586:名無しNIPPER[saga]
2019/02/03(日) 23:23:13.15 ID:JzhD+8380
  
 コブラ「クリスタルボーイ…いったいお前は何を企んでいる。空が晴れはじめているのも、お前のせいだったりするのか?」 
  
  
 グウィンドリン「この輝きは、暗黒神の力によるものではない。偉大なるソウルは最初の火に照らされ、現れたとされている。空に登る太陽も、最初の火により生まれたと」 
  
 グウィンドリン「だが、この輝きが生じるように画策したのは、他でもない暗黒神だ」 
  
  
 コブラ「画策したにしては、その策とやらを実現できそうな装置が無いぜ。暗黒マジカルパワーを使わずにこんなマネができるとも思えない」 
  
  
 グウィンドリン「その答えは、これから聞けるだろう」 
  
  
  
 コブラとグウィンドリンが会話を終わらせる頃、黒い外套の男の高笑いと吹き笑いも、沈静していた。 
 外套の男は黒いフードを取り去り、仮初めの顔を陽光に晒す。 
 天を仰ぎ、まるで敵を挑発するかのように。 
  
  
  
  
 法官「どうだ、この俺が見えるか。見えていて手が出せないのか?それともこの光は本能だ、とでも言い訳をするか?」 
  
  
 法官「お前の力は、生命あるところ全てに行き渡る。悪が生命に巣食うように、お前もまた生命に巣食うのだろう?」 
  
  
 法官「だが、お前も忘れている訳ではあるまい。光あるところには必ず闇が生まれる。そして闇は光に近づくほどに、より濃く、より大きく成長するのだ」 
  
  
 法官「俺は無の世界に追放されたが、そこで生命を作った。老いては傷つき、生まれては死ぬを繰り返す、完全な生命を」 
  
  
 法官「その生命にお前の光が満ちる時、この無の世界は命と光に溢れ、そして闇を孕むだろう」 
  
  
 法官「この世の全てを飲み尽くし、貴様をも滅ぼす、深き暗黒をな」 
  
  
  
  
 明確な挑戦の意を向けられた輝きは、揺らぐことも無く法官を照らし続ける。 
 その揺らがぬ温もりを嫌うように、法官は再びフードを被り、光から背を向け、歩き出した。 
  
  
  
  
 グウィンドリン「コブラよ。これが現れし答えだ」 
  
  
 コブラ「……らしいな。まったく、なんともスケールのデカい話さ」 
  
  
 グウィンドリン「最初に火が起こり、それによってあらゆる差異が生まれたわけではない」 
  
 グウィンドリン「最初に未完の命が起こり、それが完全なる命となった時……暗黒神を貶めた何者かの力により、あらゆる差異がもたらされたのだ」 
  
 グウィンドリン「コブラ…我はこの世の多くを図らずも知る身となったが、暗黒神を貶めた者が何者であるのかは知らぬ」 
  
 グウィンドリン「あれほどの闇を無へと落とした神とは、何者なのだ?」 
  
  
 コブラ「アフラ=マズダさ。俺の元いた宇宙では光明神と名乗ってる。彼女が言うには、自分は善と光の神様で、命あるもの全ての守護者なんだと」 
  
  
 グウィンドリン「善と光の女神…アフラ=マズダ、か……」 
  
  
 コブラ「その命の守護者たるお方が、なんとも情けないぜ。まんまとライバルにハメられたあげく、その尻拭いをまた俺にさせるっていうんだからな」 
  
  
 グウィンドリン「またとは……前にも一度、覚えがあるのか?」 
  
  
 コブラ「ああ、バッチリ覚えてるぜ。その時もハズレくじ一枚よこさなかった 
  
776Res/935.37 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 
書[5]
板[3] 1-[1] l20