過去ログ - 垣根「いい加減返事をきかせろ、原子崩し」麦野「黙れ」
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290:後日談・木原くんと桔梗さん ◆C8R0f0bYVU[saga sage]
2010/07/26(月) 04:54:37.03 ID:0L6X9ew0

怪訝そうな顔を浮かべる木原を無視して、そうそう、と芳川は話を続ける。


「確か、第七位も最近は幼馴染の女の子が気になる、とかそんなこと言ってたかしら」

「チッ! どいつもこいつも浮かれやがって。だから夏は嫌なんだ。暑さで脳味噌溶けた可哀そうなヤツ等を見てると、マジで砂を吐きたくなる」

「そうかしら。恋って素敵よ? 好きな人のためならどんな事でもがんばろうって思えるもの」

「くっだらねえ」


カツ、カツ、と皮靴が床を蹴る音が鳴る。
面白くなさそうに吐き捨てた木原の背中を見つめる芳川の口角があがる。
ガシガシと髪を乱雑にかしむしって「俺には関係とない」と言わんばかり態度が、なんとも素直じゃない彼らしい。


「――――クソガキどもはいい気なもんだな。俺様は仕事に撲殺されイライラしっぱしだっつーのによぉ」

(本当にイラついている時は煙草を死ぬほど吸う癖に)


白衣のポケットに入っているであろう愛用の煙草を取り出さないのは、どうしてかしら。
憎まれ口を叩きつつ可愛がっている子供たちの幸せそうな姿を、学園都市の大人の中で彼が一番喜んで見守っているに決まっているのに。


(そうね、十中八九……)


大切に大切に守っていたひな鳥たちの巣立ちの気配を察して、一抹の寂しさを感じているのだろう。
相変わらず不器用な男だわ、と普段は頼りになる上司の背中から漂う哀愁に魅了されている女が苦笑した。



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