6:名無しNIPPER[saga]
2015/11/23(月) 23:35:39.28 ID:2aggOrwDo
「お兄ちゃんの前ではだって。ふふ。麻衣ちゃんってほんとブラコン」
「・・・・・・違います」
「え? おまえと麻衣ちゃんってもしかしてそういういけない関係なの?」
夕也が何か嬉しそうな声で割り込んだ。
「・・・・・・おまえは死ね」
「片手でしっかりと麻衣ちゃんの手を握ったまま反論されてもなあ」
「説得力ゼロだよな。って、痛いって。よせ麻人。もう言わねえからグーで殴るのはよ
せ」
「俺じゃなくてこいつが手を握りたがるからだな」
「・・・・・・な!? 何であたしがお兄ちゃんなんかの手を握りたがるのよ、バカ。手を握っ
てあげないとお兄ちゃんが寂しがるからあたしは仕方なく」
「はいはい。ごちそうさま」
「そうじゃねえって」
俺は有希を睨みつけたけど、いつもと一緒で全く睨んだ効果はないようだった。
「よくもまあ毎朝飽きずに痴話喧嘩できるな、おまえら」
「確かに喧嘩だけど、痴話だけよけいです!」
麻衣よ。おまえはいったい何がしたいんだよ。俺は妹を眺めてそう考えた。ただ、うざ
いからといって妹が、麻衣が可愛いことにはならないからたちが悪い。そう、俺は多分シ
スコンなのだ。
有希の笑いが、同じ学校の学生で満員状態の電車内に容赦なく響いた。
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