モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part13
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◆EBFgUqOyPQ
[saga sage]
2016/10/18(火) 01:57:21.66 ID:nZ3oq+wSo
脳の裏をかきむしられるようなノイズは、痛みは感じないが不快感だけを募らせる。
そんな不快感にあたしは膝をついて頭を抱えるようにうずくまる。
その状態でも影の声は依然響く。
彼ら自身その言葉に意味はないと断言しておきながら、それでもあたしに言葉を投げかけ続けていた。
『ご主人様が楽しかったり、嬉しかったりするのは私たちにとっても不本意ではないわ』
『だけど覚えておいてねごしゅじん様。きっとこの言葉は目が覚めた時には忘れてしまうだろうけど、僕らは何度も言うよ』
あたしは脳の不快感に耐えながら、頭を上げる。
そうしなければいけないようなこみ上げる使命感は、砂嵐の走る視界を強引に見開かせる。
あたしの前に立つ二つの影。その小さな影は、小さくうずくまるあたしを表情のない顔で見下ろす。
『奈緒、決してあなたは幸せになれない』
『なお、決してあなただけを幸せにはしない』
『抜け駆けは許さない』
『一人だけ、抜け出すなんてそんなのずるい』
『私たちは一蓮托生』
『僕らは一心同体』
『私たちはあれだけ苦しんだ。切り開かれ、植えつけられ、弄ばれた』
『僕らの苦しみはまだ終わってないから、なおだけ幸せになんてさせない』
『もっと苦しみましょう。私たちと一緒に』
『まだまだ苦しもう。まだ終わらない僕らの苦しみと一緒に』
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