365: ◆yyODYISLaQDh[sage saga]
2017/04/17(月) 23:21:09.06 ID:bASNl0Z+O
  
 という切彦の疑問に「確かに切彦ちゃんじゃ難しいかな。夕乃さんあたりに頼もうか」と返すと俄然やる気を出していたし。 
 麻理子には、確信犯ね、などと睨まれたが真九郎は気づかないふりで通している。 
 切彦も一応、紅相談事務所の一員であるし、給料を出しているからには多少は仕事にやる気を出してもらわなければ。 
 一年前の件で暗殺者も廃業すると宣言していたし、揉め事処理屋として育てるのも悪くない。 
 まだまだ未熟な自分がそんなことを考えるのは傲慢だろうか、などと考えているうちに目的地に到着した。 
 これまでの道中、インカムで切彦たちがこちらに向かっているのは確認済み。 
 夜中のオフィス街と言うこともあって周囲に人は疎らで、ビルの前には見張りもいない。 
 古いビルなのでオートロックというわけでもなく、ビルの入口にも鍵はかかっていなかった。 
 念のため階段で登るが、各階の階段前やエレベーターにも見張りは無し。やはり素人だ。 
 そのまま階段を昇ること6階。 
 何も書かれていないドアの前に立つ。 
 小さなビルなので各階に部屋は一つ。 
 ここにも見張りはおらず、警戒心が薄いのかそれともよほど腕に自信があるのか。 
 ここはさすがに鍵がかかっているようだが、真九郎はノックもせずにドアノブに手をかけた。 
  
 「お邪魔しまーす」 
  
 盛大に金属が弾ける音と同時に入室。 
 真九郎の鼻腔に嗅いだことのある煙の臭いが届く。 
 ドラッグの煙だ。 
  
 「こんばんは、夜分にすみません」 
       
 「な、なんらテメエは!?」 
  
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