季節走り 心はいつまでも (モバマス)(輿水幸子)
1- 20
26: ◆MhRo2YnWE.V/[saga]
2016/09/30(金) 21:48:22.18 ID:pRXmeXlp0
ありがとうございす……
ありがとうございます、です



「ヘンなものは入れていませんよ。その目で確かめてください」

 幸子はそう言って俺をうながすので、包みを開いてみる。
 ピンクと黄色の布に包まれた弁当箱は、意外にもステンレス製の光沢を放つ無骨なもので、可愛さをアピールしてはこなかった。

「もっとかわいい箱かと思ってたな」

「実用性も大切ですから。何よりも大切なのは、中身ですよ」

 それだけ本気ということなのかもしれない。少し期待しながら、箱の留め金を外して開く。

 そこにあったのは、まさしく色と菜の饗宴だった。
 色とりどりの葉とトマト、きゅうりとにんじんが入ったポテトサラダ、数種類の海草のサラダ。
 白と赤の二種類のソースがかかったハンバーグ、一口サイズに切られた揚げ物が3種類、オムレツも中の具が違うものが3種類。
 そして俵型のごはんたち。これも白、茶、黄色と色が三種類……。

「……すごいな、これは」

 これだけの数の料理を全部手作りしたのか? ひとつひとつは小さいけれど、材料を揃えて違った調理をする手間を考えると……。
 出来合いのものを使っているわけじゃないのに、この数はすさまじいと言ってもいい気がする。
 しかも、ただ雑然とたくさんの料理を詰めているわけでもない。
 非常に見栄えよく配置されている。仕切りを使っていない部分も、隣り合う料理同士が干渉して、味に影響を与えすぎない配慮もしている、とみた。
 なるほど。リベンジというのは、本気なのかもしれない。

 驚いた俺の様子を見て、幸子は満足げにふふふ、と含み笑いをもらす。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
59Res/43.78 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice