221:名無しNIPPER
2017/01/17(火) 21:33:18.55 ID:TySI6MQy0
  
  
  
 コブラが恐るべき真実の一端を掴んだ頃… 
  
  
  
  
  
 騎士「うーむ…」 
  
  
 鍛冶屋アンドレイが仕事場としている小教会の、裏口から伸びる石橋。 
 その石橋の先にある、重々しい城門に閉ざされた要塞の正面で、丸い騎士が唸っていた。 
 だが腕組みをしてあぐらをかいている騎士は、決して太っている訳ではない。 
 彼の着るフルプレートアーマーこそが、他と比べて明らかに特異であり、丸いのである。 
  
  
 ビアトリス「おい、そこの」 
  
 騎士「ん?お、おお!」 
  
  
 その丸い騎士に背後から声を掛けたのは、月光の蝶を倒し、あらかた森を探索し終わったビアトリスだった。 
 もっとも、森の最奥へと至る『鍵』を、彼女は得てはいなかったが。 
  
  
 騎士「貴公もこの門に難儀しているのか?」 
  
 ビアトリス「別にこの先には用はないが……貴公はなんなんだ?タマネギ?」 
  
 タマネギ「たっ……ちっがーう!このカタリナの騎士に向かって、しかも初対面というのになんたる無礼な!」 
  
 ビアトリス「す、すまない。悪気はなかったんだ。カタリナの騎士とやらには疎くてね。許してくれ」 
  
 カタリナの騎士「ふふん、分かればいいのだ」 
  
 ビアトリス「ところで、貴公はなぜこの門の前で唸っている?この先に不死の使命に関わる地があるのか?」 
  
 カタリナの騎士「私は不死の使命に興味は無い。だが不死になったからには、命ある限り見聞を深めようとは思っていてな。こうして旅に出ているのだ」 
  
 カタリナの騎士「戦っても死なないとあれば、冒険者冥利に尽きるだろう?ガハハハ!」 
  
  
 ビアトリス(酷い酔狂だな。使命も志も無く、ただの趣味に命を賭けるとは……) 
  
  
 カタリナの騎士「まぁ、その冒険も、この門が開かなければ終わってしまうかもなぁ」 
  
 ビアトリス「それならそれでいいんじゃないか?さして目指す物も無いのだろう?」 
  
 カタリナの騎士「うーん……でもなぁ…気になるし…」 
  
  
 ガコン! 
  
  
 ビアトリス「あっ」 
  
 カタリナの騎士「おっ!」 
  
  
  
 ゴゴゴゴゴゴ…ゴリゴリ… 
  
  
  
  
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