368: ◆yyODYISLaQDh[sage saga]
2017/04/17(月) 23:22:30.10 ID:bASNl0Z+O
 今度は驚愕と混乱に目を丸くする男。 
  
 「ま、待ってくれ……ください。そんなことの為に、俺たちをこんな目に……?」 
  
 「そうだよ。とは言っても、以前に何度か注意したんだけどね」 
  
 もちろん真九郎もたかが不良相手にこんなに最初から大掛かりな作戦など立てたりはしない。 
 依頼が来てから注意はしてみたが、一度目は鼻で笑われ、二度目は怒鳴られ、三度目は殴られた。 
 これ以上は店員や近隣の住民にも被害が出かねないため、今回の作戦に移したというわけだ。 
 真九郎は、それに、と続ける。 
  
 「キミたち四人を一生歩けない身体にして、物理的にあそこに近づけないようにするなんて簡単なことだ。でも、結構大きなグループみたいだったからね。先に潰してしまった方が早いだろ?」 
  
 真九郎が笑いかけると、男はいよいよ絶句した。 
 たかがそんなことの為――でも、依頼を解決するのが揉め事処理屋の仕事だ。 
 男は混乱のためか完全に脱力してしまったようで、拘束を解かれてももはや抵抗はしなかった。 
 切彦が目の前に放り投げた一枚のコピー用紙とボールペンも素直に受け取った。 
  
 「これは……?」 
  
 「誓約書。そこに名前を書いてくれればいいから、ここにいる全員分」 
  
 「……わかった」 
  
 その内容を理解したのか、それとも真九郎たちには逆らわない方が良いと判断したのか、言われるがままに署名し始める。 
  
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