【スペース・コブラ】古い王の地、ロードラン
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16:名無しNIPPER[saga]
2016/09/15(木) 18:53:45.49 ID:KpK00xl90

ヘルカイト「ギャアアアアアアアアアアアアア!!」

コブラ「カーッ!キンキンわめくんじゃねえや!口うるさいと女にモテないよぉ!」

犬が纏わりついてくる虫を振り払うように、竜は身体を捻ったり、声を張り上げるなどをして抵抗する。
コブラは右手で耳を塞いで苦い顔をしつつ、しかし両足でしっかりと鱗にしがみついており、左手のリストバンドはワイヤーを巻き戻していた。

バサァッ! バサァッ!

翼が起こす風は民家の瓦を吹き飛ばし、朽ちたドアや窓を割る。
しかし、足場を激しく揺すられる以外に、コブラにはなんの被害も無い。

コブラ「それーっ!」 ピシィ!

ヘルカイト「ギャウッ!」

それゆえに、再び放つワイヤーフックで竜の弱みを握る事も、容易かった。




ズ ズ ー ン …





コブラ「レディ、ゲームセットだ」



レディはコブラの合図を聞き、屋根の裏から身を乗り出す。

レディ「やったのね、コブラ!」

コブラ「ああ。」




コブラの放ったフックは竜の首に巻きつき、下顎の裏にある弱点に引っかかっている。
その部分を強く引っ張られているため、竜は火を吹く事も出来ず、痛みに身を丸めるばかり。

ヘルカイト「………」

コブラ「まさかと思ってやってみたが、こんなに大人しくなるとは思わなかったぜ」ギュウ…

ヘルカイト「!!」フルフル…

レディ「凄いわね……貴方、魔法は苦手じゃなかったかしら?」

コブラ「魔法だなんてとんでもない。オレは虫歯に爪楊枝を突っ込んだだけさ」

コブラ「竜には必ず弱点がある。酒だの美女だの宝石だのなんかより、よっぽど即効性があって確実な物だ」


コブラ「逆鱗だよ」


レディ「逆鱗…」

コブラ「地球の文明に古代から伝わってる伝説によれば、ドラゴンってのは逆鱗に触れられるだけで顔を真っ赤にして襲いかかってくるんだ。そこを刺して引っ張ってやれば、さぞかし堪えるだろう」

コブラ「まあ虫歯にしちゃあ、ちょっと度が過ぎてるが。へへ…」

レディ「でも、何故この竜に逆鱗があるなんて分かったの?」

コブラ「コイツの下を潜る時に、バッチリと」



コブラ「さてと、今度の飛行機の乗り心地はどうかな?」

レディ「チケットが無いのだけれどいいかしら?」

コブラ「構いませんよ、お姫様」



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