モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part13
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272: ◆EBFgUqOyPQ[saga sage]
2016/10/18(火) 01:56:00.45 ID:nZ3oq+wSo

『……くすくす、かわいそうななお』

『……クスクス、かわいい奈緒』

 だが周囲を見渡したあたしは、その風景の中で既視感ではない異物を見つけた。

『ごきげんよう。ご主人様』

『ごきげんよー、ごしゅじん様』

 コーヒーカップの中に座る二つの影。
 影というのは文字通り『影』であり、その姿は不明瞭、黒塗りの人型である。
 その声色は少年のものと少女のものの二つ。影も黒塗りのために判別がつかないので、どちらが少年でどちらが少女なのかあたしには判別がつかない。

『今日は楽しかった?ご主人様』

『りいなやなつき、きらりもみんな優しくて、ごしゅじん様は今日もご機嫌だったねー』

「お、お前ら……いったい?」

 突如として現れた二つの影に、思わずあたしは一歩退く。
 その明らかに人間ではない『何か』は、さも当然のようにあたしに話しかけてくる。
 あたしはこんな二人のことは知らないし、知り合いでもない。
 だけどそれはとてもなじみ深くて、そして直視できなくて、頭の中は混乱していく。

『心外ですわ。ご主人様。私たちはいつも一緒ではありませんか』

「だ、誰がご主人様だ!あたしは、あんたらを見たことはないぞ!」

『うん、そうだね。確かにごしゅじん様は僕らを見たことがない』



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