431:薔薇の見える丘(お題:最強の女騎士まさかの敗北)5/6[saga]
2017/05/01(月) 00:22:41.16 ID:XkZMTs0r0
 「ローザ様にご迷惑をおかけすることはできません。家の者と幼馴染に手紙を出しました。 
 そうしたら、お前のためなら笑ってこの国を捨てるとありました。」 
 空が青白くなってきた。 
 ローザは立ち上がった。 
 「私は少し眠る。お前がどこに行こうと師弟関係は変わらぬ。それだけは覚えていろ。」 
 一人残されたエリカは大粒の涙を流した。 
  
 翌朝、戦地は夏の暴風雨に襲われていた。 
 大雨が暴風により身体中に打ち付け、視界は悪く、鎧の中は冷え切っていた。 
 帝国騎士団の士気は完全に下がっていた。 
 ローザは士気の下がった団員たちの士気を上げるため、雄弁を奮った。 
  
 戦の開始時刻までおよそ15分程残されていた。 
 敵国の騎士団が5分前に到着した。 
 敵の騎士団長と向かい合うローザ。 
 帝国軍の角笛で戦の火ぶたが切って落とされた。 
 先に出たのはエリカだった。疾風のごとく馬を駆り、剣を奮い敵陣の波を割っていく。ローザも負けじと剣を奮った。 
 戦は1年程続いた。 
 結果は帝国軍の大大敗となった。 
 ローザは戦中に落馬し、全身の骨を折る重傷を負った。 
 敗戦した帝国軍は領地を減らし、勢力を落とした。 
 騎士団長として、国王に責任を追及されたローザは宮殿の北側にある塔に幽閉された。 
  
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