過去ログ - 宵闇に煌めくエレメンタリウム
1- 20
339: ◆7MD0tm3Wnt1M[sage saga]
2022/05/16(月) 20:27:17.91 ID:1DzY2kt90
あれは十年前の雪の日だった
十二月の冬らしい冬の日だった
降りすぎて難儀をするほどではなく
街の灯りを照らし返す
クリスマスシーズンの街のデコレーションには悪くないような雪だった

黒と小麦の色のまだら模様の猫鬼は
レトロ風の内装の店のカウンターに立ちながら淡々と語った
1メートル前後の身長からは意外に思える渋味のある低い声だった

なにか飲むかね? とりあえず珈琲なり紅茶なりは出せる
まあメニューでも見て適当に決めてくれ
猫鬼は問いかけた

メニューを見る
辛口のジンジャーエールもあった

「このジンジャーエールで。ポテトフライセットもお願いします」

わかった。ジンジャーエールは先でいいね? ポテトの方は少し待ってくれ
猫鬼は厨房でポテトフライを調理している
この金曜の夜は既に更けており他に客もいない

「遅かったのですが良かったのですか?」

まあ趣味だよ。四六時中は勘弁願いたいが
時間外でも働いてみたいときもある

ポテトフライはさくさくとほくほくと具合よく揚げられており
付け合わせのソーセージとライスもまた同様に良かった


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
1002Res/278.05 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice