141:名無しNIPPER[saga]
2016/12/06(火) 00:31:03.25 ID:uyYIQu6tO
生を喜んでいる者などいなかった。
束の間の喜びすら、津波のように押し寄せる灰色の化け物が呑み込んだ。
逃れようのない現実、目の前で起きた現実が、目を逸らすことを許さない。
あの不気味な声の言った通り、滅びがやって来たのだ。人々は、それを身を以て理解した。
理解したのではなく、理解させられた。
痛烈に意識させられ、これでもかとばかりに思い知らされた。
ーー死。生命の終わり。
此処に居る全ての者が、死を見た。
本来無形であるそれが、明確な意志を持って行動し、自分達を滅ぼそうとするさまを。
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