【スペース・コブラ】古い王の地、ロードラン
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753:名無しNIPPER[saga]
2021/12/26(日) 04:01:35.87 ID:L7UzDnfM0
ピッ


コブラが座席に備えられたキーパッドを指で叩くと、小気味のいい電子音とともにコンソールの引き出しが開かれ、中から葉巻でいっぱいのシガーボックスとジッポライターが顔を出す。
コブラはそこから葉巻を一本取ると、シガーカッターで先を切り、ジッポで火をつけるとそれを吸った。


コブラ「………」


久しぶりの葉巻は沁みた。
だが、その沁みは心地の良い感覚ではなかった。
虚しさや哀しみを酒や葉巻で紛らわせたことはある。
しかし、絶望的な敗北を喫した時には、いつも別の何かが必要だった。
葉巻や酒ではない別の何かが。

その別の何かとは、己の内に潜む精神の爆発。
迸る精神力は常に絶望を討ち払ってきた。

しかし、今回ばかりは己の精神力さえも打ち砕かれてしまった。
万策は尽き、サイコエネルギーはもはや敵を強める餌にすぎない。
ゆえにコブラは葉巻を吸った。のどかで雄大な、呆れるほど美しい空を眺めながら。



コブラ「…今度ばかりはボウイ、お前の勝ちかもな」



コブラの黄昏た目には、万物を喰らう人間の倒し方は浮かんでいない。
傷ついた戦士達を乗せて、タートル号は黄金色に照らされた雲の上を、あてもなく漂っていた。





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