345: ◆7MD0tm3Wnt1M[sage saga]
2022/05/27(金) 21:21:27.98 ID:NS2AeHtK0
「ころしてぇ。ころしてぇ」
呪詛なのか愚痴なのかわからない。
切望の度合いはさほどではないが確かに苛立ちではある。
「少しは我慢しろ。あまりくどいようならイニシャライズを」
携帯した戦闘用インテリジェントデバイスに告げる。
「ああ畜生。ならあんたの血をくれよ……一滴でいい」
イニシャライズの行使は抑止となる。
漠然とした殺意の宣誓は妥協的な要望にへと変化した。
「腕部のコネクタから減速剤と混合して供給する。暫く寝ていろ」
「わかったわかったああうんわかったよ。ああ……ころ」
「眠れ」
ごく軽微な痛覚を伴いながら鎮静化作業を行う。
インテリジェントデバイスは押し黙る。
「今は平時だ。戦時ではない」
再確認作業だ。
「うん……わかったよ……まま……」
眠りにつくインテリジェントデバイス。
幼子じみた物言いにため息。
退避所から出る。
人通りの少ない街は、路の石畳は陽に照らされている。
金の髪の令嬢と茶の髪の侍女とすれ違う。
こんにちは。と軽く会釈しながら声をかける。
こんにちは、修道女さまという無垢で涼やかな少女たちの声が返る。
私はそのまま道を進む。そのまま、道を進む。
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