながらの近接
【その行動から霊魂にある種知性や知能めいたモノが存在すると推測出来るかもしれない】

ひとつひとつがヒトの手のひら程もある鋭利な爪で斬り裂かんと左前脚を振るう!
435 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/02/16(月) 22:31:52.61 ID:8+KFnNvzo
>>433

「そうは言われてもな。悠長にしているのは性分ではない」

 2世紀近く生きていてこうなのだから、これは確かに性分である。
 イムカとしては、むしろこういう何も無い時間というのは中々に居心地が悪いのであろう。

【近未来では得難い陽光が燦々と降り注いでいる。今日は暑い日である】

 メトロで拾った水筒を傾けて水を飲む。飲もうと思ったら空だった。難儀である。
 イムカは無表情はそのままに水筒を戻す。

【サーボスカルは空中で周囲マップを作成しようとしているが、
 どうもこの世界特有の妖気≠ニやらに邪魔されて解像度が至極悪い】

「あとは路銀だな。正直、あそこまで負けるとは思わなかった。
 今思うと、何かイカサマをされていた気がする」

 お金はたんまりもらったが、あっさりと吸われていた模様。
 なお、賭け相手は妖怪『サトリ』と『手の目』であった。
436 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6[sage]:2015/02/16(月) 22:44:13.78 ID:KXVPEBys0
>>435
「果報は寝て待て さ こういうのは暇なぐらいでちょうどいい
 あぁ あとこの世界はことのほか水がいい よっぽど悪い妖怪が住み着いてない限りは 川の水をそのまま飲めるレベルだ」

などと言っているとちょうど川に差し掛かった 見たところ清らかな小川である
さっそく 水の状態を確認しようとする

なお ギャンブルに関しては イムカがあり得ないレベルで負け始めたのを見て 嫌な予感を覚え 早々に切り上げたのが功を奏し 損傷軽微で済んだ

「・・・・・・うん 流れは淀んでないし 小魚やカニもいる これは直接飲んでも問題なさそうだ」
そういって両手で水を救い のどに流し込む

「ふぃ・・・・・・・ん?」
口を拭っていると 川の上流の方から 何か音がする

シャキシャキシャキ・・・

どこか不思議な音だ
437 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/02/16(月) 22:50:49.04 ID:8+KFnNvzo
>>436

「妙な化学物質が混じった水を飲まなくて済むのはいいな。
 放射性物質垂れ流しなどというのもザラだから――」

 そんな話をしていると、川を見つけた。
 それも透明度の高い、少なくとも二等水くらいにはキレイな水。
 小魚やカニも居る。それはイムカにとっては酷く貴重であった。

「…どうもな、違和感が酷い。本来、川とはこういうものなのだろうが」

 スプロールしかり、終焉の遠未来しかり。
 テクノロジーと反比例するかのように自然が省みられなくなった世界にあっては
 魚が自然の川を泳いでいる。ただ、それだけの事象が酷く遠い出来事に思えてしまう。

【イムカは何かバツが悪そうな顔で水を汲みながら、奇妙な音を聞く】

「んっ?何だ」

 粒子短銃のグリップに手を添えながら、音のする方を視やる。
438 :四条 藍【未熟者の剣術】「E天楼華剣、夢想剣、凛姫幻想刀」[saga]:2015/02/16(月) 22:54:29.29 ID:0rc/ABHm0
>>434

「……………………」

振りかざした刀は霊獣の首に当たらずしてそのまま地表に触れる。
霊獣は後退、藍はその様子を横目に数秒間見た後、また数秒間振りかざした刀をただ無言で見つめ呼吸を整える。
自身から向かって右側からは甲高い唸り声が聞こえる。
空では悪魔達の歓喜と狂気と狂喜の声が、右からは捕食者の唸り声が藍の鼓膜を振動させる。

「……ふぅ。…………大丈夫ですか!?」


「え?手伝う?……ふ…いや、私は────貴女を助けに来たってやつですよ!」

肩の力を抜き溜息を吐くと同時に刀を鞘に収める。
そして直後目を見開き、七八を喰らうように口を大きく開き大声で大丈夫ですか。
七八との顔の距離は近く、お互いの鼻が当たりそうだ。
ドヤ顔で上半身を45度斜めにして変なポーズをとる。
ようはまぁ、七八のいう通り手伝いに来たのだろう。

「ッ!?うるさいっ!」

「くっ………まだ殺り合うようですね!」
「いいでしょう!ではお望み通り、私の天楼華剣の斬れ味…ご賞味いただこう!!」
「私の刀は────全てを断ち切る!!!」

藍からしたら追い風となる夜風が霊獣の激しい咆哮ととれる雄叫びにより、逆に向かい風となり藍の白髪を揺らす。
霊獣はまだヤル気があるならば、それに此方もこたえるだけのこと。
牙をもって牙を制する、力には力を、もっとも単純かつもっとも真実な自然の理にならいこの場を迅速に収める、己の勝利で。

(速い……が)

「こんな時は始めに動いた方が不利ってね!」
「華剣──夜桜!!」

殺合においてもっとも重要なことは、確実に相手に攻撃を当てること。
それは一見単純に見えて大変、複雑な技だ。
何故なら、相手は此方が攻撃すると分かっているからだ、分かっているなら避けるか防げばいい。
ゆえに先手が此方を攻撃すると分かっているならばそれを先読みし避ければいい。
振りかざされた巨大な爪を持つ脚をに対して藍は体を低くし左へとシフト、そのまま己の天楼華剣を霊獣の体へと狙い横へと滑らかなジグザグの軌道を描き刀を振るう。
439 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6[sage]:2015/02/16(月) 23:07:48.67 ID:KXVPEBys0
>>437
「まぁ・・・あんな世界に住んでたらそういう思考になるよね」
スプロールを思い出しながらいう まさに飲める水は買うしか手がないのだ

水はまだ春の入り口付近の気候に準じており とても冷たい
そして銃を構えるイムカ ロイもまた眉間にしわを寄せて辺りを見回す

そこには背が低く 目の大きな法師姿の老人が ざるを水に浸し 小豆をせっせと洗っている光景
その隣には 何か白い塊を細く紡ぎ 唇で湿らせてから棒に巻き付けている 顔の醜い老婆の姿もあった
一見すると老夫婦にも見える・・・が

【判定 小妖:人ならざる小妖には この2体妖怪であることがわかるだろう そして老婆の方は南蛮のもんすたぁであることも分かるだろう】

【判定 小妖(知識):小妖に ほかの妖怪知識があれば 老人の方は小豆洗いと呼ばれる妖怪であることがわかる・・・かもしれない】

老人(妖怪)「なんじゃぁ? 娘っ子が小豆でももってきたかぁ?」
人の好さそうな笑みを浮かべる老人と

老婆(もんすたぁ)「それとも・・・あたしの糸が欲しくて来たかぁ?」
ちらりとイムカを見て すぐに糸紡ぎを再開する老婆

ロイ「あの老婆・・・ハベトロットか? なら安心だ ハベトロットは人に危害を加えない精霊だからな」

【ハベトロット:スコットランドに伝わる精霊で 娘の糸紡ぎを肩代わりしてくれる また紡いだ糸で服を作ると 病にかからなくなるとも言われている】
440 :四五六 七八【賽印流忍術】[sage saga]:2015/02/16(月) 23:09:21.90 ID:W1uaarQtO
>>438
「えっ、あっ、はい」

余りの勢いに思わず面食らい生返事
だがしかし、先に襲い掛かって来たような人種ではないらしいと一安心
奇妙なポーズにまた別の心配も生まれてきてはいるが

「どーも……」
「……って、危なっ……!!」

藍の間近に迫る死の旋風
対して身を翻すように捻り、返しの刃
邂逅一瞬、すれ違う両者
離れた位置で着地、鈍い唸り声
霊魂があげた苦痛の声だ、ギリギリと体を削られた痛みに悶える

『……ーーー!!!』

それでも死を貪る事をやめない、やめられない
それが霊魂の本能なのだ、貪欲な迄に喰らい尽くす事
邪魔をするコイツは悪い奴なんだ、だから消さなくてはならない
そう、つい昨日消したあの集落の連中みたいに

「……このっ!!」

七八の苦無、だが当たらない
しかし飛び掛かる寸前の【溜め】を確実に短くした
藍に向けて飛翔する霊魂、だがその勢いは明らかにスローだ
空を自在に泳ぐそれはだが、慣性の法則には逆らう事は出来ない
一直線に藍に向かうスローな霊魂
つまりはそう、絶好のチャンス!!
441 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/02/16(月) 23:22:58.00 ID:8+KFnNvzo
>>439

「うー」

 ちょこんと、イムカの革ポーチの隙間から顔を覗かせる小妖怪。
 彼等は存在が希薄かつ脆弱なため、陽光をまともに浴びると溶けてしまうのだ。

「小豆のおっちゃん悪い妖怪じゃないよ」
「ん、そうなのか?君たちがそう言うのならそうなのだろう」

 イムカは銃を離す。妖怪だから無条件に殺すというのは流石に憚られる。
 故郷の世界が無慈悲であるからこそ、そのような振る舞いを外の世界に持ち込みたくは無い。
 そのような考え方をするようになったのは、成長なのか堕落なのか。イムカ自身のも判然としない。

「伍長、坊主の方も無害のようだ。しかし、何だな。
 妖怪というのは邪念が集まって出来ているものではなかったのか?」

 小豆をせっせと洗うという、酷く牧歌的な光景に逆に違和感を覚えてしまうイムカ。
 これまで、百鬼夜行や打算に満ちた妖怪との一時的協力はあったが、
 こういうのは小妖怪達以外では珍しい体験だったのだ。

「老人、私は娘っ子ではない。これでもそれなりにいい年齢なんだ」

 なお、200歳を越えている模様。遺伝子学…この世界では縁がない単語であろう。

「小豆を持っていたら何なんだ。確かに持ってはいるが」

 実はニンジャから一袋もらっていたりする。
 と、言っても、イムカには生でポリポリ齧る以外の用途は無かったが。

「ぱぺろっと?どうも判然とせんな。伍長の言うモンスターとは人に仇なす存在全般の総称ではないのか?」
442 :四条 藍【未熟者の剣術】「E天楼華剣、夢想剣、凛姫幻想刀」[saga]:2015/02/16(月) 23:39:37.93 ID:ebKk8KAgO
>>440

「この間合いで仕留められ無い……か。あなたが丈夫なのか、私が未熟なのか……」
「それにしても……随分速いのね」

間合いは完璧だったが、霊魂は今なお此方に殺意を向けている。
つまりは仕留められなかったのだ。
剣術を扱う者にとって間合いとはいわば己の技術を最大限に発揮できる限られた《世界》と言い換えても差し支えないだろう。
そしてその限られた世界で敵を一撃で仕留められなかったことは己の未熟を意味する。
何処かで自身の力を過信していた藍はその現実を突きつけられ、霊獣の体に負わせた傷を見ても油断しようとはしない。
刀を真っ直ぐに霊獣へと向ける。
見れば藍の右肩からはゆっくりと血が流れ出している。
どうやら先程の一撃を完璧に避けることは出来なかったようだ。

「さっきの素早い動き……とてもただの捕食者とは思えなかった。知識の無い唯の獣かと思ったけど、どうやら知識はあるみたいね。ってついさっきまで私は思ってたけど、今のあなたからはそれが微塵も感じられない。私の刀は知識なんて大それた物を切る力なんてない…。あなた、自分を制御出来ないみたいね」
「いや、正確には知識があっても本能には逆らえない……が正解かな。どっちにしろ……あなたは自己を制御することも出来ない未熟者みたいね」

己が未熟者だからゆえ、分かることもあるだろう。
霊魂としての本能が己を喰らい、支配する。
それは決して抗えないことではない、しかし目の前にいる霊魂はそれに抗おうとはしない。
藍が未熟者と感じたのはそのあたりだろう。
ここに来る前に、ある場所に辿り着いた。
無人の集落だ。道を聞こうにも、何があったか聞こうにも人がいないから分からなかったが、やはり直感とでもいうべきか
お互いに力を交えたからこそ分かった、此奴があの集落を消したのだと。
己の未熟さに負けて罪無き集落を地獄にしたのだと。

「!……忍者さんグットタイミング!流石忍者です!やっぱり忍者と言えば苦無ですよねっ」
「さて、隙ありありってやつよッ!」

「身をもって知ってくださいなァッ!この私の刀の斬れ味をォォッッ!」

「華剣!!」
「────華女返し!!!」

飛躍するコンマ数秒前の刹那、七八の苦無が死覚から飛んで行く。
その苦無は今まさに藍を喰らおうと此方に飛躍しようとする霊魂へと向かっていった。
苦無は霊魂に確実な一撃を与えはしなかったが、次の一撃へと繋ぐ確定的な一撃となる。
先程とは違い単純かつ鈍足な霊魂。
それらにより生じる決定的な隙を藍は見逃さずない。
素早く霊魂へと走り出しそのまま藍の体を霊魂の影が覆った瞬間、己の刀の刃を下から上へと素早く切り返し霊魂を斬ろうとする。
443 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6[sage]:2015/02/16(月) 23:45:51.94 ID:KXVPEBys0
>>441
ロイ「そうか なら安心だな」
緊張を解くロイである

ロイ「さぁてね俺は妖怪についてはさっぱりだから
   でもまぁ モンスター・・・というより 精霊 フェアリーの類には人間の益になってくれる存在も多い」

近場の大きな石に座り込み 紙巻きたばこを口に加えて火をつける

ロイ「シルキーやキキーモラなんてのは家に現れ 家事を手伝うことで知られているし ピクトという精霊は石切り場に寄り集まって 一晩で石造りの城を建ててしまうといわれている
   クルラホーンは酒蔵に現れ ワインをおいしくする精霊と呼ばれているよ」

と益になる存在をいくつか挙げ 煙草を一口吸ってから腕を組み 考える

ロイ「モンスターってのは あだ名す存在じゃなく 人間以外の存在全般のことを言うんだと思う
   実際 異世界にはドワーフやエルフもモンスターの一種にカテゴライズされている世界もあるらしいし
   今まで出てきたのが全部害のある存在だったからであって モンスターでも益になるのがいるってことでおk?」

と 自分の考えを述べた

そして小豆洗いは 小豆をもっていると聞くと 手を差し出す

小豆洗い「こっちに渡しなされ そうすれば 良縁を招いてやろうぞ・・・だが・・・」
イムカを見た小豆洗いは手をひっこめた

小豆洗い「お主はどちらかといえばこちら側のようじゃの ならばワシの力は通じんよ」
ロイ「というか・・・小豆生で食って 渋くないのか?」

ハベトロット「なら・・・あたしの糸をもっていくかい? もらっていくヤツがいなくて余り気味なんだ」
といって糸を紡いだ塊を差し出してくる
444 :四五六 七八【賽印流忍術】[sage saga]:2015/02/16(月) 23:57:21.44 ID:W1uaarQtO
>>442
「……そりゃ、ま、忍者だからね?」

忍者として認知されたのが嬉しいのか上機嫌
ここ最近忍者にあらず超常的存在たるニンジャとばかり間違われる事が多く地味に困っていたらしい

SLAAAAAAASHHHHHH!!!

青白い散華、着地を待たずして霧散する霊魂
果たしてそれが最期の一瞬、神か或いは悪魔に許された短い合間に何を想い馳せたのだろう
それは分からないし、今となっては何より無意味だ
夜を駆け抜けた悪辣の亡霊、夜のスピリットは空に溶けて消えたのだから

「……、」
「ふぅ、助かったぁ……」

ありがとね、と火遁を用いて照明を灯す
青白い霊魂が消えてしまった事で光源が一層少なくなったのだ
『夜側』の昼から一転した邪悪の中
襲い来る悪辣のひとつを退けたふたり、だが世界は容赦無く捕食者の瞳を爛々と輝かせている

//すみませんがこれで〆させて下さい
//ありがとうございましたっ
445 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/02/17(火) 00:06:02.54 ID:ZCENdVfzo
>>443

「精霊か…そういう存在も人間と敵対しているからな。私の認識でだが。
 人間とそれ以外…認識を変えなきゃいけないのは分かっているのだがな」

 人間とそれ以外、それがイムカの世界で行われている戦争。
 全方位、すべからく敵、そして敵は討ち滅ぼすべし。
 矛を下ろす機を絶望的なまでに逸し、行き着くところまで行くしかなくなった世界の末路である。

「人間が長い時の中で生体を変えた存在はまだ理解できるのだがな。
 ドワーフやオーガ…私の世界でだが、そういうのは確かに味方ではあった。味方以外は敵だ。そして…」

 敵は――討たねば。

【ゆえに終焉≠フ遠未来なのだ。宇宙が永遠に呪われ、戦争だけが残った】
【→イムカか僅かに首を振って言葉と思考を止めた。これ以上は神なる皇帝陛下への懐疑に繋がりかねなかった】

「…良縁。ああ、そうだな。確かに通じるわけが無い」

 イムカは自分の持つ小豆袋を一度じっと見て、そして肩を竦めた。
 女らしい幸せを捨て去ってから2世紀。なら忘れ去ったことは…あえて言うまい。

「伍長、味など問題ではない。栄養になれば良しだ」

 味に意は無い&馬鹿舌らしい言動である。渋みなど問題ではないらしい。
 と、次は老婆の方が、何やら差し出してくれているようだが。

「ああ、そうだな。見事な糸だ。ありがたくいただこう」

 遠慮せずに糸の塊をもらう。そして、ふと考えて、

「ん…つまるところ、モンスターと妖怪が一緒に居るという事だが、
 両人とも、何故、側で共に作業をしている?排斥し合ってしかるべき間柄ではないのか?」
446 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6[sage]:2015/02/17(火) 00:31:20.61 ID:T4mulnlE0
>>445
ロイ「難儀なもんだな 自分たち以外はすべて敵ってのは」
肩をすくめて見せる

ある程度 多種族の融和を見てきたロイには 全方位敵である状況は理解できなかった

ロイ「試しに渡してみたら? 案外上手くいくかもよ?」
軽く面白がっている様子でイムカに話しかけるが 栄養の話になると

ロイ「いやいやいや さすがに食えないレベルの渋味なのに 味は関係ないはちょっと…」
などと絶句していると イムカが妖怪に質問をしている 小豆洗いは笑顔を向けると

小豆洗い「妖怪がみな好戦的であるわけじゃないよお嬢さん ワシなんかは 危害を加えられる妖力は 持ち合わせておらんでな
     喧嘩は血の気の多い連中に任せておる ワシはホレ 河原で小豆を研ぐしか能のない妖怪でな」

ハベトロット「アタシだってそんな力は持ってないよ 下手なイノシシが来れば逃げるだけさ
       なんかよくわからん術でこっちに飛ばされてきたのはいいんだが 右も左もわからんもんでな
       途方に暮れていたところに声をかけてくれたのが爺さんだよ」

小豆洗い「お互い人に害をなさんモノ同士 寄り添って暮らすのも一興ってやつじゃよ ワシも1人で寂しかったでな」

などと笑う小豆洗い そしてハベトロットも苦笑して見せる そこにはまるで老夫婦のような絆が見えたような気がした

ロイ「やれやれ お熱いこってごちそうさん 確かにカワゴエ城にいたのが全部のモンスターじゃないだろうし これから土着してモンスターから妖怪になる連中もいていいじゃない?」
スパスパと煙草を吹かし 短くなったシケモクを握りこんで焼き尽くすと 立ち上がる

ロイ「さて そろそろ休憩も仕舞いにして行くか?」
447 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/02/17(火) 00:38:08.93 ID:ZCENdVfzo
>>446

「それ以外を知らぬとそれが当たり前になるのだよ。
 世界移動のおかげで私の価値観はかなりグズグズになってしまったがな」

 再度の異端審問も時間の問題か?などと自嘲する。
 帝国宗務局とイムカの関係は既に最悪に近いので今更ではあったが。

【そうして、話を妖怪のほうに戻す】

「なるほど。そうやって生きているというわけか」

 無力が罪とされる環境もあれば、こういうこともあるのかと、
 妖怪とモンスターの言から得心するイムカである。こういうのは、本当に希少だ。と、思う。

「土着すればそのうち、こちらの妖怪になるかもしれんな。
 何事にもルーツというものはあるものだ」

 そうして、牧歌的な風景を背後にロイと共にさらに旅を続けるイムカであった。

//ではコノヘンデー!
448 :四条 藍【未熟者の剣術】「E天楼華剣、夢想剣、凛姫幻想刀」[saga]:2015/02/17(火) 00:47:16.68 ID:HlXszE5SO
>>444

「………………………」

霊魂のシルエットと交わる一刀のシルエット、そして重なるは藍のシルエット。
夜風を纏い重量に抗うように切り上げられる天楼華現は魔の月に重なる霊魂へと一閃。
激しい断末魔を響かせながら消滅してゆく霊魂。
断末魔とハーモニーするかの様な悪魔達の死への賛美歌は消えゆく霊魂を嘲笑っているようだった。

「……。」

「私、最初に言いましたよね…私の刀は全てを断ち斬るって……」
「────あれ、嘘です。私の刀は…この天楼華剣は『全てを斬る』なんてそんな凄いことは出来ません」
「私の天楼華剣が斬れるのは、未熟者…ただそれだけ。だからあなたは私に斬られた」

「つまり………………………」
「…………………………………………」
(……決め台詞が思い付かない……)


「……!?おぉ…そ、それが噂に聞く忍術……す、凄い……」

消えゆく霊魂の最期を見届け、纏った夜風を吹き散らす様に刀を一振りして鞘に収める。
霊魂が最期に存在した場所を見ながら、今はいない霊魂へと届くか届かないか分からない別れの言葉、殺合の終わりの言葉を送りかっこよく決め台詞を言おうとするが思い付かない藍。
必死に数秒間考えたが、結局七八の火遁を目にしてその思考を停止。
そのまま七八の火遁を興奮気味に魅入る。

そんな二人の上では、今宵も悪魔達による血の晩餐が開かれ、死への賛美歌が歌われる。
この世界の夜は所詮悪魔達の舞台装置にしかし過ぎず、住人も同じく悪魔達の描いた脚本に踊らされる演者なのだ。
少なくても、この世界において命あるものは悪魔達の娯楽用品でしかないようだ。
449 :四条 藍【未熟者の剣術】「E天楼華剣、夢想剣、凛姫幻想刀」2015/02/17(火) 00:47:37.60 ID:HlXszE5SO
/ありがとうございましたっ
お疲れ様ですん
450 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県)[sage]:2015/02/17(火) 16:36:19.53 ID:UYjPsWDso
 
451 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/02/17(火) 23:23:48.09 ID:ZCENdVfzo
【スプロールにて――】

 電子マトリクスが正に第二の現実、新たな地平となって久しい
 この世界であるが法整備の対応は遅れに遅れた。

【企業との癒着だったり、司法が電子世界に無理解だったり要因は様々である】

 結果として、後付と改変が繰り返された法は、
 相互に矛盾した法律が絡み合い、刑罰は一貫性を欠いたカオスに沈んでいる。
 そのためか、生存競争という側面では、現実と同等かそれ以上に過酷で無慈悲となった。

【電脳ハッキングによる人格の書き換え、あるいは攻勢防壁によるカウンターで脳を焼くといった、
 倫理も糞もない、生命と尊厳がチリガミにも劣るような状況が当たり前になってしまった】

「つまるところ、電脳犯罪は現行犯処刑がデフォルトになっている。
 イチイチ裁判などしていられないし、世界を牛耳る各企業もそれを黙認している有様というわけだ」

 そして現在、レッドアラートが点灯し、UNIXがそこかしこで大爆発を起こしている修羅の場。
 カワカミ社第125ビルの前にイムカ・グリムナーはデッカー権限委託者として急行したわけだ。

「ハッキング犯罪。ああ、データベース筐体だな。故意に爆裂させることが可能だ。
 ちなみに一斉に爆発すると、ビルが人質160名と共に丸ごと吹き飛ぶ。要求は…まあ、イロイロだ。
 カネだったり、株券だったり、リストアップすると目が痛くなるので割愛」
452 :アメリア@ちんちくりんNPCだーくえるふ2015/02/17(火) 23:29:10.52 ID:POJI0SmJO
>>451
このスプロールという世界においては
完全にキャラクタースペックが差し替わってしまうのが困りもの。
いや、ある意味でとても便利なんだけど。

「対クラックの最有効手段である電源カットを使えない理由は?」

こういうところなら必ずある、壁に保持されたアックス示しながら
半透明&浮翌遊状態の電子の妖精の質問。
この世界に来ると実体消失するんでこんな状態である。

「回線の物理遮断も使えない、という認識でよろしい?」

わざわざ解説されなくても、焼ききった電脳の数ならエースを名乗れる数値です。
独立可動型AIとみて、不埒な行動にでるのが多いもので。

「あとはそうね、クライアントは防衛と相手の消去、どっちの優先順位を上位にしているのかしら」
453 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/02/17(火) 23:42:09.33 ID:ZCENdVfzo
>>452

「ああ、物理切断は出来ん。改増築しすぎて何処に電源があって
 どれが切っていい線なのか、すっかり忘れたそうだ」

 無茶苦茶な公式発表であるが、真に受ける馬鹿は居ない。イロイロとあるのだろう。
 とにもかくにも電源は切れないし、その権限も無いという事だけ理解してもらえればいい。

【カロリーバーを齧りながらのイムカ。実際電子戦はイムカの埒外だ。
 ぶっちゃけ、何かあった時に責任を取るためにいるだけという感じである】

「ああ、優先順位もややこしいぞ。Aからはハッカーを殺せ。Bからは何が何でも守りきれ。
 Cからは余計な事をするな、だ。同じグループからコレだぞ?アホらしい」

 溜息をつくイムカの頭上で赤い光と轟音が炸裂する。
 見せしめに爆裂させたらしい。文字通り、身体に火をつけた犠牲者の残骸が宙を舞った。

「ちなみに私たちより前に急行したデッカーチームの電脳戦隊は全滅。
 皆、人格を書き換えられて発狂、無差別発砲…と、まあ正直手詰まりだ」

 地面に転がる死体袋(作成者はイムカ自身だが)を見て溜息。
 やっていることは派手かつこれ見よがし過ぎで、ある意味幼稚である。
 そのくせ、腕がいいのかソフトがいいのか、あるいはコネがいいのか、
 見事に出詰まりになっているという有様である。

「焼いていいぞ。裏など知るか。性質が悪すぎる」
454 :アメリア@ちんちくりんNPCだーくえるふ2015/02/17(火) 23:54:48.08 ID:POJI0SmJO
>>453
ぱらぱらと降ってきた犠牲者と、あとユニットの残骸確認。
ま、安らかに眠り給え。

「とりあえず、これでBの依頼は達成不可ね。
 規模と対応速度見る限り、そんなに遠いところではなさそうだけど
 とりあえず、猟犬と鈴を散らしてみるわよ?」

いつもの蝶形オブジェクトを逆探として回線に仕込む模様。
さりげなく、死体袋の中身のログからワクチンも用意。

「ほい、これ周辺マップね? 物理空間じゃなくてネット空間だけど。
 ノードにあたるたびに、そのアドレスと到達時刻を返すの仕込んで
 向こうから来てるラインにノイズとして紛れ込ませるわ」

ある程度は拡散するだろうが、結局終点は一箇所。
最終的に収束した地点がターゲットの巣穴、というわけ。
そこに、同じく電子化されてしまった黒犬を叩き込む予定です。

「一応あたしも潜るから、骸骨ちゃんでバックアップよろしくねー」

さくっとサイバースペース側に意識を切り替えやがしました。
デコイではない本人の方は例の増築しすぎたビルの中にデッカー権限で侵入し、
内部のケーブルマッピングをスカル側にリアルタイムで送るそうです。
落とす権限がない? 不慮の事故です、たぶん ということですね、えぇ
455 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/02/18(水) 00:08:40.78 ID:WntWHYIfo
>>454

「ああ、スカル。しっかりやれ」
≪0000111101111011111≫

 空中で一回転してからスカルはイムカの側でふわふわと空中姿勢を保った。

 −−−−−−−−−−−−

【サイバースペース】

 サイバースペースもVAM(擬似感覚機構)の発達と共にその在り様を大分変質させてきた。
 特に(使用者自身が)視覚的な擬似表現で感覚的にコードを用いるのを好むようになった。
 もちろん、その認識感覚野すら、凄腕のハッカーは難なく書き換えてしまうのだが。

≪000111101111≫

 アメリアの横を併走する透明なクリスタルスカル。
 強化現実内のサーボスカルの姿だ。

【スカルはスパゲッティコードや無意味なコードを尾にしている。
 これはこのスカルがかなり多量の不具合を抱えている事を意味している】

≪000011111011111≫

 ビル内の強化現実はそれは酷いことになっていた。
 半透明の青く揺らめくヤドリギがそこかしこで根を降ろし、周辺マトリクスを蹂躙している。
 それを操る先はまだ見えてこない。

【そして、カワカミ社の複層攻勢防壁はそのヤドリギアバターを素通りさせている役立たずぶり】

≪00001111011111≫

 スカルが警告。ヤドリギアバターに抽出されたペルソナが用いられている模様。
 これは自我の一部を抽出、切り離して分裂、そして電子に溶け込ませている。

【電子的な能力は強化されるだろうが、自我の切り売りで現実はさぞや酷いことになるのは疑いない】
456 :アメリア@ちんちくりんNPCだーくえるふ2015/02/18(水) 00:29:14.19 ID:wMxcpoqgO
>>455
さて、問題はいくつか。
ひとつは、攻性防壁が機能していないこと
ふたつめは、触ったらダークエルフの触手エロが楽しまれそう、ということ。

「3つ目は、思ったより範囲が広くて一撃で焼きつくすのは難しいってことかしら」

天にも地にも属さぬもの、という点でアバター選びの趣旨は悪くない。
光の神を貫いた逸話も、絶対の防壁を抜く、という言葉遊びだろうか。

「金枝篇でも持ってくればよかったわ。
 ……あぁ、ヤドリギということは黄金のハサミは有効ね。
 あとは、天にも地にも属さぬモノなのだから、地に落とすか天につなぐか……
 そうね、天につなぎましょうか」

行動指針は決定。
まずはカワカミ社のセキュリティ部門に記録した侵入コードを不活性化して転送。
その後、衛星通信回線とのコネクタに、125ビルをブリッジとして接続。
上位のエリアに届くと思い込ませて誘導し、ワクチン構築済みの
よりハイスペックな攻性防壁に頭から突っ込んでもらいましょう、ということ。
出先を衛星にするのは、簡単に回線の袋小路を作れるからだ。

「んじゃ、簡単なプラン完成。
 最初におくった蝶がクラッカーのルート特定したら、
 それもあわせてカワカミに情報提供ね?」

まずはプラン送信して、作戦の可否の確認
ついで、自分が先にばら撒いた探査ウィルスの反応確認
さて、結果はどうかしら
457 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/02/18(水) 00:53:57.30 ID:WntWHYIfo
>>456

≪000011111010111011≫

 サーボスカルがクルリと一回転。一部承認重点。
 カワカミ社は非協力的姿勢。時間稼ぎを計っている可能性アリ。

【一秒が大きく引き伸ばされる世界で目まぐるしく状況が変動していく】
 【→こまけえ事を抜きにすれば、いろいろあって好きにやってよさげってことだ】

 ポカンと空いた偽装上層ホールにフワフワと昇っていく幾つかのヤドリギアバター。
 物理的袋小路に迷い込めば、これらは時を経ずして焼かれてサヨナラであろう。
 全てでは無いところに慎重さ。しかしペルソナの一部を向かわせてしまうところにウカツさ。矛盾。

≪0000111010101≫

 サーボスカルがグルグルとドリルのように横回転する。
 カワカミ社の偽装攻勢防壁が密かにこちらを焼こうとしていると警告。

【サイバースペースに不可視に溶け込んでいたイカグリをサーボスカルが光をあてて表示させる】
 【→さらにヤドリギの抽出コードの一部に、カワカミ社コードの癖との類似点を示唆】

≪0000111100111≫

 さらに白い帯状の霧が不可視状態より曝け出される。先程の衛星に持っていかれた動揺らしきパルスの残滓。
 が、サーボスカルのプログラムではここまでらしい、機能がない。
 偏執的発狂プログラム因子の蚊が飛び回っているおり、追跡の邪魔をしている。
 これを如何にかすれば、アバターの向こう側にたどり着けるだろう。

【→0000111カミ社0001015実験00010001部署0011101モリグ01101ス001ス】
 【→000電1ペルソナ110実験失敗0001110発狂0001110】【→
458 :アメリア@ちんちくりんNPCだーくえるふ2015/02/18(水) 01:07:06.03 ID:wMxcpoqgO
>>457
「やっぱりデッカー権限は目立つわね。
 フルステルスなら、こうはいかないんだけど」

ちょっとぶーたれ。
まぁ、焼かれても仕方ないし、イガグリちゃんは
杖のフルスイングで残ったヤドリギに向けてホームランしておきましょう。
プログラム的加護を抜かれても、呪的加護のほうはこの相手ならまず抜かれまいて。

「骸骨ちゃんのほうのそれは、とりあえず焼いておくわね」

相手が蚊なら燃焼属性の蝶でさくっと消し飛ばせるでしょうから。

「コードの類似性のほうは、イムカ姐さんの方にとりあえず送りつけて、
 今さっきヤドリギが焼けた部分からアクセスして、ビルの防衛機構も再起動しましょうか。
 ファイアウォールの例外指定、外しておくわね」

ぽちぽちっと、追加コマンド入力。
類似性があり、完全に素通りということはホワイトリストを騙してるんでしょう。
ならカワカミ各方面からのアクセス全部ホワイトリストから外してしまえば
少なくともここへのアクセスは遮断されるはず。
通常の企業アクセスなら遮断でとまるけど、生身と人格繋いで載せてる奴はサイバーゴーストの仲間入りかしら
459 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/02/18(水) 01:21:16.23 ID:WntWHYIfo
>>456

≪0001110101≫

 サーボスカル曰く、正義を行うのは目立ってナンボ。との事らしい。
 その割には、守られないし、報われるところ少ないが仕方なし。

【明らかに欺瞞に満ちたイカグリは杖で跳ね返され(プログラム攻防の擬似表現)、
 無理矢理に押し付けられたヤドリギの幾つかに付着】
【ブクっと膨張したイカグリに貫かれ、ヤドリギは粉々のノイズとなり消えていく】

≪0001110111≫

 纏わりつく蚊(プログラム)をうっとしそうに回避していたスカルの周囲に
 蝶が舞い、すぐに炎となって、蚊を吹き散らした。

≪000011110111≫

 カワカミ社リスト侵入(権限外犯罪行為)、書き換え完了。
 強化現実の周囲の色が赤から青へと変化して、ヤドリギは残らずノイズとなり消えていく。
 ウィルスを残されている形跡を洗って、ひとまずは状況終了だろう。

≪あー…聞こえるか?UNIXの暴走が止まった。この場はとりあえず終了。
 相手の身元も突き止められそうだが…あからさまな企業からの情報提供。おなじみのトカゲ・テイルだ。
 たぶん、本人はもう廃人だろうな。戻ってもいいぞ≫

 と、言ったところでスプロールではさして珍しくも無い犯罪の一部が終わる。

//んではコレニテノシ
460 :アメリア@ちんちくりんNPCだーくえるふ2015/02/18(水) 01:24:01.62 ID:wMxcpoqgO
>>459
「あー、ちょっち無茶したけど
 あたしの今の立場、ねーさま所有のAIってことになってて
 人格とかないから、後処理おねがいねー」

権利外犯罪行為→AIの独自判断による事故にこそっと書き換えをしておくのは忘れません。
マッピング上のエラーだからしかたないね!

「どこかのしっぽさんには冥福を祈っておきましょ」

//
お疲れ様でした〜
461 :ヨブ・バロウズ【扇動者】>>325[saga]:2015/02/18(水) 22:07:56.65 ID:WntWHYIfo
【スプロール:カノッサ・テクノロジー社】

「CEOはお遊びが過ぎます」

 ある豪奢なリムジンの中、サイバーサングラスの秘書(?)
 否、C.T.S.S.所属クローントルーパー、α-12は、ヨブ・バロウズをジト目で見ていた。
 そんな彼の隣には、寝息を立てている己とそっくりの顔。半人が暢気している。

「そうかね?」
「ギャラエ=サンの敵です。何故、態々、敵のしおを送るような真似をするのか――」
「どちらに転んでもいいようにだ」

 この会話は単方向音声を用いたものであり、傍受は不可能である。
 バロウズは舞台役者のような動きで指を一本ずつ左右に立てながら、

「私が味方として彼女に付く。ギャラエ君が敵として彼女に相対する。
 カノッサにとっては結果はどうあれ、介入する可能性。その筋道が出来上がる。
 彼女と繋がっている大きな何か…システムめいた存在にね」
「…迂遠に過ぎます」
「いつもの事だよ。カノッサは拙速を好まないというわけだね」

【そのままリムジンはスプロールのアップシティ。
 カチグミハイウェイを移動し、カノッサ・テクノロジー社へと向かっていった】

//はぢまりはぢまり〜
462 :タェンティース・リペア【対異能戦闘用人型兵器】【ドレス・イムエト】[sage]:2015/02/18(水) 22:18:17.19 ID:91DfoiKV0
>>461
果たして涎を垂らしつつ呑気に眠る半人に、システム的深刻な事情があると知らぬモノが見て察する事が出来るだろうかいいや出来ない
それ程までに、扇動者の力の効果もあり極めて無警戒な仕草である

「……、ーヤ、……レス、」
「……もう食べられないよー……」

意味あり気な単語の断片、その後の全く無意味な言葉は何故か鮮明
仕方ない、こういうお約束なのだこういう場合は

「……zzz」
「zzz……っ!?」

破れる鼻提灯、驚いて飛び起きる、リムジンの屋根に頭を強かにぶつける
咳払いひとつ慌てて取り繕って普段を装い、腰を下ろせば頭を下げた

「あ、痛たた……」
「ぁ、ど、ドーモ、すみません、すっかり寝入ってしまって……」
463 :ヨブ・バロウズ【扇動者】>>325[saga]:2015/02/18(水) 22:27:43.57 ID:WntWHYIfo
>>462

【リムジン(?)】

 跳ね起きたタェンティースであったが、リムジンの中はやや様相を変えていた。
 先ず、ヨブ・バロウズと銀髪褐色の秘書の姿が消えており、
 後部シートにはタェンティースだけが座っているという状態だ。

【そして、外の様子もおかしい。闇夜のハイウェイは緑色に発酵する0と1のが流星のように流れている】

「ふふふ…ファーッハッハッハッハッハッ!!」

 そして、起き抜けにはややうざったい高笑いが彼女をお出迎えだ!
 白衣に無精ひげ。整っていない黒い髪。何時ぞやのタェンティースのブラッシュアップの際に、
 お目にかかったカノッサ・テクノロジー社ロボット部門(万年赤字)主任の男である。

「久しいな!スモトリゴーレムよ!また散々ボロボロで実に結構だ!」

 なお、この名称はベッドから落ちた時のタェンティースの重量感から来ている。

「ああ、そろそろ察して言いと思うが、ここはVAM(擬似感覚機構)で構成された強化現実だ。
 現在、貴様の本体はもうリペア工程が始まっている。
 ただ、前回と異なり、貴様自身にもイロイロと要望や課題があるだろうからこうして場を設けたわけだ」

 主任が空間を指差すと、中空にホロウィンドウが開き、眠っているタェンティースの姿が見えるだろう。

「まあ、簡単なミーティングの場と思えばいい。気楽にやってくれ」

 ポコン☆と可愛い音と共にオイル缶に入ったオレンジジュースが出てくる。
 微妙にセンスが酷い。
464 :タェンティース・リペア【対異能戦闘用人型兵器】【ドレス・イムエト】[sage]:2015/02/18(水) 22:37:18.63 ID:91DfoiKV0
>>463
「……あれ」

独りで虚しく取り繕っていた現実に気が付く、まさに空虚
窓の外の奇怪な風景が目に入れば思案、だがそれは途中で途切れる事になった

「……あっ、はい、その節はドーモ……」

低血圧よろしくローテンション
この相手には感謝こそ抱いているが体調不良の起き抜けには正直辛い

「なるほど、そういう……」
「不具合はまぁ、体はそうでもで内部が結構……」

そう、ハードの修復自体は以前ディーナに依って大半を終わらせているのだ
問題はソフト面、そしてカノッサ曰く『ソーサリー』つまりイムエト関連の魔翌力部分

「恐れ入ります……」
「要望、と言いますとわたし的には武器が矢張り」

あとは武器を振るえる万全の体調
オイル缶をぼんやりと眺めつつしかし確固たる決意で小さく頷いた
465 :ヨブ・バロウズ【扇動者】>>325[saga]:2015/02/18(水) 22:46:59.22 ID:WntWHYIfo
>>464

「まあ、そうだろうな。今回、細かいフレーム調整と機能選択もあるが…、まあ順にやっていこう」

 空中から現れた紙とペンを掴む主任。
 凄まじい速度で指が動き、早くも何事かビッシリと書き込まれていく。

「まずはそうだな。あの奇怪な泥だ。
 アレは貴様にパワーを齎してもいたが、今回は障害の決定打となった。
 いわば、現在の境遇そのものの原因とさえ言える。そういう認識でいいな」

【先ずは現状の再確認。これは大切である】

「ふっふっふっふ、妙な技術と暴走…熱いな」

 何やら珍妙な言もほざいていますが気になさらずに。
 科学者というのは得てして、どっか脳のネジがかわいそうなことになっている。

「さて、それでは本題だ。不安定性も明らかとなったオカルト技術。
 確かに有用ではあったが、リスクは実際高かった。このままにしておくか。
 それとも、機能の一つとしてデチューン。制御しやすいように加工してしまうか?」

 魔術的障壁展開やら、身体能力の向上と何かと汎用性の高いイエムトをどう扱うか?
 方向性を定める上では避けては通れないポイントであろう。
466 :タェンティース・リペア【対異能戦闘用人型兵器】【ドレス・イムエト】[sage saga]:2015/02/18(水) 23:01:38.62 ID:91DfoiKV0
>>465
「恐れ入ります」
「……そう、ですね、制御不能に陥るのは完全な予想外でした」

イムエトの暴走、半ば取り込まれ自己依存という名の暴力衝動のままの破壊
半人の理性は薄氷を隔ててそれを見ていた、動かぬ体で
記憶は朝焼けの夢が如くに朧ではあるが、それでも贖罪と後悔の念が同じく霧散するわけでは決してない

「…………」
「……イムエトを、最小限に抑えて魔力を体内に留める……
 安定して貯蔵出来る『炉』を造る事は可能でしょうか?」

損失していた腕や脚の代用としてイムエト体を使っていたのだ
それらを修繕した今、言ってしまえばイムエトは不要である
だがそれでも泥を捨てていないのは咄嗟の応急的修復が可能であるが故

かつて魔法世界での戦争の際、魔力の用力の基礎は身に付けている
ならば今は変換後即座に消費しているだけの魔力を留め、そして必要に応じて使用すると言った芸当も可能……なはずだ

早い話、イムエトを弱めその分万能性を重視した魔力を手に入れようとしている
467 :タェンティース・リペア【対異能戦闘用人型兵器】【ドレス・イムエト】[sage saga]:2015/02/18(水) 23:03:43.50 ID:91DfoiKV0
>>466
ならば今は変換後即座に消費しているだけの魔力を留める機関があれば、それを必要に応じて使用すると言った芸当も可能……なはずだ

//に変更でお願いしますです
468 :ヨブ・バロウズ【扇動者】>>325[saga]:2015/02/18(水) 23:11:16.56 ID:WntWHYIfo
>>466

「なるほど、魔力…ソーサリーエネルギーだな。それを用いるか。
 発想は悪くないが、基本的にソーサリーとテクノロジーに関して、
 このスプロールの技術では相性が良いとは言い難いというのは覚えておけ」

 魔力を留める機械的な炉というのはどうやら難しいようだ。が、
 既にあるイエムトを応用すればいけるのでは?と。

「イエムトを魔術を貯蔵するドローンとして用いてみるか。
 それとも体内に仕込んでおくか…方向性はいろいろとあるが」

【イエムトの扱いプラン】

 ・ドローン化:魔力貯蓄、相手にぶつけるという使い魔めいたドローンに加工
 ・体内機能:基本的にこれまでに近い運用+魔力貯蔵の役割を持たせる(諸機能は低下
469 :タェンティース・リペア【対異能戦闘用人型兵器】【ドレス・イムエト】[sage saga]:2015/02/18(水) 23:20:35.07 ID:91DfoiKV0
>>468
「分かりました、ですがその中でも最善を尽くして下さるとわたしはあなたを疑いません」

未開の分野である魔力に対し、生粋の技術者であるこの男がたじろいだりするだろうか
半人の出した予測はNOだ、科学者の本能を刺激するに値する案件であると賭けに等しい答えを見出していた

「泥ー……? あ、ドローン、ですね」
「……出来得るなら矢張り体内が」
「……結構、乾き易いんですあれ……」

イムエトの体を扱っている間、常に意識に留める事をしなければならなかったのは補水と補充
直射日光や熱波に弱く、また逆に水に浸かれば溶けてしまう
イムエト一部そのものを魔力炉に見たて、体内に納めるつまり半人が望むのは後者である
470 :ヨブ・バロウズ【扇動者】>>325[saga]:2015/02/18(水) 23:28:17.89 ID:WntWHYIfo
>>469

「分かった。運用そのものは大して変わらん。
 傷の修復に体内から出てくる…かさぶたの機人版というわけだ」

【イエムト:運用はそのまま。ただし魔力の貯蔵、安定性の向上と引き換えにスペックが一部ダウン】
 【→何を得て、何を失うかは委任】

「次は…ふっふっふ、俺好みにいかせてもらーっう!!」

 なんでこの男こんなにテンション高いの?と思ってはいけない。

「ズ・バ・リ・ッ!!戦闘スタイルだな」

 沢山のディスプレイが開く。主にはタェンティースのこれまでの戦闘データである。
 剣で戦うのを基本に障壁を張ったり、人間みたいになったり、 
 まさに兵器というゴッツイ追加ボディつけたりと様々である。

「基本は軽剣士というスタイルだな。速度で潜り込み剣技で倒す。
 ここを突き詰めるか、汎用性を新たにするか、と言ったところだ。
 いっそ、ガラっと変えてしまうというのもアリといえばアリだが」

【剣士スタイルを突き詰める→現在の能力に新たな方向性を提案】
【汎用スタイルに移行する→遠距離火器、または固定武器を追加して戦術選択を広げる】
【スモトリスタイル→重武装万歳!巨大なボディを巨大なブースターで巨大にパワ!モーターヤッター!】
471 :タェンティース・リペア【対異能戦闘用人型兵器】【ドレス・イムエト】[sage saga]:2015/02/18(水) 23:45:29.61 ID:91DfoiKV0
>>470
「お願い致します」

小さく一礼、そういえば鼻水が止まっている
実世界とやや異なる現実にいるのだとそんな事で改めて再認識

「……!?」
「え、えぇ、宜しく……」

若干引き気味、というより気圧され気味

「一応、現状で火器の装備も可能ではあります」
「ただなんというか、まぁ、余り好みではないと言いますか……」

ひとが実戦の中で技術を練達していく様に、半人も剣技を研磨していた
それは孤立無援的実戦試験投入で火器が届かぬ中ある意味苦肉の策ではあったのだが、プライドが芽生えるには充分な期間でもある
【ついでに中国拳法めいた奇妙な拳法術の心得もあったりするのだが割愛】

でも、と区切って続ける

「火器使用の際の……FCS(射撃管制システム)?」
「わたしの搭載しているそれは多分性能が高くはありません」
「……換装を、お願いしても?」

目的の為に、誇りと自負は時として阻害要因である
とはいえ装備類の基本は変わらず、万一の際の射撃性能や敵火器の射撃予測なんかを向上させたいらしい
スタイルとしては変えず、有事の際の射撃性能と対射撃性能重視を希望
圧倒的パワに関してはまぁあれだ、また今度現場で必要に応じてやる時もあるだろうきっと
472 :ヨブ・バロウズ【扇動者】>>325[saga]:2015/02/19(木) 00:00:08.08 ID:H8OG/tlAo
>>471

「では、スタイル自体はこのままに火器管制システムの換装だな。
 言っておくがあくまでオプション要素だ。容量と機構の都合もあるしな」

 よって、体内に武器を仕込むサイバーインプライトやモーターヤッターする夢は絶たれた。
 FCSユニットの換装が決定しました。

【タェンティースデフォルトFCS→スプロール製レンラク社汎用FCS】
 【近接戦闘時用のエネルギー容量を減らしては話にならないのでマイルドに行く】
【→少なくとも不得手からは脱却+対射撃補正が僅かに向上】

「軽剣士のままで行くなら、機動性だな。幾つか提案はあるし、安定性重視で今まで通りでもいい」

【機能追加提案(脚回り)】

 ・逆間接脚 「上下運動の動きは破格になるぞ?こうビヨーン!と、スゴイぞ!」

 バッタのような脚になった己自身の3Dモデルを見せ付けられる!カッコイイーヤッター!

 ・タンク 「男のロマンが詰まっている!安定性は無類だ!ブースターを点火すれば前移動もスゴクハヤイ!」

 背か著しく低くなり。マッシヴな下半身が追加されたタェンティースの3Dモデr(ry

 ・二脚改修 「ローラーダッシュ機構の追加だ。接地している時に機動すればかなり早い。角度によるが壁を駆けることも出来る」

 滑るような動きと、通常歩行を併用すれば、タイミングにより相手を惑わす動きも可能になるかもしれない。
473 :タェンティース・リペア【対異能戦闘用人型兵器】【ドレス・イムエト】[sage saga]:2015/02/19(木) 00:11:32.18 ID:aWmWpJhS0
>>472
「……どうも」
「古いのは……よければどうぞ、この世界なら骨董的価値があるかもしれません」

機械の、それも中途半端な技術の骨董品程無価値なモノはあるまい
独自企画の塊たる、タェンティースの生まれ故郷産のジャンクFCSである

「……えーと、その……」
「とても、素敵で、お気持ちは有難いのですが……」

そして様々な提案を目の当たりにして言い淀んでいる中で、ひとつ

「……ん、これ……」

ローラーダッシュが目に留まる
ただディーナに依って無事修復された脚部底面は有機体だ
ならば

「……通常履いてる靴に、これ付ける事出来ます……?」

オプション装備として、それを選択する事を選んだ
474 :ヨブ・バロウズ【扇動者】>>325[saga]:2015/02/19(木) 00:22:29.81 ID:H8OG/tlAo
>>473

「靴につけるだけではエネルギーが確保できん。そう都合良くはいかん。
 そうだな…貯蔵した魔力の使い道。そっちに回せるようやってみるか?
 後は有機体を捨てて機械的に改修するか、だ」

【提案1:靴というよりブーツめいたモノになる(脚にがっちり固定されたブーツが必須/魔力リソース)】
【提案2:有機体の脚を捨てて機械型の回収(上記と比べて安定性と機動性向上/内燃機関リソース)】

「よし、ではこれで以上だな。目覚めた時には終わって――00001110011」

 リムジンの内部が輪郭を失い、ワイヤーフレームめいて単純化。分解されていく。
 VAMの終わり。現実に飛翔する刹那の乱れなのであろう。

【一瞬、満天の星空の光景の幻視。そこには雄大なる宇宙船間の群れが火を尾にしている】
 【その艦橋に佇む、豪壮な機械鎧を纏った偉大な戦士。炎のような赤髪と、それに似通った赤い刃】
【何処かの誰かの原風景。そのような幻視…が、すぐに終わる】

 −−−−−−−−−−−−

【カノッサ・テクノロジー社 ロボット部門ラボ】

「起きろ!スモトリゴーレム!」

 寝台に寝かされたタェンティースにパリセンが振るわれる!
 超古典的な目覚めさせ方!ヒドイ!

「起きろ。回収は完了だ。そして武器の用意もしておいた。」

 不機嫌そうな表情でタェンティースを見やりながら主任は、
 保存ケースに大仰に保管されている一振りの剣を示す。それは――

【真っ赤な刀身の剣。刀身にはルーン文字が幾つも掘りこまれ、テクノロジーのみの産物ではないと示している】

「CEOが昔、使っていた武器だそうだ。調べてきたが機能は折り紙つき…というよりソーサリーが混じっている。
 俺の専門外なのだがな。ええと――」

 魔術的な力≠ニ科学≠フ融合。
 聖別された銀の破片が混じった強化鋼の刃には古のルーン文字が刻まれている。
 このように刃には原始的な素材が使われている一方で、柄の部分には高度なパワージェネレーターを内臓。

「アラクレームの赤き刃。この剣の銘だ」
475 :タェンティース・リペア【対異能戦闘用人型兵器】【ドレス・イムエト】[sage saga]:2015/02/19(木) 14:27:51.82 ID:4BMqhe/sO
>>474
>>474
「前者でお願い致します」

淀みなく応じる半人
有機と無機の比重は修復を終えた今がベストであると直感的に確信している
ならばそれを守りつつ新たな機構を手に入れる為に外装式を選ぶのは自然な事だ

「……はい、分かりました、ありがとう……、……?」

頭を下げて、そして異変を察知
デジタル解体されて消え行く周囲、瞬きの合間の過去幻視
紫紺の宇宙に於ける真赤は極めて鮮烈な印象として半人の網膜脳裏に焼き付いた

「……あ痛ぁっ!?」
「、……あれ、今の……夢……?」
「あ、どうも、おはようございます……」

涙目で頭を摩りながら一礼
夢現の確認なのだろう、ぐーぱーぐーぱーと2度繰り返してそれを見詰める

「……え、これ……CEO、あの方の……?」
「そのようなモノ、頂いてしまっていいんですか……?」

物凄く重要そうなアイテムである
おずおずと手を伸ばし、本心では早く柄を握り振り回したい衝動に駆られながらも遠慮がちなもうひとつの本音がそれを躊躇わせている
476 :ヨブ・バロウズ【扇動者】>>325[saga]:2015/02/19(木) 19:55:32.68 ID:H8OG/tlAo
>>475

「ああ、それは――」
「私から話そう」

 主任が言いかけたところで、ラボの入り口がスライドして開く。
 そこには件のヨブ・バロウズ。主任はやや慌てたように頭を下げた。
 傍らにはサイバーサングラスをつけた褐色の少女も追従する。

「概ね完了したと聞いてね。報告を」
「ハイ、ヨロコンデー」

 タイミングが良い…というよりはこれもある種の信頼感の演出であろう。
 気にかけている、という。それは虚実定かならぬ演劇であり俳優のようでもあった。

「イエムトについては安定化と魔力炉、魔力回路としての機能を試験的に持たせています。
 ただし、機能追加の代償として、幾つかのスペックダウンは避けられませんでした」

【ドレス・イエムト改修プラン】
 【身体的特徴も変化するだろうか?→少なくともドレスのように覆われていた形状は変化する?】
  【運用法の変化によりスペックバランスが変化→機能追加+機能低下+機能削除】
   【調整完了+安定化により不具合改善】

「戦闘スタイルに関してはこれまでの経験データを踏襲。FCSの換装に留まっています」
「FCSの性能は?」
「容量の圧迫と処理負担のバランスから考えて、こちらは補助的な機能と割り切りました」

【戦闘機能改善プラン】
 【戦闘スタイル得手不得手そのものに大きな変化は無し】【+銃器取り扱いスキル(人並み程度)】
  【銃器が扱えないことは無い。が、基本的には補助要素と割り切ったほうが良い】

「機能追加…こちらは試作でローラダッシュブーツを新たに作成。
 外付けであることと、魔力要素を加味していますので、安定性にやや難がありますが」

 脚にしっかりと固定できるブーツタイプの追加装備がお披露目される。
 外観はスプロールらしいメカニカルな形状であるが、内実はソーサリーにも位置する。

「イエムトの魔力で稼動します。出力調整と挙動は…経験で慣れろ。という以外はありません。
 まったく、魔力素材部門の連中に借りが出来てしまいましたよ」

【機動性能向上プラン】
 【魔力可動式の外付け式ローラーダッシュ装置を追加。接地状態の時の速力向上+滑るような動きが可能】
  【→装備の名称・外観の詳細に関してはタェンティースの要望に応えるということで委任】

「あと、以下の中で希望のモノがあればこれより追加する予定です!」

 −−−−−−−−−−−−−−−−−−
 【おっぱいミサイル搭載プラン…胸部にマイクロミサイルを追加。副次要素としてバストが豊満になる】
 【CODE-SAYONARA…漢のロマン自爆装置。頭部だけシュポーンと抜けて緊急脱出。全装備と機関部は勿論失う】
 【ジェット飛行追加プラン…機動性をさらに追及。ただし、ジェット炎は尻から出る】
 −−−−−−−−−−−−−−−−−−

「スモトリゴーレム、どうだ?欲しいか?遠慮するな。全乗せも辞さんぞ?」

 主任はやりきったといった感じの目と目が離れすぎていない見事なドヤ顔だ!

【このロボット部門の斬新極まる提案にバロウズも思わず顔が引きつっている!】

//改造プランのまとめ。剣についてはこの次で話題に!
477 :タェンティース・イオナ【対異能戦闘用人型兵器】【ドレス・イムエト】[sage saga]:2015/02/19(木) 21:05:50.57 ID:4BMqhe/sO
>>476
「……あっ」

ぱっ、と表情に光が宿る
視線の先には無論バロウズの身姿が
芝居めいた都合を単純に信じ込み信頼と共に一礼

「えぇ、お願い致します」

マウトヘッド(ニア)に似た少女の淡々と(?)した報告に頷いて聞きいる

イムエトの変容
→体内各所のデッドスペースに収納、必要に応じて使用
 安定性向上の反面機能低下、暴走を用いて展開していたバリアフィールド喪失

戦闘機能向上
→新型FCS装備、射撃戦及び対射撃戦性能若干向上

機動性向上
→ダークシルバーの膝までのブーツ
 ローラーダッシュ機能追加、反面重量の為通常走破能力若干低下
 また使用時は魔力を傾ける必要があるためイムエト使用不能

「あっはい全部いりません」

追加プランに対しては無慈悲なる宣告
微笑みと共に一刀両断である

「……あの、このブレードですが……」

そしてそのやり取りを茶番扱いし本命に、バロウズへ問い掛ける
内容は無論、真赤の剣の件である
478 :ヨブ・バロウズ【扇動者】>>325[saga]:2015/02/19(木) 21:58:33.68 ID:H8OG/tlAo
>>477

「なっ!?」

 自信マンマンのプラン全否定に主任思わず驚愕である。

「くそっ!何という扱いだぁ!豊満でも平坦でもない需要に乏しい乳の分際d」
「………」

 この台詞に何故か頭に怒りマークをつけた少女が主任の首をキュっとやって沈黙させる。
 これは話を円滑に進めるためであり私怨ではない。全部、オリジナルが悪いのだ。

「捨ててきます」
「アッハイ」

【ずーりずりと引きづられて主任さんは退場】

「…見苦しいところを見せてしまったね」

 咳払いして間を置く。この偏ったアレな雰囲気を是正します。

「その剣は先程、説明があったと思うが、私がかつて…
 ある騎士団(オーダー)に所属していた頃の一振りでね。
 ほとんど死蔵していたような旧い剣だが、君さえよければ使ってもらいたい」

【声と共に保管ケースが厳かに展開する。赤き刀身の騎士剣】
 【それは、タェンティースが覚醒する直前に視た幻視と同一のモノである】
【→剣の詳しい形状は委任(要素:騎士剣、両刃、赤い刀身にルーン刻印】

「ネメシス・フォースソードという名でも呼ばれるモノだ。正義、意志、結合、制約のルーンが刻印されている。
 人類を歪みの脅威から守護するために生み出された剣。――ふむ、守護…か」

 バロウズは剣を掴み、赤い刀身を見る。その瞳と声音にはどこか自嘲めいた色が混じる。
 が、それも一瞬。余裕のある経営者という仮面が即座に被り、刀身を黒い鞘に収める。

「柄に内臓したジェネレイターより刀身に破壊的エネルギーフィールドを展開。
 対装甲にも十全な効果がある。が、過剰な破壊力は不必要な場面で用いるモノではないし、
 エネルギー消費も激しい。扱いは慎重にすることだ」

 赤い刀身を収めた鞘を両手で持ち、それをタェンティース差し出す。
 それは何処か儀式めいた厳かな雰囲気を孕んでいた。

「この剣…アラクレームの赤き刃も時代を経て、再び振るわれる時を待っている。
 遠慮は不要だ。君の真なる剣を取り戻すための力。持っていきたまえ」

 ――かつての浄化者(ピュリファイヤー)の剣。そして呪われし背徳者の剣。

【アラクレームの赤き刃…
  エネルギーフィールド機構(テクノロジー:破壊力を一時的に増大、熱暴走注意)
  ルーン刻印(対霊属性アリ。ただし、ルーン刻印は全て逆位置。聖剣ではなく邪剣の類である)】
479 :タェンティース・イオナ【対異能戦闘用人型兵器】【ドレス・イムエト】[sage saga]:2015/02/19(木) 22:23:45.13 ID:aWmWpJhS0
>>478
「アッハイ」

お願いしますと先程まで自身の改修を受け持ってくれた信頼すべき技師がポイッチョされるのを無慈悲に見送る

「……い、いえ、そんな」

問題はありません、と緊張に視線を泳がせながら
この緊張は警戒からではない、もっと別の心境から来るモノだ

「……そんな、尚更頂く訳には……」

否定を行おうと、これは完全なる本心本音だ
バロウズに握られる赤剣は正に、パズルのピースがピタリとハマるようである
本来あるべきモノがあるべき箇所に存在する
これを持つのは半人には荷がかちすぎるのだと躊躇
だがそれでも、バリトンのボイスと紳士の振る舞いの一挙一動
そうやって差し出されれば、おずおずと手を伸ばす他にない
最初は弱々しく、しかし次第に力を籠めて握る

バチィ!!

体内の魔力が厳かな気配を察して怯える
金色の粒子が残光を帯びながら、剣を握る腕の周囲を螺旋めいた軌跡で輝いた

「……感謝の言葉も、ございません……本当に」

深く深く一礼、新たな力を得た半人
480 :ヨブ・バロウズ【扇動者】>>325[saga]:2015/02/19(木) 22:40:29.35 ID:H8OG/tlAo
>>479

「いや、構わんよ。経営に現を抜かしている私より君にこそ振るう資格がある」

 イエムトが循環させる魔力回路に反応して仄かに輝く逆位置のルーン。
 まどろみの中で訪れるであろう闘争の愉悦を夢見る。

【これを振るい、善を為すか、悪を為すかはタェンティース次第だ】

「以上だ。請求額はかなり面白い数字になっているが、挫けずに励みたまえ」

 バロウズ個人名義の無利息の借用書がぽーんとタェンティースにデジタル転送。
 その額は…まあ、見なかったことにするのが精神衛生上とても良いだろう。

【バロウズもこのジョークに思わず含み笑い。愉悦である。まさに悪の親玉】

「さあ、行きたまえ。為したい事を為すといい。そうだね――」

 少しだけ考え込んでから、タェンティースの眼を真っ直ぐに見て、

「また会おう。君の自由な旅に幸あらんことを」

//ではこのシーンはこれで〆でっでで
481 :タェンティース・イオナ【対異能戦闘用人型兵器】【ドレス・イムエト】[sage]:2015/02/19(木) 22:58:54.83 ID:aWmWpJhS0
>>480
「資格……」
「……そう、でしょうか?」

純に疑問の視線を投げ掛ける
だがそれは答えを期待しているのではない
自問自答の類だ、特有の諦観めいた気配を纏っている

「えっ……うっ……」

精神衛生上宜しくないモノを見て絶句
金銭以上に多大なる借りがあるのに、肝心のそれでもこれだ

「……はい」
「行きます、何処まででも」

己が魂を取り戻すまでは
真赤の剣を持ってして立ち塞がる、例え何者であろうと斬り捨てるのみ
力強く頷いて微笑み、青い瞳で見つめ返した

//ありがとうございましたっ
482 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/02/20(金) 23:11:37.08 ID:1qE4zSFGo
【戦闘訓練設備−0223】

 フィクションの多くでは所謂ハングリーで自己流なモノが強い場合が多く、
 いわゆる、金と装備にモノを言わせたカチグミ兵隊はその引き立て役になることが多い。

「が、あくまでフィクションはフィクションだ。夢のある話だし、夢でしかない」

 勿論、現実の多くはそれに当て嵌まらない場合が多い。
 金にモノを言わせるということは良質の訓練を行い、良質の教育を受け、
 良質の装備を得て、良質の状態で戦闘投入が為される。

【スタートラインから絶望的なまでのアドバンテージに立てるのだ】

「ま、そんなカチグミ連中専用の訓練施設というものある訳でな。
 このスプロールの数少ないいい所はマネーさえあれば手に入れられるモノが多いことだな」

 ここはドーム状の戦闘訓練設備。
 もちろん、マケグミ傭兵やランナーなどお断りの施設である。
 銃弾は使い放題。模擬訓練ロボット完備。そこらの仮想現実で訓練を行うしかない、
 十羽一からげの連中とは大きな差異のある経験を積むことが出来る。

【勿論、会員料はかなり笑える金額であるのは言うまでもない】
483 :タェンティース・イオナ【対異能戦闘用人型兵器改】【ドレス・イムエト】E.赤刃.ヘルメスの靴[sage saga]:2015/02/20(金) 23:19:04.04 ID:L7xbqsrY0
>>482
「最近、お金の感覚が狂ってきている気がします……」

チラリと目にした会員料の桁
先日の修復費もあり何とも世界の広さを実感しているところである
ともあれ赤い刃を携え、膝下までのロングブーツを履いた半人

「……訓練施設ですか、なんと言いますか……」

凄い所だ、と改めて周囲をぐるり
広く、そして整った設備
新調した装備や身体慣らしにもってこいだと数度頷いた
484 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/02/20(金) 23:27:45.17 ID:1qE4zSFGo
>>483

「久しぶりに会ってみれば、故障してました。ボディを新調しましただからな。
 まったく、君はムチャばかりというか、節度が不足していると言うか」

 くどくどと何やら言っているイムカ。
 まさかヒノモトで別れた後に妖気で暴走していましたとか、笑い話にもなりゃしない。
 彼女なりの友情の気持ちなのだろうが、どうにも愚痴っぽくなってしまうのだった。

「慣熟訓練は必要だろう?どのみち。
 身体の動かし方を間違えました。大破しましたではしゃれにもならん」

 言いながら、ホロ・キーボードを操作するイムカ。
 すると、向こう側の入り口がガチャコンと開いて、逆間接型の如何にも戦闘ロボなロボットが出てきた。

≪訓練用ロボット。カノッサ社B-235は賢く強い!様々な訓練ニーズに完璧にお答えします!≫

 なんか不安感一杯な電子音声で己の優位性能を読み上げる訓練ロボ。

「ちなみにカノッサ社のロボは…言わなくても分かるな。
 遠慮なく殺しにかかってくれるということで、ハードな訓練を求めるユーザーに受けている」

 万年赤字採算部門のロボ。イムカも自分で紹介しておいて僅かな頭痛を覚えざるを得ない。
485 :タェンティース・イオナ【対異能戦闘用人型兵器改】【ドレス・イムエト】E.赤刃.ヘルメスの靴[sage saga]:2015/02/20(金) 23:37:46.81 ID:L7xbqsrY0
>>484
「ちょっと、その……風邪をひいていたと言いますか……」

まぁ要するに風邪程度のコモン体験なのだ、最早半人取ってみれば
とは言え2度と経験したくは無論ない訳だが
ヒノモトでの暴走の件は言わないでおこう
後ろめたさからではなく、無駄な心配をかけさせてしまうのを半人は嫌った

「そう、ですね」
「この剣も、靴の感じも、覚えておきたいですし……」

抜刀、蓄積されたイムエトの魔力が赤刃に呼応
剣を持つ右腕の周囲、黄金の粒子が残光を帯びて螺旋めいて煌めく
賢く強いそのロボットをちらり

「なるほど……畏まりました」
「……ではわたしも、全力で行きますっ」

あの傲慢な、それでいて恩人たる技師の顔が脳裏に過る
目の前のアレも彼の作品なのだろうか
それ以上を考えるのはすぐにやめる
深くその思考に潜ってしまえば、剣が鈍る可能性すらあったからだ

「早速……って、きゃぁ!?」
「……っと、っと……!」

右手に剣を構え、イムエトの魔力をブーツに送る
甲高いローラーシャウト、加速加速加速
バランスを崩し掛けるも一瞬、立て直してロボットの周囲を旋回するように走る
486 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/02/20(金) 23:49:07.67 ID:1qE4zSFGo
>>485

「それならいいんだがな」

 溜め息をするイムカ。まーた何か隠しているなこの子は…という雰囲気。
 流石に子供の隠し事を察するくらいには年季も入っている。

【訓練メニュー開始】

≪とても訓練デス。投降はうけつけマセン!≫

 ロボットのサイバーアイがタェンティースの動きに合わせて、
 訓練用ゴム弾ガトリングを連射する。

【DODODODODODOと大迫力の連射音と共にタェンティースのローラーダッシュに追従するゴム弾】
 【→その威力たるや、掠っただけで鋼鉄で補強された床が表面コートごとグズグズに破砕するほどだ!…模擬弾】

「カノッサの手が入ったロボットは、ぽんこつで名高いからな。
 っと、そうだ、君はいったい何処で修理を――」

 なお、イムカのこの呟きに他意は無い。――無いぞ?

≪機動性重点!しかし、反応と動きにラグがありまス!
 足先ではナク、太腿でウゴかす感じをイメージしてくだサイ≫

 ビヨーンと逆間接を生かした跳躍を行い、
 上方より、脚を脚の間にある、チャイナキャノン砲を照準する!

≪弾道予測重点!銃口の向きと、破壊係数の予測が要デス!≫

 ドンドンドン!と空気を震わせながら貫通力を重視した貫徹弾が上空より降り注ぐ!
487 :タェンティース・イオナ【対異能戦闘用人型兵器改】【ドレス・イムエト】E.赤刃.ヘルメスの靴[sage]:2015/02/21(土) 00:03:15.81 ID:CNJkhwnq0
>>486
「……えぇ」

逆に心配を掛けているのかな、なんても思う
だがそれでも内容を知られればこんなモノでは済まないだろう
詮索を行われないのは有難いと同時に流石だと実感

「……えっ?」
「ちょっ……ひえぇっ!?」

投降不能な訓練、更にゴム模擬弾の意味のまるでないガトリング
空気が切り裂かれ、収束する軌跡を目の当たりにしたような悪寒

「何処でって……それは、その、」
「……彼、兄妹みたいな……?」

破壊を尾の如くに追従させて旋回しつつ指差す先はロボット
カノッサ製であればもしくはその表現もまぁ正しいのかも分からない

「太腿……?」
「……こう、かな……?」

致死に至る訓練の中、アドバイスを受けて体躯の動きを修正

「……!?」
「……っ!!」

新調されたFCSの情報を頼りに機動展開
スピードスケートめいた挙動、一回転
背な越しに感じる死の通過
膝を曲げてから跳躍、眼下に着弾

「……このっ……!!」

着地、ロボットの着地点を予測し近接を計り赤刃を振るう
488 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/02/21(土) 00:15:44.35 ID:L78iqtjYo
>>487

「ああ…なるほど。なるほど」

 カノッサ・テクノロジー社で修理したと聞いて、イムカは訓練ロボとタェンティースを見比べて、
 なんかを納得した。何がなるほどかはあえて言わないのが大人である。

≪B-235はとっても強い!≫

【なお、指さされた時には、自慢げにガッツポーズをキメていた模様】

 貫徹弾は鈍い轟音と共に床にコルクを抜いたような丸く綺麗な穴を穿つ。
 そのまま反動でやや後退しながら、訓練ロボは着地。
 そこにタェンティースの斬撃が差し込まれる!

≪近接予測とタイミングは花マルをあげマス!≫

 脚の膝にあたる部分から展開されているシールドで刃を受け止める。
 斬撃は幾つかの層を切り裂いたが、脚のフレームそのものを切り裂くには当たらない。

≪その近接武器は切れ味のシャープさ以上にパワをもう少し重点すべきデス!斬撃に伴う力の入れ方の修正ヲ!≫

 獲物が変わったことで、若干剣の扱い方にも変化が生じる。
 月光やソニックブレイドのようにシャープに切れ味で斬るタイプとやや異なり、
 加速とパワーを乗せて叩き斬るようなイメージがより近いという。

≪腕のトルクとタイミングを修正重点!ウェポンが変われば振るい方にも変化デス!≫

 腰部分をグルグルとトルネードの如く回転させながら、両腕を広げる。
 それだけでも、重量と加速が乗り、かなりの破壊力を有む。

【両腕のガトリングを鈍器のように扱い、腰を大回転させながら振るう】
489 :タェンティース・イオナ【対異能戦闘用人型兵器改】【ドレス・イムエト】E.赤刃.ヘルメスの靴[sage saga]:2015/02/21(土) 00:26:00.24 ID:CNJkhwnq0
>>488
「いやちょっと待って下さいそうも納得されると!!」

やや、いや結構ショックだ
ガッツポを決めるロボット、それとイムカの合間に視線を何度か行き来させる

「……っ、硬……っ……!!」
「力の入れ方……?」
「……うわぁっ!!」

衝撃音、ビリビリと腕に響く痛み
たじろぎ、ブーツへの魔力供給をオフ
踏み止まって赤刃を構え直した
直後襲い来る竜巻の如き殴打
バックステップ、そして腰を捻り斬撃を振るう
両脚から腰、背骨から肩、そして腕
流れるような力の流転、生まれる遠心力
鈍器の回転の末端を、ガトリングの銃口を裂かん勢いでの赤い一閃!
490 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/02/21(土) 00:33:51.41 ID:L78iqtjYo
>>489

≪ヨイ、一撃デス!≫

 ズガッと鈍い音と共に切り裂かれるガトリングガン。
 運動エネルギーを十全に活かせば、トルクのみに頼らなくとも過不足なくパワーが伝わる。

(んっ…?)

 イムカはタェンティースの振るう武器を見た。どうやら、何かしら見覚えがある模様。
 実際のところ、終焉の遠未来における近接戦用武器なのだから当然であった。

≪では最後に、武器の最大威力を試してくだサイ。
 調整がかなり難しいウェポンであると散見しまス!≫

 ジャッと脚のシールドを前に出し、そこからひょっこりと大きなボディを見せる。
 やや可愛げすらあるサイバーアイの視線であるが、
 反撃用にしっかり構えたチャイナキャノンが地味に酷い。

≪失敗したら死亡重点!投降は認めませン!≫

 アドバイス機能はそれなりにあるのに何故、破壊力まで求めたのか!
491 :タェンティース・イオナ【対異能戦闘用人型兵器改】【ドレス・イムエト】E.赤刃.ヘルメスの靴[sage saga]:2015/02/21(土) 00:44:29.30 ID:CNJkhwnq0
>>490
「……それはどうもっ!!」

応じながらそして斬れ味を再確認しながら肌で感じる
月光やソニックブレイドとは全く違った方向性の剣の進化、その先端に居る存在の威力を
イムカからの視線には気付けない、超至近距離戦の真最中なのだから
最もそれを問い質されたとすれば出処もカノッサであると程度には答えてしまうかもしれないが

「……分かりました、では……」
「……あ、く、ら……レェェェムッッ!!!」

両手持ち、ジェネレーター出力最大、破壊的エネルギーフィールド展開
刻印されたルーンが薄ぼんやりと輝く、全身の周囲を金色の粒子が煌めく尾を引いて旋回
咆哮が如きシャウト、踏み鳴り
陽炎を帯びつつ破壊の一撃を全力の元に横薙ぎに振るう
492 :タェンティース・イオナ【対異能戦闘用人型兵器改】【ドレス・イムエト】E.赤刃.ヘルメスの靴2015/02/21(土) 00:45:32.57 ID:CNJkhwnq0
//すみませんが今日はこれにて…
//返レスは明日の夜にまたっ
//ではお疲れ様でした、ありがとうございましたっ
493 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/02/21(土) 00:54:10.51 ID:L78iqtjYo
>>491

(やはり、パワーソードか)

 エネルギーフィールドが刀身より展開され、そのままに横薙ぎ!
 それは斬撃と呼ぶにはやや異なる軌跡と性質。

≪ピーガガー…≫

 縦盾を引き裂き、焼き抉り、そのままボディをエネルギーの奔流により、
 放電、燃焼、融解させながら、焼き切ったのだ!!

≪CODE-SAYONARA!≫

 瞬間、焼き切られるボディより、これまでの訓練データと殺傷数67人の誉れ高きデータを守るため、
 記憶ユニットがシュポーンと上に向かって射出された!

【爆裂!タェンディースが切り裂いたボディはそのまま爆発!】

≪――訓練終了デス!花マル!≫

 小さな記憶ユニットは手足マニュピレーターを生やすとガッツポーズを決めた。

「…いっそここで壊した方がいいのでは」

 などと、考えながら溜め息をつくイムカ。
 金糸の髪を靡かせながらタェンティースの方に近づいて、

「いい動きだったな。しかし、パワーソードか。随分型式は古いが良いモノを手に入れたな」

 赤刃を見て、そう言うのであった。
 なお、名称がバロウズの言っていたのとやや異なるのはイムカの知識以上に
 秘匿性の高い騎士団の武器であるためであったが。

「さて、終わりだな。訓練レポートの提出も忘れるな」
494 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/02/22(日) 21:46:36.27 ID:wU0nMvgYo
【スプロール】

 魔法について――

 覚醒事変を経て、この世界は好む好まざるに関わらず、
 魔法(あるいは能力)という事象と向き合うこととなった。何せ実際に存在するのだから仕方が無い。

 社会のアプローチは様々だ。魔法は未覚醒者にとっては特別な響きがあるものだったし、
 メディアも熱狂か恐怖、或いは排斥など極端な姿勢で臨み、それは今も続いている。
 もっとも、無知であるがゆえにポップカルチャー的に誇張されたりすることも多く、
 魔法・能力といった事象は正確さとは程遠いに捉えられかたをしているのが常であったが。

「法律的には魔法…異能と言い直した方がわかり易いか。
 異能を使った犯罪は概ね計画的犯罪≠ニして処理されることになっている。
 もちろん、企業によっては登録と生体サンプル提出の義務があったりする」

 法律を決めているのが国家ではなく企業というところが、ある意味でこの世界を端的に表している。
 と、そのような会話をしている内に空に常に君臨する重金属汚染雲ガ晴れてくる。
 それも不自然に。そして空に見えるのは夜空だ。現在は午前11時を回ったところであるが。

「企業による姿勢は様々でな。中には…企業の魔法活用(コーポレート・モジョ)を積極的に推し進めて、
 いつしか、魔法ギルドめいた特区を構築するメガコーポも現れた…というところだ」

 メガコーポ領内(ヘタすると一国レベルのサイズがあったりもする)ゲートの前に立つイムカ。
 旧時代的な表現をすれば、いわゆる国境めいた場所といえばわかり易いか。

【ここで入境が許されれば、この不自然な夜を生み出しているメガコーポ領内に足を踏み入れられるというわけだ】
495 :四五六 七八【賽印流忍術】[sage]:2015/02/22(日) 21:57:33.59 ID:3XxuaODo0
>>494
「ふーん」

相変わらず難しい事言うんだねぇと頬を掻く忍者少女
基本的に科学と魔法は相反するモノだ、調和を果し合い世界は多くはない
そして七八は魔法世界の住民である、スプロールのベースとなっている科学社会的都市とは無縁だ

「あぁ、まぁ、あれね」
「魔法が新興技術的な扱いを受けてる……みたいな?」

朝に昇る夜空を仰いで星を探す
鈍色の塔達に邪魔をされてそれは叶わなかった
イムカのナナメ後ろに立って、国境の向こうを眺めてみる

「……そういえば、傷は良くなったんだね?」
496 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/02/22(日) 22:10:55.18 ID:wU0nMvgYo
>>495

「まあ、私が言っているのは半分以上はただのタテマエだがな」

 法律云々がキッチリ履行されていれば、この世界はここまでカオスに沈んでいない。
 実際は放置・黙認されている野良能力者犯罪や魔法の暴走事件なんてのもザラである。

「新興技術という表現は間違っていないな。
 メガコーポとしてはこういう数字化しにくい(制御しにくい)℃柾ロは
 あまり好むものではないらしいが。積極的に受け入れるか、必要悪と看做すかは企業によって様々だ」

 イムカは入境警備員に幾つかの証明IDを提出しているところだ。
 なお、七八については、

「ああ、彼女は私の師匠?だ。うん。ニンジャだ。ニンポとか使うアレだ」

 と、かなり大丈夫か?な説明を押し通す気であるらしい。
 そして、手続き待ちの間は正直手持ち無沙汰となるというもので、

「ん、怪我もようやくな。我ながら惰弱なものさ」

 包帯を外したイムカは素顔のままで、恩人に人形のような無表情を見せるのだった。
 実は少し苦笑しているつもりだが、傍目からは見分けが付きにくい。
497 :四五六 七八【賽印流忍術】[sage saga]:2015/02/22(日) 22:24:24.34 ID:3XxuaODo0
>>496
「形骸化、って言うんだっけ?」
「まー、形は違えどあるよねぇそういうの」

法は魂までは裁けない、というやつだ
決まり事にしっかりと従う連中ばかりの世の中はそれはそれで不健全である
適度な混沌が必要なのは世の常だ、あくまで適度なではあるが

「貪欲か、因業かって事?」

どちらにせよ無視を決め込むには難しいまでに横行しているのだろう、魔法能力という物は
その不安定さをどう見、捉えるかの違いと言う事かと納得

「……師匠って……」

腕を組みジト目、ニンジャ云々に関してはノーコメント
この場合下手に否定すれば自身の身の安全に影響が出るのだと把握しているからだ

「惰弱な人は全身大火傷で数週間掛けて歩いて温泉入ったりしないと思うよ?」

片頬を釣り上げ答えるように苦笑
表情の変化を読み取れた訳ではないが、話の流れからしてある程度の取っているであろう所作が判別出来る程度ではあるらしい
前々から包帯巻きの顔と、つまりは無表情と等しい状態のイムカと付き合っていたが故だ
498 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/02/22(日) 22:39:02.91 ID:wU0nMvgYo
>>497

「イムカ・グリムナーの…師匠?」

 なんか入境警備員がボソボソと言葉を交わしあい、
 そして、幾つかのカメラや中空に浮く妙な水晶玉が七八に注目の視線(?)を浴びせる。

「拳を叩きつけてビル間を飛んだり…(ボソ」
「趣味の悪いドローン(サーボスカル)を連れていたり…(ボソ」
「変なカラテでヨタモノを上空高く吹き飛ばしたり…(ボソ」
「投擲武器を一度に15本以上投げたり…(ボソ」

「「「師匠!?」」」
「賽印流だ。覚えておけ」

 イムカは堂々と名乗りをあげるのであった。トンデモ風評被害が生まれた瞬間である。

【四五六 七八…ある界隈でちょっと知名度うp】

「入境が許可されました。滞在は最大で36時間となります。
 デッカー権限付与は今回、有効のままです。ヨーコソ、武行錬鉄公司へ」

【ドラゴンの意匠が彫られた極彩色のゲートが開き、入境が許可される】
499 :四五六 七八【賽印流忍術】[sage]:2015/02/22(日) 22:51:52.09 ID:3XxuaODo0
>>498
「……あ、あはは、どーもぉ……」

奇数の視線を浴びせられる経験は珍しい
ぺこりと軽くお辞儀、愛想笑い重点
賽印流がなんだかトンデモ解釈されそうな悪寒にしかし相手のこの人数と状況で否定する勇気はない
それにしても随分とまぁ色々とやっているんだなぁとイムカをチラリ

「ん、入れる感じ?」
「36時間……けち臭いね、決めなくてもいいじゃん締め切りなんて」

後半は囁くように耳打ち
高性能マイクの存在を知らぬが故の暴勇である
何処か大陸めいた空気感の門の向こう、現れるであろう景色風貌に期待は大きい
500 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/02/22(日) 23:05:34.35 ID:wU0nMvgYo

「デッカーが入り込んで行方不明になりました。なんてあまり好ましくないのだろうさ」

 七八と違って、こういう制限に違和感が無いイムカ。
 この辺は生まれ育った文化の違いもあるのかもしれない。

【街中は一見して他のスプロールの街と同じ猥雑さを持っていた】

 極彩色の髪色と様々なタトゥー、リベットでキメたヨタモノも居れば、
 妖しげなエセ魔法具の出店や、香ばしい匂いを振りまく焼肉屋などだ。

【しかし、よく観察すれば共通していないところもある】

 サイバネ義肢や、機械化されたボディのヨタモノもいない。
 常ならば街を覆うホログラフィネオンもない。
 もちろん、携帯通信機器であるコムリングまでは排されていないが、
 それでも、視界をサイバー空間に浸らせるサイバーサングラスを付けている者はいなかった。

【代わりに小さな蟲精霊が漢字だらけの光り輝く看板を手に宙で浮いていたり、
 地面から生えた豆の木の実が、街灯の役割を果たしていたりもする】
【水タバコ屋に沢山の人が群がりパイプを吸う。煙はドラゴンの形となり夜空に飛翔する】
【出店が並ぶ街道の両脇にそびえるビル群は極彩色に塗られ、特異な街である印象を与えようとしている】

「魔法を先端技術にしている…という誇示らしいが、やや演出過剰だな。
 なんでもかんでも魔法に結び付けようとしすぎて、却って不自然にも見える」

 科学の世界に魔法が後付けで入ってきた経緯そのままのような違和感だとイムカの言。

「さて、それじゃあ、先ずはどうする?私の仕事は観光がてらにでも出来る事だしな。今回」

 ちなみにイムカは何やらお仕事を少し抱えている様子。

【→魔法化合物屋に】
 【→とりあえず腹ごしらえ】
   【→ニンジャ協会へ】
501 :四五六 七八【賽印流忍術】[sage saga]:2015/02/22(日) 23:21:21.02 ID:3XxuaODo0
>>500
「あー……そういう」
「うわ、何これ?」

つまり逆説、リミットを設けなければならない事態が起きる可能性が充分にあると言う事になるのだろうかと一瞬
だがその思考を途絶するのに、街景は役割を果たした
奇怪なカオス、ある種スプロールの通常のそれよりも遥かに目を眩ませるのは七八に取って存知であった技術がその中に取り込まれているからであろう
未知の科学よりも矢張り、衝撃を受けるのはこの混沌の中に見知った色を見出す事が出来る時々なのだ

「不自然っていうかさぁ……」
「……ケバケバしい」

形振り構わず形から入るという矛盾、一刀両断である

「そうだねぇ、先ずはご飯って言いたいとこだけど……」

安心なモノ食べれるとこあるかなぁと周囲をキョロキョロ
もし食事に不安要素があれば持ち合わせの携帯食料で凌ぎ、その辺の商店(魔法化合屋)にでも入ってみるだろう
502 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/02/22(日) 23:36:12.77 ID:wU0nMvgYo
>>501

「やあ、いらっしゃい!」

 両目に巨大で奇怪なレンズを取り付けたタンクトップ姿の
 シツレイながらやや小汚い風貌の爺さんが、大きな声で二人を出迎えた。

【魔法化合屋…色とりどりのトタンと木材を接着剤で貼り付けたような珍妙な外観の店である】

 薄暗い店内では、オレンジや紫色に光る粉が山と詰まれていたり、
 木の枝と骨で作られたモジョが天井から幾つもぶら下がっていたり、
 大きなツボの中に乱雑に、仄かに黒い輝きを発する奇妙な石が敷き詰められたりしている。

「あれは魂石と言ってな。名前の通り魂を捉えた石だ。黒い色は人間のモノだ。
 ちなみにアレでは犯罪立証にはならん。レアではあるが、禁物でもないしな」

 あっさりと外道染みた内容を告げるイムカであるが、
 テクノロジーとて死体を電気変換機に放り込んで電力に変換してしまうような世界だ。
 生命の尊厳の穢し具合はさほど差が無いかもしれない。

【魂レベルで消費されつくされるという、死後も糞もなくなるという観点をあえて無視するが】

「ドーダイ、お嬢ちゃん。ちょっと高いが、イカガかねえ?」

 黒の魂石…マジックアイテムの消費回数と性能の向上。原材料は先程のイムカの言の通りである。

「他にも精霊を束縛する拘束籠や、賢者の草(麻薬)、宝物を保管するミミック(ドロボウの腕を噛み千切る)なんてのも」
503 :四五六 七八【賽印流忍術】[sage saga]:2015/02/22(日) 23:45:36.03 ID:3XxuaODo0
>>502
「へぇ、案外……」

それらしい感じの内装である
ウィッチクラフトめいた品々の数々、発光性を売りにしているのか仄暗い店内
やや無礼ながらもまた珍妙な空間を予想していた七八としては、逆に呆気に取られる形となった

「魂の?」
「うわぁ、エゲツない事するんだねぇ……」
「ん? あぁ、遠慮しとくよ、夢見悪くなるのは嫌だからね」

苦笑しつつ掌を見せて断る
半ば冷やかしに来たようなのに、高価なしかも呪物めいたモノを買う気には決してならなかった

「あー、水中でも燃える火のマッチとかない?」

要するに悪環境下でも点火出来る火種が欲しいらしい
火遁なんかに転用したり出来ないモノかとの考えだ
504 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/02/22(日) 23:57:43.70 ID:wU0nMvgYo
>>503

「ひっひっひ…お嬢ちゃん。魂の加工と利用は魔法分野じゃあ多かれ少なかれ行われているコトじゃて。
 コレはそれをちょっと解りやすい物品にしただけにすぎんよ」

 勿論、倫理的には大問題のため、この店を利用するのは通の客人が多いとか。
 探求と実践のためには、こういう物品を扱うイカれたお店は必要不可欠のようだ。

「水中で燃えるマッチ?フェッフェッフェ、随分とファンシーなご趣味のようだ。
 そこなバアさんの知り合いとはとても思えんて」
「うるさいぞ。若造が」

 イムカと老人の奇妙なやり取りである。
 が、実はそう外れてもいないのがアレである。アレ。

「ニンジャのお嬢さん。縄ならあるぞ?火縄。文字通りだがね。フェッフェッフェ。
 どんなところでも火がつく。点火にはこの燃える砂と使ってこすりゃあいい」

 そう言うと、太いの細いの様々なサイズの縄と、赤い砂の入った瓶を差し出す。

「火遁の術か。成る程な。こう印を組むと炎が周囲に出てくるアレだな。私にも(ry」

 なお、イムカはニンジャ物の本が大好きである。
505 :四五六 七八【賽印流忍術】[sage saga]:2015/02/23(月) 00:10:32.77 ID:KoG/IFOE0
>>504
「分かり易過ぎるのは問題なのっ」
「目の前で屠殺から入られると食欲なくなるでしょ?」

と言い例えてみるが果たしてスプロール人に通じるかどうかは微妙だ
だが飽くまでも七八個人としてそういった代物を嫌う反面否定する事には至らない
こう見えても忍者の家系に生まれ教育を受けている中で、ドライな見解も世界には必要だと知識を持つためだ

「女の子が少女趣味で悪い?」
「バアさんって……それにイムカも若造?」

スプロールのジョークは難しいと頬を掻いた

「ああなんだ、いいのあるじゃない」
「えーと、じゃあ細めのを幾つかと……」
「お金はこれでいい? ダメならこれとか、もしくは……」

適当に素早く、に見えてしっかり選別して火縄を数本手に取った
お金代わりにと差し出したのは故郷の国の金の粒
それがダメだとしたら携帯食料(甘味系)、それでもダメならイムカ頼りだ

「……火を点けた焼夷玉投げて逃げる術だからね?」

いい加減ニンジャと忍者の区別を察して欲しいと思う反面、こういったやり取りもオツなものだと思い始めてしまっている七八であった

//すみませんがこれで落ちます
//ありがとうございました、お疲れ様でしたっ
506 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6[sage]:2015/02/24(火) 22:11:27.28 ID:jMCNodtm0
【とある戦争ののち 数年を経たアメリカ風の街並み】
道を行くフォード 通りの男たちは皆スーツを着込み 女たちは丈の長いスカートに身を包む ここは某大戦終結間もないアメリカ風の街並み
そんな中 どこか未来的な意味で時代錯誤な装いのこの男は とあるダイナー(食堂のようなもの)の中でまずいコーヒーを飲んでいた

「・・・・うぇ」
―――ギィ♪

かなり薄いアメリカンコーヒーにげんなりするアキレスと ホットドッグに舌鼓を打つベティ
同じようなスーツを着込んだ男たちがたむろするダイナーでのひと時

だが そこには薄く だが確かに ピリピリと肌を刺す さっきと緊張感があった
507 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ[sage]:2015/02/24(火) 22:16:04.22 ID:Zq0eUs/h0
>>506
「……うぇ」

同じ風にげんなりと同席者
薄く、ただ酸化した嫌な酸っぱさのみが後味として残る
だがそれでも声を潜めているのは先程から周囲に感じる張り詰めた空気故
薄氷が背筋に、冷ややかに触れているような

「……あのぉっ、なぁんかさっきから……早く出ません……?」

アキレスに耳打ち、いち早い離脱を提案
最も目立つ動きをする事が憚られる為に即座の脱出とはいかなそうでもあるが
508 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6[sage]:2015/02/24(火) 22:30:38.06 ID:jMCNodtm0
>>507
「あぁうん そうねここのコーヒーおいしくn・・・・」
何かを言いかけて マスターにギロリと睨まれ言葉尻を飲み込む

とりあえず残りのコーヒーを胃に流し込み席を立とうとする
その正面 大きな窓の向こう 通りに二台の車が止まる 車の窓が開くと そこから見えた複数の銃口

「――――ニアタン伏せろ!!」
アキレスがそう叫び 床に伏せる

次の瞬間 銃口から鉛玉が連続して飛び出す サブ・マシンガンによる掃射がダイナーに降り注いだ
509 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ[sege]:2015/02/24(火) 22:34:37.92 ID:Zq0eUs/h0
>>508
「ちょっとぉっ!?」

まさかの一言がアキレスの口から出掛ければ慌てて止めようと
しかしその役目は店主がする事になった
本末転倒ではあるがまぁ完全に言わなかっただけでもセーフであろう
というかどうやら店側もその自覚はあるらしいし

「……じゃあっ、これで……」
「……えっ!?」
「な、ななな!? なんだってんですかぁっ!?」

店を出るとなれば安堵、閉塞からの解放感
それも束の間おとなしく従えば頭上を通過する死の塊の群れ
頭を守る格好で只管抗議と疑問の入り混じった悲痛な叫びである
510 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6[sage]:2015/02/24(火) 22:49:35.71 ID:jMCNodtm0
>>509
ダイナーの中は阿鼻叫喚の地獄絵図と化した
一部の男たちはカウンターの中に隠れ またある者はアキレス達と同じく床に身を伏せる
だが大部分の者は訳も分からず蜂の巣にされ 床を己の血で汚すこととなった

男1
「何だってんだくそったれ!!」

男2
「あのスーツ…バルジーニの連中が来やがったか!?」

男3
「応戦しろ!! 撃て!! 撃つんだよ!!」

アキレス「まずいなぁニアタン…こりゃギャングの討ち入りだよ!!」
そう 2人はタイミングが悪いことに ギャング同市の抗争に巻き込まれたのだ

アキレスたちが伏せている中 銃撃戦は続いたが ダイナーにいたギャングは土地う全の奇襲に対処しきれず 最後の1人が死に絶えた が

バルジーニ・ファミリー1
「これで全部か?」

バルジーニ・ファミリー2
「いや 念には念を…だ 中に入って調べるぞ」

バルジーニ・ファミリー3
「動くやつは全員撃て そのあとここを爆破するぞ」

そういって銃で武装しているギャングが店内に入ってくる
会話からして 無関係を装っても攻撃されることは明白である
511 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ[sage saga]:2015/02/24(火) 22:56:54.99 ID:Zq0eUs/h0
>>510
「……ひぇぇぇっ……」
「ギャングっ……あんないきなり撃つモノなんですってんですねぇ……」
「め、めっちゃ物騒な事言ってません……!?」

物陰に身を隠し這い蹲って怯えていたが、隠れ切っても間違いなく南無阿弥陀仏であろう
相変わらず小声、しかし頭の中では次なる行動を模索し始めていた
見える範囲で人数を確認、少なくはない
マウト・フトゥーロを偵察に使う事も考えたが青白い発光体は目立つ
ならば取るべき一手は、

「……アキレスっ!!」

奇襲しかないと踏んだ
ギャング達がタイドメイカーと、そしてニアの知る限りのデモンアームやレッグの射程内に踏み込んだと同時
1本の触腕を発生させ月光を抜き放ち踊り出、タイドメイカーを振るう
512 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6[sage]:2015/02/24(火) 23:16:29.06 ID:jMCNodtm0
>>511
「あぁ…まぁたぶんゴッドファーザーだと思えばおかしくはない」

何せ銃の所持に規制が入っている日本とは違い 銃が持てるのがアメリカである
そしてギャングの武器といえば シカゴ・タイプライターと呼ばれる 短機関銃 またの名をサブ・マシンガン

ちなみに中の人への情報であるが この時持っている銃は例の豆まきに使われていた あの屯不遜(トンプソン)である

「―――っ!!」
ニアの言葉に覚悟を決める リボルバーを確認 特殊警棒も持った

そしてニアが飛び出す ギャングが反応するよりも早く タイドメイカーがギャングの体を強かに打った

ギャング2
「まだ生き残りがいたkぐはっ!!」
迎撃しようとするギャングの顔を アキレスの特殊警棒が張り倒した

更にもう1人のギャングがこちらに銃口を向けるが アキレスがリボルバーで援護射撃してソファーの裏にくぎ付けにしている
513 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ[sage saga]:2015/02/24(火) 23:27:47.94 ID:Zq0eUs/h0
>>512
「……さんきゅってんですっ!!」
「このォッ!!」

アキレスのフォローに短い感謝を告げ、ソファごと叩き潰す軌跡でタイドメイカーを打ち下ろす
目の前で十数、いやもっとかもしれないジェノサイドが行われたのだ
万が一殺してしまった場合も、自己の正当化は何とかなるだろう
月光は防御の為に抜いているのか、構えるのみで基本は触腕を振るう形となっている

「……他にも、まだ……!?」

ソファの影の敵の状態を確認するより早く周囲を索敵
出てくるにしてもそれ位の間はあるだろうと踏んでの判断だ
514 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6[sage]:2015/02/24(火) 23:40:27.68 ID:jMCNodtm0
>>513
アキレス「あぁ確か車が二台あって 座席が埋まるほど人が乗って入れば…まだいるはず…!!」
あの時窓の外から見えた光景を思い出しながら言うアキレス

ダイナーの中に入ってきた最後の1人はソファごと叩き潰されて地べたに付した
そして表から聞こえてくる タイヤが地面をこする甲高い音 あわただしくドアが開けられるとともに 銃撃が開始された音

バルジーニ
「くそ!! タッタリアの援軍が思ったより早い!!」

バルジーニ
「応戦しろ!! やれ!!」

アキレス「ニアタン!! 裏口から脱出しよう このままじゃ泥沼の抗争に付き合う羽目になっちまうよ!!」
そういってカウンターの奥 調理場に向かうアキレス それと同時

バルジーニ
「クソッタレ!! せめて店をぶっこわさにゃ!!」
そういって割れた窓から店内に放り込まれる物体あり

束ねられたダイナマイト しかもタイマー式であり 単純に火を消せば済む代物ではない
しかも時間設定がわからず いつ爆発するかもわからない!!
515 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ[sage saga]:2015/02/24(火) 23:46:34.94 ID:Zq0eUs/h0
>>514
「それって、10人くらい……!?」

今し方倒したのはほんの数人、ならばその倍以上がまだ居る事になる
しかも恐らくは全員が重武装、始末が悪い

「は、はいっ!」
「……やばっ、アキレス! あれって……!?」

一応確認を取るがどう見ても爆発物である
タイドメイカーを気休めの盾代わりに背負い厨房方面へと追従
自然と腹に力が入るのは、爆発の衝撃に本能が備えているからであろう
516 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6[sage]:2015/02/24(火) 23:58:36.61 ID:jMCNodtm0
>>515
アキレス「たぶんそれぐらい!!」
狭いキッチンを通り抜け 裏口へのドアを発見
鍵がかかっているかなんて気にしてはいられない

アキレス「デモンアーム!! おぉっらぁ!!」
青い霧を手から発し 全力のパンチでドアを丸ごと吹き飛ばす
そして2人が裏道に出て数秒後 ダイナマイトに着火 どでかい花火が打ちあがる

どうにか爆発から逃げ出すことができた2人であるが 今度聞こえてきたのはけたたましいサイレンの音 回転灯を光らせた警察機関のお出ましである
表通りに複数集まり ギャングと撃ち合いが始まる中 裏道にもパトカーが一台止まる

警官
「とまれ!! おまえr なんだあの女から出ているものは!?」
警官2
「ホーリーシット!! モンスターだ!! 撃て!!」

なんと警察 ニアのタイドメイカーに驚き こちらに拳銃を発砲し始めた!!
517 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ[sage]:2015/02/25(水) 00:04:34.31 ID:6E9NvLqu0
>>516
「ひえぇぇっ!?」
「……あ、警察っ?」

起こるべくして起こる爆発
覚悟はしていたものの矢張り怖い、自然と頭を守る格好でそれでも走る
そして影を張り付かせる赤い閃光、警察の車両だと嫌でも気付けるものだ
だがここでニアが迂闊であるのは、タイドメイカーを仕舞い忘れている事であろう
異能者が容認される世界ですらキワモノ扱いなこの能力、そうでないここでどう見られるかなんてお察しである

「ひゃぁぁぁ!?」
「あ、アキレス、こっちっ!!」

運良く逸れる銃弾、だが何時迄もそうとは限らない
警察組織を相手取るのはなるべく避けたい、これは数々の越境を経験した中で身につけた知識だ
アキレスの手を取ろうと腕を伸ばし、裏通りに逃げ込もうと
518 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6[sage]:2015/02/25(水) 00:21:15.94 ID:YfrPEqHd0
>>517
「えぇいやべぇ 今日は厄日だ!!」
ギャングに追われ 警察にも追われまさに踏んだり蹴ったりの一日である

ニアの手を取り裏通りを走る2人と 追う警察

警察
「バカめ!! そっちは袋小路だ!!」

だが警察も地理には詳しいもの 怪しい2人がまがった先はビルが乱立し 壁になっている まさに袋の鼠
警官2人は銃に球を込めると タイミングを計り

警察
「抵抗はやめr・・・・・・・え?」
銃を構えながら袋小路にいるはずの不審者に警告を発する が

警察
「い・・・・いない?」
そこにいるはずの不審者は 忽然と姿を消した あっけにとられる2人
その後 消えた2人は怪談となって長く語られることとなる


――――場面転換 ?????

アキレス「ふぃ…ナイスタイミング境界渡り」
――――ギィ!!

どことも知れぬ世界で  額の汗をぬぐうアキレスであったとさ

//〆でお願いします
519 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ[sage saga]:2015/02/25(水) 00:27:03.84 ID:6E9NvLqu0
>>518
「なんかもう、ここまでツいてないと笑えて来ますってんですねっ……」

こんな状況に於いて苦笑、しかし現実は非情さを維持したまま無慈悲に迫り来る
幾分か駆けたのちに立ち止まる、それは行く手を阻む建物の存在の為だ

「あ、行き止まりっ!?」
「やば……ど、どうし……あれっ?」

袋小路に気が付き慌てて振り返ると、そこは、

//ありがとうございました、お疲れ様でしたっ
520 :四五六 七八【賽印流忍術】[sage]:2015/02/25(水) 21:54:47.92 ID:6E9NvLqu0
「うひー……きっつー……」

永久の暗闇を駆け抜け、なんとか逃げ延びれたらしい
追跡者の影はようやく振り払えた

「……ここって……村? だよねぇ……?」

と、そこで周囲の状況確認
昼と夜の連歌の世界の夜側、かつて暖かな昼に包まれていたここは凍てついてから間もない
だがそれでも住民達は温もりの記憶を無くしこれこそがこの世界の有り様だと無意識に認識している
取り敢えずふらつき、適当に人影を探してみる事に
民家にあたるのはその後でもいいだろう
影の魔物達を忌むべきモノが焚いた篝火、それと民家の打ち付けられた隙間から漏れる僅かな灯火のみが光源だ
521 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6[sage]:2015/02/25(水) 22:04:45.86 ID:YfrPEqHd0
>>520
この世界がどのようなものなのかはよくわからないが

たどり着いた途端 ぬくもり感じぬ怪物に襲われた
対処できたから対処した

後続に迫られても困るので逃げた
そしてここにたどり着いた

元は金持ちの館だったのか
今は破壊された石造りの廃墟から小さな音と旨そうな匂い

「♪〜」
異能だろうか? 手から炎を出した目つきの悪い男が フライパンで調理をしていた
522 :四五六 七八【賽印流忍術】[sage]:2015/02/25(水) 22:11:14.08 ID:6E9NvLqu0
>>521
「……?」

ふ、と何やら耳に入るは場違いな鼻歌
少し遅れて美味しそうな匂い、一軒の家から漏れる光と煙
腹の虫が鳴るのを気合いで抑えてなんとか
忍び足で素早く廃墟へと接近、侵入
フクロウの羽撃き程の物音を立てつつロイのいる部屋の入り口付近へと近づき内部の様子を伺う
光源と角度の関係で上手く見れないが、誰か居る

「……」

高まる心音が響いてしまっているのではないか
そんな不安に駆られながらも忍者刀の柄を掌で包んだ
鞘と刀身が掠れる金属音
523 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6[sage]:2015/02/25(水) 22:20:12.82 ID:YfrPEqHd0
>>522
「♪〜 腹が減っているんなら飯を分けるのも吝かじゃないが まず妙な気を起こさないことをお勧めする」
そんな微細な空気の変化 ごく小さな音 それらを機敏に感じ取り まずは警告を発する

どうせ隠れられぬほどには狭い部屋 警告に乗ってくれればよし 乗らねば戦闘は不回避である
524 :四五六 七八【賽印流忍術】[sage]:2015/02/25(水) 22:26:38.45 ID:6E9NvLqu0
>>523
「……!?」
「……っ、ふふっ、自信あったんだけどなぁ……」

中程まで抜き掛けた刀から手を離す
きん、と澄んだ鞘鳴り
両手を軽く上げ降参めいて登場、苦笑

「でもよかったよ声掛けてくれて」
「少なくともいきなり具材にされる心配はなさそうだし?」

それでも矢張り警戒心は働いた
半歩身を引きナナメに、いつでも足に溜めた力を放てる所作で
炊かれた火の位置からしてこちらは丸見えだろう、しかしロイの姿は逆光で朧なのだ
525 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6[sage]:2015/02/25(水) 22:34:57.10 ID:YfrPEqHd0
>>524
どうやら警告を聞き入れてくれたようだ
顔を向けると なるほど 小娘のようで

「ん〜? ならちょうど食い物も少なかったし 腕の一本でもとか言えばよかったか?」

彼の傍らにあったのは なんとこの世界のモンスターであろうか? 名状しがたき異形の死体である
なんか一部が切り落とされている そしてフライパンで何かを焼いている あとは察してプリーズ

「複数で行動していて厄介だが 毒もないし味もいい 施設が整っていれば家畜化もワンチャンあるかもな」
塩と胡椒を利かせたその肉を 同じく焼いたパンで挟む

「少なくても今のところこの世界で人間に襲われたことがないんでね たぶん人同士は助け合ってるんだろう お前さんもその1人であることを切に願うよ」
そのステーキサンド(?)を 小娘に差し出した
526 :四五六 七八【賽印流忍術】[sage]:2015/02/25(水) 22:44:11.78 ID:6E9NvLqu0
>>525
「冗談、私の腕美味しくないよ?」

ジョークめいた会話ではあるが若干、言葉の節々が重い
どうにもその手の話が冗談に聞こえない空気がこの世界には溢れているのだ

「……うっ……ど、どうも……」
「私はそもそも、人に出会ってないなぁ……あなたが始めてだよ」

具材を察してしまったが、背に腹は代えられないというやつだ
軽く頭を下げて受け取り、齧る前に少し会話を

「ここも村みたいだけど、見た?」
「人っ子一人いないんだよね」

住民は影に怯え萎縮し異常な猜疑心の塊となり、極端に外部との接触を遮断した己の世界で生き長らえている
余所者が顔を覗かせた所で無視を決め込むのが自然な、そんな夜
527 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6[sage]:2015/02/25(水) 22:55:40.73 ID:YfrPEqHd0
>>526
「そりゃまぁ防壁もなければ衛兵もいないんじゃ家ン中で隠れているしかあるまい」
サーベルで死体を抉って 切り身をプライパンに乗せる ジュウと肉が焼ける音

「自らの懐に誘い込んで 油断させてから殺し 奪った戦利品でわいのわいのするより拒否ってくれたほうがナンボかましだ
 おそらく閉鎖されたコミニティで身をよせ会生きていくんだろ? これまでもこれからも あと多分だけど家同士が地下でつながってるぜ 案外そこで豚でも飼ってるんじゃないか? そうでもしなけりゃ生きていけんよ」

「まぁ俺はこの辺の者じゃないからなぁ この辺の常識には疎いんだ そういうお前さんも・・・か?」
無視はされたがこの世界の住人がどのような恰好をしているかは把握している それとは似ても似つかぬ容姿 もしかしたら自分と同じ越境渡りだろうか?と考え
その辺を匂わせる発言をしてみるテスト
528 :四五六 七八【賽印流忍術】[sage]:2015/02/25(水) 23:04:05.96 ID:6E9NvLqu0
>>527
「……そうだねぇ」

心ここに在らずといった具合
視線は焼ける肉を注視しており、まぁ食べるか食べないかを躊躇しているといった所か

「まぁ、何かしらのライフライン? みたいなのはありそうだよね」
「秘密の地下道ってのもまたなんか心揺さぶられる響き……」

くすりと零れる笑み
肉の焼ける音と温もり、あと何より他人がいて言葉のやりとりが出来るというそれだけで
希望というものは芽生える、心に状況を楽しむ余裕が生まれる

「私も……ま、まぁ、そんなとこ」
「……この辺り、ずっと真っ暗なんだ」
「夜が続いてるみたいな感じ……陰鬱だよね」

越境者である事を打ち明けるのは構わない
だがそれによって万一、この相手と敵対もしくは頭のおかしい奴と思われるのは困る非常に
とはいえ完全に隠し切れたかは怪しいモノだ、嘘をつくのは上手い方ではないし誤魔化すように喋るのなんて余計そうなのだから
529 :ウルリック【牙狼】>>204[saga]:2015/02/25(水) 23:07:51.02 ID:WcWtFaDao
>>527-528

「………」

 抜き足、差し足、忍び足。四本の脚を器用に使ってソロリソロリ。
 吾輩は狼である。たとえ、どうみても柴犬な格好であろうと狼である。

「♪」

 そして、当然ながら人間よりずっと鼻が利くのである。
 現在、芳しいお肉の焼ける匂いがする。素晴らしい。言う事なし。

【越境がどうとか話が聞こえる。聴力もまた優秀なのである。
 なるほど、世界渡り。ならば助け合わねばならないだろう。正確には肉が欲しい】

 娘っ子と兵士っぽいのが話をしている。
 お肉の方に意識が向いていないときがチャンス。
 人間というのは意外と意識できる視野は狭い。見えていても意識できないなんてザラだ。

【そろーりそろり。ジュウと焼ける脂の香り。もはや辛抱たまらん】

「はぐはぐはふ」

【あ〜ん】
530 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6[sage]:2015/02/25(水) 23:17:18.34 ID:YfrPEqHd0
>>528
「豚はいい 閉じ込めて食べ残しを与えておけばよく太る あとは殺せばおいしい肉の出来上がりだ」
プライパンを翻し 肉を反転させる

「この辺の家はデカくないし 家の中でできることは限られている それに灯りとする燃料も外に出ねば手に入らん
 あとは塩もなければ長生きもできんし 野菜を喰わねば壊血病になっちまう ライフラインがあるか 危険を冒して外に出ているか どちらかだろうな」

「どうやら世界丸ごと夜に浸食されちまった世界なんだろ 全く気が滅入るよ」
この男は夜の世界しか知らないらしい 天井を見上げ 困ったような顔をする

「まぁ 暖かい飯を食えれば士気もいくらか回復する あとは化け物に殺されぬようにこの世界を脱するだけさ」

>>528
目つきの悪い男は話に夢中である 犬の存在には気づいてない
だが運命の女神はこの男に微笑んだ?

「♪〜」
犬が肉を奪おうとするそのタイミングで味付けを行おうとする男
口を開くその至近距離で肉に胡椒を振りかけた

【いい香りだろ? たっぷり嗅いでもいいんやで?(ニッコリ】
531 :四五六 七八【賽印流忍術】[sage]:2015/02/25(水) 23:22:57.16 ID:6E9NvLqu0
>>530
「お見事っ」

華麗なフライパンさばきに一言
豚肉が食べたくなってきたが目の前にあるのは奇妙な怪物のステーキのみ

「それもそっか……」
「食べなきゃ生きてなんていけないもんね」
「……頂きます」

言い聞かせるように呟いて、やっと小さな一口
うっ、とえづきしかしなんとか飲み込んだ

「お日様が恋しいよ……」
「……ん?」
「あぁ、なんだ、あなたも越境者?」

七八自身が心配したより余程簡単に越境者であるとほぼ明かす目の前の男
しかしこれは更なる安堵を与える絶好の言葉である
越境者仲間だと知れば自然、信頼を強く寄せてしまえるからだ

>>529
「……」
「……犬だ」

可愛い、などと思ってしまう不覚
そもそも忍者と犬の関係は深い
忍犬という言葉もある位なのだから
だからまぁ仕方ないのだ、この撫でようと伸びてしまう手は
きっと本能的な所作なのだから
自分をそう納得させつつ、突然の柴犬を撫でようと手を伸ばした
532 :ウルリック【牙狼】>>204[saga]:2015/02/25(水) 23:29:19.06 ID:WcWtFaDao
>>530

(わふん♪)

 ペロリと舌を出すわんこ。この反応に関して彼の出自について説明せねばなるまい。
 このウルリック、とある氷に閉ざされた死の惑星(デスワールド)の出身である。
 そこでは蛮族めいた文化が育まれ、勇猛なる戦士であることが誇りであり生き残る条件である。

 そしてその惑星出身者からなる騎士団(オーダー)に所属していた彼の楽しみは晩餐であった。
 そこでは偉大なる戦士達が蛮勇と己の叙事詩を誇りあい、火が出そうな酒と
 過剰なまでに香辛料をたっぷり利かせた肉が饗される。そう、つまるは香辛料大好き。

「スゥーウ」

 香辛料の芳しい香りをたっぷりと嗅ぐわんこ。
 ペローンと出した舌はもうよだれが溢れんばかりである。辛抱たまらん。

「わん!わふ!がふがふがふ」

【もっぎゅもっぎゅもぎゅ…ついにバレてもいいやという具合に食いはじめた!
 それもロイが大切に育てたいい具合の焼き加減のモノからである(グルメ!】

>>531

「わふー。わん!」

 そして食を満たせば次はブラッシングだ。
 例に漏れず、ウルリックも毛並みをナデナデしてもらうのが大好きだ。
 ちょうど、愛らしさにだまされ…もとい、魅了された娘っ子もいるではないか。

【さらにこうして、兵士な男の糾弾もかわす!完璧なる作戦がウルリックの脳内で定まる!】

「わふわふわふ」

 テクテクテクと七八の方に顔を向ける。柴犬特有のつぶらな瞳で見上げながら。

【微妙に打算的かつアレであるが、かわいいは兵器なので仕方ないのだ】
533 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6[sage]:2015/02/25(水) 23:42:00.52 ID:YfrPEqHd0
>>531
「人間 死ぬ気がないなら喰うしかない 喰うなら旨いモンがいい とある老人の言った言葉だ」

なお 見た目は兎も角 味については申し分なしである
まるで濃厚な鶏肉を食べたような味 油もサラリとしていてまとわりつかない 本当に見た目さえ何とかなれば一級品な肉であった

「あぁ たぶんお前さんと一緒・・・のな お互い似た境遇 なかよくしようや」
さて ちょうどいい具合に肉も焼けたでしょうし いただきますとフライパンに目を向ければ

>>532
「あ? あ!! あぁぁぁぁぁ!!! わぁぁぁぁちょっと!!」
なんかいつの間にか隣にいたわんこが肉を掻っ攫っていきやがった

おのれ胡椒攻撃が効かないとは小癪な!! 拳を振り上げるが すでに小娘の方に向かってしまった なんという早食い!!

「おっま・・・犬ならこっち狙うだろうが!! わざわざ焼いている肉をくうんじゃねぇよ!!」
怪物の死体を指さし 文句を垂れる こっちはまだ肉にありついてないのだ 文句の一つも出よう

「えぇいグルメなワンコめ・・・」
ブチブチと恨み節をつぶやきながら 新しい肉を焼き始める
534 :四五六 七八【賽印流忍術】[sage]:2015/02/25(水) 23:48:31.51 ID:6E9NvLqu0
>>532
「むむっ、随分と大人しい……」

これは困った、撫でなければならない
わしゃわしゃとソフトに毛並みを撫で回す
本能なのだ、犬は撫でなければならない
首周りを入念に揉み解す
故郷の犬達はこれで喜んでいた気がする

>>533
「……それ、いい言葉ね」

なんだかんだで慣れたのか結局美味しく平らげ微笑む
ストレートな言葉程時に良く響くモノだ、状況次第では

「ん、よろしくね」
「私、七八」
「四五六、七八」

>>532-533
と、まぁロイに名乗る事はイコールウルリックにも同時にそうする事になる
だがまぁそんな事を考えもせずに撫でる手を止めて欠伸
ここまで遁走の日々が続きしばらく寝ていないのだ

「……ごめ、ちょっと……限界……」
「信じるからね……?」

苦笑、我ながら無防備過ぎる
しかし抗えぬ睡魔の誘いは即座に七八の意識を鎌で刈り取っていく
永久の夜の中でしばし、ようやくの安堵の休息

//すみませんがこれでっ
//お休みなさいませーノシ
535 :ウルリック【牙狼】>>204[saga]:2015/02/25(水) 23:53:37.57 ID:WcWtFaDao
>>534

「ハッハッハッハ」

 舌をペローンと出しながら、大人しく七八に撫でられるウルリック。
 狼たる誇りは決して忘れてはいないが、今は犬に擬態しているため完璧なる演技が求められるのだ。
 そう、決して、外見を理由に誇りをポイッチョしているわけではないのだ。

【すっごく気持ちよさそうである】

 少し大きい樽がぶら下がった首周りは特に気持ちがいい。
 この娘、ジャストポイントを心得ている!(戦慄

>>533

「わん!」

 柴犬特有のすっげえイイ笑顔をロイに向けるわんこ。
 香辛料の大量使用が富と力の象徴な時代と世界に適応していたのが、
 この卑劣なる罠から彼を救ったのである。

「わるるる…」

 そして、こっちを食え風に怪物の死体を指差したロイに対しては、
 その死体に後ろ足で砂をぶっかける事で答える。が、この行動は微妙にウカツ。

【アレ?こいつ人間の言葉わかるんじゃね?的な意味で】

(ふーむ)

 しかし肉という恩義を受けたままでは腰の据わりが悪いのも事実。
 戦士たるもの、報恩と報復こそが正道であることに疑いない。

「わん!わん!」

 ゆえにロイに対して、首からぶら下げたちっちゃい樽を示してやる。
 彼にそれが理解できるかは不明であったが。

【極寒地の救助犬などで、発見した遭難者の身体を暖めるために
 度数の高い酒を携帯させてやるといったことがある】
536 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6[sage]:2015/02/26(木) 00:07:14.63 ID:zGY0sgi90
>>534
「あぁ よろしくな 七八 俺はロイ・ゴールドマンだ」
身近い自己紹介を済ませれば なんかさっそく信用されてしまう

「もちっと人は疑った方が・・・しゃあなしか」
こんな荒んだ世界で仲間と呼べるかもしれない人に会ったのだ
少女にはちと辛かろう

「困ったもんだよ・・・と」
立ち上がると 来ていた防寒着 トレンチコートを脱ぎ 七八の体にかけた

>>535
さて 七八が寝入ってしまったが このわんこはどうしてくれようか
というかこいつこちらの発言にリアクションとってやがる

「・・・・まぁ 珍しいもんじゃないか」
だがこの男は元はファンタジーな世界の住人 人以外の生き物が人の言葉を理解していることなんて日常茶飯事なのだ
それに人の言葉を理解してるっぽいサソリを飼ってる知り合いもいますし

と 何やらわんこが下げている樽に気付く
【この男は山に囲まれた北国の生まれ故 犬が樽を下げている=酒の方式が頭に植え付けられている】

「ふーむ その樽の中身で勘弁してやるかな?」
どうやら抵抗もしないようですし 樽を拝借 まず一口飲み もう一口分はフライパンに落としてフランベとする

「これでちゃらだ ありがとよワン公」
樽を返し 肉を失敬したことを許してやることにした

「さて 喰ったらしばらく待機だな ちょうど寝入ってる荷物もあることだし」
肉をほおばりながら七八を気遣うロイであったとさ

//火も変わるし 自分もノシでお願いします
537 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6[sage]:2015/02/26(木) 20:15:50.77 ID:zGY0sgi90
地の果てに臨む大空の彼方、天翔る陽の使者達と夜の下僕共が終わりなき闘争を繰り広げる世界
天使の領空の下は常春、鳥達は歌い花は咲き乱れ人々は手を取り合い平和を享受する
悪魔の支配の下は凍土、川は淀み死者は踊り狂い生ある物達は息を潜めて迎える事のない夜明けを只管に待つ
空の勢力図は拮抗してはいるが、それでもしかし日々刻々と変わり行く中
定命のモノ達はただ祈る事しか出来ないのだ

【昼と夜の連歌の世界、夜側】

元は清らかな河川だったのだろう 今は淀み 人ならざる異形の気配感じる河川敷
この世界に住む人ならば決して近づかないその場所に足を踏み入れたのは 複数の武器を纏う中年男性

そこに至る目的は一つ

―――ザバァァァ!!!
紫色の肌を持った 巨大で異形なる甲殻類がとびかかってくる 通りがかった哀れなるエサを貪るために
だが今回のエサは自分の方であった

「今日の飯げっとぉぉぉぉぉぉおおおお!!!!」
慌てふためき 逃げるしか能のないはずの人間は むしろ嬉々として槍を取り 甲殻類のモンスターの顔を深々と抉った
しばし体液を滴らせながら抵抗していた甲殻類モンスターであったが 直に動かなくなった

「いやぁこいつがなぁ…またビールが欲しくなる味でなぁ・・・ビールどっかで手に入らんかなぁ・・・」
穂先にモンスターをぶら下げたまま柄を担ぎ 根城としている廃墟に戻ろうとするロイ

なんだかんだでこの世界も満喫しているのであった
538 :澪【獣化】2015/02/26(木) 20:28:57.22 ID:LKdHhfkU0
>>537
さてさて獲物も無事入手し、一時の住処に帰ればいつの間にやら客人が訪れているのが目に入るはずだ。
といってもうつ伏せになり、寝息と腹の虫を永久の闇に響かせている様はとても害があるようには見えないだろうが。
ロイの足音を聞きつければ、フードを取り露わになっている獣耳がぴくぴくと動く。
それと同時、のそのそと身体を起こして眠たげに目をこすった。

「……ぅ……?」

小さく唸りながら周囲を見回し、眠る前からがらりと景色が変わっていることに僅かに首を傾げる。
そうしてロイの姿を認めればぱちぱちと目を瞬かせ、納得したように一人頷いた。

「……えっと…おはよう……?」
539 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6[sage]:2015/02/26(木) 20:38:46.22 ID:zGY0sgi90
>>538
「ただいま〜っと 七八は・・・ってアレ?」
さて 愛しの我が家(この世界では)に帰ってくれば そこに出かけるまではいなかったはずの来客
こちらに顔を向け おはようなんぞとあいさつしてくる彼女は いでたちこそ若干の違いあれど

「なんだ澪じゃないか おはようってか こんなところで何やってんだ?」
とりあえず集めておいた薪を組んで火をつけながら質問する

とりあえず本日の獲物 禍々しい甲殻類っぽいモンスターは適当なところに置いときます
540 :澪【獣化】2015/02/26(木) 20:51:00.96 ID:LKdHhfkU0
>>539
「……なにって……多分、寝てたら飛ばされたんだと思う……」

越境者的にかなり不運に入る事象かもしれないが、残念ながら澪にとってはよくある事なのだ。
流れる髪を梳く様子にまたかという呆れはあるものの戸惑いや困惑は一切見られない。
ロイの言葉に返しながらも腹の虫は鳴き止む事を知らない。ぐうと空腹を訴える音が朽ちた廃墟に虚しく響く。

「……それ、食べられるの……?」

放り置かれた見るも禍々しい食料にほんの少し驚愕に見開くが、すっかり自身も食べるつもりらしい。
立ち歩くのも億劫なのか、ずるずると這ってモンスターの元に向かえば、制止の声がない限りそのまま食らいつくだろう。
541 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6[sage]:2015/02/26(木) 21:08:20.03 ID:zGY0sgi90
>>540
「あっそう・・・」
久しぶりだが相変わらずの様子でなんとも気が抜ける

「まぁ相変わらずのようでよかったよ しかし・・・」
先ほどから聞こえる腹の虫の大合唱 こちらも相変わらずである
しかも這いながら甲殻類モンスターに近づくさまは何とも失笑を誘う

「えぇい 今料理すっからちょっと待てい!! 全くてめぇはゾンビか!!」
そういって澪に待ったをかけた

とりあえずサーベルを抜き モンスターの背を丸め その背に切っ先をザクリと突き刺す

「ふんぎぎぎぎぎぎぎぎ…!!」

そしてありったけの力を込めて引っ張れば ズルリと どどめ色の何かが詰まった管のようなものが引っこ抜かれた
何してるかって? 背ワタとってるの

そしてたき火の回りに石を組んで釜戸とし そこにモンスターをドーン しばし上手に焼けるまでBGMでも聞きながらお待ちください
https://www.youtube.com/watch?v=RMK2jk_rK70

紫色の甲殻が赤く色づき 旨そうな匂いが立ち上る 塩をパッパと振りかけ 身をバキっと捻って引っ張れば ズルリと出てくるプリプリの身
イセエビなんて目じゃん倍ぐらいデカい身が澪の目の前に現れた

「全部喰うなよ?」
注意付きの食事解禁令ッ出ました
542 :澪【獣化】2015/02/26(木) 21:23:32.19 ID:LKdHhfkU0
>>541
「……ロイも、変わりないようで、なにより……」

定型文に近い、しかし一種の安堵を齎す挨拶。
越境者という立場では生存の信頼がいつ覆されるか分かったものではないのだ。
小さく浮かべる微笑み、だがそれもすぐに引き攣ることとなるのだが。

「……むぅ……」

身を守るための甲殻に手をかけ、しかし待ったの声に渋々と引き下がる。
お預けを食らった不満はロイに向ける不満げな視線からもよく伝わるだろう。
諦めたように、今度はたき火の傍へとごろごろと転がって座り込む。
飯の焼ける匂いに我慢ならないのか、いつの間にか姿を現していた尻尾がぱたぱたと揺れた。
そうしてしばらく、ようやく程よい焼き加減になったモンスターを見る澪の表情は大好物を前にした子供のそれに等しい。

「……分かってる……いただきますっ……」

もはや恒例の注意を聞き流し、手を合わせて食前の挨拶を早口に済ませる。
そのまま待ちわびた晩餐にかぶりつき、その胃袋を満たさんと只管に咀嚼を続けた。
残量の程度が曖昧なせいか、ちらちらとロイの顔色を窺いながらではあるのだが。
543 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6[sage]:2015/02/26(木) 21:37:43.83 ID:zGY0sgi90
>>542
「そんなに睨む子に分け与える飯はないぞー」

そんな不満の視線も華麗に受け流し 調理を続けてしまいます まぁ最終的には飯を分け与えたのでご心配なく
身は弾力に富み まるで歯を押し返すがごとき食べ応え だが一度かみ切れば あふれるエビのごとき旨み

量の多さといい味といい まさに申し分のない逸品 だが襲い掛かってくるのが玉に瑕

だがこちらをチラチラ見つつ喰い進める澪の姿に苦笑を漏らす

「あぁもう・・・いいよそれ全部食べて 俺はこっちを食べるから」
と 獲物を両断するドデカイハサミをバキッと剥ぎ取り 背負ったハンマーで殻を割る そこにも身がぎっしり

「そういや最近見なかったが どこ行ってたんだ? どこぞの蟲世界みたいに一か所に閉じ込められてたとか?」
ハサミをむしゃむしゃ食べながら質問してみる
544 :ジョシュア・アーリントン【屍喰い】[sage]:2015/02/26(木) 21:39:31.68 ID:EKQId3yJ0
江戸時代、日本──

舞台は江戸。黒船来航のニュースが日本を震撼させていた真っ只中、能力者達は境界を超えてこの世界へと渡ってきた。
白塗りの壁に囲まれた城下町、威勢の良い店主の掛け声や大通りの喧騒の中、路肩の茶屋で一時休憩を取る能力者達。

「SAMURAI…RONIN…エドって確かこいつらの国だったよな…」

ここは確かに江戸時代の日本であり、この都市は江戸そのものである。それは覆しようのない事実
ただ一つ、我々の知っている江戸とこの都市において明らかに違う点は…
あちらこちらにスプレーアートめいた落書きが施してあったり、やたらとファンキーな出で立ちの若者が徘徊していることだ。
どうにもこのファンキーな江戸にはヒップホップらしき文化も根付いているらしく、少し辺りを見回せばボイスパーカッションやブレイクダンスのパフォーマンス。
髪の毛を金色に染色した若者が黄金の数珠を首からぶら下げ、竹籠をラジカセの如く肩に担いでラップ俳句を詠う。

「い、イマイチ俺の知ってるエドじゃない気がする……なんだこれ…」

かつて読んだことがある日本の観光ガイドに載っていた、江戸の街並みを再現したという施設の街並みとは似ても似つかぬ風景。
困惑の色を露わにするジョシュアへやたらとチャラい店員が串に刺した団子を皿に盛ってやってくる。
小太鼓と尺八、和琴の織りなす旋律をBGMとし安らぐ旅人たち。しかしこの音楽もどこかヒップホップ調であったり
あらゆるものにどこか違和感を感じる江戸の街中、サムライ達に囲まれながら茶と団子を頬張るジョシュアであった。
545 :TypeD-7@ようじょとロボット2015/02/26(木) 21:50:12.21 ID:dHyj46YOO
>>544
なんかにゅっと手が伸びてきて、まだ更に残ってる団子を強襲。
メカ翼が背中にはえてるあたり、明らかに人間じゃないナニカ。
真っ白ワンピは今日は絵の具まみれである。
これはどこかで一仕事したちびっこギャングに違いない。

「エドもいろいろあるからな、しかたない!」

そしてこの纏う空気の異質さは現地民じゃない。
確実に漂流生物か漂流ナニカさんだ。

「時間軸ねじれてるとなー、過去にへんなのまぎれこんで
 こんなになるときあるんよ」

奪取した団子を確定ロール気味に食う図。
人のもの喰ってるのに悪びれ感なんもなし。

「おいちゃん、中になんか飼ってる?」
546 :四五六 七八【賽印流忍術】[sage]:2015/02/26(木) 21:52:11.50 ID:VR5v/oL60
>>544-545
「あー、うんうん江戸といえば三味ロックだよねー」

忍者の服装は流石に着替えて町娘ルック
世界的に見て忍者はヤバイとの判断である
最も入手出来た和服も何処かパンク混じりのカラフルにして丈の短いものであったが
最早ツッコミを入れる気力すら無くなってしまったらしく疲れた様子でパンク茶屋へご来店

「あ、そこのどう見ても越境者仲間のお二人さん」
「隣いい……?」

ハイライトの消え気味な虚ろな目で微笑み掛け、満席の店内で同席を申し出る

547 :澪【獣化】2015/02/26(木) 21:58:02.54 ID:LKdHhfkU0
>>543
「…いいの…?…ありがと…」

新鮮な海の幸もかくやという量と質に、零れる笑みを堪えるのは難しい。
無意識なのだろうが、全身で喜びを表現しながら一心に食べ進めるあたり、よほど腹が減っていたのだろう。
ごくりと飲み込んでロイの問いに返すために一息、視線を宙に泳がせて言葉を探す。

「……ずっと寝てた……多分、本格的に冬になる前くらいから、かな……?」
「……寂しいから一緒に寝てほしい、って頼まれた……」

早い話が冬眠である。もちろん澪の生まれ持った習性というわけではない。
とある世界でとある存在に出会い、その者の持つ不可思議な力によって為し得たものだ。

「……代わりに、ちょっとだけ成長させてくれるって言うから……」

そういうわけでホイホイ一冬を共に寝たのである。生憎目覚めの前にこうして別世界へと辿り着いてしまったのだが。
ちなみに成長といっても澪の外見が著しく変化したわけではない。せいぜい焦茶の髪が少し伸びたくらいだ。
言い終えればロイの反応を窺いながら食事を再開するだろう。
548 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6[sage]:2015/02/26(木) 22:13:25.64 ID:zGY0sgi90
>>547
「しょうがねぇなぁ…」
言葉とは裏腹に困ったような笑み
相変わらず欲望に忠実というかなんというか きっとこういうのを愛されガールと呼ぶのだろうきっと

だが何をしていたかという返事には

「・・・・・・」
さすがのあきれ顔 全身で『うわぁ…』を表現している

とりあえず成長しているらしいとのことなので 澪の全身を見てみますが
はて どこが成長したのでしょう? 特にバイーン【どこが?】でもありませんし

「本当に成長したのか?」
信用していないとっでも言いたげな表情

取り合えずエビの殻をハンマーで粉々にして 廃墟で拾った鍋にぶち込み たっぷりの水で煮出してスープを作ってみます

「ついでにこれも喰っとけ 喰ったら殻は煮出すから捨てるなよ」
もう一つのハサミをバキリとはずして差し出した
549 :ジョシュア・アーリントン【屍喰い】2015/02/26(木) 22:14:09.10 ID:EKQId3yJ0
>>545
「あ゛っ…このやろ、俺の団子…!」

自らの脇を掻い潜って伸びてきた手。山積みになった団子を何本か掻っ攫うとそのまま元の場所へと引っ込んでゆく。
当然の反応ではあるが怒りを露わにしたジョシュアが振り返り目にしたものは珍妙な格好の少女。いや幼女。
いくらここがエドとはいえ色々と奇抜過ぎる。なるほど越境者かとその言葉を聞いて納得。
ジョシュアも長いこと境界線を旅してはいるが、その特性も知らずにただただ流されるだけであった。
しかし世界の特性もすら把握しているとなるとこの幼女、相当手慣れている。おそらくベテランの部類だと推測し幼女へと向き直ったジョシュア。

「……お互いタダモンじゃないってか…あとお兄ちゃんな。まだ20ちょいだっての…」

あと団子返せ、と手を差し出すジョシュアであったが当然それが帰ってくることはない。
しょうがなしにもう一皿団子を頼んだ矢先、新たな越境者の少女に声を掛けられた。
どうやら新しく頼んだ団子もジョシュアの腹に収まることは無さそうだ。

「…魔術由来のナノマシン…こいつを捨てる為に旅してる」

悪びれる様子もなく団子を頬張りながら投げかけられた質問。一瞬で『寄生虫』の存在を看破されてしまえばい敵わないなと肩を竦めて首を振った。
ぼそりと声を潜めて一言。表情は険しいものであった。

>>546
「ん、どーぞ…っと」

頼んだばかりの団子をほぼパクられ、新しく団子を頼んだ矢先に現れた少女。
相席を快く承諾すればジョシュアは二人に間を挟まれることとなり、それすなわちジョシュアの両隣が埋まるということだ。
お茶と付け合わせの御手洗団子は七八の側に差し出されるようにして置かれ、ジョシュアからは手も足も出ない。
もし食べてもいいかと問われれば「困った時はお互い様だ」と快諾するだろう。表面上は。
心の中では有り金と団子を両方失ったことにより悲しみの豪雨である。

「どうした?元気無いなぁ越境者さんよ」

そんな自分以上に元気のなさげな彼女はどうやら暗殺者か特殊部隊の類だろう。この世界ならば密偵やニンジャか
この目は自分と同じくなんか違うエドに困惑している目だ。と謎の親近感を感じるジョシュアであった。
550 :????? ◆Lad0HbZVndK6[sage]:2015/02/26(木) 22:23:34.58 ID:zGY0sgi90
>>549

<うっひょう!! こりゃインスピレーション感じまくりだぜぇ!!
<ギィ!! ギィ!!

なにか聞き覚えのある声が聞こえた気がした

//こちらの出番これだけ
551 :四五六 七八【賽印流忍術】[sage]:2015/02/26(木) 22:25:26.62 ID:VR5v/oL60
>>549
「どーも……はぁ」

溜息と共に着座、色々とギャップで大変な脳内を迅速に処理
それでも間に合う事はなかった、団子が差し出されるその時には
やや茫然としたまま無造作に、奥歯で串から外して咀嚼
数本あった団子は綺麗さっぱり飲み込まれていった

「……ん?」
「あぁ、あなたもね……」
「……分かるでしょ?」

苦笑である、それしか出ない
元々江戸の世界と近しい故郷を持つ彼女としてはそのインパクトは相乗効果
アフロヘアーの岡っ引きが十手を振り回しながらテヤンデェラップを繰り出していた辺りで色々と悟った

「……何ここ?」

今はただ、その一言に尽きる

552 :TypeD-7@ようじょとロボット2015/02/26(木) 22:26:33.33 ID:dHyj46YOO
>>546
「となりはいいけど、とりあえずまずいいもの食え。な?」

目が死んでるときは美味しいものを食えというのが
長年の経験則なんです。

「ナマモノの悩みはだいたいわかんねーけどな」

>>549
「にーちゃんかー。かれてるからもっと上っぽいけどなぁ」

初対面相手に酷い評価である。
なに、同じ世界の違う時間に飛ばされた経験があるくらいさ。
この変異の方向性的に、過去の歴史でやらかした越境者の個人特定とか
頑張ればできそうですが。

「どのくらいまで、アクセスできてる?
 いのち知らずなら、うちの子たちだすけど」

翼から少しだけキラキラが溢れる図。
こいつ、ナノテクのコントロールユニット一式内蔵してやがるぞー
553 :澪【獣化】2015/02/26(木) 22:31:34.28 ID:LKdHhfkU0
>>548
大凡数ヶ月ぶりの食事を享受しながらも、ロイが全身で表す呆れにはさすがに気がつく。
しかし思い当たる節もなくううむと首を傾げ、その理由をまだ覚醒しきっていない頭で模索する。

「…えっと…相手、人じゃないよ…?…大きな狼…」

男女で一夜を過ごすことは場合によっては好ましくないのだとは聞いたことがある。
今回もそこが引っかかったのだろうかと一応の弁明を試みる。
男、と明確表現しなかったのは澪のそういった知識の欠乏からだ。
ある意味危機管理能力が危ぶまれるが、これまでがどうにかなってるのだからきっとこれからも大丈夫なはずである。

「……してるよ……見た目じゃなくて、中身……」

そもそもが長命種、ある段階まで至ればその速度は途端緩やかになる。
バイーンだなんてそれこそ何百年単位という長い目で見てやらないとその成長は分からない。
まだ自覚も乏しいのだ、成長に関しては自信なさげに答えながら晩餐を終える。
ごちそうさまでしたと手を合わせる直前、差し出されたハサミを思わず受け取る。
殻に苦戦しながらもこちらもぺろりと殻だけ残して完食、満足げにふうと息をついた。
554 :四五六 七八【賽印流忍術】[sage]:2015/02/26(木) 22:33:08.83 ID:VR5v/oL60
>>550
「!?」

何か聞こえた気がする
きっと歌舞伎者のシャウトだろうと納得

>>552
「遠慮なく、頂いてるよ……」

ありがとね、と苦笑、団子を頬張る

「あぁ何、あなたカラクリ的な……ロボット?」

その存在を知ったのは越境者の身になってからだ
余り対面した経験もない七八としては珍しそうにジロジロである
555 :ジョシュア・アーリントン【屍喰い】[sage]:2015/02/26(木) 22:46:53.31 ID:EKQId3yJ0
>>551
「…………」

次々と団子を咀嚼し飲み込んでゆく七八を呆然と、口をぽかんと開けたままで見つめるジョシュア。
最後の団子が飲み込まれ、陶磁器の皿にからんと竹串の置かれる音がなんとも哀愁を誘う。
七八に向けた制止の手は行き場を無くして空中を彷徨い、やがて力無く地に落ちた。

「知らん…!だが…ただ一つ言えるのは……まるでごちゃ混ぜ(チャンプルー)だな…」

近代様式と江戸様式のごちゃ混ぜ。混ぜこぜのチャンプルー。ジョシュアはぶっきらぼうに答える。
ヒップホップ文化溢れるエドの街並みを眺めつつ七八の心中と同じ気持ちを味わうジョシュアであった。

>>552
「枯れてるっつーか…燻ってるっつーか…」

あながち間違いではない。思えば初めて境界線を渡ったのは19の頃だった
あの頃の自分は活力に満ち溢れていたが、今の自分はまるで生ける屍だ。屍を喰らう生ける屍(リビングデッド)。
なるほど言い返す言葉もないと謎の感心を見せていたのも束の間、グリードに何らかの細工を施そうとする幼女に全力の制止を向けた。

「待て!待て待て待て!!ストップ!そういうのはナシだ!」
「一度こっちから制御用ナノマシン送り込んで失敗してる…また爆発四散するのは御免だぜ…!」

そう言うと首を覆っている煤けた包帯を剥ぎ取った。パーカーのジッパー少し下げれば首の火傷が露わになる。
それは未だめらめらと火の粉を上げて燃え上がり、内には憤怒の炎を宿しているのだ。
グリードへのアクセスには過去に失敗している。爆発寸前、臨界間近のグリードをかろうじて体内に留めているのだ。
ジョシュアとしては何らかの手違いでここで無惨に爆死するよりは装備品のガラクタのメンテナンスの方が数倍も数十倍もありがたかったりする。

>>550
何か聞きなれた声と鳴き声が聞こえたような気がするがはて気の所為か?
ちなみにジョシュアは出会う人出会う人ごとに団子一皿ずつ奪われ有り金をほぼ全て失った状態。
ジンクスを考えればこのタイミングで彼に出会わないのはある意味で幸運であったのかもしれない…
556 :????? ◆Lad0HbZVndK6[sage]:2015/02/26(木) 22:48:03.28 ID:zGY0sgi90
>>553
「狼は冬眠せんやろ・・・」
少なくてもこの男が知る狼は冬眠しませんでしたが 世界が違うのでしょうか?

「まぁ…いいや 澪だし とりあえずスープを作っちまうか 次の飯はこいつでシチューか何かを作ろう」

どんな不思議なことが起きても 澪だからと思えば何でもないような気がする 不思議!! だって澪だし
澪から受け取った殻も砕いて鍋にポイー ぐっつぐつと煮込めばそのうち エビの風味があたりに漂う

「とりあえず今は何時なんだろうなぁ? こうも夜が続くと体内時計が狂いそうだよ
 ・・・あぁうん 人間中身で勝負だもんね 問題ないよね」

「次の狩りの時は澪ちゃんに頼もうかね だって成長したんだもんね その辺のモンスターなんて指先一つでダウンだよね」
557 :TypeD-7@ようじょとロボット2015/02/26(木) 22:53:06.53 ID:dHyj46YOO
>>554
「Type.D-7 CCU Princess。
 開発目的は、恒星間移民船建造の自動機械群統合制御、
 あるいは可搬性の高い微小機械郡製造ユニットのテストヘッド」

日常会話はなんか間延びしてるくせに、
こういうセリフだけはすらすらと流れるように。
とかく難しいテーマをこのサイズ、この外見に落とし込んだあたり
開発スタッフは相当にゆがんでいるのでしょう。

え? 理解できない?
大丈夫、ここにはこの言葉の意味を理解できる奴がいる。

>>555
「侵食融合型かあ。 面倒なのもらったなぁ。
 それでそんなにいろいろボロボロかぁ。
 にいやん、それちょっとくれ。かわりに兄ちゃんの道具なおす」

爆[ピーーー]る気はないけど、別の意味で気に入ったらしい。
そもそもナノマシンを目視で捉えて、しかも欲しがる時点でナニカ間違ってるが、
どうやら彼女には使い道があるのでしょう。

「どっかのだれもいない世界にもっていけば
 きっとこたえがみれる」
558 :四五六 七八【賽印流忍術】[sage]:2015/02/26(木) 22:58:50.47 ID:VR5v/oL60
>>555
「ご馳走さまっ……ん?」
「……あっ、ごめん、あなたの分だった!?」

虚空を掴む風にしていたその手は所在なく降ろされる格好となった
それを見れば瞭然である、今し方食べたモノが何だったのかなど

「オエドチャンプルーって感じ……?」
「……ま、慣れては来たけど」

パンクな店員に声を掛け、団子を注文
銭は一応手持ちがあるらしく、支払いを済ませる
少しすればジョシュアの元へと団子をが運ばれてくるだろう

>>557
「あー、おっけーなんも分からない事が分かったよ」
「自己紹介だよね今の?」

またもや苦笑、最早張り付いてしまったようだ
しかし理解に対する努力を辞める事まではしない、一応把握出来た内容のみで訪ねてみる

>>555
>>557
「あ、因みに私は七八ね」
「四五六七八、よろしくー」

お茶を一啜り、小首を傾げてご挨拶
559 :澪【獣化】2015/02/26(木) 23:02:42.93 ID:LKdHhfkU0
>>556
「……やっぱり、そう思う……?」

澪の常識においてもやはり当てはまるわけではないのだが、世界が違えば常識も違う。
そうやった自分に言い聞かせたのも両の手ではもはや数えきれないほど。
なんだか可笑しな印象で納得されたような気もするが、否定できないのも事実だ。
澪の生活において、不運によって窮地に陥り、悪運によって乗り切っての繰り返しは大部分を占めるのだから。

「…さあ…?…昼よりはこっちの方が好きだからいいんだけど…」
「…別にいいけど、そこまで一気に成長してはいないと思うよ…」

外を見やって常夜の空を眺める。飲み込まれるような無限の闇に思わず視線は温かな炎へと戻っていく。
気味の悪い夜だ、とひとりごちて膝を抱える。鼻腔を擽るスープの匂いに知らず獣耳がぴくぴくと蠢いた。
560 :ジョシュア・アーリントン【屍喰い】2015/02/26(木) 23:15:39.62 ID:EKQId3yJ0
>>557
「…あのなぁ…一応信頼して触らせてやるが…コイツは一つの世界をマジで滅ぼしかけちまってる」

ジョシュアの装備のメンテナンスと引き換えにグリードのサンプルを少し寄越せと要求してきた幼女にジョシュアは少し首を捻り
あまり好ましくはない様子で唸り声を上げた。ただし

「ぜっっっっっったいに野放しにするんじゃないぞ、ちゃんと処理しろよ?」

お前だから一応は信用するが。と付け加えてだ。
出会って数分。長くて10分。しかしジョシュアが彼女を信頼する理由は先程の彼女の名乗りにある。
おそらくジョシュアの推測するに彼女は高度なAI技術によって造られたアンドロイド。
目先の私欲の為に何をやらかすか分からない人間よりかはよっぽど信用のしようがある。
とはいえ彼女を盲信出来る程にジョシュアは甘い男ではなかったが。

>>558
「いや、大丈夫…元々あげるつもりだったから…はは、は…」

謝罪する七八に気にすることはないと笑顔で告げるジョシュア。
しかし全て持っていかれるとはまったくもって予想外であったらしく、ジョシュアの笑顔は少しだけ引きつっていた。
まさか全部食うとは思わなかったがな、と続け、そして先ほどまで七八が浮かべていたような表情でがっくりと地面を見つめていたが

「…おいおい、別に良いってのに」

運ばれてくる団子を見て少し照れ臭そうに頬を掻き、それから少し遅れてありがとうと礼を言った。

>>557 >>558
「D-7に四五六七八か…俺はジョシュアだ。ジョシュア・"サミュエル"・アーリントン。」
「ジョッシュでもサムでも、なんでも好きに呼んでくれ」
ただし"曹長"だけはダメだ。それだけ言って淡白な自己紹介を終えた。
561 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6[sage]:2015/02/26(木) 23:18:26.58 ID:zGY0sgi90
>>559
「思う」
きっぱりと断言

「夜が好きって言ったってなぁ 人間の大部分は昼と夜を繰り返しに慣れてるんだ こうも夜ばっかじゃ体がおかしくなっちまうよ」
何はともあれ 腹は満ちた 酒がないのが残念だが こればかりは仕方がない 近場の瓦礫に肘をかけて楽な体制をとる

「聞いた話じゃきれいなところもあるらしいが この辺は常にこんな気味の悪い夜しかないよ
 早く境界渡りが起こってほしいもんだが こればっかりは風邪の吹くまま気の向くままだからな どうしようもない」

さて 食べたら暇になりました だがあまり変なタイミングで寝ると それこそ体のリズムが狂いそうで怖い

「スープの仕込みでもするか・・・」
そういって釜戸の火を調整するのであった

//ネタ的にそろそろ尽きてきたころなのでノシします
562 :TypeD-7@ようじょとロボット2015/02/26(木) 23:21:46.98 ID:dHyj46YOO
>>558
「すげーでけーふね作るために
 ちっこい機械つくったりするの試す用
 おとーさんたちはディーナナとかでぃーなとかよんでた」

自己紹介やり直し。
今度は多少わかりやすく言ってくれたらしい。

>>560
とりあえず瓶詰めで渡せば大丈夫じゃないかな。

「世界ひとつをほろぼしかけてまで、それがやりたかったことはなに?」

ぶっちゃけ、世代間航宙移民船程度、境界線での世界によっては
超光速跳躍だの、超空間航路だのあるので
自分はそこまで高レベルではない、とこのちびっこは自己分析しております。

とりあえず装備整備が先ね。
足りない部品はインゴットから分子アセンブリングで組むから多少時間かかるけども
まぁ、概ね丁寧なお仕事ですな。

「彼は何をしたい子?」
563 :四五六 七八【賽印流忍術】[sage]:2015/02/26(木) 23:25:17.23 ID:VR5v/oL60
>>560
「……言っとくけど、普段はあんな食べる訳じゃないからね?」

我ながら言い訳地味てるなぁなんて思いながらも一応弁解
理由としてはまぁボーッとしてたとか、お腹が空いていたからとか色々だ
最もそれを言ったところで言い訳には変わりないし見苦しいだけなので口を噤むいではいるが

「んや、お礼言われるような場合じゃないって」

全くもってその通りなのだ
串だけになった先のみたらし団子の皿が下げられて行く様を横目にしながら

「……オーケージョッシュ」

>>562
「あー……船大工の弟子ロボットね、うん」
「宜しくディーナ」

解釈としてそうなるのは仕方ない
ハイテックにもある程度知識があるとは言え所詮付け焼き刃にも等しいのだから
少し下にある目線に合わせるように背を丸めて微笑み掛ける
564 :澪【獣化】2015/02/26(木) 23:32:29.49 ID:LKdHhfkU0
>>561
はっきりきっぱりと断言されれば乾いた笑笑いを漏らすしかない。
誤魔化すように頭を掻いてたき火へと薪を放る。ぱっと舞い上がる火花に束の間部屋がやや明るくなる。

「……ずっと夜は、なんかやだ……」

好き嫌いはともかく、確かに人間の体というのは廻る太陽によって安定が保たれている箇所が多々ある。
膝を抱えてロイと同じく早い越境を願う。望みを聞き届ける流星が一向に見られないのはどこかうら寂しい。

「……できれば、そのきれいな場所に行きたいね……」

ともあれ常に夜ならば一般的に安全と呼べる時間も存在しないに等しい。
未だ全容を掴めぬ世界、腹を満たした直後に行動を起こすつもりには到底なれない。
結果こてんとその場に横になり、黙したまま燃え盛る炎を飽きることなく眺めていた。

//ありがとうございました、お疲れ様でしたっ
565 :ジョシュア・アーリントン【屍喰い】[sage]:2015/02/26(木) 23:47:18.89 ID:EKQId3yJ0
>>562
「分からんね。ただ…こいつの名前は"暴食のベルゼブブ"って言うらしい。こいつの親玉みたいな奴が前にそう言ってた」

腰のホルスターから自動拳銃とナイフを取り出し、近くの小瓶を失敬して指を切り、自らの血液をその中に溜めてゆく。
ナノマシンを渡すということはすなわち体液を渡すこととなる。血液、汗、リンパ液その他諸々。

「…喰いたかったんじゃないかな、世界を」

ぽたぽたと血がビンに垂れてゆくのを見つめながらナイフを腰に戻し、自動拳銃をディーナへ向けて差し出した。
スライドに銃剣の付いた特異な形状の銃。内部はかなり複雑であり損傷の具合もかなり酷いものだ。

「廿弐式ガントリオン双角。の改造品。弾薬は.22WMR。ダブルカラムで装弾数28発」
「射撃時のガス圧をチャンバーが迂回させてガスを前方に向けて噴射。スライドが前に"ブローバック"する」
「高圧電流でマガジンが誘爆、殆どのパーツが歪んじまってるから適当に調整しておいてくれ」

>>563
「あーハイハイ、わっかりましたってんですよぉ…」

ニヤニヤ顔で七八をあしらうジョシュア。なんというかもう意地が悪い。それにしてもどこかで聞いたことのある喋り方だ。
そしてどこかノリノリでオーケージョッシュと返す七八相手に頭を掻く。どうも調子を狂わされた様子。
団子に皿を暫く見やり、そしてふうと小さくため息をつけば

「調子狂うっつーかなんつーか…まぁ、いいや…」
「──いただきます」

もう色々と考えるのはよそう。取り敢えずはガントリオンの修理が終わるまでこの団子を三人で分け合いながら頬張ることにした。
手を合わせれば日本式いただきます。郷に入っては郷に従え、だ。
ぱちんと小気味の良い音。ようやく念願、2本目の団子を頬張るジョシュアであった。

//どうやら睡魔さんがいらっしゃったらしいので私はお先に上がりです…
//御二方とみロールありがとうございましたっ、楽しかったですっ
566 :TypeD-7@ようじょとロボット2015/02/26(木) 23:55:54.60 ID:dHyj46YOO
>>563
すでになにやらあやしいカラクリの修理モードである。
目線が合わせるのすら難しそう。

「よろしゅー」

なんかすごく手抜きなよろしくが返されました。
ちっこくてもエンジニアスタイル。

>>656
「あとでちょっち『おはなし』してみる」

……普通に会話成立するまで対話パターン構築するだろう。
なにせ、そういう単純作業の果てを目指す作業はAIにはまったく苦にならないのだ。

「食欲は生存本能だかんなあ。
 設計意図がソレってことはたぶんない。
 技術と理念はセットのもの、っておとーさんがいってた」

このちびっ子はものを作るときに、まずその理念を探す。
それが目指すところがわかれば、元の設計がわからなくても
目指すところはわかるからだ。
なれば、この悪質なナノマシンはいったいどんな理念のもとに作られた?

「こっちは、3日かなー。
 ちょっとしずかなばしょでゆっくりやる」

一回移動して、その先で繭化しての徹底修理タイムはじまります。
相当本腰いれるつもりらしいですが、その結果は各自でお持ち帰りください

中の人の眠気、限界につき撤収です
567 :四五六 七八【賽印流忍術】[sage]:2015/02/26(木) 23:59:30.50 ID:VR5v/oL60
>>565
「……あぁもう、最悪……」

第一印象で大食いキャラ付けられてしまったと項垂れる
一応年頃の乙女()である、仕方ない事だ

「……ん、召し上がれ」

とは言うものの作った訳ではないのだが
礼儀というやつだ、頂きますと同じようにそれを見守る側の

>>566
「っと……こっちはまたなんか……」

奇妙な事になってるなぁと首傾げ
ともあれ見守る事くらいしか出来ないのもまた事実

//では私もこれでっ
//お疲れ様でした、ありがとうございましたー
568 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ[sage]:2015/02/27(金) 21:38:34.94 ID:CbMqNk360
「うーん……暗いってんですねぇっ……」
「だ、誰かぁ……いませんですかぁっ……?」

懐中電灯と、それと一定の間をおいてポツポツと点在する自光性の鉱石照明のみが頼りだ
劣化し崩れ掛けたくすんだピンクレンガの壁の向こう、岩肌が露出しているのが見える
廃坑なのだろうか、折れたピッケルやスコップが落ちている
しかし先程から怖気を覚えるのは、呻き声とも風鳴りとも何方にも付かぬ音が時たま響く事
やや弱気になるには充分なそれに怯えつつ、ソロソロゆっくり慎重に進んだ
569 :澪【獣化】2015/02/27(金) 21:51:27.54 ID:3Wzmvk2U0
>>568
暗がりの中、懐中電灯の光線は鋭く闇を切り裂いて進む。
それは世界を照らし、また自身の存在を周囲に痛いほどに知らしめる。
その光源に惹かれ、ニアへと近づく影が一つ。

「……ニア、だよね……?」

足元の小さな石ころを蹴り遊びながら姿を現したのは、きっと久方ぶりだろう相手。
鉱石の灯りを頼りに歩いて早数刻、ここに来て初めて見かけた人工の光にようやくの安堵。
狭く、またどこか陰鬱なそこで顔見知りに出会えたというのは大きい。照らされてできた影を揺らしてニアへと駆け寄った。
570 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ[sage]:2015/02/27(金) 21:59:44.54 ID:CbMqNk360
>>569
「……!?」

石蹴り音に鋭敏に反応、反射的に月光の柄を握る
だがその漆黒の刃が引き抜かれる事はなかった
何故なら、

「……あっ、澪っ! 久し振りってんですっ!」

薄明かりの中での再会、出来ればもっと平和地味た場所が良かったがしかし充分だ
旧知の間柄の友に出逢えたのだから、それだけで希望の泉に清水は再現なく湧き出るというもの

「ここっ、何かヘンテコな洞窟みたいですけど……」
「澪も越境してこの中にっ?」

言葉からするとニアは、この遺跡だか廃坑だかおぼつかぬ暗闇の中へと越境し出口を探しているらしい
風か、それとも声か、奇妙な音が2人の行く先からジワリと響いて来た
571 :澪【獣化】2015/02/27(金) 22:13:17.13 ID:3Wzmvk2U0
>>570
「…久しぶり…元気そうで、なにより…」

軽く片手を上げて形骸化した挨拶、しかしそれで十分だ。
変わらないということが、ある意味最も望ましい形であるのだから。
見るも微笑ましい再会が淡い鉱石の光に照らされて浮かび上がった。

「…うん、出口を探してるんだけど見つからなくて…」
「…なんだか変なのもいるみたいだし、早くここから出たいんだけど…」

光に敏感な澪の瞳にとって、鉱石による僅かな灯りがあれば世界を見ることは容易い。
しかしそれでも、どうにも陰鬱なこの場所に長居する気にはなれず、ニアと同様日の光を求めて彷徨っていたのだ。
言葉を返しながら、しかし鋭い聴覚は奇妙な音を漏らさず捉える。
金の瞳をそちらに向け、行く手の闇を見据えて警戒に目を細める。
知らずニアの一歩前を行くように、慎重に歩を進めた。
572 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ[sage]:2015/02/27(金) 22:25:35.81 ID:CbMqNk360
>>571
「ええっ、澪もっ」
「……少し、髪、伸びましたっ?」

微笑み掛けながらの同じく、幾度となく行ったであろう繰り返し
繰り返しというのは存外気が付かないモノだ、それ自体が幸福である事に

「やっぱりですかぁっ……」
「暗いし狭いし……早く出たいですねぇ……」

一方ニアは、体自体はそこまで常人と変わらない
故にこの暗さや閉塞感によるストレスは大きく、早くも辟易している模様
半歩後、澪の肩を見る程度の位置で行く先を照らしながらに歩く
ざり、ざりっ
何かを引き摺るような、先までの何処か朧げな音とは異なる現実めいたそれが近付いて来る
距離はまだ遠い、そして目の前にはY時路の分岐点
引き摺る異音はどうやら右から聞こえている様子
573 :澪【獣化】2015/02/27(金) 22:40:40.15 ID:3Wzmvk2U0
>>572
「…そうかも…ずっと放っておいてたから…」
「…うん…風が吹いてくる方に向かえばいいと思うんだけど…」

いくら視界が平時と変わらずとも、暗く狭い道が続けば話は別だ。
苛む苛立ちに頭を掻き、闇に自分を見失わないよう石ころを転がし続ける。
壁に映る二つの影は、どこか安心感を与えてくれた。
そうしてしばらく歩き辿り着いた分岐点、先程からの違和感にとうとうここで足を止めた。

「……こっち、なにかいるみたいだけど……」

どうする、と後ろを振り返ってニアの意見を窺う。特にないようであれば左の道を選ぶだろう。
大凡人の足音ではないそれに、狭いこの場所で相手取ることは下手をすれば致命になりかねない。
最悪落盤の可能性もある、戦闘を避けんがための判断だ。
574 :α-12【ディープメイカー ver.α】>>352[saga]:2015/02/27(金) 22:43:21.03 ID:YWyuRWA0o
【カノッサ機関の権力闘争について】

 幾度か語られてきたように境界線接続により、現在カノッサ機関は大きなカオスに沈んでいる。
 何せ広範に渡って広がりすぎたため、在り様すら拡散・散逸している組織である。
 世界を隔て、音信不通を成った世界間の各支部は姿勢の違い、スタンスの違い、考え方の違い、
 果ては種族的な違いすら出てしまうほどに大きな差異を持ってしまっていた。

【境界線接続によりその距離が突然に近しくなったとて融和できるか?否、断じて否である】
 【むしろ、野心が蠢く。差異は拒絶する。さらに各支部が多くの世界では絶大な力を有しているのだ】
【ゆえに、同じカノッサ、いや、カノッサであるからこそ、互いが排除すべき敵となるのは必然であった】

「そーいうわけです。あるかも解らないアクシズ(中枢)は黙して語らず。
 ただ、断片的な事例と膨大な予算やら何やらを通常通り履行するのみと来たものです。
 もう、てんわやんわってヤツです」

 ガスマスクですっぽりと顔を覆っているのはα-13。
 C.T.S.S.(カノッサ・テクノロジー社保安警察)のクローン兵である。

//次に出たキャラに応じてシチュ構築するでよー(なので今はあえて曖昧にノリまかせであります
575 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ[sage]:2015/02/27(金) 22:48:56.81 ID:CbMqNk360
>>573
「ふふっ、ちゃんとお手入れしないとってんですっ」
「……風、ですかぁっ……」

最もそう言って微笑むニア自身、髪にそこまで拘りがある風でもないが
邪魔にならない程度に短く、かといって短過ぎない程度には長い
その程度だ、常々意識しているのは
風は正面から、僅かな湿度を纏ってか細く吹き抜いて来る
まだ外とは距離があるのだろう、埃や土に晒されて緑の匂いはすっかり消え失せてしまっている

「えっ、何かって……」
「……ほ、本当だっ……こっちにしましょ……?」

左の道を指差して示す
一刻も早くそちらへと行き右から来たる何者かから逃れたいのだろう、澪の手を取らんと伸ばした
そうして暗闇に進めばしばらく、後方より先程の引き摺る異音が澪の鋭敏な聴覚に届くであろう
576 :澪【獣化】2015/02/27(金) 23:04:14.10 ID:3Wzmvk2U0
>>575
「……面倒……」
「…まだ、出口は遠いみたいだけど…」

僅かに渋面、そもそもが自分を着飾るということに無頓着なのだ。
そうして放置した結果が現在、しかしやはり長すぎれば行動に支障をきたすこともある。
どうしたものかと闇に紛れない焦茶の髪をつまんで首を傾げた。
届く風は行く手から、だが通路の陰惨な空気に侵されて外を気ままに吹くそれとは程遠い。
まいったなと小さくため息、響いても微弱な風にさらわれることはなかった。

「……ついて、きてる……?」
「…っ…走って…!」

ニアに手を取られて左の道を進み、しかし得体の知れないモノは二人が来た道ではなく行く道を選んだ。
確かに後を追ってくる異音は恐怖心を増長させ、同時頭に警鐘を響かせる。
一刻も早く外に出たいという思いも相俟って、選んだ手段は速さによる逃走。
繋いだ手を引き、ニアの義足を気遣いながら日の光を求めて走り出した。
577 :四条 藍【未熟者の剣術】「E天楼華剣、夢想剣、凛姫幻想刀」2015/02/27(金) 23:07:23.34 ID:MVL7W0oZO
>>574

「新手のコスプレですかね……あれは?」

3本の刀を帯びる容姿十代後半の少女は、眉をひそめ先に見えるガスマスクをかぶった女性を神妙な表情を浮かべながら見つめている。
彼女はカノッサの存在を全く知らないが、様々な異界を漂流している内になんか結構凄い組織があるのを耳にしていた。
しかし、やはり先にいる女性がカノッサ関係者ということは理解してないようだ。

「それより、此処は何処なんですかね……。タダでさえ方向音痴なのに、全く知らない世界に来てしまうなんて……なんたる不覚!くっ、殺せ!!」

α−12を見つめながら、顎に手を当て今度は険しい表情を浮かべる藍。
そのまま目線は変えず、ただただ独り言を呟きながら最後に物騒な発言。

「あ、そうだ。あのコスプレの人に聞いてみましょう。すいませーん」

すると今度は何かを閃いたかの様な一気に明るい表情を浮かべやはりα−12を見つめる。
先方からしたら不思議な人に見えるかもしれない。
藍は満面の笑みをしながら、α−12に声を掛けようと近付いて行った。
3本の刀を帯びながら
578 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ[sage]:2015/02/27(金) 23:17:21.95 ID:CbMqNk360
>>576
「楽しいってんですよっ、美容院とかぁ……」

ただ髪を切るというだけに特化したサービス
だが行く先々の世界全てで、その技術の変化を実感出来る
そして面白い事にほとんどの世界で廃れていないという事実もまた存在しているのだ
極めて人間的な、ある種贅沢な商売を味わう事をニアは好んだ
最も受ける事が目的であり髪型自体には先の通りそこまで煩い訳ではなさそうだが

「でも、こっちって事であってるっぽいですよねっ……?」

朧げにだが風を、ニアも感じる様になって来たらしい
牛歩であるが確実に脱出に近付いているのを感じ、思わず声も明るくなる

「えっ……!? え、えぇっ!」

澪の言葉に事態を察したのだろう、手を引かれ追従して駆ける
義脚はそれに向いてはいないが、そんな事を気にする場合ではない
引き摺る音は奇妙にも、加速を感じさせぬままにしかし確実に2人に近付いて来ている
息が上がり初めた所辺りか、遥か前方にトリミングされたような光を放つ四角
無論出口だ、あと一息
579 :α-12【ディープメイカー ver.α】>>352[saga]:2015/02/27(金) 23:19:18.58 ID:YWyuRWA0o
>>577

「で、まあ職業柄、α-12もご他聞も漏れず越境者という連中と遭遇することがよくあります」

 言いながら、ガスマスクの奥で溜め息。
 今回遭遇したのは何と言うか、お気楽極楽なのか江戸から来なすったのかそういう輩。
 星空が広がる薄暗がりの中でα-12はツカツカと場違い者に近づいて、

【蚊のなら藍の頭をムンズと掴んで下に落とそうとする】
 【→この時点では原因は不明であろうから抵抗されるかもしれない】
【→原因といえば、藍の頭部に目掛けて絶賛飛来中の銃弾が理由といえば理由かもしれない】

「まあ、死んだら死んだでラボに運ぶ検体が一つ出来るだけですが」

 何より、α-12自身、さしてこの行動の結果に関心が薄い。
 ただ、何も解らずに脳を貫かれて死なれては何かとデータが集まらないといった程度である。

【→藍に向かって高速貫通弾がひた走っている】
580 :澪【獣化】2015/02/27(金) 23:30:17.97 ID:3Wzmvk2U0
>>578
「…後ろ、来てるからっ…!」

不変の、しかし明らかに近づいている異音の正体は背を向けていれば当然分からない。
それでいいのだ、闇から迫る不可思議の正体を探らなくともその前にこの場から脱すればいいのだから。
振り返らず狭い通路を駆け、ただ先を求めて前を向く。

「…もうすぐ、出口だから…!」

そうしてようやく微かに届く、外から射し込む希望の光。
そこに辿り着いたとしても、追跡者が諦めるとは限らないがしかしそこに賭けるしかない。
繋いだ手を放さないよう、しっかりと握って光の中へと飛び出した。
581 :四条 藍【未熟者の剣術】「E天楼華剣、夢想剣、凛姫幻想刀」[saga]:2015/02/27(金) 23:34:17.49 ID:MVL7W0oZO
>>579

「あ、ここって何処……………?」

ニコニコと笑みを浮かべながら、自身の質問を投げかけようと近付いて来たα−12に話し掛ける藍。
しかし、その質問を全て言い終わる前に藍の言葉は途中停止した。
その理由はなんの意図か理解出来ないが己の頭に手を置いて来たからである。
頭の上に置かれたα−12の手の上にハテナを浮かべながら、ガスマスク越しに微かに見えた瞳を見てる藍。

「あのー……ってうぉわぉ!?」

数秒の沈黙の後、流石にこの不思議な状態から抜け出そうと思った藍はガスマスクを被るα−12へと再び声を掛けようとした刹那、まるで強力な重力に押しつぶされたかの様な勢いと強さで頭を地面へと押され、いきなりの出来事に女性とは思えない悲鳴なのか叫び声なのか分からないなんか気合い入れの様な声を上げ強く顔で地面をキスする藍。

「ちょ、ちょっと……なにするん……です……か……!?」

自身の頭上で起きている出来事を未だ察知していない藍は、顔を真っ赤にしながら力強くで頭を上げようとする。
しかし、思った以上にα−12の力が強くただ単にプルプルと生まれたての子鹿の様な状態になるだけだった。
582 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ[sage]:2015/02/27(金) 23:37:47.36 ID:CbMqNk360
>>580
「ほ、本当だっ……!」

ニアの耳に届く程に、届いてしまう程にまでの接近を許してしまっている
振り返る事をしないのはニアも同じだ、理由は分からないが

「出口っ、もうすぐっ……!!」

一陣の風が強く吹き抜けた
光が2人を包み、むせ返るような緑の匂い
目が眩む程の陽光、小鳥が鳴いている
やがて視界が色彩を取り戻せばそこは森の中の岩壁にぽっかりと空いた洞窟であった

『……ありゃあ、ヒトが出て来るなんて驚いたなぁ』

緑の肌に尖った耳、森に住むゴブリンが1匹、目を丸くして2人に近寄る
どうやらこの洞窟の入り口の見張り番らしく、鉄製のヘルメット被り錆びた剣を腰に提げていた
害意はなさそうに見える
583 :α-12【ディープメイカー ver.α】>>352[saga]:2015/02/27(金) 23:48:59.66 ID:YWyuRWA0o
>>581

「しりあすぷろぶれむです」

 ガスマスクの眼の部分のは真っ赤な丸いレンズが備わっており、
 その瞳の動きはかろうじて見えるかどうかというところだ。
 フルフェイスマスク越しにあからさまな嘆息を藍に投げかけている。

【文句を言う藍の頭上にキューン!と空気を劈く独特の音。高速弾が通過したとき特有の音だ】

「静かにしてください。次はでこい(おとり)にしようか検討してしまいます。
 と、α-12は外道戦略についてポロリと口を滑らせます」

 無感情というよりは何だかどっかぬぽーっとした感のある声音。
 とりあえず、この不確定要素をどうしてくれようかと考えている。

「ここは何処?銃弾飛び交う戦場です。しかも相手はスナイポ付きです。
 ついでに言えば包囲されかかっています。そんなところに飛ぶ込む越境者…」

 説明しながら。ハァとわざとらしく大きな溜め息。

「毎度の事ながら、あなた方の節操と奥ゆかしさと脈絡の無さにα-12は溜め息を禁じえません。
 プランに大きな齟齬です。責任をとってください。出世払いは不可です」

 冗談めいた軽口を叩いているα-12であるが、
 実際問題、周囲には複数の殺気があり、しかも、貫くような狙撃兵の殺気もこれに加わっている。
 何やら、死地に出現してしまった。解りやすくいえばそういうことだ。

【行動選択肢は色々とある】
 【→無関係であると手を上げて一目散に逃げる(相手に分別があればいいが】
 【→このガスマスク兵に事情を聞いてみる(味方であるとは限らない+嘘を言う可能性もある】
 【→とりあえず縁であると加勢する(このガスマスク兵の側が正しいことをしているとは限らない】
 【→ガスマスク兵と敵対する(戦闘になるだろう+相手側がこちらを味方と思ってくれるとは限らない】
584 :澪【獣化】2015/02/27(金) 23:52:59.10 ID:3Wzmvk2U0
>>582
「…やっと、出られた…」
「……大丈夫……?」

強く求めた出口は二人を迎え、闇を抱いた洞窟から光に溢れる外界へと吐き出す。
久方ぶりの陽光の強い刺激に目を細め、しかし顔に浮かぶのは小さな笑み。
髪を揺らす新緑の風と無事逃げおおせたことに思わず漏れた安堵の印だ。
無理をさせただろうかとここで初めて振り返り、繋いだ手はそのままにニアへと問いかける。

「…あ…どうも…」
「…えっと…ここって、なにかあるの…?」

次いでこちらへと接近してくるゴブリンを見据え、敵意の見受けられない様子に思わず会釈。
ここの原住人だろうかとあたりをつけ、洞窟を指差した。
暖かな光に包まれていようとも、先までの体験の記憶が消えるわけではない。
この洞窟、特に振り返って知ることの叶わなかった異音の正体を求めて見張りと思しきゴブリンに尋ねた。
585 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ[sage]:2015/02/28(土) 00:06:10.43 ID:v0O7sLKo0
>>584
「ぜぇ……ぜぇっ……」
「よ、よゆーってんですっ……」

ふらりふらり、澪に凭れるようにフラついてしかし強がってみせる
一気に噴き出した汗で前髪が張り付いた
だが近くの泉の湿度を運ぶ森風が適度な清涼感を与えてくれるため、鬱陶しさはない
鮮やかな色彩の花々や木の実、木の葉の向こうのそらの青

「……というかっ、ふつーに喋るってんですね……?」

『そりゃあお前、何って……』
『俺っちも詳しくは知らねぇんだけど、夜のはぐれ? とか呼ばれてる魔物だよ』
『そいつはお日様の光が苦手らしくってよ、外には出て来れないらしいんだけど……』

この中は奴の領域だから出て来ない様に見張ってるんだ、と欠伸混じりのゴブリン
それなら出入り口を塞いでしまったり、そもそも曰く付きの洞窟から出てきた2人を訝しむ事もせずペラペラ喋っている所はまぁ楽観的な種族の影響なのだろう

『まぁなんだ、あんまり気持ちいい場所じゃないし』
『ちょうど昼飯の時間だ、村に案内するから着いて来なよ』

そして鼻唄を歌いつつ新緑の中を行くゴブリン
見張りの仕事はと言われればまぁそれはアレだアレ

「うぅ、ど、どうしますっ……?」
「お腹空きましたし、着いて行くかっ……」

それともゴブリンの誘いを断り別を行くかだ
ゴブリンの村へ行けば旅人に対する好奇心からの歓迎を受け森の幸のご馳走にあやかれるだろう
まぁそれをしなくとも豊かな森だ、道すがら食べ物の確保には困らないではあろうが

昼と夜の連歌の世界、昼側
微かに残された夜の残滓は、今も洞窟の中で静かに息を潜めている

//これで〆させて下さいっ
//お疲れ様でした、ありがとうございましたっ
586 :四条 藍【未熟者の剣術】「E天楼華剣、夢想剣、凛姫幻想刀」[saga]:2015/02/28(土) 00:09:14.09 ID:LfFB5zQO0
>>583

「ひゃっ!?」

あいも変わらず、藍の目先には夜空の闇により光を奪われその現象により若干藍色掛かった地表があるだけだった。
自身とα−12との単純なパワーでは圧倒的にα−12が優っている為、けっして刹那的に顔を上げ自身を押さえつける女性のご尊顔も、空を交わう幾万の銃弾も拝めることは出来ない。

「じゅ、銃弾?せ、戦場?す、スナイプ!?」

視界から入ってくる情報は今は頼りにならない為、耳からの情報のみでいま自分が置かれている状況を理解し把握しようと試みた。
しかしその情報は余りにも過酷な情報だったことに藍は思わしず、動揺の声を上げた。

「責任って言われても………」

この状況では、冗談も此処から助かる一種の分岐点に聞こえてしまう。
しかし藍が使うは刀、対して奴さんが使用するは相性最悪の銃だ。
さらにはこの闇夜、向こうはスナイプがいる為此方が何処にいるか分かるが、こちらは相手の居場所どころか具体的な人数すら理解してない。
正直、絶対絶命だ。
【→無関係を証明したとしても、無慈悲に銃弾を飛ばすやつらに効果があるとは思えない】
【→事情を聴いている暇は果たしてあるのか、否、戦場においてそんな時間はない】
【→ガスマスクと敵対すれば、この体勢だとすぐに命を刈られてしまう】
【よって

「じゃ、じゃあ責任とるから!私も加勢するからこの状況をどうにかして!!」

ガスマスクに加勢することにしたようだ。
しかし、やはり不利には変わりないので
α−12の力が必要不可欠だが。
藍は腰に帯びた日本刀《無相剣》にを掛け、頭を上げることが叶えば斬撃により銃弾を撃ち落とそうとするだろう。
587 :α-12【ディープメイカー ver.α】>>352[saga]:2015/02/28(土) 00:22:27.03 ID:bIEICFq4o
>>586

「ぐっど。実に越境者らしい場当たり的判断です。それでは責任を取ってもらいます」

 褒めているのかけなしているのかサッパリ解らない言葉を言いながら、
 α-12はコンバットベルトのポーチから細長い筒状のモノを取り出す。

「気配は10時の方向に3〜5人、15時に同じくといったところです。
 コレはフラッシュバン(閃光手榴弾)です。二つ放り投げるので10時の方向に突っ込んでください」

 すごくアバウトなプランの提示。ある意味正道でもあるのだが、

「相手が想定内であればアナタが10時を抑えている間にどうにかします。
 思ったより数が多ければ、アナタをおとりに任務を続行します。α-12はとても正直にプランを提示します」

 最悪、おとりにして逃げますとハッキリ言いやがったガスマスク兵。
 やっぱり、コイツどっかオカシイと思うなら今である。

「フラッシュバンの効力はおそらく50%にも満たないとα-12は想定します。
 相手に突入する隙は出来ても、一方的に蹂躙できるとは思わないほうがいいでしょう」

 しかして、こんなビミョー感あふるる提示であっても、
 時間は有限。包囲が完成し、突入されれば、一方的蹂躙の憂き目にあうのはコチラなのだ!

【見れば、遮蔽物の影に一瞬、近代的装備に身を包んだ兵が映る】

「準備いいですか?雰囲気から相手の突入まで10秒切っちゃってます。α-12は忙しくて思わず肩を落とします」
588 :澪【獣化】2015/02/28(土) 00:26:29.86 ID:ixUmZ+5P0
>>585
ニアの強がりに苦笑、そっとフラつく身体を支えてやる。
澪の方も少々息が上がっているが森独特の新鮮な空気を吸えば悪い気はしない。
木々が揺れ葉が擦れる音は心地よく、隙間に見える青空は辿り着いた希望の象徴。

「……魔物、かぁ……」

ならば納得がいく。大凡人とは思えない音にも、説明できない不可思議な現象にも。
ともあれ外まで出てこないとなれば一安心。ふうとついた安堵の吐息は風に運ばれ空に舞う。

「…え…見張りは…?」
「……まあいっか……」

洞窟の内も外も澪にとっては未だ未知の世界、故にゴブリンの誘いはありがたかった。
どことなく楽天的なゴブリンに少々の危機感を覚えるが、きっと彼らはそうやってこの境界を見張り続けているのだろう。
形骸的であり、それでも安寧を齎すための行為にあまり緊張感があるわけでもない。
繋いだままの手をどちらともなく引いて、ゴブリンの背中を追う。通り過ぎる緑は歓迎するようにさらさらと鳴いた。
一度だけ振り返り、ぽっかりと空いた闇を見る。
その深淵に思わず身震いし、すぐに前を向いて知らず足を早める。二度と足を踏み入れることのないようにと天照らす日輪に願った。

//ありがとうございました、お疲れ様でしたー
589 :四条 藍【未熟者の剣術】「E天楼華剣、夢想剣、凛姫幻想刀」2015/02/28(土) 00:40:04.67 ID:LfFB5zQO0
>>587

「3〜5人ですか……。まぁ、私は強いですからね!余裕ですよ、余裕!あ、唇に砂がっ!?」

α−12のアバウトだが、きちんと掻い摘んだ指示を受け任せてくださいよと無い胸を張る藍だが、α−12のお陰で唇に付着した砂に
気付いたのか必死で拭き取る姿からは頼り無さしか見受けられない。

「ちょっと待ってください!?私が囮!?」

α−12の思い遣りも糞も無い、正に自分大事発言を耳にして驚愕の声を銃弾の発砲音よりうるさく口に出す。
しかし、その後に続く言葉は"それじゃ、帰り方分からないじゃないですか!?"という何処かズレタ突っ込みだった。
この二人大丈夫か、な組み合わせだ。

「ふぅ、任せてくださいよっと。この夢想剣があればどんな相手も斬り刻みますから!」

どうやら50%あろうがなかろうが、近付けさえすれば勝機はあると考えている様だ。
ある意味、そんなプラス思考だからこそこのビミョー感あふれる指示にも不安を感じないし出会って間も無いα−12の指示を信じれているのだろう。

「落とす肩があるなら、その肩で私の勝利の前祝いを万歳しといてくださいね!」

刀を構え、指示通りの方角へと走り始めた。
α−12の閃光手榴弾が炸裂したと同時に相手を此方の間合い内へと入れるつもりだ
590 :α-12【ディープメイカー ver.α】>>352[saga]:2015/02/28(土) 00:56:16.03 ID:bIEICFq4o
>>589

「では、行きます。たいむいずさばいばるです。えーと」

 言いながら、肩の通信機を一瞬だけオンライン。

「大体は引き寄せました。敵の注意はこちらに向いています。
 デュミナス=サン。概ね予定通りです。オーバー」

 右手にサブマシンガンを構え、左手の指に挟んだ二本のフラッシュバンを投擲。
 今こそ、突入の時――

「あ…言い忘れましたがスナイパーについては勘でどうにかしてください」

 最後に実に酷い言葉を残して、α-12は15時の方向に向かって吶喊!
 同時に、藍もプラン通りに10時の方角に向かって吶喊。プラン開始だ。

【投擲先に視界を奪う輝きと耳を聾する轟音!】
 【→光をまともに見てしまったら藍とて、視界が一時的に酷いことになるであろう!】
 【→音については心構えさえ出来ていれば距離もあるしどうにかなる】

 突入した藍の眼に映るであろう光景。
 人影、殺気、藍に向いた。数は5!想定でもっとも最悪の数字!

【→2体(あえて人を使わない)はフラッシュバンを受けて一瞬の無力化状態】
 【→2体はアサルトライフルを構えてこちらに照準を合わせようとしている】
 【→1体は近距離戦になると読み、取り回しのよいピストルに装備を切り替えた】

 後方でも複数の銃声!13時の方角でも始まったようだ。
591 :四条 藍【未熟者の剣術】「E天楼華剣、夢想剣、凛姫幻想刀」[saga]:2015/02/28(土) 16:23:29.11 ID:IQXFN/REO
>>590

「ひゃっ!?」

冷たい夜風を正面から浴びながら、走り出し指示を受けた方角へと向かい出してから僅か数秒後、何処からともなく空を裂きながら飛んできた一発の銃弾は藍の頬を擦りそのまま数秒前まで藍がいた場所へと。
そして、その銃弾が藍の頬を擦ったと同時にα−12のガバガバな指示基、忠告。

「っ!?」(あれはさっきあの人が手に持っていた閃光手榴弾……目を閉じなきゃ!)

藍が目指す場所へと投げられた閃光手榴弾は、藍のやや先へと落下!
閃光手榴弾の落下を目にした藍は、それが炸裂する前に瞳を力強く閉じて視界を奪われないようにした!
【しかし、閃光手榴弾を初めて見た藍はそれから放たれる音響がどの程度か分からない為、心構えはしていたがやはりその高音により数秒間のみ若干耳が遠くなった】

(くっ、耳がーーーー!……あ、治った!!)

「っと、人影!!」(そしてダダ漏れの殺気が5つ……)

強烈な閃光と音響と共に敵陣へと素早く突入した藍の視界に入ったのは5つの影。
そしてその藍に突き刺さるのは、鋭いダダ漏れの殺気だった。
感じる殺気の数も目に入った影の数も一致した為、この場には5体の敵が存在していることを確信!
次の場面では、既に人影では無くその本体の姿を確認した藍は素早く最善な戦略を練り行動へと移した。

「……………………」
(本当はこんな使い方じゃないんですけど仕方ない。まずはスナイプからっ!そして次に二人!最後はあの人!)

【フラッシュにより無力化された二人よりもまずはスナイプ二人組みに狙いを定めた藍は、殺気と最初に確認した影の位置を頼りに己の二本の刀、『天楼華剣』と『夢想剣』を二人の頭を狙い投げた】
【投げた刀がスナイプ達に命中したかを確認しないで、そのまま素早く流れる様に次のステップへ。フラッシュにより無力化した二人の元へと接近し残された刀『凛姫幻想刀』を使い斬りつけようとする】
【→成功すれば、そのまま素早く銃を持つ敵へと狙いを定め特殊な歩法を使用し自身が二人いるよう敵に幻視かけ、混乱または、狙いが定まらない内に斬りつけようとするだろう。失敗すれば、藍は残された一本の刀を銃を持つ敵の頭を狙い投げ、無力化の二人に対しては距離を置いて出方を見ようとこころみるだろう】



592 :α-12【ディープメイカー ver.α】>>352[saga]:2015/02/28(土) 19:07:43.49 ID:bIEICFq4o
>>591

//スナイポはかなり離れた距離からこっち狙っているである<説明不足スマソ

「「アバーッ!」」

 アサルトライフルの二人は二本の刀にそれぞれ脳天を貫かれ即死!
 後方500メートル以上離れたスナイパーも藍と味方の距離が近すぎるため、
 容易に照準を定めることが出来ない!

【→奇襲により敵2体を撃破】【→敵との距離が近いうちは相手も狙撃困難であろう】

「コシャクな真似を!!」

 無力化が解け、突撃銃を構える兵達であったが最至近距離にあって、
 取り回しの悪いそれらの銃が刀に速度で上回ることは極めて困難。
 視力が回復しきっていない事に加え、独特の歩法により、惑わされた銃口は藍の本体と捉えることあたわず!

【銃撃のマズルフラッシュと轟音が響く中、袈裟切りにより斜めに斬られた1体が無力化!】
 【もう一人は状態が悪すぎると、寸でのところでバックステップ!回避行動によりギリギリ斬撃を避ける!】

「――やるなッ!!」

 そして最後の一刀が投擲!ピストルに切り替えた兵士はその軌跡を見抜き、しゃがんで回避。
 同時に距離を置こうとした藍に向かって二連射発砲!

【BANGBANGと耳を劈く銃声と共にフルメタルジャケット弾が藍に向かって伸びる】

「………」

 さらに後方スナイパーは味方と藍の距離が開けば、これ幸いと遠距離より銃撃態勢をとるであろう。
593 :四条 藍【未熟者の剣術】「E天楼華剣、夢想剣、凛姫幻想刀」2015/02/28(土) 19:48:48.13 ID:3qnU99UKO
>>592/すいません、スナイポーとアサルトライフル間違いてました……


「離れた場所から狙撃してる人には言われたくないっ!!」

1人を無事斬りつけそのまま二人目を斬ろうとするが敵の瞬時の判断による緊急回避により敢え無くハズれ無の空間を斬り裂くだけだった。

(避けられ────ッ!?)

三本の刀を失い手ブラとなった藍は素早く敵との距離を置こうとバックステップを取り後ろへ下がろうとした刹那、強烈な銃声が辺りに響き同時に放たれた二弾の銃弾の内一発が脚へと命中!もう一発はギリギリ脚を掠めた。

「………く」(まずい……敵は二人…武器を取りに行く暇なんてない…とりあえず近接戦に持ち込まなきゃ……)

藍は時を待たずして、足の痛みに耐えながら先程ピストルへと切り替えた兵士に接近し更に接近する際は狙いが定め難いよう、直線的では無く不規則に曲がりながら走るとう手段を用いた。

「奈落堕ちィィッッ!!」

素早くピストルの兵士の胸中央に掌底打ちを打ち込もうと己の右手を突き出す。
掌底打ちをする際、藍は力を貯め放つことで小さな衝撃波を対象者へと打ち込めるのだ!
594 :α-12【ディープメイカー ver.α】>>352[saga]:2015/02/28(土) 20:00:12.31 ID:bIEICFq4o
>>593

「ぬう!?」

 射撃を回避されたピストル兵は藍の掌底にみなぎる危険な気配に
 とっさに腕のブレーサー(手甲)を胸部の前に向ける。

【独特の衝撃!衝撃点をブレーサーの内側に置かれた一撃は、
 ブレーサーを破砕させ、その腕に鋭い痛みを走らせた!】

「グワーッ!!」

【そのままノックバックを強いられ、靴底の軌跡を地面に残しながら後退!】

 しかし、それと同時に側面、回避行動を終わらせたライフル兵が、
 近接距離のメゾッドに則り、サバイバルナイフを逆手に引き抜く。

「オオッ!!」

 そして、藍の側面、やや後方より、その首の目掛けてナイフを振り下ろした!!
595 :四条 藍【未熟者の剣術】「E天楼華剣、夢想剣、凛姫幻想刀」2015/02/28(土) 20:13:50.47 ID:3qnU99UKO
>>594

(よしっ!)

後退する兵士を見ながら突き出した手を握り、そのまま追撃しようと走り出そうとする藍。

「!?」(後ろからっ────)

しかし己の後方から聞こえた雄叫びに意識が向き振り返った瞬間、瞳に映ったのは無限に広がる闇の空と幾万の星々、そしてその景色をバックにナイフを此方に振りかざす兵士の姿だった。
藍は咄嗟の判断で右腕を突き出し、首を防ぐが代わりに右腕へとナイフが突き刺さる。
冷たい金属がジワジワと自身の体内へと入ってくると同時に激しい痛みに苦い表情を浮かべながらもその兵士の顔を狙い再び左手で掌底打ちをお見舞いしようとする
596 :α-12【ディープメイカー ver.α】>>352[saga]:2015/02/28(土) 20:49:34.31 ID:bIEICFq4o
>>595

「ッ――!!」

 生死を分ける刹那、その一瞬!
 鋭い切っ先が肉を切り裂く感触がありながらも、
 それは急所を大きく外していた自覚を得る間もなく、

「アバーッ!」

 頭部に衝撃波をまともに受ける!
 脳を激しくシェイクされ、そのまま昏倒!一週間は覚醒すまい!

「ぬぅ…ッ!!」

 残ったピストル兵はどうにか踏みとどまり、
 銃口を藍に向けんと――その時!

【突然に横手から大量の銃弾!それが藍と兵士の間に割って入る!インターラプト!】

「越境者。時間切れです。すぐに後退を」

 地面が抉れ、木々が倒れ、兵士は突然の乱入に後退!
 それはα-12の両の手とさらに腰から生えた何かが掴む合計4丁のサブマシンガンによる濃密な弾幕!
 豪快な射撃音の中で、僅かに藍に対する言葉がノイズめいて混じる。

【そして、思いっきり屈んで上方より飛来する狙撃弾を回避する】

「目的達成済みです。相手の増援がやってきます。囲まれれば今度こそ勝ち目はありません」

 一刻も早く後退しなければならない状況。
 即座に得物を回収して離脱せねばならぬタイミングであるが、

【懸念材料としては藍の腕の負傷の度合いか。動脈まで切れていたらアブナイ】
597 :四条 藍【未熟者の剣術】「E天楼華剣、夢想剣、凛姫幻想刀」2015/02/28(土) 21:20:20.30 ID:3qnU99UKO
>>596

「あとは────っ!?」

倒れる兵士の体が地表と密着する前に振り返り銃を構える兵士と相対する藍。
既に銃は構えられた、敵の指が引き金を引く前に素早く移動しまいと足に力を入れ一歩踏み出した瞬間、目の前を横切り兵士と藍との中央にラインを引く一発の銃弾。


「えっ、いやっ、えっ!?って……ひぃぃ触手!?」

倒れる木々に戸惑いながらも乱入者『α−12』を発見する。
しかし、その容姿があまりにショッキング過ぎた為失礼極まりない台詞を吐く。

「撤退って…とりあえず刀を回収しなきゃ」

刀を回収し言われるがままに撤退の準備を始める藍。
腕の怪我はどうやら平気の様だが血はまだ流血している。

【藍は刀を三本左手で抱きかかえながらα−12の隣へと歩み寄る】
598 :α-12【ディープメイカー ver.α】>>352[saga]:2015/02/28(土) 21:32:36.15 ID:bIEICFq4o
>>597

「触手ではなくナノマシン集合体です。あんなウネウネの
 ウスイタカイホン待ったなしのと一緒にされては大変シツレイです」

 何やら触手と呼ばれることに対して変なこだわりがあるらしいα-12。
 弾幕を形成しながらも、藍の武器の回収までの支援に徹する。

「ぐっど、助かりました。やりますね。α-12は思いもよらぬ健闘を称えます」

 言いながらも、藍の腕を見やる。出血が続いている。
 手当てせねば危険であろう。が、今はその暇は無い。

「撤退ポイントまで走ります。失血死しないことを祈ります」

 すぐさま走り始めるα-12。後方より銃撃音と犬の吠え声。
 気配の数は15〜20以上。流石にこれはまともにやってはいられない。

【一人一人が雑魚であれば越境者であればどうとでもなるが、
 先程の交戦からも分かるとおり、相手も高度に訓練された兵士だ】

「軍用犬が追ってくる。銃弾も飛ぶ。厄介ですね。何とかなりますか?」

 木と木の間を縫うようにかけながらも、草を踏みしめ追ってくる犬と、
 飛来する銃弾を煩わしそうに見やるガスマスク。

【追ってくる軍用犬、兵士を引きはなすなり妨害なりする手段を藍は持っているか?】
599 :四条 藍【未熟者の剣術】「E天楼華剣、夢想剣、凛姫幻想刀」2015/02/28(土) 21:53:24.43 ID:LfFB5zQO0
>>598

「はは……ありがとうございます」

藍とは対照的に余裕があり外的損傷も目立たないα−12を見て少し自信を無くす未熟者。

「撤退ポイントって…あっ、ちょっと待ってください!」(犬……?)

言うやいなやすぐさま走り出すα−12を少し遅れてから追いかけ始める。
後方から聞こえる銃声と犬の鳴き声が腕の怪我より少し痺れた耳に入る。

「なんとなって……とりあえずやってみますけど期待しないでくださいね!『怪力乱神』!!」

必死に走りながらα−12にやっと並列する藍は目線だけを向け話を聞く。
怪我人に足止めとはまた無茶なお願いだと内心思いながら駄目元で三本の内一刀から斬撃を放ち足止めを試みた。



600 :α-12【ディープメイカー ver.α】>>352[saga]:2015/02/28(土) 22:08:32.91 ID:bIEICFq4o
>>599

「バウン!?」

 斬撃一閃!真っ二つに切り裂かれる軍用犬!
 しかして、敵は雪崩のように押し寄せているのは明白であり、
 まともに相手はしていられない!

【が、ここで闇夜の空に轟音が発せられる。それはヘリのローター音!
 即座に下界に向けてサーチライトが照射される!】

 なるほど、撤退ポイントとはこれのことである。
 なお、CAPCOMの文字は今回のヘリには刻まれていない!いないのだ!

「………」

 そして、高度を下げたヘリはα-12が側面のハッチに乗り込むや急浮上!
 なんと!見捨てる気マンマンにしか見えぬこの挙動!

「…一応、協力者です」

 ガスマスクの溜め息と共にハッチよりふらふらと頼りない梯子が降ろされる。
 その間にも上昇を続けながらも、藍を横切る形で動くヘリ。

【はしごが藍を通過するタイミングは一度のみ】
 【→接近する軍用犬の群れ!迫りくる銃弾!殺気みなぎる怒号!】
601 :四条 藍【未熟者の剣術】「E天楼華剣、夢想剣、凛姫幻想刀」2015/02/28(土) 22:41:35.43 ID:LfFB5zQO0
>>600

「なんか……空から……凄い音が聞こえる気がしますが……。うわっ!?眩しっ!?」

流れるように刀を鞘に収め再び走り始める。
すると何も見えない感じない闇夜から聞こえた音響と黄色く光るサーチライトが藍達を照らした!

「あれは……カプコ……」

ヘリによりここがあらかじめ決まった撤退ポイントだと理解する。

「えっ、ちょっ、私は!?」

α−12の隣に高度を下げたヘリコプター。
何故か藍の近くには来ない!不思議!
そしてα−12がヘリコプターに乗り込むと再び高度を上げその場から離れようとするヘリコプター。
何故か藍は未だ走っている!不思議!

「一応!?いま一応っていいました!?それより、早く私にも梯子を下ろしてくださいよ!!」

ヘリから顔を出し、ガスマスク越しからでも分かる様な同情の表情を浮かべているに違いないα−12を青白い顔色で見ながら叫ぶ藍。

「あっ、ありがとうございます!ってはやっ!?動くのはやっ!?ムーブ速い!?」(うわーー!後ろから敵が!?)

「くっ!?こうなったら意地でも乗ってやる!!」

速い動きで移動するヘリコプターを見て、あ、この人達私を乗せる気あまりないな
と思いながら駄目元で飛躍!
降ろされた梯子を掴もうと手を伸ばしたが果たして────────!?
602 :α-12【ディープメイカー ver.α】>>352[saga]:2015/02/28(土) 22:57:45.84 ID:bIEICFq4o
>>601

「越境者を回収しました。ええ、イキがいいです」

 ヘリは急激に高度を上げて飛び発つ。その梯子に越境者一人追加で載せて。
 梯子を藍が掴んだと同時に速度と高度が一際上昇する。
 頼りない梯子が風に大きく煽られながらもしがみ付く藍を保持する。

【ヘリが一定距離離れると共に、眼下の森林と施設から次々に爆発が起こる】
 【→藍が巻き込まれた戦場で多くが進行し、その一端に触れながらもあずかり知らぬところで多くが終わったのだ】

「ええ、デュミナス=サン。ミッション達成です。
 …はい、α-12は作戦協力者にお礼をすることにします」

 梯子にぶら下がる藍の上方でハッチが動く。
 そこにはガスマスクを脱いだ銀髪褐色肌の少女が、眠たげな目で藍を見下ろす。

「…食事です」

 言いながら、ひょいとカロリーメイト(チーズ味)と救急止血スプレーを、
 腰のディープメイカーを伸ばして器用に藍に渡して、

「………」

 そして、ウィーンとハッチが再び閉まるのであった。

//では、このシーンはこれにて〆で!乙です!
603 :四条 藍【未熟者の剣術】「E天楼華剣、夢想剣、凛姫幻想刀」2015/03/01(日) 01:01:43.03 ID:eV0q6RgE0
>>602

「落ちる!落ちる!」

向かい風により強く揺れる梯子にしがみつき機内に入ろうと疲労に満ちた体から力を振り絞り荒い息使いをしながらよじ登り始める。

「うわぁ……っとと、なんですか……いまの爆発?」

激しい爆発と共に此方まで来た爆風と爆音に藍は驚愕し、目を見開き口を開けながらゆっくりと目線を恐る恐る自身の足元へと移し次々と起こる爆発を自身の目で確認した。

「っと、とりあえず機内に入らないと!…ん?あ、貴女は!?…………だれ?」

機械音と共に開くハッチ。
それに気付いた藍は目線を上げそのハッチを見つめながら再び梯子を登り始めた。
徐々にハッチへと近づく藍。
そしてついに顔がハッチの中を覗けるまで登った瞬間、藍の瞳に映ったのは先程のガスマスク女性!では無く、自身と若干似た色をしているが色の種類が違う銀の髪とその髪色とは対照的な色をした肌の女性が眠た気な目で自身を見下している姿だった!

「はぁ……はぁ……つ、疲れたし…腕は痛いし……流石に……あ、ありがとうございまsひぃぃぃいぃぃぃィイィィィ!?しょしょ触手がががががが!?」

這い蹲るように機内へと乗り込む藍。
全身で呼吸をするかのような激しく荒い息遣いをしながら女性に話しかけているのか、独り言なのか分かりづらい今日の感想的な言葉を述べる。
そして食事と言われ、藍はお礼をしながらその食事を受け取ろうと体を起こし手を伸ばしたが最後。
器用に食事と救急出血スプレーを渡してきたディープメイカー。
藍は気を動転させ涙目+白目になりながら全身に鳥肌をたたせそれらを受け取った。

/ありがとうございましたっ

604 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ[sage]:2015/03/01(日) 22:04:46.87 ID:17Q5zrfy0
暗闇の枯木立を、息を荒げながらにただ遁走していた
所々に立ち尽くす、或いはぼんやりと浮かぶ霊魂達の悲壮めいた青白い仄かな輝きだけを頼りに
限界が近づきつつある時、ふと視界の端に洞窟、近くには見張り小屋だろうか建物も見える
慌てて逃げ込み息を潜める、幸運な事に中に害意を持つ存在の気配はなかった
彼等の声が聞こえる
意味が瓦解した狂乱の群れ、本能に従い襲い喰らうだけの集団
その通り道には草一本残らない、究極の食欲の権化

【昼と夜の連歌の世界、夜側】

気が付いた時にはニアの周辺は夜に包まれていた
それは即ち制空権が悪魔の元へと奪われた事を意味し、世界は一変する
昼の住民達はその記憶を無くしもしくは夢現と朧に、夜の役割を果たす事になる
ゴブリンの村に厄介になっていたニアは突如として凶暴化する彼等に追われ、今こうしているという訳だ

「も、もうっ……なんだってんですかぁっ……」

昼の気のいい森の民の顔を知ってしまったニアは舌打ちを零す
そうでなければ即座の応戦も叶ったのだが、この場合それは躊躇われてしまう
どうしたものかと逡巡、マウトフトゥーロを発現させ触腕の先の目玉で外の様子を索敵
月光の柄を強く握り、息を飲む
605 :澪【獣化】2015/03/01(日) 22:22:35.89 ID:O6IhxR/c0
>>604
「…なんというか…」

変わった世界だ、と零すのはニアの隣で同じく狂奔から身を潜める澪。
共にゴブリンの村で世話になり、その最中唐突に押し寄せたのは空を蝕む闇の波。
なんの前触れもなく訪れたそれ、そしてゴブリン達の変化に素早く対応する事叶わず背を向けるだけだった。
辿り着いた一時の隠れ家で息を殺し、どこかから聞こえる彼らの声に身は自然強張る。

「……できれば、ここでやり過ごしたいんだけどね……」

ここでゴブリンと敵対することは、数の利や恩義もあり心身共になかなか難しい。
気づかれないようにと見えない星に願いをかけ、ニアへと思わず身を寄せる。
耳をそばだて周囲を探り、ニアの索敵の結果を無言で窺った。
606 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ[sage]:2015/03/01(日) 22:33:04.02 ID:17Q5zrfy0
>>605
「全くってんですねっ……」

同意に頷く
昼夜の変化ならば、太陽と月の連歌ならば生きていた日にち分を体験している
だがここではそれは通常と異なる意味を持つらしい、条件もしかり超常的なモノのようだ

「……」

マウトフトゥーロから脳に走る光景は凄惨である
草木や動物、はたまた霊魂までを貪りながら迫り来る群れ
知能性のカケラもその一切の所作からは感じ取る事が出来ない
そしてその先方が小屋に最も接近を果たした時、ニアは交戦を覚悟した
だが両者の合間に悲劇的な時が訪れる事はなく、群れは周囲の食物を喰らい尽して村の方面へと消えて行く
凶暴性の活性化=思考力の低下であり、小屋の中に隠れているという単純な事すら思い浮かばないのだ
彼等に取っては目の前で、見える事のみが真実なのである

「……行った、かな……?」
「ふぅ、助かったってんですっ……」

すっかり霊魂達は喰われてしまい周囲は暗闇
……遠く、遠くから何かを引き摺るような音が聴こえる
ニアはまだそれに気付いていないらしく、澪に安堵の表情で笑掛けている
607 :澪【獣化】2015/03/01(日) 22:49:44.06 ID:O6IhxR/c0
>>606
「……助かった、のかな……?」

近づいて遠ざかる足音、しかし群れが齎す無情の破壊の爪痕までを澪が知ることはその場では叶わない。
悲惨な光景を見ていないのが救いだろうか、安堵に長く息を吐く。
このままここでいつ訪れるとも知れない暁光を待ちたいところだが、夜はそれを許さない。

「……待って…なにか来てる……」
「……多分、さっき洞窟にいた……」

暗闇の中、微かに響いた音はつい最近聴いたものと同じだ。
昼ゴブリンに聞いた話を思い出し、そこから導き出せる答えに知らず寒気を覚える。
留まって接近を許すのも危険であるが、外に飛び出してゴブリンの群れに再び遭遇するのもあり得ないことではない。
そうでなくてもどんな危険があるか分からないのだ、安易に闇を彷徨うのは最も避けたい。
故に異論がなければ様子見を選ぶ、警戒を顕に音の方を睨めつけ小さく唸った。
608 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ[sage saga]:2015/03/01(日) 22:58:32.39 ID:17Q5zrfy0
>>607
「た、多分っ……」

そうであると信じたい、助かったのだと思いたい
言葉はそれを発する事で力になる、活力の源になり得る

「何かって……さ、さっきの……?」

洞窟の中で追われた存在の接近を知らされて怖気
様子を見る事になり小屋の中で息を潜めてただその時を待つ
やがてニアにも認知出来る程の音が聞こえれば呼吸は自然と荒くなり始めた

「み、見えないですけどっ……」

多分既にそれは洞窟から外に出ているだろう
感じられるのは血液が腐敗したような悪臭と痩せた地面を削りながら進む奇怪な音
窓から覗けば、そして純なる暗闇の中で目視が叶えばその姿を見る事も叶うだろう
その両方をニアは出来ずに不安げに声を殺している
609 :澪【獣化】2015/03/01(日) 23:10:59.99 ID:O6IhxR/c0
>>608
「……うん…特徴的な音だったし……」

こちらへと近づく異音、二度と聴きたくないと思っていたが現実とはどうも非情のよう。
自分の心音が嫌に大きく聞こえる、気づかれてしまうような気がして思わずニアの手を握ろうと闇に手を伸ばす。
異音が洞窟特有の反響を失ったことから、外へ出でたと想像するのは易い。
聴覚と嗅覚が訴えるその存在の悍ましさ、邂逅を果たしたくないと切に願う。

「……暗いから、見えるか分からないけど……」

囁き、窓からそっと顔を覗かせて金の目を細める。
いくら夜目が効くと言っても、墨を溢した闇の中ではやはり視界は上手く働かない。
その正体を確認したとしても、おそらく朧げな輪郭しか捉えられないだろう。
610 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ[sage saga]:2015/03/01(日) 23:18:41.92 ID:17Q5zrfy0
>>609
「……、」

きゅ、と紡がれる手と手
体温を感じる、伝わる互いの生と存在のリアリティ
己の呼吸音や心音、脈の一切すらが警笛地味て冷汗

その朧げな輪郭は大きい
肥大化したニンゲンのような、しかし頭部に一対の角が生えている事からそうでないと分かる
四肢は極めて筋肉質を感じさせるほどに野太い
引き摺る音の正体は、背から垂れるナニカ
恐らく本来は筋肉で支えているであろう翼めいたモノだ

「み、見えますっ……?」

耳打ち程度の小声
その巨影はこのままであれば気付く事なく枯森の中へと去って行くだろう
611 :澪【獣化】2015/03/01(日) 23:29:31.34 ID:O6IhxR/c0
>>610
暗闇において、手の平に伝わる温もりほど安心感を与えてくれるものはない。互いの存在を痛いほどに知らしめてくれる。
僅かな身動ぎすらも相手に届いてしまいそう、身体は強張って上手く動かない。
闇を映す窓を覗いて見えた造形に、しかしその正体までも明らかにする事は難しい。

「……しっ……」

見えないだろうに、つい指を自らの唇に当てて沈黙を促す。最もそれもまた極力声を抑えたものだが。
得た情報など、この場を切り抜ければ共有できる。そのために今見つかってしまっては本末転倒。
気配を殺して輪郭を追う、その姿が枯れ木の奥に消えればその事をニアに告げるだろう。
612 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ[sage saga]:2015/03/01(日) 23:36:11.30 ID:17Q5zrfy0
>>611
『…………』

冒涜を顕著させたような影姿のそれはゆっくりと、森へ近付いて行く
途中、その肩であろう部分が触れた木は細かい粒子へと変わり果ててサラサラと落ちた
何本かの木陰をそうやって消し去り、やがて夜の闇に溶け込むように見えなくなって行く

「……、、、……」

一方澪のすぐそば、口に片手を当ててむぐむぐと悶えるニア
どうやら呼吸すら止めていたらしく、酸素を求めて顔は真っ赤だ

「ぷはぁっ!」
「い、行きましたかっ……」

ぜぇぜぇと絶え絶えに、だが澪から告げられた謎の存在の離脱を知れば安堵
613 :澪【獣化】2015/03/01(日) 23:48:21.61 ID:O6IhxR/c0
>>612
触れて間もなく崩れて消える枯れ木に目を見張り、それでも声だけは堪えてただその背を見守る。
やがて闇に溶けて見えなくなればふう、と安堵からようやく潜めていた息を大きく吐き出した。

「……うん…一応、しばらくは安全かな……?」

ぜえぜえと荒い呼吸を繰り返すニアに零す苦笑、重苦しい異形の抑圧から解放されたが故だ。
ニアが落ち着けば自身が目にした全て、即ち異音の正体の造形と瞬時に木を消し去った様を伝える。
話しながら記憶と情報の整理、全貌が知れないとはいえ邂逅すればただでは済まないことは明白だ。
事なきを得て、だがしかし未だ世界は闇夜が支配している。

「……朝になるまで、ここに隠れていられればいいんだけど……」

二つの脅威をやり過ごし、それでもこれで終わりだという確証などどこにもないのだ。
まいったなとため息、とんと背中を壁につけてそのまま床に座り込んだ。
614 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ[sage]:2015/03/01(日) 23:59:15.75 ID:17Q5zrfy0
>>613
「もう、なんだってんですかねここはぁっ……」

永久の闇と、そして辛辣が支配する夜
その鱗片を目の当たりにしただけでニアは辟易、精神を憂の石臼により削られつつあった

「……取り敢えずっ、もう2度と会いたくないってんですねっ……」

それが先程の存在の、澪の言葉を聞いての本音だ
洞窟から解き放たれたそれが果たして何処へ向かうのか
その答えを知ったとしてもニアは逃走の為に役立てるであろう

「ともかくっ、ここでもう少し休みましょうっ……」
「眠くなったら変わりばんこで見張りってんですっ」

昼の陽気な彼等に振舞われた果実
それが幾つか荷物の中に入っていた
真っ赤に熟したスモモを澪に手渡し、自身も囓る
夜の瘴気に当てられたそれは萎び掛けてはいたが、心地良い甘酸っぱさを与えてくれる

「お日様が恋しいってんですねぇっ……」

亡者達の絶叫が遠く、残虐な存在に喰われる音が続く
陰鬱な弱肉強食の枯れ果てた世界は、帳を未だ開かない

//ここら辺で〆させて下さいっ
//お付き合いありがとうございましたっ
615 :澪【獣化】2015/03/02(月) 00:20:51.77 ID:qg3ZgIr00
>>614
「……疲れる世界……」

ぽつりと漏らす。昼から夜へと、時の移ろう瞬間を体験したが故の感想だ。
裏と表の差異が大きいほど、精神にかかる負担は大きいものへとなる。
夜明けという希望が存在するからこそ、より宵闇を忌避し終わりを求めるのだ。
ただ一刻も早くの有明を願うしか出来ない自分に歯噛みする、それでも事態は変わらない。

「……同感……」
「……そうだね…それから考えようか……」

受け取った果実を齧る、程よい甘味と酸味は変貌前のゴブリン達を想起させた。
今彼らがどうしているのか、知る術はないが今はそれでいいと思えた。
ニアの言葉に同意を示し、黙々と食べ進める。常闇に覆われた世界で生き延びるならば、休養は不可欠と考えてのことだ。

「……うん…ここの夜は、気味が悪い……」

響く死の音はこの世界の様相を如実に表す、非情にして無情な世の理を。
静寂にただ息を潜め、生にしがみつかんといつ訪れるとも知れぬ暁光を待った。

//ありがとうございました、お疲れ様でしたー
616 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/03/02(月) 22:31:16.96 ID:BrzxQS0So
【世界座標軸――5..0050267】

 そこは人類が滅びと謳歌を繰り返した世界であった。
 地上が人が住むのに値しない環境となったとき、様々な試みが行われた。
 宇宙への脱出、地下世界の建設、あるいはドーム状の閉鎖都市など。

【数々の奇妙で数奇な計画が実施され、最後は海底ドームに人々は居住空間を見出したようだ】

 海底ドーム内では遺伝子学の実験が施行され、人類の平均寿命は220年に増加。
 拡張計画と文化の伝承のためのモダン建築など、細やかな気配りのもと都市計画は進められ、
 恐らくは海底にて人類の栄華は再び取り戻されようとしていたのかもしれない。

【が、どうやら神様とやらはよほど人類がお嫌いのようであったらしく――】

 −−−−−−−−

≪0001010111≫

 サーボスカルがケーブルを巻き取り、概ねのデータの吸い取りを完了させる。
 上記のような社会情勢を確認するのは越境者としての行動規範の一つとイムカ・グリムナーは考える。

「訪れるかもしれなかった再び栄華。そして夢の痕…か」

 人が訪れることが無くなって思われるサルーン。
 電気はかろうじて繋がっていたらしく、僅かに無事だったランプに偽装した電灯が室内と照らす。
 木(オーガニックではなく合成物だろう)の床は所々ひび割れ、赤い血痕が不気味さを助長する。

【生きていたタイプライターのカタチをしたプリンタを使いデータをプリントアウトする】

「クロウド博士。新機軸ナノマシンを開発。人類に新たな時代が到来」
 「謎の伝染病が蔓延。人体が塩化する奇病。原因は不明」
  「眼球が赤くなり凶暴化する暴徒が続発。非常事態宣言発令」

≪00011101011≫
「なるほど、私も帝国技術局がナノマシンを危険視するのが少し理解できたよ」
617 :TypeD-7@ようじょとロボット2015/03/02(月) 22:37:49.76 ID:FBMYDhOHO
>>616
「医療いがいでヒトにいれるものじゃない」

ほぼ同じ目的で端末につないでいたケーブルを引っこ抜く図。
何があったかを理解し、そしてがっかりしすこし意識を整えて。

「どんなテクノロジーでも、エラーがおきたときに
 対応手段をよういできないものは作るべきではない、って
 おとーさんたちはよくいってた」

次の確認対象は本棚のハードコピー。
ファイルを開くと……、文字通り紙が崩壊。
思った以上に時間がたっていたようで。

「でもどうして、ナノマシンはぼうそうするんだろう。
 うまくいった世界がすくないのはなぜ?」
618 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/03/02(月) 22:54:09.74 ID:BrzxQS0So
>>617

「そうは言うがな。人類というのは針を進めずにはいられぬ生き物だからな。
 対抗手段を講じる先に実践をしてしまうなんて枚挙に暇ないのだよ」

 D-7の様子を見てから、今度はそろーり慎重に紙媒体を取ろうとして、
 同じく、指が触れると塵となって散ってしまった。どうも向いていない。

≪00011101111≫

 スカルもマニュピレイターを伸ばして本を取ろうとしたが、触れる側から同じく塵と化す。
 が、浮遊骸骨は構わずにどんどん触って舞い散る塵を量産させている始末。

「ナノマシンは維持にコストがかかる上に、プログラム的なバグや潜入にも脆い面があるそうだ。
 繊細すぎる技術と気付けるまで発展すれば、世界によっては、やりようもあるのだろうがな」

 席を立ち、マカロニウェスタン調のスイングドアを開く。
 外(とは言ってもドーム内だが)は、遺伝子培養された光コケと、
 僅かに無事な電灯のおかげで視界はそこそこある。

【あとはやや濁った空気と、荒廃した街並み。そして窓の外の見事な海底パノラマの奇妙な差異】
【損傷痕のある白骨化したいくつかの死骸と――】
 【抱き合った親子の塩の彫像。恐怖の形相のまま地面に付した塩の彫像。様々な塩の彫像が点在している】
619 :TypeD-7@ようじょとロボット2015/03/02(月) 23:05:27.63 ID:1cfIpnjiO
>>618
「ナノマシンセルは、このボディにも大量につかわれてる。
 自己修復しきれないエラーがおきたら、これにつながる?」

結局、ハードコピーの回収はあきらめることにしたようである。
透過スキャニングするには時間がかかりすぎるのだ。
それに、粉塵生産機が捗りすぎてるのもあかん。

「おとーさんたちは、それでこう結論づけた。
 『女王蜂になる個に、目的ではなく趣向としてヒトを好きでいさせよう』」

海底において、メンテ無しでここまで維持し続ける窓材。
そしてこれだけ長い時間が立っているのに、形状を維持する塩。
……成分は純粋にNaCl?
それとも、塩のように見えるだけの置換物質?

「……なんでだ?
 このおかーさんたちは、だっこしたまま塩になってる?
 ヒトの構成物質にたいして、塩化する素材はどこからもってきた??
 なんで、このかたちになったのに、まわりのヒトから破壊されていない???」

抱き合った親子の塩像へまっすぐ接近。
これがナノマシンの暴走によるものなら、この中にはまだナノマシンが残っていてもおかしくない。
冬眠状態になっているのなら、自分の能力でコンタクトはとれないだろうか、と。
620 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/03/02(月) 23:19:46.37 ID:BrzxQS0So
>>619

「あいにく門外漢だならな。せいぜいが自己メンテナンスを怠るなってくらいさ。私に言えるのはな」

 スカルに珍妙な行動を止めさせて、D-7の言葉を聞いていた。
 トライ&エラーは発展に不可欠。しかし、エラーが些か致命的になりすぎる。とは思う。

「ヒトを好きか…なるほどな」

【D-7の言葉にいかなる感想を持ったか。イムカ自身は結局口にすることはなかった】

 外を出れば、やはり待っているのは地獄。人類の終焉を思わせるには十分な光景。
 しかし、イムカ自身はこれを結果以上には見れない。この手の光景は散々経験してきてしまった。

「塩だな。原理はよくわからんが、塩化というのは確かだ。
 しかも街中に放置ということは発病してから塩化まで一瞬だな。病院にいく暇もないらしい」

 完全な死病。即効性も殺傷性も申し分なし。
 心臓も脳も塩化しているため、蘇生も糞もない。終わりであろう。

≪0000111101010111≫

 スカルがスキャニングするには、窓は耐久年数的にまだ持つが、
 更新がなければいつかは時の流れの定めにより崩れるであろうとのこと。

【残留ナノマシンのスキャニング――…】

≪依然、80バンチとは連絡がつかないまま数日が経って…≫≪誰か応答してくれ…≫
≪周波数は893。軽快な話題と音楽はリバティレディオ。最後の放送だ≫
≪とにかくこちらに人手をまわせって言ってんだ!!≫≪都市機能が麻痺した状態での市民たちの安否が…≫

 当時を思わせる様々な無線が混戦し、そのまま保存されているのは音声データが何故か残っている。
 コンタクト…コンタクト…

【ナノマシンは正%碁15に稼働中…主命を食い殺se滞りなく実行中。人類に黄金の時代を
  →ナノマシンは自己診断:正常稼動を伝えるのみ:自己診断から既に破綻。狂っていると考えてよし】
621 :TypeD-7@ようじょとロボット2015/03/02(月) 23:28:52.82 ID:1cfIpnjiO
>>620
「こうなったらタイヘンだもんなぁ」

スカルの扱いは、同系統からみてもひどい扱いらしい。
……ちょっと全力で治してみたいところではある。

「通常、コレがナノマシンの影響と判断されれば、
 町中にのこすことはありえない。
 都市機能がそこまで低下? それともあきらめてた?」

音声データというよりは通信データがログとして残留しているなら
より重要性が高い活動ログは確実に残っている。
それを読み取りつつ、試しに一部のナノマシンの自己診断項目をこそっと変更してみよう。
自分が普段使ってるやつをコピーして安全領域に隔離してそこから流し込み
622 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/03/02(月) 23:39:26.21 ID:BrzxQS0So
>>621

≪000111010111≫

 サーボスカルはふよふよとイムカについていくのみである。
 狂気に陥ったプログラムが何を思うのかは誰にも分からない。

【ナノマシンについて検索をかけるD-7であったが、
 残留物ゆえか、別の理由があるのか活動ログは爪で引っ掻かれたように奇妙に削れている】

 自己診断項目変更…不可。絶対行動原理を滞りなく履行中。
 この種を食い殺せ。この種を食い殺せ。
 契約を誓うモノは赤く染めろ。誓わぬものは白く固めろ。
 正常に稼働中。正常に稼働中。人類に黄金の時代を。

「何をしている?ラボに向かうぞ。この最新型ナノマシンとやら、出来れば回収したい」

 危険であろうが未知のテクノロジー。
 そして、テクノロジーの収集がイムカの帝国軍人としての任務である。
623 :TypeD-7@ようじょとロボット2015/03/02(月) 23:46:14.16 ID:1cfIpnjiO
>>622
「警告。行動目的が明確。
 ………ヒトがかかわらないと、こんなキレイなエラーはでない」

ちょっと困った感じ。
なんで通信ログ残して、重要度が高い活動ログ消してる?
しかもこの変更コマンド阻止。
自己精査プログラムを内部に依存してる?

「……それもいいけど、コアシステムに上書きがあるとおもう。
 そっちを修繕すれば、たぶん70%以上が正常に再起動できる」

ほしいのはこちらもいっしょ。
ゆえに、都市内のマップからナノセルのコントロール中枢を検索。
今回の相方<イムカねーちゃん>の移動先をちまちまと誘導開始
624 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/03/03(火) 00:00:11.76 ID:FoVCZDrRo
>>623

【履行中…履行中…残留ナノマシンからはこれ以上の情報は得られない】

「コントロール中枢か。まあ、そちらのデータ・コーデックスも重要か」

 そう言いながら誘導にしたがうイムカ。
 周囲は気が滅入る光景であったが、同時に気付けることもある。
 塩化する人々に混じって白骨化している人々。そして――

「眼球…か」

 白骨化した死体の幾つかは奇妙な特徴があった。
 赤く染まった眼球が、時の流れを感じさせぬほどにフレッシュな状態で残っているのだ。
 これが、所謂暴徒化した者達の名残なのであろうか。

【人類を滅ぼす契約に従った死体→役割を終えているということは――】
 【この都市、あるいはこの世界の人類残存数は0なのだろうか】

 絶望的な世界であったがゆえに警備システムも沈黙しており、脅威となる対象もない。
 精々が足を踏み入れて、精神を正常に保てるか。心を侵されぬかという領域の戦いとなる。

「件の新型ナノマシン…試験の全てをクリア。一般公開されて、事件まで10年。
 それまでは、人類の寿命を延ばし、身体の免疫強化、コムリンク、多機能性がウリだったそうだ。
 イメージ戦略として、ナノちゃんというイメージキャラクターのイラストコンテストも行われたらしい」

【ナノマシンMセンター→市民の皆さんの生活を守るナノマシンの定期点検を…】
625 :TypeD-7@ようじょとロボット2015/03/03(火) 00:08:20.26 ID:fEO9NJ4jO
>>624
「もし今の機能・前提条件で、この状態を再現するなら
 メンテナンスコードへの書き換えが確実。
 あるいはデータ・コーデックスレベルから汚染する手段もあるけれど」

技術トークになると口調から子供っぽさが抜けるのは仕様です。
誰がなんと言おうと仕様なのです。
普段ロリロリなのは作った奴の趣味です。要求仕様の外側です。

「眼球の生体反応だけ確認を提案。
 生きているなら、DNAまで見れるし生きてないなら、塩とは別サンプル」

まぁ、自前分はちゃんと調達しておきましょう。


「もっとも確実な手段は、定期点検用のプログラムの汚染。
 メンテナンスが必要な以上、最も多くのナノセルが触れる箇所。
 そこに木馬を仕込まれると、どうしようもない。
 逆を言えば、解除する場合もここからスタートになる」

ナノテクセンターの中へ行きましょう。
セキュリティは自分とスカルがいれば、大抵のものは解除できるはず
626 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/03/03(火) 00:18:41.89 ID:FoVCZDrRo
>>625

≪0001110101≫

 スカルがうにゅーんとマニュピレイターを伸ばして、
 真っ赤な眼球を回収。保存液で満たしたガラス管にちゃぽんと入れた。

「…君の普段の様子は擬態なのか?」

 やっぱりD-7の様子に関しては突っ込みどころがある模様。
 製作者がロリコンなのは確定的に明らかではなかろうか(断言)

【ナノテクデータセンターに到着】

 ここも同じく塩化した人々と白骨の群れ。
 比較的数が多いのは恐らくは人々の多くがここに集まり、
 そして、一網打尽にされたからと推測される。

【ナノマシンが原因と知ってか、治療をナノマシンに求めたか。
 当時の混乱の名残がそこかしこに見受けられる】

「滅びは速やかかつ一瞬で訪れたと考えていいのかもな。奇襲ならば満点をくれてやっていい」

【データ基幹部の参照についてはやはり高いレベル職員パスを必要とするようだ】

≪00011101010111≫

 ちなみにサーボスカルには解除できなかった模様。
 スカル曰く…この世界の文化のせいかレトロすぎて逆に解読できない。とのこと。

【→データを視覚化すると排水菅ゲームのようなイメージ映像が出てくる】
 【→プログラム的云々というより知育ゲームじみたプロテクトであるが…D-7的にパズルゲームは得意?】
627 :TypeD-7@ようじょとロボット2015/03/03(火) 00:27:05.53 ID:fEO9NJ4jO
>>626
「マンマシンインターフェースには“柔らかさ”が必要らしい。
 擬態ではなく、付加機能と表現するのがより正確。
 漂流者の過半に技術的知識が少ないぶん、要求されるのは“柔らかさ”のほう」

ガチ技術者相手ならこっちでいいんだ。
ただまぁ、ロリっぽいほうが大抵の場合で上手くいくんだよう。

「ここで問題。ヒトと機械の違いは、目的と手段の間に、空白があるかないかだけど
 これをやったのは、手段は予想できても、目的が謎すぎる。
 外部からの攻撃でもないかぎり、これを起こす理由はない」

パズル?
あぁ、基本的に量子系システムの演算をフルで叩きつけて
全パターン網羅を片っ端から試すタイプです。
素の性能がバカみたいに高いのでできる芸当
628 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/03/03(火) 00:39:45.36 ID:FoVCZDrRo
>>627

 パッパラパラーと安っぽい音楽と共にパスが解除される。
 演算アタックを叩き付けられるならば当然解除できるというものだ。

「親しみやすさが重要というわけだ。私が一番苦手なところだ。
 何せ堅物で面白みのない女だしな。私は」

 イムカは納得したとウンウンと頷く。しかし、イムカの自己評価は微妙にアレなところもあるのだが。

【パスが解除され、様々なナノマシンのデータが閲覧可能となる】

 ナノマシンの公開されているスペックは大したもので、
 特に保全と安定性はその前のモデルと比べても著しい向上が促されている。
 ナノマシン障害の激減、死病の撲滅、そしてメンテナンス費用も安価であらゆる階層に行き渡っている。

「多機能性と安価。大した仕様のようだが…うん?」
≪00011110101???≫

 サーボスカルが仕切りにグルングルンと回っている。いつもの奇妙な行動といえば行動であるが、

【→判定:ナノマシン知識… このナノマシン構造ではどこをどうやっても仕様書のスペックは引き出せない】
【→判定:情報精査:… 前モデルから最新モデルまで、テクノロジーの進化経緯的には200世代は不自然にすっ飛ばしている】
【→判定:オカルト・・・ 純粋なテクノロジー以外の要素が絡んでいる。それがスペックを底上げしている=危険】
629 :TypeD-7@ようじょとロボット2015/03/03(火) 00:47:32.74 ID:fEO9NJ4jO
>>628
「イムカは、もっと乳とによる性的アピールをつかえばいい。
 よのなかのオトコのはんぶんはそれでいける。
 全人口の約25%相当に該当するので、極めて高い期待値といえる」

ひどい例えもあったものだ。
微妙に生々しいが、それもヒトを相手にするプログラムゆえの評価である。
判定はオカルト以外は大丈夫。
つまり一番危険な部分はすっぱぬけないのであった。

「外部からの情報供与があったとするのが自然な発展。
 やはり外的要因による機能変異の可能性がもっとも高い。
 ……リペアするなら、最低でも物理的接触を絶つ等の安全措置を推奨する。
 生体反応が一切無い以上、本機はこれ以上の介入は行わない」
630 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/03/03(火) 00:53:24.90 ID:FoVCZDrRo
>>629

「性的アピール?確かに色仕掛けめいた真似くらいはやったこともあるが…
 いや、まて。男というものにもう少し幻想をもっていたいぞ?私は」

 戦場ばかりだったせいか歳に似合わず微妙にネンネなところがあるイムカでありました。
 何故、幼女におっぱおアピールについて問われているのかこの場では割愛。

(介入を行わない?彼女の思考傾向を考えるに…益にならないこと。危険な不明要素が検出された?)

 D-7の言葉を可能な限り噛み砕いて考えるイムカ。
 一応、データコーデックスの正常化とやらも行えそうだが、
 何故だか無意味に終わる気がする。

【パッと見は、メンテナンス装置も正常データのままである】

「仕様書閲覧。構造…生体部品。人口バイオセルと記述されているが、怪しいのはコレだな。
 君がデータの正常化を断念するならサンプルの採取にあたるとしよう」

 そうして、一人と二機はこの場を後にするのであった。

//では遅いのでコノヘンデー
631 :エディータ【適合者の魂】2015/03/03(火) 22:13:50.02 ID:6LZjnblUO
【近未来都市】
ソラは明るく、緑に溢れた街はとても清潔。
とある荒廃した未来経験者から見れば、おなじテクノロジーの極地でも
正反対の方向である。

そんな中で1人、カメラを構えて街の人達を撮影してるのが1人。
なんかすごく清潔になってる感じ。

「あれは人間、あっちは人間じゃない。あの子も人間じゃない。
 あいつは、人間っぽいなぁ」

人間観察しながら、街の人の中に、かなりの頻度でヒトではないもの。
つまりはツクリモノが混じっていることにため息。

「お人形相手に恋人ごっこかぁ。これでよく人口が持つもんだ」

生殖細胞のアーカイブがあるからこそできる芸当なんだろう。
なんとはなしに向けたカメラの射界に入り込んだ擬似恋人ちゃんが
とてもかわいく微笑んだのをファインダーに納め、シャッターを切らずにレンズを下ろす。
撮りたいのは、そういうのじゃないんだよなぁ。
632 :タェンティース・イオナ【対異能戦闘用人型兵器改】【ドレス・イムエト】E.赤刃.ヘルメスの靴[sage]:2015/03/03(火) 22:26:31.08 ID:vrD4HW600
>>631
「案外、異性という存在を意識する事の練習にもなっているのでは?」

半分は生身であり、外見上はほぼそうである半人
色々とこの世界の有り様には思う所もあるようだが、
しかしまぁ異性交際の練習的な役割もあるのではないかなぁなんて思考

「あと、ごっこと言うのは当人様にやや失礼な物言いですよ、多分」

無許可の撮影も、とカメラを指差し微笑む
独り言から越境者であると、同じ異邦人であると判断してのフランクさ
Yシャツにジーンズ、腰に帯びる大型の剣がやたら不釣り合いな流銀の髪
633 :エディータ【適合者の魂】2015/03/03(火) 22:32:59.46 ID:6LZjnblUO
>>632
「どうかなぁ。アレなんか完全に熟年夫婦だし」

40歳くらいの男性と、10代後半くらいの耳にアンテナがついた子をみつつ。
カバンの上に乗ってるガイドブックが撮影の免罪符。
これなら、ただの観光客にしか見えないのです。

「たぶん本人たちはごっこじゃないんだろうね。
 あんたの文明だとこういうのは普通?」

この文明レベルで長剣なんて穿いてるようなのは明らかに越境者でしょう。
あ、拳銃? さすがにカバンの中ですとも。
634 :タェンティース・イオナ【対異能戦闘用人型兵器改】【ドレス・イムエト】E.赤刃.ヘルメスの靴[sage]:2015/03/03(火) 22:41:50.43 ID:vrD4HW600
>>633
「……」
「……ま、まぁ、他に相手がいない訳ではないのかもしれませんし……」

そもそも娘としての扱いなのかも分からない
案外とまぁ見方というのはあるものだ、頑張って探せば

「んー……普通という訳ではありませんけど、」
「ただ、珍しい前例としてポツポツとって感じでしょうか」

知る限りの知識ではあるが、最も半人はその手の話題には疎い
唸りながらに曖昧に答えれば逃げるように視線を逸らす
635 :エディータ【適合者の魂】2015/03/03(火) 22:47:08.88 ID:6LZjnblUO
>>634
「まぁねぇ。その辺は想像するしかないけどね。
 永遠に出会った頃のままの恋人ってのは、ある種のロマンなのもわかるさ」

水筒をぐいっと煽り、また撮影体制。
被写体の数は困らないし、みんな愛想が良いので笑顔を残すのも簡単。
それがツクリモノなのが気になるくらい。

さてそんな中、タェンティースの裾をひっぱるのが一体。
振り向けば、明らかにメンテが足りてなさそうな少年タイプ。

『もし1人なら、所有者になってもらえませんカ?』

人工皮膚の劣化が目立つ顔で、精一杯の笑顔
636 :タェンティース・イオナ【対異能戦闘用人型兵器改】【ドレス・イムエト】E.赤刃.ヘルメスの靴[sage]:2015/03/03(火) 22:51:48.46 ID:vrD4HW600
>>635
「なるほど」
「ただその場合……」

自身のみが歳を重ねる事に思う所はないのだろうかと疑問
自分が年老けば相手も同じ、そういった意味での不可知にして精神的な絆も必要なのではないかと
ただまぁ年齢的概念が崩壊した半人がそれを考えるのは傲慢だろう

「カメラがお好きなんですね」
「……んっ? えぇっ!?」
「い、いや、私は旅行の身ですので……」

少年型から思いも依らぬお誘いが
たじろぐ半人は断るのが上手くない
637 :エディータ【適合者の魂】2015/03/03(火) 22:58:41.46 ID:6LZjnblUO
>>636
「長命種との恋愛よりマシさ。
 少なくとも、後に残ったほうはすぐに停止できるんだからね」

少なくとも残されたまま長く悲しむってことはない。
自分が死んだ時が相手の寿命なのだから、とても平和。

「カメラはまぁ、生きがいみたいなものかな。
 漂流してるうちに、使える機種も増えたしね。
 あぁ、少年、うちもそういうのは間に合ってるから。」

『そうかぁ。じゃあね』

さて、ここで起きる事象はなんと形容するべきか。
少年が細かい羽毛の形になって分解されていく、といのが
たぶん目視で見る限りの的確な表現である。

「なるほど、廃棄物<ゴミ>すら残さない、と。
 よく出来てるね、これは」
638 :タェンティース・イオナ【対異能戦闘用人型兵器改】【ドレス・イムエト】E.赤刃.ヘルメスの靴[sage]:2015/03/03(火) 23:05:30.62 ID:vrD4HW600
>>637
「うーん……確かにまぁ、ロマンチックな感じです……」

そう言われれば確かにと納得
しかし生き様を最も知る相手もすぐに後追いしてしまうというのはそれはそれで淋しそうだ

「生き甲斐……」

越境者である身とすればいい趣味だと思う
行く先々の世界を、想い出ごと切り取る事が出来るのだから

「うわぁっ!?」
「えっ、き、消えちゃうんですか……?」

少年が霧散すれば目を白黒させてエディータに問い掛ける
世界の常識を越境者仲間に尋ねるのはややナンセンスではあるが、驚愕がその思考を打ち消したのだ
639 :エディータ【適合者の魂】2015/03/03(火) 23:13:24.13 ID:6LZjnblUO
>>638
「消えちゃうんだねぇ。
 あたしもびっくりだよ」

跡形もなくなってしまった少年。
彼が立っていた場所に対して軽く十字を切る仕草。

「なるほど、これは長生きしなきゃいけない。
 生涯を共にするコンパニオンかぁ」

飛び散った羽が、妙に統制された動きで流れていくのを確認。
あぁそうか、再利用されるんだね、と。

「着た時にね、こんな羽がぶわーっとカバンとか服に群がって
 汚れとか全部持っていったよ。砂まみれだったしね。
 きっとここはそういうシステムなんだろう」

生きがいと称したカメラで、ソラに散った羽の群れをパシャリ。
うん、悪くない絵だったと思う
640 :タェンティース・イオナ【対異能戦闘用人型兵器改】【ドレス・イムエト】E.赤刃.ヘルメスの靴[sage]:2015/03/03(火) 23:19:28.95 ID:vrD4HW600
>>639
「消えちゃうんですねぇ……」

お見送りしながらの呟きはマヌケなモノだと自覚
瞳を閉じて軽く頭を下げたのは何の為なのか、分からないが体はそう仕草を取った
秩序だって舞い飛ぶそれに、幸せになって欲しいなぁなんてボンヤリと夢想

「……なんとも、不思議な世界です」
「こんな幻想的な光景かと思えば、機械な的な光景も」

ある意味科学との完全調和を果たしたと言えるのだろうか
いい写真撮れました? と尋ねてみる事に
641 :エディータ【適合者の魂】2015/03/03(火) 23:26:49.69 ID:6LZjnblUO
>>640
「まぁ、悪い写真ではないと思うよ」

ぽいっと、ぱす。
あ、デジ一だ、これ。
この場で見れるっぽい。

「住み心地は悪くなさそうだね。
 食事も美味しいし、水もキレイだ。
 こそっと工場栽培って書いてるのが気になるくらい」

立ち上がってんーーっと伸びを一つ。
背負袋からペットボトル入の水をパス。

「なによりいいのは、ほとんど全品無料ってこと。
 生きてくだけならお仕事もいらないよ、ここは。

 ただ、住みたいとは思わないな。
 そっちはどう?」
642 :タェンティース・イオナ【対異能戦闘用人型兵器改】【ドレス・イムエト】E.赤刃.ヘルメスの靴[sage]:2015/03/03(火) 23:33:06.97 ID:vrD4HW600
>>641
「……本当だ、綺麗……」

思わず頬が緩むほどに美しい
生命的造形を持った、恐らく機械的存在
ペットボトルを受け取れば一礼、一口だけを飲んだ
イムエトが内装式になって以来、以前のような異常な水分量を必要としなくなったのだ

「多分、わたしの理想郷に近いかな、とは」
「ただ、それでも……やっぱり微妙に違います、それでその差異は小さいけれど重要で……」
「……わたしも同じですね、たまに遊びに来るのがいいなぁ」

結局は同意見、住むにしては死んでいないだけのここは少々違う
643 :エディータ【適合者の魂】2015/03/03(火) 23:47:04.59 ID:6LZjnblUO
>>642
カメラを回収したら荷物袋を肩にかけて
どうやら近場の乗り物置き場の方へいくようです。
スマートな電機車両ばかりの中、ひときわ目立つ鋼の塊。
こんな町中ではなく、不整地を走破するためのフォルムと無限軌道。
うん、この距離でもアレはここのものじゃないってまるわかりだ。

「そうさね。あたしにとっては、ここはキレイすぎるかなーって思うよ。
 清濁合わせて飲み干しちゃった側としては、体内の濁りが邪魔で住み着けない。
 ま、たまに来るならいいところかもね。
 じゃあね、異郷の行きずりさん!」

さて、こんな感じでそろそろお開きにしたいところです。
644 :タェンティース・イオナ【対異能戦闘用人型兵器改】【ドレス・イムエト】E.赤刃.ヘルメスの靴[sage]:2015/03/03(火) 23:51:18.78 ID:vrD4HW600
>>643
「……なんというか、無骨過ぎません……?」

苦笑である
明らかにこの世界の乗り物ではないだろう、しかしなるほど彼女には何となく有るべき姿めいて似合う気がした

「そうですね……」
「えぇ、また是非」
「あっ、わたし、タェンティースと申します」

去り抜く姿にぺこりと、恭しくだが嫌味っぽさのない仕草で一礼
名乗りながら見送る事にしましたとさ

//ありがとうございました、お疲れ様ですっ
645 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6[sage]:2015/03/04(水) 21:29:55.90 ID:nAhWTJPm0
【平穏なる世界】
その世界には異能もなければ目立った争いもない 人々は日々 少しの問題を抱えながら過ごしている
そんな世界にも春の訪れは目に見える形で表れており 憩いの場である公園に植えられた梅が見事な花を咲かせている

「あぁ…いいなこれ 最高じゃないか」
そんな梅花に見とれているアキレスと

―――ギィ!!
花より団子 おなかがすいたとズボンのすそを引っ張るベティであった

「よし ここでランチとするか」
―――ギィ!!

さっそくベンチに腰掛け ベティにサラミを上げると リュックからガスストーブを取り出す
キャンティーンの水をコッヘルに移してストーブにかけ お湯を作る

「♪〜」
その間にポータブル・コーヒーバッグを取り出すと ミルに豆を入れてハンドルを回す
日は暖かいが風邪は冷たい まさに春の入り口を感じさせる陽気であった
646 :澪【獣化】2015/03/04(水) 21:38:52.49 ID:GKpV9MnBO
>>645
冬から春への移り変わりは目に見て分かりやすい、植物の開花はその最たるものだ。
紅の花弁が彩る公園は陽気に包まれ、訪れる者に春の訪れを告げる。

「……ん……」

支度をしているアキレスにずいっと差し出される三色団子。
梅の木を背景にもう一方を自分で頬張っているのはまさに花より団子を体現中の少女。
手に提げたビニール袋から覗くのはプラスチックの容器、その中になにがあるかはお察しだ。

「…隣、いい…?」
647 :アキレスベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6[sage]:2015/03/04(水) 21:51:20.74 ID:nAhWTJPm0
>>646
「うぉおびっくりした」
いきなり差し出された団子に驚きを隠せないアキレス

―――ギィ!!
ベティは特に驚くことなくハサミを振り上げた

「おう ありがと澪タン あ〜ん」
両手は豆を挽くのに忙しいので あんぐり口を開けて団子をほおばる

「ムグムグ・・・なんかこの前喰ったモチみたいな触感だね おいしいけど」
どこか微妙な表情 以前モチを頬張ってのどに詰まらせた経験があるのだ

「澪タンもコーヒー飲む?」
お湯がポコポコ湧いてきたのでドリッパーを用意 紙コップにフィルターを取り付けたドリッパーを置き 挽いた豆を入れる
辺りにふわりと漂うコーヒーの香り

コッヘルのお湯をドリッパーに注げば 滴り落ちてくる漆黒の液体

「・・・でも 団子にコーヒーって合うのかね?」
648 :澪【獣化】2015/03/04(水) 22:04:00.79 ID:ntScvLu70
>>647
すとんと隣に腰を下ろし、ビニール袋をアキレスとの間に置く。
中から取り出すのは案の定というか、よくスーパーなどで売られている三色団子のパック。
袋が軽くなるに反比例して、中身の詰まったプラスチック容器の山がベンチに積み上げられた。

「……そのわりに、変な顔だけど……」

アキレスの反応に無理に食べさせてしまったとでも思ったのか、申し訳なさそうに少しだけ首を傾げる。
申し出には頷いて是の意、挽きたてのコーヒー豆の香りはなんともそそるものがあるというものだ。

「……おいしければいいんだよ……」

頭上に咲き誇る梅花、舌を楽しませるのは三色団子。
ここにコーヒーとはどこかちぐはぐだが、胃に入ればさしたる問題ではないのだ。
和と洋の取り合わせなど気にしていないのか、また新しいパックを開けて咀嚼しながら出来上がりを待った。
649 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6[sage]:2015/03/04(水) 22:15:15.78 ID:nAhWTJPm0
>>648
「あぁうん・・・ちょっと正月にモチをのどに詰まらせたのを思い出して・・・ハハハ・・・滅するかと思った」
正直に話すが やはり気恥ずかしいらしく ホホを染めながらそっぽを向く

などとやっていると紙コップにコーヒーができましたので スティックシュガーとミルクを添えて澪に渡します

「しかし見ないうちに髪が伸びたな そろそろ散髪か?」
澪のフードから延びる紙を見て一言 そして自分用のコーヒーを淹れようと ミルを再び回し始めた

遠くに聞こえる喧噪 風の流れる音 ミルを回す音 静かで心地いい時間

「やっぱり平和が一番だよ いろいろと物騒な世界を回ってさ 人相手に立ち回ったりもしたけど 最近どうも自分が流れ始めの時より遠くに来てしまったような気がしてならないよ」
650 :澪【獣化】2015/03/04(水) 22:33:01.66 ID:ntScvLu70
>>649
「……ああ…あれはほら、殺人兵器みたいなものだから……」
「……ん…ありがと……」

餅の話を聞いてふっと視線はどこか遠く、過去の思い出を辿る目だ。
似たような経験があるのだろう、苦笑を漏らしてごまかした。
紙コップを受け取って一口、舌に広がる苦味は得意ではないらしい。
思わず眉を寄せ、添えられたシュガーとミルクを入れて再挑戦。
今度はお気に召したのかふうと一息、程よい甘さが心地よかった。

「……面倒だし…お金かかるし……」

髪を切る手間より長い手間の方が遥かにマシ、とでも言いたげに頭を振れば零れた焦茶の髪がさらさらと揺れる。
自身の見てくれには気を使わない性質、どうしてもわざわざ手を入れる気にはならないのだ。
梅の香りが風に運ばれる、思わず見上げて蒼と紅の輪舞曲を眺めた。

「……そういえば、いろいろあったもんね……」
「……それは、アキレスが成長したからじゃない……?」

僅かながら舞う花弁を目で追いながら、訥々と言葉を紡ぐ。
思えば長い付き合い、多少なりとも相手の事は知っているつもりだった。
過去を振り返り今を見つめ、そうして辿り着いた言葉。
手を伸ばして団子を一口、花も団子もいいものだと一人呟いた。
651 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6[sage]:2015/03/04(水) 22:48:52.60 ID:nAhWTJPm0
>>650
「あ・・・(察し)」
遠くを見るその仕草に すべてを察してしまったアキレス君 それ以上の追及をすることはなかった
ミルクとシュガーを入れる澪をよそに ドリッパーにお湯を入れてコーヒーを作る

香りを胸いっぱいに吸い込んでから一口 うん おいしくできている

「なんなら俺がやってやろうか? ざんばら髪ならまかせろー ちょきちょき」
などとおどけてみながら手をハサミの形にして動かしてみる

―――ギィ!!
ベティもまかせろーと ハサミを振り上げた

「あぁ・・・いろいろあったな・・・本当に」
紙コップを手に遠くを見る

かつて蟲の跋扈する世界で壮絶なる逃避行をした
ベティとはそのころからの付き合いだ

かつて中世の時代で戦争に巻き込まれた
仕事や戦争で大勢死んだし たくさん殺した

「・・・」
ふと手を見やる あの頃の手は塗料で汚れていたが 今はどこか血の匂いが漂ってくるような気がしてならない

「成長・・・したかな? 成長・・・・してるといいな」
コーヒーを一口飲み つぶやくように漏らした
652 :澪【獣化】2015/03/04(水) 23:05:17.86 ID:ntScvLu70
>>651
「……やだ……」
「……ベティなら、いいけど……」

こちらの申し出には即刻拒否、どことなく嫌そうな顔で向き直る。
しかし冗談が伝わらないほど堅物でもない、ちょいちょいとベティの頭を撫でていたずらっぽく笑った。
どこか遠くの時間を見るアキレスを尻目に団子を食べる手は止まらない。
時折コーヒーに口をつけ、その水面をじっと眺めた。

「……どうしたの……?」

過去から現在へ、自身の手へと視線を移したアキレスに訝しげに首を傾げる。
澪にとってその手が汚れたという自覚はないのだろう。
彼女にとって他者の命を屠る事はおかしな事ではなく、仲間以外に省みるモノなどないに等しいのだから。

「……してるよ…私が保障する……」

アキレスの呟きを漏らさず聞き取り、小さく微笑んで頷く。
成長しないモノなんて存在しないのだ、時が移ろい行く限りは。
653 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6[sage]:2015/03/04(水) 23:19:12.61 ID:nAhWTJPm0
>>652
「(´0ww0`)」
―――ギィ!!

アキレスがあからさまにしょんぼりし ベティがどうだすごいだろーと 誇らしげにハサミを振り上げた

「あぁいや・・・うん」
澪の心配にもどこか上の空の返事 だが次の言葉には

「澪タン・・・」
微笑みかける澪に視線を手から澪に向ける
ちゃんと見てくれている人がいる そう思うと 心の靄も少し晴れた気がする

「よっし・・・!!」
リュックからコンビニで買ってきたサンドイッチを取り出し コーヒーで流し込むと 手を払って立ち上がる
その眼には活力がみなぎり 口には不敵な笑みが浮かぶ

「ちょっくら久々にグラフィティと行くか!! あぁ澪タン団子ありがとう 行くぞベティ!!」
―――ギィ!!

澪の言葉で元気になった落書き小僧 ベティを背中にしがみつかせると 一目散に駆けだす


・・・・・後日 落書き被害に取る警察の警備強化の一報が 電機屋のテレビからもたらされるだろう

//そろそろノシの方向でお願いします
654 :澪【獣化】2015/03/04(水) 23:34:36.77 ID:ntScvLu70
>>653
ぶつかり合う金と青、目と目を合わせる事に悪い気はしない。
変な事でも言っただろうかと不思議そうに首を傾げ、しかしアキレスの様子からしてマイナス方向に働いたわけではない模様。
安堵と共に肩を撫で下ろし、立ち上がったアキレスを見上げてまた笑った。

「…ん…どういたしまして…」

駆け出したアキレスに小さく手を振って見送り、最後の団子をごくりと飲み込む。
僅かな紅の雫が、小さくなっていく背中を彩って舞った。
ふと紙コップを覗き込む、いつの間にかひとひらの花弁が波紋を起こして漂っている。
春もいいものだ、一人ぼんやりと考えて一息に飲み干した。

なお後日、通りがかりにテレビの報道を見かけて密かにため息をついたそうな。

//お疲れ様でした、ありがとうございましたー
655 :タェンティース・イオナ【対異能戦闘用人型兵器改】【ドレス・イムエト】E.赤刃.ヘルメスの靴[sage saga]:2015/03/05(木) 22:58:36.14 ID:XCYJc0ji0
闇の帳は深くそらを包み、眼下一面は灰に覆われている
半人は訝しみながら、一歩また一歩と踏み出して行く
枯れ木の合間、所々に焚かれた篝火と立ち尽くす或るいはふらふらと彷徨う霊魂の薄明かりを光源に

昼と夜の連歌の世界の夜
極めて超常的な、灰の大地を半人は行く
灰の層の下には通常の、萎びた土が存在していた
更にその性質上、風に舞い飛んでしまうであろうために恐らくこの現象が起こって多分間もない

「……」

いったい何者が何のために、灰をばら撒いたのだろう?
疑問を抱きつつも周囲を警戒しながら、ただ安寧を求めて進む
656 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/03/05(木) 23:08:58.99 ID:5RMeKdO/o
>>655

「これでは大地の実りも見込めんな。土が死んでしまう」

 灰が覆いかぶさった大地など、収穫が見込めるはずもなし。
 まるで、過密惑星(ハイヴワールド)のようなこの不毛になりつつある大地に、
 奇妙な懐かしさすらを覚えつつも、灰をサンプリングし、サーボスカルに預ける。

「うー…」

 革ポーチから顔を出す小妖怪達は霊魂を掴もうと小さな手を伸ばしたりする。
 戯れだ。そして窮屈な思いをしているのであろうから、それを許容するくらいにはイムカにも配慮は存在する。
 おっかなビックリ歩くタェンティースの方を振り向き、

「ここは元はどういう場所だったのだろうな。穀倉地帯だったならば致命的だぞ」
657 :タェンティース・イオナ【対異能戦闘用人型兵器改】【ドレス・イムエト】E.赤刃.ヘルメスの靴[sage]:2015/03/05(木) 23:21:09.25 ID:XCYJc0ji0
>>656
「全くです」

同意して頷いてみせる。
サンプリングされたモノを解析すれば、それはやはり灰である
多少の魔翌力を含む点が、通常との相違か
紫色の瞳に映る宵闇は常人のそれよりも広いだろう
そしてその一面を、色味のない世界が拡がっているはずだ

「元々……そうですね、分かりませんが、ただ、」

篝火をチラリと見て続ける

「コレを焚く存在が近くにいるはずです」

即ち、村落がある可能性大
ふと辛うじて点在する木立の方面よりメキメキと破樹音が響いた

「……き、聞こえました?」
「い、如何いたしましょう……?」

質問の意は音源に向かうか、はたまた離れるかだ
658 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/03/05(木) 23:32:56.22 ID:5RMeKdO/o
>>657

≪0001110101≫

 タェンティースの顔のすぐそばで解析結果を報告するサーボスカル。
 なお、頭蓋骨を使用しているだけありとても不気味。イヤガラセかどうかは定かではなし。

「魔法化合物が混じっているようだな。それ以上は今はわからん」

 持ち帰ってしかるべき施設で検査してみようと考えるイムカ。
 ふと、篝火のほうをタェンティースの言葉に従い見やり、

「まあ、このような場所なんだ。明かりの保全はしているだろうな」

 人はつねに光源を求めるものであろうし、
 と、ここで木が折れる独特の響き。

「木こりならば良し。余計な何かかもしれないが、埒をあける切っ掛けにはなるだろう」

 粒子短銃を引き抜き、警戒しながら音源へと向かうことにする。
 
659 :タェンティース・イオナ【対異能戦闘用人型兵器改】【ドレス・イムエト】E.赤刃.ヘルメスの靴[sage saga]:2015/03/05(木) 23:46:27.10 ID:XCYJc0ji0
>>658
「……」

すすすっと離れる
最早見慣れて愛嬌すら感じる浮遊骸骨であるが、状況的によくはない

「魔法化合物、ですか……」

魔法と科学の調和した施設での検査を終えれば、それは強い魔力に依って変質させられた有機物であると分かるだろう

「えぇっ……」
「あ、い、行くんですね……」

自身も赤い刃を抜き放ち右手に携えてイムカに並ぶ
イムエトに呼応し、細かな金色の粒子が右腕の周囲に螺旋を描き舞った
漆黒の闇の中、太い樹木が倒れてそれはサラサラと灰に変わる
風鳴りに潜んだ呻き声がその正体を明かし始め、そして気が付いた時にはその接触は不可避
巨大な人影、5m程はあろうか
野太い腕と脚、頭頂から一対の鋭利な角が生えて渦巻いている

『………』

異臭、血が腐敗したような異臭
窪んだ虚空の瞳が、イムカと半人を捉える
それは翼の折れた悪魔と形容するに相応しい存在である
660 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/03/05(木) 23:55:05.64 ID:5RMeKdO/o
>>659

≪00011101101≫

 すすすっと離れる度にずずいっと近づいて等距離をキープ。
 奇妙な行動はいつものこと。宵闇の中の僅かな光源に照らされた髑髏。ブキミチック!

【サーボスカルのプログラムは狂気に(ry】

「………」

 接近してみればなんとも大仰なバケモノのご登場である。
 イムカはサーボスカルに即座に映像の記録と保管を指示。
 こういうクリーチャーのデータは実際に貴重な資料であった。

(やはり、隠密行動は向いていないか)

 あっさりと正体を気取られたところまでは察知。
 現状、敵意があるか否かまでは不明であるが…

「木が灰化するか。随分とおっかない事をしているが…」

 周囲状況の確認。手当たり次第に灰化されているのか。
 この悪魔めいた存在が篝火を灯したとは考えづらいが、
 人里の近くにこんな存在があるとして、拙いことになってはいまいか?

【いつでも動けるように構えをとりながらも悪魔(?)を観察】
661 :タェンティース・イオナ【対異能戦闘用人型兵器改】【ドレス・イムエト】E.赤刃.ヘルメスの靴[sage saga]:2015/03/06(金) 00:06:26.10 ID:7NJ/yQs70
>>660
「ち、ちょっとぉ……」

雰囲気に負けて涙目になりつつ
それでもその存在と対峙すれば意識をシフト
出方を伺うイムカに従い、赤刃を構え警戒態勢
所々に木が残る周囲から察するに、手当たり次第という訳ではなさそうだ
また篝火の付近は比較的無事な木が残っている

『……』

巨影はゆっくりと2人に向けて掌を突き出し

『……イのママに、ダはゼンをハイのハシラにカえた』

千の蝉の断末魔めいた声で呪言
同時に色彩を失った光の槍がそれぞれに一閃駆け抜ける

「……!?」

咄嗟の回避、半人は避け切った
後方、光の槍が着弾した樹木はその部分が灰化して倒れる
やがて全てが侵食されサラサラと風に消えた
662 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/03/06(金) 00:22:42.89 ID:6mrel1zro
>>661

「やはり、こうなるか…!」

 危急を告げる己が直感に従い、咄嗟に身を伏せて光の槍を回避。
 流れ弾で着弾した木は灰化!水分を吸い尽くされたか全くオカルティックな要因があるのか。

「直撃すればそれで終わりという類か」

 かなりろくでもない生態であると断言出来よう。
 この大地の灰がこの生物の仕業としたら、どれだけの有機体が灰にせしめられたか。
 その総量は考えるに戦慄すべきものだろう。

「タェンティース。能力の全容が解らん。不用意には接近するな」

 身を低くしたまま粒子短銃の銃口を灰の悪魔に向ける。
 銃にイムカの意志がスマートリンクで伝達され、銃の各部が展開。外部に赤い輝きを放つ。

≪ブラスターモード:エリミネーター/ピアシング≫

 初手からイムカは強力なカードを切る。
 BLAM!独特のノイズと共に高出力ピアシングレーザーの赤き閃光が、
 周囲の空気を燃焼、即座にイオン化させながら、悪魔目掛けて一直線に突き進む!
663 :タェンティース・イオナ【対異能戦闘用人型兵器改】【ドレス・イムエト】E.赤刃.ヘルメスの靴[sage saga]:2015/03/06(金) 00:43:25.69 ID:7NJ/yQs70
>>662
「は、はいっ!」

今正に斬り掛からんとしていた半人は、
イムカの言葉に留まりそしてそれは恐らくそのいのちを繋いだ事であろう
灰化した樹木よりキラキラと青白い光の粒子が巨影へと吸い込まれるように消えて行く

『………!』

スロウな動作であったその影は、イムカの構える短銃そして放つ赤光に照らされビクリと震える
電磁ノイズ音、ブラスターの一撃がその胸を穿つ!
文字通り、胸にポッカリと虚空
出血はない、痛みにたじろぐような仕草もしかり

『………キョギのヤリ、ゼンはダのカテとなりダをイヤす』

どしん、どしん
歩幅が大きい、たったの二歩の接近だというのに先程よりも随分と近い
のったりと掌を向け、放つ無彩色の光の槍

「……っ!」

ヘルメスの靴の高速機動、回避と同時に悪魔の周囲を旋回
斬撃の範囲までは寄れずの様子だが、気を引こうとしているらしい
悪魔はその姿を追うように頭部を動かし、その場に留まる
664 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/03/06(金) 00:53:43.61 ID:6mrel1zro
>>663

(ダメージといえるモノも無し)

 サーボスカルが木の粒子が影へ吸い込まれるのを伝えた。
 イムカは考える。相手は光の槍に命中したモノから何かを奪い
 肉体なり生命を補填できるような言葉を吐いている。

【そして、ここは木々が大量にある森…ならば――】

 イムカはコンバットベルトより、ブラインドグレネードを引き抜く。
 一切の猶予無き局面であると判断。それを巨影に向かって投擲!

【灰の悪魔の足元に転がったそれは瞬時に爆裂するだろう→殺傷能力は無し】
 【→しかし、成功時には、煙幕、強赤外線(インフラレッド)、広域スペクトル電磁放射線など、
   多種多様な要素による不可視領域が形成されるだろう】

「タェンティース、撤退だ!情報不足の状態で相対すべき敵ではない!リスクが大きすぎる」

 イムカはこれは殆ど敵と戦うというより、現象と相手取る状況に近いと考えた。
 初手が失敗に終われば、戦闘継続にはこだわらず、即座に見切りをつけて撤収を判断したのだ。
665 :タェンティース・イオナ【対異能戦闘用人型兵器改】【ドレス・イムエト】E.赤刃.ヘルメスの靴[sage saga]:2015/03/06(金) 01:05:19.14 ID:7NJ/yQs70
>>664
『………!!!』

展開される煙幕、赤閃、不可視の電磁波
そのどれに反応したのかは不明瞭ではあるが、確かに巨影は非殺傷のはずの爆裂にゆらりと体勢を崩した

「っとっと……、こ、了解!」

慌てて旋回からイムカの元へと戻り、必要とあらば掻っ攫うように抱き上げて高速機動のまま離脱するだろう
散発的なタイミング、巨影が乱射している虚無の光槍が的外れに飛来
恐らく混乱しているのだろうか

「……ひぇっ!?」
「も、もうっ、心臓止まるかと思いましたよ……」

そのうちの一閃がギリギリの空間を掠めれば悲鳴、死の灰の森を抜け闇の草原へと至る
巨影が追ってくる事はなく、ポツポツと霊魂だけが静かに浮く邪な夜

//すみませんがこれで〆させて下さいっ
//なんか色々勘違い気味でごめんなさい…
//また宜しくお願いしますっ
666 :四五六 七八【賽印流忍術】[sage]:2015/03/06(金) 21:17:30.39 ID:7NJ/yQs70
「で、またここな訳ね」

苦笑しつつ自身の服装を確認
女学生の着るヒラヒラした制服である
学校が全てを埋め尽くしている世界
今尚改築を続けその広さは無限にも等しい校舎
2度目の来訪となる七八は取り敢えず手近な椅子に腰掛けて今回はどうしたものかと首を傾げた

「しっかしここ……空き教室なのかな?」

静かなモノだ、今の所自分以外の人影がない教室
ただ机と椅子と教卓だけが鎮座し、窓の外からは元気に体育に勤しむ生徒達の見える校庭

【学園世界】
【越境時に生徒や教師等の任意の役割を設定する】
667 :澪【獣化】2015/03/06(金) 21:31:01.24 ID:/97PUYWh0
>>666
教室を包む静寂は、勢いよく開かれた扉によって突如破られる。
一歩踏み入れたのはおそらく生徒側であろう裸足の少女。
白シャツに黒のパーカー、プリーツ加工のスカートは歩くたびにひらりと揺れる。
被ったフードから焦茶の髪を零し、一人きりであった七八を見つけるなり歩み寄った。

「……ここ、誰も使ってないの……?」

眼前の忍が自身と同じ越境者とも知らず、隣の席へと腰をかける。
今の時間帯は授業をしている教室も多いのか、暇を持て余す生徒にとっては時間を潰す場所を探すのも一苦労だ。
少女もまたその類なのだろう、大きく伸びをして校舎内独特の空気に凝り固まった体を解した。
668 :四五六 七八【賽印流忍術】[sage]:2015/03/06(金) 21:37:40.05 ID:7NJ/yQs70
>>667
「んっ……?」
「……うわぁっ!?」

ぎったんばっこんと背凭れに体重をかけて椅子の後ろ脚2本のみで揺れるアレを行っていた矢先
突然の来訪者に驚き転倒、後頭部を強打

「あ痛たた……」
「う、うん、今は何もしてないみたいだよー……」
「……素足!?」

頭を摩りながら苦笑、立ち上がり椅子を直して座り直す
そして改めて澪に視線を向ければ足に視線は釘付け、思わず声も出てしまうというものだ
669 :澪【獣化】2015/03/06(金) 21:50:02.00 ID:/97PUYWh0
>>668
「……大丈夫……?」
「……なんか…驚かせてごめん……」

頭を打ちつけ、しかし重傷そうでもない七八に思わずこちらも苦笑を漏らす。
たいして申し訳なさそうでもない謝罪を述べ、隣に腰をかければふうと息をつく。

「……ああ…さっきまで履いてたんだけど……」
「…絡まれたから、ぶつけてそのまま置いてきた……」

七八の驚きの声を受け、さらにその視線を辿ればその理由は自ずと見えてくる。
ばつの悪そうな顔、事情を説明しながらも照れ隠しか頭を掻いた。
学校内でパーカーなど、校則違反ではないにしろ目をつけられやすいのは確か。
悪質な輩に声をかけられるのは想像に難くない、驚くべきはそれを返り討ちにした少女の方にだろうか。

「……こっちの方が落ち着くから、いいんだけどね……」
670 :四五六 七八【賽印流忍術】[sage]:2015/03/06(金) 22:02:46.73 ID:7NJ/yQs70
>>669
大丈夫大丈夫とやや照れ臭い風に返す
間抜けな所を見られたモノだと内心は苦笑
まぁ余り深刻めいている様子がないのが救いである

「絡まれ……って、あー……」
「落ち着くってのがあれだけどさ、大丈夫だったの?」

パーカーを見て納得、数度小さく頷いた
ただしかし普通の感覚でいえば目の前の、何方かといえば線の細い少女が履物を投げ付けた程度で危機を脱するのが不思議だ
自身の身体能力を過信した事はないけれども、それでも修行の賜物ここの一般生徒よりかは優れている自負はある
しかし中には脅威となる輩がいるのも事実なのだから
671 :澪【獣化】2015/03/06(金) 22:15:07.69 ID:/97PUYWh0
>>670
「……やっぱり、目立つかな……」
「……すぐ逃げたから…多分、大丈夫……」

七八の納得したような頷きと視線に改めて原因を悟ったのか、そっとフードに手を添える。
普段が自身の異常性に目を背けているだけで、一応目立つのを嫌う性質なのだ。
問いについては簡潔な答え。言いにくいのか金の瞳を僅かに逸らした。
ここに飛ばされて履かされていた履物は撃退ではなく、逃走のために犠牲になったのだ。

「……そうだ…私は澪…貴女は……?」
672 :四五六 七八【賽印流忍術】[sage]:2015/03/06(金) 22:22:22.44 ID:7NJ/yQs70
>>671
「そりゃまぁね」
「仕方ないんじゃない? ここって統一されてる事が正しいみたいな風潮あるし」

ヒラヒラして動き辛いってのにねぇとスカートの裾を摘まんで苦笑
大丈夫との答えを聞くとふぅんと鼻を鳴らす
仕草としては素っ気ないモノだが、確かな安堵の吐息

「澪、いい名前だね」
「私は七八、四五六七八」

よろしく、と右手を差し出して握手を求める
握ればそれは柔らかさの中に確かな修練の末のタコが出来た、決して普通ではない手のひらだ
673 :澪【獣化】2015/03/06(金) 22:36:26.90 ID:/97PUYWh0
>>672
「……へえ…学校って、変わってるね……」
「……うん…いつもの服が恋しい……」

教育機関に身を置いた過去がない澪からすれば、その独特の風潮はなんとも奇怪に思えるものだ。
なんだか息が詰まるようだと、天井を見上げてため息をつく。
普段スカートに接しないのは澪も同様、同意を示して居心地が悪そうに身体を揺らした。

「……ん…よろしく、七八……」
「……?…もしかして、越境者…?」

差し出された手を握り返し、平和に漬けこまれた生徒のそれとは思えない手の平に知らず首を傾げる。
そういえば、と思い返す。この世界を客観的に捉える七八の言動から浮かび上がるのは一つの仮定だ。
674 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/03/06(金) 22:39:01.64 ID:6mrel1zro
【体育のお時間】

「貴様等が前の小学校(部隊)でどれだけお利口さんだろうが、
 ここでは総じて平等に野良犬以下の蛆虫野郎だ」

 グラウンドでは生徒達がいつものように青春の汗を流すのである。
 それが、学生の本分なのである。センセイはそれを見守るのが役目である。

「このステキな肥溜めにいる限り、どれだけ表彰を貰っていようが、そんなモノは糞の役にも立たん!
 部活のレギュラー様だろうが、有段者だろうが、私の前では平等にクズだ!」

 センセイは生徒に怪我をしないようにイロイロと注意をするのです。
 若さゆえムチャはするでしょうが、実際準備運動は大切なのです。

「解ったかっ!!」
「サー、イェッサー!!」

【生徒達も一糸乱れtぬ元気な声をあげています】

//ちょっとだけ校庭の体育の光景
675 :四五六 七八【賽印流忍術】[sage]:2015/03/06(金) 22:43:48.71 ID:7NJ/yQs70
>>673
「変なとこだよね」
「……それについても同感、ま、ここにいる間は仕方ないかな」

ちなみに越境時に着てた服や荷物はここから転移した際に戻ってくるらしい
不思議現象である

「……あぁ、あなたも?」
「じゃあ、ご同輩って訳だね」

ニヤリと笑いつつの肯定
互いの体温を感じ、解かれた手と手
この場合別段隠し立てする事もないとの判断らしい

>>674
「……」

何処かで見たようなスパルタセンセイ
チラリと目線を送り、疲れ目かと擦ってしかしそれ以上見ることは止めた
目と目が合ってしまえばあのシゴキに引き摺り込まれてしまう怖気を感じたからだ
676 :澪【獣化】2015/03/06(金) 22:58:07.21 ID:/97PUYWh0
>>674
窓の向こうに聞こえる生徒達と先生の応酬を背景に、しかしそちらを見やる事は一切ない。
どこかで聞いた声のような気もするが、それはきっと気のせいなのだ。
素敵な体育の時間に混ざろうとなど、もったいなくてとても出来る事ではない。

>>675
「……そうなる、かな……」

来訪者であっても一様に役割を与えられるこの世界において、似たような境遇を見つけ出すのは難しい。
越境者という繋がりのある者に出会えた喜びは大きい、短く返しながらも小さく微笑んだ。

「……ところで…七八って、何かやってるの……?」

ふと気にかかったのは、長い年月を経て培ったのだろう七八の手のタコ。
越境者ならば、自身の身を守るための術を何かしら持っている場合が多い。
制服の今ではそれは察し難いが、七八にも確かに秀でた特技、ないしは能力があるのだろう。
そう推測し、首を傾げて七八のその本質を問いかけた。
677 :四五六 七八【賽印流忍術】[sage]:2015/03/06(金) 23:04:37.12 ID:7NJ/yQs70
>>676
「ん、まぁほら」
「受けようと思えば好きな授業受けられるみたいだし、役に立つよ多分」

カリキュラムスケジュールが登録された携帯端末を取り出して操作
確かに多種多様、実に様々な授業が組まれている
これを受け放題となれば、喜ぶ人種も少なくはないだろう

「私?」
「私は……その、なんていうか……」
「に、忍者? みたいな? 一応……」

意外と言えば意外な質問、しかし誤魔化すのもなんだか憚られる
明後日の方向を見つめながらぽりぽりと、頬をかきつつに応じる

「わ、私はいいから、澪は何かその……特技的なモノがあったりしないの?」
678 :澪【獣化】2015/03/06(金) 23:18:54.41 ID:/97PUYWh0
>>677
「……面倒……」

端末を横から覗きこみ、一言漏らして元の位置へと戻ってしまう。
座学は得意ではないし、実習などもおそらく開始数分で飽きてしまうだろう。
つまりは根本的に苦手なのだ、学びの場が。

「……にんじゃ……?」

知識にない単語を聞いた者特有のおうむ返し、どういったものなのだろうと首を傾げる。
しかし七八の反応に踏みこんでは不味いとでも思ったのか、それ以上追及することはなかった。

「……私……?」
「……特技ってほどじゃないけど……」

お返しとばかりに問い返されれば困ったように目を伏せる。どう言葉にするべきか、床を見つめてしばし思案。
そして徐にフードに手をかければ、ゆっくりと外してその頭頂部を露わにしていく。
そこにはヒトではあり得ない、一対の獣耳が豊かな髪を掻き分けて顔を覗かせていた。
679 :四五六 七八【賽印流忍術】[sage]:2015/03/06(金) 23:26:57.43 ID:7NJ/yQs70
>>678
「あー、そういうタイプだ?」

イタズラっぽく笑うが、七八自身も似たようなモノだ
仲間を見つけた事に対する喜ばしい反応である

「あれ?」
「……ま、まぁなんていうのかな……」
「スパイみたいな感じかなぁ?」

スーパー人間たるニンジャ扱いされていた今までと異なる反応
どう説明すればスマートなのかを悩み、まぁこんな所が無難だと行き着いたのがこれである

「……あ、獣人の子だったんだ?」
「へぇ、可愛いなぁ……犬?」

七八の元居た世界には、数こそ少なかれど獣人も存在していた
よって反応としては一瞬目を見開くくらいで、あとはその耳をマジマジと見詰めて触りたそうに疼いているのみ
680 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/03/06(金) 23:29:25.92 ID:6mrel1zro
>>677-678

≪0001110101≫

 端末が取り出されている時に物陰からこそーりマニュピレイターを伸ばして、
 操作しようとする浮遊する頭蓋骨在り(何故か赤白帽着用。

【すすいのすい…体育…体育…体育!】
681 :澪【獣化】2015/03/06(金) 23:43:22.19 ID:/97PUYWh0
>>679
「……学校は、ほとんど来たことないし……」

外見こそまだ少女だが、こう見えても年齢は三桁に突入済みなのだ。
それがいきなり授業だなどと言われても、修学に縁がない身としてはいまいちピンとこない。
どことなく敬遠してしまうのは、ただ単に授業が肌に合わないだけではない。

「……ふうん……?」

更に簡潔な説明、だがそれでも伝わりはしなかったのかますます眉を寄せて考えこんでしまう。
腕まで組んでみせるあたり、その意味を見るからに理解していない。

「……ん…まあ……」
「……狼…犬と一緒にしないで……」

存外薄い反応に、しかし悪い気はしないのか照れ臭そうに目を逸らす。
犬、という単語には敏感だ、訂正する声色はどこか不機嫌そう。
獣耳を穴が空くほどに見つめる視線は初めてのものではない、その奥の真意はぼんやりと伝わる。

「……別に、触ってもいいけど……」

>>680
「………?」

こっそりと端末を操作している見覚えのある髑髏には気がつくものの、何をしているのかまでは生憎ながら澪には見えない。
よって首を傾げながらも、お似合いの赤白帽を被ったそれの怪しげな行動をただ見守った。
682 :四五六 七八【賽印流忍術】[sage]:2015/03/06(金) 23:49:47.93 ID:7NJ/yQs70
>>680
「うわぁっ!? と、突然授業が全部体育にっ!?」

何事かと驚愕、余りに作為的過ぎる現象である

>>681
「私もこういう施設でってのはここが始めてだなぁ」
「勉強なんかもほとんど家でだったから……」

忍者修行の一環に座学なども無論含まれており、それなりの名家である七八の家ではそうして学ぶ事が多かった
まぁ七八自体は座学イコール睡眠時間な性格をしており、真面目に受けていたかは別問題だが

「あ、ごめんごめん」
「狼ね、狼」

おっとと訂正、反応的に見てどうやら譲れない部分らしい
軽く笑いながらの謝罪ではあるが、余り深刻めいた風にする事による空気の重化を嫌った為だ

「……えっ? いいのっ?」
「じゃあ、遠慮なく……」

おずおずと手を伸ばしてもふっと触れる
恐らくその触り心地と反応次第ではあるがしばらくふにふにと弄り倒す事だろう
グラウンドから生徒の悲鳴が聞こえた気がした

//すみませんがこれで〆させて下さいっ
//お疲れさまでした、ありがとうございましたー
683 :澪【獣化】2015/03/07(土) 00:01:14.95 ID:jgMGyCgn0
>>682
「……勉強、したことないから……」

名家の生まれである七八とは対称に、澪は自然の中で生まれ育った、言わば野生児だ。
学ぶ暇があれば明日を生きるために動くしかない生活、座学など夢のまた夢に等しい。

「……分かればいい……」
「……ん…どうぞ……」

少しむくれた、けれどどこか冗談めいたような表情。
もふもふの獣耳は撫でられればやはり心地良いのか、蕩けたように目を細める。
いつの間にか姿を現していた尻尾が歓びにぱたぱたと揺れた。
グラウンドから響く叱責と叫喚は窓を隔てればもはや別世界。
遠くのどこかで鐘が鳴る、一区切りがついた昼下がり。

//ありがとうございました、お疲れ様でしたー
684 :TypeD-7@ようじょとロボット2015/03/07(土) 22:56:15.26 ID:jhKg1IyQO
【まったり系未来世界?】
その日、ちびっ子はのんびりとベンチに座ってホットドックを喰っていた。
彼女が見るのは道行く人々。
しかしそこには致命的な違和感がある、
本来装飾であふれるべき店舗は全く飾られておらず
ショーウィンドウの中は空っぽ。
なのに、道行く人々は“そこにステキな商品があるかのように”目を輝かせ
連れ立ったパートナーと楽しそうに会話を交わす。

「拡張現実に特別なデバイスはなし。
 けっこーいじってるなー、これは。」

ありがたいことにホットドックは合成色であっても美味しかった。
そういえば食べ物の屋台だけは、他とあまりかわらないね
685 :セラ[sage]:2015/03/07(土) 23:07:14.97 ID:4AJgWBwao
>>684

「気持ち悪いッたらありゃしないわね。ここでは皆、気がくるっているのかしら。」

と、ディーナの視界にぶつぶつと文句を垂れながら歩く、女性の姿が映った。
ビスチェドレスに腰から下げたレイピア、ガンベルトには古風なフリントロックは明らかに
この世界の文明レベルからかけ離れており、『映画の撮影が近くであるのかしら。』、『女優さんかな。』などと
周囲の人々の噂になっている。

「……おちびちゃん、そこ空いてるわよね。」

歩き疲れたのか、女はつかつかとディーナの座るベンチに歩みよると、
返事も聞かずに腰を下ろしてデザイン性重視であろう編み上げブーツの紐を少しほどき、
足を休め始めた。

686 :TypeD-7@ようじょとロボット2015/03/07(土) 23:13:01.13 ID:jhKg1IyQO
>>685
「ん、あいてる。
 ………あー、ねーちゃん、がちで生身か」

座るのはオッケーだそうで。
それよりも微妙に気になること言われたかも。
ひょいっとメガネを差し出します。

「ごかいしたまんまもよくねーからな。
 かけてみればだいたいわかる」

AR,、すなわち拡張現実のある種の完成予想図なのだ、このエリアは。
埋め込まれた膨大なタグは、自己改造が当たり前な住人たちには普通に読めても
生身であってはただの無意味な空間だろうて。
かけた瞬間に広がるのは、間違いなく高級な人たち向けの商業区である。
687 :セラ[sage]:2015/03/07(土) 23:25:19.80 ID:4AJgWBwao
>>686

「ん?ふーん……?」

ガチで生身、と言ってもどういう意味なのか目の前の女は
意味を掴めていなかったようだが、差し出されるままに眼鏡を手に取り。
そのまま、何気ない様子でそれを装着。

「え、わ……これは、何?黒魔術……なの……?まぼろしが……。」

と、目に飛び込んでくるのはきらびやかなショッピングモール。
意味の分からない物も多いが、昔と変わらぬ服飾店やアクセサリーが並んでいる通りは、
女に、周囲の人々がこれをみていたということを十二分に理解させたが……。

口を突いて出てきたのは、なぜ眼鏡をかけただけで周囲の景色が変わったのか、
という疑問への、無意識の問いだった。AR技術などという概念は彼女の生まれた世界、次代には
露たりとも存在しなかったのだから。
688 :TypeD-7@ようじょとロボット2015/03/07(土) 23:33:02.43 ID:jhKg1IyQO
>>687
「……ねーちゃん、漂流先がどんなばしょか
 じぶんからはしらべないタイプか?」

ホットドック二個目に突入しながら、ちびっこはあくまでマイペース。
後ろに立ってる警護役に限っては微動しないで完全に背景。

「魔翌力つかってないからまほーとはちがうなー。
 まぁでも、ちがうとこはソレくらいか。
 まぁ、わるいもんじゃない。ためしにそこの看板
 ゆびでピッってやってみ」

ジェスチャーで次やることを指示。
現代人くらいの技術レベルならタッチパネルと同じように扱えるけど
お姉さんにはこれもびっくり技術だろうか。
このエリアの簡易地図ですね、一応
689 :セラ[sage]:2015/03/07(土) 23:42:10.55 ID:4AJgWBwao
>>688

「え、ええ……あまり調べないタイプかもね。
 依頼の時なんかは調べるけれど、こういう当てのない旅先の情報なんかはあまり。
 そのほうが、新鮮味がでるようなきがするじゃない?今回みたいに。」

はあー、と息を吐きながら周囲をぐるぐる見回し。
看板のネオンや磨き上げられたショーウィンドウの光沢が、セラの目を魅了してはなさないようで。

「ええとつまり……これらは全部機械仕掛けなのね。
 こんなのが歯車や滑車なんかでできるのかしら。私にはよくわからないわ。
 船の上で湯を沸かして風上に進ませるなんてホラ話とも見分けがつかないもの。」

言われるがままにタッチパネルに触れ。
今度は浮かび出てきた地図に少し驚いた様子だったが、これくらなら魔術仕掛けのものを
みたことがあるから大丈夫、と謎の自身を見せたのであった。
690 :TypeD-7@ようじょとロボット2015/03/07(土) 23:51:04.99 ID:jhKg1IyQO
>>689
「しらないのはたのしいけど、ヒトのことくるってるとか
 くちにだしてると、そのうちうたれるぞ」

こう、剣とか無関係なビームとかで。
意外と冷静なご意見頂きました。
まぁ、完全にいっちゃってる感じだったと思うの。さっき。

「どちらかってとメカニカルよりエレクトロニクスだなぁ。
 ちーちゃくわけた雷つかうんだ。
 まほー式は、自由度高いけどユーザー側に先天性の才能求めるからな。
 こういうのは誰でも使えるから意味がある。

 このクラスの世界の船なら星を航る船とかも乗れるなぁ」

別に身体改造してなくてもメガネでなんとかできる、ってのは
すごくユーザーフレンドリーだと思う。
魔法はその辺の概念持つまで発展すること少ないからなぁ、と。

「魔法でもできてるとこはあるけどな、そういうのは魔道科学ってよばれてるな」
691 :セラ[sage]:2015/03/07(土) 23:57:56.23 ID:4AJgWBwao
>>690

「口に出しただけで撃ってくるような場所はたぶん、
 たとえばエールの量が少なかったとか、ハンカチが麻だったとか……。
 そういう理由でも殺し合いを始めるところだから、ある意味ではおもしろいかもよ。」

どちらかというと、セラも自らトラブルを求めて飛び込んでいく、
起していくタイプなので、そういう人種に片足を突っ込んでいる。

「ちっちゃい雷?ふーん……よくわからない。
 うーん、うーん……以前、体の中を血液の代わりに溶鉄がめぐっているゴーレムを
 見たことがあるけれど、そんな感じでこう、雷が回っている?」

自分の中の経験を集めて、どうにか仮説を立てようとしているよう。
692 :TypeD-7@ようじょとロボット2015/03/08(日) 00:06:32.68 ID:SpUnwvcDO
>>691
「まぁ、撃たれるならそれでいいけど
 心配されて病院にはこばれるほうはたぶん面白くないし
 病院ご飯はたいていおいしくないぞ?」

地味に嫌な過程をだばっと出してみた。
……病院飯のまずさも知ってるのかこいつ。
ホットドックの3つ目、ではなく買い置きドーナッツに着手。
ほい、ねーちゃんもたべる?

「ほんきで原理まで理解するなら、5年は勉強漬けだな。
 あぁ、一応、ねーちゃんと話してるこの身体もヒトじゃあないからな?
 というか、イキモノじゃないからな?」

魔法なしで動くオートマタです、どうも。
こいつだって理解しているわけではないのだ。
いや、理解という表現が正しいかは…
693 :セラ[sage]:2015/03/08(日) 00:22:15.03 ID:LkV/YI8uo
>>692

「じゃあ撃たれなければいいじゃない。簡単よ。」

パンが無ければケーキを食べればいいじゃない的発想!
どうやら目の前の女の人はかなり腕前に自信を持っているようです。

「……ん、ありがと。」

差し出されたドーナツをひょいぱく。
交換、とばかりにドーナツを口にくわえたままん!と菓子を刺しだし。
砂糖をすこしばかりの香草固めただけのあまり洗練されていないキャンデーみたいです。

「ひとじゃない?バカを言っちゃいけないわ。
 さすがにそれは信じないわよ。ロボット、あー、貴方の後ろのゴーレムね。
 そういうのはいくらか見たけれど、あんまり人みたいなのはいなかったもの。」

恐らく、人に酷似したゴーレムもといロボやアンドロイドを見たことがない。
もしくは出会っていても気づいていないようで。
694 :TypeD-7@ようじょとロボット2015/03/08(日) 00:28:49.21 ID:SpUnwvcDO
>>693
キャンデーはとりあえずもらっておく模様。。

「こーかんこなー。
 あとこんなんよ、こんなん。」

クルッと椅子の反対側に足を向けると、大きく開いた背中側。
一件生身と機械翼の組み合わせなんだけど、結合部分が完全に一体化してるのが
このアングルならよく分かる感じ。

「なかみみせてもいいんだけどな。
 ここだとオトナにおこられそうだからやめとくわ」

ぴょんっと今度は椅子から立ち上がって首をぽきぽき。
なんでこんなモーションまで覚えたんだろうね。

「ついでにいえば、あのへんとか、あのへんのお客も
 ねーちゃんがしってそうな言葉だと“コッペリア”な」
695 :セラ[sage]:2015/03/08(日) 00:44:02.46 ID:LkV/YI8uo
>>694

「機械仕掛けの羽……でうす・えくす・まきーなー?なのかしら?」

今まで、背中の羽を飾りだと思っていたセラだったが、
完全に継ぎ目がない事を見ると、少し驚いたようすで自分の額を指で触った。
天使様?という言葉が口をついてでかけたものの、フレスコ画などで見たことのある
柔らかな羽と似て非なる機械翼が言葉を留めたのだ。

「コッペリア……人形のお話だったかしら。
 でも、それでも……。う、ううん。わかったわ。ええ、こんなものを見せられては、ね。」

未だ捨てきれぬ、自身の故郷の常識がそれでも、と現実を否定しかけたが
そも、様々な世界を渡るという自身の境遇を鑑みれば動く人形の一つや二つさほどの非常識でもないだろう。
ようやく、女は納得したようだったが……。

「貴方、人形なのにご飯が食べられるのね。ヘンなの。」

次から次へと、疑問がわいてくるのだった。
結局、セラはその後もディーナを質問攻めにし気が付けば半日以上が経過して、
そのタイミングでセラがどこかに飛ばされてようやく、ディーナは解放された。

// そろそろ〆ー
696 :TypeD-7@ようじょとロボット2015/03/08(日) 00:45:49.24 ID:SpUnwvcDO
>>695
全部まじめに彼女なりの言葉で返そうと頑張ってくれますが
教育要員ではないので不明瞭なところもいろいろあります。

まぁ、頑張った後にはぐったり疲れた彼女が残りました

おつかれっしたー
697 :プライム@紛い物のネクロマンサー2015/03/08(日) 21:45:33.77 ID:sXHI3kpdO
【なんだか無人っぽい工場】
LEDで作られた照明で何段も重ねられた野菜育成用の棚。
波長をいじって成長コントロールもやってるらしい。

「食料生産工場。
 おなじ面積で効率は10倍以上か。
 ……誰に食べさせるのだろう」

建物の構造は明らかに人型のものが通ることを想定した形状。
しかし収穫や世話をやっているのは機械ばかり。
農作物以外に命が感じられない空間を歩くダークエルフが1人。

「人、最低でも動物がいないと実験ができない」
698 :タェンティース・イオナ【対異能戦闘用人型兵器改】【ドレス・イムエト】E.赤刃.ヘルメスの靴[sage]:2015/03/08(日) 21:56:08.64 ID:z+PMHfaK0
>>697
「で、」

と後ろから声掛けする半人

「全く不穏な響きの単語が聞こえた訳ですけど」

その強化された内臓系は人体実験の意味では不向きではあるが、逆に言えばそうそうの事が無ければ大事には至らない
ある意味で絶好の被検体と言えるだろう、こういう手合いの事態では

「……なんの野菜ですか? それ……?」

不安そうに後ろから、覗き込むようにして呟いた
699 :プライム@紛い物のネクロマンサー2015/03/08(日) 22:01:51.97 ID:sXHI3kpdO
>>698
「見た感じ、たぶんレタスとかキャベツとかそれ系?
 とりあえず新鮮そう」

ようは玉になるタイプの葉っぱ系。
別に水素より軽かったり魅惑の形状だったりはしません。
幻惑する模様だったりもしません。

「まぁ、食べたいなら食べればいい。
 私は収穫されたのの行き先を追いかけようと思ってる。
 食べ物を作ってるなら、必ず行き先には食べる者がいるはずだし」

どこぞの性悪ネクロマンサーダークエルフとよく似た雰囲気だけど
結構あちこち別物さん。※特に胸部サイズとか眼の色とか。
収穫したのを運ぶロボットのあとを追いかけるようで
700 :タェンティース・イオナ【対異能戦闘用人型兵器改】【ドレス・イムエト】E.赤刃.ヘルメスの靴[sage]:2015/03/08(日) 22:06:11.40 ID:z+PMHfaK0
>>699
「葉野菜の類ですか……」

半人の知る人工栽培はまだまだスプラウト系が主なモノの、途上技術である
こういった工場的な中で青々と茂るそれらをやや不思議そうに見詰め、外側から数えて2枚目を少し失敬

「……?」

匂いを嗅いだり隈なく観察してみたり
警戒心は強い模様、やがて奇怪な要素がないのを確認すれば一口囓る
知人に似た、少しだけ無機質めいた(?)雰囲気の相手のさらにその後を追いつつ
701 :プライム@紛い物のネクロマンサー2015/03/08(日) 22:11:46.19 ID:sXHI3kpdO
>>700
とりあえず美味しいです。
キャベツよりレタスに近い感じ。
台車を押すロボットは他の野菜を栽培中の区画も通り
何やらポッドがたくさんあるエリアを通り……
ここで、プライムのほうがぴたりと足を止めた。

「生命の気配がする」

台車ロボの移動方向から90度ずれた方向へ。
稼働するポッドの中身を確認へ。
……なんかお肉がビクンビクンしていました、中身。

「こっちは人工肉か」
702 :タェンティース・イオナ【対異能戦闘用人型兵器改】【ドレス・イムエト】E.赤刃.ヘルメスの靴[sage]:2015/03/08(日) 22:17:05.21 ID:z+PMHfaK0
>>701
「……意外と」

瑞々しく柔らかい、繊維質の味
ご馳走様でしたとその1枚を完食
物珍しそうに、稼働するロボット達の働きぶりを見ながらに歩く

「……ん? 何かいるのですか?」
「……うわぁっ!?」

ひょいと覗き込み、全くの不用心
思わず飛び退き尻餅、あわあわと今見た物体の入るポッドとプライムの合間視線を往復させて泳がせる
703 :プライム@紛い物のネクロマンサー2015/03/08(日) 22:24:08.71 ID:sXHI3kpdO
>>702
「なるほど。電気信号を打ち込んで筋肉を鍛えているのか。
 これなら確かに運動量もコントロールできるなぁ」

誰にともなく解説セリフ。
ただの筋細胞の羅列を筋肉にかえるカラクリってことらしい。
さて、二人して培養容器の中を覗いていると、
中のお肉と目があった
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「なぁ、食用肉の培養槽で目玉を作る意味ってなんだと思う?
 この世界では、この目玉も食用なのだろうか」

さすがに驚いたらしく額に汗。
さらに追い打ちのように警報がなりはじめる。

『32番培養槽にて変異体発生、変異体発生』

なんかオレンジのランプがまわりはじめたね。
704 :タェンティース・イオナ【対異能戦闘用人型兵器改】【ドレス・イムエト】E.赤刃.ヘルメスの靴[sage]:2015/03/08(日) 22:29:15.67 ID:z+PMHfaK0
>>703
「な、納得しないで下さいよぉ……」

よろよろと立ち上がり涙目
一体元が何の肉で、どういった形に加工されるのか
そしてこれを過食する存在はこの正体を知っているのか
怖気を覚えつつもいると、お肉の瞳とこんにちは

「ま、マグロの目玉なんかは珍味という話ですけど……」
「……!?」

目の前のアレはどう見ても魚系ではない
冷や汗ダラダラにしていれば橙色の光に影が伸びる
咄嗟に赤刃に手を掛けて、強い警戒態勢
目の前の培養槽? の番号と呼ばれたそれを照らし合わせてみる
705 :プライム@紛い物のネクロマンサー2015/03/08(日) 22:34:34.11 ID:sXHI3kpdO
>>704
ばっちり32番だね、これ。
培養槽の中身はビクンビクンからガクンガクンになり始めて
さらに目玉の数が増えている模様

「珍味ではないのは確定したと思って良さそう」

《32番への栄養投入停止。速やかに処分します》

プライムは培養槽から斜め後方へ退避。
そのタイミングで培養槽の固定具も限界に。
めきょっと転がった金属筒がタェンティースの方へ、ごろん、と転がってきます。
重さは最低でも3桁kg、ヘタしたらトン単位ですね。
706 :タェンティース・イオナ【対異能戦闘用人型兵器改】【ドレス・イムエト】E.赤刃.ヘルメスの靴[sage]:2015/03/08(日) 22:41:33.71 ID:z+PMHfaK0
>>705
「……ですよねぇ」

こんな状況にありながら苦笑
無論そうさせるのはその番号にある
目玉が増殖していき、極めて冒涜的な存在はその威圧性を増して行く

「っとっ!?」

培養槽の歪を察して取った所作は脚への魔翌力充填
即ちヘルメスの靴のローラー作動だ
0から一気に最高速度近くまで瞬間加速、無機の混じる強力な髄がそれを支える

「……危なっ……!!」

続き流れる動作での抜刀
赤い刃がイムエトの魔翌力と反応を起こして右腕の周囲、金色の粒子が残線を帯びて螺旋を描く
707 :プライム@紛い物のネクロマンサー2015/03/08(日) 22:43:12.88 ID:sXHI3kpdO
>>706
//
ローラーで避けて臨戦態勢ってことでよろしいです?
708 :タェンティース・イオナ【対異能戦闘用人型兵器改】【ドレス・イムエト】E.赤刃.ヘルメスの靴[sage]:2015/03/08(日) 22:47:07.60 ID:z+PMHfaK0
>>707
//そうなります
709 :プライム@紛い物のネクロマンサー2015/03/08(日) 22:52:01.61 ID:sXHI3kpdO
>>706
『困ったナあ。栄養止メられチャったYOOOO』

某コズミックホラー作品群で“冒涜的な空気の震え”とか書かれてしまいそうな声。
倒れた拍子に開いた容器から、出てきたのは不確定名“歩行するお肉”

「一応言っておくけど、私が何かやったわけではないからね?」

タェンティースに言い訳というか念のためというか。
まあ長耳も武器らしき杖を構えているし、真実なんでしょう。
それよりも歩くお肉だ。何故か目線がタェンティースに向いてる。
とにかくたくさんの目線がタェンティースの口に向いてる。

『おいシイもの、たべタ? 食べたいな』

だんだん口調がはっきりしてきた……
710 :タェンティース・イオナ【対異能戦闘用人型兵器改】【ドレス・イムエト】E.赤刃.ヘルメスの靴[sage]:2015/03/08(日) 22:56:24.83 ID:z+PMHfaK0
>>709
「……待って下さい、色々待って」

精神を摩耗させる空震
それが言葉を発する事が、というよりそもそもその存在自体が奇怪である
しかも明確な意思があるとなればもう、生命の創造だ
混乱とは裏腹、体は極めて迅速に事態に適応

「……あぁ、もう!!」

即ち鋭く踏み込み袈裟斬りの一閃
弱点は不明瞭、ともかく目玉のある部分に狙いを定めてみる事に
711 :プライム@紛い物のネクロマンサー2015/03/08(日) 23:06:21.56 ID:sXHI3kpdO
>>710
タイミングを合わせて、亡霊を放ってガブっとさせるネクロマンサー。
しっかり援護に入るあたりは戦闘職の職業病。
目の部分に刃もきっちり突き立てられる。

『いたいいたいいたい。』

確かに目玉は貫いた。
<嘆きの悪霊>もきっちり食らいついた。
しかし手元に伝わってきた手応えはあまりに軽い。

『痛いから治さなきゃ。治すには栄養。
 ねぇ、食べ物って、他のイキモノのことだよね』

極めて耳障りな声を発していたたぶん口が大きく
それこそ、人間を丸呑みできそうなサイズまでパカっとひらく。
身体に刃を突き立てられたまま、そいつはタェンティースを
文字通り喰らおうとしているのだ。

「……生命反応があるのに霊核が見当たらない。
 なんだこれ。なんだこれ……」←自分がタゲられてないので妙に冷静なDE
712 :タェンティース・イオナ【対異能戦闘用人型兵器改】【ドレス・イムエト】E.赤刃.ヘルメスの靴[sage]:2015/03/08(日) 23:14:41.03 ID:z+PMHfaK0
>>711
「っ……!」
「……こ、のぉっ!!」

ヘルメスの靴のローラーを再度稼働
高い回転音と共にバックダッシュ、微かな前髪を犠牲にして丸呑みの運命は回避した

「……生命の、バグ的存在なのではっ!?」

プライムの呟きに自身の直感的思考で答える
機械知能にバグは付き物だ、ならば更なる多様性を秘める生命に於いてそれが起こらないと考えるのは自然ではない

「……てぇっ!!」

ローラーダッシュを実行したまま、スケートのように肉塊の周囲を滑走
接近し斬りつけ即座に離れる、一撃翌離脱を狙っている模様
713 :プライム@紛い物のネクロマンサー2015/03/08(日) 23:23:06.41 ID:sXHI3kpdO
>>712
なんか犠牲になった髪の毛はもっきゅもっきゅされています。
一応タンパク質か、髪の毛も。

「とりあえず機械入りみたいだし、ソレ食べたらお腹壊すと思うんだけど?」
『小さい方は美味しいがしないから』
「なるほどー。そういえば生身じゃなかった、私」

普段からゾンビだのグールだのと戯れていると、冒涜的な声も聞き慣れるようです。
会話内容はともかくだけどね。
斬りつけた刃はきっちり通るんだけど、大事な器官とか骨とかに刃が通った感が手元に来ない。
斬った部分も少ししたら癒着している模様。

「ねぇ、栄養止まってるらしいし、私達逃げたら
 こいつ餓死するんじゃない?」
『うぇ!?』

たしかに、あんまり早くは動けないみたいですね、こいつ
714 :タェンティース・イオナ【対異能戦闘用人型兵器改】【ドレス・イムエト】E.赤刃.ヘルメスの靴[sage]:2015/03/08(日) 23:28:44.27 ID:z+PMHfaK0
>>713
「多分、わたしも美味しくはないですよ!?」

生身ではないのと爆弾発言に驚きつつもまぁ、防御の為の言い訳を作るのは自然
捕食されている髪の毛の末路に背筋が凍てつく感覚

「……っ、再生が速いな……」
「でも、他の肉や食料を食べて生き延びる可能性も……?」

斬撃での打破は困難と判断
睥睨しながら後退しつつ、遁走もまた善手かとプライムの案に乗る事も視野に入れている
715 :プライム@紛い物のネクロマンサー2015/03/08(日) 23:35:20.55 ID:sXHI3kpdO
>>714
「ただのデータの塊よりは味あるでしょ、たぶん」
『髪の毛は美味しかった。
 他にも食べ物があるなら、教えて?』

戦闘しながらの会話にしてはゆるいが、
目の前の相手はガチで捕食者である。
食べても栄養がないやつだけが平和なのだ。

で、他の肉発言で気がついたDEが隣の培養槽を指さすと
ごん太の肉アームが培養槽(おとなり)に叩きつけられる。

「……あ、一撃なんだ」
『栄養〜〜』

金属の培養槽が一撃で破壊される様子はなかなかに衝撃的。
でもそれ以上に衝撃的なのは、歩くお肉と接触したまだ歩いてない肉に
さっき最初に見た目玉が生え始めたことかもしれません。
プライムもウゲッてなった
716 :タェンティース・イオナ【対異能戦闘用人型兵器改】【ドレス・イムエト】E.赤刃.ヘルメスの靴[sage]:2015/03/08(日) 23:44:00.57 ID:z+PMHfaK0
>>715
「……そりゃあ、まぁ……」

データはそもそも味がしないだろうし

「食べ物は……えぇと、む、向こうに野菜が沢山ありましたよ!?」

破壊音が耳を劈く、それを遠巻きに睨みながらも肉塊の増殖に怖気を感じている
多分これはこのままでは、再現なく肥大化を繰り返し極めて重篤な事態に陥る事だろう

「……非常用ボタンとか何か、あったりしないモノですかね……?」

管理している人間か、或いはそれに準ずる存在
知らせるべきだろうと周囲をぐるり眺めてみる
717 :プライム@紛い物のネクロマンサー2015/03/08(日) 23:52:28.84 ID:sXHI3kpdO
>>716
「情報生命なのよ、私。
 食欲そそらないのも納得よね?」

言ってるそばから2本目の培養槽が倒された。
サイズ拡大にあわせて威力は確実にあるようで。

「非常ボタン、非常ボタン………
 消火栓っぽいのがある!」

一応壁になんかそれっぽいケースとボタン発見。
ぽちるのは確かに有効そうです。
718 :タェンティース・イオナ【対異能戦闘用人型兵器改】【ドレス・イムエト】E.赤刃.ヘルメスの靴[sage]:2015/03/08(日) 23:58:50.81 ID:z+PMHfaK0
>>717
「いやそれならわたしも機械ですよ!?」

一応最もな反論
まぁ肉がある分ましなのかも知れない
と、しかし更なる破壊を目の当たりにすれば驚愕

「……それ、押して下さい!」

もしくは自分が押せれば押す事だろう
何が起こるかは不明瞭だが、少なくとも現状よりは好転するはずだ
そうだと思いたい
719 :プライム@紛い物のネクロマンサー2015/03/09(月) 00:04:10.72 ID:rJlwwp6GO
>>718
ぽちっ
《緊急措置を行います。室内の人員はすみやかに退避してください。
 繰り返します。室内の人員は速やかに退避してください》

お肉さんは順調に体積を増やしながら部屋の奥方向に進んでる模様。
機械混じりよりは培養肉のほうが美味しいんでしょう。
慌てて室外にでて扉を締めれば、部屋中に高温ミストが流し込まれます。

なお脱出後の一言はこちら

「あぁ、そうか。肉なんだから、加熱で解決できた。
 ……美味しそうな匂いはするけど、当面肉料理は食べれそうにないかも」
720 :タェンティース・イオナ【対異能戦闘用人型兵器改】【ドレス・イムエト】E.赤刃.ヘルメスの靴[sage]:2015/03/09(月) 00:17:50.82 ID:RQGVer800
>>719
「なるほど……」

蒸気で加熱という訳だ
スチーム加工されたあのお肉はその後果たしてどうなったのやら
そもそもあれはなんだったのか
ともあれ、

「……同感です」

今は苦笑を返す事しか出来ない
だがまぁ、食べられる立場にならずに済んだだけマシだろうか
721 :プライム@紛い物のネクロマンサー2015/03/09(月) 00:24:26.88 ID:rJlwwp6GO
>>720
「何者であれ、あれはイキモノになりたかったんでしょう。
 『食べ物とは他のイキモノのこと』らしいもの」

さて、この工場で生産される野菜はまぁイキモノでしょう。
培養槽の中身はイキモノだったのでしょうか。
そもそもイキモノってなんでしょうね?

//
お疲れ様でしたー
722 :タェンティース・イオナ【対異能戦闘用人型兵器改】【ドレス・イムエト】E.赤刃.ヘルメスの靴[sage]:2015/03/09(月) 00:37:06.08 ID:RQGVer800
>>721
「生き物に、ですか……」

人工的に宿されたいのちを、同じくして持つモノとして
思う所がないと言うのは事実であり、むしろあの存在には憐憫すら覚える
自身が生き延びまた後腐れなくいる為にエゴで奪ったそのいのちに、哀悼地味た感覚

「……まぁ、難しいですよね、生き物って」

後頭部を掻きながら、
なんともまぁ現実を突きつけてくれる、半人としては色んな意味で一刻も早く離脱したい世界だと苦笑

//ありがとうございました、また宜しくお願いしますっ
723 :澪【獣化】2015/03/09(月) 21:36:28.01 ID:cwHxXNRQ0
時は戦国、名だたる武将共が生まれ出ては消えゆく時代。
ある大名は己が名誉のために明けない戦を繰り返し、またある旗本は強者に浅ましく尻尾を振る世の中。
百姓などの住まう地などは誰も顧みず、為すがままに蹂躙されていく世界。

「……それにしても、酷い場所……」

少女が歩くのは、例に漏れず足軽の波に略奪され滅ぼされた小さな村。
家屋は放たれた火矢によって炎に巻かれ、未だその勢いは止まる事を知らない。
ところどころに転がる人だったモノのほとんどにあるのは刀傷と思しき外傷。
農具を持ったままの屍があるあたりに、しがない農民の健気な抵抗が窺える。
動くモノの見つからない村を彷徨う、漂う死臭に思わず顔を顰めた。
724 :四五六 七八【賽印流忍術】[sage]:2015/03/09(月) 21:45:58.30 ID:ZTw719l90
>>723
「はいはい、アーメンアーメン南無阿弥陀仏っと……」

所々が焼けた遺体の、見開かれた瞳を閉ざし手を組ませればやる気なさげな念仏をひとつ
最早何度目か分からぬこの作業に辟易しているのは事実だが、目に入ってしまった範囲内だけでもしておかないと何となく気持ちが落ち着かないらしい
それは多分、ここが自身の故郷の世界と少し似ているのもあるだろうし亡骸の大半が一方的に惨殺されたモノでもあるからだ

「……勘弁してよねぇ、本当……」

煤や血や、その他ですっかり汚れた手を振りながらボヤく
七八の周囲の死は、一応全て簡素ではあるが礼式を終えた事になる
725 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/03/09(月) 21:53:09.87 ID:dLmFK5bjo
>>723-724

「テクノロジーの未発達な世界の騒乱など得てしてこのようなものだ。
 町村は相手の財産であり、それを奪うのは相対する者として当然の仕儀という具合にな」

 死体を確かめているイムカ。おぞましい死肉の臭い。
 腸が破れた遺体からは、糞便の臭いもしよう。しかし、そういうものだと割り切る。
 刀傷と火矢。道具を用いた痕跡からも人同士の争いの可能性が高い。

「戦力に差がある抵抗の結末としては妥当なところだな。抵抗が実を結ぶケースは決して多くはない」
≪0001110101≫

 イムカの声音は感情の波は皆無であったし、
 サーボスカルもこの光景をデータ収集の価値無しとして、さほど記憶容量を割くつもりはない。
726 :澪【獣化】[saga]:2015/03/09(月) 22:09:24.46 ID:cwHxXNRQ0
>>724
最初こそ七八の念仏を称える様を珍しそうに眺めていたが、もはや飽きたのかきょときょとと周囲を見回す。
しばらく行動を共にしていたなら分かるだろう、澪が死体にほとんど興味を持っていない事が。
澪にとって死者とはただのモノであり、顔も知らないそれにいちいち気をやる必要性を感じないのだ。
ところが生者となれば話は別だ、未来を生きる可能性があるのだから。

「……生き残った人、いないのかな……」

>>725
「……そういうものなの……?」

世界の様相、社会の構成に疎い澪はイムカの言葉にはどうやらピンと来なかった模様。
ふうむと首を傾げ、しかし理解するのを諦めたのか改めて凄惨な現場を四望した。
動くモノは相変わらず見えない、揺れる炎だけが影を踊らせた。

>>724-725
ちゃきり、燃え盛る炎に紛れて不意に響いた金属音。
それはごく小さく、耳を澄ませていなければ気がつかないほどの音量。

「……今、なにか聞こえなかった……?」

獣の耳を持つ澪がそれを捉えるのは容易、不安気に二人へ問いかけながらも警戒態勢。
一度気がつけばその音が複数であり、徐々にこちらへと近づいているのが分かるだろう。
またある程度その音が近づいてくれば、数人程度の足音までもが届くはずだ。
727 :四五六 七八【賽印流忍術】[sage]:2015/03/09(月) 22:14:58.80 ID:ZTw719l90
>>725
「ま、そりゃそうだろうけどね」

汚れた手を手で払いながら苦笑
我ながら無意味を行っているなと自嘲でもあるし、不味い所を見られたかとの諦観でもある
忍者として非情さを学ばなかった訳ではないし、七八自身その必要性を自覚し更には実践する覚悟を決めている
だが今はその術を使う時ではないと確信があった

「……逃げりゃ万一何とかなったかもってのにさ、」
「まぁ……夢見悪くしない為にもって感じかな?」

誰にでもない言い訳は、言い聞かせるように

>>726
「食べる前に頂きます」
「食べ終わったらご馳走様」

それと同んなじみたいなもんだよ、と苦笑
無論それを強要する事はしないし、しないからと言って侮蔑的に思う訳でもない
むしろ逆だ
こういったケースの場合、敵意を持つ存在に狙われる可能性を視野に入れて一刻足りとも気を抜くのは不味い
澪やイムカの反応は理想的であり、自身の行動は危なっかしい崩れかけの桟橋
何とも、頭で理解してもというやつである

>>725-726
「……ん、サバイバーさんのお出ましかな?」

言葉と裏腹、片頬を吊り上げながら抜刀、汗が一雫伝う
逆手では苦無数本を携え、如何なる方向からの奇襲に備えて澪とイムカとは異なる向きを警戒
728 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/03/09(月) 22:16:37.81 ID:dLmFK5bjo
>>726

「実際、略奪の奨励は士気が高まるからな。悪評を鑑みる必要がなければ尚更だ」

 もう一度、確かめるように一帯を見やる。
 こういった事が幾千、幾万と繰り返され、果ては平和に行き着くのか、それとも。

「それよりあまり長居していい環境ではないぞ?
 疫病の類が発生する条件としては十二分。オカルト的にも最悪の霊状態だろうからな

 と、言った矢先であろうか。足音である。
 複数の足音。ボンズの類か。それとも惹かれてやってきた何かか。
 あるいは、何処かの推理小説のように犯人が現場に戻ってきたか?
729 :澪【獣化】2015/03/09(月) 22:34:24.59 ID:cwHxXNRQ0
>>727
「……ふーん……?」

納得したようなしていないような、なんとも曖昧な反応を見せる。
例えに関しては非常に分かりやすいのだが、この場合に簡単に当てはまるかといえばそれは別問題。
死人への敬意が欠落しているせいなのだ、どうも価値観がしっくり来ないのは。

>>728
群雄割拠の世の中、人々にとっての平和とはすでに夢物語に等しいのだろう。
力ある者が争いを求める限り、戦国の世に終わりは訪れないのだから。

「……そうだね…あまり気分のいい場所じゃないし……」

長居すべきではないというのは賛成だ、生者の見込みはもはやない。
いるだけで気の滅入るような廃村から脱しようとしてもしかし、闖入者がそうはさせてくれないのだが。

>>727-728
足音と金属音はあちこちから一定のペースで迫り、ついにその姿を一行の前に現す。
風体だけで見れば鎧武者、という言葉がふさわしい。手に携えた刀には、既に黒く変色した血液がこびりついていた。

「……なに、これ……?」

異常なのはその本体。ところどころから覗かせる身体は明らかに骨そのものだ。
薄汚れた骸骨の鎧武者はその眼にあたる位置だけを爛々と赤く光らせ、越境者達を睨めつける。
その髑髏から表情を窺うのは難しい、ただ新たな獲物に歓喜するかのようにかたかたと歯を鳴らした。
だが先程まで嬲っていた百姓と同じと高を括っているのか、進める歩は相変わらず遅いものだが。
730 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/03/09(月) 22:43:35.29 ID:dLmFK5bjo
>>729

「…どうなっている?」

 死人が歩いている?あるいは妖怪変化?
 それならば、それでいい。が、何故、略奪の必要があるのだろうか。
 食料もカネも女も必要など皆無な有様であるというのに。

「スカル、念のためサーチを」
≪0000111101010111≫

 サーボスカルのシグナムが細かく挙動し、
 眼前の鎧武者達のバイタルや生体データ等をスキャニングする。
 もっとも、この場合はそのような物が存在するのか確かめる…というのがより正確であったが。

【イムカに侍る浮遊髑髏による解析を行います】

「何と言っても、一見してはアンデッドの類だろうがな。
 大人しく土塊に還っていればいいものを。何を迷い出たのやらだ」
731 :四五六 七八【賽印流忍術】[sage]:2015/03/09(月) 22:51:13.02 ID:ZTw719l90
>>729-730
「……サバイバーでも、何でもないお方の登場か」

ジリっと半歩、身を引いた
それは何度邂逅したところで決して慣れぬ、慣れてはならぬ存在との接触に起因するモノだ
素早く苦無を仕舞い変わりに取り出すは星爆竹
炸裂時の閃光に、現実と剥離性を持つ存在を固着させる能力を持つ四五六家に伝わる奥義忍具だ
骸骨の鎧武者が霊体であり、物理攻撃を無効にするような事があっては不味いとの判断、投擲
照らす星の輝きは瞬時、影を縛り付けて即座に引いた
【霊体や亡霊への現実への固着性能有、効果の是非は委任】

「……さて、」

再び苦無を取り出して構え、出方を伺う模様
732 :澪【獣化】2015/03/09(月) 23:10:58.77 ID:cwHxXNRQ0
>>730
「…さあ…?…見るだけじゃ、なんとも…」

解析において、不可思議な現象が働いているという確証はとんと得られない。もちろん生命反応など存在しない。
ただ人体から骨だけが立って歩き、鎧を身につけて刀を携えているという事実だけがそこに転がっている。
彼らが何を考えているか、そもそも思考するだけの能力があるかすらも分からない。
刀にこびりついた血液が村人達のものと同一であるということから、襲撃者の正体は明らかになるだろうが。

>>731
「……落ち武者…とも違う、かな……?」

むしろそうならどれほどよかっただろう、例え敵方だとしても生者ならばこれほど悍ましくは思わせない。
爆竹の放つ閃光は刹那炎に包まれた村を照らし、鎧武者の影を大きく伸ばす。
声を発する器官を持たないのか、髑髏と相俟ってやはりその反応は読み取り難い。
しかし多少のダメージは与えられたのかしばし動きを止めたが、再び金属音を鳴らしながら歩行を再開した。

>>730-731
七八の星爆竹により鎧武者は動きを止めたが、再び動き出すのにそう時間はかからなかった。
むしろ顔に出さないまでも怒りを覚えたのか、その速度は先までよりも格段に速い。
数は十数、それぞれが一様に刀を振り上げて三人へと襲いかかる。
その型はまるで初めて武器を持った一般人、大振りであり隙も大きいものだ。
733 :四五六 七八【賽印流忍術】[sage saga]:2015/03/09(月) 23:17:52.64 ID:ZTw719l90
>>732
「あ、やばっ」
「ごっめん2人ともっ」

良かれと思っての牽制兼戦闘補助であったが、怒りを買う結果となってしまったかと苦笑
しかもあまり効果もなさそうだと来た、完全な悪手である
骨武者の群れが加速し迫る嵐の中、トン、トン、とその場で小さく2度飛び跳ねてから構え直し迎撃態勢

「……危なっ!? っと、っとォッ!!」

大振り故に遠心力が乗った刃、身を捩って躱しそのまま一転しつつの横薙ぎの一閃
狙いは具足に守られていない骨の露出部だ

「……オマケっ!」

ついで苦無を直接、顔面に突き立てんと刺突を狙う
734 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/03/09(月) 23:26:59.62 ID:dLmFK5bjo
>>732

「よくよく考えたら不条理極まるな。鎧の重量を支える筋肉もないのによくやる」

 と、いってもソーサリーの類は概ねいつも不条理であるとも承知しているイムカ。
 だから別段、この骸骨達が不条理であろろと違和感はないのだが。

「それより、村人を皆殺しにした下手人はコイツラだぞ?
 なんで生身でない連中が略奪なんぞやらかしたのかまでは解らんがな」

 言いながらイムカは前に出る。ちょうど七八が爆竹を炸裂させた直後からだ。
 相手の動きは存外に鈍い。しかして――

(鎧を纏った骸骨か。鍛えてなければ精神的な動揺は相当だったろうな)

 アンデッドとはその見た目も重要な威力を持つ武器であるとされる。
 死を連想させる外観がそのままに、相手の精神を打つのだ。

「イヤーッ!!」

 対してイムカはおぞましい光景や存在ならば散々に見慣れている。
 素人めいた一撃を最小限の動きで避けると、身体を反転、背中から肩にかけての半身を、
 勢いのままに鎧武者に向かってぶちかました!

【ボディステッチ、またの名を鉄山靠!】
735 :澪【獣化】[saga]:2015/03/09(月) 23:46:13.24 ID:cwHxXNRQ0
>>733
大振り、そして渾身の一閃は容易く躱され鎧武者は手痛い反撃を被る事となる。
横に薙いだ苦無は血と砂に汚れた骨を断つ事までは叶わない。
ただ腕を振り切った直後のせいか、大きく弾かれて隙を晒す事になった骸骨。
顔面を守る俊敏さも暇もなく、為されるがままに頭蓋を穿たれ貫かれる。
途端両の空洞に灯っていた禍々しい朱の光は消え去り、骨の身体は鎧ごとがらがらと崩れて落ちた。

>>734
常人なら精神を蝕まれて当然の光景、鎧武者達もそこにつけ込んで出来うる限りの略奪を尽くしたのだろう。
ただそれは相手が心の脆い一般人だからこそ成し得た芸当。
例えばそれが歴戦の強者であれば、彼らもまた喰らわれる側になり得るのだ。
こちらの一撃も簡単に躱され、見せてしまう致命的な隙。
イムカのぶちかましへの対抗手段など持たず、襲う衝撃に薄汚れた骸骨は耐え切れなかった。
骨という骨がばらばらになり、鎧とともに地面へと落ちて二度と起き上がる事はなくなった。
ただ無事だった頭蓋が怒ったようにかたかたと歯を鳴らすが、ただそれだけだった。

>>733-734
「……っぶな……!」

さて澪もどうにか眼前の危機を乗り切り、しかし全ての敵が倒された訳ではない。
同類の返り討ちも意に介さず、刀を手に機を窺っている。
更に遠く、この村のどこかからまた複数の足音が近づいているのが耳に入るだろう。

「……ちょっと、数が多すぎない……?」

苦笑、それでも冷や汗を誤魔化せるわけではない。
身構えながらも横目で二人をちらりと確認、戦闘の継続か逃走かを言外に問うた。
736 :四五六 七八【賽印流忍術】[sage]:2015/03/09(月) 23:59:40.17 ID:ZTw719l90
>>736
「これはまぁ、なんとも……!」

崩れ落ちる骨の、最も遅いモノが地に落ちるより素早く
バックステップ、身を引き新たに警戒の糸を周囲に張り巡らせる七八
小型の忍者刀と苦無を手に敵の数に舌を巻く

「……ねぇ2人とも、この辺に生きてる人って居そう!?」

その言葉は焦燥に駆られていて、本心では極めて罰当たりな答えを望んでいるのを自覚していた
即ち否定、生存者無し
そうであれば即座に火遁を焚き、骸骨の鎧武者の目を眩ませて撤退を選択する事が出来るからだ
だがもしそうでなければ、存在する生き残りを見捨てる事が七八には至難だ

「あぁもう、なんでこんなっ!」

厄介な性分に生まれているのだと、自嘲を超えて苛立ちに変わる
【因みに七八の火遁は撤退用の忍術であり、火薬などで火を撒いて驚かせてその合間に逃げるだけである】
737 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/03/10(火) 00:05:01.07 ID:Cr0t2rHdo
>>735

「確かにこの数には些か以上に辟易するな」

 数は力。これは戦争における大原則である。
 優れた兵士にそれこそ無限の体力と集中力があれば一騎無双伝説が、
 世界中のあちらこちらで生まれるのだろうが、現実には中々そうは上手くいかない。

「連中はさして強くない。霊的防衛力が低ければ…まだ、どうにかなるか。
 少し試してみる。それで駄目ならば逃走だ」

 言いながら、イムカは腰の革ポーチに目をやる。
 これはそこに棲まう小妖怪達に対しての顔を出すな≠フサインに他ならない。
 同時にイムカは腰に下げているガラス瓶を引き抜く。

【瓶の中は白銀に輝く液体。それは液状化した金属であった。その金属の名はミスリルという】

「やや変則的ではあるが、破邪の聖水だ。効果があるといいが。
 ――暗闇に在りし者には灯を!無知なる者には信仰を授けん!
 ――これらを神物を喜びとする者ら、その命長がらえん!
 ――しかれど我、これらを拒みし者にはただ死のみを授く者なり!」

 イムカが銀河帝国の聖言を唱えると共に、
 ガラス瓶の液体は清浄なる白き輝きを周囲に放ち始める。
 吸血鬼殺し(ヴァンパイア・キラー)を根源とする破邪の光であるが、これらのアンデッドにも効果はあるか?
738 :澪【獣化】[saga]:2015/03/10(火) 00:29:13.00 ID:dP+I4W600
>>736
「……多分、いないと思う……」

焦りの滲む七八の声に応える澪の声は努めて冷静を装ったもの。
訪れた時から村を満たしていた死臭に加え、こうも炎に巻かれていては耳と鼻だけで生存者を探すのは難しい。
特に鎧武者という弊害があれば尚更、それでも邂逅前の記憶を頼りにすれば導かれる答えは一つだ。

>>737
「……ちょっと…それ……」

イムカが取り出した白銀の聖水はその状態でも微々たる破邪の波動を放っている。
自身が苦手とするそれをどう扱うか察しがついたのか、顔を引き攣らせてしかし口を噤む澪。
如何なる可能性でも賭けずにはいられないのだ、明らかに不利なこの状況では。
そして周囲を遍く照らす聖なる光は炎を押し退け骸骨を呑み込む。
結果、鎧武者は先の星爆竹の時のように一時動きを止めた。が、それだけだ。
何事もなかったかのように動き出し、また耳障りな金属の擦れる音を響かせた。

>>736-737
「……じゃあ…決まり、だね……」

イムカによる試行は身を結ばず、動きを封じる事叶わず囲う影は刻一刻と増え続けている。
澪もまた逃走に異論はない、二人に目配せをしてタイミングを見計らう。
七八による火遁は有効だ、煙に巻かれた骸骨達は姿を見失ったのかその場を動こうとはしない。
それはつまり、あの見てくれでも視覚は存在する事を示していた。

「……行くよっ……!」

そこに隙を見出した澪、二人の手を握って包囲網を抜けんと走り出す。
炎に対する警戒心はあるのか速さについていけなかったのか、鎧武者による追撃はない。
燃え盛る村を駆け抜ける途中途中で骸骨の鎧武者を見かけるが、やはり最初の遭遇同様油断しているのか目敏く襲いかかってくる様子はない。
そのまま走り続ければ無事、死に包まれた村を脱して街道へと辿り着く。

「……もう、大丈夫かな……?」

ひと段落がつけばようやく二人の手を離し、振り返って村を見る。
不思議と追っ手はない、天へと上る火の粉だけが風に乗ってここまで届いた。

//それではここで〆っ
//お付き合いありがとうございましたー
739 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/03/10(火) 00:33:58.83 ID:Cr0t2rHdo
>>738

「だな。起源が違えば効果も一定ではないか」

 もとよりソーサリーは門外漢である。不発に終わる因果はわからぬが、
 わからぬ理由もわからないので埒の明かぬ思考は無駄だと断じた。

【ここはリスクを最小限にとどめるための逃げの一手で異存なし!】

 そうして、戦闘境域を離れ、街道で一息。

「妙な連中がいるものだな。ああいう手合いは爆薬で一掃するのが一番だが」

 水筒を取り出して、水を喉に流し込んでから、そう呟くイムカであった
740 :四五六 七八【賽印流忍術】[sage]:2015/03/10(火) 00:37:38.07 ID:GVMB9TmI0
>>738-739
「……おっ!」

今度は何とか役に立ったかと逃げなからに思う
敵の正体を探ろうとは思わないし、知りたくもなかった
今はただ祈るだけだ、月並みであるがあの亡骸達の死が決して冒涜されぬように
多分難しい希望であるとは分かっているが、それでもだ

「あぁ、爆弾かぁ……」

イムカの呟きに応じ、納得
幾つか調達しておくのも悪くない

「……派手な火葬、用意してあげないとねぇ」

いつかきっと、あの死者達全てを弔えれば願ったりだ
汚れた手をじっと見てから、そらを仰いだ

//お疲れさまでした、ありがとうでしたっ
741 :α-12【ディープメイカー ver.α】>>352[saga]:2015/03/10(火) 22:20:06.48 ID:Cr0t2rHdo
【とある世界… 938 M41】

「ヘヴィです」

 先ずそのようにボソリと口にしたのは、ガスマスクに全身ラバースーツの兵士。
 名はα-12(アルファ・トゥエルブ)。C.T.S.S所属クローントルーパーである。
 何故、スプロールを活動域とする彼女が別世界に移動しているかというと、

【先天的因子(オリジナルが越境者である)と、実験で変な影響受けたのダブルパンチである】
 【→スプロールでは境界線移動は認知された現象で実験も多数行われている】

「予定世界と明らかに異なる上に、部隊ともはぐれました。所謂ピンチです」

 空を見上げる。真っ赤に染まっている。
 さらに雲の切れ目から顔を覗かせるのは…超巨大宇宙戦艦。
 意匠より文化レベル測定……というより、浮遊する髑髏が大量に空を覆っている。

「本気でヘヴィです」.
742 :タェンティース・イオナ【対異能戦闘用人型兵器改】【ドレス・イムエト】E.赤刃.ヘルメスの靴[sage]:2015/03/10(火) 22:29:09.53 ID:GVMB9TmI0
>>741
「……ん?」

骸骨の群れの向こうの赤々しいそらを仰望、更にその先には巨大建造物
なんだか何となく、科学技術が進んだ世界でありそして既視感めいた何かを感じさせる雰囲気だ
そんな中で途方に暮れる(?)ガスマスクを発見
以前カノッサの、バロウズの元にいた彼女ではないかと近寄って声を掛けて見ることに

「……あ、あの、こんにちは?」

最も確信はなかったためにやや不審な感じの声掛けにはなったが
743 :α-12【ディープメイカー ver.α】>>352[saga]:2015/03/10(火) 22:37:17.02 ID:Cr0t2rHdo
>>742

「…おや?」

 ガスマスク兵士は何となく鋭さとは無縁の雰囲気を放ちながら、
 タェンティースの方にその赤い二つのレンズを向ける。
 深い赤のレンズの奥の瞳と共に。

「タェ…タェン…えっと、モリナガ=サンでしたっけ?
 ドーモ、C.T.S.S.所属クローントルーパー α-12です」

 両手を併せてペコリと頭を下げる。アイサツは大事。
 アカシックレコードにもそう書いている。

「アナタもこちらに流れてきたのですが。極めてあんらっきーかつ災難ですね。
 私が知る限り、一番来たくなかった世界です。ここ」

 あからさまに肩を落とすジェスチャーをしながら、
 もう一度、空のほうに目線をやる。

「特にあの趣味の悪い骸骨どもがうるさすぎます。
 多数の音域でコウテイヘイカがどうのこうのと飽きもせず…アナタはアレに見覚えが?」
744 :タェンティース・イオナ【対異能戦闘用人型兵器改】【ドレス・イムエト】E.赤刃.ヘルメスの靴[sage]:2015/03/10(火) 22:43:41.68 ID:GVMB9TmI0
>>743
「……誰ですかそれ」
「まぁ、そういえばちゃんと自己紹介してませんでしたね……」
「タェンティース、です」

どうも、と同じく会釈の仕草
恭しくはあるが嫌味っぽさを感じない所作である

「えぇと、まぁ……そうですね」
「……」

恐らくは確実にイムカの故郷の世界だろう
以前一度だけ来たことがあるような、ないような
何にせよ、大破前の記憶の奥底に沈んだ泥中からそれを掘り起こすのは容易ではなさそうだ

「ともあれ……ここでぼうっとしている訳にもいかないでしょうし……」

取り敢えず周囲をキョロキョロ、移動の提案
745 :α-12【ディープメイカー ver.α】>>352[saga]:2015/03/10(火) 22:56:42.16 ID:Cr0t2rHdo
>>744

「解りました。多円=サン」

【α-12の脳裏に多円手亥須とインプットされた】

「移動ですか。それもいいですが事態の把握もしたほうがいいかと。
 多円=サン。聴覚なり電波なりの受信域を拡大してみると面白くもないものが聞けますよ?」

 肩に取り付けられた大仰な無線デバイスを操作するα-12。
 そこから浮遊髑髏達が五月蝿く唱え続けているであろう言葉が訳され、発せられる。

≪皇帝陛下の敵を悉く滅するべし≫
≪我等、皇帝陛下の鉄槌なり≫
≪叛徒どもに投降は無用。報いは死のみ≫

【イムカ・グリムナーと共通する聖句であるが、おぞましさは比較にならない】

「…聞いていた以上の圧政ぶりですね。これは」

 ふと、空を見る。一度だけ輝いて、遠くに光の帯が奔った。

「種別…熱核兵器の可能性80%。大気圏内で使いますか。衛星軌道からの都市爆撃と推測。
 多円=サン。着弾し、こちらに衝撃波が来るまで15.7秒です」
746 :タェンティース・イオナ【対異能戦闘用人型兵器改】【ドレス・イムエト】E.赤刃.ヘルメスの靴[sage sagd]:2015/03/10(火) 23:08:20.05 ID:GVMB9TmI0
>>745
「えぇ」
「……なんか発音が……?」

おかしいような気がするが、しかし文面でないため確認のしようがない
仕方なく首を傾げつつも一応は納得する形となった

「電波はわたしは、専用回線しか受信出来なくって……」
「……うわ……」

聴力も現状以上に強化する事は叶わない
故、α-12のデバイスから滲み出るそれを聴いて顔を顰める

「……核!?」
「と、取り敢えず離れましょう!?」

半人には本来耐核装備はない
スプロールなどの場合、越境時の修正力によりある程度の汚染耐性が出来ているのだが果たしてこの場合は不明だ
しかもあくまでその世界での一般生活を送れる範囲に留まる、無論重度の汚染を浴びれば死ぬだろう
取り敢えず爆心地から少しでも離れようと、ヘルメスの靴を作動させながらα-12の手を取ろうと伸ばす

747 :α-12【ディープメイカー ver.α】>>352[saga]:2015/03/10(火) 23:18:40.19 ID:Cr0t2rHdo
>>746

「…同意ですが、同時に気休めでもあります」

 大人しくタェンティースの手を取ってそのまま運ばれるα-12。
 数秒後にかなり離れた空が白く輝き、さらに数秒後に凄まじい轟音。
 そして――

【距離はかなり離れていたようだ】

 荒れ狂う衝撃波がα-12とタェンティースに襲い掛かる。
 威力はそうでもない。相当距離が離れていたろうから、
 タェンティースが丈夫そうな岩なり、身を伏せられる穴なりを探り当てていれば直撃は免れる。

【放射線も即座に人体に影響を与えるほどではない→α-12もタェンティースも純粋な人間ではないが】
 【→しかし、耐放射線処理を施していない機器などは一時的な不調を訴えるかもしれない】

 ただし、ここで衝撃波と共に、タェンティースもある種のパルスを感知するかもしれない。
 衝撃波に運ばれてきたパルス。それは―――

【一瞬だけ伝わるイメージ!生きながら焼かれる苦悶。肉体が融解、蒸発する苦痛。
 幾千、幾万の無念の断末魔が一瞬だけ身体を駆け抜けて、そのまま衝撃波と共に通り過ぎた――】
【→精神が弱いとそれだけで発狂しかねないイメージが脳裏を駆け抜けたのだ】

「………」

 α-12はマスクを脱いで(ニアよりやや幼い風貌)、そして、嘔吐した。
 叩きつけられたイメージの生々しさゆえ。訓練された兵士でもこれには堪えた。
748 :タェンティース・イオナ【対異能戦闘用人型兵器改】【ドレス・イムエト】E.赤刃.ヘルメスの靴[sage]:2015/03/10(火) 23:29:44.65 ID:GVMB9TmI0
>>747
「……!!」

たまたま偶然手頃な大型冷蔵庫を発見、運がいいと中に入る
そして3秒程を数えた後に襲い来る轟音、衝撃
身を強張らせて耐えて、だが感受性に訴える嘆きのノイズは堪えた
意識が明滅するのを自覚、思考ユニットが強制的に有機脳の機能を制限したのだ

「……っ」
「……だい、じょうぶ、ですか……?」

それでも浮かぶ脂汗、ギリギリと歯軋りで堪える阿鼻叫喚の地獄絵図の空想
α-12に掛ける声も途切れ途切れ、全身は震える
749 :α-12【ディープメイカー ver.α】>>352[saga]:2015/03/10(火) 23:43:40.34 ID:Cr0t2rHdo
>>748

「…ええ。無様を…多円=サン。
 これで私もゲロインの仲間入りです。えらいこっちゃです」

 眠そうな瞳の端に僅かに涙をにじませながらも、
 気丈に口を拭って、姿勢を戻す。ショック状態となるのは仕方ない。
 問題は素早くリカバリできるか否かだ。

【α-12は頭を片手で抑えながら、手首のコムリンクを操作する】

「不可思議な現象でしたね。そして――備えてください。来ますよ?」

 中空のおぞましい浮遊髑髏共の視線がこちらに集中している。
 どうやら、発見されたらしい。それもこの熱核兵器を落とした連中に。

【数秒もしない内に威圧的なタービン音と共に現れる空中輸送機。
 二連機関の轟音と共に大気を震わせ、そこより、双頭鷲の紋章をつけた数人に兵士達がラベリング降下してくる】

「動くな!!怪しげな動きをすれば即、射殺する」

 敵意と侮蔑に満ちた瞳で睥睨する兵士達。そしてそれを指揮しているであろう軍曹。
 構えられた粒子銃(ブラスターライフル)よりノイズにも殺意が込められているかのよう。

≪ブラスターモード/エリミネーター≫
 ≪ブラスターモード/エリミネーター≫
  ≪ブラスターモード/エリミネーター≫

「次元振動を観測している。貴様等、越境者か?」

【顔と態度を見れば一目瞭然だが彼等はこちらを1ミリたりとも歓迎していない=z
【粒子銃の特徴は正に、イムカの粒子短銃をライフル化したモノと呼ぶのが適切】
750 :タェンティース・イオナ【対異能戦闘用人型兵器改】【ドレス・イムエト】E.赤刃.ヘルメスの靴[sage]:2015/03/10(火) 23:49:38.53 ID:GVMB9TmI0
>>749
「……なんだったんでしょう?」
「感覚の共有、と呼ぶ他ない感じの……」

そう不可思議、実に不可解である
何か、意識や思考の糸が他者と繋がっているような
ふむと唸りつつもα-12にハンカチを差し出してみる

「……っと、これは何とも……」
「えぇ、御名答、越境して来たばかりですよ我々は」

と、この世界の住民達による歓迎を受ければ苦笑
取り敢えず逆らう事はせずに質問に素直に応じる
ただホールドアップまではいかず、手のひらを見せる程度に収まってはいるが
751 :α-12【ディープメイカー ver.α】>>352[saga]:2015/03/11(水) 00:02:15.81 ID:xflpXS9io
>>750

「そうか…」

 タェンティースを見る瞳。そこに侮蔑と差異…そして明らかな殺意が見て取れる。
 彼女もこの感情の色の経験はあると思われる。おそらくはヒノモトの国において。

【あそこではカラクリ交じりのタェンティースは迫害され、小妖怪に拾われたという。
 その時の瞳と同種である。人間とそれ以外を分ける。そのような――】

「こ――」

 α-12には次の台詞が察しがついたようだ。
 即座にサブマシンガンを引き抜いている。

「ろ――」

 唇が動く。訓練された兵士達が意を汲み、トリガーにかかる指を動かしている。
 α-12は横っ飛びするため脚で地面を蹴る。

「せ――」

 兵士達の粒子銃が一斉に赤く輝く。銃の各部が展開。
 放熱板が露出し、莫大な熱量の放出を連想させる。

≪エリミネーター/ピアシング≫

【そして、大気をイオン化させるピアシングレーザーの一斉射撃が行われた】
 【→問答無用で殺しにかかってきた。理由は単純。人間以外と判断されたから。それだけ】
752 :タェンティース・イオナ【対異能戦闘用人型兵器改】【ドレス・イムエト】E.赤刃.ヘルメスの靴[sage]:2015/03/11(水) 00:11:13.65 ID:iO85FGaZ0
>>751
銃口と屠殺めいた殺意を感じ取れば即座、ヘルメスの靴を作動
ブラスターが大気を切り裂くよりも、もっと言えばその場の指揮官が言い終えるよりもその所作は素早かった
α-12が大地を蹴り付けるのとほぼ同時、急激な横Gを味わう事になる

「……このッ!!」

赤刃を抜き放ち、峰打ちに構える
一応イムカの同胞だと踏んでいる相手だ、何処かでリミッターを掛ける必要があるらしい
先程自身がいた空間を、レーザーが駆け抜けて征く
最も近い場所にいた兵士に思い切り、顔面目掛けて刃を横薙ぎに振るう
753 :α-12【ディープメイカー ver.α】>>352[saga]:2015/03/11(水) 00:24:39.79 ID:xflpXS9io
>>752

「な…グァ!?」

 横薙ぎに振るわれた剣は兵士の頭部ヘルメットを容易く破砕!
 破片が宙を舞い、脳を激しく揺さぶられた兵士は意識を喪失する。

【そこに泡立つディープメイカーが割って入り、無抵抗の兵士の首を刈り取った】

「手心を加える理由が不明です」

 僅かに口が歪んでいる。どこか愉悦を覚えているようだった。
 α-12の先程までの様相らしくない豹変である。

【ゴボゴボと泡立つディープメイカーは何時ぞやの狂ったクローン体を連想させる】
 【→その時のクローン体の結末は…タェンティースは覚えているだろうか?】

「なっ…この背信者どもがッ!!」

 再び銃を向けんとする兵。
 理解できると思われるが、この兵達の練度は決して高くは無い。
 装備こそテクノロジーに優れた者だが、人間のスペックはどうやらさほどでもないようだ。

「皆殺しにしましょう。α-12たちナら容易です」

 沸騰するように沸き立つディープメイカーを揺らしながら告げるα-12。
 おそらくは彼女に任しっぱなしでも、この場は乗り切れるであろうが…

【→急転する情勢であるが、一つ確かなのは、ディープメイカーを作動させた直後からα-12が普通ではない】
 【→このまま見過ごせば、凄惨な皆殺しという形でこの場を乗り切れる】
754 :タェンティース・イオナ【対異能戦闘用人型兵器改】【ドレス・イムエト】E.赤刃.ヘルメスの靴[sage saga]:2015/03/11(水) 00:36:13.29 ID:iO85FGaZ0
>>753
「……」

嫌な予兆を感じる
それは目の前で惨殺されたいのちに対する事柄ではない
そんな重大な事実をさえ上書きするような、記憶の奥底に仕舞われた悪寒
かこん、と全身の排熱ハッチが小気味良い音を立てて開いた
赤熱した駆動系が覗き、軌道に真紅の残線を残す
赤刃を構える右腕の周囲を舞う金色の粒子は、増大する魔力に呼応するように数を増して螺旋を描く

「……α-12!」
「自己診断プログラムはあるかっ!?」

あれば使え、と叫ぶが果たしてどうだろうか
少なくともニア・シューペリオリティの有機脳には搭載されていなかった機能だ

「……あぁもう!」

赤と金のラインを走らせながら、兵士の銃を目掛けて刃を斬りつける
そしてしかし、メインは次なる攻撃
即座にα-12の元へと機動し触腕の根元からを斬り落とさんとしたのだ
敵兵士の力量、それとα-12の状態
それらを天秤に掛けた末の判断である
755 :α-12【ディープメイカー ver.α】>>352[saga]:2015/03/11(水) 00:47:39.58 ID:xflpXS9io
>>754

「自己診断…?――!?」

 α-12はタェンティースの方に一度顔を向けて、
 そして、己のディープメイカーを見て、目を剥くと、それらを地面に向けて突き刺した!

【グツグツと煮えたぎるようなディープメイカー。それらから枝分かれしたように触手が生え、
 口や歯らしきものまでが――ザン!とここで切り裂かれる!】

「…撤退しろ!我等の手に余る」

 そして装備あれど練度低き兵達は、タェンティースの裂帛の一撃を受けて、
 銃を破壊されると即座に後退。空中輸送機に向けて駆けていく。

【力の差を受けたか、何らかの指示があったのかまでは不明であるが】

 泡だったディープメイカーはグネグネと動き、おぞましい呻きを発して、
 そして、干からびて、動かなくなった。

「…感謝します。多円。ここはどうやら変な毒電波が流れているようで思わず受信してしまったようです」

 そして常の眠たそうな瞳に戻るとペコリとタェンティースに礼を述べるα-12。
 どうやらタェンティースの直感がドンピシャだったようだ。先程までの彼女は正気ではなかった。

「今のうちに移動しましょう。長居していい場所…世界ではないようです。ゲートがあればいいのですが」

 そうして、空を飛び、撤退する空中輸送機と赤い空。荒涼とした大地を見比べながら、吐息をつくα-12であった。

//ではコノヘンデー
756 :タェンティース・イオナ【対異能戦闘用人型兵器改】【ドレス・イムエト】E.赤刃.ヘルメスの靴[sage]:2015/03/11(水) 00:55:59.05 ID:iO85FGaZ0
>>755
「……戻って来ましたか」

良かったと安堵、見れば敵兵も撤退しているではないか
だが安心ばかりもしていられない
多分あの兵士達は、更なる精鋭を投入して来るだろうし何より件の毒電波が消えた訳ではないのだ
最も恐ろしいと思うのは、半人自身がそれに気付かぬ合間に犯されてしまっている事態
今のところ不信はないが、しかし

「……お願いが」
「もし、わたしが毒されてると判断したら知らせて下さい」

やはり不安は大きい
赤刃を仕舞い、全身のハッチを閉じる
金色と赤の光は消え失せて、輸送機のエンジン音が聞こえる

「行きましょう、急ぎましょう」
「ここは……少し、怖いデす」

頭が少し、痛む気がした

//ありがとうでした、お疲れ様ですー
757 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ[sage]:2015/03/11(水) 21:58:01.97 ID:iO85FGaZ0
異能性とは全く、万能ではないと改めてニアは実感していた
いや元より自身の能力は主眼を対多数の対人兵器と定められており、この手の相手との交戦は想定されていない
同シリーズ実戦型1号機たる自分に開発者が戦闘面で与えた役割は梅雨払いであり強力な個体を相手取るのは他の実戦型の役目なのだ
だからと言ってしかし、現実としてそう上手く行く訳はない
現に今も、多数のタイドメイカーは敵の鋭利な牙や爪に依って引き裂かれ無惨にも散っている
ジリジリと後退を行うが、相手の俊敏性はニアのそれを遥かに超越していた

「……不味いってんですねぇっ……」
「……っ、しまっ……!?」

月光を握り歯軋り
篝火と浮翌遊する霊魂に照らされる夜
対峙する3m超の体躯と太い四肢を持つ狼男の唸り声が響く
伝承の通りであれば元々は人間であった彼に、最早理性を感じられる部分は何一つ無い
昼と夜の連歌の世界の夜、遠吠えが響く
疾駆、ニアの喉笛を切り裂かんと振るわれる鋭爪
758 :澪【獣化】2015/03/11(水) 22:11:19.75 ID:khCnA1S90
>>757
夜に轟く遠吠えは懐かしい響きだ、と一人思う。
遥か昔、朧な記憶に沈んでいた家族との思い出が掘り起こされるような、そんな感覚。
されど今はまだ、夜の中で過去の残照を求める時ではない。
遠吠えの意味も解そうとしないまま、ただ友を救うべく駆けた。

「……ニアっ……!」

鉤爪が命を浚う直前、抱くようにしてニアの身体を横から攫う。
狼男の巨躯を見て、そちらの方が確実にニアを助け出せると判断したためだ。
ひとまずの危険を乗り切る事ができれば、狼男から距離を置いてニアを優しく下ろして無事を確認するだろう。
その間も警戒は怠らない、狼男を油断なく睨めつけて牽制の唸り声を上げた。
759 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ[sage saga]:2015/03/11(水) 22:21:57.17 ID:iO85FGaZ0
>>758
「うわぁっ!?」
「……あれっ? あ、澪っ!?」

ヤられた、と思った
奇妙な感覚と続く浮遊感、目を強く瞑り強張る体
しかし案外痛みは少ないような……いや違う、痛みの一切が無い
恐る恐るに瞳を開けば思わずその名を呼んで緊張は緩む
ふわりと降ろされれば一礼、先程までの戦闘で刻まれた小さな切傷は点々としているが致命に至るモノは皆無

「き、気を付けて下さいっ!」

最早大型のナイフと思しき爪を携えた狼男
突然の乱入者にたじろぐも一瞬、彼の思考は食事が増えた事で歓喜に震える
同じく唸り声、荒縄が如き尻尾で枯れた大地を殴りつけた
そして素早く低く踏み込み、澪目掛けて右腕の爪で一刺しにせんと手刀での刺突を繰り出す
760 :澪【獣化】2015/03/11(水) 22:35:25.17 ID:khCnA1S90
>>759
「……なら、よかった……」
「……下がってて……」

傷こそ多いものの、大事には至ってないニアの様子にふわりと微笑んで安堵を零す。
だが悠長にしている暇もない、すぐさま狼男へと向き直って敵意を剥き出しに唸る。
人の言語も、狼の言語すらも解さない様子のそれに語る言葉など最早持たない。
理性を失った獣はそれこそ厄介だ、己が欲を満たす事を第一として動くのだから。

「…悪いけど…食べられるつもりはない…」

迫る鋭い刺突を見据える瞳は既に赤い、身を捩らせて更に踏み込む。それでも僅かに掠って頬が切れた。
そのまま狼男の懐へと潜り込む事が叶えば、腹部めがけて全力での殴打を狙う。
761 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ[sage]:2015/03/11(水) 22:42:19.97 ID:iO85FGaZ0
>>760
「え、援護くらいしますよぉっ」

と言いつつ下がり、その場に座り胡座をかいてタイドメイカー始動
10mの射程ギリギリを保ちつつの援護に当たるつもりらしい
確かにこの距離なら、咄嗟の反応さえ可能ならば攻撃の回避も充分に可能だろう

一方、腹に拳打を貰い4歩後退する狼男
あぶくと血混じりの涎を口の端からぼたぼたと落とす
だが猛進する性質は変わらず、圧倒的直進の後今度は2本の丸太のような腕で薙ぎ払わんとラリアット気味に振るう
どうやら見た目の通りのパワータイプ、狼男特有の爆発的な素早さはともかくとして小回りの効く器用さは持ち合わせていないらしい
762 :澪【獣化】2015/03/11(水) 22:56:07.11 ID:khCnA1S90
>>761
「……ん……」

馴染みの触腕の気配を背に受けつつ、しかし振り返る事はしない。
本能のぶつかり合う闘争においてそれは不要であり、かつ致命たりえるからだ。
初撃に似た直線的な突進には真っ向から向かう、振り上げられた腕を横目に躱す動作は見せない。
それどころが腰を低くして更に脚に力を込め、爆発的な加速とともに狼男へと肉薄。
直撃の刹那、高く地を穿って飛び上がる。足元を剛腕が通り過ぎた。
それでもまだ目標には届かない。次いで狼男の胸部を蹴って更に高きを目指す。
その勢いで舞い上がる、相手の巨躯を利用した二段ジャンプだ。
そうして辿り着いた狼男の頭部を狙い、全体重をかけた踵落としを放つ。
763 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ[sage]:2015/03/11(水) 23:05:11.58 ID:iO85FGaZ0
>>762
がごん!!
頭蓋の感触が確かに足に伝わるだろう
衝撃に片目が外れかけ、押し戻す狼男はそれでもまだ倒れない
そこへタイドメイカーの打突が迫る
片腕一本5本の指でその触腕の群れを迎撃、片っ端から切り裂いていく
だが足元はフラついており、また視界も未だ万全ではない状態にある
片腕は目を抑え、片腕はタイドメイカーを迎え撃つ
澪の連撃のダメージは確かに蓄積しており、唸り声も忌々しげで露骨に焦燥を感じさせている

「……このォッ!!」

触腕の弾幕が次々に切り落とされて行く中でしかしその数だけを新たに展開するニア
澪の着地はどの地点になるだろうか
ただ何処であれこの隙を突くのは容易なはずだ
つまりはそう、絶好のチャンス
764 :澪【獣化】2015/03/11(水) 23:14:24.71 ID:khCnA1S90
>>763
「……っ…しぶといっ……!」

そのタフさはどこから来るのだろう、未だ二本の足でしっかと立つ狼男に思わず悪態が漏れる。
反動を利用して前方、即ち狼男の背後へと着地。ニアの乱打のおかげで広い背中はがら空きだ。
後少し、そう思わせるだけの判断材料は多い。
ならばと再び駆けて跳ぶ。今度の足がかりは隆々とした背中だ。
狙うは脊髄、宙で身体を捩らせとどめとばかりに回し蹴りを放った。
765 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ[sage]:2015/03/11(水) 23:21:20.80 ID:iO85FGaZ0
>>764
SMAAAAAAASH!!!
延髄蹴りは狼男の、しつこくしがみ付いていた意識の縄を確かに断絶する事に成功した
膝、そして胴体、顔とうつ伏せに倒れる巨体
筋肉の塊が地面に衝突する時は、案外と大きな音がする

「……ひぃ、た、助かったってんですよぉっ……」
「ありがとうございます、澪っ……」

タイドメイカーを仕舞い、だが立ち上がる事が出来ないままに安堵の吐息のニア
澪に疲れ切った顔でしかし、笑みを見せてからぺこりと頭を下げる
766 :澪【獣化】2015/03/11(水) 23:30:10.32 ID:khCnA1S90
>>765
「……よしっ……!」

どうと倒れる狼男の身体を踏みつけるようにして着地、金に戻った瞳を擦る。
物言わぬ肉塊となったそれには目もくれず、ニアの元へと駆け寄った。

「……ん、どういたしまして……」
「……立てる……?」

立てない様子のニアに手を差し伸べ、それすらも覚束ないようなら背負う事も厭わないだろう。
ぐるりと周囲を四望、危険が去った事を確認すればようやく澪も安心に一息をついた。
767 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ[sage]:2015/03/11(水) 23:37:55.54 ID:iO85FGaZ0
>>766
「えっと、な、なんとかっ……」

差し出された手を取り言葉通り何とか立ち上がる
膝が笑うのを苦笑で誤魔化し、取り敢えず目線の高さは同じ位になった

「急に森の方から出て来て……もう、ビックリしましたってんですよぉっ……」

倒れる狼男にチラリ視線を送り溜息
どうやら少し離れた、枯れ木の木立から匂いを嗅ぎつけやって来たらしい

「ここ、また陰鬱な感じですしっ……」
「早い所移動しましょっ」

洞窟で追われたりゴブリンから逃げたり隠れたり
その世界の延長上であると、この夜の雰囲気にニアは確信を得ていた
ならば見晴らしのいいこの場所に長く留まるのは悪手であろう
ニアの指差す先、地平線の向こうに微かな陽光が覗いている
ニアは知らぬ事だがこの世界に於いて天使の悪魔の領域の境界線に程近い場所に、2人はいるのだ
数時間も歩けばきっと、夜明けを迎える事が出来るだろう
768 :澪【獣化】2015/03/11(水) 23:52:51.23 ID:khCnA1S90
>>767
言葉通りの立ち上がり方にこちらも苦笑、それでもこうしていられる事はきっと僥倖なのだ。
視線を追って僅かに目を細める。どこか似てるようで異なるそれに湧き上がる感情には、まだ名前をつけられなかった。

「……そうだね…また何かが来たら面倒だし……」

ニアの提案にはほぼ即答だ。いつなにが新鮮な肉の匂いを嗅ぎつけてやって来るか分かったものではない。
指差す方向をつられて見やり、地平に覗く微かな光を捉えて思わず顔が綻んだ。
幾度となく訪れたおかしな夜、ここもきっと本質は同じなのだ。
ならば一刻も早く朝を迎えたい。日の入りを体験した身からすれば至極当然とも言える思考。

「……行こう……」

夜明けを求め、獣だったモノに背を向けて歩き出す。
ニアの様子次第では、道中肩を貸そうとするだろう。
地平の向こうに霞む暁光、伸びる影が少しずつ輪郭を形成していった。

//そろそろ日が変わるのでこの辺りでー
//ありがとうございました、お疲れ様でしたっ
769 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ[sage]:2015/03/11(水) 23:59:51.70 ID:iO85FGaZ0
>>768
「ええっ、早くゆっくり休みたいってんですっ……」

道中肩を借り、やがて日輪の元へと辿り着くだろう
夜の中の陰鬱が嘘の様に眩しい、温暖で平和な昼だ
花は咲き乱れ、木々には色取り取りの木の実が実る
食料や休憩場所に困ることはないだろう、ほとんどの全てが平穏に満ちているのだから

//ありがとうございました、お疲れ様でしたっ
770 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆hDovWTX27P9e[sage]:2015/03/12(木) 22:19:11.32 ID:2eYMGSsU0
【傭兵世界 とあるショップ】
とある傭兵ギルドの預かりとなり 一定額のクレジットと共に装備品の購入資格をもらったんだし せっかくだから店の中を物色することにしたわけだが・・・

「う〜ん・・・?」
ガチャリと マガジンが抜かれたライフルを 不恰好に構えてみる 大口径かつ頑丈が売りの○シア製

「う〜ん・・・」
シャコンとポンプを動かしてみる 室内で威力を発揮する散弾銃

「ん〜・・・」
肩に食い込む重量は信頼の証 戦車だってイチコロさ!! ロケットランチャー

「だめだ!! しっくり来るものがひとつも無い!!」

剣と魔法の世界から来た兵士は 慣れない武器に囲まれて頭を抱えていた
771 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>205[saga]:2015/03/12(木) 22:26:10.69 ID:Q9/H5IAao
>>770

「何を一人で喚いているんだ君は」

 黒のタンプトップ姿のイムカが幾つかの装備を物色しながら無機質な声音を向ける。
 豊満なバストにタンクトップ。まさに神の配剤であり、それなりに目のやり場に困るスタイルであった。

【斬刃…所謂ワイヤーカッターを振るっているイムカ。標的には傷一つつかずグルグル巻きになる】

「…捕縛用装備としては二流だな」

 ポイっと装着していたグローブを脱いで、改めてロイの方に近づく。
 なお、武器ショップの人間は、いぶかしんでワイヤーに触れて指をすっ飛ばした。

【阿鼻叫喚の悲鳴を余所にロイの方にずずいと顔を近づける】

「しっくりくる銃器がないということか?狙う、引き金を引く。単純なものだろう。
 剣よりよほど楽だ。誰でも簡単に殺人機構の仲間入りが出来る」
772 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆hDovWTX27P9e[sage]:2015/03/12(木) 22:39:16.45 ID:2eYMGSsU0
>>771
「何が哀しくて戦闘中に残弾気にしたり わっか(サイトのこと)の中から相手覗いたりせにゃならんのだ!!
 まだ振り回せば切れる剣のほうがマシだわ!!」

ドンと床を拳で殴る

「大体これでヤってたら人が死ぬ感触が伝わらんだろうが!! 人を殺して それを自覚して なお立ち上がらんと
 兵士の魂が無駄に消耗するだろうが だから銃は好かんのだ」

世間一般には銃のほうがよっぽど楽なのだろうが 個人的な理論を振り回して反論している

「くっそう こうなったら俺自らがプロデュースして 剣や槍の一大トレンドを築かにゃならんかなぁ」
773 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>205[saga]:2015/03/12(木) 22:53:51.45 ID:Q9/H5IAao
>>772

「伍長、君の論法は些か視野が狭い」

 イムカは適当にロイがばら撒いたピストルの一丁を手に持ち、
 標的に向かってノールックで撃つ!ブルズアイ!眉間部位に風穴が空いた。

「剣を振り回して相手を寸断する。技術と才能の世界だ。
 銃に才能が不要とは言わんが、どちらがより技量に拠らず殺傷しやすいか。
 銃テクノロジーを有する世界の死傷率は文字通り桁が違うぞ?」

 剣と魔法の世界の論法は才能に拠り過ぎているとイムカ談。

「筋力に技量に直感に…まあ、アレだ。才覚と才能に要求するところが大きすぎる。
 それこそ、残弾を気にしたり、わっか≠フ中から相手を覗くことよりよほどな」

 兵の精神については大きく価値観が異なるためあえて言わなかった。
 ロイの言葉からして、軍靴で相手の死体を踏みしだくことこそを誉れとする価値観では共感不可能だろう。

「と、言うわけで、君のプロデュースは凡そ失敗が確定しているというわけだ。
 第一、君も人間がそれ以上の生物と格闘戦をする<潟Xクを知らないわけではないだろう伍長」

 そうして、ロイの鞘に収められている剣を抜いて、
 側の傭兵はスリル満点、高収入≠ニいう欺瞞に満ちたポスターに斬撃。
 ビリビリと派手に裂けるが、どっちかというと引き破ったというのに近い。

「なまくらだな。こんなのをトレンドにするのは無理がある」

 ポイっとロイに剣を返した。
774 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆hDovWTX27P9e[sage]:2015/03/12(木) 23:04:51.21 ID:2eYMGSsU0
>>773
「そうかぁ? 剣を振るんだって子供が棒切れ振り回してるのの延長線上みたいなもんだぞ?
 それにイムカって刃物の扱いがドヘタだし」

帰ってきた剣を握り ヒラヒラと舞うポスターの切れ端にヒュンヒュンと二撃
切れ端は十字に切り払われて4つになった

「人並みに才能があればこんなもんよ」
サーベルを鞘に収める が リスクの話を持っていかれると 痛いところを突かれたといった様子でほほを掻く

「いやまぁ 距離が離れれば安全なのは理解できるけどよ だったら弓矢や石礫でもよくねぇかって
 あっちはいいぞぉ なんたって曲射ができる 銃が遮蔽物たたいている間に 安全に攻撃ができるってぇもんよ」

どうだといわんばかり フンスと鼻息が荒い
775 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>205[saga]:2015/03/12(木) 23:22:34.11 ID:Q9/H5IAao
>>774

「貴様の言葉は才覚に恵まれているからこそだよ。
 私のこのドヘタがいい証明だ。才無くばどうにもならん」

 些か、ツッコミどころ満載な台詞のイムカ。
 彼女に限っては才能とかそういう問題ではないとは言ってはいけない。

【ロイのスパスパと切れ端を寸断するところは感心ポイントである】

「弓矢も石礫も実戦レベルに引き上げるには才能と独特の技法を必要とする。
 銃の本質は実用に足る兵士の単位を大幅に引き上げられることにもあるからな。
 一斉に構え、撃て。生半可な連中にもコレをさせられるのは大きいよ」

 皆兵士化の容易さというヤツである。
 そうして、改めて、話を最初に戻そうと思う。

「で、君はしっくり来る銃を見つけられないわけだ。
 牽制と割り切るならこういうのはどうだ」

 ポイっと放ったのは汎用的なサブマシンガン。
 イスラエル製の有名な銃の系譜であり、一体型折り畳みストックとレーザーサイト付き。

「コンパクトでとりあえずばら撒く。狙うことはあまり考えない。
 すぐに白兵戦にシフトできる。と、言った君に似合いの具合だ。
 もっとも、君自身がしっくりこないなら装備すべきではない」

 ここでイムカはやや考えて言葉を選んで改めて口を開く。

「君の戦い方はそれこそ、そのしっくり…感性(センス)というモノか?
 その感性(センス)を阻害するか否かは重要な要素のように思えるからね」
776 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆hDovWTX27P9e[sage]:2015/03/12(木) 23:45:28.00 ID:2eYMGSsU0
>>775
「弓矢は兎も角 石投げるのに才能も技法も必要ないと思うんだがなぁ」
その言葉には腕を組んで思案顔

「マスケットだって大変だぞ?火薬を一定量込めて 弾を入れて突き固めt・・・あぁいや マスケットじゃねぇやこれ」
何か反論したかったらしいが 反射的に銃=マスケットが抜けてないためにトボケタ反論になってしまう

「えぇと それz え アッハイ」
なおも反論しようとした途中でイムカに渡されたのは 文鎮ともいわれる短機関銃
フムと唸る 筋力は無駄にあるので片手で十分に使える

「・・・ちょっと試し撃ちしてみる」

といってガンレンジへ ぎこちなくマガジンを収め 引き金を引けば 飛び出る弾頭 的となる紙には広くばら撒いたように穴が開いた

「・・・・・・・・いいんじゃない? これならサーベル片手にもって使えるし 狙う必要がないのはありがたい」
元が弾幕を形成する代物だけに そういった割り切ったつかいかたができるのはありがたかった

「俺は割と感性で物を考えるタイプなんでね しっくり来るか否かは重要なのだよ」
弾がなくなった銃をあっちこっちに向けて

「この赤い光が出るのはいらないかな うん これでいいや」
どうやら購入するそうです よかったね
777 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>205[saga]:2015/03/12(木) 23:53:49.40 ID:Q9/H5IAao
>>776

「つまるところ考えるより先に動く脳筋タイプということだろう」

 イムカの鋭いツッコミである。
 そしてどうやら、イムカの思案した方向性であっていたようである。
 狙いをつけて撃つというのはロイには似合わないと思ったからだが。

「あとはサブマシンガンにするか、よりコンパクトだがマガジン容量が少ない、
 マシンピストルの類にするかを、一度試行してから決めるといい」

 そう言いながら、ロイの目を紫色の瞳で真っ直ぐに見て、

「君がよければ眼球をサイバーアイに置換という手も――」

 と、如何にも近未来的な肉体置き換え提案を素で始めるのであった。

//では12時まわりそだしコノヘンデー!ノシ
778 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆hDovWTX27P9e[sage]:2015/03/13(金) 22:06:58.96 ID:/BX9Z1ep0
【傭兵世界 とある街】
ここはとある傭兵ギルドの庇護下にある街 だが度重なる戦火に晒され 疲弊しきった街
そこで辺りに目を光らせているのは 庇護しているギルドの構成員 今日はこの町の警護の任を帯びている

「・・・・・・・・・・」
通りにはわびしい露天商が痩せた土地で作られた野菜を売ったり 味より量を優先した野ざらし食堂
遊ぶ子供達も少なく 人々は日々不安な暮らしを強いられている

「・・・・・・・・・」
サーベルに手をかけながら その光景を見て 人知れずため息をついた
779 :四五六 七八【賽印流忍術】[sage]:2015/03/13(金) 22:15:40.08 ID:LfywQD1KO
>>778
「ちょっと嘘でしょ? りんご一つでこんなに取るわけ?」

寂々とした空気、空すらどこか重たい気がする
だがそんな事情を知らぬ七八、お腹が空いて囓ろうと思ったりんご一つの値段に思わず店主に詰め寄る
全体から見れば駆け出し越境者の忍者、まだまだ世界間のギャップに慣れる事は完全には出来ない模様
市場価格からすれば極めて正当な、だが確かに他の世界の常識に当てはめれば高騰している果物に対して騒ぎ立てている
780 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆hDovWTX27P9e[sage]:2015/03/13(金) 22:28:05.82 ID:/BX9Z1ep0
>>779
店の人は嫌なら買うなの一点張り 取り付く島もない
さて 警邏に聞こえてくる中 聞こえてくる抗議の声

見れば露天商に食って掛かる少女 見る人が見れば一発でわかる 越境者だ というかあの日保護した少女ではないか

「ヘイ あんた あまり大声を上げるといらねぇ諍いを生むぞ?」
そういって声をかけたのはいつぞや 飯を分け与えた目つきの悪い男

「また面倒な場所で会ったな あまりこの辺は治安がよくないから注意しろよ?」
781 :四五六 七八【賽印流忍術】[sage]:2015/03/13(金) 22:38:55.26 ID:LfywQD1KO
>>780
「えっ? あっ、あの時の……ロイだったね」

声を掛けられ振り返り、そして記憶の中からその顔を引き上げて軽く手を振って挨拶
窘められている事にその後で気がつき、むっと頬を膨らせた

「いやいや、違うんだって」
「このおっさんが私が子供だからってふっかけてきてさぁ……」

背中越しに親指で店主を示しながら
まだどうやら正義は自らにあると疑わない様子

//遅れてすみません
782 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆hDovWTX27P9e[sage]:2015/03/13(金) 22:47:56.20 ID:/BX9Z1ep0
>>781
「残念だが この辺じゃ適正価格だ」
困ったように肩をすくめて見せる

「奢ってやるからあまり大声を出すな この辺の連中は皆気が立ってるんだ 下手に因縁つけられたら面倒だぞいろいろと」
と言って 露天商にクレジットを投げて手渡す 商人は仏頂面でりんごをひとつ差し出してきた

「ここはいわゆる紛争地帯ってヤツさ いつ死ぬか分からん身で よからぬことをたくらんでるのも多い ・・・俺の背後を見てみな そっとだ」
ロイの背後の建物 そこから覗く男の目は獲物を狙う獣のようにギラギラしている

「しかしさっきも言ったが 本当に難儀な場所であうな お前も澪病にでもかかったか?」
澪病:一時期の澪のように 難儀な場所にたどり着いてしまう不治の病である(適当)
783 :四五六 七八【賽印流忍術】[sage]:2015/03/13(金) 22:54:09.43 ID:LfywQD1KO
>>782
「適正? 嘘でしょ?」

ロイに言われたところで未だ信じられず、といった表情
だがそれはどちらかと言えば内心で事実を認め、しかし意地と気恥ずかしさからの演技である

「……ありがと、ごめん」

代金を払って貰ってこちらも渋々と受け取り下がる
代わりにロイに差し出すのは小さな砂金の粒だ
迷惑料なのだろう

「……なるほどね、そういう」
「澪? あの子がどうしたの?」

ロイの背後の、幾つかのぎらめく瞳を盗み見て納得
共通の知り合いの名前が出た事ではてと首を傾げた
784 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆hDovWTX27P9e[sage]:2015/03/13(金) 23:03:20.28 ID:/BX9Z1ep0
>>783
「ん」
下手に借りを作ることもないでしょう 素直に砂金を受け取る

「俺は今 傭兵ギルドのひとつに属していて この町を守っている立場にあるんだ
 本来は治安維持も仕事のうちなんだがねぇ」
あっち と別の方向を顎で指し示すと 銃を持ったいかつい男が町人と思しき人に何か砕いた葉を入れたビニール袋を手渡している

あの葉っぱは? 想像するに難くないだろう

「哀しきかな 傭兵も金を巻き上げることしか頭にない この辺でちゃんと仕事してるのは俺ぐらいだよ
 まだ腕っ節でほかの傭兵に負けてないからいい 腕も足りなきゃ今頃命があるかも分からねぇ」

誰もが暗い表情をしているか さもなくば獣のようにぎらついているか はたまたトリップしているか
真の笑顔なんて ここでは見ること適わず

「澪に関しちゃ戯言だ 忘れてくれ」
露天でもうひとつりんごを買い サクッとかじる あまり蜜の詰まってない 気の抜けた歯ごたえ

「お前さんもなるべくならこの町から離れたほうがいいや また戦いになるとも限らん」
785 :四五六 七八【賽印流忍術】[sage]:2015/03/13(金) 23:09:22.04 ID:LfywQD1KO
>>784
「なるほど、ね……」

ロイの言葉を聞きながら今し方頂いたりんごを一口
甘くない、蜜も少ない、歯応えが悪い
貧困の差中、力がものを言う社会になる
自然、元より権力に富み訓練を受け装備の優れる兵士がヒエラルキーの上位に位置する事になる
聞いた事のある話だ、珍しくはなさそうに思える

「……戦争かぁ」
「ご忠告ありがとね、ただこれから出るのはなぁ……」

渋る理由として、没すまでもう間もない太陽を示す
治安の問題と夜を行くリスク、両者を天秤に掛けて計算中だ
786 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆hDovWTX27P9e[sage]:2015/03/13(金) 23:28:24.03 ID:/BX9Z1ep0
>>785
「あぁそうだな 今から発っても 治安のいい場所までたどり着くには真夜中だ
 そのころに出歩いてると最悪不穏分子とみなされ射殺も十分考えられる」

げんなりと頭を垂れる

「金を持っていても力がないと見られると奪い取りに来るやつらもいるからなぁ」
あの夜の世界を踏破した七八の実力ならここの追い剥ぎなんてへでもないだろうが うっとうしいことには変わらない

「ん〜 俺らの使ってるバラックも狭いし ほかの傭兵連中の色目も面倒だし」
残念なことに 傭兵達も個室があてがわれていません しばし考え ひとつの結論に達する

「よし ちょっとこれ返すわ」
といって 先ほど手渡された砂金と ついでに自分のクレジットも少し足して 差し出す

「{道順説明・・・}に行くと 孤児達が寄り集まって生活している廃学校がある
 こいつで食い物かえるだけ買ってもっていけば 一晩の宿ぐらいは何とかなるだろうさ
 まだギリギリ穢れを知らない連中だから 追い剥ぎも色目もないだろうさ 今のところ一番安全なのはこのぐらいかな?
787 :四五六 七八【賽印流忍術】[sage]:2015/03/13(金) 23:35:36.90 ID:LfywQD1KO
>>786
「うぇっ、最悪……」

しかも手段が射殺、即ち得物が銃と来た
どうにもあの手の科学ウェポンには苦手意識が強く、相手取るには自信がまるでない

「えっ、い、いいよいいよそんな……」

遠慮しながらも結局押し負けて砂金と資金を受け取る事になる七八
更に安全な場所の情報までを提供して貰い頭が上がらない事この上ない

「……うーん、なんかほんとありがとね」
「お礼は今度、ちゃんとするとして一先ずはこれとか?」

苦笑しつつこんなのしかないんだ、と手渡そうとするのは数本の苦無である
ナイフとして、投擲武器として、その他巻き付いているピアノ線が如き鉄線により更に多目的な用途を果たせる賽印流の奥義を集めた代物だ
788 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆hDovWTX27P9e[sage]:2015/03/13(金) 23:43:19.04 ID:/BX9Z1ep0
>>787
「同じ境遇のよしみだ 借りならいつか返してもらえばいい 越境者同士は引かれ合うらしいし またどこかで会うだろ」
苦無を受け取る この男も剣のほかに短機関銃で武装しているが このような体を使った投擲武器のほうが体に合っていた

「んじゃ日が暮れ切る前に到着しろよ 俺はしばらくこの町にいるから 何かあったらまた声をかけてくれ」
といって手を振った

//そろそろ〆で
789 :四五六 七八【賽印流忍術】[sage]:2015/03/13(金) 23:46:03.75 ID:LfywQD1KO
>>788
「ん……ありがとね、色男さん」

くすりと笑って手を振り、元気良く駆けていく
無事に食料を調達し、孤児たちに迎えられる事になったそうな

//ありがとうございました、お疲れ様ですっ
790 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆hDovWTX27P9e[sage]:2015/03/14(土) 21:04:05.74 ID:HSPwpqxX0
【とある常識から外れた現象の起こる世界 の森の中】
さて ここは人の気配感じぬ森の中

といっても木漏れ日は適度に降り注ぎ 鳥は鳴き 小動物が活動している気配もある
これだけ聞けば 気持ちのいい森で済ませられるのだが そこは異世界 やはりおかしい部分は存在する

特に感じるのは 甘いにおい 春なんで 花のひとつも咲いているのかと思いきや どうもそれ系統のにおいじゃない なんというか お菓子系統の甘い匂い

ちょっと葉っぱに手を触れると

「・・・これチョコレートだ 枝は・・・これクッキー? あ キャンデーが実をつけてる」
辺りを見上げて

「これ全部お菓子!? とんでもねぇや」
―――ギィ♪ ギィ♪

呆れるアキレスと 喜び勇んで近くの落ち葉(チョコレート)をむさぼるベティ

これを全て食べたら糖尿で死んでしまいそうだ

791 :澪【獣化】2015/03/14(土) 21:15:54.82 ID:mEMt9rDA0
>>790
アキレスの頭上、お菓子の木にぶら下がる黒い影が一つ。
クッキーの枝に引っかかったまま、大儀そうに顔を上げて呟いた。

「……甘い……」

憮然とした表情、むせ返るほどの甘い香りはどうやらお気に召さなかった模様。
もちろん自分から望んで間抜けな格好になったわけではない。越境の際、たまたま運が悪かっただけである。
手を伸ばして葉を摘み齧る、予想を違わず広がる甘味に僅か顔を顰める。
言外にとりあえずここから降ろせと、重力に引かれる手足をばたつかせた。
792 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ[sage]:2015/03/14(土) 21:18:15.66 ID:LmLpTMlYO
>>790-791
「お、落ち着けっ! 落ち着けってんですっ!」

さてそんな森に迷い込んだ子羊が1匹
様子がおかしい事に気が付いて周囲を探ればその状態に気付き大慌て
まるで楽園、桃源郷を彷徨うかのような世界に思わず勘繰りを始めて自身を落ち着かせている様子

「罠! 多分これはきっと……!」

だが言葉と頭と裏腹に手は伸びて、葉っぱのチョコレートを今にもむしろうとしている
793 :ジョシュア・アーリントン【屍喰い】[sage saga]:2015/03/14(土) 21:22:12.87 ID:UpbvNvn10
>>790
「はァ…?ンなアホな、寝ぼけてんn…」
「Ewww(おえぇ…)…マジじゃねーか…」

アキレスのお花畑的な発言に怪訝な顔。馬鹿なことを、と半信半疑の笑みを浮かべつつ辺りの茂みに手を突っ込むジョシュア。
直後にべっとりと砂糖とチョコレートを腕にまとわりつかせながらアキレスの発言の正しさを思い知らされることとなる。
ねっとりと絡みつく甘味の感触に鳥肌を立たせながら露骨に気持ち悪そうな顔でアキレスを見つめた。

「ハリケーンとか来たらイッパツで森ごと消し飛びそうな構造してんなァ……」
「んでもまぁ…エネルギー補給にゃ使えるかm………」
「……………」

ポキポキと小枝を折りながらへらへら笑い、近くの泉で腕を洗う。
されど洗い終わった腕を上げたときの妙にねっとりとした感覚にその泉がシロップであったことを悟り、再び表情に暗い影を落とすのであった。
794 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆hDovWTX27P9e[sage]:2015/03/14(土) 21:29:46.44 ID:HSPwpqxX0
>>791
「甘味は苦手か澪タン」
例の澪病にかかったようです 見上げると 顔を顰めている澪の姿

「その辺の枝を齧れば脱出できるんじゃない? まぁいいや ベティ」
―――ギィ!!

ベティがお菓子の木を上っていく 澪の元までやってきたら クッキーの枝をハサミで砕いて救助を始めるだろう

>>792
「wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
そんなニアの目に知人の姿が映るだろう

その知人はとってもウザイ笑みを浮かべている
おいしそうやろ? 我慢しなくてもええんやで?

>>793
そんな暗い表情を浮かべているジョシュア 一体何が気に入らないのでしょう

「いいじゃん 心置きなく栄養補給できるんだから」
そして泉というかシロップ溜まりに手を浸すジョシュア
ちょっと驚かしてあげましょう

「おぉっと手が滑ったぁ(棒)」
非常に心の篭ってないセリフとともに ジョシュアの背を両手で押した!!
795 :澪【獣化】2015/03/14(土) 21:42:33.29 ID:mEMt9rDA0
>>792
「……なに、やってるの……?」

そんなニアの様子を訝しげに見やり、どことなく尋常でない雰囲気に思わず問いかける。
食べたいなら食べればいい、そう言いたげな視線に悪意など存在しない。
食べても太らない体質である澪にとって、摂取カロリーとにらめっこする意義は未だに掴みきれないものなのだ。
ゆえに理解できない、自分の言葉が悪魔の囁きじみていることが。

「……どうせ、食べきれないほどあるんだし…いいんじゃない……?」

>>793
「……あーあ……」

踏んだり蹴ったり、だんだんと物理的に甘味に侵されているジョシュアを見て小さく嘆息。
もちろんその匂いも強烈、視線に哀れみが混じっているのはおそらく気のせいではない。

「……食べればいい……」

水で洗い落とす事が出来ないのならば全て食してしまえばいい、その結論には何故か自信があるらしい。
などと言いつつ、自身は危機を乗り切る手段にそれを用いようとはしないのだが。

>>794
「……嫌いじゃないけど、あんまり食べようとは……」

外見こそはお年頃の女の子だろうに、嗜好に関してはそうではないらしい。
とにかく降ろせとばたつかせていた動きを止め、木の幹を上がってくるベティを目で追う。
その目的になにかを察したのか、慌てたように身体を揺するが時すでに遅し。

「……ちょ…まっ……」

ものの見事に砕かれたクッキーの枝は、重力に引かれて澪ごと落ちる。
どうにか受け身を取って着地、直に踏んだお菓子の落ち葉にまた顔を顰めた。
796 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ[sage]:2015/03/14(土) 21:49:39.09 ID:LmLpTMlYO
>>795
「……」
「……そういう事じゃないってんですよっ」
「これは己が欲求との戦いってんです、言わば試練っ!!」

ぐっと拳を握り反論
無論気にしているのはカロリーである
タイドメイカーで消費するのは空気と空気中のチリや埃や水分のみ
つまり代謝としては常人と大差ないのである

>>794-795
「うっ……ぐ、ぐぬぬっ……」
「い、一個くらいなら多分、大丈夫ってんですよねっ……?」

結局意志力は食欲に負ける
三大欲求を舐めちゃあいけない
おずおずと手を伸ばしチョコレートを掴めばぱくり
拡がる果てしない甘さとカカオの香り

「……美味しいぃっ!!」

甘党らしく大ヒットの模様

>>793
「どうしましたっ? 暗いってんですよっ」

早くもすっかりお菓子に取り憑かれたらしい
葉っぱのチョコレートを囓りながら首を傾げ、落ち込んだ様子のジョシュアに赤眼を投げ掛ける
797 :ジョシュア・アーリントン【屍喰い】[sage]:2015/03/14(土) 21:53:11.94 ID:UpbvNvn10
>>795
「シケたツラしてんなぁ…」

ま、俺ほどじゃ無いけどな。と続けつつ澪を見上げているジョシュア。
茂みに手を突っ込みお次はシロップの泉に腕を浸し、次第に物理的に甘味に侵食されてゆく。

「…!そいつは天才的な発想だ…」

そういえば前のように右手からしか吸収が出来ない訳ではないのを思い出した。
グリードとの同調が進みいまやジョシュアは体表から有機物を吸収出来るまでに大罪とシンクロが進んでいる。
体表からの吸収ではエネルギーこそ補給できるものの腹は膨れない。腕の汚れを吸収した後は適当に食べる必要があるなと思案するジョシュアであった。
枝から落ちる澪を見てあーあと呆れた笑み、しかしその直後に今度は自分が転落することになるなどとは予想だにしていなかったであろう。

>>796
「………っ…!」

振り返ればそこには先ほどまでのシケ顔ジョシュアの姿は無く、代わりにひたすらにニアから背を向け肩を震わせるジョシュアの姿。

「にっ…ニアっ…肩車でもしてやろうか…っ?」

しばらくしてようやくといった様子で腕で口を拭うようにして隠しながらかろうじてニアへと話し掛けるジョシュア。
どうやら笑いを悟られまいと必死な様子であるが、上ずった声に震える肩。どう考えても隠し通すのには苦しいものがある。

>>793
「いやまぁ…いや、そうなんだけどよ…」

相変わらずのシケ顔でアキレスを見つめるジョッシュ。
アキレスくんもいっぺんシロップの海に飛び込んでみればジョシュアの気持ちも少しは理解できるんじゃないかな
しかしシロップの海に飛び込むのは他の誰でもないジョシュア自身であり…

「あ゛ッッ…!!!」

ファックと断末魔を上げながら透明のドロドロへとダイブ。ぷつりと途中で途切れる放送禁止用語。
シロップの海へと墜落する寸前、逆さまの世界の中でニヤニヤと笑みを浮かべる親友の姿を一瞬眼に焼き付けた。
798 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆hDovWTX27P9e[sage]:2015/03/14(土) 21:58:29.73 ID:HSPwpqxX0
>>795
ものの見事に落っこちた澪
ボトリと落ちた先にもチョコレート 嗚呼チョコレート

「なんだ てっきり食べれて味が悪くなきゃ何でもいいと思ったけど違うのか」
ホレと手を差し伸べ 立ち上がるのを手助けしてやろうと

―――ギィ!!
そして木から下りてきたベティは澪の元でハサミを振り上げる
仕事完遂 褒めて と言わんばかりに

>>796
「そして気づけば二枚三枚 時間とともに十枚二十枚・・・ww」
なおもウザイ笑みを浮かべている

ちなみに葉の色は普通のそれと大差ないが 木の種類によってホワイトチョコだったり ビターチョコだったりと味が違う模様

>>797
「わー ジョッシュが泉におっこちてしまったぞー(棒」
なんともわざとらしいジェスチャーで慌てているアキレスがその目には映るだろう

「まってろジョッシュー いまたすけてやるぞー」
そういってリュックからロープを取り出し 傍らの石・・・ではない 氷砂糖に括り付け 泉に放り投げる

さぁ そのロープを伝ってのぼってくるといい
799 :澪【獣化】2015/03/14(土) 22:10:06.52 ID:mEMt9rDA0
>>796
「……ふーん……?」

明らかに理解していない風、カロリーなど生涯で気にしたことなどないのだから仕方がない。
新手の修行だろうかと納得することにし、欲望の源へと手を伸ばすニアを見守った。

「……よかったね……」

食欲に忠実なものを見ているのは、ある意味で清々しさを与えてくれる。
チョコレートに齧りつくニアに、思わず澪も笑みが零れた。

>>797
吸収するもの全てが甘味であれば、それはもう膨大なカロリー量になってしまうだろう。
ところが澪がそこまで思考が及ぶはずもなく、うんうんと自信ありげに頷く始末。
木から落下して身を起こし、顔を向けて返すのは苦い笑み。
しかしそれも次の瞬間引き攣る事となる。どぼんと沈む音だけが無情にも響いた。

「……ちょっ…大丈夫……?」

慌てて駆け寄り泉を覗き込む、粘度の高いシロップの甘い匂いに苦虫を噛み潰したような顔。

>>798
「……もうちょっと、なにかなかった……?」

尻餅をつく形、チョコレートがあちこちに付着するがもはや払う気にもなれない。
差し出された手を掴み立ち上がれば短いため息、しかし過ぎた事を言っていても仕方がない。
ベティのアピールには複雑そうな表情、だが割り切ったのかしゃがみこんで頭を撫でてやることにした。
800 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ[sage]:2015/03/14(土) 22:13:56.99 ID:LmLpTMlYO
>>797
「……?」
「……! と、届きますってんですよこの位っ!」

一瞬何事かと思考、だがすぐに答えに辿り着いたらしい
頭上の木に向けて手を、ではなくタイドメイカーの触腕を伸ばし葉を掴む
その行動自体負けを認めているようなモノだがそこまでは頭が回らない様子

「……あれっ? ……さすがにそれ全部飲むのはちょっとぉ……」

引きますよっ? とシロップ池で戯れる(ニア視点)ジョシュアに声を掛けた

>>798
「うーんっ、この味もなかなかっ……」
「……はっ!?」

アキレスの笑みと言葉にハッとした模様
なんと不思議な事に既に5枚もの葉っぱチョコがニアの胃に消えているではないか!

「……いや、さすがにこの辺りでやめてっ……」

おこうかなぁと言い終えるより早く、まだ未踏の味の葉っぱを見つけてしまい決意は揺らぐ

>>799
「うむむむっ……」

澪も同性のはずだ、だのに何だろうこの決定的な余裕の差は
無論それが自身の大した事ない運動量に起因するモノとは思いもしない
ひととは得てして知らず知らず、基準を己が尺度に合わせがちなのである

「え、ええっ……」

気が付けば数枚目、さすがにヤバイなぁと返す笑みは口内と反対に苦々しい
801 :ジョシュア・アーリントン【屍喰い】[sage]:2015/03/14(土) 22:23:36.03 ID:UpbvNvn10
>>ALL

(や、野郎ォ……ッ…)

シロップの水面越し、ぐにゃぐにゃに歪んだ地上の世界に見えるまるで70年代のコメディ映画のようにオーバーアクトなアキレスの演技。
またトンでもない気まぐれだろう。やたらと女性の目の前でプレイボーイを手渡されるのも、今日こうして甘味の海に投げ込まれたのもいつもの気まぐれなのだろうと割り切り

(まぁいいや…澪のナイスアイデアのお陰でこんなのァ痛くも痒くもなくなったからな…)

仰向けで水中(?)を漂っていた身体をひらりと翻して直立姿勢に、四肢を少し広げればジョシュアの身体は光に包まれる。
捕食行動時に有機物の一部が熱と光エネルギーに変換され放出されるのだ。水中に光の粒子を散らしながらシロップを吸収してゆくジョシュア。
それと同時にみるみる池のカサは減ってゆき、数mもの深さを誇っていたシロップの泉はあっという間に枯れ果ててしまった。
顰めっ面の澪とドン引きするニア。そしてニヤニヤ顔のアキレスに囲まれながらジョシュアは捕食を終えた。終えてしまった。

「こんのやろアキレスっ…次やったらお前水飴の沼に頭からめり込ませるからなーっ!?」

泉を覗けばパッサパサに乾いた泉の底で飛び跳ねながらアキレスに向かって文句を垂れるジョシュアの姿。
その姿は至って普段と変わりない健康的な引き締まった肉体。しかしアキレスから垂らされたロープを握る為に泉の淵へと歩みを進め三人の死角に入ったその一瞬、その刹那に劇的変化が発生したのだろう。
氷砂糖にくくりつけられたロープがぎちりと軋んだかと思えばありえない勢いでぶちりと千切れた。
802 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆hDovWTX27P9e[sage]:2015/03/14(土) 22:31:33.79 ID:HSPwpqxX0
>>799
「何が?」
そう言うアキレスの表情は笑顔 分かってていってますよ えぇ

―――ギィ♪
そしてベティは撫でられて嬉しそうにハサミを振り上げた

「ジョッシュなら大丈夫だろ いざとなったら吸収できるし」
たらふくカロリーを吸収できて 暴食とやらもさぞ喜んでいるだろう

>>800
「お? 木の表皮はアーモンドが含まれてるチョコだ この歯ごたえ いいアクセントだね」
表皮を引っぺがしてポリポリ齧る ニアに甘い誘惑ktkr

「大丈夫だよニアタン もしかしたら脂肪のつき具合によってはバイーンに慣れるかもしれないぜ?」

>>801
さて ロープに手ごたえ どうやらジョシュアがロープをつかんだのだろう
適度に力を入れつつ踏ん張るが その手ごたえには違和感 次の瞬間ものすごいプレッシャーがロープにかかる

「えちょンギギギギギギギギ!!!!」
慌てて踏ん張り 腕から青い霧を出し ジョシュアを引っ張りあげようとするが その前にロープが切れてしまった

「んわっち!? イテテテ・・・ジョッシュ? 一体何があった?」
だもんだからロープが切れた瞬間 後ろにひっくり返ってしまったアキレス君 何が起きたかさっぱり分からず 泉のふちから底を覗く
803 :澪【獣化】2015/03/14(土) 22:43:01.42 ID:mEMt9rDA0
>>800
「……そんなにおいしい……?」

ニアに倣って一葉を摘み、咀嚼するもそう簡単に好みが変わるわけではない。
口に広がる甘ったるい風味になんとも微妙そうな顔、やっぱりいいやと苦笑を漏らす。
ある意味では、この悩みの違いは嗜好の差から生まれたと言っても過言ではないのだろう。

>>801
わたわたとシロップの水面を注視するも、自分から助けに行こうとはしない。
事態を楽観視しているからであり、断じてジョシュアの二の舞になりたくないわけではないのだ。
ジョシュアの身を案じながらも見守っていれば、すぐにその変化に気がつく事になる。

「……いや、うん…これはさすがに……」

無理がある、とは言い切らなかった。その代わり表情筋が少々引き攣っていたのだが。
自分でも自身のある策だったが、まさか泉を相手に実行しようなど思いもよらなかったのだ。
半分憂慮、半分呆れといった表情で枯れた泉の底から声を上げるジョシュアを見やる。
ひとまずは大丈夫だろうと安堵の吐息を零すが、千切れたロープに気がつけばまたも仰天。
慌てて泉の淵だった場所へと駆け寄り、恐る恐る底を覗き見た。

「……ちょ…大丈夫……?」

>>802
「……なんでもない……」

諦めのため息、今更言っても効果がない事など分かりきっている。
助かったのは事実なのだし、あまり厳しく言及できないというのもあるのだが。

「……本当に、大丈夫だと思う……?」

随分と適当なアキレスの言い分には目を細める。俗に言うジト目というやつだ。
突如千切れたロープなど、異常事態なのは明らか。
どこまでも楽観的なアキレスに肩を竦め、まあいいかと泉の底へ視線を戻した。
804 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ[sage]:2015/03/14(土) 22:47:31.65 ID:LmLpTMlYO
>>800
「え、ええっ、これなんか特にっ……」

差し出すのは中でもミルク風味の強いミルクチョコレートである
無論甘々、砂糖満点
今にもヨダレが垂れそうな感じに、人差し指を咥えて見詰めている

>>802
「んぐぎぎぎっ……!」

ただひたすらに耐える耐える、耐える
その様は血の涙を流さんがばかりである
脂肪はお腹や顔や二の腕になぜか優先されると言う事を、ニアは知っているからだ

>>800
>>802
と、まぁそんな遣り取りの差中、ジョシュアに謎の異変が

>>801
「おぉっ……ほ、本当に全部っ……」
「大丈夫ってんですかっ? ……うわぁっ!?」

飲めるモノなんだなぁと改めてその能力の底無しの食欲を知る
そして微力ながらもロープを引っ張ってやろうとした矢先
突然の断裂に驚愕、飛び退いてジョシュアの方を覗き込む
805 :ジョシュア・アーリントン【屍喰い】[sage]:2015/03/14(土) 22:58:00.67 ID:UpbvNvn10
>>ALL

「……いや」

心配そうに泉の底を覗き込む三人の仲間達。その目にジョシュア・アーリントンの姿が映ることはなかった。
代わりに移っていたのは見慣れぬ巨漢の姿。というよりはどこかで見たような顔の巨漢の姿が

「何があったって…俺が聞きたいんですけど…」

そこに鎮座していたのはつい10秒ほど前よりも一回り、否、ふた回りほどもサイズアップを遂げたジョシュアである。
みちみちと音を立ててぱつんぱつんに張る衣服。防弾ベストの金具が「ヤバい!!」と悲鳴を上げていた。
まるで某AKIRAのワンシーンのように膨れ上がってしまったジョシュア。唯一肥満化していない左腕の義手だけが妙に頼りなく映る。

「見ないで!!もうお嫁に行けない!!」

両腕で顔を隠すその所作にも「ぶよん」といった効果音が上乗せさせられそうな肉体の波打ち。
それを見て笑うか、憐れむか、呆れるかは各自の自由であるがジョシュアの精神的コンディションはシャレにならないダメージ負っていた。
自慢ではないが鍛え抜かれたボディと戦闘スキルだけが取り柄であったジョシュア。その二つが失われてしまえば拠り所となるものはもはや存在せず。
戦うことも走り回ることも、ひょっとしてもうナンパも出来ない!?そもそもこの肉体で泉の断崖絶壁を登れる気もまったくしない。

「ど、どうすんだよ…これ…どうやって出ればいいんだ…?」

しばらく呆然と自らの手を見つめていたジョシュアであったが、ふと我に帰ると蒼い顔でここから出る方法を画策し始めた。
806 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆hDovWTX27P9e[sage]:2015/03/14(土) 23:03:40.88 ID:HSPwpqxX0
>>803
「あっそう ならいいんだ」
えぇ たとえ何を言われても馬耳東風 聞き流すことに定評のあるアキレス君です

「まぁ声の調子はいつもどおりだったし 泉が干上がってるんだから溺れる事もないだろ? アレだ」
少しかんがえ 出た答えが

「人体に直ちに影響は出ない」
政治家的発言 とにかく澪と一緒に泉の底を覗く

>>804
しばし表皮を食べていたアキレス君

「おや? ちょっと食べ過ぎてしまったか」
これではおなかが突き出てしまいます なので

「デモンアーム」
手から青い霧を出す

「しばらくこれで過ごせばカロリーがいい具合に消費されるな いやーカロリー消費がひどくって大変だなー(棒)」
しきりにニアをチラ見しながら棒読み発現 ニア苛めが捗る捗る

>>804-805
「・・・・・・」
絶句 そこには変わり果てたジョシュアの姿が!!

「あぁえと・・・その・・・スマン」
あまりの非常事態に笑うことも忘れ 素で誤るアキレス君

「と・・・とりあえずその・・・ニアタン 持ち上げられない?」
と質問してみる
807 :澪【獣化】[saga]:2015/03/14(土) 23:12:14.23 ID:mEMt9rDA0
>>804
差し出されたミルクチョコレートは、その存在だけで強烈な甘い香りを周囲に撒き散らす。
思わず一歩後退り、どう断ったものかと目を泳がせ咄嗟に思案。
ふと目がいくのはニアの表情、これでもかというほどに欲望をさらけ出している様子に軽く引きながらも少しだけ感謝。

「……いいよ…ニア、食べて……」

>>805
「……生きてる……?」

底を覗き込んでジョシュアの姿を認め、刹那ぱっと後ろに飛び退く。
泉だった場所に背を向けて肩を震わせる。声こそ殺しているが、その顔がにやけているのは言うまでもない。
必死に笑い声を堪えているのは澪なりの気遣いなのだが、逆にそれが自身を縛っている事に気がついていない。
変わり果てたジョシュアを視界に入れないように再び泉の跡へと向き直り、諦観混じりに呟いた。

「……うん…まあ…そんな日もあるよ……」

>>806
「……それはそうだけど……」

実際自分もそう考えて楽観視していたのだ、直ちにそれが間違いだと悟るのだが。
共に覗いた先の結果を受け、一人笑いを堪えた後にアキレスを注視。
無論咎めるような目つきなのは言うまでもない。

「……影響、あったけど……」
808 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ[sage]:2015/03/14(土) 23:15:45.74 ID:LmLpTMlYO
>>806
「えいやちょっと待ってそれだけ? ズルくないってんですか?」

なんたるカロリーの無駄遣い
しかしそれを実行出来るのと出来ないのとではこの場合天と地ほどの差が出てしまう
対するツッコミは結構マジな感じであった

>>807
「ほ、本当にっ?」
「いやぁ、そこまで言うなら仕方ないってんですねぇっ……」

極めて利己的な責任転換である
つまりこれを食べるのは自分の意思ではない、状況的に見て仕方ない事なのだ
そう無理矢理言い聞かせている様子は全くもって不憫
ただまぁきっと澪なら生暖かく見守って貰えるとの確信があるが故の行動であった

>>805
「えっ」

目を見開いた
その光景から感じ取った衝撃をニアは恐らく今後しばらくは忘れる事がないだろう
見た目程よりずっと短い生を歩んで来た中で、それでもトラウマと呼ぶべき事柄は多い
だがそれらをある意味で上回る、超弩級ショック

>>805-806
「あ、え、えぇとっ……」
「……八葉っ!!」

その場で座り込む
8本の触腕を展開、それら全てで持ち上げようと伸ばしてみた
精神的動揺を、事情を動かす事によりひと時でも忘れようとしているが故だ
因みにタイドメイカー、余り重過ぎるモノを掴もうとすればニアの体が逆に持ち上がることになる(ギャグパート設定)
809 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>205[saga]:2015/03/14(土) 23:16:57.63 ID:OsdTpkm5o
【手前勝手な解説】

「つまるところ、この森の生態系は狂っているとしか言えず、
 また、とても人間が生きられる環境ではないと断言できる」
≪000011110101011≫

 奇怪極まる森の調査のために散策中。
 イムカの一言一句をサーボスカルが記録していく。
 無論、密使としての責務であり、あらゆる情報を帝国に提出するためである。

「糖分のみしかない。これは極めて危うい。
 短時間であればエネルギーも確保できるが多くの栄養素に欠けている。
 また、精神に与える影響も多分に懸念される。甘いものは中毒性も高い」
≪0011010111≫

 スタスタスタ…一通りの調査もサンプルの入手も終わったしそろそろ合流しようと考えるイムカ。
 向こうの方で聞いたような声がちらほらである。越境者は惹かれあうというが何というか。
 まあ、合流後回しにしているのは基本的に生公人のためでやや一歩引いているところがあります。が…

「………」

 見る。ヘタレ(アキレス)が一名。けもの(澪)が一名。タコ星人(ニア)が一名。
 しかし、なんかデブいのが居る。すっごく誰かに似ている。いや、そんなバナナ。

【ジョシュアを一瞥。そして、目頭を押さえる。幻覚か?精神攻撃か?あるいは単なる見間違い?】
 【→人というのは時に真実を受け入れられずに、大幅に間違った予測に縋るときもあるのです】
810 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ[sage]:2015/03/14(土) 23:40:37.11 ID:LmLpTMlYO
>>809
「あっ、い、イムカっ!」
「たたた大変だってんですっ、ジョシュアがっ……!」

結局何が大変なのかは説明出来ていないがまぁ見ればそれは一目瞭然であろう
しかしその言葉で問題のファットが彼であると確信付けてしまう事にもなるかもしれないが

811 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆hDovWTX27P9e[sage]:2015/03/14(土) 23:41:56.73 ID:HSPwpqxX0
>>807
「♪〜」
澪がこちらに目を向けるのと同じタイミングでそっぽを向き 口笛なんぞを吹いているアキレス
しかし頬を流れる冷や汗一滴 まさかこんなことになるとは思いませんでした まさに予想GUY

「ま・・・まぁとりあえず助け出そう うん」

>>808
「そうですが何か?」
なぜか勝ち誇った顔 なお動いていればもっとカロリー消費は早いですが 出していてもそれなりにカロリー消費があるのです

「いやー マジ大変だわー 出している間カロリー消費とかマジ大変だわー カロリー摂取しないとまずいわー」
なぜかミサワ風になりながらニアをチラ見する

とりあえずニアの触手に期待しましょう

>>809
「あ イムカタン やっほー」
やってきた知人に挨拶するヘタレ(アキレス)

「イムカタンも手伝ってよ ジョッシュがお池にはまってさぁ大変なんだ」
といって泉の底を指差す

さぁ言い逃れはできないぞ!! アキレス君が底にいるのをジョシュアだって言っちゃったぞ!!
812 :ジョシュア・アーリントン【屍喰い】[sage saga]:2015/03/14(土) 23:42:56.75 ID:UpbvNvn10
>>806
「えっ…ちょ、ちょっと…アキレスさん…」

顔を上げれば明らかに引いているアキレス。ベティに至ってはリアクションすら見せない。
ジョシュアを見るも無残な姿に変えた張本人がこのような有様。それでジョシュアは事態の深刻さを思い知った。
アキレスがニアに指示するのを聞き一筋の淡い希望を胸に抱くが…

>>808
「…無理みたいだな……」

うん。全然持ち上がらないね。ジョシュアどころかニアが持ち上がっている始末。
これで実質的にジョシュアがここを生きて出る手段が消え去ったことになる。
エネルギー体に昇華すれば出れないこともなさそうではあるがそんな事をしてしまえばジョシュア自身消滅の危機に瀕することになってしまう。

「てかニア…目が死んでるんですけど…?」
「…君はデブは嫌いかね?……じゃなくてっ…!!」

それにしてもあからさまに同様しているニアになんだか申し訳なくなる。どうやら深いトラウマを植え付けてしまったようだ。
肥満化の与える精神的ダメージはジョシュアに対してだけでなく、ニアにとっても大きなものであったらしい。

>>807
「あ、ヤベェわこれ。澪までも見て見ぬふり始めちゃったわ」

ほんの一瞬だけ合う目線。それ以降は一瞬たりとも澪がこちらに目を合わせてくることは無かった。
というより視界にすら入れてもらえず結果的にジョシュアはものすごく寂しい思いをすることとなったのだ。
もはや澪までが諦めの境地に達し、ジョシュア自身もはや半分現実逃避の域に入りかけていた。

>>809
ハイ来た。一番見られたくない人が来ましたよともはや諦めの境地。

「あ、どうもコミッサー。風が心地良いですね!」
「…だからそうじゃなくて……!!」

心のダメージはアッサリと限界を振り切り曹長はついに現実逃避を初めてしまった。
が、待て。そこで一歩踏みとどまりかろうじてジョシュアは自我を取り戻した。
仮にも軍人としてお付き合いしているイムカにこのだらしのなさすぎる身体をむざむざと見せつけてしまえばどうなる?
戦うことでしか忠誠を示せない自分の存在価値は一瞬でパァ。そうなれば現在の主従関係は脆くも崩れ去ることになってしまうかもしれない。
イムカの記憶喪失により曖昧となってしまっている関係ではあるがトドメの一撃を喰らわせてしまうのはマズい。
なんとか勘違いで済ませられるように仕向けなくては!スローモーな世界の中で高速思考。行き着いたのは偶然目に留まったアキレスだ。
そういえばジョシュアにもアキレスと同じようにエネルギーを放出する手段があった。それも桁違いの出力でだ。

「……これだっ!!フラストォ…レーーーーッションッッ!!!」

その手段を思い出せばさぁ善は急げだ。両手をぶよんと交差させれば淡い光が全身を包み、両腕を思い切り広げると同時に全方位へと放たれる光の渦。
所謂爆発オチである。そういえばこの面子にフラストレーションを浴びせるのは火星以来であったか。
本当ならグリードの拒否反応でフラストレーションは繰り出せない筈なのだが、そこはギャグパート特有のご愛嬌である。
そんな事を刹那考えるも直ぐに眼前を光が埋め尽くし、並行世界の甘味の森林は一夜にして一帯が消し飛ぶ羽目になったとさ。
813 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>205[saga]:2015/03/14(土) 23:50:41.78 ID:OsdTpkm5o
>>810-811

「夢でも幻でもなかったか」

 ボソリと何だかとても諦念に満ちた呟きである。
 ぶっちゃけトドメ刺しよったでこのヘタレとタコ星人って奴である。

「とりあえず君たちは後でブートキャンプ」

 曰く、八つ当たりである。

>>812

「…冷静に発言しようとは努めるが」

 突然、ご乱心いたしたジョシュアがエネルギー開放!爆裂を引き起こす!
 ギャク空間的な爆発オチ!威力多大・殺傷力ゼロの珍妙なる物理法則に沿ったパワが開放され、
 イムカは天高くポーンと腕を組みながら吹っ飛ぶ!

「ナンデ私がこんな目に?」
≪00011101010101≫

 そのまま腕を組みながら地面に突き刺さる!犬神家あるいはスケキヨ状態!!
 堂々と直立したままの姿勢で犬神家なのでいっそアレであった!
814 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ[sage]:2015/03/14(土) 23:53:01.29 ID:LmLpTMlYO
>>811
「ぐぎぎぎっ……!」

歯軋り、何処から取り出したのかハンカチを咥えながらの歯軋り
というよりまぁ適量な摂取と運動を心掛ければそこまで酷いことにはならないのではあるが、それを棚に上げての嫉妬は実に醜い

>>811-812
「あーー……無理っぽいってんですねぇっ」

胡座をかいたまま宙で逆さまにぶらんりこ
ジョシュアの余りの重量に負けた結果となる
半人半機のタェンティース(当時105kg)を軽々と持ち上がる力を持つタイドメイカーだが、そこから考えると今のジョシュアの重量は

「……って、ちょっ……!?」

走る閃光、破壊の奔流、暴虐のフラストレーション
チカッ、と輝けば全てを飲み込み、無論ニアもその中にいた

「……けほっ」

胡座のままパサパサになったタイドメイカーに掲げられていたアフロヘアーのニア
風に触腕であった灰が攫われれば、ポテンと落ちて少しだけ噎せた

//ではすみませんがこれにて落ちますっ
//皆様ありがとうございましたっ
815 :澪【獣化】2015/03/14(土) 23:58:34.56 ID:mEMt9rDA0
>>808
澪にはニアの葛藤の理由は分からない。悲しいかな身体の性質の相違のせいだ。
それでも逃避くらいは察せられる。だからこそ咎めるような真似はしない。

「……おいしい……?」

甘味のよさは未だに理解できないが、好きなものを食べる幸せは共有できるつもりだ。
独特の甘さを楽しむニアを、柔らかく微笑んで見守った。

>>809
「……あっ…イムカ……」
「……ちょっと待って…現実から逃げないで……」

こうも充満する甘ったるい香りの中では、匂いの判別は到底難しい。
イムカがお菓子の草木をかき分けて現れればようやく気がついたといったように声をかける。
ところが目頭を押さえるイムカ、その所作でその心境をなんとなく察したらしい。
というかほぼ同等だろう、目の前の光景から目を逸らしたくなる気持ちは。

>>811
「……………」

顔を背けるアキレスにますますジト目、やがて諦めたのかふいと目を逸らす。
確かに予想できるかと言われれば簡単には答えられないが、直接の原因は明らかなのだ。

「……助けるって…どうやって……?」

そもそもニアの触腕でさえも無理だったのだ、他に有用な手段があるとは思えない。
なお澪自身が手伝うつもりは毛頭ない。再び視界に入れれば次は我慢できる自信がないのだ。

>>812
「…ちがっ…そうじゃなくて…」

慌てて言い訳を始めるもやはりジョシュアを視界に収める事はない。
脳裏に焼きついた光景は簡単には消えはせず、笑いを堪えるのに精一杯なのだ。
そんな状態でまともにジョシュアを見れば、我慢の堤防はあっさりと決壊してしまうだろう。
気を遣っての事がまたジョシュアを傷つけているのだが、どうする事もできずただおろおろとするだけだった。

「……え、ちょ……」

突然奔るのは眩い閃光、なにがあったかと気がついた頃にはもう遅い。
吹き飛ぶ身体、消し飛ぶ森林。刈り取られんとする意識を必死に保ってしばらく。
気がつけば遥か彼方、倒れたクッキーの巨木の下で下敷きになっていたとさ。

//では私もこの辺でっ
//お疲れ様でしたー
816 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆hDovWTX27P9e[sage]:2015/03/14(土) 23:59:50.12 ID:HSPwpqxX0
>>812-813
「えー」
なんか事実上の死刑宣告を受けたような気がします

だが執行は別なところから 突然訪れました

突然ジョシュアの体が光ったと思ったら とんでもない爆発が当たりを包み込む

「!!!!!!!」
―――!!!!!!!

あわれ 1人と一匹と その他大勢はその爆発に巻き込まれてしまいました

その森からかなり離れた草原
ゴロゴロとすごい勢いで転がってきた1人と一匹は その草原で酔うやっと止まる

「・・・・・どうしてこうなった?」
―――g・・・ギィ@@

目を回すベティと 俺は悪くヌェー状態なアキレスでしたとさ ちゃんちゃん
817 :セラ2015/03/15(日) 22:21:49.49 ID:blh2Rq1Eo
【中世・ファンタジー的文化の世界軸】


「う……。」

とある山中、人気のない峠道の傍ら。
まるで墨汁を混ぜたかのような鉛色の雲から吐き出される豪雨から逃れる様に
街道沿いの朽ちたあばら屋の中へと逃げ込む女の姿があった。

しかし、その姿はどこかおかしい。
足を引きずっているのだ。恐らく彼女のものであろう、
往来のほとんどない道にできた足跡にそって赤い染みが点々と続いている。

……どうやら足を負傷しているらしい。
818 :四五六 七八【賽印流忍術】[sage]:2015/03/15(日) 22:31:48.86 ID:aVmsTMtN0
>>817
「うひゃー、もー……」
「……んっ? あれ、これって……」

ビショビショだよ、と愚痴りながら番傘で嵐の中を歩く七八
少し前も霞む程の雨量、だがその跳濁の中に確かに朱が混じるのを見つけた
洗い流しが終わっていないとなればまだそう時間も経っていないだろう
周囲を探れば雨に輪郭を朧にしつつの荒屋が
そして鮮血の痕跡はその中へと続くように見える

「……ま、雨宿りしたかったとこだし……」

怪我人でもいるのだろうか
それが七八の基準で善人であれば、見逃すのはどうにも今ひとつ気分が良くない、そう思ってしまう
厄介な性分を呪いながらも溜息
荒屋の入り口付近に立って中の様子を伺う事に
だが濡れた衣服の水は普段ならば野ネズミよりも小さな七八の動作音を確実に、目立つモノに変化させている
819 :セラ2015/03/15(日) 22:43:39.44 ID:blh2Rq1Eo
>>818

――トン。

七八が戸口に立つと同時に、
その顔の真横。朽ちかけた柱に、小さな赤いふさがついた小刀が突き立った。

「あなたは……人ではあるみたいだけれど。」

その飛来元。赤い痕跡の先には、ひどく足を負傷している様子の女が
七八をにらんでいた。白い肌とやや茶色の頭髪。七八の出身世界の言葉からすると、
『異人』というべきだろうか。

女はいつでも二射を放つ用意がある、という風にこれ見よがしに短刀を構えて見せて。

「旅人にしては、少し風体が変わっているわね。
 雨宿りならいいけれど、私に近寄らないで。2mフィート以内に近寄ったら、次は当てるわ。」
820 :四五六 七八【賽印流忍術】2015/03/15(日) 22:51:22.79 ID:aVmsTMtN0
>>819
「っ……」
「っと、あはは、どーもっ」

悲鳴を咬み[ピーーー]鍛錬は受けている
引き攣った笑みで軽く挨拶

「……ふぃーと?」
「えーと、ともかく近寄るなってこと?」

その手には自衛の為であろう、苦無が数本取り出す仕草もほぼ無しに握られていた

「……薬とか、一応あるんだけどなー……?」

言われる通りに距離を取りつつも室内へ
遠巻きにセラの傷を見ればおずおずと問い掛けてみる
821 :セラ2015/03/15(日) 22:57:32.02 ID:blh2Rq1Eo
>>820

「……いいわ。でも、投げてよこして。無礼なのはわかっているけれど、念のためよ。」

薬の所持をちらつかせると、ふむ、とでも言いたげに片眉をあげて見せる女。
警戒心こそまだ解いていないようだが、全く話が通じないという風でもなさそうだ。
恐らく今は七八を値踏みしているのだろう。

外は暗く、室内に明かりがないため少し見づらいが、
女の傷はかなり深いように見える。衣服が破れ、現われになっている傷口から見て
獣の牙かはたまた、罠かなにかの類に引っかかってしまったか。
822 :四五六 七八【賽印流忍術】[sage]:2015/03/15(日) 23:02:56.48 ID:aVmsTMtN0
>>821
「あっはは、もう、偉そうだなぁ……」

苦笑しつつも従うのは、少なくともこの嵐の夜を切り抜ける手段であろう荒屋の同居人として事を荒立てるのは得策ではないと踏んだためだ
最も七八自身、甘さと評する性格上の行動でもあるが
投げ渡されるのは小瓶である、中には賽印流の技で作られた薬草類を煮出した傷薬が入っている

「暗いなぁここ……」
「灯りつけてい?」

と、耐水性の蝋燭を取り出し尋ねる
一応この場においての主導権を譲る、という意思表示でもあった
823 :セラ2015/03/15(日) 23:20:45.11 ID:blh2Rq1Eo
>>822

投げ渡された瓶を一通り確認。

臭いや、少し掬い取った物を口に含むのではなく、
敏感な部位の唇に塗って異常がないか確かめていたが……。

「敵意はないみたいね。いえ、この辺は昔よく追剥が多いと出た場所だと、
聞いていたモノだから。 ……非礼をお詫びするわ。」

ようやく警戒を解き、申し訳ないと言いたげに目をつむる。

「蝋燭ならあるわ。薬の変わり、とは言わないけれど。
 あなたのものをそこまで使うのは忍びない。」

今まで明かりをつけていなかったのは、おそらく無人と思わせるためだろうか。
ランタンを取り出すと、その中のろうそくに火をつけ少しばかりの明かりを確保する。
824 :四五六 七八【賽印流忍術】[sage]:2015/03/15(日) 23:26:27.43 ID:aVmsTMtN0
>>823
「あ、それメッチャしみるから覚悟してね?」

薬の様子を確認しているセラへ
効きはそれなり、だが物凄く染みるらしい
【薬の効力は委任】

「いいえー、もし噂通りの治安なんだとしたら警戒しない方がおかしいしね」
「ん、あぁ、そう? 悪いね」

蝋燭と苦無を仕舞えば先に投げられ、壁に突き刺さっている小刀を引き抜いた
くるりと弄ぶようにして手の中で回し、持ち手側を差し出すようにしてセラに渡そうと近寄って行く
825 :セラ2015/03/15(日) 23:33:21.46 ID:blh2Rq1Eo
>>824

「つ゛っ……、それ。はやくいってよね……。」

唇で確認したつもりだったが、いざ傷口に塗り込んでみると
七八の言葉通り相当に痛む。しかし薬があると無いとでは大違いだ。
特にセラの故郷と同じ程度の技術レベルであろうこの世界ではまともな医薬品や治療は望めない。
放置しておけば破傷風やひどい可能で最悪足を失うことになるのだから。

その後、衣服のすそを少し破り緊急の包帯としてそこにあてがう。

「ん、まだ残ってる……う……。」

――からん

セラは傷口からちいさな鉄の破片を引き抜いた。

「このあたりは最近だと、コボルトが出るわ。犬の……怪異とか妖怪とか、
 そういったほうがあなたにはわかりやすいかしら。」
826 :四五六 七八【賽印流忍術】[sage saga]:2015/03/15(日) 23:40:44.49 ID:W/hgwE9uO
>>825
「ごめんごめんっ」

戯けながら誠意の感じられない謝罪
まぁ余り深刻に取っていないのだろう

「包帯は……ありゃ、使い切っちゃったかな?」
「あ、ラッキーお菓子めっけ、食べる?」

セラの程近くに座り込めば、整理整頓とは無縁であろう道具入れのポーチを漁る
お目当てのモノが見つからないとなれば諦めて、副産物である飴や羊羹なんかを差し出してみた

「うわ、ち、ちょっと大丈夫なのそれ……?」
「あ、あぁ、大丈夫大丈夫、コボルトで通じるよ」

七八の故郷の国は確かに横文字に疎い
だが世界単位で見ればこことよく似た、剣と魔法と王が存在する世界であったのだ
その中を旅してきた七八は、割と見聞的には狭い方ではなかった
827 :セラ2015/03/15(日) 23:53:12.55 ID:blh2Rq1Eo
>>826

「そのコボルト相手に、油断してこのザマよ。駆け出し冒険者ってわけでもないのにね。
 コボルトって、あんまり力は強くないけど見た目以上に頭がいいの。恐らく、古い熊捕獲用の
 トラバサミをもってきてたのね。錆びてたから叩き壊すことができたけど、危なかったわ。」

目の前の女は腰に剣を帯び、先ほどの投射の腕からみるに冒険者で間違いなかろう。
それにしては妙に布地の多い動きにくそうな格好をしているのだが。

「……お腹が減ったわ。その水のかたまり?みたいなヘンなのでもぺろりといけちゃいそう。」

セラは羊羹を見たことがないらしく、水の塊に見えるようで。
828 :四五六 七八【賽印流忍術】[sage ]:2015/03/16(月) 00:02:24.92 ID:HPG2LkjRO
>>827
「へぇ、そんなに賢いんだ?」
「うわー、うわー……痛い痛い……」

想像しただけで怖気が走る
トラバサミの威力とその有用性をよく知っているが為だ
落ち着いて改めてセラを観察する余裕が出来たのか、無礼に当たらぬ程度に見詰めてみた

「あぁ、甘くて美味しいよ、日持ちもするしね」

糖分の塊である餡を練り固めたモノで、更に魔法的技術で真空に近い状態でパックされている
保存食として持ち歩いているようだが、疲れた体が欲するそれに抗うことは出来ない模様
適当に切り分けて半分こ、先に食べて毒性のなさをアピールしつつ差し出した
味はまぁ、ひたすら甘い餡の塊である
829 :セラ2015/03/16(月) 00:11:47.07 ID:HEvtwg1Mo
>>828

「ええ、特にトラップなんかを利用するのはよくあることなんだけど……。
 あー……もう、こんなのに引っかかるなんて……。」

他にも犬を利用したりだとか、武器の先に自然の毒を塗布していたり、
ゴブリンなど自分よりも力の強い種族に従属したりと、妖魔なりに頭が回る種族であるらしい。

「……あまいわ。なんというかすごく素朴だけど、あまい。
 なんというかこう、以前呑んだコピ?っていう飲み物にあいそうねぇ。すっごく苦いの。」

むぐもぐむぐもぐと羊羹を食べて一言。
素直に誉めないのが目の前の女の人間性らしい。
830 :四五六 七八【賽印流忍術】[sage]:2015/03/16(月) 00:23:35.15 ID:uU2NXHcd0
>>829
「……ゆめゆめ気を付けるよ」

どうにもこの短い間で、目の前の彼女の極めて怜悧なる観察力や洞察力、用心深さを知る事が出来た
そして油断もあったであろうがそんな相手に手傷を負わせるコボルトの狡猾さを同時に察し、明日は我が身と鳥肌モノだ

「豆を砂糖で煮て、それを固めた感じかな」
「栄養があっていいんだ、疲れた時はこれがまた美味しくって」
「コピ? うーん、知らないなぁ……お茶なんかに合うんだけど」

その甘さ、コーヒーとの相性も決して悪くはない

「……と、まぁ軽く食べたとこで……」
「お互い服、乾かさない?」

傘があったとはいえ横殴りの嵐
濡れ鼠状態の忍び装束の袖を絞り苦笑
暖炉があれば火を焼べるなりして暖を取り、濡れた服は乾かさなければ風邪を引いてしまう
燃料が無ければ火遁をそれの代用として使うだろう
831 :セラ2015/03/16(月) 00:38:08.39 ID:HEvtwg1Mo
>>830

「お茶に?あうかなぁ……。」

お茶と言えばセラの中ではミルクをたっぷりと入れた
あまい紅茶しか思い浮かばない。二人の思い描くものがちがうのも、
こうした文化の違う者同士が出会った時に起こりがちなほほえましいすれ違いだ。

「そうね、これじゃ風邪を引いちゃうわ。
 こんなところで体調悪くなっちゃかなわないものね。」

かろうじて、嵐の中たっているという風のこのあばら屋だが、
雨漏りの無いところを選べば小さな火をおこす程度はできそうだ。
おそらく、元は猟師小屋かなにかだったのだろう。炭の痕跡が部屋の中央にある。

「……火、起してくれる?」

火打石は持っていたが、そこまで行くのが億劫でセラは七八に火おこしを依頼した。
その後、二人は火で衣服を乾かしながら嵐がすぎるまで談笑していたという……。

// じかんもいいところなのでこのへんでー
832 :四五六 七八【賽印流忍術】[sage sagd]:2015/03/16(月) 00:44:54.49 ID:uU2NXHcd0
>>831
「そりゃ合うよ、故郷じゃお茶とセットだったもん」

それなりに異文化に対して理解のある七八だが、このすれ違いに気が付く程ではなかった
紅茶も嫌いではないし、ミルクティーもしかり
ただ前提として頭に思い浮かぶ常識を覆すというのは、案外難しい

「ん、任せて」
「……よしっと、これで少しはマシだ」

めらめらぱちぱち、心地良い音がすぐに響く
暖気が満ちて心身の疲れを癒し、そして安心感を与えてくれる
自然と弾むモノだ、会話も無論に
嵐の中の小屋、楽し気な話し声は途切れる事を知らなかった

//ありがとうございました、お疲れ様ですっ
833 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ[sage]:2015/03/16(月) 22:36:02.29 ID:uU2NXHcd0
爆発、轟音、阿鼻叫喚
ボロニア共和国の中でも後方に位置し、ここがこの永き戦乱に於ける数少ない平和地帯であるという幻想は儚くも散った
暴れ狂う10mの魔翌力鋼の巨人「コロッサス」
ラクドーズ軍主力コロッサス「嘲笑者」3機で編成された奇襲部隊の攻撃だ!
コロッサスの戦線導入が遅延し、騎士部隊やマスケット鉄砲隊が主力たるボロニアの防衛部隊には為す術もない、一方的ジェノサイド!

「な、な、な、なんだってんですかー!?」

嘲笑者の手に握られる巨大な赤熱鎖「チェーンデストロイヤー」が石造りの中世めいた街並みを舐め取り破壊して行く
降りしきる瓦礫の中、頭を抱えて遁走するニア
ボロニアの防衛隊は総崩れである、基地方面へと知らずに逃げるニアに気付く兵すらいなかった
834 :澪【獣化】2015/03/16(月) 22:44:17.70 ID:0/baZ2di0
>>833
「……知らないけど、とにかく逃げよう……」

石礫の雨をどうにかかいくぐりながらニアと並走する澪。
先程まで限られた平和を謳歌していただろうに、戦火の渦中に放り出されたのが運の尽き。
圧倒的までの破壊の嵐に立ち向かおうとは思わない、生を掴もうと足掻く方が建設的だ。

「……で、どこに向かってるの……?」

右も左も分からぬまま、地図があったとしても変わり果てた町ではなんの意味も為さないだろう。
降り注ぐ瓦礫を払いのける、建物が崩される音がいやに耳障りだった。
835 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ[sage saga]:2015/03/16(月) 22:52:08.42 ID:uU2NXHcd0
>>834
「と、取り敢えずっ、頑丈そうなあの建物にっ!」

何処にと問われて始めて自覚、そうかなるほど自分はアレに逃げ込もうとしているのか
ボロニア軍隊の駐屯地たる、この辺りでは目立つ大仰な建物
中は伽藍としており、破壊音すら遠くに聞こえる

「ここならっ……って、ち、近付いて……っ!?」
「こっちっ、こっち逃げましょっ!」

一安心かなと安堵の息、だが巨人の跫は確実にここに向かって近付いて来るではないか
仄暗い拠点の地下へと逃げ込み、そしてシェルターの様な入口が見えれば澪を促して中へと入ろうとするだろう
836 :澪【獣化】2015/03/16(月) 23:02:24.87 ID:0/baZ2di0
>>835
「…分かったっ…」

人は生命の危機となれば、なによりもまず自身の生存と安全を行動原理の第一に置く。
よって目立つ建造物を逃げ場として選ぶのは、ある意味では当然たる選択なのだろう。
転がるようにして中に入れば、人の気配がない事にほんの少し安堵。
この街の破壊者は、きっと生者がより多い方へと向かうのだろうと。
しかしそれは大きな間違い。近づいてくる重低音に思わず身体が強張った。

「……っ…うんっ……」

さらに逃げ込んだ地下、そしてシェルターという閉鎖空間に逡巡を見せるがそれも一瞬。
いざという時の逃げ場よりも、この場を無事に乗り切る可能性に賭けたのだ。
ニアと共にシェルターへと潜ればすぐさま入り口を塞ぐ。
息を殺して身を潜める。どうか見つからないようにと、知らず天に祈りを捧げた。
837 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ[sage]:2015/03/16(月) 23:05:45.00 ID:uU2NXHcd0
>>836
「ぁ痛っ!?」
「せ、狭っ……って、な、なんですかこれっ……?」

逃げ込んだシェルターは実に狭い
澪とニア、割と小柄な2人ならばなんとか入れるが大の男なら1人用か
しかしニアが驚いたのは別の部分にある
シェルターの扉を澪が閉じれば一瞬の真闇の後に青白い仄灯
澪の正面に位置した水晶玉が輝いているのだ

『おはようございます、私、ボロニア所属試作型コロッサス、三号機「反攻者」』
『貴方の、お名前を、教えろ、下さい』

「……喋っ!? 、れ、澪っ? 名前聞かれてますってんですよっ……?」

ニアが名乗らずにいたのはその男女ともつかぬ無機質な声だけの呼び掛けに確実な方向性を感じたからだ
それは水晶玉正面に存在する澪に向け、確かに問い掛けていた
838 :澪【獣化】2015/03/16(月) 23:16:18.68 ID:0/baZ2di0
>>837
「……えっ……」

驚愕、ついで呆然。
当然とも言えるだろう、逃げ込んだと思った場所で突然名前を問われたのだから。
青白の灯りが二人の顔を照らす。澪の顔を見れば、目を見開いて固まっているのがありありと分かるはずだ。
事態の急展開に一瞬思考を放棄しかけるが、ニアの声によって現実に引き戻された。

「……ぁ…えっと…私……?」
「……澪……」

否定はできない、確かに澪も自身に向けた呼びかけだと感じていたがらだ。
やや声がか細いのは外を徘徊しているだろうモノを憚っての事だけではない。
狭い空間の中で思わずニアへと身を寄せ、おそるおそる水晶玉の反応を待った。
839 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ[sage saga]:2015/03/16(月) 23:25:20.14 ID:uU2NXHcd0
>>838
『澪、登録者の、中に、該当無し』
『新規登録者、追加するますね、完了』

「……なぁんかポンコツな気がしますってんですけどぉっ……」

なんともチグハグな敬語とも何とも言い表せぬ独特な言葉のリズム
それはそのマイペースを崩さぬままに澪へと呼び掛けるだろう
そんな身を案じ、近付いた体に触れるニアの両手

『全駆動部良好』
『反攻者の剣、反攻者の雷装備』
『飛行翼稼働確認……(微かな揺れと駆動音)良好』
『では、操作水晶へ、触れて、手でね』
『後は、想い下さいせ反攻の、仕方、生存の、仕方を』

もしも言われる様に目の前の水晶玉へと触れたとしたら
情報が目の前のただの壁と思われたディスプレイに整然と表示されるだろう
それらはこの世界の言語ではあるが越境の修正力に依り(もし澪が習字していない場合を除いて)解読可能なはずだ
そこには要約すれば「歩行可能走行可能飛行可能剣撃可能雷撃可能、思考のみで全てを実行可能」である
【尚読めなかったとしたらニアが読み上げて知らせる】

「……うわっ!? あ、っ!!」

と、ここで内部にまで響く轟音と激しい振動
目の前のディスプレイ、羅列された文字の向こうに透過して見える外部の景色
そこに亀裂が走り、先程外で暴れていた巨人の姿!
嘲笑者の一対の、黴色の瞳が貪婪に輝き破壊を求めて腕を伸ばして来る、危ない!
840 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ[sage]:2015/03/16(月) 23:28:43.48 ID:uU2NXHcd0
//>>839の最後の方

目の前のディスプレイ、羅列された文字の向こうに透過して見える外部の景色
そこに亀裂が走り、先程外で暴れていた巨人の姿!

ではなく

目の前のディスプレイ、羅列された文字の向こうに透過して見える外部の景色
その景色の中の壁面に亀裂が走り、先程外で暴れていた巨人の姿!

//に変更願います
841 :澪【獣化】2015/03/16(月) 23:40:49.07 ID:0/baZ2di0
>>839
「……大丈夫だよね、これ……」

やはり不安は禁じえないのか、顔を引き攣らせて乾いた笑い。
まったくついていけない展開にとうとう深く考えるのを放棄した模様。
触れるニアの温もりに、少しだけ憂慮が和らいだような気がした。

「……えっと…水晶…これ、かな……?」

遠慮がちに水晶玉に両手を乗せ、不意に現れる文字に目を白黒。
だが非常に限定的な言語であれ、読み書きを習得していたのが幸いした。
修正力もありどうにか解読、それでも頭が追いついていないのかううむと首を捻った。

「…えっ…?ちょ、まっ…」
「……ああもう…どうにでもなれっ……!」

目まぐるしく動く事態に適応する暇はない、蹂躙の腕はすぐそばまで迫っているのだ。
必死に考える、自分ならこんな時どう動くのか。
思い描くのは手が届く前の踏み込み。次いで剣をもっての刺突。
ただし普段武器を使わないのが災いし、剣の扱い方はややぎこちないものだが。
842 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ[sage]:2015/03/16(月) 23:51:37.76 ID:uU2NXHcd0
>>841
「た、多分っ……?」

いざという時の為か、タイドメイカー発生の準備
月光の柄を握る事は出来ない、それをする両手は常に澪の体温を感じているからだ

『……上手、反攻開始』

加速、前から来たる重力
だがディスプレイを過ぎ行く景色からすれば掛かる重圧は極めて少ない、揺れも然り
反攻者が発生させるバリアフィールドが搭乗者に掛かる負荷を最低限に抑えているのだ
嘲笑者の醜悪なデビルめいた、トゲトゲしい腕を潜る巨体
空を斬る剣、ヒトの5〜6倍のサイズの巨人が操るそれはまるで柱だ
鋒が嘲笑者の胸に吸い込まれて行く、反攻者は勢いよくその巨体を押し付け壁に押し込む
破壊、巨大駐屯地の壁をブチ抜きそのまま外へ
胸を貫かれた嘲笑者が力無く後ろに斃れる、剣先はその数トンに及ぶ重量を支える事を放棄した
斃音、舞い上がる砂嵐

「……た、倒しっ……」
「……澪っ、ま、また来ましたっ!」

ニアの悲鳴にも似た叫び
見れば残りの嘲笑者2体がこちらへ向けて赤熱鎖を構え突進して来ているではないか
843 :澪【獣化】2015/03/17(火) 00:06:44.58 ID:Xz6n6Mdd0
>>842
「……なにこれすごい……」

ほぼ自分の思い通りに動いた巨体は嘲笑者の無力化を成功し、その動きを停止させる。
知識にはあっても実際に触れた事はない技術の結晶体に思わず感嘆の呟きが漏れる。
長い吐息にあるのは安堵と達成感、しかし舞い上がる砂埃が晴れれば一瞬で跡形もなく消し飛んだ。

「……ちょ…まだっ……!?」

突っ込んでくる二つの巨躯には手加減も遠慮もない、ただ目の前の標的を仕留めるだけに動く。
とにもかくにも生にしがみつくがために、思いつく対処法を思考のキャンバスに描く。
跳躍をもって回避、足下に二体の反攻者を見ての着地。
背後を取る事が叶えば片方に剣を振るい、もう片方には雷撃を放たんと。
最も想定は澪の身体能力が基準だ。寸分違わず実現させるには、飛行機能が必要となるだろう。
844 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ[sage saga]:2015/03/17(火) 00:16:20.18 ID:swQkxU5Y0
>>843
「うわっ!?」
「……と、飛んだっ……」

思わず澪に後ろからしがみつくニア
澪の並外れた身体能力を模倣するが為に、反攻者はその翼を持ってして飛翔
太陽色の魔法鋼のボディが煌めく
物理学的にあり得ない飛行能力をそのコロッサスは持ち得ている
嘲笑者はそれに対応する事が出来ない、性能が段違いの次元だ
着地、振動は小さい
人間がそうするように、このコロッサスも膝を使い衝撃を食い殺すようにプログラムされているのだ
繰り出される斬撃、放たれる雷撃
それは一瞬の後にふたつの光球を生み出す結果となった
斬り捨てられ、稲妻に撃たれ焼かれた嘲笑者達の断末魔である

「……お、終わったっ、ってんですかねっ……?」

『敵勢力、殲滅』
『反攻完了、お疲れ』

相変わらず澪にしがみ付いたままのニア、何とも言い難い口調の水晶玉
戦乱の中に巻き込まれた2人の越境者の戦いは、一先ず終わりを告げた

//ありがとうございました、時間遅くなってすみませんっ
//これで〆でお願いしますっ
845 :澪【獣化】2015/03/17(火) 00:26:41.97 ID:Xz6n6Mdd0
>>844
「…わ…えっ…なに…!?」

跳躍とはまた異なる浮翌遊感。といっても衝撃を殺された内部ではそう大きくは伝わらないのだが。
ニアにしがみつかれ、同時に水晶玉に半ばしがみついて僅かな振動に備える。
刹那の攻防、そして過ぎ去った時にしばらく呆然とディスプレイを眺めていた。

「……終わった……?」
「……なんか、すごく疲れた……」

終わりを告げる無機質な声に、ようやくほうと長い息をつく。
自身が操る、しかし決して自分ではないナニカで戦うという慣れない事に、知らず緊張の糸を張り続けていたのだ。
手を離して目を瞑る。背中に伝わる体温が今はとてもありがたく感じた。

//ありがとうございました、お疲れ様でしたー
846 :ヴァポーレ・ピンナ[sage]:2015/03/18(水) 02:06:05.80 ID:PvaQYbl0o

いつからだろうか、この薄暗い洞窟で雨宿りをしているのは。
気がつけば三日も、同じ場所で足止めを喰らっているような気がする。
べつに、この豪雨の中を走ったって、この機械の身体にはなんの影響もないのだろう。
でもこうして、雨のやむ気配のない森の奥の洞窟で、また一夜を明かした。

洞窟の入り口から顔だけを出して、空を見る。
雨は降りしきる。木々の茂る葉を通り抜けた雨粒がいくつも額に当たり、頬を伝って地面に滴る。
ぬかるんだ地面には大きな水たまりが、雨に乱れた黒髪を映す。

「……いつ、やむのでしょうか?」

誰ともなく質問をする。
この洞窟に雨宿りをして、こうして何日も足止めを喰らっているのだから、質問もしたくなると言うもの。
それはほとんど独り言であり愚痴でもある、そんな言葉は虚しく虚空に消える。

「ホント、億劫になる」

別に、一人が寂しい訳ではない。
幸いこの身体は食料や、もしくは何かしらエネルギー媒体を必要としていない。
いつまでも、雨がやむまでこの洞窟に籠ることはできる。
847 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ[sage]:2015/03/18(水) 02:11:33.21 ID:WzJrrYAk0
>>846
「……も、もうっ!」
「なんだってんですかこの雨はぁっ!」

越境した矢先に嵐に打たれ、やっと見付けた穴倉に転がり込むようにしてお邪魔します
浅黒い肌、アッシュグレイの短い髪、極めて凡庸なワイシャツにチノとバックパック
腰に帯びた一振りの剣のみが何処か不似合いな空気を醸し出している

「全く、ビショビショ……」
「……っと、せ、先客さんが居ましたってんですかっ?」

ふ、と振り返れば間延びした声
どうやら雨宿り仲間に気が付いたらしく、真紅の双眼を驚きに少し拡げて尋ねる
848 :ヴァポーレ・ピンナ[sage]:2015/03/18(水) 02:21:18.82 ID:PvaQYbl0o
>>847

「質問されても、困る」

森の奥から人の気配がした、と思えばその濡れ鼠となった身体が姿を現せた。
と思えばこちらに走り寄り、そして穴蔵の中へと転がり込むように入ってきて、その第一声が間延びした疑問調。
思わず、否定にも似た言葉で返答してしまう。実際、困ってしまうのだから。

「たぶん、先客」

雨宿りという意味では、先客と言うことで間違いはない。
それも、数日もここで足止めを喰らっているのだ。ある意味では大先輩でもある。
なんて、ヘンな冗談を思い浮かべて、左右に首を振る。我ながら何を考えているのやら。

「じゃあ、逆に質問するけど」

ジトッと相手のびしょ濡れた姿を見て。

「オマエ、寒くない? コレだから、自分は大丈夫だけど」

機械部分が露出している右腕を、左手で指さす。
ようするに、自分がメカだから寒くないけれど、おめーはどうなんだ、ということ。
849 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ[sage saga]:2015/03/18(水) 02:26:41.10 ID:WzJrrYAk0
>>848
「多分っ?」
「……あぁ、そういうっ」

分からなくはないが何とも、微妙に珍妙な言い回しである
はて何事かと思いきやその示された腕と手を見て納得の模様
機械であるのなら、先に自身が投げ掛けた不合理な質問に明確な答えを躊躇するのも頷ける
同時にしかし、揺らぎに満ちた事柄に対して同じくバッファを含む返答が出来る事にその思考の柔軟性の高さを感じる

「えぇと、そりゃまぁ寒いってんですけどっ……」

火を起こそうにも、薪になりそうな周囲の樹木は全てビッショリ
種火となるターボライターはあるが、これだけではどうしようもない
燃料を持ち歩くべきだったなぁと内心で舌打ちひとつ
850 :ヴァポーレ・ピンナ[sage]:2015/03/18(水) 02:33:04.80 ID:PvaQYbl0o
>>849

ホラ見たことか、と得意げな表情を無意味に浮かべてしまう。
ここは雨宿りの大先輩として、焚き火のやり方を一から教える必要があるな。

なんて妄想がメモリに浮かび、首を振る。
バカじゃないのかと、自分でも思う。創造主は、どうしてこんな無駄な機能を。
まぁ、良い。こんなこともあろうかと、薪は乾かして置いていた。

「こっち」

相手の袖を引っ張る。

「自分では必要ないってのに、薪を乾かしてるから。こっち」

洞窟の少し奥。なるべく雨に触れない場所に、必要以上の薪が置かれている。
雨宿りをする際、必要になるだろうなと判断して集めておいた。
もちろん、自分はメカだから使わない。使わないのに集めるということは、意味がある行動なのだろうか。

「でも、火がない。だから、頑張って」

火種は任せっきりだけれど。そこまで面倒はみていられない。
851 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ[sage]:2015/03/18(水) 02:41:47.71 ID:WzJrrYAk0
>>850
「えっ?」
「あ、ほ、ほんとうだっ!」
「助かるってんですよっ……えっと……」

くいっと引かれてやや奥まった箇所へ
そこに積まれる薪を見れば嬉々として小さく跳ねる
安心感が余裕を生むのか、ようやく相手の名前を知らぬ事に気が付いた

「お前はっ、熱の近くに居ても大丈夫ってんですかっ?」
「……ニア・シューペリオリティ。 宜しくってんですっ」

名乗りながら薪を組んで木の皮を少しだけ剥がし、ターボライターで着火
直ぐに乾燥した木の表面を舐めるオレンジの灯火
少々煙いが洞窟の造りが丁度換気に役立ち、窒息の心配はなさそうだ
熱波の近くに腰掛け、機械仕掛けの相手を見やる
雨音が爆ぜ音に混じって、洞窟内に響き渡っていた

//ごめんなさい限界…これにてっ
//〆でも持ち越しでもお任せします、ありがとうございましたっ
852 :ヴァポーレ・ピンナ[sage]:2015/03/18(水) 02:54:59.28 ID:PvaQYbl0o
>>851

自分の行動によって引き起こされた、嬉しそうな言葉と動き。
そんな様子を見るだけで、自分さえも嬉しくなる。
後で聞いてみよう。なんで嬉しいと思ったのか。自分がしたことは、人を助けたのか。

火の近くに座る。小さな火種は徐々に大きくなり、やがては洞窟の中を照らすまでに至る。
温かい、のだろうか。相手は焚き火のすぐ側に座って、温もりを確かめるように両手を突き出していた。
真似をして、両手を突き出す。温もりなんか感じない。

「ヴァポーレ、ピンナ」

自分の名前だけを、淡泊に言い放つ。
相手の目を見る。熾る薪に照らされた赤い瞳が、薄暗い洞窟の中に不思議に浮かぶ。

「じゃあ、オマエのことは、にーに、って呼ぶことにする」

ニア、だからにーに。なんというか、普通にニアって呼ぶことに、少しの抵抗を感じた。
たぶん、これも創造主の趣味なのだろう。ヘンなあだ名を付けることは。

「で、にーに。色々と尋ねたいことがあるから、覚悟して」

まず、三日ぐらい前に薪を集めといたけれど、それは役に立ったのかどうか。
次に温かいって感じたいのだけれど、どうすれば良いのだろうか。その次に、雨は鬱陶しいと思うかどうか。
そしてその次に、にーに、ってどういう意味なのだろうか。ニア? え? にーに、じゃなかった? あれ?

洞窟の中、焚き火の明かりが二人分の影を動かし、言葉は弾む。
853 :ヴァポーレ・ピンナ[sage]:2015/03/18(水) 23:51:58.43 ID:PvaQYbl0o

魔導列車、と言うものがこの世界には存在している。
電気と魔翌力と、そしてあまり人肌によろしくない物質で動いている、人間や貨物を運ぶ列車。
行き先は知らない。いつものように適当にぶらついていたら、いつの間にかこの列車に乗り込んでいた。
魔導列車そのものは、メモリーに記録がある。どうやら、以前にも見たことがあるらしい。
でもいつ乗ったのか、というのはメモリーから引き出すことはできない。知っている、ただそれだけ。

薄青の古ぼけた敷物が張られた背の低い椅子がコンパートメント方式に列び、
立てば車内のほとんどを見回すことができるが、席は黒い人型の影で埋め尽くされている。
窓の外は夕暮れで、見たこともない田園風景。立っていれば転けそうなぐらい揺れているから、その場に座った。
身体の重さで、わずかに敷物が沈む。かなり古ぼけているのに、意外と柔らかい。

「……眠くなる」

ゆっくりと流れる田園を、ざくろ石をはめ込んだような目で追う。
敷物から伝わる一定のリズムと流れる風景が眠気を誘う。機械の身体は、眠る必要がないはずなのに。

「こうしちゃいられない、かな」

眠くなり始めた眼をこすり、左右に首を振って、その場で立ち上がる。
なんて時に、列車が止まった。しばらくして、蒸気が抜ける音がして黄土色の扉が開く。誰か入ってくるだろうか。
車内は、私の席を除いて会話もできなさそうな黒い人影で埋め尽くされているけれど。
854 :澪【獣化】2015/03/19(木) 00:00:57.42 ID:y6dZpwG30
>>853
どすん、どこかから聞こえるのは重いなにかが落ちる音。
その源を探ろうとすれば、答えは簡単に辿り着くだろう。
黒い乗客達の真上、列車の屋根から響いたものだ。
さらに耳を澄ませれば、微かにうめき声のようなものまで風に乗って聞こえてくるはず。

「……いったぁ……」

どうにかして屋根の上を見に行けば、被ったフードごと頭を抑えて蹲る少女が一人。
自身がどこにいるのかはっきりと把握していないのか、顔を顰めながらも周囲をきょろきょろ。
なんだか視界が高いなと、駅を見下ろして首を傾げた。
855 :ヴァポーレ・ピンナ[sage]:2015/03/19(木) 00:16:49.75 ID:9tUmgGxXo
>>854

ドスン、との音に全ての人影の首が一斉に上を向く。少し遅れて、自分も上を見る。
まさかと思った。まさか、列車の屋根に誰かがいる?
聞こえてくるうめき声も、どうやら上から聞こえてきている。ここまでくると、間違いはない。
次に列車が出発するまでは、まだまだ時間がある。自分も屋上に登ることは、できそう。

ゆっくりとした歩みで列車の外に。構内も、やはり黒い人影が向かいの列車を待っていた。
そんなのに相手をしていられない。おそらくは、時間の無駄なのだから。
構内から列車の屋根への高さは、おおよそ二メートルほど。
この位ならば、なんとか登ることはできる。駅員さんに怒られるかも知れないけれど。

「よい……、しょっ!!」

掛け声と同時に、自分の身体を屋根の上へと引っ張り上げる。
腕を曲げて、足を上げて、なんとかしてよじ登る。屋根の上は思った以上に平面で、ほとんど物は置かれていない。
普通の電車と違って内部でエネルギーを作り出しているから、送電線などは存在しない。
だからこそ、危険はない。

「……で、おまえ、なにしてる? こんな列車の屋根の上で」

よじ登り、立ち上がって、ジトッと相手を見る。
まさか屋根の上にいるだなんて。とんだ物好きか、それとも出現場所がたまたまここだったか。
856 :澪【獣化】2015/03/19(木) 00:27:47.38 ID:y6dZpwG30
>>855
まず屋根にかかるのは人の手。その程度ではまだ気がつかない。
次いでひょっこりと覗く頭。それでもまだ気がつかない。
ずるずるとよじ登る段階に至り、ようやくその存在に気がついたらしい。
呆然と、しかし敵意がないと感じたのかやがて興味深そうに金の瞳で機械仕掛けの相手を見た。

「……ああ…ここ、列車か……」

言われてから初めて知ったようで、なるほどと頷いて納得する素振り。
そもそも列車の屋根の上に乗る機会などそうないのだ、すぐには分からないのも無理はない。
しかしなにをしているのかと問われれば、困ったように視線を泳がせて構内を見た。

「……なにって言われても……」
「……ついさっき、ここに飛ばされた……」

普通ならば訳の分からない説明であるが、同類ならばピンとくる言葉。
それに澪自身はおそらく気がついていないのだろう、意図せずして発してしまったのだ。
小さく苦笑い、座り込んだまま目を細めて柘榴の瞳を見つめた。
857 :ヴァポーレ・ピンナ[sage]:2015/03/19(木) 00:34:55.52 ID:9tUmgGxXo
>>856

あー、やっぱり飛ばされた先がこの上なのか。ある意味では、幸運だったのかも知れない。
電車が入っている状況で、そしてしばらくは停車しているのだから。
もしも電車が入ってくる直前に飛ばされたのならば……あまり、想像はしたくない。

ともかく、腰に両手を当てて、はぁー、と長く息を吐く。
怒られるか、発車時間になる前に降りないと。人影の駅員さんに怒られてしまう。

「ともかく、降りて。話は後」

自分の後ろ、構内の方を指さして。

「早く降りないと、列車が発車しちゃって危ない。死にたいのならば構わないけれど―――……」

と、屋上から下を見て、苦く笑ってしまう。
なんか、黒い人影がヤケに密集してこちらを見上げていた。とてもじゃないけれど、降りる場所なんか見当たらない。

「……」

少しの無言の後で。

「……お先、どうぞ?」

れでぃーふぁーすと、ってヤツ。
いやなんか、降りた瞬間取り殺されそうでなんかヤダ。
858 :澪【獣化】2015/03/19(木) 00:46:14.28 ID:y6dZpwG30
>>857
自身の運のよさには気がついていないのか、打ちつけたらしい頭をまた摩って立ち上がる。
長いため息に呆れられただろうかと肩を落として目を伏せた。
言葉は少ないくせに、そういったところでは分かり易すぎるのだ。

「……えっと…そうだね……」
「……さすがに、それは困、る……」

言葉に従って下を見下ろし、その光景に思わず顔も引き攣った。
着地場所もないとかそういう問題ではなく、降りるのは到底躊躇われるような状態。
まさかの事態に言葉も出ず、束の間の静寂が二人の間に舞い降りる。

「……いやいや…貴女からどうぞ……」
「……っていうか…降りないと駄目……?」

譲歩には断固拒否である。ぶんぶんと首を横に振って一歩下がる。
なんというかとても健全には見えない人影に突っ込むほど、命知らずでも鈍感でもないのだ。
終いにはここに居座る事すら選択肢に入れ始めるのだった。
859 :ヴァポーレ・ピンナ[sage]:2015/03/19(木) 00:53:56.12 ID:9tUmgGxXo
>>858

「ちなみに、次の発車時刻まで残り三分」

ちょうど、カップラーメン一回分。
それまでに決心してあの中にダイブするか、諦めて屋根上の旅をするか選ばないと。
もっとも、屋根上の旅は危険しかないのだけれど。落ちたら、たぶん即死。

もういちど、人影で覆い尽くされた下を見る。
なんというか、やっぱり降りる気にはなれない。降りないとダメなのだけれど。

「だいじょうぶだいじょうぶ」

腰に手を当てて、胸を張り。

「アイツら、人に危害を加えることはできない……と、思う、から?」

さっきまで一緒に電車旅をしていたのだから、大丈夫大丈夫。たぶん。
というわけで。

「……赤信号、みんなで渡れば何とやら」

真横に列んで下を見ていた少女へと、サッと手を伸ばして、ギュッと手を掴んで、グイッと引っ張り一緒に飛び降りる。
人影はと言うと、飛び降りるのが早いか消えるのが早いか、着地する時には既に姿は消え去っていた。
860 :澪【獣化】2015/03/19(木) 01:03:40.78 ID:y6dZpwG30
>>859
「……動いても平気……」
「……多分……」

最後の一言が不安げに揺れたのは断じて気のせいではない。
まだ最高速度の知れない列車の屋根にへばりついて、無事である保障などどこにもないのだ。

「……本当に……?」
「…ちょっと待って…なんで自信なさそうなの…」

自信ありげな態度に反した疑問形にますます不安が募るが、いつまでも我儘を言ってはいられない。
仕方ないなと小さく嘆息、たくさんの人影の目線は空恐ろしいが明確な死の恐怖が上回った。
大きく深呼吸、覚悟を決めていざ行かんとしたところで不意に掴まれる手。

「…まっ……まだ心の準備がっ……」

止める間も踏ん張る暇もなく、ふわりと屋根から二人身を踊らせた。
思わず目を瞑って両の足でしっかりと着地。素足の裏に伝わるのはごく普通の地面。
おそるおそる目を開いて見回せば、嘘のように人影は消え去っていた。

「……あれ……?さっきのは……?」
861 :ヴァポーレ・ピンナ[sage]:2015/03/19(木) 01:11:48.33 ID:9tUmgGxXo
>>860

「……」

地面に降りたって数秒、放心してしまう。たぶん、心臓があれば無茶苦茶激しく鼓動しているはず。
そのぐらい、緊張した。もし本当に取り殺されたらどうしようか、と。
だからこそ、こうして四散してくれてホントに助かった。マジで助かった。

背を伸ばして、周りを見る。
夕暮れに染まる構内、電車を待つ黒い影。さっきのような惨状とは打って変わって、平和なモノ。

「た、助かった」

両腕でグッとガッツポーズ。

「……」

チラッと一緒に飛び降りた少女の方を見て。

「ほら、言ったとおり。アイツらなんか、どうせ何もできない」

ホントに死ぬかと思ったけど、と小さな声で聞こえたのはおそらくは空耳。きっと空耳。
それはともかく。

「これ、乗る? 中も、あの黒い影で一杯だけど」

列車の中を指さす。
一つの席を除いて、全ての席は礼の黒い影で埋め尽くされている。そもそも、どこに向かうのかさえわからない。
862 :澪【獣化】2015/03/19(木) 01:21:00.42 ID:y6dZpwG30
>>861
「……ちょっと、大丈夫……?」
「……やっぱり、自信なかったんじゃ……」

手を解いて呆然とした様子の相手の顔を覗き込む。金の瞳が夕陽を反射していやに煌めいた。
空耳はばっちりと聞いていたようで、拗ねたように目を細める。
安全の確信がなかった事が不満だったのかむうと唇を尖らせたがそれも束の間。
何はともあれ、こうして何事も立っていられるのだから。

「……お金ないし……」

問いには否定。懐事情というなんともリアルな理由によるものだが。
しかし例え賃金があったとしても、澪は列車に乗る事を拒否するだろう。
得体の知れないモノ達と、行方の知れない旅に出たいとは到底思わないのだ。
863 :ヴァポーレ・ピンナ[sage]:2015/03/19(木) 01:35:36.95 ID:9tUmgGxXo
>>862

「お金なんか大丈夫」

いつものように胸を張り。

「もしもの時にはダッシュで逃げたら良いから」

足の速さには自信があるし、なんて言って笑う。相手はどうするんだって、知ったこっちゃない。
でも、自分もあまり乗る気はしない。
理由はいくつかあるけれど、この列車の構造を知っていたら乗る気はなくすと思う。
あまり、人の身にはよろしくないモノが使われているのだから。

「乗らないなら、できれば離れた方が良い」

さっきのように手を掴んで、列車から離すように引っ張り。

「じゃあそこに座って、質問に答えて。列車に乗るならあの席で尋ねようとしたけれど、ここで良い」

構内の中央付近にある、あまり人影の姿が見えない鉄製のベンチを指さして、掴んでいた手を離す。
さて、何から質問しようか。自分は突っ立ち、両腕を組んで。

「……どうして、靴を履かない?」

少し考えてから、ひとまずの質問は足元から。靴を履かないことが、けっこー気になってた。
864 :澪【獣化】2015/03/19(木) 01:47:56.33 ID:y6dZpwG30
>>863
「……まあ…そうだけど……」

否定はしない。咎めもしない。
この時点で察する事はおそらく難しくない。悲しいかな、前科持ちである。
言ってしまえばお金は明確な理由に過ぎないのだ。言葉に表し難い忌避感を代替するための。
構造を知る事こそなかったが、黒い人影もその大きな原因となっていた。

「……ぇ…あ、うん……」
「……全部は、答えられないかもしれないけど……」

再び取られた手を引かれるままについていき、指差されたベンチを見れば小さく頷く。
腰をかけながら質問、と言われてほんの少しだけ強張らせた。
答えられないわけではない。ただ少々時間と信頼を要する場合があるだけだ。
斜陽を受ける灼眼を見上げ、ぶつけられた問いには間髪入れず答えた。

「……こっちの方が、落ち着く……」
865 :ヴァポーレ・ピンナ[sage]:2015/03/19(木) 01:55:04.69 ID:9tUmgGxXo
>>864

「でも、それじゃあ足、痛い」

小石を踏んだだけでかなり痛いと思うんだけれど、大丈夫なのだろうか。
まぁ、いいや。

「それじゃあ次だけれど」

あくまでも、目的は知ることではなくて質問をすること。靴を履いていないとか、足が痛そうだとか、どうでも良い。
ぶっちゃけて言えば、興味がないと言えるかも知れない。
でも、質問はする。質問をすることが、自分の生き様なのだから。

「そう言えば名前、聞いていない」

確か、名前を聞くときは自分が名乗らないとダメだったけ、と思いだして。

「ヴァポーレ・ピンナ、コレが貰った名前。ほら、次はオマエの番」

ズイッと指さす。
まだまだ聞きたいことは、質問したいことはたくさんある。どうしてフードを被っているのだとか、
どうしてこの世界に飛ばされたのだとか。
866 :澪【獣化】2015/03/19(木) 02:04:31.27 ID:y6dZpwG30
>>865
「……もう慣れたし……」
「……靴を履いているよりマシ……」

そこには譲れないものがあるらしい、ふんすと偉そうに胸を張る。
実際多少汚れてはいても血塗れになっていないのはまあそういう事である。

「……ああ、そういえば……」
「……澪…改めて、よろしく……」

相手に名乗られれば、初めてまだ互いの名も知らない事に気づいたのだろう。
マナーには疎いのか、指を差されても気を悪くしたようには見えない。
忘れてしまわないように相手の名を反芻、斜陽に染まる顔はなぜだか脳に簡単に焼きついた。
他には、と首を傾げる。これから襲う質問攻めに、相手を促した事を激しく後悔するのだろうが。

//すみません、そろそろ眠気があれなのでこれで〆で…
//ありがとうございました、お疲れ様でしたっ
867 :おんも[sage]:2015/03/19(木) 22:44:28.47 ID:5rjM93QM0
極めて現実に近しく、だがそれでも確実に異なる何処かの世界
カノッサで生み出されたクローントルーパー、その内のたかだか『独り』
彼女の、曰くロクでもない人生に於ける多分最終局面は、多くの他人が日常を送る中でひっそりと向かれられようとしていた
劇的でもなければ激しくも、それでいて静かな……そう、凪
凪の水面の奥底、生存の為の抗いが始まる

【パターンA】
「……今ので最後、ってかっ?」

荒い呼吸、吐息
同型、否アッパーバージョンたる半機型アラズァヘッドの亡骸が転がるリノリウムの廊下
無機質に純白に輝く長い通路はカノッサの小さな拠点だ
戦略的価値もないそこではあるが、アラズに取っては違う
この先に怨敵が居るのだ、追い詰めたのだ
打ち倒したアラズァヘッドの亡骸から科学ブレード状の武器を拾い上げて突き進む

【パターンB】
「……あ、もう来ますかね……?」

きぃ、と椅子から立ち上がる
先程まで視界に収めていたモニタには侵入者にして暗殺者、或いはそれ達の姿が映し出されておりそれは間違いなく近い
首を回せばこきこきと鳴る、終わったらマッサージに行きたいななんて思う

「ま、そのためにも生き残らないとですね今回も」
「……ま、頑張りましょっ」

んー、と伸びをひとつ
しかし毎回こんな時に考えるのは、もっと合理的に物事を判断出来るようになりたいなぁとの自嘲である
そりゃあそうだろう、なんで一々自分を殺しに来た相手とわざわざ決闘めいた戦闘をしないといけない
宿命だ、といつか誰かに言われた
そしてそれは間違っていないし、自分自身不思議と納得してしまっているのも事実
矜持がいる、合理性だけでひとは生きていけない
今は亡きカノッサ特務部隊の生き残りとして、胸を張ってギャラエは歩き始めた
868 :真雲【妖 ◆D0p.kfqGU7pa[sage]:2015/03/19(木) 23:11:01.60 ID:JZNHw0BXo
>>867
「あ、りょーかい。行ってきまーす」

時を同じくしてカノッサ研究施設、その最奥で支配者たるギャラエと共に君臨する存在がもう一つ。
この部屋に存在するただ二つの生命体であるそのうちの片割れ。有事の際の雇われボディガードだ。
まさか本当に自分以外のセキュリティが全滅するとは思ってもみなかったが。
何時もと変わらぬ軽いノリで二つ返事をすれば先んじて踊りながらドアを開け、その目の前にはアッシュグレイの少女。

「呼ッばれって飛ッび出って………ジャジャジャ、ジャーーン……♪…ッと」
「あらァ………本当に目の前じゃん…良かったね叢、探す手間が省けたよ?」

しかし動揺の色などは一切見せず、それよりもむしろ表情に喜びの色を浮かべて『誰か』へと語り掛ける。
おどけた態度の雇われであるが、しかし無能という訳でもない。少女がにじり寄ればすぐさま纏う雰囲気を変え

「ハハッ、やァ!僕○ッキー…んでお前は何者?モノホンの○ッキー?」
「ま、どっちでもいいや…雇い主の敵は全員…ブッた斬る契約なんでね…死んでもらうよ」

ざりり、鈍らな鞘走りの音を響かせ漆黒の、否、暗黒の刀身を漆塗りの鞘から引き抜いた。
それを真っ直ぐに少女へと向ければ不敵な笑み。「かかってこい」との言外の誘いである。
869 :アラズ【ディープメイカー】E.赤いマフラー.ブルームーン[sage saga]:2015/03/19(木) 23:17:32.17 ID:5rjM93QM0
>>868
『ふふっ、頼りにしてますよ』

くすりと笑みを浮かべるギャラエ
髪を掻き上げ隣を進む
相棒たるオンモも既にここへと向かって来ているのだ、敗北要素は一切にない

「……よぉ、会いたかったぜ○○○野郎……」

邂逅
感動の再会だ、と片頬を釣り上げるアラズ
右手に持った蒼い刀身のブレードを強く握り締める

「……ちっ、雇われかっ!!」
「邪魔すんじゃねぇっ!!」

怨敵の隣にて漆黒を携える相手を見据えればディープメイカー8本を発生
空間を喰らい尽くさんばかりの勢いにて打突を繰り出した
870 :真雲[sage saga]:2015/03/19(木) 23:33:37.07 ID:JZNHw0BXo
「しゃァらくせェッッッ!!!」

迫るにディープメイカーと刀剣の一斉攻撃に対し真雲の取った手段は妖刀真雲による妖力を込めた薙ぎ払い。
押しつぶされた空気が衝撃波となってディープメイカーを叩き、妖刀の追撃が粘液を散らしてぶつかり合う。
鈍らを極めた暗黒にはそれを断ち切るほどの鋭さはなけれど、半人半妖故にそれと力比べに持ち込めるほどの筋力は持ち合わせている。
そのまま腕力に任せて妖刀を押し込んで残ったディープメイカーを弾き、大きく後ろに飛び退いて一先ず距離を取る真雲。

「そんなんじゃダメだろ…?僕につまんない小細工が効くと思うなよチビッ子ォ…?」
「…弐撃」

自分を殺りたかったら”すべて”を使え。と、くいくいと手をこまねいて挑発。弓を引くようにして暗黒を構えれば次は真雲が攻撃に出た。
弐撃と呟くと同時、腰から抜き放ったのは二本目の得物、黒鞘『撃鉄(うちがね)』。まさに鈍器を二つ交差させるようにして構え、
じりじりと間合いを詰めれば一瞬の隙を伺って跳躍、空中での回転切りを放った。
一本目の真雲がまず防御を砕き、二本目の撃鉄が相手の頭蓋を叩き砕くといった算段だ。
871 :アラズ【ディープメイカー】E.赤いマフラー.ブルームーン[sage saga]:2015/03/19(木) 23:44:05.84 ID:5rjM93QM0
>>870
「っっ!」
「……っっちのっ、セリフだぁァっっ!!!」

飛沫を散らしながらに打ち払われる触腕
再生不能な状態になったモノをパージし、そうでないモノは再生させて8本をキープ
全霊のシャウトと共に、迫る黒嵐を薙ぎ払わんと振るう
再度、弾け飛ぶ音が響いた

「く、そッ……」
「……ぅっ!?」

初撃にディープメイカーを払われ、そして次なる打撃に蒼白い刃を割り込ませて鍔迫り合う
だが剣技には明るくなく、何よりこの蒼いブレードも先程手に入れたばかりだ
技術も習熟度も高くはなく、衝撃を殺し切る事すら出来ずに顔を顰める

『……なぁいす』

バチィ!
ギャラエの構えるエネルギーハンドガンの閃光がアラズに走る
ディープメイカーで防ぐが、集中力を欠いた
グラリと揺れる体、押し込まれる
真雲、追撃の好機
872 :真雲[sage saga]:2015/03/19(木) 23:56:57.08 ID:JZNHw0BXo
「つまんなくない小細工なら…効くかもしれないけど……にェッ!!」

壱撃。打ち払われる触腕。弐撃。打ち払われ、今度は千切れ飛ぶ触腕。少女の無防備な体を守るものはもう何もない。まるで丸裸だ。
触腕を突き破ったままに少女の頭蓋を打ち砕かんと振るうも撃鉄はブレードに遮られた。
遅れ鍔迫り合いに参加する第二の刃。二対一の鍔迫り合いが始まる。

「ほらほらほらほらどしたッ!んなもんでオワリじゃないっしょッ!?」

ガギギィ!!鈍い金属音が耳を劈く。お互いに火花を散らしながら鍔迫り合い、そして打ち勝ったのは真雲。
ギャラエのハンドガンが与えた隙を決して見逃しはしない。ブレードを押し弾きそして一瞬引けば身を翻しダッシュ。

「チッ…勝負に水差されんのは好みじゃないケド…貰ったッ…!!死、ねェェッ!!!!」

少女のか細い喉元に漆黒を突き立てへし折らんと刺突を繰り出し、その切っ先が少女の首筋に到達するその手前
すべての時間がゆっくりと、かつスローモーに流れる一瞬、真雲の右肩を一筋の光と爆音が駆け抜け吹き飛ばした。
873 :アラズ【ディープメイカー】E.赤いマフラー[sage saga]:2015/03/20(金) 00:05:27.99 ID:/ElhY4HU0
>>872
「……くそ、くそッっ!!」
「っ……!?」

弾かれ宙を舞い、手から離れるブレード
下がる真雲に向けて追撃のディープメイカーを繰り出そうにもそれを阻むギャラエの射撃
不利は明らかだ、この状況で数での優位を覆せる術をアラズは持ち合わせていないのだから
時が急に、その迅速さを失った様に感じる
これはアラズの脳が100%の死を覚悟しだが抗う為に与えた短い猶予
空間という現実に散らばる無数の行動のピース、その中からアラズは選び取らねばならない
100%を99%にする為の、たった一つの正解の破片を

「……!!」

それはただ、諦観にも似た所作であった
それでもアラズがそれを選び取ったのは何故だろう、少なくとも今は分からないしどうでもいい
肝心なのは、

「……っ、おォォッ!!」

生きている体で、動くディープメイカーで
目の前の少女(真雲)に向けて打突を繰り出す事のみだ
874 :真雲&ジョシュア・アーリントン[sage saga]:2015/03/20(金) 00:18:59.93 ID:k4R/mJ6Vo
「の゛……ッ……!!?…」
『ったく…揃いも揃ってクソ野郎しか居ねーぜここはよ…』

右肩から先、そして胴体の一部。右肺半分まで吹き飛ばされてドアに叩きつけられ絶句する真雲とそれを睨み付ける青年。
ギャラエ、真雲。そしてアラズ。この場に居合わせる『クソ野郎』を端から順番に見つめ、そして全身から揺らめく陽炎で怒りを訴える。
ジョシュア・アーリントン。奇しくも同じ宿敵を持つ二人同士はこうして決戦の場にて必然的に再開を果たしたのである。

『おいアラズ!!お前もだぞ…テメー死に掛けの俺をほっぽり出してどこほっつき歩いてんのかと思ったら…』
『あのなぁ…!俺はお前が死ぬのを手伝う為に見送った訳じゃねーんだぞ…!』

それはアラズへとて例外ではない。ジョシュアの表情は強い、強い怒りの眼差しをアラズへもまた向けていたのだ。

「お゛っ…お前ぇえぇえッ゛!!邪魔してんじゃ…ッ…!?」

しかしそれを遮るようにしゃがれた声で激昂の雄叫びを上げる真雲。
撃鉄を振りかざしてジョシュアへと迫るそれは身じろぎひとつしないでいるジョシュアに到達することすら叶わなかった。
空中で叩き落としたのはアラズのディープメイカーだ。押しつぶされ、床に叩きつけられるようにして墜ちた真雲は真っ赤な血だまりを広がらせながらピクピクと痙攣する。

『ナイスワーク……………よぉ、ギャラエ』
875 :アラズ【ディープメイカー】E.赤いマフラー[sage saga]:2015/03/20(金) 00:31:58.46 ID:/ElhY4HU0
>>874
「……、」
「……けっ、誰が死ぬかってんだよ誰がっ」

努めて沈着に装ったその声の上ずりを、自身で感じ取ってしまった
戦闘の高揚の仕業だろう、無理矢理そう結論付ける

『……ありゃ、これって不味い感じですね……』
『オンセさーん、まだですか?』
『……あっ、はい、何とか頑張ります……』

つい一瞬前の優位性の石橋は脆くも崩れ去り、今や断崖絶壁の孤島に立つギャラエ
此方へと向かっているはずのオンモに対して通信、だがいい色ではなかったらしい

『こんにちは、ジョシュアさん』
『それと改めて、アラズァヘッドの……何号機でしたっけ? まぁいいや』

明緑色の瞳で2人を睥睨するギャラエ
手には長年の連れ立ちのハンドガンとナイフ
あとこの場に於いて頼れるのは己の能力『くるりリデレクト』のみ

『……私を殺しに来たんですよね?』
『全力でそれを阻止します、精々頑張って目標を達成なさって下さい』

張り付く不敵な嗤み、まるで仮面
何処か客観めいた、現実味を感じていないような気配
だがアラズにはそんな事はどうでもいい
歪められた存在としてこの世に産み落とされたその時から

「……っっ!!!」

彼女を憎み、怨み、殺す為にもがいて来たのだから
タイドメイカー8本にて集中打突
うねる濁流が如き勢いのそれが、一斉してギャラエに群がって襲い掛かる
876 :ジョシュア・アーリントン[sage saga]:2015/03/20(金) 00:50:52.07 ID:k4R/mJ6Vo
>>875
「なんならアイツ起こしてもっかい斬りかかって貰うか?あ?」

いつも通りの減らず口を叩くアラズに安堵。どうやら消耗こそしてはいるがそれほど痛手は受けていないらしい。
ふうと一息ついてふたたび視線を上げればその先には白衣の研究者ギャラエ。キッと鋭く睨み付ける。

「エクソダス返せよクソ野郎…んや、”月光”ォ…っつったほーが分かりやすいか…?」

軽く挨拶を交わせば社交辞令はもう終わりだ。
マグナム・リボルバーをギャラエに向けつつ自らの愛刀の行方を尋ねる。どうせ拾ってきているのだろうと。

「…引き返すなら今だぜ…その引き金を引けば…もうお前は後には退けねェ」
「ま、言っても無駄だとは……ってオイアラズ…ッ!!」

忠告に次ぎ廊下に散らばる肉片と、最愛のファミリーの一員であったそれに似た無数の屍に眼を遣り苦い顔。
遅れてやってきたのは正解だった。イミテイションであれニアの形をしたものを傷つけることはジョシュアの存在を自ら否定することそのものであったからだ。
非道な行いを止めさせられれば別に仕留めずともいい。らしくもない甘い考えを頭の片隅に浮かべながら万が一に賭けた勧告を告げるも刹那。
ジョシュアの脇を駆けてゆくディープメイカーに舌打ち、冷汗が額を伝うのを確かに感じた。

「俺のエクソダスッ……!!」

ちっと舌打ちひとつ。ギャラエを押し潰さんと迫るディープメイカーを追うようにして駆ける。
しかしやはりジョシュアの身体ではその速度に追い付き縋ることなど叶わず、自分を引き離してゆくディープメイカーの先頭を眼で追い続けるのみだ。
877 :アラズ【ディープメイカー】E.赤いマフラー[sage saga]:2015/03/20(金) 01:01:12.48 ID:/ElhY4HU0
>>876
「それこそ死ぬようなもんじゃねぇかよ」

へっ、と鼻で一笑して返す
この余裕にも似た安堵は先程独りの時に演じていた見せ掛けではない、張り子の虎ではない

『ナイフです? それともブレード?』
『どっちもお預かりしていますけど……』
『この奥に御座います、絶賛解析中』

ジョシュアの所有物であったエクソダス
そしてタェンティースのブレード『月光』
それらを解析するラボがこの通路の奥にあるのだが、そこへ行くには邪魔者が1人

『……乱暴ですね』

殺到するディープメイカーを前に、ナイフとハンドガンを浮かせるように頭上に投げる
右手を突き出して能力発動、その衝撃全てを吸収し小脇に構えた左手から放射
弾け飛ぶディープメイカー、一撃で全てがだ

「っ、て、めぇっ……!」

アラズ、忌々し気に歯軋り
ギャラエ、事も無さ気にナイフとハンドガンをキャッチ
迫るジョシュアに向けての発砲、だがこれは威嚇目当てである
既に整備不良も限界までやって来ている旧式の愛銃、被弾時も殺傷力より衝撃力を頼ることの方が多いのだ
878 :ジョシュア・アーリントン[sage saga]:2015/03/20(金) 01:21:40.83 ID:k4R/mJ6Vo
>>877

「ブレード…?まさかお前、ニアの分まで…?」
「まーどっちも月光だ、両方纏めて返してもらうぜッ!!」

ブレード、という単語に怪訝そうな顔。ジョシュアの知っている月光は四つ。
”隊長”の持っていた月光、ニアの月光。そしてエクソダスとエグザイルのみだ。前者はもう存在していない。
つまりはニアの短剣型を押収したのかと刹那思考、しかしそれは有り得ないと思考を棄した。
両足にさらなる力を籠めればそれは赤熱し燃え上がる炎のブーツとなり飛翔。一直線にギャラエへと駆けた。

「ッ…んだと……っ!?」

しかしギャラエに到達する前にジョシュアは空中で反動をつけて減速、踵で床を削り砕きながら急制動をかけ衝撃的な光景に息を呑んだ。
ギャラエを一方的に呑み込み押しつぶすであろうと思っていたそれはあっけなく破裂音を残して飛び散り消え失せる。
それもたった一瞬ですべてがだ。なるほどカウンター系能力かと判断したジョシュアはリボルバーをホルスターへと仕舞う。
何も確かめずに高威力の弾丸を放つのは危険すぎる。さすがにこの弾丸のお返しを浴びて生きていられる自身はジョシュアにはない。
まずは”慎重”に攻めるべし。そしてジョシュアにとって”慎重”な手段とは素手でギャラエへと殴りかかることであるらしい。

「がッ…ぁ…っ……らぁぁッ!!」

発砲、威嚇射撃とはいえ出鱈目な照準ではない。
脚に一発、胸に二発。弾丸を受けよろめくジョシュア。胸へのダメージは拾った防弾チョッキがダメージ減少に一役買っている。
しかし脚への被弾による機動力低下は免れず、歯を喰い縛りながらギャラエへと殴りかかった。
879 :ギャラエ【くるりリデレクト】E.Eハンドガン.短剣[sage saga]:2015/03/20(金) 01:30:17.53 ID:/ElhY4HU0
>>878
「さぁ? ご自身でお確かめ下さい」

ギャラエの返答は何とも人を食ったような、だが本音である
彼女は他者との繋がりを持つ事が出来ない、先天的越境者であった
境界線間の安定が崩壊し始めて揺らぎが発生し、越境現象が生まれる更に前
生まれついてから常に、去り行く世界と付き合って来たのだ
故に彼女の精神は常人と微弱に異なる思考回路を持つ事になる
人が誰しも持つ他者との明確な線引き、そのラインの差だ

「……出来るなら……ですけどねっ!?」

再び宙を舞うナイフとハンドガン
拳打を受け止める右の掌
能力に依って護られるそれにダメージはない
お返しとばかりにジョシュアへ翳す左掌から衝撃波
先のジョシュアが放ったパンチの威力をそのままに、ゼロ距離波動撃として見舞おうとしているらしい
880 :ジョシュア・アーリントン[sage saga]:2015/03/20(金) 01:48:19.06 ID:k4R/mJ6Vo
>>879
「ごっふ……ぐっ……!」

思い切り振りかぶって放った渾身の一撃。しかしそれはそのまま衝撃となって自分の胴体へと叩き込まれることとなる。
血と胃液の混ざったピンク色の液体を吐き、しかし懲りずに回し蹴りを放つ。
されどそれも同じ結果となって戻ってくるだろう。何度も繰り返すうちにどんどん深刻なダメージを負ってゆくジョシュアの身体。

「ハァ…ッ……ハァ……!」

疲れ果て、膝をつき、満身創痍でギャラエを見上げるジョシュア。しかしその表情は焦燥の色すら見えず、ただ不敵に笑っているのみ。
ぐらぐらと揺れる上半身を支える膝にぐっと力を込めもう一度立ち上がる。血だらけの顔を拭えば血反吐を吐き捨てた。
そして次にジョシュアはギャラエへと一歩、二歩と近寄り、何をするかと思えば…声をあげて笑ったのだ。

「………ふっ…ははッ…全くわかんねェ…」
「発動条件、キャパシティ、クールタイム、攻撃の種類…到底死角を探せそうにねェな……」

諦観か、それとも発狂でもしたのか。脂汗を浮かべながらじりじりとギャラエとの間合いを詰めるジョシュア。
脚を撃たれた今、止まれば蜂の巣、接近すれば滅多刺し。仮に肉薄し攻撃したとしても確実な反撃を喰らい、武器での攻撃はリスクが大きすぎる。
賭けに出ない限りは実質の詰みである。しかしジョシュアはそれでも銃を抜くことを拒み…満身創痍の身体に鞭打ってギャラエに対し再び無謀とも言える特攻を敢行したのだ。
跳躍し、もし肉薄できたのならばまた大きく振りかぶる。
881 :ギャラエ【くるりリデレクト】E.Eハンドガン.短剣[sage saga]:2015/03/20(金) 02:02:23.22 ID:/ElhY4HU0
>>880
「……無鉄砲ってのも、嫌いじゃないですけど……」
「蛮勇は早死にしますよ、お望みならばそうしますけれど……」

ホルスターに仕舞われた銃と短剣、この流れるような近距離戦闘ではそれ等は邪魔でしかない
ギャラエはただひたすらに防御と反撃を同時にこなし、打撃を否し衝撃を放ち続けていた
だがそれでも、体を打てど刺さらぬは心への一突き
そこに至らぬ限り、幾ら致命的と思える手傷を負わせた所で何度でも立ち上がる人種がいる事を知っていた
彼女はそれらを嫌っていたが、同時にある意味羨望めいた感情を抱いてもいる
多分そういった連中に近付く為に、必要なのだ
こう言った決闘という奴は

『お、おいっ、くそ……!』
『無茶してんじゃ……!』

アラズの悲鳴にも似た叫び
ディープメイカー八葉の連続使用は響いたし、更に先の全滅を持ってその体力は既に尽きている
体を引き摺るようにして2人の死闘の合間に割り込もうとするが、確実に遅い

「……では、これにて……」

またも唸るジョシュアの打撃
右手を突き出し、防御の姿勢
左手を向けるのも決して忘れない
『くるりリデレクト』、スタンバイ
882 :ジョシュア・アーリントン[sage saga]:2015/03/20(金) 02:13:06.30 ID:k4R/mJ6Vo
>>881
「――ああ、さよならだ」

別れを告げる囁き。それがどういった意味を含むかを理解するよりも早く、次の瞬間に勝負の流れは大きく変わることとなる。
ジョシュアは大きく振りかぶった腕をギャラエに振り下ろすことはせず、待ってましたとばかりにギャラエの眼前へと着地。
同時に両腕をギャラエを包み込むように広げつつ地を蹴った、そう。まるで抱擁を交わすかのようにゆっくりと迫る。
くるりリデレクトで反射しダメージを与えるほどの威力を持たず、かつギャラエに致命的なダメージを与えるための手段。
ジョシュアの根本的基礎能力にしてジョシュアがジョシュアたりえる要因でもあるそれは。
883 :ギャラエ【くるりリデレクト】E.Eハンドガン.短剣[sage saga]:2015/03/20(金) 02:18:19.17 ID:/ElhY4HU0
>>882
「……えっ、あれっ、ちょっと……?」

抱擁、だが愛しいモノ同士が交わすような優し気なモノではない
多分内擁しているのは殺意だとか、敵意だとか
極めて害意そのものであるそれを、ギャラエは咄嗟の反応で躱す事が叶わなかった
くるりリデレクトは打撃に対しては極めて優位性を誇る能力である反面、その他に関しては非常に弱いのだ
懐から短剣を取り出そうとするが、だがその仕草はだいぶ遅れていた
884 :ジョシュア・アーリントン[sage saga]:2015/03/20(金) 02:37:18.11 ID:k4R/mJ6Vo
>>883
「ギャラエ、俺について探ってたならお前も知ってる筈だぜ…”こいつ”のこと」
「チェックメイトだ」

遂に死の抱擁は交わされた。ジョシュアはギャラエの腰に手を回し、ナイフを掴もうとするその手をぐっと掴んだ。
と、同時、ギャラエのその手からは黄金の光の粒子が生じ、ジョシュアが触れていた箇所は同じ黄金へと輝き始める。
ジョシュアの手はギャラエの腕から腰へ、両腕でぐっとその身体を抱き寄せれば黄金の光が二人を包んだ。
生命の本流、そして統合。ジョシュアの体表が赤黒く染まる。体内のグリード達が”餌”を待ちきれず体表に浮上し始めているのだ。

ギャラエを抱き寄せるジョシュアの脳内に反芻されるのはニアと、アラズと、そして自分を人間であるといって聞かなかった金糸の髪の女性の姿。
また怒られる。そんな事を思いながら振り返り、アラズへと微笑み、そして二度と振り返ることはなかった。

「アラズ…”あっち向いてろ”」

そして幾多ものいのちを弄んだ大罪人を一斉にして暴食の大罪はじわりじわりと蝕み始める。
抱擁の中駆け巡るのは欲望、殺意、そして微かな復讐の甘美な味わいに対する愉悦。
目の前の怨敵が自分の中に流れ込んで来る度に喜びを感じ、自分が人間で無くなってゆくことをむざむざと見せつけられている気がした。
そして皮肉にも復讐を果たした自分が今こうして使っている技は永遠の仇でありもう一人の怨敵である彼女、黒い太陽が得意とするものであった。
黄金の光が何もかもを分解する中、ただ一人ジョシュアだけがこの世の人間とは思えないような顔つきでギャラエを抱きしめ立ち尽くしているのだ。
その脇腹にいくらナイフを突き立てられようと、銃弾を撃ち込まれようと、ジョシュアはその腕を離しはしないだろう。
885 :ギャラエ【くるりリデレクト】E.Eハンドガン.短剣[sage saga]:2015/03/20(金) 02:51:38.97 ID:/ElhY4HU0
>>884
「あっれぇ……おかしいなぁ」

死の淵に座して尚、ギャラエは彼女の歩んで来た数多の世界や出会った全ての人達の顔を思い起こす事はなかった
あるのは目的を達する事が出来なかった己への後悔と侮蔑、それと予測していなかった終焉に対する疑問

『えっ、お、おいっ、何を……?』
『……!!』

言う通りにする事がなかったのはアラズが素直でなかったのもあるし、その瞬間を見逃す事を神が許さなかった為だ
そしてそれにアラズが嫌悪感を覚える事はなかったし、寧ろその光景は夢見た瞬間であった

「……」

己の体が分解されていく、不可避の暗黒が窯口を開いたのを感じる
同時に『彼』が、オンモ・オンセが襲来した
だが事態を察すれば身を翻し、引く
朧げな視界にその様子を捉えていたギャラエの心中は感謝で満たされていた
私がいなくなるのなら、残された希望は彼にしかない
ギャラエの叶えられなかった希望を、あの野蛮な男に託す他に
きっと他者からすれば滑稽ではあるが、彼女には確信があるのだ

ただ、まぁ

「……死ぬ時は、あなたに喰われるって信じてたのになぁ……」

最早視界はない
言葉になったかも不明だ
思考の中に留まっただったかもしれないその呟きは、
間違いなくオンモへと向けられていた

//こんな感じで〆でしょうか?
//遅くまでありがとうございましたっ
886 :ジョシュア・アーリントン[sage saga]:2015/03/20(金) 03:23:41.88 ID:k4R/mJ6Vo
>>885

「――………」
黄金の光が止む。
そして漂っていた光の粒子がすべて消えてもまだジョシュアは空虚を抱きしめたまま立ち尽くしていた。
数秒、数十秒、ようやく顔を上げその両腕を下ろし、ついに遂げた復讐の味を反芻する。
その味は――これまで感じたどの味よりも苦痛と虚無感に満ち、かつ味気ないものであった。
極上の至福はすでになりを潜め、胸中に残るのは決して拭えぬ後腐れのみだ。

「………さよなら、ギャラエ。そして今日から…死ぬまで一緒だ」
「……この月光は…貰っとくぜ」

呟き、首元の煤けた包帯を掴めば思い切り引き千切る。
焼けた石のように燃え上がっていた傷口はもうすっかり完治してしまっていた。
背後から現れたオンモにも反応することなく、否、反応も出来ずに立ち尽くすジョシュアの脳内には
「お前は人間だ」自分に言い聞かせるように何度もその言葉が繰り返しリピートされていた。

「…アラズ。俺は…何なんだろうな?」

闇夜の月明かりに照らされた帰り道。誰にも返答することのできない問いをアラズへと投げかける。
腰に提げた二つの『月光』のみがまるで答えを知っているかのように、鈍く光っていた。
887 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6[sage]:2015/03/20(金) 22:16:52.79 ID:Pl8A4TGZ0
【とある平和な世界 イベント会場】

「・・・・・・・・・・・・・・・・」
――――ギィ!!

すでに祭りは終わり 辺りは若干の物悲しさと 掃除するスタッフが数名 ゴミを片付けている
そのベンチに腰掛けているのは 越境者のアーティストと ハサミを振り上げている巨大サソリ

その世界で一番のグラフィティ・アーティストを決める大会 そこに参加したアキレスは順調に勝ち進み 決勝戦へと駒を進めた
越境を繰り返し ネタは豊富にあったし 調子も良かった 自分でもビックリするぐらいスプレーが躍った

だが相手は次元が違った 総身を振り絞って書き上げた自分のグラフィティが霞んで見えた まさに完敗だった

「・・・世界は遠いなぁ」
―――ギィ!!

ステージに飾られた自分と 相手のグラフィティを見て 溜息をついた
ベティはそんなアキレスを励ますようにハサミを振り上げている
888 :アラズ【ディープメイカー】E.赤いマフラー.ブルームーン[sage]:2015/03/20(金) 22:26:04.95 ID:JDskRL+G0
>>887
「……よぉ、思った通りショボくれてんな」

くわえ煙草でニヤニヤと、嫌味ったらしい笑みを携えアキレスの元へとやって来るニアとよく似たその別人
赤いマフラーをたなびかせマオカラーのワンピースにジーンズ、腰にはニアの物より大型のブレード『ブルームーン』
あざ笑いにやって来たと思わせんばかりの態度ではあるが、ほらよとスポーツドリンクのペットボトルを投げ渡す所からそうではないらしい
こういう場面でどう言葉を投げ掛ければいいのかが分からない故、いつも通りの調子で接する事にしたらしい
889 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6[sage]:2015/03/20(金) 22:45:01.66 ID:Pl8A4TGZ0
>>888
「あぁ・・・ニア・・・じゃないな アラズか」
―――ギィ!!

ショボくれた顔を向けるアキレスと あいさつをするベティ
その言葉とニヤけ顔に心が重くなるのを感じたが

「おっと あ・・・・りがと・・・う?」
渡されたスポーツドリンクに 冷やかしでないことを知る
ぎこちなくお礼を言い 蓋を開けて中身を飲む ここでやっと自分が乾いていることに気付く

「・・・プハッ ふぅ 一汗かいた後のスポドリは格別だなぁ まぁ・・・」
といってまたステージ上の作品を見て

「これで優勝していればもっとうまかったんだろうけどな」
890 :アラズ【ディープメイカー】E.赤いマフラー.ブルームーン[sage]:2015/03/20(金) 22:49:59.60 ID:JDskRL+G0
>>889
「……んや、別に」

ナナメ上、そして右に視線を向けて直視を避ける
礼を言われるのがむず痒いのだ、それが態度として露骨に現れる

「贅沢言ってんじゃねぇよ、準優勝……だよな?」
「賞品出たんだろ?」

肩書きよりも物質を重視するのは矢張り人間味の希薄さか
それともまぁ即物的な性格なのかもしれないが、どちらにせよその内容に興味がある模様
891 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6[sage]:2015/03/20(金) 23:04:50.38 ID:Pl8A4TGZ0
>>890
「贅沢も言うさ なんたって あれが俺の 今の全力だ それをあっさりと凌駕されちゃな・・・」
それなりに世界を旅して 自分なりに成長を実感していただけに その先が果てしなく遠い道であることを再認識させられたのが堪えたらしい

「え? あ・・・あぁ これ」
封筒を取り出す そこにはこの辺で使える商品券が入っていた 大体三万ほどだろうか

「え なに奢れって?」
なんとなく心中を察し ジト目になって視線を送った
892 :アラズ【ディープメイカー】E.赤いマフラー.ブルームーン[sage]:2015/03/20(金) 23:10:55.05 ID:JDskRL+G0
>>891
「いいじゃねぇか、目標が出来て」

最初の時に似た笑みではあるが、少しの羨望が混ざる
そうなのだ、生きる上での指標となるべき事柄があるのはいい

「おっ」
「へぇ、気前いいなぁ男前っ」
「おいベティ、聞いたか? 今夜はご馳走だぞご馳走」

文字通り現金なモノで、ジト目に対して確定事項前提での肯定
ベティを巻き込んで断り辛い空気を作ろうとしている卑劣っぷりである
893 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6[sage]:2015/03/20(金) 23:23:11.58 ID:Pl8A4TGZ0
>>892
「あぁ・・・そうだな」
ステージ上の作品が移動させられそうになる 決勝戦で作られた作品はこの後しばらくの間 街のアートギャラリーに飾られることになっているのだ
その前にスマホで自分の作品と優勝者の作品を写真にとる とアラズが卑劣な作戦に出た

―――ギィ!?
ごちそう そう ご馳走である きっとあんなものやこんなもの 果てにはそんなものまで出てくるのだろう

―――ギィ!! ギィ!!
キラキラした視線をアキレスに向ける 嗚呼 なんて卑劣な こんなことをされたら断れないじゃないか!!

「・・・ぬぇええい!! わかったよ!! ついてこいおごってやる!!」
半ばヤケクソになりながらアラズを連れて会場を出る

「・・・食べ放題の焼き肉でいいよね?」
ちらっとアラズに視線を送って確認をとる
894 :アラズ【ディープメイカー】E.赤いマフラー.ブルームーン[sage]:2015/03/20(金) 23:29:20.56 ID:JDskRL+G0
>>893
「ん、待てよ?」

何と無く手に取ったパンフレットに目を通す
優勝作品は、ということは


「……あれ、消しちまうんだ?」

勿体無いなぁなんて独り言
アキレスの作品ももちろんだが、他の参加者達のそれもそうだ

「……へへ、そう来なくっちゃな」
「焼肉ぅ……? んー……ま、いいって事にしとくか」

奢って貰う立場だというのに実に尊大だ
仕方ないなぁなんて言いつつも、早速脳内は肉食モードにシフト
アキレスの後を追って歩き始めた
895 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6[sage]:2015/03/20(金) 23:45:26.01 ID:Pl8A4TGZ0
>>894
「仕方ないさ そういうもんだよこんな大会なんて」
少し寂しそうに言う 落書きなんてものは早かれ遅かれ消される運命にあるのだ だからこそのグラフィティともいえる

「えぇい尊大な そんなこと言ってるとおごってやらんぞ?」
―――ギィ!?

「・・・あぁもうわかってるよ」
ジト目を送るも ベティの悲しそうな声には勝てません

―――ギィ★
べティはチョロいもんだぜ!! とアラズにハサミを振り上げた

【場面転換 焼肉屋】
そこそこ繁盛しているらしい焼肉屋に到着しました
取り合えずコースを選び 最初の注文

「とりあえずビール それとタン塩とカルビ ロース・・・と 鶏ももステーキを それと・・・」
そしてアラズは? と視線を送る
896 :アラズ【ディープメイカー】E.赤いマフラー.ブルームーン[sage]:2015/03/20(金) 23:53:28.81 ID:JDskRL+G0
>>895
ふぅん、と少し感傷気味
だがしかし奢らないとの発言に慌てて

「あ、あぁ、悪い悪い……」
「いやぁアキレスはいい男だなー、優しいしな」

こういった所作を案外棒読みではなくナチュラルに演じられる所がニアと異なる点のひとつだ
ベティにナイスとウインク、焼肉屋へと辿り着く

「え、えーと、烏龍茶と……」
「……あと何か、オススメ適当に……」

ここで失策、アラズはこういった店に入るのが始めてである
以下にも不慣れな注文、アキレスと店員にほぼ丸投げである
897 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6[sage]:2015/03/21(土) 00:02:02.75 ID:bBZ42vKe0
>>896
―――ギィ!!
ウィンクを送られたベティは誇らしげにハサミを振り上げ

「ちくせう…」
そんな様子にアキレスは歯噛みするのであった



「ああ・・・じゃあ今のを2人前ね」
丸投げされたアキレスは自分の注文をアラズにも届けるように言う

―――ギィ!!ギィ!!
「まだだって ちょっと待ってろ」
ベティの催促をあしらっていると 肉が届けられました

んで鶏ももをベティにあげると

「んじゃ この俺アキレスのさらなる躍進を願って チアース」
と乾杯しようとする

そしてタン塩を網にのせる ジュウと旨そうな音が鳴った
898 :アラズ【ディープメイカー】E.赤いマフラー.ブルームーン[sage]:2015/03/21(土) 00:05:11.67 ID:+C8zjqHB0
>>897
「ん? あ、あぁ……」

不慣れな手付きでグラスを傾けてかしゃん
ガラスとガラスの触れ合う甲高い音が、周囲の肉焼き音とざわめきの中に響く

「……あ、これを焼くのか」

ベティと、それとアキレスの様子を見て焼肉屋のシステムを知る
どうせなら焼いたのが出ればいいのになぁなんて風情もへったくれもない一言
真似して数枚を網に乗せればじゅうじゅうと脂の爆ぜる音
899 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6[sage]:2015/03/21(土) 00:17:43.45 ID:bBZ42vKe0
>>898
グビッとビールを呷れば 喉を流れゆく心地いい炭酸の刺激 ホップの苦味

「プィ・・・ う〜んやっぱこれだぜぇ」
泡でひげを作り 何とも幸せそうな顔をする

「なんだアラズ 焼き肉初めてか? 俺も流れてから初めてこういう店を知ったけど いいもんだぞ?」
火の通りが早いタン塩をさっそく一口 コリコリとした食感がたまりません

「あと 煙草はやるのに酒はやらんのか?」
確かニアとタェンは2人とも酒をやらないようであるが アラズもそうなのでしょうか?
900 :アラズ【ディープメイカー】E.赤いマフラー.ブルームーン[sage]:2015/03/21(土) 00:20:56.10 ID:+C8zjqHB0
>>899
「う、煩いないいだろ別に始めてだって……」

何処をどう受け取ったのか責められてると思ったのか唇を尖らせて
こういった所々はニア譲りである
真似ていい塩梅のタンを一口、実に美味しい

「酒ね、あんまり好きじゃねぇかなぁ……」
「……飲めるけどな?」

とってつけたような飲めるけどアピール
要するに苦手なのです

901 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6[sage]:2015/03/21(土) 00:34:36.02 ID:bBZ42vKe0
>>900
「ホントかぁ?」
とってつけたアピールにニヤリと笑みを返す 強がりと受け取ったようです

―――ギィ!!
「もうたべきったのかよ・・・」

お変わりをねだるベティにカルビを進呈する

「世界をまたげばそれだけ旨いモンも喰えるし 知らない酒も まだ見ぬインスピレーションも手に入るんだ これからも頑張んないと そしてゆくゆくは世界を股にかけるアーティストになってやるぜ!!」
そういって決意を新たにするアキレス

そしてそれにはまず腹ごしらえだと ぞくぞきゃってくる肉をただひたすらに焼き 胃の中に押し込めるのであった・・・・・


//ではこの辺でノシ お疲れ様でした
902 :アラズ【ディープメイカー】E.赤いマフラー.ブルームーン[sage]:2015/03/21(土) 00:39:24.69 ID:+C8zjqHB0
>>901
「ほ、本当だっての!」

強がりを看破されている事にたじろぎながらも、一度した発言を覆せない
ムキになれば成る程に露呈している虚勢の虚しさ

「……ま、まぁほら、食おうぜ、飲むよりさ」

誤魔化すようにして肉を大量に焼き始めながら苦笑
平和な世界での一コマ、長らく味わっていなかったそれを噛み締めていた

//ありがとうございました、お疲れ様でした
903 :[sage]:2015/03/21(土) 02:37:52.01 ID:zrq7o9EAo

持っているのは愛刀である“ついたち”ではなく、ただの木刀。
少し距離を置いて相対するのも人のようで人ではなく、藁を寄せ集め人を模しただけのただの案山子。
いつものように相手の距離を測り、木刀を腰に添える。息は浅く、か細く、短く。

やっているのは、いつもの居合いの訓練。場所はとある町の広場で、日は高い。
頭の中では動けている。愛刀の“ついたち”とこの木刀の重さの違いも、だいたいは頭に入っている。
どのぐらいの距離で木刀を振れば僕の思い通りになるのか、わかっている。

「……ふっ!」

腹の中に溜めていた息を吐き、案山子へと一気に距離を詰める。
行うのは、いつもの眉。刀を真横に振るだけの、最速の居合い術。もっとも得意で、もっとも数多く振ってきた。
だからこそかも知れない。その直撃を喰らった案山子は、木刀の衝撃により大破する。

「あー……、もう」

その結果に納得できず、苛立ち紛れに木刀を思いっきりなるべく人のいない方へと放り投げた。
思い通りにならない苛立ちだけが募っていく。僕がやりたいのは、こんなことではない。
904 :鈴虫>273 ◆Lad0HbZVndK6[sage]:2015/03/21(土) 02:47:18.59 ID:bBZ42vKe0
ざんばら髪を結いもせず
肩に担いだ仕込み杖
紺の着流し身に纏い
団子を咀嚼する男

なるべく人のいない場所に投げた木刀は 寄りにもよってこの男の直撃コースでした
もっちゃもっちゃと団子を喰いながらも 横目で何かをやっているのをみていた男 投げつけられた木刀にも慌てず 騒がず

「・・・チッ」
舌打ち一つ打って 担いだ仕込み杖をすばやく抜き放ち 木刀を真っ二つに切り払った

「何やってんだ嬢ちゃん 遊びならもっと往来のない場所でやんな」
特に興味も示さず 目の前の人が男とも知らず 一言だけ言って団子を喰う作業に戻った
905 :[sage]:2015/03/21(土) 02:58:40.95 ID:zrq7o9EAo
>>904

「……」

気が立っているときに限って、この仕打ちか。だから女じゃないっての、女じゃ。
確かに背が小さすぎるから女って勘違いされるかも知れないけれど、女じゃないっての。
そもそも、遊びって言われたことさえもムカツク。こっちは真剣な訓練だってのに。

と言うかあの仕込み杖、あの男も剣を使えるのか。
じゃあ、喧嘩を売ってしまおう。この苛立ちも解消したいし、良い訓練にもなる。

「女って言わないで下さい。男です、男」

丁寧ではあるが険悪な口調で言いながら、歩み寄り。

「だいたい、遊びでもないんです。僕は訓練のつもりなんですよ、これでも」

数歩ほど離れ、呼吸を整える。今すぐにでも“ついたち”を抜きたいところだけれど、まだガマンする。
今は立待の構え。喧嘩を売ることは、もう確定している。殺気だけは、常に飛ばす。

「……謝りますよ、木刀を投げつけてしまったことと、次にすることも」

先に僕を女扱いした貴方が悪いんだ。
まぁ、女扱いされるとすぐにキレてしまう僕も悪いかも知れないのだけれど。
906 :鈴虫>273 ◆Lad0HbZVndK6[sage]:2015/03/21(土) 03:12:14.09 ID:bBZ42vKe0
>>905
「そうかい 悪かったな 童」
大して悪びれもせず 目も合わせず言葉を紡ぐ
だが殺気を当てられれば話は別 どっこいせと立ち上がると

「ハッ 案山子ぶっ壊すのが訓練かよ 人間相手にするからこそ 人間の切り方がわかるってもんよ」
ザリッと足は肩幅より広く 体は半身 腰を落とし左手で鯉口を切る

「来るかも知らぬ未来を詫びるか 器用な餓鬼だ」
右手はまだ剣を握らず 宙に浮かせたまま 自然と顔は笑みを作る 殺気を受けて 生き生きと目を輝かせた
この男から発せられるのは 殺気に非ず

それは 狂喜
907 :[sage]:2015/03/21(土) 03:26:18.68 ID:zrq7o9EAo
>>906

あー、もう。ホントに、馬鹿にしてくれる。
相手もやる気、とするならばもう遠慮なんぞする必要もない。先に手を出してしまおう。
どうせこんな世だ。決闘ぐらい、日常茶飯事なのだから。

腰に差している“ついたち”に手を掛け、身体を少しだけ沈め、構える。
木刀では、目測を誤って案山子をぶった切ってしまったけれど、この愛刀ならばそんなことはない。
相手の着衣の表面だけを綺麗に切り裂いて、力の差を思い知らせてやる。

「……じゃあ、いきますよ」

相手にタイミングを教えるのは、それでも先の先をとれる自信があるから。
そのぐらい、眉の発生の早さには自信がある。伊達に僕が行える最速の居合い術ではない。

「ふっ」

さっきのように短く息を吐き、けれどもさっきとは比べものにもならない速度で、彼我の距離を詰める。
行うのは眉。僕の持つ最速の居合い術で、抜かれた“ついたち”で勢いよく切り裂く。
真横に薙がれるその切っ先が狙うのは、相手の帯。この公衆の面前で真っ裸にしてやる。
908 :鈴虫>273 ◆Lad0HbZVndK6[sage]:2015/03/21(土) 03:37:31.08 ID:bBZ42vKe0
>>907
じゃあ いきますよ

仕掛けるタイミングを明言
相手の抜くタイミング
獲物のおおよその長さ

それらを瞬時に読み取り 構築し 答えを導く その一閃は肉を切る一閃に非ず
ならばよける必要もなし 杖を立て 握りは順手 その場を動かず

小僧の一閃から一呼吸おいて放たれる一閃は弧を描く袈裟の一撃
小僧の剣が帯を正確に捉え 着流しの前がはだける

「・・・・・ッ!!」
その一切を無視し 鈴虫の剣が小僧の肩めがけて振り下ろされた
909 :[sage]:2015/03/21(土) 03:54:30.55 ID:zrq7o9EAo
>>908

避けもしない。まるで僕が、帯だけを狙っていたことがわかっているかのように。
確かに、最速の居合い術の眉は相手の帯を切り裂いた。
だけれど、ただそれだけ。相手の着物をはだけさせる為だけに、大きな隙を作ってしまった。

正直に言うと、この男を舐めていた。
せいぜい驚き戸惑うだけかと思っていたのに、最速の眉に合わせて斬りかかって来るだなんて。

技を放った直後だから、避けることはできない。ならば、受け止めるしかない。
最速の眉だから幸いした。すぐに刀を戻し、相手の刀を受け止める。

「っ!」

相手と僕とは、質量があまりにも違う。僕の“ついたち”も薄いため、鍔迫り合いになれば容易く折られてしまう。
受け流す精一杯だった。
それも完全ではない。振り下ろされただけの衝撃が、肩に響く。

慌ててこの男から距離をとろうと、その腹に目がけて蹴りを入れる。
打撃を与える為ではなく、少しでも相手の体勢を崩し、この死地から逃れるため。
910 :鈴虫>273 ◆Lad0HbZVndK6[sage]:2015/03/21(土) 04:06:54.55 ID:bBZ42vKe0
>>909
例えどんなに早かろうと ヨーイドンで仕掛けられれば その瞬間に集中できれば確実に反応できる
ならば対応できる もっとも ドンピシャのタイミングで仕掛けたはずの一撃が 相手に防御を作らせる程に遅れたのは驚嘆に値する

まぁ評価できるだろう とっさに蹴りを入れてこの場を逃れようとする姿勢も悪くない
蹴りを逃れるだけの手札がなく 腹に力を入れて蹴りを受ける 多少の崩れが生じ 一歩後ろに下がる

「小僧 切れる時に切らぬは阿呆のすることだ」
ヒュンと剣を振り 握りは右手一本逆手に持ち替え

左手は鞘を順手にて持つ これぞ富岡流が斬打二刀の構え

「まだやるか?」
以前として着流しの前がはだけており 褌が公衆の面前にさらされる
だがそれに一切動じずに 小僧の返答を待つ
911 :[sage]:2015/03/21(土) 04:21:28.60 ID:zrq7o9EAo
>>910

冷や汗が頬を伝う。心臓も高鳴っている。喧嘩を売る相手を間違えた、のかも知れない。
それぐらい、眉の早さには自信があった。
たとえタイミングを明言したとさえも、反応さえできないはずだってのに。
事実、今までの雑魚相手ならば反応さえできず、無残にも醜態を晒していたってのに。

舐めてかかって、勝てる相手ではない。
呼吸を整え直す。本気でやれば、負けはしない。その自信はある。
ただし、それでも僕自身が無事である保証はない。きっとこのままやり合えば、腕の一本は持って行かれる。

……もしかすると、負ける、かも知れない。

「やめました、やめですやめやめ」

“ついたち”を納める。相手の動きを見る立待の構えではなく、戦意さえも解いてしまう。
そのまま両手を挙げる。もう攻撃しませんよ、との意思表示。

「貴方、強いですね。眉は僕の最速だってのに」

両手を挙げたまま、一歩、歩み寄り。

「お詫びとして団子の一つとその帯の代金、払いますよ。仲良くしませんか?」

この男に、恐れを成した? そうとも言えるかも知れない。
僕だって命は惜しい。義姉さんを見つけるまでは、死ぬ訳にはいかないし。
912 :鈴虫>273 ◆Lad0HbZVndK6[sage]:2015/03/21(土) 04:37:46.37 ID:bBZ42vKe0
>>911
「・・・」
ここで切り合いになれば一興 だが初手が帯狙いとわかった瞬間 この小僧への狂喜はだいぶん薄れていた
さらに小僧が剣を収めたところで 戦意は完全に消失 鞘に刀を収める

「あぁ早かったさ 童があと一歩踏みこんでいりゃな・・・」
素直に小僧の速さを褒める 本当に一歩踏み出していれば よくて相討ち 下手すりゃ一手も出せずばっさりハイさようならであった

「帯はいいや 帰れば替えがいくらでもある」
着流しの前を直し 適当なヒモで腰を結んではだけないようにする 帯は拾う動作もせずその場にポイ捨て

だが仲良くというのは少々面倒である 剣は確かだが相手を舐めてかかるあたり なんとなく興が乗らない
とりあえず適当に名乗って煙に巻こう とりあえず表情には出さず

「鈴虫だ 覚えとけ童」
とだけ言ってくるりと背を向け 広場を後にする

その背にはカノッサ機関の紋章が縫い付けてあった

//そろそろ寝る おやすみなさい
913 :[sage]:2015/03/21(土) 04:57:25.16 ID:zrq7o9EAo
>>912

「鈴虫、ですね」

その名前は覚えた。顔も覚えた。次に会ったら、喧嘩しないようにしないと。
と言うか。

「童というな! コレでも、もう少しでも二十歳なんですから!」

背を向けた鈴虫に向かって、大きな声を出す。
そんな言葉に対して鈴虫は振り向きさえもせず、僕の名前さえも聞かず、姿を消していった。
無性に悔しくなった。興味さえもないのか、この僕には。

「……勝てるかな、アイツに」

もう半歩だけでも踏み込んでいれば、“ついたち”の薄い刃は相手の身体に届いた。
それで勝てたか? 僕は否、と思う。
何かしらの対応をしてくるだろうし、もしかすると武器破壊も狙っていたのかも知れない。
眉だけでは勝てない。でも、僕には他にも技がある。その全てを出し切れば……。

「ま、勝てるか。僕が負けるはず、ないんですから」

次に喧嘩をするときがあれば、ゼッタイに望をぶち当ててやる。
そう考えるとどうしても顔に笑みを浮かべてしまう。次に会うときが、楽しみになってきた。
914 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6[sage]:2015/03/21(土) 21:35:36.91 ID:bBZ42vKe0
【サイバーシティ スプロール】
きっかけは些細なことである

たまたま飲み代が財布の代金を超えたしまった
店側はいつものように バウンサーを使い その客をボッコボコにしてたたき出した

その客がたまたま持っていた銃でバウンサーを殺してしまった
そうしたらその店がたまたまこの世界のメガコーポ(大企業)の系列店であり メガコーポが報復としてその客を白昼堂々サツガイ

んでもって殺された客がたまたま 前述のメガコーポと対立関係にあるメガコーポの重役であった

そんな些細なことが重なった結果・・・

「うっわ・・・」
――――ギィ・・・

久々にこの世界へと渡ってきたアキレスは 街並みを見て絶句した
メガコーポ同士が回りの迷惑を顧みない闘争を始めた結果 身分証を持たぬ最下層の連中も 市民の権利を手に入れたカチグミの連中もまるっと飲み込んだ紛争地帯へと早変わり

恨み辛みが増幅し合い 辺りは地獄の底よりひどい状態になっていた

空を見上げれば 飛行プラットフォームが飛び交い 銃声が鳴り止む瞬間もなく どこかで戦いが繰り広げられていた

そしてアキレスはただ 死体と ひっくり返った車と 廃墟が立ち並ぶ道に 立ち尽くしていた
915 :澪【獣化】2015/03/21(土) 21:43:23.63 ID:wYYpWTSk0
>>914
「……こんな場所、だったっけ……」

その隣、唖然として変わり果てたスプロールの町並みを眺める澪。
一瞬似たような別世界だろうかと勘繰りもしたが、その幻想は呆気なく崩れ去る。
例えどんな世界であろうと、絶えず流転し変化するのは不変の事実なのだ。
遠くで響く銃声に時折身体を震わせ、はっと我に返ったのか辺りを見回す。
争いの気配は遠く近い、来て早々巻き込まれる事だけは避けたかった。

「……とにかく、安全な場所を探さない……?」
「……あれば、だけど……」
916 :四五六 七八【賽印流忍術】[sage saga]:2015/03/21(土) 21:48:52.96 ID:+C8zjqHB0
>>914-915
「あー、もーどーにでもなぁれって感じっ」

刀と装束は己のモノではない血で穢れていた
何人を斬ったかは忘れたし、数えればきっと鬱になるだろうからそれは重畳であった
最も今の所自衛が間に合ってはいたが、元より銃を相手取るのは苦手としている
更にここが、現在定期的な越境が確認されている世界の中でも科学力的に先進であるスプロールな事もそれを助長した
マスケット銃何かとは次元の異なる殺傷力のそれが、軍人どころか民間人の手にも渡っているのだ

「……すっかりお尋ね者かなぁ……困る」
「あ、やっほーそこのお2人さん」

取り出す動作から投擲までが繋がる所作での苦無投げ
七八の額に向けられていた銃口の、その向こうにあった目玉に突き刺さる
それとほぼ同時に越境者めいた出で立ちの2人を見付ければ声を掛けて小走りに近寄って行く
917 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6[sage]:2015/03/21(土) 22:04:35.04 ID:bBZ42vKe0
>>915
「いや この辺は屋台街・・・のはずだけど」

本来ならばここはプラント性の合成食料を使った屋台が立ち並び
若干ケミカルながらも旨そうな匂いと活気に溢れている はずだった

「あ・・・あぁ そうだな とりあえずこの近くに俺のセーフハウスがあったはず」
と 変わり果てた通りを記憶を頼りに歩き出そうとして

>>916
視界の端で何者かが倒れるのが見えた そして見知った顔にも出会う

「あれ? 四五六タン まぁよくこんな大変なところに」
見知った仲間と出会えたとこは心強い 小走りでこちらに来る四五六に挨拶をする

>>全員対象
そして一行が集まると

アキレス「ここから少し行ったところに俺のセーフハウスがあるんだ
     そこが無事な保証はないけど とりあえず行ってみないか?」

と提案する だが運の悪いことに 近場の建物のドアが蹴り破られ そこから出てきたのは
全身を火花が散る強化外骨格に身を包み 手には折れた刀を持った 満身創痍のストリート・サムライ

そのサムライは刀を構え こちらに歩みを進める

アキレス「・・・・これは・・・明らかにこちらを敵とみなしてやがる・・・しかもセーフハウス あのサムライが来る通りの向こうにあります」

つまり そういうことだ
918 :四五六 七八【賽印流忍術】[sage]:2015/03/21(土) 22:12:08.22 ID:+C8zjqHB0
>>917
「さんせー、取り敢えず湯浴みと洗濯したい……」

アキレスの提案に二つ返事、汗と返り血塗れの額を拭う
その袖すら嫌悪感を感じる臭いに満ちていた

「……うわぁ、ありゃ強そうだ……」
「ま、先手必勝ってね」

手首のスナップを効かせて捻る
いつの間にか握られていた苦無、ストリートサムラァイの顔面へと飛翔
牽制ではあるが、それは極めて冷淡な殺意が込められていた
919 :澪【獣化】2015/03/21(土) 22:13:04.76 ID:wYYpWTSk0
>>916
「……あ…七八……」

血の匂いが煙る中、知り合いの顔を見つけられるならばそれは多大な安心を齎す。
このような状況において信頼のおける仲間というのはどんな金品にも代え難い。
いくら我存ぜぬという顔をしようとも、闘争の刃はいつ迫るとも知れないのだから。
近寄る七八に向けるのは屈託のない笑み、しかしやはり鼻をつく色濃い死臭に僅か眉を寄せた。

>>917
「……そうだね…とりあえず、そこに……」

いつかの雨の日、転がり込んだセーフハウスを思い出してほぼ即答。
可能性だとしても、今はそれに縋る以外為せる事はない。
言いかけて途中口を噤む、遮ったのはドアを蹴破る破壊音だ。

「……えー……」

避けられない戦闘に思わず辟易のため息、しかしむしろ今までなにもなかった事が幸運なのだ。
仕方なしに戦闘態勢、だが澪はここで見ず知らずの相手に手加減するほど甘くはない。
例え満身創痍であろうと、立ちはだかるならば敵なのだから。
瞳を赤に染めてサムライへと駆ける、接近が叶えば渾身の右ストレートを放つ。
920 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6[sage]:2015/03/21(土) 22:30:00.96 ID:bBZ42vKe0
>>918-919
アキレス「ライフラインがちゃんと生きていればいいんだけどね…」

先手必勝の言葉と共にクナイを投げる四五六であったが 刀を振るうサムライ
すると金属のクナイがバラバラに切り裂かれて地に落ちた

アキレス「あれは単分子ソードだ 切れ味はあの通りだから注意して!!」
サムライ「イヤーッ!!」

アキレスが四五六に注意を促し サムライが四五六に切りかかる
それに待ったをかけたのは澪であった

急接近した澪が四五六への切りかかりをキャンセルし 右ストレートを放つ
それをサムライは外骨格で受け止めた

ガンと衝撃音が鳴り 装甲がゆがむ だが相手を打ち倒すことはかなわず

サムライ「イヤーッ!!」
そして澪に対し 刀を大上段から振り下ろした
921 :四五六 七八【賽印流忍術】[sage]:2015/03/21(土) 22:35:09.31 ID:+C8zjqHB0
>>919
「やっほ」

軽く右手を上げての短い挨拶
再会をもっと深く喜ぶのもいいのだが、それをするのには少し今は安全ではないだろう
この不穏の道中を共に行けるのならば、互いに守り合える
言外の挨拶めいた行動としてそれで充分だろうと七八は考えていた

>>920
「……生きてなかったらぬか喜びだよね……」

セーフハウスに辿り着いたとして、しかし電気もガスも通っていなければ何も出来ない
ただそうでない事を祈るばかりである

>>919-920
「あっ、私の苦無っ……!」
「……澪サンキュ! ……こんにゃろっ!」

前衛を澪に任せ、援護に回るつもりらしい
半歩身を引いて腕をクロスさせるように振るう
それぞれから3本ずつ、計6本の苦無が飛び出してサムライへと向かう
更にサムライの左右へと向けて投擲、その動きを制限しようと狙う
922 :澪【獣化】2015/03/21(土) 22:41:33.67 ID:wYYpWTSk0
>>920-921
「……つぅ……」

強化外骨格に防がれる拳、響く音は衝突の激しさを物語る。
反動の痛みに僅か顔を顰めるも、手を休める暇などはどこにも落ちてはいやしない。
振り上げられた刀が影を落とす、咄嗟に横に転がって回避。
煌く白刃が腕を裂いたが、一筋の朱い線を描くに留まった。
七八によって迫る苦無をちらりと見やり、その意図を即座に察したらしい。
低い姿勢のまま滑るようにしてサムライの背後に回り込み、飛び上がりざまに後頭部を蹴り上げんと。
923 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2015/03/21(土) 22:50:22.12 ID:BbwfN5WOo
>>920-922

【企業間の紛争区域に指定されたこの区域。惨状は正に悲惨!】

 そして、そういう場所と時であるからこそ稼ぎ時、あるいは名を上げる時と看做す集団もまた存在する。
 ランナーであったり企業戦士であったり、様々であるが、こういう屋台街であるからこそ、
 メガコーポの鼻薬によりモノの役にも立たぬマッポよりよほど頼れるヤツラも存在するのだ!

「ザッケンナコラー!!」
「スッゾコラー!!」

 口泡を飛ばしながら冒涜的なヤクザスラングを放つ連中!
 そう、この屋台街にてミカジメのシノギを持つヤクザクランである!

【違法改造ヤクザガンを手に持ち、ランナーだろうが、企業の雇われ戦士だろうが、
 地元民で無ければモンドムヨーで銃殺!サイボーグの場合は凄惨なる解体にてバラし、部品を回収】

「地元の連中には手を出すなよ!ソンケイに関わる!」

 ヤクザ連中は当然ながら、この場で大立ち回りしている、
 サムライやら、ヨタモノ(アキレス)、バイオ生物(澪)、ニンジャ(七八)にも注意が向けられる。

「「「ドグサレッゾコラー!!」」」

 ALAS!そして横手より、敵も味方もあったものじゃないアンブッシュ!!
 越境者もサムライも纏めて一緒くたに敵と看做して銃を乱射である!!

【横手より現れたヤクザ達が一斉に全員(サムライ含む)に一斉射撃だ!!】
924 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6[sage]:2015/03/21(土) 22:59:01.45 ID:bBZ42vKe0
>>921-923
アキレス「まぁ一時の安らぎを手に入れられれば御の字かな?」

サムライの一撃は澪の腕をとらえた これで刀が万全であったのならば澪の腕は輪切りにされていただろう 刀が半ばで折れていたのが幸いし 澪の腕は残った
そして四五六のクナイが連続して放たれる それを刀で迎撃 さすがに数が多く すべてを切り裂くことができずに 一本のクナイがひじ関節に突き刺さる

そんな状況で澪に対抗することもできず 背後に回った澪の飛び蹴りが後頭部に炸裂

サムライ「グワーッ!!」
コードが何本かちぎれ 火花が散り シャフトが曲がる
目の光が瞬き システムが落ちかける

こんな危機的状況で表れたのはヤクザランの連中
本来ならばとるに足らぬ相手なのに 延髄部に損傷を受けた状態で立ち回ることかなわず
ヤクザガンに撃たれて動きを止めた

アキレス「ウワッと!?」
そしてアキレスは ヤクザガンの一斉射を地べたに這いつくばって回避

サムライ「モハヤコレマデー!!」
そして己の死期を悟ったサムライは 敵の存在を示す電波を全周囲に拡散して爆裂四散

そしてその電波をキャッチしたのは 片腕のないサイバーニンジャ

ニンジャ「スリケン!!」
仲間のサムライをやったこの辺一帯のユニットをすべて敵判定にし ヤクザランに対し スリケンを放った
925 :四五六 七八【賽印流忍術】[sage]:2015/03/21(土) 23:01:46.48 ID:+C8zjqHB0
>>922-924
「新手!? あーもーっ!」

唐突の横槍、しかも多数
澪やアキレスが心配ではあるが、かといって気を配る余裕は無い
横っ飛びから駆けて先程まで対峙していたサムライの影になる位置へ
銃弾からの盾にせんとする
移動の差中に投擲した苦無数本が、銃弾の主の元へと向かって飛翔して行く

「……嘘ぉっ!?」

これで一息、と思った矢先何故か突然のサムライ爆発四散
結局壁がなくなってしまい、身を伏せての回避となった
926 :澪【獣化】2015/03/21(土) 23:06:39.52 ID:wYYpWTSk0
>>923->>925
ここに流れ着いてからずっと、まだ闘争の鋒は自身には向けられないだろうと心のどこかで思っていた。
だからこそ突如現れたサムライには驚いたものの、これを退ければ終わりだと信じ込んでいた。
それ故に、視界に飛び込んでくるまで近づいてくる火種に気がつかなかった。

「……ぅ…わっ……!?」

独特の怒号とともにやってきたヤクザの姿、そして向けられた銃口を横目で見れば思わず背筋も凍りつく。
咄嗟盾として選んだのは先程蹴り上げたサムライ、銃弾から身を守らんと回り込む。
しかしそれが露と消えてしまえば丸裸も同然、結果身を伏せての回避と相成った。
927 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[saga]:2015/03/21(土) 23:09:47.61 ID:BbwfN5WOo
>>924-926

「「アバーッ!!」」

 一斉射撃により不埒なるストリートサムライをアノヨに送ったヤクザ達であったが、
 この攻撃は新手の敵手、すなわちニンジャの介入を招く結果となってしまう。
 もちろん、敵味方識別は味方以外全て敵である!

【ヤクザ達は両目と股間に手裏剣が突き刺さり即死!】

「応援を呼べ!アニキ達に連絡だ!」

 生き残ったヤクザ達は一時的に撤退!間もなくここにも応援が駆けつけるであろう。
 なんという泥沼めいた状況下!

【ヤクザたちは一時撤退。この場には越境者を殺害対象と看做したニンジャが残される!】
928 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6[sage]:2015/03/21(土) 23:16:52.18 ID:bBZ42vKe0
>>925-927
一行が身を伏せたその上を銃弾は通り過ぎていく

そしてニンジャと四五六のクナイがヤクザに突き刺さり ヤクザは全滅 ナムアミダブツ!

そしてニンジャは腰のニンジャ・ソードを抜くと

ニンジャ「ハイクを読め カイシャクしてやる」
つまりは 抹殺宣言

ニンジャ「ワッショイ!!」
刀を振り上げ 一行に切りかかる
929 :四五六 七八【賽印流忍術】[sage]:2015/03/21(土) 23:22:36.50 ID:+C8zjqHB0
>>926-928
「ねぇあなたさっき手裏剣投げてたよね気のせい?」
「……あなたみたいなのがいるからっ!!」

残った害意、ニンジャへ向けてゆらりと微笑み歩み寄る
色々と、数多の世界で勘違いされているのはこれかと納得
即ち忍者とニンジャの差である
大きく飛び退きながら同時に腕を振り抜いた
当然が如く飛び出す苦無5本、更に

「……雨垂!……っと」

逆の手を背に隠し、手首のスナップで上方へ苦無を放り投げる
放物線の軌跡を描くそれは慣性に従い落下、目指す着地点は無論ニンジャの脳天
先に投げた5本をオトリに、更に体で隠した本命は頭上からの1本だ
930 :澪【獣化】2015/03/21(土) 23:28:45.65 ID:wYYpWTSk0
>>927-929
頭上を過ぎ去った死の弾丸が終わりを迎えれば、ふうと一息ついてようやく身を起こす。
それでもまだここが危地である事に変わりはないし、そう簡単に危機から脱する事が出来るわけではない。
サムライ、ヤクザに次いで敵として相対するのは忍者ではなくニンジャ。

「……ああもう…またっ……」

七八の挙動を横目で確認、ならば自身もまた陽動として動くのみ。
振り上げられた白刃を飛び退って回避、そのまま動きを止めるため、武器を持つ手首を掴もうと手を伸ばした。
931 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6[sage]:2015/03/21(土) 23:45:52.53 ID:bBZ42vKe0
>>929-930
アキレス「あの四五六タン びーくーるおーけー?」
過去に嫌なことでもあったのだろう なんか禍々しい雰囲気を醸し出す四五六におっかなびっくりのアキレス君であった

そして四五六のクナイ投擲 それをニンジャ・ソードで切り払い接近するニンジャ
だが澪がそれを阻止すべく動く

ニンジャの一閃を回避し 手首をつかむ ニンジャはそれを振り払おうとするが その一瞬動きを止めたのが命とりであった
四五六の雨垂れを見抜けなかったニンジャの脳天にクナイが突き刺さる そしてニンジャは一言も発さずに目の光を落とし 倒れ伏した

アキレス「おわった・・・かな? 取り合えずヤクザが来る前にここを離れようついてきて」
そういって先陣を切り 走り出すアキレス

目指すセーフハウスは・・・建物が残っていた スマホを取り出し 解除キーを送信 壁の一部が開き 上へと続く階段が見える

アキレス「とりあえず電気は生きてる・・・ライフラインは残ってるかな? とにかく入って」
一行を中に導く 全員が入ったら入り口を閉めるだろう
932 :四五六 七八【賽印流忍術】[sage]:2015/03/21(土) 23:53:14.64 ID:+C8zjqHB0
>>930-931
「あいむおーけぇー……」

ニンジャの亡骸を一瞥
先程爆発四散したサムライの遺した焦げ跡とそれとに心中で軽く一礼
どれだけ荒ぶ事があろうとも、礼節までも失ってはならない

と、アキレスのセーフハウスにたどり着けばお邪魔しますと最後尾
暴虐の外界との隔離に安堵の吐息、壁にもたれて一安心
933 :澪【獣化】2015/03/21(土) 23:58:56.30 ID:wYYpWTSk0
>>931-932
少しでも動きを止められたのならば上々、本命は天より落つる苦無なのだから。
脳天を貫かれ崩れ落ちるニンジャを放り捨て、改めて周囲の気配を探る。
併せて金の瞳できょときょとと見回し、一先ずの脅威は去ったと判断。

「……ん、行こう……」

こうして一悶着あったがどうにか乗り切り、邪魔がないまま辿り着いたアキレスのセーフハウス。
ある意味では初めて安心できる場所に辿り着けた喜びに、息をついて大きく伸びをした。
外界から未だ聞こえる喧騒の音が、今は遠い世界の出来事に思えた。
934 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6[sage]:2015/03/22(日) 00:06:10.29 ID:fRS/+FLb0
>>932-933
階段を上り ドアを開けると センサーにより部屋の照明がつく
棚とかが多少とっ散らかっているが 外界から遮断された空間であることは変わってない様子
そして流しの蛇口をひねると そこからはちゃんと水が出る様子

「よし・・・ライフラインは大丈夫っぽい 食料の量は・・・よし 一週間は籠城できるな」
予断を許さぬ状況は続いているが 一息つけるのはありがたい

「しかしこの闘争いつまで続くんだろ? 最悪セーフハウスをどこかに移さなきゃ・・・あぁ金がかかる」
と天井を仰いだ後

「あ シャワーはあっちね 洗濯機もあるけど 着替えは俺のしかないからあしからず」
と四五六に言った

//ではそろそろノシで
935 :四五六 七八【賽印流忍術】[sage]:2015/03/22(日) 00:08:56.95 ID:OINt+DjC0
>>933-934
「ほっ……よかったぁ」
「あ、私の食料もあるよー」

腰に帯びた道具入れから水筒やらお菓子やらをわんさか取り出して並べる
甘い物ばかりではあるが確かに腹持ちもいいしエネルギー源だ

「……ありがと、お先に行ってきていいかな?」

アキレスと澪に確認、肯定が得れれば早速一番風呂ならぬシャワーへと向かうだろう
着替えはまぁ自分の予備のモノでなんとかなるようだ

//お疲れ様でした、ありがとうございましたっ
936 :澪【獣化】2015/03/22(日) 00:18:21.22 ID:RTKJhFB+0
>>934-935
「……早く終わってくれればいいんだけどね……」

もしくはこの世界からの離脱か、どちらにせよ外の闘争に巻き込まれなければそれでいい。
だからこそとりあえずの安全を手にできれば幸い、ほうと安堵の吐息を漏らす。
とにもかくにもこうして休息の場を得られたのだ、身を休めんと勝手にソファへと飛び込んだ。
七八の確認には片手を上げて是の意を示す。もう片方の手の傷は未だにじくじくと痛みを主張していた。

//ありがとうございました、お疲れ様でしたー
937 :タェンティース・イオナ【対異能戦闘用人型兵器改】【ドレス・イムエト】[sage]:2015/03/22(日) 22:56:00.65 ID:OINt+DjC0
「……ぷはぁっ」

水面に顔を持ち上げ、数分振りのマトモな呼吸
この体は無機を孕むが、それでもやや強引に泳ぐ事も可能だ
室内空調の効いた温水プール
この新しい体躯の防水性能チェック半分遊泳をただ楽しむ半分でやって来た半人
プールサイドに上がれば自分の体が何時もより重く感じるが、直ぐに慣れる
ぶっ通しで泳ぐ事数時間が過ぎた、小休憩をとベンチに腰掛けて一息
938 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6[sage]:2015/03/22(日) 23:09:23.40 ID:fRS/+FLb0
>>937
―――ギィ!!
そんな休憩中のタェンティースの視界の端に何かが浮いている

それは子供用浮き輪に乗っかった巨大サソリである

―――ギィ!!
それゆけ軍艦ベティ号 七つの海を股にかけ 面舵いっぱいようそろう
とハサミを振り上げ意気揚々

「ハイハイ 落ちるなよ?」
そしてそんな浮き輪を引っ張っている保護者のアキレスであった
939 :タェンティース・イオナ【対異能戦闘用人型兵器改】【ドレス・イムエト】[sage]:2015/03/22(日) 23:14:17.62 ID:OINt+DjC0
>>938
「……?」
「……!?」

タオルを肩から下げ、ベンチでリラックスしつつスポーツドリンクを一口
摂取する水に拘らなければならなかった以前の体より今はずっといい
そんな視界の端、子供が泳いでいるのかと思い切や違う
二度見してあやゆくドリンクを噴き出すところであった

「あ、アキレス様、ベティさん……!?」
「……ど、どうも……サソリってプール大丈夫なんですか……?」

そもそも海で遊んでたりした過去があるのだがそこに半人は同席していなかった
砂漠の生き物であろうベティがプールではしゃいでいるのを見て目を丸くして尋ねる
940 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6[sage]:2015/03/22(日) 23:27:35.31 ID:fRS/+FLb0
>>939
―――ギィ!!
ベティは知り合いを見つけ どうだすごいだろーとハサミを振り上げる

「うんにゃ たぶんダメ」
そしてアキレスはちょっと疲れたようにいう

「落ちたらまず溺れるだろうな 確実に浮かないだろうし
 でもやるって聞かなくてなぁ」

―――ギィ!!
ベティは浮き輪が止まっていることが気に喰わないらしく ハサミを振り上げる

「せめてすぐに助けられるように こうしてプールサイドで引っ張っているわけ
 そういえばなんか色々と造形が変わっているように見えるけど 何かあった?」

浮き輪を引っ張りながら質問する
941 :タェンティース・イオナ【対異能戦闘用人型兵器改】【ドレス・イムエト】[sage]:2015/03/22(日) 23:33:19.51 ID:OINt+DjC0
>>940
「あ、あはは……どーも……」

疲労が見えるアキレスの言葉を聞きながら苦笑
こちらにハサミを振り上げるベティに向けてひらひらと手を振って見せる

「なるほど……お疲れ様です……」
「……え? あ、えぇ、少しその……修理? というか改修を……」

レオタード状の水着で目立つ白い肌
以前はイムエトの接合部が露呈していたそれは今はひとのそれと変わりなく
余程注視しない限り無機混じりの半人であるとは気が付けないレベルにまで人間めいた風貌になっている
浮き輪を引っ張るアキレスと会話を続けるため、立ち上がりゆっくりしたペースで歩き着いて行く
942 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6[sage]:2015/03/22(日) 23:43:42.51 ID:fRS/+FLb0
>>941
―――ギィギィ♪

そんな疲労の色が見えるアキレスをよそに ベティはとても楽しそうである

「そうかい そりゃよかった もう水場を探して右往左往しなくて済んだってことか?」
少し前まで 新鮮な水を手に入れることが存在意義のようなところがあったが 今この場で水分補給してないところを見ると 心配事も減ったのだろうと推測

「あt」
―――ギィ!?

ここでベティの悲鳴が聞こえる 見れば足で浮き輪をひっかいたのだろう 穴が開き 見る見るうちに浮き輪が萎み水に沈んでいくベティ

「ベティ!?」
これにはアキレスも大慌てである
943 :タェンティース・イオナ【対異能戦闘用人型兵器改】【ドレス・イムエト】[sage saga]:2015/03/22(日) 23:49:04.36 ID:OINt+DjC0
>>942
「えぇ、イムエト……魔法泥は内蔵式になりましたからね」
「……それに前は、長い事水に浸かると溶けてましたし……」

満足そうにしているベティ
微笑ましいなぁなんて文字通り頬を緩ませながらに肯定
以前の仮初めの、泥製の手脚は戦闘面では極めて優れていたが実生活となれば思う所も多かったらしい

「……あ、危なっ……!?」

と、浮き輪が萎み浸水を始めれば慌てて飛び込み救出せんと
ただやはり重量が重量で、更に飛び込む勢いも強い
結構な波飛沫を帯びながらのそれとなってしまったのは言うまでもない様子
944 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6[sage]:2015/03/22(日) 23:59:33.85 ID:fRS/+FLb0
>>943
「うわっぷ!?」
慌てて救助しようとしたが その前にタェンティースが水に飛び込み その飛沫を思い切りかぶる

だがその行動により 着水したタェンティース その手がベティを掴む・・・前に

―――ギィ!!
ベティの足がタェンティースの体を捉え よじ登ろうとする

【ベティの足:先がとがっており チクチクする(出血するほどではない)】

そして途中でベティを掴み上げない場合 ベティはタェンティースの頭上まで上り詰めるだろう
945 :タェンティース・イオナ【対異能戦闘用人型兵器改】【ドレス・イムエト】[sage]:2015/03/23(月) 00:03:47.99 ID:zlvfLbb+0
>>944
「っ……?」
「……ご、ご無事ですか……」

チクリとした感触は痛みというよりこそばゆさを与えた
人工皮膚越しに知覚したそれはだが不快に思うまでには至らず、頭上のベティに向けて呼び掛けてみる

『はーいそこー、飛び込み禁止ですよー』

ピピーッ! と強いホイッスルの音
ライフセーバーに怒られればハッとしてただ平謝りな半人であった

//すみません日付も変わりましたしこの辺りでっ
//ありがとうございましたっ
946 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6[sage]:2015/03/23(月) 00:07:54.70 ID:ClQqgzQe0
>>945
平謝りのタェンティース その頭上で

―――ギィ!!
脱出完了と 誇らしげにハサミを振り上げるベティ

「調子に乗るんじゃないの」
その頭にゴチンと拳骨を落とすアキレスでしたとさ おしまい
947 :マーヤー・パリア[sage]:2015/03/23(月) 21:39:02.50 ID:Yw+RaXv9o
【工場都市・地下空間】

昼間でも工場から吐かれる煙によって、太陽すら淀んで見える街の地下には
網の目のように、入り組んだ地下空間が広がっている。歴史の本を読み解くと数百年前では
地上ではなく、この地下の空間がかつての居住地区になっていたという。

「案の定というべきか、見つからんな」

もっとも、今日では崩落の危険があるために立ち入り禁止区域に指定されている。
とはいえ、利用する人は利用する。例えば今、紙巻タバコを口に加えた眼鏡の青年だ
腰に下げたカンテラの光を元に、人を求めて先を行く。

本来ならば反政府勢力の同志と密会するために、ここにいるのだが
どういうわけか、相手が見つからない。恐らく相手の同志が迷っていると決め付け
苛立ち紛れに地面に捨てたタバコを靴で踏み消した。

「……さて、帰るとしても……これは弱ったな」
振り向いて、呟く先は闇。地上に帰る道はどれだっただろうか、と首を掻きながらマーヤーは思った。
948 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ[sage saga]:2015/03/23(月) 21:47:06.69 ID:Mx791h880
>>947
「あぁもうっ……ここどこだってんですかぁっ……?」

疲れ切った反応が濃闇の奥から、風鳴りに乗ってやってくる
少しすれば懐中電灯の灯りと、それとぼんやりと青白く光るタコのモノともイカのモノともつかぬ触手一本
これはニアが能力である【マウト・フトゥーロ】を発動させ、首筋から生やした触腕を発光させているのだ

「……あれっ?」
「誰か居ますってんですかっ? おーい、おーいっ」

と、カンテラの灯火を発見すれば声を掛けながら駆け寄る
ニアとしてみれば極めて普通の行動ではあるのだが、見方に寄っては奇妙な野太い触腕がゆらゆらと揺れながら近付くようにも取れなくはない
949 :マーヤー・パリア[sage]:2015/03/23(月) 21:51:59.44 ID:Yw+RaXv9o
>>948

「……む」
950 :マーヤー・パリア[sage]:2015/03/23(月) 22:00:22.22 ID:Yw+RaXv9o
>>949

執拗なまでにタバコを踏みつけてたマーヤーだが、
遠くから何者かの声が聞こえてくると、思わず体を身構えさせ、そちらを睨む。
もしや、秘密警察がこちらにきた可能性もあると考え懐からデリンジャーを掴み、身を屈める。

「……ふむ」

ニアが近づいてくるにつれ、マーヤーも声の持ち主が女であることに気がつくが
警戒はとかずに、カンテラをゆっくりと地面に置いて、その明かりが届かない位置までしゃがんだまま後退する。
と、ニアがだいぶ近づいてきたところで光源が異様なものにマーヤーは気が付き、初めて声を返す。

「あぁ、居るとも。それで、そちらは何者だ!」
そういうのと同時に、マーヤーはニアが居る方向に向かって拳銃を構える。
まさかの時にための行動だが、マーヤーとニアの距離を考えるとたとえ発砲しても
命中することは無いだろう。ただの威嚇行動であった。
951 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ[sage]:2015/03/23(月) 22:10:38.98 ID:Mx791h880
>>949-950
「あっ……」
「し、失礼しましたってんですよっ」

越境慣れして来てはいるつもりだが、それでも隠密性と利便性の天秤のバランスは曖昧だ
異能を隠すべきタイミングでそれを露呈してしまう事が多々ある
慌てて触腕……タイドメイカー・マウト・フトゥーロを首筋に収納
ずるりと冒涜的な水音が響いた

「えぇとぉっ……」
「何者と言われましてもっ……」
「ち、ちょっと道に迷ってしまいましてぇっ……」

早い話迷子である
越境して来た世界でたまたま地下に潜り、そのまま彷徨っていたと言う訳だ
懐中電灯の性質上、こちらの姿は余り良くは見えないだろうがもし視認出来たとしたら
以前に喫茶店で出会った褐色の肌の少女、ニア・シューペリオリティの姿が見えるだろう
952 :マーヤー・パリア[sage]:2015/03/23(月) 22:21:08.30 ID:Yw+RaXv9o
>>951

「……ッ!?!」
水音が地下道に響くのと同時に、マーヤーの背筋が凍る。
目の前で光源だったものが、吸い込まれるように消えたのだ。おぞましき音とともに。
この瞬間に初めて、マーヤーはニアの光源が只ならぬものと認識したのであった。

反射的に引き金を引きそうになるのを、自制し彼女の次の言葉を待つ。
そして、マーヤーは腕を下ろした。秘密警察が亜人や人外を雇う事はまず無い。
目の前の少女は、ヒューマンで無いとマーヤーが認識したため、警戒心を解いた。
言葉も通じるならば、なおさらである。

「迷子か。それは災難だな。私が聞いた話だとよくここで遭難して死んだ人もいるというぞ」

マーヤーは立ち上がり、地面に置いていたカンテラを左手で持ち上げると
ゆっくりとニアの方に向かって歩いて行く。そうして、ニアの顔を見ると細い眉を少し上に動かす。
「君は……たしか、以前会ったことがあるはずだ。違うかね?」
953 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ[sage]:2015/03/23(月) 22:28:16.18 ID:Mx791h880
>>952
「あれっ」
「えぇとっ、マーヤー、でしたっけっ?」

はてと首を傾げるニア
褐色の肌、アッシュグレイのショートヘア
赤い瞳が疑問に細まる
衣服は極めて凡庸的なワイシャツにチノ
以前一度の邂逅ではあったが、越境者というだけで印象には残る
更に、なんというかそのやや神経質そう(失礼)な雰囲気は独特のモノだ

「……遭難は困りますってんですねっ……」
「マーヤーはっ、戻る道を知ってますっ?」

あくまで『迷子』で済ませなければならない
こんなところで干からびて死ぬのは御免だ
それを回避するために、先ずは目の前の人物にこの迷路めいた地下を突破する術があるかを問い掛けてみた
954 :マーヤー・パリア[sage]:2015/03/23(月) 22:37:50.08 ID:Yw+RaXv9o
>>953

「うむ、よく覚えていたな」
少し意外そうにマーヤーは、眼鏡の向うにある目を丸くする。
「それで、君はニアだったな。そうだな?」

間違ってない事を確信しているような口ぶりで訊ねる。
最初こそ思い出せなかったものの、過去を思い出すうちにマーヤーは思い出していたのだ。
その時にあった格好と、今のマーヤーは対して変わっていない。
労働者風の服装に無地のキャスケット、そして変わることも無いロイド眼鏡。
ただ、以前よりも服装に汚れが目立っていた。

「…………」
ニアが、道についてたどり着くとマーヤーは軽く頷きながら
胸ポケットから紙タバコをゆっくりと取り出し口に加える。ついで、マッチも取り出し
火をつけると、それでタバコに日を灯しゆっくりと息を吸い、腔内を煙で満たす。
じれったいまでに、動作は緩慢でニアを見る縦長の瞳はそう急かすな、と訴えるようにも見えた。

「ふぅ」
満足したような顔で煙を吐き出し、むき出しの天井を見つめる。
そして、改めてニアを見つめるとマーヤーが口を開く。

「とりあえず、君もタバコを吸うかね?」

いつのまにか、マーヤーはもう一本タバコを取り出していて
それを、ニアの方に向けていた。
これが、マーヤーの答だった。
955 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ[sage]:2015/03/23(月) 22:44:15.11 ID:Mx791h880
>>954
「そ、そりゃもうっ!」

バッチリだと言い張りたい所ではあるが記憶力に別段自信がある訳ではないしむしろ逆だ
返答は僅かに上擦った感じになってしまった
越境者かと尋ねたあの時から、さほど2人の旅人に時間は経過していない風にも見える
世界を渡る内に、越境者個人個人での体感する主体時間に差が出るという事はそれほど珍しい事ではない

「えっ?」
「い、いえっ、ニアは煙草はっ……」

両の手のひらを見せて首を横に振って拒絶
煙草はやらないし酒もそこまでではない

「あー……っと、その、もしかして……?」

言外に、同じ立場なのではと苦笑ながらに目線を送る
性格上、明確な言葉としての綴りを欲するようだ
956 :[sage]:2015/03/23(月) 22:57:32.65 ID:FKcJPYLIo
>>954>>955

息を潜め、物陰で身を隠す。愛刀の“ついたち”に手を掛け、いつでも動けるように身構える。
話しているあの二人は何者なのだろうか。さっき、僕に襲いかかってきた連中と関係があるのだろうか。
それならば先手必勝、そうでなければ……。

身を晒し出す前に、いつものように呼吸を整える。
片方は銃を持っている。このまま勢いよく身を晒せば、恐らくは撃たれるだろう。
だとするならば、先手で確実に命を絶つ必要があるが……まだ、あの二人が敵なのかどうか、わかっていない。

「……よしっ」

少し逡巡し、意を決す。このまま飛び出して、もしも銃を向けられれば、その銃だけを狙って払い落とそう。
愛刀のついたちに添えたてに、少しの力が入る。この瞬間が、もっとも緊張する。

物陰から勢いよく二人の前に飛び出す。ついたちに添えた手はいつでも抜けるように、自然と力が入ってしまう。
さて、二人は敵か、それとも味方か。

「二人とも、動かないで下さい!」

できる限りの声を張り上げ、二人に向かって言い放つ。
さっき、襲われたのだ。ここまで警戒してしまっても、なんらおかしくはない。
957 :マーヤー・パリア[sage]:2015/03/23(月) 23:06:32.07 ID:Yw+RaXv9o
>>955

「そうか、タバコは吸わないのか」

すすめたタバコが断られると、差し出していたタバコをポケットに戻す。
むしろ、そっちの方がマーヤにとってはありがたいのかもしれない。近頃、タバコの値段も上昇していたからだ。
どことなく、安堵のような表情が混じっているように見えた。

「……ん、その目はどうした」
ニアの訴えるような目線を、マーヤは圧殺し黙々と
タバコを味わう。マーヤは間違いなく油断していた。この場にはこの二人しか居ないと思い込んでいた。

>>956

7割までタバコを吸い、左手でタバコを持とうとしたところに、彼は現れた。
完全に虚をつかれたマーヤは、現れた彼に丸い目を向ける。
続いて、眉を潜め苦悩の表情を浮かべる。

「……秘密警察か」
彼の言葉通りに、マーヤーは体の動きを止めた。
秘密警察ならば、反抗しなければこの場で殺さないはずだ。
しかし、捕まえられた後なにをされるか、容易に想像できるだろう。
最悪の事態を考えると、この場で自決することも考え始める。
958 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ[sage]:2015/03/23(月) 23:09:41.20 ID:Mx791h880
>>957
「ええっ、煙いですしっ……」
「……むぅ」

半歩、身を引いて煙から逃れる
そして確信犯的な態度に唇を尖らせそれ以上を問い掛ける事はなかった

>>956-957
「……!?」

偶然の再会に唐突のホールドアップが割り込めば腰に帯びる剣の柄に手を伸ばして握る
鞘からその刀身が抜き放たれる事はまだないが、しかし極めて単純な力移動でそれを可能にする構えだ
異能を簡単に露呈して失敗し掛けたばかり、学習したのか今は隠している様子

「……えっとっ、お、お前は何者ってんですかっ?」
「ニア達はただの、迷子だってんですよっ!」

マーヤーもそうだと決め付け、巻き込んだ上での訴えである
959 :[sage]:2015/03/23(月) 23:18:23.66 ID:FKcJPYLIo
>>957

「なにそれ」

いや、ひみつけーさつ、ってなに?
余りにも聞き覚えのない言葉だったからか、思わず気を緩ませてしまう。
でも、すぐに気を取り直し左右に頭を振り、また相手を見据える。どうやら、武器は取り出さないみたい。
だからと言って、安心はできないのだけれど。

「えーっと……」

まずい、相手が無抵抗の場合を想定し忘れていた。
というか、完全に敵だって思い込んでいた。さっき襲いかかってきたヘンなヤツの仲間だろうな、って。
さて、どうしよう。どうやら抵抗はしないみたいだし、なんかもう一人は、敵意なんか感じないし。
もしかして、さっきのヘンなヤツとは違う連中? 次第に、緊張した身体もほぐれていく。

「……さ、朔です」

遂には混乱しきってしまい、ひとまずは自己紹介をしてしまう始末。
うう、なんか恥ずかしい。


>>958

「まいごぉ?」

振り向く。まさか、さっき僕に襲いかかってきたヘンなヤツも、迷子だったってわけ?
だとすると、どうしよう。思いっきりやっつけちゃったんだけれど。
殺してはいない、けれども思いっきりぶん殴ったから向こうで伸びちゃってる。

「え、じゃあ、もしかして迷子がこの辺りに氾濫してたりするんですか!?」

暗闇の方を指さして。

「向こうにも誰かいたんですよ! でも、いきなり襲いかかってきたからビックリしてやっつけちゃったんですけれど!」

まくし立てるように、弁明する。
だって、僕の姿を見つけた瞬間、襲いかかってきたんだよ!? ビックリしちゃったって!
そう言えばなんか言ってたな、ひみつけーさつ、だっけ?

「……あれ、じゃあ僕も迷子、になるんですか?」

さっきまで歩いてきた道の方を見る。
そういえば、ここはどこ? 適当に歩いてきてたんだけれど、そう言えば見知らぬ場所だここ。
960 :マーヤー・パリア[sage]:2015/03/23(月) 23:28:18.28 ID:Yw+RaXv9o
>>958>>959

タバコの火で唇を火傷する前に、マーヤーはペッと咥えていたそれを
地面に吐き捨てて、憤然と二人に言う。

「失礼な。私は迷子だったわけではない。あくまでも人を探していただけだ」
どことなく、マーヤーは胸を張っているように見えた。気のせいだろう。
と、朔の態度を見るとマーヤーはフンと鼻を鳴らす。

「少年。その襲っていたというヤツはどこに居る?死体か?
死体でも良い。もしかしたら、貴様は私の同志を殺したかもしれないぞ」

様々な可能性を頭の中で考えながら、マーヤーはあくまでも高慢に振る舞う。
そして、この場はこうするのが良いと判断したのだった。そうすれば主導権を握れるはずだ。
「お前たちが迷子いうならば、私についてくるといい。人を導く事は少なくとも苦手ではない」

この場合の導くは、思想的に導くだがまあ、嘘は言っていないとマーヤーは少し思った。
961 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ[sage]:2015/03/23(月) 23:33:09.53 ID:Mx791h880
>>959
「あはは……」
「に、ニアに言われましてもぉっ……」

向こうの誰かが誰なのかは知らないが、不幸な事故に巻き込まれた程度に思っておこう
同時にしかし、隠匿術や警戒の所作そして何より襲撃を受けたのに少なくとも外見上は無傷である様にその戦力を察する

「……道っ、知らないんですかっ?」
「だとしたら、多分っ……」

そうなるだろう、間違いなく自他ともに認める迷子である

>>960
「あれっ?」

違ったんですか? と再度首を傾げて
言葉の中に出現した同志とやらが気にならないこともないが、本命はその後

「……おおっ、そうですかっ?」
「なら遠慮なく着いて来ますってんですよっ」

嘘ではない、だが本当でもなさそうなそれを疑いなく信じ込む
脱出が叶うならば重畳だと、その後を着いて行く事になった
962 :[sage]:2015/03/23(月) 23:42:28.40 ID:FKcJPYLIo
>>960

「……ウソ」

うわ、そりゃやっちゃった、かも? 不可抗力とは言え、思いっきり伸しちゃったからなぁ。
しばらくは起きないかも。
でも大丈夫、殺してはいない。ギリギリの所だったけれど。

「で、でも殺してないですよ! ホントに!」

ワタワタと両手を振って。

「向こうで伸びちゃってるってだけで、殺しちゃいないですよ! ホントのホントに!
 って言うか、それならいきなり襲いかかってこなくっても良いじゃないですか……ビックリしてしまうんだから……」

さっきまで歩いてきた方を指さす。ただ、その伸びている連中までが、かなり遠い。
伸した後でがむしゃらに走ってきたし、僕は足が速いし。

「っていうか、迷子じゃなかったんですか? あと、少って付けないで下さい。怒りますよ」

なんて言いながら、付いていく気満々。
道もわからないし、そもそもここがどんなことになっているのか知らないから、知る人に付いていくのは当然。


>>961

「だから! 貴方たちをその連中の仲間だと思ったんですよ!」

だってのに思った以上に友好的、と言うかのんべんだらりとしてるし、迷子だって言うし。
だから余計に混乱してしまって、訳のわからないことを言ってしまうし。
とりあえず、落ち着こう。息を大きく吸って、細く吐いて。

「……と言うかやっぱり、迷子なんですね」

自分が絶賛迷子である、ってのを再確認。
三人揃って迷子だなんて、なんたる運の悪さ。ちょっと危機意識が低すぎないか? とは思うけれど。
僕も、人のことは言えない訳で。

なんて雑談していたら、片方の人が道を知っているの一言。
そりゃあもちろん、付いていく。付いていくしかできないだろうし、このままのたれ死ぬのは勘弁だし。

「というか、二人は知り合いなんですか? 迷子友達?」

もしかして迷子から始まった友情とか、そんな類いの何かなのだろうか。
いや、それはないか。たぶん普通の顔見知りかなんかだろう。
963 :マーヤー・パリア[sage]:2015/03/23(月) 23:53:04.99 ID:Yw+RaXv9o
>>961

「嘘ではない。フン」

不服そうに鼻を鳴らすマーヤーであったが、このことに限って言えば事実であった。
この地下道に潜ったのも、人と会うためである。そして、自身が迷子ではないと思えば、それは迷子ではないのだ。
ちなみに、帰り道だがこの地下道で密会する同志が案内してくれる予定だ。

「うむ、それならば間違いはない」
そういうとマーヤーは前に向かって再び歩き出す。
朔にしてみれば後戻りする道かもしれないが、後ろの人は知ったことではないかのように
自分のペースで進む。

>>962

「……殺してさえいなければ瑣末なことかもしれない」

目の前の少年が、誰か殺したにせよ今は深く問い詰めるべきではないだろう。
しかし、それでも少し責めるような視線を彼に向ける。
「恐らく、君を秘密警察とでも勘違いしたのだろう。まあ、安心しろ。
ソイツが私の同志かはまだわからんぞ」

本当に秘密警察ならば、恐らく何か良い物は持っているはずだ。
同志ならば、道案内を頼むついでに落ち着いたら本命に入ればいいだけだ。

「その身長と顔ならば、十分少年ではないか。
少年じゃないというならば、その証明に何か見せて欲しいものだな」

そういいながらも、マーヤーと朔の目線は一緒。
ほぼ、一緒の身長であった。しかし、マーヤーは彼とは違うと
言わんばかりにタバコを口に咥えて、火を灯し再び煙を味わい始める。

「コイツとは、たまたま会っただけだ。
まったく、何か引き寄せるものでもあるのだろか……」

マーヤーにしてみれば、人に見られないために地下道に来たのだが、
その地下道で二人も人に会う事自体想定外だった。
964 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ[sage]:2015/03/23(月) 23:58:45.14 ID:Mx791h880
>>962
「だとしたら、いきなり襲い掛かられなくてよかったってんですっ」

見敵必殺の志を持たぬ相手で心底ホッとする
もし血の気の多い輩だったとしたら、奇襲を受けていたとしても何ら不思議ではない状況に立たされていたのだから
反面、如何なる場合でも警戒を解く事の危険さを改めて実感させてくれる出来事でもあった

「迷子友達って……」
「そうでなくって、前に知り合ったってんですよっ」
「で、久々に会った所で急にお前がっ……」

そこまでを話して、あっと何かに気付いたように

「ニア・シューペリオリティ」
「お前、名前はっ?」

先ずは名乗って、そして問い掛け

>>963
「……じゃあ、お願いしますってんですねっ」

改めてぺこりと一礼
極めて平坦に、まるで野原を散歩するようにも見える程の所作で行くその後を追う

>>962-963
「……早い所お日様が見たいってんですねぇっ……」

地下と言うのはどうにも圧迫感ばかりが募るモノだ
苦笑を浮かべて天井を仰ぎ、そして2人の越境者の後を歩いて行く

//すみませんがお先にこれでっ
//何かあるようでしたら、ニアははぐれるなり隠れるなりで処理しておいてくださいっ
//ありがとうございました、お休みなさいませー
965 :[sage]:2015/03/24(火) 00:03:08.10 ID:Y4ETBi3zo
>>963

次に少年と言われて、ピキッと。だから、少年じゃないって言ってんだろ。
どれだけ僕が小さいと言われるのがイヤなのか、まだわかっていないようだなコイツ。
言ってないからわかるわけがない? そのぐらい察しろってんだ。

「だから“少”年じゃねえつってんだろ。これでももう少しで二十歳だ、クソが」

キレていますので、多少の口調の乱れがあります。ご注意下さい。

「だいたいなんだ? 今、横のコイツをと僕とを見比べたろ? あっ?
 確かにちっこいよ、ああ、ちっこいさ。だが、な?」

居待の要領で愛刀の“ついたち”を抜き放ち、くわえたタバコの火が付いている先端部分だけを切り取る。
そのぐらいキレてるんです。

「人がブチキレてるのにぷかぷかタバコを吹いてんじゃねえよ、オイ。
 良いか? 次に“少”年とか言ったらその綺麗な首がかっ飛ぶぞ? 誰だって触れられたくない部分があるんだよ」

落ち着くまで、あと数秒。
落ち着いたら落ち着いたで、謝りっぱなしになるのは想像しやすい。
966 :[sage]:2015/03/24(火) 00:09:25.22 ID:Y4ETBi3zo
>>964

「朔」

もう一人の方にブチギレているため、口調は最小限。
だって、小さいって言われたらそりゃブチギレるでしょう。実際、こぢんまりとしていても。

「ニアさん、ね。覚えました。でも、今は――――……」

こちらに対しては口調は丁寧、だけれどどこか刺々しさは残る。顔も、少年と言い放ったヤツを睨み付けたまま。
そんなにすぐに態度を変えることができるようなほど、器用ではございませんので。
刀も抜き放っている。今すぐにでも殺しあいが始まりそう……? な、雰囲気。

もっとも、熱しやすく冷めやすく、我に返れば謝りっぱなしになるのもいつものこと。
ヘタをすれば土下座レベル。
967 :マーヤー・パリア[sage]:2015/03/24(火) 00:17:45.46 ID:URNeYTz2o
>>964>>965

ポロッとタバコの火のついた部分が地面の上に転がり、
煙の供給が止まる。なるほど、彼がやろうと思えば、切り落とされていたのは
タバコではなく、この首だったかもしれない。そうマーヤーが想像するが、冷や汗を一つ垂らすのみで
余裕を持ったかのような表情は崩さない。

「それは悪かったな。素直に謝罪しようじゃないか」

左手でタバコを持つと、マーヤーは彼の逆鱗に触れた事に
対して謝る。これに関して言えば、自分のミスだった。
次からは刺激しないようにしよう、と心に刻む。

「背の小さいのは私も一緒だ。さらにいえば、もう23際だ。しかし、私はあんまり子供扱いされることはない。
裏を返せば、少年に見られる君は、私が失った可愛らしさをまだ持っているのではないか。
そう考えると私からしてみれば少し羨ましいかもしれない」

しかし、マーヤーはあんまり気が利かない人間だった。
今度は悪意を一切混ぜずに言い切ってしまった。
968 :[sage]:2015/03/24(火) 00:34:14.00 ID:Y4ETBi3zo
>>967

「また“少”年と言った!!!」

思いっきり身体を捻る。今度は首をはねると言ったよなぁ!?
それでもおめぇは“少”年つったんだよなぁ! じゃあ、覚悟ができてるって――――……。
なんてタイミングで、我に返る。
毎度毎度、子ども扱いされると頭に一気に血が上ってしまうのをなんとかしたい。

ハァ、と思いっきり息を吐いて、ついたちを納める。
両手で怖い表情になっている顔面を隠して、数十秒の間。息を吸って、また吐いて。
次に両手を開けたときには、少し落ち着いたのか表情が緩んでいた。

「……確かに、僕と同じぐらいちっこいな」

まだ落ち着ききれていないから、口調はまだまだ刺々しい。

「てっきり僕より年上かと思ってたよ、そんなにチッコいんだからな。やーいチビッコ」

自分より小さい人を見るのが嬉しいのか、それとも自分を落ち着かせる為なのか。
なんとも子どもらしいそんな言葉。ようするに悪口。

「羨ましいっての、フォローになってないっつの……。というか、お前も大概だよ」

子どもっぽい、って意味で。ただそれは、身長だけを見た場合。
服装のためか、眼鏡のせいか、帽子が隠しているからか、確かに大人っぽい雰囲気は醸し出されている。

「……どうやったらそんな、大人らしい雰囲気が出るんだよ……」

教えてよ先輩、イヤマジで。
もう子ども扱いされるのはイヤなんだよ。どこに行ったって小さい小さい小さい小さい小さい小さい……。
969 :マーヤー・パリア[sage]:2015/03/24(火) 00:46:10.50 ID:URNeYTz2o
>>968

「おっと、すまない。それは悪気はなかったんだ」

相手が構えるのと同時に、こちらも身を引く。
とはいえ、血の気が多い輩との付き合いも少ないわけではない。
まだ、この少年はきっちりとしたラインが引かれている、とマーヤーは判断していた。

「落ち着け。タバコでも吸うか?落ち着くぞ」

そういいながらも、マーヤーはマッチをすり
朔によって火種が消えたタバコに、再び火を灯す。

「まあ、23歳だ。君は二十歳になるんだったな?じゃあ、私の方が年上だ」
軽く頷く。
「そうかね? 子供のように見られるということはそれだけ相手が油断してくれるということだ」

これは、実利の面から見た羨ましい部分。
もちろん、それでけではないのだが、そこは口にすることはない。

「……そうだな、しょ……ふむ。タバコを嗜むのも手かもしれないぞ。ほれ、一本ぐらいなら呉れてやるぞ」
そういいながら、マーヤーは胸ポケットをいじくりタバコを取り出そうとする。

/時間的に次のレスで〆たいですー
970 :[sage]:2015/03/24(火) 00:56:53.10 ID:Y4ETBi3zo
>>969

煙草……煙草、ねぇ。

「タバコ……煙たいのは、あまり好きじゃないのですけれど……」

それで少しでも大人っぽく見られるのならば……チャレンジ、してみようか。
でも、タバコはあまり好かない。匂いがイヤだし、健康にも悪いって聞いたことがあるし。
それでも、大人っぽく見られるのならば……、うん。

「じゃあ、一本だけ……」

手を伸ばし、差し出されたタバコを受け取り、火を付けて貰って、口にくわえる。
そこまでは良かったものの、吸い方もわからないものだから、思いっきり煙を吸い込んでしまった。
慌てて、肺の中に入り込んだ煙を全て吐き出すように咳き込んでしまう。
こんなに苦しくなるんだ、煙草ってヤツは。なるほど、義姉さんも吸いたくないって言う訳だ。

「ケフッ! ケフッ! なっ、こ、こんなに煙たいんですっ、ねっ! ゴフッ!」

咳き込みつつの、初煙草の感想。味なんか楽しむ余裕なんぞある訳もなく、ただ煙たいだけ。
吸うとしても、慣れないとなぁ、煙草。
971 :マーヤー・パリア[sage]:2015/03/24(火) 01:07:18.01 ID:URNeYTz2o
>>970

「煙たく無いのといえば、噛みタバコもあるが……あれはなぁ」

渋い顔をするのも、あれが田舎者が嗜むイメージが一瞬浮かんでしまっただろうか。
そんなの差別的だと、自分で首を横に振ってそのイメージを打ち消す。

「最初はあんまり深く吸わんことだ。と、火は……面倒だ、これでいいだろう」

彼にタバコをもたせると、自分が咥えていたタバコを外し
彼の持つタバコに押し付け、火を分ける。マッチをするのが面倒というのもあった。
それから、タバコを吸う動きを見つめるが、むせるのを見るとマーヤーは肩をすくめた。

「一気に吸い過ぎだ。肺を満たすより、口を満たすように吸うといいかもしれないぞ」
といっても、このイメージが伝わるか疑問で、自分で首をかしげる。
ともかく、これで彼の悩みが解決できればいいのだが。

「慣れれば、煙いのが気持ちよくなるぞ。さて、落ち着いたようだしほら、行くぞ」

彼の様子を見て、落ち着いたと判断するとマーヤーは再び前に向かって歩き出す。
ひとまず、朔が倒した人間がそこらへんに転がっているかどうか、
あるいはそれが見つからないならば出口を探して歩き出す。果たして、彼らが陽の光を見るのはいつだろうか……
972 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ[sage]:2015/03/24(火) 22:59:12.75 ID:4PD42A0u0
「ま、また暗いところ……」
「むむぅ……」

越境先は薄暗く、機械の駆動する騒音に満たされた細長い廊下であった
オレンジの照明はいかにも不健康で、空気も澱みまた工場らしきそこは衛生面でも酷い
彼方此方に謎めいた色の水溜りや有機物が散らばっており、害虫や害獣がそれを啜る
嫌悪感に顔を顰め、なんとか懐中電灯無しでも進める程度の中をゆっくりと歩き始めた
973 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6[sage]:2015/03/24(火) 23:04:11.91 ID:bMuSw+t90
>>972
「まぁ 慌てたってどうにもなんねぇや ゆっくり行こうぜ」
その隣で呑気に言ってのけるのは 重装備に身を包んだ男

「しっかし ドワーフの遺跡か 採掘場を思い出すぜ この悪い空気といい耳障りな音といい こっちの方が少々まぶしいがね」
天井にぶら下がる照明を見上げながらいう
974 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ[sage]:2015/03/24(火) 23:14:07.14 ID:RiZQVvcz0
>>973
「そりゃそうだってんですけどっ……」
「余裕過ぎだってんですよぉっ……」

むむぅと唸り抗議の目線
だが慌てた所で改善される状況ではないのは確かだ
非を認めているが故に即座に前に向き直る事になった

「……あ、何か開けた所にっ……?」

そのまま少し進めば廊下は終わり、何らかの生産ラインに辿り着く事になる
慎重に物陰から全体を覗くニア
灰色より黒に近い使い古しの機械達が、休みなく動いている
ラインの各所でそれを操作する人影は皆、どこかふらふらとしていて生気がない

「良く見えませんけど……何の工場だってんでしょうっ?」

どうにも嫌な、腐敗臭にも似た匂いが漂っている
975 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6[sage]:2015/03/24(火) 23:23:58.70 ID:bMuSw+t90
>>974
「何か襲い掛かってくるんなら戦えばいい 迷い込んじまったのなら素直に謝罪して外に出ればいい 物事は常にシンプルにできているのだ」
抗議の視線を華麗に受け流し ニヤリと笑って見せる

「生産工場にしちゃヒデェ匂いだな 薬品臭というよりは ナマモノの腐敗臭っぽい 匂いだけ嗅いでりゃ処分場っぽくもある」
一緒に物陰からラインを見る

「こんなところにいちゃ生気も失せるってもんよ あ〜ぁ さっさと出たいねぇ」
どうしようか?と視線で質問してみる
976 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ[sage]:2015/03/24(火) 23:32:49.68 ID:RiZQVvcz0
>>975
「そりゃ……ま、まぁそうですけどぉ……」

苦笑
その飄々とした風格はしかし、いつだって歴戦の安心感を与えてくれるのだ

「うーん……窓もなさそうですし……」
「向こうに出口? というか道がありますねっ……」

今身を隠している地点から、ラインを挟んで丁度対角線上にまた廊下が見える
だがそこに辿り着くにはどうしても、生気のない従業員達の近くを通らなければならなそうだ
近くには破棄されたダンボールや、鉄材、鉄板等が転がっている

「……これ、使ってみます?」

それらの資材を使って隠れながら進む事を提案
まぁ気休め程度にはなりそうだ
977 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ[sage]:2015/03/24(火) 23:34:42.44 ID:RiZQVvcz0
>>975
//追記

ラインには何か、有機物であろう物体が流れている
形状からすると肉塊だろうか、ともかく余り気分いいモノではなさそうだ
978 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6[sage]:2015/03/24(火) 23:43:37.46 ID:bMuSw+t90
>>976-977
ラインを流れる肉塊のようなもの そして生気のない従業員

「・・・チッ 嫌な予感がプンプンしやがる 十中八九カタギの仕事じゃねぇ」
顔をしかめる どうしても最悪な展開が頭を離れない

「あぁそうしよう こんなところで戦うのはなんだかよろしくない だが・・・」
自分は剣亜hもとより ハルバートやらハンマーやら剣やらを持った重装備 さらに鎧のパーツを纏ってたりと とにかく重装備 大事な(ry「

「被れる段ボールとかあるのかね?」
あるのならそれをかぶって なければおとなしく強行突破である
979 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ[sage]:2015/03/24(火) 23:48:39.63 ID:RiZQVvcz0
>>978
「これとかっ、どうですかねっ……?」

と、ロイに勧めるのはなるほど確かに大きなダンボール
これならすっぽり被れるだろう
ニアも手頃なサイズのモノを見付けて頭から被り、取っ手を覗き穴にして準備万端

「……これなら完璧ですっ」

工場内も雑然と散らかっている
ダンボールが落ちていたとしても余り気にする程ではなさそうだ
ロイに異論がなければそのままゆっくりと前進開始、廊下を目指して行くだろう
980 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6[sage]:2015/03/24(火) 23:52:24.67 ID:bMuSw+t90
>>979
「あるんだ・・・」
一体何を入れていたんだか?

「よし それじゃ蛇の如く通り抜けようかね」
よいしょっと と段ボールをかぶり 抜き足差し足忍び足 ゆっくりと移動を開始する
981 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ[sage]:2015/03/24(火) 23:58:49.88 ID:RiZQVvcz0
>>980
「……なんでしょうっ、なんって書いてあるのかっ……」

世界の修正力を持ってしても解読不能な、象形文字めいた記号
恐らく元より人間が読む事を前提としていないのだろう
ニアのダンボールに書かれているのもしかり

「……」
「……!?」

びくり、と前を歩くニアのダンボールが小さく跳ねる
それは最初の従業員の近くを通過しようとした時である
チラリと視線を送って確認したその人影は、既に人ではなかった
青白く変色した肌、腐敗した四肢、虚ろな眼球
辛うじて機械の操作のみを行うそれはゾンビだ
ニアのダンボールの動きに反応したのか、ゆっくりと振り返るゾンビ
だが取り敢えずそれだけであり、もしロイの方に何か反応がない限りは発見される事はなさそうだ
982 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6[sage]:2015/03/25(水) 00:03:04.05 ID:m2Hi/vm80
>>981
「ッ!!」
前方のニアが動きを止めたのに反応し こちらもピタリと動きを止める

(・・・・いったい何があった? 見つかったか?)
残念なことにこの男から従業員の姿が見えない さまざまな憶測を立て 必要ならば武力行使に出ようと身構えつつ 事の顛末を見守る
983 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ[sage]:2015/03/25(水) 00:06:52.41 ID:PEgOqz5O0
>>982
「……」

心音が加速し、手で抑えなければならない程の過呼吸
しかしゾンビはのったりとした動作でラインの監視に戻り、何事もなかったように作業再開
ホッとした様子のニアのダンボールはまた歩き始め、目的地の廊下近くの物陰へと辿り着いた

「ふぅっ……び、びっくりしましたっ」
「ゾンビが働いてるなんて思いませんでしたよっ……」

ダンボールを脱ぎ捨て小声でロイへと
984 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6[sage]:2015/03/25(水) 00:16:27.99 ID:m2Hi/vm80
>>983
何事もなく動き始めたのを見てこちらも安堵の表情

「なんだ随分と生気が感じられねぇと思ったら連中 アンデッドかよ」
こちらも段ボール状態を終了し 小声でニアに返す

「いよいよもってカタギの商売じゃねぇ 見つからねぇうちに逃げるぞ」
そういって先を急ぐ
985 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ[sage]:2015/03/25(水) 00:19:29.05 ID:PEgOqz5O0
>>984
「ええっ、ふつーじゃ絶対ないってんですよねっ……」

頷くニアの脳内にこびり付いたゾンビの姿
頭を横に振ってそれを追い出して、先を行くロイに続いた
しばらくの廊下の後、大仰な鉄扉があってそれを開けば建物からは脱する事が叶うだろう
ゾンビ犇めく敷地内からの脱走は、また別のお話

//これで〆させて下さい、ありがとうございました
//また宜しくお願いしますっ
986 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/03/25(水) 21:56:02.84 ID:GCaHXMsFo
【ウェイストランド】

 ウェイストランド…いわゆる崩壊した未来世界と呼ぶべき世界であり、
 基本的には所謂世紀末な世界をイメージすれば大体は通じる世界である。
 先進的かつ魔法と区別困難なまでに発達した技術はその多くが命脈を絶たれ、
 ロストテクノロジーと化している。そのような世界。

【が、この世界はそれだけでは説明が付かない事象も数多い】
 【→特に魔法と区別がつかないテクノロジーとやらが起こした災厄は実際に拙かったのだろう】

 文明を滅ぼした何か≠ノよる破壊は物理世界のみならず浄罪界すらをも崩壊させるほどに完璧なものだった。
 ゆえに、奇怪かつ異様な事象、正気では到底理解仕切れぬ現象が跳梁跋扈する、
 現実と非現実が交じり合った世界という側面を持ってしまったのだ。

 −−−−−−−−−−−−−−
【ウェイストランド:メトロ】

 ウェイストランドでは旧時代に都市に張り巡らされた地下鉄網が存在する。
 そこは人が住まう一種の閉鎖都市と化しているところもあれば、
 旧時代の遺産を求めてスカベンジャーやストーカーが冒険を繰り広げる場にもなっている。
 それこそ、別世界の組織すらもが、この特異な世界のテクノロジーを入手せんと動いているほどだ。

 しかし、その全貌を識るものは誰一人として存在しない。

 −−−−−−−−−−−−

「………」

 イムカ・グリムナーはレギュレーター(呼吸器)を口に咥えた格好で、地下鉄を下に下にと下りてゆく。
 片手にはミスリル聖水が浄化の光を放ち、証明の代わりを果たしている。
 当然、電気も何も通っていないのだ。光源は必要だ。

【さらにこのメトロにあっては光を失うと最悪、闇≠ノ喰われかねないというリスクが存在する】
 【→彼女の目的はシンプルだ。第一にテクノロジーの入手。第二に路銀を稼ぐ事】

【注:)イムカはどういうわけかその世界のテクノロジーに比例して所持金が乱高下するという変な特性がある】
 【→ほぼテクノロジーが崩壊した世界にあってはどうなるかお察しである。なお、今回はサイフどっかに落としたらしい】
987 :タェンティース・イオナ【対異能戦闘用人型兵器改】【ドレス・イムエト】E.赤刃.ヘルメスの靴[sage]:2015/03/25(水) 22:11:35.25 ID:rkOjuZu+O
>>986
「……暗い、ですね」

光源はなくともその瞳は問題がない機能を装備している
イムカのやや後ろ、いざという時に互いをカバーするポジショニングを保持
半人としての目的はイムカと同様、テクノロジーの確認が多い
無論路銀確保が含まれているのも同じく
空気の浄化は必要ない、強化された肺機能が問題なくそれをこなすからだ

「どうもこの辺りは……なんというか嫌な雰囲気です」

陰鬱な空気に当てられ、そこからくる怖気を誤魔化すように語り掛ける
それは同時に、己が闇に呑まれていないと、己がまだ己でいれていると主張するようでもあった
988 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/03/25(水) 22:22:59.78 ID:GCaHXMsFo
>>987

「そりゃあ暗いさ。にしてもここは些か暗すぎるがな」

 ふと、自分とタェンティースが形作る影を視る。
 影から小さな手が幾つも生えている。油断すれば引きずり込まれかねない。
 一体何処に?知らぬままでいたほうがいい事がこの世界には多すぎる。

【イムカの遺伝子的に強化された眼でも、全く見通せない暗闇が散見される】
 【→光源の照射範囲とは無関係に見えない箇所があるのだ。ここは常識外の事象ばかりだ】

「………」

 進んでいくと、メトロ本線の脇に亀裂から生じた横道が生じているのが発見される。
 地面を調べれば足跡がいくつかあり、人の手が入っているであろう事をうかがわせる。

「進んでみるか?タェンティース」

【イムカは念のため、音響ソナーの準備をしている。簡易マップの作成用のモジュールだ】
 【→タェンティースも何かしらマッピング装置や能力の類を持っているならば使用したほうがいいだろう】
989 :タェンティース・イオナ【対異能戦闘用人型兵器改】【ドレス・イムエト】E.赤刃.ヘルメスの靴[sage]:2015/03/25(水) 22:31:06.29 ID:PEgOqz5O0
>>988
「……」

影を引き摺り込もうとする影
それを見て見ぬ振りが出来ているのは重畳だ
きっと多分、その意思力が萎えてしまった時こそが危ないのだろうから
半人の瞳の処理能力を超えた深淵に眉を顰めるながらもただ進む

「え、えぇ、では……」

横道の先の暗がりに、畏怖がないはずはない
だが何というかまぁ強がりであろう、何事もない風に装いつつイムエトを右手首から展開
ロープ状に伸ばして進み、辿ればこの場に戻れる様にしておくつもりらしい
極めて原始的な、ただ機能としては新鋭ではないマッピング系統よりは物質的である分はまだ確実な手段だ
990 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/03/25(水) 22:42:42.75 ID:GCaHXMsFo
>>989

「帰り道の道しるべか。いいな。正直、デジタルだけではどこまで信用していいか解らん」

 言いながら、丸い形をした音響ソナーを穴に向かって投擲する。
 すぐにキンと耳を劈くような音が広がり、イムカの手元のPDAにマップが作成されてゆく。
 この手のモジュールはスプロールなどでは比較的容易に手に入り、世界修正力を受けなければ便利だ。

【なお、浮遊髑髏は今回はお留守番である。呪物の側面がある代物をここに持ち出すほど愚かではない】

「細い道を行った先に大きな空間に出られるようだ。が、随分広いな」

 イムカがPADをタェンティースに示す。
 細い道をしばらく進んだところでUNKNOWN表示となっている。
 音響ソナーの反射領域より広いということだろう。

「警戒しながら進もう。奇襲はもとより、心構えも必要だからな」

 精神を無警戒にしたまま、不可思議事象と遭遇すれば、 
 最悪、正気を爆砕されかねない。いわゆるSAN値判定に備えるというヤツである。

【イムカは横道に先行して入る。やや狭い路。地面には足音が存在し、進むべき路を示している】
 【→そして、進むたびに背後にあったはずの足音は徐々にぼやけ、風化し始める】
991 :タェンティース・イオナ【対異能戦闘用人型兵器改】【ドレス・イムエト】E.赤刃.ヘルメスの靴[sage saga]:2015/03/25(水) 22:52:01.85 ID:PEgOqz5O0
>>990
「わたしのそう言った機能は、特に余り性能が高いとは言えませんから……」

元々は戦闘データの収集のみを目的とした建前で造られたのだから仕方のない事だ
イムカのデバイスを覗き込みながらもスルスルと、ロープ状のイムエトは来た道を帰るべきそれとすべく続いている

「分かりました、心構え……ですね」

来るかもしれない悪夢めいた現実
それに対しての、精神的な盾を構える術を半人は最近になってようやく学んだ
だがやはり奇襲の方がまだ分かりやすくて単純でいい、と苦々しく
イムエトのロープを首筋の辺りに繋ぎ、新たな標はそこから伸ばして行く
左手は赤刃を構える為にフリーにしておかなければならない
その鞘からは未だ抜き放たれていないが、柄を強く握る
992 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/03/25(水) 23:05:33.21 ID:GCaHXMsFo
>>991

 ゥウーン、ゥウーン。
 何か、鈍く、しかしよく響く音が残響となり空気に混じり始める。
 そして、イムカのPDAの画面の一部が赤から緑に変わった。
 それは空気の清浄度合を示す表示である。

【→淀み、腐っていた空気が比較的マシなものとなる】

 さらに奥に進むに連れて、風が彼女達の頬を撫でるようになる。
 風、外に通じているのであろうか?ここは遥か地下。そして上階にいたる階段を上った覚えは無い。

(………)

 イムカは無言で己の脚を見て、1,2回ほどバシバシと叩いた。
 それが何のつもりの行動であるか、彼女は特に説明はしなかった。

 ゴーン。ゴーゥウン。
 先に進むにつれ、音は大きくなっていた。それは鐘の音。それもかなり巨大な鐘の音だった。
 前方、細道が途切れるところで、垂れ草が帳か扉のように前方を塞いでいる。
 空気も、鐘の音もその先から聞こえてくる。

「………」

 警戒しながら、垂れ草を僅かに捲ると、イムカとタェンティースの足元に、月の光が僅かに差し込む。
 イムカは銃を抜く。そのようなポーズをとらねば正直、頭がどうにかなりそうだからだ。

「行くぞ、タェンティース」
993 :タェンティース・イオナ【対異能戦闘用人型兵器改】【ドレス・イムエト】E.赤刃.ヘルメスの靴[sage saga]:2015/03/25(水) 23:13:56.86 ID:PEgOqz5O0
>>992
「……これ、なんの……風?」

腹に来る響音、全く不可思議な藍色の風
何事かと思考をするもそれに明確な答えを求めてはいないし、例え求めていたとしても返っては来ない
この思考の目的はそれをする事自体にある
脳を働かせ、思考停止状態を防ぎ錯乱を防ぐ

「……?」

イムカを真似て、だが叩くまではいかず己の脚を軽くさすってみる
きちんと付いている、無事だ

「ええ、ただ……明るい……ですね、なんですかこれ?」

赤刃を抜き放つ
左腕の内蔵したイムエトの魔力と共鳴し、発生した黄金色の粒子が残光を帯びながら螺旋を描く
混沌の闇へ、一歩を踏み出した
994 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/03/25(水) 23:25:55.72 ID:GCaHXMsFo
>>993

 ゴゥウゥウン!ゴゥウウンン!

 大鐘楼が大きく響く音を一帯に響かせる。
 草を分けて踏み込んだ彼女達の目が先ず捉えたのは大きな赤い満月の光。
 そして、不気味な輝きで夜空を覆う星々の輝き。

【地面は石造りで出来ている。文明の痕跡。所々罅割れていたり、不吉な赤い染みの痕跡があったが】

 そして、奥に広がるのはゴシック調の街並みである。
 古めかしい意匠ながらも巨大な都市。構造体そのものが仄かに明滅しながら樹立し、
 決して消えない松明がいたるところに掲げられている。

【真っ直ぐではなく、冗談のように斜めに聳え立つ塔もある。
 全てに共通するのが極端なまでに尖り、棘のようなモノが生え、非情に禍々しい】

 そのような場に突如、放り込まれたのだ。
 異質な世界には慣れっこの越境者すらに越境現象も起こっていないのにこのような場所に放り出されてるというのは、
 その精神に極めて過酷な試練が課されたと考えてよいだろう。果たして今、自分は正気なのだろかと。

 ゴゥーーーン、ゴゥゥウウーン!

 大鐘が鳴り響き続ける。まるで、彼女達の精神を破砕するべく音響を響かせているかのように。
995 :タェンティース・イオナ【対異能戦闘用人型兵器改】【ドレス・イムエト】E.赤刃.ヘルメスの靴[sage saga]:2015/03/25(水) 23:33:08.68 ID:PEgOqz5O0
>>994
「……これは」

半人の捉える視覚映像は、無機的部位の処理し切る事が出来なくなったエラーの警告を傍に置いてのモノとなった
バックアップを遮断、思考ユニットが直付けされた有機脳のみでこの場を切り抜ける事を決意
そしてそれは次の刹那に功を奏した

「イムカ様、わたしの目の前には街が見えます」
「それと鐘の音……間違っていますか?」

半人の脆い精神は他人との繋がりを欲した
単体での行動、そして活路を見出す事が主眼とされる無機的バックアップ機構では決して一番に辿り着かなかった行動だ
ごくりと息を呑む音がやたらと大きく聞こえる
赤い刃を握る左腕に力が自然と入った
黄金色の螺旋が微かに、軌跡を揺らす
996 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>310[saga]:2015/03/25(水) 23:52:04.01 ID:GCaHXMsFo
>>995

「いや、私の眼と耳も同じ情報を伝えているよ。
 どうやら、互いに同時に発狂したのではない限りは現実のようだ」

【他人とのつながりを以って自己の状態を俯瞰する。これはこの場においては正に最適解であったろう。
 自我というのは孤立すれば驚くほど容易に閉じていく性質があるのだから】

 金糸の髪に指を滑らせながら、イムカは注意深く横穴を出た。
 横穴。もし、これが閉ざされた時、果たして自分達はどうやってこの摩訶不思議な場から、
 出る事が出来るであろうか、という懸念もあった。

【が、同時にこれはチャンスかもしれなかった】
 【→このような特異に過ぎる場所。未知なるテクノロジーが存在する公算はある】

「…探索を開始しよう。リスクはあるがリターンも大きそうだ」

 粒子短銃を抜くイムカ。鼻腔を獣臭い臭いが刺激する。
 街のいたるところから発せられる臭いだ。

【ゴシック調の都市は人間の喧騒めいた雰囲気とは無縁。雑踏の賑やかさもなければ、
 不気味な松明の明かり以外にこれといった光源も見出せない】
【視界も悪い。都市そのものは見えるが、前方は少し前が見える程度で霧に覆われている】
 【→遠方は見えるのに近場は見えにくい。奇妙な視界であった】

//今日はココマデでっていう
997 :タェンティース・イオナ【対異能戦闘用人型兵器改】【ドレス・イムエト】E.赤刃.ヘルメスの靴[sage saga]:2015/03/26(木) 00:01:13.27 ID:3frCIuHk0
>>996
「ならば、これは現実ですね」
「……安心しました」

軽く、頬が緩む
緊張の余りの弛緩ではない、純然たる安堵である
そうこれは現実なのだ、まやかしや虚像では決してない
だとすれば、だとするのならば
己の本懐はただひとつ、危険があればそれを薙ぎ倒す事のみ
イムエトのロープはまだ少し持つ、街中を探索し始めたくらいで尽きるだろうか

「……分かりました、お供させて頂きます」

実際の所手を繋ぎたいくらいの心境ではあるがしかし堪える
子供じゃないのだ、偉い、内心で自画自賛
視界を赤外線モードに切り替え、銃を構えるイムカの少し前に立って歩き始めた
奇妙な霧に絡みつかれて不快だ
そんな中で、黄金色の魔力粒子は粛々と螺旋を描き続けていた

//お疲れ様でした、また宜しくお願いしますっ
998 : ◆Lad0HbZVndK6[sage]:2015/03/26(木) 20:37:57.81 ID:UL5phuIi0
三三三三┏( ┓0ww0)┓ カサカサカサカサ
999 : ◆Lad0HbZVndK6[sage]:2015/03/26(木) 20:38:15.05 ID:UL5phuIi0
カサカサカサカサ┏(0ww0┏ )┓三三三三
1000 : ◆Lad0HbZVndK6[sage]:2015/03/26(木) 20:38:40.26 ID:UL5phuIi0
( 0ww0)b
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