26:名無しNIPPER[saga]
2016/05/01(日) 19:38:09.99 ID:RvNmzoEO0
  
  
 メロスは朝粥を胃袋に入れると、ユアンへの衣装代金の支払いをまだ済ませていなかったからと、ウスザーン村を出発した。 
  
  
 爽「じゃあな、行ってくるよ。 明日には戻ってくるからさ!」 
  
 イチゴ「…おう、気ぃつけてな…」 
  
 ユキ「…行ってらっしゃい、お姉様」 
  
  
 まだ、日の出を過ぎたばかり… 日没までにはまる一日ある。 十分、間に合うはずだ… 
  
 メロスは落ち着いていた。  
 ウンコカムイに叱咤されたことにより、もうハラもすわっていた。 
  
 ウスザーン村から都サッポロまでは、直線距離にして約70kmある。 
 途中には川や山もある。 
 しかし、韋駄天の如き脚力を誇るメロスは、余裕をもって城に到着する自信があった。 
  
  
 爽「… ハッ ハッ ハッ ハッ…!」タタタタタタ・・・ 
  
  
 メロスは走った。 
  
 高台に上ったメロスは、フッと後ろを振り返った。 
 生まれ育ったウスザーン村の家々の屋根がよく見えた。 
  
  
 爽(さらば、わがふるさと・・・ そして、愛すべき人たちよ・・・!) 
  
  
 後ろ髪引かれる思いを振り切るように、メロスは、森の中へと消えていった。 
  
  
  
 (続く) 
  
  
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