ネコのアクションゲームを作っている
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643:名無しGEPPER[sage saga samba=30]
2010/06/29(火) 20:39:44.79 ID:fr4y6n.o
 抽象的な表現である上、曖昧な擬音まで用いてしまって申し訳ないのだが、一面の青空を見上げる御坂美琴が真っ先に思い浮かべた感想はそんな簡単なものだった。肌を焼く強烈な陽射しと、湿度の低いスッキリした空気に、サンダル越しに足の裏へ伝わる柔らかい砂の感触。風に乗って流れてくるのは、波のぶつかる音と潮の匂いだった。
 海だ。
 カリフォルニアの海なのだ。
(んー……。飛行機だのリニアモーターカーだの色々乗り継いできたから、解放感もいっぱいだなぁ)
 思わず両手を上に伸ばしてぐぐっと背筋を反らす美琴は、黒を基調に曲線的な白いラインの走った、シャチみたいな模様の競泳水着を着込んでいる。背中が大きく開き、H型のバンドで固定する方式の水着の正体は、常盤台中学能力測定用指定水泳着。オリンピック水泳選手なら目の色を変えそうなほど様々な最先端技術が詰め込まれた一着なのだが、実は美琴、この水着はあんまり好きではない。あまりにも高性能すぎて、時折本当に何も着ていないように感じられる事があるからだ。
(だぁー、ちくしょう。学校関係のイベントだから仕方なく持って来たのに、実は水着は自由だったなんてなぁ。ちゃんとパンフ読んどきゃ良かった……)
 と、そんなこんなで皮膚の方が『あれ? 今着てる?』という疑問を発し、美琴は本日何度目かのぶるっとした身震い。胸の辺りの布を引っ張ったり尻の辺りを指先でなぞりつつ、大丈夫大丈夫、これはボディペイントじゃない、と彼女は意味のない確認行為を繰り返す。
 その時だった。
「みっ、御坂さーん……」
 遠くの方から細く情けない少女の声が飛んできた。美琴がそちらに目を向けると、初春飾利がこちらへ走ってくる所だった。コルクらしきサンダルが細かい砂をザクザク鳴らす。頭に大量の花飾りをつけた少女は、それが何らかのアイデンティティーなのか、水着の方も薄いピンク色を基調とした、花柄のワンピースだった。思いっきり健全な一品である。




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