324: ◆DTYk0ojAZ4Op[saga]
2015/10/22(木) 01:44:04.22 ID:GXsKHRI30
  
  
  
 勇者「……………なんで」 
  
 戦士「お、おい!! 
    盗賊!!!!」 
  
  
 勇者は呆然となにかを呟き続け、 
 戦士は倒れ伏す男を抱き起こし、 
 賢者は男の身を確かめようと、残り滓のような魔力を振り絞る。 
  
 しかし賢者が首を横に振った時、 
 勇者はなぜ、どうして、と呟いたのち、 
  
  
 勇者「……………つまんない」 
  
  
 それだけはっきりと声に出し、 
 その場に背を向けた。 
  
  
 戦士「待て、勇者!!!」 
  
  
 勇者の身体にはなおも雷が纏わりついている。 
 それは追えば殺すという意味だ。 
 勇者は一度も振り返る事なく、 
 扉の先に消えてしまった。 
  
  
 賢者「………逃げるわよ。 
    彼は…置いていくしか…」 
  
 戦士「……ああ」 
  
 賢者「…あんたのせいじゃないわ。 
    …絶対に、違う」 
  
 戦士「わかって、るよ」 
  
  
 恐らく、考えあぐねる時間はないのだろう。 
 2人は少しだけ倒れた男を見、 
 外へと駆け出した。 
  
  
  
  
585Res/472.43 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 
書[5]
板[3] 1-[1] l20