13: ◆/D3JAdPz6s[saga]
2016/02/25(木) 00:01:45.65 ID:RJx23RzYo
  
 ヨノワールの言葉はただの感想だ。 
  
 こちらの反応は、あまり気にしていないように見える。 
  
  
 ミュウツーは視線を落とした。 
  
 なんだか、頭がどろどろと重い。 
  
  
 まるで何かの決意表明のように、その声は自信に満ちている。 
  
 自分の感情を正面から受け止めている。 
  
 その姿と声の、なんと真っ当で健全なことか。 
  
 それこそ、なんと羨ましいことだろう。 
  
  
 ミュウツー『羨ましい……か』 
  
 ミュウツー『私からすれば』 
  
 ヨノワール「……“すべての”」 
  
  
 声がひときわ朗々とした響きを帯び始めた。 
  
 なにごとか、とミュウツーは顔を上げる。 
  
 ヨノワールは友人たちの去っていった方をまた見ていた。 
  
 だがその目は、木々の隙間さえ映していない。 
  
  
 今まで以上に大きく丸く見開かれ、ここではないどこかを見ている。 
  
  
 ヨノワール「“すべての いのちは”」 
  
 ヨノワール「“べつの いのちと であい”」 
  
 ヨノワール「“なにかを うみだす”」 
  
 ミュウツー『……どういう意味だ』 
  
  
 ヨノワールは腕をわずかに広げた。 
  
 深呼吸をしているように見えたが、やけに嬉しそうにしている。 
  
  
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