370: ◆yyODYISLaQDh[sage saga]
2017/04/17(月) 23:23:25.31 ID:bASNl0Z+O
 「(――だからこそ許せない)」 
  
 唆されたのか脅されたのか、ともかくこの若者を手足にドラッグをばら撒いている組織があるのは確実。 
 元はどこにでもある、社会に反骨心を抱いただけの若者のグループだったはずなのに。 
 それを裏世界に引きずり込んで食い物にしている連中がいる。 
 怒りに拳を固くする自分を横目で眺める切彦に、真九郎は気づいていない。 
  
 「俺は……」 
  
 「俺が調べた限り、キミと同じ様に使われてる人は複数人いて同じようになにかしらのグループに所属してる。今キミがここで何を話そうとも、他のところでも同じように聞き込みをするからキミだけが疑われることはない」 
  
 組織からの制裁の可能性は極力下げると言い聞かせるように話す真九郎。 
  
 「俺は……!」 
  
 身体を震わせる男の目からついに涙がこぼれ、そして。 
  
 「俺はぁぁぁぁあああああああああアアアアアアアアアアアアアアアアアアっ!!」 
  
 二人に襲い掛かってきた。 
 およそただの不良とは思えないほどの跳躍と蹴り――そして踵と踝から噴出するバーナーのような炎。 
 常人であれば通常の何十倍もの威力を持った奇襲に対応できずに頭蓋を砕かれるか、防御しても耐え切れずに骨を砕かれてしまうだろう。 
  
 「――な」 
  
  
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