女神
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448:名無しNIPPER[saga]
2017/05/31(水) 23:21:50.56 ID:Ww3oqi+ko

 毎日一緒に登校していたために、クラスのやつらから、俺と優は恋人認定されてしまっ
た。

「おまえら付き合ってたのかよ。二見さんとなんてうらやましい」

 俺も優も否定したけど、全く取り合ってもらえなかった。それはそうだろう。毎朝一緒
に登校していれば、もう隠さなくていいじゃん的なことを言われても無理はない。

「おまえ、平気なの?」

 俺はある朝一緒に学校に向かっている優に聞いた。

「何が?」

「いや、だってさ。俺たち付き合ってることにされてるし。嫌じゃないの?」

「うん。本当に付き合ってるわけじゃないからね」

 いや。そうじゃない。

「誤解されたままだと、おまえ、好きなやつができても告れないじゃん」

「好きなやつは、前に住んでたところにいるし、こっちで彼氏を作る気なんかないよ。そ
れにあたしなんか、君みたいにもてないし」

「そんなことねえだろ。クラスのやつら、よくおまえの噂してるぜ」

「君の方こそ、迷惑? 彼女作りにくいよね。一緒に通うのやめてもいいよ」

「いや。好きな子は、前に住んでたとこにいるし、こっちで彼女を作る気なんかないし」

「君のそうなの」

 優が俺を見つめた。こいつ、瞳がすげえきれいだな。透き通っている感じがする。

「ああ。浮気はしない」

「じゃあ、噂になっても問題ないじゃん。というかむしろ、お互いに好都合かもね」

 言われてみればそうだ。

「なあ。おまえの彼氏ってさ」

 前の中学の生徒会長だろうな。こいつも俺も遠恋になっているわけだ。

「前の中学の先輩。生徒会長もやってたな。でも、彼氏かどうかはわからない」

 どういう意味だ。唯は優に惚れていた会長に振られたというのに。

「別れ方がね。ひょっとしてあたしだけが恋人同士だと思っていたのかも」

「・・・・・・話、聞いてもいいか」

「別にいいけど。もうすぐ学校だよ」

「昼、屋上に行こう。そこで聞かせろよ」

「他人事なのに、君も趣味悪いよ」

 そうじゃないのだ。唯の失恋の原因を知りたいだけ。恋人は姉さんだけど、唯のことも
大切に考えているのは間違いないから。


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