419:こぴぺ[sage]
2022/05/20(金) 21:00:01.98 ID:tkbEmTlYo
感染者の膿で天然痘を予防する
古くから、天然痘に一度かかって治癒した人は天然痘にかからない、ということは広く知られていました。
このためアフリカ、インド、中国やトルコでは、天然痘の予防のために、天然痘患者の膿やかさぶたを、感染していない人の皮膚にひっかき傷に植え付けるなどの
「人痘接種法(人痘法):variolation」が行われていました。人痘法をうけると、天然痘より軽い症状を引き起こしますが、約2〜4週間後に回復します。
果は、1721年の天然痘の大流行の間、ボストンの1万2000人の市民の約半分が天然痘にかかりました。天然痘の致死率は14%でしたが、人痘法を受けた人の死亡率はわずか2%でした。人痘法の効果は明らかですが、人痘法では患者の膿を接種することで天然痘が発症したり、処置で結核や梅毒などの汚染が懸念されました。
日本では、1789年〜1790年に天然痘が筑前国で発生したとき、緒方春朔医師が、子どもたちに人痘法を行い成功しました。
なぜ患者の膿が天然痘を予防した!?
今では免疫学が発達し、次のような機序が示されています。
天然痘などのウイルスや細菌などの外敵が体に入ると、数時間以内に、先陣を切って「自然免疫」が戦いにでます。敵とおぼしき相手に対しては、マクロファージ、顆粒球、NK細胞などの免疫細胞がつぎつぎと攻撃を始めます。それでも手におえないとき、より強力で効率のいい「獲得免疫」が出動します。ここで活躍するのは、リンパ球のT細胞とB細胞で、本物の敵だけを狙って攻撃します。
まず、マクロファージは敵の情報を、免疫の司令官であるヘルパーT細胞に伝えます。ヘルパーT細胞は情報をもとに戦略を立て、殺し屋のキラーT細胞に「敵を殺せ」と、B細胞に「敵を排除せよ」とそれぞれ指令を発します。指令を受けたB細胞は、敵(抗原)の情報をもとに、敵のタンパク質に特異的に結合する「抗体」を大量に作ります。それぞれ抗体は、対応する敵のみを攻撃するので、その破壊力は強力ですが、敵の顔を覚えて出動するまでに数日間かかります。
また、最初に戦いにでる抗体は「IgM」と呼ばれますが、短命で血液中に数週間しかとどまりません。次に「IgG」という抗体が作られます。IgGは血中に留まり、数ヵ月、数年または生涯にわたって免疫をもつことができます。ですので、次に同じ敵に攻撃されても、速やかに戦う準備ができています。こうして、一度かかった感染症は「免疫ができる」ため、ほとんどの人は生涯同じ感染症にかかりません。
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