モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part13
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501: ◆lhyaSqoHV6[sagasage]
2018/11/08(木) 06:12:31.01 ID:LkNOvbtJ0

むつみはクォーツの案内に従い、人目を避けて港湾区の建物の間を抜けて進んでいく。
すると、ある扉に突き当たった。
扉が据え付けられている建物はコンクリート製で、窓などは見られない。

むつみ「港湾区第三区画東46番共同溝……ここですか?」

クォーツ『うむ、中に入るぞ』

外見より重たく感じられる金属扉を開けると、何が出てくるのかと身構えていたむつみの想像に反し、ごく普通の通路につながっていた。
壁面には様々な太さのケーブルや配管が通っている。

むつみ「……入り口には共同溝って書いてありましたけど、ここって、つまり共同溝そのもの……ですよね?」

クォーツ『うむ、ここはまだ目的地ではないぞ』

むつみ「あ、そうだったんですか」



その後もクォーツの案内で、アリの巣のように入り組んだ人気のない都市設備メンテナンス用通路を進んでいく。

クォーツ『そこの扉を通るぞ』

むつみ「はい」

通路に入り何度目かの扉を開けると、そこは遥か下方まで折り返し階段が続く階段室になっていた。
無機質なコンクリート打ち放し壁には、これまた無機質な直管蛍光灯が据え付けられている。
踊り場部分には、商業施設等によくある階数案内は無い。

むつみ「……底が深いですね」

クォーツ『ここを降りるのだ』


階数にすると数十階分だろうか。
相当な長さの下り階段を降りていくと、最終的にまたも金属扉に突き当たった。
やたらに長い階段を下った先にあるという点を除いて、一見して変哲は見られない。


むつみ「やっと一番下まで来られましたね……」

クォーツ『うむ……ここから先が"敵"の支配下だ』

クォーツ『心して進めよ』

むつみ「え? 今までは?」

クォーツ『今まではあくまでネオトーキョーの公共区画に過ぎなかったからな』

クォーツ『もちろん、一般人が立ち入る場所では無かったが──』

クォーツ『ここから先が真の「関係者以外立ち入り禁止」区域だ』

むつみ「分かりました……いよいよ、ですね」


むつみは恐る恐る扉を開け、先の通路を伺う。
今までと同じように、用途の分からない配管がいくつも壁に伝って伸びているが、通路の照明は常夜灯めいた薄暗いオレンジがかったものに変わっている。
また、公共施設において法令で設置が義務付けられている非常口案内表示や消火器等が見当たらない。


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