504:名無しNIPPER[saga]
2018/10/25(木) 05:29:20.43 ID:movsWp0q0
 ガキイィーッ!ガシィーン! 
  
  
 金属同士を激しくぶつけ合う音を聞きながら、しかしコブラの意識は混濁していた。 
 ジークマイヤーの特大剣は金山の大鎚に防がれていたが、カタリナの騎士は一歩も引かずに剣勢を張っている。 
 レディとビアトリスは正面戦闘を展開するジークマイヤーを援護する形で、金山を囲みつつ一撃離脱を徹底している。 
 現状、神を相手に勝ちは難しいが、少なくとも負けることは無い戦いを、不死達とコブラの相棒は演じていた。 
  
 バヒュン!! 
  
 コブラ「!」サッ 
  
 首元を狙った鋭い一振りを、コブラは腰を落とすことによって紙一重で回避した。 
 金色の髪の毛が数本、コブラの頭上を舞う。 
  
 バオッ!! 
  
 コブラ「うおおっ!」ガギィーーッ!! 
  
 その落とした腰を上げる暇もなく襲い来た縦振りを、コブラは今度は特大剣で受けた。 
 しかし衝撃によって脇腹の傷が更に開き、出血までも始まった。 
  
 コブラ「た、タンマ…!」ギリギリギリ… 
  
 相手が仮面の騎士のような、人の延長にある者ならば、あるいは受け流しや押し返しによる脱出も叶う。 
 しかし相手は人ならぬ者であり、負傷は容赦なくコブラから体力を奪っていく。 
 脱出は不可能だった。 
  
  
 ドドン!!  バリバリバリバリ!! 
  
  
 右手の槍でコブラを制しつつ、金獅子は左手に雷を起こした。 
 雷は轟音を鳴り響かせながら、徐々に纏まり、一振りの槍、もしくは杭の形を成していく。 
  
  
 コブラ「!」 
  
  
 その雷を金獅子が振り上げた瞬間、コブラの頭に閃きが走った。 
 金獅子の騎士の十字槍を防いでいるのは、黒騎士の大剣。 
 その黒騎士の大剣をささえているのは、コブラ自身の両手である。 
  
  
 シュドーーッ!! 
  
  
 オーンスタイン「!」 
  
  
 コブラは義手をつけたまま、サイコガンを発射した。 
 黒騎士の大剣をしっかりと握りこんだ義手は、サイコエネルギーの奔流に乗って打ち上がり、金獅子を打ち上げる。 
  
 ドガッ! 
  
 予期しようのない急加速によって、金獅子は天井に叩きつけられ、弾きあげられた十字槍はあらぬ方向を切った。 
 しかし金獅子の左手には雷の槍が握られており、輝きも失せてはいない。 
  
  
 コブラ「コイツは駄目押しだーっ!!」グワオーーッ!!! 
  
  
 落下を始めた金獅子に、コブラはサイコガンを撃ち… 
  
  
 バヒュウウン!!! 
  
  
 金獅子も、コブラ目掛けて大雷を投げ込んだ。 
  
  
 ドドドオオオォン!!! 
  
  
 ジークマイヤー「うおっ!?なんだ!?」 
  
 スモウ「!」 
  
  
 敵を砕くべく放たれたサイコエネルギーと雷は、空中で激突し、巨大な爆発を巻き起こした。 
 爆発によって生じた閃光は一瞬、太陽の如く輝き、大広間からあらゆる影を取り去った。 
 凄まじい爆風によって金獅子は再び舞い上がり、天井に脚をつき、コブラは怯んで、うつ伏せに石床へと倒れる。 
 コブラに生じたその隙を、逃さない金獅子では無かった。 
  
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